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108回国会参議院1987/05/20

商工委員会 第4号

発言数
10
登壇者
4
会派数
1
開催日
1987/05/20

会議録

前田勲男自由民主党

○委員長(前田勲男君) ただいまから商工委員会を開会いたします。  産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題といたします。  まず、通商産業行政の基本施策に関し、通商産業大臣から所信を聴取いたします。田村通商産業大臣。

田村元自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田村元君) 第百八回国会における商工委員会の御審議に先立ちまして、通商産業行政に対する私の所信の一端を申し上げます。  今日、世界経済は日米両国の大幅な対外不均衡、南北間の経済格差の拡大と累積債務問題の深刻化、為替レートの急激な変動などさまざまな不均衡と不安定に直面しております。これらの問題を解決するためには、主要国の協調と連帯により、産業貿易政策等を含む各般にわたる総合的な政策対応を図ることが極めて重要となっております。  一方、我が国経済を見ますと、一昨年秋以来の急激かつ大幅な円高は、地域経済の疲弊、雇用問題の発生等円高デフレを一段と深刻化させるおそれがあるばかりではなく、産業構造転換を円滑に進める上でも大きな支障となっております。  当省といたしましては、年間二兆円の減税にも匹敵する電力・ガス等の料金引き下げを初め幅広く差益還元を進め、円高等のメリットが国民経済に十分浸透するよう努めているところでありますが、今後は、為替レートの安定を前提として、内需拡大に積極的に取り組むことが何よりも必要であります。先般のOECD閣僚理事会におきましても、私は、為替レートの安定と各国の政策協調の重要性を強調するとともに、我が国としても内需拡大を実行するとの決意を表明したところであります。国際的な我が国への期待にこたえるとともに、円高デフレを克服し、六十二年度政府経済見通しである三・五%成長の達成を図るため、早急に実効ある緊急経済対策を策定して国内経済の活性化を図る必要があると考えております。また、これとともに、輸入拡大はもとより、産業構造転換を円滑に進めることにより、我が国経済の活力を世界経済の発展のために役立てていくという積極的な姿勢が求められています。  対外不均衡の是正を図り、我が国経済の中長期的発展基盤を確立していくためには、我が国産業構造を輸出依存型から、国際的に調和のとれたものへと転換し、新しい国際分業体制の構築を図る必要があります。この過程は決して平たんなものではなく、雇用問題の発生、地域経済の疲弊などいわゆる空洞化を生ぜしめるおそれがあります。したがって、産業構造の円滑な転換を進めるに当たっては、内需中心の高目の経済成長を図りつつ、新規産業分野を開拓し、地域経済の活性化、雇用創造を行っていくことが不可欠の前提である と考えております。このため、今国会に産業構造転換円滑化臨時措置法案を提出したところでありますが、先般早急な御審議をいただき、成立の運びとなりました。また、同法の事業推進母体として産業基盤整備基金を設立したところであります。さらに、今国会に民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案を提出し、同法の対象施設の拡充を図ることとしております。  世界経済の安定と持続的成長を図っていくためには、新たな国際経済秩序の形成・維持が不可欠であります。このため、第一に、ウルグアイ・ラウンドの推進に積極的なイニシアチブを発揮するなど新しい開かれた貿易秩序の形成に積極的に貢献してまいる所存であります。  第二に、欧米との間の貿易摩擦問題への適切なる対応を図り、各国との円滑な通商関係の維持に努めることが重要であります。私は、先般四極貿易大臣会合に出席し、各国間の政策協調による貿易不均衡の解決を強調したところでありますが、今後とも引き続き、各国との協議等を通じ、最大限の努力をしてまいる所存であります。また、日・EC産業協力センター事業の推進等の施策を講ずることとしております。  第三に、科学技術を通じ世界の創造的成長を実現するため、大規模な国際共同プロジェクトであるヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムを世界に提唱し、その積極的推進を図ってまいります。  第四に、累積債務問題に悩む発展途上国に対し、我が国からの民間資金の還流を進めるため、輸出保険制度の貿易保険制度への拡充を内容とする輸出保険法の一部を改正する法律案を今国会に提出したところでありますが、先般成立の運びとなりました。  また、発展途上国の経済自立を図るため、新アジア工業化総合協力プラン、すなわちニューAIDプランの実施を初め、総合的経済協力政策の一層の推進に取り組んでまいります。  第五に、私は、本年一月、豪州、東南アジアを訪問いたしました際にも、環太平洋地域の協調と連帯による創造的発展の重要性を強調したところでありますが、引き続き、太平洋新時代を目指し、多角的かつ重層的な分業・協力関係の構築に向けて努力したいと考えております。  