建設委員会 第5号
- 発言数
- 219 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/05/26
会議録
○委員長(鈴木和美君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二十三日、上杉光弘君が委員を辞任され、その補欠として遠藤要君が選任されました。 また、本日、山田勇君が委員を辞任され、その補欠として抜山映子君が選任されました。 —————————————
○委員長(鈴木和美君) 建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。天野建設大臣。
○国務大臣(天野光晴君) ただいま議題となりました建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 近年、木造建築物等についての防火性、耐震性の技術が向上してきております。また、環境の整備や合理的な土地利用の促進の観点から、建築物の形態に関する制限について改善を要する面があらわれてきております。 このような状況にかんがみ、木造建築物等についての建築制限並びに建築物の容積及び高さの制限等を合理化する必要があります。 以上がこの法律案を提案する理由でありますが、次にこの法律案の要旨を御説明申し上げます。まず、一定の技術的要件に適合する木造建築物等に係る制限の合理化についてであります。 第一に、高さ十三メートルまたは軒の高さ九メートルを超えて建築することができることといたしております。 第二に、火災の発生のおそれの少ない用途に供するものについて、防火壁の設置を必要としないことといたしております。 第三に、準防火地域において三階建てのものを建築することができることといたしております。 次に、建築物の容積及び高さの制限の合理化等についてであります。 第一に、幅員の小さい道路が幅員の大きい道路に接続する場合及び壁面線の指定がある場合について、前面道路の幅員による容積率を割り増すことといたしております。 第二に、第一種住居専用地域内における建築物の高さの限度に、現在の十メートルのほか十二メートルを加えることといたしております。 第三に、道路斜線制限の適用を、一定の範囲内に限定するとともに、道路から後退した建築物については緩和するものとし、あわせて隣地斜線制限についても所要の合理化を行うことといたしております。 第四に、総合的設計による一団地の建築物の特例について、建てかえ等に関する手続を整備することといたしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(鈴木和美君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○一井淳治君 多少この法案以外のことに関してもお尋ねしたいわけでございますけれども、最近はひところと違いまして、急に内需振興ということが叫ばれるようになりました。ただ、これがかけ声だけで終わっては非常に困るわけでございます。建設省としては内需振興のためにどういう対策をお考えになっておられるのか、これから総合経済対策が発表されたり、あるいは補正予算が作成されるというふうに進んでいくと思いますけれども、どういうふうな内需振興策を考えておられるのか、まず質問いたしたいと思います。 特に、これまで住宅建設を景気振興の中心に据えておいきになるのが常でございますけれども、今後その住宅建設の問題がどのように内需振興の中で取り扱われていくのか。それから、景気浮揚のために公共事業を四兆円という数字も出ておりますけれども、私はそれくらいではとても景気の浮揚につながらないと思うんです。そういったことも含めまして、建設大臣の方からお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(渡辺尚君) まず私の方から、内需振興ということで建設省はどんな施策を考えておるのかという御質問にお答えいたしたいと思います。 お示しのございましたように、緊急経済対策ということもあるわけでございますが、まず公共事業の前倒し執行、それから補正予算によります公共事業費の拡大、さらに、先生も触れられておりますが、住宅建設の一層の促進、それから民間活力活用プロジェクトの推進や都市計画あるいは建築規制の規制緩和の見直しなどの一層の活用等によりまして内需の拡大に資してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○政府委員(高橋進君) もう一点、公共事業費について四兆円というような話もあるがということでございますが、実は現在検討中のことでございます。新聞で四兆円というような数字も出ましたけれども、これは具体的な中身がどういうものかということもはっきりしておりません。これから詰めていく問題でございますが、建設省といたしましては、現況の地域経済の落ち込み、深刻な雇用情勢からいいまして、十分国内経済情勢に対処できるものであると同時に、連年にわたる公共事業予算の抑制によりまして著しくおくれている社会資本の整備を確立するために大幅な追加を行うべきであるというふうに考えております。
○一井淳治君 民活の導入ということが重要課題とされておりますけれども、建設省としては、民活の推進のために規制緩和とか低利資金の確保とがよく使われておりますけれども、それ以外にどんなふうな手段を使っておいきになるのか。それから私は、民活が成功した事例というものを、残念でございますけれども、余り聞いたことがないんです。そういうふうな成功した事例でもあるのでしたら、例を挙げて御説明をいただきたいというふうに思います。
○政府委員(渡辺尚君) まず第一点の、規制緩和あるいは低利融資、そういったもののほかにどういう施策があるのかというお尋ねについてでございますけれども、例えば補助金を交付して、インセンティブとしてそれをバックアップしていく、あるいは税制でバックアップしていくというようなこと、さらには、いろいろ建設省関係の民活でありますと関連の公共施設の整備ということが当然必要になってくるわけでありまして、そういうものについて支援をしていくということでございます。 例えば補助金の例で申しますと、従来からの制度が幾つかありますが、新しいものといたしましては、市街地再開発緊急促進事業というものを今度新しく六十二年度からやるということで、これは地方につきましては七・五%、いろいろ補助対象がございますけれども、七・五%の補助をするというような制度でございます。 それから、税制の例で申し上げますと、新しく六十二年度でお認めいただいたものといたしましては、総合保養地域整備法に係る特別償却制度でありますとか、あるいは民間都市開発推進機構に対する寄附金に係る損金算入などがございますし、それから公共施設関係では、新しく都市再開発関連公共施設整備促進事業あるいは地方民活関連道路推進事業というようなものが認められておる、こういったものを総合的に活用してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、もう一点お尋ねの、成功例を聞いたことがないけれども、あったら言ってみろということでございます。 これは、建設省では六十年の八月と六十一年の五月に、地方それから大都市圏を通じまして全部で百三十七のいわゆる民活主要プロジェクトというものを選定して公表しておるわけであります。そのうち地方圏は九十二のプロジェクトが入っておるわけでございますけれども、そういったものにいろいろと支援措置を重点的にやっていくということでございます。 成功した例はないかということでございますが、例えば再開発等でありますと何年かかかってやっていくわけでありまして、そういうものが終わってしばらくたってみないとなかなか評価できないということもございます。いろいろ進捗状況等、プロジェクトプロジェクトによって違っておりますけれども、地域の非常な熱意によってかなり進捗が進んでいるものもあるということを申し上げることになるかと思います。
○一井淳治君 先ほど地方での民活についての御説明がございましたけれども、なかなか地方の場合は採算がとれないということで困難ではないかと思います。既に説明がありましたので特に私の方からは再度質問はいたしませんけれども、相当強力な援助がないと地方の民活は成功しないと思いますので、その点の御配慮を特にお願いいたしまして次の質問に参りたいと思います。 通産省の方にお尋ねしたいんです。最近の新聞記事を見ますと、リフォームについて五%の減税を総合経済対策の中に入れていきたいということが載っておりましたけれども、リフォームについて、景気浮揚対策の一環だと思いますけれども、どういうふうな政策を進めておいきになるのか、それをまず第一にお尋ねしたいと思います。 それから、リフォーム以外に住宅建設関係で内需振興のためにどういうふうな施策をおとりになっているのか、その辺についてもお尋ねいたしたいと思います。
○説明員(松宮勲君) 私ども通産省といたしましては、住宅建設の促進やリフォーム需要の拡大が欧米諸国に比べまして相対的に立ちおくれております我が国の居住水準の改善や、現下の政策課題でございます内需の振興を図る観点から、政府全体として取り組まなければいけない重要な政策課題であろうと認識いたしております。 通産省といたしましても、プレハブ産業とかあるいはインテリア産業、住宅設備産業等を所管する立場から、例えば今御指摘のリフォーム需要の拡大につきましても、リフォーム需要を拡大するに適した魅力的なコストパフォーマンスの高い製品の開発のための研究開発、あるいはインテリアショップとか工務店等がお使いやすい最近の情報化技術を駆使いたしましたリフォーム用CADシステムの開発等に努めているほか、人材育成等にも関係団体の事業に支援をするというような措置を講じてきているところでございます。 それから、住宅建設一般につきましても、先ほど申しましたようなものを所管する立場から、各種の技術開発事業を推進してきておりますし、さらには生産から流通に至るまでの合理化のための標準化の推進や各種の調査事業あるいはキャンペーン事業の展開などによる製品需要の拡大措置を講じてきているところでございます。今後とも最近の住宅問題をめぐる内外の経済環境の変化に照らしまして、こういった支援措置に一段と力を注いでまいりたいというふうに考えております。 また、御指摘の減税も含めまして、私どもといたしましては建設省初め関係省庁と緊密な連携のもとに政府全体として効果的な税制上あるいは金融上の支援措置が拡充されることを期待しているところでございます。
○一井淳治君 新聞では五%の減税ということで、余り何に対する五%かということは明記をしていなかったんですけれども、なかなか一%、二%の減税も難しいようでございますので、通産省の方にも大いに減税幅を上げる努力をしていただきたいというふうに思います。 それから、大都市では土地の値段が高いためになかなか住宅が建ちませんけれども、地方に行きますと土地の値段が安いのに住宅が建たない。これは、地方の場合は非常に景気が冷えていることもあるとは思うんですけれども、やはり家を建てようという意欲が乏しいのじゃないか。もう少しきれいな家を安く建てられるような技術や製品を開発して、建てかえようというふうな意欲を持つような施策も必要ではないかと思うんです。先ほど多少そういったふうな御意見も聞かしてもらったんですけれども、そういうことについてもう一遍お尋ねしたいと思います。
○説明員(松宮勲君) 先生御指摘のような方向、私ども通産省だけでは必ずしも十分な対応できないところが多々あろうかと思いますが、私どもといたしましては、関係省庁一丸となって御指摘のような方向での検討に着手してまいりたい、その中で通産省としてやるべきことを十分に尽くしてまいりたい、かように考えております。
○一井淳治君 これも新聞記事でございまして、重なってきますけれども、昨年経済企画庁の方で、中古住宅のリフォームを内需振興、景気対策の中心の一つに据えていきたいという長官の談が発表されておりましたけれども、今回の総合経済対策の中では住宅のリフォームの件はどのように盛り込まれていくのか、それから公共事業や住宅関連の施策がどの程度、どのように盛り込まれていくのか、お尋ねしたいと思います。
○説明員(吉川淳君) 経済企画庁におきましては、大臣の指揮もございまして、ことし一月から住宅リフォームに関する研究をやってまいりました。これは、有識者の方を煩わしまして報告にまとめたわけでございます。それが四月に「住生活の改善のために」という形で発表になりまして、その中に幾つかのいわゆる政策志向的な提言がございます。 例えば、今通産省がお答えになりました点とやや重複いたしますけれども、六つほどございまして、一つは、消費者のいわゆるリフォームマインドを醸成しなければならない。二つ目には、住宅リフォームに関する人材の養成に努めるべきである。それから三つ目には、住宅リフォームに関する設備・研究開発に努めるべきであるということで、例えば部品の規格の標準化といったような問題がございます。それからさらに、住宅リフォームに関する資金を確保しなければならない。これは融資制度の充実につながるものかと思われます。それからあと二つは、情報の提供とかそれからリフォームに関します規制緩和、こういう六つのポイントにつきまして提言をいただきまして、経済企画庁といたしましては、関係の省庁に対しましてこの点の御検討をお願いしておるところでございます。 なお、先生御指摘のように、ただいま経済緊急対策ということで私どもの方で取りまとめをやっておりますが、できますれば、住宅の項目の中にこの辺の可能な措置につきまして盛り込めればと考えておる次第でございます。リフォーム自体は、実は六十年の秋に内需拡大策をやりましたときに初めて対策上は顔を出したものでございまして、その後いわばずっと水面下でございましたが、今回、できればこの機会にさらに浮上さしたいというふうな気持ちでおるところでございます。 それから、今公共事業関係の御質問でございますが、既に建設省からお答えがございましたように、なおこの件につきましては当該省庁の間で詰めの作業が行われておると承知しておるところでございます。いずれにいたしましても、週内にまとめるべく、さらに作業を進めたいと考えております。
○一井淳治君 今回の建築基準法の一部改正案でございますけれども、内需振興という観点から、これはそういう観点からの規則緩和というふうに見るべきものなのか、それともそれとは関係なしに、不合理な点を是正していく法案と見るべきなのか、そのあたりについてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(片山正夫君) 今回の建築基準法の改正の中に幾つかの事項がございますので、それ別に御説明を申し上げます。 まず、木造建築物に関します防火等の制限に係ります改正につきましては、近年木造建築物の防火性、耐震性等が向上いたしてまいりまして、建築の構法でありますとか建設技術が確立されてまいりました。 例えて申し上げれば、大断面集成材を用いた構法が普及をし始めた、あるいは防火被覆構法はかなり信頼性の高いものが普及し始めた、こういうことを基本方針にしまして、また木材の需要拡大あるいは土地の高度利用に対する要請等を背景といたしまして、これらに対応いたしますために、合理的なものとするための法改正を行ったということであります。 また、建築物の形態制限等の規定に関します改正につきましては、まず道路斜線制限に関しまして、土地の高度利用を規制限界いっぱいに図るという傾向が強まってきたために、結果といたしまして建築物の例えば壁面が傾斜した不整形な建築物が建築されるというような傾向が出てきておる。また、道路幅員による容積率制限に関しましても、敷地の周辺状況に関係なく一律の制限を課していますために規制の均衡を欠くというような側面があらわれているなど、不合理な面が顕在化してきたこと、これを是正いたしますために改正を行うことでありますが、なお住宅地につきましても高度利用の要請が高まってきているというような社会的背景なども考慮いたしまして改正をいたしたところであります。
○一井淳治君 規制緩和についてはいろんな場面がございますけれども、形態制限の合理化とか道路幅員との関係、そういったものについては規制緩和をいたしますとそれだけ土地の利用効率が高まってくる。そうすると土地の値上がりが起こる。これは、利用効率が高まるのですから、ある程度当然かもしれませんけれども、そうしますと土地が高いから狭い土地を精いっぱい使おうというふうなことで土地も細分化されていく、密集していくというふうな悪循環を繰り返していくのじゃないかという気がいたしますけれども、そういう観点で余り規制緩和はなさらない方がいいのじゃないかというふうに思いますけれども、そのあたりについてはどのようなお考えでございましょうか。
○政府委員(片山正夫君) 今回の形態規制関係の改正に伴いまして、個々の敷地について見ますると、その土地の利用効率がこれは高まってまいります。このことに応じまして、その敷地の地価については上がることも考えられるわけでありますが、一方、都市全体として見ました場合には、床面積の供給が増加するということになりまして、このことは土地の需要と供給のバランスを緩和する方向に働く、こういうことが考えられるわけなんです。 なお、今回の改正は、先ほど御説明申し上げましたように、規制の不合理な側面を是正するということも主眼でございますので、そういうことをあわせ考えますと、例えば現在問題になっておりますような全般的な土地の値上がりというようなことには直接関係がないものと考えております。
○一井淳治君 規制緩和にもいろんな原因があるということは理解できるわけですけれども、一般論として、安易に規制緩和をされますと環境が悪くなる、これは否定できない事実であると思います。そして、規制というものはやはり長い歴史の中である程度国民の合意を得ながら形成されておるものでありまして、これは余り安易に緩和されてはならないというふうに私考えますけれども、建設省としてはその規制緩和についてどういうふうなお考えをお持ちなのか、質問いたしたいと思います。 そして今回、建築基準法の一部改正が行われますけれども、今後さらにこの種の規制緩和の改正をなさっていくお考えがあるのかどうか、そのあたりについてもお尋ねしたいと思います。
○政府委員(片山正夫君) 建築の規制は、国民の生命、健康及び財産の保護を図るために必要最小限の範囲内で、建築技術の水準でありますとか土地利用の状況等に応じました基準に基づいて行われているところであります。したがいまして、その見直しにつきましては、建築技術の進歩、経済社会の変化に伴う土地利用の方法あるいは建築計画のあり方等に応じまして合理的範囲内で行うべきものと考えております。 なお、今回の改正は、木造建築物等に関する制限及び建築物の形態制限等に関し、現時点において改善を要するものについて所要の合理化を行ったものであります。
○一井淳治君 重複質問して失礼でございますけれども、さらに規制緩和の法改正を近々行われる御予定があるのかどうか、それについてもお答えを願いたいと思います。
○政府委員(片山正夫君) 先ほど御説明申し上げましたように、今回の改正が現時点において改善を要する事項を取り上げて行ったものでありますので、そのような状況にあると存じております。
○一井淳治君 まあ、当面はないというふうに私は聞かせていただきたいというふうに思います。 それから、規制緩和とも関係があると思いますけれども、どうも大都市で規制緩和をされると土地の値上がりという悪循環が繰り返されるように思います。やはり思い切って地方へ分散させていく、地方に定住させる政策を強力に推進していくということが住みよい都市をつくっていくためには根本的に必要ではないかというふうに思います。国土庁の方では四全総の策定を進めておられるようでございますけれども、中央官庁や研究所など、思い切って地方の土地の安い方へ移動させるとか、よほど思い切った施策をしていただかないとなかなか効果が上がらないと思います。何か今回の四全総等の中で大胆な施策を実行しておいきになるのかどうか、地方への分散ということについてどのような方向を進めていただけるのか、そのあたりにつきまして国土庁の方からお尋ねしたいと思います。
○政府委員(星野進保君) 先生御指摘の点につきまして二つの面から検討しております。 一つは、基本的には先生が最初に御指摘されましたように、地域の側からどういうふうに活性化をしていくかということが非常に重要でありまして、その点につきましては高速交通体系の早期の整備でありますとか各種研究開発機能の整備でありますとか、あるいはリゾートの整備でありますとか都市再開発機能の整備でありますとか、そういったような地方の活性化に直接関係ある部面を整備していくというのが一つかと思います。 それから、先生が後段に御指摘になられました、現在東京に大変一極集中が起こっておりますので、その面からどのようにそういう機能を地方に分散していくかという観点から、現在、関係省庁といろいろと御相談している最中でございます。一つは、従来は工場時代でありましたが、現在は事務所時代でございますので、事務所につきまして、特に東京都心等にあります事務所等につきまして何らかの負担をしていただいて地方へ行っていただくとか、そういったような仕掛けてありますとか、あるいは政府関係機関その他につきましても特にサービス水準が低下しないとか、あるいは国会との関係が少なくて独立性があるとかそういったような機関につきましてできるだけ地方に移っていただくというようなことにつきまして、現在議論をさしていただいている最中でございます。
