文教委員会 第2号
- 発言数
- 101 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1987/05/15
会議録
○愛知委員長 これより会議を開きます。 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、文部大臣の所信を聴取いたします。塩川文部大臣。
○塩川国務大臣 第百八回国会におきまして、文教各般の問題を御審議いただくに当たり、所信の一端を申し述べます。 教育は国家百年の計であり、国家社会発展の基礎として、長期的展望のもとに、その充実に取り組んでいかなければなりません。 我が国の義務教育を中心とする教育水準は国際的にも高く評価されているところであります。しかしながら、今日、我が国の教育は、その量的拡大の中でさまざまな問題が生じてきており、さらに近年における科学技術の革新、産業構造の変化や情報化の進展、国際的な相互依存の深化等急激な経済・社会の変化に直面しております。 臨時教育審議会は、その発足以来、これらの課題を克服し、二十一世紀に向けて我が国が創造的で活力ある社会を築いていくための教育改革を進めるべく、審議を重ねてこられたところであります。去る四月一日には、今次教育改革全体を貫く基本理念である個性重視の原則と生涯学習体系への移行の観点に立って、学校・社会を通じる各般の重要な課題について改革方策を明らかにした第三次答申をまとめられました。 文部省においては、既に、これまでの答申を受けて、徳育の充実等教育内容の改善や教員の資質向上、高等教育の個性化・高度化、学術研究の振興など各般の施策の具体化に努めてきたところであります。今回の答申についても、二十一世紀へ向けて、教育・研究、スポーツ・文化の諸活動に対する国民や社会の多様かつ高度な要請にこたえていくことなどの観点から、教育改革の推進に必要な財源を積極的に確保していくことを含め、その具体化に最大限の努力を傾注していく所存であります。 私は、教育改革の担当大臣として、教育こそ国の基礎であるとの認識に立ち、今後とも臨時教育審議会の答申を最大限に尊重し、教育改革の実現に全力を挙げて取り組んでまいる決意であります。 以下、主要な課題について私の基本的な考え方を申し述べます。 第一は、初等中等教育の改善・充実についてであります。 これからの初等中等教育においては、二十一世紀に向かって、国際社会に生きる日本人を育成するという観点に立ち、豊かな心を持ち、たくましく生きる人間の育成や社会の変化に主体的に対応できる能力の育成を図ることが必要であります。そのため、国民として必要とされる基礎的・基本的内容を重視し、個性を生かす教育の充実を図ることが重要であると考えるものであります。 特に、道徳教育の推進については、今後とも、学校と家庭や地域社会とのより密接な連携を図りながら、その一層の充実に努めてまいる所存であります。 また、国際理解を深め、我が国の文化と伝統を尊重する態度の育成を図るという観点から、歴史教育等の改善・充実を図る必要があります。 児童生徒の問題行動の解決には、学校がその責任を果たすことが当然でありますが、学校が家庭との連携を密にするなど、学校、家庭、社会が一体となった取り組みを推進することが必要であります。文部省としては、今後とも児童生徒の健全育成に全力を挙げて取り組んでまいる所存であります。 さらに、いわゆる学習塾については、種々の弊害も指摘されているところであります。この問題の背景には、学歴偏重の社会的風潮等が深くかかわっていると考えられますが、学習塾通いに伴う弊害を是正し、公教育に対する信頼を確保するため、学校における学習指導の充実や入学者選抜制度の改善など、この問題に対する取り組みの一層の充実に努めてまいります。 なお、幼児教育、職業教育及び特殊教育については、今後とも一層の振興を図ってまいります。 次に、教育諸条件の整備につきましては、厳しい財政事情のもとではありますが、児童生徒一人一人により行き届いた教育を行うため、四十人学級を初めとする学級編制及び教職員定数の改善計画を推進するとともに、義務教育教科書無償給与制度の堅持、過大規模校の解消等の公立学校施設整備に努めてまいります。 教員の資質能力の向上は、教育改革を進める上で最も重要な政策課題であり、その一対策として、昭和六十二年度において初任者研修の試行を始めることとしたところであります。 初任者研修制度は、教員としての第一歩を踏み出す最初の段階において充実した研修を行うものであり、教員としての使命感や実践的指導力を養う上で極めて重要な施策であると考えております。文部省としては、試行を通じて初任者研修の内容や方法の望ましいあり方を究明することにより、初任者研修制度の円滑な実施を期してまいる所存であります。 なお、既にそれぞれの職場において活躍している現職教員の研修についても、その充実強化に努めてまいりたいと考えております。 第二は、高等教育の改革と充実についてであります。 今日、さまざまな新しい時代の要請の高まりにこたえて、大学を中心とする高等教育の改革を推進することは、我が国の将来の発展を考え、また、人類福祉の向上を図る上で極めて重要な課題となっております。 このため、臨時教育審議会の第二次答申を踏まえ、高等教育に関する基本的事項を調査審議し、必要に応じ文部大臣に勧告を行う機関として、大学審議会を創設し、大学改革を積極的に推進する所存であります。 大学入試改革につきましては、国公私立大学を通じ、受験生の個性・能力・適性に応じた多様な入学者選抜の実現を図るため、昭和六十五年度から新しいテストを実施することとし、そのため、現在、関係団体等の協力を得ながら鋭意準備を進めているところであります。 また、昭和六十二年度大学入学者選抜については、国公立大学の共通一次試験の受験科目数の削減・弾力化、受験機会の複数化を実施いたしました。その実施を通じ問題点の御指摘もあり、今後改善のための努力を重ねる所存であります。 さらに、国立学校の整備につきましては、先般御議決いただきました国立学校設置法の一部を改正する法律に基づき、筑波技術短期大学を創設するとともに、福島大学に行政社会学部、三重大学に生物資源学部を設置し、徳島大学に医療技術短期大学部を併設する等、努めて精選しつつも、学問の発展及び時代の進展に合わせ、教育研究の推進上必要な整備に力を注ぐこととしております。 第三は、学術研究の振興についてであります。 大学を中心とする学術研究は、科学技術はもとより国家・社会のあらゆる分野の発展の基盤を形成するものであり、独創的、先端的な学術研究の推進とそれを担うすぐれた人材の養成が急務であります。 このため、科学研究費の充実に努めるとともに、若手研究者の育成等に格段の努力を払い、新しい時代にふさわしいすぐれた研究者の養成・確保を図ってまいります。 また、研究施設についても、長期的・総合的観点に立って、その整備・充実に努めるとともに、加速器科学、生命科学、がん等の重要基礎研究や、民間等との共同研究の推進等を図ってまいります。 第四は、私学の振興についてであります。 私立学校は、建学の精神に基づいた個性豊かな教育研究を実施しており、我が国の学校教育の普及・充実に多大の貢献をしてきております。このような私学の果たす役割の重要性にかんがみ、引き続き教育条件の維持向上に努めてまいる所存であります。 また、専修学校についても、社会の多様な要請に応じた特色ある教育の一層の振興を図るため、今後一層充実した指導と育成に努めてまいります。 第五は、社会教育、体育・スポーツ及び文化の振興についてであります。 今日、国民の間には、変貌著しい社会に適応し、心身ともに健康で豊かな人生を送るために、生涯にわたって学習の機会を持ち、芸術・文化や体育・スポーツに親しみたいという要望が高まっております。 このため、国民の一人一人が生涯にわたってさまざまな学習活動や体育・スポーツ活動に参加できるよう、必要な施設の整備、指導者の養成・確保等に引き続き努力していくほか、新たなメディアの活用等による適切かつ多様な学習情報の提供や生涯スポーツ推進事業等各種の施策を進めてまいります。 来年開催されるソウル・オリンピック大会を初め、国際競技会における我が国選手の活躍に対する国民の期待も大きいことから、国際競技力の向上やスポーツの国際交流の推進のための施策の充実にも力を入れてまいります。 また、我が国のすぐれた伝統文化を継承しつつ芸術文化の創造的発展を図るため、必要な施策を着実に推進してまいります。特に、昨年から開始された国民文化祭の充実・定着を図るとともに、いわゆる第二国立劇場の設立準備、文化財の保存活用などに努めてまいる所存であります。 最後に、教育、学術、文化の国際交流についてであります。 我が国の国際的地位の向上と役割の増大に伴い、国際交流の推進はますます重要な課題となっております。このため、留学生及び研究者の交流、国際共同研究、外国人に対する日本語教育の推進等を図ってまいります。とりわけ、留学生の交流については、大学等はもとより民間団体など各方面の協力も得つつ、二十一世紀初頭において十万人の留学生を受け入れるという長期的展望に立って、今後ともその飛躍的充実を図ってまいる所存であります。 さらに、我が国に対する諸外国からの関心の高まりに対応し、日本の文化に対する国際的な理解を深めるため、国際日本文化研究センターを創設することとしております。 また、国際化の進展に伴って、ますます増加している海外勤務者の子女に対する教育につきましては、日本人学校等の整備・充実を図るとともに、帰国子女受け入れ体制の充実にも引き続き努力してまいります。 以上、文教行政の当面する諸問題について所信の一端を申し述べました。我が国の教育、学術、文化の振興のため、文教委員各位の一層の御指導と御協力をお願い申し上げます。(拍手)
○愛知委員長 次に、昭和六十二年度文部省所管予算の概要につきまして説明を聴取いたします。岸田文部政務次官。
○岸田政府委員 昭和六十二年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 昭和六十二年度の文部省予算につきましては、現下の深刻な財政事情のもとではありますが、文教は国政の基本であるとの認識に立ち、教育、学術、文化の諸施策について、その着実な推進を図るとともに、特に、昭和六十二年度予算は教育改革の実質的な初年度予算として、臨時教育審議会の二次にわたる答申を踏まえ、所要の予算の確保に努めたところであります。 文部省所管の一般会計予算額は四兆五千七百三十七億四千万円、国立学校特別会計予算額は一兆七千六百七億三千四百万円となっております。 以下、昭和六十二年度予算における主要な事項について、御説明申し上げます。 第一は、初等中等教育の充実に関する経費であります。 まず、義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の改善計画につきましては、いわゆる四十人学級の実施について、小学校は児童減少市町村以外の「その他市町村」内の学校の第二学年まで、中学校は「児童減少市町村」内の学校の第二学年まで、それぞれ施設余裕校について実施することとしたほか、教職員配置についても所要の改善を行うこととしております。 なお、義務教育費国庫負担金等のうち、共済年金に係る長期給付に要する経費について、二年間の暫定措置として、国庫負担率を三分の一に引き下げることといたしております。 次に、教職員の資質の向上を図るため、新規採用教員等研修、免許外教科担任教員研修、教員の海外派遣、教育研究グループ補助、教育研究団体への助成など、各種研修を実施することといたしております。また、初任者研修制度につきましては、その円滑な実施を図るため、新たに初任者研修の試行を実施することといたしております。 道徳教育につきましては、児童生徒の豊かな人間形成を図る上で極めて重要な役割を担っていることにかんがみ、地域社会の各界各層からの幅広い意見を今後の学校における道徳教育に反映させるための、学校道徳教育振興事業などを新たに実施することといたしております。 次に、児童生徒の問題行動を未然に防止し、その健全な育成を切望している国民の期待にこたえるため、生徒指導の充実強化方策として、自然教室推進事業の拡充を図るほか、引き続き生徒指導推進校の指定、生徒指導担当教員の研修等の各般の施策を充実することといたしております。 