農林水産委員会 第5号
- 発言数
- 342 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1987/05/22
会議録
○委員長(高木正明君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農林漁業信用基金法案を議題といたします。 本案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○菅野久光君 まず初めに、日韓漁業協議についてお尋ねをいたしたいと思います。 この問題は、昨年の十月末で切れる日韓漁業政府間暫定措置について、期限までに話し合いがつかなかったために、最長一年を限度として自動延長することになり現在協議をしているというものであります。私はこの問題について、我が国漁業にとって極めて重要な問題であることから、本委員会においても質問をいたしました。十月末まであと五カ月を残すのみになりましたが、去る五月十一、十二、十三日に第二回日韓漁業協議が東京において開催されたわけです。その協議の内容や状況についてひとつ報告をしていただきたいと思います。
○政府委員(佐竹五六君) 今、先生から御指摘のありましたように、五月十一日から五月十三日まで東京において本年第二回目の協議を行ったわけでございます。 今回の協議におきましては、かねて日本側は枠組みの見直しが必要であるという主張をしてきたわけでございますが、これに対して韓国側は、それぞれ問題のある海域で自主的に解決すればいい、こういうことを主張し、いわば入り口のところでなかなか議論がかみ合わなかったわけでございますので、私どもとしては枠組みの変更というものはどうしても必要だと思うけれども、その問題をちょっと一応棚上げして、仮に韓国側が自主的な規制による解決を考えているというならば、具体的にどういうことを考えているのか出してみるべきであるということを強く前回も主張したわけでございます。今回韓国側からは、基本的立場は変えないわけでございますが、一定の提案があったわけでございます。これは北海道、山陰、九州それぞれの海域において一定の自主規制をするという案の提案があったわけでございます。 これに対して日本側からは、日韓漁業協定締結後二十年たっており、現在のような日韓の漁業関係を規律する決め方というのは極めて不自然である。例えば北海道は自主規制であって、西の海域では日韓漁業協定によって操業の秩序化が図られている。しかも、その中で済州道沖についてはやはり我が国の側が自主規制を行っている。これは制度的にいっても極めて不自然であり、現在韓国側が日本近海においてほとんど全国的に全海域において操業しているという実態から見て、このような規律の仕方では不十分であり、枠組みを見直すべきであるということでかねて主張したわけでございます。それを具体的に提案をしたわけでございます。 提案の内容の詳細については、ひとつ交渉中のことでもございますし御容赦いただきたいわけでございますが、思想といたしましては、協定改定という形をとって、その中に二百海里法の思想を織り込んでいきたい、そういう案を提案したわけでございます。 このように、日韓両国間の問題解決へのアプローチはやはり基本的に違っているわけでございますが、ただ、一点ここで申し上げておきたいことは、韓国側もまた、この問題はもう放置できない、かような認識を持っているやにうかがわれたわけでございます。このことにつきましては、実 は先般も、五月の初旬、外務大臣が日韓定期閣僚会議等におきましても強く漁業問題の解決の緊要性について韓国側に申し入れをされているわけでございます。その他あらゆる機会を通じて問題解決の喫緊性について訴えておるわけでございまして、それが一定の効果を持ったのではないかと推察するわけでございますが、韓国側が具体的な提案をしてまいったという点で若干の進展があった。もちろん立場が基本的に違いますし、特に取り締まり権の問題等につきましては非常に難しい問題でございますけれども、若干の進展があった、かように私ども考えている次第でございます。 〔委員長退席、理事水谷力君着席〕
○菅野久光君 外務省、来ておりますか。―― 今、佐竹長官からお話がありましたが、この日韓漁業問題について倉成外相、それから安倍自民党総務会長が訪韓された折に話し合われたやに報道されておるわけですが、このことにかかわってどのような状況であったのかひとつお話しいただきたいというふうに思います。
○説明員(高野紀元君) お答え申し上げます。 今、先生の御指摘になりました日韓の定期外相協議が五月四日に韓国で行われまして、その際、我が方からは漁業問題に関しまして二国間の問題といたしましては、日本側の最大の関心事項であるという立場から、現行の日韓漁業協定が実態と合わなくなっているという点を指摘いたしまして、現行制度の枠組みの見直しを行うということの必要性を強く訴えた次第でございます。 これに対しまして先方は、日本側のお話はよく承った。現行協定は日韓国交正常化の重要な一部でありまして、現在の漁業関係の安定的な運営に貢献しているというふうに認識しておる。他方、操業実態が変化しているということは私どもも同意見です。協定見直しについては、種々の問題を惹起するおそれがあるので静かに実務レベルで協議し、協定の実施繰りについて実態に合わせて調整していくことが大切だ、こういう反応でございました。 このほか外務大臣からは、大統領への表敬あるいは先方の国務総理への表敬の際にも、この問題について日本において非常に大きな政治問題であるという点を指摘いたしまして向こう側の協力を求めたわけでございますが、我が方といたしましては、韓国の最高首脳にこの問題の重要性を認識せしめることができたというふうに考えております。
○菅野久光君 安倍総務会長の方は。
○説明員(高野紀元君) 安倍総務会長は五月十五日からやはり訪韓されたわけでございますが、その機会にも大統領表敬あるいは国務総理、それから先方の崔侊洙――外務部長官でございますが、それぞれの要人との会談におきまして、日本国内でこれが大きな問題となっておりまして、大局的な立場から日韓関係を壊さないよう解決したいというふうに発言をされたわけでございます。 〔理事水谷力君退席、委員長着席〕 先方のこれに対する反応は、先ほど申し上げましたような外相協議における先方の発言とほぼ同様のものでございました。いずれにしても、日本の自民党の要人から先方の首脳にこの問題の重要性を訴えるということは意義があったと考えております。
○菅野久光君 一部の新聞だと思いますけれども、外務大臣がこの漁業関係について何か話し合おうとしたけれども、そのことについては余り取り合わないといいますか、取り合ったとしてもすぐ別な話に切りかえられたというような話が、一部の新聞だと思いますけれども出ておりましたが、今の報告を聞きますと、必ずしもそんな状態ではなかったということで私の方では受けとめておきたいというふうに思います。外務省結構です。 先ほど佐竹長官の方からも、今までから見ると若干の進展があったような答弁がありましたが、いずれにしましても、あとわずかしかない日程の中ですから、日韓漁業協議の今後の日程だとかあるいは見通し、そんなものについてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 進展があったと申しましたのは、韓国側からともかくも具体的にどのように自主規制するか、そういう提案があったという点なんでございますが、これは私どもは基本的に枠組みの変更が必要であるという立場はまだ捨てておりません。しかし、お互いに二百海里を引き合うとか、あるいは協定を改定するとか、仮にそういうことをやったといたしましても、お互いに排除し合うということは、これは両国共通の資源を使って漁業を営んでいるわけでございますからできないわけでございまして、お互いにどこの海域でどれだけ相手国漁船に対して魚をとることを認めるか、そういう交渉が必要になるわけでございまして、今回の韓国側の提案はその一つのたたき台になるであろうということで、基本的立場は私ども堅持しつつも、なおこの具体案についてこれから詰めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。 その際には私どもとしては、日韓が両国間でトータルとしてバランスのとれた案であること、それからまた、日本の沿岸漁民から見て一定の評価される内容であること、それからまた、特定の漁業種類について致命的な打撃をもたらすようなものでないこと、こういうことを旨としてその内容の詰めを図っていきたいと思うわけでございます。 いずれにいたしましても、我々が韓国漁船を一定の海域から排除しようとすれば、韓国側としてはやはりそれに見合った分だけは日本側も、日本漁船の操業も排除したい、こういうことを主張しておるわけでございまして、この間のバランスをどのように図っていくか、ここが一つの問題点であろうかと思うわけでございます。 それからもう一点、枠組み問題に韓国が非常に固執いたします理由は取り締まり権の問題でございまして、これにつきましては、特に二十年前協定締結当時、日本側は非常に旗国主義、現在のシステムに固執したという、これは事実としてそういう事実があるわけでございまして、二十年たったがゆえにその立場が変わるということは韓国としては理解しがたいと言いまして、この点は非常にかたいわけでございます。これは協定を改定しない限りは今の仕組みは改められないものでございますから、その意味で韓国は非常に固執しているわけでございます。 ただ、私どもといたしましては、現在我々がつかんでいる事実からいたしますと、韓国船の相当数については船名を隠ぺいして操業をしているということがあるわけでございます。船名を隠ぺいしているということになりますと、現在の旗国主義、それぞれの沿岸国がその違反した漁船の名前を相手方に通報するというシステムはこれは動きようがないわけでございまして、この点はいわば条理の問題として私どもは日本側の主張というのは一定の説得力を持つのではないかと思うわけでございますので、この点まさに協定問題になりますので外務省の管轄の問題にもなるわけでございますけれども、私どもも非常に困難な問題ではございますが、今申し上げましたような立場から事態の解決を図る糸口を見つけていきたい、かように考えているわけでございます。
○菅野久光君 先ほども申し上げましたけれども、十月末まであと五カ月しかないんですね。七カ月たってやっと二回目がこの間終わったばかりですね。ですから、よほどこれは精力的にやっていかなければならないというふうに思うんですが、それにしましても、今年度の水産行政、これは大変な問題がいろいろあります。ついこの間も北洋の対日漁獲割り当て量が前年の一一%だとか、きのうでしたかサケ・マスに対するイルカとかトドの問題、まあ次から次にいろんなことが来ているわけですが、今年度の水産行政の中でこの韓国漁船の問題、日韓漁業問題についてはどういう位置づけといいますか、いろいろ重要な課題があると思うんですけれども、その辺の位置づけはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 昨年の経緯も考えれば、これは最重点に私ども取り組まなければなら ない問題である、かように認識している次第でございます。
○菅野久光君 そうですね。私も最重点に取り組まなければならない問題だということで、実は基金法ともこれはかかわりある問題だということで取り上げたわけですが、きのう村沢委員の質問の中にも、大臣の所信表明あるんですけれども、もう第一に取り組まなければならない問題なんだけれども、このことについては一つも書かれていないわけですね。書かれてなくてもわかるだろうと言われればそういうことかもしれませんが、ここに書かれるか書かれないかということは、関係者にとっては極めてその受け取り方がやっぱり私は違うというふうに思うんですよ。そういう点で、今、長官が胸を張ってもうこれは第一に取り組まなければならない問題だということであれば、やはりちょっとそのことが記載されてしかるべきではないかというふうに思うんですが、その辺はいかがですか。
○政府委員(佐竹五六君) 確かに当然書いておくべきであろうとおっしゃられれば、それは書く方がよろしかったと思うのでございます。私どもは、昨年来の経過の問題でございまして、特に新しい施策ということではなくて、もうこれを解決しなければならないということは、昨年来大臣も当委員会において御答弁申し上げておる問題でもございますし、当然のことであるということで特に記述はいたさなかったわけでございますが、そのことについて反省すべきであるということであれば、確かにそれは書いておく方がベターであったかもしれません。それはそのように考えます。
○菅野久光君 長官、素直に言われるので、これ以上私も言うことはちょっと差し控えたいとは思いますが、当然のことといえば、ここに書かれておることもみんな当然のことなんですね。当然でなかったらここへ書かないわけですよ。そういう意味では、やはりきちっと書いてほしかったな、書いておくべきだったなということを私は指摘をしておきたいというふうに思います。 韓国漁船の問題は、今日まで約二十年間にわたってずっと続いてきております。そういう経過から、二百海里の暫定措置法の即時適用以外にもう解決の道はないというのが関係者の一致した意見であり、そのことは長官も大臣もよく御承知のことだというふうに思います。今、長官からも答弁がありましたように、本年の水産問題についての最大の課題はこの問題だというふうに私も認識しております。減船等漁業生産構造の再編整備だとか、あるいは沿整事業による生産基盤の整備等に幾ら資金をつぎ込んでも、この問題をきちんとした形で取り決めをしなければ、いわゆるざる水、ざるに水を入れるみたいなことになるのではないかというふうに私は思うんですよ。特に、私もこの委員会で何回か言いましたけれども、自分たちがやはりこの資源を守るということで禁漁期間を設けてやっている、にもかかわらず韓国漁船が目の前で魚をとっていく。漁民感情としては、もうとてもじゃないけれども我慢がならないというのが今の漁民の人たちの偽らざる気持ちです。 去る五月の十二日に北海道漁業協同組合長会議がございましたが、私もその会議に出席をいたしました。この中で第一の重要問題として韓国漁船等に対する我が国二百海里暫定措置法の即時適用の実現、これを満場一致で決定いたしました。漁業関係者にとってはもう大問題であるこのことが、先ほど申し上げましたように所信の中に載ってなかったというのは、極めて私は、地元ということも含めて、これは北海道だけの問題ではなくて、北海道の漁業の問題は日本の漁業の問題だという観点から非常に残念だというふうに思っております。このことについて、長官からいろいろお話がありましたが、大臣、ひとつこのことにかかわって感想なり何か所見がありましたらお伺いいたしたいというふうに思います。
○国務大臣(加藤六月君) 昨年来、この問題につきましては政府を挙げて取り組んでおるところでございますし、また昨年行われました日韓定期閣僚会議においても、この問題を強く日本側としては主張してきたところでございます。ただ、両国の間の問題解決へのアプローチには大きな相違がございます。問題解決には困難が予想されておるところでございますが、ただ、この問題は放置することはできないという点については両国の認識の相違はないと考えておるところでございます。したがいまして、困難な道ではありますが、今後十月末の期限までに問題を解決するため、外務省とも相談しながら全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○菅野久光君 何としてもとにかく十月末までには解決ができるように最大のひとつ努力をしていただきたいと思います。そうでなければ、漁民の中で不測の事態が起きる、そういう可能性を含んでいる、そこまで漁民感情としては来ているということをしっかり踏まえてやっていただきたいというふうに思います。 それじゃ、次に法案にかかわる問題で直接的な問題でありますが、去る五月十二日の与野党国対委員長会談において、売上税法案の取り扱いについて合意をしております。したがって、農林漁業信用基金法案の附則第三十八条の規定は事実上削除となるというふうに解釈してもよろしいでしょうか。
○国務大臣(加藤六月君) この規定につきましては、与野党国対委員長会談のとおりであります。
○菅野久光君 そのことについては確認をしておきます。 ただいま提案された基金法ですね、提案理由の説明にもありましたが、これは行政改革の一環として特殊法人等の整理合理化を推進するため、昭和五十八年三月の臨時行政調査会が答申した中に、三法人の業務の共通性に着目して統合についての指摘があって、それに基づいて今回提案がされたということですが、五十八年から今日まで法案提出に相当の期間が経過しているわけでありますが、その理由は何でしょうか。
○政府委員(眞木秀郎君) ただいま菅野委員御指摘のように、この統合の対象となります三つの法人、業務の共通性ということから、五十八年三月に統合について臨調答申が出されたわけでございます。しかしながら、この三法人を横に並べて比較してみますと、組織形態につきましては、農業の方は認可法人で社団的構成、林業の方は特殊法人で財団的構成、それから漁業の方は認可法人で財団的構成ということになっております。また、出資構成につきましても、農業の方あるいは林業が民間出資を前提としているのに対しまして、漁業の方が政府全額出資制ということになっております。また、業務内容につきましても、農業は保証保険二段階制のもとでの保険業務のみ、それから林業は保証一段階制のもとでの保証業務と、それから国産材産業振興資金関係の業務を行っております。それから漁業の方は、保証保険二段階制のもとでの保険業務に漁業災害補償関係業務を行っておるということで、種々の相違点があったわけでございます。 農林水産省といたしましては、この臨調答申を受けまして、これらのいろいろな三法人間のそれぞれ相違点を踏まえながら、その円滑な統合を図るために、五十九年五月に検討体制を整備いたしまして省内検討を開始いたしました。その後六十年八月以降、関係の諸団体と幅広く意見調整を行ってきたところでございます。その結果、六十一年八月にこれらの意見調整の結果、大方の意向といたしまして、制度、事業が後退することのないようにする、それからまた三法人の業務はそのまま引き継ぐべきであるというような意見が集約をされたわけでございまして、これらを踏まえまして、今般この統合についての法案を御提案したという経緯でございます。
○菅野久光君 それぞれの関係団体からの意見の聴取といいますか、そういうことに相当時間がかかった、それが主たる理由といえば主たる理由、あるいはこれ以上ちょっと変えようがないじゃないかというようなこともあって、時間も経過したし、今回のような形で提案せざるを得ないのかなというようなことで提案されたのか、その辺はい ろいろあろうと思いますが、農業信用保険協会、林業信用基金及び中央漁業信用基金の業務は、今局長からお話しのように、今までどおりその業務は承継をするということでありますが、これはやっぱり業務の内容からいって、自然な姿といいますか、望ましい姿であるというふうにお思いなのか。本来ならやっぱりこういう形がいいんじゃないのかなというようなものは何かお考えになっておりますか。今もうとにかく四年も経過したし、何らかの形で臨調のあれに沿ったような形でやらなけりゃならぬ。そのためには、当面やはりこの形だが、将来はこういう形の方に持っていくべきではないかというような、そういうお考えはありますかどうか。
○政府委員(眞木秀郎君) ただいま申し上げましたように、それぞれの統合の対象となります三法人、業務なり組織が大変違っておるということで、それぞれの関係者の意見、それからやはりこれらのそれぞれの仕事がそれぞれの農、林、水の金融政策と密接に関連をして行われておるということもございます。そういう状況を踏まえまして、今回は業務につきましては、そのまま引き継いで新しい法人で行っていくということに決めたわけでございます。したがって、今直ちにこの統合が行われた後に、これを全部混然一体となるというような形で新しいイメージなり形を考えるということは考えておらないわけでございます。やはり現在の業務を引き継いでそれぞれのまた改善なりそういうものを図っていくというのが基本的考え方でございます。
○菅野久光君 提案しているんですから、それ以上のことをなんということになると、これは大変なことになるわけでありますが、この仕組みですね、制度としては、例えば農業信用保険協会が中央にあって、各都道府県に農業信用基金協会がある、そして借り受け者の農業者等があるというような、都道府県に農業と、それから漁業ですね、漁業信用基金の場合にはそういう仕組みになっている。林業信用基金については、都道府県ではなくて、林業者から直接その林業信用基金との関係ということになってくるわけですね。これは中央で一本化しますが、各都道府県にある農業信用基金協会、それから漁業信用基金協会、これはどのような形になるんでしょうか。
○政府委員(眞木秀郎君) 御指摘のように、各都道府県段階におきましては農業信用基金協会、それから漁業信用基金協会が業務を行っておるわけでございますが、これらの県段階の基金協会は、それぞれが農協なり漁協の信用事業と密接なかかわり合いを持ってその仕事を行っております。したがってまた、利用者につきましても、農業あるいは漁業者の人的範囲が違っておるわけでございます。そういうような事情から、今回県段階においてこれらを統合するということは考えていないわけでございます。
○菅野久光君 それから、それぞれ担当するところは、これは経済局ですね、本省の経済局に、それから水産庁、それから林野庁と、それぞれにまた窓口というんですか、そういう指導機関的なものがあるわけですね。それはどんな形になりますか。
○政府委員(眞木秀郎君) これらにつきましても、先ほどちょっと申し上げましたように、それぞれの業務が農、林、水の金融の政策と結びついて行われておるということもありまして、従来どおり農業につきましては経済局、林業につきましては林野庁、漁業につきましては水産庁がそれぞれ担当するという形でございますけれども、全体といたしましての基金自体に対する指導監督といったものは経済局が行いますので、その間の調整を十分うまく図っていきたい、このように考えております。
○菅野久光君 何のことはない、三つのやつは一つにするけれども、あとはみんな今までどおり、あるいは基金協会の総務的なことだけは経済局が窓口になるというような形だというふうに、簡単に言えば理解をすればいいわけですね。 この三つの協会や基金が、形は統合するけれども、財務運営はそれぞれ他と独立して行われるように区分整理をするということになっておりますね。それで、端的に統合するという意味、それは臨調からそういう指摘があったからということになるのかもしれませんが、そのメリット、デメリットはどういうところにあるんですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 統合によりますメリットといたしましては、先ほど来申し上げておりますように、業務をそのまま引き継ぐということでございますので、そういう面はなかなか見出しがたいわけでございますが、直接的には、例えばその役員なり総務部門等の削減によりまして組織の簡素化が図られるということが一つあるわけでございます。それからまた、資本の増加等によりまして対外的な信用力が増す、あるいはまた、余裕金を運用する場合に一括して運用するということで効率化が図られるということがあろうかと思います。また、長期的に各部門間の人事交流等による業務運営の活性化といったようなものも期待されるかと考えております。
○菅野久光君 今のお話の中で、財務運営は区分整理をしてやるということだが、剰余金等については何か基金一体で運営するかのような答弁があったように聞こえたんですが、それはそういうことですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 余裕金につきましては、そのように考えております。
○菅野久光君 財務内容には当然アンバラが生ずるということになるというふうに思うんですが、それについてはどういうふうに取り扱うつもりでしょうか、他の会計との関係ですが。三つありますわね。それで三つの会計がそれぞれ内容的に若干いいところと悪いところと、そういうアンパラになる。そういった場合にどういう取り扱いをするのか。
○政府委員(眞木秀郎君) 実際の運用の細かいことにつきましてはこれから詳細に決めていくような話でございますけれども、それぞれの区分経理された中で余裕金として運用すべき資金がある場合に、それをできるだけ効率化を図るために一体として運用して、それから出た利益なり運用益といったものをまたそれぞれのところへ戻していく、そういうような仕組みになろうかと考えております。
○菅野久光君 その区分整理するという、その区分整理ということが何かちょっと理解ができないといいますかね、例えば漁業なら漁業でどうしても政府の方で出さなきゃならない金がある。それは漁業の関係について出すということであって、ほかとの経理の関係はないということになる、それが区分整理じゃないかなというふうに思っているんですが、経理はやっぱり一体運営ということになるのか、その辺のところはどういう取り扱いになるのかな、区分整理というそういう意味で、
