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108回国会参議院1987/05/21

農林水産委員会 第4号

発言数
346
登壇者
19
会派数
7
開催日
1987/05/21

会議録

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  農林水産政策に関する調査を議題といたします。  昭和六十二年度農林水産行政の基本政策について、農林水産大臣から所信を聴取いたします。加藤農林水産大臣。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 農林水産委員会におきまして、私の所信の一端を申し上げます。  現下の我が国農林水産業を取り巻く内外の諸情勢について見ますと、我が国の社会経済が広範かつ多様な変化を遂げてきている中で行財政改革の推進が求められるとともに、国際収支面での経常収支不均衡を契機として国際協調型経済構造への変革が要請されてきております。  こうした中で、我が国農林水産業は、経営規模拡大の停滞、生産性向上の立ちおくれ、農産物需給の不均衡などの諸問題に直面し、また、内外価格差の是正、農業保護のあり方等につき、内外から強い関心が寄せられております。  申すまでもなく、我が国農林水産業は、国民のニーズに即した食糧の安定供給、活力ある地域社会の維持、国土・自然環境の保全とその調和ある活用など我が国経済社会の発展や国民生活の安定のため、重要な役割を果たしております。  今後の農林水産行政を推進するに当たっては、このような農林水産業の持つ基本的かつ多面的な役割を踏まえつつ、国際化、高齢化、大都市の過密と一部農山漁村における過疎化の進行、技術の高度化等今後の社会経済情勢の変化に的確に対応していく必要があります。  とりわけ、昨年十一月には農政審議会から「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」が報告され、層内の供給力の確保を図りつつ、国民の納得し得る価格での食糧の安定供給に努めることを基本として、与えられた国土条件等の制約のもとで最大限の生産性向上を図る必要があり、これに焦点を合わせて諸施策を運営すべきである旨の提言が行われたところであります。本年は、報告の指し示す方向に向かって現実の歩みが始まる重要な幕あけの年であり、国民のニーズの変化等新しい時代の流れを積極的にくみ取りつつ、各方面の声にも十分耳を傾けながら、国民の合意形成の上に立って各般にわたる施策を推進してまいりたいと考えております。  以下、昭和六十二年度における主要な農林水産施策について申し上げます。  まず農業の振興についてであります。  第一は、水田農業を初めとする土地利用型農業の体質強化の推進であります。  水田は我が国農業生産力の基幹であり、我が国農業の長期的な発展の基盤を確立するためには、生産性の高い水田農業を確立することが極めて重要であります。  このため、稲作・転作を通ずる生産性の向上、地域輪作農法の確立といった水田農業の体質強化や需要の動向に応じた米の計画生産を図ることを趣旨とする水田農業確立対策を生産者、生産者団体の主体的責任を持った取り組みを基礎に、生産者価体と行政とが一体となって、着実に推進してまいります。  あわせて、食糧管理制度につきましては、国民生活の安定を図る上での重要性を認識し、制度の基本は今後とも維持しつつ、各面にわたり事情の変化に即応して必要な運営改善を着実に重ね、国民の理解が得られるよう努めてまいります。  さらに、農業生産基盤の整備を第三次土地改良長期計画に即して着実に実施してまいります。また、農地の利用権の集積や作業受委託を促進することにより、中核農家や生産組織の経営規模や作業規模の拡大を地域の実情に即して進めるほか、新規就農者を含め、次代の農業を担う技術・経営能力にすぐれた意欲的な農業者の育成確保にも努めてまいります。  第二は、需要の動向に応じた生産性の高い農業の展開であります。  需要の動向に適切に対応しつつ、産業として自立し得る農業の確立に資するため、水田農業確立対策の推進とも呼応した合理的な土地利用方式を実現するとともに、水稲、麦、大豆、特産農作物等の生産性の高い主産地を育成することを目指して総合的な農業生産対策を推進してまいります。また、肉用牛生産の低コスト化と肉用牛資源の拡大の重要性にかんがみ、肉用牛対策に重点を置いて畜産総合対策の充実を図ってまいります。  第三にバイオテクノロジー等先端技術の開発・普及とニューメディアを活用した情報システムの整備であります。  今後、農業、食品産業等の生産性の飛躍的向上、新しい食品素材の開発、農山漁村の活性化等を図る上で、これらの先端的技術は極めて重要な役割を果たしていくことが期待されております。  このため、産・学・官の連携強化により総合的にバイオテクノロジー等の先端技術の開発を図ることとし、二十一世紀を見通したハイテク育種や民間活力を生かした先端技術の研究開発を推進してまいります。また、あわせて、技術開発の成果の早急な現場への普及等を図るため、所要の措置を講じてまいります。  このほか、農山漁村地域における情報システム化構想を推進するとともに、各分野におけるソフトウエア開発等情報システム化の促進、農業に係る情報の的確かつ効果的な提供等を実施してまいります。  第四は活力ある村づくりであります。  農山漁村社会の高齢化、混住化等の問題に対処しつつ、経済社会の変化にも即応して農林漁業に携わる人々が意欲と生きがいを持てる新しい地域社会を目指し、農林漁業の振興とあわせた農村集落の整備、地場産業の育成、都市と農山漁村の交流の促進、リゾート地域の整備等により、活力ある村づくりを進めてまいります。  第五は、健康的で豊かな食生活の保障と農産物の価格の安定であります。  健康的で豊かな食生活の保障という観点から日本型食生活の定着促進を図ること等を基本として、各種の食生活、消費者対策を充実するとともに、農産物の消費拡大に努めてまいります。  また、価格政策の運用においても、構造政策を助長し、農業の生産性向上の促進に資するとともに、対象とする農産物の需給均衡の確保に資するといった観点も踏まえ、国民の理解と納得が得られるよう適正な運用を期してまいります。  さらに、国民に対する安定的な食糧の供給を図る上で重要な役割を果たしている食品産業につきましても、中長期的展望に立って、その体質と経営基盤の強化を総合的に推進してまいります。  以上申し上げました各般の施策のほか、各種制度資金について、その内容の充実整備を図るほか、農業災害補償制度の円滑な運営を図ってまいります。  また、開発途上地域の農林水産業生産力の向上等を通じ、これら諸国の経済社会の発展に寄与するため、国際協力に努めてまいります。  林業につきましては、林業生産活動の活性化を図りつつ、国民の多様な要請に対応できる森林の整備を進めていくことが大きな課題となっております。しかしながら、ここ数年にわたる木材価格の動向や林業経営費の増加傾向等が影響して林業生産活動が停滞し、森林管理意欲が低下する等の状況が見られるに至っております。  このため、「森林・林業、木材産業活力回復五カ年計画」に基づく木材需要拡大対策などの緊急対策を初め、林業生産基盤の整備、林業構造の改善等の各般にわたる対策を講じてまいります。  また、森林資源基本計画及び木材需給の長期見通しを改定するほか、昭和六十二年度を初年度とする第七次治山事業五カ年計画の策定、森林組合の経営基盤の強化等を行うための制度改正に取り組んでまいります。  このほか、経営改善を行うことが緊要の課題となっております国有林野事業につきましては、林政審議会の答申に即して、経営改善計画を改訂・強化し、難局打開のため全力を傾注してまいります。  水産業につきましては、国民の必要とする動物性たんぱく質の約半分を供給し、健康的で豊かな日本型食生活の一翼を担う重要な産業でありますが、二百海里体制の本格的定着、水産物需要の伸び悩みも厳しい環境のもとで新しい時代に即応した水産業を確立することが急務となっております。  このため、漁港等漁業生産基盤の整備を計画的に進めるとともに、つくり育てる漁業の推進、先進的技術の開発等我が国周辺水域の漁業振興に努めてまいります。  また、厳しい状況にある漁業経営の安定・合理化を図るため、減船等漁業生産構造の再編整備、低コスト化の推進等経営対策の充実強化を図ってまいります。  さらに、消費者ニーズを十分に踏まえつつ、水産物の消費、価格、流通・加工対策を推進してまいります。  このほか、遠洋漁業等の新たな展開に資するため、新資源、新漁場の開発を推進するとともに、粘り強い漁業交渉の展開、海外漁業協力の推進等により海外漁場の確保を図ってまいります。  以上のような農林水産施策を推進するため、厳しい財政事情のもとではありますが、各種施策について優先順位の選択を行いつつ、我が国農林水産業に新たな展望を切り開いていけるよう、必要な予算の確保を図ったところであります。  また、施策の展開に伴い必要となる法制の整備につきましては、今後とも、当委員会の場におきましてよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。  なお、農林水産物貿易をめぐる問題につきましては、需給動向等を踏まえ我が国農林水産業の健全な発展との調和を図ることを基本に、ガットにおける新しい農産物貿易ルールづくりとの関連を十分考慮しつつ、適切な対応を図ってまいりたいと考えております。  以上、所信の一端を申し上げましたが、国民各界各層の深い関心の中で、国民の合意形成の上に立って我が国農林水産業の未来を切り開いて行くため、今後とも全力を傾注してまいりたいと考えております。  委員各位におかれましては、農林水産行政推進のため、一層の御支援、御協力を賜りますよう、お願い申し上げます。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 次に、先般行われました経済協力開発機構閣僚理事会の経過について、御報告を願います。加藤農林水産大臣。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 私は、去る十二日及び十三日の二日間パリで開催されたOECD閣僚理事会に我が国の農林水産大臣としては初めて出席し、十五日帰国いたしました。  今回の閣僚理事会においては農業問題が主要議題の一つとして討議されましたが、これは、昭和五十七年の閣僚理事会の決定に基づき進められてきた各国の農業政策と貿易の関係についてのスタディーの結果を取りまとめた総合報告書が提出されたことに加え、現在の世界的な農産物市場の悪化・混乱を背景に、農業政策の見直しの機運が国際的に大きな高まりを見せていること等の事情によるものであります。  今次会合におきましては、さきに申し述べました総合報告書が承認されたほか、各国閣僚の意見陳述、討議が行われ、コミュニケを採択して終了いたしました。  今回採択されたコミュニケの農業部分についての概要は、次のとおりであります。  第一は、長期的な各国の農業政策の方向づけについてであります。  この点については、各国が協調してできるだけ市場原則に沿った農業生産や農業助成の削減を目指して努力すべきこと等が指摘されております。  第二は、ウルグアイ・ラウンドとの関連についてであります。  農業改革に必要な方策もその多くはウルグアイ・ラウンドで交渉されるとの認識のもとに、ウルグアイ・ラウンドの場においては他の交渉分野と並行して農産物交渉の円滑な推進が図られるべきことが指摘されております。  第三は、短期的措置についてであります。  この点については、過剰生産の防止、在庫処理の適正化、対立的で安定を損なう貿易慣行の自粛等が必要であるとしております。  私は、今回の会議を通じ、食糧自給率の低い農産物輸入国としての我が国の立場について各国の理解を得るように努力し、食糧の安定供給の確保等の経済性以外の側面についての配慮の必要性を訴えるとともに、各国の立場に応じて均衡のとれた対応が必要であり、各国に政策選択の弾力性が認められるべきこと等を主張し、これらの点がコミュニケにも反映されるよう努めたところであります。  これらの点を含め、会議ではさまざまな意見の相違、対立がありましたが、最終的には我が国の立場はコミュニケにも十分反映されたものと考えております。  なお、今回のOECD閣僚理事会出席の機会に、リン米国農務長官、ギョーム・フランス農業大臣、アンドリーセンEC副委員長、ペイユOECD事務総長及びダンケル・ガット事務局長と会談し、今次理事会における我が国の立場につき理解を求める等、意見の交換を行いました。  以上、御報告を申し上げる次第であります。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 以上で所信の聴取及び報告は終わりました。  これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣、OECD御出席御苦労さんでした。  最近、米国のリン農務長官、ヤイター通商代表の来日による日米農産物交渉、その後の中曽根・レーガン会談、そしてOECD閣僚理事会などを通じて、農業問題に対する国際的な関心が高まっています。この間における加藤農林水産大臣の努力は認めるものでありますけれども、我が国の農業の現状、今後の農政を展望するとき、国際的にも国内的にも重大な時期に立たされているというふうに思います。  そこで、まず伺いたいことは、大臣はOECD閣僚理事会において何を重点に主張し、その成果はどうであったのか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 詳しくは、第一回目の私の意見陳述は、日本の農林水産業を担当する閣僚としての所見の一端を申し述べたいと思いますというので、相当長い意見開陳をいたしました。  簡単に申し上げますと、私は、食糧・農産物の世界最大の輸入国としの立場、食糧自給率の低い我が国の立場、ここら辺からいろいろ主張をいたしたわけでございまして、まず第一は、食糧の安定供給の確保等の経済性以外の側面について配慮が必要であるということ。あるいは一律いろいろなことをやるというんではなくして、各国の立場に応じて均衡のとれた対応が必要であるということ。それから、三番目は、いろいろそういう農業改革を推進するに当たっても、各国に政策選択の弾力性が認められるべきであること等を主張いたしまして、コミュニケにおいて、これら我が国の主張は、先ほど御報告申し上げましたように反映されたものと考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 日米農産物交渉で、米側の要求を要約すると、米の市場開放、牛肉、オレンジの輸入割り当て制度の撤廃、十二品目の自由化あるいは食料品の高率関税の引き下げなどであったというふうに理解いたしますが、OECDでも米側からこれらの課題について何か主張がありましたか。

塩飽二郎農林水産省経済局国際部長

○説明員(塩飽二郎君) 日米二国間の大臣会議について御報告を申し上げます。  先ほど大臣から御報告申し上げましたように、OECDの閣僚会議に列席した機会に、加藤大臣からリン農務長官に会見を求めまして、十二日の十一時から約一時間、OECDの中で会談を行ったわけでございます。  主としてOECD閣僚会議におきます農業問題についての我が国の立場の理解を求めるという趣旨で会談を行ったわけでございまして、先ほど大臣から御報告がありましたように、大輸入国としての立場、それから自給率が非常に低くなっている我が国の農業の立場を十分踏まえた農業の議論あるいはそれを踏まえてのコミュニケの議論ということで我が国の立場の理解を求めたわけでございます。  リン農務長官からは、アメリカの今回のOECDでの取り組みの基本的な立場といたしまして、長期的な農業の改革を進める上でプンタデルエステの宣言に盛り込まれたウルグアイ・ラウンドにおきます農業交渉の目的はゆがめられるものであってはならないという立場が表明されたわけでございます。それに関連をいたしまして、先ほど生先の方から御指摘のありました個別の品目につきまして米、牛肉、かんきつ、それから十二品目、一部の関税問題につきまして、例として挙げながら、これらについての米側の立場といたしまして、ガットにおきますこれらの問題の討議の重要性を指摘しつつ、同時に日米農産物問題、農産物関係を踏まえながら二国間での話し合いによる問題の最終的な解決の可能性につきましてリン長官の方から言及がございました。  これに対しまして、加藤大臣の方から、日本としては米について二国間協議を行うことは極めて困難であるということを申し上げるとともに、その他の品目については我が国といたしましても二国間での解決の方法を探求していくことの基本的な重要性を述べ、会談を行ったわけでございます。  大体以上のような内容でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 それでは、OECDにおける日米の会談、それから我が国の態度も、さき来日されたときの態度と何ら変わっておらない、今後とも変わらないと、そういうことですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) そのとおりでございます。  また、アメリカ側は、OECDの正式の会議の場においてはそういった個別品目問題については一切触れなかった記憶がございます。ただ、米の問題が象徴的に取り上げられまして、我が国の保護水準が高いということ、極端な輸入障壁を行っておるといったような表現で数カ国から米の問題についての発言はございました。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 OECDの会議ではさまざまな意見の相違や対立があった、しかし最終的には我が国の主張、立場が各国に理解をされてコミュニケにも反映されたと大臣から報告がありました。この会議の論議とコミュニケは、六月のベネチア・サミット、その後のガットの新ラウンド交渉にはどのような関係を持つんですか。

眞木秀郎農林水産省経済局長

○政府委員(眞木秀郎君) ただいま御説明申し上げましたように、今回、OECDの会議の成果というものがコミュニケにまとめられまして、OECD参加国が協調して今後行っていくべき農業政策の方向というもの、それからまたその場合にその留意点と申しますか、配慮すべき点等が示されたわけでございます。来る六月のベネチア・サミットにおきましては、参加国の最高首脳によりますより高い次元からの農業問題の解決に向けての検討、議論が行われると考えておるわけでございますが、昨年、ちょうど一年前の東京サミットにおきまして農業問題が取り上げられ議論されました際に、当時から行われておりましたこのOECDの農業についてのいろいろな作業、それを支援する、より論議を深めろということが当時の東京サミット宣言に出されたわけでございます。これを受けて今回、各農業大臣等が出席をいたしまして、今回の成果が出たわけでございます。したがいまして、来るベネチア・サミットにおきまして最高首脳が議論する一つの共通の土俵ができ上がったということが言えるかと思うわけでございます。したがいまして、こういう共通の土俵の枠組みの中でより深みのある、より高い次元から議論が行われるということが期待されると思っております。  また、ウルグアイ・ラウンド、新ラウンドにつきましては、今から議論が始まっておるわけでございますけれども、今回、ガット加盟国の中でも非常に重要な地位を占めます先進国がこのような方向で開発途上国の立場も考えながら一つの方向を出したわけでございます。したがって、具体的な交渉を進めてまいりますウルグアイ・ラウンドの交渉の場におきましても、このような考え方が尊重され、参考とされながら、具体的に新しい農産物貿易交渉のルール、さらにはまた各国の農業政策のあり方も取り込みましての具体的交渉の進展がなされるものと期待しておりまして、我が国といたしましても、今回の議論、そういうときに配慮すべき点、いろいろはっきりさしたわけでございますので、こういうものを踏まえて対処してまいりたいと、このように考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣、日本の農水大臣が初めてこのOECDへ出席をした、そして農業問題についてかなり突っ込んだ議論をした、その結果コミュニケとしてまとめられたわけですね。したがって、六月のベネチア・サミットにおいてはこれよりも本当に難しい問題は出ないであろうと、そのように理解してよろしいですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 今回OECDのコミュニケにおきましてベネチア・サミットにおける土俵づくりは行われた、大体このコミュニケの線に沿って農業問題は土俵がつくられたと考えておりますけれども、何さま我が国の経済の膨大な黒字という問題等がある場合には、来ないとは思いますけれども、あるいは飛び火の可能性があるんではないか、何万分の一か何分の一がわかりませんが、そこら辺はゆめゆめ警戒を怠ってはならないと考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 何万分の一くらいの程度なら私も安心しておるわけですが、その意は、中曽根総理が行く場合においても、しっかりひとついろいろの要請なり打ち合わせもしてもらいたいと思います。  こうした一連の農産物交渉を通じて、今後改革すべき課題はあるとしても、基本的には我が国の農政の方向は変える必要はない、すなわち農政審報告の「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」、それを背景にした先ほどの農林水産大臣の所信表明による農政を推進することが肝要だと、そういうふうにお考えになりますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 私が主張したものは、日本の国内の事情その他を踏まえてでありますが、またある面では農政審の昨年の報告を踏まえた主張でもあるわけでございまして、そういう点で今回のコミュニケと農政審の報告とは基本的には同じ線上にあると考えております。  ただ、今回のコミュニケでこれが決まったからというので、私は二つの面の懸念を、懸念といいますか、考え方を持ちます。一つは、農業補助の削減という問題が国内でどうとられるかという点と、もう一つは、我が国の主張が取り入れられたからもうこれでやりていけばいいんだから、我が国の農業の生産性向上であるとか内外価格差の是正等に逆にブレーキがかかるようなことがあるんではないか、両面の問題が私の脳裏には浮かんでおったわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 その心配事については後ほどだんだん聞いていきましょう。  そこで、大臣はOECD閣僚理事会が終わった後、報道陣のインタビューに答えて、農政に対する我々の主張は間違っていなかった、日本の一部の誤った経済評論家、財界は目を覚ましてもらいたい、こういうふうに述べているというふうに報道されておりますが、その心境ですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 我が国内においての感情的な農政批判あるいは外国の諸事情等も勉強しなくて国内だけの問題を考えての農政批判等についてはかねがね非常に遺憾に思っておりました。皆さん方は今回のOECDのコミュニケを熟読玩味していただきたいという、そこら辺の気持ちをそのまま申し上げたわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣がそういう気持ちなら、農業も国際協調していかなければならないけれども世界の情勢はこうですよ、日本の主張はこういうことで認められていますよというようなことを国民にもやっぱり理解してもらう、あるいはそうしたマスコミにも理解してもらう努力がもっと必要ではないでしょうか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) いろいろな面において農水省のPRという点は研究し、また推進していかなければならないと考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 ぜひ、しっかりしてください。  それから、大臣は、外国との交渉でたびたび、我が国の食糧自給率が低いという立場から食糧の安全保障という問題について強調されたというふうに聞いているんです。穀物自給率が三〇%にもなる世界最大の農産物輸入国である我が国が食糧安保と言うことは当然のことである。我が党も一貫して主張してきたところでありますが、食糧安全保障について改めて大臣の見解を聞きたい。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 食糧というものは国民生活にとって最も基礎的な物資でありまして、一億二千万に及ぶ国民に食糧の安定供給を図っていくということは農政の基本的役割であり、また中曽根総理もお答えになっておりますように政治の原点である、こういう立場でございます。したがいまして、そういう立場で「フード セキュリティー」というのがこの原文に入れられておるわけでございますが、それを食糧安保と解釈するか食糧安定供給と解釈するかという問題もありましたんですが、「食糧の安定供給」という言葉で表現しました。また、国民の御意見、世論調査等によりましても、国民の食糧自給率に対する強い関心というもの等もあるわけでございますし、また農政当局並びに農政に関心を持っていただいておる諸先生方におかれましても食糧の安定供給ということが農政の基本的な問題であるという御認識があると思います。そういう点に立って主張し、また今後ともそういう点に立って我が国の農政を展開していかなくてはならぬと考えておるところでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 単に食糧の安定供給と言えば、外国から農産物、食料品を輸入しても安定供給になるわけですね。このサミットのコミュニケでも「食糧の安定供給の確保」ということが言われておる。農林水産大臣の答弁も先ほどの所信表明もそういうことなんですが、食糧の安定供給というのは、もちろん我が国で自給率を高めて、そして食糧安保的な考え方を持っていくことが食糧安定供給の基本ではないのか。  まず、大臣は、食糧安定供給ということと食糧安保ということは違うというふうにお考えになっていらっしゃいますか、考え方としては同じだというふうに考えていますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先ほどちょっと申し上げましたが、コミュニケの英文は「フードセキュリティー」という言葉でございます。これを食糧安保と考えるか、食糧安定供給と考えるか。ただ、私たちが考慮しなくてはならないのは、国際的には最近エンゲル係数という言葉は余り使わないようでございますが、国民消費生活における食料費という問題は今回のOECDでも議論がありまして、我が国の国民消費生活における食料費のウエートの高さということを二、三の国も指摘しておりました。そこら辺を考えますと、輸入農産物と国内でも自給していくものとを上手に整合していくことによって国民消費生活の中に占める食料費のウエートを下げていくという面から考えますと、私は、輸入農産物を含めた総合的な問題で国民生活全般の問題はやっていく、しかしその基本には国内における食糧の自給という問題がなくてはそういう国民消費生活における食料費のウエートを下げていくということはうまく政策が運営しない、このように考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 大臣、農林水産大臣としては輸入食物も含めて食糧の安定供給を図っていくという、こういう考え方は私は間違いだと思う。農林水産大臣としては国内の食糧自給率を高めて安定供給を図っていく、それが農林水産大臣の立場じゃないですか。もう一回お聞きします。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) もちろん理想を申し上げますとそういうことになるわけでございますが、現実には食料品の一部においては内外価格差は相当あります。したがいまして、国内で必死になって生産性の向上に努め、おいしくて安いものを国民に供給していかなくてはならないという努力は必要でございますが、現実の問題として考えた場合には、先ほど来申し上げましているように、世界最大の農産物輸入国であるという我が国の今日置かれておる立場等を考えますと、この両者を組み合わせた安定供給ということを当面は無視していくことはできないと考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 もちろん、我が国の自給率の現状が穀物は三〇%ということで、それだけでもって国内の消費を賄っていくなんということは私は考えておらない。もちろん、輸入もしなければならないものもたくさんあるでしょう。しかし、基本的には、国内の自給率を高めていくことが農政の基本でなくてはいけない。  そこで大臣は、先ほどのコミュニケの報告の中でも、食糧自給率の低い農産物輸入国としての我が国の立場に立って強調した、「自給率」という言葉を使っていますわな。農林水産省は、幾ら言ったって今まで自給率なんて言わなかった、自給力自給力と言った。しかし、大臣は外国へ行くとこういう言葉を使うんです。立派なものだね。農林水産省の官僚は自給率なんて言わないですよ、大臣は言ったから立派だと思うが。  まあそれはそれとして、例えば、大臣が基調とする「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」と「八〇年代の農政の基本方向」とは大きく違っている。それは、「八〇年代の農政」においては食糧安全保障、食糧安保ということを強調して農政のあるべき方向を示唆しておった。ところが、二十一世紀の「基本方向」においてはそれが消えてしまった、食糧安保ということがですよ。そして供給安定なんという言葉に変わってきた。随分変わってきておるわけですね。私はこのことも問題だと思う。なるほど農政審の答申は農政審が農林省へ答申したかもしれませんけれども、その原案つくったのは皆さんじゃありませんか。農政審に出す原案は皆さんがつくっている。そういう方向に日本の農業は、農政の方向が変わってきている。  そこで、大臣にくどくも聞くけれども、食糧の安定供給ということは、国内の自給率を高めて、そして国内でできるものは安定的に国内で生産して供給していくんだと、その基本線は変わりはありませんね。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) お互い国政をあずかる者として、先生も私も、自給率を高めたいという気持ちというものは全部共通のものだと思います。ただ、その場合に、そのことを考えるときに膨大な補助金を使ったりあるいは内外価格差をさらに助長するような線でやってはいけないというところに私たちの当面しておる一番困難な難しさが私はあると思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 もろもろのそういう事情、困難な問題はあるけれども、国内の自給率を高めて安定供給を図っていくという、この決意には変わりはありませんね。できるものはやっていくと。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先ほど申し上げましたように、一つの大きな前提はあるわけでございます。自給率を高めるために膨大な補助金を新しくつくったりあるいはそういう制度を設けたり、あるいは新しく輸入障壁を設けるようなことをやらないような方向で上げたいというところに最大の悩みや苦しみが先生方全部も我々もあるのではないかと思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そこで、先ほどの大臣の所信表明を聞いていて不思議に思うことは、自給率はもちろん、自給力向上ということは一言も述べておらない。私は全く驚いているんですね。そういう文句があったらひとつ示してください。ありますか。あるかないかでいいです。大臣が言ったでしょう、今。読んだのだもの、自分で。大臣、答えてくださいよ。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 所信表明で申し上げました全体を通じてそういう趣旨がにじみ出ておると御理解いただきたいと思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 私も今聞いておって、一言もない。つまり、外国へ行っては食糧自給率だとか安保だとか言うけれども、国内においては大臣の所信表明にはない。つまり、重大な農政の路線変更を私は来していると思う。そうは思いませんか、大臣。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 所信表明にも申し上げました、また農政審の報告でも申し上げました、またOECDへ行って私が発言いたしましたすべての問題を総合的に御判断いただきますと、先ほど来申し上げておりますように、心の底にはだれだってその国の自給率の向上を期したいという気持ちはあるわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 私が言いましょう、路線変更を来していることを。  私はここに昭和六十年の佐藤農水大臣の所信表明を持っている。そこには、云々書いてありますけれども、何々をやって、「総合的な食糧自給力の維持強化を図ることが肝要であると考えております。」、この基本線に沿って農政をやっていく、これが佐藤農水大臣の六十年度における所信表明です。六十一年度における羽田農水大臣も、こういうことを言っている。「総合的な食糧自給力の維持強化を図ることが肝要であると考えております。」。さらに羽田農水大臣の中にはそのほかに、米についても「自給力の向上」を図る、これは二回も言っているんですね。ところが、あなたの所信表明ではその言葉が消えてしまった。どうなんですか、それは。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 実は、農政審の報告について当委員会においてもいろいろ御質疑、御意見を承ったことがあるわけでございますが、先ほど私が所信表明で「昨年十一月には農政審議会から「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」が報告され、国内の供給力の確保を図りつつ、」ということを申し上げておりますのは、そういう願いが込められておるわけでございまして、路線に大きな変更があったわけではございません。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 願いが込められておったって、所信表明というのは大事なんですよ。本年度の農政はこういうふうに進めてまいります、その基本になるでしょう。過去ずっと歴代の農林水産大臣は、自給力の向上を図っていく、それが基本だということを書いてある。ところが、加藤農林水産大臣になってそれが消えちゃった。重大な変更じゃありませんか。そういう気持ちがあったら、それを書いて、それに基づいて農政を進めていくと、そのことが大事じゃないですか。私はそんなことを言われるなら審議できませんよ、これからいろいろの法律なんか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 農政審の報告をたびたび申し上げるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、「国内の供給力の確保を図りつつ、」ということは、佐藤元農相、羽田前農相がそれぞれ言われたのと私は趣旨は同じである、こう考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 違う。書いてないんだから。いいです、大臣。  大臣がこれは直接自分で書いたんですか。あなたは読むだけ。

甕滋農林水産省大臣官房長

○政府委員(甕滋君) 大臣の所信表明でございますから、大臣が十分文章もごらんになりまして決めたものでございます。  なお、補足して申し上げますと、確かに、先生おっしゃいますように、食糧の安全保障という言葉あるいは自給力の強化ということにつきまして、農林水産省もこれまでそういった方針を述べてきております。また、今回の農政審の審議の中におきましても、現在の食糧需給の世界的な状況がどうか、また我が国の一億二千万人に及ぶ国民に対する食糧の供給をどうするか、こういった観点から熱心な論議が行われたわけでございますが、これも時々指摘されますように、食糧の安全保障という言葉が使われておりませんけれども、こういった食糧の安全保障という言葉が、食糧輸入の大幅な減少ですとか途絶ですとか不測の事態への対応といった観点から、生産力の維持増強を図る、こういう趣旨で取り上げられることが多かったと思われるわけでありますが、今回の農政審にいたしましても、生産性の高い農業生産を展開する、コストダウンに努めるという趣旨を含めて「食糧の安定供給」となって、いろんな方向を出しておるところでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そんなことを聞いているんじゃないの。所信表明に「自給率」がないことを聞いているんですよ。  時間がないですから申し上げましょう。これは、今国会で中曽根総理が売上税のウの字もなかったと同じことなんだ。「農政の基本方向」にも、今までは書いてあったけれども、書いてない。これは重大な路線の変更である。どう言ったって、書いてないんですから。どうですか。  私は、そんなことじゃ、農政の一般論議はもちろんのこと、そんな所信に基づいて法律審議はできないです。もっとはっきりした見解を出してください。入れるのかどうか、これ。文句として入れるのかどうか。これは後世に残るんですよ。ことし書いてなければ来年も変わらないんですよ。だからこのことを許すわけにいかないんです。後は審議できません。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) ちょっと速記をとめてください。    〔速記中止〕

