物価問題等に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 163 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/05/21
会議録
○河上委員長 これより会議を開きます。 物価問題等に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡海紀三朗君。
○渡海委員 御承知のように一昨年九月のプラザ合意によって始まりました円高、この円高によりまして、我が国は、単に数字の上だけで見ますと、一人当たりGNP、また賃金などの面で、今や世界の最高水準に達しているという見方ができると思います。また、経常収支の面でも黒字幅がGNPの三%を超えた状態というのは、歴史上で見ても、一時のアメリカであったり、またパクス・ブリタニカと言われたイギリスに見られるだけでありまして、そういう場合のアメリカとかイギリスというのは、いつも黄金時代と言われた時代でございました。その時期に国民生活も飛躍的に発展し、また社会資本の整備なども随分進んだと聞いております。そういったことでありますけれども、現在の我が国の状態を考えた場合に、実際の国民の生活実感といいますか、単に数字上で、豊かになったというふうにはとても考えられないような状況ではないかと思うわけでございます。確かに、経済が発展をしてまいりまして、戦後これだけ経済大国になったと言われる中で、豊かになったということは否めない事実でございまして、一面的に議論をすることはできないとも思うわけでございます。しかし、今円高になっている、現実にそういったことを考えますと、日本の経済力が強くなったというメリットが十分国民生活に反映される、また経済というのはそのためにあるんだというふうに考えるわけでございまして、そういった点で、本日は円高の問題を中心に御質問を申し上げたいと思う次第でございます。 まず最初に長官にお伺いをいたしますけれども、現在の我が国の生活水準、先ほど私なりの簡単な感想を申し述べましたけれども、国際的に見て長官はどのように評価をしておられますか。
○近藤国務大臣 お答えをいたします。 国民生活を国際的に比較する比較の仕方がたくさんございますが、先生も御指摘ございましたように、日本の今のGNPを単純に今の円の対ドルレート一ドル百四十円で計算いたしますと、もう既に日本は一人当たりGNPが一万八千八百ドルですか、そのくらいの水準で世界最高になる。ただ、これはあくまでも為替レートでございまして、実際その購買力でどれぐらいかとすると、一ドル二百二、三十円ぐらいが購買力平価による換算率ではないか、これで計算いたしますと、これは一万二、三千ドルぐらいになるのかなということでございまして、こうなると実はアメリカよりも下がるわけでございます。 ただ、ノミナルにそうであっても、実は先般、経済審議会のもとに経済構造調整特別部会というのがございまして、そこで今後の日本の経済社会のあり方を目指しての経済構造調整の指針を出したわけでございますが、その中で経済企画庁が補足資料として計算をしたので見ますと、例えば今の日本人の食生活をアメリカの物価ですると、実は食費が半分になってしまう。また、同じように光熱エネルギーも、アメリカの光熱エネルギーで今のレートを使って計算しますと半分になってしまう。住居費も三割くらい減だ、こういうことでございまして、名目的には大変いい水準にあっても、実際国民生活の内容という点で考えてみますと、名目の数値が示すようなことではない。また一方、国民生活水準の見方として、例えば平均寿命がどうなるかとか社会的な安定度、犯罪率とか検挙率とかそういったもの、さらに下水道の普及率とか都市における公園の割合といった社会資本の整備、そういった面から考えると、ノミナルでは今のレートで単純計算いたしますと世界最高の一人当たりGNPでございましても、国民の生活実感から考えていくと、その水準に達するにはまだ相当な努力が要るのではないかというふうに私どもは考えておる次第でございます。
○渡海委員 どうもありがとうございました。 そこで、話が少し具体的になるわけでございますけれども、最近選挙区等でいろいろと耳にする話のうちの一つに、日本の製品が日本で売られている価格よりも、例えば実際アメリカヘ行って同じ品物を見たらアメリカの方が値段が安いことがあるということをよく聞くわけでございます。今までいろいろなたゆまない生産努力をしてまいりました。そしていろいろな手法を開発し、また工夫を凝らして品質の向上をやってきた。TQCとかバリューエンジニアリングとかいろいろなことが言われているわけでございますけれども、そういった中で日本の品物が安くて非常に良質であるということは、もちろん誇るべきことでありますし、非常にいいことであると考えるわけでございます。そういった日本の品物がいい、安いという恩恵はまず我が国の国民が受けるべきである、そうなくてはならないと考えるわけでございます。そういったことから考えましても、先ほど申し上げましたように、同じ日本の品物が、しかも日本でつくって出したものが海外の方が安いということがどうして起こるのか。これについて御説明をいただきたいと思います。