○政府委員(眞木秀郎君) 区分整理ということは、はっきりそのようにさせるわけでございまして、各業務の出資者なり受益者が異なっておるということ、それからまた、農、林、水それぞれの間で財務の独立性を確保することが関係者のこれまでの検討の中での総意でもあったということで区分経理をするわけでございますが、したがいまして、各業務の財務内容にアンバランスがあって、一つのところでプラス、他ではマイナスというような状況がある場合でも、各業務の区分に応じましてそれぞれ利益なり損失を整理して行う、そういうことで区分経理はきちんとやっていきたいと考えております。
○菅野久光君 いろいろなことが言われておりますが、要は、今まで農業信用保険協会や林業信用基金及び中央漁業信用基金がやっていた業務、それについては財務関係も含めていささかも変更がない、業務の関係については変更がない、そのことによって迷惑をかけるようなことはないというふうに理解をしたいわけですが、そういうことでよろしいでしょうか。
○政府委員(眞木秀郎君) そのように考えております。
○菅野久光君 農業を取り巻く状況が非常に厳し い中で、農業信用保証保険制度、これは今後どのような役割を果たしていくべきだというふうに考えておられるのか、その辺の見解をお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(眞木秀郎君) 今後、金融の果たす役割というものは、農業政策あるいは林、水それぞれの中でますます増大していくと考えております。したがいまして、この金融を円滑化するための本制度の役割もまた大きなものになっていくわけでございます。したがいまして、今後とも県レベルでの協会、あるいは中央段階での今回の新しい信用基金それぞれにつきまして、財務基盤の充実確保に努めるということを中心に本制度の円滑、適正な運営を図っていきたい、このように考えております。
○菅野久光君 農業の中でも特に畜産農家なんですが、ほんの一部に見られるような多額な負債、これについてはどのような施策を講じているのか、また講じようとしているのか、お伺いいたします。
○政府委員(京谷昭夫君) 最近の畜産経営の動向を申し上げますと、御承知のとおり、配合飼料価格がかなり低下をしている。そうしてまた、したがって畜産物の交易条件が好転をしているという事情を背景にしまして、平均的に見ますと、畜産経営全体の収益性というのは上がってきておるわけでございまして、その結果、負債は減少傾向、資産が増加傾向ということが言えようかと思います。 ただ、御指摘のとおり、畜産経営、特に酪農、肉用牛生産といった大家畜経営部門におきまして、近年非常に急速な勢いで規模拡大をしてきておりまして、その過程で多額の負債を抱え込んで、特にまた、個別の経営別に差がございますが、経営管理能力なりいろんな技術力の格差に起因をして負債が累積し、固定化し、償還が難しくなる、そういう事例が出ていることは事実でございます。 そういう事態に対しまして、御案内のとおり、農林漁業金融公庫におきます自作農維持資金の融資という仕組みがございますが、これを基本としておりますが、畜産の特殊事情もこれありということで、酪農部門につきましては、御承知のとおり、五十六年から五カ年計画で酪農経営負債整理資金という特別融資を行ったわけでございます。約六百億円の融資を五年間でしたという状況でございます。それから肉畜経営につきましては、五十七年に経営改善資金、さらに六十年から六十二年度の三カ年にわたりまして、肉用牛経営合理化資金ということで総額約五百億円ほどの長期低利融資を予定しておりまして、六十二年度を最終年度ということでこれから仕事をこなしていこうというふうに考えておるわけでございます。 さらにまた、これらの金融措置が一つの区切りをつけておるわけでございますけれども、やはり個々の経営者、生産者につきまして、先ほど申し上げました経営管理あるいは財務管理面で個別の指導をしていくということが大変重要であるということで、実は六十二年度、本年度から農協系統、それから各都道府県の畜産会系統のお力も得まして、農協段階で特別指導班というような組織を編成いたしまして、問題のあります畜産農家に対しまして個別に財務管理なり経営管理についての相談あるいは指導をしていく、そういう体制をつくりあげて、こういった経営問題に対する対応を強化してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○菅野久光君 特に経営に問題があるといいますか、非常に脆弱な体質の畜産農家、こういうところについては何とか指導をしていくような、そういう体制をつくっていきたいという今お話があったというふうに受けたんですが、もうちょっと具体的に何かお話をしていただけますか、いつごろ、どういう体制だとか。
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま申し上げました問題のある個別農家に対する指導体制整備については、実は六十二年度の畜産物価格の決定時におきまして、畜産振興事業団の指定助成事業といたしまして、中央畜産会に対しまして約五億円ほどの援助を行うことにしまして、これを活用いたしまして、先ほども申し上げましたけれども、各都道府県段階の畜産会あるいは農協系統組織、そこで畜産問題についての指導体制の組織化をしていただく。その県段階の組織の指導のもとに、必要の都度各単協レベルで、これは金融業務を行っている機関を含めてでございますけれども、指導班をつくって、それぞれの管内におきます問題のある畜産経営に対して個別指導をしていく。そういう仕組みをつくろうということで措置をしておりまして、実はこの具体的な進め方について、今畜産会あるいは全中と相談をしておるところでございます。初めての仕事でございますので、末端までチームが編成されて具体的に巡回指導活動といいますか、そういう活動がおりていくのはもう少し間がかかると思いますけれども、できるだけ早くそういう体制整備をして具体的な活動に入りたいというふうに考えておるわけでございます。
○菅野久光君 総体的に見れば、収益は上がって借金は減っているということで言われておりますが、ただ、個々の農家に実際に当たっていくと相当そこらは問題があるので、総体的にはそういうことが言えたとしても、この農家負債、特に畜産農家の多額な負債の問題については、何らかの手を打たなければこれは大変なことになるのではないかというふうに思うんですね。特に近年、生産調整などを含めて、えさ代が安くなったとかなんとかということで価格が下げられますが、しかし実際金を借りた、お金というのは借りた時点の利子で払うわけですね。公定歩合が幾ら下がったとしても、それは借りた時点での利子ですから、とてもとても大変なんです。安い利子に借りかえられるような、そういう形になれば一番いいわけですけれども、なかなか現実的にはそうはいかない。林業などは今回五十年償還というような超長期の資金も使えるような形になってまいりましたが、酪農の場合には償還期限十五年という酪農経営負債整理資金、こういうことがありますが、やはりもっと長期な資金の導入を図っていかなければ、こういう多額な負債の問題、そしてコストを下げる、いわゆる足腰の強い畜産というような、そういうことにはなっていかないのではないかというふうに私は一般的には思うんですが、局長どうでしょうか。
○政府委員(京谷昭夫君) 金融の仕組みについては、やはりその対象になる経営の性質なり状況というものを踏まえて仕組まれていると思います。私どもは、先ほど申し上げました畜産特別資金として現在までやってきております仕組み、これで現状に応じた機能は一応果たしているのではないか。確かに一部に負債問題で問題のある経営も残っていることは事実でございますけれども、大部分の皆さん方は、決して容易ではないと思いますけれども、これまでの融資制度のもとで頑張っておられまするし、私どもは、現在のところ、これまでやってきた融資制度その他の助成措置によって一区切りがついたものというふうに考えておるわけでございます。 先ほど申し上げました個別指導活動等を今後進めまして、どういう問題があるのか、あるいは何が可能かという点については、よくまた検討してまいりたいというふうに考えております。
○菅野久光君 それでは次に漁業についてでありますが、二度にわたるオイルショックだとかあるいは各国の二百海里規制に端を発して漁業経営が極めて厳しい状況になっております。業界は、これに対応するために、減船等漁業生産構造の再編を進めているところでありますが、今後、漁業経営対策全般を含めてどのような対策を講じていこうとされているのか。特に、いよいよ本当の意味での二百海里体制ということになってきますと、今までのようなことではやはりいかないということはこれは当然でありますので、その辺についてお伺いいたしたいと思います。
○政府委員(佐竹五六君) 今、先生の御指摘になられましたように、ここ十年間我が国の漁業、特に沖合・遠洋の中小漁業の経営環境は非常に急激 に変化したわけでございまして、余りにも変化が急激であったわけでございますので、これのショックを緩和するという意味で、私どもはいわゆる緊急融資という措置を講じたわけでございますが、その結果非常に負債額が増大いたしまして、系統金融そのものについても大変な影響が出てくる懸念がされたわけでございます。 そこで私どもは、このように経営環境が変わってしまった以上、従来の姿のままで我が国の沖合・遠洋漁業を維持することはちょっと難しいのではないか。いわば構造変動は不可避であるというような、そういう判断に立ちまして、金融機関の審査機能というものをやはりこの際活用するのが一番妥当であろうということで、ある程度時間をかければ再建の見込みのある経営に対しては長期、低利資金を導入する。これは漁業構造再編整備資金あるいは漁業経営再建資金というようなことで低利、長期の融資を導入いたしまして、時間をかけて再建整備する。それから、どうしても漁業を撤退せざるを得ない経営につきましては、中小漁業融資保証制度に基づく代位弁済を実施いたしまして、それに伴ういろいろ社会的な損失が出るわけでございますが、これは関係者で公平に負担する。国ももちろん中央漁業信用基金に対して出資するという形でその一部は負担しているわけでございますが、そのような形で対応しているわけでございます。 幸いその後、若干燃油価格も下がってまいりまして、六十年度におきましては、平均でございますが、ここ過去五年ばかりずっと平均で赤字が続いておった中小漁業経営につきましても若干黒字が出た。六十一年はさらに燃油価格が下落しておりますので、何とか従来のただいままで講じたような考え方で対応していけば乗り切れるのではないか、かような判断に立っておるわけでございます。
○菅野久光君 次に、新法人の役職員の問題についてちょっとお伺いをいたします。 理事長、副理事長の任期は三年、それから理事及び監事の任期は二年、これは三年、二年ということで、何かこれには特別な意味がありますか。
○政府委員(眞木秀郎君) 新しい農林漁業信用基金を代表する理事長、副理事長は、それぞれ業務運営のかなめの地位にある者でございまして、高度の責任を有しておる。ということでございまして、この理事長及び副理事長につきましては、中長期的な経営の安定を確保していくというようなことから、従来からの経緯も踏まえまして三年としておるわけでございます。 他方、理事と監事の任期につきましては、特殊法人等の役員の任期についての臨調答申というのがございまして、ここで総裁、副総裁、この場合は理事長、副理事長ということになろうかと思いますが、それらを除く役員の任期は二年とすべきであるというような提言がございます。そういうことも踏まえまして、理事及び監事につきましては二年、このように決めた経緯があるわけでございます。
○菅野久光君 今回のこの法案で三法人を一つにするわけですが、それぞれの法人に勤めている職員の給与等労働条件は同じではないというふうに思うんですが、その辺はどうなっておりますか。
○政府委員(眞木秀郎君) 現在の三法人の職員の給与あるいは勤務条件につきまして、大きな差があるということではありませんけれども、若干の相違があることは事実でございます。しかし、統合後、職員が一体となって効率的な仕事をしていただくということのためには、やはり給与と勤務条件を一本化する必要があろうと考えております。これらにつきましても新しい法人で検討すべき課題であると思いますが、農林水産省といたしましても、これにつきましては現在の三法人や他の政府関係機関の給与や勤務条件等勘案しながら、全体として現行より不利益が生ずるといったことがないよう十分配慮してまいりたい、このように考えております。
○菅野久光君 十分な配慮はこれは当然のことでありますが、基本的にどういう考え方でその給与等労働条件の問題を取り扱うか、そこのところだけはっきりさせてください。
○政府委員(眞木秀郎君) 新法人が設立されまして、十分検討しなきゃならぬと思いますけれども、基本的にはやはり一本化をする。そして、全体として現在よりも不利にならないように細かい配慮を加えていく、こういうことであろうかと考えております。
○菅野久光君 一本化するのは一つの組織になるわけですからいいんですが、その場合にそれぞれのいわゆる条件、極端に言っていけばいいところと悪いところとやっぱり出てくると思うんですね。その場合に悪い方に合わせようという基本的な考え方なのか、いい方に統一しようというふうに考えているのか、そこのところですよ。
○政府委員(眞木秀郎君) 具体的な点がいろいろあろうかと思います。その点につきましては、新法人が設立されまして、またそれに至ります前に関係者が寄って十分検討すべきものと考えまして、やはり個人個人の具体的な問題等全体の例えば給与表をつくりまして、それをどう一般的に格づけしていくかというような問題、いろいろと個別具体的な問題があろうと存じます。したがいまして、今私が申し上げましたような基本的な考え方に従って、やはり全体として不利益が生ずることのないようにということの考え方から一々個別の問題をチェックするというか、そういうことで対応していきたい、このように考えております。
○菅野久光君 個別的に不利益が生じないようにということは、労働条件が多少でもいいところがあればそれにやはりそろえていく、少なくともそれを切り下げるということはないというふうに私は理解をいたします。 いよいよ時間がありませんので最後に年金の問題ですけれども、これは一つだけが農林年金に入って、あとは厚生年金なんですね。これは農林年金と厚生年金ではいろいろ条件が違うわけですが、何かお聞きいたしますと、全部厚生年金ということで話を進めているやに聞いておりますが、これは相当なやはり支給年齢の問題などを含めて私は問題のあるところではないかなというふうに思うんです。もしもやれるものであれば、皆さんが農林年金に入れられるのであれば、それは入れた方がいい、そうすべきではないかというふうに私は思うんですが、そこはいかがでしょうか。
○政府委員(眞木秀郎君) 年金につきましては、農業が農林年金、林、漁が厚生年金となっておるわけでございますが、新法人は政府の出資があり、また政府の関与度が大きいという性格を持っておりますので、これは農林年金の対象団体とはせずに厚生年金を適用するという考え方でございます。 この結果、農業信用保険協会の役職員の方が農林年金から厚生年金に移るということになるわけでございますが、農林水産関係特殊法人の厚生年金基金からの給付を合わせて不利益が生ずることはないというふうに現在考えているところでございます。
○刈田貞子君 農林漁業信用基金法案について審議をさせていただきますが、まず大臣にお伺いをいたします。 今、同僚委員の質疑を伺っておりまして、私はこの中で今回の統合についての意義とメリットというものはやっぱりどうしてももう一度確認をさせていただかなければならないと思いますので、そのことについてまずお伺いをするわけでございます。 先ほど来、この法案提出の経緯について局長から御説明ございました。これは信用補完三法人統合問題検討会ですか、そうですね、省内の検討会、ここで五十八年三月に指摘を受けて以来、長く時間をかけて検討をされてこられたわけでございますけれども、私どもが仄聞をいたしますところでは、かなりいろいろな論議が関係者の間でもあったということを聞いております。かなりいろいろ御論議があっただろうというふうに思うんですけれども、なおかつこの統合に踏み切ったということの意味について、まず大臣からお伺いをしたい と思います。
○国務大臣(加藤六月君) 農業信用保険協会、林業信用基金及び中央漁業信用基金は、対象分野は異なっておりますけれども、いずれも農林漁業経営等に必要な資金の円滑な融通を図るという共通の目的を持っておるものでございます。そこで、こういう共通の目的を持っておるということを踏まえまして、五十八年三月の臨調答申において、行政改革の一環として特殊法人等の整理合理化を推進する旨の指摘が行われたところでございます。 したがいまして、農林水産省といたしましては、この答申を受けまして三法人の組織の基盤、出資の形態を踏まえながら統合に向けての条件整備を進めてまいったところでございます。 このたび、そういう意味におきまして、先ほど御説明いたしましたように、統合についての基本的な考え方がまとまりましたので、三法人の組織を統合しまして農林漁業信用基金を設立することとしたものでございます。
○刈田貞子君 今の大臣の御説明によりますと、結局臨調答申を受けて、そしてそれを具体化してきたということに相なるわけでございまして、臨調答申の指摘というのは、結局合理化ということになろうかと思うんですね。 そこで、これから局長にお伺いをするわけですが、私ども今回、ちょっときょうは時間がたくさんないものですから、今までずっと読み込んできて私が感じた感想、どこが結局、いわゆる臨調答申に対する目的を達成しておるのかなという感じを持つわけですよね。役員が少し減っていますね。私が言うメリットというのは、この答申にこたえるために出てきたメリットとは何なのかということが一つと、それから今後いこれが三法人統合されることによって出てくるメリットという二つの意味でございますので、この二点でお答えいただきたい。
○政府委員(眞木秀郎君) 臨調答申におきましては、信用補完業務というこの業務の共通性が農、林、漁のそれぞれの現在ある基金なり協会について認められるということで、それを統合すべきであるという指摘がなされておるわけでございます。 したがいまして、それに即しまして、業務は確かに共通でございますので統合を図ることにしたというわけでございますが、やはりその中でいろいろと相違点があるということを踏まえまして、今回の統合に当たりましては、とりあえず業務は従来のままそれを承継するという形にせざるを得なかったわけでございます。しかしながら、やはり統合をするということに伴いまして、ただいま委員御指摘のように、役員の数の削減あるいは総務部門を一本化するという意味で組織の簡素化というものは図られるわけでございますし、また資本の増加に伴います対外的信用力の増大、あるいは余裕金を運用する効率化、さらには長期的には各部門間の人事交流による全体としての業務運営の活性化といったような点がメリットとして考えられようかと、このように考えております。
○刈田貞子君 臨調からは、決してこの三法人それぞれが従来進めてきた事業とか制度に対しての何か欠陥があるとかなんとかいう意味での指摘があったわけではないわけですよね。結局、今の御説明にもありましたように、せんじて言うならば、同じ目的で動いているのだから一つになってもいいではないかということがその統合することの一つの必然だということになるんだろうと思うんですね。そうですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 現在三つあるものが一つになるということで、全体としてこういう特殊法人等の数が三つが一つに減るということは、一つのやはり行財政改革なり臨調答申の希望しておったところであろうかと考えております。
○刈田貞子君 そこで、人事の人員構成とかいろいろ伺う予定でおりましたんですけれども、時間があったらにして、私は逆に財政の面の部分から伺っていってみたいと思うんですが、さっきメリットとしては三法人が統合されることによって財政的なものをバックとした一つの基盤強化というメリットも出てくるんだというお話がございました。 そこで、法案の四十一条でございますね。先ほど来菅野委員の方にもお答えになっておられました余裕金の運用のこと、ここのところからちょっと逆から伺っていってみたいと思います、時間の関係がありますので。 その中で、「信用基金は、次の方法によるほか、業務上の余裕金を運用してはならない。」と。逆に縛りでございますね、「してはならない。」と。一が、「国債その他主務大臣の指定する有価証券の取得」、それから二が、「農林中央金庫、商工組合中央金庫、銀行又は主務大臣の指定するその他の金融機関への預金」、三番目の問題ですが、「その他主務省令で定める方法」ということになっておるんですが、この三番目はどういうことを意味しておりますんですか。
○政府委員(眞木秀郎君) この主務省令におきましては、現在のところ信託業務を営む銀行、または信託会社への金銭信託を定めることを考えております。
○刈田貞子君 と申しますのは、この新法人の財務運営を考えるにしては、これは私いただきました資料で見ますと、それぞれみんな決して豊かな情勢ではないというふうに思うんです。保険金支払い額とか、あるいはまた代位弁済の額がかなり高水準にあるという点が大変心配されるわけでございますけれども、それでもなおかつ、先ほど言われましたように、この三法人が統合することによって経済的メリットは出てくるんだというふうにおっしゃられるのでしょうか。
○政府委員(眞木秀郎君) 三法人が統合されました後に農、林、漁それぞれの業務、その状況まことに厳しいものがあると考えておるわけでございますが、今の委員の御質問は、三法人が統合されることによって、例えば経費なり、そういうものがどのような削減なりメリットがあろうかという御趣旨と受け取りましてお答え申し上げますと、先ほど申し上げましたその統合によるメリットで、例えば常勤役員等が減員になるわけでございます。これに伴って直接その経費が減るということで、例えば現在の給与水準等を前提に試算をいたしてみますと、年間約三千万円程度の節減が期待できるというようなことが考えられるわけでございます。
○刈田貞子君 済みません、もう一度、節減が幾らか、節減の額。
○政府委員(眞木秀郎君) 三法人が統合されて新しい基金が設立されることによりまして、例えば常勤役員が二名減る。それから非常勤役員も減るわけでございます。それから総会、評議員会、これまであったものでございますが、その委員等の数が減員となります。これに伴います例えば経費の節減効果を現在の給与水準等を前提といたしまして大まかな試算をしてみますと、年間約三千万円程度の経費の節減が期待できる、そういう面も考えられると、こういうことを申し上げたわけでございます。
○刈田貞子君 私のこの計算が違うならまた別なんですが、従来十二人常勤役員がいたのが十人になる。そうですね。だから今の三千万が出てくる、こういうことですね。はい、わかりました。 それで、そういうことが、今大変厳しい現状に置かれている日本の農林水産業に対してかなり大きな役割を今後は果たしていけるのだというふうに了解してよろしいわけですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 今後農林漁業政策、例えば補助から融資へという政策の重点が移っていくというようなことも言われておるわけでございます。したがいまして、今後金融なり融資の問題の重要性が増してくる。その融資を円滑にするというための信用補完制度も、したがってますます大事になってくると考えております。したがいまして、この点に着目いたしまして、農林水産省といたしましても、新しい法人の財務基盤の充実あるいは確保に努めて、本制度の今後適正円滑な運営を図るように努めてまいりたい、このように考 えておるわけでございます。
○刈田貞子君 私どもは、行政改革を進める側の方の野党としては、合理化という問題だけで物を考えていく筋ではなくて、それをすることによってどんなメリットが出るのかということの方がむしろ実は非常に大事な問題になってきますのでうるさくお伺いをするわけでございますけれども、私先ほど冒頭に申し上げましたように、これは五十八年以来かなりの論議が続いたと私は聞かされておるわけでございます。したがいまして、今回も組織の統合といっても必要最小限の改正にとどめたというふうなことも私は実はちょっと物で読んだものでございまして、そこまでして、しかもなおかつやったこの統合なんだということの中で、やはりそこから生まれてくるもののメリットなんという言葉は余りいい言葉ではないかもしれないけれども、それが今後の日本の農林水産業にどう大きな力になっていくかということを、ぜひやはりこの場で確認させていただきたく思いますものですから伺っておるわけでございます。 その次は、役員のところで新法人の代表権の問題でございますが、新法人の代表権を理事長のみならず副理事長にも与えているということに関する考え方の基本を教えていただきたい。
