商工委員会 第6号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/05/25
会議録
○委員長(前田勲男君) ただいまから商工委員会を開会いたします。 産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。 前回の委員会に引き続き、所信等に対し、これより質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○田代富士男君 最初に、通産大臣にお伺いをしたいと思いますが、現在の我が国の抱える重要課題の一つは内需の拡大でございます。これは当委員会でたびたびお聞きし、また討議をしているところの問題でございまして、そういう立場から、その前提としては、大臣も所信においてお述べになられているように、為替レートの安定がなければならないのではないかと思うのでございます。 また、それと同時に、内需中心の高目の経済成長を図っていくならば、問題となっております雇用問題の発生、あるいは地域経済の弊害なども、いわゆる空洞化を防止することができると言われておりますが、そこで一番問題であります為替レートの安定に対する大臣の見通しというものをお聞かせいただきたいと思います。難しい問題だと思いますが、お願いいたします。
○国務大臣(田村元君) 為替レート、現在のような百四十円そこそこということでありますと、これは率直に言って大変なことでございまして、特に輸出型産業、とりわけ下請等をしております中小企業の苦しみはいかばかりかと、本当に察するに余りあるものがあります。そこで、この為替レートをどのように安定させるか。一口に為替レートの安定と言いますけれども、どの程度で安定させるかということが必要でございまして、高値で安定されちゃたまったものじゃないわけでございます。でございますから、では幾らがいいか。これはもう業種、業態によって全然違いますし、日本の今の為替レートによる、いわゆる円高によるあおりを食らっておるというのは経済の二面性もございます。必ずしもデメリットばかりでもないということでございますから、幾らということを画一的に申し上げるということはなかなか難しい問題だと思います。 私は、かつて百七十円プラス・マイナス十円と言いましたことは、当時の経済ファンダメンタルズあるいは購買力平価等々から考えても、今もって私は間違っておるとは思っておりません。けれども、まずこの為替レートの安定というものを国際協調で安定に努め、大いに協調介入をやって安定に努めると同時に、G5、G7、あるいは四極貿易大臣会合、あるいはOECD閣僚理事会等々で、また中曽根・レーガンというようないろいろな会合で確認の上にも確認をされておりますように、単に為替レートだけをいじくりにいくということは、その効果も薄いし、また危険な面もございます。でございますから、これに対しては当然政策協調ということが必要になるわけでございます。 その協調政策をどのようにするかというので、先般のOECDでも、アメリカに対しては、アメリカのなすべきことは財政赤字の削減、日本あるいは西ドイツは内需の拡大ということで、これが共同コミュニケに特掲されたわけであります。でありますから、我々はまず内需の拡大をやる。内需の拡大というのは二つの意義があると思います。一つは需給のバランスをうまくとるということ、つまり現在は供給に対して需要が少ないわけでございます。でございますから、どうしても外需へ走る。ですから、この需給のバランスをうま くとっていくということは、内需の拡大というのは一言にして言えば、景気をよくするということであります。でございますから、日本の企業はそれで助かるわけです。と同時に、外需へもよき影響が起こり得るし、と同時に、この内需拡大策というものがいい姿ででき上がったときに、それはとりもなおさず外為市場に対して強烈な影響を与えると。それによって為替レートの安定にいよいよいい効果をもたらすと、こういうことであろうかと思います。
○田代富士男君 ただいまお答えいただきました中の内需の拡大のことについてちょっとお尋ねをいたしますが、所信表明におきまして、大臣は、先般のOECD閣僚会議においても、我が国としても内需拡大を実行するとの決意を表明してきたということを申され、ただいまもその御答弁をいただいたわけでございます。ところが、所信の中では、この内需拡大の具体策というものが余り明らかではなかったわけなんです。 今、具体的には二つの方法がある。その一つは需給のバランスをとると、一言で言うならば、景気をよくしていかなくちゃならないという、これは当然のことだと思いますが、具体策というものはすべて、緊急経済対策を打ち出そうとしていらっしゃいますけれども、その中でより明確にされようとしていらっしゃるんですか、この点。
○国務大臣(田村元君) 先ほどちょっと言い落としましたが、日本のそのような内需拡大の努力と、そしてアメリカの財政赤字削減への努力が両々相まって、外為市場によき、しかも強烈な影響を与えるであろうと、こういうことでございます。 さて、今の内需拡大策でございますが、緊急経済対策といいますか、恐らくそういう名前だと思いますが、明日の経済対策閣僚会議というんですか、経対閣と俗に言っておりますが、ここで項目だけを立てて、フリートーキング、フリーディスカッションになる予定でございます。そういうことで、その柱を立てるのにきょう私は朝から走り回っておるわけでありますが、そうして二十九日にはこれをまとめたいということでございますから、私も自分の意見を強く申していきたいと思います。 つまり、三兆六千億の去年の秋の内需拡大策というものの中には、ゼロ国とかあるいは民間の設備投資なんかまで含まれておったわけでございます。でございますから、今回のものは俗に言う真水という、いわゆる中央、地方が実際に支出する財政措置を中心として、減税も入るかもしれませんし、とにかく政府並びに地方公共団体が直接取り扱うもの、それのみを真水と言うと私は理解しておりますが、中にはもちろん住宅金融公庫なんかからうんと枠を拡大して融資を出させるというのも入るかもしれませんけれども。いずれにしても、もう民間のものとかあるいはゼロ国債とか、つまり債務負担行為なんかを大幅に負わす、これは実は公共事業といいますのは、この枠をふやしますと若干の債務負担行為が出るんです。ということは、突貫工事でやれというんでトンネルを掘ります。そうすると予算が足りませんと、債務負担行為を立てておいて、穴をあけてしまうとか、橋をかけるのも、橋が一メートルちょっと残ったら渡れないわけですから、そういうときには債務負担行為は立ちます。立ちますけれども、それはもうごくわずかなことですから、それは認めなきゃしようがないでしょうが、いずれにしても真水というものでなければ困るという考えでございます。
○田代富士男君 そこで、この委員会でも議論されてまいりましたが、我が国の産業を輸出志向型から輸入志向型へ誘導していくための一つの施策といたしまして、内需型産業に的を絞った大型の設備投資減税といいますか、こういうものを実施していくならば、より効果が出てくるのではないかという考えを持っておりますけれども、通産大臣の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 政府といたしましては、現在、先般自民党が取りまとめました総合経済対策要綱を尊重しながら、今申し上げましたように速やかに緊急経済対策を策定すべく鋭意検討中といいますか、もう大詰めに差しかかったということでございます。 通産省としましては、何と申しましても三・五%の経済成長の達成を図ることができるように、この対策の一環として、民間の研究開発など内需志向型の設備投資を促進するための投資減税の実施、これが必要と考えておりまして、鋭意関係省庁とすり合わせをいたしておる、そういう段階でございます。
○田代富士男君 大臣がお出かけになるということでございますから、質問がちょっと飛びますけれども、お尋ねをしていきたいと思います。 一つは、通商摩擦についてお伺いしたいと思いますけれども、日本の半導体協定違反を理由にいたしまして、米国政府が小型コンピューター、それからカラーテレビ、電動工具を対象とする一〇〇%の制裁措置を実施いたしましてから大体一カ月ぐらいたったんではないかと思いますが、依然として制裁は解除をされておりません。期待されました日米首脳会議でも、何も示されなかったのでございますが、関係者の間では早くても六月下旬、下手をすれば七、八月に入るという見方が広がっておりますし、また最近のアメリカの報道によりますと、制裁措置の解除というものはサミット後という見方も伝えられております。 この制裁措置の影響はどうなのか。また問題は、日米協議がいつごろから始まるかでありますけれども、次官級会議の見通しはどうであるのか。間もなくアメリカへ通産省の関係の方が御出発になる直前だということも耳にしておりますけれども、こういうことを含めましてお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 四月のたしか二十一、二十二であったかと思います。ちょっと日にちのこと、あるいは一日ぐらい違うかもしれません。たまたま四極貿易大臣会合で日本へ参りましたアメリカのUSTRのヤイター代表と私は、二日間にわたってこの問題で協議をいたしました。そして、ヤイターが私に、もうさしで話をしようと言い出しましたから、船頭多くして船山に上るという例えがアメリカにあるかどうかわかりませんが、それによく似た言い方をして、二人だけでさしでやろうと。こちらももちろん望むところというわけで、一時間四十分二人でやったわけであります。 そこで取り決めましたことは、まずその前に、日米半導体協定に関する認識というか、理解ですね、これが日本とアメリカとはその解釈の違いがあるようです。そこで、私がまずそこからほぐそうじゃないかと言ったら、いや違いはないよと、こう言う。解釈の違いはないと、こう言う。現にあるじゃないかと。いや、おれの方が正しいんだ、お前の方が間違っているんだ、こう言うわけです。それで、冗談を言うなということでありまして、その日から、二十二日ごろから数えて来週もしくは再来週、実務者会談をやろうということにしまして、そして若干物理的にちょっとおくれましたけれども、機械情報局の山本次長を派遣したわけです。 それは四月のデータが五月の中ごろ過ぎには出そろうであろうから、それの突き合わせをしようということで、その段取りも兼ねて山本君が行った。ところが若干ちょっと時期がずれたんですが、これは全く物理的な話ですが、そこで中曽根さんが行ってああいうことになって、結局らちが明いたような明かなかったような、まあ明かなかったということでしょう。 そこで、先般OECDの閣僚理事会へ行って私はヤイターに会ったものだから、君のところで何か四月分のデータだけじゃぐあいが悪いと、継続性がない、単発だから継続したデータを見なきゃいかぬと言っておるそうだがどうなんだと、こう言って聞いたら、それは約束が違うじゃないかと、こう言ったら、いやいや四月分のデータでいいんだよと、それが説得力を持つものならそれでいいんだよと、こう言うのです。それから、財務長 官のベーカーにも会って、あなたはこの報復措置を決めた、制裁措置を決めた閣僚会議の議長だが、間違いなく四月分でいいんだなと、こう言ったら、複数月のデータということは聞き及んでいないと、彼はこう言うわけです。でございますから、四月分ということでございましょう。 それで、今夜、機械情報産業局長の児玉を派遣いたします。いよいよ本格的な話し合いに入るわけであります。追っかけて審議官の黒田を派遣いたします。バイスミニスタークラスの協議に入るということでございますが、ちょっと厄介なのは、ダンピング条項は商務省でボルドリッジなんです。そして、市場アクセスの問題は、いわゆる向こうのやつを日本が買うという問題は、これはUSTRのヤイターのところなんです。両方に分かれておるわけだ、どこも官庁というものは縄張りがありましてね、それで分かれておるわけです。それをほぐさなきゃならぬのですが、目下整理をしました、大体整理でき上がって、またこれは公表するわけにはまいりませんけれども、そのデータをきょう児玉が携えて渡米すると。これからどういうことになりますか、要するに先方がこちらのデータを納得するかどうかという問題は残ります。 それから、きょう十時から半導体のメーカーであり、かつユーザーである日本電気その他の優良十社、大企業十社の社長を呼びまして、私から市場アクセスの問題にしろダンピングの問題にしろ、層一層の自粛を願いたい、協力をしてもらいたいということを強く要請したところでございます。
○田代富士男君 経企庁にお尋ねをしていきたいと思いますが、緊急経済対策の規模は五兆円とかいう報道がされておりますけれども、経企庁の見解をお聞かせいただきたいと思います。また、減税が含まれるかどうかの見解が分かれておりますけれども、これについてもあわせてお答えをいただきたいと思います。仮にこれが含まれるとすれば、今注目を集めておるところでございまして、国際的に期待に反すると思うけれども、どうであるのか、この点についてもあわせてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(田中努君) 御質問の件につきましては、先ほど田村通産大臣からもお話がございましたように、現在、各省の間で詰めているところでございまして、先般の自由民主党の大綱にもございましたように、五兆円の規模、五兆円を下回らない規模ということで、その中身を現在検討中であるわけでございますが、その中身といたしましては、これは中央政府が行う事業、それから地方公共団体が行う事業、公社、公団等が行う事業、それから減税が実現いたします場合には、その減税の額もこの五兆円の中に含まれるというふうに理解をいたしておるわけでございます。 これは予算委員会等におきましても総理からもそのような答弁が行われていたわけでございますし、また国際的な期待にも反するということではない、むしろそれに積極的にこたえていくものであるというふうに考えているところでございます。
○田代富士男君 今も御説明がありましたが、今検討中でありまして、まだ最終的な案がまとまっていない段階でございます。 この五兆円を上回るとされております緊急経済対策につきまして、野村総合研究所が発表しました試算によりますと、五兆円のうち、用地費に二兆三千億円もとられまして、内需拡大効果を持つのは事業量ベースで二兆七千億円にとどまる、こういう想定をしているのでございますけれども、この野村総合研究所の発表試算をどのように思われるのか、お答えをいただきたいと思います。 特に、政府が一方では、財政資金の捻出のために国有地等の払い下げで新聞紙上をにぎわしております地価高騰を招いておるようなことがあります。これは内需拡大に冷水を浴びせておる結果になっておりますけれども、政策的には明らかに矛盾していると思われるわけでございます。この今問題となっております地価の高騰というのは、緊急経済対策の重要な柱になると思われます住宅対策についても大きな影響を与えております。この政府の緊急経済対策におきます住宅対策は、御承知のとおりに、いつも融資対象の枠の拡大であるとか、また金利の引き下げが中心とされてきたのが今日までの実情でございますが、この高騰する地価に対する根本的な対策を欠いては実効は乏しいのではないか、私はこのように見ております。 例えて申し上げますと、四千五百万円から五千万円もする住宅が融資対象の枠に取り入れられたといたしましても、現実的に四千五百万円から五千万円もする住宅に住める人は少ないわけなんです。このことにつきまして、三井銀行の調査によりますと、首都圏のサラリーマン世帯の年収は、平均で六百三十四万円という数字が出ております。平均貯蓄残高六百三万円のうち四百万円から五百万円を取り崩して頭金に回したといたしましても、購入可能な住宅価格というものは、常識的に考えまして一戸建てで大体三千五百万、三千六百万程度ではないかと思いますし、またマンションで二千六百万から二千七百万円ぐらいじゃないかと思うわけでございます。そういたしますと、平均的なサラリーマンでは住宅を購入するということは容易ではないわけなんです。 そういう面で、この問題の根本に横たわるのが地価の高騰の問題でございますが、経企庁長官が所用でお留守でございますから、経企庁としてこの高騰を続ける地価に対してどのような見解をお持ちであるのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(田中努君) まず最初の野村総研の試算についてのお尋ねでございますが、新聞等によりまして、この試算について私どもも承知をいたしておるわけでございます。 お尋ねによりますと、この野村の試算によりますと、五兆円のうち用地費に二兆三千億円とられてしまうということでございましたけれども、私ども野村週報等を取り寄せましてちょっと拝見ををしたわけでございますが、それによりますと、五兆円の規模のうち四兆円が公共事業である、こういう前提のようでございまして、その中で用地費の占める比率、額で申しますと一兆三千億円、このように書いてあるわけでございます。ただいまのお尋ね、二兆三千億円というふうにございましたが、仮に二兆三千億円といたしますと、四兆円に対しまして約六割弱の用地費に相当をする。それからまた仮に一兆三千億円、五兆円ではなくて四兆円というのがベースになっておるということから一兆三千億円という数字が出てきたのではないかと思われますが、その場合には用地費の比率が三三%ということになるわけでございます。 