環境特別委員会 第3号
- 発言数
- 244 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/05/25
会議録
○委員長(曽根田郁夫君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 去る二十三日、中野鉄造君が委員を辞任され、その補欠として高桑栄松君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(曽根田郁夫君) 理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(曽根田郁夫君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に高桑栄松君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(曽根田郁夫君) 公害防止事業団法の一部を改正する法律案並びに絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律案を便宜一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○田渕勲二君 私は、絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律案につきまして質問をいたしたいと思います。 我が国は、五十五年にワシントン条約に加入した際におきまして大変な密輸天国と言われ、あるいはまた対日非難決議等々が相次いであったり尊いたしまして、ようやくにしてこの法案が提出に相なったと理解しておるわけでございますが、特に、稲村長官のこの法案の提出に当たっての積極的な姿勢につきましては評価をするわけでございますが、特にお聞きしたいことは、この法案の作成段階におきまして、関係各省庁、特に通産省との折衝が非常に難航した、このように聞いておるわけでありますけれども、何が問題になっておったのか、この点につきまして簡単でよろしゅうございますからひとつ経過をお知らせいただきたいと思います。
○政府委員(古賀章介君) 一つの法案を作成いたします場合には関係省庁といろいろ協議をいたすことは通常あるわけでございます。殊にワシントン条約につきましては、昭和五十九年の十月からワシントン条約関係省庁連絡会議というのが設けられておりますので、そこでいろいろ討議を重ねたということでございます。難航したというようなお話でございますけれども、いろいろ意見を出し合い、主張し、また討議を重ねながらその成案を得るに至ったということでございますので、その途中経過につきましてはいろいろなことがあったけれども、今国会に御提出しているような法案の内容に落ちついた、こういうことでございます。
○田渕勲二君 おいおい説明をまた求めていきますが、それでは具体的な内容についてお聞きをしてまいります。 特にこの法案の対象になる問題でございますが、対象の希少野生動植物につきましては「過度の国際取引による絶滅のおそれのある」という限定がついておるわけです。「過度の国際取引」というのは、過去の過度の国際取引なのか、あるいは現在そういう状況なのか、また将来そういうおそれがあるのか、それはどれを対象として「過度の国際取引による」というように限定をされておるのか。また、この「過度の国際取引」でない例えば日本のトキであるとかあるいは中国のパンダであるとか、そういう取計がないにもかかわらず絶滅に瀕しておる動物もあるわけでございますけれども、何をもって「過度」とされておるのかについてお聞きをいたします。
○政府委員(古賀章介君) 本法案は、これまで国内における取引規制がないために違法に輸入された疑いのある動植物が国内で自由に取引されることが問題となったことから、ワシントン条約のより効果的な実施に資するために定めようとするものでございます。このワシントン条約のいわば実施法であるという趣旨を明確にするために条約の前文にある「過度の国際取引」という文言を引用したのでありまして、過度の国際取引によらなければ絶滅のおそれがあっても対象にならないという趣旨では全くないのでございます。要するに「過度の国際取引による絶滅のおそれ」というのは、現に生じている場合のみならず、過去において生じた場合でありますとか、将来において生ずる場合もすべて含まれると解しております。今先生のお示しになりましたトキ、パンダにつきましても、これはワシントン条約の附属書1に記載されている種でございますので、当然本法の対象になるということでございます。
○田渕勲二君 そういたしますと、条約の前文にあるからこうした文言が入ったということになろうかと思うんですが、これは条約の前文の解釈になるんですが、通産省の公報の六十年九月三十日付の日本語の訳文によりますと「野生動植物の一定の種が過度に国際取引に利用されることのないようこれらの種を保護するために」という訳文になっているわけですね。この訳文の意味というのは、今局長が説明したようなことではなくて、さまざまな原因によって絶滅のおそれのある、現在あるいは将来予想される、野生動植物をこういう国際取引などによって絶滅に追いやることのないようにという条約の意図があろうかと私は理解するわけであります。その条約の意図を、いかにも国際取引で絶滅になりつつあるんだ、また今後その取引によって絶滅に至るというような意味にすりかえておられるような感じがするわけなんです。したがって、何も過度の取引云々というようなことを言わずに、素直にワシントン条約どおりに「絶滅のおそれのある野生動植物」、こういうようにさっと変えられた方が極めてわかりやすいと私は思うんでありますけれども、その点いかがでございますか。
○政府委員(古賀章介君) ワシントン条約は、先生御指摘のとおり、過度に国際取引に利用されることによって野生動植物が絶滅の危機に追いやられる、それを防ぐというのが条約の趣旨でございます。今度お出ししております法案の「趣旨」の中に「過度の国際取引」ということが書いてございますけれども、それは、繰り返すようになりますが、条約の趣旨を体して、それに基づく国内法であるという趣旨を明らかにするためにそれを引用したということでございます。そのことは、この条約の中に附属書Ⅰの定義がございますけれども、そこには「絶滅のおそれのある種であって取引による影響を受けており又は受けることのあるもの」というふうに定義いたしております。それから附属書Ⅱは「現在必ずしも絶滅のおそれのある種ではないが、その存続を脅かすこととなる利用がされないようにするためにその標本の取引を厳重に規制しなければ絶滅のおそれのある種となるおそれのある種」、こういうことでございます。したがいまして、現にその絶滅のおそれのあるもの、それから将来絶滅のおそれのあるもの、こういうことが附属書ⅠないしⅡというものの定義にあるわけでございまして、この規制対象種というのは政令で決めるわけでございますけれども、この条約の趣旨に従いまして附属書Ⅰを中心に決める、こういうことになるわけでございますから先生御指摘の御懸念は特にないのではないかというふうに考えております。
○田渕勲二君 先に進みますが、そうしますと、政令の定め方でございますけれども、これは附属書Ⅰでありますね。ⅡとⅢについてはどういうふうにお考えなんですか。
○政府委員(古賀章介君) 今申し上げましたように、ワシントン条約は附属書Ⅰに掲げる野生動植物、これは約五百品目ございますけれども、これについて商業取引を禁止いたしまして、附属書Ⅱ及びⅢに掲げる種については一定の条件のもとで商業取引を認めておるわけでございます。具体的に申しますると、輸出国の輸出許可書があれば取引は自由であるということになっております。今回の法案で希少野生動植物として定めて規制対象とすることになりますと、原則として国内の流通が禁止されるということになるわけであります。したがいまして、こういったことから考えますと、ワシントン条約の趣旨から見て附属書Ⅰに含まれる種を中心に規制対象とするのが妥当である。ということでございます。 しかし、附属書Ⅱ、これは約二百五十品目ございますが、それと附属書Ⅲは約二百品目ございますが、これに含まれる種でありましても、原産国のすべてがその輸出を禁止しているなど、これと同視すべきものは規制対象とするのが適当であるということでございます。すなわち、附属書Ⅱ、Ⅲにつきましては原則として商業取引が認められているわけでありますから、そのすべてを本法の規制対象とすることは適当でないというふうに考えております。
○田渕勲二君 それに関連をして、かなり留保の品目が、十四品目ですかありますけれども、これは私の調べた範囲では、各国に比較して非常にこの十四品目という数が多いわけですね。したがって、この法案で一つの欠陥だと思われる点がこの点でありまして、非常に多く留保品目でこれを除外するということに私はこの法案の一つの問題があろうと思うんであります。その関連を明らかにするためにお聞きをしますけれども、締約国が九十五あるんですが、留保している国、品目数別にこの国がわかればひとつ明らかにしてもらいたい。
○政府委員(古賀章介君) 我が国は昭和五十五年にこのワシントン条約に加入しておりますけれども、そのときすなわちワシントン条約加入時に、経済的社会的理由からジャコウ、ナガスクジラ、ウミガメ類、イリエワニ、オオトカゲ類の計九品目を留保いたしまして、その後、附属書の改正に伴って昭和五十六年及び五十八年に鯨類についてそれぞれ二品目、三品目を留保しまして、現在十四品目を留保しております。 我が国以外の締約国で留保品目を有しておりますのは十三カ国でございますが、その内訳は、ソ連、ノルウェー、ブラジル、ペルー、スイス、リヒテンシュタイン、スリナム、オーストリア、ザンビア、ボツワナ、スーダン、ジンバブエ、タイの十三カ国でございます。これらのうちソ連が、鯨資源の利用の観点から鯨類六品目を含む計九品目を留保しております。同様の観点から、ノルウェー、ブラジル、ペルーが三ないし四品目を留保しております。スイスとリヒテンシュタインにつきましては、主に識別困難で条約の適正な実施が 保証できないという理由から、それぞれスイスは十七品目、リヒテンシュタインは五品目を留保しております。それ以外のタイそれからスリナム、ザンビアなどは、自国産のものは個体数も多く、絶滅のおそれがなく利用できるという理由からワニなどを一ないし六品目を留保しております。各国の状況は大体以上のようなものでございます。
○田渕勲二君 ワシントン条約のこの留保という趣旨は、それぞれワシントン条約を締約する国がいきなり留保なしてはなかなか大変だと。なぜかといいますと、既に取引の禁止された動物が殺されておったり、あるいは倉庫に在庫であったりするんですね。そのために、一時それをその条約に入るにしても留保する、その在庫がなくなるまでは一応留保していこう、こういうような趣旨でこの留保というのは決められたというふうに思うんですけれども、その点いかがですか。
○政府委員(古賀章介君) 先生の今おっしゃいました在庫の問題は、むしろ附属書Ⅰに該当する種につきましては、その国の条約加入前に取得したものについては附属書Ⅱの扱いをするというような問題でございまして、この留保するのは各国それぞれ事情を異にしておるわけでございます。先ほども十四カ国の概況を申し上げたわけでございますけれども、要するに、我が国のように経済社会的な理由でございますとか、鯨資源・毛皮の資源利用というようなこと、それから、識別が困難で条約の適正な実施が保証できないといったようなことでございまして、それからさらには、条約の承認手続上困難であるというような理由を掲げておる国もございます。そういうことでございまして、在庫がまだあるからというような理由ではなくて、各国それぞれ事情を異にしておるわけでございます。
○田渕勲二君 それでは次に、返還規定というのがこの法律にとって重要なことなんですけれども、返還の規定というものがこの保護法案にはないわけですね。キンクロライオンタマリンですか、ああいう動物が日本に入りまして、これは不正輸入だったということで昨年返還するまで三年ぐらいかかって大変な騒ぎになったのでありますけれども、本法案に返還の規定がなぜ盛られないのか。この点いかがでしょうか。
○政府委員(古賀章介君) ワシントン条約で禁止されております野生動植物を没収などいたしました場合に、すべての場合に原産国に返還することが条約上義務づけられておるわけではないわけでございます。相手国と協議をいたしまして、相手国からぜひ返還してほしいという場合にのみ返還するということでございますから、すべての場合に返還することが条約上義務づけられておらないということが一つ。もう一つは、一たび人工飼育をいたしますと、それを野生にすぐ戻せばよいというわけにはまいらないわけでございますので慎重な取り扱いが必要になる、野生に戻す場合にはやっぱりそれなりの準備が必要であるというようなこともございます。それからさらには、返還の規定がなくても必要に応じて返還ができるわけでございます。こういったような理由から、個々具体的なケースに応じまして判断するのが適当であるという考え方に立ったわけでございます。 しかしながら、本法案の第十三条では、希少野生動植物が本法に違反して譲渡が行われ、没収などにより国庫に帰属した場合には、関係行政機関の長はその保護のために適切な措置を講じなければならないという規定がございます。この措置によりまして適切な飼養施設への収容でありますとか、それから必要に応じて輸出国または原産国への返還も行い得るわけでございます。十三条は非常に包括的に書いてございますけれども、この十三条によっても返還できるということでございます。
○田渕勲二君 そうしますと、相手国と協議をして返還してもらいたいということになりますと返還をしなきゃならぬわけですが、その場合の返還の費用、これはどこが持つんですか。
○政府委員(古賀章介君) 返還するとなった場合の費用負担の問題でございますけれども、最終的な費用負担をどうするかということはなかなか難しい問題でございます。ワシントン条約の本文では、返還に要する費用というのは輸出国の負担とするということが明記されております。しかしながら、締約国会議におきまして、輸出国はややもすると発展途上国が多い、それに反しまして、輸入国というのは先進国が多いというような事情もございますので、むしろ先進国がそれを負担すべきだという決議もあるわけであります。そういうようにワシントン条約の条約本文それから決議が相反するような内容になっておりまして、その輸出国、輸入国のどちらが負担するかというのは非常に難しい問題であると。 また、輸入国で負担するといたしましても、その費用を不正輸入者に負担させるのか、だれに負担させるのか。もし、不正輸入者、例えば密輸業者に負担させるということになりますと、それらが処罰を受け罰金を受ける、さらに返還の費用も負担させるということになりますと二重処罰の禁止の規定にも抵触するおそれなしとしないというようなこともございます。非常に難しい問題が多々あるということでございますので今後の検討課題であるというふうに考えております。私どもは、これからの検討課題であるけれども、個々具体的なケースに応じて適切に対応し、行政指導等により解決を図ってまいりたいというふうに考えております。
○田渕勲二君 ぜひそれは迅速に明確にしてほしいと思います。 続いて、希少野生動植物の登録の問題について、ちょっと細かいことですがお尋ねしますが、虚偽の申請その他不正があったときの登録の拒否及び取り消しの定めがないんですね。これを設けるべきではないかということと、登録票が紛失をしていないにもかかわらず、紛失を理由にして登録票の再交付を受ける、そして複数の動植物に対して二重使用する、そういうおそれがなしとしないわけですが、登録の再交付を行ったときにはもとの旧悪を無効にする、こういうような規定もしておく必要があるのじゃないかと思うんですが、その点いかがでございましょうか。
○政府委員(古賀章介君) まず、偽造書類等によりまして許可とか登録の申請をした場合に、環境庁において許可ないし登録をする前にそれが判明したという場合にはそれはもちろん許可ないしは登録を行うことはできないということでございます。それから、偽りその他不正の手段により登録を受けた者は六カ月以下の懲役または三十万円以下の罰金に処せられることになっておりますので、登録ないし許可の拒否の事由としては掲げられておりませんけれども、しかし、偽りその他不正の手段によって登録の申請をしたことは直ちに罰則につながると、こういうことでございます。
○田渕勲二君 それでは次に輸入についてお聞きをしたいんですが、現在輸入の手続というのはすべて外為法によって輸入をされるわけですが、この外為法は外国貿易のための対外取引が自由に行われるということを基本にした法律なんですが、しかし、絶滅のおそれのある動植物の保護を目的としたワシントン条約にかかわる動植物の輸入というものとは全くこの立法目的が違うわけですね。次元の異なる法律であって、なかなかこの外為法だけでこれらを律することは非常に難しいと思うわけです。したがって、私自身としては、このワシントン条約の対象となる動植物の輸入に関しては、いわゆる輸入及び国内の規制を一元的に扱う一本の法律が制定される、一般の外為法による輸入のチェックではなくてこの法律にかかわる別のものがつくられてしかるべきじゃないだろうか、このように考えるんですが、この辺いかがでしょうか。
○政府委員(古賀章介君) 外国為替及び外国貿易管理法いわゆる外為法の目的は、先生御指摘のとおり「我が国経済の健全な発展に寄与すること」ということでございますけれども、しかし、この「経済の健全な発展」という言葉は広く解されておるところでありまして、ワシントン条約に基づく必要な国際取引の規制を行うという責務を果たすことはこの趣旨に含まれ得るものと解しております。ワシントン条約の実施に必要な野生動植物の輸出入の規制は既に今申し上げましたように外為法及び関税法により行われておりますことから、本法案では、それらの法律との二重規制を避けるために輸出入の規制を対象としないということにしたわけでございます。 通産省におかれましては、最近水際規制の強化策を打ち出されまして、事前確認制でありますとか、第三国経由で再輸出をして入ってくる場合には原産国に一々厳格な照会をするというような水際規制の著しい強化策を講じたところでございます。そういうようなことから、水際規制というのは外為法が受け持ち、一たびその目から漏れて国内に入ってきた場合にはその流通規制をこの本法が受け持つと、そのことによって、その二つの制度が両々相まってワシントン条約の確実な履行というものが果たし得るというふうに考えております。これを一本化するということは、輸出入管理の一元的な問題、一元的に管理されておる体制、そういうものの根幹に触れる問題でございますからなかなかこれは難しい問題であるというふうに考えております。
○田渕勲二君 確かにおっしゃるとおり、水際規制がしっかりしていないと外為法一本ではなかなかチェックしにくい。この外為法でそれをすり抜けて国内に入ったものは規制ができるとはいうものの、水際でチェックするということが一番やっぱりこの法律を効果あらしめるものになるかならぬかの決め手になると思うのですね。 特にアメリカなんかは非常にこういうチェック体制が整っておりまして、植物識別係というようなものを雇用して輸入港湾・空港に配置をしておったり、あるいは輸入するときには確かに税関が最初に荷物を検査しますけれども、野生生物の許可書のチェックあるいは通関書類の記入を指示した後は野生生物の積み荷を野生生物局の執行部の係官に引き継ぐ、こういうような万全のチェック体制をとっておるわけでありまして、そういうやり方を日本でもしない限りやはり密輸天国あるいはいろいろ警告を受けるというようなことが今後も続くんじゃないだろうか、このような心配があるんですが、その辺についてどのようにお考えになっているのか。簡単にひとつ時間がありませんからお答え願います。
○政府委員(古賀章介君) 外為法に基づく水際規制の強化、それと国内に入ってきた場合のこのたびの法律、流通規制を行います国内法の成立、その適切な運用によって今後は今まで社会問題化されたような事例というものは著しく少なくなるというふうに考えております。
○田渕勲二君 ちょっと細かいこと聞きますけれども、空港、港湾の輸入するときのチェック体制についてでございます。アメリカなんかじゃ非常に多数の専門官が配置をされていると今私申し上げたんですが、アメリカでは二百人というふうに聞いておるんですが、その多数の専門官が配置されておる空港、港湾はどれぐらいあるのか。私の申し上げた専門官二百人というのは正しいのか。それから、日本の場合の野生生物の専門官というのは一体何人おってどういう体制で配置されておるのか。この点について御質問申し上げます。
○説明員(伊東俊一君) ただいまのお尋ねでございますけれども、ワシントン条約対象貨物の輸入通関につきましては、我が国の場合通関監所を三十五に限定いたしまして、そこに五十二人の専担者を配置しているわけでございます。アメリカにおきましては、ワシントン条約にかかわる指定港を、動物の場合九、植物の場合十四、重複がございますので合わせまして十七。我が国の場合は海港と空港と別々に勘定いたしまして三十五と申し上げているわけでございまして、そういう数え方をいたしますとアメリカにおきましては二十九の港になるものと思われるわけでございます。そうした通関場所におきまして、アメリカにおきましては、例えば陸棲動物、海棲哺乳動物につきましては内務省の魚類野生動物担当官が税関のチェックとあわせましてチェックしているわけでございますけれども、その数といたしましては七十名程度というふうに承知しております。