○政府委員(眞木秀郎君) この新しい法人は三法人の業務を引き継いで行っていくというわけでございます。農、林、漁それぞれの信用補完制度をめぐる情勢は厳しいものがありまして、またその制度、事業関係者もそれぞれ相違をしておるということでございます。このようなもとで円滑な業務運営を図っていくために、全体の管理を行います理事長のほかに副理事長二人を置いて、これも法人の代表権を持つということにしておるわけでございます。 この副理事長につきましては、例えばまず理事長が農、林、水のいずれかの分野の業務の責任者を兼ねまして、他の二分野を二人の副理事長がそれぞれ担当するということで、また法人全体の総括管理は理事長が行うというようなことを考えて、それぞれ副理事長にも代表権を持たして、全体としての業務運営の統一性を確保するようにしたい、こういう考えでございます。
○刈田貞子君 それから運営審議会のことですけれども、この運営審議会の委員が任命されますね。これは理事長の任命によるものでしょうか。理事長と監事は大臣の任命でいきますね。それでその理事長が副理事長を任命しますね。それで、今度は運営審議会のメンバー、三十五人でしたか、このメンバーのことですけれども、この任命権はどこにあるのか。 それから、その審議会のもとにある今度は各部会のことでございますけれども、この各部会はどんなふうな構成になるのか。 そして、実は一番かかわりをどういうふうに持たせていくのかということでは、先ほど来、菅野委員の方からもお話がございましたように、各三法人の省内における各部所管、経済局、それからこれは林野庁林政部ですか、企画部ですか、それから水産庁は漁政部かな、そうですね、漁政部がそれぞれ窓口になるのだろうと思うんですが、その方々はここの中でどういうふうにかかわっていくのでしょうか。
○政府委員(眞木秀郎君) まず第一に、運営審議会の委員でございますが、これは主務大臣の認可を受けて理事長が任命をするということになっております。 それから、運営審議会のもとに置かれます部会でございますが、現在のところ五つの部会を考えておりまして、一つは農業信用保険の部会、それから林業信用保証と貸し付けの部会、それから漁業信用保険の部会、それから漁業災害補償に関する部会、そのほかに総合部会というのを設けるということにいたしております。 また、その部会ともかかわり合いまして、この新法人の農、林、漁それぞれの業務につきましては、経済国、林野庁、水産庁が従来どおり担当するわけでございますが、法人全体につきましては経済局が指導監督を行うということで、各業務間の調整等も経済局においてやっていきたい、このように考えておるわけでございます。
○刈田貞子君 私がそういう構成をお聞きするのも一番最初のまた問題にかかわるのでありまして、本当にわだかまりなくしっくりとこの三法人が統合できることになるのか、協力体制が十分になり得るのかということが大変気になりましてお伺いをするわけですけれども、こうした協力体制がちゃんとできていかなければ、統合しても意味がないわけでございますから、その協力体制は本当に十分なのかということだけを一言確かめさせていただきまして、質問を終わります。
○政府委員(眞木秀郎君) これは農林水産省の方の関係部局、あるいはまた各現在の三法人、これから一緒になるわけでございますが、これらがそれぞれ新しい体制のもとでよく連絡協調いたしまして、また先ほど申し上げましたように、長い目で見れば人事交流という各部門間のことも考えられるわけでございます。新しい理事長のもとで一体となって、互いの知識なり経験をお互いに生かし合いながら円滑な運営ができるように我々も指導に万全を期してまいりたい、このように考えております。
○下田京子君 このたびの新法人の設立ですが、農業信用保険協会、林業信用基金及び中央漁業信用基金、この三法人、これは対象分野は違っていても共通の資金の円滑な融通を図るという目的があるんだというわけで、行政改革の一環として今回整理統合ということになったんだということで、役員等が人数も少なくなり、金額にすれば三千万円ほどの財政的なメリットも出るんだよと、こういうわけなんですけれども、本当に漁業者、農業者、林業者それぞれの団体にとってメリットがあるものなのかどうかという点で、基本的な性格についてお尋ねします。 まず、三法人の性格の違いですが、現在、農業信用保険協会、これは社団的法人であると思います。それから林業信用基金、中央漁業信用基金、これはいずれも財団的法人であると思うんです。 私はまず最初に明らかにしていただきたいのは、社団的法人と財団的法人の最大の違いというのは何なんでしょうか。
○政府委員(眞木秀郎君) 公益法人の場合、社団あるいは財団という形で区別されておるわけでございますが、そういう基本的な社団あるいは財団を分けて考える場合に、社団的構成の法人というためには、少なくとも社員なり会員というメンバーが不可欠の要素としてそこに存在をする。それらの者によって構成をされます総会といったものを中心としてその法人の活動が行われるというところが、社団の中心的な要素であろうかと考えておるわけでございます。 財団の場合は、普通基本財産なり寄附行為等を中心として、民法的な公益法人の場合はそういうものを寄附行為によって定められて、お金を出した方の意思、そういうものに従って運営がなされるというのが基本でございますが、必ずしも現在社団、財団の明確な区分というものはないわけでございまして、社団的構成の法人といった要素を欠くもので、そのほかのもので財団的なものが多い、このように常識的には理解しております。
○下田京子君 わかりにくくする答弁をいかにうまくやるかという模範みたいでございましたが、農業信用保険協会は今社団的法人ですね。それで、ここは今度の新法人になると性格が変わります。どう変わるかといえば、この社団法人である農業信用保険協会は会員をもって構成していて、最高の意思決定機関は総会であったと思います。それが今度は運営審議会というところで意見を聞いて、最高の決議機関は理事長を中心とする理事会、役員会になる、こういうふうに変わりますね。
○政府委員(眞木秀郎君) おっしゃるとおりでございますが、その運営につきましては、運営審議会というものを設けて、そこでの意見を反映させながらやっていくという考え方でございます。
○下田京子君 どう運営するかは別として、組織的に現在農業信用保険協会は総会が最高の議決機関でございまして、ですから、会員による総会で まず事業計画をみずからが決められますね。事業の報告書や財務諸表あるいは定款、業務方法等の変更あるいは役員の選任、こういったことがみずから直接やれた。それが今度は新法人が財団的法人ということになりまして、議決機関ではなくて諮問機関という形の運営審議会に変わっていくんだということ、これは明確でしょう。確認してください。
○政府委員(眞木秀郎君) おっしゃるとおりでございます。
○下田京子君 つまり、ここに農業信用保険協会側から見まして大きな組織的な後退があるということが明らかになったと思うんです。 その運営審議会の問題なんですけれども、運営審議会で、さっき御答弁になったように、確かに予算、事業計画あるいは財務諸表、定款などを意見を述べることができるんですけれども、議決するのは役員会であるわけですね。その役員は一体だれが選任するかといえば、新法人では理事長は大臣の任命による、そうですね。
○政府委員(眞木秀郎君) そのとおりでございます。
○下田京子君 そうしますと、副理事長、それから理事、監事、これはどうなりますか。
○政府委員(眞木秀郎君) 副理事長と理事は大臣の認可を受けて理事長が任命をいたします。監事は大臣が任命をいたします。
○下田京子君 ということで、もう農業信用保険協会から見れば、会員みずからが役員も選任できたのに、それが大臣の任命もしくは大臣の認可を受けて任命ということで、これも大きく性格が変化する。これまた事実でございますね。
○政府委員(眞木秀郎君) そのとおりでございます。
○下田京子君 そこが問題なんですね。 ですから、農業信用保険協会の皆さん方が、県の基金協会なんかでも聞きましたが、自分たちの組織からお上の組織に変身してしまう。役員選出あるいは方針の決定に議決権を持って今まで参加できたのに、それがやれなくなってきたということで、制度上の大変大きな変更、後退ということが言われているわけですが、今の中でそれらが明確になったと思うんです。 そこで、さらに伺いたいんです。運営審議会のメンバー、部会のメンバーはどういうふうに構成されますか。
○政府委員(眞木秀郎君) 現在、この運営審議会の部会につきましては、全体の数が五十人でございますが、そのうち農業信用保険部会関係は二十五人を予定しておるところでございます。林業関係の方が十人、それから漁業の方は信用保険と漁業災害補償部会がございますが、それが計十五人、合計五十人ということでございます。
○下田京子君 そうすると、それぞれの協会、基金で現在の役員が半分になっていくわけですね。メンバー表もいただいているんですけれども、この半分になるメンバーですが、またこの運営審議会のメンバーが部会を構成するんでしょうけれども、一体だれが選ぶんでしょう。農業部会の場合ですと、現在は中央を入れて四十八人を二十五人にするんですね。そうすると、二十三人を除外しなきゃならない。一体これはだれが決めるんですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 統合後の運営審議会につきまして農業関係を代表する方々というのは、現在の、委員御指摘のございました県の農業信用基金協会、それから農林中央金庫もメンバーでございますので、農林中央金庫の中から選任をしたいと考えておるわけでございます。 人数につきましては、御指摘のとおり、全員がこれに入るということは難しいということになろうかと思います。
○下田京子君 ですから、だれが決めるんですかと言ったんです。四十七都道府県の基金があるわけでしょう。それに中央金庫が含まって四十八でしょう。二十五に減らしちゃうわけでしょう。ですから、どこを外すかというのはだれが決めるんですかと聞いているんです。
○政府委員(眞木秀郎君) もちろん理事長が決めるわけでございますが、その前に例えば各ブロックごとにいろいろ相談をして、どういう方がいいかというようなことの御協議があろうかと考えております。そういうような全国的にバランスよく代表されるような形が話し合いによっていろいろ意見が出てくると思われますので、そういうものにも十分耳を傾けながら、公平にバランスよく選んでいくということになろうかと考えております。
○下田京子君 公平にバランスよく選んでいきたいということなんですが、最も公平なのは、四十七都道府県に基金があるんですから、そこから全員が構成メンバーになるということが最も公平であるということ、これもまた非常に明確であると思うんですね。この点でも、外された二十三は一体どういうふうに意見を反映していくのかという点で大変問題が残ります。それは恐らく運営審議会の行われるときに必要に応じて御出席をいただくというようなことはあるでしょうが、しかし、これはメンバーでないということは事実でありますから、今までどおり同じような形での意思決定にみずからが参加できるということにならない、これもまた事実ですね。
○政府委員(眞木秀郎君) 私がお答えしたいことを委員、先に御指摘になったわけでございますけれども、委員でない農業信用基金協会の方々でも部会に出席をして意見を述べていただくという道を開きまして、今申されました全体の数が減って全員が代表されないという点を補っていくということも考えておるわけでございます。
○下田京子君 必要に応じて運営審議会に出席していただく道を開くというわけですけれども、それは別に条例、法律事項ではないでしょう。単なる内部規程か運用かでしょう。そうしますと、それはその都度の判断によって左右されるわけですね。
○政府委員(眞木秀郎君) 御指摘のように、そういう道を開いてできるだけ多くの方々の意見を反映させるということでございますが、組織的に考えました場合には、やはり運用の問題ということは否定できないかと思っております。
○下田京子君 だから、そういう意味でもこの農業信用保険協会にとっては、あるいは各県の基金協会にとっては大変な後退であるということがさらにまた明らかになったと思うんです。今出資者であり、同時に会員として総会に直接議決権を行使できた者がこういう形で諸問機関からも外されていく、それが半数にも上る、こういうような状況で本当に農民や農業団体から離れないような、そういう法人として運営が可能なのかということが非常に疑問になってくるわけであります。 さらに、ついでと言ってはなんですが、漁業についても林業についてもそれぞれ半分になります。これはどうやって選ぶんですか。
○政府委員(眞木秀郎君) いずれにしろ形式的には、先ほど申し上げましたように理事長が任命をするということでございますが、林業につきましては林業者等の関係団体の中から、また漁業につきましては、農業の場合に準じまして各県の漁業信用基金協会、あるいはまた漁業災害補償関係の業務も行っておりますので、漁業共済の団体の中から選ばせていただくということになるわけでございます。
○下田京子君 漁業も三十名から十五名になるんですね。県の名前を一々申し上げてそれぞれの現在の中央漁業信用基金の評議員のお名前を申し上げるつもりはないんですけれども、これもそういう意味では、漁業についても林業についても意思を反映していくという点で大変また後退していくということが明らかになったと思うんです。 それから、今回の統合に当たりまして農業信用保険協会から四条件についての御要望が出されておったと聞いています。どのようなものでございましょう。
○政府委員(眞木秀郎君) 農業信用保険協会からの要望事項は、四点といいますのは、まず第一に、農業の金は農業以外に使わないということ、それ から制度を現在より後退させないということ、それから農業信用保険協会と会員との結びつきをできる限り維持する、それから四番目は出資者の利益を保護する、また統合によりまして会員に新たな負担をもたらさないようにしてほしい、こういう点であったかと思います。
○下田京子君 これら四条件について対応した結果、問題なきようにやりますよというふうなことで結論を見たと言われていますが、それぞれ一、二、三、四とどういう結論に至ったんですか。
○政府委員(眞木秀郎君) まず一番の農業の資金なり金は農業以外に使わないという点でございますが、これは各業務ごとにそれぞれ勘定を設けまして経理を区分する、それからまた、各業務に必要な資金に充てるべきものとして政府なり政府以外のものが出資する場合も、その旨を示して出資をするということで、当該示された業務以外には使用できないという形をとっておるわけでございます。 それから、制度を現在より後退させないということで、今回はいろいろな各制度間の問題、相違点等ございましたので、まず組織のみの統合として現在三法人の行っている業務はそのまま引き継ぐということにしたわけでございます。 それから会員との結びつきにつきましては、今御指摘がいろいろございましたように、総会あるいは評議員会の場でこれまで業務運営に関与してきたわけでございますが、新しい基金におきましては運営審議会というものを設けまして、その業務運営にこの場で関係者の意向が十分反映されるように措置をしたところでございます。 それから四番目の出資者の利益を保護する、また統合による会員の新たな負担をもたらさないという点につきまして、特に農業信用保険協会の会員である基金協会等は、総会制のもとでこれまで業務の運営にかかわってきたわけでございますので、統合後におきましても、運営審議会のもとに置かれます農業部会の委員につきましては、各県の信用基金協会の中から選ばせていただく。それからまた、委員でない方も、先ほどお答えいたしましたように、部会に出席をして意見を述べる道を開くということ。さらにまた、非常勤の役員につきましても、この基金協会の各ブロックごとに代表の方を選んでいただくということができますれば、そういう方もまたなっていただくということによりまして、結びつきなり意見の反映、声の反映ができるようにしてまいりたいと考えておるわけでございます。 それからまた、出資者の利益を保護するという点につきましては、この出資者の持ち分は新法人が承継をいたしまして、統合に伴いまして特に追加の出資は求めないということによりカバーをしたと、このように考えておるわけでございます。
○下田京子君 今の四つの条件の中で、保険協会と会員の結びつきをできるだけ維持するという点では、そういう精神的なところは受けたけれども、残念ながら変更していったということはもう議論で明らかになったわけです。 ただ、今の御説明の中で、新しい法人が財務基盤の強化、あるいは業務運営の統一性云々ということで他の委員にも御説明されているんですけれども、今の説明だと何にも変わらないみたいなことを言われておりますが、財務基盤の強化というのは端的に言ってどういうことなんですか。
○政府委員(眞木秀郎君) これは、これまで農、林、漁それぞれにつきまして、その財政状態を見ながら、必要に応じ、例えば責任準備金等、国が予算措置によりまして補てんをしてきたというようなことを指しておるわけでございます。
○下田京子君 そういう趣旨でしたら、何も統合しなくたって今現在やっているところでできることですよね。 そこで、その業務の変更にまで及ぶのではないだろうかという心配なんです。今、保証保険資金の準備、これは農業の場合ですと国と農林中金と協会がやられていますね。それから林業は国と都道府県、そして林業者個人が入っていますね。漁業だけ、国がこの保証保険資金の準備については全部賄っているわけですね。それだけに漁業の側では、統合によって今後、法三十七条にそういうことはないのだというふうに規定されているという説明は受けているんですが、現在全額国の出資であったものを、今度は農業並みに県の基金協会が負担させられるようなことになるのじゃないだろうかと心配しているんですが、それは大丈夫なんですか。
○政府委員(佐竹五六君) 中央漁業信用基金につきましては、最近保険金の支払いが非常にふえておりまして、毎年五十億ないし六十億の収支差額を生じているわけでございます。それに対する対策として、確かに議論といたしましては、県の基金協会に出資させるべきではないかとか、あるいは借入金で、利子補給で充当すべきではないかと、こういう議論もあるわけでございますが、いずれもいろいろ難点がございまして、大変財政的に苦しい中でございますが、毎年五十億から六十億の出資を確保しているわけでございます。 今後の問題につきましては、今後の中央基金の収支をどう見通すかということでございまして、今確実なことを申し上げるわけにはまいりませんけれども、いずれにいたしましても、仮にその基金協会の出資を必要とするような場合には、これは法律改正が必要になります。百十九条の一項を法律改正しなければできないわけでございます。やるともやらないとも申し上げませんが、その際にはまた一度国会にもお諮りいたすことになろうかと思います。
○下田京子君 県の基金協会に負担させよという議論があると、それから確実に申し上げられないけれども、現在では法律規定で国が出資していくよということになっているけれども将来にわたってはわからない、そのときにはどうぞ法律改正でよろしくということなんですが、今のお話の中にありましたように、確かに六十年で中央漁業信用基金の場合には五十五億ですよ、六十一年が六十八債という形でどんどん保険支払い額は各法人とも増加傾向なんですけれども、特に漁協の増加率が著しいんですね。ここで、将来のことじゃない、とにかくここ二、三年でも、国が今後とも必要な資金は全額支払うということで断言いただけますね。
○政府委員(佐竹五六君) これはまさに漁業をめぐる経営環境が著しく変化したために生じているその保険金の支払いでございます。これにつきましては、やはり関係者がそれぞれ応分の負担をするというのが私どもは公平な措置ではないかと思うわけでございます。 ただ、出資につきましては、今の法律改正が必要でございます。出資以外にもこの収支の差額を埋める方法といたしましては、例えば保険料の引き上げ等の措置もあるわけでございます。現行制度の中で関係者が応分の負担をすると、そのような思想のもとに運用を図って現在の危機を乗り越えていきたい、かように考えておるわけでございます。
○下田京子君 国が責任を持つだけでなくて、保険料の引き上げというのがいみじくもまた出てきました。それではさっき言った、今回統合に伴って財務基盤の強化というようなところから、むしろ今苦しくてこれからどうしていったらいいかわからない漁業者の保険料のことにもはね返っていく。 県の基金協会、これを見ますと、代位弁済額がすごくふえているんですね。今数字を細かく言う時間はありませんけれども、お聞きしますと、この代位弁済額については中央で七、八割は負担することになっている。あとは欠損は、それは欠損額で落としていくわけだけれども、それにしても二、三割は県の基金協会が対応しなければならない。こうなりますと、保険料のアップだけじゃなくて保証料のアップにつながっていくんじゃないか。そこが心配なんです。ないですか。
○政府委員(佐竹五六君) 確かに保険料をアップすれば、いずれ保証料のアップをしなけりゃならぬのじゃないかと、こういう御懸念だと思うのでございますが、幸いに現在の段階では県の基金協 会の収支は全体としまして約八億弱の黒字になっているわけでございます。これは余裕金を若干持っておりまして、利息収入等が四十億強のものがあるわけでございまして、従来はこの保険料のアップをほぼそれぞれの基金協会がこれを吸収することができたわけでございます。 それじゃ将来はどうかと、こういうことでございますが、私どもとしてはもちろんこれは保険協会の経営ということも考えなければなりませんので、保証料を絶対引き上げないということはここで断言申し上げるわけにはまいりませんけれども、しかしいずれにいたしましても、おおむね制度金融が多いわけでございます。近代化資金その他の各種制度資金、みんな制度金融でございまして、特に金利を低く抑える特定の政策金利を設定しているわけでございますので、その意味が全くなくなるような保証料の引き上げということは考えるべきではないだろうと、かように考えているわけでございます。
○下田京子君 いずれにしても、保証料のアップということになりますと、これまた大変な事態になるわけです、保険料、保証料と。しかも、保証料というのは林業だけが一律になっているのかな、あとはそれぞれが決められますでしょう。私は今後新法人の設立によって、逆に、例えば漁業ですよ、漁業でも〇・二五から、農業もそうだと思いますが、上限が一・〇三だと思うんですね、そういう範囲で自主的にそれぞれの県の基金協会がこの保証料率を決めていると思うんです。しかし、今言うように、厳しくなるというような中で財務基盤の強化という名においてこの保証料率も高いところに統一していくようなことになりかねない心配があるんです。そうでしょう。ないと言えますか。なきゃいいんです。
○政府委員(佐竹五六君) 今の御指摘の事実関係はそのとおりでございますが、個々の各県ごとの基金協会の経営収支に差異があるわけでございます。これを引き上げる場合には農林水産大臣の承認が必要となりますので、その承認行為を通じて不合理なことの起きないように私どもきちっと措置してまいりたいと、かように考えております。
○下田京子君 漁業者の負債、今どういう状況なのかということを長官は御存じだと思うんですが、細かくは御調査されてないのじゃないかと思うんです。今の保証料率の問題一つとっても、例えば漁業の近代化資金、これは北海道の場合には〇・二五%です。ところが、山形県の場合には〇・五〇%です。 その山形県のことを見ますと、今小型底びき船が、九・九トンから十四・九トンのこれは庄内浜の二十二隻の船主さんたちの実態なんですが、実は私、昨年も行きまして、ことしもいろいろと御要望を受けまして驚いているんですけれども、七千万から一億一千万の負債になっているんです。これは中小企業の場合には、水産庁からいただいている資料にも明らかなように、全国的にこういう傾向になっているんですね。中小漁業者ですね。これに対しまして、これもお調べいただいていると思うんですけれども、山形県が利子四・五%の独自の負債整理の対策をとられています。それから、国がつくりました経営再建資金の末端金利二%、漁協と一体になっての、こういうことにも取り組んでいるんです。 ただ、問題はどういうことかといいますと、ここで問題になってくるのが、現に保証料を払ってやっているにもかかわらず、そういう制度資金にも乗っからないような漁業者をどうするのかという問題なんです。 それからもう一つ、せっかく今言った再建計画に乗っかっても大変な無理が出ているんです。今回ある万の状況を報告いただいているんですけれども、年間の水揚げ高が一千九百万から二千万なんです。なのに、再建計画では年間二千四百万円の水揚げということを出したわけなんです。そして、年間八百万円の返済を図ると、こうなっている。どだい無理なんですね。こういう状況になっていったら、後はもう減船で漁業をやめるしかないということになってしまうじゃないですか。どうすればいいんでしょう。