中小企業は、我が国経済社会の活力の源泉であり、安定と発展の基盤であります。しかしながら、最近の急激な円高の進展により、中小企業は深刻な影響を受けております。また、我が国産業構造の国際協調化への要請の高まり、情報化・技術革新の急速な進展等内外における著しい環境変化の中で、中小企業は大きな試練に直面しております。このため、第一に、産業構造転換に対応した中小企業の構造転換への強力かつ多面的な支援を行うため、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法及び特定地域中小企業対策臨時措置法に基づく施策、下請中小企業の新分野進出及び中小企業の国際化のための対策の拡充などを図ってまいる所存であります。  第二に、技術力の一層の向上、情報化施策の着実な推進、人材育成策の強化等を通じ、中小企業の経営資源の充実に努めてまいります。  この他、小規模企業の自立的発展を確保するため、きめ細かな小規模企業対策を一層推進するとともに、中小小売商業、サービス業対策の充実を図りたいと考えております。  我が国は、現在、情報技術等を中核とした技術革新の流れの中で新たな産業社会の到来を迎えつつあります。国内の雇用機会の拡大のためにも、産業社会のフロンティアの積極的開拓が求められております。  このような観点から、第一に、基盤技術研究促進センター事業の一層の充実、次世代産業基盤技術研究開発制度の着実な推進等に努めてまいります。  第二に、産業技術の高度化・複雑化に伴う技術開発成果の十分な保護、工業所有権制度の国際的調和等を図るため、今国会に特許法等の一部を改正する法律案を提出したところであります。  第三に、情報大学校構想等情報化教育・人材育成対策の充実など高度情報化社会の到来に対応した総合的な情報化施策を推進してまいります。  第四に、内需型産業であり、雇用面での貢献が期待できるサービス産業について、一層の高度化、発展を図るとともに、いわゆるニュービジネスの振興のための施策の推進を図ってまいります。  近年、国際石油情勢は基本的に緩和基調で推移してまいりましたが、中長期的には、再びエネルギー需給の逼迫化が懸念されております。先般私が出席したIEA閣僚理事会においても、一九九〇年代にエネルギー需給逼迫の時期を迎える可能性があるとの基本認識のもと、継続性のある確固たるエネルギー政策を実施する必要があることが確認されました。私としては、エネルギー需給の緩和している今こそ、長期的観点に立って、総合的な資源エネルギー政策を着実に推進していく必要があると確信しております。このため、第一に、昨今の石油需要の低迷等に対応して、石油産業の体質強化を図るとともに、石油備蓄、開発政策を一層強力に推進する必要があります。また、揮発油流通・販売業対策を引き続き推進いたします。  第二に、エネルギー源の多様化と省エネルギーの推進であります。原子力のさらなる安全確保を図りつつ、核燃料サイクルの事業化並びに原子力発電を中心とした電源の多様化を推進いたします。  第三に、第八次石炭政策の推進であります。石炭鉱業審議会の第八次石炭政策に関する答申を踏まえ、地域経済・雇用への影響を緩和しつつ、国内炭生産規模の円滑な縮小を図るため、新たに過剰貯炭対策、生産規模縮小円滑化対策を実施するとともに、保安確保対策、閉山対策、新規閉山地域対策の拡充を行います。このため、今国会に石炭鉱業合理化臨時措置法等の一部を改正する法律案を提出したところでありますが、先般成立の運びとなりました。  第四に、円高等の新しい環境への対応努力をしている金属鉱業に対し、経営安定化対策の充実を図るとともに、レアメタルの安定供給の確保等の施策を推進してまいります。  現在、国民の価値観の多様化、個性化等国民のライフスタイルの面においても、大きな変化が起こりつつあります。このため、まず、関係各省庁とともに大規模リゾートの整備を推進することとし、今国会に総合保養地域整備法案を提出したところであります。同時に、新たな生活文化の創造に資する生活関連産業の新たな展開の推進、消費者保護の充実、流通体制の整備等を図るとともに、二十一世紀マンション計画等の住宅関連技術開発、快適で機能的なオフィス環境の整備などを進めてまいります。  また、国土の均衡ある発展を目指した新たな産業立地政策の展開を図るため、新工業再配置計画の策定を行うとともに、テクノポリスの推進、民活法による研究開発拠点の整備など地域の活性化のための施策を進めてまいります。  今日、世界経済が直面している構造的な問題の解決のためには、各国間の政策協調を図っていくことが必要であります。我が国としては、産業構造を国際的に調和のとれたものへと転換し、内需主導型経済の実現を図ることが急務であり、私は、確固たる信念をもってこれに取り組んでまいる覚悟であります。  本日は、私の所信の一端を申し上げました。私としては、広く世界的な視野に立って、迅速かつ積極的な対応を図ることにより、二十一世紀に向けて創造的発展を目指す新たな我が国経済・産業社会を構築していくべく、国民各位の御理解と御協力のもとに、各分野の行政に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。委員各位の一層の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。

