農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 262 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1987/03/27
会議録
○委員長(高木正明君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二十六日、佐藤昭夫君が委員を辞任され、その補欠として諌山博君が選任されました。 —————————————
○委員長(高木正明君) 森林法の一部を改正する等の法律案を議題といたします。 本案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○村沢牧君 けさの閣議で六十二年度予算の暫定予算案が決定されたようでありますけれども、農林水産省に関係する分について資料を提出して、概要説明してください。なお、委員長に要請しますが、この資料は当委員会に提出するようにお取り計らいを願いたいと思います。
○委員長(高木正明君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(高木正明君) 速記を起こしてください。 甕官房長、政府の方でどうですか。
○政府委員(甕滋君) 六十二年度の農林水産関係の暫定予算につきましては、けさほどの閣議で政府予算全体の中で予算案として決められてきておりますが、所定の手続を経まして国会に正式提案されますのはまた後刻となりますので、現時点におきまして資料を提出申し上げることは困難でございます。
○委員長(高木正明君) 今ここで提出できないということですね。
○村沢牧君 後刻ということは本日ということですか、国会に正式に大蔵省が提出するのは。
○政府委員(甕滋君) 私ども承知しておりますのは、本日午後のしかるべき時刻には国会に提出されるであろうというふうに聞いております。
○村沢牧君 私は本日午後二時に提出されるということを聞いておりますが、それはほぼ間違いないですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 閣議の提出手続は終わっておりますが、大体そういう時刻になると思います。
○村沢牧君 当委員会はきょう三時過ぎまで開会しているようでありますので、十分委員会に間に合いますので、その際は提出てきますか。
○政府委員(甕滋君) その場合にはそうさしていただきたいと思います。
○村沢牧君 それじゃ資料はいいです、後で。資料の提出は今はできない、二時ごろになりゃできると。 概要についての説明はできますね。
○政府委員(甕滋君) 概要につきましては、お尋ねがございましたら御説明申し上げたいと思います。
○村沢牧君 今尋ねたんだ。
○政府委員(甕滋君) それでは、六十二年度の農林水産関係の暫定予算でございますが、暫定予算期間は五十日間ということでございます。 その期間中におきます既定の施策に基づく行政運営上必要最小限の経費を計上するということとしております。 この中で、公共事業につきましては、一般公共事業費につきまして、前年度の事業の執行状況等を勘案いたしまして、六十二年度予算額のおおむね七分の二を目途に計上いたします。また、このうち積寒地域の事業につきましては、その枠内で三分の一程度を計上するということとしております。 また、非公共事業につきましては、農業構造改善事業等計画的に行っております事業につきまして、一般公共と同様、六十二年度予算額の七分の二を目途に計上する、その他年金関係経費、事務人件費等についても所要額を計上することとしております。 予算の額につきましては、先ほど申し上げましたように暫定予算案がまだ提出されていない段階 であることを前提にお答えすることになりますが、公共事業につきましては三千七百九十二億円、このうち一般公共三千七百四十八億円、災害復旧等四十四億円となっております。非公共事業につきましては一千三億円、総額で四千七百九十五億円という予算額を予定しておるところでございます。
○村沢牧君 本日審議の対象になっている森林法の一部を改正する等の法律案並びにこれに付随をして政令等によって補助率を引き下げる事業に関係するものについては暫定予算にすべて盛られておらなければいけないというように思いますが、盛られていますか。
○政府委員(甕滋君) この暫定予算の額の中には、ただいま御指摘ございました本法案に関連いたします補助率カット対象経費も一定の考え方で含まれておるわけでございます。
○村沢牧君 この補助率引き下げに関係する予算が暫定予算の場合にも含まれているということでありますが、にも含まれているということでなくて、補助率引き下げに関する法案を日切れ扱いとして審議の対象にすることについては我が党の中にもいろいろ問題があったわけです。私は、率直に言って、この種のものを日切れ扱いにすべきじゃない、そういう意見を今日持っておりますが、暫定予算はせっかく出されてくる、しかしこの関係法律が議決をされないと暫定予算の執行ができない、何とかしてくださいという政府の要請であったので私たちも認めざるを得なかったというふうに思うわけであります。したがって、この補助率引き下げに関係するものが暫定予算の中に必ず入っていると、それがなかったらおかしいというふうに思いますけれども、そうでおかったら日切れ法案としてこの法案を扱うことが極めて間違いであるというふうに思います、その点を確認しておきたいんですが、どうですか。
○政府委員(甕滋君) この法案を日切れ法案の扱いでただいま御審議をいただいておるわけでございますが、この取り扱いにつきましては先般の与野党の合意に基づきまして速やかな審議をお願いするということになっておりますけれども、私どもの立場からいたしましても、内需の拡大あるいは農林水産業の基盤整備のために事業の早期執行を図る必要がある、事業費を拡大する必要があるということで考えておるところでございまして、予算と一体であると。したがいまして、この暫定予算の中に補助率対象経費も含めまして予算の事業費を少しでも多くしたい、こういう提案を申し上げているところでございます。
○村沢牧君 今説明のあったように、公共事業に関する暫定予算額は三千七百九十二億円。しかし、これを五十日間のうちにどういうふうに執行していくんですか、その基本的な考え方について説明してください。
○政府委員(甕滋君) この公共事業の予算額、暫定予算で成立をさしていただきましたならば、直ちにその各事業別の配分等も実施計画を立てまして、県からのヒアリング等を行い、予算配分をいたしまして速やかに着工できるものから事業に移してまいりたいという考えでございます。
○村沢牧君 速やかに着工できるように準備をすることは当然ですけれども、三千七百九十二億円で大した金じゃないわけですね。それを公共事業に全部ばらまいてしまったら、とてもばらまきようもないんですが、どういうものを重点にして施行していくんですか。
○政府委員(甕滋君) 一般的な考え方といたしましては、現在の社会経済状況の中で緊急性を要するもの、内需拡大効果の大きいものを重点に各県の要望等を踏まえまして配分することになろうかと思います。
○村沢牧君 その問題についてはまだ作業も余り進んでおらないようでありますから、後日また伺いたいというふうに思うわけであります。 そこで、この法律改正の中で保安施設にかかわる事業の中で新規に取り入れたものは何ですか、林野庁長官。
○政府委員(田中宏尚君) 暫定予算の性格からいいまして、新規事業につきましては暫定予算では組み入れてはおりません。
○村沢牧君 私は、暫定予算についてじゃない。法律提案で補助率引き下げがあるでしょう。その中に新規に取り入れた事業があるでしょう。
○政府委員(田中宏尚君) 本予算できちんと新規としてお出しをいたしておりますものは、水源地域緊急整備事業といいまして、水源の確保上重要なダム等の上流の水源地域に賦存いたします荒廃した森林を対象といたしまして、荒廃地等の復旧整備とあわせて森林の整備をするという事業を新しい予算として組み込んでおります。
○村沢牧君 その事業は、要するに、今までなかったから補助率も決まってはいなかったけれども、今度新しく補助率を十分の五・二五にすると出ていますね。これだって本来ならば暫定予算に組むべきなんだ、せっかくここへ出したんだから。しかし、官房長はすべて暫定予算に入れると言うけれども、この事業は暫定予算の中に入っていない。
○政府委員(甕滋君) 暫定予算につきましては、先ほど申し上げましたように、五十日間におきます期間中の既定の施策に基づく必要最小限度の経費を計上するということでございまして、新規事業でございますとか新規地区につきましては、暫定の性格からいってこれは盛り込んでおらないということでございます。
○村沢牧君 それはそうだけれども、しかしこの補助率、審議の対象にはなっているわけだね、書いてあるんだから。 そこでお聞きするけれども、この事業は新規事業だ、しかしこれは単年度事業ではないわけですね。私は、この事業をつくった趣旨というものはわからぬわけじゃない。林野庁が水源税を創設しようと思ったができなかった、あるいは国会においては与野党書記長・幹事長会議の申し合わせによって林業予算についてさらに検討していくということがあってこの予算が盛られたというふうに思うんですよ。したがって、これはただ六十二年度単年度の事業ではない、今後も継続していくものであるというふうに理解しているんですが、どうですか。
○政府委員(田中宏尚君) 事業の緊要性なり必要性というものは十分あるわけでございますし、それからそういうことがございまして新規事業という形でこういう財政状況厳しい中でお願いしておるわけでございますけれども、暫定予算ということの性格からいいまして新しいものにつきましては組み入れないという一般的な扱いになっておりますので、本事業につきましてもそういう一般的な扱いに倣って暫定予算に対して対処しておるわけでございます。
○村沢牧君 長官、そんなことを聞いているんじゃないですよ。暫定予算に組み入れてないことはわかった。この事業は、これは本予算が現在まだ決定しておらないけれども、しかしこれは単年度、本年度だけの事業ではない、今後とも継続していくべき性質のものである、そのように理解してよろしいかどうかということを聞いている。
○政府委員(田中宏尚君) これは単年度事業ではなくて、これからも継続して推進してまいりたいと思っております。
○村沢牧君 大蔵省もよく聞いておいてくださいね。しっかり腹の中に入れてくださいよ。 そこで大臣にお伺いいたしますが、昨年「国の補助金等の臨時特例等に関する法律案」を審議した際、本院の特別委員会は「暫定措置期間中は、国と地方の財政関係を根本的に変更するような補助率の変更は行わないこと。」、こういう附帯決議を採択しているんですが、大臣はこの決議を承知いたしておりますね。
○国務大臣(加藤六月君) 承知いたしております。
○村沢牧君 承知をしておるとするならば、今回の法律案を閣議決定する際いかなる態度を大臣はとられたんですか。
○国務大臣(加藤六月君) 昭和六十二年度の予算編成並びに今回の法案についての閣議決定におき ます私の考え方は、円高が急速に進展している等経済環境が激変しております。また一方、厳しい財政事情が続いておりまして、国費を抑制しながら内需拡大策としての公共事業の事業費を確保することが重要な政策課題であるという一つの大きな認識がございました。この課題にこたえるために政府全体といたしまして財投の活用等いろいろ知恵を出しまして事業費拡大のための種々の工夫を凝らし上げた上で、さらに補助負担率の引き下げにつきましても緊急やむを得ない措置として実施せざるを得ない、こう考えたわけでございます。 我が農林水産省といたしましても、生産性の高い農林水産業の構造を確立する等の上で農林水産関係公共事業の推進が重要な課題となっております。そのため事業費の確保が必要なこと、また、補助負担率の引き下げに伴う地方負担につきましても、事業の推進に支障がないよう昨年を上回る手厚い地方財政措置が講じられなければならないという観点等からやむを得ない措置であると判断した次第でございます。
○村沢牧君 そのように判断をして別に閣議では異議も申さなかった。しかし、その判断については後ほど指摘しますが、補助率を引き下げて内需を拡大するとか、それから農林水産業の発展を図っていく、そんなことは根本的に誤りだということを後ほど指摘いたしましょう。 そこで、今大臣の考えたような考え方によって補助率を引き下げ、農林水産省に関係するものは農林水産省が率先をしてみずからやった、そういうふうに理解していいんですか、それとも大蔵省等の要請によってやったということなんですか。
○国務大臣(加藤六月君) 先ほど申し上げましたような農林水産省の、生産性の高い農林水産業の構造を確立するという問題あるいは国全体として公共事業の事業量を確保するという問題、種々政府部内で協議調整を行いまして実施するようにいたした次第でございまして、あえて言えば両方を勘案してやったというところでございます。
○村沢牧君 政府は昨年一括法案として国の補助金負担率を引き下げる法案を提出し、我が党を初めとする野党の反対にもかかわらず与党・自民党の多数決によって成立さした。私はこの委員会の社会党の筆頭理事を務めましたからよく内容を知っています。この法案審議の際、当時の竹下大蔵大臣は、六十一年から六十三年の暫定措置期間内においては、国と地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の変更を行うことは考えていないと明確に答弁していますが、大蔵省の斎藤主計局次長、このことは確認していただけますか。
○政府委員(斎藤次郎君) 昨年の当時の竹下大蔵大臣の答弁については、私ども明確に念頭に置いております。
○村沢牧君 自治省の当時の持永審議官は、今回お願いしている補助負担率については三年間の暫定ということであって、それ以外にこの間において基本的に補助率をいじることはしないという取り決めもあるので、二年間は少なくとも現状のような負担割合で推移する、このように明快に答弁していますが、自治省に改めて確認をしたいと思います。
○政府委員(小林実君) そのような答弁をしているかと思います。
○村沢牧君 そこで、昨年の場合は、補助金関係閣僚会議の諮問機関として有識者による検討会を設けて、その報告を受けて法案を国会に提出した。ところが、今回の場合は検討会も設けられていないし、地方団体の意見も聞いておらない、全く政府の一方的な措置によるものであると理解するものでありますが、こうした措置に対して全国知事会を初めとする地方団体は強い反対、不満を持っているが、自治省はどのように受けとめていますか。
○政府委員(小林実君) 昨年の補助負担率の引き下げの際に、六十一年度のカットにつきましては三年間の暫定措置とするという覚書がございまして、また、暫定期間内におきましては、国・地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の引き下げは行わないという覚書の交換を大蔵、自治の間でいたしておるわけでございます。 私どもといたしましてはこのことは十分承知しておったわけでございますが、今回さらに補助負担率の引き下げが行われることになりました。この間の事情につきましては先ほど農水大臣からお話があったとおりでございます。地方団体にとりましてはやはり割り切れない点が残るかと思いますけれども、今回の引き下げに際しましては内需拡大のためにほぼ公共事業に限定的に限って、しかも規模もそれほど大きくない範囲で行われることになっておるということ、それから補助のカットに伴う国費減少相当額につきましては地方債で補てんをいたしましてその元利償還費を全額地方交付税で財政措置をすることといたしております。また、この交付税措置に必要な原資につきましては、国が将来交付団体分につきましては全額一般会計から交付税特会へ繰り入れる、こういうことになっております。こういうことによりまして、地方財政に実質的な負担増がほとんど生じないというような措置になってまいりました。 そういうことで両省の覚書あるいは国会の御審議等に実質的に背くことのないように格段の努力をしたつもりでございますので、御理解をいただけるものというふうに思っておった次第でございます。
○村沢牧君 自治省はそのような見解を持っておるけれども、受け取る側はそんなふうに思っていない。先ほど私が指摘したように、地方団体はかなり不満を持っている、政府のやり方はおかしいじゃないかと言っている。そのことを承知してないんですか。
○政府委員(小林実君) 先ほど申し上げましたように三年間の約束でございましたものですから、私どもも、大蔵当局から最初に御提案がございましたときには、やはり国会審議等の経緯にかんがみれば事業量拡大のためといえども安易に補助負担率の引き下げはなさるべきものではないというふうに思っておりまして、そういう打診があったときにも自治省といたしましては応じられない旨を強く主張したところでございます。しかし、予算の大詰めの段階に至りまして、公共事業の拡大につきましては財投あるいは民間活力の活用等に最大限の努力をすると。当初私どもに打診がありました規模から比較いたしますと、補助率の引き下げの対象事業も縮小されましたし、また先ほど申し上げましたように、将来の国の負担の提案につきましては、従来カット分に係る元利償還につきましての五〇%を国の一般会計から交付税特会に繰り入れる、こういうことでございましたが、それを九〇%にするという措置もとられましたので、そういうことで地方財政の実質的負担増を回避できる以上御理解いただけるであろうということで、やむを得ないものというふうに判断したわけでございます。
○村沢牧君 昨年国庫負担及び補助率を引き下げる際、「暫定措置の期間内においては、国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じないものとする。」、こういう覚書が六十年十二月二十一日に当時の大蔵大臣、自治大臣、これに自民党政調会長も加わって取り交わされておるわけです。今まで国会答弁を確認したところでありますが、そのような政府の約束、そしてこの覚書、これがあるにもかかわらず一年も経過しないうちに補助率を引き下げることは、全くもって公約違反であるだけではなくて国会軽視も甚しいと思うんです。 国の補助率の引き下げの経過を見ますると、六十年度の場合は単年度限りの暫定措置とした。ところが六十一年度になってこれを延長して、中身を拡大して三年間の暫定措置とした。これはいずれも大蔵、自治あるいは厚生あるいは自民党の政調会長も時には加わっての覚書によるものである。これが国会に対する約束であり、国民に対する公約であった。ところが六十二年度、全くその約束を破ろうとしているわけですね。こうしたことは国と地方の信頼関係を損なうだけでなくて、 国会軽視である。売上税の例を見るまでもなく、中曽根内閣が公約を破ることは日常茶飯事のように行われておるわけでありますが、この補助金問題に関して、まず農林水産大臣の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(加藤六月君) 昨年の大蔵委員会の附帯決議並びに昭和六十年十二月二十一日の大蔵大臣、自治大臣、政調会長の覚書あるいは衆参両院における連合審査等の間におきまして「国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じないものとする。」と。今回のこの引き下げ案は、先ほど自治省からお答えいたさせましたように、基本的に国と地方財政の関係を変更するようなものではないというぎりぎりの判断に立っておるところでございます。
○村沢牧君 そういう約束したことを破ったことについてどういうふうに思うんですか、国務大臣として。
○国務大臣(加藤六月君) 約束の線を破らないぎりぎりの案であると考えております。
○村沢牧君 ちょっと待ってくださいよ。これを破らないぎりぎりの案とはどういうことなんですか。覚書がありますね。
○国務大臣(加藤六月君) あります。