○近藤国務大臣 ニューヨークから帰ってきた方達が、ニューヨークで一番いい買い物は日本製品、日本のカメラとかそういったものを買うことだということを笑いながら話してくれたわけであります。日本の円高は、例のプラザ合意以来四割、五割上がっているわけでございますけれども、現実に日本製品の輸出価格、そのドル価格は、四割、五割上がった分だけ上がっていないのですね。大体五割上がっているのに平均で半分くらいドル価格を上げているということでありますけれども、日本のメーカー同士で競争が激しいものは、少なくとも下げることはともかくとして従来と同じドル価格で売っている。だから、円では相当ダウンしながら、やはり競争が激しいものですから転嫁できないでいる。それがドル価格が変わらないということでありますので、考えてみると円価格は下がっているのですね。ドル価格は変わっていないわけでありますから、それを前と同じドル価格で買えば、こちらの円で見れば非常に安くなっているわけでございます。日本の輸出メーカーが現在の円高で非常な苦労をしているわけでありますけれども、その中でドル価格に十分転嫁できていない、それをドルで買って円にかえれば結果的には非常に安い円の買い物である、こういうことであると思います。
○渡海委員 円高が非常に急速に進んだものですから、今長官がおっしゃったような実情もあろうと思いますし、日本の特に輸出産業というのはまず設備投資もしておりますし、雇用の問題もあります。そういったことからしますと、やはりシェアをある程度確保しておかないとうまく回らないというふうな考え方があるんじゃないかというふうにも考えております。そういった点で、確かに自動車等を見ましても、やはり円ドルレートの円高の傾向よりも現実の値上げは随分抑えられている、というよりは現実になかなか値上げが難しいというふうなことも聞くわけでございますけれども、これはまた別の意味で、消費者の目から見ますと、どうもやはり納得がいかないなというのが実感であるというふうにも思いますので、今後いろいろ経済運営に当たられまして、そういったことができるだけ是正されるといいますか、そういったことをお考えをいただきたいということをあえて申し上げておきたいというふうに思います。 さて、次の質問に移りますけれども、先ほど来何度も申し上げておりますが、円高メリットを国民の生活に反映をさせていくために、まず一番よく言われるのが円高差益の還元という問題であります。これまでも数度にわたっていろいろな円高差益の還元策がとられました。徐々にかなり効果が上がってきたというふうにも考えられるわけでございますけれども、やはりこれは今後とも引き続いて、しかも強い決意で、緩めることなくより差益還元に努めていく必要があろうというふうにも考えるところでございまして、長官に経済企画庁長官としての決意をお聞かせを願いたいというふうに思います。
○近藤国務大臣 まさに円高差益の還元を通じて円高のメリットを国民の皆さんに広く享受していただかなければならないと私ども考えておりまして、経済企画庁を中心に関係各省と常時協議をしてまいっているわけでございます。 私どもの計算では、一昨年の十月以来ことしの三月までに水際で発生した円高のメリットは、円高とそれから石油価格の減と二つ合わせて十八兆ほどある、こういうふうに計算しております。そして、それらの十八兆の差益が消費者そして投資者、そして輸出製品にも反映しているわけでございますので、それぞれが円高メリットによって、例えば消費価格が安定をしている、投資価格も安定をしてきたということを計算いたしますと、大体累積で十八兆のうち十兆ばかりが還元をされた、こういう計算になっております。その中には、例えば電気、ガス料金につきましても昨年六月に第一次引き下げをお願いいたしまして、またことしに入ってからも大体二兆円ぐらいになる幅の電力料金とガス料金の値下げをそれぞれ会社にお願いをしてきておる、そうしたことでやってきております。 ですから、大体大ざっぱに言って円高メリットの六割は還元をされた、こういうふうに考えているわけでありますが、あと四割が水際で発生して末端消費者に均てんするまでまだパイプの中に入っているので、これをさらに一般消費者に還元をしていっていただきたいということであります。それができるためには、やはり競争条件の整備されている商品については円高メリットの還元が進み、そして政府が多少値段を規制しているような分野では、これはいろんなほかの政策的な配慮でやっているのではありますけれども、メリットの還元がおくれる、こういうことでございますので、競争条件の整備、そして国が関係する公共料金についても、さらにいろいろ関係者の御努力をいただいて、何とか円高メリットが末端までさらに浸透するように努力してまいりたいと考えておる次第であります。
○渡海委員 先ほど競争条件の整備というお話もあったわけでございます。少し関連するかとも思いますけれども、日本の消費者が輸入品の円高によるメリットを受けやすくするためには、やはり輸入品が手に入りやすい、情報がいつもふんだんにありまして正しい判断ができ、またいろいろな条件がそろっていることが必要であろうというふうに考えるわけであります。つまり、いろいろな商品の中から消費者が常にネットを張れるというか、消費者の側からネットを張ることももちろんあるわけですけれども、そういった環境をつくり出していく、日本の市場そのものがそういった環境になるということが消費者にとって一番便利であるというふうに私は考えるわけでございます。 そこで、これは通産省にお聞きをしたいわけでございますけれども、輸入の促進という意味も含めて現在どのようなそういった努力をされておられるのか、それについて御説明をいただきたいと思います。