○一井淳治君 現在ほど国土庁の真価が問われているときはないと思いますので、本当に大胆な施策を強力に実行していただきたいというふうに要望を申し上げます。 そこで、民活ということで、私もこの民活大いに推進していただきたいと思います。しかし、例えば建築確認の申請をしても非常に時間がかかるとか、あるいは行政指導の行き過ぎがあったりして何となく民間業者が頭を打つというふうなことで民間活力がそがれているという側面もあるのじゃないかと思いますけれども、私どもの経験では、例えばマンションを建築しようというふうな場合に、いろんな事情もあるのでしょうけれども、なかなか建築確認がおりなくて最後は結局建築できないというようなこともあるようでございますけれども、このあたりの行政指導の行き過ぎとか事務の停滞とか、そういった点から民間活力が意欲を喪失しているという状況もあると思いますが、それに対する対策といいますか、お考えについてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(片山正夫君) 建築確認の際に行われます行政指導につきましては、昭和五十八年八月に宅地開発等指導要綱に関する措置方針を通達いたしまして、当該通達において、建築確認の申請書の受理の際に行う行政指導は最小限にとどめ、行き過ぎのないよう留意する旨、指導を行ってきているところであります。また、建築確認事務の迅速化につきましては従来よりその指導を行ってきたところでありますが、さらに昭和六十一年三月に、建築確認の対象となります法令、これが従来は不明確でありましたところでありますが、それを明確化する等の措置を講じまして、通達をもって特定行政庁を指導しているところであります。 今後ともこれらの通達の周知徹底を図りまして、さらに特定行政庁の充実、建築行政執行体制の整備を図りまして建築確認事務の迅速化を図り、建築確認が経済活動の阻害要因とならないように適切に対処してまいりたいと思っております。
○一井淳治君 法案の内容について若干お伺いしたいと思います。 木造建築物に係る制限の合理化措置でございますが、これはやはり防火性、耐震性の技術の向上とも同時に並行して進行しなくちゃならないことではないかと思いますけれども、防火耐震性等の技術の向上はどういうふうに進んでおるのか、そのあたりのことについてまずお尋ねしたいと思います。
○政府委員(片山正夫君) 今回の木造建築物に係る制限の合理化は、まず一つとしまして、大断面集成材を用いた構造技術が確立されてきているということ、それから木造の壁、床等を防火材料により被覆する防火構法が確立され、それが普及を見ているということ、さらに火災延焼が起こるメカニズムが解明されてきていること、そういう木造建築物の構造、防火性能に関する構法技術の向上を踏まえて行うものでありまして、さらに具体的な技術基準といたしましては、まず大規模の建築物に関する高さ制限の合理化に関しましては、火災でありますとか地震の際の倒壊を防止するために柱、はり等の骨組みに大断面集成材を用いるということ、二階床等を防火構造とすること、壁及び天井について所要の内装制限を行うこと等を技術基準として定めることとしております。また、同じ大規模建築物に関します防火壁設置義務の合理化に関する基準につきましても同様の基準を定めたいと考えております。 また、準防火地域内の木造三階建て建築物に関する基準につきましては、火災時の延焼防止を図りますために外壁を防火構造とするとともに、屋内側からの過熱に対して防火上有効な燃え抜けどめを設けるということ、外壁に設ける開口部の構造及び面積を隣地境界線等からの距離に応じて制限をするということ、軒裏を防火構造とすること、床、屋根等に防火上有効な燃え抜けどめを設けることなどを定めることとしております。
○一井淳治君 木造三階建て住宅に対する規制緩和がこのたび行われまして、私もこれには大いに賛成でございますけれども、今後普及の見通しはどうなのか。 それから、新しい商品開発もなされると思いますけれども、それについての業界の動きとか建設省の御指導等について御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(片山正夫君) 木造三階建て住宅の普及の見通してありますが、敷地条件によりましていろいろ可能性が変わるというようなこともありますし、また三階に関します適切な統計データがございませんので、定量的な推計はこれは困難であります。しかしながら、戸建て住宅におきまして三世代住宅等の居住形態の変化が見られ、三階建て住宅のニーズが高まっているということ、あるいは都心周辺地域におきましても三階建てにすることによりまして土地の高度利用が図られるというようなこと、さらに準防火地域につきましては、例えば東京都の区部面積の約七〇%が準防火地域である、こういうふうに広範に指定されていることなどを考えまして、そのことによりまして相当の普及が期待されるのではないかとまず考えております。 それから、二番目の御質問、住宅業界の動きでありますけれども、現在、木造住宅の供給業者の間に極めてこれに関します関心が高いわけでありまして、軸組み構法を初めとしますそれぞれの関連業界団体におきまして三階建て住宅を供給するための技術開発に取り組んでおる、こういう状況であります。 建設省としましても、木造住宅の主たる供給主体が中小の建築工事業者であるということもありますので、これらの関連業界団体と協力いたしまして、設計、施工のための指針作成等を行っておりまして、法律施行後に木造三階建て住宅が円滑に普及していくように努力しているところであります。
○一井淳治君 木造住宅を見直そうということが関係者の間で非常に熱意を持ってやられておるわけでございます。そうして、この三階建て住宅というのはさらに一歩前進ということで皆さん期待を持っておられると思いますので、これを何とか守り育てていくという方向での御努力をお願いしたいというふうに思います。 それから、木造住宅に限らず、三階建て住宅の開発販売でございますけれども、最近の新聞記事を見ますと、いろいろと商品開発が行われておるようで結構なことでございますけれども、現状がどうなのか、そういった商品の安全性、耐久性等に問題がないのか、そのあたりのことについてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(片山正夫君) 三階建てのニーズが大変高まっているということを背景といたしまして、住宅メーカーにおきましても、三階建て住宅につきまして材料、工法など、それぞれの企業の特色を生かした積極的な取り組みがなされているところであります。その安全性、耐久性につきましては、建築基準法によりまして基本的な性能は確保されているところでありますけれども、その品質向上については引き続き住宅業界を十分指導してまいりたいと考えております。
○一井淳治君 建築物の形態制限の合理化の関係でございますけれども、今回、道路幅員による容積率制限、道路斜線制限についての合理化措置が講じられることになりますけれども、政策というものはプラスの面がもちろんあるからやるのですけれども、同時にマイナスの面も出てくる。これは否定できないことだと思いますけれども、悪い方の悪影響というのはどういうふうな状況なのか。 それから、その問題とあわせて北側斜線、日影規制という関係でございます。今回は出てまいりませんでしたけれども、私はその点は現状以上の規制緩和してもらいたくないという考えでおります。そのことも含めまして建設省の御意見をお尋ねしたいと思います。
○政府委員(片山正夫君) 今回の改正の中で、例えば道路斜線制限につきましては道路斜線制限の適用範囲をある一定区域というふうに限る改正をしておりますけれども、その改正につきましても、今回解除された部分というのは、道路の状況からかなり離れたところだけに限って解除しているというようなこと。さらには道路幅員容積率に対します緩和の措置も、広幅員道路の影響が明らかなところに限ってのみ広域的な見直しを行ったということ。さらには、積極的な側面としましては、道路からセットバックすることにより、その分に相応する分、斜線制限の上方を緩和するというように、より道路に近いところの空間を重視したというようないい面もございますので、今回の改正によりまして市街地の環境を損ねるということはないのではないかと考えております。 なお、日照につきましては、これは環境の中で大変重要な事項でありますけれども、これにつきましては日影規制と北側斜線制限によって確保しているところでありますが、これらの規制につきましては今回改正の対象としておりませんので、これらの規定が従来どおり適用されて環境が確保されると考えております。
○一井淳治君 北側斜線や日影規制につきましては、現在の規制をも維持していただきたいというのが希望でございます。そして、規制緩和はまず当面は行われないというふうな先ほどの御答弁と私はお聞きするわけでございますけれども、今後規制緩和については、環境保全ということを十分に考えていただきたいというふうに最後にお願いを申し上げたいというふうに思います。 それから、次に法定外公共物について二、三お尋ねしたいと思いますけれども、昨年の夏、私ども委員会で東北の視察に参りまして、宮城県の市長会の方から「法令外公共物の管理体制の整備について」という実は陳情をいただいたわけでございます。この里道、水路などのいわゆる法定外公共物については、国有であるけれども建設省が所管する、そして知事が管理を委任されているという法制度になっていると思うんですけれども、そういう法制度になっているのかどうか、まずお尋ねしたいと思います。
○政府委員(牧野徹君) おっしゃるとおりでございます。
○一井淳治君 この法定外公共物につきましては、知らない間に国有地が取得時効でとられてしまうとか、あるいは企業が不法占拠をして新聞紙上で問題になるとか、学童が水たまり等に落ちて損害賠償事案が起こるとか境界紛争が起こるとか、いろいろ問題が多発しておるというふうに思いますけれども、どうでしょうか。やはりこのまま法律なしで、現状のままでいいのかどうかという点をお尋ねしたいわけでございます。 ちょっと調べてみますと、昭和五十二年十月十四日に会計検査院で、管理の適正化をしたらどうかという一つの提案がなされておりまして、五十三年五月二十九日の参議院の決算委員会で、建設省の方で公共用財産管理制度調査会というものを設けましょうというふうなことまで言われているんですけれども、どうもその後はっきりした対策ができていないというふうに思いますので、そのあたりのことについてお尋ねしたいと思います。
○政府委員(牧野徹君) いわゆる赤道、青道といいますか、赤線、青緑といいますか、法定外の公共物管理につきましては、ただいま先生がおっしゃったようないろんな問題があることは事実でございます。 そこで、これまでも管理制度を何とか確立しようということで、何回か検討を行った事実もございます。ただいまお話ありましたのは勉強会でございまして、関係省庁、学識経験者、地方公共団体が入りました公共用財産管理制度調査会というものを三十回近くも五十三年から五十六年にかけて開いたことも事実でございます。ただ、いろいろ検討すればするほど一番問題なのは、実質的な土地の所有権の帰属をどうするかという辺が問題でございまして、関係省庁のいろんな御意見の対立もございますし、今直ちに立法化の検討を行うということは困難だと思います。ただ、おっしゃるとおりの問題がございますので、今後もいろいろ調査検討しながら谷間の御意見も承ってまいりたいと考えております。
○一井淳治君 地方の民活という言葉がよく使われますけれども、地方で土木工事を実施しようとすると必ず里道や池の問題が出てまいりまして、この解決のためにそれだけでも年単位を要するというふうなことも実は起こって、非常に土木工事の推進が阻害されるということも実際にあるわけでございます。これは、一つには権限が最終的には中央の方にあるということに起因するのじゃないかと思いますけれども、最近、河川法の改正などの中では市町村の方に移管するという一つの流れが出てきておりますけれども、私どもは早く法規制を必要とするのじゃないか、そうしないと非常にぐあいが悪いのじゃないかと思いますけれども、少なくとも権限を大幅に地方に移譲してしまって、地方にお任せいただくというふうなところまでは持っていっていただきたいというふうに思いますけれども、そのあたりについて、もう一遍ちょっとお話をお聞きしたいと思います。
○政府委員(牧野徹君) そこは大変難しいところでございまして、今の建前は公共財産として建設省が法定外公共物を管理いたしておりますが、冒頭先生御指摘のとおり、一応知事さんが管理の代表で、それで、もう少し市町村まで実質はおろしているところもあるわけです。ところが、そういうことをやりますと、例えば当該管理をされている市町村の側から見れば国有財産なんだけれども、処分したときに、管理しているのだから自分のところに売り払い代金は当然入れるべきだという御主張につながっていくわけでございます。ところが一方、財産管理当局はただいま公共財産で管理している間は建設省でございますが、売り払いになりますとこれを大蔵省に引き継ぎをしまして、売り払った代金は国庫に入るわけでございます。そういうふうなことで、実質管理をすれば自分に欲しいというふうな御意見と、いや国有財産だから売ったときは国の収入だというふうなことでせめぎ合うものですから、なかなか関係省庁で意見が一致しないというのが実態でございます。
○一井淳治君 結局、関係省庁はいろいろおありでしょうけれども、国民の側が一番困りますので、関係省庁は極端に言えばどうなってもいいのでございまして、本当に納税者である国民が一番困りますので、関係省庁で話がつかないということはなしにしていただきたい。それはもう理由にならぬと思いますので、一段と御努力をお願いしたいと思います。
○三木忠雄君 それでは、何点か法案に関してお伺いしたいと思います。 私は従来から、木造建ての三階は早く推進をすべきだ、やるべきだということを主張してまいりました。やっとこういう状況になってきたような感をしているわけでありますけれども、この法律案を提出するまでの間にいろんな技術的な問題、あるいは防火的な問題だとか経済的な問題、社会的な背景いろいろあったと思うんです。そういう問題をどういうふうにクリアをしてきたのか、まずその点についてお伺いしておきたいと思います。
○政府委員(片山正夫君) まず、改正点に関しますうち、木造建築物に関します制限につきましては、木造建築物の防火性、耐震性等の向上に関します構法、建設技術が確立されてまいりまして、また木材需要の拡大という強い社会的事情もありましたので、そういうことを考慮いたしまして今回の改正を行ったところであります。また、建築物の形態制限につきましては、道路斜線制限、それから道路幅員による容積率制限等につきまして不合理な面が顕在化してまいりましたので、これを改正し是正する必要があるということ、さらには土地の高度利用に対する強い要請という社会的状況を考慮して今回の改正をしたところであります。
○三木忠雄君 この木造住宅の建設に関しまして、業者の指導であるとか、あるいは安全性の問題、防火上の問題、こういう点についてもう少し詳しく説明願いたいと思います。
○政府委員(片山正夫君) まず、安全性の方の観点から御説明いたしますが、大規模の木造建築物につきましては第一に構造の安全性というのが一番大きい問題でありまして、この問題に関しましては従来、構造の安全性を確保するということで、九メートル、十三メートルという高さ制限で規制をしていたところでありますが、今回はそういう計画技術が進んだということを踏まえまして、その高さ制限を解除するわけであります。そのかわり、安全性を確保するために構造計算によりまして、各部材の強度でありますとか建物の変位の量でありますとか、ねじれの量でありますとか、そういうことを構造計算でもってチェックをいたしまして、構造上の安全性を担保する、こういうこといたしております。 さらにまた、防火の問題につきましても、壁でありますとか床等につきまして防火構造を講じまして、これが延焼時に拡大しないようにというようなことを考えているわけであります。 それから、準防火地域の三階建て木造住宅に関しましては、これは日常の住宅が中心になってくるわけでありますので、これにつきましてはもう少しきめの細かな基準をつくらざるを得ないということでもって、これにつきましてはまず外壁を防火構造とし、また屋内からも加熱によりまして燃え抜けが起こらないようにするということ、さらに外壁に設けます開口部、これは窓でありますとかドア、そういう開口部でありますけれども、そういうものにつきましては、構造でありますとか大きさ、面積を隣地の境界線等からの距離に応じて必要なものにするというような制限を加えたい。さらに、軒裏につきましても防火構造とし、それに特に床と屋根につきまして防火上有効な燃え抜けどめ、これはよく言われますことが、木材というものはそもそも燃焼するものでありますので、そういう上で、特に三階居住となりますと防火に対して発火しましたときの不安というのが大変ございますので、そういうときにも上部に燃え抜けがすぐ来ないようにするというようなことも基準として定めたいと考えております。 なお、業者に対する指導でありますけれども、木造に関しまする取り組みの業者というのは従来の軸組み構造を主体とします木造住宅業界もありますし、それからプレハブ系の木造業者もおりますし、それから大断面集成材を扱う業界もございます。そういう業界の方々に呼びかけをいたしまして、各業界団体が中心となりまして、今回そういう防火でありますとか構造に対する安全性を大いに研究開発してくださいと呼びかけを現在しているところでありまして、皆様大変な賛同をもちまして、積極的に建設省と一緒になって取り組みたい、こういうことでございますので、そういうことを十分徹底しまして法施行後に安全は木造建築物ができるように努めてまいりたいと考えております。
○三木忠雄君 防火の問題、これは余談でありますけれども、けさのテレビで、京都大学の木材研究所で燃えない木材というのを研究開発実験が成功したという例をやっていました。これは実用化になるまで何年かかるか知りませんけれども、こういう実験をして、イオン化合物とかいろんなことで木材が燃えないという研究をされた実例がテレビで放送されておりましたけれども、そういうこれから木造についてもいろいろな研究開発がさらに進んでくると思うのです。その問題は結構です。今研究開発の段階ですから答弁要りません。 これからの構造の問題も、私もアメリカやカナダでツーバイフォー工法の住宅をうんと見て、あるいは専門家ともいろいろディスカッションしたこともありますけれども、アメリカ、カナダではああいう木造で三階建てがずっと前からあるわけですね。だから、日本の木材と外材との違いによって構造上の問題がいろいろ今日まで左右されてきたのかどうか、これらの問題はどういうふうに取り扱ってきたのですか。
○政府委員(片山正夫君) 従来、日本の木造建築物に対する防火の考え方と申しますのは、建物の構法自身が軸組みでありますので、非常にこれは開放性がまずある、こういう点がございます。そのためにすぐ火が広がる。その点、ツーバイフォー等の工法はパネルを組み立てていきますので、その面、かなり火に対してはある時間クローズできるというようなことがございますので、そういう面につきましてはそういうパネル工法の方がすぐれた面もないわけではございません。 それからまた、材そのものにつきましては、自然木を乾燥いたしましたものはやはりひび割れ等が当然入ってまいります。一方、集成材と申します材につきましては、これは材を十分乾燥させまして、そして木材の不要の部分、枝節でありますとかひび割れ、そういうところを全部取りまして、それを強度ののりでもって圧密接着します。そうすると中に空隙が出ません。それから、時間がたちましても変形、ひび割れが生じません。そういうことでなかなか内部に燃えにくい、火が中へ入っていかない、表面炭化でもって通常の場合は済む。こういうところで、材質的にはそういう集成材というのは大変すぐれた性能がある。こういう点がございます。ですから、今回特に大規模の建築物につきまして十三メートル、九メートルという制限をかなり大胆に取りましたのは、そういういい材質の木材が出てきた、こういうことにも着目してやったところであります。
○三木忠雄君 やっぱり外材と国内産木材の材質との間にいろいろ違いもあろうと思うんです。そこらの問題が構造上いろいろな点で出てくると思うんです。例えば今回の基準法の改正によりまして、施行は六カ月以内ですか、いろいろ公布の日が確定されると思いますけれども、基準法が通ります。ところが、例えば東京を例にとってみますと、東京都に条例があるわけです。それから東京二十三区にまた区条例があるわけです。こういうところの関係の整理というものがやはりなかなかうまくいかないのじゃないかという点を私は実は心配するわけです。 前にも、鉄筋で三階ですか、東京都建築安全条例によりますと、第七条に「法第二十二条第一項の市街地の区域内においては、三階以上の階に居室を有する建築物は、その主要構造部を木造としてはならない。」、こういうふうな形があるわけです。こういうふうなもので、基準法が通っても条例との関係あるいは区条例との関係、これは建築確認申請でもいろんな問題出てくるのですけれども、ここらの整理あるいは指導というものはどういうような形で建設省は今後していくのか、まず伺っておきたい。
○政府委員(片山正夫君) 御指摘にありますように、東京都におきましては建築安全条例によりまして、防火地域でありますとか準防火地域以外の区域でも、建築基準法の第二十二条に基づきまして指定された、屋根を不燃材料とすべき市街地の区域内におきましては、「三階以上の階に居室を有する建築物は、その主要構造部を木造としてはならない。」と、こういう規定が現にございます。それからまた、二十一の都道府県におきまして条例によりまして、三階建ての長屋住宅は木造としてはならないというふうな規定を設けております。しかしながら、今回の改正は、そういう建築の技術それから材料の開発、そういうことを踏まえまして、安全性を十分確めた上での改正でございますので、そういう趣旨を地方公共団体に十分徹底いたしまして、この法律改正の実効が上がるように指導をしてまいりたいと考えております。
○三木忠雄君 東京都にもあるいは区にもいろんな言い分はあろうと思うんです。その区域に住んでいる住民との関係もいろいろあろうと思いますけれども、やはりこの法律それから条例、宅地開発の指導要綱も私、五、六年前に指摘をして、いろいろ自治省に総点検もやってもらったこともあります。やはりそういう法律はできるけれども、条例でいろいろ縛られまして、民活だ民活だといっても、先ほども意見がありましたけれども、やはりそういう審査でなかなかやりづらい、こういう問題が実は多いんです。こういう点について、基準法が改正されて、地方自治体の条例の改定、作成等の問題についてもよく連携を密にして指導いただいて、民間業者がこの建築基準法改正によって三階建てをやろうという意欲をそがないような形にしていただきたいということを要望しておきたいと思うんですけれども、意見があったら……。
○政府委員(片山正夫君) 御趣旨を体しまして指導してまいりたいと考えております。