○田渕勲二君 ちょっと今わかりにくかったんですが、日本の場合は五十二人とか言われましたね。六十二年三月九日の通産省の「ワシントン条約管理体制の一層の充実について」という文書があるんですが、この中に「条約関係輸入審査担当官の倍増」、こういう文章がありますが、これは何人の担当官が倍増になったんですか。
○説明員(鳥居原正敏君) ワシントン条約の輸出入の管理体制につきましては、管理当局であります通産省あるいは農林省、さらには実際に実務をしている大蔵省とそれぞれ分担をしておるわけですが、先ほど引用なされました文書は通産省の話でございまして、通産省は、全体の管理ということで審査あるいは全体をコントロールしておる立場でございますが、人数は、従来二名だったものが今回はそれを四名に増員をしたという意味合いでございます。
○田渕勲二君 いずれにしても、今聞いたとおり二名から四名程度の担当官、これは審査担当官ですが、アメリカ等に比べて非常にこういう点では見劣りがしているわけでありまして、この水際規制というものをもっと確実なものにするためにこの辺の予算も十分獲得してもらって充実をしていただきたい、こういうことを要請を申し上げておきたいと思います。 時間がありませんので最後になりますが、例えば、昨年の新聞で大きく報道されましたヤシオウムとか淡水魚のアジアアロワナ、これが東京都内の水族館とかあるいはペットショップで販売されておりまして、その輸入業者の言い分は、原産国証明がついておるから不正輸入ではないと言っておったわけです。しかし、このヤシオウムなんかにつきましては、この原産国証明というのはシンガポールの証明だそうですが、シンガポールが原産国ではないわけですね。したがって、そういう取り扱いで日本の場合にはこれまで随分非難をされたり、またそれを摘発してもそういう証明があるといってすり抜けられておったわけですが、この法律によってこうしたチェック体制が十分万全になるのかどうか。これをもう少し要約してわかりやすく言ってほしいと思いますが、局長いかがですか。
○政府委員(古賀章介君) 今先生の御指摘になりました問題はあくまでも水際規制の問題でございまして、外為法ないしは関税法によって対処すべき問題でございますので通産省の方から御答弁があろうかと思います。
○説明員(鳥居原正敏君) ワシントン条約関連で、まず条約を完全に実施するための水際規制をできるだけ完璧にやるというのが第一だと思います。それから、今回環境庁さんが中心になって本法案を提出されて国内法が成立しますれば、それをもってワンセットで従来いろいろ問題が生じたようなことについては、まあ、一〇〇%と言わないまでもそれに近い形で解決し得るものと我々は期待をいたしております。通産省といたしましては水際規制の管理当局でございますので、先ほど来申し上げましたように全体の数はまだ少のうございますけれども、人員の増加等体制を整備してその規制のきめ細かい充実を図っていきたいというふうに思っております。
○田渕勲二君 それじゃ、最後に稲村環境庁長官にお願いします。冒頭にも私が申し上げましたように、この法案の提出に当たりまして長官の果たされた積極的な姿勢には敬意を表したいと思いますが、しかし、それでも、私がこの質問を通じて明らかにしてきましたように幾つかの非常に大事な点が残されているわけです。その一つは、この法律の対象となるこの種の政令の問題です。政令というのは国会の議決を経なくても環境庁長官の判断でできるわけですが、こういうものが非常に幅広くこの政令に託されておるという問題です。それから留保品目が十四というように他の国に比べても非常に多い。それから返還規定がないということ。あるいは今やりとりがありましたように、輸入が従来の外為法によって行われてチェック体制が必ずしも十分ではない。検査官も非常に少ない。こういう問題点を幾つか持っておるわけですが、それでも従来と比べれば少しでもよい方向に一歩踏み出したと、こういうように思われる法案です。 したがいまして、こうしたこの法案をアメリカのように非常に万全の体制をとった法案に近づけるようにこれからも我々も努力をしていかなきゃなりませんけれども、この法律を実効のあるものにするために長官として今後どのように努力されていくのか、その方針あるいは所信というものを最後にお聞きをして質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(稲村利幸君) 田渕先生の先ほど来の御質問を聞かせていただきまして、先生の御意見もっともだなと思うところが大変多いと私も受けとめて拝聴いたしました。 この法律ができることによって、まず、我が国の国際社会の一員としての重要な責務を果たすことができる、またこの法案は、ワシントン条約のより効果的な実施にとって少なくとも前進をしている、その持つ意義は大きいと思います。また、本法の施行により、国内における譲渡規制等を行うとともに、絶滅のおそれがある野生動植物の保護の徹底に全力を挙げてまいりたい。最後に先生御指摘の留保品目が多いじゃないか、あるいは政令でいろいろと補足をしていきなさい等々については、各省庁と検討協議を重ねて少しでもいいものを、先進国として恥ずかしくないものをと、こういう気持ちを持っております。
○高桑栄松君 それでは、最初に大気汚染対策について質問させていただきます。 最近の新聞報道によりますと、国立公害研究所が大気汚染の浄化作用について常緑樹の研究をしたということが報ぜられておりました。国公研は私の古巣でもございまして大変関心があるわけで、これについて簡単に、どういう成果であったかを御報告いただきたいと思います。
○政府委員(加藤陸美君) 御説明申し上げます。 先生御承知のとおり国公研では、従来、SO2、二酸化硫黄の関係は体内でこれを無毒化するということが科学的に解明はされておったわけでございますが、先生御指摘の研究はこれを踏まえまして、二酸化窒素、NO2、オゾン、O3を対象にしてやはりその無毒化の仕組みを明らかにするとともに、植物の種類によりまして汚染物質の浄化能力を調べたものでございまして、研究成果としましては、要点にとどめますが、ツバキとかアオキなどの常緑樹よりはポプラ、ケヤキなどの落葉樹の方が浄化能力がより強いとか、あるいは植物の種類によっていろいろ差があると。これは大変貴重な研究であると存ずるわけでございます。
○高桑栄松君 学校の周りにポプラが植えてあるとか北大にポプラ並木があるとか、これはやっぱり意味があったわけですね。大変おもしろいなあと思って拝見をいたしました。 そこで、この研究成果を今後緑地建設等々で何か利用されるんだろうと思うんですが、どんなふうな活用の仕方を考えておられるのか、そんなことについてちょっと伺いたいと思います。
○政府委員(長谷川慧重君) お答えいたします。 環境庁といたしましては、ただいま企画調整局長の方から御説明ございましたように植樹が大気汚染にもかなり好影響を与えるというような結果をいただいたわけでございますので、大気汚染の問題を有する地域におきまして植樹を積極的に進めてまいりたい。これが非常に有効であるというぐあいに考えておるところでございまして、本年度から、この国公研の研究成果等を踏まえました適切な大気浄化のための植樹に関する指針の策定作業を進めてまいりたいというぐあいに考えておるところでございます。こうした植樹の指針につきましては、現在御審議をいただいております公害防止事業団法の一部改正案において、新たな業務に加えられることとしております大気汚染浄化能力を有する緑地としての都市公園の整備を進めていくことに対しまして活用を図りますとともに、地方公共団体等各方面で実施されております植樹事業での活用に資したいというぐあいに考えておるところでございます。
○高桑栄松君 私が国公研におったころから私も知っていたんですが、画像合成処理法というのを使って景観のようなことをやっておったと思うんです。この間NHKのテレビかなんかでも報道していましたね。そんなのも含めて緑地の建設についての科学的なデータでぜひ進めていただきたいと、こう思っておるわけです。 そこで、長官に質問がございますが、国公研はこのように大変重要な研究機関でございますが、予算は一体どうなっているのか。文部省の科学研究費は今のゼロシーリングにもかかわらず、あるいはマイナスシーリングにもかかわらず年々増加しているんですね。ですから、国公研の予算も私はこのようにやっぱり研究費自身は増加すべきであるというふうに思います。 例えば、グローバルな問題としてオゾン層のオゾンの破壊というのが今問題になっておって、これについては、成層圏のオゾンを測定するためのレーザーレーダー、こういう測定機が新しく要るのではないかと言われているわけで、こういうグローバルな共同研究に対して環境庁はどう考え、そしてこれを国公研においてどのように研究を進めるようにするのか。あるいは、これは前にも指摘いたしましたが、研究所が発足をしたときにはもう本当に世界第一の機器をそろえておりましたが、今や十年たちまして次第に機器が古くなってきた。コンピューターなんかは本当に二、三年すれば機器更新をしなければならないということでありまして、ガスクロマトグラフィーの質量測定機ですね、ガスマス、こういったものもどんどん新しいものになってきているというようなことで、研究の充実強化が私はこの際必要であると思いますが、長官ひとつ御見解を承りたいと思います。
○政府委員(加藤陸美君) 長官の御答弁の前に事務的な点を二点ほどお答えさせていただきます。 まず第一点、これはもう委員は専門家でいらっしゃいますので要点にとどめますが、予算は、現在いわゆる研究の運営費としましては約四十億規模でございます。もちろん、今までの設備費の集計は何百億というオーダーになっておりますことはもう御承知のとおりだと存じますので、予算についてはその程度で……。 それからいま一つ、レーザーレーダーのお話がございました。これはぜひ事務的にちょっと一言御説明申し上げたいと思います。レーザーレーダーはオゾンに関する研究を推進する上では極めて有効な手段であると考えておりまして、国際的にも非常に関心が高まっておりますので、オゾン計測のための専用レーザーレーダーの整備については今後検討していかなければならぬ問題だと考えておるわけでございます。
○国務大臣(稲村利幸君) 国立公害研究所につきましては昭和四十九年の設立以来鋭意その整備に努めてまいりました。その結果、研究の中心となる主要な大型実験施設につきましてはかなり整ってきており、研究活動も本格化し進展しております。本年秋には奥日光に生物フィールド実験施設も完成することとなっております。高桑先生御自身副所長として本当に貴重な汗を流された経験に基づかれましての先生の示唆に富んだ御意見を踏まえ、国立公害研究所が時代の要請にこたえその使命を果たせるよう一層の努力をしてまいりたい、こういうふうに思いますので、よろしく御指導お願いいたします。
○高桑栄松君 今の点でもうちょっと……。ゼロシーリングまたはマイナスシーリングという予算は、これは行革ということで継続をしているわけですが、文部省は科研費に関しては年々上がっているんですね。ですから、研究所そのものも、純粋の研究費を除いたものと別枠にしてもらわないと結局は人件費等々のマイナスシーリングの影響を受けるんじゃないか、私はそこを実は指摘したんで、もし何かコメントがあったらお願いします。
○政府委員(加藤陸美君) 国公研の現実の運営に詳しくタッチされておられる先生ならばこそのお話だと存じますので一言御説明させていただきますが、問題点は確かにおっしゃるような点がございます。非常にまた私どもも苦慮いたしておるところでございますが、国全体の財政運営方針というものもございましてこれはなかなか難しい問題でございます。そういう中にありながら重点は外さないように、先ほどレーザーレーダーの例なども申し上げましたが、外さないようにという苦しい中での選択は努めてまいっておるつもりでございます。しかし、基本的には先生おっしゃいましたような方向に向かって私ども全力を挙げてまいりたいと思います。
○高桑栄松君 ぜひひとつ、研究費は今のゼロシーリジグ、マイナスシーリングとは別枠だということをなるべく理解をしてもらって、文部省の科研費並みに頑張ってもらいたいと注文をしておきます。 それでは、次に水質汚濁関係についてお話を承りたいと思いますが、最初に建設省に伺いたいのは、下水道の我が国の普及率はどの程度なものか。それから、昭和六十年度で見た場合に、目標にしたパーセンテージと現実とはどれぐらいの差があったのか。これは一応私が持っているデータがあって伺っているわけですが、そういう目標を達成し得なかった、あるいは未整備が非常に多いというものの原因をどう考えておられるか、建設省のまずお考えを承りたいと思います。
○説明員(斉藤健次郎君) お答えいたします。 現在の我が国の下水道の普及率は昭和六十年度末で申し上げますと三六%というような状況になっております。昭和六十年度で最終年度となっておりました第五次の下水道整備五カ年計画の目標値はこの年までに四四%ということを目標にしていたわけでございますけれども、実績はただいま申し上げましたように三六%にとどまった、こういう状況でございます。 この理由でございますけれども、幾つか考えられるわけでございますが、一つは、この五カ年計画の進捗率が最終的に七六%にとどまったということがございます。 それからもう一つは、下水道の施設にはいろんなものがございますけれども、特に後年度事業費がなかなか伸びなかったというようなことで、先行的に整備をいたしました終末処理施設の整備の程度に比べまして環境の整備が相対的におくれをとったというようなことがございます。それからもう一つは、事業費が制約されている中で雨水の排除といった点も重点を置く必要があったために汚水対策にかかわる事業費の方がおくれたというようなこと。それから、社会的な現象でございますけれども、いわゆるドーナツ現象といいますか、下水道の整備された地域から人口がどんどん郊外の方に出て行くというようなことで見かけ上普及率がなかなか上がらないといったようなこともございます。それから、特に最近は非常に交通事情等の制約によりまして特殊工法を採用せざるを得ないような場合が多いとか、あるいは住民の方々の要望にこたえるといったようなことから、いろいろな設備の高度化といったことも必要になってきているということで建設費が増大したといったようなことが考えられると思います。
○高桑栄松君 目標値に比べて八%低かったと。これは大変努力をされたんだろうけれどもうまく追いついていかなかったということで、これはやっぱりいわゆる先進国の仲間入りをするにはこんな下水道の普及率では問題にならないわけで、これは建設省だけではなく厚生省も環境庁も一緒になって普及を進めていく必要があるだろうと、こんなふうに思うんです。 そこで、環境庁に伺った方がいいかと思うんですが、水質汚濁の対象は、一つは、公害防止で言えば大体総量規制というのが主流になっているわけですが、その総量規制というものの対象で一番法的な強制力というか、そういうものが向けられるのが企業、産業ですよね。これは多分それなりの効果を上げつつあるんではないかと思うんですが、生活雑排水についてはなかなか規制がうまくいかないということだろうと思うんです。この両者の水質汚濁の負荷の割合というのはどういうことになっているのか、伺いたいと思います。
○政府委員(渡辺武君) お答えいたします。 水質の改善を図りますために濃度規制というのをやっておりますが、先生おっしゃいますように加えて総量の規制が重要な課題になっておりまして、御承知のように五十九年目標で一次をやりまして、二次対策を六十四年目標ということで今やっておるという状況でございます。その中で、これまた先生御指摘のとおり非常に生活系の対策に苦慮しておるわけですが、それの汚濁負荷量の御下問でございますけれども、今この事業をやっておりますのは東京湾、伊勢湾、瀬戸内海、三つございますが、この三海域を平均してみますと、生活系の負荷は全体の負荷の五五%に当たります。ちなみに、産業系は三五%、その他系というのが大体一〇%という程度になっておるわけでございます。
○高桑栄松君 生活雑排水が非常に大きな負荷のウエートがあるということでございましたが、そのためにも公害防止事業団業務の中で合併浄化槽設置を進めるための貸し付けを行うということになっているようでありますが、厚生省の方も、たしかこれも新規でしたね、生活雑排水についての補助を行うということになっているかと思いますが、まず厚生省に、この合併浄化槽の推進についての計画それから予算、こういったことをちょっと伺いたいと思います。
○説明員(加藤三郎君) 先生ただいまおっしゃいましたように生活排水対策、特に雑排水対策が非常に求められているわけでございます。このような状況のもとで、厚生省といたしましてもかねてから地域し尿処理施設、コミュニティープラントなどと略称いたしますが、地域し尿処理施設及び五十九年度からは生活排水処理施設、これは生活雑排水だけを対象といたしたものでございますが、そういったものの処理施設の整備に補助を行うことをやってまいりましたが、六十二年度予算におきまして、し尿と生活雑排水をあわせて処理する浄化槽、つまり合併浄化槽に対しましても国庫補助の道を開くことといたしたわけでございます。 その考え方といたしましては、合併浄化槽の場合に比較的安価で簡単に設置ができる、それから、維持管理さえきちっとしておれば放流水の水質もよいと、そういうことから生活環境の悪化なりそういうものに対処できるんではないか、公共用水域の水質改善に寄与できるんではないか、こういう考え方で、先ほど成立させていただきました六十二年度予算の中で初めてそういう合併浄化槽に対する助成という道を聞かさしていただいたわけでございます。 もうちょっと具体的に申し上げますと、合併浄化槽は、言ってみれば主として個人が主体となって設置するわけでございますが、直接こういった個人等に補助を出すというわけではございませんで、市町村の中で合併浄化槽の設置に対しまして補助を行っている自治体、実はもうかなり出てきているわけでございますが、そういう市町村に対しまして補助をするということでございます。したがいまして、補助の対象は個人ではなくて市町村が対象になります。補助率は、私ども、し尿系統、生活排水系統の補助率が三分の一でございますので、そのまま三分の一の補助率というふうにいたしてございます。 それから、補助します対象といたしましては、まず、下水道事業計画区域以外の地域でなければならぬ、そういう下水道事業計画区域以外の地域で環境衛生または水質保全の観点から生活雑排水対策を特に促進する必要がある地域、例えば私どもの今の考えでは、湖沼水質保全特別措置法で指定をいたしております指定地域でありますとか水道水源の流域でありますとか、あるいは水質汚濁の著しい閉鎖性水域の流域でありますとか水質汚濁の著しい都市内中小河川の流域でありますとか、さらに自然公園等すぐれた自然環境を有する地域等々を一応考えでございますが、現時点で補助の詳しい要綱を作成中でございますが、一応考え方としてはこういうことを念頭に置いて今策定をいたしております。 それから予算額といたしましては、一応、六十二年度につきましては一億ということで予算をとっております。以上でございます。
○高桑栄松君 個人対象ということですけれども、大きさというのは何か制限があるのか。画一的に何人槽となっているんだろうか、それとも人とか心とか中とかあるのか。一億というのは何千件とか何万件とかを対象にしているのかなと思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(加藤三郎君) 浄化槽は、個人の浄化槽からかなり大きなもの、例えば学校、病院、そういったところでもかなりの規模の浄化槽もございますが、今私どもが考えております補助対象といたしますのは、特段規模について制限をしようという考えはございません。ただし、先ほど申し上げましたように市町村が助成をしているというのが前提でございますので、市町村の助成しているものであれば、住宅だけでもあるいはそれ以外のものを含めても私ども補助の対象にしようと考えております。
○高桑栄松君 件数はどれくらいを予定しているんですか。例えば、一億円ですと早く手を挙げた方が得なのか、あとなくなるからとかというようなことはどうなんですか。
○説明員(加藤三郎君) 先ほど一億円と申しましたが、これは私ども、廃棄物処理施設整備補助として、他省庁、国土庁等に計上されているものを含めまして六十二年度で約六百二十億ほどございますけれども、この中で使うわけでございまして、別にはっきりと一億を超したら支出できないというものではなくて、一応六百二十億という枠の中に一項目として置いてある一億という意味でございます。そうはいいながらも、今までこういう制度は国になかったわけですので、六十二年度ではまだそうたくさん補助に殺到するという状況では多分ないであろう、逐次浸透していくんではないかというふうに考えて、ございます。予算上は、全くの事務的な数字でございますけれども、一応五千人分ということを念頭に置いて一億円という数字を出しております。
○高桑栄松君 五千件だな。
○説明員(加藤三郎君) 五千人分でございます。
○高桑栄松君 同じようなことを今度は環境庁の方に公害防止事業団業務の見直しに関連して伺いたいんですが、環境庁も今度これ新規なんだろうと思うんです。合併浄化槽設置に対する貸し付けを行うと。ここで今厚生省のを伺ったんですが、環境庁が今考えている防止事業団系では何を対象にしているのかということと、厚生省との違いというのはどの辺にあるのか、それを伺いたいと思います。