○鳥居原説明員 お答え申し上げます。 輸入の拡大あるいは輸入促進というのは御承知のように喫緊の課題でございますので、我々といたしましてもいろいろな手段、方法を講じまして努力をいたしております。 通産省で例をとりますと、最近でいいますと、主要企業三百二社に対して通産大臣の方から輸入拡大、特に製品輸入の拡大を要請いたしましたり、あるいは税制上機械輸入についての促進税制をつくったり、さらには製品輸入についての金融上の措置を講じたり等々のことを行っております。 特に、一般の国民の皆さんに輸入品を購入していただく、そういう輸入品購入マインドというものを醸成する事業といたしましては、いろいろきめ細かく、例えば街頭でのキャンペーンであるとかポスターの掲示であるとかあるいは各種メディア、ラジオとかテレビとかそういったものを通じまして広報活動を強力に推進をしておるところでございます。また、そういった団体、ジェトロでありますとかあるいは製品輸入促進協会、MIPROでありますとか、そういう団体もございますので、インポートバザールの開催あるいは商店街での輸入促進事業の推進といったようなことで、全国津々浦々できめ細かく地道に努力をしているというのが現状でございます。 ともあれ、輸入拡大というのは今後とも極めて重要な課題というふうに考えておりますので、一層こういった点での政策的な努力をしてまいりたいと思っております。
○渡海委員 これも少し関連があるかと思うのですが、輸入という面に関して最近並行輸入が非常に増加をいたしております。特に、物によりましてはブランド物と言われているような製品が並行輸入のためにかなり価格を引き下げられている、そういった効果があるというふうにも聞くわけであります。これは先ほど長官もおっしゃいました一つの競争状況が生まれているために起こった結果ではないかというふうにも考えるわけでございますけれども、こういった観点から考えますと、並行輸入の中には時には若干にせものが含まれていたり、品質の面で余り保証ができないとかいった問題があるというふうな問題点もないとは言えないわけでございますけれども、よい品物がしかも安く手に入る、消費者の立場に立てばそういった意味で、まず円高メリット還元をしかも消費者にダイレクトにわかってもらう、またその利益が与えられるという面で、ある意味で促進をしていくというか、評価ができるのではないかというふうに考えるところでございます。 聞くところによりますと、公正取引委員会の方は、先ごろそういった問題について輸入総代理店と並行輸入ということについて調査結果を公表されたというふうに聞いておりますけれども、その内容を簡単に御説明をいただきたいということと、この問題についての公取の取り組みの姿勢をお聞かせいただきたい。
○厚谷政府委員 お答えいたします。 公正取引委員会は、円高差益の還元、製品輸入の促進という観点から、昨年の八月以降に、並行輸入にかかわりまして、消費財二十五品目を対象としまして百貨店、量販店あるいは公正取引委員会の消費者モニターその他関連事業者を対象にアンケート調査あるいはヒアリング調査を実施したところでございます。 この調査を通してわかってまいりましたことは、どのようなときに並行輸入が行われるかと申しますと、輸入総代理店が決定する価格が国外の価格より相当高い場合、あるいは輸入総代理店が取引します国内の小売店の数を非常に限定しておるような場合、こういう場合に並行輸入が行われているということがわかりました。そして、並行輸入品が入ってまいりまして安く商品が販売されるということになりますと、輸入総代理店経由のものも価格を引き下げて販売される、こういう事例が見られたわけでございます。 そこで、重要なことは、流通ルートを複数化して輸入総代理店の価格形成に対して競争圧力が機能することではないか。そういうことから申しますと、国内市場の競争を促進するということが非常に重要なことではないかということでございます。そこで、公正取引委員会といたしましては、並行輸入が円滑に行われるような環境を確保する必要がある、このように考えた次第でございます。 このようなことから、独占禁止法上問題となるおそれのある並行輸入の不当な阻害行為を明らかにして違反行為を未然に防止するということで、「並行輸入の不当阻害に関する独占禁止法上の考え方について」というものを取りまとめまして四月十七日に公表いたしました。この考え方におきましては、並行輸入を不当に阻害するおそれのある行為として、例えば輸入総代理店が卸売業者または小売業者に対して並行輸入品を取り扱わないことを条件として取引をするというようなことなど、六つの行為類型を並行輸入を不当に阻害するおそれのある行為として明らかにしたところであります。 公正取引委員会といたしましては、製品輸入の拡大や円高差益の還元を促進する上で並行輸入が円滑に行われますように、今後とも並行輸入を不当に阻害する行為が行われることのないように監視していきたい、このように考えております。
○渡海委員 初めに申し上げましたように、主に、経済が発展をいたしまして、そしてその力が強くなったがために、ある意味で競争力ができて円高という事態を引き起こした。ところが一方、それによって国民の生活が実感としては余り豊かにならない。そういう観点から、その経済が発展をして起こった円高、これはやはりメリットとして国民に還元されなくてはいけないだろうという観点から、今まではちょっとメリットの部分、いわゆる光の部分について少し聞いたわけでございますけれども、今むしろ問題になっているのは、円高のデメリットというのが大きな社会的問題でございまして、一つだけ実はその点についてお伺いをしておきたい。 産業構造をこれから調整をしていかなければいけないというのは最近どこへ行っても聞かれることでございまして、今そのためにどういう方法がいいのかという議論が行われているわけでございますけれども、一方、今まで我が国の経済はやはり中小企業によって支えられてきたというふうな一面も見逃せない事実であります。これまでもいろいろな取引形態の中で親企業が下請の中小企業に対していろいろ不当な行為をしているのではないかというようなことは通常の状態のときにも当然起こった問題でございますし、また、そういうことが起こらないために下請法という法律があって公正取引委員会がいろいろと調査なりされているわけでございますけれども、今のような状況になりますと、特に輸出関連産業等を中心にしてやはりそういったことが起こる可能性がまた非常に強くなっているのではないか。企業はいろいろな合理化努力をして競争力を回復しようとしておりますから、そういった面でそのような状況の中でよりそのおそれが強くなっていくと考えるわけでございまして、そういった点、公正取引委員会として現在とのように取り組んでおられるか、その点をお聞きしたいと思います。