○三木忠雄君 それから、今度は高さ制限の問題です。この法律で十二メートルまでいいという問題もあるんですけれども、東京の環状七号線内、昨年の建設大臣は建設大臣でなかったかもしれませんけれども、昨年の総合経済対策の中で、東京の環状七号線内、山手線の中は用途変更をやろうというような、そういうふうな対策が打ち出されて、一種住居専用地域から二種に変えようというような対策が行われたわけですね。この状況はどういうふうなぐあいになっているのですか、まずお伺いしたいと思います。
○政府委員(北村廣太郎君) まず現状から申し上げますと、六十一年の三月三十一日現在で環七区域内の一種住専は総計二千四百二十六ヘクタール、用途地域に対する割合でいいますと八・二%でございます。現在見直し中でございまして、ただいままで環七内で見直しましたのは四地区、十四ヘクタール、これを一種から二種に転換しております。二十三区内で申しますと五十八年以来百一ヘクタールの見直しが行われておりますが、環七区域内では四地区、十四ヘクタール、ただいま見直し中のものがさらにいろいろございまして、全体としての方針といたしましては、東京都の方で現地と子細に今御相談中でございます。
○三木忠雄君 総理がかけ声がけたこの環七問題はなかなかやりづらいといういろんな問題があるのでしょう。やはり道路の予算だとか下水道の予算だとか、そういう問題が建設省の内部にもあるのじゃないですか、どうですか。
○政府委員(北村廣太郎君) 具体的な箇所ごとの検討は東京都と区の方で行っておいていただいておりますけれども、一般的には、現在の一種住専の区域内の道路、下水道等についてはやはりある程度ゆとりがございます。しかし、これを全部二種住専に切りかえるということになりますと、ある程度道路なり下水道なりの手当てが必要だということになってまいりまして、これはやはり個別的に判断する以外にないということでございまして、先ほど申したとおり、ただいま都と区においてその辺を協議中ということでございます。
○三木忠雄君 これは検討中、いろいろやっているものですから、私はどうも責めるわけじゃないんですけれども、例えば一種から二種に全部変えた場合に道路とか下水道で一兆六千億ぐらいかかると、こういうぐらいの予算になるのですか。何か新聞報道によると、建設省でそういうふうな費用が必要であるという、そういう問題も含んでなかなかこの一種から二種にこれはできないのかどうか、そこらの問題どうなんですか。
○政府委員(北村廣太郎君) ただいまお尋ねの新聞報道は、二十二日金曜日の日経及び朝日新聞に掲載されました新聞記事かと思うわけでございます。実は、これは私どもで自民党の規制緩和の小委員会に対しましてはんの試算として提出した資料でございまして、これはこのような方法で試算したものでございます。 一種住専、これは渋谷区の松濤町でございますが、これを例にとりますと、現実問題としてヘクタール当たり百四十九人の方々が住んでいらっしゃるわけでございます。一方、二種住専で高度利用を図られます代表といたしまして北区の赤羽台を取り上げてみました。これは現実問題としてヘクタール当たり三百二十四人の方が住んでいらっしゃいます。 したがいまして、一種住専の典型的なものとしてヘクタール当たり百五十人、二種住専の高度利用を図られた地区としてヘクタール当たり三百人と試算いたしますと、一種住専から二種住専に指定がえしまして、それが最高度に使われたものといたしまして約百五十人くらいの人間がヘクタール当たりふえるのではないか。そういたしますと、環七以内の一種住専の総面積、先ほど申しました二千四百二十ヘクタール余り、これに対しまして百五十人を掛けますと三十六万人の増加が最終的には見込まれる。これを交通量として、これも非常にラフな計算でございますけれども、現況の混雑率〇・九五四、若干ゆとりがあるわけでございますが、これが一・〇五一に三十六万人ふえれば道路の場合ですと混雑率が高まる。 これを現況までに引き戻すための公共投資ということでございまして、これも非常にまたラフな計算でございますが、今までの東京都の二車線の道路を四車線に変更する場合の経費として、キロメートル当たり百二十億円という数字が実際の数字として出ております。これをこの混雑率の緩和、一・〇五一を〇・九五四に引き戻すためにどのくらい二車を四車に拡幅する必要があるか、これは非常に単純なる計算でございますが、それを百二十二キロメートルと試算いたしますと、ただいまお話にもちょっとございました一兆四千六百四十億円ほど要るというような一応の試算になるわけでございます。ただ、これは非常に前提がいろいろございまして、単純計算でございまして、現在ゆとりがあるかどうかという検討を全くしておりません。 それからもう一つは、一種を二種に変更いたしましても、例えば松濤町を二種に変更いたしましても、直ちに赤羽台の団地のような四階建ての団地に変更するわけでもございませんのは、現実問題としては都と区で話し合いしながら、どの程度手を入れればいいのか、現状ゆとりがあるのか、あるいは土地の所有権の移転の状況や高度利用の状況等を見ながら適宜適切に転換を図ってまいりたいということで、現在都の方とお話しというか、基本的な立場を同じゅうするものでございます。
○三木忠雄君 きょうは時間も限られておりますので、そんな深くは伺えないのですけれども、これは何年かかけて一種を二種に全部最終的には変えていくという方向で建設省は指導していくつもりですか。
○政府委員(北村廣太郎君) 基本的には東京都とそのような立場でお話し合いしております。
○三木忠雄君 それでは、次に容積の問題です。今回の法律改正で容積の見直しは行われていない。道路の拡幅等の問題については一部、斜線制限等の問題について行われていますけれども、容積の見直しというような問題については行われていない。この点についてはいかがですか。
○政府委員(片山正夫君) 今回の容積率制限の改正の問題につきましては、従来の一般的な容積率制限が、地区内におきます建築物の容積の総量と道路とか下水道等の公共施設との均衡を保持するためにそういう容積率制限を一律に課しているところでありまして、今回の改正は、この一律の規制によった際に場合によっては生じます不合理な面を排除することのできるきめ細かな制限とするために今回改正を行ったところでございます。したがいまして、容積率そのものの数字については、今回はさわっておりません。
○三木忠雄君 これは一、二の私の意見ですけれども、道路を例えば認定されますね。道路に取られるというところについて、例えば用地を道路に提供しなきゃならないとセットバックして建てますね。そうすると、道路に取られるところの分もやはり容積比に何か勘案できるような形に容積を拡大できるようなことはできないのか、これが第一点。 もう一つは角地です。角地は一面道路だけの容積比になっていますので、防火上とかいろんな問題から考えても、角地の場合はもう少し容積比を——建べい率は見直して拡大していますけれども、容積比は角地の場合見直していませんね。ここらの問題は検討されていいのじゃないかと、こういうふうに考えるんです。特に市街地区域とか限定した地域の問題、道路との関係を見直した場合にやはり容積の見直しというものも検討していいのじゃないかと私は思うんですけれども、どうでしょうか。
○政府委員(片山正夫君) まず御提案の、計画道路にかかります敷地部分も容積率を算定します際の敷地の面積の方へ考慮する、この場合、計画道路の存在を前提にしまして建築物をつくりますときは、将来その計画道路にかかっている敷地部分は道路になってしまうわけでありますのは、そのことをあらかじめ見込んで算定いたしますと将来において障害が生じる、こういうことで、そのことにつきましてはなかなか難しい点があろうかと思っております。しかしながら、計画道路に面しております、あるいはかかっております敷地につきましては、その有効利用がなかなか図りがたいという点が従来ございましたが、先般、建築物の敷地が計画道路に接する場合につきまして、その場合の特例措置、道路は現在はないけれども、計画道路ありきということでもって計画することができるというような特例措置を、五十九年の四月でありますけれども、通達によってそういう措置を講じたところであります。また、角地の容積率制限については、御指摘のように建ぺい率につきましては特例がございますが、容積率については特段の特例規定は設けておりません。ただ、その場合、容積率の算定につきましては広い方の道路を軸にしておやりなさいというような扱いにしておりますのは、それ以上の容積率の割り増しは現在のところは考えていないわけでございます。
○三木忠雄君 これはよく検討していただきたいと思います。 もう一つ、これはこの法律と関係ない問題ですけれども、東京都内あるいは市街地区域、いろいろ歩いておりますと、最近大きなビルが悪臭を放つようないろんな問題があるわけです。これはやはり下水との関係があるのじゃないか、こう言う専門家もいるわけです。現にそういうこともあり、私も実態知っているわけです。 したがって、容積をどの程度にするか問題は別にしまして、やはり下水処理の問題で、東京都なんかの場合は大型ビルに対しては貯水槽を設けて、これは私の意見ですから答弁は何も要求しておりませんけれども、そういう貯水槽で一たんためて時間差放流をして下水処理をやっていくという形にしていきませんと、例えばホテル周辺だとか一つの会館とか、そういうのに人がわっと集まってくると、一挙にトイレに行くとかそういうことがあって、ためがあふれて臭気を放ってくるとか、いろんな問題があって、実は大型ビルにいろいろ問題があると建築専門家はよく言っているわけです。東京なんかは大きなビルについてそういう貯水槽を設けて時間差放流できるように、下水処理の間に合わないところはそういうふうな形を条例なんかで指導しているというところもある。 したがって、全国の市街地、そういうところの下水処理がなかなか進んでいないところについて、やはりこういう問題は検討しなきゃいけないのじゃないか。悪臭を放つのは、そこにも発生源いろいろあるでしょうけれども、そういう建築の下水処理との関係が非常にあるのじゃないかという問題が提起をされているわけです、都市の環境の問題から。この点について建設大臣、答弁でも感想でもいいですから、意見があれば伺っておきたいと思うんです。
○政府委員(片山正夫君) 下水道の容量の非常にきついところに大規模の建築物をつくりますときは、やはりそういう問題がございます。現在のところそれに関する特段の法的の設置義務規定というのは設けておりませんけれども、そういう大規模の建築物ができますときは、当然のことながら、下水道管理者とそれから建築行政部門で十分相談をいたしまして、必要なそういうバッファーの装置をつくるというような指導を行政側からしておるところであります。なお、その場合、そういう大きなバッファーを設けますこと自体なかなか今度は環境の問題にも影響してまいりますので、そういうことにつきましては、今後技術開発等いろいろ研究してまいりたいと考えております。
○三木忠雄君 時間が来ましたが、建設大臣、この間も浅草の地下鉄の地下街のビルから悪臭を放って困ったと新聞にも出ているわけですね。こういう問題は、発生源をいろいろ調べてみると、下水処理との関係あるいは下水処理が間に合わないという都市再開発との問題を含めて、いろいろこういう問題が今後起こってくるのじゃないか。建てかえも始まっておりますし、大規模の民間開発も始まっておりますから、こういう点についてよく留意をされて研究をしていただきたい、こう要請をしておきたいと思うんです。建設大臣の所感を伺って、終わりたいと思います。
○国務大臣(天野光晴君) ごもっともだと思います。技術的に非常に難しい点もあるかもしれませんが、今日のように科学技術の進歩している時代でもありますから、そういう点積極的に検討してみたいと思います。
○上田耕一郎君 この建築基準法の一部改正は、性質の異なる二つの規制緩和、プラスとマイナスが抱き合わせになっていると思うんです。一つ、三階建てが可能になることなどの木造建築物の規制緩和は、国民がもっと広い住宅を欲しいという要求にもこたえますし、木材需要の拡大にもつながるので、私たちもプラスの規制緩和で賛成なんですが、もう一つの容積率の割り増し並びに規制緩和、これはやっぱり中曽根民活に直結するもので、非常に大きな問題をはらんでおると思うんです。 中曽根首相が都心の高度規制見直しを指示したのは、調べてみますと五十八年三月二十九日で、建設省の丸山次官が首相のところへ民間活力問題の検討状況の報告に行った際に指示したんですね。これは五十八年の三月です。それで、建設省がそれに応じて七月に「規制の緩和等による都市開発の促進方策」というものをつくられた、これから始まっているんですね。この建設省の促進方策の中には、環七以内の一種住専を二種住専にすると首相指示が盛り込まれておる。それから、容積率の緩和などにも触れてあり、調べてみますと、それ以来建設省が都市計画、建築規制の緩和をずっと行っています。 五十九年は特定街区の容積率割り増しの都市局長通達など三本、今お話しの四月には計画道路を前面道路とみなす容積率制限緩和、この住宅局長通達も出ている。昭和六十年は六本、六十一年は七本、六十二年、ことしになってからも市街化区域の人口密度要件引き下げ都市局長通達を初め、もう三つ出ているということで、ずっと取り組まれてきているわけです。 今度の建築基準法改正で容積率の割り増しという形の規制緩和が盛り込まれてきているわけです。私は、ただ建設省は首相指示でこういうことをずっとおやりになっているのだが、同時に非常におもしろく思いましたのは、建設省がことしの二月「より良いまちづくりをめざして都市計画・建築規制における規制の見直しについて」というパンフレットをお出しになった。これは読んでみますとなかなかいいですね。どうも良心と命令の間でいろいろ苦しんでおられるような感じも実際にします。 例えば、これは「基本的考え方」の冒頭です。こういう「都市計画・建築規制」というのは「事業活動や経済活動に対する産業・経済的統制とは異なって、単に自由な民間活動の確保という観点からのみそのあり方を論ずるべきではない。」というところから始められて、だから「良好な都市環境の保全・形成や都市の安全性・防災性の確保といった公共的目的を損なわないように配慮」しなきゃならぬ。だから「都市環境や居住水準の改善、向上に資するものでなければならない」、先進資本主義諸国ではこういう無秩序な市場原理に任せないように「土地利用に強力な公的介入を行っている」ということを挙げて、この次がおもしろいんですね。だから「一律の規制緩和、規制撤廃措置を行うよりは、個々の優良なプロジェクトに対して規制を緩和する個別優遇措置を講じることを原則」とする、こう書かれているんです。 私は、この限りでは建設省の「基本的考え方」というのは大変健全だと思うんです。ところが、今度のは個々の優良プロジェクトに対する規制緩和じゃなくて、例えば道路前面に関する割り増し措置等々、その部分に関しては一律の規制緩和、容積率緩和措置をとっておられるのだが、非常に矛盾していると思うんだけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(片山正夫君) 今回の道路幅員によります容積率の算定の改正の趣旨でありますけれども、道路の容積率の制限は二つの事項がございまして、一つは都市計画でもって定められたその地域の容積率が一つございまして、その範囲内でかつ狭い道路に接しております場合は、その狭い道路の影響を考慮して、さらに低いところの数字を決めると、こういう仕組みになっております。 今回の改正をいたしました点は、その道路幅員による制限を、広い道路の影響を受ける分だけ、つまりいい方向に影響を受ける分だけ結果として緩和になりますが、その地域にかけられている容積率そのものは突破できない。したがいまして、この冊子にあります良好なプロジェクトの容積率緩和というのは、そういう地域に一律に課している容積率より、良好なプロジェクトの場合についてはさらに上乗せします、こういう緩和でありますから、性格がこれは違うわけでありまして、今回の道路幅員容積率による制限の改正というのは、当初法が予定している趣旨の水準を保っているということであります。
○上田耕一郎君 個々のプロジェクトに対するものではなくて、その計画道路、十五メートル以上の部分に関して一律にやったのだ、そう私は思うんです。これは少し後でもやりますけれども、用途地域の緩和問題でも、今同僚委員から東京の問題について触れられましたが、東京都は今用途地域のかなり全面的な見直し中なんですね。先ほど局長からも四区域について進んでいる話がありました。 一種住専、二種住専で、東京都の場合はこういう問題も生まれているんです。「東京における土地利用に関する基本方針について」、これを二十三区それぞれ意見を徴したわけです。そうすると、例えば新宿や目黒、これは「環七以内の住宅地については」「引き続き環境の良好な低層住宅地として保全するよう修正されたい」という意見が新宿、目黒から出ている。練馬も、「土地利用のあり方を、環七を基準にして検討することについては、慎重に対処されたい」、つまり中曽根首相の指示には反対なんですね。今局長は、東京都、自治体といろいろ相談、協議してと、実際には一種住専、二種住専全部やる基本方針のような話をされましたけれども、既に新宿、目黒、練馬などから、東京都について基本的には反対なんだ、もっと慎重にやれという意見が出てきているんですよ。だから東京都も「地区計画などにより」という文章を加えたという経過があるんですね。こういうふうに地元の一番責任を持っておる自治体がこういう問題について批判、反対を始めているということがある。 〔委員長退席、理事大森昭君着席〕 先ほど、建設省の一兆六千億円の道路並びに下水道についての追加投資が必要だというこの問題が出て、質問がありましたけれども、日経の報道は「環七の内側、第二種住専にしても 民活効果は疑問 建設省」という見出しなんですね。建設省が民活効果に対して疑問を提示したと、そう受け取られるのはお嫌いかどうかわかりませんけれども、しかしああいう数字が出ますと、これはやはり首相の指示で、こうやっていくと結果はこういう問題が出るぞということを皆さん方が試算にしても出すことは、僕はやっぱり役に立つことだと思う。腰抜け問題でいろいろありましたけれども、ただ指示があったら、それっというのじゃなくて、もしその指示を実行したら一体どうなるのか、それから国民や都民にとってその結果がどういうことになるのかというのを、少なくとも皆さん方はこういうことで勇気を持って出していく仕事はぜひやっていただきたいと、そう私思います。そういう問題があっても、一種住専、二種住専、全部大体基本的に切りかえると先ほど局長答弁されたけれども、やるおつもりなんですか。
○政府委員(北村廣太郎君) 基本的な方向としては、現在の東京の実情を見ますと、中心部からどんどん住民が減っている。やはりこれは区の自治体側あるいは町内会というような小さい単位のコミュニティーにとっても大きな問題だと住民そのものが受けとめられているわけでございます。そういうことで、いわゆる遠距離通勤者をなくし、職住接近を図るためにも、あるいは地域の社会の活力を維持するためにも、都心部に住民をとどめたい。これはやはり都ばかりでなくて、区あるいはただいま申しました町内等の願いでございますので、それをどういう形で実現していこうかと、これが基本であろうかと存じます。 一種住専、二種住専の転換の問題というのは、全体的な枠組みの中で、町づくりの中で検討していくべき問題だと思います。私どもとしても、基本的に都心部の人口問題、居住問題を解決するためには土地の高度利用というのが必要だ、事務所あるいは商店と住居との併存ということが必要だと考えておりますので、大きな町づくりの中で検討していくべき問題だと考えております。その場合に、今の一種住専をそのまま置いておいて全体の町づくりというわけにはいきませんので、やはり環七の区域内については見直しが必要かと。しかし、これは直ちに全面的にということじゃなくて、その地元の区も含めました庄民の基本的な同意というか、御賛意が必要かと思う次第でございます。
○上田耕一郎君 今度の容積率の割り増し問題も、こういう用途地域の見直し問題ともつながって、東京は地価高騰も大変ありますので、一つのこの問題だけ見たら、先ほど住宅局長が非常に弁護されたけれども、一見大したことないようでも、そういういろんな複合的な要素がつながって大変なことになりかねないんです。 今度のは、幅員十五メートル以上の道路より延長七十メートル以内で幅員六メートル以上の前面道路につながっている場合、延長に応じて容積率の割り増しをするというのでしょう。容積率の限度そのものは変えないから大丈夫だとおっしゃいますけれども、図を見ますとやっぱりかなりふえますね。そうなってくると、路地裏とまで言わないでも、幅員六メートルというと二車線ぐらいでしょう。そういう生活道路のところでもうちょっと高くやれる。ところが、マンション問題では、一階でもこれは日照権問題等々で住民との紛争になるんです。これはもう皆さんよく御存じなんですね。 今度の容積率の割り増しは、いわゆる幅員六メートルという生活道路の両側の地域で、計画道路の裏側ですね、ここのところでやっぱりマンション建設等々で地価高騰にもつながりかねないということを我々は恐れるわけです。 私先ほど評価した皆さん方のパンフレット「より良いまちづくりをめざして」には、容積率緩和問題についても触れています。やはりここでも、問題があるので、優良プロジェクトに対して個別措置をやると書いてある。どういう問題が起きるかというと、一は、「道路、下水道等の公共施設の容量とのアンバランスが一層顕著になる。」、先ほど言われました、人数がふえ、余裕がないとアンバランスになる、それがまず第一です。二は、「日照、通風、採光等の面で環境悪化が生じ、周辺住民との紛争が頻発する。」と、こう書いてある。三番目に、「地価の高騰に拍車をかけるおそれがある。」、四、「利用可能容積率に対して、既利用容積率は、東京都区部内でも約四割にすぎない。」、まだ六割も利用されてないところがあるのだということを書かれているんですよ。私は、これはなかなか正確な指摘だと思うんです。こういう指摘があるのに、なぜ今度こういうふうにしたのか。 それから、道路幅員、例えば幅員十五メートルと書いてあるのだけれども、先ほどの局長通達に従うと、これは計画道路でもやはりいいんですか。このこともついでにお伺いしておきます。