もちろん、私どもの緊急経済対策の内容は、現在これから詰めるという段階でございますので、公共事業の額、またその中での用地費の額等につきましてまだ申し上げる段階にはないわけでございますけれども、過去の公共事業の中で占める用地補償費の比率を調べてみますと、建設省関係、これがかなりの大宗を占めるわけでございますが、その場合でございますと、用地費の比率が五十九年度におきまして一九・〇%となっておりまして、その前の年をさかのぼりますと約二割弱という数字になっておるわけでございます。そうした点から考えますと、この三三%というふうな数字はかなり高目の数字になっておりまして、やや過大な推計になっておるのではあるまいかというふうに存じておるわけでございます。 また、今次対策におきましては、公共事業等の執行選定に当たりましては、なるべく用地費に食われないような形でそれを執行に移したいというふうな方針で臨んでおるわけでございまして、その意味からいたしまして、既に用地の手当ての終了をしている事業を重点的に執行するということでございますとか、あるいはもともと用地費率の低いもの、こういうものに重点を置くというようなことも念頭に置いて進めていきたいということでもございますし、また、純然たる公共事業以外に、いわゆる非公共的、非公共事業でございますが、投資的な経費ということで、学校とか病院等 の施設、これの更新でございますとか、あるいは学校、病院それから研究所等のいろいろな研究施設、機器等をも対象に含めて、政府の投資的な経費の拡大に努めていくというふうなことを通じまして、せっかく支出をいたします経費が、用地費という形で吸収をされる部分ができる限り少ないようにということを考えておるところでございます。 もう一点お尋ねのございました地価の問題でございます。今度の緊急経済対策におきましても、住宅問題につきましてはかなり重点を置きまして、需要面、供給面、両面からの対策を考えているわけでございまして、ともすればこれまで需要面に偏った対策であったという傾向はやや見受けられるかと思われますけれども、最近のように地価が急騰をしているというふうな状況のもとでは、需要面の対策ももとよりでございますけれども、同時に供給面の対策も充実をしていかなければ、先生が御指摘のように実効が上がらないという点につきましては、十分配慮をしていきたいというふうに考えておるわけでございまして、その意味におきまして幾つかの項目をただいま検討中でございます。 先ごろの経済審議会の御建議にもございましたように、例えば市街化区域内における農地の宅地並み課税の問題、こういう問題がございますが、これにつきまして改善を加えることによりまして宅地の供給の増加を図るというふうな点につきましても、この経済審議会の建議との関係を踏まえて、ただいま各省で詰めておるところでございますが、これなどは宅地の供給増加策の一つの例であるかと思います。 さらに、これもまた検討中ではございますが、地方都市におきます線引きについての弾力的な運用を図るということはいかがかというような点につきましても検討を行っておりますし、それから、与えられた土地をより高度に利用するというふうな観点から、従来から進めてまいりましたいわゆる容積率の緩和といったふうな点につきましてもさらに一歩を進めることによりまして、実質的な形で土地の供給をふやしていくというふうな対策もあわせてただいま検討をしているところでございまして、そうした点につきましては、例えば道路の幅員との関係で斜線制限につきまして弾力的な取り扱いを行うということはいかがかというふうな点につきましても検討を進めておるところでございます。 それからまた、最近の住宅需要の中には、かなり建てかえの需要、あるいは住宅リフォームというふうなものが出てきておるように見受けられるわけでございまして、こういった形態での住宅投資というものは、これは直接的には土地に対する需要を増加させることにつながらないということがございますので、建てかえあるいはリフォームにつきましても積極的な措置を講じてまいりたいというふうなことを考えておりまして、そういうふうないろいろな観点から、需要のみならず供給の面におきましても、地価の安定、土地の供給の増加というふうなことを重点的に取り上げてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○田代富士男君 ただいま具体的に御答弁いただきましたけれども、今検討の最中でございますから、それが実施されまして本当に土地対策として効果が出てきたなと言われるところまで、何とか目を光らせてやっていただきたいと思います。今言っていただいただけでもやっていただいたならば随分の違いがある。たびたび聞いてきたけれども、それが実行されてないというのが実情でございますから、改めて今聞きましたから、再度お願いをしておきたいと思います。 それで、経済成長見通しについてお伺いしたいと思いますが、この問題も機会あるごとに取り上げられたわけでございますけれども、ここでも再度伺っておきたいと思います。 今年度の政府経済見通しは三・五%でありますけれども、これが決められたときの円ドルは百七十円台であったと私は理解をしております。現在は百四十円台から百三十円台をうかがおうとしている実勢でございまして、この種の予測によりますと、総合経済対策を実施しても一・九%程度の成長しかできないというような見方がされておるわけでございます。この見方にもいろいろな見方がありますけれども、そういう見方があるわけでございます。そこで、経企庁長官の所信にも述べられておりましたけれども、三・五%の達成というものは極めて厳しいのではないかと現在から予測されるわけでございますけれども、経企庁としてのお考えを、まあ決意といいますか、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(田中努君) 昭和六十二年度の経済見通しを策定いたしました際の為替レートにつきましての見方と申しますか、作業の前提といたしました数字は、御指摘のようにかなり安い円でございました。百六十三円という作業前提に基づきまして見通しを立てたわけでございます。そういった既にある程度の円高のもとで内需は比較的堅調に増大をするだろうという見通しを持っておりましたが、円高のもとで外需はどうしてもマイナスになりまして、経済成長の足を引っ張る姿になるということを当初から見込んでおったわけでございまして、三・五%の成長の中で内需の伸びにつきましては、寄与率で申し上げますと四%の寄与を行うであろう、それから外需につきましてはマイナスの〇・五%の寄与になるであろう、合わせて三・五%、こういう成長を見込んだわけでございます。 経済の現状を見ますと、現在ほぼ想定をいたしましたように、国内需要につきましては、これは緩やかではございますが、増勢を続けているわけでございますけれども、輸出は弱含みになっておりまして、景気全体といたしまして、底がたさはあるもののその足取りが極めて緩やかであるということになって、おりまして、現在まで数字がわかっておりますのは六十一年の十二月まででございます。国民所得の速報が発表されておる時期はそこまででございますが、四月から十二月までの三つの四半期について成長率をとりますと、前年に対しまして二・二%の成長にとどまっているという実情になっております。 ちなみにその内訳といたしましては、内需の寄与が約四%、それから外需の寄与がマイナスの一・八%ということで、内需につきましては想定に近い線で来ておりますが、外需の落ち込みが想定以上になっておるという点でかなりのそごが生じておるところでございます。さらにそれに加えまして、本年の一月以降円レートがかなり急速に上昇を遂げてまいったわけでございまして、昨今では百四十円を上下をしているという状況にまで進んできておりますので、この円高の進展の経済に対する影響というものをこれから慎重に見きわめる必要があるという段階であろうかと思います。 もとより円高の影響はプラスの面とマイナスの面、両面ございまして、非製造業等におきましてはプラスの面が比較的大きく出ている。したがいまして、設備投資、企業収益等について見ましても、これらの部門ではかなり調子がよろしいという状況もございますけれども、円高のマイナスの影響はやはり製造業を中心に非常に大きく出ておりまして、企業の収益それから雇用等の面におきましても厳しい状況になっていることは否めないわけでございまして、全体としてはマイナスの影響が出たために成長率が鈍化をしていると、こういう状況であろうかと思われます。 したがいまして、当初見通しの三・五%の達成をめぐる環境はかなり厳しい状況がある、こういうふうに認識をしているわけでございまして、今後の政策につきましては、円レートの安定を図るということを行いながら、同時に思い切った内需の拡大を行っていく、そのための緊急対策を実施をすることによりまして、この三・五%の当初の成長目標の達成をより確実なものにしてまいりたい、こういう考え方に立っておるわけでございます。
○田代富士男君 今御答弁いただきましたが、この問題も非常に難しい問題だと思いますけれど も、これはやはり努力していかなければ今後の日本経済にも与える影響大きいと思いますから、ひとつ頑張っていただきたいと思います。 それから、今さっき田村通産大臣にお尋ねいたしました日米の半導体協定違反の問題、通商摩擦に対しまして、ただいま委員会に御出席いただいている児玉局長が、この委員会が終わりますとアメリカへ御出発だということで、大変だと思いますけれども、これはひとつしっかり頑張ってきていただきたいと思います。 それと同時に、お行きになる前にはいろんなアメリカの情報等集めていらっしゃるかと思いますが、もう一度お尋ねしたいと思うことは、四月の三十日に、日米の経済関係というものは戦後最悪と言われている中で訪米されました中曽根総理をねらい撃ちするかのように、極めて保護主義的な色合いの濃い包括通商法案が、下院本会議で圧倒的多数、賛成二百九十という数で可決され、上院へ送られたことは御承知のとおりでございますが、上院ではいわゆるゲッパート条項は織り込まれておりませんけれども、日本など過剰貿易黒字国を不公正とみなしまして、大統領あるいは米通商代表部に報復を義務づけるという案を出されております。そういう点から言いますと、下院と一致していると、このように見なければならないのではないかと思いますけれども、ライト下院議長も、また政府も、ゲッパート条項は上院の審議で修正されると言明しているということも伝えられております。 いずれにしましても、対日強硬路線がアメリカの議会に定着をいたしまして、議会の対日要求に拍車がかかることは明らかでございます。この上院の審議、上下両院の調整の見通し、米政府の対応、これをアメリカに行かれる直前でございますけれども、どういうふうに対応してこようという決意であるのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(村岡茂生君) 先生御指摘のとおり、米国議会の対日強硬姿勢は非常に激しい強いものがございます。御指摘のように、下院の法案は四月三十日に本会議を通過いたしました。上院におきましても五月七日にベンツェン委員会、財政委員会をやっと通過したところでございます。この上院の法案、六月に入りましてから本会議で審議される予定でございますが、正直申しまして私どもが想像していたテンポよりかなり早い審議が米国議会で行われているという実態でございます。六月に入って上院本会議で審議されるでございましょうが、夏休み前には両院協議会の調整が進む可能性すらある、このように考えざるを得ないと思っております。かつ、下院、上院、いずれの法案も、先生一致とおっしゃいましたが、一致というより保護主義色の強いものである、双方ともそのようなものだと私ども理解しております。 今後、削除に向けて米国内で積極的な調整努力というものが行われるでありましょう。かつ、レーガン大統領自身も、保護主義色の強い法案にはビートをするということをかなり強い調子で約束されておられますので、そういうビートあるいは行政府の努力といったものを盾にとっていろいろな努力が行われることになると思います。私どもも注視をしてまいりたいと、こう思っております。 直接的なお尋ねの半導体の問題については、児玉局長からお答え申し上げます。
○政府委員(児玉幸治君) 先ほど大臣からお答えを申し上げましたように、この五月の上旬以来、まず半導体の協定の解釈問題につきまして、専門家レベルでいろいろな打ち合わせをいたしておるわけでございますが、アメリカ側の方で四月分のデータにつきましての収集、分析が、当初考えていたよりも少しおくれまして、そういうこともありまして今週の後半、相互にデータを持ち寄りまして協議をいたそうということになっております。今の予定では、今週の木曜日、金曜日に次官レベルの協議をワシントンで行う予定でございます。私どもの方も今精力的にそのデータを収集し、分析をしている最中でございますし、一方ではこれから先、例えば制裁措置がうまく終わったといたしまして、終わった瞬間にまた実績が悪くなるというのでは困るわけでございます。やはり安定的に改善した事態が進んでいくという必要もございますので、そういった面について、一方では業界の方にも要請をしているわけでございます。 ただ、私どもが持っておりますデータを、アメリカ側でもそのまますっと採用してくれればいいんでございますが、アメリカはアメリカの物差しを持っているということと、それからアメリカ側も独自に、自分たちで調べたデータを持ってきて、そこを突き合わせしながら問題解決への努力をしていこうということでございますので、必ずしも楽観は許されない。私どもとしては、自分たちの持っているデータによりまして、全力を挙げてアメリカ側の説得に努めてまいりたいと思っております。
○田代富士男君 貿易摩擦というものは本当に大変な問題でございますが、振り返りまして、一昨年我々も協議した中の一つに、当時といたしましては貿易摩擦解消の切り札のように宣伝されたのがアクションプログラムでございましたけれども、このアクションプログラムは、その後どのように実施されたのか、その実効というものは上がっているのか、これまずお伺いしたいと思います。 アクションプログラムの実施など懸命の輸入促進策が実を結ばないところか、当時よりも貿易黒字はますます拡大する一方であることは御承知のとおりであるわけなんですが、そのような事態を迎えだということは、結局はいろいろな見方がありますが、まず一つは、日米間などにおける商品の競争力などの差である、このように見ていくのか、また内需拡大の限界だと唱えるのか、日米などそれぞれの産業構造の転換がまだ端緒についたばかりで、いずれあるべき姿を見せると考えて将来にその解決策を見出していくのか、あるいは産業構造の転換は不可能と見るのか、それともまだまだ政府として取り組むべき施策があると考えておるのか、ここらあたりの率直な御意見を承りたいと思うわけでございます。また取り組むべき施策があるとするならば、今もいろいろ対策を御説明いただいておりますけれども、どのように取り組むつもりであるのか、実効ある具体策というものをお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(村岡茂生君) まず最初に、アクションプログラムの進捗状況についてでございますけれども、六十年七月にアクションプログラムを決定し、その後三カ年そのタイムスパンにわたって実行していくということになっているのは御存じのとおりでございます。かつアクションプログラムの中においては関税、基準・認証など六項目の分野についての各種の改善策を策定したところでございます。このアクションプログラムの策定以来、現在までほぼ二年近くの時間が経過しておるわけでございますが、関税につきましては千八百五十三品目の関税の引き下げ、無税化などあらゆる面で関税の点では既に全項目を実施し終わったところでございます。 基準・認証につきましても、全体で九十一項目でございましたか、項目をつくりました。その中で通産省の所管分は二十三項目でございましたが、このうち二十二項目は実施済みでございます。残りました一項目につきましても、あと数カ月の間には実施できるものと信じております。 その他、各種の項目がございますが、私どもといたしましては、このアクションプログラムの内容は着実に、かつ完全に実施されていると、こう考えております。この結果、例えば平均関税率で申しますと、二・一%ということになっておりまして、先進国の中で最も低い平均関税率を誇るに至ったということでございます。 続きまして、では効果を上げているのかと、こういう御下間でございます。 私どもは、やはりこの効果はかなり上がってきていると、こう思っているわけでございます。と申しますのは、例えば昨年度の輸入統計を子細に 見てまいりますと、輸入額は総額で二千百五十一億ドルということで、四十七億ドルも減っておるではないか、市場を開放するというのが本来アクションプログラムの直接の目的とするところであったにもかかわらず、輸入額が減っているということは、閉鎖されつつあるのではないかとさえ言えるのではないか、こういう御疑問かと思うのであります。 ところが、この輸入動向の内容を詳細に分類してみますと、実は原油価格の値下がりによる輸入減少というのが一番大きな要素でございまして、金額にして五一%も前年度比減少しております、百七十一億ドルの減ということでございます。その半面、製品類の輸入増加額というのは非常に顕著なものがありまして五百五十二億ドル、前年比で三四・七%の増加でございます。金額が百四十二億ドル。このアクションプログラムの効果というものもかなりあずかってこの製品輸入の増加額に力があったものと私ども考えておるわけでございます。 しかしながら、トータルといたしまして、Jカーブ効果などもあり、日本の黒字は非常に増加しているということは否定できない事実でございます。中長期の時間を要します構造改善あるいは競争力の改善ということ、これは非常に重要で、我々も努力を傾倒していかなければならないことでありますが、とりあえずこれを別にいたしまして、短期の、あるいは中期の中のごく短期寄りの部分に中心を置いて見てみますと、ちょうどこれはこの前のOECDの閣僚理事会におきましても種々議論がありましたように、やはり基本的には一国の供給と需要、この二つのインバランスが貿易収支のインバランスの最大の課題であるというふうに思料されるところでございます。 このような点に着目いたしまして、当面世界各国が協調して実行すべき課題というのは、日本については思い切った内需拡大である、ドイツに関しては税制の前倒しである、アメリカにとっては財政赤字の縮減である、こういうぐあいに合意を見たところでございまして、私もこの意見に全く賛成でございます。短期あるいはごく短期に近い中期の面では、内需拡大こそがこのインバランスの是正の最大のポイントである、このように考えております。
