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108回国会参議院1987/05/15

外交・総合安全保障に関する調査会安全保障小委員会 第1号

発言数
105
登壇者
17
会派数
4
開催日
1987/05/15

会議録

坂元親男自由民主党

○小委員長(坂元親男君) ただいまから外交・総合安全保障に関する調査会安全保障小委員会を開会いたします。  一言ごあいさつを申し上げます。  私、このたび安全保障小委員長に選任されました坂元でございます。小委員各位の御支援によりまして、公正かつ円滑な小委員会運営に努め、責任を全ういたしたいと存じますので、何とぞよろしく御協力のほどをお願い申し上げます。  本小委員会は、安全保障問題について調査を行うこととなっております。四月二十七日に各派の世話人にお集まりをいただきまして協議を行いました結果、本日は自衛隊の現状と問題点について防衛庁から御説明いただき、これに対し質疑を行うことといたしました。     —————————————

坂元親男自由民主党

○小委員長(坂元親男君) それでは、安全保障問題に関する件を議題とし、自衛隊の現状と問題点について防衛庁から順次説明を聴取いたします。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) ただいま御指名をいただきました防衛審議官の日吉でございます。  私の方からは、中期防衛力整備計画の基本的な考え方についてお話しを申し上げたいと思います。  現在、我が国の防衛力の整備は、昭和六十年九月十八日に当時の国防会議と閣議において決定されました中期防衛力整備計画に基づいて行われております。したがいまして、本日当小委員会におきまして自衛隊の現状と問題点について御審議、御説明を申し上げるに際しましても、まず、中期防衛力整備計画におきます防衛力整備の考え方を御説明申し上げることから始めたいと思います。  資料をお手元にお配りさせていただいておりますが、一ページをお開きいただければありがたいと思います。  この中期防衛力整備計画におきます防衛力整備の考え方は、昭和五十一年十月二十九日に国防会議及び閣議において決定されました防衛計画の大綱の基本的枠組みのもとに、これに定める防衛力の水準の達成を図ることを目的とするものでございます。先生方先刻御承知のように、防衛計画の大綱は我が国が平時から保有すべき防衛力の水準を定めたものでございまして、限定的かつ小規模な侵略までの事態に有効に対処し得るものを目標としておりますが、この中期防衛力整備計画によってその水準達成に向けての中期的な見通しを得たことになったわけでございます。  なお、防衛計画の大綱は、いわゆる基盤的防衛力構想の考え方を取り入れたものでございまして、その構想の基本的な考え方は次のようなものでございます。  すなわち、内外情勢が当分の間大きく変化しないとの前提に立ちますれば、防衛上必要な各種の機能を備え、後方支援体制を含め、その組織及び配備に均衡のとれた態勢を保有することを主眼といたしまして、これによって平時において十分な警戒態勢をとり得るとともに、限定的かつ小規模な侵略までの事態に有効に対処することができ、さらに情勢に重要な変化が生じ、新たな防衛力の整備が必要とされるに至りましたときには、円滑にこれに移行し得るよう配慮されたものとするということでございます。  中期防衛力整備計画は以上申し述べました大綱に定める防衛力の水準の達成を図ることを目標としておりますが、その際、次の点に留意することといたしております。  資料にも書いてございますように、第一に国際軍事情勢及び諸外国の技術的水準の動向を考慮し、これに対応し得る効率的な防衛力の整備を図るため、陸上、海上及び航空自衛隊のそれぞれの各種防衛機能を改めて精査し、資源の重点配分に努めること。第二に、各自衛隊の有機的協力体制の促進、統合運用効果の発揮に配意することでございます。  また、この計画は、具体的事業の推進に当たりましては、重視すべき事項としまして、資料にもございますように次の点を特に掲げてございます。  すなわち、要撃戦闘機、地対空誘導弾等の充実近代化による本土防空能力の向上に努めること。艦艇、対潜航空機等の充実近代化による我が国周辺の海域における海上交通の安全確保能力の向上に努めること。我が国の地理的特性を踏まえまして師団の近代化、編成の多様化、洋上、水際撃破能力等の強化による音上陸侵攻対処能力の向上に努めること。それから、正面と後方の均衡のとれた質の高い防衛力の整備を図ること。特に情報、偵察、指揮通信能力、継戦能力、即応態勢及び抗堪性の向上、並びに技術研究開発の推進を重視するとともに、教育訓練体制等の充実による練度の向上及び隊員の生活環境の改善に配意すること。最後に、防衛力の整備、運用の両面にわたる効率化、合理化の徹底を図ることでございます。  なお、この計画の実施に必要な防衛関係費の総額の限度は昭和六十年度価格でおおむね十八兆四千億円程度をめどとすることが決定されております。  以上のような方針のもとに計画した具体的な整備内容につきましては、本計画策定後一カ年を経過いたしておりますので、その後の経緯も踏まえまして引き続き担当の太田防衛局計画官の方から御説明を申し上げたいと思います。

太田洋次防衛庁防衛局計画官

○説明員(太田洋次君) 防衛局計画官太田でございます。  では、中期防衛力整備計画の経緯及び目標水準及び正面事業の概要等について御説明したいと思います。  資料では三ページからでございます。  この三ページにおきましては、先ほど紹介ありました防衛計画の大綱の達成状況を一応一覧表にしてございます。  大綱は、御存じのとおり平時から保有しておくべき最小限度の防衛力の水準を定めたものでありますけれども、今日質量両面にわたりましてこの水準に達しておりません。この中期防衛力整備計画策定時、六十年度の完成時を見ましても、基幹部隊については達成してないものとして海上自衛隊の陸上対潜機部隊二個隊が欠けておりますし、主要装備について見ますと、海上自衛隊の対潜水上艦艇約二隻が不足しておる。それから潜水艦が二隻達成されておらない。それから海上自衛隊の作戦用航空機約七十五機が足りない。それから航空自衛隊の作戦用航空機約六十機がまだ達成されておらないというようなことでございます。  それから、そのほか大綱には周辺の軍事科学技術の進歩等に伴いまして質的な装備の充実等を図るということが掲げられておりますけれども、そういう面で質的に向上するものが多々ございます。  中期防が達成されますと、我が国の防衛能力は現状と比較しまして相当大きく向上すると見ております。  あと具体的に個々の事業の概要についてでございますが、四ページからでございます。  まず第一に、本土防空能力の向上についてでございますけれども、ここでは従来に引き続きまして要撃戦闘機F15、それから早期警戒機E2Cを整備することによりまして要撃防空能力の充実向上を進めることといたしております。  それから、要撃戦闘機F4EJの能力向上につきまして試改修の結果を踏まえまして別途検討の上必要な処置を講ずることとしております。  それから、現有の地対空誘導弾ナイキを逐次ペトリオットに換装するほか、陸上自衛隊の地対空誘導弾ホークの改善を進めることといたしております。  それから次に、次のページでございますけれども、周辺海域の防衛能力及び海上交通の安全確保でございます。  この点につきましては、護衛艦、潜水艦等の建造によりまして艦艇部隊の近代化を進めることといたしております。  護衛艦の建造に当たりましては、対潜能力の充実とともに、対艦、対空能力を向上させるためミサイル装備化を推進します。その際、別途行う洋上防空体制のあり方に関する検討結果を踏まえまして、護衛艦の対空ミサイルシステムの性能向上について検討の上、必要な措置を講ずることといたしております。  それから次に、固定翼対潜哨戒機P3Cの整備によりまして航空機による対潜能力の充実、近代化を進めることといたしております。中期防完成時には固定翼対潜哨戒機百機体制が達成されることとなります。  それから、掃海ヘリコプターにつきましては、現在バートル107を使っておりますけれども、これにかえましてMH53Eを後継機として新しく導入することといたしております。  それから、先ほども若干触れましたけれども、航空機や対艦ミサイルの性能が進歩してきたことなどございまして、洋上における防空能力については一層の向上が必要ではないかと考えております。  それから六ページに移ります。  着上陸侵攻対処能力であります。着上陸侵攻に対しましては、できるだけ洋上、水際において迎え撃つということが望ましいことでございますので、新たに地対艦ミサイルSSMを整備しまして、洋上、水際撃破能力を強化することを考えております。  さらに支援戦闘機F1、現在これを使用しておりますけれども、この後継機に関しまして、別途検討の上、必要な措置を講ずることといたしております。  また、戦車、火砲、装甲車等の整備によりまして師団の近代化を図ります。なお、その際、我が国の地理的特性を考慮しまして、例えば北海道の師団につきましては戦車、装甲車等を主体に戦闘力を充実しまして、本州等の師団につきましては対戦車ミサイルの強化等を主体に機動性を重視しました充実を図るなど、編成の多様化によりまして効率的な整備を行うことといたしております。  また、対戦車ヘリコプターAH1Sの整備によりまして空中火力の強化を図ることといたしております。  中期防衛力整備計画につきましては、六十一年度の予算が既についておりますし、六十二年度予算も現在審議中でありますけれども、これらにつきましての進捗状況でございますけれども、七ページでございます。  一覧表にしておりますけれども、これにつきましては、一応六十一年度、六十二年度予算におきまして中期防の着実な実施を図るため必要最小限の経費を計上しておりますが、主要な装備について見ますと、F15、ペトリオットなど中期防の柱となる主要装備につきましては、この計画を平準的に実施するために必要な数量を一応確保するものとなっております。  それから八ページに移ります。  中期防衛力整備計画における後方事業の概要でございますけれども、大綱は、その本文におきまして、平時から警戒監視、情報収集を実施し得るとともに、指揮通信、教育訓練等の、いわゆる後方分野の整備を含めた我が国の防衛の態勢を整備することといたしておりますが、この点について現在改善すべき問題点を有しております。  中期防は、これら後方分野について重視し、正面と後方の均衡のとれた質の高い防衛力の整備を図ることといたしております。  まず第一に、情報、偵察、指揮通信能力でございます。警戒監視及び情報収集能力の向上を図るために、引き続き、自動警戒管制組織の近代化、各種情報収集手段の整備等を行うことといたしております。OTHレーダーにつきましては、その有用性に関し別途検討の上、必要な措置を講ずることといたしております。  また、航空偵察能力を強化するため、現有の要撃戦闘機F4EJの一部を偵察機に転用することを考えております。  さらに指揮通信能力の向上を図るため、防衛通信網の近代化、これは防衛統合ディジタル通信網、IDDNと呼んでおりますけれども、これらの整備等が含まれております。そのほか、通信衛星の利用等を考えております。  それから二番目に、即応態勢、継戦能力及び抗堪性についで申し上げます。  北海道は御存じのとおり地理的に他国に隣接していること、さらに海峡により本州と分離されていること等から見まして、本州等の師団が保有する戦車の一部を北海道に転用配備しまして、初期における対処能力の向上を図ることを考えております。  また、引き続き陸海空自衛隊の弾薬備蓄を推進することを考えております。例えば、陸上自衛隊につきましては、おおむねトン数におきまして、昭和三十年代に保有していた水準にまで回復するということを考えております。  それから、航空自衛隊のレーダーサイトや航空基地の防空のため短SAM、それから携帯SAM等の防空火器の整備を促進させるほか、航空機の編隊の整備や重要施設の地下化を推進することといたしております。  それから三番目に、教育訓練体制及び救難体制、次のページでございます。  御存じのとおり、正面装備をいかに近代化いたしましても、これを運用する隊員の練度を向上しなければ、真に有効な防衛力の整備とは言えないということは当然であります。このため、隊員の練度向上のための諸施策としまして、中等練習機T4の整備を進めるほか、戦闘機パイロットの年間飛行時間の増加、各種訓練用装置の効果的活用を図ることを考えております。  さらに、救難体制の向上を図るために、救難飛行艇、新型救難ヘリコプター等を整備することを考えております。  それから、そのほかの点について柱を申し上げます。  一つは隊員の処遇改善等の推進であります。これは一般社会の生活環境の向上にも対応しまして、隊員の生活環境の改善を図るために老朽化した木造宿舎や隊舎等の建てかえを図ることによりまして、いわゆる九・五坪型の宿舎の解消や隊舎の一段ベッド化の推進を図ることといたしております。  それから、技術研究開発の推進でございますけれども、新対潜ヘリコプター(艦載型)システム、それから各種誘導弾、その他の装備、機材についての研究開発を推進し、技術研究開発の充実を図ることといたしております。  それから次に、在日米軍の駐留を支援するための各種施策の推進の点についてでございますけれども、これは日米安保体制の円滑かつ効果的な運用に資するため、引き続き、在日米軍の駐留を支援するための各種施策を推進することといたしております。  それから、空中給油機能に関する研究でございますけれども、空中給油機能の性能、運用構想等空中給油機能に関する研究を推進することといたしております。  それから、洋上防空体制についてでございますけれども、洋上防空の能力の向上を図るため、各種装備の組み合わせによる効率的な洋上防空体制のあり方について速やかな検討を行うこととされております。  以上、中期防衛力整備計画の概略につきまして説明を一応終わらせていただきます。