○柴田政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のように、最近の急激かつ大幅な円高の進展によりまして輸出産業が厳しい影響を受けている。したがって、親事業者が下請事業者に対して下請単価の引き下げを要求していることは承知をいたしております。ただ、下請単価の引き下げを要求することそれ自体直ちに下請法上問題ということは言えないというふうに思いますけれども、親事業者が発注の決定に当たりまして優越的な地位を利用して一律一定比率で単価を引き下げて下請代金の額を決めること、あるいは親事業者の予算単価のみを基準として一方的に通常の単価より低い単価で下請代金の額を決めるといったようなことは、俗に買いたたきと我々称しておりますけれども、下請法第四条第一項第五号に違反をするおそれがある。また、協力値引き等と称しまして一度決めていた下請代金を支払いのときに減額するということも、下請法第四条第一項第三号に違反する行為というふうに考えております。 このような行為が生じないように私ども不断の注意を払っておりまして、毎年、親事業者約一万社、下請事業者約五万社に対しまして書面調査を実施をいたしております。六十一年度中に下請代金の減額を行ったとして警告いたしましたのは百五十七件でございます。減額事件に関連して、六十一年度中に親事業者百六社に対して総額五億八千四百九十三万円、千百八十五社の下請事業者に対して返還をお願いをいたしております。また、買いたたきのおそれがあるものとして警告いたしましたのは五十一社ということで、六十年度に比べて、六十年度は二十社でございまして、大幅にふえております。 公正取引委員会といたしましては、下請法の違反行為が生じた場合、これを迅速かつ効果的に処理することはもちろん必要でありますけれども、それにも増して違反行為を未然に防止することが肝要であると考えておりまして、ことしの四月一日に下請法第四条第一項に関する新しい運用基準をつくりまして、現在関係事業者に周知徹底を図っているところでございます。このように、未然防止を図るとともに違反行為がないよう常々監視、指導の強化を図っていきたい、こういうふうに考えております。
○渡海委員 時間がもう余りなくなりましたので、先ほど申し上げましたようにこういう環境下でございますので、例えば調査範囲をより広げられるだけ広げるとか、そういった目で御監視をいただきたいと要望申し上げておきます。 最後になりますが、初めに申し上げましたように、やはり経済発展というのはそれが国民に還元をされて豊かな生活が実現をしてこそ意味があるというふうに考えるわけでございまして、特に日本の場合には、住宅であるとかそれから食糧であるとか生活の非常に基礎的な部分、基本的な部分での価格が高い。それは長官も一番最初にお答えになったことでございまして、そういった面を考えますと、やはり今後の経済政策の中で、これは何度も繰り返して申し上げますけれども、やはりせっかくこれだけ豊かに経済発展を数字上はしたわけでございますから、それがより生活に結びつくような経済政策というものを今後進めていっていただきたいというふうに思うわけでございまして、最後に長官としての今後の取り組みの姿勢、考え方をお聞かせ願いたいと思います。
○近藤国務大臣 日本のように資源のない国は、よくかつては輸出がしからずんば死かと言われたわけでありますけれども、それに代表されるように、国内生活を切り詰めてもいいものをつくって海外に売って外貨を獲得してまた原材料を買う、こういういわば経済発展のパターンを繰り返してきたわけでございますけれども、その見事なある意味では成功が現在の膨大な経常収支の黒字であり、そして世界最大の債権国に国際的に最近なったわけでございます。確かにそういう点では国際的な資産を積んだけれども、日本人の生活はよくなってない、こういうことになっている。私はよく、日本は帳簿上の経済大国である、帳簿上の国際資産大国である、こう言っておるわけでありますが、やっぱり帳簿上だけではだめなんで、それを物にかえて私たちの生活の具体的な向上に持っていかなきゃならない、振り向けなきゃならない、これがまさによく言われる輸出主導型経済から内需主導型経済への政策転換である、需要、供給両面における経済の構造転換である、かように考えているわけであります。まさに日本の生産力を輸出に向けないで国民の生活の向上、特に住生活の改善、社会資本の整備、そして食生活をさらに適正にするための農業の生産性のアップ、流通の近代化、そういったことに向けてまいりたい。 実はきょうも官邸で政府・与党による経済構造調整推進本部の会合が開かれたわけでございますが、経済審議会のいわゆる新前川レポートの建議を受けてそれを政府・与党一体となって実行をしていこうではないか、こういうことについての決定を見たわけでございますので、先生の御趣旨にも沿いましてひとつこれから政府を挙げて頑張ってまいりたいと考えている次第でございます。
○渡海委員 ありがとうございました。 以上で私の質問を終了させていただきます。
○河上委員長 村山喜一君。