○田代富士男君 次に、経企庁にお尋ねをしたいと思いますが、五月の二十日でございましたか、経企庁が発表されました委託研究であります総合国力の活用に関する基礎研究報告書について伺いたいと思いますけれども、この委託研究はいかなる目的を持って行われたのか、また従来の国力比較とどのような点で異なるのか、その結果いかなることが明らかにされたのか、まず簡単で結構でございますが、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(及川昭伍君) お尋ねのように、この研究は経済企画庁の委託調査による研究でございますが、まず第一のお尋ねの調査の目的でございますけれども、我が国は経済力が非常に向上してきたことを背景にして、積極的に国際貢献をすることが求められてきているわけでありますが、我が国の世界における地位というものを、従来は経済力だけではかっておった面があったわけでありますが、総合的に把握した上で、どのような貢献をすべきかということを明らかにする広い視野からの検討が必要だという問題意識で調査をいたしたものであります。 第二のお尋ねの、従来の国力調査との違いでありますが、従来の国力という概念のときには、一般にすぐGNPだけでかわりをしたり、場合によっては軍事力ということだけでかわりをしたりいたしておりました。この調査ではそれらを総合させるという意味で、第一に国際貢献能力というものを、経済力や経済協力等を含めて国際貢献能力というものをはかってみました。第二番目に生存能力、国の生存能力というものを人口とか国土面積とか資源とかいうものからはかりました。第三に対外的な強制力、従来は軍事力で代表しておったわけですが、強制力というものを軍事力とか、あるいは戦略物資の力とか技術力とかいうことではかっていたわけであります。 その結果でありますけれども、結果についてはそれぞれについて申し上げますと、国際貢献能力については主要国と比較して、アメリカを一〇〇として日本は六一、生存能力についてはアメリカを一〇〇として五六、軍事力を中心とした強制力についてはアメリカを一〇〇として二五、特にこの調査では我が国の国際貢献能力の状況を把握する目的で行ったわけでありますが、国際貢献能力については、主要西側先進国の中でアメリカに次いで第二位であるという結果が出ております。
○田代富士男君 ただいまも御答弁いただきましたように、今調査の特徴といたしまして、主要国の国際貢献能力が明らかにされたわけでございます、第二位ということでございますが。 我が国の国際貢献能力、能力はともかく、現実にどれだけ国際的に貢献しているかとなりますと、心もとない面もあるのではないか、こういうふうに率直に思うわけでございますが、かつては美徳とされました能あるタカはつめを隠すというような言葉もございましたが、現実の国際関係の中では通じないと私は思うんでございますけれども、こういう立場から、このたびの調査結果を今後の施策にどのように生かすべきと考えていらっしゃるのか。ただいまもちょっとお話になりましたけれども、御所見を再度お尋ねしたいと思います。
○政府委員(及川昭伍君) 我が国が国際的に貢献する道は、軍事力を拡大することではなくて、国際協力等を含めて国際的に貢献していく一つの道があろうかと思うわけでありますが、そのための基礎的な資料を提供してくれたものと考えております。 国際貢献能力が主要先進国の中で第二位だと申し上げましたけれども、そのうちでも国際貢献能力を基礎的な力、それから政策としてこれを実行している現実の力と、こう分けてみますと、貢献能力のための基礎力は第二位と出ておりますが、政策力といいますか、実際に政策に実現している力は主要先進国を調査した五カ国の中では一番低いところに出てきているわけでありまして、国際的な潜在的な貢献能力を顕在化するためにどのような方策を講じたらいいかということについて、非常に有力な材料となるものと考えておりまして、そのような方向でこの研究の成果も生かしてまいりたいと考えております。
○田代富士男君 では質問を次に移したいと思います。時間が余りありませんからちょっとまとめてお尋ねしたいと思います。 パソコンの互換機問題で、御承知のとおりに、日電とエプソンとの間の紛争が今雑誌等にも掲載されまして話題となっておりますが、この問題についてのその経緯と現況について御説明をいただきたいと思います。 それと同時に、アメリカにおいてはIBMのPCを核といたしましてその互換機市場が形成されておりますけれども、その市場規模などの現状と、それが形成されるに至った理由、また今後の動向についてどう見ていらっしゃるのか、簡単にまず御説明いただきたいと思います。
○政府委員(児玉幸治君) 先生お尋ねのパソコンに関する日電とエプソンの間の紛争でございます。 この問題の経緯をまず要点のみ御報告をさしていただきたいと思いますが、ことしの三月の十三日に、セイコーエプソン社が日本電気のパソコン、PC九八シリーズの互換機であるPC二八六、モデル一、二、三、四という四機種を四月中に販売すると発表いたしました。これに対しまして同日、日本電気はセイコーエプソン社のPC二八六は著作権侵害をしている旨の記者会見をしたわけでございます。 その後、四月の七日に至りまして、日本電気は東京地方裁判所に対しまして、著作権法の百十二条に基づきまして、ただいまも触れましたエプソン社のPC二八六、モデル一、二、三、四及びハードディスクユニット、HDD二〇の製造、販売停止を求める仮処分の申請をいたしたわけでござ います。その後、若干の時日が経過をいたしまして、四月の二十四日には、セイコーエプソン社の方で、このPC二八六のモデルの一、二、三、四の発売の延期と、それからPC二八六に新しくモデル〇というものをつくりまして、これを販売するという発表をいたしたわけでございます。 その後の状況でございますけれども、現在、本件につきましては東京地方裁判所におきまして審理が行われているところであると承知いたしております。 それから、御質問の第二点、アメリカのパソコン市場におきましては、IBMのパソコンを中核として互換機市場ができているではないかと。これがどういう規模であって、今後どうかと、こういうことでございますが、まず、アメリカのパソコン市場の規模のとらえ方でございます。 いろんな統計がございますので、これという決め手はないのでございますが、いろいろの情報を総合してみますと、大体最近のアメリカのパソコン市場の規模というのは百数十億ドル、あるいは百三十億ドルとか百四十億ドルとかという、そういった規模であろうと思われるわけでございます。そうしてアメリカのパソコン市場におきましては、IBMのパソコンの互換機メーカーがかなりあるわけでございまして、このIBM自身のつくっておりますパソコンと、それからIBMの互換機をつくっておりますメーカーのものと両方を合わせてみますと、パソコン市場の五割ないし六割は占めているんではないか、こういうような状況でございます。 なぜ、それじゃこういう互換機市場がアメリカで成立したのかということでございますが、これはいろんな議論があるわけでございます。例えばユーザーの方から見ますと、できるだけソフトウェアがいろいろ使えるパソコンであった方が買いやすいということがございます。それから、パソコンのソフトを開発する人の方から見ますと、なるたけ自分のつくったソフトウェアというのはたくさん売れる機械で使われる方がいいというふうなことがあるわけでございまして、IBMがパソコン市場に参入したという場合に、そういった心理的な影響があったのではないかなということが一つあるわけでございます。 同時に、もう少し技術的な問題といたしましては、IBMがパソコンを販売いたしました場合に、パソコンの基本ソフトウェア、いわゆるOSと言われるものでございますけれども、これにつきましては、実は自分自身で開発はいたしませんでして、マイクロソフトという会社が開発をいたしましたMS−DOSという、そのOSのライセンスをもらって、それを自分の会社のパソコンに組み込んでいったわけでございます。ところで、マイクロソフト社の方は、このMS−DOSというOSは、実はほかのメーカーにもライセンスをしているというような状況がございまして、こういったことも互換機市場がアメリカで成立した要因の一つではないかと考えられるわけでございます。
○田代富士男君 次に、我が国では、御承知のとおりに十六ビットパソコン市場で日電が九〇%以上のシェアを占めていると言われますけれども、このような寡占化が進んだ理由というものをどのように見ていらっしゃるのか。 また、このパソコンのシェアの拡大とソフトの充実との相関関係についてどう考えるのか。今も御答弁がございましたけれども、パソコンに対する需要はどう変化していくのか。 ますます成熟していくであろうパソコン市場の今後の展望について、コンピューター普及の日米比較に照らしてどのように分析をしていくのか、ここらあたりもお聞かせいただきたいと思いますし、拡大が予想されるこの市場におきまして、アメリカの例に倣うならば、互換機の出現によりまして自由な価格市場が生まれまして、それが新たな需要を創出し、問題の内需拡大にもつながるとの意見もあるようでございますけれども、このような意見に対してどのようなお考えであるのかお答えいただきたいと思います。
○政府委員(児玉幸治君) まず第一のお尋ねの、十六ビットパソコンのマーケットで、日電が九〇%以上のシェアを占めているのではないかという点でございます。 〔委員長退席、理事大木浩君着席〕 実は、日本のパソコン市場の状況あるいはメーカー別のシェアにつきましても、これまたなかなかきちんとした統計がございません。今、田代先生がお触れになりましたものは、恐らく東京のある調査会社が百ぐらいの店舗のサンプリング調査をいたしておりまして、そういったものの結果を引用されたのではないかなと思うわけでございますが、実はそれ以外にもいろんな業界団体でいろんな調査をいたしておりまして、別な調査では、実は日電のシェアは六〇ないし七〇%ぐらいではないのかというふうな見方もあるわけでございます。 もともと八ビットのパソコンがまずマーケットで普及をいたしまして、その後に十六ビットのパソコンが出てきたわけでございますけれども、日電がここまでのシェアを持つような状況になったという点につきましては、こんな立派なことをやったからとか、あるいはこういうことをやったからというのはなかなか難しいのでございますけれども、状況をずっと眺めてみますと、八ビットのパソコンがマーケットに普及していた時代から、もう十六ビットの問題について大分早くから開発、販売体制について、他社に先行していろいろ取り組んでいたのではないか。それからまた、販売につきましても、よくあちこちにマイコンショップというのがございますが、そういったものを全国的に展開をいたしまして販売体制を固めていったというふうなこともあるのではないかという感じもいたしますし、あるいはさらには、ソフトウェアハウスとの連携関係についてもいろいろ工夫をしたのではないかなと思われるわけでございます。 そういったものが現実の姿であろうかと思うわけでございますけれども、今後パソコンのシェアが拡大していく場合に、ソフトウエアとの関係はどうかというのが第二のお尋ねでございまして、この点につきましては、私は日本でもアメリカでも事情は変わらないと思います。先ほども触れましたように、いわゆるアプリケーションソフトと言われる、パソコンを有効利用するためのソフトウエアというものは、これはメーカーがつくるだけではなくて、広くソフトウェアハウス等でもつくるわけでございますけれども、そういった場合には、やはりユーザーの方から見れば、そういうアプリケーションソフトがなるたけたくさん使えるものが魅力的でありますし、またソフトをつくる人たちも、たくさん売れる機械についてソフトをつくった方が経済的にも非常に引き合うというふうなことがありまして、ある種の相乗効果というのがそこに見られるわけでございます。 ただ、それでは今後のパソコンの成長の姿でございますけれども、今は十六ビットでいっておりますけれども、やがてはまた三十二ビットのパソコンも出てくるということでございまして、まだパソコンの世界というのは非常に急速な発展を遂げている世界、決して成熟して業界の秩序が安定している社会ではないということでございまして、ただいま申し上げましたようなマーケットシェア等に関する部分にいたましても、今後の技術開発あるいはソフトウェアの動向によりましてどういうふうに変わっていくか、先行きは定かではないというのが正直なところではないかなと思うわけでございます。 パソコン市場そのものが今後どういうふうになっていくかということでございますけれども、これから先、二十一世紀に向かいまして情報化はますます進んでまいります。コンピュータリゼーションもどんどん進んでいくわけでございますが、 〔理事大木浩君退席、委員長着席〕 そういった中で、この情報化というものは、従来の産業中心の情報化からだんだんと生活、家庭あるいは地域へとどんどん入っていくわけでございます。その中で、パソコンと汎用のコンピュー ターを上手に結合いたしまして、全体として情報処理の効率を高めていく、あるいは高度化していくといった動きは当然予想されるわけでございます。そういった意味では、今後ともパソコンの需要というものはますます拡大していくのではないかと思われるわけでございまして、そういった中でも、ある種の互換路線というふうなものが当然できていくのではないかと思います。 ただ、互換といいますのは、結局、何か機械がありまして、それに対してほかのものが互換性を持つということでございまして、だれがだれに対して互換ということになるのかという点は、先ほども申し上げましたように非常にまだ弾力的でありまして、若い商品だろうというふうに思うわけでございます。 いずれにせよ、私は、これから先の情報化の進展の中でパソコンの需要というのは今後もますます拡大していくと、そういった意味では、やはりこの分野が今後の内需の拡大という点でも非常に役に立つ分野になるんではないかと思っております。
○田代富士男君 プログラムの著作権侵害問題についてお尋ねいたしますけれども、その違法性、判断の基準というのは今後の判例の集積を待つしかないと思いますけれども、それには長い時間を要するわけでございまして、そういう立場から、通産省としては権利の侵害には十分考慮するのは当然といたしまして、プログラム開発上無用な紛争を避けて、何といいますか、産業の活性化を図るためにも一応の基準を示す必要があるのではないかと思うわけでございます。 私は五十九年の四月のこの委員会におきまして、小此木通産大臣のときだったかと思いますが、OSなど基本ソフトの標準化問題について伺いましたが、そのとき、検討中であるという答弁でありましたけれども、その後どのように検討されたのか、これもお答えいただきたいと思います。 コンピューターにつきましては、その接続部分やキーボードについての統一化は図られているものの、OSやハードの基本的部分の標準化がなされない限り、ユーザーは不利益をこうむることになるわけでございまして、これはもう私が言うまでもありません。VTR問題のときのような不手際を再度繰り返さないためにも、通産省の標準化の努力を今以上に期待したいと思うわけでございます。どうでしょう。 それで、DATの質問も通告して準備していただいておりましたけれども、これは時間がありませんからまた次回の委員会にして、省略をいたします。