廣中佑見防衛庁教育訓練局教育課長

○説明員(廣中佑見君) 教育課長の廣中でございます。  引き続き、教育訓練の現状と問題点について説明をいたします。十ページからでございます。資料に沿って説明いたします。  まず、教育訓練の基本方針でございますが、自衛隊の教育訓練の目的は、自衛隊の任務を遂行するため隊員に所要の知識、技能を修得させ、練度の向上を図って精強な部隊を練成することでございます。このために自衛隊は教育訓練を日常活動の中心としておりまして、次に掲げております四つの項目を基本方針として実施しております。  次に、教育訓練の現状でございます。  まず、防衛大学校及び防衛医科大学校における教育訓練でございます。  防衛大学校は、幹部自衛官となるべき者の教育訓練及びその修了者等に対する理学、工学に関連する高度な理論及び応用についての教育訓練。これは大学院の修士課程に相当するものでございますが、こういった教育訓練を大学設置基準等に準拠して実施しております。  防衛医科大学校は、医師である幹部自衛官となるべき者の教育訓練及びその修了者等に対する医学に関する高度な理論、応用に関連する教育訓練。これは大学院の博士課程に相当するものでございますが、実際には現在これはございませんで、ことしの十月に研究科として設定する予定でございますが、こういった教育訓練を大学設置基準等に準拠して実施しております。このほか、医師である幹部自衛官の臨床に関する教育訓練も実施しております。  次に、各自衛隊における教育訓練でございますが、これは基本教育と練成訓練に分かれます。  基本教育は、隊員として必要な資質を養い、任務遂行上必要な基礎的知識や技能を修得させることを目的として自衛隊の学校、これは三自衛隊で二十九の学校がございます、そのほか統合幕僚学校、防衛研究所といった文教施設がございますが、こういった自衛隊の学校または教育部隊等で実施しております。  練成訓練は隊員の練度を向上させ、精強な部隊を練成することを目的として自衛隊の部隊等が実施しております。  そのうち、まず基本教育でございますが、階級等に応じて体系的に実施しております。主として幹部教育と曹士教育に大別されます。  なお、六十二年度におきます陸海空自衛隊の教育計画員数は、年間合計六万五千八百人を計画しております。  幹部教育でございますが、防大、防衛医大を卒業した者、一般大学を卒業した者、部内出身者等から成ります幹部候補生に対して行う幹部候補生教育がございます。初級幹部、中級幹部に対しましては、各職種学校におきまして、各職種の部隊運用や専門技術に関して教育を行っております。上級幹部教育でございますが、三自衛隊の幹部学校、統合幕僚学校、防衛研究所におきまして選抜された幹部を対象に、上級の指揮官、幕僚として必要な知識、技能を修得させるための教育を行っております。  次に、曹士教育でございますが、二等陸海空士として採用いたしました新隊員に対する新隊員教育がございます。それから自衛隊生徒教育というのがございます。これは、中学を卒業した者を三等陸海空士として採用いたしまして、将来専門の技術者としての曹を養成するための教育でございます。それから一般曹候学生教育がございます。これは曹の基幹要員となるべき隊員を養成するための教育でございます。それから曹の教育がございます。  次に、練成訓練でございますが、個人訓練と部隊訓練に大別されます。  個人訓練と申しますのは、隊員に対しまして部隊等の一員として職務を遂行するために必要な知識、技能の向上を図り、部隊等の練成の基礎をつくるための訓練でございます。  部隊訓練は、実際に部隊等を展開、行動させる実動演習と、地図上において指揮機関を演練する指揮所演習、CPXと申しておりますが、こういった形で実施しております。実施に当たりましては、基礎的な訓練から応用的訓練へ、また職種ごと及び小規模な部隊の訓練から大規模な部隊の訓練へ、例えば小隊、中隊、連隊、戦闘団といったような段階的に進めることとしております。また、実戦に近い状態において練成するようできるだけの努力をしております。また、統合訓練、日米共同訓練の実施にも努力をいたしております。  まず、統合訓練でございますが、我が国の防衛作戦を実施するに当たりましては、防衛力を迅速かつ総合的に発揮する必要がございます。そのためには陸海空各自衛隊の能力を最も効果的に発揮するよう統合運用を図ることが重要でございます。このため自衛隊は従来から二つ以上の自衛隊が共同して行う統合訓練を実施してまいりました。そのうち統合演習につきましては、昭和三十六年度からこれまで十五回実施しております。昨年六月には陸海空三自衛隊の統合運用強化の観点から、統合訓練全般の実施手順等を体系化いたしました自衛隊の統合教育訓練に関する訓令を制定いたしました。  次に、日米共同訓練でございますが、自衛隊が米軍と共同で訓練を行うことは、それぞれの戦術技量の向上を図る上で有益でございます。また、日米共同訓練を通じまして平素から自衛隊と米軍との戦術面における相互理解と意思疎通等を促進し、インターオペラビリティーの向上を図っておくことは、有事における日米共同対拠行動を円滑に行うために不可欠でございます。また、日米安全保障体制の信頼性及び抑止効果の維持向上にも資すると考えております。そういった観点から、機会をとらえて積極的に実施していく方針でございます。  実施状況につきましては、表にあるとおりでございます。  なお、日米共同訓練実施に当たりましては、その訓練の目的や内容が所掌事務の遂行に必要な範囲のものであるかどうか、その訓練を実施することが政策的に妥当かどうか、教育訓練上の効果がどの程度あるか等の観点から個々具体的に判断をいたしまして実施しておるところでございます。  次に、問題点に移ります。  まず、防衛大学校、防衛医科大学校の教育における問題点と対策でございます。  第一は、防衛大学校卒業生中一部に任官しない者、つまり自衛官にならない者が出ております。過去五カ年間におけるそうした非任官者の数は表のとおりでございます。そのうち転身承認者というものがございます。六十二年度で申しますと四人挙がっておりますが、これは大学校当局が身体的理由等によりまして非任官をやむを得ないと認めたものでございまして、非任官者の内数でございます。  こういった問題点に対しましては、結局教育訓練を通じて自覚を促すほかはないわけでございまして、防衛大学校といたしましては、入校した学生に対し四年間の教育訓練を通じて幹部自衛官として職責を尽くし得る性格等を培うよう鋭意努力してまいりましたし、今後も努力していく所存でございます。これに対しましては償還金制度を設けてはどうかというような意見もございますが、自衛隊に勤務する意思のない者を強制的に勤務させることは、部隊の指揮、統率上問題が生ずるおそれ等がございますので、そういった理由によりまして償還金制度はとっておりません。いずれにいたしましても、今後とも非任官者を一人でも少なくするよう最大限の努力をいたしていきたいと思っております。  二番目に、防衛大学校、防衛医科大学校の卒業生に対する学位の授与の問題でございます。防大、防衛医大は、大学設置基準に準拠した教育訓練を実施しておりますので、かねてから本科の卒業生に学士号を、防大研究科の卒業生に修士号を、ことしの秋に新設予定の防衛医大の研究科に関連しましては博士号を授与できるよう希望してきたところでございますが、いまだ実現を見ておりません。これに関連いたしましては、昨年四月、臨教審の第二次答申で「学位授与機関の創設について検討する。」ということが答申されましたので、防衛庁といたしましてはその早期実現方を要望しているところでございます。  次に、防衛大学校学生への女子の採用の問題でございますが、国家公務員の採用試験で女子が受験できない職種は郵政Bと防衛大学校学生でございます。  なお、防衛医科大学校学生としては六十年度から女子を採用開始しております。  この問題につきましては、今後の婦人自衛官の職域拡大の状況を踏まえまして、その他諸般の事情を考慮いたしましてさらに今後検討を続けていきたいというふうに考えております。  次に、各自衛隊の教育訓練における問題点と対策でございますが、まず教育上でございます。自衛隊員の国内大学院への入学の制限でございます。現在は自衛隊員である理由によりましてあからさまな入学拒否というような動きはございません。しかし一部の大学院では、官公庁、会社等に在職の者は、入学試験に合格しても退職しなければ入学することができないというような制限を設けまして、自衛隊員の入学を事実上認めないところがございます。これに関連いたしましては、先ほどの臨教審第二次答申で、生涯にわたる学習機会の整備のため、社会人の大学院入学を容易にするための措置を講ずる必要があるという旨の答申がなされましたので、防衛庁といたしましてはその早期実現方を要望しているところでございます。  次に、訓練上の問題点と対策でございます。まず、陸上自衛隊に関連いたしましては、演習場及び射場が、その数が少なく、地域的に偏在しておりまして、それぞれの演習場の広さも十分ではないために、大部隊を使用する演習や長射程の火砲、ミサイル等の射撃訓練等を十分には行えないという状況がございます。また、演習場周辺地域の都市化現象によりまして、演習場の使用や実弾射撃の実施に各種の制約が加わっております。こういった問題点に対しましては、国内で射撃訓練を行うことができないホーク部隊の実射訓練につきましては米国で射撃を実施する、あるいは各種のシミュレーター等の訓練器材を整備してこれを活用する、あるいは限られた国内の演習場等を最大限に活用するために、他の方面区の演習場に移動して訓練等を実施するというような各種の創意工夫を凝らしましてある程度しのいでおります。  海上自衛隊に関連いたしましては、訓練海面が、漁業などの関係から、その使用期間や場所などに制約がございます。特に、掃海訓練あるいは潜水艦救難訓練といった大体五十メーター程度の深さを必要とする比較的浅い海面が、一般船舶の航行や漁船の操業などと競合いたしまして、制約が大きゅうございます。これにつきましては、限られた海面を有効活用するため、一回の訓練にできるだけ多くの艦艇を参加させる等計画的、効率的な訓練の実施に努力しております。  航空自衛隊に関連しましては、訓練空域が、現在各種の訓練空域二十四カ所を設定しておりますが、飛行安全確保の観点から航空路との競合を避けつつ、主として洋上に設定されております。このために基地によりましては、訓練空域への往復の飛行時間に長時間を要し、実質的な訓練時間を十分にとれないというような状況が出ております。また、空域の広さそのものも十分ではございませんで、超音速飛行など一部の訓練項目につきまして航空機の性能や特性を十分に発揮した訓練が実施できないというようなところも出ております。  これに対しましては、訓練空域と航空路等の分離につきまして、従来平面的、空間的な分離方式を実施しておりましたけれども、これに加えまして民間機と自衛隊機を同時に同一空域を飛行させないという時間分離方式による訓練空域の設定を逐次進める等、より効果的な訓練の実施に努力しております。昨年九月に設定いたしました硫黄島訓練、試験空域はこの種の考え方を取り入れた空域でございます。そのほかシミュレーター等の訓練器材を活用する、国内で射撃を行うことができないナイキ部隊の実射訓練につきましては、米国で実施するというような創意工夫を行っております。  最後に、六十二年度予算案におきまして計上しております主な練度向上のための施策を御説明いたします。  まず訓練水準の回復に関連いたしましては、陸上自衛隊では連隊戦闘団の年間訓練回数を二回から三回にお願いいたしております。海上自衛隊に関連しましては、護衛艦の年間航海時数を千四百時間から千六百時間に、これは一個護衛隊群の群訓練を一回増加するに要する時間でございますが、お願いいたしております。航空自衛隊に関連しましては、年間訓練飛行時間を百四十六・五時間から石油ショック時の百六十・五時間に回復していただくようお願いいたしております。  教育訓練用装備等の充実に関連いたしましては、正面装備等の充実に対応して計画的に整備することといたしております。  以上でございます。

早矢仕哲夫防衛庁装備局通信課長

○説明員(早矢仕哲夫君) 装備局通信課長の早矢仕でございます。  指揮通信の現状と問題点につきまして説明させていただきます。お手元の資料の十六ページからでございます。  まず第一点は通信網の抗堪性の向上の問題でございますけれども、現在自衛隊では非常に多種多様な通信システムを保有しております。これは、陸上自衛隊、海上自衛隊、それから航空自衛隊という陸海空という行動範囲の違うところ、それから作戦態様等が違う、そういうことに応じまして極めて多種多様の通信システムを持っております。しかし、これらの通信システムによりまして伝達される情報等につきましては、その伝送路については共通のものを設けようということで、現在防衛マイクロ回線を保有しておるところでございます。この防衛マイクロ回線は現在太平洋側に単一ルートで建設されております。このために、仮に途中で障害がございますと通信が途絶して通信できなくなる、そういうような問題を持っておるわけでございます。  この問題を解決するために、防衛庁におきまして防衛統合ディジタル通信網の整備というものに着手しようとしております。この計画は日本海側に沿いまして新しい防衛マイクロ回線を建設する、そういうことによりまして防衛マイクロ回線のルートを複ルート化したい、それから通信衛星を利用いたしまして伝送路を立体化していこう。そのほかいろいろな問題点を解決するための施策を盛り込みまして防衛通信網の抗堪性の向上を図ろうとするものでございます。  まことに恐れ入りますが、一枚めくっていただきまして、十七ページをお開きいただきたいのでございますけれども、ここにIDDNの構成図という絵がございますが、これに沿いましてIDDN計画について補足させていただきたいと思います。これはあくまで防衛庁の内部におきまして研究いたしました検討に基づく構想でございますので、まだそういうものであるということで御説明させていただきます。  この絵に太平洋側に沿って点線で書いておりますのが、これが現在の防衛マイクロ回線のルートでございます。ごらんのとおり一本でございますので、例えば市ケ谷と伊丹というところの間に障害が生じますと、伊丹から西と市ケ谷から北、その間における通信が途絶してしまう、そういう脆弱なものとなっておるわけでございます。これを複ルート化するというものにつきましては日本海側に沿って実線で書いておりますけれども、これが新しく建設していこうと考えております新規ルートの経路でございます。このルートを建設することによりまして、例えば市ケ谷と伊丹間に障害が生じました場合には、市ケ谷から相馬原を通りましてそれから舞鶴を経由して伊丹という形でつなぐことができます。したがいまして、伊丹から面あるいは市ケ谷から北との間の通信が途絶することなく伝送できるという抗堪性の強化が図られることになるわけでございます。  それから真ん中に衛星の絵がございますけれども、さらに通信衛星の利用を考えておりまして、これは札幌、三沢等主要な部隊の所在する駐屯地に固定型地球局と申しますけれども、ここにパラボラアンテナの絵がございますけれども、このところに地球局を設けまして、この地球局間において通信衛星を利用した衛星回線を設けようというものでございます。これによりまして障害時あるいは非常に通信所要が増大した際にこの衛星を利用いたしました通信ができる。そういう立体化した通信網を構成したいと考えておるわけでございます。  それから、現在我々が持っております防衛マイクロ回線はアナログ回線で構成されておりますけれども、新規の防衛マイクロ回線はディジタル回線によって構成したい。それからさらにそれにあわせまして現在のアナログ回線をディジタル化していく。そういうことでこれからの通信所要の増大、それからデータ通信の増大、そういう時代の流れに沿った防衛マイクロ回線、IDDNを構成していきたいと考えておるわけでございます。  まことに恐れ入りますが、また十六ページに戻らしていただきます。  次に通信の秘匿化の問題でございます。  現在、アナログ通信が主流でございまして、例えば陸上自衛隊は野外無線機というものを持っておりますけれども、野外無線機で通信を行う場合には秘匿略号を用いて通信の秘匿を図っております。これはどういう形かと申しますと、括弧の中に書いてありますようにAAとかあるいは14Hとかいうような略号を使う、あるいは山とか川とか、そういう暗号と申しますか、そういう言葉を使って通信の秘匿を図っているというのが自衛隊の現状でございます。こういうふうな通信の秘匿でございますと、秘匿が非常に十分でないというほかに、通信に時間を要する等の問題がございます。これは例えば略号を本来の意味に翻訳するために時間がかかる、その他もろもろの問題があるわけでございます。このために秘匿機能を容易に内蔵できるディジタル通信方式の新野外無線機を早急に整備したいと考えておるわけでございます。  また、テレタイプ通信に使用しております暗号機は、これは整備後非常に長期間使用しておりますので、老朽化度が非常に進んでおりまして機能も低下しております。こうした点を改善するために新しい暗号機を整備していく必要があると考えてお久ます。新しい暗号機につきましては電子計算機等を用いた秘匿の程度の高いものを用意したいと考えております。  このほかにファクシミリやデータ通信というものがございますけれども、このファクシミリやデータ通信というものは正確性、それから情報量の非常な増大等から今後の通信の主力となると予想されます。しかしこれらについての秘匿化もまだ十分ではないところがございますので、秘匿機能を有するファクシミリの整備、それからバッジシステムの秘匿装置の整備等を推進する必要があると考えております。  こういう秘匿の問題につきましては、民間の方においてもいろいろ考えられておりまして、例えばNTTにおきましては六十一年から自動車用電話の秘匿装置の販売を開始している、そういうようなことが進められておるわけでございます。  次に二番目に、洋上通信の信頼性の向上の話でございますけれども、海上自衛隊と申しますのは非常に広い洋上に艦艇等が展開する、そういうような特性を持っております。そのために艦艇の通信は主として短波を用いております。短波と申しますのは非常に遠くまで通じるという特性と、それから非常に使いやすいという特性があるわけでございますけれども、その伝搬特性が電離層の状態に左右されるというために回線が非常に不安定でございます。特に明け方、夕方、そういう時期には非常に通信しにくい、聞きとりにくい、場合によっては通信できないというようなことが起こりやすいという不安定なところがございます。それからまた、その特性でもありますけれども速達性があるということによりまして艦艇みずからの位置がいろんなところから探知される可能性が非常に高いという問題を持っております。こういうような短波通信に依存しております海上自衛隊の艦艇に対する指揮通信能力の向上を図るために艦艇用衛星通信機能の整備を考えております。これは通信衛星を利用いたしまして艦艇相互間それから艦艇と陸上基地との間の通信を行おうとするものでございます。  洋上通信の問題のもう一点は、この超長波送信所の建設の話でございます。これは潜水艦通信の話でございますけれども、電波というものは周波数が低くなると水中透過率が高くなります。したがいまして地上から発射された電波を水中で受信することが可能となります。そのために対潜水艦通信につきましては周波数の低い電波を用いているわけでございますけれども、現在海上自衛隊が潜航中の潜水艦に対する通信に用いております電波は長波でございまして、各国が用いております超長波、これはVLFと言っておりますけれども、に比べまして周波数が二倍以上も高い、そういうことによりまして受信可能な水中深度が浅くなる。したがいまして行動中の潜水艦の隠密性を確保しつつ、その潜水艦に対して命令、情報を伝達することが非常に困難となっております。このために周波数、水中透過率の高いVLFの送信所を整備する必要があると考えております。  次に十七ページでございますが、老朽通信器材の更新の推進等でございますけれども、自衛隊には装備化後相当な年数を経過した通信器材が数多く配備されております。これらの技術は古い技術によっておりますので性能が低い、それから現時点の通信所要を満たすことができない、そういうような問題を持っております。また器材によりましては部品が製造中止となっているなど、補修部品の確保が困難なものもございまして、保守整備にも影響を来しているところでございます。例えば自衛隊の使っております無線機の中では現在まだ真空管を使った無線機等が現に使われておるわけでございますけれども、世の趨勢といたしましてはトランジスタも通ってICというものがもう一般化されておるわけでございますけれども、そういう時代の中で自衛隊では真空管を使った無線機等をまだ現在使っておる、そういうような問題があるわけでございます。このために老朽器材から最新技術を応用した器材への更新を推進していく必要があると考えております。以上が自衛隊の指揮通信の現状と問題点と考えております。  以上で終わります。