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 速記を起こしてください。  質疑を続けます。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 所信表明で述べております「国内の供給力の確保を図りつつ、」というところは、農政審の報告を踏まえまして、国内の自給力の強化はもとより必要でありますが、生産性向上という問題が必至でございます。その意味を込めての国内供給力の確保という点でございますので、御理解をいただきたいと思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 今の答弁を聞いておりましてもどうもすっきりしない。それが補足説明になるのか、あるいは文章になっておらない。  したがって、委員長に要請しますが、これは理事会にお任せしますから、後日理事会において取り扱っていただけませんか。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) さよう取り計らわしていただきます。  質疑を続けます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 それでは次に移りますが、大臣は外国との交渉で、我が国には自給力強化に関する国会決議がある、米の需給安定に関する国会決議がありますということでたびたびこの決議を引用されておるわけであります。あるいはまた、国会における総理以下閣僚の答弁でも国会決議を尊重してとかいうことが言われておりますが、国会決議に従ってと常に言っておりますが、国会決議があってよかったというふうにお考えになりますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) あってよかったとかなかった方がよかったとかいう問題ではなしに、国会決議は厳然として存在しておるわけでございます。国権の最高の議決機関でございます国会の決議というものを政府は踏まえていくのが当然のことだと考えております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そこで、農産物交渉をする場合に国会決議は相手方を説得する、どういう言葉で表現したらいいか、いわば武器、そんなようにもなるわけですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 武器であるとかなんとかということになるといささか表現がどうかと思いますが、先ほど申し上げましたように、国会決議というのは現にあるわけでございまして、政府としたらその国会決議を踏まえて国内あるいは国外の諸問題に当たっていくというのは当然のことであると考えておるわけでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 政府として国会決議を尊重することは当然のことだ。  そこで、第一〇一回で「米の需給安定に関する決議」を衆参両院で行ったけれども、この決議の中で衆議院と参議院と異なっている重要な部分がある。御存じですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 趣旨は同じでございますけれども、文言が若干違ったという点はあると思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 どこが違っていますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 衆議院におきましては、「国民の主食であり、かつ、わが国農業の基幹作物である米については、その供給を外国からの輸入に依存するというような事態が今後生じることのないよう、国内生産による自給の方針を堅持すること。」、参議院におきましては、「国民の主食であり、かつ、我が国農業の基幹作物である米については、その供給を外国からの輸入に依存するというような事態が今後生じることのないよう、国内生産による完全自給の方針を堅持すること。」ということで「その供給を」以下のところについて若干文言が違っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 若干ではないんです。あなたたちは重大なことを知らないんです。  衆議院における決議と参議院の決議と違うことは、衆議院においては「国内生産による自給の方針を堅持すること。」、参議院においては「国内生産による完全自給の方針を堅持すること。」、重大な違いだと思うんですよ。どういうふうに理解しますか。ただ「自給」の方針を堅持することと「完全自給」ということがどういうふうに違うか、御存じですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) この決議が行われた時点におきましても、沖縄の泡盛生産においてタイ米を現に輸入しておったという問題がありました。そこら辺が、「完全自給」という言葉と「自給」という言葉の違いにおいて、衆参両院においての議論の経過の中に「完全」という言葉を入れるか入れないかという中身の具体的なお話し合いがあったやに承っております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 もちろん参議院でそういう議論がありました。我が委員会にも沖縄出身の先生がいらっしゃいます。いらっしゃるけれども「完全自給」というのが入った。ということは、たびたびあちこちで言われておるように、加工米ぐらい輸入したっていいじゃないか、酒米ぐらい輸入したっていいではないかということを、それすらいけないという論議をしてこういう言葉が入った。これは委員会の決議じゃないです。本会の決議なんですよ。このことを重大に受けとめなきゃ今後の方針としていけないと思いますね。いかがですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 日本の米の問題に興味を持っておられる諸外国におきましても、この決議の意味あるいは解釈、あるいはこの決議がどの程度の重みを持つのかというのを日本の米に関心を持っておる諸外国においても勉強されておると聞いております。その場合に、衆議院の方の決議をもとにするのか、参議院の方の「完全」、パーフェクトという言葉をもとにするのか、諸外国においても議論があるやに聞いております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 外国のことを聞いておるんじゃないんですよ、あなたの姿勢を聞いているんです。  参議院で「完全」という文句を入れるのにはどれだけ時間がかかったことか。大変なことだったですよ。だけど、大多数の議員の皆さん方の賛成でもって本会議で「完全」という文句が入った決議案が議決をされておるんですよ。そのことを踏まえて今後の交渉をしなきゃいけない。外国の批判だとか外国の意見を聞いているんじゃないんです。いいですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) したがいまして、この決議を踏まえて私も外国と折衝しておるわけでございます。国内のことはもうはっきりこの決議で確立しておるわけでございますから、私が申し上げましたのは、ここから先は余り言わぬ方がいいと思うわけでございますが、日本国の衆参両院における米の自給決議に対して諸外国が勉強しておるというのは、この決議をある面ではどう解釈するかということあるいはどうしたらひっくり返すことができるかという研究まで諸外国はしておるということをあえて申させていただく次第であります。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そういう情勢であるので、私は国会決議を踏まえて政府は対応しろと言っているんですよ。  続いて伺いますが、果樹農業振興特別措置法第五条というのを承知しておりますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 昭和六十年の三月二十八日の参議院当委員会において果樹農業振興特別措置法第五条が改正された点は存じております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 それはどういうふうに理解していますか、この条文を。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) この最後の二行でございますが、「果実又は果実製品の輸入に関し必要な措置を講ずる等当該事態を克服するため相当と認められる措置を講ずるものとする。」という第五条の最後の二行は、ある面では訓示規定、ある面では我が国の関税法の九条の二との関連等々、いろいろ考えさせられる点がございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 その当時加藤さんは農林水産大臣ではなかったので、若干、短い時間説明さしていただきますが、果樹農業振興特別措置法が本国会に提案をされた、第一〇二国会ですか、そのときに、果実生産者や農業団体等から、これだけ外国の果実が入ってきては大変だから何とかして輸入を制限する措置を講じてもらいたい、かねてこのことがこの果樹振興法改正のときに要求があった。しかし、政府はできなかった、やらなかった。そこで、当委員会におきまして、当時の委員長は北委員長だったというふうに思いますけれども、いろいろ皆さんと論議をして、私が提案者になって、各党の合意を得てこの一条を加えたんですよ。加えた趣旨は何か。私は提案理由を説明したから一番よく知っていますけれども、外国からこんなにたくさん果実が入って日本でいろいろ手当してもなおかつ果実生産者に重大な影響を与える場合においては、政府がこれに対する輸入制限的な措置をとりなさい、このことが提案理由の説明に書いてあるんですよ。ですから日本にはこういう法律があるんです。こんな法律は農水省の中にも幾つもないと思う。これは参議院先議の法律であって、当委員会で修正をし、本会議で修正をして成立をしたもんです。こういう法律があるということを今後の交渉で絶対忘れてはいけない。どうですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) まあこういう法律があるということ、並びに、私としたら、先ほど申し上げました関税法あるいは外為法等もいろいろ読みまして、我が日本として対抗措置を講ずる現在の法律は何があるかということ等は農林大臣になる前からいろいろの立場で勉強はしてきておりまして、忘れてはおりません。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 村沢君、時間でありますから簡単にお願いします。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 以上でもって私の質問は終わりたいと思いますが、私は、OECDの中で取り上げられた重要な問題について何点か質問をしたいというふうに思っておりましたが、時間がないのできょうはやめます。後日また具体的な問題については質問いたしたいと思います。  私が申し上げた大臣の所信表明に対する問題、ぜひ理事会でも取り上げてもらいたいし、農林水産省当局においても積極的に対応してもらいたい。国会決議の中における「完全自給」という言葉を忘れてはいけない。それから、果樹振興法を修正した趣旨とこの法律があるということを忘れてはいけない。強く申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 質問させていただきます。  私は、まず、OECD閣僚理事会に御出席をされたことについて少し伺ってまいりたいわけでございますが、先ほど来大臣は、日本の立場も十分に説明をし主張をしてきた、そして各国からの理解も得られたというふうに思うと言っておられるわけでございますが、先ほど来の話もいろいろ聞いておりましたけれども、このOECDでの成果、大臣御自身で採点して何点ぐらいだと思われますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 何点と言われては困るんでございますが、先ほど御報告申し上げましたように、我が国の立場というものは今回理解してもらい、またコミュニケの中にも入れることはできたと思いますけれども、これから後、我が国の置かれておる立場等から次から次へいろいろな問題が起こってくると思いますから、一次試験にようやくパスしたかなと、こう考えております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 一次試験にパスすると今度は二次試験、面接等あるわけでございますので。  次に入ります。  今同僚村沢委員の方からお話がございましたので、私は同じテーマを裏から聞くという形になるのではないかというふうに思うのでございますが、コミュニケの骨子によってお話を進めさせていただくわけですけれども、このコミュニケの前半に書かれてありますところの「日本は内需拡大のために相当規模の財政措置をとるとともに」、この後です、「市場開放に一層努力する。」ということが一節入っておるわけでございますね。このことについて、これは日本の国全体の立場のことになるわけですが、「市場開放に一層努力する。」というこの一行を、農水省の立場からいうならば一体これは具体的にどういう形のことに相なるのかということが、私はこのコミュニケの骨子を読ませていただいておりながら実は考えたことでございます。今、市場開放をめぐっては、先ほど来お話もございましたけれども、残存十二品目の問題あるいは九月に控えておりますところの牛肉、オレンジの問題あるいはまた全米精米協会の再提訴の動きとか、あるいは諸般の農産物に関する関税引き下げの問題等いろいろあるわけでございますけれども、この点のことを勘案しながら農水省の立場からいうとこの「市場開放に一層努力する。」ということは一体どういうことになるのかをまずお伺いいたします。

塩飽二郎農林水産省経済局国際部長

○説明員(塩飽二郎君) ただいま先生から御指摘のありましたコミュニケの日本についての言及、わけても日本の輸入政策についての箇所について御指摘があったわけでございますが、私どもの理解といたしましては、日本政府のこういった輸入アクセスの改善に対します従来からの意図を再確認したというような表現になっておりまして、今回のコミュニケで従来の日本政府の方針を踏み越えて新たなコミットをしたという性格のものではないというふうに理解をしているわけでございます。農林水産物につきましては、従来から申し上げておりますように、ニューラウンドにおきます動きを踏まえまして、今後、国内農業の自給力の維持あるいは国民に対する食糧の安定供給、それから農業の特殊性、そういったものを十分踏まえてニューラウンドの進展を見ながら対応していくというのが基本方針になっております。そういうものをさらに踏み越えて新たなコミットをしたというものではございません。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 それでは重ねて伺いますけれども、後段の方の部分の「長期目標として」のくだりでは「農業助成を漸次削減しながら市場原理を導入していくこと。」、これは先ほど来大臣の御報告の中にもあったわけですけれども、あわせて「食糧の安定確保など非経済的要因にも配慮する。」というくだりがあるわけですね。私は、ここのところの問題も、一方では市場原理を導入するというのはまさに経済原理に基づいて農業というものも漸次進めていくのだということに相なるわけで、一方で今度食糧の安定確保のために非経済的要因にも配慮していくということになりますと、実は経済原理としてはまことに相矛盾する二つのことを同時にこの一行の中で言っているわけで、これは言うは易しいことではあるけれども、実は大変な課題をしょい込んできたのではないかというふうに私は思っているんですけれども、これ農林水産省の立場からどのように理解なさいますか。特に大臣、どのように理解なさいますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 今回のコミュニケは非常に膨大なものでございまして、先ほど先生がおっしゃいました一般的な問題についての日本についての八項目目の「外国の財及びサービスに対する」という「財」、「グッズ」という英語の原文でありましたが、この中に農産物は入るのか入らないのかという議論を一番やりました。「グッズ」という中には農産物が入るということでございます。そこで、原案には「ラピッド」という言葉がありましたからまずその項目は削るように主張して、この最終的にまとまったものの中に「ラピッド」という言葉は切ってあります。  それから、具体的な問題としては今回のコミュニケは十九項目から二十五項目になるわけでございますが、そのうちの今御質問のありました「二十一、改革は、次の原則に基づくものとなろう。」ということで、aとして「長期的な目標は、農業助成の漸進的かつ協調的な削減及び他のあらゆる適切な手段を通じて、」やっていくということがあります。これがaでございます。そしてbとして「農業改革の長期的目標を追求するにあたり、食糧の安定供給の確保、環境保全あるいは雇用全般等の純経済的でない、社会的及びその他の要請に配慮することができる。」という表現でございまして、先ほどもちょっとお答えしたように、この二つの問題を今後どちらにウエートを置いてとるかということにおいて、国内においても議論が若干分かれてくるんではないだろうかなという感じは持っております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 まさにそのとおりだと思うんですね。どちらにウエートを置いて今後いわゆる農業の基本政策を進めていくかということは、これは大きな課題であろうというふうに思います。  その具体的な事例として、OECDにお出かけになる前に、政府方針としてことしの米価決定の方針を定められましたですね。たしか二十九日にしていらしたんじゃないですか。だから私は、今度の米価決定の方針、決定はしてないんだけれども、生産者米価の方針について二十九日に新聞に発表して、それから出かけられたはずなんです。これも一つの作戦かなと思っていたの、私は。作戦かなと思っていましたけれども、今回の生産者米価の問題は、ただ単に我が国の生産者米価の決定のあり方をどうするかというふうな問題ではなく、今こうした事柄をOECD等において約束してこられ、そして今度それがサミットヘと連動していくような世界的視野の中で見られている米価決定問題であろうというふうに私どもは認識をいたしております。世界じゅうが見ているものであろうというふうに思っております。  そこで、今回の大臣のこの所信表明の中に農産物の価格決定については「国民の納得し得る価格」ということが書いてある。それから、そのくくりのところでは「国民の合意形成」が非常に大事だと、こういうふうに言っておられる。まさにそのとおりですけれども、この米価決定に当たっての今度の方針を再確認させていただきたいんです。あわせて消費者米価、どうしていくんですか。今から言えるわけないんだけれども、これは、今言ったように、ただ単に我が国の米のことしの値段がどうなるという問題のテーマではないというふうに私ども思っておるわけです。だから、米というものを今一つの事例に置いて私は伺っているわけです。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) どの新聞のどの記事をもっておっしゃっておるのかわかりませんが、米価に対する方針の決定その他は一切いたしておりません。ただ、私もパリでびっくりしたのは、パリである記者のインタビューを受けたことがありますが、それが別の部分と別の部分をつなぎ合わされて結びつけられたのかなと思って一晩残念に思って寝られないような気持ちになったことがあるわけでございます。  我が国の農政、米価を含む農政を外国から指摘されてやったんではいけないんで、これはもう我が国独自の立場から、農政審の報告を踏まえながらやっていくということでございまして、私がまるでOECDで日本が袋たたきに遭うのを避けるためにそういうことを出発する前に言ったり考えたりしたかのごとくとられてはこれは大変迷惑するんでございまして、そういう点はないということを申し上げておきます。  したがいまして、生産者米価に対しましては、今まで聞かれましたからいろいろな表現はしておりました。自然体でございますとかあるいはメニューがまだそろっておりませんとか、そういうメニューがそろった場合でも、米審の御意見あるいは食糧需給の状態とかいろいろな指数等が出ておりませんから、今までは、ある時期にはナイフとフォークを持って何が出てくるかと待っておりますと言っておったが、どうもナイフがあると切るというようにとられちゃいかぬから、最近は、おはしを持ってどういう料理、メニューが出てくるか構えておりますということを言っておるわけでございます。したがいまして、生産者米価がそうでございますから、まだ今日消費者米価に対してとやかく申し上げる段階ではございません。そこら辺は御理解いただきたいと思います。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 私もでたらめ言っているんじゃなくて、これ「生産者米価引き下げへ 政府方針」固まる、「四%-八%程度」と書いてある、ちゃんと。それから「麦価も五%-一〇%」「内外格差解消図る」ためにと、これ書いてあるんですよ。二十九日ですよ。四月二十九日よ。だから出かける前に煙幕まいていったなと私思っていたの。  それから、全中も五月六日にこれについての対応をするために動いたという、こういう記事を持っているものだから、今回米価という問題を通して外国で約束されてきた事柄を具体的にどうここで示すのかということをお聞きするために今この問題を取り上げたわけです。おわかりですね。でたらめ言っているんじゃありませんから。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) その新聞何新聞か知りませんが、そういうことはございませんということをこの席をかりてはっきり申し上げておきます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 食糧庁、情報流したんじゃないの。  それで、この中で気になるのは、一言だけ言っておくと、「内外格差解消図る」ということを見出しで、これ何新聞かちょっと残念ながら書いてないんだけれども、その中で、内外価格差解消のためというのはいろいろ条件がそろってきたから仕方がないというのはいいんだけれども、問題は、麦価なんかに至っては食管会計を何としても埋めなきゃいけないから、赤字解消のためにという、こういうことをもし食糧庁さん考えておられるとしたら、これはまた根拠が全然違うなと思うんです。いかがですか。

山田岸雄食糧庁次長

○政府委員(山田岸雄君) 今先生から御指摘の新聞情報でございますが、大臣からもお答えいただきましたように、私ども現在のところそのような数字等につきましては固まっていないような次第でございます。現在は、米価算定をいかにすればいいか、その算定方式のあり方等について勉強している段階でございますので、具体的な数字等についてまだ決め得る段階には至っておりません。  私どもといたしましては、昨年の米価審議会におきまして附帯意見等もございますし、さらには農政審の報告が十一月末にも出されておりますし、そういったもろもろの御意見、お考えを体しまして、適正な米価算定なり麦価算定ができるようにということで現在検討している最中でございますので、御理解いただきたいと思います。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 じゃ、お米の問題が出たついでに重ねて伺っておきますけれども、さっき話に出しました精米業者協会の再提訴の動きに対してはどう対応なさいますか。

山田岸雄食糧庁次長

○政府委員(山田岸雄君) 全米精米業者協会が我が国の米の貿易問題につきまして二国間協議をやれよとか、また新たなるアメリカにおける立法措置を講ずるべしとか、昨年やりました米国通商法に基づきますところの提訴を再度やる、こういうふうな動きがあるとかいううわさはあるわけでございますが、目下のところ再提訴等につきましての具体的な情報を我々はまだキャッチしていないような状況でございます。  さはさりながら、我が国といたしまして、全米精米業者協会等がさらに何らかの動きを講ずるということになりますれば、従来から日本としてとってまいっておりました日本の米の重要性、農業にとりましてもまた消費者にとりましても、いずれの面から見ましても非常に重要でございますので、そういった基本的な立場でもって対応するというふうに考えておりますし、米側にこういった従来からの主張を十分理解してもらうように今後も努めていかなければならないだろうと、このように考えておる次第でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 ちょっと話の中身が変わっちゃったんで大変恐縮なんですが、輪作なんかの問題も総合的な立場からひとつ伺おうと思っていましたが、時間がないのでやめます。  最後に大臣、ちょっと最終的にお伺いしたいのは、所信の中で、「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」を受けてのことになるわけですけれども、本年は重要な幕あけの年である、こう言っておられるわけですね。この辺の言葉で表現されておる大臣の一番心の底にある基本の姿勢というのは、何の幕あけなのか、大臣の一番ここで言いたいことは何だったのか、そのことだけをお伺いして、私あと一分しか残っておりませんので終わらせていただきます。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 農政審の報告というこれを着実に誠実に実施していく。その中の主なものとしましては、その所信表明にも述べておりますけれども、まず第一は、何としても水田農業確立対策を農水省の全力を集中して達成していきたい、そういう意味でのものを込めた幕あけという気持ちを表現しておるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 時間が限られていますので、端的にひとつ答弁をお願い申し上げます。  第一番目に、凍霜害による農産物の被害救済対策、いろいろあると思うんですけれども天災融資法の発動等含めて、その救済方を検討いただきたいんです。四月の十三-十五の凍霜害で和歌山の三十四億八千万、カキ、梅を中心にして栃木、群馬、埼玉、長野、静岡、奈良、七県に及ぶ被害、それから五月四-六、青森県の五十六億四千万、リンゴを筆頭に静岡、岩手、秋田、長野、福島県ということで、合計額二百六億七千万円というような数字いただいております。そういう状況の中で、今すぐということには恐らくいかぬでしょうが、私申し上げたような方向で検討をぜひお願いしたいと思うんです。

甕滋農林水産省大臣官房長

○政府委員(甕滋君) ただいまお話のございました農業災害でございますが、対応策といたしましては、技術指導の徹底等によりまして未然防止ということもあるわけでございますが、救済措置といたしましては、農地、農業用施設等の施設関係の災害については暫定法、激甚災害法、こういったものがあるわけでございますが、農作物の御指摘のございましたそういった被害に対しましては天災融資法あるいは自創法等によります救済措置が設けられておるわけでございますが、そういった被害の態様に応じて適切に対処してまいりたいと思います。  なお、凍霜害につきまして、ただいまの御質問に対して、具体的な状況につきましては担当が青木審議官でございますので、そちらから答弁をさしていただきたいと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣、時間ないんだわ。今の具体的な内容というのは、私が聞いたとおり今申し上げたんです。ですから、天災融資法の発動等含めて今後万全の対応策を検討いただきたいということでの大臣の決意だけいただきたいと思います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 四、五月の異常気象によります農業災害についての問題でございますが、目下その被害状況等の把握に努めております。そして天災融資法の発動の可否についてはその被害状況等の把握の結果を踏まえて検討してまいりたいと考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 それでよろしいんですよ。だって金額的に見ても出ているんですよ。私が述べました数字というのはちゃんといただいた資料なんです。ひとつぜひ救済方、万全にお願いをしたいと思います。  次に、大臣はOECDに行きまして演説をされておりますよね。演説のポイントが何か、私もいろいろ見させていただきましたが、一つ重要な部分がございました。特にその一つが、現在の世界の需給状況だけを理由にさらに国内生産を縮小することは困難であるというようなことをお述べになって、自給率の低い国の懸念をも考慮した検討が必要である、こう演説された部分というのは非常に意味が深いと思うんです。この演説を大臣は自給率向上の立場からなされたのか、市場開放という立場からなされたのか、どちらからなされたのかそこをお答えください。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 農業の特性としまして一たん自給率が縮小しますとそれを向上することはなかなか困難である、よって我が国の自給率を今後これ以上低うすることはできないという思いを込めて言ったわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 自給率をこれ以上低くすることはできないという思いということと自給率向上を目指すという思いとは若干違うんですが、自給率向上という点ではこれは当然否定はされませんね。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 否定しません。

下田京子日本共産党

○下田京子君 さらに申しますと、コミュニケの中にも農業分野で、農相がさっきも他の委員に御説明いろいろなされてありましたが、四点について特に強調されたというふうに聞いています。そこの中で、特に改革の原則ということで「農業改革の長期的目標を追求するにあたり、食糧の安定供給の確保、環境保全」等に配慮することができるというふうにまた強調されました。これもまた私は重要な観点だと思うんです。  しかし、問題は、長期的な今申し上げた点に配慮しつつも、市場開放に向かうんだということであっては問題だと思うんですが、この点はどうですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 農産物貿易というのが今日世界においては過剰生産、ストックの増大、それからそれに伴う補助金つきといいますか、強烈な輸出競争があります。それを直すためのいろいろな手法も短期的措置としては議論されたんでありますけれども、この今の「食糧の安定供給」云々というところで、最後の項に「長期的な目標を達成するための政策の漸進的是正には時間を要するであろう。このことからも、遅滞なく政策の是正に着手することが一層必要である。」ということもあるわけでございます。先ほど来申し上げておりますように両面があります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 これも端的に、市場開放に向かおうと思うのか、それとも自給率向上への方向なのか。自給率向上への方向というこの点はちゃんと押さえてありますね。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先ほども御議論がありましたように、単なる自給率の向上ではいけないわけであります。生産性向上を目指し、そして内外価格差を是正することを行いながらの自給率の向上ということになりますと、私はそうであると申し上げるところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 市場開放か自給率向上かというのは目的なんですよ。今云々言ったのは、それは手段なんです。私はそれを聞いているんじゃないんです。自給率向上に向かうのか、それとも市場開放に向かうのか。自給率向上に向かっていろいろやりたい、こういうことなんでしょう。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 一方的にそうなんでしょうと言われたらそうですとは言いかねるところに、国民に安くておいしいものを供給していくという政府の義務もあるわけでございますので、市場開放ということと自給率向上ということをうまく調整して持っていくという意味で、こっちだけだあるいはこっちだけだと解釈されるのは困るような気がいたします。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今の議論は非常に問題なんですね。それは両方だよというふうに聞こえる。ただし、先ほど来の話も含めて、自給力向上ということは決して捨てていない。私は逆にこれを歯どめにしておる、大事なことだから。  そこで、大臣いいですか、よく聞いてください、今から申し上げますことを。「国際的な穀物価格の暴騰などを考えると、食糧安全保障の面からみても、自給率の過度の低下は問題が多い。」。首振っておられますが、そう思いますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 文部省、おいでだと思うんです。  文部省、今のくだりは、これは来年の四月から使われる高校の「現代社会」の農業分野における記述であります。この記述を、実は修正意見という形で書き直しを指示されておりますことを、これは出版労連の教科書レポートというところを見て私は知りました。出版社にも問い合わせをいたしました。そうしたら、そういう記述があることも判明いたしました。そしてその修正指示の内容なんですが、このように書いてある。「農産物貿易があたえる影響は、消極的な面だけではない。消費者価格の低下など、積極面にも触れて欲しい。」、こういう記述があることはお認めになりますね。

御手洗康文部省初等中等教育局教科書検定課長

○説明員(御手洗康君) 御指摘の教科書の件につきましては、現在まだ検定作業が終わっていない段階でございますので直接のお答えにつきましては控えさせていただきたい、かように存じますけれども、一般的に申し上げますと、私ども検定に当たりましては、幾つかのいろいろな考え方がある事象につきましては、できるだけそれらの状況に配慮しながら客観、公正な立場からバランスのとれた記述を行っていただくようにという観点から意見を申し述べているところでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今の問題、そういう書き直しを指示しているということが判明したわけなんですが、文部省いいですか、行き過ぎてますよ、これは。  なぜ行き過ぎているかというと、今この自給率向上問題をめぐっていろいろ議論がある。過度の自給率低下は問題だというのは、これは皆さんそれぞれ立場があるけれども、次のようなことで問題だと感じているんです。  第一に、OECD参加国の中でも、これから行われるサミットの参加国でも、最も自給率の低いのが日本なんです。四十九年当時のような石油パニックの状況が起きたら、穀物の価格がいつでも安いという保障ができますか。それから「消費者価格の低下など、積極面にも触れて欲しい。」と言っていますが、今は確かに安いです、異常円高もあって。しかし、これがどうなるかわかりません。と同時に、問題は、異常円高を追認しているということの問題点もあるんです。それから市場開放への誘導策ともとれる、そういう問題もあるわけなんです。ですから、こういう形での行き過ぎた検定、私はやめるべきだと思う。検討中だからこそ今からでも遅くないんです。それこそ検討しなさい。

御手洗康文部省初等中等教育局教科書検定課長

○説明員(御手洗康君) 検定中、作業中でございますので直接お答えはいたしかねますけれども、食糧の自給率が低いということ自体につきましては、客観的な事実としていずれの教科書にも記述されているということは事実でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 農相、今の教科書検定中にそういう修正意見が出ているんですけれども、文部省から何かそういうことでコメント求められたんですか。

甕滋農林水産省大臣官房長

○政府委員(甕滋君) そのような話は私どもは伺っておりません。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そうしますと、再度このことについて、検定中だから述べられないということだから仕方がありませんが、検定中だからこそ、こういう形での行き過ぎた、しかも修正意見です、単純な正誤訂正じゃないんです。検定のあり方まで私は申し上げませんけれども、まさにその事実にかかわる、その評価にかかわる、それに一方的にこういう形での修正意見がついてきている。大変問題だということを申し上げておきます。文部省、いいです。  それから次に、大臣、お米の自給率の一〇〇%確保どうかという点で大臣いらっしゃらないときに総理にいろいろ伺いました。それで大臣にどうしても聞きたい部分がありましたので二、三聞きます。  一つは、リン農務省長官、ヤイター通商部代表がお見えになったときの懇談会で農相は、お米の自由化は認めません、そしてまた二国間協議についてもノーだということを明確に表明されました。ところがレーガン大統領は、輸入制限は残しても輸入枠の設定を要求してきています。つまり米の加工用の一部輸入です。このことについて明確にノーとお答えいただけますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) レーガン政権という表現が私はよくわからないんですが、あるいは先般の中曽根訪米に当たっての両国のプレスに対するリマークスであるいはアメリカ側のものと日本側のものとの違いが若干そこら辺にあった記憶はございますけれども、簡単に答えろとおっしゃいますならばそれについてもノーであります。