○政府委員(児玉幸治君) プログラムの著作権侵害の問題につきまして、無用な紛争を避けて産業の活性化を図るためには、何か物差しといいますか、いろんなガイドラインのようなものがあればということでございます。 私は、確かにそういう紛争なんか避ける、そして産業の活性化を図るべきではないかという田代先生のお考えには全く同感でございます。ただ問題は、著作権侵害というのが事柄の性格上、私人間の民事上の争いという性格になっておりまして、したがって、侵害があるかないかというものを行政府の方で判断を示していくということについては基本的には問題があるのではないか。そういう意味におきましては、真正面からお答えいたしますと、やはり判例の蓄積を待っていかないといけないのではないかということになるわけでございます。 ただ、そうは申しましても、現実にはやはり何かそういった面についての研究が深まり、またその成果が広く一般に活用されるのが望ましいわけでございます。幸いなことに、著作権法の改正でこのプログラムの保護がはっきりしてまいりまして以来、このプログラムの著作権に関する議論、あるいは研究が、産業界はもとよりでございますけれども、学会等におきましてもかなり広く行われるようになってまいりまして、そういった研究の成果等も次第に出てきつつあるわけでございます。私どもといたしましても、そういった成果が出てまいりますと、違法性の判断等についての手がかりが次々と積み重なっていくと思っておりますので、ぜひそういった産業界、学会等の動きがどんどん今後も活発に進んでいきますように、そういう動きに大きな期待をかけているところでございます。 それから第二点、五十九年の四月の委員会におきまして、OSなどのソフトの標準化の問題についての御質問をいただきました。当時の答弁をもちょっと参照いたしてまいりましたが、やはりこのコンピューターのOS等というものは、いまだに技術進歩の途上にあるわけでございます。したがって、この標準化というものと技術進歩との関係をどういうふうに調和を図っていくかというところが一つの難しい問題でございまして、通産省では当面、この問題に対する対応といたしまして、いわゆる相互接続、OSは仮に違っても、その異機種の機械をどういうふうにうまく接続いたしまして、相互に運用性を高めていくかというインターオペラビリティーの問題につきまして検討をするというふうなことをお答えいたしているわけでございます。 実は昭和五十八年の十二月からこの研究会は発足をしたわけでございますけれども、六十年の四月に結論を得まして、その成果をも踏まえまして、昭和六十年度から六十六年度までの七年間の計画で、工業技術院の大型工業技術研究開発制度、いわゆる大ブロの予算があるわけでございますが、その中でインターオペラビリティー確保のための技術開発をするための研究に着手をいたしております。 それから、なおそのほか、最近の動きといたしましては、この相互接続の問題というのは、国際的にも非常に関心を集めるようになってまいりました。国際機関では国際標準化機構という、ISOという機関がございますが、ここを中心にして、異機種の機械の接続につきまして、いろいろな標準化できるものについては標準化というふうなことで作業を進めているところでございます。これに対しましては、日本もヨーロッパもアメリカも、それぞれの業界が協力体制をつくっておりまして、私どもといたしましてもこの動きをそれなりにバックアップしているところでございます。 なお、キーボードその他の標準化の問題につきましては、工業技術院の方からお答えをさせていだたきたいと思います。
○政府委員(飯塚幸三君) 御質問の第三点につきまして、簡単にお答え申し上げます。 コンピューターにかかわる標準化の問題でございますが、情報技術にかかわる標準化につきまして、日本工業標準調査会に設置されました、山下勇氏を委員長とする情報技術標準化特別委員会の報告に基づきまして、従来から積極的に取り組んでいるところでございます。具体的には開放型システム間相互接続、いわゆるOSIであるとか、日本語の入力用キーボード等に関する規格を制定するとともに、昨年、日本工業規格に新たにいわゆるX部門、情報部門を設けまして、情報関係の規格を整備しているところでございます。 今後とも、OSの違いを克服するためのインターフェイス等の標準化に関して、先ほど児玉局長からの答弁にもありましたように、国際的な整合性を図りつつ、またかつ技術進歩を勘案しつつ、タイムリーな標準化を進めることが情報化社会の円滑な発展にぜひとも必要なことであると考えておりまして、当省といたしましても、適切な施策を積極的に講じてまいりたいというふうに考えております。
○市川正一君 最初に、私は緊急の問題として、北九州市の白島石油備蓄基地の防波堤損壊事故について伺いたいと思います。 この問題はテレビなどでも大きく取り上げられましたが、去る二月三日、北九州市若松区沖合八キロメートルの響灘にある白島で、建設中の石油備蓄基地の防波堤が悪天候で損壊いたしました。これがその現場写真です。(資料を示す)余り大 きく伸ばしておりませんけれども、大体おわかりと思うんですが、これはケーソンと言われておりますけれども、四階建てのビルに匹敵します。横が二十四メーター、そして奥行きが十六メーター、高さが十七メーターです。その中に砂を入れまして、重さ約一万二千トンになります。このケーソンがかくのごとく損壊いたしました。この被害の現況はどうなっているのか、また現在どうしようとしているのか、まず簡潔に説明していただきたいと思います。
○政府委員(内藤正久君) 北九州市に建設中の白島備蓄基地でございますが、今、先生の御指摘のとおり、海洋の大構築物として現在建築中でございまして、完成いたしますれば約五百六十万キロリットルの石油を保有する大備蓄基地になる計画でございます。 それで、今、先生御指摘のとおり、ことしの二月三日から二月四日の未明にかけまして、非常な強風に見舞われた結果、防波堤に被害が発生いたしております。先生のお示しになられた写真のとおりでございます。被災の概要につきましては、設置済みの防波堤のケーソンの百函のうち七函が水没いたしまして、一函が破損いたしました。そのほか大幅に移動いたしましたケーソン二函を含めまして四十八函のケーソンが移動をいたしております。かつ、マウンドの洗掘、消波ブロックの流失、破損等の事態を生じました。その被災後、直ちに被災原因を究明いたしますために、北九州市を中心に専門家から成る委員会を設けて、被災原因の究明を行っているところでございます。 それと前後いたしまして、通産省といたしましては、石油公団を通じて、会社に対し、北九州市で設置されておる委員会への全面的な協力を行うよう指導するとともに、工事を中断させております。それで、原因究明を待って今後の対応を検討するということのために、公団においても学識経験者を中心とした委員会を設置させておりますし、あわせて会社にも対策委員会を設置させて、対応に遺漏なきを期しているところでございます。 あわせてその後の動きでございますけれども、本格的な工事をどうするかということにつきましては、今申し上げました北九州市の原因究明を待ちまして、それにのっとって判断をするということで、本格的な工事は当然のことながら現在も中止をしたままでございます。 ただそれとは別個に、並行して、現状のままに放置いたしますと、冬場において二次災害を発生させると。したがってその崩壊がさらに強くなるということが懸念されておりますので、五月十九日から災害拡大防止上必要不可欠な最小限度の応急措置を開始せしめたところでございます。
○市川正一君 原因究明を待って本格的な工事再開をするというんですが、しかしことしの冬に、今二次災害というふうにおっしゃったけれども、同様の被災のおそれが懸念されるわけでありますが、その特別の防止対策は考えておられるんですか。
○政府委員(内藤正久君) その内容がまさに応急対策でございます。先ほど申し上げましたように、恒久対策とは分離した形で、被害拡大を防止するという観点から、必要最小限度の措置を今講じようとしておるところでございます。 それは、何らの措置を講ずることなく冬季を迎えるということになりますと、先生今御指摘のとおりの被害拡大なり、さらなる問題が生ずるということが懸念されますので、それに対する対応を図ろうというものでございます。具体的には破損ケーソンの撤去、欠落ケーソンの製作及び据えつけ、大移動ケーソンの据え直し、消波ブロックの補充というふうなことを行おうということでございます。 それで、先生御懸念の、保全措置を講じてもまた次の冬に大変な事態になるのではないかという御懸念でございますが、それにつきましては、ケーソンの欠落部分のところを直した後、消波ブロックを積み増すということ、要するに消波ブロックを補充するという作業がございます。それから、北防波堤の上部工を積んだということがあの波の影響ということを非常に大きくしたという理解も持っておりますので上部工を積まない。それで、上部工を積まないでケーソンのところまで消波ブロックを積むと、あるいは東防波堤のケーソンについて砂詰めを、従来水詰めでございましたけれども、砂詰めを行うということで、ことしの二月の三日から四日にかけて生じましたような気象条件が参りますときにも、資産の保全及び災害の拡大ということの回避という対応を図っていきたいと。しかし、これはあくまでも恒久的対応とは分離した形で、緊急措置ということで考えております。
○市川正一君 それでは伺いますが、今回の防波堤損傷事故の原因はどこにあるんですか。例えば当初の設計が不適切であったのか、それとも工事の施工管理に問題があったのか。現在わかっている範囲で簡潔に述べてください。
○政府委員(内藤正久君) そのまさに被災原因につきましては、今先ほどから申し上げております北九州市が専門家から構成いたしました委員会で検討をいただいておるところでございます。 したがってその結果に応じてどこのところに今回の原因があったかということが明確になってくるものと理解しておりますが、現状では、北九州市の委員会におきましては、来襲した波浪の高さ、これを気象図によって試算いたしますとか、あるいは波浪計による観測値の解析をいたしますとか、あるいはケーソンの耐波性がどの程度であったか、あるいは波浪とケーソンの挙動関係、すなわち波浪が参りますときに、いかなる関係でケーソンの移動が起こったのか、あるいはコンクリートの強度等についてもあわせて検討しておるところでございますので、先生御指摘の、那辺に問題があり、今回の被災に至ったかということを体系的に今究明中でございまして、それ以上の結論は今のところまだ出ておりません。
○市川正一君 あなた、北九州市が、北九州市が言って、まるで人ごとみたいなことをぬかしておるけれども、これ通産省自身が監督官庁としてやってきた問題じゃないですか。それであなた、何やら禅問答みたいに、那辺にあるかという、そんななぞを私聞いているんじゃない。 それじゃ、はっきり一つ一つ聞いていきましょう。 防波堤を設計した際、及び今回の越冬に当たって考慮した風速と波高の値はどのくらいに設定したんですか。
○政府委員(内藤正久君) 設計でございますけれども、防波堤の設計につきましては、運輸省の設定した港湾法上の技術基準に基づきまして、三十年にわたる期間のデータから、百年再現期待値の風及び風浪を推算いたしまして、それをもとに設計を行っております。 その実際上の計算等につき、今、先生おっしゃいましたけれども、当然のことながら会社及び公団、特に事業主体である会社が十分なる委託を行い、検討を行い、それを受けて認可を得、かつ現在の検討におきましても、先ほど申し上げましたような十分な協力をいたしておるということで、その協力に対して通産省も十分に指導いたしておりまして、万遺漏なきを期しておるというのが実態でございます。
○市川正一君 私が聞いているのは、それじゃあなた方が指導し、出した数値ですね、要するに最大瞬間風速は何メーターですか。また、波高は何メーターですか。
○政府委員(内藤正久君) 数値でございますが、風は毎秒五十一メートル、波浪は北の波で、有義波高六・一メートルというのが完成時として予定されております設計時の数値でございます。 それからまた、施工途中につきましては、同様にしてこれは基準が定められておりますので、十年の再現期待値ということでございますので、風につきましては毎秒三十八・四メートル、波浪につきましては北の波で、有義波高で四・〇メートルということでございます。
○市川正一君 この石油公団の文書によれば、風は最大瞬間風速七十メーターSec、秒速ですね、 にも耐え得るように設計してある。そして有義波高は六・〇メーター、一番ピークのものですね、というふうに設計されているわけです。 そこで聞きますが、気象庁の説明によりますと、当日の白島付近の波浪は五メーター前後だと見られています。一方、運輸省の港湾局の説明では、付近にある監ノ島の波高計では五・八二メーター、玄界灘の波高計では七・六八メーターを記録しております。さらに、白島石油備蓄株式会社が工事の施工管理のために現場に設置した波高計では、六ないし十メーターの記録もあると言われております。とすれば、これは考慮した設計値に誤りがあった、誤算があったということになるんじゃないですか。
○政府委員(内藤正久君) ちょっとその前に、ひとつ数字につきまして御説明をさせていただきたいと思いますのは、今先生のおっしゃいました瞬間最大風速七十メートル、それは瞬間最大風速でございますので、おっしゃるとおりでございます。私の申し上げました風の五十一メートルというのは、十分間の平均最大風速でございますので……。かつ有義波高につきましては六・〇という数字を六・一に改定をいたしまして、より安全度をとって現在工事を進めておるということをちょっとつけ加えさせていただきます。
○市川正一君 にもかかわらずだ。
○政府委員(内藤正久君) おっしゃるとおり、いろいろ我々も、会社におきましても波高を御承知のとおりはかっております。白島備蓄基地沖合九百十メートルの地点に超音波式の波高計を設置いたしておりまして、その波高計の観測によりますと、先生の御指摘に近い数字で、白島備蓄基地の波は二月三日十六時ごろから急激に高さを増しまして、二十一時ごろにはピークに達しておりますが、その際の三分の一有義波高は六・五九メートルということで、先生御承知のとおり、こういう事態の工学的な波としては三分の一有義波高が用いられておりますので、これが我々の観測した数字でございます。 なお、この波高計の数字から実際に北防波堤に来襲したであろう波の高さを求めるには、北防波堤までの海底地形条件、それから北防波堤に一度波が当たりましたものが、反射波としてもう一度影響を及ぼすというふうな条件を修正する必要がございますので、それを補正いたしますと、六・三四メートルというふうな数字だったと聞いております。そういうことをもとにいたしまして、本被災の原因の究明に当たっております北九州市では、北防波堤に来襲した波の高さは三分の一有義波高で、五・五ないし六・五メートル程度であったと推算したものと聞いております。
○市川正一君 これは質問じゃないんですが、議論を進める上で、論理的に言うと、次のいずれしかないということに今の御答弁から出てくるんですが、一つは設計値より低い波だったとすれば、それでもこういういわば事故が起こった。とすれば施工の方に問題があった、手抜き工事やったということになるわけですね。もう一つは、設計値より高い波だった。とすれば想定値がいわば誤りであった、低過ぎた、すなわち根本的にその設計なり計画なりを見直す必要があるということに論理的にはなるんだということだけ一応指摘しておきます。 そこで、今白島石油備蓄株式会社が、六・九メーターの波高計のデータを通産省の方には通告してあるようですが、事故原因の究明に必要な資料をこの備蓄株式会社が発表しておらぬのですよ。公表しておらぬのですよ。北九州市の関係者からも強い要望がありますが、私はこういう事故を再び繰り返さないためにも資料は当然公表すべきだと思いますが、この点間違いございませんね。
○政府委員(内藤正久君) 備蓄会社が持っております情報は、その地域の備蓄会社がたまたま測定した数字でございます。したがいまして、本問題を解明いたしますためには、より広い地域の情報すべてを総合して検討をするということでございますので、備蓄会社の資料は当然のことながら委員会には全部提出をさせておりますが、その一部だけを公表いたしますとかえって誤解を招くということで、全体の中での一資料ということで、会社の持つ限りはすべてのものを委員会に提出させております。
○市川正一君 そうすると、すべての資料を提供する、公表するという立場であるということを確認して以下の議論を進めます。 石油公団の「洋上石油備蓄システムの安全環境対策について」という文書がございますが、これを見ると、百年に一度発生する程度の確率である風や波に耐える安全なものであるということを非常に強調いたしております。 しかし、福岡での気象観測は、やっと五十年に近い記録があるだけです。白島の局地的な気象、特に波高についてはなきに等しいと言っても過言ではありません。さらに近辺の波高計についても、監ノ島の記録は十五年です。また玄界灘の記録は七年です。これで百年を語るのはいささか無理があるのではないかと思うんですが、福岡管区気象台の予報課長もこのことを示唆いたしております。私はこういうことからしても、白島石油備蓄基地計画を改めてこの際、再検討する必要があるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(内藤正久君) まず、恐縮でございます、資料につきましては委員会に提出させていただきます。委員会に対して公開をいたすということでございます。
○市川正一君 委員会というのは、北九州市のね。
○政府委員(内藤正久君) はい、さようでございます。先生御指摘の百年に一度の根拠、本当にデータがないではないかという御指摘でございますが、こういう海洋構築物の設計の基準につきましては、港湾法に基づきます先生御承知のとおりの基準が定められておりまして、かつそれに基づく省令に関する通達が港湾局長から発せられております。そこで、貯蔵船及び貯蔵船に直接かかわる港湾の施設に関する設計の算定に当たっては、自然条件の再現期間を百年にしろということを先生御承知のとおり書いておりますし、あわせてそれの解説では、施工期間には「特殊な供用条件を考慮する場合に用いる再現期間としては、通常の場合と同等の遭遇確率に対応する所要の再現期間を採用」しろということで、技術的に十年ということになっております。 それをもとにいたして作業を進めておるわけでございますが、先生御指摘のとおり、三十年あるいは百年というデータが存在しておるわけではございませんので、それは近隣の現在利用し得る限りの気象庁等の情報を総合いたしまして、それを推計解析をして出しておるということで、現在の工学水準で推定され得る限りでは、百年安全ということが計算上確認をされておるというのが実態でございます。