○村沢牧君 国会で大臣が、大蔵大臣も自治大臣も答弁しているんですよ。それは約束を破ったことじゃないですか。そんな勝手な解釈しちゃったらだめですよ。
○国務大臣(加藤六月君) 「国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じない」ということになっておるわけでございまして、今回お願いしておる案はまだこの線の中にある、こう考えておるところでございます。
○村沢牧君 財政関係を基本的に変更するものではないと言い切れるのかどうか、後ほどこの問題については指摘いたしましょう。 大蔵省、どうですか。大蔵省は何回もこういう答弁をしているんですけれども、今日に至っても私どもは約束を破った覚えはないというふうに言われるんですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 昨年の大蔵、自治両大臣の覚書あるいは国会における当時の竹下大蔵大臣の御答弁、それから補助金問題特別委員会の附帯決議あるいは国会での御論議、それらを全部実は念頭に置きましていろいろ苦慮をいたした結果、先ほど農林水産大臣並びに自治省の小林審議官からもお答えがありましたようないろいろな措置を講じましたものですから、ぎりぎりのところで国会の附帯決議あるいは大臣の国会における答弁には反していないというぐあいに考えているわけでございます。
○村沢牧君 国会のこの答弁というのは明文ですな。だから、ちょこちょことこれから質問するけれども、国がやったような財政措置を講ずればこの補助金を引き下げてもいいなんということは、そんな答弁していないですよ。ともかく三年間は動かさないと、この答弁ですから。それをもってまだ約束を破った覚えがないというそんな答弁は成り立たないですな。
○政府委員(斎藤次郎君) 当時の竹下大蔵大臣が何回も御答弁なすっておりますけれども、こういうような言い方をされておられると思います。 その間は、例えば今回のような、国、地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の変更は行わないとしたものでございます。覚書において「国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置」——としておりますのは、例えば今回のような補助率の重大な変更を念頭に置いたものではない、こういうことであります。 というような御答弁をされておりますものですから、私どもいろいろ苦心をいたしまして、公共事業の確保につきまして、まず、その財政投融資事業ないしはいろいろ民活の活用ということで、事業費確保に最大限の努力をしたわけでございますけれども、事業費確保の効果を全国くまなく行き渡らせるためには、何とかもう一度補助率カットをお願いして地方公共団体の行う公共事業費を確保したいということで、いわばぎりぎりの選択としてお願いをしたものでございまして、何とぞ御理解をいただきたいと考えておるわけでございます。
○村沢牧君 昨年は四十八法案、四十九項目の補助金カットについて一括して提案した、したがって法律の数も多かったし内容も多かったからこれは基本的に変更するものであったと。ことしはそんなに大きな数ではないから、一括ではないからこれは大したことではないと、そういう理解に立つんですか。
○政府委員(斎藤次郎君) そこまで明確におっしゃられると大変困るわけでございますけれども、一つは、昨年の一括法は、今、村沢先生御指摘のように、まさに非公共、公共を通ずる全般的な見直し措置であった。それに対して今回は、いわば公共事業の事業費を確保するために公共事業についてお願いするものであるということ、それからもう一つは、今回の補助率カットに伴う国費減少分について地方公共団体にお願いして発行していただく地方債の元利償還につきましては、昨年二分の一を九〇%、いわば交付団体については全額国が後年度で負担をするという手厚い措置を講じていること、そういうことを勘案いたしますと、ぎりぎりの線ではございましょうけれども、昨年竹下大蔵大臣が申し上げたような「今回のような補助率の重大な変更を念頭に置いたものではない、」という答弁に必ずしももとらないのではないかというぎりぎりの判断をしたということでございます。
○村沢牧君 そこで、基本的に変更であるか否かということは法律の数によるのじゃないんで、中身だと思うんですね。例えば、今回は対象にならないけれども、文部省関係の義務教育の国庫負担をどうするとか、厚生省関係の国保を一都府県に導入したらどうか、これは一本の数であっても重要な問題ですね。ここに盛られたものだって重要な問題だと思うんですよ。たくさんあるから重要で少しなら重要でないというそんな見解は成り立たないと思うんですよ。 そこで農林水産省に聞くけれども、今回提案をされたもののうち、あるいは皆さん方がこの法律に基づいて関係もないような政省令までずっと引き下げようとしているが、そこで昨年下げられてまた今回も下げられようとしているものがあると思いますが、どうですか。
○政府委員(甕滋君) そのようなものは御指摘のとおり幾つかあると思います。
○村沢牧君 昨年も下げた、これは基本的に変更したわけですな。同じものをことし下げていれば、それは基本的にまた変更したことじゃないですか、どうですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 昨年の場合は、先ほど先生も御指摘になったように、検討会で十二回にわたって御審議をいただいて、いわば補助金体系全般について非公共、公共を含めまして、補助率カットあるいは補助金の廃止、整理合理化、いろんなものを含めたいわば総合的な見直しをお願いしたわけでございます。その意味で、国・地方間の財政関係に基本的に影響があったということは確かであろうかと思います。今回の措置はいわば事業費確保という観点から公共事業の補助率についてカットをお願いしているものでございますので、昨年のいわば一括法案とはやや性格を異にしているのではないかというのが私どもの認識でございまして、この点について御理解を賜りたいというぐあいに考えております。
○村沢牧君 それは見解が違うんですよ。昨年も補助率を下げた、一年もたたないうちにまたそれを下げるというわけですね。昨年が基本的な項目だとすれば、ことし下げるところは基本的に違いないじゃないですか。 そこで、今、昨年は検討会の検討を経たと言っているんですけれども、例えば検討会の木下会長を当時参考人としていろいろ事情聴取した。その際、検討会としてはつまり社会保障の関係の持ち分を重点に論議したことであって、個々の補助金の問題等については国と地方の財源のあり方だと かいろいろ基本的なものを検討しなければ簡単にできませんという答弁を参考人がしています。昨年だってそうだ、ことしは何もやってないんじゃないですか。ただ大蔵省の一方的な考え方によってやったに違いないんですよ。だからそういう答弁は私は当てはまらないと思う。 そこで、林野庁長官に聞くけれども、ことし皆さん方が補助率を下げる、この問題は数も少ないし大したものじゃないですか。林野庁にとっては余り大したことじゃない。
○政府委員(田中宏尚君) 林野の基盤整備が緊急な事態に至っている中で補助率カットというものは大変な話でございますけれども、この補助率カットもその事業量を拡大するという一つの手段としてとられておりまして、しかもそのために負担がふえます地方負担につきましては、先ほど来答弁がありますように手当てがなされているということからいいまして、事業量の拡大のためにとりましてはやむを得ない処置であったというふうに理解しているわけでございます。
○村沢牧君 それが事業量の確保になるかどうかということはまた後ほど議論いたしましょう。 しかし、あなたの所管する重要な仕事でまた補助率がカットされてくる、林野庁としてはそういうことを好んでおるんですか。
○政府委員(田中宏尚君) カットに伴います地方負担の増については昨年を上回ります手当てをしていただいておりますので、好んでいるいないということは別にいたしまして、円滑に事業が行われると思っております。
○村沢牧君 構造改善局長に伺いましょう。 構造改善局は今度の森林法や漁港法に関係ない。しかし、大事な基盤整備事業は軒並み補助率をカットしているんですね。森林法、漁港法の法律改正のどさくさに紛れてやっておる。しかし、この補助率は、皆さん方の先輩が農業の構造改善をしていくために重要な仕事だと。ましてや二十一世紀へ向けての構造政策の基本になるものが基盤整備でしょう。それを皆さん、いとも簡単に下げちゃったですね。先輩が努力してせっかく確保した補助率を下げる。これが大したことじゃないですか、あなた。先輩がせっかく確保したものを今回下げる。構造改善局としてはこれは結構なことだ、やむを得ないことだというふうに思うんですか。
○政府委員(鴻巣健治君) 私どもの土地改良事業の補助金の補助率については、今御指摘のように土地改良法の施行令で決めておりますが、確かに先輩たちが血と汗の結晶として固められたものですから、これを切り込まれるというのは大変私どもにとっても身を切られるように痛いわけではあります。ただ、現在の財政事情その他を考えるし、また一方で、何としても少しでも公共の事業量をふやして内需の拡大といいますか、そういうことに貸さなければいけないという別の要請もありますので、総合的に勘案をいたしまして今回の措置はやむを得ないものと考えているわけです。
○村沢牧君 そんなことを言っているから、後ほど指摘しますけれども、なかなか土地改良の長期計画も思うように進まないんですよ。あなたが担当局長として、補助率カット、軒並み下げましょうということはあなたが言い出したことですか、どうですか。
○政府委員(鴻巣健治君) なかなか難しい御質問でございまして、私も国家公務員でございますから全体のシステムの中の一つの歯車といたしましてこのような問題に関与いたしていたわけでございます。
○村沢牧君 大蔵省、大臣がいろいろ答弁したり農水省の局長や長官がいろいろ答弁しているのをお聞きのとおり、農水省が率先してやろうとしたことじゃない。これは何といったって大蔵省がやりましょう、やらなきゃいけないということで出したわけですね。そのことはお認めになりますね。
○政府委員(斎藤次郎君) 最初に提案いたしたのは私どもであることは確かでございます。
○村沢牧君 だから、その言い出しっぺ張本人は大蔵省だというんです。 そこで大蔵省に聞いてもらいたいんだけれども、国庫補助の負担率、補助金の引き下げは、公共事業だけじゃなくて先ほど申しましたような文部省関係にもあるしあるいは厚生省関係にもあって、毎年物議を醸しているわけですね。しかし、今大蔵省が考えているように財政の都合だけで負担率を変えることがあってはならない、私はそのように確信をしているんです。つまり負担金並びに負担率、補助率については、国と地方との責任の度合いだとかあるいは役割分担などを見直す場合において負担率も変わることはあり得ると、これは後続いていますけれども、自治省、この問題について答弁してください。
○政府委員(小林実君) 国庫補助負担率についてのお尋ねでございますが、本来、国と地方の間の役割分担、それからそれぞれの補助負担金の目的、性格等を考慮して決められるべきものであるというふうに考えております。
○村沢牧君 大蔵省、自治省の答弁もそうだと。このことは昨年の持永審議官もそのとおり答弁している。今そのまま私は読んだにすぎないんです。 そこで、この補助金は国が政策を遂行する上で必要であるから設けられた。そしてその補助率は国の政策関与の必要度あるいは補助対象事業の重要性等を勘案して補助事業創設の都度決定をされている。しかし、最近のように再三にわたる補助率の引き下げ。その背景には国の財政事情、さっきから答弁があったとおり。そしてさらに大蔵省が考えていることは、二分の一を超えるような補助金はすべて二分の一以下にしていこうではないかというようなそういう考え方が背後にある。こういう発想は事業本来の目的なりあるいは趣旨に反するものである。こんなことを続けていくならば、地域間の格差の解消もできない、事業の重要度のウエートもなくなってしまう。政策遂行上大蔵省はどういうふうに考えるんですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 今回の補助率等の引き下げについての事情は御説明いたしましたので省略をさせていただきますけれども、今回の補助金のカットに際しましても、先生が御指摘になったようないわば事業間のバランスとか国・地方間のあり方とかいうことについていろいろ苦心をしながら、バランスをとりながら実は調整を各省と協議して進めたつもりでございまして、そういうことで実は六十年度以降の公共事業の引き下げに当たりましても、五十九年度当時の補助率の体系が長い経緯でそれなりにバランスをとって定められているということでございますので、基本的にはそのバランスを維持するという基本的観念に立っておるわけでございます。 また、災害復旧事業等、事業の内容から引き下げになじまない、緊急性の高いものというものについては引き下げ対象から除外するとか、それから地方の特性に基づいて設けられておりますいわゆる地域特例に関しては、補助率をかさ上げしている経緯にかんがみて引き下げ幅を少なくするとかいう調整をするとか、そういう全体としての国の財政事情から地方への補助率カットをお願いする際にも、できるだけ従来の補助率体系を基本的に変更しないようにいろいろと工夫をしたつもりでございますので、その点も御理解をいただきたいと考えておるわけでございます。
○村沢牧君 大蔵省は財政のことだけを考えて物を処理していく、それはやむを得ぬと思うけれども。 大臣に聞きましょう。私が申し上げたように、毎年毎年補助率をカットしていく、最終的にはみんな同じような率になってしまう、これが農林政策を推進していく上で本当にいいことであるのかどうか。政策推進の立場に立ったらどういうふうに考えますか。
○国務大臣(加藤六月君) 北海道、沖縄、奄美あるいは離島等に対するそれぞれの補助率等はあるわけでございます。そこら辺の社会資本の立ちおくれでございますとかあるいは産業振興、いろいろな問題があるわけでございますが、これらの事 業の重要度や緊急性あるいは受益の範囲、程度等に加え、受益者の負担能力等を総合的に勘案して、バランスのとれた社会資本の整備を図るという観点を十二分に今回の件におきましても配慮していたしておるつもりでございます。
○村沢牧君 今北海道とかなんとかいうことが出たんですが、北海道だって漁港に関係して補助率をずっと下げられているじゃないですか。そういうところが大事だと思うならば、それを下げる必要はないじゃないですか。 だから大臣、このように毎年ずっと補助率が下げられていく、そのことは僻地だけでなくて、農林政策推進上決していいことじゃない。まだ農林水産省には十分の六を超える補助金等もあると思うんですね。それらも今後ずっと下げていくんですか。一体、政策をやっていくために、今財政のことばかり言っているんですけれども、そんなことでいいんですか。
○国務大臣(加藤六月君) 既存の補助率体系の維持は図っていきたいということと、直轄事業の負担率と補助率の格差というものの維持も図りたい等種々の配慮を今後ともやっていかなければならないと考えております。
○村沢牧君 大臣が補助金も下げていかなきゃならないと、そんな考え方だから農林予算は毎年減らされていくんですよ。農業を守っていくんだったら、この補助率はぜひ守っていくという決意でなくちゃいけないと思うけれども、どうなんですか。
○国務大臣(加藤六月君) その決意はだれにも負けないだけ持っておるつもりでございます。
○村沢牧君 そんなのは決意を持っておったって現実が物語っているわけですね。 そこで、先ほどちょっと私は申し上げたんだけれども、まだ農林水産省には十分の六を超える補助率のものもあると思う。それは今後下げませんね。
○国務大臣(加藤六月君) 今後、社会経済情勢がどのように変化していくか大変厳しい状態にはありますが、ぎりぎり守っていきたいと考えております。
○村沢牧君 そこで、先ほど来政府は、財政事情を考慮した、しかも暫定措置だというお話なんですね。なるほどことしは内需拡大だから、補助金を減らしてその分をもっと事業に回していこうと。やむにやまれぬ気持ちだというが、それは事業を拡大していくためというよりも、むしろ国の補助金を減らすためにこんなことをやったことに間違いない。 暫定措置であるから六十二年、六十三年はこの法律が成立すればそういうことになるだろうけれども、六十四年には必ずもとへ戻しますね。農林大臣、どうですか。
○国務大臣(加藤六月君) 六十四年度以降の取り扱いにつきましては、その時点における財政事情等を勘案しながら判断することになると思いますけれども、農林水産省といたしましては、今回の引き下げは二年間の暫定措置でございますので、二年間で終わることを希望するものでございます。 いずれにしましても、農林水産行政の円滑な推進を基本としまして、事業、制度の根幹を踏まえながら適切に対処してまいる所存でございます。
○村沢牧君 大臣、この法律を見てください。六十二年度、六十三年度と書いてある。希望するとは何事なんだ。そんなことでは法律審議できませんよ。六十四年度になったらもとへ戻ると。希望するなんて、そんなことで法律審議できますか。法律に違反するじゃないですか。もっとはっきり答弁してください。
○国務大臣(加藤六月君) 二年間で終わるようにお願いいたしておるところでございます。
○村沢牧君 お願いしているから六十四年度にはもとへ、現行く戻ると。約束できますね。
○国務大臣(加藤六月君) 今お答えいたしましたように、六十四年度以降の取り扱いということはその時点の財政事情を勘案しながら判断することになるというのは当然でございますけれども、今回は二年間の暫定措置でございますから、二年間で終わるものであると考えております。
○村沢牧君 大蔵省は確認できますね。この暫定措置は六十二年度、六十三年度で、法律上、六十四年度には現行に戻ると。確認できますね。
○政府委員(斎藤次郎君) 法律上の措置としては二年間のお願いであるということは明確であります。
○村沢牧君 法律がそうだから法律を遵守するのが公務員だ、いいですね、六十四年度にはもとへ戻る。
○政府委員(斎藤次郎君) 二年間の暫定措置としてお願いしているという点は確かでございます。 それでは、六十四年度の法律上もとへ戻った補助率について改めてどうするかということは、先ほど農水大臣が御答弁になりましたように、そのときの諸情勢の推移とか国と地方の財政事情とか役割分担のあり方とか、もろもろの状況を勘案してもう一度検討をし直す、その結果、判断が出てまいりますればまた国会の御審議をお願いする、そういうことになるんだろうと考えております。
○村沢牧君 だから法律上は、法律を審議しているんだから六十二年度、六十三年度でこの暫定措置は終わりますよということ。終わればもとへ戻るのは当然のこと。 その間に検討するということは、また検討会などを設けておやりになるんですか、大蔵省やあるいは自治省の一方的な考え方によってまたやるんですか。じゃ検討会を二年間に設けるとお約束できますか。
○政府委員(斎藤次郎君) 実は、まだ六十二年度の予算案あるいは法律案を御審議いただいている段階なものですから、六十四年度以降についてどうするかということについては具体的な構想を持っているわけではございませんが、申し上げましたのは六十四年度の時点で改めていろいろと検討をしなければならぬということになるんではないかということを申し上げたわけでございます。
○村沢牧君 自治省、いいですか、自治省の立場からいっても二年間の暫定措置である、暫定措置が切れれば現行へ戻る。確認できますか。
○政府委員(小林実君) 法律でお願いしておりますのは二年間の暫定措置ということでお願いをいたしております。六十四年度以降の国庫補助負担率の取り扱いにつきましては、これまでの経緯や今回の措置の性格を踏まえまして、また今後の諸情勢の推移とかあるいは国と地方の役割分担、財源配分等を勘案しながらその時点において関係省庁で協議をする、こういうことになると思います。 自治省といたしましては、各事業の性格それから国庫補助負担制度の意義等を踏まえまして、国としての責任が全うされるよう、また地方への単なる負担転嫁がなされることのないように必要な意見を述べ、適切に対処をいたしてまいりたいというふうに考えております。