○政府委員(片山正夫君) 御指摘の中にありました指定容積率の四割相当しか使用がされていないということのやはり大きな問題は、道路幅員による容積率の規定が働いていることも入っております。 〔理事大森昭君退席、委員長着席〕 道路幅員による容積率規定の主たるねらいは、その敷地の面します前面道路の複雑さ、そういうことを専ら考慮するための規定でありまして、その地域全体の容積の問題は都市計画で指定された容積率の方でもって対応をする、そういうことでありますので、先ほど御説明申し上げましたように、上限が指定容積率を上回ること、これは絶対できない、こういうわけでありまして、さらに広幅員道路の影響下というときに、従来道路幅員容積率の規定がかかりますのは十二メートル以下の場合にかかるわけですけれども、今回広幅員道路を十二メートルじゃなくて十五メートルと、安全性をさらにそこに見込みまして改正をしているという点、そういうこともございますので、そのことが即地域全体の環境の悪化につながることにはならないと私は考えるわけであります。 それから、計画道路の関係につきましては、これは適用できません。
○上田耕一郎君 環境悪化につながらないと言われましたが、今度の法案は建築審議会の答申に基づいているんですね。この建築審議会の容積率のところの答申の中身を見ますと、環境問題をよくすることなんか何も書いてない。とにかく「建築物の外部空間の質の向上と土地の多様な高度利用」「計画上の一体性・連続性の実現」と書いてあるだけで、その地域の環境の問題については何に、も書いてないんですよ。 それから、そういう要求が不動産業者や民間デベロッパーから出ていることは、日本建設業団体連合会、ことしの三月十六日、「昭和六十一年度民間活力活用促進委員会の活動報告書」というのが出ていまして、「形態規制等一般」、十二ページ、十三ページ、ここにあります。「前面道路の幅員による容積率制限を改める。例えば、狭隘道路においては壁面後退により道路幅による制限を緩和すること」、こういう業界団体の要望に直結した改正だと言わざるを得ないと思うんです。 皆さん方は、こういう制限緩和が地上げ屋の一層の横行、それによる地価高騰、こういうものと直結する危険はないとどこで保証するのか。局長いろいろ言われましたけれども、この容積率の制限緩和が、マンション建設なんかについてもさらに新しい条項を生み出すわけなんです。だからこそ、この日本建設業団体連合会が形態規制、容積率の緩和の冒頭に「前面道路の幅員による容積率制限を改める」、「狭陸道路においては壁面後退により道路幅による制限を緩和すること」という要求を第一項目に挙げているんですよ。 そういう業界の第一項目に挙げている容積率緩和そのものを建築審議会の答申という形で法案として出してきた。これは僕は、やっぱり東京都全体の都市問題にとって非常に重大な問題になるし、地価高騰に直結せざるを得ないと思うんですが、この問題について局長と、もう時間もございま世んので、建設大臣の答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(片山正夫君) 今回の道路幅員によります容積率の緩和の規定の改正は、御指摘の中にもありました建築審議会の答申を受けましてやったものであります。この建築審議会の場におきまして答申がなされましたのは六十一年の十二月十日でありますけれども、この案件を審議会に諮問申し上げましたのが五十九年の三月でありまして、そのときから審議会の中の専門委員会におきましてそういういろいろな案がこれは主として学識経験者の方から出まして、これは審議の過程をお調べいただくとおわかりかと思いますけれども、そういう方の御提案がありまして、それをベースにこれらの答申がつくられている過程で業界団体の方もその話を聞きまして、これは大変業界団体としても賛成するところであるというので、その審議会の答申を迫に業界団体がバックアップする、学識経験者の提案になる事項を業界団体が、ああこれはと、こういう経緯でこの答申がなされたわけであります。業界団体の意向を受けて審議会がその中に規定を盛り込んだと、こういうことではございません。
○国務大臣(天野光晴君) 今回の改正は、やはり近年の土地の高度利用の傾向を配慮しづつ建築計画と市街地環境の調和を図ることを目的としておるものでありまして、これにより土地の有効な利用と良好な市街地の形成が図られるという考え方で提案しているわけでございますので、御理解願えればありがたいと思います。
○上田耕一郎君 終わります。
○青木茂君 東京の都区部では七〇%が準防火であるということになりますと、実際問題としては今までは三階建てというのは不可能であったわけですね。準防火に今まで三階建てを認めなかった理由はまずどういうことだったんでしょうか。
○政府委員(片山正夫君) 従来の木造建築の技術というのは軸組み構法を主体にいたしまして、それから一般的には真壁構造でもって、場合によりましては外壁に木を張る、こういうような工法が当初規定をつくりましたときの一般的に普及していた工法でありました。そういう工法構造のものが市街地に連檐をいたしましたときには、これは一たん発火いたしましたときに急速に延焼が進む、そういうことでもって、特に三階建てになりますと火源も高いところにも発生することにもなり、そのこと自体はいわゆる火源面積が大変大きく高く広がる、このことによりまして逆に受けます方の建築物に対する輻射熱が大変大きくなる、こういうこともありまして三階建ては禁止をしていたということでございます。
○青木茂君 そういう禁止の理由が今回の改正でクリアされたのかどうか。特に、耐震性だとか安全性だとか火災の問題だとか、そういう問題でもう大丈夫だというところまでクリアされたかどうかということなんですね。それをちょっとお伺いしたい。
○政府委員(片山正夫君) その後、建築の材料でありますとか工法がいろんなものが出てまいりまして、その中でかなり単価が安くて一般的に普及している材料で、かつ防火性能の高いもの、例えば石こうボード、そういうものが市場に出まして、またそれをうまく使う工法等もまた普及してまいりました。そういう側面が一つあること。 それからもう一点、延焼理論の方の解明が随分進みまして、燃える、燃えないという議論よりも、できるだけ遅く燃えることも意義あることだというような、そういう理論も出てまいりました。したがいまして、例えば隣地から離せば離すほど輻射熱も少なくなってくる。隣地に近づけば、例えば開口部は小さくしなさいというようなことも大変効果がある。外国の方の場合での防火理論の中でも、そういう延焼の時間の問題でもって規制をするというような理論もとられているところもございますので、単に燃える、燃ないだけの議論じゃなくて、もう少しそういう科学的な根拠に基づいた対応をした方がよろしいのじゃないか、こういうことで、今回そういうことをベースに三階建てを可能とすることであります。
○青木茂君 耐震性はどうなんですか。
○政府委員(片山正夫君) 通常の木造住宅の三階建てにつきましては、耐震性の問題はございません。準防火、防火だけ規制しておりますから、それ以外の地域では建てられることになっております。ただ、その場合、念のため構造計算をして安全性をチェックしなさいということは、従来の軸組み構法にもそのように規制をしているところであります。 さらに、今回の改正の中にありますもう一つの、大規模の建築物の十三メートル、九メートルは、確かにこれは耐震性の問題がございます。従来の軸組み構法の場合ですと、通常の場合は、三階を超えますと大変これは構造安全上問題が生じる。神社仏閣等、非常に特別な使い方をすれば、これはまた別なわけでありますけれども、そういうことで通常考えられている大工さんが行う工法では三階建てが限度で、そのことを考慮しまして軒高力メートル、絶対高十三メートル、こういう制限を課していたところなんです。 しかしながら、いろいろ御説明の中でも申し上げておりますけれども、大規模の大断面集成材というのは、これは非常に材質的にも強度がありますし、それから時間がたちましても変形をしてこない、こういう非常にすぐれた資質がありますし、それから製造の過程でもっていろいろ自由に曲率もつくることができるということで、非常にすぐれた性能があります。そういうものでありますので、今回それにつきましては十三メートル、九メートルをとることにしたのですが、なおその場合におきましても、通常の場合ですと構造計算という強度計算だけで済む形にしておりますけれども、さらに技術的には、二次設計と称しておりますけれども、ねじれとか偏心率とか剛性率とか、そういう難しい計算も行って安全性をチェックすることにしております。
○青木茂君 私は非常に軽い高所恐怖症であるので余計心配するのかもしれませんけれども、そうすると、三階建てについて耐震上の心配というのはないわけですね。 次に移ります。 この前私は、きょうも問題が出ているように、一種と二種の区別というのは何が何だかよくわからぬ点があるというようなことを申したのですけど、それと同じように、準防火というものを中心にしましてその前後、防火あるいはこれは一般というのですか、その区別というものの基準はどこにあるのだろうか。これはどうなんでしょうか。
○政府委員(北村廣太郎君) 防火、準防火も、基本的には大都市部あるいは都市部の大火事を防止しようということでございますので、必要な範囲はこれをかけるという方針でいるわけでございます。 防火地域につきましてはいわば官庁街、ビジネス街、それから商店街というようなものにかけまして、準防火は住宅街というふうに一般的に御理解いただければよろしいのではないかと思うわけでございます。 ただ、その線はどこかということになりますと、防火は原則として容積率が四〇〇%以上の区域についてかけまして、準防火は建ぺい率が原則として防火地域以外の地域のうち五〇%以上の区域。そうなりますと、外れます延べい率五〇%未満の区域というのは非常にばらっとと言うとおかしゅうございますけれども、かなりゆとりのある住宅地。そういうようなことを除きましては防火、準防火という考え方でやっておるわけでございます。
○青木茂君 それから、もう一つ心配になるのは、今度三階建てが認められる。法律的にはそれでいいのだけれども、何といったって、まだはっきりPRがなされておるわけでもないし一般的に普及されてませんから、法律的によくても、いざ建てるというときに隣家とのトラブルが出てくるんじゃないか。そういう隣家との私的なトラブルが出てきた場合は、これは行政としてはお互い同士で決めなさいということになるんですか。つまり、行政としてノータッチであるかどうか。それに少しいちゃもんをつけた人に行政上のPRをする気があるかどうかということなんです。
○政府委員(片山正夫君) 今回の改正で三階建てをオーケーにいたしましても、その余のいろいろな規制がございます。例えば一種住専、二種住専につきましては北側斜線という、五メートル立ち上がりまして勾配一・二五でしたか、そういう勾配でもってその中に建物をおさめなさいとか、あるいは日影規制という規定もございます。それから、隣地斜線制限というような、そういういろいろの相隣関係に関します規定がございます。それらは全然変わっておりませんので、そういうことでもって十分環境が担保されるわけであります。 ただ、いろいろ私人間の権利の争いの問題につきましては、建築基準法というのは公法規制でございますので、そこまでは立ち至ることにはなりませんですけれども、そういう公法関係としましては、十分にその中身を周知させまして、適法の状況になるようには努力してまいるつもりでございます。
○青木茂君 そうすると、その法律規制を守っている以上は建てた方が強いと一般的には言えるわけですね。まあ、それはいいです。 それからもう一つは、今度上へ伸ばすことは非常にいいことで、私は大賛成なんです。同時に、土地事情を考えますと、下へ掘ることも、これは大切なんじゃないか。基準法上やっぱり下へ伸ばすのは原則ノーですね。その理由はどこにあるんですか。
○政府委員(片山正夫君) 建築基準法におきまして地下室の制限規定としましては、住宅でありますとか学校の教室でありますとか、それから病院の病室、そういうものを地下に設ける場合につきましては衛生上の措置をすることにしております。 例えば前面に空堀を設けるようなことをしなさいとか、あるいは極端な場合につきましては換気でありますとか防湿、特に換気の問題というのは、酸欠の状況というのがなかなか一般家庭ではよくわからないところで、程度の問題がはっきりしませんで非常に怖い話でありまして、そういうことを考慮しまして、住宅の居室、学校の教室、病院の病室、そういうものに限りましては衛生上の措置を行いなさい、こういう規定にしております。ですから、その余の問題につきましては特段触れてないわけで自由なわけでありますけれども、その規定自身というのは、やはり国民の健康の保護という観点から、これは絶対に必要なものだろうと考えております。 ただ、実際それが普通の事務所街の事務所ビルなんかの場合ですと大変大規模に地下室が利用されていますけれども、住宅の場合はなかなか利用されておりません。これはやはりそういう衛生上の最小隈の措置をしてくれということで、例えば機械換気のところの措置をします場合は、これは常時安全性をもって運転されなくちゃいけないというようなことで大変お金がかかってくることになりますので、地下室にすること自体のお金も高いですけれども、そういうメンテナンスを含めた機械装置のお金が大変かかるということで、余りそういうのは見かけない。ですから、空堀を設けたというようなことなんかの場合についてはオーケーになっておりますので、そういう状況になっております。
○青木茂君 これからの土地利用という点についても効果があるわけだから、できるだけ地下へ掘り下げるということも、規制もさることながら、これはあるいはお金がかかれば融資面において少し配慮するとか、いろいろな対策をお考えいただきたいというふうに考えております。 最後に、大臣にお伺いしたいんですけれども、これは前もってお知らせ申し上げなかったから全くの御感想でいいのですけれども、民活ブームということでもって、民活ということが言われ出してからいろいろな施策が出てきたわけなんです。初めにどうも民活ありきというより、建設関係独自の問題として、仮に民活ブームが去った後でも国民の住宅の確保拡充、そのためにちょうど今と同じような前向きの努力を民間と無関係にどんどん進めていただきたい、そういうことを私としてはお願いをしたいと思うわけなんですけれども、最後に大臣の御感想を伺って終わりにします。
○国務大臣(天野光晴君) 民活問題については私も相当意見があるんですが、きょうはその問題でもありませんから意見は述べておりませんが、先生のお話につきましては十分に検討をして努力いたしてまいりたいと思います。
○委員長(鈴木和美君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木和美君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、建築基準法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 近年、大企業、外国資本が本社機能の東京への集中により、東京を中心として地価高騰が激化し、それを背景に悪質な底地買いや投機的な土地買い占めが横行しています。中曽根内閣の民活路線のもとで進められている一連の容積率制限の緩和は、東京への集中を容認し、土地投機の意欲をさらに強めるものです。道路幅員に応じた容積率の緩和、壁面線指定による容積率の緩和、第一種住居専用地域における高さ制限の緩和、道路斜線制限の緩和を図る本法案は、不動産業界や大手ゼネコンなど大企業の利潤拡大の要求に奉仕する中曽根民活の一環であり、地価高騰の火に油を注ぐものと断ぜざるを得ません。本法案は、前面道路の狭い土地にまでより大きな建物の建築を認めるなどにより、用途地域の見直しなどとも結びついて、底地買い、土地投機をさらに拡大し、地域社会崩壊の進行と東京の一層の過密化に道を開くものであり、容認できないものです。 木造建築物の高さ制限の緩和、準防火地域内での一定の要件を満たす木造三階建ての建築の許容など木造建築物に係る制限の緩和は、木造建築技術の前進を背景にして、少しでも広い住宅を求める国民の要求の反映という側面を持ち、また木材需要の拡大にもつながるので賛成です。同時に、消防設備の拡充など都市防災機能の強化や木造住宅に対する公庫融資拡充などの木材需要拡大策もあわせて推進すべきであることを付言しておくものであります。 本法案は、以上のような相異なる内容を持つものですが、容積率の緩和がもたらす大都市の地価高騰、極度の過密化は極めて重大であり、国民の住宅建築意欲をも抑制するものであるので、全体として反対であることを表明して討論を終わります。
○委員長(鈴木和美君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木和美君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 建築基準法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木和美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、大森君から発言を求められておりますので、これを許します。大森君。
○大森昭君 私は、ただいま可決されました建築基準法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公町党・国民会議、民社党・国民連合及びサラリーマン新党・参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 建築基準法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、木造建築物の制限の改正については、安全性が十分に確保されるよう措置するとともに、良質な木造建築物の普及を図るため、地域の優良工務店の育成等関係業界等に対する指導、啓蒙に努めること。 二、容積率制限及び道路斜線制限等の改正については、良好な市街地環境が確保されるよう、地方公共団体と緊密な連携を図り、適切な執行に努めること。 三、第一種住居専用地域における十二メートルの高さ制限地区の指定に当たっては、地元住民の意向を踏まえ、地域の実情に十分配慮すること。 四、市街地内において土地の適切な高度利用が計画的に進むよう、都市基盤施設の整備の促 進に努めること。 右決議する。 以上であります。何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(鈴木和美君) ただいま大森君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木和美君) 多数と認めます。よって、大森君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、天野建設大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。天野建設大臣。
○国務大臣(天野光晴君) 建築基準法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御高見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。ありがとうございました。
○委員長(鈴木和美君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木和美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(鈴木和美君) 次に、建設業法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。天野建設大臣。
○国務大臣(天野光晴君) ただいま議題となりました建設業法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 近年の建設業は、需要が低迷する中で競争が激化し、また、施工能力、資力信用に問題のある建設業者が不当に参入するなど、早急に解決しなければならない問題を抱えております。 このため、本年一月に中央建設業審議会から今後の建設産業政策のあり方についての第一次答申がなされ、これに基づき、建設業の健全な発達を促進するため、本法律案を提案するに至ったものであります。 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一に、総合的な施工技術を要する指定建設業について、特定建設業の許可を受けようとする者は、営業所ごとに国家資格の取得者等で専任の者を置くことにいたしております。 第二に、建設工事紛争審査会の特別委員の任期を一年から二年に延長することといたしております。 第三に、指定建設業に係る特定建設業者が工事現場に置く監理技術者については、国家資格の取得者等とするとともに、公共工事における現場専任制を確保するための手段として、資格者証を交付することといたしております。 第四に、技術検定について、その試験を指定機関に行わせることができることといたしております。 第五に、経営事項審査について、経営状況の分析を指定機関に行わせる等、審査の充実を図ることといたしております。 なお、この法律は、公布の日から起算して一年を経過した日から施行することといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審査の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(鈴木和美君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は明二十七日に譲ることといたします。 午後一時再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十八分休憩 —————・————— 午後一時三分開会
○委員長(鈴木和美君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、一井淳治君が委員を辞任され、その補欠として渡辺四郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(鈴木和美君) 国土利用計画法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。綿貫国土庁長官。