○市川正一君 大臣がお越しになりましたので、もう一遍繰り返すことはもうやめますけれども、さわりだけちょっと言いますと、北九州市の若松に白島というところがありまして、そこで石油備蓄基地をつくってますんですが、そこの防波堤が二月の三日に壊れました。この写真ちょっと大臣に見ていただきます、その方が早いんですが。それは一体何でそうなったんやという話を今やっているちょうどええところです。見ておいてください。(資料を手渡す) それで、話を続けますけれども、この論議をするときに、よく工事中やったからということが聞かれるんです。今、内藤さんはまだその発言はしていませんけれども。しかし、一般論として、建設途上にあるこの構造物が完成前は脆弱であるということは、これは当然です。だからといって、損壊しても仕方がないということには相ならぬのです。さらにまた、今問題になっておるこの白島の防波堤のように、ここは厳しい自然条件ですから、冬期、冬の間は工事はやりませんのです、中断しております。そういう場合には、越冬のためにそれにふさわしい防護措置をとることもまたこ れ常識であります。 だからこそ、運輸技術審議会の安全指針、ここに私持ってきていますが、もう時間がないから引用は、読み上げませんが、施工時の安全性確保を義務づけております。ですから、工事施工に当たって、こういう基準や当然とるべき措置を無視したのであれば論外でありますけれども、もしこの基準どおりに設計し、施工したのに損壊したということならば、さっき論理的なお話を、二つの可能性を申しましたが、計画の前提そのもの自身に問題があったということを言わざるを得ぬのですが、いかがでしょう。エネ庁長官もお答えいただいて結構ですよ。
○政府委員(内藤正久君) 先ほど申し上げましたように、確かに完成時は有義波高六・一メートルに対しまして、施工時は四・〇メートルということで、百年間再現性と十年間再現性の違いがございますので、現在の施工時においては総体的に体力が弱いということでございます。しかも今回の風、先ほど申し上げましたように五・五ないし六・五メートルの有義波高をもたらしておる。計算では一番弱いところで五・〇メートルあったということで、現在の体力が今回の風には耐え得なかったというところがあるわけでございますが、先生御指摘の、まず設計がおかしかったのか、施工がおかしかったのか、どちらかの論理的必然ではないかという御議論の中に、その施工時における対応が十分であったかどうかというもう一つの問題があると思います。 いずれにいたしましても、設計時の設計に問題があるのか、あるいは施工時に施工の手抜きがあるのか、あるいは現在の冬場でとめます施工の水準が妥当でなかったのか、その辺の三つの可能性。あるいは全く予想しなかったような、これは言いわけになりませんが、天然上の予想しなかった事態があったのか、これは先生は設計がおかしいとおっしゃる範疇に入るのかもしれませんけれども、いずれにしましても、三つの可能性があるわけでございますけれども、それらはいずれも原因究明の段階で明らかになってくる問題だと思っております。
○市川正一君 今度のこの損壊事故というのは、非常に大きなショックを各方面に与えております。テレビでも再三この問題は放映されて、国民の大きな関心を呼んでおります。したがって、例えば関係省庁、消防庁は今回の損壊事故を契機にして、危険物技術基準検討委員会を設けて、海上タンク貯蔵所の規制に関する運用基準、その見直しに入っております。これ御存じですか。
○政府委員(内藤正久君) 存じ上げております。あわせて通産省の方でも、石油公団の方でも委員会をつくって、同じように議論を、それを受けてやろうといたしております。
○市川正一君 さらにつけ加えるならば、運輸省もこの浮遊式海洋構造物、貯蔵船方式と言っておりますが、これによる石油備蓄システムの安全指針について、九州大学の応用力学研究所の光易教授がこう述べております。「海洋構造物の設計基準は、極端ないい方をすれば、ある程度確立されたといえる状況になっていたが、なお、こういう事故が起こるとなれば、今後、設計基準の見直しにつながることになると思う」と、こう述べており、そして再検討が今求められている状況にあります。したがって、私はこうした動向や世論の関心、これにこたえて、今後の対応をどうなさるおつもりなのか、それを伺いたい。
○政府委員(内藤正久君) 先ほど来申し上げておりますように、原因究明の結果を待ちまして、予断を持つことなく、その結果に沿った判断をいたしたいと思っております。
○市川正一君 その予断をなく、じっと待っておったら、それは間に合わぬですよ。冬はまたすぐ来るのですから。応急の措置はすると言うけれども、大体その応急の措置というのは、原状回復の域を出ることはできないわけでしょう。だから、私は抜本的なやっぱり判断をせんならぬと思うんですよ。ますます傷口を広げていくのか、それともこの傷のところで早く断を下すか。 エネ庁長官並びに大臣がいらっしゃるので、以下議論を進めて、その決意のほどに迫っていきたいのでありますが、その前に、もう一、二のデータを提起いたします。 白島石油備蓄会社にもちろん原因を厳しく調査させるとともに、石油備蓄の所管官庁としても、北九州市がやっておるからというのではなしに、独自にその原因を究明する必要があると思うんです。そして、その結果を速やかに公表すべきだと思うんですが、まずそういう姿勢に立っていただきたいんですが、その点は内藤さんどうですか。
○政府委員(内藤正久君) 石油公団に白島国家石油備蓄基地計画対策委員会を三月十九日に既に発足せしめまして、他の機関における調査と並行的に勉強をいたしております。それで、斯界の専門家が、それぞれ北九州市のところに既に集まっておられますし、公団の中にも集まっていただいておるということで、それらの方々の御意見を結集して、英知を尽くして原因を究明し、その原因に沿った今後の対応策を決めるということで対応いたしております。したがいまして、石油公団においてもそういう委員会を設置し、何も手をこまねいておるわけではございません。
○市川正一君 いや、通産省。
○政府委員(内藤正久君) 通産省が公団を指導して、公団がまた会社を指導しておるという関係でございますので、政策自身は通産省が決めますが、そこの実行主体は石油公団でございますので、もちろん我々は十分に協力をし、協議をし合いながら、そこで検討をいたしておるところでございます。
○市川正一君 それにしても、その玄界灘の荒波の影響をもろに受ける外海に膨大な量の石油を備蓄するこの計画は、最初から無謀なものなんです。海上保安庁から東京都の公害研究所の次長になりまして、そして海の乱開発に警告をずっと行ってきておる田尻宗昭氏が、新聞紙上でこう述べております。「白島や上五島は、海の恐ろしさを知らない人が机上で立案して「世界初の海上CTS」だとかナンセンスなことを言う。」、またこうも言っております。「巡視船を門司の七管まで回航するのに難所が三つあって、その一つが白島北岸の海域です。ところが石油公団の文書を読むと、あれが「静穏な海域」だと。冗談じゃない、あそこら辺の海を通ってみなさいヨ。そら壮絶なもんです。」こう言っております。ここにその控えもありますし、また理に石油公団の「静穏な」というくだりもここにあります。 もし、今回のような事故が本格的な石油備蓄に入ってから起こったならば、それこそ取り返しのつかない大惨事になることは容易に予想できます。この一帯はタイの好漁場であり、漁業に与える影響もはかり知れません。また、潮流によっては、関門海峡を通って瀬戸内海に汚染を広げる危険もあります。我が党はこの点について、その危険性を指摘しましたし、また風向きによっては、韓国や中国にも汚染を広げて、国際問題にもなりかねない大きな問題を含んでおります。今なら間に合うと思うんです。私は、この計画をこの際再検討し、中止すべきだと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○政府委員(野々内隆君) この計画は、洋上備蓄という、余り世界にも例のないプロジェクトでございますので、安全問題については十分な上にも十分な配慮を払うべきであるというふうに考えておりますし、このような事態になったのは大変残念なことだと思っておりますが、やはり専門家による原因究明、これがまず第一だろうと思います。したがいまして、専門家による原因究明を見、それによって今後の我々の対応も考えていくということであろうかというふうに思っております。 もちろん、非常に大事な場所でございますから、油の流出というようなことが万が一にも起こってはいかぬわけでございますので、そういうことがないように、十分今回の経験を生かして、かつ北九州市の専門家委員会の原因究明というものを待って、私どもとしても今後の取り扱いについ て最終的な判断をいたしたいというふうに考えております。
○市川正一君 大臣、そもそもこの計画は、一九七七年当時に、造船不況の克服策を探っていた日立造船が中心になって、そして新日本製鉄、間組、日商岩井、こういう大企業グループが画策して、国家的プロジェクトに仕立て上げたものであります。その経過を示すところのいわゆるマル秘文書というものが既に明らかになっております。先日、テレビでもこれを放映いたしました。「プロジェクト四社打合せ会議要録」というタイトルです。そして出席者の名前もちゃんと出ております。 ここに持ってまいりましたが、驚くべき事実がここに記載されております。例えば「地元対策の経緯」では、「北九州新規開発としてマル共を除く」——マル共というのは我が日本共産党であります。この共産党を除く「北九州市議五十六名はすでに押さえてある。」とか、「十二月には議会工作費として五十六名分の選挙費用三ないし六億円が必要」、また、「今のプロジェクトが国家備蓄プロジェクトになった時点で、」「日立造船グループの一括受注の暁には受注金額の三%がこれらの人達に支払われ、その中に地方及び中央政界への工作費も含む」等々、この計画が誕生のそのときから、政財界を巻き込んだ利権あさり、また暴力団も絡んだ腐敗と疑惑のあふれたプロジェクトであるということを、我が党は、福岡県選出の小沢和秋、三浦久両前衆議院議員も先頭に立って疑惑を追及してまいりました。 この問題については、引き続き徹底的に国会内外でこれを究明するために取り組む決意でありますが、同時にまた、このプロジェクトの危険性についても科学的な根拠も示して警告してきたところであります。ところが、不幸にして我々の指摘したとおりの事態が引き起こされました。 本日は、時間ももう限られておりますので、大臣は途中からお聞きいただいたのでありますが、しかし事前の御説明も含めて大要は御理解をいただいたと思うのであります。そこで、最後に大臣に所信を伺いたいのでありますが、この白島石油備蓄基地計画を再検討すべきであると思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(田村元君) 今、拝見した写真を見ると、これは大変なことで、ちょっと驚いておりますけれども、しかし、これをやめるかどうか、私も素人でわかりませんが、被災原因の究明というものがやはり行われるということはいずれにしても必要なことでありますが、それを見た上での判断と。それでは間に合わぬんじゃないかということになれば、それを急がせればよいということだと僕は思うんです。 といいますのは、私も現場を知りませんし、これはさっきの一九七七年の何月ですか。
○市川正一君 この書類は九月です。
○国務大臣(田村元君) 私が運輸大臣をやめるか、やめぬかのころですね。
○市川正一君 運輸大臣をまだやっていやはりましたで。
○国務大臣(田村元君) だから、そのころです。やめるかやめぬかのころですね。
○市川正一君 僕は、田村運輸大臣に、あのときいろいろおつき合いがありました。
○国務大臣(田村元君) 僕は、実はこれはさっきから考えていまして、七七年といったらやっておったかなと、やめた年なんですが。 ところが、こういう計画は全然知りませんでした。恐らく大臣段階まで上がってくる段階じゃなかったんでしょうね、全然存じませんでした。ここに石油備蓄の基地があるということも、基地候補というか、これも今まで僕は知らなかったんです。でございますから、何とも確たるお返事ができぬことを申しわけなく思いますけれども、今のところ長官以下が検討結果を見た上でと、率直に言って、それしかちょっと答えのしようがないんじゃないかと思います。
○市川正一君 もう一遍よう調べておくんなはれ。
○国務大臣(田村元君) だから調べましょう。調べることによって、僕自身も知識を持ってみます。
○市川正一君 頼みます。
○国務大臣(田村元君) はい。
○井上計君 通産大臣が外交案件で御不在であります。時間が余りありませんので、専ら経企庁長官にひとついろいろとお伺いし、また意見を申し上げて所信をお伺いいたしたいと、こう思います。 率直にお伺いしますけれども、経済企画庁の任務ということについてもう一度勉強、確認をいたしたいと思いますので、長官からひとつお話しいただければと、こう思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 経済企画庁の任務は何かと、こういうお話でございますが、これ一つ一つ申し上げると長くなりますけれども、簡単に申し上げますと、まず第一は総合計画局というのがございますが、これは中長期的な経済の見通しを立てる。端的に今問題になっておりますいわゆる新前川レポートも中長期的な経済の見通しの一つの例だと思いますが、こういったものを経済審議会という場を通じていろいろ御審議していただいて決定する、こういうことでございます。 第二に調整局がございますが、これは総合計画局が中長期的であるのに対しまして、一応一年と限りまして、毎年の暮れからお正月にかけて、むしろ暮れの予算編成のときにタイミングを合わせまして翌年度の経済成長がどれぐらいかと、したがってどれぐらいの規模の財政運営で、どれくらいの経済成長を達成するか。逆に経済成長を達成するというのが財政にどう影響してくるのか、そして輸出入のバランスがどうなるとか、物価がどうであるとか、そういった見通しを、これも経済企画庁が中心になりまして関係各省、大蔵省等々と議論の調整をしながら見通しをつくっているわけでございます。 次が調査局でございます。計画局、調整局が、一応現在から未来に向かっての役所とすれば、これは過去から現在時点までの主として一年間の日本経済の経済運営についての分析をしているわけでございますが、同時に、毎月毎月の月例の経済報告を作成して報告をしている、こういうことでございます。 次に、国民生活局というのがございますが、これは国民生活という観点から、日本の経済の経済活動が国民生活の具体的な向上にどういうふうに実現しているか、どれぐらいどういう形で減少していくかということを検討しておりますし、またその中で、例えば現在国民生活審議会の中で、今後日本経済、日本が国際化をしてまいりますが、国際化に対応して国民生活がどういうふうに変わっていくのか、そういうことも検討をしております。 物価局がございますが、これはもう今はやりの円高差益の還元にもございますように、いかにして物価を安定化させ、そうした形で国民生活の向上を図ると。これもいろんな関係各省と意見の調整をし、また仕事面でお願いをしているわけであります。 そして最後に、経済研究所というのがございますが、これは当面、現実の問題からちょっと距離を置きますが、現在の理論経済学の手法、とりわけ計量経済学の手法を駆使して、日本経済のいわば分析がより学問的に、数量的に把握しておる。こういうことでございますが、その研究所の中に国民所得部というのがございまして、これが国民所得の計算を四半期そして一年ごとにやっていると。 大変はしょって申し上げましたが、こういう役割をしている役所でございます。
