決算委員会 第2号
- 発言数
- 169 件
- 登壇者
- 29 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/01/21
会議録
○委員長(菅野久光君) ただいまから決算委員会を開会いたします。 昭和五十九年度決算外二件を議題といたします。 本日は、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算について審査を行います。 —————————————
○委員長(菅野久光君) この際、お諮りいたします。 議事の都合により、これらの決算の概要説明及び決算検査の概要説明は、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(菅野久光君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(菅野久光君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山本正和君 会計検査院の報告を読みますと、通産省には若干でございますし、あと経済企画庁その他の関係省庁、非常に他の省庁と比べますと予算執行が極めて適正である、こういうふうな報告がございます。ひとつ今後とも予算執行につきましては、この報告にありますような形での執行をまず冒頭に要望しておきたいと思います。 本日、私は売上税が中小企業やその他の産業界全体にどんな影響を及ぼすか、こういうことを中心に、まだ現在法案整備中ではございますけれども、いろいろと通産省並びに経済企画庁、あるいは関連して大蔵省にもお尋ねしたいと考えております。 その前に冒頭、田村通産大臣、また経済企画庁長官、大変多忙な日程の中で大洋州あるいは東南アジアを歴訪されてお帰りでございます。本当にお疲れなことだと思うわけでございますが、まずお二人からそれぞれの歴訪につきましての御感想を承りたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 御指摘のように、私は一月六日に成田を立ちまして七日シドニー着、そしてシドニーで向こうの首相のホーク首相の晩さん会に各大臣とともに出まして、そしてキャンベラに入りました。八日、九日は当然定期閣僚会議がございました。 長くなるとあれでございますから、まずホーク首相との会談、ここに企画庁長官も、そのときに同席しておりましたので聞いていただいて私が申し上げますが、ホーク首相から日本企業の誘致というものに対して非常に強い御要請がありました。それに対して我々の方は、不慣れな土地での労使関係というものについていささかの懸念を抱いておりました。ところが、ホーク首相の方がそれを察せられて、実は我が国の労使関係はなかなか難しい問題が過去においてあった。自分たちは労働党である。私はしかも前、日本で言うたらどう言うのでしょうか、総評の議長というのでしょうか、そういう地位にあった。労働評議会か何かの会長をしておった。今、私の後の会長もここへ呼んでおる。これから日本企業が進出してくるときには政府もあっせんして差し上げるから、組合側と十分の話し合いをなすって日本側の企業に対して労働争議等で迷惑をかけないような保証をしていく、こういうことを真剣に考えていきたいと思う。こういうことでございましたから、我々非常に喜んで、それは結構なことであります、それは早速伝えますが、ただ私が、つまりこの田村がたしか運輸大臣のときだったと思うけれども、あなたのところで港湾ストがあって船が動かなくて大豆がもやしになったことがあった、ああいうことを思い出すとやはり一抹の心配というものはぬぐいがたいものがあるということを申し上げた。それに対してホーク首相から非常に心強い御発言がございましたから、私は右発言をよい土産として持ち帰り、関係企業等に伝える旨をお答えいたしました。 それから、いよいよ定期閣僚会議ですが、私のカウンターパートの大臣は四人、大体日本の通産省というのは幅が広過ぎるんですね。バトン商工技術大臣、ドーキンス貿易大臣、エバンス資源エネルギー大臣、ジョーンズ科学大臣等、皆私のカウンターパートの大臣であります。ちょっと時間が短かったので、すべてをお互いが議論し尽くすということは不可能でありましたけれども、それはなかなか厳しいことも言います。それは向こうは農産品を中心として、鉱山とかという第一次産品を日本へ売り込むという国でございますから、それはなかなか厳しいことを言い、しかも近年オーストラリアの対日マーケットにおけるシェアがやや減少ぎみでありますから、これはもちろん民間レベルの問題ですから政府がとかく言える筋のものじゃないけれども、そういう点でなかなか厳しいものはございましたけれども、大変仲よくいたしまして、それで一番きつかったのはドーキンス貿易大臣はきつかったです。大分加藤農水大臣もたじたじしておったようですが、どういうわけか途中から私とドーキンスとが肝胆相照らす仲になってしまった。親友になりまして、ドーキンスは自分のすばらしい自家用機というのか、小さなジェット機にすばらしいソファーが向かい合わせに置いてあったりして、中でビールを飲みながら行くというようなことで、豪華なものです。これが労働党かと思うほど豪華なもの。だから、自民党ならもっといいものを使わしてもらってもいいなと笑いながら来たのでございますが、日本も外国のVIPに対してもっと考えなければならぬなということは、これは雑談として話し合いながら帰ってきましたけれども、行きはシドニーからキャンベラまで軍のVIPの特別機を三機仕立てて飛ばしてくれたというようなことでございまして、いろいろと話し合いました。 特にバトンという商工技術大臣、これも大変私に好意的に振るまってくれて、会議が終わった後、シドニー湾でクルージングに誘ってくれて、お互いに裸のつき合いをしようというので、そして裸になっていろいろと話し合いをしました。私から夕食のときにも言ったんですけれども、どうですか、四極貿易大臣会議というのはあるが、今や確実に世界の経済は大西洋から太平洋へ移りつつある、このときに環太平洋の有力な国々の産業担当大臣会議というようなものが行われてこそしかるべきもの、あなたどう思うかね、こう言ったら飛びついて、おれは今カナダヘ行くんだが、カナダのカー二ーに早速話をして、了解を得てくるよと、このようにバトンが私に言いましたから、うまいぐあいにバトンタッチしておいてくれよと、こう言って頼んでおきました。そういうようなことでございまして、オーストラリアでは非常にいい空気でございました。これは後ほど近藤君から同じようなお話があると思います。大体、私と近藤君は同じカウンターパートのところにおる場合が多かったものですから、お聞きいただいたら結構かと思います。 印象としては、私は一九五七年に岸総理のお供で一年生代議士のときに行ったんです。平たく言えば、昭和三十二年に行ったんです。それで、三十年目でございます。ただびっくりしました。もう全然昔の面影ありません。本当にすばらしくなっておる。そういうことでありましたが、まあとにかく我が国にとって引き続き重要な資源輸入国であることに加えて、今後投資及び技術の交流を含めたより幅広い、またかつ深い関係、つまり多面的重層的新経済関係、これを構築していく必要があるとしみじみと痛感をして帰ってまいりました。 その後、外務大臣はニュージーランドからトンガ、フィジーと、私はインドネシア、マレーシア、タイというところへ回りまして、タイでは加藤農水大臣と合流したわけですが、訪問のねらい、これは我が国にとって重要な近隣諸国でもありますし、世界の中で最も大きな発展の可能性を有していると言われておる地域でもあり、また近時一次産品価格の下落等から経済的苦境に陥っていると、そういうASEAN諸国の指導者と親しく会談をして、同地域の経済の再建や活性化のために我が国としていかなる協力を行うことが適当であるかを模索する、我ら何をなすべきや、これを模索する、この勉強に、勉強といいますか、実態調査に行ったというわけであります。 十日から十六日の一週間の間に、インドネシアのスハルト大統領、マレーシアのガファール・パバ副首相、マハティール首相外遊中のために、首相代理でガファール・ババ副首相、それからタイのプレム首相、まあこういうようなところ。それに、インドネシアなんかでは六人の経済閣僚が私を囲んだと。それで、一言にして言いますと、まず内需拡大をどんどんやってくれと、日本は。それから、相場を安定してくれと。それから円借の金利を下げてくれと。円借にひもをつけないでくれと。アンタイドにしてくれと。日本の円借は金利が高い上に、どうもひもつきで困ると。アンタイドにしてくれと。それから、内貨融資をぜひ我々に弾んでもらいたい。こういうことでございました。その中でいろいろ我々も応答したわけですが、このような見地からは新アジア工業化相互協力プラン、いわゆるニュー・エイド・プランというものを提唱したんです。これに対して各国ともに幸いに飛びついてくれました。これはちょっと長うなって恐縮なんですが、これは、ニュー・エイド・プランというのは、もう皆さん御承知と思いますけれども、今までのようにお金やなんかだけで援助をするというのでなくして、お金も技術も産業基盤のインフラも、あるいはマーケッティングのノーハウも、いろんなものを向こうに供与していこうと、そして一次産品に頼り過ぎておったASEAN諸国、これから輸出志向型の新しいタイプの、非オイル、非ガスというような輸出志向型、これを日本の手によって育成するお手伝いをしようと、こういうことでございまして、向こう側と話し合って大変喜ばれたというようなことでございます。 要するに、円高について彼らはやかましく言っておりました。円高というのは、おまえらは力があるからいいけれども、おれらの身にもなってみよと。円借を受けておる者の身にもなってみよと。円を借りて、そしてその円を返さなきゃならぬ。その返すのに円で返す。そうすると、この間まで二百四十円だったやつが百五十円そこそこになってきたと。高利も高利も、世界じゅうにこんな高利はないぞと、結果論としては。だから、何とかこういうものを借りかえ等の問題も考えてほしいし、特に内貨の融資等も考えてほしいし、何といっても基本は為替レートの安定を図ってもらいたい。こういうような、言い出せば切りがないんですが、時間の関係もありましょうから、そういういろいろな実りある話をしてまいりまして、早速今通産省で私と向こうどの話し合いをしてきたことについてどんどんと整理をして、そしてそれに対して一つずつ私が対応していこうと、こういう段階でございます。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 日豪閣僚委員会につきましては、ただいま田村通産大臣からいろいろお話がございました。それで尽きているわけでございまして、私が余り多くを申すことはございませんが、ただ二点だけ申し上げたいと思います。 一つは、私と見合いが向こうの大蔵大臣のキーティングでございまして、話をしたんですが、ポイントは、豪州は第一次産品輸出国でございますから、第一次産品の国際的な価格が下がることによって当然豪州の外貨収支が下がるわけです。現に豪州ドルは米ドルよりもさらに数倍下がっているわけです。それですから、円から考えると、円・ドルでドルが下がって、さらに豪州のが下がっていると、こういう状況でありますので、ぜひひとつ積極的に豪州の開発に投資をしてもらいたいというのが大蔵大臣の希望でございまして、この投資先も第一次産品だけじゃなしに、それを一回加工したい。だから、鉄鉱石で輸出するかわりに、さらにできれば加工して輸出したいので、その加工についての投資をしてもらいたいとか、それから炭鉱資源の開発について大いに投資をしてもらいたいとか、それから今後いろんな工業化を進めていくハイテク関係についても投資をしてもらいたい。大蔵大臣の日本に対する要求は、何とかひとつ投資をしてもらいたい。そのためには、豪州現政権は労働党政権でございますが、前の保守政権以上に資本の面においては完全に自由化しているので、どんどん心配なく投資をしてもらいたい、こういうことでございました。 第二点は、産業構造調整政策でございますが、私どもの産業構造調整政策について説明をいたしまして、非常に向こうも関心を持ってくれまして、日本の産業構造調整政策と、豪州も新しい状況に対応して産業構造調整なり、したがって日豪産業構造調整政策のいわば意見の交換みたいなことも今後やっていきたいなと、そういう双方の希望でございました。 日豪閣僚委員会については以上のとおりでございます。 その後で、ドイツ側の招聘もございまして私はボンに参ったわけでございますが、西ドイツはこの二十五日に選挙がございまして、もう選挙戦も終盤戦でございましたが、向こう側の好意によって経済大臣のバンゲマンさん、それからドイツ連邦準備銀行の総裁のペールさん、大蔵大臣は例のEMS、欧州通貨システムの会合がございまして、しかも選挙が重なっておるので、とても会えないということで、事務次官のティードマイヤーさん、それから前の経済大臣であった、日本にもしょっちゅう来ておりますラムズドルフさん、そういった方々と一時間半から二時間ぐらい相当突っ込んだ話をしてまいったわけでございますが、結論だけ申しますと、日本はまさに円高で大変な経済的な影響を受けているんだが、ドイツは余りマルク高が影響をしてないようなふうに見えるがどうなんだという話をいたしましたら、ドイツはマルク建ての取引が全貿易の七割以上なんで、そこはもろにドル安・マルク高が影響しない、ただこれからさらにマルク高が進むようになると、やっぱり日本と同じような問題を我々も受けるので、これ以上のマルク高は何としてもとどめたい、こういう強い意向でございました。 当方からそういうことで、日本ももうこれ以上の円高は困るんだ、マルクが先に上がっちゃうとこっちもつられて上がるからマルクも安定をしてくれ、こういうことでございまして、ただ向こう側は、問題の根源はアメリカの財政の大幅な赤字で、そしてアメリカの国際収支の大幅な赤字だから、このアメリカの二つの大幅な赤字が解消しないと、なかなかこっちが幾ら頑張っても国際通貨体制は安定しない。だから、日独が話し合いをしたから、アメリカに対してもアメリカの財政的なディシプリンといいますか、節度を求めよう、国際収支改善についてアメリカも努力してもらいたいということじゃないと、幾ら通貨当局が為替を操作し、為替に介入したりまた金利をやったって、根源が直らなければだめではないか、こういうことでございまして、宮澤・ベーカーの合意というものが昨年秋にあっても円が結構ぐっと上がっている。それに対してアメリカは必ずしも協力的でない。むしろドル安を容認するような発言をベーカー財務長官が公式に肯定していることについては問題じゃないか、こういうようなことでございまして、結論的に国際通貨の安定のために日独がいろいろこれから協力を進めていこう、そのためにアメリカも巻き込んだ形の国際通貨安定対策について積極的な姿勢で臨むことが両国の国際経済に対する責任でもあるのではないか、こういうことで帰ってきた次第でございます。 以上でございます。
○山本正和君 いろいろとユーモアもまじえまして御感想をお聞きいたしました。 我が国内ばかりではなしに、国際社会も我が国の内需拡大、さらには景気の回復、さらに円高問題の対応ということについてまさに国際的な話題になっている、こういうことをつくづくと今のお話の中で感じたわけでございます。 そこで、もう新聞紙上毎日毎日報道されないことはございませんし、各界でさまざまな動きが出ておりまして、一体こういう円高の中で日本経済が耐え得るのか、日本の国の産業がもつのかというふうな中で、この売り上げ税の導入ということが今法案準備をされているという段階でございます。 私は、社会党という立場でこれに対して絶対反対云々ということの前に、私なりに、個人のところにいろんな業界の方がお見えになります。また、自民党を大変強く支持されておられる方も私のところに随分お見えいただきまして、この売り上げ税問題について、とにかくまだ国会で一度も議論がされていない、何とかひとつ当面我々が感じている不安、問題点について質問をしてほしい、こういうふうな要請等もありまして、その中でお尋ねをしていきたいと思うわけです。 まず、百貨店協会といわず、スーパー業界といわず、流通市場に直接責任を持っておられる企業の方々、そしてメーカーの方々もそうでありますけれども、一体今の我が国の政府は我が国の市場の環境、状況をどう把握しておみえになるんだろうか。 要するに、例えば百貨店が大売り出しをする、二割引き、三割引きというふうな大バーゲンをやってやっと購買力が少し出てくる。じゃ次に何か目新しいものはないかというので、また新しい商品をいろんな形でもって宣伝をしてやっとお客さんに買ってもらっているんだと。大体、小さなアパートに、日本人はウサギ小屋と言っているわけでありますけれども、小さい家に使えもしない品物がどっさりある。洋服だんすをあけたら、しばらく着てないような二、三年前の服もずっとたまっている。要するに、日本の消費者の置かれている状況というのは、物は買わぬでもいいんだよと、いつでも。高ければ買わないんだよと。こういうふうに消費者の感じがある中で、しかも円高で不況産業が次から次に出てきて、労働者が余ってきて、首切りだと、国鉄だけでも大変な数でございます。そういう中でどうやってお客さんに品物を買ってもらおうかと。品物をたくさん買ってもらわなければメーカーも困るだろうし、本当にきりきり舞いしておって、値下げするのにふうふう言って、そして、しかし値下げしても売らなければ日本の国の産業は大変なことになるというんで私たちは努力しているんだと。そこへ何か値上げするというふうな話が、いやでも応でも税金分だけ値上げするわけですから、大変なことになってしまう。一体政府は、この今日の市場環境についてどういうふうに認識しておられるんだろうかと、こういうことをよく聞くわけでございます。 そういう意味で、今通産省なりあるいは経済企画庁なりとして、今日の市場環境の問題について四点ぐらいにわたってひとつお尋ねいたしますので、よろしくお願いしたいと思います。 まず、現在、我が国のメーカー、大変な生産力を持っております。そのメーカーがいろいろ物をつくっていく、そういうつくられていく製品と我が国内の内需の関係は一体どういうふうな状況にあるのか、特にこれは在庫商品や輸出の状況と絡んでひとつ簡単にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(杉山弘君) 日本経済の現状でございますけれども、お話の中に出てまいりましたように、最近までの急速な円高に伴いまして、輸出産業は不振でございますし、また、製品輸入等もこのところ急速に増加をしてきております、 そういう意味で、むしろ全体の経済成長との関係でまいりますと、内需は比較的堅調ではございますけれども、外需、輸出の減、輸入の増というのが足を引っ張りまして、このところ六十一年度の第一・四半期、第二・四半期につきましては成長率が思わしくないという状況にあるわけでございます。 特に、製造業の関係でまいりますと、輸出関連産業を中心といたしまして、このところ比較的稼働率が急速に下がってきておりまして、これまでの時点でのピークは六十年の七−九月期でございまして、この段階のいわゆる稼働率指数という数字が一〇二・八でございましたが、昨年の十月段階では九五・三というところまで下がってきております。したがいまして、そういうような状況でもございますし、製造業の企業収益というものは急速にこのところ悪くなってきておりまして、景気の先行きについて懸念が持たれますので、昨年の九月には政府として総合経済対策をやっておりますし、また六十二年度につきましては内需を中心として三・五%程度の成長を達成するということで政府の経済見通しも立てて努力をいたしているところでございます。
○山本正和君 鉄は国家なりというふうな言葉がありますが、一番基幹産業の鉄鋼、例えば新日鉄一つとりますと、ことし一千億円ぐらいの赤字が予想されるというふうなことも言われておる。それはもういろいろな形でもって合理化を進めて、切り詰めて切り詰めていってもなおかつ赤字が出る。これは、鉄は国家なり、科学は社会なりというふうな、どの産業にも全部当てはまるんですけれども、こういう鉄鋼価格が大変な状況に今ある、これは御承知のとおりだと思うんですけれども。それ以外に日本の国内にある百七十万からの企業のうち、五五%が既に赤字になっている。これも通産省は御承知のことだと思うんですね。 そうすると、そういう赤字企業の中で、結局どうやったら生き残れるかといえば、人員を合理化するなり何なりしていなかければいけない。結局人件費が一番高いわけですからね。韓国が日本の人件費の五分の一と言われている。そうなりますと、どうにも、企業がどんなに努力しても苦しいわけですけれども、一方、通産省として、これはまあ通産省ばかりじゃなくて国策ですけれども、何とか輸入を拡大しようと。そして台湾や韓国、先ほどの大臣が御訪問されましたASEAN諸国等の輸入も拡大しなきゃいけない、あるいはアメリカやヨーロッパからもそういう圧力がある。そういう非常に次から次へ激しく揺れてきているこの状況ですね。結局乗り切ろうとしたら新しい商品を開発して、安い商品を、魅力のある商品を消費者の前に十分に持っていくようにしなければいけない。これが第一線の業界のもう一番苦しい、だから頑張っているところだろうと思うんですね。ですから輸出を何ぼふやしても、輸出をふやせばふやすほど先ほど外国を御視察いただいたのと同じことで世界経済に対して大変な影響を与える。結局日本の内需を拡大しなければいけない。内需を拡大しようと思ったら安い品物を、消費者に魅力的なものをどんどん買ってもらって、それでまた新しく基盤となる産業へ刺激を与えて、こうしなければどうにもならないという中で、一体この売上税はもし導入されたら、政府の税調や自民党の税調でも何か値上がり率を大変低く見込まれておられますけれども、そういう値上がりをするということが今の内需拡大の方向に一体合っているというふうに通産省なり経済企画庁なりとしてはお考えなのかどうなのか、その辺をちょっともう少し承りたいんですが。
○政府委員(杉山弘君) 御指摘のように、現下の経済状況にかんがみますとやはり国際的なインバランスをできるだけ適正なものにし、国内の経済の活力をつけていくということからまいりますと、内需拡大ということになるわけでございまして、御質問のポイントはこの内需拡大の要請といわゆる売上税との関係いかん、こういうことであろうかと思うわけでございます。 確かに売上税が導入されますと価格に転嫁をされまして物価が上昇をいたしまして、その限りにおいては経済に対してデフレ効果、マイナス効果を及ぼすわけでございますが、今回の税制改正につきましては御案内のように一方では売上税の導入をいたしますが、他方では所得税、法人税の減税もあわせて行うということになっておりまして、歳出歳入面でまいりますと税制改正関係ではほぼ見合うということになっておりまして、そういうことを考えますと、今回の税制改正の景気に及ぼす影響につきましてはほぼ中立的なものではなかろうかと。したがいまして、売上税の導入のみをとらえて内需拡大の経済運営の方針と違背するではないかという御指摘につきましては、ぜひ今回の税制改正全体の姿をとらえて御判断をいただきたい、かように考えるわけでございます。
○政府委員(川崎弘君) ただいま通産省の方からお答えがございましたように、一般論として申し上げますと、確かに売上税の導入というのは物価の上昇を通じまして消費者の可処分所得を減少させるという要因はあるわけでございます。 しかしながら、通産省の方のお答えにもございましたように、今回は一方におきまして所得税あるいは法人税の軽減ということも考えられております。したがって経済に及ぼす影響といたしましては、税制改革全般がどういう影響を及ぼすかというふうな観点から、改革全体として評価することが必要ではないかと私どもは判断しておりまして、例えば所得税であるとか住民税の減税というのは一方において個人消費の喚起に寄与するという面があろうと思いますし、あるいは法人税の軽減というのは事業意欲というものを高めるという働きも期待されるわけでございます。 それから六十二年度ということで考えてみますと、この所得税あるいは法人税といった方の直接税関係の方が実質的には先行するんじゃないか。売上税の関係は年度の後の方で導入されるということもございます。そういうことも考えますと、私どもといたしましては全体としては中立あるいは若干内需に対する影響としてはおつりが来るんじゃないか、そういう期待もいたしているわけでございます。
○山本正和君 そういうふうにお答えになるだろうとは思っておりましたが、それについていろいろと、まあ日経新聞以下各紙にいろんな形でこれ記事が出ております。しかし、これは報道関係者のいろんな論説と違いまして、実際に売る責任者の中で、例えば百貨店協会、きょうの日経新聞に載っておりましたけれども、大変な調査をしているわけですね、百貨店協会は。こういうアンケートをとりまして、そして数字を出して、要するに税金部分を品物の中に価格転嫁してしまって、業者の犠牲でやろうというところまで考えて、しかしどうしてもできないだろうと。一〇〇%税金は消費者が負担せざるを得ない場合、五〇%の場合、四〇%の場合、こうやって専門の第一線の責任者に全部こういうアンケートをとってやっているわけですね。 それからさらに百貨店なりに今度は消費者動向調査等もやっているわけですが、そうすると、「政府は所得税減税を実施すれば、税の完全転嫁が可能と見ているが、」ここから問題ですよ。「消費者のもの離れ現象の中で、消費需要に回る可能性は少なく、」これは実際に消費者を調査しての話なんですよ、アンケートをとって。新聞のように推測じゃない。実際にアンケートをとっているわけです。「消費税導入による買い控え等負の効果の方がはるかに大きい」、こういう結果が出てきている、 そしてまた減税問題ですけれども、「給与所得者四千万人のうち、消費支出の増加につながる位の」ああこれだけ税金が下がったからこれで何か買おうかと。「つながる位の減税の恩恵に浴するのは、年収八百万円以上の人で、五百八十万人(一四・五%)、その他の八五・四%は実質増税となるか、消費増に結びつく程の減税とはならない。」。安くなったから買いましょうとはならないわけですね。やっと家計の赤字をこうするか、それとも不安にこたえて乏しい中で安い金利の預金をするか、こういうふうにしかならない。ですからこんなものを、減税しているからだから大丈夫ですよという発想は、本当に政府は国民をきちっと調べられた上でおやりになっているのかどうかですね。これは業界にとっては、中小デパートだったら倒産するかもしれないというので必死なわけですよね。一体そういう調査を政府としてはおやりになったことがあるのかないのか。これはおやりになっていなかったらぜひこれはやっていただきたいと思いますし、ここでもし不況がもっと深刻化するために流通産業のある部分がどんどんばたばたいきますと、どうやら第三次産業でやっと辛うじて保たれている労働市場が壊滅するわけです。大変な不況が起こるという恐ろしさを皆感じている。そういう意味で、ひとつ今の御答弁を超えてもっと突っ込んだ格好でのお取り組みをぜひともお願いしておきたいと思います。 これはけさの新聞で何か大蔵省の主税局長の諮問機関で何か各業界入れて云々ということが載っておりましたからいろいろと御検討されるだろうと思うんですけれども、私から率直に言いますならば、本来通産省や経済企画庁がこの売上税問題が出たときに、省を挙げてこれは大変な問題ですということを言う立場にあったんじゃないかと私は思うんです。去年の十一月二十日ですか、通産省が通産省の方針として売上税導入やむなしというふうにお決めになったという経過も若干聞いておりますけれども、その賛成する前提条件が果たして確保されているのかいないのか、そんなことも含めてぜひともひとつ十分に御検討を願いたいと、こう思います。 ちょっとそこで、通産省の方でどういうふうに、これは企画庁でもいいんですけれども、付加価値税を導入したのが一九六〇年代から七〇年代にかけてヨーロッパで導入されておるわけですね。韓国が一九七〇年代に付加価値税を導入している、そのときに一体物価の上昇はどういうふうにあったのかなかったのか。要するに付加価値税導入の前年の物価、導入した年の物価、その翌年の物価、それについてちょっともしデータがあればお示し願いたい。
○説明員(菅野剛君) ただいま委員が御指摘のとおり、一九六八年に、西ドイツとフランスで付加価値税を導入いたしております。そこで、この前後の年の消費者物価の動向というのを見てみますと、西ドイツでは、この付加価値税を導入する前年の一九六七年には消費者物価上昇率が一・六でございます。それで六八年に付加価値税を導入いたしたわけでございますけれども、六八年の消費者物価上昇率も同様に一・六。一方フランスでございますが、これも六八年に付加価値税を導入いたしておりますけれども、六七年の消費者物価上昇率は二・五%、それが六八年には四・九%ということでございます。 このような動向でございますけれども、付加価値税を導入したことがどれだけ物価の動向に影響を与えたかということにつきましては、それぞれその時点での各国の経済の状況、需給の動向等、いろいろ物価の動きを決める要因がございますので、なかなかどれほどが付加価値税による物価の上昇であるということを言うことは一概には申し上げることは困難であろうかと思っております。
