社会労働委員会 第4号
- 発言数
- 117 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1987/05/21
会議録
○委員長(佐々木満君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る十九日、本岡昭次君が委員を辞任され、その補欠として対馬孝且君が選任されました。 —————————————
○委員長(佐々木満君) 身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件、勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案、以上三案件を便且一括して議題といたします。 三案件の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○糸久八重子君 身体障害者雇用につきましては、身障者の範囲を徐々に拡大いたしまして、就職状況も改善をしてきた国の努力は認められるわけですけれども、身障者を取り巻く環境は大変厳しい状況に置かれているわけでございます。 雇用率一・五%の義務づけがされております四万の民間企業で雇用されている身障者は十七万人、実雇用率が一・二六%、雇用率未達成企業が四六・二%と伺っております。 〔委員長退席、理事岩崎純三君着席〕 過去十年間実雇用率は一・〇九%から上昇はしてきているものの、その上昇率は非常に鈍い状況です。職安で求職申し込みをしたけれども就職の機会に恵まれない人は昨年末で四万人と聞いておりますけれども、これらの実態をどう考えていらっしゃるのか、まず最初にお伺いをいたします。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。 雇用失業情勢の非常に厳しい中で、先生御指摘のように身体障害者の雇用率の伸びは、昭和六十一年の六月一日現在の調査が現在一番新しい調査でございますが、前年と同率の一・二六%ということになっております。 この原因につきましては都道府県等から状況を聴取しているところでございますが、雇用失業情勢を反映しての身体障害者の新規採用の減や、それから身体障害者の定着がなかなか悪い面が見られまして、転職する人が見られるというようなこと、それから、誘致企業の進出等もあるわけでございますが、現在常用労働者数はふえておりましても、そこでの企業に対する身体障害者の雇用の取り組みがおくれているというような原因、それから安定所に求職申し込みをしている身体障害者につきましては、先生先ほどもお話ございましたが、最近非常に重度化、高齢化している傾向が見られまして、就職あっせんに難しいケースがふえてきているというようなことが原因かと考えられます。 非常に厳しい雇用環境下ではございますが、身体障害者に対する職業指導、職業紹介、事業主に対します雇い入れ指導等につきましても強力に実施して、雇用状況の改善に努めてまいりたい。この法律改正を契機に一層力を入れてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○糸久八重子君 一概に外国との比較はできないかもしれませんけれども、フランスの障害者雇用率は一〇%であると伺っております。 〔理事岩崎純三君退席、委員長着席〕 我が国の法定雇用率もせめて五%ぐらいまで引き 上げるべきと思いますけれども、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。 確かにフランスの法定雇用率は一〇%となっておりますが、フランスの場合には障害者の数にも相当の差がございますけれども、そのほか例えば戦争未亡人など障害者以外の人も雇用率の制度の対象として含まれておりまして、必ずしも日本の雇用率の算定の範囲と同じくしていないわけでございます。 我が国の場合は、法律上、失業者を含みます全労働者中に占める身体障害者である失業者を含む労働者の割合を基準として決定するということになっておりまして、易しく申し上げますと、一般の労働力と同じ失業率に身体障害者の失業率を持っていくということを基準といたしておりまして、そのために現在のような数字になっているわけでございますが、これも五年に一回検討しながら雇用率の算定を行っているわけでございます。 実質的に見ますと、諸外国に比較いたしまして必ずしも我が国の雇用率は低くはない、国際的な水準にあるものというふうに考えている次第でございます。
○糸久八重子君 雇用状況が改善されないのは、企業の間に納付金さえ支払えばよしとする風潮があるのではないか。身障者雇用納付金は現在四万円、この金額では障害者を雇うよりも雇用納付金を納めた方がよいといった安易な考え方を生み出しかねないと思います。この際、雇用納付金額を最低賃金水準ぐらいまで引き上げるべきではないかと考えているのですが、この点はいかがでございましょうか。
○政府委員(白井晋太郎君) 納付金制度につきましては、もうこれも先生御存じのとおりのことだと思いますが、事業主の身体障害者雇用に関します社会連帯責任と申しますか、そういう考え方に基づきまして、身体障害者の雇用に関します経済的な側面に着目して創設された制度でございます。現に、事業主間に存在いたしております身体障害者の雇用に伴います経済的負担のアンバランスを調整していくという、それを図るために雇用率を達成していない企業から納付金を徴収しまして、雇用率を超えている企業に対しまして調整金を支給するということでございます。 そういう趣旨から申しまして、この制度につきましても五年に一回見直しを行いながら、身体障害者を雇うにつきましての経済的な経費等を計算して出しているわけでございますが、本年につきましては、審議会におきましていろいろ御検討いただいたわけでございますけれども、現在のところで据え置くという御答申もいただいておりまして、今後それらの推移を見ながら、審議会等の御意見もいただいてこの額については決定してまいりたいというように考えております。
○糸久八重子君 納付金の活用についてですけれども、障害者雇用に関する企業の連帯責任、社会的責任の理念に立って、障害者の労働保障を進めるための広い視野のもとに、授産施設とかそれから共同作業所等への積極的な活用ができるように制度改善すべきであると考えるのですが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。 納付金の制度の趣旨は今申し上げましたとおりでございまして、それに基づきまして原則的には身体障害者の雇用率に達しない企業から納付金を徴収しまして、雇用率を超えた身体障害者を雇用する企業に調整金として支給して経済的なアンバランスを調整していくということでございます。 それが主体でございますが、そのほか身体障害者の雇用に関します研究その他助成等も行っているところでございまして、その中の能力開発助成金につきましては、社会福祉法人にも支給しているところでございます。
○糸久八重子君 雇用率の改善が最近停滞しているのは、一たん企業に就職した障害者の多くは、時間の経過に伴いまして職場から脱落していくという厳しい現実があるのではないかと思います。職場定着を阻害している要因というのは、本人とかそれから家庭とか企業とかさまざまあると思いますけれども、障害者の離職状況とその原因について、どう把握していらっしゃいますでしょうか。
○説明員(小倉修一郎君) 最近の障害者の離職状況でございますけれども、昨年六月一日現在、雇用義務のかかっております全国四万企業の状況について見てみますと、過去一年間に新規採用が約一万人ぐらいあるわけでございます。しかし、雇用されている身体障害者の数の純増は二千人にとまっている。すなわち、一万人新規に採用するけれども、八千人くらいの方が一年間におやめになる。したがって、差し引き二千人ぐらいしか増加していないということでございまして、相当数の障害者の方が離職されているというふうに推測をしているわけでございまして、また、このことが最近の雇用率の改善の停滞傾向の大きな要因ではないかというふうに考えているところでございます。 この身体障害者の離職の原因でございますけれども、正確に私ども調査を行っているわけではございませんけれども、各都道府県からいろいろ事情聴取をしたところによりますと、転職希望による自己退職者が圧倒的に多い。また、最近では円高不況等によります人員整理あるいは希望退職、さらには定年退職、こういったものもふえつつあるというふうに聞いているところでございます。 なお、昭和五十九年に安定所に登録されております求職者の約七千人につきまして抽出調査をいたしたわけでございますが、これらの有効求職者のうち職業経験を持っておられます方の前の職場の離職の原因につきましては、自己退職という方が六五%程度で一番多かった。次いで事業主の都合によって離職された方が約一六%ぐらい。それから定年退職をされたという方が八%。雇用期間の満了という方が約五%、そういった状況になっているところでございます。
○糸久八重子君 今の御説明の中で、不況に伴う解雇に障害者が充てられる部分もあるというお話でしたけれども、やっぱりそういう状況は許せないと思うのです。 それで、障害者雇用改善のためには雇用促進ということだけでなくて、就職した障害者が職場に定着できるように雇用の安定を図ることが非常に大切なことでございます。これにつきまして、雇用の安定を図るためにどのような対策を講じていらっしゃいますのでしょうか。
○説明員(小倉修一郎君) 先生御指摘のように、一たん就職された方が離職されるということがあってはならないわけでございまして、職場定着ということが非常に重要な課題でございます。今回の法改正におきましても職場定着の推進ということを大きな柱にしておるのもそういうわけでございます。 私ども、そういったことで、職場定着の促進という点につきましては、公共職業安定所を通じまして非常にこれまでも力を入れておりまして、安定所にはそういった職場定着あるいは障害者問題を専門に担当される職員、並びに職業相談員、こういった方を配置いたしまして、これらが中心となりまして、障害者が就職されました事業所を後日定期的に訪問するなどによりまして、必要な定着に関する指導なり技術的な援助を行っているところでございます。 さらに、六十年度から身体障害者雇用促進協会とタイアップいたしまして、五人以上障害者を雇用されている事業所につきまして定着推進チームというのを設置してもらうようにその事業を推進しているところでございます。この定着推進チームと申しますのは、事業主、それから職場の代表の方あるいは障害者の代表の方、こういった事業所の人事、労務担当の部長さんであるとか、あるいは職場の上司の方であるとか、それから障害者の代表の方であるとか、そういった人の構成によります定着推進チームというものの設置を進めておりまして、企業内の自主的な活動によりまして障害者の職場適応なり、職場定着に積極的に取り組んでいただくように、こういった面についても六十年度から事業を始めまして、全国の五人以上 障害者を雇っておる各事業所に設置していただくように今努力をしておるところでございます。 既に六千近く、五千数百の事業所でこういった定着推進チームが設置をされているというふうに把握しているところでございます。
○糸久八重子君 今回の改正で、障害者の雇用安定を図るための施策の一環として、企業に在職中に障害者となった方を継続雇用する場合を対象とする助成金を設けることにしたと聞いておるわけですけれども、この助成金の内容はどのようなものでございましょうか。
○国務大臣(平井卓志君) 企業に在職中にいわゆる労働災害、また交通事故等、このために障害者になった者については、障害のゆえに離職を余儀なくされるという場合が少なくないわけでございまして、また離職には至らないまでも雇用を継続するための事業主の負担というものが非常に重いものとなっておる、こういうことでございます。 労働省としましては、これまでこれら中途障害者の継続雇用につきましては公共職業安定所において必要な事業所指導を行ってきたわけでございますけれども、今回の法改正によりまして新たに障害者雇用継続助成金制度、これを設けたわけでございまして、企業が中途障害者の雇用の継続を図るために作業施設、設備の改善、また職場復帰に当たって必要かつ適切な職場適応措置を行う場合には助成金の支給を行う、そして中途障害者の雇用の安定並びに社会復帰に手助けをしよう、こういうことであります。
○糸久八重子君 次に、職業リハビリテーションについてお伺いをしたいと思います。 今回の改正では新たに職業リハビリテーションの推進を法律に規定しておりますけれども、現在どのような機関でどのようなサービスを提供しているんでしょうか。