○井上計君 ありがとうございました。 今、長官からお伺いをして、改めて私も再認識といいますか、経企庁の重大な任務を再認識をしたということです。 御承知のように、今国民の一番大きな不安というのは、我が国の経済がこれからどう推移していくのであろうか、その中で産業界がどう転換をせ ざるを得ないのか、あるいはどう転換をしていくのか、将来に向かって、それも近い将来に向かってですよ、全く不透明で不安でいっぱいである。そのようなことが設備投資も差し控え、内需の拡大も思うに任せないというふうなことでいっぱいであろうと、こう思います。 時間が短いですから、端的に私の考えを申し上げますけれども、過去三年間に経済企画庁がお立てになった成長の予測ですね、ほとんど実は当たっていないという事実があるわけですね、全くとは言いませんけれども。むしろ最近では、政府の経済予測よりも民間の調査機関の経済予測の方を、あるいは銀行等の経済予測の方を実は一般国民が信頼しておるというふうな、そういう大変困った傾向さえあらわれておるわけですね。そういう意味で、私は経企庁にお願いをするのは、ある意味では大変経済企画庁の任務が今ほど重大なときはなかろうと、こう考えますので、もっと経企庁は、今、長官お話しになったような、そのような経企庁の任務、目的を達成するために、もっと毅然たる態度をとっていただかなくちゃいけない。 その理由は、まあこれは失礼な言い方になりますけれど、どうも経済企画庁は大蔵省の出先機関あるいはその外局のような、そういうふうに思える節が多分にあるということですね。だから、実際に六十二年度も三・五%の成長予測をされても、三・五%の成長を達成するために、では財政はどうあるべきかということになると、逆に大蔵省が実はこうこうだから、それに基づいて今後の財政の運営が行われるという何か逆なような、そういうふうな傾向が多分にあり、また我々もそういうふうに感じることが多いわけですから、予算編成等々においても、私はもっと経企庁がいわば中長期の予測をお立てになって、そういう中での経企庁がやっぱり大蔵省の予算編成方針を主導するような、そういうことになっていただきたい、またそうあるべきであると、このように経企庁に対して一抹の不満を持っておりますので、あえて率直にひとつ申し上げるわけでありますが、長官どうお考えになりますか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生御指摘の、まず第一のどうも政府の見通しと実績が違うじゃないか、民間の方が当たるじゃないかと、こういう御指摘でございますが、率直に申しまして、五十九年政府見通し四・一が、実績が五・七、むしろ実績が伸びたんでありますが、これは主として輸出増強によって伸びたわけでございます。六十年が見通し四・六に対して実績四・三、〇・三でございますから、まあまあいいじゃないかと。これ率直に申しまして先生、政府見通しと実績が大きく違ってまいりましたのは、近藤鉄雄経企庁長官になってからではないかと、私も大変じくじたるものがありますが、経済見通し四・〇が、暦年でございますが二・五で、一・五ぐらいどうも下がりそうで、大変責任を実は、先生からの御指摘を待たず痛感しておるわけでございます。 あえて弁解がましく申し上げますと、これはまさに円ドルレートの大幅な上昇によりまして、すなわち私ども去年の一月の想定では、大体二百円ちょっとぐらいのレートが、ぐうっともう昨年の暮れには、そしてことしになってからはもう御案内のような百六十円、五十円、四十円でございますから、これが民間の設備投資に影響を与えないわけがないんで、まさに円高デフレという状況で、民間設備投資が非常にダウンをいたしました。ただ、そんなことでございますので、昨年の九月に緊急経済対策というものを考えて、そしていろいろ補正予算審議もいただいてやった結果、私どもの見通しては内需は大体四%ぐらいの、だから民間設備投資のダウンを政府等の内需の下支えで何とかリカバーしたんではないか、まだ一−三月がわかりませんから正確に申せませんが、そんな感じであります。 問題はこの急激な円高で輸出が停滞し、そして輸入がふえた、これはまさに経済摩擦解消のためにはいいことでございますが、結果的には一・五前後GNPを引き下げてしまった。これが四%が二・五の差になっておるわけでございますので、さはさりながら、そういったことは、全部含んで経済計画を立てなきゃならないということだと私は思いますので、責任がないとは申しませんが、ただ、これだけかつてないぐらいの急激な円高というものは、我々経済官庁の予測を超える面があって、後追いながら、昨年の秋に総合経済対策やりましたけれども、力及ばず、御期待に沿えなかった、こういうことでございます。 ただ、大蔵省の出先だからみたいなことでだめじゃないか、こういう御指摘でございますけれども、そういう印象を持たれるような面もあるかもしれませんが、率直に申しまして、これまではやはり何といっても中曽根内閣の財政再建の基本枠組みの中で何とか知恵を出せ、こういうことで悪戦苦闘をしてきた、それはもう大蔵省も経企庁も、ある意味では同じになって悪戦苦闘をしてまいった面がございますので、ただ現在、今週中に緊急経済対策を、これは経企庁が中心になってまとめ中でございますが、私も常時大蔵省の方にはハッパをかけまして、総理御自身がまさに緊急対策ということで、臨時緊急措置として財政主導で対策を考えろ、こういうことでございますので、少なくとも臨時緊急の措置としては、いわゆる財政再建という従来の枠にとらわれないで、思い切ったことをひとつ考えて、まさに経済企画庁ここにありというような対策をきょうあすにまとめたいということで、実はけさも大議論しておった次第でございます。
○井上計君 円レートの問題等々予測しがたいというか、予測をはるかに超えるような経緯がありましたから、従来のことについては別に責任を云々ということじゃありません。 が、しかし、今長官お話しいただきましたから私も大いに期待をしますけれども、経企庁として、ひとつ毅然たる態度でこれからの財政主導を求めたり、また緊急対策をおまとめになるということですから、大いに期待をいたしておきます。 そこで、緊急対策に関連をしますけれども、大型補正予算が当然編成され、そうして七月にはその審議が行われる、こう考えますけれども、ここで私どもが今非常に関心を持っておりますのは、大型補正の中身が問題といいますか、関心を持っておるわけですね。新聞報道等によりまして、五兆円という数字がほぼ何か固まったようなふうにも受けとめます。ところがその五兆円の中身が、減税枠二兆円程度を含む五兆円というのと、減税を別にした五兆円というのと、どうも閣内でも意見が何か分かれておる、こういうふうに聞いておりますけれども、長官はこの点についてはどういうふうなお考え、方針でおられるのか、ひとつお伺いしたいと思う。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 私どもが緊急経済対策をまとめるに当たって一つの指針にしておりますのは、自民党が先般まとめられました総合経済対策要綱でございますけれども、その中には、五兆円を超える財政措置、こういうことにうたわれてございます。この五兆円を超える財政措置というふうなことは、言い方がある。同じ言い方で総理も先般ワシントンでレーガンに会われたときもお話をされましたし、また先般、五月の初めのOECD経済閣僚理事会におきましても、出席した我が国の閣僚がそういう言い方をしておるわけでございますが、問題は、だから財政措置とは何だ、こういうことでございますけれども、言葉を正確に読みますと、財政措置の中には減税も入ると考えていいと思うわけであります。やっぱり言葉では税制も財政措置でございます。 ですから、問題は内容でございますが、ただ、私ども閣内で今いろいろ議論しておりますのは、むしろ、昨年の総合経済対策は三兆六千億だったわけです、これとの対比で物を言っているわけでございますが、昨年の三兆六千億の中には、例えば電力会社やまたNTTやKDDが我が方の説得を受けて、そして考えた設備投資の額も入っておれば、いわゆるゼロ国と、こう通称しておりますけれども、予算措置は全く伴わないが、来年度の予算措置の中を繰り上げて契約をするようなもの も入ったわけでございます。 今回は、今検討中でございますので、ここで最終的なことを申し上げられませんけれども、少なくとも国及び地方政府の責任においてやれる公共事業に、これは財投機関ではございますが、例えば道路公団とか本四架橋みたいに、ある程度の、またその機関の責任でどれだけの道路をつくる、どれだけの橋を建てるというようなことが決まるわけでありますから、そういうものを、これはあくまでも国の責任もしくは地方政府の責任、そして政府機関の責任でできるものでありますから、これは入れましょう。それから、従来入っていなかったもので、いわゆる例えば老朽校舎の建てかえみたいなものは、これも国の負担とそれから地方自治体の負担でいたしますから、これも国の責任においてやれるわけですね。だから、例えば中小企業金融みたいに、国は枠を与えるけれども、相手が来なければ実現しないようなものは、これは外します、こういうことで整理をしておりまして、このあたりで、できるだけ実効のあるものと、そして減税、これも実効のある減税をやれば——ですから、そういうことで、今後国の責任において実行可能な額で、減税を含めて五兆円を超えるものを考えてお示しをいたしたい、こういうことでございます。 全部の問題についてまだ議論が尽くせてございませんし、片方で、自然体でどれぐらいことしの経済成長が実現するんだということも一つございますから、そうすると、私たちのような経済企画庁の立場で物を言いますと、初めに五兆円ありきということじゃないと思うんですね。問題は、ことしどれぐらいの経済成長率に達するか、それでどれぐらいの内需追加が必要かという議論でありますから、だから初めから五兆円の枠があって、これが全部埋まればいいんだということでもないんで、そこはやっぱり経済動態を考えながら、いろいろ知恵を出して予測をしながら、政府部内の意見をまとめて、大蔵省とも折衝したい、こういうことでございます。
○井上計君 今長官のお話の中で最後の方に出ました、私もそれでほぼ子といたしますけれども、私ども新聞報道等によっての知識だけでありますが、どうも五兆円という数字が最初に出てきて、それがひとり歩きして、五兆円の中身をどうするかという、何かそんなふうな論議が政府部内でもあるいは大蔵省でも論議されておる、こういうふうに感じておって、大変実は不満であったということですね。 経企庁長官としてもいろいろとお話ございましたので、大いに期待をいたしておりますが、やはり政府の経済予測見通しである実質三・五%というのは内需四%ということですから、これは今の状態から考えて内需四%というふうな成長率は容易なことではなかなか達成できない。そのためには思い切った補正予算を、減税枠を別にした考え方で大いに組んでもらわなければ大変なことである。それには長官、今お話を承りましたが、大蔵省に対して毅然たる態度で、やっぱり経企庁としての主導権を持ってもらわぬと困る、これは要望しておきます。 さてそこで、農林省に来てもらってちょっとお伺いいたしますが、食糧庁、資料はいただきました。ちょっと確認しますけれども、外国産小麦の買い入れ量、買い入れ総額、買い入れ単価、それから国内産の小麦の買い入れ量、買い入れ総額、買い入れ単価、それのまた麦の売却等と、これ資料もらいました。ちょっと簡単に確認します。 まず、外国産小麦の買い入れ量、買い入れ総額、買い入れ単価は、六十一年度は四百三万一千トンである。買い入れ総額が千三百五十二億円である。単価がトン当たり三十四万円である。国内産麦は、六十一年度は七十七万五千トンである。それで買い入れ総額が千四百二十三億円である。買い入れ単価、トン当たり十八万四千円である。売却価格が六十一年度は七十六万九千トンで、売却総額が五百十八億円で、トン当たり六万七千円である。この数字、間違いないわけですね。
○説明員(今藤洋海君) ただいまの数字でございますが、輸入小麦の買い入れ単価でございますが、今三十四万円とおっしゃいましたが、三万四千円でございます。ほかは間違いございません。
○井上計君 実は今、私は食糧庁から資料いただきまして食糧庁に確認をしてもらいました。このことは経企庁長官当然御存じだと思いますけれども、トン当たり三万四千円で輸入小麦を六十一年度は買っておる。ところが、国内麦の買い入れ価格は十八万四千円である。したがってその差額は十五万円という国内麦と輸入麦との差額がある。それをミックスしたものが、政府が売り渡し価格として六万七千円で売っておる、こういうことですね。だから、経企庁大変御苦労願って、先ほども経企庁の任務の中に、物価局は円高差益、これの還元等々について大変御努力願っていますが、今国民の中で円高差益が本当に少ないという不満がなぜ起きておるかというのは、要するに米あるいはパンが一向に安くならぬではないかということなんですね。 米、パンが安くならない理由は、食管法によって完全にくくられておるということであろうと、こう思います。若干今度は麦の放出価格を安くされたということではありますけれども、そんなものわずかなものですね。食パン一斤当たりわずか三円程度しか安くならぬわけですから、もし仮に麦が食管法から外されて自由取引、自由価格になれば、大変な円高差益があるわけですね。これも私は、今すぐ食管法を外してどうとかということをすべきだということを今お答えをいただこうとは思いませんけれども、やはり経企庁としての任務の中に、当然こういうふうないわば矛盾を私はもっと大きく取り上げていただいて、農水省なりあるいは政府内で真剣に検討していただかなくちゃいかぬであろうと、こう思うんですね。 そこでもう一つ、食糧庁に伺いますけれども、六十一年度の政府の売却量は七十六万九千トンですね。そうですね。ところが、国内の買い上げが七十七万五千トン。輸入量が四百三万一千トンとありますが、そうすると、大体政府の売却量は七十六万九千トンと、国内麦の買い上げ量とほぼ同じですね、これ。ということは、この輸入の四百三万一千トンというのは、事実上ストックされておると、こういうことですか。
○説明員(今藤洋海君) 先生今御指摘ございました売却量の七十六万九千トンと申しますのは、国内産の小麦の売却でございまして、輸入の麦につきましては、六十一年度において輸入量とほぼ同じ数量を売却いたしております。
○井上計君 ちょっと私の資料の見間違い——わかりました。したがって、輸入量についても、ほとんど全量が要するに政府売り渡しをしておると、こういうことですね。 だから、まあ時間もありませんし、細かい数字を、今、私計算していませんから申し上げませんけれども、これはやはり食管法というのがいかに矛盾しておるか。今の経済情勢の中で、あるいは国民感情の中で不満が起きておる、これはもう当たり前だと思うんですね。 そこで、もう一つ申し上げますけれども、これは直接経企庁の所管問題ではなかろうと思いますが、麦はこのように食管法でくくっておる。したがって、これだけの格差がある、逆ざやがある。ところが、にもかかわらず、小麦製品については事実上自由輸入ですね。だから、これも資料いただきまして、改めてびっくりしているんですが、円高の関係で、六十年度から見ると、六十一年度はかなりマカロニの輸入もふえておる、ビスケットもふえておる、乾めんも若干ふえておる。その輸入先が、マカロニについてはイタリア等々から大変な量が入っていますね。それから乾めんについても、韓国から相当入っておる。ビスケットのごときは、デンマークそれからイギリス、フランス、西ドイツ、アメリカ等々からこんなに入っておるわけですね。 これが安く入る理由は、これはもう当たり前ですよね。要するに、トン当たり三万四千円で我が国が買っておる小麦、それを製品にして、若干の関税はもちろんかかりますけれども、輸入するわけでありますから、国内の政府売り渡しの麦を買っ た製品業者が、ビスケットや乾めんをつくったってかなうわけがないわけですよね、これ、格段に違うわけですから。だから、そのために国内のビスケット、乾めん、スパゲティ等の製造業者、特に中小企業は、実は大変な苦しみを受けているわけですね。だから要するに、逆に円高差損の大変な被害者であるということです。こういうふうな矛盾がこのまま放置されていいのかどうかという、私は前々から大変な疑問を持っていますし、また不満を持っています。 昨年の十一月の予算委員会でも、代表質問の中でこのことを農水省にも言い、提言をしたことがあるわけです。ところが農水省のお答えは、当時、過去において国際価格が非常に暴騰して、そのために大変困ったことがあるので、依然として食管法で小麦を、麦をくくっていかなくちゃ困るんだ、こういうふうなお話があった。私は納得していないんですけれども、あれからずっと経過の中でますますこういうふうな矛盾がひどくなり、その矛盾によって困っておる企業がふえているわけですね。国民全体もますますこれについての不満を持っているわけです。 私は、所信表明で長官が言われましたけれども、「内外均衡の同時達成に努める」、このため、我が国は「需給両面における経済構造の変革を進め、内需主導型経済構造を実現」させる必要がある、「経済構造の変革は、摩擦や負担を伴う面もありますが、今後我が国が積極的に取り組むべき課題であり、国民に与える影響にきめ細かく配慮しつつ、一歩一歩着実に歩を進めて」いくという所信からして、経企庁としてもこの問題については本格的に取り組んでいただくべきだと、こう考えますが、長官どうお考えでしょうか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生の御指摘は、十分私ども理解するわけでございますし、実はいわゆる新前川レポートを書くに当たりまして、経済企画庁の事務局が計算をした数字も出ておりますけれども、これによりますと、今、日本人の食生活をアメリカの価格でしたとすればどれぐらいかかるかというと、半分で済む、こういうことになっているわけでありますね。ですから、私どもは今、円ドルレートで換算すると、計算上は世界で最大の貨幣収入を持っているわけでありますが、実際の使いでがないから我々はむしろ大変な欲求不満だ、こういうことでございます。 経済企画庁も、そうした適正な価格に我々の生活必需品をどうしたらすることができるかということについて、まず新前川レポートの中にも、農産物の生産性を上げて国際価格に近づけるように努力しよう、こういうことでございますので、単にマクロの経済政策じゃなしに、まさに農業の構造政策にかかわる問題でございますが、それぞれの分野で各省いろいろ努力はしていらっしゃいますけれども、経済企画庁という立場で、国民生活という立場で言うべきことはこれから強く言ってまいりたい、かように考える次第でございます。