○山本正和君 若干数字の把握の違いが私の方とはありますけれども、大筋はそれで結構だと思うんですけれども、ただ、この付加価値税を導入したときのその国の産業がどういう状況にあったかということと非常に絡んでまいります。要するに景気が大変悪いときに導入されたのか、あるいは安定しているときに導入されたのか、あるいは物価上昇して高度経済成長の時期にこれが行われたか、いろいろ違いがあると思うんですね。しかしそういうものについてもこれはぜひとも慎重な御検討を、外国の先例があるわけですから、これはどういう影響するかについては責任ある政府の立場でぜひともひとついろいろと御検討いただきたい。 それで、今の国民の中にある心配は、本当に政府はこの売上税導入に当たって十分な準備をしていないんじゃないかというふうな不安も率直に言ってあるわけですから、特にこれは中小企業の皆さんにとっては初めての出来事ですから、そうするとこれは田村通産大臣がよく口ぐせのように言われるんですけれども、おれは中小企業の親分だと、こう言って、それが通産大臣の仕事だと思うと、こういつも言われるし、また、そういう意味では大変超党派的な人気もおありになる大臣です。となりますと、中小企業が今抱えている不安というものを通産省としては何としてもここでくみ上げていただかなければ、これはもう政治不信に陥ると思うんですね。だから経済企画庁としてはぜひとも、今一生懸命になって働いて毎日頑張って子供の未来を考えている一般国民から言いますと、未来についてこうなんですよという一つの線を示してもらわぬことにはやっぱり不安を感ずるわけですから、そういう意味での売上税導入が外国でもされました、しかしそれではこうなっていますというようなことをひとつぜひともきちんとしておいていただきたいと思います。 あわせて、ここでちょっとついでに大蔵省の方に関係が出るかとも思うんですけれども、これ一体売上税を導入した場合に徴税は本当に可能なのかと、現在の国税庁なりなんなりに対するですね。また恐らくこれは業界の協力を得なきゃいけないわけですね。全国の商工会議所なり、あるいはそれぞれの小売業組合なりの協力を得なければ、これはもう税金は大変なことになると思うんです。お隣りの韓国ではもう売上税の脱税を上手にやったところが商売が成功している、まともにやったものは皆だめになるというふうな話さえ出ている。イギリスでは売上税の脱税を防止するためにことしは新しい法律をつくろうとしている、というふうな話すら出てきているわけです。ですから、そういう意味でこの売上税というのは本当に諸外国の例を含めて徴税の見通しを一体どうお考えになっているのか、ひとつ大蔵省の見解があれば承りたいと思います。
○説明員(藤村英樹君) お答えいたします。 ただいま先生から諸外国の徴税事務の実態、それからこれからの我が国で導入した場合に実際に執行が可能であるかどうか、あるいは各国の脱税あるいは不正防止の対応等について、そういうところをかんがみてどうかというようなお尋ねがございました。順次簡単にお答え申し上げます。 最初に諸外国の徴税事務の実態について申し上げますが、先生御承知のように付加価値税を実施している国は世界全体で四十カ国ほどあろうかと思いますが、その二、三の国について実態を申し上げますと、例えばイギリスにつきましては付加価値税の執行というのは関税消費税庁という独立の機関が担当いたしておりまして、このイギリスにおきましては、比較的納税者数が多いという状 況が一つございます。それから免税標準税率というような制度的な面に加えまして、イギリス特有のものかもしれませんが、いわゆるゼロ税率というような制度がございますので、そうした適用や還付事務等が比較的容易でないといったような問題があるというふうに聞いております。 それからフランスにつきましては、この付加価値税の執行につきましては経済・財政・民営化省という役所が担当しておりまして、このフランスにおきましてはほとんどすべての業者が納税者ということにされておりますために納税者数が非常に多いということが一つございます。それからこれもフランスの特色かと思いますが、税率関係が四つほど、いわゆる標準税率、軽減税率、割り増し税率等々の税率が非常に多岐にわたっているといったような状況がございまして、実際の徴税事務の運用が比較的煩瑣になっているといった問題があるというふうに聞いております。 それから西ドイツについて申し上げますと、この西ドイツは付加価値税の執行は、これは御承知のように十一州から成っている国でございまして、こうした十一州、各州にあります上級財務局というところが担当しておりまして、このドイツにおきましては、そういう各州が独自に執行を行っているという事情から徴税事務の処理が非常に不統一である。それからドイツもほかの国と同様に複数の税率があるということで、記帳とかその適用関係等が複雑になっているといったような問題があるというふうな状況にあろうかと思いますが、私ども今執行当局といたしましては、税制改正の担当部局であります大蔵省の主税局からいろいろ話を承っておりますと、こういった各国にある問題点、今申し上げましたような納税者数が非常に多いというようなところにつきましては、免税点を比較的高いところに置くとか、あるいは税率については基本的に単一税率でする。それからイギリスのようなゼロ税率というような形のものは採用しないといった、そういった方向でいろいろと制度的な検討が行われているというふうに考えておりますので、日本の場合には制度の仕組み上比較的執行が容易ではないかというふうに考えております。 それから私どもの執行、これは導入されればすぐに対応しなければならなくなるわけでございますが、その徴税の我が方の体制といたしましては、これは執行に当たりましては当然のことでございますが、極力必要な増員数につきましては圧縮いたしまして、可能な限り簡素で効率的な体制で臨む必要があろうかと思います。そういう意味におきまして現行の物品税を初めといたします既存の個別消費税の廃止等に伴います要員の活用あるいは事務の合理化、省力化、あるいはその一環といたしまして事務処理の機械化あるいは電算化といったようないろんな工夫をやって対応する必要があろうかと思います。そういったことで我が方といたしましては、それが導入が決まりますれば今申しましたようないろんな工夫を通じまして、極力納税者の皆様にも制度の仕組みあるいは記帳の方法あるいは申告納付の手続等々につきまして、指導広報を中心としていろいろと御説明申し上げて、できる限り円滑な定着を図っていく必要があろうかと思います。 以上でございます。
○山本正和君 アメリカの財務省報告ですね、大蔵省。これはレーガン大統領が税制改革に当たってどうするかというので随分慎重な検討をさせた。そうしたらアメリカではどんなことをやっても付加価値税を導入すると二万人の税務職員の追加が必要だと、こういう結果が出てきていますね。日本の場合と違ってアメリカは各州それぞれいわゆる物品税を採用している州がたくさんあるわけですから、慣れているわけですね。慣れているにもかかわらずそれだけの人数が要る。それでイギリスではどうかというのをちょっと見てみると、担当税務職員が、要するに卸売売上税というのをやっておったのを付加価値税に変えたときに二千名それまでおった税務職員の数を四倍にふやした。八千人にふやした。それでもなおかつ脱税が相次いでどうにもならない、こういうことを言っているんですね。ですから今のお話を聞いて、特に商売をおやりになっている方が一番頭を痛めるのは税金問題なんですよね。恐らく政治の立場に立っている者は税金問題で陳情を受けなかった人は一人もおらぬだろうと思います。おれのところはこんなに言ってきたのにほかのところはこうだと、不公平の問題たくさんあります、商売をおやりになればなるほど。そうすると、これはまさに売上税を導入するとなった場合にはそういうことについての不安をなくすためのいろんな各界各層の声を聞かなきゃいけないんですけれども、大蔵省恐らくまだこれについて、売上税が導入された場合のそういう企業等に対応するさまざまな手だてというのはおやりになっていないんじゃないかと私は思うんですよね。大体「文藝春秋」に堺屋太一さんが、これは昔の経済官僚ですね、優秀な。この方がおっしゃっている中にも、売上税を導入するというようなことになれば少なくとも二年や三年国民各界各層の意見を聞いて、そして日本の国の財政がどうにももたぬから、ひとつそれじゃみんなで我慢しようじゃないかという合意を得る手続をすべきじゃないか、こういうことを専門家がおっしゃっているんですね、専門家が。そういう意味からいったら今の御答弁では何か本当につじつま合わせのような感じがいたします。大蔵省というのはもう数字に強い方がたくさんお見えなんですから、ひとつつじつま合わせじゃなしに具体的な調査に基づいて、そしてさまざまな手だてを含めてこれはお取り組みいただかなければ、大変な騒動になるのではないかと心配をしております。 そこでもう一つ、大蔵省ひとつ教えてほしいんですけれども、税収の見込みを二兆九千億、こういうふうに言っておられるんですね。これは政府税調のときも二兆九千億と、こう言っている。そうすると二兆九千億というお金が売上税の導入によって入ってくると、こう想定された根拠があるはずですね。しかし、そのときにはたしか七業種について免税と扱おうと。その後自民党の党税調になってから今度は四十三品目ですかに拡大された。その四十三品目に免税が拡大されたにもかかわらず、依然としてやっぱり二兆九千億ということを言っておられるんですね。そうすると、どうもみんなだれが考えてもこれはおかしいなと思うんですね。 それからさらに言いますと、大体日本の全産業の生んでいる付加価値が二百七十兆と、こういうふうな話があるんですね。そのうち物品税の対象になるのはどれだけあるかわかりませんけれども、仮に控え目に見て百四十兆ぐらい、それを対象にするといっても、これはもう七兆を超えるわけですね。ですから一体、二兆九千億、二兆九千億と、こういうふうに盛んに言っているんだけれども、その根拠にしても大変に私どもは不思議に思うんですが、その辺ひとつ御説明いただきたいと思います。
○説明員(薄井信明君) 御答弁申し上げます。 二点ございました。第一点は、政府税調の際とその後の税収の金額ですか、この差につきまして不審があるという一点と、もう一つは二兆九千億なら二兆九千億の計算の根拠ということかと思います。 まず第一点でございますが、私ども十二月の段階で、まず二兆九千億円の財源が間接税関係で必要であるということがある時点で出ていたかと思いますが、その際の考え方は、減税を四兆五千億円平年度で行う、一方でマル優関係の利子関係の税収の増加が一兆六千億になりそうだということで、増税と減税がイコールになるためには二兆九千億円の税収を何らかの形で見つけなければならない、こういう意味で二兆九千という言葉がまず出てきたかと思います。その際には、結局残渣として二兆九千億円の財源が要るという問題であったわけでございます。その際に売上税を同時に検討いたしていたわけでございますが、税率その他につきましてはまだ確定しない段階でございましたので、五%以下の税率になることも含めて議論は進んでいたというように記憶いたしております。その後、何を非課税にするか、あるいは税制の仕組みをどうするかということが確定してまいりまして、その上で計算をし直してみましたところ、税率を五%にするということによりまして二兆九千億円の税収を間接税関係で得ることができる、こういったような流れにあるということが第一点でございます。 第二点は、なぜ二兆九千億円になるか、どうも数字が小さ過ぎるのではないかという御指摘でございました。 この点につきましては、ただいま御指摘ありました百四十兆円ぐらいには少なくとも課税ベースがなるんではないかという御指摘でございましたが、私ども計算いたしますと、大体百二十兆円弱のベースではないかと見ております。百二十兆円弱のベースでございますと、税率が五%でございますので百二十兆円弱に五%を掛けます。そうしますと六兆円弱、五兆八千億円ぐらいになろうかと思います。これが売上税の税収として私ども認識しておる大きさでございます。 これと二兆九千億円との差はそれではどうして出てくるのかということになりますが、実は売上税といいますのは、個別の間接税を廃止いたしまして売上税を導入するということを考えておるわけでございまして、物品税が現在一兆七千億円ぐらいございますか、その他国と地方合わせて八本の間接税をやめます。これによりまして約二兆九千億円から三兆円近い減収が出るわけでございまして、先ほど申し上げました売上税の導入による五兆八千億円から二兆九千億円程度を引きますと、ネットで間接税関係で二兆九千億円ほどの増収になる、こういう数字の関係になっておるわけでございます。
○山本正和君 大体数字はそういうふうに説明できると思うんですが、実際もっと緻密なものが必要になってくるだろうと思いますが、やっぱり何といいましょうか、今の御説明ではなかなかみんなに説明してもわかりにくいんじゃないかと思います。ですからひとつ、法案を今準備されている段階でしょうから、もっとひとつ周密な数字をぜひとも提示してもらえるようにしていただきたいと思います。 もう私の与えられた時間が少ししかございませんので、おしまいは要望にとどめざるを得ません。 冒頭両大臣から御報告をいただきましたその趣旨からいっても、大変内需拡大が重要な段階であって、いささかも物価を上げたりあるいは内需を冷え込ませるようなことをしてはいけない、こういう情勢にある。これはもう十分御承知と思いますから、そういう意味も含めて最後に要望しておきたいと思いますが、実は私の友人がさる大手商社を退職いたしまして、コンサルタント業をやっているんです。その大手商社のいろいろな関係で友だちがずっとおりまして、おい、済まぬけれども、君らこれどう思うと言って聞いたんです、私。そうしたらいろいろあって、全般的に反対だけれども、一つどうしてもこれだけは納得できぬことがある。これはぜひとも君がもし国会の場で議論するなら言っておいてくれと。これは二つあるんですね。 一つ、まず大きい方を言いますと、自民党の山中税調会長が税を払いたくないやつは買わなきゃいいと、こういうことをおっしゃって新聞に報道された。これはもうまじめに事業を一生懸命やっている者に対する大変な侮辱だと、少なくとも党の責任ある立場の人はもう絶対こういうことを言ってもらっては困ると、それを言ってくれというのが一つです。みんなが日本の国に生きておって、日本の国で生きていこうと思って税金を払っているわけですからね。払おうと思っているわけですから。それを払いたくないやつは買わなきゃいいと、こういうふうな言い方は、たとえ内部の議論であろうとも、新聞に報道された場合にどんな影響を与えるか。これはぜひともひとつ慎んでもらうように言ってくれと、こう言ってました。これは一つ申し上げておきます。 それからもう一つは、実際に実務をやる企業の立場で考えた場合に、売上税を処理するのに、政府がお考えになっているよりも大変な実務が要るというわけです。実際は中小企業の場合、税務に要する事務というのは大変なものですし、だんだん複雑になってくればなってくるほど大変な事務量が要ってくる。少なくともこれ課税期間三カ月で、納税は終了後二カ月以内、こうしますと、どんなことを考えても準備するのに初めの間は六カ月ぐらいせぬと慣れぬのじゃないかというふうなことを前提にして、それで税額計算をする場合にどうなるかというと、売上原価、販売費、一般管理費、営業外費用、特別損失、取引先の源泉徴収伝票の集計、こういうふうなものをとにかく毎日毎日やらなければいけない。少なくとも一人の人間が必ずつきっきりにならなければ、小さな企業でもできないというわけですよ。大手の場合はもう電算機にこれを入れてプログラミングしていくわけですからね。しかし相当経費が要るわけですよね。しかし中小企業がこれをやったら、仮に一人の担当職員を置くとしたら、五百万円の給料を払わなければいかぬわけですよ。百万企業があるとしたも五兆円ですよね。五兆円の、生産を何ら伴わないところのむだ遣いを強いられる。一体税務手続をどう考えているんだと、こういう経営をやっている者、企業をやっている者にとっては、こんなむだ遣いをせいと、臨調・行革とか何かいろいろ言ってきているけれども、どういうことなんだと、こういう不信感がありますよと、これが二つ目です。 あわせて、ここで私は、今度私の意見ですが、申し上げておきたいのは、これは売上税というのは、やれ九割が非課税業者だとかなんとか言っているけれども、消費者の立場になったら、赤ん坊からあしたの命のわからない病人、お年寄りに至るまで全部絡むんです、これは。ですから国民生活の憲法なんです、これは。そして、その国民生活に一番責任を持つのは通産省であり経済企画庁だと私は思うんですね。ですから、そういうことからいったら、こんな国民から見たら唐突の感がするような格好で、しかも今出されている資料、国民がこれを読もうと思って調べているのは自民党が出された「Q&A」というあの本だけですよね。本当にあれお粗末ですよ。そういうふうな中で、国民が本当に通産省や経済企画庁は国民生活のことを考えてくれているんですかというこの気持ちがもうひしひしと今ある。そういう意味で、ぜひとも両大臣の今からのお考えの中に大変な問題がここにあるんだということを、ひとつぜひとも国民が信頼しているという立場に立ったそのことでお考えいただきますよう、これは最後に私のお願いとして、これで私の質問を終わりたいと思います。
○梶原敬義君 最初に、日本撚糸工連の問題についてお尋ねをいたします。 昨年、政界を巻き込みました大変大きな問題になった撚糸工連の問題でございますが、繊維業界における設備の共同廃棄事業をその後どういうようにしようとしているのか。 それから、ああいう不正が起こったわけでございますから、不正の起こらないようにどのような対処をしようとしているのか、この点についてお尋ねをいたします。
○政府委員(浜岡平一君) 昨年の五月の経済対策閣僚会議におきまして、既存の設備共同廃棄事業を廃止をいたしまして、新しい観点に立った仕組みを導入することを決定をいただいたわけでございますけれども、それを受けまして鋭意検討を続けてまいりましたが、昨年の十二月にほぼ関係者の間のコンセンサスを得ることができたわけでございます。 一番基本的なポイントは、御指摘の撚糸工連事件の経緯等も踏まえ、さらにはその後のさまざまの中小企業をめぐります情勢の変化といったものを勘案をいたしまして、いわゆる産地主義という考え方を軸に据えたということでございます。 具体的に申し上げますと、事業主体につきましては従来中央にございます工業組合連合会を使っておりましたけれども、今後は産地組合を使うということにいたしております。また、融資の窓口につきましても、従来は中小企業事業団でございましたけれども、今後は中小企業事業団の資金を県に渡しまして、県を窓口にするというような非常に大きな仕組みの変更をいたしまして、産地での体質改善というねらいをはっきりさせると同時に、産地内での相互監視というものが有効に働くような配慮も加えたつもりでございます。 それからまた、いわゆる残存者負担の遵守というぐあいに申しているわけでございますけれども、相互扶助事業、組合の事業だという性格づけを明確にするという観点から残存者負担の遵守というような考え方も明らかにいたしたわけでございます。 さらに、買い上げ価格等につきましても、原則的には残存簿価の三倍というような考え方を確立をいたしました。ただ、六十年度から事業を実施いたしておりました七業種につきましては、従来の事業の適用を受けた企業と今後の事業の適用を受ける企業の間の公平性を確保すべきだという声が大変強うございますし、また国会でも幾度か御指摘をいただいておりますような経緯もございますので、最終的には大臣の御判断もいただきまして、七業種につきましては六十年度価格を適用するという例外措置を設けておりますが、そういう配慮をいたしております。 なお、監視体制の問題が撚糸工連事件をめぐります御論議の過程でも種々指摘をいただいておるわけでございまして、今回の手直しに当たりましても十分検討をいたしたつもりでございます。特に、廃棄の対象になります設備の現地での確認というものは、公務員が必ず立ち会うということにいたしておりますし、また、廃棄計画につきましてもその内容を公開をするというような仕組みを確立をするということにいたしているわけでございます。 こんな形で従来ございましたもろもろの論議というものを、新しい情勢を踏まえながら取り込ましていただきまして、一応のコンセンサスづくりができたというぐあいに認識をいたしているわけでございます。
○梶原敬義君 努力の跡がよく理解できるような気がしますが、今度は産地組合が対象になるわけでございますが、政治家への政治献金ですね、これはしたがって撚糸工連もしてはいけない、それから産地組合もしてはいけないということになっておりますが、この点についてはやはり相変わらずそういうふうな指導を通産省はやるということですね。
○政府委員(浜岡平一君) 御承知のとおり、中小企業団体組織法には商工組合、今回の場合には事業の主体は商工組合あるいはその連合会でございますけれども、この商工組合あるいは商工組合の連合会は特定の政党のために、特定の政党の利用に供してはならないという規定があるわけでございまして、この規定を踏まえまして従来から折あるごとに指導いたしてきているわけでございますが、その方針は今後とも変わらないということでございます。
○梶原敬義君 時間がありませんから次に移ります、 いわゆるマルコス疑惑の問題でございますが、政府はマルコス疑惑にかかわった企業名あるいは円借款等援助の実態を明らかにする資料を公開し、国民の前に明らかにしなかったわけであります。これはどうしても、今マルコス問題というのは霧の中でうやむやになっているわけですが、なかなか、私はどうしても納得ができない。したがって、大変な海外援助をしているわけでございますが、この点について最近の新聞に報じられているところによりますと、一部でございますが開発途上国援助事業の受注企業名、援助の実態の一部を新年度から公表に踏み切る方針だと、こういうような記事を何度か見かけましたが、この点についていかがなものか、経済企画庁が担当ですね。
○政府委員(川崎弘君) お答え申し上げます。 円借款というのは、これは実施主体があくまでも被援助国である、そして、入札あるいは実施企業の選定、契約の締結というところが相手国の政府の責任で行われるということで、当事者でない私どもあるいは政府の立場から受注企業名を公表するという立場にないということは、これまでの国会の答弁でお答え申し上げてきたところでございます。 しかしながら、先国会におきましても種々御論議をいただきました経済協力に関します国民の理解、これをぜひ、あるいは支持を得ていくための努力というのは私どもといたしましても大変重要だということでございまして、そうした見地からただいま御指摘の円借款の対象案件、これにかかわります企業名の公表につきまして、その相手国政府との関係、これも念頭に置きながら、一体何ができるかということを現在関係省庁で具体的に検討しているというのが現段階でございます。
○梶原敬義君 一兆数千億円に及ぶような海外援助、総資金ですね。これは私は後でいろいろと申し上げますが、私が今おる地元というのは東九州ですね。ここは高速道路が一本も走ってないんですよ。それから大分から鹿児島までは単線なんです、国鉄はね。非常に地域開発がおくれているんですね。しかし予算がないから、長崎から大分にかけての九州横断道を今つくっておりますが、これは遅々として進まない、こういう状況なんです。これは一つの例ですが、あるいは国民生活あるいは国民の福祉にしても非常に厳しい状況なんですね。そういう状況の中で、やっぱり一兆数千億円に及ぶような海外援助をやるわけですからね。それは可能性調査あるいは交換公文の段階、そういう段階で、日本というのはこういう状況で国内は厳しいんだけれども、やっぱり援助をしているんだから、これは国の貴重な金だから受注企業名の公表というのはどうしてもやりたいんだと、こういう姿勢がやっぱり前に出るべきであって、何か援助するのに相手国のことばかり言って、今度は一部前進だということでございますから、時間がないから私は余りこだわりませんが、そこで過ぎたことなんですが、一部、社会党が新聞で企業名を出しましたが、このマルコス疑惑にかかわる過去の企業名はもう出してもいいじゃないですか。だからずっと一覧の企業名等、やっぱりどういう事業を受注してどのくらいの金額でやったのか、これはひとつきょうはこの決算委員会の場で、それはやりますと、こういう答弁を私は聞いておきたいんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(川崎弘君) 本問題については、先ほど申しましたように、現在鋭意検討中でございます。先生御指摘の過去の円借款受注企業名を現時点で公表するという問題につきましては、相手国政府との関係もございますので大変難しい問題であろうと私は今考えておりますけれども、そういった点も含めまして関係省庁でよく詰めてみたいと思います。現時点でどうだということについてお答え申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思います。
○梶原敬義君 会計検査院にお尋ねをしますが、会計検査院もこの問題についてはもう国会で問題になり鋭意取り組んでおられると思うんですが、検査の実施体制を海外援助に対して一元化するなど組織の強化を図ったというようなそういう新聞記事あるいは関係業界紙の記事にも出ておりますが、具体的に一つはどのようなことなのか、これが第一点ですね、簡単にお答え願いたい。 それから、この組織の変更によって今後どのような検査を積極的に進めようとしているのか、これが第二点。 第三点は、国内だけの調査ではやっぱり本当の調査はできない、検査はできない。だからやっぱり現地に赴いて調査をしなければ実情の把握は本当にできないと思うんです。そういう点では現地での調査に対しては一体どう考えておるのか、これが第三点。 それから第四点が、今ちょうどマルコス疑惑にかかわる問題でございますが、マルコス疑惑に関する検査も進めておると思うんですが、一体今どこまで検査が進んでおるのかどうなのか。今経済企画庁が言いましたように、少なくとも私は受注業者の名前ぐらいは出していいと、もう済んだことですからね。だからその点について検査院はその業者名について把握をしているのかどうか、その四点についてまとめて、時間がありませんからお願いいたします。
○説明員(三原英孝君) 逐次お答え申し上げます。 まず第一点の組織の改正など体制の強化の内容でございますが、会計検査院といたしましては、先生御指摘のとおり、ODAに対する検査の充実強化の必要性というものを痛感いたしておりまして、そのために昨年の十二月に組織の改正などをいたしまして検査体制の充実強化を図った次第でございます。 その内容でございますが、昨年の十二月に会計検査院事務総局事務分掌及び分課規則、こういったものを改正いたしまして、それまで第五局で所掌しておりました海外経済協力基金を第一局の大蔵検査第一課の所掌といたしまして、外務省、国際協力事業団とあわせまして政府開発援助について一元的に検査をできる体制を備えたところでございます。またその際、語学の素養のある者、あるいは工事検査の専門の者など八名の増員をいたしまして、そのスタッフの充実強化もいたした次第でございます。 このような体制の整備を図りました上で、今後は開発援助を実施する機関に対しまして一元的な検査が可能になったわけでございますが、これによりまして、検査上の手法あるいは検査の観点、こういったものを共通に行うことができますし、またODAに関する情報も共有することができると、こういうふうな利点が出てまいったわけでございます。また、増員を得ましたことによりまして、今後こういったODAに対する検査の密度を高める、こういうことも可能になったわけでございます。こういったようなことによりまして、今後在庁して行います書面検査、あるいは援助実施機関に対します実地検査、あるいは海外の現地におきます調査、こういったものの充実を図ってまいりたいというふうに考えております。 それで先生御指摘のとおり、これは御質問の第三点になりますが、海外の調査を今後どういうふうにやっていくかということでございますが、この点につきましては、先生御案内のとおり、主権との絡みがございまして制約はあるわけでございますが、そういった制約のある中で少しでも実効のある調査ができますように、まず国内における検査の充実を図りまして、そしてその中で現地における調査に当たりましての問題点の把握あるいは整理、こういったものに努めまして、効率的な調査ができるようにいたしたいと考えております。また、現地調査そのものにつきましても、やり方につきましては大きく変えるということはなかなか困難でございますが、相手国の理解と協力を得ながら少しずつでも調査の範囲を広げると、広げていくと、こういったような努力をしてまいりたいというふうに考えております。 それから最後の、いわゆるマルコス疑惑に対しまする検査の実施の状況でございますが、この点につきましては、昨年の六月とそれから九月に海外経済協力基金の本部につきまして実地検査をいたした次第でございますが、何分私どもの検査はその本部にございます、そこで保有しております関係書類、帳簿、こういったものに基づいてやるわけでございます。また、そこにおきましての事情聴取、説明聴取、こういうことに相なるわけでございまして、そういったようなことから、本当に実地、海外援助につきまして効果が上がっているかどうか、こういったことにつきましてなかなか見きわめることは困難である、こういうふうな事情もあるわけでございます。そういったようなことで、昨年の暮れに提出いたしました昭和六十年度決算検査報告におきましては問題点を指摘するに至らなかった次第でございます。先ほど申し上げましたように、今後フィリピンを含めまして海外での現地の調査の充実を期したいというふうに考えておりますので、ODA検査の一環といたしまして引き続き鋭意検査を続けてまいりたいと考えております。 以上でございます。