○政府委員(佐藤仁彦君) お答え申し上げます。 職業リハビリテーションのための措置は、職業指導、職業評価、職業訓練、職業紹介など大変広範囲なものがございます。そのうち公共職業安定所におきましては職業指導、職業紹介等を、また身体障害者職業訓練校におきましては職業訓練を実施いたしております。 その他労働省の関係団体におきまして、雇用促進事業団におきましては各県に心身障害者職業センターを設置運営いたしておりまして、そこにおきましては職業評価、またそれに基づく職業指導等を行っておりますし、身体障害者雇用促進協会が運営いたしております国立の職業リハビリテーションセンターにおきまして職業リハビリテーションの職業評価部門、あるいは労働福祉事業団が運営いたしておりますせき髄損傷者職業センターにおきましてもそれぞれ職業評価、職業指導等のサービスを行っているところでございます。
○糸久八重子君 我が国では従来職業リハビリテーションの目的を一般職場での就業に固執しましてサービスの対象者もそれが可能な者に限定する傾向がありました。そして、一般の職場での就業が困難な障害者は社会福祉の対象とみなされてきているわけです。五十一年の法改正後に中程度の障害者の雇用が進みまして、厚生行政の対象者と重なり合う部分が大変ふえてきているわけです。 それだけ両行政サイドの連携強化と役割分担の調整が必要になってきているわけですけれども、「職業リハビリテーションの措置は、医学的リハビリテーション及び社会的リハビリテーションの措置との適切な連携の下に実施されるものとする」、そうされておりますね。行政的には医学的リハビリテーション、社会的リハビリテーションが労働省、厚生省、文部省にも関係があるかもしれませんけれども、そういう三省にかかわっておりまして、サービス実施機関としてそれぞれいずれかの系列に属しながらサービスの内容は必ずしも明確に分化されていないのではないかというふうに想像されます。ですから、相互乗り入れとか重複の部分も相当多いということが考えられるわけですけれども、この点について労働省の認識と、それから今回の改正を契機にどう改善を行おうとしていらっしゃるのかお伺いをしたいと思います。
○政府委員(佐藤仁彦君) 先生御指摘のとおり、障害者の立場から見ると職業リハビリテーションのみでなくて、社会的なあるいは福祉的な観点からのそうした問題も必要なことは申すまでもございません。 そこで、今回の改正法におきましてもそうした関連機関との連携を特にうたっているわけでございますし、またこれまでも先ほど申し上げました国立職業リハビリテーションにおきましては全コースを一貫して行える施設として設置しているところでございまして、先生御指摘の点、私どももこれまでも念頭に置いてやってまいりましたし、今後とも法律にもそういう精神をうたい込んだわけでございますから、一層関連機関との連携を深めつつ障害者の雇用の促進あるいは福祉の増進に努めてまいりたいと考えております。
○糸久八重子君 職業リハビリテーションの目的は、職業指導及び訓練等のサービスを通して障害者が適当な就業の場を得、かつそれが継続することができるように。するということであります。 この就業の場は必ずしも一般労働市場での雇用または自営に限られない。そして一般の職場での就業が困難な重度障害者を対象とした保護雇用も含むとされているわけですね。この場合の保護雇用というのは身障者福祉工場とか、それから授産施設とか、労災リハビリテーション作業所が入るのではないかと思われるわけですけれども、今度の法案の中に保護雇用について何らの規定も盛り込まれていないわけですけれども、その辺のことについて御見解を賜りたいのですが。
○政府委員(白井晋太郎君) お答え申し上げます。 保護雇用自体についての規定はないわけでございますが、一般に雇用が困難な重度障害者が授産施設等で就労をしている、それらについてはいわゆる福祉的な面では厚生省の行っております施設の中でいろいろとやっていただいているわけでございますが、しかし可能な限り今先生御指摘のように一般雇用の場を確保するということが基本方針でございますので、現に授産施設等に入所している者であっても、能力開発を行うことによりまして一般雇用につくことが可能となる者につきましては、昭和五十七年度からこれらの者を対象といたしまして授産施設と企業との連携による重度障害者等特別能力開発訓練事業を実施いたしております。労働省としましては、先ほどこれは先生の御指摘があったわけでございますが、納付金制度に基づきましてこの助成金を活用して援助を図っているわけでございます。 一般的に労働省の目指すところでは、今申し上げましたように能力開発等によりまして、一般企業に就職が可能な者につきましての就職の促進を図っていくという立場で能力開発の援助その他等を行っているところでございます。
○糸久八重子君 今回の改正では、職業リハビリテーションに関係する施設の設置、運営の業務を日本障害者雇用促進協会に一元化するということなのですが、同協会は事業主団体であります。この事業主団体に公的サービスである職業リハビリテーションの実施を行わせるのは問題があるのではないでしょうか。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。 現在の身体障害者雇用促進協会を、今度は日本障害者雇用促進協会ということで充実させましていろいろな仕事を、特にリハビリテーションに対します一元的なサービスを行っていくことにいたしているわけでございますが、この団体は御指摘のように事業主団体でございますけれども、従来も行政に協力しつつ身体障害者の雇用促進のための自主的な活動を行ってまいっておりまして、国から委託によります国立リハの運営や、それから身体障害者納付金制度等の業務をやっていただいております。そういう意味では非常に高い公共性を有するものでございまして、この運営実績を考えていけば、協会に運営を行わせることに特に問題はないというふうに我々としては考えた次第でございます。
○糸久八重子君 一元化は当たっては、職業リハビリテーションに関係する業務の公正な運営を確保する必要があると思います。具体的にどのような措置を講ずることとしているのですか。
○政府委員(白井晋太郎君) 今申し上げたところでございますが、具体的に実際の業務の公正な運営を確保するためには、この協会に対しまして予算の認可、財務諸表の承認など、現行法に基づきます監督を行うほかに、今回の改正では新たにリハビリテーション関係の業務を運営する上での基本的な事項を定める業務方法書を定めることというふうにいたしておりまして、これの作成、変更は労働大臣の認可を受けなければならない。また、経理上におきましても、他の業務とは区別して特別の会計を経理させる。それから、リハ関係に関します施設など、重要な財産の処分等につきまして制限規定を設けるというようなことで、職業リバに関します業務の公正な運営が図れるように法の規定の中で確保いたした次第でございます。
○糸久八重子君 去る五月十二日の与野党国対委員長会談で、売上税法案の取り扱いについて合意をしておるわけですが、したがって本法律案の附則第二十九条の規定は事実上削除となると解釈してよろしいのですね、確認をいたします。
○国務大臣(平井卓志君) この規定につきましては、宇野党国対委員長会談のとおりであります。
○糸久八重子君 それでは、最後に大臣にお伺いをしたいと思います。 働きたいという身障者に働く場をできるだけ用意することは、完全参加と平等という国際障害者年のテーマを具体化する第一歩でございます。職業リハビリテーション対策の充実強化も含め、今後の総合的な障害者雇用対策及びこれにつきましての御決意をお伺いさせていただきまして、私の質問を終わらせていただきます。
○国務大臣(平井卓志君) 御案内のように、障害者の雇用対策につきましては、従来から労働省の最重点課題の一つでございまして、できるだけきめの細かい対策を講じてきたところでございます。 障害者の雇用は、従来から言われておりますように、やはり社会のコンセンサス、また社会連帯の理念によってこれは進めなければなかなか有効に働かないという側面を持っておりまして、今回の法改正によりまして職業リハの実施体制が相当整備される、そして障害者の雇用対策が抜本的に強化されることとなるわけでございまして、今後は特に障害者の雇用に関する社会連帯の理念が広く社会一般に浸透するように、これは従来もやっておりますけれども、さらに努めなければならぬ。そして、障害者の雇用の促進と職業の安定と申しましょうか、社会活動への参加と申しましょうか、それが図られますように労働省としても最善の努力をしてまいりたい、かように考えております。
○千葉景子君 それでは、身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案について若干の質問をさせていただきたいと思います。 〔委員長退席、理事田代由紀男君着席〕 今回の法改正のポイントのうち、精神薄弱者に対する雇用率制度上の改正による雇用対策の強化ということが一つのポイントであるというふうに聞いておりますけれども、精神薄弱者に対しても依然として雇用義務などは課さないという内容になっております。こういうことで、本当に精神薄弱者の雇用が進んでいくのかどうか、大変懸念をされるところがあるんですけれども、精神薄弱者についても雇用義務を課すという方向ではお考えではないんでしょうか。
○国務大臣(平井卓志君) この精神薄弱者の雇用の問題でございますが、これはただいまも申し上げましたように、やはり重要なのは社会連帯によって解決されなければならぬ。そういうことである以上、やはり理念的には、すべての事業主が精神薄弱者の雇用に努めるべきである。ただ、身体障害者同様、働く意思と能力のある精神薄弱者に適当な雇用の場を与えるという社会的な責務を有するということが言えると思うわけでございます。 しかしながら、この精神薄弱者につきましては、身体障害者とやや異なりまして、いろいろの問題が未解決のまま残されておるわけでございます。このため、当面は事業主に対しまして、現在の身体障害者の雇用義務に加えてさらに精神薄弱者の雇用を法的に義務づけることよりも、何らかの形で雇用を奨励し、精神薄弱者を雇用する企業の努力に報いると申しましょうか、同時に事業主の協力を求めるような形で雇用を進めていく、この方が適当である、そう考えられるところでございまして、今回の法改正におきましては、このような考え方から、雇用義務は課さないけれども、雇用されている精神薄弱者については身体障害者同様、実雇用率算定に当たってカウントできるようにすることの措置を講じたということであります。
○千葉景子君 今のお答えによりますと、精神薄弱者に対してはさまざまなまだ諸課題が残されているということで雇用義務を課すところまでは難しいというお話でございますけれども、そうなりますと、今後できるだけ精神薄弱者の皆さんが雇用されるように、そういう雇用条件が整うようなさまざまな条件整備等が必要かと思います。 また、昭和五十七年に策定されました障害者対策に関する長期計画においてもこういうことが指摘されているわけですけれども、今後の条件整備あるいは今後の方針、これについてはどんなお考えをお持ちでしょうか。
○説明員(小倉修一郎君) ただいま先生御指摘のとおり、精神薄弱者対策につきましては、昭和五十七年に策定されました障害者対策に関する長期計画、あるいは身体障害者雇用審議会の意見書におきましても指摘されているところでございまして、その指摘されております内容は、一つには雇用後のアフターケア体制の確立、それから社会生活指導面に対する援護措置の充実、職業能力等の判定体制の充実、あるいは職域開発の促進、能力開発体制や職場適応訓練制度の充実、社会啓発活動の強化、こういった条件整備対策の充実を図ることが必要であるというふうに指摘をされているところでございます。 こういった指摘を受けまして、労働省におきましては、一つには五十八年度から地方公共団体と民間企業との共同出資、いわゆる第三セクター方式によります精神薄弱者能力開発センターの育成を行っているところでございますし、また六十年度と六十一年度と二年間にかけまして、心身障害者職業センターにおきます精神薄弱者等職業準備事業の試行的な実施をいたしております。また、六十年度には精神薄弱者の雇用についての啓発のためのテレビ番組の作成、こういった事業をこれまでも実施してまいったところでございます。 今回の改正法案におきましても、条件整備対策につきまして規定をされているところでもございますし、私どもといたしましては本年度におきましても、先ほど申し上げました施策に加えまして精神薄弱者職業準備事業、これの本格実施をすることといたしております。こういったことで、今後ともさらに条件整備対策の充実強化を図ることにしてまいりたいと考えているところでございます。
