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108回国会参議院1987/03/13

国民生活に関する調査会 第3号

発言数
86
登壇者
22
会派数
6
開催日
1987/03/13

会議録

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。  まず、国民生活に関する調査のうち、国際化に伴う教育上の諸問題に関する件を議題といたします。  本件については、前回文部省より既に説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 三、四点御質問させていただきます。  大変失礼な話ですが、前回文部省からのせっかくの説明の機会に私自身が出席をいたしておりませんので、他の委員の方から、また、事務局の皆さんからお聞きをいたしまして、その上での質問でございますので、前回説明をされたことがこの中に含まれているかもしれませんけれども、その点、文部省の方々には御了解いただきまして、質問さしていただきたいと思います。  まず、お願いをしておきたいんですが、ここでは文部行政全体をぶち切るというような、そういう話の場ではないというふうに思いますし、国際化ということを意識して、教育上の問題、国民意識の問題、こういったことをとらえての立場での質問の展開ということになるんだろうというふうに思いますので、ひとつ文部省の方も余り肩を張らないで、ざっくばらんにお答えいただくようにお願い申し上げたいというふうに思います。  その第一は、国際化という問題について臨教審の方でもかなり論議をしている模様でございますが、その中には新国際学校などの提案もあるようでございます。私どももニュースとか新聞等で拝見する程度でありまして、今のところ臨教審での討議模様や答申内容等、中間報告にしろ答申されている問題について聞いておらないんでありますけれども、臨教審の論議として、国際化問題に対する教育のあり方としての基本的な認識と具体的な問題提起といいますか、そのようなことについて、文部省として把握されているというふうに思いますので、ぜひこの場でその点御紹介をいただけないかというふうにまず第一点申し上げておきたいと思います。  さらに第二点といたしまして、前回もかなり参考人の方からも問題提起がされたようでありますが、国際化をめぐって教育上果たさなければならない役割と問題点は何かということについてでございます。この点臨教審の議論と関係もあろうかと思いますけれども、私は、この教育の役割と問題点ということについて余り難しく考えずに、とにかく違和感を持たないこと、持たせないこと、こういったことの教育上の配慮というのが必要ではないかというふうに率直に言って思っております。  これは私もかなり体験していることなんですが、日本人の場合にはどうしても言葉の不自由さという問題があって、国際会議などではロビー活動が決定的な意味を持つと私は認識をしているんですが、残念ながら言葉の不自由さから日本人だけが集まってごそごそやっている。そして、むしろ開発途上国の皆さんの場合には、本会議での発言は大したことないけれども、やはりロビー活動を通じていろんな成果を上げているという姿を実は見るわけです。本来ならば、恐れず、おののかず、手足を使ってでも表現をしていけば結構言葉としては通ずる場合が多いんでありますけれども、そんなこともどうしても日本人の場合になされない、しないということが数多いというふうに思うんです。したがって、このところは、やっぱり外国人とか外国語とか、何となく違和感あるいはまた、劣等感というものがあってというふうに私は思うんですけれども、やはりこれからの世代はどちらにしてもそういう違和感とか劣等感を前提にしてせっかくの国際化への機会を逃がすということのないようにしなければならないというふうに率直に言って思っているわけであります。  そうしますと、現状英語教育が中心だろうと思うんですけれども、これを外国語一般というふうに理解をして、外国語教育に対する、今行われている教育というものに一体どの程度ウエートをかけようとしているのか、かけてきたのかということを第一点としてお聞きしたい。同時にまた、指導教官の資質の向上という問題が、前回そういう言葉ではなさそうですが、かなり強調されたように思うんであります。そういった指導教官の資質の向上ということについて一体どんなことをお考えになっているのか。同時にまたこれに関連をして現地教育という、とにかくフィリピンならフィリピン、あるいはまた、イギリスならイギリス、マレーシアならマレーシアという国に直接行って、やはりその国の文化というものも含めながら語学というものを身につけないと本物になっていかない。指導教育に当たる教官の場合は特に私はそうだと思うんですが、そういった面の制度的なものが今日あるのかないのか。あるいはないとすれば、今後国際化ということを意識した場合にはぜひ必要なはずだが、こういう問題について文部省としてどうお考えなのかということをお聞きしておきたいというふうに思うのであります。  さらに、違和感を持たない、劣等感を持たないという意味ではやはりなれることだというふうに端的に私は思います。外国の子供を相手にして英会話をする場合に、あんな小さい子がぺらぺらしゃべれるのに我々がそれになぜ応対できないのかというむなしさみたいなものを感ずるのですが、これは外国人から見て、日本の子供たちと対話する場合に日本語がしゃべれないということで同じように感ずるでしょうが、その感じ方がかなり違うように思います。つまり多民族国家を人間社会として是としている立場で言葉が通じる通じないという問題、我々の場合には多民族国家ということについて否定しているわけじゃないけれども、どちらかというと単一民族であるという言葉に表現をされるように、単一であることが他にまさるという意味合いを意識しているのか無意識なのか、いずれにしてもそういう事態にあるんですが、そういう立場の者が言葉を話せないという、この劣等感というか違和感の感じ方というのは大変違いがあると思うんです。  したがってこれらをなくすには、どうしても外国人とのつき合いというものをかなり前面に出した教育というものをやっていくことが非常に大事なことではないか。そして学校生活の中でも、少なくとも日常語ぐらいは会話として学校の中にあちこちで存在する、そういう問われ方をしても日常会話的なものは答えられるというか、そういうものを義務教育なら義務教育の中でどういう枠組みをつくりながらやっていくかということも極めて重要だと思うんですが、いずれにしても数多く外国人とおつき合いをする、そういう機会を多くする、そういう環境をいわばつくるという点ではやはり会話を重視するという教育のあり方というものが必要ではないかと思う。文法などに余りこだわらない、ほとんどこだわらないでもいいというぐらいの気持ちでやるべきではないかというふうに思うものですから、そういった点では一番早道は、何といっても外国人教師というものをかなり多く、小学校で言うならば少なくとも五人ないし六人ぐらいはどの学校に行っても外国人教師がおって会話の指導がされているというふうなそういう形のものを教育上配慮すべきじゃないか。  あるいはまた、幼児教育というものは今幼稚園ということになっていますけれども、幼児教育という言葉が幼稚園に当てはまるのかどうか私はわかりませんが、いずれにしてもての世代に英語なら英語、フランス語ならフランス語というものを聞かす、外国語を聞かすとかなり抵抗感がなくなる、スムーズにそれに対して対応できる資質ができ上がるというふうにも言われているわけでして、そういったもろもろの問題を含めて数多く外国人あるいは外国人の先生を導入することによって違和感や劣等感を持たないような一つの国民性というものをつくっていくことが国際化という問題でも極めて重要なことではないか、こういうふうに思いますので、それらを含めてお答えをお願いしたいと思います。  そして三つ目に最後の項目になりますが、今度は留学生の問題についてお伺いしたいのであります。  まず第一には、二十一世紀まで十万人の留学生を受け入れる、つくり上げる、こういう立場での文部省のお考えが示されました。結構なことだというふうに私は思います。ただ問題は、政府が負担するという場合とそれから私費で留学する場合ということを考えますと、国際会議招集に当たって開発途上国の場合には開催国が旅費とかあるいは宿泊費を負担をするということが実態としてかなり多く存在しているわけですね。わずか一週間やそこらの会議開催に当たってもそういうことが言われているだけに、他の国が政府負担でということになるとおのずから何となく限界というものが出てくるのじゃないか。我が国がそれを負担するという前提での公費の支出ということであれば我が国の財政との関係という意味合いでつくり上げればいいと思うんですが、それやこれやを考えますと十万人という問題についてそれだけのニーズが起きてくるんだろうかということが一つ心配なのと、それからそういうニーズが起きてくるとすれば、例えば宿舎問題一つ考えてみても果たしてこれを受け入れるだけの態勢というものを十分論議された上でそういう方針が決められているのかどうかという問題です。この辺のことが一つ気にかかるということ。  それから二つ目には、実は現在の公費と私費で来る割合というのは、国の負担で来るという場合には二五%弱ですか、そのくらいの割合になっているような気がいたします、全く大ざっぱですけれども。十万人の場合になりますとそれが一〇%の割合になって、機械的に当てはめろとは言いませんけれども、少なくとも今現在ぐらいの割合というものを政府あるいは我が国という形のものにしていくくらいでないとこの十万人のニーズという問題がひっくり返っていくんじゃないかと、それ自体に疑問が持たれていくことになりはしないかというようなふうに考えられるので、その辺のことについてお伺いを二つ目としてしておきたい。  それから三つ目には、最後になりますけれども、実は卒業した後のフォローの問題が非常に重要だというふうに私は思うんであります。確かに四年、五年日本に滞在するということは、いささかなりとも日本の文化というものを吸収をしながら日本語というものを会得し、また日本語を通して日本の経済とか産業とか財政とかそういうものに対する認識ですね、知識を得ていくということに私はなるんだろうと思うんです。ただ、こういった方々が日本の大学を卒業されてその後一体どうなるかということになりますと、私たちも経験があるんですけれども、自国に帰らないで他国に行ってしまうというようなことがよく見られるわけであります。本来インドならインドの国から派遣をするということは帰ってきてやってもらいたいということが建前になっているわけなんですけれども、インドに帰っても力量の発揮のしようがないという意味合いを含めて、途端にアメリカへ行ってアメリカに帰化してしまうということがあってみたり、さまざまな問題が出てくる。それはアメリガが受け入れるからその本人にとってはよろしいのですが、では逆に日本というふうになった場合、我が国に残りたいというふうになった場合果たしてどうなんだろう。何か民間の企業では採用しても一定のポストにつけない、任用上は差別があるんじゃないか、こう言われるようなことが往々にして起きているということをよく聞くんですけれども、ぜひこの問題については、日本に残りたいという者は日本の政府自体が行政官庁に採用する、そして五年、十年ぐらい日本でまたひとつ学んだものの実力を発揮しながら身につけて本国に帰ってもらいたい、こういうふうになるようなことも考えなければ、この十万人というものを掲げて留学制度を確立しようじゃないかということが本当の意味で国際化というイメージでとらえられていかないという気がいたしますので、そういう立場に立ってひとつ文部省としてのお考えをお聞かせいただきたい。  以上でございます。

菴谷利夫文部省大臣官房審議官

○説明員(菴谷利夫君) ただいま先生から国際化に関連しまして非常に広範な御指摘がございました。大綱的に言うとかなり示唆に富んでおりますし、またお話のような点はいろいろと国民一般ないしは関係者からもお話がありまして、相当参考になるお話でございます。  それで、大きく三点お尋ねがありましたまずその第一点の臨教審における国際化をめぐる審議状況、いろいろございまして、逐一あれしますと細かくなっちゃいますのでざっと申し上げますと、臨教審は従来一次答申、二次答申と出してきましたんですが、もう一次答申が一昨年の秋に出る前から、これから国際化への対応を日本はやらなきゃいけない、当然教育の面でも力を入れなきゃいけない。そこでいろんな議論がされましたが、一応のまとめとしては、第二次答申が昨年の五月ごろ一応の話を出されました。そこでは、項目としては、このごろ海外へ行く企業その他の方々、その子弟もおりますので、それの子供さんの帰ってきてからの帰国子女の教育の充実の問題、それからまた、あちらに出かけています日本人学校その他補習学校等ありますが、そういうところでの教育にもっと力を入れる、それからそういった経験をして帰ってきた子供たちの現地での体験やらあるいは語学能力やらを教育の中でどう活用していくかというような問題をいろいろ指摘されました。  それから、三番目に御指摘のありました留学生受け入れ態勢の整備充実の問題、それからこれも御指摘がありました外国語教育、これは文法その他読み書きはある程度日本人もできるんでございますが、コミュニケーションの手段としては非常に弱いという、文化の等質性あるいは非常に日本が明治以来頑張ってきたがゆえに翻訳が相当いっているわけです。哲学、文学、理学何もかも、とにかく日本の本屋へ行って我が国のものはもとより外国の古典的なものでもまず翻訳のないものはないくらいに発達したがゆえに、逆に言うとそういうことで日本の文化の伝達ないし拡充はある程度間に合ってきたということからいって、原書をさらに突っ込んでやる方々等から考えますと、とにかく難かしい文献を読むというようなことにどうしても力が入る、あるいは文学の鑑賞というようなことに力が入るということで、意識はされたと思いますが、実用の面がどうしてもおくれていたというような指摘がありました。  それから逆に今度は、小さな世界になった、コミュニケーションの手段がかなり発達し、往来も激しくなりました。それとともに、日本の経済力あるいはその他いろいろな面での役割が大きくなった、大きな日本。そういう相対関係の中でどうしても日本はある程度国際的に果たしていかなければならない、もちろんいろんな節度を守りながらだと思いますけれども、小さくなった世界と大きくなった日本との関係で、先ほど先生二番目の点で御指摘がありました国際化をめぐっての役割とか問題点でありますが、そういう観点からいろんな貢献をどうやってしていくか、学術研究その他の問題でもそうでございますし、そこをいろいろ考えていかなきゃいけない。それから、なお一層日本は外国の情報はいろいろ、他の国々よりマスコミも発達していますから、かなり入ってはいると思いますが、それでもやはりかなり文化的な違いもありますから、国際理解という面ではまだまだ必要であろうというようなことも御指摘になっておられます。  そういうことで、かなり帰国子女あるいは在外の子女、そういったことも意識しながらいろんなことをやっていかなきゃいけない。それとともに、審議状況の御説明とやや二番目のお尋ねとのちょっとチャンポンな話になりますが、日本語教育、外国人の方々も日本語にかなり関心を持って、やはり日本の経済、社会あるいは文化の独自性というものに対する興味というものが相当高まってまいりました。したがってアジア諸国のみならず欧米でも日本語を学びたいという人たちは、実務的な仕事をやっている人たちも含めてかなりふえております。現実にテレビなんか見ますと非常に堪能な日本語をしゃべる外国人もふえておりますが、そういうことで、それを正しく教えるための日本語教員の育成が必要であろうということなども言っております。  あと、臨教審の場合、具体的に細かくこうしなさい、ああしなさいというよりも気持ちとか方向を出しておりますので、うまくかいつまんで言えないわけでございますが、国際マナーを身につけさせるとか、あるいは先生がおっしゃったいろんな生活体験を現地で学ぶとかいうようなことも含めて文化の交流をさらに図るとか、あるいは日本の学術研究も基礎的な面でいろいろと追いついてきておりますから、さらにそれを進めてそういった面での外国への貢献という意味で学問の交流、学術の交流、それから留学生、さっき御指摘がありましたような二十一世紀に向けてできるだけ十万人に向けて頑張っていく問題、そういったことが長い表現でいろいろと指摘されているわけでございます。  それで、国際化をめぐっての教育上の役割と問題点でございますが、まずやはり日本は、これだけ物をつくって外で買ってもらって、そしてさらに生活を豊かにしてきたということもありますし、今後ともそういう面が必要でございましょうから、何かの形で世界に貢献していかなきゃいけないということから、高等教育なんかもできるだけ国際化をする、あるいは大学院を充実して基礎、基本の研究を高めて、そういったものを世界的な面で交流を図っていくというようなことも考えられます。  それから、外国語教育についても当然、先ほど先生おっしゃったように実用面、聞く、話すということを重要視していかなきゃいけない。これは大学教育のみならず中高という英語を始める段階からやらなきゃいけないわけですが、もちろん実際の体験をみんなにやらせりゃいいんですが、そうなかなかいかないというと指導者としての先生のそういう実務面の能力が必要だ。そういうことでまず教員養成の段階でも、全員とはいきませんけれども、希望者を募ってある一定期間海外留学に行ってもらう、あるいは既に先生となった英語の先生等を特別にアメリカ、イギリスその他英語をしゃべる国へ行って勉強してもらう。それから先生の海外派遣ということでかなりのチームが行って実際の体験をし、そういうなれないところで自分で言葉を使って違和感といいましょうかを取る、そういう体験、それから日本と外国とのいろんな比較を実地に見聞をして帰ってきて教育の面で生かすとか、そういったこともやっておるわけでございます。  あと、幼児教育その他も御指摘になりましたけれども、言葉ですからできるだけ小さいうちからなれさせるということは非常に重要でございます。ただ幼児教育の場合は、いわゆる細かいことをいろいろやりますとかえって発達段階との関係で、日本語も十分いかないうちに外国語が先に入ってしまうとかいうこともいかがかという議論もありまして、この点は今後要検討課題だろうと思いますが、まあ歌などを歌ってそういう言葉になれていくということもあるいは方法かもしれません。これは幼児教育関係者の専門的なことをもう少しよく聞いて文部省としても進めていかなきゃなりませんが、幼稚園に限らず、小中高につきまして、教育課程をさらに改善していくということで教育課程審議会でいろいろと議論がされております。いずれそこの結論がおいおい出てくると思いますが、その段階で幼児教育についても何か触れられるかもしれない。今のところ何とも断定は申し上げられませんが、そういう状況でございます。  いろいろと広範にお尋ねいただきましたので、留学生の問題は交代いたしますが、どこまで先生の御指摘に対してお答えができたかちょっと不安でございますけれども、とりあえずここで一応切らせていただきます。

重藤学二文部省大臣官房審議官

○説明員(重藤学二君) それでは、第三点の留学生の問題についてお答えをいたします。  ただいま先生からお話がありましたように、二十一世紀の時点で十万人という努力目標を掲げて施策を展開いたしております。この十万人といいますのは、五十八年に留学生政策懇談会という有識者の懇談会を設けまして、それで今後わが国の国際的な地位、役割ということにかんがみて留学生が欧米先進諸国に比べて非常に少ないじゃないか。それにはそれなりの原因があったわけでございますけれども、そこで、例えばフランスが約十三万人、あるいは西ドイツが七万五千人、イギリスが四万人というような状況でございますが、とりあえずの努力目標としてフランス並みの十万人というのを掲げて官民で努力をしょうじゃないかということになっておるわけでございます。現在、昨年の五月現在で一万八千人という数字になっております。これは数年前と比べてみますと、昭和五十六年度のときには七千人であったわけでございますが、その後平均いたしまして過去五年間二一%の増を見ております。殊に六十年から六十一年にかけましては二四%の増加があったということでございます。  この提言に基づきまして一応の計画というものを、これも学識経験者によって組織する協力者会議というのでお示しをいただいております。それによりますと、六十七年度までに四万人までもっていく、その後、後期として二十一世紀に十万人ということになっております。平均いたしますと、前半が大体平均して一六%増という数字で四万人に達し、後期におきましては平均一二%増で二〇〇〇年に十万人になるという、数字の上ではそういうことになっておりまして、過去数年の増加率からいきますとかなり目標に到達する、一応数字の上では順調に伸びておるというふうに考えております。  しかしながら、ある程度の数がふえできますとそう容易になかなかいくものじゃない。殊に、先ほど先生から御指摘ありましたように、宿舎というのは非常に大事でございます。十万人という目標を掲げたときに、宿舎はどうするかということは、それほどきちんと詰めておるというわけではございません。一応目標を掲げて、そして国もそれから地方公共団体、民間それぞれいろんな協力をし合って、いろんな施策を展開していって、なるべくその目標に到達するようにということでございます。  宿舎について現状ではどういうことをやっておるかということを簡単に申し上げますと、現在、宿舎は約七割以上が下宿、アパートというようなことになっております。日本人でも住宅事情はなかなか大変なときでございますので、留学生も相当苦労をしておるということは重々承知いたしております。できるだけ文部省といたしましては、例えば国立大学に留学生の宿舎をつくる。これは毎年増設を図ってきております。大体三百室から四百室ぐらいを毎年つくっておりますし、それから最近では、日本国際教育協会という留学生会館を持っております団体では、新たに来年度から三百五十室を持つ留学生会館を祖師谷に新築するということで、もう実施設計は今年度終えております。そういうふうに国費による宿舎の増設と、それから地方公共団体の公営アパート、あるいは住宅公団等のところにも入居資格を認めてもらうということもいたしましたし、最近では企業の社員寮が大分あいておるという状況があるようでございまして、その社員寮に留学生を入れてあげようという運動が経済界の方で進められておりまして、多分三月から入居が始まるというようなことも聞いております。このようにいろんな各界の御協力をいただきながら進めておるわけでございます。  それから、公費と私費の割合でございますが、これも先進諸国は、留学生総数のうち国費というのが大体一〇%以下でございますので、それを見まして九対一と一応の試み、そういうふうになるだろうということで数字を挙げておりますが、しかしながら先ほど申し上げました前期におきましてはできるだけ国費の充実を図るということに努力をしておりまして、毎年国費留学生の増額を図っております。これはその留学生の増の状況に応じまして、あるいはまた民間の奨学団体が最近よくできておりますが、これらの進み方を見ながら、あるいは財政の状況もございますが、柔軟に対応していきたいということでございまして、必ずしも九対一というのがこうすべきだという数字ではございませんので、先生の御指摘のようなことを念頭に置きながら柔軟に対応していきたいと思います。  それから、アフターケアは、本来、その国に帰って、特に発展途上国の留学生につきましては、日本で十分な教育あるいは研究をして、帰国をしてそこの国の発展に重要な役割を果たしてもらうということが趣旨であろうかと思いますし、そのように奨励しておるわけでございますが、強制するわけにいきませんので、日本に残るというような人がいれば、先ほど先生の御指摘のようなことも含めまして、また関係省庁とも相談をして、適切な対応を図っていきたいというふうに考えます。

