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108回国会参議院1987/05/26

農林水産委員会 第6号

発言数
390
登壇者
22
会派数
7
開催日
1987/05/26

会議録

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る二十三日、坂元親男君、宮崎秀樹君及び守住有信君が委員を辞任され、その補欠として初村滝一郎君、熊谷太三郎君及び川原新次郎君が選任されました。  また、昨二十五日、諫山博君が委員を辞任され、その補欠として宮本顕治君が選任されました。     ―――――――――――――

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案及び森林法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括議題といたします。  両案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入りますが、質疑に先立ち、加藤農林水産大臣より発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤農林水産大臣。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先日の当委員会における村沢牧委員の御質問の際、国内の総合的な食糧自給力の維持強化や米の自給方針の堅持に関し御議論のあった件について、農林水産省としては、国会決議の趣旨を十分踏まえて対処する方針に変わりはありません。  所信表明で私が申し上げました「国内の供給力の確保」云々という言葉は、昨年十一月の農政審報告を踏まえたものであり、従来の食糧自給力の維持強化という趣旨を変更するものではなく、昨今の農業・農政に対する内外の諸要請等にかんがみ、生産性の向上により、国民の納得し得る価格で農産物を供給していくことが重要であるという意味をあわせ込めたものであります。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) それでは、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 森林法の一部改正についてでありますが、森林法中、共有林の分割請求の制限に関する規定が最高裁において違憲無効の判決が行われたので、この規定を削除するための改正でありますが、このように最高裁の違憲判決で法改正をした例は今までにどのくらいありましたか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 従来、最高裁から違憲判決が出ました案件は、三つの法律につきまして四件の事例がございます。このうち、改正いたしましたのは、一番最初に違憲判決が昭和四十八年にございました尊属殺人に関する判決、これにつきましては法律を改正しませんで、実行上、その後尊属殺人で起訴はしないということにしております。それから、二番目に違憲判決が出ました昭和五十年の薬事法の薬局の距離制限に関する憲法違反問題でございますけれども、これにつきましては、その後速やかに法律是正措置をとっております。それから、三つ目の法律は公職選挙法関係でございますけれども、これも、いずれも定数配分につきまして二つの憲法違反判決が出ておりますけれども、これにつきましてもそれぞれ是正措置がとられたところでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 最高裁から違憲判決された法律は、今説明あったように極めて少ない。したがって、農水省はよくこれを反省しなければならないというふうに思うんです。  そこで、この法律の提出者は、従来は内閣であったのか、それとも議員であったのか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 過去違憲判決に基づき是正いたしました薬事法と公職選挙法、これはいずれも議員立法の形式で法律改正が行われております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 従来はすべて議員立法でもって法律改正が行われた、今回は初めて内閣提出にした、その理由は何ですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 過去是正措置がとられました二つの法律は、その発生の歴史といたしましていずれも議員立法で作成された法律でございます。当森林法も形式的には議員立法の形式をとって制定されてはございますけれども、その当時いわゆる政府依頼立法という形式がございまして、政府の責任において立法審査等をすべて完了いたしましてそれで提案を関係議員に依頼するというような形式がとられたわけでございます。したがいまして、条文等にかかわる実務的あるいは発想的な最終責任というものは政府にあるものと理解しておりますし、それから、その後、現に再三森林法の制定以降森林法の改正が行われたわけでございますけれども、これにつきましてもいずれも政府提案ということで行ってきたという経緯がございますので、今回内閣提出の法律改正案として御審議をいただいている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 国有林野事業改善特別措置法について、以下質問します。  今回提案された法改正の中身は国有林会計に対して一般会計から財政支出をしようとするものである、そのこと自体に私は異議を唱えるものではありません。この改正案を提出した背景には次のようなことがあると思います。昭和六十一年度政府予算案審議の際、社公民三野党は数項目の組み替え動議を提出しましたが、その中の一項目に林業資金対策の充実が入っていた。これは日本社会党の要求として出したものであります。この要求は我が党の粘り強い折衝によって与野党書記長・幹事長会議の合意事項となり、昨年末自民党の竹下幹事長から五項目にわたる回答が野党に示され、それに基づいて政府は一般会計から国有林野会計に新たな支出をすることになった、このような経過、一般会計から国有林野事業勘定への繰り入れに至った背景については私が今申し上げたことをお認めになりますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ただいまの改正案の背景なり経緯といたしましては、ただいま先生から御指摘のあった事実関係があったことは当然でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 このように与野党書記長・幹事長会議にまで持ち込まれ、国会論議でも何回も問題にされた国有林事業の財政強化でありますが、その結果としては、すなわち今回の改正案の中身は小さ過ぎる、我々の要求とは大きくかけ離れたものであります。自民党幹事長の回答も金額については示しておらなかった。  大臣、せっかくこのような機運が盛り上がり、有力な背景があったのでありますから、農林水産大臣はもっと頑張るべきではなかったかというふうに思いますが、どうですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 昨年春の与野党幹事長合意の問題、実は、その問題を昨年私は臨時国会で参議院の予算委員会において逆に私の方から提起しました。それで与野党幹事長会談における林野関係の問題が再開されたという経緯があるわけでございます。その点は冒頭ここではっきり申し上げておきます。そしてその与野党幹事長・書記長会談合意並びに竹下幹事長からのああいう案を野党の書記長の皆さん方も評価していただきました。そこで、それらを背景にしまして昭和六十二年度予算における林野庁関係予算に真剣に取り組んだ結果、今回の予算の中身になったわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 その中身になったことはわかりますけれども、せっかくこのような背景があった、だからもっと充実強化のために予算を獲得すべきであった。私は、野党といえども国有林を初め農林水産予算の獲得にはいろいろなきっかけをつくって予算をふやそう、そういう行動を行ってまいりましたし、今後も行っていこうと思いますから、大臣はこういう背景があったんだからもう少しやっぱり中身を充実すべきだというふうに思うんですが、その点はどうなんですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) ただいま申し上げました経過がございますが、いま一つは、シーリング制度という一つの枠がございます。農水省としては、全体の枠、公共、非公共その他を含んでの枠がありまして、そういう中でのある面では苦しいやりくりでございましたということも御理解いただきたいと思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 国有林会計に対して一般会計からさらに充実を図らなければならないことは後ほど申し上げてまいりましょう。  そこで、今地球的な規模で林業の破壊が進んでおるわけでありますが、我が国も、林業を取り巻く情勢は大変厳しいものがあって、構造的ないろいろなまた不況の原因もあるわけです。こうしたことが重なって、森林所有者は林業に対する魅力を失って、林業の生産活動が低下をし、木材産業やあるいは林業労働者も苦境に立たされておる。このような構造的ないろいろな要因を除去しなければ林業の振興はあり得ないと思う。二十一世紀は国産化時代をという演説をしてみても、絵にかいたもちに終わってしまう。また、国有林も自助努力で改善することは必要であるけれども、しかしなかなか国有林を取り巻く非常な難しい問題もある。したがって、林業を危機に陥れている構造的問題をどういうふうに認識しておるのか。また、森林資源の維持培養、公益的機能を初めとする環境整備などを図るために、一般林政の充実強化にはどのように取り組んでいるのか伺いたい。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) ただいま委員御指摘のように、我が国の林業をめぐる情勢は大変厳しいものがございます。中身は、木材需要の停滞あるいは円高等による材価の下落あるいは海外からの木材の輸出圧力の高まりあるいは林業諸経費の増高、山村の過疎化等いろいろな要因を含めた極めて厳しいものでございます。こういう中で、林業の一層の体質強化、活性化を図ることとしまして昨年十一月に林政審の報告がなされたところでございます。  農林水産省といたしましては、そういった事情を踏まえまして、木材需要の拡大、造林、林道等生産基盤の整備、国産材産地の形成と担い手の育成確保、木材産業の体質強化と木材流通の改善、山村振興と森林の総合的利用の促進等々の各般の施策を推進いたしますとともに、御存じのように、目下、「森林・林業、木材産業活力回復五カ年計画」を実施しておるところでございます。  そういう問題全体をひっくるめまして、今後とも金融、税制を含めました総合的な林業振興施策を推進してまいりたいと考えておるところでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 このように林業を取り巻く情勢がだんだん厳しくなってきたとき、昭和六十年、林業の活性化対策が国会でも大きな論議となり、当委員会は「森林・林業・林産業の活力増進に関する決議」を可決をしたところであります。こうしたことを受けて政府は「森林・林業、木材産業活力回復五カ年計画」を策定した。当時の佐藤農林水産大臣は、林業の川上から川下に至る活性化ができるようにするために政府は思い切った資金を投ずるという国会答弁をしていたのでありますが、最終的に出されてきたものは、五カ年間で国費五百億、融資一千億というわずかなものであった。政府の約束や国民の期待とはかけ離れたものであった。林業の活性化を図るには余りにも少ない計画ではないかという私たちの追及に対して、当時の林野庁長官は、この計画で関税の引き下げや林業の活性化に十分耐え得る体質の改善が行い得るものと考えておりますという答弁もしておるのであります。  この五カ年計画の進捗状況と、このことによって林業の体質改善がどのようにできたのか、また今後どのように行っていこうとするのか、まず伺いたい。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 国会での御熱心な御客議を受けまして林業活性化五カ年計画が六十年に策定されまして年度途中からスタートしたわけでございまして、今年度は形式的には三年目、それからある意味では実質二年目という形になっているわけでございますけれども、今年度の予算を見てみますと、国費ベースで百三十億六千百万円ということでございまして、これは前年が八十億強でございましたので前年に比べまして一六三%ということで、こういうシーリング、しかも非公共事業につきましてはマイナスシーリングという中では異例の増額をとれたというふうに思っているわけでございます。  それで五カ年間全体の進捗状況でございますけれども、こういう三年目で、融資につきましては御承知のとおり全体一千億予定しているわけでございますけれども八二%の進捗率を見ておりますし、それから国費につきましても五一%の進捗率を見ているということで、総合いたしまして七一%というような進捗に相なっているわけでございます。  この事業によりまして、間伐の促進等森林の整備でございますとかモデル木造施設の建設、それから木材産業の事業転換、それからさらには過剰設備の合理化というものが着実に現在進められてきているわけでございますけれども、これに基づきます林業なり木材産業の体質強化というものの具体的進捗度数なりというものにつきましては、現在まだ五カ年のちょうど途中をまさに迎えようとしている時期でございまして具体的な数値としてお示しできる段階にはございませんけれども、間伐の実施面積もこれによりましてふえてまいっておりますし、それからモデル木造住宅も既に九カ所完成いたしましてそれぞれの地域での木造建設物の拠点的活動というものを始めておりますし、それから関連企業の統廃合等につきましてもそれぞれの企業の実態なり地域の実情に応じた再編整備というものが進捗しておりますので、既定方針に従いまして何とかこの五カ年計画を着実に実行いたしまして所期の目的を達成するようさらに努力してまいりたいと思っておるわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 五カ年計画で実施をしようとする内容が幾つかあるわけでありますが、その中で特に間伐問題について伺ってみたいが、今間伐を必要とする株分はどのくらいありますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 間伐を必要とします株分につきましては五十九年の三月に調査しておりますが、これによりますと、緊急に間伐を必要とする面積として約百九十万ヘクタールというものを把握しております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 五十九年に百九十万ヘクタールあると。  さらにこれを国有林と民有林に分けてもらいたいし、この五カ年計画を実施したことによってどのくらい解消していますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 百九十万ヘクタールを仮に五年間で消化するといたしますれば、一年間約三十八万ヘクタールほどの間伐が必要になってくるわけでございます。従来は、その五カ年計画が発足いたしますまでは年間二十三、四万ヘクタール台というような間伐面積でございましたけれども、例えば、五カ年計画が本格化いたしました六十年には二十六万三千ヘクタールということでかなり実施面積が増加してきているわけでございます。  それから一方、国有林につきましては、昭和六十年度での要間伐面積というものは全体で四万一千ヘクタールというふうに推計されてございますけれども、このうち実際に間伐を実施しました面積が三万四千ヘクタールということに相なっておりますので全体の約八割程度というものを消化しておりまして、残念ながら満額の消化率には至っておりませんけれども、間伐の必要性、重要性ということにかんがみまして、六十二年度からもいろいろと新しい事業というものも仕組んでおりますので、さらにその促進方に全力を挙げてまいりたいと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 百九十万ヘクタールを五カ年間でやるとすれば、一年間三十八万ヘクタールですかやらなきゃいけない、それはわかるんですけれども、今までこの計画をやったことによってどれだけ解消したのかということなんです。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 年所要面積三十八万ヘクタールに対しまして、ここのところ五年間ほど平均いたしますと大体二十五万強というような形になっておりますので、実施率という点では約七割ということで、これに相当するものが解消してきたというふうに御理解いただいて結構でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 対策を行っても今までの実績は約七割しか実行されておらないと。我が党は、こうした五カ年計画を提起をする際、私たちは五カ年計画と言わなかったんですけれども、百九十万ヘクタール間伐必要林分があるとするならば三年間で緊急間伐をやったらどうか、こう強く求めてきた。そうすればこれに要する雇用もかなり拡大をしてくる。こうしたことは山村を潤し、しかもまだ山をよくし、内需拡大にもつながるものである。  そこで大臣、要求しますけれども、今、政府は五兆円の内需拡大の補正予算を組もうとしている。今お聞きのとおり、間伐は非常に大切なことである。五カ年計画を立てたけれどもなかなか計画どおりにいかない。したがって、こういう内需拡大の対策の中へこういうものも盛り込むべきだと思いますが、どうですか。非常にいいですよ、これは。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) けさも経済対策閣僚会議が朝七時五十分から九時ごろまで行われました。その席でいろいろ議論があったわけでございますが、私は地方の活性化という問題を内需拡大の一つの目玉にすべしということで強く主張しておきました。また、今後関係省庁間でその中身は詰めてもらうわけでございますけれども、地方活性化その他というのをはっきりやらぬ限り私は補正予算の中身を認めるわけにはいかない、絶対反対するという決意表明もけさの関係閣僚会議ではっきり言っておきました。  今回審議していただいておる法案も農山村の活性化という問題が一つの大きな中身になっておると思います。その中の一つとしてこれは大きく出てくるんではないかと考えておるところでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣の決意の披瀝があったんですが、そのことは評価をいたしたいというふうに思うんです。  そこで、五兆円なりの大型内需拡大対策補正予算をつくるという場合、これはおしなべて公共事業だけということでなくて、各省庁それぞれ特色を出してもいいと思うんです。したがって、今私が申し上げたような間伐なんということはぜひやらなければならないし、そのことが地域の雇用対策にもなるし、活性化にもつながってくるわけですから、ぜひこれは農林水産省の一つの方針としてその中へ織り込んでもらいたい。重ねて要求しますが、どうですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) まだ、今日ただいまの時点においては、具体的中身に入るというよりかは入り口論が一番多かったわけでございますが、したがって補正予算の性格として私は先ほど申し上げました点を主張いたしたわけでございまして、今後具体的にその中身を詰めていく場合において考慮していきたい、こう思っております。  なお、五兆円以上ということを私は主張しておるんでありまして、五兆円ではないこともちょっとこの席で申させていただきます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 その決意はお聞きしておきましょう。ぜひ五兆円以上やってください。それからまた、私が申し上げたことを十分念頭に置いてこれから取り組んでもらいたいことを強く要請しておきます。  そこで、国有林の活性化なんですけれども、森林面積の三分の一を占める国有林の活性化事業は極めて重要だ、こういうふうに私先ほど申しました昭和六十年度の当委員会において申し上げたことに対して佐藤農水大臣は、当初は、国有林も当然この総合対策の中に入っておりますと、こういう答弁を繰り返してきたわけでありますが、その後、どういうことか知りませんけれども、後日の委員会でその文言を撤回してしまった。しかし、林野庁の出してきた五カ年計画の最初の文書には、国有林野の整備については引き続き検討するという付記がある。しかし、これも最後に正式に発表したときには消えてしまった。これらの経過から見まして、政府は国有林の活性化についてはいかに熱意がないかがわかるわけなんです。民有林の活性化に合わして国有林の活性化にどのように取り組んできたのですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 当時、佐藤農林水産大臣からそういう答弁の経緯があったことも十分承知しておりますし、林野庁といたしましても、林業全体の活性化、それに加えるに、特に国有林の現在抱えている問題もこの際解決すべきであるということで、いろんな手法なり対策につきまして当時も検討したわけでございますけれども、ああいう緊急五カ年計画ということで、しかも年度途中に補正なり予備費、こういうもので手当てするということの性格からいいまして、国有林の場合には、どうしても現に立てられておる経営改善計画というものをどう見ていくか、どう直していくか、そういうような基本論なりそもそも論というものも一度真剣に見直してみなければ将来方向を画するような対策というものはなかなかできないということで、ああいう補正、予備費というようなものを後ろ盾にして緊急に対応する対策には必ずしもなじまないということで、五カ年計画そのものに計上することは断念したわけでございますけれども、ああいう五カ年計画というもので林業全体が活性化していくということは、当然林業なり木材産業関係の大宗を占めております国有林にも好影響、波及効果というものがあるということを念じてスタートしたわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 国有林の活性化対策は経営改善計画の中でやれという、これは財政当局の圧力だと思う。その圧力に屈して林野庁は、当初は国有林の改善計画については別途行いますという付記も書いてあったけれども、それも消しちゃったですね。したがって、林野庁は最初から国有林の活性化なんということはやる気持ちがなかった。改善計画をやるといっても、財政状況を見れば活性化のために特別するような余裕はない。このことを裏書きするように、六十年末の私の質問に対して佐藤農相は、国有林の活性化については制度、法律を変えて実施するよう検討していると、こういう答弁をしているんです。特別措置法を改正をして新たな改善計画をつくったのは昭和五十九年、その翌年には既にこれを改めなければならないという実態が林野庁にあった。そして大臣のこういう答弁になった。そして今回改正案の提出になったわけですけれども、これらを見ても改善計画がいかにその場限りで場当たり的なものであるかを物語っているんですが、これについて、長官どういうふうに思いますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ちょうど五カ年計画が議論されましたときに関税問題でございますとか国際問題というものもいろいろ急を告げておりまして、そういう中で林業経営全体に暗雲が垂れ込め始めた時期でございまして、それがやはり国有林にも影響してきていたことは事実でございます。  そういう中で、国有林を預かっている者といたしまして、いろいろな事態に対応しまして日々常に問題点の究明なり改善の方策ということについて検討いたしていることは当然でございまして、その当時におきましても経営改善計画を立ててそれに鋭意取り組んでいる最中ではございましたけれども、いろんな世の中の動きなり社会の情勢というものが目まぐるしく変わっている情勢、しかも国際化という波が一つ押し寄せてきていたという環境もございまして、やはり何らかの検討はすべきじゃないかという実感は特に当時の大臣は強く持っていたわけでございまして、そういうものも引き継ぎまして、それから昨年の先ほど御指摘ありました三月の与野党合意なりあるいは十二月の林政審答申、それから竹下幹事長からの与野党の方々への御回答というようなそういう積み上げの経過を踏まえまして今回の改正に至ったという経緯になっているわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 今まで進めてきた改善計画の中、また国有林の事業の中にあえて取り上げて活性化なんということは全然やっておらない。しかも私が指摘をしたことは、昭和五十九年に現行の改善計画はできた、その翌年の六十年には既にこれを改正しなければならない、改正をしようという大臣の発言があった。そのことは単なる大臣の個人的な発言ではないと思う。林野庁のそういう動きがあったからそういう発言になったと思うんです。ですから五十九年に改善計画をつくる、六十年にはもう改正をしようという準備をしていた、こんな場当たり的な改善計画であってはいけないと私は言うんですよ。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 我々といたしましては行政を日々見直しながら将来に備えるということが一つの責務でございますが、当時におきまして、先ほども申し上げましたように改善計画樹立後、国際関係という新しい問題が関税率の引き下げということで具体的に出てきていたという点におきましては、通常の検討以上にピッチを速めざるを得ないというような事態になっていたことは事実かと思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 行政は日々見直していくという今の考え方でいけば、後ほど言いますけれども、また新しい改善計画を立てる、これもとても六十八年、七十年までもちっこない、また日々改めて二年か三年で改正をしてくる、そういうことにつながってくるわけですね。ですから、そんな改善計画ではだめだということをまた後ほど指摘しましょう。  そこで、新しい改善計画をつくるわけでありますが、その中には今申しました国有林の活性化対策はどのように盛り込みますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 国有林の使命につきましては従来から法律に包括的に書かれておりますので、国有林全体が森林資源を持続的に培養して木材を供給していくなりあるいは公益的機能を担っていく、それからさらに地域振興に寄与していくというそういう機能の面におきましては従来からそういう大きな枠というものが決められており、これが現時点におきましても国有林の使命であると心得ております。そういう使命が十二分に発揮できることが国有林の活性化につながっていくわけでございますので、そういう使命が経営面からも十分に発揮できるよう今回の法律改正でいろいろな手当てをしたというふうに心得ておるわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そんな抽象的な答弁じゃだめなんですよ。改善計画については後ほど伺いますが、果たして今あなたたちが立てようとしている改善計画が国有林の使命に徹して活性化ができるような改善計画であるかどうかということは、私はそう思わない。後ほど指摘をいたしましょう。  そこで、林業の危機に対して緊急のこういう活性化五カ年計画をつくった。その中身は、例えば間伐の問題であるとかそれから木材の需要だとか、いろいろ重要な問題が含まれておる。国有林は森林面積の三分の一を占めるんですよ。民有林だけ活性化して国有林は活性化しなくていいんですか。これと同じようなことをなぜ国有林でやらないんですか。同じ改善計画を立てるとしたらやるべきじゃないですか。それはどこに盛り込むのですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 五カ年計画で考えております例えば柱になっております需要拡大、それから木材関連産業の体質強化、これもいずれも民有林で伐採された木材の需要拡大なり関連産業だけじゃございませんで、日本林業、日本森林産業全体の需要拡大なり関連産業の体質強化ということを行っているわけでございますので、五カ年計画の活性化は即ある意味では国有林の活性化につながると見ていいわけでございます。ただ、あの中で具体的事業として出ております例えば間伐につきましては、国みずから国有林としてやっております間伐という別体系がございますし、それから、これも先ほど数字でお話しいたしましたように、民間の方は残念ながら百九十万ヘクタールの要間伐面積に対して年度進捗率で七割程度でございますけれども、    〔委員長退席、理事水谷力君着席〕 国有林の方はおかげさまで現在のところ八割程度ということを現に実行もできておりますので、民有林を念頭におきましての活性化五カ年計画が十分国有林にも寄与するというふうに考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 この活性化五カ年計画の中で国有林に寄与してくるものもあるでしょう。しかし、間伐問題については、党は特別こういう対策を講じておるんですね。  次長にお伺いしましょう。  後ほど改善計画をどういうふうにしていこうということを改めて伺いますが、あなたたちはこれから人工林でなくて天然林をうんとふやしていこうとしているわけですね、新しい改善計画の重要な施業方針として。そういうときに間伐をどうやってやっていくんですか。間伐問題に関して何か考えるということはなくなっちゃうんじゃないですか。活性化はどうするんですか。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) ただいま長官からお話のあったことの基本を踏まえつつ新しい事業領域の展開等も考えているところでございます。このことにつきましては昨年の林政審の報告、また国有林の経営改善に関します答申におきましても、国民の多様なニーズに対応した事業の展開といったようなことが提言されているところでございまして、森林空間の利活用といったような形の中で新しい事業領域を拡大してまいりまして国有林経営の活性化を図りたい、このように考えているところでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣、大臣の所見を伺っておきたいんですが、法律を改正する、新しい改善計画を立てる、その中身は国有林の活性化につながるものでなければならない、それが基本だと思いますが、大臣の見解はどうでしょうか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 国有林、民有林全体を通じての活性化、その中における国有林のウエートということは、先ほど委員御指摘のように三割あるわけでございますから、両方を通じて活性化が必要だと思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 活性化は必要ですけれども、活性化するためには改善計画などにおいても活性化するような要素を盛り込まなければいけない。そのことについて大臣はどういうふうに思いますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 活性化する要素はいろいろあるわけでございますけれども、その中の経営規模の拡大という問題……、御質問の趣旨がちょっとよくわからずに……

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 じゃ、もう一回申し上げます。  これから法律も改正をする、新しい改善計画も立てるでしょう。その場合には、その改善計画の中身というのは国有林が活性化するような要素を盛らなければいけない、私はそういうふうに思いますが、大臣の政治的判断ですよ、事務屋の意見を聞くんでなくて、大臣はどういうふうに思いますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) どの事業においても経営基盤を確立するということが一番大切である。特に国有林野事業において今一番重要なのは、私はそこら辺の問題であると考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 後ほどまた改善計画の中身については伺っていきましょう。そんな中身でもって活性化ができるかどうかは後から指摘してまいりましょう。  そこで、最近国有林のリゾート利用について要望が高まっており、私の地域にもこうした要望が寄せられておるわけでありますが、国有林はまたこれにこたえていくべきだというふうに思いますけれども、リゾート利用についてはどのような考えを現在持っていますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 私は、リゾート利用については林野庁があるいは国有林が最大限その立場、機能を発揮して、国民の新しいリゾートに対する要望を満たしていかなくてはならないということを就任以来申し上げております。そうしてまた、先般のリゾート法に対しましても、当農水省、特に林野庁、国有林野は積極的に前向きに対応していくようにという指示をいたしておるところでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 リゾートの要望にこたえていくということは地域の振興にもなりますし、それからそのことが国有林の財政面においてもやり方によっては非常に潤してくるというふうに思いますから、よくこれについての検討を前向きにしてもらいたいと思うんです。地域の要望についてはまだ後ほど申し上げましょう。  それで、次は、国有林の使命と、財政がなぜこんなに悪くなってきたか、これについて大臣の考えを聞きたいと思います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 国有林というのは、その時代その時代の社会経済的要請にこたえて種々の役割を果たしてきました。そういう中で、林産物の計画的持続的な供給、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全形成、あるいは先ほど出ました保健休養の場の提供等国有林の有する公益的機能の発揮あるいは国有林野の活用等を通じての農山漁村地域の振興等々あります。これらの国有林野の使命は、先ほども申し上げましたが、基本的には国有林野事業の健全な経営を通じて十分に果たされるべきものでございまして、そのため現行改善計画の改定強化による自主的改善努力を尽くし、収支均衡の達成等経営の健全化を確立していかなくてはならぬいろいろな問題があります。  そうして、国有林野の使命は今お答えしたところでございますが、赤字の原因は、これはいろいろあるわけでございます。先ほど来御議論いただいておりました五十九年度に策定されました現行改善計画に即しまして今申し上げましたようなことをやっておるわけでございますが、木材の需給構造の変化による材価が低迷しておるということ、それから人工林の約九割が保育間伐を必要とする三十五年生以下であるといった資源的な制約等のもとでの伐採量に限界があること、それからまた一方では造林、林道の投資のために借り入れた長期借入金の利子、償還金が増大しておるということ、あるいは事業運営の能率化や組織、要員規模の面でなお改善途上にありまして諸経費が事業規模に比較して過大になっておる等々によりまして財務状況が悪化しておる、悪化しておる要因というのはそこら辺にあるというのが現在の国有林野であると、こう申し上げておきます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 国有林の財政が悪くなってきた要因について、大臣の今の答弁のことも当たっている面もありますけれども、しかし私はそれ以外のものもあると思う。それ以外のもっと重要なものがあると思う。  一つは、大臣がおっしゃったように木材価格が下落をした、これは事実です。しかし、残念ながら、ほかの企業と違って、木材価格についてどういうふうに決定をしていくという決定権というものがこれはないわけですね。ですから、ほかのこういう国が関係するような企業と違って、またそこに大きな問題もあるわけです。  さらに、高度経済成長期における増伐によって資源が大幅に減ってしまった。そして加えて、自然保護だとか緑保全に対する国民的要求が高まって、伐採量も大きく減ってしまった、これも大きな原因である。  それから三つ目には、国有林の中には約六四%の面積が公的機能を発揮している株分であって、これは金はかけるけれども歳入はないと、そういう特異的なものを持っているわけですね。こういうことがある。  それからその次には、戦前戦後に増伐をした、そしてその増伐による黒字は一般会計へ入れたんですよ、私もよく承知していますけれども。増伐をして、そのときの黒字が出た。それはやっぱり造林だとか投資だとかそういうところに回すべきことであった。一般会計に寄与をしたこともあるんですよ。そのときの金はそういうところに回さなかったということ。  あるいはまた、国有林の使命の一つとして、地元産業育成、地域の振興ということで、木材を販売する場合においても随契なんかによって地域を随分助けてきた。このことも必ずしも悪いわけではないですけれども、こういうやはり基本的な問題が私はあると思うんですよ。  そのことは大臣もお認めになりますね。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 今、委員がおっしゃったことを赤字の要因ととるかとらぬかという問題もありますが、私は、国有林野の場合、公益的機能の問題と経済性の問題で大変多くの問題を抱えており、公益的機能を重要視すればするほど赤字の要因になる。したがって、過去数年間の議論において、公益的機能を負担する分については一般会計からやれという議論はもうずっと繰り返されてきておるところでございまして、そこら辺の経済性という問題と公益的機能という問題、その公益的機能の場合には、自然環境の保全あるいは緑の保全等もありますが、ある面ではそれぞれの地方における活性化問題、活力問題も公益的機能に入れるか入れないかという問題等も過去いろいろ議論として繰り返してきておりますので、そこら辺は問題点としてあるということは全く同じ考えを持ちます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 ですから、大臣のおっしゃったような国有林の使命、私が言ったこと、大臣の答弁があったことを含めて、今日の状態が生まれたのは、林野庁の諸君も一生懸命やっておるけれども、過去における責任もある。それからまた、現在における公益的機能を発揮するというこういう使命もあるんですから、やっぱり国民的な立場で政府全体の立場で国有林の改善については取り組んでいかなければならないということを私は申し上げたかったわけでありますが、後ほどいろいろな質問の中でも申し上げていきましょう。  そこで、改善措置法は昭和五十三年に制定をされ、同法に基づいて改善計画が立てられたわけでありますが、五十九年に措置法の一部改正を行って改善期間を五十九年度以降十年間とするとともに新たな改善計画をまた策定をした。そして昭和七十二年度までに収支の均衡を図ることを目標としておるわけでず。  我が党は、本法制定の当時から、すなわち昭和五十三年当時から政府の案のような特別措置法、それに基づく改善計画では真の国有林の改善にならないことを指摘をいたしまして、本委員会でも徹底的な論議を今日まで重ねてまいりました。提言も行ってまいりました。そして法を制定したときには我が党の代案を出した。五十九年には修正案を出して善処を求めたわけでございます。しかし、政府並びに自民党は我が党の主張には耳をかさなくして今日に至っている。今また林政審議会の答申をまつまでもなく改善計画を早急に改定せざるを得なくなってきた。この責任を政府はどのように感じますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 我々といたしましては国会の御審議の経緯なりいろんな過去の積み上げに従いまして精いっぱい改善の努力というものを積み重ねてきたわけでございますけれども、残念ながら、ただいま大臣と先生との議論の中にもございましたようないろんな諸情勢というものが重なりましてこういう実態に至っておるわけでございます。  我々といたしましては、過去のいろんな経緯なり事実の積み重ねというものも率直に真摯に受けとめまして、これからの国有林の健全性の確保なり確立のために最大限の努力を傾注してまいりたいと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣、数年を経ずして法改正や計画改定をしなければならなくなった。このことは林業の構造的な問題や経済情勢、外部的な要因などを理由にするだけでは済まされないと思うんですよ。したがって、今までの計画なり実行形態がよかったのかどうか、このことを私は正しく検証しなければならないと思いますが、大臣どうでしょうか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 我々は過去を反省し、現在を十分見詰め、そして将来に対する計画を推進していくということを常に忘れてはならないと思います。そういう点につきまして過去に何か過ちなかりしか、今日の現状分析に対して何かデータあるいは感じで不足しているものはないか、こういう問題を踏まえながらこの改善期間中にぜひ目的を達成するように頑張っていかなくてはならぬと考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣の答弁にありますように、過去をしっかり顧みて現在状況を正確に把握しなければ真の改善計画は立たない、私もそのことに同感です。  そこで、昭和五十三年の改善計画にさかのぼることは時間の関係上省略するといたしましても、五十九年改定の改善計画すなわち現行改善計画について、どのような要素に見通しの狂いが生じてきたのか、数字に基づいて具体的に説明してください。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 五十九年に策定されました現行計画に即しまして改善の努力をしてきているわけでございますが、いろいろな点でそこを来してきていることは事実でございます。  ただいま御指摘ありましたように、数字面で若干大きい点について御説明いたしますと、一つは、先ほど来お話しありましたようにいろんな需給状況の変化等を踏まえまして伐採量そのものが、五十九年の予算で申しますと千三百二十万立米予定しておりましたものが千二百九十五万立米というふうに減っておりますし……