義務教育教科書の無償給与につきましては、これを継続することとし、所要の経費を計上いたしております。 幼稚園教育につきましては、保護者の経済的な負担の軽減を図るための幼稚園就園奨励費補助を行うとともに、幼稚園施設の整備を図るなど、一層の振興を図ることといたしております。 特殊教育につきましては、心身障害児と地域との交流活動のあり方の研究等の心身障害児に対する理解認識の推進、特殊教育就学奨励費の充実など、その施策の振興に努めることといたしております。 教育内容につきましては、時代の変化や教育課程実施の経験を踏まえ、教育課程審議会において引き続き検討を行うこととしているほか、学校におけるコンピューター利用のあり方等について研究を行うことといたしております。 教育方法につきましては、その改善・充実を図るため、新たに総合的な調査研究を行うほか、教育機器を利用した教育方法開発のための特別設備の助成等を行うことといたしております。 また、海外子女教育・帰国子女教育につきましては、日本人学校の増設、児童生徒数の増加に対応し、派遣教員の増員を行うとともに、引揚者子女教育研究協力校の拡充を行うなど、帰国子女受け入れ体制の整備を図ることといたしております。 さらに、児童生徒等の健康の保持増進に係る事業の推進に努めるとともに、学校給食につきましても、豊かで魅力ある学校給食を目指して、学校給食施設・設備の整備を図ることといたしております。 次に、公立学校施設の整備につきましては、校舎等建物の新増改築事業について所要の事業量を確保するとともに、高等学校屋内運動場の基準面積の改定、屋外教育環境整備費補助の継続、学校開放(音楽室等の校舎部分の開放)のための施設に対する新たな補助等の制度改善を行うこととし、これらに要する経費として二千九百六十三億円を計上いたしております。 なお、定時制及び通信教育の振興、理科教育及び産業教育の振興、英語教育の充実、地域改善対策としての教育の振興など各般の施策につきましても、所要の経費を計上いたしております。 第二は、私学助成に関する経費であります。 まず、私立の大学等に対する経常費補助につきましては、昭和六十一年度に対して五億円増の二千四百四十三億五千万円を計上いたしております。このほか、教育研究装置施設整備費補助についても、新たに大学院最先端設備の整備を図ることとし、昭和六十一年度に対して十億円増の五十四億円を計上するなど、教育研究の推進に配慮いたしております。 また、私立の高等学校から幼稚園までの経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましても、昭和六十一年度に対して五億円増の七百二十五億円を計上いたしております。 日本私学振興財団の貸付事業につきましては、政府出資金二億五千万円及び財政投融資資金からの借入金三百五億円を計上し、自己調達資金と合わせて六百七十億円の貸付額を予定いたしております。 また、専修学校につきましては、教員研修事業等に対する補助、大型教育装置に対する補助の拡充等を図るなど、専修学校教育の一層の振興を図ることといたしております。 第三は、高等教育の整備・充実に関する経費であります。 まず、国立大学の整備につきましては、先般御議決いただきました国立学校設置法の一部を改正する法律に基づき、筑波技術短期大学を創設するとともに、福島大学に行政社会学部、三重大学に生物資源学部を設置し、徳島大学に医療技術短期大学部を併設するほか、十八歳人口急増に伴う大学入学志願者急増に適切に対処するなど、教育研究上緊急なものについて整備・充実を図ることといたしております。 大学院につきましては、新たに最先端設備の整備を図るとともに、教育研究上必要性の高い研究科、専攻の新設等を行うことといたしております。 附属病院につきましては、教育、研究、診療上、特に必要性の高い分野及び社会的要請の強い分野について診療科、救急部等を新設するなど、その充実を図ることといたしております。 なお、国立大学の入学科・検定料につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、昭和六十三年度入学者からこれを改定することといたしております。 次に、育英奨学事業につきましては、昭和六十二年度から奨学金貸与月額を増額するなど、その改善を図ったところであり、政府貸付金七百三十八億円、財政投融資資金三百十二億円と返還金とを合わせて、千四百九十五億円の学資貸与事業を行うことといたしております。 また、公立大学につきましては、医科大学、看護大学等の経常費補助及び新たに整備を図ることとした大学院最先端設備を含めた教育設備整備費等補助について、所要の助成を図ることといたしております。 このほか、大学改革を推進するため、我が国の高等教育に関する基本的事項について調査審議する大学審議会の創設、新テストの実施準備等大学入試改革、放送大学の受講の機会を拡大するための地区センターの設置等、放送大学学園の整備等の各般の施策につきましても、所要の経費を計上いたしております。 第四は、学術の振興に関する経費であります。 まず、科学研究費補助金につきましては、独創的・先端的な研究を推進し、我が国の学術研究を格段に発展させるため、引き続き充実を図ることとし、昭和六十一年度に対して十五億八千万円増の四百五十億八千万円を計上いたしております。 次に、重要基礎研究につきましては、エネルギー関理科学、宇宙科学、生命科学等の一層の推進を図ることとし、これら重要基礎研究に要する経費として四百七十九億円を計上いたしております。 また、学術研究体制の整備につきましても、国際日本文化研究センターを創設するとともに、すぐれた若手研究者の養成に資するための特別研究員制度の拡充、大学と民間等との共同研究の充実を図るなど、各般の施策を進めることといたしております。 第五は、社会教育の振興に関する経費であります。 まず、地域における社会教育活動の拠点となる公立社会教育施設につきましては、引き続きその整備を図ることとし、このために必要な経費として七十九億円を計上いたしております。 また、社会教育活動の振興を図るため、社会教育主事、社会教育指導員等の社会教育指導者層の充実に努めるとともに、青少年、成人、婦人、高齢者など各層に対する学習機会の提供、地域連帯意識を醸成するための地域活動の促進、新たなメディアの活用等による適切かつ多様な学習情報の提供に努めるなど、社会教育の幅広い展開を図ることとして、所要の経費を計上いたしております。 さらに、青少年の健全育成に資するため、家庭教育の充実に努めるとともに、青少年に豊かな生活体験の機会を提供する少年自然の家につきまして、福岡県夜須町の第十一番目の国立少年自然の家の設立準備を行うなど、計画的な整備を進めるほか、また、国立南蔵王青少年野営場の利用受け入れを開始することとし、所要の経費を計上いたしております。 第六は、体育・スポーツの振興に関する経費であります。 まず、国民の体力づくりとスポーツの普及振興につきましては、広く体育・スポーツ施設の整備を進めるため、社会体育施設、学校体育施設について、その整備に要する経費として百四十五億円を計上いたしております。 また、学校体育につきましては、学校体育実技指導者の資質向上に努めるとともに、学校体育大会の補助についても所要の経費を計上いたしております。 さらに、生涯スポーツ推進事業について充実を図るなど、家庭、学校、地域における体力つくり事業を一層推進し、たくましい青少年の育成と明るく活力ある地域社会の形成に資することといたしております。 なお、日本体育協会の行う競技力の向上を初めとする諸事業に対して引き続き補助を行うこととし、特にソウル・オリンピック選手強化特別対策事業については、その拡充を図っております。さらに、国民体育大会の助成など各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。 第七は、芸術文化の振興と文化財保護の充実に関する経費であります。 まず、芸術創作活動の奨励につきましては、芸術関係団体の創作活動に対する補助、芸術祭、芸術家研修等を行うための経費のほか、さらに、優秀舞台芸術公演奨励事業の経費を新たに計上いたしております。 また、文化の普及につきましては、こども芸術劇場、青少年芸術劇場、中学校芸術鑑賞教室、移動芸術祭等を実施し、国民文化祭を開催するための経費を計上するとともに、中国引揚者や外国人のための日本語教育等に係る所要の経費を計上いたしております。 次に、文化財保護につきましては、国民の貴重な文化遺産の保存、活用を図るため、国宝・重要文化財等の保存整備、埋蔵文化財の発掘調査、史跡の整備・公有化を進め、また、天然記念物の保護及び食害対策を進めるとともに、国立劇場の事業を充実するなど、伝統芸能等の保存伝承を図ることといたしております。 また、文化施設の整備につきましては、地域社会における文化振興の拠点となる文化会館、歴史民俗資料館等の地方文化施設の整備を図るとともに、国立文化施設については、かねてより準備を進めております第二国立劇場について、昨年度着手した基本設計を完了させることとし、そのための経費を計上いたしております。 第八は、教育、学術、文化の国際交流・協力の推進に関する経費であります。 まず、発展途上国への協力等の観点から、外国人留学生の受け入れを拡充するとともに、受け入れ態勢の整備、日本語教育の充実など、大学等はもとより民間団体など各方面の協力も得つつ、二十一世紀を目指して、留学生に関する事業を積極的に推進することとし、そのために要する経費として百四十五億円を計上いたしております。 さらに、ユネスコを通じた教育協力、国連大学への協力等についてもその推進を図ることといたしております。 また、学術の国際交流・協力を推進するため、二国間・多国間にわたる各種の国際共同研究、拠点大学方式によるASEAN諸国との学術交流事業、先進諸国等との研究者交流の促進を図ることといたしております。 以上、昭和六十二年度の文部省所管の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。 何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
○愛知委員長 以上で説明は終わりました。 ————◇—————
○愛知委員長 次に、内閣提出、昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案を議題といたします。 まず、趣旨の説明を聴取いたします。塩川文部大臣。 ————————————— 昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○塩川国務大臣 このたび、政府から提出いたしました昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 私立学校教職員共済組合の給付については、共済組合設立以来、国公立学校の教職員に対する給付の水準と均衡を保つことを本旨とし、逐次改善が進められ、現在に至っております。 この法律案は、私立学校教職員共済組合法に基づく退職共済年金等につきまして、別途本国会において御審議をお願いしております厚生年金及び国民年金の改定措置に倣い、昭和六十二年度における国公立学校の教職員の年金の額の改定措置に準じて、年金の額の改定の措置を講じようとするものであります。 その内容といたしましては、私立学校教職員共済組合法に基づく退職共済年金等につきまして、昭和六十年の消費者物価指数に対する昭和六十一年の消費者物価指数の比率を基準として、昭和六十二年四月分以後の年金の額を改定することとしております。 以上が、この法律案の提案の理由及び内容であります。 何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○愛知委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○愛知委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本案審査のため、本日、参考人として私立学校教職員共済組合常務理事宮園三善君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○愛知委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○愛知委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、これを許します。中西績介君。
