国民生活に関する調査会 閉会後第1号
- 発言数
- 93 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1987/06/10
会議録
○会長(長田裕二君) ただいまから国民生活に関する調査会を開会いたします。 国民生活に関する調査を議題とし、内需拡大のための諸施策について経済企画庁から説明を聴取いたします。田中審議官。
○説明員(田中努君) 経済企画庁の調整局の田中でございます。 それでは、お手元にお配りしてあると存じますが、五月二十九日に経済対策閣僚会議で御決定をいただきました緊急経済対策の内容につきまして簡潔に御説明申し上げたいと存じます。 まず、初めに書いてございます文章でございます。最近の国際経済情勢を見ますと、主要国の経済成長は力強さを欠いておるわけでございます。アメリカのこの一-三月期の経済成長は四・四%ということでございますが、その中身は在庫投資の積み上がりというふうなことで、決して力強いものではございません。ヨーロッパの経済も成長率がこのところ足踏み状態を続けているというふうな状態でございます。国際収支の不均衡は是正の方向にはございますけれども、なお大幅であるということでございます。日本の経常収支の六十一年度の黒字は九百三十八億ドルということであるわけでございまして、国内景気は底がたさはありますけれども、製造業を中心に停滞感が続いておりまして、雇用面でも四月の失業率は三%に達する等厳しい状況にあるわけでございます。このような経済情勢を踏まえまして、我が国といたしましては主要国との政策協調を推進しながら、内需を中心とした景気の積極的な拡大を図る。あわせて対外不均衡の是正、調和ある経済関係の形成に努めることが急務である、こういう認識に立ってこの対策を講じたものでございます。 このような努力を行うということは、経済審議会の建議でございます「構造調整の指針」に示されました我が国の今後の構造調整の進展にも資するものである、さらに国民生活の質の向上に寄与をする、こういう意義を備えたものであるという認識でございます。こういうことで政府といたしまして早急に六兆円を上回る財政措置を伴う内需拡大策を講ずるとともに、所要の財政措置を含む対外経済対策を講ずることといたしまして、この六兆円を上回る財政措置の内容につきましては、中央政府、地方公共団体、公的機関による措置及び所得税等の減税から成るものとする、こういう大筋をまず述べております。 以下が対策の内容でございまして、かなり詳細にわたる部分につきましては「別紙」という部分でそれぞれ必要な項目につきまして補足をいたしておりまして、本文は六ページまでということになっておりますので、今回は主として骨格的な部分につきまして御説明を申し上げたいと存じます。全部で十一の部分から成り立っておるわけでございますが、順次御説明申し上げたいと思います。 まず第一は公共事業等という項目でございまして、その中身がまず公共事業等の施行促進ということでございます。上半期末における契約済み額の割合が過去最高を上回る八〇%以上となることを目指すということで促進を図ることといたしたわけでございます。六月の二日に公共事業等施行対策連絡会議が開催されまして、前倒し率を八〇・一%というふうに御決定になったところでございまして、ここではそれに先立つ時点で八〇%以上ということを目指したわけでございます。その配分に当たりましては、各地域の経済情勢、社会資本の整備状況等を勘案して行うということでございます。 第二点は公共投資等の拡大ということでございまして、公共投資等につきましては五兆円の事業規模を確保するということといたしております。その内容は二ページにございますが、六項目から成っております。 第一の項目は、一般公共事業につきまして、NTTの株式売却収入の活用を図りつつ、事業費二兆四千五百億円の追加を行うということといたしております。この事業費の追加に当たりましては、各地域経済の実情に配慮するという点、それから新規の用地取得を要しない等速やかな施行が可能であって波及効果の大きな事業を対象とするということといたしております。 第二項目は災害復旧事業でございまして、これは通常三年間にわたりまして行う事業になるわけでございますが、初年度における工事の進捗の度合いを大幅に高めるというふうなことで速やかな事業の実施を図ることといたしまして、四千五百億円の追加を行うことといたしております。 第三項目は教育、研究開発等に係ります施設等の拡充を図るということで、事業費の三千五百億円の追加を行うことといたしております。 四番目に日本道路公団等の事業費二千五百億円の追加、第五番目に地方単独事業につきまして八千億円の追加、このために必要な起債充当率の引き上げあるいは地方債による特別の配慮等の措置を講ずるということにいたしております。第六番目が住宅金融公庫の貸出額の七千億円の追加、これは貸付戸数にいたしまして二万五千戸の増加を見込むことになりますが、この追加を行うということで、以上を合計いたしまして五兆円の公共事業等の追加を行うことといたしたわけでございます。 第二番目の項目は減税でございまして、衆議院に設置されました協議機関における協議の状況を踏まえまして直間比率の見直し等税制の抜本改革の実現を図り、その一環として、昭和六十二年度におきまして総額一兆円を下らない規模の所得税等の減税先行を確保するというものでございまして、この減税を加えまして都合六兆円の規模の緊急対策であるというふうに申しておるわけでございます。 第三番目の項目は住宅投資の促進でございまして、宅地の円滑な供給を図りながら建てかえ、リフォーム等を含めまして住宅建設の促進を図るということで、このために住宅金融公庫の貸付金利の引き下げ、融資制度の拡充等の措置を行うことといたしております。この金利の引き下げにつきましては、近く政令改正を行いまして、現在の標準的な貸付金利四・七%を四・二%に引き下げるということを予定をいたしておるわけでございまして、この金利の引き下げにつきましては、四月から始まっております第一回募集にさかのぼって適用をすることといたしておるわけでございます。 住宅関連の施策の内容につきましては、お手元の別紙一というところで詳細を記述いたしておりますが、その中身は住宅金融公庫の貸し出しの際の貸付額の拡大というふうな一連の措置がございます。さらに金利の引き下げ等の民間金融機関に対する要請、これにつきましても既に大蔵省の銀行局長からの通達によりまして要請をいたしておるところでございます。第三番目の点といたしまして、特定市街化区域農地に対する課税につきまして、この五年間の運用実績を調査検討いたしまして、その結果を踏まえましてこの制度の運用について地方団体を指導する等必要な措置を講ずるということにいたしております。その他宅地供給の促進でございますとか、増改築あるいはリフォーム関係の促進の措置、さらにホームエレベーターの普及促進というふうな措置を講ずることといたしておるわけでございます。 本文にお戻りをいただきまして、第四点といたしまして地域活性化の推進という項目がございます。地域における雇用問題の厳しさ等に対処をいたし、地域の特性を生かした産業の振興、体質の強化あるいは生活の質の向上ということを図るべく別紙二で掲げてございますような措置を促進するということといたしておるわけでございまして、別紙をちょっとごらんいただきますと、工業再配置促進法に基づきまして、地方における技術高度化あるいは産業基盤の整備というふうな事業に対しまして必要な措置を講ずるという点を初めといたしまして、産業構造転換円滑化臨時措置法等に基づく特定地域の追加あるいは土地信託の活用、農林水産業関係の公共投資の実施によりまして地域経済の活性化に資する、あるいは集落地域整備法に基づきました整備事業の推進、公共用ヘリポートの整備等の施策をその内容として考えているところでございます。 第五の点は、民間活力の活用等ということでございまして、これもまた別紙三に具体的な措置を掲げてあるわけでございますが、これらの措置を実施することといたしまして、その際、日本電信電話株式会社の株式売却収入を活用をいたしまして地域活性化のための事業の助成等を行うということといたしておりますほか、都市再開発等の推進ということで、長期低利資金の供給でございますとか、あるいは規制の緩和でございますとか、都市鉄道の整備の推進、さらにいわゆる民活法の対象施設の追加を行う。それから、総合保養地域整備法、いわゆるレジャー振興法に基づきまして基本方針の策定を行い推進を図る。大規模プロジェクトの推進という点につきましては、東京臨海部、関西文化学術研究都市、関西国際空港等につきまして、これらの再開発あるいは建設の推進を図っていくという点を掲げております。また、国公有地については、土地信託制度の活用等によりまして有効活用を図ってまいるというふうなことを掲げておるわけでございます。 本文にお戻りいただきまして、民間活力の活用等の中の第二の点といたしましては設備投資減税を行うという点でございまして、民間の研究開発のための設備投資減税を行うということといたしております。 第六番目の点といたしまして、中小企業対策等の推進でございますが、中小企業の構造転換等を支援するために、いわゆる特定地域の追加指定、政策金利の引き下げ、あるいは特定地域の中小企業に対する特別融資、特別貸し付けといったものにつきまして期間の延長、規模の追加等の内容の拡充を行うというものでございます。金属鉱業につきましても融資対象事業の拡充ということを行うことといたしておりまして、その詳細につきましては別紙六ページに中小企業対策等の推進ということで掲げてございますが、特定地域に関します対策、事業転換に関します対策、一般金融対策、この中で②というところで既往貸付金の返済負担の軽減措置ということで、過去、金利の高い時期に貸し付けましたものの元利の返済に当たりましては、安い金利で融資を行うというふうなことで負担を軽減するというような内容も含まれているわけでございます。四番目は下請中小企業対策、五番目が金属鉱業対策ということでございます。 七番目の柱は、雇用対策の充実。これも別紙五にございますような三十万人雇用開発プログラム、これの着実な実施、助成金制度の改善、職業訓練体制の整備といった対策、さらに加えまして、週休二日制の普及等労働時間の短縮を図るということで、別紙におきまして、この点につきましては労働基準法改正案の早期成立をお願いする。これは先国会で継続審議になったものでございますが、これの成立をお願いをいたしまして、また、公務員につきましては現在四週六休制の試行を実施中でございますけれども、さらに閉庁方式の導入を検討するというふうなことも含めまして、引き続き積極的に推進する、こういうことといたしております。 第八番目の項目、本文の四ページになりますが、円高差益の還元という点といたしましては、引き続きこれを推進するということで従来からの基本方針を再確認をいたしておりまして、公共料金等につきまして今後とも引き下げに努める。引き下げの困難なものにつきましても、料金の長期安定、サービスの改善等を図るという方針で引き続き行っていく。当面の措置といたしましては、輸入牛肉等の目安価格の引き下げ等を考えているところでございます。その他の一般商品につきましても、円高メリットが還元されていきますように、主な輸入消費財等の価格動向について調査を行いまして六月末に公表することを予定いたしておりますほか、輸入品フェアでございますとか、開発輸入の実態調査というふうな点を通じまして還元に努めるということといたしております。 第九番目の点は、金融政策の機動的運営等ということでございまして、公定歩合等を中心といたします全般的な金融政策につきましては適切かつ機動的な運営を図るということでございますが、資金運用部の預託金利につきましても引き下げを行い、これに伴いまして各種政策金利の引き下げを行うということといたしておるわけでございますが、五月の二十八日に長期プライムレートが五二一%から四・九%に引き下げられた等の金融情勢を背景といたしまして、五月三十日に資金運用部の預託金利を五・二%から四・六%に引き下げたところでございます。 第三点は、民間金融機関等に対しまして、消費者ニーズの多様化に即応した新商品の開発を要請する等消費者金融の拡充を図るということでございまして、これは別紙の九ページにございますが、消費者金融の拡充のために民間金融機関に対しまして消費者のニーズの多様化に即応しました新商品あるいは新サービスの開発をお願いする。融資条件の改善等消費者金融への積極的な取り組みを要請する。また、キャッシュカードにつきましても機能の充実をお願いするというふうなことで、これらの点につきまして、他の点とあわせまして六月の一日に大蔵省銀行局長から関係民間金融機関に対しまして通達を発しておるところでございます。二番目の点といたしまして、クレジット産業の基盤整備等々、あるいはエアコンディショナーに対します割賦販売条件の撤廃というようなことを掲げてございますし、さらに政府系中小企業金融機関によります福利厚生にかかわる資金貸し付けの促進ということで個人消費の拡大につなげていこうというような措置も含まれておるわけでございます。 第十番目は輸入の拡大、市場アクセスの改善等でございまして、まず、総額十億ドル規模の政府調達の追加による外国製品の輸入ということで、補正予算におきまして所要の財政措置を講ずることといたしておりまして、現在大蔵省の主計局におきまして個別の品目につきまして各省と相談しながらその査定作業に入っているところでございますが、例えば救難捜索機でございますとか、あるいはスーパーコンピューターでございますとか、いろいろな購入の候補品目が現在検討されているところでございます。 第二点は、政府調達手続の改善ということで、対象範囲の拡大、手続の透明化、それから購入対象となり得る外国製品の発掘、外国供給者等の参入機会に関しまして広報活動の強化等その拡大を図るということがございます。その他輸銀の製品輸入金融に関する金利の引き下げ、あるいは通産省が中心になって行っておられます民間企業の製品輸入拡大努力の要請、さらに六十年の七月から実施をいたしておりますアクションプログラムの推進、金融関係の自由化、国際化の推進、さらに海外旅行者の携帯品の免税金額枠、現行十万円でございますものを七月一日から二十万円に引き上げる措置、こういったものを講ずることといたしております。 十一番目に国際社会への貢献ということで、政府開発援助の第三次中期目標の二年繰り上げ実施ということを盛り込んだわけでございますが、六十七年に達成すべきODAの実績七十六億ドル、これを六十五年に達成をするということでございます。 第二点といたしましては、開発途上国、特に債務国に対します資金還流を促進するために、今後三年間で新たに二百億ドル以上の完全アンタイドの資金を国際開発金融機関への拠出等を通じ、さらに輸銀、経済協力基金及び民間資金の動員というようなことを通じまして還流をさせるということでございまして、そのためにアジア開銀等の国際開発金融機関に特別ファンドを創設する、あるいは海外経済協力基金におきまして協調融資、あるいは経済政策支援のための政策借款というようなものを供与する等々の措置を講ずることといたしておりまして、既に表明されております百億ドルの資金還流のスキームと合わせまして都合三年間で三百億ドルの資金の還流を行うということといたしております。 最後に六ページでございますが、途上国に対する技術移転の促進のために専門家の派遣等の拡充あるいは研究機関の活用によります研究開発協力の拡充というようなことを行うことといたしておりますし、さらにアフリカの、特にサブサヘルと言われる後発途上国に対しまして三年間で五億ドル程度のノンプロジェクト無償援助を実施をするというような点を盛り込んでおるわけでございます。 以上が対策の主な中身でございますが、以上の対策を講ずることによりまして、対策実施後一年間におきましてGNPの約二%程度に相当いたします拡大効果が見込まれるという計算をいたしておりますし、さらに国際収支関係への効果といたしましては、この内需の拡大に伴いまして同じく一年間の期間につきまして輸入の増大を中心といたしまして五十ないし六十億ドル程度の国際収支の黒字の削減効果が生ずるというふうに試算をいたしておるわけでございます。 以上でございます。
○会長(長田裕二君) 経済企画庁蜂巣審議官。
○説明員(蜂巣賢一君) 計画局の審議官をやっております蜂巣でございます。 引き続きまして、「経済審議会建議 構造調整の指針」について御説明を申し上げます。 お手元にお配りしてございます資料に従いまして御説明を申し上げます。 まず、目次をちょっとごらんいただきたいと思いますが、目次は、まず前文というのがつけてございまして、三章構成になっております。第一章は構造調整の位置づけと道筋ということで、ここで大きな方向づけをしておるということでございます。第二章が具体的なこれからの政策展開、構造調整のための方策を具体的に述べておるということでございます。第二章の中では内需拡大、労働時間短縮、国際的に調和のとれた産業構造、雇用問題、地域問題、それから世界への貢献といったような点が述べてございます。第三章は、これらを踏まえまして当面の行動指針を扱っております。補論として、こういう構造調整政策の結果、将来、産業構造、就業構造はどういうふうな姿になるのかというデッサンをつけてございます。 では、順次中身の御説明をいたします。 まず、一ページ、前文でございますが、ここではこの「構造調整の指針」全体を貫きます視点を書いてございます。そこに書いてございますように、我が国の大幅な経常収支の不均衡というものは既に看過できない状況になっておる。この現象は世界経済の相互依存関係の中で生じておるものでございますので、我が国一国だけの政策対応では十分にその是正を達成することはできないのだ、米国の財政赤字の削減を初めとする国際的な政策協調が不可欠だということを言っております。その中で、我が国は世界のGNP一割国家でありますし、世界最大の債権国として率先して保護主義を防圧し、自由貿易を守らなければならないという認識を示しております。 他方、国内に目を転じますと、低い居住水準、高い生計費、長い労働時間に象徴されますように、国民生活は必ずしも豊かとは言えない状況も見られる。為替レートの調整の中で賃金水準はかなり上がってきたということになるわけでございますけれども、生活実感との間に大きな乖離が見られるということでございます。それから円高の中でいろいろな摩擦が生まれており、国民が将来の我が国経済のあり方について不安を持っておるというふうな状況も見られる。そういうことを踏まえてこれからの構造調整を進めるためには国民生活の向上につながるんだということについて国民の理解を得ることが不可欠であるという認識から、経済審議会は、六十一年九月から経済構造調整特別部会という特別の部会を設置いたしまして、四十五回にわたる会合を重ねて検討してきた結果をここに取りまとめたものでございます。その内容につきましては、三ページ以下に書いてございます。 まず、第一章、構造調整の位置づけと道筋でございますが、構造調整の基本的考え方がまず書いてございます。為替レートの急速な調整のもとで、我が国の経常収支は、基本的には不均衡が縮小する方向に向かっていると見られるとまず述べております。しかし、為替レートの調整だけでこれからの対外不均衡の是正をやっていくということになりますと、国内均衡との両立を図る上でいろいろ問題が出る。むしろ、我が国としては、積極的に我が国の経済を内需主導型に転換をしていくことが必要だ。それによって国民生活の質の向上を実現していくということが必要だということを述べております。 二番目に、構造調整の進め方でございますが、これは需要、供給両面からやっていく必要がある。需要面では、国民生活の質の向上を中心とする内需主導型経済構造への転換、それから供給面では、需要構造の変革に見合った産業構造の転換、輸入の拡大等を目指すべきだということでございます。構造転換を図るに際しましては、市場メカニズムの活用を基本とするということを述べております。規制緩和の徹底等を図りながら、あくまでも市場メカニズムの活用でもって構造転換を図っていくんだということでございます。そのために、新しい体制による規制の抜本的見直しが急がれるということでございます。 それから、(3)で為替相場の安定について触れております。(4)では、これからの構造調整、一九九〇年代前半までの期間を、日本だけでなくて、世界的なレベルにおける構造調整過程というふうにとらえる必要がある。その過程で、米国の財政赤字の削減、産業の競争力の回復等、米国を初めとする各国の政策協調が不可欠であって、その中で我が国は率先して構造調整政策を展開し、経常収支黒字の対GNP比をできるだけ速やかに縮小させていくということが必要だということでございます。 四ページの下の方、三でございますが、外需依存から内需主導への転換ということで、構造調整を円滑に進めていくためには中期的にGNP全体の中成長が必要だということをまず言っております。この場合に、GNP比四%を既に超えております経常収支黒字を縮小させていくということが必要になるわけですが、それをやっていきますとGNP成長率に対する外需の寄与度がマイナスになるということになりますので、逆に内需の伸びについてはGNP成長率を上回らなければならない。したがって、内需成長率については近年のペースを高めていく必要があるという認識を示しております。その内需拡大につきましては、対外不均衡是正それ自体にももちろん寄与する面があるわけでございますけれども、対外不均衡是正過程で米国の財政赤字の縮小等が行われる。それに伴う内外のデフレ効果が出てくるおそれがございますので、これを緩和しながら経済構造調整を円滑に進めるということがこれからの内需拡大の主眼なのだということを言っておるわけでございます。(3)では、また、内需拡大は単に量的に需要を拡大するということでは困るので、むしろ二十一世紀に向けて国民生活の質の画期的な向上を目指すものでなければならないということを言っております。 このような内需主導型経済成長を実現するためには、(5)に書いてございますように、政策割り当ての転換、民間活力、市場メカニズムの活用等によりまして、大きな政府をつくることなく資源配分を変更していくということが必要でございます。その際、財政金融政策の果たすべき役割が非常に重要でございまして、(6)に書いてございますように、特に財政の資源配分機能を活用することが大切である。行財政改革の基本理念につきましては、これを維持しながら、その成果をも生かしながら、内需拡大のための臨時緊急の思い切った財政措置を講ずる必要があるということでございます。なお、この場合、特例公債依存体質からの早期脱却に努めることとして、経常的経費については抑制する等、財政の節度を守っていく必要があるということもあわせて述べております。 四では、国際的政策協調に対する我が国の貢献を書いてございます。世界経済の調和ある発展を図るために、国際的な政策協調が不可欠であって、具体的には、米国の財政赤字の削減、欧州各国経済の硬直性の除去、あるいは発展途上国における累積債務問題の解決等が必要だということを触れております。 七パージから、構造調整のための方策が書いてございます。 まず内需拡大、その中で第一は住宅でございます。住宅の質的改善は内需拡大の柱であるという位置づけをしております。この分野に政策資源を特に重点的に配分をすべきだと。これまでの住宅政策は、どちらかというと最低居住水準未満の世帯の解消等の社会政策的視点から行われてきたわけでございますが、これももちろん重要でございますが、今後は良質なストック形成のために、より高次のニーズにもこたえられるような観点から、経済政策的観点を加味していく必要があろうということを言っております。その際、需要面、供給面に分けて考える必要があるわけでございますが、需要面についての対策としては、住宅金融等各種インセンティブについて一層の拡充強化を図る。供給面では、新たな観点から、より競争的な供給政策を講ずる必要があるということを言っておりまして、こういう観点から、地権者による自主的な住宅供給、異業種企業の新規参入、あるいは工場跡地の住宅用地への転換といったようなことを挙げております。 八ページに参りまして、社会資本整備でございます。社会資本サービスにつきましては我が国は主要先進国に比べますと総じて低水準にあるわけでございますので、二十一世紀を目指して国際的な我が国の地位にふさわしい水準にこれを引き上げていく必要があるという認識のもとに、社会資本整備の必要性を言っております。(2)に書いてございますように、その際に、公共、民間両部門が適切に役割分担をしながら整備に取り組んでいく必要がある。特に所要の公的資金の確保が必要だということを言っております。(3)では、公的資金による社会資本整備を行うに当たりまして、受益に応じた負担の考え方の徹底を図る必要があるということと、従来の配分を見直して投資分野の重点化を図っていく必要があるということを言っております。 それから(4)では、国民生活に密着している社会資本整備を一層推進するということとして、地方公共団体が主体的に実施する事業の拡大を図るべきであるということを言っております。(5)では、民間活力の活用の必要性を述べております。期待される分野としては、九ページの上の方に書いてございますように、大型プロジェクト、都市リフォーム、地域資源活用型のプロジェクト、情報インフラの整備等を挙げております。その民間活力の導入に際しましては、収益性を確保しなければならぬということがございますので、そういう観点から、規制緩和、財政上のインセンティブ等を講ずる、必要に応じて思い切ったインセンティブを付与すべきだと述べております。 それから、三は土地対策でございます。住宅にしましても、社会資本ストックの整備にしましても、土地問題の解決が不可欠でございます。そういう観点から、まず土地問題については都市問題と不可分でございますので、(3)に書いてございますように、都市構造の変革を積極的に推進する必要があるということをまず触れております。その上で、大都市圏におきます土地問題について、以下に述べるような具体的な施策を講ずる必要があるとして、市街化区域内農地等の空間資源の再配分が必要だということがまず一。それから容積率制限の見直し等、土地の適正な高度利用。三番目に国公有地等の低・未利用地の活用。四番目に土地信託方式等新しい宅地供給方式の活用。五番目に税制の活用。六番目に地価の安定の六点を挙げておりまして、その中で特に重点として実施すべきだとして、以下の三点を挙げてございます。 まず第一は、市街化区域内農地の優遇税制の是正ということでございます。御案内のように、宅地並み課税対象農地は現在三大都市圏で四万ヘクタールほどございますが、その圧倒的な部分は宅地並み課税を猶予されておるわけでございまして、いろいろ問題があるわけでございます。そこにも書いてございますように、真の営農者をどうやって見分けるかといったような問題やら生産緑地、都市に緑地を残していくという問題もございます。そういうこととの関連を考慮しながら、現在宅地並み課税が例外的な取り扱いになっておる状況を改めて、宅地並み課税が原則となるような運用を図るべきだということを言っております。二番目に、線引きの機動的な見直し。三番目に公有水面埋め立てによる宅地造成に触れております。 それから四番目の柱は、構造調整促進のための設備投資でございます。設備投資も、設備投資一般を進めるということではなくて、新しい産業分野をこれから開拓していくような先端的技術の開発とその利用促進に資するような投資あるいは産業構造変化に対応して業種転換に資するような投資を重点的に進めていく必要があるということを言っております。 それから五番目は消費でございます。我が国の一人当たりのGNPは、かなりこの円高の中で大きくなってきておるわけでございますが、生活実感との間に大きな乖離が見られるということでございまして、仮に我が国の価格水準が米国並みであったとすれば、平均的な家計の支出はかなり引き下げられるはずだということを触れております。 そこで十二ページに参りまして、そういう状況を踏まえまして、今後、内外価格差の大きいものについては、その価格の引き下げを図って内外の乖離を縮小していくことが緊要だ。(3)では、円高メリットの還元を図って内需拡大にこれを役立てていくということの重要性。それから(4)では、消費拡大のためには物価安定等を通じて実質可処分所得の着実な増加を図っていくことも必要である。あわせて、自由時間の増加と住空間の拡大を通じまして、よりゆとりのあるライフスタイルへの移行を促進することが必要だということを述べております。(5)では具体的なあり方、有給休暇の取得の問題等に触れております。(6)では賃上げの問題に触れておりまして、中長期的には労働生産性の向上に見合ったものに賃上げはしていくことが望ましいということでございますが、成長の成果を賃金と労働時間の短縮へ適切に配分することが必要だと述べております。 その労働時間短縮でございますが、特に柱を立てて、第二、労働時間短縮として十三ページに触れてございます。 現在、我が国の年間の総労働時間は製造業で二千百時間台ということでございまして、ヨーロッパ諸国の千六百時間、アメリカやイギリスの千九百時間に比べてもかなり大きな格差がございます。労働時間を短縮していくということは、国民生活のこれからの充実に資するということはもちろんございますが、消費拡大の観点からも必要でございます。ワークシェアリング等を通じて雇用の確保にも資するということにもなると考えられます。 そこで、政策目標として、現在既に一九九〇年度で二千時間を達成するということが掲げられておるわけでございますけれども、二〇〇〇年に向けてこれをできるだけ早期に千八百時間程度を目指す必要がある。これは、その括弧の中に書いてございますように、完全週休二日制を実施すること及び有給休暇二十日完全消化をする場合にほぼ相当するわけでございますが、千八百時間程度を目指す必要がある。そのために週休二日制の普及、年次有給休暇日数の引き上げ及び消化の促進、連続休暇の普及等によって休日をふやしていくということを中心に進めていく必要がある。特に(5)に書いてございますように、波及効果の大きい公務員、金融機関等の週休二日制の実施をこれまで以上に積極的に進めていく必要がある。