坂野重信自由民主党

○坂野重信君 文部省の皆さんにお伺いしたいと思います。答弁できる問題もあるでしょうし、答弁できない面もあるでしょうけれども、時間の関係もありますのでなるべく簡単明瞭にお答えいただきたいと思います。  私が質問したいのは二点あります。第一点は語学教育の問題、改善方策、第二番目が、さきの質問と重複しますが、留学生問題です。この二つに限って質問いたします。  第一番目の問題は二つに分かれておりまして、語学教育について第一番目は外国語、特に英語の会話能力の増進策。当調査会では、御案内のとおりに、今まで何回となく参考人の皆さんから意見を聞いたわけですが、大多数の皆さんの意見は、外国語、特に英語に関する会話能力が日本人は本来非常に低い、どういうぐあいにしたら会話能力が上がってくるかということの中で一つ指摘になったのは、やっぱり入学試験の問題が一番大きな問題だと。端的に大学の問題を、文法だとかいわゆる翻訳だとか作文というようなことに重点を置いて、会話の試験なんてないわけですよ。そこで、思い切って資格試験のようなことで、ある一定のレベル以上の会話能力があればいいんだというようなことで踏み切れないかというのが一点です。もちろん語学を専攻される英文学とかそういう話学の専門の方は別ですけれども、一般の方については、そういった外国語については一定の資格試験で、一定のレベル以上ありさえすればいいんだというような考え方に立って、ひとつ入学試験の試験方法というものを思い切って改革できないかという意見が非常にありました。それに対する文部省としての見解をお伺いいたしたい。  それからもう一つは、先ほど話があったように幼児教育の問題です。今はどうなっているか知りませんが、中学あたりからぼつぼつ英語の教育なんかも始めると思うんですけれども、幼稚園は無理としても、少なくとも小学校あたりからいわゆるそういった語学、会話能力を増進するような教育が始められないか。これは、文部省の従来の慣例から言うと大変難しいと思いますけれども、思い切ったそういう政策を考えていかなければ、こういった国際化の時代に向かって、日本人がどうも外国語が話せないために、外交官になっても日本の外交官ははっきり言えば落ちるわけですよ、外国の皆さんに比べると。それは、やっぱり子供のときから耳がなれていない、話すことになれていないということです。私自身も昔二年半ばかりアタッシェの経験がありますけれども、一年や二年勉強したってなかなか身につかぬわけですよ、会話能力というものは。そういうことを考えますと、これからの国際化時代に入ってやっていくには、やっぱり子供のときから早く外国語に習熟させるということが一番大事だと思います。そういう点についてのひとつ答弁をお願いしたいと思います。  それから二番目は、日本語の普及策。この間からもいろいろ参考人の方々等から聞きますと、シンガポール、香港、オーストラリア等その他に日本語学校が大分できて、今、数百万人の皆さんが世界各国で日本語の学習をやっている真っ最中だと。そういう中で、日本語の今後の普及策について文部省としてはどういうぐあいにお考えになっておるのか、その点をお聞かせいただきたい。  それに関連して、この間の二月二十八日のマスコミ、新聞社の名前は言いませんけれども、臨教審の第三次答申で国際化委員会というのが出てきているんですね。国際化委員会の第三次答申が近く出る。その中身の素案的なものを発表になっております。それによりますと、新国際学校をひとつ臨教審として提案いたしたいということが出ておりますが、その辺のところを、文部省も実質的には臨教審の皆さんとも接触されていると思いますので、正式な発表はできないとしても、こういった臨教審の新しい国際学校というものを提唱されている、それについての考え方をお伺いしたい。  それによりますと、外国から帰ってきた子女あるいは外国人の子女、日本人の子女を三分の一ずつ受け入れる新国際学校というものを正規の学校として設置するというようなことがそれに盛られておって、学校教育法第一条に定める小中高校として設置するということとしておりますが、こういうことが実現するとすれば、いろんなそういった国際化に備えての国際的な教育をやっていくということで、非常にこれは大変な役割が出てくると思います。予算の問題等もあるし、いろんな議論が出てくると思いますが、これらに対する文部省としての考え方をお聞きしたい。  それから第二番目の、さっき申し上げた留学生の問題は既にいろいろ出ておりますが、この間シンガポール出身の顔さんの参考人としての意見を聴取したわけです。それから、この間千葉県の、労働省関係ですけれども、海外職業訓練協力センターというのを我々視察させていただきました。そういう中でいろいろ指摘されているようなことは、特に顔さんが指摘されたのは、さきの質問と重複しますけれども、やっぱり宿舎の問題が一番大きな問題だと。外から来た場合に宿舎をどうするかというような問題、それから病気にかかったときの医療制度の確立といいますか、なかなか外国人の皆さんは保険には入れない。そうすると、保険にかわるべく何らかの手当てをやっていただかないと、外からやってくる皆さんの生計上の経費の問題もあると思います。この辺を文部省としては、今後留学生を増加するに当たってどういうぐあいにお考えになっているか。  それから、もう一つ指摘になったのは学位の授与の問題です。日本人と外国人との学位を授与するのに差をつけるわけにはいかぬでしょうけれども、そういう問題が指摘されております。日本に来て大学院に行っても学位をもらえる方は少ない。そうすると、さっき話のあったように、その次の指摘事項のアフターケアの問題、日本の大学を卒業して帰っても、日本企業には採用されるけれども、自国の官庁とかよその企業にはなかなか就職が難しい。採用されても欧米に留学した人たちの方が将来性がある。日本に留学した人たちは、今のところまだまだ昇進がおくれるというような問題もある。これはなかなか文部省だけでは解決できないと思いますけれども、こういう問題をどういうぐあいに考えていくかというような問題も一つの問題だと思います。  それから、その受け入れ態勢の問題ですが、今民活が非常に華やかな時期でございますから、文部省も、この間の資料によりますと、留学生交流推進協議会というものを昨年おつくりになって、大学、各省庁、地方公共団体、経済諸団体、皆々さん打って一丸となってそういう協議会の中で受け入れ態勢を進めていきたいということを指摘されているようですが、その辺の実態的な動きはどういうぐあいに今後進めていくか、以上のようなことについて答弁願いたいと思います。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 質問が多岐にわたっておりますので、どうぞひとつ御相談の上、適宜簡潔にお答えいただきたいと思います。

菴谷利夫文部省大臣官房審議官

○説明員(菴谷利夫君) それでは、分担が三つくらいになりますので、まず私の方から、高等教育関係でございます。  まず、先生御指摘の入学試験との関係、外国語、特に英語でございますが、御承知のように入学試験、すなわち入学者をどういう人を入れるか、その大学が、学長、教授会その他が最終的にどういう方針でどういう人を入れるかということで行う制度になっておりますので、その外国語のあれをどう活用するかということについても一律に文部省の方で具体的な方針を出して、そのとおりそっくりやるということはできないわけですが、外国語の入試の中身のあり方が高等学校以下の教育に与える影響というものはもちろん先生御指摘のように重要でございます。したがって、絶えずいろんな改善をしなきゃならないんですが、現在こういう実用的な、読むとか、聞くとかいう面のことも入試で重視してほしいということは文部省も呼びかけておりまして、現在そういうことでだんだんやってきております。今やっていますのは、国立ては二十五大学、公立ては六大学、それから私立大学では三十一大学というふうに前よりはふえてまいりました。まだ全体の数からいくと少ないわけですが、英語のヒアリングを実施するということをやっております。  選抜方法の具体的なやり方については、さっきも申し上げましたように、各大学が方針を決めてやっていただくということでございますので、いろいろ丁寧なヒアリングなどをやりますと、どうしても手間だ、場所だ、お金がかかるということからなかなか難しい点もあると思いますが、この点については、文部省もそういうことをできるだけやってほしいということを今後とも働きかけていきたいと思っております。  それから、一定水準の何か他の資格を持っておれば、それをもって英語は見ないでという御指摘がございました。確かにそれも一つの方法かもしれません。これもやはりそういうことを採用するかどうかは個々の大学の判断にどうしても最終的にはなりますので、例えば現在実用の英語の能力を見るもので相当権威のありますのは、実用英語検定試験とかいろいろありますので、そういったものをどう活用できるかということについても検討しながら大学にも呼びかけていきたいと、こう思っております。  それから学位授与の問題、ちょっと飛びますけれども、留学生がせっかく来ても日本では学位が取りにくい、こういう話があります。自然科学系は、だんだんこのごろは日本でも若い人が取りますので取れるようになったんですが、文科系がどうしても、あれは経験と、どのぐらいたくさん研究や本を書いたかということで出されるということから、かなり年配にならないと文科系の博士号などは出ないという点がちょっと欧米などと違っていまして、この点は学者といいますか、大学の中でもいろいろ問題意識があって議論されております。おいおい改善されていくと思いますけれども、文部省としても、文科系についても留学生がせっかく勉強したものがちゃんと資格としてあらわれて帰れるような方向を進めていきたいとは思っております。  以上でございます。

小西亘文部省初等中等教育局高等学校課長

○説明員(小西亘君) 今先生から小学校から英語を始めたらどうかという御指摘がございました。現在小学校というのはまず何よりも日本語を十分に教育することが大切だという前提がございまして、そういうことで小学校では英語は現在行われていないというのは御存じのように実態でございます。だから今後とも、私どもも英語は中学からという方針で考えているわけでございますけれども、ただ先生御指摘のように、現在の英語教育において幾つかの問題が指摘されていることも確かに事実でございます。特に現在中学校、高等学校を通じての英語教育というのは、聞くこと、話すこと、読むこと、書くことという、これがバランスよく教育されなければいけないということになっておりますけれども、聞くこと、話すことというのがどうしても不十分であるという指摘は既に各方面からなされているところでございます。先生の先ほどの御指摘にもありましたように、やっぱり入学試験というのが確かに大きな原因であろうかと思います。  それにもう一つは、指導する教員の能力の問題もございまして、現在中学校、高等学校、五万人の英語の教師がいますけれども、必ずしも全員が英会話に堪能とは言えないという実態もあることも事実でございます。こういう実態はあるのでございますけれども、教育過程審議会というのが現在ちょうど審議中でございまして、先般中間まとめというのが出されたわけでございますけれども、その中に現在外国語教育については聞くこと、話すことの指導を一層重視する必要があるというように指摘を受けているところでございます。具体的にそれじゃどのようにすればいいかということで、教育課程審議会の中に英語委員会というのがございまして、現在そこで具体策について検討しているところでございます。その結果を待って新しい施策というものを考えていかなけりゃいけないと私どもも考えているところでございます。  ただ、このような指摘はかねてからあったわけでございまして、文部省としてもそういった観点から幾つかの施策というものを講じることとしておりまして、ちょうど六十二年度から語学指導等を行う外国青年招致事業というのを新たに予定しております。これは外務省、自治省等協力を得ながらやることにしておりますけれども、地方交付税で財源を措置いたしまして、そしてアメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランド等、いわゆる英語を母国語とするところの青年を招致いたしまして、そうして中学校、高等学校で英語の教育のお手伝いをしてもらおうと、こういう構想でございます。何よりも英語を母国語とするそういった方々に直接接するということがやはり話すこと、聞くことというものの能力を高めるために非常に重要なことだと考えております。現在六十二年度につきましては、およそ八百人ちょっと超すようでございますけれども、それほどの人数が今予定されているところでございます。今後年々またふえていくことになろうかと思います。  その他何よりも英語の教員自身の英語会話能力をつけることが大切でございますから、かねてから研修等もやっておりますし、アメリカ、イギリス等に海外研修という形で出しております。これも六十二年度人数が若干ふえております。そういうことで、教師自身の英会話、聞く、話すという能力をつけるということにも今後とも十分留意していかなけりゃいけないと、このように考えているところでございます。

重藤学二文部省大臣官房審議官

○説明員(重藤学二君) お答えいたします。  日本語の教育の問題につきましては、現在国内では三万五千人あるいは海外では約六十万人という人が日本語を勉強しておるという現状のようでございます。さらに希望者は相当ふえつつあるという現状を認識いたしまして、これに大いに力を入れなきゃいけないということで、文部省といたしましては数年前からまず教員の養成ということで、国立大学に毎年三学科ないしコース程度日本語教員の養成のコースを増設をしてまいっております。そういう教員の養成とそれから海外でそういう授業に携わっている人たちの研修、これは文化庁と大学、それから国際交流基金、そういうところで協力をしながら十分にそれに対応できるような施策を講じつつあるところでございます。  次に、留学生につきましては、宿舎は先ほど申し上げたような努力をいたしております。あわせてホームステイの奨励ということも友好団体の協力等で、あるいは免税措置も講ずるというような施策を講じながらその推進を図っておるところでございます。  医療制度につきましては、国民健康保険に加入できるということになっておりまして、これに加入するようにさせております。そして、病気になったりしたときには七割が保険から給付されます。残りの三割のうち八〇%は国が補助いたしております。これは国費留学生、私費留学生、すべての留学生に対してでございますが、したがって本人が負担するのは実際は六%程度ということになっておりまして、一応私どもはこれで特に問題はないんじゃないかというふうに考えております。  学位の問題は、先ほど御答弁申し上げましたが、留学生では、修士課程では大体九七%の人が修士の学位をもらっておりますし、博士課程の方では七六%、これは文科系、自然科学系を通じまして七六%が学位を取っております。これは日本人の学生と全く差はございません。むしろ多少上回るぐらいのことでございます、人文系の問題はございますが。  それから、それに関連いたしましてアフターケアでございますけれども、一般的なアフターケアはもちろんやっておりますが、あるいは学位が取れないで、課程を終わって帰国したという者につきましては、その後また日本に呼んで研修をするとかあるいは論文提出で博士号を取る、そのために数年間日本の大学の指導教官が現地に行って指導したり、こちらに呼んだりというようなことで学位を取らせるという施策もだんだん充実をしてまいっております。今後これも続けて充実したいというふうに考えております。  それから最後に、官民一体の協議会は、お話しのとおりに昨年第一回をいたしました。そこでいろんな文部省の施策も御紹介申し上げ、いろんな官庁の施策、それから民間団体、友好団体あるいは企業等の幾つかの協力の事例を紹介していただいて情報交換をし、今後それを参考にして推進をしたいと。  それからもう一つは、地方に同じように、地方の受け入れの大学や公共団体や企業、経済界、それから民間の友好団体、ロータリークラブとか、そういうところで地方版のそういう協議会、推進協議会というようなものをつくっていただいて推進をしていただく、そういう動きもございますし、今後そういうことを推進してまいりたいと考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 坂野先生の関連で質問をさせていただく機会をちょうだいをして大変恐縮であります。  留学生問題について一点のみお尋ねをいたしたいのでありますが、ASEANの諸国を回りまして留学生の皆さん方とお話し合いをいたしますと、必ず共通してお答えが返ってくるのは次のようなことであります。もちろん、我が国とASEAN諸国の間では社会的な構造の違いもあるでしょう。例えば一口に言ってしまえば、我が国は能力主義の中でさまざまな分野で能力を発揮することができる。しかしながら、ある反面、ASEAN諸国の中には資格社会ということが妥当かどうかわかりませんが、例えばマレーシアのマレー大学を出ればこの地位は既に保証されるというような形の社会構造が存在することは否定できない事実であります。  我が国に留学をされたASEAN諸国の皆さん方が母国に帰ってから彼らの職業の選択というものが極めて幅が狭く、しかもその資格社会的な構造の中で非常に苦しんでいるという事実がございました。したがって、邦人企業も大変進出をしているわけでありますが、その邦人企業への就職も実はままならないという事実も現実の問題としてあるようであります。  そこで、進出をしている邦人企業に対して、留学生の皆さん方が母国に戻られたときに、我が国の邦人企業がなぜ就職をさせないかということを現地でお尋ねを申し上げましたときに、甚だ遺憾な答えが返ってまいりました。それは、我が国へ留学をしたASEAN諸国の留学生が、彼らの母国における我が国の企業の中に就職をしても、その能力を発揮するだけの力がない、こういう実は答えが返ってくるわけであります。これは現実に私は事実関係を見ておりませんが、これらの問題については、かねて総理がASEAN諸国を訪問された際にも、ASEANの留学生諸君から直接意見が出されてお聞きになってこられたこともございました。我が国における留学生の中には、例えば卒業試験に日本語で出された試験問題に答えられないからといったまま卒業するという留学生もおるということすら実は聞かされるのであります。  そこで、この留学生の我が国から卒業していく諸君がそれらしい資格を備えて母国に帰られるような、そういった教育対応というものが非常に必要ではないか。彼らの中にはこういった発言もありました。日本の大学を出ても母国に帰って日本の企業にも就職がままならない、まして母国の職業選択も狭い、それならばヨーロッパやアメリカの大学に留学をした方が極めて幅の広い職業選択が母国でできる、こういう声等も既に聞いていると思うのでありますが、これらに対しては文部省当局としてはどのように受けとめ、どのように今後対応されようとされておられますか。もし、お考えがあれば、十三分までだそうでありますから、五分以内にお答えを賜りたいと思います。  以上です。

重藤学二文部省大臣官房審議官

○説明員(重藤学二君) 御指摘のような傾向があることは承知をいたしております。  これに対して二つ申し上げたいと思いますが、第一点は、主として語学その他の問題があったと思いますが、日本の受け入れた大学あるいは大学院で充実した教育研究を施す、それにはいろいろな受け入れ態勢の環境整備、もちろん生活の問題も含んだ条件整備のもとに大学、最近日本では大学院の飛躍的充実ということにも力を入れておりますが、日本の大学の研究教育内容のレベルアップをするのと留学生に対して十分な行き届いたきめ細かい指導をするということで、大学の例えば受け入れ態勢でも、留学生のための専門科目の担当教官の定員の増を図るとか、いろいろな施策を今後講じていこうというふうに考えております。  それからもう一つは、最近、例えばASEAN諸国でもかなり優秀な学生が日本にも留学をしようというふうになってきておりまして、質はだんだん高くなってきておる、それは顕著な傾向にあるように感じております。そういうことで帰国後の国内でのステータスあるいは実力の評価とかということもだんだん改善されてきておると思います。  それからもう一点は、日本企業の雇用問題につきましては一層の促進が図られるように企業側の理解と協力が望まれるわけでございますけれども、現地の在外公館や元留学生の会、そういう関係者の連絡や連携、それから私どもからのアフターケアあるいは出身大学からのアフターケア、それらを含めまして適切に今後なお改善されるような措置を強めていきたいというふうに考えております。

倉田寛之自由民主党

○倉田寛之君 あと少しあるようですので、意見だけ簡潔に申し上げたいと思います。  留学生の皆さんが母国に戻られて、日本の大学で学び、大学院で学んだことがやはりすばらしい成果が上がるということが第一だろうと思うし、また外国に邦人企業が進出をしているその企業にとってみて、彼らが採用されたときにすばらしいその国と我が国との国際交流関係を保ち得るということ、これらにひとつ思いをはせて今後の留学生に対する教育効果というものをお考えをいただきたいというふうに思うわけであります。ちなみに邦人企業いわく、日本語はだめですと、しかも日本のメカニカルな機械すら実は能力的に会得していませんでした。これは極端な例をとって申し上げるんですが、幾ら協力せいといってもそれだけの資格を与えてからやはり母国にお帰りをいただくという教育効果をねらうベきであろうと、意見として申し上げます。  以上であります。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 御質問させていただきます。  私、昨日こちらにおりませんでしたものですから通告がしてないんでございますけれども、あらあら留学生の経費にかかわる問題についてお伺いをいたしますということを申し上げておきましたので、その辺のことの細かい質問になるわけですが、それに先立って、大変恐縮ではございますが、先般行われましたハイレベル教育専門家会議の開催についての御報告を先般聞いたんですけれども、このことについてお答えいただく方いませんでしょうか。――よろしゅうございますか。  それで、そのときの報告を先般伺った中で、人的交流という面においては国際化の中で教育分野、特にこれから量よりも質の問題について検討していかなければならないときに入ったのではないかということが確認され、なお、これからOECD等においてもこの問題についてさらに検討を重ねるということを先般御報告をいただいたと思いますので、そのことを具体的に我が国に当てはめるならば一体どういうことにつながっていくのかということを一点お伺いしたいと思います。  それから、留学生にかかわる問題といたしましては、実は大変細かい話でございますし、先ほど来出ている話をさらに復習するというようなことになりかねないのでございますが、私は、二十一世紀まで日本の受け入れ留学生十万人、このことはまことに大賛成でございますけれども、それが九対一の割合で、国費が一〇%であるということにいささかの疑問を持つものでございます。したがいまして、日本における留学生の生活状況について少しお伺いをしてみたいというふうに思うわけでございますが、昨年いただいた文部省の資料によりますと、この一〇%に当たる国費留学生の院生が月額十七万五千円です。今度これが上がりまして十七万六千五百円になるわけでございます。それから学部生が月額十三万二千円、これが今度上がりまして十三万三千五百円でしょうかになるわけです。一千五百円ずつ値上げがされておるわけでございます。  文部省からいただいております資料によりますと、この比較表でいきますと国費留学生を受け入れている国は、今日はフランスが一番多うございますね。アメリカは日本よりは多い。しかし、その多いアメリカが奨学金として国費留学生に与えている月額は円換算で十一万二千円から十六万九千円ということになっております。それから、イギリスでは十万二千円ですね。  それで、これは大学の現場の方から実は聞いてきている話なんでございますけれども、この十七万五千円という考え方の試算、それから十三万二千円という考え方、これは国際比較でいかがなものであろうかということ。そして、できればこれはわずか一〇%に置くのではなくて、むしろもっとならして二〇%にするために万々が一その額がいささかアメリカ並みになろうとも、むしろ一〇%を二〇%にふやすことの方がいわゆる留学生受け入れの施策として大切ではなかろうかというこのことをひとつ現場からの意見として私言われましたものですからお伺いをしたいわけでございます。  あえて言うなれば、この国費留学生はさらに授業料免除、入学金免除でございますね。私費留学生との比較にはおよそならない待遇を受けておるわけでございます。それから、先ほど来の医療費の免除、そして国内研修旅費の四万円等々をいたしますと、国費留学生一〇%にかける経費の考え方と、残りの九〇%の私費留学生がどんな生活をしておるかということに対する考え方、この問題を文部省ももっと整理をする必要があるのではなかろうかなということが現場で言われておるわけでございます。あわせて学生奨励金というのがございます。これは四万円の分でございます。これは私費留学生ももらえます。この私費留学生がもらえる学生奨励金四万円も、一年生のときから二年を経て三年を経過をしたときに初めて三年、四年というところでもらえるという学生奨励金ですね、これは協会の方から出ている分だと思いますけれども、これも編入組には一切効果を示さないというようなこと等を含めて、私費留学生に対する考え方をもっと対策を練らない場合、二十一世紀に向けての十万人の受け入れはまさに絵にかいたもちであるということが言われております。したがいまして、この辺のところを、まあおたくの方の当面の課題についてもとうとうと書かれておりますので、今後これくらいな現実的策をとりたいということがおありになればぜひおっしゃっていただきたい、こういうふうに思います。  それから、民間奨学金の充実の話もさっき出ておりました。これにつきましてもただいま民間奨学金というのは本当にごくわずかな者しかその恩典を受けてないわけでございまして、今後これを充実されるに当たっていろいろな関係省庁にも働きかけながらやっていかなければならないことがもっと私はあろうかと思います。例えば税制措置等を含んでですね。こういうふうな民間奨学金の充実について果たしてどのくらい真剣に考えておられるのか、その辺のところを披瀝していただきたいと思います。  そして、先ほどASEANからのお話が出ておったわけですが、先般御報告をいただいた留学生の中で今日国費留学生の八〇%がアジアであること。しかもその中で一番多いのが四千四百人の中国、続いて台湾の四千三百人という御報告がございました。ところが、この台湾の関係者のことでございますけれども、台湾というのは今日我が国と正式国交がないということから台湾留学生に対する扱いが別だと思います。このことについて、国際化がこれほど進んでいる今日何かの措置がとれないのかどうなのかということも、例の学生奨励金の四万円の問題も話の中に出てまいりましたので、これ含めてお尋ねをしたいわけでございますが、一応今のところまでで切ります。