○千葉景子君 条件整備についてはぜひ積極的に取り組んでいただきたいと思いますが、精神薄弱者の問題につきましては、とりわけ職業リハビリテーションなどは早期に開始をするということが必要なところかと思います。とりわけ家庭とか養護学校などとの連携なども必要となってくるのではないかと思いますけれども、これらの点については労働省としてはどう取り組むおつもりがあるのでしょうか。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。 精神薄弱者の問題につきましては、先生御指摘のように早期に取り組む必要がある、またそれが効果があるというふうに考えております。在学中の精神薄弱者の能力開発等につきましては、基本的には養護学校等の教育機関におきまして教育の 一環として行うべきものであるということでございますが、在学中から職業評価や職業指導、職業リハを実施することも効果的な場合があるというふうに考えておりまして、従来から生徒それからその保護者に対しまして学校の行う進路指導との関係を考慮しながら、在学中から心身障害者職業センターにおける職業評価、それから精神薄弱者特殊学級等の生徒及び保護者に対する特別職業指導、それから職場実施指導等実施いたしてきているところでございます。 〔理事田代由紀男君退席、委員長着席〕 今回の改正で、先ほどからお話しのように精神薄弱者も実雇用率にカウントすることにいたしましたほか、地域の障害者職業センターにおきまして職業準備訓練等を系統的に行うことということを法律上も規定いたしたところでございまして、これらの制度を活用しながら、また養護学校等との教育機関とも十分連携をとってリハの推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○千葉景子君 ところで、ただいま精神薄弱者の皆さんの件についてお尋ねをしたんですけれども、今回の改正ではさらに精神障害者の皆さんについても法律の対象としているということでございますけれども、実際のこの法の内容を見ますとまだまだ精神障害者については精神薄弱者に比べても不十分なところが非常に多いのではないだろうかというふうに思うわけでございます。 この精神障害者に対する対策として少なくとも納付金制度、これに基づく助成の対象というところあたりはここに組み込めるのではないだろうかと思いますけれども、この辺がまだ対象とされてない、その辺の事情などはございますでしょうか。
○政府委員(佐藤仁彦君) 納付金に基づきます助成金につきましては、現在身体障害者及び精神薄弱者を支給対象といたしております。これは事業主がそれらの者を雇用するに当たりまして施設の設置、改善等に必要となる企業の負担を軽減し、それをもって障害者の雇用の促進を図ろうという目的からでございます。この助成金の対象に精神障害者を加えるかどうかにつきましてはいろいろ問題がございます。 一つは、身体障害者と比較いたしまして障害が固定されていないこともあり、どの程度の医学的管理が雇用の上で必要であるか必ずしも明確にされておりませんし、このために職場において必要とされる具体的な措置あるいは企業の負担についても明らかでないという問題もございます。さらにその判定体制が不十分なこともありまして、助成金を適用するに当たり障害の確認が困難である等の問題もございまして、今後の医学の進歩あるいは調査研究にまたなければならない面が多いんではないかと考えております。 なお、今回の改正におきまして、納付金制度に基づく助成金のうち研究、啓発等に関する助成金につきましては精神障害者に関しても支給できることといたしたところでございまして、この助成金を活用して精神障害者の雇用に伴う諸問題についてさらに調査研究を推進してまいりたいと考えております。
○千葉景子君 精神障害者の皆さんにつきましてはこういう制度がない中で、企業側でボランティアのような形で精神障害者の皆さんをお医者さんとの連携のもとに受け入れていらっしゃるというところがかなりあるかと思います。そういうところにおきましては、ほとんどこういう助成措置もなく、本当に善意のもとに行われているわけですけれども、そういうものをぜひ生かしていくような、そして少しでもその負担が軽減されるような措置を考えていただきたいというふうに思うわけですけれども、この辺についてはいかがでしょうか。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたしますす。 精神障害者の問題につきましては、今先生おっしゃるとおりのいろいろ問題があるわけでございますが、一方先ほど審議官の方からお答えいたしましたように、精神障害者を雇用の場に本当に適するのかどうかということでとらえるということはなかなか難しい面がある、そういう状況でございます。それで、現在労働省といたしましては昨年、昭和六十一年度から精神分裂病それから躁うつ病またはてんかんを有する者につきましていわゆる職場適応訓練制度というものを適用しているところでございます。 これはその症状が安定して就労が可能な者に職場での適応、職場で実際にいろいろな作業、仕事をしてもらいまして適応する、その場合にその職場での人間関係、それから職業生活及び健康管理上の配慮について特にいろいろと事業主の方々が苦労をされるわけでございますが、その場合の経済的負担の軽減を図るために、助成金を支給してその職場適応訓練制度を実施するということでございます。 現在はこの訓練制度の利用状況それから成果、問題点等を十分に見きわめて、先生がおっしゃるような点も検討してまいりたいというように考えている次第でございます。
○千葉景子君 六十一年からその職場適応訓練制度というものが取り入れられているということでございますが、それについてさきに労働省の方からお聞きしたところによりますと、これが職場については二万円、そして訓練期間というのも半年ということでございますけれども、これはいかにも低額であり、また期間も半年ということでございますけれども、その後も延長してそのまま職場で働いているというようなケースもこれから出てくるかと思いますので、この額の増加とかあるいは訓練期間の延長とか、こういう点も含めてもう少し改善の方向で検討いただけないかどうかお答えいただきたいと思います。
○説明員(小倉修一郎君) 職場適応訓練につきまして現在、先ほど局長申し上げましたように精神障害者につきましても六十一年度から職場適応訓練制度を取り入れたところでございまして、ただいま先生おっしゃいましたように訓練期間は六カ月ということでございますし、それから月額二万円といいますのは、これは事業主に訓練を委託する場合に一人について月額約二万円の委託費を事業主に支給いたしますとともに、障害者本人、訓練生本人には毎月約十一万円程度の訓練手当が支給されるということでございまして、この金額は職場適応訓練、他の精神薄弱者あるいは他の身体障害者等々の訓練手当と横並びの額でございまして、おおむねこの額で妥当ではないかと思っております。 なお、訓練期間の六カ月につきましては、昨年度この制度がスタートしたばかりでございまして、その実施状況等々、問題点を十分今後検討いたしまして、この訓練期間その他指導方法あるいはそれに伴う雇用管理、指導技法といったような面につきまして、これからの研究課題ではないかというふうに思っております。
○千葉景子君 確かに、六十一年の四月からの制度でございますからこれから充実させていく制度かと思います。そういうことを踏まえまして、ぜひこれも前向きで積極的に取り組んでいただきたいと思います。 先ほど、精神障害者につきましては、今回も助成金の中でも研究、啓発、こういうものについては精神障害者についても適用があるということでございますけれども、今後の研究、啓発といいますか、それの具体的な内容ですね、どのような研究などを進めていかれるのか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(白井晋太郎君) 先ほどからいろいろ議論がございましたように、精神障害者の雇用の場のあり方につきましては、いろいろとまだ難しい面がたくさんございます。社会的にもいろいろとこの取り扱いについては議論のあるところだと思います。特に、事業所等が必要な社会生活指導、雇用管理を行うにつきましては、個々にいろいろと障害があるわけでございますので、必ずしも明確でない部分が多いということであろうかと思います。 このために、精神障害者の調査研究としまして は、雇用の場におきます精神障害者の障害の特性に係る調査研究、それから二番目には職業適性、職業能力等、精神障害者の職能的諸条件を明らかにしましてその適職の開発の調査研究、それから、事業所におきます雇用管理のあり方等の調査研究等を基礎的な研究といたしまして、それに基づきます応用的、実践的な研究をしていかなければならないというふうに考えている次第でございます。 これにつきましては、先ほど先生おっしゃいましたように、今回の改正によりまして、精神障害者に関しても納付金制度によります研究、開発のための助成金を活用していくということにいたした次第でございます。
○千葉景子君 ところで、さきの国際障害者年におきまして、国連では特に精神障害者を含めて障害者の社会に対する完全参加と平等ということが求められているわけでございます。そういうものに即して今回法律が改正されるということについては大変評価をされるところでございますけれども、既にこれにつきましては、一九五五年に障害者の職業更生に関するILO第九十九号の勧告が出されているわけでございます。 その中でも、障害者について職業指導、職業訓練、職業紹介等を積極的に進めるようにという勧告でございますけれども、この中で、国会に報告されたこのILO勧告の日本語の訳によりますと、障害者ではなくて「身体障害者」ということでこれまで訳されてきているようでございます。こういうことによって、精神薄弱者あるいは精神障害者の雇用の促進というものが阻まれてきた、こういう背景があるのではないかと思いますけれども、 「身体障害者」ということで限定して訳されてきた、これについてはどうお考えでいらっしゃいますか。
○政府委員(白井晋太郎君) お答え申し上げます。 ILO九十九号の勧告が出ましたのは昭和三十年でございますが、当時の障害者に対する概念としましては、身体障害者というふうにいうことが一つの定義でございまして、それに基づいて訳語として出てきたのだと思います。 その後、身体障害者の雇用促進法が出たり、また厚生省関係で昭和四十五年に心身障害者対策基本法が制定されたりいたしまして、四十年代後半以降、精神薄弱者は身体障害者に含まれないというふうに一般的に定義づけられてきたというような経緯がございまして、その当時、必ずしもつまびらかにはいたしませんけれども、「身体障害者」ということの訳によって精薄者等を追い出した、冷遇したというようなことではない、そういうことはあり得ないというふうに考えている次第でございます。
○千葉景子君 今の御回答、何かちょっとよくわからないところがあるんですけれども、その「身体障害者」という中に精神薄弱者、精神障害者、すべて含まれるという解釈をされてきたということでございますか。
○政府委員(白井晋太郎君) お答え申します。 ILO九十九号の勧告の日本語で「身体障害者」と訳したものにつきましては、その勧告の一条(b)項におきまして、「「身体障害者」とは、身体的及び精神的損傷の結果、適当な職業につき、かつ、それを継続する見込が相当に減退している者をいう」というふうに定義づけられておりまして、ここでは精神薄弱者も当然含まれているというふうに解釈されるということでございます。
○千葉景子君 しかし、普通、常識といいますか、我々の言葉の感覚、使い方からいいますと、やはり身体障害者という言葉には精神薄弱者とかあるいは精神障害者が当然含まれているとはなかなか受け取りがたいわけでございます。そういうことで、一般の国民から見ますと、これはやはり身体障害者しか対象にしてないんじゃないか、こういうふうに受け取られて当然のところかと思うんですけれども、その辺については、これまでそういう「身体障害者」ということで言葉を使ってきた、これについてはどうお考えでございましょうか。