○中西(績)委員 昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案、今趣旨説明がございましたように、内容的には熟知した状況ではありませんけれども、今回の場合には提案されている中身が簡単でありますから、こうしたこととあわせまして、さきに審議された際には大きな改革でありましただけに、こうした条件を整えるためにも、私たちがつけてまいりました附帯決議などがたくさんございますから、こうした問題等につきまして質問させていただきたいと思います。 きのう急に決まったものですから、前回の百三国会におきまして私学共済年金制度改正案に対する附帯決議十六項目がついておりますが、この附帯決議がどのように措置されていったのか、この点についてきょう一応メモ的に回答願いましたところ、ここに出てまいりました。この中身についてはまだまだ全体的に論議しなくてはならぬ点もございますけれども、時間の制約がございますから、この問題につきまして二、三の点を指摘しながら質問を申し上げてまいりたいと思います。 そこで、今回の改定に際しまして特例を設けたわけでありますけれども、改定率を見ますと、私学共済年金は他と同じように〇・六%の引き上げをするようであります。ところが、これとは別に恩給について見ますと二・〇%の改定率となっております。このように恩給と年金間における格差が生じておるということについて、私は大変疑義を持つものであります。特に百三国会のときに問題になりましたように、この大改定に当たりまして、賃金の引き上げ率を加味することなしに、今回の場合には〇・六に示されるように内容的には物価上昇率を傘として採用しておる。こういう状況がありますだけに、恩給の方は二・〇ということになりますとこれとは全く別個に考えられておるわけでありますけれども、この点についての見解をお聞かせいただきたいと思います。
○川村政府委員 ただいま御指摘がございましたように、今回の法律でお願いをしておりますことは〇・六%のアップ、つまり近年におきます物価の上昇に応じた年金額の改定をお願いしたいということでございます。 恩給と比べて大変低いのではないかということでございますが、これは先生も十分御承知のとおり、恩給という制度とこの共済年金というものは、基本的にその成り立ちが違うのではなかろうかということでございます。恩給というのは旧軍人の方でありますとかその遺族の方に対して国家補償的にその生活保障をするという趣旨のように承っておりますが、我々の共済年金制度というのは世代間の助け合いによって退職後の生活を保障するということでございますから、組合員もちゃんとそれぞれの負担をするという仕組みになっておるわけでございます。そういうふうな基本的な成り立ちが違うということが一つございます。 もう一つは、それにしても年金の改定をするときにスライドの指標に何をとるのか、これは考え方が幾つかあるわけでございます。物価スライドでいくのか賃金スライドでいくのかという点でございますけれども、この年金制度につきまして、ただいま御指摘がございました百三国会で制度改正をお願いいたしましたときに、将来にわたって給付と負担を適正にし、年金財政の安定を図るという観点から、長期的な観点でやはり物価のスライドによってこれを進めていくべきではないかということで御提案を申し上げ、そういう趣旨の条文を新しく設けていただいた、こういうことでございます。 でございますので、今回の改定につきまして若干のと申しますか、二%と〇・六%という差は出ておりますけれども、ただいま申し上げましたような制度の事情があるということをお酌み取りいただければ大変ありがたいということでございます。
○中西(績)委員 成り立ちが異なるということでありますけれども、この中には御存じのように例えば文官の場合がありますね。数からいたしましても、今説明があった中身の中で、共済全体の該当数が二百十四万四千五百七名ということになっておりまして、一般会計に対する割合が三・二%にもなるという大変な額になっているわけです。ところがこの中には文官もいるわけでありまして、十一万六千八百二十六という数になっています。この文官と今の年金を受給されている人の場合の身分上の差だとかそういうものが果たしてあるだろうか。公務員としての性格からいいましてもそこには全く差がないわけですね。ですから、ただ財源的な問題だけで削っていくだとか制限を加える、そのための立論をするというやり方でなくて、やはりある程度——私はこれを全部削ってしまえとかなんとか言っているわけじゃないのです。前回の討論の際にも、少なくとも賃金スライドそのものを加味するということがなければならないんじゃないかということで随分論議されまして、そして、見直しの時期にはそうしたことも含めてやろうとしているわけでありますから、そうなれば今度はそれに対する立論が要るのですね。理屈づけがちゃんとなければできないわけです。そのためにも今からこの問題については整理をして、少なくとも文官の場合と今の年金受給者を比較した場合に隔たったものがあるわけじゃないのですから、そうしたものを十分加味してこれからやるという方向性をどう追求するかが大変重要なことになってくるわけであります。したがって、この点について今後十分検討していただきたいと思いますが、いかがでしょう。
○川村政府委員 今御指摘がございましたように、確かに恩給の中には旧文官であられた方もございますから、そういう方と現在の公務員とはどうか、いろいろ議論のあるところかと思います。 それから、先ほど申し上げましたように、公的年金制度としての共済年金とそもそもが国家補償的な性格を持つ恩給と、やはり制度の仕組みといいますか考え方といいますか、若干異なる点があるのではなかろうかというようなことで申し上げたわけでございます。 そこで、実際にそれでは賃金スライドの考え方をどういうふうに考えるのかという点で、これはただいま先生お話がございましたように、先国会にいろいろ御議論いただいたところでございます。私どもとしては、この年金制度、やはりこれは将来にわたって安定したものとしていかなければならない、やはり世代間の負担の公平ということも考えなければなりませんから、そういう言うなれば保険数理的な計算というものをやはり無視はできないのだろうと思います。 しかし、一方、そういう賃金スライド、賃金の上昇という事態があるわけでございますから、そういう要素はできればそれは財政の再計算と申しましょうか、大体五年に一遍ぐらい長期にわたって全体を見直してみる、受給者の数がどれくらいになろうか、それに対して加入者の数はどれくらいになろうか、物価がどれくらい上がろうか、賃金はどのように変わろうかというふうな、先生御案内の財政の再計算ということがございますから、そういうところでは当然そういうものは加味していかなければならないわけでございます。 それ以外に仮に、そういうことがあっては困るわけでございますが、非常に短期間に急激な賃金の変動があるというようなことになれば、これはまた、前回の御審議の際に法案の修正までして一条の二にそういう趣旨を入れていただいた賃金の変動ということも、給付を考えるに当たっては加味しなければならないというふうな御指摘もいただいているわけでございますから、そういう事態においてはそういう事態でまた考えなければならないことであろうと思います。 しかし、まあ平常的な形で言えば、おおむね五年に一遍の財政の再計算の際にそういう要素は十分に取り入れていくことがこの制度の長期的な安定ということに一番役に立つのではなかろうかというふうに思っているわけでございます。
○中西(績)委員 これだけで論議をまだ深めたいところもございますけれども、一応こうした点についてさらに検討を加えていくような体制をつくっておかないと、また同じように財政ということが出てくると何もそこには手が尽くされなかったということになるわけですから、その点だけはひとつ十分留意をしておいていただきたいと思います。 そこで、これを見ますと、改定措置につきましては「政令で定める。」ということになっています。どういう内容になるかについてあらまし説明できますか。
○川村政府委員 本日御審議をお願いをしております法案の一条の二項で「政令」ということでお願いをしているわけでございますけれども、この内容につきましては、もちろんこの法律の御審議をいただいて成立を見た時点で政令の作成作業に入るわけでございますけれども、基本的にはこれは一言で言えば大変技術的な内容でございます。 例えて申しますと、六十歳から支給されます退職共済年金につきまして申し上げますと、これを要素として分解をいたしますと、定額部分と給与比例部分とそれから加給年金の部分にこう分かれる、こういうことでございますから、それぞれにつきまして今回の改定でございます〇・六%、つまり一・〇〇六というものをこれに掛けるということを政令で規定をしていくというようなことでございます。今回の対象になっております退職共済年金でございますとか障害共済年金でございますとか、その種の各それぞれの年金について、それぞれの要素についてその一・〇〇六を乗ずるというふうな技術的な政令を考えておるところでございます。
○中西(績)委員 それはいつごろできますか。
○川村政府委員 本案につきまして国会の御承認をいただきまして法律が成立をすれば、直ちにその作業に入りたいというふうに思っております。
○中西(績)委員 そこで、今回のこの改定が私学共済年金財政に与える影響がどれくらい出るだろうかということを今計算できますか。
○川村政府委員 今回の年金改定がこの年金財政にどういう影響を与えるかということでございますけれども、私どもの試算によりますと、これによって増加をいたします財源率は千分の〇・一程度というふうに見込んでおります。
○中西(績)委員 そうなってまいりますと、与える影響というものはわずかであるということをこのことは示しておると思うのですね。ですからまた一番さきに返るのですけれども、そうしたことを考えますと、やはり成り立ちが違うということだけで切り捨てられるのではなくて、少なくとも物価スライド、これにプラスの賃金スライド、こうしたものを加えていち早くこうした問題について処置をしていく。そして、今言われておりましたように特別なときがあればこうした特例が法律でまた認められるわけですから、そうした措置を何らかとればいいということになるわけですね。ぐらぐらするのはいかぬと言うだろうけれども、この場合には余りにも今賃金が低いからこうした特別措置なり何なり特例措置をする、こういう状況だってあるわけですから、この点をひとつ十分お考えいただきたいと思います。 そこで、私学共済の方から参考人で宮園さんがおいでになっていると思いますが、二、三の点を先にお聞きしたいと思います。 私学共済は、六十年二月一日付で、当時の松永文部大臣に対しまして、共済年金制度改革に関する四項目から成る要望書を提出をいたしました。この要望書は年金制度改革の中でどのような決着を見たのか。私なりに大体調べてはおりますが、私はその点で特にお聞かせ願いたいと思いますのは、第一項目目に、六十五歳以上について年金を支給することということでありましたね。これらを中心にしてどのような、要望されたことが実現したりあるいは実現しなかったりあったと思うのですけれども、御説明いただけますか。