重藤学二文部省大臣官房審議官

○説明員(重藤学二君) お答え申し上げます。  まず、ハイレベル教育専門家会議での議論でございますが、ちょっと私は出席いたしておりませんので詳細知りませんのですけれども、人的交流の、特に質の向上ということの内容は、ヨーロッパの先進国では留学生のむしろ量的拡大よりも、あるいは場合によってはもう数は少し減らした方がいいんじゃないかという意見もあったかと聞いておりますけれども、むしろ質の充実を図っていかなきゃならない。それと対照的に日本では十万人ということを掲げて、もちろん質も十分にやらなきゃいけないんですが、そういう量的な拡大を図るということに対して、ヨーロッパ諸国から日本のそういう計画や意気込みに大変な賛辞が寄せられたというように聞いております。ヨーロッパ諸国ではいろいろな留学生も相当な数を入れておりますので、今後はちゃんとした教育内容を施すということにむしろ収れんしていくべきではないかという意見が強かった、こういう空気であったというふうに聞いております。  それから留学生の問題につきましては、国費留学生の金額をという問題は私どももかねていろいろ内部でも検討しておりますし、御意見も賜っておりますが、例えば半国費とかいうようなもう一つの新しいカテゴリーを設けて数をふやしたらどうかというようなことも一応話題にはしておるところでございますが、これはなお検討課題にさせていただきたいと思います。  それで、九対一というのは、先ほども申し上げましたように大体欧米が国費が全体の一割以下であるということで、まあ九対一ぐらいになるのであろうかという、いわば試算のような形で専門家会議が提示をされたものでございまして、それをそのとおりにするとかあるいは硬直して考えるというようなことはございません。まず、前半におきましては国費留学生の増加に文部省としては力を入れていく。それからその増加ぶりに応じて柔軟にまた考え得る範囲で考えていこうというようなことでございますので、その両方を含めまして今後また検討させていただきたいと思います。  それから、私費留学生問題は非常に深刻な問題があると思います。特にまた円高で最近は苦労をしておるということも聞いておりますし、今後留学生をふやす上では御指摘のとおり私費対策というのが最重要課題かと存じます。一方で宿舎を整備するとかいろんなことで私費留学生にもあれをしておりますし、先ほどの医療補助も私費留学生には対象としてやっております。そういういろんな面からの条件整備を図って結果的に私費の留学生にも対応したいというふうにも思いますし、一方民間の奨学団体の奨学金もふやすように、最近いろいろな企業であるいは民間人でそういうムードが盛り上がっておりまして、私どももできるだけ関係省庁とも連絡をとりながら働きかけをしておりまして、最近三年間に五団体が、財団法人でございますけれども、新たに設立をされたりして、その数は相当ふえつつございます。そのためのいろんな手当ても関係省庁と連絡をしながらやっておりまして、この方面も、先ほど協議会のことも申し上げましたが、総合的に協力ネットワークをつくって推進してまいりたいと思います。  それから、台湾に関しましては御承知のような関係でございますので、国費留学生という扱いはいたしておりません。  以上でございます。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 台湾とは国交がないので、その取り扱いは一切できないのだということではありますけれども、事実台湾からの留学生の数というのは韓国と逆転してふえてきておるわけです。今後やはり教育の分野における国際化というのはそういうものを超えた形の中で進められていくべきであり、検討の大きなる余地があるというふうに思いますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。  それから、今お話が出ましたけれども、我が国の今日の発展の状況を見て、国費留学生の応募率というのは大変高くなってきているというのは私どもよくわかっているわけです。ところが、それが私費留学生がふえていくという流れになかなか結びついていかないということの一つの理由として、文部省さん自身も挙げておられるように、それは我が国の物価高や宿舎の入居の困難と経済的負担が非常に我が国で勉強することによってウエートが重なる、こういうことについて非常な危惧を感じて、なかなかそれが私費留学に結びついてこないんだということを御指摘なさっているわけでございますから、やはりこういう私費留学生が大多数なんですから、それらの対策にむしろもっともっと取り組んでいかなければ、国際化が進む中で教育の人的交流ということを本気で進めるのならば、その面の道を開かなかったならば、これは開けてこないというふうに思いますので、これをまたあえて重ねて御意見として申し上げます。  それから、さっき言った税制措置等の関連の話でございますけれども、例えば六十一年度税制改正においてホームステイ減税というのをつくったでしょう、ホームステイ減税。外国人青少年のホームステイを受け入れた家庭に対して国際交流基金から交付される謝礼に関しては非課税措置を講ずるということなんだけれども、こんなの当たり前です。面倒を見て、しかも本来国がやらなきゃならないことを民間の立場でやっているんだから、こんなのは六十一年度改正でやったんだけれども、当たり前なのよ。もっと住民税全面カットとかそのくらいまで本格的にやっていかたければ、ホームステイ、民間が本気でこの留学生を受け入れていくなどというようなことは私は出てこないんじゃなかろうかと思う。  これは文部省学術国際局留学生課がお出しになりました「二十一世紀への留学生政策」についての冊子、私昨年来真剣に読んでいるんです。どうも留学生関係税制措置がまだ甘い、この辺に関して大蔵あたりとがっちり四つに組んでもっとやっていただきたい。そうすれば、民間がさらに協力をすると思います。今まさにその目を開かんとなさっておるところでございますから、私どもも言える部分のところは言ってまいりますので、ぜひこの辺のところで応援させていただきながら、文部省ももっと真剣に取り組んでいただきたい、このように希望申し上げまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。

重藤学二文部省大臣官房審議官

○説明員(重藤学二君) ただいまの御意見で、私費対策は最重要課題というふうに思いますし、今後、今おっしゃられたような点を十分頭に置きながら検討、努力をしていきたいと思いますので、また御指導をよろしくお願いいたします。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 教育の国際化という場合にそのねらいは何かといえば、外国をよく理解し、また日本をよく理解してもらうということであり、さらに言えば相互理解を深めることにより戦争が避けられ平和が保たれる、こういうことではないかと思います。平和な世界秩序が保たれるために教育はどんな役割を果たすべきでしょうか。留学生、外国語教育、帰国子女の扱い等、具体的にはいろいろな問題がありますが、このことについては前回の調査会で文部省からの報告を伺ったわけですが、私は、そういう上に立って非常に平和教育という点が大切だというふうに思うわけです。  これも報告がありましたが、この一月、京都で教育サミット、ハイレベル教育専門家会議が開かれましたが、そこで中曽根総理はこのように言われています。これからの教育は、共存の哲学を培養し、育成し、成熟させるものでなければならないとして「我々は、教育の名において異なる文化への憎悪をかき立て、各国民を戦争へ駆り立てたという愚を二度とおかしてはならない」というふうに述べておられるわけです。ある新聞は社説で、その国際主義的、平和主義的な教育観に立った教育政策を進めることは、首相によって日本政府の国際的な公約となったというふうに指摘しているわけですけれども、文部省として平和教育を今後どう進めていくのかお伺いしたいと思います。まずこの点についてお答えください。

林田英樹文部省初等中等教育局中学校課長

○説明員(林田英樹君) お答え申し上げます。  今先生御指摘のございましたように、先般のハイレベル教育専門家会議開会式におきます中曽根総理のスピーチの中で「我々は、教育の名において異なる文化への憎悪をかき立て、各国民を戦争へ駆り立てたという愚を二度とおかしてはならないのであります。」ということを述べておられるわけでございます。  我が国の学校教育におきましては、教育基本法第一条にございますように、平和的な国家及び社会の形成者として必要な資質を養うことを目的としておるわけでございます。このため、小中高等学校におきまして、主として社会科においてでございますけれども、世界平和の必要性や日本国憲法の平和主義の原則などにつきまして児童生徒の心身の発達段階に応じて指導することとしているわけでございます。小中高等学校の教育課程の基準として示しております学習指導要領があるわけでございますけれども、この中で例えば小学校の社会科では、平和を願う日本人として世界の国々と協調していくことが大切であることを自覚させるということを示しておるわけでございますし、中学校の社会科では、国家間の相互の主権尊重と協力、各国民の相互理解と協力が平和の維持と人類の福祉の増進にとって大切であることを理解させるとともに日本国憲法の平和主義について理解を深めるということを示しておるわけでございます。文部省としましては、このような考え方が実際の指導の場で生かされますように今後とも努めてまいりたいと思っているわけでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 各教育現場で平和教育のいろいろなすぐれた実践もあるわけですけれども、やっぱり文部省がもうちょっと平和教育について熱心にいろいろ取り組まれた方がいいし、そのことが一番教育の国際化の上で大切なことではないかというふうに指摘しておきたいと思います。  それから、臨教審の第三次答申の素案である「審議経過の概要(その四)」についてきょうもいろいろ御論議がありましたけれども、「国際化・情報化のための諸課題」の中で「常識としての国際マナー」として、特に「その国の国旗、国歌等に対して敬意を払うことや公共の場においてそれにふさわしい行動をとることなどを身に付けさせることが必要である。」というふうに指摘して、これは国際社会に通用する日本人育成の第一歩であるから、学校、家庭で教育上の配慮がなされなければならないというふうにしておりますが、この点について文部省の考え方を伺いたいわけです。その国の国歌、国旗に対して無条件にマナーとして敬意を払わせるということは私はいかがかと思うんですけれども、むしろその国旗、国歌の具体的な中身とかそういうものについての教育をするべきであって、ただマナーとして敬意を払う、同時に日の丸、君が代も家庭の中でももっと一生懸命やれと、こういうような臨教審の考えはいかがかと思うんですけれども、どうですか文部省。

熱海則夫文部省初等中等教育局小学校課長

○説明員(熱海則夫君) お答えいたします。  これまで先生方からいろいろお話がありましたように、これからやはり国際交流が進んでまいりますと、当然ほかの国の国旗、国歌に接する機会というのは多くなってくるだろうと思います。そういう場合に、やはりその国の国旗、国歌に敬意を払うということは極めて大事なマナーではないかと、我々も当然そういった考え方を持っているわけであります。それで従来、例えば小学校の社会科の中で、現在も、我が国の世界の国々との貿易というような学習がございますが、そういったところでそういった国旗に対して敬意を払うとかあるいは国際連合の学習などでもそういったことを従来指導してきておるわけでありますが、やはり今後ともこういった側面は大事にして教育上考えていかなきゃならないものだろう、こういうふうに思っているわけであります。したがって、この臨教審の御指摘というものは当然我々もこれまでもやってまいりましたし、今後とも大事にしていかなければいけない問題ではないか、こういうふうに考えておるわけであります。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 三月十日に沖縄県立高校の五十九校と特殊学校高等部六校の卒業式が行われました。沖縄では従来日の丸、君が代についてはほとんどゼロに近い数字だったんですけれども、ここ一、二年間なぜか文部省は非常に熱心に指導しまして、それを受けた県教委などの介入もあって日の丸、君が代という問題が非常に沖縄でいろんな論議を醸しているわけですけれども、県高教組の調べでは君が代の斉唱はそういう文部省サイドの努力にもかかわらずゼロであったと。式場正面に日の丸を掲揚したのは三校であったというふうに私は報道で読みました。またテレビで見たんですけれども、沖縄本島中部の読谷高校では女生徒三人がこんなのは嫌と泣きながら壇上に駆け上がって日の丸を場外に持ち出したというふうに報道されています。読谷村は第二次世界大戦の末期に集団自決とか非常に悲劇のあったところで、日の丸、君が代については特別な県民の感情があるわけですけれども、そういうものを無視して、県民の心の中までやっぱり権力で左右しようということは非常に無理なことではないかと、その報道等を見て私は感じたわけですけれども、国際的なマナーということで他国の国旗、国歌を尊重するということとあわせて日の丸、君が代をそういうふうに家庭や学校、公式の場で押しつけようとするやり方について、さっきも申しましたけれども、非常に疑問を感じるわけで、やっぱり日の丸、君が代に対する心とラ・マルセイエーズとか三色旗に対するフランス国民の感情とはまた違うんですよ。そういうようなこともあって私は国際化ということをひっくるめた中でここに臨教審が日の丸、君が代を出してきているということは非常に場違いな感じもするし、むしろそういうものを先頭にして侵略戦争とかいろんなことを起こした、そういうことの反省がやはりハイレベル会議での中曽根総理のそういう愚を二度と犯してはならないと、そういう発言にもつながるというふうに思うんですけれども、そういう意味でやはり国際化ということと過去の忌まわしい戦争、そしてそれを起こした責任、それに対する反省、そういうこととはやっぱりきちっと結びつけて考えていかなきゃならないのじゃないか、そのことが真に日本が国際社会で名誉ある地位を占めるために必要なんじゃないかというふうに思うんですけれども、沖縄の高校の事件などを含めて文部省はどうお考えですか。

熱海則夫文部省初等中等教育局小学校課長

○説明員(熱海則夫君) 沖縄の問題につきましては大変我々としても残念な問題だというふうに考えておりますけれども、ただ我々としてはやはり他国の国旗、国歌を尊重するということの前に、その前提として我が国の国旗、国歌を大事にするという心を育てないといかぬのではないか。そういうことから考えて、我々としてもいろいろな機会をとらえて必要な、例えば入学式、卒業式などでは国旗を掲揚し、国歌を斉唱させるというようなことが望ましいというようなことで指導してきてまいっているところであります。  繰り返し申し上げますけれども、やはり相互尊重ということでありますから、自分たちの国の国旗、国歌をまず大事にする。それと同時に、他国の国旗、国歌を尊重するという、こういう考え方を持たせることが大事なことじゃないかと、こういうふうに考えているわけであります。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 もう答弁は必要ないわけで、御意見を申し上げますが、今国旗、国歌とおっしゃったけれども、日の丸、君が代は国旗、国歌というふうに法的にもなっていませんので、それはきちっとしておきたいと思います。  それで私は、教育の国際化という問題で一番大切なのは、もちろん語学も必要だし、留学生の受け入れも必要だし、そういうことをトータルとして、やはり日本が平和国家として国際社会に存在し、そのために努力するということでありますので、そういうもろもろのこととあわせて、やはり子供の心の中に世界の人たちと仲よくしていく、そういう平和の心を植えつける、そういう教育こそが国際化日本という場合に一番大切なことではないかというふうに思うわけです。そのことを言いまして私の質問を終わります。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 国際化そのものずばりじゃないんですけれども、高等教育機関の国の経費と教育の実人員の問題なんですけれども、例えば三ページの中で日本が「国公」だと四十九万五千人で、ドイツなんかが百二十六万七千人と、こういうぐあいになっているんだけれども、イギリスとか西ドイツとかフランスとかいうところは、連邦政府というのか国家がこんなに全部大学、学生を収容しているんですか。アメリカは九百六十八万になっているんだけれども、これなんかは連邦政府はほとんどやっていないと思うんだけれども、これは地方行政府のものもみんな含まれているということですか。

川村恒明外務省大臣官房審議官

○政府委員(川村恒明君) ただいまの御指摘のこの資料に関する件でございますけれども、「国公」と書いてございまして、西ドイツではラント、州でございますね、連邦政府ではなくて。ただいまお話がございましたように、西ドイツの場合は連邦立の大学というのはございませんで、それぞれの州でございます。あそこは十一の州から成っている連邦でございますから、州立大学で、アメリカの場合もこれは連邦立の大学はございませんで、それぞれの州が設置している大学と、こういうことでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 そうすると、国の予算、例えば文部省そのもの、アメリカだと連邦政府、それから西ドイツやイギリスだと国家の文部省そのものが大学や高等教育に出している金というのはどれだけかというのはわからぬですか、国そのもの。

川村恒明外務省大臣官房審議官

○政府委員(川村恒明君) ちょっと今手元に資料がございませんので正確に申し上げかねますけれども、例えばアメリカの場合ですと、教育という仕事は初等教育から高等教育までそれぞれ州の仕事だと、ステートの仕事というふうに観念されております。連邦の教育省というのはあることはあるんですけれども、そもそも連邦に教育省というものができたのは一九八〇年で、それまでは保健省と一緒になっていたぐらいですから、連邦が財政的に大学に対して援助をするというのは非常に限られたケースというふうに御理解いただければいいと思います。ちょっと数字がございませんけれども、原則的にはそれぞれの設置者である州が負担をしているとお考えいただければいいかと思います。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 統計上はこれでいいんだろうけれども、文部省の高等教育やなんかのやつも、ほかの国はみんな州とか地方自治体が主としてやっているのに、日本だけ国立ばっかりやろうとするものだから、こういうふうに人数がちっともふえないんじゃないかというような気がするわけよ。だから、都道府県やなんかにもっと大学なんかやれという、国公立だから、地方自治体で、市なんかで大学なんかつくれというふうにやった方がよくいくんじゃないかと思うんだないかにも国の予算が少ないようにこれだと出て、高等学校、大学の教育が日本は余り熱心じゃないみたいにとられるわな。僕は、国の予算として文部省が国公立大学へ出しているのは世界一多いんじゃないかというような感じを持っていたから。そうすると、公立ということになってくると、文部省が自分のところで金を取って大学教育ばかりやるのに熱心で、地方の県や市に対して大学、高等教育についてもっと一生懸命でやれということについては余り熱心でない、そういうふうな感じを持つんだが、どうかな。

川村恒明外務省大臣官房審議官

○政府委員(川村恒明君) 大変重要な御指摘でございますけれども、我が国の場合一つは、この高等教育制度というのは明治維新から始まったわけですけれども、そのときに、それは国の仕事か地方の仕事かと、いずれの仕事かという観念をしたときに、やっぱり日本の近代化のために必要な人材を育成する、これは国として一番大切な仕事だ。それ以前の、ちょっと古い話で恐縮ですけれども、江戸時代で言えば、高等教育まで含めて人材の養成はそれぞれ藩の仕事だ、地方の仕事だったわけですが、明治の近代の中央集権政府においてはやはりそれは国の仕事だ。だから東京帝国大学を初め帝国大学をいっぱいつくって、そこで日本の国家を支える基幹的人材を養成すると、こういう観念で出てきたわけでございます。ですから、その仕事について国か地方かという観念をしたときに、高等教育は国の仕事というふうな観念がずっと戦前からあったわけでございます。もちろん戦後になって、地方自治でございますから、地方としてもそれはやっても結構ということでございますから、現在三十校ぐらいの公立大学はあることはあるわけです。  ですけれども、そういう昔からの歴史を引っ張っているものですから、官がやるというか国がやる仕事だと思われている。それが一つあって、それからもう一つ、それだけでは実際に国民の高等教育に対する要望にこたえられないというところで私立大学が戦後急速に広がってきた。この資料にもございますように、現在学生数の比率で言えば、国公が合わせて約二割で、八割が私立。ですから、高等教育機関という観念から見ると、むしろ私立の方が中心になっておると、こんな感じになっているわけでございます。  それで、仕事としてはもちろん地方として設置をしてもいいわけだし、また戦後そういうことで公立大学はつくられましたが、現実には財政事情その他でむしろ公立大学をいかに国の方へ移管をするかというのが戦後の国公立大学の歴史であったというふうに思っております。ですから、今後の方向としては、先生おっしゃるように国というよりも、もう少し国も地方もその責任を分担すべきだ。それは現在御審議中の臨教審の審議経過概要にも、やっぱり地方自治体としてのその辺の力の入れ方が大切というふうな御指摘はいただいておるということでございます。