○説明員(小倉修一郎君) この勧告が出ましたのが昭和三十年でございますし、それからまた身体障害者雇用促進法が制定されましたのが昭和三十五年でございました。そのころ、通常、身体障害者という言葉以外に、現在よく使われておりますような心身障害者であるとかあるいはただ単なる障害者という言葉はなかったというふうに私どもも推測をしておりまして、向こうの英文では「disabled person」という文字を日本語に訳す場合に「身体障害者」という訳しかなかったんではなかろうかということでございまして、法律では身体障害者雇用促進法ということでございますが、先生御指摘のように、また局長答弁いたしましたように、そのときの法律、当初の法律では身体障害者といいますのは精神の障害も含まれるという、そういうことで法律が組み立てられていたというふうに思っているわけでございます。 ただ、その後、昭和四十五年に厚生省の方で心身障害者対策基本法というのが制定されまして、そのあたりから心身障害者という言葉がかなり一般的に使われまして、身体障害者と心身障害者という場合は違うという、そういうふうな解釈になってきたんではないか。さらに、国際障害者年の昭和五十六年に、障害者年という言葉が使われまして、そのころから障害者、いわゆる心身障害者と言うよりもむしろ障害者と言った方がいいのではないかというような考え方がだんだん一般的になってきている、そういうように言葉の使い方の変遷の中で、旧法で精神薄弱者も含まれているにもかかわらず、それが含まれていないというような形で推移をしたのではないかというふうに理解をしているところでございます。
○千葉景子君 どうもその当時は身体障害者ということのみが適用の対象で、なかなか精神薄弱者の皆さんとかあるいは精神障害者の皆さんが頭の外の方にあったのではないだろうかというふうに思わざるを得ないわけです。 さらにこの九十九号の勧告、これの日本語訳、国連への報告文によりますと、先ほどは身体障害者は身体障害あるいは精神薄弱、あるいは精神障害も含むのだということでございますが、その定義も非常にあいまいで、「身体的及び精神的損傷」というふうに訳されているわけですけれども、この「及び」というのはどういうふうに解釈をしたらよろしいのでしょうか。
○政府委員(白井晋太郎君) 原文はないのですが、一般には身体と精神的、それから身体または精神的というのを両方含んだ「及び」だというふうに思っております。
○千葉景子君 いや、それも非常におかしなお答えでして、日本語としてはやはり「及び」といいますのは身体とそして精神と両方重なっている障害としかこれは読めないわけです。しかも、またさらにこれを引用いたしました一九八三年の職業更生に雇用が加えられた勧告と条約の方では、今度は「身体的又は精神的障害」ということで、何げなく書き直されているようなところがあるわけでございます。これは、原文は全く同じです。 こういう形で精神的障害を持つ皆さんが頭の外に置かれてきたというふうに思わざるを得ないのですけれども、この片方では「身体的及び精神的」、そして同じものが次には「身体的又は精神的」と、こうころころ変わるというところはどうお考えになっていらっしゃいますか。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。 私、直接訳したわけじゃないのでよくわかりませんが、一般に法律的には「身体的及び精神的」と申しましても、「and」、「or」という両方含んだと解釈できるということは、先生御存じのとおりだと思います。原文を見ますと、「or」になっておりますから、本来直訳すれば「又は」の方が正しいのかもわかりません。
○千葉景子君 今のお答えでございますけれども、正式な条約文というのは英文かと思いますけれども、一般の国民にはこの日本語文で目に入るわけでございます。そういう意味では、「及び」が「又は」も含むと、しかしながら「又は」とその後は訳をされているわけですから、これは誤訳なり、 意識的な訳し方としか言いようがないように思いますけれども、この点について今後どう取り扱われるか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(白井晋太郎君) 条文の批准その他の場合には、従来仮訳のものが正式に訳されるようになるわけでございますので、そのときの統一見解としてどういう訳をとるかということは、外務省を含めました関係各省の見解によるというふうに思います。
○千葉景子君 終わりにいたしますけれども、今後この訳文等について、外務省とも検討の上、きちっとしたわかりやすい——わかりやすいというのは国民にとって、我々にとってですけれども、はっきりした文言に訂正をなさるとか、そういうおつもりはございませんでしょうか。 そして、こういうことを踏まえて精神障害、精神薄弱の皆さん、非常にこれまで制約を受けてきたというところがあるように思われますので、これらも含めてお考えをお聞かせいただいて終わりにしたいと思います。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。 正式な翻訳にする場合につきましては先ほど申し上げたとおりでございますが、「身体的及び精神的」または「身体的又は精神的」で、特に「及び」であったから精神薄弱者を冷遇したというふうには私ちょっと理解できないわけですが、どういう意味でそうおっしゃっているのかよくわかりませんけれども、精神薄弱者等を含みました精神的な障害者につきましては、今回の法律等によりましてもこれらを含めまして手厚い対策を今後とも充実させてまいりたいと、かように考えております。
○中西珠子君 身障者雇用促進法の一部を改正する法律案に関して質問いたします。 昭和五十六年の国際障害者年におきましては、我が国でも障害者問題でさまざまな広報や啓発活動が行われました。そのために国際障害者年のころには障害者の雇用も大いに伸びたわけでございますが、その後の雇用率の伸びを見ますと、伸び幅が大変小さくなっており、昨年に至っては全く伸びていないような状況にあります。 国連では、障害者問題に対する取り組みを、国際障害者年一年だけに終わらせることなく長期間継続させていくために、昭和五十八年から十年間を障害者の十年ということにいたしまして、その十年の間に達成するべき世界行動計画を策定しまして、国連加盟各国に対してもこれに基づく国内長期行動計画を策定するように求めております。 これに対応いたしまして、我が国においても昭和五十七年には障害者対策に関する長期計画が策定されたと理解いたしております。この長期計画は、当然のことながら労働省の障害者雇用対策の基本ともなっていると思うんでございますが、この長期計画に基づいた障害者雇用対策の基本方針について大臣にお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(平井卓志君) 国際障害者年を契機としまして、昭和五十七年三月に策定されました障害者対策に関する長期計画におきましては、障害者の雇用対策について重度障害者に最大の重点を置きまして、可能な限り一般雇用の場を確保することとしているところでございまして、労働省におきましては、この基本方針に基づきまして諸施策を推進しておるところでございます。
○中西珠子君 ことしは障害者の十年の中間年に当たるわけでございますが、ただいま審議中の法改正、この法改正は長期計画との関係からいきますと、長期計画の重点、またその長期計画の完全実施との関連では、どのように法改正が位置づけられるのでございましょうか。
○国務大臣(平井卓志君) 今回の改正によりまして、障害者雇用対策につきましては、精神薄弱者対策の大幅な充実強化を図る、同時に職業リハを推進するための体制の整備、また専門職員の養成、確保等、長期計画に対応した対策の充実強化が行われるわけでございまして、これによって長期計画の実施状況も大きく前進するだろうと、こういうことで考えております。
○中西珠子君 大臣の仰せのとおり、今回の法改正によって障害者雇用対策は相当進むと思いますけれども、長期計画の実施に寄与するところも多いと思うのでございますが、この法改正の内容を実施することによって長期計画のうちの雇用対策にかかわる部分は完全に実施したことになるとお考えでいらっしゃいましょうか。
○説明員(小倉修一郎君) 今回の改正によりまして、障害者雇用対策に関します法的な面につきましては整備されまして、長期計画につきましてその完全実施に向けて今回の法改正で大きく前進をすることになるものであるというふうに考えているところでございます。 しかしながら、長期計画の完全実施につきましては法的整備だけでは足りるものではございませんで、やはり今後とも職業リハビリテーション体制の充実強化を図るとか、あるいはリハビリテーションサービスの質的な向上のための調査研究を実施するとか、そういった努力を傾注していくことが必要ではないかというふうに考えているところでございます。したがいまして、私どもといたしましても、今後とも対策の充実強化に努めまして、長期計画の完全実施に向けまして一層の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○中西珠子君 ただいまの御答弁で、今回の法改正のみでは長期計画の完全実施には足りない、また法整備だけでは足りないのだということで、いろいろ御努力の方向づけをお示しになったわけでございますけれども、ただいま中間年を迎えておりまして、今後国連の障害者の十年の後半期に向かうわけでございますが、長期計画を完全実施するという必要性は非常にあると思うのでございます。 この後半期に向けて、労働省としてはあれもこれもやるというのではなくて、重点目標というものを設定なさる必要があるのではないかと思いますが、この点についてはいかがでございますか。
○国務大臣(平井卓志君) この国連の障害者の十年の後半期における取り組みでございますが、現在中央心身障害者対策協議会の場におきまして後半期における重点施策について御審議をいただいておるところでございまして、同審議会において結論が出されました場合には、その結論を尊重してさらに積極的な障害者雇用対策を推進してまいりたいと考えております。
○中西珠子君 障害者の雇用対策をこれから充実強化していかなければならないわけでございますが、それを実施していく体制というか、また障害者雇用対策を担当する職員の定数、そういったものをふやしていくことも必要なのではないか。また、実際に第一線で障害者の職業紹介を担当したり、またいろいろ職業指導をやったりする公共職業安定所の職員の研修というものも必要なのではないか。 技術革新も非常に進んでいる中で、身障者の職業の分野というものもだんだん広がってくるのではないかとも思いますし、そういった技術革新に取り残されないような研修というものが必要ではないかと考えるわけでございますが、その点に関してはどのようなお考えでいらっしゃいますか。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。 先生御指摘のとおり、身体障害者の雇用促進を進めるにつきましては体制の整備を図っていくことが重要でございます。公共職業安定所における障害者の職業紹介、雇用促進を円滑に進めるための職業相談、職業紹介、就職後の職場適応指導に至る業務を一貫して実施する必要があるわけでございますが、これにつきましては先ほどのお話にもございましたように、公共職業安定所にこれらの業務を一貫して行います専門的な職員といたしまして就職促進指導官を昭和四十三年以降設置してきたところでございます。当初、初年度七名だったわけでございますが、六十二年度におきましては全国に四百十六名の指導官を配置しております。 それから、さらに安定所におきましてはこの指導官のほかに昭和四十八年度からは手話協力員、それから五十一年度からは職業相談員等を置きまして、これらの仕事を専門的にやっていただいておるところでございます。今後ともその体制の充 実に努めてまいりたいというふうに考えております。 それから、先ほどの研修の点でございますが、これらの専門の担当官その他を養成するために障害者対策に関する長期計画、それから身体障害者雇用審議会等におきましてこれらについて意見書が出ておりますが、従来から労働研修所におきまして体系的に研修を実施しておりますほか、昭和五十七年度からは国立職業リハビリテーションセンターにおきましてより専門的、技術的な研修を行っているところでございます。さらに六十一年度からは労働研修所の研修におきまして障害者対答を中心としますコースを新たに設けて研修の充実を図っているところでございます。
○中西珠子君 大変結構でございますが、必要な人員をおそろえになると同時に、研修も大いにやっていただきたいと思います。 障害者が雇用されてその能力を発揮して働いていくためには、事業主や職場で一緒に働く同僚などの理解や協力が非常に重要でございます。また一般国民の理解や協力を得ることも必要だと考えますが、このためにはやはり広報啓発活動というものをさらに強化していくべきだと思います。この点に関しましては、具体的にはどのような方法で展開していらっしゃるおつもりですか。