○国務大臣(綿貫民輔君) ただいま議題となりました国土利用計画法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 現在、地価は、全国的には安定傾向を示しておりますが、東京等一部地域においては著しい上昇が見られます。この地価高騰に対しては、土地取引の適正化と土地供給の促進の両面からの対策を進めてきたところでありますが、特に土地取引の適正化に関しては、現在国土利用計画法の届け出制の対象となっていない小規模な土地取引等についても法律上の措置を講ずる必要があります。 本法律案は、このような状況にかんがみ、地価が急激に上昇している地域等を都道府県知事が指定し、現在届け出の対象となっていない小規模な土地取引についても届け出を義務づけることができることとする等により、土地の投機的取引及び地価の高騰が国民生活に及ぼす弊害を除去するとともに、適正かつ合理的な土地利用の確保を図ろうとするものであります。 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。 第一に、都道府県知事は、地価が急激に上昇し、または上昇するおそれがあり、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域を、宝年以内の期間を定めて、監視区域として指定することができることといたしております。 第二に、都道府県知事は、監視区域を指定する場合には、当該区域において土地に関する権利の移転等の届け出を要する面積の限度を、都道府県の規則で引き下げることといたしております。 第三に、都道府県知事は、監視区域を指定した場合には、地価の動向等に関する調査を行うとともに、その調査を適正に行うため必要があると認める場合には、当該区域に所在する土地について土地売買等の契約を締結した者に対し、必要な事項について報告を求めることができることといたしております。 第四に、国等は、土地売買等の契約を締結しようとする場合には、適正な地価の形成が図られるよう配慮することといたしております。 以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決ください、ますようお願い申し上げます。
○委員長(鈴木和美君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大森昭君 現行の国土利用計画法の役割といいますか、いずれにしても土地問題というのは、単に需給関係の改善によって地価の安定を図るというオーソドックスな関係では土地対策にはならないということで、ある程度私権の大幅な制限を含む直接的な行政介入をした方がよかろうということで現在の国土法があるわけでありますが、四十九年以来十三年経過しておりますが、現行の国土法が果たした役割について、一体政府はどのようにこれを評価をしているか、まず初めに聞いておきたいと思うんです。
○政府委員(田村嘉朗君) 国土法は、御案内のように昭和四十八、九年の金融緩和等を原因といたします全国的な地価高騰を契機に制定されたわけでございますが、それ以後の情勢を見ますと、長期的に見ますと地価はおおむね安定的に推移してきた、かつ土地取引件数も落ちつきを見せておるというふうに言えると思います。 この背景といたしまして、日本経済全体が高度成長から安定成長へ移行したことが挙げられるわけでございますけれども、国土法に基づく土地取引規制制度が投機的土地取引と地価の高騰の抑制に寄与してきたということが言えるのではないかというふうに考えております。しかしながら、最近国際化等による都心部等における事務所ビル需要の急激な増大等を要因といたしまして、東京等の一部地域におきまして著しい地価上昇が生じております。こういった局地的な地価高騰に対処するために、今回の法改正におきまして、地域の実情に応じ機動的、弾力的に土地取引規制を強化できる監視区域制度を創設するということ、またこの区域内において規制の対象とならない土地取引につきまして必要に応じて報告を求める、こういうことで土地取引の変化を的確に把握いたしまして、より一層機動的な対応を行うことができるようにしたところでございます。
○大森昭君 今局長からの答弁もありましたし再三当委員会でも、今日の地価の高騰について、とりわけ東京都心部における地価の高騰についての分析は、もうおおむね異口同音と言っちゃおかしいのでありますが、大体分析されているわけです。問題は、原因はわかっているわけでありますが、果たしてそれをどうするかということについて実は余り的確な対策ができておらないというのが現状だろうと思うんですが、その中には幾つか問題を提起しているのもあるわけでありますが、最近いろいろ新聞紙上で明らかにというか、提案がいろいろな角度でされております東京湾岸の開発についての問題であります。国土庁の調べでも、その数は四十にも上るということでありますが、いずれにいたしましても、政府や民間の多彩なプロジェクトがメジロ押しの状態でありますが、これを見ましても、各省や地方公共団体、さらに民間がそれぞれ独自のプロジェクトを打ち出しておりますが、全体的に東京湾岸におけるあるべき方向といいますか、基本的にこうあるベきだということが定まっていないように思うんですが、各省を調整する立場の国土庁としては、この東京湾全体の開発のあり方として何かお考えありますか。
○政府委員(柳晃君) 先生御指摘のように、東京湾の地域につきましては、東京圏の土地問題への対応とか、あるいは国際化とか情報化の機能の付与等、さまざまなことを目的としまして、各方面からいろんなプロジェクトの構想なり計画なり、あるいは事業中のものもございますが、打ち上げられているのが実情でございます。 東京湾全体の利用の基本的な方向につきましては、昨年の六月に法律に基づきまして定めました第四次の首都圏基本計画におきまして位置づけをしております。その考え方は、東京湾地域は物流、産業、生活の各方面にわたって大変貴重な空間を提供し、また自然環境としてもかけがえのないものだという認識に立ちまして、将来におきましても貴重な内港としての特質を活用しながらその適切な保全を図ると同時に、先ほど申し上げましたような首都圏における多様な要請にこたえるため、秩序ある利用を進めるという考え方でございます。
○大森昭君 長官はいかがお考えですかね。
○国務大臣(綿貫民輔君) 東京の地価安定のためには、先ほど提案理由の御説明の中でも申し上げましたように、供給面と規制面ということでございまして、供給ということにつきまして東京湾岸の開発あるいは東京駅、汐留等の用地の問題を含めまして、さきに金丸副総理、天野建設大臣、橋本運輸大臣と私が四省庁の連絡会議というものをつくりましていろいろとその辺について協議をしておるわけでございまして、東京湾の問題につきましては、ただいま大都市圏局長からお話し申し上げましたように、今後これが適切に開発をされまして、地価安定のための供給源として有効に活用されるような方向づけをしてまいりたいと考えております。
○大森昭君 いずれにしても、いろいろ検討されていると思うのでありますが、とにかく四月一日に国土庁が公表した六十二年度の地価の公示を見ましても、とにかく東京都の平均上昇率が五三・九%、最高だった四十八年の三三・八%をはるかに上回っております。まさに狂乱地価の様相を呈していることは言うに及ばないのでありますが、また全国の平均上昇率も昨年の二・六%に比べて七・七%、一挙に三倍です。昨年まで全国的に地価は安定しているとされていましたが、今回の急激な地価暴騰の原因について、国土庁はどのように分析をしておられるのか、また特徴的な点ほどのように分析されておるのか、その把握をした点についてひとつ御説明していただきたいと思うんです。
○政府委員(田村嘉朗君) 東京都心及びその周辺におきまして非常に地価高騰現象が見られるわけでございますけれども、まず都心商業地について見ますと、よく言われておりますように、我が国経済の国際化、情報化、サービス化、こういった構造変化に伴いまして業務機能や管理機能が東京に一段と集中をしている、こういう状況のもとで東京のオフィスビル需要が非常に増大しておるわけでございます。この需要に対応するビル用地の供給がなかなか追いつかない、こういったアンバランスが地価上昇の基本的な要因であるというふうに思っております。 一方、住宅地について見ますと、比較的高度利用が可能な都心部の住宅地にビル用地需要が波及している、住宅地が業務地化しているという現象が一つございます。また、都市部でビル用地を売却した者が代替地を周辺に求める、こういうことで周辺部の比較的環境のよい住宅地で購入をする需要が増大して、この結果地価上昇が生じているというふうに考えております。さらに、こういった需要を当てにいたしまして一部業者等が手当て買いあるいは投機的な転売、こういったことで取引を活発化させておりまして、この背景には金融緩和情勢があるわけでございますが、こういった取引が地価上昇を増幅させているというふうに考えております。
○大森昭君 現在、年間の土地の取引件数は約二百万件、このうち現行の国土利用計画法による届け出件数は一割の二十万件程度、そしてこのうち指導、勧告、取り下げなどの対象となるものがそのまた一割程度に上ると大ざっぱに言われているんですが、そのとおりなのかどうか。また、これらの各件数の推移の状況はどのようになっているのか。そして、指導だとか勧告、取り下げの件数について、取引件数との比率においてどう見たらいいのか、あるいは評価していいのか。多いと見ているのか妥当と見ているのか、国土庁の見解はどうなんですか。
○政府委員(田村嘉朗君) 今先生がおっしゃいましたように、年間の土地取引件数は現在約二百万件でございまして、このうち国土法に基づく届け出等の件数がその約一割、二十万件程度でございます。このうち指導、勧告、取り下げ等の対象になっているものはさらにその一割の二万件程度という状況でございます。 経年別に見てみますと、法施行直後の五十年、この時点では大変届け出件数の割合も高こうございましたし、また指導、勧告等を受けた件数も割合高かったわけでございますが、その後は今申し上げましたような割合で推移しているわけでございます。法律の浸透とともに、この十年間の間に安定化してきておるわけでございまして、この結果、先ほど申し上げましたように、最近までは全国的に地価が非常に安定していたということで、現在のような運用が地価の安定に寄与しているのではないかというふうに思っております。
○大森昭君 いずれにしても、大変な高騰を続けているわけでありますが、四十九年制定以来初めてこの計画法の改正が提出されたわけです。そしてまた、地価高騰に対するチェックが一層厳しくされるようになっておりますが、具体的には都道府県知事が指定する監視区域内の土地取引について届け出が必要な面積を引き下げる、そしてより小規模な取引も把握ができるようになっているわけてありますが、果たしてこれで土地の高騰に歯どめをかけるということになるのかどうか。今回の改正案が提出されるに至った理由と経過について、これでいけるということなのかどうか。どうですか。
○政府委員(田村嘉朗君) まず、この法案を提出するに至りましたいきさつ、理由を申し上げますが、先ほど申し上げましたように、現在の地価高騰は、東京都心部を初めとする大都市圏の商業地にとどまらずに、周辺の住宅地にも波及しておるわけでございまして、その結果さまざまな弊害が国民生活に及んでいるわけでございます。そのための対策が緊急の課題になっているわけでございますが、この対策の根幹はやはり基本的には事務所床の供給を推進するということであろうと思いますが、これとあわせて土地取引の規制の強化をすることが必要であるというふうに思っております。 具体的な内容は、今おっしゃいましたように、また先ほど御説明申し上げましたように、地価上昇の著しい地域におきまして現在の法律で届け出の対象となっていない小規模な土地取引が非常に多いわけでございます。地価抑制のためにはこういった小規模な土地取引につきましても規制を強化する必要があるということが第一点でございます。それから、一般競争入札による国有地等の取引が地価上昇に拍車をかけるおそれがあるという指摘もございます。これに対する何らかの措置が必要であろう、こういうことで検討を進めてきたわけでございます。 昨年の春、国土庁といたしましては東京都と地価高騰対策について検討を行いまして、小規模な土地取引につきましては届け出を義務づける、当面の措置としてこれは東京都の条例を制定していただいて義務づける一方、あわせて国土利用計画法の改正も検討していこう、こういうことになったわけであります。また、国有地やその他の公有地等の土地処分につきましても、関係各省庁と調整を行ってきたところでございます。 今回の法改正は、これらの経緯を踏まえまして、国土利用計画法の届け出制の対象となっていない小規模な取引について届け出制を義務づけ、また規制ができるようになる。また、国有地等の処分につきましても配慮規定を定めて、これに基づいていろいろな措置を講じていく、こういうことがさらに推進されるわけでございまして、相当の効果がこれによって期待できるのではないかというふうに思っております。
○大森昭君 今説明ありましたように、今度の改正をされる法律によりますと、いずれにしても地価凍結というトラスチックな手法をとっている点で、許可制は社会、経済活動に与える影響が大きい反面、地価抑制に対する効果も決定的なものがあると思うんですが、現在までに規制区域が指定され、許可制が発動された実績がないと聞いているんです。せっかく制度をつくりましても、そういうものを使わなければ意味がないわけでありますが、今まで指定されない理由というのは何かあったわけですか。
○政府委員(田村嘉朗君) 御案内のように、規制区域の指定には要件が二つあるわけでございます。一つは、土地の投機的取引が相当範囲にわたって集中して行われた、あるいは行われるおそれがあるということでございます。それから二番目には、地価が急激に上昇し、あるいはそのおそれがある、こういうことを都道府県知事が認めた場合に指定できることになっているわけでございます。 規制区域が指定されますと、この区域の中での土地取引はすべて許可制になります。許可がない場合には効力が発生しないということでございますし、価格の方も指定のときの価格、それにあとは物価変動率を乗じたというふうな強い価格規制が伴うわけでございまして、非常に社会的影響が大きいその指定については慎重に対処する必要があるということであろうと思います。法施行後、最近までの地価動向あるいは土地取引の状況のもとでは、都道府県知事といたしましては規制区域を指定すべき事態には至っていなかったという判断がずっとなされてきたのだというふうに考えております。 しかし、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたような要件が満たされる場合には機動的に規制区域が指定される必要があると考えておりまして、今回東京の地価上昇に際しましても東京都といろいろ相談したわけでございますけれども、今後とも地方公共団体と密接な連絡調整を図って適切な運用を行っていけるようにしてまいりたいと思っております。
○大森昭君 今回のこの改正案の柱の一つであります小規模の土地の取引についての届け出の義務づけについては、既に東京都が土地取引適正化に関する条例を制定いたして実施しています。当初、東京は都心の五区について実施をしていたわけでありますが、現在では二十三区及び武蔵野市、三鷹市に範囲を広げており、さらに今後届け出対象面積を現在の五百平方メートルから三百平方メートルに引き下げようという動きもあるわけでありますが、今回の国の措置を先取りしておる、そしてまた実施をしておる東京都における土地取引適正化条例による土地取引規制の状況について把握しておる状況と、またその実績と効果について特段あれば、その見解を承りたいと思うんです。
○政府委員(田村嘉朗君) 東京都の条例は、先生おっしゃいましたように、現在東京都区部二十三区と武蔵野市、三鷹市において実施されておるところでございます。最初に施行されたのが昨年の十二月一日でございますけれども、その十二月から本年四月末までこの条例に基づいて処理された届け出件数は二百八十二件ございます。そのうち是正指導によりまして価格を引き下げたものあるいは取り下げたもの、これが七十九件ございます。割合にいたしますと、二八%の届け出が指導によって価格を変更したあるいは取り下げたということでございます。 事前確認については大体申請どおり受理されているわけでございますが、こういった状況から見てみますと、非常に地価抑制にこの条例は効果を発揮しているというふうに思っております。 東京都といたしましても、さらにこれは関係町村等からの要望に基づきまして、部かのほかの市にもこの施行区域を及ぼすということを検討しておりますし、また五百平米をさらに三百平米に引き下げるというふうなこともあわせて検討しているようでございまして、さらに一層この条例による効果が上がることを期待しているというふうに聞いておるわけでございます。
○大森昭君 東京都の場合は、この法案が成立した後に、また土地取引適正化条例の趣旨に沿って新しい制度がスタートすると思うんですが、東京都以外のほかの県で監視区域制度などについて導入の動きはありますか。
○政府委員(田村嘉朗君) 現在、監視区域の指定を具体的に検討している地方公共団体といたしましては神奈川県、川崎市、それから横浜市がございます。また、埼玉県、千葉県におきましても検討に着手したと聞いております。 私どもといたしましては、先般、地価の上昇が著しい地方公共団体、二十一団体との間に地価対策連絡会議を設けまして監視区域の機動的な指定について連絡調整を図っているところでございますけれども、今申し上げました公共団体以外でもかなりこの法案に関心を持っているわけでございます。
○大森昭君 今度の改正案のもう一つの柱であります国公有地の処分に関する規制でありますが、この改正案の第二十七条の五において「国等は、土地売買等の契約を締結しようとする場合には、適正な地価の形成が図られるよう配慮するものとする。」という規定になっておりますが、極めて今高騰しておる中での重要な役割といいますか、要素であるこのことについて、これは極めて簡潔に書いてあるのでありますが、このような文言では果たしてうまくいくのかどうかというのがちょっと疑問でありますし、一体この規定は何を意味しているのか、もう少し具体的に説明してもらいたいと思うんです。
○政府委員(田村嘉朗君) 国公有地の処分に関する規定についてのお尋ねだと思いますが、この改正案では、「国等は、主地売買等の契約を締結しようとする場合国は、適正な地価の形成が図られるよう配慮する」という規定を置いております。この配慮に関する事実上の措置といたしまして何を考えておるかというお尋ねだと思いますが、まず国有地それから国鉄清算事業団所有地等の処分に当たりましては、地価対策に資するために関係行政機関が必要に応じて緊密な連絡、情報交換を行うということにしております。 それから二番月に、地価高騰地域における国有地の処分につきましては今後とも一層慎重に扱う、こういうことにしております。従来から国有地の処分につきましては関係省は非常に抑制的に運用してきたところでございますけれども、今後ともその方針をさらに徹底していくということでございます。 それから、国鉄清算事業団の土地の処分についてでございますけれども、まず地域の土地利用に関する計画に配慮してもらうということ。それから、地価高騰地域におきまして公開競争入札によって土地を処分する場合には地価の高騰の防止のため必要な条件を付するということ。それから三番目に、地価を顕在化させない土地の処分方法の導入の可能性について検討する、こういうことでございます。 以上のような点につきまして、せんだって三月十七日の地価対策関係閣僚会議におきまして申し合わせあるいは確認が行われたところでございます。国土庁といたしましては、この事実上の措置に基づきまして今後関係省庁と調整を進めまして、国有地等の処分が地価高騰につながらないように所要の手だてを講じてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○大森昭君 これも委員会でたびたび問題が指摘されておるのですが、財政再建だとか民間活力導入だとかいって国有地の処分が高額な落札でやられておりまして、新聞などにもしばしば出ておりますが、とにかく国有地はかけがえのない国民共通の財産です。したがって私どもも、そうみだりに処分すべきものではない、特に都心部においてまとまった土地がないわけですから、したがって国鉄の用地だとか何かは都市づくりの再開発だとかあるいは公共施設の整備のために使うべきじゃないかということを考えているわけです。特に、処分するにいたしましても公正さをどう確保していくか、あるいは良好な町づくりにどのような役割を果たすのかというようなことを重視しなきゃならないというふうに私どもは考えておるのですが、この点どうですか、国土庁長官。
○国務大臣(綿貫民輔君) 御指摘のように、国公有地の処分に当たりましては周辺の地価の暴騰や引き上げにつながらないようにという配慮がまず大切であるということと同時に、やはり都市の開発のための残された貴重な空間であるということも考えていかなければならないわけでございまして、この配慮規定だけで何か物足りないというような御指摘もありますが、今回国有地ということをこの中に入れさせていただいた中には、ただいま土地局長がお答えいたしましたように、関係の閣僚におきましてもいろいろ申し合わせをいたしておりまして、今後国公有地の処分に当たりましては各省庁と十分連絡をとって適正な価格で適正な利用の仕方がなされるように努力をしてまいりたいと考えておる次第でございます。 この国公有地の問題は、いろいろと転売についての条件を付したり、いろいろなことをやっておりますが、さらに突っ込んで、今御指摘のような点に留意をして今後の処分に当たっていかなければならないと考えておる次第でございます。
○大森昭君 国有財産の処分というのは、これは大蔵省が権限を持っておるのだろうと思うんですが、財政収入の増大も重要でしょうが、一体国の持っておる土地の処分の基準だとか手続というのは、今のような状況などを勘案した場合に特別な検討というのを大蔵省はしていないんですか。