三治重信民社党・国民連合

○三治重信君 意見として、大学教育というものを文部省が直接国費を取ってやるというよりか、やはり地方自治体の方でやるような奨励対策をとった方が地方の実際の文化やなんかの発展のためにもいいと思うんだがな。それは考え方や、同じ金でも金の使い方の問題で、国立て直轄でやるというような画一的になって非常に教育の競争や刺激がなくなる。むしろ国立大学は各県ごとにあるのだから地方に移すぐらいの教育改革をやったらどうかと思うぐらいだ。これは意見です。

平野清サラリーマン新党・参議院の会

○平野清君 時間が余りありませんのに、三つばかり欲張って御質問いたします。しかも、一番目の問題しか御通告していませんでしたので、お答えいただけるかどうかわかりませんけれども。  一番目の問題は、英語教育とかいろんな国際化の問題で騒がれていますけれども、何しろ教員の質の問題が一番大事なような気がいたします。それで、特に戦前は師範教育といって、先生になる人はもう自分の一生かけて日本の教育を、子供の教育をやりたいということで師範学校なり高等師範学校に学んでまいった。そのいい面もあるでしょうけれども、いろんな戦後改革によって、教育大学は残りましたけれども、ほかの大学にも教育学部はあるけれども、一般のいろんな学部を学んだ者にも教員の道を開こう、大変いいことだと思います。と同時に、このいじめの問題なんか見てみますと、教員の問題、戦後四十年たってそろそろもう一度師範教育、戦前、戦中の師範教育というものをもう一回見直して教員養成に力を入れない限り、この国際問題なんかでも解決しないんじゃないかというふうな気がします。  それからもう一つ、留学生のことなんですけれども、先般以来アフターケアの問題が出ましたけれども、日本の留学生を終わってしまった後追跡調査をされているのかどうか。それから、五年なら五年、一遍に全部呼ぶというわけにとてもいきませんけれども、交代で日本の留学生を終えて社会で活躍されている人をもう一度日本に呼んで、例えば留学生大会を開くとか、そういうような形のアフターケアをなさっているのかどうか。  それからもう一つは、国際化の中で文化交流というのが一番大切ですけれども、今アメリカの大学などは日本のもうほとんどの本を買いあさっております。専門の輸入業者を通じて高い金でもって日本のあらゆる本をあさっているわけですけれども、今の献本制度は、国会図書館に二部なら二部出すわけです。そこのところを、文部省が、出版される個人の本もしくは出版会社の本の中で目をつけられて、この本については、この十冊なら十冊は外国に寄贈してもいいというような追跡調査をされれば、無料もしくは廉価でもって外国へ日本の書物が渡るんじゃないかというような気もするんですね。そういうことが実績を得れば、向こうからも貴重な本が無料で入ってくるというような気もするんです。そういう点は、文部省としてはいかがか、お聞きしたいと思います。

横瀬庄次文部省大臣官房審議官

○説明員(横瀬庄次君) 三つの問題を御質問がございましたが、大変申しわけございませんが、私、教育助成局の担当の審議官でございまして、御質問のうちの教員養成に関する部分についてのみ所管をしております。それで、二番目の留学生の問題と、それから三番目の出版の交流の問題でございましょうか、につきましては全く所管が違いまして、もし私がそういうことについて通じておればお答えをすべきでございましょうが、全く専門が違いますものですから、これは持ち帰りまして、後刻先生にその所管の部局からお答えするようにいたしまして、ここでは教員養成の御質問についてのみお答えをさせていただきたいと思います。  教員の資質の向上というものが今の社会の中で一番求められている、学校教育の中でも最も大きな課題であるというのは先生の御指摘のとおりでございまして、それこそ戦後ずっと何度もこの点についての見直しとかあるいはさらに充実を求める、要請する声というものはたくさん出てまいりまして、文部省といたしましてもその最も重要な課題の一つとしてずっと努力をしてきたつもりでございます。今度特に臨教審の第二次答申のところでこの教員の資質向上というものが非常に大きく取り上げられました。一番大きな問題として恐らく取り上げられたと思います。その中での御議論というのは、御指摘にもございましたように、これからの社会の進展、特に国際化とか情報化、これはほかに道徳教育とかあるいは健康教育というものについても重視すべきだという御指摘と同時に、これからの新しい方向というものに即した教員養成がなされるべきだという基本的な御答申がございまして、その中にそういったことで指摘がされているわけでございます。  私どもはそれを受けまして、現在、教育職員養成審議会という教員の養成の基本的な方策について審議をする諮問機関がございますが、その機関において現在そういった方向を踏まえつつ今後どういう改善をしたらいいかというような観点で御審議をいただいております。これは教員の養成、それから研修という教員のライフステージにおいて資質を向上していく、その全体についてどうあったらいいかということを含めて現在審議をしておりまして、大体ごとしいっぱいぐらいをめどにいたしまして、具体的な御答申をいただくべく努力をしているところでございます。  それで、お話にございました目的養成ということでございますけれども、教員養成につきましては御存じのとおり、戦後開放制ということになりまして、一般の大学においても教員を、卒業した者についても受け入れるということが広く人材を求める上で必要であるということでとられているわけでございます。この開放制を維持するということに関しましては、今度の臨教審の第二次答申でも、教員に広く人材を求める観点から、現行の開放制を維持すべきであるという、その基本原則については堅持をしておられまして、その中でさらに教員の専門性というものをどうやって高めていくかという努力をすべきだというような方針になっておりますので、特に小学校の教員については国立の教員養成学部というものが大きな役割を果たしておりまして、そこに重点をかけていくことにはなる部分もあると思いますけれども、全体の養成の仕方としては開放制を維持するという見地でやっていくということになっております。  以上、現状を御説明申し上げました。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午前十一時五十八分休憩      ―――――・―――――    午後一時五分開会

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) ただいまから国民生活に関する調査会を再開いたします。  国民生活に関する調査を議題とし、国際化に伴う住宅・生活環境上の諸問題に関する件について建設省及び国土庁から説明を聴取いたします。斎藤政策課長。

斎藤衛建設大臣官房政策課長

○説明員(斎藤衛君) お手元に資料としてお配りしているのがございますが、それを中心に簡単に御説明させていただきます。  まず、住宅あるいは社会資本整備の現状でございます。幾つか主要項目を挙げて御説明申し上げでございますが、基本的には欧米諸国に比べまして大変大きな立ちおくれがあるというふうに認識しております。  五点ほど例示を挙げてございますが、第一点の下水道の普及率でございますが、大体欧米に比較しまして二分の一から三分の一程度ということでございます。それから公園の面積でございますが、主要都市の比較で十分の一程度。三番目に自動車一万台当たりの高速道路延長におきましても二分の一から五分の一程度。住宅につきましては、一人当たりの部屋数は大体八割程度等々、こういうようなのが主要状況でございます。それをもう少し具体的に数字を書いたものがその下の方にございますので、これはまたひとつごらんをいただければと思います。  次に、現状の中で予算との関係がございますが、ここに一般会計の中に占めます公共事業関係費の推移をお示ししてございますが、かなり厳しい財政事情下でございますので、一般会計に占めます公共事業予算のシェアも低下傾向が継続しているというような実態がございます。公共事業は、申すまでもございませんが、内需振興という点から見てまいりますと、投資をいたしました際の乗数効果はかなり高い効果を持っております。ここに減税との比較をした例がございますが、例えば初年度におきましては一兆円の投資を行いますと大体一兆四千七百億ぐらいのものが出ていると、こういうような数字がございます。かなり内需振興という点からは有効なものではなかろうかと思っております。  それから、今後の展望でございますが、建設省の関係では幾つかの五カ年計画を所管しております。その中のものを次のページに入れてございますが、都市公園等の五カ年計画、下水道の整備五カ年計画、海岸の五カ年、それからまた住宅の建設五カ年等々あるわけでございますが、六十一年度にちょうど改定時期が参りまして見直したものといたしまして、第四次の都市公園等の整備計画、第六次の下水道の整備五カ年、第四次の海岸、第四次の特定交通安全施設等の整備事業、それから第五期の住宅五計、こういうようなものがございます。さらに今年度、六十二年度に入りまして予定されているものといたしましては第七次の治水事業、これが改定をされる予定になっております。  こういうことを踏まえましてどういうふうに将来水準を確保していくかという問題点があろうかと思いますが、それにつきましてはもう一枚後の方をごらんいただきますと、非常に概略的なものでございますがお示しさせていただいております。例えば都市公園で見ていただきますと、先ほど申し上げましたように六十一年からまた新規の五計が始まっているわけでございますが、六十年度の末ですと大体一人当たり四・九平米ぐらいの状況になっているわけでございます。これを今度の五計の中では六平米近いぐらいのものまでに水準を高めていこう、こういうようなものを持っているわけでございます。  さらに、その右の方に長期整備目標という欄がございますが、建設省も五カ年という単位のほかに、もう少し二十一世紀を見て整備の水準というものを考えていく必要があるんじゃなかろうかということで長期構想というものを昨年つくっております。それのところに出ている数字でございますが、例えば都市公園等におきましては十平米あるいはもうちょっとたちますと二十平米というような水準等を入れております。住宅につきましては、誘導居住水準のこういうものは半数の世帯で確保できるようにしよう、こういうようなものが将来の展望でございます。  なお、ちょっと蛇足になりますが、その次のページ以下で、今申し上げました国土建設の長期構想というものの要約したものを参考までにお示しさせていただいております。二十一世紀を目指しました国土建設の基本的な方向というようなものをここで検討をしたわけでございます。それらに伴います計数的に表示したものがその次のページ以下にございますが、例えば投資額でいきますと、五十五年価格ではございますが、所管の社会資本といたしましておおむね三百四十一兆円ぐらいの投資が必要になるのではなかろうか。こんなものを検討しているところでございます。  極めて簡単でございますが、現状と展望、以上でございます。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) この際、ちょっと皆様に御要望いたします。  質問する方あるいは答弁ないしは説明をなさる場合に、全員に聞き取りやすい程度にひとつお話し願いたい、そう思います。中嶋審議官。

中嶋計廣建設省大臣官房審議官

○政府委員(中嶋計廣君) 続きまして、国際化に対応した都市整備の現状と展望について御説明申し上げます。  我が国の経済社会が国際化、情報化の変化の中でだんだんと国際化をしてまいりまして、外国人で日本へ来る人も非常にふえでおります。法務省の統計によりますと、昭和四十八年に我が国に入国をしました外国人が七十四万人であったそうでございますが、五十八年、十年後には百九十万人になっているということで非常にふえてございます。恐らく昨年、ことしあたりはもっとふえるのではなかろうかと思われます。逆にまた、日本人で外国で生活をした経験のある人も非常にふえてきているという現状でございます。このように外国人で日本に来る方がふえ、日本人で外国で生活をした方がふえますと、日本の都市のあり方、都市の施設の整備のあり方につきましても諸外国との比較という観点から見られるということが非常にふえてくると思われます。そういう意味で、我が国と外国との交流が飛躍的に増大をいたしまして、それも経済的なものだけではなくて、日常生活の面でも外国との比較が行われるということになってくるであろう、こういう観点に立っております。  それからもう一つは、もちろんこれと並行いたしまして、人の行き来がふえるということはそれだけ経済活動が活発に行われておりまして、外国の企業で日本に立地する企業も順次ふえてきておりますし、また外国との経済交流というものも非常に増加しているという現状でございます。  このような状況の中から見ますと、我が国におきます都市の道路、公園、下水道、こういった施設につきましてやはり諸外国と比較をされるということが非常にふえてくるわけでございますけれども、先ほど政策課長から御報告申し上げましたとおり、我が国におきます道路、公園、下水道の整備水準というものはまだまだ諸外国の水準に達していないということでございまして、諸外国並みに整備水準を引き上げていくということが焦眉の急務であろうというふうに考えられます。外国との経済交流あるいは人的交流がふえるといたしましても、基本的に道路、公爵、下水道といった都市基盤施設が整備をされてまいりますと、都市の機能としましてはかなりの面で満足のいく水準になるのではなかろうかと、こう思われるわけでございますけれども、さらにそれに加えまして、これとあわせて進んでおります情報化、高齢化といったようなことに対応する新しい都市の整備を図っていく必要があるであろうというふうにも考えられます。  そういう観点から三つのことを現在進めている状況でございます。  その一つは、国際化に対応した市街地の整備ということでございますが、特に我が国は、経済的な外国との交流が増加しているということから外資系の企業が進出をしてきております。これも特に顕著に東京に進出してきているという状況でございます。地方都市でもかなり国際化は進んではおりますけれども、どうしても東京が集中的に目立っているという状況でございまして、特に昨今、東京はニューヨーク、ロンドンと並びまして世界の三大金融市場の一つになっている、こういう状況でございます。そこで、東京に外資系企業が進出をしてくる、またそこに情報が集中しているということで、地方部に立地しておりました我が国の企業も東京に事務所を持つということになりまして、東京、特に都心の三区に事務所床面積の需要が集中的にあらわれできております。これが都心部における地価の高騰にもつながっているということで非常に大きな問題になっているわけでございます。  そこで、都心部における事務所の床需要にこたえて床の供給をふやさなければいけないというような観点から、都市の再開発、特に東京におきましては臨海部の再開発ということを重点的に進めてまいりたいということを考えているわけでございます。特にこの臨海部の開発につきましては、東京都などがテレポート構想というものを打ち出してございますが、国際化時代に対応しまして、国際的な業務に対応できるような事務所が立地できる、そういった基盤を備えた開発を行っていきたいという方向で検討を進めております。  また、地方都市におきましても順次国際化が進むであろう、したがいましてまたそういう事務所床面積その他の需時もふえるであろうということから、地方都市におきましても新都市拠点整備事業などを推進することによりまして、計画的な再開発、業務市街地の形成というものを考えてまいりたいと思っております。  なお、これからの市街地の整備でございますけれども、これらの事務所は、国際化と並行しまして情報化社会ということで高度に情報集中するようなそういう事務所需要が出てくるであろうということから、インテリジェントビルにしていく、高度の通信情報機能とまた大型のコンピューターを備えた、そういう情報を高度に交流し、あるいは蓄積し得るような事務所にしていこうということも考えております。  なおまた、東京がニューヨーク、ロンドンと並びまして三大金融市場になるというようなことになってまいりますと、だんだんと二十四時間活動都市ということになっていくであろう。要するに地球のどこかで商取引が行われ、経済活動が行われている、それがどんどん東京に反映してくるということになりますと、東京の方は夜でありましても、どこかで行われております経済活動に対して窓口を開いておかなければいけないということで、東京自体は二十四時間活動するという、そういう面が強まってくるのではなかろうかということで、二十四時間活動する都市であるというようなことを念頭に置いての都市整備ということも考えなければいけないであろうと思っております。  それから二番目には、これからの国際化に備えまして国際見本市場であるとかあるいは国際会議場、こういった施設を整備していく必要があるということから、せんだって制定されました民活法、通称民活法と言ってございますが、この民活法に基づきまして国際見本市場あるいは国際会議場等を特定施設として指定をすることによりまして、民間の事業者の能力を活用しながら公共サイドでもこれを援助することによりまして整備を進めていきたいというようなことを考えております。これが第二点目でございます。  それから三番目に、国際化に対応した都市整備に関する調査研究を今後大いに進めていく必要があるであろうということを考えておりまして、その一つの例としましては、例えば在日の外国人と日本人とがもっとフランクに交流できるような国際交流ゾーンといったようなものを整備してはどうだろうかというようなことを含めまして、いろいろと今後調査研究を進めてまいりたいと考えております。  引き続きまして、第三のテーマでございますOECDの都市レビューを受けまして今後どのように取り組んでいくかということにつきまして御説明を申し上げたいと思います。  OECDの都市レビューでございますが、これは一九八三年の十二月にOECDの理事会におきまして、カントリーレビューの一環としまして日本を対象とします対日都市レビューを実施するということが決定をされまして、以後OECDに加盟しておりますメンバー二十人が参加をいたしまして、二度にわたり日本での現地調査が行われるなど活発な調査が行われまして、その上で一九八六年、昭和六十一年の一月に日本政府に対しまする政策勧告が行われたものでございます。内容は、八つのテーマにつきましてそれぞれ現状分析と政策勧告が行われたわけでございますが、この政策勧告につきましては、今後都市政策の中でこれを尊重しまして、取り入れるべきものは取り入れるように、大変なありがたい参考資料でございますので、これを活用してまいりたいと思っております。  なお、これをフォローアップするということとあわせまして、二十一世紀へ向けての新たな都市政策についての調査研究をいたしたいということで、せんだって都市局の、これはどちらかといいますと、役所でいいますと課長クラスに当たるような若手の人たちでございますが、若手の方々で学識経験者あるいは行政の担当者、あるいは関連の民間団体などに在職しておられる方、こういう方々にお集まりをいただきまして調査研究会を設けまして研究を進めているところでございます。  この研究のテーマとしましては、これまでの都市政策全体を見直してみまして、都市において生じている新しい潮流を受けとめることによりまして二十一世紀へ向けてどういう新しい都市政策を展開すべきかといったようなこと、あるいは四全総に対応しまして都市政策の全般について検討しまして、四全総を受けて将来の都市政策のビジョンをどういうふうに確立していくかといったようなこと、これとあわせまして、OECDの対日都市レビューの政策勧告をフォローアップしていこう、こういうことを始めております。こういう若手の方々の勉強会を通じましてOECDの都市レビューに対するフォローアップも行っていきたい、こういう考え方でございます。  以上でございます。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 伊藤審議官。

伊藤茂史建設省大臣官房審議官

○説明員(伊藤茂史君) 建設省の四番目の題でございますが、「国際居住年の意義とそれへの対応策」というものでございます。  まず、国際居住年の意義でございますが、御承知のとおり、ことし、暦年でございますけれども、ことしは国連の総会決議によって宣言されました国際居住年でございます。その目的は、この国連の決議等によりますと、世界各国、特に開発途上国において、それぞれの当面する住居及び居住環境の改善を進めるとともに、西暦二〇〇〇年までの長期的展望に立ってこれらに対する実際的な解決方法を見いたしていく、こういうことが目的になっております。この国連決議を受けまして、我が国におきましても、昨年の四月二十五日に内閣総理大臣を本部長としまして、建設大臣と国土庁長官が副本部長でございます国際居住年推進本部というものを設置いたしております。  それから、我が国として取り組む方針につきましては、昨年の九月十日に「国際居住年事業の推進方針」というものをこの本部で決定をいたしております。中身につきましては別紙についてございますのでごらんいただきたいと存じますが、大きく分けまして二つ柱がございます。一つは、国際協力及び国際交流の推進ということが一つの柱でございます。それからもう一つは、我が国の居住問題の改善を推進するということで、この際国民ともども居住年を通じて考えていこう、こういうことになっております。  それで、国際居住年への対応でございますが、建設省としましては、六十二年度の予算で一億四千万円を計上し、ここにございますように、国際居住会議を十月、秋でございますが、開くことにしております。それから二番目に、民間団体、これは後から出てまいりますけれども、正式には国際居住年推進協議会ということにしておりますが、これとの共催で五月の初めの連休、ゴールデンウイークでございますけれども、晴海におきまして国際居住博覧会というものを開催をし、その中に政府としては「世界の暮らしと住まい展」というものを出したいというふうに考えております。それから、国際居住年記念国際交流事業ということで、主として開発途上国から居住問題に関心を持つ方々をお招きをし、我が国と議論をしていくということを考えております。ここに書いておりませんその他のものとしては、郵政省で記念切手でありますとか、それから外務省ではいろんな研修を今までもやっておりますが、それをこの際中身をさらに充実をした研修をやろうというようなことを考えております。  それから国土庁は、ここにございますように、一千四百万の予算を計上し、国際会議、これは十一月でございますが、を開き、それから開発途上国の方に対外交流ミッションを派遣する、十月上旬ということで予定をしております。  それで、下の方でございますが、さらに地方公共団体、これは全都道府県あるいは政令市その他の都市におきまして、公共団体を中心にしてそれぞれ居住年の推進本部的なものが設けられておりまして、公共団体が主催するいろんな事業、公共団体が後援をするいろんな事業を行うことにしております。  それからもう一つ、民間団体等におきましても政府のこういった動きに呼応いたしまして、先ほど申しましたように国際居住年推進協議会というものをつくることにしておりまして、来週でございますが、三月の十九日に発足をするということでございます。それで、この民間団体の主たる行事の中身は、先ほど申しました国際居住博覧会、上の方の②でございますが、この博覧会をやる仕事と、それから国際協力につきまして民間団体も少しお役に立ちましょうということで勉強をすることにいたしております。  こういうことを通じまして、年間を通じて我が国の居住問題あるいは開発途上国の住宅、居住問題について国民の理解を深めながら注意識を向上させ、さらには我が国の住宅問題の解決に少しでも前進が見られればというふうに考えております。  以上でございます。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 国土庁星野計画・調整局長。

