内閣委員会 第1号
- 発言数
- 212 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/03/26
会議録
○委員長(岩本政光君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 議事に先立ち一言申し上げます。 去る一月二十五日、総務庁長官であられました玉置和郎君が逝去されました。まことに哀悼痛恨のきわみでございます。 ここに、皆様方とともに慎んで黙祷をささげ、哀悼の意を表しまして、御冥福をお祈り申し上げたいと存じますので、どうぞ御起立をお願いいたします。 黙祷をお願いいたします。 〔総員起立、黙祷〕
○委員長(岩本政光君) 黙祷を終わります。御着席を願います。 —————————————
○委員長(岩本政光君) それでは議事に入ります。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る一月二十六日、内藤功君が委員を辞任され、その補欠として吉川春子君が選任されました。 また、昨三月二十五日、野田哲君が委員を辞任され、その補欠として千葉景子君が選任されました。 —————————————
○委員長(岩本政光君) 次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に板垣正君を指名いたします。 —————————————
○委員長(岩本政光君) 次に、国政調査に関する件についてお諮りいたします。 本委員会は、今期国会におきましても、国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査を行いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本政光君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(岩本政光君) この際、山下総務庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。山下総務庁長官。
○国務大臣(山下徳夫君) 本年一月、総務庁長官を拝命いたしました山下徳夫でございます。 私は、社会経済情勢の変化に対応した総合的かつ効率的な行政を実現するため、総合調整官庁として総務庁が果たすべき役割を十分認識し、行政改革の推進を初め各般の課題に誠心誠意取り組んでまいる所存でございます。 委員長初め皆様方の格別の御指導、御鞭撻を心からお願い申し上げる次第でございます。 —————————————
○委員長(岩本政光君) 地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山下総務庁長官。
○国務大臣(山下徳夫君) ただいま議題となりました地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 昭和五十七年に制定された現行の地域改善対策特別措置法は、本年三月末日をもってその有効期限を迎えようとしております。 顧みますと、同和対策事業特別措置法及びそれに引き続く地域改善対策特別措置法の施行と、過去十八年間にわたる関係施策の推進の結果、現在では、生活環境の改善を初めとして、対象地域の実態は相当改善が進んできております。今後の地域改善対策は、これまでの対策の成果等を踏まえ、事業の基本的な見直しを行い、可能な限り一般対策への移行を図っていくことが必要であります。しかしながら、地域改善対策事業のうち、物的な事業については、一部に事業の取り組みがおくれている地域が見られること等により、昭和六十二年度以降の事業量も見込まれております。また、人権尊重の立場で粘り強く啓発事業を推進すべき状況にあります。 このような問題の解決を図っていくためには、地域改善対策事業が実施された対象地域について国の財政上の特別措置を講じ、引き続き実施することが特に必要と認められる事業の円滑かつ迅速な実施を図っていくことが必要であり、このため、地域改善対策に関する最終の特別法として、この法律案を提案することといたした次第であります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、地域改善対策特別措置法による地域改善対策事業が実施された対象地域について実施する地域改善対策特定事業を政令で定めるとともに、国及び地方公共団体は、地域改善対策特定事業を円滑かつ迅速に実施するよう努めなければならないことといたしております。 第二に、現行の地域改善対策特別措置法と同様に、地域改善対策特定事業に要する経費について、地方公共団体の財政負担を軽減するため国の財政上の特別措置を講ずることとし、同事業に係る国の負担または補助については、原則として予算の範囲内で三分の二の割合をもって算定するものとするとともに、地方公共団体の起債について特例を設け、その元利償還金を地方交付税の額の算定に用いる基準財政需要額に算入することといたしております。 第三に、この法律の有効期間を五年間とするとともに、現行の地域改善対策特別措置法の失効に伴い必要な経過措置等を設けることといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(岩本政光君) 以上で本案の趣旨説明の聴取は終わりました。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○小野明君 山下新長官、大変御苦労様でございます。 ただいま趣旨説明がございました今回の法律案によりますと、この新法では、現行の地域改善対策特別措置法と異なりまして、憲法の理念にのっとり、歴史的、社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域について生活環境の改善、産業の振興、職業の安定、教育の充実、人権擁護活動の強化、社会福祉の増進等に関する事業の実施のためという明確な目的が規定をされておりません。法の趣旨が第一条に三行で極めて簡単に規定されておるわけでございます。なぜこういった表現になっておるのか。こういった規定の仕方では、現行地対法にございます憲法の理念あるいは昭和四十年の同和対策審議会の答申の精神が承継されておるのかどうかというのが疑問になってまいるわけでございます。これは極めて当然のことであると思いますが、長官はいかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) 昭和四十年の同対審の答申につきましては、昨年の地対協の意見具申でもそのことについては指摘されておりますように、同和問題の解決を積極的に図ろうとする精神、これは今日においても受け継がれているところでございます。 そこで、答申後既に二十年を経過しております今日におきましては、同和地区の実態は当時と比べるとかなり大きく変化を見ているということでございまして、同対審の答申の具体的内容について現状に即して妥当性を判断する必要がある。そこで、昨年の地対協の意見具申は今日の実態に即したものでございまして、政府としては、この御提言を十分尊重してまいらなきゃならぬ、かように思っておる次第でございます。なお、新法案はこの意見具申を踏まえて立案されているところでございます。
○小野明君 そういたしますと、ただいま御答弁ございましたように、地対協の意見具申には同対審答申を尊重しつつと、こういった表現がございます。そこで、この同対審の答申の精神を踏まえ、あるいは憲法の基本的人権という理念はこの新法の中にも踏まえられておるんだと、このように理解をしてよろしゅうございますか。
○国務大臣(山下徳夫君) そのとおりでございます。
○小野明君 次に、未指定地域の問題に関してお尋ねをいたしたいと思います。 十八年に及ぶ同和対策事業によりまして、かなりの地域に改善を見てきたことは確かであります。しかしながら、今日もまだ劣悪な差別実態にある地域をこのまま放置しておくことは、同和問題の完全解決にはなり得ないと思うわけでございます。これらの地域は厳しい差別にまだ抗し切れずに、寝た子を起こすなと、こういった意識に災いされているのであります。しかし、この意識には同意できない・同対審答申にも指摘されておりますとおり、啓発によって地区住民であることを恥じる意識を取り除かなければならないと私は考えます。また、寝ておる子はいつか必ず起きてまいると思います。したがいまして、これらの地域で著しく劣悪な差別実態にあり、地方公共団体が対応しようとする地域については、関係機関と協議を経て、本法律の対象地域と認められるように特段の配慮を強く求めたいのでありますが、長官の お考えをお伺いいたしたいのであります。
○国務大臣(山下徳夫君) 先生も御案内のように、対象地域の調査につきましては、昭和三十八年から四十二年、四十六年、そして五十年と、四年置きにずっとやってまいりました。その後におきましても補完的な調査を繰り返しやってまいっておりますので、私どもといたしましては、大体この十八年間に対象地域として確認すべきものはすべて確認されたと、このような判断に立っておるわけでございます。 したがいまして、地対法の期間中に対象地域として事業が実施されます地域のみを本法案による地域改善対策特定事業として実施するわけでございまして、その他の地域でもしあるとするならば、私はそれは一般地域として一般法に基づく対策で足りるのではないかと、かように思っております。
○小野明君 そういたしますと、長官はまだ未指定の地域はあるということはお認めになっておられるわけですね。
○国務大臣(山下徳夫君) 現在においてはすべて捕捉していると先ほど申し上げたとおりでございますが、将来にわたってもしそういうものがあるとするならばという仮定で申し上げたわけでございまして、現時点においては、先ほど申し上げましたように、三十八年以来四年ごとにずっとやってまいりまして、その後も補完調査をずっと継続してやってきた。したがって、すべて網羅いたしまして法の範囲はこれで十分だ、このような前提に立って法をつくっておるわけでございます。
○小野明君 すべて未指定の地域はないというお考えですと、これは改めてもらわなければならぬと思うんです。私どもの調査でも、相当な数の未指定の地域があるわけでございますね。その辺を、劣悪な地域、地方公共団体が新しい地域があるんだと、まだ捕捉されてないものがあるんだというときには、新しい地域指定を行ってもらわなきゃならぬと思うのでございますが、そういうお考えはございませんか。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどからるる御答弁申し上げておりますように、昭和三十八年以来繰り返し繰り返し調査をやりましたし、その後も補完という立場における調査、これまた繰り返しやってきたということでございますから、まず現在の指定地域でもってこれでもう足りる、少くとも現在わかっておるものは全部捕捉しているという前提に立っているということを、重ねて申し上げておきたいと思います。
○小野明君 論議が平行線になるようでございますが、私どもの調査では、いまだ未指定の地域が多くあるんだというふうに調査結果が出ておるわけでございます。長官はもう全くないんだと、こういう御認識は誤りではないかと私思います。再度お尋ねいたしておきます。
○国務大臣(山下徳夫君) 地方自治体からも指定を受けたいという地域はもう全部出てきておりますので、一応現段階においては、繰り返し申し上げますように、これでもって補完しているというふうに私は理解しております。
○小野明君 それでは、新たに出てきた場合はこれを指定するように要請を申し上げて次の質問に入りたいと思います。 ソフト事業並びに教育啓発の問題でございますが、これは後ほど同僚委員からも質問があるかと思いますから、私は簡単に触れてまいりたいと思います。 これまでの同和事業によりまして、住環境に関しましては、先ほど申し上げましたように、かなりの改善を見てまいりました。ただ、雇用、産業の不安定、生活保護率の高さ、さらに大学進学率の低さというような問題は、地区住民の自立にとりまして極めて重要な課題である。総務庁や自民党の堀内先生が理事長をなさっておられる地域改善対策研究所、先ほどの未指定の地域はこの堀内先生の地域改善対策研究所でもかなりあることが挙げられておるんですね。さらには、部落解放同盟の調査でも指摘されておるところでございます。したがいまして、今後この方面の施策についても積極的な対応策が必要と考えますが、長官のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) 具体的な問題ですから、政府委員から答弁させます。
○政府委員(熊代昭彦君) 昨年の十二月の意見具申におきましても、実態の劣悪さというのは相当に改善されてきたということでございます。 ソフト面につきましても、同対審答申と比べれば非常に改善されたところでございますが、なお今後とも地域改善対策として必要なものにつきましては、御提案をいたしております新法に基づきまして、積極的にソフト事業を推進するということでございます。 一部につきまして一般法に移すと、一般対策で対処というようなことで一般に移されたもの、あるいは修正されたもの等がございますけれども、それらにつきましては、今の時点に立ちますと一般法の中で積極的に対処することが差別解消という観点から適当であるという判断で、そのようになされたところでございます。一般法の中で積極的に対処していきたいと、かように考えております。
○小野明君 長官私がお尋ねしましたのは、私が挙げましたようなソフト事業を積極的にやってもらいたいと。ということは、その具体的な問題で熊代君が答弁するような問題では決してないと思います。ソフトの事業を積極的におやりになるかならぬのかということでございますから、大臣から御答弁がいただきたいわけでございます。
○国務大臣(山下徳夫君) 少なくとも差別を一日も早くなくさなきゃならぬ。差別をなくすためには、具体的な事業その他についてもやっていかなきゃならぬ。こういうことにつきましては、きょう開会冒頭に先生の御質問にお答えしましたように、昭和四十年の同対審の答申の精神というものを今日も受け継いでいかなければならぬということでございますから、その線に沿って今後も継続していくことは当然のことであります。
○小野明君 それから、教育啓発というのは非常にこれは重要な問題であると思います。これをさらに積極的に進めていただきたいということでお尋ねをいたしますが、差別事件がいまだに続発しておりますことは、長官も御承知のとおりであります。法務局とか自治体が幾ら説得しても応じようとしなかったり、弁護士などと偽って戸籍の謄抄本を不正に入手して利潤追求をしようとするなと、極めて悪質な差別事件の発生も少なくないわけでございます。こうした現状を真に憂え、心理的な差別の早急な克服のために同和教育啓発活動の推進がますます重要になってきておると思うのでございますが、これ長官、いかがでございましょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) 差別問題につきましては、関係各省庁つまり法務省を中心として、私どもあるいは警察庁等とも詰めておりますが、これらをなくすため目下鋭意いろいろと検討を進めております。同時に、教育の面からもこの問題を進めていくことは当然のことでございますし、文部省ともよく連携をとりながら進めてまいりたいと思います。
○小野明君 それでは先に進みますが、公益法人の問題につきましてお尋ねをいたします。 同和問題に関する公益法人の問題でありますが、本年一月初旬に各都道府県の東京事務所に電話ファックスで「未定稿」とした出所不明の文書が送られておるわけでございます。これに関しては、一昨日長官は「未定稿」なる文書が出ておることを衆議院の内閣委員会では御存じないと、知らなかったという答弁をされておるわけでございます。国策に関する極めて重大なこの種のものがアングラ文書として出たことはもってのほかだと思いますが、長官はどうお考えになりますか。
○国務大臣(山下徳夫君) 「未定稿」の問題につきましては、私がおととい申し上げましたとおり、私も十分把握いたしておりませんので、今までのいきさつにつきまして政府委員から答弁をさせたいと思います。
○政府委員(熊代昭彦君) 国が行う啓発事業といたしまして、これまで総務庁、法務省、労働省を中心に積極的に推進してきたところでございますけれども、地対協の昨年の十二月の意見具申におきまして、啓発の各自治体間に迅速に情報が流通される必要がある、そのための一つの方法といたしまして、公益法人の設立をという御提言がございました。この提言を受けまして総務庁としてもいろいろなアイデアを検討いたしまして、意見具申の精神に立ちまして真に部落問題の解決のために役立つ法人としてはいかなるアイデアがあるかということで、いろいろ検討したところでございます。 御指摘の文書はどの文書かというのはわかりませんが、総務庁自体といたしましてはいろいろな案を検討しておりまして、基本的には設立発起人会が形成されまして設立発起人会が御採用になる、最後は総務庁が同和官庁として認可するということでございますが、その段階での地対協意見具申の精神を実現するためのいろいろなアイデアの中の一つではないか。我々、御指摘の文書をいただいておりませんので、どれかという確定はいたしませんが、そのようなものだというふうに理解しておるところでございます。
○小野明君 私は長官にお尋ねをしておるので、これは今のお話によると熊代君が、地対室長が書いて出したのではないかと疑われるような答弁がございましたが、熊代地対室長のもとでこうしたことが行われておるわけですね、長官。そうして熊代室長は、今年一月二十九日の部落解放同盟との交渉の際に、公益法人は設立発起人によって設立されるもので内容は承知していない、どのような文書が配られているのか知らないと答弁しておりますが、あなたは、熊代君は交渉の十日前にみずからこの文書を持って地方自治体の会議に出かけていって説明しておる。民間運動団体には設立に当たって何らの説明も理解も得ようとしない。 このような態度は、差別に苦しんでおる当事者をないがしろにするものではないか。民主主義の初歩的な原則からも外れた重大な問題であると思います。断じて許すことはできない。熊代室長のこういった態度を長官はどう認識しておられるのか。また、熊代君がおやりになっておるように、長官みずからも民間運動団体を敵視されるお気持ちであるのかどうか。長官の御意見を伺いたいところであります。
○国務大臣(山下徳夫君) 私が一月の二十六日に総務庁長官を拝命しましてから、私としては精力的に各局の所管事項等あるいは室等の所管事項についていろいろと報告を受けておりますが、私の就任前におけるそういった具体的な詳細な問題については、実は私もよく承知いたしておりません。したがいまして、これは本人から御答弁申し上げてその真実をしかと先生も御理解いただいて、さらにその上で誤りがあるとするならばまたその時点において私も判断しなければなりませんが、本人は自信を持ってやったことだと私は思っておりますので、本人からさらに答弁をさせたいと思います。
○小野明君 いや、私の長官に対する質問は、熊代君のそういうやり方、民間運動団体を敵視しておる、そういう差別と闘う民間運動団体に対して全然理解を得ようとしない、こういうことがありますから、こういう問題に対して長官はどうお考えなのか、民間運動団体を敵視するようなことがあってはならぬと思いますがいかがですかと、こうお尋ねしておるわけです。
○国務大臣(山下徳夫君) きょうは三月の二十六日でございますから、私が総務庁長官を拝命してちょうど二カ月でございます。その間、折に触れていろいろと行政上の報告は受けておりますが、熊代君が民間団体に対してこれを敵視しておるというような、私はそんな感じは一度も受けたことがございません。ですから、さっきから繰り返し申し上げるように、具体的にどの部分がそうであるかということは本人が御答弁申し上げて、もしも先生に誤解があるとするならば、それをきちんとここで本人からお聞きいただいた方がよかろうということを申し上げておるわけです。