○村山(喜)委員 私は経済企画庁長官の物価特別委員会におきます長官あいさつ並びに六十二年度の経済運営に当たっての所信についてまず初めにお尋ねをいたしてまいりたいと思います。 そこで長官、最近GNPの一人当たりの日本の所得は一万八千百ドルになった。アメリカはそれに対して一万七千七百ドルに落ちている。だから日本は一番高い所得を得ているんだ。これはドルベースでの話であり、購買力平価の問題を抜きにした話でございますが、そういうものが発表され、貿易収支が一千億ドル台の黒字に上っている、世界の最大の債権国家になっていることは、今もお話があるとおりで、ございます。 そういう中で、最近は新聞広告等が朝起きるとたくさん入っております。不動産相続の個別相談開催のこれは通知、広告でございます。これを見てみると、相続税評価は昭和六十一年と六十二年の変移を調べてみると次のとおりになります。六十一年に相続していた場合には一億円の相続評価だが、六十二年に相続をすると一億八千万円になりますよ。これは特定の場所が指定をされた評価の計算基礎も入っております。 最近は住宅、マンション、そういうような不動産関係の広告がいろいろ入っておりますが、それを見てみると、もう全部マンションじゃなくて億ションでございます。億の単位の金がなければ買えない。こういうような二DKくらいのやつが一億何千万円もするような状態というのは一体どうして生まれたんだろう。これは中曽根内閣のもとで民活の問題を盛んに取り上げられたここ一年くらいの間に発生した経済的な事象なんですね。 こういうような問題を考えてみますと、消費者物価は落ちついております、超安定でございます、何ら心配要りませんというようなことで国民は聞いておりましても、生活実感の上から、一体日本経済はどうなるんだろう。おれたちの生活はどうなるんだろう。で、遺産相続の場合には、自分の持っている土地やあるいは住宅もおやじから受け継いだやつを処分をして相続税を払って田舎の方に引っ越しをしなくてはならぬだろう。一体これから我々の生活の根拠地はどうなるんだろうか。こういうようなことを庶民は考えているわけですね。ところが、そういうような財産を持っておる人は、また一面においては、大学を出まして三十年も働いた人が生涯の間に得る給与所得などよりははるかに飛び離れたけた違いの所得がぽんと入ってくるわけですから、土地を持っておる人たちはもう大変な潜在的な所得者として我が世を謳歌することもできるわけですね。 そういうような状況の中で、将来日本経済というものを展開をしていく中で一体何を考えていったらいいのかということを初めに指摘をしながら、長官に逐次お尋ねをしてまいりたいと思います。 まず、経済成長の見通しは三・五%ということで見ておりましたね。これはしかし、六十一年度の場合には見込みとしては三・〇%になるであろう。これをげたの足にしましてその上に六十二年度の経済見通しをつくったわけであると思っておりますが、今のままの状況でいくならば、一ドル百四十円くらいの円レートでいくならば、何らの対策も講じないでいくとした場合には一体六十二年度はどういうような経済成長の見通しになるのか。そこで、これではいかぬということで、きのう予算が成立をいたしましたから、あと緊急経済対策の問題を取り上げたり、あるいは今長官からお話がありましたように、ニュー前川リポートが出ましたから、これをどういうふうに実践をしていくのかということの政策課題が当面の経済運営の中で問われているんだろうと思うのでございますが、その経済の見通しはどういうふうになっていくのかという問題と、それから近く決定を見る緊急経済対策、その位置づけの問題、経済審議会の構造調整の指針の問題、これらの問題を今後経済政策の中でどういうように位置づけられるのか、初めにお聞きをしたいと思います。
○近藤国務大臣 私も先生と同じ実感を持っております。私は九段宿舎におるのですが、朝起きて新聞を見ると、まさに先生がお示しになりましたような広告が入っていて、これはマルが一つ違うのじゃないかと思うくらい、まさにマンションが億ションになっておる。これは先ほどもちょっと申し上げましたけれども、衣食住と申しますが、衣食は足りましたけれども住がおくれているので、これからの我々政府の大きな政策目標は、いかにして適正価格で国民に住居の提供をできるかということが最大の課題であると思っておるわけであります。ついでに、食についても、諸外国と比較してどうも高いではないかという議論もありますし、衣食住足りていると言いますが、農業の生産性の向上、流通合理化を通じて食の面にも取り組んでまいって、先生御指摘のございましたように、GNPは現レートで換算いたしますと一人当たり世界最高になるわけでありますが、その実感がないので、経済大国日本の国民なんだというお気持ちを国民の皆さんに持っていただけるようにするのが政府の政策の基本的課題だろうと考えている次第でございます。 今年の経済見通しでございますが、昨年は四%の見通しを年初にいたしたわけでございますが、さきの経済演説でもお話しいたしましたように、どうもその達成が難しくなってまいった。ただ、昨年一年間の円高の進展というものはかってないぐらい激しいものがございまして、年初の二百円台が年末には百六十円まで上がった。こうした激しい円高の状況の中で、私どもは昨年の秋に総合経済対策を発表いたしまして、補正予算を通していただき、内需拡大を図ってまいった結果、その内需だけを考えますと、当初見通しと余り変わらない四%前後の達成を見たのではないか、また、六十一年度は、三月までございますので最終的なデータが出ておりませんけれども、内需だけを申せば四%近い線は出たのじゃないかなと思うわけであります。 しかし、急激な円高によって私たちの予想よりも大きく落ち込んだのは民間の設備投資部門でございまして、これはもう明らかに輸出産業を中心として予想よりもはるかに下回ってまいりましたが、政府の政策でカバーして内需は何とか達成した、こういうことであります。