前田勲男自由民主党

○委員長(前田勲男君) 次に、経済計画等の基本施策に関し、経済企画庁長官から所信を聴取いた します。近藤経済企画庁長官。

近藤鉄雄自由民主党経済企画庁長官

○国務大臣(近藤鉄雄君) 我が国経済の当面する課題と経済運営の基本的考え方につきましては、さきの経済演説において明らかにしたところでありますが、重ねて所信の一端を申し述べたいと思います。  世界経済は、景気拡大テンポがかなり緩やかとなってきております。また、アメリカの財政赤字、主要国の対外不均衡、発展途上国の累積債務問題等世界経済が抱えている問題も数多くあります。  我が国経済は、現在、個人消費、住宅投資を中心に国内需要は緩やかに増加する一方、輸出が弱含みであること等から、景気は底がたさはあるもののその足取りは緩やかなものとなっており、このところの円高の進展等から景気の先行きには不透明感が生じております。また、製造業を中心に企業の業況判断には停滞感が続いており、雇用面も厳しい状況となっております。他方、経常収支は、原油価格の低下、円高による黒字の一時的拡大等により、これまでのところ大幅な黒字が続いております。  こうした中で、先般の総理訪米における為替安定のための日米合意等一連の各国との政策協調の努力は、為替相場の安定をもたらし、内需拡大にも好影響を与えるものと期待されます。  このような内外経済情勢を踏まえ、私は昭和六十二年度の経済運営に当たっては、次の諸点を基本としてまいりたいと考えます。  第一は、内需を中心とした景気の持続的拡大を図るとともに、雇用の安定及び地域経済の活性化を促進することであります。そのため、今後とも各国との政策協調に努めつつ円レートの安定化を図る一方、急速な円高の進展等により影響を受けた地域等に十分配慮しつつ、以下の点に留意しながら、適切かつ機動的な経済運営に努めてまいる所存であります。  まず、内需拡大を図るため、昭和六十二年度予算におきまして、一般公共事業の事業費につき五・二%の伸びを確保する一方、住宅建設については、住宅取得を促進するための税制上の措置を拡充するほか、金融上の措置を充実して、増改築、リフォーム等の質的改善を含めその促進に努めてまいりたいと考えます。  次に、民間活力が最大限発揮されるよう環境の整備に努める等の施策を講ずるほか、地価対策の効果的かつ総合的な推進を図ることといたします。さらに、各種中小企業対策の実施、産業構造調整を円滑化するための基金の設置、地域雇用対策の整備等の雇用対策の推進など地域に密着したきめの細かい対策を進めてまいります。  さらに、昨年来の累次にわたる公定歩合の引き下げや消費者信用金利の引き下げ等による低金利の状況に対応しつつ、今後とも金融政策の適切かつ機動的な運営を図る必要があります。  昭和六十二年度の我が国経済について、政府は経常収支の不均衡の是正を進めつつ引き続き内需を中心として着実に拡大することにより、実質経済成長率三・五%程度を見込んでいるところでありますが、為替レートの変動を初めとする現下の厳しい内外経済情勢のもとにおいては、官民を挙げて、可及的速やかに内需拡大対策に取り組んでまいる必要があります。  このため、先日、自由民主党が取りまとめた「内需拡大の基本方針」、「総合経済対策要綱」の考え方を尊重しつつ、予算成立後速やかに決定できるよう総合的な経済対策の検討を行っているところであります。  第二は、中長期的な観点に立って、調和ある対外均衡と国内均衡の実現という内外均衡の同時達成に努めることであります。  