特に公務員につきましては、国民のコンセンサスを得ながら、可能な部門では閉庁方式をあわせてやっていく必要があるということを述べております。 それから十五ページに参りまして、第三、国際的に調和のとれた産業構造でございます。 産業構造調整への取り組みといたしまして、現在円高のもとで、市場メカニズムを通じて既に産業構造調整が進み始めておるわけです。政府の対応といたしましては、こういう方向を押しとどめないように、個別産業への介入は極力排除しながら市場原理を基本としてやっていく必要がある。その際、我が国の産業構造は、技術革新と経済の成熟化によって長期的な変化の中にあるわけでございまして、現在の円高はこういう長期的な変化の道筋を加速をしておるんだという認識を掲げております。その構造調整を円滑に進めていくためには、経済の中成長を確保して、それとあわせてきめ細かな総合雇用対策を講ずる。それから技術革新の振興等を図って、新しい産業分野の開拓をしていくということが必要だということでございます。このような環境整備を図りながら構造転換を円滑に進めるべきであって、産業が空洞化をするんではないかといったような懸念から産業構造調整をおくらせるということはすべきでない。むしろ前向きな対応、積極的な対応を図っていく必要があるということを述べております。 それに関連いたしまして、海外直接投資が進み始めておるわけですが、これが産業の空洞化につながるんではないかという懸念がございます。十六ページの上の方に書いてございますように、この点につきましては、製造業の海外生産比率、現在は四%ちょっとという水準でございますが、一九九〇年代前半になりましても我が国の水準はこれが二倍程度になる程度でございまして、アメリカ、西ドイツはいずれも現在二〇%弱の水準にあると思われますが、これに比べると二分の一程度の水準にすぎないということでございまして、アメリカで言われておるような意味での産業空洞化につながるというおそれはないんではないかということでございます。むしろ水平分業が促進されるとか黒字の縮小にも貢献するといったような認識を述べております。 それから三番目に、内外競争条件の整備でございますが、内需主導型の経済構造に転換をしていくためには、これから需要が増加する分野について内外競争条件を整備し、より効率的な供給を図られるようにしていく必要があるという観点から、(2)に書いてございますようないろんな分野について規制緩和、市場アクセスの改善、効率化、生産性の向上というものを進めていく必要があるということを言っておるわけでございます。以下、(3)では流通について述べ、(4)では円高差益の還元、(5)では金融の自由化、(6)では建設市場、外国の企業にも積極的にビジネスチャンスを提供すべきだといったようなことを言っております。(7)では石油産業の規制緩和について触れております。 四番目に、輸入拡大と市場アクセスの改善でございますが、対外不均衡是正のためには、輸出を抑制するという道ももちろんあるわけでございますが、もう一つはいわゆる拡大均衡を図っていくという道もあるわけでございます。この建議は、世界と我が国の経済の調和ある発展を図っていくためには後者の道、すなわち拡大均衡をとるべきだという認識でございます。これを促進させるためには、市場アクセスの改善を強く進めていく必要がある。このために基準・認証制度の対象品目の削減、基準自体の削減等を進めていく必要がある。(3)ではウルグアイ・ラウンドを通じて工業製品関税につきまして、先進国とともにこれを撤廃するように積極的に関税交渉を進めていく必要があるということを言っております。(3)では政府調達について触れております。対象範囲の拡大、手続の透明化等を図る必要があると。(5)では農産物の問題に触れておりまして、輸入政策の活用等を通して内外価格差の縮小を図っていく。 農産物については特に重要でございますので、十八ページの五、国際化時代にふさわしい農業政策という項目で特に項を起こして書いてございます。そこで書いてございますのは、我が国の農業をこれから国際化時代にふさわしいものにしていく必要があるということをまず言っておりまして、今後の農政の推進に当たりましては、生産者側だけではなくて消費者、食品産業の立場にも十分配慮しながらやっていく必要がある。国内農業の生産性向上とあわせて適切な輸入政策によって内外価格差を縮小し、国民的理解の得られる価格水準にしていく必要がある。今後の我が国農業がとるべき方向としては二つございまして、一つは規模拡大による生産性向上の道、それからもう一つは生産の高付加価値化ということであるということでございまして、これらを通じて農業も産業として自立し得るものにしていく必要がある。そのために経営感覚にすぐれた意欲的な農業者が十分にその能力を発揮できるように、生産、流通の各段階に市場メカニズムを導入し、競争条件の整備を図っていく。 それから稲作等の土地利用型につきましては、生産単位の大幅な拡大を通じて高生産性農業の確立を図る。米につきましては、(6)に書いてございますように、今後とも国内自給を基本としつつ、品質、価格面等で国民の期待にこたえる努力が必要だ。食管制度につきましては、自主流通米の拡大を図るとともに、集荷、販売の各段階に競争条件の導入を図って、価格形成及び流通の一層の弾力化を図るべきだ。そういう成果を踏まえながら、今後制度の基本的なあり方についても検討する必要がある。 それから二十ページに参りまして、(7)で農産物についての国内生産の合理化、効率化に努める一方で、国境調整措置については必要最小限にとどめろと。その際にガットにおける新しい農産物貿易ルールの策定作業も踏まえながら、現行の農産物貿易制度について所要の見直しを行い、市場アクセスの改善に取り細めということを述べております。(8)では農村地域の活性化の必要性を述べております。 それから二十一ページに参りまして、雇用への対応でございます。構造調整過程で雇用問題は最大の課題であるという認識をまず示しまして、中長期的に見て内需中心という需要構造の変化に見合ったものに就業構造は転換をしていくというふうに見られますが、急速な円高が輸出関連業種あるいは構造不況業種を中心に雇用情勢を悪化させ、今後も失業率の上昇を招くおそれがあるわけでございまして、今後就業構造がどうなっていくかということについて不安があるわけでございます。 そこで、二〇〇〇年にかけての就業構造の見通しをやっております。今までのような一次、二次、三次といったような分類ではなかなかこれからの就業構造の変化を見通すことは難しくなってきております。三次産業自体が非常に多様化をしてきておりますし、そういう実態を踏まえまして、ここではまず今までの一次産業と二次産業を合わせて物をつくる産業分野としまして物財生産部門という分類をしておりますが、この分野においてはこれから二百万人程度二〇〇〇年にかけて雇用が減少していくであろうということでございます。それから、ネットワーク部門と書いてございますが、要するに物や金や人や、そういったものの仲介をしていく、ネットワークで結びつけていく部門、流通その他の部門でございますが、そういうネットワーク部門及びこれから特に拡大が望まれます知識・サービスの生産部門、いわゆるサービス産業等でございますが、それらにおいては、ネットワーク部門でこれから二〇〇〇年にかけて三十万人程度、知識・サービス生産部門においては六百八十万人程度の増加が見込まれる。全体では就業者は五百万人程度二〇〇〇年にかけて増加するであろうということでございますが、就業構造は大きく変化をしていく。この辺については、後の方に補論がつけてございますので、後ほどごらんいただければと思います。 ということで、就業構造はかなりこれから変化していくということが見込まれるわけでございますけれども、需要の変化に供給が必ずしも対応し切れないということから、産業間あるいは地域間等に需給のミスマッチ、不適合が発生し、それが失業に結びついていくという可能性もあるということでございまして、これから総合的雇用対策が必要だということでございます。雇用調整の円滑な推進を図っていくためには、潜在的な成長能力を顕在化するためのマクロ政策がまず必要でございますが、これとあわせてきめ細かな総合的雇用対策をとっていく必要があるということで、二十二ページに参りまして、雇用対策について書いてございます。 労働力の産業間あるいは企業間の移動を円滑に進めるために産業間の自主的な雇用情報交換を行う団体が本年発足をいたしております。産業雇用安定センターといったようなものが発足しておりますが、そういうもの、またさらに六十二年度予算でやっております三十万人雇用開発プログラム等も講じられております。こういうものを今後さらに充実強化を図りながら、職業能力開発対策の強化、あるいは雇用機会が不足している地域における雇用機会の開発等を進めていく必要がある。 それから、雇用機会を再配分をしていくことも必要であるということで、四に書いてございますように、これから世界一の長寿社会を迎えるわけでございますので、そういうことも踏まえながら、労働時間短縮とあわせて、世代間の雇用機会の再分配をやっていく、いわゆる日本的なワークシェアリングを進めていく必要があるということを言っております。そのために、就業形態の多様化、高齢者にも見合った職場の開発といったようなことも進めていく必要がある。それから労働時間の弾力化等を図っていくということを述べております。 それから、これからの産業構造転換過程で地域の問題というのが大きな問題になってくる可能性がございます。そこで、二十三ページ、地域経済への対応ということで触れております。 円高の進行の中で、構造不況地域等で雇用問題がかなり深刻になってきておる。こういう摩擦と痛みを緩和していく必要があるわけでございまして、こうした地域へ公共事業を重点的に配分していくということが必要だと。それから、地域間の労働需給の不適合を解消するためには、事業転換等を通じた雇用機会の創出、それから地域における雇用対策等を促進していく必要があるということに触れておりますし、製造業の雇用吸収力の低下ということがこれから長期的に見込まれるわけでございますが、一方、対事業所サービス等を中心として第三次産業、先ほどの知識・サービス生産部門といったようなものがかなりふえていくということも見込まれる。 こういうことを総合して考えますと、これからの雇用機会というのは東京へ集中していくおそれもある。そういう人口や諸機能が東京圏へ集中していくというおそれもございますので、こういう東京圏への一極集中構造を是正していく努力が必要でございます。二十四ページに書いてございますように、そういう点を考慮した地方分散を目指した政策、特に知識・サービス産業等の都市型産業が東京圏に集中していくという可能性がございますので、こういうものの地方分散を図れるように、地方中枢都市だけでなくて、地方中核都市を含めて戦略的に育成していくということが必要だ。このための情報・通信インフラあるいはヘリポートを含めた高速ネットワーク、居住環境の整備というものを地方に整備し、魅力ある地方都市づくりを進めていく必要があるということでございます。 それから、二十五ページに参りまして、世界への貢献でございます。 まず、経済力、金融力、科学技術力等の著しい向上を反映いたしまして、国際社会に対する我が国の経済的貢献能力がかなり大きくなってきておるわけでございまして、そういうことを踏まえて、これから自由貿易体制を維持強化していくために、商品貿易分野等における市場アクセスの改善を進める。それから、ウルグアイ・ラウンドを通じて積極的に貢献していくという取り組みが必要であるということでございます。また、世界の資金循環を南にも向けていくという観点から、これら諸国の経済発展と貿易の拡大に役立つような貢献をしていく必要がある。(4)に書いてございますように、我が国の大幅な黒字の還流を進めるために、国際開発金融機関等を通ずる官民資金の還流、それから輸銀を通ずるアンタイドローンの活用といったようなことで国際貢献をしていく必要がある。 それから二十六ページに参りまして、円の国際化でございます。円の国際化につきましては、これからこれを積極的に進めていく必要があるわけでございまして、円の運用市場の発展によって円の国際化が図られる必要がある。輸入における円建て取引の促進等をやっていく必要があるといったようなことを述べております。 それから経済協力といたしましては、ODA中期目標の早期達成、少なくとも七年倍増目標の二年繰り上げ等をやっていく。贈与比率の向上、円借款の条件の改善等に触れております。それから(2)に書いてございますように、主要相手国ごとに官民合わせた資金フローのあり方を検討し、これからの南への資金還流のあり方を考えていく必要がある。 二十七ページでは、国際交流に触れております。 二十八ページ、以上踏まえまして当面の行動指針でございます。 そこに書いてございますように、構造調整は中長期にわたる国民的課題でございますが、現下の内外情勢にかんがみまして、ここ両三年の間に集中的な政策努力が必要だと。その観点から、以下に述べる施策について早急に着手し、一定の期間内にその実効を期すべきであるということで、先ほど来御説明いたしましたものの中から規制緩和、これにつきましては、新しい体制による規制の抜本的見直し等に触れております。 二番目に財政の活用、これにつきましては、行財政改革の基本理念を維持しながら、その成果を生かしてやっていく。それから臨時緊急の思い切った財政措置を講ずる。三番目に、住宅、土地対策、社会資本整備。四番目に、製品輸入の促進。五番目に、農業。六番目に、労働時間短縮。七番目に、経済協力。 それで、それら全体を通じて、雇用、地域経済へ最大限の配慮をすることが必要だという点に触れております。 大分急いで御説明をいたしましたので、おわかりにくかったかと思いますが、以上にいたしたいと思います。 ただし、三十一ページから、先ほどちょっと触れました今後の産業構造、就業構造の姿についてのデッサンが書いてございます。適宜ごらんをいただければと思います。 以上でございます。
○会長(長田裕二君) 以上で経済企画庁からの説明聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○及川一夫君 ちょっと会長並びに理事の皆さんにお願いしておきたいんですけれども、まあ私どもの山本理事からお伺いはしているんですが、日程上の問題として、どうしても国会からの発令ということもあって参加できないということがあるわけです。調査会、こういった会議というのはかなりゆとりを持って、できるだけ全員が参加できるような条件のもとで運営すべきだと私は思うんです。そういう立場からいうと、海外に向けて、私の場合には税制とか財政とか金融という課題をひっ抱えて二週間ほど行ってこなければいかぬ。それに国民生活の調査会の日程がひっかかっておる。どうしたものかなということがございますので、そういった点は十分配慮できないものかどうかということが一つ。 それから、課題の扱いなんですけれども、内需拡大は結構なんだけれども、お聞きしている限りは、もう各政党間の現ナマの問題ですね。これを中間報告されるという話も聞くんだけれども、例えば減税のところなんかどんな中間報告になるんだろうと即座に問題意識を持ちますし、さらに項目によっては、とてもじゃないが、こんなところで何かまとめてどうのこうのなんというようなことの議題としてはふさわしくないなという課題も随分私はあるように思うんですよ。 国民生活調査会というのは、どちらかといえば中長期的な立場に立ってさまざまな問題を党派を超えてえぐり出して、そして問題を提起して、勧告をして、お互い論議をして、いいものはどんどん取り上げていく、こういう形のものだというふうに思っているもんですから、きょうから四日間並べられた議題を見たら、まさに補正予算の前提となるべきものがずばり並んでいるわけでして、そうすると党派性を超えろといったって党派性はなかなか超えられませんね、こういう問題は。そういうことが出てきますので、議題の扱いについてこれから先の問題として少し御検討をいただけないものかどうか。議題は扱っても、扱う角度によっては議論できるものも僕はあるというふうには思っていますけれども、そういった点をぜひ御検討をいただきたいなということをまず最初に、大変失礼ですけれども、理事会で検討されたんでしょうが、ひとつ再度御検討をお願いしたい、こういうふうに思っております。
○会長(長田裕二君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○会長(長田裕二君) 速記を起こしてください。
○及川一夫君 まず第一点としてお伺いしたいのは、緊急経済対策という、緊急という肩書をつけて御説明いただいているわけです。緊急ですから、これは日本語にしてみれば、今すぐにでもやらなければならないという意味合いを含めて問題が提起されているわけでして、それ自体はわかるんですが、しかし緊急にするにしても、この内需拡大策というか経済対策というのはことし一年ぽっきりで終わるわけじゃないわけでして、来年、再来年、その先までずっと続くような問題だと思うんです。そういう前提に立ちますとこの緊急という言葉を使った意味と、それからその土台となるものは一体何なのか。まさか六十二年度予算が土台だとはおっしゃらないと思うんだが、前川リポートの問題もあれば、いろんな衆参両院における予算委員会での議論、あるいは国内外からのさまざまな提起というものがあるわけでして、そういったものを踏まえて対処して、また緊急的にとらえるというふうにしたんだろうと思うんだけれども、少なくともベネチア・サミット対策的な意味合いだけで決めたものだとは思わないんですけれども、一体この緊急経済対策を決める土台というのは何なのか、このことをまずお伺いしたいと思う。私は二十五分しかありませんから、ごく簡単に答えてもらいたいというふうに思います。
○説明員(田中努君) 緊急という言葉の意味等につきまして御質問いただいたわけですが、これは国内の経済情勢が急速な円高の進行に伴う影響下で一部にかなり停滞感が強まってきている、したがいまして失業率も漸次高まりまして三%近くまで高まってきつつある情勢、これが一つあると思います。成長率をとりましても六十一暦年の成長率は実質で二・五%ということでございますし、それから四-六からとりまして十-十二月までの六十一年度の途中経過を見ますと二・二%というふうなことで、かなり低いところに落ち込んできた、この程度の成長率では雇用を維持することがかなり難しい点が出てくるというふうな認識が一つあったわけでございます。 それから対外的には、やはり経常収支なり貿易収支なりの黒字が円高にもかかわらず、あるいは円高によるJカーブ効果のせいによりましてドルベースで見ました場合にこれが拡大をいたしてきたわけでありまして、経常収支で申しますと九百三十八億ドルというふうなことで、これはGNPとの対比で申しますと四・五%に近い比率になるということで、これはやはり我が国としても放置できないというふうな情勢が出てきていた、こういうふうに思います。それからやはり種々の国際的な協議の場を通じまして、もちろん我が方からも要請をするわけでありますけれども、我が国に対しまして先方からの経済政策に関するいろいろな要望が寄せられてきておった状況もございまして、内需拡大をできるだけ早い時期に実施をしてほしいというような国際的な一つの世論というふうなものが背景にもう一つあったと思います。 そういうようなことを踏まえまして、やはりこれは極めて緊急にやるべきことをやるということが必要である、こういう判断があったわけでございまして、これを行うことによりまして一部に見られますような円に対する投機的な動きというふうなものにも歯どめをかけまして、円高の過度の進行に対しても歯どめをかける、黒字の幅につきましてもこれを漸次縮小の方向に持っていく。さらにもう少し長期的な観点からは成長率、雇用を維持し、構造調整の進展のために寄与するような政策を打ち、その効果を期待する。こういうことをすべて合わせまして、究極の目的といたしましてはやはり何と申しましても国民生活の充実ということで、貯蓄がやや過剰になっている状態を踏まえまして、国内で実物的な需要をもっとつけていくということが内外の均衡の回復に役立つというふうな判断に立ちましていわゆる緊急経済対策を実施したもの、このように考えております。
○及川一夫君 それはわかりましたけれども、そうしますと、どちらにしても六十二年度の予算の景気対策というものから見れば、いずれにしても規模的には六兆円膨れ上がっているということが言えるわけですから、そうしますとこれが今おっしゃられたような意味であらゆる問題に答えていく一つのスタートだと、こう認識しますと、じゃ来年は、再来年は、その先ほどいう、一体こういったテンポで何年やらなきゃいかぬのか、またやるべきなのか。景気がよくなるということは我々にとっては決して悪いことじゃありませんから、もう永久に続けてほしいという気持ちもあるけれども、そういってもやっぱり無限ではないということを考えますと、一体当面、今この時点で考えた場合に、このようなベースで少なくとも何年ぐらい考えていかなきゃいかぬのかということが当然問題を提起するからには議論があったはずだと思うんですね。それはどういうことでしょうか、あったら教えてください。
○説明員(田中努君) 今回の六兆円の規模は単純にGNPと対比をいたしますと約一・八%に相当するわけでございます。これは先ほど申しました効果ということとは別に、対策の規模を示すためにGNPとの対比を申し上げたわけですが、これはかなり大きな規模の対策になるわけでございます。したがいましてこのような対策を今後毎年行っていくというふうには私どもは必ずしも想定をして、財政再建につきましてはその基本路線はあでも緊急対策ということで、いわゆる財政改革路線との関係で申し上げれば臨時緊急の措置としてこれを導入する、そういうふうな理解でござしますて、財政再建につきましてはその基本路線はあくまでも追求してまいる、こういう前提で考えておるわけでございます。 しかしながら、今回このようなかなり大幅な措置を講じまして、来年それを一挙にもとに戻して全く財政をもとの状態に戻すということになりますと、その分かなりのむしろデフレ的な効果が出てくるということが想定されるわけでございますから、そのあたりにつきましてはこれはやはり中期的に日本経済の成長率をどういうふうに持っていくかということを展望した上で考えていかなければならぬ問題であろうということでございます。 したがいまして、そういったことからいわゆる新行革審に来年度予算のいわゆるシーリングにつきましてどういうふうに考えたらよろしいかということを御検討いただいておるわけでございまして、その御回答も得た上で来年度からの財政運営についてはいろいろ考慮を払っていく必要があるであろう、そういうように考えております。
○及川一夫君 どちらにしても先を見ないで緊急であれ何であれ問題の提起をされてくるということになると、危険千万この上ないということになってくるわけだと私は思うんです。ですから、そんなことはあり得ないだろうという前提に立って今のところは理解しているわけです。そういう理解の上に立ちますと、六十三年度の予算というものが提起されるときには、今何か検討されているようなお話もございましたけれども、そういったものが少なくとも国民の目と耳に明らかにされるということがあって初めて六十三年度の予算というものとのつなぎがどういうものであるのか、果たしてそれが緊急対策というふうに提案をした経済対策が効果的なものと映るのか、それともまた、そういう効果があらわれるのかというふうな、そういう判断が私は出ていくものだというふうに思っているわけです。 したがって、それの象徴は、私は何といっても増税なき財政再建というんですか、財政再建にとにかくここのところマイナスシーリングということで思いっ切りウエートをかけてまいりましたね。これ自体について、本当に何かぼろぼろの旗でも旗は旗だというふうな、そんな程度の呼びかけで果たして内需拡大策に国民も協力してくれるのかどうか。あるいは国外からそういう評価が起こるのかどうかという問題もあるわけでして、恐らくこの六十三年度の予算では、少なくとも増税なき財政再建の問題やマイナスシーリングに極めて大きなウエートを置いてきたものとの関係、これをどうするかということがなければ、名実ともにそれこそ積極財政への転換ということになっていかないというふうに思うものです。したがって、ありとあらゆるものが六十三年度の予算を作成する中では出てこなけりゃうそだというふうに思っていますんで、これは意見の部分ということになるんですけれども、企画庁の方も十分お考えになるべきではなかろうかということが一つ。 次の問題に移りたいんですが、問題は、貿易不均衡の是正ということが一つの要素として言われました。かなり意識されているんでしょう、結構だと思いますよ。そういう前提に立って考えたときに、こたえる道として一言で言えば内需拡大を図っていく、そして輸入もふやしていこう、こういうことなんですが、一体政府や我々だけがその気になっただけでそういったことが実現できるのかどうかということが非常に問題ではないかなというふうに思うんです。つまり、国民全体がその気にならなきゃだめなんだろうと私は思うんですね、これは。 例えば中曽根総理が二年か二年半前だったと思うんですけれども、例のやっぱり貿易収支の問題で赤字、黒字の論議が出てきたときに、テレビに出られて、むちを持って、そして資料をこう掲げて、国民の皆さん百ドルずつ買ってくださいと言って協力を呼びかけたでしょう。呼びかけてそのとおりやったら本来あれ収支うまいこといくことになったんです、数字的には。ところがちっとも改善されなかったですね。つまり、国民の目から見ると、まあ総理大臣としてえらい変わったことやったなと、なかなかやるわいと、こう思ったにしても、百ドル買ってくれという意味が何のために買わなきゃいかぬのか、そして買うものはどこにあるんだという、そのことが全然わからないわけですよ。だから、気持ちはわかってもちっとも行動に移せない、こういうことがあるわけでして、内需拡大を貿易の収支不均衡の改善問題を含めてやろうとするならば、国民自体にそういう意識を起こさせるというか、植えつけるというか、そういう施策というものが本当の意味で伴っていきませんと私はだめだと思うんです。 それにはやはり今何だかんだ言っても貯蓄率が非常に高いわけでして、高いことは決して悪くないんだけれども、金を使わないわけでしょう、将来に不安があるとかないとか、いろんな理由があって使わないわけです。ため込んでいるわけですが、これを本当の意味で使わすからには、やっぱり生活とは何かというものから始まって、生活の豊かさというものを本当の意味で国民に示さなきゃだめなんですよ。そういうことがなしに、単にこういう文字と数字だけでマスコミを通じて訴えたから直ちによくなるとは私は思いたくないし、またそうならないだろうと。したがって、成果というものが上がらないんじゃないか。下手すると皆さんの方は五十億か六十億ドルほどの輸入が何かふえるようなお話だけれども、そこまでもいかないんじゃないか。ましてや五十億、六十億でとどまっていいんだろうか。もっと百億とか百五十億ドルぐらいにいくようなことになる勢いでなければ、とてもじゃないが内需の拡大というふうにはなってこないような気がするんです。 ですから、一番先に、経済審議会もとらえているように、企画庁もとらえておられるように、とにかく住宅の問題というふうに言うからにはどういう住宅にするかということを政府自身がやはり示さなきゃいかぬと思うんです。例えばの話なんだけれども、今は二Kなどという部屋の中に住んでいるのは、もう全くウサギ小屋と同じだと思うんですよ。ところが、公共施設としてある住宅ですか、アパートですな、これはもう二Kが物すごく多いんですよ。こんなものは私はもうやめたらいいと思う。やめるというのは壊せという意味じゃないですよ。二K二つを合わせて四Kにして、二世帯であったものを一世帯で使うというぐらいの発想で国が投資をしていくというか、建設国債というものを使っていくというか、そういうふうにやる。 それから持ち家の人にだって、今非常に困っているのは駐車場の問題、それから敷地が三十坪に丸々二十五坪ぐらいの建坪で建てているという本当に狭隘な問題、したがって三階建てにするという話もあるけれども、駐車場の問題なんかを仮に考えるなら、むしろ地下を利用するという話、最近は非常にこの地下利用という問題が出てきているんですよ。地下利用ということになれば鉄筋の問題まで含めて広々と考えなきゃいかぬですからね。しかしそれをやると五割高になるそうですよ。だから、その五割高を幾らかでも減らすように税制上の例えば固定資産税をその部分にはかけないとか、あるいは固定資産税だけじゃなしに建てたときの税金をかけないとか、何かそういうものも含めて、だからこのように生活が豊かになるんだと、またこういうことにしなければ豊かとは言えないんだという、そういう意味合いのような政府の施策というか呼びかけというものがあって初めて皆さん方が意図されているような内需拡大としての効果というものが上がるんだろうと思う。 それから外国で使っているものはどんなものがあるかということも全然知らないんですよ。知らされないんですよ、これは。海外に行って初めて知るなんていうものがあるんですけれども、だからそういうものも紹介する道、これは日本の流通機構の問題とかいろんな課題がありますから、しかく簡単ではなさそうだが、しかしそういったところにまで踏み込んでいくような発想でもってやらないと皆さんの期待にこたえるということにはならないんじゃないか、こんな気がするのですが、その辺いかがでしょうか。