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 ちょっと待ってください。  私は、五十九年単年度ではない、五十九年度から六十一年度を合計をして説明をしてもらった方がわかりやすいと思いますので、三年間の計画と実績はどうだったか、そういう方向で説明していただけませんか。――長官でなくてもいいですよ、わかる人やってください。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 物によりまして、残念ながらそのトータルという形の集計をただいま手元に持ってきているのがございませんので、若干中途半端な答弁になろうかと思いますけれども、例えば伐採量につきましては、計画ベースでは千二百四十万立米ということを予定しておりましたが、これが六十一年で千二百四十万立米大体見込めますので、伐採量そのものは余り変わっていないと思っております。しかし、林産物収入、これにつきましてはそれぞれの単価がかなり落ちておりまして、計画に比べますと千三百億ほど三年間で収入という点では減になっております。  それから、土地の受け払いでございますけれども、これは五十九、六十は若干予定より下回りましたけれども、六十一年は六本木の売り払いということもございましたので、この点では全体で三百五十億ほど見込みより稼ぎ――稼ぎと言うとあれでございますけれども、収入が増になっておるということでございます。  それから、長期借入金関係につきましては、これは計画どおりの借り入れを実行してきております。  そういうことで収入全体で見てみますと、全体で三カ年トータルで千百数十億のものが三カ年の計画に比べまして収入という点では減っております。  それから、人件費という点では、おかげさまでいろいろな方々の御協力も得まして頭数では所期の計画どおり要員調整というものができてきたわけでございます。若干の金目の変動はございますけれども、億単位で申しますと二百数十億のものが予算より人件費という点では減額に相なっております。  それから、その他の事業運営経費という点では、ここのところの物価の動向でございますとかそういうものもございまして九百五十億ほどこの三年間でふえておりますので、各単年度で見ますと約三百億程度の支出減ということで、合理化が進んだということに相なっておるわけでございます。  それから、利子、償還費につきましては、先ほどのように長期借入金等につきまして予算どおり実行しておりますのでほとんど動きはございませんけれども、六十一年度へ入りましてから金利水準の低下等ということもございまして、全体で予算に比べまして十九億ほど支出減になっております。  こういうことをトータルいたしまして三年間で千三百億ほど支出という点では減っているということで、これを大宗で見ますと、林産物の収入が単価の問題等もございまして落ち込み、それから一方、土地なり林野の売り払い等なりそれから事業運営の合理化ということで、支出の減なり別途収入の増ということでそれを補いましてトータルとして整理ができたという形に相なっているわけでございます。  正確な数字でなくて恐縮でございますけれども、この三年間の体質的な観察といたしましては以上でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 こういう数字は、私は前もって要求しているんですから、もっとはっきりしたものを出さなきゃだめですね。何のために私のところへ質問をとりに来るのだ。詳しく言ってあるじゃないですか。そのくらいの答えをしなければだめですよ。  そこで、債務残高は今幾らですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 六十一年度末の決算がまだ済んでおりませんけれども、決算見込みとして現段階で推計しておりますものは一兆五千百四十億円というふうに相なっております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 今概算を聞いてみてもいろいろな要素でもって計画が狂ってきている。今金銭的な数字であったわけでありますが、いずれにしても、土地の売り払いはふえた、ふえたというか、もうかったと言っておったね、あなたは。しかし、支出の方は、要員を減らして人件費はうんと予定よりも減ったと。そういうようなことでもってやったけれども、結果的には千百数十億の計画違いができたということですね。ですから三年間であったってこれだけ狂ってきておるわけですね。  こういう大ざっぱな検証の中で今回提案された法律の改正、そして改善計画の改定によっても、六十八年度改善計画を達成し、七十二年度の収支均衡を図るという方針には変わりありませんか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 六十八年度までの改善期間というものは、先生御承知のとおり、経営の健全性を確保いたしますための必要な基本的条件の整備を図る期間でございまして、なお七年間残されているわけでございますので、何とかこの期間というものを堅持いたしまして残された七年間に全力を傾注したいと思っておるわけでございます。  それから、七十二年度の収支均衡ということも、これももちろん容易な到達目標ではないということは十分認識はしておりますけれども、現行計画の改定強化によりまして自主的改善努力の一層の徹底等、それから今回も御審議いただいておりますのにあらわれておりますような所要の財政措置等というようなものを講じまして、その達成が図られるよう残された期間に最大限の努力を傾注してまいりたいと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 五十九年に改善計画を改定して、たった三年間で実績は計画と大きな乖離を生じた、今後七年間に森林・林業、国有林を取り巻く情勢が著しく好転をするというような明るい見通しがあるわけでもない、したがって七十二年度収支均衡などという目標はとても難しい、私はこう断ぜざるを得ないんですが、長官どう思われますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 収支均衡の目標を達成することが容易でないということについては私も十分認識しておりますけれども、いろいろその前提になる条件というものも変わってきておりますし、例えば財投金利情勢につきましてもここのところ低下傾向というものを激しくとってきておりますので、そういう諸要素の変動ということも頭に描きますと、何とかこの期間内での支収均衡の達成というものは手の届くところにあるんじゃないかというふうに思っておるわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 私は五十九年度の法改正のときにもこうしたことを申し上げて、やっぱり改善期間をもっと延長すべきだという主張をした。その当時の秋山長官は、七十二年度収支均衡はこれはあなたの期待ですか、願望ですかと言ったら、私の決意でございますと言ったが、田中長官どういうふうに思っていますか。これは期待ですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 決意であり、期待であり、可能なものと心得ております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 それでは、前長官よりも現長官の方が可能だとおっしゃったんだから随分自信を持っているというふうに思いますので、それはひとつ聞いておきましょう。  そこで、この改善計画を改定するには、同時に収支の見通しも立てなきゃいけない。林野庁はこの見通しを立てているというふうに思いますが、その資料は提出してくださいますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 可能であると言いながら収支見通しは具体的にお出しできないのが非常に残念なわけでございますけれども、我々といたしましてはいろんな試算はもちろん行っておるわけでございますが、先ほど来現計画三年間の動きで申し上げましたように、収入の大宗を占めております林産物販売収入、こういうものが先々価格関係でどうなるかということを七十二年度までに年度別に見通すということが技術的にも非常に難しゅうございますし、それから物価、賃金なり、それから大きなウエートを占めてきております財投金利の動向、こういうようなものもなかなか現時点で計数的に確定するわけにもいかないわけでございます。それから、例えば財投資金の借り入れなりあるいは一般会計からの繰り入れ、これは一つのルールとしてお決めいただいておりますけれども、具体的に幾らずつ財政から引き出せるかということもこれもそれぞれその年々の努力にかかわる話でございますので、具体的数値として七十二年にどうなるかということはいろんな形で我我ももちろん積算しているわけでございますけれども、残念ながら、公式なものとしてこれという形で対外的にお出しできないことをひとつ御理解いただきたいと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 ともかく改善計画もその期間について、また法も期間は今までどおりだということになってくるとするならば、こうしたことを審議してくださいとおっしゃるなら、あるいはまた国有林の今重要な問題は赤字をなくするということと収支均衡を図るということだとするならば、その資料はやっぱり皆さんが提出することがこれが皆さんの責任だと思うんですね。その資料もどうもはっきりしない。はっきりしない資料でもって改善計画を立てるなんということは、私はもう認めるわけにはいかないと思うんですよ。だから、私は、こういう資料は出せ、出せませんという議論をしておっても当然あなたたちは出さないと思うから、そんなまた自信のないような資料をもって論議をしてみても余り意味のないことだと思う。  そこで、資料の問題については私は申し上げませんけれども、しかし今まで林野庁が行ってきた手法や国会答弁から私は考えますと、七十二年度収支均衡を図るためにはおおよそ次のようなことを皆さんが考えているんではないかと思うんです。すなわち国有林を現在のような予算、例えば五千数百億の予算で執行するためには、収入のうち、林産物収入は現行程度のものだ、林野、土地売り払い収入は思い切ってふやす、つまりなりふり構わず売れるものは売ってしまう、それから分収育林制度も現行の数倍にするあるいは十倍になるかもしれない、そうして当面の資金を得る、その他の収入もふやす。支出の方は、要員を思い切って減らして人件費を少なくする、また事業費も現在よりうんと少なくしていく。大体こんなことを皆さんが考えているんじゃないか、そんなことになるんではないかと思いますが、長官は私の今申し上げたことに対してどういうふうに思いますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 長期的収支につきましてはいろんな前提がございますけれども、一定の条件を置いて考えた場合には先生の御指摘のような姿というものもある程度考え得る姿かと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そうでしょう、私の言うことも遠からずも当たっておらないわけではない。大体そういうことになるんでしょう、皆さん方の計画は。そういうことになっては私は残念だというふうに思いますけれども。しかし、それはまたいずれ論議をしていきましょう。  そこで、五十八年度までに改善計画を行って七十二年度に収支の均衡をするという計画の中には、七十二年度には一般会計からの繰り入れや借入金を予定しておらない、そういうことになりますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 七十二年には借入金を借りないでやり得る体質をつくりたいと思って経営改善を進めることとしている次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 一般会計からの繰り入れも予定をしないということですね。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 一般会計につきましては六十八年をもって打ち切るということで進んでおるわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 それができれば立派なものですね。こんなに、今債務は一兆五千百四十億円ある、しかし七十二年になれば借入金もしませんよ、一般会計からも金もらいませんよ、そうしてこの金は払っていきますよということになれば、それができれば本当に大した腕前だというふうに私は思うんですがね。ですから、そんな計画立てたってこれは無理だと思うんですよ。そのことを強く指摘しておきますが、やれますか、可能ですか、先ほど答弁あったように。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 何とか最善の努力をしてまいりたいと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そういう努力によって七十二年度仮に収支の均衡を図ったとしても、そのときの累積債務はどのくらいになるんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) もう既に一兆五千億借りているわけでございますし、それからこれからも事業を円滑に運営するということになりますとそれにかなり上乗せされるということは事実でございますけれども、どの程度毎年これから借りていくかということにつきましてはその年その年のいろいろな客観情勢なり財政なり経営基盤のあり方ということとも絡みますので、将来において具体的に幾らになるかということの推計はなかなか難しゅうございますけれども、現在の水準よりかなりふえるということは事実かと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 それも皆さん方はいろいろな仮定を置いて収支の見通しを立てて、およそ資料もつくっているというふうに思いますが、それは出さない。しかし、私は、今の状況から判断して、七十二年には今ある一兆五千億何がしかの累積債務が二兆円を優に超える、そういう判断をせざるを得ないんですが、これまた違っているでしょうか、私の言うことが。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 先ほども数字に対して先生からもありましたように遠からずとも当たっていないとも言えないとも思っています。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そこで大臣、今までいろいろお聞きをしてまいりましたように、国有林財政の展望は容易ならないものがある。しかし、先ほど指摘をしたように、自己収入の大半を土地売りや分収育林事業などで賄って、支出は大幅に減らす、人を大幅に減らす、あるいは事業費の縮減によって赤字減らしをしていく。しかし、それも七十二年度に収支均衡ができるかどうかわからない。こういうための、つまり赤字を減らすための改善計画、こんなことで本当に国有林の使命にふさわしい山づくりができるのかどうか。私は極めてこういう考え方は残念だと思いますが、大臣どうでしょうか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先ほど来の御議論を承っておりまして、実は、私も農林水産大臣になるときに国有林野問題を勉強しまして、当時、これとこれとこれをやらなきゃいかぬなというふうにいろいろな問題で決意したことがあるわけでございます。  この席で申し上げるのもまたどうかと思うわけでございますけれども、それにしても、何としても、どんなに苦しくても厳しくても、収支均衡に七十二年度までには持っていかなくちゃならない、これを外れるようなことがありますと私は国有林野というものが第二の国鉄のように議論の俎上に上ってくる。したがって、それがいいか悪いかは別としても、そういうことがあっても、苦しくても厳しくても、あるいは財政的にいろいろな問題があろうとも、収支均衡に持っていかなくちゃならないというところが一番大切である。ただ、その場合の方法論として、今御指摘になりましたような、ある面で言えば、方法論的に言うと縮小再生産あるいは拡大再生産、二つの方法があるわけでございますけれども、もろもろの客観的情勢等を判断する場合に縮小再生産的な手法が必要ではないのかなという感じも受けたところでございます。  さりとて、今までいろいろ御議論になったように、林産物の収入が果たしてどうなるかということは、単に国内要因だけではなしに国際的要因もあります。それらに対しては、この間も森の市を見まして、林野庁の諸君が必死の努力をしいろいろな知恵を出しアイデアを出し頑張ってくれておる姿にも接しましたが、この林産物収入をどう見ていくか、あるいは林野、土地のむちゃくちゃな売り払いということを先ほど委員は言われましたが、そんなにいい土地がたくさんあるのかなと考えたりなんかもいたしましたが、そこら辺の問題あるいは分収育林の問題等々収入について、それから支出についてのいろいろな判断もあります。人件費の大幅削減がどこまでできるか、またやらなくてはならない、あるいは事業費をどの程度の規模に持っていくかとか、あるいは国有林野の重荷になっております利子、償還金に対してどういう措置を今後講ずるかといったもろもろの問題を判断しながら、要は、収支均衡にどんなに厳しくとも持っていかなくてはならぬ、期待ではなくして、決意でもなくして、そこへ持っていくという問題でなくてはならぬと私は考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大変力強い答弁ですけれども、私も、七十二年度でぜひ収支均衡を図ってもらいたい、そういう国有林になってもらいたい、そういう期待を込めて要求もしておるんですよ。  そこで、大臣はいろいろなことをお述べになりましたが、その中で欠けている重要な問題がある。それは何か。大臣御承知のように、今、国有林関係の予算を見れば、自己収入は総予算のうちの約五一%程度しか見込まれておらない。一般会計からの繰入金は、この改正法によって増額されるといってもわずかにそれは二%なんですよ、たった百十九億円。こうした結果、借入金に四七%まで頼っていく。こういう状態だからどんどん借金はふえていくんですよ。国有林は国の山だとするならば、たった二%の一般会計の繰り入れでは寂しいじゃありませんか。しかも、国有林は公益的機能を果たしていると言っているんですね。国有林の中には採算のとれない外分が先ほど申しましたように六十何%もあるんですよ。三十何%でもって稼いでおるんです。これは国民のためにそこへ供与しているんですからね。これは大臣、幾ら財政が厳しいといったってあなたの決意で、あなたの力だったらもっと一般会計から出すという努力をしなかったならば収支均衡なんかできませんよ。どうでしょうか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先ほど私がお答えしたのは、村沢委員が、おまえらが長期収支を出さぬから、わしが見た場合こうこうであるというやつをおっしゃったからそれに対してずっとお答え申し上げたわけでございますから、そこはひとつ御理解いただきたいと思います。  それから、一般会計からの繰り入れを増額させなくてはならぬ、これがある面では収支均衡問題と、あるいは国有林野の経営についての先ほど申し上げました公益的機能と経済性という問題、そして今度は一般会計の中における処置として今後一般会計からどの程度入れるのか入れないのかという問題、その中身は今度は国有林野が自助努力をどの程度しておるかという問題との絡みになってくるんではないだろうかと思いまして、そこら辺が私も先ほどちょっと申し上げました利子償却に対する処置という問題と一般会計との問題との絡みがあるんですが、まあ余り申し上げますまいということも言った問題もあります。  というのは、私は、過去数回、国鉄に対する財政再建措置、計画を立て処置をやってきました。ある面ではこれがことごとく崩れたという経過を、経験を私自身は持っております。したがって、そこでかつての国鉄、JRになる前の国鉄再建措置をする場合に、資本金が足らぬので出資という方法でやりましたり、あるいは過去債務の棚上げという方法も講じているとかあるいは金利に対する助成もやってみました。いろいろな方法をやってみたけれども、結局、国民の皆さん方から見た場合は自助努力が足りなかったという。いろいろな見方はありますけれどもそういう経過があるわけでございまして、内部的な徹底した自助努力ということを国民は見ておりまして、それに対して国民の税金である一般会計からどの程度出せばいいかということになってくるんではないだろうか。そういう全体を含めて七十二年収支均衡ができないようなことになって国有林野に対する国民の失望、絶望になってしまわないようにしなくてはならぬ。そこら辺を見ながら、一般会計からの支援ということと、そして先ほども具体的数字が出ましたが一兆五千億の累積債務がふえていくに対してどういう手を打つかという問題を含めた今後の問題は当然あるだろうと思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣、私は、農水省の諸君、林野庁の諸君が自己努力をうんと怠っておる、そういうことを言っているんじゃなくて、そういう気持ちは私は余り持っていない。国鉄もみずからの努力が足らなくてああいうことになったと言いますけれども、国鉄の問題も働く人たちがうんと怠ってそういうことになったんではないというふうに、私はそういう確信を持っている。しかし、自己努力はしている、しているけれども先ほど申しましたいろいろな要因があってなかなか思ったとおりにいかないということになれば、後から国庫資金を入れるんじゃなくて、まず最初に、もうぼつぼつ国庫資金をふやすべきときだ。このままいってしまってやがて分割・民営なんていうことになってしまってはいけない。私は、国有林はそういうふうにしてはいけないと思うんですよ。  借入金の問題もあります、利息の問題もある、償還期限の問題もある、公益的機能をこれだけ発揮している問題もある。ですからもう少し、もっともっと一般会計から取り入れてくる、その要素を考えるべきだ。なるほど、今回の法律改正によって、借り入れたものの借りかえ利子に対して二分の一補助するということですね。それも結構。しかし、それをやってみたとしても今まである制度、例えば退職金に対しての利子補給だとか、これらを含めても最終年度において、七十二年度はもらわないと言いましたから六十八年、最終年度には一体どのくらいの額になるのか。長官、これは試算もしていると思いますが、どうですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) いろんな前提を置いてでございますけれども、現在のような仕組みの延長線上で考えてみますと、今先生お話ありましたように現在二%程度のものが倍強になりまして、四%ないし五%程度の水準かと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣、今いろいろある制度を六十八年までやっても、長官が答弁したように今の倍といったって大した額じゃないんですよ。金額にして約二百五十億かそこらぐらいにしかならないんですね。全体の国有林予算の四%ぐらいにしかならないということなんですよ。それを、一般会計から出すのが余りにも少な過ぎる。これは幾ら言ったって皆さんは今まで私の言うことを聞かなかったけれども、強くこれは要求しておきますから。後になってもう少し出しておけば国有林が何とかなったのになんてそんなことを考えておってはだめですよ。  ですから、私は、一般会計からもっと出す努力をしなさい、それから借入金の問題についても、償還期限、利率の問題等々についてももっと洗い直さなきゃいけない。借入条件の問題、これは問題がありますよ。時間がないから一々言いませんけれども、皆さんの方が承知していると思いますから。ぜひひとつそのことを強く念頭に置いてもらいたい。よろしいですね、大臣。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 十分念頭に入れてやります。先ほどちょっと申し上げた中に今村沢委員がおっしゃったと同じような思いを込めて申し上げておいたんですけれども、まあよく念頭に置いておきます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 これは余分なことですが、今回でたった十年しかないんですが、この間、私はあなたを含めて十一人の大臣にこうやって同じようなことを言っているんですよ。だれもやってくれた人はいないんです。しかし、加藤大臣は実力者でありますから、中曽根内閣がいつまで続くか知りませんけれども、ぜひひとつ取り組んでもらいたいというふうに思います。  さてそこで、次は改善計画の問題ですけれども、今度この措置法の改正に関連して改善計画もまた改定しよう、こういう考え方であるんですが、それはいつ改定するんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 法律改正後できるだけ速やかにと思っておりますけれども、具体的には、いろんな事務手続等もございますので七月末ごろをめどとして考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 七月末に現行改善計画を改定する、それは全面改定になりますかあるいは一部修正というふうにとらえていいんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 現在樹立しておりますものについて部分的に必要な部分を改正するというふうに考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 それでは、かなりその中身も詰まっておるというふうに思いますから、以下その主要な内容について質問してまいりたいというふうに思います。  まず、将来の収穫量の見通しはどうですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 収穫量の見通しにつきましては、ここのところいろいろ森林に対します多様な要請というものが高まってきております一方、レクリエーション需要でございますとかそういうこともございますし、森林整備方針というものを去年の林政審の答申の方向に即しまして国有林におきましてもある程度変革していくということを見込んでおりまして、現在のところ現行改善計画では千二百四十万立米というものを年間所要伐採量として計算しておりますけれども、これを千六十万立米というふうに減少する見通してございまして、当分の間はこういうような底の形である千六十万というものが続くというふうに見込んでいるわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 今度計画では千六十万立米にする。現行計画はどうであったのか。五十九年四月二十六日、私の質問に対して当時の林野庁長官は、つまり新しい改善計画、五十九年度に立てる改善計画は六十三年から千二百四十万立米程度になる、そして六十年代末にはさらにこれが上向いていくという答弁をしているんですけれども、三年間たったらこんなに違っちゃったんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 先ほどもお答えしましたように、この三年間で千二百四十万というものを見込んできたわけでございますけれども、ここのところの人工林の中で可伐可能な林齢の林分というものが、存在状況なりあるいは木材そのものに対する需給動向というものから見ましてこれから当分の間千六十万ということを見込むことが適切ではないかということで、今回、改定作業の前提としてその作業に着手しているわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 その場合、伐採の期間は延長するということに当然なるんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ここのところの大径木なり良質材に対する志向というものも高まってきておりますし、伐期の長期化ということは我が国林業全体の動きでございますので、国有林におきましても当然そういう局面が出てこようかと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 ですから、森林というのはやっぱり長期を、しかも超長期の計画を持つ森林を三年たったらまたこれだけ変える、その次に三年たったら変えていく、ぐらぐら変えておったんじゃ一体どんな山ができるかわからないですな。だから、やっぱりせっかくこういう改善計画もあり、法律があるんですから、その法律の期限内ぐらいはどのくらい切っていくんだとかあるいはまた将来成長量がどのくらいになるのか、はっきりやっぱり見通しをしていかなきゃいけないというふうに私は思うんです。  そこで、この森林整備の方針ですが、森林整備の方向はどういうふうなことを指向していきますか。簡単で結構です。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) 昨年の林政審の今後の林政の基本方向の中で森林整備方針の転換を御提言いただいているわけでございます。そこにおきましては、これまで育成してまいりました人工林の一層の育成を図るということと相まって複層林施業の推進、つまり林地を露出させないような施業を森林の公益的面から推進していくべきである、また天然林施業、広葉樹に対する見直しが非常に強まっておりますので天然林施業というものを見直してそれについて力を入れていけ、さらには多様な木材需要に対応するために伐期の延長を図れ、現在団塊の世代といいますか、三十年生以下の人工林が非常に多いわけでございますので、それの平準化を図る意味からも伐期の延長を図れ、こういったような御提言をいただいているわけであります。また森林空間の利活用といった意味からの森林の造成ということも考えろ、こういうことになっておりますので、国有林は民有林の先導的役割を果たすといったような役割からいたしましてもそういう方向で森林整備方針の転換を図ってまいりたい、このように考えておるところであります。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 林地を露出しないような森林にしよう、そんなことは当然のことじゃないですか。土地が露出しないように木を植えたり天然木を生やすことは、そんなことは当然のことなんです。  しかし、私は今の答弁から推測することは、一口に言うならば、これからの森林は今までやってきた拡大造林、つまり造林はもうするな、新規の造林はもとより今まで造林した林分についても天然林に持っていけ、そしてそのことは伐採を延期するということにもつながってくるし、伐採跡地の造林地に対する保育などということに余り力を入れられないということになってくる。しかし、こんなことで本当に山づくりができるというふうに思うんですか。今までせっかく植えてあるものを、どうも調子の悪いものはもう天然林にみんな持っていってしまうんだ、植林をしようとして計画した地域もこれからは天然林に極力持っていけ、こういう方針じゃないですか。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) 昭和三十年代も森林の施業のあり方につきましての一つの大きな転換期ではなかったかと考えております。つまり大変木材の需要が旺盛であったわけでございまして、それに対応する意味で土地生産力を最大限発揮するという意味での人工林施業というものがとられたわけでございます。現在一千万を超える人工林の造成が行われつつありまして、森林面積の約四割が人工林になっているわけでございます。人工林も奥地に進んでまいりまして、適地が少なくなっているということもございます。また、国民のニーズというものが、木材生産という側面から森林の持つ各種の公益効用といったようなところにウエートが置かれる、こういったような傾向にもあるわけでございます。つまり資源構成が変わってきた、また国民のニーズが変わってきた、これをどのように組み合わせて新しい森林の造成あるいは森林の生かし方を図るか、まさに現在も三十年と同じように森林の整備方針の転換期ではないか、このように考えておるところでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 それはいろいろなことを言っているけれども、山に手をかけるな、これ以上余り投資をするなという、つまり財政赤字を何とかしようという発想からこういうことに来ている。こんな山づくりでいいのか。  あなたは、国有林は民有林の先導役を果たしていくと言っていますが、民有林に対してはもっと植林をしましょう、手入れもしましょうといって指導をしている林野庁みずからが、私のところの山は余り手入れをしなくて天然林にしますとかといって、何でそんな民有林の指導ができるんですか。そこで、現在でも造林をしたけれども手入れをしないために不良造林地になったり天然林になってしまっているような箇所が私も承知しているけれども全国各地にあるわけなんですよ。こうした森林には緑はある。なるほど次長が言われたように土地は露出はしておらない。しかし山の価値はなくなっておるんですね。こういう不良造林地は一体どうしていくのか。同時に、六十一年十一月五日、会計検査院からは造林事業の実態についての改善措置が求められているわけです。こういうことも含めてどういうふうにするんですか。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) 五十二年と五十四年に生育の不十分な造林地の調査をいたしたわけでございますが、トータルといたしまして九万ヘクタールあったわけでございます。そのほとんどが現在解消されているという状況でございまして、九万ヘクタールの解消内訳を申し上げますと、改植によったものが一万六千五百ヘクタール、人工補整をしたものが二千九百ヘクタール、天然生林に移したものが一万六千七百ヘクタール、手入れ不足等による生育不十分があったものでございますからその後の人工林としての育成によって解決したものが五万三千五百ヘクタール、そのような内訳になっているところでございます。  会計検査院のことにつきまして申し上げます。  六十年度の会計検査院の検査報告におきまして、効率的な事業の実施に努めるとともに投資の効率化により経費の節減を図ることが緊要であるとして、その中で干風害により植栽木が消滅し、損失として処理した旨の事実を指摘されているところでございます。  そういうようなことで、このような森林につきまして、人工林の中に有用な天然木が旺盛に成長しているような箇所もあるわけでございまして、その場合には天然の更新力を積極的に活用した施業を行うとともに人工林から天然林施業への転換を図っているところでありまして、人工林から天然林に編入し資産除却した面積は、最近数年の平均では年約五千ヘクタール、金額で約三十五億円となっているところでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 いずれにしても、不良造林地も手入れはするけれども後は天然林に持っていってしまう、また観察林だなんていってみておってそのまま天然林にいってしまう、こういうのが今の林野庁の実態なんです。ですから、そこへもっていってこのような施業計画、改善計画によって森林整備の方針を立てるということは、私は大変問題があるというふうに思うんです。  次に、事業実行形態について簡単に説明してください。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) 事業実行形態につきましては、まず販売方式についてでございますが、立木販売方式に向かって進むことが間接部門の簡素化につながりますので、販売方式につきましては立木販売方式を指向してまいりたいと考えております。  また、事業実行形態につきましては、民間林業の請負事業体等の体制の充実等を図りまして請負化を積極的に推進してまいりたい、このように考えているところでございます。  また、直用事業につきましては、真にそれにふさわしい業務に特化していくことを考えておりまして、簡単に申し上げますと、請負になじみがたいもの、また直営で実施する方が有利なもの、さらには民有林に対しまして先導的、模範的となり得る業務、そういったような分野に特化してまいりたい、このように考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そこで、事業実行形態で問題なのは、請負を推進して直用事業を今話があったように特化するということですね。特化するということは、具体的に言えば、営林局関係の職員の仕事は調査だとか巡視だとかあるいは請負に出さない技術的な作業をするくらいに限定してしまうことじゃないのか。国有林の事業がここまで下がってしまったんでは、もう民営化と全く同じことになっちゃう。一体民営化をこういうことによって指向するんですか、長官。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 我が国有林は国民から負託されている大切な財産でございまして、これを緑豊かな山として守っていくことが我々に課せられた任務でございます。これを民間化するようなことは毛頭考えておりません。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そこで、今度は請負に出していく林業労働者の問題がまた重要な問題になってくるわけですね。  私は、時間の関係上、林業労働者の数だとかあるいは年齢別構成だとか賃金だとか社会保障の関係などについての質問もしたかったが、そのことは私もおおよそ承知をしているんで質問はいたしません。しかし、今、林業労働者がうんと数が少なくなって高齢化している。五十五歳以上の人が四割近くにもなって、後継者がほとんどないという状態だ。このままで国有林の直営であったのを民間に委託をする、一体そんなことができるのかどうか。この林業労働者の問題は極めて重要な問題だと思うんですね。こうした林業労働者の実態の中では、国有林の請負もできなければ、やがて林業そのものが破滅してしまうことになるんですけれども、今、林業労働者の実態の中から、果たして国有林の仕事を全部請負に出してやっていけるのかどうか、このことの基本的な考え方、現状認識について伺いたい。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 民間の林業労働者につきましては、先生御指摘のとおり、非常に高齢化し、後継者というものが少なくなってきているわけでございますけれども、国有林につきましては、御承知のとおり登録制度というものをとりまして林業事業体の体質の強化というものに過去からも努めてきておりますし、それから、何といいましてもやはり林業経営、山村、そういうものが活性化いたしませんと林業労働者が残らない、それから特に後継者が育たないということでございますので、そういう全体の施策を高めながらできるだけ山村に有能な方々が残っていただくことを期待するとともに、国有林からの新しい仕事の提供の仕方というものにもいろいろ工夫いたしまして林業労働者の確保というものに努めてまいりたいと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 口ではそういうことを言うけれども、なかなか現実はそれに即しておらないわけですね。だから、林業労働者の実態なんかを見ても、賃金も安いわけですね。例えば、私の調査によれば、造林で年収二百万そこそこ、しかも臨時雇用が多い、あるいは振動病患者もふえてきておる。したがって、これに対して、社会保障関係の制度はあっても適用されておらないところもあるけれども、制度も少ないということであって、大変な状態に置かれているわけですね。そのことは認識をしているというふうに思いますので、私は答弁は求めません。  さて、今話があったように、国有林の事業をこうした民間にまずやってもらうということですが、そこで伺いたいんだけれども、国有林の請負事業体の中で社会保険の加入状況、これは、会社は入っているというふうに思いますけれども、その作業員の加入状況について説明してください。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 各種保険の六十一年度の加入状況でございますけれども、雇用期間が二カ月以上というものを前提にいたしまして、これを分母としてそれぞれ加入率というものを仮に計算いたしますと、雇用保険で五〇%、それから労災保険はおかげで一〇〇%、それから健康保険はおおむね二〇%程度、それから厚生年金でおおむね一五%程度、それから退職金制度でおおむね五五%程度というふうになっているわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 国有林がみずからの仕事をやってもらおうとする事業体がそんな状況で一体いいんですか。そんなような事業体は私は国有林の事業体の登録から外してしまった方がいいと思う。そんな事業体は入札に参加さしちゃいけないと思う。もっと、そういう労働者の社会保障制度等がよく行われているかどうか、そのことを十分見た上でこの登録業者も決めなきゃいけないし、そんな業者に国有林を請け負わしたら危なくてしようがない。どうなんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 特に民間事業体で国有林から仕事をお願いしている方々の職場環境というものが重要でございますので、従来からも各種社会保険に入ってもらうということをいろいろ働きかけてきているわけでございますし、それから登録等に当たりましてはそういうことも十分過去からもチェックしてきているわけでございますけれども、今後ともそういう方向に沿いまして加入率の向上というものにつきまして全力を挙げてまいりたいと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 私はそのことを強く要求しておきますから。これから入札も始まるでしょう。そのときに、国有林の請負事業体が一体どういう事業体であるのか、私が申し上げたようなことをよく調査をして、それからその入札に参加させるべきだ、あるいはまた請負をさせるべきだというふうに思いますが、やってくれますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 先ほどの数字も二カ月以上雇用されている人を単純に分母として出したわけでございまして、林業労働の場合には、先生の方が十分御承知のとおり、いろんな就労形態なり雇用形態がございますので単純にその率だけで相手方を選択することも難しかろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても加入促進を図るということが我々としての基本使命でございますので、そういう考え方に立ちまして今後対処してまいりたいと思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 強くそのことを要求しておきます。  次は、要員規模についてですが、これまた皆さん方の答弁を聞いていると長くなりますから、私は要員規模をどういうふうにするという質問はいたしません。  しかし、私の承知している範囲においては、いずれにしても六十八年までに二万人にする、今四万六千人おるのを六十八年までに二万人にする、これはまた大変なことだ。これはまさに臨調の受け売りにすぎない。ですから、こういうことが先に立ちますから人間を減らすということを中心に合わして事業の実行形態も変えてくる、請負に出してくる。赤字をなくするためにはまず人間を減らせと全く弱小の中小企業のやるようなことを今国有林が、政府がやろうとしている。こんなことは本末転倒なんです。いい山をつくる、国有林を再建するためには要員がどのくらい必要なんだ、そのことをまず出して計画を立てなきゃいけないんですが、どうでしょうか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 現在四万数千人いるものを昭和六十八年に二万人に持っていくということは、これは先生御指摘のとおり容易なことではございませんで、いろんな施策というものがこれに伴っていかなければならないわけでございますけれども、こういう要員規模というものもあくまでも将来の事業量に見合った形での要員規模ということでございまして、規模の縮小というものが先にあって仕事をないがしろにするということがございましては我々としても責務は果たせませんので、あくまでも将来の事業規模に合ったものとしてこういうものを想定しているという次第でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 私は、こういうやり方を見ていて、そういうふうには受けとめられないんですよ。事業量に合わして要員を減らしているんじゃなくて、要員を減らすことに合わして事業量を減らしているんじゃないか。しかもこの改善計画を達成するためには、前半期、すなわち六十三年度において基礎的な収支の均衡を図らなければならないという考え方が皆さんにはある。できますか。つまり、基礎的な収支の均衡というのは自分の収入でもって自分の支出をやっていけということで、それは要員にすぐ関係してくることですね、人件費に一番関係してくる。それができますか、前半期に。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 六十三年度を目途に先生から今話ありましたような基礎収支の均衡を確立するということでやってきているわけでございますけれども、ここのところの木材価格のいろんな動きでございますとか、あるいは先ほど次長から話がありましたような森林整備方針の転換、これに伴います伐採量の減少というようなことがございますので、六十三年度に基礎収支を均衡させるということはこれは極めて現時点で考えてみまして困難という判断に立っておりまして、今回の改定強化いたします経営改善においてどの時点で均衡させるかということは現在検討中でございますけれども、できるだけ早い時期に基礎収支の均衡が実現できますよう努めてまいりたいと思っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そこで、六十三年度でもってそんな基礎的収支の均衡を図るなんということを頭に入れて考えて無理しちゃいけないと思うんですよ。ですから、要員計画は新改善計画の中でも最も慎重に検討しなければならない。要員削減を急ぐ余り本人の意思に反して退職させるようなことは絶対にしちゃいけない。この問題は極めて重要でありますから、大臣も国鉄問題で大分健闘もされ苦労もしたようでありますが、国有林がまたあんなようなことをやっちゃいけない。これは、私は皆さん方のやり方を見ておって、後日またこの問題に関しては強く追及してまいりますから、この改善計画はまだはっきり決まったわけじゃありませんから、よく頭に置いてください。  それから、組織機構の整備についても、例えば営林署は本年十署を廃止する。これだって問題があるし、この問題もまた後日特別にとらえてやりましょう。しかし、皆さんは十署も含めて営林署を統廃合する。十署で終わろうとしておらない。あるいは担当区事務所も事業所等も統廃合を積極的に進めていく。しかし、国有林は地域と非常に関係を持っておるんですね。国有林があることによってその地域で生活をし、また地域の活性化にも役立ちあるいは地域が国有林を支えてきたんですね。このように営林署もまたさらになくしていく、担当区事務所も事業所も減らしていくということになってしまったら、先ほど来国有林の使命使命と言っているけれども、使命なんかどこかへ飛んでしまうじゃありませんか。いいですか、この問題も指摘をしておきますよ。皆さん方の改善計画の結果を見てまだ論議しますからね。そんな改善計画をつくったら私は許せないと思う。あるいは林野の土地の処分についてもそうです。何でもかんでも売ればいいなんてそんな考え方でもって国有林がよくなりますか。だから、改善計画の中身については十分私が申し上げたことも参考にしていただいて、これから詰めてもらいたいというふうに思います。一々答弁を聞いても皆さんは反論するというふうに思いますから。だから後日皆さんのその結果を見てやりましょう。  以上、私の持ち時間も終わりますのでこれで終わりますけれども、しかし大臣、改善計画をいろいろやってみたがなかなかうまくいかない、先立って大変だ、したがってそんなに慌てることではなくて、せめて改善計画を七十二年度ぐらいに持っていきなさい、収支の均衡はそれから先へ送りなさい、私はそのことを主張したいんですよ。今、まだ六十八年ということもあるからすぐ返事はできないというふうに思いますけれども、あるいは収支の均衡をもっと先へ持っていってそこでじっくりこの国有林をどうするかということを考える時期だというふうに私は思います。その点を、これまた質問しても余りいい答弁は返ってこないというふうに思いますから、これも強く要求をしておきたいというふうに思います。  いずれにしても、国有林の再建を図るためには、大臣あるいは農水省の幹部の諸君も目先の言い逃れだけではいけないんだ、自分たちが農水省におるときにつくった改善計画をやってこれだけよくなりましたと、そういう自信の持てるような改善計画をつくろうではありませんか。私もまた論議をしていきたいというふうに思います。  以上で私の質問を終わります。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 村沢委員からの質問で大部分が尽きているわけでありますから、私は疑問に思っていることについてお尋ねをしたいなと思うんです。  そこで大臣、ここのところずっと去年からあるいはまたそれ以前からでもありますが、国有林の問題がこんなに新聞に取り上げられていることはないですね。こういう状況のときこそ、私は、国民的な規模で公益的機能という面があるからこそ山を大事にしようという空気をつくっていく絶好のチャンスだと、こう思っているんです。これは、私は、いろいろ新聞を見まして、きょうは別のことを聞きたかったのですが、時間もありませんし、けさの新聞なものですからあらかじめこういうことをお尋ねしたいのですという話には実はならなかったものですから。  けさの朝日の冒頭を見ましたら、「東京・霞が関の農林水産省。七階の林野庁長官室の壁に、一枚の絵が、かかっている。」と。これはずっと読まなくても、「藤島武二の大作「湖畔の静物」、六十号。時価、三億円という。」。そしてずっと後ろの方にいきますと、今でこそ「赤字官庁とはいえ、今、林野庁は無名作品を含め、全部で一千点を超える一大美術品の収蔵を誇る。」と、こう書いてあるのですね。これは本当なんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 私の部屋に分不相応な絵がかかっていることは、これは事実でございまして、現在、京都近代美術館の展示ということで貸し付けておりまして現時点ではかかってないわけでございますけれども、価格につきましてもいろいろ相場があるようでございまして三億ほどにはいってないようでございます。    〔理事水谷力君退席、理事北修二君着席〕  それから、一千点という点でございますけれども、これは、我が組織といたしまして営林署も三百幾つからあるわけでございまして、それぞれのところで職場環境ということで何がしかの写真でございますとか絵でございますとか飾っているわけでございますけれども、このうち商品価値のあるものというものはそれほど多くはございませんで、まあ点数としてはあることは事実でございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 その一点だけの議論してみても始まらないのですが、一千点近くもあって、これは、一体どう評価――参考までに全部お調べになったことありますか。六本木の宿舎を売って八百何十億という金を生み出した。こういうものがあるんだという話になれば、新聞に載っているわけですから、これもまた大変な話題になることは間違いないというふうに思うんですね。どうですか、何かその辺のことちょっと教えていただけませんか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 一千点ございますけれども、このうち美術年鑑等で商品価値のあるものというものは非常に限られておりまして、これにつきましてはきちんと当方の台帳に載せて財産管理をしているところでございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 どのぐらいになるかというのはわからないですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ただいま資料は手持ちしておりませんので、後ほど先生に御説明したいと思います。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 あと知床の問題についてお尋ねしたいなと、こう思っておったんですけれども、実は、林野庁の今日のような状態になっている縮図といいますか、やらされてしまうという姿があそこにあらわれているんではないかというふうに私は受けとめているんです。しかも、今度のあの伐採のやり方というものについて、いろんな角度からあらゆる新聞が書いていますね。  確認をちょっとしてみたいなと思うのは、当初伐採予定は八百四十四本だったんだけれども五百本ぐらいに縮小してきて、そしてトラクターで運び出すという計画をヘリコプターに直してきた、実際に伐採をしたものは合計で五百三十三本、樹齢が二百年前後のミズナラ、セン、イチイが主でこれが四百九十一本、このほかヤチダモ、トドマツ、シナなど四十二本、木材の販売価格は約七千万円、生産経費などを差し引いて粗利益は約三千二、三百万円が見込まれている、こういうふうに書いてある新聞があるんですが、これ、このとおりですか。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) 伐採量につきましては、先生今御指摘のとおりでございます。  収入見通し等につきましては、現在販売の実行をしている過程でございましてまだ確定はしておらないわけでございますが、老齢過熟木等の伐採をいたしました関係でかなり空洞木等が製品化されたというようなこともございまして当初の予定ほどは収入は上がらないのではないか、このように見込んでおるところでございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 途中で余計なことを言うことはないじゃないですか。老齢木だとか何かって今言ったでしょう。そんなことをあなた、各新聞書いてませんよ。そんな知らないと思って横っちょから余計なことを言うことないでしょう、と私は思っているんですよ。  それで、そういうことまでやってみても六十二年度末一兆七千億もの赤字になると言われている中で、ここまで無理してこういうやり方をする、しかも統一自治体選挙の後半戦の直前に警官隊まで入れてやるというやり方というものについて、そして選挙の結果に重大な影響を及ぼした、こういう権力的なやり方というものについての反省というのはないんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 知床の問題につきましては、不幸にいたしましていろんな議論を惹起し、これからの林業行政につきましてのいろんな教訓というものも我々率直に受けとめなければならないというふうに考えておるわけでございます。ここで弁解がましくあるいはなるかもわかりませんし、それからただいまの老齢木という点で先生の質問からはみ出した話になろうかと思いますけれども、我々といたしましては、あそこの横断歩道の西側につきましては過去からも択伐ということで森林を活性化させるために抜き切りということを繰り返してきたというような林分構成のところでございますので、それから切ってみまして先ほど次長が言いました老齢木があって空洞木があったという点はまさしくそうなわけでございますけれども、朽ち果てていく前にやはり地元産業等との関係で材として活用するということ、と同時に抜き切りいたしまして光等を入れて山地自体を再生、活性化するということも林業施業として必要であるという認識に立ちまして、地元の方方とも我々なりに十分協議、御説明、御納得を積み重ねてやったつもりでございますけれども、残念なことに一〇〇%の御同意ということを得られずにああいう混乱を起こしたということにつきましては率直にやはり一つの国民の動きであるということは見なければならないと思っておりますけれども、これからの問題といたしましては、何とか林業と自然との調和という中に立ちまして林業施業というものの適切な実施というものについて努めてまいりたいというふうに念じておるわけでございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 現場で働いている人たちが、樹齢二百年から三百年の広葉樹だけねらい撃ちにして択伐と言えないようなやり方でやったということを言っているんですよ。これは別にあなた方から答弁もらおうとは思いませんよ。そういう声があるということを承知しながらこの問題について、四月の十四日に毎日新聞に「拝啓田中林野庁長官殿」という社説も載りましたよね。それから四月二十五日に「知床林の伐採は今回限りに」というので朝日の社説にも載っていますよね。先ほど申し上げたように、金は一体どうなるかわからないという話してありますが、三千二、三百万円の粗利益しか出ない知床のあの伐採の問題がどうしてこんな社説にまで載るようなことに今取り上げられているのかということを考えてみたら、やっぱり事の重大性ということを頭に置いて行動していかなきゃいけないんじゃないのかなというふうに私は思っているんですよ。  それで、特に、これは大臣、これも四月の十四日の新聞記事です。筋目をつけるために今度は切った方がいいという大臣の談話が載っていますよね。それから続いて大臣は、伐採予定地は原生林ではないし、権威ある専門家に調査していただいた上での決断だと、こういうふうに大臣おっしゃったと、これも談話が載っています。しかし、あの調査というものについての評価というのは大変分かれているわけですね。  先ごろ山田委員からも、後ほどまた論争しましょうという発言がありました。大変な問題を私は含んでいるんではないのかと思うんですね。権力的に物事を考えて進めていくというやり方が片一方でまかり通っていながら、多くの国民の皆さんの協力を得たいということを片一方でやっていこうとしてみても、これでは失望感を与えるだけで、決して国民世論の山を守ろう、国土を守ろうということのためにプラスになるような行動ではない、こういうふうに私は言いたいと思うんですね。  この辺の問題について大臣のお考えを伺って、私どうしても用があるので行かなきゃいけないものですから。ここのところはしかし真剣な問題としてお答えをいただきたい。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 当委員会においても、委嘱しました各先生方の調査内容についていろいろな御意見、御批判もありましたが、私は、自然条件の厳しい中で、あの権威ある先生方が大変熱心に一本一本の木に登ったりおりたりしながらあの地形の中を克明にやっていただいたことに対して感謝いたしております。  それから、先ほど長官にもお答えさせましたけれども、知床の横断道路ができたときに、ある面でいいますと、私は、Aブロックの関係については一つの方向は出たんではないか、あの横断道路をつくるときに今日言われておるような議論をしていただいておけばこういうことはなかったんじゃないだろうかという一つの問題点を持っております。それから、あのAブロックは世に言われておるような原生林ではないということが一つあります。そういう点を踏まえまして筋目、折り目というものをつけなくてはならないという感じを持ったのは事実でございます。  それから、当委員会で御審議いただいております国有林のいろいろな問題がありますけれども、そういう中で一兆五千億の累積債務の中で三千万円云々というお話が出ましたが、私は、ちりも積もれば山となるという気持ちがこれから国有林野の経営基盤の確立、収支均衡を目指していく場合には必要ではないか。そういう中で、先ほどもお答えしましたが、国有林野の公益性という問題と経済性という問題は収支均衡に持っていくまでにこれは大変な議論が今後展開していく。その中で、また逆の立場で言えば、先ほど来御意見があったように、そういう問題は一般会計から入れればいいじゃないかという議論にもなっていく、いろいろな問題を含んでおるのが今日の知床の伐採問題である。ただ、全体を見た場合に今後の林野行政において非常にいい教訓あるいはまた今後我々が考えなくてはならない問題点を提起していただいたので、今後の林野行政あるいはまた国有林野行政においても今回の問題を十分かみしめていろいろな施策を展開していかなくてはならぬ、こう思っておるところでございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 ちりも積もれば山となるの話はまさにそのとおりだと思うんですよ。今、私の友だちなんかが営林署で、これは、資料は関係者の方方にやっておきましたが、間伐材で犬小屋をつくってそれを売り出しているということまでやっているんですよ。それに対して、では役所の側でどういう対応をしているかというと、余り温かい対応でもないような気がしないわけでもない。  きょうのさっき言った絵の話の新聞の記事をまた引き合いに出しますと、「――壁を飾る豪華な絵と手内職の木製はがきとの間に、ざっと四十年の歳月がある。」というふうに書いてありますね。ここまで全員が苦労をして何とかしなきゃいけないという気持ちでだんだんだんだん私は浸透してきておると思うんですよ。労働組合だってただよこせよこせだけの話では今日は立ち行かないという危機感を持っていますよ。そこのところを大事にしていただきたいということを、もう村沢委員の発言に尽きていますから、私はそういうことを強く要望をして終わりにしたいと思うんです。よろしく頼みますよ。