このため我が国は、需給両面における経済構造の変革を進め、内需主導型経済構造を実現させる必要があります。経済構造の変革は、摩擦や負担を伴う面もありますが、今後我が国が積極的に取り組むべき課題であり、国民に与える影響にきめ細かく配慮しつつ、一歩一歩着実に歩を進めなければなりません。特に雇用問題については重点的に取り組んでいく所存であります。また、政府は、昨年末には、「一九八〇年代経済社会の展望と指針」について第三回の見直し作業を行い、経済審議会報告を公表いたしました。さらに、この四月二十三日には、経済審議会の経済構造調整特別部会において、中長期的な経済構造調整のための施策について報告を取りまとめていただき、五月十四日には、経済審議会において、総理へ御健議いただいたところであります。  さらに、我が国市場の積極的な開放等による市場アクセスの改善を図り、新たな多角的貿易交渉の着実な進展に貢献してまいりたいと考えております。また、政府開発援助を拡充し、第三次中期目標については、少なくとも七年倍増目標の二年繰り上げ実施を図るなど、国際経済に占める我が国の地位にふさわしい役割を果たしていく必要があると考えます。  第三は、物価の安定と国民生活の充実・向上であります。  政府は、昨年来、累次にわたる円高差益還元策等を通じ、電力・ガス料金の二度にわたる引き下げを実施する等公共料金の引き下げを図るとともに、消費者等への広範かつ積極的な情報提供にも努めてきております。こうした数々の施策の実施に伴い、円高、原油安のメリットは国民経済全体に相当程度浸透してまいりました。  こうした状況を反映して、昭和六十一年度の消費者物価上昇率は〇%と、昭和三十三年度以来二十八年ぶりの落ちつきを見せており、最近の我が国の物価は、主要先進国の中でも、極めて安定した動きを示しております。今後も、円高等のメリットの還元をさらに進めることにより、物価は引き続き安定基調を維持することができるものと考えております。  我が国の国民生活は、多くの面で着実な改善を遂げておりますが、良質な住宅や良好な生活環境等のストック面の充実や豊かな余暇時間の確保等必ずしも十分とは言えない面も見られます。こうした観点から、今後、住生活の質的改善等国民生活の充実・向上のための施策についての検討を国民生活審議会等において進めてまいる所存であります。また、国際化の進展に対応しつつ、国民生活の向上をもたらす方策のあり方について、国民生活審議会の活用等により、検討を進めていくこととしております。  最近の消費の多様化は国民生活に豊かさをもたらしていますが、その反面消費者問題は複雑化しております。このため、国民が安心して充実した消費生活を送ることができるように、悪質な商法による被害の防止、消費者教育の充実等各種消費者保護施策の推進に努めてまいりたいと考えます。  以上、我が国経済の主な課題と経済運営の基本的方向について所信を申し述べました。  我が国が次の時代にさらに飛躍するためには、我が国の経済、産業、企業等をみずからの手で転換していくことがどうしても必要であります。私は、我が国経済の柔軟な適応力に加え、経済運営のよろしきを得れば、我が国経済がこの課題を克服することができると確信をいたしております。そして、ともすればこれまで輸出に傾注しがちであった我が国のすぐれた技術力、経済力を国内に向けることにより、国力にふさわしい充実した国民生活を実現することができるものと信じます。  本委員会の皆様の御支援と御協力を切にお願いする次第でございます。  ありがとうございました。