黒岩博保防衛庁経理局工務課長

○説明員(黒岩博保君) 工務課長の黒岩でございます。  それでは隊員の生活関連施設の現状と問題点につきまして御説明させていただきます。  資料の十八ページでございますけれども、隊員の生活関連施設といたしまして隊舎、食厨、浴場等隊内の生活関連施設と公務員宿舎を取り上げておるわけでございますけれども、まず隊舎、食厨、浴場等隊内の生活関連施設について御説明させていただきます。  隊舎につきましては、それが隊員生活に密接に関連していること、また教育訓練の場であるとともに私生活の場であるということから従来から重点項目の一つとして力を尽くしてきたところでございます。  その現状と問題点でありますが、隊舎の六十一年度末における総所要面積は約二百三十八万平米となっておりまして、これに対しまして現有隊舎の面積が二百十五万平米となっております。この差の二十三万平米が不足しているということになっておるわけでございます。しかし、その二百十五万平米ある現有隊舎の中には老朽化の著しい木造隊舎あるいは経年による大規模な改修を必要とするコンクリート造などの老朽隊舎、また大部屋方式の旧式の隊舎などがありまして、これらを建てかえ、改修する必要があるわけでございます。お手元の資料のイの(ア)、(イ)、(ウ)の合計が五十八万平米になるわけでございますが、これが現有隊舎に対する整備所要ということになるわけでございます。ウは新たに増設する分でありますが、先ほど申し上げました所要と現有の差二十三万平米が不足しておりますために、一部屋に十数人が圧縮収容されるなど隊舎の二段ベッド解消のための増設が必要になっておるわけでございます。これらを合計いたしますと八十一万平米となりまして、これが下の左に示す円グラフの要整備でございます。右の円グラフはその八十一万平米の内訳をグラフにしたものでありまして、その中で六十二年度におきましては隊舎約十万平米を整備するべく要求させていただいておるところでございます。その内容につきましては工に示しますように老朽隊舎の建てかえそれから木造以外の隊舎の改修、大部屋形式の隊舎の改修そして二段ベッド解消のための増設などでありまして、これが右のグラフの中で斜線で示されたものでございます。  次に食厨についてでありますけれども、食厨は宮内隊員が食事をする場所でありまして、衛生上また隊員がくつろげる場所として良好な環境を保つ必要があるわけでございます。昭和六十一年度末における食厨の総所要は二百九十六カ所、現有も二百九十六カ所あるわけでございますけれども、左のグラフに示しますようにこれらのうち老朽あるいは狭隘のために百十三カ所について建てかえ、改修、増設する必要があるわけであります。このため右のグラフに示しますように要整備の百十三カ所のうち昭和六十二年度には木造の食厨の建てかえ、老朽化した非木造の建てかえ、改修、狭隘解消のための増設として計十三カ所を整備させていただきたいと考えておるわけでございます。  次に浴場についてでありますが、浴場は隊員の保健衛生上不可欠な施設でありまして、清潔に快適に入浴できるよう施設を整備する必要があるわけでございます。現状につきましては左の図に示しましたように総所要二百九十八カ所に対しまして整備されているものが二百カ所、残り三分の一、九十八カ所について整備が必要となっております。その内訳につきましては右に示されておりますように老朽化の著しいため建てかえ改修を要するもの計六十カ所、狭隘のため増設を要するもの三十八カ所と分類されておるわけでございます。このため、六十二年度におきましては、木造浴場の建てかえ、それから老朽した浸場の改修、狭隘解消のための増設として計十二カ所を整備したいと考えておるわけでございます。  以上のほかに、六十二年度には体育館七カ所、プール三カ所、厚生施設七カ所、ボイラー二カ所を整備して隊員の処遇改善に努めてまいりたいと考えております。

荻野貴一防衛庁人事局厚生課長

○説明員(荻野貴一君) 人事局厚生課長の荻野でございます。  公務員宿舎の整備につきまして説明させていただきたいと思います。  お手元の資料の二十ページと二十一ページでございます。  宿舎は、御承知のとおり生活の基盤でございますので、隊員の処遇改善の重点事項の一つということでこれまで整備に努力してきたわけでございますけれども、実は現状で二つの問題がございます。一つは、他省庁に比べて宿舎の充足率が非常に低いということでございます。二つ目は、建てかえる必要のある木造宿舎が非常に多いということでございます。まず宿舎の充足率の方でございますけれども、これはお手元の資料の(1)のアの宿舎充足状況の表のところでございますけれども、真ん中辺に宿舎所要数というのがございます。これは宿舎に入りたいと希望している人間でございますけれども、これが五万五千六百五十三戸。それに対しまして、持っている宿舎は次の欄でございますけれども、四万七千五百四十戸。この四万七千五百四十を五万五千六百五十三で割ったものが充足率でございますけれども、これが八五・四%ということでございます。ちなみに、他省庁推定では大体九五%といわれていますので、かなり低うございます。したがいまして、将来的には九五%まで持っていく必要があるわけでございますけれども、とりあえず充足率を九〇%とするためにも、ここのイのところに書いてございますように三千二百戸の建設が必要というような状態でございます。  もう一つの問題点であります老朽木造宿舎のことでございますけれども、これは宿舎保有数、このウのところにございますように四万七千五百四十戸、このうち木造は約六千二百戸ございます。さらに、そのうちの約千七百戸が二十五年以上経過して古くなっているものでございます。さらに、六十五年までたちますと、またさらに年を経ることによりまして二十五年以上を経過するものがふえまして約二千八百戸というようなことになります。  したがいまして、私どもといたしましては、二十ページの(2)の整備目標のところに書いてございますように、六十五年度末までに宿舎充足率を当面九〇%に持っていく、そのために約三千二百戸つくりたい。それからもう一つは、六十五年度までに老朽木造宿舎の改修を図りますということで約二千八百戸、合計いたしまして約六千戸整備する必要があるというふうに考えているわけでございます。  次のページでございますけれども、ただいま御審議願っております六十二年度予算によります整備はどうなっているかというのが次の二十一ページでございます。  六十二年度におきましては、ここの約六千戸のうちの千百四十二戸を整備するということで、ここの四行以下に丸で書いてありますような点を重点事項にいたしまして整備をしようとしております。  その整備に要する予算につきましては、(4)の表のところにございますように、まず国費でつくる宿舎でございますけれども、これは対前年度よりも百八十五戸、十四億四千百万円、四四・八%アップの予算を計上しております。次にあります特借宿舎というのは、これは特別借り受け宿舎の略でございまして、国家公務員等共済組合連合会が管理しています年金財源、これを使って連合会に宿舎を建ててもらうわけです。それを国が借りるというものでございます。これは前年度並みの四百五十二戸計画しております。それから、借上宿舎は前年度よりも五十一戸増の百八十六戸。計千百四十一戸、対前年度二百二十八戸増で計画をしております。そのほか、ここに書いてございますように、環境整備とか不動産取得といったものについで充実を図りまして、合計いたしまして、対前年度二十二億四千六百万円、一九%増の百四十億六千四百万円の予算を計上いたしております。  以上でございます。