○政府委員(佐竹五六君) 現在の漁業者の負債につきましては、数字を細かく言いますと時間がかかりますので省略いたしますが、結局二度にわたるオイルショック、それから国際規制による漁場の喪失というようなことで、五十四年から六十年まで三千億余の融資を行ってきたわけでございます。これはまさに緊急資金でございまして、保証も信用力もない者には協会が保証せよということで、一律に全部融資をしてきたわけでございます。 ところが、その後の実態を見ますと、例えば五十五年から五十九年までの中小漁業の経営収支を見ますと全部赤字なんでございますけれども、赤字のうち半分は黒字で、あとの半分のものが赤字である。それで全体としては赤字である。しかもそれが、もちろん例外はございますけれども、多くの場合固定化する傾向がございまして、貸せば貸すほど負債がふえていくというような実態があるわけでございます。 そこで、私どもやはりこのままいたずらに融資をつけることは、これはかえって漁業者のためにもならないと思いますし、また多くのその原資は零細な沿岸漁民の原資であるわけでございまして、系統金融そのものの根底が破壊されるというような判断から、これをやはり再建の見込みのある経営に対しては長期低利の融資をつける、遺憾ながらそういう見込みのない方々に対しては代位弁済によってそのよって生ずる損失を関係者で公平に分けると、そういうことに政策を切りかえているわけでございまして、ただいま具体的な数字を山形県の設例挙げられたわけでございますが、それは県が審査しているわけでございまして、それなりの自信のある計画であろうかと思うんでございますが、私どもはこの際、金融機関の審査機能というのがやはり一番信頼すべきものではないかということで、したがって保証につきましても、現在は保証機関の審査機能を働かせよというような指導をしているわけでございまして、そのような実情にあることをひとつ御理解いただきたいと思います。
○下田京子君 その実情を御理解するんじゃないのよ。そういう大変な実情にあるから何とかしなきゃならないでしょうと。そして、今全体的な傾向は言われたんですが、私は具体的にあれはどうだ、これはどうだと魚種別のやつも聞いていったら、いや、今これは調査何とかしなきゃならないというような段階だというんです。 それで大臣、ぜひ二つお願いしたいんです。私は、今長官がいろいろお述べになりましたが、確かに融資だけではどうにもできないという事態は一面であるんですよ。しかし、融資のやり方も考えなきゃならないと思うんです。つまり今話の中で出ましたが、制度資金を借りてくる。一定期間になって払えなくなると漁協のプロパー資金に借りかえる。そうしますと、もうサラ金並みです。一四、五%になっていくんです。ですから、幾ら低利のものを借りたって、一四、五%のプロパー資金に借りかえさせられていくわけですから膨れ上がっていくという問題が一つなんです。 それからもう一つ、実際に計画にのせても、計画自体が無理だということですね。なぜ無理かというと、そこで資源の問題になるんです。この漁業者たちは真剣なんです。何とかして生きていきたいと。これはもう国民の生存と健康にかかわる食料生産という部分もありますけれども、自分でも生きていきたい、海の男はやっぱり海で生きたいということですよね。そういう点でずっと見てくると、資源のとり過ぎがあったんじゃないだろうか。だから、例えば山形なら山形の庄内の浜で一定期間休業しよう。休業して資源の回復を図ろう。その間は国による休業補償みたいなものも考えられないだろうか。そして資源が回復したら、ここは協業していこう、共同操業という形でやっていこう。だから、沿岸漁業も沖合も含めて、そういう資源を大事にしていく方策をもあわせて新たな資金対応を考えてもらいたい。 その資金の対応なんですが、どう仕組むかは別にしましても、一定期間の無利子、据え置き等も 含めた長期の負債整理の資金、こういったものを仕組む。今、イエスかどうかと言ったら、いや、今財政が厳しい折でなんてことになりますね。そんな答えは私は求めません。ですから、そういう実態にあるということをぜひ調査してください。そして、何らかの対応策を具体的に出していただきたいんです。そうでないと、今回の新法人設立によっても、漁業信用基金協会はパンクします。そのことで御答弁をいただいて、質問を終わります。
○国務大臣(加藤六月君) 二度にわたるオイルショックで、あるいはまた二百海里体制の定着等によりまして、我が国の遠洋・沖合の中小漁業をめぐる経営環境はこの十年間に大きく変化し、したがって遠洋・沖合の中小漁業の構造変動は不可避と考えております。 先ほど来、いろいろ経営環境の急激な変化についての御説明あるいは負債の度合いについてお話がございましたが、私たちといたしましても、こういった急激な変化の影響を緩和するため、燃油資金、国際規制関連経営安定資金等のいわゆる緊急融資措置を講じてまいりましたが、これを永続化する場合にはいたずらに漁業者の負債の増加を招き、ひいては系統金融機関に対する影響も大きいこと等にかんがみまして、金融機関の審査機能を活用し、個別経営の実態を精査し、計画的に負債を解消し得る漁業者等に対しては漁業構造再編整備資金、漁業経営再建資金等の長期低利の資金を導入し、ある程度期間をかけて経営の再建を図ることといたしております。 今後とも、経営環境の変化に伴う漁業構造の変動を円滑に進めるとともに、これに伴う損失を関係者の間で公平に分担することを旨とした制度の運用を図っていく考えであります。このような観点からそのあり方、運用等についても常に検討してまいる所存であります。
○三治重信君 農林漁業信用基金法案、大変苦労されて農、林、漁それぞれの信用機関を中央だけ統合されたというだけでもなかなか御苦労があったようなんですけれども、私はずっと見ていて、農業関係というのは、同じ農林水産省でいながら、末端へ行くと農業は農業、林業は林業、漁業は漁業でみんな独立して、相互に共通点があるにもかかわらず、金融みたいなのは一つでいいはずなやつが、どうしてこうみんな別々にやって城をつくっているのか、これでは進歩発展がないなど、こういうふうに感ぜざるを得ないわけなんです。中央だけでも一つつくったのはいいんですが、林業だけは県段階がなくてふっと中央だけでしょう。農業と漁業が県段階で一つにするということがいつできるかわからぬけれども、一つにした方がいいという考えか、あるいはこれは全然別個だから別々にした方がいいという考え方なのか、それから林業も考えると、県単位で一つにすると、林業もわざわざ林業者が東京まで書類送ったりなんかしなくても、県段階でみんなできるようになる。 そういう意味において、県段階、途中をやらぬと非常に効率的な運用ができぬじゃないか、こういうふうに思うんですが、将来計画は何かあるんですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 委員が御指摘のとおり、各県段階において農業信用基金協会、それと漁業信用基金協会が置かれておるわけでございます。これらの県段階の基金協会は、それぞれ農協あるいは漁協の信用事業と密接にかかわって仕事をしておるわけでございます。利用者であります農業者、漁業者のまた範囲も通常大きく違っております。そういうことから、今県段階の農業と漁業の協会を統合するということは考えてはおらないわけでございます。
○三治重信君 これは見解の相違かもしれないんですけれども、融資の保険保証業務と、融資する農協自身も漁協自身も漁業者や農業者に直接融資しているわけでしょう。その融資をやっている連中がまた集まって保険の業務をやっているというのは、自分で金融するやつの保険をやるというのはいいんだけれども、実際は機能を別々にしても何らおかしくないし、現に今度、大臣許可のやつで別にするというのが、私は金融関係からいくと近代化した制度になると思うんですが、これはなかなか今のところはやる意思がないということなんですが、ぜひこれは統合をして農林漁業も県単位で保証される。そうすると、県の方も金融関係に対して保証関係の業務は一つで県の会も、補助金も得られるし、融資も得られるしという、この県単位のやつがないと、中央だけでは、さっき言ったみたいにメリットが中央の理事の給与が浮く程度しかない。そうすると、これは臨調でやられたからやむを得ずやった、これだけでも一つはメリットはメリットだということなんだけれども、何かこれは本当にお義理でやったということになって活が入らぬと思うんですよね。 だから、農林漁業の信用、金融の関係で本当にこの関係を近代化していくということになってくると、融資者と保証する問題、殊にこれは保証関係の団体は全部商工業関係でも県の信用保証協会、大都会だけ市の信用保証協会で、全然金融機関と別個になって行政当局の厳重な監督のもとに公平な融資保証業務をやっているわけなんですから、この点はぜひひとつ検討をしてやってもらわぬと、せっかく三基金が一つになっても、末端が別々になると中央の方で効率を上げる対策ができぬし、それかも県段階も、そういうふうになってくると、今までどおりの対策ということになって進歩がないんじゃないか、こういうふうに思うわけなんですが、その点ひとつぜひ、これは非常に各農協や漁業組合を説得するのが大変かもしれぬけれども、それぐらいのことはやってほしい。そうしないと、こういう金融関係が近代化しない。これはいい機会だと思うんですよ。 それで、業務の中身について少し伺いますが、どうも聞いていてもちっとも三融資機関統合しても業務の合理化というのが全然出てこないような気がするんですが、その点はどうですか。やはり従来の枠は、農業は農業できちんとした枠は別々でいいわけなんだけれども、共通的な業務のいわゆる事務の合理化というものについては全然考えてないのか。それから融資の制度そのものは全然別々で、計算も別で、これは当然勘定科目を別にするというのはいいんだけれども、この業務を共通していく計画というものはないんですか。事務の合理化。だから、三つのやつを合わして職員を一割なら一割減らすとか、それから計算の中へコンピューターを入れるとか、そういう事務の合理化の計画というのは全然ないんですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 業務といった場合に、今委員御指摘のように、それぞれの融資保証なり保険の業務といった面については、これまでの経緯なり相互の制度がそれぞれの農、林、水の金融政策との結びつきがあるということで従来のままそれを承継するということでございますが、それを現実にこなしていく上の総務なり経理、そういう面での共通にできるもの、今はコンピューターとおっしゃいましたけれども、それについては今後やはり、新法人一つになったわけでありますので、そういう面での合理化なり効率化というものは検討して、できるものはやっていくということが必要であろうと考えておるわけでございます。
○三治重信君 それから、農水省のこの資料によって各融資の残高を見ると、農業金融は十八兆、それから林業は四兆七千億、それから漁業が三兆となっているんです。何か漁業関係だけ保険業務の中の対象というのは融資額が非常に少ないような気がするんですが、これで農、林、漁の融資関係というものは全部大体保証でカバーしているんですか。カバーしてないほかの融資が随分あるんですか。どうですか、全体として。
○政府委員(眞木秀郎君) 一般的に農協が融資をします場合に、人的担保なり担保の値打ちがあるというような場合に、特にこの保証にかかわらしめるということまでをしていないケースが多いわけでございまして、農協の全体の貸し付けの中でこの保証にまたさらに中央段階での保険といったようなものに掛けられている割合は十数%程度でございますが、政策金融といいますか、農業近代 化資金ということに限って申し上げますと、その保証の依存率というものは六割近くになっておるということで高くなっておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 時間が限られておりますので、急いでお聞きいたしたいと思います。 まず、この信用基金法案についてお伺いしたいんですが、のぞいてみますと、農業信用保険協会、林業信用基金、中央漁業信用基金、この三つを信用補完業務を行っているという共通性を持っての統合、こういうことが一応考えられます。ところが、つらつら思うに、農業と林業と水産の事業分野別に特性を持っておる、その制度の沿革にも相違を持った歴史を担っておるわけなんですね。それを一緒にするということについて懸念されることは、果たしてその三つを統合して、さらに三つを統合してプラスアルファの成果を上げなければいかぬでしょうが、そのことについて確かめておきたいことは、この統合の必要性、そしてそのことによってどういうメリットが実質的に期待されるのであるか、その点確認しておきたい、こう思います。
○政府委員(眞木秀郎君) 農、林、漁それぞれのこれまでの信用補完業務をやっている協会なり基金、ただいま委員御指摘のとおり、対象分野は異なっておるわけでございますが、信用補完という面で業務の共通性を持っておるということでございます。このために、五十八年三月の臨調答申において、行政改革の一環として特殊法人等の整理合理化を推進する観点から、その統合を図るべき旨の指摘が行われたわけでございます。 農林水産省といたしましてはこの答申を受けまして、その三つの法人の組織の基盤、出資の形態、それらのいろいろな相違点なりそういうものを踏まえながら、統合に向けて内外いろいろ検討を進めてその条件整備を進めてまいったわけでございますが、このたび統合についての基本的な考え方がまとまったということになりましたので、これらの三法人の組織を統合いたしまして新たに農林漁業信用基金を設立するとしたわけでございます。 したがいまして、統合のメリットにつきましては、いわゆる業務をそれぞれの業務につきましてはそのまま承継をするということでございますので、役員数の削減等に伴う経費の節減であるとか、あるいはまた対外信用力の増大なり余裕金の運用の効率化、あるいは長期的に見て新しい基金の中での人事交流等によります活性化、そういうものをとりあえず期待をしておるというところでございます。
○喜屋武眞榮君 機能をスムーズに発揮することによって成果が上がるわけですから、その点で気になります。 次にお尋ねしたいことは、農林漁業信用基金に運営審議会というのが置かれますが、そのことについて、従来総会、そして評議員会があって、それにかわって政府以外の出資者あるいは学識経験者五十名以内で構成すると、こういう仕組みになっておるようですが、この運営審議会の人選とその構成についてどのような構想あるいは配慮を持っておられるのであるか、これも結局、運営審議会の人選と構成がうまくいかないというと、また機能を十分発揮することは困難であると、こういう点からお伺いしたい。
○政府委員(眞木秀郎君) この運営審議会の委員につきましては、主務大臣の認可を受けて新法人の理事長が任命するということにしておるわけでございます。現在の三法人の総会、評議員会の構成員と同じように、都道府県の農業信用基金協会等を初め出資者等の関係者をもって構成をするということになろうと考えております。 具体的に申し上げますと、農業につきましては府県の農業信用基金協会等でございます、林業につきましては林業者等の団体等でございます。漁業につきましては都道府県の漁業信用基金協会、漁業共済団体等から選任をするということになろうと考えております。各分野の代表がそれぞれバランスよく公平に選出をされ、この新しい基金の運営にこれらの方々の意見がうまく反映されるように努めてまいりたいと、このように考えております。
○喜屋武眞榮君 ここでも申し上げたいことは、いかに形式は整備しても、機能と運営に成果を上げなければ意味のないことである。そのことを今後見詰めてまいりたいと思います、 次に、どうしてもまたここで沖縄の問題に触れなければいけないのでありますが、いわゆる二十七年の空白で幾多のハンディを担って復帰はしたわけですが、ところが県民の権利義務の立場から、復帰した時点で即日本国憲法のもとに平等に権利を享受する立場が復帰の意義なんですが、二十七年の空白の中でハンディを担っておるわけです。その面、特に権利義務の面から非常に問題が出てくるわけでありますが、ところで、この義務の面から、空白において欠落した権利は復帰したら即現実的にあらわれるべきであるけれども、その義務を果たしてないからという形で、いわゆる負担義務を果たしてないからという形で今日まで犠牲を担わされておる。これはどうしても我々としては合点がいきません。国の責任において起こした戦争、それによって分離された行政分離である。義務を果たしたくても果たせなかった二十七年の空白があるわけなんですね。ここを、差別を担ったまま今日まで来ておるということですね。 こういう立場から、どうしても特別の配慮がなければいけないんですが、そこで沖縄における農業金融と水産金融の現状と問題点、そしてその問題点を踏まえて推進策をどのように考えておられるかこの点を伺いまして、私の質問を終わります。
○政府委員(眞木秀郎君) 最近におきます沖縄県の農業金融の現状でございますが、農家の貯蓄と借入金の動向を見ますと、農家所得の停滞基調を反映して、農家の貯蓄の伸びは総じて低下傾向にあります。六十年度末では平均八百四十二万円でございます。他方、農家の借入金の方は、年々変動がございますが、六十年度末を見ますと二百六十万円ということになっておりまして、貯蓄はこれを下回っておる状況でございます。 また、制度資金の融資状況等を見ますと、最近沖縄の亜熱帯性気候を生かした作目の栽培が非常に盛んになってきておりまして、このために沖縄振興開発金融公庫資金の経営改善資金等に割合活発な資金需要が見られるようでございます。また、農協系統金融につきましても、貸し出しが全国平均を上回る伸びを示しておるようでございます。 農林水産省といたしましても、沖縄県が持っていらっしゃる条件を生かした形での農業の振興を図る。そのために、制度資金を初めとして農業資金が的確に対応できるように引き続き関係機関を通じて指導を行ってまいりたいと、このように考えております。
○政府委員(佐竹五六君) 水産金融の現状等について御説明いたします。 沖縄における水産関係の融資残高は年々増加してまいっております。六十年度には二百三十二億円となっております。このうち九割弱の二百二億円が漁業に対する融資である。その他は水産加工業に対する融資になっております。沖縄の水産金融は、制度金融の比重が非常に高いという特徴を持っております。全国平均三二%に対して沖縄の場合は六四%でございます。これは沖縄振興開発金融公庫資金が中心的な役割を果たしているわけでございます。一方、漁協系統プロパー資金の比重が比較的小さいのは、沖縄沿岸漁業振興資金等の優遇資金が存在していること、また沖縄の漁協系統金融機関の資金力が比較的脆弱であること等に由来するものというふうに考えております。 このため、今後さらに貯金の増強等系統金融機関の基盤の強化を図るとともに、沖縄の一部漁協においてはカツオ漁業等について不良債権を抱えているところもございますので、こういうものに対しては漁協信用事業整備強化対策の実施を通じまして、沖縄漁業系統金融の育成を図っていく必要があるというふうに考えておるわけでございます。
○委員長(高木正明君) 委員の異動について御報告いたします。 初村滝一郎君が委員を辞任され、その補欠として坂元親男君が選任されました。 ―――――――――――――
○山田耕三郎君 難産の末ではありますが、産まれようとしております新しい法人の運営についてお尋ねをいたします。 御承知のとおり、急激な円高のもとで低金利時代を迎えております。経常経費については基金の運用益や手数料収入で賄っておられることと存じますが、当然のこととして財務の状況は苦しくなってくるものと存じます。何よりも財務体質の強化が必要であると思いますが、当面今後の運営についてはどのようにお考えになっておいでになりますのか、お尋ねをいたします。
○政府委員(眞木秀郎君) 最近におきます三法人、これが新しく農林漁業信用基金と変わるわけでございますが、この現在の三法人の保険あるいは保証収支は、やはり委員御指摘のような厳しい環境を反映いたしまして赤字ということで推移をしているわけでございます。これまで我々も、この三法人の資金造成に必要な予算措置といったものを講じてまいりました。また、審査の厳正化とか求償権の回収の促進といったことを指導いたしまして、財務基盤の強化に努めてきたところでございます。 今後、この農林漁業金融の役割も増大をしてまいり、本制度の役割もますます重要になってくると考えておりますので、引き続き新しい法人につきましても財務基盤の充実確保に努めて、本制度の円滑、適正な運営を確保してまいりたいと、このように考えております。
○山田耕三郎君 次に、私はさきにある町の経済調査をいたしました。私が見ましたところ、古い家は新しく建ちかわっております、町はきれいでございまして、そんなに大きな家ではありませんけれども、カラフルな、どちらかといえばしょうしゃという感じを受けました。町の人の説明によりますと、この町は農業、沿岸漁業、さらに観光、この三つから成り立っておりまして、観光は上向きの事業であります。漁業は横ばいであります。農業は畑作主体でありますけれども、若干低下ぎみでございますということではありましたが、総体としては安定をいたしております。こういうことで町並みもきれいになりましたという説明をいただきました。 しかし、子細に検討をしてみますと、必ずしもそうは言えません。農業だけについて言えば、その多くが借金農家でございましたし借金の額も比較的多い方でございました。一番多いのは肉牛の肥育事業をやっておいでになる方であり、次いでは酪農家でありまして、一番少ないのは畑作農家でございました。市況の影響をもろに受けます度合いの大きい畜産業はやっぱり困難だと思いました。さらにまた、最近のように乳量制限を受けなければならない酪農家はだんだんと苦しさが増すのではないか。先ほどの御答弁にありましたように、最近は円高の影響で輸入飼料の価格が下がってきております。そういったことで畜産業の採算性が若干向上をいたしておりますということでありました。こういったことはまことに喜ぶべきことではありますけれども、しかし、これはそう楽観を許さない他の要因もあります。そして、その借金は借りかえによって経過をしておられるということから見ますと、安定しておるという中身はこういうことなのではないか、こうも思われました。 翻って、農業基金協会の業務状況を見てみました。特徴的なことがあらわれております。すなわち、近代化資金が減る一方で一般資金が増加そしておりますことと、代位弁済は増加の傾向にあり、その要因はやはり一般資金の代位弁済が増加をしておるからであります。さらに求償権残高を見てみましても、前年度比さらに二〇%の増加で、これは基金残高の三三%に相当いたしますという統計上の数字も出ております。また、保険協会の事業状況を見てみましても、保険の引き受け残高のうち一般資金が過半数の五四%を占めております。貸し付け事故は、畜産農家のみならず、一般耕種農家にも増加をしておりまして、農業を取り巻く状況の厳しさがこの辺にあらわれております。先般、テレビで放映されました「農家が破産するとき」を見ましたが、全く痛ましい限りであります。あれを見て、農協とても結果的には一般の金融機関と何ら変わりはないのではないかと批判をしておいでになります評論家がありましたが、規模拡大を主体とする行政指導に問題はありますと思いますけれども、あのように農家が倒産するまでに何とかならなかったのかと思いますと、政治の責任を感じます。 このような現実の中で、一つは、農業信用保証保険制度は今後どのような役割を果たしていくべきか、二つ目には、畜産農家の一部に見られるような農家の負債について、破局を迎えさせないようにどのような施策を講じておいでになりますのか、以上の二点についてお尋ねをいたします。
○政府委員(眞木秀郎君) 農業信用保証保険制度につきましては、これは農業者が農協等から農業近代化資金その他農業経営に必要な資金の融通を受ける際に、その債務を保証し、あるいはまたさらに、その保証につき保険を付するということによって全体の資金の円滑な融通を図るための制度でございまして、今後金融の果たす役割が増大していくものと見られる中、これに対応いたしましたこのような本制度の役割もますます大きなものになっていくと考えております。 したがいまして、今後とも県レベルの協会、中央段階での新しい農林漁業信用基金のそれぞれにつきまして、その財務基盤の充実確保に努めるなど、本制度の適正円滑な運用に努めてまいりたい、このように考えております。
○政府委員(京谷昭夫君) 畜産負債の問題でございますが、御指摘のとおり、畜産、特に酪農、肉用牛経営は一定の施設装備を必要とする部門でございますので、他の農業部門に比べまして資産額も大きいわけでございますが、その資産形成に伴う負債が比較的大きいということは事実でございます。 その償還につきましては、最近におきますコストの低下傾向、配合飼料価格の低下でありますとか、あるいは経営規模の拡大に伴います生産性の向上という事態を反映して、収益状況というのは昨今好転しているとの認識を持っております。ただ、そういった資産、負債あるいは収益性動向の中で、一部の経営に経営力とか技術力あるいは財務管理能力に問題等がございまして負債の償還に難渋をするケースもありますので、過去におきまして、酪農につきましては五十六年から六十年度にかけまして、さらにまた肉用牛経営につきましては六十年から六十二年度の期間にわたりまして、固定化負債の流動化のための肩がわり資金の供給を行ってきておるわけでございます。 今後、これらの諸制度で区切りはついたと思っておりますけれども、さらに個別経営の経営力、財務管理力というものを個別に強化していくという観点で、本年度から生産者団体等の協力のもとに個別指導を強化いたしまして、資金回転が円滑にいくような方途をまた考えていきたいということで、所要の措置を現在準備しているところでございます。