○村沢牧君 ですから、私はくどいようですけれども、六十四年度以降にどうするというようなことについては、今は二年間の法律を審議しているんですから、それが二年たったけれども法律上どうなるかわからないというようなことでは審議になりませんわな。そんな答弁は許すことができないと思う。 そこで、いろいろ言ったけれども、大蔵省主計局次長ですね、皆さんがいろいろ弁解しておるけれども、これは約束違反、覚書違反、国会答弁無視だ。まことに申しわけないということがあなたは言えないんですか、のらりくらり言っているんじゃなくて。こういうことをやってまことに遺憾であったと大蔵省として言えませんか。
○政府委員(斎藤次郎君) 私、公務員の一人でございますけれども、国権の最高機関である国会でいろいろな御答弁をされた、審議が行われたあるいは附帯決議までなされた、そのことについてこれに反しているというようなことはとても申し上げられないわけでございまして、また事実そういう経緯を念頭に置きまして、いろいろと苦心をして、実質的に地方団体の負担にならないような措 置を講ずるとか、協議の上いろんな措置を講じたということも、ぜひとも御理解を賜りたいと考えておるわけでございます。
○村沢牧君 苦心をしたとか言うが、それは苦心するのはあなた当然ですよ、こんな財政状況ですから。しかし、あなたは苦心したと言うけれども、私どもはこれは国会を軽視したことになると思う。こういうことは絶対許せない。改めて国会軽視をしたことは申しわけなかったと言ってください。
○政府委員(斎藤次郎君) 私どもとしましては、国会のいろんな御審議とか附帯決議も念頭に置きまして、ぎりぎりの選択ということで今回の措置をとったわけでございまして、その点ぜひとも御理解を賜りたいというぐあいに考えておるわけでございます。
○村沢牧君 あなたは、今までの大蔵大臣や自治大臣の答弁、覚書から見て、今行おうとする措置は絶対正しいと、そういうふうに今もってお考えになりますか。やむにやまれぬ措置だというふうにお考えになるんですか。絶対正しいものだったらこれはうんと議論しましょう。
○政府委員(斎藤次郎君) 先ほど大臣の答弁も引用いたしまして御答弁申し上げましたように、大臣は、国、地方の財政関係に基本的な影響を及ぼすような措置、具体的に申しますと、昨年のような補助率の重大な変更の措置はとらないというぐあいに御答弁なすっておるわけでございまして、私どもとしてはぎりぎりのところで今回の措置はそれにもとらないというぐあいに考えているということを御理解いただきたいと思うわけでございます。
○村沢牧君 いろいろ弁解したって私どもの立場では納得することができないんですよ。 それじゃもうちょっと聞いていきましょう。先ほど来財政措置、財政措置というふうに言っておるんですけれども、今回の補助率カットによって生ずる地方団体に対する財政措置は建設地方債でもって充当するあるいは調整債でもって充当していく、六十一年度と同じような措置でやっていく、そういうふうに理解してよろしいですか。
○政府委員(小林実君) 今回の補助負担率の引き下げによる影響でございますが、投資的経費につきましては千八百億でございます。これを内容分析いたしますと、カットによりまして国費が減少いたします、それに相当する額が千二百億でございます。これを財源にいたしまして事業の確保を図りましたので、事業の拡大に伴いましてふえました地方負担が六百億でございまして、合わせまして千八百億ということでございます。この影響額につきましては、個別の地方団体につきましては全額起債で六十二年度対応いたしますから、事業の執行に支障を生ずることはないわけでございます。 それから、個別の地方団体の後年度の元利償還についてでございますけれども、カットに見合う千二百億の元利償還につきましては一〇〇%交付税の基準財政需要額に算入することにいたしております。また、拡大に伴う地方負担の増分六百億につきましては、その元利償還の八〇%を基準財政需要額に算入をいたすことにいたしております。 それから、マクロの話といたしまして、国の財政と地方財政の間におきましての約束といたしましては、カットに見合う千二百億の元利償還のうち交付団体分、全体の九〇%になるわけでございますが、これにつきましては後年度国の一般会計から交付税特別会計の方に繰り入れる、こういう約束になっているわけでございます。
○村沢牧君 今回は国の責任で千二百億については全額返していく、わかりやすく言えばそういうことだというふうに思います。そのことは地方にとってはなるほどいいことかもしれない。しかし、私はこれは問題があると思うんです。国が責任を持って全額を返済するというならば、簡単に言うならば、国が借金をすれば、国が借金の名義人になって借りればいいことなんです。つまり国債を発行すればいいことなんですよ。だから将来全額を国が払うとするならば、地方にまず借金をさせていくこうした措置は、いわばやみ国債だ。地方財政が国の財政運営の隠れみのになっているんだ。 大蔵省、こうした措置は国の財政秩序を乱すものである、国の財政運営からいっても見逃すことのできない重要な問題だ。こんなことまでしなければならなくなった理由は、連年の毎年の補助率の引き下げが不当である。今までは形だけで何とか繕ってきたけれども、それができなくなった。そうしたことは、とりもなおさず中曽根行革というものがもう限界に来たその証左であるというふうに思いますが、そのことは私の意見として、国の財政秩序を乱すものである、これについてどう考えますか。
○政府委員(斎藤次郎君) 今回の補助率の引き下げは、厳しい国の財政事情のもとで国費は抑制しつつ所要の事業費を確保するために行うものでございます。 国が建設国債を増発して対処すればよいという御意見であろうかと思いますけれども、私どもといたしましては、建設国債といえども元利払いの負担を負うという点では特例公債と相違はないということで、六十二年度末で公債残高百五十二兆円、そのうち建設公債八十四兆円という非常に厳しい財政事情のもとでは、建設公債の増発は厳に慎重でなければならぬというぐあいに考えて今回の措置をとったわけでございます。
○村沢牧君 そういう措置をとったことはわかるけれども、このことは、国はこれ以上公債を発行できないから地方にひとつ借金をしてくれ、後で持ってやると。そんな運営は財政秩序を乱すんですよ。基本的に誤りである。今までこんなことはないじゃないですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 今回の補助率等の引き下げに伴う地方財政への影響については先ほど……
○村沢牧君 影響を聞いているんじゃないよ。
○政府委員(斎藤次郎君) 手厚い措置を講ずることとしておりますけれども、財政力に比較的余裕のある不交付団体につきましては相応の負担について御理解を求めているわけでございまして、今回の措置が単に地方が立てかえして後で国が負担するという性格のものでは必ずしもないのではないかと私どもは考えているわけでございます。御理解を賜りたいと思います。
○村沢牧君 またそこに不公平が出てくるじゃないですか。交付団体は全部持ちましょう、不交付団体は持ちませんよ、こんな不公平な運営でいいんですか、どうせ国が全部持つのなら。そんな理屈は成り立たないじゃないですか。
○政府委員(小林実君) 交付、不交付団体のお話がございましたが、国庫補助負担率の引き下げによる影響につきましては、例えば経常経費につきましては、六十二年度の場合、基準財政需要額を増額いたします。また、建設地方債の増発分につきましては、その元利償還を基準財政需要額に算入するわけでございます。これによりまして我々の財政措置としては実質的に行ったと、こういうことになるわけでございますが、基準財政需要額を増額いたしましてもなおこの基準財政収入額の方が上回るという不交付団体の場合は、現実には地方交付税の評価とはならないことは事実でございます。このような団体、東京都等でございますけれども、こういう団体であっても標準的な行財政運営に必要な財源は確保されているものでございまして、また地方交付税の性格、財源調整あるいは財源保障の性格に照らしてみてやむを得ないものというふうに考えておる次第でございます。
○村沢牧君 自治省に聞くけれども、こうしたことをいとも簡単に大蔵省が考えてくるということは、大蔵省の頭の中には、国はお話があったように百五十二兆円も国債を発行しているのだ、その他の長期債務も入れれば百八十兆円にもなるんだ、大変なことだ、しかし地方はまだまだ六十三兆円ぐらいの借金しかないんだ、地方は富裕だと、そういうことが頭の中にあるからこういうことになってくるんだよ。だから自治省、地方富裕 論なんということは私は時間があればとんでもない話だということを指摘しますが、自治省の立場から考えて、国が当然一〇〇%将来払うなら国が処理すべきものだ、それを地方へ持ってきて押しつけて、将来それを一〇〇%払っていくというこういうやり方がいいのかどうか。どうなんですか。
○政府委員(小林実君) 今回のカットに伴う影響に対する財政措置でございますけれども、先ほど来御質疑がございますように、昨年のカットの際の国会の審議あるいは厳しい地方財政の現状等にかんがみまして、従来よりも手厚い地方財政措置ということになったわけでございます。その結果、臨時財政特例債の元利償還金のうち交付団体分の全額を国が負担するということになっておりますので、実質的な負担関係で見れば交付団体に関する限りは国債を発行した場合と国にとっては変わりないんじゃないかという見方もできると思いますけれども、あくまでも地方団体に対する財源措置というのは六十二年度は地方債、それ以降は地方交付税の算定を通じて行われる、国の負担のやり方も交付税特会への繰り入れという方法で行われるものでございますから、単なる国債の肩がわりとは必ずしも考えていないわけでございます。 これが最終的に決まるまでには相当のやりとりがございまして、何と申しましても地方団体に実質的な負担がほとんど生じないように私ども最善の努力を尽くしたわけでございまして、そういうことの結果、国による補てん措置が前進できた、そしてこのような形になったというふうに御了解をいただきたいと思います。
○村沢牧君 自治省の答弁は、先ほど来聞いておると、補助率をカットすることについて自治省としても余り好ましいことではなかった、当初はそれに対して大蔵省ともいろいろやりとりをして反対的な意見も言ったと。この財政問題についてもそうなんです。それで最後はこういうことになった、政府は一体だからやむを得ぬと、そういうことになってしまうわけですね。しかし、自治省は地方のことを重点に考えていかなきゃいけないんですよ。だから財政秩序を乱してまでこんなことをしてはいけない。こんなことは当然国が国債を発行すべき問題です。 そこで、時間も余り多くありませんが、つい先ごろ発表された地方財政白書で最近の地方自治体の財政状況を見ても、公債費率も非常に高まってきておる、硬直化になってきておるわけですね。これは何といったって、国の補助金の減少や内需拡大をしようという要請によって地方の単独事業がふえたことなんです。こういうときに、それに輪をかけて地方財政を硬直化させることがあってはならない。どうですか、自治省。
○政府委員(小林実君) 地方財政が硬直化しつつあることは御指摘のとおりでございます。これは、五十年度以降歳入・歳出のアンバランスが恒常化いたしまして、借入金に依存せざるを得ないという状況が長く続いてきていることが原因でございます。今回国庫補助負担率の引き下げ等がさらに行われることになりましたけれども、これにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、手厚い財政措置等も行われているわけでございます。私どもといたしましては、今後とも地方の一般財源の安定的確保に努めまして地方財政の弾力性の回復に努めたいと、こういうふうに考えている次第でございます。
○村沢牧君 農林水産大臣にお伺いいたしましょう。 今度の法律改正は森林法並びに漁港法の改正である、しかし森林法や漁港法に関係のない構造改善の事業だとかいろいろなものを軒並み政令によって補助率を下げておる。しかも私の計算によれば、全体の農林水産省の補助率引き下げの七八%がそこへいっておるわけですね。法律改正に関係するものはわずかだ。どさくさに紛れてみんな政令も下げちゃった。一体、法律を改正すれば、こんな法律に関係のないものを政令によって下げなきゃならないという理屈があるんですか。
○国務大臣(加藤六月君) 治山と漁港につきまして補助負担率が法律上定められておりますことから、森林法及び漁港法の一部改正について本委員会で御審議をいただいておるところでございます。一方、今御指摘になりました農業基盤整備につきましては、事業の種別が多く、補助負担率を土地改良法等で決定することが事業の円滑な推進を図る上で必ずしも適切でないと考えられたために政令に委任されているものでございますのは御承知のとおりだと思います。したがって、今回も、補助負担率が決定されている他の事業との均衡を図りながら、政令の改正により引き下げを行うことを予定しておる次第でございます。
○村沢牧君 だから、森林法と漁港法に関係するものは法律上出ている。構造改善事業なんかはこの法律に何にも関係ないじゃないか。この森林法と漁港法の補助率を法律によって下げれば農業構造改善事業も補助率を下げなきゃならないという理屈はあるんですか。
○国務大臣(加藤六月君) ただいまお答え申し上げましたように、森林あるいは漁港と同じように事業の均衡を図る上から政令の改正を予定いたしておるところでございます。
○村沢牧君 ですから、法律によって補助率を下げれば、均衡がある、バランスをするとかいってほかのものも全部下がってくるじゃないの。そんなことは農業振興にならない。 そこで、農林水産省予算の一般公共事業は前年対比一・九%のマイナスだ。先ほど来言っておるように、補助率を下げて事業をふやしていく、そのことによって一体事業費ベースでどれだけふえるんですか。パーセントだけでいいです。
○政府委員(甕滋君) 農林水産省関係の一般公共の事業で事業費で一・三%の伸びを確保することにしております。
○村沢牧君 補助金をこれだけ減らして事業費が一・三%の伸び率だと。こんなことでいいですかね。だって国全体では、大蔵大臣も本会議なんかで答弁しておりますように、この補助金をカットすることによってなるほど補助金の予算は減った、しかし実際の伸び率は五・二%伸びますと言っておりますわな。農林水産省はこれだけ減らしたって一・三%ですか。これっばかり伸ばすんだったら本予算でもっと取ればいいじゃないか。わざわざこんな苦労しなくたっていいことですよ。何でこんなに伸びないんですか。
○政府委員(甕滋君) 今回の措置は、先ほど来申し上げておりますように、補助率の引き下げというやむを得ざる措置を講じてまで少しでも多くの事業費の伸びを確保したい、こういう意図から行っておるわけでございますし、また農林水産関係の公共事業につきましては、ほかの公共事業と比べまして用地費の割合も小さいあるいは労務費の割合が大きい、中小企業に対する発注率も高いといったように地方経済に対します活性化のために期待されるところが大きいわけでございまして、そういったような観点から執行可能な事業量の伸びを少しでもこの際大きくする必要があるというふうに考えておるわけでございます。
○村沢牧君 大蔵省、先ほど申しましたように、国全体では五・二%の伸びだと言っていますな。ところが、農林水産省は一・三%の伸びしかないんですよ。これはなぜかと言えば、伸ばした伸ばしたと言ったって空港だとか東京湾だとか大きな事業ばっかり伸ばしちゃって、実際の国民生活に、例えば農水省で言うならば農業振興について必要なものは伸びていないじゃないですか。だから、五・二%伸びたなんて言ったって全くまやかしだ。どうですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 大蔵大臣の御答弁は、補助率カットの効果によって五・二%伸びたということではなくて、実は、私どもも昨年の国会の御審議もありまして補助率カットはできるだけ最小限にとどめたいという希望を持っておりまして、まず第一義的に財政投融資事業ないしは民間活力の活用ということで事業費を確保したいということで、その面に最大限の努力を払ったわけでございます。したがいまして、その財政投融資事 業、民間活力の活用、それから補助率のカットを含めて全体として事業費が五・二%の伸びを見たということになっているわけでございまして、この点についてぜひ御理解を賜りたいと思います。
○村沢牧君 ですから、農林水産省の事業には財投もないし民間活力もない、だからこれだけしか伸びがないんだと。だからこんなような費目の事業、農林水産省のようなものをこれだけ補助率をカットさせることはないんです。カットしてみたって事業がそんなに大して伸びることじゃないんですね。よしんば、今までそういうことを何回もやってきた、それによって経済成長率に寄与するなんて言っておったけれども、寄与してないじゃないの。毎年毎年経済成長率は政府の見通しよりも下がっているじゃないですか。こんなことをやったって経済成長にならないし、あるいはまた内需の拡大にもならない。むしろ内需の拡大の足を引っ張るものだ。農林水産大臣、どういうふうに考えますか。 わかりませんか。内需拡大が最大の政治課題である。ましてや、最近の円高等の問題で雇用対策が重要な問題である。しかし、補助金をカットして、それが内需拡大になるのかどうか。むしろその足を引っ張るんじゃないですか。農林水産省においては特にそうだ。大臣の見解を聞きたいと思います。
○国務大臣(加藤六月君) 内需拡大、円高対策というのは今日我々が政府、国民を挙げて取り組まなくてはならない問題でございまして、それに関連しまして、昭和六十二年度予算を編成するに当たりましてもそこに十分意を尽くしたわけでございます。 しかし一方、厳しい財政事情ということを勘案しまして、先ほど大蔵省から答弁がございましたように、財投の活用、民活、そして万やむを得ない措置としての今回の補助率引き下げに伴う事業費の拡大、こういう三点をぎりぎり念頭に置きながら編成をいたし、その一つとしてこの法律の御審議をお願いいたしておるところでございます。何としても内需拡大に事業量の拡大を行うことによって資していかなくてはならない、こういうことでございます。
○村沢牧君 私が指摘をしていることは、この補助率をカットしたり、あるいはまた農林水産省の予算を減らすようなことは内需拡大にならない、足を引っ張ることであるということですね。 ですから、これは農林水産大臣としてではなくて国務大臣として聞くけれども、内需拡大は最大の政治課題である、それには今までのような緊縮財政ではだめだ、政策の転換を行わなければならない、公共事業をふやさなければならないと。いずれ、政府の方は、本予算が成立したらすぐ何か出すなんて言っている、あるいは本予算が成立する前に出すなんて言っていますけれども、こんな政策ではだめだと思いますが、一体大臣どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(加藤六月君) 今お願いしたいのは、何としても一日も早く暫定予算並びに昭和六十二年度本予算をお通しいただいて、一日も早い内需拡大策に資したい、そしてそれに伴ういろいろな措置を一日も早く行いたいし、さらにより知恵を絞りまして総合経済対策等を考えていきたいと考えておるところでございます。