北修二自由民主党

○理事(北修二君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時四十五分まで休憩いたします。    午後零時十二分休憩      ―――――・―――――    午後一時四十六分開会

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案及び森林法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括議題として質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 きょうの審議の二つの法案の質疑に入る前に、午前に最終に話題になっておりました知床の伐採問題で若干私の方から質問させていただきたいと思いますけれども、午前の答弁の中で、今回の知床伐採問題は今後の施業のあり方について教訓となったと、こういう受けとめ方の御答弁があったわけですけれども、地元で御承知のように選挙が行われまして、ある意味では伐採反対の中心的リーダーでありました方が町長に当選をした。地元の状況を伺いますと、初めは予想していなかった結果である。地元の民意、地域住民の気持ちというものが、今度の候補者云々、候補者選択よりもむしろそうした民意が今度の選挙にあらわれたのではないか。選挙を終わりましてからも耳にいたしましたし、またそうした論評も目にいたしまして、この辺の受けとめ方をどのようになさっておられるか、これをまず大臣にお伺いしたいと思います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 選挙の結果というものは最も基本的なそして大切な問題でございまして、その選挙の結果を正しく受けとめなくてはならない、こう思っておるところでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 では、地元町長がかわって知床全体の国有林の今後の運営のあり方についての取り組みもやはり変わってくるだろうと十分予測されるわけでございますけれども、知床全体の国有林の置かれている位置というものをどのように考えていらっしゃるか、その辺をお伺いしたいと思います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 知床に残されております貴重な自然を保全することは極めて重要なことと考えております。これはもう今までと全く同じでございます。そしてまた、今までもたびたび申し上げてまいりましたが、この考え方に従いまして、北見営林支局の管轄する知床国立公園内の国有林のうち九割以上の森林を基本的には人手を加えずに将来とも原生的な状態が保全される森林として取り扱うことといたしております。また、残りの約一割の区域につきましては、六十二年度以降における動物調査等の結果を踏まえますとともに、地元斜里町長とも十分意思疎通を図りその対応を決めてまいりたいと考えております。  なお、そういう地元町長との問題を含め、今後とも知床国有林の取り扱いについては関係者の理解が得られるように努めてまいりたいと考えておるところでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 基本的に、知床の国有林につきまして、木を植えて育ててこれを伐採して経済性を追うという地域と、残すべきところ、保全を重点とすべきところ、その辺の峻別を明確にしていかなければならない時代に入ってきているんではないか、こういう感じがするわけですが、大臣、率直に言いまして、知床の地域はやはり保存すべき地域、こういう民意の動向という受けとめ方でいらっしゃいますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 私たちが今まで機会あるごとに知床問題で申し上げてきた線があるわけでございます。そういう点、今お答えいたしたんでございますが、知床の国立公園内の国有林のうち九割以上の森林は基本的にもう人手を加えない、将来とも原生的な状態が保全される森林として取り扱いたい、こう申し上げておるわけでございまして、これについてはもうはっきりいたしておるわけでございます。  そして私のところへも中学生等から地方統一選挙が始まる前にも大分いろいろな手紙が参りまして、そこら辺を私も読んだりまた丁寧な返事を書いたりなにかもいたしたことがあるんですけれども、知床に対する国民的な感じといいますか感情というようなもの、これは大切にしていきたい。全国的な国民の感じというものも十分尊重していきたい。そしてまた、先ほどお答えしましたように、地元とも十分意思疎通をしていかなくちゃならぬ。こういう問題に際しますと、往々にして地元の生活ということと地元に関係のない地区の要望というか感じというのがよく意思の疎通を欠くこと等もあるわけでございますけれども、そういった問題全体を配慮しながら今後やっていきます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 今度の一連の動きの中で私も冬一回、秋一回現地へ参りましていろいろ承ったんですけれども、今度の動物生態調査の中で、当然いるべきシマフクロウが予想していたよりも少なかったとかいろんなデータが出ております。その一つの理由の中に、えさのないところにけものも鳥もいなくなるというのはこれはもう自然の摂理でございまして、そのえさのなくなっているという一つの状況の中に治山治水作業の工法の問題がある。つまり、海から魚が上ってきてそしてかなり奥までえさがあるという状況から途中で堰堤にせきとめられて魚が上ってこないという状況が大変出てきているという、こういう状況の中で、そうした治山治水に対する工法等も含めて、国有林の中の生態系のあり方、これを今後見直す考えはありませんか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 及川委員のおっしゃった堰堤というのは、私は調査書を読み、私も現地へ行ったんですが、あの中に特別治山治水事業で堰堤をつくったということはございませんが、ただあそこは自然の滝がある。コイの滝登りというのがあるんですけれども、海からの魚は数々の滝があって上りにくいというところでそういうえさはないということ。逆に、報告を受けましたのは、ある程度間伐をしてやった方がそれ以外の大地に生えるえさはふえるという報告があったのを私は興味深く読ましていただいておるところでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 大臣、今の受けとめ方ちょっと違うんですけれども、国立公園の中の奥地のことを言っているのではなくて、やはり川というのは上流があって下流がある。下流でせきとめられれば行けないわけですよね。ですから、そういう問題も含めてこれは関係省庁連携をとり合って取り組んでいくという姿勢が大事じゃないかということを私は申し上げているんです。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) わかりました。  その点については、農水省といたしましてもまた各省も、堰堤その他をつくるときには魚道ということをいつも最重視した設計あるいは調査あるいは工事をやっておるわけでございますが、今後ともそういう問題には十分注意していきたいと考えます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 今の魚道の工法については知床のような地域はとりわけ重点的に施工してもらうような方向、取り組みというものを考えているというぐあいに受けとめてよろしいですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先ほどお答えしたんですが、知床地域に堤防をつくったりあるいはダムをつくったりしておるというのは私には記憶にないんですけれども、あるいは当局が知っておりましたら、計画があるのかあるいは過去につくったのか、お答えいたさせますが、私の記憶にはございません。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 去年来問題になりましたA地区には自然の川と自然の滝だけでございまして、人工的に堰堤やなんか築いたのはございませんけれども、あの横断道路の東側の先の方にサケ・マスのふ化場がございまして、ここが若干そういう自然の流れを、ふ化場でございますから当然あすこにためるというようなことになっているわけでございますけれども、これにつきまして少しスムーズにためる機能と調和をとりながらそういう工夫をしたらというような地元の要望があるやに聞いておりますので、その辺につきましては水産庁ともそういう情勢につきましてこれから話を交わしてまいりたいと思っております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 今そのA地区のことを、私はそこのところに集中して申し上げているのではなくて、もう既に切ってしまった、そして現状、今後どうするかという問題で私は問うているわけでございまして、むしろ海岸線の施工の中でそうした問題が現実に出ているということが、これは現場へ入るとよくわかるのです。ですから、ぜひこれは現地をよく見定めて、そういうことも今後の取り組みの中に留意していただきたい、こういうことを私は御要望しておきます。  それから、再度これは確認をさせていただきますけれども、先ほどの大臣の答弁の中で、地元の町長、それから地元住民の民意を尊重してというお言葉がございましたけれども、これは額面どおり、尊重するということで受けとめてよろしいですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) そのとおりでございます。  また、意思の疎通も図りたいということも申し上げたことをひとつ御記憶願いたいと思います。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 じゃ、次の質問に入ります。  まず森林法でございますけれども、今回の違憲判決につきまして率直に、まあ司法判断に対して行政当局からあからさまに物の言えない部分もあるかもしれませんけれども、今回のこの判決に対する所感をまず承っておきたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) あの規定は戦後に戦前の法律から引き継いでつくられたわけでございますけれども、つくられた時点では、いろいろ共有林地に対する利用関係でございますとか、現在とは非常に違った実態にあったわけでございます。現時点であの条文を見てみますと、最高裁判所から指摘がございましたように、林業経営が一体としてできるだけ団地ですべきであるという公益目的と私権の制限との間に、若干といいますか、法律上行き過ぎた点があったということは率直に我我も判決を読ませていただきまして感じましたので、そういう考えを含めまして今回法律改正というものを早急に出させていただいた次第でございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 今回のこの改正案が憲法二十九条にうたわれております財産権の保障を尊重するという意味を率直に行動に移されたということにつきましては、私もそういう意味で異論はないわけでございますが、この結果によって現実に全国的に経営上の問題点が出るような予測、また関連してそうした動きというものに対する調査をなさっているとか、そういう試みというものは現在なさっておりますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 民有林の共有関係の経営実態につきましては、残念ながら必ずしもすべてを当方で把握しているわけではございませんけれども、その大半はいろんな経緯がございまして人的な信頼関係、こういうものに基づいて経営が継続されているというものが多うございますし、それから従来、森林法第百八十六条の規定があるがために一体性が保たれてきたというような効果が本当に大きくあったのかどうかという点も実は検証が十分されてないわけでございます。いずれにいたしましても、この規定が削除されましても、従来の経緯なり実態から申し上げまして山林経営というものの分割が早急に進むというような形にはならないで済むんじゃないかというふうには認識しているわけでございます。  しかし、最近の林業経営という点から見まして、やはり森林の細分化というものはどうしても経営自体の細分化につながりかねないという問題がございますので、当方といたしましては何とか適正な利用というものが山全体に確保されるということが念願でございますので、そういう細分化によりまして適正な利用が阻害されることがないように、判決が出た直後にも各県に対しまして一定の通達を出しまして、善後措置といいますか、対策についての注意を喚起いたしましたし、それからあと森林組合で今回国会でお通しいただきました共同施業規程でございますとか、ああいうものを使いましていろんな方々、細分化した土地についての管理の円滑化というものをやってまいりたいと思っておりますし、それからその他金融なりいろいろ共同経営推進のための助成措置というものがございますので、こういうものを十二分に活用いたしまして経営がこれ以上に細分化することを防ぐために万全を期してまいりたいと思っております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 今の御答弁で、もし仮に、仮定論ですけれども、この種の関連するような問題が出た場合に現在諸制度の運用で十分対応できると、このように認識していらっしゃるというぐあいに受けとめてよろしいでしょうか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 対策の仕組みなり受け皿といたしましては、制度面、助成面、金融面を含めまして各種ございますので、それぞれの知恵の出し方によって十分対応可能かと思っております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 それでは、国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案の問題点に移りたいと思います。  午前中、私は、やりとりを率直に伺っておりましてちょっとわからなくなってきたなという感じのところがございまして、確認も含めて若干御質問をさせていただきたいと、こんなぐあいに思うんです。  本法改正案につきましては与野党合意の線に沿ったものとして異論はないわけですけれども、ちょっとやはり心配になる点について質問をさせていただきます。  まず第一に、先ほど大臣御答弁になっておられました国有林の公益性と経済性に対する考え方ですね。今後の国有林野事業としての政策的整合性をどのようにとらえておられるか、もう一度整理してお述べいただきたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 国有林のみならず森林全体がそうでございますけれども、単に木材を供給するという性格だけじゃなしに、国土保全でございますとか水資源を涵養するといういわゆる公共的な色彩に加えまして、ここのところ教育なり文化面というような人の心に働きかけるあるいは人の心が求める機能というものもかなり強まってきているわけでございます。  そういう観点からいいまして、国有林野におきましても、単に木を従来の延長線上として切るだけじゃなくて、その他の公益的機能の維持ということにつきましても十分意を用いなければならない段階に来ているわけでございます。木を切るという従来の森林施業の面におきましても、需給の動向等から見ましても、単に従来のような皆伐、一斉植林というような形だけじゃなくて、複層林でございますとかあるいは天然林でございますとか、こういう多種多様な施業形態というものをこれから新しくとらなければならない段階に来ているわけでございます。  そういうことで、新しいその方向づけに従っての施業形態、特に経済とそれから自然なり環境との調和、こういう点は言うべくして我々も毎日悩んでいるわけでございますけれども、林業そのものというものがもともとやはり自然と両立する形で、その自然の輪廻の中で初めて林業経営というものが発展してきている歴史もあるわけでございますし、産業の性格として当然そうでございますので、やはりこれは難しくても調和すべき点、調和させなければならない点というのはあるはずと思っております。  そういう点で、財政的な点もいろいろと問題があるわけでございますけれども、我々といたしましては、そういう最近出てまいりました国民の方方のいろんな新しいニーズ、こういうものにもできるだけこたえ、しかもその経済性もできるだけ上げていくというような難しい調和ではございますけれどもいろんな知恵を出し、いろんな仕組みを考究いたしまして何とかそういう国有林の使命を達成する仕事に取り組んでまいりたいという悲壮な決意でいるわけでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 今、国有林野事業の中で一般会計の繰り入れということに関連して公益性という問題が非常に論点としてサーチライトが当たっているわけですけれども、どこまで公益性があって、全体の事業の中で公益性とみなされるものがどのぐらい割合として占めているのかと、こういうことを分析をするようなそういう作業はおやりになっていらっしゃいますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ただいま申し上げましたように、森林というものは一定の経済活動とリンクした形で自然が守られていくという点がございますので、単純に公益性と経済性ということで山そのものを分けたりあるいは作業過程というものを分割するということは非常に難しいわけでございます。森林経営が円滑にいって初めて、その結果として自然も守られていくという因果関係にございますので、それをどこで遮断してどこで計算するかということは非常に難しいわけでございますけれども、一応水源涵養機能はどのぐらいあるかとかあるいは清浄な空気を国民の皆様方に提供する機能はどのぐらいあるかとか、そういう観点では過去推計したことがございますけれども、山そのものを公益性とそれから経済性とに分割してどうこうというような積算というものは現在のところ行っておりませんし、また具体的手法としても非常に難しかろうかと思っております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 もう一点今の問題で伺いたいわけですが、今回のこの改正案、法律の内容によりまして幾つかの、例えば利子補給の問題とかあるいはまた保安林等の保全管理経費に対する一般会計からの繰り入れとか退職手当借入金制度の充実とか、何点かの項目についてこの法律に基づく改善の期待というものが寄せられておるわけですけれども、今の公益性という点から考えて今回この法律に盛り込まれている内容を十分と受けとめていますか、それとも公益性の中の一部の財源措置というぐあいに受けとめていらっしゃいますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ただいま申し上げましたように、公益性の保持持続と林業活動というものが不可分の関係にございますので、どの部分が公益性、どの部分が経済性という点はなかなか分割しにくいわけでございますけれども、今回の法律改正で例えば保安林等にかかります管理保全というようなものについて新しく一般会計からの繰り入れの道というものが開けたわけでございます。従来はこういうものにつきましても一般の経済活動で上げました収益でもって行うということでございましたし、それから我が国の森林の三割を占めるいわば我が国最大の大地主でございますので、そういう経済活動の一環として山を守れるということで従来からやってきたわけでございますけれども、残念ながら国有林の賦存状況というものを見てみますと、脊梁山脈という非常に経済性の低い地帯というものが大量にございまして保安林等の制限林というものもかなりのウエートになっているという点から、独立採算の会計でやっていくという、経済的な会計にとりましては全くある意味では異例と言えるのでございますけれども、こういう保安林の管理について繰り入れの道が今回おかけさまで開けそうになってきたということでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 それでは念のために、午前中の議論でも出ておりましたけれども、ここ五年ぐらいの林野会計事業の財政的な動き、歳入歳出の比較の中からどういうぐあいに損益が動いてきているのか、これ念のためにちょっと示していただきたい。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ここ五年間の収入なりの関係でございますけれども、収入につきましては、現金収入額で申し上げますと昭和五十六年度が四千四百十一億、五十七年度が四千六百八十六億、五十八年度が四千九百二億、五十九年度が四千九百四十億、それから六十年度が五千四十九億という形になっております。  それから一方、支出の方でございますけれども、歳出の方につきましては五十六年度で四千四百六十七億、五十七年度で四千六百五十億、五十八年度で四千七百六十三億、五十九年度で四千九百三十億、それから六十年度で五千百三十八億という状況にそれぞれ収支が相なっております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 あわせて累積欠損金の動きもお願いしたい。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 累積欠損金につきましては、昭和五十六年度で三千四百九億、五十七年度で四千四百六十九億、五十八年度で五千百六十八億、五十九年度で六千三十六億、それから六十年度で六千八百二十二億という形に相なっております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 累積欠損金の動向というものは、これは決していい方向に向いているということは言えないと思うんですよね。そういう状況の中で、午前中、村沢委員の質問に対しまして、昭和七十二年度に向けて収支バランスのとれた改善を、目標に向けてというこういう御答弁があったわけです。私は、その方向に向けて努力しているというその部分、お気持ちというのはよくわかりますけれども、赤字欠損がどんどんどんどん累積している、これを改善するためには収支のバランスがどういう方向に行くかというある程度の見通しを立ててこの計画がなされるというのが普通常識だと思うんですが、達成可能な収支見通しが出せない、だけれども七十二年度にはその方向に持っていく、この辺がちょっと私には理解に苦しむ点なんです。  国有林野事業の使命というものから考えまして、この改善策については単なる精神論や決意だけではやはりこれは済まされない時期に来ているんではないか。もし百歩譲りまして、そのような七十二年にそうした収支のバランスの均衡のとれるところまで改善できるということを申し述べるならば、やはりそれなりの裏づけというものが私は必要じゃないかと思うんです。例えば、成文化されたものでなくても、担当庁としてこういう考え方でその見通しを持っている、このようなものを現時点で述べられる点がありましたらお述べいただきたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 七十二年に何とか収支均衡に持っていきたいということで必死の努力をこれから積み重ねていくわけでございますけれども、七十二年度の収支がどうなっているかということにつきましては、これは先ほど来お話ししていることと重なりますけれども、具体的数値をもちましていろいろ御説明を申し上げることは、その大前提となりますいろんな事項がこれからも変動する事項が多うございます。例えば、収入の一番大宗を占めます材価の見通しにいたしましても、ここのところの国際情勢というようなことから余り変動がないという見込みももちろんございますし、一方そうでないというような感じを述べる方もいらっしゃるわけでございます。それからあと人件費等につきましても、毎年毎年どれだけどういうふうになっていくかというようなことにつきましても、これも組合でございますとか現に働いている方々との自主的ないろんな折衝を重ねまして要員調整というものは進んでいく話でございますので、こういうものにつきましても具体的なプロセスなり金額というものを残念ながら明示できませんし、それから収入の面で、土地の売り払いということが今回いろいろ多過ぎるじゃないかという議論もけさ来いただいているわけでございます。これにつきましても、不要不急な財産というものにつきましてはこういう厳しい時期でございますのでぜひ売ってまいりたいと思っておりますけれども、我が国有林野の場合には、林地の活用という点はこれは不要不急だから売るという形じゃなくて、むしろ地元の必要性なり地元の要望等、こういうものを受けて立って売っていくというような色彩のものもございますので、それやこれやで全部を数字として足しまして何年目にはこういう形になり最終年度にはしかじかかくかくで収支均衡になるという数字については、具体的には残念ながらお示してきないわけでございますけれども、我々といたしましては、当然これだけの法律を直していただき、それから財政資金につきましても、いろいろ御議論はございますけれどもこういう中で新しいチャンネルというものをつくった、あるいは要員につきましても現在の四万六千規模から二万人に要員調整していくというこういうきつい合理化のさなかでございますので、当然将来の絵につきましてはいろんな前提を置きましていろんな試算なり計画案というものは試案的にはつくっているわけでございます。ただ、こういういろんな前提が余り多過ぎますので、そういう変動的な中で画一的なものをお示しして御審議いただきますとむしろいろいろと問題が多いんじゃないかということで、残念ながら今回そういう具体的数字をお示ししないままに御審議をいただいております点につきましてぜひ御理解いただきたいと思うわけです。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 問題は、昭和七十二年の収支均衡のとれる形での国有林野事業のあるべき姿、少なくともこのときにそういう状況を持っているならば、それじゃ収支均衡がとれるという状況についてはどういう形態であれば収支均衡がとれると見ているか、このぐらいは示していただかないとこれは議論にならないという感じはするんですよ。  この点はどうですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) もちろん数字ではお示しできないわけでございますけれども、一つには、要員調整ということで十二月の行革大綱等でもお示ししておりますように二万人に六十八年度に持っていく、そういうことを通じまして人件費等の節減というものが一つございますし、それから事業費支出、こういう面につきましてもいういろと販売活動の刷新でございますとかあるいは仕事の中身といたしまして請負化あるいは立木販売指向、それから直用につきましても真に直用にふさわしいものに特化していくというような仕事の変革を通じまして支出面でも合理化を図っていく。  それから一方、収入面でございますけれども、収入の大宗を占めますのは、何といいましても林産物収入でございます。これにつきましては、伐採量そのものにつきましては資源基本計画という形でここのところの需給事情なり資源の賦存状況ということからいいまして、午前中にも答弁させていただきましたけれども、千六十万立米というようなものを当面前提といたしましていろいろ計算をしておるわけでございますが、いずれにしても林産物収入が飛躍的にふえるというようなことは望めないということは事実でございます。  それから一方、林産物収入に加えましていろんな形での自己収入をふやしていく努力をする。我が国有林は単に森だけじゃなくて、森林あるいは林地というトータルとしての国土というものを持っているわけでございますので、単に木の価値の具現化だけじゃなくて木の育っている土地なり森林の持っている環境、こういうものにつきましてもいろいろと新しい視点からの価値化というものを考えてまいりたいと思っておりますし、それから特に高地価部分に所在しております営林局なり営林署の施設、建物、苗畑、こういうものにつきましても整理はしたいということを考えているわけでございますが、そのほかの林地そのものにつきましては、これは地元からのいろんな要望というものを受けまして円滑に処理していきたい。そういういろんな努力を積み重ねまして収入増も期待し、収支相償う体制というものをぜひつくってまいりたいというふうに考えているわけでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 林産物収入につきましてはそのときになってみなければ価格がどう変動するかということはわからない、これはよくわかります。  今御答弁の中で出ております二万人規模の要員という点ですね、六十八年を目指してそこまである意味では人員をきちっとここで縮小した体制で臨んでいく、そういうお話が出ましたけれども、この二万人規模の要員の論拠を実は伺おうと思っておったんです。この二万人規模の論拠という点を今の御答弁から推測をいたしますと、やはり七十二年度における収支均衡のとれた林業経営、国有林野の経営という条項の中で考えているというぐあいに理解してよろしいですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) この二万人規模につきましてはこれからいろんな手だてで推進していくわけでございますけれども、こういう規模を設定するに当たりましては、我々といたしましては先ほどもちょっと触れましたように仕事の面でのいろんなやり方の変革というものを前提にしているわけでございます。請負化でございますとかあるいは立木販売への指向、それからさらには直用の特化でございますとか、それから一般の事務なり総務的な仕事の改善合理化あるいは組織の統廃合というものを通じまして全体としてのある程度の将来の仕事のボリュームというものをもちろん想定いたしまして、そういうボリュームに見合った要員規模として二万人程度で適当であるという判断に至ったわけでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 それでは、今回のこの中にも林野、土地売り払い代として本年は前年度と同額の六百十五億円を予定しておりますけれども、具体的にどういう内容のものをお考えになっているのか、今お示してきますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) こういう歳入面につきましては、大方の特別会計がそうでございますけれども、具体的に積み上げということが必ずしもされないままで予定歳入として予算案提示をしている場合が多いわけでございます。今回のあれにつきましても、過去数年間のうちの売り払いの傾向というものとそれから売り払い予定地、これは各営林局からいろいろとヒヤリングしておりますけれども、そういうものの総体の和としまして六百十五億円程度を計上しているわけでございまして、具体的にどこどこの町村の何番の地を何ヘクタールというその積み上げ結果にはなっておりません。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 少なくとも金額を明示するというのは、大体の方向性ぐらい決まっているんじゃないですか、いかがですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) もちろん特定のものとして、例えばここのところ近々と思っております札幌のグリーン会館でございますとか、こういう特定的なものはございますけれども、一般論といたしましては、当方で現在余り活用していない高地価地域のものを優先的に売っていくということと、それから過去のいろいろ林地に対する地元公共団体等の要望の傾向というものを総合勘案してこういう金額をはじいた次第でございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 じゃ、次に移ります。  「森林保林業、木材産業活力回復五カ年計画の推進」としまして「林業経営の活性化」という項目がありますけれども、その中に「来るべき国産材時代に備えて」というこういうくだりがあるんですが、これはどういう論拠によってどういう見通しでこういう見通しを立てていらっしゃるか、お伺いいたします。