○井上計君 これは農水省にということじゃありません。長官も十分御承知のことでありますけれども、私が感じておる大変な矛盾は、米については現在のいろんな農業の問題あるいは今後の食糧安保の問題等々考えて、一挙に食管法廃止をして自由化云々ということは私も言うつもりは全くありません。しかし、少なくとも麦は我が国があれだけ転作奨励金を出し、麦の増産を食糧庁、農水省が奨励されてもまだわずかに自給率一二%ですね。一二%にしかすぎない麦を、いつまでも食管法でくくっておって、このような不均衡を来し、国民の不満をもたらすことが政治の上から考えていいのかどうかということは当然考えるべきであるし、また国際価格云々というふうな見通し困難ではありますけれども、過去七、八年前にありましたか、万が一麦があのように仮に世界的に不作で暴騰したとしても、国民は利口ですから、何も政府が七、八年前と同じような形で大幅な補助をしなくても、何ら差し支えがない時期に来ている。 また、食糧が下がれば、今長官おっしゃったように実質的な減税になるわけですね。だから円高差益云々ということが言われておるけれども、国民が直接身に確かに再還元を受けたというふうに感じるのは、やはり食糧しかないということですから、そのような面で経企庁としてはいろんな任務からして、経企庁がお考えいただく役割はもっともっと重大だ、さらに重大になるということを考えますときに、これらの問題を含めて今後ひとつ十分長官の御努力をお願いをいたしたい、このことを要望して質問を終わりますが、長官からもう一言ひとつ。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 私は、日本の経済政策は、どちらかというとこれまでメーカーサイドといいますか、どうしたらいいものをつくって輸出をして、外貨を稼いでまた、こういうメーカーサイドにいわば集中してやってきたそれなりの理由があったと思うわけでありますけれども、その見事な成功が、ある意味では現在の貿易収支の黒字だと思うわけでありますので、私は経企庁長官になりましてから、国民生活局というのを重視しているんですね。そして、国民生活に必要なものをどうしたら合理的に、それこそ安くつくることができるかということにむしろ経済政策を方向転換しよう。今までは物をつくることが中心であった政策を、国民サイドでどうしたら国民に必要なものをつくれるかというほうにやる。 だから、国民生活局というのは日本の経済政策の中心でなきゃならない、こういうぐらいの気持ちで今いろいろ考えておりますし、先般も国民生活審議会の中に住生活改善の特別部会をつくりまして、衣食住だけれども、やっぱり住が大事だから、どうしたら住の供給ができるかということをもっと考えようじゃないかということでやっておりますが、先生のお話もございましたので、さらにこれから国民生活中心の行政というものを進めてまいりたいと思います。
○木本平八郎君 私は今、来月のベネチア・サミットを控えて、現在の国際摩擦の問題、それからそれに対する内需拡大の問題について少し問題点を整理し直したいと思うわけです。 それで、通産省あるいは企画庁は、問題の所在を非常にはっきりおつかまえになっているので、商工委員会でこれを取り上げるというのはあるいはふさわしくないかもしれないんです。しかしながら、せんだっての予算委員会で、私、議論をずっと聞いておりまして、どうも政府その他、認識がちょっと違うんじゃないか。あるいは私の国際感覚の方が狂っているかもしれないんです。そういう不安がありますので、まず基本的に問題点を整理し直してみたいと思いますので、初めにアンダースタンディングをちょっと確かめたいわけです。 それで、私は現在の外国から日本に要求されているものは輸入——ちょっと言い回しは難しいんですけれども、日本が輸入をふやせということよりも、まず市場をオーブンにして、外国の企業が日本にどんどん入れるようにしろ。輸入がふえるのはもちろん望ましいけれども、その結果輸入がふえなくてもいいからとりあえず市場をオープンにしろ、あるいは関税を外せ、あるいは輸入制限を撤廃しろ。これは予算委員会のときにも言ったんですけれども、牛肉の問題について日本が牛肉をフリーにしたら、アメリカの牛肉じゃなくて豪州の牛肉が入ってきますよと言ったときに、アメリカ側はそれでもいいと、とにかく市場を開けというふうな要求をしていたわけですね。そういう考え方に変わりがないのかどうかということがまず第一点。 それから、内需拡大というのは、内需拡大それ自身が目的じゃなくて、それがひいては貿易のインバランスにいい結果をもたらしていく。間接的あるいは時間はかかるかもしれぬけれども、そっちの方に向いていくということがあるのであって、ただ単に内需拡大しただけじゃ意味がないということじゃないか。これは、例えば日本で今非常にメーカーが苦しい立場にある、メーカーをどんどん助けて生産力がどんどんふえちゃったら、やっぱり外圧になっちゃうわけですね。内需拡大という内需で吸収しなきゃ意味がないわけです ね。それが輸出に向いていったんじゃこれは全然逆効果だということですね。 それから、前川リポートにもありますけれども、要するに輸出に頼らなくてもいい体質にしなさいということですね。輸出をやめろということじゃ決してないと思うんですよ。その辺もよく確かめたいんですけれども、今までOECD初めアメリカなんかから、日本は輸出を控えなさいとか輸出を抑えなさいということは、特定の場面以外にはなかったと思うんですね。むしろ輸出に依存しているからその依存体質を早く変えてくださいという要求じゃないかと思うんですが、この辺からまずお確かめいたしたいわけです。
○政府委員(村岡茂生君) 大変シャープな、場合によっては難しい御質問だと思います。 まず第一点で、特に外国のうちでもアメリカの態度を御質問になっておられると思うのでございますが、輸入の拡大より市場の開放を要求しているという御下問であります。確かに非常に一般的にいいますと、マーケットアクセスという言葉で意味されることを米側は非常に強く要求しているというのは事実でございます。私も全く同感なのでありますが、今度は逆の質問を発して、マーケットアクセス以外に具体的な輸入の拡大を要求したことはないのか、こう逆に質問を返されますと、そうでない場合もあった。つまり具体的な輸入の拡大を暗に求めていることもあったということは言えますが、しかしながら、大宗その八割とか九割とかいうウエートはもちろん御指摘のとおりマーケットアクセスに置かれている、また私どももマーケットアクセスに置かれるべきである、こう信じておるわけであります。 第二点、内需拡大の目的でございますが、ただ単に内需拡大を行っても無意味であって、相手方の要望しているのはインバランスによい結果が出ることであると、こういうことでございます。非常にこれまた微妙ないろいろな諸点を含んでいる御下問だと思うのであります。もちろん、現下の不均衡を是正するのが内需拡大を言う場合の最大の眼目であるということはもとよりでございます。したがいまして、インバランスの解消、これは輸入の拡大でも輸出が減ることでも、何でもいいわけです。とにかくインバランスの解消ということかと思います。 ただ、例えばOECDの閣僚理事会で非常に多くの時間を費やして熱心な議論をいたしましたそこのポイントは、実は日本が内需を拡大する、アメリカが内需を減らすということによって必然的にそのインバランスの解消ができるんだ。つまり供給と需要というもののそれぞれの国内のインバランス、これを解消することによって、これはひいてはそれぞれの国が持っておる、グローバルに持っておるインバランスを解消することができるんだということを実は念頭に置いて、非常に多くの議論をしていたということであります。したがいまして、それはただ単にという意味に含まれております意図でも、それでもよいと。その結果、神様の手によってインバランスが解消するという方向に導かれると、こういう合意なのではないかと、こう思っておるわけであります。 逆の言い方をしますと、内需拡大というのは、輸入拡大にのみ貢献するのに焦点を置くべきだというのは、私は必ずしも合っていないと。内需が拡大することによって輸出が減る、輸入がふえるというような、いろいろな形が出てくるということを示唆しているのであろうと思うのであります。 第三点、輸出依存体質を直せと、こう言っている際に輸出を控えるとは言っていないんだろうと。それはまさに御指摘のとおりでありまして、ここで一つのキーワードは拡大均衡的発展ということでございましょう。したがいまして、輸出をやめろということは言わない。四極の貿易大臣会合というのが四月の下旬に賢島で行われました。このときの合意というのが非常にはっきりしているわけでございますが、ある貿易大臣がやや不用意な発言をいたしまして、輸出のモジュレーションというのは極めて重要だと、そういうことで均衡を図ったらいかがかということを、明確ではなかったんですが、暗示するような発言をいたしました。これに対してほかの極が非常に強く反発したという経緯がございます。輸出を控えるのではなくて、輸入をふやすということによって均衡を達成していくべきだと、こういう発言でございまして、その当該大臣も、その自余の方々の御意見に心から賛成をしたと、こういう経緯がございます。
○木本平八郎君 それで、この交渉、やりとりを見ていますと、一番感じられるのは、世が世なればアメリカはこんなことをがたがた言わずに、自分でどんどんやっちゃうだろうと。例えば財政赤字、貿易赤字でも、引き締めるなりなにして自分でやると。ところが、相対的にアメリカの力が落ちてしまっている。したがって、自分単独ではできないから、やはりG5なりG7なり、あるいは特にドイツなり日本なりの協力を求めてやらなきゃしようがないということがあると思うんですね。その辺はどういうふうな感触で受けとめられているかということをお聞きしたいわけです。まずそれをお願いします。
○政府委員(村岡茂生君) 先生の御指摘も正しいと思います。あえてそれ以外の要素は何だろうかということを考えてみますと、やっぱり最大の問題というのは、六十年ぐらい前の悪夢を繰り返したくないということなのではないかと思います。ここでアメリカが強引無類に財政赤字、貿易赤字、この二つを解消する手だてを強制的に講じたといたしますれば、どうもその結果というものは、六十年前の悪夢の再来ということになるのではないか。これは世界経済にとって決して好ましいことではないという判断というものが非常に強く働いているかと思うのであります。 この前、大臣のお供をいたしましてアメリカの財務長官ジム・ベーカーとお会いいたしましたときも、こういうことを彼は言っておりました。アメリカの金利を上げると、あるいは消費を削減すると、これも経済学的には一つの立派な政策には違いない。しかし、特に金利を上げるということを主張する誘惑には駆られない方がよろしい。こういうようなことを述べておられました。それで、後に続く言葉があるわけでございますが、これは一言で言いますと、昔の悪夢を防ごうと、協調しながらそれを防いで持続的な成長をしていこうと、こういう判断だったのではないかと信じておる次第でございます。
○木本平八郎君 実は私、もう少し後でそれを申し上げようと思ったんですけれども、アメリカはやはり衰えたといえども、まだあの国は鎖国してもやっていけるわけですね。したがって、むしろ現在の自由貿易といいますか、こういう世界のこの体制をどうしても守らなきゃいかぬ、必死になってお願いしてでも守らなきゃいけないというのは日本の方なんですね。アメリカはもう逆に言って平気だと。今おっしゃったように、もしもアメリカが引き締めに転じたら、世界が大恐慌になっちゃう可能性があるというアメリカは認識をしているんですね。 ところが、日本の方は、私は予算委員会でも言ったんですけれども、どうも尊皇攘夷論の方が強くて、アメリカがけしからぬとか、アメリカが努力してないとか、そういう非常に尊皇攘夷的な発想が強いわけですね。私はこれは非常に危険じゃないかと思うわけですね。したがって、もしも今アメリカがくたばったり、ドルの下落があったりしたら、もう一番ひどい目に遭うのはむしろ日本なんだと。したがって、日本が先頭に立って必死になってこれに立ち向かっていかなければいかぬと。それにもかかわらず、私は予算委員会で受けとめた範囲では、国会自身がどうも尊皇攘夷に傾いているんで、これは僕は非常に危険じゃないかという気がするんですが、その辺はどういうふうにお感じになりますか。
○政府委員(村岡茂生君) 政府委員の答弁というよりは、やや個人的な感触になるかと思うのであります。 この尊皇攘夷ということで、何を意味されてい るのかは必ずしも明らかではないんですが、私は今の先生の御意見よりは、ちょっと尊皇攘夷の方に傾いている感じを持っております。つまりアメリカが独自で強制的な手段を講ずれば非常に危ないということは、全く先生と同じ意見を持っているわけでございますが、しかし同時に、何といいますか、日本なり西ドイツが内需を拡大すると、懸命にこれをやらなきゃいけない、これも全く同じ意見でありますが、そのほぼ同程度の規模において米国は消費を削減し、財政赤字を削減し、そして貯蓄をふやしていくということは必要あるのではないか。 なぜそんなことを申しますかと言いますと、アメリカの大幅な赤字というものと日本の大きな黒字というものは、相関関係というのは意外に少ないんだろうと思うのであります。つまり、日本が黒字を減らすとそれだけアメリカの赤字が減るという関係には意外にないということでありましょう。したがいまして、日本が黒字を減らすという努力、同じような努力を米側も払わなければならない、このように思うからであります。したがいまして、米国に対しても十分物を言うという必要性があります。 そういう意味においては尊皇攘夷派でありますが、同時に国際経済というものを考えましたときに、今、日本が死に物狂いでやらなければならないのは内需拡大であるということでございます。
○木本平八郎君 半導体の問題、あれは別件逮捕だという言い方をして、ある意味では通産省は被害者かもしれないですね。もっともっと敵は本能寺のはずなんです。そういう見方はもちろんあるんですけれども、私は、あれは一つのアメリカ側からの警告だと思うんですね。あの程度なら——あの程度といったって業界にとっては大変ですけれども、日本にとっては大したことはないと。しかしながら、もしも日本がちゃんと対応しなければ、本当にノックアウトパンチを出すぞということだと思うんですね。私はそういうふうに解釈しているわけです。 それで、この問題について答弁を求めると、また苦しいかもしれませんけれども、総じて今まで日本は、十五、六年前からこの問題があるんですけれども、そのたびに日本は口先だけで言い逃れしてごまかして逃げたと、そして国際的な公約を違反しているわけですね。彼らにとっては、うそをつくというのは一番の大きな罪悪なんですね。それを日本が平気でやっているということがある。だから、彼らはすぐアンフェアだとかずるいということを言い出すわけですけれども。日本の方は決してずるくないんだ、ルール違反はやっていないということを言っているわけです。 しかし、これは相撲で例えますと、横綱になっているのに立ち合いに手をつかないとか、あるいはぱっと変わっちゃうとか、けたぐりをやるとか、横綱というのはそういう相撲をとっちゃいかぬ、やっぱりちゃんと受けて立つんだということだと思うんですね。それで、日本ももう世界の横綱になっているんだから、ちゃんと横綱らしい相撲をとれと、幾らルールに違反していないといったって、それはもうだめなんだというアメリカ側の見方があると思うんですけれども、その辺の感触はいかがですか。
○政府委員(村岡茂生君) また重ねて個人的意見であることをお断り申し上げますが、前半の別件逮捕という意味でございます。これも、私非常に個人的に国務省の友人とは議論することがあるわけでありますが、そのときに、別件逮捕説というのを幾つか聞いてみたわけでございます。 別件逮捕といっても広い概念でございまして、一つはアメリカの国内の事情、特に行政府と議会との関係が非常に微妙な関係にありますね。そういうことで、今度の貿易法案の審議などに見られるように、大統領の裁量権は外してしまう。そうしないと議会の思いどおりの通商政策というものは実現されないと。これに対して行政府は、いやそうじゃない、そんなものがなくてもやるべき対策というのはきちんとやりますよ、こういう立場が行政府にあるのじゃございませんでしょうか。そういう意味で、ここで相当強いことをやって、行政府はパワフルなんだということを示す必要があったのではないでしょうか。これが一つの別件逮捕の理由であります。 第二点は、日本は内需拡大というのが非常に求められておるというこの時期になかなか実行しそうにもない。あるいはやっとかなり思い切った内需拡大策をおやりになるというアナウンスがあった後でも、少しその内容について疑問が残っているのじゃございませんか。これに対するいら立ちというものがあるんでしょうかと。 こういうようないきさつを聞いてみますと、余り人様に言える話ではないけれども、確かにそういう趣旨の別件逮捕というのは、第一の問題は確かにそうかもしれない。第二の問題、これも自分はアグリーできる。しかし、もう一つつけ加えておきたい。それは、やはり半導体問題について日本側が約束を守り、かつ所期の目的の成果を挙げていない、こういうこと、これはやはり心にとめておいてくださいねというようなことを言われました。これは、ある意味ではかなり正確にアメリカ人の感情を表明したものだと思うのであります。 さて、半導体について申しますと、非常に激しい議論をしている最中におきまして、米側は日本側に対して、我々は、日本側が協定違反をしている、バイオレートしているということを言っているわけではないということを非常に強調いたしました。じゃ、何だと聞きますと、協定の目的の結果が出現していないということだということを米側の代表が言いました。それを我々が公表してもしいかと、こう聞きますと、米側は、それは困る、日本側が公表するというのであれば我々は否定せざるを得ない、こういうようなやりとりをしておったわけでございます。つまり、ここにおいて明確に米側が言っていたことは、約束違反だということまでを言っているわけじゃない、あるいは少々実行していないという局面はあっても、不誠実だと、わざとやっていないというようなことは絶対言っておらぬ、しかし、当初目的としたその成果がまだ出ていないということに我々はいら立っているという意図を表明したものだと思っております。 それから三番目に、先生御指摘の、うそをつくというのは徹底的にアメリカ社会においては許されないことであるというのは、まことに同感であります。しかし、そうおっしゃったからといって、あるいは私がそう申し上げたからといって、半導体でうそをついたということを意味したものではないことをつけ加えさせていただきたいと思います。