○説明員(蜂巣賢一君) 先生の御指摘、一々ごもっともだと思います。先ほど御説明いたしました経済審議会の「構造調整の指針」におきましても、単にこれからの構造調整というのを対外不均衡の是正ということだけにねらいを絞っておるわけではなくて、むしろこれからの国民生活の質の画期的な向上ということをやっていくことこそまさに大切なんだという観点から構成をされておるわけでございまして、その辺が今までのこういう提言、答申のところから見るとかなり前に出ていると申しますか、かなりその辺に力を入れて書いてあるわけで。ございます。 そういうことでございますので、内需拡大の中で住宅問題というのをまず最初に取り上げておるわけでございますし、その住宅については単に今までのように戸数をふやすということではなくて、七ページの冒頭に書いてございますように質的改善ということをまず言っているわけでございます。その質の改善、これからどうしていくのかというのはまさに非常に具体的な問題でございますので、経済審議会で十分にこれから先の方向を示す、あるいは具体的な施策を示すというところまでいっておりませんが、考え方としてはそういう質的な改善、これから良質なストックを形成していくということが必要なんだということを言い、そのために今までのように単に住宅についての需要のインセンティブを与えるだけじゃなくて、供給面からも新しい供給対策をやっていくということを触れておるわけでございます。 そういうことを踏まえてこれから具体的に、今先生おっしゃっているのは住宅だけの問題ではないと思いますけれども、そういう具体的な問題についてはこの指針、経済審議会の建議を踏まえまして、関係各省で政府として何がやれるのかということを検討していく必要がございますし、国民全体としてもこの指針に示されたような方向を十分にそしゃくしていただいて、自主的な取り組みもしていただくということが必要なんだろうと思います。
○及川一夫君 文字面を見ればそういったものも含まれて言われているように思うんですが、しかし実際の各省の予算ですか、建設省の予算などというものを見ると、質的というその質の観点が必ずしも私が言ったような観点に立っているようには実は思えないわけですよ。二世帯を一世帯で使うなんて発想の建設省の計画にはなっていませんからね。少なくとも私が言うのは、土地を買って新たに建ててという話じゃないわけで、質的強化ということはやはりこの使用面積の問題などを含めての話だと思うので、これは建設省あたりと、何もことしに限ったことじゃないので大いに議論せにゃいかぬというふうに思います。 同時にまた、社会資本の問題なんかについてもやはり優先順位というのがあると思うんですよ、その必要度、緊急度ということを含めて。これなんかについても単に単年度計画じゃなしに、五年間でここまでやるというものをつくるとか、あるいは何年かけたら完全に社会資本の問題は文句を言われないようにするというような計画を立てるとか、そういうようなことをやっぱり示してもらわないと、本当の意味で本気なのかいなという疑心暗鬼の方がどうも先に立つような問題がしばしば地域では出てくるわけですね。ですから、そういったことを含めて私としては意見を持っているということを申し上げます。 最後になりますが、実はこの財源問題に関係をいたしまして、これは与野党を含めてNTT株の売却益という問題が出ているんですけれども、タヌキの皮算用にならなきゃいいがなと思ったりするわけです。どちらにしても一千五百六十万株ですから、しかし政府持ち株として保有しなきゃならぬのが五百二十万株なんでして、残りは一千四十万株。今現在百九十五万株放出をしているわけですから、残りが八百四十五万株ほどある。これを売って売却益ということになるわけだけれども、一体どのぐらいで計算しているのかというのがやっぱり問題ですね。我々素人の目から見れば、今現在二百八十三万だから少なくとも二百八十三万とか、いやこれから上がるだろうから三百万だろうというような計算なんかしますね。仮に二百八十万から三百万だということになりますと、もう二十二、三兆から二十五兆円ぐらいになっちゃうわけですね、放出すれば。僕は大変な金だというふうに思うんですよ。 ただ、これはやはり人気がなければNTTの株というのは二百八十万とか三百万維持できるかどうかわからないわけで、また会社に対する信用というものがなければこれはパアになるわけでして、上がったり下がったりすることは間違いない。したがって一体この売却益というものの利用の仕方について、ここまで来るとそれこそ既に法律で決めたそのものについても見直しの議論をしなきゃいかぬのじゃないかという気持ちが非常に強いわけですよ。大蔵省は絶対明かしませんけれども、一体どのぐらいになるんだろう。どんなに高くても二百万を超えることはあるまいというのが私は前提だったと思うんですよ。ところがそれがもう既に二百八十万を超えている。一時は三百万超えちゃったと、こういう状況。しかも世の中的にはマネーゲームということがひっついているわけでして、いつ何とき百万ぐらいドーンと下がるかわからぬ、こういう状況があるだけにこのNTT株の売却益という問題に対して、使うことは結構なんだけれども、国民のためですからいいんですけれども、果たして何もかもNTTの株の売却益、売却益といってみんな逃げ込んでいいのかどうかというようなことも私は党の中でも論じているつもりなんですけれども、この辺経済企画庁あるいは経済閣僚会議等々で深刻なとは言いませんけれども、安易な気持ちで決めたとは思わないが、何か議論あるんでしょうか。 と同時に、やはりこのことについては真剣に少し論じ合って国会全体が責任を持った形にしなければならぬし、NTT自体にも四兆円を超える借金が今もってあるわけですから、そういうものをそのまま放置しておいていいのかどうかということも含めて考えるべきだというふうに思っているんですが、企画庁の判断をひとつお聞きしたいと思います。
○説明員(田中努君) この問題大変重要な問題であるというふうに認識をしておりますが、これは補正予算の編成に向けて大蔵省が中心になって御検討中の問題でございまして、私どもは必ずしも技術的な知見もそれほどございませんし、余り具体的なことを申し上げる立場にないわけでございますけれども、やはりこれは国民の貴重な財産、これを売却するということでございますから、本来的にはやはり過去の赤字の、つまりマイナスの資産の償却に充てるという本義があるということであると思いますけれども、いろいろ前提といたしました売却価格を上回る市場価格が現に生じているというようなことから、現実的なアプローチといたしまして、非常に慎重にかたく判断をした上でなおかつ若干運用の余裕が出るというような分、その部分につきましてはこれは今回対策の中にも盛り込まれておりますような形で、無利子で貸し付けるというような形で当面運用していくというようなこともやはり一つの妥当な判断ではなかろうかというふうな考え方でおる次第でございます。
○坂野重信君 経済企画庁の参考意見としてちょっとお伺いしたいと思います。時間も大分経過しておりますので三点ばかりに絞ってお伺いしたいと思いますので、ひとつ簡明にお答えいただきたいと思います。 先ほどからの議論と若干重複する面がございますが、この調査会の内需拡大に関する検討項目として一番最初に掲げているのは、内需拡大の意義と役割という問題でございます。これは先ほどから及川委員からもいろいろ指摘があったわけでございますが、いろんな外からの要請のあった事情というものは我々も承知しているわけですが、先ほどから話の出ているように、内需拡大というそのこと自体は、国民生活の環境整備であるとか、あるいは社会資本の整備というものを進めて、そして物心ともに豊かな社会の実現というのがやっぱり本来の内需喚起、そういうものを目指した内需喚起をするというのが政策であるべきでございますから、国際的な要請を受けたから、それを受けて急に立ち上がってやるんだという性格のものでないということは先ほどもいろんな議論のやりとりで指摘されておるわけです。この内需の拡大策によって当面の円高による不景気を打破するとか、景気浮揚を図る、あるいは雇用の改善というものを目指して、一方ではまた先ほどのいろんな話のあった構造調整というものを図りながら緊急的にこの問題をひとつやっていくんだというのがいわゆる内需拡大の意義と役割というぐあいに考えるんです。 そこで先ほど話が出たように、サミットでもいろいろ議論が出て、イギリスのサッチャー首相は、内需拡大なんか日本のやつやったって余り貿易収支の黒字に対する効果は薄いじゃないかということも何か指摘されているようなことも報道されておりますけれども、経済企画庁あたりでひとつはっきりしていただきたいのは、内需拡大によって貿易収支の黒字が直ちに大幅に減少するんだというようなことを、マスコミの皆さん、国民の皆さん、あるいは諸外国の皆さんが仮にそういうもので過大な期待を持っているとすれば、今度は失望感が逆に二、三年後に出てくると思うんです。 あれだけ苦労してやったけれども大したことないじゃないか、内需拡大やってみても貿易の黒字減少というものは大したことないじゃないかと。経済企画庁の先ほどの話を聞くと、大体五十億から六十億ドルぐらいは貿易収支の黒字がこの一年間で減りそうだということですけれども、その辺のところをひとつ明快にやっておかないと、しかも日本だけで貿易の黒字を解消しようと思ってもこれは相手のあることですから、特にアメリカ等の赤字の解消の努力あるいは産業の競争力というようなことについても、アメリカ自体も相当協力してもらわぬことには、日本だけにすべてプレッシャーかけられても困るわけですが、その辺の考え方をもう一度、本当はこれは企画庁長官でもおられたら長官のお考えを聞きたいわけですが、審議官からひとつその辺のところを明快にお答えいただきたい。
○説明員(田中努君) 御指摘のとおり、今回の対策によりまして我が国の貿易黒字が非常に顕著に大幅に改善するということは考えにくいわけでございまして、先ほど数字を申し上げましたが、五十億ドルないし六十億ドルということは、現在の貿易収支で申し上げますと、一千億ドルに近い黒字から見ますと非常にわずかな削減である、こういうものにとどまるということであるかと思います。したがいまして、御指摘のようにこの対策で過度に期待を生じせしめるというようなことがあってはならないということで、私どもといたしましても数字につきましては、先ほど申しました内需に対する効果もそうでございますが、比較的かためかために計算をいたしまして、少なくともこの程度の効果は出るだろうという意味合いでの数字を申し上げているような次第でございます。国際収支につきましてもそういう性格の数字であるというふうに御理解いただきたいと存じます。 さらにまた、これも御指摘のように日本の努力だけでは国際収支は改善はしないわけでありまして、日本が内需を拡大する、あるいは同時に輸入の拡大についても直接的な努力をする、あるいは市場アクセスの改善についても努力をするということがございましても、アメリカ側でやはり輸出という面で日本に対して一層の市場開拓というような意欲を持って臨んでこない限りは、せっかくの我々の努力も効果を生まないということにもなるわけでございますし、それから世界経済のマクロ的なバランスというふうなことから考えましても、我が国が行います内需の拡大措置の世界経済全体あるいはアメリカの貿易赤字の是正に対して及ぼす影響というのは比較的これは少のうございまして、アメリカがいろいろな政策を講じました場合、それがアメリカの貿易赤字なりあるいは日本の貿易黒字に対しまして及ぼしてくる影響というのは、これはいろいろな条件のもとで極めて大きいというふうな、いわば非対照的な面もございます。それだけに我が国だけの努力ではどうにもならない面があるわけでございまして、今回の対策の効果につきましても、今御指摘のようなそういう制約条件のもとでこれを理解していただくということに私どもといたしましても努めてまいりたいというふうに思うわけでございます。
○坂野重信君 次の問題は、これは時間がないものだから省略いたして、大蔵省に後で聞きたいと思いますが、先ほども話が出ました内需拡大の政策手段はいかにあるべきか、どこに重点を置いてやるか、経済効果は一体何を考えてやるか、長期的な視点と短期的な視点とあると思います。 その問題は別にしまして、全体としてのマクロ的な内需拡大の事業量といいますか、規模の問題がその次の検討課題でございますから、これは我々のいろんな議論の中で、今六兆円以上の補正予算というものは既に内定したような格好ですから、六十三年度以降の予算の編成等についての調査会としての意見をできればひとつ何か一つの提言としてやっていただきたいと思うわけでございます。 そこで、お聞きしたいのは、先ほどの「構造調整の指針」の四ページの下の行あたりから、経済企画庁も参画されていると思いますけれども、いわゆる内需成長率を考える場合の考え方がそこに出ております。外需の寄与度がマイナスになるということを想定すれば、内需の伸びはGNP成長率を上回らなくてはならない、これが私は非常に大事な論点だと思いますが、経済企画庁も今後シーリング等に当たってのこれからのいわゆる内需拡大の規模はいかにあるべきかということをこういう方向で考える意向かどうかということをただしたい。 その場合に、今年度は特別のいわば六兆円以上、実質的には減税分を差っ引いても五兆円という内需拡大の事業量をやろうとするわけですから、今までの考え方からいうと大変な内需拡大の事業量の伸び率、対前年伸び率からいうと恐らく二〇%ぐらいの伸び率じゃないかと思うんです。今までは大体マイナスシーリングということでこういった投資経費というのはきておったわけですから、今年度はそれでいいんですけれども、来年度になってまたそれをもとに返すようなことでは、一つの勢いというかテンポを緩めるということになってくると大変なそこでスローダウンというようなことで、デフレというようなおそれも出てくると思いますが、考え方としては今年度の補正も含めた事業量というものをベースにして、そしてここの四ページから五ページの初めに書いてあるような考え方によって六十三年度以降の内需拡大の事業量といいますか、規模を維持していくべきだ、確保すべきだと思うんですが、どうですか、その辺のところは。
○説明員(蜂巣賢一君) 前半にお尋ねの建議についての御質問でございますが、ここに書いてございますように、これから中期的にGNPの中成長を確保していくというためには、内需の成長率をそれよりも高くしていかなければならないという認識、これは先ほど御説明したとおりでございますが、六十一年度は、ここに書いてございますような外需、輸出から輸入を引いた外需の寄与度が既にマイナスになっておりまして、内需はしたがいましてこれよりもかなり高い成長率になっておる。そういう意味で、既にこういう方向に向かっての変化は始まっておるわけでございます。この建議全体について政府としては最大限に尊重していくということになっておりますので、当然こういう点についてもこれから内需成長率がGNP成長率を上回るように努力をしていくというのは当然のことであろうと思っておりますし、経済企画庁としてもそういう方向で努力をしたいと思っております。
○坂野重信君 その次は、これはことしの一月の二十六日の印刷になっているんですが、経済企画庁で「昭和六十二年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」、予算編成のときに相前後してつくられた、その中で昭和六十二年度のGNPのパーセンテージで三・五%と、そのうち国内需要が四・一ということになっているんですが、この辺の今後の傾向を一体どういうぐあいに予測されるのか。さきのような話でもう外需はマイナスに転じていると。しかもそこへ持ってきて、今度は補正予算でもってさきの話のように二%のプラスを内需で図ろうということですから、この辺の数字がどういうぐあいに変動するか。このとおりなかなかぴたりといかないと思いますけれども、その辺の予測を大体どういうぐあいにお考えになっているのか、それをちょっとお聞きしたい、これはさきの質問との関連が出てくるものですから。
○説明員(田中努君) 本年度の当初見通しにおきましては、御指摘のとおり、三・五%成長を見込んだわけでございますけれども、その中身といたしましては、内需による寄与が四%、外需による寄与がこれはマイナスの〇・五%、都合三・五%と、こういう見方をしておったわけでございます。これをつくりましたときの為替レートの前提は百六十三円ということで、これは見通し作成時のレートをそのまま適用した一種の作業仮説であったわけでございますけれども、その後、円高が一層進展をいたしまして、最近では百四十円台前後で推移をしているというようなこともございますので、これはまだ年度が始まったばかりでございますので、今後の見通しというものは不確定の要素が多いわけでございまして、百六十三円というレートも年度を通しての平均的な想定でございますので、今すぐにこれがどちらの方向に変わると即断はできませんけれども、仮に最近の円高の進行ということを前提にして考えるといたしますと、外需によるマイナスの寄与という部分が幾らか拡大の方向になってくる可能性というのはやはり否定できないわけでございます。 したがいまして、三・五%の成長を維持、確保するためには、内需の面におきまして一層早いテンポの拡大が必要になってくるということでございまして、そこがどれぐらいになるんだという点につきましては、まだこれからいろいろ経済情勢の推移を見きわめながら考えていかなければならない点であるというふうに思いますけれども、少なくとも今回の緊急経済対策によりまして、高目の内需の維持という点についてはかなりの効果が期待できるのではないか。したがいまして、中長期的に内需拡大への構造転換を遂げるその第一歩といたしまして、今年度におきまして内需中心型の成長というものが実現をするということを私どもとしては今後に期待をしているというところでございます。
○坂野重信君 時間の関係ありますので、最後にもう一点だけ絞ってお聞きしたいと思います。 経済企画庁からこの間いただいた資料によりますと、貿易収支と長期資本収支、長期資本収支は年々もう五百億ドルずつぐらいふえて今や千八百億ドルベースになってきていると、それもまだまだこれからふえていきそうだという、そういう中で、さっき説明された「経済審議会建議」の十五ページで産業の空洞化問題にちょっと触れておられるんですが、この文章は産業の空洞化なんというようなことは余り心配しないでどんどん積極的な海外直接投資を期待するというようなことが出ているんです。私は鳥取県の片田舎の出身だけれども、最近、ここ二、三年の傾向では海外への直接投資でどんどん出ていくのはいいんだけれども、田舎の方に企業進出といいますか、中小企業を含めて、そういう傾向がここ二、三年だんだん減ってきた。国内にあっちこっち進出する企業がむしろ国外に行った方がいいんだというようなことになってきて、何となく国民感情としては、日本は貿易収支が非常に黒字だと、それで世界の経済大国だと言っておりながら、我々一般の庶民にとってはなかなかそういう実感が出てこないわけですよ。どこを見てそういうことに一体なっているのかという感じがあるわけです。それで余りこの空洞化というような現象が行き過ぎてくると、今言ったような企業の地方への進出というものが鈍化してくるということになってきますと、これは大変な問題を生じているわけで、雇用対策からいっても中小企業対策からいっても、余り極端な産業の空洞化というものを軽視するような考えだと、これは国内的にも大変な問題になってくると思いますし、今度国土庁が決めようとしている四全総でも、東京一点集中をやめてできるだけ地方分散を図ろうという、その辺の問題と海外への直接投資の増加というような問題と、よほどその辺の調整をうまくしないと、これは役所だけ考えてみたってそう一遍にはなかなか強力にいかぬと思いますけれども、その辺の兼ね合いを考えながら政策的に施策を実行していかないと大変な問題だと思いますので、その辺についてのひとつ考え方をお聞きしたいと思います。 以上で私の質問を終わります。
○説明員(蜂巣賢一君) 御指摘の点は、私どもとしても非常に大切な論点だと思いまして、実は経済審議会でも何回かにわたってこの問題を検討していただいております。 その検討の結果がここに極めて手短に書いてございますのでおわかりにくいかもしれませんが、全体として、海外進出による我が国企業の海外生産の比率というのは、アメリカや西ドイツ等に比べると、これから将来にわたってもそれほど大きなものにはならないであろうという全体的な一つの見通しを持ったわけでございまして、そういう海外進出企業の海外直接投資によって空洞化するんではないかという懸念から、むしろ産業構造調整を将来にわたって積極的に行わないということをやりますと、かえって日本経済の今後のあり方に禍根を残すであろうということで、産業構造転換は積極的に進めるべきであるという立場を基本的な考え方としてはとっておるわけでございます。 その場合に、地域により、あるいは企業により、海外進出等に伴いまする個別企業についての空洞化と申しますか、個別産業についての雇用問題あるいは地域における企業の就業問題等が出てくるということは当然考えられることでございますし、既にそういうものは御指摘のように各地域に出始めておるわけでございますので、雇用問題というのをこの産業構造転換の過程で最も重視する必要があるという立場から、この建議は雇用問題についてかなり紙数を割いて書いておるわけでございます。地域ごとにきめ細かな総合雇用対策を講ずる、就業機会の拡大をしていく、確保していくといったような点についてかなり綿密に書いてございますし、それから特に地域における産業、雇用の問題ということが、これから長期に考えましても大きな問題になる可能性がございますので、特に項を起こして地域経済への対応というのを、先ほど御説明しましたように書いておるというようなことで、私どもとしても御指摘の点についてはなるべくこれから誤解のないように十分な説明をしながら、そういうことを十分に踏まえてこれからの経済政策の運営に当たってまいりたいと思っております。
○刈田貞子君 質問させていただきます。時間がございませんので、一方的に最初にこちらから申し上げますので、後、答弁の方をいただきたいと思います。 まず最初に、感想といたしましては、私どももこの緊急経済対策というものの緊急という意味についていろいろ論議をいたしましたけれども、やはりこの緊急というのはサミット向けの緊急という意味ではなかろうかというふうにみんなで結論を出した次第でございます。 実は六十一年四月十一日、本調査会がまだ委員会と呼ばれたころに、当時六十一年の四月に出されました総合経済対策についてこの委員会において質疑をしたことがございます。そのときに私ども公明党では、今回の総合経済対策は何ら効果をもたらさないであろう、なぜなれば財政的出動を伴わない総合経済対策であってはこれは何ら効果がないのだということを再三申し上げたわけでございますけれども、その会議録、ここにも残っておりますけれども、経済的措置に欠けておる今回のこの総合経済対策は何ら効果がないのではないかということを私、質疑の中で申し上げているわけでございますけれども、その結果、やはり具体的に何ら内需拡大あるいは貿易黒字解消の効果にならなかったということが、今回緊急にまたこの手のものをつくり上げたということになるのだと先ほどおっしゃったのではなかろうかと思って私聞いております。これ感想ですから答弁要りません。 それから二番目に申し上げたいのは、私ども内需拡大策の最大の目玉はやはり減税にあろうかというふうに思っておりますけれども、この二の減税の項ではいわゆる「直間比率の見直し等税制の抜本改革の実現を図り、その一環として、」というところに含み込んでしまっておることに大変私どもの党といたしましては不満を持っているところであり、この今回の緊急経済対策もまた何ら効果をもたらさないのじゃないかというふうに思ったりもいたすわけでございますが、これも答弁は要りません。感想でございます。 三番目からは答弁を求めます。 まずその一は新前川リポートの方の問題で、ここでは私、これ質問としてお伺いするわけですが、「適切かつ機動的な財政・金融政策の運営を図る」という財政の積極的、機動的運営をうたっているようなんだけれども、その後段で、「しかし」と言わないで「なお」なんですね。この辺私、言葉の使い方矛盾していると思うんだが、「しかし」、「公債依存体質からの早期脱却に努めること」と、こういうことを言っておられるわけでございまして、この辺大変矛盾するのではなかろうかというふうに思います。この構造調整の指針としてのリポートは一体、積極財政をやれと言っているのか、それとも早く赤字財政、公債依存型の体質から脱却せいという方を主体に言っているのか、あるいはバランスをとりながらと言っているのか、この辺のところについて教えていただきたいわけでございます。しかし、さきの緊急経済対策と整合性を持って読み合わせでみますと、今回はここで一般公共投資等も含めて一兆三千億の建設国債を発行しなければこれはフォローできないわけですから、そういたしますと、いわゆる政府の国債減額方針というものは崩れたことになるというふうに私は思うんですけれども、この点ひとついかがでしょうか。これお伺いいたします。 それから二番目の質問といたしましては、GNP二%押し上げ、五十億ドルから六十億ドルの黒字削減は見通せるという、先ほど自信のあるお言葉がございました。ぜひそうありたいものですけれども、根拠いかんと、こういうことで、これは先ほど来板野先生の方からも出ておりましたようでございますけれども、これはやはり確認さしていただかなければならないわけでございます。 それから、三番目は民活の問題でございますけれども、民間活力についても一項を設けて書かれておるわけですが、私どもはこの民活の考え方についてもいろいろやはり課題があろうかというふうに思います。これも、規制緩和、民活の必要性ということを説かれた政府資料でございますが、その中で従来公的主体が進めてきた公的事業分野に民間参入の道を開く、これを民間活力の活用という定義にするとすれば、しかし、民間の利潤原理の追求と、それから公共性の確保ということについてはその調和を図ることについてかなりの検討が必要だと、こういうことを言われておるわけでございまして、これはまことに適切な指摘だと思うんです。今後内需拡大を進めていくについて民間活力の活用ということを取り入れるに当たっては大変な課題であろうかと思いますので、この辺をあわせてお伺いしておきます。つまり、特殊な民間だけがもうけてはいけないと、こういうことが言いたいわけです。 あわせて、今回前川リポートの方に、宅地確保のために宅地並み課税の問題が具体的に出てきましたね。宅地並み課税の問題はいろいろ論議があるところだけれども、その見直しをすることによって特定の人だけがもうかってはならないわけです。だから、これもお伺いしておきたいんです。 最後に、この緊急対策をサミットにおいて御披露したところ、これは私はニュースで聞いたので本当かうそかわからないわけですけれども、レーガン大統領は、こんなにたくさんの公共投資をしたとしても、日本は土地が高いのだからそのほとんどが全部土地代に吸収されるとしてしまえば何ら効果はないのではないかということを言われたやに聞いたわけでございますけれども、聞くところでは、事業の九九・何%まで土地代に吸い込まれてしまうというようなデータさえある中で、こういう土地問題の解消も積極的に図っていかなければならないというふうに思います。 申し上げたいことたくさんありますけれども、私十五分しか時間持っておりませんものですから、御丁寧な答弁を時間内でちょうだいしたいと思います。 以上でございます。
○説明員(蜂巣賢一君) まず、建議の六ページの財政再建についてのお尋ねでございますが、特例公債依存体質からの早期脱却、それから財政についての節度を守るといったような今までの財政政策についての基本というのは、やはり将来に向かつて我が国経済の健全性を維持していくためにも堅持していく必要があるということでございまして、それを「なお、」のところで述べておるわけでございます。もちろん、当面の事態に対処するためには、行財政改革の基本理念は維持しながらも、その内需拡大のために緊急臨時の思い切った財政措置が必要だということを述べておるわけですが、それは行財政改革の基本理念を維持しつつやりなさいということがこの建議の趣旨かと思います。 それから、民間活力の活用の点でございますが、おっしゃるように、民間に公共的事業分野への寄与をしていただくというためには、あくまでも民間でございますから収益性の確保が必要になるということでございまして、そういう面についての規制緩和ですとか財政上のインセンティブといったようなことも検討するようにということをこの建議では述べております。ただ、あくまでもそれは民間が担当するのにふさわしい分野についてそういうことをやっていただくということでございまして、公共投資については所要の投資額を確保するようにということはあわせて述べておるわけでございまして、何でもかんでも民間活力というか民間にということでは必ずしもないわけでございます。 それから宅地並み課税につきましては、これもまた先ほども御説明いたしましたように、いろいろ難しい問題がございます。宅地並み課税をかけたからといって直ちに宅地供給がふえるということでは必ずしもないであろうとか、あるいは地方公共団体のインフラ整備に非常な負担がかかるとかいうことで、いろいろ問題のあることは承知をしております。経済審議会でもこの点についてはかなり時間をかけて検討をいたしておりますが、やはり良質な宅地を供給するという観点からは今後ともこの市街化区域内の農地が宅地に転換をされていくということが必要であり、その際に真の営農者の取り扱いですとか緑地をどうするかといったような問題はあるけれども、そういうものも配慮しながら宅地並み課税が原則になるような運用を図れということを述べておるわけでございまして、もちろん御指摘のような点についてはいろいろその実施の過程で検討をしていく必要があるんだろうと思います。