前田勲男自由民主党

○委員長(前田勲男君) 次に、昭和六十一年における公正取引委員会の業務の概略について、公正取引委員会委員長から説明を聴取いたします。高橋公正取引委員会委員長。

高橋元公正取引委員会委員長

○政府委員(高橋元君) 昭和六十一年における公正取引委員会の業務につきまして、その概略を御説明申し上げます。  昨年の我が国経済は、国内需要の緩やかな増加及び物価の安定が見られた一方で、円高の進展により輸出が弱含みに推移するなど、全体として景気は底がたさはあるもののその足取りは緩やかな ものとなりました。経済社会の構造変化については、引き続き、技術革新、情報化が進展し、また、経済の国際化が進行しており、今後、一層変化の度合いを強めていくものと考えられます。  このような中で、民間活力が十分に発揮されるような経済環境の整備を行うことがますます重要になっており、公正取引委員会といたしましては、公正かつ自由な競争の維持、促進により我が国経済の活性化、効率化を図るべく、独占禁止政策の適正な運営に努めてまいったところであります。  特に昨年は、独占禁止法薄反事件の迅速な審査に努めるとともに、広報活動等により予防行政を推進いたしました。また、経済社会の構造変化の過程にあって生じる独占禁止政策上の諸問題に積極的に取り組んだほか、下請取引を初めとする中小企業関係の取引の公正化に努めたところであります。  まず、独占禁止法の運用状況について申し上げます。  昭和六十一年中に審査いたしました独占禁止法違反被疑事件は二百六件であり、同年中に審査を終了した事件は百三十三件であります。このうち、法律の規定に基づき違反行為の排除等を勧告いたしましたものは五件、法的措置をとるには至りませんでしたが警告を行いましたものは七十二件であります。また、二件十二事業者に対し、一千八百五十六万円の課徴金の納付を命じました。  また、貿易摩擦問題への対応の一環として、輸入関連事業者団体に関する調査、百貨店及びチェーンストアに関する調査、並行輸入に関する調査等を行い、所要の改善指導等を行いました。  次に、届け出受理等に関する業務でありますが、合併及び営業譲り受け等につきましては、昭和六十一年中に二千四十八件の届け出があり、所要の審査を行いました。  事業者団体につきましては、昭和六十一年中に成立居等一千百四十二件の届け出がありました。また、事業者団体の活動に関する事前の相談に対しましては適切に回答を行うよう努めるとともに、相談事例を取りまとめて公表することにより違反行為の未然防止を図りました。  国際契約等につきましては、昭和六十一年中に四千四百二十九件の届け出があり、不公正な取引方法に該当するおそれのある改良技術に関する制限、競争品の取り扱いの制限等を含むものについてはこれを是正するよう指導いたしました。  独占的状態に対する措置に関する業務といたしましては、ガイドラインの別表掲載の十五業種について実態の把握及び関係企業の動向の監視に努めました。  価格の同調的引き上げに関する報告徴収の業務につきましては、昭和六十一年中に価格引き上げ理由の報告を求めたものは、鋳鉄管及び一般日刊全国新聞紙の計二品目でありました。  次に経済実態の調査といたしましては、生産・出荷集中度調査、教育産業に関する調査、VAN事業に関する調査等を行いました。また、流通分野においては、家庭電気製品、新聞等についての実態調査に基づき、独占禁止法及び景品表示法上問題のある行為につきまして、所要の改善指導を行いました。  政府規制制度及び独占禁止法適用除外制度につきましては、我が国経済における民間の活力を生かし、経済の効率性を高める見地から、引き続きその見直しのための検討を行いました。  独占禁止法上の不況カルテルは、昭和六十一年中に実施されたものはありませんでした。なお、独占禁止法の適用除外を受けている共同行為の数は、昭和六十一年末現在で三百八十九件となっておりますが、その大半は、中小企業関係のものであります。  国際関係の業務といたしましては、OECD等の国際機関における会議に積極的に参加するとともに、アメリカ、EC等の独占禁止当局との間で意見交換を行うなど、国際的な連携の強化に努めました。  次に、下請法の運用状況について申し上げます。  下請事業者の保護を図るため、違反の事実が認められた千二百二十一件について、下請代金の支払い改善等の措置を指導いたしました。特に下請代金の減額につきましては、減額分を下請事業者に返還するよう指導するなど、重点的に取り組みました。また、親事業者及び親事業者団体に対して下請取引の適正化の要請を行うなど法の周知徹底を図り、違反行為の未然防止に努めました。  最後に、景品表示法の運用状況について申し上げます。  まず、同法第三条の規定に基づき、銀行業における景品類の提供を制限する告示を制定いたしました。  また、事業者が自主的に規制するための公正競争規約につきましては、眼鏡類の表示に関する規約など四件を認定し、昭和六十一年末現在における公正競争規約の総数は百二十八件となっております。  昭和六十一年中に景品表示法違反の疑いで調査した事件は五千四百十一件であり、このうち、排除命令を行いましたものは五件、警告により是正させましたものは二千三百八十五件であります。都道府県の行いました違反事件の処理件数は、昭和六十一年一月から九月末までで三千八百三十六件となっており、今後とも、都道府県との協力を一層推進してまいる所存であります。  以上簡単でございますが、業務の概略につきまして御説明申し上げました。今後ともよろしく御指導のほどお願いいたします。