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 「来るべき国産材時代」というのは二様の意味があると思います。一つは、供給面ということで見てみますと、戦後林業関係者の営々とした努力によりまして千二十二万ヘクタールに及ぶ人工造林というものがされてきたわけでございますけれども、これは現時点ではまだ伐期に到来していないわけでございますが、これがあと十数年から二十年してまいりますと伐採戦線に参加してくるわけでございます。そういう点からいいますと、供給能力という点で十分国産材が供給体制といいますか、潜在的な供給力というものが出てくるわけでございます。  それで、その時点でそれだけ戦線に参加する国産材というものをどういうふうに上手に国内に供給していくかということがこれから問題になってくるわけでございますけれども、そういう供給があっても一方で需要がなければ受け手というものはないわけでございます。この点につきましては、ここのところ活力回復五カ年計画でも真剣に需要拡大運動に取り組んでおり、特に国産材を中心にした需要拡大ということに取り組んできているわけでございますけれども、ここのところの内需振興等とも絡みましておかげさまで木材の着工戸数というものも前年度で百三十六万戸ということで、今年度に入りましても着実な伸びというものを示しているわけでございます。それから、先般の総理府等の世論調査におきましても、でき得れば木の家に住みたいあるいは木の家具に囲まれて生活したいという方々の数字というものが八十数%になっているわけでございます。したがって、需要面でもそういう潜在的な需要あるいは木を使いたいという欲望というものはあるわけでございますので、これから十五年ないし二十年して国産材が山で育ち供給可能になってきた際に、これを心の中にある国民の方々の木に対する需要というものとどういうふうに的確に結びつけていくかというためのその道筋というものをこれからどうやって考えていくかということが国産材時代を指向しての我々の責務ではないかというふうに考えているわけでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 国産材時代というのを具体的に今のこの社会動向の流れの中からいつごろというぐあいにとらえていらっしゃいますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 大まかに言いまして、大体二十一世紀初頭には現在の人工林の生育度合いというものから考えましてそういう時代が招来するんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 七十二年収支均衡、バランスのとれた国有林野事業の見通しの中に、今お述べになっておられました国産材に対する期待感というものは組み込まれておりますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 当面は、国有林につきましても、非常に幼齢林といいますか、まだ間伐等を必要とする林齢の木が多いわけでございますので、そういう意味では一般民有林と同様にこれから十数年後にそういう木が太り価値として出てくるということでございますので、当然新しい国産材時代に備えましての国有林体制というものはどうあるべきかという点において新国産材時代の一環としての国有林というものを考えていく必要があろうかと思っております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 歳入面の中のいろんな条項を分析しましても、今の累積赤字の完全解消というのは非常に難しいんじゃないか。やはり現行制度の独立採算制というのは限界があるんじゃないかという声が非常に強いわけです。この点に対する見解はいかがでしょうか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 国有林も森林経営でございますので、やはり経済活動として独立採算、特別会計ということで収支相償うということを基本として行うべきものと心得ておりますけれども、先ほどもお話ししましたように国有林の賦存状況から見まして非常に経済的にペイしないところなりあるいは制限林的な性格を帯びた森林というものがかなりあるわけでございます。そういうことに着目いたしまして、過去からも、例えば治山事業につきましては全額国費をもちまして治山勘定で行うとか、それから財投資金の繰り入れでございますとか退職金にかかわる一定の財投借り入れ、利子補給という一般会計からの繰り入れというものもお願いしてきたわけでございます。  今回、従来の一般会計への依存だけではなかなかこういう苦しい事態を回避できないということで三点にわたりまして財投とそれから一般会計という新しい道をつくったわけでございまして、そういう点におきましては従来のように単純に経済あるいは合理性だけで運営する国有林と相当質的に変わってきているのが現在の姿かと思っております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 午前中も強調されておりましたけれども、公益性の部分を明確にして一般会計からの繰り入れというものをより充実する必要があるんではないか、私もやはり同じようにそう思うんですけれども、この点いかがでしょうか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 繰り返しになって恐縮でございますけれども、公益性というものも一般の適正な林業活動、こういうものを通じて守られるということでございますし、それから国有林も国がやっている林野経営ではございますけれども森林所有者という点では民間と並ぶものでございますし、しかもザ・ビッゲストな山持ちということでございますので、本来ですとスケールメリットというものもあってしかるべきというものが、財政的な立場から言わせるとそういう見方さえあるわけでございます。しかし、確かにスケールメリットはあるわけでございますけれども、その一方で国有林の賦存状況というものが非常に公益性なり公共性の高いところにある、あるいは山村という非常に難しい地域での国有林の従事者の果たしている機能というものも多々あるわけでございまして、そういう点からいいまして単に経済体として独立採算で全くの自賄いだけではとてもやるべき性格ではないということで、先ほども申し上げましたように過去から財投なりあるいは一般会計からの繰り入れをお願いしてまいりましたし、今回も保安林の管理等についての一般会計の繰り入れを初めとする財政措置というものを与野党の合意等の経緯を踏まえまして実現できたという形になっておるわけでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 時間の関係で質疑を前に進めさせていただきますけれども、組織機構の簡素化、合理化の問題で各営林局の統廃合等が進められてきておるわけですけれども、一部には名称だけ変わって実質的な合理化、簡素化にはなっておらぬというこういう御指摘もありますけれども、この点についてはいかが感想をお持ちですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) そういう御指摘のないような実質的な統廃合に従来も努めてきたつもりでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 現実的にそういう声があることについてはどうお考えになりますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) それぞれの地域なり地元との関係いろんな経緯によりましていろんな形態の統廃合なりそれから統廃合後の事業の運営ということが築き上げられてきておるわけでございますけれども、我々といたしましては、せっかく統廃合をする以上はそれなりの効果が十分に発現されることをこいねがっております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 それでは、自助努力の問題等につきまして何点か伺いたいと思いますけれども、まず、製品の流通問題に移る前に、森林レクリエーション事業の一つとしてヒューマン・グリーン・プランというのが盛り込まれておりますけれども、この全体像について御説明いただければと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 従来からも森林の持っていますいろんな機能に着目いたしまして、できるだけ都市住民、一般国民の方にも森林の機能を活用し利便を提供するということで自然休養林を初めとしていろんな仕組みをつくってきたわけでございますけれども、ここのところさらに国民の方々の余暇活用でございますとかあるいは自然回帰というようなことでそういうレクリエーションに対する要請というものが強まってまいりまして、大規模リゾート法律というようなものも法制化されるような時代になってきたわけでございます。そういう中で、限られた国土の中で土地を国自体が持っていて、一番緑に恵まれ、そういう自然休養あるいは教育文化というような面で直ちに活用できるというようなものは国有林をおいてほかにないわけでございます。しかし、ただ、現にそういう機能を果たし得る能力というものはそういうことで最も持っているわけでございますけれども、一方で適切な林業施策というものとも調和した形でそういうものを進めていく必要があるということで、虫食い状態じゃなくて大規模な保養用地というものを、関係の方々に参加していただいてオープンの場で計画や何かを話し合っていただき、それでその中に、しかも地方公共団体というものが全体計画、全体レイアウトというものをオーソライズするというような形でこのヒューマン・グリーン・プランというものをつくっていただきまして、こういうものにつきましては、国有林野全体の積極的活用を行ってまいりたいということで、六十二年度におきまして全国でたしか五地域だったと思いますけれども、につきましてとのマスタープランづくりの現地調査、計画樹立のための準備というものに着手しているところでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 もう一点、自助努力の内容。さまざまな要因があると思いますけれども、林野庁としまして現在目いっぱい努力しているというぐあいに自負をしていらっしゃいますか。これは気を悪くなさらずに聞いていただきたいんですけれども、一般には民間から比べるとまだまだ自助努力の余力はあるんじゃないか、こういう御指摘もあるんですけれども、この点はいかがですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 国有林職員、現在で四万三千人ですか、これが全力を挙げて必死になって努力していることは確かでございますけれども、まだ努力の余地はあろうかと思っております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 累積赤字の中でどうしても出てくる話というのは厳しい状況になろうかと思うんですけれども、むしろそうした中身の努力をもっともっとPRして前向きに頑張っている姿勢を示すべきじゃないか、私はまだまだPRの余地があると思います。けれども、そうしたさまざまな計画の中でこういう努力を我々はやっているんだと、こういうぐあいに申し述べられる点がありましたら、一、二例を挙げて申していただきたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 林野庁全体といたしまして、木という自然を相手に育ってきておりますので非常にPRが下手でございまして、謙虚過ぎるところがあるわけでございますけれども、自己収入を確保いたしますためには、何といいましても必死になった努力の成果というものを世の中の方々に理解していただき買っていただくということがなければせっかくの努力というものが実らないわけでございます。そういう点でここ一、二年全力を挙げて、そういう我々の最末端からのいろんな努力の成果というものを世の中にPRするということにいろんな形で力を注いでいるわけでございます。  例えば、主要な営林局で都市住民に対するサービスセンターというものも設置いたしまして、ここでは国産材を使ったいろんな工夫の展示でございますとかあるいは建築の相談でございますとかあるいは山への案内でございますとか、こういうことをやりまして相当都市住民の方々に参加していただいておりますし、それから一署一品運動と称しまして、それぞれの営林署が余暇等も活用いたしましてそれぞれの地域での木材なりあるいは山菜、こういうものに一定の付加価値もつけまして直接国民の方に呼びかけていくというようなことで、例えば先般も代々木公園で森の市という形で、近辺を中心にいたしまして営林署で苦労なさっている産品等を持ってきたわけでございます。例えば、前橋管内の営林署では根曲がりベンチというようなことで、従来、曲がっておりまして製材化できなくて材としては価値が出なかったものをベンチにいたしますと、シュールレアリズムまではまいりませんけれども非常に現代的な家具という印象を受けていただきまして、これはこの近辺の大型ホテルにも一部導入されたようでございますし、こういうことでその場でも数脚の予約があったようでございます。それから、先ほど若干さきに御質問なさった先生からもお話ありましたけれども、私の部屋にも各営林署で工夫なさいました木のはがきでございますとかあるいは皿受けでございますとかいろんなものを、小さいものでございますけれども展示いたしましてそういう努力をしておりますし、それから、ただいま使っておりますこのライターもわが国有林の職員がつくりまして、ここにも「日本の緑・国有林」というコマーシャルもここに張っているわけでございます。  こういうささいな努力でございますけれども、いろんな努力を積み重ねまして、何とか副収入の確保なり、それから国民に理解され愛される国有林ということを目指して、全職員一体となって進みたいと思っております。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 本法改正案とも関係があるんですけれども、六十一年から、私の聞いたところによりますと、松林の健全化促進調査ということを、これは松くい虫対策の一環としてなさっているということを伺ったわけです。一般的に言いますと、最近は利用価値が低下していると言われている松材ですが、その調査の結果は、意外や意外、かなり需要も強いという事実が指摘されたと、材価につきましても杉材と比べて遜色がない値段で取引されていると、流通過程もいろんな形で複雑多岐な流れ方をしているというこういう状況があるわけです。木材の場合に、生産されるところから実際に国民のお一人お一人に使用されるところまでの流通、加工、消費という、こういう過程というのは極めて大事だと思うんです。これは自己収入の増大にもつながるわけでして、ひいては林野事業の改善にも通ずるわけです。こうした点から考えますと、先ほど大地主というお話が出ましたけれども、全国ネットを持っている意味では民間とは比較にならないぐらい情報ネットを持っているわけですけれども、この点に対するそうした情報収集、分析等をおやりになっているという、こういう点の具体例があれば述べていただきたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 林業、木材産業の場合に、これからの一つの大きな問題として流通、加工という点にどう取り組むかということが、国有林だけじゃなくて全体としてあるわけでございます。戦後長い間切れば売れるという体質の中で、流通なり加工というものもここのところのいろんな動きの激しい中の産業再編成とは必ずしもパラレルで動いてこなかったという点もございます。しかし、ここのところいろいろ国民のニーズというものが、ただいま先生からも話がありましたように、従来なら売れなかった木あるいは余りありがたがられなかった木がむしろここのところへ来て人気が出てきているというようなものも出てきているわけでございます。そういうものにつきましては末端需要者のニーズ、その要望というものを的確に山元に反映させていく、要するにそのチャンネルをスムーズにつくっていく必要がございますんで、当国有林におきましても、そういう末端の市場と直結した形での情報の伝達を迅速化するためのあるいは機械化でございますとか、いろんな調査、出版物というもので、そういう流通チャンネルが少しでも太く短くスムーズにというようなことで心がけているわけでございます。

及川順郎公明党・国民会議

○及川順郎君 私が伺ったお話の中で、まだあるんです。  例えば、昭和五十八年当時でございますけれども、秋田営林局管内で造材、販売について大変腕の立つ業者が中部地方から進出してきた。この業者の手によって、例えば生産技術や全国における販売のルート、これは非常に巧みな能力を持っておりまして、それまで主に安物、土台材、こういうものにつくられておりました造材に、例えば青森のヒバなんかそういうぐあいに使われていた。それが場合によっては一・八倍とかあるいは四・七倍とか、いいものでは八倍の価格で製品化して売り出した、こういう実績がある。例えば貫中心に造材されておりました秋田の造杉、これなんかも二倍から高くて八倍ぐらいの値段で販売したという実績なんかも具体的データとして話題になっていることを私も聴取しておるわけでございます。こうした流通から製造、販売までの過程の中におけるそういういい工夫というものを、一部地域だけではなくて全国の営林事業のそれぞれの方面に流して、それを公開しながら収入面の増加を図る努力というものはこれから非常に大事になってくるんではないか。ここ数年木材の価格が引き続き下落、低迷しているというふうに書かれておりますけれども、そういう時代の中でもこういう努力がなされている。私は、そういう点についての営林事業、国有林野事業の中身の問題の自己改善、こういうものをもっともっと積み上げて、そして全国にも波及しながら積極的な経営改善に取り組んでいただきたい。  この点についての大臣並びに長官の所感を求めて、私の質問を終わらせていただきます。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 私も、過去数年の国有林野における業務収入その他の問題を見ながら、ただいまは先生から非常にすばらしいいろいろな創意工夫の努力というものも逆に御開陳いただきまして深く考えさせられるところがあるわけでございますが、とにかく国有林野事業の経営改善を推進する上で自己収入の確保というのは極めて重要な課題であると考えております。そしてその自己収入の大宗を占める販売事業の推進に当たっては、国産材の需要拡大ということを一層推進する中で、今もおっしゃいましたが需要に即した機動的な販売ということ、それから製品生産における付加価値の向上あるいはまた新規需要の開発、新規需要の開発にもいろいろな方法がありますけれども、こういうものを積極的に推進して、企業性を高めた積極的な販売活動を展開していくことが重要である、またそうしていこうと考えておるところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今回の国有林野事業改善特別措置法の一部改正法律案のポイントは、借りかえの利子補給あるいは保安林の保全管理に対して一般会計から繰り入れるという内容でありますが、これは額的には全くわずかであって、焼け石に水と。しかし、私たちは五十三年当時から一般会計からの繰り入れを大幅にふやしていく中で山の持つ公益性、これをしっかり国の責任でやらなければならない、こういうことを申し上げてまいりました。この提案に当たりまして大臣は、急激な円高の影響や材価の下落、低迷、これがまた今後一層進んでいくだろうとか、あるいはまた人工林の約九割が育成途上であって資源的制約があるとか、また借金の利子及び償還金が増大しているのだ、こういうことがあるから一般会計からの繰り入れ等、これはしなきゃならないということでお話しになっておりますけれども、根本的にはこの原因を解決していくということが大変重要かと思うんですけれども、改めていかがでしょうか。――それは大臣です。提案理由で大臣言っているんですよ。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 提案理由で御説明しましたように、国有林野の問題は単に国有林野の問題じゃございませんで、我が国森林・林業そのものを活性化する必要があるわけでございます。そういう観点に立ちまして従来からも、いろんな経営基盤の整備、林道網の整備でございますとかあるいは造林でございますとか治山でございますとかこういう基盤整備、それから後継者の育成確保あるいは関係団体の養成、それからそういういろんな仕事の前提になります需要拡大というようなことについて努めているわけでございますし、それから具体的には今度この「森林・林業、木材産業活力回復五カ年計画」というようなもので着実に一般林業の活性化のために努め、こういうことを通じまして国有林野を含みます我が国森林・林業産業の強化というものを図ってまいりたいと思っておるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 長官、いつから大臣になったの。提案理由説明に書いてあることを端的に言っているのよ。私がそれを何で言ったかといいますと、いみじくも借入金の利子及び借金が増大しますよということで、こういうところにきちっと手を当てなければなりませんということを五十三年からずっと言ってきたんだということを申し上げたかったんですよ。大臣ちゃんと答えなさいよね。  それで、そのことを前提にしながら、さて本当の山づくりというのはどうあるべきなのか。  最初に、天然林施業の問題で質問いたしますが、天然林施業というのは天然の力を活用した施業のことで、これは私どもすべては否定いたしません。ただ、条件を無視してやたら拡大できるものではないんだということなんです。現在検討されている森林資源整備の施業方法、これは面積でどういうふうにしていくのかといいますと、現在は現行制度の禁伐等も含めて天然林施業を今後五百ヘクタールまでしていこうというわけでざっと全体の六五%まで拡大していこう、その反面、人工林施業の方は二百五十四万ヘクタールから百九十九万ヘクタール、二割のダウンというような方向に今持っていこうと検討されておりますね。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) 森林資源基本計画を改定するということで作業を進めておりますので、今、先生御指摘のような人工林は複層林等に移行するという形の中で人工林施業そのものは減少する、また天然林施業につきまして、新しい森林の活用といったようなこともございますし広葉樹資源の見直しということもございますので、天然林施業も積極的に推進していきたい、このように考えているところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私は数字を確認したんですよ。ちゃんと答えてくださいよね。  これは、こちらの方でもお話しになっておりますし、事実だと思うんです。問題は、天然林施業、これが本当に立派な山づくりにつながっていくのかどうかということで、大事な点は科学的なそのような裏づけが必要だと思うんですね。  第一番目に、何をもってその際に天然更新が完了したのかという基準、これがなければならないと思うんです。まず、その基準がどういう形で科学的に確立しているかどうかということが三十年、五十年あるいは百年後の山づくりを示していく基本になるわけですね。そういう意味で、天然更新の完了基準、これを示している局は何局ございますか。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) 天然林資源にもいろいろあるわけでございますが、ブナに例をとりますと、ブナの分布は温帯性の代表樹種でございまして北海道の南部から本州一円にブナがあるわけでございますが、そのブナの施業につきまして、今、先生のお話がありました更新完了の基準の整備をしているところにつきましては六局整備をしておるところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今の六局というのは、函館、秋田、大阪、名古屋、高知、熊本というようなことで間違いございませんね。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) そのとおりでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 この更新完了の基準なんですけれども、今言った六局というのは実際に調査する際の基準もきちっと定められているというふうに理解してよろしいですね。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) そのように考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 としますと、その他の営林署、営林局の場合には、一定の更新の目安はあったにしてもそうした調査基準も含めたものがまだできていないということですね。これからだと。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) 本林の施業は、先生御承知のように、森林計画制度に基づきまして五年ごとに過去に行われた施業の検証をし、その結果を次の計画に生かすような形での仕組みになっているわけでございます。したがいまして、基準がないからといって更新の完了につきましてむとんちゃくでいる、こういうことではないわけでありまして、五年おきに検証をする際に過去の天然林施業におきます更新の状況等は把握をいたしまして状況に応じましての計画を組んでいる、こういうことでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 更新基準がなくて何十年後に一体どんな山になるかというようなことをも予測できないというのは問題ですよ。五年後にどうなっているかということを見直すなんというのは当たり前の話なんです。ですから、今言うように、これから調査基準をつくっていこうというような手はずにあるんだということは事実ですね。それだけちょっと確認します。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) 技術体系は日進月歩でございますので、そういう意味合いでは精緻な技術体系を組んでいくということは常々心がけているところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 日進月歩の話がありましたけれども、つまりじゃ今立てているそういうブナならブナの更新の基準がどうなのかというふうなことは大変いろいろ問題があるわけですね。ブナの場合には更新がかなり難しいんだ、こういうふうに言われておりますけれども、秋田営林局では更新基準を設けましてその中にどういうふうに言っているかというと、その他有用天然林の稚幼樹の成立状況を含めて、樹高三十センチメートル、本数がヘクタール当たり三千本と、それ以上になってその出現率が八〇%以上の場合にこれでいってブナの更新が完了と言えるよという基準を定めていると思うんですね。この基準というのはあくまでも一つの基本体系だとは思うんですけれども、そういう状態になっておりますね。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) 施業基準はそれぞれの自然条件の違いとかあるいは森林の構成の違い等いろいろな条件ごとに本来設けられるべきものでありまして、秋田営林局は今先生がおっしゃったような形の更新完了の基準を設けている、こういうことでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 地域によって違うんだと。だからこそ局別に樹種別に更新の基準をつくって、その基準がどうなのかということで調査したときの基準もつくってやっていかないと収穫予想量やなんかも出てこないというふうになると思うんですね。  そこで、福島県の場合なんですが、これは前橋営林局です。前橋営林局の場合にはまだ今の更新完了基準ができていませんけれども、奥会津の施業計画を見ますと、更新完了の目安ということでもって、ここでは木の高さ三十センチ以上、ブナその他有用天然木がヘクタール当たり五千本、林地にほぼ均等に成立ったときに更新完了の目安とするんだと、こういうふうになっております。  で、私が聞きたいのは、ここで一つは、秋田の場合にはヘクタール当たり三千本、奥会津の場合にはヘクタール当たり五千本、しかしそれぞれその他有用天然林を含めてと、こうなっているんですね。有用天然林て何なんですか。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) 有用天然樹ということではないかと思うわけでございますが、ブナ以外に広葉樹の中で建築用材等々非常に付加価値の高い樹種があるわけでございまして、そういうものを総称いたしまして有用広葉樹、またそれらを全部ひっくるめまして天然林の育成強化を図っていくというのが天然林施業でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私は天然林施業のあれこれを聞いているんじゃないんです。ブナの天然林をつくろうというのにその他有用天然林とは何なんだと、こう言っているんですね。これじゃブナの山になるかどうかということははっきり言えないじゃないですか、今のじゃわかりませんよ。  そこで、次に言いたいのは、更新基準が科学的に裏づけたものでないということになりますと、予想収穫量そのものも変わってくると思うんですね、そういうことでしょう。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) 天然林施業にもいろいろございまして、択伐施業もこれは天然林施業でございます。また、最近におきましては、ブナを主体といたしました有用広葉樹の育成につきまして皆伐的な施業をいたしまして、更新の発生を見た状況の中で森林を育成していく、そういったような施業もあるわけでございます。  今、先生収穫予想とおっしゃいましたけれども、収穫予想につきまして、択伐を行っていく場合の収穫予想につきましては、その原資となります蓄積と成長量を基準にして将来の収穫予想をするわけでございます。財形貯蓄のようにある一定のお金がございまして、そこに利回りがはっきりしておれば将来の財形の見通しはできるわけでございまして、択伐林というのはそういったような施業を進めているわけでございます。ブナを中心とする天然林施業につきましては、今申し上げましたように、どちらかといいますとかなり伐開をいたしまして収穫の見通しを立てますので、先生おっしゃいますように収穫の見通しというものが必要になってくるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いろいろと、言っていることに的確にお答えにならないで、その周辺をやたら説明しているんですよね。的確にお答えいただきたいんですよ。  つまり、今いみじくも言っているように、天然更新にもいろいろあるんだと、こういうわけですよね。そうすると、その天然更新をどういうふうにやるかによって収穫予想量も変わってくるわけでしょう。だから、さっきのような基準で、しかもその基準どおりに山がつくれるんだろうか。五十年先、ブナなんていうのは百年、百五十年先の話です。なのに収穫予想量まで立てている。これは、言えば不確実性が大変大きいんだということを逆に示していると思うんです。  そこで、私が次に申し上げたいのは、これは林野時報の八六年四月号に林野庁の経営企画課でこういうふうに書いていますね。「国有林における今後の森林施業」というのをまとめているんですけれども、そこでどう書いているか。「天然林の取り扱いは、更新技術の成否にかかっている。更新の難易度は、樹種、林型等によって異なるが、その技術は人工林施業における複層林施業同様極めて高度な知識を必要とされる。」というふうに述べているわけです。その中でもブナの天然更新は大変難しいというふうにされております。ですから、確実にその予想収穫量どおりになるのかどうかという点も含めて非常にこれは不確実であるということを逆にまた裏づけているんではないかと思うんです。  そこで、私が言いたいのは、こうした天然林施業をやっていく上で、各局の中心になってこの仕事をやっていく人たちが一体どういう状況になっているのかということなんです。五十三年から比べて六十二年までにこの担当職員がどのように推移しているか、五十三年、六十二年と数字をお示しください。