○政府委員(加藤陸美君) お答え申し上げます。 まず対象地域から申し上げてまいりたいと思いますが、これは、湖沼などの水質汚濁が著しいまたは著しくなるおそれがある地域で国としても緊急に対策を講ずる必要がある地域を対象地域といたしております。 これは最初に申し上げなければいけませんでしたが、公害防止事業団の方で行いますのは融資でございます。 それで、今対象地域を申し上げましたけれども、そのごく主なものを申し上げますと、湖沼法による指定地域の六湖沼、霞ケ浦とか印旛沼とか等々ございますが、その関係のもの、それから、水質総量規制地域と申しますか、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海の水源、水が流れるもとになるところ、それから、公害対策基本法に基づきまして公害防止計画というのがございますが、その公害防止計画が定められた区域でございます。 それから融資でございますが、その枠といたしまして実は二百億の融資枠を全体として事業団が持っておるわけでございますけれども、これも、ただいま補助金の方でも御説明がございましたが、積算上そのうちの五億円を計上いたしておるわけでございます。それから、他の細部にわたる諸条件等これ以外にもございますが、補助金の場合だと要綱というようなことで検討されるわけでございますけれども、同じような関係では、融資のいろんな諸条件等は、類似の諸業務が現在もございますし、また、他の政府系の金融機関のやり方とのバランスを考慮しながら具体的に決めるべく関係省庁と調整してまいりたいと存ずるわけでございます。 それから、両者の関係ということでございますが、一言で申し上げますと、両者は助成の方法それから助成対象等において制度的には異なっております。ただ、この両者が相補い合うことによりまして合併浄化槽の設置がより一層促進されるようにいたしてまいりたいと考えますので、厚生省との連携を密にしてよく相談してまいりたいと思います。
○高桑栄松君 話は大体わかりましたが、一応五億でいくと件数はどれくらい考えているのかとか、一件当たりの融資というのは満額でいくのか頭打ちがあるのかとか、今のお話は厚生省のと同じだったんですけれども、大きな場合、学校、病院等も個人だというようなことになると、リゾートホテルなんかあるわけですね、そういうものとかあるいは民宿だとかは規模が非常に大きいと。私は前に指摘したんですけれども、リゾートの、あるいは民宿なんかで一応届けるときというか、キャパシティーは三十人だと。で、三十人槽をやっているのにピーク時は五十人入ってしまうともうオーバーフローというか全く浄化が機能しなくなってしまう。むしろマキシマムのところを押さえないと詰め込まれたときに意味がないのではないかということがあるんで、私は、同じ助成をするにしてもそこをどうするのかなと。まあ、国立公園だとかなんとかありましたね、その辺のお考えはどうでしょうね。
○政府委員(加藤陸美君) 先ほどもちょっと御答弁申し上げましたが、細部にわたる部分はもちろん詰めてまいらなければならぬところでございますけれども、大きさであるとか、融資でございますので余りそう厳密にここまでとか、そういうのは若干……、ただ、野方図にということはもちろんございませんけれども。それから融資率等も、全額というわけにはこれはなかなかまいらぬことはもう御承知いただいておると思いますが、その辺は大体の通常の考え方というのがございますので、やはりこの融資によってある政策目的を達しようとしておるわけでございますからそれに資するように、それから、先生幾つか例を挙げて御指摘になりました実態問題にも対応できるように現実問題としていろいろ知恵を絞ってまいりたいと思っております。
○高桑栄松君 今の件厚生省も、何人槽だといってそれでいいんじゃなくて、マキシマムにね。夏なんかはそういうことありますから気をつけてもらいたいと思います。
○説明員(加藤三郎君) 先生から御指摘を受けた問題も含めまして浄化槽では、例えば、工事で非常にずさんな工事があったとかあるいは維持管理で十分でないときがあったとか、合併浄化槽あるいは特に単独の場合に確かにいろんな問題があるわけでございます。そういう問題に対処するために五十八年に浄化槽法を議員立法でつくっていただきまして、昭和六十年の十月から全面施行になっております。この浄化槽法の精神に基づきまして維持管理、清掃、保守点検、そういったあらゆる点で十分にやっていきたい。今先生の特に御指摘のあった人槽の問題につきましても私ども建設省と、これは住宅局でございますけれども、十分に検討していきたい、適正に維持管理ができ、そして、浄化槽に対する評判といいますか、そういったものが改善されるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
○高桑栄松君 環境庁も厚生省もその辺ひとつ、場合によると夏にも実態調査なんかなさって実際の人数と処理した何人槽との関係なんか見ておかれるといいと思いますね。 では、次に土壌汚染のことで、市街地土壌汚染防止等事業に対する貸し付けというのがありますが、その対象は環境庁どういうのを考えておられますか。
○政府委員(加藤陸美君) 市街地におきまして有害化学物質を初めとする諸問題がある場所があるわけでございますが、それを例えば客土する、取り除いてほかの土を入れるとかいうような事業について融資を行うわけでございます。対象は、当該事業を行っております工場でありますとか事業場でありますとか、それを運営されておられる事業者でございます。
○高桑栄松君 私が事前に説明を伺ったところによりますと、工場とか試験所の跡地というふうに承ったんですが、試験所の跡といえば私はやっぱりラブキャナル事件を思い起こすわけで、これは既に私は昭和五十九年四月十三日のこの委員会それから六十一年四月三日の同じくこの委員会で指摘しております。そのときに法務省に伺ったんですが、どうもはかばかしい進展がないようであります。ラブキャナル事件を思い起こすと、これが住宅地に転売をされたときに、あれでいきますと三十年ぐらいたってから問題が起きているんです。下から有害ガスが発生してきているわけです。したがいまして、土地の台帳に、もと何であったかという戸籍のような系図をやはり書いておいた方がいいんじゃないかということを私は指摘してあるんですが、法務省いかがでございますか。
○説明員(田中康久君) お答え申し上げます。 不動産登記法には、例えば土地の場合につきましては「地目」という欄がございまして、農地であるとか宅地であるとか山林であるとかいうことが書かれてございます。これは土地の取引、例えば売買される人あるいは抵当権をつけられる人、用役される人が、この土地がどういう状態の土地であるかということを表示するものでございまして、いわば、現在がどういう状態であるかということを表示するものでございます。過去どういうものであったかということを表示するものではないわけでございまして、そういう意味では、先生御指摘のような問題があることはわかっておりますけれども、現在の不動産登記の方の制度の中にそれを組み入れるというのは制度的に非常に難しいというふうに思っております。
○高桑栄松君 もう時間になりましたのでこれでやめますけれども、私は法律が都合が悪かったら、もしこれが大事なことであれば法律の方を直すのが本当だと思うんです、法律のために法律があるんじゃなくて人のために法律があるわけですから。ラブキャナル事件を考えたら、私は、試験所、研究所の跡がそういう汚染があって将来どうなるかなと。あのゴミの埋め立ても同じです、あそこにやっぱり有害ガスが出てくると思いますから。ですから、やっぱり十年、二十年、三十年で転売されるごとに、前の状態が現在の状態で入ってくるのでは――今おっしゃったのはそうでしょう。そうすると、転売されるごとにわからなくなっちゃうんじゃないかな、こう思うんで、環境庁もこの辺は、やっぱり環境を総合指揮する場でございますからひとつ御検討いただきたいと思います。 以上で終わります。
○広中和歌子君 私は、絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律案について御質問させていただきます。 ワシントン条約に昭和五十五年に加盟した際に、その条約を遵守するための予算的な措置、また輸入業者の登録制度とか専門の検査官の配置、輸入港ポイントの制限とか、データ収集処理方法などについてどのような配慮をなさったのかお伺いいたします。
○政府委員(古賀章介君) 先生の今御質問の予算措置等についてでございますが、条約加入の際の主務官庁は外務省でございますが、外務省はきょうちょっと来ておらないようでございますので、今先生のお求めの件につきましては改めて御報告ないしは御答弁させていただきたいと思います。
○広中和歌子君 しかしながら、実際にどのようなことがなされたかということについては、環境庁は御存じではございませんか。例えば特別に計上されました予算について。
○政府委員(古賀章介君) ワシントン条約に昭和五十五年に加盟いたしました際の予算と申しますのは外務省その他関係各省に計上されているかと思いますが、その全貌については今手元に残念ながら資料を持ち合わせておりません。
○広中和歌子君 それから、アメリカの場合でございましたけれども、予算二百万ドルがついておりまして、そのほか輸入業者の登録制度、専門の検査官、輸入ポイントの制限、データ収集、処理方法など、先ほど田渕委員がおっしゃったとおりでございます。それだけじゃなくて世論の盛り上がりというものがこの条約を支えたわけでございますけれども、日本では、このワシントン条約に加入する際に条約の精神を広めるためのどのような手が打たれたのか。そのことについてもお伺いいたします。
○説明員(鳥居原正敏君) ワシントン条約に加入して七年たつわけでございますが、加入のときには、詳細には資料ございませんので予算的な数字は申し上げられませんが、関係各省で十分協議の上、条約を批准しても大丈夫だという合意のもとで、当然のことでございますけれども加入し、批准をいたしたわけでございます。その後いろいろな事情で必ずしも十分な実施体制ではないという御批判がいろいろあって、ステップ・バイ・ステップで水際規制あるいは国内の監視についても体制を充実してきております。特に国民の皆さんに広くその条約の趣旨を徹底するという意味では、最近時点で言いますと、予算措置を講じて税関にパンフレットを配布するシステムをつくるとか、旅行代理店に同じようにパンフレットを配布して旅行者の皆さんに趣旨を徹底していくというようなことを講じておるわけでございます。
○広中和歌子君 私が覚えておりますのは、アメリカにおきましては、例えば野生動物のも皮を使ったオーバーとかハンドバッグとか、そんなものを使っている女優さんとかそういう方たちの写真が麗々しく出まして、世論がそうしたものを使うことは恥ずべきことであると、そのようなマスコミの協力があったことを思い出すわけでございます。日本の場合にはそういう点が非常に少なかったような気がいたしますけれども、今後、総理府の広報室その他を通じましてこの方面についてはどのように御努力いただけるのでしょうか。
○政府委員(古賀章介君) 先生御指摘のとおり、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存の重要性につきまして国民の理解を深めることは極めて重要であると考えておるわけであります。したがいまして、本法に規定されておりますとおり広報活動等を通じまして普及啓発活動を積極的に行ってまいりたいというふうに考えております。これは、今先生もお述べになりましたけれども、環境庁だけではなくて内閣、関係各省庁の協力を得まして国民にその十分な理解を得るように努力をしてまいりたい。またさらには、文部省にも学校教育の中でもこれを取り上げてもらうようにお願いをしたいというふうに考えております。
○広中和歌子君 本当にそういうことを実現していただくことはすばらしいことだと思いますので、よろしくお願いいたします。 昭和五十九年にワシントン条約のアジア・オセアニア地域セミナーで日本を非難し改善を求める決議が採択されたわけでございますけれども、その主な理由としてはどういうことが挙げられますか。つまり、量でございますか、それとも留保品目の多さ、またはそれ以外の理由があったのでございますか。
○政府委員(古賀章介君) いろいろ理由があるようでございますけれども、主たる理由は水際のチェック体制が必ずしも十分でないということにあったと記憶をいたしております。
○広中和歌子君 日本のワシントン条約規制対象品目の輸入実績がここにあるんでございますけれども、これだけでは多いか少ないかというのはわからないのでございますが、よその国と比べまして日本はナンバーワンなんでございましょうか。
○説明員(鳥居原正敏君) 他の国の輸入量はちょっと我々も十分把握しておりませんので比べようがございませんが、一般的なうわさといいますか、情報では日本は比較的輸入量の多い国、それもかなり上のレベルにあるというふうに認識いたしております。
○広中和歌子君 日本は貿易黒字国でございまして大変輸出に関しては非難されているわけでございますけれども、この分野において輸入実績を上げているということは決して自慢になることではなかろうと思うのでございます。留保品目が非常に多いということついて社会的、経済的理由があるというふうに先ほど田渕先生の御質問に対してお答えがございましたけれども、その個々の品目につきまして厚生省を初め関係各省簡単に御説明いただきたいと思います。
○説明員(小宮宏宣君) ワシントン条約におきましてジャコウジカを現在留保品目としておるわけでございますが、我が国におきましては麝香は古くから強心薬などの保健衛生上必要な伝統的な家庭薬として使用されてきておりまして、それで、これらの必要な医薬品の確保に支障が生じないよう現在ワシントン条約上の適用を留保しているということでございます。
○説明員(小野登喜雄君) 鯨の関係で六種類留保しておるんですが、その関係で御説明申し上げます。 先生御案内のとおり、現在世界の四十一カ国が参加しまして、鯨資源の保存とその有効利用を目的にしまして長年にわたり鯨資源の調査研究を行っている国際機関といたしまして国際捕鯨委員会、IWCがございます。このIWCの科学委員会というのがございまして、その科学委員会は、我が国が留保しております六種類の鯨種につきまして資源が絶滅の危機に瀕していないと認められております。それで、このために我が国としましては、IWCの科学委員会で得られた知見との整合性を図るということと国内産業に与える影響を考慮しまして、先ほど申し上げました鯨の六種類につきまして留保をしているところで。ございます。
○説明員(鳥居原正敏君) タイマイとかイリエワニなど爬虫類の六品目につきましては大体先ほどの各省の御答弁と同じでございますけれども、これを輸入、加工することで成立いたしております国内産業の関係あるいはそれから生じます加工品を使っておる国民のユーザーの方々との関係等ございまして、現在ではこの六品目について留保を行っているところでございます。
○広中和歌子君 今までの御説明でございますけれども、かわりの品物が使えないのか。例えばトカゲやワニのハンドバックのかわりに牛のハンドバックではどうしていけないのだろうか。それから麝香でございますけれども、三百七十八キログラムで数量は少ないのですが、その数量のものを得るために恐らくすごい数のジャコウジカを殺さなければならないというふうに聞きましたけれども、それにかわる効き目のある薬、そういうものがないのでございましょうか。絶対にこれがなければといった種類の薬なんでございましょうか。
○説明員(小宮宏宣君) 麝香についてお答えいたします。麝香につきましては、ワシントン条約の趣旨にのっとりまして医薬品に使う麝香の使用を極力少なくしていくということで過去におきましても厚生省の方で指導を行っております。例えば昭和五十五年八月には小児五疳薬とか強心薬につきまして使用量を少なくするような指導を行っております。また、五十九年十二月には風邪薬とか滋養強壮剤等への麝香の使用をやめるような指導を行ってきたわけでございます。しかしながら、この麝香につきましては、特に昔から使われております小児五疳薬、強心薬に欠くことのできない成分でございまして、麝香そのもののいろんな多面的な作用から見ましてほかにかわるべき薬がないというのが現状でございまして、伝統的な小児五疳薬、強心薬をつくるために現状におきましてはどうしても麝香というものが必要な成分になっているということでございます。
○説明員(松倉浩司君) 爬虫類の関係でございますけれども、例えば留保している一品目でございますイリエワニにつきましては、うろこが小さい、しかも大きさがそろっているというようなことでその品質が非常に珍重されているというようなことでございまして、ほかの品目によって代替が不可能なものでございますし、その他トカゲ、カメそれぞれにつきましてもやはりそれぞれの持つ斑といいますか、うろこの形等非常に好まれておる状況にございまして、それぞれやはり留保を外すことは困難であるというふうに考えております。
○広中和歌子君 そういうものを好む方、お買いになる方がいらっしゃるという点では私ども消費者大いに考えなければならない問題だと思います。ぜひ広報の方をよろしくお願いしたいわけでございます。 今回の法律は、国内の需要を冷やすという意味では大変に評価され、私も賛成なんでございますけれども、留保品目の多さや、また、条約に加盟していない国を通じて輸入される場合があり、輸入時の数量制限のチェックが十分できない、そういうことのための苦肉の策というふうに考えてよろしゅうございますでしょうか。
○政府委員(古賀章介君) この法案の必要性と申しますのは、昭和五十五年にワシントン条約に加盟しましたときから水際規制というもので対応してまいったわけでありまして、その水際規制につきましても最近著しい強化を図ったということがあるわけでありますけれども、それでもなおかつ国内に一たび入ってきた場合に流通を抑えることができない、こういうことでありますから、国内の流通規制を行うことと水際規制の強化ということが両々相まって、あたかも車の両輪のごとくこれが十分機能することによってワシントン条約の確実な実効を期することができる、こういうことでございまして、決して今先生の言われましたような趣旨で設けたものではなくて、ワシントン条約の誠実かつ確実な履行を図るためにはやはり国内法が必要であるという観点に立って国内法を今御提案を申し上げておるというわけでございます。
○広中和歌子君 先ほど田渕先生から御質問のあったことでございますけれども、どんなに法律を立派につくりましてもやはり不正に入ってくるということがあり得ると思うんでございますが、その返還について、費用をだれが負担するか、だれが保管するか、そういった点に関しての御答弁、もう一度お願いしたいと思います。
○政府委員(古賀章介君) 野生動植物を輸出国に返還することがその野生動植物にとりまして、それを保護するために必ずしも望ましいこととは限らないということであります。一律にその原産国に返すことが必ずしもいいとは言い切れないということが一つ。それからもう一つは、仮に返還することになったといたしましてもその費用をだれが負担するのか、輸出国が負担するのか輸入国が負担するのかということがございます。ワシントン条約の本文では輸出国が負担しなければならないというふうに明記されておるわけですけれども、先ほど申し上げましたように輸出国というのは発展途上国が多いわけでございますから、むしろ輸入国が負担した方がよろしいのではないかということで締約国会議では輸入国が負担すべしというような決議もなされておるということで、条約本文と決議との間にそこを来しておるというような実情もございます。 それから、しからば輸入国が負担した場合にだれにそれを求償するか。ワシントン条約では求償方法を定めることができるというふうに書いてございますけれども、それを不正に輸入した者に求償をするというようになった場合には、今度国内法ができますと不正流通ということで処罰される。その処罰をされる、罰金を受ける、加えて返還の費用もその不正流通者に負わせるということになりますと二重処罰の禁止の趣旨にも反するのではないかというようなさまざまな問題がございますから、返還に要する費用というものを最終的にだれに負担させるかということにつきましては、そういうことも含めまして今後の検討課題であるというふうに考えております。
○広中和歌子君 どうぞ、ぜひ慎重に御検討いただきたいと思います。不正をするということは捕まった場合には罰則を受けるという覚悟のもとにするだろうと私は理解しているわけでございます。 ともかく、この法律では留保品目並びに附属書Ⅱ、Ⅲに属する野生動植物については数量制限がされ得ないわけでございます。仮に輸出国が許可をした場合につきましても、先ほどの数量を見てみますと非常に多く日本が輸入しているということで、やはりこういうことも国際世論が日本を非難している理由ではなかろうかと思うんでございます。この野生動植物の輸入を規制するための特別の法律の必要があるのではないかということについてお伺いいたします。
○政府委員(古賀章介君) 先ほど来申し上げておりますように、輸出入につきましては外国為替及び外国貿易管理法という法律がありまして一元的に輸出入の管理を行っておりますので、この法律にのっとって輸出入のチェックをするということでございます。一たび国内に入ってきた場合の流通規制を国内法が受け持つ、両々相まってワシントン条約の履行を確実なものにするということでございますので、これを一本の法律にするということは極めて困難であるというふうに考えております。 それから、その前に先生お述べになりました留保品目とか、それからワシントン条約の附属書ⅡないしⅢに掲げられておるものにつきましての数量制限がないではないかという御指摘でございますけれども、これはワシントン条約上流通が認められておるものでございます。ⅡないしⅢにつきましては輸出国の輸出許可書があれば自由流通が認められるということでございますから、そういうワシントン条約で認められているものについてまで輸入を制限するということは難しいのではないかということでございます。