○政府委員(佐藤仁彦君) 障害者が安定したかつ充実した職業生活を送ってまいりますためには、御指摘のように事業主や職場の同僚あるいは上司の理解や協力が不可欠であることは申すまでもございません。このため、従来から労働省におきましては事業主やあるいは労働者の方々の理解を深めるために障害者雇用のためのパンフレットを作成し配布いたしますとか、あるいは企業の雇用管理者に対するセミナーを開催するなどの方法で広報してまいりましたし、また毎年九月を障害者雇用促進月間といたしまして各地で障害者の雇用促進大会を開催しますとか、各種の事業を中央、地方各機関を通じて開催するなどによりまして広報活動を積極的に、かつ集中して実施してまいりました。 特に今回この改正法におきまして、障害者の雇用に関する広報啓発という一条を設けまして、今後あらゆる機会を通じ広報活動を積極的に行っていくことを規定いたしました。これを契機にさらに広報啓発に努めてまいりたいと考えております。
○中西珠子君 これを契機にさらに努めていただきたいと思います。 しかし、今回の法改正でちょっと残念なところがないわけではないんですね。それは精神薄弱者については雇用義務が課せられていないという点でございます。精神薄弱者についてはなぜ雇用義務を課さなかったのか、その理由を御説明ください。それが一点。 それから、将来精神薄弱者について雇用義務を課すべきだと思うのでございますが、この点はいかがですか。これ第二点でございます。
○政府委員(白井晋太郎君) お答え申し上げます。 第一点でございますが、この点につきましては先ほど大臣からも御説明があったとおりでございまして、精神薄弱者の雇用の問題が社会連帯、コンセンサスを得た上で解決されるべきものである。理念的に申しますれば、すべての事業主が精神薄弱者の雇用に努めるべきであるということは当然言えることだと思います。 しかしながら、審議会の一年以上にわたります審議等のいろいろな御意見を踏まえながら、これらの審議会の答申におきましても、精神薄弱者については、まだ職業前教育、能力開発体制等の条件整備の進捗状況は十分とは言いがたい。それから、精神薄弱者の就業が非常に困難な職種も多い。それから、個々の精神薄弱者の把握、確認に難点がある。これは特に三番目の点は非常に難点になっているわけでございますが、そのほか社会生活指導の面で特別な配慮を必要とする人々が多いというようなこと等が理由として挙げられまして、当面事業主に対し現在の身体障害者の雇用義務に加えまして精神薄弱者の雇用を法的に義務づけることは時期尚早であるということで答申を受けたわけでございます。 したがいまして、これを受けまして、結果といたしましては、現在直ちに雇用を義務づけることは困難であるが、雇用率制度上の実雇用率に算定するということにいたしたわけでございます。これによりまして精神薄弱者を雇っております事業主の雇用に対する努力にも報いることができますし、そういう努力は今後進むというふうに考えている次第でございます。 なお、第二点の今後の問題につきましては、今のような理由その他いろいろな問題点が解決されるということ等に対応しながら、それらの推移を見ながら検討を進めていかなければならないというふうに考えている次第でございます。
○中西珠子君 精神薄弱者につきましては、雇用義務というものは今回の法改正においては課されなかったわけでございますけれども、雇用率制度上は実雇用率の算定に当たってカウントされることになった、これは雇用対策上も一歩前進だと思うわけでございますが、精神薄弱者ではなくて精神障害者、この方につきましてはまだまだ対策が不十分な点も多いと思いますし、また対策を考えていく上でも実施する上でも困難な点もあると思うのでございますが、今後精神障害者に関する対策を充実強化していく必要はあると思うわけです。 そういう精神障害者に対する対策を充実強化するためには、やはりさらに一層調査研究というものを推し進めていく必要があると考えますが、この点についてはどのようなお考えか。また、具体的な計画がおありになればお示しいただきたいと思います。
○説明員(小倉修一郎君) 精神障害者の方につきましては、従来から公共職業安定所におきましては、求職者がお見えになりますと求職登録制度という制度を活用いたしまして窓口で求職登録をしていただきます。登録されますとそのカードは永久に保存される制度でございまして、ずっとその方が将来求職をされようと、あるいは職場につかれようと、アフターケアができるようなそういう登録制度を設けまして、そういう制度を活用しながら手厚い職業指導なり職業相談を行ってまいったところでございます。 また、昭和六十一年度、昨年度からでございますが、精神分裂病で回復された方々、あるいは躁うつ病で回復された方々、あるいはてんかんにかかっておられる方、そういった方々、いわゆる精神障害者等の方に対しましても職場適応訓練制度の対象に加えまして施策の充実には努めてまいっているところでございますが、ただいま先生御指摘のように、その対策は他の障害者に比べますと必ずしも十分ではないということでございます。 このために、今後、雇用の場におきます精神障害者の特性等の調査研究を進めましてその施策の充実強化を図っていくということは、私どもとしても当然これは必要な課題だというふうに考えているところでございまして、先生も御承知のとおり、今回の改正法におきましても、第七十八条によりましてすべての障害者についてその特性に係る基礎的研究から実践的研究に至るまでの調査研究を進めるということを規定いたしておりますし、また精神障害者等につきまして納付金制度に基づく研究、啓発のための助成金も活用できることになっているわけでございますし、また今後の雇用対策の立案に資するためにさらに附則五条の第二項におきましてその職業適性能力等職能的諸条件を明らかにするための調査研究等の推進についても規定をしているところでございます。 このように、今度の改正法によりまして精神障害者の方々に対しますこういった施策を充実するための基本的、基礎的な体制づくりが行われたわけでございますので、私どもといたしましても、この改正法の趣旨にのっとりまして精神障害者等に対します調査研究につきましてこれから積極的に取り組んで推進してまいりたいというふうに考えております。
○中西珠子君 積極的に調査研究を推進していただきまして、精神障害者の対策も充実強化していただくことを心から要望いたします。 それで、障害者問題というのは社会全体が取り組まなければならない非常に重要な課題であると考えますが、障害者対策に関する長期計画を国連障害者の十年の期間中に完全に実施していただきたい。また、国際障害者年の目標でもありました障害者の完全参加と平等を達成し、我が国の障害者が職業生活に参加できるようにさらに障害者雇用対策の充実強化というものに取り組んでいただきたいと思いますが、この点に関しまして大臣の御決意のほどをお伺いいたします。
○国務大臣(平井卓志君) 国際障害者年のテーマでございます完全参加と平等、これを実現するためには、一口に申し上げると障害者の職業的自立を図ることが最も重要である、こう考えておりまして、こういう認識に立ちまして労働省としては、先ほど来も御議論ございましたけれども、昭和五十七年に策定されました障害者対策に関する長期計画に基づきましてその施策の充実に努めてきたところでございます。 本年は特に障害者の十年の中間年に当たることもございまして、従来の施策を見直すとともに、対象とする障害者を身体障害者から障害者全般に拡大する等を内容とするこの改正案をただいまお願いいたしておるところでございまして、今後、この改正法に基づきまして障害の特性に応じた対策の充実強化を図って、障害者の雇用の促進とまた職業の安定に努めてまいる所存でございます。 同時に、委員も御指摘にございましたように、やはりこの問題は単なる法律制度の整備だけで政策の目的が有効に達成されるかといいますと、やはり御案内のような事業主とか制度運営の衝に当たる方のみでなく、やはり社会と申しましょうか、国民の方々、社会全般の方の理解に立った連帯感というもの、これがなければなかなか難しいのではないかというふうにも考えておりますし、その方向の啓発活動にも一層努力をしてまいりたい、かように考えております。
○中西珠子君 ただいま大臣のおっしゃいました点は非常に同感でございますし、一層この法改正を契機といたしまして広報啓発活動もやっていただきたいし、この法改正によりましていろいろ法的な整備ができて施策の基本的な体制が一歩前進するわけでございますから、これをフルに活用していただきまして身障者対策を効果的に実施していただきたいことを心から要望いたしまして私の質問を終わります。ありがとうございました。
○内藤功君 今回の法改正におきましては精神薄弱者を実雇用率にカウントするということになっておりまして、精神薄弱者の雇用は確かに一歩前進するでありましょう。しかし、障害者の雇用促進の基本ともいうべき雇用率は最近伸びていないのではないかと思うのです。 去年の雇用率の状況はどうなっておりますか。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。 先ほども御議論の中にございましたが、雇用率の改善につきましてはやや停滞ぎみなところがございます。昨年の雇用率は、一・五%の身体障害者雇用率が適用されております一般民間企業、常用労働者の六十七人以上の規模の企業でございますが、六十一年六月一日現在で実雇用率一・二六%、前年と同率でございます。一方、一・八%の法定雇用率が適用されております公団、事業団等一定の特殊法人につきましては実雇用率一・八七%、これは前年一・八四でございましたので〇・○三ポイントではございますが上昇が見られております。 それから最後に、国、地方公共団体等におきましては法定雇用率は非現業的機関で一・九%でございますが、これは実雇用率一・八九%、〇・〇一ポイント落ちておりますけれども、対前年比では〇・〇一ポイント上昇いたしております。それから、一・八%の法定雇用率が適用されております現業的機関におきましては実雇用率一・九七%で、前年一・九五%でございますので〇・〇二ポイント、これらにつきましては多少ではございますが前年に比べて改善が見られたところでございます。
○内藤功君 まず、官公庁についてですが、身体障害者の雇用についても民間企業に率先して範を垂れるという立場にあると思います。機関別に見ますと、都道府県の非現業機関の雇用率が悪い状況にあるように思うんですね。昨年六月一日現在の状況を見ますとわずかに一・五七%で、一・九%の法定雇用率に到底及ばないという状況であります。 最近、各自治体では身体障害者の採用のためのいろいろな特別試験を行うなどの面で努力をしているということは認められますが、このように低くなっている原因の一つとして、教員が中心になっている教育委員会の雇用率が低いことが挙げられるというふうに私は聞いておるんです。労働省としてはこの地方公共団体の雇用率を引き上げるためにどういうような御指導、努力をなさっておるんでしょうか。
○説明員(小倉修一郎君) ただいま先生御指摘のとおり、都道府県の非功業的機関の雇用状況につきましては一・五七%ということで、一・九%の雇用率に比べまして大幅に下回っているところでございます。 この理由でございますけれども、ただいま先生御指摘になられましたように、都道府県教育委員会の雇用率が低いということも大きな理由になっていると思われましてこういう数字になっているというふうに理解をしておるところでございます。都道府県の教育委員会につきましては、雇用率算定基礎職員の約八割が教育職員である。事務職員等の数が少なくて教育委員会の大半が教育職員で占められているという状況にございますし、一方、身体障害者の方々で教員を希望されましてかつ教員の資格を取得されるという方が非常に少ない、こういう事情もあるようでございまして、そういったことから身体障害者の雇用の改善がなかなか進まないというふうに考えておるところでございます。 したがいまして、労働省といたしましては、当面は教育委員会の職員のうちいわゆる事務職員につきまして身体障害者の採用をさらに積極的に進めるように指導をするなどいたしまして、これからも文部省等とも連携を図りながらさらに有効な方策について検討をしてまいりたいというふうに考えております。
○内藤功君 文部省に伺いたいと思うんですが、教職員の場合、障害者の先生が学校で働いていらっしゃるということ自体教育的な効果、子供たちへの一つの励ましにもなる面があるんじゃないかと考えておるんです。教育委員会における身体障害者の雇用が進むように文部省としても各都道府県教育委員会に対して指導をなさるべきじゃないかと思いますが、いかがでございますか。