松田堯林野庁次長

○政府委員(松田堯君) 今先生のお話がございましたような各種の調査は営林局の計画課が中心になってやっておるわけでございますが、計画課の職員につきまして五十三年度の数字は四百六十二名でございます。六十二年度につきましては三百九十六名、このようになっているところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今お読みになった数字は営林局の計画課及び職員数というふうに含めたところだけじゃないんですが、職員数も含めて五十三年八百四十人が六十二年で六百六十六名に減っていますが、特に中心になります。その調査担当が百三十二名から六十一名と半減しているんですね。そういう状況の中で果たして相当な技術を必要とする天然林施業の計画なるものもできるんだろうかという問題が指摘できると思うんです。  結局、私が申し上げたいのは、十分な技術やあるいは人手や金をかけない、いわゆる自然の力を活用してといった手抜きの更新や天然林施業、そういうものになっていくんではないかということを心配しているわけですし、現にそういう計画になっていると思う。  それを裏づけるために聞きたいんですけれども、いいですか、これは北海道の調査にあると思うんですが、主伐、間伐、更新、それから保育を長期間で見た場合に、皆伐人工林施業では年平均四十・六人工になっていると思うんですが、天然林の方は二十二・八人工というような約半分の数字で試算していませんか。

角舘盛雄林野庁業務部長

○説明員(角舘盛雄君) 北海道営林局の場合の択伐人工林施業と天然林施業の人工数でございますが、択伐の場合にはヘクタール当たり五十九人工、それから天然林施業の場合には十九人工というふうになっております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 何だ、私が言った数字と違うんじゃない。要するに、半分の人数だというのはこれは間違いない。秋田のやつもちゃんといただいている。秋田のしか持ってないんでしょう。いい、いい、もう時間ないから。秋田のしか持ってないからそんなこと言うのよ。じゃ、念のためにどうぞ。

角舘盛雄林野庁業務部長

○説明員(角舘盛雄君) 秋田営林局における人工林及び天然林育成のための所要人工数について申し上げますと、人工林施業は更新が三十六人工、保育が五十六人工、計が九十二人工でございます。天然林施業におきましては更新が二十一人工、保育が十三から二十五人工、これいろいろ林地の状況によって違いますものですから、そういうことで天然施業におきましては更新、保育を合わせまして三十四から四十六人工と、こういうことでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いずれにしても。皆伐人工林施業に比べて天然林の方は約半分の人工数になっているというのが明らかになっているわけなんです。だから、問題は、最小の費用投下で最大の経済性を発揮する山づくりなんだと、こういうことを言う林政審の答申に基づいて必要なための人手も金も技術も投下しない、こういう姿勢には非常に問題があるということを指摘しておきます。  次に、国有林労働者は一体賃金は高いんだろうかという問題なんです。  今直用があるいは請負かでいろいろ議論になっていますが、私は、すべてを直用ということを主張してはおりません。しかし、直用を基本にした地域に合った形での請負と本当に共同で発展してゆく山づくりというのが大事だと思うんです。しかし、その林政審の報告を見ますと、直用を切り捨てよ、なぜかと言えばコストが高いからだと、こういうふうに言っておりまして、かなり直用事業を限定した部門に縮小していくような事態になっているんです。  確認したいんです。国有林と民間の賃金水準の比較です。六十年度の所定内の賃金で見まして、全産業百人以上、これは性別、学歴、年齢の三要素でくくった部分と比較いたしますと、民間の方が一万一千九百円、実に四・四八%高い、そういうふうに言えますね。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 昭和六十年の国有林野事業定員内職員給与実態と労働省の賃金構造基本統計調査を用いた比較では先生今御指摘のような数字であることは承知しております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 それじゃ、承知だということだから同じ資料でしょう。  さらに勤続年数を含めて四要素で比較していった場合で全産業一千人以上の場合と比較したときに、民間の方が金額でどのぐらい、割合でどのぐらい高いでしょう。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 千人以上規模で同様の資料で四要素で比較しますと六万五千三百九円の差がありますが、割合につきましては一二四・五九、民間の方が二四・五九%高いということに相なっております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そういうわけなんです、大臣。  で、お聞きします。今、同じ公務員の中でも国有林労働者の方がさらに低いんですよ。ボーナスでもどういう状況かといいますと、これは、一般の国家公務員の場合には夏期手当が一・九〇月分、国有林労働者の場合には特別会計で一・八六%、年末手当は一般の国家公務員は二・五〇ですが、国有林の特別会計に所属する労働者の場合には二・四八%、年度末手当も一般国家公務員は〇・五〇、国有林野事業特別会計の方は〇・四四というようなことで、もし一般の国家公務員並みにこの国有林事業の労働者の皆さんの手当が支給されているとすれば、その金額は十三億円になるんです。しかもまだ、長官初め、聞くところによると、課長さんより上は一般の国家公務員並みの体系になっているということで、部下の皆さんとあわせて特別会計に繰り入れているというようなことまでやられているというのですね。  だから、大臣どうです。こういったことからも見まして、本当に国有林の労働者が民間あるいは公務員の中でも非常に低いんだということがおわかりになったと思うんですけれども、どう受けとめますか。

岩崎充利林野庁管理部長

○説明員(岩崎充利君) 先生ただいまの比較の問題でございますけれども、先ほど申し上げましたところの民間との賃金比較でございますが、一定の条件で算出したものでございまして、これが格別の措置を要する数値がどうかというところもございまして、先生おっしゃるように単純に比較して高い低いということにはならないのではないかと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 何かそうすると今の資料がでたらめみたいになりますよ。林野庁自身の調べている数字と労働省の調査ですからね。単純に高いか低いか言えないといったって、そういう公的機関がとった数字に基づいてやるというのが最も基本じゃありませんか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 私も農林水産大臣になって林野庁の職員の給与状態あるいはまたいろいろな問題を勉強しました。ただいま部長がちょっとお答えいたしましたが、公企体あるいは前の三公社四現業等のいろいろな経緯、経過等がございます。そういう中での例えば期末手当であり、先般もその問題で努力したこともあるわけでございますけれども、そこら辺の問題は過去の経緯と経過があるということをひとつ十二分に御認識いただきたいと思うところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 過去の経緯を御認識をと言いつつも、先般もその点では努力されたということで、大臣が心で実態の差があることを受けとめて非常に頑張っていることがわかりましたから、そこをきちっとさらに対応いただきたいと思うんです。なぜなら、国有林の労働者の賃金が高い高いという攻撃があるわけですし、そういう中で直用をやめて請負化でいこうと、こういうことになっているんですが、それはさらに労働者の賃金水準を引き下げていくことになる非常に大きな問題を含んでいるんだということを私は指摘しておきたいんです。  そして、ここで改めて申し上げるまでもありませんが、労働基準法の第一条に、労働関係の当事者、つまり労使双方が労働条件の向上を図るために努めなければならないと、こういうことになっておりますので、国有林、民有林含めて、そういう立場から今後も大臣いろいろと折衝いただけますでしょうね。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 両方の、午前中の答弁でもお答えいたしましたが、ある面では民有林の実態、ある面では国有林の実態等を踏まえながら大いにやっていきたいと考えておるところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 次に、いわゆる林政審答申が言っている立木販売や請負の問題なんです。特に立木販売なんですけれども、これは、六十年現在と六十八年目標で見ますと五六%を七〇%にふやす、それから請負生産は三〇%を七〇%にふやす、あるいは請負造林は五〇を七〇にふやすんだ、種苗にあっては三%を九〇%にしていくという方向で検討されているわけですが、そうですね。

角舘盛雄林野庁業務部長

○説明員(角舘盛雄君) ただいま立木製品資材の比率だとか生産、造林、種苗の各事業の請負比率についてお尋ねがございました。昭和六十年度における立木製品資材比率につきましては立木販売が五六%、製品資材が四四%、それから生産事業につきましては直用比率六八%、請負比率が三二%であります。造林事業につきましては地ごしらえの直用比率五〇%、請負比率五〇%、植えつけの直用比率四四%、請負比率五六%、下刈りの直用比率三五%、請負比率六五%でございます。種苗事業につきましては民苗比率四%でございます。  それから、ただいま六十八年度につきましてもお話がございましたが、六十八年度における立木製品資材の比率あるいは直用、請負の比率等につきましては、今後、業務運営の改善を図る観点から、立木販売方式への指向だとかあるいはその請負化の促進あるいは直用事業の特化等の改善諸措置を推進していく中で将来の姿についてこれらを具体化する、そういうことにしておりますので、現段階では固めたものでございませんので御理解をいただきたいと、このように思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 固めた数字でないとおっしゃりながらも、そういう方向であることは事実なわけですね。  そこで、立木販売か素材生産販売かということなんですけれども、素材として生産した方が付加価値を高めていくという点で、林業経営という点からいけば一般的には大変大事なところだと思うのですね。立木販売の方のメリットが一体あるんだろうかと、こういうふうに言いたいわけですよ。現行の改善計画の中でも、一般的には林業経営にとって素材生産販売は重要な一分野である、こう指摘しているわけです。それを、立木販売を拡大するということは何ゆえかといえば、要員の縮減及び組織機構の簡素合理化、そういう方向でとにかく立木販売指向なんだと、こういうことですから、つまり要員削減先にありきというそれ以外の理由は立木販売拡大ということにない、そういうことになるんじゃないでしょうか。

角舘盛雄林野庁業務部長

○説明員(角舘盛雄君) 国有林野事業の将来を守っていくためには、現下の情勢からいいましてどうしても徹底的な経営改善が必要でございます。そのためには、国有林野事業が組織、要員ともに徹底した簡素合理的な姿になる必要がございます。そういう意味で請負方式の推進、請負化の推進ということを改善の重要項目にしているところでございまして、立木販売につきましては地元の需要の動向等、あるいは高品質材等の公正妥当な販売等に必要なものについては素材生産販売を維持する、そういう方針で立木販売方式を拡大しようと、そういうことでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 合理化が先だということをるる今釈明されていますが、林業経営という点から見ても、付加価値を高めるという点からいっても、今言うように素材生産というものが大事なんだとみずからが述べておきながら、それを否定している。  地元の経営体等も見ながらとおっしゃられたその地元の請負事業体の問題なんです。実は、これは福島県の事例ですが、郡山の営林署管内愛林組合というのがありました。これは、一定の収益を保障してあげるためにこれからずっと立木契約ができるようにやりますからということで法人化しろといって、六十年に郡山地方国有林事業協同組合という一本化した法人化になったんです。ところが、その結果どうか。事業収入を見ますと、五十五年度三百七万円から六十一年度百六十五万円と約半分。事業量はどうか、中心事業であります造林が五十五年で一千百ヘクタールから四百ヘクタールに激減。ですから、こんな造林請負減でしたらもう赤字になる前に解散しようかというような話が三年前から出ているというような状況なんです。これでは、法人化せいといって、そして定期的に契約をして事業量もやるといった国の責任どうなるんだろう、大変問題じゃないかと思うんです。しかも、もちろん事業量をふやすことも大事ですけれども、請負単価のことも大事だと思うんです。この請負単価なんですが、五十五年度ヘクタール当たり六万二千二百二円でした。それが六十一年がヘクタール当たり六万二千七百四十九円、つまり据え置き同然、実質引き下げというような状況になるわけです。ですから、組合の利益金も五十五年六万六千円だったのが六十一年にわずか一万一千円、こういう状況になっているんです。何とかしなきゃいけないんじゃないでしょうか。――事業部長じゃないわよ。長官お答えなさいよ。

角舘盛雄林野庁業務部長

○説明員(角舘盛雄君) 先生お話のように、郡山地方国有林事業協同組合は五十五年に法人化ということで三十四の愛林組合が一つの協同組合として発足しましたことはそのとおりでございます。  この事業体のここ五年間の造林事業量は地ごしらえ、植えつけ、下刈り、いずれも減少をしておりますけれども、これは郡山営林署全体の事業量が相当程度減少してきているということにもございます。そういうこともございまして、これまで間伐でありますとかあるいは林道支障木の販売でありますとかあるいは治山工事等の発注を行う等、なるべく事業量の確保を図るような配慮をしてきたところでございます。  お話の請負労賃単価につきましては地場賃金を勘案いたしまして毎年度定めておりますけれども、この五年間多少でありますけれどもアップするよう努めてきたところであります。今後も郡山営林署の各種事業量は減少傾向にありますけれども、この郡山地方国有林事業協同組合、国有林のパートナーでございますので、事業量確保につきまして厳しい状況でございますけれども実態に即しまして計画的な事業の発注に努めるとともに、本来でありますと別の事業体にお願いするような治山工事の発注等も含めまして経営の安定に努めるように努力してまいりたい、このように思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣、地域の請負事業体を育成していくというふうな方向が出ているわけです。これはこれで大事なんですね。  その点で、今私申し上げましたが、一つは、仕事の確保をどう保障するか、それから請負単価の引き上げ、これはどうしても必要になっていくだろうということです。この点では大臣の御意見聞かせてください。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 部長からいろいろ現場の話はいたしましたけれども、何といいましてもやはり仕事のボリュームをふやしてあげるということが肝要でございますので、ただいまもお話がありましたように、治山事業でございますとか、せっかく持っております労働力が完全燃焼できるようにいろんな知恵を積み重ねてまいりたいと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣に聞くと長官が答えて、長官に聞くと部長が答える。もっとまじめに答えてくださいよ。  それでは、問題になっている国有林野の事業の財政がどうなるかということで質問いたします。  これは、まず七十二年度に収支均衡を図ると、こういうことなんですけれども、七十二年度の歳入どうなのか。大体、これは木材販売収入が中心になるんじゃないか。そして五十九年、六十年の実績を見ますと、ほぼ二千億円程度なんですね。だから、将来木材価格はそう上がるというふうには期待できないでしょうから、一方でいろいろ御答弁がありますが、現在伐採量が千二百八十万立米が千六十万立米に減少する、こういうふうなところから見ますと、七十二年度も歳入という点ではほぼ二千億円程度、こういうことになりますね。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 伐採予定量につきましてはただいま先生から御指摘があったとおりでございますので、これからいろいろと企業的販売努力というものを行ってまいりますけれども、現在以上の収入を確保するということは困難だということは残念ながら事実かと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私は、現在以上難しい、それで二千億程度も無理になってくるんじゃないかなと思うんです。なぜなら、六十一年度の場合は、これは見込みなんですけれども、約一千六百億円という状況なんですね。  こういう状況の中で、一つは、今度は歳出の方がどうなのかというところを見なきゃならないと思うんです。  歳出のポイントになるのは人件費の方ですけれども、七十二年で約二万人体制、定昇率が仮に二%あったとして、そういうことで計算してざっと一千五百億円程度。間違いないですね。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 金額の多寡はともかくといたしまして、二万人ということを前提といたしますればそういう数字も計算可能かと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 さらに事業関係費なんです。事業量はさっき確認したように落ち込むと。そうすると、その分物価、賃金等が若干上がったにしても、現状並みということになると一千億程度。だから、歳出の方で二千五百億円基本的に必要になってくるんです。  問題は何かというと、償還金の問題ですね。六十二年度で一千八百五十億円計上しておりますが、六十一年までに借りた長期資金の返還利子だけでも七十二年度で約一千二百億円になるでしょう。それから、六十二年から借りかえ百億円も含めて借入金が全体として二千五百五十億円にもなるわけですから、ざっと今後二千億円程度借り続けるというようなことになりますと、収支決算でいって二千五百億円ぐらいマイナスというような事態になると思うんですね。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ただいまの計算では、林産物収入、それから人件費、それから事業費、償還金ということだけでございますが、そのほかにいろいろな自己収入の道もございますし、それから例えば事業費につきましても六十二年度予算よりもある程度は縮減ということが見込めると思っておりますし、それからこれから借ります償還金につきましても、先般来の金融情勢ということを念頭に置きまして大蔵省当局も強く財投資金の貸付金利の引き下げということを要望しておりまして、そういうものの推移も関係してまいりますので、差し引きとして幾らになるかという数字につきましてはここでコメントは差し控えさせていただきたいと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 でも、歳入が幾らで歳出が幾らでとこうやっていけば、結果としてそのぐらいが不足になる。その不足分を何で賄うかといえば、今お話がありましたように自己収入だと。自己収入といっても、これは何かといったら分収育林ですね、これは六十億。貸付料なんかが今八十億ですけれども、三倍程度に見込んでも五百億ぐらいにしかならぬだろうし、その他はみんな今度は土地売却などというふうな格好になっていくわけでしょう。金利の云々かんぬんというのは、これを言っていたらまた話になりませんよ。そういう状況であるということは明確なんですね。  としますと、七十二年度で一体どういうことになるかといえば、はっきりしているのは何といってもその時点で二兆五千億円を超えるような累積債務はきちんと残っていくというような状態にもなりまして、どうしてもこれは一般会計からの繰り入れを抜本的にやらなければならないんだというふうなことが今の収支見通しの中でも裏づけられたんではないかと思うんです。  そこで申し上げたいのは、次に分収育林の問題なんです。  この分収育林、現在六十億程度ということなんですが、今後三倍ぐらいに見込んでいますが、これはどちらかといえば、いずれにしても財産の切り売りでして、言ってみれば将来の収入の先食いというふうになるわけです。そういう問題点を持っておりますと同時に、一方、その分収育林を受ける消費者サイドから見たらどうなのかということなんです。  公正取引委員会の景品表示監視課長さんお見えいただいていると思うんですけれども、私が提示いたしますのは、これは国有林の分収育林についての募集のパンフレットなんです。ただ、お答えいただくのは一般論で結構でございますが、ちょっと読みますから聞いてください。  何て書いているかといいますと、このパンフレットは、「あなたも緑のオーナー。」ということで五十九年の十月に発行されたパンフレット。ここにはこう書いてあります。「契約いただく時には若い森林ですが、二十~三十年後には立派に成長して、例えばスギでは、一口で、おおむね百㎡の木造二階建の住宅に使われる木材に相当する収益を受け取っていただけるものと思います。」、こういうふうになっている。ところが、それから一年もたたない六十年になって次のように書きかえられたパンフレットが出ている。そのパンフレットを見ますと、「百㎡の木造二階建の住宅に使われる木材に相当する立木になるものと見込まれます。」。つまり、お家を建てるための材木に当たる収益がちゃんと約束できますよと言っていたのが、今度はそれ相当の立木になると見込まれますというふうに変わっているんですね。随分読み取りが変わっていると思うんです。こういう点では消費者に誤解を与えやすい。そういった場合には一般的にどういうふうに対応するのが望ましいんでしょうか。

本城昇公正取引委員会取引部景品表示監視課長

○説明員(本城昇君) 景品表示法におきましては、事業者が商品または役務の取引に当たりまして、その内容または取引につきまして、実際のものよりも著しく優良または有利であると一般消費者に誤認されるために不当に顧客を誘引し、公正な競争を阻害するおそれがあると認められる表示を事業者が行っている場合につきましては、不当表示として規制の対象となるわけでございます。  今、先生御指摘の点につきましては、具体的なケースの表示の適否に立ち入らず、それとは別にあくまでも一般論でお答え申し上げますと、事業者が同一の事柄につきまして表現内容の異なる二種類のパンフレットを配布している場合、一般的に申し上げまして、二種類のパンフレットを配布しているということそれ自体が直ちに不当表示となるものではございません。ただ、景品表示法との関係で言えば、双方あるいはどちらか一方に虚偽、誇大な表示があり、それによりまして一般消費者が著しく優良または有利であると誤認するということになれば、同法との関係で問題が生じてくるおそれがあるわけでございます。  いずれにしましても、具体的には、その表示が実際のものとどのように異なるかなど、不当表示の要件に該当するかどうかについて実態に照らしまして判断されることになるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 というようなわけなんですね。  最初に出したパンフレットというのは「百㎡の木造二階建の住宅に使われる木材に相当する収益を受け取っていただける」ということに書いていて、次のは「立木になるものと見込まれます。」というふうに大分変わっていますね。どちらが本当なのか、まず端的にそれだけ。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 先生からきのう御指摘ありまして、私もこの文章を再三熟読玩味してきたわけでございますけれども、これが確かに字面は違っているのでございますけれども、分収という性格からいたしましてそのときにとれた木に相当する金額を配分するわけでございまして、そういう性格のものをPRの際に、木に相当する金額という点を収益と一年目に書き、それから二年目に木そのものを書いたということでございまして、格別これによって両者が思想的なり考え方の上で我々違ったという意識でこの文章をどう見ても読めなかったという経緯でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いずれにしても、あなたがどういうふうに読み取ろうと消費者サイドでは随分読み取りが変わってくるということもあって、二種類のものが出ている。しかも、最初のパンフレットには、これは各営林局が案内の中に入っているけれども、恐らくトラブル等もあったんでしょうね、これが本省に一本化されているというような変化もあります。二種類のものを出しているというのはこれは問題ですから、どっちかに統一して対応すべきです。  そこで、この対応方に当たっては検討いただきたいんですが、あわせて言いたいのは、おっしゃる百平米の家二戸分の立木という点なんですが、あくまで立木のことでしょう。そうしますと、その立木が現在木造二階建てに使われているものは、金額にして幾らなんですか。そして二十年、三十年後は幾らになるんですか。

角舘盛雄林野庁業務部長

○説明員(角舘盛雄君) パンフレットのことでございますけれども、私ども、分収育林について広く国民の参加を呼びかけるためにパンフレットで宣伝を行っておりますけれども、実際の契約の際には、制度の趣旨だとか内容、仕組み等を参加者に直接十分説明をいたしまして理解と協力を得るようにしておりますので、私どもとしては、パンフレットのみをもってこれを推進しているわけじゃございませんので、この表現自身によって特に誤解を与えるといいますか、直接契約される方に誤解を与えるということはないというふうに考えております。  それから、あくまでもこの分収制度は成果品を販売した場合の金額の分収でございまして、立木代金を折半する、そういう内容である。そういう意味で、木材と言いましたときには、大体今パンフレットに書いております家のボリュームは三十立方といたしますと立木の場合には四十立米、そういう量の違いがございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今御説明していることもわかりにくいんですが、こっちのパンフレットはもっとわかりにくい。つまり、大臣が、いや今百平米の家二戸分建てる立木も二十年後のやつも同じだと。そうなんです。立木の量は同じなんです。問題は、立木をやるんじゃないんです。二十年、三十年後にその二戸分建つお家の材木を売った値段で配分していくんですよ。そういうふうにわかりやすく少なくとも書き直さなきゃならない。だって大臣が今いみじくも言ったんだもの。聞こえたのよ、ちゃんと、量に変わりないって。そういうふうに誤解が出るんです。ですからわかりやすくちゃんとすべきだ。少なくともそのぐらいはやれるでしょう。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 今までこのパンフレットにつきまして格別苦情や何か聞いていないわけでございますけれども、我々といたしましては、分収育林制度が発展し、国民の方々に親しんで安心して買っていただくということが何といいましても肝要でございますので、宣伝、PRにつきましては、より国民にわかりやすく、それから買ってもらいやすい表現というものは考えてまいりたいと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そこなんです。大臣、そこでお答えください。  今の二月建て二階建ての木造のそのために使う木材価格が幾らか、三十年後のそのとき売った価格が幾らなのか、ふえるのか安くなるのかわからないんです。そういうものだということを知らせなきゃならないんです。  で、大事なことは、これは貯金なのか、預託法に基づく商品取引なのかあるいは投機なのか。いずれにいたしましても、今申し上げましたように二、三十年後にちゃんと幾分かの利益になって返ってきますよというそういうもので集めたら間違いですよということをはっきりさせなきゃならない。むしろそれよりも、国民が国と一緒になって私たちの子供たちのためにいい山を残して緑を大事に育てよう、そういう夢を買うぐらいなお気持ちで進めなきゃならないんだということを申し上げておきたいんです。誤解のない募集をしなきゃならない。  そこで大臣、せめてクーリングオフ権ぐらいは与えたらいかがと思うんです。クーリングオフといいまして、約束しました後、普通、投機だとか商品先物買いというのはやった後で、はて待てよといって一定期間考えて解約できるような期間というのは設けているんです。普通、貯金だって投資だって投機だって、全部、途中解約というのがあるんですよ。これは、仕組み上、途中解約は難しい。だとしたらということで、その途中の売買権、譲渡権は認めているんですね。ところが、やめたくなったらそのかわりになる相手方は自分で見つけてこいというんですよね。せめてそういうときには補欠募集等をやるとか考えてしかるべきではないでしょうか。いずれにしても、誤解のないような募集であってしかるべきだと思います。大臣の決意言ってください。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 私も農林水産大臣に就任しまして分収育林を買いました。私の名義がいいか娘の名義がいいかと、こう考えたんですが、相続税のことを勉強しましたら五十万円なら生前贈与でも税の対象にならないということを考えましてやりました。私の場合は、先ほど下田委員がおっしゃいました後半の部分で、夢を持たし緑を守るという立場でやるというので、どうせ林野庁がやることだから余り多くの利益を期待する方が無理であろう、こう思って、率直に言えと言われるならやりました。  ただ、途中における解除条件ということ、それは一つ、今後分収育林を相当大規模にしていく場合には、私のような立場ばっかりで買う人もいないと考えられますから、そこら辺の問題については何らか考えておかないといけないんじゃないか、こう思う次第でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 よろしく、それはせめてもやらなきゃならないことですね。かたくなに何か利殖性をにおわせるような募集は、大変詐欺的商法と言われかねない問題が起きないようにということを繰り返し指摘しておきます。  その次に、実は、今、苗畑どんどん縮小していますね。その苗畑でもって枝豆、大豆、小豆、大根、エゴマ、赤カブ、里芋、それから朝鮮ニンジン、そういうものが栽培されているというふうに聞いていますが、そうですね。

角舘盛雄林野庁業務部長

○説明員(角舘盛雄君) さようでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 これが、特に北海道局、旭川支局とか函館支局、名古屋支局、大阪局などがあるわけですけれども、苗木を生産していたその圃場で野菜の生産、ましてや薬用朝鮮ニンジンなどを生産している。その圃場の状況がどうなのかということが大変心配なんです。  御承知だと思いますけれども、四十六年当時問題になりましたDDT、BHC、これら殺虫剤は残留性が強いということで禁止になりました。そのほか有機塩素系の殺虫剤でアルドリン、ディルドリン、エンドリン、これらも四十六年当時大量に使用されて問題になりまして、その後、時間を経過いたしまして使用禁止になりました。  今回のそうした野菜の生産に当たって、土壌の残留性調査されましたでしょうか。