○広中和歌子君 ワシントン条約に決められていないから特に輸入制限をしてはいけないというのであれば、我が国の特殊な事情、つまり、こういうものに対して非常に国内的な需要が多いからという特別な理由を説明いたしまして条約改正を求めるべきだとお思いになりませんか、通産省。
○説明員(鳥居原正敏君) 先生の御指摘は一つのアイデアということで承らせていただきたいと思いますが、先ほど自然保護局長からるる御答弁ありましたように、ワシントン条約で認められているものまでもそれ以上に規制をかぶせて輸入制限を一国だけで行うということは、やはり国際的なコンセンサス、さらにはもっと広く国内でのコンセンサス、さらに条約との法律的な関係といった点で現時点ではまだまだその段階には至っていないという判断だろうかと思いますので、極めて困難なことかというふうに思われます。
○広中和歌子君 ということは、まず二つのことが起こると思います。日本が非常に野生動植物の輸入大国であるという評判が世界に広まり定着するということ、そして、大丈夫だと思っているこういう動植物、十分あるからといって輸出が許された動植物に関しましても、もしかしたら絶滅の危機に瀕している動植物のカテゴリーに入ってしまうかもしれない、そういう危険もあるわけでございます。 このワシントン条約に決めてあるとか決められていないといったこと、特別に条約をつくること等についてはいろいろな御意見が出ましたけれども、このワシントン条約の附属書Ⅰに属している野生動植物については輸入貿易管理令第三条の規定に基づいて輸入割り当てを受けるべき品目の中に加えられておりますね。
○説明員(鳥居原正敏君) はい、そうでございます。
○広中和歌子君 では、附属書Ⅱ、Ⅲに属する品目もⅠに含めたとしたらば輸入規制を受けるわけでございますね。
○説明員(鳥居原正敏君) 制度上はそういうことになると思います。
○広中和歌子君 そのために法律改正をする必要がありますか。
○説明員(鳥居原正敏君) 先ほどの議論でございますけれども、まずは附属書Ⅰに条約上分類されるというのが前提だろうと思います。先生の御提案は一つの確かにアイデアだと思いますけれども、それには、やはり条約上といいますか国際的な議論を踏まえた上で、今すぐ各国で輸入割り当て制度をしいて制限すべし、すなわち、それは附属書Ⅰへ分類すべしというコンセンサスが私は先決だろうと思います。それがあれば、当然のことですけれども、各国が国内法に基づきまして輸入割り当て制度等々で輸入規制を強化していく、こういう段取りが国際的な手順あるいは進め方というふうに理解いたしております。
○広中和歌子君 ワシントン条約というのは一つの国際的な法律でございますけれども、それぞれの国がそれぞれの国の実情に応じてそれぞれの自主規制などを行っているのが現状ではなかろうかと思います。日本では輸入割り当てを受けている品目の中に牛肉その他農産物がございますけれども、絶滅の危険のある野生動植物の輸入を規制することにどのような問題があるのかお伺いいたします。
○説明員(鳥居原正敏君) 先ほども申し上げましたが、国民的なコンセンサスという意味合いは、供給者サイドさらには需要者サイドあるいはそのもろもろの関係者、本件に関しましてはいろんな利害を持った人たちが当然国民全体としては関係しておるわけでございますので、単に規制をすれば野生動植物の保護に資するという観点だけでやはり物事は判断できないのかと思います。そういう意味では、どこまで規制をかぶせるべきかは、野生動植物をどの程度まで保護する段階に来ているかということに基本的に係っておりますので、その判断は一国のみではなされ得ないし、なすべきものではないと思いますので、まずは条約上で国際的に判断をした上で、それに従って各国が応じていくというのが最も正当な方法だろうというふうに思います。
○広中和歌子君 判断は国際的にゆだねるということでございますけれども、ですから私は、なぜ留保品目が留保されなければならなかったか、それぞれの理由をお伺いしたわけでございます。そしてまた、自由化を主張するのであれば、例えば農産物を自由化して貿易摩擦の解消に努める、つまり、こういうことに関しては非常に日本は国際世論の非難の渦中にあるわけでございまして、やはりプレッシャーがかかるまで待つというのではなくて、少し早目早目に対応していただいた方がよろしいんではないか、そのように思うのでございます。規制が必要であるという、自主規制ということ、それは先進国、一等国である日本としては当然とるべき道ではなかろうかと私は思うのでございますけれども、環境庁長官、御意見をお伺いいたします。
○国務大臣(稲村利幸君) 留保品目の削減については関係省庁において各種の対策が今講じられているところだろうと思いますし、私環境庁長官として、これらの対策が推進され、留保品目が削減されることを期待をいたしておるわけです。
○広中和歌子君 どうぞ、よろしくお願いいたします。 質問終わります。
○山田勇君 ちょっと順番を変えまして、先ほど来同僚委員が質疑をいたしております野生動植物の保護についてお尋ねします。 局長、今質疑をいろいろ聞いておりますと、返還はいろんなケース・バイ・ケースでもあるし、また輸出国が負担をすべきだという条約でもある、しかし発展途上国のために、その費用は輸入したその先進国、日本であったら日本が負担をすべきだというふうなことの御答弁もありましたが、これどうでしょうね、先ほど広中委員が言ったように密輸入業者は罰則を覚悟して輸入をしてくる。しかし、それは二重罰則云々の規定という形の中でそれ以上罰則を科すのはという温情ある御答弁のようですが、これは盗品故買のように、密輸動物とか植物とかを知って買った者、知って何かを資するために買った者というのには、輸入業者もさりながら、買った方が少なくとも費用を負担するというふうなこと、これは、法文化ということになればまた法案自体が変わってくるんですが、何かそういう方向ということは局長考えられませんかね。
○政府委員(古賀章介君) 先生の今お話は一つの考え方であろうと思います。その情を知りながらと申しますか、それがワシントン条約に違反しかつ国内法にも違反するというようなものを情を知って買うという場合には、これはその譲り受けになるわけでありますから当然処罰の対象になるわけでございます。しかしながら、その流通の形態というのは転々流通するということもあるわけでございます、AからB、BからC、CからDというようなふうに流通をするという可能性がございます。その間に一人全く情を知らない者が入るというようなこともあり得るわけでございます。したがって、そういうような場合に、最終的に返還の費用なり返還するまでの、例えば動物園に預けておく場合の管理の費用、えさ代を一体だれが負担するかというようなことになりますと、最終的な負担者を特定するのはなかなか難しいという問題がございますので今度の法案の中ではこれを規定するに至りませんでしたけれども、今後の検討課題として私ども検討させていただきたいということでございます。
○山田勇君 全く局長の言われることもよく理解するんですが、国が返還費用、今言ったえさ代の負担をするということはこれは別に悪いことないですよ。自分のところの国民が違反を犯して物を持ってきて、それはそれなりに罰則を科したけれども、その動物は原産地へ返す、原産国へ返す、その費用は当然国が持ちましょうと。これは決して悪いことではないんですがね。 〔委員長退席、理事山東昭子君着席〕 今言われたように、先日何か密輸業者がお猿さんを持ってきて三カ月も四カ月も保管をして、それは一応上野動物園に預かってもらっていろいろ手当てをして原産国へ返したそうですが、その費用、輸送代、そういういろいろ費用が高くつくものですから、そういうので返還問題についてちょっと先に質疑させてもらいました。 続いて、公害防止事業団法の改正案についてお尋ねをします。 先般、大臣の所信に対する質疑でも触れましたが、公害問題の内容が質的にも当初環境行政が発足したころとは大分大きく変わってきました。そこで、産業公害のほか都市・生活型公害にも対応することが必要となり、生活雑排水対策それから国定公園における利用者の過度な集中などによって起こる公害などもふえてきた、そこでこれらに対応、対処するためこの法律案によって公害防止事業団の業務等の見直しを行おうとしているのでありますが、昨年六月の行革審の答申を踏まえて、ともありますが、この点若干僕も疑問が残るんで、答申の趣旨は十分に踏まえたものとなっているかどうか、まずお尋ねをしておきたいと思います。
○国務大臣(稲村利幸君) 山田委員の御質問である今回の改正は、昨年六月の行革審答申をも踏まえて、公害防止行政の主要課題の移行に適切に対処するため公害防止事業団の業務の見直しを行おうとするものでございます。
○山田勇君 次に貸付業務についてお尋ねしますが、この業務の推移はどうなっておるんでしょうか。現在大幅に減っているとも聞いておるんですが、行革審では事業団の廃止論も出ておりますが、この点環境庁としてはどのように認識しておられますか。
○政府委員(加藤陸美君) お答え申し上げます。 まず、貸付業務の関係でございますが、先生御指摘がありましたように貸付業務の実績はどうしても事業者の公害防止投資動向に沿って変化するものでございまして、昭和五十年度あたりがピークでございまして一千億オーダーでございましたが、お話しのとおり現在はかなり減少いたしてきております。ただ、この点につきましては全体的にはそうだと存じますが、先般財投金利も引き下げられました。こんなような関係で、今後新たな事業も加えるようにいたしておりますところでもございますので貸付業務の需要は増加に向かっていくのではないかなというふうにも思っております。ただ、かつての千何百億というのはちょっと別かと思いますが、いずれにいたしましても、貸付業務というのは、公害防止対策に関する事業者への金融上の助成措置を行うということによって公害対策基本法の要請にこたえる重要な政策手段の一つでございますので、今後ともその充実に努めてまいりたいと思っておるわけでございます。 それから、いま一つ事業団の廃止論のことをおっしゃいましたが、引き続きお答え申し上げてよろしゅうございましょうか。
○山田勇君 結構です。どうぞ。
○政府委員(加藤陸美君) この点につきましては、確かに新聞報道はございました。六十一年の三月のころかと存じますが、しかし、これは若干誤解がございますと存じます。といいますか、その後の推移をお答え申し上げたいと思いますけれども、その後昨年六月のこの審議会の答申では、事業団の廃止ではなく、公害防止行政の新たな課題に対応するためその業務の見直しを行うべきことが指摘されておるわけでございまして、廃止ということではございません。この点につきましては、従来から産業公害防止に貢献してまいりました事業団を、公害行政の新たな課題となってきております都市・生活型公害対策にも活用をするため、一方では現行業務の整理合理化を行うとともに、新業務の追加を行う今回の業務の見直しこそは行革の本旨に沿った対応と考えておるわけでございます。
○山田勇君 局長今言われたとおり、廃止ではなく新規公害事業のために新規な業務内容に徹しなさいというようなことなんですが、そこで、公害防止行政の主要課題の移行に対応すべく事業団を存続させるために事業内容に何らかの手を加えたのか、それとも、真に住民の健康保持、生活環境を守るために事業団を存続させるのか、この点についてなお納得のできる御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(加藤陸美君) お答えいたします。 まず、業務につきましては整理合理化を一方で行っておるわけでございます。他方、新しい分野に向かって新業務を追加するという形になっております。その際に、やはり行政改革の精神にのっとりまして、事業団の業務が全体として、俗に言う肥大化といいますか、これは避ける必要があるわけでございます。このために、現行業務につきましても産業公害防止上優先度の高いものに重点化するという観点から整理合理化は行わせていただいております。 具体的には、いろいろございますけれども、共同公害防止施設の建設譲渡はこの際廃止させていただくとか若干の整理合理化をつけております。 他方、新規業務でございますが、まさに先生御指摘のとおり、新規業務の内容はいずれも国民の健康の保護のみならず生活環境の維持改善に必要なものと存じます。例えば、都市大気汚染対策として大気浄化機能を有する緑地を整備するというようなものとか、あるいは国立・国定公園の利用の適正化の事業をつけ加えておりまして、これによって自然との触れ合いのある健全な国民生活をつくり上げていきたいというねらいでございますし、さらに、市街地土壌汚染等防止事業におきましては有害物質による土壌汚染を防止するための事業でございまして、これは土壌汚染に起因して人の健康への影響を防止するものとして重要なものと考えておりますし、それから合併浄化槽に対する融資でございますが、閉鎖性水域の水質汚濁を防止していくのには、生活系の汚濁要因が大きくなってきております状況を踏まえますと、国民の生活環境の維持改善を図るためにはやはり重要なものでございます。これらをつけ加えていくわけでございますから御指摘のとおりの趣旨に合うものと存じます。
○山田勇君 絶滅のおそれのある野生動植物の保護法について先ほどお尋ねをいたしましたが、現在までのワシントン条約絡みで関税法などの違反で摘発された件数はどのくらいになっていますか。また、環境庁として内容、件数など詳しく把握して法案をおつくりになったと思いますが、その点いかがですか。
○政府委員(古賀章介君) 税関で直接輸出入の規制に当たっております大蔵省から聞いておりますところによれば、お尋ねの野生動植物につきましての輸入差しとめ件数は昭和五十五年十一月から六十一年十二月までで二千四十六件でございます。年約三百件を超えるというような状況にございます。年次推移別に見ますと昭和五十六年が六十六件、以降漸次ふえておりまして、昭和六十年には六百七十一件、六十一年が七百七十七件、合わせまして二千四十六件というような状況でございます。
○山田勇君 先ほど通産省は検査官が二人から四人になったと。そういう入管の問題もありましょうし、いろんな動物を知る検査官といいましょうか、それを摘発する知識を持った人たちが、先ほど来同僚委員のを聞いておりますとアメリカでは二百人各空港なり各税関に配属されているということですが、局長、僕は日本は大変こういうのは少ないように思うんですね。そういう意味で大変御苦労もあろうと思いますが、これで摘発体制は万全になりますか。また、違反はなくなるとは言い切れぬでしょうが、件数は少なくなるでしょうかね。
○政府委員(古賀章介君) 今までは一たび税関の目を逃れまして国内に入ってきますと全く打つ手がなかったという状況であったわけでございます。それに対しまして、今度国内法ができますと、規制対象になります野生動植物は国内での流通が原則として禁止されるということでございますので、この法律のもたらす効果というものは極めて大きいというふうに考えるわけでございます。 具体的には、法律の十一条に立入検査の規定がございます。本法の施行に必要な限度におきまして店舗、事業所等に立入検査ができるという規定がございます。例えばペットショップにおきまして登録を受けずに希少野生動植物を販売の目的で陳列している場合などに立入検査を行うということでございますが、そういうような立入検査をいたしまして違反があるというようなことが発見された場合におきましては措置命令など必要な行政上の措置を講じて違反の是正を図ることになっております。これらは環境庁の職員が行うことでございますが、さらに加えまして、総務庁の管区行政監察局の調査官にも協力を得ましてこの法律の施行に万全を期してまいりたいというふうに考えております。 〔理事山東昭子君退席、委員長着席〕
○山田勇君 長官お戻りになったので最後の質問にいたしますが、本法律の施行によって今後諸外国から日本が動植物の保護に関して非難のされないよう万全を期していただきたいと思います。
○国務大臣(稲村利幸君) 過度の国際取引による絶滅のおそれのある野生動植物の保護を図ることは、国際社会の一員として、今先生御指摘のとおり我が国の重要な責務であると思います。本法の施行により国内における譲渡規制等を行うとともに、保護のために必要な措置を講じ、絶滅のおそれのある野生動植物の保護の徹底に全力を挙げてまいりたいと思います。
○山田勇君 終わります。
○渡辺四郎君 公害防止事業団法の一部改正について以下質問をさせていただきたいと思います。 まず、この提案に至るまでの経過について、先ほど山田委員の方からも御質問がありましたが、環境庁が大変な努力をなさって改正案を提案をされておるその経過については私自身も十分理解をした上で幾つかの問題について、私自身の不勉強もありますが、お聞かせを願いたいと思っておるところです。 長官の提案理由の中でも若干の御説明がありましたが、やはり事業団そのものの歴史を振り返ってみなければいけないんじゃないかと思うんです。本事業団は、昭和四十年に設立以来工場の集団移転用地の造成と建設譲渡事業並びに公害防止施設設備に対する融資業務を主たる業務として今日に至りました。お話がありましたように、融資の面ではピーク時の五十年度には千三百億円に上り、一方の工場移転用地事業も五十九年度の百億円、そして昨年六十一年度は百六十五億円と、今日まで公害防止に大きな役割を果たしてきたというふうに評価できると思うんです。この間国会の方でも、第五十八国会で事業団に全額政府出資の資本を設けたり、あるいは六十四国会で環境庁が設置をされまして、分散化していた事業団の主管庁を厚生、通産の共管から環境庁の専管とする。そういう中で体制の確立もあって、私は、名実ともに日本列島の公害防止事業団として国民と企業の期待にこたえて確実に実績を上げてきたというふうに評価しますが、長官はどのように評価をなさっておるかまず聞いておきたいと思うんです。
○国務大臣(稲村利幸君) 事業団は、これまで産業公害規制に対応した助成を行う機関として、大気や水質の環境基準の達成状況に見られるように産業公害対策の推進に多大な貢献をしてきた、こういうふうに考えております。
○渡辺四郎君 長官と私の評価については大きな隔りもなく、今日までの事業団の評価については正しいというふうに思います。 次に、若干過去のことになりますが、臨時行政改革推進審議会特殊法人問題等小委員会の中間報告で、先ほども局長から山田委員の質問に対して若干の御答弁がありましたが、事業団に対して、産業公害を防止をするという目的は既に達成をされたと。その理由として次の二つの点を実は挙げておるわけです。その当時の新聞も私はここに持ってきておりますが、「環境庁 公害防止事業団は不可欠 行革審の廃止方針に反論」、そしてこの行革審の考え方というのは、「「公害問題が一つの山を越え、産業公害を防止するという公防事業団の役割は終わった」を基本としたもので、」というふうに新聞報道が実はされております。この審議会のそのように分析をした二つの理由の中の特に一つの問題について私は今からお聞きをしていきたいと思うんです。 これは長官にぜひひとつお願いをしたいと思うんですけれども、公害防止設備投資に要する融資の減少があります。今申し上げたように中間報告では、国民の関心が高まったというのが第一点、二つ目は、企業の公害防止対策の積極的な取り組みがあったからと。私はこの二つについては否定はいたしませんが、果たしてそれだけかということでどうも疑問にたえないわけです。 そこで、通産省の立地公害局の山崎好夫さんが「産業と環境」の四月号の中で次のように実は述べておるわけです。「環境問題は次第に高度化しつつある。こうした中で、公害に対する諸規制はますます強化され、対象も拡大される傾向にある。各企業は各種の公害規制の強化に対応して」、問題はこれからですが、「非収益的投資である公害防止投資の増大を余儀なくされており、このことは企業経営を大きく圧迫する要因となっている。」と山崎さんは指摘をし、同じ四月号の中で全国産業廃棄物連合会の鈴木専務理事は、産業廃棄物処理の中で「産業廃棄物処理の市場は、基本的には」「そのときどきの経済ベースによって左右される。」と前置きはしておりますが、「我が国は二重構造といわれるように、下請産業である中小企業が多い。企業法人の数は百六十万社を超えている。それらが、直接、間接を問わず、企業全体の五%の数に満たない大企業の管理下に置かれている。これでは、排出企業の自己処理原則が、公害対策上は存しても、経済上では存立し難い。」と。そのことの裏づけとして、「産業廃棄物処理業の許可件数が四万七千件を超えているが、その九〇%以上が、中小零細企業である」ことからもうかがえる、というように述べております。 今のお二方の御意見プラス今の日本の産業構造から見て、現状の融資制度特に金利の面の問題あるいは税制面での優遇措置程度では今後はより一層困難になってくるんではないかというように私自身は分析をしております。今のお二方の意見プラス円高によってまともにその犠牲を受けておるのが、私も福岡出身ですが、北九州関係の中小零細企業です。お伺いをしますとまともに円高の犠牲を受けておるわけです。これらの要因等もあって、公害防止の設備はしなければいけないが、しかし、とても今の企業の経営の段階ではそういうところに企業投資まで手が伸びないという、そこらが大きな原因になって融資額が減少してきたんではないかというふうに私は見るべきではないかと思うんですが、長官ひとつ御意見をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(稲村利幸君) 行革審の審議の過程で事業団廃止の意見が出た旨の新聞報道がなされましたが、昨年四月の同小委員会報告及び昨年六月の答申では、いずれも事業団の廃止ではなく、公害防止行政の新たな課題に対応するためその業務の見直しを行うべきであるという趣旨となっております。 また、先生御懸念の貸付業務につきましては、金融情勢等の影響もあり最近では減少しておりますが、この業務は重要な政策手段の一つであることですから今後ともその充実に努めてまいりたいと、こういうふうに考えております。