○梶原敬義君 両大臣、担当ですからお願いをしたいんですが、一つは今検査院が前向きにやっぱり真剣に取り組もうとされている姿を私は理解できたと思うんです。私はできましたが、これに対してやっぱり検査がやれるようにひとつ協力をするように両大臣にお願いをしたいと思います。 それからフィリピンの援助の過去の検査については、なかなか今の答弁を聞いておりましてもやりにくい、なかなかつかめない。だからもっとひとつ協力をして、やっぱり検査をして国民の前に明らかにする、そういうような協力、そういう検査に対してはひとつ協力をこの際約束をしていただきたい。 それからもう一つは、これは両大臣からもう一つ答弁をしていただきたいんですが、フィリピンの円借款事業を中心とした日本の受注企業の名前ですね、過去の。この内容の公表については政府は何ももう問題ないと、こう言っているんだから、これはやっぱりひとつここで出すという、これは大蔵省との関係もあるでしょうが、各四省庁の関係、農水省、通産、経済企画庁、ここで相談してもう前向きに、後、決算委員会で私またこの問題を時期を見て聞きますから、それまでに、できれば今公表すると、こう言ってくれれば一番いいわけですが、この点についてひとつ両大臣からちょっと簡単に、あといっぱいあるものですからお願いをしたい。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 先生の御指摘は私どもよく理解できることでございますし、今後我が国の海外協力が金額的にもさらに大きくなってまいりますとすれば、するように、する方向でございますので、当然国民の皆さんも先生が御指摘の点については非常な関心を持つということだと思います。相手国の問題もございますし、いろいろその辺の事情も十分にしんしゃくをしなければなりませんが、先生の御指摘の線でできるだけ前進できるように努力をしてまいりたいと思います。
○梶原敬義君 企業名の公表について、大臣、過去のフィリピンの。やりますと、こう。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 今いろいろ検討を進めておる段階でございます。
○梶原敬義君 通産大臣ひとつ、通産大臣にも聞いたんですが。過去のフィリピンに援助して、その援助で日本の企業が受注したその企業名の公表については、過去のことだから、もう今アキノ大統領。マルコス時代だからもう関係ないでしょう。だからそのずっと一連の受注企業名の公表についてもう問題ないんです。だからその公表をひとつ約束をしていただきたいんです。
○国務大臣(田村元君) 何か四省庁の話し合いのあることのようでございますから、事務方で一遍よく相談をさしてみたいと思います。
○梶原敬義君 次に移りますが、大臣ね、やっぱり我々も質問に立つときにいいかげんで立っているんじゃないんです。これは常識的に判断をしてやっぱりこれは無理か無理じゃないか考えながら言っているんだから、やっぱり真剣に対応していただいて、事務方云々じゃなくて、やっぱり近く検討して後で返答するとか、何か前向きにちょっと言ってもらわないと、ちょっとこのままでは引き下がれませんから、答弁要りませんが、よろしく。いいですか。 次に、円高不況の問題について今から質問いたしますが、具体的な問題からちょっと、卑近な例から入らしていただきますが、私の地元の大分県ですが、おかげで一村一品で、知事を先頭に華々しく宣伝は行き届いておりますが、一月六日の商工会議所主催の新年互礼会が終わるや否や、田中産業グループといいまして、造船を中心にしてやっている企業三社が事実上、和議申請で倒産をいたしました。負債総額はもう新聞に出たと思いますが約七百億弱だと、こう言われておる。一体和議が成立するのかどうなのか、これも今裁判所にかかっておりましてまだはっきりしませんが、地元としては何としても和議をやってほしいと裁判所に陳情を繰り返しておるわけでございます。一月の十日に、私ども社会党の方も党本部の造船対策特別委員長を中心にして、私も現地に調査にずっと入りました。大分県庁、それから本社のある臼杵市、造船の、船をつくっている設備のある臼杵市、それから佐伯市、関係するところずっと一当たり回ってきましたが、その中で特に通産省にかかわる問題で、強く私は二点だけ要請を現地から受けましたので、この点について通産省の方にきょう質問し、できれば前向きに対応していただきたいと思う。 それは、一つは特定地域中小企業対策臨時措置法、先般の臨時国会で成立いたしましたが、臼杵市よりもっと南の佐伯市だけ今度適用されたんですが、一番今度の倒産で関係する臼杵市の方に、臼杵市を中心としたその周辺にひとつ何とか対応するように。これが一つです。 それから、信用保証協会の条件がやっぱり非常に厳しいというわけですよ。信用保証協会に対する風当たりが現地で非常に強いんです。信用保証協会の会長やなんかもよく私も知っておりますから、一方的に聞いてもいかぬから信用保証協会の方にも聞いてみました。信用保証協会としては、まあ、それはできるだけ皆さんの言うようにしたい、しかし、今銀行に対して払っている代位弁済も計画的に少しずつしか払えない、だからそれがどんどんたまってきているような状況で、なかなかやっぱりないそでを振れないという状況も訴えられました。 どうしてそういうことになるかと。やっぱり中小企業信用保険公庫が今の財政が厳しいということで絞ってきている。それが信用保証協会の方に反映してそういう状況が出てくる。だから、保険公庫から金利のつく金を借りて運営もしているんだけれども、なかなかその内部は厳しくなると、そういう状況では。だから、できればそういう突発的なこういう円高不況で倒産したような場合には、やっぱりもっと幅を持って緊急に対処するようなことはできないかという要望も受けておるわけでございます。 だから、こういうこの二つの問題について、私はやっぱり円高というのは、一昨年のG5で我が国の当時の大蔵大臣の竹下さんも行って、そして話をして、人為的にしてきているんであって、自然現象で、自然の経済の流れだけでできたわけじゃないんだから、政府が介入しているんですから、だから、やっぱりこういう問題については政府も責任を持って、円高の結果ぼこっといかれたんですから速やかな対応をしていただきたいと思うんです。 この点についていかがでしょうか。
○政府委員(岩崎八男君) 臼杵市の田中産業の和議申請に端を発しました経済的苦境、これについては私どもも十分理解しているところでございます。特に地元通産局等が中心になりまして、いろいろな関係部署との協議会をつくりまして実態把握あるいは緊急な対応のしぶりについて現在鋭意進めているところでございます。 今御指摘の第一の、これを特定地域中小企業対策臨時措置法の地域として指定できないかという件でございますが、これは先生御承知のとおり、昨年十二月五日に実は指定をしたばかりのところでございまして、事務的には追加指定というのはなかなか難しい面もございます。ただ、非常に地元からの要望も強うございますし、それから臼杵市自体がこの件で非常に大きな経済的影響を受けるということは事実でございますので、今後十分地元とも相談しながら関係方面と検討を進めてまいりたいと、そのように考えております。 それから、信用保証協会の保証の問題、これは確かに第二次石油ショック以降かなり各地の保証協会、財政的に厳しい面が出てきている協会がございます。大分もまたその一つであるというふうに考えております。 信用保証業務の円滑な運営という面で各信用保証協会の財政の健全化、これはこれとして十分進めていかなければいけませんけれども、ただ、臼杵市等今回のような場合に、その結果信用保証業務が円滑に進まないということでは、これはなかなか期待に背きますので、この点については私ども地元の保証協会、それから保険公庫等と十分相談しながら十分な配慮を今後加えていきたい、そのようなつもりで今後検討をしてまいります。
○梶原敬義君 通産大臣にひとつ関係して答弁をしていただきたいんですが、私がさっき言ったような内容につきまして今中小企業庁長官から答弁をいただきましたが、そういう方向でさらに通産大臣も前向きに対応するようにひとつ御答弁をお願いしたいと思うんです。 それから、信用保証協会の問題というのは何も大分だけじゃなくて、こういうのは前から私も国会で何回も議論をしているんですが、やっぱり予算編成との絡みもありまして、生きた予算を組まないと、私は今の予算の編成、大蔵省が枠を決めて一律に何でもしゃくし定規に充てていくようなやり方というのはどうも硬直をしているような気がしてならない。だから、もっと大臣、現場の声を早くキャッチをして、そして大蔵省にやっぱりもっとぴしっと対応をさせるようにしていただかなきゃいけない。信用保険公庫の運営の仕方についてはやっぱり要るものは要るんですから、もっと前向きに対応をしていただくようにひとつ大臣から答弁をお願いをいたします。
○国務大臣(田村元君) 特定地域の問題につきましては、これは可能な限り実りある結果を出したいというふうに考えておりますが、ただ、他とのバランスの問題があります。そういう問題がありますので、私がここで即断をするわけにいかない。 それから、信用保証協会の問題は、これは趣旨が趣旨でございますから、今二人の局長、長官に前向きの返事をするぞと言って通告して、そういうようなお返事にしておきたいと思います。
○梶原敬義君 よろしくお願いします。 次に、また円が百四十円台に入るとかなんとか、非常に厳しい状況ですが、どこにすぐあらわれるかというと、雇用問題にあらわれて非常に心が痛むんですが、今この円高の状況の中で、一体雇用情勢というのは簡単に言えばどうなっているのか、これを先にお聞きをしたいんです。
○説明員(廣見和夫君) お答え申し上げます。 最近の雇用失業情勢は、一口で言えばやはり大変厳しいものであるというふうに私ども考えております。全体の数字を見ましてもそうでございますが、特にそれは製造業で厳しい状況になっているというふうに認識しておるところでございます。全体の数字といたしましては、例えば失業率が二・八倍程度ということで非常に高い水準でございますし、労働省でとっております有効求人倍率を見ますと、十一月で〇・六一、これはずっと〇・六一倍という水準が続いておりますが、これも大変厳しいものでございます。 ただそういったような数字よりも、例えば製造業の中で雇用過剰を感じている、雇用が過剰であるというふうにしている事業所の割合なんか見てみますと、どんどん上ってきておりまして、昨年の十一月現在で二六%ということになっておりますし、また雇用調整を行っている事業所というものを調べてみますと、やはり昨年の十一月の段階で製造業では三八%の事業所が雇用調整をやっている、こういうことでございます。 したがいまして、円高が一層進むというようなことを仮に考え、また現在の状況等をもとに考えてみますと、特に製造業を中心にした雇用調整は一層進むおそれがあるのではなかろうかというふうに私ども大変懸念しておるところでございます。
○梶原敬義君 ありがとうございました。 経済企画庁長官、今お話がありましたように、特に製造業がそういう厳しい状況ですが、御承知のように、そこにまつわる末端の下請とか、あるいは納入業者というのはまた大変な状況なんですね。非常に厳しい状況でございます。さらにまた円が急騰しつつあるわけでございますが、一体この円相場というのはどのように今推移しようとしているのか、それが一つですね。 それから、宮澤大蔵大臣がけさアメリカに飛ばれたようですが、要するに宮澤大蔵大臣とベーカー財務長官との間の合意事項が一体これはどういうことになったのか。そして政府は内需拡大をし、しかも公定歩合を下げようと、こう言っておるんですが、本当に本格的な内需の拡大の構想というのは具体的にあるのかどうなのか。いつも何か絵を書いてアメリカに持っていって、中曽根総理の過去の行き方を見ると、何かアメリカと会談する前には何かをやってすぐ行く、何かをやってすぐ行く、大変奇妙な行動を繰り返しておるんです。また今度宮澤さんが去年の暮れにそういう話を宮澤・ベーカー会談で合意をした。そうすると、どうもそれは日本の政府予算を見て、これはそうは簡単にいかぬ。それでまた今度行った。やればやるほど日本の信用が落ちるばかりじゃないですか、中身がないから。この点についていかがでしょうか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 最近の円レートの変動は大変憂慮すべきものがあると私ども理解をしておるわけでございますが、これは最近のアメリカの国際収支の赤字が予想したほど解消されていない。またアメリカの経済全体がこれも予想ほど好調子ではないというふうなことをきっかけにいたしまして相当投機が入っての変動でございますので、これを何とか安定化させたいということで、日銀を中心にいろいろ政府としても手を打ってまいっているわけでございます。先ほどお話をいたしましたが、たまたま私先週はドイツにおりまして、ドイツの経済大臣や連銀総裁と話をしてまいったわけでありますが、基本的にはアメリカの財政の赤字、そして国際収支の赤字に対してもっと積極的な手をアメリカがとってくれなければ、しょせん世界の国際通貨制度はドルを中心にしているわけでございますので、安定は難しいんだと、こういうことを向こう側も異口同音に言っておりまして、私ども賛成でございますが、さあそうはいってもアメリカのそうした問題が急に改善するわけにもないだろうと、そういうことで我々としてやるべきことはやらなければならないと、こういうことだと思うわけであります。いずれにいたしましても、宮澤・ベーカー合意が昨年の秋に成立をしてございますし、この合意の中で、今後為替問題いろいろあるときには双方率直な話し合いをしようということだから自分はアメリカに行きたい。昨日、閣議で大蔵大臣から話がありまして、私ども了承をした次第でございます。そういうことは私ども大変注意をもって宮澤・ベーカー会談の成果を見守っているわけでございますが、それと並行してやることはやる。国内的に内需拡大をこれからすることはするで、実は私も経済企画庁内部において、これまで考えられてきた内需拡大政策をさらに進めるために関係各省の御協力も仰いでできるものはともかく考えてみようと、こういうことで内部で言明をしてございます。今鋭意検討中でございますので、通産大臣ともいろいろ御相談をしながらアメリカに言うことは言う、そして当面の為替安定は安定として最善を尽くす。同時に内需拡大政策についてもこれも最善を尽くしてまいる、こういうことでございます。
○梶原敬義君 私は円相場が、円レートが大臣のテレビなんか、新聞の内容を見ますと、非常に百六十円台あるいはそこら辺で安定すれば何とかなるんだというようなニュアンスにとれます。また通産大臣は百七十円ぐらいじゃないとやれないと、こう言っている。私どもは現地を回ってみまして、製造原価からずっと聞いて幾ら労務費を絞っても、人件費を絞ってもこれは合う価格と合わぬ価格というのがあるわけなんですよ。だから、やっぱり最低百八十円ぐらいにならないと、これは結局全部人にしわ寄せがいくんですからね、働いている人に。どうにもならない。だから、私はやっぱりもっと政府は本当に日本のファンダメンタルズを反映しているとかなんとか言っているけれども、末端にいったら全部人へのしわ寄せが中心なんですよ。それは労働時間も何もへったくれもない。中小は大変厳しい状況なんです。だからもっと大胆に発想を変えていただきたいというのが一つです。 それから、内需拡大にはいろいろ言ってもそう手はないと思うんです。だから〇・五%の公定歩合の引き下げを再度第五次やると、こういうようなことのようですが、通産大臣それはやってもらおうというような通産大臣の意向が強いと思うんですが、ちょっと決意を聞きたいと思います、その点が一つ。 それから、私も先般決算委員会の建設関係の委員会で質問をしたんですけれどもね。やっぱり住宅金融公庫ですね、この住宅金融公庫あたりの融資というのは、住宅金融公庫の融資がばっと出たときには、うちの大工さんなんかでつくっている大建労なんという組合の皆さんとこの前話したら、やっぱり仕事がぽっとふえるんだそうです。そういう意味では、例えば一兆円の住宅投資あたりがぽっとトータルで進むとすれば、手持ち資金が、大体四五%ぐらいが自己資金で、あと住宅金融公庫を使うとしても、今財投金利と住宅金融公庫が貸し出している金利との金利差は〇・五パーから〇・六%なんです。そういう点でしますと、一兆円の住宅投資が発生するに当たっては、これは住宅金融公庫に試算していただいたんですが、たしか二十四億円ぐらい一般会計からその年待ち出せば一兆円の仕事ができるような、まあこれは非常に大ざっぱな、私とやり合いながら私の部屋で住宅金融公庫の皆さんが計算した数字なんです。建設関係の委員会でこの数字を出したんですが、やっぱり何か具体的に、漠然としたのじゃなくて、政策的にやって、そして住宅投資をもっとやって、快適な住宅にみんなに住んでもらうならもらうような手というのを具体的に打っていかないと、あるいは住宅減税の問題とか。 アメリカに行っちゃ内需拡大すると言ったって、そう簡単に何回も何回もこれやってうまくいってないんですからね。この点一つの例でございますけれども、やっぱりもっと、私が言いたいのは、内需拡大をするというならするように、あるいは非常に開発のおくれた地域については重点的に公共事業をやらせるとか、そんなところで民活を言ったって、これは採算とれぬわけですからね。もっと具体的にやっぱり政策をぽっぽっとやってもらわないとどうしようもない。そして、あげくの果ては円高はどんどん進む。やっぱり影響で高島の炭鉱の書記長がこの前悲しい自殺をしたんですがね。私もあの十一人死亡した高島炭鉱で事故が起こったとき、田代委員やなんかと現地へ商工委員会から行きました。あそこを見て、その書記長にも会った。これはやっぱり円高が一つの大きな引き金ですよね。次々にそういう、一つの例ですが、大変な状況でございますので、もう少しひとつやっていただきたいと思うんですが、通産大臣いかがでしょう。
○国務大臣(田村元君) 円高対策といいますのは、私どもでできる問題もあります。けれども率直に言って、日本国政府の名においてやる以外に強力な対応はないと僕は思うんです。でありますから、先般、御承知のように臨時対策本部を設置いたしたわけです。事務次官を本部長としてやったわけです。そうして長官、局長連を全部並べて、私も出席して、とにかく言いたいことを言いなさいと。他局の問題でも構わない、そのかわり後にしこりを残すべからずと。言いたいことを言えというんで大分やったようでございます。僕がおる間は皆姿勢を崩さぬものですから、それで私が席を外した途端にやったやった、大分やったようです。この後、部長、次長クラスを呼んで一遍思う存分言わしてみようと思うんです。まあ、いい大人がこういうことを言われるのは恥ずかしい話かもしれませんが、ある人に聞きましたら、まあ局長やら長官を前に置いて言うのは悪いけれども、局長や長官や部長、次長に聞いておるよりは、筆頭の課長補佐クラスに思ったことを言わすのが一番妙案が出てくるのと違うかという、私にアドバイスもありましてね、広く英知を求め、耳を傾けようと思っております。それも非常に急いでやりたいと思っております。 それから公定歩合についてお話がございました。私は確かに、公定歩合ということになりますと、まず円相場の安定を図るための対応策の検討、実施及び関係省庁との緊密な連絡調整を行うものとするということになれば、公定歩合を含む金融政策の機動的な運営ということも当然我々は言葉に出さなきゃならぬ、これを避けて通ることはできまい、こういうことを申し上げたのが私の金融、公定歩合の問題でございましたが、これは私どもの直接の所管じゃございませんから、いろんな意味で御進言申し上げるなり、あるいは悪い言葉で言えばインパクトを与えるようなことをなるべくやっていこうということであります。 私が百七十円プラスマイナス十円ということを言ったのは、国務大臣としては神武以来異例のことである、こういうような大分おだてられたのかおしかりを受けたのかわけのわからぬ、論評は加えられておりませんでしたが、そういうことを随分言われました。これはいろんなファンダメンタルズを考えて、そして通産省の最高首脳部にも計算をさせて私が自分でこなしたというわけであります。 これはもちろん理想的ではありません。百八十円、二百円、その方が喜ぶ人もおるでしょうけれども、今の経済の二面性を考えますときに、必ずしも円高是正を求めていない、円高によってメリットを受ける業界もありましょうし、それから先般の宮澤・ベーカーの共同声明というのが大体百六十円台ぐらいでファンダメンタルズを満たした、後は市場原理によって自由なるフロートをさせればよいだろうというような話、百六十円を割って百五十円に突っ込んできたら、これは危険信号、望ましくない、こういうことでございました。ただ、それには日本の内需拡大策というものが裏腹でなければなりませんよという条件もあったやに承っております。百七十円というのは、まあ今いろいろなファンダメンタルズを考えての上でございますが、大体均衡していたころ、四十八年をベースにしてインフレ率で計算しますと百七十円ぐらいになります。五十三年のやはりよく似た状態、これをインフレ率で計算していくと百六十二、三円になります。そうしますと、五十三年の百六十二、三円というのは、まさにその理由は違うかもしれないけれども宮澤・ベーカーが合意した上限の数字に近いということもございます。しかも、固定相場制ではなく変動相場制でございますから、そうして同時に、宮澤・ベーカー共同声明以降は各企業が百六十円前後で適応できるように必死の努力をしておった、これに何とか適応させようとしておったというその努力も考えてみますと百七十円ぐらいにコンパスのしんを置いて、そして時に百八十円まで行き、時に百六十円まで行くというフロートがまあまあ今のところ理想ではないけれどもまあまあ望ましいという線の範疇に入ってくるのかなと、こういうような趣旨で申し上げたわけでございます。 いずれにいたしましても、これは私は思いつきで言ったわけではなくて、通産省内部でも十分に検討させて、そうして私はあえてこれを申し上げました。申し上げた以上は私は言責を痛感いたしておりますから、この問題については全責任を負うつもりでございますが、同時に私の在任中は何とはなしに無難に過ごそうとは思っておりません。太く短くてもいい、とにかく全精根を傾けて、竹下君じゃないが、燃え尽きるような努力をしたい、このように思っておる次第でございます。
○梶原敬義君 もう時間が来たんですが、丁寧な御答弁をいただきましたものですから、ちょっとお許しをいただきまして経済企画庁にお尋ねをし、答弁をいただきたいんです。 六十二年度目標にしている三・五%成長は百六十三円を想定されておりますが、日経あたりの調査を見ますと、円が百五十円のときには二%、百四十円のときは一・二%ぐらいにしかならないんじゃないか、こういう数字も出ておりまして、これは、宮澤さんがアメリカに行って、新年度予算が決まって、今度はその後また補正予算を組むとかなんとか、非常におかしな話で、今予算の審議をやっているんだからこんなことはもっと早く見通さなきゃ、アメリカとの関係や、あるいは国際関係も見通して、ざまのないことをせぬようにやっていただきたいと思います。 要するに、ことしの経済成長率は四%を三%に変えておりますが、三%成長達成をやるという決意、それから来年度の三・五%の経済成長を達成するという決意を最後にお聞きして、あとワシントン条約とシルバー・コロンビア計画については、質問する予定でございましたが残りましたので、また後日にさせていただきたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 六十一年の経済成長率につきましては、昨年の数度の総合経済対策等々を全力で実行中でございます。円高の状況でございますので、民間設備投資は当初見通しよりも落ち込んではおりますが、しかし、住宅や消費は大変好調でございますし、政府の公共事業の実行も相まって、内需だけを申しますと、当初見通しをコンマ一、二%上回るぐらいの内需の拡大の実現は可能であると私どもは考えておるわけであります。 ただ、円高によりまして実質輸出は減でございますし、さらに輸入は大幅に増でございますから、いわゆる輸出入からくる海外経常余剰は大幅にマイナスでございまして、これが一・一、二%になる。差し引き三%程度の成長率になるのではないか、こう考えております。これは、内需をふやしたが、同時に対外的な経済摩擦を解消する、対外経済調整をする結果の三%であるというふうに御理解いただきたいわけであります。 来年度、六十二年度につきましては、これもいろいろ、一般会計はなかなかふえるわけにいきませんけれども、実際、財投なり補助率なりのことを考えまして、公共事業費は五・二%増を考えておりますし、設備投資は回復をすると考えております。住宅消費は好調である。こういう前提のもとで、今年度、六十一年度と大体同じ程度の四%ちょっとぐらいの内需拡大は可能ではないか。ただ、国際的な経済調整が依然として必要でございますので、これをマイナス〇・五勘案して三・五%、こういうことでございますので、この見通しは何としても達成いたしたい、こういうことでいろいろ施策の実行を考えている次第でございます。
○委員長(菅野久光君) 午前の審査はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。 午後零時四分休憩 —————・————— 午後一時開会
○委員長(菅野久光君) ただいまから決算委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、昭和五十九年度決算外二件を議題とし、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算について審査を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○田代富士男君 六十二年度の予算が提出されまして、その審議が間もなく始まる時期でございますものですから、当面の大きな問題であります内需拡大、景気対策の立場から少し質問をしたいと思います。 国内的には円高不況並びにその後遺症に対する景気対策が、また海外からは国際収支の大幅黒字圧縮のための内需拡大策が、そして中長期的視点に立った産業経済構造の転換等にこたえる予算が期待されたのでございますが、しかしこうした財政の課題と増税なき財政再建の方針が衝突をするような形になったのではないかと見ております。 問題点は、御承知のとおりに、緊縮型予算編成でありまして、四年連続の公共事業予算の圧縮、一般会計超緊縮で、財政投融資計画拡張のアンバランスな財政運営であります。このような措置では、午前中も審議されました実質三・五%成長の六十二年度経済見通しの裏打ちに欠けるのではないかと私は思うのでございますが、この点に対してもお考えを聞きたいと思います。 次に財政再建、財源配分について六十五年度に赤字国債脱却の政府目標は破綻いたしました。五十九年から六十二年度の赤字国債発行減額の実績は、御承知のとおりに年平均五千億円弱で、目標額の半分でしかないのでございます。目標達成には今後六十三年から六十五年度、各年度一兆六千六百億円の減額が必要となるわけでございまして、そして歳出予算の二極分化傾向がますます顕著であると、このような様子が見受けられます。 そこで、問題点は、この財政再建計画の破綻と今後の対応をどうするのか、それから国民生活関連予算圧縮型の財源配分にどう対応していくのかというこの問題、また国民生活の立場から見ますと、六十二年度は円高不況から産業や企業は脱出の目途が一応やや立ちつつあるところでございますが、しかし国民生活の面からは低い賃上げや余剰労働力調整等の円高後遺症といいましょうか、こういう問題、また我々も視察に参りましたが、造船、鉄綱、石炭その他の構造転換等の影響を受けまして、先行き不安と不透明、失業問題が大きな政策課題ではないかと思うのでございます。 経済が停滞するので金余り現象が一段と進みまして、財テク、投機的動きも強まってくるのではなかろうかと、このように見受けられるわけでございますが、六十一年度の明暗二極分化と言われた産業経済動向が六十二年度にはどちらの極に引き寄せられるかが注目されるところでありますが、ひとつ当局といたしましてどのようにこういう流れを受けとめていらっしゃるのかお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 大変多岐にわたる御質問がございましたんで、私から全体のことを話をさせていただきまして、足りない分は政府委員をして説明をいたさせたいと思います。 まず、さしあたって今年度の経済成長でございますけれども、私ども、当初考えましておったその経済の伸び率について、まず内需で申しますと、消費については大体予想どおりの伸び率を予想できるわけでございますし、住宅建設はむしろ予想を大幅に上回った伸び率が期待できる。ただ、設備投資はまさに円高ショックを受けて予想より下回っているわけでございますが、しかし政府支出につきましては、再度にわたる総合経済対策、特に昨年秋の補正予算に基づく公共事業の実行などを総合いたしますと、当初見通しの四・四%を多少下回るくらいの、まあ四・一、二%ぐらいで推移するのじゃないかと考えるわけでございますが、ただ、いわゆる海外要素がこれは急激な円高で大幅に狂いまして、輸出減、輸入が大幅に増と、こういうことでございまして、これら総合いたしますと一・二%ぐらいのマイナス要因が立てられる。したがいまして、六十一年度では大体三%前後ぐらいのGNPの伸び率が期待できるんじゃないかと。したがいまして四・〇%からは一%ほど落ち込むわけでございますが、ただ、あくまでもこれは内需は予想どおりのその振興ができたけれども、もう一つの経済政策目標でございます対外経済調整というものが進んだ結果の三・〇%のGNPであると、こういうふうに御理解いただきたいと思うわけであります。六十二年度でございますが、これにつきましては、消費は依然として私どもその堅調を期待できるわけでございますし、住宅投資は六十一年度はもう前年を一割以上上回っておったわけでありますが、この高い率が継続することはちょっと難しいかなと。だから高率でございますが、六十一年度よりは多少下がると。しかし民間設備投資は、これは円レートの安定を多少前提として、その中で設備投資が今後強気に転ずるであろうということで六十一年度よりは多少上向きを想定してございますし、政府支出も、枠はいわゆるマイナスシーリング枠の中でございますが、財投の積極的活用と、また補助率を考えるということで、財政支出は前年度よりふえなくても、実際公共事業の事業量としては五・二%増を考えているわけでございます。 そういうことで、総合として内需は六十一年度と大体似たり寄ったりぐらいの伸び率が期待できるんじゃないかと。 ただ、もう一方では国際的な経済調整をしなきゃなりませんので、これを大体百億ドルぐらいその国際収支の改善をするとすると、これは一兆六千億でGNP対比〇・五%であると。したがってこれをマイナス考えると内需だけでは四%早々いくんだけれども、〇・五%の国際経済調整をして、差し引き三・五%の経済成長を達成することになるであろうと、こういうような形でこれからの来年度の経済見通しもやっていると、こういうことでございます。