○小野明君 時間も限られておりますから、後ほど時間があれば熊代君の釈明は聞きたいと思いますが、この「未定稿」という出所不明の文書によりますと、公益法人の具体的な事業として資料作成、収集、提供、差別事件への対処、えせ同和行為への対処と記載されておるわけでございます。ここに国費から三千万円、企業や地方自治体から一億二千万円を集めるという内容なんですね。これらの事業はこういう公益法人で取り組むべき問題ではない。この問題を所管されておる総務庁で、政府で取り組まれるべき事項であるにもかかわらず、これまでそれをやらない。企業や自治体から多くの金を出させて公益法人なるものにその仕事をゆだねるというのは、みずからの責任を放棄するものではないか、こう私は思います。 特に問題でありますのは、この公益法人は、差別をした者への指導する方向ではなくて、糾弾への対処について差別者の相談に乗ることになっているということが最も大きな問題で、これは部落解放運動に対立するものと言わなければなりません。また、全国で起こった差別事件について、わずか七人程度のメンバーで対処が本当にできるのかどうか。九州の人が東京まで一々出かけていくことができますか。それとも、公益法人の人が全国を駆けめぐるんですか。私はこういうことは不可能だと思います。したがって、地方自治体とかあるいは企業からも異論やあるいは疑問が投げかけられておるわけです。 地方自治体が国に望んでおりますことは、国として直接啓発事業に本格的に取り組むことと、地方自治体の取り組みに対して財政的な援助がなされることであろうと思います。したがって、こういった公益法人の設立は直ちに思いとどまって、同対審答申に言うように、国の責務をそのまま素直に果たしていただくように要請をしたいわけですが、長官いかがでしょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) 今御指摘のございましたこの公益法人につきましては、私は、こういったPRその他につきましては何も国だけではなくて、国はもちろんやるべきことはちゃんとやらなきゃなりませんが、各種団体もっと広く言えば国民全部がこれをよく理解して、みんなでやっていくということが最もいいことであると思っております。そういう意味におきまして、こういう公益法人をつくるということは私は大変結構なことだと思っております。 ただ、今申し上げましたように、国がやるべきことをやらなきゃならぬ、そういう意味におきまして三千万円の助成もする。先ほど一億二千万円というお話がありましたが、これは一つの基金でありまして、国は毎年三千万出す計画になっておるわけでございますから、そういう意味におきましては、しかも公益法人はやっぱりその運営につきましてはもちろん公正中立な立場からやっていかなきゃならぬ、同時にまた関係者の御意見というものを聞く場もつくっていかなきゃならぬということでございますから、私は大変結構なことだろうと思っております。したがって、これを今思いとどまらせるとか、そういう気持ちは毛頭持っておりません。
○小野明君 しかし、長官、こういう差別の問題で公益法人というような権限のないところでおやりになるというのは、私は、国の責務という言葉からいいまして、非常に国の責務をあいまいにするものになるんではないか、こう思います。特にこの内容が、いわゆる糾弾への対処とか、あるいは差別者、被差別者とあれば差別者の相談に乗るような内容が多いというようなことになると、これは部落解放運動に対立するものですよね。それにくみすることになります、このいわゆる出所不明の文書によりますと。 そこで、この公益法人はその内容についても十分検討を必要としますし、いわゆる総務庁を中心とする政府の責務があいまいにならないように要請をしたいと思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから申し上げておりますように、国は国、地方公共団体は地方公共団体として、私はこの問題についてとるべき一つの責任あるいは立場というものがあると思いますが、それ以外に民間もまたひとつ民間の立場から御協力をいただくということでございます。したがって、これは自治的な団体でございますが、国も助成をいたします以上は、その運営について適切なる助言は行うべきであると思っております。
○小野明君 先に進めますが、地対協の問題についてであります。 この間の地対協は民主主義の初歩的な事柄である当事者を除いての協議になっている。したがいまして、その意見具申に対しては多くの学識者から厳しい批判を受けておるところでございます。また、公明、民社、社民連の各党も、それぞれ一定の批判的な見解を明らかにしております。我が党にとりましても認めがたい内容を含んでおるところでございます。しかし、地対協は同和問題の解決を図っていく上において今後とも重要な機関であることは間違いありません。したがって、この機関は本当に当事者の意見が十分反映されるように運営されねばならないと思いますが、長官のお考えをお伺いいたします。
○国務大臣(山下徳夫君) 地対協の趣旨につきましては先生も十分御承知でございますし、これを運営する協議会の委員につきましては、やはり私は、現在の地対協と同様に、中立的な立場の方々が委員として選ばれるということが最も妥当ではなかろうかと思っておりますし、今後ともこの問題については慎重に検討、対処してまいりたいと思っております。
○小野明君 これは一昨日、衆議院の内閣委員会では長官は、新たな協議会を新たな立場で検討して委員を選出したいと答弁されておるようでございますが、この答弁に間違いございませんか。
○国務大臣(山下徳夫君) ただいまの選任につきましては、新たな立場から慎重に検討すると申し上げたとおりであります。
○小野明君 それでは、その御答弁に間違いないというお話でございます。 そこで、その新たな立場で検討をされるときには、地対協の委員に当事者を委員として参加できるように検討がいただけないか。これは同対審の際にもそうでありましたし、今の中労委とか公労委とかいう場合も三者構成になっておりますよね。特にこの問題は人権問題でありますから、被差別者、当事者、これを代表委員に入れるということは特に御配慮あってしかるべき問題ではないかと思いますが、いかがでございましょうか・
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほども御答弁申し上げましたとおり、現在の地対協にもそういった立場の方はいらっしゃらないわけでございまして、私はそういう現在の地対協と同様に、中立的な立場の方々を委員として選ぶことが私の考え方からすれば妥当ではないかと、このように理解をいたしておるところでございます。
○小野明君 一昨日の衆議院内閣委員会では、今長官の言われました中立的な立場というのは、こういうふうに整理をされたようですね。差別者、被差別者と、そして被差別者以外の人を中立的な立場ではないのかと、こういうふうに衆議院では議論が整理をされたようでございますが、そこで、私は中立的な立場という言葉に非常に疑問を持ちます。したがって、学識者あるいは学識経験者を選ばれるときは、当事者はもちろん入れていただきたいということです。それから、新たな立場で学識経験者を選ぶというときには私ども野党の意見を、長官の言う中立的な立場と言われる問題も含めて、新しく委員を選任される場合には野党の意見を尊重していただけますかどうか。いかがですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから重ねて申し上げておりますように、現在の地対協と同じような性格と申しましょうか、そういう立場から中立的な立場の方々をひとつお選びするという方針には変わりございません。
○小野明君 私は長官の中立的立場ということがよくわからないんですけれども、仮に百歩譲って長官の中立的立場の人を推薦するという場合にも、野党からの推薦ということを御配慮いただけるでしょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) 繰り返し同じ御答弁しか申し上げられないのでございますが、現在のような構成でもって、現在の構成そのとおりという意味じゃなくて、現在のような方針でもってひとつ選んでまいりたいということでございます。 なお、再三にわたってのお尋ねでございますけれども、それではそういった関係者の方々の意見を委員に入れないから聞かないかというと、決してそうじゃございません。必ずこの地対協ではそういう方々の御意見を聞く場というものは十分ひとつ考えてまいらなければならないと、こう理解しております。
○小野明君 そうすると、私ども野党の意見というものもお聞きいただけると、このように確認をしてよろしゅうございますか。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどから申し上げているように、野党とか与党とかいうことじゃなくて、この人選の方針についてはこういたしますということを繰り返し申し上げております。
○小野明君 いや、どうもおかしいんですが、私どもの意見もお聞き願えるかどうか、これはどうでしょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) 事こういった人事の問題でございますから、どうかひとつ御一任いただきたいと思いますが。
○小野明君 繰り返して伺うんですけれども、人事の問題ですからそれは一任しないことはありません。ただ、今回のポスト行革審で、参議院はもう要らないと、こういう御意見の方について私どもが反対をする。ですから、私どもの意見もこの新しい地対協で、新しい立場でと大臣おっしゃっておるんですからもう十分おわかりだと思うんですが、お聞きいただけるかという極めて簡単そして素朴で率直な質問なんですが、それは当然やっぱりお聞きいただけるんじゃないですか。ポスト行革審の場合も、意見を聞かなかったために大変なことになっておるんじゃないですか。いかがですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 新行革審は、これは国会の同意の人事でございますから、おのずから性格が異なっていると思います。それはともかくといたしまして、先ほどから申し上げておりますように、中立的な立場から人選をさせていただくということでございますから、それで御納得いただけないでしょうか。 野党の言うことを聞かないのかとおっしゃるならば、与党の方から今度は与党の意見のとおりやれとおっしゃるし、それは私は、だからそういう野党与党ということではなくて、公正妥当な中立という立場から選ばせていただきますということを再三申し上げているわけでございます。
○小野明君 私は与党の意見を聞くなど言っているんじゃないですよ、長官。それはあなた各方面の意見もお聞きいただけるでしょうねと、こう言っているんです。
○国務大臣(山下徳夫君) 野党の意見を聞くかとおっしゃるから、そうなればとこう申し上げたわけでございまして、どうぞひとつその点はそのように御理解をいただきたいと思います。
○小野明君 いや、(「話を聞いてやりゃいいんだよ」と呼ぶ者あり)それはわかるよ。それは当たり前。 全体の意見を、だから与党、野党と便宜上分けたわけですけれども、我々の意見もお聞き願えるかと。お聞き願えないと、聞かないと、おれは勝手にやるんだと、こういうお話ならそれはそれで仕方がないんですけれども、それは民主的な運営じゃないと私は思います。どうですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 私は聞かないと言っているんじゃないんですよ。ただ、こういった委員を選ぶについての基本方針はかくあるべきということを申し上げたわけです。
○小野明君 いよいよわかりませんが、それでは最初に戻って、野党の意見も十分ひとつお聞きをいただきたい。 それから最後に、今の我が国の法制の中で基本法という名称がついたものには、教育基本法とか農業基本法とか約十一本ございますね。約十一本ございます。これはやはり制定の経過を考えますと、国の重点政策それから総合的な政策を実施する場合、大体こういうふうに分かれるようでございます。 こう考えますと、部落問題につきましても我が国で最大のこれは人権問題だと私は認識しております。したがいまして、従来のように物的な事業、こういった地対法のように物的な事業を中心とするだけでなくて、健康、生活、産業あるいは労働、教育、こういったソフト面の改善を総合的に実施することを規定するとともに、なお悪質な差別事件に対しては一定の規制や差別意識の撤廃を含んだ総合的な基本法が必要だと思っております。こういった立場から見ますと、本法ではいわゆる地対法の縮小版になっておりまして極めて不満であるということを表明をして、意見を申し上げて私の質問を終わりたいと思います。
○久保田真苗君 山下長官、よろしくお願いをいたします。 先ほどから地対協の問題について大変長官の御答弁がわかりにくく苦しく聞こえますのは、私はそもそもこのあり方について無理があるからだろうと思うんです。 私は、女子差別撤廃条約の成立、それから我が国における男女展用機会均等法の成立、これに深くかかわってきた者でございます。つまり女子差別の問題についてここ何年がやってきた者でございます。その立場からしてぜひお聞きいただきたいんです。 もし、男女雇用機会均等法が婦人少年問題審議会の中で女性委員が皆無の中でやられたら、私はとても承服できなかったと思うんです。その中ではほぼ半数近い女性委員の方が審議に参加されました。結果的に見ますと、その結果は大変がっかりでしたけれども、しかし、私どもは見守った。そして、審議をしました。もし、これが男性だけの手でやられたのでしたら、私はとても入り口からして承服できなかったと思うんです。それは私のもう本当に、偽らざる心情なんですね。 部落差別問題についての政策を協議するこの地対協の中に差別を受けている当事者がお入りになっていないということは、これはまことに異常な構成でございますよ。大臣、そうお思いになりませんか。どうでしょう。本当にこれは異常ですよ。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどからるる申し上げておりますように、私も若干の今回の経験におきまして、いろんな委員会がございまして、それぞれその人選については一つの方針に基づいて人選がなされていると思います。そこで、今御指摘の今回のその問題につきましては、やはり私は先ほどから申し上げましたように、中立的な立場という点から人選をするのが最も妥当であるという判断に基づいてこの人選を行っているという点で、ひとつ御理解いただきたいと思います。
○久保田真苗君 差別問題というのは、すぐれて当事者からの発言が必要なものでございます。均等法を審議された婦人少年問題審議会、この中にも労働者側と中立側から女性が入っているのでございます。そういう立場で行われて、なおかつあれだけの騒ぎになったんです。ですから、これは当事者を全く排除して中立、中立と言われるけれども、中立という方は何でしょうか。つまりは差別を受けている人たち以外の人たち、それに含まれるわけでございましょう。そうなりますと、この地対協の意見具申、これの中には、三十二ページに、いろいろな今後の同和関係者の問題が、行動についての注文がついておりますよ。行政と同和関係者とのあり方、それから同和関係者の自立、向上の精神の涵養、そして国が民間運動団体と行政機関との望ましい関係のあり方に対する具体的な基準を出すと。 しかし、この地対協の中こそが、国と行政機関とそして運動団体との最も望ましいあり方を醸成すべき場所じゃないんでしょうか。もしそうであるとするならば、ここで国の方がお示しになる基準というものは、同和の運動関係者の排除というのが基準になるわけでございますよ、政策決定に関して。大臣、どうお思いになりますか。
○国務大臣(山下徳夫君) いろいろと御意見を承りました。先ほどからるる申し上げておりますように、関係団体を網羅したような形でお入りになったときもございましたが、今日まで八年の間それが空白になっておった、それはそれなりの理由が私はあったと思います。そこで、いろいろ御意見として御趣旨はよくわかりますけれども、そこらあたりも踏まえながら現状というものを認識して、私は私なりの中立という立場からこれを選んでまいりたいという点で御理解をいただきたいと思います。
○久保田真苗君 ぜひ、私はもう一度、本当に政治家としての長官に御信頼して、このことをお考え直しいただきたいんです。さもございませんと、同和関係者の自立、向上の精神の涵養と、こういうことを一つ言ったときに、同和関係者以外の人が同和関係者に訓示と説教をしていくと、それ以外の何物でもないんですね。私はそれは非常に不幸なことだと思うし、わざわざこういうものをるるとやって出す結論に値しないと思うんです、こういうことでは。まして、この地対協の御意見でございますと、今後いろいろな財政措置的な、事業的なものについてはだんだん改善されていくけれども、しかし、差別事件に関しては依然後を絶たないわけでして、そのことをお認めになっているわけですね。いよいよもってそういう問題が中心になって出てくるわけでございます。 いろいろこの八年間御理由はおありでございましょう。ですけれども、熊代室長が新聞の座談会でお述べになっていらっしゃるじゃありませんか。こういうふうに言ってらっしゃるんですよ。「国民一人ひとりが差別しない、ヒューマニズムに満ちた勇気を持つ必要がある。それからこわい、避けた方がいいという意識も克服する必要がある。それには、違法な行為で押されたら、き然として厳格に対処する勇気が必要です。」。これ、熊代さんは国民や行政に対して言ってらっしゃるのですよ、地方自治体に対して。御自分のところで避けてたんじゃこれは何にもなりませんよ。その範をみずからお示しいただきたいと私はこう思うんです。 私がなぜこんな申し上げるかといいますと、問題はまずいろいろな問題があるけれども、今後けつまづいていくのはこの入り口に関してだと私は思うからです。私が均等法を国会で審議させていただいたその入り口はこうでなかったから、私はこれでおさまっているわけです。そうでなければ、私はそれこそ灰皿を投げてもネクタイを締め上げても絶対に粉砕しただろうと、そう思うんです。それくらいの心情なんですよ、当事者は。どうぞ御理解いただきたい、このことを大臣にお願いいたします。
○政府委員(熊代昭彦君) 私の新聞紙上に出ました座談会等の御指摘がございましたが、地対協意見具申、昨年の十二月十一日に出されました部分におきまして、新たなる差別の要因と新しい差別意識を生み出す要因ということで、民間運動団体のあり方について厳しい批判が出されております。そういうことも踏まえまして、新たなる差別をつくり出さないというためには、確かに、避けた方がいい、怖いという意識を持ってはいけない、そういう勇気を持つ必要があるということを申し上げたわけですが、それの前提としまして、避けるとか怖いとかという意識を生じさせるような行動はこれは改める必要があるということが地対協の意見具申の精神でございまして、それが根幹をなしているところでございます。先ほどから大臣るる御説明申し上げたところでございますけれども、五十三年から出てないということで、今までは三団体そろい踏みでということですが、三団体そろって建設的な意見をできる状況にないということを判断し……
○久保田真苗君 済みません、熊代さん、ちょっと時間があるものですから。
○委員長(岩本政光君) 簡単にお願いします。
○政府委員(熊代昭彦君) はい、わかりました。しかし、かなり私のことについていろいろ御指摘がございましたので、まとめてお答えさせていただきたいと思います。 そういうことで、建設的な意見ができる状況にないということでございますので、中立的な委員でということを大臣申し上げたわけでございます。これまでの方針を踏まえつつ、新しい方針をここで確立したいということでございます。
○久保田真苗君 まずあなたが本当に勇気を持って、避けるということを克服しておやりいただきたいですね。大臣、今私が申し上げたことは無理なんでしょうか。いろいろ理由はあるでしょう。だけど、その理由を大臣がお避けになれば地方行政だって避けますよ。それはだれだって嫌なんですもの。だから、大臣が避けちゃだめなんです。どうか決意のほどを。