諸冨増夫防衛庁長官官房総務課長

○説明員(諸冨増夫君) 長官官房総務課長の諸冨でございます。  ただいまから防衛改革委員会の検討内容について御説明させていただきます。  お手元の資料の二十二ページでございます。  最初に、防衛庁といたしましては、昭和六十年十月に業務運営全般にわたりまして、みずからの手で厳しく点検することを目的といたしまして業務・運営自主監査委員会というのを設置いたしました。しかしながら、同委員会におきましては、自衛隊の作戦運用といいますか、そういう面からの検討は行わないということでやってまいりましたために、検討対象に限界がございました。したがいまして、そういう点の防衛力の整備、運用の効率化とか合理化を徹底させるためには、やはり業務運営面の検討だけではなくて、もっと幅広く我が国の防衛環境とか統合運用の重要性等を十分考慮して防衛計画の大綱の枠の中で自由な発想に立って創意工夫を凝らした検討をしていく必要があるというふうに考えまして、昭和六十一年五月にこの業務・運営自主監査委員会というものを発展拡大いたしまして防衛改革委員会というのを設置したわけでございます。  ちょっと恐れ入りますが、二枚目の二十三ページの表で全体の組織を若干御説明いたします。  防衛改革委員会というのは、防衛事務次官を委員長にいたしまして、それぞれここに書いたようなメンバーで構成されておりまして、その下に現在四つの研究会及び小委員会を設けております。業務監査小委員会というのが先ほど御説明いたしました業務・運営自主監査委員会の業務をほぼ引き継いでございます。それ以外に洋上防空体制研究会、陸上防衛態勢研究会、自衛官人材育成・確保研究会という合計四つの研究会及び小委員会より構成されております。  それで、恐れ入りますが、二十二ページの、前ページに戻っていただきまして、これらの小委員会及び研究会における検討結果について、あるいは検討状況について御説明いたしますと、まず業務監査小委員会におきましては、現在までのところ七項目の研究結果を得ております。これは六十年十月に発足いたしました後、六十一年一月にガイドラインといいますか、全体の検討計画みたいなものをつくりまして四月に中間報告を行っております。これが業務運営に関する改善検討事項というものを合計三十二項目にわたりまして検討いたしまして、これは後ほど御説明いたしますが、別紙第二に掲げてございます三十二項目の改善検討事項について現在鋭意検討を進めており、したがって、その結果現在までのところ七項目について検討結果を得ておる、こういうのがこの業務監査小委員会の検討状況でございます。  続きまして洋上防空体制研究会でございますが、これは、そもそも最近の航空機の性能向上であるとか長射程の対度ミサイルの出現等を考慮いたしまして、先ほど来御説明に出ておりましたOTHレーダー、早期警戒機、要撃戦闘機、艦艇の対空ミサイルシステム等、いろんな各種装備品の組み合わせによる効率的な洋上防空体制というものを考える必要があるんではないかということで現在研究を進めておるところでございます。  それから、三番目の陸上防衛態勢研究会におきましては、日本の地理的特性であるとか将来の軍事科学技術の動向それから陸上兵器体系の趨勢、こういうものが将来の陸上戦闘様相にいろんな影響を与えてまいりますが、こういういろんな影響等を踏まえまして、最も効率的な陸上防衛態勢のあり方というのはどういうことであろうかというような観点から検討を進めておるわけでございます。その際、現在の日本の置かれております状況からいたしまして、北部日本の防衛というものも考えてみる必要があるのではないか、あるいは作戦基本部隊でございます師団編制のあり方、これは先ほど中期防のところで御説明がございましたように、いろいろ師団の編制のあり方についても含めて検討をする、あるいは諸外国の動向、これは諸外国においても、いろいろ師団のあり方等検討を進めておりますが、そういうものを含めていろいろ基礎的な検討を現在行っておりまして、これも鋭意研究を進めておりまして早く結論を出したいというふうに考えております。  それから、四番目の自衛官人材育成・確保研究会でございますが、これも科学技術の進歩や国際化あるいは価値観の多様化といったような社会のいろんな状況の変化を踏まえまして、自衛隊をめぐる内外の変化に対応し得るような、いろんな問題がございますが、そういう問題に十分対応できるような自衛官を育成、確保し、もって防衛力の重要な要素でございます人的基盤の強化を図るというような考え方に基づいて、現在自衛官人材育成・確保研究会の中において検討を進めておるというような状況でございます。  それで、二十四ページに先ほど御説明いたしました三十二項目の大体全客を掲げてございますが、これは時間がございませんので説明は省略さしていただきますが、基本的には自衛隊の統合の強化とか業務の一元化、あるいは民間能力の活用を図ってはどうか、あるいは組織、定員等の見直し、それから研究開発とか調達、補給、業務、それから施設業務、そういう各般の観点から自衛隊の業務運営についての改善検討を行っておるという状況でございます。  それで、次の二十六ページに、現在までに検討結果の出た項目を掲げてございます。これは全部で七項目ございまして、最初に二十六ページに書いてございますように、統合の強化、業務の一元化ということで、統合訓練に対する調整、関与の強化、これは先ほどもちょっと御説明いたしました「自衛隊の統合教育訓練に関する訓令」の制定、統合教育、統合訓練のあり方等について一元的に訓令を制定して強化を図ったという成果を既に得ております。  それから続きまして、各自衛隊作戦部隊間の作戦通信の円滑化の推進でございますが、これにつきましても、現在の陸海空自衛隊が相互に使っております通信につきましては若干問題がございます。例えば、この2に書いてございますように、レーダーサイトと艦艇との間の相互通信につきましては、現在共通周波数がございませんで、まあ簡単に言いますと直接の通信ができないというふうな状況になっておりますので、こういう点の改善を図る必要がある。あるいは航空自衛隊の航空機と海上自衛隊の艦艇との相互通信につきましても、もっと共通の周波数の拡大が必要だというようなことでございます。  それから三番目には、有事の部隊運用における統合のより一層の充実というふうなことで、これも現在統幕が作成しております年度統合防衛計画あるいは各自衛隊が作成しております年度防衛計画とか警備の基本計画等の双方の整合性といいますか、そういうものをもっと十分詰める必要があるというふうなことで、より一層明確化を図りたいというような検討結果が出ております。  それから四番目に、共同使用駐屯地といいますのは、陸海空のそれぞれの部隊が同一箇所におるような、共同で使っておりますような駐屯地がございますが、そういう共同使用駐屯地におきましてある程度一元的に処理できるものがあるのではないかということで、いろいろ検討いたしました結果、駐屯地の警備についてある程度一元化できるというふうなことで検討を行った結果、現在のところ檜町駐屯地についていろいろ検討いたしましたが、これは檜町庁舎の警備を行うという観点では既に一元化が行われておりますので、改めて一元的な処理を行うために特別の措置をとる必要はないというふうな結論が出たものでございます。  それから厚生業務につきましては、そのうちの共済業務でございますが、これも檜町と市ケ谷につきましては六十三年度から統合を行う必要があるというふうなことで結論を得ておる分でございます。それ以外に六つの駐屯地、稚内とか霞ケ浦、習志野、立川、岐阜、防府等、既に統合されたものもございますが、そのほかにまだ統合されてない駐屯地が幾つかございますので、こういうところについては引き続き検討を行うというふうな結論を得ております。  それから給食業務でございますが、これもいろいろ検討を行いました結果、既に一元的処理を実施しているところもございますが、滑走路がちょうど基地の中間にあってなかなか一元的処理ができないというふうな結論を得たところもございますが、それ以外にも冬季の気象条件が厳しいとか、それぞれ所在している自衛隊の距離といいますか、それが離れているというような理由で思ったように給食についても一元化できないというような結論も出ておりますが、一元化できるものについては九カ所既に一元的処理をしている、それ以外のものについてはいろいろ事情があってできないというような結論を得ております。  それから組織、定員等の見直しにつきましては、地区病院の任務、運営等の見直しということで現在のところ得ました結論は、現在陸海空、それぞれ地区病院という形で陸が七つ、海が五つ、空が二つの十四の地区病院が設置されておりますが、これを現在共同機関として持っております中央病院と同じような運営にいたしまして、共同機関化することによって病院の効率的運用を図るというような結論が出ておりまして、地区病院の共同機関化につきましては昭和六十三年度から実施するというような結論を得たところでございます。  それから続きまして二十九ページでございますが、婦人自衛官の活用ということで、これは、現在自衛隊には、六十年度末でございますが二千七百人の婦人自衛官がおりますが、これを将来は約二倍の五千人にふやしたいということで大体検討結果が出たわけでございます。  それで、婦人自衛官の職種といいますか働く場、そういうところにつきましてもいろいろ検討いたしました結果、職域を現在の開放率三九%から七七%に拡大するというような検討結果を得ております。  その他といたしましてデータバンクシステムの採用ということで、これは情報資料に限ってでございますが、一元的な処理をするということでデータバンクシステム設置計画というのをつくりまして、六十二年度から六カ年計画によってデータバンクシステムをつくってまいりたい、こういう検討結果を得ております。  時間の関係でちょっと駆け足でございましたが、以上で説明を終わらしていただきます。

坂元親男自由民主党

○小委員長(坂元親男君) 以上で説明聴取は終了いたしました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 私の質問は、第一項の中期防衛力整備計画についてという日吉審議官が行った分と、最後の諸冨長官官房総務課長の方から御説明のあった防衛改革委員会の検討内容とに関連すると思いますが、二つ質問をいたしたいと思います。  一つは、中期防衛力整備計画が達成されたならば、その防衛計画の大綱の水準が一応達成されるということになっておりますが、そしてまたその防衛計画の大綱では十分な警戒態勢を保つということ、あるいはしたがって中期防衛力整備計画では、これらに関連して本土防衛能力の向上でありますとか、あるいはまたさらに今検討されておる洋上防空における能力を整備しなければならぬとかいうようなことがあるわけでありますが、中期防衛力整備計画の説明において、中期防衛力整備計画を達成した場合においていかなる問題点が残るかというようなことについては余りお触れになりませんでしたので、その点について質問をいたします。  まず、ミサイルでありますとか、あるいは長距離偵察機、長距離爆撃機に対する防御に関する問題であります。御承知のように、極東ソ連軍は近時単にその核戦手段、ブラフを含みますけれども、単なる核戦手段としてではなくて、通常兵器戦におけるディープアタックといいますか、縦深攻撃のためにもいろんな、御承知のような核、非核両用のショートINFでありますとか、あるいはさらに短い戦術ミサイル、こういうものを極東に強化し、そしてまたさらに逐次近代化をしております。またさらに、航空機の航空戦力の増強においては、長距離の偵察機、長距離の爆撃機の配備、増強、近代化、そしてまたそれの搭載するミサイル、対地ミサイル、あるいはクルージングミサイル、そういうものの増強に努めておるわけでありまして、しかも最近、御承知のように、大変にこれらの長距離航空機の活動は活発化しておるわけでありますが、したがいまして、我が国の防空を良好な状態にする、全きを期するというために、あるいはまた洋上における防空の生きを期するためには、どうしてもこれに対する防御システムをしっかり持たなきゃいけないということになると思いますが、現在の我が国が持っている、あるいは中期防末に整備されてくる能力ではいろんな点が不十分ではないかと、こういうふうに私は見積もっておりますが、まずこれらの早期警戒についてどういうようなことを現在検討しておるか。もし既に検討されておる成果があれば、発表できる範囲内において聞かしていただきたい。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) 我が国の防衛力の整備を考えます場合には、ただいま永野先生の御指摘のように、諸外国の軍事技術の水準の動向を十分に考慮して、これに対応し得るようなものでないといけないということは、もうおっしゃられるとおりでございます。先生御指摘のように、確かに近年の航空機の速度並びに航続距離が増大しているとか、あるいは長射程の対艦ミサイルが出現しているというふうな状況を考えますと、現有しております既存の装備を中心といたしました装備でもって十分にこれらの将来における諸外国の軍事技術の水準に対応し得るものになるだろうかという問題点があろうかと思います。特に我が国の置かれております地理的特性から考えますと、周辺の海域におきます海上交通の安全確保という意味、これは着上陸侵攻に対処するための海上輸送の確保という点も含めまして、これが非常に重要なわけでございますので、私たちとしましては、洋上防空能力の向上を将来に向けて図っていく必要があろうと考えております。  したがいまして、諸冨課長の方からも御説明申し上げましたように、私どもはそういう問題意識を十分持っておりますものでございますから、防衛改革委員会の中の洋上防空体制研究会におきまして、これらの新しい技術的水準に対応し得るためにはどのような装備の組み合わせを行うことがいいのかという研究をしているわけでございます。具体的に申しますと、従来はどちらかといいますと、海上交通は対潜水艦というものに重点を置いたような形での対応策であったかと思いますが、その方面の重要性は依然として変わりませんけれども、それにも増して対空の対応策というものが検討の課題になってこようかと思います。  そういう問題意識を持ちまして、私どもといたしましては、まさに専守防衛に徹する観点から、早期に情報を収集し得る能力、かつ早期に収集しました情報に的確に対応し得る装備がいかなるものがあるかという検討をしているわけでございまして、洋上防空体制研究会での研究の対象といたしましては、例えばOTHレーダーとか早期警戒機とかあるいは要撃戦闘機がどういう性能のものが要請されるか、あるいはどういう量のものが必要となるか、あるいは艦艇の対空ミサイルシステムというものがどういうものがよろしいかという点を、現存いたします各国の装備の性能あるいは将来予想されます性能等を種々検討、勘案いたしまして、その中で総合的にどういうふうに組み合わせることが我が国の防衛にとって最も効率的であるのかというような点の勉強をしているところでございまして、この勉強は中期計画の中でもそういうふうな検討をすることが示唆されておりまして、それに基づきまして研究をしているというのが実情でございます。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 実はきのうの内閣委員会でも同様な質問を防衛庁に対してやったわけですけれども、今おっしゃったAWACSの問題でありますとかあるいはOTHの問題が答弁がありました。  それからもう一つ、今の御答弁は主として洋上防空に絞っての御答弁でしたけれども、洋上防空についても同じ問題でありますけれども、本土防衛につきましても、御承知のようにミサイルのSS20、五千キロというのを除きましてもスケールボード以下、一千キロ以下のかなり長距離のものを持っておるわけでありますし、あるいはクルージングミサイル二千数百キロというものもあるわけですから、これについての早期警戒ということを考えなきゃいけないわけですね。そうしますと、OTHというのは一つの手段として十分考えられますけれども、AWACSあたりは洋上についてはかなり有効であるということになりますけれども、もっとソ連本土、仮にソ連から攻撃してくる場合、ソ連本土からの発射の状況、発進の状況ですね、これを非常に早くつかむ必要があるわけですね。これに対してはどういうようなアーリーウォーニングの措置を検討しなきゃいけないんだろうかということも含めて質問したわけです。  時間がございませんので、第一問についてはそのくらいの御答弁で結構でございますけれども、このミサイル防衛についての警戒組織というのは、もう少し真剣に検討しなきゃいけない。戦略ミサイルに対する防衛のSDI研究に参加するということと並行して戦域的なあるいは戦術的な、しかも核でない非核のミサイルに対する防衛を真剣に検討をしておく必要がある、抑止力を強化するためにはそれが極めて重要であると思いますので、私はそういうふうに申し上げておきたいと思います。  その次は、しからば今度は、そのミサイルに対する直接の防衛を一体どうするのだと。既に洋上防空体系においてはエイジス艦等の検討がなされておると承っておりますが、陸上といいますか本土防空、これは基本的な問題でありますけれども、本土防空については確かにペトリオットの能力をある程度改善すればとりあえずの対ミサイル能力はあるというふうに聞いておりますけれども、一体これについて、今どういう検討がなされておるか。検討中であるなら検討中であるという単純な答えでも結構なんですけれども、この点についてお答えを願います。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) 私は主として洋上防空についてお答えを申し上げたわけでございますが、先生御指摘のように、同じような問題意識は陸上防衛につきましても私どもは持っているわけでございまして、防衛改革委員会の中に作戦機能の研究としまして、あえて洋上防空体制。研究会と並べて、陸上防衛態勢研究会を併置いたしましたのも、まさにそういう問題意識でございまして、陸上防衛態勢研究会の中におきまして同じように、陸上におきます新しい軍事装備によります侵攻に対してどう対応するかというふうな点の研究を進めているところでございます。  なお、これはかなり次元の違った話であろうかと思いますが、現在陸上施設におきます装備そのものは別といたしまして、装備を格納しております格納庫とかそういうようなもの等につきましても、必ずしも抗堪性が十分でないものがございまして、正面装備と後方との間のバランスが必ずしもとれていない点がございます。したがいまして、新しい装備を整備していく、あるいは新しい装備に対応する防御的装備を整備していくとともに、もっと地道に抗堪性を高めていくような措置もあわせてとっていかなければいけない、かように考えておりまして、中期防期間中におきましては、後方支援の関係にも十分力を注いでいきたい、かように考えております。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 抗堪力の向上等も含めて検討されていることは結構でありますけれども、基本的には対ミサイル防御といいますか、防空システムとして対ミサイル防御をどうやるかということを十分に確立する必要があると思いますので、今後の研究推進を希望いたします。  次は、同じく中期防衛力整備計画あるいはそれの基礎になります防衛計画の大綱の性格から来るものでありますが、先ほどの御説明にありましたように、基盤的防衛力を整備をし、有事が見越される場合には所要の状態へ円滑に移行することができるようなものを備えるのである、こういうことになっておりますが、一体中期防衛力整備計画の中で、所要の状態へ円滑に移行するための基盤ということはどういうことを考えられたのでしょうか。  例えばエクスパンションしなきゃいけないようなことを考えて、そのエクスパンションは例えば予備戦力が、このくらい平時から持っておって、こういうふうに現実に戦力化するのだと、その移行はどういうふうにするのだとかいうようなことまで考えられたのでしょうか。それともそうではなくて、ほとんど現状の戦力で有事には戦うんだというような考え方で円滑な移行ということを考えておるのか。つまり即応体制そのものだけを重視した考え方でいかれたのか。これは、その物の整備についても同じことでありますが、その点についてどういうふうにお考えになったんでしょうか。