○説明員(田中努君) 緊急経済対策との関連事項につきまして私の方からお答えさせていただきたいと思います。 緊急経済対策に盛り込まれました財政措置はいわゆる臨時緊急の措置でありまして、行財政改革の基本路線のあくまでも枠の中で行っているものであるということは先ほども申し上げたとおりでございます。それとの関連で、建設国債の増発になるために目標が放棄をされたのではないかという御指摘があったわけでございますが、臨時緊急の措置の一環といたしまして、公共事業等の追加に対する財源措置といたしまして、建設国債によって一部賄われるということになる公算が非常に大きいわけでございますけれども、この点につきましては、その他のいろいろな財源もあり得るわけでありまして、補正予算の編成の過程におきまして大蔵省を中心に検討が進められる問題であるというように理解をいたしております。 それから、対策の効果につきまして申し上げたことの根拠でございます。 まず、公共投資等の五兆円の部分につきましては、これはあくまでも事業規模ということでございますので、いわゆるGNPに対する効果というものを見るためにはここから土地代を差し引くというふうな手続が必要でございます。この土地代に関連しまして、先ほど九九%土地代に消えるんではないかというふうな御指摘もちょうだいしたわけなんですけれども、これは都心の一等地に道路を新たに拡幅するというふうな場合にはそういうケースもあり得るかと存じますけれども、一般的な建設事業の場合でございますと、これは過去の平均的な姿といたしまして大体一九%、二割弱というふうな比率で安定しておるわけでございます。 今回の対策におきましては、そういう部分もございますけれども、特に一般公共事業で追加する部分につきましては、これは新たな土地の手当てが必要でないそういう対象を追加するというようなことをこの対策の中でも明記をいたしておりまして、なるべく土地代がかからない、あるいは地価が急騰するようなことがないようにということを心がけて施行をするということにいたしておるわけでございますし、またいわゆる学校等の施設費の追加につきましては、これは建てかえが主でございますので、既存の土地の上の上物を更新をするということでございますので、これもなるたけ土地代がかからないような方向でと、こういう考え方の一環であるわけでございますが、そういうことからいたしまして、土地代に九割も消えるというふうなことではございませんで、ある程度土地代を差し引くというふうな計算をいたします。 それから翌年度に支出がずれ込む分、そういうようなものにつきましても調整を行いまして、GNPベースに直しまして、これに対しまして経済モデルで推計をいたしておりますいわゆる乗数効果を掛け合わせまして一年間の効果を算出する、また減税につきましては、一兆円規模という想定に基づきまして、これに対しましてやはりこれは異なった乗数でございますが、減税に対する乗数を適用いたしまして効果を算出する。それらを集計をいたしまして、これはある程度の幅を持って考えざるを得ないことになるわけでございますけれども、その中ですべての項目につきましてかた目かた目に押さえてまいりまして計算をいたしましたのがこの二%程度の効果というものでございまして、それに基づきまして今度は国際収支の面につきましては、この内需拡大による輸入の増大の部分、これとそれから政府調達によります製品輸入増というものを加え合わせて考えまして、過去の平均的な輸入性向というふうなケースを用いまして算出をいたしたものが五十ないし六十億ドルと、こういうもので、これにつきましてもかなりかた目に見たつもりでございます。 以上が対策の効果に関する根拠でございます。土地代金等についても御質問ありましたが、あわせてお答えしたつもりでございます。
○刈田貞子君 輸入効果のことを今入れられたでしょう、十億ドルの輸入効果入れであるけれども。政府専用の飛行機を買ったり、大きなコンピューターを買ったりしてもまあ輸入効果にはなるんだけれども、もっと国民に直接かかわりのあるもので輸入効果というものを上げていただきたいことを、大変時間はみ出して申しわけないんだけれども、希望いたしておきます。
○吉川春子君 時間の節約のために三点まとめてお伺いいたします。 第一点は、賃上げと労働時間の短縮、二点目は、円高是正対策、第三番目は、土地高騰の問題です。 最近、経企庁がまとめた研究報告に「内需拡大と成果配分」というのがありますが、それによりますと、日本経済全体の生産性向上の成果が賃金引き上げや労働時間の短縮などにどのように配分されたかという点については、七五年以降の十年間は実質賃金の伸びが生産性上昇率をかなり下回っており、労働時間は逆に悪化していると指摘しています。その結果、企業利潤に対する賃金の相対的取り分を示す労働分配率は大きく低下しており、これが内需不振と対外不均衡をもたらした重要な要因になったと分析しています。すなわち内需を低迷させた要因は低い賃金と長時間労働にあるということを指摘されているわけです。 また報告は、賃上げ、労働時間短縮は、コスト面を通じて、企業の国際競争力に影響を及ぼし、輸出を抑制する方向に作用し、需要面では、賃上げ、労働時間短縮等によりもたらされる個人消費を中心とする内需の拡大が企業の国内財生産を促進し、企業の輸出圧力を緩和させ、対外バランスを均衡に導く方向に作用するというふうに指摘しております。 そこで、この経企庁の報告と今回の緊急経済対策との関係ですけれども、賃上げについても触れられておりませんし、労働時間の短縮についても非常に不十分で、これで内需拡大の効果が上がるのかという疑問を私は持ちます。経企庁の経済目標にも反するのではないかという点はいかがでしょうか。 時短については労基法の改正にまつといいますけれども、これについても一言申し上げますと、労基法は週四十六時間というふうにして、四十時間はいつになるのか見通しは全くないわけであり、労働時間の弾力化の名のもとに時間外手当などが払われなくてもよいというふうにもなり、逆に労働基準法の改悪、つまり労働時間の短縮にはならないというふうにも思うわけです。この点は先ほど説明があったので私は一言つけ加えておきます。 内需の六割を占める個人消費が低迷して国民の購買力が落ち込んでいるわけで、購買力を向上させるためには、異常円高を生む日本側の要因となっている低賃金、長時間過密労働、下請いじめ、こういうものにメスを入れて大幅減税を断行する、これは私ども共産党の主張ですけれども、経企庁の報告からいっても今度の経済対策というのはちょっと外れているんじゃないか、それが第一点です。 二番目は、緊急経済対策が異常円高の是正に一言も触れていないのはなぜでしょうか。急激な円高は輸出産業を初め、日本の中小零細企業にどれだけ苦しみを与えているか、これははかり知れないものがあります。私は、きょうのためにといいますか、内需拡大の問題を考えるために、日本のシリコンバレーと言われている長野県伊那市へ円高不況調査に入ったわけですが、長野県では、法人税申告状況は八五年十月から八六年九月まで前年同月比で一二・八%の減となっていますけれども、上伊那では三二・五%と最も激しく落ち込んでいます。また、海外進出等による合理化で電機、精密機械を中心に人員整理が行われて、この地方ではかつて一九八四年九月には有効求人倍率は一・九一という異常な高さを示していましたけれども、昨年末には〇・八五まで落ち込みまして、六十三年度、つまりことしの高卒者の就職さえ見通しがつかないと、これは市の当局がそういうふうに言っているほど深刻なんです。ある中堅企業の経営者は、人件費率を円高に対応して引き下げていかざるを得ない、ことしのボーナスは今までの半分になるかもしれないというふうに苦労を語っております。そして、これは働く人の努力が足りないのではない、行政の責任だと、円は百九十円から百七十円台で安定してほしいというふうにも語っています。政府はこの異常な円高を認めるような立場に立っているわけですけれども、私は円高是正こそ一番緊急な対策ではないかと思います。これが第二点。 第三番目の地価対策、地価高騰についてですが、今もお話が出ましたように、東京港区の新橋から虎ノ門にかけて千三百五十メートルの道路をつくろうとすると一兆円かかる、その九九%までが用買費用だというふうに言われています。また都内のマンションは年間五割近くも値上がりを示し、ここにも地価高騰の影響があらわれています。政府は今度の対策でも土地代のかからないものを優先してやる、公共投資もやるという姿勢を示していますけれども、この狂乱地価を静めることこそ政府の最大の役割ではないんでしょうか。これなくしては国民は国際水準並みの住宅に住むこともかなわないし、公共事業を行う上でも重大な障害になっているわけです。そこで、大企業の投機的な土地取引に対する厳しい規制、それから国公有地を大企業へ払い下げるというようなことはやめて、自治体や住民に優先して活用させる、こういうようなことも思い切って考えていかなきゃならないんじゃないかというふうに思うわけですが、その点についての政策的な展望を示していただきたいと思います。 以上です。
○説明員(田中努君) まず賃上げの問題でございますが、「内需拡大と成果配分」という報告は、経済企画庁総合計画局が委託をしてちょうだいをしたレポートであるわけでございます。 今回の対策におきまして賃金の問題には直接触れておりません。その理由は、賃金の決定はこれはやはりあくまでも民間の労使が自主的にお決めになることである、政府としてはそれが適正に行われるためのいわば環境づくりをする、そういう役割に徹すべきではないかというふうなことから触れておらないわけでございます。 それから労働時間の短縮につきましては、労働基準法との関連でも先ほど申し上げましたけれども、さらに公務員につきまして閉庁制も含んだ労働時間の短縮の方式につきまして検討を今後やっていこうということをやっておりまして、これはまあ現在の状況では民間の方でまず週休二日制が進んで、おくれて政府がということが本来望ましいかと思いますけれども、やはり政府が率先してそういう慣行の道を開いていくということも必要ではあるまいかということからそういう方向で検討を進めようということにしている次第でございます。 円高の是正の問題でございますが、円高につきましてこの報告書が直接これまた触れていないわけでございますが、実はまさにこのような緊急経済対策というものを導入をするということが一番現時点での有効な円高是正策になる、こういう確信を持ってこの経済対策を導入したような次第でございまして、これが円高の過度の進行に歯どめをかける、あるいは円レートの安定化に資するということに対する期待がこの対策に込められているというふうに御理解をしていただければ大変ありがたいというふうに思うわけでございまして、決して現在の円高を是認をしているという立場からこの対策を考えたわけではないわけでございます。 先ほどの賃上げの点で多少落としました点といたしましては、今回の一兆円の減税ということは、これは家計の実質的な可処分所得を増大する効果をもたらしまして、それによりまして、やはり内需の拡大、生活の充実につながるという、これは非常に大きな一つの政策ではないかというふうに考えている次第でございます。 それから、地価の面につきましても今回の対策の中ではなるべく地価の上昇を招かないような形態での措置を講じているところでございますし、同時に住宅等につきまして需要面の政策ももとよりでございますけれども、土地の供給策につきましても土地の高度利用あるいは鉄道の建設の促進というふうなことによる住居圏の拡大というふうなことも含めまして、また規制の緩和というふうなことも含めまして、実質的な意味での宅地の供給ということにつきましても意を用いているつもりでございます。
○三治重信君 一つは五、六十億ドルの貿易収支、経常収支の改善というお話なんだけれども、今度の緊急経済対策でやるときの為替レート、今年度の当初予算のときには百六十三円という話があったんだが、今度の緊急経済対策のときの貿易収支改善の五、六十億ドルというのは何円で計算をし直してやっているのかということ。 それからもう一つは、Jカーブ効果があるから貿易の黒字がどんどんふえるんだというんだけれども、Jカーブというのはそう何年でも続くわけじゃない。そうすると、もうことしの後半あるいは来年ぐらいから相当Jカーブによる黒字というのは減るはずなんだけれども、それをどう見ているか。ましていわんや、予想以上に百四十円という物すごい高いものになっているし、さらに円高になろうというような趨勢の中で貿易収支の黒字をJカーブで説明をいつまでもしておるというのはおかしいと思う。貿易収支の黒字が為替レートの改定によってもちっとも改善しない。日本の産業構造上なり会社経営上のマインドでできないならできない、むしろJカーブ効果よりかそういう会社の為替に対する態度が貿易収支の黒字を維持しているんだとか、何か説明を変えなきゃいかぬだろうと思うんだけれども、それをどう考えているか。そう幾ら企業がやせ我慢で頑張っても、緊急経済対策の五、六十億ドル以上に、そういう為替レートのJカーブ効果が減ることによっての貿易収支の改善の方が大きいんじゃないかと私は思うんだけれども、それと今度の緊急経済対策をやったのとごっちゃになっちゃうわね、実際の結果としての数字は。それは、ある程度考えてそうやっているのか。 それからもう一つは、全然変わりますけれども、一番は住宅投資だということは私もそう思うんだけれども、なぜ個人の住宅投資の場合には土地の問題に全然触れていないのか、公共投資のやつだけ土地信託やなんかやっているんだけれども。市街化区域の農地の宅地並み課税とかいうそういう一般的な政策をやっていて、個人住宅投資について、土地を買わぬでも土地信託なり賃貸でできるやつをもっと奨励する方策を考えたらどうかと思うんです。例えば、農地の移動なんというやつは、今、農地法によって百姓がほかの百姓から買うことができぬから、賃貸を一生懸命で奨励しているんですよ、農地の流動化で。それには農業委員会なり何かが入って、公的な機関も入って、土地の売買じゃなくて賃貸で、農地の移動を非常に流動化させようというやつをもう農水省は非常にやっているわけです。 そうすると、住宅投資だけ土地の賃貸なり信託関係を誘導するような政策というものをどうしてもっとやらないのか。これは一銭も要らぬし、住宅投資をする人にしてみれば、これはまあ五分の一か三分の一ぐらいで済むということが考えられるのだけれども。土地を売れ売れとかいうことよりか、賃貸なりすることについてもっと計画的なことができないのか。もう農水省の農地の方ではやられているわけです。農地はそういうことをやるんだけれども、住宅地だけはどうして売買しなくちゃならぬのか。農業の近代化だけはどんどん農地の賃貸を進めて改善していこうと、こうやっているわけです。その点ひとつ。
○説明員(田中努君) まず、円レートの点でございますが、今回の緊急経済対策の効果の算定に当たりましては、現時点でのレートということで百四十円程度のレートを想定いたしまして、それによりまして先ほどの金額をはじいておるわけでございます。 それから、Jカーブ効果の点についてでございますが、一昨年九月のいわゆるプラザ合意から勘定をいたしますと既に一年八カ月ぐらいになんなんとしているわけでございますから、これはもうJカーブ効果があらかた出尽くしたんじゃないかと、こういう御指摘であったかと思います。
○三治重信君 出たというんじゃなくて、いつごろまでに終わるつもりか、計算で。
○説明員(田中努君) Jカーブ効果は、通常の計算によりますと、一年ないし一年半ぐらいの持続期間であるというのが標準的な解答になっておるわけでございます。したがいまして、そのプラザ合意直後のJカーブの効果というのは現に剥脱しつつあるというふうに見るのが妥当であるかと思います。しかしながら円レートはその後さらに急騰を続けましたために、Jカーブが多少程度は小さくなりましたけれども、次々と追っかけて出てきているというような状況が一つございます。したがいまして、そういうJカーブ効果を合成しまして一つの合成Jカーブのようなものを頭に描いて考えないといけないのではないかというふうに思います。 しかしながら、そのプラザ合意直後の急激な円高についての効果は次第に薄れつつあるということで、現に日本の貿易収支、経常収支にいたしましても、この一月ごろが実はピークでございまして、その後は少しずつドルベースで見ましても減少の方向に進んできております。もちろん数量ベースで見ますと、これはもうプラザ合意の直後から改善の方向に向かったわけでございまして、例えば昨年度一年間を通じましても輸入が一四%ふえる、輸出はマイナスの一・三%というふうなことで数量的な調整が進んできておりますので、今後はその数量調整の効果がJカーブの効果を上回る時点が来ればかなり急速な改善を期待できるのではないか、そんなふうに考えるわけでございます。 それから、輸出企業が頑張って輸出をなかなか減らさないような行動様式があるためにむしろ黒字がなかなか減らないのではないかという御指摘であったわけでございます。いろいろな点から考えましてそういう面も一部あるかと存じます。ちなみに今回の効果の計算につきましては輸入の点だけを計算いたしておりまして、内需の拡大に伴いまして、企業がこれまで以上に内需に製品の販路を転換していくというふうな行動が進む中で輸出が抑制をされていくことの黒字削減効果というものも当然あるわけでございますが、これについてはなかなか一義的な解答が得られにくい点がございますので、今回の計算からは外しておるわけでございますが、ある程度そちらの方の効果も期待ができるし、また期待してもよろしいのではないかというふうに感じてはおるわけでございます。 それから個人の住宅につきまして、土地の賃貸の問題につきまして、もっと重視をして対策の中でも触れるべきではないかという御指摘がございました。今回の対策に限って申しますと、やはりいわゆる借地借家法の問題というふうなことが一つございまして、これにつきましては、現在、法務省の方の審議会でこれの改正につきまして鋭意検討中であるということでございまして、今回の対策の中にはとりあえず盛り込めなかった面がございます。
○説明員(蜂巣賢一君) ちょっと補足して申し上げます。 土地信託等の新しい宅地供給方式、今のような東京を中心とする非常な地価高騰の中で国民生活にもこの地価問題というのは非常に大きな影響を与え始めておりますので、土地信託方式ですとか借地方式等による新たな宅地供給のあり方ということにつきましても経済審議会でも議論していただきまして、先ほど御説明いたしました冊子の十ページの上の方に、これは一言だけですのでちょっとわかりにくかったかと思いますが、「新しい宅地供給方式の活用」というのが書いてございます。土地信託方式ですとか借地方式等の土地所有者との共同開発方式、それから借地借家法の改正。今、田中審議官も触れましたように、借地借家法の改正については既に検討を始めておるようでございますが、現行の借地借家法ですと借地権がかなり強いものですからなかなか借地という形での土地供給が進まないということで、経済審議会でもいろいろ議論をした上でこういうことを一行でございますけれども書いてあるわけでございます。 なお、こういう借地形式による土地供給というのが実は全然行われていないわけではございませんで、住宅・都市整備公団の特別借地制度というのが五十八年度から行われております。一定の期間を、二十年ですが、過ぎた後で土地所有者が申し出れば公団が建てた建物を譲渡をするというふうな仕組みになっておるようでございまして、所有者がなるべく土地を貸しやすいような仕組みを考えておるわけでございますが、これからこういうものをいろいろ工夫していく必要があるんだろうと思います。 なお、農地について借地を農家間の話し合いで進めておるのに、どうして都市ではできないのかというようなお尋ねでございますが、御承知かと思いますが、農地については農地法がございまして、所有と借地についての制限がもともとございますので、そのもとで、本当に農業の規模拡大を図る農家に土地の利用が移されるように地域で話し合いを行って、その結果に基づいて利用権が設定された場合には、この制限を緩和をするという仕組みとして、いわゆる農用地利用増進法という法律に基づいた制度がつくられておるわけでございますが、都会の土地の場合にはもともと借地は自由でございますから、そういうような仕組みは制度としては仕組みにくいんだろうと思いますけれども、そういうものを土地信託なり借地なりという形で、所有権移転ではなくてやっていくような仕組みというのはこれからいろいろ考えていく必要はあるんだろうと思います。
○平野清君 きょう、緊急対策を見て、それからお聞きしたんですけれども、まことに名画だと思うんですね。その絵はおもちがかいてあるわけですけれども、甚だ皮肉を言い方をいたしますと、これだけのことを本当にやろうと思ったら、公務員が週休二日なんかやっている暇はないんじゃないかというのが私の実感です。これはちょっと皮肉で大変申しわけないんですけれども。 例えば内需を拡大しろといいますけれども、一番疑問なのは、財政を投入して六兆円を公共投資に充てるといいますけれども、東京都の開発を見てみましても、これから各省のいわゆる分捕り合戦が始まるんじゃないかという危機感。それからもう一つは、黒字減らしを一生懸命やると言っていましても、貿易商社はもうけることをしない限り生きていけないわけです。だからどんどん新たな市場を設けて新しい製品を売り込んでいくだろうと思います。 三番目の点は、国民に物を買えという点だろうと思うんですけれども、その点については、先ほど一兆円の減税が大きな効果があるというふうにおっしゃいました。しかし、先般の売上税騒動を見ましても、仮に一兆円減税をやっても、今度の協議会でどういう結論が出るかわかりませんけれども、違った形の間接税の問題、それからマル優の撤廃というような問題が起きてくれば、当然国民は老後の問題や教育問題、住宅問題を抱えて財布のひもをまた再び締めてしまうに違いないというふうに私は考えます。そういう意味で、内需の問題は、よほど国民が国を信頼しない限り成功しないと思うんですね。最初にもそういう話が出ました。この緊急対策、きっちり国民が国を信用をして、ああ、国がやることが本当に我々のためになるんだなということがわからない限り、この内需の拡大という問題は実現しないような気がするんです。 例えば労働問題一つとっても、週休二日制だとか長時間労働をやめるとか言っていますけれども、年収八百五十万以上のサラリーマンなんというのは四千三百万のサラリーマンのうちのわずか三%しかいないわけで、特にそのうちの四、五〇%います零細企業の人たちは、残業手当を含めて自分の月給とするぐらいの考え方を持って、残業が減らされたらもう食えないというような人だってたくさんいるわけですね。そこへお役所さんが週休二日だ、やれ長時間労働はやめようじゃないかと今一生懸命言ったところで、現実に零細企業で働いている人たちがこの緊急対策を見て自分たちのためのものという実感を持ってくれるかどうかということのような気がいたします。 余り時間ないんでちょっと泡食っちゃっていますが、例えば住宅問題も一つの提言があるんです。よく御存じのとおり、近郊へ行きますと十五坪から二十坪ぐらいの家がもう所狭しと並んでいて、防災上これ火事が起きたらどうなんだろうかというような住宅がいっぱいあります。それで、やっと少し金をためて、子供も大きくなって新しい家を建てようという人はどんどん郊外に出ていってしまう。そのあいたところへまた同じような人たちが入ってきて、五年なり十年なり苦労して、また新しい住宅を求める、一生サラリーマンはそういうことをやっているわけですね。そしたらその十五坪の家が二軒並んでいて、隣の人が越したら国なり地方自治体が所有権を持つなり長い賃貸契約を結ぶなりして、十五坪の人が隣の住宅を優先権を持って買えるような形にしてやれば住宅が倍になるような気がするんですね。そのくらいの思い切った都市改造というか住宅改造をやらない限りサラリーマンは一生もうこれ住宅求めて右往左往して、内需拡大どころじゃないような気がするんですが、そういう意味も含めて思い切ったいわゆる住宅対策というのはお考えになれますかどうか。
○説明員(田中努君) この対策をまとめるに際しまして、私ども週休二日制をかなり長期にわたって返上しまして取りまとめたような次第でございますが、今後もそういう状態がある程度続くのではないかというふうに思っております。それぐらい一生懸命にやらないとこの対策の実効が期待できないんじゃないかということでございます。 貿易商社の立場から言えば輸出しないと生きていけない、いろいろな新製品を開発してというお話でございますが、これもまたそのとおりでございまして、これを適正な価格のもとで、一定の秩序のもとでやっていくということが必要なんじゃないかと思いまして、むしろ今回の対策が国際収支の均衡回復に役立つといたしますと、それは主としては、先ほどからも何度も申し上げてしまいましたが、輸入の面を通じてのものではあるまいか、こういうことでございますので、輸出についてはどういうあり方が適正なのか別途検討を要する点が残されているかとも思えるわけでございます。一兆円の減税の効果につきまして、それの相殺的な措置等につきましては、これは私どもといたしましては衆議院に設けられました協議会の結論をお待ちをして、それを踏まえて実現のお手伝いをしていくと、こういうことであろうかと存じます。 住宅問題につきまして御指摘がございましたが、確かに狭い密集住宅は危険の度合いも高いということで、これは住宅政策を抜本的に見直すというふうなことを通じまして改善を図っていくということであろうかと思います。 以上でございます。
○会長(長田裕二君) 午前の調査はこの程度にとどめ、午後一時五十分まで休憩いたします。 午後一時休憩 ―――――・――――― 午後一時五十六分開会
○会長(長田裕二君) ただいまから国民生活に関する調査会を再開いたします。 国民生活に関する調査を議題とし、内需拡大のための諸施策について大蔵省及び自治省から説明を聴取いたします。大蔵省角谷主計局次長。
○説明員(角谷正彦君) 大蔵省主計局次長の角谷でございます。 内需拡大策の検討項目のうち、国の財政に関する部分につきまして御説明いたします。 資料はお手元に配付してございますけれども、大きく分けまして三つございます。一つは緊急経済対策と補正予算の関係、二番目はNTT株の売却収入の活用問題、三番目は今後の財政運営と概算要求基準の問題、この三点につきまして順次資料に基づいて御説明申し上げます。 まず、第一番目の緊急経済対策と補正予算の関係でございますけれども、緊急経済対策につきましては去る五月二十九日に決定されました。その内容につきまして既に午前中に経済企画庁からお聞き取りいただいたものと承知いたしております。 内需拡大策の中心をなすものは、この資料の一ページにもございますように、六兆円を上回る財政措置ということでございますが、これは大きく分けまして二つございます。一つは中央政府、地方公共団体、公的機関によりますところの公共投資等の追加、第二番目が、一兆円を下らない規模の所得税等の減税と、こういった内容になっております。減税につきましては、別途主税局の大山審議官の方から御説明いただくことにいたしますので、ここでは公共事業等を中心にいたして御説明申し上げたいと思います。 そこで、まず最初にこの一ページにございますように、公共事業等の施行促進でございますけれども、これはまず六十二年度の公共事業につきまして、上半期における契約済み額の割合が全体として過去最高を上回る八〇%以上となることを目指して、可能な限り施行の促進を図るというふうにされております。そこで、これを受けまして、去る六月二日の閣議におきまして公共事業施行対策連絡会議が設置されまして、同会議におきまして上半期の契約目標率を八〇・一%というふうに設定いたしました。具体的には、一般会計に属するものは八二・六、特別会計に属するものは八一・七、公団及び事業団に関するものは七五・五、これを上半期に契約目標としたいということで加重平均いたしまして八〇・一と、こういうことになっているわけで。ございます。 そこで、公共投資の追加の内容につきましては、二番目の公共投資等の拡大というところに書いてございますが、まず一般公共事業につきましては、日本電信電話株式会社の株式売却収入の活用を図りつつ、全体といたしまして事業費で二兆四千五百億円を追加することにいたしております。災害復旧事業につきましては復旧進度を大幅に高める。従来ですと初年度の割合か三割でございますが、これを八五%まで高めるというふうなことによりまして速やかな事業の実施を図ることといたしまして、四千五百億円を追加いたしております。三番目に、六十一年度につきましてはこれは行いませんでしたが、六十二年度におきましては、いわゆる施設費等の問題につきましては、教育、研究開発等に係る施設を中心といたしまして事業費として約三千五百億円を追加するということにいたしております。四番目に、道路公団の事業費につきましても二千五百億円を追加する。地方単独事業は八千億円、住宅金融公庫につきましても七千億円を追加するというふうなことにいたしておるわけでございます。 今回の対策につきましては、国、地方、公的機関を通ずる財政措置によりまして早期に実効のある内需拡大を図ることといたしておりまして、このため昨年度の九月の対策と比べますと極めて中身の濃いものになっているわけでございます。 その状況は二ページをごらんいただきたいと思います。六十一年度の経済対策と六十二年度の経済対策の例を比較してお示しいたしておりますが、例えば一般公共事業について申しますと、今回の対策におきましては補正の時期が早いことを考えまして、いわゆる昨年の一般公共の追加八千五百億のうちゼロ国というゼロ国債が三千億円あったわけでございますが、本年は補正時期が早いことも考えまして、いわゆるゼロ国の計上を見送りました。そこでこれをごらんいただきますと、昨年度は当年度完了事業が千五百億円でございましたが、本年度におきましては当年度完了事業を二兆五百億円というふうに大幅にふやすといった措置をとりました。 こういったこと等によりまして、全体といたしまして、いわばこの三兆円のうち国費の追加というのは一兆七千五百五十億円、それから一般公共だけの国費で見まして約一兆二千億円ぐらいの国費の追加があるものと見込まれるわけでございます。実は昨年の補正におきます一般国費の追加は、一般公共千三百三十億、災害を含めまして全体で五千四百九十億円でございましたので、かなりそういった意味ではいわゆる真水が大幅に増加されているということがおわかりであろうというふうに思います。また、五兆円のうち今年度中に支出されますものは、債務負担は約三千九百億円程度と見込まれますので、国、地方、財政投融資を含めまして全体で約四兆六千億円強のものがことしじゅうに現金、いわゆるリアルマネーで支出されるということになりますので、これも昨年度の約二兆四千億円に比べますと極めて中身の濃いものになっているということが御理解いただけると思います。 なお、昨年度におきましては三兆円の公共事業の追加のほかに、民間設備投資とか民間活力ということで約六千億を追加いたしまして、全体として三兆六千億円程度の景気対策の規模と申し上げていたわけでございますけれども、今回は公共事業等だけ比べましてもいわゆる財政措置を伴う三兆円ということで、それを五兆円にふやしたということでございます。 