○国務大臣(山下徳夫君) 差別をなくするということに対する意欲は、私は決して人後に落ちているとは自分自身で思っておりません。したがいまして、先生のおっしゃることはよく私はわかります。そのためにどうするかということで、いろいろと皆さんと御議論しながら一つの道を見出し、より効果的な成果をおさめるようなことをこれからやっていこうということでございますから、そういう意味で御了解をいただきたいと思います。
○久保田真苗君 くどいようですけれども、ぜひ当事者の不満が爆発するようなそういう地対協の構成をなさらないでいただきたい。ぜひもう一度慎重にお考えいただきたいんですね。よろしゅうございますか。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどからるる御答弁申し上げたとおりでございまして、先生の御意見は御意見として承っておきたいと思います。
○久保田真苗君 差別事件が後を絶たないという、そういう背景がありますね。それから、我が国は人種差別撤廃条約もよう批准しないんですよね、どういうわけか。そういう背景がありますね。そういう中で、日本政府は国際連合の人権委員会にたびたび「ブラクプロブレム」という題のリポートを提出しているんですよ。今後こういう地対協の構成で、その差別を受けている当事者の方がメンバーになって入らないところで同和団体の行為を決定するような、そういう政策決定が行われるということになっていきますと、私は非常に残念ですけれども、これは国連の人権委員会に提訴物だろうと思うんです。判断は人権委員会がしたらいいと思います。もうよくこの問題は知れわたっている問題なんです。でございますから、そんなことに、なりたくないわけですから、ぜひ重ねて地対協の中に同和関係者をメンバーとして適切な方を入れていく、そのことを強く要望して次の問題に移ります。 次は、公益法人の問題でございます。 公益法人は小野委員がやられまして、私はここに「未定稿」を持っておりますけれども、時間も少ないから強いては——ごらんになるんでしたらいつでもございますけれども、この中で、この公益法人のあり方について、いろいろ考えている一つのアイデアであろう、こういうことはおっしゃっていらっしゃいますね。私はいろいろ問題があると思うんです。例えば、もちろん大臣はまだ把握していらっしゃらないので、私は一つのこういう案も出ていますよというその案に対して、これについては私はこう思うという形で申し上げます。ぜひお聞きいただきたいんですね。 これは、一つは地対協の意見の三十四ページにあるんですね。ここに差別事件の問題が出ているんです。こういうふうになっています。「差別事件は、司法機関や法務局等の人権擁護のための公的機関による中立公正な処理にゆだねることが法定手続きの保障等の基本的人権の尊重を重視する憲法の精神に沿ったものである。」、こういうふうに言っているんです。そして、「国は、その旨地方公共団体等を指導し、」こういうふうにおっしっているんですよね。そして、最後に、「差別事件の公的機関による処理を更に推進するため、人的資源の充実等現在の人権擁護行政の体制が更に強化、拡充されるべきである。」、こういうふうになっておるわけです。 ところで、人権擁護委員法を私も拝見しました。そういたしますと、人権思想に関する啓蒙、宣伝に関すること、その委員の職務として。それから、民間における人権擁護運動の助長に努めること。三番目に、人権侵犯事件について、その救済のため、調査及び情報の収集をなし、関係機関への勧告等適切な処置を講ずること。勧告なんかもできるわけです。貧困者に対しては訴訟の援助もできるわけです。こういう人権擁護委員会というものが我が国には市町村単位であるわけですね。二万を超えない範囲でネットワークがあるわけなんです。 そういたしますと、総務庁が監督官庁になられるというその公益法人というのは一体何者なのか。総務庁の任務というのは、設置法を見るまでもなく、この問題についての各省庁の総合調整、そしてその事務の連絡、他省庁のやっていない調査等、その範囲に限られるわけですよ。それから地対法とですね。そういたしますと、今整々と人権擁護委員会がこれだけの規模で津々浦々でやっている仕事にそのままばっちりぶつかっていくような内容のものを、総務庁が監督する公益法人、しかもそこへ地方自治体の寄附や会費をもらってやる、そこに企業になおそれ以上の余分の寄附を期待するといったような、そういったものが適切なのかどうか。 私は次に、特に人権擁護委員たる者はどういうことに気をつけなきゃならないかという、その服務規定についてもお話ししたいんですね。識見とか人格、積極性、それはもちろんですが、十二条の二項にこういうふうにあるわけですね。「人権擁護委員は、その職務を執行するに当っては、関係者の身上に関する秘密を守り、」と、守秘義務がここへ出てくるわけですよ。「人種、信条、性別、社会的身分、門地又は政治的意見若しくは政治的所属関係によって、差別的又は優先的な取り扱いをしてはならない。」。およそ人権の差別事件あるいは人権擁護、その思想啓蒙の内容というのはこういうものだと思うんですね。そういうことが確実に法務大臣の指揮監督によって行われる、特に人権に関する問題、私はこれはそんなに民法上の公益法人がこういうものにじゃじゃばるそのすきというのは極めて少ないんだろうと思うんです。 そして、もう一つ聞いていただきたいんですね。「人権擁護委員は、その職務上の地位又はその職務の執行を政党又は政治的目的のために利用してはならない。」とありますし、それから公正に行うのにふさわしくない事業なんかに絡んじゃいけない、こういうこともあるわけですね。 およそ差別事件の取り扱いというのは、私はこれだけの前提がなければやるべきものじゃないと思うんです。ですから、この地対協の御意見の方にも、「差別事件は、司法機関や法務局等の人権擁護のための法的機関」と、これ御答申になっているわけですよ。ですから、私は今さらこの公益法人がやるのにどういうことがあるのかなと思うんです。要するにえせ同和行為、あるいは糾弾闘争、それから差別事件、こういうものを取り扱うというものはすべてこれ人権擁護委員会でよろしいし、そこで法務大臣の指揮監督を受けるべきものであって、総務庁長官のおやりになることは、その法務省のお仕事がやりやすいように、あるいはそこがもし十分に活性化していないのであれば、それに対して総合調整をなさるという、そういうお立場じゃないんでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) 実は私も二十年間ぐらい、長い間人権擁護委員をやっておりました。で、おおよそのことは私も承知をいたしておるつもりでございますが、人権擁護委員は非常に広い範囲で、ただ単に差別ということではなくて、例えば検察庁に持っていったけれども取り上げてくれないような刑事事件に関することも民事も、いろんなものがこの中に持ち込まれる。そして、その仕事のほとんどはそういう持ち込まれる案件だと思います。もちろんPRもやりますよ。やりますけれども、大体私の手がけたものはそういうことでございます。 で、その法人というものはむしろ、差別はいけないよ、国民がみんなもっともっとこれを認識して、みんなの力でこれをなくそうという、一つの国民運動として展開していきたいという意味における一つの機関である。したがって、私は人権擁護委員会の設立の趣旨とこの設立の趣旨はかなり大きく違うんではないか。そのために、これに対して国もまた費用を投じるわけでございますから。 以上、答弁になったかどうかわかりませんが、私の経験からして申し上げた次第でございます。
○久保田真苗君 法務省いらしていますか。——法務省がこの同和に関連してやっていらっしゃる事業をおっしゃってください。
○説明員(落合紹之君) 法務省の人権擁護機関は、先ほど先生おっしゃいました人権擁護委員と出先の法務局において取り扱っておるわけでございますが、活動の内容を大別しますと、一つは自由人権思想の普及、高揚という立場から部落差別はいけませんよという啓発を行っております。また、人権相談等を通じまして、部落差別意識に基づく人権侵犯事件の掘り起こし、あるいはそれに対する啓発等を行っております。また、三番目には、人権侵犯の疑いのある差別事象につきまして調査処理等を行ってまいっております。大別すれば、大体そういうことでございます。
○久保田真苗君 長官、これ公益法人、国民運動なんですよね。そういたしますと、同和の関係者はどういうことにお考えになるんですか。それは仮に公益法人ができて——これがそうですね、企業と地方公共団体という名前が出て、それが会員になって会費を払ったり、特別会員になってまとまった寄附をしたり、それに総務庁がまた補助や委託費を出していらっしゃる。そういう形のように書かれてあるんですね。これは、そうすると、国民運動なんだから、同和関係者や民間運動がこれに何がしかの出資をしてどんどん加わってくるということは、極めて望ましいとお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(熊代昭彦君) 公益法人をいかなる形で設立されるかということは、私どもいろいろアイデアを出しまして積極的にその方向で努力したいというふうに考えておるところでございますが、民間の立場で国民運動の一環としても、特に情報流通といいますか、例えば法務省さんでやっておられます仕事につきましても情報流通をというようなことでございますので、情報面で特に力を発揮する法人ということでございます。 御指摘の、民間各運動団体が参加してもいいではないかということでございます。そういうお考えもございましょうが、地対協のときにも申し上げたところでございますがなかなか難しい問題がございまして、非常に先鋭なる対立もある。そういうような状況の中でどのように考えるかということでございますので、基本的には中立的な立場で、しかも民間運動団体の御意見は十分聞くというようなことがよろしいんではないかと我々は考えておるところでございますが、いずれにいたしましても、今後決められていくと思います。
○久保田真苗君 大臣、そうしますと、この公益法人が仮に設立された場合、同和運動の団体、こういう方たちが出資してどんどん入るということが極めて望ましいと考えていらっしゃいますか。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほどからもう数回にわたって御答弁申し上げておりますように、過去の経験に照らし、この八年間というものはそういった団体の方はお入りになっていなかった。そのいきさつについては若干今政府委員が触れたとおりでございますが、そういうことで、今後もそこらあたりを踏まえながら、やはり中立という立場から委員を選任するのが一番よかろうということで、その方針を基本として人選をしてまいりたいと思っておるわけでございます。
○久保田真苗君 まあこれはますます醜聞、スキャンダルになるんじゃありませんか。地対協を政策決定にも入れない、国民運動にも入れない、当事者を全く入れない、こんなナンセンスがあるんでしょうか、大臣。これはちょっとお考えおきをいただきたいんですよ、本当に。
○国務大臣(山下徳夫君) ちょっと私答弁を間違えました。チャンポンいたしまして、地対協の方と間違えましたので。趣旨としては私は同じだと思いますが、やはり中立的な立場の方にお入りいただきたいという趣旨には変わりございません。
○久保田真苗君 大臣本当にこうお思いになりませんか。今、同和関係の団体の方が非常にこの公益法人の設立に反対していらっしゃる。反対なさるのも全くむべなるかなと私今つくづくそれを感じています。この差別問題に関連して、そのある実態を認めながら、それの解決のための政策決定にも入れない、国民運動にも入れない、当事者は全く切り離して、それ以外の人たちでやられることにどうして承服できるんでしょうか。 大臣、これは本当にちょっと政治家としてひとつもう一度、恐縮ですけれども、頭を冷やして考えていただければ幸いなんです。よろしくお願いします。
○国務大臣(山下徳夫君) 関係者の御意見を全く聞かないというわけではなくて、ただ私は委員の人選の方針について申し上げているのでございまして、関係者の皆さん方の御意見を十分聞く場がなきゃならぬ、これはもう初めから繰り返し私が申し上げているところでございます。
○久保田真苗君 だれが聞いても非常にわかりにくい異常な団体や協議会をおつくりになってこういうことを強行なさると摩擦もすごいし、部落問題の解消に向かってもマイナスをまた稼ぐんじゃないか、私はそのことを非常に危惧するんです。ひとつどうぞよろしくお考えください。 次に事業の方に移ります。時間の関係でただ例としてだけ取り上げてまいりたいと思うんです。 その一つは雇用の問題なんです。私、この一般施策への移行を原則としてお進めになっているというトーンは感じられるわけなんですけれども、私がここで一つ例として非常にこれで大丈夫なんだろうかと思うことがあるんです。それは労働省関係の事業なんです。特に二つの事業、これが一般施策で対処するという言葉になっているんですよ。実際問題として廃止なんですね、これは完全な。それで対処できるのかどうかということなんです。 その一つは、特定求職者雇用開発助成金支給事業といいまして、事業主へ三分の一の賃金補助をするんですよ。これは高年齢者と身障者と母子家庭そして同和がこれの対象になっていたんです。ところが、同和を切り落としたんですね。個人的給付だからということなんですか。それとも一般対策でということなんですか。しかし、この場合の同和の方は、全く他の理由ではなくて、若い方でも男性であっても同和であるために就職ができない、そのために与えられていた補助金だったと思うんです。なぜこれで大丈夫なのか。 もう一つは、地域改善対策対象地域雇用促進給付金支給事業と大変長いんですけれども、もう時間の関係で私言っちゃいますけれども、昭和六十一年に一億五千万円の助成金が出ていたんです。で、昭和六十年の実績で言いますと一億六千万円の実績で、この給付金が事業主に対して賃金補助の形で渡っているんですよ。ところが、今回これを個別給付だというので一般施策で対応というんです。しかし、私は非常に対処ができにくいと思うんです。なぜならば、これが移行する一般施策というのは、ただいま国会で審議中の特定不況地域等へ対する雇用開発促進法に基づく給付と一緒になるということになったんですね。特定不況地域も地域、同和地域も地域、その地域がばっちりと重なってこれの対象になるという可能性は、私は極めて少ないと思います。しかも、その箇所づけが百十カ所でございましょう。同和対策の地域は四千六百でございます。そうすると、事実上これは打ち切ったんだ、こういうことだと思うんですね。 私が特にこの問題を取り上げますのは、部落解放について最も大事なポイントはきちんとした職業、雇用があるということだと思うからです。そして、その雇用で生きがいを持って働くことによってその人の地位が上がり、その人の生活環境がよくなるという、その最もキーポイントになるのがこの就職の問題だと思うんです。それを今度は打ち落とした。この理由をまず労働省に伺います。
○説明員(竹村毅君) お答え申し上げます。 ただいま先生がお話しになりました同和問題解決の中における雇用の位置づけということについては、私どもも同感でございます。しかしながら、今具体的に二つの事業をお挙げになりましたけれども、これは私どもといたしましては個人的給付事業は原則として廃止するということと、そしてできるだけ一般対策で対処する、そのほかいろいろな見直し基準というものを当てはめまして検討した結果、第一番目の特定求職者雇用開発助成金につきましては、一般対策で対処という考え方でございます。 確かに、先生先ほど具体的に個別の例をお挙げになりましたように、身体障害者とか母子家庭の母等につきましては年齢制限がございません。しかしながら、これは主として五十五歳以上の者に対応する制度でございまして、一応同和関係住民の皆様方の就業上の問題点ということを見ますと、その一つの中に特に中高年齢層に不安定就業者が多いという事実がございます。そういうことから見ますと、五十五歳以上は一定の要件を満たせば対応できるということと、四十五歳以上の方々につきましても、例えば特定不況地域の関係者であるとか、その要件を満たせばこれも対象になります。したがいまして、私どもといたしましては、この特定求職者雇用開発助成金につきましては、同和関係住民であるということを条件にしなくても、他のいろいろな区分といいますか、先ほど具体的に申し上げましたようなそれぞれの一般対策で盛っている区分に該当する方々につきまして対応していくということで十分対処できるということで、今回かような処置をとったわけでございます。 それから、もう一つの地域改善対策対象地域雇用促進給付金の支給事業でございます。確かに実績も先ほど先生が御指摘になりましたようなものがございますけれども、今回私どもが御審議願っております地域雇用開発等促進法案、この中に地域の概念が入ります。しかしながら、四千六百三地区とこの法律で指定される地域というものが、これがイコールでは決してございません。あくまでも片一方は、雇用失業情勢というものを一定の審議会等で決められました指定基準というものに照らして指定するということで現在作業中でございますので、どの地域がどうかということはわかりませんけれども、翻ってこの同和地区の特徴といいますのは、まず農山村地区に少数点在が多いということもございまして……
○久保田真苗君 簡単にお願いします。
○説明員(竹村毅君) では、簡単に申し上げます。 私どもといたしましては、不安定就労者が多数滞留している地域につきましてはかなり指定が重なる場合もあり得るし、そういう場合はできるだけこの制度も活用しながら、地区の皆様方の雇用の促進に努めてまいりたいというふうに思っております。
○久保田真苗君 大臣、お聞きになって大体問題がおわかりいただけたと思うんです。細かいことですから私は大臣のお答えは必ずしもいただかないで結構なんですけれども、ともかくそれは一致する場合もあるなんというのんきなものじゃないんですよ、この雇用の問題は。今まさに不況で、不況地域も大変だけれども全体に大変なんです、あっちこっちで失業者が出て。その中で、同和の人たちがどんなに困っているかということは想像にかたくないと思うんです。でございますかう、一致するところも出てくるだろうじゃ困るんです。これは必要な人にはこの給付は差し上げていただきたいんです。 個人給付はやめるとおっしゃるけれども、労働省系統の雇用に関する給付というのはほとんどすべて個人にリンクされた、つまり賃金にリンクされたものを実績によって事業主に与えるという形なんです。ですから、一般のルールで個人的給付は廃止するというそのブルドーザーの下で、もうこういう本当に最も切実な者がひき殺されていくということがございますので、ひとつどうぞよろしくお願いします。私はこれに関する予算にはとても賛成できないです。 次に、厚生省に伺いたいんです。 厚生省の方はたくさん項目があるんですが、ただ一点、例えば簡易水道、それから地域のし尿処理施設、児童館、母子健康センター、いずれも程度の差はあれ非常に地域性の高い施設なんです。これが一般施策への移行なんです。一般施策への移行ですから、これは全部カバーができる、ニードは全部カバーができるというふうに一応私は解釈するんです。そして、同和地域からその要請があったときにどういうふうに対応されるおつもりか、聞かせていただきたいんです。
○説明員(矢野朝水君) 私どもはいろんな事業をやっておるわけでございますけれども、今回地対協の方から見直し基準が示されたと、そういうことは尊重したわけでございます。それからまた、残事業の調査等もやりまして、それからまた一般対策へ移行した場合の影響、こういったものもいろいろ検討いたしまして、今申し上げたような、先生の御質問のあったような事業につきましては一般対策の中でやるんだと、こういう方針をとったわけでございます。それで、これからこういった施設整備というのは一般対策の中でやるわけでございますけれども、地区の実情をよくお聞きいたしまして、一般対策の中で優先的に採択するとか、いろいろ工夫をいたしまして、必要な施設整備は今後ともぎちっとやっていきたい、こう思っております。