○村沢牧君 だから、早く総合経済対策を考えて、何としても公共事業もふやして内需拡大をしていきたい、その気持ちはわかる。それだったら、また予算を出し直しすりゃいいじゃないか。あるいは売上税なんというものを予算から外せばいつでも通るよ。それはまあ余分な話だけれども。 それから、ぼつぼつ時間が来ますから行きますけれども、後進地域の開発に関する公共事業に係る国の負担割合の特例に関する法律というのがありますね。これは、後進地域はこの補助率に少しかさ上げしてやりなさいということなんですね。ところが、これに該当するような事業まで政令でもって全部農林水産省は下げている。せめて後進地域、過疎地域として指定をされている地域ぐらいは補助率を下げなくたっていいじゃないですか。そういう配慮ができないんですか、どうですか。政令だよ、そんなものは。政令で、考え方によってどうにでもなる。
○政府委員(甕滋君) 今回の補助負担率の引き下げに当たりまして、ただいまお話のございました後進地域特例法対象事業についても一定の引き下げ措置を行っておるわけでございますけれども、その際、御趣旨にありましたようなことも念頭に置きまして、かさ上げ後の補助率が二分の一を超える場合であっても、通常の国の負担割合は二分の一以下のものであるといったものについてはこれは引き下げ対象から除外をしております。 また、財政力の比較的弱い北海道、奄美等の地域特例によりかさ上げを行っている地域がございますが、そういったところにおいても引き下げ幅を緩和する、あるいはかさ上げのある補助率等の下限は十分の五・五と、原則は十分の五でございますが、そういった特例を設けるなどの配慮をしておるわけでございます。もちろんこういった地域におきましても先ほど来お話のございます手厚い地方財政措置というものは講じることとしておるということで、配慮をいたしながらこれを行っておるところでございます。
○村沢牧君 時間が来たのでぼつぼつ終わりますけれども、しかし官房長、皆さん方の政令による補助率引き下げを見る限りにおいては全部一律に後進地域だってなっています。しかし、中身はいろいろあるというふうに思うから、後進地域の分については政令ですからね、皆さんが十分配慮してそんなところは補助率を下げないと、せめてそのくらいな思いやりのある対策をこれからやってください。実際これから皆さん方が施行していくんですから、そのことを強く要請しておきましょう。 それから最後に、大蔵省次長、いろいろお話があったけれども、先ほど申しましたように私も昨年の補助金特別委員会で大蔵大臣あるいは当時の保田次長ともいろいろ論戦をした。しかし、あなたが今いろいろ弁解しておったけれども、その当時の国会答弁、気持ちと今回の場合はぐんと違っている。ですから、そういうことはあったかもしれぬけれども財政上これはまことに遺憾であった、今後はこういうことをしませんと、そのくらいのことをこの委員会で言わなかったら、私はこんなもの認めるわけにはいかないですよ。どうですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 何回もおしかりをいただきまして本当に心苦しく思います。私どももぎりぎりの選択として大変苦しい選択であったことは確かでございます。今後とも先生の御指摘をよく念頭に置いてこれからの私の仕事に対処してまいりたいということを申し上げて、お許しをいただきたいと思います。
○村沢牧君 時間ですから終わります。
○刈田貞子君 森林法の一部を改正する等の法律案について質疑をさせていただきます。 今、先輩村沢委員の質疑をお聞きしておりまして、私も大分重複している部分がありますものですからそれを省いてお伺いをしていくことになりますが、一つは、実は、今回この質問を通告するときに大変に迷ったのは、補助金特例法の附帯決議がどのように理解をされているのかという問題で、これはだれしも考えるところのものでございますので、先ほど東村沢委員の方からも再三話が出たわけでございます。 そこで、私は角度を変えまして、一体、附帯決議とは何なのかということから問いただしてみないとならないのではないかというふうに思いまして、法制局等にもお願いして出ていただくようにと思ったわけですが、所管ではないと、こういうわけでございます。つまり、附帯決議とは法制局がかかわるような種類の拘束力を持つものではないというような見解がどうもあるようなんですね。 それで、仕方がないので、大変恐縮でございますけれども、これは政治家経験の大変にお長い当委員会所管の大臣に、まず一体附帯決議とは何なのかということから伺って、この委員会でみんな で確認をし合いたいと思うんでございますが、いかがなものでしょうか。ひとつよろしくお願いいたします。
○国務大臣(加藤六月君) 私も政治家個人としましては、随分たくさん附帯決議を法案ごとに、あるいは法案に絡まないものでの特別決議等々にも関与してきた一人でございますけれども、法案に絡む附帯決議としましては、法案の審議の過程においていろいろ指摘されたりあるいはまた主張された各先生方の最大公約数的な意見を集約して、附帯決議として取りまとめてきておるという経験を持っております。 ただ、法案に反対して附帯決議に賛成であるとか、あるいはまた修正を出されておって附帯決議に賛成であるとか、いろいろな附帯決議の採決に伴うあるいは案文をまとめる場合のそこら辺の解釈を一遍はっきりしておかなくてはならないんではないだろうかという気持ちはありますけれども、今日までそれについてはっきりした見解を私自身も持っておりません。要は、各委員の先生方から出された委員会のもろもろの意見かたがた、政府に対して注意を喚起する要素が非常に強いんではないかと、こう考えております。
○刈田貞子君 私もその通告をする段階でそんな感触を受けたんです。つまり、法案に盛り込めなかった部分のものを、所管の省がさらにそれをもって努力目標とするという程度のものであって、これはそんなに法的拘束力はないのだというふうに私も思い始めた。 そうしますと、法案一つ上げることに、私どもも附帯決議をつけることにみんなで一生懸命になるわけですよ。だけれど、一体その作業は何であったのかというふうに思うわけで、まして本会議の附帯決議なんというものになればこれはもうえらい話になりまして、国会の意思をいかに扱うことにつながるのかというようなことにも相なりまして、今大臣、今後ともこの問題について御検討いただくということですので、私どもも附帯決議とは何なのかということについてこれから課題にしてまいりたいと、こういうふうに思うんでございますね。 つまり、何が言いたいかといいますと、附帯決議なるものがいとも簡単に崩されていっておる。先ほど来公約違反、公約違反とおっしゃっておりますが、その公約というものが果たして成立していたのかいないのかということからたださなければ公約違反だとも言えなくなるわけでございますから、それで附帯決議とは何なのかということはこれはみんなの課題になってきたなというふうに私は思った次第でございまして、今大変御誠実な御答弁いただきましてありがとうございました。 次に、これは自治省の方にお伺いをいたします。 私、昨年、補助金等特例法の特別委員会でも同じことを聞かせていただいたんでございますが、どうしても私の胸にすとんと落ちないのが例の地財法五条の問題でございます。先回私は大蔵省側から竹下大蔵大臣と、それから持永さんから答弁を受けているんです。だけれど、自治省の立場における地財法五条の解釈について、ちょっと私は御意見を伺いたいわけです。つまり「地方公共団体の歳出は、地方債以外の歳入をもって、その財源としなければならない。」と、ただし書きがありますよ。今回のものは全部該当してないわけです。この「地方債以外の歳入をもって、その財源としなければならない。」という第五条の解釈について、自治省はどんな見解をお持ちなのか、まず伺いたい。
○政府委員(小林実君) 一般会計に属する予算につきましては税負担をもって行うのが望ましいわけでございまして、第五条の本文も、ですから地方団体の歳出につきましては説とか交付税等で賄う、それを原則とするということを書いておるわけでございます。ただし、地方財政におきましては、これは戦前もそうでございますが、戦後におきましても、国において建設国債を発行しない時代におきましても、やはり当該団体につきましては学校とかあるいは大きな施設をつくる場合には税等で賄い切れないものですから、地方債を財源として行ってきているというのが現実の姿でございます。
○刈田貞子君 大蔵省、いかがでしょうか。
○政府委員(斎藤次郎君) 今御答弁がありましたとおりでございまして、五条にはただし書きがついておりまして、それによって措置をしておるというぐあいに理解しておるわけでございます。
○委員長(高木正明君) 声が小さくて、もう一度言ってください。
○政府委員(斎藤次郎君) 申しわけございません。 第五条本文には「地方債以外の歳入をもつて、その財源としなければならない。」と書いてございますけれども、ただし書きの条項がございますので、それによって今日の措置がなされているというぐあいに理解しておるわけでございます。
○刈田貞子君 去年はそういう答弁になってないんですよ。地方債で充てることが適切かどうかということになればいろいろ考え方があるんだと、そこでやっぱり工面をしておるというふうに去年答弁しておられるんですよ。この地財法の五条の筋を通すには工面はしているというふうに去年おっしゃっておられるんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(小林実君) 私の理解で申し上げたいと思うんですが、通常地方財政計画を組む際に、税とか交付税、それから国庫支出金を見込みまして、それから建設事業等につきましてはなるべく地方債は抑制する形で組んでおるわけでございます。現在の地方財政の姿と四十年代が一番安定しておりまして、その時代にも地方債は建設事業の財源として発行いたしておりまして、通常ベースではその程度の地方債を確保しなければならないと、こういうふうに考えておるところでございます。 昨年と今回の補助率のカットによりまして、この経常経費につきましても補助率のカットが行われるということになりました。それを含めての財政措置といたしまして税それから交付税の特例加算という措置が行われたわけでございますが、それで賄い切れない部分につきましてマクロの計算では地方債を充てた形で実は御説明を申し上げておるわけでございます。その点につきまして若干誤解があるかと思いますが、マクロではこういうことで申し上げてございますが、個別の地方団体に対する財政措置といたしましては、この経常経費のカットの影響につきましてはすべて交付税の基準財政需要額に算入いたしまして交付税措置をするわけでございます。 それじゃ、経常経費の交付税措置分はどうするのかということでございます。これは投資的経費につきましても基準財政需要額で算入している部分が従来からございまして、そちらの方を減額してこちらに回すと、こういう措置を講ずるわけでございます。従来投資的経費につきまして交付税措置をしておったものを経常経費の方に回した分がそれだけ減るわけでございまして、その部分につきまして地方債を充てる、こういうことになります。個別の団体につきましての財政措置はそういう形になりましていわば玉突きのような形でまいるわけでございまして、御質問の趣旨は、特に経常経費につきまして地方債が財源になっているかのごとき資料がマクロの計算では出ておりますので御指摘のような質問が出るかと思います。しかし現実の姿は今申し上げたようなことでございまして、個別の団体につきましては経常経費関係は交付税措置、それから建設費関係のものにつきましては建設地方債、従来交付税措置で投資的経費の財源として措置しておったもので減った部分につきましては地方債で措置をするということになるわけでございます。個別の団体では地方債が経常経費に回るという措置はないわけでございます。
○刈田貞子君 しかしそれにしても、私先ほど来村沢委員の質疑も伺っておりまして、この手のことがエスカレートしていきますと、国と地方との関係にゆがみを生じてくるのではないかというこ とを非常に危惧しております。現に、今回も市長会、町村長会の人たちからの大変な反対があるわけですね。いろいろ要望等も私どもにも来ております。したがいまして、決して健全なやりくりでないことだけは確かなんじゃないでしょうか。これは大蔵省いかがですか。
○政府委員(斎藤次郎君) 今自治省の方から答弁がございましたように、今回の補助率カットに伴って生じます分については全額建設地方債ということで充当していただくわけでございますので、私どもとしては地方財政法五条の精神に反するものというぐあいには必ずしも考えていないわけでございます。先生の御議論は、昨年の補助金カットのように経常経費の補助率をカットした場合に、それを建設地方債で振りかえるという措置についての疑問点ではないかというぐあいに理解しておるわけでございます。
○刈田貞子君 まだ落ちないものがありますけれども、先へ進めます。 農林水産省の方にお伺いいたします。今度私は各論に入らせていただきますわけですが、一番やっぱり心配なのは、この手の補助金がカットされるということによりまして、手だてはいろいろあるんだけれども、しかしこれから進めていく事業に対して影響性がないんだろうかどうなんだろうかということで、時間のある範囲内で少しお尋ねをしてみたいのですが、まず一番最初は林道整備事業について伺います。 これは全国森林計画で定められた林道開設計画量と実績を見てみましたが、ここまでで五五%の達成率ですね。七十二年度までの全工程の中でまだ五五%の達成率ですね。この手のことについて今後事業計画をどういうふうに進めていかれるのか、お伺いします。
○政府委員(田中宏尚君) 林道の整備が林業基盤の整備にとって一番重要な事業であることは御指摘のとおりでございまして、従来からいろんな各種の事業によりまして林道整備の促進というものを図ってきているわけでございますけれども、ここのところの重点といたしましては、公共事業でいわゆる林道というものを整備いたしますことに加えまして、作業道といいますか、もう少し簡易な、現場の実情に即した林道というようなものにも力を入れていく必要があるということで、六十二年度の本予算案を御審議いただきますと、その中にも新しい地域活性化事業というような形で、作業道を中核といたしました新しい事業を組み入れるというようなことも予定しているわけでございます。いずれにいたしましても、林道、作業道全体を通じまして、何とか林道網の整備というものにつきまして全力を挙げてまいりたいと思っております。
○刈田貞子君 進めていっていただくんですけれども、今扱っている今回の法律改正のつまり経費の問題なんですよ。これで影響を受けることはありませんかどうですかと聞いているわけです。
○政府委員(田中宏尚君) 林道につきましても所定の補助率カットというものが行われるわけでございますけれども、これにつきましても、そのカットによりましてふえます地方負担分につきましては、先ほど来御議論がございますように、前年に増す手厚い財源処置というものは講じられておりますので、事業の実施につきましては支障がないというふうに認識しているわけでございます。
○刈田貞子君 それから、あとは治山事業の山地災害危険地区。私がいただいたデータによりますと、全国で、つまり地すべり、山崩れかな、山地災害危険地区というのが十七万六千カ所あるんだそうですね。これは五十四年調査十三万一千カ所から四万五千カ所もふえているというこういうことでございますね。この事業も今回直轄で一〇・六から一〇・五五でしょう。それから補助で十分の五・五から十分の五・二五に変わったわけですね。これはみんな当初三分の二の補助率を持っていた事業なんですよね。それが三年来でこういうふうに変わってきてしまっておるわけですが、これは一昨年の特別委員会の中でたしか稲村委員が御指摘なさったと思うんです。これは適用除外の対象になってもいいのではないか、人命にかかわる問題だろうということで御指摘あったんですが、私もこの手のものがカットの対象になることはいかがなものであろうかという意見を持っているものですけれども、この十七万六千カ所の危険地区ということについてどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(田中宏尚君) 残念ながら、先生御指摘のとおり、昭和六十年、六十一年度の調査で十七万六千カ所というものが山地危険地区としてあるわけでございまして、これにつきましては従来からいろんな形で整備を進めてきているわけでございます。 今回の補助率カットにつきましては、いわゆる災害復旧でございますとか災害復旧関連、こういうものは対象外としたわけでございますけれども、治山事業につきましては、今まさしく先生の御指摘ありましたように、何とか事業を促進したいという願いを込めましてその補助率のカットを行いまして事業量の拡大に寄与するということを行ったわけでございますし、それから特別の水源林、水源地帯等につきましては新しい事業項目もつくりまして、何とか立ちおくれております治山事業というものを全体として推進してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○刈田貞子君 数が多過ぎますわね。それで、あと建設省関係のものもあるんですよね。山の問題でございますけれども、建設省と共管の山の問題、しかも危険箇所に手だてをするというのは非常に大切な課題であろうかと思うんです。私はこの十七万何がしの数字を聞いてびっくりしちゃったわけなんです。災害になり事故が起きたらすぐ手だてをするということになるんだろうけれども、そうあってはならないわけでございます。したがいまして、この手の問題についてももっと真剣に取り組んでいただかなければならないのではないかというふうに思い、大変危惧をいたしておりますところの部分でございます。山の関係のことをまだまだたくさん申し上げたいんですが、私余り時間をきょう持ってないんだそうです。 港にいきます。 今回の改正案の中で漁港の話が出てくるわけですが、私はなぜこのことを申し上げるかというと、この前も構造改善局長をしていらしたときに基盤整備の問題で御指摘して、補助事業というのは時間がかかる、だから当初の目的で始まったのが終わってみたらばなかなか難しい結果が出てきていたというそういうことでたしが御指摘申し上げたことがあると思うんですが、漁港の話がまさにそれなんで、五十八年の決算報告の中でいわゆる補助金のむだ遣いということの指摘がありますね。五十九年にこれは措置済みにしていらっしゃるわけですが、あの中で、結局事業が長期になればなるほど漁業を取り巻く環境、状況が変わっていく。そのために事業主体が当初考えておったその港の機能が心要なくなってくるというような、そういう例の指摘がございましたね。 あの手のことを、私、今回この補助金が少なくなる、それは手だてはあるんでございますよ。だけれど、その事業を進めるについて何らかの支障があるとするならば、ないしは工期が延長するようなことになるのならば、またこの二の舞をやるのではなかろうかということです。つまり、大臣、補助金が少なくなるんだから、私どもの側からいけば、せめてその補助金を有効に使っていこうではございませんかと、こういう御指摘を申し上げたいわけでございます。水産庁長官よくわかっておられると思うんですが、過去にそういう指摘があったんです。このことについてのひとつ御意見を求めたい、こういうことないんです。