太田洋次防衛庁防衛局計画官

○説明員(太田洋次君) 今御指摘の有事におきますエクスパンションの問題でございますけれども、まず大綱の基本的な考え方といたしましては、一つのエクスパンション、つまり有事に対応するエクスパンションの基本的な考え方といたしまして、一つは装備につきまして周辺の諸国の軍事科学の技術水準と合わせまして、我が方が相当近代的な兵器をちゃんとそろえておいて、必要があれば有事にそれをふやすように持っていくというようなこともありますし、それからそういう近代的な兵器につきましても、平時から十分教育訓練を行き届かせておくというようなことを考えておりました。  そのほか、先生御指摘のように、実際に有事になったらどういうふうに持っていくかという、そういうものまでも中期の中で考えておるのかということでございますけれども、この点につきましては必ずしも十分でございません。ただ、中期防の中では我が国の地理的な特性を踏まえまして、現在、北海道等に有事になりますれば増援部隊を送らなけりゃいけないというようなことも考えられますが、その場合に備えまして、あらかじめ増援する部隊の戦車等を北海道に配置しておくというようなことで即応態勢を高めるというようなことで、必ずしも十分ではありませんが、御指摘のような点も踏まえまして少しずつ準備をしておるというようなところでございます。

永野茂門自由民主党

○永野茂門君 時間がありませんので質問はこれで打ち切りますが、第二問でお伺いした基盤的防衛力から所要の状態へ移行するという準備も極めて重要であると思いますので、今後の御研さんをお願いいたします。  終わります。

鈴木貞敏自由民主党

○鈴木貞敏君 いろいろ御説明を聞きまして、質問したい項目もあれやこれやとあるわけですが、私は、時間もあれでございますので、今永野議員のお尋ねしましたいわば正面装備といいますか、そういった面を省きまして、むしろ後方、ロジスティック的な面、あるいは人事的な面になりましょうか、そういう面から、どなたになるのかあれですが、お伺いしたいわけでございます。  それにしろ、ざっと今お伺いした中で私非常に意外であったのは、この十六ページの指揮通信の現状という面におきまして、いわゆる単線しかないというマイクロ回線でございますが、当然複線になっているだろうというふうに素人的に思っておりましたが、まだ単線である。これを太平洋側に複線にする、こういうふうな御説明を聞いたわけですが、これは一体何年計画で、いつ完成するのかということを一つお伺いしておきたいと思います。  それから、そういう面で自衛隊というのは国民のために国民とともにある自衛隊でなくちゃいかぬということでございますが、今この日本が、いわば陸続きでない島国であるというふうな点、あるいは敗戦、そしてまた今までずっと平和であるというふうないろいろの要素から、率直に言って防衛問題に対する国民の意識というのが拒否的であったり無関心であったり、こういう要素が非常に強いと思うわけでございますが、それだけに防衛庁の幹部の方初め、いろいろ隊員の士気の問題、そういった点に千々に心を砕いておるんじゃなかろうかと、こういうふうに思うわけでございますが、そういう面でやはり何といっても立派な隊員を採用する、そして徹底して訓練していくということが何よりも肝要であろうと思うわけでございます。  それにしましても、第一にお伺いしたいのは、いろいろ白書を読ませていただきましても、国民との接触というか国民生活への貢献というか、そういう面でいろいろ御配慮されているという点がうかがわれるわけでございますが、ボランタリー的にいろいろの組織があると思うんです。  私も国をずっと回りまして、父兄会とかあるいは隊友会でございますか、こういう組織のいろいろな方とお会いしました。したがって、ボランタリーな、自衛隊員の士気を鼓舞するというか隊員を激励するような、そういう組織というのはどういうものがあるのか、これをひとつ簡単にお願いしたい。  それから、いろいろ体験入隊というんですか、これも白書を見ますと、体験搭乗とか体験航海とか体験入隊とか、いろいろの種類があるようですが、何日ぐらい、どんな内容でやられておるのか、この辺をひとつお伺いしたい。簡単でよろしゅうございますが、その点をお伺いします。  それから、先ほどの御説明で、募集の問題で婦人自衛官ですか、のあれが五千人規模になる、こういうことでございました。婦人自衛官の採用をだんだん拡大していくということでございますが、一体、今現状として、相当職種を開放するというわけですが、実際評価がどうなのか、そしてまた、何歳ぐらいまでやるのか。そしてまた、婦人自衛官は異動、結婚、そういった面でのいろいろの制約があろうかと思いますが、そういう面の隘路というものはどんなものであるかということ。  それに関連しまして、全体的な問題ですが、質のいい隊員を採る、そのための全国的な努力、連絡部等でやられているわけでございますが、今倍率がどのくらいになっておるのかという点をひとつ第一点として、非常にあちらこちらになりましたけれども、お伺いしたい。よろしくどうぞ。

早矢仕哲夫防衛庁装備局通信課長

○説明員(早矢仕哲夫君) 初めにお尋ねの防衛マイクロルートの新規ルートの建設に何年かかるか、いつ終わるんだというお話でございますけれども、防衛庁としての研究会で考えております計画でございますけれども、IDDNの計画につきましては六十二年度から七十二年度の十一年間、この十一年間におきまして新しいルートの建設、それから、現行のルートのディジタル化という問題、ほかに衛星等の問題もございますけれども、そういうものも含めまして十一年間で整備していきたいという計画を持っております。

鈴木正孝防衛庁長官官房広報課長

○説明員(鈴木正孝君) お答えいたします。  最初に、ボランティア組織につきましてお尋ねがございますので御説明申し上げたいと思いますが、ボランティア組織といいましてもいろいろと概念的に定かではないところございますが、例えば、自衛隊の各駐屯地等を中心といたしまして防衛協力会であるとか、あるいは自衛隊協力会のような任意の団体がございます。それ以外にも先ほど先生お話ございました隊友会とか、それから父兄会とかその種のものもございます。その内容といたしましては主として防衛意識の普及高揚のようなものを中心といたしまして自衛隊の激励、支援等でございまして、いろいろと部隊でやっております行事の支援、それから、隊員の激励あるいは募集協力あるいは就職援護等につきましてのお世話というような、そういうことをいろいろと御支援していただいているというような状況でございます。  それから、二番目に体験入隊のお尋ねがございますので、これにつきましても自衛隊の現況等いろいろと国民の皆様に直接知っていただく、直接目で見て肌で感じていただくということは大変意義のあることでございますので、私どもといたしましても可能な限り各種の広報活動の中で体験入隊というものを位置づけまして、非常に意を配りながらやっているというようなことでございます。これにつきましても、若干の時日をかけます二、三日くらいの体験入隊、生活体験をしていただく、そういうような体験入隊的なものもございますし、一日で朝行って夕方帰るような、そういうものもございます。それから、航空機とか艦艇とかあるいは車両等にも乗っていただくというような、そういう体験搭乗的なものもございます。  内容的には自衛隊の現況の説明等をやりまして、あるいは隊内の見学、装備品の見学あるいは広報映画等をここでごらんになっていただくというようなことを通じましていろいろと企画してやっているというのが実情でございます。大体年間生活体験的な事柄で限ってみますと八万人程度くらいの方々が自衛隊の中でその種の体験をしていただいている、そういう状況でございます。

小澤毅防衛庁人事局人事第二課長

○説明員(小澤毅君) ただいま先生の方から御質問のございました婦人自衛官の活用関係と募集関係についてお答えいたします。  まず、婦人自衛官の関係でございますけれども、御承知のように近年我が国におきましても女性があらゆる分野への参加が促進されているということ、また諸外国におきましても女子の職域が次第に拡大されつつある、そういうことにかんがみまして、自衛隊におきましても積極的に婦人を登用するということで、今回五千人体制ということを打ち出したわけでございます。その場合におきます職域につきましては、婦人自衛官の配置が望ましくない直接戦闘にかかわる職域、また大きな肉体的負担を伴う職域、これについてはもちろん原則的に配置しないことにしておりますが、そのほかの職域につきましては、先ほど防衛改革委員会の御説明にもございましたように、職域の開放率を、検討前では三九%でございましたものを七七%ぐらいまでに拡大していきたいというふうに考えております。  その開放いたしたいと考えております主な職域といたしましては、航空職種の整備関係の仕事、また航空管制関係、海上自衛隊の航海の関係、また航空自衛隊関係につきましては、ナイキ、また機上無線、要撃管制等の職域、このように幅広く職域の開放を考えていきたいというふうに思っております。  防衛庁といたしまして、個々の婦人自衛官の能力、適性を踏まえまして、今後とも各年度におまましては婦人自衛官の隊舎など受け入れ体制を整備しつつ職域の拡大、人員、規模の拡大について努力していきたいというふうに思っております。  また、ただいま先生の方から御指摘がございましたように、婦人自衛官の拡大につきましては、その陸路となりますのはやはり結婚、出産というようなものでございますので、この辺の対策についてもきめ細かい対応をしてまいりたいというふうに考えております。  第二点の募集の関係について申し上げます。  六十一年度におきましては防衛庁におきまして全体で二万二千八百八十九名の隊員を採用してございます。そのうち、大多数を占めますのが二等陸海空士の男子の募集でございます。これにつきましては、応募者が四万六千六十八名ございまして、そのうち一万九千百五十一名を採用しております。したがいまして、倍率は約二・四倍というふうな格好で推移しております。なお、昨年度、六十年度におきましては二・二倍ということでございましたので、倍率は多少アップしているという状況でございます。  そして、良質隊員の確保ということは、これはもちろん先生御指摘を待つまでもなく防衛庁としても努力しているところでございますが、ただどのような者をもって質が良質がというふうな具体的な手法というのはなかなか難しゅうございますが、一つの目安といたしまして、新規に高等学校を卒業した者がどの程度入っているかということで見てみますと、本年度、六十二年の三月に卒業いたしました二等陸海空士の採用の数は一万二千三百四十一名で、昨年度より約二千名ほどふえているという状況でございます。今後とも募集体制の整備充実に努めて、良質隊員の確保については努力してまいりたいというふうに考えております。

鈴木貞敏自由民主党

○鈴木貞敏君 今の関連でちょっとあれでございますが、婦人自衛官の問題、テレビ等で見ますと、アメリカあたりは男子と同じような相当きつい訓練をやっているようなのを見た記憶があるんですが、いわば職種を開放するといっても、ああいうアメリカ並みには到底いかない、どっちかというと通信とか整備とかいわゆる戦闘部隊というそういうあれじゃないということで、諸外国と比べてどういう状況でございますか。

小澤毅防衛庁人事局人事第二課長

○説明員(小澤毅君) 諸外国の軍隊の状況でございますけれども、これについては詳細な資料というものは我々まだ持っておらないわけでございますけれども、例えば米国においては、輸送機のパイロットや非戦闘の艦艇などでは女性の軍人が活躍しているというふうなことは聞いております。またフランスにおきましては、女性軍人の職域が陸軍は歩兵まで開放されていると。また、空軍においては輸送機のパイロットまで拡大され、海軍においては戦闘艦の乗り組みについても試験的に今勤務している状況であるというふうに承知してございます。

鈴木貞敏自由民主党

○鈴木貞敏君 階級で婦人自衛官どんな人が一番階級が上の人いるんですか。

小澤毅防衛庁人事局人事第二課長

○説明員(小澤毅君) 現在一佐が最高の……

鈴木貞敏自由民主党

○鈴木貞敏君 一佐でございますか。

小澤毅防衛庁人事局人事第二課長

○説明員(小澤毅君) はい。

鈴木貞敏自由民主党

○鈴木貞敏君 ありがとうございました。  先ほどの体験入学での御説明で、一体本当に防衛庁、自衛隊をわかってもらうためには、一日日帰りの体験入学なんていうのは飯食べてすぐ帰るような状況だろうと思うんですけれども、やはり本当に自衛隊のあれを知るためには何日ぐらい、どんなことをするのを防衛庁としては頭に描いておるんですか。

鈴木正孝防衛庁長官官房広報課長

○説明員(鈴木正孝君) お答えいたします。  体験入隊につきましては、先生今おっしゃいましたように、十二分に時間をかけて部隊の中で体験をしていただくということが、これもまた一つの観点で見ますと大変意味のあることだろうというふうに思うわけでございますが、部隊側から、我々の方からまた見てみますと、隊務に支障のない範囲ということも一つございます。したがいまして、何日をもってよしとするというような絶対的なその基準というものはなかなか立てにくいものでございますが、できるだけ滞在型といいましょうか、泊まっていただいて直接いろいろと隊員等々とも懇談をしていただきながら体験していただくということが、ある意味におきまして大変効果的だろうと思っておるわけでございますが、それにつきましても、先ほどお話ししましたような、隊務、私どもの方の部隊運営上の支障ということもございますし、それから受け入れ人員の規模あるいは個々の方々の御希望というようなこともございますので、大体数日、二、三日から三、四日くらいが限界だろうというふうに思っております。  それから、一日体験といいましょうか、朝、来隊していただきまして、それから部隊のいろいろなものを見ていただいていろいろと懇談していただいて、基本動作的なことをいろいろと体験していただくとか、そういうような、あるいは体験搭乗的なこともやっていただくというようなことであれば、それなりに効果はあるというふうに私どもは思っております。それから、体験された方々の多くが、いろいろと感想を帰りがけにおっしゃっていくようなことが多いわけでございますが、その中でもやはり、部隊に来てよかった、これによって非常にこういうものが近くに感ずるという、そういうようなことをおっしゃっている方も相当多いやに聞いておりまして、私どもといたしましても、できるだけ隊務に支障のない範囲で体験をしていただくということが望ましいことだというふうに思っております。