○久保田真苗君 十分対応ができる、一般施策の中で優先的に対応する、それでよろしいわけですね。
○説明員(矢野朝水君) そういう場合も十分あり得るということでございます。
○久保田真苗君 大臣、こういう生活関連ですね、非常に大事で、女性も非常に困るものですから、こういうのがもう今度これで一般施策へいっちゃったからなかなか番が回ってこないんだなんということにならないように、ひとつ各省庁を督励をお願いしたいんです。いかがでしょうか。
○国務大臣(山下徳夫君) 過去十八年、いろんな施策が講じられてまいりまして、答申にもございますように、一般地域との差が非常に接近してきた、少なくなってきたということでございますから、そこらあたりを踏まえながら、地対協の答申の中でもさらに残事業としてなすべきものというふうに限定をして、最終法として進めてまいりたいということでございます。
○久保田真苗君 今おっしゃったことは法律に書いてあることですから、お繰り返しにならなくてもわかることなんですけれども、ただ私は総合調整のお立場からしてそういう一般施策へいっちゃったらなかなか今度は番が回ってこないんだと、何しろこの法律は円滑かつ迅速にこの事業をやるんだというふうになっているんですから、ぜひぜひどんどん優先的に行われるようにひとつお願いいたします。 それから、最後になりましたが、外務省、人種差別撤廃条約の批准なんです。これはもう私どもがつとに一日も早かれと願ってきたことなんです。以前、前外務大臣の安倍外務大臣の御答弁はかなり積極的にコミットをしていらっしゃるんですよ。それはどういうふうに言っていらっしゃるかというと、例えば「人種差別撤廃条約については調印をして、締結をして、批准をしなければならないという我が国の態度は、これは一貫をしてきておるわけでありますが、」、今いろいろ検討をやっているから「各省の調整等も速やかにお願いをして、これはできるだけ早く調印をして、締結をして、そして批准に持っていきたい、こういう熱意には変わりはありません。」と、こういうふうに言っていらっしゃるんですね。ところが、どうも最近、どういうわけですか、こういう姿勢が 少し後退したんじゃないかと思われる節があるんですけれども、外務省どうなんでしょう、こういう安倍外務大臣が百四国会において答弁された、そういう条約に対する政府の態度が変わったということはあるんでしょうか。
○説明員(林貞行君) お答え申し上げます。 先生御指摘の人種差別撤廃条約につきましては、これまでたびたび申し上げてきておりますとおり、その趣旨にもかんがみ、できるだけ早期に締結すべく引き続き検討作業を行っているということでございまして、かかる政府の方針に何ら変更はございません。
○久保田真苗君 その検討がすごく長いんですよ、もう。それで、民間の方ではいろいろな本がいっぱいできちゃったくらいなんですけれども、もしその基本方針に、態度に何も変わりがないんなら、一体その政府のやっていらっしゃる検討はどこまで進んだか、そして国会提出の見通し、いつになるのか、それをお聞かせください。
○説明員(林貞行君) 私どもは検討を続けておるわけでございますが、この検討に当たって最大の問題になっておりますのが本条約の四条でございます。この四条は「人種的優越又は憎悪に基づく思想のあらゆる流布」、人種差別の扇動及び人種差別団体または活動への参加等を犯罪として法律によって処罰することを、締約国に対して義務づけておるわけでございます。他方、我が国の憲法は十九条における思想の自由、二十一条における集会、結社及び表現の自由等を基本的人権としてこういうものを保障しておりまして、締約国に課される最初申し上げましたような義務を我が国の憲法上の要請とどういうふうに調整していくかというのは極めて難しい問題でございまして、この点に時間がかかっている次第でございます。 私どもとして早期に批准に向けて作業をするという方針には、先ほど申し上げたとおり、何ら変更はございませんが、以上のような難しい問題がございますために、いつ国会の方にお願いするということは、現段階では残念ながら申し上げられない次第でございます。
○久保田真苗君 これも大臣にお聞きになっておいていただきたいんです。実はそういう御答弁がここ何年来と続いています。そして、私は日本政府が一九七九年に批准した人権規約、それの市民的政治的権利に関する規約の方ですね、それに十九条というのがありまして、これは表現の自由というあれがついているんですが、ここにこういうことがあるんです。「すべての者は、干渉されることなく意見を持つ権利を有する。」という項なんですけれども、そこの三項にこういった「権利の行使には、特別の義務及び責任を伴う。」とあるんですね。「したがって、この権利の行使については、一定の制限を課することができる。ただし、その制限は、法律によって定められ、かつ、次の目的のために必要とされるものに限る。」と、ここで限定をつけているんですよ。その第一が「(a)他の者の権利又は信用の尊重」、この部落差別に関して起こっているもろもろの差別事件ですね、地名総鑑で人の就職をぶち壊す、同じようなことで探偵社を扱って人の結婚をぶち壊す、そして同和地域の前で大量のビラをまいてその人たちの信用を失墜せしめると、そういった行動はこれにまずひっかかってくると思うんです。そして次にもう一つ、「国の安全、公の秩序又は公衆の健康若しくは道徳の保護」、この範囲にしかできないと、こういうふうになっているんですね、表現の自由の制限。 ところが、この公の秩序というのは、私どもが女子差別の場合にうんと使った。今まで裁判はこれでやられている。公の秩序というのは、憲法十四条すべての国民が法のもとに平等であるというのが、あれが日本の公の秩序の一つの大きい柱なんです。ですから、この公の秩序に反するような表現それから他の人の権利そのものを、法益そのものをぶち壊していくようなそういった表現、信用を失墜せしめるような表現、こういったものについて一定の制限、その被害の程度に応じた制限——あるいはそういうことはそれこそもう長官が総合調整のお立場からいろいろお考えになられることだし、条約の締結は一義的には外務省でございましょうけれども、国内法の調整等につきましてはまさに総務長官がこれは御責任なんでございます。ですから、なぜ日本はこの人権規約を受け入れていながらいまだにそちらの方についてはぐずぐずと言っていらっしゃるのか、そこのところを究明していただきたい。 ついでに申し上げますけれども、この人種差別条約は西欧の国の自由主義国のほとんどが批准しています。そしてその国々のあるものは四条等を、そういうところを留保しあるいは解釈宣言によっている場合もあるんですね。そういうことをしてでも、それはもちろんないにこしたことはないんですね。でもそれだけの措置が早急にできないのであれば、それでも私はこの条約を批准するということが国の立場からできる最大の啓発だと思うんです。これにまさる啓発はないんですよ。お説教ではだめなんです。ですから、どうぞ長官にひとつこういう問題もあわせて外務省とともに検討しましょうという御姿勢をお示しいただきたいんです。どうぞお願いいたします。御答弁いただきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) おっしゃるとおり、公の秩序、すなわちこれ公正公平と申しましょうか、平等と申しましょうか、その裏返しがいわゆる差別でございます。この場合、外務省が中心になって作業を進めておられますので、私も深くはまだ承知いたしておりませんが、この差別、いわゆるこの場合人種差別ですか、この人種差別というカテゴリーの中に一体どういう問題が含まれているかということを鋭意作業なすって詰めておられると思います。 あと一点は、この批准すべき中の処罰の義務、これと国内法における基本的人権、このかかわり合い、私はこの二点が大きな今作業の焦点になっておるのではないかと思っております。したがいまして、私の方は一つのまとめる立場にありますので、外務省とよく連絡をとりながら、なるべく早い機会に批准ができるように今後とも努めてまいりたいと思います。
○峯山昭範君 総務庁長官、御苦労さまでございます。 私は総務庁というのは非常に大事なお役所だと思っているんです。私も議員に当選させていただいて以来ずっと内閣委員会なんですよね。昭和四十三年以来ですから、もう十八年、しかも、総務庁長官というのは前は行政管理庁長官とか総理府総務長官とかいう役目だったわけです。行政管理庁長官というのは大体時の副総理とか、過去の歴代の大臣を見ましても、大変立派な方が担当の大臣でございました。また、大臣の前の玉置長官もそれなりに相当張り切って総務庁長官として頑張っておられたと思う。そういうような観点からいきまして、山下長官も相当張り切っておられると私は思うんですけれども、もう既に先ほどごあいさつが少しあったそうでございますが、やっぱり総務庁長官として、特に基本的人権を守るというふうな意味の非常に大事な役所でもあるわけですね。そういうような観点から、大臣の所信ですね、これからの決意。この法案と関係なしで結構です。いわゆる、あらゆる所管事項等を踏まえまして、行政改革の問題もありますし、あるいはいろんな問題があるわけですね。そういうような観点から、やっぱりそれなりに総務庁長官に就任をされて決意を新たにしていらっしゃることだろうと思うんですが、そういうふうな意味で、大臣の決意なり何なりを初めにお伺いをしておきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) おっしゃるとおり、私も総務庁に参りまして大変に大切な仕事だなと思っております。おっしゃるとおり、従来は副総理格の大変偉い方がおやりになった。私も参りましてわかるのでございますけれども、行政管理局の仕事一つ取り上げてみましても、なるたけむだ遣いのないように、国民の税金が合理的に使われるように、場合によっては人員の削減とか機構の縮小もやらなければなりません。したがって、そういう場合、各省大臣にこれをやるんだよとぴしっと言うためには、もう一つ高い次元から言うのが一番効き目もあるかとも思いますよ。そういう意味におきまして、従来は大変立派な方がおやりになっていた。そういう点におきましては、不肖私はまだそういう立場ではございません林、それにかわるに私は誠心誠意私の仕事に邁進してまいりたいと思っております。先生は十八年おやりになっている。私はまだ二カ月でございまして、なかなか先生の意に沿うような点はまだまだ十分修得いたしておりませんけれども、繰り返し申し上げますように、これから与えられた仕事にひとつ誠意を持ってぶつかってまいりたいと思っております。
○峯山昭範君 総合調整能力という問題からいきますと、大臣の決断力というのは非常に大事になってくると私は思うんですね。そういうような意味で、大臣の人柄は私も運輸大臣当時からよく知ってはいるんです。したがいまして、非常に大事な問題でございますので、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思うんです。大臣が先ほどお話あったから私言うんですけれども、行政改革の中で、例えば人員の削減の問題一つにいたしましても、やはり行政管理庁、従来から言えばね、今で言えば総務庁が一番いわゆる人員削減の先頭に立っておるわけですよ、実際問題としては。非常に大変な中で苦労をしておられるのを私はよく知っております。それだけに、大臣としてもいろんな面でしっかりやっていただかなきゃいけないんじゃないかなと私は思っております。 そこで、今回のこの法案でございますが、いずれにしましてもいろんな問題がたくさんあります。社会党さんを含めまして、私たち四党でこの同和対策の基本法も原案はもうでき上がっているわけです、実際は。そういうこともありますのですが、この問題、随分いろんな角度から私たちもきょうは質問させていただこうと思っておりましたが、先ほどから社会党さんのお二人の質問を聞いておりましたら、私がやりたいと思っておるやつを全部こう片っ端から順番にやってこられましたので、本当に弱ったなと今思っているわけであります。しかし、そういうことも踏まえまして質問をしてみたいと思います。 同和問題の解消につきましては、日本国憲法第十三条及び十四条の意義やあるいは昭和四十年のあの同和対策審議会の答申、その精神を踏まえまして、もろもろの対策が講じられてきたわけでありますが、差別の実態を改善するとともに、一般の福祉や教育、さらには人権の水準を引き上げるための諸施策を講じ、今後とも広く国民の理解と協力を得るための基本的方策が、ぜひとも必要であると私どもは考えております。そのためには、部落解放基本法の制定を含めて、今後の同和行政を推進していく基盤を検討していくことが不可欠であると考えているわけであります。そういう観点から、きょうは二、三質問をさせていただきたいと思っております。 今回の提案理由の中にも「最終の特別法として、」とありますが、この最後の特別法とした政府の認識と同和問題の解消に向けての総務庁長官の決意を初めにお伺いしておきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 同対審の答申を得まして、既に二十年を経過いたしました。この間、同和対策事業特別措置法及び地域改善対策特別措置法に基づく対策の推進等により、生活環境を初め同和地区の実態はその当時と比べまして大幅に改善されているところでございまして、昨年の十二月の地対協の意見具申においても述べられておりますとおり、同和地区と一般地域との格差は平均的に見ればもう相当程度是正されているという状態になっております。 その事例といたしまして、例えば居住水準が全国的な水準とほぼ同様の水準にまで域善されているということ、あるいは高校進学率が飛躍的に向上いたしているという点が挙げられると思います。さらに、内外における人権尊重の風潮の高まり、各種の啓発施策等の実施、実態面の劣悪さの改善、このような面から心理的差別についてもその解消が進みつつある、このように理解をいたしております。 また他方、今後に残される課題といたしましては、さきの意見具申の指摘にもございますように、物的事業について一部に事業の取り組みがおくれている地域が見られるのでございますが、昭和六十二年度以降に持ち越される事業量があること、心理的差別の解消がいまだなお十分な状況にないことが挙げられております。これらの問題を解決していくためには、新法案に基づいて現行の対象地域について引き続き所要の事業を実施するとともに、粘り強く啓発活動を推進していくことが必要であると、私自身このように認識いたしておる次第でございます。
○峯山昭範君 それでは、先ほども御答弁ございましたが、今回提出された法案ですね、この法案の経緯、どういうふうな経緯を経て立法化されることになったのかということと、そして今回の法案の性格及び今後地域改善対策に関して最終の立法措置と、先ほどもちょっと申し上げましたが、こういうふうに述べておられるわけでございますが、そういうふうな点を踏まえまして、概要について御説明いただきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 今後の地域改善対策のあり方につきましては、地対協を中心に検討が進められておりまして、昨年十二月に政府に対しまして意見具申がなされましたことは、御承知のとおりでございます。 この意見具申では、地域改善対策の現状認識を踏まえながら、現行地域改善対策事業について基本的な見直しを行うべきこと、地域改善行政の適正化を推進すべきこと、また今後とも所要の事業を円滑に実施するためには特別の立法措置が必要であること等が指摘されたところでございます。 政府といたしましては、本意見具申を踏まえ、今後の地域改善対策に関する大綱を昨年末に取りまとめたところでございますが、この大綱及び意見具申を踏まえて現行事業の見直しを行い、昭和六十二年度予算の編成を行うとともに、本法案を作成し国会に提出をいたした次第でございます。 本法案は、同和地区の実態の改善等を踏まえ、国民に対する行政施策の公平な適用という原則等にかんがみ、現行の地域改善対策の一般対策への円滑な移行を行うための最終の特別法として提案されているものでございまして、現行の対象地域について引き続き実施することが特に必要と認められる事業について、その円滑かつ迅速な実施を図るため、国の財政上の特別措置を講ずることといたしているところでございます。
○峯山昭範君 そこで、まず法案のしょっぱなの、従来の地域改善対策特別措置法には、先ほども小野さんが質問しておられましたが、第一条で目的規定がきちっとしておりまして、「すべての国民の基本的人権の享有を保障する日本国憲法の理念にのっとり、歴史的社会的理由により生活環境等の安定向上が阻害されている地域について生活環境の改善、産業の振興、職業の安定、教育の充実、」等々、きちっと入っていたわけでありますが、今回はこの目的規定というのが削除されまして、第一条から趣旨規定になっているわけであります。この点については、これは先ほどその精神はそのとおりなんだというふうな意味の答弁がありましたが、これはやっぱりこういうような目的規定を置かなくてもよろしいんでしょうかね。そういう点についてはそういう先例もやっぱりきちっとあるんでしょうかね。これはどうですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 新法案の事業というものが、現行法の事業と同じように、憲法の理念を踏まえて実施されるということは、これはもう当然のことでございます。しかし、今回の立法の趣旨は、先ほども御答弁申し上げましたように、一般対策への移行を進めるための最終法であるということでございまして、そのために必要な措置を定めるということでございますから、必然的に財政的な措置が中心となってくるわけでございまして、そういう意味からしますと、これは財特法と言うべきでございましょう。したがって、他の類似の財特法と同様に、目的規定ではなくて趣旨規定という考え方でこの法律の作成を進めてまいったわけでございまして、それを御提案申し上げた次第でございます。 なお、啓発事業等の非物的事業につきましても、今後も実施することが特に必要と認められる事業につきましては、地域改善対策特定事業といたしまして政令で規定する予定になっておりますので、従来と同様に法に基づく事業とされるものであるという点を御答弁申し上げておきたいと思います。
○峯山昭範君 わかりました。それはいずれにしても残事業ということで、そういうことならそれはそれでいいのかもしれませんが、いずれにしましても、精神的にはこの規定を踏まえて残事業を遂行する、こういうことでよろしゅうございますね。 そこで、今回私もいろいろと資料も随分読ませていただいたわけでございますが、地対協の意見具申を踏まえまして事業の見直しを行いまして、そうして昭和六十二年度予算を決定したわけですね。 そこで、その見直しに当たって、政府として具体的にはどういうふうな方針で臨んだのかというのが一点と、それからもう一つは、こういうふうな地域改善対策事業の見直しを行った結果、地対事業の具体的内容については、先ほども大臣からも御答弁ございましたように、新法に基づく政令案に盛り込まれることになったわけでありますが、そういうような政令案とそれから昭和六十二年度の予算案、これはまだ成立してないわけでありますけれども、そういうふうな予算案との関連はどういうふうになっているのか、そういう点もあわせてお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(熊代昭彦君) 現行の地域改善対策事業の見直してございますけれども、昨年十二月の地対協意見具申におきまして、「これまでの対策の成果として、同和地区の実態が改善され、一般地域との格差が相当程度是正されてきたこと等にかんがみ、基本的な見直しを行い、真に必要な事業に限定して、特別対策を実施すべきである。」との御提言をいただいたところでございます。 また、見直しの基準とすべき考え方につきましても具体的に、可能な限り一般対策へ移行することを基本とすること、既に事業目的を達成している事業などは廃止すること、過度に優遇している事業については廃止または是正措置を講ずること、個人給付附事業については原則として廃止し、自立に役立つものに限定すること、物的事業のうち具体的な計画が明らかでないものは一般対策へ移行すること、人的事業についても一般対策への移行を検討することなどが示されたところでございます。 政府といたしましては、このような地対協の御指摘を踏まえまして、昨年の十二月二十七日に「今後の地域改善対策に関する大綱」を定めたところでございますが、同大綱に従いまして、現行事業の見直しを行ったところでございます。その結果として、今後とも継続すべき事業は三十四、事業内容を修正した上で実施すべき事業二十、廃止あるいは一般対策へ移行すべき事業が二十八としたところでございます。 昭和六十二年度予算案の編成は、この地対協意見具申及び大綱に即して行ったところでございますが、新法案に基づく地域改善対策特定事業としましては、この昭和六十二年度予算案に盛り込まれた継続実施または修正継続の五十四事業を政令で規定することとしているものでございます。