○政府委員(佐竹五六君) 五十八年度の決算報告におきまして、漁港事業のいわば計画面と申しますかについて初めて御指摘をいただいたわけでございます。 私どもも深く反省し、今後の計画策定、事業の実施については十分その点配意してまいりたいと思いますが、ちょうど四十八年から約十年間、私 ども言いわけで申し上げるわけではございませんけれども、漁業をめぐる情勢がオイルショックとかあるいは米ソ二百海里体制の突入で非常に大きく変貌したことも、今御指摘をいただきましたような点への一つの影響になっておるわけでございます。それからまた、工期が非常に長くかかるということがそのことに何がしかの影響を与えていることも否定できないわけでございます。 私どもあえて言わしていただければ、若干なりとも補助金の額を一定にして、しかも事業量を伸ばすことにこの補助率切り下げが役立つということもございましたので、今回の措置について、水産庁としてもこれに応ずることにしたわけでございます。 そのようなこともございまして、先生の今の御指摘は真剣に受けとめまして今後の事業運営に当たってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○刈田貞子君 第六次計画ですね、五十二年から五十七年は。六次計画ですね。今七次ですからそうですね。第六次計画のとき、中間の五十五年で見直しをなさっているでしょう。見直しをしているのにもかかわらず、その見直しした作業が現場に指導されていないわけです。だからこういう指摘を受けたんですよね。つまり調整金のようなものもちゃんとつけてやって、事業というのは幾らでも弾力性を持たせながら進めていくことができると思うんです。そうでしょう、大臣。そういう漁業を取り巻く環境が変わってきて港の姿もいろいろ要求されてきていたわけです、その時期。それなのにもかかわらず、事業主体に対してその手の指導をしていかなかった、こういう経過があるわけですよ。今おっしゃったとおりなのね。それだけれど、ここではそういう環境の変化に伴って五十五年に長期計画の見直しのための総点検をなさっているわけです、そうあってはならないということで。だけれど、それが事実上は事業主、つまり地方自治体でしょうか、にいっていないということの方が問題だと私言っているわけですね。 農林水産省としてもその見直しをしていらっしゃるわけです。そして有効なその時に合う港に変えていかなきゃならぬのですから、計画を。大きなのを計画していたわけだ、百トン、二百トンのイカ釣りを。そうしたら五十トンぐらいになった。そうしたら小さくていいわけでしょう、港は。だけれど、事業は十年計画がなんかでそのままずうっと同じ形の当初計画で進められちゃった。したがって、その港には船は何も大きいのが着かない、こういうことになるわけです。こういう補助金のむだな使い方はいかぬのではないですかという御指摘を私も支持するので申し上げているわけで、水産庁としても気を使いながら長期計画の見直しをしているんです。なさっておるけれど、それを現場に指導していないことの問題点があろうかというふうに思うんですが、もう一度いかがでしょう。
○政府委員(佐竹五六君) 今御指摘のございましたとおりでございまして、私ども毎年の予算の執行に当たりましては、特に今御指摘のあった六次計画についての五十五年はまさにそうでございますが、そのときどきの情勢に応じて、ある事業については予算を抑えて特に急ぐものについては重点配分するというようなことをやっていたわけでございますけれども、遺憾ながら御指摘いただきましたような漁港についてはそれが徹底しなかったために御指摘を受けるようなことになったわけでございます。 私どもこれを深い戒めといたしまして、各港ごとにヒアリングをしているわけでございますのできちっとチェックできるはずの性質の問題でございますので、今後そういうことがないようにヒアリング、それからそれを通じての都道府県の指導に遺憾のないようにしてまいりたいというふうに考えております。
○刈田貞子君 よろしくお願いをいたします。 それから、補助金のカットの関係で実は一昨日、昨日来からの畜産価格の問題について少々伺わしていただいて、私も時間がたくさんございませんのでこちらの申し上げたいことを先に言わしていただきますので、後で答弁をいただきたいと思います。 不足払い制度の保証価格八十二円七十五銭、これは私も思っていたよりは下がらなかったというふうには思うんでございますけれども、しかし引き下げに違いございません。したがいまして、生産者団体にもいろいろな意味で影響を与えるであろうというふうに思うわけでございます。 それからまた、畜肉価格の方も大変なものだというふうに思うわけでございまして、昨日、同僚の菅野委員の方からも、確かに飼料の価格が下がりそして利子も下がって、それで条件は確かにそろってきておる、だけれどその前に政策的に進められてきた中でみんな生産者は高額な負債を抱えておるではないか、そういう問題も考えないでは大変だという御指摘があったんでございますけれども、そのことについてはしかと御認識をいただいておかないといけない問題だと思います。確かに引き下げの要件はあろうかと思います、客観的に見て。だけれどその前に、やはりこれは政策的にできた負債を抱えておる生産者の問題も考えていかなければならないというふうに私ども思います。それで、質問の一つ一つを申し上げていく時間がないので、その後の何か二百億円の環境対策が調ったような話もちらっと聞いておるんでございますが、それは大臣に後で伺わしてください。 今回、価格引き下げと同時に、乳脂肪の引き上げの問題があるのですね。私は生産者の立場にも消費者の立場にも立たなければなりませんものですから、まず消費者の側からの問題を申し上げますと、値も下がった、質も上げた、それがそのまま製品牛乳として市場に出回ってくるような御指導をしかと賜りたい、こういうこと。ちょっとおたくの方で伺ったら、今無調整が六〇%だと。でも調整がまだ四〇%あるんです。四〇%の調整乳があるということは、還元乳がなんか私はわかりませんけれども、この辺のところをやはりこれからしかと御指導いただきませんと生産者がかわいそうです。中間に入ったメーカーだけがいい思いをしてはかわいそうでございます。いい製品をつくるのなら、それで私は消費拡大につながると思いますよ、いい商品を出せば。だからそれはストレートに消費地へ送るべきだというふうに思うので、このことをお願いしたい。 それから、チーズをめぐる問題でございますけれど、チーズをめぐる問題について、不足払い制度から外す形のことが出てきております。その周辺のことも聞いておりますけれど、それは一体、将来に向けてどういう展望を持ってそういうふうになっていくのか、私大変関心のあるところでございますので、そこを伺わしていただきたい。 それから、バターの過剰の問題は今後どうなさるおつもりなのか。大変各論で申しわけないんですけれども、時間がないのでその点伺わしていただいて、終わらしていただきます。
○政府委員(京谷昭夫君) ただいま先生から御指摘ございましたように、昭和六十二年度の加工原料乳の保証価格につきましては、昨日畜産振興審議会から答申をちょうだいいたしまして、これに基づきまして本日、諮問どおりの水準で決定をさしていただいたところでございます。 御指摘ございましたように、牛乳の需要が非常に停滞をしている中で生産調整と大変苦しい状況にあるわけでございますが、お話の中にありました昭和五十九年後半から配合飼料価格が非常に下がってきておる、あるいは一頭当たりの搾乳量もそれなりに増加をしておりまして、酪農を平均的に見ますと、酪農の収益性も着実に向上しておりまして、今回の決定価格レベルで頑張っていけるものと考えております。 その中で御指摘ございました乳脂肪率の問題でございます。従来、生乳取引の基準になっております乳脂肪率は、飲用牛乳それから加工原料乳ともに三・二%というレベルでございましたが、実は今回の加工原料乳の価格を決める前に、飲用牛乳の原料になります生乳取引につきまして生産者と乳業者の間で六十二年度から三・五%に引き上 げようという話し合いがつきまして、その状況を踏まえて、いわば後追いの形で加工原料乳の基準取引価格についても三・五%にするという措置をとった経過がございます。その乳脂肪率の変更に伴いまして、御指摘のとおり飲用牛乳の品質を高度化いたしまして、コクのある牛乳という形で消費者にもお届けできるように乳業者の方も生産者に対して話をしておりまするし、私どもも消費拡大という意味も込めて御指摘の方向で業界を指導してまいりたいというふうに考えております。 それからチーズ対策でございますが、これは既に御承知のとおり、昨年の暮れに従来加工原料乳の不足払いの対象になっておりましたチーズ原乳を昭和六十二年度から不足払いの対象から外すという方針を決めまして、その方針に基づきまして一月に関係の政令を改正して不足払いの対象から外したわけでございます。 この基本的な考え方は、最近の需給動向の中でナチュラルチーズの需要が非常に伸びて定着をしてきております。ただ、その製造のもとになります原料乳価格については外国と比べますと大変格差がある。一方、ナチュラルチーズは自由化をされておりまして、このまま放置をしますと、せっかく伸びてきているナチュラルチーズのマーケットを外国産品でじゅうりんをされかねない、こういうことがございまして、外国から入ってくるチーズの原乳価格に対抗できるような供給価格で国内での生産体制をつくりたいというふうな生産者団体の申し出がございました。もちろん地域的あるいは経営の階層別にできる人できない人とありますけれども、そういう意欲を持っておられる方あるいは地域が結構あるということで、それは加工原料乳不足払い制度の中に入れておくとかえってできなくなるということがございましてこれを除外しました。ただ、すぐさま外国から入ってくるナチュラルチーズの製造原料になります原乳の価格に合一化をするというのはなかなか難しいということで、五年間の暫定措置としまして、御承知のとおり生産者団体でございます中央酪農会議という組織に畜産振興事業団の指定助成事業といたしまして百七十億円の基金を設置しまして、ここから生産者団体の自主的管理体制のもとでチーズ原乳の供給をする生産者に対して必要な補てんをしていく、こういうシステムをつくりまして、先日、六十一年度の畜産振興事業団予算を執行しまして、基金を設置したところでございます。 具体的に、この制度によりまして国内におけるナチュラルチーズの原料乳の供給体制というものを定着をさせていきたいと考えておりますが、この制度の具体的な運営については、これからまたこの基金を預かる生産者団体を適切に指導しまして、この施策のねらいとするところが定着をするように努力をしてまいりたいというふうに考えております。 それから、最後のバターの過剰問題でございますけれども、御承知のとおり、現在乳製品の需要が非常に停滞をしておりまして、相当量のバター、脱脂粉乳等の過剰在庫が存在をしております。そこで、今月の十六日から過剰分のバターにつきまして生産者団体及び乳業者団体を通じまして民間レベルでの市場隔離をするという措置をとりまして、その市場隔離に伴う金利、倉敷料の負担について、畜産振興事業団からとりあえず今年度いっぱい、半月分の助成措置をとったわけでございます。 来年度これをどうするかという問題でございますけれども、今回の価格決定に際しまして、大体今後二年ぐらいの間にこの過剰在庫を解消させよう、そのテンポに合わせて引き続き市場隔離をしていく必要のあるものについてはこれに対して必要な助成をしていくという方針を決定をいたしまして、本日、六十二年度の助成額として約十億円ほどの金利、倉敷料の助成を継続するという措置を決定したところでございます。 この過剰バターの処理問題につきましては、今回の価格決定の際にバターについて決められております安定指標価格を約一〇%引き下げました。そういうことを通じて、何とかできるだけ早くマーケットの中でこれを取り崩して消化できるように、私どもとしても業界と一緒になってまた努力をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○国務大臣(加藤六月君) 畜産物価格関連対策を本日決定いたしました。 四本の柱でやっておるわけでございますけれども、まず第一は、経営対策として約三十八億円投入することにいたしております。一つは畜産経営体質強化指導特別対策、二つ目は乳肉複合経営等推進対策、三つ目は肉用牛経営合理化資金の融通助成、こういうことを考えております。 二番目は、酪農対策として約五十四億円。一つは高品質原料乳生産供給対策、二つは牛乳乳製品消費拡大対策、三つは生乳及び乳製品需給調整対策、四つは一の(二)に関連するのでありますが、乳肉複合経営等推進対策。 三本目の柱は、牛肉対策でございまして約百六十一億円考えておりまして、中身は、一つは肉用牛生産拡大対策、そして一の(二)にも関連するわけでありますが、乳肉複合経営等推進対策、それから三つ目は国産牛肉小売価格安定化対策、四つは牛肉等食肉流通消費改善対策。 四番目の柱は、豚肉対策でございまして約六億円計上しておりまして、一つは豚肉高度生産技術普及促進対策、二つ目は国産豚肉需要拡大対策等でございまして、合計約二百五十億円のものを決定いたしたわけでございます。
○委員長(高木正明君) 本案に対する午前の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時九分休憩 —————・————— 午後一時一分開会
○委員長(高木正明君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、森林法の一部を改正する等の法律案を議題とし質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○下田京子君 今回の補助金の引き下げ、これは午前中もいろいろ他の委員から御指摘ございましたけれども、現実に今回でこの種のものは三回目になるわけです。これはもう今後一年限りであるとかあるいは三年限りであるとかいう形で約束をしてきたことですから、あえてもう繰り返しませんけれども、国会と国民に対する裏切り行為だ、そしてこれは全くの公約違反だ、あれこれ言っても否定できないものである、これはまず指摘しておきたいんです。 私は大臣にお聞きしたいのは、いろいろ地方財政への影響は与えないようにいたします、建設地方債の増発等やります云々と、こう言われておりますけれども、地方自治体へのその影響は全くなしというふうに言い切れますか。
○国務大臣(加藤六月君) 午前中いろいろお答え申し上げましたように、今回の補助負担率引き下げに伴う地方団体への影響については相当配慮をいたしたところでございまして、地方財政措置としましては、けさほど大蔵、自治からもお答えいたしましたが、財源補てん措置としてただいま御指摘になりました建設地方債の増発をやる、それは国費削減相当分につきましては臨時財政特例債でもってやる、それから純事業費拡大分については調整債で行う。そして臨時財政元利償還措置につきましては、臨時財政特例債につきましては全額を基準財政需要額に算入する、したがって交付団体分は全額一般会計から交付税特会に繰り入れるということ、あるいは調整債につきましては八〇%を基準財政需要額に算入するということをいたしまして、六十一年度の引き下げの際には元利償還費の五〇%にしておったということから比べますと今度は交付団体については全額入れるとか、あるいはまた調整債、事業規模拡大について調整債を起こしまして八〇%を基準財政需要額に算入する等々の措置を講じた上、お願いいたしておるところでございます。
○下田京子君 私はあれこれのそういう言いわけ を伺ったんではなくって、全く地方への被害がないと言い切れるんですか、大臣と、こういうふうに端的に私は質問したんです。それにまともにお答えできない。なぜなら、影響はあるからです。 これは、自治省が昨年十二月に各地方公共団体に対してアンケートをとられた。東北各県だけでも主なところを拾って御紹介します。青森の場合には「国庫補助負担率の一律引き下げは、地方財政を圧迫する要因となっており、本県のように社会資本整備の遅れている地域にとっては、ますます地域の発展が遅れることが懸念される。」、こう言っています。岩手県は、今これは知事選の真っ最中ですけれども、「地域整備の遅れている本県にとって大きな影響があり、ますます全国他地域との格差が拡大することが懸念される。」、こう言っています。秋田も同じです。私の福島県は「国庫補助負担率削減が強化されたこと等県財政に影響が見られる。」、こう述べています。 しかも、福島の場合にどのくらいの影響があるのかという点で具体的に申し上げますと、これは農業関係だけ見ましても、昭和六十年度で農業基盤、海岸、治山、林道、これで実に六億一千三百万、六十一年が十一億五千五百万、六十二年の影響額十二億六千万。こういうことでこの三年間を見ても三十億二千八百万影響が出る、これは県からきちっといただいている資料なんです。そして六十二年度だけ見ましても、農業関係が十二億六千万、それにその他のものを含めますと四十一億円相当の影響が出る、こういうことで明確に述べているんです。 ああこう手当てしますよと、こういうことを言われていても、現実にはそういう形で影響が出ている。地方の財政というものは、それは地方債も含めて、本来的には地方独自でいろんな県単事業等も含めて対応していくものでしょう。ですから全く影響なしと言い切れないでしょう。明確な答弁を願います。
○国務大臣(加藤六月君) 地方公共団体も苦しい中を御協力いただかなくてはならない、こう思っておるところでございます。今回の公共事業の補助負担率引き下げに伴う地方負担につきましては、先ほど申し上げましたような昨年を上回る手厚い地方財政措置が講じられておるところでございます。私としましては、地方公共団体の財政運営や公共事業の実施に支障が生ずることはないと考えておるところでございます。
○下田京子君 考えておるところであっても、現実には影響が出てくる。以下は具体的に質問で明らかにしてまいりたいと思います。 ただ、明確なことは、大臣は、全く影響なしと言えるかということについては明確な答弁ができない、これをもっても明らかだと思うんです。私は、今回のこういう補助金引き下げのものを日切れ扱いのような格好で対応すること自体にも大きな問題があり、繰り返し言われているような景気対策、内需拡大のためというふうに言うなら、私たち繰り返し言っていますけれども、もっと生活密着型の公共事業を優先させるべきじゃないか。例えば、これも御承知だとは思いますが、特に農業基盤整備事業について見ますと、大変これは効果があるわけです。なぜならば、事業費に占める用地費及び補償費の割合ですね、これは五十八年ベースで見ますと三%だ。一方、事業費に占める労務費の割合はどうかというと一九%。道路の方は一二%です。大変高いというふうに言えると思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(鴻巣健治君) 御指摘のとおりでございます。
○下田京子君 そうしますと、先ほど午前中にもお話ありましたが、けさの閣議で公共三千七百九十二億円の暫定五十日分組んだんだと、こういうわけですけれども、大臣、この暫定予算の中に地元中小企業への発注も高い、雇用対策から見ても非常に大きい影響があるこうした農業基盤整備事業の確保のために奮闘されたんでしょうね。
○国務大臣(加藤六月君) 私も、用地費に消える金額が一番少なく中小企業への発注が多く、そうしてまたそれぞれの地方における活性化の一番いい方法はこれであるということで、閣内外に強く訴えておるところでございます。
○下田京子君 ところが、同じ農業基盤整備事業の中でも今言われたようなことをフォローしているのは一体何かということなんです。国営の大型の事業の場合ですと、地元の中小企業への発注率というのはむしろ資本金十億円以上の大手企業への発注率を下回っている。これは毎回問題にしてきているんですが、五十六年で中小企業への発注金額が五百二十八億円でした。それが十億円以上の企業の方には六百四十二億円でした。それが六十年ベースではどうかといいますと、何と中小企業の方は五百億、逆に十億円以上の大手への発注が八百十四億円、大手への発注金額の方がふえている、これはどういうことでしょう。
○政府委員(鴻巣健治君) 御指摘の点は大変気にいたしていろいろ指導をいたしております。六十年の場合に今御指摘のようなことがおりましたが、最近ですと、ダムあるいはパイプラインといった大規模な工事が大分ふえておりまして一件当たり工事の大きなものが増加したこととか、あるいは内需拡大に伴う公共事業の施行促進が図られまして国庫債務負担行為による大規模工事などが行われていることによるものと思っております。そこでいろいろ努力しなきゃいけないと思っております。五十九年に比べますと、六十年はわずかではありますけれども中小企業への発注の割合が高まっているわけでございます。