○政府委員(川崎弘君) ただいま大臣が御答弁申し上げたとおりでございますが、先生の御質問の中で一、二補足させていただきますと、この三・五%という来年度の成長が先般の原案ができております六十二年度の予算の財政運営で可能かどうかという点でございます。この点につきましては、例えば公共事業、これにつきましては、非常に財政事情が厳しいということで国費は抑制されておりますけれども、いろんなところで工夫が凝らされまして、一般の公共事業費はGNPの名目成長率を上回ります五・二%という程度の伸びが確保されていると。したがいまして、この公共事業が円滑に執行されますと、これは内需の振興に寄与するんではないかと、そういうふうに考えております。 それから、第二点の問題で、やはりその国民生活の充実向上と、こういった点についてこの非常に厳しくなっている歳出予算ではうまくやっていけないんじゃないかという御指摘でございますが、この点は今回の予算編成におきましても、その大枠の中で何とか重点的、効率的な配分によって質の向上を促進するという努力がなされていると、そういうふうに私どもは受け取っております。 それから最後のポイントでございますが、確かに今景気の二面性というのが鮮明になっております。この二面性が、先ほどの先生の御指摘では明暗のどちらの方向に引っ張られるのかというふうなお話があったかと思いますけれども、この景気の二面性というのは、どちらかといいますと家計部門、つまり個人消費とかあるいは住宅投資といったところが比較的堅調で、設備投資、在庫投資というところが低迷しているという最終需要別の二面性もございますが、それを反映いたしました輸出関連産業が円高の影響で低迷しておって、一方この内需、特に個人セクターと関連した需要の分野の産業が強いと。総じて言いますと製造業が比較的弱くて、非製造業が比較的、相対的に強いという状況がございます。 これが本年から来年度にかけましてどうなっていくかということでございますが、私どもといたしましてはこの家計部門を中心にした非製造業の強さというのはかなり根強いものがあると、そういうふうに期待をいたしております。非製造業の投資一つをとってみましてもかなり独立性のある投資が出ているというふうに考えておりますので、政策よろしきを得てここにございますような円滑な成長というのがたどられる過程においては、むしろその明の分に暗の分が引き寄せられていくような方向というのを期待しているわけでございます。製造業分野におきましても、設備投資の下げどまりから研究開発とか合理化投資とか、そういった面で投資がやや回復していくということも期待いたしたいと考えております。
○田代富士男君 六十二年度の経済成長率三・五%についての今お話を承ったわけでございますが、主要国の経済見通しを民間の研究所で出した数字があります。これは実質経済見通し、前年比パーセントで出ておりますが、OECD系が、一九八六年、これはまだ終わっておりませんから推定で二・五%、それから一九八七年度、これはまあ予測でございますが一・七、アメリカが一九八六年推定二・五、八七年一・三、西ドイツが八六年二・六、八七年一・九。まあ日本の場合、これが今長官からも御答弁がありましたけれども、八六年度上期は一・二、まあ後半が三%ぐらいと、こういうことが推定されまして、トータルでいきますと大体二・三%ぐらいであると。八七年度の、これも予測でございますが、上期が一・六%、下期が二・九%、まあ平均しますとこれまた二・三%と、こういうような数字が出されておるわけでございまして、もし、これは推定の段階でありますけれども、二%成長がこのように二年続くということになりますと、これは長官初め皆さん方御存じのとおりに大変なことになるんじゃないかと私は思うわけなんです。政府が言う実質三・五%成長はこういう立場から私は無理ではないかと。三・五%やれると言っていらっしゃるけれども、これは無理じゃないかと私は思わざるを得ないわけでございまして、政府の経済見通しは本来どういう性格のものであるものか。このように来年度の経済見通しについては民間の調査機関のほとんどが、今は一機関でございますが、二%台を予測しておりまして、その二%も前半であると。まあ、こういう二・三%という数字を申し上げました。 ところが、今問題になっております三・五%というものは、民間に比べますと一段と高い成長率が予測されてあるわけでございますが、この民間との差というものは経済見通しの性格の違いによるものもあるのかどうか。ここらあたり、政府の見通しは民間の予測と違いまして、望ましい経済の姿を前提に、それを達成するための努力が織り込まれているのであって、つまり経済がそうなるという意味よりも、そうしたい、そうありたいという意味であるのか。そのときどきによって必ずしも性格は一定してないように見えますけれども、今年度四%と予測されておりながら三%台となるという見通しであるということでございますけれども、民間のデータによりますとそれを下回るわけでございまして、六十一年度見通しはどういう性格であったと言えるのか。また、今回の六十二年度見通しはどういう性格なのか。この政府のスタンスが、そうしたい、そうありたいと、あるべき成長率を見通しとするのであるならば、私は単なる予測以上に厳しくその実現を求められなければならないと思いますけれども、この点に対するお考えを聞かしていただきたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) OECD各国のGNP成長率については、私は全体を詳しくは知らないわけでございますが、たまたま先週ドイツに参りまして、ドイツの経済成長率を、来年度、八七年二・五%にしてございます。ちょうど私がおりましたときに発表されましたので、バンゲマン経済大臣と話をして、なぜ二・五なんだと、日本は三・五なんだけれども、ドイツと日本は似たような環境であるし、国際的にも競争力が強い。むしろ貿易収支も黒字であるわけですから、日本が三・五で、なぜあなたは二・五なんだと、こういう話をいたしましたら、内需だけは日本がさっき言いましたように四%ちょっとですけれども、西ドイツも三・五から四の内需を想定しているんですね。ただ、西ドイツの場合にはGNPの中に占める輸出の割合が三〇%ですから、したがってこの国際経済調整で一・五か場合によっては一・〇ぐらい引くということで二・五なんであって、内需だけは日本とそんなに変わらないと。ただ、日本は〇・五のマイナスを想定しておって、西ドイツは一・五のマイナスを想定しているから、差し引き三・五と二・五の違いが出てくるんだと、こういう説明でございまして、納得をしたような次第でございます。 問題は、したがって、国際経済調整というものをどれぐらい来年度想定するかと、こういうことでマイナスのファクターがかかってくるわけでございますが、一応私どもは百億ドルと考えて一兆六千億で、それは〇・五に相当すると、こういう計算をしているわけでございます。 問題はこの見通しの性格でございますが、民間の調査機関の発表数字はある意味では、民間の機関でございますから、一歩距離を置いて、各GNPの構成要素についてどれぐらい伸びが想定できるのかなと、財政を含めて、一応距離を置いての話でございますし、私どもはもちろん、将来の設備投資や消費がどうなるかということは、これはあくまでも客観的な事実でございますが、ただそれを前提にしながら、しかしこの政策、いわばポリシーミックスをこういう形でいけば達成できる数字はこうだ、こういうことでありますから、単に第三者的な見通しではなしに、客観的な状況を踏まえて政策的な調整をすることで達成できる数値が六十二年度については三・五でございますと、六十一年度については四・〇と置いたわけでございますが、先ほど申しましたように、内需はまさに政策目的どおり達成したんだけれども、相手のある外国との関係については、ある意味では輸入が思い切ってふえた、予想以上にふえたということがマイナス要因として働いて、結果的に三・〇になったと、こういうことでございますから、国際経済調整をする、輸入をふやすという政策目的はむしろターゲットを超えて達成したということが日本が三・〇になったということであると御理解いただきたいのであります。
○田代富士男君 次に、円、ドルの動向についてお尋ねをしたいと思います。 G5とかG7とか言われておりますけれども、現実に全体の七割から八割は米国が動かしているという、これは間違いない事実じゃないかと思います。日本の影響というものは二割か三割あればよいのではないかと、このように認めざるを得ないのが現実であります。 そういうために、やはりこの円、ドルの動向を見るにはアメリカの動きを見てみなければならない。そういう立場からアメリカの実情というものを見てみますと、御承知のとおりに従来に比べますとドルは四割近く安くなっております。そのためアメリカの輸入価格は上がり、輸入を減らし、貿易収支が改善されるというのが本来のあり方であったわけでございますが、ドルが四割近く安くなっておりますけれども、輸入価格というものはアメリカにおいてはさほど高くなってない、品物によっていろいろありますけれども、高くなってないのが現実でありまして、そういう立場から貿易収支の改善はされてない、これがアメリカの実情じゃないかと思うんです。 これに対して日本の実情は、ニューズウイーク誌が休戦の合意に日本が違反したからアメリカは新しい態度に打って出たと、アメリカの国内版に出たのが一つの引き金みたいになりまして、最近急激に、午前中も論議されましたように円が百五十円前後に動いておる、こういう現実。その裏にはどういう理由があるか、いろいろありますが、私なりに考えてみますと、まず第一番目に今アメリカの議会が始まったところでございます。我々も同じ国会議員ですから、アメリカでどういうことが審議されるかぐらいはある程度知らなくちゃならない。しかし、アメリカの議会では今大きな法案がない。だから、議会で一番の議題はこの貿易収支、それから赤字の問題ではないかと思うわけなんです。アメリカは世界各国と取引をしている。その世界各国と取引をしている中で、日本とアメリカとの貿易収支の赤字が大幅に多い、こういう立場から別枠として、基本的問題としてこれは取り扱うべきであるという動きが出ているのが実情じゃないかと思うわけなんです。シュトラウス議員の証言では、日本は少しもアメリカとの貿易収支の黒字を減らそうと努力していない、ハンマーアウトすべきである、思い切った政策をとれ、こういうような発言もしているわけなんです。やはりこういう背景があるだろう。またもう一つは、欧州の通貨調整が先日行われまして、マルク、フラン等の欧州通貨も、これはばらばらであったのを調整が行われた、そういう影響も出ているのではないかということが考えられるわけなんです。 それから現実に円高に伴いまして、今回は宮澤大蔵大臣も日銀も強気の発言をされまして、日銀が介入し始めた。ところがそれに対して、宮澤・ベーカー会談の合意があるにもかかわらずアメリカの財政当局の高官が冷ややかである。そういう姿を見たときに、もう少し円高になるのではないかというところで投機が活発になってきた、こういう点が見受けられるのではないかと思うわけなんです。そうすると円高はどこまで進むのかと我々も心配にならざるを得ない。いろいろ動きを見ていく場合にポイント、ポイントというものがあり、その一つのポイントは一月の二十五日に西独で選挙が行われる、だから西独選挙の投票日まではマルクに対する思い切った手は打てない状態ではなかろうか。日本と西ドイツとの関係からいいまして、連絡をとり合うにしても今は手を打てないだろう。だから一月二十五日が終われば何とか西独との間で調整ができるのではなかろうかという、こういうことが考えられる。 それと、アメリカでは二月の上旬、二、三、回あたりの日にちで国債の入札が行われる。アメリカでは毎年二回ないし三回国債が入札される。その二月の上旬の入札に約三百億ドルが予定されている。日本のお金で約四兆五千億円ぐらいが売りに出される。これまで大手筋は大体日本が大手筋で、生命保険会社その他がこういうものを買っていたわけなんです。約六割近く買っていたということが言われておるわけなんですが、もし日本がこれを一切買わなかったならばアメリカの資金繰りが狂ってくるわけなんです。アメリカとしては日本の投資家に買ってもらいたい。その取引がある。取引であるからには先に安くなることがわかって買う人はないわけなんです。そういう立場から二月の初めごろまでにはこれ以上安くなることはないじゃないか、常識的な線になるのではないかと思うわけなんですが、アメリカとしましてもこの二月上旬までには何とかしなければ、アメリカ自体が困る段階を迎えるわけなんです。そこで、昨年暮れごろまでの状態に戻るのではないかという見方もあるわけなんですけれども、こういうさまざまな動きがある。 しかし、ことし年間を通じて見た場合には円高・ドル安をどうやって乗り越えていくのか、これは近々手を打つというならば、午前中も審議がありましたとおりに、アクションを起こすなら金利を下げるか公定歩合を下げるかという手を打たざるを得ないわけなんです。田村通産大臣も午前中に細く長くじゃなくて、太く短かくてもいいから力強い対策をやるという、力強い答弁をいただいたわけでございますけれども、こういう手を打たなくちゃならない。もし二月の国債入札を乗り越えたとしましても、基本的にアメリカの貿易収支、経済構造はよくならないと思うわけなんです。そうしますと、ことしの中あるいは後期にかけましても再び円高の方向に行くのではないかということが懸念される。 また、アメリカの一部の学者等に言われているのは、また一部のそういう人たちに言われているのは、一年間に十円ずつ円高が続くであろうと、投機筋はこれをもとに動くと言われている。こういうような我々にとりましては心配な動きがあることも事実でございまして、これらの点を踏まえまして、今私申し上げました円、ドルの動向についてどのようにお考えであるのかお聞かせいただきたいと思います。これはお二人からお答えいただきたい。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 今回の円の動きは、午前中申し上げましたけれども、アメリカの国際収支の改善がはかばかしくない。また全体としてアメリカの景気の先行きが予想ほど好転しないと、こんなことがきっかけになっての投機筋の動きであると思うわけでございますが、私先週ドイツに参りまして、この問題についてドイツの通貨当局や財政金融当局と話をいたしましたら、マルクもこれ以上上げられたくないと、これまではドイツの経済構造が、例えば貿易構造がもうマルク建てで七割扱いをしているので、日本ほどのことはなかったけれども、しかしこれ以上マルクが上がるとドイツも相当深刻な影響を受ける、こういうことでございますので、先生御指摘のございましたように二十五日が選挙でございますから、多少選挙を控えていろんなことがあるかもしれませんが、私はドイツの財政・金融・通貨当局も確固とした態度でマルクの安定に臨んでくれると思うわけでございますし、やはりマルクと円というのはドルと相対にございまして、そして世界の大きな通貨要素でございますから、円とマルクがともにドルに対して安定化措置を講ずることで私は現在の投機的な動きが抑制されると、鎮静されると、かように確信をしている次第でございます。まあ日本もドイツもそうでございますが、やはり円とマルクの安定というものが日独両国の企業活動のためにも大きな前提になってまいりまして、国際経済調整のためにも一方的に円を上げ、マルクを上げることがアメリカにとっても得策ではないということをアメリカの、例えばボルカー連銀理事長などは十分にわかって発言をしているようでございますので、まあ大蔵大臣きょう訪米されましたけれども、成果を期して待つべきものであると考えておる次第でございます。
○政府委員(村岡茂生君) 現在の為替相場の状況を私ども見ます限り、先生御指摘のように、いろいろな発言が飛び交い、またその背景はいろいろある。それに加えてこの投機的な動きというものが非常に強うございまして、相場観が動揺しているというのはまことに御指摘のとおりでございます。私ども考えますに、現状は少なくともオーバーシュートの状態にあるということが言えるのではないかと思います。つまり、経済的なファンダメンタルズを適切に反映するレベル以上の円の高さに達しておるということが言えるのではないかと思います。この一両日の相場の動きを見ておりますと、徐々にではありますがやや市場は落ち着きつつあるようにも見受けられ得るわけでございますが、近藤長官御指摘のとおり、何よりもこの段階で最も大切なことは為替レートの安定ということかと思います。そのような方向に早期に収れんしていくことを我々も強く期待しているわけでございます。このような段階でございますから、いろいろ強力な介入政策とか弾力的な金融政策であるとか、そのような政策手段を総動員して安定させていっていただきたいと、かように考えております。
○田代富士男君 次に売上税導入についてちょっとお尋ねをしたいと思いますが、御承知のとおりに、戦後三十六年続いたシャウプ税制を六十二年度から三年がかりで抜本的に改革しようとしておるわけでございますが、税及び税制度の問題が国会並びに国民の最大関心事になっている昨今でございます。極端な言い方をすれば大型減税がえさに使われる形で売上税を認めなさいというふうであります。これは極端な言い方でございますが、この売上税は中曽根首相がさきの衆参同日選挙で導入しないと公約してきた大型間接税以外の何物でもありません。中曽根首相の重大な政治的背信行為は強く非難されなくてはならないと私は思います。 また、衆議院の予算委員会におきまして公明党の矢野質問の投網論に対しまして統一見解が出されたそのことに対しても私は違反していると思うのでございます、細かいことは時間がありませんから省略をいたしますけれども。また一般消費税の導入をしないという国会決議にも抵触するのではないかと思います。このように選挙における公約、また議会で決められたことにも違反している。このことをどのように受けとめられているのか、まずお尋ねをしたいと思います。 公明党は昨年不公平税制の是正による大規模減税を政府に求めたのでございます。しかし政府自民党は増減税同額の枠の中で高額所得者の優遇と法人税減税を優先させまして、年収六百万から七百万以下の大半の国民には減税どころか増税を押しつけようとしております。そしてここで見逃してならないことは税の不公平是正が忘れられているのではないかということでございまして、このままいけば日本の税体系はゆがめられる危険性がある。こういう点をどのように受けとめていらっしゃるのか、これは大蔵大臣に本当は聞くべきでございますけれども、きょうは国務大臣として御出席でございますからお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 総理がおっしゃっていらっしゃいましたのは、網羅的総括的多段階的な投網をもって全部とらえ込んじゃうようなそういう大型間接税はしない。こうおっしゃっているわけでございますが、現在政府の方で準備しておるいわゆる売上税はそういうことではなしに例えば食料品を排除するとか、それから売り上げの規模によって中小零細企業は課税対象売り上げから外すとか、そういうきめの細かい配慮をしてございますので、そういう点を考えてまいりますといわゆる網羅的総括的多段階的な投網をかけるような大型間接税ではないと、かように私どもは理解しているところでございます。
○田代富士男君 長官ね、そういうこと何回も我々は聞いておりますけれども、ここはきょうはこのことで論議する時間もありませんけれども、そんなものじゃないと思うんですよ。まず国民の皆さんの声も、また全部の皆さんの声も聞くべきです。ことしはうさぎ年でしょう、ウサギは長い耳が二つありまして、ことしは大衆の声を聞けという年なんです。だからよくそういう声を今一辺倒にそういうあれじゃありませんじゃなくて、聞かなくちゃだめです。また改めてこの問題は今国会何回も議論しなければならないことだと思いますから。 それでもう一つは、売上税は今経企庁も通産省も一番取り組んでおります対外均衡政策と矛盾しているというこの点を私は申し上げたい。だからもう最近の円高現象はこの宮澤・ベーカー会談がほごになった。そういう立場からアメリカが日本に対し内需拡大に手をつけていない。そういう立場から売上税が引き金になったというこういう見方もされておるわけでございます。このことはしかと受けとめなくてはならないじゃないかと思います。また自民党から出されている「Q&A」というその内容を見ますと、売上税は所得税減税とおおむね相殺され、さらに法人税減税を含む税改革全体としては景気に好影響を与えると言っておりますけれども、これは消費者心理がわかっていないと思います。売上税とマル優の廃止は中低所得者層に大きな心理的動揺を与えております。これが現実です。だから減税の恩恵を大きく受ける高所得者層は納税者の二〇%弱でもともと消費性向が低いわけなんです。したがって景気内需の下支えとして大きな役割を担う個人消費にブレーキがかかり、内需拡大の足を引っ張るのは必至ではないかと見られるわけでございます。これはもう御理解いただけることだと思います。また、日本経済の直面する唯一の最大の課題は対外収支バランスの改善であると、これは斎藤経団連会長もこういう発言をしておるわけでございます。日本の経済収支は御承知のとおりに六十一年は八百億ドルか九百億ドルの黒字になる模様でありますが、この対外バランスの是正は緊急最大の問題じゃないかと思うんです。貿易収支の顕著な改善がないとこれは日本は国際的に孤立するのじゃないかと思うんです。ある人がこういうことも言っておりました。現在の状況は昭和七年の国際連盟脱退のときに酷似していると。もうこれは戦争へ入っていったあのときと酷似しているということを危惧しておりました。こういう意味から売上税等は海外均衡政策にとっても障害となり矛盾するという、この点に対してどのようにお考えになるかお聞かせいただきたい。 それから日本型売上税で日本産業はどう変わるか、これは混乱は避けられないと思います。午前中もいろいろ質疑がされておりましたけれども、日本型産業組織のメリットは崩壊いたしまして、細分化され、進歩に逆行するのではないかと私は見ておりますし、また、今から力を入れていかなくちゃならないハイテク産業、ハイテク等の技術開発産業に大打撃を与えまして、成長活力のブレーキになるのではないかと見られております。通産省には関連する業界・団体が千以上もあると言われておりまして、二、三の例外を除いてほとんどの団体が売上税の導入に反対か懸念を示しておるのでございます。 また、一億円未満非課税ということで、今も経企庁長官が配慮しておるという点の一つでございますが、一億円未満非課税ということで、相当の限定性があると言いますが、先日のトヨタ自工の例に見られるように、下請も課税業者にならざるを得なくなる。こうなりますと、結局は税負担は末端に転嫁されていくわけでございまして、これは中小企業施策とも矛盾する、こういう点をいかに受けとめられておるのか、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 個別商品につきましては通産当局から御説明をお願いいたしますが、一般論として申し上げますと、先生の御指摘は、日本型売上税、今度の税制が国際経済調整の観点から考えてもマイナスじゃないかというお話でございますが、輸入品であれ国内製品であれ、いわゆる売上税は同じように、同じ条件でかかるわけでございますから、特に輸入品を差別しているわけではないんで、そういう意味では公平だと思いますが、問題は、国内製品とそれから輸入品を合わせて、まさに間接税によって来年度の消費が抑えられるかどうか、こういうことだと思うわけでございますが、確かに間接税をかけますと、その分だけ名目物価は上がるわけでございますから、消費に対して抑制的な効果があると思うわけでございますが、ただ、私どもは二つ考えております。 一つは、円高差益の還元について今後さらに積極的に進めることで、売上税がかかった場合の最終物価に影響する割合を極力抑えることにしよう、同時に、御案内のように、法案が通って実際これが実施されますのは来年の一月以降でございますから、物価に対する影響は、来年度について言えば四分の一でしかない。そんなことや何やで物価全体に対する影響を来年度は、卸売物価で〇・六、小売物価で〇・四、こういうふうに考えておるわけであります。 一方、所得税、法人税については、早々に法案を通していただいて実行いたしますので、こちらの所得効果は年度当初から出てくることが予想されますので、物価に対する影響は消費物価で〇・四である。しかし、所得税の減税効果は出てまいりますから、したがって、全体としては私どもは消費を抑制するものではない、かように考えておる次第でございます。
○政府委員(杉山弘君) 売上税に関しまして、例えば納税手続の面で納税者の方に多額の納税コストがかかるのではないか、また、業種的に申しますと、付加価値の高いハイテク産業ないしは中小下請企業に対してしわ寄せがされるのではないか、こういった点についてのお尋ねがございましたので、私どもの方からお答えをさせていただきたいと思います。 確かに、売上税が導入されますと、新しい税務手続でございますので、手続的な面で納税者に負担が加わるという事実は否定することはできないかと存じますが、できるだけこういった手続の負担を緩和をするということが必要なのではないかということにつきましては、私どもも御指摘のような関心を持っておりまして、こういった点から、これからも、細かい実施細目の詰めの際、税務当局といろいろと検討を加えていきたいと思っているわけでございますが、これに関連いたしましては、御案内のように、売上高年間一億円以下の事業者につきましては非課税事業者といたしておりまして、そういった点での負担軽減ということにも配慮をいたしておりますし、また、税額票の発行につきましても、新しくこれをつくるということではなくて、これまでの請求書、納品書といったものも活用できるというような面の配慮もいたしておりますし、それから、品目ごとに税率が違ってまいりますと、その面での負担がかかるということから、原則として税率を五%一本といたしております。また、納税期間等につきましても、ヨーロッパの例よりはむしろ長くいたしているというような点での配慮が、これまでのところの考え方でも明らかにされているわけでございますが、先ほど申し上げましたように、今後の実施細目を詰める段階におきましては、こういった納税手続の面につきましてより慎重な配慮をするように私どもとしても求めてまいりたいと思っております。 それから、ハイテク関係の付加価値の高い分野につきましては産業として打撃が大きいのではないか。これは、おっしゃるように、付加価値に相当する部分について実質的な税額の納付の義務を負いますので、それがもし納税者の直接の負担になってしまって消費者に転嫁できない、他の事業者に転嫁できないということになりますと、御懸念のような点が出てまいろうかと思います。こういった点につきましても、これは消費税ということでございますので、最終的には消費者への負担の転嫁ということが期待されているわけでございます。ただ、現実にそれが可能かどうかということになってまいりますと、市場の状況等々に影響されます。ただ、これも一般論でございますけれども、非課税対象品目といった特定のものを除きまして、一律に今回は物品・サービスについて課税がされるというようなことでもございますので、そういった点では、個々の事業者の努力による値上げということではなくて、一般的に値上げがしやすいというような点もあろうかと思います。したがいまして、できるだけそういった転嫁が行いやすくなるような方向でということでいろいろな対応も考えてまいりたいと思います。 また、下請事業者に対しては、非課税事業者になると取引から排除されるという点につきましては、むしろ選択により課税事業者となる道も残されている等、それなりの配慮もされているところかと思いますが、いずれにいたしましても、まだ基本的なラインが固まっただけでございますので、今後、来年一月一日以降の実施に備えて、細部の手続面におきましては、十分、御心配の点につきまして、私どもといたしましても、配慮をするよう、税務当局と交渉をしてまいりたい、かように考えております。