○山田耕三郎君 次に、林業と漁業とについてお尋ねをいたします。 林業につきましては、近年、木材不況は林業信用基金業務にも大きな影響を与えております。特に資金需要の低迷を反映して保証実績は前年より低下をしておりますということで、六十年度末の保証残高は前年度に比べて五%減であります。これに反しまして代位弁済は依然高水準にあり、求償権残高はますます大きくふえております。国産材の需要の低迷は、お金があれば、すなわち資金があれば何とかなるというような状況ではないところへもってきて、国有林野事業におかれましても、独立採算制という締めつけのもとで自己防衛に忙殺されなければならない状況が特徴的であります。こういったことから、需要は減っておりま すのにかかわりませず、代位弁済や求償権残高がだんだん膨れ上がってきておるという好ましくない状況にあります。 漁業においても、海外漁場の制約の増大、さらには水産物需要の伸び悩みによる魚価の低迷等で新規保証は減少を続けておりまして、ここにおいても、これに反し代位弁済や求償権残高はますますふえ続けて過去最高を記録しておりますということであります。ここにおいても、資金さえあれば何とかなるという状況ではありませんことは、林業と同様であります。 だから、農林水産行政の中で、林業と水産というのは大変な時代を迎えておるのではないか。これは金融部面だけのことでは解決のできる問題ではありませんと私は思いますので、こういった状況のもとで、政府とされましては、現在の厳しい環境の中にあって林業や漁業の経営活性化のための対策についてはどのようにお考えになっておりますのか、この機会に承らせていただきたいと思います。
○政府委員(田中宏尚君) ただいま林業の苦しさについてるるあったわけでございますけれども、そういう厳しい中で何とか林業なり木材産業全体の体質強化なり活性化を図りたいということで、昨年も林政審議会でいろいろと御審議いただきまして、去年の十一月に林政審議会から、将来の方策なり講ずべき施策というものにつきまして御報告をいただいているわけでございます。この御報告を踏まえまして、何といいましても、林業の場合には木材需要を拡大するということがいろんな政策の大前提になりますし、幸いにいたしましてここのところ住宅の新規着工戸数がふえるとか新しい動きがございますので、こういうチャンスを逃さずに需要の拡大に努めたいと思っておるわけでございます、 それに加えまして、造林でございますとか、あるいは林道でございますとか、こういう生産基盤の整備でございますとか、あるいは農山村で担い手問題というものも問題になってきておりますので、そういう担い手の確保、育成ということにも努めたいと思っております。それから、木材産業と山と一体としての流通なり加工の改善、それからさらに森林の場合には、単に木を切る場としてだけではなくて、レクリエーションでございますとか、いろんな総合的利用の動きも出てきておりますので、こういういろんな施策を積み重ねまして何とか林業の活性化を図りたいと思っておりまして、現在も森林・林業、木材産業活力回復五カ年計画ということで鋭意取り組んでいるわけでございますけれども、今後ともこういうものをてこといたしまして何とか林業の振興に邁進したいと思っておるわけでございます。
○政府委員(佐竹五六君) 中央漁業信用基金の現状につきましては、御指摘のとおりでございます。 この原因でございますけれども、これは二度にわたるオイルショックがあり、主要な漁業の資材である燃油が一遍に二倍、さらに六倍に高騰したということがございました。こうなりますと、通常の水揚げからは次の出漁資金がカバーできないということになりました。そこで、とりあえず三年程度で低利資金を融資して出漁させるということをしたわけでございます。これは将来魚価が上がるであろう、タイムラグがあって魚価が上がるであろう、三年ぐらいたてばそれを吸収できる程度魚価が上がるであろうという前提でやったわけでございます。第一次オイルショックのときは、四十八年でございますが、これは幸か不幸か米ソの二百海里に伴います五十二年、五十三年の魚価の上昇でカバーできたわけでございまして前提が当てはまったわけでございますが、第二次オイルショックの際には、これは所得の伸びがとまったこと、あるいは肉との競合があるというようなことで魚価が上がらなかったわけでございます。 そうなりますと、これはもう当然のことでございますが、一種の赤字融資にかるわけでございます。そこで大変な負債が、特に油をたくさん使います沖合・遠洋の中小漁業に累積したわけでございますが、私どもその中で見ておりますと、先ほどもちょっと触れたのでございますが、その中でも半分程度の経営は黒字を出しておるわけでございまして、赤字を出している経営は固定しているわけでございます。これは従来のとおり全部抱えていくということには無理があるのではないかということで、金融機関の審査機能を通じて、見込みのあるものについては長期低利資金を貸していく、それから、もう操業すればするほど赤字がふえるという経営については、この際、代位弁済を実行して負債を整理する、それで関係者が公平に損を負担する、こういうことで切りかえたわけでございます。 将来、魚価がどういうふうになるかということによっても異なってくるわけでございますけれども、魚価について言えば、最近では魚価が上がると消費が減るという傾向がはっきりしておりますので、むしろ現在の魚価を前提にいたしまして、それに耐えられるような強い体質の経営をつくっていくということで施策を運用しておりますし、またそれに耐えられるような経営が現に出てきておるわけでございます。それに次ぐものについては低利資金で経営の再建を図る、こういうような考え方で対応しておるわけでございます。
○山田耕三郎君 終わります。
○委員長(高木正明君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高木正明君) 御異議ないと認めます。よって、質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(高木正明君) 次に、昭和六十二年度における農林漁業団体職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案を議題といたします。 本案につきましては既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います、
○村沢牧君 まず、農林年金の年金額を改定する場合の要素について述べてください。
○政府委員(眞木秀郎君) 農林年金の年金額につきましては、国民の生活水準、賃金その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに改定の措置を講ずるとされておるわけでございます。したがって、これらの諸事情を要素として年金額を改定する、このようなことであろうかと思います。
○村沢牧君 そんな抽象的なことでなくて、一体何を要素にして改定をするのかもう少し中身について言ってください。
○政府委員(眞木秀郎君) 御質問の趣旨でございますが、例えば財政再計算等を行ってやる場合にどのような要素を考慮するかということでお答えしてよろしゅうございましょうか。
○村沢牧君 よくわからぬようですから、私が申し上げましょう。 昭和六十年の第百三国会で年金の大幅改定の案が提出されたわけであります。共済年金の改定基準は、従来の給与スライド方式から、厚生年金と同様に、消費者物価が五%を超えて上下した場合に自動改定をされる、あるいは物価スライド方式、つまり要素というのはこういうことじゃないですか。ただ、物価変動率が五%以内の場合には、物価と社会的、経済的諸要素を総合的に判断して政策改定をする。つまり改定をする要素というのはそういうことじゃないですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 委員が今おっしゃったような意味でございますと、まさに物価スライド方式に変わったわけでございますので、物価というのが非常に大きな要素である、このように理解しております。
○村沢牧君 私が今申し上げたんですが、改定要素はそれだけですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 最初にお答え申した中で、国民の生活水準、賃金その他の諸事情に変動が生じた場合には改定措置を講ずるということになっておりますので、賃金というものを年金額改定のための一つの要因として規定されていると理解をしております。
○村沢牧君 そうですね。先回の年金改定のとき政府の提出した案は物価スライド方式であった。しかし、国会審議に当たって我が党の強い要求、粘り強い闘いによって賃金も年金改定の変動要素に入れるという修正を行ったわけであります、私は今そのときの会議録を持っていますが、当時の委員会に竹下大蔵大臣の出席を特に求めて私はこういう質問をした。 年金額の改定ですが、従来は御承知のとおり賃金と物価の二つの指標があったわけでありますけれども、改正法では物価スライド一本になったわけなんです、これは国民年金附則修正との関連もありますので、物価スライド一本では矛盾をしている。したがって、賃金も指標の中に含めるように取り扱うべきであるというふうに思いますが、お考えをお聞きしたい。 これに対して竹下大蔵大臣は、 今、沢村さんおっしゃった趣旨も私どもは念頭にあるわけでございます。したがって、その辺は修正が妥当だというのは、原案が最高だと思って御審議いただいている私でございますので、そういう御意見も中に入っておるというふうに理解をいたしておるというふうにお答えをするのが、現時点の限界ではないか、 というふうな大回りしている答弁がありました。 そこで、こういう答弁があって、その後国民的な世論も盛り上がって、野党の強い要求もあって、最終的に賃金を改定要素に入れる。つまり年金法の第一条の二というのを新たに起こして「この法律による年金である給付の額は、国民の生活水準、賃金その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、速やかに改定の措置が講ぜられなければならない。」と新しく加わったわけですね、修正によって。局長、この経過は御存じですね。
○政府委員(眞木秀郎君) 議事録等読ませていただいております。
○村沢牧君 したがって、現行法は年金の改定要素には物価とともに賃金が入っている。ところが、提出された政府案は、六十二年度の共済年金の改定については物価スライド方式をとり、六十一年の消費者物価上昇率を基準として〇・六%の改定を行おうとするものであります。共済年金の前身である恩給が公務員の給与、消費者物価等を勘案して二%の改定を行うということは、午前中の参議院本会議でもう法案が成立したところであります。ところが、共済年金は政策改定で〇・六%の増額が行われるというにすぎない。これは不均衡じゃないですか。六十一年度の公務員の給与引き上げは二・三%です。この公務員給与の上昇率を考慮せずに、物価上昇率だけ考慮して年金改定をする、これは納得することができないですね。
○政府委員(眞木秀郎君) 賃金がその要素の一つになっているということでありますけれども、この賃金の取り扱いにつきましては、五年ごとに行います財政再計算時におきまして年金額の計算の基礎となる平均標準給与と、それから現役組合員との給与水準との均衡を図りますために、その年金額算定の基礎となっております過去の標準給与をその財政再計算時の直近の現役組合員の給与水準を基準に再評価をいたしまして年金額の給付水準の引き上げを図るということでございます。 したがいまして、次回の財政再計算時まで、これは六十四年ごろのベースで行われると考えられるわけでございますが、そのときにその給与の上昇率が反映した形で改定をされるものと理解をしているわけでございます。
○村沢牧君 そういう解釈だと国会で修正した意味に沿わないと思うんですね。 今、局長が答弁されたことはどこか条文に書いてありますか、法律上。
○政府委員(眞木秀郎君) 法律上書いてはございません。
○村沢牧君 ございません――法律上書いてない。じゃ、あなたの勝手な解釈ですね。
○政府委員(眞木秀郎君) 今申し上げたような改定の仕方について、これまでの例等今回の再計算時のやり方等につきましてこういうやり方でやっておりますので、そういうところで、この賃金がそのように扱われるというように理解しておるわけでございます。 また、今回の提案につきましては、五%を超えての物価の変動の場合には、この法律の規定によりまして、いわゆる政令で措置できる自動改定ということでございますが、五%以下のときには、今回のように諸事情を総合的に勘案をして、今回〇・六という物価の数字をそのまま使った形での引き上げを御提案している、こういうふうに理解しております。
○村沢牧君 私はまだそのことを聞いているわけじゃないんです。賃金を入れるということは、わざわざこの条文に修正をして一項設けられておるわけです。それを局長は、賃金というのは財政再計算をするときの要素だという答弁ですが、これは共済年金と横並びですが、政府の統一見解ですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 今回御提案の点につきましては、他の国共済等の制度と横並びと申しますか、同様の措置でございます。
○村沢牧君 私はそんなことを聞いているんじゃないですよ。賃金の扱いについては、局長がさっき答弁をしたようなことは政府の統一見解がどうかを聞いているんです。法的に見てもそういうふうになっているのかどうか。
○政府委員(眞木秀郎君) 国家公務員共済制度――国共済における制度がそうなっておりますので、それと同じということで申し上げたわけでございます。
○村沢牧君 恩給の場合は、賃金も考慮して決めたわけなんですよ。年金の場合は考慮を全然していない。法律的に言って、そのことが局長の解釈したような形でいいのかどうか、はっきりした見解を示してください。
○政府委員(眞木秀郎君) 先ほども申し上げましたように、今回のその〇・六……
○村沢牧君 今回はわかっているんだ。今回じゃないんだよ。今回はわかっているけれども、そういう解釈でいいのか。賃金をそういう扱いでいいのか。
○政府委員(眞木秀郎君) 賃金の扱いについて国共済の例に倣ってやるとした場合に、我々はそういうやり方をとると考えているわけでございますが、賃金が織り込まれるということを申し上げたわけでございます。
○村沢牧君 今まではそうだったかもしれぬ。しかし、今度は法律が改正になって初めての扱いでしょう。今後ともそういう解釈でいいのかどうか。なるほど従来は物価と賃金とを比べて上昇率の高い方をとった。しかし、今までとは違うですよ。
○政府委員(眞木秀郎君) 今回は、委員御指摘のように、まさにその〇・六%という物価上昇率を他の制度との横並びでそれを用いているわけでございますが、五%以内の場合は、その都度ごとのやはり物価、賃金等社会的、経済的諸要素を総合的に勘案して措置するというのが五%以内の場合の考え方であるというふうに理解しております。
○村沢牧君 そんなことをやっておったら時間がなくて後が続かないんですけれども、この法第一条に挿入した「賃金」というのをどういうふうに扱うかということなんですよ。今回はどういうふうに改定するかなんて、そんなことは承知しているんですよ。同じ答弁じゃもう質問できませんよ。
○政府委員(眞木秀郎君) この賃金を考慮するという場合には、私が先ほど申し上げましたように、やはり財政再計算のときにそれをきちっと反映させるということでございます。
○村沢牧君 ちょっと待ってください。その答弁じゃ納得できないです。それが法文のどこに書いてあるかといったら、書いてないというんでしょう。
○政府委員(眞木秀郎君) これは、先ほどもお答え申し上げましたように、国共済の方でそういう制度をとっておりまして、制度の横並びという点を考慮してそのように解しておるということでございます。
○村沢牧君 ちょっと待ってください。じゃ、国 共済の何条に書いてありますか。
○政府委員(眞木秀郎君) 失礼いたしました、 国共済の法律の規定ではなくて、そのようにやっておるということでございます。
○村沢牧君 冗談じゃない。だめだ、それは。質問できない、そんなことでは。 それじゃ、いつからやっているんですか。新しく国共済の法律が変わったんですよ。――ちょっと休憩してください。だめだ、そんなことでは。ちょっととめてくださいよ。統一見解を出してくるまで私は質問できない。
○委員長(高木正明君) 速記を止めてください。 〔速記中止〕
○委員長(高木正明君) 速記を起こしてください。
○政府委員(眞木秀郎君) 失礼いたしました。 第一条の二の規定に基づきまして財政再計算を行うときに、その必要な法律の条文等を改正を行いましてその中の額を改定する、そのように取り扱うというふうに承知をしております。
○村沢牧君 そうすると、第一条の二でやって、また法律を改正するんですか。また何かやるんですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 法律の計算をした結果によりまして、例えば標準給与等、第二十条現在ございますが、こういう額なり、これでいわゆる変動の結果を掛ける変化率といったものがございますが、そういうものを変更してこれを新たな賃金の変化を反映さした額として新たに規定をする、そのような取り扱いをするということでございます。
○村沢牧君 そういう取り扱いは農林水産省がするんですか、政府全体としてするんですか。農林水産省だけでできますか。
○政府委員(眞木秀郎君) 他の公的年金制度と横並び、同じ扱いとして我々もそれに倣ってやるということでございます。
○村沢牧君 倣うということは、どこでそれをやるんですか。そのことをやることになっているんですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 政府内部のこういうところに関係しておりますところでの統一的な考え方として、その運用の方針としてそういうものを持っておるというふうに承知しております。
○村沢牧君 その辺もあるわけじゃないですね。今後やる。大丈夫ですか、そんなこと。責任持ちますね。
○政府委員(眞木秀郎君) そういう方針でございます。
○村沢牧君 それじゃ、記録にとどめておきましょう。大臣もよく聞いておいてくださいね。 それから、これは大臣にちょっと聞くんだけれども、つまり賃金をこの年金の変動要素に入れるということは、いろいろ経過があって、大蔵大臣まで引っ張り込んできて、そしてやっと得た議員修正の、国会修正の条文なんですよ。したがって、国会の委員会では附帯決議で、政策改定を行うに当たっては賃金の変動という要素を十分明示をせよと、こういうことを付しているんですよ。附帯決議については、大臣も、御趣旨を尊重いたしまして十分やりますなんていつも答弁していますけれどもね。したがって、この得た趣旨ですね、この附帯決議を尊重するならば、もっと検討しなきゃいけなかった。今みたいなあやふやな答弁じゃ、私困ると思うんですよ。どういうふうに検討したんですか。附帯決議をどういうふうに尊重したんですか。
○国務大臣(加藤六月君) 私も国鉄年金その他、たしか昭和五十九年の年金改正に絡みまして、いろいろ当時大蔵委員会の関係として中へ入りましてその財源措置その他を講じまして何とかやっていかなくちゃならぬ、またあるいは年金の一階部分についての統一をどういうようにやっていくかという議論等もやり、二階建て部分、三階建て部分の特徴をどう生かしていくかということ等にも随分配慮し、そしてまた、当時財源が非常に厳しい厳しいという中で、今おっしゃいましたような問題等を検討したわけでございます。そうして、当委員会における附帯決議の重みを十分考慮しまして、いろいろ今回のこの改正案についてやったわけでございますが、先ほど来経済局長がお答えいたしておりますような経緯、経過並びに横並び等々の関係を配慮しまして、こういう案を提出さしていただいたわけでございますので、よろしく御理解のほどをお願い申し上げます。
○村沢牧君 時間が限られておりますから、課題として残しておきますよ、局長。今のあなたの答弁と農水省の方針については残しておきましょう。 そこで、年金改定要素に賃金の変動も入れるという理由と論議の内容、それに対する法修正もあった。そうならば、今後もそのようにすべきだ。具体的には、物価上昇率と賃金上昇率を比較して高い方をとるとかいうふうに私はすべきだというふうに思うんですが、しかし今後とも、局長の答弁でいくと、年金額の改定は物価スライド方式によって消費者物価の上昇率を基準としていくというふうに受けとめるんですが、今後ともそういうことなんですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 物価上昇率が五%以内のときは、その都度ごとの物価、賃金等社会的、経済価諸要素を総合的に勘案して措置をするということだと考えております。今回は〇・六ということでやるわけでございます。
○村沢牧君 それは知っているんですよ。じゃ賃金は今後ともやっぱり考慮しないということなんですか、先ほどから言っておるように。再計算のときだけ考慮して、この次には考慮しないということなんですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 今度の〇・六というのは、たまたまこの物価上昇率と同じ数字でございますが……
○村沢牧君 そんなことは知っているの。
○政府委員(眞木秀郎君) 判断をする、総合的に勘案するといった場合には、物価、賃金等社会的、経済的諸要素が入っておる。それとあわせて、先ほど申し上げましたように、財政再計算のときに賃金の上昇率の反映を行う、そういう理解でございます。
○村沢牧君 いずれにしても、昨年の公務員賃金の上昇率は二・三%ですね。しかし、今度の共済年金は〇・六%しかアップしてない。恩給は二%アップしている。不公平があるんですよ。ですから、賃金上昇率を考慮してないからこういうことになる。 そこで、百歩譲って、なるほど物価は安定している。下がって〇・六%だ。明年度以降においても、このような物価の安定の時期において、例えば五%に達しない場合においても改定をしますね。どうですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 今後の取り扱いにつきましては、勘案する要素というのは五%以内の場合でございますけれども、先ほど申し上げたような状況でございます。他の公的年金の措置との関連も十分考慮の上、適切に対処するという方針でございます。
○村沢牧君 それでは、恩給が上がった場合ですね、当然共済年金も物価上昇率が五%以下である、また賃金もそれほど上がらなかった。しかし、ことしのように配慮していくと、それは確認してよろしいですね。
○政府委員(眞木秀郎君) 来年度以降の扱いについて、私の方から今これを必ずやるというような形での御答弁はできないわけでございますが、今申し上げましたように、他の公的年金の措置等も考慮の上、私としては適切に対処したいと、こういうことでございます。
○村沢牧君 ここで確約しろといってもできぬでしょうけれども、その努力はすると。ことしやったんだから、来年できないということはないわけですね。農林水産大臣、責任を持ってひとつそういう形で努力をしてもらいたいんですが、説明は結構ですけれども、決意のほどだけお聞きしておきます。
○国務大臣(加藤六月君) 村沢委員のおっしゃるところはよく頭の中に入れておきます。
○村沢牧君 そこで、次は年金統合の関係なんですけれども、政府は昭和七十年度を目途に公的年金一元化を目指しており、そのことは閣議決定でもされているわけなんです。しかし、その内容は明らかにされておらない。本院、当委員会は、百三国会におきまして「公的年金一元化の内容及びスケジュールが依然として具体的にされていないので、できるだけ速やかに、その内容等につき明らかにすること。」、これも附帯決議をつけておるわけなんです。ところが、政府は今日に至るも一元化の姿なんか何にも示しておらない。これは全く無責任じゃないですか。一元化の中には農林年金も当然含まれるんですが、どういう今状態になっているんですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 五十九年から六十一年にかけましての基礎年金の導入を中心とした改革によりまして、一応給付面の一元化は図られたというふうに理解しているわけでございますが、今後負担面における制度間調整と、それから給付面におきますいろいろ細部の調整を図っていくということになっておるわけでございます。 これらの措置につきましても、今後各制度間にまたがりますいわゆるコンピューターといったような現業業務の違いによる問題等々ございまして、そういうものの諸条件を整えながら具体的な方法、内容等が検討されることになるものと考えておるところでございます。
○村沢牧君 なるものとなんて、人ごとみたいなことを言っちゃだめなんです、あなた。あなたは農林年金法の提案者なんですから、一元化をするときに農林年金はどういうふうにしますということを具体的に省が少しでも方向は出さなきゃ、年金受給者だって年金組合だって不安でならないんですよ。一体どこまで政府はそういうことを話をしているのか。農林年金はそういうところに加わっていないのかどうか。今までそういう一元化の方向について政府部内で話したことがありますか。農林年金が加わったことがありますか。
○政府委員(眞木秀郎君) この問題につきましては、やはりこれからの問題であるというふうに考えております。