○説明員(川信雄君) 国有地の処分に当たりましては、公用、公共用優先の原則のもとに、国の利用予定等のない国有地につきましてはまず地方公共団体等に買い受け勧奨を行っているところでございます。買い受け勧奨の結果、地方公共団体等から利用要望のありますものにつきましては、その内容を十分審査し、適当と認めるときは当該地方公共団体等に処分することとし、その他のものにつきましては民間に処分することとしております。 国有地を民間へ処分するに当たっては適正かつ公正を期する見地から、会計法令の定めるところにより、一般競争入札が原則とされているところでございます。一般競争入札の実施に当たりましては、土地に対する投機的動きを防止する観点から、必要に応じ五年間の転売禁止等の条件を付しているところでございますが、今般、特に地価高騰地域におきます入札による処分につきましては、投機的要因による不当な地価高騰を防止するため、十年間の転売禁止等、より厳しい条件を付すこととするなど、十分慎重に対処することとしております。
○大森昭君 今大蔵省も、あなたは責任者じゃないから余り詰めるのもあれだと思うんですが、そういう今言われたようなことがあったにしても、いずれにしてもこれだけ東京が上がっていることはわかっていますわね。ということになってきますと、今言われたそのことが必ずしも余り実効が上がってないということになるのだろうと思うんです。 きょうはこれ以上いいですけれども、大蔵省も今までやってきたことについてこの時点の中では一体どこに抜け穴があってかくあらねばならないということを少し検討してもらわないと——高く売れれば一番いいのだということにはならないし、またそういうことだけを考えているわけじゃないと思うんですが、いずれにしてもこの国土利用法が改正されたねらいというのはいわゆる土地の暴騰を防ぐということになるわけでありますし、同時に公共用地の土地の売買に伴って高騰を続けているということも、これも疑いのないところでありますから、今言われたようなことの方針であってもなかなか土地の高騰を防ぐわけにいかないという状況ですから、国土庁とともに大蔵省の方もひとつ十分な検討をしてもらいたいと思うんです。 とりわけ、国鉄の用地、これも再三言われているわけです。もう例を挙げても時間がありませんからあれですが、蒲田駅の問題だとかあるいは吉祥寺の駅の宿舎跡の問題だとかいろいろあるわけですが、一体運輸省のこの国鉄用地の売却の問題については、過去やってきた問題についてまた今後もひたすら高く売れればそれでよしとして、地域の良好な町づくりや周辺地価に及ぼす影響についても余り配慮しないでやっていくのかどうか。もうこれだけ国鉄用地の売却については批判があるわけでありますから、少しは考え方が変わったのじゃないかと思うんですが、どうですか。
○説明員(岩村敬君) お答え申し上げます。 御承知のように、国鉄清算事業団の用地の処分につきましては、いささかの疑惑も招かないよう、まず公正に行われる必要があると存じます。また、十四兆六千億とも言われております国民負担をできる限り軽くするという目的もございまして、日本国有鉄道清算事業団法に規定いたしておりますとおり、資産の処分につきましては公開競争入札の方法によることを原則といたしまして、適正な時価によるということがうたわれているわけでございます。 御指摘の、適正な地価の形成への配慮の問題でございますが、これにつきましては、清算事業団に対しまして次のような指導をしておるところでございます。 第一に、土地を処分するに当たりましては地域の土地利用に関する計画にも配慮するということで、具体的には清算事業団に設けられます資産処分審議会に地域部会といったようなものを設けまして、そこで地元の要望等を聞いていくということをいたしたいと考えております。また第二に、地価高騰地域におきます公開競争入札による土地の処分に当たりましては、不当な地価の高騰の防止を図るために例えば転売の禁止をするとか一定期間内に建物を建てさせるとか、そういった必要な条件を付するものとすることといたしております。また第三に、地価を顕在化させない土地の処分方法の導入の可能性につきまして検討するということで、先ほど申し上げた資産処分審議会の方において御検討いただき、その御意見を聞いた上で適切な対処をしてまいりたい。 以上のように考えておるところでございます。
○大森昭君 別に疑惑があるなんて一言も言っていない。あなたは疑惑が一つもないなんて言っていたけれども、僕は疑惑があるなんて言っていないんです。地価高騰をめぐる要素の中に国鉄用地の売却の問題があることはあなた否定しますか。 それで、国鉄の用地だってそんなに泡食って売って、その赤字を何かなくすとかなんとか言っているけれども、そんなに慌てることはないんだ、東京のその都心の土地を売るのに。そうでしょう。それで、高けりゃいいというものじゃないということはさっきから言っていることなんで、あなたもまたここでおれと議論するほどの用意もしていないだろうから、不意打ちで質問してもかわいそうだからこれ以上質問しません。 いずれにしても国鉄の赤字が少しでもよくなるなんということでは、役人は務まりませんよ。運輸省にいたからといったって土地のことはどっちでもいいというものじゃないんだから、お役所の役人さんというのは各省のこと、国のことをもう少し冷静に考えてやってもらいたいと思うんですよ。もちろん、あなたに言ったって、売る権限はおれにあるわけじゃない、きょうは呼ばれたから来て回答しているだけだということであろうと思うんですが、とにかくこれだけ問題になったら、やはり少し……。さっきもちょっと出たあの閣僚の話、これ以上言うとまた懲戒処分になっちゃうといけないから言わないけれども、本当に善意で言っているんだよ。そんなに泡食って国鉄の用地を競売に付して、そんなに高くやらなくたって、どうせ今まで借金したんじゃないか、郵政省がどこかへ行って簡易保険の金でも借りて借金のやりくりしてだ。 とにかくいろんなことがありますが、原因の何分の一がじゃないんだ。大半とは言いませんが、この国鉄用地の競売の価格でもって、全部と言っちゃ語弊があるけれども、地価高騰を招いているんですから、そういうふうにひとつ認識して、きょうは答弁要りませんが、ひとつやってください。そうしませんと、よほど工夫しない限り東京における地価の高騰を防ぐということはできないですから、お願いしておきます。 次に、土地の税制の問題ですが、土地取引の規制だとか土地供給の促進策について側面からこれの役割を果たすのが土地の税制だと思うんです。税制問題は土地政策の補完的役割を果たすにすぎないと言われる人もいますが、土地政策の中では特に地価対策の中で土地税制がかなり重要な役割を担っていることは否定できないと思うんです。 それで、本年度の土地関係税制改正の目玉として超短期重課税制度の創設と土地の譲渡益課税に関する所有期間の長短区分を現行の十年から五年へ短縮する措置が盛られていますが、この改正は投機的土地取引の抑制と土地の供給の促進に対してどのような効果が期待できるのか。それで、この措置は今後三年間の時限措置ということになっておりますが、果たしてこれが三年で特に東京などについての地価高騰がおさまるという考え方に立っているのかどうか。この土地の税制の問題についてのちょっと見解を聞かしていただきたいと思うんです。
○政府委員(田村嘉朗君) まず、土地税制の改正案の中身でございますが、二つ柱があるわけでございます。 その一つは、先生おっしゃいましたように超短期の重課制度でございます。これは、所有期間が二年以下の土地等の譲渡益につきまして現在の十年以内の短期重課制度よりもさらに重い税金を課するということでございます。黒字法人の場合には地方税を合わせますと九十数%になるというふうな非常に重い税負担を求めるわけでございます。こういうことで、短期間に土地を転売することを非常に抑制する効果が大きいのではないかというふうに考えております。私どもは^こういう税制改正をするということが報道されただけでかなり投機的な取引が影響を受けたというふうな話も聞いているわけでございますが、今申し上げましたような内容の税制でございますので、相当の効果があるというふうに思っております。 それから、もう一つは長短区分の見直しでございますけれども、土地の譲渡益課税におきまして短期保有として重課される土地の所有期間を十年から五年に短縮する、こういうことでございますが、これは土地供給を非常にふやす、現在でも土地の保有期間が七年とか八年とかいうふうな場合には税金が高くなるということで売り控えをする傾向があるわけでございますが、これが五年になることによって出やすくなる、こういう効果がかなりあるのではないかというふうに思っております。 なお、これは三年間の時限措置ということでございますので、今年度以降買った場合には五年たった場合に長期扱いにするという措置は受けられませんので、今後五年になるということで土地を買う需要が多くなるという心配はないのではないかというふうに思っております。 そこで、三年間の時限措置としたのはなぜか、こういう御質問でございますけれども、これは当面の地価高騰への対策の一環としての特例措置というふうに考えておるわけでございます。したがって、時限措置の場合は通常三年とか二年とかいう例が多いわけでございますが、そういった例に従いまして三年間の時限措置とされておるわけでございますが、今後地価の動向等を見守りながら、三年目が来た場合にはさらに検討がなされるのではないかというふうに考えております。
○大森昭君 三年たってだめならまたということになるのでしょうけれども、大体当座の見通しというのがあって三年と言ったわけじゃないんですね。当面の問題で……。 次に、いろいろ地価高騰には要因があるわけでありますが、買いかえの特例制度、これにもある程度地価高騰の原因があるのではないか。特に周辺住宅地への波及がこの制度によって高騰を招いているのではないかと思うんですが、いずれにいたしましても、この買いかえの問題については結果的に、直すということじゃなくて、見送られたような感じでありますが、買いかえ特例に対する何らかの措置が必要ではないかというふうに思うのであります。この点はどのような議論があり、同時にまた、今回手をつけずに見送ったかということはどうなんですか。
○政府委員(田村嘉朗君) 実は買いかえ特例制度も地価高騰に関係があるのではないかということで私ども検討いたしまして、課税の繰り延べの額に一定の限度を設けるということを提案したわけでございますけれども、六十二年度税制改正の検討の中で税務当局といろいろ議論いたしました結果、見送られたわけでございます。 その理由でございますが、一つは、この税制の中で一定の限度、すなわちそれぞれの土地について一定の額、適正価格を設定することが妥当であるかどうかということが基本的にあったわけでございます。それから二番目に、重課する場合に特に個別の土地価格についてだれが見ても直ちに価格が明らかになるような尺度、基準というものが必要でございますけれども、こういったものがあるだろうか。その点は大変技術的に困難な面があるのではないかということでございます。公示価格を参考にする、あるいは固定資産税評価額あるいは相続税評価額を参考にするというふうな考え方もあるわけでございますが、なかなか実際に運用するということになりますと技術的な困難性が大きということでございます。それから三番目に、仮にそういった尺度を決めまして価格を明らかにしたといたしましても、個々の土地の所有者は、なぜ自分の土地の価格がそういうことになったのかということについて大変苦情が出るのではないか、不服審査の申し立てとか、あるいは場合によりますと訴訟とか、こういったトラブルが頻発するのではないかというふうなこともございました。 以上のような理由によりまして買いかえ特例の見直しは見送られたわけでございますけれども、実際の取引の実情を見てみますと、住宅の買いかえの取引のエンドユーザーが買うケースというのは余り多くないわけでございまして、それよりもエンドユーザーの需要を当てにした一部業者の手当て買いあるいは転売、こういった取引が非常に多いわけでございます。したがいまして、こういったものに対しましては、先ほど御説明いたしましたような超短期重課制度、あるいは今御審議いただいております国土利用計画法の改正による監視区域の設定、こういったことによってかなり不当な価格の取引が抑制されるのではないかというふうに思っているわけでございます。 しかし、今後事態の推移を見守りながら、私どももなお引き続きこの買いかえ特例制度について研究をしていきたいというふうに思っております。
○大森昭君 時間がありませんから大ざっぱな質問で終わるわけでありますが、この法改正に基づいて地価高騰が直ちにおさまるということじゃないでしょうし、あらゆる工夫とあらゆる創意が必要だろうと思うのでありますが、いずれにいたしましても、この土地高騰でもうける人は別でありますが、一般の住民は大変迷惑しているわけであります。もっとも、国土庁の幾つかの任務の中で一つの大きな任務であるわけでありますから、法案の改正とともにいろいろ工夫して今日の地価高騰を防いでいただくということになると思いますが、最後に長官から言いただいて質問を終わりたいと思うんです。
○国務大臣(綿貫民輔君) 今回の国土利用計画法の改正を機会に、さらに一層地価高騰対策に十分取り組んでまいりたいと考えています。
○三木忠雄君 地価の高騰の問題について今も同僚委員からいろいろ質問がございましたので、重複する部分はちょっと避けたいと思います。 東京の地価の高騰の原因についていろいろ今日までも論じられているわけです。オフィスビルが足りないだとか、あるいは住宅用地が足りない。特に、宅地並み課税等の問題も含めた市街地の農地の問題あるいはまた建物を建てない空地の問題、あるいはまた東京湾を中心とした埋め立ての問題で土地を供給するとかいろいろ論じられているわけでありますけれども、例えば二〇〇〇年を目指して国際化、情報化社会の中で東京が果たさなきゃならない役割というのは、私はやっぱり国際金融センターとして、あるいは情報化の中心としてこれは背負わなきゃならない宿命的な問題であろうと私は思うんです。また、やらなければ世界の中の日本としてこれはやはり脚光を浴びることもできないし埋没してしまうのではないか。そういうためにどう対応するかということが私は一番大事な問題だと思うんです。 そういう意味で、宅地の高騰は後でまた論じたいと思いますけれども、やはりしょせんこれはビルの不足にかかっているんじゃないか。特に、海外から参りますと、日本の一人の所要面積、一人が働く場所の面積の広さ、スペースが日本人と外人とは大分違うんですね。したがって、日本人の一・五倍要るとかあるいは二倍要るとか、OA化の問題等も含めていろんな問題があろうと思いますけれども、このビルの不足に対してどういう予測をしているのか、大体どのぐらいまでいけばこの問題が解決できるのかという見通しについて、まず伺っておきたいと思います。
○政府委員(柳晃君) 将来のオフィス床の需要の予測につきましては、さまざまな機関でそれぞれ予測をされて発表されております。私どもも大変関心がございますので、それぞれその算定根拠なり前提なりにつきまして照会をしたり教えを請うておりますが、すべてがすべてその根拠が明らかになっているわけではございません。いろいろございますが、大きくとらえますと、東京の二十三区で大体現在ストックが約四千ヘクタールでございます。これも一つの推計でございます。それで、いろんな機関は大小さまざまでございますが、大体二千ヘクタール前後の予測をしているところが多いわけでございます。ちなみに、最近出ました国土庁の土地利用白書では、これは都心五区ですが、昭和七十五年、つまり西暦二〇〇〇年まで。に千百ヘクタールという予測を持っています。 それに対しまして供給でございますが、供給は一つ一つ積み上げたものを調べる必要があるわけですが、これはなかなか難しく、またすべてつかんだとしましても二、三年先か数年先までのものしかつかめません。そういうことをやっているところもございますが、建築の着工統計を都の統計で見てみますと、六十一年は非常に多くなっておりますけれども、大体最近は百五十ヘクタールから二百ヘクタールぐらい着工されております。もちろん、石油ショック前が相当大きな数字、それから石油ショック後百ヘクタールぐらいに減っているときもありまして、大体どのぐらいであるかということはなかなか難しゅうございますが、そういう傾向を見ますと、大体今後十数年の間に千五百から二千ヘクタールぐらいの需要があるとすれば、それに対する供給は十分過去のトレンドで見ればあるように私どもは思っております。 しかしながら、何と申しましても基本的な問題は、先生御指摘がございましたように、東京の大都市圏を従来のような一極集中というか、一極に依存型の構造でいいかという問題がありまして、その辺は四全総でも多圏域型の地域構造への転換ということがメインテーマでございまして、私どもとしましても、東京都心一極ではなくて副都心なりあるいは業務核都市なり、もう少し広いものに分担させていきたい、かように考えておる次第でございます。
○三木忠雄君 百五十ヘクタールずつ毎年ビルが供給されているという問題でありますけれども、先ほど来論じられておった国公有地あるいは清算事業団の用地も含め、あるいは東京湾、今いろんな計画がアイデアの段階のものもあるし、あるいは東京都が十三号埋立地を中心としたいろんな計画もあります。こういう問題を含めて十年ぐらいのはっきりしたプロジェクトをつくればある程度ビルの供給は可能なんだという明確なある程度ガイドラインみたいなものを国で示すことはできないのかどうかということですね。 足りない足りないというからビルを建築する、あるいはオフィスビルは不足なんだということで土地を買いまくる、特に都心五区、ここが中心になってくるわけです。こういう問題に対する誘導策というか、あるいはガイドラインというか、この程度の土地があってビルが建設できるのだという青写真程度のものぐらいは、やっぱりはっきりしたもの、ガイドラインができないのかと私は思うんですけれども、どうですか。
○政府委員(柳晃君) 大変難しいテーマでございますが、現在いろんなプロジェクトが、先生おっしゃいますように、構想の段階から計画の段階からあるいは事業実施中のものまでいろいろございまして、そういうものを全部まとめて取り上げますと——まあ、どのくらい居住機能を入れ、どのくらい商業というかオフィスと申しますか、そういう機能を入れるかということにもよりますが、例えば東京臨海部だけをとりましても、現在約六百から七百ヘクタールぐらいのところがかなり熟度を持った話になって動いております。そこをどういう町にするかということを含めましても、有効な宅地率を半分と見て、それにある程度の居住機能を入れたとしましても、千数百ヘクタールぐらいのオフィス床が出てまいるわけであります。 問題は、それがどのくらいのテンポといいますか、時期に、どういうふうになってくるかということが難しいところでございまして、基本は民活というか、民間の力でございますので、大きくそういうものをつかまえております。 そのほか、もう少し基本的に大きくガイドラインをつくるべきではあるとは思いますけれども、なかなか難しい問題がありまして、少しそれをグループ分けして、プロジェクトごとに推進しているというのが実情でございます。
○三木忠雄君 私も東京に住んでおりまして、会社の名前はいろいろ差し支えあるから申し上げませんけれども、最近の不況の造船とかあるいはセメント会社等の用地とか、中央区にあるこの用地がほとんど準工業地域ですね。そういうところを指定がえするのかどうか、今後用途変更するのかどうか知りませんけれども、やはりビルを建設しようとすればまだまだあるのじゃないか。そういうために今、兜町ではビル建設の需要を見込んで株が暴騰しているわけでしょう。含み資産を先取りして、将来テナントビル用地になるという、こういう憶測のもとに兜町では赤字会社株が物すごい暴騰をしているわけでしょう。こういう問題を考えても、やはり相当まだビル建設用地は大分あるのじゃないか、私は素人なりにもこう思うんです。こういう点を考えたら、やはりむちゃくちゃにビルが足りないから早く買い占めておかなければいけないとかいう問題はないんじゃないか。 それからもう一点、これは国有地や公有地の土地信託についてどういうふうな考え方を持っておるのか、この点について伺っておきたいと思います。
○政府委員(田村嘉朗君) 国公有地についての土地信託を使ったらどうかという御指摘でございますが、御案内のように、国有地については国有財産法、それから公有地につきましては地方自治法が改正されまして信託制度が使えるようになったという状況でございまして、公有地につきましては信託の事例がぽつぽつ出てきております。大変大規模な土地について大規模なプロジェクトをやるというふうな例もございます。こういうことで、これから一層広がるのではないかというふうに思っております。 それから、国有地についても今大蔵省等で検討していると思いますけれども、地価を顕在化させない非常にいい方法であるというふうに私ども思っておりまして、これがなるべく普及するように私どもとしては希望しているわけでございます。 民有地について申しますと、五十九年に第一号が出たと思いますけれども、信託は非常な勢いで伸びておりまして、これは今後ますます発展の可能性が大きいというふうに思っております。
○三木忠雄君 これは、昨日も何か新聞で生保が土地信託をやるというような問題が——金が使い道がないわけでしょう、極端に言えば。そういう問題でやはり土地信託というのは、例えば国鉄の用地の売却の問題で東京駅の国鉄ビル、あの用地を売買するとすれば何千億ですね。買うとなれば一部の企業じゃ買えないわけでしょう。プロジェクト組んで買わなきゃならないわけですよ。ああいうところ、ある銀行の試算でいきますと、二十年で土地信託にして十分採算が合って土地は国鉄に返ってくるという当時の試算が出ておったわけです。土地信託で、それを売買しないことになれば、近接地域等のむしろもう土地の高騰をあおるようなことはないわけです。 こういう点を考えた場合に、例えば汐留なんか、港区にとってはあの地域は大変な地域になってくると思うんです。ところが、周辺は一部不動産屋が買いまくっているわけです。ここでこんなこと言いたくありませんけれども、あれは必ず払い下げされるという前提のもとにいろんな検討が加えられているのだと私は思うんです。ああいう問題こそ明らかに先を見越してある一部の有力な業者がプロジェクトチームをつくって取り組んでいるといっても過言ではない。こういう問題はやはり土地信託にして、そして払い下げをしない、あるいは国有地は払い下げをしない、こういう方向を明確に打ち出すべきじゃないか。 国土庁がリーダーシップをとることができるかどうかわかりません。この確認規定、みなし規定だって大蔵省やあるいは運輸省に随分押し切られたのじゃないかと、私はある意味では思っているわけです。したがって、東京駅の三井ビル周辺の国鉄用地の問題あるいは丸の内の国鉄用地の問題、ああいうところの問題等を含めて、有効なところは土地の高騰を防ぐためにも払い下げじゃなしに土地信託に移管をしていく、そういう方向で方向づけをする。これは、閣僚会議がなんかで、長官やっぱりいろいろこういう問題は早く詰めた方がいいのじゃないかと私は思うんです。この点についてはいかがですか。