下田京子日本共産党

○下田京子君 次に、ウルグアイ・ラウンドに臨む態度なんですけれども、「ウルグアイ・ラウンドと日本」ということで新ラウンドに関する懇談会、外務大臣のもとにつくられてこの四月に発表されました。大臣もお読みになっていると思いますが、外務大臣の私的諮問機関であるこの懇談会の報告中で実はこういうことが書いてあります。お米の輸入について一定限度の米輸入が必要、こう言っているんです。そして外務大臣もこの立場で臨もうとされているのではなかろうかと心配しているんです。農相、このことについてどういうふうに対応されますか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 御指摘の懇談会は外務大臣の主宰する私的懇談会でございまして、それ以上のものではないと理解しております。したがって特にコメントすることは必要ないと考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 コメントする必要ないというんでは消極的なんです。  さっきのOECDで大臣いろいろ奮闘されたように新聞等でも報道されているんですが、よく読んでいきますと、日本の事情をお述べにはなっているけれども、積極的立場じゃないんですね。非常にその辺が問題で、この私的諮問機関のところでもこう言っているんですよ。「コメの「自給」あるいは食糧安保の問題については、「自給」といっても一〇〇%自給である必要は」ないんだと。だから、「酒造用及び加工用等の工業用米については可及的速やかに輸入を実施して」いってはどうなんだと、こう言っているんです、明確に。  レーガン政権というのはどうかと言うならレーガン大統領はと言い直しますけれども、今私が言っているのは、レーガン大統領も含めて一部そういうことでの輸入みたいなことは迫ってきているんです。そのことについて明確な対応をすべきだということで私は大臣のより積極的な対応策をお聞きしたいんです。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) その点につきましては、昨日でございましたか、一昨日でございましたか、当院における予算委員会において私は若干省略してお答えしたわけでありますが、アメリカの法律、一九七九年貿易管理法並びに一九七〇年農業法、いろいろ条件はつけておりますが、その条件に従って穀物の輸出を禁止することができるという法律があります。こういう法律がある限り国民の主食である米についてそういうことはやらないということでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ベネチア・サミットに参加する総理に対して農相が米自給の方針に揺るぎなき態度を貫くように申し述べる機会はあるんでしょうか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 帰って総理に報告をしました。出発する前も総理にお目にかかりまして、問題点としては九つこういう問題が原案についてはある、これに何としても日本の立場、主張を入れたいということ等を申し上げて出発し、帰ってきてからの報告で、大体こういうように入れることができました、したがってベネチア・サミットにおける土俵づくりはして帰りました、したがって事農業問題に関して日本が袋だたきに遭うようなあるいは日本に対する特別な大きな要求が出てくる雰囲気でないようにだけはしてまいりましたということを申し上げておきました。

下田京子日本共産党

○下田京子君 ぜひ出発前に農相の方からきっちり、もう少し話をしていただきたい。より次元の高いところで議論がなされるだろうとさっき経済局長が言われたんです。そして総理がまた変なことを約束されたんではたまったものじゃないんです。そこは希望しておきます。  最後に、時間が参りますんで、大臣いいですか、さっきの内外価格差の問題なんです。そこでぜひこれは積極的に対応してほしいんです。  さっきの所信表明にもありましたが、農地の整備などを積極的に進める、こういうことなんですが、国営かんがい排水事業、この事業費を見ますと、五十三年度から今の減反政策が始まったんですが、この五十三年当時、国営かん排の特別型、これは農家ですね、地元負担が十アール当たり四万八千円でした。それが実に六十一年では十万四千円と二一六・七%アップになっている。この間にお米の方は幾らかというと八・二です。いいですか。さらに六十二年度になりますと何と四万八千円の十アール当たりの負担額が十一万二千円となっています。つまり、工期のおくれ、それから建設利息がつく、そして今低金利の中で高金利時代のものが借りかえもできない。しかも、かん排事業といったら基盤整備の基幹的なもの。そういう状況の中で、一体、内外価格差是正ということで米価を引き下げるようなことだけやっていいのか。問題は、ここのところの金利の引き下げ、借りかえ、あるいは基幹排水路等についてのもう一回検討のやり直し、こういう点での対応策をぜひやっていただきたい。その決意をいただいて私の質問を終わります。

鴻巣健治農林水産省構造改善局長

○政府委員(鴻巣健治君) 今御指摘のようなことを踏まえて土地改良事業については必要な予算の確保をいたしております。  ただ、借りかえという話につきましては今まで随分やっておりますが、すごく難しい。これは釈迦に説法ですけれども、郵便貯金を預けている人から資金運用部が金を借りて、それをまた私どもの方に金を貸してくれているわけですから、借りかえをしようとすると逆に昔高い金利で預けていた郵便局の預金金利者に大変ないわば衝撃といいますか、被害といいますかを与えるものですからここが極めて難しいところで、そういう意味で財投の資金の借りかえについてもいろいろ御要望がありました。私もよく覚えておりますが、極めて難しいという問題がございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 今局長からお答え申し上げましたが、実は、私も農林大臣に就任した直後に宮澤大蔵大臣に申し上げたことがあります。あなたが国債の借りかえをおかえになるなら我が農林省の長期的なものも全部一緒にやってもらいたい、そうしたら相当の金利低下、それはある面では生産性向上、農民負担の減に通ずるということを申し上げたことはあるわけでございます。今日いろいろありますが、いろいろなできる限りの制度金融の問題その他の問題について利率の引き下げ等をできるものから鋭意やっておるのを御理解いただきたいと思います。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 きょうOECDの問題が非常に議論されておりますが、私は、大臣が初めて総合的に日本の農業の立場を国際的な視野を入れながら話されているあの発言というものに非常に敬意を表し、日本農業が孤立化を避ける方法として非常に納得的なものだと、こういうふうに理解しております。殊に世界の農産物市場価格を無視して日本農業の自給率を高めるとか日本の農業をこうするとかいってみても始まらない。やはり国際価格を見ながら国際価格にいかにして日本の農産物価格を接近をしていくか、それにはどういうふうに農政を展開するか、こういう基本的な立場をしっかり開陳された。それには時間が要るし我が国の特殊な立場もあるんだということで理解を非常に深められたという意味においては私は非常に高く評価することを申し添えておきたいと思います。  それで、今度の農林水産大臣の所信表明、それから農水省が六十二年度において講じようとする農業施策というのを拝見してみましたときにやはり水田農業の確立ということが非常に重要とされているのですが、私は、じゃ水田農業と畑との関連をどう考えているのか。殊に耕地整理や水田の排水をやってそうして米以外にも水田でとれるように生産性を高めて対処できるようなことが書いてあるわけですよね。そうしたら、水田というものをいつまでも補償の対象にし、米をつくらぬことに対する補償をいつまでも残すということは、これは水田を畑作もできるように転換をする努力というものとの関連をどうするか。いずれ、やはり水田だけの米をつくらぬ補償というものを削減をしていくという努力も計画目標がしっかりしていなければ余り意味がないような気がするんですが、これの長期目標というものをひとつお示し願いたいと思うんです。また考えてもらいたいと思うわけでございます。  それから、国際価格や輸入農産物や国内市場の価格というものを考えられた場合に、やはり流通の合理化を図るために、今大都市にだけ立派な農産物市場があるんですが、中小都市やその他にまだまだ中小零細企業の農家が出した幾つもの種類の作物なんかの流通をやるような組織がない。みんな私的な株式会社、個人がそういう市場をつくってやっている。こんなのはできるだけ農水省が主導をしてやって、むしろ農協がきちんと出資してそれに対して国が補助なりして、市場をずっとつくるような格好もやってもいいだろうと思う。この前も言ったふうに、農産物の新しい生産品目の市場をつくるということがまだ非常に欠けている。今は野菜とか魚だけで、一例を言えば花とか、新しい品目についての市場の施設がない。こういうふうな農産物の市場対策、こういうようなところにももっともっと施策を講ずるべきじゃないか。その二つについてお願いします。

浜口義曠農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(浜口義曠君) ただいま先生から水田農業確立対策についての考え方、基本的な問題はどうだ、こういうお話がございました。  水田農業確立対策は昭和四十六年以来実施してまいりました米の生産調整対策の経験あるいは教訓といったようなものの上につくられておりまして、昨年の十二月、農林水産省といたしましては省議決定をいたしまして一つの方向を出したわけでございます。ここの基本的な考え方を簡単に申し上げますと、これまでの対策といったようなものについて、端的に申し上げまして水田といったようなものでありながら水稲に対する考え方がやや弱かったのではないかというような考え方に立ちまして、一つは、稲と他作物、転作作物を通ずる地域輪作農法の確立というものをこの内容に置いたわけでございます。  先生御案内のように、水田につきましてはそれこそ二千年来のものでございまして、これには農民の方々の英知あるいは苦労といったものが結集しているわけでございます。そういった水田の施設という点を十分考えまして、その中におきまして今申し上げましたような地域輪作農法というようなもので麦とかあるいは大豆とかそういったようなものあるいはさらに飼料作物というものを耕作いたしまして水田農業を維持していく、それが日本農業の基本であろうという考え方に基づきましてこの水田農業の確立対策というものを発足さしていただきたいと、かように考えているところでございます。

谷野陽農林水産省食品流通局長

○政府委員(谷野陽君) 農産物の流通の問題でございますが、御指摘がございましたように、我が国におきましては生鮮食料品の流通につきましては卸売市場がその大宗を占めておるわけでございます。卸売市場につきましては、物的流通、物を集めまして品ぞろをして配るという物的流通と同時に、価格形成が公開の競りを原則といたしておりまして、そういう面で流通の効率化につきまして大変評価を受けて今日まで発展をしてきたわけでございます。ただ、御指摘がございましたように、今まではどちらかと申しますと大都市を中心の整備が進んでまいりました。大都市につきましてはほぼ整備が一巡をいたしておりますが、地方につきましてはなお地域によりまして分散したものあるいは零細な私的な市場がかなり残っているというのが実情でございます。  私どもそのような認識のもとに昭和七十年度を目標とする第四次の卸売市場整備基本方針というものを昨年立てました。その中で民営の地方卸売市場の統合整備と公営化というのをその一つの大きな題目に挙げておるわけでございます。民営の市場を統合いたしまして公的な機関の監督に置きますに当たりましては、いろいろ施設の整備のほかに、商業調整と申しますか、そういう問題も必要なわけでございまして、それぞれの地域の皆様方の御理解の中で進めていかなければならないということで多少時間はかかっておりますが、今後はこのようなものを特に重点を置いて進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  なお、市場の取り扱い品目につきましても、伝統的な野菜でございますとか魚というものにつきましては従来から扱っておるわけでございますが、食べ物も大変多様化をいたしてきておりますし、また花に対する需要なども最近ふえてきておるわけでございまして、そういう意味で卸売市場の機能をもう少しいろいろな面で発揮できるような運営あるいは施設の整備も加えてやってまいりたいというふうに考えております。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 時間の関係がございますので、二問お尋ねいたします。簡潔にお答えいただきたいと思います。  まず第一問は、大臣の所信表明の二十二ページに「農林水産物貿易をめぐる問題につきましては、需給動向等を踏まえ我が国農林水産業の健全な発展との調和を図ることを基本に、ガットにおける新しい農産物貿易ルールづくりとの関連を十分考慮しつつ、適切な対応を図ってまいりたい」と、こう述べておられます。  そこで、気になりますことは、大臣も今度苦労してこられたわけでありますが、ニューラウンドの関連で十二品目の再検討がなされる、こういうことが伝えられております。また所信表明の中にもその含みがありますが、具体的にはどのように進めていこうとしておられるのであるか。これは国内農業に対して重大な影響を与える問題である。特に、毎年のことでありますが、沖縄のパイン産業に対してショッキングなことでございますので、その点いかようにお考えか、お伺いしたい。

眞木秀郎農林水産省経済局長

○政府委員(眞木秀郎君) 現在日米間で問題になっております十二品目、地域農業の主としてパインの場合は沖縄、そういう場所においてそれぞれの地域経済を支えているものもございますし、また畑作の輪作体系を維持していくためには不可欠な品目といったものもございます。いずれも我が国の農業にとって重要な地位を占めておるわけでございます。こういうことで、アメリカ側が主張しておりますように十二品目すべてについて完全自由化しろというような言い分にはこれを受け入れることができないということで今日まで推移をしておるわけでございます。その結果、アメリカ側はこれをガット二十三条二項に基づくパネル設置を要求いたしまして今月初めにその第一回のパネルが開かれたわけでございますが、我々といたしましては、このパネルの場におきましてはできるだけ現実的かつ公平な解決策が得られるよう努めていきたいと考えておるところでございます。  しかしながら、やはりこのような問題、我が国としては、やはり品目ごとの需給事情等を見ながら一体どこまで日米の間で双方が満足し得るような形での現実的な解決策が得られるか、やはり日米だけでそういうことを話し合う方が基本的には望ましいという考え方であります。ガットの場でございますとやはりアメリカ以外の多くの国々も関心を有しておるということでいろんな主張も行いますし、また場合によれば規定上の合法性なりそういうところに偏った議論にいくおそれもあるというようなこともあります。したがって、我々は、現在、まだアメリカ側の主張が今申し上げたようなところでございますので、なかなか糸口がつかめないという状況ではございますけれども、粘り強くアメリカ側と話し合いをしてやはり二国間で現実的な解決策を見出すという道も努力をしてみたい、このように考えておるわけでございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 お尋ねする、深めていく時間がありませんので、今の問題につきまして申し上げたい一つは、農は国のもととかあるいは国内自給の向上を目指すとか、こうどなたも大臣はその所信表明の中で言われますけれども、事実は外部からの側圧を受けて今や日本農業の危機に直面しておると、こう言わざるを得ません。そういう状態の中で、本当に農は国のもとであるとかあるいは国内自給の向上を目指すとかいうことが具体的に一体どういうことなのか、どういう方向に行くのか、このことを今後も真剣に見詰めてまいりたいと思います。  第二問に移ります。  二問は、九ページに「次代の農業を担う技術・経営能力にすぐれた意欲的な農業者の育成確保にも努めてまいります。」、こううたっておられますが、このことについても私は、単なるアドバルーンになったら大変だ、こういう懸念を持つのであります。それは、高齢化社会が進行しつつある、二つには農地利用権の集積は済んでおらない、三つには生産性は低い、四つには国外の安い農産物がどんどん入ってくる、このような状況の中で、一体、日本農業に魅力はあるのか、将来性はあるのか、若い農業者の確保、夢と希望を持つ若い農業者の育成が本当に可能であるのか、こういうことを憂うるのでありますが、その点についての大臣のひとつ所見を承りたい。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 次代の農業を担う若い農業者の育成確保をするためには、基本的には農業を魅力ある産業として育成し、そして住みよい農村をつくり、若い農業者が意欲を持って農業に取り組めるようにすることが重要であると考えております。このため、農業生産基盤、生活環境の整備等の各種の施策を推進しておるところでございます。  長くなりますが、これとあわせて、先ほど申し上げましたが、高度な技術・経営能力を有するすぐれた若い農業者を育成するためには、改良普及員による技術・経営等の指導、県農業者大学校等における実践的な研修教育の充実、就農青年による自主的な集団活動の助長あるいは農業経営の開始等に要する資金の援助等の対策を進めております。また、六十二年度からは新規学卒就農者のほか、Uターン青年、農外からの新規参入者等を含めた幅広い観点から若い農業者の育成確保対策を総合的に推進していくこととしております。  今後とも、技術・経営能力にすぐれた若い農業者の育成確保のために、これらの施策を推進してまいる所存でございます。

山田耕三郎各派に属しない議員

○山田耕三郎君 帰朝報告に対して一点、所信表明に対して一点、加藤農林水産大臣にお尋ねをいたします。  先般のOECD閣僚理事会が農業保護を削減する方向を曲がりなりにも打ち出したことで農業も国際協調を求められる時代を迎えた、このような報道がなされております反面、OECDの総論賛成に過大な期待を持つのは早計かもしれないという報道もあります。理事会における各国代表の話し合いの過程では、意見の相違もあり厳しい論議も交わされた旨の御報告を承りました。コミュニケの合意とは裏腹に各国の利益が複雑に絡みます問題だけに今後も紆余曲折の道をたどるだろうとは思われますが、各国代表の対応がどれだけこのことの成立を急いでおいでになったのか。もっとわかりやすく言えば、どこまで本音だったのか、御出席されました大臣の感触を承りたいと思います。  もう一つの問題は、今日迎えております農政問題はいずれも困難な問題でありますが、中でも困難な問題は私は米だと思います。米が余っており減反面積を拡大し続けなければならない現状が継続されます限りは、いかなる施策も立てにくいと思っております。例えば、農協が食管制度は消費者のためにあるといっても、余っておる現状では全量管理の理論は出てまいりません。さらには先ほども御論議がありましたように、食糧安保の問題も安定供給の問題も、国内産米が余っております現状では切実感が出てまいりません。また、所信表明にもありましたような水田農業の生産性の向上も、余っております現状では説得力がありません。だから私は、今必要なのは米の消費拡大こそ緊急の課題ではないかと考えております。  先般、岩手県の農業を調べさしていただきました。食糧事務所の表玄関に「毎日ごはんで明るい家庭」という垂れ幕がかけられてありまして感激を覚えましたのでございますけれども、そういった行政施策に対する大臣の所信を承りたいと思います。  以上で私の質問を終わります。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) まず申し上げておきたいのは、参加二十四カ国ともにニューラウンド、ウルグアイ・ラウンドの成立あるいは目的達成に向かっては意見が一致しておりました。ただ、短期的処置につきまして、これはまあ日本には直接関係は私はないとは言い切りませんが、農産物輸出国の間で、先ほど来申し上げております過剰生産、過剰在庫、そして輸出競争の激化という問題について、これは大変な意見の対立あるいは激論が闘わされました。  そういう中で、農業政策の長期目標として今回のOECDの宣言はあるわけでございますけれども、これは、長期目標としては各国は協調してできるだけ市場原則にのっとった農業生産や農業助成の削減を目指して努力する必要があることを全参加国の共通の認識としてうたったわけでございます。この長期目標の具体化はこれからの課題でございますが、今後、先ほど申し上げました新ラウンドにおける農産物交渉の進展を踏まえながら、各国の立場に応じた――各国の立場に応じたということですが、均衡のある形で各国によって実施されていくべき問題でございます。  日本としましては、先ほど来いろいろ申し上げております主張した立場等を今後我が国の農政の基本方向としてやっていくわけでございますが、繰り返して申し上げますが、これは農政審の「基本方向」の線に沿ったものであるということでございます。  その次の、先ほどの私の報告の中の米の消費拡大策でございます。  これは我々も必死で取り組まなくてはならない問題でございますが、米の需給均衡に資するとともに、長期的な我が国の風土・資源に適した日本型食生活を広く維持・定着させていくということを基本としまして、まず第一に米についての正しい認識の普及・啓発、それから地域における米消費の拡大対策、米飯学校給食の計画的な推進あるいは米新加工食品の開発・普及等の施策を積極的に講じてきたところでございますけれども、今後とも大都市圏を中心としまして米飯学校給食の回数の増加、生産者団体を中心とする農山漁村地域を重視しました消費拡大運動の積極的な展開等、創意工夫を凝らした一層の推進を図っていく必要があると思います。これは主食としてでございますが、また主食以外の需要の拡大を図るとともに、水田の有効利用と転作の円滑な実施に資するために多用途利用米の拡大を図ることとしております。六十二年度におきましても、従来の加工原材料用の用途、すなわちみそでありますとか米菓、米穀粉等の範囲内で需要の拡大を図るとともに、新たにモチ米製品用及び酒造用の多用途利用米の導入等を図ることといたしておりまして、消費拡大に一生懸命努めてまいりたいと考えておるところでございます。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 本調査に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。  午後一時より再開することとし、休憩いたします。    午後零時二十二分休憩      ―――――・―――――    午後一時五分開会

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  林業等振興資金融通暫定措置法の一部を改正する法律案及び森林組合法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。  両案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 私は、ただいま審議することになりました森林組合法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案と林業等振興資金融通暫定措置法の一部を改正する法律案について、特に振興資金融通暫定措置法の方は改正点が一カ所ということもありますので、したがいましてほぼ全体に一括をした形で林政にかかわる問題ということで最初にいろいろとお伺いをして、それから内容に入らせていただきたい、このように思っております。  そこで最初に、今は大変急激な円高ということでそれこそ国内産業それぞれ大変厳しい状況の中に置かれているのであります。そしてしかも、外国からの農畜物の自由化要求といいますか、これが非常に急だということで、午前中の大臣の帰朝報告、所信表明でもいろいろと今の厳しさというものでの質疑応答が行われたわけでありますが、特に林業という観点でいきますならば、外国からの輸入材というものが国内の林業にも重大な影響を与える、こういうことになってきているわけであります。  そこで、材木の輸入自由化が行われたその影響がどういうふうにあらわれていて、そしてそれが今後どういうふうに展開をするとお考えになっているか、まずその辺のところからお伺いをしたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 戦後の復興期に、旺盛な木材需要にこたえまして国産材だけではなかなか供給できないという事情もございまして、第一次産品の中では比較的早い時期に木材についての輸入自由化がされたわけでございます。その後いろいろな国内事情あるいは国際事情が重なりまして、現時点では大体全体の三分の二程度が輸入材というものに依存しているわけでございますけれども、ここのところ、ただいま先生からもお話しありましたような急速な円高とそれから円高の定着ということが加わりまして、従来のそういう木材を取り巻く需給関係というものがもう一つ変調といいますか、変わりを来してきているわけでございます。  その一つは、何といいましても円高が進行したということで、外材の競争力というものが価格面でかなりついてきたという点が大きいわけでございます。外材が非常に安く入ってくることと国産材との関係で見ますと、これも樹種によりまして相当違っておりまして、カラマツでございますとかあるいはエゾ、トドというような外材ともろに競合するものにつきましてはかなり国内産の価格も下がっているわけでございますけれども、例えばヒノキ等の昔ながらの優良材、こういうものにつきましては幸いにしてそれほど価格面での下落はないという状況にございます。しかし、全体としての国産材の供給比率というものは、残念ながら円高の進行とともにここのところ減ってきているということは事実でございます。  それから、これからの見通してございますけれども、おかげさまで去年以来住宅の新築戸数というものはかなり急速に伸びてまいりましたし、その中での木材の使用という点も昔にはまだ復元はしておりませんけれども根強い需要が出てきておりますし、それから丸ごと木造ではなくても内装材を木造で使うというような動きも顕著に出てまいりまして、需要という点ではいろんな需要拡大運動ということの成果もございまして若干明るさの兆しというものが物によっては出てきているわけでございます。いずれにいたしましても、これから先々の見通しとしては、そういう短期的に需要というものが拡大してきたことを逃さずに、この機会に生産、流通、加工、こういう全体についての真剣な取り組みをして、せっかく返りかけてきた木に対する需要というものを着実にとらまえまして将来の発展につなげたいというふうに考えているところでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 当面のそういうことは今のお話でわかりました。若干でも明るい見通しも立て得るというその辺のところは私も大変ほっとする面なんでありますが、しかし同時に、そういう短期的な問題とそれから少し中長期的にというか、というものを展望していった場合でまたちょっと違ったいろいろな要件などもあるのではないだろうかというふうにも思います。例えば、かつて戦後の乱伐の時代があったと言われます。それを今度は植林をして、回復を図るための努力をずっとしてこられた。これは、国有林はもちろんですが、民有林も一定程度の役割を果たしてきただろうと思うんです。  そういう中で、木は短い間にすぐ製品になるわけじゃありませんから、そうすると少し中長期的に見ていきますと、植林をしたそういうものが今度は製材として国産材として具体的に出荷をしなければならない、そういう時期が来ると思うんです。そういうときに、今の外国との圧力――外国との圧力という言葉は悪いですが、そういう中で円高によって国内需要の三分の二が今輸入に頼っているというお話でした。そうすると、そこで一定程度マーケットのシェアを輸入材が確保している、そういう我が国の経済パターンが木材需要のパターンになっている。こういうときに今度は一斉に国内産の木が販売されなきゃならぬ、こんな状況が出てくるという心配はないですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 我々の悩みもまさにそこにあるわけでございまして、戦後営々として努めてまいりました人工造林、これが御承知のとおり千二十二万ヘクタールに上っておりまして、これが十数年なり二十年になりますと伐期に到達して戦線に参加してまいるわけでございます。現在の苦しい事態をどうやって持ちこたえて、せっかく植えた木が市場に出てくるときに十分に競争できるような体制を今のうちにどうやってつくっておくかということがやはり林業に携わっている者の使命でございまして、そのためには、何といいましても個別経営における一つはコストの引き下げで、このためには集材コスト等で大きなウエートを占めております道路網、これも立派な林道でなくても、あるいは作業道でございますとか、こういう緻密ないろんな輸送網というものを張りめぐらしてコストダウンを図る。それから、どうしても労働力の問題でございますとかいろんなことが出てまいりますので、機械化の新しい進展、特に新しい機械の開発と同時に、機械を使うシステムというものを地域なら地域ということ全体で今のうちに知恵を出しておく必要があるのではないかと思っているわけでございます。  いずれにいたしましても、戦後植えました木がどんどん蓄積がふえてまいりまして、あと十数年なり二十年たちますと十分に供給力としてはついてくるわけでございますし、それから一方、需要の方は、先般の総理府調査でもはっきりしておりますように、八十数%の方々はでき得れば木の家に住みたいというような国民の大方の方々のニーズというものも深くございますので、せっかくある需要とそれから将来できる供給を円滑に結びつける、そのために、現時点の苦しさを金融であるとか税制であるとかあるいは一般会計であるとか、こういういろんな財政手段あるいは援助手段というものを活用いたしまして何とか持ちこたえ、活性化を持続して将来に備えたいということが我々の悲願なわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 私は、今すぐに答えをというような性急な無理なことは言いませんけれども、しかし問題は幾つかあると思うんですね。  例えば、今の長官のお話のように、これからいろいろとコスト引き下げのための努力をしていくといたしましても、林業の性格からいって伐採、出荷のときの経費というのは非常に大きいでしょうが、それにしても、今までの育林経費というものは既にコストとしてかかってきております、それは、これから下げるということができない部分として残っているわけです。そういう問題をどうするかというようなこともあると思います。  それからまた、先ほど来やっぱり一番悩んでおられるところだというふうに言われましたけれども、こういう国内マーケットのシェアでいって果たして競争に耐え得るような国産材たり得るんだろうか、価格的にですね。価格を需要の一つの物差しとしておきますとね。そういう問題はこれは常について回っていると思うんです。これは農産物についても同じなわけでありますけれども、農産物よりももっと山の方は資本の回転スパンが非常に長いということなども加わってさらに一層その辺では厳しさというものがあるのではないだろうか、こんなことが心配をされます。そうすると、外材と競争し得るコストでの出荷が果たしてできるかどうかということ、これはやっぱり率直に言っていろいろと心配があると思います。よほどうまい方法を考えていただかないとその辺が非常に厳しいのではないか、こんなふうに思います。  これは、これから森林組合法の一部改正を審議するに当たりまして、やはり森林組合をせっかく育成をしていってもそのときになってまた組合の存立すら問題になるなどということがあってはならないわけでありますので、こういう基本方針とは非常に密接にかかわっているということで特に確かめておきたかったし、また要望を申し上げておきたいと思います。  そうして、特にこの辺は、私はやはり非常に大きく国民のニーズの方も加えて検討しなきゃならない本当に大きな課題なんではないだろうかというふうに思いますので、何かその辺のところはプロジェクトでも考えていただいて、いろんな英知を集めるような努力をしていただかなければ道が開けないんではないかというふうにも思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ここ一、二年、林業経営だけじゃなくて、国民のいろんな幅広いニーズというものも森林なり林業に対して出てきておりまして、そういう認識に立ちまして林野庁といたしましてもここのところ林政審議会でいろいろ林業の基本問題というものにつきまして御討議いただいて、去年の十一月に一応「林政の基本方向」というものを出していただいているわけでございます。  その中でも、森林の機能というものが単に林業生産活動だけじゃなくて、いろんな公益的あるいは公共的機能を持っている。そういうやはり総体としての森林経営というものに持っていきませんと、せっかく国民から負託されている国有林でありあるいは民有林の場合にもこれだけ狭い国土で限られた緑の場でございますので、そういう緑の維持・培養、それから木材生産活動、こういうものを調和のとれたいろいろな新しい施業方針ということで、例えば天然林施業でございますとかあるいは広葉樹をもう少し、今までどちらかというと針葉樹に過多ぎみでございましたのを広葉樹にも傾斜するとかあるいはいろんな国民の建築資材なり家具資材に対する要望の動きからいいまして良質材への希求というものが強くなってまいっておりますので、その伐期をあるいは長期化あるいは平準化するとか、そういうようなことで従来の施業なり林業経営とは一味違ったいろんな知恵を出すべきであるというような御意見を林政審からもいただいております。そういう意見を踏まえまして、林野庁の中でもそれぞれの項目に即しまして二十一世紀を見据えて森林経営というものはどうあるべきかというものについての研さんを積んでいるところでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 私は、林野庁の努力はそれはそれでよく評価をします、わかります。しかし、例えがちょっと適切じゃないかもしれませんけれども、家が火事になりますと、火事の中にいる者は逃げ道がわからない、極端な言い方ですがね。外から見ているとこう逃げればいいのにと思うのがなかなか、うろうろしたりするということがあります。林野庁は専門的な立場から一生懸命御努力をなさっている、しかしやはりいろいろなところからいろんな知恵をということが、これが非常に役に立つことになるのではないだろうか。もちろん、悪意のあるといったら言葉は悪いですけれども、そういう意見はこれ別ですけれども、しかしかなり広く意見を聞いてそして新しい分野を開くというようなことの努力をされないと、私は、今さっきから提起をしております国産材が伐期が来て今度はマーケットが非常に狭い競争で大変になる、そういう時期に本当に禍根を残すことになるんじゃないだろうか。それまでに対策を立てるには、やはり今からそういう広く知恵を集める努力をされるべきだと思いますけれども、その辺はいかがですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 御指摘のとおりでございまして、こういう厳しい時代になればこそ従来の経験なり蓄積だけではなかなか局面が切り開けないわけでございまして、異業種でございますとかあるいは林業に余り関係のない一般の市民の方方、こういう方々の素朴な意見なりあるいは他業種で積み重ねてきたいろんなノーハウ、こういうことも吸収して総合的にやはり取り組む必要があるわけでございます。そういう観点から、従来からも林政審議会でございますとかあるいは中央森林審議会、こういうところにもできるだけ幅広い一般の方々の御参集もお願いいたしまして審議を進めてきてはおりますけれども、ここのところの緑なり木に対する国民の関心の広がりというせっかくのチャンスでございますので、林野庁側も積極的に一般の方々の御意見なりお知恵なりノーハウ、こういうものを吸収する機会をできるだけ多く開くということで、それぞれの地域におきましても拠点的なモデル木造施設というようなものをつくりまして、そこの場を中心といたしましてそれぞれの地域でのいろんな意見を集約するという活動もしておりますし、それから林野庁自体も他産業あるいは他学界の方々からいろいろ意見を従来からも聞いてきてはおりますけれども、これからますますそういう方向で努力をし、将来に備えたいと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 先日の予算委員会の中でも森林についていろいろな角度からの意見なども、たくさんあったとは言えませんけれども、幾つか出ていたものがあります。そうした中で、例えばゴルフ場に関連をして出ていた意見などもありました。例えば、今のゴルフ場にするというのは、私は、どうも、これから森林組合にいろいろなことがやれるようにしていこうといっても、そういうことまで含めて考えるのは少し行き過ぎだというふうに思いますね、木を切ってしまうわけでありますから。ですが、例えば分収育林などいろいろと工夫をしておられるわけでありますけれども、具体的に国民の皆さんに利用していただいてそこから収益を上げる、こういうような方向というのはこれはどの程度今追求をしておられるでしょうか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 森林というのは、単に木を切りましてその材価で運営するという経済活動だけじゃなくて、その緑でございますとかそれから森林空間そのものが国民にとっての貴重な財産ですし、国民の共用の場であるはずでございます。ここのところ、ただいま先生から御指摘がありましたように、スポーツでございますとか、とりわけゴルフ場あるいはスキー場、こういうものについての森林に対する御要請というものはかなり各地で広がってきているわけでございます。我我といたしましても、合理的な森林施業の展開ということと調和のとれた形でそういう国民の新しい御要請にこたえていくということが林野行政のかなめと思っておりまして、緑を守りながらそういうふうに開放していくということについては、いろいろと現場での技術的な問題なりということで難しい問題は多々あるわけでございますけれども、そういう問題を一つずつ解決しながらできるだけそういう国民の新しい要望にこたえていきたいと思っておるわけでございます。  特に、森林の大宗を占めております我が国有林におきましても、そういう観点に立ちまして従来から青少年の体育なり保養の場であるとかいろんな形で供給してきておりますけれども、ここのところヒューマン・グリーン・プランという形で地域社会全体が一つの方向づけのもとに公益的なレジャーセンターといいますか、グリーン・プランをつくっていただきまして、そこでのスポーツ施設なりあるいは保健休養施設、こういうものを自然と調和のとれた形で一体的に整備していくということで、森林そのものの活用というものにつきましても十分意を用いますとともに、今後の方法といたしましては、国民の新しいそういう方向への要望というものはますます強まってくることが確実でございますので力を入れてまいりたいと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 国有林の問題はまた議論をする機会は別にあると思うんですけれども、きょうはこれは森林組合の関係ということになりますので、私は、森林組合を今後基盤的に強化するということもやはり経済的なメリットが何か出てこなければ森林組合の維持ということも非常に問題が出てくるんじゃないだろうか、そんなふうにも思うわけであります。そこで、森林組合の管理する森林、森林組合の維持のためにということでいろいろな形で今後いろんなことがやれるようにしようというその意図はわかりました。しかし、その中で特に経済性ということを考えたときも、当然のことなんですけれどもやはり森林ということを基盤にした経済性、しかもその経済性を積極的に持ち込んでいかなければ森林組合というのは今後も育っていかないのではないか、そんなふうにも思うわけですけれども、その辺の特に経済性の問題についてはどういうふうにお考えになっています