この規模がいかに大きいかということにつきましては三ページをごらんいただきたいと思いますが、いわゆる一般公共でございますけれども、過去いろいろピーク時は、五十三年、五十四年の時点でいわゆる機関車論におきまして公共事業が大幅に追加されたことがございまして、六兆三千六百億円あるいは六兆三千七百億円、これが五十八年までのいわば国費ベースでの一般公共の経費でございました。これが五十九、六十、六十一と、いわゆる事業費は確保しつつも、補助率カット、あるいはマイナスシーリング等によりまして若干国費は減ってきておりまして、六十二年度の当初予算におきましては六兆二百億円ということになっております。今回これに約一兆二千億円追加されるわけでございますので、一挙に七兆二千二百億円ということになりまして、いわゆる過去のピーク時に比べましても八千五百億円、一二%強上回るというふうに非常に大幅な公共事業の追加になっているということでございます。 このほか、地方単独事業につきましても起債充当率の引き上げを行うということによって地方財政の運営にも遺憾なきを期するわけでございますが、この点は自治省からお話があろうものと思います。 それから、住宅金融公庫の融資枠の追加でございますけれども、これも貸付制度を大幅に拡充するというふうなことによりまして、制度的な手当てを十分した上で戸数の増加等を見込んでいるというふうなことでございます。 以上が公共事業の追加等の問題でございますが、この緊急経済対策を受けまして、これをできるだけ早く実施するようにするために現在補正予算について政府部内で検討中でございます。補正予算の内容といたしましては、この公共投資の追加のほか、いわゆる政府調達、あるいは中小企業対策等予算措置が必要なものにつきまして現在補正予算の編成作業を進めているわけでございまして、臨時国会でできるだけ早期に成立さしていただくことをお願い申し上げたいというふうに思っているわけでございます。ただ、予算措置の内容あるいは財源等につきましては、現在作業中の段階でございますので、なお具体的なことをまだ申し上げられる状況にはございません。いずれにいたしましても、緊急経済対策の内容を具体化するという方向のもとに鋭意作業中であるということをつけ加えさしていただきたいと思います。 以上が公共投資を中心としますところの補正予算の問題でございます。 第二番目のNTT株の売却収入の活用問題について御説明申し上げます。これは資料の四ページに、NTT株の売却収入の活用による内需振興策についてということでお示ししておりますので、これに即しながら御説明いたしたいと思います。 先ほどお読み申し上げましたように、今回の対策のうち、公共事業あるいは民間活力の活用のところにおきまして、NTT株式の売却収入の活用を図りつつというふうな表現が入っているわけでございます。このNTT株の売却収入を財源といたしまして、これを公共事業あるいは民間活力の活用にどういうふうに具体的な仕組みをつくっていくかということは、その細部につきまして現在政府部内で鋭意検討中でございますが、現在検討中のスキームの概略をここにお示ししたわけでございます。 その具体的な話に入ります前に、NTT株についての従来の扱いをちょっと申し上げますと、NTT株につきましては三分の一は政府保有を義務づけられている、三分の二は売却可能になっているということでございますが、そのNTT株の三分の二の部分につきましては現在国債整理基金特別会計に帰属している、残りの三分の一は産業投資特別会計に帰属して、その配当益をもっていろいろな技術開発等に充てるということでございますが、国債整理基金に帰属しておりますところの三分の二の株式につきましては、その売却収入につきましては現在の制度では国債の償還財源に充てるということになっているわけでございます。すなわち、国民共通の資産でございますところのNTT株は、国民共通の負債でありますところの国債の減債に充てるのが適当であると、こういうことでこういう制度になっているわけでございますが、現在NTTの株につきましては、予算で計上したよりも実際の時価はかなり上回っている状況にございます。果たして幾らで売れるかということは、これは売ってみなけりゃわからぬわけでございますけれども、かなり高く売れることも考えられる。 そこで、この売却収入のうち、当面の国債償還財源等に必要な額は、まずこれは制度の建前で確保するわけでございますが、それを上回るいわば余裕分が生じた場合には、そのいわば余裕分を活用いたしまして新たに何か公共社会資本の整備に充てるためのスキームが臨時的に仕組めないかということでございます。まあ、株でございますので、六十五年ぐらいまでには売り尽くすわけでございまして、あくまで臨時的な収入ではございますが、そういった意味では緊急の臨時的な支出に充当できないかと、こういう考え方でございます。 こういった基本的考え方から、二番目の構想の基本理念のところに書いてございますように、仮にNTT株につきまして余裕分を内需振興に使う場合にいたしましても、この(1)から(5)にございますように、まず、「国民共通の資産という性格に合致するものとすること。」、二番目に「内需拡大の要請に応えること。」、三番目に「現下の国民のニーズに応じた社会資本の整備を図ること。」、四番目に「民間の投資等への波及効果が大きいこと。」、五番目に「地域の活性化に資すること。」、こういった大ざっぱな五つのめどを立てまして、内需拡大、社会資本の整備、地域の活性化、こういったふうな要請にこたえるために使いたいということでございます。 そこで、このスキームにつきましては、まずNTT株の売却収入のうち、国債整理基金特別会計の当面の国債償還財源等に必要な金額として留保した、さらにその余裕部分をまず一般会計に繰り入れまして、一般会計からさらに産業投資特別会計に繰り入れる。そこで、産業投資特別会計を通じまして、ここの三の(2)にございますようないろんな事業を推進するために無利子貸し付けを行うということにしたいということでございます。 対象となる事業につきましては、(2)の①、②と書いてございますが、二つございます。一つはいわゆる公共事業、二番目はいわば民活事業等でございます。①に書いてございます公共事業等につきましては、一つはここにございまように「地域活性化につながる面的開発等一体的緊急整備を要する公共事業等。」あるいは「開発利益が見込まれ民間への波及効果が大きい公共事業等。」こういった一つの面的な開発事業等に緊急に金を出しまして事業効果の早期発現を図っていく。こういったふうな意味合いのものが第一点でございます。 第二番目のいわゆる民活事業、地域の活性化に資する特定の民活事業といたしましては、現在の民活法の対象事業でございますとか、産業基盤整備基金におきますところの出資適格事業でございますとか、このほか、ニューメディア、コミュニティー、テレトピア、リゾート等々、いわばその事業につきまして公的助成のある、根拠法があるものにつきまして、その第三セクターに対しまして開銀等を通じまして無利子貸し付けを行う。それによって得られた事業収入から返済される。それによりましていわゆる民活事業につきまして、いわば先駆的あるいは収益性の低いものにつきまして収益性を向上させて、それによって事業の促進を図っていこうということでございます。そういった意味では、この貸付事業の対象になりますものは、一つは公共事業等につきましては地方公共団体、第三セクター。民活事業につきましては第三セクター等を頭に置いているわけでございます。 そこで、この資金でございますけれども、本来は国債整理基金に帰属して国債償還財源に充てられるということでございます。したがって、この無利子貸し付けにつきまして、当面回転して使用するということをいたしますけれども、最終的にはこのNTT株が国債整理基金に帰属しているというふうなことから、これは先ほどの経路とは逆に産投から一般会計、一般会計から国債整理基金に繰り戻すという形におきまして国債整理基金に帰属させまして、国債の償還財源に最終的には充当していこう、こういうことを考えているわけでございまして、いわば国債整理基金の一時的な余裕金を活用した臨時的な内需拡大事業をこういう形で仕組んでいこうということでございます。 そこで、その使用金額でございますけれども、六十二年度補正予算におきましては、六十一年度のNTTの株式売却収入のうち六十一年度予算の計上額を上回って、いわば利益といいますか、余裕が出た部分、四千五百億円程度が現実に余裕金としてございますので、これをまず補正予算で使っていったらどうかというふうに考えているわけでございます。六十三年度以降につきましては、この四の(2)にございますように、AマイナスBマイナスCと書いてございますが、年度首の国債整理基金残高から当年度のネットの国債償還に必要なお金と国債整理基金の運営に必要な手持ち資金、いわゆる資金のオペレーションとかそういったものに必要な資金、こういったものを引いたお金を六十三年度以降も使っていこうかと。これは書いてございませんが、一株二百五十万円で売れると仮定いたしますと、六十三年度におきましても約一兆三千億円程度の財源が出てくるのではないだろうかというふうに考えているわけでございます。 以上がNTT株の売却収入の活用による内需振興策についてでございます。 第三番目が、今後の財政運営と概算要求基準でございます。 我が国の財政は非常に厳しい状況にございまして、その財政の対応力を図るためにいろいろ財政改革を強力に進めているということは既に御案内のとおりでございます。そこで、次の五ページに概算要求基準等の推移がございますが、特に昭和五十五年以降、いわゆる臨時行政調査会等の提言を踏まえまして、増税なき財政再建ということで、まず歳出削減に全力を尽くすべきであるというようなことから、最近におきましては厳しい概算要求基準を設定いたしております。五十五年におきましては一般行政費ゼロ、その他一〇%というシーリング。五十六年は一般行政費ゼロ、その他七・五。五十七年におきましてはいわゆるゼロシーリングということで、全体としてゼロのシーリング。五十八年につきましてはマイナス五%の範囲内で経常部門を削減するといたし、五十九年から六十二年までのシーリングは、経常部門につきましては原則マイナス一〇%、投資部門につきましてはマイナス五%、この合計額の範囲内で概算要求基準を各省ごとに設定するという形で厳しい概算要求基準を設定してきたわけでございます。 こういった厳しい概算要求基準をてこといたしまして、いわゆる医療保険でございますとか年金でございますとか共済でございますとか、いろんな制度改正を行う、あるいは補助金の整理合理化も実現してきたわけでございまして、その結果、国の一般会計の一般歳出、これは御承知のように一般会計歳出の中から国債費と交付税を除いた国の施策の中身に充当する部分でございますが、この一般歳出額を五十八年度以降五年間連続対前年マイナスとしてきたといったことでございまして、そういったことを通じまして公債発行額の縮減とか公債依存度の引き下げを図ってきたということは御案内のとおりでございます。 その次の六ページをごらんいただきたいと思うわけでございますが、こういった努力を払ってきたわけでございますけれども、我が国の財政は六十二年度におきましては国債残高が百五十二兆円ということで、五十年度が十五兆円でございますからちょうど十倍になっております。のみならず、例えば国債費のうち利払い費、これがもう十兆九千億円ということで、六十二年度の国の全体の一般会計予算の二〇・九%を占めるという状況にございます。これも五十年度の四・九%に比べますと極めて大きな水準でございますし、公債残高のGNP比も極めて高い水準にございます。こういったことで、なお国の一般会計の状況は厳しい状況にございます。 七ページをごらんいただきますと、この今申し上げた財政事情を国際比較してございますけれども、他の先進諸国と比べましても、この公債依存度につきましても日本はだんだん下がってきて、ピーク時三五%程度だったものが、六十二年度一九・四まで漸次改善はしてまいりましたけれども、なおアメリカの一〇・五、イギリスの三・六、西ドイツの八・五、フランスの一一・九に比べるとかなり高い水準にございます。 なお、ちょっとついでに申し上げますと、アメリカの六十三年度一〇・五と書いてございますのは、これはいわば六十三年度の大統領の予算教書の数字でございまして、六十二年度の実績見込みは実は一七・一ということになっているわけでございますけれども、ただ、それと比べましてもなお日本は高い水準にある。 それから、長期債務残高のGNP比をごらんいただきましても、日本は五一・六ということで、アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランス等々よりも相当大きな水準にございますし、先ほど申し上げました一般会計歳出に占めますところの利払い費の割合も二〇・二%ということで、アメリカの一二・六、イギリスの六・九、西ドイツの一一・五、フランスの九・四よりはかなり高い水準にございます。逆に申しますと、歳出総額に占めます国債費の割合というのは非常に低い水準にあるということでございます。 ちょっと失礼いたしました。先ほど予算に占める割合を前ページで申し上げましたのは、これは利払い費の割合ではなくて国債費全体の割合でございますので、訂正さしていただきたいと思いますが、そういう状況にあるわけでございます。 我が国の財政はこのように非常に厳しい状況にありますし、今後高齢化がだんだん進展していく、あるいは経済社会の変化に対応いたしまして、国際的な意味でもいろんな役割を果たしていくというためには財政体質を改善していくということが引き続き重要な課題であるということは私どもは十分認識しなければならないというふうに考えているわけでございます。そういった意味で、現在の厳しい内外経済情勢、特に国際経済情勢に対応いたしまして、いわば臨時緊急の措置として内需拡大の措置を今回とったわけでございますし、今後とも内需拡大に配慮いたしまして、できる限りの工夫、努力を払っていくということは肝要であると思いますけれども、しかし基本的には、四月七日の自民党の内需拡大の基本方針においても触れられておりますように、行政改革というのは引き続き強力に推進する必要がある。また、六十五年までの間に特例公債依存体質から脱却するという財政再建の目標は引き続き維持いたしまして、経常収支の削減努力は今後とも強力に推進していく必要があるというふうに自民党の基本方針で述べられているわけでございますが、こういった基本的考え方は我々としても十分それに沿って対応しなければならないものだと考えておるわけでございます。 そこで、最後の紙に「中期的な財政事情の仮定計算例の要約」ということで、予算委員会の審議に供するために私どもがお出しいたしました資料の要約をお示ししておりますが、これは前提等いろいろ書いてございますけれども、簡単に申しますと、いわゆる国債費につきます定率繰り入れを停止する。それから税収の伸びを名目成長率六%掛ける一・一ということで六・六%ずつ年々税収の伸びがある。特例公債につきましては六十五年脱却ということで、毎年度一兆六千六百億ずつ減額していく。そこで、なおかつ一般の歳出の伸びをゼロに抑制するといったふうな状況のもとで果たして収支バランスがどうなるか。収支バランスのストックがいわゆる要調整額ということになっているわけでございますが、これをごらんいただきましても、やはり一般歳出をゼロに抑えましても、六十三、六十四というのは要調整額が残る。ましてや一般歳出を三%ないし五%伸ばしていった場合には、要調整額は全然解消しない、あるいはだんだん膨らんでいくといった姿になっているわけでございまして、こういった極めて厳しい状況にあるわけでございます。そういったふうなことから六十三年度の予算の編成に際しましても以上申し上げましたような基本的考え方に沿って取り組むということでございまして、引き続き概算要求基準につきましては厳しいものを設定せざるを得ないというふうに考えておるわけでございますが、具体的にどのような基準とするかにつきましては、今後行革審における検討状況を踏まえながら検討していきたいというふうに考えておるわけでございます。 特に経常部門につきましては、とてもこれを緩めるような状況にはないというふうに考えております。投資部門につきましては、先ほども申し上げましたNTT株式の売却収入の活国策等もあわせまして、今後政府部内において十分検討していきたいというふうに思います。 なお、先ほどちょっと自民党の四月七日の基本方針を読みましたときに、経常支出と申し上げるのを経常収支というふうに言い間違えましたのであわせて訂正さしていただきたいと思います。 以上で、私の説明は簡単でございますが、終わらしていただきたいと思います。
○会長(長田裕二君) 大山審議官。
○説明員(大山綱明君) 緊急経済対策の中の減税の項目につきまして一言御説明をさしていただきたいと存じます。 一番初めの紙にお戻りをいただきまして、下の方の三行ばかりに「減税」という記述がございます。「衆議院に設置された税制改革に関する協議機関における協議の状況を踏まえ、速やかに直間比率の見直し等税制の抜本改革の実現を図り、その一環として、昭和六十二年度において総額一兆円を下らない規模の所得税等の減税先行を確保する。」という記述でございまして、これが過日の緊急経済対策に盛られた内容でございます。具体的にいかなる減税を想定しているのかという点でございますが、現在、税制のあり方につきましては、衆議院に設けられました協議機関におきまして検討が進められているところでございますので、政府といたしましては、この協議機関における検討の推移を見守ってまいる必要がございます。ただ、内外から内需拡大の要請が強い、それから減税に対する国民の要望も強いと、こういった状況でございますので、今回の緊急経済対策の中で税制改革の一環として一兆円を下らない規模のということで政府の態度を明らかにいたしたところでございます。繰り返しになりますが、具体的な内容につきましては協議会の協議の状況を踏まえる必要がありますので、具体的にこれが何を想定しているのかということは申し上げる段階にないのでございますが、いずれにいたしましても、一兆円を下らない規模のネットの減税というものを行いたいという政府の態度をここで開明いたしたということでございます。 以上でございます。
○会長(長田裕二君) 高橋特別金融課長。
○説明員(高橋厚男君) 銀行局の特別金融課長でございます。 私の方からは財投金利の引き下げと金融政策につきまして御説明をさしていただきます。 財投金利でございますが、財投金利につきましては、去る五月三十日に従来五・二%でございました財投金利を〇・六%引き下げまして四・六%としたところでございます。これを受けまして、直ちに開銀あるいは中小公庫、国民公庫等の政府関係金融機関の基準金利を民間の長期プライムレートと同水準の四・九%に引き下げたところでございます。また、特利につきましても、これらの機関の最優遇特利を四・六%まで引き下げを行いました。かつ、その間にございまする各種の金利をこれに準じて引き下げたところでございます。なお、住宅公庫の金利等、財投金利よりも政策的に低い水準と決めている金利がございます。これらにつきましても早急に引き下げを図るべく現在鋭意調整をしているところでございます。なお、そのうち住宅公庫の金利につきましては、標準となりますものが百二十平米以下の個人住宅の建設資金の融資金利でございますが、現在四・七%でございます。これを四・二%に引き下げるということとしております。そのほかの政策的な低い金利としておりますものにつきましてもこれに準じて近く早急に引き下げを図るという方向で検討しているところで。ございます。 以上でございます。
○会長(長田裕二君) 自治省矢野財政局長。
○説明員(矢野浩一郎君) 自治省の財政局長の矢野でございます。自治省側の説明、私並びに税務局の審議官、企画担当審議官の三人より説明をさせていただきます。 私からは緊急経済対策と地方財政という課題の中で、特に公共投資等の拡大と地方財政の関係、その他関連する事項について御説明を申し上げたいと存じます。 お手元に「緊急経済対策と地方財政」という題の資料をお配りを申し上げておりますが、まず一ページをごらんいただきますと、これは先ほど来大蔵省の方からもあるいは午前中に経済企画庁の方からも御説明がございました経済対策閣僚会議において決められました緊急経済対策の抜粋でございますが、地方財政との関係で特に関係のある部分を御説明を申し上げるための参考として掲げたものでございます。内容につきましては、先ほど大蔵省から御説明のございましたように、総額六兆の中で公共投資等の拡大が総額五兆円、その内容につきましては、この二の(1)から(6)までに示されておるとおりでございます。 なお、「減税」がその次に抜粋で掲げてございますが、これはまた、後ほど税務担当審議官の方から住宅投資に関連をするいわゆる宅地並み課税の問題とあわせて御説明を申し上げたいと存じます。 資料の三ページをごらんいただきますと、これも先ほど大蔵省の方から御提出されました資料にもございましたが、今回の緊急経済対策と、それから昨年秋の総合経済対策との比較が掲げてございますが、昨年の総合経済対策におきまして、合計は三兆六千三百六十億でございますが、そのうちいわゆる電力会社等の民活事業、民間において行われるものを除きますと三兆円でございました。今回の場合には、減税一兆円以上の部分を除いた残りの公共投資については五兆円以上ということで、昨年に比べますとはるかに金額が大きいわけでございます。 今回の緊急経済対策に予定をされております事業の中で地方財政に関係がございますものは、この中で一般公共事業、災害復旧事業等、それから今回新たにこの対策の中へ盛り込まれましたいわゆる施設拡充、三千五百億の事業規模でございますが、この施設拡充、これも地方負担を伴うものというぐあいに考えられますので、地方財政に関係あるわけでございます。それから一つ飛びまして地方単独事業八千億円、これらが地方財政に関係をするものでございます。 これらの数字はいずれも事業の規模をあらわしておるものでございますが、この中で地方公共団体の負担となる部分がどれだけあるかということにつきましては、これから進められます補正予算の編成作業を持ちませんと実は明確なことはわからないのでございますが、大変大ざっぱに推計をいたしますと恐らく現在の補助負担率、特例でもって暫定的に引き下げが行われておりますが、それらを参考にして考えますと地方負担は一兆数千億に達するであろうと、このように見込んでおります。確定的ではございません。補正予算の編成とともに事業の種類ごとの金額がわかってまいりますので、それによりまして改めて計算をする必要があるわけでございますが、大ざっぱに申しますとその程度の地方負担になるのではなかろうかと思います。 昨年の秋の総合経済対策の場合には、いわゆるリアルマネーとか真水と称せられておりますが、当該年度歳出化分、当該年度において支出を完了するという部分が比較的少なかったために、その当該年度に見込まれる地方負担は、特別会計の事業も全部含めまして約二千五百億円程度でございまして、あとは翌年度の負担になったと、こういうことでございますが、今回の場合には先ほど大蔵省から御説明もございましたように、いわゆるゼロ国債相当部分がないということもございまして、当該年度中に完了を予定する事業が大きいので、したがってこれに見合う当該年度中の地方の負担も先ほど申し上げましたように昨年に比べるとはるかに大きくなるわけでございます。したがいまして、その公共事業等の円滑な消化のためには地方に対する適切な財源措置が必要になるというぐあいに考えております。 それから次に、地方単独事業八千億円でございますが、この八千億円と申しますのは、地方団体が既に当初予算を編成し、これが成立し、執行いたしておりますけれども、その当初予算編成後、今年度中に追加補正を行う、いわゆる投資的経費の地方単独事業について追加補正を行うということが期待される額を見込んだものでございます。その考え方は昨年の総合経済対策の場合と同じでございます。 なお、地方単独事業につきましては、この八千億の金額は昨年の総合経済対策の場合と金額は同じでございます。今後補正を見込まれる額というものについての金額は同じく八千億でございますが、今回の場合におきましては各地方団体がこういった地方単独事業の追加措置を行いやすいように、今回の緊急経済対策に際しまして特別に道路、河川などの追加事業に対しまして地方債の充当の割合の引き上げを行うこととしております。またさらに、あわせて特に問題の大きい不況地域の市町村が行う地域経済活性化のためのプロジェクト並びにその市町村を包括しておりますところの都道府県が行う支援のためのプロジェクトに対しましては一定の財政支援措置を講ずるという予定でございます。 そこで、四ページをお開きいただきますと、これは先ほど申し上げました地方単独事業に対する財政支援措置でございますが、まず第一に、道路及び河川の整備促進というのがございます。地方団体が行う道路、河川等の単独事業について、事業費が六十一年度の事業量を超えるものに対しては、臨時地方道整備事業債、これは五十年代前半の景気対策によりまして設けられました特別の起債、地方道整備のための起債でございますが、この臨時地方道整備事業債、それから同じく同様の趣旨を持つ臨時河川等整備事業債、この充当率は、現在、臨時地方道の方は九〇%、それから臨時河川の方は九五%でございます。この九〇%あるいは九五%の充当率を臨時特例の措置として一〇〇%にいたしまして、地方団体が単独事業を追加しやすいようにしてまいりたいということでございます。 それから第二が、先ほどちょっと申し上げました地域経済活性化緊急プロジェクトでございますが、これは端的に申しますと、円高の進行等によって地域経済が大きな影響を受ておる特定の地域、ここにおいて地域経済活性化のために地方団体が一定のプロジェクト計画をつくりまして緊急に実施をするという単独事業について地方債による特別の配慮を行う。その中で地域総合整備事業債九〇ないし一〇〇%とございますが、地域総合整備事業債につきましては、その一部が後年度元利償還費について地方交付税への算入措置を行うというような仕組みが付随をしておるものでございます。そういったようなものなど活用してまいりたい。 なお、この第二の地域経済活性化緊急プロジェクトにつきましては、次の五ページから八ページまでにその詳細、概要が記してございますが、後ほど企画担当の審議官の方からこの点については五ページないし八ページの資料を御説明を申し上げます。 第三に「その他」とございますが、第一の道路河川の整備あるいは第二の地域経済活性化のための緊急プロジェクト、それ以外のもので地方団体が行いますところの単独事業について翌年度以降に予定しておるものを前倒してやる、こういうふうなものにつきましては地方債の充当率を九〇%に引き上げる。現在一般的に地方債の単独事業の充当率は県や大都市の場合には七〇%、一般市町村の場合には七五%ということでございますが、これを九〇%に臨時的に引き上げて事業の執行に便宜を図りたい、こういうことでございます。その他必要に応じ地方債の許可等について弾力的な対応を行うということにいたしております。 ところで、こういった緊急経済対策の実施は、当面の国の内外の情勢に対応する喫緊の課題でございまして、地方公共団体は公共事業及び地方単独事業の実施を通じまして重要な役割を担うものでございますが、地方財政は借金、地方債なりあるいは交付税の借入金、こういった借金を本年度末で約六十三兆円以上も抱えることになり、極めて厳しい状況にある上に、さらに、特に今年度におきましては、御案内のように、地方税制の改正及び地方交付税法の改正、いずれも税制改革に関連をするものでございますが、その改正がいずれも通常国会におきましては審議未了となりまして、本年度の改正がまだ行われておりません。したがって、地方団体は年間を通ずる財源の的確な見通しが立ちませんので、財政運営上は極めて不安定な状況に置かれておるわけでございます。 ページが少し飛びますが、今の緊急経済活性化プロジェクトの部分を飛ばしまして九ページをごらんをいただきますと、これが通常国会に政府側から提出をいたしました税制改革案によりますところの地方税及び地方交付税の増減見込みでございます。その初年度の分でございます。したがって、その額を本年度の地方財政計画に見込んでおるものでございますが、これによりますと、数字をごらんをいただきますと、地方税につきましては、個人住民税の減税あるいは法人住民税の減税、それからいわゆる売上税と現在の間接税の調整、これは電気税やガス税や木材引取税を廃止するという内容でございますが、そういったものによりまして約三千四百億の減に対しまして、一方、この地方税の補てんについては、利子課税の見直しなりあるいは売上譲与税の創設そのほかの改正によりまして三千二百八十二億の増収を見込む、残り百二十三億足りない部分については、これは全体の対策の中で地方債によりまして措置をする、こういう案でございました。 また同時に、地方税と並んで地方団体の重要な基幹財源でございます地方交付税の方につきましても、これは国税の所得税あるいは法人税の減税あるいは酒税の売上税との調整、こういったものによりまして交付税で約四千七百億余が減になるものを、これに対して補てん措置として初年度における利子課税の見直しによる所得税の増加に見合う交付税、それから売上税の二〇%部分を交付税対象にするということで二千二百億、その他の国税の改正によるところの交付税のはね返り増収を千二百七十億、これを見込んで三千六百二十億の増を見込んだわけでございます。千百三十五億だけ足りないわけでございますが、これは初年度における減税先行ということで千百三十五億だけ減税の方が上回ったために、その足りない部分については交付税の総額の上に特例加算をして、地方団体の財政に支障を生じせしめないようにする、こういうことにしておったわけでございますが、これらにつきましては、先ほど申し上げましたような経緯で審議が未了に終わっております。 現在、衆議院議長のごあっせんにより設けられました税制改革協議会の審議の結果を待って政府として措置をしていかなきゃならぬというわけでございますが、特に財政力の弱い地方団体にとっての重要な基幹財源でございます地方交付税については、これは法律の規定によりまして毎年八月までに決定を必要とするということになっておりますし、また地方団体もそういう交付税の決定結果、算定結果を踏まえまして、九月の議会で公共事業とか単独事業の追加、補正を行うということを通例にいたしておるわけでございます。そういう意味では、地方団体の財政運営の安定どこれらの緊急経済対策が円滑に実施をされるために、できるだけ早く地方税制並びに税制と密接不可離の関係にある交付税の改正の方向が具体的にこの協議会の審議を通じまして示されていくことを地方団体側並びに自治省としても御期待申し上げ、また、そのためのいろいろ手伝いをしてまいりたいと、このように考えておるところでございます。 以上で私からの御説明を終わらせていただきます。