ただ、為替レートで大きな影響を受けたのは外需側面でございまして、従来輸出が伸びておったのが低迷し、数量的には減ってまいった。片っ方で、輸入は、円高の結果、製品輸入を中心にふえてまいりました。これら輸出の減と輸入の増は、GNPに対してはそれぞれマイナスの働きをいたしますので、これが合わさって一%を超えるマイナスの影響を持ったということで、暦年で申しますとGNPは差し引き大体二・五に落ちついてしまった、こういうことでございます。したがって、年度におきましては、あと一-三月がどうなるかでございますけれども、私は経済演説では三%と申し上げましたけれども、率直に申し上げて三%に達しない公算が強いのじゃないか、そういうことでございます。 そこで、ことしはどうだ、こういうことでございます。ことしは三・五%を達成したいということでございますが、私どもが年頭三・五%の見通しを閣議決定いたしましたときの一つの目安にしております為替レートは一ドル百六十三円でございましたが、それから最近は百四十円前後まで上がってまいりました。百六十円台でレートが安定するならば、恐らく日本の企業家もその百六十円レート時代に適応する形の企業行動をしたに違いない。また、積極的な設備投資もことしは少なくとも年央から始まるに違いないという見通しを持っておったわけでございますが、百六十円台が百四十円台まで上がってしまいまして、輸出関連企業は、私どもが考えても、投資活動においてはさらに慎重にならざるを得ないのではないか。おかげさまで昨日六十二年度予算を通していただきましたので、これを大幅に前倒しをして景気の下支えをしよう、こう考えております。 現状、自然体で経済の状況を見てまいりますと、消費は依然として堅調でございますし、民間住宅投資も昨年に引き続いて堅調でございますが、経済のいわばダイナミックな押し上げ要素である民間設備投資は、今申しました状況で予想どおりいかないとすれば、どれぐらいのところに落ちつくのだ。かてて加えて、円高による外需要素がマイナスに加わってまいりますから、そう見てまいりますと、自然体でいけば、三・五%の経済成長を達成することは難しいのではないかな、こういう懸念を率直に持つわけでございます。 したがいまして、先生から御指摘もございましたように、通していただきました六十二年度予算の思い切った前倒し実行に加えまして、大型の補正予算を軸に、財政主導でことしの景気を押し上げていくための緊急経済対策を現在経済企画庁が中心になって、関係各省の御協力を得ながら、至急作成中であるということでございます。
○村山(喜)委員 緊急経済対策の段取りでございますが、先ほど、政府・与党の会議を開かれたということでございますが、新聞あたりでは、こういうようになるのじゃなかろうかというので、観測記事でございましょうが、総理も総額は五兆以上、その中には減税の分も入るのだというような話がございますし、アメリカでの首脳会議では、リアルマネー、真水でなければだめだよという話もしておるようでございますが、その中身は新聞に報道されているような内容のものであるのかどうか。これから固めていかれるのでしょうが、その中で一体長官はどういう考え方をお持ちなのか。 今の話をお聞きいたしますと、六十二年度の予算は通った、しかし一ドルが百四十円ぐらいの円高の中に張りついているわけですから、しかも将来ドルの値段は上がる見込みがなかなかないと見るのが通常の見方であろうと思うのです。そういう場合に、ここで五兆円という一つの目標を示した数字を国際的な公約として出された。ところが、その中身をめぐりましてまだ固まっていないと我々は聞いているわけです。というのは、減税を一体どれだけにするのか。それは内に入るのか外に出すのか。あるいは、地方公共団体や政府のいろいろな団体がありますが、そういうのまで含めた財政投融資の原資を含んだもの、あるいは地方債の裏づけを含んだもので公共事業等を展開する筋合いのものなのか。あるいは建設国債を五兆円程度発行しまして、それが真水だよというような形の中でやろうとしているのか。新聞を見るだけじゃわかりませんし、またこれから固めていかれるのでしょうが、一体どういう方向に国際公約とやらを実行していくのか。特にあなたは中曽根総理からその問題については責任を持ってやれよという指示をされたというふうにも新聞に書いてございます。その点はどうなんでございますか。
○近藤国務大臣 私は、まず基本的に、日本経済の場合に経済発展の原動力は民間の投資活動であり消費活動であると考えておるわけであります。例えば六十二年度経済見通しを考えてみましても、名目で三百五十兆円のGNPの中で、消費の占める割合が二百兆円でございますし、民間設備投資の占める割合が五十五兆であり、住宅投資の占める割合が十六、七兆であったと記憶しておりますので、合わせますと二百七、八十兆になりますね、在庫投資を含めてきますと。そうすると、三百五十兆といっても二百七、八十兆がまさに民間セクターでありますから、民間の投資活動、消費活動、これが活性化することが経済が発展するためのまず大原則であるわけであります。 ただ、先ほど申しましたように、昨年来、そしてことしに入りましてからの円レートの高騰、そして不安定というような要素が入ってまいりますと、民間の設備投資も低迷をしてまいる、それにつれて全体の経済のムードが沈滞するということになりますので、当面臨時、緊急的な措置として、さしあたっては財政主導型による景気対策をまず先行させる。 