○下田京子君 いろいろお答えになりましたが、しかし要するにもっと地元中小企業への発注率を高めていかなければならないということが今のような時点で景気対策という点から考えれば大事なことは明白だと思うんです。 そこで、今回の場合には補助率カットの対象になるのはこれは二分の一以上の方ですね。ですから、二分の一以下の場合の事業というのは一体どういう形で事業量の確保を図ろうとしているのか。二分の一以上の場合には補助率下げて量の拡大をやろう、こう言っているわけですが、以下の方はどうやって事業量を拡大しようとお思いになっているんですか。
○政府委員(鴻巣健治君) 今までの事業の進捗の状況あるいはそれから残っている事業はどのくらいあるかという残事業量、それからほかの事業との関連あるいは事業の緊急性などを総合的に勘案しながら予算の配分を行っておるところでございます。
○下田京子君 今のじゃ答弁になっていませんでしょう。どうやってふやすんですかと聞いているんです。
○政府委員(鴻巣健治君) これは現在の厳しい国家財政全体の中での位置づけを受けながら、その中で今申し上げたような要素を勘案しながらいろいろとアクセントをつけているわけでございます。
○下田京子君 そのアクセントをつけた結果どうかというと、むしろその二分の一以下のそういうところでの方が事業効果が上がるわけなんです。なのに、その面での事業量は一体拡大されるのかというところなんです。それをずっと見てみたいと思います。 五十九年から六十二年で、国営かん排の場合に五十九年事業費が一千五百億ですか、五十九年の事業費というのは、国営かん排は。そうでしょう。幾らですか。
○政府委員(鴻巣健治君) 五十九年の国営かん排は国費で千二百七十一億、事業費で千六百十一億です。
○下田京子君 それでは六十二年幾らですか、国営かん排ですよ。
○政府委員(鴻巣健治君) 事業費で申し上げますと、国営かん排の六十二年度要求は千九百三十五億三千万でございます。
○下田京子君 そうしますと、伸び率どのくらいですか。
○政府委員(鴻巣健治君) 五十九年の千六百十億七千万円、約千六百十億円と申し上げましたが、それを一〇〇といたしますと千九百三十五億三千 万は一二〇・二%になります。
○下田京子君 という形で伸びているわけですね。予算と決算の数字の違いだな。 それじゃ一方、圃場整備の方はどうですか、事業費の方でです。五十九年と六十二年、そして伸び率幾らか。
○政府委員(鴻巣健治君) ちょっと今手元に持っていますのが国費ベースで恐縮ですが、五十九年が千五百四十九億四千四百万、それに対して六十二年が千百四十四億八千二百万でございますから、五十九年に比べて七三・九%となっております。
○下田京子君 ということは、国営かん排の場合には補助金削っているんですけれども事業費は伸びているんです。そうですね。圃場整備の方はどうかというと、補助金削られてそして事業費も落ち込んでいるんです。そういうことが言えますね。
○政府委員(鴻巣健治君) 事実はそういうことになっております。
○下田京子君 ということは、今めり張りをつけた予算だなんておっしゃいますけれども、一番地元への中小企業の発注率も高く、雇用対策上、景気対策上重要なそういう県単事業あるいは圃場整備事業、こういったものがおくれているというふうなことが証明されたと思うんです。大臣、本来ならそういう点での事業費拡大を行うべきではないのでしょうか。それが大臣のお仕事ではないんでしょうか。大臣の御答弁を求めます。
○国務大臣(加藤六月君) 先ほど局長がお答えしました圃場整備関係予算は国費ベースの問題でございます。事業費ベースでそうなっておるかどうかまだお答えははっきりしてないと思いますが、私としましては、厳しい円高不況の中で内需拡大が重要な課題になっておる折、そしてまた先ほどお答え申し上げましたように労務費の割合が他の公共事業に比べて高く中小企業への発注率も高い、こういうものを何としても伸ばすように指導いたしておるところでございます。
○下田京子君 だめだ、局長。圃場整備の方は事業費ベースだって九〇・七で落ち込んでいるでしょう、あなた。都合悪いところだけ持っていないなんていうのはおかしいです。
○政府委員(鴻巣健治君) まことに申しわけありませんが、ちょっとあらかじめ承っていなかったものですから、その数字を今手元に持っていないものですから、まことに申しわけありません。 それで、今大臣のお答えいたしましたことを踏まえますと……
○下田京子君 だめです。それをすぐあれしなさい。
○政府委員(鴻巣健治君) はい、また改めて御説明いたします。
○下田京子君 改めてじゃないですよ。国営だけ持っていて圃場整備を持っていないなんていうのは余りにもでたらめですよ。
○政府委員(鴻巣健治君) まことに申しわけありません。
○下田京子君 いや、九〇%台です。落ち込んでいます。確認してください、後ろにいるんだから、担当者。
○政府委員(鴻巣健治君) はい、確認します。 それで、国営の方は大変おくれまして昭和四十年代に着工いたしておりますが、大分おくれていろいろの点でおしかりを受けていますので、もちろん圃場整備がおくれているのは大変苦慮いたしているところでございますが、今時に国営の方にアクセントをつけているわけでございます。
○下田京子君 どのぐらいおくれているかというのはすぐ今調べていただくことにして、事業量が非常におくれていておしかりをいただいているということは御答弁されているとおりなんです、大臣。大臣もそういうことをよくわからないで、頑張っているけれどもなんていうのはもう不見識ですよ。 さらに具体的に申し上げたいのは、事業量拡大といっても第三次の土地改良長期計画、これを見てください。達成率、どうなんでしょうか。五十八年から六十七年、十カ年計画でもってトータル三十兆四千億円、こういうことでやりましたね。五年目の六十二年度予算が執行されても進捗率は二七・五%にしかすぎません。そうですね。
○政府委員(鴻巣健治君) 六十二年度予算を加えますと今御指摘の数字になります。
○下田京子君 としますと、あとこの第三次土地改良長期計画は残された期間五年間なんです。この五年間の中で当初の事業を達成するためには、これから何%ずつ上乗せして事業費を確保しなければならないことになりますでしょうか。
○政府委員(鴻巣健治君) 六十三年以降年平均三〇%強の伸び率を確保しないといけないことになります。
○下田京子君 というぐあいなんです。大臣、やれますか。
○国務大臣(加藤六月君) やるように頑張らなくてはならないと思います。
○下田京子君 頑張っていただくという姿勢は大いに結構ですが、それを具体的に事業費という形であらわしていかなきゃならないわけですね。 それじゃ、今頑張るためには一体どういう手法でやるんですか、大臣。また補助率引き下げで事業量の拡大というふうにやるんですか、財投を繰り入れてやるんですか。財投繰り入れではとてもでないけれども、農家の皆さん方建設利息までかかりますから、そんなもの引き受けるわけないですよ。どうやってそれだけ伸ばすんですか。
○国務大臣(加藤六月君) 六十一年度に始めました、今いみじくも御指摘になりましたが、特会制度の拡充並びに一般会計からの充当等々もろもろの知恵を絞り、計画達成に向かって努力していきたいと思います。
○下田京子君 問題が明らかになったと思うんです。国営の大型の事業は補助率をカットすることによって事業効果を上げるんだということなんだけれども、そのしわ寄せは二分の一以下事業のところにあらわれている。それを裏づけるためにさらに私は福島県の具体的な数字をお示しします。いいですか。 土地改良事業費の中で県営圃場整備事業、これは補助率二分の一以下です。四五%です。しかし、これも五十九年度と六十二年度を見ますと、八七%という形で事業費が落ち込んでいます。さらに、じゃもっとしわ寄せがいくのはどこかというと、県単事業にいくんです。県単の土地改良事業費、五十九年と六十二年を比べますと七四%に落ち込んでいるんです。そういう形で、最も効果を発揮していただかなければならない地元の県の単独事業に影響が出ているということが明らかになったじゃありませんか。 つまり、そのことを御理解いただくなら、今回のような形での補助率カットによる事業費拡大ではなくて、むしろ補助率を引き上げてそして事業費を確保していくというのが筋道じゃありませんか、大臣。
○国務大臣(加藤六月君) 財政事情の大変厳しい折からどうしても事業費、事業量を拡大するという点を考えたわけでございまして、いろいろな御意見は十分承りますが、何とぞ今回の今お願いしておるこの法案に対する御理解を賜りたいと思うところでございます。
○下田京子君 御理解するかしないかでなくて、現実なんですよね。だから、事業費を伸ばすといっても、それは国営の大型のものなんです。大企業向けのものなんです。私の今までの議論の中で明確じゃありませんか。どうして県が進めている、最も農民が、そして自治体が望んでいる事業費拡大を図らないのですか。だから、今回の補助率カットという手法に基づく事業費拡大というのは、まさに国民の望む方向に沿っていないということが明確になったと思うんです。 私はさらに申し上げたい点は、全体としての事業費を確保していくということとあわせて農民負担、受益者負担をいかに少なくしていくかということを今後考えなけりゃならないと思うんです。同時に大事なのは、農業の場合には営農問題ですよね。 そこで私が申し上げたいのは、福島県の阿武隈開発、これは公団でやられた事業です。どういう状況になっているかといいますと、ここの農家は、公団で開発事業で農地造成をしたんですけれども、三千万、四千万円の借金を抱えて、六十年度の営農収支決算を見ても、農外収入をもってしてもこれはマイナスになっている。単年度で百万、二百万という形での赤字が出ているんです。私は、きょう今ここで詳しい数字を申し上げるつもりはありません。その事態、このことを御存じだと思います。畜産局長、構造改善局長。
○政府委員(鴻巣健治君) 阿武隈南部区域の受益農家というのは二百二十六戸ございますが、その中で今大規模の増反を行いました農家、五つの形態がございますが、五つの形態の中には、今御指摘のように営農技術の習得度がおくれているといったような事情から経営が安定していない、そのためにかなりの借入残高があるという例がございます。
○政府委員(京谷昭夫君) 御指摘の農用地開発公団の事業区域におきまして酪農あるいは肉用牛の経営が行われておるわけでございますが、その中に収支状況あるいは資金繰り状況にいろいろ問題が生じている事例が生じておることを承知をしております。
○下田京子君 畜産局長の方は、そのつくられた農地造成後の個別農家の酪農・畜産の指導も含めた対応をされているわけです。その借入残高がどういうものなのかということはよく御存じのはずです。私は農林水産省を通じてちゃんと調べておけと、こう申し上げました。 特に大変な五戸の入植者の実態だけ大臣にわかるように言いますと、六十営農年度で現在借入残高が最高の人で一億あるんです。一番少ない人で三千三百二十六万円ある。平均みんなが四千万から五千万なんです。いろいろ手当てはしているようなんですけれども、しかし農協でも村でも利子補給したりいろんな手当てをしているけれども、どうにもならなくなってきている。組合長は夜も眠れないと言っている。これはここだけでないですよね、もう。東北は岩手で見られています。北海道でも例が出ているわけですね。全国的にそういう状況があるということは大臣は御承知のはずなんです。 私は、既借入金の借りかえであるとかあるいは借金の一時棚上げであるとか、とにもかくにももう何らかの対応をしなければならないんではないだろうか。先般、大臣に畜産物価格等の、あるいは輸入規制問題等でもお願いに行ったときに、その苦しい事情をよく承知していることを理解を示されました。当委員会でこうしたことについて何らかの対応をしていただけるよう、より積極的な御答弁を期待したいと思います。
○政府委員(鴻巣健治君) なかなか苦境にあります事情よく我々も知っておりまして今までいろいろ講じておりますけれども、現在もいろいろ県もチームを組んで地元農家の指導に当たってくれておりますが、これからもよく福島県と相談をしながら適切な対処をいたしていきたいと思っております。
○国務大臣(加藤六月君) 農家の負債対策につきましては、負債整理資金の融通等の金融措置とあわせまして農家の経営管理、技術向上等の強化策が重要であると考えております。また農協系統組織におきましては、六十年十月の全国農業協同組合大会で決定いたしました「一九八〇年代後期における農業・農村振興方策」の中で負債対策を強化するということにしておりまして、現在取り組んでいるところと承っております。 農林水産省といたしましても、これらの対策につきましては、従来から経済局におきまして営農指導や改良普及事業を担当する部局等関係部局との連携を図りながら必要な金融措置を活用しながら全省的な課題として取り組んでまいっておるところでございまして、今後ともこういった体制で対処してまいりたいと考えております。
○下田京子君 国の責任で行った事業の結果、多額の負債が出ている。ですから、今答弁もございましたが、今までやられていたような負債対策では参ってしまいます、これは。うなずいていらっしゃるから大臣よく理解されていると思うんです。 そして負債対策だけじゃなくて、問題はさらに農業政策全体にかかわるわけです。昨日、六十二年度の加工原料乳の保証価格、さらに四円八十二銭引き下げてキログラム当たり八十二円七十五銭。こういう状況の中で、実際に酪農家は経営が成り立つというふうに理解されているんでしょうか。一方、生産調整。搾りたくても搾れない。しかも搾った乳の価格が加工原料乳という形でまた一定。少々えさが下がったと言っても、もともとの計算の根拠自体が低く抑えられているんです。これで営農が成り立つというふうに自信を持って言えるんでしょうか。
○政府委員(京谷昭夫君) お話しございました昭和六十二年度の加工原料乳の保証価格につきましては、昨日畜産振興審議会の答申をちょうだいしまして、先生から今お話のあったレベルで決定をいたしました。この価格水準については、御承知のとおり、定められた算定方式にのっとりまして、最近におきます大幅な飼料価格の引き下げ、それから副産物収入であります子牛価格の上昇、それから経営規模の拡大等を通じて搾乳量の増加といったような生産性向上、これらの要素を織り込み良して適正なレベルであろうということで決定したものでございます。
○下田京子君 局長、経営規模拡大によって多額の負債をつくってきた元凶を見ていない答弁じゃないですか、今のは。経営規模を拡大して乳量をふやしていった、一頭当たりの搾乳量もふやしていった、せっかく乳が出るようになったら搾れないんですよ。私のところに今言ったような切実な訴えが出てきているんです。多額の借金を抱えてどういう状態に今追い込まれていますか。大臣、そこをよく考えていただきたいと思うんです。私、この手紙を見ていて涙が出てきちゃった。本当にこれは一家心中でもしかねないような状態が全国各地に出ているんですよ。一方で生乳換算二百六十万トンにも当たるような加工乳製品をどんどん輸入しておきながら、あげくの果てに限度数量も二百十万トンにまた二十万トンもカットする、こういうやり方で一体経営が成り立っていくんでしょうか。 ですから、今言われた規模拡大によって経営努力なんでいうことば、これは言える話じゃないんです。そこのところを踏まえて、さっき私が示したのはたまたま出てきた現象じゃないんですかう、本当によく実態を調査した上で対応してください、大臣。
○政府委員(京谷昭夫君) 私どもも負債問題等で問題を有している酪農経営が存在しておりますことは承知をしておりますが、大部分の酪農家は苦しい中でそれなりの安定の方向を示しているという認識を持っております。 確かに、負債資産の状況を見ますと、他の部門に比べまして大変資金繰りが難しいというふうな事態もございますが、そういった事態を踏まえまして数次にわたりまして特別の融資対策もこれまで講じてきておるわけであります。最近時におきましては、御承知のとおり昭和五十六年度から五カ年計画で総額六百億円の酪農経営負債整理資金というような措置もとったわけでございまして、私どもとしてはこれで一つの区切りがついておるという認識を持っております。 もちろん、なおいろいろ問題を擁する経営のあることは承知をしておりますけれども、御承知のとおり、負債整理の問題につきましては、一般的な制度として農林漁業金融公庫を通じました自作農維持資金もございまするし、また既存の債務については、これの貸している金融機関のいろいろな調整の方便もあろうかと考えております。そこで、六十二年度につきましては関係団体、金融とも相談をいたしまして、系統農協とこれはときによりましては金融機関も加わった形で特別指導班というようなものを編成をいたしまして、問題のある経営につきまして資金管理のあり方なり経営 管理につきまして濃密な調査指導を加えまして、その経営体質の強化を図る体制を整えるべく所要の対策を講じていくつもりでございます。
○下田京子君 今の答弁では、調査もしている、濃密な指導をしていくと、こう言っているわけだからそれを否定はいたしません。ただ、大多数の農家は苦しい中でも何とかやっている。その何とかやれている部分は何かというと、逆にいうと、この阿武隈の南部地区の場合にも受益農家二百二十六戸なんですが、これはどちらかというと小規模なんです。農外収入を入れて何とかやっているという実態なんです。私がさっきよくわからない言葉じゃないかと言ったのは、規模拡大でなんていうことで言えないでしょうということなんです。だから、調査しないとは言われていませんから、調査して濃密に指導をやるということですが、通り一遍じゃもうままならないんだということを認識していただきたいんです。 そのことを踏まえて大臣に、私はさっきも言いましたが、やっぱり大事なことは、大規模な国営事業のみではなくて最も地元に密着したそういう事業をさらに発展させていくということではないか。そういう点からいけば、むしろ補助率の引き下げではなくて、補助率を手厚くしていくという方向ではないかということを御理解いただきたいんです。そのこと自体は、大臣、否定できないと思います。どうです。
○国務大臣(加藤六月君) 補助率もアップし、事業量も拡大し、事業を順調にやらせたいというのはだれでも考えるところでございますが、それができないところに今日の我が国の厳しい財政事情があるわけでございます。したがいまして、そういう中で苦しい厳しい選択ではありますが、今回こういう法案をお願いしておるということをぜひ御理解いただきたいと思います。
○下田京子君 厳しい財政事情の中で最も雇用率拡大、事業効果があるところをカットされるという手法、これが問題なんだということをずっと私は明らかにしてまいりました。 もう時間が参りましたから答弁をいただく時間がありませんけれども、私は林野庁に売上税導入による影響いかんということを通告しておいたんです。ところが資料は出せないと言っている。私が申し上げたいのは、大蔵省が取りまとめて出されている予算委員会に対する資料を見ますと、農林水産省所管の中でもトータルで六十二年度、これは来年の一月一日からというから三カ月分ですね、百三十九億円の影響がある、平年度ベースでは五百八十七億円の影響になるんだということで、公共事業関係費は四百二十三億円と出ているんです。こうやって出しているんですから、林野庁がどういう影響が出るかということのその試算をも示せない、こんなばかげた話はないと思うんです。お答えになりますか。
○政府委員(田中宏尚君) 先生から資料要求ございまして、実は、林業、木材産業全体についての売上税の影響という資料というふうに心得まして、その点につきましてはなかなか林業全体の産業のあり方なりその流通のあり方ということが複雑多岐にわたっておりまして課税額というのは試算できていないわけでございますけれども、ただいまございました公共事業におきまして六十二年度でどれだけ売上税の影響があるかということにつきましては、ただいま先生からお話ありましたように国全体の試算というものができておりまして、我が林野庁の公共事業だけで所管ベースで申し上げますと二十二億という推計ができておりますが、これを先生にお届けできなかったことは、この席をかりましておわび申し上げたいと思います。