○宮園参考人 お答え申し上げます。 一番目に「六十五歳以上者には年金を支給すること」というのがございますが、これは私学教職員の中には六十五歳以上の組合員が非常に多いということがございまして、厚生年金と同様に在職者の支給の措置を講じてもらいたい、六十五歳以上であっても在職中に年金を支給してもらいたいという要望でございました。 これにつきましてはいろいろな議論がございまして、例えば、基本的には共済制度というのは退職年金制度でございまして、退職後の生活を保障するための年金というのが基本的理念でございます。したがいまして、例えば六十五歳以上の職員で一千万以上所得がある人に何で年金をフルに支給しなければならぬのかといった議論、あるいは私学共済だけ人数が多いということでそういった措置を講ずるとすれば、年金自体が個人支給の給付制度でございますから、仮に公務員に人数が少ないといえども公務員の方が置いていかれるということになりますと、新たな制度間の格差を生ずる等もろもろの議論がございまして、七十年までの一元化の間に厚年も含めた制度全体の問題として検討する必要があるということで、さきの法改正では取り上げられていないというふうに理解いたしております。そういう意味ではやむを得ないというふうに考えておりますが、ただ、私どもの御要望申し上げました趣旨の大事な部分がさきの法改正で実現を見ております。 一つは、制度が完熟いたしますと、六十五歳以上になりますと組合員について五万円、奥様が六十五歳以上になりますとまた五万円の基礎年金が支給されるという制度が一方で設けられましたのとあわせて、私ども一番心配しております六十五歳以上での低所得者に対して一定の収入以下の方については年金の一部または全部を支給するという、弱者保護の措置をとっていただきました。当面、これでありがたいことだというふうに考えております。 第二番目は「施行日前の給与記録は公務員共済と同様の取り扱いとすること」ということで、これにつきましては、国会の諸先生方のお力添えによりまして要望どおり実現を見たわけでございます。大変ありがたいことだと、組合員一同大変喜んでおります。 それから、三番目の「所得制限を緩和すること」というのがありましたが、現役の組合員の所得を考慮し、これと均衡のとれた所得制限が考えられているが、その支給停止額の内容については政令で定められております。なお、既裁定者のうち六十五歳に達した者の支給停止は二分の一に緩和されるというようなことで、ある程度の実現を見ております。 それから、四番目は都道府県の掛金補助の問題でございますけれども、これも、財政当局としては廃止をしたいということでございましたけれども、文部省の大変な御努力によりまして現状を維持していただいている。 以上が要望に対する実現の内容でございます。
○中西(績)委員 今説明がありましたね、私学が人数が多い。こうしたところについて少し説明をしていただきたいと思います。組合員に占める割合だとかそうした諸問題について、特にまた公務員との問題を制度的格差云々ということを言っておりましたけれども、公務員の場合には年齢制限があって特定の人だけがということになるわけですからね。そういうところについてもう少し説明してください。
○宮園参考人 六十五歳以上の組合員が多いと申し上げましたのは、私学共済で六十年度末で見ますと、六十五歳以上の方が一万五千二百六十九人、全体の約四・四、五%に当たると思います。これに対しまして国共済は〇・二%、それから農林につきましては〇・八%ということでございます。 なお、これが年金財政へどういう影響を及ぼすかということでございますが、現在掛金率は千分の百二でございますけれども、これに対しまして一万五千二百六十九人の方に年金を即支払うとなると、将来の予想財源も含めまして今の掛金率を千分の八引き上げる必要があるということでございます。 制度間格差の問題でございますが、これはいろんな方がいらっしゃると思いますけれども、国共済にも〇・二%、農林にも〇・八%の方が六十五歳以上で現におられる。そうしますと、私どもの私学共済法は制度創設以来国共済に準じてまいっておりますし、給付の内容等すべて他共済と同じでございます。今日までそれをやってまいりましたということで、私学共済だけが六十五歳以上で支給するということは新たな制度間の格差を生ずるという問題が生ずるというふうな議論がなされているということでございまして、それらも、厚年の方の在職支給、私個人の意見で申しわけございませんけれども、厚生年金の六十五歳以上支給、社長さんであっても年金が支給されるというようなことが現状行われておりますが、共済制度の退職後の生活保障制度としてそういうのがいいのかどうか、六十五歳以上に支給するにしましても、中身としてさらに議論を詰めていく必要があるのではないか。そういうことを将来に向かっての制度全体の検討の問題として取り上げ、お考えになって、国会でこの問題が法改正に結びつけられなかったというふうに理解をいたしております。
○中西(績)委員 いろいろ言っておりますけれども、それでは、この四項目提出をしました第一項にそれを掲げておるわけですけれども、はっきり言って、それでもう満足してそれより以上のものはもう要らないということですか。
○宮園参考人 私どものところは、先ほども申しましたように一万五千何百人おるわけで、他共済に比べて大変多い数の六十五歳以上の人がおる。その人たちの要望を受けて御要望申し上げたわけでございますから、それが実現できればありがたいということはもう問題ないところでございます。
○中西(績)委員 できればありがたいと、人ごとのようにそればかり言うのですよね。少なくとも、主体がどこにあって何をやっているかということを考えた場合に、こうして要望書を出すに当たって、出したものについてやはりその実現を目指してやるのは当たり前でしょう。それがなくて、人様がしてくれるのだからやってくれればありがたいというような考え方ですか。だったら、あなたたちは、こうした問題について実現できなかったことについて、ことしはもう要望も何もせぬということになるのですか。その点はどうですか。だから、あなたたちが主体的にそれをやるつもりがあるかどうか、希望するかどうかということですよ。そういう人がおるからたまたまやったんであって、やってくれればありがたいなどという言い方でよろしいかどうか。どうですか。
○宮園参考人 お言葉を返すようで大変失礼でございますが、先ほど申し上げましたように、さきの国会の委員会で、この問題についてどういう要望があるかということについては、御審議の過程で当共済組合からもるる申し述べております。それで審議をしていただいた結果、国会の法改正に結びつかなかった。それは、先ほど申し上げましたように、他共済制度全般に通ずる諸問題もあるということで、制度全体の問題としてこれから検討していかなければいけない重要問題であるというふうに私ども理解しまして、やむを得なかったというふうに考えているわけでございまして、これから七十年に向かって年金一元化の歩みが進められていくわけでございますが、その中で、この実現に向けて十分お力添えをいただきたいと考えているわけでございます。
○中西(績)委員 少なくとも私学の場合には三十四校に上る未加入組合がございますね。ここの場合はどうなっていますか。厚生年金ですからここは年齢制で六十五歳以上になれば当然受給できる仕組みになっていますね。しかも掛金は低いでしょう。だから、先ほど言われておったように、例えば松下幸之助氏であっても三百万を超えるような年金受給をしているわけでしょう。公務員の場合には一応、大学であれば一般的には六十三歳、地方公務員、特に教員の場合なら六十歳という年齢制限がありますから、それで皆退職しております。その方たちは皆受給できる。私学だけがこうした問題等があるので——国公の場合には例えば最高裁判所の裁判官とか特例の人が百万を超える報酬を得ているからということ等もそれはあるでしょう。しかしこれは特例中の特例なのです。一般的に見た場合にどうなのかということを追及すれば、これはもう当然制度的な改善をしてくれという要望ぐらいすべきじゃないかと私は思っているのだけれども、その衝にある者が余りそうした考え方がないというのだったら——去年だってそういう考え方の中でいろいろして要望書を出すから、三分の一の人が落ちるようなことを平気であなたたちは要望することになるのだよ。主体性がないからそういう結果が出てくる。問題はそこですよ。自分が給料をもらっていればいいという考え方ではだめですよ。少なくともそこには一万五千人を超える人たちがいるということ。三分の一の場合だって、十三万の人が該当するからということで一昨年、さきの国会ではあれだけもめたじゃないですか。そして、それを修正するという事態まで生じたでしょう。だから、そのもとをどこに置いて物事を発想するかということをやらないと、いつまでたってもこれは解消しませんよ。その衝にある者が、皆さんでそれはやってくれればありがたい、それでいいという態度ではどうすることもできぬ。しかも、出している中身を見ると、これだけ要望する人がいるから出したのだと言う。私らではちょっと想像できぬですね。今の私学共済はそういう態度であるということを確認していいですか。それだったら今度はそこの人事まであり方を追及しなければならぬということになるのですよ。これだからいつまでも改善できるわけないのです。文部省の下請機関じゃないのですよ。それだけの人がいるということなんだ。だから、内容的に精査もできずにああいう要望書を出したためにこの前問題になったのでしょう。あれは修正されたからよかったようなものの、修正されなかったらあなたたちはあのときどうするのですか。今の態度そのものがすべてをあらわしておるのではないかと私は思うのですけれども、この点についてはあなたたちの態度は変更しないのですね。確認します。
○宮園参考人 これもお言葉を返すようで恐縮でございますが、六十年に御要望申し上げた趣旨はちっとも変わっていない、それはそのとおりでございます。 ただ、先ほど申し上げましたように、私どもは、昭和二十九年に厚生年金から他の共済制度と同じ制度を選択して創設したわけでございますので、やはり共済制度全体としてこれを検討すべき課題であるというふうに理解しておりますので、これからその機会が随時訪れると思いますが、そういった機会にはぜひその実現方に努力してまいる、そういう姿勢は全然変わっておりません。 ただ、今回の法改正は、給与改定に伴ういわばごく当然の改正でございまして、抜本的な制度改正につながるような法改正の機会ではございませんでしたので、先ほど申し上げました諸問題を御検討いただきながらこの問題が実現すれば私どもとしてはありがたい、これもありがたいと申し上げるより以外にないのですが、そういう努力をこれからも続けていくのは当然のことだと理解しております。
○中西(績)委員 もう言う必要ないですね。あなたたちの態度というのは、とにかく四十九年に私学共済に今まで入っていなかった人たちをみんな組合員化していったわけでしょう。そのときに残っているわけだな。それは何かといったら、掛金が高いとかいろいろな理由をつけて残っていますね。厚生年金だからそこの人たちは六十五歳になればちゃんと受給できるような仕組みになっている。その格差が私学の中でもある。このことがまず一つあるということを考えてもらわなければならぬでしょう。 それで、掛金が高くなるとか、それぞれが持っておる固有の財産、それが今度は私学共済年金に全部吸収されるとかなんとかいろいろな理由はつけていますよ。しかし、少なくともこうしたものを制定してやっていく場合には、画一化が好きなあなたたちが今までこれを手がけていないということで、これは文部省に言うことかもしらぬけれども、そして依然として残っているわけだ。そしてそこの人は受給できる。しかも年齢が八十歳を超えるような人でもう何億という収入のある人だって三百万なら三百万の厚生年金を受給できるような仕組みになっているのですよ。そうした中にあるのに、この人たちだけがこうして放置されていくということになりますと、やはり公平ということが前提になっていくべきではないのか。そうであれば、あなたが言われるように、国公だとか地公、こういうところの人々がおるからここだけ云々ということでなくて、なぜ呼びかけぐらいして一緒にそういうことの改善を求めることをしなかったのか。これは少なくとも法改正のときにと言うが、その法にかかわる問題以外にこれを要求したら悪いという何か制約があるのですか。ないでしょう。なおかつ、この中から落ちておるから今度はこれをしてくださいと言うのが普通の常識じゃないでしょうか。 文部省には後で聞きますけれども、こうした問題について全くあなたたちは対策などをしておらないという実態が今明らかになったわけでしょう。だから、そこに人がいるということを前提にして物をどう発想するかということでしょう。このことを私が考えるときに、今のあなたたちの態度では到底そういう発想は出てこないのだから、その態度を改めるかどうか、その点をお聞きしたい。
○宮園参考人 先ほど申し上げましたように、私学関係者の御意向をまとめ、六十五歳以上の在職支給を要望いたしました。その考え方は少しも変わっておりません。今後についてもその実現に努めるということは当然のことだというふうに考えております。