○峯山昭範君 今のその見直し作業というのは、どこでどういう人たちがやられたんですか。
○政府委員(熊代昭彦君) 意見具申を受けまして大綱を定めましたのは総務庁でございますが、関係各省庁の合意を得て大綱を定めたところでございます。 それから、その大綱に基づきまして政令にいかなる項目を盛るか、それがまた予算に反映されるわけでございますけれども、それは総務庁を中心にいたしまして各省さんと相談して見直しをしたところでございます。
○峯山昭範君 それでは、各省から全部説明をいただきたいのでありますが、時間の関係もありますので、厚生省と農水省、通産省、労働省、建設省、とりあえずこの五省ですね、この見直し作業の経過とかいわゆる対処の方針とか、あるいは廃止に至る経過とか、そういうようなものを具体的に御説明いただきたいと思います。 まず厚生省からですね。現行事業の本数は二十三本、継続して実施するものが九本、それから修正が一本で廃止が十三本ということになっていますね。この中身、それと基本的な考え方、そして廃止した場合のいろんな問題点、そういう点を御説明いただきたいと思います。
○説明員(矢野朝水君) 厚生省では、ただいまお話にありましたように、二十三の事業を実施してきたわけでございます。これを今回地対協の意見具申を踏まえまして見直しをしたということでございますけれども、私どもはその地対協の意見具申を尊重すると。これは政府の一員として当然のことでございますけれども。もう一つは、厚生省関係の事業がどのくらい残っておるのかということで、そういった調査もやったわけでございます。それから、今回の意見具申は一般対策への移行ということを非常に強く指摘しておるわけでございまして、したがいまして、その一般対策へ移行した場合に問題があるかないかと、影響度合いというものも十分考慮に入れたわけでございます。 その結果、先ほどございましたように、九事業についてはそのまま継続ということになったわけでございます。それで、この継続になった事業といいますのは、やはり事業量が非常に多い、それから地区の環境改善に必要不可欠である、こういった事業、それからソフト事業ですと住民の福祉の向上あるいは啓発等に必要なソフト事業ということで、そういうことで今後とも継続ということにいたしておるわけでございます。 主なものといたしましては、地区道路、それから橋、それから下水排水路、こういった事業が非常に多いわけでございまして、物的事業の八五%ぐらいを占めております。それ以外に継続する事業といたしましては、共同作業場、飲料水の配管施設、それから墓地移転、火葬場、納骨堂、隣館の整備事業、こういったものは今後とも継続するということでございまして、必要なものはちゃんとやる、こういうことで対応しております。 それから継続事業といたしましては、隣館の運営事業。それから修正して実施する、こういうものといたしましては、生活相談員の設置事業あるいは保育所の運営事業、こういったものがございます。 それから一般対策へ移行ないし廃止した事業について次に申し上げますと、一般対策へ移行する事業でございますけれども、これは簡易水道施設、地域し尿処理施設、保育所の整備、児童館の整備・運営、母子健康センター、こういった物的事業は一般対策へ移行する。これらの一般対策の中で地域の実情をよくお聞きいたしまして優先的に対応するものは優先的に対応するということで、必要な施設整備は今後とも図ってまいりたいと思っておるわけでございます。 それから一般対策へ移行したいわゆる非物的なソフト事業といたしましては、妊婦の健康診査事業、巡回保健相談指導事業、こういったものがございます。これは、現在保健所におきまして必要な健康診査とか健康相談等もやっておりますので、一般対策の中で十分やれる、こういうことで一般対策へ移行したわけでございます。 それから廃止した事業でございますけれども、これはトラホームの予防・治療事業というのがございます。かってこういった地区におきましてはトラホームというのが大変な深刻な病気だったわけでございますけれども、地域の環境改善がされたあるいは衛生状態がよくなったということで、こういうトラホームの発生もなくなっております。そういうことで今回廃止したわけでございます。 それからニーズが乏しい事業は廃止する、これも地対協の見直し基準の中にあるわけでございますけれども、これに該当するものとしましては、共同浴場、屠畜場、共同井戸、ごみ焼却炉、街灯の整備事業、こういったものは廃止いたしました。ただ、これらの調査を昨年十一月やったわけですけれども、そのときに若干要望がございましたので、これは六十一年度事業で実は全部必要な事業は整備いたしまして、したがいまして、六十二年度以降はニーズが全くない、こういうことで廃止したわけでございます。 以上でございます。
○峯山昭範君 それでは、これは各省やってもらうと時間かかりますから、あともう一つ、建設省。 資料によりますと、全部で十六本のうち十本が継続で、一本が修正継続、五本が廃止ということになっておりますね。
○説明員(羽生洋治君) お答え申し上げます。 建設省所管の事業につきましては、地域の環境整備を図るということで、私どもの所管事業について努力してきたわけでございます。今までに相当の成果を上げたのではないかと考えております。 今先生御質問の事業につきましては、私どもは、住宅地区改良事業とか住宅新築資金等貸付事業等の住宅、住環境の整備に関する事業、下水、公園、街路の都市計画事業等の事業を行っておりますが、こういった真に必要な事業につきましては、六十二年度以降も引き続き実施をしてまいりたいというふうに考えております。 今御指摘のうちの修正一というのは住宅新築資金貸付事業でございますが、これにつきましては、金利の引き上げ等の修正を行った上で継続して実施してまいりたいというふうに考えております。 なお、建設省所管の地対事業のうち、廃止または一般対策へ移行する予定の事業につきましては、公営住宅建設事業、がけ地近接危険住宅移転事業、住宅敷地整備事業、分譲改良住宅共同施設整備事業、住宅地区改良事業等計画基礎調査事業がございまして、これが五つでございます。 公営住宅建設事業につきましては、一般対策に比べまして補助率では差がないわけでございますが、起債充当率を引き上げるということで事業の実施に努めてまいったわけでございます。これまでに相当の成果を上げ得たというようなことで、可能な限り一般対策へ移行するという考え方に基づきまして、これを一般対策に移行しようとするものでございます。それ以外の四つの事業につきましては、ニーズが乏しいということで実績も極めて少ないわけでございまして、ニーズが乏しいということとそれからできる限り一般対策へ移行する、こういう二つの考え方に基づきまして、一般対策への移行を予定しているところでございます。
○峯山昭範君 これは、室長ね、廃止の基準とか、どういうあれでやったんですかね。一般対策に移行してしまえば、今度は非常に難しくなってくる点が多いと思うんですよね。そういう点考えますと、継続していくかあるいは廃止するかという基準というのは、やっぱり総務庁の担当のところからきちっとした指示なり何なりがないと、各省庁勝手にやったわけではないと私は思うんですけれども、そういう点だけちょっとお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(熊代昭彦君) 一般対策への移行ないしは廃止の基準でございますけれども、地対協意見具申でも考え方が示されておりますとおり、基本的に法の前の平等ということでございますので、特別なる対策というのは一定期間の後には一般対策へというようなことが法の前の平等の精神でございます。 それで、可能な限り一般対策へ移行ということ、これが大原則でございまして、そのときに事業の進捗状況あるいは都道府県、市町村の状況等々を考えまして、基本的に同和問題の解決という観点から見ましてこれはぜひ残す必要があるというのを例外的に残すというようなことで、基本は可能な限り一般対策へ移行するということでございます。それから、既に事業目的を達成している事業やニーズの乏しい事業はこれは廃止する、こういう二つの方針でございました。
○峯山昭範君 案外大まかな基準ですね。それは確かに住宅や道路、そういう面では過去十八年間のいろんなハードの面では大分整備もされてきたし、かなり改善をされてきた。それはそれなりに私よくわかるんですけれども、しかし、廃止する面についての基準というのは案外緩やかな、どうでも解釈できるような感じのあれですね。 しかし、大臣、それはそうとして、ハードの面はそれで今度はある程度前進はしてきておりますけれども、先ほどからも話ございましたが、教育とか啓蒙とか人権擁護、そういうような面から考えますと、ソフトの面はまだまだ改善の余地があるんじゃないか、こういうふうに私も思っているわけであります。やっぱりソフトとハードとバランスのとれた地域改善対策というのが非常に大事だと私は思うんですけれども、この点についてお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 今御意見のとおりでございまして、特に教育等につきましては、奨学金その他については引き続きこれを行うということにいたしておりますが、その他啓発事業につきましては、先ほど来社会党の先生方からも御質問ございましたように、今後新たに公益法人、まだ名前が未定でございますので公益法人と申し上げておきますが、公益法人をつくりまして国民一般にも呼びかけながら、その全きを期するためにひとつ今後とも継続して頑張ってまいりたいと思っております。
○峯山昭範君 その公益法人をつくるというところにまた問題があるんじゃないの。これは。そこのところは先ほど随分議論ございましたからもうこれ以上触れませんが、いずれにしてもそこのところは非常に大きな問題がある。 時間が余りなくなってきましたから急いで参りますが、最近特に迷惑している問題の一つに例のえせ同和団体というのがあるんですよね。これはもう非常に迷惑しているわけでありますが、いわゆるこのえせ同和団体の横行について政府はどの程度その実態を把握していらっしゃるのか、また、こういう問題の解決について具体的にどういうふうに取り組んでいらっしゃるのか、これを一遍聞いておきたいと思います。
○政府委員(熊代昭彦君) いわゆるえせ同和団体につきましては、任意に消長を繰り返しますものでございますのでなかなか把握の難しいところでございますが、法務省さんからのデータでございますけれども、違法不当な要求をしてきたえせ同和団体ないしはえせ同和行為をする団体は四百を超えるのではないかということでございます。 また、えせ同和行為の実態把握につきましては、昨年十月に法務省さんが全国の各事業所を対象にアンケート調査を実施したところでございますけれども、その中間報告によりますと、回答があった事業所三千四百七十一のうち二六%の事業所が昭和五十九年一月一日から現在まで、同和を名のる者から違法不当な要求を受けたことがあるとしております。それから業種別に見ますと、損害保険五五・二%、信用金庫・信用組合五二・九%、銀行五二・三%の業態分類が比率が高くなっております。地域別に見ますと、近畿三六・五%、九州三一・六%と、近畿、九州の比率が高くなっております。また、違法不当な要求の内容といたしましては、融資の申し込み、機関紙等の物品購入、示談金の要求等、こういうことが明らかになっております。 えせ同和行為の横行は、同和問題解決のために長年にわたりまして関係機関の積み上げてきました努力の成果を踏みにじるものでございますので、同和問題に関する啓発活動の効果を一挙に覆すという性格のものでもありまして、同和問題の解決のためには断固排除しなければいけないということで、先ほど来申し上げております「今後の地域改善対策に関する大綱」でも、適正化のための課題の一つとして取り上げているところでございます。 また、具体的対策としましては、昨年九月に法務省、総務庁、警察庁三省庁構成によりますえせ同和行為対策連絡会議が設置されておりまして、今後同和問題に関係します全省庁にメンバーを拡大しまして、政府が一体となって対策に取り組む方向で調整が進められているところでございます。 なお、法務省独自の問題といたしましては、啓発活動の重要な柱としましてこの問題に取り組んできたところでございますけれども、今後とも努力してまいりたいと思います。
○峯山昭範君 相当やっぱり総務庁としても力を入れてやらないと、これは解決しませんな。そんなにたくさんあるんですか。これはもう大変な問題でありますから、やっぱり相当力を入れて——大臣、これは特に今近畿と九州とおっしゃっていますわね。今のパーセントでいきましても両方で七割近くになりますね。これはやっぱりその問題解決のためには相当力を入れていただきたい。この点はお願いをしておきたいと思うんです。 そこで、先ほどもちょっと議論ございましたが、新法施行後につくるいわゆる地対協、これは国家行政組織法の第八条に基づいてできる協議会ですけれども、これはその役割とか構成とか、その点についてもう一回お伺いしておきたいと思うんです。それから、地対協の問題、今回は政令でつくることになるわけですね。政令で設置する場合の、いわゆる今までの法律に基づいてつくる場合との違いも含めて、お伺いしておきたいと思います。
○政府委員(熊代昭彦君) 現在の地対協は昭和六十二年三月末で廃止されることになりますが、それに伴い新たな協議会を設置するために現在政令の制定作業を進めているところでございます。新協議会の所掌事務につきましては、現行の地対協と同様の内容とすることを予定しているところでございます。 なお、新協議会は、現在の地対協と同様、国家行政組織法第八条に基づき政令により設置されるものでございます。また、協議会の組織及び運営につきましても、これまでと同様、協議会令を制定するということでございまして、私どもの理解では、政令で定められるもの、法律で定めるものに本質的な違いはないというふうに考えております。
○峯山昭範君 大臣、先ほどもいわゆる地対協の委員の人選の問題でいろいろ議論ございましたが、これは前の玉置総務庁長官がしょっちゅう言っておりましたが、国家行政組織法第八条に基づく審議会等の人選については、フレッシュな、要するに今まであの人がなっていたからこの次もこの人がなるというふうなことじゃなしに、新しい時代を迎えて本当にそういう問題に堪能なフレッシュな人を選んだらどうか。そういうふうにするとあの人は言ってはったんですよ。大臣、どうですか。
○国務大臣(山下徳夫君) これも先ほどから再三御答弁申し上げておりますとおり、おっしゃるとおりフレッシュと申しますかそういう立場から、あわせてまた公正中立な立場から、人選を進めてまいりたいと思っております。
○峯山昭範君 これは大臣、それで私はいいと思うのです。公正中立であっていただきたいと思うし、野党の意見を聞けとか、あっち側の意見を聞けとか、いろいろ意見はありますよね。しかし、それは、意見を聞く方は何ぼ聞いたって僕はいいと思うんですよ。大臣、ぜひ聞いていただきたいと思うのですよ。どの人がよろしいでしょうかと、いろんな人からいろんな意見を聞くというのは、聞いてそのとおりせにゃいかぬというわけでもないから、聞く方は何ぼ聞いたっていいわけです。だから、ぜひ聞く方は聞いてくださいよ、とにかく。 それで、大臣、これは私きょうはっきりさせておきたいことがあるんですよ。それは、要するに私的諮問機関というのは、随分内閣委員会でも議論をしてまいりましたが、まず、大臣、年齢的には何ぼぐらいまでがいいと思いますか。
○国務大臣(山下徳夫君) 突然の年齢の御質問で、実は私も幾つまでがいいというふうにはまだ考えがまとまっておりません。フレッシュということは必ずしも私は年齢を問うているんじゃないと思います。新しい感覚を持った方々という意味において、年齢にとらわれず適正な人選を行ってまいりたいと思います。
○峯山昭範君 玉置長官はおっしゃっていましたよ、当内閣委員会で。フレッシュといったら、もう八十にもなったらフレッシュということとは違うでと、こう言っておった。いや、本当に言ってはったです。八十とちゃんとおっしゃっていますよ。局長に聞いてみなさい。そうでしょう。ですから、何ぼ何でも六十といったら若過ぎるし、七十いったら僕ら随分年がいっていると思うんですけれども、七十で線を引くとこれはまたいろいろ問題が出てくるかもしれませんが、八十といったらもう線を引いてもいいのと違うか。これは大臣、どうですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 八十といいますと人間の平均寿命でございまして、ですから、必ずしもこれを老齢というふうには私は受け取りにくいのでございますが、いずれにいたしましても、玉置前長官のおっしゃった気持ちは私もよくわかります。 ただ、玉置長官も十分な合意を得られないままああして逝去なさいまして、その直前に一たんこの問題は内閣において白紙に戻すということを言い残しておられるのでございまして、新たな立場から、もちろん玉置長官のお気持ちも十分私も意にとめて人選をいたしたつもりでございます。
○峯山昭範君 それでは行政管理局長、玉置さんがお亡くなりになる前に、私的諮問機関についてのこれからの考え方とか基準というようなものを閣議でやりましたね。あれはどういうふうにおっしゃったのでしょうかね。
○政府委員(佐々木晴夫君) これはちょうど参議院の予算委員会でもって峯山先生からの御質問を受けまして、政府として、従来から懇談会と審議会との区分については注意をしておりましたわけでありますけれども、さらに注意をする必要があるということで、昨年、六十一年十月二十一日に、閣議において総務庁長官がこの問題について発言されたわけであります。 そのときの物の言い方を御紹介申し上げます。 読み上げさせていただきます。 各省庁が当面する問題について、関係各界から有識者の参集を求めて懇談会等を開催することは日常一般に行われているところでありますが、これら懇談会等行政運営上の会合については、従来から国家行政組織法第八条の機関である審議会等との区別を明確にするよう、総務庁としても各省庁に対し、留意を求めてきたところであります。 しかしながら、さきの参議院予算委員会審議においては、この間の区分が必ずしも明確でないものがあるのではないかとの指摘もあり、政府としては、今後とも審議会等との区分を明確にしていくことが必要であると考えられます。 もともと、審議会等は、これを構成する個々の委員の意思とは別の合議機関そのものの意思決定が行われ、これが答申等として公の権威をもって表明されるという性格のものであるのに対し、懇談会等は、これと異なり、あくまでも行政運営上の意見交換、懇談等の場として性格付けられるべきものでありますので、これら懇談会等につきましては、その運用におきまして審議会等との区別が明確になされるよう、各位におかれても、十分御留意願いたいと存じます。 このようなことを閣議において申されたわけでございます。