星野進保国土庁計画・調整局長

○政府委員(星野進保君) 四全総関連でございまして、国際化に伴う大都市への人口、中枢機能集中の動向、それの対策、四全総の策定状況、それからその中で生活環境でありますとか社会資本整備についてどういう考え方、位置づけていくかということが私に課せられましたきょうの話題でございますので、それにつきまして御説明申し上げさしていただきたいと思います。  それで、「第四次全国総合開発計画の策定作業状況について」というのが一番上についている資料がたしか御提出申し上げてあると思いますが、それの資料の終わりの方に図表が出ております。図表1というので下から多分四枚目ぐらいだと思いますが、図表1で「三大都市圏への人口移動」というのがグラフで出ております。まず、実態の方から少しお話し申し上げまして、作業状況及び考え方ということに触れさしていただきたいと思います。  それで、図表1をごらんいただきますと、このグラフの下に三十年から六十年に至ります各年次のスケールが出ております。それから縦軸は千人という単位でございますが、これは何を示しているかといいますと、三本線がありまして、一番下に「三大都市圏への転入超過」という線がございます。要するに地方圏から三大都市圏、つまり東京圏、大阪圏、名古屋圏、その三大都市圏へ人口が転入してまいりまして、その超過の傾向をグラフにしたものでございます。  ごらんのとおり、高度成長期の昭和三十年代からずっと膨らんでおりまして、一番下の実線だけをごらんいただきたいと思いますが、四十五年ぐらいから五十年にかけまして急速に転入超過がゼロになってまいりました。五十年から五十五年はほほ横ばい、または若干マイナスぎみと。しかし、五十五年から六十年にかけまして反転いたしまして、三大都市圏への転入超過が再燃しております。これが最近よく言われます東京一極集中の人口の集中の傾向と言われるものでございまして、下に細かい表で恐縮でございますが「三大都市圏の転入内訳」というのがございます。これをごらんいただきますと、東京圏、名古屋圏、大阪圏、それぞれ転入超過分。三角がついているのはマイナスでございますから、これは減っている方でございます。それを見ていただきますと、一番上の東京圏というところの数字が全部プラスでございまして、特に目立ちますのが五十六年から数字がふえて大きくなってきておるということでございます。これがほかの圏域では、名古屋が六十年についでプラスでございますが、ほほ名古屋圏、大阪圏は減少でございまして、東京圏だけがひとり増加しておるというのが実態でございます。  それから、次の表はちょっと飛ばさしていただきまして、次に3ということで「都市機能の地域的配置の状況」という表がございます。ごらんいただきたいと思います。  これはちょっと複雑でございますので、読み方を少し解説させていただきますと、横に「指標」と書いてありまして、そこに一番最初が人口、一番左側でございますが、それから金融、国際、情報、対事業所サービスということで、それをあらわす代表する指標といたしまして、例えば人口の場合は当然でございますが人口、それから金融の場合でございますと、ここでは手形交換高、全国銀行貸出残高、それから情報ですと情報サービス・調査・広告業従業者数、次のページをちょっとおめくりいただきますと、さらに商業、業務管理、研究開発、教育、生産、文化ということで、小売販売額とか、あるいは教育でございますと大学学生数といったような形でそれぞれの指標をとってございます。  また前のページヘお戻りいただきまして、今度は上の方をごらんいただきますと、対全国シェアということで、東京圏、大阪圏、名古屋圏、中枢四道県、その他という分け方をしてございまして、それから年次が四十五年、五十年、五十五年、六十年という刻み方をしております。それぞれのシェアを見ていくということでございまして、例えば人口をごらんください。人口で見ていただきますと、東京圏が昭和四十五年には二三%のシェアでございました。昭和六十年は二五%とシェアが少し上がっております。したがいまして、東京圏、ここで言う東京圏というのは一都三県でございまして、東京、千葉、埼玉、神奈川でございますが、それが大体全国の人間の四分の一だ、こういうことでございます。それに対しまして大阪圏でございますが、ちなみにごらんいただきますと、一三・九から六十年には一三・七と少し落ちておる、こういう形でございます。  この人口を頭の中におきまして、人口の比率に比べてどういうものが高い水準にあり、どういうものが低い水準にあるというふうに見てまいりますと、次の金融でございますが、手形交換高、全国銀行貸出残高、すべてこれは人口のシェア四分の一に比べて、東京圏は手形交換高に至っては四分の三、七五%、それから全国銀行貸出残高では半分以上、これは五十九年の数字でございますから現在もうちょっと上がっているかもしれません、ということでございます。以下、国際のところで、在日外国銀行従業者数八五%、外国企業事業所数六六%、情報サービス・調査・広告業従業者数五六%という格好で、軒並み人口のシェアよりは高いわけであります。したがいまして、一番右欄の方に丸がついておりますが、東京圏のシェアが上昇傾向、東京圏のシェアが高水準、地方圏のシェアが上昇傾向というこれは大ざっぱな判定でございますが、丸をつけでみますと、先ほど建設省からのお話にもありましたように、国際、金融、情報といったようなものの東京圏のシェアが上昇傾向が丸が多くついておるわけでございます。しかも、それはシェアの高水準のものが多いということでございます。  次をおめくりいただきまして、今のでんで見ていただきますと、今度は地方圏のシェアが上昇しているものが幾つかございまして、特に小売販売額、その他というところをごらんいただきたいと思いますが、これは三七から三九でございますので、上がっているといっても微増というところかもしれません。それから教育のところをごらんいただきますと、大学学生数でございますが、これは一二・三から一八・九ということで、大変地方圏のシェアが上昇しております。それから工業出荷額、これは生産でございますが、これも三一%から三八%という形でかなり地方圏のシェアが上昇しております。反対に東京圏のシェアは二九、まあ三〇ぐらいから二六へ落ちておるということでございます。したがいまして、ちょうど高度成長期を通じまして工業出荷額あるいは大学学生数というのは地方分散が進んでおる。それに引きかえまして最近とみに、先ほどの御説明にもありましたように、国際、金融あるいは情報等が東京を中心に大変集中しておる。それが翻って、先ほどお示し申し上げましたような、東京圏における人口の転入反転という形が出てきているのではないかということでございます。  実態はそのくらいで省略させていただきまして、次に現在の四全総の策定状況でございますが、一ページにお戻りいただきまして、詳しくいろいろ書いてございますが、ポイントだけを拾い読みさせていただきますと、一ページの2のところでございますが、「策定作業の経緯」の中で、まず(1)で、五十九年の十一月に「日本 二十一世紀への展望」ということで、二十世紀を越えましたところでの展望というものをまとめさせていただきました。これは四全総を御審議いただきます審議会でございます国土審議会に報告の上公表させていただきました。  以降、ずっといろいろな各方面の御意見の調査、それから、(5)にありますように、国土審議会内の計画部会における主要計画課題についての審議、そういうものを経まして、次をおめくりください、二ページでございます。  二ページの(7)にございますが、昨年の十二月にかけまして調査審議経過報告、これは、国土審議会の中に計画部会というのがございまして、そこで調査審議経過報告をお出しいただきました。(7)の3)に、国土審議会へ計画部会が報告していただきましたものを報告した、こういう経緯で、これが新聞紙上等でいろいろ御議論をいただいておるもとでございます。  この審議経過報告は、そもそも、当然地方公共団体及び経済界、あるいは農業団体その他各界の方々の御意見をいろいろ徴する、要するにたたき台といいますか、討論材料として計画部会がおつくりいただいたものでございますので、それを受けまして(8)以降、地方公共団体あるいは経済団体、商工会議所でありますとか、農協でございますとか、その他の各団体等とこれをたたき台にして議論を重ねてまいりました。それから同時に(9)の、全国三千市町村の市町村長さん方にアンケート調査をいたしまして、この審議経過報告に対する御意見等を承っております。  現在これらの意見をほぼ集約し終わりまして、私ども政府案のもとになります国土庁試案の作業を進め始めたところでございます。できれば私ども内部の話としましては、三月いっぱいぐらいにたたき台の第一番目ぐらいはつくりたいというふうに考えておりますが、以後、関係省庁あるいは各方面との折衝その他がございますので、その進捗状況を見ながら国土審議会に正式にお諮りしたいというようなスケジュールを現在考えているところでございます。  それからもう一つの点でございますが、生活環境、社会資本整備等についてどう考えているかということで、実はここに用意いたしました資料は、次の三ページ以下にただいま御紹介申し上げました計画部会の調査審議経過報告の抜粋をつけております。非常に細かいことまで書いてございますが、大筋は、先ほど建設省の方からもありましたように、国際化に対応する話として、ほぼ同じような着想で進めさせていただいておるところであります。  この資料の中で、国際化との関係で言いますと、例えば五ページなどをあけていただきますと、真ん中辺に「国際化に対応した生活環境の整備」ということで、外国人居住者との関係でいろいろこれから工夫していくことが必要なんじゃないかということで、非常に細かいことでございますが、例えば道路標識、案内標示等の公共的サインにおける外国語併記問題でありますとか、そういったようなことも考えるべきだろうと。  それからもう一つは、国際化と裏腹でございますが、美しい都市景観の形成というようなことで、例えば水と緑のマスタープランとかいろいろもう既にアイデアがたくさん出ておりますが、そういうものを総合的に都市づくりの中に入れていくといったような配慮をしていくことが必要だろうというようなことでございます。  個々の話はこの中に、少し詳し過ぎると思いますが、全体としてこれから二十一世紀に向けましてどういう流れがあるかということになりますと、四全総の中で私ども従来の全総と違って非常に大きな流れだと思いますのは、やはり国際化、世界化の問題だと思っております。この世界化をどう受けとめていくか。現在のところは外国の波を受けて東京が非常に肥大化する形で事態が進んでいるように見えるわけでありますが、実際には国土形成といたしましては、こういう東京一極集中という国際化からするインパクトをいかに全国で、私どもこの審議経過報告の言葉でございますと多極分散型という格好で受けとめていくか。つまり名古屋における産業技術首都の形成でありますとか、あるいは大阪における文化・経済首都といったようなものの形成でありますとか、あるいは東北地方で最近とみに出てまいりましたインテリジェント・コスモス構想でありますとか、いろいろ各地域地域で地域の独自性を生かしまして国際化時代に対応する非常にハイレベル、ハイテクニックといいますか、そういう観点での地域づくりの動向が出てきておりますし、東京だけが国際化の波を受けるんではなくて、全国の中で国際化の波あるいは世界化をいかに受けとめていくかという観点が非常に重要ではないかというのが一点でございます。  それからもう一つは、これからますます都市化が進みますので、どちらかというと人間の居住地域というのはますます都市に偏ってくるわけでありますので、片一方、森林でありますとか農地でありますとか、三十八万平方キロの中の国土全体をいかにうまく管理していくかということが大変問題になってくるわけでありまして、この審議経過報告の中でもマルチハビテーションというような新語が出てまいりまして、多居住地域といいますか、都市と農村両方に居住の二本足で住まっていくというようなそういう提案も出ておる等、従来の生活のパターンに比べましてかなり違った生活パターンをいろいろと工夫していく時期ではないだろうかというようなことが指摘されているところでございます。  以上、簡単でございますが、御説明申し上げました。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 田村土地局長。

田村嘉朗国土庁土地局長

○政府委員(田村嘉朗君) 大都市の地価動向と対策について御説明申し上げます。お手元に資料がお配りしてあると思います。これに即しまして御説明させていただきます。  まず、一ページを開いていただきたいと思います。「昭和六十一年地価公示・都道府県地価調査、地域別・用途別対前年変動率」という表がございます。この各個に上段と下段の数字が二つ出ておりますが、注にございますが、上段の数字は地価公示、これは毎年一月一日時点の土地の、全国で一万四千地点余りの標準地につきまして地価公示を国が行うその数字でございます、これの対前年変動率でございます。下段の数字は都道府県地価調査、これは毎年七月一日時点の全国で二万四千余りの標準地につきまして都道府県が調査を行いまして、その結果の対前年変動率でございます。  これでごらんいただきますと、東京圏の住宅地の六十一年の都道府県地価調査、下段の数字でございますが、八・〇%という数字でございまして、非常に高いわけでございますが、特に商業地、左から三つ目の欄でございますが、商業地をごらんいただきますと、六十一年の下段で二三・六%と非常に高い対前年変動率を示しているわけでございます。全地域全用途平均は、一番右にございますが、六十一年では一〇・四%という数字でございます。これに比べまして、大阪圏、名古屋圏がやや高いわけでございますが、地方は非常に安定しているわけでございます。地方平均の、一番右、全地域全用途平均の数字をごらんいただきますと、一・三%、全国平均では二・七%ということで、かなり地方また全国的に見ましても安定しているわけでございますが、東京圏で非常に高い上昇率を示しているという状況でございます。  その次をお開きいただきますと、グラフに示したものでございますが、これは都道府県地価調査が五十一年から始まりまして、その数字を示しておりますが、五十五年に、これは全国でマンションブームが起きたときでございますが、かなり高い変動率を示しましたが、その後安定化をいたしまして、六十一年になって非常に地価がまた上昇している。特に一番上にございます一六・八%という数字、これは三大都市圏の商業地の平均でございますが、商業地主導型の地価上昇を示しているという状況でございます。  三ページをお開きいただきますと、東京都の各区部における商業地・住宅地の対前年変動率を示しております。細かい数字でございますが、全体の説明は省略させていただきますが、左の商業地についてごらんいただきますと、区部は軒並みに相当高い変動率を、一番右の六十一年の数字でごらんいただきますと、示しているわけでございます。一けたの上昇率を示しているのは足立区と江戸川区だけでございまして、ほかの区部はすべて二けた、高いところでは千代田区でございますが六五%というふうな数字でございます。区部平均で四〇・五%という変動率でございます。右の住宅地をごらんいただきますと、やはり同様の傾向でございますが、住宅地の場合には一けた台の地域が江東区、板橋区、足立区、葛飾区、江戸川区、こういうところでございますが、総じて都心部と西南部、鉄道で申しますと田園都市線あるいは中央線沿い、こういった方面が非常に高い上昇率を示しておりまして、区部平均で三〇・五%という近年にない上昇率を示しているわけでございます。これは都道府県地価調査でございますから、昨年の七月一日と一昨年の七月一日との変動を示しているわけでございます。  四ページをお開きいただきますと、主要都市、地方における商業地の対前年変動率はいかが相なっているかということを示しているわけでございます。札幌、仙台以下主要都市でごらんいただきますと、一番右の六十一年の平均変動率、この市の平均変動率がごらんのようなことで、例えて申しますと仙台では一二・四%、横浜では一四・七%、大阪市では二一・六%というような高い数字でございますし、それから最高の変動率を示した地点の数値、これが一番右でございます。かなり高い変動率を示しておりますけれども、これはごく都心の一部の地点に限られて見られる現象でございまして、地方におきましてはこういった大きな都市の都心部に地価上昇が見られるということではないかと思います。  こういった地価動向に対しまして、特に東京等の地価高騰対策をどんなものを行っているかというのが次の五ページでございます。まず私どもは、東京を中心とした地価高騰の主要な原因は、東京都心の強いオフィス需要に対応した供給が不足している、国際化あるいは情報化の中で東京都心における事務所需要が非常に増大しておりますが、これに対応した供給がおくれているということが基本的な原因であろうというふうに思っております。したがいまして、このオフィス需要に対応した供給を推進することがまず一つの柱でございます。  その中の一つは、適正な業務管理機能を配置するということで、何といいましても東京都心の業務機能を周りの業務核都市になるべく分散していく。そのための核都市の整備を進めていく。横浜、川崎、大宮、浦和等の核都市の整備がまず第一でございます。それから次に、既成市街地の低・未利用地スペースを活用していく、この方法を推進していくということでございまして、市街地再開発事業の推進、等価交換、土地信託、事業受託方式、借地等の制度、私どもはこれを土地所有者参画型と言っておりますけれども、余り土地の価額が顕在化しないような土地高度利用の方法、こういったものを大いに推進していく必要がある。これによって低利用地、未利用地を高度利用をしていく、こういうことでございます。三番目が新規業務拠点の育成でございまして、埋立地の活用、特に十三号埋立地あるいは竹芝、芝浦地区で現在埋め立てを進めておりますが、こういった地区を活用していくこと。それから、国有地、国鉄用地等の活用、汐留貨物駅跡地等の活用を考えておるわけでございます。  二番目の柱といたしまして、投機的取引、先ほど申し上げました基本的な需給関係のアンバランス、これに伴いまして、非常に一部業者による投機的取引が金融緩和を背景といたしまして地価高騰に拍車をかけているというふうに思っております。このために土地取引を調整する方法として、まず国土利用計画法を的確に運用しています。それから、土地取引動向、地価動向の監視を強化しております。特に三番目に、小規模な土地取引に対する指導の強化ということで、東京都条例による届け出制の創設、それから国土利用計画法の改正の検討、こういったことを進めているわけでございますが、都条例につきましては後でまた御説明を申し上げます。それから四番目が国有地等の取引に係る適切な対応、この払い下げが周辺地価高騰の契機とならないように配慮していくということでございます。それから、関係業界、これは不動産業界でございますが、それと金融機関、これに対しまして、特に投機的取引を抑制するように指導をしております。七番目に、投機的土地取引の抑制のための税制措置ということで、超短期の保有土地譲渡益の重課の創設、これも後ほど御説明をしたいと思います。  そこで、六ページに東京都条例の内容がごく簡単に書いてございますが、この左の欄をごらんいただきますと、対象地域でございますが、上から五行目の括弧の中に書いてございますが、東京都条例によりまして現在都心の十四区で取引の規制を国土利用計画法とは別に実施をしております。この四月一日からは二十三区全部、それから武蔵野、三鷹の二市に対象区域を拡大する予定であります。この条例によりまして、三百平米以上二千平米未満、二千平米以上は国土利用計画法で届け出義務があるわけでございますが、それに至らない面積の土地取引につきまして、規則で定める規模から上は届け出の対象とする。現在五百平米以上ということに決められております。こういった規制を現在実施しているところでございます。  次に七ページでございますが、六十二年度の地価対策関係税制の改正案の概要でございます。  まず、個人の土地譲渡所得課税の特例等の改善。①でございますが、長短区分の特例。これは、個人が六十二年四月一日から六十五年三月三十一日までの、つまり三年間に土地等の譲渡をした場合に、その土地が六十一年十二月三十一日以前から引き続き所有していたものは、その譲渡の年の一月一日において五年を超えた所有をしておれば、その譲渡の所得は長期譲渡所得に該当するものとする。こういうことで、原則は十年以上所有していたものが長期譲渡所得になっておるわけでございますけれども、六十一年十二月末までに保有していたものにつきましては、これを五年でも長期扱いにするということでございます。したがいまして、六十二年以後に買うものについては適用はないわけであります。  それから②にございます超短期保有の土地の譲渡等に係る譲渡益の課税の特例でございます。これも六十二年四月一日から六十五年三月三十一日までの三年間、その年の一月一日におきまして所有期間が二年以下である土地等につきましては、その譲渡益につきまして重課をする、こういうことで、この内容は次の八ページの表をごらんいただきたいと存じますが、個人でまいりますと、「二年以内」、一番左の方に書いてございますが、それの一般の譲渡所得につきましては従来と同じでございますが、個人の事業所得、雑所得につきまして、つまり個人である不動産業者等の所得につきまして、真ん中辺に書いてございますが、「次のいずれか多い額」ということで、五〇%の比例課税あるいは総合課税の一二〇%のいずれか多い方ということでございます。現行では、十年以内の短期譲渡所得につきましては、四〇%の比例課税と総合課税の一一〇%のいずれか多い額となっておりますが、それをさらに二年以内につきましては重課しているということでございまして、地方税を加えますと、最高九二%の税率になるということでございます。  それから法人につきましては、一番下の「改正案」のところに書いてございますが、「通常の法人税とは別に税率三〇%で課税」。現行では、十年以内は通常の法人税とは別に税率二〇%で課税、こういうことでございますが、それを一〇%重くしているわけでございまして、これによりますと、地方税を合わせますと、黒字の法人の場合は九六%というふうな税率になるわけであります。  こういった税制によりまして投機的取引を抑制していく。一方、長期譲渡所得の方の五年の特例によりまして宅地の供給の促進を図っていくということで、土地対策の税制の柱としているわけでございます。  最後に、九ページに地価対策関係閣僚会議についての資料がございますが、これは、現在関係閣僚それから党の役員の方々を含めました会議におきまして地価対策をいろいろ検討していただいているわけでございまして、昨年の末に発足いたしまして現在のところ二回開いておるところでございます。  以上で説明を終了させていただきます。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 以上で建設省及び国土庁からの説明聴取を終わります。  これより本件に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言を願います。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 まず資料についてちょっとお伺いしておきたいんですが、四全総計画、これは御報告にもありましたように、政府として正規にまだ決められていない検討段階のものというお話でしたが、「内需拡大に対応した住宅・社会資本整備の現状と展望」、これについては既に政府が決められたものなのかどうか。内容を見ると、何か大分ダブっているところもあるような気がするし、違うような気がするしという点ですが、この資料の関連性について、それぞれを御説明になったんですが、一番最後のものは土地問題ですからよくわかりますけれども、それ以外の関連についてちょっとお伺いしたいんです。もともと国土と建設一緒だったものが離れ離れになったこともあるんでしょうけれども、関連性についてちょっと御説明してください。

星野進保国土庁計画・調整局長

○政府委員(星野進保君) 今の御指摘でございますが、国土庁が本日提供いたしました資料は、資料の三ページの表頭に書いてございますように、国土審議会計画部会が御報告いただきました調査審議経過報告の中における住宅生活環境整備のくだりを抜粋させていただいたものでございます。したがいまして、これはまだ計画でも何でもございませんで、審議経過報告の議論を取りまとめているということでございます。したがいまして、簡単に言えばまだ討論材料というとしろでございます。