○中西(績)委員 当然のことをしておらないから私は言っているので、しつこいようだけれども、当然あなたたちが、残っておる分についてこうあってほしいとかこうやってほしいということを、だからこういう特例措置として今度は法の改正が出されますよね、こうした際でも、これにかかわる問題だけでなしに、前回のそうした大改革のときにやろうとしたけれどもできなかったものも、できなければ、これは年を追って毎年でもこれらについて努力をしていくというのが当然あってしかるべきじゃないか。あなたが変わってないと言ったら、もう変える意思がないということになっちゃうからね。なぜかといったら、出したままで、やってくれてありがとう、あとは残っているけれどもその点については知らない、こうなっているのだから。 理事長さんの場合には実際に細かい点等について十分御認識いただくためにはなかなかだろう、したがって、実務的なことを担当しておられると思うから、そうであればそういうことが一番わかっておる衝におられると思ったから、だからきょう私はあなたに、宮園常務理事に参考人として出席してほしいと言ったのはそれなんです。あなたの態度がそれだったら、理事長なんというのはそういう細かい点に気づかないことがあるでしょうから、いや私より以上に気づいていますというならもう言っているはずだけれども、まだ文部省には言ってないらしいからね。この態度は、変えないなら変えない、変えるなら変えるということをはっきりしてください。それだけ聞いてやめますから。
○宮園参考人 これからもその要望の実現について努めてまいる、その姿勢は変わっておりません。
○中西(績)委員 それであれば具体的に、今度は文部省なりその衝にあるところにちゃんと出しますね。それだけ確認しておきますよ。聞いてみるといまだに出てないのですから。ほかに細かい点についてもこの内容にはいろいろありますけれども、一応終わります。 そこで文部省にお聞きしたいと思うのです。文部省としてはそうした格差があるということ、この点についてはお認めになっているわけでしょう。
○川村政府委員 ただいま御指摘いただいております六十五歳以上の在職者の問題でございますけれども、現在の制度、つまり厚生年金におきましては、六十五歳に達すれば在職中といえども老齢年金を支給する、一方共済年金につきましては、在職中は支給しないという制度の違いがあるということは十分承知をいたしております。
○中西(績)委員 それから、先ほども私が指摘をしておりましたように、私学共済未加盟大学三十四校ありますね。有名校みんなそうでしょう。その理由が、掛金が高くなるとかあるいは保養施設などを含む固有財産を人手に渡したくない、こういうのが理由のようですけれども、これらについての話し合いなり何なりはしたことがございますか。
○川村政府委員 現在その未加盟校が三十数校ある、有名校かどうかというのは私はちょっと差し控えますが、ともかく三十数校が未加盟であるということは御指摘のとおりでございます。それで、結局これはこの私学共済制度が二十九年発足以来何度かの制度改正を経て現在に至るその過程でこういう形になったわけでございまして、現在は御案内のとおりに仮に新しく学校法人が設置せられればそれはすべてこの私学共済に入っていただくわけでございますけれども、そういう過去の経緯の中からそういう形になっておるということでございます。この状態はそういう過去の経緯の問題としてとらえていくべきことかというふうに思っております。
○中西(績)委員 そうなると、差があるということはそのまま認めていくということになるわけですね。過去の経緯を認め、それを措置する気持ちはないと言っているのですから、差は認めていくということになるわけです。そうであれば、格差をなくすというお気持ちはございますか。
○川村政府委員 ただいま御指摘の点は大変重要な問題でございまして、先生も今るる御説明がございましたように、この百三国会で御審議をいただいたときに随分議論のあったことでございます。それで、この問題につきまして現在のとおりでいいのかという御指摘でございますけれども、基本的にはこれは現在の公的年金制度全体のあり方ではなかろうか。つまり現在の公的年金制度が、一方にその基本となる厚生年金、国民年金という制度があり、他方それぞれの共済年金制度というものがある、こういう形で現在の公的年金制度ができておる。そういうふうに違う制度が存在する以上、そこに今御指摘のようなそういう相違が出てきて、そこにいろいろ検討すべき問題があるということに相なるわけでございます。したがいまして、この問題につきましては、やはりこれから七十年にかけて検討が進められます公的年金制度の一元化という中でこういう問題も含めて検討しなければいかぬ問題ではなかろうか。百三国会におきまして、この問題について検討することという附帯決議をいただきましたのもそういう趣旨だというふうに受けとめておるわけでございます。
○中西(績)委員 ですから、少なくともこうした問題についてそのときになって急にやろうといってもこれはなかなかできぬということはおわかりでしょう。特に行政の中では、前段のそういう積み重ねなり何なりがちゃんとできておらないと、一足飛びに大転換をするなどということはなかなか困難なんです、一つの制度ができ上がった中ですから。 そうであれば、私は少なくとも、この私学共済なり理事の皆さん方に、実態がどうなっておるかということとあわせまして、やはりそうした不公平をなくすという建前を十分勘案していただくというのがまず前提じゃないかと思うのです。そうであれば、七十年ということをじっとして耐えて待つのではなくて、やはりこれはある程度、近い将来に向けてどう改定していくか検討すべきである。そこに人がいなければいいのです。そういう矛盾なりが出てくるであろうという推測だとか仮定によって論議しているというのならいいんだけれども、そこに実際に人がいるわけですから、その人たちに不公平な面を少しでも是正していこうという考え方が今大変欠けていっておるのじゃないかという感じがするものですから、だから今もう一回これを喚起しておかぬと、これがこのまま見過ごされていくと、またそのときになったら、今まで来たんだからとか財政が云々とかいうことで、そうであればということでまた切り込まれてくるということだってあるわけでしょう。だからそうした点を考えると、何としてもこれは、前回のああした大改正があったからこそ、そこで実現できなかったものは、直ちに手がけて、それを積み上げていくという方式をぜひとっていただくべきではないか、私はこう考えるわけです。ですから、この点文部省としても、私学のこういう人たちを対象にして十分検討していく意思があるかどうか。
○川村政府委員 本件につきまして先ほど来私学共済組合の宮園理事からいろいろお話がございましたけれども、私ども平素から私学共済組合とは日常の業務運営その他で緊密な連携をとっておりまして、私学共済組合とされても、理事長以下この問題について大変問題意識を持っておられるということは、私ども平素のつき合いからよくそれは承知をしております。私どもも私学共済組合でのそういうお気持ちもよくわかりますし、それ以外に、私学の関係者の皆様方がこの点についていろいろ問題意識を持っておられるということもよく承知をしているわけでございます。 ただ、先生が今御指摘いただきましたように、あれだけの大改正を六十一年にやったばかりだし、これからさらに一元化という方向に向くわけでございます。一方、この共済組合制度、共済年金制度というのは長い歴史のあるものでございますから、にわかに転換をしていくというのは先生おっしゃるとおりなかなか困難だ、だけれども、そういう問題意識を踏まえて私どもが、これから七十年の公的年金の一元化の中でこの問題についてもしっかりフォローしてまいらなければならないということを私どもは肝に銘じているところでございます。
○中西(績)委員 私が特にこのことを強くあれしますのは、附帯決議などについて、附帯決議はもうあれはやらしておけばいいんだ、こういう格好に終わったんではかなわぬから、特に私はこのことを強く指摘するわけです。特に今不公平が顕著になっている部分、そうした面について取り上げてみたわけでありますけれども、この点特に私は今後の課題として、問題として提起をしておきまして、こうした問題が論議されるときには必ずこれらの問題についてどのような措置をしたかということをこれから追及をしてまいりたいと思いますから、十分御検討しておいていただきたいと思います。 それでは次に、昭和五十六年に行われた行革国会の中におきまして行革関連特例法によって国庫補助金、五十七年から六十年までの間に二五%の減額措置が講じられておると思います。大体推計でどれくらいになるのでしょう。
○川村政府委員 ただいま御指摘のございましたいわゆる行革関連特例法におきます国庫補助金の取り扱いでございますけれども、私学共済年金に対する国庫補助金につきましては、厚生年金等ほかの共済年金と同様に、いわゆる特例期間、昭和五十七年から六十年でございますけれども、その間、国庫補助金の四分の一を削減するということであったわけでございます。その四年間でございますけれども、五十七年以降六十年まで、若干年によりまして金額は相違いたしますが、合計をいたしますと、この間の削減額は予算ベースで約七十六億円ということでございます。
○中西(績)委員 これは金利を含まっていますか。
○川村政府委員 失礼をいたしました。ただいまは予算ベースでございまして、これによる運用の収入を、金利を仮に共済の予定の利回りでございます五・五%で計算いたしますと、六十一年度末現在で約十三億円になるわけでございます。したがいまして、七十六億円プラス十三億円で合計約八十九億円ということになろうかと思います。
○中西(績)委員 この点、先ほどから出ておりますように、わずかの金額であっても、制度的にという理由はつくにいたしましても、なかなか財源的な問題等からいたしまして実現できない問題がたくさんある。だのに、こうして当初は一年と言っておったものを三年また延長するというような事態が生じまして、八十九億円という金額になっておるわけでありますけれども、これは必ず返還をするということを約束しておるわけでありますけれども、これはどうなっていったのでしょうね。
○川村政府委員 ただいまお話がございましたように、この削減分につきましては、その利子も含めましてこの特例期間が経過後において速やかに返済をするということで、政府の方針としてそれは従来たびたび示されているわけでございます。一方において国の財政状況ということもございます。その状況も勘案しなければなりませんが、一方、我々といたしましてはこの年金財政の長期的な安定ということもございますから、そういう事情を勘案しながらできるだけ速やかに返還されるものというふうに承知しているわけでございます。 それでは具体的にどうするかということでございますけれども、私ども、昭和六十一年度以降概算要求等におきましてこの点につきましては財政当局とも随分と御相談はしておるわけでございますけれども、現時点ではまだ実現はしていない、こういうことでございます。
○中西(績)委員 そこで、大臣にちょっとお聞きしたいと思いますけれども、当初大蔵大臣などが、あるいは行管庁の長官などが、私たちが追及をした中では必ず返還をするということが確認されて、次々と引き延ばされてきておるわけであります。財政面における状況というのはますます厳しい状況になってきている。そうなってくると、これがまた先延ばしされたりあるいは相当年限数、この分については到底返還はできないというようなことになりかねないという状況が出てくることを私は一番おそれています。なぜなら、また今度これを理由にいたしまして、それだけのものを返さずとも何とか運営はやっていけたではないかなどと言って、今度補助金をさらに他の面におけるいろいろな面の削減等についても手がけるという一つの理由にもしかねない、私は今こういう状況が出てくるのではないかということを一番おそれています。したがって、この点についてはぜひ大蔵当局との関係等におきまして対応していただきたいと思いますが、大臣、今までのお話の中におけるいろいろな問題等からいたしましても、ぜひこの点は早急に返還措置をとるように対応していただきたいと思いますが、どうでしょう。