○渡辺四郎君 それでは次に、公害防止事業団の事業懇談会の中間報告について、本法案改正との関連について幾つか御質問申し上げてみたいと思います。 詳しくは申し上げませんが、報告書は、今長官がおっしゃったように、これから先の事業団の役割と今日までの事業団が環境庁と密接な連携をとりながら果たしてきた重要性、その上に立って同懇談会は、臨時行政調査会の答申を踏まえつつ今後の事業団の方向をおおむね次のように位置づけしているというふうに私は読みました。 事業団は、環境保全の推進の観点に立ち環境行政と密接な連携をとりつつ環境問題に積極的に対応する性格を有しており、環境問題の複雑化、多様化を背景にした新たな課題に迅速かつ的確に対応することが大いに期待をされている。しかし、心配なことは環境行政は歴史が浅い。が、取り組むべき課題は山積をしており一層の行政基盤の充実が必要である。こういうふうに強調されております。そしてまた報告書は、事業団の役割を大別をして次の三点に分類をしておると思うんです。まず第一点が環境行政上重要な課題または緊急に対策を講ずべき課題、第二点は事業の性格と特性について、そして第三点は現行制度での事業の実施と新たな分野での制度上の検討。この三本を柱として新分野事業を行うために、ここでも環境庁と密接な連携をとりつつ公害防止事業団において公的資金を活用していくことが適当と判断をしたというふうにまとめております。 お尋ねしたいのは、報告書の内容は、今後の公害防止、環境保全について、事業団は環境庁の専管とし、密接な連携のもと公的資金を活用して新分野事業に取り組むよう提起していると思うんですが、そのとおり受けとめていいのかどうかお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(加藤陸美君) お答え申し上げます。 ただいま先生から御紹介並びにそれに基づいてお尋ねがあったわけでございます。お尋ねの中に公害防止事業団事業懇談会の主として中間報告を御紹介いただいたと存じますが、この懇談会の意見は先生御承知のとおりでございますが、各分野における専門の先生方が慎重に審議を重ねられた結果でございまして、事業団が今後の公害防止行政上果たすべき役割を示すものとして有意義なものであるというふうに考えております。 詳しくお述べになりましたこの中間報告でございますが、事業団業務の今後の展開の基本的方向についてお示しいただいたものでございます。この中間報告をもとにいたしまして事業手法、他の機関との関係等についてさらに検討を加えまして今回の法改正を行うこととしたものでございます。なお、事業団事業としての必要性はございますが今直ちに実施すべきだというほどの熟度にまで達していないものにつきましては、関係省庁、地方公共団体との役割分担などにも配慮しつつさらに検討を加える、これは中間報告自身でもそういう指摘もされておりまして、これは今後の検討課題といたしているところでございます。
○渡辺四郎君 それでは、そういう中間報告なんかに基づきながら今度の新規事業の内容等もお決めになったと思うんですが、新規事業の内容について若干お伺いをしてみたいと思うんです。 まず第一に、共同福利施設事業の関係について三点についてお尋ねしてみたいと思うんですが、まず、現在までやってまいりました公園のグリーンベルト事業は今後も環境庁、監督官庁として実施をしていくと思いますが、そのとおりですか。
○政府委員(加藤陸美君) 先生御指摘のとおりでございます。
○渡辺四郎君 二つ目は、この事業の目的は大気汚染を防止をする目的の緑地であると、公健法ともリンクをしていたというふうに思うわけですが、そのとおりでしょうか。
○政府委員(加藤陸美君) 非常によく似た表現になっておるものでございますのでちょっと混同する場合が多うございますが、従来からやっておりますいわゆる工場・事業場周辺の緑地の問題でございまして、先ほどお答え申し上げましたのもまさにそれを引き続きやるのかということについてお答え申し上げたわけでございますが、これは事業場から出る産業公害の防止を目標といたしておるものでございまして、大気の汚染だけをというものではございません。それから、現在やっております緑地は公健法との関係というのは直接はございません。従来からやっておるものでございます。
○渡辺四郎君 ちょっと私の質問がまずかったかもしれませんが、いわゆる公園グリーンベルトをやっているのは大気汚染を防止する目的で、これは公健法ともリンクをしておるんじゃないかというふうにお尋ねしたわけです。
○政府委員(加藤陸美君) ちょっと逆に私の方が取り違えておりまして申しわけございませんが、先生ただいま御指摘の都市大気汚染対策緑地整備事業は公健法とは関係が若干、ございます。 詳しく申し上げますと、今回追加します、ただいま申し上げた都市大気汚染対策緑地整備事業、新三号業務と略称しておりますが、これは公害健康被害補償法の第一種地域のあり方に関する中公審の答申をも踏まえまして新規業務として追加するものでございまして、この事業につきましては改正後の公害健康被害補償予防協会から助成金を受けることを予定しておるものでございます。
○渡辺四郎君 公健法そのものが廃案になるんじゃないかと、私らは賛成はできないわけですから。公健法改正そのものについてはここでは議論を避けますが、そういう点から見て問題は残るわけです。 三点目に、今までやってまいりました公園グリーンベルト関係を含めて企業負担が三分の一ありましたね、この部分は今後どういうふうになるんでしょうか。
○政府委員(加藤陸美君) 先ほど来御説明申し上げておりますが、いわゆる工場・事業場周辺の現行の緑地事業は従来と同じ形でございまして、事業者負担は同様に三分の一でございます。それから、今回新たに追加する方の都市公園たる緑地の方でございますが、大気汚染対策をねらったものの方につきましては、工場周辺というわけではございませんので事業主負担はございません。
○渡辺四郎君 私は新規事業の問題まではまだ質問していなかったわけですが、今局長の方からお答えがありましたけれども、そうすれば、その新たな事業、第三号というふうに言われております大気汚染防止緑地事業の目的は大気汚染を防止すると、同じ目的であろうと思うんですが、それはそのとおりとっていいわけですか。
○政府委員(加藤陸美君) 新たにつけ加える事業は、おっしゃいますとおり大都会地における大気汚染防止をねらいといたしておるわけでございます。なお、先ほども申し上げましたが、従来からの共同福利施設の方は、大気だけではなしに産業から生ずる諸公害全体を防除するというねらいのものでございますので、その辺違いがございますので御答弁申し上げます。
○渡辺四郎君 もう余り時間がないわけですけれども、共同福利施設事業関係の公園グリーンベルトだって、今さっき局長から、何も大気汚染だけではなくて産業公害から出る公害防止もこの中にあるんだというお話がありました。ですから、第三号事業というのも全く同じ目的ではないか。私が聞きたいのは、所管が建設省に移っていった。その場合の企業負担は先ほどお話がありましたが、ないということ、三分の一の企業負担はない。では、なぜ都市公園にしなければいけないのか。同じ産業公害を防止する、大気汚染を防止をするという立場にありながらなぜ都市公園にしなければいけないのか。そして、建設省所管でやりますから企業負担三分の一は必要なくなったと。そうすると、その負担は一体だれがするのかお聞きをしたいと思います。
○政府委員(加藤陸美君) 私の方が若干誤解しておるのかもしれません。従来からやっております共同福利施設としての緑地整備につきましては、最初お答え申し上げましたとおり従来と同様に続けてまいりますということでございます。それにつきましてはもちろん従来どおり、事業主といいますか、工場、事業場の負担は三分の一相当あるわけで。ございます。 それから、それと全く同じではないかというふうな先生おっしゃり方をされておりますけれども、これは全く同じということではございませんで、いわば新たに追加する別の事業でございまして、これに対しまして、なぜ都市公園となるのかということでございますが、むしろ、都市公園となるべき緑地を整備する事業が今回追加されるものでございます。都市公園というのは、先生御承知のとおり建設省設置法にも明確でございますが、都市公園行政を主管する建設大臣の業務監督のもとに置くということになっておりますので、これは業務監督の主務大臣として建設大臣を加えたということでございます。
○渡辺四郎君 私お聞きをしたのは、共同福利施設事業は今後もやっていくと局長そうおっしゃったし、それから、その目的も同じじゃないか、どこが大きく違うのか。ここに事業団のパンフがありますけれども、これがグリーンベルトですね、いわゆる公園なんです。では、これを少し大きくすれば都市公園になるのか。逆に言ったら、企業の皆さんに負担をかけないために、都市公園にすれば企業の皆さんたちの三分の一の負担は要らなくなってくる、こういうことだって言えると思うんです。そこらの問題、これは私自身も不勉強があるかもしれませんけれども、今まで同じ共同福利施設事業の一環としてやってきておったのを都市公園としてやらなきゃいけないという理由が大きくあるのかどうなのか、これは後とも関連がありますので、しかし、その中で三分の一のお答えがなかったわけですが、都市公園になった場合はもう企業負担はなくなりますから、そうすると、その負担は自治体がかわるのかあるいは国がするのかお聞きをしたいと思います。
○政府委員(加藤陸美君) 工場、事業場の周辺でその公害を防除するために設けられる、いわば従来からやっております緑地整備につきましては従来と変わらず続けていくものでございますので、この点御理解賜りたいと存ずるわけでございます。それと別に、都市公園となるような緑地を大気汚染対策として、生活型公害が非常に重視されてきておる現在、特に大都市地域におきましては交通公害、自動車その他の問題も、ございますので、都市公園を積極的に整備し、かつ、先ほどもちょっとお答え申し上げましたが、樹木もそういう大気汚染に効果的な樹木をなるべく選定して植えていくというようなことも含めまして都市公園を整備していくということでございます。都市公園はもともと事業主の負担というのは入らない公共事業でございます。したがいまして、事業主負担をさせないためにそういうものを考えるということはいささかもございませんものでございますので、ちょっと御説明させていただきます。
○渡辺四郎君 これはどの程度離れたところに持っていくかということで変わってくると思うのですが、あるいは今まで事業団でやっておりました公園グリーンベルトを少し規模を拡大をする、そして都市公園だというふうに設置できないこともないと思うのですね。これは、予定地が建設省の方でたまたま同じ場所であったと、そういうことになればダブることだってあり得ると思うのです。そうしますと建設省が所管をするわけですけれども、事業は公害防止事業団がするわけですか、この都市公園の建設は。
○政府委員(加藤陸美君) 先生おっしゃるとおりでございまして、事業は事業団が行うわけでございますが、都市公園といいますのはもともと自治体、市町村が最終的に設置するものでございまして、自治体の要請を受けて事業団がこれをかわって、という表現が法律的には正確でないかもしれませんが、ノーハウを活用して建設し自治体に譲渡していくというものでございます。御質問のとおり事業団が設置することについては間違いございませんが、ただ、後で自治体、市町村に譲渡していくわけでございます。
○渡辺四郎君 次に、第四号の自然公園利用適正化事業についてお尋ねしたいと思うのですが、簡単に言いますが、この事業は自然公園を分散をするというふうに受け取っていいんですか。
○政府委員(加藤陸美君) 非常に一言で言いますとそういうような趣旨になるわけでございますが、実は、ちょっと正確に申し上げさせていただきますと、自然公園といいますのはもともと既に国立公園、国定公園ということで全国に設定されておるわけでございます。その自然公園も、国立公園が二十七カ所、国定公園は五十数カ所あるわけでございます。それ以外にも県立自然公園というふうなものもございますけれども。今回行うのはその公園の中の特に利用の大きい地区、核心になる地区についてのことでございます。例えば上高地でございますとか、これは中部山岳国立公園の中の核心部でございますが、この上高地、ほかにももちろん阿寒国立公園には阿寒湖周辺というような中核地帯があるわけでございますけれども、ここへ有名ということもありまして大勢の方々が集中する。そこで生じてくる問題、水質汚濁などが典型的でございますけれども、問題があるわけでございます。 ところが、先ほど申し上げましたように、全国には本当に自然に恵まれた環境のいい国立公園、国定公園がございます。そういうところには実は数千カ所に及ぶ事業計画、国立公園事業としてのきちんとしたルールに基づいた事業計画が定められておりまして、そういうところである程度施設を、もちろん適正な施設ですが、施設をすることによって、特定のところにはかり集中してしまう、その結果公害問題が生ずるということを防除しようというねらいのもとに、結論は、先生おっしゃるとおり利用の分散を図るということでございます。自然公園を新たに幾つかつくっていくというんじゃございませんで、拠点をさらにつくって利用の分散を図るということでございます。
○渡辺四郎君 なるべく簡単に、持ち時間がないものですから。 自然公園は分散をしない、新たに施設をつくっていく、いわゆる利用の分散をするというだけだと。今のお答えはそうですね。そうすると、これは譲渡するようなことはないわけですね、公園の譲渡とか。どうでしょうか。
○政府委員(加藤陸美君) おっしゃるとおりでございまして、公園を譲渡するということはございません。ただ、これも事業団が関与するためにここで法文上規定するわけでございますので、第三者にかわりまして、あるいは第三セクターの場合もありましょうし民間の場合もございましょうが、それにかわりまして、持っておりますノーハウを活用して適正な施設をつくりましてそれを譲渡していくわけでございます。施設を譲渡していくわけでございまして、公園そのものの譲渡ということではございません。
○渡辺四郎君 そうしますと、この施設そのものを譲渡していく、これは民間の企業の方になるわけですね。企業というものは営利目的を中心としていく。そうすれば、公害を分散をするためにやった新たな施設でまた新たな公害が起きてくるという心配がないかどうかが一つ。 それから、自然公園の中に今何か施設があって、これにたくさんの方がお見えになるから、これを分散するために例えばそれを取り崩したりあるいは縮小したりして新たなところに分散をする。そういう関係の中で、その自然公園内の環境の破壊とかあるいは自然の破壊につながらないかどうか。つながるかつながらないかそれだけで結構ですから。
○政府委員(加藤陸美君) まず、新たにつくるときに新しい問題は生じないか、自然環境破壊も含めてという御趣旨と存じますが、それは所定の計画、これは審議会の御意見までいただいた計画に基づいてやりますのでその心配はございません。それから工事施工のときの注意は、事業団はそれこそそのために専門知識を持ってやるわけでございますのでその心配もございません。それが第一点でございます。 それから第二点、取り崩しといいますか、今まであるやつをというのは、上高地の例で申し上げましたが、上高地の旅館を取り壊してというところまではまいりませんので、それは現在の状況で適正に運営していっていただく。これにこれ以上どんどん加わるというとますます問題が生ずるからということでございまして、そちらを外していく関係で別な自然公園の破壊といいますか自然環境の破壊が起きないかという点につきましても、これはその御心配はないという御答弁に相なります。
○渡辺四郎君 くどいようですが念を押しておきますが、そうしますと、まあ分譲という言葉は当たらないかもしれませんが、新たな施設を自然公園内に企業の皆さんが営利目的で建てる。その場合に、例えばモーテルなんかとかそういう建築物について何か一定の規制をするというようなお考えがあるかどうかお聞きしておきたい。
○政府委員(加藤陸美君) この点は明確に申し上げておかなければなりませんが、国立公園、国定公園の中につきましては自然公園法の規定によりまして厳しい規制がございます。もちろん、地種区分によりましてうんと厳しいところと緩やかなところとがございますけれども、本件の対象になるようなところは相当厳しい方の部分でございまして、これはこの法律ではございませんで、自然公園法という環境庁が従来から所管しております法律の規定によりまして厳しく規制を受けておりますし、そのルールを環境庁が関与する事業団並びにその関係者が壊していくということはもちろん毛頭考えられないところでございますので御懸念の点は大丈夫と存じます。
○渡辺四郎君 次に、集団設置建物について伺っておきますが、まずお聞きしたいのは、この事業はこれまでどおり農林水産業からサービス業まで企業種を横断的に対象として実施をすると思うんですが、そのとおりかどうか伺いたいと思います。
○政府委員(加藤陸美君) おっしゃるとおりでございます。工場または事業場であれば企業種を対象といたします。
○渡辺四郎君 その中の共同利用建物についてはきょうまで環境庁の監督のもとに実施をしてきました。そのとおりでしょうか。
○政府委員(加藤陸美君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
○渡辺四郎君 改正案の第三十五条第一項第二号に「中小企業構造の高度化に資するもの」とありまして、同母の規定の中に「地域において産業公害を防止するために行われる工場又は事業場の建物の利用の共同化に係る業務を除く。」とありますが、利用の共同化を除くという業務は一体どのようなことかお聞かせ願いたい。
○政府委員(加藤陸美君) 御指摘の点は、一言で申し上げますと、現在まで環境庁長官が主務大臣でございますけれどもやっておる部分のことを言っておるわけでございます。従来からやっておるものは従来どおりというのを法律の表現で書いたものでございまして、いわゆる工場アパートとで御説明申し上げましょうか、これは従来どおり環境庁長官が主務大臣となるんだよということを表現するために法文の形としては「除く」となっておるものでございます。
○渡辺四郎君 ちょっと私もわかりにくいからこれパネルに書いてきました。(パネルを示す)そうしますと、今局長がおっしゃったのがいわゆる集団設置建物の中のこの部分ですね。工場とか住宅が、高層ビルとか高層の建物とかあるいはアパート方式、まあ言葉は悪いですが長屋方式とか、これで工場が連なって入っておるとか、こういうことなんですね。そうしますと、今度の今出ておるのは、これを除いた以外というのは、集団設置建物の中に、通産省の管轄によるいわゆる中小企業の高度化事業ということで、問題は、今連ねておりますこの工場を一社一社分散をしていく、あるいは今住宅がアパートとか連棟方式になっておりますが、それを一戸一月戸建てにすれば中小企業高度化資金を運用してできると、それがこっちで言う通産省の管轄だというふうに考えていいでしょうか。
○政府委員(加藤陸美君) 大筋先生のおっしゃるとおりでございます。
○渡辺四郎君 そうしますと長官、先ほど私は融資が減額をしたというお話を申し上げましたけれども、やはり中小の企業の皆さん方にとっては今大変な円高を含めて厳しい状況にある。しかし、工場の経営者にしてもあるいはそこに働く労働者にしても職員の皆さんにしても、例えば住宅であればやっぱり二戸一戸を好むわけですね。あるいは工場経営者の方も、高層の建物よりもやっぱり点在したこういう工場の方を望むと思うんです、一社一社点在したものを。そういう企業なり人の要望もあるわけですが、こういうことでやっていきますと、これから先の環境庁が主管としてやる共同利用建物そのものがしり細りになくなっていくんじゃないか。 その上、お聞きをしたいのは、金利の問題も含めて、例えば今の中小企業高度化資金の金利は年二・七%というふうに聞いておりますが、環境庁が今事業団でやっておりますこちらの方のいわゆる共同利用施設の条件は悪くて、金利は現在が四・八五%です。ですから、これを調整するお考えがあるかどうか、中小企業高度化資金の金利の二・七%に下げていくというお考えがあるかどうか。今言いましたようにやっぱり一社一社独立をした家屋の中に住みたい、あるいは一棟一棟戸建ての住宅を好むという方が多いと思うので、例えば二・七%に金利を調整して下げていったとしても、なおかつ環境庁のこの共同利用建物事業というのは将来的にはなくなるのじゃないかという心配があるわけですよ。そこらについてどういう御見解を持っているのか、金利の面を含めて。
○政府委員(加藤陸美君) 二点のお尋ねでございますが、前段の方でございますけれども、まず結論を申し上げますと、なくなってしまうというふうには考えられないと存じます。と申しますのは、企業体の規模にもよりまして必ずしもそれは、住宅でございますと一戸建ての方がというふうに単純にまいるかといいますとそうはなかなかまいりませんで、場所にもよりましょうけれども、特に土地代負担もございますことから、それは、アパートといいますか、共同利用の場合も続くと思うわけでございます。そういうのがフィットする場合が依然としてあると思います。ただ、従来ほどに多いかという点につきましては、先生の御心配のとおりそうどんどんふえていくというものではないとは存じます。他方、したがいまして、新しい、分割して建てられるというようなのは、いわば先生の御指摘のとおり新しい魅力があるわけでございますから、確かにこれは追加してふえる分というふうに考えていっていいのではないかと思っておるわけでございます。つまり、総体としては伸びることを期待しておるわけでございます。 それから金利等の点でございますが、これはあに金利だけではございませんが、いわゆる助成条件と存じますが、類似の業務それから他の政府系金融機関の業務とのバランスも考慮しながら具体的な定め方をこれからしてまいるわけでございますので、これは関係省庁と十分調整をしていい姿にしてまいりたいと思っております。