○峯山昭範君 そこで、国家行政組織法が改正になりましてから、大体政令でいわゆる懇談会とか研究会等が設置されるようになったわけでありますが、具体的に政令で設置した審議会、八条機関ですね、これは幾つ、どんなのがありますか。
○政府委員(佐々木晴夫君) まあ率直に申しまして、今直ちにその政令設置の数を持ち合わせてはいないわけでありますけれども、私の記憶で申しますと、いわば組織の何といいますか、スクラップ・アンド・ビルドといいますか、そういう形で例えばある審議会を廃止をしてある審議会をつくると、あるいは所掌事務を追加するというふうなものがございます。この地対協につきましても同様に、従来の審議会を廃止をして今回新たに地対協をつくると、このような形をとっておるわけであります。そうしたものは従来から幾つか例はございます。ただし、全くの新しいものが新設されたという例は、例のスクラップ・アンド・ビルドの原則がありますものですから、これは今までのところないと、このように思います。
○峯山昭範君 要するに、これは局長、私がこれ言いたいのは、政令で設置するということについてはもともと問題があって、国家行政組織法の改正のいきさつからいえば、衆議院で通過したやつが参議院で否決されたいきざつがあるんですよね、昔。政令で設置するのはいかぬといって、法律でやっぱりやるべきだというふうに修正されたいきさつがある。それがこの間の国家行政組織法の改正で、あえて政令でも設置できるということになった。ということは、こういう審議を経なくて設置することができるようになったわけです、大臣ね。ところが、今局長の答弁でも、従来からあった分については当然政令で設置することになるのかもしれませんが、それ以外のところは新しく政令で設置したということは聞いたことがない。ないでしょう。ということは、逆に言えば、政令でできるようになってもあえてまだいまだにいわゆる私的諮問機関をつくっておると、こういうことになるわけですよ、大臣、これね。去年の閣議の決定なんていうのは全然もうくそ食らえですわ、本当にもう。 こんなことを言うたらいけませんが、本当に大臣これね、玉置長官がもう遺言みたいにして言いますって本当に言ってはったで、あの人。ところが実際は、その後も中曽根総理の指示でって言うんですから、もうほんまにこれ私けしからぬと思っておりますのは、——国土庁きょう来ていますか。ちょっと前の方に座ってください。 これね、大臣、いろいろあるんですけどはしょっていきますが、大臣も御存じのとおり、国土庁には国土審議会というのがあるんです。ところが、それがあるにもかかわらず、今度はそれに私的懇談会というのをつくったわけです。これは要するに国土政策懇談会というのをつくりよったんです。しかも、新聞報道によりますと、これは中曽根総理の指示でと書いてある。こういう問題については、もう二度とこういう間違いは起こしませんと。しかも、その報告書なんというのはこれは立派なものでっせ。大臣、これ見てくださいよ。これ報告書です。(資料を示す)役所はそれこそ屋上屋を重ねてこういうことをやっているわけです。 というのは、総務庁の言うことを聞かぬわけですよ、大臣。大臣も中曽根総理から任命されたのかもしれませんけれども、言うべきところはがっちり言ってもらいたい。守るべきところは守ってもらいたい。大臣のいわゆる副総理格と同じぐらいの権威があるかないか、あるいはこれからのいろんな問題をきちっと処理できるかどうかという一つの大きなこれ試金石に僕はなると思うんです。しかも、これ、こういうふうな「概要」というのが堂々とまかり通っているわけですよ。ことしの三月六日にこの報告書が出ているわけです。これはまた立派なものですよ。堂々と、これはもう国土審議会が出してもいいようなものをつくっているわけです。 つくるんなら、国土審議会があるんですから、そこでやりゃいいじゃないか、そういうふうな理屈になるわけですけれども、こういう点を踏まえてやっぱりきちっとやっていただきたいと、私は。これは大臣の働き場所ですな、言うたら。しっかりやっぱり総務庁長官としてそういう点もきちっとやっていただきたいなということを踏まえてきょうは申し上げているわけでございますから、いろいろ申し上げましたが、その点御答弁いただきたいと思います。
○説明員(真板道夫君) ただいまの先生の御質問に若干誤解の点があるのではないかという点で、説明させていただきたいと思います。 まず、この国土政策懇談会が中曽根総理の指示により設立されたと、こういうような点でございますが、これはそのような事実はございませんで、昨年の十二月十一日の衆議院の決算委員会におきまして、草川昭三先生の御質問に対しまして国土庁長官が、中曽根総理から私が、懇談会をつくれとか、そういう御指示を受けたことはございません。今の国土政策懇談会も、全く私の意思によってつくった懇談会でございますと、以上答弁申し上げているところでございます。 それからもう一つ、この国土政策懇談会の性格といたしましては、先ほど行政管理局長の方から御答弁申し上げましたように、これは全くの自由な意見を交換する会でございまして、国土政策懇談会自体が合議機関として一つの意思を形成するというようなことではございません。先生のお手元にございます報告書の前書きのところでもそこはうたってあるところでございまして、意見の中に賛成もあれば反対もある、それを記録したものである、こういうふうな性格を持つものでございまして、これを受けまして、これだけに従いまして四全総をつくるとか、そういうような性格のものではございません。
○峯山昭範君 これはもう時間があったら相当やりたいんですけれども、まず私は、中曽根総理の指示でというのは三月七日付の日本経済新聞に載っているわけ。日経が間違っておるわけや、これな。そうですか。——それじゃ、間違うてはるらしいです、これね。わかりました。それはあれです。 それから、あなたは、これが自由な懇談の意見でと、合意のあれじゃないと、そうおっしゃっていますけれども、あなたは今までの議論の経過を知らないからそんなことを言っているわけ。行政管理局長から説明さしてもいいんですけれども、時間がないから私が説明しますけれども、要するに民間の方々の率直な意見を聞き、互いに話し合って、そして、それについての意見を参考と申しますか、材料にしていくということはやむを得ない、また必要な場合もありますと。これが一つの行政機関としての意思決定をするということはいけない。その意見——これね、この報告書ですよ。だから、率直な意見を聞いて話し合っていろいろするのはいい。ただし、こういうふうにまとめてしまうとこれいかぬわけです。 何でかというと、その報告書かどうか、これは中身の名称のいかんにかかわらず、実態が八条の機関に当たるものであればもちろん法律で設けなければならない。これは前の法律の場合です。要するに、問題はその実態にある。何人かの人をある問題についてずっと呼んで、委員各自の個人個人の意見を一人ずつ聞く、これは今の八条には抵触しない。しかし、一つの組織体をつくって——これから先聞いて。これ林法制局長官の答弁です、当時の。一つの組織体をつくって、これ組織体だね、国土政策懇談会。一つの組織体と違いますか、これ。組織体でしょう。その組織体としての意見をそこで出させるということは、これは八条に該当する。組織体としての意見になっているんじゃないですか。これ一つ一つ、例えば第一項はどの人の意見、例えば国土の政策の基本というのはだれだれの意見、三項目のこれはだれだれの意見、そういうふうに書いたのがあるんです。わざわざ、これ逃れるために、厚生省でつくったのあるんです。ところが、あなた方のやつはそうなってないじゃないですか。ちゃんと目次から「はじめに」からきちっとした体裁になっているじゃないですか。そうでしょう。 そういう二つの明確な線があるわけであり、閣議決定等で懇談会を置く場合は、その前者に引きつけて考えてあり、十分けじめをつくり、八条に抵触しないように注意しているというのが当時の林法制局長官の答弁です。今そのとおり言うたわけです。だからあなた方は、ただ単にここに、前の方に、いろんな自由な意見の交換をしたと書いてあるからこれが抵触しないなんと思ったら大きな間違いですよ。だから、このことを私は今まで何回もとらえて、大体こういう一人一人の——もっと詳しいやつ言おうか。もう時間ないから言う間はありませんが。この私的諮問機関というのは、これは私が言っているのは、あなた方の行政管理庁が言っている部分です。懇談会というのは出席者の意見の表明または意見の交換の場であるにすぎない。意見の交換の場、大臣が一人一人から意見を聞く、その交換の場であるにすぎないんだと。それ以上のことになると八条機関に抵触するおそれがある。したがって、あなた方は政令で決められるわけですから、政令でどんどん決めてやりなさいと。しかし、政令で決めてないわけですから、あなたが威張って言うほどのことは全く。ない。議論すれば、何ぼでも時間あればやります。もう時間ないから終わりますけれども、そういうことだ。 ですから、やっぱりこれは国土庁、えらい済んまへん言ってもらわないけまへんね。これはどうですか。絶対そういうふうな閣議の決定とかいうふうなものに抵触していませんか。してるとは言いませんわ。してるおそれはないかと、もうちょっと緩やかに私、言いますわね。
○政府委員(佐々木晴夫君) 今先生からお話のありました点につきまして、この懇談会は、先ほど申しましたように、行政運営上のいわば会合であると私ども理解をいたしておるわけであります。各省庁は、行政運営に当たり、その参考に資するために個々の参集者からその都度意見を徴するために開催されるということで、その意味で合議機関として一体として意見の表明をされる審議会等とはこれは異なるんだということを、私ども既に各省庁にお願いをいたしておるわけであります。 この懇談会の概要を見ますと、そもそもこの題が「国土政策懇談会における議論の概要」ということで、概要の取りまとめをいたしておる。それで、初めのところにありますように、いわば委員から意見表明があったが、十分に議論を尽くせなかった点や委員の間で一致しない点があった。しかし、大方の意見の一致した事項も多い。全体として示唆に富む意見が数多く出されたので、御参考にするためにこれを整理して取りまとめたんだということを言っておるわけでありまして、その中身もいろいろなものが入っておる。これは全部が全部全員の賛成でもって一体として議論が一応整理をされたものとは、この前書きにも書いてありますように、私ども認識をいたしておりません。要するに、議論を全部羅列した、整理した、このように考えておりますので、大体懇談会という性格によくマッチしているんじゃなかろうか、このように私どもとしては認識をいたしておるということを申し上げさせていただきたいと思います。
○峯山昭範君 また言わないかぬですな。そんなことを言っていたら、もう総務庁の権威全くなくなる。大臣、もう本当に総務庁やめた方がいい。私は行政管理庁を物すごく応援をしてやってきましたけれども、本当にそういうふうにしてなし崩しに結局何でもかんでも認めてしまうと、行政管理庁としてきちっとやってきた筋が全く通らなくなる。各省庁は全部総務庁の言うことを聞かなくなります。今までは本当に各省庁は総務庁の言うことを聞いていました。何で聞いているかというと、そういうことがきちっとしているからですよ。ところが、あなたの言うように、こういうふうなのもこれはもう大したことないよ、大丈夫だよと、そういうふうにどんどんどんどん言っていると、僕は今何でこんなことをわざわざやっているかというと、総務庁の言うことをどこも聞かなくなる。本当ですよ。だから、私は局長の応援演説のつもりで言ってますねん、ほんま言うたら、これね。本当にあなたはしっかりしてもらいたいと思う。 もう時間ないからこれで終わりますけれども、うちの飯田先生がちょっとだけやりたいらしいんで、やっぱりそこら辺のところはもう少ししっかりしていただきたいなというのが私の実感であります。 終わります。
○委員長(岩本政光君) この際、峯山君の関連質問を許します。飯田忠雄君。
○飯田忠雄君 今般の法案につきましては、このこと自体については別に反対すべき理由はないわけですが、これに関連しましてはんの少し御質問を申し上げたいのは、私が住んでおりました兵庫県、いろいろ回ってみますと、以前は大変貧弱であった村が立派になっておるし、道路も立派になっております。これは大変いいことでありますが、そのあたりを通りますと、一緒に行った人が、ああ、あれは部落だよと、こう言うんです。これはぶち壊したと思うんです。立派になったら、それが部落だと言われたんではこれはおかしな話で、形づくって魂入れず、とんでもない話だと思います。 憲法ができましてから今日まで四十年もうたつんです。ここら辺でもうそろそろやはり魂を入れる法的措置が必要ではないかと思うわけです。といいますのは、今一番問題になっておりますのはやはり職業の差別、それから婚姻差別でございます。これは憲法の二十四条には明確に婚姻の自由の規定がございまして、それを妨害することは許されないとなっておるんですが、これは国が許さないと、つまり国が妨害しないというだけじゃなしに、そういう妨害される状態が生じた場合に、そういう状態を排除することもこれも保障のうちに入っているんですね。ところが、保障が十分なされていない。職業選択の憲法二十二条の問題ですが、これも同じく保障がなされていない。普通は憲法は国が邪魔しないことだというふうに処置されておりますが、私は、二十二条とか二十四条の場合は、国が邪魔しないということだけじゃなくて、そういう不当な状態が生じておる状態を排除するのが国の任務だというわけですね。 そこで、これは法務省とか労働省とか総務庁の御所管だと思いますが、そういうことに対する法的措置はどのように将来なさるおつもりであるか、お尋ねをいたします。これは、例えば婚姻の自由、そのことを妨害する行為を無効にするとか、あるいはその妨害行為がひどい場合は処罰するとかいう問題があろうかと思います。それから、職業選択の自由の場合も同じであります。こういう問題について、もう憲法ができてから四十年もたつんですから、そろそろお考えになる必要はないか。この点御質問申し上げます。
○政府委員(熊代昭彦君) 部落差別の解消問題を、特に婚姻の問題、それから労働、雇用の問題で法規制等があった方がいいのではないかということでございますが、婚姻の問題は、先生御承知のように、最終的には個人の選択になっておりまして、あるいは親族等も含めてでございましょうけれども、両性の合意のみによって結婚するというのが憲法の姿勢でございます。そのときにこの差別的偏見が入ってくる。まことに残念でございますけれども、それを解消するためには何が一番いいだろうか。私どもは、それを法律で規制するということはできない、あるいはよくないんじゃないだろうか、むしろ粘り強い啓発によってそれを行うということが差別解消に本当につながるのじゃないだろうか、これを罰則で担保してどうこうするという問題であろうかどうかという問題があると思います。 雇用の問題につきましては労働省さんからお答えをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
○説明員(竹村毅君) いわゆる就職差別というものを法で規制しそれに処罰を与えるかどうか、こういう問題につきましてはいろいろ考え方もあり、議論もあると思います。 ただ、今のところ法体系、労働法関係で申し上げますと、労働基準法と職業安定法に、非常に緩い形ですけれども、例えば基準法では三条と二十二条にいわゆる労働条件の差別禁止ということがありますし、職安法第三条では、これは主として行政機関に対する責務というような形でございますけれども、あらゆる差別をしてはいけないという規定がございます。民間会社その他につきましては、今申し上げました労働法体系の基本的な考え方にのっとって、現状では私どもとしては行政指導なり、そして先ほど総務庁がお答えいたしましたように、主として啓発でもって憲法二十二条の理念を実現していくという考え方また行き方が最適ではなかろうかというふうに思っております。
○吉川春子君 地対法について質問いたします。 〔委員長退席、理事亀長友義君着席〕 地域改善対策協議会は、昨年十二月、内閣に対して意見具申を行い、同和問題の根本的解決のため所要の対策の強力な推進を要望しています。それに基づいて今日この法案が提出されるに至ったわけですが、意見具申は「地域改善対策の今日的課題」として、行政の主体性の保持、えせ同和行為の横行、同和問題についての自由な意見の潜在化傾向などを挙げておりますが、なぜこれらが今日的な課題とされているのでしょうか、まずお伺いします。
○政府委員(熊代昭彦君) 今後の地域改善対策のあり方につきましては、御指摘のように、地対協を中心に検討が進められまして、昨年十二月の意見具申をいただきまして、この意見具申におきまして、地域改善対策の現状を踏まえつつ、現行地域改善対策事業につき基本的な見直しを行う等々の御指摘がございました。地域改善行政の適正化を推進すべきこととの御指摘もあったわけでございます。 その中で、冒頭に御質問のように、「今日的課題」ということで、新たなる差別を生む要因がある、因襲的な差別意識というものは民主的な社会では本来時の経過とともに薄れゆくものである、しかし、新たなる差別意識を生む要因があれば新たな差別を生みますし、従来の因襲的差別との複合において差別の解消はかなり難しくなるということでございますので、非常に実態が改善されまして心理的差別の解消も相当程度進んできたという現時点におきまして、さらに一歩差別解消を進めるためには、今日的課題を達成するということが今の時点では非常に重要である、そういう観点から御提言をいただいたというふうに理解しております。
○吉川春子君 次に、具体的な事例に即して伺います。 一九八五年の十月、広島県尾道市で、ある夫婦が、Kさんといたしますが、我が子に対する担任の指導に疑問を持ち学校に電話し、その話の中で、このような片手落ちの処置は困ると言ったところ、それは差別語だと言われました。担任の生活指導に対する疑問に答えてもらえず、これに納得できない母親が市の教育委員会に電話をしました。翌日、尾道市の同和教育課の課長、係長、主事の三人がKさん宅を訪問し、このときのKさんの会話をテープに隠しどりいたしました。Kさんはそのことを十日以上たって本人から聞かされたわけです。その中で、K夫人の、部落の人との通婚権を認めないなどの不十分な発言をとらえ、差別発言だとして、夫人のみならず高校教師の夫も市教委、県教委、教組、民間運動団体などから集中砲火を浴びるということになりました。 このテープは、八五年の十二月、同市議会で公開され、翌八六年の一月十日と二月二十八日、差別事件として尾道市の広報に掲載されました。抗議のはがき、こういう大きなはがきがKさんのもとに届けられて、この中身を私読みましたけれども、脅迫的な言葉も書かれているわけなんです。それで、人権問題として軽視できないものとなっているわけです。 なお、このK夫人は、関係者の正しい立場からの教育、説得により理解を深めて、まじめに同和問題に取り組んでいる団体や個人と会って初めて自分がおくれた意識を持っていたことに気づかせていただいたと、こういうふうに述べております。 意見具申は、同和問題について自由な意見の交換を阻害している要因が民間運動団体の行き過ぎた言動であるとし、確認、糾弾行為が被糾弾者の人権への配慮を欠いたものになる可能性を本来持っているとしております。さらに、何が差別かということを民間団体が主観的立場から恣意的に判断し、ささいなことにも抗議することは、同和問題の言論について国民に警戒心を植えつけ、この問題に対する意見の表明を抑制してしまっているとし、国民の理解と協力を得ていくためには、以上のような諸要因を是正していくことが不可欠としております。 そこで総務庁にお伺いいたします。 市民の自宅で市が人の発言を相手の了解も求めずにテープにとるということは、国の同和行政の責任官庁である総務庁としていかがお考えでしょうか。適切なやり方とは思われないのですが、まずその点についての御意見をお聞かせください。