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 森林組合の事業としてはいろんな事業ができるわけでございますし、それからただいま来御議論がございましたレクリエーション等につきましても過去の改正によりまして森林組合の事業としても取り入れているわけでございますけれども、現時点で考えておりますのは、やはり何といいましても林産物関係に付加価値をどうやってつけていくかということと、それからせっかく森林にありながら眠っている未利用資源というものをどうやって掘り起こし活用していくかということ、それから森林という空間を新しい都市住民のニーズにこたえてどうやって価値化していくかということ、こういう三つが基本かと思っております。  それぞれにつきまして、活力のある森林組合におきましてはいろんな知恵というものをそれぞれの地域社会の実情に応じまして現在出してくれているわけでございますけれども、我々といたしましてはそういう先進的な組合の優良事例というものをできるだけ各地に普及して、そういうものをお手本にしてそれぞれの自分の地域にどれが適しているかということをそれぞれの主体性において考究していただくと同時に、こちらからも、例えば法律で申し上げますと、事業範囲をただいま御審議いただきますように若干拡大するとか、あるいは融資とかあるいは助成でございますとか、こういうことを総体を通じていろいろな新しい動きというものについてバックアップをしてまいりたいというふうに考えております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 私が特にここで経済性についてのことを伺いましたのは、私の考えではこれから審議をしていくに当たって一番根本にある極めて重要な課題の一つだというふうに思っておりますので、それはまたさらにそれぞれ内容の審議の中で確かめていこうと思っている部分もございますので、その節はよろしくお願いをいたします。  そこでもう一点は、森林の管理に関して、国、地方自治体などの公的機関というものとそれから民間の機関ということで森林組合が代表的なものだと思うわけでありますけれども、その責任分担と言ったらいいんでしょうか、これはどういうふうに考えたらよろしいでしょうか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 森林組合は、森林所有者という一私人を組織化して、共同で事業をして、森林をまとめまして森林の管理の維持なり適正化というものを図っているわけでございますけれども、そういう点では森林組合というものはある程度そういう私人間が集まったということで、公益あるいは公共的な機能はもちろん果たしてはおりますけれども、基本的には私活動の集合体ということになろうかと思っております。それに対しまして、都道府県の場合、県によりましては県有林でありますとか道有林等という形で森林所有者のワン・オブ・ゼムという形で一般の森林活動に参加している県もございますけれども、こういう地方公共団体の性格からいいましてやはり公共性・公益性に関します監視なり指導なりということが第一義的な都道府県の任務でございますので、そういう私活動なり経済活動を主体にいたします公共的な森林組合の育成なり指導という面で都道府県の活躍、機能というものが期待されるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 そういたしますと、例えば森林組合にまだ未加入でそして森林の管理が十分にいってない、そういう森林、あるいは、例えば入会林野等で名目的には部落の全員の名前で共同登記になっている、しかしだれも今や入会林野の利用などというのはしなくなってしまっているからまさに放置しっ放し、どこが責任を持つのかわからぬ、こういうようなところがあるわけですね。そういう林野については、これはどこがどういうふうに対処すべきなんでしょうか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 森林組合の組織率も、若干紆余曲折はございますけれども相当程度いっているわけでございますが、先生から今お話ありましたように、森林組合にまだ入っていない方々あるいは非常に零細ないわゆる不在村の森林所有者というものもかなりあるわけでございます。こういう方々につきましては、どこが一つ運動を起こして、それで決定的に問題が進展するという問題じゃございませんで、いろいろなチャンネルでいろんな努力の積み重ねで少しでも林業に顔を向けさせる日常のたゆまぬ努力というものが必要かと思っております。そのために、森林組合につきましては、従来からもそういう自分の森林組合の地区内の不在村地主なりあるいは未加入者に対しましてはいろんな相談活動なり勧奨活動を行いまして、できるだけ森林組合に所有はともかくとして施業を任せてもらうとか、それから処分のあっせんをするとか、いろんなことをやってきたわけでございますけれども、そういう点につきまして国も側面から御援助申し上げるということで六十二年度からそういう不在対者の林業経営に対する対策について新しい予算の芽を出すとかいうこともしております。それから、これは森林組合といういわば一つの経済活動体だけではなかなかできませんので、都道府県におきましても、特に列島改造のときにかなり不在村の零細所有なものに分割された県なり道におきましてはそれぞれの道なり県の東京事務所、こういうところにも窓口を設置いたしまして、都市住民で地方に零細な土地を何となく持っている方々に対しまして森林をほうっておくことの問題性、それから手入れする際の協力御依頼というものを常日ごろ積極的にしているわけでございますけれども、先ほど言いましたように六十二年度から新しい予算も計上いたしておりますので、そういうものをてこに使いまして、今まで以上に未加入者なりそれから零細不在村地主、こういう者への働きかけを強めようかと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 ちょっとここで時間がかかっていて申しわけないんですけれども、やはり基本になっていくところな部分なものですからもうちょっと時間、済みませんがお願いします。  私は、今の放置をされているような森林というのは案外地方都市周辺にあると思うんです。東京の事情というのは私はよくわかりませんけれども、例えば私の県の新潟県の例なんかでいけば、私の住んでいる市であるとかのように平場の中でほとんど山がないというようなところはこれはちょっと問題外ですけれども、しかし少し山手の方へ入ってまいりまして、それで山の方も結構あります、しかし市街地もかなりあって市として行政が行われているというようなところで、言ってみりゃ山村振興法にもひっかからないし、いろいろなあれでいくとうまく利用できる関係のものがないからということで、案外雑木林そのままで手入れもしないでほうり投げてあるという部分があるんですよ。しかし、山の線あるいは国土保全上の考え方からいきますと、そういうところが放置されると非常に危険がある。特に私のところは雪国なものですから、雪がちょっと多かったりしましてその雪解け水でもってちょっとした災害が起こったりというようなことがやはりそういうところから起こってきているということもあります。そういうことで、その辺の地方都市周辺で、結構そういう今まで入り会いでもって共同名義で利用していたとかというようなところで放置になっている部分がある。こういうところの対策というものも、例えば森林組合を組織をするとか森林組合に加入してもらうとかいうようなことで森林経営というものを真剣に考えてもらえるような方向へ持っていく、そういう指導がいろいろな形でされてもしかるべきではないか、そうされていかなきゃいけないんじゃないだろうか、そんなふうにも思うんですけれども、その辺はいかがでしょうか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 雑木林等の都市周辺のものについては入会地でございますとか旧入り会いというものが多うございまして、正直言いまして、所有が零細化というか、場所によっては非常に空洞化しているという実態にあるわけでございますけれども、こういう財産関係でございますので、所有と利用なりというものをどう調整していくかということにつきましてはそれぞれの地域社会で頭を痛めている問題でございます。  ただいま先生から話ありましたように、こういう都市近郊の平地の雑木林、こういうものもますます緑がなくなってきた我が国にとりまして非常に都市住民に対する潤いにもなりますし、それから水資源の涵養なり遊水的な機能というものも否定できませんので、我々といたしましてもそういう新しい視点から、今までは産業的視点からなかなか接近できなかった都市周辺の雑木林、平地林というものにつきまして、違う視点で何か接近ができるんじゃないかと。従来は入会地の権利関係を近代化いたしまして畜産的利用を図るとかいうことを中心にして推進してきたわけでございますけれども、都市周辺の零細なそういう共同所有地なりにいたしますとそういうことではなかなか進みませんので、もう少し都市的な利用も含めまして少し広い観点からそういう都市近郊の平地林の問題というものを新しい問題としてこれから取り上げて少し検討を深めてみたいというふうに考えておる段階でございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 いろいろと長官から今伺いましたが、大臣、大きい問題も小さい問題も含めて今いろいろと私も疑問になっているところを伺いましたけれども、これからの林業というものにはそういういろんな問題がやっぱり一緒について回ってきています。それだけにやはり今後英知を結集していただいて、そして民有林も放置をされないようにということを、これも今回の法案の一環だということはわかりますけれどもこれだけではいかないと思いますので、そういう方向をいろいろと御検討をいただいてできるだけ早くまたいい方向を出していただきたい、こんなふうに思うんですけれども、いかがですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先ほど先生がおっしゃいましたと同じ状態が私の生まれ育った町の周辺にもありまして、名義も書きかえられないまま共有林的な性格で何ら手入れもされてないというのがあります。今回この改正案をつくるに当たりましては林野庁の諸君ともそういった問題についても議論をいたしまして、森林の持っておる長所をより多く生かす議論をしたわけでございます。今回、この法律改正を通じましてもさらにそういった面に留意しまして、ある面では国民共有の財産として大切にそして立派に守り育てていくような 方法を講じなくてはならないと考えておるところでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 そこで、今度はいよいよ森林組合法の方に入るわけでありますが、今回の改正の趣旨を踏まえてまず林野庁はどうとらえているかを伺っておきたいんですが、この森林組合の制度というのはその目的がこれまでに十分に果たされてきたと、こういうふうにお考えになっておりましょうか。    〔委員長退席、理事北修二君着席〕 それともまだ不十分な面がいっぱいあるというふうにお考えになっているでしょうか。不十分な点があるとすればどういう点があるというふうに認識をしておられるでしょうか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 森林組合は、御承知のとおり、地域林業の中核的担い手としての役割を果たしてきたと思っておりますし、それから森林組合法の目的では「森林所有者の経済的社会的地位の向上並びに森林の保続培養及び森林生産力の増進」に寄与していくというふうに書かれているわけでございまして、そういうことへ向かいまして購買事業、販売事業、生産事業あるいは福利厚生事業、多般にわたる仕事をしてきたわけでございますけれども、ただ残念ながら、その組織の中身を見てみますと同じ協同組合でございます農協等に比べますと、組織の規模なりあるいは財的基盤あるいは機能の面でもかなり見劣りのしている組合というものはかなりあるわけでございます。これは、単に組合の努力だけではなくて、林業経営全体がここ数年非常に厳しくなってきたということを反映していることは事実でございますが、しかしそういう厳しい中でも立派にやってくださっている単協というものも全国に相当数あるわけでございまして、何とかここで機能面と財務的基盤面、こういう点でてこ入れをしたいということで、それぞれの組合から望まれてまいりました若干の事業能力の拡大とそれから経営基盤、財務面を強化するための一番のてこでございます組織の大規模化、そのための合併の推進というこの二つを大きな柱といたしまして今回法律をお願いしているわけでございますけれども、この法律ですべてが活性化するという単純な話じゃございませんで、こういう法律の改正というものを一つの踏み台といたしまして何とか全体としての森林組合の活性化に邁進したいというふうに考えているわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 もちろん、きょう長官もその点は認識をしておられる御返事だったわけでありますが、要するに、合併をするとかいうような形で大きくしていく、必ずしもそればかりが活性化への道ではない、こういう意味のことだったと思います。こうした森林組合の今後克服していかなきゃならない問題に協同組合としてのというか、協同組合的な意識というんですか、参加者の意識の問題というのも結構あるのではないだろうかと私は思いますけれども、その辺はいかがでしょう。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 協同組合はあくまでも人的組織体でございまして、それぞれの加入者の共同意識、これがすべての事業なり組織の基礎になると思っております。したがいまして、森林組合系統組織におきましてもそういう共同意識の高揚のために研修でございますとかいろんな催しを行っておりますが、我々といたしましてもそういう動きについていろいろ側面から応援しながら、協同組合の個人にとっての必要性、そのための個人の連帯感の醸成ということについて今後とも努めてまいりたいと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 わかりました。  それぞれの御答弁を今腹に置きながら、これから内容についての質問を申し上げたいと思います。  最初に、森林組合法の第九条の二項の一ですか、これ、今度「組合員の行う林業その他の事業又はその生活に必要な資金の貸付け」、こういうふうに条文が変わりますね。従来はこれは「組合員の行う林業に必要な資金の貸付け」ということに限定をしておりました。ここで新たに「その他の事業又はその生活に必要な資金の貸付け」、こういうふうに変更をしようという理由はどういうところにありますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 森林が求められております機能というものも、先ほど来御議論ありましたように、いろいろと多面化してきているわけでございます。それにもつれまして組合員の森林経営というものも多角化してきているわけでございますけれども、従来は資金の貸し付けなりあるいは購買事業、こういうものにつきまして「林業」というふうに限定的に書かれておりまして、あと付随的あるいは附帯的に若干の事業をやってきたわけでございます。そういう組合員である森林経営者の経営なり生活なり社会的に置かれている状況、こういうもののいろんな変化に対応いたしまして今回「林業その他の事業」ということで資金貸し付けなり購買事業の対象範囲というものを拡大しようと志したわけでございます。  それからあと、貸付事業につきましては、従来も福利厚生事業の一環といたしまして小口の生活資金の貸し付けというものは実態上やってきたわけでございますけれども、そういう福利厚生事業の一環ということではなかなかおさまり切らないといいますか、それだけではむしろ事業の実行上も問題があるということで、今回は新しく生活資金ということで正面から従来やってきたやつを明文化するという形で貸付事業につきましても生活関係に拡大する変更をしたわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 私は、ここのところはちょっと農業協同組合と表現が違うのがどうしてかということもさらにお伺いしたいんです。  それは、ここでは「組合員の行う林業その他の事業」、こういうことで「その他の事業」という表現になっております。これは農協の表現とは違うと思うんですが。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) これは若干立法技術的な点にわたりますけれども、農協なり漁協の場合には、貸付対象事業なりにつきまして「組合員の事業」という形でもともと組合員が行っておりますすべての事業を含む形で立法がされていたわけでございます。それに対しまして森林組合の場合には、「林業」という形で限定的に書かれていた。これは、恐らく当時の経緯といたしましては、特に農協の場合には事業を中心にする機能組合であると同時に、総合農協に典型的にあらわれておりますように地域農協的な色彩というものが成立の歴史からあったわけでございますけれども、森林組合の場合には施業、林業を中心にして協同組織をつくっていくというようなことで一味違う発生の経緯もございましたので限定的に「林業」というふうに書かれておりましたが、その後、林業経営者の先ほど言いましたような多角化でございますとかいろんな移り変わりというようなことをとらまえまして今回のような改正に至ったわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 それはわからぬわけじゃありませんけれども、ただ、「組合員の行う林業その他の事業」という「その他の事業」といったときに今度は林業以外の事業もやれる、そういうことになりますね。そうすると、極端な物の言い方をいたしますと、この条文上だけからいく一番極端な言い方をいたしますと、例えば金貸し業をやるために融資を受けてやりますというようなこともできるという解釈になってはちょっと行き過ぎになるのかなとも思うんですが、その辺は何かチェックをするあれがあるんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 森林組合法の第一条の森林組合の目的そのものが一つの土俵になっておりますし、それから今回の書き方でも「林業その他の事業」ということで「林業」というものが例示してございますので、林業と関連をする事業でございます。ただいま先生からお話ありました金貸しでございますとかラブホテルでございますとか、そういうものは関連はいたさないと思います。そういうものは含まれずに、具体的に申し上げますと、付加価値を高めますための木工品の生産でございますとかあるいは従来からも若干やってまいりました環境木の生産・販売、それからさらには未利用資源の活用ということで昆虫の養殖でございますとか、それから腐葉土の採取・販売あるいは森林レクリエーション関係のいろんな例えばログハウスの設置でございますとか、そういうような林業に関連する事業という枠の中で考えているわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 その枠の中で考えておられるのはわかりましたが、その林業の枠の中で考えているというそういう資金の貸し付けになるという何か具体的な保証措置というのはあるんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 森林組合の場合には、御承知のとおり、貯金事業という形でみずから資金を調達して貸すという形ではございませんで、農林漁業金融公庫でございますとかあるいは農林中金でございますとか、そういうほかの系統金融機関から原資を調達するなり転貸するという形でございますので、そういう系統全体としての縛りが当然ございますし、それからこれだけ限られたしかもほかから調達した資金を転貸なりで貸し付けるということでございますから、森林組合の運営の常識なり良識からいいましてそういう枠のはみ出たような貸し付けは決して行わないものと信じておりますし、それから都道府県なりあるいは林野庁自体の検査なり監査、こういうものを通じましても厳正にそこは対処してまいりたいと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 そうすると、要するに、系統なり農林中金なりというその資金の性格から一定の歯どめはかかるということで理解をしていいわけですね。  それでは次に、今度はもう一つの二の号ですね。これは、今度は「資金」ではなくて「物資」になっています。これも「その他の事業又はその生活に必要な物資」となっていますが、これはどういう理由でこういうふうに変わりましたか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) これもただいまの「その他の事業」と全く同じでございまして、林業に関連する事業に必要な物資、これを含んでいるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 例えばどういうことですか、「物資」。片方は「資金」。「資金」はわかりましたが、今度は「物資」の方。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 「物資」といたしましては、例えば木工品でございますとかあるいは緑化木でございますとかあるいは腐植土というような林業に関連いたします物資を含んでおります。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 「資金」の方は中金だとか系統資金だとかということで林業の枠の中からはみ出ないような一つの歯どめがあります、こういうことでしたね。同じように考えていったときに、「物資」の方は何か歯どめがあるんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 森林組合はもともと組合員の総意による運営がされており、毎年の事業計画なり毎年の監査というものが積み重ねられているわけでございまして、組合員の相互監視機能というものが十分に機能しているところが多いわけでございます。そういう中で、はみ出した事業というものが万々が一行われようとした際にもチェック機能が働くと思いますし、それから我々といたしましては、法改正の趣旨というものを十分徹底させるべく法改正後には各単協の指導に十分を期したいと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 これは、資金の方は比較的わかりやすかったんですが、物資の方は例えばどういう形になりますか。例えば、組合の管理をしている森林から材木を「物資の供給」として受けたいということで申請などがあった場合、それはその材木を何に使うかというようなことまで全部チェックをされるということになりますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 林産物につきましてはもともと林産物の販売事業として行われておりまして、例えば競りにかける際にこの木は何に使うから競りにかけるというようなことではございませんで、自分の生産物を一般市場に向けて売るということが行われておりますので、その木について何に使うかということまでの規制はする必要がございませんし、する実態にはないと理解しております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 私が少し古いのかもしれませんが、よく薪炭材などにするために、例えば組合が管理している山から薪炭材の分、無償で組合員がもらうというようなことがありましたね。そういうような場合もありました。今、薪炭材としては使うということはほとんどありませんから、そういう需要がありませんからそういうことは考えられませんが、しかし何か組合員がみずからのためにするものとして供給を受けたいということ、要するに無償で材木なら材木が欲しいというような場合というのは、これはどういうふうに考えたらいいですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) この条文で規制しておりますのはその事業能力でございまして、無償であるのがどういう経緯でやるのかはわかりませんけれども、通常の場合、「事業」という際には有償でかつ継続反復するというものがどこまでできるかというものを規定するのが事業能力の規定でございますので、たまたま何らかの事由で偶発的にそういう無償提供するというようなことにつきましてはこの事業能力規定とは率直に申し上げましてかかわりのない話じゃないかというふうに思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 いろいろな取り越し苦労をしているようですけれども、条文を多少でも変えるというときにはいろいろなことをやはり考えていきませんと後へ禍根を残すこともありますので、念押しをして恐縮でございますけれども。  少なくとも、これも、言ってみれば林業との関連の中でその枠というものがちゃんと守られていくようなそういうチェックというものはきちっとやはりしていっていただかなければならない、こんなふうに思いますのでぜひそうした指導というものを強めていっていただきたい、こう思います。  次に、三の号です。これは括弧つきが今度入りましたね。「(当該林産物を材料とする建物その他の工作物の建設又は売渡しを含む。)」、こういうふうになりましたが、これはどういう理由でこの括弧つきというのがついたんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) この規定につきましては、木材、特に間伐材の需要拡大ということがここのところ我々の政策課題としての大きな課題でございますし、それから森林組合としてもそこに付加価値なりあるいは間伐の推進ということでねらいを定めておるところでございます。ここでこういう間伐材等の需要拡大に結びつく「建物その他の工作物」というものを具体的に予定しておりまして、具体的な事例といたしましては、例えばログハウスでございますとかあるいは木造畜舎、それから木造の農機具庫、それから間伐材を利用いたしました木さく、こういうものを設置するということを第一義的には考えているわけでございまして、こういう山でとれます間伐材でございますとか、こういうものを使って少しでも付加価値を高め、森林組合の事業の活性化というものをねらいたいと思っておるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 簡単なことから伺いましょう。  これは、条文の中に何で括弧つきで入ったんですか。極めて素朴な質問です。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) これは、もともとこの条文を見ていただきますと「組合員の生産する林産物及び林産物以外の森林の産物の運搬、加工、保管又は販売」というふうになっているわけでございます。それで、ただいま申し上げましたそういう工作物の建設なり売り渡しというものも、こういう「加工」なり「販売」、法律形式としてはこれの一環なわけでございますけれども今までその点が入っておりませんでしたので、こういうものも含むんであるということを規定上明らかにし、新しくつけ加えたわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 何か、僕は、これ、法律の文章で括弧つきで入れるということは、ちょっととらわれるようで申しわけありませんけれども、それこそよくこのごろ法律はみんな、僕らは問題にしますが、すぐ何かと言えば政令にとなっている。売上税法案みたいにね。みんな大事なことは政令になっていてわけがわからぬじゃないかというので随分文句を言っていたところがありますけれども、こういうのは法律の条文の中に入れるよりもさらにもう一段別の対応で済むんではないかと思われるんですが、何でこれわざわざ入れたんだろう。済みません、もう一度。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) この点実は過去からいろいろ疑義もございまして、例えば一番究極の一般の住宅、これについてできるのかできないのか、これは少なくとも「組合員の生産する林産物」の「加工」に当たるんじゃないかというような議論も過去あったわけでございます。しかし、社会常識といたしまして「組合員の生産する林産物」の「加工」というようなもので建造物建築というものを読み切るのは非常に難しいということで、その点若干不分明といいますか、な点もあるのでここのところで法律ではっきりさせたいということと、    〔理事北修二君退席、委員長着席〕それから、建設なり売り渡しというものは、本来の事業能力でございます「加工」とか「保管」とか「販売」、こういう法律用語のある意味では内数の概念でございますのでこういう括弧書きで明示したという経緯になっております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 これに余りとらわれていてもあれですが、私は今の長官の御説明を聞いてもまだ何かぴんとこないところが残りますが、それはまあいいでしょう。  しかし、いずれにしても、林産物の運搬、加工、保管、販売、そういうふうなものを積極的に展開をしていって、それが森林組合の経済的基盤としてやっぱり大きな役割を果たすというふうな方向へ今後いかなければなかなか森林組合がもっていかないであろう、こんなことにもなってくると思うんです。そうするとそうするだけ私はいろんな問題が改めて出てくるんではないだろうかという気がいたします。  先ほどの長官のお話では本格的な住宅についてはちょっと何かあいまいだったんですが、住宅建設をして、つくった住宅を売る、こういうことはやっていいというか、やらせるという方向でいくんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 法律の文章上は当然住宅建設までこれで読み切れるわけでございますけれども、法律上その能力が与えられたということとそれから現実にそれをやるかやらないか、やらせるかやらせないかという点とは若干のずれがあろうかと思っております。  現在の住宅事情から申しますと、非常に住宅に対する要望というのも高級化してきておりますし、それから技術関係も非常に難しくなってきておりますので、通常の森林組合で住宅建築というものをこなし得るというような体制なり能力というものを持っておるところは現在のところ残念ながらそうないものと思っております。現実にも、ある程度自分で生産した木材というものを住宅建築につなげたいということで、例えば共同会社といいますか、農協も出資いたしまして地域の工務店等と相協力して建築を行っておるところもございますけれども、恐らく当面はそういう形で徐々にそのノーハウを積み重ねていくということになろうかと思っておりますし、それから住宅建設というのはある意味ではトータル産業でございますので、こういうものについて山村に所在しています森林組合が取り組むということは言うべくして難しいんじゃないかという実感は持っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 このごろはよく産地直送とかなんとかということがはやりになってきています。