○渡辺四郎君 もう余り時間がないからくどくど申し上げませんが、長官、今言ったような問題で、それじゃ環境庁が実施をする共同利用建物そのものを通産省と同じような格好でやったらどうなのか。そうすれば、いわゆる中小企業の高度化資金の二・七%の金利を用いてやれるんじゃないか、これは一般の企業の方であればそう思うと思うんです。しかし、それは関係の違いがあるし、それから中小企業高度化資金だって一定の条件があると思うんです。中小企業の高度化資金というのは、かなり営業そのものもいい条件でありながらなおかつ二十一世紀に向けて今の産業構造から転換をしていくために企業の高度化を目指すという、いわば成長産業の部類に入る部分なんですよね。そうして、今まで環境庁、事業団の方でお世話をしてまいりました共同利用施設の企業というのは、やっぱり自分の一社では設備そのものが大変厳しいというので共同利用施設にお入りになったと思うんですね。これは要望ですけれども、金利の面を含めて共同利用施設が大いに利用できるような方向を法律改正をやってても私はやっていただきたい、このことをぜひお願いをしておきたいと思うんです。 そこで、法案そのものについて疑問があるものですから今お尋ねしておるわけですけれども、今申し上げた内容で本法案改正の問題等検討方を強くお願いして、長官の御見解をお聞きしたいと思うんです。 先ほども若干申し上げましたが、臨時行政調査会の答申の中心は、現行の行政の中のばらばらの指導あるいは監督権限をできるだけ一元化しなさい、そして行政の活性化を目指しなさいというのがいわゆる土光臨調と言われた臨調の本筋だったというふうに私らは受け取っているわけです。そういう中で、四十六年の環境庁の設置法案に対して国会でも附帯決議がつきまして、環境保全行政の重要性を強調して以下次のように附帯決議で述べております。環境保全行政のより完全な一元化が可能となるよう今後さらに環境庁の機構、権限に検討を加える、その実現に格段の努力を払うべきであると決議をしておるわけです。若干異なりますが、二十三日の本委員会で、知床の自然公園問題で丸谷委員の御質問に対する環境庁長官の御答弁の中でもお話がありましたけれども、あの林野庁と環境庁との間の協議事項の不十分さについて丸谷委員なり山田先生の方から御指摘がありました。その中で長官は、行政に任じていてはそれぞれやっぱり縄張りがある、これはやっぱり政治的に、政治の場で調整をしなければいけないんだというような趣旨の御答弁があったわけですね。 くどいようですけれども、同じ公害防止あるいは環境保全という同一目的に立った事業をやるのになぜ環境庁の専管を分散をするのか、建設、通産部門に分散をしていくのか。これは新規事業の部分ですから、先ほど公園の部分とかいろいろお話がありましたが、それが公害防止、環境保全の立場からぜひとも必要だと環境庁がお考えになったわけですよ。そうすると、関連する建設省、通産省の部分の法律を改正してでも環境庁に一元化すべきではないかということを考えますと、どうも今度の改正はせっかくの努力なさってこられておりますけれども、若干後退したんではないか。先ほど申し上げました環境庁が設置されたときの国会の附帯決議からずっと踏まえてまいりますと、土光臨調の成果からいっても若干後退したんではないか、そういうことを私は感ずるわけです。 そこで、なお一層今後の公害防止と環境保全事業推進のためにもぜひ長官にお願いしたいのは、やはり今後努力なさって、今までなさってきたと思うんですけれども、あくまで環境庁への行政の一元化を目指して法案通過後もひとつ御検討いただきたいと思いますが、長官の御見解をお聞きしたいと思います。
○国務大臣(稲村利幸君) 環境行政は国民の健康と生活にかかわる極めて幅広い取り組みを必要とする行政であることは申し上げるまでもありませんが、今後ともこのことを深く認識し、環境庁の総合調整機能を発揮しながら環境行政を積極的に推進してまいる所存でございます。今先生御指摘の一元化の問題、環境庁が主導的にこの調整機能を強力に進めていきたい、こういうふうに思っております。
○渡辺四郎君 それじゃ、直接法案とは関係はございませんが、現在の事業団人事のあり方について、これは事業団をとらえて言っているわけじゃありませんが、マスコミの中でも天下り人事がいろいろ指摘をされております。今事業団内部は、私が見たところでは課長以上の役職員のポストが三十四あるようです。これは理事長含めてですよ。問題は、そのうちの二十八名の方々がいわゆる各省からの天下り人事で占められておる、そういうふうに見えます。 事業団が発足して二十三年目に入ったわけですし、プロパーの職員の方だって、私の同僚議員の、以前に釧路の市長をされておりました山口議員からもきょうお聞きをしましたけれども、釧路に事業団の、魚類の悪臭を分散するための立派な工場をつくっていただいたというお話を聞きました。プロパーの職員の方たちも非常に優秀な方たちもふえてきておりますし、二十三年の歴史を持つ事業団ですし、今後やっぱり職員の士気の高揚のためにもぜひ私は内部登用をお願いしたい。これは長官にぜひひとつお願いしておきたいと思うんですが、御見解をお聞きしたい。
○国務大臣(稲村利幸君) 大変先生の御意見に私も同感いたすものでございますが、事業団職員の内部登用に関しましては、今後とも、事業団に対して人事管理の適正を期するため先生の御意見を尊重して指導してまいりたいと思います。
○渡辺四郎君 大変お待たせいたしました、厚生省にお尋ねしたいと思います。 今、全国の自治体では家庭の雑排水による水質汚濁の問題それから産業廃棄物、特にその中でも建築資材それから廃土の不法投棄の対策が非常に問題になりまして、私も福岡県の行政改革委員会の委員をしておりましたけれども、この委員会でも議論になりました。お尋ねしたいのは、自治体では今監視を夜もしながら、そして不法投棄されたその現物を点検をしながらその割り出しに努力をしておりますけれども、その投棄の時間帯というのは夜半で、しかも、山奥の水源地の上流なんかに不法投棄をするわけなんです。これは自治体にとって大変困った問題であるわけですが、厚生省として、産業廃棄物と有害化学物質の現状に対してどのように受けとめ、どのような対策を検討されているかお伺いをしたいと思います。
○説明員(加藤三郎君) 廃棄物の問題には、産業廃棄物、一般廃棄物含めまして私ども適正な処理に一生懸命努力をし、また、自治体あるいは実際に処理に当たっている関係業界の方々に御努力を願っているわけでございます。全般的にはいろんな努力があちこちでなされているというふうに認識いたしておりますが、しかし、今先生御指摘のように不法投棄がまことに残念ながら後を絶たないというのもまた現実でございます。昭和六十年の廃棄物の不法投棄事犯を見ますと四千七百二十二件ほどございまして、産業廃棄物の不法投棄量が約二十四万トンに上っておる、そういう実態も出ております。内容的に申し上げますと、先生もちょっとお触れになりましたように建設廃材でありますとかあるいは建設木くずとか汚泥といったものがその大部分でございます。 こういう状態に対しまして私ども厚生省といたしましては、都道府県政令市の環境衛生指導員による指導監督の強化、あるいは不法投棄を行った業者に対する厳正な行政処分の実施等によりまして不法投棄の防止に努めているところでございます。また、私どもといたしましても、昭和五十八年度から六十年度まで、産業廃棄物等不法投棄等防止対策調査委員会を設けまして調査を実施いたしております。そういった調査の成果を踏まえながら今後とも不法投棄の防止に努めてまいりたいというふうに思っている次第でございます。 なお、公害防止事業団との絡みでちょっと申し上げますと、公害防止事業団が産業廃棄物対策関係にかなり融資ないしは建設譲渡いたしてくださっておりまして、私どもとしては、今後とも公害防止事業団がこの分野に果たす役割が大きいと。六十一年度の数字でいきますと、融資額の約六割近くを産業廃棄物関係の施設で占めておる、こういう状況でございます。大阪湾流域それから東京湾流域にいわゆるフェニックス計画というので廃棄物の広域処分場をつくる計画でございますが、こういったものが整備されていくにつれまして不法投棄もそういった地域においては大幅に減っていくものというふうに期待をいたしております。
○渡辺四郎君 最後になりましたが、環境庁の方にぜひお願いをしておきたい。今厚生省の方からお話もありましたが、私、産業廃棄物問題で現状を申し上げましたけれども、処理場建設について、現在貸し付けだけとは言いませんけれども、貸し付け主体の業務でなくて、公害防止事業団の事業として積極的にこの事業を進めていっていただきたいと思うんですが、見解をお聞きをしたいと思います。
○政府委員(加藤陸美君) まず貸し付けにつきましては、おっしゃるとおり今まで産業廃棄物処理施設については貸し付けで対応をしてきております。この貸し付けの手法はもちろん今後とも積極的に活用してまいります。 それから、先生もおっしゃっておりますように、いろいろな用地取得の問題であるとか跡地利用を含めた廃棄物処理施設の整備というのは今後公害防止行政上重要な課題になると考えておりますので、関係省、厚生省と協議をしながら事業団の活用方策について検討してまいりたいと思います。
○渡辺四郎君 産業廃棄物の問題ばかり私申し上げたわけですが、これは建設省の方も、上下水道の整備問題だって恐らく今度の景気刺激対策あるいは国内需要の拡大という方針から見てもかなり力を入れてくると思いますから、そうすれば、合併浄化槽問題だって水質汚濁問題との関連がありますからぜひそこらも大きく手を広げて、公害防止事業団の仕事として積極的に私は取り組んでいただきたいことを最後にお願いをいたしまして、終わります。
○沓脱タケ子君 それでは、公害防止事業団法の一部改正についてお伺いをしたいと思います。 初めに、本法の改正というのはいわゆる公害健康被害補償法の改正案とリンクをした改正になっておりまして、そのこと自体についても非常に許せない思いがしております。御承知のように、公健法の改正については十万に近い公害健康被害者が命がけで反対をしておるという、まさに無謀な指定地域全面解除を環境庁はやろうとしてきているわけですけれども、これは今国会では当然廃案でございますし、それの受け皿づくりを先にやるなんというようなことは許せないということをまず冒頭に申し上げておきたいと思います。 限られた時間ですので端的に聞いていきたいと思います。都市の大気汚染対策として緑地の建設譲渡業務が新設をされるようでございますが、これが受け皿づくりの仕事なんですね。だから、こんなものを先に検討するということが許せないといって言っているわけです。しかし、それとは別に、今日の都市における都市空間の緑をふやすということは極めて必要なことであります。ただ、公健法の基金の一部を用いてやるというようなことになるわけでしょう、仕事は。それは、聞き及ぶところによりますと五百億の利息の二十五億かな、そのうちの五億ぐらい、そういうことなんですか、ちょっと聞かせてください。さっきから話聞いているけれども、あなたの御答弁ではさっぱり私理解ができなかった。ちょっとお伺いしたい。
○政府委員(加藤陸美君) 具体的な最終金額はちょっと別といたしまして、大筋先生のおっしゃるとおり今回この事業団に追加して行うこととしております都市大気汚染対策緑地整備事業に対しましては、公害健康被害補償予防協会の方につくられる基金から助成金を受けて実施を促進していきたいということを予定しておるわけでございます。
○沓脱タケ子君 金額は。
○政府委員(加藤陸美君) 金額は具体的には、先生五億とおっしゃいましたけれども、五億になるということまでは今の時点で申し上げるわけにはいかぬと思います。
○沓脱タケ子君 五億にもならぬわけ。余計悪い。 それで、財源の問題は私ども了承しがたいけれども、本当に緑地の建設譲渡業務をやるというんなら五億や十億というようなちゃちな金ではできる仕事じゃないと思うんです。さっきの同僚委員の質問を聞いておったら、従来の緑地事業はやります、その上に新たに加わった緑地の建設譲渡事業をやりますと。それで同じことをやるんですかといって大分いろいろ聞いておられたんですが、さっぱり聞いていてもわからぬですね、答弁が。 そこで聞きたいんですが、公害防止事業団事業懇談会の中間報告によると、都市の大気汚染対策は一番交通公害対策が大事だという点が指摘されているんですね。そういう点からいうと、道路周辺の緩衝緑地等の整備ということをわざわざ例示をしていますね。ですから、さっきからの質問と答弁聞いていてさっぱりわからぬのは、こういうふうに指摘をされている道路周辺の緩衝緑地の整備という仕事を公害防止事業団がやるのか、あるいはさっきの御説明のように都市公園というようなところの仕事をやるのか、どっちなのやらさっぱりわからぬですよ、聞いていて。そこをはっきり言ってください。
○政府委員(加藤陸美君) お答え申し上げます。 今回新たに始めます都市大気汚染対策緑地というのはその法律的性格が都市公園ということで、その説明を申し上げた余りに御理解を混乱させておるのではないかと思いますが、緑地であることはもちろんそのとおりでございますし、それから、都市大気汚染の大きな部分が道路を走ります自動車とか何かの排気ガスの関係が大きいことも確かでございまして、おっしゃっております緑地、これは道路からの距離その他の問題はちょっと別にいたしまして、そういうところから生ずる公害、大気汚染を防除しようというものであることはおっしゃるとおりでございます。それで、従来やっておりますのは、工場の周りの緑地を緩衝緑地と言っておりますものですから、混同されがちなものですからちょっと御答弁申し上げました。
○沓脱タケ子君 それでもわからぬ。従来やっている緩衝緑地というのはどういうものかというのは私も存じ上げております。だから、わざわざ道路周辺の緩衝緑地の整備をやるのかと、こう言って聞いているんです。だって、公健法の問題では、あなたようわかっていないのと違うんかな。何でそのことを聞くかと言うたら、本法の十八条第三号ですね、「業務の範囲」というところでは、緑地事業は都市公園法に規定する都市公園に限られているという、限ると書いてあるんです。これは一体どういうことやと。公害病予防対策ということで、しかも、都市公害の中で道路、沿道の大気汚染が一番ひどいということで大問題になっていて、その予防対策をやるいったら道路、沿道の緩衝緑地をやるということに当然なるというのはだれが考えても当たり前のことなんです。ところが、本法ではそうなっていないから、一体防止事業団ではどこの緑地対策をやるのか、一番問題になっている道路の緩衝緑地はどこがやるんや、そこをはっきり聞きたいわけです。一つもわからへん。
○政府委員(加藤陸美君) 大都会地、都市における大気汚染対策として、これは中公審の方のお話になって恐縮でございますけれども、大気汚染対策を行うべしと言われておるところを踏まえまして、これはまたここの話題になっておりません法律の方でございますが、基金でいろいろな事業をやっていこうというもの、それから、中公審の答申の中にはほかの国として努力すべき諸事業も並んでおるわけでございまして、そういう中には沿道対策的なものもいろいろあるわけでございますが、この事業団が引き受けて整備をして建設、譲渡していこうというものは都市公園たる緑地、その部分だと、こういうことでございます。だから、沿道、道路と全く関係ないということも申し上げませんけれども、その一部分でございまして、都市公園たる緑地を事業団は引き受けていきましょう、こういうことなんでございます。
○沓脱タケ子君 結局は道路周辺の緩衝緑地というのは従来どおり建設省がやると。環境庁が御指導になる公害防止事業団では都市公園、しかし、都市公園というのは大体建設省でしょう、やっぱり。地方自治体が建設省の補助金もらってやるんやけど、そこへ手を出していって何やりますねん。ちょっと余計に木でも植えますんか。それは、五億あるんやないんやわからぬぐらいのお金で全国カバーしよう思うたらそんなところになるかもしらぬ。これではせっかくの公害防止事業団が持てる能力を十分に発揮することはできないんじゃないか。少なくともこれは建設省がちゃんと法律に基づいて道路、沿道の緩衝緑地帯はやることになっていますしね。それならやるとこあらへん。都市公園は建設省が補助金出して地方自治体がやって、そこへちょっと割り込んでいって木を余分にでも植えようかと、そんなことになってはならぬと言うんです。単なる緩衝緑地じゃないんです。公害対策としての緩衝緑地帯をつくらなきゃならぬという任務を持っているということを忘れちゃならぬですよ。建設省は公害対策でやるんじゃないわけでしょう、必ずしも。公害対策は多いですけれどもね。しかし、主たる目的というのは違うはずですわ。 その辺のところは、これ予算のこともちょっと長官考えにゃいかぬですね。ほんまに公害防止事業団に仕事をしてもらおうと思うのなら、やらぬのやというなら話別ですよ。やるって言っておられるんでしょう。従来からも成果を上げてきたし、今後もやるんだと先ほどから御答弁いただいているんだから、それなら五億やそこらの金で、しかも、どこの仕事をするんやわからぬようなそんなことは私はやっぱりよくないと思うんです。きちんと、仕事についても公害防止対策という立場での仕事の位置づけもはっきりしなきゃいかぬし、それにふさわしい予算もちゃんと考えなくちゃいけないんじゃないかと思いますが、長官どうですか。
○国務大臣(稲村利幸君) 先生の御指摘に共鳴する部分もありますが、地方自治体ともよく協議して、この事業団の仕事をやりがいのあるようにしていきたい、こう思います。
○沓脱タケ子君 時間が大してありませんので。私公害防止事業団法の改正案を拝見してこれはひどいことになったなと思ったのは、その一つは、工場移転用地の造成、譲渡の業務を縮小して、五年後には廃止するというんでしょう。これは大体その仕事がなくなったんで、おおむね見通しが立ったから五年後をめどにして廃止するということならいいんですがね、私ども見ている大都市の特に中小企業、中小零細企業の多い環境では、とてもじゃないけれどもなくなっておらないですね。 そこで、どれほど中小零細企業が望んでいるかという状態をちょっと申し上げましょう。例えば、私ども大阪市内に住んでおりますけれども、西淀川でもこんなことが起こっている。工場が、もういよいよいろいろ問題があってつぶれたり用地を売って撤退しますね。その跡全部マンションが建つ、あるいは一戸建ての住宅がどんどん団地として建ってくる。そしたら、従来からおる小さな零細企業の工場は、さあ騒音がうるさい、ほこりが大変だ、車が邪魔だということで本当に今度は逆に住民から苦情が出ておれなくなるという問題が起こっています。これ頻発しております。ですから、私どもいろいろと相談を受けている中を聞いてみましても、よそでも、尼崎でもそういう目に遭ってやっと西淀へ来たらまた同じことをやられるということで嘆いておられる。どこか安心して仕事のできるところへ行けないものか、こういう要求というのは具体的にありますよ。 それから、もう役所を頼りにしていてもうまいこといかぬということで独自に大阪市の浪速区でナニワ企業団地という名前で工場の集落をつくっているんですね、団地を。そこは現に百五十社ぐらいが入っているんですね。それで、それじゃ通産省の有利な条件を活用しているのかといって聞いたら、通産省はもう利息は安うて結構なんだけれども、異業種はいかぬ何やらはいかぬということで大変難しい。その上に手続が大変複雑で長いことかかる。しようがないから自分たちでやっているんですと言うんです。そういう状況を見ましたら、今中小零細企業の人たちがどこかへ移転したいというニーズというのは非常に高い。そこのナニワ企業団地の専務にも聞きましたけれども、希望が多くて難儀しているんだというんですね。 そのことを証明するように、例えば大阪市はどういうことをやっているかといいますと、大阪市内では公害防止事業団の集団化事業にかなりお世話になっております。まだ土地もあるようですが、しかしもう間に合わないということで新たに今度も、これは私どものおります西淀川区ですが、一万坪の土地を大阪市が買い上げて工場用地の分譲に踏み切ろうということを計画をしています。それをやるために何をするか、どういう希望があるかということで中小零細企業二千社にアンケートを送ったそうです。そうしたら約千の会社から回答が来まして、三分の一の企業は何とか行き先が欲しいという回答になっているというわけですよ。市独自でも対応を迫られているというところへ来ているというのが今日の客観情勢なんですね。 ところが、きょう出ている法案を見たら、五年を目途で縮小していって廃止する、国民のニーズと全然反対の方向へ何でこんな法律改正を考えるのかなとちょっと不思議なんですよね。これは廃止じゃなしに拡大せにゃいかぬ。そない言うたって、建物を建てたのを分譲いたしますと言うと思うけれども、建物を建ててもらうと堅牢な立派な建物を建ててくれるから、経済基盤を持たない零細企業はペイできないんですよ。だから、用地を確保さしていただいて、自分のところの財政に見合い企業に見合うような工場をつくっていくということが一番望まれている。そういう点で、この工場移転用地の造成、譲渡の業務が縮小されて五年後廃止なんというのはこれは時代錯誤だと思いますけれども、御見解を伺いたい。