○委員長(高木正明君) 下田委員にちょっとお伺いしますが、先ほどの質問の中で鴻巣構造改善局長に対する五十九年度と六十二年度の圃場事業費の対比、これは報告させなくてよろしいですか。
○下田京子君 いただきたいと思います。委員長ありがとうございます。
○政府委員(鴻巣健治君) 圃場整備の事業費ベースで申し上げますと、五十九年が二千七百五十六億円、それから六十二年度が二千五百一億円でございますので、約九一%というようになります。これは団体圃場整備が入っておりません。先ほど私が国費で申し上げたのは、申しわけありません、五十九年のところで団体圃場整備が入っておりますが、これは全部団体圃場整備を抜いて県営以上のやつで比較をいたしております。 以上でございます。
○下田京子君 団体が入るともっと大変なんです。 ありがとうございました。
○三治重信君 私は、国有林の治山事業は今まで林野庁がやっていると思っていたら、そうでない。林野庁というのは特別会計で全額負担というふうに了解していたんですが、全部治山事業は一般会計からの支出だということを聞いて、ああ随分変わったものだなあと思ったんです。そうすると、前の六次計画と今度六十二年度からやる七次計画は国有林野の治山事業は全部全額国費で一般会計の金でやって、林野庁の特別会計の金ではやらぬという計画になっているのかどうか、それが一つ。 それからもう一つは、ことし水源税のやつが新聞に出て、実際農水省でどの程度まで大蔵省とやったのかわかりませんけれども、私は、この水源税というのは考え方が農水省としても非常におかしいと思う。一つは、天から降ってくる水に税金をかけるということは、それはいかに森林が国民の利益を潤しているといっても、そんなことを言うと空気まで、森林は空気を浄化する作用があるから空気税も取ろうというふうな格好になる。天然自然にあずかったものから税金を取るという思想は、僕は殊に農水省の役人がそういうことを考えるということは非常に邪道だと思う。そういう意味において水源税というようおものを考えてもらいたくないわけです。もしもかけるとすると、最も水を利用するのは農業、農民なんです。殊に日本は水田でやっているんだから、一番水を利用するのは水田なわけです。その農民や農業に、天から降ってくる水の利益に対して税をかけるというんだったら、農民にも同じように、利用する者がすべて負担せなけりゃならぬと、こういう理屈になるだろうと思うんですよね。それを、農業には一切かけない、それで余った飲み水や発電やその他工業用水にかける、こういう思想というのは農業以外の都会に住むやつで農業関係とか農林関係で必要なものを何でも全部負担せいと、こういう非常に我利我欲な発想だと思うんです。そういう意味においてこの水源税というものは、いかに財源がないといえどもそういう発想というものは僕はすべきではないと、こういうふうに考えておりますが、これに対する考え方、反論があったら答弁してください。
○政府委員(田中宏尚君) まず、国有林野内の治山事業でございますけれども、先生からお話ありましたように、従来は国有林の事業勘定でも行っていたわけでございますけれども、五十八年から全額一般会計で負担するという方式をとっているわけでございます。今度の新しい七次計画におきましても、現在の国有林の経営状況とそれから治山の緊要性ということからいいまして、一般会計から所要の経費を調達いたしまして国有林野内の治山事業の推進を図ってまいりたいと思っております。 それから次に、水源税でございますけれども、去年、おととしと二年にわたりまして御提案を申し上げまして、残念ながら国会に提案するには至っていないわけでございますが、その過程で先生にもいろいろと御説明申し上げましたけれども御理解いただけないで非常に残念だったわけでございます。ただいまお話がありましたが、水は単に空気や何かと同じではございませんで、日本のような急峻な地形におきましては、空から降ってきた雨というものはほうっておきますと一気に海に流れていくということで、せっかくこれだけ降雨量の多い日本でありながら、貴重な水というものが価値として実現しないまま流出してしまうわけでございます。それをせきとめまして保水し て、年間平均的に住民なりあるいは水を必要とする産業に供給しておりますのが森林であり、河川であり、それから特に水田の場合には遊水機能なり保水機能というものも非常に強いわけでございまして、そういう森林それから河川、水田、こういうものが一体となりまして水を保水し安定的に都市住民等に供給しているということで、そのためには、山を守りあるいは川をきれいにし、水田を維持していくということで、一定の経費というものがどうしてもかかります。その部分につきまして、こういう財政事情ということも勘案いたしまして、その水の利水者の方々から何がしかの税金を負担していただきたいということでお願いした次第でございます。 残念ながらそういう趣旨が実現はできませんでしたけれども、この運動をいたしました過程におきまして、森林の必要性なりあるいは河川の重要性ということにつきましても相当御理解が深まったところでございまして、税金という形じゃなくて、自主的な任意の拠出金という形で山を守り川をきれいにするために国民に参加していただきたいということで、これから粘り強い対話というものを重ねてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○三治重信君 そこで、最近僕も一つ参加しているんだけれども、愛知の方で植林に参加してくれぬかというので、一口五十万円だ、六十万円まで贈与税がかからぬからというので、孫二人のために一口ずつやってやろうと、こういうふうなことで資金参加をしている。それから、農水省のやっている宣伝パンフレットをもらったら、発想としては実にいい「ふれあいの郷」という、苗を植えるとか山荘をつくるとかいう非常にいい発想があるわけなんだ。水源税なんかよりこの方がよっぽどいいと思うんだ。こういうふうにみんなに資金を出してもらって、木を植えましょう、そしてあなたたちの子や孫が利用できるようにうちの方で管理をしてあげますと。林野庁は今や一番金持ちの地主なんだから、土地を有効に利用して、国民に提供して利用してもらうという発想をやったら、そんな水源税なんという発想は全然必要なくなっていくと思うんだ。 殊に、こういうふうな民間資金を導入しようという場合に、僕は別荘を建ててあげるというのは非常にいい発想だと思うんですよ、しかもそこで木を使うということは。こういうことをもっと大々的にやって、地主らしく金もうけなり山を保存するということを本気になってやったらいいと思う。これは今農水省だけでPRをやっているけれども、実際PRが下手だね。もっとデパートなりそれから不動産業界なり旅行業者にこのPRをやって募集してみさせたら、僕は非常にたくさん参加するのじゃないかと思うんですよ。 それからもう一つ進むと、僕がチェコスロバキアに五、六年前に行ったときに、プラハの郊外でセカンドハウス、セカンドハウスということを非常に聞いた。そのとき、郊外に行ったときに外務省の人がそんなところに入らぬでくれ、入らぬでくれと言ったけれども、あそこでセカンドハウスをつくっているから見に行こうと言って見に行った。そうしたらみんな労働者が自分でつくっている。そのつくる材料は一つのパネル式になっていて、組み立て住宅式に壁や窓や窓枠なんかをみんな売っているわけだ。それを買って持っていって、それで家族みんなして、また二、三軒で共同して、そして山荘をつくっているわけだ。そういうふうなことがあるし、その周りに木を植える、それからまたその付近でさらに植林地を売り出すというふうなことをやればいい。これは非常にいい発想だと思う。問題は販売力だと思うんです。販売力ももっと民間業界を使ってやってみたら、僕は非常に反響がありはせぬかと思うんですよ。そういうふうなことで、国有林というのを民活やそれから国民の福祉にもっと活用しようというところへ入ってきたのは僕は非常にいいことだと思うし、こういう発想がなければおかしいと思う。 そういうことで、ひとつ水源税なんという変なものを考えぬで、もっと、こういう山をつくり、そして国民が材木をつくって、それでうちもつくるし、そしてレクリエーションや遊ぶこともできる、そして山に親しむこともできる、そしてまた水源涵養にもなる。農水省的な発想をすれば、数え上げれば六つも七つもプラスの理由がつくと思うんです。それをひとつぜひやってもらいたいと思うんです。 それから漁業関係で、埋立地や沿海工業の発達によって沿岸漁業というのは随分痛めつけられて、僕はどっちかといえば沈滞しているのかと思ったら、それは大いに違って、いや、全体とすれば沿岸漁業の漁獲高は非常に高くなっておりますと、こういうことなので非常にいいわけなんだ。それで、僕が一番関心があるのは魚田、いわゆる栽培漁業と漁港との関連づけです。それで聞いてみると、どうも漁港は漁港でつくる、魚田や栽培漁業はまた漁港とは全然別だ、しかし結果としては何か結びつくでありましょうと、こういうような説明なんですが、せっかくいい漁港をつくり漁船があるなら、そのできるだけ近いところで魚田や魚礁やそういうものと関連づける必要があるのではないか、こういうふうに僕は思います。 それからもう一つは、これは質問通告の中には入れていなかったから答弁はいいですが、ひとつぜひ考えてもらいたいのは釣り人対策です。漁港に釣り舟の係留地、それから舟だけじゃなくて、そこへ行く人の自動車の置き場それから着がえ場所、そういうふうなものをぜひ付設してもらいたい。釣り舟というのは漁港の近くの漁民が非常にもうける対象になるわけだ。ところが実際行ってみると、愛知県なんかでも、そういう釣り人対策のための旅館みたいなものはえらい立派なのがあるんだけれども、自動車の置き場が一つもないし、着がえ場が一つもありはせぬ。それから行ってみると釣り舟そのものが特別なところにあって、本当の専門の漁業者じゃなければ乗り降りできぬような格好で、大変な危険を感じてしか釣り舟に乗れないというのがあるから、この釣り舟対策を漁港の整備の場合にひとつ考えていただきたい。これは質問通告していないからお答えはいいけれども、ひとつぜひ頼みます。 それからもう一つ、時間がもうないんですが、これは大臣にも御意見があったらお聞きしたいと思うんです。最近、二百海里になってからソ連やアメリカに対してどんどこどんどこ後退する印象ばかりを我々は受けるわけなんです。それは、二百海里でその二百海里以内はおれのところの魚だということになっていけば、そこへ船を出せばだんだん制限されるのはこれは理の当然だろうと思うわけなんで、それに対して抵抗するために一生懸命入漁料ばっかしどんどこどんどこ毎年何億と高くしている。えらい高いものになるんだったら、どうせあなたのところの魚だったら私の方でとってあげましょう、とることを我々の方でやらしてください、とったものはみんなあなたのものだと。いわゆる委託漁業、とったものはあなたのものだ、それで我々がみんな買ってあげましょう、こういうふうな委託漁業方式でやれば船も漁民も生きるんじゃないか。殊にソ連なんかは合弁事業なんというようなことを言い出してきているんですね。そういうようなところにこちらの方が漁船も持っていき、そして向こうの漁港に泊まって出漁し、そして分配してやれるようなことですね。人のところに入っていくのに高い入漁料ばかりどんどこ出してそれで自分のものをとってくるということじゃなくて、とったものはあなたのものだと。しかしながらうちの方は優秀な漁民もいるし漁船もある、だからあなたのところでとってあげましょうと。だからひとつそういうことをやらしてくれぬか、とったものはみんなあなたのもので、またうちが全部買ってあげますと、こういうふうにすれば、何というんですか、貿易摩擦解消にもなるので、そういう交渉に切りかえるべきじゃないかと思うんですが、その二つについての御意見を伺いたい。
○政府委員(佐竹五六君) 第一点の漁港整備は沿岸漁場整備あるいは栽培漁業と有機的な関連を持たしてやるべきではないか、これはまことに御指 摘のとおりでございます。さらに言えば流通施設の問題もあろうかと思いますが、沿整とかつくり育てる漁業というのは最近出てきた、それでも十年の歴史がございますが、発想でございますので、従来ややもすればその辺の有機的な関連づけが欠くるところがございました。先ほども御指摘いただきましたように会計検査院からも御指摘いただいたわけでございます。今後、来六十三年度から第八次漁港整備計画に入るわけでございまして、第八次漁港整備計画では、特にその辺は今御指摘のような思想が十分あらわれるように、そしてそれが現実の事業に生かされるように、計画及び指導の面で配慮してまいりたいと思います。 それから、遊漁につきましては、これは漁業者の間にも二つの見解がございます。それを排除しよう、やはり漁業者はそういう遊漁とは別物だというそういう見解と、だんだん魚がとれなくなってきたんだから遊漁でもやって何とか暮らしを立てようという二つの見解があるわけでございます。私どもといたしましては、これはまだその辺は内部で団体等ともよく詰めなければならないんでございますが、これは排除の論理だけではどうも解決しないように思われるわけでございまして、御指摘のあった駐車場あるいは遊漁船の岸壁利用につきましても、これは財源のあり方等についてはまだ別途工夫が要るかと思うのでございますが、そのような面にも配慮するような方向で努力していきたい。これは漁業団体とも相談してまいらなければならない問題でございますのでまだ確定的な方針というわけにはまいりませんが、そのような方向で関係団体と話し合ってまいりたい、かように考えております。 最後の問題は大臣から。
○国務大臣(加藤六月君) 外国二百海里水域内におきまして我が国の漁船が操業する形態としては種々のものがあります。 すなわち、まず第一番目の問題は、政府間交渉による合意に基づき今おっしゃいました一定の入漁料等を支払って操業するもの、これが第一類型でございまして、米国、ソ連、オーストラリア等とやっております。 二番目には、民間交渉による合意に基づき漁業者が一定の負担を行いながら操業するもの、これはソ連水域のカニ等を対象とした日ソ共同事業あるいはパラオ等で行っておる形態であります。 三番目は、我が国企業と当該国の企業が合弁企業を設立しまして、漁獲物の全部または一部を輸入する方式をとっております。チリ、アルゼンチン、メキシコ等でやっておるのがこの形態でございます。 四番目は、我が国企業と当該国の企業が用船契約を締結しまして、日本漁船を使用して操業するが漁船の運航の責任、操業のリスクは日本側の企業が負いまして、漁獲物の全部または一部を輸入する方法、ニュージーランドやブラジル等でやっております形態等各種のものがございます。 このような各種の形態が存在しているのは、主として、相手国がどのような形態の操業を受け入れるかという相手国の態度に依存しているためでございますが、世界的に二百海里体制が定着する中で沿岸国は主権的権利を強く前面に打ち出しまして、あるいはサケ・マスについては母川国の主張が強まってきております。漁業交渉をめぐる情勢はそういう意味で極めて厳しくなってきておるところでございますが、我が国漁船の操業を確保していくためには種々な今御指摘がありましたような工夫が必要であると考えております。相手国の実情や漁業者の意向を十分踏まえながら、漁業交渉等の場において最善の努力を尽くしてまいりたいと考えておるところでございます。
○政府委員(田中宏尚君) 国有林野の運営につきましていろいろ有益な御提言を含めまして御意見があったわけでございますけれども、国有林野、大きな地主ではございますけれども残念ながら非常に貧乏な地主でございまして、いろいろとせっかく持っております土地という貴重な資源を何とか活用して国有林野事業の経営再建のためにも努めたいということでいろいろな試みを続けてきておることは先生御指摘のとおりでございます。 特に新しい試みといたしましては、今お話ありましたように、従来からも分収育林でございますとかあるいは別荘分譲を含みます「ふれあいの郷」事業でございますとか行っていたわけでございますけれども、六十二年度から、スポーツ施設それから教育文化施設、こういう幅広い施設等も含めまして人と森の触れ合いの場というものを民間活力というものをも使った形で大規模にやりたいということで、ヒューマン・グリーン・プランという形で全国的に展開したいと思っておるわけでございます。 それから、先生にも御協力いただいております分収育林等につきましても、御指摘のとおり、従来のPRの仕方につきましてはいろいろ検討すべき点もございます。従来は、新聞でございますとかテレビあるいは関係の団体等ということを中心に行ってまいりましたけれども、六十二年度からは、例えばデパートでございますとか、それから結婚式場でございますとか、それから保健関係でございますとか、こういういろいろなチャンネルを使いまして森の必要性なりを国民全体にPRかたがた、分収育林に参加していただきたいというふうに思っておるわけでございます。 それから、特にこの分収育林を初めといたしまして、民間資金を国有林でも吸収したいということで、先生にも緑の羽根をつけていただいておりますけれども、こういう形で継続的な募金運動というものをやってきておるわけでございます。従来から行ってきておりますけれども、この仕組みにつきましても——羽根が落ちやすい点もございますので、そういう点は、できるだけ落ちないような羽根の工夫を初めといたしまして、運動の組織自体を少し発展的に大きくするということで、先ほどお話がございました水源税関係の発展的な対策といたしましても、大企業等、水を使っていただいている企業の方々にも、緑基金に対しましてできるだけ御協力いただくようこれから積極的に働きかけてまいりたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 私は、お尋ねする前に、大臣に提唱したいことがあります。それを先に申し上げたいと思う。 実は、木を切ることを知って植えることをやらないことに対するいろいろの意見を聞いておるわけですが、沖縄戦が終わって初めて本土に私が参りましたときに、荒れた山々にスローガンが立っておったのをいまだに肝に銘じております。「荒れた国土に緑の晴れ着」というスローガンが立っておったことがいまだに印象的なんです。それから、西ドイツに行きましたときに聞いた話によると、一本切ったら一本植える、これを実行しておる、だからいっても荒れた山河が見られないんだ、また見られないように努力するんだ、こういうことを聞いたわけであります。 私が大臣に提唱したいことは、財政再建の前提からいろいろと模索されて法改正にもなった背景があるというわけですが、もっと日本人の心に木を植えるということ、といいますと、教育的にこれは児童生徒のころから木を植える楽しみを、育てる愛情を身につけさせるということが非常に大事であると私は思うんです。そういう点から文部省との緊密な提携を図り、学校教育の中で常に機会あるごとに意義づけて、記念の木を植える。生まれたら、入学したら、卒業したら、進学したら、こういうチャンスをとらえて木を植えて、その成長とともに自分も大きくなっていく、こういうふうに象徴的に木を自分に結びつけて、常に愛情を持って育てていくというこういうことが非常に大事であるかと思うのです。実は、私、自分の地域のPTAの顧問もいたしておりますが、そういうことを提唱いたしまして、共鳴共感を得てその方向に実行に移しつつあるところであります。 私、申し上げたいことは、ぜひひとつ教育的立場から緑を育てる、植える、こういうことを提唱したいんですが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(加藤六月君) 私も大賛成でございます。実は三年前の国土庁長官時代にも都市と農村との交流ということ等を提唱しまして、都市の子 供はコンクリートジャングルの中におるから山へ行ってはだしで歩けるように、そして木を植えるようにということでいろいろな施策等も講じたことがございます。農林水産大臣になってみまして、林野庁もあるいは農水省全体としても、非常によくそこら辺心得でいろいろな方策を講じてくれております。特に、最近、森林に対する、木に対する国民の認識も非常に高まってきておりまして、その重要性も強調されてきております。そういうときに教育の一環としてそういうことをさらに推進していくということは非常にいいことだと、こう思っておるところでございます。 なお、植林そのものは、もう我が国内には一千万ヘクタール以上の植林ができております。世界に類例を見ないぐらい相当進捗しておるのではないか。しかし、さらにさらに木に親しんでもらい、あるいは育てる、木そのものの育てと人の心を育てるという両方の面における問題等もさらにきめ細かくやっていかなくてはならぬ。喜屋武先生が一生懸命御努力していただいておることに対しては心から敬意を表しますとともに、我々も一生懸命頑張っていきたいと、こう思っておるところでございます。