例えば住宅そのものを出張して建築をしてまでというようなことはなかなかそれは簡単ではないでしょうけれども、例えば内装だとかなんとかはやはり産地直送でサービスをする。直送で持っていけば必ず今の消費者は自分の需要に合うまでのサービスを求める、こういうことになると思うんですね。だから、そういう体制ができてくれば、それはそれなりに私はやっぱり森林組合としても経済基盤を確立していく上には大事な要素になってくる。例えばのことで申し上げましたけれども、言ってみればいろいろな工夫をしていく中で、資格であるとか、それから特別な技術であるとか知識であるとかいうようなものを必要とするものがどんどんと出てくるでしょう。そういう場合に、言ってみれば一番単純な部分だけをいつまでも受け持っているという場合は、これは経済的に最低の部分しか受け持てませんで、発展的なあれを持たないわけです。それを少しでも総合して対応していけるようにということをやっぱり考えなければいかぬのじゃないか。ということになれば、これは組合員の職業訓練みたいなこともあわせて要望があれば考えていかなければならぬ。こういうことにならなければ、仏つくって魂入れずみたいなことになる可能性もあると思うんですが、その辺はいかがですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 建築業の技術の場合に森林組合の行う建築業だからという特殊性というものは余りございませんで、一般の建築技術なり大工技術、こういうものの一環でございますので、その地域全体での工務店のいろんな研修に参加していただくなり、あるいはこういうすそ野が広がってまいりますれば森林組合連合会あたりでもそういう研修体制というものをあるいはとる時期が来ようかと思いますけれども、現段階ではやはり建築産業全体の中の一こまとして地域での研修なりに参加していただきたいというふうに考えておるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 将来はそういう方向へ持っていってできるだけ経済基盤を強化をする、経済活動ができるようにいろいろ多角的にやれるような方向へ持っていく、指導していくというようなことがなければ、私は、これからまた後で伺うことにも関連をしてまいりますけれども、森林組合の育成強化というのもだんだんお題目だけになってしまうということになりかねないということを心配をしております。そうならないことを祈っております。  次の問題に移りますが、購買事業を行えるということになると思いますけれども、これは信用事業はやらないんですね。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 信用事業というのを貯金事業ということに限定いたしますと、貯金事業は、現在の金融情勢なり森林組合の立地条件あるいは財的基盤あるいは他の系統との関係、こういうことからいいまして行わせるつもりはございません。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 前に審議をしたときの本院の附帯決議の八に信用事業をやれるようにという、そういう方向をやりなさいと、こういう附帯決議がついているんですけれども、それについてはどう考えるんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) さきに本院の決議がございまして、うちといたしましても何回か検討会を開いてきたわけでございます。五十三年、五十七年、それから直近では六十一年に本組合法の改正という問題を頭の中に置きまして森林組合制度検討会というものを九月から十一月にかけて数回開いたわけでございますけれども、そこでの結論といたしまして「森林組合が信用事業を行うことについては、近年の金融情勢の下においては、時期尚早である。」という結論が出されたわけでございます。  それで、この結論に至ります議論の経過といたしましては、一つは、最近の金融自由化の動きなりあるいは金利水準の低下、それから全国的にオンラインネットワークが形成されている、こういう金融の全体像の中で新しい組織形態というものが入っていくいわゆる新規参入というようなものが非常に困難な客観情勢にあるということが第一点。  それから第二点といたしましては、森林組合員の大部分、八六%ほどが農協と重複しておりますので、農協系統の貯金事業というものがこれだけすそ野を広げ定着してきていることからいって森林組合が独自に新しくやる必要はないんじゃないかというのが第二点。  それから第三点といたしましては、森林組合の現状では信用事業に必要な人員なり施設の確保というものが困難であろうというようなことで時期尚早という結論が出たわけでございます。  しかし、この過程の中でも、やはり林業全体の活性化を図っていくためには林業関係者の資金というものがスムーズに流れるということが必要でございますので、従来から行ってきております例えば農林漁業金融公庫の事務委任でございますとかあるいは系統資金の転貸でございますとか、こういう形で金融業務の一つでございます貸し付けの円滑化というものについては従来以上に意を用いるようにというような議論経過があったわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 今の結論、ちょっと私わからないんです。  というのは、一と三はそれはそれでいいとしますと、二の今言われた理由の中でいけば、そうすると森林組合は本来信用事業をやらない方がいいと、こういうことになるんでしょうか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 二の事由は農協との重複度合いという話かと思いますけれども、やらない方がいいというか、非常に難しい中で新しくやるほどのことはないという議論経過と心得ております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 そういたしますと、今のあれを聞いていると、結局、森林組合は信用事業というのはまあやることもないしできないと、こういうことに受け取ってよろしいですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 貯金事業につきましては、現時点でそう受け取っていただいて結構かと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 そうしますと、購買事業を行えるということになってきますが、購買事業というのはこれでもって事業を発展をさせていこうとすればかなりの資金需要が要るということになります。そうすると、その資金はどうするんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 資金につきましては、従来から、オール協同組合組織といいますか、農協系統金融機関が円滑に森林系統機関に対しましても資金の提供、援助というものをしていただいておりますので、そういう農協系統機関に依存した中で円滑に伸ばしていきたいというふうに考えております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 しかし、みずから信用事業をやっていくことによって購買事業にもバラエティーに富んだいろいろな対応というものもやれる条件というのができてくると思うんですね。自主的運用ができる部分というのがあった方がいい、こういうことになろうかとも思いますが、そうするとやっぱり信用事業というのをやっていないとなかなか不自由な面があるんではないだろうか、そんなふうにも思うんです。今のようなお話の中でいくと、購買事業もそう大した森林組合の経済基盤を支えていくようなそういう大きな力にはなり得ないのではないだろうか、そんな心配をするんですが、その辺はいかがですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) お言葉でございますけれども、購買事業を活性化するために自前で貯金事業で原資を集めなきゃできないということでは必ずしもございませんで、産業界におきましてもいろんな資金の調達方法でビビッドな購買活動的なことをやっているところがございますし、それから同じ協同組織体におきましても、例えば農協の場合の総合農協系じゃないいわゆる専門農協系、こういうところにおきましても貯金事業なしで系統全体の支援を受けた形で原資を円滑に調達して購買なり販売事業をビビッドにやっているということがございますので、森林組合につきましても農協とは親戚関係、兄弟関係にございますので、そういう機関の方々の御協力を十分得ながら販売活動の積極化に努めてまいりたいと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 それは、農協とタイアップをうまくやって、そして購買事業というものをもっと活発にやれるようにしたい、こういうことで受け取っていいですね。  それでは、これも時間なくなりましたから次の問題に移らしていただきます。  「組合員の労働力を利用して行う林産物その他の物資の加工」「に関する施設」、こういうことでこれまた括弧つきで「(食用きのこその他の林産物の生産を含む。)」、こうなっておりますが、「食用きのこその他」というのはどういうものですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) ここで我々として現時点で予定しておりますのは山菜でございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 そこでちょっとまた確かめたいことが起こりますが、山菜と言ったときにはキノコもそうですね。キノコの種類によっては必ずしも地場で生産をしたものだけでは間に合わないで結構輸入品なども取り入れて加工しているというようなところなどもあるわけで、「生産」と「加工」とこれまたありますが、特に「加工」の方でちょっと先に伺います。  これは、加工場を大きくしていったりすると原料が間に合わないで他から仰がなきゃならないというようなことが起こると思いますけれども、こういうときに輸入品をどんどんと入れていくようなことはどこかでチェックをするのか、いやそれでもいいんだということになるんでしょうか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) これも法律的な点でございますが、三号に書いております「組合員の生産する林産物及び林産物以外の森林の産物」の「加工」というのは、これは「組合員の生産する」という規定が係っているわけでございまして、組合員の生産した物資を加工するという通常の加工事業、したがいまして通常の員外利用制限ということが二分の一ということでこれは係っておるわけでございます。  それから、別途九号の事業につきましては、これは通常の加工とは若干色彩を異にしておりまして、森林組合の仕事として組合員の生産したものに付加価値をつける仕事と同時に、組合員の労働力を十分に燃焼させるという仕事があるわけでございます。したがいまして、この九号の規定は、組合員がつくったかつくらないかということにはとらわれずに組合員の労働力を十分に燃焼させたいということで「組合員の労働力を利用して行う林産物その他の物資の加工」ということで、これは組合員がつくったかつくらないかにかかわらず、組合員の労働力でできればそれで足りるという規定に相なっているわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 だんだん時間がなくなってきますから私も急がなきゃならなくなってきましたが、私が心配をしますのは、そうして労働力を利用して山菜の加工場なら加工場をやります。そうすると、原料の確保という点で、年じゅう動いていなければ採算が合わない、やっぱり工場というものはそういうものですからね、そのために原料はよそから輸入品をと。自分のところの恥を申し上げるようで恐縮でありますけれども、私どもの県の中にも、ソ連とか韓国とかあるいは台湾とかいうようなところから、どこから運んでくるのかわからぬけれどもそういうところの山菜が運ばれてきて加工されている。現実にある現在の加工工場の中でそういうことが起こっているんです。こういうことは望ましくはないとは思うけれども、経済性ということを考えていったときには、やっぱり組合員の労働力利用というのでそれでもしようがない、やらなきゃならないんじゃないかという方向へ動く可能性というものを心配するものですからね。その辺はどういうふうにお考えになりますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 法形式的には組合員の労働力の燃焼である限りその労働力を投下する対象物が国産であろうが国産外であろうが構わないわけでございますが、そこは協同組合という人的協同組織体で組合員の始終の監視というものが届いている組織でございますので、組合員としてこれが日本林業なり日本農業に悪影響を及ぼすということになりますれば、組合としての自制装置というものは当然働くものと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 ちょっと待ってください。それはちょっと長官違ってくるんじゃないですかね。  組合員の労働力を利用して森林組合なら森林組合がそういう経営をやりますね。そうすると、その経営をして利益が上がっていけばそれは組合員の利益ということになっていくわけでしょう。ところが、今のように資本の回転というのは常にとまらないで動いている方がいいわけですからね。そうすると、その地域だけで生産される原料だけでやっているよりはいろいろなところから持ってきて常に四季を通じて工場が回転をしていくようにやっていくということの方が利益だと、こういうことになっていきますね。だからそれは組合員の利益ですよ、利益に反しないことになるでしょう。そうすると今言われたのとちょっと違うと解釈の問題が出てくると思うんですが、どうですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 組合員の労働が完全にそのことによりまして燃焼し、組合員も利益を得て、組合員としてそのことに満足し納得しているということでございますれば協同組合法の土俵の上ではやむを得ないと思っておりますが、しかし日本国全体の林政なりあるいは物によりましては農政、こういう中で国内か国外かという一般論の一つの議論の対象には相なろうかと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 そこのところも私は、やはり組合として経営をしていくからには経済性をある程度考えていかなきゃならない。その経済性を考えていかなきゃならないということと、今の協同組合としてというよりももう一つ言葉をかえて日本の林業という範囲の中で考えていくことと、その辺の調和の整合性の問題というのは課題としては余り大きな課題じゃないかもしれないけれども、しかしそこで生活をする人たちにとってはこれはやっぱり重要な課題になってきます。こういうことも十分に念頭に置いて今後の御指導をうまくしていただきたい、こんなふうに思います。  それからさらに、これはキノコの生産なども含まれてくるわけでありますが、山菜も含めて、今現在やっている組合員である個人あるいはその地方の小資本、キノコならキノコの生産業ですね、こういったものと競合するということが起こりませんか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 法律上は「食用きのこ」ということで裸で書いてございますけれども、実態上の問題としては、協同組合というものの性格上、組合員の事業との競合ということは避ける。しかも、どういう事業をやるかということは事業計画なりそういう組合員の総意が反映した形で仕組まれてまいりますので、現実的には恐らくエノキでございますとかあるいはヒラタケでございますとか、こういう大規模な施設なり取引関係あるいは資金力というものが必要なものに限って組合が恐らく稼働することになるんじゃないかと思っておりますので、そういう点では個別の組合員が多くやっております例えばシイタケでございますとか、こういうものについてまで組合が大量に手を出していくというような動きではそれぞれの組合にいろいろ聞いてみましたところございませんので、そういう衝突というような事態は避けられるものと思っておりますし、そういうことにつきましては、組合の中でここまでの範囲は組合員みずからがやる、ここから先は資金力なり施設力なり信用力からいって組合がやった方がベターであるというような仕分けについては十分民主的な討議を重ねていただきたいと思っておりますし、そういう方向で指導してまいりたいと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 これは新しい生産の分野ではありませんから、既にその地域でもって生産をしている個人あるいは小資本の業者というようなものがあるわけでありますから、組合員については今おっしゃるように組合の中で議論をしてということで済みますけれども、しかし小さな町村等にとっては小資本の、組合員ではないそういう業者も極めて大事な村の経済を支えているものの一つということになっている場合が随分あります。そういたしますと、そこで新たに森林組合が今度はそれをやるということになったときにそういう問題が起こってくる可能性というのが私はないと思いませんので、そういう点も十分に念頭に置きながら適切な御指導をいただきたい、新たに森林組合がやるというときには、ということをお願いをしておきたいと思います。  次に、信託事業について伺いたいと思います。これは十一条三項になるわけでありますけれども、従来は「信託に係る事務を他の者に委託して処理させることができない。」、こうなっていたものが、今度は「ただし、農林水産省令で定める従たる事務について、信託契約に定める範囲内において委託する場合は、この限りでない。」、こういう例外が入ってまいりましたが、これはどういうことを意味しておりますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 従来は、信託事業という性格からいいまして、信託に出す側と受ける側の強固な信頼関係というものが法律関係を結ぶ大前提になっておりますので、第三者に事務等を委託するということを禁じていたわけでございますけれども、この規定、昭和二十六年にできましてから残念ながら実効が上がっていないということで、子細に中身なり問題点というものをずっと継続して検討してまいったわけでございますけれども、どうも事務すべてを特に山村にある森林組合に任せてその人にしかできないということではせっかくの信託制度というものが円滑にいかないということが徐々にわかってきたわけでございます。  それで、信託に出す人との信頼関係を損わない範囲での従たる仕事、例えば分収育林に信託を絡ませる際の費用負担者の募集であるとかそれから契約の媒介、その契約自体はもちろん組合がするわけでございますけれども、募集行為とか契約の媒介という単純・物理的なPR活動なり呼び込み運動、こういうことにつきましては組合みずからではなくて、その道のエキスパートに任せた方がいいであろうという判断に至りましたし、それから例えば信託財産をレクリエーション施設、キャンプ場でございますとかバンガローに使う、こういう場合にも利用者の募集というようなことにつきましては山村に所在する組合がやるよりは都市にある観光系列のいろんな企業でございますとか団体、こういうところにお願いした方が円滑に集まってくるという判断に至りまして今回の改正を志したわけでございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 その場合に、一つは、余り信託というのは成績が思わしくなかったようでありますけれども、今までその例があるのかどうかということが一つ。  それからもう一つは、今の例えばということで言われた例を言いますと、バンガローの募集などを町なら町の都市部の業者に委託をいたしますといったような場合に、もしトラブルが起こったときの責任をどこがどう負うのか。この分担の問題だとかそういうものというのははっきりしているんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 先ほど言いましたように、昭和二十六年に信託事業が森林組合にありまして法制化されたわけでございますけれども、残念ながらその後一件も出ていないわけでございます。  それで、これが出ていないことにつきましては、信託という法律性格といいますか、これは、先生御承知のとおり、所有権を人に移しまして管理や何かを頼むわけでございます。そうしますと、日本人の心理感覚といたしまして、不動産につきまして所有権を移してしまう、将来期限が来ると返ってくるんではございますけれども形式的にせよ所有権を移してしまうということに対する抵抗感というものがどうしてもあったんだろうと思います。ただ、戦後、車両信託でございますとかいろいろな形の信託が産業界ではあったわけでございますが、ここのところに来まして、若干性格は違いますけれども貸付信託とか金銭信託とか、こういうことで信託自身が耳なれた言葉になってまいりましたし、それからここのところ不動産信託ということも、いろいろな都市再開発でございますとか、こういうことに絡みまして一般に膾灸してきたわけでございます。こういう中で、もう一度信託のやり方あるいは信託の問題点というのを詰めてまいりますと、そろそろ信託というものが一般国民にも受け入れられる素地というものができてきたのではないかという認識に立っておるわけでございます。そういう認識に立ちまして、今回、信託をよりスムーズに進めるために、先ほど言いましたように従たる事務というものを第三者に任せるということで、宣伝であるとか募集に関しての玄人に入っていただいて円滑化を図りたいということでございます。  その結果、責任関係なり収支関係というものは不明確になるのではないかという御疑念でございますけれども、これは、先ほどもお話しいたしましたように、あくまでも募集でございますとかあるいは媒介でございますとか、こういう事実行為を第三者にお任せするわけでございまして、その結果できました契約関係につきましては受託者でございます森林組合が十二分に負う、全的に負うという仕組みでございますので、そういう負担関係なり収益関係についての変更を来すものではございませんので、御心配のようなことは回避されようかと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 取り越し苦労ばかりしていて申しわけありません。  テレビのコマーシャルでもよくJARO、JAROなんてやっておりますよね。それで、例えば募集を委託をしたといたしまして、そういう問題が起こったとき、募集の仕方だとか宣伝の仕方とか、そういうようなことが不適当なものがあってそして実際に契約をしようとしたときに問題が起こってきたというようなときに、適切な業者に委託をしなかったからということにもなるわけですね。そういう責任の方も出てくるのではないかと思うんですよね。だから、そこで私は、責任問題というのはこれみんな金銭がつきまとってくることですからやっぱりいろいろなケースを考えてきちんとしておかなければならぬと思うので伺っているんですが、そういう場合はどうなりますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 信託そのものが非常に法律としても難しい仕組みでございますし、そういう権利関係なり財産関係の保全ということに十分心を使わなければならない仕事でございますので、元来、信託規程という形で信託の運営の中身というものを規定化する仕組みになっているわけでございまする。  それで、第一義的には、この規程でそういう、どういう相手にどういう事項を委託するかということをきちんとまず書いてもらうということと同時に、こういう信託規程の設定なりそれから信託事業の運営につきましては執行体制が十分研修等を通じまして知識を吸収していただくことと、それから当方といたしましても、せっかく法律を改正いたしまして信託を積極的に活用していこうという時期でございますので、そういうことのないように十分な指導は行ってまいりたいと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 その辺はかなりきめ細かい指導をきちんとした形でやっていただくということをぜひお願いをしたいと思います。例えば今の信託ができるんですということで、逆に従たる事務を受ける方がうまいことの話を持ち込んできて、そして一緒に森林組合まで巻き込まれるというようなことだって起こりかねないということ。つまり、今までは一件もなかったから幸いだったということにはならぬかもしれませんが、要するに直接やるということであったから問題の所在ははっきりしておりました、責任の問題は。だけれども、今度は分散していけばいくほど問題がいろいろと派生をしてくるということが考えられますので、その辺はぜひ厳密な御指導をお願いをしたい、こんなふうに思います。  それで次に、ちょっと通告をしていたことを飛んで、ずっと後の方になる予定だったことを先に伺いますが、これも前回のときの附帯決議の六項にあります「雇用の安定、労働条件の改善、林業労働災害及び振動障害等職業病の発生防止について特段の措置を講ずること。」、こういうことが附帯決議としてなされているわけでありますが、これに対してはどのような御努力をなさいましたか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 前に附帯決議をいただきました項目でございますが、その中での林業労働力の育成確保のためには、何といいましても山村そのもの、林業そのものを明るい魅力あるものにすることが重要でございまして、あの附帯決議後に林業生産基盤の整備でございますとかあるいは間伐対策事業の飛躍的拡大でございますとか、それから林業構造改善事業、それからさらには林業振興策等のいろいろな施策を講じて林業の活性化に努めてきたわけでございます。  こういう一般的な林業の活性化の対策のほかに、特に後継者育成というものに関連いたしまして、高度な技能を有する林業従事者の育成確保と広域就労を促進するということを行ってきておりますし、それから何といいましても労働者を雇ってくれております林業事業体の経営基盤の強化ということが必要でございますので、そういう対策を進めてきているわけでございます。  それからさらに、これだけでもいろいろまだ問題も残っておりますので、昭和六十二年度から新しく林業担い手の計画的な育成なりあるいは労働安全を確保するというための事業に地域ぐるみで取り組みたいということで、担い手定着条件の整備事業というものを新しい事業項目として立てまして、従来以上にこの点について力を注いでいきたいというふうに考えているわけでございます。  それから、振動障害につきましては、おかげさまで今度これを厚生省なりそれから労働省、こういうところといろんな連絡協議会も設けまして、予防なり治療なり補償、こういうことについて当たってきたわけでございます。ここのところおかげさまでピーク時の千数百件という新規認定患者から六十年には残念ではございますけれども三百七件ということで、数字としては減っておりますが、まだ依然として三百件を超える新規認定者という者が出てきております。これも従来から関係各省とも連携をとりながら行ってきておるわけでございますけれども、安全管理、診断指導なり講習会の設置、それから振動機械使用時間を規制しているわけでございますが、この規制時間を遵守するような指導の徹底、それからさらには振動の少ない機械、リモコン等も開発されてきておりますが、さらに振動の少ない機械なり代替機械が導入できないかということの試験研究、それからあとは健康診断ということで、一人親方についての健康診断を特殊な形で行うというようなことを行いまして、何とか発生しないことに第一番に努め、それから発生した際にはその治療対策について関係省庁とも連携をとりながら万全を期しているという段階でございます。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 今の振動対策の方はまた後で聞きましょう。  雇用の安定、その後この努力はどういう形になってあらわれていますか。  それから、労働条件の改善に努力をされた結果というのはどういうふうにあらわれていますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 林業就業者という形では、林業経営そのものの推移ということとも絡みまして今から十五年ほど前には二十万人という就業状況でございましたけれども、現時点では十五万人という形に減ってきているわけでございます。  この方々の賃金水準等につきましては、地域別なばらつきというものは非常にございますけれども、おおむね一般の屋外での建設労働者、こういうものと均衡をとれる形になってきております。それからいろんな各種保険への加入状況、これもものによっては違っておりますしまだ完全に十分な形になっているとまでは胸は張れませんけれども、徐々にいろんな保険に対する加入状況というものも高まってきている。それからさらに、先ほどの振動障害等でも若干触れさしていただきましたけれども、ああいう機械を使う労働時間を制限するというようなことで労働の難易度なりあるいは環境というものも徐々に改善はされてきているわけでございますが、依然として非常に厳しい環境の中での非常にヘビーな労働でございますので、これからもいろんな工夫は重ねてまいりたいと思っております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 雇用の安定というふうにうたわれているわけでありますから、これは、私は、今まで林業という範囲の中でどういうふうに努力をしてこられたかということについてももちろん問題があるわけでありますけれども、今長官の言われるように実態としてどんどんと就労の場が減ってきているということになれば、今度その雇用をどうするのか。安定させるためには林業だけでもってやれないのであれば、それじゃ林業だけでやれないというものの対策をどうするかということが出てこなければ雇用の安定の方向づけということにはならないと思うんですよ。雇用の安定ということをちゃんと附帯決議はうたっているわけでありますから、そういう点をきちんとしていただかなければならぬのであります。  それから、賃金はほかの屋外での建設労働と同じようだと、こうおっしゃったけれども、しかしこれもまた就労日数等とのかかわりというものを十分考えなければならぬ。要するに、労働者の生活というものを考えていかなければならぬ、こういうことになるわけです。就業日数とのかかわりでいったら、百五十日以下の者がもう五〇%以上を占めているんですよ、年間の就労日数が。そうすると、単純に一日の賃金水準だけでは言えないんじゃないですか。労働条件の改善というのは、私は、賃金の水準のこともあるけれども労働日数のこともあると思いますよ。こういうことも含めて考えてもらわなければならない。  それから、今保険のことなども言われましたが、ここのところはちょっとはっきり言われませんでしたけれども、雇用保険の加入率はどのくらいですか、健康保険の加入率はどのくらいですか、あるいは厚生年金の加入率、退職共済の加入率、これはどのくらいになっていますか。    〔委員長退席、理事水谷力君着席〕