前田勲男自由民主党

○委員長(前田勲男君) 以上で政府の所信及び説明は終了いたしました。  なお、昭和六十二年度通商産業省関係予算及び経済企画庁関係予算につきましては、お手元に配付してあります関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承願います。  なお、両大臣の所信等に対する質疑は明日及び後日に行うことといたします。     —————————————

前田勲男自由民主党

○委員長(前田勲男君) 次に、特許法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。田村通商産業大臣。

田村元自由民主党通商産業大臣

○国務大臣(田村元君) 特許法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  近時における目覚ましい技術開発の進展に伴い、特許出願内容はますます高度化、複雑化の度合いを深めており、技術開発成果の十分な保護の観点から、多面的かつ漏れのない形での特許権の付与が求められております。  また、国際技術交流の活発化等に伴い、工業所有権の分野においても制度の国際的調和の必要性が増大しております。  さらに、医薬品等の一部技術分野においては、政府の法規制に基づく許認可等を得るための実験、審査等に相当の長期間を要するため、特許制度の前提である一定期間の権利の専有による利益がその間享受できないという問題が生じております。  加えて、工業所有権に関する事務の総合的機械化計画等を予定通り推進するため、特許特別会計の財政的基盤を確保する必要があります。  本法律案は、以上のような工業所有権制度をめぐる最近の情勢に対処するため、工業所有権関係四法について所要の改正を行うものであります。  なお、昭和六十年九月から工業所有権審議会において慎重な審議が重ねられた結果、昨年十二月に「多項制の改善、諸期間の弾力化等制度の国際化・国際調和等のあり方に関する答申」が提出されており、本法律案はこの答申にかなう内容となっております。  次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。  第一は、特許出願等に関し多項制を改善するものであります。我が国では従来から特許等の権利請求の範囲を複数の項で記載し得るいわゆる「多 項制」を採用してまいりましたが、その記載内容及び方法に制約があることから、最近ますます高度化し、複雑化する技術開発の成果を漏れなく保護するには不十分なものであることが明らかになってきております。このため、技術開発の成果の十分な保護を図り、あわせて出願手続の負担の軽減等に資するべく、多項制について所要の改善を行うものであります、  第二は、制度の国際的調和等を図るため、各種手続期間の弾力化等を行うものであります。具体的には、工業所有権の保護に関するパリ条約に基づく優先権を主張した者が提出すべき証明書の提出期限の延長、異議申し立て期間の延長等を行うものであります。  第三は、特許権の存続期間の延長制度の創設であります。これは、安全性の確保等を目的とする法規制に基づく処分であって、当該処分の目的、手続等から見て当該処分を的確に行うには相当の期間を要するものを受けることが必要であるため、特許発明を実施することが二年以上できなかったときは、五年を限度として特許権の存続期間の延長を認めるものであります。  第四は、手数料等の改定を行うものであります。これは、出願料、特許料その他の手数料等の金額または限度額について、工業所有権に関する事務の総合的機械化計画を予定どおり推進するために必要な経費等を勘案して、所要の引き上げを行うものであります。  本法律案は、これらの事項について所要の措置を講じるため、特許法、実用新案法、意匠法及び商標法についてそれぞれ所要の改正を行うものであります。  以上が本法律案の要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同下さいますようお願い申し上げます。

前田勲男自由民主党

○委員長(前田勲男君) 以上で趣旨説明聴取は終わりました。  本案に対する質疑は明日行うこととし、本日はこれにて散会いたします。    午後六時四十分散会      —————・—————

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