そして、先日もOECDの閣僚会議がパリでございまして、私も出席すべきであったわけでありますが、参議院の予算委員会の総括質問の最中で、おまえは残れということで参れなくて政務次官にかわって行ってもらったわけでありますが、政務次官の報告、また出席閣僚の話を聞きましても、今世界的にドルの安定、そして円の安定が望まれるのだけれども、そのためには、いわゆる国際的な市場筋に、日本が明らかに財政主導による内需拡大政策に踏み切ったのだ、こういうことで信頼されるような政策をとってくれることが円ドルレートの安定のための大前提である、こういうようなことをOECDの会議等で言われておりますから、こうした国際的な期待にもこたえなければならない、こういうことであると思います。そうしたことで、実は総理も先般訪米された折に、アメリカ大統領を初め米政府の首脳に対しても、予算が通ったら五兆円を超える財政措置によって内需拡大策を早急に講ずる、こういうことを自民党の政策要綱という形で話をされてきたわけでございます。 そこで、予算も通りましたし、私ども大至急この調整に入っているわけでございますが、今関係各省といろいろ話を進めている段階でございますので、新聞等にいろいろ書かれておりますが、必ずしも我々の知るところではなく、いろいろなことで書かれておると思うわけでありますが、ただ、先生から真水だとかリアルマネーだとか言われました。何をもって真水というか、何をもってリアルマネーというかということについては、これまた議論が分かれるところでございますが、私の考えでは、国及び地方政府が自己の責任においてできる事業量と、それから財政投融資におきましても、例えば開発銀行の融資枠とか中小企業金融公庫の融資枠というのは相手があることでございますね。相手が銀行に来て、これこれの金を貸してくれ、住宅も含めて貸してくれと言って初めてこれが実現するわけでありますから、これは相手のあることで、民間の方々の参加によって実現する事業とがあります。前回の三兆六千億の総合経済対策にはこれを含めて考えておったわけでありますけれども、今回はまさに財政主導型で景気回復をする、こういうことでございますので、そうした民間が誘発されて、誘導されてこられるのは今回は事業量としては別枠と考えさせていただいて、少なくとも国及び地方政府、そして政府機関の責任においてできる事業でまず対策の中心部門を占めたい、こういう考えで今いろいろ関係各省と御相談をしている、こういうことでございます。
○村山(喜)委員 輪郭がわかってまいりました。 そこで、緊急経済対策を進める場合に一番問題になっておりますのは、「増税なき財政再建」計画という中曽根内閣のメーンスローガンがございましたが、一体これはどうするのかということで前川新リポートを見てみると、注意深く述べておりますね。財政主導型の発動を妨げないように配慮した形で述べている。とするならば、やはり六十五年度までに赤字国債をゼロにする目標は掲げても間違いはないわけですが、実際実現性はと言えば、こういう国際的な公約をしなければならないような状態も出てきた、客観的に見て大変な黒字がたまって、そうしてその黒字を発展途上国に還流する基金制度までつくらなければどうにもならないような経済実態になってきているときに、日本の財政政策だけを眺めたそういうような考え方というものはここで発想の転換をしなければ、世界の要請にこたえることができないし、また円レートをどの程度に安定をさせるかはまだ聞いておりませんが、余り動かさないということになると、一ドル百四十円で安定を張りつけるということになりますと、そこを基礎にした一つの経済政策というものをつくっていかなければならぬわけですから、そういうような意味においては非常に重要ないわゆる認識の変更を迫られる問題ではなかろうか、こう考えておりますが、その点はいかがでございますか。
○近藤国務大臣 財政再建計画につきましては、予算委員会等で大蔵大臣もたびたび答弁をされておりますが、先生も御指摘のとおり、現状を見て考えてまいりますと、現在言われております財政再建目標の達成は決して容易ではない、こういう認識は大蔵大臣もお持ちのようでございます。しかし、大蔵大臣は引き続いて、そう言っても、しからば仮にそれが難しいとしても、それにかわるための何らかの目標というものがなければ財政運営に対しての一つの指針を失うことになるのではないか、そういうようなお話もしていらっしゃるわけでございますので、しからば新たな指針をどう考えるのだというようなことをあわせて考えなのあたりを慎重に対処していきたい、こういう考えのようでございます。 私は、そうした大蔵大臣の考えも考えとして、私の立場、すなわち経企担当大臣という立場でもう一回これを考えてみますと、税収といい、また逆に財政規模といい、先ほど言いましたように、現在は円高でまさに緊急事態でございますし、国際的にも国内的にも内需拡大を求められておりますから、思い切った財政主導型による経済運営をすべきだと考えております。しかし、私最初に申しました民間の活力がこれによって触発されて消費や投資や住宅投資がどんどん進んでいけば、必ずしもすべて財政がずっと今後長期にわたって経済発展のいわば主導性を持たなくたっていいわけでございますから、その場合には財政が後退をしてむしろ民間が表に出て経済を押し上げていただく、こういうことになりますね。そして経済が活力を持ってくればおのずから例えば現在の税体系を前提にしても税収の自然増が確保できますから、そういう非常にダイナミックな日本の経済というものを前提にしてこれからの経済運営を考える場合に、一概にその財政再建目標をここでもう不可能だと言い切ってしまっていいのかな、そこは景気の対策を考えながらいろいろな角度から慎重に検討してまいる必要があるのではないか、かように考えておる次第でございます。