○会長(長田裕二君) 渡辺審議官。
○説明員(渡辺功君) 私の方からは、地方税につきまして二点申し上げたいと思います。 お手元にお配りしてあります、先ほど財政局長から御説明申し上げました提出された資料の一ページ目の一番下に「減税」というところがございます。これは先ほど大蔵省からも説明があったものでございますが、減税やその財源措置を含みます税制改革の問題につきましては、税制改革協議会におきまして、今後、税制改革の一環として検討されるところでございまして、その具体的内容につきましては、今後、この協議会における審議、検討を踏まえて構築されていくと、こういうふうに考えております。この具体化に当たりましては、整合性がとれた税制改革の一環といたしまして行われまして、地方財政への影響を踏まえた適切な対応が必要だというふうに考えております。 そこで、この問題につきまして、この減税には個人住民税が含まれるのかということをよく私ども聞かれております。御質問になる方の問題意識ということを考えますというと、これは住民税は所得税と違いまして、手続あるいはその課税の仕方というところに違いがあるものですから、その問題が一つあると思いますので、どういう問題意識あるいは問題点があるかということを若干つけ加えて御参考に供したいと思います。もちろん住民税の減税問題も、前段申し上げましたように、協議会において検討されるものでございまして、その検討を踏まえて対処するわけでございます。 従来の経緯を申し上げますというと、個人住民税につきましては、その仕組み上、年度の途中に減税を実施した例はないわけでございます。税制改革の一環といたしまして住民税の減税を行います場合にはその財源措置が必要となりますが、さらに、その課税を全面的にやり直すという問題がありまして、地方団体及び納税者の手間が非常に膨大となるわけでございます。所得税の方は例の年末調整という手続があるわけでございますが、住民税の場合には賦課課税でございますので、五月の段階ですべてことしの課税の事務も完了いたしております。したがいまして、税額通知書がそれぞれの企業、事業所に送られまして、その送られた特別徴収税額通知書に基づきまして、それぞれの人の六月分から翌年五月分までの月給からどれだけ徴収してもらいたいという、そういう通知に従いまして、その徴収が行われる、こういう段階に入っているわけでございますが、これのやり直しということになるわけでございますので、市町村の手間ということだけじゃありませんで、それを受け取って処理をしていく企業側の手間、両方がございまして、そういう質問がよくあるわけでございます。 これらの問題も含めまして考えますというと、そういう手間が膨大となりますので、準備期間なども含めてこの減税を年度途中に行うというようなことになりますというと円滑な実施が図られるような手だてが必要でありますし、また、そのための検討が早期に行われるということが必要であるというふうに考えているところでございます。 それから地方税の関係で第二点目は、二ページのところに、この緊急経済対策の「住宅投資の促進」というテーマの中の「別紙」の中に、特定市街化区域農地に対する課税問題につきまして若干触れているところがございます。 この問題は、ちょっと読み上げますと、特定市街化区域農地に対する課税については、現行制度発足以来五年間の長期営農継続農地に対する徴収猶予の運用実績を調査検討し、その結果を踏まえ、本制度の運用について地方団体を指導する等必要な措置を講ずる。ということが書かれております。 その資料の最後のページに、いわゆる宅地並み課税制度についての内容といいますか、制度そのものの説明を若干添付しておりますので、それをごらんいただきたいのでございますが、そこにございますように、現行制度は昭和五十七年度改正でできました。しかし、これ以前、もう既にさらにそれを十年さかのぼりまして、昭和四十六年にいわゆる宅地並み課税については大きな改正がございました。ところが、その実施に入りました四十七年、翌年でございますけれども、この宅地並み課税問題について非常に論議が巻き起こりまして、四党共同提案で、当時の新聞の表現をかりますというと、凍結ということが行われた。つまり、宅地並み課税とそれから従来の負担との差額を減領するという、そういう制度ができました。その後、この問題については再々にわたっていろいろ議論がされたんでございますが、五十七年に至りまして、ようやくこれの相当大幅な強化案ということについて合意を得ることができ、これの法案化が成りました。 その内容は、そこにありますように、三大都市圏の特定市の市街化区域農地すべてに宅地並み課税を拡大する、三万円以上の評価額のものについてそうするということで課税を拡大いたしました。その結果、対象面積は四倍強に増加するというようなことが行われたわけでございますし、同時に、長期営農継続農地は、九百九十平米以上で十年間営農を継続することが適当と認められるものについて農地課税相当額を上回る税額を徴収猶予する。しかし、それが途中で長期営農ということが行われなくなったらば、さかのぼって徴収する。そういう制度で強化を図るということでこの改正ができたわけでございます。 ただいま申し上げました五年間営農を継続したことが確認されますというと、徴収猶予税額は免除されますけれども、そうでなければさかのぼって徴収する、こういう制度で現在運用中でございます。 五十七年度に制度ができましてちょうど五年間経過いたしました。昭和五十七年度に長期営農継続農地の認定を受けたものが五年を経過いたしましたので、地方団体における長期営農継続農地の確認状況等につきまして現在調査をしております。その調査、検討結果を踏まえまして、運用改善で行えるということであればそういうことを進めたい。同時にまた、運用ということが適切に行われるために何らかの制度的な対応が必要ということになりますというと、これはまた建設省や国土庁の改正要望ということもあると思いますけれども、そういったことを踏まえまして税制調査会等で御審議をいただきながら検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。 以上でございます。
○会長(長田裕二君) 森審議官。
○説明員(森繁一君) 私からは地域経済活性化緊急プロジェクトにつきまして御説明を申し上げたいと思います。資料の五ページ以降をお開きいただきたいと思います。 安定的な地域経済の基盤を確立し、地域社会の均衡ある発展を図るということは地方団体にとりまして一つの大きな課題になっております。このため、昭和五十九年度から自治省といたしましては地域経済活性化対策というのを推進してまいりまして着実に成果を上げておるところでございます。ただ、この五ページの一番上にありますように、最近の地域経済は、急速な円高が進み、内需主導型産業構造への転換の要請等が強まってまいりまして、我が国を取り巻く社会経済情勢の変化により、いわば特定の業種に大きく依存しております地域におきましては特に景気が停滞し、雇用が悪化する等極めて大きな影響がある次第でございます。 そこで、このような状況に対応いたしますために、関係の地方団体が民間活力の活用を図りつつ、緊急のプロジェクトを実施し、地域経済の活性化及び雇用の確保に努める必要があるわけでありますが、自治省としましては、臨時緊急的な措置としまして、特定地域の関係地方団体が、これは市町村とそれを含みます都道府県でございますが、社会経済情勢の変化等に対応して緊急に地域経済活性化緊急プロジェクトを実施いたします場合には特別の財政措置を講じまして、いわば地域経済の活性化と内需の拡大に積極的に資するというものでございます。その中身は六ページをお開きいただきたいと思いますが、このプロジェクトは大きく申し上げまして市町村がみずから行います事業と、(2)にありますようにその市町村を包括いたしております都道府県がいわば支援という形で行いますプロジェクトとこの二つでございます。 まず市町村の事業でございますが、ここにありますように特定の地域におきまして社会経済情勢の変化、産業構造の転換の要請に対応して市町村が緊急に実施する事業でございます。具体的には地域新産業育成・地域産業高度化支援事業、これは例えて申しますと技術開発センターをつくるとかあるいは産業情報センターを設置するとかあるいは地域産業の展示施設を設けるとかあるいはまた地域産品の共同販売施設等を設置するとか、こういうたぐいのものでございます。第二番目の形が人材養成・研修促進のための事業でありまして、これは例えて申しますと研修拠点施設をつくったりあるいは技術者等の養成施設を設けたりというものでございます。第三番目が観光開発のプロジェクトでありまして、これは御案内のように例えば文化とか教養とかスポーツ、レクリエーションの施設をつくったりあるいは場合によりましては観光情報センターなどをつくるということもこの中に入ってまいろうかと思います。それから第四のグループが景気浮揚・雇用対策の事業でありまして、これは不況業種を抱えております地域におきまして、特に離職者あるいは失業者の就職を目的にいたしまして臨時緊急的に行います各種の事業が入ってこようかと思います。こういう事業を市町村が実施する場合が第一のグループ。 第二のグループは、先ほど申しましたようにそれを包括いたします都道府県が市町村に支援して行います事業でございます。ただこれは臨時緊急的な、特に特定の地域で景気後退が非常に激しいところという考え方を持っておりますので、この一番下に「特定地域」といたしまして、一つは特定の業種への依存度が高いこと、二つが経済活動の停滞状況が激しいこと、三つが雇用情勢が悪化しておること、こういう一定の要件を備えました地域を特定地域といたしまして、その地域において行われます事業につきまして支援措置を講じていこうというものでございます。 七ページをお開きいただきますと、このプロジェクトを実施するために関係の都道府県とそれから関係の市町村がそれぞれ共同して実施のための計画をつくりまして、その中では特に民間活力の活用を積極的に図ることをお願いしたいと思っております。さらにこのプロジェクトは施設の整備ばかりではなく調査研究、情報提供、販路開拓、経営安定、雇用安定といういわばソフトの施策も含むものにしていただきたいと考えておりますし、余り長い期間にわたるのもいかがかと思いますので期間はおおむね三年ということにいたしております。 このプロジェクトにつきましての財政上の支援措置でありますが、まず①に書いてありますように地方団体がこのプロジェクト計画に基づきまして実施する事業につきましては地域総合整備事業債の充当率を九〇%ないし一〇〇%とする。非常に地方団体が事業を実施しやすくするようなそういう起債措置を講ずることが第一点でございます。第二点は、市町村が同じプロジェクト計画に基づいて実施する事業が過疎の計画に定められてありますものにつきましては、過疎債を特別枠として配分することを考えております。 それから、次のページをごらんいただきますと、そのほかの事業につきましても一般単独の事業債が充当されます事業につきましては充当率をこれまでのものよりも引き上げるということを考えております。さらに第四番目、第三セクターで実施する場合があろうかと思いますが、その第三セクターへ地方公共団体が出資をいたします場合には出資の目的なり地方団体の財政事情等を勘案いたしました上で地方債の許可上特別の配慮を行いたいと考えております。最後に、この特定地域におきまして地方団体が緊急に実施するいわばソフトの施策につきましては特別交付税の算定上適切な配慮を行う、こういう五本の柱でもちまして特別の財政の支援措置を講じまして地域経済活性化の緊急プロジェクトを実施したい、かように考えておるものでございます。 以上でございます。
○会長(長田裕二君) 以上で大蔵省及び自治省からの説明聴取を終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山本正和君 予算委員会や大蔵委員会とちょっと違った立場で質問をしていきたいんですが、まず先ほど角谷次長さんからのお話があった財政事情ですが、これ見ていきますとアメリカやイギリス、西ドイツ、フランスというのが我が国と比べて大変公債依存度も低くなっている、あるいはその他の状況を見てみましても我が国は比較にならないぐらいいろんな問題があるという指摘になっています。ところが日本の国は実はヨーロッパやアメリカから盛んに金持ち国家日本と言われている。なぜ金持ち国家日本が財政がこんなに悪いのか、一体どういうわけなんだと、こういうことを国民が聞いた場合わかりやすく説明するにはどうしたらいいのかといつも私は苦しむのですけれども、財政当局として国民の皆さんに一番わかりやすく言う説明の仕方をちょっと教えてもらえないかと思うんですがどうですか。
○説明員(角谷正彦君) 確かに最近におきます我が国の例えば貿易収支等は約千億ドルに近い貿易収支の黒を抱えているといったふうなことで、いわばマージャンで言いますとパイがほとんど集まってきているといったふうな状況にあるわけでございます。海外取引を含めましてかなり日本に資金が集中してきていることは事実でございまして、そういった意味では確かに日本は外から見れば金持ちである。それからもう一つは、確かにここ数年間諸外国に比べますと、特にこの戦後の高度成長期を経て日本のGNPの割合というのはどんどん世界でふえてまいりまして、最近におきましては自由世界の一割を超えるような経済大国になってきている。そういった意味からも日本の経済的なプレゼンスというものが相対的に大きくなっている、そういうこともまた事実であろうというふうに思います。 しかし日本の国が金持ちであるということと日本の政府といいますか地方を含めましたいわゆるパブリックセクター、公的部門が財政に余裕があるかどうかといったことは必ずしも実は関係がないわけでございまして、これは率直に言いまして、ちょっと今手元に資料がございませんけれども、国内におけるいろんな資源を配分する場合いわゆる租税負担率を見ますと、日本の場合には最近の六十二年度の予算で三五・四ということで、国民所得の中で租税あるいはこれは社会保険負担も含めますけれども三五・四という数字でございまして、これ自身はかなり世界各国に比べて低い数字でございます。アメリカが三五・八でございまして若干高いわけでございますが、ヨーロッパあたりは、例えばイギリスで申しますと五十九年でございますけれども五三・四、西ドイツが五三・六、フランスが六二・九、スウェーデンが六九・三ということで言えば、その国の中における資源配分といいますか国に帰属する部分がヨーロッパ諸国と比べると日本はかなり低いわけでございます。 低いのは一つは原因がございまして、特にヨーロッパ諸国につきましては人口の高齢化がかなり進んでおりまして年金、医療、そういった福祉の問題等に絡めましてある意味では社会保険負担が高くなっているといった状況にございますし、日本の場合にはヨーロッパ諸国と比べますと人口の老齢化が進んでいないといったふうなことからまだそういう意味では社会保険負担が少ない、租税負担率とかそういった負担がより相対少ないといった問題があるわけでございますけれども、逆に日本の国も将来におきましては人口の高齢化がどんどん進んでくる、あるいは国際的にこれだけの大きなプレゼンスになっておりますので相当程度国際化の貢献にも国がお金は出さなきゃならぬとなりますと、これはある程度租税負担率あるいは社会保険負担率もふえざるを得ないというのが臨時行政調査会の認識だというふうに承知しているわけです。ただヨーロッパ諸国のように五割を超える、あるいは六割に達するというふうなことになりますとこれはある意味では民間の活力を阻害することになるので、そこで行財政改革を徹底することによりましてなるたけ小さい政府、将来においては租税負担、社会保険負担はふえざるを得ないけれども、そういったことでなるたけ行政をスリムにしたらどうかというのが臨調の答申であり、またそういった方向で我々も努力をしているといったふうなことであると思います。したがって、山本先生に対するお答えといたしましては、ある意味では、公債依存度が高いということは、国の財政の中で租税収入等の本来の自己財源といいますか、借金によらない財源で賄っている割合が相対的に少ないといったふうなこと等も、いわば外から見ますとお金持ち、国全体としてお金持ち、しかしながら財政としては必ずしも金持ちの状況でない、こういったことを反映しているんじゃないかというふうに思うわけでございます。
○山本正和君 これは例の売上税問題のときにいろいろと議論がありまして、日本の国の税制について国民各層の中でいろんな意見が出たわけです。今の次長さんのお話等も、そういうことも含めてみんなで議論をしていく状況に今あると思うんですけれども、ただ、どう考えてもわからないといったらおかしいんですけれども、不思議で仕方がないのは、かつてイギリスが世界経済を支配しておった時代には、イギリスの国内で社会資本がどんどん充実されていって、本当にすばらしい環境がイギリス本土ではでき上がっている。公園でも学校でもあらゆる施設が、本当にすばらしいものができている。アメリカでも、アメリカが大変な世界経済を支配している時代に国内の社会資本がどんどん充実されていった。ですから、例えばロサンゼルスですか、あたりの水道というのは、日本で言えば東京の水道を北海道から引いてくるぐらいの大変な事業をやられている。そういうことで、どうも同じ大変経済が発展しているというんだけれども、何で日本の国だけはこうなんだろうか。というのは、庶民感覚からいうと、どこかやっぱりごっそりとお金を持ってため込んでいる人がおって、そこからちっとも大蔵省が税金取らぬものだから、そういうお金がどこかに流れているんじゃないか、アングラマネーになっているんじゃないか、こういう庶民の感覚があるんですよ。 現実問題として、私、この税制問題を議論するときに、法人税が高い、高いというような話をしたけれども、アメリカの場合、法人が納める税金というのはかなりストリップになってきている。日本の場合にはいろんな意味で軽減されている。しかも日本の国の相当大きな企業が外国にどんどん投資をして、それが税金逃れになっているというような話もたくさんあるわけです。ですから、財政事情をこうやって比較されて、臨調行革でぼんぼん小さな政府だ、こういうことで来ているんだけれども、本当は政府がもっと人をふやして脱税をさせぬようにするぐらいのことをしてもらわぬといかぬのじゃないかという気がしてならないんですがね。今の次長のお話じゃなしに、日本の国の税のあり方、それから社会資本というものに対して国民が考えなくちゃいけない考え方というふうなものが欠けておりはしなかったかということが心配で仕方ないんです。ですから、外国人が日本の国を見て、ウサギ小屋に住んで、一生懸命働いてせっせやっている、そして稼ぎまくって外国の富をどんどん日本人がかっぱらっている、こういうふうな見方をされるのもどうも何か税金のあり方がおかしいような気がしてならないんですけれども、その辺はいかがなものでしょうか。法人税なんというものは、我が国の法人税は本当に高いですか。
○説明員(大山綱明君) 今回税制改革ということで過日までの通常国会に御提案をいたしました税制改革に関するいろいろな法案は、やっぱり所得税につきましても法人税についてもいろいろ問題がある、そんなところからそれの負担をそれぞれ適正な水準まで引き下げる、その一方において、今角谷次長が申しましたように、ネット減税をするような状況にはないということから、まだまだ展開の余地がある間接税の世界に負担を求める、こんな税制改革の御提案だったわけでございます。いろいろないきさつがございまして廃案となったわけでございます。 今先生の御指摘の例えば法人税について高いか低いかということでございますが、諸外国における法人税の全税収の中でのウエートというのは、日本に比べますと格段に低うございまして、日本は一〇〇の税収のうちの三〇%が法人税でございますが、諸外国でございますとそれが一割とかその前後のものでございます。したがいまして、法人税収をマクロ的に見まして低いということはございませんし、またミクロ的に法人税率、現在五二・九二%という実効税率でございますが、これも諸外国に比べまして、ドイツを除きまして相当高い水準にあるというふうな認識を私ども持っているのでございます。そういったように高いというような事実があるものでございますから、外に投資をするという、ただいまの御指摘のようなことも起こるわけでございます。国際的な経済交流の盛んな国際社会の中で、やはり日本の税制も諸外国と余りかけ離れた税制をしく、税率を持つということは問題だという認識が過日御提案をさしていただきました税制改革諸法案には盛られているわけでございます。 もう一点、もう少し人をふやして脱税を追及すべしという御指摘、これは私どもにとっても大変心強い御指摘でございますが、なかなか人をふやしていただけない。全体のバランスがございますので、私どもももうちょっと人が欲しいという気持ちは持っておるんでございますが、人がふえない。確かにいろいろ脱税も目につく。しかし法人税も含めました所得課税というのは、どうしても四六時中見張りをするわけにはまいりませんものですから、よほど人がふえないと脱税はなくならない。そんなところから、余り所得課税にウエートがかかるということは、国民全体の税に対する不公平感、不信感みたいなものをあおるといいましょうか、そんな面もあるというような認識ももう一つございます。
○山本正和君 大蔵省なりの御説明で、それで私もそういう形の進めだろうというふうに思うんですが、庶民的に普通の言葉で話をしてみると、例えばアメリカはこれ何十兆ですか、百兆ぐらいですか、軍事費が。大変な軍事予算を抱えている。イギリスでもフランスでも西ドイツでもかなりなもの、それがいっている。しかし日本の国はそれがうんと少ないんですよ。GNPの一%をちょっと超えたですけれども、この前の予算は。だのに何で日本の国は豊かじゃないんだと。日本の国のお金は何でないんだろうかと。これはもうみんな不思議に思うんですよ。しかも世界の一割という経済力を持っている、その日本の国が何でそんなに金がない、金がないと言うんだろうか、どうもそこがわからないんですよ。税の仕組みかと言ったら、いや負担率は日本はこういうような状況ですというふうな話になってくる。そういうことをずっと思うと、内需拡大の問題が今当面の議論ですけれども、一番内需拡大ができない最大の理由は、やっぱり取るべきところからお金を取っていないんじゃないかという気持ちがしてならないんですよね、そこのところは。ですから、これは税制協議会の方で議論してもらう段階での議論に私どもの方からも提案していろいろやっていかにやいかぬと思うんですけれども、財政当局として大蔵省が諸外国の税制やその他一番詳しいわけですから、そういう意味でもうちょっと、これは庶民感情としてずばりみんなが知っていることですけれども、随分ぜいたくな暮らしをしてお金を持っている人が住民税はあんなに安いんかというふうな話がたくさんありますね。ですから、税のそういうふうな問題についての脱税白書みたいなものを、こんな悪い人もいますよというものを一遍つくって、国民の間に税金を納めるのは当然の義務なんだということでやってもらって、アメリカあたりでは脱税するということは大変な破廉恥罪だと、ところが日本は脱税することが一番賢い人間のやることだというふうな印象になっているでしょう。だから、その辺ひとつ大蔵省としても、ちょうど今国民の間に税金に対する関心が強まっているときですから、ぜひともそういうことを検討の中に加えておいていただけないか、これは要望しておきたいと思うんです。 それからその次に、これは相続税とか個人の所得税、いろいろみんなが税金を納めるわけですけれども、ちょっと私もこれは定かじゃないんでわからないんですけれども、お尋ねしておきたいのは、例えば自分の住んでいる地域の学校なら学校に、体育館なら体育館を寄附しようという個人がおったとしますね。例えば体育館を寄附するのに一億円の金を寄附しましたと。するとその一億円の金を寄附した人は、その一億円の分は、減税というか免税か何か知りませんがしてもらうにしても、例えばそういうことをした場合にはその人の全体の所得について何か配慮すると。あるいは、仮に資産をたくさん持っている人が自分の子供に相続させるときに相続税を納めるわけですけれども、そのときに公共的なものに何か寄附した場合には何らかの措置を講ずるというふうなこと。これは本当に個人的な話をしますと、私の友人にもおるんですよ。寄附したいけれども、それしても何にもプラスにならない。そういうふうな意味での、公共の建物やあるいは公共の施設に対して個人がいろいろやっていく場合に、現在もある程度の制度はあるんですけれども、これは外国と比べた場合、一体日本の国は、普通と言ったらおかしいですけれども、まあまあよそ並みなのかどうなのか、その辺ちょっとお教え願えませんか。
○説明員(大山綱明君) 各国いろいろな制度、まちまちでございますので、必ずしも適切な比較を私どもできるものではございませんけれども、押しなべてみまして、日本の寄附金あるいは相続のときの財産の贈与、そういったものについての税制上の措置というのはまあ平均的なところではないかというように思っております。学校とがそういう公共的な機関に対します寄附をいたしました場合には、特に国とか地方団体の公立のものであります場合にはそれは寄附金控除の対象になりますし、私立のものでございましても指定寄附金ということで全額損金算入ないしは控除の対象になるという制度を日本は持っております。 今、先生御指摘の、それを控除するのに加えて何らかの奨励措置というところまではまいっておらないですけれども、少なくとも寄附をしたものは所得から差し引いてその分についての税金の負担はないということにいたしております。日本の場合には、法人の場合には青天井で全額ということにしておりますが、この点アメリカでは課税所得の一〇%を限度とするとか、あるいはフランスではその取引高の何%を限度とするとかいうような限度が設けられておりますような点がやや外国で厳しい面もございます。そのかわり、ほかの国ではその寄附の控除の認められる対象が広いとかいうようなそんな違いはあると思いますが、日本の場合にもそれ相応の配慮を税制上払っていると、こんなふうな認識を私ども持っております。 ただ、この制度なり運用なりが緩に流れますと、本来は税金で半分ぐらい国に入ってくるものを個人ないし法人がいわば自分で処分をする、学校とか公共的な機関ではありましょうけれども処分をするということになりまして、資源の配分というのが個人的な意向によって左右されるという問題もありますので、余りこれを緩くするというのは問題であると思いますが、少なくとも学校とか博物館とかそういったものに対します寄附につきましては相当程度の配慮が払われているというふうに認識をいたしております。
○山本正和君 例えば美術館とか博物館とか個人の名前でいろいろやる。例の大原美術館なんかもそうですけれども、これはまさに個人のものではあるにしても非常に公共性の高いものであるというふうな場合がありますね。そういうふうなものについては税金の問題、どういうふうなかかわりになりますか。
○説明員(大山綱明君) 博物館とか美術館という例示でございましたけれども、学校よりも博物館なんかの場合には少し厳しくいたしておりますのは、少し具体的に申し上げますと、博物館法上の登録博物館というものに対する寄附については指定寄附金の対象になって控除が認められると、こんな仕組みにいたしております。それから、美術館につきましても、芸術の普及、向上に関する業務を行うことを主たる目的とすみ法人または云々ということでしかるべき縛りをかけているところでございますので、その点が委員御指摘の点かと存じますが、博物館とか美術館とかいうことになりますと、学校とはちょっと違って、私的なもの、個人の財産をそこに置いておくというようなおのも中にはございましょうし、もっと高い理想的な美術館をつくられるということもあると同時に、いろいろな形での美術館の設立というのもあると思うものでございますから、先ほど申しましたように、その辺余り恣意が入らないように、なるべく公的な色合いの高いものをということで、例えば登録博物館に限るとかそんな措置をとっておるところでございます。
○山本正和君 自治省にちょっとお尋ねしますが、先ほどのお話で、地方財政へ今度の緊急対策がいろんな意味で大きな影響を与える、それで地方自治体に対する財政上の手当てといいましょうか、これをいろいろ考えておるようなんですけれども、時期的にはいつごろまでに見通しがつくか、これはどうなんですか。