斎藤衛建設大臣官房政策課長

○説明員(斎藤衛君) 建設省の方から御説明申し上げました数字の中には、五カ年計画の数字の分がございます。これは、既に正式決定といいましょうか、されたものでございます。  それから、「長期構想」の数字も申し上げましたが、これはいわば省内で内部的に検討して詰めた数字ということでございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 それじゃもう一つ、今の内部的に議論されていると言われる「長期構想」、これの中の5、6、7の表の関連なんですけれども、投資額を書いているところもあれば書いていないところもある。それから合計額を書いているところもあれば合計額を書いていないところもある。一体、これは何百兆円になっているんであろうかというふうにちょっと思うんですけれども、これはどういうことですか。

斎藤衛建設大臣官房政策課長

○説明員(斎藤衛君) まず、投資額が幾つかのところに書いてございまして、大変見にくくて申しわけございませんが、6のところに三百四十一兆円という数字の書いたのがございますが、これはここに書いてございます道路とか下水道等の建設省が所管をいたします公共施設と申しましょうか、社会資本整備、それに要する額というふうに御理解をいただけたらよろしいかと思います。  そうしますと、その次のページの方をごらんをいただきますと、九百三十四兆円というふうな数字が入っております。これとの関連でございますが、ここでは公共投資ではないのでございますけれども、民間の投資などがございます。例えば、ここに例示がございますが、都市再開発ですとかあるいはまた、宅地開発ですとか、そういう民間がおやりいただくような分があるわけでございますので、そういうものを概算いたしますとおおむね二百兆円ぐらいになるであろう。そのほかに住宅がございます。住宅は、基本的には民間の方に建てていただくのが主要部分になってまいりますが、その数字が約四百兆円、三百八十八兆円ほどある。合わせますと九百三十四兆円ぐらいになる、こういう御理解をいただけたらありがたいと思います。  なお、その次に「新潮流に対応した国土建設分野における公共」云々という投資の欄がございます。例えば都市の更新で八十六兆円とか民間分が九十八兆円等と書いてございますが、これはいわば上のところで書いてございます九百三十四兆円の中から抜き出しまして、こういうものはどれくらいあるかというものを試算したものでございます。  以上でございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 合わせると下の方は五百四十六兆円ぐらいになりますね。そうすると、今言われた数字を合わせると九百三十四兆円を超しちゃうんじゃないですか。

斎藤衛建設大臣官房政策課長

○説明員(斎藤衛君) 九百三十四兆円の内訳といたしましてこれらの数字が入っております。  それから、同じものでありましても、私の説明がちょっと不十分で申しわけなかったんですが、一つのものが複数の機能を持つようなものも中には出でまいりますので、あるいは先生御指摘のような面が部分的にあるかもしれませんですが、基本的な考え方としては九百三十四兆円の内容としてこんなものがあるということでございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 5の住宅百四十七兆円というのは、これはどういうことになりますか。これは、建設省という意味ですか。5にありますね、「昭和七十五年度における主要な目標整備水準」。

斎藤衛建設大臣官房政策課長

○説明員(斎藤衛君) これは、その欄をごらんをいただきますとわかりますが、現状としてのストックがどれくらいあるかという数字でございます。そうしますと、大体住宅の資産額といたしまして百四十七兆円ぐらいあるだろう、こういうことでございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 わかりました。  これ全体をお伺いすると非常に興味深くて、中身に入れば切りのない話になりそうですね。しかし、ここは御案内のように、国民生活ということで、今回は国際化問題、国際との関係を今追求しているもんですから、これ自体についてとやかく言うのは余り適さないと思うんで、絞った議論になるかというふうに思うんですが、まず第一点としてお聞きしたいのは、皆さんの方も国際的な比較において社会資本の問題であるとか住宅の問題についてかなり低下をしている、これを向上させなければいかぬ、こういうお話を前提にされていろいろと策定されておるわけですね。したがって、ウサギ小屋という話がぼんと飛び出してくるんですが、これは国土庁や建設省の皆さんはどういうふうに受けとめられておるんですか、内容的な問題を含めて。

伊藤茂史建設省大臣官房審議官

○説明員(伊藤茂史君) ウサギ小屋という話が出ましたのは相当前、もう十年近く前だと思いますが、そのときにECの方で言われた内容は、今一般的に理解されている内容とはちょっと違うと私ども思いますけれども、先生今おっしゃいましたのは、一般的に新聞や国民や皆さん方がおっしゃっているウサギ小屋という意味だろうと存じまして、そういう点で住宅政策上はどう思うのかと、こういうお話であろうかと思います。  一般的にとらえておりますのは、日本の住宅水準の低さをウサギ小屋といいますか、そういう小さな住宅というような感じで受けとめて表現されている、そういうふうに理解されているということではないかと思います。その限りでは平均的なストックの状況、それから床面積の状況、そういったものは西欧や米国の先進諸国と比較しますと、おっしゃるとおりでございます。  ただ、その中身を見てまいりますと、持ち家と貸し家あるいは大都市圏の住宅と地方の住宅というようなことで中身は大分変わってまいります。一番ウサギ小屋にふさわしい状況にあるものは、大都市圏の貸し家の状況が一番それにふさわしいと言ったら語弊がございますが、言われるに値する状況ではないかと思っております。したがって、地方の持ち家を諸外国と比較する、あるいはオールジャパンで持ち家を外国の持ち家と比較をする、こういうふうにしてきますと、統計的にあらわれました規模等ではそんなにウサギ小屋と言われるほどの格差はないというふうに考えております。  いずれにしましても、理屈はともかくとしまして、謙虚に御批判を受けとめてストックの水準の向上に努力をすべきだ、先進国にふさわしい住宅水準にすべきだ、こういうふうに考えております。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 それで、そういった床面積やなんかを含めた狭いという意味、内容が極めてお粗末だという意味、そのほかに言葉として出てきているのが働き過ぎという、それ自体も飛び出してきているんですね。何をもって働き過ぎというかということ、いろいろこれはそれぞれの国の文化の問題もありますから難しいんですけれども、労働時間数だけを言えば、確かにアメリカに対してあるいはヨーロッパに対してということで長時間労働であることは、要するに間違いない。これはここでもお互いに数字は出されているから確認し合っていることなんですけれどもね。  それで、働き過ぎと同時に通勤時間ですよ。通勤時間を見ると、特に大都市圏では、別に貸し家だけじゃなしに、持ち家の人を含めてさまざまな問題、とりわけ片道一時間を超える、一時間半なんというのは常態じゃないでしょうか。二時間を超える人もかなりおられる。往復四時間あるいは五時間なんというふうになりかねない通勤事情の人もおられるわけですけれどもね。  そういう問題と住宅問題、つまり広い意味の住宅問題、ウサギ小屋という問題と関連させて考え、そのことを念頭に置きながらこれからの住宅建設計画というものを考えていくかいかないか、そういう議論なりお考えはないんですか。

伊藤茂史建設省大臣官房審議官

○説明員(伊藤茂史君) 政府としましては、住宅建設につきまして五年ごとに住宅建設計画法に基づいて計画を策定をし、その目標達成に努力をしておるところでございます。その際、閣議決定をいたしますので、当然のことながら宅地の供給の問題、都市の整備の問題、交通施設の整備の問題、あらゆる問題が関連をいたします。したがいまして、閣議決定の際にしばしば関係省庁ともお話し合いをし、こういう住宅建設計画をつくるので関連の施策もよろしくお願いしたい、こういうことでやってきておるつもりでございます。ただ、先生御指摘のとおり、事大都市に関しましては非常に御指摘のような問題が大きゅうございます。これは並み並みならないいろんな施策の総合的な努力が要ると思いまして、私どもはそういう施策が住宅政策の目標と歩調をとってとられていくということが重要だろうというふうに考えております。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 私もこの住宅問題というものは五年やそこらで一挙に解決する問題だとは思っていません。同時にウサギ小屋というふうに言われるヨーロッパやアメリカの定義の問題についても、極めて限られたところに焦点を合わして、それ自体で物を判断をしているということもありますから、すべてがすべてウサギ小屋だと私も思っていないんであります。しかし、経済の成長あるいはGNPとの関係とかいうものから見れば、労働時間、通勤時間、さらには床面積というのもずっと並べていくと、どうしてもトータル的に、成長の割合には国民生活に立派に寄与して、なるほどなと思われるような先進国には必ずしもなっていないというのが一般的な理解として存在することだけは、これは間違いないというふうに私は思うんですね。  したがって、皆さん方も御指摘になっているように、トータル的には低下をしている、だからこれ上げていかにゃいかぬ、社会資本投資の問題を含めてと言われているんですから、正しい方向だというふうに思うんですが、問題は、しからば中身を、これも審議会で議論されたんでしょうけれども、私らから言えば、もうやはり日本の国民生活もトータル的には四LDKとか四DKとか、そのくらいのものを最低にしていくという発想がやっぱりなければならないんじゃないかという前提に立ちたいなということと同時に、住宅問題というのは、どなたでも内需拡大に役立つということを言われでおるし、確かに品目をそろえたらビルなんかよりも物すごい品目でいろんなものを必要とするという点で、拡大影響も非常に大きいわけですね。それと同時に、家は建つけれども駐車場がという問題が特に都市部なんかでは大きく問題になっているわけですね。警察庁がわかっているのかわかっていないのか知らぬけれども、小さな駐車場に二台も三台も何か車が入るような形で車庫ありというふうになっている家も実はあるそうでありまして、そういう問題なんかを考えると、駐車場、車庫の問題というのも非常に大きくなってくる。内需拡大の問題なんかを考えれば、それこそ鉄筋、鉄は国家なりと言われた鉄鋼がおかしくなっているわけですから、そういう鉄鋼がおかしくならぬような需要を図る。要するに家屋構造、とりわけ車庫との関係では地下利用という問題を大いにやっぱり奨励していくような形のものを考えるべきじゃないか。優遇措置としてはそこには税金をかけないというぐらいの思い切った発想をしていくぐらいにして住宅建設というものを奨励し、また、政策として遂行していくということが必要じゃないかなというふうに思ったり、あるいは四LDKとか四DKというからには、まず率先して住宅公社とかこういったところが、もう内部の改造という問題を含めて、つまり新しいところに百戸とか二百戸求めたら、古いところは改造して、これまで百戸入っておったけれどもそこはもう六十戸になるような改造をして、四DKとか四LDKというものを保障していく、こういう思い切った住宅政策というものを立てていくぐらいでないと、国際的にある批判にこたえることにならないんじゃないかなと。そういうことが現実に行われているものを見れば日本もやっているということになって、いろんな摩擦の多少でもの解消策に役立っていく、信頼も回復してくると、こういうふうに思うんですが、具体的に中身はともかくとして、それぐらいの積極的な姿勢を内容に持たすという点ではいかがでしょう。きょう決定的なお言葉をいただこうとは思いませんけれども、そういったような積極性を持った住宅政策というものを進めていくというお考えはないですか。

伊藤茂史建設省大臣官房審議官

○説明員(伊藤茂史君) 今お話の出ました住宅の規模のお話ですが、先ほど申しましたように五カ年ごとに五カ年計画をつくって目標を立ててやっているわけですけれども、今現在六十一年から立てております計画は第五期でございます。この新しい計画では今までありました目標の居住水準というものを全面的に見直しをいたしまして、二十一世紀にふさわしい居住水準ということで新しい水準を設定しております。その際に、一つは都市の中心部でありますとかその周辺、言うなれば市街地の中に建っております共同住宅、土地は、地価が高うございますし、したがいまして高層、一部高層なりの土地利用が要るわけでございますが、そういった土地を高度利用した場合の居住水準ということで、都市型、都市居住型誘導居住水準と言っておりますが、こういうものと、郊外、それから地方におきます戸建ての、一戸建ての住宅でございますが、戸建ての住宅を想定いたしました一般型の誘導居住水準と二つをつくりまして、二十一世紀までに国民の全世帯の半分以上の世帯がこの水準以上の住宅に住めるようにしようと、こういう目的に立っております。  先ほど官房の政策課長から申し上げました昭和七十五年度における主要な目標整備水準のところでいろいろ書いてございますが、例えば七十五年度目標が住宅資産額が二百八十三兆円であるとかいろいろ書いてございますけれども、これは今申しました誘導居住水準をにらんで立てましたものでございます。その中で一般、要するに郊外型でありますとか地方型でそれではどのくらいの水準をねらっているかということでちなみに申し上げます。  この場合の世帯人員というのは、中高年齢者がいるかどうかというようなこと、あるいは子供が幾つであるかというようなことで当然に必要な面積というものは変わってまいります。そういういろんな細かな基準をつけまして、世帯人員ごとにどのくらいの規模の住宅が要るだろうかと、こういうことを決めておりますが、四人世帯で、先ほど先生は四LDKと言われましたけれども、四人世帯で三LDKSと、こう言っています。このSというのは余裕室でございまして、主人が書斎が要るということであれば書斎にもなるような部屋がもう一つついているということでございますから、まあ正式の四LDKではございませんが、Sがついていますから四LDKに近い形のものかと思います。これで住居専用面積が百二十三平米ということになっております。こういう相当高い水準でございまして、今現在それではこの水準を超えておる住宅が、もちろん世帯人員との相対関係でございますから、一人でちっちゃな住宅に住んでいてもこの水準を超すものもあるわけでございますが、そういうことで勘定いたしますと、今現夜これを超えておりますものが二八%でございます。これを五〇%まで超えるようにしていこうと、こういうのが二十一世紀の目標でございます。その際に資産は、住宅ストックとしては倍増をする、こういうことになろうかと思います。そういう目標で五カ年計画は立てられ、五カ年間のいろんな施策もそれに向けてどうしたらいいかということで知恵を絞り、さらに五カ年計画を過ぎます際には五カ年計画の反省に立って新しい施策を考えていく、こういう仕組みになっているわけでございます。

及川一夫日本社会党・護憲共同

○及川一夫君 気持ちの上では理解できるんですが、付随するのが財源とか、それから枠組みが一定であれば当然順位とかいろんなことで議論が発展すると思いますが、きょうの私の気持ちからいえば大体そういったことを積極的におやりになるという点で受けとめておきたいと思います。  最後なんですが、外国人住居を整備するというか、居住地ですね、いろいろおやりになるということなんですが、先ほどから説明があったように、大都市なんかではもう土地問題がえらい高いものですから、この前テレビひょっと見たんですけれども、もう土地を買って家を建ててやるよりは、あるいは一戸建てを借りるよりは事務所併用で居住地にした方がいいということで、ホテルの一角をばあっともう長期に借りている、その方が安上がりなんだという説明がなされているわけですね。それを聞いたときに、まさにそのとおりだなと思うほどの土地の値段ですから、いろんな手だてがされていることは報告されているんですけれども、もっともっとやっぱり抜本的な対策を立てないと、この四全総も下手をすると絵にかいたもちになりかねないというふうな感想を持っているわけであります。  したがって土地問題については、先ほど説明された対策で十分とお考えかどうか。新たな手だてというものを考えなきゃいかぬのじゃないかというふうに私などは思うんですけれども、時間の関係がありますからその内容はまた別の機会に譲るにしても、あれだけでは必ずしも十分じゃない。土地を転がして売ってもうけようという人がいるわけだし、あの数字を見ただけでも、事務所が多いから土地を買ってビルを建てようというよりは、何となく土地自体がマネーゲームになっているというふうに我々は受けとめたいんですよ。今の株もそうだし、NTTの株もそんなことで大変な事態になっているんですけれども、そう思うものですから、なお一層地価の抑制という問題については新たな観点から考えていただくようにお願いをしておきたいということを結びにして終わりたいと思います。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 時間の関係がございますので、一問一答ではなくてまとめて御質問をして、簡潔に御回答いただきたい。私は、建設省関係のお尋ねをまず申し上げたいと思います。  御案内のように、GNPが第二位で、国民総生産額一人当たり一万一千百三十七ドルという世界で一、二というような大変な我々所得になった。ところが、実際日常生活の中では実感がないのがいささか残念なところでございます。俗に言う衣食住という中で、衣食は大変世界的だと私も思う。ただ住の部分が残念ながら、先ほど来御説明もあったし、またただいまもお尋ねがございましたように、いかにもおくれておる。これ住居と社会資本ともに、先ほどのデータで御説明をお聞きしても、世界のいわば先進国から見れば大きなおくれをとっている。国際化時代だからというわけじゃもちろんございませんけれども、これからの時代にさらに安全、快適、魅力ある、しかも国際性豊かな町づくり、こういうようなことを強力に進めていかないと、世界が日本に対する誤った判断、これはさっきのウサギ小屋の話ではありません、後ほどちょっと触れさせていただきますが、非常に誤解をするファクターになりかねない、このように日ごろ考えておるわけであります。  今さらローマは一日にしてならずというようなぎょうさんなことは言いませんけれども、その国が一番安定しておる、力のある、その時代に社会ストックというものは急速にぐっと実行して、その資本蓄積で今日の世界の一流都市が成り立っている。例えばパリの下水道等だって、もう二百年も前からああいうような工事ができた。そんなことを思いますと、私は今の日本はまさに社会資本充実を早急に進められる力のある時代だと、このように私なりには認識をしておるんです。  そこで、先ほど三百四十一兆円の御説明がございましたし、御質問もございましたから、時間重なりますので簡潔に結論だけ言います。  公共投資リードで内需拡大、時代的に大変重要なことでありますから、積極的にやってもらいたい。これから十五年間で算術計算すると年二十三兆円、このくらいのひとつ財源をきちんと確保して、そして国、地方一体となって、最低でもこの計画を実現、実施をしていただきたい、このように思います。  それと、この四全総で都市機能というのが東京集中型から多極分散型、あるいは交通、道路、それらの問題も今までは、例えば東京から放射型、それを今度ははしご型、こういうような考え方がどんどん出てきている時代で、新しい都市をつくっていく上において、例えば都市景観、道路、下水、公園、スクエアあるいは地下埋設、駅前広場、駐輪・駐車場、いろいろそういう要因を含め合わせて、これからの国際化、高齢化、過密集中化、こういう時代に二十一世紀の快適な活力ある都市づくり、こういう面はもちろん、今ハードの計画は強力に進めてもらう。それ以外に、いわゆるソフト面を合わせての都市づくりというようなものに対する配慮は今後一体どうされるのか。これがまず第一点。  それから第二番目は、逆に外国人が日本へ来たときに一体どう思うだろう。私もしばらく外国からぽっと日本へ帰ってくると、日本の町は煩雑だな、おもちゃ箱をひっくり返したようだなというような印象を持つ。それは電信柱だとかケーブル線がもう縦横に、右、左に走り回っている。広告、看板もそういうような印象の一つになりがちだ。宮城を中心としたこの国会あるいは官庁街、この辺に来ると国際的都市だなと、こんなような印象を持つわけでございます。しかしながら、日本の整備がいろいろな面でおくれているということを私も感じていますが、外国人が日本の都市ストックという問題についてどんな印象を持っているのか、そういう調査をされたことがあればお聞かせをいただきたい。でなければ、先ほどの国際交流ゾーンをつくろうとか、あるいは外国企業が日本へ来て、そのオフィスだとか、あるいは居住環境等の整備をというようなことの参考資料にはならないのじゃないだろうか、こんなことも思います。  特に横浜は国際的な町ですから、横浜の外国人の友人と話をするんですが、横浜あたりですと隣に住んでも大して違和感を日本人が感じない。ところが、日本人というのは、外国へ行けば大体集団的な日本人町みたいなものを形成しがちですね。この辺で外国人との融和感というのがないというのが国際化時代にいろいろ問題になる。ところが、外国人が今度日本へ来た場合に、私の隣に住んでも違和感がなく、朝夕あいさつができるような、そういう居住環境、こういうものもハード面と合わせてソフト面で育てていく、こういう努力もしていかなきゃいけないんじゃないか。そういう点から考えて国際交流ゾーン、大変結構な構想でございますけれども、大体どんなことをしていかれようとなさるのか。あるいはまた、一般の住宅環境の中で外国人居住住宅をどう対応していくのか。この辺もお聞かせいただきたい。  最後に、ウサギ小屋のお話が先ほど出ました。これは国際居住年を迎えた時期ですから、重ねてもう一回お尋ねしますけれども、ECレポートで私も当時見て、ちょっと不快を正直に思いました。これも最近、今でもあるかもしれませんが、フランスの教科書を私ちょっと十数年前に調べた。日本の住宅はというと木と紙とわらでできている、こう小学校で説明する。彼たちにどういう印象を持ちますかと聞いたら、我々の生活環境からは馬小屋だと言うんですよ。ウサギ小屋がいいか馬小屋がいいか、これはわかりません。日本の純粋な伝統文化の中で出てきた、大小はあっても日本の住宅はなるほど木と紙とわらでできている、それをそういう誤解の教育というような中で、やっぱり先ほどの日本に対するイメージダウン、こういうような問題が貿易摩擦だとか何かにまで底流としてあるんじゃないかというような気がしてならない一人でございますから、そういうイメージアップをするためにも、何か居住環境というものは早く外国の人たちに理解をしてもらえるようなレベルアップを図らなきゃならない。  たまたま国民生活白書をちょっと見てみました。持ち家比率六〇%を超えている。多少部屋が少ないとか狭いとか土地が高いとか、あるいは敷地が狭いとか、いろいろあるけれども、まあまあ満足ですよというのが、これまた六〇%ある。私は、日本人というのは素直な、いい中流意識を持っている国民だと。本当にお互い励ましたい、肩をたたきたいと思うわけでありますが、圧倒的に一戸建て住宅を希望しているのが八七%。生涯の我々の努力によって一戸建て住宅をつくりたい。ところが、そうなると、土地の問題が出まずし、これは後ほど先輩の坂野先生がいろいろ土地問題、お尋ねをされますから抜かしていただきますけれども、とにかく土地利用というものもいろいろな角度から考えていただかなきゃならない。ましてや、高齢化時代を迎えて三世代住宅とかいろんな問題が出てくる。これらに対応するためには先ほどお尋ねのあったような住宅の質的な向上、こういうようなものも、居住環境、居住水準というものをより高めた良質住宅を、しかもできる限り多量に供給をしていく、こういうような努力を一層していただかなければいけないだろうと、そんなようなことを思いますときに、二十一世紀、しかも国際居住年を迎えて、日本人的な発想によれば一つの区切りだから、何とかそれまでに世界に通用する立派な住宅環境をつくるための心構えを建設省の方にお聞かせをいただきたい。  以上でございます。