○説明員(奥田與志清君) お答えをいたします。 ただいま労働省の方からもお話ございましたように、教員につきましては、特に教育職員免許法に基づく教員免許が必要であるということ。この免許取得者が非常に身体障害者の方で少ないということ。さらにまた、採用試験を受験なさる方も極めて少ないというふうな事情がございまして、御指摘のような事情になっております。 私どもは、法律の精神に基づきまして、各都道府県教育委員会に対しましても機会あるごとにこの法の趣旨に照らしてその辺の適切な配慮を払っていくように積極的な指導をこれまでもいたしておりますけれども、これからも進めていきたいというふうに考えております。
○内藤功君 労働省に伺いますが、次に民間企業ですが、全体としては一・二六%、ところが百人未満の企業では一・七五%達成しておりますが、百人以上三百人未満が一・四二、三百人以上五百人未満が一・二四、五百人以上千人未満が一・一一、千人以上が一・一六%と、すべて法定雇用率を下回っています。企業規模が大きくなるほど雇用率が悪いという状況にあります。 先ほどもありましたが、納付金さえ納めれば雇用しなくてもいいという意識が大企業の中に特に強いんじゃないかと思うんです。労働省としてはもっと積極的にこの法の精神それから身体障害者雇用の意義といったことについての経営者への講習会を活発にやる、その他啓発活動を積極的に実施をしていただく、これを強化していただくことを要望したいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(白井晋太郎君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおりの実雇用率でございまして、確かに大企業になるほど実雇用率が低くなっております。これらの原因としましては、いろいろあるかと思いますが、常用労働者が多数いるということの中での数字の問題もございますし、それから大企業の場合は学卒を中心とした新規採用を行っておりますので、身体障害者の中途採用について必ずしも積極的ではない、その他いろいろあると思います。これらにつきましては、身体障害者の学卒等についての集団見合いと申しておりますが、大卒、高卒等につきまして集団的に求人者側との面接を行うとか、いろいろな施策を講じながら大企業での雇用の促進を進めております。 先生御指摘の啓発活動等につきましても、先ほどから御議論ございましたように、今回の法の規定その他に基づきましてさらに強化してまいりたいというふうに思っておりますし、積極的には各都道府県の幹部が個別指導を徹底して行うように、雇用率達成につきまして今後とも指導の強化を一層図ってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○内藤功君 次に、障害者の雇用はそれ自体非常に重要な課題でありますけれども、特に重要だと思いますのは、養護学校を卒業して初めて社会に出ていく子供たちの就職であります。近年の養護学校卒業生の卒業後の状況はどう把握しておられますか。
○政府委員(佐藤仁彦君) 文部省の行っております学校基本調査でお答え申し上げたいと思いますが、六十二年三月の卒業者分はまだ統計ができておりませんので、六十一年三月の卒業者について申し上げたいと存じます。 養護学校の中学部を卒業した者のうち、就職いたしました者は一・二%、九十五名でございます。六三%の四千九百九十人は進学いたしておりますが、無業者等の数は二千七百七人、三四%となっております。 また、高等部を卒業した者の進路状況については、卒業者数は六千四百六名となっておりますが、うち就職した者は千九百二十六名、三〇・一%。進学者は六十八名、一・一%。教育訓練機関等への入学者は五百二十六人、八・二%。授産所等に入所した方も含む無業者等の数は三千八百八十六人、六〇・七%となっておりまして、就職率は中等部も高等部も前年に比べて若干でございますが減少し、無業者が増加しているという傾向にございます。
○内藤功君 その原因は一体何かという問題ですね。今、全国的な例を挙げましたが、東京都では全国に先駆けて、就学を希望する全員入学を始めて十三年目になるわけです。しかし、この進路は非常に深刻であります。 例えば、東京都の障害児学校教職員組合の先生方が調査した報告を見ますと、昭和六十年度卒業生の方の総数九百九十二名のうち、就職できた生徒が二百三十九名、二四・一%。約四人に一人ですね。民間作業所へ入所した人が二百七十四名、二七・六%。その他、職業訓練開発センターへ行った方が三十二名。社会福祉施設が百三十二名。進学した人が百七名。入院、自営業、その他十六名。在宅が四十六名、四・六%。この在宅者は年々増加の傾向にあると私聞いておるんです。せっかく養護学校の教育を終えて卒業しても、企業を含めた社会が受け入れてくれないということでは、子供たちは挫折をして、その成長にも大きなマイナスになります。 労働省としては、一人でも多くの人が就職できるように養護学校卒業生に対する職業紹介にもっとひとつお努めいただくべきじゃないか。また、不幸にして就職できず、無業者、未就業者となった人に対しても、働くことができるようなあらゆる対策を講ずることを要望したいと思うんですが、対策、決意のほどを伺いたいと思います。
○説明員(小倉修一郎君) 養護学校の生徒につきましては、先生もよく御承知のとおりでございますが、近年在校生の障害の重度化が進んでまいっているところでございまして、したがいまして、そういった特に障害の重い方々につきましては、卒業後就職を最初から希望されないで、授産施設あるいは共同作業所等に就労するという方がふえてきている傾向が見られるというふうに私ども伺っておりますし、また、先生御指摘のように、就職を希望される方につきましても就職が決まらない、就職ができないという方も少なからず見られるところでございまして、そういったことから無業者が毎年増加傾向にあるということではなかろうかと思っているところでございます。 労働省といたしましては、就職を希望される重度障害者等につきましても可能な限り一般雇用の場を確保するということを基本といたしておりまして、養護学校等の教育機関と連携をとりながら、できるだけ早い時期からそういった就職希望者につきましては、例えば職場実習を行うとか、特別の職業指導を行うとか、そういったことを通じまして、きめ細かなそういう相談なり援助を行っているところでございます。 さらに、障害の重い方々の雇用の場の開発ということで、第三セクター方式によります重度障害者雇用企業の育成事業、これも積極的に進めているところでございまして、私どもとしてはこういう特に障害の重い方々に対する職場の開発を行う一方で、そういう養護学校等との連携を密にいたしまして、早い時期から職業指導なり職業リハビリテーションの計画を個人ごとに作成をして能力開発等々を進めていくとか、そういう両面から施策を充実いたしまして、先生御指摘のような問題をできるだけ解消するように努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○内藤功君 今の点、文部省の御見解を伺いたいと思います。
○説明員(下宮進君) お答えいたします。 盲聾養護学校などの特殊教育諸学校におきます生徒の進路指導につきましては、心身障害児の社会的な適応力を高めますとともに、可能な限り社会自立ができますよう、生徒の障害の状態とか適性等に応じた多様な職業教育を行っているところでございます。 また、この職業教育と並行いたしまして、労働、福祉、医療関係等の関係機関との連携も図りながら高等部等における進路指導の充実に努めているところでございます。 今後とも、特殊教育諸学校の卒業者が社会人として十分活躍できますように進路指導の徹底を図ってまいりたいというふうに考えております。
○内藤功君 次に、厚生省に伺いたいんですが、養護学校を卒業した未就業者、無業者の方の中には、授産所へ入所する人、地域の共同作業所に通う人もいますが、地域によってはこれらの作業所に入ったくても定員がいっぱいで、いわゆるあき待ちということで待機させられることも現実にしばしば起きております。 厚生省は、障害者関係の三事業、いわゆる身障、精神薄弱者、精神障害者に関しまして、小規模作業所一カ所について七十万円、非常に額は少ないと思いますが、補助を出しておるようですけれども、昭和六十二年度におきましては三事業合わせて何カ所ぐらい、どれくらいの予算をおつけになっておられるか。 それからまた、この助成措置をもっと強化して補助対象数も増加すべきだと考えるんですが、お考えを伺いたいと思います。
○説明員(村岡輝三君) いわゆる共同作業所でございますが、精神薄弱者の関係につきましては、昭和五十二年度から実施をいたしておるわけでございますけれども、これにつきましては前年度に比べまして二十七カ所増の百六十八カ所というご とにいたしております。 また、身体障害者や精神障害者を対象とする小規模作業所につきましては、今年度より新規対策として助成を行うこととしておりますが、身体障害者の関係につきましては七十五カ所、精神障害者の関係につきましては四十八カ所ということにしておりまして、合計で二百九十一カ所になりましょうか、ということでございます。 今後ともこの施策についてはその推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○内藤功君 未就職者、無業者の方の中には、企業には就職できなくても、現に共同作業所や福祉工場などでいわゆる雇用関係のもとで働いている方もおられるわけです。これらの雇用関係のもとにある方については、これは労働省としても当然助成措置を講ずるべきじゃないかと思いますが、この点いかがですか。
○政府委員(白井晋太郎君) お答えいたします。 先生御指摘の、共同作業所やいわゆる福祉工場におきまして雇用関係があると認められるものにつきましては、納付金制度に基づきます助成金を活用して援助を行っております。 福祉行政との関連もございますが、今後とも雇用関係があると認められる場合には、助成の対象として措置してまいりたいというふうに考えております。
○内藤功君 時間が参りましたので、残りの二つの点を一緒に聞きますのでお答えをいただきたいと思います。 一つは、先ほど同僚委員からも御質問がありましたので、私はもう端的に申しますが、精神薄弱者の雇用の義務を明確にしていただきたいということにつきましては、これは障害者団体やあるいは養護学校関係者の方々の切なる要望であるということを私は特に声を大にして申し上げておきたいと思います。改正の機会が必ず近い将来あると思いますが、その機会までに諸般の環境条件を整えていただきまして、次の改正にはこれがぜひ実現できるように検討、努力を要望したい、この点について一つ。 もう一つは大臣にお伺いをしたいわけであります。 今回の改正は、私よく法案を見まして、一つは精神薄弱者に対する対策の強化、それから法律の対象者を障害者全般に拡大しているということ、さらには職業リハビリテーションの対策を強化することとしているというような点につきましては、私はその内容について評価できるものがあると率直に思います。しかし問題は、この法律だけではいけないのであって、法律の実効が上がるようにしなくちゃいけないと思います。同僚委員からもお話がありましたように、すべての国民が勤労の権利を持っているわけであります。 障害者の権利宣言という国際的に有名な一九七五年十二月九日の宣言でも、「障害者は、その人間としての尊厳が尊重される生まれながらの権利を有している。障害者は、その障害の原因、特質および程度にかかわらず、同年齢の市民と同等の基本的権利を有する」等々の重要な宣言は、今国際的な原理で打ち立てられておると思います。今後ともこの障害者対策を、この法改正を機会に格段とひとつ強化して推進をしていただきたいと思うんですが、最後に労働大臣に障害者雇用対策にかける決意をお伺いしたい。 以上の二点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(平井卓志君) 前段で御指摘のございました精神薄弱者の雇用の義務づけ、これを次期改正までにどうかということでございますが、本委員会でも多少やりとりございましたように、精神薄弱者の雇用問題というのは、やはり一つには事業主のみならず社会の理解から生まれる連帯感によって解決されるべき点が相当ある問題でございまして、まだそうである以上、理念的に申し上げれば、すべての事業主が精神薄弱者の雇用に努めるべきものでございまして、また身体障害者同様、御指摘ございましたように働く意思と能力のある精神薄弱者に適当な雇用の機会を与える社会的な責務もこれ有する、こういうことができると思うわけでございます。 ただ、政府委員からも御答弁申し上げておりますように、やはり精神薄弱者につきましては身体障害者と異なりまして、まだまだ解決をしていかなければならぬ問題が残っております。このために、御案内のように今回の法改正において、義務は課さないけれども、障害者同様のカウントもするというふうな措置を講ずることとしたわけでございまして、今おっしゃいましたような法的な雇用の義務づけにつきましては、身体障害者雇用審議会の意見書にも指摘がございますように、今回の措置が障害者雇用に与える影響、さらには障害者雇用対策全般のあり方を実態に即して勘案しながら、将来、精神薄弱者の雇用に伴う諸問題が解決されていくこと等に対応しながら、十二分に検討していかなければならぬ問題であるというふうに考えております。 さらに、後段で御指摘ございましたように、どういうふうな考えでこれから進めていくかということでございますが、私は今回の法改正で十分に事足りるものとは決して考えておりませんで、まだまだ一つの途中経過であるというふうに考えております。 ただ、今回の改正案もリハビリテーションを含めまして、相当労働省としては従来の内容に比べて一歩も二歩も踏み込んだものであると考えておりますけれども、やはり先ほども私申し上げましたが、やはり法律、制度だけですべて有効に働くかということになりますと、法律はすべてそうでございますが、やはり運用の衝に当たる方たち、社会のそのことに対する政策目的に対する理解等々考えましたら、やはりこの法律の適正な運用と申しましょうか、やはり相当応分な配慮、さらには一歩二歩踏み込んで親切に、やはり十分に理解をしていただき、そのような効果が具体的に出るように、そういうふうな、これは事業主の啓発活動も含めまして、きめを細かくして、一層努力して最善を尽くさなければならぬ、かように考えております。