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) それぞれの保険制度によりまして、分母といいますか、加入資格要件者が幾らいるかということが必ずしも明らかでございませんので、加入資格要件を保有している中で現に入っているのは何%かという数字は残念ながら現在持ってきておりませんので、先生に対するお答えが的確ではないかと思いますけれども、それぞれの保険の加入状況は、一つの例といたしまして、森林組合では昭和五十五年を一〇〇といたしましてどのぐらい伸びてきているかということを御紹介いたしたいと思います。  昭和五十九年現在、雇用保険では一一九%、それから農林漁業団体職員共済組合では一一四%、それから林退共はちょっと伸び率は恐縮でございますけれども、現在入っているのが五万六千人という形に相なっております。

稲村稔夫日本社会党・護憲共同

○稲村稔夫君 いずれにしましても、民間の林業労働というのは大変な状況に置かれているという点では変わっていないんです。  賃金水準にいたしましても、昭和五十六年と六十年と比較したって、さっき他の屋外労働並みだとおっしゃったけれども、これもまた賃上げのあれからいけば五百円にもいかないというような状況でありますし、先ほどの稼働日数にいたしましても大変問題がありますし、そして今の各種保険の加入の問題も、これは問題が随分あるんです。厚生年金にも入らないで国民年金にいっているという者も随分あるんですよ。農業との兼業になっている人たちはかなりの部分がそういうふうになっている、そういうこともあるわけです。要するに、民間の林業労働というものについても大変厳しい状況の中にある、こういうことをもっともっと認識をしてこれの対策というものを、この決議に盛られている内容というものを、積極的に調査ももっと徹底してやっていただいて、そしてそれに対する対応というものを考えていただかなければならない、私はこんなふうに思うんです。  私は、法案の内容についていろいろとこれ以上の質問をしていっても、言ってみれば、正直なことを言って林業労働の問題一つが十分に解決をしていないということであれば、いろいろと森林組合を育成強化していっても今後の働き手の問題として既に問題が起こっておる。作業班はもう高齢化してきていますしということにもなってきますので、その辺のところも十分に考えていただきたい、こういうことをぜひお願いをいたしまして、そのことについてひとつ大臣からどうお考えになっているかということをお聞きをして、私の質問は終わりたいというふうに思います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先ほど来の御質疑あるいはまた本法案の提案理由の御説明等にも既に述べておるところでございますけれども、最近における我が国の林業、木材産業をめぐる情勢は、木材需要の停滞あるいは円高等による材価の下落、林業諸経費の増高等極めて厳しいものになっております。  こうした中で、林業、木材産業の一層の体質強化、活性化を図ることとして、昨年十一月、今後の林政の進むべき方向に関する林政審議会の報告がなされたところでございます。  農林水産省といたしましては、これらを踏まえまして木材需要の拡大、造林、林道等生産基盤の整備、国産材産地の形成と担い手の育成確保、木材産業の体質強化と木材流通の改善、山村振興と森林の総合的利用の促進等各般の施策を推進するとともに、目下「森林・林業、木材産業活力回復五カ年計画」を実施しておるところでございますが、今回のこの法案改正並びに今後とも金融、税制を含める総合的な林業振興施策をうまくミックスしまして推進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 午前中に引き続きの質疑でございますので大臣もお疲れと思いますが、引き続き法案審議をさせていただきます。  私は、まず前半では林業全般にわたってのお話を伺い、後段では振興資金法の方について伺い、あと時間が残れば組合法について一部確認をさせていただきたい、このように思います。  まず、大臣にお伺いを先にするわけですが、調査室からいただきました資料で読ませていただきましたらば、森林の公益的機能とそれから経済的機能ということが分けられてある中で森林の有する公益的機能の評価を価格で試算がしてございまして、昭和六十年の価格で見た場合、日本の森林が有する公益的機能、年間三十一兆主千九百億という膨大なものとして試算されるということが書いてございます。これは私は大変おもしろい試算であり、非常に重要な試算であろうかというふうに思うわけでございますが、水資源涵養あるいは土砂流出防止あるいは土砂崩壊防止、それから保健休養等その他森林が持つあらゆる公共・公益的機能をお金に換算した場合のこれは一つの機能ですね。非常におもしろいと思いました。  一方で、森林が経済的機能として今我が国にもたらすメリットというのは、木材粗生産額、五十年が七千八百五十三億円であったのが材価の低迷等によって六十年には七千八十七億円になっております。これは森林が持つ経済的機能を換算してみたものであろうかというふうに思うわけでございますが、山がこのように公益・公共的機能を持ち、そして一方でまたそれを経済的機能として生かしていかなければならない、こういう二面性を持っているわけでございますけれども、この二面性を持っている森林、山に対して、今後どのような基本的認識でこの林業を進めていかれるのか。もちろん林政審答申等も出ておりますが、まず大臣の御所見から伺います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 森林は木材等の林産物の供給のみならず、ただいま御指摘になりましたような国土の保全、水資源の涵養等の公益的機能を有しておるわけでございます。これらの諸機能は健全な林業生産活動を通じて森林を適正に管理することによって初めて高度に発揮されるものでございます。  このため、森林・林業の果たしている重要な機能について国民の幅広い理解を得るとともに、国民の要請に応じて多様な森林整備、林業経営の活性化等を図ることによりまして林業振興と公益的機能の維持増強に努めてまいる所存でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 山から経済性を生み出すということとまたその山を保全していくということは易しいようでなかなか難しいことでございまして、これから組合事業等の中でも時間があればあわせてお尋ねしてみたいわけでございますが、まず前半の問題として「森林・林業、木材産業活力回復五カ年計画」、予算は千五百億円ですね。この枠内での事業の問題についてちょっと確認をさせていただきます。  これは川上から川下までのすべての対策がのっておるわけですが、一番最初は重ねて全部伺ってしまいます。  まず、これは長官、間伐の状況はどんなふうになっているのか。この間伐等の森林地域活性化緊急対策事業費が盛られておりますね。この間伐の状況。  それからもう一つは、ここで関税等引き下げがございまして合板に対する影響が非常に大きく出てくるわけでございますが、この中での合板製造業者及び製材業者等に対する新分野への事業転換等、今どんなふうになっておるのかあるいはどんなふうにしていこうとなさるのか。それが二番目。  そしてあと、木材需要拡大推進緊急対策ですね。  この三つが主なる柱になるわけですが、この個個の事業について五カ年計画を踏まえてまず御説明いただきたい。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) まず五カ年計画に絡みまして間伐の実施状況でございますけれども、間伐全体といたしまして昭和五十九年三月に調査したところでは緊急に間伐を要するというのが全体で百九十万ヘクタールというふうに推定されたわけでございます。そしてこれにつきまして、ここのところ毎年二十五、六万ヘクタール間伐を実施してまいっておりまして、所要の計画に比べますと残念ながらまだ七割程度ということになってきておるわけでございます。  間伐を促進しますために、五十六年度から一つは間伐促進総合対策事業ということで行ってきたわけでございますが、ただいま先生からありましたように、六十一年度から活力回復五カ年計画の一環としまして間伐対策事業というものを大幅に取り入れるということで対前年度一八〇%という、こういう厳しい予算の中では異例のふやし方をしているわけでございます。こういう計画を着実に実行いたしまして、何とか新国産材時代に備えまして間伐というものを十分に官民挙げて実行してまいりたいというふうに考えているわけでございます。  それから、同じく五カ年計画の発端ともなりました合板の関税の引き下げに絡む話でございますけれども、合板の関税が引き下げられるということで、活力回復五カ年計画では昭和六十年度から新分野への事業転換なりあるいは過剰設備の廃棄を図りまして何とか緊急に木材産業の体質強化を行いたいということで旗を振ってきたわけでございます。現在もその事業の転換という点で見てみますと、六十一年度末件数で製材業は百二十五件ほど手が挙がってきておりますが、合板の方は現在のところ四十件ほどの手の挙げ率になっておりまして、当初見込んでいたのよりは若干転換事業の進度がおくれていようかと思います。それから一方、設備廃棄につきましても相当過剰なのでこの際ということで行ったわけでございますが、円高によりまして原料安の製品が一時原料安に引きずられて下がらなかったというようなこともございまして、五カ年計画樹立後若干企業の気の緩みというものも出た地域もなきにしもあらずでございまして、当初見込みました合理化件数よりは減っております。しかし、これは一時的な現象でございまして、将来を見越しますと、やはりこういう時点で何とか製材業、合板業を通じまして企業合理化を実現しておいた方がよかろうかと思いますので、これからなお残された期間で鋭意取り組みたいと思っておるわけでございます。  それからもう一つ、五カ年計画の柱になっておりました需要拡大でございますけれども、これはおかげさまでいろんな方々の御応援を得ましていろんな効果を上げてきておるわけでございます。あの事業の中で六十一年度から一番目玉として推奨してまいりましたモデル木造施設、これも六十一年度に八カ所ですかできまして、それからことしもそれより多い十二カ所というようなものの予算がとれておりまして、六十一年度につくりましたものは近々それぞれ大体落成という運びになっておりまして、これがこれからのいろんな木のよさなりあるいは木の知識の普及の拠点というふうになっていくんじゃないかと思っております。  それからあと一般的な普及宣伝でございますとか、それからさらには地道ではございますけれども将来にとっての勝負になります新しい技術の開発というようなものの技術研究組合というものができまして、いろんなシステムなりいろんな新技術というものがまだ実用化までは至っておりませんけれども原理的な段階での解明というものがおかげさまで進んでおります。  それと同時に、六十二年度でここ二年間やってまいりました五カ年計画をもうひとつ発展させたいということで、木材の需要拡大系統で特にネックになっている点について新しい予算というものを計上いたしまして推進を図っておるわけでございます。その一つは、効率的な素材供給基地ということで、乾燥でございますとかいろいろ供給上問題がございますのでこういう事業を行うとか、あるいは今までも国産材の流通パイプというものが非常に細くてくにゃくにゃ曲がっているということが言われてきておりますので、木材共同輸配送システムというようなことで太くて短いパイプづくりということも新しい事業で行っておるわけでございます。  こういうことで、特に先生からも御強調ありました木材の需要拡大につきましては、六十一年度では十三億ほどの予算でございましたけれども今年度は十四億ということで、非公共事業マイナスシーリングという省全体非常に厳しい中ではございますけれども、この事業につきましては省全体の応援を得まして金額的にも相当ふやしていただいたという経過になっております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 この需要拡大なんか一生懸命やっておられると思います。きのうですか、東京営林局の例の木材センターへ行かしていただいて立派な家を見せていただきました。大変に興味がありまして、間伐材でもいいのがたくさんできるなと思いました。北海道のカラマツの間伐なんかすごいですね。初めて再認識さしていただいたわけでございますけれども、あんなふうにやっておられるんだから、もっとPRしたらいいのに。どうも、林野庁は皆さんお地味でいらっしゃいまして、PRがお下手で。私大いにPRをしたいと思いますけれども、ログハウスなんかすばらしいものが並んでおりました。三坪で百三十五万。カラマツの北海道の間伐材、あれいいですね、すばらしい。これは余談でございますけれども、そういうふうに需要拡大のための事業をいろいろやっておられるでしょう、それをどんどんPRなさると私いいと思うの。山の問題、木材の問題というのは川下から川上までみんな一本化したトータルの課題だから、国民的規模でやっぱり関心を寄せてもらいたいという意味でも、あの手の事業大変興味深く、また感心して拝見さしていただきました。これからもやっぱりこの五カ年計画を着実に進めながら、特に私気になりますのは、これは合板製造業者の新分野への転換ですね、この問題大変気になりますけれども、これ以降またさまざまなあれをお配りいただきましてよろしくお願いしたいというふうに思うところでございます。  次に、時間がございませんので飛び飛びになりますが、私も山によく入ります。そして山の人たちと話をしてくる中で、これは大臣に申し上げたいんですが、山村、山は都会からそして情報から経済から遠いところにあるわけですよね。ここで私聞いてくることは、やっぱり不安感、それから先行きの見通しかないこと。こういうことに関して、一番欲しがっていたのは資金じゃなくて情報なんですね、情報。これには大変乱もびっくりしましたし、また考えてみれば全くそうだというふうに思うわけですけれども、今資金を融資してもらったところで、果たしてそれを投入してそしてこれから先自分たちの事業が伸びていくのかいかないのかということを考えたときには、やはりその資金も何となく受けていいものかどうか判断に迷うということで、実際に山村の方々が一番求めていたのは情報であるということ、あらゆる情報ですね。これを私は何回かの経験で認識し直したところなんでございます。したがいまして、林家の方々に生産意欲を与えるためには、私はやはり正しい情報とそして長期のビジョンを示すことが非常に大事であろうというふうに痛感をしているのがここのところの私の見解なんでございますけれども、大臣いかがでございましょう。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 私も情報の大切さということを非常に認識しておるわけでございまして、農水大臣に就任以来、そこら辺担当のそれぞれの皆さんに相当厳しくいろいろ言っておるところでございます。  それで、林業に関する情報につきましては、農水省といたしましては地方自治体等を通じて「林政の基本方向」等の長期ビジョンを明らかにするようにしております。さらに森林組合、木材団体、日本木材備蓄機構等を通じまして木材の需給あるいは価格等内外の情報提供に努めているところでございます。しかしながら、他産業に比べまして林業に関する情報の伝達体制の整備がおくれておるということは事実でございます。現在この林業情報に関するシステムづくりに取りかかっておるところでございますので、今後一層迅速かつ的確な情報の提供に努めてまいりたいと考えております。  念のために申さしていただきますと、林業情報システム開発事業というのを昭和六十年度から進めておりまして、本年度は一千一百五十六万円ほど予算をつけております。なおまた木材取引情報ネットワークシステム開発事業というのも六十一年度から取っかかっておりまして、六十二年度におきましても三千七百万円ほどの予算をつけて目下鋭意努力中でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 システムとしてはできているわけですけれども、実際問題としてそれが山の奥まで伝わっていくにはやはり時間がかかるし、それからやはりなかなか正確に伝わりにくいということがあります。私も山へ入って、どんこが大変値がいいから少し余計やったんだ、そしたら何とどんこが一番下がってしまった、こういう情報を早くくれたら倍にして生産する予定にしなかったのにというようなこととか、具体的には出てくるわけね。これも予想していることではなかったことですから、言ってみればこれは仕方がないことだけれども、私、こういうのを聞くにつけても、本当に山の奥に伝わりにくい情報ということを感じました。やはり正確なそういう情報とそしてビジョンないしはその指導性というものを発揮していかなきゃならないなということを痛感したので、これもお願いしておきたいと思います。  それで、次は各論の方の法案の方でございますが、私は振興資金について少し申し上げてみたいというふうに思うのです。  この林業資金の融資の一覧表を見ますと、農林漁業金融公庫からの資金は林業に、設備資金及び育林については及んでいないわけですね。 この辺のところはどうなっているのか。それから運転資金、木材関連産業はもちろん融資が受けられないのですね。この辺のところを私は、私見なんですけれども、少し考え直したらいいのではないかなというふうに思っておるのです。木材関連産業は全然この公庫資金からは借りられないわけですね。だから、民間金融としての国産材産業振興資金ですか、これは国も一部入れているけれども、これから借りておるのが大部分で、これにはあした審議する林業信用基金が保証していますね。この林業信用基金の代位弁済なんか見ると非常に高水準で続いておるわけですね。というのは、状況が非常に大変なわけなんです。だから私は、この辺の木材関連産業についてもやはり公庫資金が手当てされていいのではないかなというふうに思うのだけれども、これはいろいろ事情があるのかと思いますがその点について伺わせていただきたいと思うのと、さっき言ったように、これからの林業及び木材産業の活性化についてはやっぱりトータルで見ていかなければならないと思う。ここには貸せるけれども川下には貸せないというような考え方はいかなるものだろうかというふうに思うので、ちょっとお伺いしてみたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 農林漁業金融公庫資金も政府関係金融機関ということからいいましておのずからその限定といいますか、性格決めが備わるわけでございまして、農林漁業金融公庫は農林漁業の生産力の維持増進に必要な長期・低利の資金ということで、しかも一般の金融機関が融通することが困難とするものに限りまして、財投を原資とし特別の政府関係機関を設立して、そういう一般の金融機関では貯えない穴を埋めるということでスタートし現に機能しているわけでございます。  こういうことからいいまして、林業関係資金の貸付対象というものは、直接林業の生産基盤の整備なりあるいは経営構造の改善、こういうものに限定されておりまして、製材業でございますとか木材産業、こういういわゆる関連産業、これも一体として整備し、そういうものが発展して初めて林業の生産性も上がってくるということはもちろんでございますけれども、政府関係機関の中でも中小企業金融公庫でございますとかいろいろ別の金融機関というものがあるわけでございますので、そういうものとの協調という中で全体をこなしていくということに相なっているわけでございます。  それからまた、ただいまお話ありました運転資金でございますとかにつきましては、これは御承知のとおり一般的に非常に短期な資金でございまして、これは先ほどお話ししましたように政府関係機関が特に財投を原資として政策的に設けられたということから申し上げまして、こういう短期の資金でございますれば農林中央金庫でございますとかあるいは一般の金融機関、こういうところから融資が十分可能でございますので公庫資金からは外れているという形に相なっておるわけでございます。  それから、木材産業につきましては、ただいまももう既に申し上げましたけれども、中小企業関係の政府関係機関を初めといたしまして一般の民間金融機関を利用しながら低利で融資させたいということで国産材産業振興資金制度というようなものを創設いたしまして、これで木材産業対策をやるという仕組みがそれぞれの資金ジャンルごとに手当てがされているわけでございますけれども、これらが有機的に一体となって発現されて初めて十分の効果が出てまいりますので、そういう点につきましてはいろいろな協議の場なり相談の場で資金の円滑な供給ができますよう、これからも十分意を用いてまいりたいと思っております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 それからさらにこの資金の一覧表で、これもわからないから教えていただきたいわけですけれども、いわゆる三・五資金ですね、この三・五資金のいわゆる造林の非補助計画森林、これが昭和三十九年からずっと三・五が六十二年三月七日現在でもやっぱり三・五なんです。ほかの資金はここのところの金利の低下によって下がっているんですけれども、まあ最低だからということなんだろうけれども、昭和三十九年から変わってないということ、これはどういう見解によるものなのか、これを伺いたい。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) この三・五資金は、林業だけじゃなくて農地関係につきましても一番政策的に重要な資金でございまして、我が国の政府関係機関金融の中で最低の金利という形に相なっているわけでございます。したがいまして、どうしても、貸付原資でございます財投資金が若干下げられましても、これだけ最低の金利であり、しかもただいまお話がありましたように過去三十九年から一切動かしてない。三十九年から現在までの金融動向を見ますと、財投資金が七分を超したというような異常金利時代もあったわけでございますけれども、そういう時点でも、ほかの金利はある程度平行移動して上げましたけれども、こういう政策的な金利というものは据え置いてきたというようなことで、政策的に重要なるがゆえにずっと据え置き、最低で来ているわけでございます。  これをさらに引き下げるということにつきましては、財投金利の資金調達コスト等との関係なり政策的位置づけ、それから今後こういう金利が一時的に下がったからといって下げるということになりますと、そこまでは杞憂にすぎないかもわかりませんけれども、将来財投が上がった際にどうなるというような不安感というものも行政側だけじゃなくて現実に借りる方々にも起きてくるというような問題もございますので、一番政策的重要性なるがゆえに最低の金利をしいているこの三・五資金につきましては、若干の財投金利の変動にかかわらず三・五のままに据え置いてきているという経緯になり立場になっているわけでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 どうして三・五金利のことを私が問題にというか、疑問に思っているかというと、この次の質問にも連動してくるわけですけれども、例えば先ほど山の機能として公共・公益性の話とそれから経済性の話をいたしました。いわゆる造林事業の立場に立って考えても、経済性というか、将来収入を得ることが前提になって造林されていくところのものが三・五資金であれば、今回これが延長になるわけです。借りる方にとっては大変にいいことであるかもしれないんだけれども、問題は森林の持つ公共性とか公益性とかを高めようとするために造林なんかする場合のことなんです。先ほど長官も、林政審からも針葉樹から広葉樹への転換みたいなことが今回うたわれておるとおっしゃっていたけれども、私もそのことは大変興味深く読ましてもらった一人ですが、広葉樹なんか百年サイクルで物を考えてもいい樹木になった場合、しかもそれが収益性というよりは公共性、公益性というふうな立場で物を考えた場合に、造林する側の立場からいけばこれは特例みたいなものがあってむしろ三・五%よりもっと金利の低いものがあってもいいのではないかというふうなことを思うものですからこの三・五にこだわっているわけですけれども、この辺の見解いかがでしょう。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 金融でございますから、ただいまもお話ありましたように、その投下資金の回収によって償還するという回転の中で考えているわけでございまして、造林資金につきましても、造林事業が長期にわたる継続的投資を要し、しかも収益性が低いということに加えまして、そういうただいま先生からまさしく御指摘があったような造林の公益性、公共性ということを加味して、我が国制度資金の中で最も低利な三・五というものを採用しているわけでございます。それから、貸付期間につきましては、ただいま御審議いただいておりますように五十五年ということで、これは我が国だけじゃなくて全世界的に見ましても最長期の融資期間ということまで行っているわけでございます。それで、ただ純粋公共的な森林、全く収入の上がらないような森林というふうなものも実はあるわけでございまして、こういうようなものについて投下経費というものを収入で賄うという回転の論理だけではなかなかいかないという点があることも事実でございます。そういうような公益目的の観点から行います植栽等の森林整備、こういうものにつきましては、補助体系におきまして例えば保安林整備事業等、こういうもので所有者の負担を伴わない治山事業、こういうものも別途つくっておりますので、そういう純粋公共性の治山事業等につきましては融資だけじゃなくて補助事業で直接当たるという道も開いてございますので、通常の融資体系としては、こういう我が国での政策金利として最低であり世界的にも最長期な三分五厘、五十五年、しかも据え置き三十五年という現在の金融体系で適切じゃないかというふうに思料しているわけでございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 これは私が計算したのではなくて、試算したものをいただいたものでございます。三・五で五十五年でというふうに今言われたけれども、それでも平米当たりの収益十八万なんという試算が出るんですね。それで、これはいわゆる最終伐採時における収入とそれからこれまで投入してきた経費を引いた場合にこんな試算も出るくらいで、三・五が私は条件のいい利率だというふうには決して思っていないわけです。これ収益性のことで考えているんですよ。そうすると、まして公益性という立場のもの、今のこれは杉材の話のことでちょっといただいた資料なんですが、これで考えますと、やっぱり私はこういうものが特例としてさらにあってもいいのではないかというふうなことを思います。照葉樹林文化の村なんかに行きますと大変に自分たちの山を大事にし、そしてさらに広葉樹を拡大造林していきたいというふうなことを考えている山村なんかもあるわけですね。こういうのを今後どういうふうに考えていくのかということを私はやはりこういうことを審議するに当たって考えていく必要があろうかと思います。  それから、もう一つは、今回二十年を二十五年、三十五年を四十五年ですか、延長するでしょう。これは、法律が通れば、施行されたその時点からこれを借りる人に適用される条件になっていくわけでしょう。本当は今から返済をしていこうとする人たちが一番苦しいわけですね。この制度が始まって、据え置き期間が過ぎて、そして返済が始まっているのはどのぐらいの状況にあるかということをお尋ねしたんですが、余りデータが出てきませんで、造林資金の元金償還額という総枠で出てきているのをいただいてあるのでは、五十九年で十三億、六十年で十六億というふうに償還が始まってきているわけね。これが何件の林家のどの分か私よくわかりませんのですが、件数とかが出ないわけですよね。総枠で出てきているわけよ。今これを償還していく人たちが一番苦しいのではなかろうかなというふうに私は思います。そこで、やっぱりこの人たちへの救済策として借りかえ制度のようなものをお考えになっておられるのかどうなのかということをお尋ねします。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 現在の貸付残高が六千億を超えておりまして、この中で当年度に返済を必要としておりますものは、ただいま先生からもお話がありましたように六十年度で十六億円ということで、大部分のものは現に借りておりますものも長期期間の設定をしておりますので、まだ返済期には来てないわけでございます。しかし、現に、十六億程度にいたしましても、非常に苦しい人がこの中にあるいはいるかもわからぬわけでございます。そういう方々の対策をどうするかということでございますけれども、既往の貸付金につきましては、残念ながらその貸付時点でそういう金利条件で貸付契約というものを個人間で結んだという形になっておりますので、これは政府関係機関、民間機関を通じまして、よほどのことがなければそういう契約時点の金利なり償還期間ということで契約を守っていただくということが金融上の慣行といいますか、しきたりといいますか、になっていると理解しているわけでございます。しかし、個々具体的な事例といたしましては、いろんな突発的な事由等で非常に苦しい方もいらっしゃいますので、そういう既往貸付金の返済が著しく困難となっております林業者に対しましては、個別にそれぞれの経緯なり実態というものを検討させていただきまして、償還条件の緩和というものが図れるようできるだけ関係の金融機関というものと打ち合わせてまいりたいというふうに考えております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 そうすると、ケースによってはいろいろな善処もしていただけるということで理解させていただいてよろしいわけですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) これからの検討でございますけれども、厳しい方につきましては十分そういう対処の仕方というものも講ずべきかと考えております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 次に、私、組合法の方については稲村同僚委員が大変にお詳しくいろいろ聞いてくださったので、つまみ食い的にお伺いをしていくことになりますが、さっき組合の事業拡大の範囲の問題で話を聞いていて、私もここで確認をしたかったものの一つが「林産物その他の物資」ということなんです。さっき伺っていましたら、「林産物その他の物資」に山菜を挙げられましたね。  そこでお伺いをするのですが、ウドはどちらに入りますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 「その他の物資」に入ります。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 ヤマウドは「林産物」に入るわけですね。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 当然入ります。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 それで、この「林産物その他の物資」の生産のあり方ですけれども、これはハウスのことを言っているんですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) つくり方としては別段問うておりませんで、地域によりましては露地そのものでの栽培というのも行われておりますので、そういうものを当然含みます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 実は、これは私が大変に長々かかわっているところの話で農蚕園芸局とかなりかかわってくる部分があるものですから、ここのところをどれが農産物でどれが林産物がきちっと線引きをしておきませんと大臣が後でお困りになるのではないかというふうに思って、実はウドはどうなるかと聞いたわけでございますけれども、組合等によってやはり山村はいろいろな工夫を始めております。そして試みようとするんだけれども、それが農産物という認定の中で林産物ではないというふうなものも出てくるわけですよね。だから今確認させていただいているわけなんですが、そうするとワサビはどうですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 林野からとれる場合には林産物というふうに位置づけております。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 いいわけよね。ワサビ、それからタラの芽とかいうふうに、非常に付加価値の高いもので、山もシイタケ一辺倒でなくなってきたわけです。それで、ここでいうところの「その他の物資」も含めていわゆる林産物というものと農産物というものをやはりきちっとしておかないと融資とか補助とかいうところの部分でまたいろいろ問題があったり、また今度は競合もしてくるということもございまして、私は山へ入ってこれで大変いろいろ質問攻めに遭ったことがありました。ですから、先ほど稲村委員のお話を聞いていて、山菜はよしということになっていくとかなり拡大して考えられるものがあるんだなというふうに思ったわけです。  その他くるめて「その他の物資」というのをさらにおっしゃるならば、どんなふうなものを今後山村に対して御指導なさっていかれますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 山村に居住していらっしゃる方々に身近な山菜というものが第一義的でございますけれども、ただいま先生から御指摘ありましたように、従来は純粋に林産物と思っておりましたものがいろんな技術の革新やなんかでもって植栽が可能になり農地にもおりてきているというようなものも実は物によってはあるわけでございますし、それから例えば今まで大宗を占めてまいりましたシイタケにつきましても、一部につきましてはシイタケ農協というような形で農協そのものがシイタケを行っているというようなこともあるわけでございます。そういう点からいいますと、統計処理上でございますとかいろんな補助金上はできるだけ画然と両者が分かれていた方がスムーズにいくことはもちろんでございますけれども、農業なりそれから林業なり、それぞれに携わる方々が自分の労働力を十分に燃焼し付加価値を高めていくということでございますれば、それは、余りこだわることなく、両者がやりましても、その間の調整をどうやってとっていくかということでございますし、それから林産物にせよ、農産物にいたしましても、農林水産大臣は一人でございますので大臣のもとに円滑に全部調整をとれるものと考えております。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 実は先週の土曜日、日曜日、代々木公園で森の市をやりました。私は参議院の予算委員会の関係があって開所式には出られなかったんですが、午後の時間を割愛させてもらいまして二時間ほどこの森の市を視察いたしました。大根まで出ておりまして、これ森の市と言えるのか、どこでどうやってやったのかということを質問しましたり、ブドウ酒も出ていた。ブドウ酒は、おい、これ森の市かと言うたら、よくラベルを見るとヤマブドウでつくったワインであります。そうするとこれはやはり森の市かなと。あるいは火山岩の取り出し禁止しておるところと逆に、植林をしていくときに小さい粉が出ますね、それを簡単に加工して非常にすばらしい植木鉢につくったりなんかしておるのも見ました。これは森の市という市の中の自然のものの加工で、ちょっと加工するとこんなに立派な、東京都内の人々あるいは町の人に大変喜ばれるものがあるんだなということ等も克明に視察しましていろいろ痛感した次第でございます。先ほどは川上の論理も出ておりましたが、こういうことで川下の皆さん方にも幅広く理解していただいたらうれしいなと。なお、自然のウドがありまして、私は、根の方は酢みそにし、葉っぱの方はてんぷらにして食べたら大変おいしゅうございましたということをつけ加えておきます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 山の人は、本当にいろいろなことを工夫して、みずから経済性を生み出し、そして自分たちの山村の活性化に当たっているんですね。私はそういう場面を見るたびに感激をするわけですが、最後に私申し上げたいのは、今大臣言われたそのことの話に尽きるわけですけれども、林業の振興というのは要するに山村振興だと。そして山村地域の七割を占めている森林なんだから、やっぱりそこに住んでいる人たちの努力とそして生産意欲というものが山を変えていくというふうに私思うんです。  これは余談にはなりますけれども、きょう宮崎の先生いらっしゃいますね、これ、宮崎県東臼杵郡の例の椎葉村の村長のメッセージでございます。「各市町村に新しい地域づくり運動が始まっている」と。だけれども、「今日過疎地域、とりわけ秘境といわれる山村を取り巻く社会経済情勢は極めて厳しいものがあり、深刻の度を高めている。」けれども、山村が一体となってむしろ「秘境のハンディを逆手にとって」自分たちは「ふるさとおこし」に邁進していきたいと、こういうことを書いている。私は大変感激いたしました。実は、これは昨年十一月、椎葉村で行われた秘境サミットのときの椎葉村の村長の冒頭のあいさつなんです。私は、今お互いに励まし合いながら山村活性化をし、そして山づくりをしていくことにみんな力を合わせていることをこの秘境サミットでつぶさに教えていただきまして大変感激をした者の一人でございまして、こうした山村振興に力を入れていくことがとりもなおさず山をよくしていく、そして有効に生かしていくことになるのではないかというふうに思いますので、このことを私の所見として申し上げて終わらしていただきます。  ありがとうございました。

下田京子日本共産党

○下田京子君 最初に、今回の法改正に当たって幾つか基本的な御認識をまずお伺いしておきます。  最初に、森林・林業の今の情勢、大変厳しゅうございますが、その原因は何かということです。木材需要の低迷と木材価格の下落、それから外材輸入が非常にふえている中で円高の異常な進行と相まって、これら木材、森林をめぐる状況が厳しい。あわせて出づくりのための労働力確保が非常にまた困難になっているということの御認識、これは大臣同じだと思うんですけれども、いかがでしょう。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 森林・林業をめぐる状況に対する認識は同じでございます。    〔理事水谷力君退席、委員長着席〕