○川村政府委員 先ほどの点でちょっと申し落としまして、今先生が御指摘のように、これを理由にして今後また国庫補助金を減らすことになるのではないかというようなことでございますけれども、私どもはそういうことはあってはならないし、あるべきことでもないであろう。つまりこれだけの、先ほど申しました七十六億円というのは予算ベースでございますけれども、これにつきまして、我々の予定をしております運用利息というもの、五・五%というものは将来返還していただくときにはきちんとしていただくということでございますので、その点につきまして、運用利息まで含めて返還をするということであるならば、そういう国の財政事情もありますし、それは一つの方法か、こういうふうに思うわけでございます。 それにしても、その形が債権の形で非常に不安定な形であるということは先生御指摘のように問題でございますから、それは国の財政事情等をよく勘案しながらできるだけ早い機会にきちんと返済していただくように私どもとしても今後努めてまいりたい、こういうことでございます。
○中西(績)委員 できるだけ早い時期と言いますけれども、時期的にはいつごろを考えていますか。
○川村政府委員 これはやはり国の財政状況全体との関連もございますから、現時点でいつごろということを具体的に申し上げることはなかなか困難ではなかろうかというふうに思っております。
○中西(績)委員 財政が好転をするという見通しなりが立っての話であれば、あなたがおっしゃるように、では待っておきましょうか、こういうことになるだろうと思いますけれども、財政事情というのは大変厳しいでしょう。そして、これからの経済の動向等を考えると税収がどんどん、がばがばふえて増額されるという見通しなどにつきましても、成長率から何から類推しますと、むしろ厳しゅうなってくるんじゃないかということを感じるわけですね。したがってそうした面から、今いつごろということの想定ができぬのもそこにあるだろうと私は思うわけですね。であればあるほど、私がさっきから申し上げるような危惧が生じてくるわけですから、この点はひとつ大臣からでも、どんなことがあってもそうした点についての歯どめを何かの方式でもってかけるということの明言か何かしていただければと思います。
○塩川国務大臣 削減分並びに利子分の約八十九億でございますが、この具体的な返済時期等につきまして、これまで六十一年度予算編成、六十二年度予算編成の際に文部省としても強力に交渉いたしましたが、しかしその実をとることができませんでした。今回、近く概算要求が八月にあると思うのでございますが、その概算要求の時期等をにらみまして、大蔵当局に強力に働きかけていきたいと思っております。
○中西(績)委員 これはただ単に私学だけの問題ではありませんけれども、やはり全体がそうした問題で一応のけりをつけて、そしてその上でまた新たな行政措置ということになればまだ話があれなんですけれども、もうずるずる、ずるずるやられたのでは、これはもう行政的には非常にまずいんじゃないか、こう考えるわけですね。そうした意味で、ぜひ概算要求なりをされる際にはこの点強く指摘をしておいていただきたいと思うのです。 次に、私学振興財団あるいはこの都道府県からの助成の問題でありますけれども、私学振興の見地から今後も堅持すべきではないだろうかと考えておるわけでありますが、この点について、特に五十四年から政府の出資金をずっと見てみますと、四、五、六、七の四年間は二十億になっていますね。それから五十八年は半額の十億、五十九年五億、六十年四億、六十一年三億、そして六十二年は二億五千万くらいになってしまっていますね。こうしたことを考えますと、やはり私学振興を図っていく上からも、どんなことがあってもこうした助成というのは、確かに厳しいけれども、近ごろの傾向というのはすべての面にそういう傾向があるわけですけれども、こうした面についてもぜひ回復措置をとるようにすべきではないだろうか、こう考えておりますけれども、この点についてはどうでしょうか。
○坂元政府委員 私学振興財団に対します国の出資金は、その運用益で私学振興財団の業務経理、これは人件費や何かの通常の経常的経費ですが、業務経理をまず賄うということと、それからもう一つはいわゆる逆ざや、貸出金利と借入金利の逆ざやを補てんするということ、それから第三点に私学共済に対する援助、それと私学研修福祉に対する助成というような機能を果たしておりまして、私どもも大変重要な役割を果たしておるというふうに考えております。 年々、その年に応じまして逆ざやの状況等がかなり違っております。先生御指摘のように出資金に対する経緯というのは先生が数字を挙げたとおりでございますが、本年度は昨年度より五千万少ない二億五千万を計上しておりますが、出資金というのは、その運用益で先ほど申し上げましたような役割を果たしておるわけですが、本年度二億五千万が出資されたという前提で六十二年度末の出資金の累積額は約三百八十八億、正確に申し上げますと三百八十七億九千万ですが、約三百八十八億になっております。年々この出資金はそういう意味で累積額はふやしているわけでございまして、私どもとしましては、出資金の運用益が果たしておる、先ほど申し上げましたような役割を十分勘案いたしまして、私学振興財団の財政運用状況を、毎年予算編成の段階で翌年度の財政運用状況を十分勘案しつつ、今後とも出資金の確保、増額には努めてまいり、適切に対応したいというふうに考えているところでございます。
○中西(績)委員 そうしますと、ふやさなくてはならないけれども、この額の年々のあれをずっと見ますと急速に減少しているわけですね。減額されてきているのですよ。ですから、この減額されてきておるが、片一方、この運営面における支障などはこの減額措置によって影響は出ておらないかどうかですね。そこいらについてある程度触れておかないと、もしそれによって一定の影響が出ておると仮定いたしますならば、これをどうふやさなくちゃならぬかという新たな論議をまた起こしていかなくちゃならぬわけですけれども、ここいらはどうなっていますか。
○坂元政府委員 今のところ、先ほど申し上げました運用益で果たしております三つの役割というものについては、一応私どもの計算上は支障が出てきておりません。六十二年度も二億五千万で一応その目的を十分達せられる運用益が出るという計算になっております。
○中西(績)委員 いずれにいたしましても、こうした年度的な面からいきますと、運用がどういうふうに、まだ詳細に中身を検討しておりませんから我々としては指摘ができないわけでありますけれども、極端にこうした減額措置がされておりますだけに、この点については十分再検討する必要があるのじゃないかと思っておりますので、この点についても、今回は一応留保しておきますけれども、ぜひ拡大するよう御努力いただきたいと思います。 最後に、私学共済組合が公的年金として整合性のある発展を図るためには、この制度などに関する重要事項を審議する文部大臣の諮問機関を設置すべきではないかと私は思います。したがって、この関係者を含む専門機関、ぜひ設置をと私は考えます。 と申しますのは、先ほどもちょっと触れましたけれども、前回の本委員会におきましても問題になりました、共済組合の方からの要望書の中で見落とされておった部分等が出てきたのも、そうした問題での専門的な知識を含めて十分検討をする必要があるのではないか。特に農林年金と私学共済だけがこうした制度がないわけでありますから、この点どのようにお考えなのか、大臣にお答えいただければと思います。
○川村政府委員 御指摘のように、私学共済組合につきましては、ほかの国家公務員等共済組合審議会あるいは地方公務員共済組合審議会というふうな制度が設けられていないわけでございますけれども、それには若干それだけの理由があることでございまして、先生御承知のように、この私学共済制度というのは、私立学校の教職員につきまして国公立の学校の教職員との処遇の均衡を図るということで設けられたもので、したがって国公立学校の教員に対する措置に準じてこれをやるというふうなことにもなっているわけでございまして、そういう基本的な制度の枠組みが国公立と同様になっているというふうなことでございますとか、あるいは国家公務員とか地方公務員の場合には国家公務員なり地方公務員の共済制度の中で組合が幾つかあってその組合間の調整を図るという必要もあろうかと思いますけれども、この私学共済組合につきましては単一の組合だというようなこともございますし、それから今先生の御指摘がございましたように、内容的な問題についての十分な審議ということにつきましては、現在この私学共済組合の運営審議会が設けられておりまして、この運営審議会はほかのそういう国公とか地公とかとは違って、いわゆる三者構成でこれをやっておるというようなことがございます。そういうふうな事情がございますので、これまでそういう審議会というものを設けずにまいったわけでございますので、そういう制度の沿革というものはそれなりに意味のあることかというふうに思っておるわけでございます。
○中西(績)委員 時間が参りましたから、これについて深くまた議論する時間がございませんけれども、いずれにしましても、やはり何といっても私学と農林年金だけがそうした面がないわけでありますから、この点はもう一度時間をとってでも論議をしたいと思いますが、いずれにしても検討をしておいていただきたいと思います。 そこで、先ほど一番冒頭に申し上げましたように、いただきましたこの十六項目にわたる附帯決議の回答、その中の幾つかを取り上げて指摘をいたしたわけでありますけれども、こうした点で大臣に最後に、このようにしてこれからも附帯決議等が付されると思いますけれども、ただ機械的にでなくて、やはり先ほども申し上げましたように一つずつ積み上げるという方式からいたしましても、こうした附帯決議についての取り扱い、そして、さらにそれの実現を目指しての行政的措置等について、お考えがあればお答えをいただきたいと思います。
○塩川国務大臣 附帯決議につきましては、その趣旨につきまして我々も十分尊重するものがあると思っております。先ほど川村審議官も申しましたように、年金の問題はしょせん一本化する過程においてそれぞれ思わぬところに不公平があってはいかぬ、こういうことを私たちも痛感いたすものでございますから、御指摘がありました点につきましての改善に今後とも努力いたすようにいたします。
○中西(績)委員 終わります。
○愛知委員長 午後一時三十分に委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時四十四分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開議
○愛知委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。山原健二郎君。
○山原委員 最初に文部大臣の、教育委員会に私学の監督権を渡すという御発言。五月九日の各新聞を見ますと、塩川文部大臣が、八日開かれました都道府県・指定都市教育委員会委員長・教育長会議で、こういうふうにおっしゃっておられます。「教育委員会が従来の公立学校の管理・運営だけでなく、私立学校なども含めた幅広い教育行政ができるよう教育委員会の権限や役割について見直しを行う意向を明らかにした。」こういうふうに報道されていますが、この言葉だけでは大臣のお考えがわかりにくいのでありますけれども、文部大臣とされましては何を根拠にしてこのような御発言をなさったのか、最初に真意についてお伺いをいたしたいと思います。
○塩川国務大臣 その発言は、実は仰せのように都道府県教育委員会委員長・教育長会議のときに発言いたしました。 私、実は恥ずかしながら、文部大臣になりますまでに、私は大阪出身でございますが、大阪の私学はやはり教育委員会が所管しておるのだと思っておったのです。ところが、大臣になりましてから私学の人たちとおつき合いをするようになって、大阪府の場合は教育委員会じゃなくて企画部だ、こういうことなんです。おかしな話だなと思いまして、教育委員会は教育関係、学校全部やっておるのと違うのかと言ったら、全然違うのだ、ばらばらなのだ、こういうことでございました。これはおかしいじゃないかと私は思っておることが第一点でございます。 同時に、教育委員会法でございますか、それを読みますと、教育委員会は教育全般のことをやることになっておるのに、一方では地方教育行政組織法で見ますと、私学は知事部局でやるんだ、私学の助成金というものは補助金というものを知事部局でやっているんだ、こういうことでございます。 私は、文部省は学校を私立も公立も一つの役所として扱って総合的に考えておるのに、地方団体においては教育委員会という立派な役所がありながら何でこんなに分散しておるのだろうかと不思議でならぬ。これは一般市民が見ましてもそうじゃないかと私は思うのですが、この際に教育の一元化ということから、公私の不均衡をバランスをとって反映していくということから見まして、所管を一つにした方がいいのではないか、行政改革なんというのはこんなことが大事なことじゃないかなと思っておりまして、それを率直に申し上げたということでございます。