○政府委員(熊代昭彦君) テープの隠しどり等々は、総務庁の直接の所管がどうかあれでございますが、常識の範囲内からすれば余り望ましくないと我々は考えております。 ただ、差別発言や差別行為という言葉が非常に安易によく使われることがございます。六十一年意見具申にも指摘されておりますように、侮べつする意図が明らかである場合は別といたしましても、何が差別かということは、本来的には一義的かつ明確に判断することは難しいし、特定な主観的な立場で恣意的にその判断を行うことは適当でなく、逆にこのような恣意的制断は差別意識の解消という観点からすればマイナスの効果を持つことになるので、慎重にすべきであると我々は考えております。 差別事件の対応につきましては、片手落ちという表現がもし身体障害者に対する配慮を欠くものであればそのように注意をするとか、あるいは意見具申の御指摘にもございましたように、中立公正な人権擁護機関による法律に基づいた処理を行う、そういうことが真の差別解消に最も役立つ方法ではないかというふうに考えておるところでございます。
○吉川春子君 法務省にお伺いいたしますが、糾弾会に職員が出席することは相当でないとの通達を出されておられますが、その理由はどういうことでしょうか。
○説明員(落合紹之君) 差別事件につきまして民間運動団体が行っています確認、糾弾のあり方につきましては、いろいろ議論があるところでございます。 特定の運動団体が被害者集団として行う確認会等に出席することは、行政の主体性、公正中立性を堅持する趣旨から相当でないという考えから、行政機関としての立場を常に主体的に堅持し、公正中立性を貫くべき立場にある法務局職員はその出席を差し控えるよう通達されたものと、このように承知しております。
○吉川春子君 文部省に伺いますが、教委の職員などの糾弾会への出席について、文部省はいかがお考えでしょうか。
○説明員(熱海則夫君) 糾弾会とか確認会、こういったものに対する参加、これは法的に義務があるかといえば、直接本人の自由意思によるというようなことについては、意見具申などでも御指摘されているところでありますが、ただ現実に教育的にそれをどう処理していくかという問題は、また教育委員会その他の判断も加わってそういった状況になるケースもあるわけでありますから、一般的な話というよりはケース・バイ・ケースでこれは考えていくべき問題ではないか、こういうふうに思っているわけでございます。
○吉川春子君 そうしますと、学校で行われる糾弾会などに教委が出席するというようなことは、私は、今法務省の御見解の立場でいくと、好ましくないんじゃないかと思うんですけれども、そういう立場でいかがですか。
○説明員(熱海則夫君) あくまでもやはり教育問題は教育的に処理して、どちらが望ましいやり方かという、これは選択の問題も加わりますから、この辺においてそれぞれ教育委員会なりの判断、指導などがやっぱり起こる場合もあり得ると、こ ういうふうに考えております。
○吉川春子君 「同和教育については一般国民の中にかなり批判的意見がみられる。」として、意見具申では、民間運動団体の教育の場への介入が同和教育のゆがみをもたらしていることが考えられる、教育の中立性確立のための徹底的な指導が必要だと、こういうふうにうたっておりますが、この立場に立って、文部省としては、これからどういう改善の措置をとられていくんですか。
○説明員(熱海則夫君) 我々は従来から教育と社会運動とは違う、この区別は明確にしていかなきゃいけないという、これを我々の同和教育の指導方針の一つとして掲げてこれまでもやってきたわけであります。そういった意味で、この方針を今後ともいろんな機会を通じて徹底してまいりたい、こういうふうに考えております。
○吉川春子君 確かに文部省は同和教育の推進について「同和教育と政治運動や社会運動の関係を明確に区別し、それらの運動そのものも教育であるといったような考え方はさけられなければならない。」としておられるわけですが、教育の中立性を損なうような事例というのは、例えばどういうことがありますか。
○説明員(熱海則夫君) そもそも教育の中立性に関しては、教育基本法の十条一項にその依拠根拠があるわけでありますが、その中で言われていることは、やはり教育を国民の信託にこたえて行っている以上、不当な支配に服することなくそれぞれの目的に応じてやるのだということが、この規定の趣旨であります。この不当な支配とは何かということであれば、これは公の機関もこれに当たりますし、それから一党一派に偏した社会的勢力全般あるいは個人を指します。そういった意味では、いわば教育の目的を阻害するもの全体を指すわけで、それを個々の事例に即して考えていかなきゃならない問題である、こういうように考えております。
○吉川春子君 教育の中立性を損なうようなことがあったので、こういう今回の意見具申とか文部省の方針が出ていると思うんですけれども、その具体的な事例について聞かせていただけませんか。
○説明員(熱海則夫君) これは個々にこういうケースが当たりますということじゃなくて、やっぱり個々の事例が出て、これが果たしてこの不当な支配に当たるかどうかという判断の方が適切ではないかと思います。
○吉川春子君 尾道市の事件では、隠しどりしたテープを特定団体のビラとともに県立高校で教材に使っているわけなんです。全校生徒を集めてテープを流してそういうことをやっているんです。それから、講演の後、ロングホームルームというようなこともやられているわけですけれども、教育の中立性という立場から見て、こういうテープなどを教材として用いるということは私は適切ではないと思うんですが、文部省はいかがお考えですか。
○説明員(熱海則夫君) 教材として適切かどうかということについては、もちろん補助教材についてはそれぞれの教育委員会が判断をしてやっているわけでありまして、例えば今申し上げたように一党一派に偏するようなもの、あるいは発達段階にふさわしくないもの、こういったものは教材として適当ではないというような判断が一般的に言えると思いますが、今回のものは、我々は教育委員会から状況を聞いておりますが、これが具体的に教材として使われた経緯がない、こういう報告を教育委員会の方から受けておりまして、事実どういう使われ方をしたかについて一応は聞いておりますが、後日改めて具体的にどういうふうな、テープを使用するとしたならどういう使い方をしたのかを報告を今求めている段階であります。
○吉川春子君 そうですか、それはわかりました。 私は、文部省、教育の専門家に申し上げますが、隠しどりしたテープを使うなんということは、これは教育ではないと思うんですね。今調査中であるということですので、私はよく文部省が調査されて、教育の中立を侵すようなことがあれば、これは断固としてやっぱりそういうものは改めていかなければならない、そういう立場に文部省としては立っていただきたいと思うんです。それはいいですね。
○説明員(熱海則夫君) もちろん、先ほどから申し上げましたように、我々の立場はあくまでも教育の中立性を守る立場でございますから、そういったことが侵されることがあれば、我々としてもその指導をしてまいりたいと、こういうように考えております。
○吉川春子君 続けて、文部省にもう一問お伺いいたします。 このK先生ですね、だんなさんの方なんですけれども、妻の発言が差別発言だとして、夫人に対する指導をせよと県教委から二十数回にわたって呼び出されて、あるいは学校であるいは県教委で、県教委の同和教育課長、係長、主事あるいは教育次長などから再三こういうことを言われているわけなんですね。私、昔、教師をしていたこともありますけれども、これだけ呼び出されると授業の準備にも差し支えるというふうに思うんです。それから、健康上の問題も持病が悪化したということもあるんですけれども、そういうことについて文部省に伺うんですが、高校教師である夫が奥さんの発言について県教委からいろいろ言われるという、その法的な根拠といいますか、それはどういうところにあるんですか。
○説明員(熱海則夫君) もちろん、妻の発言に対して主人が責任を負うというようなことは一般的にはないわけでありますが、ただ今回のケースは、広島県教育委員会からの報告によりますと、同席をしていろいろその奥さんの発言に対して肯定的な態度で臨んでおると、こういうことで、ですから、この発言自体を問題にしているんじゃなくて、その主人たる先生の態度、あるいはこういったものに対する意識、こういったことを問題にしているので、いわば今おっしゃったような形ではない、やっぱり本人自体の問題としてとらえているようであります。そういう報告を教育委員会から受けておるわけであります。
○吉川春子君 県教委が御主人に、そういう奥さんの発言について指導してないじゃないかというようなことを言われる、その法的な根拠があるのかと思って私調べてみました。専門家の意見も聞いてみました。地教委が教師を指導する根拠としては、一般的に地教行法の二十三条の十九号の教育に関する事務とか、五号の生徒指導について、こういうことは一般的にはできるわけですけれども、妻の発言について夫を指導するというのは、この地教行法からは出てこないわけです。それから、県教委はもちろん奥さんにいろいろ言えた筋はないんですけれども、教育委員会というのは教育行政機関であって、教育の事務を行うところで、教育委員会は児童生徒についてはこれは教育行政の対象かもしれませんけれども、その母親となりますとそういう対象でもなくなるし、教師である夫もやっぱり、子供たちに対してはそれは責任を負っているのかもしれないけれども、法的にこういう県教委から何遍も何遍も呼ばれて、奥さんの発言が悪いよ、あなた指導が足りないよ、こういうふうに言われる根拠、文書でもって出頭命令も来るわけですけれども、そういう根拠というのは、ちょっとこの法規集を繰った限りではどこにも出てこないんですけれども、どうですか。
○説明員(熱海則夫君) 先ほども申し上げましたように、確かに仮にその奥さんが発言をしたから連れ合いの御主人が責任をとる、こういう形はこれは考えていない。ですから、先ほども話しましたように、教育委員会の報告によれば、奥さん自体の発言というよりは、それに対して一緒にいろんな形で同席をした経緯があるわけですが、その同席の場でいろいろそういった発言に対する肯定的な意見をおっしゃっている、こういうようなことに対して、教育者としてどうか、こういう判断のもとに指導したというのが、教育委員会の報告であります。もちろん、教育委員会の職務というのは、地教行法の二十三条で包括的に学校の管 理についての権限は持っているわけでありますから、相当広く持っているというのが考え方であります。ただ、非常に細かなところまでそれを規定することが適当かどうかということについてはいろいろ説がありますから、大体は校長にそれを委任してやっていただいている。 ただ、全体的に全くできないかとなると、これはまた、例えばいじめの問題なんか起こった場合に、学校だけでいろいろ対応できないときに教育委員会が出かけていって一緒に指導したり、教員の指導を行ったりするケースなどもありますから、これは現実に教育に教育委員会がいろいろな形で学校の指導、教師の指導に当たっているというケースはいろいろあるわけであります。以上です。 〔理事亀長友義君退席、委員長着席〕
○吉川春子君 文部省の回答で、いじめの問題はまさに責任があると思うんです。やらなければいけない責任があるので、今度の問題といじめの問題でのその教育委員会の指導とごっちゃにされちゃ、これは困ります。 要するに、奥さんのそういう発言について、もし答弁なさっているあなたが奥さんの責任について文部省の上役から責任問われたら、困るでしょうね。そういう法的な根拠が何もないし、こういうような不当なことは、まあ今調査中だそうですから、よく調査もしていただいた上で、やっぱりきちんと対応していただかないと困ると思います。 ちょっと時間の関係がありますので、次に法務省にお伺いいたします。 法務局人権擁護委員会は、尾道市とそれから同市の教育委員会と連名で、このKさんのお宅の付近の路上に十数本の立て看板を立てているわけです。これがそうなんですけれども、(資料を示す)十数本立てているんですけれども、これはどういう目的でおやりになったんですか。
○説明員(落合紹之君) 私ども法務省の人権擁護機関は、同和問題に関しましてその理解と認識を深めるために、一般啓発を行っております。その一般啓発を行うに際しまして、地方公共団体とも協力しつつ行っているところでございまして、御指摘の事案につきましても、その一環としてなされたものと報告を受けております。
○吉川春子君 じゃ、なぜその家族が出入りする道路だけに限って十数本立て看板を立てたのかということが問題になってくるんですけれども、それはどうですか。
○説明員(落合紹之君) 詳細これ把握していない点もございますが、家族の出入り口に十数本立てたということじゃなくて……
○吉川春子君 出入りの道路、出入り口じゃなくて、通過している道路。
○説明員(落合紹之君) 当該学区内に何本か立てたということで、十数本という本数については聞いていないわけでございます。
○吉川春子君 私は、法務省もせっかくいい通達も出しておられるわけだし、この問題についてもきちっと事実を把握して、それでやっぱりこういう、何というのですか、特定の個人の、明らかにその周辺に十数本立てて、みんな通り道なんだから、それはもうその人を目指してやったということははっきりしているわけです。中立公正ということをさっきおっしゃられましたけれども、そういう立場から、一方で徹底的にこのKさんを非難している市の教育委員会などと連名で立て看板立てて、それが一般的な啓発なんだということは、私はちょっと不適切に過ぎるんじゃないかというふうに思いますので、その点十分調査していただけますか。
○説明員(落合紹之君) この件につきましては、全体が人権侵犯事件として現在調査中でもございますので、その中で全体を調査して考えていきたいというふうには考えておりますが、一般的に啓発に当たりまして中立公正の立場を堅持していくということは、今後とも十分慎重に考えていきたいというふうに考えております。
○吉川春子君 今、具体的な問題について質問を申し上げてきたんですけれども、最後といいますか、長官にお伺いしたいんです。 意見具申が指摘しております今日的課題である行政の主体性とかあるいは教育の中立性等について、この件に限らずまだまだ大きな問題があるということは明らかだと思うんですね。ぜひそういうことをなくしていって、本当に差別ということはもう胸の痛む問題ですから、こういうものを絶対に二十一世紀まで持ち越しちゃならないし、その差別に泣くというようなことは、やっぱり全国民の努力で解消していかなきゃならないと思うんです。そういう立場で今後そういうことをなくす、そういうふうに意見具申も指摘しておりますので、そういう解決のために総務庁が全力を挙げてほしいというふうに思うんですけれども、長官、いかがですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 同感でございます。
○吉川春子君 わかりました。 じゃ、そういうことで、私はこの事件について、こういうことがまだあるということは非常に残念なことですし、こういうことをなくしていくために、公正中立という行政機関の立場を十分に踏まえて、やはり慎重に対処していただかないとならないというふうに思うわけです。そのことを文部省と法務省と総務庁にも申しまして、質問を終わりたいと思います。
○柳澤錬造君 最初にお聞きしていきたいのは、昭和四十四年にこの同和対策事業特別措置法というものが生まれて、現在は地域改善対策特別措置法がこの三月いっぱい有効なわけなんで、この十八年間に国が投資をしたお金が二兆六千百三十億、これは調べてすぐわかるわけです。この地方公共団体がどのくらいそれに合わせて投資をしているというふうに把握をなさっているか、それでこの十八年間そういう改善をやってきて政府としてどの程度の成果が上がったというふうに見ているのか、その辺をまずお答えいただきたいですね。
○国務大臣(山下徳夫君) 地方公共団体が同和対策に幾ら今まで金を使ったかということは、なかなかその支出の内訳が明確でない点もございますので、したがって、ここで確たる額は申し上げることができないのでございますが、非政府機関でございます地域改善対策研究所というところの調査によりますと、四十四年から五十九年までの地方公共団体の同和対策に対する負担額は約五兆円とされておる次第でございます。
○柳澤錬造君 そうすると、片方はごく大ざっぱに五兆円、七兆六千からのお金を投資をしていろいろ改善対策をやってきた。どれだけの——どれだけのという言い方も適当でないかもしれませんが、私が聞いているのは、どういう成果が上がったというふうに政府が把握をなさってますかということです。
○国務大臣(山下徳夫君) 成果につきましては、六十一年の地対協意見具申の御指摘にもございますように、同対審答申で指摘されました同和地区の劣悪で低位な実態は、大幅な改善、向上が図られたことにより、現在では同和地区と一般地域との差が平均的に見れば相当程度是正されているということは繰り返し私も御答弁申し上げてまいりました。 そこで、対策の主な成果といたしましては、同和関係者と一般住民との婚姻の増加が見られておる。特に三十歳未満の若年層では約六割が一般住民との婚姻となっている。次に、高校等への進学率が同対審答申当時に比べて飛躍的に向上している。若年層ほど高等教育修了者の割合が高くなってきている。次に、一人当たりの居住室畳数、専用設備あるいは接道等、居住水準や居住環境、これは面的事業の推進等により、現在では全国的な水準とほぼ同様の水準まで改善されている。次に、常用雇用者の増加が見られているという点でございます。
○柳澤錬造君 これはもちろん総務庁がお調べになったんだけれども、今の点は地域改善対策協議会の意見具申の中にも書いてあるので、私もよく読みました。 私が聞きたかったのは、政府の把握の仕方がどうかということをお聞きをしたかったんですが、一応それはそれとして次に進みますが、今回の特別法がこれはもう最後のものだと、こう言っているわけですね、この五年間で。それで、事業本数からいくと八十二本あって、そのうちの継続していくのが三十四事業、さらに修正して継続するのが二十事業という形で、合計するとまだ五十四事業がこれから継続をするということになる。そうすると、全体の中の六六%がまだ継続するんですと。さっきも出ましたけれども、建設省なんかの場合には十六事業のうちの十事業が継続と。これはやっぱりだから、数字的にそういうことを見るのが適切かどうかということもありますけれども、六三%。そうすると、過去十八年間ずっとやってきて、それで、まだ言うならば半分以上がいろいろ事業が残っている。あと五年間でそれが全部完了するという御判断をなさったのかどうか、それでそういう所期の目的が今回の特別法をやれば一応全部完了するという判断をされたのかどうか、その辺はどうなんですか。
○国務大臣(山下徳夫君) 地域改善対策特定事業の中で、生活改善等の物的な事業の事業量、この残量でございましょうか、あるいは他の特別措置法の実施期間等を考慮しまして、おおよそ今次新法の有効期間は五年で大体まあよかろうというところから、時限立法を五年としたわけでございます。
○柳澤錬造君 そうすると、この今度つくる特別法の五年の期限内で一応完了するという御判断をなさっているということ。
○国務大臣(山下徳夫君) 大体有効期間内に事業を完成しなければならぬということで、関係省庁と緊密な連絡を図りながら、あるいは地方公共団体に対する適切な指導、助言、あるいは情報交換等を積極的に行って、早期事業の実施に最善の努力をいたすと、こういう所存でございます。
○柳澤錬造君 じゃ、ここにある、予算の方は別に触れてないのだから、五年間で完了しようと思えばこれはできないことはないんですから、そういう理解で受けとめたいと思います。 それで、次には、地域改善対策協議会の意見具申の中に出てくるんですけれども、いわゆる新たな差別意識が生まれているということ。この問題のポイントのところだけ読んでみますと、「差別意識の解消が必ずしも十分進んできていない背景としては、昔ながらの非合理な因習的な差別意識が、現在でも一部に根強く残されていることとともに、今日、差別意識の解消を阻害し、また、新たな差別意識を生む様々な新しい要因が存在していることが挙げられる。」。それでいろいろこうずっとなにして、その新しい要因の第一に挙げているのが「行政の主体性の欠如である。」と、こう言っているわけですね。そうすると、行政の主体性が欠如しているんだということが第一に挙げられるということは、相当そこに問題があると思うんですけれども、その辺はどういう御判断をなさっているんですか。