斎藤衛建設大臣官房政策課長

○説明員(斎藤衛君) 住宅も含めまして社会資本の整備については非常に財政的な厳しい環境下にはございますが、先生御指摘のとおり、できるだけの努力をしてその達成に努めてまいりたいと思います。

中嶋計廣建設省大臣官房審議官

○政府委員(中嶋計廣君) ただいま先生から御指摘のとおり、都市における生活のしやすさ、住みよさというのは、単に施設が整っているというだけでは十分じゃございませんで、いわゆるソフト面、環境といったものが整備されてこないといけないんだろうと、これは私どもも全く同感でございます。  そこで一つは、都市の景観と申しますか、都市の受ける感じと申しますか、そういうものを大切にしなければいけないということで、よく言われますのは、例えば電線を地中化するとか、あるいは屋外広告物について規制をするとか、そういうことは私どもの方でも考えてまいりたいと思っております。  そのほかによく都市内で環境問題として取り上げられますのが各種の騒音でございます。交通の騒音でございますとか、あるいは最近では隣近所のカラオケのようなそういう騒音に至りますまで騒音の問題、これは住宅の規格なんかも多少関係があるのかもしれませんけれども、それ以上に市民の相互の協力といいますか、相互の心構えといいますか、そういうものを啓発していくということも必要であろうというふうに考えております。そうなりますと、建設省の所管行政からはちょっと枠をはみ出すことになるのかもしれませんけれども、各省庁あるいは地方公共団体が協力をしましてそういう面での啓蒙ということもやっていかなければいけないだろうと、このように考えております。  それから、外国人で日本に住んでおられる方々がどういう印象を受けているか、そういう調査はしているのかということでございますが、いろんな各種の機会を通じましてそういう外国人の意向というものは把握するように努めております。例えは五十九年、ちょっと二年ほど前になりましたけれども、五十九年にも東京周辺に住んでおります外国人の方々を対象にしましてアンケート調査をいたしまして、日本の町についてどういう印象を受けているか、また今後改善するとすればどういうことをすべきだと思われますかといったような調査をしております。こういう中でもかなり都市の安全、防犯でございますとか交通安全でございますとか、そういう安全や何かにつきましては非常に日本の都市の評価は高うございますけれども、片方で例えば緑地が少ない、もっと緑化すべきであるといったような要望が出てきております。あるいは都市の景観につきましても、我々が言っていますと同じように電線の地中化でございますとか、あるいは広告物をもう少し規制した方がいいんじゃないかといったようなことも提言をされております。  それからこの調査の中でおもしろうございましたのは、日本に長く住みまして日本語の多少わかる方は、日本の道路につきまして運転しにくいという印象をそれほど持っておられない。ところが、日本語のわからない方、日本語の読めない方になりますと、運転しにくいという印象が非常に強くなってくる。これは道路の構造そのものよりもむしろ案内の標示板なんかが日本が少ないというようなことがあるんじゃなかろうかと思われるわけでございます。そんなこともございまして、昨年の十月でございますか、道路標識、道路標示の総理府・建設省令を改正いたしまして、標示板を大きくすると同時に、ローマ字を入れるというようなことを今後積極的にやっていきたいというふうなことを考えております。そういうことで外国人の意向につきましても十分これを今後とも把握しまして、できるだけ住みやすい都市にしていくということに努力をしてまいりたいと思います。  それからもう一つ、国際交流ということで外国人の居住地についての御指摘がございましたが、私ども外国人の居住地というものを東京の中にわざわざつくるということじゃなくて、国際都市であります以上、外国人の方々が日本人とともにどこにでも住んでいただいていいような、そういう町づくりを心がけていきたいというふうに考えます。  ただ、ビジネスで短期間来日される方々、特に、先ほど申し上げましたが、これからの東京が世界各地と経済交流が深まりまして、二十四時間活動するような都市になりますと、こういうビジネスで来日される方々は場合によりましては夜まで働かなければいけないというようなことも出てこようかと思いますので、そういう方々に対する利便施設というのは別途考えていかなければいけないんだろうと思いますが、日本に住まわれるということになりますと、余り外国人だからということで特段のことを考えるのじゃなくて、日本人とともに生活していただく、それでまたできるような環境をつくっていくということに努力をしていきたい、このように考えております。

斎藤文夫自由民主党

○斎藤文夫君 簡潔で結構ですよ。

伊藤茂史建設省大臣官房審議官

○説明員(伊藤茂史君) ウサギ小屋の解消のために国際居住年を契機としてどういうことを考えておるかと、こういうことかと存じますが、私どもも国際居住年のいろんな事業を通じて国民が住意識をもっと高く持って、住宅ストックのいい方に向かって皆さん努力をしていただく、そして次代の国民にいいストックを残していく、こういうことにもう少しどん欲になっていただきたい、こう考えております。  そういう意味で、各公共団体が行いますいろんな展示の企画を見ますと、その土地土地の、例えば木材でありますとか、かわらでありますとか、それぞれ特産品があるわけでございますけれども、そういうものを活用して、その地元地元で新しい形の住宅はどういうものがあるかというものを展示をしたり、それから晴海で行います今回の居住博では、高齢者対策、高齢者住宅といいますか、高齢者用の住宅でどういうものがあり得るか、あるいは三世代の居住用のための住宅はどんなものがあり得るかというようなものの展示もされるやに聞いておりますし、それから設計コンペも行われるというようなことでございますので、目に見える形でみんなで住宅の中身について議論をしていく、こういうことがとりもなおさず居住年を意義あらしめる一つのやり方ではないかと思っておりまして、そういう点に力を入れたいと思っております。

坂野重信自由民主党

○坂野重信君 それではちょっと二点ばかりお伺いしたいと思います。国土庁にお願いします。  第一点は地価対策の問題ですが、この調査会は、御承知のとおりに常任委員会と違いまして、どちらかというとできるだけ長期的な、恒久的な、基本的な問題を研究しようという調査会でございますから、そういうことで私の質問もややそういう長期的な、基本的な問題、それで答弁も当面の法律をどうするとかというような問題じゃなくて結構だと思いますから、個人的な考え方でも結構です。  一つは地価対策ですが、いろいろ資料をいただきましたけれども、外国との比較が大体どういうことになっているのか、これは概括的でいいですから、それをまず、地価の動向、お願いしたい。  それから地価対策については五ページによくまとめていただいて、一覧表に出ておりますが、これも外国と比べてどういう特色があるかということをまずお願いしたいのと、それから供給対策については四全総との関係があるんですけれども、どうも需給の調整を、東京は都心が非常に地価が高騰しているからということで、余り東京を整備しちゃって供給をどんどんふやすということになってくれば、ますます東京の一点集中という傾向が出てくる。その辺のところを国土計画的に見た場合に、四全総との、地価対策、供給の方の問題ですけれども、需給調整、どういうぐあいに考えていくかという問題が一つ。  それから土地取引の調整、規制の問題ですけれども、これは昔からよく議論されるんですけれども、土地は商品なりということがいいのか悪いのかという、そういう基本的な、これは哲学論になると思うんですけれども、今のところはいわゆるマネーゲームと言われたりして土地がまさに商品化しているわけですよ。しかし、こういうようなことになってくると、本当にある程度その辺の考え方についてもやっぱり規制強化という意味、抑制ということからいうと、ある程度の私権の規制というようなことも将来の問題として基本的に考え直す必要があるんじゃないかというような気がしますので、その辺についての考え方をお伺いしたい。地価対策は以上です。  それから、四全総の問題、これも国際化との関係でございますから、国際化を重点という立場から、四全総の策定上国際化にどのように基本的に対応していくか、それを具体的に四全総の中にどういう視点でもって取り入れていくかということはもう既にいろいろ苦労されて勉強されていると思います。特に東京がほっておけば、地域的な配置、さきの説明の三の表でしたか、ここにも出ているように国際的な立場からいっても、4、5の在日外国銀行従業者数とか外国企業事業所数等の数字からいってもこのままにしておくとますます東京に集中する。国際的な立場からいっても外国のそういうものが入ってくるということですから、全面的に東京を否定するわけじゃないけれども、それをできるだけ四全総の立場からいって地方に分散し、そして全体としたら各地方に国際的な役割分担というものを決めて、その中で計画の策定というものを考えていかなきゃならぬと思います。今までの全国総合開発計画というのは、国際化が進んでおってもまだ比較的度合いというものは低かったと思うんです。ところが、今度の四全総に限っては今まで以上に国際化というものの波が日本に押し寄せてきておりますから、そういうものをどういうぐあいに今度の四全総の中でとらえていくかというような視点でひとつお考えを伺いたい。  以上です。

田村嘉朗国土庁土地局長

○政府委員(田村嘉朗君) まず、外国の地価の動向でございます。これは日本には地価公示制度という制度がございますが、外国にはそのような制度はございませんので、なかなか厳密な比較はできないわけでございますけれども、日本不動産研究所という財団法人がございますが、その調べによりますと、五十九年の諸外国の住宅地価格と五十九年の我が国の都道府県地価調査による日本の住宅地の平均価格を比較した数字がございます。五十九年でございますが、日本の住宅地の価格の平均は一平方メートル当たり六万六千八百円でございます。これに対しまして西ドイツは一万二百円、日本を一〇〇といたしますと一五・三という指数になりますが。アメリカが五千九百円、八・八という指数になります。イギリスが四千七百円、七・〇という指数になります。いろいろ土地の評価の仕方については各国によってそれぞれ違うわけでございますが、ごく大ざっぱな比較の御参考にはなろうかと思います。  次に、外国の土地対策との比較ということでございますが、私ども精細に外国の土地政策をちょっと今調べた資料が手元にございませんけれども、特に外国の制度の中でよく言われますのが台湾の方式でございます。台湾におきましては地主に所有する土地の価格を申告させます。そしてその申告価格によって地価税を課し、地価を低く申告する者があればその土地を申告価格で買い取ってしまう。また、土地の値上がり分に対しては増加税を課するというふうな平均地権の制度というのがございます。これは台湾の憲法は孫文が制定したものでございますけれども、土地は本来的に全国民に帰属するというふうに規定されておりまして、かなり理念というものが我が国とは異なっております。しかし、こういった制度は割合取り入れるべき点があるのではないかというふうによく言われますけれども、こういった制度を現実化するためにはやはり登記制度そのものを変更する必要がございます。例えば土地の価格等を登記簿に記載するというふうなことも必要でしょう。また、こういった制度を実施するためには、名筆の土地のすべてにつきまして、地番、地目のほかに面積、権利関係、過去の取引価格をあらかじめ調査して土地価格を決定すると。申告させるにいたしましてもその基準となる地価をやはり行政当局が発表しなければなりません。こういったことは現実的にはなかなか大変な仕事である。また低く申告した者に対しては土地を買い上げる、そのための資金も用意しなければいけません。こういったいろいろな現実の状況がございますから、直ちに我が国に取り入れるというわけにはまいりませんけれども、一つの考え方として参考になるのではないかというふうに思っております。  なお、地価公示という制度が日本にはあるわけでございますけれども、どうも地価そのものを公的機関が評価して公示するという制度は西欧諸国にはないというふうに思っております。  それと、やはり外国の土地政策との関連で一番目につくのは土地利用の規制が強いか弱いか、こういうことであろうかと思います。まだまだ西欧諸国に比べまして我が国の場合は土地利用の規制が非常に弱い。都市計画制度とかその他いろいろな制度はかなり充実しておりますけれども、実際にその制度をフルに活用して厳格な土地利用、詳細な土地利用を強制していくという点が非常に弱いと思います。その点がかなり土地が商品化している基礎にあるのではないかというふうに思っておるわけであります。  三番目に、東京の供給策が全国的な観点から見てどうなのかという御質問だろうと思いますが、これは後ほど計画・調整局長の方から四全総の関係でお答えがあると思いますけれども、私どもは基本的には土地対策は土地需要を全国的に適正に分散することだろうと、これが基本的な土地対策であろうというふうに思っております。しかし当面の東京でなければ担えない機能、その代表的なものが国際金融機能だろうと思いますけれども、あるいは非常に高い高次都市機能、こういったものでやはり東京でなければできない機能があって、それに対応する事務所用地が不足している、これも明らかな事実でございます。そういった点で、私どもはやはり一定の量の事務所供給というのは都心で必要であろうというふうに思っておるわけでございます。  それから四番目に、土地は商品であろうかという御質問でございまして、これに対しまして私どもは、やはり土地の譲渡所得、キャピタルゲインというものに対して、これは本来的に不労所得であろうと思いますから、これに対する課税を強化する必要があるということで、特に投機的な短期的な土地取引に対しまして重税を課すると、こういうことで実は昨年末に先ほど御紹介いたしました超短期の重課制度を提案申し上げまして、税制調査会で取りまとめていただきまして、現在国会に提出しているわけでございますけれども、特に短期の譲渡所得に対する重税、これは非常に現下の土地取引に対して大きなインパクトを与えているというふうに思います。この構想が発表された時点で業者の取引がかなり鎮静化したというふうな話も聞いております。したがいまして、この税制がいつ実現するかということが業界の当面の最大の関心事でございまして、この点私どもは、一刻も早くこの税制が実現されるように期待しているわけでございます。  それから、やはり土地の価格を規制する一番強力な手段というのは現実に現在国土利用計画法にあるわけでございますが、これは規制区域という制度でございまして、この規制区域を指定いたしますればあらゆる取引は許可制になります。許可を受けなければ無効でございますし、したがって、その場合の基準としては、地価はその指定時の時点の価格に凍結されると、こういうことでございますが、この指定につきましてはいろいろな関係でまだ実施されておりませんけれども、そういう方式もあるということ、その次善の策として今度国土利用計画法で監視区域という制度を盛り込んで改正案を出すべく取りまとめの最中でございます。  以上でございます。

星野進保国土庁計画・調整局長

○政府委員(星野進保君) 坂野先生の国際化問題が現在の日本の置かれた大変重要な問題だろうという御指摘はまさにそのとおりでございまして、全総も四回目でございますが、今回の全総の一番の根幹はやはり国際化あるいは世界機能というものをどう全国で受けとめていくかということが非常に重要だと思うんです。  現在の東京の膨らみは、恐らく金融の膨らみだと思います。これは産業空洞化等と裏腹の関係にあるわけでありますので、このまま放置すると日本国自体の将来に対して非常に不安定でありますので、日本国全体が空洞化しないように、いかにうまく、より物を考え、新しい技術を開発し、物を生産し、世界にそれでつながる、そういう国づくりをしていくということが大変必要であろうということの坂野先生の御指摘だと思いますが、私どもそのような方向で現在策定中でございます。  簡単でございますが、失礼いたします。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 まず、これは建設省への御質問だと思うのでございますが、先ほど来ウサギ小屋の話が出ておりましたので私もウサギ小屋論をやらしていただきます。  なぜ日本の住宅がウサギ小屋になったかというお話、質問がさっきあったわけですけれども、端的に申し上げまして、戦後の日本の住宅がそうであったからだ、こう私は申し上げたいのでございまして、戦後、雨露しのげればいいという、住宅困窮者に対する一つの社会的政策としてこの住宅政策を進めてきた、それが今もなおかつ続いているのではなかろうかというのが私の考え方でございます。したがいまして、ウサギ小屋は建設省の基本的政策によってでき上がったというふうに私は思っておるのでございます。それは、住宅金融公庫の融資に一定の所得の枠を与えたり、あるいはまた一定の面積制限数を与えたりしているようなこと、こういうことで顕著にあらわれているのではないかというふうに私は思いますけれども、戦後の我が国が踏んできた道をたどれば、これまでの政策としてそれが必ずしも誤りであったとは私は言えないと思う。  しかし、今やこの住宅政策というのは、ここでいただいた資料にも書いてあるように、急激な円高の進展によって内需拡大の要請は一層大事な国際的課題になってきたというこの時代、やっぱり住宅投資ということも、これは大変な国際的分野における我が国の課題なんです。そうなりますと、いつまでもウサギ小屋政策でいいかどうかという発想の転換をする時期が今日ここにあるのではないかなというふうに私は思うのでございますけれども、この点、ひとつお伺いをしたいわけであります。  その次は、まず家を建てたいという要望は、国民貯蓄調査のようなものを見ますと、これはたしかことし明けての調査だと思いますが、一九・二%ほど家を持ちたいというのが今でもまだあるんですね。自分の持ち家が欲しいというのがあるわけです。この人たちが家を建てる条件をつくってあげればいいわけです。内需拡大策の一環として、政府は、一昨年、総合経済対策の一環として住宅金融公庫の貸し付けの増額と枠拡大をやりましたね。あれによってどのぐらい個人住宅の建設が伸びたのか、あるいはまた、それがこの内需拡大策というものにどれほどのインパクトを与えることになったのか。これは私は前に決算でもちょっとお伺いしたはずなのでございますけれども、二次、三次と打ち出されておりますから、やはり効果をかんがみてなさっておるんだろうと思うんです。それでそのことをもう一度お伺いしたいわけでございます。  それから、資産というものの日本人の考え方が、これまで確かに土地というものは資産の観念が非常に強かった、しかし家というものに対する資産の観念というのは確かになかったと思うんです。そういうふうな価値観の転換というようなことも政策的にしていく必要があるのではないかなというふうに私は思うんです。借家というウサギ小屋に入って財テクに励むというような、こんな漫画が書けそうな気がするわけでございます。こういうのもやっぱり政策的に今変えていかなければいけないというふうに思うんです。それにはどんな手が打てるのかということ。そうするとやっぱり三番目に出てくるのが土地の問題だと思います。先ほど来土地の問題もありましたけれども、東京周辺の土地、地価はいささか鎮静化してきたのかなという気もなくはないのですけれども、つぶさに見せていただきますと、まだまだ動いておる。  そこでお伺いをしたいのは、大蔵省が再三にわたって、こういう土地の過熱的な上昇は、金融業者が不動産業者に融資をするというようなことが悪循環で行われている、だから土地転がし、そして高騰というようなことにつながっているんだということで、大蔵省も再三銀行局などを通じて指導がありましたね。これは、大蔵省がきょうはいないのでなんでございますけれども、建設省としてはあの手の指導が生きてきているというふうにお思いですかどうですか。その辺のことも含めて土地の価格の問題について伺うわけです。  それから三番目に、これは全くの私論なのでございますけれども、先ほど国土庁の方では、東京は金融によって膨らんでいるというふうにおっしゃいましたね。私は、最近自分が興味を持っているからなのでありますけれども、もう一つ情報の集中化というテーマを実は持っておるわけでございまして、先ほど御説明の中に東京テレポートアイランドの話が出ましたが、みなとみらい21世紀あるいはまたテレポート大阪というような構想が出てきていますね。それがニューヨークとかあるいはアムステルダムとかあるいはロッテルダム、ロンドン等々と連携をとるというようなメディアを通じての都市化、そしてそこの一極化というようなことを私は実は頭の中で考えておりまして、三全総のときもそうだったし、四全総に当たってもそうであるように、都市の多極化、そして適正配置ということがうたわれていながら、実はいろいろな要件が重なって結果的にそうなっていかないというものと絶えず絡んでいるんではないかというふうなことを私は思っておるわけでございます。この情報集中と都市との問題についてひとつお伺いしたいと思います。  以上でございます。