○国務大臣(綿貫民輔君) 地価対策関係閣僚会議の申し合わせの中に、今御指摘のような土地信託その他を利用して地価の高騰につながらないような、また地域の開発やその他に十分資するような方向を検討するという項目も入っておりますので、今後十分その方向で対策を固めるような方向に努力をしていきたいと考えております。
○三木忠雄君 国土庁では、国有地、公有地の方は売却するよりも土地信託の方がいいという見方になっているんですか、あるいはやはり大蔵や運輸、先ほど来赤字解消のために国有地を売らなきゃならないという、そういうせっぱ詰められた方で押しまくられているのか、どちらの方を国土庁としては優先的に考えているんですか。
○政府委員(田村嘉朗君) 今度私どもでまとめました国土利用白書におきましても、地価を顕在化させない土地供給手法が非常に大事であって、これを推進すべきであるということを強く提唱しているわけでございます。地価を顕在化させない方法といたしましては、先生がおっしゃいますような信託、これが代表的なものだろうと思いますが、そのほかにも借地、これはせんだって新聞にも出ておりましたが、ある一定の期間が来ましたら必ず返すというふうな新しい借地方式のような検討も民間で行われているようでございます。そのほか、事業請負といいますか、共同事業と申しますか、事業受託と申しますか、いろんな言い方がございますけれども、土地を買わないで地主と共同でビルを建てていく、あるいは住宅を建てていくというふうな手法、こういったもろもろの手法をぜひ推進していくべきだというふうに私どもは思っておるわけでございます。 先ほど申し上げましたように、公有地につきましては信託がどんどんこれから伸びていくと私どもは思っております。それから、国鉄清算事業団用地につきましては、今長官が申し上げましたように、先般の地価対策閣僚会議におきましても地価を顕在化させない方法の導入を検討していく、こういう申し合わせがされているわけでございますので、いろいろ事業団の立場もございましょうけれども、使えるときは使っていくというふうな検討が行われるというふうに私どもは期待をしておるわけでございます。国有地につきましても、信託期間が満了したときの管理の問題とか、いろいろあるようでございますけれども、私どもとしては、せっかく法律も改正したところでございますので、なるべく使っていただける場合はいただくように相談していくつもりでございます。
○三木忠雄君 東京都なんか、都知事が非常にうまい考え方を持ちまして、今度都庁の新庁舎なんかも、土地信託等の都有地を有効に活用した財源等を利用しながらいろいろ検討しているわけです。したがって、地方自治体でもいろいろ考えるところもあろうと思うんです。こういう点は積極的に私は取り組んでいただきたいということを強く要望しておきたいと思うんです。 それからもう一つ、買いかえ資産の問題でいろいろ議論されておりましたけれども、宅地並み課税の問題等も含めて、国土庁として、やはりこれは農林水産省の問題になると思うんですけれども、営農を十年続けるという申請次第で認定しているというような問題で、従来からいろいろ言われている、粟の木を一本植えているとか、本当にいろいろ目に余るような問題もあるわけですよ。本当に農業をやるのか、あるいはやっていないのか、そこらの認定が非常にあいまいになっているわけですね。こういう点でやはり住宅用地の確保という問題に対しても非常に問題点があるんじゃないか。 それと空色地の問題ですね。この点についてもやはり固定資産税の安い問題があって、空き地の問題がいろいろ議論されるけれども、実際に有効に活用されてない。こういう問題を含めてどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(田村嘉朗君) まず、市街化区域農地に対する宅地並み課税の問題でございますけれども、これは昭和五十七年の税制改正で今の制度ができたわけでございまして、ちょうど制度が施行されてから五年目を迎えるわけでございまして、五年目の営農の確認が今行われているわけでございます。この確認に際しましても、しっかりした営農状態が続いているかどうか、これは厳正にチェックするようにということで、昨年の十二月にも自治省から関係公共団体に対して通達も出ているわけでございますし、各それぞれの公共団体におきまして厳正なチェックが行われていると思いますけれども、今後ともそこら辺の運用をさらに厳しくするということが必要なのではないかということで、関係省庁でこれからまたいろいろ相談をしてまいりたいと思っておりますが、やはり宅地並み課税の問題につきましては、農地が計画的に良好な住宅地として供給されていくということが大事だろうと思っております。 そういうことで、課税を強化するということだけでなしに、良好な住宅地ができるような誘導方策、これもあわせて進めていく必要があるだろうというふうに思っておりまして、いろんな観点から関係省庁と相談をしているところでございます。 それから、低利用地、これについて積極的に住宅が建つようにすべきではないかという御指摘でございますけれども、この点も、市街化区域農地以外の低利用地については、私どもは国土利用計画法で遊休地については積極的に利用するように勧告ができるような制度もございますけれども、一つは市街化区域内農地と同じように良好な住宅地の誘導方策というものを用意することが必要だと思います。 それから、固定資産税との問題につきましては、従来から空閑地税とか未利用地税とか、いろいろな構想が検討されておりますけれども、なかなかこれは技術的に難しい問題があるということで、今直ちにこういうことが考えられるのではないかというふうな案を持ち合わせておりませんけれども、引き続き検討、勉強をさせていただきたいと思います。
○三木忠雄君 もう時間がないので一点だけ聞いておきたいんですけれども、都心の土地の高騰につれまして、商業地域における住宅地、これの固定資産税の税率アップが激しいんです。この問題について自治省はどういうふうに考えていますか。
○説明員(佐野徹治君) お答えいたします。 大都市の中心の商業地等につきましては、御指摘のとおり地価が高騰しておるところでございます。昭和六十三年度、来年度でございますけれども、土地の評価替えがございますが、現在課税団体におきまして作業を進めておるところでございます。そして、自治省におきましても、全国的な観点から評価の基準となる地点につきまして適正な評価が行われるように調整を行っておるところでございますが、この場合、御指摘のような特異な地価の状況、こういうことにつきましても十分配慮をしながら課税団体とも調整を図ってまいりたいと考えておるところでございます。 なお、住宅用地の件につきましては、従来から一定の住宅用地につきましては課税標準を二分の一とする、それからまた二百平米以下のいわゆる小規模住宅用地につきましては課税標準を四分の一とする、こういうような住宅用地につきましての税負担面からの配慮もなされておるところでございますけれども、税負担の問題につきましては、昨年の十月の政府の税制調査会の答申がございまして、この中で、「多くの納税者に対し毎年課税されるという固定資産税の性格を踏まえて、負担の急増を緩和するためなだらかな増加となるような配慮が必要である。」と、こういうふうにされておりまして、私どもこの趣旨も踏まえながら検討してまいりたいと考えておるところでございます。
○三木忠雄君 基本が二分の一とか四分の一といっても、もとが上がってくるのだから、それの二分の一、四分の一ではやはり宅地としては大変だと、これはもう常識的な問題ですね。したがって、商業地域にあり、それで居住用の三十坪や四十坪に住んでいて、何だか固定資産税が追い出し税にならないような配慮、昨年の十月のいろいろな答申もあるでしょうけれども、自治省としてはこれにもう最大のやっぱり注意を払うべきじゃないか。 このデータ持っていますけれども、この商業用地の上がり方で固定資産税の今までの配分でいきますと、私も東京都からいろいろ資料をもらって固定資産税の算定の仕方までいろいろ研究してみたけれども、これは東京の千代田区に例えば住宅を持つとか神田に住宅を持っている人たちの固定資産税の上がり方から考えたら、今の算定基準からいったら大変な問題になってくるのじゃないかという憂慮すべき問題がいろいろあると思うんです。そういう点についてこれは自治省で十二分に検討して、この固定資産税の問題については配慮していただきたいということをできるだけ強く要望しておきますので、自治大臣によく言っといてもらいたい。 以上です。
○上田耕一郎君 東京中心の地価暴騰が前から大問題になってきておりまして、ようやく遅まきながら国土利用計画法の一部改正の法律案が出たということはいいことだとは思うんですけれども、これだけで果たして実効があるかどうかということが究明される必要があると思うんです。まず、この規制区域指定問題についてお伺いしたいんですが、一番大事なのは原因の究明、現状認識が出発点になります。 衆議院の議事録を拝見しますと、五月十四日の衆議院建設委員会で我が党の中路議員の質問に対して田村土地局長がお答えになっております。 都知事は現在のところ、地価の急激な上昇はもちろんあるんだが、投機的取引が相当範囲にわたって集中し、あるいはそのおそれが明確であるとは認めていないと思う。私どもといたしましてはこの知事の判断自体を一応尊重したい、そういう答弁なんですね。 東京の地価暴騰で投機的取引が広がっているおそれが明確ではない、そういう認識に国土庁の土地局長が立っているのだとすると、出発点から僕はおかしいと思う。答弁見ますと、若干その後は多少認めている状況もあるようですが、しかしここをちょっとはっきりさせたいんです。 国土庁が今度出された国土利用白書に地価暴騰の原因の分析があります。一が「オフィスビル用地需要」、それから二が「周辺住宅地等への波及」、それから三が「マンション価格の上昇」とありまして、四に「地価上昇を増幅させた諸要因」というのがあります。ここには「短期間での転売利益の獲得を目的とした投機的取引が加わり、地価上昇を増幅させたことは否定できない。」と書いてある。「不動産業者等による価格上昇期待の土地購入や都心部のビル建設用地買収のための代替地の手当て買いが活発化し、」と書いてある。「この間いわゆる転売も多くみられる。また、転売により、短期間に価格が著しく上昇したケースもみられる。」と書いてあって、「このような大量の仮需的性格を有する土地取引が可能となった背景」というようになっているでしょう。 それから、地価暴騰を増幅した要因の中に投機的土地取引が大量にあった、これを可能にしたのは膨大な融資ですね。このことも分析される、こうなっているのに、なぜあなたは都知事の判断のようにまだおそれは明確じゃないと思っているのか。ここをひとつはっきりさせていただきたい。
○政府委員(田村嘉朗君) 規制区域の指定要件では、投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われている、あるいはそのおそれがあるということが一つの要件になっているわけでございます。この投機的取引が地価高騰に拍車をかけているということは、国土利用白書で言っているとおりでございます。 これはどの程度の割合かということはなかなか難しい問題でございますけれども、私ども調べたところでは、都心の千代田区、渋谷区、それから世田谷区あたりでは一二%から一六%ぐらいの割合という数字を得ております。そのほかの都心の区部でも数%というふうな転売の割合、これは土地取引全体における転売の割合でございますけれども、そういうふうな状況であるというふうに承知をしているわけでございます。 したがいまして、現在の東京における土地取引のほとんどが投機的取引であるというふうに判断する状況ではないだろうというふうに思います。東京都知事といたしましては、そういった状況判断のもとに、当面は都条例による小口取引の届け出制によって対応していくことが適当であるという判断をされているのだろうと思います。私どもといたしましても知事の判断を尊重するつもりでおりますし、総理大臣の指示代行権というのもあるわけですけれども、これはもう本当に非常例外の場合にしか使えないというふうに私は思っておりまして、そういう知事の判断は全体として正しい判断ではないかというふうに考えておるわけです。
○上田耕一郎君 いや、あなた法律の読みかえをやっちゃいかぬ。「ほとんどが」とあなたはおっしゃったけれども、法律でも「相当範囲」と書いてあるのだから、私も「ほとんどが」なんて言ってないでしょう。しかし、膨大な投機的土地取引のための融資がどんどんいって、それで不動産屋、地上げ屋が活発に動いてそれが地価暴騰の重要な要因になっていることは明らかなんで、この際やはり規制すべきだと我々思うんです。ただ、あなたは、都知事の条例、小口取引の届け出制で十分だと思う、だから今度の法律も監視区域をつくるというので十分だと思うと言うのでしょう。しかし、東京都で都条例ができてもやはり地価上昇はとまっていないわけだ。 そうすると、今度監視区域をつくったからといって、東京にはもう条例をやってはあるのだし、それほど影響ないのじゃないかと思うんですけれども、今度の監視区域の制度で東京を中心にした地価上昇、これにどういう効果があるとお思いでしょうか。
○政府委員(田村嘉朗君) 私どもの見るところ、東京都における地価動向を見てみますと、やはり昨年の特に前半がピークであったのではないかと思いますが、東京都の条例が施行になりましたのが昨年の十二月一日でございます。その後の動向を見てみますと、かなり東京の都心部あるいは区部、南西部等におきましては上昇率の鈍化が見られる、ほとんど頭打ちになったのではないかというふうに言われておるわけですし、私どももそのように認識しておるわけでございます。これはやはり東京都条例の施行ということが一つの要素になっているというふうに思いますし、運用の実態を見てみましても、先ほども申し上げましたが、届け出をされたうちの三割近い届け出が指導を受けて価格を引き下げている、あるいは取り下げている、こういう運用状況でございまして、私は非常に高い取引がこの条例の施行によって抑制されている、その効果はかなりあるというふうに見ておるわけでございます。 今度御提案申し上げております監視区域も、基本的にはこの条例と同じ構造になっておるわけでございますから同様に効果が期待できますし、またむしろ条例よりももっと機動的に運用ができるというふうに思っております。
○上田耕一郎君 確かに、六十二年の地価公示では都心部の商業地が若干頭打ち傾向が出ているとはいうのだけれども、と同時に周辺部の上昇がひどいわけです。私の住んでいる国立ては、百恵さんが引っ越してきたのでもっとすごくなったというふうなことで騒がれているんですけれども、しかし都心部についても僕はまだ楽観できないと思うんですよ。もう都心部の商業地はとまったと思って安心していると、これはいけない。まだまだ僕は地価上昇に本格的な手を打たないと上昇があり得ると思うので、しっかり見て対策を進めていただきたいと思うんです。 次は、先ほどから問題になっている国公有地問題ですが、綿貫長官は、五月二十一日の衆議院建設委員会で中路議員が、国土利用計画法に基づき規制区域の指定問題、これを要望したところが、そういうことをしたならば統制経済にもなると、そうおっしゃっているので、どうもそういう統制経済になるようなことを法律で決めているというのも変な話なんだけれども、統制経済でないからといって国が勝手に売るというのは、これはますますけしからぬと思うんです。 国公有地の払い下げ問題というのが非常に大きな問題になっているにもかかわらず、この国土利用白書には国公有地の競争入札の払い下げ問題、これがどうも二着も出てきていないんですね。これ何で書いてないんですか。
○政府委員(田村嘉朗君) 特に意識的に書かなかったということではございません。私どもも昨年の秋から地価対策検討委員会というものを民間の研究機関に設けていただきまして地価対策を総合的に検討してもらってきたわけですけれども、その討議の過程では国公有地の一般競争入札による払い下げが周辺地域に悪影響を及ぼすおそれがあるという意見も強かったわけでございます。私どももそういうおそれがあるという認識はしているわけでございます。ただ、これが具体的にどういう影響を及ぼしているかということを私どもは別に把握しておりません。 また、基本的な地価上昇の原因というのは、先ほど来申し上げておりますように、都心部におけるオフィスビル需要の大きいこと、また、都心部で土地を売った人が買いかえをしていくその間の投機的取引、こういったことが基本的な要因であろうと思いますので、その点を中心に述べたところでございます。
○上田耕一郎君 意識的に書かなかったわけじゃないというのだけれども、ないでしょう。三月二十六日の建設委員会では、私の質問に対して天野建設大臣は、「今日に至って地価の暴騰を来しているのは国公有地であると、私はそう認めておる」と、基本計画のできるまでは二年でも三年でも公売することは延期すべきだという主張を持っておると、建設大臣が地価暴騰の元凶は国公有地だと言っているのに国土庁の利用白書には一字も書いてない、これはちょっと奇妙な対照だと思うのですね。 もう時間も来つつありますけれども、国土庁自身の地価対策検討委員会が六十一年に出された「地価対策に関する提言」、これも国公有地問題が触れてある。それから「明日の国土政策を考える」、これは国土庁の国土政策懇談会の議論概要、これにも「国公有地の活用」には、競争入札の払い下げ方法の問題が触れてある。それから、国土庁が三菱総合研究所に委託した研究、「国土利用計画法に基づく土地取引規制制度について」、この中間報告も、国公有地の取引のやり方が周辺の地価上昇助長を否定できないということを書いてある。これだけ材料が出ているのになぜはっきり書かないできたのか。今度ようやく配慮規定が入ったんですね。 これは、この以前にもこの委員会で聞いたのですが、この問題で長官は、これは五月二十一日衆議院建設委員会での審議の中でこの問題を聞かれたときに、今後国公有地の処分に当たりましては、地価対策閣僚会議、これで十分協議する、そういうお答えになっている。じゃ、一体何を協議するのか。競争入札でやったら地価暴騰に影響があるというときには、この協議で民間払い下げをやめるということも含めた協議になるんですか。この協議で一体効果的な対策をどうおとりになるおつもりなのか、この点について長官の答弁を求めたいと思います。
○政府委員(田村嘉朗君) 先般、三月の地価対策閣僚会議で申し合わせあるいは確認された事項の内容を申し上げます。 まず一つは、国公有地あるいは国鉄清算事業団用地の処分については関係行政機関が緊密な連絡、情報交換を行っていくということが一つでございます。 それから、国有地につきましては、従来から地価高騰地域では一般競争入札による払い下げを非常に抑制してきたわけでございますけれども、さらにこの方針を一層徹底して守っていく、こういうことがございます。 それから、国鉄清算事業団の所有地の処分につきましては、清算事業団が処分の基本方針というのを定めるわけでございますが、この中に次の三点を盛り込むということを確認しているわけでございます。一つは、地域の土地利用に関する計画に配慮するということが一つでございます。それから二番目には、一般公開競争入札で処分する場合には、投機的な取引等による地価高騰を防止するために必要な条件をつけていくということが二番目でございます。それから三番目には、地価を顕在化させない方法を使うことについて研究をしていく。この三点を基本方針に盛り込むということが地価対策閣僚会議で申し合わせ及び確認されたところでございます。 私どもといたしましては、この措置に基づきまして関係省庁と絶えず緊密な連絡をとりながら、それぞれの土地についてなるべく周辺地域の地価への悪影響が最小限になるような手だてについて相談を進めてまいりたいというふうに思っているわけでございます。
○上田耕一郎君 長官、もし本当に悪影響があるような場合、一般競争入札による民間への払い下げ、これはやめるということもあり得るんですか、この閣僚会議で。
○国務大臣(綿貫民輔君) ただいま土地局長が申し上げましたような点について地価対策関係閣僚会議で申し合わせをしておるところでございます。
○上田耕一郎君 やめることあるの。ないの。条件づけるだけか。
○青木茂君 過日、二十四日の朝日新聞の記事によりますと、いろいろ農地以外の目的あるいは公の機関に貸していた土地を相続税対策でもって農地に戻すというようなことが載っていますし、これは三鷹市だけでなしに、全国各地にいろんなふうに波及するのじゃないかというふうに思っておるわけなんです。 そこで、長官にちょっとお伺いしたいんですけれども、疑似農地です。疑似農地というのは積極的な営農の熱意のない農地という意味ですね。その疑似農地に対する優遇措置の存在というものが国土利用に非常に支障を来しているという事実を長官はどういうふうに御認識なさいますか。
○国務大臣(綿貫民輔君) 農地についてのいろいろの認識につきましては、先般の予算委員会におきましてもございましたように、植木鉢を置いておいた農地はこれは本当の農地がどうか、その植木鉢で育てて、いつでも運べるじゃないかというようなことから、根っこの生えたのが本当の農地がどうかというような御質問があったように、大変難しい判定の条件がたくさんあるというふうには考えております。
○青木茂君 農地をどう見るかじゃなしに、農地であって農地でないようなもの、農地でなくて農地であるようなもの、そういうものに対していろいろな優遇措置があるわけですね。それが国土利用の有効かつ適切な合理化を妨げていって国民生活にも支障を来す、そういう事実をどう御認識なさいますかということなんです。農地そのものがどうだこうだというのじゃないんです。