○村沢牧君 これからの問題といったって、あなた、じゃお聞きしますが、国鉄年金がありますね、国鉄共済、これは六十四年度までは一定の方向を出しているけれども、それから先は全然わからない。農林年金も一部しょわなきゃならぬかもしれぬ一体そういうことだってわからないでしょう。しかし、一元化をするといって法律を改正したんだから、今日に至るも、今までやってないなんて、そんな無責任なことが言えますか。 局長は、じゃ、やってないとすれば、政府のほかの年金に対してどうしますかというぐらいなことは、やっぱり注文つけたり、やりましょうということを言わなきゃおかしいじゃないですか。
○政府委員(眞木秀郎君) これまでのところこの改革に伴う、これを軌道に乗せるためのいろいろな作業等があったわけでございますが、やはりその一元化に向けての具体的な話し合いというのはまだできてないわけでございます。 ただ、我々といたしましては、決して人ごとのような話として受け取っているわけではございませんで、やはり全体の公的年金制度との整合性と申しますか、外に出て農林年金がいろいろなことをやるという点については制約が大きいと考えておりますけれども、我々の問題として、例えば事業主とか組合員の意向なりそういうものを踏まえて、特にまた農林年金制度の設立の経緯とか、あるいは現状と申しますか、そういうものを踏まえて対処していく方針でございます。
○村沢牧君 そんなことはだんだん私も聞いていこうと思っておったんです。私の質問通告してあるから、先のことまで答える必要ないんでね。 だから、ちょっと待ってくださいよ。じゃ、いつごろまでに政府としては一元化の方針を出そうとしているのか、あなた知っていますか。
○政府委員(眞木秀郎君) 七十年に向けて一元化を検討するということであります。
○村沢牧君 向けてというのは、七十年になるまで黙って見ておるんですか。農水省も農林年金の主管をしている大事な省なんですよ。昭和七十年には一元化しなきゃならぬけれども、一体どうなっていくのかということをまずみずからの問題として考えなければ、厚生年金がこういうふうになったから横並びで結構だ、私学がこうなったらそれについていきましょうと、そんなことじゃ全く無責任だと思う。今後はっきりしますか、その辺は。
○政府委員(眞木秀郎君) 我々として決して主体性を薄めると申しますかそういうことで考えているわけじゃございませんけれども、他の制度との問題もございますので、それとも調和をさせながら、やはり我々は我々なりの主体的な努力というものをその中に入れていくということであろうかと考えておるわけでございます。
○村沢牧君 これは大臣、国務大臣として、御承知のとおり、国鉄年金の問題もすぐ出てくるんです、目先へ。そして、共済年金はどうするのかという問題まで来ますね。私の承知している限りでは、一元化と言っているけれども、ほとんど論議をされてないように思うんですけれども、国務大臣としてやっぱりこれは進めなきゃいけないというふうに思いますが、もちろん中曽根内閣でできる問題じゃないと思いますけれども、このくらいのことはどうでしょうか。
○国務大臣(加藤六月君) 一元化の前に、今先生御指摘のような国鉄の超成熟化問題がございまして、国鉄年金、最初は六十四年までもたすと言っていたのが、急激な変化をしまして、六十三年ぎりぎりまでもつかもたないかという議論は当参議院においても随分していただいたところでございます。そして、六十四年、六十五年の国鉄の年金をどうするかということ、それは他の共済年金関係全体との関連をどうするかという問題等もあります。 そういう問題をひとつ解決して、そして一元化に向かっていくというようになるのが今の筋ではないだろうかと考えておるわけでございます。そうして、ただいま審議していただいております当共済関係の問題におきましても、そういう問題を視点に置きながら、農水省として主体性を持って前向きに検討、勉強していくという考え方が今の時点において申し上げられるところではないかと考えておるところでございます。
○村沢牧君 ですから、一元化といっても随分その作業や検討がおくれている。これは簡単にできませんよ、一元化やるといったって。関係者の意見も聞かなきゃならぬし、国民の世論もある。ですから、やるという準備は進めていかなきゃいけないということを強く申し上げておきましょう。 そこで、一元化に向けてまず農林水産省としての農林年金に対する考え方を聞いておきたい。つまり、さきの改正によって基礎年金の土台の部分ですね、これは一元化された。その上に立って二階建ての部分あるいは三階建ての部分、これをどう調整していくかということがまた問題になってきますね。 そこでお聞きしたいことは、調整の方法は初めから制度を統合してしまうのか、共済という、農林年金という特色を生かして制度を残したまま調整を図るということになるのか、農林年金はいずれの方法をとるべきだと思いますか。
○政府委員(眞木秀郎君) 今、委員御指摘のいわゆる二階建て部分と申しますか、厚生年金の部分、あるいは三階建て部分の職域年金部分を今後どのように調整していくか。御指摘のとおり、制度全体の一元化をするか、あるいはまた、それぞれの制度を存続させて給付を一元化するかというのも重要な検討課題であろうと考えておるわけでございます。 農林年金がやはり他の制度との整合性の外に出るということは難しいわけでございますけれども、農林年金が発足いたしました当時の経緯、農林漁業団体の優秀な人材を確保するというねらいが損なわれないようなことがまず基本にあろうかと考えておりますし、先ほどちょっと先走ったとおしかりを受けましたけれども、主体的な取り組 みという中でそういう設立の経緯なり趣旨、それからまた現状、職員の方々、それから積立金の問題、それからいろいろ福祉の事業等をやっておるといったような、そういう現状も踏まえて対処をしてまいりたいと、このように考えております。
○村沢牧君 対処しなければならないし、対処することはわかりますよ。いずれかの時期にやらなきゃならない。一体農林年金が、今局長からも話がありましたような設立の趣旨、あるいはその後農林年金の関係者が努力して、ともかく公務員の共済制度に遜色のないようにまでしてきた。この農林年金が今後公的年金の一元化によって職域年金としての特殊性が薄くなってしまう、農林年金の魅力もなくなってしまうんではないか。まあ、それもやむを得ないのか、あるいは農林年金の独自性というのはこれを発揮していくことができるのか、した方がいいのか、そういうことについてやっぱり農水省当局が、農林年金を預かるあなた方がそういうことを検討して腹を据えておらなきゃ、一体一元化といったって話にならないじゃないですか。どうなんですか。そしてそういうことについて、農林年金関係の団体もあるから、そういう意見も聞いたことがありますか。
○政府委員(眞木秀郎君) 御指摘のとおり、農林年金制度の設立の趣旨である優秀な人材確保ということで独立をしているわけでございます。現在いわゆる農林年金の独自性ということで職域年金部分を設定したり、あるいはまた、その資金の運用面につきましても自主的な運用の範囲が非常に広いということ、あるいはまた組合員のニーズに合った福祉事業の実施ということをやっているわけでございます。こういう趣旨なり現状というものが損なわれることがないように努力をしていきたいということで、内容は同じでございますけれども、この一元化を検討する場合にそういう設立の趣旨が損なわれることがないように努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○村沢牧君 つまり、農水省の見解としては一元化すると。最初に全部一元化しちゃって、農林年金もそれに横並びだということじゃなくて、共済制度の持つ特色を、独自性を生かしていく、それが農林水産省の基本方針だというふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 先ほど申し上げましたように、他の制度なりそれとの整合性の問題、そういう問題と絡めて今後一元化の検討が進められているわけでございます。我々といたしましては、今申し上げた独自性なり設立の趣旨といったものが損なわれないよう、そういうものが絡んで議論される中で努力をしてまいりたいと、このように考えております。
○村沢牧君 どうも局長、これは六十年の百三国会ですか、その問題についても論議をした。しかし、農林年金の設立の趣旨から、また独自性から、そういう一元化の場合においてもこの特色は生かしていくし、共済制度の特色というか、これは保っていきたいと、当時の局長は答弁しているんですよ。だから、あなたになったら極めてあいまいになってきた。最初の年金の大幅改正のときにはそういうこと言っておって、今になってきたらそんな抽象的な答弁じゃだめですよ。
○政府委員(眞木秀郎君) 繰り返すようで恐縮でございますが、気持ちを込めてそういう設立の趣旨が損なわれることがないようにその辺努力をしてまいりたいと申し上げておるわけでございます。
○村沢牧君 そこで、一元化に向けてこういう問題が出てくるわけですね。厚生年金では、六十五歳になると被保険者から除外をされ、働いていても一〇〇%の年金が支給される。しかし、共済は退職主義をとっておりますから、退職しない限り年金は支給されない。また、給与所得による年金の支給制限は厚生年金にはない。したがって、厚生年金受給者が共済グループで働く場合もあるんですが、そういう場合には支給制限を受けない。あるいはまた共済年金受給者が、逆の場合は、これは支給制限を受けるという、こういう不合理性が出ているんですね。年金一元化に当たってはこの問題をどういうふうにしますか。
○政府委員(眞木秀郎君) 委員御指摘のように、そういうような厚生年金と共済年金との間に違いというのがございます。先ほど一元化への検討の中でいろいろ再度の調整を行う必要があると申し上げたのも、そういう意味合いでございました。 いずれにいたしましても、今後の一元化に向けての検討の中で厚生年金、共済年金それぞれ歴史を持っているわけでございますし、その設立の趣旨等十分踏まえまして、関係者の意見も十分に伺いながら調整をしてまいりたいと考えております。
○村沢牧君 いずれにしても、農林年金が不利な立場にならないようにひとつそういう調整を図っていく、当然のことであるというふうに思いますから、強く要求しておきます。 それから、農林年金の健全な運営を図るためには、加入団体数や組合員数の増加、充実を図る必要がありますけれども、団体数は年々減少している、あるいは組合員数も、現状と将来の見通しから見れば、とても明るい展望は持てない。 そこで、農林年金の加入団体は第一条によって法的に限定されている。したがって、農林漁業団体を包括したものにはなっていない。厚生年金等のいろいろ線引きの問題もあるでありましょうけれども、農林年金の基盤強化を図るために必要な団体はその加入を認める方向で検討すべきだと思いますが、どうなんですか。
○政府委員(眞木秀郎君) 御指摘のとおり、今後、農林漁業団体全体の組合員数の増加が期待できない。その一方でまた老齢化が進むということで、年金財政非常に厳しい状況を迎えるというわけでございます。しかしながら、この加入団体につきましてこれをまた新たにどんどんふやしていけばいいという御意見につきましては、やはり途中でほかの年金に現在入っている団体がこちらに移行するということについては、またそれなりのいろいろな問題も生じてくるということもございますので、慎重に考えなければならない問題ではないかと考えております。
○村沢牧君 先ほど来、農林漁業信用基金法が審議されていましたね。ここで、例えば農業信用保険協会は今まで農林年金であったけれども今度厚生年金にしますと、いとも簡単にあなたは答弁しているわね。政府のやることだったら、こっちの農林年金の方を外しても厚生年金へ持っていく。しかし、一般からはそういう要求があっても、それは法律に決められておるからだめだと。例えば、このことを、この農業信用保険協会が厚生年金に行く場合には法律を改正しなければならないでしょう。あなたのやることだったらどんどん簡単にできるけれども、こっちから要望があれば、それはだめだと。そんなことはだめですよ、それは。
○政府委員(眞木秀郎君) この新しい農林漁業信用基金につきましては、今回の三法人の統合によりまして、いわゆる政府の関与度が増すといったようなこととか、これまでの幾つかの要件が変わってまいりましたので、今御指摘になられたような扱いになるということであろうと思います。
○村沢牧君 ですから、私が言いたいことは、政府の御都合によっていろいろ統合するとかなんとかというのはいとも簡単にできる、やる。しかし、私たちが要求しても、難しい難しいという答弁で今まで繰り返しておるんですよ。ですから、そういう要求があるところに対して本当にできるのかできないのか、もっとやっぱり前向きに検討しなければだめだというのですよ。 そこで、それは百歩譲って、法改正ができないとしても、パートタイマーや臨時雇いについては年金加入資格を有する者がある。これは必ず加入手続をとるように、厳正的確な指導をする必要があると思いますが、組合員資格のある者でまだ加入していないというような実態はどうなのか加入指導についてはどうなのか。これも先回から何回も言われている問題ですが、これについてはどういう努力をしているのか。
○政府委員(眞木秀郎君) いわゆるパート、臨時職員でこの農林漁業団体、農林年金の対象になっ ておるその団体に使用されている方々、これは二カ月以内の期間を定めて使用される方、そういう方が一部を除きましては農林年金の組合員になっているわけでございます。従来からその臨時職員のうち農林年金の組合員資格を有する者につきましては、できるだけ早く組合加入手続をやってくださいということで、各団体の担当職員の研修、広報活動等を実施してその加入促進に努めているわけでございます。 なお、さきの六十年改正におきまして、組合員期間の計算方法が組合員期間を一年以上有していないと年金額の計算の基礎とされなかったものが、一年未満でございましても、他の年金と通算して二十五年以上あれば年金の基礎とされるということになりましたので、昭和六十一年度におきましては、三十歳から五十歳未満の層の組合員資格取得者が増加をしております。 数で申し上げますと、五十九年が五千百四十八名でございましたが、六十年度が六千五百七十二名、六十一年度は八千五十四名となっております。全体的な臨時職員の動向について正確な数字はまだ把握しておりませんが、このようなところを見ましても、組合資格取得者が増加しており、これは臨時職員の加入者の増加によるものではないかと考えられるわけでございます。 農林水産省といたしましても、この団体に対しまして今後ともひとつ加入促進のため指導に努めてまいりたいと思います。
○村沢牧君 それはぜひやってください。 そこで、私は次の一、二の問題について具体的に伺いたい。 農協職員の福利厚生事業を行っている団体に農協健康保険組合、また農協役職員退職管理組合等があります。御承知のとおりだと思います。これらの団体の職員は農協職員と同じような立場にある。ある面では農協職員と言ってもいいわけなんです。ところが、年金は、農協職員は農林年金、私が申し上げたような団体は厚生年金となっているんですね。したがって、こうした団体の職員に対しては、その身分を保証するために、ある地域によっては、ある県によっては農協の出向や嘱託員として農林年金の組合員にしているところもあると聞いているんです。こんな無理をしなくても、こういう全く農協と同じような人は、これは団体の性格からいっても、業務の内容から判断しても、農林年金の適用者として認めるべきではないか。 ですから、先ほど来この信用基金法で言っているけれども、信用保険協会ですか、これは五十数名だと思いますが、これは厚生年金に移すということでしょう。こんなのは農林年金へ入りたいということになれば、やっぱり入れたっていいのじゃないか。そのぐらいな検討ができないのかどうか。
○政府委員(眞木秀郎君) ただいま言われました健康保険組合あるいは退職金共済会、確かに農林漁業団体の福利厚生の仕事に従事されているわけでございますが、例えば全中が入っております健康保険組合は、またこれは直接農林漁業団体とは関係のない経団連等の民間団体がそこの中に加入しておると、そういうようなこともありますし、また退職金共済会につきましては、厚生年金の対象団体とされてきておりますいわゆる民法法人で構成がされているというような事情がありまして、なかなかこの法律を改正してこちらに入れるということが難しいというような状況にあることを御理解願いたいと思います。
○村沢牧君 局長、実態はよく理解してくれますね。同じ福利厚生団体におる職員が、片方は農林年金、片方は厚生年金。農林年金の人たちはやっぱり農協から出向という形をとって、嘱託という形をとって農林年金でやっておると思うけれども、いずれにしても、同じ職場におって農林年金と厚生年金と先ほど申し上げたように違いもある。私は、将来から見てどっちに入ったらいいか、それはわかりませんよ。しかし、あなたが言うように、私が指摘をするように、農林年金は厚生年金よりもいい制度に一元化になってもしていくんだと、そういう趣旨からするならば、加入者もやっぱりふやさなければならない現状ですから、そういうことについて実態をよく調査をして、それらの団体の意見も聞いて、どうすべきか、これは前向きにひとつ取り組んでもらいたいというふうに思いますけれども、初めからだめだだめだなんて、そんなことじゃだめですよ。
○政府委員(眞木秀郎君) この点につきましては、これまでのほかの年金にもう既に入っておるというようなこともありまして、いろいろの事情があろうかと思いますけれども、一度実態についてはよく調べてみたい、検討してまいりたいと思います。
○村沢牧君 ぜひそのことを調査してもらいたい。それは申し上げておきますけれども、出向や嘱託で農林年金へ入っているのはけしからぬなんて、そんな調査はだめですよ、やぶ蛇になりますからね。そんなことは私はさせませんからね。だから、加入者をふやすような形で調査をしてもらいたいですな。 次に、財政の問題ですけれども、農林年金の成熟率は私学共済や厚生年金に次いで低い率となっているけれども、今後の財政状況は大変に厳しいものがあるというふうに思うんです。五十九年度には制度発足以来初めて給付金が掛金収入を上回った。六十一年度四月からは掛金率を千分の二十五引き上げて百三十四としたけれども、これによって掛金収入が給付水準を賄えるところまで回復することは絶対保証できない。したがって、積立金の運用収益や国庫補助金等すべて当年度の年金給付に回さなければならないようになってしまうんではないか、積立金も減額をされてくるんではないか、こういうことが心配されるわけでありますが、年金財政の展望とその対応について、時間もありませんから簡潔にわかりやすく答弁してください。
○政府委員(眞木秀郎君) 現在の財政状況は、成熟率とかあるいは年金の収支率、給付に対する積立金の倍率などを見てみますと、私学共済、厚生年金に次いだところにございまして、それほど悪い状態ではないと考えますけれども、急速に成熟率が高まっておるというような状況でございまして、例えばこの成熟率一つをとってみましても、昭和六十年に一九%であるものが、昭和七十五年には二九%程度、昭和八十五年には三八%程度になると考えられるわけでございます。 将来の財政の問題にいたしましても、現在の千分の百二十四という掛金率を据え置きまして推計をいたしてみますと、七十二年度には収入総額を支出の方が上回る。以後、仮に、実際にはそういうことはなかなかできませんけれども、どんどん積立金だけを取り崩していくというようなことになりますと、昭和八十二年度ごろには積立金ゼロというような非常に厳しい計算が、結果が出てくるわけでございます。 このようなことから、まず各世代間の公平性に配慮しながら計画的にやはり対応していくという、年金財政の長期的な健全性を確保していくということが重要であると考えておりまして、掛金率の問題につきましては、そういう観点から、やはり非常によくそういう先の方を考えながら対応していかなければならないということであろうかと考えております。そのほか、また全体の運営の合理化なり効率化について努力すべきことはもちろんであろうかと、このように考えております。
○村沢牧君 いずれにしても、年金財政の展望は大変厳しいものがある。将来、掛金率だとか物価上昇、賃金上昇もいろいろ仮定して考えなければはっきりしたことは言えないというふうに思うんですけれども、それにしても掛金率がどんどん上がってくる。最近の農協の経営状況を見ても、この団体の負担だって容易ならざるものが出てくるわけですね。それらに対してどう対応していくのか。きょうはこういう質問をしても的確な答弁はできないというように思うんですけれども、してくれますか。
○国務大臣(加藤六月君) 年金全体につきまして、我が国の急激な高齢化社会というものでは、それぞれの年金がある面では共通の問題点、悩み を持っておると思うわけでございます。そういう中で、先ほど来お答え申し上げておりますように、農林共済の関係の設立の趣旨、目的等を十分考えながら、またある面では横の方をにらみながら今後やっていかなくてはならぬときに来ておる。 したがいまして、年金全体としての問題、農業共済としての特徴を生かすという両にらみで私は今後考えていかなくてはならないというふうに考えておるところでございます。
○村沢牧君 ぜひそうしてください。 それにしても、大臣、こういう年金の将来が大変なときですから、行革関連特例法によって減額された団体補助金、いわゆる四分の一カットですね、これらについては利子をつけて返すということがこれは政府の約束なんですから、あるいは本委員会でも附帯決議もつけておるんです。各年金横並びであろうけれども、農水大臣は実力者ですから、このぐらいのことは来年度予算でやらしてくださいよ。どうですか。
○国務大臣(加藤六月君) カットしたり、あるいは政府が特殊な基金から特別な借り受けをしたもの等々あるわけでございますけれども、農林年金の国庫補助金の縮減部分の利子分については、元本返済の際、その得べかりし利子の収入も含めその返還を財政当局と折衝をしていく考えでございますが、この問題については、先ほど来いろいろ申し上げましたが、公的年金制度全体に関連する問題でもございますので、関係省と十分協議してまいりたいと考えております。
○村沢牧君 そこで、中曽根内閣の公約としておった六十五年度赤字国債脱却がまただめになってくる。したがって、こっちの方もそんなにうまくいかぬよというようなことをまた言い出すに違いない。違いないと言っちゃいかぬけれども、言い出しちゃ困る。もっとも中曽根内閣はそんなに続かぬというふうに思いますけれどもね。 そこで、利息をつけて返すということですけれども、利息がまた、ただ私はその場合に皆さんに特に要望して答えてもらいたいんですが、農林年金の運用利息ですね、現在七・五か七・六というふうに思いますけれども、それ以上の利息でなくちゃ困りますね。その辺はひとつそういうふうに取り組みする、やるというお答えいただけますか。
○国務大臣(加藤六月君) 低金利時代になかなか難しいことでございますけれども、国際、国内に目を配りまして、その運用を効果的なものとして最大限の運用利益を出していくように頑張っていかなければならぬと考えておるところでございます。
○村沢牧君 最後に、これはやっぱり財政に関係いたしますけれども、私は、農林年金財政と農協と相互扶助のこの補助金とは直接関係があるとは申し上げませんが、これも六十二年度は大臣も頑張ってくれて存続さした。来年度においても存続をさしていく、その決意もひとつ伺っておきたいと思います。
○政府委員(眞木秀郎君) 我々この相互扶助事業は大変重要なものであると考えているわけでございまして、今後ともこの事業の一層の充実を図るという観点から、必要額の確保につきまして努力をしてまいりたい、このように考えております。
○村沢牧君 時間ですから終わります。
○委員長(高木正明君) この際、加藤農林水産大臣は衆議院農林水産委員会及び本会議に出席するため、五時四十五分まで休憩いたします。 午後四時三十二分休憩 ―――――・――――― 午後五時四十五分開会
○委員長(高木正明君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 川原新次郎君及び熊谷太三郎君が委員を辞任され、その補欠として守住有信君及び宮崎秀樹君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(高木正明君) 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○刈田貞子君 大臣、お疲れのところまことに恐縮でございますが、よろしくお願いをいたします。 私は、農林漁業団体職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案を審議するに当たりまして、これまで農林年金というものが果たしてきた役割というようなもの、あるいは存在意義と申しましょうか、そういったものについてお互いに認識をし合ってみたいと思いますので、大臣からその見解をまず伺わせていただきたいと思います。
○国務大臣(加藤六月君) 農林年金制度は、農林漁業団体が農林水産業の発展と農林漁業者の地位向上という政策的にも重要な役割を担っている点に着目しまして、市町村の職員等に劣らぬ資質のすぐれた役職員の確保にも資するようにとの意図のもとに、昭和三十四年に厚生年金から分離発足したものであります。農林漁業をめぐる情勢が一段と厳しさを増している中で、その振興を図るためには、農林漁業団体の果たす役割が今後大いに期待されているものであります。 今後とも、農林年金制度の設立の趣旨に即しまして、その発展を図っていくことが農林水産行政推進の上において必要であると考えております。