角舘盛雄林野庁業務部長

○説明員(角舘盛雄君) ただいま御指摘の苗畑でのBHC等の農薬使用につきましては、昭和四十六年当時に使用中止措置を講じました。それ以前におきましてこれら農薬が苗畑において殺虫剤として一般的に使用されておりましたことから、今御指摘の苗畑におきましても使用されていたであろう、そういうふうに推測しているところであります。しかしながら、今回農作物を栽培しております苗畑における具体的な使用実態につきましては、現段階ですと当時の資料が失われておりますのでどの程度どのような状況での使用であったかということを的確に把握することはできない状況でございますので、御理解をいただきたいと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 有機塩素系の殺虫剤を四十六年に使用を禁止したというのは、それは事実と違いますよ。  農蚕園芸局長、通達出していますね、四十六年に。その通達の中にはDDT、BHC等は四十六年でもう使用禁止、今問題にしている有機塩素系の殺虫剤については、これは野菜畑等については使っちゃだめよと、そして林地あるいは樹園地等についてはこういう形でやりなさいよという内容でしたね。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生がお話しの有機塩素系の農薬の問題でございますが、DDTは、御存じのとおり直ちに昭和四十六年五月一日から販売禁止、こういう措置をとっております。  それからBHCでございますが、結果論といたしまして昭和四十六年十二月三十日から販売禁止という措置をとっております。  今お話しの三つのドリン類でございますが、これにつきましては昭和四十六年四月一日に、エンドリンは作物残留性農薬といたしまして、あるいはディルドリン及びアルドリンにつきましては土壌残留性農薬として指定をいたしまして、その後、エンドリンにつきましては昭和五十年十二月十八日をもちまして、ディルドリンにつきましては昭和四十八年八月七日、それからアルドリンにつきましては昭和五十年二月十九日をもちまして登録失効というのが事実の経過でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ですから今の部長答弁というのは全く事実違反ですよ。違います。それをよく読んでごらんなさい。私がそれを読んで今申し上げたような実態になっていることで、苗畑等には使われているんです。  もう一つ申し上げますと、特にディルドリン系というのは、野菜などには検出されてはいけない、NDになっているんですね。そういう状況の中で、これは、全林野の労働組合が昨年の十二月に農薬残留実態調査をされたんです。その実態調査の中で今申し上げましたエンドリン、ディルドリン、アルドリン、これらが検出されているんです。高いもので何と土壌に四一二PPb。これは検出されちゃいけないわけですけれども、一般的には使用されてから三年間で残留性が半減するとかということが言われていますけれども、今なお苗畑の中からこういう検出結果が出ているということを重視しなきゃいけないと思うんです。ですから、少なくともどういう状況で使われてどういう状態になっているかという調査報告を求めることも大事ですが、しかし国と国ですからね、それはやっていただかなきゃならないと思うんですけれども、その点はどうですか、農蚕園芸局長。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) 具体的な問題といたしまして、一般的な話でございますが、野菜等におきましてのそれがどういう形で残るかというような問題につきましては、一つの考え方といたしまして具体的にそれが百分の五%程度残るのかというような問題がございます。今お話しの点につきまして、もともと先生御案内のとおりでございまして、農薬の残留基準につきましては食品衛生法上におきまして〇・二ppmの問題がありましてそういうオーダーでございますが、これに関連いたしまして土壌の中に残るというものがどういうふうな作物に移行するかにつきましては、例えば野菜等につきましては百分の五等々のそういうデータもあるところでございます。  そういうようなことで土壌の現実におきます残留性、今先生お話しございましたとおりこれはPPbのお話でございまして、したがってデータといたしましては私申し上げております食物残留の場合の千分の一のオーダーの話でございますが、こういう点につきましては林野庁等におきます状況を踏まえまして十分相談をしていきたい、そういうふうに考えているところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣、今の細かいことを申し上げるつもりはなかったんですが、四一二ppbというと〇・四ppmになるわけです。だから食べ物でNDなんです。出ちゃいけない、検出しちゃいけない。土壌にこれだけあるといいますと、専門家にも伺ったんですが、それは濃縮されて倍になるというおそれもあるということなんです。  いずれにしても、検出されているわけです。大臣、これ、土壌だけでなくて、昨年十二月十八日の朝日新聞を見ますと、魚介類からも検出されている。ディルドリンの検出なんです。調査を今いろいろとやられておるようですけれども、少なくとも私は、今苗畑で本当に野菜の生産等をおやりになっていくんだったら、圃場の検査をもう一回やってなさるべきではないでしょうか。事、人の命にかかわることですから。  同時に、今、林野庁と相談してと言われました。きちっとしたその使用書に基づいて使われてきたかどうか、その後どういう形で処理されたかどうか調査をし、報告をされたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ただいまいろいろと御指摘ありましたことを踏まえまして、当時の関係者等から、古い時期の話にもなっておりますので、聞き取り調査等実施いたしまして、可能な限りその実態の把握に努めたいと思っております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 国有林野の改善は話を聞けば聞くほどえらい難しい問題で、本当に第二の国鉄にならにゃいいがというような心配がありますが、一応こうやって改善特別措置法の改正を提案されて改善に努力する姿勢を示されたところは国鉄や運輸省よりか一歩進んでいるんじゃないかと思うんです。ところが、山そのものは鉄道以上に長期なもので、その計数は示されない。内部ではいろんな資料は一応検討して持っているけれども外部へは出したくない、それは誤解を与える可能性もある。それは、えらい長期だから前提条件が非常に難しい。その難しいのをたくさんつくればつくるほど、その結果についての判断というものは専門家以外にはわかりにくい。簡単にわかるように前提条件を簡単にすれば誤解を受ける計数になる可能性がある、こういうふうであろうかとけさから聞いているわけなんですが、そうかといって、これだけの難問題を計数なしで議論するというのも、けさからの質問者の質問を聞いていても何となく歯がゆい、隔靴掻痒の感の質疑応答だ、こういうふうに思わざるを得ないわけなんですが、そこは一応役所を信用してその努力を買う、こういうことしかないんじゃないかと思うんです。  そこで、何といっても森林施業のやり方を相当変えられるような空気を感ずるわけなんですが、そういうことからいくというと、大体の御説明は一応今までの質疑応答で出ているようなんですけれども、実際は、要員の縮減とか組織とか機構の簡素化ということは計数的にははっきり分かれてくるんだけれども、その裏にあるのは、何といっても森林施業がどうあるべきかということで、そこから割り出して要員の縮減とか何かというものが出てくる、それがいわゆる収支を改善するための森林施業じゃないかと思うんですよね。  そういうところからいくというと、いろいろの森林施業に対する考え方があるのであろうけれども、一応、今は昨年の十二月の林政審の答申の「国有林野を、」「木材生産を優先的に考えるべき森林」「国土保全を第一に考えるべき森林」「自然教育の場として活用することを第一に考えるべき森林」「等に機能分類し、」「それぞれの機能を適切に発揮させる経営を行うものとする。」と、こういうのが今後行う森林施業についての基本的な考え方で、国有林野を三つに分けて施業を考えていくということだと思うんですが、そういう考えであるかどうかということ。これは、面積比的にはどんな区分に国有林野全体としてこの三つが大体どれくらいの面積比でどれぐらいのものになろうか、こういうことをひとつお尋ねしたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ただいま御指摘ありましたように、昨年、林政審議会から国有林そのものの機能分類ということについて御提言をいただいているわけでございます。ただ、この機能分類につきましても、考え方としては確かにそういう方向なんでございますけれども、具体的分類手法、これにつきましては必ずしもまだ確立しておりませんで、特に経済林として最も活発に機能している森林がある意味では水源涵養機能も最も高いというようなこともございまして、その一つの森林を一つの機能に分類し切れないというような問題もあるわけでございます。しかし、そういう国民全体の森林に対するいろんな多様な要請があり、それから貴重な国土でございますし、それから林政審からもそういう方向での基本的考え方の御提言をいただいておりますので、我々といたしましては、現在、そういう機能分類するための具体的手法が学問的にもどういう形で確立できるかということにつきまして、庁内部において鋭意検討を深めているところでございます。  したがいまして、先ほど先生が御例示なさいましたその三つの、木材生産を優先させる森林、それから水源涵養を優先させる森林、あるいは国土保全を第一に考える森林、こういうそれぞれについて、その面積が幾らであるか、あるいは材積が幾らであるかというような数字的な分類は現段階ではまだ行われていないことを御理解いただきたいと思います。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 現段階では行われていないということなんですが、こういうふうなことで全体の国有林施業をまず第一に区域的に分けるということは今後ともまだやる考えはないんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 従来からの森林計画制度でございますとか保安林制度、こういうものでそれぞれの森林の特性に応じまして施業の制限でありますとか禁伐ということをやってきておるわけでございますし、それから先ほど来お話ししましたように、国民のいろんなニーズというものが高まってきておりますので、基本的には、切るべき山と守るべき山というものの仕分けというものは肝要かと思っております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 対象の山そのものは、今度の森林施業のやり方を基本的に変えても各山ごとの区別はそう変わらない、こういうふうなのかな。  午前中からいろいろの話を聞いていると、結局、全体として森林施業の大きな枠は、造林を減らして天然造林をふやしていくということのようなんですが、そういうのはこういう三つの考え方と直接には関連ない、こう考えていいわけですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) それは密接な関係も実はございまして、例えば天然林施業にしましてもそれから複層林施業にいたしましても、そういう水源涵養機能なりあるいは景観の保持あるいは教育、文化的機能の発揮等、そういう点で従来以上に針葉樹だけじゃなくて広葉樹で多種多様な景観を備えた森林というものがここのところ国民のニーズの対象になってきておりますので、そういう意味では、施業自体がそういう将来の基本方向とも考え方の面で非常に整合性を持ったものかと考えております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 何だかよくわからぬが、じゃ具体的に。  それと直接関連はないんだけれども、このもらった資料の一番最後の十七ページに五十四年から財投資金の借り入れで「官行造林を追加」と書いてあるわけなんだが、これは農林水産委員会調査室の資料で見ると官行造林収入というのが五十三年から六十年、この資料の限りにおいては大体二十億から三十億程度毎年収入になっているわね。そうすると、官行造林収入だからこれは伐採なんだろうが、ここでまた五十四年に官行造林を追加というのは、これは伐採のことか、それともまたさらに官行造林というものを始めるということなのかな。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 官行造林につきまして財投資金の借入対象を過去追加いたしましたのは、これは官行造林が結構育ってまいりましてそれに必要な保育であるとか手入れ、こういう関係の経費につきまして新しく財投借り入れの対象に加えたという経緯に相なっております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 そうすると、官行造林で特別民有林の方を官の方で植えていく、前の、戦前にやっていた官行造林を今やっているということじゃないと。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 官行造林につきましては、伐採という形で若干の収入が先生御指摘のとおりあるわけでございますけれども、その後の手当てにつきましては昔のような形で官行造林という形ではやっておりませんで、跡地につきましては民間で造成ということで一般の造林補助なり造林資金等こういうものを活用するなり、あるいは県の造林公社、こういうところが跡地の手当てについては円滑に行っているものと理解しております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 これは、戦前、民有林の活用でやられたのを僕は知っているわけなんだが、どうしてやめたんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 昭和三十六年ごろだったと思いますけれども森林開発公団というものがありまして、この森林開発公団の事業といたしまして従来の官行造林と実質的に機能の類似した仕事を森林開発公団で代行するという仕組みができましたので、国有林みずからが官行造林で造林をするという仕組みは停止したわけでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 そうすると、森林開発公団は今でも民有林の造林を請け負ってやっていることなんですか。森林組合法の審議のときにこれ一遍聞こうと思っていたんだけれども時間の節約でやめちゃったんだが、ちょっとこれを掘り返してみると、そうすると森林組合と森林開発公団とが相当連携して民有林のいわゆる造林や森林施業を相当積極的にやっていくのか。森林公団は国有林には関係ないわけなんでしょう。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 造林につきましては、個人とそれから森林組合、それからさらに多くの県にできてきております森林整備公社と森林開発公団とがそれぞれの立地条件に応じまして相提携してやっておるわけでございますけれども、森林組合と森林開発公団との関係につきましては、それぞれの地域の立地でどちらが受け持つかという問題もございますが、森林組合の作業班が山村地域における有力な労力提供源でございますので、森林開発公団の仕事につきましてもかなり森林組合の作業班に発注するという形で森林組合の機能の活性化なり提携ということを進めておるわけでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 だから、なぜこういうことを言うかというと、僕も森林法の審議のときに、あの森林組合では大きな造林施業や森林経営の方が十分にいかぬじゃないか、だからそういう意味において全県的な森林組合連合会なんかがもっと総合的なやつをやらなければいかぬのじゃないかと、こう思ってちょっと言ったけれども、そういうふうな県の公社とか国の森林開発公団とか、そういう民有林を活用するようなのがあったらこれは非常にいいことなんです。そういうものをもっと活用して、これは国有林じゃなくて林政なんだけれども、国有林と同じような水準の日本の山が経営管理されるように指導するということが必要だと思うんです。  そういうことからいくというと、やはり試験的に導入するとなると、県でやる整備公社というんですか森林公団なんかも、おたくの方が始められた分収育林なんというやつは同じようにやり始めているのかな。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 県の公社全部ではございませんけれども一部の公社におきまして、みずから植栽してきた森林を分収育林に提供するという形をやっているところはここのところ出てきております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 森林公団は。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 森林開発公団は、公団としての性格からいいまして奥地の水源涵養林的なところの造林ということをやっておりまして、分収育林というようなものには取り組んでおりません。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 ああそうか、森林開発公団というのは奥地をやると。  そうすると、国有林についてもやっているわけですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 国有林はみずから国有林野の責任において行っておりまして、公団は、国有林じゃない土地につきまして、奥地で一般に任せておいてはなかなか植栽が十分にいかないというところにつきまして、水源涵養機能の向上ということを祈念いたしましてやっておるわけでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 国有林から離れてその関連を質問したわけなんですが、国有林も一生懸命やってもらわなければならぬのだが、日本全体の山林を統一的によくしていくということにも十分配慮してやっていただきたいと思うんです。  それで、分収育林の方を見ると、これ、五十九年が四億で六十年六十六億と、財源として非常にいいんだけれども、あと六十一年、二年とかいうやつは、将来計画、どれくらいの募集計画をやろうかというやつはないの。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 現在のところ先々の計画を具体的な数字では持っておりませんけれども、こういう国民参加型の山の守りということにつきましてはできるだけ伸ばしていきたいと思っております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 先ほどの下田さんの、そういう契約や将来のことや途中の契約者の移転とかいうような問題を今後ともよく研究してもらって持ちやすいようにしてもらうことは必要だと思うんだけれども、私は、この分収育林のことをなぜ質問したかというと、これは国有林ばかりじゃなくて民有林にもやってもらいたい。だけれども、森林組合や森林組合連合会だけでは信用度がちょっとあやふやで、果たして、みんな国有林のように分収林を買うというか、資金を出すのに、法律を改正して信託関係とかいろいろやれるようにしてみても、僕はなかなかいかぬだろうと思う。そうすると、森林組合の連合会なりまたは森林組合にかわって森林開発公団なりがそれをやっているなら、そういうのにやらしたら国と同じような信用が得られるんじゃないかと思うんです。これはひとつぜひ検討して、国がやっているものは国有林ばかりじゃなくて民有林の方にもやれるようなことをやって、山へもっと資金を吸収する手を全体として考えたらどうかと思うんですが、いかがですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 分収育林につきましては、先ほど来お話ししておりますように、国が今先鞭をつけてやっているわけでございますけれども、国のほかに、先ほどお話ししましたように都道府県段階の整備公社も一部やっておりますし、それからここのところ山村の大きな市町村自体が主体的に取り組んでいるところもありますし、それから民間の山を持っている会社、こういうものでも分収育林なり分収造林というものを売り出しているところがここのところふえているわけでございます。  それで、先ほども御指摘ありました森林組合が十分できるかという話でございますけれども、森林組合につきましては現在のところ残念ながら余りそういう動きがございませんので、この前お通しいただきました法律で、いろいろ信託の事務の委託でございますとか、こういうようなことを通じて分収育林が少しでも円滑に進むような手だてというものを法制面でいたしたわけでございますけれども、これからいろいろ、そういう森林組合でありますとか市町村でございますとか、こういう方々の相談にも我々応じながら、全体として国民の多くの方々に親しみ参加していただくような分収育林の仕組みの発展というものに努めてみたいと思っております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 森林の公益的な機能としての認識を深められたそういうところの一つとして、ことしこの国会でもリゾート法が新しく成立した。これも午前にちょっと質問があったわけなんですが、大臣の答弁を聞いているとリゾート法の思想に乗って国有林野もそういうものをやってみたいというような御意見だったんですが、何か、聞くと、全国各地からリゾート法の適用をしてほしいという要望が大変出ているんですが、そういう関係市町村に国有林がやはり一部含まれてやるというのか、国有林野自体でひとつリゾート法に基づくリゾートをつくろうとする計画があるのかどうか。何か全国で非常に多くリゾート法に基づく開発計画が出るやに聞いているんですが、どちらなんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 現在各地から新しい大規模リゾート法に基づく地区の要望というのが出てきているわけでございますけれども、その大方を見ておりますと、大体我が国有林が何らかの形ではまっている地域が多いようでございます。  それと同時に、我々といたしましては、国有林みずからのそういう取り組みを強めたいということでヒューマン・グリーン・プランという形で、国有林プロパーで一定の広がりのある地域につきましてのスポーツでございますとか文化教養でございますとか宿泊施設でございますとか、こういうものを総合的に整備したいということで現在この適地の調査に着手したという段階に相なっております。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) けさの経済対策閣僚会議におきましても、今通常国会において通過、成立した法案の中で内需拡大に利する特徴のある法案としてこのリゾート法も入れまして早急にこの問題に取り組もうということでございますので、あの法律は本来は都道府県知事が計画して上へ上げていくというものでございますが、林野庁プロパーのものとそれからその都道府県の上げてくるものともある面ではうまくミックスしている。私は、漫然とせずに大急ぎでもう直ちに取りかからにゃいかぬと言って、林野庁の方にハッパをかけておるところでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 そうすると、市町村が計画する地域に国有林が含まれていてもそれは承認もするし、それから国有林野そのものがヒューマン・グリーン・プランでやるのだったらリゾート法の適用でやらなくてもやれるのだな、それはリゾート法の適用でやっていくのか、どちらなのか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) みずからもできるわけでございますけれども、あのリゾート法に基づくものはかなり広域にわたりましてインフラ整備でありますとかそういうことをなさってくれますので、あの中の拠点的なものにつきましてはできるだけうちも積極的に参加いたしまして、両方が調和のとれた形で、大臣のただいまの答弁の趣旨に沿ったような方向で我々も頑張りたいと思っております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 本当に私は、林野庁の中で非常にいいマッチした法律ができたと思うんです。一番初めにちょっと言ったみたいに、国有林野は土地を持っている大地主なんだから、だから土地を売らぬで貸してやれば、一番安くホテルもできれば、テニスコートでもあらゆるものが、あるいはもっとうまくいけばいろいろの施設の総合的なやつもできるわけなんで、これは本当に公共事業が土地にたくさん費用を食われちゃうというのに、土地代なくしてそういうリゾートの施設ができる。結局、その中で一番必要なのは道路だろうと思うんですが、そんなのはこの補助金でも入ってくるんだろうと思うんです。  ひとつそういうことで、大臣がおっしゃったように、積極的にこのヒューマン・グリーン・プランをリゾート法の適用地域として、新しい軽井沢をつくるくらいの気持ちでやったら、国有林というものやなんかが市民の憩いの場所としてもっと本当に盛り上がってくるだろうと思うんです。それを中心にしていろいろの民活を、国有林の中で林を育てたりまた森林浴をやるとか、うまいこと森林資源を育成するというふうなことを考えて、ぜひそのヒューマン・グリーン・プランというのをできるだけ大都会に近いところの国有林で、そして非常に宣伝力を持ったやり方をやっていけば、国有林野の暗い部面ばかりじゃなくて非常に新しい部面が出てくるんじゃないかと思うんですが、いかがですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 御説のとおりでございまして、そういう方向へ進みたいと思っておりますけれども、地域的に国有林が偏在しているという問題もございますのでいろいろ問題もありますし、それから緑を破壊しない形でのリゾートつくりなり、それから国有森再建という収入の面も若干頭にはございますけれども、何とかそういう方向で頑張りたいと思っております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 それで、この中で、計数がはっきりわからぬというのだけれども、七十二年で大体収支相償える、赤字を出さぬでやっていけるというのは、その借金の累積債務の利子を大体支払っての均衡が、累積債務の利子は別建てで国有林の経営そのものが収支合うようなのが目標なのか。この累積債務の利子も、借金を返すまでいかぬにしても、その収支均衡の中で含めてやれるというのか、どちらの収支均衡かな。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 七十二年段階では、非常に難しい点はもちろんあるわけでございますけれども、全体として収支均衡ということでございますので、借金の金利ももちろんその収入によって賄える事態を想定して頑張る所存でございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 そういうことまで、いわゆる借金の利子も七十二年においては賄う決心だということを聞いてこれは本当に本物だなというような感じを持つわけなんだが、ひとつこれは大変な合理化のプランになって、これがきょうの審議で皆さん方が元気を出して今後十年間本気になって借金の利子を払っても収支均衡まで持っていきたいという、その希望を多として質問を終わります。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 大臣にお尋ねいたしたいと思います。  昭和五十三年に本法が立法されて、そしてこのたびの提案理由の中には、一定の成果を上げてきた、こう打ち出されておるようでありますが、一定の成果という中身は一体何なのかという観点から、この組織機構の簡素合理化という点、要員の縮減、作業の効率化、この三つの点から一定の成果を上げたとおっしゃるその具体的な内容は何なのか、それを大臣にお聞きしたい。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 昭和五十三年に改善計画を策定して以来六十一年までの間におきまして、まず第一は、高齢者の退職促進等によりまして定員内・定員外職員合わせて一万九千人の縮減が行われた。第二番目には、営林局については五十四年には四営林局を、六十年には一営林局を統廃合しまして、また営林署につきましては五十三年度九営林署、五十六年度には七営林署、六十年度には九営林署、合わせて二十五営林署の統廃合を行い、事業所につきましては四百十六事業所の統廃合を行うなど組織機構の簡素化、合理化を行ってきました。また、作業仕組みの改善合理化等によりましても、六十年度までに素材生産の労働生産性を約四割向上させました。あるいは販売対策の強化、資産の利活用の推進等先ほど来いろいろ出ておりましたが、そういう問題含めまして自己収入の確保と支出の縮減、投資の効率化等自主的改善努力を行い一定の成果を上げてきた、それを踏まえて申し上げたところでございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 そうしますと、次に、この点はどうなるでしょうか、要員の退職と補充の状況、この関連からお尋ねいたしたいと思います。  五十八年度までは七・四人の退職に対して一人の補充、こういう割合で補充されたということになっておるようですね。ところで六十一年度においては十四人退職して補充一人と、こういうふうに変わってきておる。そこで考えられますことは、職員の年齢構成に大きな断層ができたと、こう私は見ておりますが、そこで一つは、業務上の支障、勤労意欲の欠如という点がどういうふうにあらわれてきたか、また評価しておられるのか。第二点は、人員削減による職員の労働過重、こういう点からの憂えはなかったかどうか。以上の点をお尋ねいたします。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ただいま先生からお話がありましたように頭数がかなり減ってきているわけでございますけれども、それにつれまして仕事の中身といたしましても、従来からも立木販売指向でございますとかあるいは請負化でございますとかそういう傾向にございまして、そういう中で職員の方々が意欲を持って仕事に当たっていただく、特にこういう厳しいときほど職場が明るく一致して働くことが必要でございますので、そういう職場環境なり職場の方々の意欲向上につきましては我々管理者といたしましても日々意を用いているわけでございますけれども、特に各層管理者の強力なリーダーシップの発揮なりあるいはそれぞれの方々の提案制度の積極的活用あるいは任用の適正化等を含みます公平適切な人事管理、それからさらには職務にふさわしい処遇というようなことに相努めてまいりまして、職場の明るさというものの維持向上に努めてきているところでございます。  それから、業務量等の関係でございますけれども、いろいろ業務運営の簡素合理化というものを着実に実施してきておりますので、職員の労働が過重になって問題が出たというようなことは今までもなかったと思っておりますし、それから、これからもそういう要員調整と仕事の簡素合理化というものを両方にらみながら相進めてまいりたいと思っておりますので、そういう職員に過重な労働負担を今まで以上に強いるというようなことのないように十分配慮してまいりたいと思っております。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 私がなぜこういう点をお尋ねするかと申しますと、よく合理化とかあるいは人員の整理とか首切りということに伴う残された労働者への過重なしわ寄せ、このことが労働者の命と健康にかかわるあるいは事故につながっておるということを私は憂えるものであります。  そういう点、合理化あるいは整理も理由があればこれはやむを得ぬでしょうが、それと同時に、残った者の立場というのは、心身ともに健康でそして生き生きとはきはきとばりばりと意欲を持って仕事に精励する、このことが最も大事であると私は思いますが、長官いかがでしょうか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ただいま先生から御指摘があった点全くそのとおりと思いますので、我我といたしましても現在四万人を超える職員がそれぞれの職場で生き生きと仕事に取り組めるよう何とか努めてまいりたいと思っております。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 次に、大臣にお尋ねいたしますが、近年、森林の経済的機能に加えて、二つには国土の保全、三つには水資源の涵養とか、四つには大気の浄化とか、五つには保健休養、こういった点から公益的機能の増進に対する国民の要請が急速に高まってきておるということは申し上げるまでもありません。これは非常に結構なことだと思います。  そこで考えなければいけないことは、国土面積の二割、森林面積の約三割を占めておる我が国の森林・林業における主導的役割を担う国有林野事業はこれまで以上にますます重要性を増してくると、こう思うわけなんですが、そういった観点からこれからの国有林野事業の使命にこたえていくためにはどのようにあるべきか、どう考えておられるか、これも大臣にお聞きしたい。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 国有林野事業は、その時代、時代の社会経済的要請にこたえて種々の役割を果たしてきました。近時国民的要請はいろいろ出てきておりますが、一般的要請の高まりにかんがみまして、今後とも林産物の計画的、持続的な供給、あるいは先ほど御指摘になりましたが国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全形成、保健休養の場の提供等の森林の有する公益的機能の発揮、国有林野の活用等を通じた農山村地域振興への寄与等の使命を果たしていく考えでございますが、これらの使命は基本的には国有林野事業の健全な経営を通じて十分に果たされるべきものでございます。そのため現行改善計画の改定、強化によりまして自主的改善努力を尽くし、収支均衡の達成等経営の健全性を確立し、最も簡素合理化さたれ組織、要員のもとで能率的な事業運営を図っていく考えでございます。     ―――――――――――――

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) この際、委員の異動について御報告いたします。  ただいま、宮本顕治君が委員を辞任され、その補欠として諫山博君が選任されました。     ―――――――――――――

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 ここまで質問をいたしてまいりますと私の持ち時間が大分減ってきましたし、またお尋ねすることをほかにも大分用意いたしておりましたが、幸いに今までの委員の皆さんの御質問の中で大分解明できましたので大変幸いだったと思っております。  そこで、沖縄の問題になるとほかの先生方はなかなかおっしゃってくださいませんのでこれはもう私がお尋ねする以外にない、こう自分で自認しておりますので、そういう立場からこれからお尋ねをしていきたいと思っております。  まず、沖縄県の森林は、第二次世界大戦による戦禍と戦後の住宅復興、それから薪炭材の切り出しで著しく荒廃してきた。松材を中心とした沖縄の森林は、沖縄戦に備え友軍によって切り倒され、こうの坑木やとにかく戦争に備える資材にほとんど全部切り倒された、加えて戦後の今日も軍用地のために自然、森林が破壊されつつある、こういう戦争中、戦後四十二年の現状であります。白茶けた自然、一木一草もない自然の中から今日やっと緑ではうようになっておりますが、県民は緑化、植樹に非常に強い関心を持っており、県の緑化運動もずっと一貫して進めておる、これは当然のことであります。森林は次第に復興しつつあるけれどもまだまだ育成の時期である、さらに馬力をかけて造林もしなければいけない、こういう立場にある沖縄であります。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕  そこで、お尋ねしたいことは、沖縄の森林・林業の復旧状況をどのように認識しておられるか、そしてこれに対して今後どういう対応策を持っておられるのであるか、まずそのことをお聞きしたい。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 沖縄の森林内容を見てみますとイタジイに代表されます天然林が多うございまして、その資源内容も、ただいま先生からお話しありましたように戦災等によりまして焼失し、それから戦後の過伐ということもございまして、著しくその森林内容というものは低下を見たわけでございます。  復帰後の扱いにつきましては、毎年大体二百ヘクタール程度の人工林というものを新植しておりますし、それから林道につきましても毎年十キロメートル程度の新規開設ということを行ってきております。こういうことの努力の積み上げの結果、へクタール当たりの蓄積量で見てみますと、昭和五十一年当時、十年前でございますけれどもヘクタール当たり約六十立方メートルというような蓄積でございましたが、現時点の六十一年度の統計では約九十立方メートルということで半分以上向上しているという形になっているわけでございます。  しかし依然として問題があることも確かでございますので、森林資源の整備に当たりましては、今後とも造林、林道等の生産基盤の整備とあわせまして森林の持っております公益的機能、こういうものの高度発揮というものにも十分配慮しながら、しかも亜熱帯の自然条件という特殊性も十分生かしまして幅広い森林の整備というものを進めてまいりたいというふうに考えております。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 今の御答弁に沿ってその実を上げてもらうことを期待いたします。  次に、沖縄の国有林の問題として次のことをお尋ねしたいんです。  沖縄県の北部には沖縄県が明治四十二年から八十年間の契約で国から無償で借り受けているいわゆる勅令貸付国有林という国有林がございますね。この勅令貸付国有林は昭和六十四年五月にはいわゆる八十年の契約が満了する、こういういきさつでございます。そこで沖縄県ではこの勅令貸付国有林が成立した歴史的背景、経過などから、昨今十年の間に二十七回にわたって、貸付期間満了後は無償で沖縄県に譲渡するよう要請しておることを大臣も御承知と思います。政府は沖縄県の要請にどのようにこたえようとしておるのであるか、基本的な考え方、それに対してどういう備えを持っておられるか、明確に答えてほしい。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) いわゆる勅令貸付国有林の扱いでございますけれども、期限が六十四年に到来するわけでございますが、こういう国有財産でございますので沖縄県の関係者からいろいろ要望のありますような無償譲与なりあるいは大幅な減額売り払いということは関係法令の上からいいまして非常に困難であるわけでございますけれども、ただ、これまで長い間貸し付けてまいりました趣旨なり、それから積み重なってきた実績、それから沖縄県の現在置かれている社会経済の動向、沖縄県に対しますいろんな特別な制度が講じられているというようなもろもろの条件というものを総合的に考慮いたしましてこれから検討を進めさせていただきたいと思っておるところでございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 この場で明確な即答は御無理かと思いますが、どうか県の要望、県民の要望に対してはこたえていただく方向に進めていただきたいということを強く重ねて要望いたします。  次に、沖縄の森林、もちろん国有林が主であるとお考えください――という立場から次のことを尋ねます。  沖縄県には国の特別天然記念物や天然記念物に指定された固有種の野生生物が数多く存在しておる。このような貴重な動植物の保護を図ることは世界的にも注目されておるところであることは、昨今の国際的な動き、学者の注目からも十分御理解ができると思います。  ところが実情は、国の特別天然記念物に指定されておる一層一種の鳥ノグチゲラを初め、天然記念物のヤンバルクイナ等貴重な野生生物が米軍の演習や森林の伐採等の生息環境の悪化によって絶滅の危機に瀕しておるというのが現状であります。国際的にもこのような貴重な野生生物の保護の機運が高まりつつある今日、林野庁としてはこのような野生生物の保護についてどのように考えておられるのか、その明確な御見解をお伺いしたい。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ただいま御指摘ありました沖縄本島の北部地区につきましてはいろいろあの土地でなければ存在しない動植物というものがたくさんあるわけでございまして、先般も世界野生生物基金日本委員会等々からいろんな要請が来ているわけでございます。そういうことにもかんがみまして、当方といたしましては、木材資源を有効利用するという地場産業との問題ももちろんございますけれども、貴重な野生生物の保護ということの必要性にかんがみまして、十分関係機関とも調整に努めて万遺漏なきを期してまいりたいと思っております。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 これまた、すむに家なく、ノグチゲラのすむ巣をつくる大木からもだんだん追放されて、路上でノグチゲラが瀕死の状態でおるのをドライバーが見つけて捕らえたということや、またヤンバルクイナのすみかもなくなってだんだん影を潜めつつある、そしておるべき場所におれなくて山から追い出され迫られて今までの環境と違った環境でうろちょろしておる、こういう状況であります。まことに考えさせられる沖縄の現状であります。ぜひひとつそのことを十分認識していただいて、しかもこれは国際的な学問の研究の対象でもあり独特の生物であるということを思うときに、一日も早く沖縄から基地を――結局軍事基地があるということがそもそもの第一の要因であり、さらにまた乱開発の側面もあるわけでありますが、いろいろと考えさせられるわけであります。  そこでまた、この角度から沖縄における治山治水の治山対策について、沖縄に今何が起こっておるかというお尋ねをなさるならば命と暮らしにかかわる危険が毎日のように迫りつつあると私は答えるでありましょう。ところできょうはここでは命の面は一応伏せておいて、暮らしにつながる面から治水の対策と結びつけてお尋ねいたしたいと思います。  まず、今沖縄で最も注目を浴びておる暮らしにつながる生産、特に沖縄の海でしかできないであろうとぐらいに言いたいモスクの今収穫の最盛期であります。ところが、そのモスクの最盛期に際して、一例を申し上げますと五月二十四日の新聞でこのように報じております。最盛期のモスクの生産農家が、収穫農家が、宜野座村の漁業組合の一例を申し上げますと、宜野座村の漁業組合、昨年は三百九十トン、金額で九千七百万円、約一億ですね。ことしは四百から四百五十トンの目標で去る四月から収穫を始めておるんです。五月十六日までにやっと二百トンは収穫した。ところがこの二百トンを収穫したその後がこういう状態になっておるということなんですね。そこでもうお手上げ、全滅。理由は何か。まず、基地の中に米軍の戦車道路をつくっておるということが一つ。そして今度は、山の手で農地開発が進められておる。それからもう一つはダム。ダムとの関連で赤土が土壌汚染をやらかしておる、こういうふうに報道しておるのであります。このこともまことに重大な問題でありまして、これに対する対策がないとするならば国にはもう行政はない。暮らしにかかわるこういう被害が日ごろ毎日県民に迫っておる実情をどうしても解決してもらわなければいけないでしょう。特に、この場では私は治山治水の立場から御一考願いたい。補償の問題もいろいろあるでしょうが、それは当然でありましょう。この対策を私は大臣に、そうしてまた長官もこれに対する対策をお持ちであるかと期待いたしておるわけですが、ぜひお聞かせ願いたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 具体的話でございますので私から答弁させていただきたいと思います。  沖縄の場合は台風常襲地帯ということもございまして、従来からも山地災害の未然防となり海岸保安林の整備、それからさらには水源涵養機能の維持強化ということに重点を置きまして治山事業を実施してきているわけでございますけれども、特に沖縄県の場合には川の流域が小さいというようなことがございまして降った雨が直ちに海まで急速に流れて土砂等の流出にもつながる。それがただいまお話ありました赤土問題ということにもあるいは関連するんじゃないかと私も思いますけれども、こういう状況にございますので、できるだけ土砂の発生源においてそれを根っこで抑えるというための谷とめ工というような工法を取り入れまして治山事業に努めているわけでございます。  これからの取り扱いといたしまして、幸いにいたしまして昭和六十二年度を初年度といたします第七次の治山事業五カ年計画というものも立てられることになっておりますので、荒廃なりあるいは荒廃のおそれのある山地等につきまして復旧治山なりあるいは予防治山、こういうものを総合的に実施いたしまして地域の実情に応じた治山対策というものを計画的に推進してまいりたいというふうに考えております。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 大臣いかがですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 沖縄の土地の状況、山の状況あるいはまた開発の状況等いろいろな問題を十分配慮しながら、今後、治山事業を中心に活力ある森林を守り育てていくために頑張っていきたいと考えております。