鈴木貞敏自由民主党

○鈴木貞敏君 時間もあれでございますが、先ほど来の質のいい自衛官を募集する、そしてまた、いい人がどんどん自衛隊に来てもらうというためには、何といっても処遇をやはりそれ相応に考えていかなくちゃならぬということは当然でございますが、先ほど来のお話を伺って、特に宿舎関係、そういった面について、隊内外のいろいろの実情についてお話ありました。御説明の中で、一段ベッドとか非常に狭いとかそういう実情、これを何とか年次的に解消していくというふうな御努力をされているわけでございますが、やはり短、長期的にこういった宿舎の居住環境の問題をひとつ十分力を注いでいただくということをお願いしたいわけです。  何といっても勤務と住居が一緒でございますし、今の若い人は恐らくプライバシーとかそういうことで、やはりひとりを楽しむというとおかしいんですが、勉強部屋とかあるいは学習室とかそういうところを含んで、寝るところと違ったところで勉強する場が欲しいとか、やはりプライバシーを守ってもらうような居住環境が欲しい、こういう意欲というか気持ちが非常に強い時代の流れだと思いますので、そういう面を含んで居住環境の改善につきまして、また特段の御努力をお願いしたい、こう思うわけでございます。  また、長期的には恐らく年金問題というのがやはり処遇と絡んで大きな問題であろうと思いますが、これは堀江先生を長としていろいろの面で研究されているということも聞いております。こういった短、中期的及び長期的ないろいろの問題が山積していると思うわけでございますが、隊員が安心して職務を遂行できるようにいろいろまた御努力願いたいということをお願いいたしまして、質問を終わらせていただきます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 持ち時間が少ないので単刀直入にお伺いいたしますが、まず八七年度の予算に関連してであります。  今、現行の円レート、円はもっと上がるかもしれませんが、例えば百四十円で計算した場合、防衛関係費は幾らになりますか。  続いて、関連をして、NATO方式ですね、この中身についてもいろいろと食い違いをするところがあるわけですが、例えば軍人恩給や海上保安庁費などを加えると、ドル計算でどのくらいになりますか。後段申し上げたことは、GNP比何%になりますか。

五十嵐貞一防衛庁経理局会計課長

○説明員(五十嵐貞一君) お答え申し上げます。  まず、六十二年度予算の中にいわゆる外貨関連の経費と申しますものが、全部で二千二百三十八億円ほど計上されております。このうちドル分が二千九十六億円でございます。これの積算につきましては、予算編成の時点で大蔵省の方で統一的に予算積算レート、これは支出官レートと同じでございますけれども、そういうものをそのときの外国為替市場の動向等を勘案して決めるわけでございます。六十二年度予算について申し上げますと、ドルについては百六十三円ということで……

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そういうことはわかっていますから、結論だけ言ってください。

五十嵐貞一防衛庁経理局会計課長

○説明員(五十嵐貞一君) はい。そこで、実は外国為替相場につきましては、年度途中で先生御存じのように非常に大きな変動をいたします。それは非常に変動がいろいろありますものですから、その外貨関連経費に相場が動いたらどういう影響を及ぼすかということについてはなかなか見通しが困難なわけでございます。  それで先生の御指摘は、現在相場が百四十円前後であるので、それでもって計算をしたらどうなるかという御指摘なんだろうと思うのでございますけれども、私どもといたしましては、この百六十三円が実際の各年度途中で為替相場が動いたことによってどういう変動が出てくるかということは、これはもっぱら予算執行の段階の問題であって、これが当初予算については影響を及ぼさないというふうに考えているところでございます。したがいまして、百四十円だったらどうかという御質問につきましてはちょっと、大変恐縮なんでございますけれども……

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そんな抽象的なことじゃなくて、予算委員会でも取り上げた問題ですから私は確認をしておくんですから、単刀直入に答えてくださいよ。

五十嵐貞一防衛庁経理局会計課長

○説明員(五十嵐貞一君) 大変申しわけないのでございますけれども、為替相場が非常に不確定な要因、執行の時点がいつになるかとか非常に不確定なものですから、今の為替相場で外貨相当分が幾らになるかということを試算申し上げるというのは非常に難しいというところを御理解いただきたいと思うのでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 ですから、私はそういうことを聞くためにあなたのところにこういうことをお聞きしますからと質問要求してあるわけなんですがね。答えることできないですか、二番目の問題。

五十嵐貞一防衛庁経理局会計課長

○説明員(五十嵐貞一君) 二番目の問題でございますけれども、NATO定義でございますですね。  NATO定義につきましては先生もう御案内だと思いますけれども、NATO諸国が共通の基準で国防努力の状況を見ようということで基準をつくっているわけでございますが、この定義そのものにつきましては、中身はNATO秘となっておりまして、なかなかよくわからない面がございます。  私ども従来そうはいってもいろんなチャネルを通じましてその調査をしたりなんかしておりまして、大体こんなものなのかなというところの概要をつかんだところでございますけれども、それによりますと職業軍人の恩給費、これについてはNATO定義の中に含まれるであろう。戦争被害の補償といった、例えば傷病年金とか寡婦手当とか、そういったものはどうも含まれない。それから、沿岸警備隊等準軍隊につきましては、これはどうも原則としては含まれないのではないかというふうに想像いたしております。  この想像に基づきまして、仮に日本の実情でもってやってみるとどういうことになるであろうかということを申し上げますと、六十二年度の防衛関係費、御案内のとおり三兆五千百七十四億でございますけれども、恐らく今申し上げましたような定義からいたしますと、予算の中の旧軍人遺族等恩給費の……

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 細かいことはいいですから、時間が私は二十分しかないんですから、その計算した結論でいいですよ。

五十嵐貞一防衛庁経理局会計課長

○説明員(五十嵐貞一君) その中の普通恩給と普通扶助料、これが約七千四百億ございます。これを足しますと大体GNP比が一・二程度になろうかと試算しております。これは推測でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 その金額は。

五十嵐貞一防衛庁経理局会計課長

○説明員(五十嵐貞一君) 金額は四兆二千六百億円ぐらいだと思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そうすると、GNP比一・二%になり四兆何がしになると、日本の防衛費はまだ低いというふうに言われておるんですけれども、こういう計算でいくと、アメリカあるいはソビエトがどれくらいかは別といたしまして、に次いで世界で第三位ぐらいになるのではないか、そのように認識いたしますけれども、よろしいでしょうか。

五十嵐貞一防衛庁経理局会計課長

○説明員(五十嵐貞一君) 現時点で厳密な国際比較というのは、各国の公表国防費が必ずしも明確でございません。非常に粗っぽく現在一九八四年度につきまして英国の国際戦略研究所がミリタリーバランスに掲上している数字がございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 それも承知していますから。

五十嵐貞一防衛庁経理局会計課長

○説明員(五十嵐貞一君) そこで問題は、円がドルに対して強くなっております。他方、例えばイギリスのポンドとか、あるいはフランス・フランとか西独マルク、こういったものにつきましてもやはり対ドルではかなりの程度上昇いたしております。したがって、その辺を織り込みますと、例えば英、独、仏との対比で申しますと、日本の防衛関係費はまだ低い水準にあるのではないかと推測いたしております。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 それは私と見解の違いです。  次に、今お話しがあった防衛関係費、三兆五千百七十四億のうち売上税相当分は幾ら含まれていますか。金額だけで結構です。

五十嵐貞一防衛庁経理局会計課長

○説明員(五十嵐貞一君) 売上税でございますけれども、売上税として積算上予算計上をいたしました金額は九十三億円でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 売上税が不要になりますと、GNP比はどのぐらいになりますか。

五十嵐貞一防衛庁経理局会計課長

○説明員(五十嵐貞一君) 大変これも申しわけないんでございますけれども、今税制改革の問題につきましては衆議院議長のあっせんによって協議会が……

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そんなことを聞いているんじゃないですよ。私は売上税が不要になった場合にはどうなのかと。

五十嵐貞一防衛庁経理局会計課長

○説明員(五十嵐貞一君) 税制改正を御協議いただいているところでございますので、大変申しわけないんでございますけれども、そういった試算をいたしますことはちょっと御勘弁をいただきたいと、そういうことで。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 わかりました。そんなことは引けばわかることじゃないですか、予算から。だから、時間がないときにはもう少しきちっと答えてくださいよ。  次に、洋上防空について伺いますが、洋上防空が非常に重要であるということで、特に中期計画の目玉にもなっておるというふうに思います。  先ほど来お話がありましたように、このあり方等については改革委員会でも検討してという答えですが、そこで洋上防空を充実しなければならない理由、目的は何か。具体的に申し上げますならば、洋上防空と米軍との関係はどうなるのか。それから、それに備えての共同訓練等も想定をされておられるのかどうか、そのことについてお伺いしたい。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) 先ほどお答え申し上げましたことと重複するところもあろうかと思いますが、我が国が四面海に囲まれているという観点から申しまして、海上交通の確保ということが我が国の存立、安定を確保する上で極めて重要でございます。  その重要性は過去からずっと変わっていないわけでございますが、その場合に、従来は先ほども申し上げましたように海上交通を確保するという場合には、主としてといいますと若干語弊があるのかもしれませんけれども、潜水艦等によります攻撃にかなりのウエートを割いた形で防御体制をとる必要があったかと思いますけれども、最近におきましては諸外国の航空機の速度なりあるい拡航続距離が増大してきた、あるいは長射程の対艦ミサイルが出現してきたということで対空防御体制を強固にしないといけないという問題意識がございまして、そういうところから洋上防空体制の強化を図らないといけないという、こういう問題意識があるわけでございます。  それで、私どもはあくまでも専守防衛でございますので、これは私ども独自が、日本国独自が日本の海上交通の安全を確保するためにはどういう装備体系がよろしいかということで研究しているわけでございまして、日米共同対処をいたします場合にも、それはあくまでも日本の防衛の観点から米軍の来援を受け共同対処をしてもらわないといけない場合にどういうことになろうかという、その洋上防空研究の結果が出ました後で出てくるような問題でございまして、当初から日米共同対処を前提といたしました形で私どもは洋上防空体制研究会で研究をしているわけではございません。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 そこで、今研究はしておらないということでありますが、例えば有事の際、米空母機動部隊だとかあるいは上陸作戦部隊を日本の洋上防空を強めることによって守っていくというか共同行動をとっていく。あるいはその前方を守っていく、洋上防空によって整備された自衛隊のエイジス艦なりその他のものが回ってくる、そういうようなことはあり得ないですか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) 具体的な現実の戦闘場面を想定いたしました場合には、現実にどのような戦闘場面が現出されるか、すべての場合につきまして想定することは困難でございますので、明確なお答えを申し上げることは困難でございますが、先ほども申し上げましたように私どもはあくまでも日本の国土及び財産、生命の安全を確保する意味での海上交通の確保を図るということでございますので、一つは不幸にして着上陸侵攻が行われる場合に、その着上陸侵攻に対処するための我が方の艦艇、その場合にもし米軍の来援を仰いでおりまして、我が方の艦艇とともに米軍の艦艇もそれに向かっているというようなことになりました場合に、それに対処するための洋上防空ということでは、あるいは副次的に米軍の艦艇を守るというような場合もあり得ないことはないかと思いますけれども、私どもはあくまでもそれは日本国土に対する着上陸侵攻に対処する我が方艦艇、船舶の輸送を安全ならしめるために対応するということであり、なおもう一保つの局面といたしましては、海外にたくさんの物資を依存しております我が方の船舶が海上主要航路を安全に航行し得るように、我が方の艦艇なりあるいは航空機が、船団といいますか、海上輸送の防護に当たるというのが主目的でございまして、私どもは来援を仰ぎます米軍の艦艇をそもそも守ることを第一義的な目的といたしましてこういうふうな洋上防空体制の強化なり充実を図ろうという研究をしているわけではございません。  ただ、今も申しましたように、具体的な現実の戦闘局面というものは極めて複雑な様相を呈してくることになろうかと思いますので、私が今申しましたような形での御説明しかでき得ないのではないかと思いますけれども、私どもはあくまでも日本の海上交通の確保ということが主目的であることははっきり申し上げられると思います。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 研究の基本についてはわかったわけでありますけれども、洋上防空はさらに整備充実をしていくということになると、相手のミサイル攻撃なんかにも対抗できるように結局はしなければならないようなところまで進んでくるというふうに思うんですが、これが進んでくれば洋上撃破ということにもなってくる。そうなると、私が心配することは、専守防衛だとか大網の範囲から逸脱してくるのではないか、そういうことも心配するんですが、そういうことはありませんね、確認だけちょっと。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) それは絶対ございませんで、まさに冒頭に申しましたように高速長距離の行動距離を持った爆撃機といいますか、そういうふうなものが発達してきている、長射程のミサイルが発達してきている、そういうようなものにあくまでも防御的に有効な対応する体制を研究しているということでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 それから、日米の共同訓練、今後とも積極的に実施をしていくというふうな御説明があったわけでありますが、八六年十二月、統合幕僚会議と在日米軍司令官との間でシーレーン防衛共同計画をまとめられたということが報道されておりますが、その概要について御説明できませんか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) この研究は五十二年の日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインという略称で言われておりますが、それに示されております基本的な制約条件、構想の範囲内において、我が国に武力攻撃がなされた場合に、シーレーン防衛のための日米共同対処をいかに行うのが効果的かということを研究の目的として実施したものでございます。そういう目的で、必要な範囲で、脅威あるいはシナリオ、投入兵力というものを一定の前提を置きましてそれを設定いたしまして、そうしまして今私申しましたガイドラインに基づきます制約のもとで、またガイドラインに決められております基本的な共同作戦要領をもとにいたしまして検討をしたわけでございます。  それらの検討をするときにどのような作戦を前提としたかということでございますが、四つのパターンを想定したわけでございます。  一つは、我が国の船舶に対する潜水艦及び航空機による攻撃の場合。それからもう一つは、我が国の主要港湾等に対します機雷敷設による攻撃がある場合。三つ目は、我が国の防衛施設等に対する航空機による攻撃がある場合。四つ目は、海峡の要域確保のための着上陸侵攻がある場合。こういう四つの場面を想定いたしまして検討したわけでございますが、これらの侵攻に対しまして日米が共同しまして哨戒、護衛、防空、洋上阻止、港湾、海峡の防備、これら各種の作戦を行いまして、それらの累積効果によって海上交通の安全を確保するとした場合に、日米の兵力で果たしてどの程度シーレーン防衛の目的というものが達成されるかということを検証してみたわけでございまして、それなりの結果が出てきたということでございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 その研究を実戦に移していくような場合、集団的自衛権の行使につながってくるのではないかというこういう心配を持っている人もあるんですが、これについてはどういうふうに考えますか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) 先ほどから申し上げておりますように、私どもはまさに専守防衛でございまして、憲法上も集団的自衛権は認められていないという解釈に立っておりますので、我が領域が侵攻を受けていない場合、我が国が侵攻を受けていない場合に、他国の侵攻に対して集団的自衛権を発動いたしまして我が国が支援活動をするというようなことは決して考えておりませんで、したがいまして、この研究もあくまでも我が国が具体的に現実に侵略を受けた場合、侵略された場合を想定いたしましての研究でございます。