○説明員(矢野浩一郎君) 先ほど私から御説明申し上げました、一つは緊急経済対策に伴う公共事業の地方負担、これが昨年の場合と比べますと、はるかに金額も大きいわけでございますし、従来の例から見ましても、当初予算に対する追加の比率と申しますか、それからいっても非常に大きいものの一つに入ると思います。したがって、この今回の緊急経済対策によるこういった補正措置は、一応当初の措置にはもちろん入っていないわけでございますから、それとは切り離して別に考えると、こういう必要があろうかと思います。 ただ、その場合においても、先ほど御説明申し上げましたように、当初の措置が、御案内のように、地方税収にしても、あるいは地方交付税の各団体ごとの額がどうなるかと、この辺がまだ税制改革協議会の御審議の結果をも待たなきゃいかぬということで、非常に不安定な状態に置かれているところへの追加でございます。そういう意味で地方団体としては、追加の規模が非常に大きいということと、それから根っこの当初の措置がまだ完全に決まっていない状態にあると、二つの面で非常に不安な気持ちを持っておるということでございます。 そういう状況でございますから、私どもの方としては、当初政府が御提案申し上げましたのがこのような結果になったわけでございますけれども、少なくとも年間を通ずる地方団体の財政運営に不安が生じないように早くそれを決めていただきたいということが一つと、それからもう一つは、そういった状況もございますので、今回の緊急経済対策については、やはり万全の地方財政措置をとりませんと、せっかくの内需拡大の効果というものが出てこない。公共事業等のかなりの部分は地方団体で行われるわけでございますし、また単独事業もあるわけでございますから、その効果が上がらないということになろうかと思います。 ただ、いずれにいたしましても、今申し上げましたように当初の問題とそれから補正の問題と二つあるわけでございますから、補正の問題につきましては、一応当初の問題と切り離してそれなりに財政措置を考えていかなきゃならない。それは補正予算の編成時点までに決めてまいりませんと、地方団体はどういう措置が講じられるのかわからない。通常の例でございますと、補正による公共事業等の追加につきましては起債による措置が普通でございますが、そういった場合にももちろん後年度における起債の償還の問題、この辺がやっぱり地方団体としては、非常に公債の額も大きくなってきておりますので不安を感じるだろうと。その辺について、地方団体が安心してできるような考え方を示していかなきゃならないのじゃないかなと。 あるいは地方単独事業もできるだけやりやすいような措置を講ずるということで、先ほど御説明申し上げましたような、いわばインセンティブと申しますか、そういった措置を講じて、少しでも内需拡大のために仕事ができるようにと。また、不況地域については、特に交付税元利償還付の地方債を重点的に活用するということによって後年度の財政負担に少しでも軽減が図られるようにしたい。こういう単独面の措置については、これはもう早急に私どもの方で決めてまいりたいと思いますが、公共事業の財源措置の方はこれから補正予算の編成に際しまして大蔵省の方ともまたいろいろ協議をしてまいりますので、その時点までにできるだけ早く決めてまいりたい、こういうことでございます。
○山本正和君 時間ですからこれで終わりますが、ぜひお願いしておきたいのは、地方自治体が実は本年度の当初予算そのものの執行についても大変困っておるという状況です。もう一つ緊急対策が出てきますと、いよいよ予算執行上もうどうしていいかわからないというようなことになりますから、今局長がおっしゃったように、補正予算が通る段階では自治体もすぱっとすぐわかるように、ぜひともひとつ御努力をいただきたいと要望いたしまして、私の質問を終わります。
○坂野重信君 まず、大蔵省にちょっと三点ばかり要望やら質問をいたしたいと思います。 何といっても内需拡大、緊急経済対策の実行については、財源、財政上の問題が一番大きな問題であることは間違いないわけです。そこで、先ほど説明があったんですが、国税収入と歳出総額を見ても、日本は国税収入は低い。それでせっかく税制の整備をしようと思ったら、ああいういきさつでちょっと一とんざしてしまったということで、私どもとしては、与党の立場はありますけれども、何とかひとつできるだけいい結論が今度の協議会で出るということを、一日も早くそういういい結論というものを期待しているわけですよ。 ともかくそういうことですから、税収が少ないということから財政が厳しいということは私が申し上げるまでもないことでございます。そこでやむを得ず公債発行ということが行われるわけですが、これは緊急対策ですから、大蔵省も嫌でしょうけれども、やっぱり内需拡大、公共的な事業、投資的な経費については建設国債というものを考えざるを得ないと思います。 何遍も言うんですけれども、建設国債と一般の赤字国債をどうも皆さんごちゃごちゃにして考えちゃって、午前中もそういう意見が出たわけですよ。建設国債というのは、性格的に子孫に財産を残すわけだから、残した財産を後世の皆さんが利用するための一種の利用料だというぐあいに考えてもらって、何年か後の後世の人もその借金をやっぱり背負ってもらうということは必ずしも間違っているとは思っていないわけです。そういう意味で、ひとつ当分の間は思い切った建設国債の増発というものを考えてもらいたいということと、さっきNTT株の話がありましたけれども、これは大変結構なアイデアですから、政府で思い切ってこれをひとつ考えてもらいたい。 それから、いろいろ工夫をしていただいて、国有地の払い下げ問題とか受益者負担とか、先ほどもちょっと山本先生からも話がありましたけれども、我々の庶民感情としては、日本は経済大国になったなんて言っているけれども、そういう実感がないわけですよ。別にそれによって私どもの住宅が急によくなったわけでもないし、生活が楽になったわけでもないし、一体もうかった黒字はどこに行っているんだというようなことが大変に皆さんの一種の不満な気持ちで、皆さんのそういう考えがあると思うんですよ。そういう中でいろいろ考えてもらわにゃいかぬと思いますので、何とか大蔵省当局も財源問題について今まで以上にひとつ頭をひねっていただいて頑張っていただきたいと思うわけですが、その辺のところのちょっと感触を簡単にまずお願いします。
○説明員(角谷正彦君) やはり財政運営が中長期的に見て安定して行われるためには、歳入面、特に税制の基礎がきちっと整っていないと我々としてはなかなかやりにくいことがあるのは、もうまさに坂野先生御指摘のとおりでございますので、私どもも、今回の税制改正、ああいう形で衆議院の協議会に預けられておるわけでございますが、一日も早く私どもが期待をするような安定的な歳入構造が得られるような形で税制改正が実現していくことを本当に期待しております。その点は御指摘のとおりでございます。 第二番目に、今度の補正予算の財源として建設公債を出すかどうかという問題でございますが、これも先ほど申しました公共事業五兆円の内訳をいろいろつくっていく段階で、国と地方の配分等いろいろ考えてこれから編成作業をやるわけでございますが、いずれにしても、先ほど申しましたように一兆七千億円を上回る程度の財源が公共投資だけで必要になってまいります。それにつきまして一部NTT株の活用を図るにいたしましても、現実問題として相当程度の建設公債は増発せざるを得ないだろうというのが現時点での私どもの見通してございます。恐らく一兆円を上回る建設公債を出さざるを得ないだろうという感じがいたしておるわけでございます。 ただ、その建設公債につきまして、特例公債とは違うではないかと。確かに、特例公債につきましては経常部門の財源、端的に言いますと我々の給料でございますとか社会保障給付というように、その年その年でなくなってしまうものに対しても公債を出しているということは、これはやはり財政運営上非常に不健全でございますから、特例公債からなるたけ早く脱却したいというのが私どものまず第一の財政運営の目的でございます。そういう意味では、建設公債につきましては、ある一定の施設の耐用年数に応じて、その利用に応じてある程度経費を後代が負担するということについては特例公債に比べますと合理的な理由がないわけではないわけでございまして、そういった意味では、建設公債につきましては財政法四条で、ただし書きではございますが、一応法律的に認められている、こういうことでございます。ただ、建設公債といいましても、これはやはり利息を払うものでございますから、現に例えば六十二年度で百五十二兆五千億円程度の公債残高になるということが予想されているわけでございますが、今のままの見通してございますと、これ当初予算ベースでございますが、いわゆる建設公債、四条公債が八十四兆二千億を占める、六割弱でございます。そういう意味では、現在その利払い費が十兆九千億になっておりますが、六割弱のものの利払い費六兆円程度のものは、過去の建設公債の発行あるいは今年度のプロジェクトのための公債発行から来たものでございますので、建設公債の発行といえどもこれは無制限というわけにはまいらない。やはりそういった利払い費負担を通じて財政の制度を硬直化させるといったふうな実態がございますので、そこら辺はおのずと建設公債といえども限度があるわけでございますし、可能であれば、いわゆる投資部門につきましても、建設公債に依存するんじゃなくて、一般の税財源にその一部を依存して、余裕を持った財政運営を行うことが将来いろんな景気対策を行うには究極的に望ましい姿ではないかというふうに考えているわけでございます。 いずれにいたしましても、今度の補正予算におきましては、これだけの大きな公共事業の追加を行います。そういった意味での国費の負担というものにつきまして相当程度の建設公債を発行することになるであろうというふうに私どもは考えているわけでございます。
○坂野重信君 時間がありませんから、はしょって。シーリングの問題を自民党の経済対策でも出しておりますし、政府の方でも六十三年度の予算については考えざるを得ないということでいっているようですが、午前中実は経済企画庁とちょっと議論して、議論が一致したといいますか、同じような考えだったのは、経済審議会の審議でもって、何ページかに内需拡大の伸び率、成長率というものが出ている。御承知でしょう。その建議の中身にあるわけです。それはどういうことかといいますと、GNP成長率に対する外需の寄与度がマイナスということが当然予想されると。それに対応してGNPの一定の伸び率を確保するためには、そのマイナス分をプラスした内需の拡大の伸び率といいますか、そういうものを考えにゃいかぬということがありますので、これは経済審議会の提言ですから、大蔵省といえどもこれはぜひそういうような考え方で行っていただきたい。その場合に、ことしの補正予算は相当突出したことになるわけですが、ことしはことしだ、また来年は来年だということでなしに、今度ことしのやつは真水で相当考えていただくようですから、それをベースにして、そして今の経済審議会のような考え方でもって明年度以降の当分の間の伸び率を考えてもらいたいというのが午前中のちょっと議論でございまして、経済企画庁もそれにそのとおりだということをおっしゃっているようですから、これは答弁は要りませんが、今後のシーリングに当たってはその辺のところを十分ひとつ大蔵省としても考えてもらいたい。 それから、その次の問題は予算の配分の仕方です。いろんなことがマスコミの方でも言われているし、それから前川リポートでも住宅を超重点というようなこと、いろんなことを言われておりますけれども、私が心配しているのは、どういう事業に、あるいはどういう地域に予算を重点的に配分するかというのは長期的な視野というものの上に立ってやりませんと、思いつきと言っては悪いわけだけれども、余りにも当面の経済効果一本やりで行きますと、長期的な各省の長期計画というものが御承知のとおりにあるわけです。それから国土庁は四全総というものをようやく今つくりつつあるわけですが、そういうものを無視して単なる当面の経済効果だけでいっちまいますと、これは長い目で見た場合に、国土のそういった整備、社会資本の整備のバランスが崩れるということになるおそれがあるので、釈迦に説法でおわかりかと思いますけれども、その辺を十分踏まえてぜひやっていただきたいと思うんですが、その辺はどうですか、感触、簡単で結構ですから。
○説明員(角谷正彦君) 緊急経済対策の中にもありますが、今回の補正につきましては「円高による影響等各地域経済の実情に配慮するとともに、新規用地取得を要しない等速やかな施行が可能であり波及効果の大きな事業を対象とする。」というふうになっているわけでございまして、今回の経済対策の趣旨にかんがみまして、一つは坂野先生のおっしゃいます中長期的な観点を考えることはもちろんではございますけれども、やはり特定の不況地域でございますとか、そういったものになるたけ優先的に配分するようなことはとれないかどうか。あるいは新規の補正予算でございますので、内需拡大の効果に即効性を持たせるといった意味から用地費にたくさん加えたというのでは意味がないわけでございますから、もう既に用地の手当てができているもの、あるいは用地を手当てしなくても済むような事業、こういったふうなことでなるたけ早く即効性のあるものを対象にいろいろやっていきたいというふうに考えているわけでございます。 ただ、今のお話の点につきましては現在各省庁との間で事業別配分をやっている最中でございますので、こういった当面の要請と中長期的な要請の兼ね合いを考えながらこれから作業を進めてまいりたいというふうに考えております。
○坂野重信君 その辺は私が言うまでもなくよくおわかりかと思います。 そこで、経済効果を考えますときによく言うんですが、いわゆる誘発効果といいますか、当面のフローの効果だけ考えて、その仕事ができ上がった場合のいわゆるストック効果というものをややもすれば無視しがちだと。したがって、例えば一つの道路をつくるのに、その道路の施工区間の中に何にも構造物がない、セメントもなければ鉄も何にも影響ないんだと、土を動かすだけだと、そういうことだと思って後回しにしちまうと、まさに今度は飛び飛びのわけのわからぬものができ上がって、やっぱり一体としての機能が発揮できないということになってくるんです。治山治水にしてもそういうことです。その辺のところはよくおわかりかと思いますけれども、抜かりがないようにひとつ万全を期して、長期的な視野のもとで、しかも当面のできるだけ効果のあるものというようなことを十分ひとつ考えた配分を考えていただきたいと思います。 それからあとは、これは答弁は要りませんけれども、税制の問題は税制協議会でおやりになることになっていますから、この民間のいわゆる地方の、さっきも自治省からもいろいろの話がありましたけれども、設備投資というようなものを活発にし、新しい産業を興すことになると、やっぱり産業投資減税というものはどうしても考えにやいかぬと思いますし、住宅についても、御案内のとおりにヨーロッパとかアメリカに比べて日本の住宅減税の率というものはまだ半分ぐらいですよ、ヨーロッパ、アメリカのね。ですから、そういうことから考えると、相当いろんなことを今までやってきたけれども、さらに住宅を促進するためには住宅減税の充実というものをぜひひとつこれは考えてもらいたい。 今この場は税制の問題を議論する場じゃありません。国民生活調査会としてはいわゆる内需拡大を主眼に置いて勉強してもらいたいということですから、税制のことには触れませんけれども、そういうことをひとつ頭にぜひ置いていただきたいと思います。税制の方のまた進捗を待って私どもできるだけ歩調を合わせて、できれば八月の中旬ごろまでに一つの提言というものを調査会としてもやっていただくというようなことを考えておりますので、今のシーリングの問題、税制の問題についてもひとつよろしくお願いいたしたいと思います。 それから、自治省に最後に、ちょっと重複しますけれども、山本先生から話がありました県単事業とそれから公共事業の裏負担、本当にこれ果たして消化ができるかどうか。八千億の県の単独事業、県によってはもうこれ以上はとてもしょい切れないということを現実に言っているところもあるようだし、そういうものが本当に消化能力があるかどうかということが第一点。 それから第二点は、先ほどいろいろ説明を聞いていますと、地方債の充当率を緩和するとか、そういうことばかりおっしゃっているんだけれども、あの税制吹っ飛んじゃったから、結局今度は交付税がどうなるのか、それから今度譲与税もあの原案の中には入っておって私ども期待しておったんだけれども、あれも吹っ飛んじゃったわけです、今のところは。だから一体、起債の充当率、地方債の充当率を上げるのはいいけれども、既にさっきおっしゃったように六十三兆の地方債残高が出ているという中で、起債の充当率を上げてどんどん地方公共団体に借金させるということが果たして今後の地方財政の対策としていいかどうかということが大変な問題だと思います。 私の出身県なんかでもしりから一番目か二番目くらいの財政窮乏県ですから、そういうところが全国で十八県御承知のとおりあるわけでございます。大変なんですよ、実際に今後の県財政の行く末というものを考えた場合にはね。その辺のところをどういうふうにお考えなのか、また改めてひとつお答えいただきたい。
○説明員(矢野浩一郎君) 御質問が数点あったかと思いますが、まず地方単独事業について今回の緊急経済対策で八千億の数字を期待するということになっております。この数字につきましては、先ほども御説明で申し上げましたが、昨年の九月の総合経済対策の額と同じでございますが、意味するところは、先ほども申し上げましたように、地方団体が今後の当初予算編成以後の予算補正において追加を見込み得る額ということでございます。 この八千億の数字を見込むにつきましては、私どもの方も、これは市町村全部の調査は不可能でございますので、通常のやり方は、まず県の見込みを聞いて、そしていわゆる地方単独事業の県、市町村のシェアをそれに乗じまして全体の姿を推計し、なおそれに特別会計、企業会計で行いますところの事業の見込みを追加する、こういう方法でございますが、都道府県につきまして、私どももこの八千億を決めるに際しましていろいろ照会をいたしました。もちろんまだはっきり決まっていない部分もございますけれども、大ざっぱに見まして、都道府県の今後の補正追加見込みを調べましたところ、それをもとにいたしまして市町村の分をも従来の経験値、実績によるシェアを乗じて計算をいたしましたところ、八千億の追加の見込み、これは可能であると、こういうぐあいに考えております。 ただ、それにいたしましても大変財政状態が厳しくなってきておりますし、しかも一方公共事業の方については従来にない大きな追加でございます。したがいまして、地方団体、公共事業の消化の方にも力を注がなければなりませんので、その場合、地方単独事業として必要なものをやっていく場合には、とにかく当面どうやって予算を組むかということが地方団体にとっては一番大事だと思いますので、そういう意味でいわゆるインセンティブの措置として地方団体側からも実は希望もかなりございます。単独事業の充当率が七〇%ぐらいだと残りの一般財源を出すのがなかなか大変だ、とにかく緊急臨時の措置でも率を上げてほしい、こういう要望もございますので、それにこたえまして、先ほど御説明申し上げましたような地方単独事業の起債の充当率を当面引き上げるということにいたしたいと、こういうぐあいに考えておるわけでございます。 それから、公共事業の地方負担の方の消化もなかなか大変だと思いますし、御指摘のように特に公共事業の配分は、先ほど大蔵省の方からも御説明がございましたように、どちらかと申しますと経済的に見て低位に置かれておる、特に社会資本の充実をこれからもっと必要とするというような地域あるいは不況地域、こういったところにやっぱり重点的に配分をされていくことになることは必然だと思いますが、これらの地域、もとよりおっしゃられますように財政的には皆相対的には貧弱なところでございます。したがって、もちろんそういう公共投資による波及効果というものがそれらの地域の経済に影響を及ぼして、それなりの税収効果等をもたらすことももちろんこれは期待できるわけでございます。 しかし一方、都道府県なり市町村の財政から見ますと、その公債費の負担というものはやはりさらにふえていくということになるわけでございます。したがって、私どももやっぱり公債費の負担はもう既に相当の額に達しておりますので、その中でさらにこれだけのことをやらなきゃならないというのはなかなか大変なことであり、地方団体も非常に不安がっていると思いますので、その辺を十分考えた対策を講じていかなきゃならない、これは中長期的な公債費でございますから、将来にわたる負担の増高も含めて、それに対する対策も含めて考えていかなきゃならないと思っております。 それから第三に、税制改正の政府提案の原案がこのような形になったわけでございまして、これも先ほどからたびたび申し上げたように、地方団体非常に不安な形に置かれておるわけでございます。ただ、もちろん交付税にいたしましても、地方税制にいたしましても、あるいは譲与税制度にいたしましても、すべてこれ税制に絡む問題でございます。その辺の結論をできるだけ早くお出しをいただきたい、私ども八月末までには交付税の決定もしなきゃならぬわけでございますが、交付税の決定をいたします場合にはその総額、これはもちろん国の税制と密接に関係あるわけでございますし、それからいわゆる基準財政収入額の計算をいたします場合には、地方税制がどういう形になるのか、これによって団体ごとの額が変わってまいりますので、どうしてもやはり交付税を決めます場合には税制が決まっていなきゃならない。そういう意味で、九月補正にとにかく間に合うような形でその結論をお出しいただければと考えておるわけでございます。 私ども、税制改革協議会にお願いを申し上げておりますが、私どもの考え方といたしましては、その際においてはやはり地方財政の運営に支障の生じないような形での御結論がいただけるようにと、このことを強くお願いを申し上げ、御期待を申し上げておるということでございまして、確かに地方団体にとりましては、当初に決めましたこのようにするということで地方財政計画上あるいは制度改正で示しましたものがまだそのような形になっていないということで、まことに私どもとしてはそういう意味では心苦しいところがあると思いますが、しかし何分にも税制改革は大事な問題でございますので、交付税等につきましてもそれと密接不可離の関係にある以上、その結論を待って地方財政の運営に支障の生じないように措置をする必要があると、こう考えておるところでございます。
○矢原秀男君 具体的に質問申し上げます。私も、今の緊急経済対策の措置の御説明をきょう午前中から聞いているわけでございますが、一つは公共事業、そして二番目には減税、こういう中でいろいろと取り組んでおられるようでございます。 なぜ日本の国が何回も外部から注意をされながら長い年月をかけてぎりぎりにならないと政策の決定ができないのか。例えば今回も中曽根総理がサミットに出ていく、日本への批判をかわすためにどうしても緊急に、これはもう何年も前からいろいろとやっているわけですけれども、こういう形で腰を上げてきた。私は、皆さんもそうだと思うんですが、二十一世紀を志向する世界を見ておりますと、やはりまた国際分業化の相互的な扶助による、お互いが助け合っていく時代に既に突入をしている。そういう中で日本が長期、中期、短期の計画をきちっと立ててやっていかなければいけない。それが慌てて国民の六兆円に上る税金をいろいろと組み立てていかなくちゃいけない。私たちもはたで見ておりますと、何かこの私物のお金がそのときに思いついてはばっと組み上げられていくような非常に憤りを感じるわけでございます。 だから私は、この内需拡大の大きな柱は、政治の原点はやはり衣食住だと思うんです、三つに分けたら。食もそうして衣というものも日本は経済繁栄の中でまず横に置いてもいいと思います。しかし、住という問題は今回もやはり土木建設というところにさっと予算配分がされていく。 今も自治省からのお話を聞いておって、私たちは地方の市会、県会上がりでございますから、やはり実感として考えておるのは地元の地方財政、行政は非常に負担を負っていく、こういうようなことはわかっているわけでございますが、内需拡大の大きな柱の一つとしていつも公共事業というのは、もう皆さんのお話にございましたけれども、土地に巨大な金額をつぎ込んでいくために、レーガン大統領も心配しているように内需拡大の効果が出るのかどうかということを懸念しております。 今、戦後の公営住宅が、市営住宅とか県営住宅が、戦後ちゃちな形のままで建設をされて、横風や大きな雨が降ってくれば湿気がある、雨が降り込んでくる。そういう老朽化の公営住宅は、公有のいわゆる市とか県の土地の上に建てられて老朽のままでそのままになっている。こういうふうなものを、どの公営住宅も横に大きな土地がございますから、そこに新しいものを建てかえていく、そこに今度は入っていただく、こういうふうにして老朽の公営住宅を、その自前の用地の中にやはり新しいニーズの建物をつくっていく、建てかえをしていく。これは内需拡大の一番価値的なお金を使い、そうして国民の皆さんに本当に質というものを還元する。この建議の中にも緊急経済対策にも、国民の皆さんに質を還元する、こういうふうになっていますけれども、その最たるものが老朽公営住宅の建てかえであって、そうして家族の夢を将来に残していかなければいけないのに、この緊急経済対策を読む上ではそういうことが全然、一行も書かれていない。そうして大蔵省というところは財源のすべてを握って各省庁の上にあると私は思います。横のレベル、またあるときには上の立場から各省庁を指導している。一つもそれが出ていないということはやっぱりここに大きな問題があるんではないか。 そういう意味で、今までに老朽の公営住宅、これは減価償却の問題で、鉄筋コンクリートの場合はどれだけという償却年度というものがありますけれども、それを少し早くしても、公営住宅で老朽化したものを全国でどれだけ建てかえなくてはいけない、それが内需拡大の大きな柱である、こういう議論がなされたのがなされないのか。こういうふうにどんどん土木や建築や建設や、時間がございませんから深くは入りませんけれども、まずその点を大蔵省にお伺いをしたいと思います。
○説明員(角谷正彦君) 全体といたしまして一般公共事業をどういう形でどういう事業に配分するかということはそれぞれの関係省庁、建設省、農水省、運輸省等々から実際にどの程度事業が可能であるか、あるいはどういう配分が望ましいかということにつきまして現在聞いておりまして、その事業の中身について調整中でございますので、今お尋ねの公営住宅のみにつきましてどうこうということをちょっとまだ申し上げる段階にないことは御了承いただきたいと思います。 ただ、先ほど御説明いたしましたように、今回の公共投資の追加というものが景気に対して即効性を持たなきゃいけないというふうな観点から、新しく用地を取得してやるということになりますと、それはまた用地交渉にも時間がかかりますし、あるいは土地代にその事業費の一部が食われましてかなり経済効果が減殺するというふうなこともございますので、既存のそういった既に土地手当ての済んだもの、あるいは新しく土地手当てをしなくてもできるようなもの、そういったものについては優先的に配分をしていきたいというふうに考えておりまして、そういう中では御指摘のような公営事業、これは各県なり市町村の事業でございますので、そういったところの事業がどの程度あるかということについてこれは十分把握した上でないとちょっと何とも申し上げられませんが、そういったものでございますとか、あるいは学校につきましても危険校舎の改築でございますとか、そういったものは土地代を要しないようなものでございますので、そういったものにつきましてはこの実際の配分の中で相応の配慮を払っていく必要があるんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○矢原秀男君 問題提起いたしておきます。やはりこういう既得の用地の中で建てかえをする場合は、そこへ小さい電気屋さんであるとか、壁の業者の方であるとか、畳屋さんであるとか、百種類以上の業種の方が出入りするわけですから波及効果は非常に大きい。ただ、今お話があったようにこれは緊急の経済効果をと言われていますが、こういうことが前からずっとわかっておりながら、なぜ先に国でやらないのか。結局急にああと言って目先のものにばばっと配分しなくちゃいけないということになるために、国民の人たちに対する質のある還元というものが非常に薄くなる、そういう懸念を私はしているわけでございます。直接該当でないかわかりませんけれども、論議の中でそういう面を意識して質疑をしていただきたいと思います。 それから二番目は減税でございますけれども、減税の額が非常に少ないということが一点。それから、国民の所有財産であるNTTの株の売却の利益、やはり一部をこの減税に運用することによって国民の皆さんから政治に対する信頼をかち取っていく大きな一つのものがあるわけです。だからそういう点もやはり今後考えられないのかどうか。それが一点。 それから二番目には、円高、原油安で非常にこの恩恵を受ける業界の一つ一つを私も知っておりますけれども、差益の還元策はやらないのかどうか。そういうことです。 それから三番目には、大蔵省に本当に苦言を呈して申しわけないんですけれども、非常に日本のお金の効率的な使い方を国際世論に評価をしてもらうようなことをやっていただかないといかぬと思うんです。それは一つは、今世界で大きな懸案になって、日本が一番アメリカと一緒にパナマ運河の通航で物すごく使っておりますけれども、老朽化で、外務、運輸、通産、建設、こう入っておりますけれども、肝心の大蔵省は入っていない。そうしてこういうものは世界がみんな注目している。じゃ日本は全然やっていないのかといえば、今申し上げた省がアメリカやパナマと共同しながらやっている。何歩も下がっている。だから世界じゅうが一つも日本を評価しない。決まってやっと割り当てされると腰を上げていく。アメリカや世界の先進国に対して日本はこういうことをやっているんですよ、そういうふうにして国とそして民間がプロジェクトを組んで参加していく姿勢があるんだ、なぜこういうことが日本の国はできないのか。そしてサミットの前になるとこういう日本の批判を受ける。本当にやり方が私はまずいと思うんですが、今数点申し上げましたけれども、簡単に答えていただきたいと思います。