伊藤茂史建設省大臣官房審議官

○説明員(伊藤茂史君) ウサギ小屋の出現は住宅政策の結果であるという非常に手厳しい御指摘でございますが、御指摘のような一面は確かにございます。  例えば、公営住宅の古い時代に建ったもの、あるいは住宅公団の古い時代に建ったものの面積をごらんいただければわかりますように、非常に大都市集中華やかなりしころ、あるいは戦後引揚者や復員組がたくさんおったときに、少ないお金でたくさんの住宅を建てるためにはどうしたらいいかといいますと小さくつくればいい、こういうごく単純なことでございますが、そういう政策をとったことは事実でございます。それから大都市に、これは世界のどこの国でも経験したことのないような大量の人口集中があったときに、国の施策だけではとても覆い得ないということで、これは地主さん方の御協力があったたまものでございますけれども、いわゆる木賃アパートがいっぱい建った。今となりましては木賃アパートというのは住宅問題の本当の最悪なものとして指摘されるわけでございますけれども、考え方によりましては、これで大都市に集中した人たちが路頭に迷わずに済んだということもあるわけでございます。  そういう形で、社会経済現象の中で少ない財源で、あるいは少ない資材で大量の人を収容するという意味で大きな意味があったと思うわけでございます。したがって、これから二十一世紀に高齢化社会を迎えます前の非常に貴重な時間でございますけれども、この期間に、そういうものを踏み越えて将来残るようないいストックをつくる最後のチャンスだと私ども思っておりまして、過去は過去、これからはこれからということでございます。  先生おっしゃいましたように抜本的な見直しということも大変重要でございます。したがって、公庫融資につきましても、公庫融資が発足しましたときには住宅金融というものは日本になかったわけでございますけれども、今現在は民間の住宅ローン、これは非常に資金も豊富でございますし、将来とも金融界では住宅に期待するところが大きいと聞いております。したがいまして、そういう低利の金が、相当低利になってきておりますけれども、そういう民間資金がたくさんあることを前提に政策金融あるいは住宅金融というものがどういう役割を果たすべきかというようなことを抜本的に考えていかなければならない、それも良質ストックを残すためにどうしたらいいかということで考えていかなければならないという時期にあろうかと考えております。  それから二番目に、六十一年度を通じて政府の何度かの内需拡大策の中で金融公庫を中心にいろんな住宅対策をとられたけれどもどういう効果があらわれているか、こういうお話でございます。税制も改めましたり金融公庫を改めたりいろんなことをやっておりますので、それぞれの施策がそれぞれどういう効果をあらわしたかということは非常に難しゅうございます。私どもも、そういうものを分析してきちっとこれで何万戸、これで何万戸というようなことで現象面を分析したことはちょっとございません。  ただ、六十一年度の住宅の着工状況を見てみますと、今現在一月までわかっておりますが、持ち家が四・三%ということで五十四年以来初めて相当な幅のプラスに増加をしておりまして、まだあと二カ月残しておりますが、今のところ四十万戸ぐらい建つという見込みでございます。これに対しまして、先生御指摘の金融公庫でございますが、これは一一%の伸びということでございます。今現在四回目の最終の募集をしておりますが、もう結果的に年間を通しまして一〇%を超える伸びは確保できそうでございますので、一般的な持ち家が四%、公庫は一一%ということは、持ち家の着工戸数の増に公庫が果たした役割というのはやはり相当大きかったと思います。公庫のこの一一%という数字は、ちなみに五十七年当時、これは相当に施策体系が変わりまして駆け込み需要なんかがあった年でございますが、これで一五%伸びたことがございますが、これも五十五年以来初めてプラス、しかも二けた台、こういうことでございますので、そういう意味では効果があったのではないかと考えております。  それから三番目は、確かに日本人は持ち家を持った場合に、土地については資産という考え方は持っているけれども家屋についてはそういう考え方を持っていないんじゃないかということでございます。御指摘のとおりでございます。例えば、戸建ての木造住宅につきましては一定年限たちますと上物についての評価というのは非常に低くなりまして、主として土地の評価だけになってしまう、そういう取引が行われるということを聞いております。外国の場合にはもう何百年もたったような住宅が住宅として土地と一緒に取引をされる、こういうことでございまして、こういう日本人の住宅に対する考え方は相当外国とは差があるということは事実でございます。したがいまして、これから建つもの、特に建つ住宅の方、上物の方のストックの価値というものをこれから上げていくような施策というのは重要だろうと思います。  先生御指摘の点は、例えばマンションがいい例でございますけれども、これは戦後の、しかもごく最近、ここ二十年ぐらいの間の日本人の住宅の形態として相当普及したものでございますが、これはもう完全に大都市地域では資産として流通をしておる現実がございます。したがって、ああいう形のものがこれからふえてくるというふうに私ども考えておりますし、そのための市場整備というようなこともこれから重要になってくるだろうと思っております。  以上、住宅関係はその三点であったかと思います。

田村嘉朗国土庁土地局長

○政府委員(田村嘉朗君) 金融機関への大蔵省の指導がどの程度効果があると見ているかという御質問だったと思います。  これは御案内のように、過去三回にわたって指導通達を出していただいているわけでございますが、金融機関と申しましても都市銀行から地方銀行、相互銀行、信金、その他のさらに小さな金融機関、貸付機関まであるわけでございますが、金融機関でも銀行等におきましては、最近では投機的取引あるいは著しい高額の土地取引に対する融資については非常に慎重な対応をしているというふうな話は聞いております。私ども、そういう効果がそれはあるのではないかというふうに見ておりますが、ただ、今申し上げましたように、非常に末端と申しますか、小さな金融機関までその指導が行き渡っているかどうかという点については、やはりもう一つという感じもないわけではないと思います。この点につきましては、大蔵省におきましてもその指導の効果が浸透していくように鋭意努力していくというふうに言っております。  なお、私どもは土地取引の調査を一定の区域についてはしておりますが、そういった取引の調査の結果等をやはり行政機関同士で相互に情報交換いたしまして、こういった金融機関への指導に際しての参考資料とするというふうなことでさらに効果を上げていけるのではないかというふうに思っております。

星野進保国土庁計画・調整局長

○政府委員(星野進保君) 情報化の問題につきまして先ほど私が金融と申しましたことと結びつけての御質問でございます。  先ほどグラフを見ていただきましたように、全国の集中と分散という形で見てまいりますと、どうも昭和五十年から五十五年ぐらいというのはかなり落ちついた時期だったように思います。つまり、大学の学生、生徒、それから工業立地、そういうものの地方分散が進みまして、その結果、東京へ流入してくる人たちが少なくなった、そういう時期だったと思います。  むしろ、非常に注意すべきは五十五年以降でございまして、私先ほど金融とつい言ったのはそういうことでございまして、たしか外為法が五十五年に改正されまして、それから日米の金融自由化の話が五十七年から五十八年にかけまして進みまして、それが契機となりまして外国銀行その他金融機関がかなり日本へいろいろと進出その他をしてきた。時あたかも我が国の国内事情からいいますと、いよいよ大変な黒字化をいたしまして、それが年間八百億ドルを超えるような長期資本の流出というような格好になって、経済全体が大変金融化してきている。  これは少し言い過ぎかもしれませんが、現在GNPの大きさは三百五十兆弱でございますが、昔、高度成長期でございますと、物を輸出いたしまして、輸出したところで所得が発生して、それを受けて国内で電気洗濯機を買ったりテレビを買ったりして、経済がごろごろっと転がって成長したと思うのですが、現在のままを放置いたしますと、恐らく金融を、全国のお金を東京に集めまして、そのお金がアメリカなり何なりへ行きまして金利を生んで東京へ返ってきて、その金利が所得になってころころっと、例えばリゾートだとかそういうところへ転がっていって、それで国内が成長する、こういう格好に非常に変わるのじゃないか。  先ほど坂野先生の御質問のときに実はそういうことをお答えしようと思ったのですが、それは非常に危険なんですね。つまり対外債権が非常に積もるわけでございますので、我が国は大英帝国と違うわけでございますので、そういう対外債権がうんと膨らむということは、ある意味では非常にリスキーな経済体質になってくる。しかも、その裏側では、先ほど申しましたように、産業の空洞化といいますか、海外投資がどんどん進みますので、国内で汗する産業というのはだんだんなくなってくるということになるんで、そこで全国総合開発的観点からいいますと、例えば名古屋あたりでは今でも既に航空宇宙産業のようなものが発達しているわけですから、そういうところをよく育てようとか、それから東北では東北大学やなんかを中心にして、半導体でありますとか光ファイバーとか、世界でも最先端の技術を開発しているわけでございますので、そういうところの技術あるいは産業というものを盛り上げていくとか、そういう国際的なレベル、世界的なレベルの機能というのを全国的に受けとめるようにしませんと、東京だけで、お金だけで勝負する世界になっちゃう。実は先生の御指摘の一番の核心の情報というのはお金でございます。要するにお金の取引、為替取引が何秒何分でもって勝負がつくというのはまさに情報でございまして、そういうだれが価格を決めるかというのが実は情報の決定的な発信でございますから、そういうものをそのまま放置すると東京に固まる。  先生おっしゃるとおり、テレポートをどこどこにつくるといえば、それだけはハードウエアではございますので、地方にそういうものができまして、その回りに何人かの人たちが集まることは確かなんでございますが、そのことより、より恐れるのは、機能全体が集中しますと、それをベースに人口が集中しちゃうということでございます。したがいまして情報化そのものは、非常にすぐれた情報化なら、つまり光ファイバーで何回線も通じますとか、テレポートが方々にありますとか、そういうことになるとむしろ地方分散になると思うんです。だから情報化というのは集中になるといいますが、むしろそういうハードウエアを全国に配置することは分散化に十分役立つ。むしろそれの発信機能を実は各地域にどう置くかということがこれから一番重要なことでありますので、私ども四全総で先生御指摘のように、情報化が実はある一点の都市に集中するようなことにならないようにいろいろデザインしていきたいということを今検討さしていただいている最中でございます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 国際化に伴う住宅問題となりますと、これは先ほどから指摘もありましたが、一定期間日本に住んだ外国人がどういう印象を持ったかということだと思うんです。この点につきましては住文化研究協議会がつくった資料がありますが、外国人の持っている問題意識は、生活様式や建築様式そのものに問題があるわけではないんですね。逆に日本に住んで、自国に入れたいと思っている日本文化として畳、日本庭園、ふろ、障子など、そういう意味では日本人とかなり、我々の持っているいいなと思う部分と似ていると思うんです。問題は、一番不満はやっぱり狭いということ。これは決定的ですし、ある意味ではそこに尽きると思いますし、また、都市環境、これも指摘があったとおりですね。こういうアンケートがありますが、これについてどう受けとめ、とらえるか、端的にお答えいただきたいと思うんです。

伊藤茂史建設省大臣官房審議官

○説明員(伊藤茂史君) お話しの調査の中身、私も見せていただきました。調査されました方々は、日本に来ておられる方で非常に高所得者で、ちょっと日本人では住めないような広い住宅に住んでおられる、日本では。しかし、母国におられるときにはもっと広い住宅に住んでおられたと、こういう方々でございまして、所得で言えば二千万円が平均ということでございますから、我々役人から考えますと相当高いわけでございます。したがって、そういう人たちの意識ということで割り引かにゃならぬところは相当あると思いますけれども、率直に申し上げまして、外国人が見た場合に日本の住宅は狭いということはそのとおりだろうと、特に東京の住宅は日本人が見ても狭いと、私どもそう思っております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 次に、これも先ほど指摘がありましたけれども、これから高齢化社会、特に二十一世紀前半にそのピークに達するとなりますと、生産年齢人口比率の低下で、結局は住宅建設の充実はまさに今がその時期だという御指摘があったわけです。ところが反面で、例えば昭和六十二年度予算で見てみますと、住宅対策費対前年度比マイナス一%、この五年間を見てみましてもマイナス二・七%、特に大きいのは公営住宅費のマイナスが九・六%。となりますと、国際居住年といいながら、今がまさにその時期だといいながら、それが果たしてできるのか、むしろそれに逆行しているんじゃないかと、こういう印象を受けるんですが、いかがです。

伊藤茂史建設省大臣官房審議官

○説明員(伊藤茂史君) 御指摘の住宅対策費あるいは公営住宅建設費につきましては、この財政事情の厳しい中で毎年、いわゆるシーリングということでやられておりまして、その中で最大限努力をした結果がこの数字になっておりまして、私どもは、本来であればもっとふやしたいと思っていることはもう御推察のとおりでございます。居住年だからといいましても、これ財政事情変わるわけではございませんで、今年度の予算もそういうシーリングの中で最大限の努力をした結果というふうに御理解を賜りたいと存じます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 私は、総額もさることながらやっぱり中身の重点の置き方だと思うんですね。一方、ふえている部分が建設省で言うと新規事業で都市拠点開発緊急促進事業の創設、あるいは市街地再開発緊急促進事業、これは逆に一三%プラスになっている。となりますと、やっぱり本当に国民が一番求めているところのほかにこういう金が取られることが、先ほど指摘したような公営住宅対策費などが逆に減っていくという、その辺につながっていやしないか。そういう意味では、やっぱり建設省の重点の置き方に問題がありはしないかと思うんですが、その点どうですか。

伊藤茂史建設省大臣官房審議官

○説明員(伊藤茂史君) 先生おっしゃっておりますのは国費ベースで、一般会計ベースでごらんになっていると思います。事住宅に関して投資全体で見る場合は、むしろ財投でありますとか民間資金でありますとか、そういうものを含めた国の施策が入った形での事業費がどのくらいふえているかというふうな形で見た方がより的確ではないかと思います。そういう意味で、六十二年度の予算、国費は抑えられておりますが、事業費ベースでは十三%の伸びと、こういうことに相なっております。  先ほど申されました再開発関係、これも非常に重要でございます。しかも、新規事業というのは当初の額が非常に小そうございますから、ちょっと必要額を計上しても相当な割合にはなるということがあろうかと思いますし、それから、予算の区分の仕方としましては、住宅対策費という中で公営住宅でありますとか、金融公庫の利子補給ということが組まれ、先生が御指摘の再開発関係は、都市計画の中で組まれると、こういう仕組みになっておりまして、それぞれの中でどれだけ力を入れていくか、こういう考え方に立っていると思いますので、御理解を賜りたいと存じます。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 これは本当に充実した住宅建設のためには重点の置きどころが問題だと思うんですね、またあり方の問題。今も一部分回答があったけれども、結局、今進めている住宅建設計画の中心はやっぱり民間自力建設、いわば自助努力に一番の重点があって、逆に公営住宅建設は力がだんだん衰えている。もともと大体外国との比較からいっても、スウェーデンですと公共賃貸し住宅割合が四四%、イギリス三一%、フランス二一%、西ドイツ二〇%、日本は七%、従来もそうだったし、今の説明を聞いてもやっぱり今後も民間自力建設、そこ中心ではないかと思うんです。それが一つの問題。それが果たしてできるのかどうかという問題が一つですね。  と同時に、先ほどの空洞化の話もありますけれども、空洞化がだんだんもっと進んで、極端に行きますと、これスクラップ・アンド・スクラップ、国内に産業がだんだんなくなって、いいところは逆に出ていって、悪いところはつぶされるんだからスクラップ・アンド・スクラップだと思うんですね。となりますと、果たしてその自助勢力そのものにやっぱり限界がもう出てくるんじゃないか、現に出つつあるんじゃないかと思うんです。そういう点、例えば土地の高騰などもやっぱりその一つ。そして、さらに促進をしている。となりますと、今のままですと、せっかく今がまさにチャンスだといいながらもそういう方向とは逆の方向へ進んでいくんじゃないか。そういう意味じゃ、これは我々がいつも言っておりますけれども、やはり政府みずからが建設の中心となる、公営住宅にもっともっと重点を置くべきじゃないかと、こう思うんですが、それらを含めていかがですか。

伊藤茂史建設省大臣官房審議官

○説明員(伊藤茂史君) 公営住宅につきまして、もっとふやせと、こういう御意見かと存じます。  公営住宅につきましては、我が国の場合には、「住宅に困窮する低額所得者」ということで法律で規定がございまして、当然供給対象は限定されてございます。したがいまして、そういった需要層がそれぞれの公共団体にどれくらいあるか、必要数があるかということを公共団体が十分把握をしまして住宅を建設し、供給をすると、こういう形で行われております。  したがいまして、公共団体が一義的には必要量を把握するわけでございますが、今現在の財政事情のもとで、公共団体が希望しておる戸数満杯まで配分がいっていないということは御指摘のとおりでございますが、事業のやり方をいろいろ工夫しながら、今後とも公共団体が要望する中身を十分見せていただいた上で、事業の的確な推進を図っていきたいと、努力をしたいと、こういうふうに考えております。

近藤忠孝日本共産党

○近藤忠孝君 もう一つの問題。民間自力建設中心で、今のこの経済の大きな変動の中で心配は感じてないのかどうか、その点どうですか。

伊藤茂史建設省大臣官房審議官

○説明員(伊藤茂史君) 先ほど住宅対策関係の事業費ベースで一三%の伸びと申し上げましたが、これの勘定の仕方は、例えば公団住宅がございますが、これは財投の金を使って建てるわけでございますから、国費は利子補給で若干入り用でございますけれども、ほとんど中身は財投融資。それから金融公庫も、財投を財源としまして住宅を建てる方にお貸しをすると、こういう形でやっております。したがって、先と言われました民間自力というのは、私どもの方は完全な自力を民間自力と言っておりまして、こういうふうに政府のお金が少しでも入るもの、御協力申し上げているものは施策住宅と、こう言っております。施策住宅の割合というのは、既に公庫の関係では五割を超えております。したがって、住宅建設全体に対して誘導的といいますか、戸数面でもそうでございますし、質的な向上の面でもそうでございますが、非常に力は持ってきておると思っております。財源の方は無尽蔵にあるわけじゃございませんし、利子補給も十分いただいておらない状況でございますので、少ない財源でどういうふうにすれば豊富な民間資金を効率的に使えるのかという観点で中身をいろいろ考えてまいりたいということで、努力をしているところでございます。

平野清サラリーマン新党・参議院の会

○平野清君 二つばかりお伺いしたいんですが、一つは、内需振興の柱に住宅があるわけですけれども、庶民が、サラリーマンが一生懸命ためていて、マル優ならマル優をためていまして、将来住宅資金に使いたいといっているところへマル優が廃止されようとしているわけです。マル優については建設省の方がとやかく言えないと思いますが、それでは反対に、いわゆる施策住宅には金融公庫のお金を貸しているわけです。そうしたら、その金融公庫の利子は無税にするのが本当じゃないかというような気もするんですね。無税にしてやれば、その分だけサラリーマンが家を建てようと一生懸命考える。だから、マル優と相殺するぐらい、建設省の方は住宅を推進しようと思ったら、大蔵省に金融公庫の利子無税ぐらい叫んでもいいような気がしますが、どうでしょうかということ。  それからもう一つは固定資産税があるわけですが、今三兆円ぐらい国庫収入があると思いますが、御存じのとおり、市価の三分の一の価格なわけですね。それで、固定資産税というのは地方税に入ってしまって、三分の二の六兆円に迫るような金額はそのまま放置されてしまって、実際に価格取引される土地は市価の三倍から四倍の高値を呼んでいるということになります。それなら、残っているその六兆円のうち、サラリーマンの五十坪もしくは百坪以内のものは非課税にして、あとの三兆円に係るものを国税として新しく土地新税でも設けたら地価の抑制に大きな力を発揮するんじゃないかというふうな気もするんですが、たった五分なんで今の土地新税のことについて詳しく私の考えが言えませんので、そこのところを御賢察の上お答えいただければと思います。

伊藤茂史建設省大臣官房審議官

○説明員(伊藤茂史君) マル優の廃止に伴ってどういう住宅税制にすべきかということは、六十二年度の税制改正の要望を検討する際の建設省では非常に大きな問題の一つでございました。結論は、マル優廃止というのは国の財源確保上やむを得ないだろうと、大勢であろうと、こう考えまして、その際に、事住宅に投資が向けられるという場合には、マル優廃止に相当する分の減税があってしかるべきではないかと、こういうことで税制改正の要求をいたしました。  結論から申し上げますと、現行の住宅取得促進税制、簡単に申し上げますとローン減税的なものでございますが、これの拡充という形で最終結論になりました。したがって、昨年は要望したけれども、そのままの形では通らなかったと、こういうことでございます。  それから、同じ考え方は財形貯蓄、住宅の財形貯蓄でございますが、これにつきましてはいわゆるマル優からの非課税制度が残りましたので、先生の御指摘のような観点の、住宅に向かうような投資の貯蓄に対して非課税というところは部分的には残ったと。したがって、サラリーマンが一番活用する制度でございますので、サラリーマンが住宅を持ちたいと、貯蓄をしょうということであれば、そういう制度を活用すれば十分その恩典を受けられるという状況にあろうかと思います。  それで金融公庫の方は、これは別途、国の方の資金運用部資金に対します預託金利の方が今月の六日に下がりましたので、それに伴いまして現在住宅金融公庫の金利を下げるべく大蔵当局と折衝中でございます。私どもは、内需拡大が大きく叫ばれるときでございますので、できるだけ国民の要望に沿うような形で決定を見たいと考えております。

田村嘉朗国土庁土地局長

○政府委員(田村嘉朗君) 先生の御質問の御趣旨は、割合富裕な土地所有者に対して国税としての新税を創設したらどうかというふうなお考えについての御質問だったと思いますが、富裕税的な税を創設すべきではないかというふうなことだと思いますが、その富裕税の創設につきましては税制調査会でいろいろ検討をしているようでございます。これにつきましては、固定資産税と重複する部分があるわけでございますし、個人資産の税体系全体との関連を考慮しながら中長期的に検討していくことが適当であるというふうなことを答申の中で言っているわけであります。  私ども、これについてお答えすべき立場にあるかどうかわかりませんけれども、私どもの方の把握している状況によりますと、残念ながらかなり東京等におきましては地価が上昇しているわけでございまして、今度三年目の固定資産税評価額の見直しが行われている最中でございますけれども、これによりまして来年以降の固定資産税のかなり増加ということがむしろ大きな社会問題になる可能性があるわけでございまして、三千万人の固定資産税納税者が国民の中にいるわけでございますので、そういった点から考えましても、ある程度の小規模住宅地等についての減免を講ずるといたしましても、むしろそちらの方の問題がかなり出てくるのではないか。いずれにいたしましても、これは非常に重要な問題ですので、いろいろ関係省庁とも相談しながら検討してまいりたいと思っております。

長田裕二自由民主党

○会長(長田裕二君) 本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後三時二十八分散会

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