○木本平八郎君 それで、アメリカ側の本当の意図は、希望は、やはり日本が完全に輸入制限を解いて、市場開放をしてやってくれと。コンニャク玉だとか、けさも出ていましたけれどもサクランボとか、そんなものは命にかかわる問題じゃないじゃないか、そんなものまでいつまで統制しているんだといういら立ちがあると思うんですね。その辺はよくおわかりになっていると思うんですけれども。 それで、私が非常に心配したのは、予算委員会で質問したときに、五兆円の内需拡大があれば、その七〇%ぐらいは多分建設省の関係に行くだろうということで、天野大臣の——これは大臣がおっしゃったということじゃなくて、私が受けた感触は、やっぱり建設業界に対する利益誘導みたいな感触なんですね。今回の内需拡大は、そんな業界のためじゃないんだ。もっともっと国のためというか、そういう大きな目的があるのに、これは農水大臣からも感じたんですけれども、そういう自分の業界の利益誘導みたいな感じで取り組まれちゃかなわないということで、私は非常に今回の取り組み方に——田村大臣が来られましたので、通産大臣としてじゃなくて、ついこの間おっしゃったように、景気担当大臣あるいは有力閣僚として今回のこれにぜひ対処していただきたいということでお願いするわけなんです。 それで、私はもう時間がないので、ちょっと申 し上げたいんですけれども、今一番大事なことは、日本が世界からの信頼を取り戻すことだと思うんです。先ほど言ったように、日本というのはうそばかりついている、公約違反する、言ったことをやらないということじゃなくて、いや、確かに今回だけはもう間違いない。どうも日本は、例えば中曽根総理が言った、今回だけはどうも本気だ、本物だと。よし、わかった、それじゃ様子を見てみようとか、そういう信頼感を取り戻すことが一番大事だと思うんですよ。ベネチア・サミットをうまく言い逃れてきたというのでは、どうしようもないんですね、ついこの間の訪米みたいなことで。 私は、そういう意味で、まず今回一番大きなことは、例えばエネ庁長官はおられないですけれども、石炭を自由化しても、たった十億ドルなんですね。しかし、あれを自由化しますと言えば、おお、いよいよこれは本物かと受け取られる効果というものは物すごく大きいと思うんですよ。とりあえずは金額の問題じゃない。例えば全部オープンにして、全部輸入を自由化しても三百二十億ドルぐらいなんですね、計算では。そのぐらいしかインバランス解消しないわけです、米から何から全部フリーにしても。しかし私は、それよりも先に石炭だけでもやると言えば、これは物すごい効果があるわけですね、精神的に。したがって、そういうスタンスで取り組んでいただくということが私はもう一番必要なんじゃないかと思うんですが、まず大臣の御所見を承りたいんです。
○国務大臣(田村元君) 内需拡大策といいますのは、通産省の予算というのはほとんどないんですよ。通産省自体の予算は、それはないわけじゃないんですが、非常に、少ないんです。しかし一番重要な地位におるのが通産省なんです。ということは、今いみじくもおっしゃった景気担当省なんです。それは、一番の大どころは建設省でございましょう、公共事業というのがありますから。しかし我々としては、建設省の応援団もしてあげなきゃいけないし、文部省の応援もしてあげなきゃならぬ、厚生省の応援もしてあげなきゃならぬ、農水、運輸の応援もしなきゃならぬということだと思うんです。 それで、私が内需拡大策で目の色を変えておりますのは、人から見れば、余り自分のところの予算も関係ないのに何だあいつと思われるかもしれませんけれども、私は、最大の理由は、急激な大幅な円高によって苦しんでおる、とりわけ中小企業を救いたい、これが第一義的でございます。 しかし同時に、国際社会において日本が——前回の三兆六千億を批判するわけじゃありませんけれども、私も閣議で賛成した一人ですから無責任なことは言えませんけれども、それにしても、民間の設備投資まで入れたとか、あるいはゼロ国債まで入れたとかいうようなことで、国際社会で世界じゅうのひんしゅくを買ったことは事実だと。でございますから、今度は立派な中身のものにして、もちろん立派といって、現金で五兆円全部国費でずらっと並べるということは、それは不可能かもしれませんけれども、だれが見たってよくやったじゃないかと言われるような中身の内需拡大策ならば、私はやっぱり評価してくれると思うんです。 この間OECDへ行きまして、五兆円と言ったら、みんなため息ついているんですよ。五兆円と言ってもわかりませんから、三百五十億ドル、二千億フランと。そうすると、皆ため息ついているんです。何とすばらしいことをやるんだなあと。同時に反面、まただましやがるんじゃなかろうかということなんですよ、もう本当のことを言いますと。でございますから、国際信用を今回復するというか、保持するというか、回復と言うといかにも卑屈ですが、今、国際信用を日本がなお保持していこうと思う私はラストチャンスだと思いますね。でございますから、そういう点で非常に思い詰めておる。 さっきから、大変委員の皆さんに申しわけないことですが、出たり入ったりしましたのは、もうとにかく真水とは何ぞや、財政措置とは何ぞや、それから一つ一つの項目をずっと積み上げて、そして作業の最中にまた走ってこっちへ来て、また飛び出していって作業をするということをやっておったわけでございますけれども、今申し上げたようなことで、今度は与党、野党を問わず、皆様方の御支援をいただきながら頑張りたい、こう思っておる次第でございます。
○木本平八郎君 まことに大臣のお考えというのは、私も予算委員会を通じてずっと承知しておりますので、先ほども申し上げたんですけれども、この席でこういうことを持ち出すのは余りふさわしくないんですけれども、大臣がせんだってから非常に洞察力がいいというんですか、はっきり事の真相を見きわめられている。そしてしかも、判断力もいいし、非常に決断力もあるし、今ごちゃごちゃ言っていますけれども、減税を五兆円の中に含めるのか含めないのかとありますけれども、大臣があそこで、予算委員会でおっしゃって、私はこの人は非常にすごい決断力のある人だなと思って感心したんですが、そういう方が総理・総裁になっていただくともっといいと思いますけれども。 私、先ほども言いましたように、各省がこの際、ハゲタカみたいにあるいはハイエナみたいに、寄ってたかって五兆円に食いつくということをぜひ避けてもらいたい。そしてそれと同時に、これは杉山さんの方かもしれませんけれども、日本の産業構造の転換というのをこの際ぜひ具体的なプログラムを持っていって、これを示さなきゃいけないんじゃないかと思うんですよ。そうしないと、今までのような、構造転換しなきゃいけない中小企業問題というのは、今大臣もおっしゃったようにこれは大変だと思うんですね。 それで、本当に現在、先ほどから議論しておりましたような対外摩擦の問題あるいは国内の内需拡大、そういったことを考えますと、どうしても産業の構造転換というのが必要になってくると思うんです。新前川リポートにもいろいろいい案が出されているんですけれども、これは本気になって、実際通産省としてはこういうふうにやるんだということをお示しになる必要があるんじゃないかと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(杉山弘君) 新前川レポートの取り扱いにつきしまては、実は政府としましては、総理を本部長といたします経済構造調整推進本部を開きまして、このレポートの内容については、基本的な方向としては政府もそれに沿って努力すべきものであろう、そのための対策の具体化については、今回の緊急経済対策を初めとして、政府がこれから実施をいたしていきます対策の中でそれぞれ具体化を図っていこう、こういうことを決めているわけでございます。したがいまして、政府としては、その方向に従って全力を挙げて個別的な対策について努力をしていくということになると思います。 それから、通産省としても、産業構造転換のプログラムを示すべきではないかという点につきましては、私どももそのように考えておりまして、少し具体的な今後の産業構造の見通し等につきまして、この六月ぐらいに大綱をお示しできるような方向でということで、今鋭意作業を急いでおります。あるいは作業の関係で若干おくれるようなことになるかもしれませんけれども、近々のうちにそういうような問題についての通産省の具体的な提案、ビジョンといったものをお示しできるようにしてみたい、かように考えておるところでございます。
○木本平八郎君 ぜひ進めてもらいたいと思うんです。 ただ、先ほどから何回も言っておりますように、どんなに立派な作文をつくってもしようがないということなんですね。その点は、もう今回は絶対にそういう作文はやらないということを心得ていただきたいと思うんです。 私は、現在のこの事態を考えますときに、例えば二年前ですか、アクションプログラムが発表されましたね、あれをもしも本当に日本が忠実に守っていれば——皆さんに聞けば、いやちゃんとやっていますということをおっしゃるかもしれない。しかし、先ほどのように、目的、意図しているものを、そこを外していたんじゃやっぱりだめだと思うんです。幾ら形だけやってもだめだと思うんです。本当にそういう目的を達成しようといって必死になってやっていれば、私はここまでの問題は起こらなかったと思うんですよ。 今私の感じている範囲では、非常に感情的なんですね。理屈じゃない、理論じゃないと思うんですよ。そういうところに追い込んできたというのは、私は非常に政府も責任があると思うんですね。そういう点で、今回の新前川リポートあるいは構造改善の問題については、どこに目的があるのかということをきちっと踏まえて作業をしていかなきゃいけないんじゃないかと思うわけです。 最後に大臣に、今度ベネチア・サミットにお供されるのかどうか知りませんけれども、この問題は、先ほどから申し上げておりますように、これも大臣、景気担当大臣としてでも大変ですし、それから有力閣僚としても、この問題には今真剣に取り組んでいただいているわけですけれども、お見通しというか、何とかうまく切り抜けられそうだという個人的に感じをお持ちになっておりますかどうか。あるいはこれはウルグアイのガットの問題もございますね。これは農産物の問題ですけれども、私は今の農水省の考え方ではまた泥沼に入っていくんじゃないかと思うんです。農水省はちょっとここで言ってもしようがないんですけれども。やはり国全体としては農産物問題というのは非常に大きな問題になっていくと思うわけです。したがいまして、これはサイドから田村さん個人も農作物問題については応援していただく、あるいはアドバイスしていただかないと、国破れて山河ありじゃないですけれども、国が滅びて農政だけ残っちゃったということにもなりかねないと思うわけです。 したがいまして、ベネチア・サミットからウルグアイ・ラウンドにかけては、私は日本の非常に正念場だという感じがするわけです。私は、先ほどからよいしょよいしょとやっていますけれども、田村大臣にぜひここは先頭に立ってやっていただきたいというふうに考えているわけですけれども、最後に所感を承りまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(田村元君) 今度のサミット、多分私もお供をすることになると思います。 今度のサミットで、やはり一番大きな問題は、米、日、独にしょわされた義務、いわゆるOECDの閣僚理事会で共同コミュニケに盛られたその義務を、どのような形で果たすためのどのような形のものを持っていくかということだろうと思うんですね。ですから、やっぱり日本にとってみれば内需拡大策、その中身の問題だと思います。妙なものを持っていったら、それこそみじめなことになるだろうと。 農業問題、当然問題になると思いますけれども、これは、農業問題は、ヤイターの言葉をかりて言えば、すべての加盟国が皆罪深き人々であると、こういうことを言っておりましたが、これはそれほど難しい問題でございます。例えばフランスなんかでも、農業は農産物の輸出補助金出しましたり、皆それぞれに、例えば農産物の輸出国は輸出国なりに、輸入国は輸入国なりに、みんなが悩んでおるという問題だろうと思うんです。ただ、言えますことは、日本は世界一の農産物輸入国ですから、そこをあんまり言われないで開放開放ばかり言われるんですけれども、この問題も避けて通れない、いずれにしても避けて通れない問題だと思います。これは私から詳しいことを申し述べることは御遠慮申し上げますけれども、加藤君非常に悩んでおるだろうと思うんです。 いずれにいたしましても、そういうことでありまして、私は、私に与えられた仕事に対しては全力投球をしたいと思いますし、それからまた総理にも歯にきぬ着せずに、はっきりと物を言おうと思っております。私はこういう性格でございますから、首を切られても苦になりませんし、まあ切られぬでもそう先は長くないんで、ずけずけとはっきり物を言おうと、そして中曽根総理に総理の晩節を汚させないように、私はできるだけの御協力を申し上げたいと、このように思っております。
○委員長(前田勲男君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめます。 —————————————
○委員長(前田勲男君) 次に、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田村通産大臣。
○国務大臣(田村元君) 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。 民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法いわゆる民活法は、近時の技術革新、情報化及び国際化の進展等の我が国経済社会を取り巻く内外の環境の急速な変化に対応して、経済社会の基盤の充実に資するような新しい施設の整備を民間事業者の能力を活用して促進するための各般の措置を講ずることを目的として昨年制定されたものであります。 しかしながら、民活法制定後におきましても、我が国経済社会をめぐる環境は以下申し述べますように引き続き変化しつつあります。 その第一は、情報化、国際化の進展に即応した地域開発の必要性の増大であります。この要請にこたえるためには、高度な情報処理または電気通信の機能を有する施設を整備し、これを中核として地域開発を推進することが不可欠であります。 第二は、我が国経済社会の国際化の一層の進展であります。バランスのとれた投資交流を進め、我が国経済社会の国際化をさらに進展させていくためには、外国企業等の我が国市場への進出の円滑化を図ることが必須の条件であります。しかしながら、外国企業等が我が国市場への足がかりをつかむための拠点となる施設の立地条件を満たす地域は限られており、対日進出が困難である一因となっております。 以上の課題に対処し、我が国経済社会の発展の基盤の一層の充実に資するため、以下御説明する二つの施設を民活法の対象施設に追加することを目的として、本法律案を立案した次第であります。 今回追加することとしている施設の概要は次のとおりであります。 第一は、情報処理または電気通信の高度化により経済社会の情報化及び国際化に対応した都市機能の高度化または港湾の利用の高度化を図るために設置される施設であります。具体的には、国際経済関連情報の集積・処理、エネルギーコントロール等地域内の高度情報処理サービスを総合的に行う高機能情報センター、本邦内外との間の衛星通信、地域内の高度サービス統合ディジタル通信等を行う電気通信中枢センター、これらと一体として整備されるインテリジェントビルであります。 第二は、外国企業等の我が国市場の開拓を円滑化するために設置される施設であります。具体的には、本格的な対日進出に向けて準備活動を行っている外国企業等の立ち上がりまでの事業場施設、翻訳、文書作成、我が国商慣行等の情報提供等を行うための共同利用施設であります。 以上がこの法律の提案理由及び要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(前田勲男君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。 本案に対する質疑は明日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時十八分散会 —————・—————