村沢牧日本社会党・護憲共同

○村沢牧君 もう一点だけ。  それで、日米防衛協力のための指針、いわゆるおっしゃったガイドラインですね、これは法的な拘束力を持つものであるかどうか。ガイドラインというのは、あくまで指針であって、政府間の協定ではない、拘束力はないというふうに理解をしていいのか。つまり、各国の判断にゆだねられるものであるというふうに理解してよろしいですか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) これはガイドラインそのものに明記されておりまして、そもそも事前協議に関する諸問題とか、日本の憲法上の制約に関する諸問題及び非核三原則は研究、協議の対象としないと。かつ研究、協議の結論は、両国政府の立法、予算ないし行政上の措置を義務づけるものではないというふうになっております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 時間がありませんので、単刀直入に御質問をいたしますが、さっきの御報告の中期防衛力整備計画についてというのと、それから最後の防衛改革委員会の検討内容に関連した質問を二、三やりたいと思います。  まず、この報告の中にも次期支援戦闘機の問題、その後継機、次期支援戦闘機に関する検討結果によって主要装備の作戦用航空機の数が変更するということが書いてあるんですが、まさにこのFSXの問題というのが今政治的にも日米間でも非常に大詰めの段階を迎えているわけです。まあ結局、アメリカの方は最近、貿易アンバランスというふうな問題と絡めて、F16とかF18をそっくり買えというふうなことの要求をかなり露骨にしてきているということが報じられておるし、日本側は、もともとは自主開発ということを言っておったのが、最近はF15の改造型で何か日米両国の妥協を図るというふうな報道もあるわけで、どういう機種を選定するかというのはこれは非常に防衛庁としては最高の政策決定の問題でしょうから、今それをお聞きしてもお答えできないだろうと思うんですけれども、今までの経過と、基本的に防衛庁として、私の考えではやっぱりこういうものはあくまで日米関係いろいろの問題あるにしても自主的に判断をして買う、考えるということであるべきだと思うんですけれども、基本的にどういう考え方でこのFSXの選定の問題に取り組んでいるのか、その方針をまずお聞きしたいと思います。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) 次期支援戦闘機いわゆるFSXでございますが、これは先生ただいま御指摘のように、中期防におきまして支援戦闘機の後継機に関し「別途検討の上、必要な措置を講ずる。」というふうに決定されております。それを受けまして、防衛庁といたしましてはFSXの具体的機種選定作業を開始したわけでございますが、私どもは当初から国内開発を前提としていたわけではございませんで、国内開発、現有機の転用及び外国機の導入という三つの選択肢について検討を進めてきたわけでございますが、ただいま先生からも若干御指摘がございましたが、この過程で米国から共同開発の提案がございましたものですから、私どもは三つの選択肢の国内開発としておりましたこの国内開発を、共同開発も含む開発という選択肢に改めまして、そういたしましてこの開発と現有機の転用と外国機の導入、この三つについて、どれが最も我が国にとって有効であるかを検討しているところでございます。  なお、先生が若干御指摘になりましたけれども、確かに米国の国民の中あるいは米国議会の一部の方々には米国機の導入に積極的な御意見をお持ちの方がいらっしゃるのは事実でございますけれども、米国政府といたしましては軍事技術、専門的な事項についての意見を我々と交換はいたしておりますけれども、これはあくまでも日本政府が自主的に最善と思うものを決定すべきであるという考えを持っております。それで、私どもといたしましては、しからばどうするかということでございますが、これはまさに自主的かつ公正に決めないといけないと思います。  その場合に重要視すべきことは、これは国会でもあるいは申し上げたかと思いますが、栗原防衛庁長官が三つの原則を立てていらっしゃいまして、一つは、防衛上の技術、専門的見地から我が国の防衛にとって客観的に最善のものを選定すること。二つ目は、日米防衛協力体制の重要性を踏まえること。それから三つ目は、内外の防衛産業の影響を排除する必要があること。こういう三原則のもとに、日本の防衛上最も有効な航空機はいかなるものかということを検討し、決定をしたいと、かように考えております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 私が基本的にどういう原則でということを言った中には、どうも今防衛庁が要求されておるこの支援戦闘機の能力というものについて、いまだ世界に存在しないような非常に高い能力を要求をしているというふうな報道があるわけですね。それで、結局今のF15改というふうなことを考えた場合に、要撃戦闘機との互換性というようなものも考えておるというふうなことも考えられるわけなんですけれども、要するに、一方において先ほどから議論に出ている専守防衛という立場から、あるいはまたそのコストの問題ですね、要撃戦闘機よりも支援戦闘機は安いのが原則だと僕らは思うんだけれども、そういうふうなことから、最近のどうも防衛庁のこの支援戦闘機に対する考え方は、シーレーン防衛などとの問題とも関連をして、単なる領域内での侵略撃破とか水際での撃退というようなことよりも、むしろ渡洋爆撃的なものを考えているんではないかというふうに受け取られる節さえあるわけなんで、それぐらいの能力を今度のFSXに持たせるというふうなことをお考えなのかどうか、その辺のところをお聞きしたいんです。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) FSXに私どもが期待いたしております要求性能の具体的な内容につきましては、事柄の性質上御説明申し上げることは差し控えさしていただきたいと思いますが、そもそもこの支援戦闘機は、現在ございます支援戦闘機のF1が七十年代に入りますと減勢してまいります。それに代替いたします、十年先から、十年あるいは二十年にわたって使用することを前提といたしました支援戦闘機でございますので、そのときに十分支援戦闘機としての能力を有するものでないといけないという観点から、まず私どもの要求性能の点についての御理解をいただきたいと思います。  それからもう一点は、我が国の地理的特性でございますけれども、非常に、海に囲まれ、かつ東西南北に細長いところにおきまして、かつ経済的国力から考えまして、ある程度の要撃戦闘機との互換性を持ったものでないといけない面がございます。やはり経済的効率性等を考えますと、トータルとしての機数にはおのずから制限があろうかと思います。無限にそれぞれ単能機といいますか、シングルのパーパスを持ったものを機数をそろえるというようなものでございませんので、そこらあたりはまさに費用対効果の観点からの検討が必要かと思いますが、そういう点を種々検討した結果の要求性能でございまして、決して専守防衛の線を逸脱したような過大な要求性能を私たちは期待している、要求しているというものではないと、かようにお答えできると思います。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 次に、シーレーン防衛に関連して、アメリカのことしの国防報告、シーレーンという言葉が消えて、シーラインズオブコミュニケーション、SLOCという表現が使われておりますね。SLOCという言葉はもともとアメリカは、日本のシーレーン防衛論が出てきたときにSLOCという言葉を使っておって、これとシーレーンというのとは一体どこが違うんだということを国会でも私取り上げたことがあるんですけれども、専門家に言わせると、SLOCというのは国の有事において国が生存上または戦争遂行上確保しなければならない海上連絡交通路、つまり戦線の作戦部隊と根拠地を結ぶ兵たん連絡海上交通路というふうな定義があるわけですね。  日本のシーレーン防衛論というのは、防衛庁が今まで言っていたのは、もっぱら海上交通路だとか、つまり資源や食糧の円滑な入手のための民生、産業面というかな、そういうものを強調したような解釈をとっておったわけですけれども、もしアメリカがそのシーレーン防衛と言っているものはつまりSLOCだということになってくると、そこに解釈の食い違いが出てくるではないかというふうに思うんですね。まさにこれが今のシーレーン防衛論の一つの問題点でもあると思うんですけれども、一体どこが違うのか、同じなのか、その辺はどうお考えでしょうか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) シーレーンという言葉とSLOCという言葉、用語の定義でございますが、これは必ずしも明確なものがあるわけではございません。先生ただいま御指摘のように、今回出されました米国の国防報告におきましては、SLOCという言葉が用いられているのは事実でございます。その解釈につきましては、確かに先生ただいま御指摘のように、ある場合におきましては、どちらかといいますとSLOCといいますものは、兵たん連絡海上交通防護といいますか、そういう観点のニュアンスが強く、シーレーンといいますのは、民生海上交通防護といいますか、そういう観点が、ニュアンスが強いように受け取られる向きもある場合がございますけれども、それは必ずしも正確な定義に基づいてそういうことではないと思います。  したがいまして、この点は私どもといたしましては、決して日本のシーレーンを兵たん連絡海上交通をもっぱら主にするものとして理解しているわけではございませんし、なおかつ本年になりましてから、アメリカの国防関係者が発言をいたしております例、例えばアーミテージ国防次官補が議会で発言をしている例とか、あるいは大統領国家安全保障戦略報告の文書、こういうふうなものを見ますと、これはいずれも本年に、一九八八年度ということで、アメリカの会計年度はちょっと違っておりますので、発言がなされているわけでございますが、それらにはそれぞれシーレーンという言葉がやはり用いられております。したがいまして、ここは先生が今御心配のような狭い意味での使い分けで記述されているのではないのではないか、かように考えております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 さっきの質問でシーレーン日米共同研究の問題が出ておりましたけれども、さっきの説明では、いわゆる想定の前提ですね、それについての説明が抜けておったと思うんですが、つまりこの新聞の方、これは全体が秘密になっているわけだから我々も全容はつかめないわけで困るんですけれども、新聞の報道によると、中東方面などで起きた米ソの軍事衝突が極東に波及した場合という前提がついて、それに対して日米共同対処という形になっているというふうに報道されておるわけですね。それが事実かどうかということと、それからもう一つ、これは読売新聞ですけれども、読売新聞がこの内容という、一部だろうと思うんですけれども報道をいたしましたときに書いてありましたのは、来援部隊を寡少に設定しているんではないかとか、あるいはまた、対日指向兵力、ソ連の、それを過大に見ているんではないかとかというような指摘があって、結果的には共同研究は大体半分ぐらい、四、五〇%やられる、それからシーレーンにおいても被害がそのくらいだというふうなことになったということが書いてあるんですけれども、その辺のところは大体事実ですか。もちろん秘密だから全容を出せとは言いませんけれども。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) この研究はまさに勉強のために研究をしているわけでございまして、いろいろな前提を置いて研究しているわけでございますが、私が申し上げましたような説明で御理解を賜りたいと思います。確かにいろいろな報道が推測として報道されておりますけれども、事柄の内容上、性格上、それにコメントをいたしますとかえっていろいろな推測をさらに呼ぶことになろうかと思いますので、あえて一切コメントを差し控えさせていただくということで御容赦をいただきたいと思います。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 いや、実は今の防衛改革委員会の洋上防空体制研究会ですか、そういうものもこういうものを踏まえてかなり参考にしてやっているんではないかというふうに思うんですよね。ですから、そういう基礎的なデータが我々に全く秘密だ、防衛秘密だということでとにかくシャットアウトされているというんでは我々は論議していこうと思ってもできないわけですね。その辺のところは基本的にどう考えるんですか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) これは防衛問題につきまとう非常に難しい問題でございますが、まさに具体的な防衛能力というものは先回も委員会で防衛局長が我が方の手のうちを明かすことになるので御答弁を差し控えさせていただきたいという表現でお答え申し上げたかと思いますが、この点はやはり答弁を差し控えさせていただくということで国家安全に関する事項ということでお許しがいただけるのではないかと、かように考えております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 洋上防空関係で一つお聞きしたいのは、洋上防空はワンセットとしていろんな装備を考えるということだろうと思うんですが、今出ておるのはOTHレーダーあるいは空中給油機、エイジス艦、それからAWACS、そういうものが出ていると思うんですけれども、これは研究が進んで、大体研究というのはどのくらいで結論が出るのか。それからそれがワンセットの研究が終わった場合に一斉に装備するということなのか、順次装備していくということなのか。それから中期防衛力整備計画の期間内には大体具体性が持たれるのか。例えばOTHなんていうのはもう既に調査費がついておりますね。そういうものは当然出てくるんだろうと思うんですが、あるいはまたエイジス艦の場合もできれば中期防衛力整備計画の中期防の間に二隻ぐらい買いたいというふうな話を前に聞いたこともありますけれども、その辺の要するにこれからの計画の進め方というのは大体どういうふうに考えておるのですか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) これはまさに研究でございまして、特に日限を限りまして、いつまでに結論をパッケージで出さないといけないというふうな作業日程、スケジュールを立てておりません。そういうことがそもそも不可能な点が事柄の性質上あるのではないかと思います。  今、先生御指摘の装備にいたしましても、まだ米国において開発中のものもあれば、既に配置についているというようなものもございます。そういうようなことを踏まえまして、中期防の中でも具体的にメンションされているもの、メンションされておりましてもその表現にそれぞれのニュアンスの相違がございます。あるいは全くメンションされていないもの、今先生はAWACSというふうにおっしゃられましたけれども、中期防の中には中期警戒機という形で出ておりまして、その早期警戒機は私どもは中期防の中ではE2Cを考えております。そういうふうにそもそも日限を限りましてパッケージで答えが出せる代物ではないと、かように考えております。したがいまして、研究の途中におきましてそれぞれ得られた成果を適宜適切に逐次取り入れていくという手法を採用せざるを得ないのではないか、かように考えております。