○山原委員 私もかつては県の教育委員をしておった経験を持っておる者です。だから、教育委員会の任務、責任その他についてはよく知っております。文部大臣が、文部大臣になられましてから奇異にお感じになったという点はわからぬではありません。率直に言ってその意味では素人ですから、その気持ちはわからぬではありませんけれども、これはこれなりに歴史もありますし、現在知事部局が持っている権限を教育委員会に移行するということになりますと、法律上の問題からいいましても随分たくさんの大改革ということになるわけですね。それから、私学の持っている建学の精神であるとかいうことから考えますと、やはり文部大臣でございますから、一言一言が教育関係者にとっては大きな影響を与えるわけで、その意味では当然慎重な態度をとっていただく必要があると思いまして、私は随分思い切った大胆なことを言い始めたなと思ってびっくりしたわけです。 そこで、大臣としましては、私立学校については都道府県知事が所管することになっていますが、教育委員会の所管にして直接監督権を持たせようというお考えで言われたのかどうか。その後文部省からも意見をお聞きになっておると思いますが、その辺はいかがですか。
○塩川国務大臣 だから、私はその発言の中で、これは非常に難しいことであり、問題を提起いたしますから、今後その問題についてともに考えてくださいという問題提起をしておるのです。そこではそうなっておるのです。見ていただいたら、録音があればお聞かせいたしますが、新聞などというのはそのときの筆によって違いますから、録音を聞いていただきたいと思うのです。そうでないと新聞だけでは判断できないと思います。そこでは問題を提起しておるのです。 なぜ私がこんな問題を提起したかというと、おっしゃるように歴史があり因縁があり、何か補助金というしがらみがついておる、これはわかります。しかしそれはその関係者がプロの話でありまして、一般市民、一般国民から見たら、学校で所管が違うのだ、こんなおかしなことはないだろうと私は思っております。それで私はこれを問題提起するから考えてくれと言ったのです。
○山原委員 新聞報道ですから録音を私が聞くわけにはまいりませんけれども、この中に「法制局と法律上の検討を進める考えを示したうえで、」と報道されておりますが、「法律上の検討」とは何を指すのか、そこまでお考えになっておるのかということを、どうですか。
○塩川国務大臣 先ほど言いましたように、教育委員会法あるいは地行法ですか地方教育行政組織法ですか、何かその法律でそれぞれうたってありますから、そこらをどのように統合したらいいのかなと私はかねてから思っておるのです。それをやはり検討する必要があるだろうと私は思っておるのですが、文部省がどうするかわかりませんが、私は少なくともそれを問題提起したい気持ちで言ったということは間違いございません。
○山原委員 プロにはわかるけれども素人にはわからぬ、一般から見るとおかしいということですね。これも単純な評価はできないと私は思っておるのです。 例えば臨教審が、これは一番関係しておるのは私学の中高連というのがございますが、日本私立中学高等学校連合会ですね、その方からこういう見解が出されております。これは文部大臣の発言に対して出ているわけではありませんが、臨時教育審議会の第二次答申として出される可能性があるために、それに対しての見解が全国日本私学中高連の見解として出ておりまして、こういうふうに書いております。 この際、特に留意されたいことは私立学校のうち特に高中小学校、幼稚園等については公立学校が都道府県や市町村の教育委員会、具体的には教育庁の所管であるのに対して私立高中小学校、幼稚園は都道府県知事の所轄となっている点である。所管とは管理運営の責任があることであり、私立学校は設置者が学校法人であるから当然管理の責任は学校法人にあり所轄庁の権限は私立学校法の第五条に示されている「私立学校の設置廃止、全日制、定時制、通信制の課程、大学の学部学科等の認可、設置者の変更、収容定員の変更、学則の変更、閉鎖命令」等に限定されており、第八条により知事は私立学校審議会に諮問し、その意見を徴して認可するよう定められている。私立学校法の第一条にも明示されているはうに「私立学校の特性と自主性が尊重され、教育機関としての公共性を高めることが私立学校の健全な発達の条件」であり、この法律又私学関係者等の使命責任の自覚と創意工夫の積み重ねが現在の私学の発展充実をみたのである。 臨教審委員の一部として高等学校等の所管が教育委員会、又知事と行政の二元は改めて一元化すべきであるとの意見も伝えられているが私立学校の設置者と学校運営の特性と自主性、教育内容、学校運営の実態と四十年余にわたる実績について慎重に検討され、且つ今後のあるべき方向について誤りなき結論が下されることを期待したい。私立学校関係者、特に高中小学校、幼稚園関係者は総べて、私立学校の教育行政は現状どおり知事の所轄であり私立学校審議会制度の存続を希望していることについて理解されたいと願っている。 こういうふうに、臨時教育審議会の答申の中身に対して危惧の念を持たれまして見解を表明されております。そのときに文部大臣から、今おっしゃったような教育委員会に移管するといいますか、監督権を渡すという言葉がぱっと出てまいりますと、これは相当の混乱を引き起こすことは目に見えておるわけでございまして、そういう意味では私は、大臣として慎重な態度をとられるならば、全国の私立学校関係者あるいはそれらの長年にわたって苦労した人たちの意見というものを参酌しながら発言することが正しいのではないか。私も、文部大臣としてなってみたら二つに分かれていることはおかしい、おかしいから変えろ、これは確かに一つの見解ではありますけれども、長年の経過あるいは私学の建学の精神と、それから御承知のように今申し上げた私立学校法第一条に明示されている目的というものを考えますと、軽々に、検討することはもちろんあり得ると思いますけれども、文部大臣という権限を持った方がこういうふうにずばり出されますと相当の影響を与えるということはお考えいただきたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。
○塩川国務大臣 これは、私が問題を提起したのは私の信念からやっておるのでございまして、それを、私もそういつまでも文部大臣やっていませんから、後は文部省がどうやるか、これは文部省次第のことでございますから何とも申し上げられませんが、しかし、そんな建前論で議論すべき時代ではないと私は思うのでございまして、確かに戦後の私学が教育委員会から遊離したいという気持ちはあったろうと思います。建学の精神があるから教育委員会の所管になるのはおかしい、私はそのこと自体が理屈がおかしいと思いますし、ましてやこれからの先を見まして、それじゃ、学生がだんだん減っていく、生徒が減っていく、そして私学の維持管理というものと公立の維持管理というものをどこでどうバランスをとっていくのですか、こういうようなことが二元行政であっていいのか、やはりこれは一元化しておく方が、公私の生徒の配分・案分とか、私学の助成、こういうようなものも適切に行われるのではないか、こう思うのでございまして、四十年たったら時代は変わりますから、私はできればそういう方向に行ってもらいたいという信念を持って申し上げたことであります。
○山原委員 個人がどんな意見を持とうとそれは結構なことでございますけれども、文部行政の最高責任者という立場もあるわけでございますから。例えばこれをやるとしますと、今までの教育行政のあり方が抜本的に変えられることになるのですね。まあそういう国民世論が、コンセンサスが得られれば私は結構だと思いますけれども、そういうこととか、さらに私学の独自性とか、しばしば出てまいります私学の建学の精神というものがあるわけですし、それを私学の画一化、硬直化をむしろもたらす管理強化につながる、そういう教育行政を国がすべて握ると、それは確かに一元化という意味ではきちっと整理されるかもしれませんけれども、そんなことで文教行政は動くものではないと私は思うのですね。そういう意味で、文部大臣としての御発言については私は慎重な態度をとってもらいたいということをこの際申し上げておきたいと思います。 それからもう一つ、これは今のと関連はありませんけれども、例えば文部大臣がこれは文部省と相談をされていろいろなところに祝電を打たれたりすると思いますが、ここにこういうことがあるのですね。これは原理研というのがございまして、御承知だと思いますが、最近非常に問題になっております霊感商法ですね。例えば一万円のニンジン茶を八万円で売ったり、原価一万一千三百円の印鑑を百二十万円で売ったり、十万円の多宝塔というのを五百万円というべらぼうな金で売られる霊感商法というのがありまして、テレビでしょっちゅう問題になっておりまして、今は社会問題にまで発展をしておりますが、これを行っているのが世界基督教統一神霊協会、国際勝共連合と呼ばれているものであります。 この組織というのは、御承知かもしれませんが簡単に申し上げますと、イエスが韓国に再臨されることが事実であるならば、その方は間違いなく韓国語を使われるであろうから、韓国語はまさに祖国語となるであろう、したがって、すべての民族はこの祖国語を使用せざるを得なくなるのであろうという韓国中心主義。内部ではまたこんなこともやっています。統一協会の四大名節と呼ぶ記念日には幹部が天皇やレーガン、キリスト、釈迦、マホメットなどに扮して、文鮮明という人物の前にひれ伏すという儀式がございまして、天皇の役を日本統一協会の久保木会長が演じるというようなことまでやられている団体なんですね。これに対して国会でも随分問題になりまして、学生の中にあるいは若い人の中にこの原理運動というのに参加して家に帰ってこないということで、これを救出する親の会というのがございまして、随分国会でも問題になりました。特に一番取り上げてこられたのが横山利秋先生であったわけでございますけれども、そういう団体なんですね。 その団体が今回、昨年の十月十一日にニューヨークで、第三回原理研究会世界大学生総会をやっております。そこへ塩川正十郎文部大臣から祝辞が出されておりまして、越智通雄衆議院議員が登壇をされましてこの祝辞の内容を紹介されたということが報告として出ておるわけでございますが、私、たまたまこれを見まして、こういう祝電、祝辞というのは割合簡単にやるのかな、そういう団体の性格その他を見て取捨選択してやるのかなと思っておりましたけれども、そうでもないのかと思うのですが、これは事実でしょうか。
○塩川国務大臣 私は、直接祝電とか祝辞を出すときにはその当事者の方とお会いして割合慎重にやっておるつもりでございます。しかし、そのことは私も覚えがございます。それは、その関係の方が私のところへ来られていろいろと話をしておったのです。話をしておって、何かニューヨークかワシントンか忘れましたけれども、こんな大会をやるんだと言ったから、これは一般常識として、ああ、そうですか、結構なことですね、ということはあります。そこで、それでは祝電でも打たしていただいてよろしゅうございますかという話があったように思いまして、そのときに私がどう答えたかは覚えておりませんが、恐らく、まあ適当にというようなことだったろうと思うのです、私は今思い出しますと。ですから、これは何も文部省が公文書みたいなことで祝電を打ったのでも何でもなくて、それは恐らくその方が私の名前の上に文部大臣とつけて打ったんだろう、私は今そういう感じがしております。私自身でこういうぐあいに打ってくれと言ったことはございません。