○田代富士男君 私に与えられた時間が来てしまいましたが、皆さんに事前に通告しておりました、この米議会の包括通商法案、差益還元の問題、産業の空洞化の問題等、重だった質問を準備していただいたかと思いますけれども、まことに残念にも持ち時間がございませんで、最後にお尋ねいたしますけれども、今も私申し上げてまいりましたとおりに、日米間に一方的な貿易の不均衡の拡大が続く中にありまして、アメリカの議会におきまして保護主義の台頭を思わせる動きがあります。御承知のとおりに、一月六日の下院民主党は、日本、韓国などの対米黒字縮小を義務づける条項を含む保護主義の強い包括通商法を提案しましたし、上院も、新多数党となりました民主党が現在法案を作成中、こういうことでございまして、これに対して、一月七日、後藤田官房長官が、こういう法案が提出されたことについて、予想はしていたが残念であると、米国議会の意向に十分注意していきたいということを述べられまして、肝心なのは自由貿易体制を守ることだと、日本にそのための大きな責任があるし、やらなくちゃならないと、こういうことを発言されたわけでございますが、やはり通産大臣は担当大臣として同感だというお気持ちだと思いますけれども、どのようにこの問題に対処されるのか、田村大臣からお答えをお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 米議会を中心として保護主義的な動きが強まる中で、自由貿易体制を維持強化するためには、アメリカ自身の努力を含めて各国の協調努力が必要でございますけれども、我が国といたしましても、対外不均衡を是正するためになし得る限りのあらゆる努力を重ねていかなければならないと思っております。 まず、内需拡大につきましては、昨年九月に決定いたしました総合経済対策の着実な実施はもとより、今後も適切かつ機動的な経済運営に努める所存でございます。 また、アクションプログラムに基づく市場アクセスの改善や輸入の促進にも努める考えであります。 さらに、昨年九月に開始宣言がなされましたガットのニューラウンドにつきましても、その積極的推進に努力する考えであります。 中長期的視点に立って国際的な調和のとれた経済構造への変革を図るため、技術構造調整を推進しているところでありまして、産業構造につきましても輸出依存型から輸出輸入のバランスのとれた産業構造を実現する考えであります。 以上に加えて、日米間の個別通商案件につきましても、日米双方が納得できる現実的解決を目指すなど、各方面にわたり自由貿易体制の維持強化のため、でき得る限りの自主的努力を行っていく所存でございます。 なお、先般、既に御承知と思いますが、通産省に円高対策の本部を設置いたしまして、福川事務次官を本部長として、これから通産省のあらゆる英知を結集するということで、今後フル回転をいたしてまいることになります。 簡単に申し上げますと、十九日、円の対ドル相場は一時的にせよ百五十円を突破するに至った。この円高は、これまでの円高により既に大きな影響を受けつつある我が国産業界に大きな打撃を与え、経済状況を一段と悪化させるとともに、我が国経済にとっての大きな課題である経済構造調整をも困難にするおそれもある。 このような事態を受けて、通商産業省としては、十九日、臨時円高対策本部を設置し、全省を挙げてこの事態に対処することとした。 なお、同本部の第一回会合を一月十九日に開催することにしたわけである。 設置目的は当然のことでございますが、具体的には、同本部において、今回の円高の中小企業を含めた産業界に与える影響の早急な実情の把握。中小企業対策、地域・雇用対策等の緊急対策の検討、実施。円相場の安定を図るための対応策の検討、実施及び関係省庁との緊密な連絡調整を行うものとする。 関係省庁との緊密な連絡調整を行うものとするというところに、我々のいら立ちも、また対応に対する意欲もここににじみ出ておるものとお受けとめをいただきたいのであります。 そういういろいろな対応を通じまして我々としてでき得る限りの努力をしていきたい。要は国益でございますから、私は国益を守るために、通産省の官僚諸君に今こそ正義感とそうして行動力と、そうして迅速果敢の決断を示すようにということを申しております。 何かとまた御教導を賜れば幸いと存じます。
○及川順郎君 決算事項の質問に入る前に、私は、最近増加傾向にあります地方自治体の汚職問題、それから午前中から論議されておりますけれども、税制改革について若干質問しておきたいと思います。 まず初めに、昨年暮れに自治省がまとめました地方公共団体等における汚職事件に関する調査によりますと、六十年度に発覚した汚職事件数は全体で百四十三件、そのように発表されております。しかも、その多くは地方自治体に広がって、汚職も地方の時代かと、まことに不名誉なマスコミの指摘も見られるような状況でございます。こうした全国的な現状に対しまして法務省の所見をまず求めておきたいと思います。
○説明員(石川達紘君) 汚職事件の発生原因等につきまして種々考えられるわけでございますけれども、まず第一には公務員の綱紀の弛緩ということが挙げられようかと思います。さらには、民間私企業におきますところの公共事業工事等を獲得するための過度な競争といったものが、犯罪を誘発する要因となっているのではないかというふうに考えているところでございます。 いずれにいたしましても、汚職事件は国、地方の政治それから行政に対する国民の不信感を招来するものでございますので、検察当局といたしましてはこの種事犯に対しては厳正な措置で対処したい、そのように考えております。
○及川順郎君 私の調査によりますと、新聞社でも一部発表してございますが、六十一年度に入ってからもこの拡大の傾向が改まっていないわけです。これはまことに遺憾なことでございまして、こうした自治体汚職の背景、いろいろ考えられるわけですけれども、一つは、ここ数年行財政改革で公共事業が抑制されている。そのために受注競争が熾烈となって、役所に対するわいろ攻勢といいますか、受注工作が激化している点の指摘があるわけです。この政策的な問題に対してのコメントは難しいだろうと思いますけれども、事件の取り調べを通じまして、検察、警察両庁の所見をまず伺っておきたいと思います。
○説明員(古川定昭君) 警察庁から申し上げます。 昨年一年間で百十数件の汚職事件を検挙しておりますが、その検挙の過程を通じていろいろな状況がうかがえるわけでございますけれども、やはり現在の社会情勢あるいは経済状況等を反映した犯罪がそこに検挙されておるというふうに思うわけであります。一つ一つの事犯につきましては個別の状況がございますので、それについては今ここで申し上げるわけにはちょっといきませんけれども、私どもとしてはそのような印象を持っておる次第でございます。
○及川順郎君 では具体的な事件で質問させていただきたいと思います。 昨年十二月十一日に、青森県の三沢市の当時市長が青森県警二課に任意同行を求められて、ごみ処理場施設建設をめぐる汚職事件が勃発しているわけですけれども、まず、この事件の経過、それから今日までの調査の進展につきまして、調査上発言できない点もございますと思いますので、明らかにできる部分で結構でございますので、この件につきまして警察庁、検察庁両方に御答弁をお願いしたいと思います。
○説明員(古川定昭君) お尋ねのありました件につきまして申し上げます。 青森県警察におきましてこれまでに前三沢市長を含む収賄被疑者二名と贈賄被疑者六名を贈収賄容疑で逮捕し、現在捜査継続中でございますが、その概要について申し上げますと、まず昨年十二月の十二日に、三沢市が発注しました無線放送施設設置工事に関しまして入札参加業者の指名選定等に有利かつ便宜な取り計らいを受けたいという旨の請託を受け、現金を収賄したという贈収賄容疑で前三沢市長外一名及び業者の代表取締役外二名の計五名を逮捕しまして、次に本年一月の六日になりまして同市が発注する三沢市一般廃棄物最終処分場建設工事並びに粗大ごみ処理施設建設工事の入札参加業者の指名選定等に絡んだ贈収賄事件で同市長を収賄容疑で再逮捕するとともに、一月十七日までに大手造船会社の幹部を含む業者三名を贈賄容疑で逐次逮捕している次第でございます。
○説明員(石川達紘君) 検察側から申し上げたいと思います。 お尋ねの事件につきましては青森地方検察庁におきまして三沢市が発注する、ただいま警察庁から御説明がありましたように防災無線放送施設設置工事に関する贈収賄事件につきまして昨年十二月十二日、青森警察署から事件送致を受けまして所要の捜査を終えまして昨年十二月三十日、青森地方裁判所に小桧山哲夫前三沢市長外四名を公判請求いたしまして、さらに三沢市が発注する一般廃棄物最終処理場建設工事に関する贈収賄事件につきまして本年一月七日、青森警察署から事件送致を受けまして現在捜査中でございます。以上でございます。
○及川順郎君 ただいまの三沢市の前市長ですけれども、市長を務めておりました三期の間に市立病院、清掃センター、それから水産物荷さばき所、消防庁舎、市庁舎、図書館、武道館、大変な建設の施策を遂行しているわけですけれども、今回の事件を通しましてこれら関連の建設施設に対しても調査をなさっているかどうか。それともう一点あわせましてこの事件で見られるように大手の造船会社の幹部まで逮捕されるというこういう事態になっているわけですけれども、このごみ処理場建設、これには鉄鋼、造船など大手企業が入札に参加しているわけですけれども、これら入札に参加しました大手企業の調査はどうなっているのか、その点もあわせてお願いしたいと思います。
○説明員(古川定昭君) お尋ねの件でございますが、現在青森県警におきまして捜査中の事案でございまして、いろいろな公共事業あるいはいろいろなお話が今御指摘されましたけれども、それらを含めまして現在捜査継続中でございますので、どの事実が現在どうなっているかということにつきまして、ちょっとこの場で申し上げるのは差し控えたいとこう思う次第でございます。
○及川順郎君 承知いたしました。このような三沢市の事件、これを通しまして考えられますことは、やはりその多くが造船、鉄鋼など不況業種であることは事実でございます。これら業種が非常に不況から生き延びるためにともかく新しい事業分野へ参入しよう、ここに過当競争が始まる。これが事件を引き出す一つの要因であるというこういう指摘というのは、これは私は一面において正しいと思うわけでございまして、この点についてはある見方によれば失政のひずみではないか、こういう厳しい指摘もあるわけでございますけれども、ともあれこの春は統一地方選挙、各種首長選挙が行われるわけでございまして、立候補予定者の厳正なモラル、これはやっぱり政治不信と相まった関係の中で大変重要な要素になってまいりますので、警察庁、検察庁も今後毅然とした対応を強く要望いたしたいと思います。この要望をいたしまして次の質問に入りたいと思います。 税制改革につきましては同僚の田代委員からも何点か指摘がございましたので、私は具体的な問題で質問をさせていただきたいと思います。 今回の売上税ですけれども、これはメーカー段階から小売までの多段階課税方式というぐあいに見られるわけですけれども、その商品自体に税額が示されていない。そのために国民の立場から見ますとどのぐらいこれに税金がかかっているかということは見当がつかないわけです。それから先ほどもお話が出ていましたけれども、五%の税率ということに絞ったと、この件についての五%の根拠ということを考えてみますと、財政再建を名目とした新たな税源を確保するこれから逆算したのじゃないかと、こういう指摘もあるわけですね。こういう視点から考えますと今回の売上税導入、これはあくまでもやはり徴税側に立った納税者不在の改革じゃないか、こういう指摘が強いわけです。大蔵当局からこの点に対する所見をまず求めておきたいと思います。
○説明員(薄井信明君) 幾つか御質問いただきましたが、まず五%の点でございます。今回の税制改革は税制全般にわたりまして見直しを行うということでございまして、直接税つまり所得税、法人税を含めて間接税も入れて全体の見直しを行わせていただいております。その際に税収全体ではプラスにもマイナスにもならない、つまり税収に対して中立的な改革にすると、税金の負担のし合い方を変えようという原則でもって検討を始めてまいったわけでございます。したがいまして、終盤段階に入りまして直接税つまり所得税につきましては二兆七千億円の減税、法人税につきましては一兆八千億円の減税というものが固まり、また一方でマル優関係で一兆六千億円の増収というふうに固まってまいったわけでございまして、その差としての二兆九千億円を間接税の改革で手当てすると、こういうふうになってきたわけでございます。この二兆九千億円、先ほど御説明いたしましたが、二兆九千億円ネットで増収を上げるためにどうしたらいいかということを次に考えたわけでございまして、間接税の改革といいますのは個別間接税制度をとっております現在の制度を一般的な間接税制度に変えていこうと、改めていこうということでございましたので、例えば物品税その他の現在の個別間接税制度をやめるということを組み合わせなければならない。そうしますとこれに要するお金が二兆九千億円程度になってくる。先ほどの二兆九千億円の必要な金額とやめていかなければならない二兆九千億円、これ両方足すと六兆近くの売上税が必要である。一方で売上税の仕組みを検討していきますと非課税項目等々が固まってくる、その結果として五%という税率が出てくるということでございまして、検討の過程では非課税の範囲が広くならなければ五%以下の税率ということもあり得たということでございますが、最終的には五%の税率というふうに決まったわけでございます。長い話を申し上げましたが、要は平年度ベースで歳入に対して中立的な税制改革を行うという考え方から最終的に出てきたのが五%であったということでございます。
○及川順郎君 現在税制改革をしなければならないという目的から考えますと若干その手法については異論はございますけれども、またこれは改めてということにいたしまして、現在、売上税反対の動きが百貨店、スーパー、中小企業、商店街、ずっと広がってきているような動向があるわけでございまして、既に一月十四日に都内で開かれた主な集会だけでも数えあげますと四つも五つも出てきている。こういう集会の中で言われていることは、例えば東京都の中央区横山町の商店街で開かれた売上税反対総決起集会、この発起人会で、二月六日から全国から動員いたしまして首相官邸にデモをかける、また参加者の中からは、こんな悪税を許したら孫子の代までたたる、首相の公約違反をとことんまで追及しようというような極めて厳しい発言が相次いでいるわけですね。やっぱり国民世論のそうした動向ということを察知してか、先日は蔵相発言に、筋の通るものであるならば野党の修正に応ずるというようなそういうニュアンスを踏まえられるような発言もございました。しかし少なくとも、現在流通部門などの反対運動の動きを見ておりますと、条件闘争ではないんですね。あくまでも撤回なんです。こうした運動を考えますときに、政党間の政策論議は別といたしまして、こうした業者の指導、監督、またそれをリードしていく、こういう責任者でもございます通産大臣として、こういう動きをどのように受けとめておられるか、この点をまず伺っておきたいと思います。
○政府委員(杉山弘君) 御指摘のように、業界団体の中には百貨店、流通業界、中小企業者を中心として売上税の導入について反対という動きがありますことにつきましては私どもも承知をいたしております。ただ、この売上税の導入に伴いまして、先ほども大蔵省の方からお話がございましたように、所得税及び法人税の改正もあるわけでございまして、こういった基本的な税制改正といいますのは、やはり産業界におきましてもかねてから要望の強かった点でございます。ただ、減税の問題につきましては、最近御案内のような財政事情もございますので、他に財源を求めることなしにはやれないという事情もございましたので、こういったことを総合的に判断いたしますと今回の税制改正全体としてはやむを得ない、こういう見方が一般的なのではなかろうか、私どもこのように考えているところでございます。
○及川順郎君 今流通部門の話が出ましたけれども、例えば卸業者が非課税だとするとメーカーからの仕入れ価格に含まれる売上税が排除できない。そうするとその排除できない税金が次の小売店に回っていく、こういうことから課税卸業者の場合よりは仕入れ原価が高くなる、こういう現象、つまり一物二価とか二重価格、こういうものが形成されて非常に不合理な問題がある。こういう具体的な問題で既に検討が始まっているわけですね。また、自分たちが生き延びるためには、どうしても例えば百貨店や大手スーパーなどでは非課税業者を切らなければならない、既にそういう構えも見せているわけです。中小卸業者は取引から締め出されるという、こういう危機感は、これは非常に大きいものがあるわけですけれども、中小卸業者を初めとしてその業界を育成する立場にある中小企業庁としては、この点の考えはどのようにとらえていらっしゃいますか。
○政府委員(岩崎八男君) 売上税の中小企業者に対する影響というのは、やはり五%の納税負担そのものと、売上税を事務的に処理する納税コストという問題と二つあるかと存じます。後者の納税コスト、これは特に零細企業にとりましては非常に大きな問題であるというふうに考えます際に、今回の売上税の示されました構想、骨格において、売上高一億以下の零細企業が非課税業者になったということは基本的には非常にそれについて前向きな対応がなされたんではないかと。大蔵省の資料によりますと、全企業の八七%がこの結果非課税業者、特に小売業者においては九割以上が非課税段階になる、こういうことでございますので、そういう面でこれは非常に大きな骨格をなすものであるというふうに評価をしているところであります。 ただ、その際、今御指摘のように中間段階にあるもの、端的に言いますと卸売業者で一億以下の人たちがそこで売上税の課税のリンクが切れることによって取引上除外されたりするおそれはないか、これもまたその大きな問題を解決した結果派生じてきた問題ではございますけれども、やはり非常に大きな問題であるというふうに私どもも考えておりまして、これについては今回示された構想の骨格におきましては選択制にする、その人が課税業者になるという選択を認めるということになっておりますけれども、本来の、一億以下の非課税業者をつくったという趣旨からいたしますと、ただ単純にその選択制を認めるという以上に何らかの技術的な対応がないものだろうか、あるいは選択制を認める場合でも最大限そういった納税コストの簡素化という面で配慮が払われるべきではないかということで、現在大蔵当局等とも相談をしているところでございます。
○及川順郎君 もっとこの問題を掘り下げたいんですけれども、時間がございませんので、角度を変えまして、国民のというよりも国民各層、消費者といってもいいと思いますけれども、負担増というものは否めなく来る、こういう認識を持っているわけでございまして、もしこれが仮に実施された、あるいはまたこれが導入されたということを考えますと、これは重要な問題を提起するんではないか、税制上大混乱になるんではないか、こういう見方は、これは一致した見方でございますので、その点はしかと踏まえて対応をお願いしたい、こういうぐあいに思っております。 結論的に言いますと、今回の税制改革は当初増減税同額、これは大変耳ざわりのいい言葉でスタートしたわけですけれども、しかし、その改革案というのは、売上税導入によって今度は家計というところに焦点を当ててみますと大変に負担が多くなるというものになってまいりまして、いわゆる中流サラリーマン以下の負担増は、これは否めない、こういう非常な危機感が今広がっているわけです。例えば全国消費者団体連絡会の試算によりますと、売上税導入による家計の支出増は一カ月当たり一万四千円、また六十二年税制改革による支出増を賄うには最低でも四%の賃上げが必要である、このように見ておるわけですね。さらに年収五百二十万円、家族四人の場合に一カ月の生活費は三十六万円、売上税はその四割程度にかかる。そういう点を見て、大蔵省の説明によって売上税五%を掛けますと約七千八百円が毎月、これだけ買い物をするたびに知らない間に売上税として取られている計算になるわけです。結果的には国民への大きな実質増税ということは間違いない、こういうことも指摘されておるわけでございまして、これは国民的な規模で今後この法案撤回に向けての運動を展開していくことになると思いますが、個々の政策的課題につきましては機を改めまして次に行うことにいたしまして、質問を次に移したいと思います。 まず、通産省の昭和五十九年度の決算について、会計検査院の検査についての所見を求めておきたいと思います。
○説明員(小川一哉君) 通産省につきましては、中小企業設備近代化資金及び中小企業事業団の中小企業高度化資金に関する貸し付けの不当事態が掲記されてございます。この二つの貸し付けにつきまして不当な事態が毎年掲記されるということはまことに残念なことであると考えております。このように毎年度不当な事態が発生する原因といたしましては、基本的には借り受けをする者がこの貸付制度の趣旨を十分に認識していないことにあると考えられますけれども、なおこの貸し付けの主体でございます都道府県とか事業団におきまして貸し付けに当たっての審査が的確でなかったり、貸し付け後の管理が適切を欠いていたりと、そういうふうなことによって発生をしていると考えております。これらの貸付事業を主管しておられます通商産業省を初めといたしまして、中小企業事業団、都道府県等では事態の再発を防止するために指導を強化いたしまして、貸し付けと貸し付け後の管理の適正化のために努力をしていらっしゃいますけれども、会計検査院といたしましても今後の検査を通じてこの貸し付けの適正化のために一層努力をしたい、こういうふうに考えております。
○及川順郎君 報告書を見てまいりますと、例えば通産省に対する不当事項十五項目が五十九年度の場合には指摘されているわけですね。内容につきましては中小企業設備近代化資金の貸し付けに不当と認められるものとして十五件。その内容と全く同じ不当事項が昭和六十年度決算検査報告でも十一件示されている。それから中小企業事業団につきましても、五十九年度で不当事項として五件。内容は中小企業高度化資金の貸し付けで不当と認められるものと、この不当事項としては全く同じ内容なんですね。しかも六十年度の決算報告に十六件同じような問題があるわけです。つまり私が申し上げたいことは、指摘事項の善処が徹底されていないんではないか。通産省における不当事項のケースとよく似ていることが同じような形態でもってこのようにあらわれている。せっかく会計検査院として改革をするために検査をした結果がその後に生かされていない。こういうことがこの数字を見て感じられるわけでございますけれども、通産省と中小企業事業団は昭和五十九年度の検査による不当事項に対し、その後担当所管に対してどのような指導をなさっているのか。 さらにもう一点、通産省、中小企業事業団の中小企業に対するこれら制度資金そのものに問題があるんだろうかという考え方も出てくるわけです。一件当たりの融資の限度が少な過ぎるとか、あるいは融資の実行までの調査能力が不足しているとか、こういうさまざまな問題が含まれていると思いますけれども、その点をあわせて御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(岩崎八男君) 今御指摘になりましたようなこの中小企業の設備の近代化、あるいは高度化事業に対する助成措置としての融資業務に関しまして五十九さらに六十年度というふうに会計検査院から不当事項が指摘されましたことは、私どもとしてもまことに遺憾で申しわけなく思っておる次第でございます。 御承知のとおり、この中小企業設備近代化資金貸し付けと申しますものは、国と地方とが金を出し合いまして地元の零細な中小企業者の設備の近代化に対しての無利子融資をするという制度でございまして、五十九年で一年間に六千六百件、六十年度で六千三百件、そういう融資をいたしておりますけれども、そういう中でこの十五件の不当事項が出てまいったわけでございます。また、中小企業事業団が行っております県を通しての高度化事業等において、これも年間二百六十件程度組合等に融資しておりますけれども、そういう中で六件の不当事項が指摘されておるところでございます。 こういうことが非常に根絶できませんので、私どもとしてもこれを最大限適正な運用を図るべく、事業団あるいはそのときどきに起こります業界団体等に厳重な注意を促し、かつ指摘されましたものについては全額償還という形でそういう措置をいわば取り上げておるわけでございますけれども、基本的には全国の中小企業者、それをそういう事業団、あるいは各府県の窓口を通じまして行います、そういうところにその趣旨の徹底、制度の正確な理解についてなかなか行き届かないところがあるかと存じますけれども、私どもとしましては、担当者が各府県でも次々にかわってまいりますでしょう、したがって毎年そういう人たちの債権管理あるいは貸し付けについての研修会を開くとか、それから事業団においては逐年債権管理担当の部署の陣容を強化するとか、そういうことで最大限これの適正な運用を図ろうということで努めているところでございますけれども、そういう事実において、なおそういった不当事項が根絶できないでいるということについてまことに申しわけなく思っておる次第でございます。
○参考人(森口八郎君) 高度化資金の貸し付けに当たりましては、常々その適正な運用に努めておるところでありますが、御指摘のように五十九、六十年度にわたりまして会計検査院から不当事項の指摘を受けてまことに残念に思っておる次第でございます。私ども事業団といたしましては、高度化資金の貸し付けということは、当然貸し付けの事前の診断指導、それから貸し付けに当たっての審査、あるいは貸し付け後の管理という三つの段階があるわけでありますけれども、各段階にわたって当然事業団の職員に厳正に審査を行うよう指示をしてまいったところでありますけれども、先ほど長官の御答弁にもありましたように、事業団資金は府県を通じて貸し付けられるというものが大部分でございますので、やはり府県の協力を得なければいけないというようなことで、毎年各府県との高度化担当会議というのを一回開いておりますほか、各フロックごとにも各府県の担当官を招集してフロック担当会議、あるいは問題の起こりました府県について、当方の債権管理を担当している者が出向きまして個別指導というような努力を重ねまして、府県の方の貸し付けについても問題のないように常々力を尽くしておるところでございます。 指摘を受けました事項については、全額償還させるという措置をとりましたほか、検査院から御指摘を受けました事項について、二度とこういうことが起こらないように、各府県の方にその具体的内容について通知申し上げまして執務の参考に供するというようなことをいたしておるわけであります。 今後、なお一層執務の適正を期しますとともに、特に貸し付け後における債権の管理問題について、今より一層の努力をいたしまして問題のないように努力をしてまいりたいというように考えております。
○及川順郎君 時間が参りましたので、最後に一つだけお伺いして質問を終わりたいと思います。 本日、宮澤大蔵大臣が訪米してアメリカのベーカー財務長官と話し合う。内容は、我が国の公定歩合の引き下げの問題、六十二年度の公共事業前倒し執行の問題、四月に総合経済対策を打ち出すといった案がベーカー財務長官と話し合う内容として伝えられておりますけれども、この件につきまして、経企庁長官と通産大臣、あわせて日銀の担当経済部門のところで大蔵大臣と事前に話し合いが行われて大蔵大臣はアメリカへおっ取り刀で行ったのか、このことをまず伺って、特に六十二年度の予算の審議はこれから始まるわけですけれども、今政府が示している六十二年度予算の内容を変更するこれらの円高対策の対案を米国に示す、しかもまだこれから審議しようという、国会の審議はこれからだというときに示すというやり方、これはいかがなものかという感じが率直にするわけであります。もし危急の経済に対して対応するということであれば、これは物理的に難しい状況もあるかもしれませんけれども、年度内に二次補正を組むとか、あるいは、総合経済対策は四月じゃ遅いんじゃないか、もっと早く打ち出さなければこの今の経済状況に対応できないんじゃないか、こういう感じがするわけです。この点に対する答弁をしかと承りまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 なお、円高差益の問題を用意いたしましたけれども、時間の関係上、次回に譲らせていただきますことを御了承賜りたいと思います。
○国務大臣(田村元君) 大蔵大臣がきょう渡米いたしますことにつきまして、特に私は相談をかけられておりません。けさ閣議の席で会いましたが、そのときに隣同士にたまたま座って、御苦労さまと言いましたところ、いや大変なことで、とにかくまあ行ってきますわいというようなことでございました。といいますのは、私もそれ以上突っ込んだ意見を申し上げる立場でもなし、立場はあるかもしれませんが、時が時でありますから、ただひたすらに御激励を申し上げておいたということであります。 それから財政措置の問題でございますが、これは私からとかく申し上げる筋のものではないと思います。もちろん大蔵大臣と私とがさしで話をする、あるいは企画庁長官がそれに入って三人で話をする、そういう場では私はあるいは思い切ったことを申すかもしれません。けれども、国会の場でまだ六十二年度予算案が提案されて審議にも入っていないというときに、また逆戻りをして六十一年度の二次補正を論じたり、あるいは六十二年度の補正のことを論じたりというのはいささか不謹慎のそしりを免れないと思います。けれども、それはそれとして、なるべく早い時期に経済企画庁長官であります、ここにおります近藤君を交えて、忌憚なき腹を打ち割った話をする必要はあるのではなかろうかと。そのときには、私なりに考えておることはすべて吐き出して男同士、政治家同士の話し合いをしたい、このように思っております。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 私、先週西ドイツにおりましたが、そのときも向こうの通貨当局は、このような急激な円高、マルク高を抑制するためには、単に通貨当局だけの話し合いではだめなんであって、アメリカの政府自体が財政の赤字、国際収支の赤字を改善するという決意がないと、おのずからドル安傾向にぶつかってしまう、そういうことで、この政治レベル、政府レベルの話を通貨当局の介入とか金利とかという話と並行してやらなければだめだという強い意向を持っていました。私も賛成をしておったわけでありますが、今週帰りましてからそういう趣旨のことを関係方面にお話をしておったわけでありますけれども、私が正式に話を聞きましたのは昨日の閣議の席でございます。 政府の政策、もう少しいろいろ考えたらどうだというお話でございますが、私も田村通産大臣と全く同じ意見でございまして、現在、昨秋の総合経済対策の実行中でございますから、これをさらに進める、こういうことが一つ。それから、何はともあれ来年度予算がいよいよこれから国会で御審議をいただくわけでありますけれども、来年度予算も景気的な配慮を十分に体してのことでございますので、まず来年度予算ができるだけ速やかに国会で御承認をいただくということが何よりもその適切な景気対策ではないか、かように思料しておる次第でございます。