○政府委員(加藤陸美君) 大変具体的なお話をいただきまして勉強させていただいたわけでございますが、用地造成のみの事業ではなかなかということで、それはもちろん五年間は、先生おっしゃいましたとおり要請があることも事実でございますので臨時業務として実施するというふうに整理させていただいたわけでございます。新たに都市・生活型公害対策として幾つかの事業をつけ加えるためには、俗に言う事業団の肥大化を回避するといういわば行政改革の精神に照らしやむを得ない措置であると存ずるわけでございます。もう先生から先に先手で押さえられたわけでございますが、土地と建物と合わせて行う造成は行いますので、ただそれは、なかなか自分流のものを建てたいという希望の方の場合にはちょっと沿いませんけれども、そういう措置もあわせてあるところでございますのでひとつ御理解を賜りたいと存ずるわけでございます。
○沓脱タケ子君 それは理解できない。国民のニーズが非常に高いのに、いや御理解賜りたいと言ったって御理解のしようがないですがな。要求がなくなってきておりますので五年ほど状況を見て廃止いたしますと言うんならこれは法律の趣旨も理解できるけれども、ニーズが高くて地方自治体がわざわざ用地を確保して用地分譲をやるというふうなことまでやってきているのに、今までやってきていた公害防止事業団が何で撤退するのか。本末転倒というのか何というのかな、国民のニーズに基づいて仕事というのはするものですよ。ニーズがあるのに撤退ですよ。 これは長官、ほんまに環境庁というのはけったいなことをやりますな。これは理解できないですよ。建物をつけて売るということは続けてやるんやそうやが、用地の問題がそういうふうに大変ニーズが高い。だから、建物をつけて売る場合にもそういう国民的なニーズがあるんだということを理解した上でもっと安く利用しやすいように改善をするとか、ちょっと役に立つように頭を使っていただくことが極めて大事だと思いますが、いかがですか。
○政府委員(加藤陸美君) 先生御指摘のとおり、建物と土地と一緒につくる場合に安くて利用しやすいように、国民のニーズに合うようにという点は、よく承りまして研究、努力いたしてまいりたいと思います。
○沓脱タケ子君 これを私何でやかましゅう言っているかというと、さっきも同僚委員から出ております一元化の問題と深い絡みがあると思うんですね。国民のニーズのあることもようせぬというふうなことでは、通産省のいわゆる中小企業高度化事業ですか、そこでは安い利息ですかすかやっていく、もう公害防止事業団がもたもたしている必要ないよということになってしまいますよ。そんなことになったら大変じゃないですか。私は、通産省が中小企業対策をやっていくのと公害防止事業団、環境庁が公害対策を軸にしてやるというのとやっぱり根本的に趣旨が違うと思うんですよ。 その辺のことを考えるならば、もたもたしておるんじゃなしに、むしろ今こそ国民のニーズにこたえるような事業の内容、事業量、そういうものをきちんと確立をするべきだと思うんです。通産省がそれはやってくれるんやからよろしいわ、道路の沿道緑地は建設省がやってくれるんやからよろしいわ、こんなことを環境庁が言っておったら、公害防止事業団なんというのはもう将来なくてもええのと違うかと、そういうことになりかねない。それがさらにいったら、環境庁も要らぬというとにまでなりますよ。だって、現にこの法律は三省が主務官庁になっているでしょう。環境庁を主務官庁として一元化をし、その指導を強化せよということはかねがねの国会の意思でもありまた各方面の意思でもあったわけでしょう。この法律では三省が主務になっているんですよ。これでは一元化ところか逆行です、これまた、これについてもひとつ御見解を伺っておきたい。
○政府委員(加藤陸美君) お答えいたします。 今回新規業務として追加しました業務は、建設省あるいは通産省の所管の業務を追加しておりますことから主務大臣として関係大臣を加えることとしておるわけですけれども、これは各省設置法に照らしてやむを得ないものと考えておるわけでございます。環境庁としては、事業団でこの業務を行うわけでございますので財務、会計の管理業務の主務大臣としてもちろんこれを取り仕切りはしておるわけでございますので、その意味では一元化の精神にできる限り沿うように努めておるわけではございますけれども、先生御指摘の点では、それぞれの業務の縦割りと申しますか、それぞれの業務のまた一体化といいますか、もございますのでこれはやむを得ないというふうに考えたわけでございます。いずれにいたしましても、総合的な環境行政の推進につきましては関係省庁と連携を強めてまいりたいと思っております。
○沓脱タケ子君 最後に長官にお聞きをしたいんです。局長の話さっぱりわからへん。今言っているようにやっぱり環境行政という立場でそこを貫いて、一元的指導のもとに公害防止事業団も大いに能力を発揮してもらいたい、仕事をしてもらいたいと思うんです。だって、肝心の柱を抜かれたら、中小企業高度化で通産省からその部分の柱は抜かれ、緑地事業では一番問題の道路、沿道のいわゆる緩衝緑地は建設省に引っこ抜かれる。そんなら何をするんやいったら、自然公園をつぶしに行くのかという、そんな仕事だけやられたんじゃ話にならぬわけですわ。つぶすとは言わぬけれども、さっきのややこしい答弁聞いたらつぶれへんかと思って心配しますがな。 同僚委員も言われたように公害防止事業団というのは随分寄り合い世帯のようですね、役員構成を拝見して驚きましたけれども。理事長が環境庁御出身であるだけで、あとの役員と部長さんの出身官庁見て驚いたんですが、あとは通産、建設、厚生、大蔵がそれぞれ二人、自治省が一人。ただ一人理事長だけが環境庁御出身です。課長さんを見たら、二十三人の課長さん中みんな各省庁から来ておられて、いわゆるプロパーは六人というふうな状況になっておるわけです。ですから、歴史を重ねていい仕事をしてきたこの公害防止事業団をさらに育て、国民のニーズに基づいて大きく仕事をやってもらえるような事業団として発展をさしていくためには、やっぱり一番親方の環境庁が本当に環境行政について一元化してやっていくんだという強い御意思がなければ、みんな栓抜かれて、結局眺めてみたら何にもなかったみたいなことになるんですよ。そこのところをはっきりとひとつ長官からお答えをいただいて、時間がちょっとオーバーしましたから、終わります。
○国務大臣(稲村利幸君) 沓脱委員の御質問、環境庁へのいい意味の激励と私自身受けとめまして、環境行政の一元化の推進につきましては、総合調整機能を含め、自主的に環境庁がその重要性を踏まえて問題にその都度真剣に取り組んでいかなければならない、こういうふうに考えます。
○近藤忠孝君 私は野生動植物の問題について質問をいたします。このワシントン条約では規制対象は絶滅のおそれのある野生動植物です。ところが、この法案になりますと、それに限定がついて「過度の国際取引による絶滅のおそれのある」と。となりますと、これはワシントン条約も限定されますね。なぜ限定したのか、狭くなったのか、この点まずお答えいただきたいと思います。
○政府委員(古賀章介君) 今先生は限定ではないかという御質疑でございますけれども、そうではないというのが結論でございますが、その理由を述べさしていただきます。 この法案は、先ほど来申し上げておりますように、これまで国内における取引規制がないため違法に輸入された疑いのある動植物が国内で自由に取引されることが問題となったことから、ワシントン条約のより効果的な実施に資するために定めようとするものでございます。このいわばワシントン条約の実施法であるという趣旨を明確にするために条約の前文にあります「過度の国際取引」という文言を趣旨の中に引用したのでございまして、過度の国際取引によらなければ絶滅のおそれがあっても対象にならないという趣旨ではないということでございます。 〔委員長退席、理事関口恵造君着席〕 要するに「過度の国際取引による絶滅のおそれ」というのは、現に生じている場合のみならず過去において生じた場合、将来において生じる場合もすべて含まれるということでございます。
○近藤忠孝君 そうしますと、過度の国際取引がなくても絶滅のおそれのある野生動植物はいるわけですね。例えばパンダ、トキ、こういったものも当然これは規制対象になる、こうお聞きしてよろしいんでしょうか。
○政府委員(古賀章介君) パンダ、トキは既にワシントン条約の附属書Ⅰに掲げられておりますし、この法律の規制対象は政令で決めることになっておるわけでございますけれども、当然規制対象になるというふうに考えております。
○近藤忠孝君 なぜこのことを私が指摘するかと申しますと、後で裁判になった場合これは問題になる可能性があると思うんですね。法案では「過度の国際取引による絶滅のおそれ」が構成要件ですね。それに対して政令で具体的に決めるわけですから、仮に業者がこの法律違反で摘発受けまして、まさに刑事裁判ですわな、となりますと、具体的に自分が摘発されているのは絶滅のおそれがあるものかもしれぬけれども、法律で言う「過度の国際取引」によるものじゃないと。要するに法律よりも政令の方がはみ出しているんじゃないか、これは罪刑法定主義違反だ、こういう反論がどんどん出て私は裁判の面で混乱が起きやしないか。やっぱり罪刑法定主義というのは憲法上の大原則ですし、それから構成要件は厳格でなきゃいけませんね。そういう余地が出てくるんじゃないか。こういう指摘についてはどうですか。
○政府委員(古賀章介君) この条約自体は、過度の国際取引によりまして貴重な野生動植物が絶滅の危機に追いやられることのないように各国が相協力してそれをなくしていこうということでございます。しかしながら、具体的に附属書ⅠないしⅡの定義のところを見ますと、附属書Ⅰは現に絶滅のおそれのあるもの、それから附属書Ⅱはこれから将来にわたっておそれの生ずるものというような書き方をしているわけでございます。私どもは、この附属書1を中心に規定するということでございますので条約の趣旨というものを十分体しておるというふうに考えております。繰り返すようになりますけれども、条約の前文にはそういう絶滅のおそれのある野生動植物の保護ということを明文にうたっておるわけでございますから、それを受けて条約の趣旨を生かしましてこの国内法が規定され運用されるということでございますので先生御懸念の点はないものと私どもは考えております。
○近藤忠孝君 ちょっと私の質問に直接、いわばこれは法律論ですけれども、お答えになっていないようなんでまた重ねてお聞きしますが、附属書Ⅰは絶滅のおそれが強く商業取引が禁止されている種であるから国内でも商業取引が禁止される、これは当たり前のことですね。それで附属書Ⅱ、これは実際に最も多く取引がされておりまして、日本で輸入される野生動植物件数の九八%と大部分を占めております。したがって、このⅡに掲げられている種は放置すれば絶滅のおそれがある種になってしまう。ですから、国内においてもその取引は厳重に規制されなければならないわけですね。だから、その一部なんということじゃなくて私はもっと広げていくべきだと思います。また附属書のⅢは、締約国が捕獲や採取を禁止しておりまして取引を取り締まるために他の締約国の協力が必要とされるものでありますから、したがって、世界最大の野生動植物の輸入国である日本政府は原産国の保護努力に対して協力すべきものであって、日本国内においてもそれらの輸入や国内流通を規制して協力すべきだと。私は、これは既に指摘もあったと思いますが、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ全部を対象とすべきだと思うんですが、これについての御見解を改めてお聞きしたい。 それから、将来これ絶滅のおそれということでだんだん広がっていくと思うんですね。そうなった場合に、先ほど申し上げたような罪刑法定主義で、国際取引の多いというその条件があるために政令でそれがはみ出しやしないか、こういう争いが起きてくる余地が今後日本政府が努力をする過程の中では当然出てくるのじゃないか。当面は、今局長が言ったとおりⅠが中心ですからこれは心配がないんですが、私は、心配がない状況ではこれはよくないと思うんです。もっと、心配ない状況じゃなくて、法律論争がある意味ではこの法律のもとでは起きてくるような状況、そんな法律論争が起きないようにするためにこんな余計なものは取ってしまった方が私はすんなりいくんじゃないか、これが私の指摘なんです。いかがですか。
○政府委員(古賀章介君) 先生のおっしゃることはわかるわけでございますが、この地球上から貴重な野生動植物が絶滅する一番大きな原因というのは過度の国際取引であるということでございます。そのようなものを抑えることによって各国協力して絶滅の危機から野生動植物を救おうではないかというのがこの条約の趣旨だろうと思います。ですから、過度の国際取引ということが何も制限的に働くのではなくて、要するに絶滅のおそれのあるものを規制をしていこう、それは、過去そうであったもの、現在そのようなおそれのあるもの、それから将来そういうおそれのあるものというものをすべておそれというものの可能性の中に含めて考えるということでございますから、その過度の国際取引というのはあくまでも原因として考えられるものでありますから、規制の態様としては、絶滅のおそれのあるものをその中に取り込んでいくということだろうと思います。 それから第二点の範囲の問題であります。これは何回か御答弁いたしておりますけれども、ワシントン条約は附属書Ⅰに掲げる動植物につきましては商業取引を禁止をいたしておるわけであります。 〔理事関口恵造君退席、委員長着席〕 それに対しまして附属書Ⅱ及びⅢは、一定の条件のもとではありますけれども商業取引を認めておるということでございますから、私どもの今御提案いたしております法案の規制対象に一たびなりますと国際流通が原則として禁止をされるということに相なりますから、したがってワシントン条約の附属書Ⅰに掲げるものを中心としてこの法律の規制対象にすることが妥当であろうというふうに考えるわけであります。しかしながら、附属書ⅡⅢでありましても、原産国のすべてが輸出を禁止しているようなものは附属書Ⅰに掲げるものと同視すべきものというように考えますのでこれは本法の規制対象にいたしたい、こういう趣旨でございます。
○近藤忠孝君 私は、今後大いに行政が進んでどんどん対象規制範囲がふえていくことを望みますが、さっき言ったようにもし裁判で問題になった場合には、この過度の国際取引というのは決して限定的なものでないというこの立法趣旨、そのことをしっかりやはり貫いていくべきだということを申し上げておきたいと思います。 次に、この規制の対象との関係で厚生省に質問いたしますが、実験動物として保護が必要な野生動物が輸入されるケースであります。一九八三年四月から五月にかけてチンパンジー三十頭をシエラレオネから輸入する問題がありました。これはウイルス性B型肝炎のワクチンテスト、それから非A非B型肝炎ウイルスのワクチン開発のために必要だというので肝炎研究協議会が厚生省に申請、ワシントン条約の管理当局である通産省の許可を得てシエラレオネと交渉して輸入することになった問題であります。 ところが、チンパンジーは霊長類の中でも特に保護の必要が叫ばれている種で、これはシエラレオネに二千頭前後しかいないものですね。そこから三十頭輸入するというので、IPPL、国際霊長類保護連盟がこれを知って反対運動に立ち上がったわけです。IPPLは、アメリカのマスコミを通じますキャンペーンで日本製品ボイコット運動も辞さずという空気にまでなりましたが、厚生省、この経過は御存じですか。
○説明員(羽毛田信吾君) お尋ねのようなお話があったやに聞いてはおります。
○近藤忠孝君 この程度ですね。 筑波の医学実験用霊長類センターの本庄重男所長はこう言っています。動物でB型肝炎の症状、下痢、発熱、黄疸を出すのはチンパンジーだけだし、生検で組織の病変を確認できるのもチンパンジーだけだと。やはりこのチンパンジーを実験用に確保する必要があることを指摘しております。保護が必要な野生のチンパンジーを輸入することが問題であるというなら人工的に飼育繁殖させようということで、筑波の霊長類センターが、国立予防衛生研究所の姉妹施設ですが、チンパンジー飼育設備がないことから毎年予算要求をしてつくってくれ、こういうお願いをしているんですが、予算がついていないですね。これは大体二億円ぐらいでできるものだというんです。実験動物としてはやはり粒のそろった個体が必要ですし、飼育繁殖させれば親子関係も判明して都合がよい。それから人工繁殖が順調に進めば野生のチンパンジーを輸入しなくても済む。一石二鳥ですね。ただ幾ら要求してもなかなか予算がつかない。この本庄所長はこれでは責任持てない、こう言っておるんですが、この筑波の霊長類センターにはその後チンパンジーの飼育施設ができたのか。いかがですか。
○説明員(羽毛田信吾君) 事実関係について申し上げますと、国立予防衛生研究所、先生お話しのとおり筑波に医学実験用の霊長類センターというものがございます。ここにおきましては、現在カニクイザルあるいはアカゲザル、ミドリザルといったようなものの繁殖育成を行っておりますけれども、チンパンジー等の類人猿の飼育繁殖は今のところは行っていないというのが事実でございます。
○近藤忠孝君 今回こういう法案も出まして国を挙げて野生動物を保護しようというときであるし、これは、医学上の必要があるのと同時に今言ったような対処方法もある、しかもそんな大した金もかからないとなりますと、この機会に国全体としてこの問題に取り組むという姿勢を示す意味でもこれは大いに検討をされてしかるべきだと思いますが、どうでしょうか。
○説明員(羽毛田信吾君) 実は、筑波の国立予防研究所からはそのような予算要求が出ておるけれどもというお話でございましたけれども、事実関係について申し上げれば、国立予防研究所内部において現在のところはいろいろ検討を行っておるという段階でございまして、予防研究所としてそういう方向を踏み出したというところまでは現在のところ至っておりません。それから設備費等につきましても、今のところは、やるとすればもっと大きい額がかかりそうでございます。そういう前提でございますけれども、いずれにいたしましても、現在のところその国立予防衛生研究所自体といたしましては、現在実施をしておりますワクチン等の研究につきましてはチンパンジーを使用しておらないという、当面具体的な需要が要件自体としてはないというようなこともございまして今直ちにそこに踏み切るというところには至っておらないわけでございます。 今後実験動物を国全体としてどうやっていくかということにつきましては、医学研究の推進支援体制としましてチンパンジー等の実験動物の確保あるいは適正な供給というようなことはそれ自体としては重要な課題になってくる要素はあると思いますが、この関係をどうするかにつきましては、果たして予研というような形の中に霊長類センターというものをつくるのがいいのかどうか、あるいは今後の我が国におけるそういった実験動物の体制がどのようになっていくべきかというようなことを少し検討いたしませんとなりませんので、今のところは、関係部局で集まりましてそこらのところを協議をしておるという段階でございます。もう少しそこらのところを詰めませんと直ちに予研でやるというところまでは踏み切りがなかなかつかないところであろうかというふうに思っております。
○近藤忠孝君 これに関連してもう一点ですが、野生動物でなくて人工飼育で繁殖させたものでありましても実験動物としてどんな扱いをしてもいいというものではないと思います。 最近ECで問題になっています。昨年十一月二十四日にブリュッセルで環境小理事会が開かれて、動物を使用する実験に対して厳しい規制を加える勧告を採択しました。まず動物実験の事前届け出、絶滅のおそれのある動物の実験使用禁止、苦痛を与えないような手段をとる、こういう勧告ですね。この担当者は、この勧告に基づいて各国政府が早急に国内法の整備をすることを希望すると言っておりますが、こういうEC決議について、直接我が国にはそれの効力はないと思いますが、こういうことが今世界の傾向になっているということを受けとめて厚生省はどう対処されますか。
○説明員(高橋透君) お尋ねのECの勧告でございますが、お話しございましたように一九八六年の十一月二十四日ECにおいて決議がされまして、その中の絶滅の危機にある動物を用いた実験の禁止という項目でございますが、この種の動物実験は医薬品に限らずほかの場でも学術研究等で行われているわけでございまして、各省庁に共通する問題でもございます。そういうことで、今後早急に関係省庁と連携しつつ検討してまいりたいと考えております。なお、現在医薬品の開発に使用される実験動物につきましては、四十八年の十月に制定されました動物の保護及び管理に関する法律に基づく実験動物の飼養及び保管等に関する基準を遵守するよう医薬品開発メーカーに求めているところでございます。
○近藤忠孝君 条文に即して次の質問をいたしますが、第三条第一項は野生動植物の譲渡等の原則禁止を定めていますが、これが適用されないケースとして三号の規定がありますね。これはかなり無限定に大きく広がってしまわないか。輸出入に直接伴って譲渡等が行われた場合には禁止条項の適用除外になる。後はもう登録制度に乗せるだけで自由に譲渡、展示と。これはしり抜けになりやしないかという心配がありますが、この点どうですか。