○刈田貞子君 そこで、今回の改定についてのことをお伺いするわけでございますけれども、先ほど来同僚委員からいろいろ細かいお話が出ておりましたわけですが、私も、六十年の年金大幅改正以降の初めての改正であるということで、いろいろこの年金の問題について周辺問題を調べてみたわけでありますけれども、今回一番気になりますのは、言葉じりを一緒にそろえるわけではないのですけれども、年金の改定に当たって物価スライドをするか、あるいはまた給与スライドをするのかというようなテーマは大きな課題であろうと思っていたところで、今回のこの改定の条件として、本来であれば、物価変動が五%を超えればこれは自動的に上がるわけですね。これが、今物価が非常に安定しておるということで、物価上昇は〇・六%ですか。そういたしますと、この安定しておると一般的にも言われております。その中にあって、なおかつ今回この特例措置をとる、〇・六%アップということの意味をやはりここで確認しておきませんと、これが、先ほど来お話がございましたように、毎年それなら続けますのですかと、こういうことにもつながっていくわけでございますので、この今回の物価変動というものをにらみながら特例措置をとったということについて、もう一度お伺いします。
○国務大臣(加藤六月君) 今回の改正は、従来もやってきたことがあるわけでございますが、その実質的価値を維持するため、社会経済的諸情勢の変動に対応して、必要に応じ、適宜改定の措置を講じてまいったところに従ったものでございます。 そして、今回の額の決定は、厚生年金、国民年金、国家公務員等共済などにおける措置に準じまして、昭和六十一年の物価上昇率を基準としまして〇・六%の引き上げを行おうとするものでございます。
○刈田貞子君 私は、この退職者年金の額をいただいた資料で拝見しますと、今平均約百四十九万でございます。この百四十九万を〇・六アップで掛けてみますと八千九百四十円になります。そうすると、これが月額に直しますと七百四十五円アップするということになるわけで、この百四十九万、月額では十二万四千百六十六円になりますから、その上に七百四十五円が加わって十二万四千九百十一円、こういうふうに相なるわけでございますけれども、この金額でただいまおっしゃったことの趣旨がクリアできますでしょうか。
○国務大臣(加藤六月君) 受給者でございますから高齢者でいらっしゃいますけれども、物価〇・六%アップに対応したものでございますが、使いようにふっては七百円でも非常に生きた金になる場合がありますし、使い方が下手な場合には、子供や孫にせびり取られてしまって自分の懐に残らない場合もあったり、いろいろあると思いますけ れども、要は、先ほどお答え申し上げましたように、実質的に給与の額を確保するという立場からいっておるわけでございますから、よろしく御理解のほどをお願い申し上げる次第でございます。
○刈田貞子君 それで、私もたくさん御通告申し上げてあることはございましたけれども、時間の関係と、それから先ほど来の先輩議員の御確認なさった事柄がたくさん出てまいりましたので、それを皆割愛いたしまして、しかし、なおかつ私の立場としてお聞きしたいことを聞いてまいりたいと思います。 次に問題になりますのが、先ほど来のお話にも出ておりましたように、さきの行革関連特例によって農林年金に対する国庫補助が四分の一カットされているという問題でございまして、これもこの組合の代表の方が来られまして、やはりこのことについては今回どうしても確認をしておいてほしい、こういう要請もございました。これが四年間、五十七年度からでございますから、五十七年度は何とそのカット分四十五億ですね、私これ計算さしていただきましたら四十五億、それから五十八年が五十一億、それから五十九年が五十七億、六十年で六十五億というふうなカット額でございますね。トータル四年間で二百二十一億弱という、こういう額がカットされておるわけでございまして、これはこの組織の将来展望等を考えておられる幹部の方たちにとっては大変に気になる、そして頭の痛い課題であろうと思いまして、その先行き、先ほど来お話ございましたけれども、やはりその返済の時期は一体どうなるのであろうか、それは見通しが大体つくのかつかないのかということと、それからまた、その返済に当たってはその利率、利回りをどのようにして返してくれるのかというようなことが、やはりどうしてもここの話が出てまいります。 このことを御確認させていただきたいわけでございますけれども、この組合としても四分の一カット、抜いてしまった後で、この四年間で七百八十六億の収益を自分たちで生み出しておりますね。これは自助努力でやっております。ですから、とにかく資金を蓄えておかなければならぬということで言われておりました。ぜひこの返済の時期、見通し、そして条件、こういうものがどうなるのか、私にも再度伺わしていただきたいと思います。七・六五、七・六九あたりの利回り運用、これ以上のことでお返しいただけるのか、あるいはそれよりずっと低いものであるのか、その辺のところも含めて御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(眞木秀郎君) 今、刈田委員御指摘の縮減額、これを返してもらう問題は、これは国の財政事情を勘案しつつ適切な措置を講ずるということでなっておるわけでございますけれども、その具体的な返還の時期あるいはまたその方法につきましては、政府として目下財政再建を推進しているという最中ではございますけれども、この国庫補助が農林年金の財政にとって不可欠な位置づけにあるということにかんがみまして、農林水産省といたしましても、縮減された元利相当分につきまして早急に補てんがなされるよう財政当局とも折衝をしてまいりたい、このように考えております。 ただ、そのときに利息分につきましてどの程度の水準になるかというような点につきましては、これはまた今後折衝の中で明らかにしていかなければならないと思いますけれども、得べかりし利子を含めて返してもらうということは当然であろう、このように考えております。
○刈田貞子君 先ほど局長のお話の中にも、成熟率というのは年々高まっていく、一九%、二九%、三八%ですか、おっしゃっておられました。それで、パンクの状態にもなりかねないのだというお話でございますね。ですから、やっぱりこの手のものが大変組織としても気になるところであることはよく御理解いただきまして、今折衝していくつもりでございますとおっしゃられましたけれども、これはつもりではなくて、もう毎日言ってほしい。本当はきょうは大蔵当局お見えになっていただくとよかったと思っておりますけれども、これは大変押しの強い農水大臣、大変お立場はお強くいらっしゃいますから、ぜひ大蔵当局にこの辺の農民たちの気持ちをお伝えいただきたいと思いますけれども、大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(加藤六月君) 本日、この法案を審議していただくに際しまして、先生方から強い御意思があったことを外しまして、今後折衝に当たりましては鋭意努力いたしたいと思います。 なお、若干答弁が外れるんではないかと思いますが、たしか昭和五十八年度におきまして、自動車損害賠償保険の運用益の積立金の国が借り入れをいたした分につきまして、まずスタートとして昭和六十一年度予算において何がしかをお返しするということ等もやってきた経過もございます。ただし、これは行革特例法に基づいてやったわけでございますから横並びの件もございますけれども、一生懸命やっていきたいと考えております。
○刈田貞子君 それから、先ほど積立金運用収益七百八十六億というお話をいたしまして、そして大変けなげな自助努力をなさっておられるということを申しましたんでございますけれども、これは質問でございますが、その資金運用ということに当たって何か制約がございますか。
○政府委員(眞木秀郎君) 農林年金の資金運用につきましては、資産の増加額の三分の一は政府保証債を取得して運用するということが義務づけられているほかは、証券投資信託の受益証券の取得等に枠の制限はございますが、まずほとんど自主運用できるという形になっております。
○刈田貞子君 前年からふえた分の積立金の三分の一は政府保証債を買わなければならないという制約ですね。
○政府委員(眞木秀郎君) 資産の増加額の三分の一ということでございます。
○委員長(高木正明君) 局長もう一度。
○政府委員(眞木秀郎君) 資産の増加額の三分の一は政府保証債を取得して運用するということが義務づけられているほかは、証券投資信託の受益証券の取得等に枠の制限はございますが、ほとんど自主運用ができることになっております。
○刈田貞子君 この資金運用の状況を見ますと、有価証券に対する投資が一番多うございますが、今これは枠があるとおっしゃいましたか。
○政府委員(眞木秀郎君) 枠がございますのは、証券投資信託についてでございます。
○刈田貞子君 もう少し詳しく教えてください。
○政府委員(眞木秀郎君) 枠の制限につきまして、証券投資信託の受益証券、それから株式の取得並びに特定金銭信託により運用する場合は、それぞれ給付経理の資産の価額の十分の一を超えてはならないという規定になっておるわけでございます。
○刈田貞子君 いずれにいたしましても、受給者はふえていく、そしてこれを負担する者が少なくなっておる現状にあって、やはりこうした資金運用の状況等を種々検討されておるということを先般伺いました。こうした努力を大変に重ねておられることを知って私も大変びっくりしたわけですけれども、こういうことについてもやはり国は配慮をしていかなければならないのではないかというふうに思った次第でございます。 それから、次の問題です。これは六十年の大幅改定のときにつきました附帯決議の中にあったことです。そこにありましたもので、「年金の支給開始年齢の引き上げに対処し、」という問題がございまして、これも実は現場からの声として、定年延長に対する指導を何とかしていっていただかないと、支給開始年齢と定年との間にすき間があいていきます。六十年の年金改正のときには、七十年までの間に六十歳に持っていくわけですね。そうすると、やはりこの定年延長についてもかなりの配慮をしていかなければならないというふうに思います。ちなみに今農協の例でいきますと、男子が五七二八、女子が五六・七が平均だというふうに調べてまいりましたけれども、今後こうしたことへの配慮はいかがお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(眞木秀郎君) 今、農協の定年の状況について言及されましたけれども、我々がこの職員の平均定年年齢につきまして、全中の調べによって昭和六十年八月で把握しておりますのによりますと、五十八・三歳ということになっておりまして、これは五十七年八月の調査におきます五七・七歳から漸次延長されてきておるわけでございます。我が国全般の高齢化社会への移行、それから農林年金の支給開始年齢に対応するというそういう観点から、農林水産省といたしましても農林漁業団体に対しまして、その職員の定年年齢の延長につきまして、従来から通達を発する等によりまして指導してまいっております。 他方、農林年金の支給開始年齢につきましては、さきの制度改正におきまして、昭和七十五年に六十歳としている経過措置を短縮いたしまして、七十年に六十歳になるよう改正が行われたところでございますけれども、その経過措置は、昭和六十一年七月から六十四年六月までは五十七歳ということになっております。したがって、現時点において、先ほどの調査結果と照らし合わせますと、平均定年年齢はこの五十七歳を少し上回っておるという状況にございます。 この定年年齢の延長の問題につきましては、この年金の支給開始年齢も念頭におきまして、今後労働省とも連携をとりながら適切な指導を行ってまいりたい、このように考えております。
○刈田貞子君 最後にお願いしておきたいのは、これから年金は、もう年をとっていく者にとって何物にもかえがたい一つの暮らしの糧になっていくわけでございますので、やはりこの農林年金、ここらの問題も私はないがしろにできない、農業政策を進めていく上で大変大事な課題になろうかと思います。下支えをしていく人たちがだんだんなくなっていってしまうようでは大変に困るわけでございまして、先ほど来御質問ありましたように、やはり年金への加入者の問題もぜひ配慮いただいて、何とか加入者もふやして、そして年金基盤を充実強化していく、このことをぜひお願いして、私の質問を終わらせていただきますが、もし何か御所見があればお伺いいたします。
○国務大臣(加藤六月君) 我々がこの年金問題を考えるときに、まず第一は高齢化社会でございますが、一番いいのは三角形型、ピラミッド的な年齢構成になっておればいい。それが、団体によっては高齢者が多くて若い人が少ないというマツタケ型になってみたり、あるいは矩形型の年齢構造になっておってみたり、いろいろ年金そのものを勉強する場合にそういう点しみじみと感ずる場合があるわけです。しかし、さりとて理想的な三角形型というのはなかなかいろいろな事情等を踏まえてできない場合もあります。 しかし、そういう中で、より若いといいますか、若い人の加入者をいかにしてふやし確保していくかということと、先ほどおっしゃいました定年延長との問題というのが、ある面では一般的な人件費の関係と年金との関係でそれぞれの団体が苦慮しておると思いますが、御質問の御趣旨を体しまして一生懸命やってまいるようにしたいと思います。
○諫山博君 当委員会における初質問でございます。 鹿児島市で農協の合併をめぐって大問題が起こっています。経営困難に陥った鹿児島市農協が隣接の田上農協に吸収合併されるという内容です。この問題で農水省に調査を求めていましたけれども、調べていただけましたか。
○政府委員(青木敏也君) 鹿児島市農協問題につきましては、今回……
○諫山博君 中身は後で聞きます。調べていただいたかどうか。
○政府委員(青木敏也君) 私どもの立場でも実情の把握に努めてまいりましたし、その様子につきましてはある程度お答えできるのではなかろうか、こういうふうに存じております。
○諫山博君 二つの農協は既に合併予備契約書を結んでいます。私は、限られた時間で合併の是非を議論しようとは思いません。ただ、この合併に伴って鹿児島市農協で働いているすべての職員が七月の末日で退職させられるという内容になっています。 具体的に聞いてみますと、三百六十名の職員が全員退職、その中で百六十名プラス若干名が田上農協に採用される、こういう内容だそうです。合併予備契約書を見ますと、財産及び権利義務は引き継ぐとなっております。ところが、職員は引き継がない、こういう合併のやり方です。これはまさに国鉄の分割・民営化の悪例を倣ったものではなかろうかと思いますけれども、農協の合併では通常こういう職員の取り扱いがされているんでしょうか。
○政府委員(青木敏也君) 農協の一般的な合併につきましては、御案内のとおり、農協を合併することによりまして経営基盤の強化なり、スケールメリットの強化を図るというのが通常の農協の合併の形態でございます。 今回は、鹿児島市農協という経営困難に陥りました農協の再建のための一手法として合併という手段を通じて再建を図るのが望ましいという関係者の判断のものでございまして、一般の農協合併の場合のケースとは性質を異にするものと、こういうふうに考えております。
○諫山博君 私は、繰り返しますけれども、職員に対する取り扱いの問題だけをきょうは聞きます。 合併に伴ってすべての職員が解雇されたという例がありますか、農協について。
○政府委員(青木敏也君) 農協の合併に際しましても、職員につきまして合併基準日の前日に雇用契約を解除するという形で一度退職をするというケースはございます。しかしながら、存続後の組合におきまして一度退職した職員を再雇用するというのが通常でございまして、しかし、農協合併におきまして常に合併基準日前日の退職した職員のすべてを必ず再雇用しているということでは必ずしもないと、こういうふうに理解しております。
○諫山博君 いずれにしましても、すべての職員を解雇してしまって、その一部、具体的には半数以下しか再採用しないというのは前例のない方法ではないでしょうか。
○政府委員(青木敏也君) 合併に際しましての職員の承継の問題につきましては、今回の鹿児島市農協のように不振組合の再建というぎりぎりの厳しい条件下での再建計画の具体化の問題でございます。こういう中におきまして、その職員の数の多寡に応じてその是非を論ずるのはいかがかと、こういうふうに考えます。
○諫山博君 きょうは労働省の方に出席をお願いしていましたけれども、来ておられますか。―― 普通の民間企業で吸収合併というのはしばしば行われております。しかし、私の調査によりますと、吸収合併のときに合併される側の労働者が全員解雇されるということは前例がなかったと思います。だれでも知っている典型的な吸収合併としては、安宅産業が伊藤忠に吸収合併された、平和相互銀行が住友銀行に吸収合併された、この二つの例は非常に著名ですけれども、この二つの吸収合併で吸収される側の労働者は全員解雇されましたか。
○説明員(廣見和夫君) お答え申し上げます。 通常、民間で合併が行われるときに、合併される側の雇用者がどのようになるかということにつきましては、私ども必ずしも詳細は承知いたしておりませんが、今先生お尋ねの安宅産業の件、それからまた住友銀行の件につきましては、合併される側の職員の方が全部解雇されたというふうな事実はないというふうに私どもは承知いたしております。
○諫山博君 二つの著名な吸収合併の例を聞きましたけれども、通常、労働者を強制的にやめさした後で合併が進むということは行われていないと思いますけれど、どうでしょう。とりわけ本件の場合は、財産及び権利義務を引き継ぐという状況の中での吸収合併です。一般的に民間企業の場合どうですか。
○説明員(廣見和夫君) 先ほどもお答え申し上げ ましたとおり、合併の職員の承継に限りまして私ども必ずしも調査いたしておりませんので、果たしてそういうことが自信を持って言えるかどうかとなりますと、必ずしもお答えできないかと思いますが、ただ、通常の状態のことを考えますと、合併という場合は包括承継されるという形で処理される、こういうケースが多いのではなかろうかと、こんな感じがいたしております。そういう意味では、職員が承継されるというケースの方が一般的には多いのではなかろうかな、こういう感じでございます。
○諫山博君 一般的に多いと言われますけれども、全員解雇したという例がありますか。
○説明員(廣見和夫君) 先ほど来お答え申し上げておりますとおり、私ども合併に際しての職員承継問題につきまして全部調査しておりませんので、全員解雇したケースがあるのかないのか必ずしも私ども承知しておらないところでございます。
○諫山博君 民間企業が人員整理をする、企業整備によって労働者を減らすという場合に、裁判上、解雇回避義務が使用者に負わされているとなっているはずですけれども、いかがでしょう。
○説明員(廣見和夫君) 通常、人員整理をめぐりまして裁判上で争われますことも確かに多くございます。 その場合の裁判例でございますが、これまた私ども必ずしも全部の判例の大勢を承知しているわけではございませんが、通常の裁判例で見てみますと、確かに人員整理につきましては一定の基準を考えている。例えばその人員削減が必要であるか否か、あるいは人員削減の手段として整理解雇が例えば行われるような場合は、それが必要であるか否かといったような、そういう基準から判断するというような裁判例は確かに多く見受けられるところかというふうに承知いたしております。
○諫山博君 もっと進んで、使用者はなるべく解雇しなくて済むような努力をしなければならないという点では裁判所の見解は一致しているんじゃないでしょうか。
○説明員(廣見和夫君) その点につきましては、今例えばというふうに申し上げました二番目の例で、何らかの人員削減をする、しかしそれをどういう形で行うかというときに、例えば解雇に至る前にどんな努力がなされたか、いわゆる今先生のお話しのような解雇を回避する努力がどの程度なされたか、事実判断としてそれを見ていくというような形で論じている裁判例も多いかと思います。
○諫山博君 次に、別な問題です。 鹿児島市農協と田上農協は、明日総会を開くことになっています。総会が開かれますと、予備契約書というのは恐らく本契約書になると思います。そして、労働者を全員退職させるという作業が開始されます。 そこで問題なのは、鹿児島市農協の総会開催通知書です。これを見ますと、地区または部落の代表者には御参集をお願いすると書かれております。そして「他の正組合員については「書面による議決権の行使」の方法で開催させていただくことにいたしました。」と書かれている。この通知書を見ますと、代表者の方は総会に御出席ください、代表者以外の正組合員の方は御出席いただかなくて結構です、書面で議決権を行使してください、こういうふうに読めます。これは正組合員の総会参加の権利、総会で発言をする権利を否定した通知になっております。総会が、すべての正組合員によって開かれるという当然の原則を無視した総会開催通知です。これは法律上違法だから、農水省が直ちに行政指導してほしいということをきのう私は農水省に要請いたしました。どうされたのか、御説明ください。
○政府委員(青木敏也君) 御指摘の鹿児島市農協の総会の開催通知におきまして、一部正組合員の総会出席の機会が制限されると受け取られるおそれのある文面があったことから、鹿児島市農協におきましては総会開催の通知を改めて出し直すことにしたと、こういうふうに私ども聞いております。
○諫山博君 農水省としては、総会を強行するのはやめなさい、総会の開催通知を出し直しなさいと指導されたのですか。
○政府委員(青木敏也君) 鹿児島市農協の一次的な指導監督の行政庁は県知事でございます。私どもも県を通じて、今回の総会開催通知についてやや疑義を招きかねない文面があったということを承っておりまして、その文面からすると、そういうおそれも十分あるということで、より適切な開催通知が望ましいというふうに考え、また県の方にそういう考え方を示したところでございます。
○諫山博君 鹿児島市農協の総会は明日行われる予定でしたけれども、明日は行われないだろうと理解してよろしいでしょうか。
○政府委員(青木敏也君) 私ども現在把握いたしております報告によれば、先生の御指摘のようなことで理解していいんではなかろうかと思います。
○諫山博君 この問題をめぐって現地では、定款そのものが非常に欠陥だらけだ、こんなことで農協の運営ができるのかという声がありますが、定款は調べられましたか。
○政府委員(青木敏也君) 鹿児島市農協の定款が欠陥だらけであるかどうかについては、私ども初めて耳にするわけでありまして、早速鹿児島市農協の定款について十分私ども調べてみたいと思います。
○諫山博君 鹿児島市農協が総会開催の延期を決めた理由の一つに定款の不備が挙げられていると思いますが、御存じありませんか。
○政府委員(青木敏也君) 御指摘の事情につきましては、残念ながら私ども承知しておりません。
○諫山博君 組合員投票の規定が定款にないということが問題になっています。そのほか、いろいろ定款上の不備が現地で問題になっているようですから、ぜひ取り寄せて公正な運営が行われるように要望したいと思いますが、いかがですか。
○政府委員(青木敏也君) 御指摘の点につきましては、十分私どもわきまえて御趣旨に沿った方向で対応したいと思います。
○諫山博君 この農協合併の基本的な問題については、さっき私が申し上げましたように、ここでは触れません。ただ、三百六十名の職員が路頭に迷おうとしている。これは極めて重大な事態です。労働省の御説明でも、企業の吸収合併というのは例がありますけれども、こういうやり方で吸収合併が行われているというのは全く異例だという御意見だと思います。この点、根本的に労働者を路頭に迷わせなくて済むような努力をする指導をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(青木敏也君) 今回の鹿児島市農協の合併に際しての職員の承継の問題、これはしかし、背景として今回の合併が、鹿児島市農協の今日の困難な経営の状況に陥ったことを前提にして、貯金者の保護並びに系統組織全体の信用維持の観点から、系統組織内におきましても、ぎりぎりの選択の中でどういう形の再建が一番望ましいかということで取り組まれているというふうに理解をいたしております。 先生の御指摘のとおり、その職員の承継の問題をより望ましい形としてどういう形がいいのか、それからまた、それは同時に、今回の鹿児島市農協の合併を通じての再建路線、これが倒れる話であってはどうにもならないわけでありますから、その両方の、要するに鹿児島市農協の再建を図る。これは市農協の職員組合におきましても、要するに鹿児島市農協の再建については、我々も命をかけて全力で努力するということを言っているわけですね。一番だれよりも市農協の再建を願うと市の職員組合の関係者は言っているわけです。ですから、その最終路線の再建を図るという観点から、では職員の望ましい承継の姿はどうあるべきか。これはやはり関係当事者である農協相互間、また鹿児島市農協の労使間の具体的な話し合いの中での選択の問題だと思います。 その問題が、客観的に鹿児島市農協の解雇権の乱用とかあるいは信義則違反になるかどうか、こ れは最終的には司法の判断に待たざるを得ないわけでありますけれども、私どもそういう観点で、鹿児島市農協の職員の承継等の問題については、関係者の自主的な判断で詰められるべき問題だし、また、その推移を十分見守っていきたい、こう考えております。