○委員長(佐々木満君) 以上をもって三案件に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐々木満君) 御異議ないと認めます。 それではまず、身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、討論はないものと認めます。 これより採決に入ります。 身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐々木満君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 田代君から発言を求められておりますので、これを許します。田代君。
○田代由紀男君 私は、ただいま可決されました身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公山党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読します。 身体障害者雇用促進法の一部を改正する 法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、その実現に努力すべきである。 一、雇用率達成指導の強化に努め、障害者の雇 用に消極的な企業については、企業名の公表 制度の活用についても十分検討すること。 二、マイクロエレクトロニクス等産業構造の変 化に対応した障害者の職域開発の推進を図る とともに、特に重度の障害者の雇用の促進が 図られるよう、今後とも、障害の種類・程度 に応じた諸対策の充実強化に努めること。 三、障害者の雇用の安定を図るため、就職後の 定着指導等のフォローアップに努めること。四、公共職業安定所、障害者職業センター、障 害者職業訓練校等における職業リハビリテー ション体制の整備及びサービスの一層の充実 強化を図ること。 五、職業リハビリテーション関係業務、納付金 関係業務等が的確に遂行されるよう日本障害 者雇用促進協会を十分に指導すること。ま た、雇用促進事業団等から日本障害者雇用促 進協会への業務の移管が円滑に行われるよう 十分配慮すること。 六、精神薄弱者の雇用の促進等を図るための条 件整備対策を引き続き推進するとともに、精 神障害者等の雇用に関し調査研究に努めるこ と。 右決議する。 以上でございます、
○委員長(佐々木満君) ただいま田代君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐々木満君) 全会一致と認めます。よって、田代君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、平井労働大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。平井労働大臣。
○国務大臣(平井卓志君) ただいま決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存であります。
○委員長(佐々木満君) 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○内藤功君 ただいま議題となりました公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件について、日本共産党を代表して、反対の意見を申し述べるものであります。 本承認案件は、労働者保護のための行政機関である労働基準監督署や、職業紹介、相談業務、雇用保険関係業務等を行う職業安定所を統廃合するという臨調行革の計画の一環であります。 地域住民の要求に応じて行政サービスの向上を図り、また産業や交通事情等の変化に対応して行政機関の合理的配置のための再編成を行うこと自体は必要でありますが、今回の再編整理計画は安定所一カ所及び出張所一カ所、合わせて二カ所の城となり、国民サービスの低下をもたらすことは避けられません。 以上の理由により反対するものであります。
○委員長(佐々木満君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐々木満君) 御異議ないと認めます。 これより採決に入ります。 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐々木満君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、討論はないものと認めます。 これより採決に入ります。 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(佐々木満君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、三案件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(佐々木満君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(佐々木満君) 次に、林業労働法案を議題といたします。 発議者千葉景子君から趣旨説明を聴取いたします。千葉君。
○千葉景子君 ただいま議題となりました林業労働法案につきまして、日本社会党・護憲共同を代表して、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国の森林は、国土面積の七〇%に当たる約二千五百万ヘクタールを占めておりますが、このうち人工林の面積は、約一千万ヘクタールに及び、その蓄積は十三億立方メートルと全森林蓄積の四割を超えるまでに達しております。 この豊かな森林は、木材などを生産し、建設資材、家具、紙などの形で国民の生活必需物資の供給を担う等の経済的機能を果たしているほか、国土保全、水資源の涵養、大気の浄化、自然環境保全、保健休養等の多面的な公益的機能など、はかり知れない重要な役割を果たしております。殊に、国土開発に伴う山地災害の多発化、水需要の増大さらには都市への人口集中などによる生活環境の悪化等から、森林の公益的機能の充実が一層重要となっております。 しかしながら、森林、林業を取り巻く状況は、近年非常に厳しく、危機的状況を強めております。すなわち、木材需要の六五%に及ぶ外材輸入と住宅建設の大幅な落ち込み等による国産材需要の不振、山村の過疎化の進行による林業労働者の減少等により、森林資源の保全、管理機能は著しく低下しております。特に、造林の育成に不可欠の除伐、間伐が大幅に立ちおくれ、脆弱な森林が増加するなど森林の荒廃は深刻な事態になってきております。このため、山地災害危険地区も昭和五十三—五十四年度の調査で十三万一千カ所であったものが、六十—六十一年度調査では、実に四万五千カ所も増加し、十七万六千カ所になるなど国土災害の危険性の増大、水害発生、水資源不足など、国民の生命と国民生活への重大な影響をもたらす状況があらわれつつあります。 二十一世紀へ向けて、人類が避けて通れない課題は、資源と環境だと言われます。我が国においてはまさに、林業こそが森林の育成を通して、この二つの課題にこたえ得るのであります。そして、この森林の育成に不可欠なのは、その生産の担い手である林業労働者の安定的維持と確保であります。 ところで、林業労働者とりわけ民間林業労働者の置かれている労働の実態は、極めて憂慮すべきものとなっております。すなわち、民間林業労働者は、季節的、短期的雇用が多いため不安定であり、健康保険、厚生年金等被用者保険の適用は、ごく少数であり、賃金は、他産業に比べて低い上に、出来高払い制のため、労働強化を強いられ、振動病の罹病者は毎年増加するという状況にあります。また、労働基準法さえ適用されないなど、まさに、劣悪過酷な労働条件のもとで重筋労働に従事しております。 このような民間林業労働者の労働環境のもとでは、新規学卒者や若年労働者の就労は皆無に等しく、労働力の高齢化は、憂慮すべき事態に立ち至っております。民間林業では、最も近代化が進んでいると言われている森林組合労務班員でも四十歳以上が八八・五%、うち六十歳以上は二一・八%、三十九歳以下は、わずか一一・五%、うち二十歳以下は〇・二%という実態にあり、このまま推移するならば、林業の担い手はいなくなり、我が国の森林、林業の危機的状況は、一層深刻なものとなることは、明白であります。 世界的な森林の減少による環境変化が懸念され ている中で、今後、我が国が森林の管理を適正に実行し、国産材の供給能力を飛躍的に向上させ、国産材時代への展望を切り開いていくためには、何といっても、その生産労働力の確保対策が重要であります。しかるに、現行労働関係の諸法律やその運用のみでは、林業労働の特質からくる諸問題は解決し得ないところであります。 したがって、民間林業労働者の雇用安定、労働条件の改善、安全衛生・福祉面での施策の整備、充実等のためには、林業労働の特質を踏まえた新たな立法が必要であります。 これが、日本社会党・護憲共同が林業労働法案を提案する理由であります。 次に、法律案の主な内容について御説明申し上げます。 第一に、この法律は、林業労働者の雇用の安定、労働条件の改善、安全衛生の確保、福祉の増進等に関する施策を講ずることにより、林業労働者の地位の向上を図るとともに、山村地域の振興に寄与することを目的としております。 第二に、林業労働計画の策定であります。すなわち、労働大臣は、本法の目的を達成するための基本となるべき事項について、五年ごとに、全国林業労働計画を策定し、都道府県知事は全国林業労働計画に即して、毎年、市町村長が策定した市町村林業労働計画に基づいて、都道府県林業労働計画を策定することとしております。市町村長が策定する市町村林業労働計画では、林業の事業の量、林業労働者の雇用の安定及び福祉の増進に関し必要な事項について規定し、山村経済の発展のための林業の振興及び林業労働者の雇用の開発について配慮することとしております。 第三に、専業労働者とは、常用労働者以外の林業労働者で、一年間に通常九十日以上雇用されるものをいい、兼業労働者とは、常用労働者及び専業労働者以外の林業労働者で、時季を定めて一年間に通常三十日以上雇用されるものをいうこととしておりますが、公共職業安定所長は、林業労働者について、専業労働者及び兼業労働者別に林業労働者登録簿に登録するとともに、林業事業体の届け出に基づき、林業事業体登録簿を作成することとしております。また、林業事業体は、公共職業安定所の紹介を受けて雇い入れた者でなければ、林業労働者として林業の業務に使用してはならないものとしております。 第四に、林業労働者に対して、一年間のうち最低限の雇用が確保されなかった場合及び本年度雇用実績が前年度雇用実績を下回った場合においては、雇用の安定を図るため、雇用保障手当を支給することとしております。雇用保障手当の費用については、一定規模以上の森林所有者、林業事業体及び登録林業労働者から納付金を徴収するとともに、国が費用の三分の一を補助することとしております。 第五に、振動機械を使用する登録林業労働者等について、定期及び特殊の健康診断を義務づけるとともに、振動障害を予防するため、出来高払い制の禁止、振動機械の操作時間の規制等を行うこととしております。また、振動障害者の福祉増進のため、国は、療養施設等の設置、軽快者の雇用安定のための助成・援助、職業転換希望者に対する職業訓練等について、それぞれ、適切な措置を講ずるよう努めなければならないこととしております。 その他、政府は、労働保険及び社会保険制度について検討を加え、その結果に基づき、速やかに、必要な措置を講ずるものとし、また、労働基準法の労働時間、休憩及び休日に関する規定を林業労働者にも適用するために、労働基準法の一部改正を行うことのほか、監督、罰則等について所要の規定を設けることとしております。 以上がこの法律案の提案理由及び内容の概要であります。何とぞ、御審議の上、速やかに御可決くださるようお願い申し上げます。