○喜屋武眞榮君 ぜひひとつ大きく取り上げて、政策をやっていただきたい。 それでは二、三お尋ねいたします。 まず第一点は、今回の補助負担率の引き下げ措置が地方公共団体に及ぼす影響は一応直撃的なものがあると私は思います。個々の地方公共団体によってさらにまた千差万別である。影響の度合いがアンバランスの形で生ずるということが考えられます。農林水産省としてはどのようにこれをお考えになり、また配慮していこうとしておられるのか、このことを最初にお尋ねしたいと思います。
○政府委員(甕滋君) ただいまお話ございましたように地方公共団体がもともと財政力に差異がございますし、アンバランスという状態もあろうかと思います。今回の措置がどういうふうに影響するかという御懸念も理解できるわけでありますけれども、今回の補助負担率引き下げに伴います地方負担につきましては、その元利償還費について昨年を上回る手厚い措置も講じられるということもございまして、今回の措置そのものが地方公共団体の財政運営、公共事業の執行に格別の支障を生ずることはまずないというのが私どもの考えでございます。
○喜屋武眞榮君 今の点もっとお尋ねしたい点もありますけれども、時間の関係で次に移ります。 次に、農林水産関係の基盤整備の問題で土地改良あるいは治山、漁港等の事業の促進についての政府の方針、これを承りたいと思います。
○国務大臣(加藤六月君) 農業基盤整備を初めとする農林水産関係公共事業につきましては、生産性の高い農業構造を確立するための上からその積極的な推進が重要な課題となっております。このため、補助負担率引き下げ措置のほか、六十一年度において特別会計制度の拡充を行い、財投資金の活用を図る等によりまして事業量の確保、拡大に努めているところでございます。農林水産関係公共事業はいずれも農林水産業の基盤整備を進める上で不可欠の事業でございますから、今後ともその積極的推進を図るため所要の予算を確保するよう努めてまいる所存でございます。
○喜屋武眞榮君 次にお尋ねいたしたい点は、第六次の治山事業五カ年計画が打ち出されておりますが、この第六次治山事業の五カ年計画の達成状況、これがどのようになっておるのかお尋ねいたします。
○政府委員(田中宏尚君) 第六次の治山事業五カ年計画では治山事業計画額が一兆四千七百億円でございましたけれども、この五カ年間の実績見込み額が一兆九百六十四億円でございまして、その達成率は七四・六%という形に相なっております。
○喜屋武眞榮君 今の問題に関連して、沖縄における治山事業を今後どのように進めていこうとしておられるのか。特に、沖縄において痛切に感ずることは林道の問題ですね。林道の問題も含めてひとつ承りたいと思います。
○政府委員(田中宏尚君) 沖縄はたくさんの島から成っておりまして、しかも台風常襲地帯であるということから申し上げまして、山地被害というものを何とか未然に防止する必要がございますし、それからまた海岸保安林の整備でございますとかそれから森林の水源涵養、こういうことにつきましても地域の特性に応じまして維持強化ということを重点的に考えて治山事業というものを従来以上に進めてまいる必要があろうかと思っております。 それからさらに、林道につきましても若干の立ちおくれもございますので、林道それから作業道を含めまして全体の林道網として、できるだけ林業経営の活発化とそれから地元住民の利便というものに供し得るような整備に全力を挙げたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 その点よろしくお願いいたします。 次に、最後になりますが、二つの面を一つに絞ってお尋ねいたしたいと思いますが、第七次漁港整備長期計画の進捗状況と沖縄における進捗状況、特に六十一年度末と六十二年度末までがどのようになっているのか、このことと、それから沖縄の修築事業を行っておられる十港の六十一年度末と六十二年度末の進捗状況はどのようになるのでありましょうかということをお聞きしたいんです。
○政府委員(佐竹五六君) 現在、五十七年度から六十二年度まで六カ年計画で第七次漁港整備長期計画を進めているところでございますが、六十一年度末の進捗率は六二・一%になる見込みでございます。計画の最終年度である昭和六十二年度においては事業費約二千三百六十四億円を予算に計上しておるところでございますが、仮にこれがお認めいただければ六十二年度末の進捗率は七四・九%になる予定でございます。 さらに、これを沖縄について見ますと、六十一年度末の進捗率は全国平均より約一〇%近く高くなっておりまして、七一・二%となる見込みでございます。六十二年度におきましては事業費約七十九億円を予算に計上しておりますので、これがお認めいただければ沖縄県の進捗率は八五・九%になる予定でございます。 それから、最後にお尋ねのございました沖縄の漁港の修築事業でございますが、これは第七次漁港整備長期計画におきまして、沖縄県では平敷屋、泡瀬、伊平屋、荷川取、佐良浜、登野城、糸満、仲里、久部長、仲尾次の十漁港を修築事業として整備を進めているところでございますが、昭和六十一年度までに一港、仲尾次が完成いたしました。他の九漁港につきましても、昭和六十二年度に完成またはこれに近い状態まで進むことが予定されております。
○委員長(高木正明君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高木正明君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○稲村稔夫君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました森林法の一部を改正する等の法律案に対し、反対の討論を行うものであります。 以下順次その理由を申し上げます。 まず第一の理由は、政府は、本法律案等による補助率等の引き下げがあたかも公共事業を促進させる切り札ででもあるかのように言っておりますが、その効果のほどは疑わしいと言わざるを得ない点であります。今日、我が国の農林水産業を取り巻く内外の情勢には極めて厳しいものがありますが、このような情勢に対処するためにも、生産性の高い農林水産業の育成とその前提となる基盤整備の推進が急務となっております。しかるに、農林水産関係の 基盤整備のための公共事業の長期計画は、近年進捗率の著しく低いものが多く、まことに憂慮すべき現状にあります。 昨年までに既に今回の措置と類似の補助率引き下げが再三にわたって実施されたにもかかわらず、長期計画の進捗状況がこのような実態にあることから見ても、今回の措置が農林水産関係の公共事業の促進にもたらす効果のほどは極めて疑わしいと言わざるを得ないのであります。 したがいまして、今真に必要とされているのは、基盤整備の立ちおくれを取り戻すための農林水産関係公共事業予算の飛躍的な拡充であって、今回の法律改正のような小手先の施策ではないのであります。 第二の理由は、今回の措置が、昨年五月に六十一年度以降の三年間について補助率等の引き下げを行ったばかりであるにもかかわらず、一年もたたないうちに、それも、特例期間中の六十二年度及び六十三年度について再引き下げを行おうとするものであり、朝令暮改にも等しい無定見きわまりない措置である点であります。 また、この措置は、昨年参議院補助金等に関する特別委員会の行った「暫定措置期間中は、国と地方の財政関係を根本的に変更するような補助率の変更は行わないこと。」との附帯決議をも全く無視するものであります。 このような引き下げ措置を繰り返す政府のねらいには、現在の臨時特例措置をやがては恒久化しようとする意図があることは明らかであり、この意味でも本法律案は断じて認めることができません。 第三の理由は、本来国庫が負担すべきものを、財政難を大義名分として一方的に地方財政に転嫁しようとしている点であります。 政府は、地方債の元利償還分については責任を持つかのように言っておりますが、交付税不交付団体を除外しておりますし、国の財政事情いかんによっては交付団体についても約束が実行されない場合が予想されるのであります。 いずれにしろ、政令等による補助率引き下げまで含むこの暫定と称する措置が、地方公共団体の財政基盤をさらに弱める役割を果たすことは疑いを入れる余地のないところであります。 特に危惧されるのは、一般に農林水産業に対する依存度の高い地域ほど財政硬直化の進んだ財政力の弱い地方公共団体が多いため、今回の措置がこの傾向に拍車をかけさせ、農林水産関係の公共事業の進捗に深刻な影響を及ぼすことであります。そうなれば現在でも立ちおくれの著しい農山漁村の社会資本の整備がさらにおくれ、他地域との格差を一層拡大させるばかりではなく、国土の保全の上でも重大な問題を引き起こすことも考えられるのであります。さらに、これらのことが経済基盤の弱い地方経済にも打撃を与え、今回の措置の目的である内需拡大とは全く逆の結果を生ずるおそれすらあるのであります。 第四の理由は、今回の措置も含め、たび重なる高率補助率の一律引き下げは、補助を必要とする度合いの強い地域あるいは事業ほど深刻な影響を受けることになり、補助事業の本来の政策目的とは真っ向から反する結果を生む極めて不合理な措置だという点にあります。 以上簡単に反対の理由を述べましたが、最後に、本法律案が日切れ法案並みの扱いとなったこともあって、多くの問題点を抱える内容でありながら十分な審議時間が与えられなかった点に遺憾の意を表し、私の反対討論を終わります。
○宮島滉君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております森林法の一部を改正する等の法律案について賛成の討論を行います。 御承知のように、今日、我が国財政は巨額の公債残高を抱えており、その利払いによって政策経費が圧迫され、現状のままでは来るべき高齢化社会の到来等社会経済情勢の変化に必ずしも十分に対応し得なくなる等、極めて憂慮される状況にあります。このため、国の財政再建、公債依存体質からの脱却は、一刻の猶予も許されない緊急な課題となっており、現在、歳出の徹底した見直し等により可能な限りの歳出節減、合理化が行われているところであります。 この過程におきましては、国の一般歳出予算の約四割を占める補助金等についても、その見直しが避けて通ることのできないものとなっており、昨年には、この補助金等のうち地方公共団体に向けて支出されるものに関し、補助金問題検討会の報告の趣旨にのっとり、昭和六十一年度から三カ年間の暫定措置として、その補助率等の見直しが行われたところであります。また、この補助率等の見直しに当たっては、地方財政に与える影響に対し、地方財政の円滑な運営に支障が生ずることのないよう所要の措置が講じられたところであります。 しかるに、その後、我が国をめぐる社会経済情勢は以前にも増して厳しいものとなっており、特に、一昨年来進行している急激な円高により国内経済は大きな打撃を受け、内需拡大を図るための一般公共事業の規模拡大が国民から強く期待されるところとなっております。 一方、我が国の農林水産業の現状を見ると、各国からの農産物貿易自由化要求に象徴されるように、今や国際競争の真っただ中に置かれていると言っても過言ではありません。また、国内においても、諸外国と競争し得るような生産性の高い農林水産業の確立が強く望まれるところとなっております。そこで、我が国の農林水産業がこのような状況に対応し生き延びていくためには、生産基盤の整備が何にも増して重要な課題となっており、農林水産業それぞれについて各種公共事業の推進が図られねばならないところであります。 本法律案は、このような各般の情勢のもとで公共事業の事業量の確保を図るためのものであり、現下の国の財政事情のもとで最大限国民の要望にこたえるものと考える次第であります。また、今回の補助率等見直しの措置につきましても、昨年以上に手厚い地方財政への措置が講じられることとなっており、本法律案は、国と地方公共団体が互いに協力して現在の我が国が抱えております厳しい状況に対処してまいりますための適切な処置として、賛成いたす次第であります。 最後に、農林水産委員会の一員として、今後とも政府が農林水産業振興のため努力されることを要望いたしまして、私の賛成討論を終わります。
○下田京子君 私は、日本共産党を代表して、森林法の一部を改正する等の法律案に対し、反対の討論を行います。 本法案に反対する第一の理由は、今回の措置がたび重なる公約違反の補助金カットであることです。 六十年度予算の際には、補助率カットは一年限りの措置と約束しました。ところが、翌六十一年度には三年間の暫定措置としてさらに補助率を引き下げ、その際にも暫定措置の期間、国、地方の財政関係を変更しないと文書で約束、委員会決議でも補助率の引き下げは行わないこととされました。今回の措置は、これらの約束を無視し、国会決議にも反する三たびの補助金カットを強行するもので絶対に許されるものではありません。 第二は、国の財政破綻のツケを地方公共団体に転嫁することです。 本法案による国費カット類は四十億円、政令等によるものを含めると農林水産関係で二百十四億円にも及び、これがそのまま地方公共団体の負担増となります。しかも、六十、六十一、六十二年度と連年の引き下げのため、引き下げ前の五十九年度と比べ、六十二年度の削減額は農林水産公共分だけで実に千百二十七億円という莫大な額です。 政府は、カットによる地方への影響に対する財政措置は講じているとしています。しかし、例えば投資的経費のカット分は全額地方債、つまり地方の借金による穴埋めであり、元利償還費について後年度の交付税に算入するといっても、これは将来の交付税の先食いにほかなりません。 しかも、重大なことは、今回の措置が地方財政全体を圧迫する中で、国民生活にも大きな影響が出ていることです。 自治省の「地方公共団体における行政改革の実施状況」という報告書でも、補助率の引き下げが地方財政を圧迫していること、そのため財政調整基金などの積立金の取り崩し、使用料・手数料の引き上げ、地方単独補助金の切り捨てなどが行われようとしていると指摘しているとおりです。 第三は、地方公共団体の負担増による公共事業費の確保といっても、国の予算そのものが抑制される中で、必要な事業が大幅におくれることは必至であります。 本法案の治山事業についても、第六次五カ年計画の達成率は七五%にとどまり、六十二年度からスタートする第七次計画は前計画を下回る規模の投資額になっています。漁港整備長期計画も最終年度の達成率見込みは七五%にとどまっています。 土地改良事業についても、現状の予算のままでは長期計画最終年度の達成率は約五〇%にしかなりません。しかも、事業費の単価増と事業の長期化で地元市町村や農家の負担が膨らみ、償還が困難となっています。したがって、国庫補助率は引き下げるどころか、引き上げることが切に求められているのが現状です。 以上述べてきたように、今回の措置は、国の財政赤字のしわ寄せを円高不況、地方財政危機にあえぐ国民と地方公共団体に押しつけて、さらに追い打ちをかけるものです。 我が党は、補助金カットで財政負担を地方公共団体に転嫁するのではなく、GNP一%枠をも突破して急増する軍事費の大幅削減、大企業優遇の税財政を是正し、農村公共投資を含め、国民生活関連で中小企業への発注率を拡大する公共事業を大幅に促進することを要求するものです。 なお最後に、こうした重大な補助金カット関連法案を日切れ法案として特例的に成立させることは、国民生活に犠牲を強いるものであり大変問題であることを指摘し、反対討論を終わります。
○委員長(高木正明君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 森林法の一部を改正する等の法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高木正明君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 水谷君から発言を求められておりますので、これを許します。水谷君。
○水谷力君 私は、ただいま可決されました森林法の一部を改正する等の法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・国民連合、二院クラブ・革新共闘の五派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 森林法の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項に留意して、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一 最近の経済社会情勢及び農林水産業を取り巻く内外の厳しい環境変化に対処するため、社会資本の整備・充実、とりわけ農林水産業における基盤整備の推進が急務となっている実態にかんがみ、農林水産関係の公共事業に係る各種長期計画の着実な進捗に必要な予算の確保に特段の努力を傾注するなど、生産性の高い農林水産業の確立を図るとともに、国土の保全・地域格差の是正に努めること。 二 現下の緊急課題である円高不況・雇用不安の打開のため、公共事業費の確保を図るなどにより、内需拡大、地域経済の振興と住民福祉向上に特段の措置を講ずること。 三 国庫補助負担率の削減は、再三の確認にもかかわらず毎年度拡大されており、政府に対する地方の不信を醸成するおそれがあることにかんがみ、国庫負担金及び補助金については、国・地方公共団体の行政責任を明確にすること。 四 国庫補助負担率削減に対する地方公共団体の財政支出増については、地方財政の現状を勘案し、臨時財政特例債、調整債の元利償還について国の責任において措置すること。 この場合において、六十年度、六十一年度における確認を勘案し、六十二年度影響額について地方交付税への特例加算等で適切に措置するよう努めること。 五 今回の本法案の審議・取扱いについては、暫定予算執行のための特別の措置であることにかんがみ、暫定予算執行に当たっては地方公共団体の予算執行と財政運営に支障を与えることのないよう、特段の配慮を払うこと。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(高木正明君) ただいま水谷君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(高木正明君) 多数と認めます。よって、水谷君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの附帯決議に対し、加藤農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。加藤農林水産大臣。
○国務大臣(加藤六月君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処してまいりたいと存じます。
○委員長(高木正明君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(高木正明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時四十分散会