○山原委員 それで多少わかりましたけれども、随分文部大臣の名前を使われますので、そういう意味では、軽率なとは言いませんけれども、これまた慎重な態度をとっていただきたい。さきの大臣としての発言の問題と絡めて、一言質問をしたわけです。 次に、大蔵省がお見えいただいておりますが、先ほど中西議員の方から御質問がありまして文部省が答弁をされておりましたが、いわゆる行革関連特例法に基づく私学共済の国庫負担のカット分につきまして、文部大臣も、これは今後においても努力をするという御発言があったわけでございますが、大蔵省はこの点についてどうお考えになっておりますか。
○中島説明員 行革関連特例法で私学共済に対する国庫補助の四分の一がカットされておるわけでございます。これにつきましては、御承知のようにその法律におきまして「事業の財政の安定が損なわれることのないよう、特例適用期間」、これは昭和五十七年度から六十年度までの四年間でございますが、「経過後において、国の財政状況を勘案しつつ、」「適切な措置を講ずるものとする。」と規定されております。このように法律的に基本的な考え方が明らかにされておるわけでございますが、返済の具体的方針につきましては、今後の国の財政状況等を勘案する必要がございますために、残念ながら現時点ではっきり申し上げられないところでございます。しかし、将来において、特例公債依存体質脱却後においてでございますが、積立金の運用収入の減額分を含む年金国庫負担金の減額分につきまして、できる限り速やかな繰り入れに着手したいと私どもとしても考えておるところでございます。
○山原委員 文部省もまた大臣も大蔵に働きかけて全力を挙げるというお話でありますし、結局適用期間が過ぎたら返還するとうたっておったわけでありますから、これをいつまでも遷延するなどということはとんでもない話だと言わざるを得ません。その点で今後の努力を要請いたしたいと思います。 次に、これまた大蔵省に関係してまいりますが、昨年私はこの委員会で、臨時教育審議会に対する大蔵省メモについて質問いたしました。それはいわゆるスクラップ・アンド・ビルドという問題でありますが、今度は私学助成に関して重要な問題を含んでおりますので伺いたいわけであります。 昨年大蔵省が臨教審に提出したメモによりますと、高等学校以下の私学助成についてこういう記述になっております。「高校以下の私学助成は国の補助財源を削除し地方交付税による一般財源化を図る。」これについて大蔵省は、大蔵省の考え方だと答弁をしてまいりました。事実八七年度の予算は、私学助成の高校以下について、わずかではありますけれども、〇・七%アップしまして七百二十五億円の補助が組まれました。ところが、ことしの二月四日の官庁速報によりますと、「私立高校等経常費補助金を見直し——大蔵省、国と地方の機能分担にメス」として、 大蔵省は、都道府県が私立の高校、小中学校、幼稚園などの運営費を助成する場合、その一部を定額補助する「私立高校等経常費助成費補助金」を、行革審答申に沿って国と地方の機能分担、費用分担の観点から本格的に見直す方針を固めた。 と報じています。また同記事は、 大蔵省は一応、十年を一区切りとして、六十一年度予算編成の際から同補助金の見直しを検討してきたが、文部省や自民党文教族は「当面の誘導措置とみるのは財政当局の一方的な解釈だ」と強く反発している。しかし、大蔵省は国、地方を通じた行財政改革を一層推進するには、国と地方の役割分担などの明確化は不可欠とみており、厳しい財政事情も考えて本格的に見直すことにした。早ければ六十三年度予算編成の大きな課題として浮上してきそうだ。 こういうふうに報じておるわけでございますが、大蔵省は高校以下の私学助成の見直しを検討しているのでございましょうか。この点について伺いたいのです。
○伏屋説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘の私学助成の問題でございますが、高校以下の点につきまして、この前の四月の臨教審答申におきまして「国と地方の役割分担と費用負担の見直し」という指摘がございます。また、昨年の行革審答申でやはり「国と地方の役割分担の在り方について、検討を行う。」という提言をいただいておるわけでございます。財政当局といたしましては引き続き、現下の厳しい財政事情のもとで、文教予算につきましてこの私学助成も含めまして常に幅広く種々の角度から検討を行っていく必要があると考えております。御指摘の高校以下の私立学校に対する助成につきましても、関係省庁と協議しつつ検討を行ってまいりたいと思います。 なお、先生が言われました二月の報道につきましては、私ども承知しておりません。
○山原委員 これは官庁速報によって質問を申し上げたわけですが、私は、私学助成のいわゆる目的は何であるかということが大蔵省は文部省側の見解と違うと思うのです。私学振興助成法は「私立学校の教育条件の維持及び向上並びに私立学校に在学する児童、生徒、学生又は幼児に係る修学上の経済的負担の軽減を図るとともに私立学校の経営の健全性を高め、」これが目的なんですね。だから、財政上の問題としてだけ見る見方とは違った教育上の観点がこの助成法の目的にはずばり書かれているわけでして、この点をゆがめるような態度というのは許されないわけです。そして、これにつきまして先ほど出ました日本私立中高連は、「臨教審に対する大蔵省の意見又は説明は全く納得了解できないところである。若し、このようなことが行われるならば、国公私立学校に関する総ての教育関係財政法律の全面改正に繋がることであり、教育財政の破壊、引いては教育破壊に係る大問題と言わざるを得ない。」こういうふうに見解を表明しておるのであります。大蔵省に今求められているものは私学助成の充実でございまして、私学助成の一般財源化ではないと私は思うのでありますが、この点はどういう基本的な考え方を持っておりますか。
○伏屋説明員 お答え申し上げます。 私ども、一方で、教育の上で果たしている私学の役割の重要性は十分認識しておるつもりでございます。他方、財政改革も重要な課題であるという認識でおるわけでございます。先生の御指摘の点につきましては、行革審の答申にもありますように、教育水準の維持向上とか父母負担の適正化、特色ある教育の推進等、財政事情も含めて総合的にいろいろ勘案しながら検討してまいりたいと考えておるわけでございます。
○山原委員 時間が参りましたので、最後に文部大臣の見解を伺いたいと思います。 私学助成問題は常に大きな問題であり、現在、私学に子供を通わせている家庭の状態というのは極限状態と言ってもいいぐらいで、借金をして子供を学校へやらなければならぬというようなところまで来ているわけでございます。そして、毎年予算編成に当たりましても、最後までこれは政治折衝の一つの柱になるという状態でございます。大蔵省の見解は今おっしゃいましたけれども、何といってもおなかの中では財政問題から見ていくわけですね。しかし、教育行政の面から見るならば、これは私学助成法の目的に書かれておりますような教育上の目的を持っているわけでして、これをゆがめたら教育は成立しないわけですね。その意味において、文部大臣としまして、この問題について大蔵省のこういう動きもありますけれども、これは断固としてやはり私学助成の充実を図っていくというのが大臣のお立場ではなかろうかと思いますが、最後に塩川文部大臣の御見解を伺って、質問を終わります。
○塩川国務大臣 おっしゃるように私は、断固として私立学校助成金の増額を要求してまいりました。幸い、六十二年度につきましては大蔵省も十分な理解を示してくれまして、ちょっとでございますけれども、とにかくふやしてくれたことは事実でございまして、これで下げどまりで、来年六十三年はこれを一つのばねにしてうんとふやしてくれるだろうと私は思っておりまして、六十四年になったらうんと伸びるだろうと期待をしておりますし、当然、私は、私学助成というものが我が国の教育の水準を引き上げる上において非常に重要な助成事業であるということ、これはもう一生懸命やってまいります。
○山原委員 終わります。
○愛知委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○愛知委員長 この際、本案に対し、高村正彦君から修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。高村正彦君。 ————————————— 昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○高村委員 私は、ただいま議題となりました修正案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 法律案の施行期日は、既にその期日を経過しておりますので、これを「公布の日」に改めようとするものであります。 何とぞ委員各位の御賛成をお願い申し上げます。
○愛知委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○愛知委員長 これより討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決に入ります。 内閣提出、昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案について採決いたします。 まず、高村正彦君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○愛知委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○愛知委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○愛知委員長 この際、ただいま議決いたしました本案に対し、高村正彦君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五党共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。佐藤徳雄君。
○佐藤(徳)委員 私は、提出者を代表いたしまして、ただいまの法律案に対する附帯決議案についての御説明を申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 昭和六十二年度における私立学校教職員共済組合法の年金の額の改定の特例に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について検討し、速やかにその実現を図るべきである。 一 私立学校の特殊事情にかんがみ、六十五歳以上の在職者に対し、厚生年金と同様に退職共済年金支給の措置を講ずること。 二 行革関連特例法に基づく国庫補助金の縮減額については、適正な利子を付してその補てんを行うこと。 三 日本私学振興財団及び都道府県からの助成については、私学振興の見地から、その財源措置の充実に努めること。 以上であります。 その趣旨につきましては、本案の質疑応答を通じて明らかであると存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げまして、提案にかえます。
○愛知委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○愛知委員長 起立総員。よって、本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。塩川文部大臣。
○塩川国務大臣 ただいま御決議いただきました事項につきましては、その御趣旨に沿って十分検討いたしたいと存じます。 —————————————
○愛知委員長 なお、ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○愛知委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○愛知委員長 この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 本日、理事林保夫君の委員異動に伴い、現在、理事が一名欠員になっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○愛知委員長 御異議なしと認めます。 それでは、林保夫君を理事に指名いたします。 次回は、来る二十二日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時六分散会 ————◇—————