山田耕三郎各派に属しない議員

○山田耕三郎君 質問に先立ちまして一点だけお断りを申し上げておきます。  本朝来、熱心な御審議の中で幾つかの点で啓発をされました。そういったこともございまして、重複を避けるために質問通告とは若干違う面もございますけれども御了承をいただきたいと思います。  第一点は、我が国の国有林野事業が農林水産省の管轄のもとに一元化されましてから今日まで大変な曲折をたどってまいりました。戦後一時期には、堅調な木材需要に支えられまして自己資金で回転をすることはおろか、一般会計にまで繰り出しをしておいでになりましたのが実態でございます。その時代と今日とを比べてみてどこがどのように違いますのか、大きな点で林野庁の御見解を承りたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ひところに比べまして違いましたのは、一つは、何といいましても木材の伐採量自体が需要の関係なりあるいは国有林の立木の存在状況、こういうこととも絡みまして停滞しておりますことに加えまして価格がひところに比べますといろんな情勢がございまして低下してきたということで、収入面におきましてかなり変化があったということが一つと、それからもう一つは、いろいろと戦後の伐採期に合わせまして体制を組んだわけでございますけれども、その後そういう事情で伐採自体も限定的になってきた中で体制の整備、再編ということに熱心に取り組んではまいりましたけれども、それが仕事量の減と人の減とが必ずしもイコールで進んでこなかったということで現在そういう改善途上にあるということの問題点が二つ目かと思っております。そういうことが相乗いたしまして現在のような結果になっているというふうに大まかに言いまして基本的には認識している次第でございます。

山田耕三郎各派に属しない議員

○山田耕三郎君 ただいま承りました以外に、やっぱり今日的問題として森林の持ちます公益的機能を重視をしていくというこの一般的な感覚が林野庁の業務の運営に大きな問題を提起をしておるように思いますが、とにもかくにも、諸条件の悪化から経営状態は極めて深刻な状況をお迎えになっております。  そういったことから矢継ぎ早に改革案が試みられてはおりますけれども、一向に改善されてはまいりません。林野庁では諸経費の節減等により改善について一定の成果を上げてきたものと自賛をしておいでになりますけれども、本朝来の審議の経過を通して幾つかの問題も浮き彫りにされておりますように本質的にはまことに危険な道を歩き続けておられるのではないか、危機打開への意欲的な努力とは裏腹に時期を失するのではないかと私は思っておりますのですが、会計検査院が十年を経た今日再び意見を付しておるのも何よりの証拠でないかと思っております。今回の法改正においても事業実施に対しますところの補完的措置が講じられる道が開かれました。しかし、開かれたとはいえ資金的援助も極めて零細なものでありますから、この困難な事業を根本的に変えていくということについてはまことに至難だと思います。そういう情勢の中にありながら縮小均衡の方策で国有林野事業の改善が果たしてできるのかどうか、国有林野事業の活性化に資することが可能だと考えておいでになりますのかどうか。ちなみに一般会計よりの繰入金をここ当面はどの程度と試算をして事業計画を立てておいでになりますのか、あわせてお尋ねをいたします。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 我々なりに非常に厳しい経営改善の努力というものを行ってきているわけでございますけれども、残念ながら先ほど申しましたような伐採量の低下なりあるいは価格の低迷、それから人員の問題等というようなこともございましてこういう経営状況に相なっておるわけでございます。  それに加えまして、ただいま先生からも御指摘ありましたように、公益的機能といいますか国民の森林に対するニーズというものがいろいろと多角化、多様化してきているわけでございます。そういうものに対しましても我々としては的確に対応していく必要があるわけでございます。そういう前提で去年国有林野の問題につきまして林政審議会から貴重な御答申をいただいておるわけでございますけれども、ここで施業方針自体を従来の方針と少し違えまして、先ほど来いろいろな形で御議論がございましたように、例えば天然林施業でございますとか複層林化でございますとか、そういうより多角的な林業経営というものを志向いたしておりますし、それから国民の保健休養あるいは教育文化というようなものに対する意欲の高まりを受けましてそういうものにも対応するということで決して縮小均衡ということではございませんで、現時点で必要とされる材、それから供給可能な材というものを提供しながらしかも国民の多様な要望にこたえていくという体制を何とか組みたい、そのためにはいろいろ仕事の面で事務の合理化でございますとか機械化でございますとかあるいは組織の簡素化というものも思い切ってやりながらみずからの体質をスリムにすると同時に、新しい体制、新しいニーズにこたえるような仕組みを、非常に厳しい苦しい道ではございますけれども何とか歩いてまいりたいと思っているわけでございます。  それから、具体的な問題として一般会計からの繰り入れが今後どうなるかということでございますけれども、今国会でお認めいただきますれば新しい道というものも開けまして、これに従いまして新しいルールで六十二年度におきましては前年より新しい繰入額がトータルで七億弱ほどになるわけでございますけれども、これが来年度以降どうなるかということは来年度の事業規模なりということとの相関で毎年の予算編成、予算審議という過程を通じてセットされる話でございますので現時点では確たることはもちろん申し上げられませんけれども、本年度の百十数億というものよりふえていくということは当然かと思っております。

山田耕三郎各派に属しない議員

○山田耕三郎君 たくさんの期待をなさる方策をお述べいただきましたけれども、大体においてこの改善策の主たるものは、一つはやっぱり業務の一層の改善合理化、二つには要員規模の適正化、もっと簡単に申し上げますれば人員削減、三つには自己財源の確保、こういったことを中心として最大限の自主的な努力を続けていこう、こうしておられるところにあろうと思います。しかも、組織機構の簡素合理化は一応の結果を見ておいでになります旨の御答弁もございました。要員の規模の適正化すなわち人員の整理も約四万六千人とほぼ目標どおりの縮減が達成されております。そういった中にありますのにもかかわりませず、先ほども累積債務が二兆円を超えるのではないかという予想に対してやっぱり明確に否定をなさいませんでした。さらにまた大臣の御答弁の中にも、国有林野事業の収支はいかに苦しくとも収支の均衡に持っていかなければならないとの決意というような形ではなかったですけれどもお言葉がございました。しかし、それに至ります過程はどうなっていくのかということについては長官も含めて明確にはされておいでになりませんでした。これはこのことがいかに難しいものであるかということを物語っておりますのでございますけれども、与野党合意にもかかわりませず、今日までの再建方策では対応できないのではないか。例えば自己財源の増収を確保しようといたしましても、人工林の九〇%がまだお金にならない育成林だと断っておいでになります。私の地元においても人工林の伐期は従来は五十年でしたと言っておりますけれども、今日の材質を重視する時代に至りましてはまず百年ではないでしょうか、こういうことでありました。けれども、八十年で辛抱するといたしましても林野庁の資料によってもあと五、六十年はかかる、こういうようなことであります。  さらにまた、一方で私が山村の調査をいたしました。向こうの人たちが次のように話をいたしました。幸いなことには私の部落では過疎がとまりました。なぜなればみんなが月給取りの職場を得たからであります。そのために今日まで一年間百万円近い植林投資もしてまいりました。ここにきて非常に困っておりますことが一つあります。それは伐期に来ておりましても売ることができないから回収することができませんということとあわせて、回収をすることができれば伐採をしますのですけれども、そうすれば当然のこととして植林ができます。伐採できませんから植林もできない。せっかく森林組合をつくって地域内の山を緑にという事業に進んでまいりましたけれども、これでは森林組合の維持すらできません、こういう問題でもございました。  また、林野庁の資料によりましても木材需要は極めて減ってきております。特にパルプ用材を除きます以外は全面的に後退でありまして、製材用材に至っては五十三年度に対比して七七%になっておりますということですけれども、長い間育成をしていってその時期がようやく来ても、その時期になって木材の販路が確保されるという約束は何もございません。こういった困難な事態に来ておりますのが今日の林業であると思いますが、当面の問題、国有林野の事業だけはやっぱりいつかは、大臣も申されましたように非常に困難なことでありますし、そのことは難しいと思いますけれども基本的に解決をしようとすれば、やはり木材を生産していく施業林と、公的機能を重視いたします例えばの名称でございますけれども保護林とを分離をし、保護林については国費でそれを維持していくという形態にならない限りはできないのではないのだろうか、私は素人ながらそのように思っておりますのでございますけれども、そういった問題について、現状を取り繕われる反論ではなしに、本音のところを長官より解明していただきたい、このように思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 林業なり国有林野全体についての問題点についていろいろと御意見をちょうだいしているわけでございますけれども、ただいま最後にありました施業林、保護林という見方でございますが、林業施業そのものがやはり自然との調和の中で自然の輪廻の中で再生産が行われていく。それから山によりましては、最も林業活動としても活発な山というものが国土保全なりあるいは水源涵養なりあるいは景観という点からいいましてもすぐれているという山もあるわけでございまして、残念ながら単純に施業林、それから保護林という区分けはできないわけでございます。ただ、従来からもいろんなそれぞれの仕組みにおきまして、例えば保安林制度というようなことで伐採についていろいろ制限するとかあるいは物によりましては禁伐にするとかいうことをやってきておりますし、それから森林計画制度なりあるいは自然休養村の指定なりというようなことでそれぞれにつきましては現実的な対応をしてきておりますので、考え方なりその対応としては全く先生と同じ方向で行ってきているわけでございますけれども、そこから先の保護林的なやつについての一般会計で丸々見るべきであるという点が若干違っているわけでございます。     〔理事北修二君退席、委員長着席〕 国費によってそういう公益的あるいは公共的な機能の分につきましてできるだけ見てもらいたいという願望におきましては当方ももちろん同じでございますけれども、山林、森林というものを営んでいる国有林といたしまして、国土の二〇%に及ぶ大森林を国有林が営んでいるわけでございます。したがいまして、それなりのスケールに応じたメリットというものも本来発揮できるわけでございますので、そういう全体の森林経営の中で国民から負託されたその二割の国土を守っていくという努力をぎりぎりまでやはり積み上げ続けるのが我々国有林を預かっているものの責務じゃないかというふうに考えているわけでございます。     ―――――――――――――

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) この際、委員の異動について御報告いたします。  ただいま、大塚清次郎君が委員を辞任され、その補欠として久世公堯君が選任されました。     ―――――――――――――

山田耕三郎各派に属しない議員

○山田耕三郎君 次に、要員の適正化という要員の問題、すなわち職員の問題についてお尋ねをいたします。  行革のもとでは私のこの意見は余り共感を得られないのでありますけれども、申し上げさせていただきます。  先ほども長官は無意識に頭数という文言をお使いになりました。私は、なぜもっと人間を大切にされないのだろうかといつも疑問を持つものであります。  林野庁の統計資料を見てみましても、まず年齢階層別人員数というのがございますが、五十歳以上が全体の五六%、過半数をはるかに超えております。さらに三十五歳以下、いわゆる若年層がわずかに八%であります。階層別の極端なアンバランス、さらに若さのない職場、こういった構成でどうして活力を生み出しておいでになるんだろうか、疑問でなりません。皆さん方の言われる組織機構の簡素合理化とは何なのだろうかと。これは単なる人減らしの強要であって、人間性の本質に根差した創意の活用や使命感に基づいた意識の高揚などみじんも配慮されておいでにならないように思えます。人間が他の動物と異なるところは無限の可能性を秘めておるからであり、そこに人間の尊厳があるのでございますと思います。最盛期の約半数の四万五千人に減員、近い将来は二万人に減らされるという路線が敷かれておるのです。対象者にとっては毎日が心配なのではないでしょうか。これほど対象者に対する残酷な処遇はありませんと私は思っております。そして何とおっしゃろうとも、私は事業は人だと思って今日まで対処してまいりました。このように人間性を冒涜したり人権を無視される等人間の尊厳が傷つけられている中でどうして士気の高揚や創意を心がけた積極的参加が期待できるのでございますでしょうか。  それにしても、今も論議されておりましたが、労働生産性についても、官業、すなわち皆さんのお言葉をかりれば直用が民間請負に比べて生産性が低いということを示す林野庁の業務資料がございます。非能率は官業の代名詞のようになっておりますが、このためにこそ政府は請負化を推進し、地方にも強要してまいられました。しかし、私は、問題はやる気を起こさせないところに原因があるのであって、これは公務員の本質的なものではない、本来は優秀な人が採用されておらなければならないのではないか、私自身のささやかな体験で実証をいたしてまいりましたからこそこのことを申し上げておりますし、非能率であったとしなら、まずやっぱりトップが責任を感じなければならないのではないでしょうか。そして直接の上司とともに責めを負うべきだと、私はこのように思います。しかも、この資料を見てみましても、一〇%さえ労働生産性を高めれば全作業の分野において民間請負をはるかに上回ることになるのですけれども、その一〇%を上げていくということは極めて簡単にできそうだと思いますけれども、そんなに難しいことなのでしょうか。私はやっぱり労働生産性に転嫁していくことはいけないことだと思いますが、職員の諸君が国有林野事業の問題点は一番よく知っておいでになるのではないでしょうか。ベテランとしての自負心を持っておるのではないだろうか。これだけの財産がありますんです。長官、どうぞこのベテランの職員の士気をかき立てて、そして国民の負託にこたえていただきたい。けれども、先日も申し上げましたように、やっぱり独立採算制という制度の締めつけのもとで冷静に眺め直していただくこともなかなか困難なのかと思います。けれども、何とかしてもう一度考え直して、眺め直してみてください。そして国有林再生への方策を模索をしてもらいたいと思うのです。そのことは皆さん方が一番よく知っておいでになりますことでございますので、勝手な意見ではございますかとは思いますが、以上申し述べさせていただいて、御所見を承りたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 我々といたしましても、事業は人によって支えられておるわけでございまして、こういう厳しいときこそ我々関係職員一同が国有林野の使命なり問題点につきまして共通の認識を持ちまして、よりよい国有林をつくり育てていくということに向かいまして邁進する必要があるわけでございます。当方といたしましても、四万数千人の職員を抱えておりまして、これからこれを六十八年度に二万人にするというかつてない非常に厳しい経営改善というものを考えております。これは、長い間心を痛め模索をいたしました結果、こういう客観情勢の中ではこの道は避けて通れない道であるということに当方といたしましては結論に達したわけでございます。  いずれにいたしましても、国有林の職員の方々に不安が起きませんように、国有林全体での取り組みでございますので上も下も常日ごろの会話なり協調というものにつきましては十分今まで以上に意を用いながら、何とか国民から負託されております国有林を守り合理化を貫徹してまいりたいというふうに考えておりますので、ひとつ御援助、御後援をお願いしたいと思っている次第でございます。

山田耕三郎各派に属しない議員

○山田耕三郎君 終わります。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 御異議ないと認めます。  ただいま質疑を終局しました国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案について、稲村君及び諫山君より修正についての発言を求められておりますので、順次これを許します。稲村君。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 私は、日本社会党保護憲共同を代表して、国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。  その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。  これより、その趣旨について御説明申し上げます。  御承知のとおり、緑資源、森林資源は、今地球的規模で枯渇し、人類の生存が危惧され、資源と環境問題は、二十一世紀に向けて最大の課題になっております。言うまでもなく、森林資源は、国土の保全、水資源の涵養、大気の浄化、自然及び生活環境の保全、教育及び文化への寄与、木材の生産など、多面的な機能を有しており、国民生活にとって不可欠の資源であります。  しかしながら、我が国の森林保林業は、高度成長期を通した過伐、乱伐による資源の減少と荒廃、長期にわたる構造的要因に伴う林業、林産業経営の不振によって危機的な状況を深めています。特に、我が国最大の林野を所有し、かつ林業事業体である国有林野事業も例外でなく、このまま森林の荒廃と経営悪化を続けるならば、国民共有の資産を消滅させ、その使命と役割を果たし得ない状況が危惧されるのであります。  しかるに、本委員会に提案されました政府の国有林野事業改善特別措置法の一部改正案は、林政審答申を受けて、基本的条件の整備期間の延長等の措置をとることなく、昭和六十八年度までに完了をそのままにして、長期借入金の借りかえ措置とその利子補給及び森林保全管理費の一般会計からの繰り入れのみの改正案であります。これでは国有林野事業の外部的構造的な要因に基づく経営悪化に対する抜本的な解決案ではないのであります。  この点については、国有林野事業の歴史的経過及び現状認識、経営改善の見通しその他各般にわたって、我々の指摘し明らかにしてきたところであります。  私は、こうした欠点のある政府案を抜本的に修正し、国有林野事業の四大使命を総合的に発揮させるため、財政の健全化が図られるよう提起するものであります。  以下、修正案の要旨を御説明申し上げます。  まず第一に、本法の趣旨に国土の保全、水資源の涵養、良好な自然環境の保全、教育及び文化への寄与など、公益的機能の維持増進、林産物の計画的持続的な供給、農山村地域の振興への寄与等国有林野の四大使命を明らかにしたのであります。  第二に、改善計画の期間を昭和六十八年から昭和七十二年までとし、改善計画で定めるものについては、第二条第二項第二号を「国有林野事業における森林資源の整備に関する事項」とし、同条同項第六号として「国有林野事業の改善に必要な資金の確保に関する事項」を加え、なお国有林野事業の使命が総合的に発揮できるよう充実しようというものであります。  第三に、一般会計から特別会計への繰り入れとして、まず、森林保全管理事業、森林レクリエーション事業、林木育種事業、保安林に係る造林事業などの経費は当然経費として繰り入れるものとし、このほかの造林、林道の開設、改良、災害復旧事業経費についても予算の定めるところにより繰り入れ、財政的措置を明らかにしたのであります。  第四に、資金の貸し付けにつきましては、資金事情の許す限り特別の配慮をするものとし、借入金の利子、償還期間及び据置期間等について、資源の育成途上にあるところから緩和措置をとり、一般会計から予算の定めるところにより繰り入れることにしたのであります。  なお、本修正案の結果といたしまして、平年度において約一千六百四十九億円が必要になると見込まれます。  以上が修正案の要旨であります。何とぞ速やかに御決定くださるようお願いをいたします。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 次に、諫山君。

諫山博日本共産党

○諫山博君 私は、日本共産党を代表して、国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。  その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。  これより、その趣旨について御説明申し上げます。  森林は本来、国土保全、水資源の涵養、国民の保健休養の場、自然環境の保全形成、さらに木材資源の供給など、国民生活の維持向上にとって不可欠の存在であります。  とりわけ、森林面積の三割を占める国有林野は日本列島の脊梁地帯に多く、その五割が山地災害防止等の保安林であることから、国土や自然環境の保全等国民の重要な生活環境基盤である山づくりを初め、我が国林業の中核的存在としてその公共性を発揮させることが極めて重要となっています。  我が国の森林の現状を見ると、山地災害危険箇所が十三万カ所、保安林の機能発揮ができない森林が九十万ヘクタールにも達しています。中核的存在であるべき国有林野にあっても、乱伐や手抜き造林による森林荒廃が増大しているというのが現状であります。しかも、国有林野事業は一兆七千億円にも上る累積債務を抱え、現状のままでは国民のための山づくりなど到底その公共的使命を果たし得なくなっており、緊急に抜本的な改革を必要としております。  ところが、本改正案に示された経営改善策なるものは、昭和六十八年度までに現在の四万六千人の要員を二万人規模にまで削減するなどの大合理化を推進する一方、借金返済のための借金に道を開き、当面の財政破綻を取り繕うものにすぎません。しかし、こうした借金依存の経営改善は、将来の借金残高を膨らませ、経営の破局をもたらすもの以外の何物でもありません。  ただいま提案しております我が党の修正案は、こうした政府案を抜本的に改め、国有林野の公共性を具体的に保障するものであります。  その概要を御説明します。  第一は、国有林野の持つ公共的使命を明記したことであります。  第二は、現行改善計画が収支均衡を目的としていることを、保安林等の整備の目標等を定め、公共的使命を果たすためのものに改めております。なお、この計画は、五年ごとに国会の承認を得て定めることとしております。  第三は、国有林野特別会計に保安林等公共性の高い地域の山づくりに必要な資金は一般会計から繰り入れるため、新たに公共勘定を創設することとしています。  第四に、長期資金の債務については棚上げして別途処理することとし、必要な財源は一般会計等から繰り入れることとしています。  以上、本修正案の概要を御説明いたしましたが、委員各位の御賛同を賜りますようお願いいたしまして、提案理由の説明を終わります。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) ただいまの稲村君及び諫山君提出の各修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から両修正案に対する意見を聴取いたします。加藤農林水産大臣。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) ただいまの両修正案につきましては、政府としては反対であります。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) これより、国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案並びに両修正案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。

菅野久光日本社会党・護憲共同

○菅野久光君 ただいま議題となりました国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、私は、日本社会党・護憲共同を代表して、政府提出の改正案に反対し、日本社会党・護憲共同の修正案に賛成の立場から意見を申し述べます。  今日における日本の状況は、都市への異常なまでの人口集中、深刻な産業公害など、生活環境が悪化するにつれ、豊かな緑を求め、自然との調和のとれた生活を望む国民の声が非常に高まっております。したがって、木材生産や国土保全を初め、水、緑、きれいな空気の供給基地としての森林の重要性はますます強まっています。  しかるに、国土の約七割を占める日本の森林は、農山村の過疎化の進行や林業労働力の減少、木材価格の続落と林業経費の増高等による林業生産活動の大幅な落ち込みのもとで、森林の荒廃が進み、木材製品関税引き下げ、そして急激な円高は我が国林業が産業として存立し得るかどうかの瀬戸際に立たされているなど、かつてない危機に直面しています。このまま放置するならば、国土は荒廃し、やがては民族の生存をも脅かしかねません。また、地球的規模で緑の喪失が心配されている今日、先進工業国としての日本の責任も極めて大きなものがあります。  一方、国民共有の財産であり、環境保全機能など社会資本としての性格を強く持っている国有林野事業も、林業全体の構造的要因に加え、戦後復興から高度経済成長期にかけての資源を無視した増伐と乱開発によって森林資源の枯渇状態を招き、伐採量が半減するなど、昭和五十年以降財政事情が悪化し、借入金依存の経営となり、昭和六十年度末債務残高は一兆三千五百五十億円に達しています。  こうした状況にある日本の森林・林業、国有林野事業の再建は一刻もゆるがせにすることはできないところから、昨年五月の本院における森林・林業・林産業の活性化と国有林野事業の経営改善に関する決議をもって、政府の緊急かつ抜本的対策を求めたのであります。  しかるに、本委員会に提案された政府の国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案は、保安林の保全管理のため費用の一部を新たに一般会計から繰り入れること、借入金返済のための借りかえ措置と一部利子補給を新たに設けることなど、現行法より一歩進めたものとはなっていますが、借入金の累積は避けられず、森林資源の造成に支障を来すことは明白であり、真の国有林野事業の再建とはほど遠いものと言わざるを得ません。  日本社会党・護憲共同修正案は、今日の国民的要求に基づく国有林野事業の使命、役割の補強、森林資源整備が完了する昭和七十二年までの改善期間の延長、そして育成段階にある国有林野事業に対し、公益的な機能に対する費用の一般会計からの繰り入れ及び借入金の償還期間、据置期間の延長、利子補給など、民有林並みの措置を行い、再建を軌道に乗せようとするものであります。  私は、日本社会党・護憲共同が提案しています修正案以外に真の国有林野事業の再建はあり得ないことを確信を持って重ねて申し上げ、各位の御賛同をお願いし、意見といたします。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私は、日本共産党を代表し、国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。  反対の第一の理由は、今回の法改正が昨年十二月の林政審議会答申に基づく大合理化を前提とした改善措置であることです。  林政審答申が示す合理化路線の一つは、伐採後手を加えず天然の力で更新するという天然林施業の拡大です。もちろん、天然林施業そのものを否定するものではありませんが、更新完了基準が未整備であるなど、施業の技術体系が十分確立されていない現状のもとで経費節減を自己目的化させた天然林施業の全面的拡大は新たな山荒らしをつくり出す結果になります。また、林政審答申が進める立木販売や請負化の極端な促進は、何よりも国有林労働者の大合理化が目的であり、事実上の民営化を目指すものです。国有林野の公益的機能を最高度に発揮させられるのは、政府の進める民営化路線ではなく、国が森林を所有し、直接経営する国有・国営形態によってこそ保障されます。この立場から、国有林労働者を現行四万六千人体制から二万人体制に大削減するなど、林政審答申の目指す大合理化に強く反対するものです。  反対の第二の理由は、大合理化と引きかえに本改正案に盛り込まれた財源対策では、経営は改善されるどころか、破局につながりかねないということです。  今回改正による一般会計からの繰り入れ拡大は、本年度予算でわずか六億円余にすぎず、焼け石に水です。しかも、わずかばかりの利子補給で借金返済のための借金に道を開き、当面の財政破綻を取り繕おうとすることは、現在でも一兆七千億円という莫大な借金残高をさらに増加させ、サラ金財政を一層悪化させるものです。質問で明らかにしたように、財政収支の長期見通しで収支均衡を図るという昭和七十二年度の姿は、本業である林産物収入に匹敵する大規模な林野、土地売り払いをしなければならないという異常な事態です。  このように、今回改正案の経営改善は、山荒らしにつながる人減らし大合理化を進める一方で、みずからの経営基盤である林野、土地の切り売りを大規模に展開するという国有林野の公共的使命の一層の放棄につながるものと言わざるを得ません。  国有林野の経営危機打開のためには、今日の深刻な林業不況を招いている歴代自民党政府が進めてきた木材の外国依存政策をやめることです。また、軍拡、大企業奉仕の経済・財政政策を転換して、真に国民生活擁護の内需拡大策の実行で不況を打開することです。同時に、国有林野財政破綻の直接的原因となっている独立採算制の押しつけと借金依存の財政運営を改めることです。国有林野が国民共有の財産としてより積極的な使命を果たしていくためには、我が党修正案が示しているように、一般会計からの繰り入れの抜本的な拡充と長期借入金の債務棚上げ措置の実現以外にありません。  なお、社会党提案の修正案について、国有林野の公益的機能を重視する立場から、一般会計からの繰り入れを拡充するという点で賛成し得ることを表明し、政府案に対する反対討論を終わります。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 他に御意見もなければ、これより直ちに採決に入ります。  国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。  まず、諫山君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 少数と認めます。よって、諫山君提出の修正案は否決されました。  次に、稲村君提出の修正案の採決を行います。  本修正案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 少数と認めます。よって、稲村君提案の修正案は否決されました。  それでは、次に、原案全部の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  宮島君から発言を求められておりますので、これを許します。宮島君。

宮島滉自由民主党

○宮島滉君 私は、ただいま可決されました国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘の各派及び各派に属しない議員山田耕三郎君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、本法の施行に当たっては、我が国の森林・林業の重要性にかんがみ、その中核的役割を担っている国有林野事業に課せられた使命の推進を図るため、長期的・総合的な展望に立って、次の事項の実現に遺憾なきを期すべきである。  一 森林資源は国民の生活向上及び国民経済の発展にとって極めて重要な役割を果たしており、国有林野事業の使命である林産物の計画的な供給、国土の保全、水資源の涵養、良好な自然環境の保全等森林の有する多面的機能を総合的に発揮させるため、森林の整備拡充に必要な措置を積極的に講ずること。  また、国有林野事業の公益性にかんがみ、一般会計からの繰入れ等財政上の援助措置を積極的に講ずるように努めること。  二 改善計画の改定及びその実施に当たっては、国有林野事業が直面している構造的要因を認識し、国民各層の意見を徴し、円滑に推進するよう努めること。  三 森林施業の実施に当たっては、国有林野の森林資源を維持培養するとともに、森林の有する多面的機能の高度発揮、木材需要の多様化等に対処するため、人工林の適正な整備、複層林の造成、天然林施業等を着実に実施し、森林の総合的利用に対応できる多様な森林の配備に努めること。  四 国有林野事業の収益性を確保するため、木材需要の開発推進、生産技術の開発等によるコストの低減、的確な市況或いは市場の調査に努めるとともに需要動向に応じた産地銘柄の形成等販売戦略の展開に努めること。  五 森林・林業の活性化を図るため、木材需要の拡大、国産材の振興を通して国産材の自給率及び利活用の向上等に配慮するとともに、木材関連産業の積極的な振興を図り、外材との競争力を高めるよう施策の充実に努めること。  また、世界的な森林資源の減少傾向にかんがみ、輸出国の資源の保続培養に必要な国際協力を一層推進すること。  六 国有林野のもつ森林空間を、保健休養、地域振興の観点から積極的に利用し、民間活力を活用した事業の展開を図るとともに、国有林野の貸し付け、売り払いを行うに当たっては、緑の保全に十分配慮し、国有林野事業の管理運営との適切な調整を図るものとすること。  七 林業事業体に対しては、雇用関係の明確化、労働条件の改善及び国有林内での安全対策について積極的な指導・監督を行い、優秀な労働力の確保に努めること。  八 山村地域の森林資源を有効に活用し、林業生産活動の活発化、就労機会・所得の増大及び生活環境基盤の整備などについて市町村等を主体とし、地域の実態に即した山村地域林業の振興に努めること。  右決議する。  以上でございます。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) ただいま宮島君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 全会一致と認めます。よって、宮島君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの附帯決議に対し、加藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤農林水産大臣。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 次に、森林法の一部を改正する法律案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もなければ、これより直ちに採決に入ります。  森林法の一部を改正する法律案の採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両法律案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 次に、集落地域整備法案を議題といたします。  本案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 まず最初に、この法律とこれに関係をしております農振地域の整備に関するいわゆる農振法、さらに都市計画法、こういった法律があるわけでありますが、    〔委員長退席、理事北修二君着席〕 これとの整合性といいますか、そしてまたこれが生まれてきた背景、そういうものについてお尋ねをしたい、こう思うんです。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 集落は、人間が集団を形成し、生産活動を営み、生活をする場であります。また、集落は宅地と農地で成り立っておりますが、近年の混住化、兼業化につれ、土地利用の混乱が生じております。望ましい土地利用の秩序を形成することは、都市計画行政、農政双方にかかわるものでございます。ただ、農振法は、農業振興の見地から農地を対象としますが、宅地を対象とすることはできません。一方、都市計画法は、都市整備の見地から宅地を対象としますが、農地を対象として整備することはできません。本集落地域整備法案は、都市計画法と農振法の限界を克服して、混住化社会への計画的対応、望ましい土地利用秩序の形成を図ろうという思想のもとに、宅地と農地を総合的一体的に整備することをねらいとするものでございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 そういう建前の議論が出てくるのはそれなりにわからないわけではありませんけれども、どうも近年、農業がどんどんおろそかにされてくるというそういう背景があるように思われてなりません。  そこで、混住化を一体的にしてやるというそういう御趣旨であるかもしれませんけれども、農業以外の人たちをそこに呼び込んでくる、むしろ農業がそのことによって被害を受けることになるのではないかというふうに思えてならないわけなんですが、その辺についてどうお考えなのかお聞かせをいただきたいと思います。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) 今、大臣からお話がございましたように、最近の集落を見ますと、次三男が分家をしたりあるいは農家の人がサラリーマンになって町へ働きに行くという形での農家でない世帯がかなりふえておりまして、私たちが心配いたしておりますのは、むしろ農家がだんだん少数になってくるあるいは孤立をしてくる、ところが農地は御承知のとおりまとまってなければ立派な農業ができない。集落の側からは、今申し上げましたように、農業をやりたい人もいますがごく少数になりつつありまして、農業から今すぐ足も洗いたい人とか、それから農業を五年か十年続けてから後継ぎが戻ってこないのでその段階で足を洗いたい人とか、いろんな意味で価値観といいますか、将来の方向についての考え方が多様に分かれつつあるものですから、農業をやりたい人には必要な農地をできるだけまとめる、それから今農業から足を洗いたい人は集落の宅地の周辺にまず土地を集めるというようなことがお互いに必要だと考えてきたわけでございます。  そこで、今回の法律では、知事がつくります基本方針でどこどこの集落のどこをどんなふうにするというように決めますと、それに基づきまして市町村の段階で、ある集落のここは宅地として、その中に道路はここに入れる、ここに公園を入れるというような公共施設なり建物の配置なり高さなりいろいろ決めまして、住居としての質のいいものを、一方で集落の地区計画で、建設サイドの方の都市計画サイドでやっていただく。私どもの方は、その集落の周辺の圃場、これは今まで白地でした。――白地って、要するに、農用地区域でございませんからなかなか土地改良投資もできなかったんですが、そういうところにも、みんなの話し合いがあって農地としてまとまれば農振の白地のところでも土地改良投資をちゃんとして圃場整備もする、用水も直す、あるいは排水路もつくる、農道もつくるというようなことをして、農業をやりやすい環境をまとめて造成をしていきたいと考えているわけでございます。そういう意味で、それを市町村がつくる集落の農振計画の中で必要な土地改良あるいは必要な集出荷施設の導入などを考えて、集落の中でこれからも農業をやっていきたいという人にはそれに必要な環境というものをきちんとつくり上げたいというのが私どもの考えでございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 今回のこの集落地区計画で、区域内の土地について一定の条件のもとに開発規制が緩和される、こういうことが書いてあるわけでありますけれども、混住の形態そのものが集落としての一体化を求めるといってもどだい無理なんではないかなと、こういう感じを持つわけなんであります。今のお話のように、農業として存続し得る条件を整えるんだといいながらも、集落の中ではそうはいかないというような問題についての全体的な調整というのはなかなか難しいのではないかなと、こういう感じを持っているわけでありまして、その辺の考え方、とらえ方。それから、これは後ほども触れてみたいなと思うんでありますけれども、農家がこれから変貌していく中で混住化された集落との結びつきというのを一体どういうふうに深めていくのか、何かもう一つピンとこないというような感じがしないわけではありません。その辺のことについてお考えをお聞かせをいただければと思います。