和田教美公明党・国民会議

○和田教美君 もう一つ、まだ時間が二、三分ありますから、このプリントに関連して二、三お尋ねをしたいんですけれども、まず第一にこの進捗状況について、中期防衛力整備計画の主要整備目標については、進捗率というのが部分的ですけれども出ておりますね。棒を引っ張ったものがたくさんありますが、なぜ棒を引いているところがあるんですか。例えば戦車だとかそういうものは棒を引っ張っている。進捗率、パーセントが出ていませんね。それはなぜですかということと、もう一つ、後方については我々から見て非常に便利な表ですね、進捗率というふうなそういうものは一切つくらないんですか、つくれないんですか、その辺はいかがですか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) まず作表上の御説明を申し上げます。  七ページの進捗率に棒を引いているところがございますが、これは実は種類のアイテムの中に戦車とございますが、「新型戦車を含む。」と書いてございますように、何種類かの戦車を一括いたしております。その台数を単純に分母と分子で進捗率を出すのは適切でないということで棒を引いてございます。ただ、先生ただいま御指摘の点がございまして、作表上まずいところがございますのですが、それは二カ所ございまして、陸上自衛隊の上から四行目の地対艦誘導弾でございますが、これはまさに六十一年度、六十二年度で調達いたしておりませんので、ここはむしろゼロと書くべきところでございます。それと全く同じ意味で下から三行目の航空自衛隊の早期警戒機のE2Cでございますが、これも六十一年度、六十二年度はゼロでございますので、ゼロと書くべきものだと思います。  それで、ここでごらんいただければおわかりのように、主要装備につきましては数量ベースで書いてございまして、大体五カ年計画のうちの二年度目としましてはおおむね着実な実施が図られているというふうに言えるのではないかと思います。これを数量ペースではございませんで、金額ペースで考えてみました場合には、正面の契約額で見ました場合、一年度、二年度合わせまして大体三五%ぐらい達成されているのではないかと試算されます。中期防は六十年度実質価格で算定されておりますので、私どもはGNPデフレーターを基本といたしまして、為替の変動が著しい部分は為替の変動も加味いたしまして推計をしたわけでございますが、約三五%程度。といいますことは、単純に五等分ということではなくして、予算はやはり等比的で漸次増加していくというふうな計画を立てた方がいいだろうという前提に立ちますと、大体二年間で三五%というのは等比的に平準化された進捗率になるんではないかと思います。  もう一点のお尋ねの後方についてでございますが、後方につきましては後方の性格上、主要装備のように、F15何機というような形でなかなかでき得ない点がございますので、我々は十八兆四千の中の後方幾らといたしましたときにはそれなりの内訳といいますか、試算はいたしておりますけれども、数量的にかつ明確に表にお出しできるような積み上げがそもそも事柄の性質上できがたいという点がございます。  したがいまして、この点につきましては十八兆四千全体の進捗率がそれではどうなっているかという点で御了解いただきたいと思いますが、私が今三五%と申し上げましたのは正面の契約ベースでございますが、十八兆四千全体の、予算全体の進捗率で申し上げますと、おおむね三七%程度になるのではないかと思います。これも繰り返しになりますけれども、予算は名目でございますから、GNPデフレーターを中心にいたしまして推計をしたわけでございますが、この点も、やはり大体等比で私どもは五・四%程度ずつ伸ばせばいいというふうに申し上げておりましたが、等比で伸ばした場合に、二カ年間でこれくらいの進捗率であればなだらかな等比で伸びていくんではないかと思います。  こういうふうな点で二番目の御質問につきまして御理解を賜れればと思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 まず、日米共同訓練について十二ページに関連して質問します。  今後とも機会をとらえて積極的に日米共同訓練を実施するとうたわれていますが、その意義について重視したい点は、戦術技量の向上を図る上で有益だというのが一つと、もう一つ、日米安保体制の抑止効果の維持向上と、こういうふうに書かれております。つまり、私の解釈では今後とも積極的に日米共同訓練をやるが、それは戦術技量の向上とともに抑止力の維持向上というもう一つの目的があるということだと思います。私、ペンタゴンに行ったときにペンタゴンの説明で同じようなことを言って、言葉はちょっと違いますけれども、練度の向上と、もう一つは日米共同訓練それ自体が対ソ抑止力になるんだと、こういう説明をペンタゴンで聞いたことがありますけれども、大体同じ考え方だと思います。つまり、日米共同訓練を今後とも積極的に行うことによって日米安保体制に基づく、はっきり言って対ソ威嚇力を維持向上する、こういうねらいをも含めたものと受け取れますけれども、その点いかがですか。

藤島正之防衛庁教育訓練局訓練課長

○説明員(藤島正之君) 日米共同訓練の意義でございますが、十二ページに書いてございますように、三点あるわけでございまして、戦術技量の向上、それからふだんからやっておくことが有事に円滑にやれるということと、抑止効果という三点にあろうかと思いまして、その対象がどこどこというようなことを特別に考えておるものではございません。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 対象を言わないけれども、抑止力、つまり端的に言えば軍事的な威嚇体制、ペンタゴンではこれを対ソ抑止力と、そういうふうに言っていましたけれども、そういうことだということをお認めになったことだと思います、ここには挙げてありませんけれども。  次に、洋上防空体制についてですが、これはここには書かれていませんけれども、私は、ひとつ空母というのは検討対象になったことがあるのかないのか、将来ともあり得ないのか、この点をお尋ねしたいと思います。  というのは、アメリカ側からは隻数まで挙げて日本に空母を保有する必要があるということを迫ったこともあるし、在日米軍司令官が公然と記者会見で、日本は空母を保有する必要があると語ったこともありますし、そういう点で私は、防衛庁としては空母というものは将来とも全く検討の対象にもならない、全面的に否定すべきものと考えておられるのか、それとも、今は検討はしているかしていないかは別として、今していなくても将来はあり得るのか、将来とも全くあり得ないのか、そういう点、はっきりしておきたいと思います。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) 洋上防空体制の検討対象の中に空母は含めておりません。今後の検討におきましても含めて検討する考えは持っておりません。  なお、先ほど訓練課長の方からお答え申し上げましたことに補足をさせていただきたいと思いますが、現在の世界の中におきまして、現実に我が国が武力侵攻を受けるということがあってはならないわけでございまして、それを受けないためにそれ相応の自衛力を保持しておくということが、まさに安全につながる抑止効果だというふうに私どもは考えているわけでございまして、かつ我々値防衛計画の大綱によりまして、小規模限定的侵略には独力で対応するが、それを超える場合には米側の支援を受け、日米共同対処するということになっているわけでございます。  したがいまして、他国を威嚇すると先生おっしゃられましたが、威嚇するということではありませんで、あくまでも自衛のために、もしそのような侵攻が不幸にして起こりましたときに抵抗し得る、対抗し得る態勢をとっていくという、まさにそういう意味の抑止力で抑止効果をねらっているといいますか、抑止力の育成を図っているということでございまして、決して他国を威嚇するために抑止力を誇示しているというようなものではない点を御理解いただきたいと思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 それは理解できませんけれども、その問題を議論している余地はありませんから先へ進みます。  今、和田委員からも質問のあったFSXの問題です。  まず、支援戦闘機というのはどういう定義をしておられるか、外国にもこういう名前の戦闘機があるのかないのか御説明願います。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) 戦闘機といいますものは、本来、各種航空機を攻撃撃破することを主任務とする航空機の総称でございますけれども、その速度、性能から来ます突破力とか機動性とか、それから搭載能力、そういうふうなものが向上してきたという点と、もう一つは、地上または海上目標攻撃にも指向し得るというようなことで、攻撃機的要素と爆撃機的要素を併有することができるようになってまいりました。  したがいまして、各国におきましても、戦闘機の今言いましたような機能の拡大によりまして、要撃戦闘機と支援戦闘機と二つの概念が出てきております。  ただ、私が今御説明申し上げましたように、それは必ずしも明確に、このような機能を有するものが要撃戦闘機であり、このような機能を有するものが支援戦闘機であると明確に区分できるものではないと思います。どちらかといいますと、相対的な問題だと思います。要撃戦闘機といいますと、戦闘機のうち空対空の任務を主とするものでありますでしょうし、支援戦闘機といいました場合には、対地あるいは対艦を主任務としたものと御理解いただければよろしいかと思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 先ほどの説明の中で、最初から自主開発だけを考えていたわけではなく、外国からの購入も含めて考えていた、こういう説明でした。したがって、現在も可能性としては外国からの購入の可能性もあると判断してよろしいですか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) 私どもは、先ほど申し上げました三つの選択肢の中から最も適切だと思うものを選ぶわけでございます。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 外国から購入の場合、今和田委員も触れられ、きのうの内閣委員会でも問題になっていたF15Eもその対象の一つになり得るのか、それは全く排除されるのか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) 今、先生の方から支援戦闘機と要撃戦闘機の定義についての御質問があり、それでもお答えいたしましたように、ある意味では支援戦闘機と要撃戦闘機の区分は必ずしも明確でないという点がございます。なおかつ先ほど私がお答えいたしましたように、我が国の特性等を考えました場合に、それを明確にどこまで区分することが最も有効かというような問題もございます。そういう意味で、現在ございます要撃戦闘機としてございます機種も、今回の支援戦闘機の選定の考慮すべき対象とし得るものであろう、かように考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 先ほど和田委員には性能は述べられないという話でしたが、FSX選定に当たって考えている性能全体は一応別としましても、例えば戦闘行動半径、これはどれくらい考えているかということに限っても言えませんか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) 御容赦をいただきたいと思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 報道によりますと、例えばソ連本土を十分攻撃可能な戦闘行動半径約八百数十キロを初め足の長さ云々というような報道もありますけれども、これはそういう性能でないと否定されますか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) それに直接お答えすることはできませんけれども、我が国の航空機が離発着いたします飛行場の整備の状況、それから我が国の南北東西に長い地勢的条件等をお考えいただきますと、現実に相手国の侵攻が起こりました状況下におきました場合には、相当の航続距離を持ったものでないと十分なる本土防衛の任に当たれないというような点は出てくるのではないかと思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 この報道も否定されませんでしたし、相当航続距離の長いものでなきゃならないという説明ですから、大体のことは想像できると思います。  性能に関してもう一つですけれども、この対象の一つとして否定されなかったF15Eですけれども、これは全世界航空機年鑑によりますと、核爆弾も搭載する、つまり核・非核両用の攻撃機だと、戦闘機だとこういうふうに述べられていますが、この点、F15Eの性能、これは防衛庁どのようにお考えになっていますか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) F15Eにつきましては、現在、米国においても開発中というふうに聞いておりまして、その性能については私今ここでつまびらかにいたしておりません。ただ、私どもはあくまでも専守防衛、非核三原則を基本といたしておりますので、先ほどの航続距離の点で御指摘ございましたように、戦略的にこれを使うというようなことは全く考えてもおりませんし、核搭載というようなことも考えておりません。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 航続距離が長くて、しかも核・非核両用の能力を持つそういう戦闘機も選定の対象の一つとなるということは、私は極めて重大なことだというふうに思います。これはそれだけにして次の質問に入ります。  先ほどから、専守防衛という問題が盛んに論議になっております。専守防衛に関連して一つだけここでお伺いしておきたいのは、シーレーン防衛というのは日米共同の、あるいは日本の防衛対象なのか、それとも防衛庁がかつて説明してきた日米共同作戦の行動範囲なのか、この点どういうふうになりますか。防衛対象と行動の範囲とは違うという説明をこれまで行われてきておりますけれども、シーレーン防衛というのはそのどちらですか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) 戦闘局面というものは現実には非常に複雑でございますので、抽象的、定性的に一言でお答え申し上げるのは極めて困難かつ誤解を招く点があろうかと思いますけれども、例えば公海におきまして我が国民あるいは財産が武力的侵害を受けるという場合には、当然それに対処し得る能力は自衛権の発動の範囲であると思いますので、そういう意味におきまして、防御の対象は地域的なものではなくして、対象を重点に考えるべきではないかと思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 今の答弁は私は非常に重大だと思います。かつての国会論戦を見ても、シーレーン防衛についてはこれは行動の範囲だと、共同作戦の行動の範囲だという答弁が行われており、区別しないという答弁が出たことはやはり専守防衛の防衛対象を自然に広げる答弁だというふうに言わざるを得ないと思います。区別できないとおっしゃいますけれども、これまで区別して答弁していたのは防衛庁の方であって、我々の側から行動の範囲と防衛の範囲とを区別して議論を立てたことはありません。行動の範囲だということで実際共同作戦区域を広げるのを説明してきていたわけですけれども、今度はその区別もつかないということで、その解釈が一層広がったというふうに言わざるを得ないと思いますが。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) ただいま我が方の資料等も見てみたのでございますけれども、自衛権行使の地理的範囲については我が国領域内に限られず、公海及びその上空にも及び得る、しかしそれが具体的にどこまで及び得るかは我が国に対する武力攻撃の対応等によって異なり一概には言えないが、我が国を防衛するため必要最小限度の範囲内にとどまるべきことは言うまでもないと、こういう趣旨で御答弁を申し上げているんではないかと思いますので、全く一言一句同じ表現ではなかったかもしれませんが、私の御答弁申し上げた趣旨も全くこれまでの答弁の趣旨と同じではないかと思います。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 いや、全然違いますよ。あと時間がありませんから、最後にもう一問行います。  このほど発表された米国防総省の「共同防衛に関する同盟国の貢献報告」という文書をお読みになっていると思いますけれども、この中で、日本の軍事費について一%枠突破を評価しながらも、同時に西側陣営の公平の原則に反すると、こういうふうに書いております。西側陣営の公平の原則というのは、これはアメリカがしばしば言う言葉ですけれども、公平の原則というのは、防衛庁はどういうものとお考えになるのか、また国防総省がこういうふうに書いていることについてどういうふうにお考えになるのか。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) 私どもは、我が国の防衛はまさに我が国が自主的に判断して決めるべきものだ、かように考えておりまして、我々は防衛計画の大綱及びそれに基づく中期防の着実な実施に向けて努力していっているわけでございます。これらの基本的姿勢につきましては、米政府からも十分なる理解が得られているものと考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 いや、公平の原則とはどういうものだと考えているかということが私の質問の中心です。

日吉章防衛庁長官官房防衛審議官

○説明員(日吉章君) 特に米国の国防報告につきましてコメントする立場にはないのではないか、かように考えております。

吉岡吉典日本共産党

○吉岡吉典君 それじゃ、私の方から言いますけれども、アメリカがしばしば西側陣営の公平の原則ということで言っているのは、軍事費で言えば、同じGNP比率の軍事費を計上することだという指摘をしばしば行っております。一%枠突破を評価しながらもなおアメリカ側が公平の原則に反すると言っているのは、やはり西側陣営、NATO諸国と同じGNP比率の軍事予算をアメリカが求め続けていることのあらわれだと私は思います。時間がありませんから、以上で終わります。

坂元親男自由民主党

○小委員長(坂元親男君) 以上で質疑は終了いたしました。  次回の小委員会は小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

坂元親男自由民主党

○小委員長(坂元親男君) さよう決定いたしま す。  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十二分散会

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