○参考人(青木昭君) 宮澤大蔵大臣が今度御出発になるに当たりまして私どもの総裁と話をされたかどうか、これは私もしかと存じ上げないのでありますけれども、日本銀行と大蔵省とはかねがね国際通貨のような問題につきましては十分緊密な連絡をとっているわけでございます。日本銀行の所管ということでございますと、金融政策あるいは公定歩合ということになるわけでございますけれども、仮にアメリカ側から何か話がございましても、これは大臣が御帰国後私どもに御連絡をいただくはずであるというふうに思っております。あくまでも私どもの立場で総合的に判断して決めさせていただく話だというふうに思っておるわけでございます。 いずれにしましても、当面の円高を何とか安定に持っていかなきゃなりませんので、そういっためには国際的な話し合いも大変大切でございまして、大臣にぜひ意思疎通をお図りいただきたいというふうに私ども思っておる次第でございます。
○佐藤昭夫君 私もまず円高問題と日本経済の空洞化について幾つか質問いたします。 円レートは今週初め百五十円を突破し、史上最高値の百四十九円となって、中小企業からはいよいよ死ねというのかと悲痛な声が巻き起こっています。午前の応答で、通産大臣は百七十円を軸に百六十ないし百八十が適当なところじゃないかと述べられていましたが、昨年の通産省の公式調査で中小企業、産地の採算レートは二百円、せいぜい百九十円、こういうことから見てもこの発言は私としては合点がいきません。しかし、今最も重大な問題は、今回の円高騰の直接のきっかけが、アメリカの議会や政府筋の一ドル百二十円から百四十円を期待すると、こういう発言から起こったことであります。余りにもアメリカは勝手だと、国民の怒りは当然でありまして、こうした円高騰をあおるような不当な言動は断じてやめるよう、日本政府としてきっぱりと申し入れをすべきでないかと思うんですが、どうでしょうか、通産大臣。
○国務大臣(田村元君) まず第一に、私が百七十円プラスマイナス十円と言いましたのは、これは異例のことでありまして、閣僚がターゲットゾーンとも言うべき数字は言うべきではありません。ありませんが、今このような窮地に追い込まれたとき、それは私だって二百円の三百円のと言いたいです、言いたいですけれども、しかしだからといって現に宮澤・ベーカーの共同声明の示した線があり、そうして一般の企業が何とか百六十円台に耐え得る体力にという必死の努力をしておるというときに、私自身ももっと安い値段を言いたかったけれども、それは現実にそぐわないという感じがいたしまして、四十八年ベースのインフレ率、五十三年ベースのインフレ率、それぞれ百七十円、百六十二、三円というようなものや、いろいろなファンダメンタルズの問題を考えて、通産当局の事務方の首脳部と綿密な計算、打ち合わせの上申し上げたわけであります。それはもちろんこの発言に対して私は皆の賛成を求めようとしたのではありません。今何だかんだ言われても投機というものは行われておる、それに冷水をかぶせなきゃいけない、同時にもがいて苦しんでおる零細業者を勇気づけなきゃいけない。そのときに私が、あるいは場合によっては荒唐無稽の数字と笑われるかもしれないような数字は出せなかったということは、これはおくみ取りを願いたいのであります。 今おっしゃった、アメリカに対して厳しく対応し、抗議を申し込むべきではないのかという御意見であります。心情的に私ももちろん反対ではありません。ただ、現在大蔵大臣が渡米中でございます。この結果がどうなりますやら、非常に難航いたすかもしれません。あるいは宮澤さんが孤影悄然と帰ってくるかもしれない。あるいは宮澤さんの話し合いがうまくついて二百四十円に戻るかもしれない。これはもう何とも言えません。言えませんから、帰ってくるのを待つ以外にないという心境で、今しかしながら通産省としては全力を常に挙げ得るという臨戦態勢に入って、推進対策本部をつくっていろいろの議論をあらかじめなしておると、こういう段階でございます。
○佐藤昭夫君 心情的には同感だとおっしゃったわけでありますけれども、ぜひきっぱりした態度をとってもらいたいと思います。 ところで、ドル安円高をもたらすアメリカ側の最大の原因として、大軍拡による膨大な財政赤字がつくられてきたというこの問題があります。今こそこうした政策の転換をアメリカに要求する気はありませんか。
○国務大臣(田村元君) 余りにも話が大き過ぎて、これはひとつ中曽根さんにお聞きをいただきたいと思いますが、
○佐藤昭夫君 閣僚の一人ですからお尋ねをしたわけでありますけれども、また場を改めて首相にももちろん申し上げます。 さらに、アメリカは日米貿易のインバランス解消のため、日本側の市場開放を求めているわけでありますが、この要求も不当な点があります。御承知のマッキンゼー推計、これでも明らかなように、既に日本国民はアメリカ人が日本の製品を買うよりも多くのアメリカの製品を買っていると。それはアメリカからの直接対日輸出の二倍近い額がある。在日アメリカ系企業が日本国内で売り上げているからであります。つまり、アメリカの多国籍企業の海外活動がインバランスの原因の一つになっている。こうした多国籍企業の規制なしにインバランスの問題は論じられないんではないかと思うんですけれども、大臣の所見はどうでしょうか。
○政府委員(村岡茂生君) 大前研一さんの御指摘の著書を私も読んだわけでございますが、日本市場の開放度に関しまして、先生御指摘のとおりの試算をしているわけでございます。私はこのような試算は一つの試算である、あるいは貿易インバランスの問題を考えるときにおもしろい角度を提案しているということは確かにそのとおりだと思うわけでございますが、この指摘があるがゆえに両国間にトレードインバランスがないとか、日本において市場開放の必要がないとかいうことを立論することは、これまた難しい一つのポイントだ と思います。私どもはアメリカ自身もなすべきことはなし、日本側もこれに協力して市場開放な小構造調整なり、あらゆる努力を協力的に行うということが姿ではなかろうかと思う次第でございます。
○佐藤昭夫君 私は何も日本側の努力を不必要だということで申し上げているわけじゃない。アメリカが日本はもっともっと市場を開放せいということを言っているんだけれども、今申し上げた日本に対する輸出額よりも二倍近いそういう販売活動を、アメリカの多国籍企業が日本の国内でやっているというこのことも議論の重要な要素に一つ置いていかないと、正確な議論にならないということで申し上げておる。金額的にどうかこうかという細かいことを申しておるわけじゃないということで、大臣横向いておられますけれども、大臣の御見解どうでしょうか。
○政府委員(村岡茂生君) トレードインバランスというものは、もちろん従来からの常識では地理的な空間を限って議論をしているわけですが、大前さんの議論というのは、資本の区別によってこのインバランスを議論してみようという新たな角度を提案されたものと理解しておりまして、それはそれなりで非常におもしろい視点だと思います。したがいまして、そういう視点も入れて議論してみようという御提言につきましては、それなりに私どももそのとおりだと思う次第でございます。
○佐藤昭夫君 時間ありませんから、この問題でるるやるわけにまいりませんから、こういう傾聴に値する試算、提言だということで、これからの国策を立てる上でぜひ検討してもらいたい。 次は、日本側がメスを入れなきゃならない問題ですね。これはっとに私ども言ってまいりましたように、この日本の貿易黒字は大企業の集中豪雨的な輸出が原因だと。輸出上位十社で輸出総額の三二%、輸出上位三十社で輸出総額の五一%を占めるというこの数字は、臨時国会でも通産当局もお認めになっておった数字だと思うんですけれども、この競争力が生まれてくる源がいわゆる労働者の搾取によるものだということで、労働時間について言えば、アメリカより一年当たり二百五十時間長い、西ドイツより年当たり五百時間長い長時間労働。賃金について言えば、購買力平価でアメリカの五四・三%、西ドイツの六四・一%にすぎない。加えて、下請企業への単価切り下げ等々、そういった転嫁があると。これらを改めるのが日本側の課題としては急務だということをつとに国会でも議論になってきたところだと思います。 そこで近藤経済企画庁長官、ことしもおいおい労働者の春闘の時期に入りますけれども、あなたも内需拡大の必要性をつとに強調されています。こうした日本の労働者の賃金や労働時間の大幅な改善に経済企画庁長官としてぜひ努力、協力をしてもらうという必要があろうと思いますが、所見はどうでしょうか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 昨年から最近にかけての経済の実態の特徴的なことは、たびたび御指摘を申し上げておるわけでございますけれども、まさに円高によって輸出を中心として産業界に非常な深刻な状況がございますし、まさに赤字の企業もたくさんあるわけでございますが、片方でその輸入関係やまた非製造業の業界においては非常な利益を得ている会社もあるわけでございます。 そこで、先生御質問の春闘関連でございますが、ややもすれば従来の日本の春闘というのは一律にベースアップ幾らと、こういうような横並びで話が決まったような面があったんじゃないかと思うわけでございますが、私はむしろ各業界、そして会社、差があるわけでございますから、賃金を上げたくても上げられないような非常に深刻な会社もあります。それはそれなりの対応をしていただくことだと思うわけでありますが、逆に高収益の会社の場合には、業界の場合にはむしろそれを積極的にその労働者の方に環元をすると、そういう形でその線で大いに消費の拡大、内需の拡大を図っていただくと、こういうことが内需の拡大のためにもまたまさに産業構造転換のためにも必要ではないかと、かように考えておる次第でございます。
○佐藤昭夫君 高収益の会社についてはひとつそういう賃金、労働時間の改善を期待をしたいという、こういう答弁できようは承っておきたいと思います。 そこで通産大臣、今もちょっとありましたように、大企業は円高を理由に一方では大量の人員削減をやりながら、しかし一方ではどんどん海外進出をしていく、新たな利潤をそこから追求をしていくという、こういう姿、御承知のことだと思いますが、こういった、いわばもうけ本位の立場からの事業閉鎖、人員削減、こういうものについては、もちろん一つは当該労働組合との同意なしに一方的にやられたらたまったものじゃない。 それともう一つ、こういう大量解雇、大量人員削減というのは、そこの職場の労働者にとってももちろん大問題です。それと同時に地域経済に、城下町という言葉がありますように、地域経済に深刻な影響を与えている。そういう点で都道府県知事に調査権、本当にやむを得ざる合理化がどうかと、そして本当にそういう形での計画変更をやるというのが妥当なのかどうかということについての調査権、勧告権、こういうものを都道府県知事に与えて、地域経済への深刻な影響をできるだけ避けると、こういう方向に持っていく必要があるんじゃないかというふうに私どもは考えておるんですけれども、通産大臣の御意見どうでしょうか。
○国務大臣(田村元君) その御意見はたしか私は以前にも一度どなたかからお伺いしたことがあります。 私は、どういう因縁ことか閣僚をやれば労働問題と密接な関係の深い仕事を仰せつかってきたわけです。ただ、今おっしゃったような問題について今ここで私が過去のいささかの大したこともない労働問題に対する知識を振り回して、思いつきでお答えする筋のものじゃないと思うんです、率直なことを言って。御質問なすっておるあなたは十分に勉強しておられて、それが信念でもありましょうし、それはそれなりに私も御立派だと思いますけれども、私は今労働大臣でもありませんし、また労働問題といっても必ずしも労働省というばかりでもありません。海員やあるいは国鉄やああ何だと、あるいは運輸省あるいは公労委、中労委いろいろに分かれておるわけでございますから、だから一概に労働者と言っても種類がいろいろあるわけでございますから、私は今御意見として、どうせ記録されるものでございますから、御意見として承っておいて、そして後で静かに読み返してみたいと、このように思います。 ただ、こういう種類の御質問というのは、やはり職務権限を持った者に御質問なさるべきじゃないだろうかという感じはいたしますけれども、幸いにして私は過去の若干の経験がございますので、興味深くは拝聴いたしました。
○佐藤昭夫君 大臣もおっしゃってますように、かつては労働大臣も務められたという御経験もあり、労働問題については深い御見識をお持ちに違いないということもありますし、そういうことだけじゃなくて、今言いましたように大量解雇というのはそこの地域経済に非常に深刻な影響を与える。早い話が去年ありました三菱の高島炭鉱のあれなんかはもう町ぐるみ、島ぐるみ大騒動になるという、こういう影響ですよ。だからそういう点でこれは通産大臣の仕事とも無関係じゃなかろうということで、よく勉強してみたいとおっしゃっておりますので、ぜひ御研究をいただいて本当に有効な政策方向を御検討いただきたいというふうにお願いをしておきます。
○国務大臣(田村元君) 今の御質問は若干ちょっと方角が違って、こういうような空洞化のような現象も起こるが、労働法規等についてこのように改革をする気はないかという、労働法規面からの御質問でございましたですね、先ほどの。
○佐藤昭夫君 いや、必ずしもそう限定しているわけじゃないですよ。
○国務大臣(田村元君) その空洞化対策という通産省的な現実の対応ということのようには僕は承わらなかったものですから、ああいうお答えをしたわけでございます。 今確かにアメリカが困り果てておるのは空洞化問題も大きな問題の一つでございましょう。日本の場合も外国系企業が進出していく、その後で起こるであろう空洞化問題あるいは地域問題、いろいろな問題がございます。それはすなわち中小企業対策になり、特に零細企業対策になり、あるいはまた労働対策、雇用問題になるわけでございます。でございますから、新産業分野を興して、そしてそれで吸収することも考えなければならぬ。海外進出もある程度はさせなきゃならぬだろうけれども、しかしトラスチックなことをやるわけにもいかない。と同時に、ある意味においては企業と労働者の問題に関してはこれは労使間の問題である。けれども、そこで大量の離職者を出すというようなゆゆしき一大事になれば、これは政府の雇用政策の問題になる。そういういろいろな問題がございますので、その点は私どもも今後とも抜かりなく対応をしていきたい、このように思っております。 先般、私があえて事務次官を連れまして労働大臣をお訪ねいたしましたのも、今おっしゃったような心配事が出てこないうちにあらかじめ予防策をも講じて、ともに御協力を願いたいとお願いに行った。そしてハイレベルによる常置機関の総合雇用対策の機関ができたわけでございます。 先ほどの御質問は、私が取り違えたのならお許しをいただきますけれども、空洞化対策というより、空洞化が起こったときにこうこうこういうことをしなきゃならぬと自分は思うが、それにはこのように労働法のあり方も改革が必要なんじゃないかというような基本的な、言うなれば学問的な御意見のように思ったものですからああいうお答えを申し上げた。もし勘違いをしておりましたらお許しを願いたいと思うんです。
○佐藤昭夫君 この問題だけでさらに続けるわけにもいかぬのですけれども、蛇足ですけれども少し申し上げておきますと、日本は資本主義経済だ。だからしたがって会社といいますか企業の側のそういう点での自由が基本的に保障されるべきで、それに対しての一定の制限を加えるべきじゃないという論があります。 〔委員長退席、理事梶原敬義君着席〕しかし、同じ資本主義国の中でもフランスとかイタリーとか、こういうところでは国や自治体が大量解雇問題について一定の発言権を持つ、こういうのが国際的にもあるわけですね。ですから、こういうこともよく念頭に置いて、それで一つはもちろん労働問題という側面から、それから一つは国民全体の地域経済をどういうふうに守り保障するかという側面からということで、単に労働省だけの問題ではありませんということでさっきから申し上げておりますので、ひとつそういうことでよく御研究を、御検討をいただきたい。 次に、売上税の問題で少し質問をします。 まず経企庁長官、先にお尋ねをします。あなたは昨年の同時選挙での選挙公報で、異常な円高による不況から一刻も早く脱却をずる必要がある。そのために思い切った大幅減税の実施が必要だというふうに書かれておりますことを御記憶でしょうか。大型間接税については選挙公報では一言も触れられていないということを御記憶でしょうか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) そのようなことを選挙公報に書いたかもしれません。
○佐藤昭夫君 そうしますと、今回突如として売上税という名前での大型間接税が出てきた。しかもそれが既にお話ありますように増減税同額だと言われていますけれども、その減税なるものは法人税を含めての減税、すなわち金持ち減税、庶民大衆には大幅増税、こういうことで今閣僚の一人として進められようとしている方向は、あなたのこの選挙公報は公約違反になるんじゃないかと私は思うんですが、どうでしょうか。
○国務大臣(近藤鉄雄君) 大事なことは、日本の直接税の税率が法人税も所得税もともに世界の先進国と比較して非常な割高でございますから、これを是正することで日本の経済に活性化を与える、また消費を拡大する、こういうことであるわけでありますが、実は問題はそうした場合の、減税した場合の見合いの財源をどこでどうするか、こういうことでございますが、もう単純に考えれば、減税分はどこか増税といいますか税収を確保してきてそこでひとつ合わせるか、それとも国債を発行して借入金でこれを充てるか、それしか方法はない。第三にあるとすれば歳出をその分だけカットする、こういう三つの方法なわけでございますが、現内閣としては歳出カットにつきましてはまさにずっとここ数年ぐらいマイナスシーリングで詰めに詰めてきたわけでございますので、なかなか現在よりも大幅に減税見合いの歳出カットをすることは難しいと、こういう認識のもとで、しからば減税分を国債の発行で賄うのか、それともどこか別の税収源を確保してくるのか、こういうことでございますが、現在もう御存じのとおり百四十兆円という債権債務を持った財政でございますから、これにさらに新たなる政府の借り入れをふやすことをできるだけ抑制をしよう、こういうことになってまいりますと、しからば何らかの形の減税見合いの税収を確保してこなければならない、こういうことでございますから、その考え方の中で売上税という発想が出てきた、こういうことだと思うわけであります。
○佐藤昭夫君 減税をやるためには増税か、国債が、歳出カットか、この三つの方法しかないとおっしゃっているんですけれども、私どもは軍事費を削ろうということを言っているわけでありますし、増税でも売上税という道をとるのか、それとも大企業優遇といいますか、不公平税制の是正で財源をつくるのかというところは本当に真剣に議論されたんだろうかということについては極めて疑わしいわけですね。そういう点で、どうしても今回の内閣の決定はこれは公約違反だというふうに言わざるを得ないということを重ねて申し上げておきまして、これはまた改めての場がありますからそこでゆっくり続けていきましょう。 次は田村通産大臣です。今の議論同様に田村通産大臣にも申し上げたいんでありますけれども、繰り返しもあれですので、あなたの所管、この中小企業に今回の売上税が壊滅的な打撃を与えるというお話既に出ています。一億円以下の企業は非課税だといっても、現にトヨタ初め非課税業者とは取引をしないという方針を打ち出しているというこういう動きが既に始まっていますように、取引維持のためには零細業者もみずから課税を申し出ざるを得ないという実態にあるという、こういう中小企業と国民にとっての大きな打撃を与えるであろうというこういう点で、別に意地悪く質問しようということじゃありませんけれども、田村通産大臣の選挙区でございます三重県ではどういう動きになっているか。三重二区の御選出かと思いますけれども、五つの都市のうち幾つぐらい大型間接税反対の決議がやられているのか。あるいは松阪市、地元かと思いますけれども、幾つぐらい反対決議が団体として出ているんだろうか、御承知だろうか、本当に。まあよそばっかり言うと悪いですから、私の地元京都で言いますと、自民党京都府連も自民税調の決定が出たその後、去年の暮れでしたけれども、自民党京都府連も今度の売上税反対の声明を出したという、今国民の中でこれくらいの根強い声が起こっているという大臣の地元の状況を御存じでしょうか。
○国務大臣(田村元君) 実は私は六日から二、三日前まで外国へ行っておりました。それでまだ山のように積んである手紙等の整理もできていないんであります。といいますのは、最終のマレーシアからタイにかけて私はちょっと思ったものですから、東京へ来てももう寝ておりまして、はうようにして役所へ行ったりしたという程度のことで、私もしっかり存じません。存じませんが、五市二十八カ町村あるんです、私のところは。しかし真剣にそれを考えたのなら電話でもしてくると思うんですけれどもね。今そこにいらっしゃる社会党の山本正和君が同郷で私と家が歩いて行けるところですから一遍教えてもらいます。
○佐藤昭夫君 私ちょっと耳にしているところでは、五市、町までは詳細にはわかりませんけれども、大臣の選挙区の三重県二区の五市のうち四つが反対決議をしております。それから商店会、自治会、婦人会全部合わせて分部が幾つになるのか知りませんけれども、百四団体の反対決議が出ている。三重県議会、これはもう既におととしになりますね、六十年の十二月に大型間接税導入反対の政府に対する反対意見書が提出をされておるということで、余り電話がかってこないとおっしゃるけれども、本当に今国民の中でもう潮のようにがあっとこの反対運動が巻き起こっているということをよくよく念頭に置いていただく必要があるだろう。 加えて、また選挙公報で申しわけないですけれども、田村さんの去年の同時選挙の選挙公報、最初に「立候補の御挨拶」という前文的なものがありまして、あと十三項目ほどですかね、最後から二つ目に「中小企業の育成に重点をおき」云々と、こういうのがあります。この中小企業を守る、育成をするという、こういう見地から見ても、ひとつ今からでも遅くない、閣内でこういう売上税はひとつやめようじゃないかという話を切り出す御意思はないでしょうか。 〔理事梶原敬義君退席、委員長着席〕
○国務大臣(田村元君) 私は、もちろん選挙公報に中小企業を書いてあります。私が書きました。それから、私は通産大臣になりまして最初の記者会見、通産大臣は多分に中小企業大臣であります、私は中小企業問題ともろに取り組む決意でありますということを申しました。私は中小企業の皆さんを裏切ったつもりはありません。私も曲がりなりにも三十二年も代議士をしておりまして、他党の後輩の方から教えていただいて自分の言い分を変えるなんてことはちょっといささかこけんにかかわりますので、自分で自分の判断はいたしたいと思います。
○佐藤昭夫君 またの機会に議論を続けます。 次は、もう大分時間たちましたが、中小企業対策の幾つかの具体的な問題で次にお尋ねをいたします。 一つは、昨年末施行されました特定地域法の問題でありますが、この地域指定が行われましたけれども、京都について見ますと、丹後ちりめんの関係での丹後地域、それから日立造船の関係での舞鶴、ここが指定をされましたが、京都では大きな比重を占めております西陣や友禅、ここも不況で深刻な事態が出ているわけですけれども、この分野は指定をされませんでした。 京都に限らず全国的に見ますと、いわゆる首都圏、それから近畿の京都、大阪、まあ神戸にはごく一部あったかと思いますけれども、あるいは北九州地域といいますか福岡等々ですね。こういう都市圏はもう押しなべて指定がないということになっているんですけれども、その理由はなぜだろうかという問題でありますが、時間ありませんので逐一聞いているとあれですが、京都市が昨年の八月実施したアンケート調査、円高の影響についてということで各企業に発送して回答をとったというあれですけれども、その影響度、機械の関係七九・七%、それから金属、化学五〇%、染色三六・七%、西陣二九・二%、窯業三三・三%、だから、こういう織物の関係は円高のストレートの影響じゃないですけれども、じわじわとその影響が出てきているということはもう紛れもない。 一方、帝国データバンクという調査機関がありますが、ここの調査ですと、昨年一年間の京都地域の倒産件数四百三十二件、そのうち繊維関係が三一%を占める、対前年比で二八・六%繊維関係で倒産がふえている、こういう点から見て、やはり西陣を初めとする京都の繊維関係というのが相当深刻な事態に来ているということをあらわす数字かと思うんです。なぜこれがそういう大都市、都市地域というのは指定できないのかという点、その理由は何でしょうか。
○政府委員(岩崎八男君) まず、先生の御理解をいただかぬといかぬと思いますのは、今回のこの特定地域中小企業対策臨時措置法、これは円高等による影響を受けている業種に対する直接の対策ということではありませんで、そういう円高あるいはその他いろいろな内外の諸要因によって著しい影響を受けた結果、その地域社会全体が、例えば端的に言って商店街を含め非常な困難な状況に立ち至っている、そういう地域に対してその地域の中小企業全体として振興できるような対策によってその地域全体の振興を図りたい、こういう視点から実はつくりましたものですから、ある業種が非常に厳しいから、その業種があるところを直ちに指定するというような発想を実はとっておりません。したがって、東京、大阪あるいは京都、そういう大都市というところは一般的に申し上げて、まあある業種が非常に影響を受けているとしても、全体としての社会の活動水準そのものはいろいろな意味でなお弾力性があり得る場合が多い、こういうような発想がございまして、それにまた、その特定地域の数自体も全国の中である制約を受けざるを得ないものでございますから、いろいろと内部基準、判断の基準を設け、あるいはそういうものと地元の御要望、そういうものを勘案しながら京都については御指摘のような舞鶴、丹後地区というものを指定した次第でございます。
○佐藤昭夫君 昨年の法律の仕組みがそういうことになっているということは承知しつつ聞いているわけですけれども、しかし、大体京都の西陣と言えば、京都市内十一行政区あります。その中の北区と上京区に集中しているんですね、御存じたと思いますが。ですから、京都市内で一万九千企業あるんです、この織物が。これの三分の二が北区と上京区に集中している。ここが不況で落ち込んでいるということになると、地域経済に対する影響という点も特定地域に集中してやっぱり出てこざるを得ないということで、もうあの地域、御存じと思いますけれども、商店街などいわば火の消えたようになっているということで、私は何も京都の出身だから西陣のことだけを言っておるつもりじゃない。同じようなことが例えば川口市の鋳物だとか大阪の刃物の関係だとか、いろいろあるんじゃないかという点で、百七国会での法案審議の際に通産省も今後の経済情勢の推移に即して地域指定を検討するというふうに答えられておるところでありますけれども、そういった点でのひとつ弾力的な判断、それから離職者も都市の場合は出てもある程度ほかに転換できるとおっしゃっても、この繊維の関係、ああいう特に伝統産業分野の繊維といいますと年寄りが多いんです。だからほかに転職をするといったって当て先がない、こういう状況で、そこらもよく柔軟に弾力的に見ていかなくちゃならぬということで、大臣、この円高対策について先ほどどうおっしゃったんですかね。命燃え尽きるまでとおっしゃったのか、燃えに燃えてとおっしゃったのか忘れましたけれども、要するにこういう円高対策の手を打つための、去年の段階では予算の制約もあって地域指定の数を制限せざるを得ない、こういう相互の関係なんかがあったと思うんです。だから問題は、手を打つ財源がもっとふえればもっといろいろ考えようもあるというとこらも含めまして、ひとつ円高対策についての、不況対策についての実情に即した運用、こういうものを大臣ぜひ検討してほしい、すぐ答えが出なくともひとつ検討してもらいたいと思いますが、どうですか。
○政府委員(岩崎八男君) 必ずしもお金がないからというだけではありませんで、それから一般論として大臣も法案審議の段階で申し上げましたように、必要があれば当然追加指定というものも一般的にはこの特定地域対策法運用上考えていくべきだと思っておりますけれども、ただ京都市の場合、果たして率直に申し上げてそういう順位で、高順位であるかどうかというのは、全国的なバランスを考えましたときに、地元の要望等も考えましたときに、率直に申し上げて前向きに今考えられるという状況にはこの特定地域対策臨時措置法の守備範囲に関する限りなかなか難しいのではないか。もちろんしかし、その西陣織の産業そのものの苦しみ、そういうことについては、中小企業の対策、あるいはその他伝統工芸産業対策、その他でき得る限りのことはやっていかなければならないと思っております。