○委員長(佐々木満君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ります。 —————————————
○委員長(佐々木満君) 次に、児童扶養手当法等の一部を改正する法律案、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案、臨床工学技士法案、義肢装具土法案、以上五案を便宜一括して議題といたします。 まず、政府から順次趣旨説明を聴取いたします。斎藤厚生大臣。
○国務大臣(斎藤十朗君) ただいま議題となりました児童扶養手当法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。 母子家庭及び心身障害者に係る各種手当制度並びに老人、障害者等の所得保障の中心である年金制度につきましては、従来からその充実に努めてきたところでありますが、最近の厳しい財政状況のもとにあっても、母子家庭、障害者、老人等に対しては社会経済情勢の動向に対応した適切な配慮がなされる必要があります。 今回の改正案は、このような趣旨にかんがみ、児童扶養手当、特別児童扶養手当、障害児福祉手当、特別障害者手当等の額の引き上げを行うとともに、拠出制国民年金、厚生年金及び老齢福祉年金について給付の改善等を行うこととするものであります。 以下、改正案の内容について、御説明申し上げます。 まず、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の改正について申し上げます。 第一に、児童扶養手当の額につきましては、児童一人の場合月額三万三千七百円から三万三千九百円に、児童二人の場合月額三万八千七百円から三万八千九百円に、それぞれ本年四月から引き上げることとしております。 第二に、特別児童扶養手当の額につきましては、障害児一人につき月額二万七千二百円から二万七千四百円に、重度障害児一人につき月額四万八百円から四万千百円に、それぞれ本年四月から引き上げることとしております。 第三に、障害児福祉手当、特別障害者手当及び特別障害者手当制度の発足に伴い経過的に支給されている福祉手当の額についてでありますが、障害児福祉手当及び経過的に支給されている福祉手当の額につきましては、月額一万千五百五十円から一万千六百五十円に、特別障害者手当の額につきましては、月額二万八百円から二万九百円に、それぞれ本年四月から引き上げることとしております。 次に、国民年金法等の一部を改正する法律の改正等年金制度の改善について申し上げます。 第一に、拠出制国民年金及び厚生年金の物価スライドの特例措置について申し上げます。 現行の制度におきましては、消費者物価上昇率が五%を超えた場合に物価スライドを実施することとなっておりますが、昭和六十二年度におきましては、特例として昭和六十一年の物価上昇率に応じた年金額の引き上げを、本年四月から実施することとしております。 第二に、老齢福祉年金の額につきましては、拠出制年金の額の引き上げに準じて月額二万七千二百円から二万七千四百円に、本年四月から引き上げることとしております。 第三に、旧国民年金法による老齢年金につきましては、昭和六十二年二月から、現行の年四回支払いを、二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の年六回支払いに変更することとしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概略でありますが、この法律案につきましては、昭和六十二年四月一日から施行することとしておりましたものを、衆議院におきまして、公布の日から施行し、昭和六十二年四月一日にさかのぼって適用することとする修正がなされております。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、ただいま議題となりました原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 広島市及び長崎市に投下された原子爆弾の被爆 者については、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律により、健康診断及び医療の給付を行うとともに、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律により、医療特別手当等の支給を行い、被爆者の健康の保持増進と生活の安定を図ってまいったところであります。 本法律案は、被爆者の福祉の一層の向上を図るため、医療特別手当等の額の引き上げを行うこととし、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正しようとするものであります。 以下、その内容について御説明申し上げます。 まず第一に、医療特別手当の額を、現行の月額十一万八百円から十一万千六百円に引き上げることであります。 第二に、特別手当の額を、現行の月額四万八百円から四万千百円に引き上げることであります。 第三に、原子爆弾小頭症手当の額を、理行の月額三万八千百円から三万八千四百円に引き上げることであります。 第四に、健康管理手当の額を、現行の月額二万七千二百円から二万七千四百円に引き上げることであります。 第五に、保健手当の額を、一定の範囲の身体上の障害のある者等に対し支給されるものについては、現行の月額二万七千二百円から二万七千四百円に、それ以外のものについては、現行の月額一万三千六百円から一万三千七百円に引き上げることであります。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては、昭和六十二年四月一日から施行することとしておりましたものを、衆議院におきまして、交付の日から施行し、昭和六十二年四月一日にさかのぼって適用することとするとともに、これに伴う経過措置を規定する修正がなされております。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、その置かれた状況にかんがみ、年金の支給を初め各種の援護施策を講じ、福祉の増進に努めてきたところでありますが、昭和六十二年度においても、年金等の支給額を引き上げることとし、関係の法律を改正しようとするものであります。 改正の内容は、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正し、障害年金、遺族年金等の額を恩給法の改正に準じて引き上げるものであります。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要でありますが、この法律案につきましては、昭和六十二年四月一日から施行することとしておりましたものを、衆議院において、交付の日から施行し、昭和六十二年四月一日にさかのぼって適用することとする修正がなされております。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。 次に、ただいま議題となりました臨床工学技士法案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 近年、医療機器は目覚ましい進歩を遂げ、医療の重要な一翼を担うようになってまいりました。特に、人工透析装置、人工心肺装置、人工呼吸装置等人の呼吸、循環または代謝の機能を代替または補助するために使用される生命維持管理装置は、医療の分野に新たな可能性を開くものとして大きな役割を果たしております。 しかし、生命維持管理装置の操作及び保守点検には、単に医学的知識ばかりでなく、工学的知識も必要とし、装置そのものも時代とともにますます高度かつ複雑なものとなってきております。 この法律案は、このような現状にかんがみ、新たに臨床工学技士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるようにしようとするものであります。 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。 第一に、この法律案において臨床工学技士とは、厚生大臣の免許を受けて、臨床工学技士の名称を用いて、医師の指示のもとに、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とする者をいうこととしております。 第二に、臨床工学技士になるためには、臨床工学技士国家試験に合格し、厚生大臣の免許を受けなければならないこととしており、国家試験を受験するためには、高等学校卒業後、一定の養成所等において、三年以上臨床工学技士として必要な知識及び技能を修得すること、大学において一定の科目を修めて卒業したこと等を必要としております。 第三に、国家試験の実施に関する事務は、厚生大臣の指定する者に行わせることができることとしております。 第四に、臨床工学技士は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携に努めなければならないこととするとともに、臨床工学技士でない者は臨床工学技士という名称またはこれに紛らわしい名称を用いてはならないこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、ただいま議題となりました義肢装具士法案について、その提案の理由及び内容の概要を御調明申し上げます。 近年、リハビリテーション医療の分野において、義手、義足、ギプス等の義肢装具を手術直後の患者に装着して早期訓練を行うことにより、円滑な社会復帰を促進することを可能とする、いわゆる超早期リハビリテーションが普及、定着しつつありますが、これに伴い、義肢装具を製作し、身体に適合させる等の業務に従事する者が臨床の場において重要な役割を果たすようになってまいりました。 また、義肢装具は近年ますます高度かつ複雑なものとなってきており、個々の患者に適した義肢装具の製作適合等を行うには高度の専門的技術が必要とされております。 この法律案は、このような現状にかんがみ、新たに義肢装具士の資格制度を定めるとともに、その業務が適正に運用されるようにしようとするものであります。 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。 第一に、この法律案において義肢装具士とは、厚生大臣の免許を受けて、義肢装具士の名称を用いて、医師の指示のもとに、義肢装具の製作適合等を行うことを業とする者をいうこととしております。 第二に、義肢装具土になるためには、義肢装具士国家試験に合格し、厚生大臣の免許を受けなければならないこととしており、国家試験を受験するためには、高等学校卒業後、一定の養成所等において、三年以上義肢装具士として必要な知識及び技能を修得すること等を必要としております。 第三に、国家試験の実施に関する事務は、厚生大臣の指定する者に行わせることができることとしております。 第四に、義肢装具士は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携に努めなければならないこととするとともに、義肢装具士でない者は義肢装具士という名称またはこれに紛らわしい名称を用いてはならないこととしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(佐々木満君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 五案に対する質疑は後日に譲ります。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時二十七分散会 —————・—————