○政府委員(熊代昭彦君) 御指摘のように、六十一年意見具申では、「新しい要因の第一は、行政の主体性の欠如である。」というふうに御指摘でございます。「現在、国及び地方公共団体は、民間運動団体の威圧的な態度に押し切られて、不適切な行政運営を行うという傾向が一部にみられる。このような行政機関としての主体性の欠如が、公平の観点からみて一部に合理性が疑われるような施策を実施してきた背景となってきた。また、周辺地域との一体性や一般対策との均衡を欠いた事業の実施は、新たに、「ねたみ意識」を各地で表面化させている。このような行政機関の姿勢は、国民の強い批判と不信感を招来している。」と意見具申で言われているところでございますが、このような国民の強い批判や不信感が同和関係者を特別視する感情となり、同和関係者に対する新たな差別を生む要因の一つとなるものであるとの指摘であるというふうに理解しているところでございます。 また、同和問題についての自由な意見の潜在化傾向も新たな差別を生む要因の一つとして同時に御指摘されておりますが、その原因の一つが民間運動団体の威圧的な態度に押し切られた行政の主体性の欠如にあることも明らかであろうと考えているところでございます。
○柳澤錬造君 これは委員長によく聞いておいてほしいんだけれども、今のは答弁じゃないの。私が聞いているその先にちゃんと書いてあるだけのことなんですよ。あなたから聞かなくたって、私はそのところは何度も何度も読み返してきて、一番のそのポイントのところというのは行政の主体性欠如だと言うからそれを聞いている。それを、あなた今その地対協から出された意見具申のその文書を読んでいるだけであって、それは答弁ではないんです。やはりきちんと聞いていることにお答えをしていただかないと、それで答弁をしたなんと思ったら困るんだ。 自治省はおいでになっておりますか。——今言ったようなそういうやはり地方自治体の関係の中で、この同和対策に絡んで不祥事件がかなり起きていますでしょう。それで、相当あっちこっちあるんだけれども、私がここでもって二、三取り上げて具体的にお聞きしたいのは、和歌山県の例だけ一度挙げてお聞きをしてみたいと思うんです。 五十九年の八月に、和歌山県の打田町では同和対策室長と同補佐が、地域改善対策整備事業の民有地の買収で、水田地を多く買収したような、そういう公文書を偽造して、いわば九十九万円だまし取った。この室長と補佐をどういう処分にしたか。それから、さらに六十年の四月続いて六月と、和歌山県の那賀町です。ここも同和対策室の前の室長と現在の室長というか、その二人でもってやはり地域改善対策事業の町道建設工事に絡んで、にせの書類で移転補償費千二百万円を町からだまし取っている。まだほかにも出てきますけれども、今のこの点だけについて具体的にどういう処分をなされたか。 私がこういう問題を取り上げてお聞きしたいのは、これは私の持論でもあるけれども、警察官が強盗したら一般市民が強盗したよりか私は罪が重いと思うんです。そういうものだと思う。そうすると、この同和対策でもっていろんなことを、先ほどからお話が出ているように、差別をなくなしてみんなが平等にといってそのための役職についている人が、その同和対策のことにかこつけて悪いことをするなんというのは、一等罪重いと言うんだ。普通のなにと同じに扱われたのではこれは困ることであって、その辺について自治省の方にその御報告が来ているのかいないのかもあるけれども、恐らく私は来ていると思いますから、それの処分をどうなさったかということをお聞きしたいんです。 〔委員長退席、理事板垣正君着席〕
○説明員(吉原孝司君) 自治省では、同和行政の担当者の不祥事といったような特定の分類項目でもって集計をいたしておりませんので、そうした関係での逐一の把握というのは困難でありますが、今御指摘ありました事件について御報告申し上げますと、打田町の件では室長と補佐が逮捕をされております。行政上の処分では両者とも懲戒免職でございます。そのほか、当然刑事事件としての判決がおりております。こうした事件に伴いまして、町としてもみずからの行政の体制の是正方に取り組んでおりまして、職員研修の徹底化とかあるいはチェック体制の強化、それから決裁の厳正化、また人事体系の見直しにもこの事件を契機に取り組んでおります。 それから那賀町の事件でございますが、前同和室長という者の事件につきましては、この人は逮捕時既に実は退職をしているというような事情から、懲戒処分等の行政処分はなされておりません。ただし、もちろん刑事処分はなされておりますし、現役でございました当時の同和対策室長につきましては、同じように懲戒免職という措置が講じられております。この町につきましても、こうした事件を契機に、先ほど申し上げました打田町と同じような格好の内部体制のチェックをしております。いずれも県の指導も得つつ、情報を公開しつつ体制のチェックを行っているというように把握をいたしております。
○柳澤錬造君 これは直接長官の方はあれじゃないけれども、お聞きになっていておわかりのように、逮捕時にもう退職届けを出しちゃったから行政処分が何もできないという、そういうことであっては困るわけですよ。ですから、まだほかにもあっちこっちあるけれども、一応そこのところはこの場では私申し上げません。 それから、先ほど分類をしてないと言ったけれども、やっぱり自治省はそういうふうな地方公務員全部を掌握しているところなんですから、その地方公務員がそういう不正なこと、汚職というか、そういうふうなことをしたことについてそれなりに把握をして、きちんとそういうことの起こらないような指導をしていただきたい。 ですから、一度これお調べをいただいて、過去三年ぐらいでもいいですよ、どのくらいこういう事件が起きているか。それで二度とこういうふうな事件が起きないように。さっきも言うとおり、同和対策の担当している室長とかそういうのがそれにかこつけてそういうふうな不正行為をするなんというのは、それはもうよほど重い罪にして処分を私はすべきだと思うんですよ。ですから、そういう点でもって、後で結構ですから、過去三年ぐらいのそういうのをお調べになって書類でお届けをいただきたいと思います。よろしいですわね。
○説明員(吉原孝司君) できるだけの措置はさしていただきますが、同和行政担当者の不祥事件というとらえ方は、分類上例えば現在の職場がそうであれば当然に同和行政担当者ということになるわけですが、しかしまたこれはその事業に絡んでまいりますので、したがって、そう単純にこれ実は集計できなくて、私どもの自治省で行っております分類は、こうした従事している業務の内容ではなくて、仕事で、例えば許認可関係の分類であるとか、そういうように分類の仕方が少し質が変わっておりまして、そういうような調査というのはかなり難しいものもあろうと思いますが、少し検討の時間をいただきたいと思います。
○柳澤錬造君 そういうふうなことを言うと、また予算委員会か何かのときに自治大臣にはっきりとお答えをさせますよ。 八王子の市長が辞表書いたのも、言うならば初めのころは今あなななんか言うようなそういう答弁しかしなかったんだ。そんなばかなことがありますか、明らかに不正なことをしてと言って、そうしてあのときはもう最終的には市長をやめさせたからなにですけれどもね。だから、やはりもう少し、その分類ができませんなんという答弁をするんじゃなくて、そういうふうなのが下で起きればわかるんだから、それで極端なことを言えば、それは日本全国だから悪いことをやるのが一人も出ないなんというわけにも私はいかぬとも思う。しかし、そういうのがあっちこっちなにしたら、どうやってそういうことが起きないようにするかというのが皆さん方の仕事じゃないの。そんなこともできないような自治省だったら、もう解散した方がいい。それで行政改革で人減らしてもらったら、税金安くなる。だから、ぜひ調べてください。 それで、今度は総務庁の方にお聞きしたいのは、えせ同和行為というんですか、これが大変甚しく掛行しているんじゃないかというふうにいろいろ聞くわけですが、これも答申の中の途中に出てくるんですが、えせ同和行為は、何らかの利権を得るため、同和問題を口実にして企業・行政機関等へ不当な圧力をかけるものであり、その行為自体が問題とされ、排除されるべき性格のものであるが、このような行為は、これまでなされてきた啓発 の効果を一挙にくつがえし、同和関係者や同和問題の解決に真剣に取り組んでいる民間運動団体に対する国民のイメージを損ね、ひいては、同和問題に対する誤った意識を植え付ける大きな原因となっている。行政機関は、えせ同和行為が横行しているという事態を深刻に受け止めるべきである。 この部分は、去年の十二月の十一日に地域改善対策協議会からそちらの方に出された意見具申の中にあるわけです。当然、それを受けて総務庁なら総務庁として、所管官庁として何らかの処置をなされたのか。大体このえせ同和行為をなさっている団体というものが幾つぐらいあるように把握をなさっているのか、これについてどういう対処の仕方をしているのかということをお聞きをしたい。 〔理事板垣正君退席、委員長着席〕
○政府委員(熊代昭彦君) えせ同和団体につきましては、なかなか把握の難しい面があるところでございますが、法務省さんを中心に把握をしてございまして、約四百を超える団体があるのではないかというふうに法務省さんでは把握しておられます。 それで、対策といたしまして、御指摘のように、意見具申で新たな差別意識を生む要因の一つとしまして断固排除すべきであるという御指摘をいただきましたので、昨年十二月二十七日に各省庁の合意を得まして、総務庁が定めました今後の地域改善対策に関する大綱の中でも適正化の課題の一つとしまして、えせ同和行為の排除対策を取り上げているところでございます。 それから、法務省と総務庁、警察庁の三省庁構成によりますえせ同和行為対策連絡会議が設置されておりまして、総務庁は同和問題の解決のための重大な課題であるということで参画いたしているところでございます。 なお、犯罪行為に該当するものは新聞紙上等で御承知のとおりでございますが、警察庁で逮捕等の厳格な対処が行われております。さらに、法務省さんではいろいろえせ同和行為の啓発ポスターを作成するとか、実態の調査をなさっておりますが、この問題の情勢にかんがみまして、今度連絡会議の構成メンバーを同和問題に関係する全省庁に拡大するということで、政府が一体となりまして対策に散り組む方向でまいりたいということで調整を進めているところでございます。総務庁としましては、いずれにいたしましても、啓発活動の重要な柱ということでこの問題に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○柳澤錬造君 これは長官からお答えいただかなければ、そんな悠長なことではね、去年の十二月に、皆さん方意見具申をいただいたんでしょう。こういうことでなくて、もう少しやっぱり時間がかからなきゃどうにもならないような工事でもするとか何かになれば、それは半年かかるとか一年かかるとか。こんなものは時間がかかることはない。今言うとおり関係省庁集めた、そこでもって極端に言うなら次官会議をやろうが何をやってもいい。緊急にこれについての対応策を講じて、それで総理府がすぐ指示しなくちゃならぬことだ。だから、そういう点からいけば私は緊急性のある問題だと思うんです。私なんかだったらこの意見具申を読んだらびっくり仰天しますよ。今何らの具体的な対策をもし政府としておとりにならないということなら、それは言うならばこの問題を所管している総務庁の職務怠慢だということを私は言いたい。だから、長官から、長官はそれはいただくときはいなかったからなにだけれども、緊急に、これについてどういう処置をするかということをやっぱり述べてください。
○国務大臣(山下徳夫君) 私、総務庁に参りまして、同和対策をいろいろ今勉強いたしておるところでございますが、まず第一に、やっぱりこのえせ同和対策というのは、これはもう喫緊の課題であるということは、私もしみじみと思っております、これが逆差別を生む原因なわけです。ですから、これは一日も早くやらなければならぬ。警察はこれに対して逮捕等の厳格な処置で臨むとおっしゃっておることは、これは大変結構なことだと思いますが、それよりも、御指摘のとおり、基本方針を早く打ち出さなければならぬということで、今政府委員からも御答弁申し上げましたように、さしあたり三省庁でもって今鋭意基本方針を連絡会議でもって検討いたしておりますが、一日 も早くおっしゃるとおり打ち出して対処してまいりたいと思っております。
○柳澤錬造君 本当に、長官、ぜひお願いします。こういうことは多少のなにがあっても、いわゆる拙速主義でやらないと事件が起きてからでは何にもなりませんので。 それで、時間もなくて、まだほかにも言いたいことがあるんですが、最後に私が申し上げたいことは、一応この特別法は五年の時限立法でやっているわけなんです。したがって、そういう点でまだ五年間はこのままいくんだけれども、その先を私が希望し、ぜひお考えいただきたいのは、国連の国際人権規約は日本もこれはもう認められたんですから、だからそういう点に立って、この前書きの大事なところだけ読み上げてみたいと思うんですけれども、人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と、平等で譲ることのできない権利とを承認することが世界における自由、正義及び平和の基礎であることを考慮し、これらの権利が人間の固有の尊厳に由来することを認め、世界人権宣言に従い、市民的及び政治的自由並びに恐怖と欠乏からの自由を享受する自由な人間という理想は、あらゆる人がその経済的、社会的及び文化的権利と同様、その市民的及び政治的権利を享有し得る条件がつくられて初めて達成されると言っているんです。これは日本も認めているんですから。それで、もう一昨年になるんですか、男女雇用機会均等法なんかも遅まきながら制定をしたわけなんです。 ですから、私が申し上げたいことは、この国際人権規約というものの意を体して、それで本当に人間の人権というものを主体にした、そういう差別のないような基本法をつくるということにこれからお取り組みをいただきたいと思う。そして、今のこの特別法がまだ続いている間にそういうことをおやりいただいて、一日も早くそういう基本法ができて、それから先は本当に差別のない日本の社会の状態ができ上がるようなことを考えていかなければならないので、そういう基本法についてのお取り組みをいただけるお考えがあるかどうか、この辺は長官の方からお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(山下徳夫君) 先ほど来答弁申し上げておりますように、この心理的差別についての解消、これはかなり従来から力を入れまして進んできておると思います。そこで、私どもはこの物的事業、あるいは人権擁護のための啓発活動、この啓発活動というものをさらに推進していくことの方が、むしろこの同和問題の解決をより効果あらしめる問題であり大切である、かように存じておりますので、現在基本法を制定するという考えは持っておりません。
○柳澤錬造君 もう時間だから終わるけれども、現在はと、よく長官気をつけて。この特別法ができれば、これは五年間有効になるわけです。五年間この特別法が生きていくわけです。だから、その間に今申し上げましたようなことを考えて、この次の段階には基本法ができるようなことでお取り組みをいただきたいという希望を申し上げているんですから、そういう点で御理解いただきたい。
○国務大臣(山下徳夫君) この問題につきましては、総理大臣も先般来国会に出て答弁申し上げておりますが、とにかく今申し上げましたような趣旨を踏まえて啓発活動等を積極的に進めていくということで、基本法の制定は考えていない、私もこの総理大臣の答弁と全く同じような考え方であります。
○委員長(岩本政光君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 本案の修正について吉川君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。吉川春子君。
○吉川春子君 私は、ただいま議題となっております地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。 その内容は、お手元に配付されております案文のとおりでございます。これよりその趣旨について、御説明をいたします。 同和対策特別措置法施行以来、十八年間にわたる同和対策特別事業の結果、対象地域の環境と住民生活は大きく改善されました。しかし、今日なお少なくない地域に事業は一定量残されており、財政上の特別措置は引き続き一定期間継続する必要があります。その際、特定団体の暴力的圧力やえせ同和行為などによる、同和行政をめぐるさまざまなゆがみと問題点を確実に正す措置をとることが不可欠であります。 政府提出法案は、同和対策事業の一面的肥大化に歯どめをかけつつ、これまでの特別措置をさらに五年間続けるなどの前進面を持っておりますが、同時に、今日広範な国民世論となっている公正・民主・公開・国民合意の同和行政を実現するという見地を欠いています。 我が党は、政府提出法案の不十分な点を正しこれを補強する立場から、修正案を提出するものであります。 次に、修正案の概要を申し上げます。 第一は、法の目的を国民融合に基づく同和問題の迅速な解決に寄与することといたします。 第二は、国及び地方公共団体の責務並びに同和行政の運営の原則について規定を新設し、適正にして公正かつ民主的な同和行政を確立することといたします。 第三は、すべての国民が不公正・乱脈な同和行政の適正化を行政機関等に対して請求する権利を保障するとともに、国民の請求があった場合には、当該行政機関に対して適切な措置をとることを義務づけることとします。 第四は、行き過ぎた密室的な同和行政の運営については、国や地方公共団体に対し同和行政の方針や計画及びその実施状況等の公表義務を課するなど、同和行政公開の原則を確立することとします。 第五は、同和問題を迅速に解決するために国の第一義的責務を明確にし、地方自治体と協力して事業を計画的に推進する義務を課します。 財政力の弱い市町村に対しては、国の補助率を引き上げる措置をとることとします。 第六は、地域改善対策協議会の名称を同和対策協議会に改め、委員に関係団体や地方公共団体の代表などを加え、民主的で公正な運営を確保し、強い権限を持たせる新たな規定を設けることとします。 以上が修正案の提案理由とその概要であります。 なお、本修正によるかさ上げ補助などの経費増は、約五十九億円と見込んでおります。 委員各位の御賛同をいただき速やかに可決されますよう要望いたしまして、修正案の趣旨説明を終わります。
○委員長(岩本政光君) ただいまの吉川君提出の修正案は予算を伴うものでありますので、国会法第五十七条の三の規定により、内閣から本修正案に対する意見を聴取いたします。山下総務庁長官。
○国務大臣(山下徳夫君) ただいまの修正案につきましては、遺憾ながら賛成いたしかねます。
○委員長(岩本政光君) これより原案並びに修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律案について採決に入ります。 まず、吉川君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本政光君) 少数と認めます。よって、吉川君提出の修正案は否決されました。 それでは、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(岩本政光君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(岩本政光君) 御意識ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十五分散会 —————・—————