○佐藤昭夫君 さらにもう一つは、和装品の分野での海外進出や製品輸入に関する問題でありますが、かつて大島つむぎについてお土産品という形で日本の国内に持ち込む、こういうことが問題になりました。 韓国へ観光団を組織して現地で反物を購入して、帰国してから買い取るという、こういう脱法的いわば輸入でありますけれども、同じ絹織物である西陣織や丹後ちりめん、こういうものについてもこうした事態は根絶をされているだろうかということで、円高に加えて労賃が安い中国、韓国、こういうところから同様のケースが予想されるわけでありますけれども、もしあるとすればこれは当然厳正に対処すべき問題だと思いますが、その点についての見解と、それからもう一つ、百七国会の衆議院で我が党の藤原議員が取り上げたんですが、未精練の絹織物をリボンでぐっと縮めて、日本に持ってきて幅出しする、こういう不正輸入、政府も監視を強めますということであったんですが、今度は幅は規格どおりで長さを倍以上のものを持ってきて裁断をする、こういうやり方があるとも聞きます。これももしあるとすればひとつ厳正に対応をしてもらいたいと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(浜岡平一君) 絹織物の輸入につきましては大変かねがね頭を悩ましているところでございますが、他方、御承知のようなガットのルールもあるわけでございまして、率直に申し上げましてガットのルールすれすれのところであらゆる工夫をいたしているつもりでございます。基本的には日本に対する絹織物の輸出の約八割を占めます中国、韓国及び台湾の各国との間で本当に腹を割った話し合いをいたしまして日本のマーケットの事情の理解を求めて、いわば輸出の自主規制をお願いしているという状況でございます。 幸いにいたしまして日本の苦境を十分理解をしていただきまして今まで相当輸出を抑制してもらってきたというのが実情でございまして、御承知のとおり、昭和五十年度にこういう話し合いを始めましたけれども、そのころと比べますと輸入量が約半分まで減っているというような状況になっております。こういった話し合いの中で今お話しの旅行者の持ち込み輸入の問題につきましても累次意見交換を進めてきております。 今お話しのような大量の観光団を編成してというようなことになりますと、これはむしろ日本側の問題にもなるわけでございまして、通関段階で果たしてチェックできるかどうかなかなか難しい問題でございますけれども、いずれにせよ、あらゆる方面に対しまして協力の要請をしていかなければならないと思っております。 なお、第二番目に御指摘のございました生機の段階で水漬けをいたしまして全体の、縦横の寸法を縮めまして、場合によっては規制対象外、規制といいますか、抑制対象外と称し、場合によっては通関時の面積の数字を実態と違ったものとして申告するというような事態があると言われておるわけでございます。 特に前者の問題につきましては、私どもも輸出国サイドの自主規制を十分モニターするという観点で幾つかの確認体制を敷いておりまして、その確認のプロセスで問題がありそうに思われるものにつきましては、昨年の夏以来現物の提示を求めるというような対応もいたしているわけでございまして、極力そういったアンフェアな行為につきましては、私ども自身の努力ももちろんでございますけれども、あわせて輸出国サイドでもやはりせっかくの行為というものがしり抜けにならないように配慮を十分お願いをしていこうというぐあいに思っております。
○佐藤昭夫君 もう一つだけ。 午前中ちょっとありましたが、例の繊維の関係の織機の共同廃棄事業、撚糸工連事件でああいう形でストップになってきたわけでありますけれども、再開の方向で動き出しておるということで、いわば一部の悪意ある人々によるその事件が口実になって善意の人々が大変な迷惑をしたということであるわけですけれども、したがってこの事件を理由にして今までの廃棄事業のこれを受けるに当たっての条件ですね、これが後退をするということにはならないように一層の努力をやってもらいたいということを最後に質問しておきます。
○政府委員(浜岡平一君) 午前中御報告申し上げましたように、何とか昨年の十二月に関係方面のコンセンサスができまして、現在関係各産地におきまして廃棄対象設備の調査あるいは産地ビジョンの作成というような作業に取りかかっているわけでございまして、どこからスタートしたかという定義は難しいんでございますけれども、私どもは実質的には再スタートしたというぐあいに思っております。 昨年来、大変この仕組みにつきましては御議論がございましたので、午前中申し上げましたようなかなりの見直しをいたしまして、ああいった事件の再発を防ぐということにつきましては最大限の配慮をしたつもりでございます。同時に、先生御指摘のように六十年度に行われました事業と六十一年度、二年度に行われます事業の適用を受けます企業の間に大きな格差が生ずるのは、やはり業界内の公平感とあるいは行政の継続性といった点からかなり問題があると思われるわけでございまして、大臣の御裁断もございまして六十年度に実施いたしました七業種につきましては、特に価格といった面で実質的に大きな差の出ないように配慮するという例外措置等も設けているわけでございまして、先生お話しのような方向で対応を図りつつあると思っております。
○抜山映子君 通産大臣は一月十九日に一ドル百七十円を基礎に上下十円程度の幅で動くのが望ましいと発言され、また本日、当委員会におきましても同趣旨の御発言をなさいました。大変勇気ある発言で、私は敬意を表したいと思うんです。私どもの党はかねがねターゲットゾーン構想を提唱しておりましたけれども、大臣の御発言はこのターゲットゾーンの設定と、こういうように理解してよろしいでしょうか。
○国務大臣(田村元君) ターゲットゾーンというのは、目先の問題とそれから長期的な問題がございましょう。でございますから、従来日本産業は二百四十円前後になじんできたわけであります。それが余りにもドラスチックな円高で今のような姿になりました。私は本来ならば百八十円あるいはそれよりもっと安目に物を申したいという気持ちもないではありませんでしたが、先ほど申し上げましたように通産省の首脳部の試算を取り入れ、そしてまたファンダメンタルズを満たしておるかどうか、それから過去の数値に対するインフレ率等々いろんなものを勘案いたしました。そしてこの際、せっかく企業がせめて百六十円台なら生き抜こうという大変な努力をしておるときにこれ以上安くなっちゃ大変だと。しかし、固定相場制じゃありませんからやはりフロートすることは目に見えておりますので、あえて百七十円プラスマイナス十円という線を出した次第でございます。しかし、これは私にとって理想的な数字とは思っておりません。とりあえず目先の問題としてターゲットゾーンとお受けとめいただいて結構でございます。
○抜山映子君 それではこのターゲットゾーンを達成するために、通産大臣としてはどのようなことをお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(田村元君) 実は大変長くなるかもしれませんから御遠慮申し上げますが、このターゲットゾーンというものを発表した日でございました。私どもは、たとえ一時的であれ百四十円台へ突っ込んだわけでございますから、通産省に対策本部を設けました。その本部長は事務次官を充てました。と申しますのは、本来ならば大臣が本部長になってもいいんでしょう。けれども、政治というものは一寸先はやみでございますから、特に私どもの内閣というのはどういうわけか代々大臣の寿命が割合短うございます。そういうことでございまして、事務次官に采配を振るわせるということにしたわけでございます。今、各局長連が思ったことを言い合っております。これから部長、次長等にもうんと言わせます。それから場合によったら課長補佐クラスにまで言わせようというふうに考えております。それが私の非常に大まかなお答えでございますけれども、いろいろと円高不況への通産省の対応策というものをお答えすべく資料を持っておりますけれども、また先生の御質問に応じてお答えをしていきたいと思います。
○抜山映子君 さて、このような大変な円高の中で実施を考えられている売上税の導入でございますけれども、この導入過程の不透明さについてはもう同僚の各議員が皆さん指摘されました。特に売上税導入を決めた土壇場の二週間は自民党の幹部と大蔵省だけで決めてしまった、開かれた論議がなされていなかったということが大変私は重要だと思うんです。 特に昨夏の総選挙では国民と党員の反対する大型間接税はやらないと再三強調しておきながら、密室の政治の中で実現をしようとしている、このことについて通産大臣はどのようにお考えでしょう。
○国務大臣(田村元君) 今回の売上税の導入は所得税、法人税の減税そして間接税制度の改革等、税体系全般の見直しの一環として行われるものでございます。財政事情等も考えればいろいろと言いたいことはもちろんありますけれども、やむを得ないものというふうに理解をいたしております。 売上税は免税点が一億円でございまして、約九割の事業者が課税対象から除かれること、食料品、医療、教育、住宅等の分野が非課税とされていること等から、総理が導入しないと言明したいわゆる大型間接税に該当しないと我々は承知いたしております。ただ、問題は先ほど来いろいろと御発言がありましたように、国民の側にも何分にも初めてのことでございますから、なじまないあるいはわからない点が多々あるかと思います。でございますから、私どももでき得る限り生の声を聞き、これを生かしていくように努力をいたしたい。よしんばその法律ができましても施行上の面で、通産省が企業とりわけ中小企業を守るために大手を広げるということがあるいは起こり得る。また、政治、行政とはかくあるべきものとこのように考えておりますので、その点は遺漏なきように頑張ってまいりたいと思っております。
○抜山映子君 それでは自民党の東京都連、京都府連、岡山県連が、いずれも公約違反の大型間接税だとして本部に申し入れを求める決定をしておりますけれども、それでもこれは大型間接税でないと、東京都連、京都府連、岡山県連が間違っておるんだと、このような御意見でしょうか。
○国務大臣(田村元君) いや、間違っておるとは思いません。合っておるかどうかもしっかり私にわからないというところは、まあぎりぎりの線をいくものだからその批判も生まれ得るし、弁明もうまくできるというような線じゃなかろうかという感じがいたすんです。 けれども、端的に申し上げまして、私はこの税体系の問題について、私自身も意見がないと言えばうそになります。なりますけれども、それはそれとして、自民党の正規の県連が党本部に対して抗議をし、開き直ると、これぞまさに民主的な自由主義政党であると、私はある意味においていい政党に入ったなという喜びに浸っておるところでございます。
○抜山映子君 大変苦しくも正直な答弁をいただいたんで、もうこれ以上は申し上げないことにします。 五%の売上税の持つ税収効果は、先ほど大蔵省が平年度ベースで六兆円とかいうように申されました。これは四十三品目の非課税項目と年商売り上げ一億円以下の業者を非課税にした上での話でございます。これをちょっとこの四十三品目をもっと少なくすればさらにふえるし、この一億円以下の業者というのを変えればまた変わる。五%を変えればまた変わるということで、これは打ち出の小づちとも税制上言われておるわけです。 そこで、各外国の売上税の導入のときと、そして現在どうなっているか、これを重立った国だけで結構ですからおっしゃってください。
○説明員(森田衞君) お答えいたします。 欧州の三カ国、イギリス、西ドイツ、フランスと韓国につきましてとりあえずお答えいたしますと、付加価値税導入時でございますと、西ドイツにつきましてはほとんど影響が見られなかったというふうに聞いております。フランスでは若干の上昇が見られましたが、これは当時のフラン危機の影響もあったかというふうに言われております。イギリスと韓国でございますが、若干の上昇が見られたわけでございますが、この両国、いずれも増減収とんとんと申しますか、ネット増税もネット減税もないというようなことでございまして、付加価値税導入の影響は余りなかったのではないかというふうに思っております。 その後の物価動向を見てみますと、イギリス、韓国ではかなりの上昇が見られておりますが、これは付加価値税の影響といいますよりも、主にその後の石油危機等の経済情勢の変化に起因するのではないかというふうに考えられます。 いずれにいたしましても、間接税の導入が物価に与えます影響は、そのときどきの経済情勢とか減税との組み合わせ等によりまして大きく異なりますので、消費者物価指数を単純に比較するのは必ずしも適切ではないかなと、このように考えるところでございます。
○抜山映子君 ちょっと質問の趣旨を誤解されておられたようで、私が聞いておりますのは付加価値税の標準税率は当初と現在とどういうように変わったかと。 もう時間がないので私の手元にある資料で申し上げますと、西ドイツでは当初一〇%であったが現在は一四%であると。スウェーデンでは当初一〇%であったが現在は二三・四六%である。オランダでは当初一二%が一九%、ベルギーは一六%が現在一九%、イタリアが一二%で現在は一八%、イギリスは一〇%で現在は一五%と、このように当初は少ない税率で導入しておきながら後日上げておるわけです。 ですから、現在はレベニューニュートラルだと言っておりましても、将来一たん導入された暁においてどうなるかわからないという不安が諸外国の例から私ども大変不安に思うわけです。この点については、もう五%以上かなり長期的に見て上げる可能性はないと理解してよろしいですか。
○説明員(森田衞君) 先生御指摘のように、諸外国を見てまいりますと、税率の上がっているところもございます。私どもは先生の御指摘のように、間接税を導入いたしますと、安易な税率の引き上げが行われまして大きな政府につながるんではないか。したがって、何らかの歯どめを設けるべきではないかという御議論があることは十分承知しております。ただ、この点につきましては、売上税の税率は、現在御提案しようと思っておりますのは五%でございますが、法律で明定するということにいたしておりますし、韓国とかイギリスのように政府限りで一定の範囲内で税率を左右できると、上下できるというようなことは考えておりません。 したがいまして、税率の改正につきましては国会での御議決が必要であるということでございますし、また、先ほど御指摘のございましたヨーロッパ等の付加価値税の例でございますが、例えば主要な国で申しますと、イギリスとか西ドイツとかフランスでございますが、ほとんど所得税減税等の財源のために付加価値税の税率が引き上げられておりまして、いわば組み合わせで行われておりまして、付加価値税の増税そのものが直接歳出増加の要因となっているとは必ずしも認められないんではないかと思っております。 したがいまして、結局は財政支出拡大に対します規律の問題でございまして、売上税が導入されますと、直ちに税率が引き上げられまして、大きな政府になるというような御指摘は必ずしも当たらないのではないかと、このように考えております。
○抜山映子君 税調会長の山中さんは、この所得税の減税と売上税の導入によって初年度はニュートラルで増減税同一というように言ってますけれども、三年経過すると増税になると、こういうことを言われておるんです。 したがいまして、政府の見通しとして何年後には増税になるのか、これをおっしゃってみてください。
○説明員(森田衞君) お答えいたします。 今回の抜本的税制改革でございますが、ネットの減税をするような財政事情にもございませんし、また増税をするような環境にもございませんので、税制改革全体の姿といたしましては、増税、減税プラス・マイナス・ゼロという形で考えておるところでございます。 その後何年後にどうなるかにつきましては、現時点におきましてお答えする立場にはないことを御理解いただきたいと思います。
○抜山映子君 答えづらいかもしれませんけれども、ほっておきますと自然的に増税になっていくわけです。ですから、これは大変に恐ろしい効果を持つわけですね。 先ほど増減税が同時同額ならば、初年度はプラス・マイナス・ゼロになると、こういうような御発言でございましたけれども、野村総合研究所あるいは大和証券経済研究所は、増減税が同時同額なら初年度の経済には明らかにマイナスである、こういうように予測しておるわけです。また、近代経済学者の集まりである政策構想フォーラムの試算によりましても、年収六百万以下のサラリーマンにつきましては、所得減税があっても売上税とマル優の廃止で差し引きは実質増税になる。しかも、年収六百万円以下は所得層の全体の八割である、こういうように指摘しておるわけです。ですから、これは国民の目をそらすものではないか、このように思うんですが、その点はいかがでしょうか。
○説明員(森田衞君) 二点御指摘ございました。 一点は、増減税プラス・マイナス・ゼロとなりましても初年度につきましては増税じゃないかという御指摘でございますが、私どもは六十二年度の四月から所得税減税等につきましての減税をお願いしておるところでございまして、これは源泉徴収を通じまして四月以降直接所得税減税の効果が出てくると考えられますし、法人税減税につきましても同じように四月以降決算期の来るものにつきまして減税効果が及んでいく。しかしながら、増税でございます売上税につきましては、六十三年、つまり六十二年度の後半でございますが、一月から実施されますので、その実際の納付は六十三年の五月というふうになりますので、初年度につきましては減税効果が早目に出てくるのではないかというふうに考えておるところでございます。 二点目の御指摘でございます、六百万の年収以下の世帯では増税になるのではないかというような民間の試算があるというような御指摘でございますが、私どもは今回の税制改革が家計の負担に与える影響につきましては、やはり長い目で一人の人間が就職をし結婚してから退職するまで生涯にわたります、いわば私どもライフステージと言っておりますが、そういう長い目で収入、支出というものがどのようにこの税制改革によって影響してくるのかということを見なければならないと思っておりまして、そういう観点からこの今回の所得税、住民税の思い切った減税を含みます税制改革全体を見てまいりますと、働き盛りで収入が比較的高うございますけれども、お子様の教育に非常に負担がかかるとか、住宅ローンが大変だとかいう、そういう中堅層を中心に負担の軽減を図ろうということをしているわけでございまして、そういうような観点から見ていきますと、夫婦子二人のサラリーマンの場合でございますと、そのような支出が収入を上回りますような世代を中心といたしまして、働き盛りの中堅サラリーマンには一四%から二〇%というような大幅な減税になるということでございますし、年収六百万以下の世帯を見てみますと、実質増税ということの試算もございますが、それの試算に共通して見られる点は、法人税減税というものを行いますが、これが家計負担にどのような影響を及ぼすのかというような影響を考慮されていないというような問題点が基本的にあるのじゃないかと思っております。やはり、法人企業が生産、雇用面、国民経済におきます重要な役割を果たしているというふうに考えますと、それはめぐりめぐって国民経済全体に好影響を与えるというふうに考えられますので、そういう点を配慮いたしますと、六百万以下の方々が全体全部が増税になるということではない、そういうことにならないのではないかというふうに考えております。
○抜山映子君 法人税の減税が個人の生活にめぐりめぐって影響を与えて好影響を及ぼすのだ、こういうことでしたが、それは景気が普通のときであればそういうことはあるかもしれませんけれども、今製造業者のほとんどがこの円高不況に苦しんでいる、中には資産まで売って赤字を外に出ないようにしている、こういうような状況にあっては、法人税の減税が個人に回り回っていくというような見通しは余りに甘いのではありませんか。
○説明員(森田衞君) 法人税の負担の帰着につきましては、学説的にいろんな実証分析がございますが、必ずしも統一した見解はございませんが、今までのところ法人税が個人に帰着することは当然ということで分析されておるわけでございまして、税制改革の家計負担への影響を考える場合に当たりましても、究極的には法人税の減税というものが影響を及ぼすのではないかと、つまり、法人税減税というものが宙に浮いちゃってどこかへいっちゃうということではないんじゃないかと思っております。このような厳しい環境の中であるからこそ、法人税減税といいますのは非常に効果のあるものではないかというふうに私どもは期待しているところでございます。
○抜山映子君 所得税の減税があるからと言われましたけれども、所得税の減税は最高税率引き下げ七〇%が五〇%で、これは明らかに高所得者に有利な減税でございます。一方、売上税という間接税は低所得者層に大きなインパクトを与えること、これは明らかでございます。この点について両方を評価するときに、今回の増減税は明らかに大衆に重くなっていると、こういうことが言えると思いますが、いかがですか。
○説明員(森田衞君) お答えいたします。 売上税につきましては、あらゆる物、サービスにつきまして税金がかかってまいります。そういう意味で、高所得者の方々、低所得者の方々、それぞれ同じような負担があるのではないか。所得につきましては逆進性があるのではないかという御指摘がございますし、所得税につきまして減税が行われましても、税負担が大きい方が出てくるのではないかという御指摘もございますが、私どもは売上税の逆進性につきましては、飲食料品等、逆進性の強い物につきまして非課税とするような配慮をしておりまして、逆進性のなるべく少ないような形で導入したいと考えておりますし、また、所得税の減税につきましても、最高税率はもちろん下がりますけれども、現在、先進諸国におきます最高税率と比較してみますと、今回の引き下げが行われましたと仮定いたしましても、依然として量高税率六五%というのは、アメリカの三八%、イギリスの六〇%、西ドイツの五六%、フランスの五八%と比べまして依然として高額所得者に対しましては最も重い負担を求めるというような仕組みになっておりまして、必ずしも全体といたしまして貧しい方々に負担を求めるものでもないというふうに理解しておるところでございます。
○抜山映子君 飲食物は除いてあるから低所得者層に余り負担を与えないと、こういう結論をおっしゃっておられましたけれども、飲食物でも缶詰は缶の部分についてかかるわけですね。それから、飲食物と例えば容器とセットにして売りますと、これ二分の一以上のどっちが多いかということでかけるわけでしょう。そういうような形で明らかに飲食物も高くなる。しかも仮に五%、さらにその人件費がいろいろかかりますから、物価が六、七%上がるといたしまして、小売価格が六、七%ということで、例えば一円とか五円とかの端数が出たときに繰り上げて便乗値上げも必ずあるわけです。そういうことを考えても低所得者層に負担がかからないと言い切られますか。
○説明員(森田衞君) 先生御指摘のように、この売上税でございますが、所得税、法人税のように課税になるか非課税になるかによりまして、一〇〇%負担が、課税の場合ございまして、非課税の場合にはゼロというような税金ではございませんで、御指摘のように、非課税の食品等につきましても缶詰の缶にかかる税金とかいうものがございまして、いわばコストが上がる。したがいまして食料品が若干値上げがあるということは御指摘のとおりでございます。これは売上税の持っております制度の仕組みとしてそうなるわけでございまして、全体といたしまして課税されるものと非課税のものとの差を見てみますと、非課税のものも若干上がるわけでございますけれども、全体として見ましてやはりそこは非課税になっております関係上、課税物品よりも非課税物品の方が値上げの幅は少ないんではないかというふうに考えております。 それから便乗値上げでございますが、これはもちろんそういうことはないように十分監視していかなければいけないというふうに思っておりますが、戦後ずっと見てみましても最近時におきましては最も物価等も安定しておりまして、そういう意味では便乗値上げの監視も十分やる環境にはあろうかと思っております。 それから、その低所得者層に対しまして、私先ほど飲食料品が非課税になっておるからいいんではないかというようなことを言ったと、こういう御指摘でございますが、言葉が足らなかったかもしれませんが、そういう減税の恩典を受けないような例えば現在所得税を御負担されてないような方々に対しましても、例えば一年に一回ほど海外旅行をされるような独身のOLの方々とか、余裕のあるような方々につきましては若干少し広く薄く税金を負担していただいて、なるべく日本の税金というものもたくさんの人々で負担していきたいという発想でございまして、本当に貧しいそういう人々につきましてはそれは私ども歳出の面で手厚い保護をすべきだとは当然考えておるところでございます。
○抜山映子君 大体人間の生活費というのはもう三十万から五十万ぐらい、随分粗っぽい見方でまだまだいろんな方がいるとしても、大体そんなには変わらないんですよ。ですから、松下幸之助さんが売上税ができて生活費が上がって困るのと、例えば身障者や母子世帯が売上税が上がって困るのとでは全然意味合いが違う。そういう意味で売上税というのは非常に大衆課税だと、こういうように私は言っているんですけれども、その点は同意していただけますね。
○説明員(森田衞君) 大衆課税というお言葉でございますが、国民のかなり層の広い方々が負担される、負担が及ぶという意味におきましては大衆課税というようなことになるかと思います。松下幸之助さんとの関係でございますが、間接税の場合には私ども支出に対しまして比例的な税金であると思っております。したがいまして、例えば自動車を二台も三台もお持ちの方とか浪費される方につきましては確実に税金を負担させることができるというふうに考えておりまして、所得に対しましては逆進的な面はあろうかと思いますけれども、使えば使うほど、ぜいたくをすればするほど税負担は着実にされるということにおきましては、逆進性を配慮すればそれなりの税負担を的確に及ぼすという意味では、所得、消費、資産、バランスのとれた課税ではないかというふうに考えておるところでございます。
○抜山映子君 多分おわかりになっていらっしゃるんだと思います。 ところで、今回の税制改革案は私は国際経済の要請にこたえていないんじゃないか、こういうように思うんです。海外諸国は、日本は国内経済を浮揚して早く離陸させる措置をとれ、こういうように言っておるわけですが、この売上税を導入いたしますと明らかに消費は冷え込んで内需拡大がうまくいかなくなる、タイミングとして非常にまずいと思いますけれども、通産大臣のこの点の御意見いかがでしょうか。
○政府委員(杉山弘君) 売上税を導入いたしますと物価の上昇を通じて経済にはマイナスの影響を及ぼすということは御指摘のとおりでございますし、対外的な面で内需拡大が叫ばれておりますことから考えますと、そのことだけをとりますと確かにおっしゃるような問題が存在するということになろうかと思うんでございますが、先ほど来大蔵省の方からの御答弁もございますように、この際にあわせて所得税の減税、法人税の減税も行われるわけでございますし、時期的にもむしろ所得税の減税等が先行をするというようなことにもなってまいりますので、そういう面ではむしろ若干のプラスがあり得るし、増減税同額ということで考えてみますと、そう対外的な面で内需拡大と矛盾をするというものではないのではなかろうかと考えておるところでございます。
○抜山映子君 ところがそうじゃないんですよ。今経済がもう成熟化しました。だからみんなとりたてて欲しいものはない。魅力ある商品がもうないんです、日本人にとっては。しかもマル優枠の廃止ですから、今まで百万預金しておけば安心と思ったのが、その利息が半分ぐらいになるんであれば二百万預金しておかなくちゃいけないというように、もうみんなが、ますます財布のひもは今かたくなっておるんですよ。さらに、中堅層は、日本では非常に農産物が高い、それから家のローンもある、それから教育費も高い、だから実際には日本人はお金持ちだと言われておるけれども実感としては私たちは非常に苦しいという気持ちが非常に強いわけです。ですから、所得税の減税とかそういうものがあってもますます財布のひもはかたくなっていく、内需拡大はしない、私はこういう判断を持っておるわけなんですが、その点いかがですか。
○政府委員(杉山弘君) 私、今御答弁申し上げましたのも、今回やりましたら内需拡大になるということで申し上げたつもりはございませんで、むしろ売上税の導入に伴います物価の上昇を通じてのマイナス要因だけではなくて、所得税減税、法人税減税によるプラス要因もあるので、そういうものを差し引きますとむしろ内需拡大についてマイナスになるということはない、そういう意味での非難を受けることにはならないのではないかということを申し上げたつもりでございます。
○抜山映子君 ここで議論をするつもりありませんけれども、内需拡大が考えていらっしゃるようにうまくいかないということは、もうこれはだれの目からもはっきりしておると思うのです。 ところで、この売上税でございますが、課税期間が三カ月、二カ月以内に申告して納税する、こういうことなんですけれども、私、各企業を回って聞きますと、今一年決算でも我々はひいひい言っているんだ、それなのにこういうような三カ月そして二カ月と、こういうようなことでは処理できない、こういう反応が大変に多いんですけれども、この点をどう把握しておられますか。
○政府委員(杉山弘君) 確かに御指摘のような意見があることも事実であろうかと思いますが、これは諸外国との比較等で申しますと、売上税ないしそれに類似する付加価値税を既に導入をしておりますヨーロッパとの関係でいきますと、むしろ納税期間等についてもどちらかといえば長くとっているところでございますし、むしろそういう点についてはこれから実際の納税手続を決める際に大臣も申し上げましたようにできるだけ納税者の納税コストを少なくするような方向でいろいろと工夫もしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○抜山映子君 たしか西独は一年で年一回であったと思いますけれども、いかがですか。