○政府委員(古賀章介君) この趣旨は輸出入を除くということでございまして、輸出入を除く理由というのは、先ほど来いろいろ申し述べておりますように外国為替及び外国貿易管理法及び関税法により行われておるところでございますから、それとの二重規制を避けるために輸出入を本法の対象から除いた、こういうことでございます。 そこで、この表現でありますけれども「希少野生動植物の輸出又は輸入に直接伴って譲り渡し、若しくは譲り受け、」云々、こういうことが規定されておりますが、「直接伴って」という極めて限定的に書いてあるわけでありまして、例えば商社が外国から野生動植物を輸入をする、それを動物園に譲り渡すというような場合には、これは輸入の許可はその商社がとるわけでありますけれども、その商社からその動物園に法律的には所有権が移転するというようなことになりますので、そういう「直接伴って」云々というこの規定がなければともに許可対象になるわけでございます。しかしながら、実際に外国から野生動植物が入ってまいりますのは直接動物園に行くわけでありまして、その間に輸入許可をとる商社というのはただ形式的な経由ということでございますから、そういうものにつきましては、輸出入に直接伴って譲り渡しをするということでありますから実態的にはそういうものを外してもこれは別に支障はないという考え方でございます。 今先生が御懸念を示されました、何かこれが非常にふえるのではないか、拡大されるのではないかというようなことは全くないわけでございまして、輸出入を除くという趣旨にほかならないということでございます。
○近藤忠孝君 外為法や関税法などできっちりできるというんですが、これは先ほど来議論があったところですね。私はこの点について意見だけ申しておきます。 外為法や関税法はワシントン条約の求めるところとは立法趣旨が違うと思うんです。あくまでも日本の貿易政策の問題あるいは関税の問題、そういった立場からのチェックなんですね。ですから、やはりワシントン条約をしっかり受けたこの法律によって輸入のところできちっと規制をしておかないと私は十分な対処ができないと思うんです。この後、時間の関係で、たくさん問題あるけれども没収の問題とそれから返還の問題に絞ってやりますが、この重要な二つの問題について、この法律によって輸入のところでチェックしてない、国内での売買のチェックだけですからね、そういうことで没収や返還問題で極めて不明確な問題になっているということだけ申し上げておきたいと思うんです。あくまでもワシントン条約の趣旨を踏まえるならば、この法律できっちりと輸入の段階で規制すべきだということを申し上げて、次に入ります。 一つは返還の問題です。例えばキンクロライオンタマリンのブラジル返還のケースを一つとりましても、没収そして返還規定は極めて大事な問題ですね。ワシントン条約第八条では「締約国のとる措置」として、処罰の問題と「違反に係る標本の没収又はその輸出国への返送に関する規定を設けること。」となっている。ところが、設けてないんですね。これはなぜなのか。
○政府委員(古賀章介君) 「違反に係る標本の没収又はその輸出国への返送に関する規定を設けること。」、これは「又は」でございますから、どちらかを選び得るわけでございます。我が国は、ワシントン条約に加入いたします際にこの「違反に係る標本の没収」ということでいわゆる水際規制の道を選んだわけでございます。それで、関税法の中には没収の規定があるわけでございますから、この条約の求めておる要件というものはこの国内法がなくても関税法の没収の規定で満たしておるということでございます。
○近藤忠孝君 返還の問題はどうですか。
○政府委員(古賀章介君) 返還につきましても、これは返還それ自体を義務づけられてはおりませんし、また、返還の規定を国内法で規定することも条約上は義務づけられておりません。これも何回か御答弁いたしましたように、ワシントン条約で禁止されている野生動植物の没収などをいたしました場合に、すべての場合に原産国に返還することが今申し上げましたように義務づけられていないということ、それから、一たび人工飼育化に入ったものにつきましては慎重な取り扱いが必要であるということ、返還の規定がなくても必要に応じて返還ができるということなどの理由から個々具体的なケースに応じて判断するのが適当であるという考え方に立っております。しかしながら、本法の第十三条では、希少野生動植物が本法に違反して譲渡が行われ、没収等により国庫に帰属した場合には、関係行政機関の長はその保護のために適切な措置を講じなければならないという規定がございます。この措置により適切な収容、飼養施設への収容でありますとか、必要に応じて輸出国または原産国への返還も行い得るものでございますから、この十二条の規定によって返還できるということでございます。
○近藤忠孝君 確かに条約には返還のほかに輸入国の保護センターに送ってもよいと、こういう規定があることは事実です。しかし根本的な問題として、やはり野生動植物は生まれたところに返す、向こうでどう扱うかはまた次の問題ですけれども。やはり日本は設備がいいとおっしゃるかもしれぬけれども、幾らいい設備でありましてもしょせんやっぱり日本なんですね、生まれたところじゃないわけですよ。生まれたところへ戻せばその種の保存が一番確実な方法で守られる。私は、これは条文上の問題よりも野生動物にどういう態度で臨むかという基本的な姿勢の問題だろうと思うんですね。だから現地への返還が原則であるべきです。 それについては費用の問題がありますわね。特に開発途上国が多いですからね、輸出国に費用負担させたらばとてもそれは大変なことになるというんです。それも国際会議で議論になって、日本代表は何か業者に負担させるのは気の毒だと言ったようですが、それでまた批判が起きているんだけれども、やはり業者にもきっちり責任を負わせる、こういう規定をしっかり設けることによって生まれたところへ返すという一番の原則を貫く態度が必要ではないかと思いますが、この点いかがですか。
○政府委員(古賀章介君) 原産国から他の国に輸出をされまして輸出先におきまして没収される、管理当局によって没収された場合に、その原産国に戻すことが野生動植物にとってよい状態なのかどうかということは、必ずしもよいとは言えないのではないかというような意見がございます。と申しますのは、原産国に戻すということがすべてよろしいのかということになるわけでありますが、それをすべて野生に戻す、例えばジャングルにすぐ戻すというようなことが果たしてよろしいのかということになりますと、一たび人工飼育のもとで飼われてしまったような野生動植物でありますとジャングルに戻す場合には適応ができないということになりますから、そのためのいろいろな野生に戻る場合のトレーニングと言いますか、リハビリと申しますか、そういうような措置が必要であるというふうに専門家は言っております。 そのような施設が受け入れ国すなわち輸出国で完備しておるかどうかということになりますと、発展途上国が多いわけでございますから必ずしもそうはいかないというような状況にありますので、これはやはりケース・バイ・ケースによって、また、相手国の要請があるかどうかというような問題も含めまして個々のケースに応じて慎重に検討をし、判断すべきものであるというふうに考えております。 ―――――――――――――
○委員長(曽根田郁夫君) この際、委員の異動について御報告いたします。 ただいま原文兵衛君並びに森下泰君が委員を辞任され、その補欠として守住有信君並びに福田幸弘君がそれぞれ選任されました。 ―――――――――――――
○近藤忠孝君 今の局長の答弁は、私は日本の思い上がった考えだと思うんですね。しょせん、日本に置いたんではその動物があと寿命をせいぜい保つだけですよ。せいぜい生きるだけですね。やっぱり種としての保存、種としての今後の育成を考えれば、現地がどういう状況か、それはいろいろ条件はあると思うんですが、しかし、まず生まれたところへ戻すというのが私は一番自然に合致した態度だと、こう思います。時間の関係でその程度にしておきますが、没収の点につきましては、今多くの扱いは押収していますからね。後は任意に所有権を放棄させてそして次の扱いをしておる扱いがほとんどだと思うんですね。そして、この没収についてはいわば裁判の手続を経るということになります、結局ね。そうすると、本当にこれで事態にマッチした対応ができるだろうかと。 そこで私は一つ提案をしたいんですが、没収処分について行政措置として没収できるという規定をしっかり設けること、これが私は本当に悪質な者をしっかり規制をし、また後の処置もしっかりやっていくために必要だと思うんですね。要するに没収というのは刑罰ですから、普通の裁判手続を踏んだ上で判決で確定しませんと没収できませんよね。これでは本当におくれてしまうのです。だから、行政措置としての没収の道を探るべきじゃないのか、その道を検討しそういう措置をとるべきじゃないか。いかがですか。
○政府委員(古賀章介君) 本法では、刑法十九条の規定によりまして主刑に合わせて犯罪にかかわるものを没収するという旨の判決が得られた場合に没収するということになるわけでございます。それはもう先生の御指摘のとおりでございます。しかしながら、行政処分としての没収ということについて私ども検討したんでありますけれども、これは、裁判によらず行政主体が私人の財産を無償で剥奪するということになるわけでございまして、憲法の定める財産権の保障とのかかわり合いもございまして難しい問題ではないか。我が国の法体系では、未成年者飲酒禁止法でありますとか未成年者喫煙禁止法などの戦前のわずかな立法例しかないわけでございまして、行政主体による没収というのは今の時代としてはいかがなものかというふうに考えております。
○近藤忠孝君 政府の方から憲法の講義を受けるということは余りないことでありますけれども、まあ大変結構だと思うんですね。結構なんですが、今の制度上も没収という制度がありますね。これは、少年法二十四条の二、それから刑訴の保証金を裁判やらずに取れる、民訴の保証金もそうですね。それから独禁法六十三条にも供託物の没収があるんですね。ただ大事なことは、今も局長言ったとおり憲法上の問題として行政庁の判断で取っちゃやっぱりいかぬと思うんです。 私の提案は、この没収をする場合に裁判所の判断に係らせるが、その本体の裁判が確定し刑として没収の判決があるまで待つんじゃなくて、これは決定段階でね、要するに口頭弁論なんか経ないで決定できる措置として裁判所へ申請をし裁判官の判断で没収していいかどうか、これでしたら可能な道が、現にほかにも制度あるんですから、そういう憲法上の配慮もすれば私の提案大変にいい提案だと思います。それも性格的には行政措置としての没収だけれども、その判断を裁判所に係らせるということになりますし緊急な対応も十分できるんじゃないかと思うんですが、どうですか。大変いい考えじゃないでしょうか。
○政府委員(古賀章介君) 勉強させていただきます。
○近藤忠孝君 そういう法案が出てくればもろ手を挙げて賛成しますので、ぜひ検討してもらいたいと思います。 あと残った時間に陳列の問題について質問します。 売買取引が原則禁止の種、これが要するに陳列の対象になりますが、これだけじゃ不十分じゃないかという問題です。要するに、大体密輸、密売をしようとする者はそんなもの店に飾りませんよね。倉庫かどこかに置いておいてそこへひそかにお客さんを連れていって、そこで閲覧させ取引をする。こんなものは今回の法律では規制対象にならないのではないか。そういう意味では、売買取引だけじゃなくて陳列も禁止事項をもっと広げるべきではないか。それから、販売目的のものだけに限定するのは狭いんじゃないか。例えば貸し出しのための展示もありますね。それから、販売、営利を目的とする貸し出しなどの目的のために所持すること、それも禁止しないといけないのではないかという点であります。 それからもう一つは立入検査権、これは販売目的で陳列している者に限定しているのはやっぱりぐあい悪いわけで、今の点からも販売、賃貸しその他営利目的、また営業のために所持している者などに対しても立入検査が行われるべきじゃないか。 以上、まとめてお答えいただいて、質問を終わります。
○政府委員(古賀章介君) 本法は絶滅のおそれのある野生動植物の保護を図りますために国内取引を規制しようとするものでございまして、第四条は、違法な販売に通常随判して一般的に行われる行為、すなわち販売目的の陳列というものを禁止すをことによりまして違法販売の禁止の効果を上げようとするものでございます。今先生の御指摘のようなケースというものがあろうかと思いますけれども、やはり問題は、違法販売の禁止を効果あらしめるようにするためにそれに随伴して行われる販売目的の陳列を禁止をするということでございます。 それから立入検査につきましては、やはり立入検査の相手方というものを幅広くとるというような考え方もあると思いますけれども、これはやはりいろいろ権利の制限にかかわる問題でございますから慎重を期するというようなこともございまして、許可を受けた者それから販売目的で陳列をしている者というものに限定はしておるわけでございます。それについての御意見があろうと思いますけれども、この立入検査というものが実際に運用されるのはこういったところに行われるわけでございますから、法の運用を通じまして十分効果が上がるようにしてまいりたいというふうに考えております。
○近藤忠孝君 終わります。
○委員長(曽根田郁夫君) 以上をもちまして、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(曽根田郁夫君) 御異議ないと認めます。 これより両案について討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○沓脱タケ子君 公害防止事業団法の一部を改正する法律案に対し、日本共産党を代表して反対討論を行います。 発足後二十年以上を経た公害防止事業団の業務については、今日の公害の多様化など新たな情勢に対応できるよう見直しを行い、事業分野の拡大を図る必要があることは言うまでもありません。しかし、今回の改正は、政府と財界が推し進める公害健康被害補償法改悪に代表されるところの公害対策縮小路線の一環であり、断じて容認できないものであります。 反対理由の第一は、本法案が公害健康被害補償法の改悪を前提として、その受け皿事業である都市緑化造成事業を含んでいることであります。しかも、その事業内容は大気汚染防止の観点からも極めて不十分なものであります。 第二は、自然公園利用適正化事業によって環境庁がこれまで開発を規制されてきた国立公園や国定公園の開発に乗り出すことになり、自然破壊を招く危険が濃厚であるという点であります。 第三は、中小零細企業からの要望もあり実績も伸びてきている工場移転用地造成事業を縮小、廃止するなど、国民の求めている分野からの撤退を進め、事業団自体の縮小、廃止につながりかねないという点であります。 第四は、集団設置建物事業での通産省との共管や緑地造成での建設省との共管などで主務官庁が現行の環境庁一庁から三省庁になるなど、国会決議でも求めてきた環境行政の一元化に逆行するものであるという点です。 以上のとおり、本法案は、今日急速に進められている環境行政の後退に一段と拍車をかけるものであり、断固反対であることを申し述べ、反対の討論を終わります。
○委員長(曽根田郁夫君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(曽根田郁夫君) 御異議ないと認めます。 これより順次両案の採決を行います。 まず、公害防止事業団法の一部を改正する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(曽根田郁夫君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 丸谷君から発言を求められておりますので、これを許します。丸谷金保君。
○丸谷金保君 私は、ただいま可決されました公害防止事業団法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合の各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 公害防止事業団法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、環境問題がますます複雑・多様化している現状に対処するため、環境保全施策を総合的に推進するとともに、特に産業廃棄物その他の廃棄物問題の重要性にかんがみ、公害防止事業団の活用を含め、処理体制の整備を積極的に推進すること。 二、環境保全対策の重要性にかんがみ、国の唯一の専門的助成機関としての公害防止事業団が実効ある対応をし得るよう、その助成条件についてできるかぎりの配慮をするとともに、業務の充実と弾力化に努めること。 三、公害防止事業団の臨時業務とされる工場移転用地造成事業については、実需に対処し得るよう事業枠の確保を図ること。 四、本法の改正に伴い、公害防止事業団に対する監督手続きのいたずらな繁雑化を避け、その経営の自主性を尊重し、組織の活性化を図るとともに、職員の雇用不安や労働条件の悪化をもたらさないよう配慮すること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(曽根田郁夫君) ただいま丸谷君から提 出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(曽根田郁夫君) 全会一致と認めます。よって、丸谷君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 次に、絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律案について採決を行います。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(曽根田郁夫君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 山東君から発言を求められておりますので、これを許します。山東昭子君。
○山東昭子君 私は、ただいま可決されました絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合の各派共同提案に係る附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 絶滅のおそれのある野生動植物の譲渡の規制等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一、規制の対象となる「希少野生動植物」の種は、ワシントン条約附属書Ⅰに掲げる種に限定することなく、適切な評価を行うことにより同条約の効果的実施に資するよう、その範囲を定めること。 二、ワシントン条約に対する我が国の留保品目の数を削減するよう努めること。 三、絶滅のおそれのある野生動植物の保護施策を科学的、総合的に推進するため、海外の関係機関とも連携して調査研究の充実を図るとともに、保護体制の強化に努めること。 四、野生動植物の保護のため、原産国との協力を含め、その生息環境の保全を図り、必要な保護増殖対策を推進すること。また、野生動植物の保護の重要性について、積極的に普及啓発を図ること。 五、不正に輸入された生きた「希少野生動植物」について、原状回復を含めた適切な保護を行うとともに、その費用負担のあり方について検討すること。 六、関係省庁の連携を一層緊密にし、既存の関係法についても運用の強化に努め、ワシントン条約のより適切な実施を図ること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(曽根田郁夫君) ただいま山東君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(曽根田郁夫君) 全会一致と認めます。よって、山東君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの両決議に対し、稲村環境庁長官から発言を求められておりますので、この際、これを許します。稲村環境庁長官。
○国務大臣(稲村利幸君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして努力いたす所存でございます。ありがとうございました。
○委員長(曽根田郁夫君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(曽根田郁夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(曽根田郁夫君) 次に、請願の審査を行います。 第二五七七号公害指定地域の全面解除反対、公害健康被害補償制度の改善・拡充に関する請願外二十三件を議題といたします。 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、保留とすることに意見が一致いたしました。 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(曽根田郁夫君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(曽根田郁夫君) 継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 公害及び環境保全対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(曽根田郁夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(曽根田郁夫君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(曽根田郁夫君) 委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 閉会中の委員派遣につきましては、その取り扱いを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(曽根田郁夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十四分散会 ―――――・―――――