○諫山博君 大臣にお聞きします。 鹿児島市農協の総会通知書を見て、私、正直言って唖然としたんです。正組合員が総会に出席できないような通知をするというのは何事だろうかと実際唖然としたんですけれども、こういうことが農協で行われているんだろうかという気持ちを持ちました。しかし、それは手続の問題です。私が一番大臣に要請したいのは、三百六十名からいる職員が一たん解雇されようとしている。もし明日総会が強行されれば、明日の総会で三百六十名の解雇が決められるという事態だったわけです。この種の場合に、労働者を解雇するというのは最も安易な手段ですけれども、同時に最も拙劣な手段です。こういうことが行われなくて済むように、ぜひ積極的な御指導を要望いたします、
○国務大臣(加藤六月君) 要望の趣旨はよく理解いたしました。
○喜屋武眞榮君 私は、農林年金法案についてお尋ねいたします。 まず第一問にお聞きしたいことは、年金額の改定についてであります。年金の額は、消費者物価上昇率が五%を上回った場合と下回った場合とに分けて、上回った場合には自動的に政令で改正される、下回った場合には、その上昇率と社会的、経済的諸要素を総合的に判断して法律改正を経て改正される、こういうことになっておりますが、そこで今回は、昭和六十一年度消費者物価上昇率〇・六%という低い上昇率になっております。それにもかかわらず年金額を改定しようというものであるんですが、どうも腑に落ちないのは、五%上昇の場合には政令によって自動的に変わる、下回った場合には法律改正を経て変える、このことも非常に腑に落ちないんですが、その改定の理由と申しますか、考え方、背景、こういった点からひとつお聞きしたいと思います。
○国務大臣(加藤六月君) 従来から農林年金の年金額につきましては、その実質的価値を維持するため、社会経済的諸情勢の変動に対応しまして、必要に応じ、適宜改定の措置を講じてまいったところでございます。 今回の額の改定は、厚生年金、国民年金、国家公務員等共済などにおける措置に準じまして、昭和六十一年の物価上昇率である〇・六%を基準として引き上げを行おうとするものでございます。
○喜屋武眞榮君 どうももっとその背景、どうしても私、個人的に納得いかぬ気がいたすんですが、今回はこの程度にとどめておきたいと思います。 次に、先ほども申し上げました沖縄の特殊事情からくるいろいろなハンディがありまして、先ほどは組織の立場から申し上げましたが、個人の立場から、このような矛盾と申しますか、不合理と申しますか、いろいろと感ずる点がございますが、そこで農林年金加入者の数は沖縄の場合どうなっておりますか。そして、その年金受給、受けておる者の数はどうなっておるか、まずこの二つについてお聞きします。
○政府委員(眞木秀郎君) 沖縄におきます農林年金の現状についてでございますが、昭和六十一年三月末で団体数が全国の一%程度、組合員数も全国の一%弱となっております。また、本土に比べまして制度の発足がおくれましたことから、受給者の数も、退職年金で見ますと全国の〇・三%、全国が八万六千人でございますが、沖縄ではこれが二百三十人ということになっております。
○喜屋武眞榮君 この事実は、どうしてもいまだ今日まで沖縄の関係者が納得がいかない。例えば沖縄県の農林年金は、本土は昭和三十四年の一月一日に施行されておる、十一年おくれて昭和四十五年一月一日から沖縄の場合には施行されておるんです。その間の掛金を掛けていないからという、こういう理由で今日給付金は他県の四五%カットされておるんですね。四五%カットされておる。そこで本土の皆さんの五五%分しか給付されていないというのが現状であるんですね。このこと自体も、先ほどから、午前からも申し上げましたように、どうしてもこのようなハンディを、差別をされることには納得がいかない。 それで、この四五%カットした財源はどれぐらいになりますか。
○政府委員(眞木秀郎君) 六十一年度におきまして約六千六百万円程度でございます。
○喜屋武眞榮君 これは制度のスタートがおくれたということでそういう割り切り方もしておられると思うんですが、ところが、この原因が個人に、組合員にあったのではなく、ひたすら国家の犠牲、国の責任においてそういう差別が生まれたわけでありますので、どうしてもそれは国の責任であるからその損失は国の責任において負担すべきであると、こう思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○政府委員(眞木秀郎君) 沖縄におきます農林年金制度は、喜屋武委員御指摘のように、琉球政府のもとで昭和四十五年一月に発足をしたものでございます。本土におくれること約十一年ということでございます。これ以前の期間で引き続いて農林漁業団体に勤めていた期間につきましては、四五%をカットして年金を支給することとされているわけでございます。 この四五%のカットにつきましては、沖縄農林年金制度発足前の期間についても年金を支給することとなっておりますけれども、この期間については掛金の負担が行われていないという事情がございましたために、組合員の負担当分である四五%がカットされているというのが状況でございます。 カットをなくして全額支給することにつきましては、当該期間におきまして掛金を支払ってきた他の都道府県の組合員との均衡等の問題がございまして、なかなか難しい問題であると考えておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 これは決して沖縄側の県民が甘えてそれを求めておるのではないと私は申し上げたかった。ならば、やはり国の責任において、特別の事情は特別の配慮によってしか問題は解決できない、こう私は思えてなりません。沖縄のこの該当者が、水面下もあります、水面上もありますが、非常なる不平不満を持っておるということをはっきり申し上げまして、この問題については御検討願います。 次に、持ち時間が迫ったようでありますので、二つまとめてお答えください。 一点は、沖縄の農協系統組織の経営基盤を安定強化するための施策はどのように持っておられるのか。 もう一つは、沖縄の漁協系統組織の経営基盤を安定強化するための施策について、この二つの点についてお聞かせください。
○政府委員(眞木秀郎君) 沖縄の農協につきましては、離島が多いこと等の地域的な特色がございまして、他の都道府県の農協に比べまして総体的には規模が小さいということが言えるかと思います。しかしながら、営農指導員の設置率を見てみましても、六十年度で約九七%と全国平均の八六%よりも高うございます。また、地域農業振興計画を策定しておられる農協も全国平均を上回っております。このように、沖縄の農協は、組合員と密着して組合員ニーズにこたえた事業活動を行っておられるわけでございまして、亜熱帯性気候を生かした本土向けの野菜、花卉、それから果樹の産地形成等、農業振興に積極的に取り組んでおられると承知をしております。 今後ともこの沖縄という地域の特性を生かした農業、それに農協の体質強化を図っていく必要があると考えておりますが、さらに計画的な合併の推進によりまして経営基盤の強い沖縄農協の育成に努めていきたいと考えておるところでございます。
○政府委員(佐竹五六君) 沖縄の漁協についてでございますが、地区組合数三十四、うち信用事業を行っておるものは二十七組合でございますが、 その規模を全国の漁協一組合平均で比較してみますと、全国の漁協に比べ、組合員数についてはほとんど変わりませんけれども、職員数、出資金、貯金残高、販売事業取扱高等、いずれも全国平均を下回っておりまして、総体的に経営基盤は弱体でございます。 特に信用事業につきましては、カツオ・マグロ漁業の不振から著しく信用事業が悪化している組合がございます。これにつきましては、漁協信用事業整備強化対策事業ということで全国四十三組合を対象にしておりますが、六十一年度においては特に沖縄二組合を実施いたしました。六十二年度においても、これを上回る数の採択を予定しております。 さらにまた、漁協の経済事業の適正な実施に資するために、漁協経営指導強化対策事業を実施しております。これも六十年から実施しておりまして、六十年、六十一年、沖縄についても実施しております。農林中金の役付職員、都道府県職員、それから学識経験者に参加していただきまして、それぞれ漁協の実態を調査した上適切な対策を実施し、現地指導等も行っておるわけでございます。これらの諸事業を通じて沖縄漁協の体質の強化を図ってまいりたいと考えております。
○委員長(高木正明君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高木正明君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 昭和六十二年度における農林漁業団体職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高木正明君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高木正明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(高木正明君) 次に、農林漁業信用基金法案を議題といたします。 本案につきましては、既に質疑を終局しておりますので、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○下田京子君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております農林漁業信用基金法案に対する反対討論を行います。 反対の理由の第一は、農業信用保険協会、林業信用基金及び中央漁業信用基金の三法人の統合は、農林漁業者並びに各法人における必要性に基づくものではなく、臨時行政調査会の答申を受け、行政改革の一環として特殊法人等の整理合理化を行おうという全くの数合わせである点です。 この点については、農業信用保険協会の会員の中から、それぞれの生い立ち、組織形態、事業内容などどれ一つをとっても全く相異なる三団体を数合わせのように統合しようとするが、行革の本旨とも言うべき効率的かつ合理的な組織及び運営のあり方に沿わないものではないかとの意見が相次いで出されていたことからも裏づけられます。 第二番目に申し上げたいことは、特に農業信用保険協会の組織の民主的運営面での後退です。 農業信用保険協会は、都道府県の農業信用基金協会を会員とする社団的性格の認可法人です。ですから、都道府県の農業信用基金協会は、出資者として、会員として議決権を持ち、最高の議決機関である総会に出席し、業務運営に関する方針の決定、役員の選出、定款の変更等、直接決定することができます。 ところが、新法人は財団的性格の認可法人となり、大臣の任命により選出された理事長と監事、それに大臣認可を受けて理事長が任命した副理事長と理事という構成の役員会が最高の議決機関となり、農民、団体側からの意思反映の仕組みとしては大きな後退になります。 保険協会と会員との結びつきをできる限り維持するために、運営審議会に五つの部会を設けること、運営審議会から除外された都道府県の農業信用基金協会からは、必要に応じて運営審議会に出席できる道をつけてあるとしておりますが、諮問機関である運営審議会が意思決定機関である総会の機能を代替できるものではなく、組織的性格の変更、後退は明らかです。 今日、農林漁業のすべての分野において極めて厳しい経営環境のもと、保険金支払い額、代位弁済額の増加が著しい状況にあります。それだけに今なすべきことは、保険料や保証料率の引き上げではなく、国の財政援助を引き続き拡充し、財務状況の悪化を防ぎ、末端農林漁業者の声にこたえるべきときであることを指摘し、反対討論を終わります。
○委員長(高木正明君) 他に御発言もなければ、これより直ちに採決に入ります。 農林漁業信用基金法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高木正明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 稲村君から発言を求められておりますので、これを許します。稲村君。
○稲村稔夫君 私は、ただいま可決されました農林漁業信用基金法案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘の各派及び各派に属しない議員山田耕三郎君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 農林漁業信用基金法案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、農林水産業の振興を図る上で金融の果たす役割が一層重要になっている実情にかんがみ、今後とも農林水産金融制度の充実に努めるとともに、本制度がこれら金融制度と一体となった運用ができるよう次の事項に留意し、万全の体制を確立すべきである。 一 最近の金融情勢の変化等に対処し、農林漁業経営等に必要な資金の円滑な融通を図るため、信用補完事業の機能が十分に発揮できるよう、組織・財務基盤の強化、債権管理の適正化等の体制を整備し、本制度の適切な運用に努めること。 二 新法人の設立の趣旨、沿革等にかんがみ、今後とも出資者、利用者等関係者の理解と協力が得られるような業務運営体制を整備し、その的確かつ効率的な運用に努めること。 なお、新法人の業務を円滑に行うため、必要な役職員数を確保し、適材適所による人員配置を行うとともに給与等の雇用条件については不利益を生ずることのないよう措置すること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(高木正明君) ただいま稲村君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高木正明君) 全会一致と認めます。よって、稲村君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、加藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤農林水産大臣。
○国務大臣(加藤六月君) ただいまの附帯決議に つきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処するよう努めてまいりたいと存じます。
○委員長(高木正明君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高木正明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(高木正明君) 次に、国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案及び森林法の一部を改正する法律案を便宜一括議題とし、政府から順次両案の趣旨説明を聴取いたします。加藤農林水産大臣。
○国務大臣(加藤六月君) 国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 国有林野事業は、昭和二十二年に特別会計のもとで運営することとなって以来、それぞれの時代における社会的、経済的要請にこたえて、その課せられた使命を果たしてまいりました。このような中で、国有林野事業の経営構造が悪化傾向をたどるに至ったため、昭和五十三年度には国有林野事業改善特別措置法が制定され、また、その後の情勢変化に対応して昭和五十九年度には同法の一部が改正されたところであり、現在、同法に基づき、昭和七十二年度までに経営の健全性を確立するという目標のもとに、改善計画に即して、その改善を進めてきているところであります。 しかしながら、国有林野事業の現状を見ますと、諸経費の節減等によりその改善について一定の成果を上げてきてはいるものの、最近における急激な円高等の影響もあり、木材価格が引き続き下落、低迷していること、人工林の約九割が成育途上であり、資源的な制約のもとにあること、借入金の利子及び償還金が増大しつつあること、当面要員調整の過程にあること等により、国有林野事業の財務をめぐる事情は一層厳しいものとなっております。 このような情勢に対処するため、林政審議会の答申等を踏まえ検討を行った結果、自主的努力を基本として国有林野事業の改善の一層の推進を図ることが必要であると判断されるに至り、その改善措置の一環としてこの法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、国有林野の保全に要する経費の一部について、一般会計から国有林野事業特別会計に所要の繰り入れを行うことができることとしております。 第二に、借入金の償還金の財源に充てるため、借入金をすることができるようにするとともに、その利子の財源に充てるため、一般会計から国有林野事業特別会計に所要の繰り入れを行うことができることとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。 次に、森林法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 森林法第百八十六条の規定は、共有林について、その経営の安定を図るため、持ち分価額が二分の一以下の共有者からの分割請求を禁止しているものであります。 しかしながら、本年四月二十二日、私人間の訴訟に関連し、最高裁判所は、森林が共有であることと森林の共同経営とは直接関連するものではなく、共有林の共有者間の権利義務についての規制と森林経営の安定という立法目的との間に合理的関連性があるとは言えないこと等を理由とし、この規定が財産権の内容を公共の福祉に適合するように法律で定める旨をうたった憲法第二十九条第二項に違反し、無効であると判示したところであります。 このように最高裁判所において違憲、無効の判決が行われた以上、違憲状態を早急に是正する必要がありますので、森林法第百八十六条の規定を削除することとし、この法律案を提出した次第であります。 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(高木正明君) 次に、国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案について補足説明を聴取いたします。田中林野庁長官。
○政府委員(田中宏尚君) 国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。 本法律案を提出いたしました理由につきましては、既に提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。 第一に、政府は、昭和六十八年度までとされている改善期間において、国有林野のうち保安林等の公益的機能が高い森林における松くい虫の駆除その他の森林保全に要する経費で改善計画の円滑な実施に必要なものとして政令で定めるものの一部に相当する金額を、予算の定めるところにより、一般会計から国有林野事業特別会計の国有林野事業勘定に繰り入れることができることとしております。 第二に、国有林野事業勘定におきましては、改善期間において、国有林野事業の収支の改善に努めても、なお借入金の償還金の財源に不足を生ずると認められるときは、その財源に充てるため、借入金をすることができることとしております。 第三に、この借入金につきましては、その利子の財源に充てるため、改善期間において、予算の定めるところにより、一般会計から国有林野事業勘定に繰入金をすることができることとしております。 なお、このほか、所要の規定の整備を行うこととしております。 以上をもちまして、国有林野事業改善特別措置法の一部を改正する法律案の提案理由の補足説明を終わります。
○委員長(高木正明君) 両案に対する質疑は後日に譲ります。 ―――――――――――――
○委員長(高木正明君) 次に、集落地域整備法案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。加藤農林水産大臣。
○国務大臣(加藤六月君) 集落地域整備法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 近年、集落及び周辺の農用地の地域において、いわゆる混住化、兼業化の進展等により、虫食い的な農地転用による農業生産機能の低下、無秩序な建築活動による居住環境の悪化等の問題が生じております。他方、生産性の高い農業の確立と良好な都市環境の確保に対する要請はますます強くなっております。 このような状況に対応して、良好な営農条件及び居住環境の確保を図る必要がある集落地域について、農業の生産条件と都市環境との調和のとれた地域の整備を推進するとともに、適正な土地利用を実現することが重要な課題となっております。このため、集落地域の計画的な整備を推進する制度を創設することとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、都道府県知事は、都市計画区域内であり、かつ農業振興地域内である集落地域について、その整備または保全に関する集落地域整備基本方針を定めることとしております。 第二に、市町村は、集落地域整備基本方針に基づき、集落地域の特性にふさわしい整備及び保全を行う必要がある場合には、都市計画に集落地区計画を定めることができることとしております。 集落地区計画の区域内において、土地の区画形質の変更、建築物の建築等の行為を行おうとする者は、市町村長に届け出なければならないこととしております。 第三に、市町村は、集落地域整備基本方針に基づき、農業振興地域整備計画を達成するとともに、集落地域の特性にふさわしい農用地及び農業用施設等の整備を一体的に推進する必要がある場合には、集落農業振興地域整備計画を定めることができることとしております。 集落農業振興地域整備計画の区域内にある一団の農用地の所有者等は、農用地の保全及び利用に関する協定を締結し、市町村長の認定を受けることができることとしております。 また、この協定の締結等を促進するため、市町村は、一定の農用地に関し、交換分合を行うことができることとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(高木正明君) 次に、補足説明を聴取いたします。鴻巣構造改善局長。
○政府委員(鴻巣健治君) 集落地域整備法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。 本法案を提案いたしました理由につきましては、既に提案理由説明において申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。 第一に、集落地域整備基本方針の策定であります。 集落地域整備基本方針には、集落地域の位置及び区域、土地利用に関する基本的事項等を定めるものとし、このうち一定の事項について、農林水産大臣及び建設大臣の承認を要することとしております。 第二に、集落地区計画の策定であります。 集落地区計画には、当該集落地区計画の区域の整備及び保全に関する方針、集落地区整備計画等を定めるものとし、集落地区整備計画においては、集落地区施設の配置及び規模、用途の制限等建築物等に関する事項並びに土地の利用に関する事項のうち必要なものを定めることとしております。 また、集落地区整備計画が定められた区域内において、市町村長は、届け出に係る土地の区画形質の変更、建築物の建築等の行為が当該計画に適合しないと認めるときは、設計の変更等必要な措置をとることを勧告できることとするとともに、当該計画の内容に関し、必要に応じ、市町村の条例で、建築基準法上の制限として定めることができることとしております。 さらに、集落地区整備計画に適合して行われる開発行為については、市街化調整区域内における開発行為の基準に該当するものとして開発許可をすることができることとしております。 第三に、集落農業振興地域整備計画の策定であります。 集落農業振興地域整備計画には、土地の農業上の効率的な利用に関する事項並びに農業生産の基盤の整備及び開発、農業の近代化のための施設の整備等に関する事項を一体的に定めることとしております。 集落地域における農用地の保全等に関する協定につきましては、市町村長は、協定の内容が集落農業振興地域整備計画の達成に資するものであること等の要件に該当するときは、認定するものとしております。 また、認定を受けた協定の区域内の一団の農用地の所有者の要請に基づき、市町村が農用地区域を定める場合には、一定の手続を省略できることとしております。 さらに、協定の締結を促進し、またはその維持を図るため、特に必要があるときは、市町村は都道府県知事の認可を受けて、協定区域に係る一定の農用地に関し、交換分合を行うことができることとしております。 なお、このほか、建築基準法、都市計画法、農業振興地域の整備に関する法律その他の関係法律について所要の改正を行うことといたしております。 以上をもちまして、集落地域整備法案の提案理由の補足説明を終わります。
○委員長(高木正明君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後七時四分散会 ―――――・―――――