○説明員(大山綱明君) 減税の問題についてお答えを申し上げます。 減税につきまして政府の経済対策におきましても一兆円を下らない規模の減税ということを明らかにいたしたわけでございますが、政府といたしまして過日までの通常国会にお出しをいたしておりました所得税、住民税は二年にわたりまして二兆七千億円の減税、それに法人税の減税が一兆八千億というような規模のものでございました。六十二年度においては政府の御提案申し上げておりましたのは所得税、住民税で一兆二千五百億円の減税の規模でございます。これらにつきまして現在税制改革の協議会におきまして御議論を賜っておるところでございますが、それがそれよりも多くなるのか少なくなるのかということはこれからの問題でございますが、少なくともネット減税ということでは――ネット減税と申しますのは、一方においてほかの税制上の措置で財源を確保しないものについては六十二年度においては一兆円を下らないものにしよう、こういうことでございますので、所得税あるいは住民税の減税そのものがどのぐらいになるか、それは一つは政府の御提案申し上げ、廃案になったものが念頭にあるわけでございます。それは今申しましたように、二年ないし三年で所得税、法人税合わせまして四兆五千億という規模のものがあるわけでございますが、ここで一兆円と申しておりますのは、増税という税に裏打ちをされないところのネットの減税、こういう数字であると御理解を賜りたいと存じます。
○説明員(角谷正彦君) 今の減税の問題に関連いたしましてNTTの株の売却収入を減税の財源にできないかどうかというお尋ねが最初にあったわけでございますけれども、NTTの株というのは、先ほど御説明申し上げましたように、三分の二につきましては国債整理基金特別会計に帰属いたしまして、いわば国民共通の資産でございますところのNTTの株をもって国民共通の負債であるところの国債の償還に充てていく、こういうことで一応国会の法律等によって仕切っていただいているというわけでございます。今回NTTの株を活用しようというのは、そういう基本原則は維持しつつも、当面国債の現金償還を超えて余裕が出てきた部分、そういった部分につきましてこれを経過的に無利子貸し付けという形で社会資本の整備に資するような事業等に充当する。ある程度回転さした最終的な段階におきましては、またこれを国債償還財源として戻すという、その基本は維持するということでございます。そういった意味では国債償還に充てるという基本的なルールの中での一時的な運用の話であるというふうにお考えいただきたいというわけでございます。 そこで、これをなぜ減税財源に充てることを考えていないかという点でございますが、NTTの株式の売却というのは、これは本年から本格的に売り出したわけでございますけれども、いずれにしても六十五年あるいは六十六年までの一時的な財源にしか過ぎません。一方減税というのは、その効果というのはかなり長期的に及ぶわけでございまして、したがってそういう意味では長期的に効果の及ぶ減税というものに一時的な財源を充てるというのは性格的にいかがなものであろうかと、そういう意味ではやはり税制改革の中で、税制全体の仕組みの中できちんとした財源手当も含めてやっていただくことを私どもの立場としてはぜひお願い申し上げたいということが一つございます。と同時に、やはりそういったふうな形で個人個人に零細で還元するよりはまとまった形で、社会資本の形成という形で国民共通の資産の形成に振り向けるといったふうな形のものが、やはりNTT株式の性格からいっても望ましいんではないだろうかというふうな考え方を持っておりまして、そういった意味ではこれは大蔵大臣も大蔵委員会等で御答弁申し上げておりますけれども、NTTの株式の売却収入を減税財源に充てるということは私どもは考えていないということでございます。 それから、先ほど差益の還元の問題がございました。これは直接的には経済企画庁なり公正取引委員会の問題であろうと思いますが、これも御案内のように、電力、ガス等につきましては円高差益につきまして二回にわたりまして電力料金の引き下げを行うといった措置をとっております。それから、ある程度政府が関与しておりますところの牛肉等につきましても畜産振興事業団の売買差益を還元するという形でその安売り等を行う、あるいは支持価格につきましてもその調整を図っているといったふうなことで、これは今後ともその差益の状況に応じまして適切に国民あるいは国民経済の中に還元していくことが必要であろうと思いますが、この具体的な問題につきましてはむしろ企画庁等の所管でございますので、余り具体的なことにつきましては御答弁は差し控えさしていただきたいというふうに思います。 それからパナマ運河の問題がございました。ちょっと私も手元に資料がございませんが、恐らくそのパナマ運河の問題は第二パナマ運河の建設の問題だろうと思います。これはたしか数年前からパナマ政府と特に新日本製鉄の亡くなられた永野社長でございますか会長でございますかとの間でいろいろなお話がありまして、ある程度政府ベースでも、フィージビリティー調査その他につきまして政府としてもお金を出しながらこれに協力している。現在もたしかそれはある程度続いているんではないだろうかというふうに思います。そういったことについて十分に御理解が得られないとしますと、経済協力予算についてのやはり私どものPR不足もあるんではないかと思います。そういった点については、関係省庁の方にも十分理解が得られるような形でそのPRをするように私の方からも申し伝えたいと思っております。
○吉川春子君 最初に大蔵省に減税の問題で質問いたします。 緊急経済対策の中で、減税については直間比率の見直し等税制の抜本改革の実現を図り、その一環として、六十二年度において総額一兆円規模の減税をやると、こういうことが書かれていますけれども、これはもっとわかりやすく言えば、減税を先にやるが後の財源として間接税をふやしていく、だから、そういう見通しがなければ減税は行わないということになるんでしょうか。 直間比率は、私がいただいた資料では現在七対三でありますが、これを見直して、例えば六対四に変えていくとすれば、六十二年度予算で直接税と間接税の総額が四十二兆何がしでありますから、四兆二千億円の間接税がふえることになるんではないか。これでは、あれほど国民の強い反対に遭った売上税の再来ということになるわけですし、名称は何であれ実質は変わらないという点で国民の納得が得られないんじゃないかというふうにも思います。こういう形での一兆円の減税ということは本当の意味で内需の拡大にならないのではないかと、私どもはそう思いますが、その点についてまずお伺いいたします。
○説明員(大山綱明君) 税制改革の協議機関におきまして税制の議論が行われているところでございますが、今回の税制改革あるいは今回の一兆円を下らない減税というのは、やはり税制を見直す必要があるんだということの中で、しかし六十二年度においては減税を先行させる、そういうものとして緊急経済対策の記述はできているわけでございます。例えば、戻し税でというような御議論もございますけれども、やはり今の税制というのは見直さなければならない、そして、その協議会において議論がどんどん進められているところであるということを踏まえまして、いい税制をつくっていく、しかし、内需拡大という観点から六十二年度においては増収に裏打ちをされないところのネットの減税を一兆円は実施しようと、これが政府の態度でございます。 それじゃ六十三年以降をどうするかということでございますが、議長のごあっせんでは、速やかに直間比率の見直し等税制の抜本改革の実現を図れということでございますので、間接税ももちろん議論の対象になりましょうし、ここに「等」という言葉も入っておりますから、いろいろな税のその他の問題も御議論の対象になりましょう。何がそれの見合いの財源になるかというのは、まさに協議会におきます今後の検討課題であろうと存じますので、私どもがそれにつきまして具体的な言及をいたす時期にはないと存じておりますが、いずれにしましても、税制を改めていくというその中で六十二年度につきましてはネット減税を図っていこう、こういう趣旨で書かれているわけでございまして、一兆円のネット減税をするということは内需拡大に対してそれ相応の効果をもたらすものであろうと考えております。 なお、直間比率六対四というお話がございましたが、何対何がいいのかということは、先にそういう数字があるというものでもないと、こういうふうに私ども思っておりますが、通常国会に提案をさしていただきました税制改革案によりますと六対四ではございませんで、大体六・五対三・五ぐらいのそんな直間比率の税制改革案、二対一ぐらいの割合の直間比率、こんな改革案であったということを付言をさしていただきたいと思います。
○吉川春子君 この調査会は時間がありませんで、ちょっと詰めた論議できないんですけれども、直間比率の見直しということは、結局は、だからそういう意味では国民の大変な負担を伴うものであるというふうに私どもは考えまして、この直間比率の見直し等税制の抜本改革の実現を図り、その一環として一兆円規模の減税ということについては本当の意味での内需拡大にならないんじゃないか。それから「直間比率の見直し」云々の文言がありましたこともあって私たちはこういう議長あっせんを受け入れなかったということも一言言っておきたいと思います。 続いて、自治省にお伺いいたしますが、二つ私続けて質問いたします。 第一は、私、六月の三、四、長野県へ調査に行きました。長野県ではハイテクランド構想と称してテクノポリスを県内五カ所につくるという計画が進められており、その一つの伊那テクノバレー計画、これを調査したわけですけれども、ここでは工業団地を完成させたわけですけれども、円高不況で四十七ヘクタールの土地にわずか二社しか入らずに、雇用の創出は六十人のみであった。県は五十二億円の巨費を金融機関から借りて、まだ売れていない土地二十ヘクタールの分の県の利子負担は一年間で一億八千万であります。この先の見通しについても県当局も余り見通しを持っていないというような感じを私受けました。それから伊那市でも六億円余りを投じて工業団地へ上水道施設を完成させたわけですけれども、工場が入らないので給水の必要がなくなって遊ばせています。しかし、電気料金の基本料金は月十六万取られると。工事費の金利もかさむし、頭を抱えているわけですけれども、自治省としてはこういう工業団地の計画などを積極的に進めてこられたわけですけれども、これが地方自治体に対する物すごい財政負担となっていますが、これからも同じようにこういう計画を推進していくのかどうか。失敗した責任というのをどういうふうに考えておられるかということと、それから地方自治体としては技術の集積、向上ということをこういう円高不況の中で非常に望んでいるんですけれども、こういう援助こそ必要じゃないかというのが二点です。 それから、さっきもちょっとお話が出ましたけれども、いろんなところを回ってみますと、地方自治体の長も、六兆円のこういう緊急対策を出されたけれどもその裏負担をやる力がないんだ、そういうような声も聞くんですけれども、こういうような自治体に対する特別の対策があるのか。さっきちょっとお話が出ましたけれども、それをもう一度伺います。 それからもう一つの点は、企業誘致がうまくいかない理由の一つに円高があるわけです。長野県、これは長野市ですけれども、工業団地に進出する予定のある企業が、円高貿易摩擦もあり、今工場をつくるなら国内より海外だということをあけすけに言っているわけなんです。この県では百四十四の事業所が海外に進出していって、海外で五万八千七百八人も雇用を創出しているわけです。私の会った中小零細企業の経営者の皆さんの中からは、企業の海外進出について何らかの規制ができないものか、こういう切実な訴えもあったわけなんです。大企業が部品の調達先を海外に不当に振りかえたり、貿易摩擦を口実に生産拠点を一方的に海外に移転するようなことに対して条例とか何らかの行政措置でこういうものをもう少し民主的に規制できないかと。勝手にやって結構ですということでは余りにもこれは、地方自治体にとってもいろんな負担をかけて誘致をしている、しかしこういう事態になったらさっさと出ていかれる、余りにも大変な問題じゃないかと思うんですけれども、こういう点について何らかの規制措置等についてお考えがあるかどうか。 以上です。
○説明員(磐城博司君) 地方公共団体の工業用地造成の問題でございますが、これまで地方公共団体の行ってきました工業用地造成事業は、経済発展に伴います既成用地の不足に対処するため積極的に進められてきたわけでございまして、これまで地域経済の発展や住民福祉の向上等にそれなりに大きく寄与してきたものとこのように考えております。しかしながら、オイルショック以降の我が国の経済の低迷や産業構造の変化に伴いまして企業進出の停滞が見られておりますし、また関連公共事業のおくれ等から用地買収が当初予定いたしておりましたような形では進まず、一部の地方団体においては企業債の償還財源の確保に苦慮しているところも出てきているわけでございます。 このような状況に対しまして、自治省といたしましては、当初の利用計画に沿って企業誘致を積極的に展開するよういろいろ働きかけ、指導しているところでございますが、それとあわせましてその土地が売却可能となるまでの間の当面の資金繰りの対策をいろいろ講じてきているところでございます。特に今御指摘の未売却用地というのは臨海土地造成事業に多く見られるわけでございまして、昭和六十年度からは建設期間中の企業債の償還元金を新たに起債措置の対象に加えたところでございますし、また六十一年度からは公営企業金融公庫資金の貸付条件について事業の実態に即しまして元金均等償還方式から満期一括償還方式に改めるなどの改善措置を行っております。これらの財政措置に加えまして、それぞれの地方団体において、単に用地造成部門だけでなく、企画部局や商工経済担当部局等と一体となって企業誘致等による土地の有効利用や経済情勢の変化に対応した計画の見直し、さらには売却を前提としたリース方式の活用など処分方式の多様化、弾力化等を含めて事業の経営の健全化を推進するよういろいろ働きかけ、指導助言を行っているところでございます。
○会長(長田裕二君) 答弁は時間の関係で簡潔にお願いします。
○説明員(濱田一成君) 地方公共団体が海外への企業進出について条例等で一方的に規制をするというようなことはできないものと考えております。もとより地方公共団体が地域の振興、地元中小企業の受注確保、地域雇用の確保等の観点から、海外進出しようとしている企業に対して企業の存続や地元での事業の拡充の要望を行い、企業の理解と協力を求めることは差し支えないわけでございます。
○説明員(矢野浩一郎君) 最後の御質問でございますが、地方団体が公共事業の消化、これだけ大きなものを追加するに当たって大変その地方負担について苦境を訴えておるということは私どもよく承知いたしております。従来、公共事業を追加する場合には、その財源措置は起債が中心であることは御承知のとおりでございますが、問題はその起債の償還能力、一体たえられるかどうかということでございます。起債の償還につきましては、こういった公共事業の地方負担の起債については従来から一定の方式でその元利償還の相当部分を交付税の中に算入をしていって、そしてそういう団体が償還にたえ得るようにするという仕組みをとっておりますが、しかしそれにいたしましても、交付税の今度は額が必要になってくるわけでございます。それにつきましてはこれは国の財政当局とも十分協議をいたしまして必要な地方交付税の額は確保してまいらなきゃならない、そのほかいろいろ地方団体の財政の実情に応じた措置を考えていく必要があろうかと思います。
○三治重信君 資料についてひとつ質問しますが、大蔵省の「公共投資等の追加」というのに前金付国債とゼロ国債というのがあるが、自治省の資料だとこれが国庫債務負担行為の中に前金付国債とゼロ国債というのがあるんだけれども、この用語の説明の仕方が僕はよくわからぬが、前金付国債とかゼロ国債というのはどういうようなものか、国庫債務負担行為の内訳みたいになっているんだが、それは本当はどういうものか、ひとつ説明してもらいたい。 それからNTTの株を売ってもうかったものだけ無利子貸し付けをやるというNTTの株の売却収入活用の内需振興策案だが、それは今度の五兆円の歳出の中のどの財源の裏づけなのか、道路公国等とか財政投融資の方の財源になるのか。無利子貸し付けというやつがこの中にあるが、これが歳出の方のどこの裏づけの金になるのか。それからこの六十二年度の補正で四千五百億円、これは現ナマなんだが、これもやはり財政投融資の金か、一般会計の金になるのか、どちらか、それをひとつ説明してもらいたいと思います。
○説明員(角谷正彦君) 実はちょっと私どもの資料省略しています。国債と書いてありますのは国庫債務負担行為というもののいわば略称を国債というふうに言っているわけでございまして、国債というのは正確には国庫債務負担行為ということでございます。いわゆる公共事業的な概念、公共事業の関係者はおわかりいただけるんですが、その点失礼いたしました。そこで国庫債務負担行為というのはどういうことかといいますと……
○三治重信君 いやいや、国庫債務負担行為はわかるんだよ。国庫債務負担行為の中で前金付国債とゼロ国債のその区別。
○説明員(角谷正彦君) 通常、歳出予算の場合にはまず契約をいたします。契約そのものがある意味じゃ国庫債務負担行為とほぼ同じような概念でございます。契約した段階で頭金を払い、それから場合によっては工事進行基準で途中でもお金を払い、工事が終わったときにお金をまた払う。そこで当年度中に契約をいたしまして、全部工事が年度内に完成いたしまして、歳出予算としても契約金額と歳出金額が一致するものがいわば当年度完了事業でございます。ところが事業によりましては、例えば大きな川に橋梁をかける、あるいはトンネルを掘る、そうすると橋をかける契約は一本でございます。あるいはトンネルを掘る契約は一本でありますが、年度内に工事が完成しないというものがございます。橋のピアが何本か建ったとかあるいは橋の途中までしか完成しない。契約は一本で行います。そこで、例えばそういうものについて十億円の契約はいたしますけれども、前金とかあるいは途中の支払い等によりまして五億円しか実際の現金が出ていかないというのは前金付国債というものでございまして、残りの五億円は翌年度歳出予算で手当でされるということに通常なるわけでございます。 それからゼロ国債といいますのは、これは特に契約を年度末に、二月とか三月とかそういう時期に行います場合には、契約だけいたしましていわゆる頭金といいますかそういうものも払わないで行う事業でございまして、契約だけいたしましても、例えば受注しました業者は資材を発注するとかいろいろなことを行いますのでそれなりの経済効果はあるわけでございますけれども、当年度におきましては頭金という形での歳出も一つもない、これがゼロ国債というものでございます。 そういう区分でございまして、いずれにしても国庫債務負担行為で契約をしたもののうち頭金を払うものが前金付国債、頭金も払わないでお金は翌年度以降の歳出に全部負担させてもらうというのがゼロ国債という概念でございます。 それから、第二点のNTTの問題でございますが、先ほど申しましたように四千五百億円程度の余裕が出てまいりましたのでそれを六十一年度補正予算で使いたいというふうに考えております。これは先ほど申し上げましたように二つございまして、一つは公共事業関係に使いたい。それからもう一つは民活事業、地方の活性化に資するための民活事業に使いたいということでございまして、その四千五百億円の中でどの程度公共事業の中にいくのか、あるいは民活事業の中で使うのかということは現在検討中でございます。ただ、先ほどの財源との関係でいいますと、公共事業の予算が二兆九千億円でございます。一般公共二兆四千五百億円というのが書いてございますが、このうち、従来の比率でいいますと、いわゆる国費の負担部分は一兆二千億円ぐらいになろうかと思います。恐らくこの中の一部がNTTの株式売却収入の活用で賄われる、残りが建設国債で賄われる、こういうことになろうかと思います。それから民活事業等につきましては、これは公共投資の五兆円の外でございまして、これはそれで民活事業等についてそれなりの無利子貸し付けを行い、投資が行われれば経済効果はそれなりにあるわけでございますけれども、この五兆円の外でこれから補正予算の段階でどの程度、どういう事業について、どういう形で貸し付けを仕組んでいくかということで現在検討中でございますが、これは今の五兆円の外の問題だというふうに御理解いただきたいと思います。
○三治重信君 それから自治省にお伺いしますが、地域経済活性化緊急プロジェクトを地方単独事業の中としてやるというふうな御説明なんですが、これは不況地域の指定地域でやるわけでしょう、八千億の中でどれくらいの枠であるかということと、それからもう一つは全然別個の問題ですが、何か先ほどの説明だと、市街化区域内の宅地並み課税は今年度から五年たって検討時期で、それによって非適用のやつは五年間さかのぼって徴税するときなんだという説明なんだが、これは従来制度でそれがなっている、こういう説明でいいんですか。そういう徴税活動を特別調査をしてやるんだという説明でいいんですか。そう理解していいんですか。
○説明員(森繁一君) 第一点のお話の地域経済活性化緊急プロジェクトの事業量でありますけれども、今関係地方団体の方に照会中でございます。私どもの期待額としましては本年度は三百億円近いものが出てくるんではなかろうか、こう期待をいたしておりますが、詳細につきましては今照会中でございます。
○説明員(渡辺功君) 市街化区域農地の課税についてのお尋ねでございますけれども、制度は五年目まで放置してそこで見直すという制度じゃございませんで、常に長期営農継続ということで徴収猶予をいたしますけれども、その途中でもってそういう実態がなくなるということになればその段階で取り消しましてさかのぼって課税する。ですから、例えば三年目でもってそういう長期営農という実態がなくなるという場合にはその段階で三年分さかのぼって見直しをします。ただ制度的に、御承知のとおりでありますけれども、税金でございますから五年ということで俗に言う時効というような問題がありまして、ちょうど五年目のところで見直すようなそういう制度になっておりますから、その五年目の見直しのための調査をやっておりますから、それによって実態がいろいろわかってくるであろう。したがってそれをも踏まえて今後どういうふうに運用を適正に行っていくかということを考えてまいりたいということを申し上げたわけでございます。
○三治重信君 そうすると、別に新しい宅地並み課税のための施策ということのような説明だけど、全然違うんだな。
○説明員(渡辺功君) 最後のところでつけ加えましたけれども、そういう運用というようなものの中でなお制度的に何か整備が必要であるというような問題が生ずるかもしれません。しかし、これはもともとが宅地供給促進という政策税制でございますから、建設省や国土庁からも御意見があると思います。したがいまして、そういったものも踏まえまして税制調査会で御検討もいただき、今後どう対処するかを考えてまいりたい、こういうことになると思います。
○平野清君 いろいろお伺いしたいんですけれども、何しろ五分という時間しかありませんので、まず大蔵省の方に基本的なことをお伺いしたいんですが、ごく最近、北欧から帰られた日本の大使がこういうことを言っていました。ある日本人の婦人が現地の男性と結婚して、御主人が亡くなって子供さんが五歳になった。とても寂しいので日本に帰りたい。そうしたら北欧のある国が、日本は福祉も年金も雇用問題も非常に不安定な国だから、私の国は十八歳までは責任を持ってその子供を育てるんだから日本には帰せない、出国の手続はさせないということで、大変大使が苦労されて二、三年かかってその日本の女性はやっと帰ることができた。北欧でそのくらい日本の年金制度とか福祉制度とか税金に対する不信感が大きいことのあらわれだと思うんです。今回の内需拡大問題について午前中もちょっと一兆円減税のことで経企庁にお尋ねしたんですけれども、今回の内需拡大がいわゆる外国からの圧力によるものなのか、本当に将来の国民の社会基盤を整備するためなのかというところのものがはっきりしていないような気がするんです。だから先般の売上税の問題でも、法人税はめぐりめぐってサラリーマンに返るんだから、サラリーマン減税プラス法人税はサラリーマンに大きな減税だと。どう考えても法人税がサラリーマンの懐に戻ってくるなんということはとても私たち考えられなかったわけですけれども、そういう北欧の例なんかを見ても一兆円減税でも午前中も申し上げたんですけれども、福祉とか年金制度とか雇用制度とかそういうものが各省一致して政府の施策としてはっきりしなければ、全部また貯金になってしまって、大蔵省さんがねらう内需拡大にはいかないと思うんです。だから大蔵省さんとしては、金を握ったり出すだけじゃなくて、各省ともっともっと協力して、福祉の問題、雇用の問題、年金の問題、画一した政策をはっきり国民の前に示してもらわない限り国民は内需拡大に協力しないんじゃないかというのが私たちのサラリーマン新党の考え方なんです。ぜひサラリーマンの税金の不公平是正と同時に、税の王道といいますか、税とはこういうものだということをはっきりと国民の前に示してもらうことが一番大事なような気がいたします。 それから、自治省の方にちょっとお尋ねしたいんですけれども、特定地域のプロジェクトの問題、例えば卑近な例をとって川口という埼玉県の入り口に鋳物の町があります。大変な不況で苦しんでおりまして、鋳物業者はどんどん土地を売って、そこにマンションが林立しております。そうしますと、今まで学童がどんどん減って学校の教室があいていたような都心部に学校をふやさなきゃいけなくなる、バスは込む、荒川の橋は一本きりない、通勤者はえらい時間がかかる、歩いていった方が速いぐらいな苦労をしている。そういうような鋳物を外してしまったら生きられない町に対してこういう特定地域のプロジェクト構想というものが適用されるのか、鋳物以外に産業を持ってきて活性化を図らなければこういうものには適用されないのか、その点はいかがでしょうか。 時間がありませんので、大蔵省と自治省と一つずつだけお答えください。
○説明員(角谷正彦君) 今回の対策の基本的な背景の考え方でございますが、これは言うまでもなく、外国から言われたからこの政策を転換するとかやるとか、こういう話ではないだろうと私は思います。 若干補足させていただきますと、日本の経済は、第一次石油ショックあるいは第二次石油ショックを経まして、やはり相当程度減量経営を行い、あるいは産業構造も技術化、高度化していくという過程の中でかなり輸出依存体質が強まってきている。その結果、例えばアメリカのレーガノミックスによります景気拡大の中で、アメリカに対する輸出、アメリカだけではございませんが、どんどん輸出がふえていく。アメリカは、逆に言うと輸入拡大によって貿易収支が不均衡になっていく。こういう中で国際的な経済調整をしていくといたしますと、やはり日本の産業構造自身を転換していかなきゃいけない。いつまでも輸出依存体質でやっていくだけでは世界の孤児になってしまう。そういうふうな問題の中で産業構造を内需中心の方に転換していく必要があるということが一つあると思います。 と同時に、貿易で稼いでいるお金というのは、先ほど山本委員からお話がありましたように、どこに行ったかという話で、むしろ国と民間との間のいわば税という形での資源配分に若干の問題はないわけではないと思いますけれども、その点は別といたしましても、今その余った金というものは株や土地に回る、あるいは外国の証券投資に回る。そういう中で、日本の実際の経済は円高ということで特に製造業を中心に不況になっている。その結果、雇用情勢は悪化する。このままほうっておきますと、むしろ産業構造を転換するといたしましても、やはりそれなりの体力を我が国として持ちつつ転換していかないと、へたってしまってから転換するというわけにはなかなかいかない。 そういった意味でも、恐らく企画庁からもお話があったと思いますけれども、内需拡大というのは当面の緊急の課題であろうというふうに思っているわけでございまして、外から言われたからということじゃなくて、こういった中長期的に見まして、日本の産業構造あるいは社会構造といったものを転換する中で、それを円滑に進めていくためにも、こういった内需政策の問題というものは、ここしばらくの間はやっぱり続けざるを得ないだろうというのが政策の背景であろうというふうに思っておるわけでございます。 それから、先ほど年金のお話がございました。年金につきましては、率直に言いまして、今の年金水準というものは、これは例えば厚生年金をとってみましても世界の中で見劣りのしない水準にあるというふうに思います。ただ、いろんな制度が分離していることに伴いますいろんな問題があることも事実でございまして、例えば今のお話にちょうど合うのかどうか私もよくわかりませんが、年金改正が先年行われましたけれども、それ以前はサラリーマンの妻というあたりはむしろ年金をもらえないというふうなこともあったわけでございまして、それを基礎年金ということで統合する形で、国民全体が基礎年金を含めて年金をもらえるというふうな形で制度改正が行われたと。そういった意味では、水準そのものにつきましても、制度そのものにつきましても、なお負担と給付の問題はいろいろありますけれども、諸外国と比べて私は決して現在の年金水準が遜色があるものだとは思っておりません。むしろ今後の問題としては、現在の我が国は人口構成が比較的ヨーロッパと比べてまだ若い、これからだんだん高齢化が進む、しかも女性なんかの場合は世界一の高齢でございますから、むしろそういった負担と給付の不均衡というものにどういう形で対応していくか、特に財源手当てを今後どうしていくかということがむしろ一番大きな問題になってくるんではないかというふうに思っているわけでございますが、そういったことは別といたしましても、今の年金水準につきましては諸外国と比べて決して遜色のないものであるというふうに考えております。
○説明員(森繁一君) 地域経済活性化の緊急プロジェクトの対象地域の話でございますが、私ども考えておりますのは、先ほど申し上げましたとおり、当該市町村で特定業種への依存度が一定以上高いとか、その業種が停滞状況に陥っておるとか、またそのために雇用情勢が悪化しておるとか、こういう一つの指標を設けて指定をしていきたいと、こう考えております。この特定業種の中には鉄鋼とか造船とか石炭とかその他もろもろの不況業種を考えてまいりたいと、かように考えておりますけれども、お話しの川口市がこれに当たるかどうかというのは、今後この指標を見ながら検討させていただきたいと思います。
○会長(長田裕二君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。 午後四時三十六分散会