○政府委員(田村嘉朗君) 現在、宅地並み課税につきましては、長期的に良好な農地として使われるということが確認された土地につきまして農地並みの課税ということになっているわけでございますし、ちょうどその制度ができまして五年目を迎えたわけでございますけれども、営農が確実に行われているかどうかをちょうど今確認をしている最中でございます。その確認に当たって、昨年十二月に自治省も、厳正に行うようにという指導通達を出しておりますし、公共団体もそういうことで農地の確認を行っていると思っておりますので、私どもといたしましては、そういう良好な農地が存在しているこのこと自体については環境の面からもいいのではないかというふうに思っているわけでございます。
○青木茂君 どうも私が税金屋と言われているせいか、私が質問するとすぐ税金に絡んだ問題というふうに先入主があるようなんですけれども、宅地並み課税そのものを伺っているわけじゃないんです。それは、税の面において疑似農地に対する優遇措置があって、それが国土利用の有効かつ適切なものを阻害している、その阻害をどう御認識になってどう対応されるかということを伺っているわけなんです。
○政府委員(田村嘉朗君) 私どもといたしましては、疑似かどうかは別といたしまして、その農地あるいは低、未利用地が計画的に良好な住宅地として供給されていくということが必要であろうというふうに思っておるわけでございます。そういう意味で今、農住組合という制度もございますが、その他区画整理、地区計画、もろもろの手法を用いて、さらに一層今後とも誘導策について充実していくということで良好な住宅地の供給が促進されていくという方向を目指すべきだというふうに考えているわけでございます。
○青木茂君 その誘導に対して具体的にどういうふうにお考えなのかということを聞いているわけなんです。下手な哲学論争をやっているんじゃないんです。
○政府委員(田村嘉朗君) 現在、優遇措置というのは、農地課税のほかに譲渡所得についての軽減というようなことをおっしゃっているのかと思いますけれども、農地が優良な住宅地等に供給されるそのための優遇措置というのは必要ではないか、こういうふうに思っております。
○青木茂君 とにかく私に与えられた時間十三分ですから、答えていただきたいことをこっちが言います。 要するに、国土の利用のために、疑似農地に対する優遇措置によって国土利用が阻害されているというふうにもし御認識になるならば、そういうものを国土庁がアクティブに正していくようにしていただきたい。とにかく縦割り行政でいわゆる三猿主義という、見ざる、聞かざる、言わざるで、ほかの省のことにはもう遠慮しちゃうのだというようなことでは、行政の一貫性を欠いて、私は非常に国民生活を阻害することになると思います。だから、国土庁が積極的に厳しく他省に対して、ここは国土利用上困るじゃないかということをアタックしていただきたいというのが私の願いであったわけで、そういうお答えをいただきたいというのが願いであったんですけれども、これはもうしようがないです。 法律の内容について伺います。私は、この法律は大変前向きでいい法律だと思いますよ。思いますけれども、せっかくいい法律をつくりましても、それが空文化してしまうのでは、これは何にもならないと思うわけなんです。 そこで、ちょっと伺いたいんですけれども、規制区域における許可制というのはまだ不許可になった事例がないというふうに聞いていますけれども、これはやっぱり事実なんですか。
○政府委員(田村嘉朗君) 規制区域が指定されますと、その規制区域の中では取引について許可制になるわけでございますけれども、規制区域の指定された実績はないということでございます。
○青木茂君 それから、届け出の勧告制です。勧告制でも審査件数としては二万件ぐらいあるのだけれども、勧告が出たのは毎年数件程度だ、しかも公表されたのは土地狂乱時代にちょっと四つぐらいあっただけだというような状況だと聞いていますけれども、それも事実ですか。
○政府委員(田村嘉朗君) 昨年の実績で見ますと、勧告がされましたのは四件でございまして、指導されたのは二万件ということでございますから、非常に少ない数字でございます。
○青木茂君 僕は、そこら辺のところが、これだけ土地問題がいろいろと問題になっていて法律ができている、またこれから今度の改正でできつつあるというときに、その実施が非常にわずかなパーセンテージであるということになると、法律そのものの空文化の危険性というものがどこかから見えてくるんです。つくって終わりということでは意味がないわけなんですね。せっかくいいものをおつくりになるのだから、これを本当に積極的に実施していくということが大切なのじゃないかと非常に思うんですね。
○政府委員(田村嘉朗君) 勧告の数は先ほど申し上げましたように少ないわけでございますけれども、届け出を受けている数が昨年で申しますと大体二十万件、そのうち一割の二万件ぐらいが行政指導によりまして、主として価格でございますけれども、もう少し適正な価格に直すようにということで指導申し上げまして、それに従っていただいているわけでございます。あるいは価格を変更したり取り下げをしている、こういうことでございますから、そういう指導に従わなかった場合に勧告ということになるわけでございますが、逆に私どもの方から見ますと、事実上ほとんど行政指導に従っていただいている、そういう意味は効果はあるのではないかというふうに私どもは思っております。
○青木茂君 それならわかります。つまり、ちょうど税務調査における修正申告みたいなもので、行政がこうしなさいという場合はいちゃもんつけずに一応従ってくれているから件数少なくなるのだと、こういうことですね。それならわからぬことはないです。 それで、最後に長官にお伺いしたいんです。 土地というのは、これは輸入のできない特殊な商品ですから、そういう意味においては、さっき統制経済という話が出ましたけれども、統制経済的というのか社会化的というのか、そういうような方向を目指さないと、私はこの土地問題というものは解決しないのじゃないかと思うんですけれども、長官どうですか、そういう考え方は。
○国務大臣(綿貫民輔君) 憲法第二十九条で財産権の保障をいたしておるわけでございますが、その第二項目目には、社会公共福祉の用に供するためにはこれを別途法律で定めることができるということで、国土利用計画法その他で、財産権の保障をしつつも、できるだけ社会公共福祉に土地が適正に拠出されるようにというふうな配慮をしながら今法律等をつくっておるわけでございまして、今後もその財産権というものを片一方に置きながら、土地というものの重要性というものを考えて法律の運用に当たっていかなければならないというふうに考えておる次第でございます。
○青木茂君 今申し上げましたように、とにかく土地は普通の商品と違うから、いわゆる資本主義的な自由競争の原則というものはある程度外しても仕方がない、思い切って言えば、もう所有権と占有権と使用権を三権分立するぐらいの意気込みでやらないと、土地の問題というのは本当にもうこれはどうしようもない状況に追い込まれつつあるということです。それを私は常に心配しておりますから、それだけ申し上げて質問を終わります。
○委員長(鈴木和美君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木和美君) 御異議ないと認めます。 上田君から委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。 この際、本修正案を議題といたします。 上田君から修正案の趣旨説明を願います。上田君。
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、お手元に配付してあります国土利用計画法の一部を改正する法律案に対する修正案の趣旨説明を行います。 最近の東京圏を中心とする地価高騰は、列島改造のときを上回る極めて異常な狂乱状態となっています。その結果、住宅、公園、下水道など国民生活に必要な公共施設の整備にも支障を来し、住民、中小企業は過重な固定資産税、相続税や地代、家賃の負担を強いられています。この異常な地価高騰によって、人間が住めない地域が急速に広がり、もはや「まち」とは言えないほどに都市の姿がゆがめられてきているのであります。 こうした異常な地価高騰の原因が、大企業や外国資本による東京への中枢管理業務機能の集中と、それを積極的に推進する中曽根内閣の民活路線に立った四全総策定作業や東京大改造計画にあることは明白です。さらに、金余り現象を背景とした大企業などの過大な土地投資や、ダミー会社等の底地買い、買い占めなどの土地投機が一層地価狂乱に拍車をかけています。また、林野庁宿舎跡地や国鉄跡地など国公有地の一般競争入札による払い下げが、地価高騰をあおる役割を果たしていることは極めて重大です。 こうした事態に対処するため、日本共産党は、四月二十一日、国土庁長官に七項目にわたる緊急対策を申し入れました。しかし、いまだに十分に有効な対策が講じられていないのは極めて遺憾であります。 本改正案の内容は、第一に地価上昇の激しい地域を監視区域に指定し、土地取引の届け出対象面積の下限を引き下げることができるようにしょうとするものです、これが今日の異常な地価高騰を全面的に解決するものでないことは言うまでもありませんが、適切に運用されるならば、特に著しい高地価を抑制する一定の効果は期待し得るものと考えます。 しかし、改正案のもう一つの柱である国公有地の売却については、単に「適正な地価の形成が図られるよう配慮する」というものにすぎず、ほとんど効果を期待できないと言わざるを得ません。国公有地の払い下げが地価押し上げの重要な要因の一つとなっていることは建設大臣も言明しているところであり、また、諸外国の経験からも国公有地の民主的な活用が、有効な都市政策、特に住民の意向に即した地域の発展を図っていく上で極めて重要であることからも、国公有地の払い下げについては適切な規制を実施することが必要です。 以上が修正案を提出する理由ですが、引き続き簡潔にその内容を説明します。 第一に、監視区域内にある届け出対象面積以上の国公有地の売却等については、関係知事との協議を義務づけ、協議が成立するまでは売却等の契約をしてはならないこととします。 第二に、知事は協議に際し、土地利用審査会及び関係市町村長の意見を聞くこととします。 以上が本修正案を提出する理由と修正案の内容の概要です。 委員各位の御賛同をお願いいたしまして、修正案の趣旨説明を終わります。
○委員長(鈴木和美君) それでは、ただいまの修正案に対し、質疑のある方は順次御発言を願います。——別に御発言もないようですから、これより原案及び修正案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより国土利用計画法の一部を改正する法律案について採決に入ります。 まず、上田君提出の修正案の採決を行います。 本修正案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木和美君) 少数と認めます。よって、上田君提出の修正案は否決されました。 それでは、次に、原案全部の採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木和美君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、大森君から発言を求められておりますので、これを許します。大森君。
○大森昭君 私は、ただいま可決されました国土利用計画法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及びサラリーマン新党・参議院の会の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 国土利用計画法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、土地に対する投機的需要を抑制するため、引き続き国土利用計画法の的確かつ厳正な運用に努めるとともに、社会経済情勢の変化に対応して、同法による土地取引規制のあり方について必要な検討を行うよう努めること。 二、監視区域制度の運用については、地方公共団体の事務の増大に的確に対処するため必要な措置について配慮すること。 三、国公有地等の利用及び処分については、土地利用計画等に関する地方公共団体の意向を尊重するとともに、周辺の地価に悪影響を及ぼさないよう配慮すること。 四、国土の適正かつ合理的な利用を図り、地価の高騰を抑制するため、土地利用制度、土地税制等の関連諸制度全般について必要な検討を行い、総合的な土地対策を確立すること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(鈴木和美君) ただいま大森君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木和美君) 全会一致と認めます。よって、大森君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、綿貫国土庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。綿貫国土庁長官。
○国務大臣(綿貫民輔君) 国土利用計画法の一部を改正する法律案につきましては、本委員会において熱心な御審議の上、ただいま全会一致をもって議決され、深く感謝申し上げます。 審議中におきます委員各位の御意見や、ただいま議決になりました附帯決議の趣旨は十分に体してまいる所存でございます。本法案の審議に際し、委員長初め委員各位から賜りました御指導、御協力に対し深く感謝の意を表してごあいさつといたします。 ありがとうございました。
○委員長(鈴木和美君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木和美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(鈴木和美君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、上田耕一郎君が委員を辞任され、その補欠として佐藤昭夫君が選任されました。 —————————————
○委員長(鈴木和美君) 関西文化学術研究都市建設促進法案を議題といたします。 まず、提出者衆議院建設委員長村岡兼造君から趣旨説明を聴取いたします。村岡君。
○衆議院議員(村岡兼造君) ただいま議題となりました関西文化学術研究都市建設促進法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。 関西文化学術研究都市の建設は、近畿圏において培われてきた豊かな文化学術研究機能の蓄積を生かし、二十一世紀に向けての文化学術研究機能の新たな展開の拠点を京阪奈丘陵に形成するものであり、産学官の協力により、その建設の推進が図られてきたところであります。 本案は、関西文化学術研究都市の建設に関する総合的な計画を策定し、その実施を促進することにより、文化、学術及び研究の中心となるべき都市を建設し、もって我が国及び世界の文化等の発展並びに国民経済の発達に資することを目的とするもので、その要旨は次のとおりであります。 第一に、本案における関西文化学術研究都市とは、京都府綴喜郡田辺町を初め大阪府及び奈良県にまたがる五市三町の区域のうち内閣総理大臣が定める区域を地域とし、文化学術研究施設等の整備を行う文化学術研究地区と、文化学術研究地区の整備に関連して必要な施設整備を行うとともに環境を保全する周辺地区で構成することといたしております。 第二に、内閣総理大臣は、関係府県知事の意見を聞くとともに、関係行政機関の長に協議して、関西文化学術研究都市の建設の目標等を内容とした都市建設に関する基本方針を定めなければならないことといたしております。 また、関係府県知事は、基本方針に基づき、関係市町長等の意見を聞いて、文化学術研究地区の区域及び文化学術研究地区の整備に関する事項等を内容とした建設計画を作成し、内閣総理大臣の承認を受けなければならないことといたしております。 第三に、国及び地方公共団体は、建設計画の達成に資するため、関西文化学術研究都市の建設に必要な施設の整備及び必要な資金の確保等の援助に努めなければならないこととするとともに、文化学術研究地区に立地する文化学術研究施設等について課税の特例措置を講ずることといたしております。 その他、地方債についての配慮、地方税の不均一課税に伴う措置等を講ずることといたしております。 以上、本法案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(鈴木和美君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○佐藤昭夫君 まず初めに日本共産党として申し上げたいことは、文化学術研究の発展は国民にとって極めて重要な課題であり、それを正しく発展させる文化学術研究都市建設そのものに反対はしていません。しかし、現在進められている関西学研都市計画と本法案は種々の問題があり、賛成できません。以下、若干の点を質問いたします。 法案では、国及び地方公共団体は学研都市建設に必要な施設の整備に努めるとしながら、自治体に対する措置は地方債についての配慮だけで、これでは関係自治体の負担が重大化すると思います。例えば財政規模三十億の京都府精華町が学研都市受け入れに伴う財政負担を二百三十億円と推計しています。これは勢い住民負担ともなるものであって、もっと積極的な国の財政措置を検討すべきではないかと思いますが、どうですか。
○政府委員(柳晃君) ただいま議題となりました法案では、御指摘のような地方債についての規定のほかに、地方税の不均一課税等に伴います減収分につきまして地方交付税で減収補てんをする規定がございます。過去に宅地開発その他でいろいろな要綱その他もできておりますし、国土庁といたしましては、公共施設整備等に要します地元の公共団体の財政負担につきましては、提出されている法案で十分対処できると、かように考えております。
○佐藤昭夫君 十分対処できるとおっしゃいますけれども、私が精華町の例を一つ挙げたんですけれども、今後地方自治体の財政が非常に重大な事態になる。したがって、他の都市と比べてみても例えば公共料金などで住民の負担が著しい、こういうような場合にはさらに追加をして、国としての手当てを検討する必要があると思いますが、どうですか。
○政府委員(柳晃君) 例えば一万六千人の精華町をとらえましてお話しでございますが、日本には三千三百の地方公共団体ございまして、過疎地には過疎地なりの、あるいは学園都市が予定されています京阪奈には、大きいところでは三十万の都市から先ほど例に挙げられましたような町までございまして、それぞれいろんな行財政制度で対応しておりますので、現在の仕組みで十分だというふうに考えております。
○佐藤昭夫君 今のような答弁を繰り返されますと、いよいよこの法案が問題をはらんでおるというふうに言わざるを得ません。 時間が制限されていますので次の問題に進みますが、法案第十二条で、農地法等の許可について配慮すると、こうしておりますが、これは農地や文化財、環境などの保護のための現行法の規制を特別に緩和するということかどうか、明らかにしてもらいたいと思います。同時に、住民合意をもとに建設を進めるという開発行政の基本方針、これについてはどうでしょうか。
○政府委員(柳晃君) 農地法等への配慮規定に類します規定は幾つかの法律の中にございますが、御指摘のような個々の法律におきましては、許認可処分のいわばその基準を直すというような意味合いではなくて、都市建設を促進する立場に立って、処分庁において事務の迅速化と申しますか、そういうことについて配慮しろと、こういう意味だというふうに受け取っております。
○佐藤昭夫君 ちょっと後段の質問、答えてください。住民合意で進めるか。
○政府委員(柳晃君) 住民合意で進めるということでございますが、五市三町が京阪奈丘陵にございまして、それぞれ学園都市のクラスターを持っておりますが、そこで進められますことにつきましては、地方自治の本旨にのっとり、住民との関係において地方自治を十分わきまえながら、民間においても国においても、あるいは都道府県においても行われるというふうに理解しております。
○佐藤昭夫君 この学研都市構想が発表されて既に久しいわけでありますが、文化学術研究施設の立地計画はまだ極めて少数であります。これでは海図なき航海だと言われますように、今次法案は民間施設に税の軽減をするというのが主目的ではないかという批判が起こるのじゃないでしょうか。
○政府委員(柳晃君) 税の軽減が主目的ではなくて、産官学が共同をいたしまして、民間活力を最大限に生かしながら二十一世紀に向かって京阪奈丘陵に文化学術研究都市をつくっていこうということでございまして、その一つのてことしまして、手段として減税措置がとられておるわけでございます。
○佐藤昭夫君 最後に大臣に質問いたします。 私は、今までも何回か予算委員会や科学技術の特別委員会で、この問題にかかわって軍事研究導入の危惧についてたびたび指摘をしてまいりました。今日、SDI研究を初め、日本の先端技術についてアメリカ側の軍事的関心が非常に高まっている、こういうときでありますだけに、この心配は一層ひとしおであります。大臣、この学研都市建設、これにかかわって軍事研究を導入するというようなことは、過去の大臣はそういうことはないと言明をされておりましたけれども、長官にも、改めてこの点について基本的な考え方をただしたいと思います。どうでしょうか。
○国務大臣(綿貫民輔君) 学研都市で軍事研究をやると言うような方があるとは聞いておりませんし、そのようなことはないと思っております。
○佐藤昭夫君 終わります。
○委員長(鈴木和美君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木和美君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 関西文化学術研究都市建設促進法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(鈴木和美君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(鈴木和美君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十二分散会 —————・—————