下田京子日本共産党

○下田京子君 ところが、今の提案理由説明の中でなぜか外材輸入の問題については触れていないんですね。でもこれは言わずと知れたことでございます。そこで、根本的な解決の方向いかんということですが、今触れた原因がどう克服されるかというところに私はあると思うんですね。  そこでお聞きしたい点は、外材の輸入がどんどんふえていく中での国内の林業のあり方という点なんですけれども、海外の経済協力、これは私たちは否定はしていないんですが、海外に対する経済協力の中の特に林業の協力のあり方で、国の選定あるいは協力の中身、この点については幾つか疑問を感じているんです。申し上げますと、JICAを通じてフィリピン、インドネシア、パラグアイ、マレーシア、ブルネイ、ケニア、タイ、中国、ペルー、九カ国で十一のプロジェクトが今行われております。これは六十一年三月三十一日現在で継続中のプロジェクトなんですけれども。  問題は、まずお聞きしたい点なんですけれども、マレーシア林産研究プロジェクトの中身を見ますと、「低地林から生産される大量の未利用材や工場廃材などの有効利用を図るため、集成加工技術、木材抽出成分、木材保存等の分野において研究協力を行うものである。」、期間は昭和六十年四月から六十五年三月まで、こういうことになっているんです。つまり、このことは、今製材の輸入がふえてきていますね、輸入製品の拡大の木材版をさらにふやしていく、そういうものにつながっていくのではなかろうか、この心配は否定できませんね。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 林業なり木材関係につきましては、御説明ございましたように九カ国についていろんな形での技術協力をしているわけでございますが、これらの技術協力は、考え方といたしましてすべてそこで協力してできた成果品というものを日本に持ってくるという前提での協力では必ずしもございませんで、それぞれの地場産業の発展、それぞれの国にいたしましても新しい本質系の住宅資材に対する要請でございますとかそういうものが当然ございますので、そういう点も考慮いたしましてただいま御提示ありましたマレーシアにつきましては低質材の集成材等高品位な加工品を開発するための新しい技術というものを先進技術大国である日本として技術協力という形で現地の方々に伝授しているという形になっているわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣、今お話しのように、そこでこれはどういうことかといいますと、異常円高の中で低賃金の労働力を求めまして日本の企業が海外に進出していっている。そこで製品をつくり、そして日本に逆輸入してくるのではないかという懸念があるわけです。問題は、国産林業の費用の予算が年々減少してきているんです。なのに一方、こういう形での海外協力費はふえていっているということで、私はきょう多くは申し上げません。今大臣に御決意を聞きたいのは、せっかくのこの法案審査と相まって、やはり国内林業を本当に強めていくという形での予算の確保、これをきちっと図っていただきたいという点での決意を聞かしてほしいんです。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) まず、先ほどの海外援助の件につきまして申し上げますと、私も実はことしの一月マレーシアではなくてタイヘ行きまして、我が国の農林、特に林業関係の諸君が一生懸命真剣にタイの林業問題に取り組んでおる姿に敬意を表しました。  そのときに、私も気がついたことを一、二現場の皆さんにお願いというか、若干問題を投げかけておきましたのは、今やっておるのも非常にいいけれども、世界的に不足してきておるいわゆる香木、キャラとかコクタン、シタン、こういう木について、タイ国の林業関係と相談し、取り組んだらどうだろうかということを言っておきました。  それから、林野庁あるいは国有林野事業等に対する予算の獲得につきましては、昨年水源税という問題もあったわけでございますが、与野党幹事長・書記長会談の経緯と経過を踏まえまして、昭和六十二年度予算におきましてもできるだけの努力をいたしたわけでございます。特に森林の予算ということになりますと、先ほども御質問ございましたが、公益的機能に対する予算というものをどう位置づけ、どうやっていくかというところが非常に重要であり、また今後問題になっていく点ではないかと考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 私が申し上げた点は、今後のやはり国際的な森林の資源をどう守るかということとあわせて、国内の今言った公益的機能を保持していく上での政治の役割というか、行政の役割という点で非常に重大であることを指摘しておきます。  次に、今回森林組合が信託の事業をやるわけですが、その関係で分収育林の実態と、問題がどうなのかという点をひとつ指摘しておきたいんです。  分収育林が今いろいろとPRされておりますけれども、これは森林組合の信託という形でもって制度に仕組んで森林組合の活性化を図ろう、こういうわけですけれども、分収育林のポイントは二十年、三十年後に確実に材価がどうなるかということを予想できないんですよね。ですから、断定的に全く間違いなく収益が上がるということで第三者から資金を集めることは許せないと思うんですね。夢を買おうということならわかるわけです。問題は、必ずもうかります、そういう形で分収育林のための資金集めをやることを進めていきますと、これは詐欺まがい商法にもつながりかねない危険があるんですよ。各地で問題が出ています。ですから、私は、大事なことは募集者も投資効果に云々というよりもむしろ緑を一緒に守りましょうとかあるいはレジャーも楽しめますとか、こういう点でやられるという、そういうことをやはりきちっと押さえないといけないんではないかということのその認識をまずお聞きしたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 分収育林につきましては、六十年度まで面積にしまして民間分で三千百ヘクタール、金額でも八十一億ということで御協力を得ているわけでございます。けれども、分収育林、これは文字のとおりでございまして、収益を分かち合う林でございまして、これが経済的に全くペイしないということでは我々も設計はできませんし、売るわけにもまいらぬわけでございます。もちろん最近のような金融狂乱の中の利殖というような高額の所得を将来楽しみにするということの過大な宣伝があっては問題でございますけれども、あくまでも我々といたしましては収益も相分から得るということを前提としておりますし、そういうことに向けてこれから長期にわたっていろんな林業施策というものも進めていく必要があろうかと思っております。しかし、それにいたしましても当面のこういう金融情勢なりでございますので低利の運用にしかなりませんから、どうしても、ただいま御指摘があった夢でございますとかロマンでございますとか、こういう副次的といいますか、緑に対する都市住民のあこがれ、こういうものも兼ね合わせてくすぐりながらというと妙でございますけれども、そこにも期待しながらこの分収育林の積極的販売に努めてまいりたいと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 きょうは深く議論する気はないです。ただし、今申し上げたことはこれは必ずいろんな形で問題に出てくるだろう。今いみじくも言われましたが、緑を一緒にとか、夢をというのは副次的と言ったけれども、私は逆だと思う。それを中心にやるなら詐欺まがいにはならないでしょう。確実に収益が上がるとか投資効果間違いないですよというようなことで一体これが保証できるのかという点で、私は、この森林組合が信託までやって分収育林制度に取り組むということが本当に組合の活性化につながるかという点では疑問があること、これだけは申し上げておきます。  次になんですが、今回の法改正で組合の合併の問題も出ております。この合併のあり方なんですが、林業生産活動を向上させていく、これが基本であると思うんですね。そういう中で組合の健全なる発展を図ること、これがポイントですから当然だと思うんですけれども、合併に当たっては地域や組合の自主性、これを尊重してなされるというふうに理解してよろしいですね。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 当然自主的協同組織体でございますし、それから既にでき上がっております組織が二つなり三つが一緒になるということでございますから、これはあくまでも自主性、主体性、そういうものに我々は乗ってまいりたいと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 あえて私がそれを申し上げましたのは何かといいますと、農協の場合には公益約五千人規模云々ということで、上からばあっと今あっちこっちに押しつけがあって問題が出ているから申し上げたのでありまして、あくまでも地域の、そしてまた組合の自主性を尊重して、そして本当に森林・林業の発展と組合の活性化ということを基本に置いてやられていただきたいと思います。  そこで、今度は林業生産の活動の向上をいかに図っていくかという点で論を進めていきたいんですけれども、そのポイントは、あくまでも、やはり私は、今回法改正でいろいろありますが、造林、保育、間伐、伐採、こういった林業生産の振興を図っていくことが中心だと思うんですね。そこからの撤退であってはならないというふうに思います。これはもう当然だと思うので、そこで申し上げたいことなんですけれども、民有林における造林面積の推移、これを見ますとどうか。全国的に五十六年度十一万ヘクタールございました。これが六十年度は八万一千ヘクタールに減っております。福島県も同じように五十六年二千二百四十ヘクタールが六十年に一千九百二十九ヘクタールと約二割も減少している、これが実情なんです。  申し上げたいのは、なぜこのように後退しているんだろうか。林家の造林意欲のみにその後退の原因があるというのではなく、私はやはり行政の林業生産活動に対する責任の後退があるんではないかと思うんですが、いかがですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 御指摘のとおり六十年度は前年に比べまして一一%減の八万一千ヘクタールというふうに民有林の造林面積が残念ながら減少してきているわけでございます。この背景には、一つは、全体で千二十二万ヘクタールという人工林面積というものが戦後営々とした努力の積み重ねで既に造成されてきたという全体の話ももちろんございますけれども、当面の話といたしましては、これは林業そのものの、先ほど大臣からもお話ありました、現在の苦しさというものを反映しているわけでございまして、木材需要の減退とそれに伴います価格の低迷、特に最近の円高傾向がこれを加速しているわけでございます。  それから、そういうことの一方で林業経営費が増高いたしまして、収益性が残念ながら低下している。それからさらに山村の過疎化というものも進んできている。それから一千万ヘクタールを超える人工林がもう既にできたということとも関連いたすわけでございますけれども、これからの造林対象地というものが非常に分散化なり奥地化してきている。こういういろんな要素が関連いたしまして森林所有者の造林意欲というものが残念ながら減退し、冒頭に申し上げましたような数字になっているというのが現況でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いろいろと困難な理由をお挙げになった。困難だからこそ行政がどういうふうにそれを克服していくかということでいよいよその責任が問われるんですよ。  それで、造林の長期計画、五十八年度-七十二年度の十五年間、これはお立てになっておりますね。これは法律に基づいてお立てになっていることですから非常に大きな意味があるわけですけれども、民有林の人工更新五十八年度から七十二年度までにこの長期計画で二百七十三万五千ヘクタールやるというふうに立てたと思うんです。こうなりますと、本来なら年平均十八万二千ヘクタール更新していかなきゃならないんですが、現実にはどうかと言えば六十年八万一千ヘクタール。これは年平均に対して十万一千ヘクタールも計画を下回っている。計画に対して半分もやられていないという状況であります。これはそうでしょう。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 数字としてはそのとおりでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 だから、いいですか、森林法に基づいて農水大臣が責任を持って立てた十五年の長期計画、単年度で見てもその半分も達成されていないという点で行政の責任はやっぱり問われるんです。  次に、そこで今あれこれの理由をお述べになりましたけれども、もう造林はできないみたいな言い方に聞き取れるお話があったんですが、私はそうではないと思うんです。造林未済地、これがかなり放置されていると思うんですね。大体この造林未済地というのはどういうものですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 造林未済地は昭和六十一年二月で三万四千ヘクタールほどになっておりますけれども、これは伐採した後、造林されずに残念ながらそのままの状況で放置されているというものでございますけれども、年度別で見てみますと、伐採面積に対する人工造林面積の比率というものは近年減っていることは事実でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 いずれにしても、六十一年の二月一日現在で人工林でもって全国に一万二千カ所、面積にして八千ヘクタール、天然林で一万六千カ所、面積にして七万二千ヘクタール、これは実際に伐採した後、本当にそのままにしてしまって今後も人工造林を予定していないというような地域なんです。このまま放置していくと、大臣も先ほどから言われておりますが、森林の持つ公益的機能、国土の保全等、一体どうなるんだろうかという心配は残るわけです。  次に、さらに問題なのは民有林、民有人工林の皆伐面積に対する人工更新面積の割合です。これは五十八年、そして六十年、どうなっていますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 五十六年の皆伐面積が十一万三千ヘクタール、人工造林面積が十一万ヘクタールとなっております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 違う。違う数字読んでまず。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 失礼いたしました。民有林の関係でございますが、五十八年で前年度における民有人工林の皆伐面積が二万三千八百四へタタール。これに対しまして、民有人工林伐採跡地への人工更新面積が一万六千百九十三ヘクタール。それから、同じく直近時点の六十年で申しますと、前年度に対する民有人工林の皆伐面積が二万八十三ヘクタール、それから民有人工林伐採跡地への人工更新面積が一万一千六百六十ヘクタールというふうになっております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 長官、私いじめたくて言っているんじゃないんですよ。つまり、皆伐だからみんな切っちゃったと。その跡に実際に植栽したところの割合がどうなっていますかって聞いたんです。五十八年は六八%、六十年は五十八%、減っているんです。ですから、あれこれの理由があっても現実にこうした形でこれがさらに進んでいきますと、繰り返し申し上げますけれども国土の保全という点から非常に問題だと思うんです。大臣いみじくも冒頭に言われました。今重要なことは公益的機能を図る上での予算の確保というのは大変重要だということなんですが、この造林事業予算の確保ですね、私は特に今重視しなきゃならないと思うんです。残念ながら六十二年度は前年比で二・七%減っているんです。こういうことが続かないように、これまた決意を述べていただきたい。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 造林の推進は木材の供給という面ばかりでなく、森林の持つ公益的機能を維持する上からも重要でございます。このため、従来から一般造林事業、森林総合整備事業等の各種施策を積極的に推進してきたところでございます。今後ともこれらの事業の重要性にかんがみ、厳しい財政事情のもとではございますが、所要の予算の確保に努めてまいりたいところでございます。  ついでに申さしていただきますと、私も最近人に書を依頼せられたときに「植樹百年人三代、漸蒼林」という字を一生懸命書きながら予算の獲得に頑張らなくてはならないという決意を新たにいたしております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今行政のそういう責任がなぜ重要かというと、森林・林業をめぐる厳しい情勢の中であるから林家個人に任せていたら公益的機能が失われますよということを言っているんです。大臣うなずいておられるから、その結果は次の補正予算なり来年度の予算にどう出てくるかということで、ぜひ見ていきたいと思います。  次に、森林公社に対する問題なんです。これは私、福島県の会津地方の森林組合へ参りました。どこに行っても、公社造林の事業確保を何とかもう少しふやしてほしいという要望が出ているんですね。これは福島県だけではないと思うんです。この公社造林というものが一体どういう目的で設立されたのか、ひとつ目的を端的に。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 林業公社そのものは民法に基づきます公益法人でございますけれども、旧薪炭林地域におきます資金不足などから森林所有者がみずからではなかなか造林が行えないというところを主体といたしまして、そういう都道府県が大部分参加いたします公社、こういうものが主体となって造林を進めたいということで設立の推進を行ってまいりまして、現在全国で三十六道府県四十公社というものが設立されて造林に励んでいる現況でございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 設立の目的はおおむねそういうことなんですが、明確にこう言っているんです。設立目的というのは、造林を計画的に推進して森林資源の充実を図るとともに、国土の保全、山村地域の振興等に資すると、そうでしょう。そうしますと、そういう目的のために設立された公社造林の事業量が年々減少してきているという点が一体何ゆえなのかと。それは一般的な先ほどの厳しい林業をめぐる状況と変わりはないと思うんですけれども、これも福島県の林業公社の方から当面の課題ということで五点ほど出されています。御承知だと思うんですが、あえて申し上げます。  一つは、契約の対象地が年々奥地化してきている。それから二つ目には、造林契約の事務が非常に煩雑になってきている。それから三つ目には、公社造林事業は所在地の地域住民の就労の場の提供、雇用の安定に寄与しているものと考えているけれども、反面、林業労働従事者の女子化、老齢化が進んでいて就労の確保が困難になってきている。それから四つ目が、財務事情。特にこの財務事情の中で、造林事業は通常の産業では考えられないほど長期にわたるものであり、かつ収益期に達するまで経常的な収益が伴わないわけです。当公社の場合には、事業資金のほとんどを借入金で賄っている事情からして、期間の長い低金利の融資調達がもう必須の条件になっているんだと。さらに五点目に、木材需要拡大施策の推進が必要なんだ。これはもう御承知のことと思いますが、あえてお聞きします。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 福島県、地元の問題点の指摘として五項目あることは承知しております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 長官、わざわざ地元の問題点として五項目挙げられましたが、今私が申し上げましたのは福島県のみじゃないんです。全国的なんです。そこの中で特に財務状況の問題で見てみたいと思います。  資源不足、労力不足、しかも奥地化という中で造林が非常に困難である、そういう中で公社造林の果たす役割が大きくなっているんですけれども、森林組合の請負というのがまた多いんですね。また逆に言うと、森林組合はそのことによって安定した収益も得ているんですね。この公社造林を推進していくということがまた森林組合の活性化にも大事なんですね。そういう点で、財務状況の悪化をいかにして防止していくかということがこれまた今当面する大きな課題だと思うんです。そこで、全国的に見てどうなのかという点で資金調達運用実績、これを見ますと、直接事業費の約七割は公社からの借り入れ、そして間接事業費の七割ぐらいが府県からの借り入れという点で、全く借金依存という実態にありますね。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 公社の事業推進に必要な資金につきましては、国や県からの補助金もある程度出ておりますけれども、先生から御指摘ございましたように、農林漁業金融公庫等からの借入金によって賄われているというのが実態でございます。  それで、公社の資金調達の実績でございますけれども、これを六十年で見てみますと、当方のあれでは、先生の区分けと若干ずれちゃって恐縮でございますけれども、総事業費のうちで約八割を借入金に依存しておりまして、その借入金のうちの約半分というものが公庫からの金融ということでございますので、それ以外につきましては都道府県なりその他の金融機関という形に相なっておろうかと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 わざわざ同じ資料整えているのにまたわざわざ別な数字を読み上げる。私言ったとおりなんですよ。  しかも長官、ちゃんと聞いていて。  次、福島県のなんておっしゃったから申し上げます。福島県じゃないんです。私は、地元の県の実態を具体的に紹介しながら、全国的なということでわざわざ言っているんです。そこで、これは全国林業公社協議会の試算したデータがあります。それは私は通告してません。御存じでしょう、当然。申し上げますと、造林公社の元利償還、一九八三年で百六十三億円であったものが一九八六年には二百四億円、一九九〇年になりますと何と二百七十一億円、二〇〇〇年には五百四十七億円。急増していく。試算されております。しかもこのデータによってどういうことになるかといえば、全事業費に占める元利償還金の比率、これが一九八三年は三六%。これが八六年には四四%、九〇年には五二%、二〇〇〇年には八八%です。いいですか、つまり、全事業費の中で二〇〇〇年には約九割が元利償還になるということなんです。こういう状況をしかと御認識いただいて、何とかしなければならないんではないかというお気持ちをお持ちになるのは当然だと思うんですが、どうです。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 現時点の借入残というものを前提にして公社協議会等ではじいた数字はそういう数字かと思いますけれども、その際に、その間における間伐材収入でございますとか、あるいはもうその時点になりますと初伐期に来てます木も出てまいりますので、収入等そういうものを総体として見ませんと、帳じりとしての財務状況ということは先々の話でございますので、材価の変動、そういうものもどういうふうに見込むかというテクニカルな問題がございますので正確な数字としてはあれでございますけれども、金利を含めまして償還金負担というものが財務上かなり大きなウエートになり重くのしかかってきているということは、先生御指摘のとおり、事実と思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そこで、要求が出されているのは御存じだと思うんですけれども、直接事業費については公庫からの融資受けられるんですが、間接費、管理費については公庫の融資対象になってないんです。ですから、どういう状況が起きるかといいますと、管理費、つまり間接費については府県からの借り入れで賄わざるを得なくなるんです。その状況がどうなのかという点を全国的に把握しているんでしょうかね。今さっき言ったようなことを一々弁解されているのを見ているとわからないわ。  福島の状況を見てみますとどうなるか。これは、県公社の場合は直接事業費も公庫からは九割しか受けられませんね。間接費用は公庫から全然借り入れがないわけです。そのほかは府県あるいは一般市中銀行などから借りるしかないんですね。そこで福島県の場合を見ますと、三・五%資金を県の一般会計からの借り入れで賄っているんです。その金額がどうなるかといいますと、五十九年で四億八千三百万円、それから六十年で四億九千五百万円、六十一年は五億一千万円、年々ふえていっています。そのことが逆にどういうことになるかといいますと、六十年度末の借入残高だけでも四十四億円になりまして、六十一年度で県林業予算の中でその造林公社に対する貸し付けのお金が全体の八・三%を占めるところにまでなってきている。また造林公社の方も借金がどんどん膨れているというような状況になっているんです。こういう現況は御存じなんでしょう。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 各県別にそういう財務状況なり、それから県単でのいろんな助成をいただいているという事情については承知しております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣ね、そういう状況なんです。ちょっと中間おトイレに行かれていたからわからないかもしれませんが、公庫資金の融資条件の改善を何とか図ってくれないかということで大分御要望が出ているんです。私は今すべてを一つずつ論ずるつもりはないんです。ただ、今お聞きいただいて御理解いただけると思うんですけれども、とにかく借金が雪だるま式にふえていく、何らかの国の対応が必要になってきているという状況の中で、四点ほど御要望を伺っています。一つは、その直接事業費の融資限度額、今九割なんですが、全額公庫資金にできないものだろうか。二つ目が、返済時期のものなんですけれども、府県の場合には伐採期に返済ということになっているんですね。そういう形で対応できないだろうか。今回、だから四十五年を五十五年に造林資金の延長を図ったんだということはありますけれども。それと三つ目には、間接費、これも一定公庫融資の対象にできないだろうか。四つ目には、金利の引き下げ。借りかえは無理よということをさっき随分言っていますから、私、一々、一言一言は聞きません。でも、そういう御要望が出ております中で、ぜひこうしたことについての検討をしていくべきではなかろうかと思うんです。大臣、いかがですか。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) トイレに行っていて大変失礼しました。  林業公社につきましては、造林の推進上果たしている役割にかんがみ、今後ともその健全な育成を図っていく考えでございます。健全な育成を図っていくというこういう考え方あるいはまた役割等を考えまして、昭和六十二年度におきましても財政措置、金融措置について改善を図っているところでございますけれども、林業公社の財務状況にかんがみまして、今後の育成方策につきまして都道府県や公社関係者等の意見も聞きながら鋭意検討を深めていきたいと考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 鋭意検討するということですが、もう検討ばかりやっていて答えが出ないなんていうことになりませんように念を押しておきます。  それから、造林とあわせて保育事業が非常にこれから重要だと思うんです。その保育の問題なんですけれども、福島県で森林総合整備事業で補助対象の林齢の引き下げが今出てきているのですね、六十一年度以降。例えば下刈り、今まで一年から十年まで見ますよと言ってたのを七年までしか下刈りは見ない、あるいは雪おこしは六年から二十五年までというものを十五年までだよとかということになりますと、豪雪地域は大変なんです。それから、除伐にしても十一年から二十五年まで見ていたのがこれが十五年までですよと、こういうようなことも出ていますので、こういう保育にかかわることも重視してやっていただけるように実態も調査して、ぜひ対応をいただきたい。――いいじゃない、実態調査してやれと言っているんですから。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 県の方の実態を十分調査いたしまして、保育、間伐というものは将来の林業にとって欠くことのできない重要なことでございますので、円満に進めるように心がけてまいりたいと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 それから、森林災害の復旧なんです。いいですか。今回、からから天気で山火事が相次いで起きました。今その詳しいことは申し上げませんけれども、積極的な災害復旧が今必要だなということをつくつぐ感じました。そして、これは五十五年度の降雪災の復旧状況と非常にかかわっているということをまた私思い知らされたんです。  今回、福島県の鮫川村と塙町、これは私の地元なんです。そこに調査に入って驚いたことに、五十五年の豪雪災害のときに折損木の被害処理がなされていないで、そこに飛び火がしてそれがぼおっと燃え広がっていったという実態が明らかになりました。そこで申し上げたいのは、五十五年の降雪災のときの被害面積が十六万六千ヘクタールあるんです。そして復旧面積が四万九千ヘクタールしかないんですね。この四万九千ヘクタールは森林災害復旧事業分なんです。ほかに造林補助事業等がございますけれども、それでもなおかつ自然復旧だとか自力復旧だとかというようなものが三分の一程度あるというのが現地で私わかったわけです。  そういう点もございますので、大臣にこれはお願いしたいんですけれども、全国の五十五年のあの豪雪における折損木等の被害状況に相まった復旧がどうなされているのか、そして二次、三次の災害が起きないような対策をどうとられているかあるいはとっていけばいいのか、その調査をしていただいて取り組みを強化していただきたいと思うんです。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 今回の山火事の被害状況等については、今後十分把握し、復旧対策に万全を期してまいりたいと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 個別で恐縮なんですが、今申し上げました鮫川村、塙町の場合には長官にも具体的な対策等申し入れしました。全国の皆さんの御要望も踏まえて対応を速やかにやるように申し入れもいたしました。細かいことは今申し上げません。県などの地元から受けた具体的な復旧の計画も持っています。  ただ、ここではっきりとお願いしておきたいのは、特に緊急治山で土砂流出防止の事業、これを組みたいと言っています。鮫川村で二カ所、一千六百万、塙町で一カ所、約一千万というようなことです。こういったことも含めて全国的に本当に効果ある対策をとられますように重ねて要望もし、決意を聞きたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 先般県からも情報が来ておりますし、県と十分相談をしながら対策を講じてまいりたいと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣、よろしいですね、答えて。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 特定の地域の特定の場所の問題でございますが、実は五十五年の豪雪による折損木の問題は、私も数カ所視察に行ったことがございます。今後、先ほどお答えしましたように一生懸命頑張っていきたいと考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 それで、次に大事なのが林業の労働力の確保の問題です。この点で全国的な森林組合における作業班の現況、この点について、よろしいですか、千七百七十組合中千三百七十三組合、全組合の中の七八%に作業班がありますね。その作業班の人数は全国で五万九千九百十七人、一組合当たり四十四人、こういう状況ですけれども、この作業班の雇用状況あるいは賃金体系などどうなっているか御理解いただいていますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 林業労働者全体の賃金の動向につきましては、労働省が林業労働者職種別賃金調査というものを行っているわけでございますけれども、これによりますと、昭和六十年の一日当たりの平均賃金が木材伐出業で八千六百二十九円という実態になっております。  それから、就労日数につきましては、二百十日以上就労している方々が、これは調査の時点が若干ずれて五十九年でございますけれども、一万二千八百九十二人ということで全体の二一%という形に相なっております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今伐採の賃金だけしか言われませんでしたが、造林はさらに低いですね。それから、雇用形態では二百日以上でくくりましたが、普通百五十日以上でくくっていると思うんです。  私の方から申し上げますと、直接雇用形態を結んでいるのが約三割。ですから、作業班のほとんどが逆に言えば間接的雇用形態になっているということですね。また、賃金の形態はどうかというと、出来高制を加味したものになっていますね。  それから、そういう状況の中で本当にこうした労働者の雇用条件をどう向上させていくかということは一つの大きな問題になるかと思うんですけれども、その辺で何か検討されたことはありますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 特に作業班の方々の雇用条件なり収入の問題につきましては、何といいましても森林木材産業全体が活性化していく、そういう中で森林組合活動も潤沢にいきまして収入もふえるということを通じて定着的な労働条件というものもできてこようかと思っております。そういう前提で、できるだけ林業生産活動を活性化させる、そのために造林事業でございますとか林道事業、こういうものの限られた公共事業費の中ではございますけれどもそういう作業班の活用ということに従来からもいろいろと意を用いてきておりますし、それから非公共事業の中の林業構造改善事業でございますとか、そういう林業振興施策、こういうもの全体を何とか推進して森林組合事業の活性化、ひいては作業班の活性化ということをこいねがっていろんな仕事をしているわけでございます。  それで、こういう一般的な施策に加えまして、個々の労働者の研修でございますとかあるいは機械化でございますとか、こういう個別の就労者対策につきましてもきめ細やかな施策を従来からもやってきておりますけれども、これからもそういうものをぜひ引き続き拡充してまいりたいと考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 森林組合制度検討会の取りまとめが六十一年の十一月十九日に出されましたね。そのメンバーの一人であります福島県両沼西部森林組合長の二瓶勘吉さんが「明日の林業を守るために、林業労働力確保について」というものを、大臣、こういうものなんですが、出されているんです。できたら読んでおいてくれるようにと言ったんですが、恐らくお忙しくて読んでいないんじゃないかなと思うので紹介しますと、「雇用される側としてはどのような条件があるでしょう。」ということを指摘しているんですが、次の三点だ。「一、失業の心配がなく安定した雇用が可能であるか。」、二つ目には、「全国平均的な給与が保証されるか。」、三つ目には、「賞与・退職手当・各種保険等が整備されているか。」、こういうことが必要だと言われているんですが、これは当然ですね。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) そのとおりだと思います。

下田京子日本共産党

○下田京子君 そのためにじゃどうするかということなんですが、そのとおりだと言われた大臣のお答えに反して、現実はさっき言ったように直接雇用形態が三割以下になっているというような状況であって、何とか例えば社会保険それから農林年金、労災保険、雇用保険、福利厚生費、教育情報費あるいは退職給与引当金、それから現場通勤費、労災上乗保険、こういったものを制度化していけるように森林組合、自治体、県国と相まって若年林業労働者新規雇用促推事業(仮称)というようなものをひとつ検討できないものだろうかということを提案しているんですが、これは検討する余地が私はあると思うんです。いかがですか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 森林組合の作業班の方方の雇用の場の確保といたしましては、そういう総括的な事業名を冠してやるかはともかくといたしまして、造林にいたしましても間伐にいたしましても林道作業にいたしましても、それからいろいろ各地で起きてきております付加価値を高める新しい仕事、こういういろんな仕事をそれぞれ活性化し、できるだけせっかく組織化してくれている森林組合の作業班に頼んでいくということを通じまして仕事の重なり質なりを何とか高めてまいりたいと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 今の答弁は答弁になっていないんです。労働条件をどういうふうに向上させていくかという点で、直接的対策をどうするかという点でのコメントを求めたんです。  大臣、私が今それをなぜ言ったかといいますと、さらに二瓶さんがこう言っているんです。幾ら木材の低迷を回復して云々かんぬんと言っても、実際に林業労働者の就労の場というのはどういう状況かということを頭に入れなきゃだめですよ。  そこで、会津の人だからこう言っているんですが、「まず第一に、当地方のような豪雪地帯においては、通年就労が困難である」ということなんです。だから季節的に言っても、常時雇用というふうにつながらないんです。その間どうつないでいくかという点で、今度森林組合法のこの改正とも相まって付加価値を高めるいろんなものをやるわけですが、そういうことと相まって通年雇用に結びつけていかなきゃならないんです。もう一つ大事なことは、「林業労働は、厳しい自然条件と闘わねばならないことです。それは、照りつける真夏の太陽と突然の雷雨、それに、毒蛇や蜂の襲来といった厳しい労働環境の中で」の作業だ、と。それでまた奥地化もしてきているんです。こういう状況の中ですから若い人たちの労働力確保が非常に困難になってきている。ここの組合はどういうことをやっているかというと、若い人たちを引きとめるために、職場を活気あるものにするために年々賃金はアップしているというんです。雇用保険林退共への加入もやっているというんです。一泊のバス旅行も考えている。運動会や忘年会のレクリエーションの場も設けている、作業の安全を高めるための安全帽や作業服やスパイクつきの地下足袋なんかも支給している。こういうことで経営状況の許す限りのことはやっているんだけれども、それでも若い人たちは新しい職場が見つかるとやめていくと言っているんですね。  そういう状況を踏まえて、大臣、ぜひこういう山村の地域の雇用の場の創出と、あわせて若い人たちがこういったところで魅力を持って出づくりに取り組めるような労働条件の改善ということのそのあり方をぜひ検討いただきたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 山村で働いている方、先生御指摘のように、非常に生活環境なり労働条件の厳しいところでやっていただいておるわけでございまして、この人たちが楽しんで将来に明るさを持って働いていただくというためには、何といいましても若い人たちにとどまっていただくようないろんなソフト面での仕事なり応援というものが必要かと思います。何といいましても、最初に、仕事ができるボリュームというものを広げてやることでございますけれども、それに加えまして、例えば担い手定住促進事業でございますとかいうふうな形で、六十二年度からも少し新しい事業としてそういう後継者の方々が誇りを持って村に残っていただけるように、いろんな協議の場でございますとかあるいは研修でございますとか、それから安全機械でございますとか、そういうような助成手段を講じておるわけでございます。これからもそういうことについて十分な対策を講じてまいりたいと思っております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 大臣の御答弁を。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 今長官からお答えさせましたとおりでございますが、要は、希望を持って林業に取り組むということ、そして林業の活性化をして林業というものが産業として魅力のあるものにしていく、それに持っていくためにあらゆる努力をしていくことが大切だと考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 終わります。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 林業の衰退に対していろいろ活性化をやろうとして森林組合を育成し、またその森林組合の機能を強化してあるいは合併までして適正規模に引き上げるというふうなあらゆるアイデアが出されたのが今度の改正案かと思うんですが、じゃ一体実際の森林組合というのは、現状はどうなのか、どう評価しているのか。いわゆる林家というのが二百五十三万あると、こう言っている。一ヘクタール以下の所有者が五六%と、こういうふうに一般的な民有林は大変な細分化をされている。細分化されているから地域的に造林なり伐採なりというものがなかなか思うようにいかぬというのが視点だろうと思うんです。組合の組織率や組合の機能が今現実に低下しているんじゃないか、こういうふうなことも言われているんですが、農協や漁業組合なんかと比較して、なぜこういうふうな状況になってきたか、どういうふうにお考えになりますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 農協や漁協との比較、いろんな議論があろうかと思いますけれども、一つには、森林経営者がただいま先生からも御指摘がありましたように産業といいますか、経営として自立するような大きな規模じゃない、単なる零細な山持ちというものが相当なウエートを占めているというととはございますし、それから森林組合というものの生成の歴史といたしましても、農協やなんかのように販売とか購買とかあるいは信用事業、共済事業というような経済事業を共同でやるという形でスタートしたというよりは、治山であるとか造林であるとか、そういう若干公益的な仕事というものを中心にして施設協同組合といいますか、生産協同組合といいますか、そういう形でもともとスタートし、その後徐々に強化されてきたという歴史的な背景が一つあるわけでございます。そういう中で最近の林業経営を取り巻くいろんな厳しい状況というものが加速されまして、十分に成熟していない森林組合にいろんな厳しい風なりあらしなりというものが吹き渡りまして、地域によりましては、経営体として見ると漁協であるとか、特に農協等に比べますと非常に見劣りするものが散見されるというのが現状でございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 そういうことだろうと思うんですが、私は、やはり今度の中身を見て、いろいろ機能上やれる仕事を広げたりなんかしているんだけれども、森林組合の機能そのものや組織率の強化とか、そういうことについての視点が余りないんじゃないかと思うんですよね。森林組合はつくっても、どういうふうにして集まったのかよくわからぬし、抜けている人も黙ってほうっておくし。結局、そういうぐあいになってくると、組合の理事者の教育訓練というものが行われていないんじゃないか。またそういう者に森林組合の経営を、殊に造林や伐採や共同の生産事業が多いわけでしょう。農協や漁協というと、購買とか信用とかいわゆる経済的な利益があるから非常に活性が出てくるけれども、これは生産事業が主となっていくから、どうしても、そこに指導者がいないというとそういう共同経営をやろうという経営計画なり作業の段取りなりがなかなか行われなくて、まあまあと過ぎてしまっているんじゃないか。現に、私も四、五年前にある未亡人から山林を頼まれて買って、そして知っている人に預けてあるんだけれども、組合に入ってくれとも言われない。こちらも何もしないんだけれども、何の誘いもないんですよね。きょう、今度のこの資料を見て、二カ所ほどうちの近くで山林を頼まれて買ったんだけれども、組合に入ってくれとも言わぬし何の連絡もない、こういうのはどうなっているのかなと、こう思うわけなんですが、そういうことの指導面はどうなっていますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 頭数で言いますと組合員という人の面では加入率は非常に低いわけでございますけれども、面積で言いますと組合員所有森林面積の割合というものが森林組合の地区内の森林面積の七五%ということで結構なウエートになっているわけでございます。ただ、地域別に非常に偏りがございまして、特に都市近郊でございますとか離島でございますとか、こういうところでは森林そのものの賦存状況というものもございますけれども、森林組合の設立がまだなかったりあるいは加入者が極端に少ない、したがって事業も活発でなしに、先生のようにせっかく所有していただきながら勧誘にも出向かないというようなものも残念ながら若干の地域ではあるわけでございます。何といいましても、こういう人的協同組織体でありながら経済活動をやる、こういう組織体につきましては幹部なり職員の技量なり見識あるいは行動力、こういうことが仕事を進めていく上に当たっての非常に重要なポイントでございまして、従来から林野庁もそうでございますが、系統も挙げてそういう幹部なり職員の養成なり研修ということについては力を注いできているわけでございます。けれども、残念ながら財的基盤というものがまだ脆弱な組合が多いということで、その辺が十分に効果の出ていない森林組合というものもあるわけでございます。そういうことに着目いたしまして、組織そのものをやはりここで見直す必要があるということで森林組合の合併推進ということの第四次の計画ということに今回取り組もうというふうに至ったわけでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 重ねて申し上げますけれども、いろいろこの資料を見ていると森林組合のいわゆる組合経営者についての研修訓練、それからいろいろ資金を借りる場合の、もう一つの資金融通法の林業経営改善計画、これによって資金を借りて森林組合が造林なり計画に従って育成なり保育なりをするわけでしょう。そういう林業経営をやるについての経営計画をやれるような人を育成しないと、これはいろいろ法律では機能を書いてみても実際やれない。所有者は、私は持ってみても、どうしようもないな、買ってみても。自分で造林しようと思っても、どこへ頼みに行ったら造林できるのか、どこへ行ったら木が買えるのかわからぬ。一遍僕も村へ訪ねていってみようかなと思ってまだよう行かぬでいるのだけれども、そういうことが組合なりの方から話があれば、まあおたくの方でそういう計画があるなら乗りましょうとか、もちろん持っていることに意義があって金を出すのは一切嫌だという人もあるかもわからぬけれども。とにかくせっかくこれだけ考えていい知恵を出して改正してやっていくからには本当に森林組合に活を入れぬと、経営する組合長とかは森林の所有者の人格者なんかでいいけれども、実際にやる組合の理事とか事務の責任者というものについてはしっかりした活力あるやつをつけぬと私は、これはみんな絵にかいたもちになるんじゃないか、こういうふうに思うわけなんです。その点がどうも今度のいろいろ資料見ている限りにおいてはどこにも出ていないというふうに思います。今度これを改正してやっていくからには、組合の専従幹部を、森林経営計画の長期のものや毎年の作業の計画なんかに手をかしてやっていける人間をつくることを特にお願いをしておきたいと思うわけでございます。  それから、森林組合の作業班について、国有林野の改善なんか臨調答申にも一部書いてあるというようにこの説明書には書いてあるんですが、作業班を国有林野の間伐や造林、育成にどれくらい利用しているか、また国有林野の作業の中でどれくらいの割合を占めているか、また将来国有林野の作業を合理的にやっていくために森林組合の作業班をどういうふうに有効に活用していこうとしているか、こういうふうな統計資料なり計画があればお聞きしたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 国有林野事業の素材生産なりそれから造林事業、こういうものにつきまして請負という形で行っている局面が多いわけでございますけれども、請け負わせる際に相手方を請負事業体という形で登録させまして、それに仕事をお頼みいたしているわけでございます。現在のところ、昭和六十年の四月一日現在の登録で見ますと、全体のうち二八%、三百八十二事業体が森林組合について登録をしているようでございます。国有林野が請負を一層促進するということが今度の国有林野の経営改善の一つの方向づけともなっているわけでございますけれども、その際には、現場でいろいろと苦労し、蓄積も積んでいただいております森林組合の作業班、こういうものにつきまして地域のそれぞれの実態に即しながら積極的に活用してまいりたいというふうに考えております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 国有林の関係で分収育林の話が出たのでちょっとお伺いしたことがあるんですが、森林組合の分収育林の応募者はやはり地元の人が多いんですか。組合といったら大体町村単位ぐらいなんでしょう。そうすると分収育林で資金を出す人というのは募集なんかどの範囲で、またどういう人が出しているか。国有林だと立派なパンフレットを出して、僕なんかもやったんだけれども、どんな人が加入をし、そして行われているのか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 森林組合の場合には今までまだこういう仕事になれていないということもございまして、熊本県で一件だけ分収育林への取り組みがございました。これは五木村でございまして、ここは熊本市を中心にいたしまして全県的な応募をしたというふうに聞いております。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 そうでしょう。いろいろうまいこと書いてあるのだけれども、これはなかなかね。だから、一森林組合で分収育林をやるというのは、言葉はいいけれども、信用問題や長期にそれだけのものが存続するかどうかというような点からいって、私は国有林だから信用してやるんだけれども一町村のやつだとなかなか難しいんじゃないのか。民有林でやるなら、これはもっと大きな県単位とか、国がむしろ一定の森林組合と共同して、一定の地域の森林組合を指定してやるとか、全国の森林組合で計画してやるとか、何かもっと信用関係を少し考えて国が実質上やるようにされたらどうかと思うんですが。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 分収育林というのは、先生からも御指摘ありましたように非常に息の長い仕事でございますので、PRなりあるいは安全性という点につきましては非常に意を用いる必要があるわけでございます。したがいまして、通常の一単協ではなかなかこなし切れないという面もございますので、ただいま御示唆ありましたように連合会がいろんな形で参画するとかあるいは国であるとか都道府県も側面から援助なり応援するとかいうことを通じまして推進してまいりたいと思っております。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 大臣に最初にお尋ねします。  昨年の十一月に出された林政審議会の報告においても森林整備方針の転換が言われておりますが、今後の森林資源整備の基本的な考え方について承りたいと思います。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 林政審議会の報告、今先生がおっしゃいましたが、「我が国経済社会の成熟化に伴い、公益的機能の高度発揮、木材需要の多様化等森林に対する国民的要請が高まっており、これに対応して」「森林の整備目標を新たに設定し直す必要がある。」旨、報告をいただいております。  このような審議会の報告を踏まえまして、今後の森林整備につきましては、人工林の適正な整備に加えまして、複層林の造成、天然林施業の展開及び広葉樹林の積極的な造成、それから自然保護をより重視した森林施業を推進すること、三番目は、森林の総合的利用の観点からの林地の立地条件に応じた多様な森林整備、あるいは四番目として、木材供給力を平準化するため、伐採年齢の多様化、長期化等の積極的な実施に努めてまいる所存でございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 次に、今回、造林資金の償還期限と据え置き期間を十年延長された。その理由は何でしょうか、