北村廣太郎建設省都市局長

○政府委員(北村廣太郎君) 都市サイドからお答えを申し上げたいと存じます。  市街化区域、市街化調整区域と都市計画区域を線引きいたしまして、都市的な投資をして計画的に市街化を進めるのは市街化区域、市街化調整区域はむしろ都市化を抑制しようというようなことでスタートしてからもう既に十四、五年たっているわけでございます。しかし、現実問題として市街化調整区域に編入されました集落の実態を見ておりますと、その集落及びその周辺で開発許可という制度で一定の行為だけはできる形になっております。それは、ただいまも構造改善局長の方からも申し上げました農家の次三男対策としての分家用の住宅とかあるいは農業を営むための必要な施設とかそういうものについてはつくることができる、しかしあとは原則として禁止される、こんな形になっておったわけでございます。  しかし、現実問題として、農家の次三男と申し上げましても、農地の制約等もございまして現実の分家した後の形態というのはやはり近隣の都市に通うサラリーマンというような形になっておりまして、混住化というものが農村集落の中でも逐次進展してまいったわけでございます。そうなりますと、住まいの形態とかそれから農家そのものについても近ごろやはり新しくうちを建てかえます場合の住宅の形態とかいろんな、例えば一家に車が軽乗用車も含めますと二台も三台もあるというような時代になってまいりますと、今までの集落の住まい方では非常にふぐあいがいろいろ生じてまいりまして、これではどうにもならないという形になってまいったわけでございます。  そこで、私どもといたしましても、その市街化調整区域内で今までの規制を若干緩和する処置を図ったわけでございます。例えば、今までは二十ヘクタールというようなある程度まとまりのある開発でしたら都市的な整備というものも十分できますので、それならば例えば住宅団地のようなものも市街化調整区域にはつくっていいというような扱いをしておりましたけれども、それを緩和いたしまして五ヘクタールというふうな実態に即したまとまりのある開発許可というようなこともいたしましたし、また一方、農村集落におきましても今までのような次三男ばかりではなくて、現実にその集落に借家をして住まっていらっしゃる方、こういう方々がやはり今までの子供たちが通っていた小学校、中学校のままいたいとおっしゃるなら、その集落の中で土地をお求めになりましてうちを建てる、こんなものはいいじゃないかと、こんな形に拡大してまいりました。また農村といいましても働く場づくりの工業等が必要でございます。ある程度の小規模の、しかも公害の生じないような工業ならいいんじゃないか、そんな形でいろいろ現実問題の対応を図ってまいりましたが、必ずしもそれだけでは十分でないということで、私どもといたしましてはやはり集落というものをある程度この際都市的手法も入れまして整備しよう、道路をよくし児童公園などを設けまして、住みやすいそして快適な環境づくりをいたしましょうということで、農林水産省さんとお話し合いいたしまして集落の中に住居部分、つまり住まいの部分とあるいは小規模な店舗の部分、そういうようなものを計画的につくろうということでこの法案をお願いしているわけでございます。  現実の実態から申しますと、やはり現実の集落の現状に対応して、それをよりよい住まいのために改善していこう、こんな趣旨でございます。  以上でございます。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) 兼業化とかあるいは老齢化あるいは混住化の中で、そういう農家の変貌の中で農家と非農家との結びつきを一体どうやってやっていくんだという一番大事な難しい問題なんですが、私どもとしては、やはりこういう農家がだんだん少数になるあるいは孤立化していく中で、見ておりますと運動会あるいはお祭り、鎮守の森の祭りでも、だんだんサラリーマン世帯が参加をしてこないというような話になってきている。それにかてて加えて、かつては道路の道普請にしてもあるいは水路の補修にしても村ぐるみで出てきたということも、だんだん少なくなってきているということだと思います。  私どもは、ただ古い慣習をそのまま掘り起こすといいますか、復活させるという意味ではなくて、農家と非農家あるいは農家とサラリーマン世帯の間でもう一回新しい合意形成をしていくということが必要だと思っています。そのためには、まず集落の行事、年中行事のようなものを中心に、あるいはその生き方、あるいは暮らしぶりとかそういうものについての農家とサラリーマン世帯との間の徹底した話し合いによる新しい合意形成というのを図っていく必要があると思っています。そのために、いわばそういうソフトのために、ここにあります、後からいろいろ御説明申し上げますような集落整備のハードなことをいろいろ入れていきたいと考えておるわけでございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 これはおたくの方で示された統計だと思うんだけれども、純農家の占める割合が大分減ってきて、今、局長お話しのように少数派になりつつあるというそういう数字も見せてもらったわけでありますが、ただ、私の経験でいって、県の段階でも、農業関係の試験研究機関であるとかあるいは県の出先であるとか、そういうものがみんな真ん中にあったものが表へ追い出されてくるというのを高度成長期に我々体験したわけなんですが、それと同じようなことになりやしないか。今でも農家の側が少数派であるという現状からいってみてどうなんだろうか。この法律が建設、農水両省の共管だというんだけれども、押し込まれてくる側の農村の側からすれば、つまり農水省の側からすれば、共管というよりもあくまでも農水省の立場で農村を基盤にしてということからいくならば、何も向こうから押し込まれてくるものを農林の立場で物事をとらえていくという、そういう立場に立っていいんじゃないのかなという気がしないではないんですね。だから、その辺の経緯といいますか、それらについて、どういういきさつでそうなったのかなとというようなことについても一応教えておいていただきたいと思います。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) 私はやっぱり農業とか農村は不滅だと考えておりますが、その場合に、今申し上げましたように、だんだん孤立化していくあるいは少数になっていくというのは、農業生産をやっていくにしても、その集落の中で住んでいくにしても、なかなか住みにくくなってくる。そこで私どもとしては、農業を続ける人たちがこれからも長くその村にいて充実した生活といいますか、幸福感に裏打ちされた農村の生活を満喫しながら農業をやっていかなきゃいけない、そういう環境をつくらなきゃいけないと考えたわけでございます。  その場合に、従来、ここ十五、六年間私どもが考えてまいりましたのは、農業振興地域の整備に関する法律とかあるいはそれに類する法律の中で、村落社会の生活環境あるいは今申し上げましたような農家全体の糾合といいますか、団結といいますかあるいは集団による農業生産あるいはクロップローテーションとか、そういういろんなことを考えてきたわけですが、そういうときに、私どもの農政の手法からいいますと、農地を整備するとかあるいは集出荷施設を入れるとかというようなことまではできますけれども、集落の生活の部分になりますと、一部はやれますが、やっぱりどうしても農民だけ、農家だけを対象にするというように非常に限られたものになるわけです。百戸の集落の中で既に農家は三十戸だとすると、三十戸に対してはできますが残りの七十戸という非農家、つまりサラリーマン世帯に対しては私ども農政では何もできない。実際は、今申しましたように、混住化社会で十戸のうち七戸までは農家でない世帯が集落に厳然としているというわけであります。それに必要な宅地あるいは道路とか公園とか水道とか下水とか学校とか保育所とか、そういうものも出てきているわけです。そういうものの整備は私ども農政のいわば限界の外にございまして、農村整備とか農村計画というのはそういうものをひっくるめてやらなければ本当は意味がないんですが、私どもだけの限界ではなかなかできないわけです。かつて私どもそういうのを自分たちだけでやろうとしてやはり各省との間でそれができないということになりましたので、今回は、むしろ私どもは初めは独自で少し農村集落の整備を、また建設省の方も地方都市の近郊の集落の整備をそれぞれお考えになっていたんですが、この際、対象もほぼ同じですし、整備の手法は違いますけれども思想的には非常によく似ておりますし、一方はいわば宅地を中心に、片っ方は農地とその周辺のいわば宅地的なものに対する農業用施設の投入でございますので非常に似ておりますので、今回はいわば共同でやろうというように昨年の暮れに私の方から北村局長に申し入れて今日のような形になったわけです。  そういう意味で、私ども、農村整備とか農村計画といいますのは長い歴史がありまして、お互いにやりたいと思っていましたけれども、これはなかなか各省一省だけでできるものではございませんで、関係各省が力を合わせないといけないと思います。その力を合わせる中で、農業は農業としての存在をがっちり守っていくといいますか、そういうことが私どもの農政に携わる者に必要な課世られた課題だと思っておりますので、後で詳しく御説明いたしますが、農振制度の傘の中で集落に農振計画をつくる、そしてここは農業としてこんなことをやっていく、それに必要なこととして中核農家がクロップローテーションをやるのならば必要な土地改良もします、道路も入れます、それから集出荷施設もつくりますというような形で、農地を農地としてまとめながらいろんなてこ入れを考えていくという形で、集落の農業、中核農家を中心とした集落、それをいわば兼業農家あるいは非農家と共存といいますか、共生といいますか、そういうような形の中で考えていくということを私どもはこの法案の中で考えている次第でございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 これはなかなか言うべくして難しい話なんだろうと思うんです。  そこで、知事が集落地域整備基本方針というものを策定するということになっているようですけれども、全体として我々がこの法律によって仕事を進めるというものをどうとらえていったらいいのかというそのことについてあらましのお話は承ったわけですが、大体十カ年ぐらいの期間で年間全国で百カ所、道府県当たり二カ所ちょっとというようなことで考えているというようなお話でありますけれども、都道府県単位で考えてみた場合に一体どんなふうなものになってくるのかなと、この辺私どもが全体をとらえてみてわかりやすいような説明をしてもらえればと、まずそのことを要請をしたいと思うんです。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) この法律の対象になります集落は都市計画区域、それは市街化区域と市街化調整区域の線引きをしてある区域もありますし、未線引きの都市計画区域もございますが、それと農振法の農振地域とダブっているところで最近世帯数あるいは人口がふえてきている。分家もあるしあるいは都会に通っために人口がふえているというところもございましょうが、例えば、栃木県で言えば宇都宮の市街化区域の外へ出たところのあたりで、何といいますか、市街化調整区域の中でしかも農振がダブっているというところですから、ちょっと地方都市とその周辺のいわば農村的な集落というようにお考えいただけばいいと思うんです。そういうところで、今私どもが見ておりまして困っていますのは、実際に今は集落の周辺にいろいろ農地がございましても、農地の所有者はみんな個々ばらばらでございますので、分家住宅を建てるときは、まあおれの土地のところへだれが何を建てても自由勝手じゃないかというので、ある日水田のど真ん中に盛り土をして分家住宅が建ってしまったり、あるいは沿道サービス施設と称してガソリンスタンドがやはりある日突然畑の真ん中にできてしまう。そうすると、農作業をやる方にとっても汚水を流されて大変迷惑をするし、それから住んでいる方にとっても周りに水が出やすいような状況で必ずしもよくないということで、農業をやる方にとっても、それから農業でなくてサラリーマン世帯としてその集落に住んでいる者にとっても大変住みにくくなり、質的に見ると必ずしもよくない環境ができていて土地利用が非常に混乱しているというのが、例えばもう少し宇都宮からちょっと南とかあるいはちょっと北とかあるいは東とか西側の小さな地方都市の周辺などで私どもがよく見る光景になってきているわけです。しかし、住民の中には、こういう状態ではよくない、やっぱり美しい農村というか秩序のある農村、土地利用秩序のちゃんとした農村をつくりたいという気持ちがだんだんできておりまして、集落が自分で話し合いをして美観協定をつくるとか、あるいは土地をつぶすときにはその集落の責任者に了解をとってからまとめていくとか、あるいは圃場整備をやるときに本当に農業から今足を洗いたい、洗って農地よりむしろ宅地を換地を受けてもらいたいという人は集落のその周辺に土地を換地を受ける、農業をやりたい人は集落の外周りの方の農地を換地を受けるというようなことをやってきております例が、例えば滋賀県の守山だとかそれから愛知県の安城に出てきていますが、そういう形で農業をやる人はまとめていく、農業から足を洗う人は足を洗う人でまた土地をまとめていく、農地をしばらく農地として使って五年か十年たって後継ぎが戻らなくて自分も引退するときにそこを宅地化する人は宅地的なところを集落の現在の宅地の横にいましばらく農地としてもらっておくというような話し合いをして土地をまとめているというケースが少しずつ出かかってきています。私たちはそういうものをいわばこの法律の中でバックアップしていきたいと考えておりまして、恐らく実際のイニシアチブは市町村なりあるいはその住民が実は自分のところはこういうことでやってもらいたい、こんなふうに土地利用をして農地は農地としてまとめる、集落の土地は土地としてまとめるということを行政で応援してもらいたいというときに、そういう住民から市町村に、市町村から県に話が上がってきて、県もそれでよければそれをその基本方針の中で描いてまた私どもにも承認を求めてこられる、私どもは、それがよければ、それを都市計画サイドと農政のサイドで両方で協力をして美しい町づくりといいますか村づくりといいますか、そういうものとして援助していきたいと考えている次第でございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 通常、法律ができるという場合には、こういう困ったことがあるしこのことの解決のためにはこうしてほしい、こういう法律をつくってほしいというような動きがそれなりに起こってきてできるものだと思うんですね。  そうすると、知事が基本方針を策定するに当たって、例えばこの法律ができたことによって大変よくなりますというようなものを、何か想像できるものを、私の方が少し頭が悪いものですからいろいろなものを想定するのがなかなか難しいんですね。ですからこんなことになりますよというものがあればと思うんですが。  ただ、私も、この間ガスの充てん所の問題で相談を受けたことがあったんですね。しかし、こんなことは都市の周辺部であれば至るところで起こる問題なんですよね。そうすると、基本方針で策定されたところだけはよろしいけれどもそれ以外はどうなんだと。エネルギーの問題で見ますと、都市の中心部は今までの都市ガスの供給であるとかなんかで何とか間に合う、あるいは電気もそれでよろしいということになりましょうが、周辺部についてはもう少し暮らしいい条件というものをつくり上げていくということで充てん所の相談を持ち込まれたんですけれども、線引きの関係でなかなか難しい。だから、その問題がそれじゃこのことによって解決されていくのかなと思うと基本方針の中に入って市町村の計画ができないとそれはしかしだめですということにしかならないんではないかなというふうに思うんですね。だから、その辺で今まで総パがあったりミニ総パがあったりいろんなものがセットされて農村へのサービスといいますか、そういうものが行われてきたわけですけれども、今度の場合にどういうふうにとらえたらいいのか、もう一つどうもすかっと抜けないものですから、その辺教えてもらえればと思うんです。

北村廣太郎建設省都市局長

○政府委員(北村廣太郎君) ただいまもお話がございましたようなそういう生活に必要な施設でも、例えば今までの市街化調整区域でございますと、農業用のというようなことがかぶっておりましたので一般生活用のものまでは開発許可制度が配慮しておりませんでした。そういうことでございましたが、この法律をお認めいただきまして集落整備事業が行われますと、一方、農林サイドで周辺農地の整備をいたします。それから、農地として必ずしも必要でない、宅地に転用した方がいいというものにつきましては今までの農村集落の基本的骨組みは変えない。例えでまいりますと、例えば在来の集落戸数以上に新しい戸数がふえるような大量の宅地の供給は行わない。また、本来の良好な農村の住宅といいますか、住まいの環境を壊さないように地区計画等では最小限の宅地の面積を決めたりあるいは建物の高さの制限をして、例えば、言いますとマンションのようなものは建たない。一戸建ての良好な住宅地区として整備できるとか、またはもう一つは、例えば今のようなガスの充てん所というようなあるいは中小規模のスーパーというようなそういう集落整備に不可欠のものについては、これを地区計画の中であらかじめそういう場所を予定いたしますと、これはその都市の市街化区域の中と同様に自由にと申しますか、自動的に認められるというような形で建つことができる。つまり、地区の方々といろいろ御相談しまして、どういう形の集落の整備を図りたいかということを十分相談いたしまして、その集落に必要な生活の利便というものは計画の中で定めまして十分供給していく、こんな形で非常に今までの市街化調整区域と変わりまして生活に利便な形の計画ができ、それに対しまして都市的サイドでも農林サイドでも十分な投資が行われていく、こんな形になってこようかと思われるわけでございます。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) 今の北村局長の話を私なりに補いますと、先生のお尋ねのように、私たち予算でもかなりいろんなことをやってきています。ですから、圃場整備をやって集落の周辺に宅地になるところを寄せてきてそこで次三男用の土地、分家用の住宅の土地を提供していくというようなことは、圃場整備とかあるいはミニ絵パと呼ばれています補助事業で幾つか先進的な例が出てまいりまして、これは土地改良区の中でそういう話が徹底的に行われた結果出てきていると思います。  ただ、今の私たちのやっている中でできないところは何かといいますと、例えば勝手に五階の建物を建てられる、それは全く自由だと。それから建ぺい率なんというのは全く私たちの方の世界では規制できませんから、どんな過密なものをつくられたって何とも言えない。もっと極端な話が、モーテルをつくられたってだめとも言えないということになるわけです。それが、例えば建物の高さをこうしなきゃいけないあるいは建ぺい率をこうしたらいいあるいはここは低層の住宅専用の地区にしてモーテルは認めないというようなのは、これは北村局長の方の地区計画の方ならばできるものですから、そういうところまで入るということが今回の法律の中の方針を県知事がつくりそれを受けて市町村が地区計画をつくるという中に織り込まれたいわば新しい思想だと私は考えているわけでございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 話を聞いている限りでは、そういうふうに計画が練り上げられて計画そのものができ上がってくればそういうことになるというのはわかるわけですけれども、どうも聞いた話にこだわるつもりはありませんが、それじゃ、さっき局長が宇都宮の周辺の話をされましたが、宇都宮でというふうに仮に考えてみても、年間都道府県当たり二つぐらいでやれといっても、これはどうなんだろうなというふうに思いますよね。  だから、今度はそれをさておいて、実はうちの方でいろいろ考えたんだがこんなことをやってくれれば大変ありがたいなというふうに思うんだけれども農水省さんあるいは建設省さんぜひ法律で取り上げてみてくださいというようなことで、どこかの地域で出されてきたのかなというようなことも考えてみたんですが、その辺はどうなんですか。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) 先ほども申し上げましたように、私たちは、今、県営圃場整備とかあるいはミニ総パと呼んでおりますが集落整備をいろいろ補助事業でやってまいりましたときに、市町村長、これは何といいますか、特定の名前は差し控えたいと思いますけれども、もう少し踏み込んで行政で裏打ちをしてもらいたいと言われることが時々ありました。今言いましたように、話し合いの結果、農地は農地、宅地は宅地としてまとめていくというところまではいいんですが、もう一歩踏み込んで、町づくりといいますか、そういうところまで踏み込めなかった今までの補助事業について、ちょっと限界があるのでそこのところをもう少し踏み込んで、そして町づくりについて住民がこういうことを決めたらそれを何か行政で担保するというか、裏打ちをするとか、そういうことまで考えたらどうだということをおっしゃられて私のところへ時々お見えになる市町村長の方が何人かいらっしゃいます。そういうことが私どもはやはり実際に市町村の中であるんだなというふうに感じるわけです。  もう一つ、市町村長のお困りになるのは、水田とか畑があって、ある日突然それを宅地化しちゃう、それは市町村にお断りもなく住民が宅地化をする、あるいは松林を切り開いて住宅団地をつくってしまう、つくった後で市町村長に道路をつくってくれあるいは水道を引いてくれと後から話が持ち込まれてしまう、結局市町村長としてはそういう要望に何とかこたえざるを得ない、後から後追いでやる、それがかえってインフラストラクチャーの整備社会資本の整備としては大変ロスが多いといいますか金がかかり過ぎる、むしろ町と相談して町づくりの構想を描いたらそれに応じたような形で住民の方がやってくれるならば、住民と話し合った町づくりの構想に合った形で開発してくれるならよしと、そういうことで何かやっぱりある一定のルールといいますか、ある一定の規制の中で開発をするとか農業を守っていくとか、そういうことをぜひやってほしいということでよく私のところへ雑談で寄られる市町村長さん方が多いものですから、それが今回こういう法律を考えました実は私たちの裏にある思想といいますか、動機といいますか、そういうものなのでございます。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 上野委員に私が申し上げるのはどうかと思いますが、私もこの法案の成立を心から期待しておるわけでございますが、私のささやかな経験から申し上げますと、私の選挙区のある村がございます。村長さんが何としても地域の集落の要望があって下水を引きたい、下水を導入したい、都市計画事業によってやりたいとやったんですけれどもが、そこのやってくれという集落の有権者とそれ以外の有権者とは三対一の割合になって、そこだけやったということになったら、要望はよくわかるんだけれども次の選挙に落ちるかもわからない、何とかいい知恵はないだろうかといって数年前に来られました。それで、いろいろ知恵を出しまして、建設省の都市局にお願いする、それから農水省の構造改善局の建設部の方へお願いする、農水省の排水事業と建設省の都市局の下水事業というものを両方をうまく使わしていただきまして、まあ今回の法律はさらに規模が大きいし構想が立派なんですが、下水だけを例にとりまして一期工事三年かけてやりまして、その村の下水道普及率は一期工事が終了したときで六七%に一気になりました。全国の町村長さんが大変興味を持って見に来られ、またその第一期目の竣工式のときには建設省都市局の下水道部長、農水省構造改善局の建設部長、両方出席いただいて感謝の気持ちを村民挙げてしたという例があるわけでございます。  そういうものを、簡単に申し上げますと建設省都市サイドの予算というものと農水サイドの予算というものをうまくミックスして、居住環境をすばらしいものにしていこう、混住化、兼業化の中でそういうものをやっていかなくちゃならないということが一つの大きなねらいであり、私自身もそういう経験を持っておりましたので今回のこの法案に心から期待し、そしてまた今後ある面ではこれを内需拡大あるいは地方活力の一つの大きなもとにしていきたいという気持ちでございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 話はわかるんですよ。私たちもこの集落できちんといい集落にしましょうということに反対する理由はないんですからね。むしろ賛成して、どんどんやってもらいたい。今大臣言われたように、内需拡大につながるように大々的に――大々的にと言わなくても、集落を戸とかあるいは九十ぐらいのものをからっとうまくまとめていくというようなことはいいことだ、こう思うんですよ。でも、一県当たり年間二カ所ぐらいで、内需拡大につながっていくと胸を張って物を言うほどのことなのかなと思ってみたんですね。今大臣が言われた集落排水の問題なんかについても、この前審議しました。それで市町村がやってもいいし、土地改良区もやれるようにしましょう、市町村の区域も越えてやれるようにもしましょうというようなことにもなったわけですよね。私なんかもどんどんそういうものを持ち込んでいったらいいなと思っている一人なんですよ。  今度、実は、この法律はばたばたした国会ですから来ないものと私ら思っていましたが、どうやら回ってきました。しかし、回ってくるほど、これは今のこういう状況の中で本当に効果が上がるような事業としてみんなが喜んでやれるものになるのかなというふうに思ってもみたり、それからこういう新しい手法を共管の形でやるというのであれば、どこかモデル的なところを見に行ってきてじっくり構えてひとついろんな角度から検討した上で法律通すなら通すようにしていこうじゃないかというのが通常の姿なんだろうと思うんですが、どうもばたばたどうしてもやれという話で、かけ声は大したがけ声なんだけれども中身がどうも小さ過ぎやしませんかという気分がどうしても抜けないもんですから。あれも思いこれも思いいたしますと、どうも大臣言われる内需拡大につながるという、じゃ、経済閣僚会議なんかでこれも今度通しますからといって、大臣胸張って言われたわけですか、これは。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) その点を強く既に主張いたしております。  先ほど、午前中あるいは午後の一部にわたっての討論のときに、御存じのリゾート法もこれからの内需拡大の目玉として入れるべし、それから集落整備法、これは非常に重要な画期的なものであるから入れるべしということは既に何週間か前から発言をしてきております。  ただ、いみじくも御指摘になったように、一県で一つや二つでという御意見ありました。制度が初めて発足するときでございますから、そこら辺の問題はあると思いますが、私は小さく産んで大きく育てようという気持ちでこれに臨んでおります。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 大体話の先も見えてきたような話になるわけですけれども、ただ予算的にどうなんですかね、一体年間どの程度、じゃ、内需拡大で小っちゃく産んで大きく育てるという話ですけれども、どういう格好で予算をつけていこうとしているのか、素人にわかりやすいようにちょっと話してください。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) まず、この法律以前から予算でやっております、農村総合整備事業というのでやっていますのは、私ども、六十二年現在で集落排水まで入れて千七百九十三地区やっておるわけでございます。その千七百九十三地区の中で六十二年度新規は百四十五地区ございます。ですから予算に関係なく、前からこの程度やっているわけです。お金の金額で申しますと、六十二年の事業費は、今の千七百九十三地区の事業費は合わせまして千三百二十七億、国費で七百二億円を投入いたすのがことしの六十二年度予算でございます。  そういう中で、今回の法律に関係して、じゃおまえどんなことやるんだというのですが、これは、私たち大体十年間で千地区の集落を対象にいたしたい。したがって、大体一年間に全国で百地区ですから、今上野先生のおっしゃったように、一県当たりでは二地区ぐらいずつ新規に対象になるのだということになります。これは今言った千七百九十三のほかにです。この千七百九十三というのは、今までやっています下水とか集落排水とかあるいはミニ総パと言われます要するに補助事業で集落の整備をやっているものです。今度のは、今北村さんの方のお力もかりて、先ほど来申し上げております地区計画もかけ、建物の高さとか延べい傘とかあるいはここは第一種の低層住宅の専用地区であるというようなそういう地区計画をかけながらかっちりやっていくのが十年間で千地区別に考えております、こう申し上げたわけでございます。

北村廣太郎建設省都市局長

○政府委員(北村廣太郎君) ただいま鴻巣局長からもお話がございましたが、私どもとしてもただいま内部でも、農水省さんの足を引っ張って建設省の方が金がないからということのないように、これは別枠でも確保して最後まで一緒に手を携えてやっていこうということでやっております。今度の内需拡大の対策の中でも、私どもとしても農水省さんと手を携えて柱の一つとして財政当局に要望したい、そのようにも考えております。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 千七百九十三地区というのは今までやってきたところでしょう、そこに千三百二十七億投ぜられたということでしょう。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) ことし……

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 今年度の予算で。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) 今のは、六十二年度現在でぱっと切ってみますと継続地区、新規地区合わせまして千七百九十三の地区がございまして、六十二年度に投入している金が今申しましたように事業費で千三百二十七億、国費で七百億。ですから、これはまあ十年、二十年ですから、それをある一断面だけ切ってこういうことになっているということです。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 だから素人にわかりやすいようにと言ったのは、国が七百二億投じますとこういってみても、じゃ今度の計画の中で、例えば六十二年度百地区だとしますわね、そこへどの程度の金が流れて行くという計算になるわけですか。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) 六十二年度はこういうふうに考えております。  三千七百万円ほど調査費を計上しておりまして、これは地区の調査をいたしますのが大体十四カ所考えております。ほかに着工予算を五億円持っておりまして、これが五地区。まず、十年間で全体で千地区ぐらい集落をやりたいと申し上げました中で、さしあたり土地区ばかりを採択をするつもりで五億円の着工予算を別に六十二年度予算で持っているわけでございます。  この着工予算は大体一地区五億円というつもりで考えておりまして、その五億円の初年度分は、五年間でやりますので一年間に大体一億円ぐらいは要るだろうと考えておりまして、(「話が小さい」と呼ぶ者あり)一地区は大体五億円、それを着工で大体土地区ぐらいというふうに考えているわけでございます。

上野雄文日本社会党・護憲共同

○上野雄文君 きょうは大分忙しい人がいるようでして、私が六十分であと十分ぐらいあることになりますけれども、話が小さいという今やじが出ましたけれども、あした、その小さいとやじを飛ばした人が重ねてこれについての質問をすることになっておりますから、私はこの程度にしておきたいなと思うんです。  まあ法律をずっと読ませてもらいまして「知事」、「市町村長」、「市町村」、それぞれ文言を分けて書いてあるわけですね。市町村ということになってくるとこれは団体を対象にしての話になってまいりますから条例、規則、そういうものを自前でつくっていかなければいけないという問題なども起こってくると思うんです。  で、こういうことをやる場合に、県の段階はまあまあ、市の段階でも大きいところを対象にすることでしょうが、それにしてもなじまない仕事をやらせられることになるわけでして、しかも今度は建設、農水共管ということになってきてそれぞれ県知事が両省の承認をもらって、さらに両省が国土庁と相談をしてという、まあ小っちゃく産まれて大きく育つかもしれませんが、それにしてみては手続としては非常にややこしいやり方がされるな、まさに最初から手続的にはでっかいなと、こういう感じがするわけであります。手続だけでっかいんで私の方がびっくりするくらいでありますけれども、またあした重ねて菅野委員からの質問がありますから所感は述べないことにしてそのまま引き継ぎをいたしまして、私の質問はきょうはこの程度にいたしておきます。

北修二自由民主党

○理事(北修二君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  本日はこれにて散会いたします。    午後六時四十一分散会      ―――――・―――――

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