○政府委員(杉山弘君) 今ちょっと手元に正確な資料を持っていないのであるいは大蔵省からお答えをいただいた方がよろしいのかもしれませんが、一年に一回という場合と、特定の場合にはもっと短い期間、たしか一カ月以内で納めるという二つのケースがあったように記憶をいたしております。
○抜山映子君 日本では産業構造で中小の企業が大変にパーセンテージが高いわけですね。そういうところでは現在ですら帳簿をつけるのにひいひい言っている、そしてコンピューターの導入もできない、こういうような状況下の企業が大変に多いわけでございますので、この課税期間三カ月、二カ月以内に納税というのは慎重に私は検討していただかなくてはいけないと思っています。 それから、税額の計算ですね。これは日本は発生主義になっていますけれども、卸売業者はほとんど手形でもらっているわけですね。手形で大概六カ月先なんていうのは珍しくないわけでございまして、その分もうとにかく取引したのだから納める、ところがその手形が不渡りになったりするような事例は特にこの不況下では多いわけでございまして、その意味からも私はこの売上税というのは実現しないで、この際もっと国民の間に開いた論議をしてから考えなくちゃいけないと思うのですが、この点いかがでしょう。
○政府委員(杉山弘君) 今御指摘のようなことで、現金で仕入れて手形で売る場合にはむしろ納税者の段階に金融上の負担がかかるのではないか、こういう御指摘、これもごもっともでございますが、逆に取引によりましては仕入れの方は手形でやりまして売り上げの方は現金でという場合もありますので、一律にどちらの方が金融上の負担が大きくなるかというのを決めつけるわけにはまいらないのがあると思いますが、ただ手形で販売をしましたものについて回収ができなくなるというようなことは十分予想されるケースでございますので、そういう場合の取り扱いにつきましては私どもも今大蔵省当局とその取扱分について御相談もしているところでございます。こういった具体的なケースに応じましてどういう処理をする方がいいのかということにつきましては、これからもそれぞれ御相談をいただいた事例に応じまして大蔵省当局と十分協議をいたしまして、全体としての売上税の実施ができるだけ円滑に行えるような努力をしてまいりたいと思っております。
○抜山映子君 この「税制改革Q&A」ですが、これが発行されたのは昭和六十一年十二月二十九日ですよね。これがやっと今ごろ出回って、各業者がこれは大変だということでやっと今開かれた論議がなされようとしている。それなのにもうやることは決めておいて、あとは若干修正してあげるかもしれないと、こういうような対応のようですけれども、私はこれは非常にアンフェアである。アメリカなんかではレーガン政権がそれを検討するのに大変に時間を要して国民の間に開かれた論議をやっている。それをもっと見習わなくちゃいけないと思いますがいかがでしょうか。
○説明員(森田衞君) 今回の税制改革につきましては政府の税制調査会におきまして、六十年の九月でございますので一昨年の九月から、総理の諮問をいただきまして一年以上にわたりまして慎重な検討が行われてきた結果その内容が確定したわけでございまして、売上税の創設もその一環ということでございます。 御指摘のように自由民主党におきましても税制改革につきまして検討されたところでございますけれども、その点につきまして私どもの立場として意見を申し述べることはなかなか難しいということを御理解いただきたいと思います。 以上でございます
○抜山映子君 米国の財務省はレーガン税制の改革に当たって、御存じのように詳細な税制改革報告書を作成しました。そして、付加価値税についての各国での評価、影響、課税対象、導入コスト、これを徹底的に検討しておるわけですね。この売上税は回り回って結局国民全世帯が負担する税金である以上、当然国民の間に活発な議論がなされ、開かれた議論がなされた上でなければ私は導入すべきでないと思います。 そこであなたにお伺いいたしますが、あなた個人として、この米国のやり方と日本のやり方とどちらがいいとお思いになりますか。
○説明員(森田衞君) 先ほど申しましたように、一年以上の長期にわたりまして間接税につきまして御検討をしていただいたわけでございますし、自民党の税制調査会におきましても、私陪席しておったわけでございますけれども、非常に活発な御議論が行われておったと、出入り自由のように聞いております。 また、アメリカとの関係でございますが、やはりそれぞれの国民性というものがあろうかと思いますし、これからまさに私ども法律案を提出いたしまして国会の場で、広く開かれた中でいろいろ御議論いただくということになっておるかと思います。 そういう意味で、どちらがいいということは私個人命直ちに申しかねるわけでございますけれども、それなりに日本のやり方というのも一つの今までの長い間の知恵ではないかというふうに考えております。
○抜山映子君 もう時間がありません。 一年以上かけて検討したといいますけれども、それは密室の中で検討されたんでありまして、私ども国民の間にやっとごとしになって議論が始まった、こういうことが言えるわけでございまして、この売上税の導入については、ましてやダブル選挙の前は大型間接税は導入しないとまで言って、国民の間に議論の沸き起こる余地すらなかったわけでございますから、一年間かけて討議を尽くしたというのは全く詭弁であることも明白であると思います。ひとつこの売上税の導入は撤回するよう強く要請して私の質問を終わります。
○守住有信君 本日は、地方振興のための地域開発の問題、地方の産業特にその中でも工業関係の立地政策と申しますか、そういう問題に関連しましてお尋ねをしたい、こう思うわけでございますが、最初私の考え方をずっと申し述べますので、特に四全総とも関連いたしますので、お聞き取りをいただきたいと思うわけでございます。 御承知のとおり、現在日本の経済、社会は幾つかの大きな課題に直面しておりますけれども、今も円高の問題等々いろいろ出ております。したがいまして、内需拡大への方策とか、貿易摩擦の激化の問題とか、あるいはもっと広く石炭産業その他国の基本である農業までも含めた幅広い産業構造の調整の問題がございます。 それから、いろいろ中小企業を中心に出ておりますように、地方の企業城下町に端的にあらわれておりますいわゆる雇用、失業の問題もございます。 ところが他方では、土地の暴騰に象徴されるような、ある意味では一極集中かと思われますところの東京問題などもあろうかと思うわけでございます。 これらの問題は、それ自体は非常に長期的な対応で大きな問題でございますし、政府、各省庁相関連して積極的な対策に向かって努力中でございます。 しかし、こういう問題をずっと日本列島という、列島改造論ではございませんが、日本列島という大きな地図の上で投影してこれをとらえてみますと、私としては、いわばこれは東京問題と地方の振興の問題というふうに集約されるのではないか、こういう感じを端的に持っておるわけでございます。 御承知のとおり、現在でも関西にもいろいろ本社がございますけれども、そういう多くの企業が今度は東京へと本社をさらに移転させておりますし、最近は、御承知のとおり、東京オフショア市場その他の関連からも、外資系の企業も市場開放政策の進展につれまして随分日本に参入してくる。しかも、それはどちらかといいますと、金融や証券や損保やあるいは商社等、三次産業が中心でございまして、みんな東京を中心に事務所を構えまして、テレビを見ておりましたところが最近もうこれは千三百社以上になっておる。そして、さらに引き続き東京駐在の事務所、支店など、外資系、国内系いろいろ入っておりまして、東京のビル不足、地価高騰、その最大の要因にもなっておるというふうに言われておるわけでございます。 ところで、その同じ外資系でも、産業の中核でございますところの二次産業の地方への進出はほとんど寡聞にして耳にしないわけでございまして、この間ちょっと調べてみましたところ、これは私のデータでございますけれども、地方への二次産業の工場立地の方は昭和六十年で全国で二十九件だ、こういう状況でございました。 このように、元来東京は、いわば成長しつつある第三次産業、特にサービス産業により高い比重を本来これは持っておるところでございますけれども、さらにこれが国際化、情報化の進展によりまして加速的に成長、集中しつつあると見るわけでございます。 ところが地方の方は、従来から御承知のとおり、農林水産とか鉱山あるいは二次産業である工業など、一次、二次産業を基盤としております。しかも、二次産業の内容を見ましても、重厚長大といいますか、いわば基礎素材型の産業が中核を占めておりまして、現在も、構造不況と円高による産業構造転換の荒波にもまれておる、さらされておる業種の比重が一番高い、このように見ておるわけでございます。 こういう中で、産業のサービス化、高付加価値化あるいは国際化という構造変化の傾向、これが、三全総までは長期的に進めてきました基本計画、国土庁を中心に各省が一生懸命になって進めてまいりました基本計画、方針でございます全国総合開発計画におきまして、御承知のとおり、大都市圏と地方との均衡ある国土の発展を図る、そしてまた過疎過密の同時解消という基本政策の方向でございましたが、最近の傾向はこれと全く逆の方向へ、全体としては東京と地方の格差をむしろ拡大する方向へ経済社会の流れやいろんなきしみが向かいつつあるのではないか、私はそのように認識をしておるわけでございます。この経済社会の中央と地方の格差解消へと今まで長い間、一次、二次、三次と全総がございましたが、長い間の政府や国民の努力にもかかわらず、最近の傾向は、むしろ格差を拡大させる方向に強く働いておるのではないか、このように感ぜられるところでございます。 国土審議会の方では昨年の十二月の一日でございますか、まだ計画部会だけの中間報告でございますけれども、たたき台が示されたわけでございますが、私のふるさとの熊本県の細川知事が真っ先にこれに対しまして、危機感といささかの失望感も含めながら幾つかの指摘を新聞紙上に御投稿なさったことも、皆さん方、既に御承知でございますし、その後国土庁としては、いろんな各ブロックでの地方振興懇談会という場を通じてそれぞれの地方の悩みや特徴を、長官みずからこういう地方の声をお聞き取りいただいて、最終答申に反映されるべくお取り組み中だというふうにお聞きをしておるわけでございます。したがいまして、今は中間の段階でございましょうが、私からも一言この件について申し上げたい点があるわけでございます。 言うまでもなく地方の振興を図るということは、これは多くの省庁、通産省もそうでございますし建設省も自治省も運輸省も、どの省庁も大きな、それぞれの省の中の政策課題でございます。そして、お互いにその所管の分野で協力し合って当たっていくわけでございますけれども、しかし一番大切なのは国全体としてのビジョンを描く、青写真をつくって国民や地方の方々にもお示しして、それぞれの省庁もそれを受けとめて、そしてそれぞれの地域で地方の活性化のために力を傾注していくことが重要であるということは言うまでもないことでございます。その全体的なこれからの青写真、一番大切なビジョンがこれからの四全総ではないかと思っております。 これ自体、たかが構想とか総合計画と言ってしまえばそれまででございますけれども、私が危惧いたしておりますのは、前に述べましたように、非常に厳しい産業構造調整が行われ、さらに二次産業、三次産業へ、それから産業のサービス化とか高付加価値化とか、いろんな動きが加速されておるわけでございますので、そういう必然的な方向の中で再び新たな東京への機能の集中が実はこれは行われつつあるんではないか、このように見ておるわけでございます。そういう客観的な流れの中で、その上に国の総合政策構想までいわばこの傾向に乗るような印象を私は実は与えたんじゃないか、こういう感じがしたわけでございまして、地方それ自体は、お聞きになったと思いますけれども、この財政難の中でございますので、余計中央の援助、支援がこれからますます重要になってくるというときに、中間ではございますけれどもあるイメージが出ましたことは、地方の財政力さえ非常に窮乏をいたしておりますときに、我が九州はほとんどがいわば端的に申しますと貧乏県の方でございます、ここでこういう流れがございますと、意気消沈しましてせっかくの地方の活力をそぐことになりはしないか、こういうふうに私も地方の一員として非常におそれを持っておるわけでございます。 したがいまして、四全総はやはり地方の問題についての総合的な政策、施策のいわば象徴だ、こういうふうに思っておるわけでございますので、現在、まだこれからのロングレンジの、日本の直面しておる地方振興の問題をひとつ取りまとめ、中核の官庁である国土庁として正しく認識していただきまして、それぞれの地方はそれぞれ特徴を持っております、個性を持っております。そういう中でそれぞれの特徴を生かされて、またいわば弱さというのを持っております。その弱さを克服する方策をいろんな例示の中で具体的に打ち出していただきまして地方に明るい展望を開いていく、これを四全総の中に盛り込んでいくということを実は私は最大の念願といたしておるわけでございますので、そういう前提を置きましてひとつ御質問をしたいわけでございます。 第一は、今、中間ではございましょうけれども四全総の策定状況やその見通しについてお伺いをしたい。 その次に、二番目には、その中で、この東京問題と地方の問題でございますので、東京圏への必然的な集中傾向に対しまして、どのような御認識やお考えをお持ちで、そして日本列島の全体の中で東京の位置づけというものをどのように今お取り組み、お考えであろうかというのが二番目でございます。 そして、最後が最大でございますが、地方の問題、地方振興、地方フロックの特徴、特性を生かした地方の活性化対策を長期構想としてどう盛り込んでいかれるのかということでございます。 もちろんまだ審議、論議途中でございますし、いろんな審議会の諸先生方も皆さん方と御一緒に御議論中でございますでしょうけれども、これは地方の県民みんなの実は最大の関心事でもございますので、以上三つ申し上げましたけれども、それについていろんな角度から御説明していただければありがたい、このように思うわけでございます。
○説明員(糠谷真平君) お答えを申し上げます。 四全総の策定作業状況でございますけれども、先生先ほどお話ございましたように、昨年の十二月一日に国土審議会の計画部会におきまして、これまでの策定の調査を踏まえまして基本的な考え方を中間的に取りまとめて発表したということでございます。現在これをたたき台といたしまして地方公共団体、各種団体等と意見交換を進めております。その意見交換等を踏まえましてさらに検討を進めまして、今年春には国土庁試案といいますか、そういった考え方を固めたいと、このように考えております。 それから東京問題でございますけれども、先生御指摘のように、五十年代後半から若干五十年代前半と違いまして東京へ人口が集中をするといいますか、そういった兆しが出てきているということは私どもも注目をしているところでございます。東京につきましては、国際化の中で東京の位置づけということはやはりはっきりしなければいけないのではないかということで、国土審議会計画部会におきましては先般あのような報告をお出しになったわけでございますが、私ども国土政策の基本はあくまで国土の均衡ある発展を図るということだと考えておりますし、国土審議会計画部会の報告におきましても、各地域それぞれがその特性を生かしまして役割分担をしつつ連携をする、いわば多極分散型国土というものをつくるということを基本的考え方として示しておりますので、私どもといたしましては、それぞれ地域分担、連携をして国土の均衡ある発展ということを目指していきたいと考えております。そのため現在地方公共団体等と意見交換を進めておりますけれども、地方活性化のための具体的なプロジェクト、こういったものを意見交換の過程で酌み取ってまいりまして、最終の国土庁試案を策定いたしますまでには具体的な方向を明らかにしていく、このようにしたいと思っております。
○守住有信君 その中で私が冒頭申し上げておりますように、情報化、国際化、これはみんな三次産業の分野、一部四次産業と称せられるものも俗称あると思いますけれども、みんなそういう分野でございまして、私が問題にしておりますのは、特に二次産業の問題、二次産業を本来地方に、通産省の工業再配置法その他でいろいろお取り組みでございましたが、その傾向が最近どうなりつつあるか、こういうことでも関心があるわけでございまして、そういう意味も含めまして通産省の産業立地政策、その中でも工業の再配置促進計画、これの状況がどうなっておるだろうか、こういうふうな関心を持つわけでございます。 ちょっと私の視点を申し上げておきますけれども、豊かで活力ある地方のふるさとをつくっていくのは、とりわけその中心となるのはやはり二十一世紀を担っていくこれからの若者だ、青年だということでございますし、これからの高齢化社会の担い手になっていくのも若者だ、こういうふうに考えます。三世代同居というふうな日本的な家族制度の中での本当に日本的な福祉社会を建設していく中核、担い手は私は若者だと思っております。しかしながら、両親のもとで、地元で十分な働き場所がないために将来の有為な青年の多くは、地元の実は高専、大学を卒業したわけでございますけれども、やはり東京か大阪に働きに出てしまわざるを得ないという実情がございますし、そういう側面が非常に気にかかるわけでございます。一部にはUターンしてくる人もわずかながらございますけれども、私も熊本県庁その他東京、大阪にUターンアドバイザーなるものも設けまして、高度技術者をいかにして、この土地に研究所、産業を興して、そして高度技術者を熊本のふるさとに帰していくかということを県庁も非常に努力をしておられるわけでございますが、全体として見ますとやっぱり働く場所がネックになっておるということはだれしも御承知のとおりでございます。働く場がないということになりますと、幾ら立派な学校をつくりましたり、ある意味では道路をつくりましても、働く場がなければ、建設業の雇用の拡大はできますけれども、本当に二次産業を中核として働く場がなければ雇用の場の拡大を通じての地域の振興はない、このように痛感をいたしておるわけでございます。 さて、ここでちょっと視点を変えまして過去にさかのぼるわけでございますけれども、通産省が従来から工業の地方への再配置を促進して、各種の施策を積み重ねながら工場の地方分散を図ってこられました。これは今後も続く過密過疎の同時解消という社会的な効果と国土の産業発展のバランス、地方の産業振興という今後ともますます重要な効果を持つ政策手段の大きなものであるというふうに認識をいたしております。今、冒頭も申し上げましたように、二次産業にかわって伸びつつある三次産業は東京のような大都会を抱える地域に大きな恩恵をもたらしておりますし、一時縮小傾向にあった所得間格差も再び拡大しつつあるということは御案内のとおりでございます。そしてまた、この格差是正に多少なりとも寄与してきた公共投資も、御承知のとおり近年の厳しい財政事情から伸び悩んでおりまして、これからますます働く場を地方で確保するということは私は大きな難しい課題ではないかと思っております。その産業政策の中での産業立地政策を御担当になります通産省としての私は責任は非常に大きいし、かつ私はまだその効果も大きい、こういうふうに感じておる次第でございます。 この工業再配置促進法、その計画でございますが、余り時間もございませんので、私これは手元の資料で、今まで行政管理庁のこれは五十六年の工業再配置の目標に対しての実績というのを地域別工業出荷額構成比と、もう一つは工業用地の推移というふうな二つの側面から分析しておられるわけでございますけれども、全体としては工場敷地面積ベースでは五十一年から五十八年までの累積で、いわゆる誘導地域におきましては全国の工場の新増設の約七〇%程度が誘導地域に移っていかれて、そして他方、移転促進、大工業周辺の工場地帯でございますが、移転促進地域の工場敷地面積は四十九年から五十八年までの間に約二七%減少となるなど、一定の私は大きな成果を上げてきたんじゃないか、このように思うわけでございます。自由主義経済の中での一定のこれは誘導方策でございますので、計画経済ではございませんので、限られた少額の予算とあるいはたしか地方税目の二つだけが優遇策だと思いますけれども、その他工業団地の造成等々やっておられますけれども、こういう点での行政管理庁の調査勧告がございますが、これは昭和五十六年のものでございまして、その後私は把握できないわけでございますので、この点の全体的な傾向が最近の状況では工場立地動向がどのようになっておるかということについて御説明をいただきたい、こういうふうに思うわけでございます。 よろしくお願いいたします。
○政府委員(加藤昭六君) 先生御指摘の工業再配置法でございますが、昭和五十二年にこの工業再配置促進法に基づきまして計画が立てられたわけでございまして、御指摘のようにこの計画の中では立地の目標あるいは工業出荷額の目標その他いろいろあるわけですが、特に大きなのは立地目標と出荷額の目標でございまして、立地の方は先ほど御指摘のように敷地面積では全国新増設の七割程度が誘導地域に立地するという目標に対しましてほぼそれに近い線、これは五十九年までの数字しかまだ私ども入手しておりませんが、六六%が誘導地域で立地が行われているということでほぼ目標を達しているという状況でございます。しかし、出荷額の方でございますけれども、これが目標では誘導地域の全国に占めるシェアを四十九年のときには二四%でございましたが、これを六十年におきまして三〇%にするという目標でございましたが、五十九年の実績で見ますと二七%、これはまあまずまずなんでございますが、移転促進地域につきましては昭和四十九年におきまして二三%であったものを六十年度において一一%にするという目標でございましたが、五十九年の数字で見ますと一九%という数字になっておるという現状でございます。
○守住有信君 物事には両面あると思いまして、もう一つの反面が国土庁所管の工業等制限法、これがあると思うわけでございます。これはやっぱり地方への二次産業の工場の移転促進と同時に、その首都圏等特に大都会の中での工業あるいは大学も入っておるようでございますが、これを規制していこう、こういう物の考え方であると思うわけでございますが、時間もございませんので省略いたしますけれども、この二つの側面で私は地方への二次産業の新増設、移転等が行われて地方での工業の拡大や雇用の拡大や産業政策の推進が進んできた、こう思うわけでございます。ところが、最近ちょっと新聞紙上拝見をいたしておりますと、大都会の中で工業等制限法の見直しとか緩和とかいろんな御意見の運動がどうも始まっておるようにちょっと知ったわけでございますが、やはり私が思いますのには、通産省所管の工業再配置法、新しくはテクノポリスその他いろいろ努力でございますけれども、もう一つ大都会の中の工業制限法が緩和されますと、ただでさえ三次産業は集中いたしますし、ただでさえ大都会の魔力があるわけでございますので、やはり両面がうまくバランスを持って進んでいかないと所期の目的は達成しないんじゃないか、こういう感じがすごくするわけでございます。したがいまして、この工業等制限法に対しましても国土庁所管と聞いておりますけれども、ひとつ通産省と十分バランスを持つという角度で政策調整をやられまして、この点についてはひとつ大都会の中の方の問題は環境問題その他もございますし、十分慎重に対応していただきたい、この点につきましてはどんなお考えというかまだ途中だろうと思いますが、これが始まったところだと思いますけれども、ちょっと御説明をいただきたいと思うわけでございます。
○説明員(熊新六君) お答えいたします。 御案内のとおり、首都圏の既成市街地あるいは近畿圏の既成都市区域、東京、大阪等を中心とするいわゆる大都市地域でございますが、工業等制限法というのが主として大都市の過密対策として昭和三十年代に制定されております。工業制限法は先ほどからの御答弁等にもありましたとおり、これまで工業の地方分散という観点からもそれなりの役割を果たしてきているというふうに我々は考えておるわけでございます。現在も国土政策の基本的な柱の一つだろうというふうにも考えておるわけでございます。しかしながら、首都圏の大都市地域あるいは近畿圏の大都市地域の公共団体あるいは経済団体等からは新しい産業構造への変化に的確に対応する必要もあるんではないか、あるいは中小企業等の近代化、合理化もしなければいけないのではないか等々の原因から、必要性から緩和したらどうかというような要望等も確かに受けておるわけでございます。そういうようなこともございまして現在いろいろ実態調査等を行っておるわけですが、冒頭に申しましたように、国土政策あるいは産業政策の、産業立地政策といいますか、重要な柱の一つでもあるということも踏まえて、先生の御指摘も含めた意味で慎重に検討をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○守住有信君 慎重に御検討のスタンスでございますので、いささか安心いたしましたが、その場合もひとつ通産省の工業立地、地方への政策と相矛盾することがないようにぜひともまた、ただでさえ四全総に対するいろんな地方の声が起こっておることは御承知でございますので、十分御配慮をしていただきたいということを一言申し上げておきます。 時間がございませんので一言だけ、通産省の立地公害局にお尋ねしたい。 いろいろ工夫して努力しておられますが、国内のいろんな二次産業を中心にアメリカその他東南アジア、ヨーロッパヘ進出いたしまして、産業の空洞化ということが言われておりますが、一方、私が申し上げました三次産業は市場開放に伴ってどんどん入っておりますけれども、肝心の工業の二次産業は、ちょっと調べたように、六十年度でございましたか、二十何社ぐらい、こういうことでございます、外資系の企業。これに対しまして通産省でもいろいろ何かお取り組みだとも、お働きかけだとも聞いておりますし、それからもう一つ、この間新聞見ておりましたら、ある大手の建設業者がデータベースをつくる、全国に八百何カ所かの工業用団地の十五の要素につきまして、その用地の価格から環境条件からいろんな要素をデータベースをつくって、パソコンでこれが自由に検索ができる、いずれはアメリカからも検索ができるようにしようというふうなアイデアも具体的に取り組みが出ておったわけでございますが、それは別といたしまして、外資系の工業、工場を中心とするものの国内への進出につきましてもやっていかないと、日本の方だけが海外へばかり進出するだけだと、こういうことにもイメージが出ますので、その点をひとつ、時間もございませんが、この点を御質問いたしまして、これの質問を終わりたいと思います。 あと、本当は一番の新しいテクノポリスの推進とか熊本県その他も一生懸命取り組んでおられますので、その点をと思いましたが、時間もなくなりましたので、外資系のことだけにつきましてお願いを申し上げます。
○政府委員(加藤昭六君) 御質問の外資系企業についてでございますが、もう時間もございませんので、細かいデータの御紹介は申し上げません。特色を一言で申し上げますと、外資系企業は技術先端産業の占めるウエートが全国ベースの技術先端産業の立地ウエートよりも高い、それからもう一つ、工場規模が比較的高い、こういうふうな特色がございまして、地元にかなりの経済の誘発効果が高いんではないかというふうに考えております。こうした観点から私どもも積極的に外資系企業の国内への誘致の政策を展開しておるわけでございまして、一つは立地関係情報、これを英文化して資料提供する、情報提供するとか、あるいは開銀融資等による特別な立地の円滑化を図る施策を展開しておるとかというふうなこと、あるいは他方公共団体でいろいろ努力しております、それに対して、誘致事業あるいは基盤整備事業の支援、指導、助言を行うとかというふうなことをやっておりまして、ことしも近々在日外国商工会議所あるいは地方公共団体の方々を一堂に交えまして、外資系企業誘致のフォーラムを企画しております。そこで、今後誘致に当たってのいろいろな改善策とか新しい施策、さらに一層交流促進を図っていくというふうなことが期待されるわけでございます。六十二年度につきましては、情報提供体制いろいろやっておりますが、それをさらに一層拡充とかあるいは開銀融資制度の一層の拡充などの措置を講じていきたいというふうに考えております。
○守住有信君 最後に一つだけ。 最近の九州全体の動きでございますが、この二次産業を中心に九州の経済同友会がいろんなデータを九州全体としてまとめまして、最近の工業の再配置の動きとか、総トータルを発表しております。その中で気になりますことが、最近東北と比べまして非常に凋落傾向にあるという、数字は申し上げませんけれども、いろいろデータが出ておるわけでございます。しかも先端技術型の新しい立地が東北と比べまして、九州はかつてはICアイランド等々言われましたけれども、非常に格差が逆に出づつあるというデータがございます。この点につきましてもひとついろんな通産省、国土庁、今後の問題を御検討なさいます場合に地域間の、東京と地方の問題と同時に、九州のそういう方面での低下傾向ということも十分お踏まえになりまして、全体の計画の中で九州地域につきましても十分御認識をいただきたい。そして御案内のとおり、細川知事や大分県知事さんもいらっしゃいまして一生懸命知恵を出してやっておられますので、それに呼応できるような国全体の政策をお願い申し上げたいという気持ちでいっぱいでございますので、最後にお願いを申し上げまして終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
○委員長(菅野久光君) 他に御発言もないようですから、通商産業省、経済企画庁、中小企業金融公庫及び中小企業信用保険公庫の決算についての審査はこの程度といたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十二分散会 —————・—————