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 過去いろいろと議論をいただきましたのでございますが、その結果、造林資金の償還期間につきましては、昨年の十一月に林政審議会報告で、最近の伐期の長期化の必要性というものが木材に対する需要の変更等から指摘されてきたわけでございます。それからもう一つは、材価の低迷等によりまして、伐採収入というものをもって造林資金の償還に充てるための収支というものが非常に苦しくなってきたということで償還期間の延長が何とかできないかということ。それから、第三点といたしまして、第一とも関連することでございますけれども、実態的にも地域によりまして伐期が非常に長期化して、現在の四十五年を五十五年まで延長するということがこういう動きに対応いたしまして適切であろうということで償還期間を十年間延期するという処置をとらせていただいたわけでございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 それをお尋ねしましたのは、十年延ばすことによって収支試算で十八万円の収益が出ます。そこで、あと五年延長することはいかがでしょうか。といいますのは、あと五年延長することによって十八万の六倍近い百十六万の収益が上がります。こういう実態からしましても、あと一押し、十五年ということになるといかがでしょうか、こういうことなんです。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 伐期に絡みまして償還期限がどこが適切かということは、先生御指摘のとおりいろいろと議論のあるところかと思いますけれども、我々といたしましては、従来の四十五年を五十五年に延ばすということで、これは日本なり世界で一番長期に及ぶ制度融資ということでございます。それから、最近時点の伐採状況を見てみますと、大体五十年から五十五年ぐらいで初伐期に来ている。もちろん樹種によりますけれども、大宗においてはそういうところに来ておるということからいいまして五十五年が適切であり、これをさらに延ばすことは制度金融としてもいかがなものかと思いますし、それから経営の実態からいいましてもその必要性には乏しいのじゃないかというふうに認識しております。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 結果がほの見えておりますから、今大事な森林を育てる一大転換期に来ておる、こう見ておりますので、思い切った施策が必要じゃないか、こう思いまして申し上げた次第でありますが、御検討願いたいということを要望しておきます。  次に、私しみじみ思うんです。皆さんは国土の七割を占める森林を前提にして論を進めていらっしゃる。まことにうらやましい限りだな、こう思えてなりません。  なぜかといいますと、昔の人は言いました、「国破れて山河あり」と。ところが沖縄戦の実相は国破れて山河なしだったんです。そこから出発して今日まで来ておるわけです。またことわざにも「木を見て森を見ない」とか「木を見て山を見ない」とか、こういう言葉がありますが、極端にいいますと、沖縄では見る木も見る森もないんです。こういう状態の沖縄でありますので、どうしても特別の配慮がなければ沖縄の森林育成は無理である、こういう考え方から、こういう希望から、組合の問題にしましても他県と同列に話すわけにもまいらぬ。こういう取り残された沖縄でありますので、国の特別の御配慮がなければついていけない。この実情を、沖縄の森林・林業の現状をどう見ておられるか、大臣、そしてその振興方策をどのように持っておられるか承りたい。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 沖縄県の森林は県土の五割近くを占めております。そして木材生産、県土の保全、水資源の涵養、良好な自然環境の形成等を通じて百二十万県民の生活にとって重要な役割を果たしております。このため高率助成による造林、林道等の生産基盤の整備、新河組林業振興特別対策事業による加工、販売及び生産環境の整備、琉球松の利用開発の促進等に努めているところでありまして、今後とも、沖縄における森林の整備、林業の振興を図ってまいる考えでございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 おっしゃるとおりであると思いますが、現実は遅々として進まず。  と申しますのは、一つ、自然破壊という立場から、戦災による荒廃。先ほど申し上げた国破れて山河なし、これが沖縄の出発でありました。次に、米軍基地と治外法権の実態。県土の一一%が基地です。沖縄本島の二〇%が基地なんです。そういう情勢の中で造林も不可能です。そして松くい虫が発生しても、金網の中から発生するわけですが、内と外とのその管理もまた違います。こういうちぐはぐな沖縄の現状。さらにかてて加えて、実弾射撃演習によって緑を打ち砕いて、赤土が山肌になって流れて、そして赤土汚染はサンゴ礁を死滅させる、このように悪循環を繰り返し展開しておるのが沖縄の実情なんです。それだけではありません。実弾射撃演習による緑の破壊は山火事となって植えた苗木もまた焼き尽くしておる、こういう現状であることは大臣も重々御承知でありましょう。このような状態の中で計画的な造林事業の推進をどのようにすればいいのか。  そして二つ、亜熱帯森林・林業の特殊の事情の上に立った振興対策をどうしても必要とする、このことをひとつ大臣どう決意されますか承りたい。そしてまた具体的な計画がありましたらお聞かせ願いたい。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 先ほどちょっと申し上げましたが、沖縄県土の面積に占める森林面積、そして復帰以来、人工林面積約一万二千ヘクタール、やっていただいております。あるいはまた林家戸数は約九千戸あるようでございまして、これは五十五年の数値でございますが、真剣に取っ組んでいただいておる。あるいはまたそれに伴う林道、林道密度も相当進捗してきておりますし、また造林量も百三十ヘクタールやっていただいておるということでございます。そういう中で沖縄の地形・自然に適した樹木等を考慮していかなくてはならぬと思っておりますが、先ほど申し上げましたように新沖縄林業振興特別対策事業というものをさらに積極的に進めてまいらなくてはならないと考えておるところでございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 亜熱帯林業の件で何かございますか。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 林業も適地適産というということが基本でございまして、ああいう亜熱帯に適した樹木、これを造林技術上も使っていくことが肝要でございますので、従来からもそういうことを通じまして再生力の強いあの地方と天候を活用した森林の復元ということにつきまして、いろいろ新しくといいますか、荒廃地に対するそういう亜熱帯林業特有の造林技術の確立でございますとかあるいは造林事業を集団的、計画的に推進する森林総合整備事業というものをやってきておりますけれども、こういうものを計画的に実施して何とか亜熱帯林業の確立に配慮してまいりたいと思っております。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 次に、二つ問いまして、お答え願います。  一つは、造林の木の種類について。大気浄化機能の面からあるいは保水力の面から、土壌緊縛力の面から針葉樹よりは広葉樹がいいと聞いておりますが、この点から造林に対する樹種の問題、これが第一点。  次には、緑は平和のシンボルあるいは緑は健康の源。自然と人生との関係におきまして、今日、国民の間に森林浴などへの関心が非常に高まりつつある。この森林のレクリエーションの利用に対する期待が非常に大きくクローズアップされつつありますね。また現に実践されつつあります。このことに対してどう対応していきたいと考えておられるか。  この二つの問題について御見解を伺って、終わります。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) まず、針葉樹と広葉樹のいろんな能力のすぐれ方なり差でございますけれども、これにつきましてはいろいろ調査結果があるわけでございます。調査結果によりますと、針葉樹と広葉樹で保水力あるいは山崩れ等の崩壊防止力、それからさらには炭酸ガスの吸収力、これは大気の浄化力に関係するわけでございますけれども、こういう要素につきましてそれぞれ比較調査研究というものが行われてきております。こういう比較研究の調査結果によりますと、そういういろんな機能につきまして針葉樹と広葉樹との間に著しい差異というものは見出しがたいということが各種調査結果の大方の結論でございます。  したがいまして、造林に際しましては、一般的には、我が国に占めております古くからすぐれた樹種として杉でございますとかヒノキでございますとか、こういう針葉樹のほかにクヌギ、ナラ、ケヤキというような広葉樹も使われてきているわけでございますので、それぞれの立地条件に応じまして適切な樹種が植栽されるという方向で今後とも努めてまいりたいと思っております。  それから、森林の持っております文化的・教育的あるいは体育的ないろんな機能に対する要望というのは強くなってきているわけでございます。昨年いただきました林政審の答申でもそういう方向に進むべきであると提言されておりますし、我我といたしましても、先般もヒューマン・グリーン・ブランという形で、これは国有林を中心にしてのこういうレクリエーションの場の国民全体への提供でございますけれども、こういうものでございますとかあるいは地域それぞれでの森林空間の総合利用、こういうものをこれから実施することにしているわけでございます。いずれにいたしましても、こういう多様化してきた国民のいろんな要請、こういうものと林業生産との調整というものにも意を用いながら十分に対処してまいりたいと考えております。

山田耕三郎各派に属しない議員

○山田耕三郎君 私の本日の質問通告は林業等振興資金融通暫定措置法の一部を改正する法律案を主体に、知床原生林強行伐採問題を関連として質問をする予定でおりましたけれども、時間等の関係もございまして、知床問題に限定をいたしまして林野庁長官にお尋ねをいたします。  私は、前の質問におきまして、加藤農林水産大臣は御就任以来本件については極めて慎重に対応してこられ、関係の皆様方に対しても慎重を期し、第三者の納得する調査をと指示をしておられるように承っており、その結果、白神山地の伐採を五カ年見合わすことを決定をされ、知床についても動物調査のためたとえ短期間であったといたしましても延期を決められましたことは適切な措置として高く評価をし、賛意を申し上げてきました。それは、たとえ短期間であっても真剣な話し合い等がさらに続けられることを期待したからであります。しかし、結果的には、何の話し合いもなく、極めて不親切な調査報告をよりどころとして、警察官をまで導入をして地方選挙のどさくさに紛れて伐採を強行をしてしまわれましたのであります。さらにまた大臣は、一般論だかと前置きをしてではありますが、これからは木材を生産をする施叢林と自然を守る森林とに分けて別々に対応していかなければならないとも語っておられます。まことに卓見と存じ評価をしてまいりました。自然を守る森林はそれだけ公益的機能を重視する必要があるからであります。以上の考え方を合わせまして、加藤大臣のもとで今回のようになぜ伐採が強行されなければならなかったのか、大きな疑問を持ちます立場から、以下数点についてお尋ねをいたします。  林野庁が伐採強行のよりどころとしておいでになります委託された五人の調査委員会が発表をされた「知床国有林の動物調査等について」の報告書でありますが、多くの批判や調査方法に関する疑問があり、大臣の言われるいわゆる第三者も納得し得る調査とはほど遠いものがありますが、一部代表的なものを指摘をいたします。  まず第一に、その人選についてであります。依頼を辞退をされたある教授によりますと、依頼に際して林野庁側は、調査だけしてくれればよい、結果への判断はこちらがするという条件だったから教授は拒否したと言われており、肝心の森林施業についての判断をする委員の中には林野庁に近い委員の方もおいでになり、一種のアセスメントに当たることを実施するのでありますから、こういった疑惑を生む人選は避けるべきであります。  第二の、調査期間の余りにも短かったという批判であります。こうした生態調査は、動物の繁殖の一サイクルが完結をする四季を通じての一年間が最小限であり、できれば二サイクルくらいが必要だと指摘する人もございます。  第三には、生物調査のうち鳥類についてでありますが、第二のトキとその絶滅が心配されておりますシマフクロウ、さらにはオジロワシの生息地であり、伐採は野生動物に悪影響を与えるなどを理由に反対意見のあります中で、調査報告書は、いずれもその二種類については個体、すなわちその鳥を目視することもできなかったし巣を発見することもできなかった上に、フィールドサインも発見できなかったとしております。短い調査期間であった関係で確認できなかったのか、不幸にして調査区域にはもうすんでおらなかったのか、いずれにいたしましても、陸海の豊富な生物群集がワンセットで保存されている点では国内でも唯一の地域である知床にとっては極めて重大な問題であるはずなのにかかわりませず、すんでいないということでこの事実がなぜ伐採のゴーサインになるのか、全く私は不可解でなりません。  次に、林分の構造についてでありますが、胸の高さ直径六十六センチメートル以上の木は、その樹種の平均的な寿命を超えているので、腐らない うちに利用することが資源の有効利用につながるとの報告でありますが、私がいただいております。その報告書は骨子だけが記されておるものでありますから、詳細はどのように記載がありますか承知はいたしませんけれども、多分このことは老齢過熱林のことかと存じますけれども、老齢過熟材はないという有力な学説もあります。原生林内に点々と枯死木の見えるのは老齢過熟の現象ではなく、個々の個体、すなわち個々の樹木が生育空間を互いに制限し合っておるからと考えるのが適当で、株分としての原生林は永続するもので、過熟というものは起こらないという説であります。孤立木あるいは超優生木で連続した林冠から突出をしてそびえているような木は、自由に自分の林冠部を拡大できるので光合成量と呼吸消費量との間の不均衡は容易に生じません。そのためにこういった樹木は半永久的に生存し得るという説でございまして、かの屋久島における杉は千年の樹齢を超えておるものもあるという事実はやっぱりこの説が私は確かなものと思わざるを得ないのでございますけれども、老齢木ではあっても決して過熟ということではあり得ない。それを勝手に死にかけておるからということで切ってしまうということは、学説の支えを取り除いてしまっている説だと私は思います。だから、現地の人たちは壮年木ばかりが貯木場に積み上げられておるとさえ言っておるのでございます。  その次の問題は、原生林内における野生動物のえさについてであります。森林の施業、すなわち択伐による林床植生の変化は、択伐によって林内の相対的照度が高くなることにより――多分日光が入っていくことだと思いますけれども、クマイザサや大型草本植物のヨブスマソウ、オオブキあるいはシダ類などが増加をし、特につる類のツルアジサイ、ヤマブドウなど急激な増加をいたしまして、この結果、大型動物及び鳥類のえさが豊富となり野性動物の生息環境が良好になる、こういう報告がされておりますけれども、本当にそうなのだろうか、余りにも安易過ぎるように思えてなりません。  調査をいたしました結果の前の質問において、切り株のあるところは確かにクマイザサが群生をいたしております。そして他の植林を排除してしまっております。この報告とは合わないところがあります。さらに百歩譲ってこのことを認めるといたしましても、本来つる草類は樹木の生育を妨げるものであります。樹木の生育が妨げられましたらどうして実を結ぶような木に成長することができるのか、その辺のところが私にはわからないのでございますけれども、こういったことから考えてみましても、まだまだ生息環境が良好になるよりも悪化する方が強いのではないかと思います。  その次は、ミズナラの種子は動物のえさになるものでありますが、今回の択伐によります減少分は全体から見ますと約五%程度で動物類の生息に大きな影響はないものと考えます、このように書いておりますけれども、この前にお答えをいただきましたそのことを調べてみますと、今度伐採をいたしますのは立木の数にいたしまして直径二十二センチメートル以上の全体の立木の一〇%だと、こういうように言われております。そうしたら、全部を同じだけの実をつけると考えてみましても五%ではないはずでありますし、調査によりますと最もたくさん実をつけます樹齢のものばかりが切られていくということであり、そういった切られます木は全体の容積率にいたしまして六〇%を超えると書いております。ですから五%で影響なしという考え方は当たらないものと思います。そして、こういったドングリ類はやっぱり年により豊凶の差が甚だしいものであります。そういうことからいたしまして、ヒグマが人の住んでおる人里へ数年おきに出てきますことは、山が不作であるから出てくる。現在でさえがそうでありますのに、確実にその実を生産してくれる木を切るのでありますから今よりよくなるはずがありません。そういったことを考えあわせてみますと、この報告書には首肯しがたい点が多々あります。  以上のとおりでありまして、全くやみの中にあります森林生態の方は別といたしましても、簡単に指摘をさしていただきましただけでも以上のとおりでございますが、国民が納得し得る調査とは私は言えないと思っておりますが、これで果たして専門家の学問的批判にたえられる確信を持っておいでになりますのか。私は、林野庁長官の立場では何ともならない原因、すなわちそれはわずか三千万円強のお金であっても自主財源の収入を図らなければならないいわゆる林野庁の独立採算制という会計制度の締めつけによるものと考えておりますのでございますけれども、以上に対する長官の御所見を承りたいと思います。

田中宏尚林野庁長官

○政府委員(田中宏尚君) 知床に関しまして幅広い御質問でございますので、あるいは全部に対する答えになるかどうかわかりませんけれども、具体的問題に入ります前に一、二点ちょっとお断りといいますか答弁しておきますが、一つは、知床の伐採が国有林野の三千万円を得るためというふうな御指摘でございましたけれども、我々といたしましては国有林野経営の三千万円の自己収入のためにあれを切ったということでは毛頭ございませんで、あの山自体の再生なり活性化ということをこいねがって切ったわけでございます。  それからもう一つ、冒頭にございました強行伐採という点でございますが、これも大臣から強く、地元の方々なり関係者と十分話をつけるようにという御指示のもとに、北海道それから地元町、地元町議会、それぞれの段階でいろいろな話し合いの積み上げを行ったわけでございますけれども、不幸にして一〇〇%の御了解を得られないまま伐採に至ったという経緯でございますので、そこはひとつ御理解いただきたいと思っております。  それから中身でございますけれども、一つは、調査メンバーの人選でございますが、いろいろ先生から御指摘ございましたけれども、我々といたしましては、選びましたこの五人の先生の方々、それぞれの先生の方々はそれぞれの学問ジャンルにおきまして最大の権威の方でございますとか長い間の研究成果で学界で相当な地位を築かれていらっしゃる方々ばかりでございまして、そういう林野庁がみずからに都合のいいような人選をしたということは毛頭ございません。  それから、期間の点でございますけれども、これも去年の秋口に伐採する際にせめてシマフクロウなりオジロワシがいるかどうかを調査してほしいという地元からの要請がございをして、通常ですと一月なり二月までと思って調査に着手したわけでございますけれども、これも大臣からの御指示によりましてもう少し丁寧にということで、営巣期間中も全部やるということで三月いっぱいを調査をしたということで、こういう調査のたぐいといたしましては学者の頭数といい、それから調査に入った回数、それから延べ人数、それから一本一本木に登りまして確認したという調査の中身からいいまして、今までのこういうたぐいの調査に比べますと、手前みそではございますけれども精緻をきわめたというふうに当方としては理解しているわけでございます。  それから、シマフクロウなりオジロワシなりの問題でございますけれども、これにつきましてもいろいろ先生からも既に御指摘といいますか、調査報告書の御紹介がございましたので、重複しますので省かせていただきますけれども、これは三カ月なり四カ月にわたりまして精密な調査をあれだけの日数と人力で行いましたし、それからオジロワシ等魚食性の鳥類が本来あそこの地域、あの横断国道から西の地域につきましてはかなりの滝がございましてその先負が登っていかないということで、そもそもああいう魚食性の鳥類が生息する可能性というものがもともと薄かったわけでございますけれども、いろんな御批判なり御議論がございましたので、専門家によります毎木調査というものを当方としては行ったつもりでございます。  それから六十六センチメートル云々の話がございましたけれども、どういう木が老衰なりあるいは老齢化してきたかということにつきましては確かに御議論が分かれるところでございますけれども、今回五百何十本切ってみましてそのうちの三割程度は腐れが入っていたということから、逆に見ましてもやはり胸高で太さが六十六センチ以上のものにつきましては相当老齢化が進んでいるということは、あの伐採の結果、事実としても我々判明したと思っているわけでございます。  その他、前にも御議論ございましたミズナラの問題でございますとかいろいろございますけれども、これにつきましてはいずれも調査報告に書かれている線で我々は正しいものと思っております。  そういうことでございますけれども、あれだけいろいろと世間といいますか、世の中の御関心を呼び、いろんな御議論なり御批判があったわけでございますし、それから我々といたしましても国民の貴重な残された自然というものを守っていくことの緊要性というものは十分認識しておりますので、これからのあそこの取り扱いにつきましては、先般伐採を決定いたすに当たりましてもあそこにあります国有林全体の九割というものについて遺伝資源保存林的なもので今後手を加えないで残していくというようなことで、大方の知床半島の山につきましては手を加えないという方向も並行して出し、それからあの横断国道の近辺、人がかなり入り過去も択伐が繰り返されてきている地域につきましては林業と自然との調和というものがあり得るかどうかということについてさらに検討を深めてまいりたいと思っているわけでございます。

山田耕三郎各派に属しない議員

○山田耕三郎君 今の長官の答弁には私としては大きな異論を持ちますものでございますが、時間も参りましたようでございますので、このあとのことについてはまた与えられた機会を利用して徹底的に私の所見を申し述べさせていただくことにいたしまして、本日の質問を終わらしていただきます。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 御異議ないと認めます。  これより両案について討論に入ります。  御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。  まず、林業等振興資金融通暫定措置法の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 全会一致と認めます。よって。本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  次に、森林組合法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案について採決を行います。  本案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  宮島君から発言を求められておりますので、これを許します。宮島君。

宮島滉自由民主党

○宮島滉君 私は、ただいま可決されました森林組合法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘の各派及び各派に属しない議員山田耕三郎君の共同提案による附帯決議案を提出いたします。  案文を朗読いたします。     森林組合法及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)  政府は、本法の施行に当たっては、我が国の森林・林業の重要性にかんがみ、森林組合の健全な発展を図るため、次の事項の実現に遺憾なきを期すべきである。  一 国産材をベースとした的確な木材需給計画を樹立し、行政指導を充実するほか外材の秩序ある輸入を図るなど、需給の調整と木材価格の安定のための積極的な対策を講ずること。  二 間伐対策の緊急性にかんがみ、引き続き森林組合等が行う間伐事業に必要な施設の整備、間伐材の用途開発、流通、価格安定等について施策を講ずるとともに、需要拡大に努めること。  三 林業労働者の確保、雇用の安定、労働条件の改善及び労働安全衛生の確保を図るため、特段の措置を講ずること。  また、森林組合作業班の育成強化、社会保障制度の充実、福利厚生施設の増強に努めること。  四 林業後継者の育成を図るため、学習研究体制・林業試験研究機関の整備、グループ活動の活性化その他有効な施策を充実すること。  五 森林組合及び森林組合連合会の事業範囲の拡大等に伴い、その事業の実施に当たっては関係事業者との協調・連携の下に、地域一体となった取組みが円滑に展開されるようその指導に努めること。  六 森林災害共済については、対象森林の構造変化、災害の多発化等の不安定要因を考慮し、将来の課題である森林国営保険との一元化を含めた長期的展望を踏まえつつ、経営及び仕組みのあり方について早急に検討を行うとともに、共済加入の拡大と健全な運営を図ること。  七 今後、森林組合の果たす役割が一層重要となってくることにかんがみ、森林組合役職員の人材確保、技術向上等に必要な教育一指導に努めること。  八 森林組合の合併を促進するに当たっては、組合員の意思を尊重し、組合の実態、地域の実情等に即した合併が行われるよう指導に努めること。  右決議する。  以上でございます。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) ただいま宮島君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。  本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手〕

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 全会一致と認めます。よって、宮島君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  ただいまの附帯決議に対し、加藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤農林水産大臣。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) ただいまの附帯決議につきまして決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 次に、農林漁業信用基金法案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。加藤農林水産大臣。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 農林漁業信用基金法案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  農業近代化資金、漁業近代化資金その他農林漁業経営等に必要な資金につきましては、その融通が円滑に行われるよう、農業信用保険協会、林業信用基金及び中央漁業信用基金が、それぞれ、農林漁業者の信用力を補完するための債務保証及び債務保証についての保険等の事業を行ってきたところであります。しかしながら、これら三法人は、対象分野は異なるものの、いずれも、農林漁業経営等に必要な資金の円滑な融通を図るという共通の目的を有していることから、行政改革の一環として特殊法人等の整理合理化を推進するため、昭和五十八年三月の臨時行政調査会の答申におきまして、その統合を図る旨の指摘が行われたところであります。  政府といたしましては、この答申を受け、これら三法人の組織の基盤、出資の形態を踏まえ、統合に向けての条件整備を進めてきたところでありますが、このたび、三法人の業務を統合して農林漁業信用基金を設立することとし、この法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。  第一に、農林漁業信用基金は、農林漁業経営等に必要な資金につき債務保証及び債務保証についての保険等の事業を行うことにより、これら資金の融通を円滑にし、もって農林漁業の健全な発展に資することを目的としております。また、あわせて漁業共済団体が行う共済金等の支払いに必要な資金の貸し付け等の業務を行うことを目的としております。  第二に、農林漁業信用基金は、民間の発意によって設立される認可法人といたしますとともに、その役員、財務会計等法人の管理運営につきまして、所要の規定を設けることとしております。  第三に、現行の三法人からの権利義務の承継手続等につきまして、所要の規定を設けることとしております。  以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 次に、補足説明を聴取いたします。眞木経済局長。

眞木秀郎農林水産省経済局長

○政府委員(眞木秀郎君) 農林漁業信用基金法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  本法律案を提出いたしました理由につきましては、即に提案理由におきまして申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。  第一に、農林漁業信用基金が行う業務の内容は、現在の三法人が行っている業務と同様、農業及び漁業につきましては、農業信用基金協会、漁業信用基金協会が行う農業近代化資金、漁業近代化資金等に係る債務の保証等についての保険及びこれらの保証に必要な資金の融通を行うとともに、林業につきましては、林業者等の融資機関からの林業経営の改善に必要な資金の借り入れに係る債務の保証を行うこととしております。  このほか、農林漁業信用基金は、漁業災害補償法に基づき、漁業共済団体が行う共済金等の支払いに必要な資金の貸し付け等の業務を行うとともに、林業等振興資金融通暫定措置法に基づき、国産材産業振興資金に関する都道府県への貸し付けの業務を行うこととしております。  第二に、農林漁業信用基金の資本金につきましては、その設立に際し、政府及び政府以外の者が出資する金額の合計額とし、農林漁業信用基金は、必要があるときは、主務大臣の認可を受けてその資本金を増加することができることとしております。  第三に、農林漁業信用基金の役員につきましては、理事長一人、副理事長二人、理事六人以内及び監事一人並びに非常勤の理事十五人以内及び監事三人以内を置くこととしております。なお、役員数につきましては、行政改革の趣旨に沿って統合前より縮減しております。  第四に、農林漁業信用基金の業務の適正な運営を期するため、現行の三法人に置かれていた総会または評議員会にかえて、政府以外の出資者及び農林漁業信用基金の業務に関し学識経験を有する者五十人以内で構成する運営審議会を置くこととしております。  第五に、農林漁業信用基金の財務及び会計につきましては、農業、林業及び漁業の各業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理することとしております。  第六に、農林漁業信用基金が設立されることに伴い、林業信用基金は解散するものとし、その一切の権利義務は、農林漁業信用基金が承継することとするとともに、民間の発意で設立された農業信用保険協会及び中央漁業信用基金は、総会で議決しまたは評議員会の意見を聞いた上で、農林漁業信用基金に対し、その一切の権利義務を承継すべき旨を申し出て、解散することができることとしております。  また、これらの措置を講ずることに伴う経過措置を定めるとともに、林業信用基金法を廃止するほか、農業信用保証保険法、中小漁業融資保証法等につきまして、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明を終わります。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。     ―――――――――――――

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 次に、昭和六十二年度における農林漁業団体職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。加藤農林水産大臣。

加藤六月自由民主党農林水産大臣

○国務大臣(加藤六月君) 昭和六十二年度における農林漁業団体職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  農林漁業団体職員共済組合制度は、公的年金制度の一つとして、農業協同組合等の農林漁業団体の役職員を対象に年金の給付事業を行うものであり、もって、これら団体の事業の円滑な運営に資するとともに、農林水産行政の推進上重要な役割を果たしているところであります。  従来から、農林漁業団体職員共済組合法の年金の額につきましては、その実質的価値を維持するため、社会的経済的諸情勢の変動に対応して、必要に応じ、適宜、改定措置を講じてまいりました。  この法律案は、昭和六十二年度における農林漁業団体職員共済組合法の年金の額について、厚生年金、国民年金、国家公務員等共済その他の公的年金制度における措置に準じ、昭和六十一年の消費者物価上昇率を基準として、引き上げを行おうとするものであり、これに必要な所要の規定を設けております。  なお、この法律案に対する衆議院における修正の趣旨につきまして、便宜政府側から御説明を申し上げます。  修正の内容は、この法律案の施行期日である昭和六十二年四月一日が既に経過していることにかんがみ、施行期日を公布の日に改めるものであります。  以上が衆議院における修正の趣旨であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

高木正明自由民主党

○委員長(高木正明君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時四十三分散会      ―――――・―――――

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