○村山(喜)委員 なかなか言いづらいのだろうと思いますから、それ以上質問をしても答えられないだろうと思います。 私が一点だけ経済見通し、経済運営の問題で長官にお尋ねしておきたいのは、今の為替レートの動き等を見ておりましても、その経済の基礎的な条件が変化をしない限り、まあ変化もしそうにございません、アメリカの経済の見通し等は。そうなると、先ほど一ドル百六十三円で計算をしてその上に構築された経済見通し、今度は百四十円ということで、しかも三・五%の成長率はこれも実現を図ってもらうわけですが、そのためには五兆円以上の国なりあるいは国の機関あるいは地方の機関の政治の領域で責任を持つ財政の出動によってそれを保証しよう、こういうことになっていけば、当然ながらそこには経済の見通しというものもそういう新たな状況を踏まえて再検討をされる時期に入るのじゃなかろうかと思います。経済企画庁長官は、経済の見通しやそういうような状況の変化にどういうふうに対応されるのか、その点についての心構えをお聞かせをいただきたい。
○近藤国務大臣 民間の経済調査機関の見通しも三・五ではなしに二%前後ではないかというような御指摘を受ける場合もございますが、そうした民間の調査機関の見通しと私どもの当初の見通しの違いは何かといえば、大きく違うのは民間設備投資でございまして、最近の民間の調査機関の見通しにおいては民間設備投資を非常に低く見ておるわけでございます。これが違いの大きな要因でございます。同時に、まさにさっき申しました円高による外需要素というものが民間と私どもの機関の違いの差であるわけであります。 そこで、私どもが考えなければならないことは、今申しました自然体で当初見通しの達成がそう楽じゃない、こういうことを申し上げました。しかし、民間の調査機関と違って私どもは政府でございますから、当初の見通しより自然体でいかないかもしれないよ、なら仕方がないんだというわけにはまさに経済政策担当官庁としてはまいらないわけでございますので、自然体で難しければ、しかもどういう形で経済を活性化することで当初見通しの線に持っていくかというのがまさに景気対策のいわば課題であると私は考えているわけでございますので、そのために緊急経済対策を通じてさしあたって財政主導でいって少なくとも当初見通しを達成するぐらいのことはしていかなければならないのではないか。昨年は秋の対策でございましたが、ことしは七月までにはその対策を補正予算という形でも実現できる体制に何とかお願いをいたしたい、こういうことでございますから、そうした対策の効果は昨年よりもより直接的にあらわれることを期待できるのではないか、かように考える次第でございます。
○村山(喜)委員 構造的な内需拡大の実現のための政策課題という形でいろいろ考えてみますと、税制改革の問題もありました。しかし、これは御承知のようなことでこれから論議をしなければならぬということ、もとの振り出しに返ったような格好でございます。そして、「増税なき財政再建」のレールが外されているわけでもなくて、今も目標はやはり置いておかなければならぬ、そういうような構えでございます。そうなると、もう一つは経済構造の改革という問題が政策課題として当然出てくる、これがいわゆる新前川リポートの問題であろう、こう考えます。 そこで、この問題は、私も読ましていただきましたが、なかなかよくできております。しかし、だれがどう責任を持って進めていくのか。産業構造調整の前に需要構造の調整が、内需と外需に分けて向こう三年間で住宅や労働時間の短縮あるいは財政の活用ができるだろうか、これがお題目に終わってしまうのではなかろうか、こういうふうに国民はみんな見ているわけでございますが、そういうような心配はないのかどうか。私たちは、近藤さんがずっと経企庁長官をやっていらっしゃるわけでもございませんし、中曽根内閣がいつまで続くのか、これもことしの十月ごろはもう選手交代というふうになるやに聞いているわけでございまして、政治のかじ取りをやる人たちが不確定要素の中にあるというような状況があるだけに、国民の中にもまた、これはいいリポートが出たがまたお題目になって棚上げになるのじゃなかろうか、実行の裏づけというものが一体どういうような形で出されるのかということについて懸念をしております。この懸念について、いやそうじゃないんだということで長官の方で御説明をいただければ大変ありがたいと思います。
○近藤国務大臣 先般四極通商会議にアメリカの通商代表部のヤイター氏が参りまして、私も会って一時間ばかり話したわけであります。ヤイター氏も今度の新前川レポートというものを英語にしたレジュメを読んでおりまして、これは大変すばらしい、問題はいつ実行するのですかということ、もう一つは、中曽根総理が話によると秋におやめになるんだけれどもそのときはどうなるんですか、それで終わるのですか、まさに先生の御指摘と同じような質問を私受けたわけでございますが、実は私はヤイター氏に申しましたのは、これは一中曽根総理個人の政策課題ではなしに、今政府・与党一体となって経済構造調整推進本部というのをつくって、そこで本部長が総理ということで、あとは関係閣僚、党の役員全部網羅して話をしているのであって、いわゆる伝えられる三人のニューリーダーの方々もみんな有力メンバーだから、中曽根さんがおやめになったから終わるというものじゃない、こういうことを申しておるわけでありますが、まさにきょうの政府・与党経済構造調整推進本部におきましても、「内外の経済情勢にかんがみ、経済審議会建議「構造調整の指針」の内容は、時宜を得た、適切かつ貴重なものとして高く評価する。」「政府及び与党は一体となって、この建議の内容を早急に検討し、緊急経済対策等を通じ、逐次実施に移すものとする。」こういう決定を見たわけでございます。 さしあたって、私申しました現在作成中の緊急経済対策の中に、この新前川レポートで言われているもの、特に第三章で、両三年間にやれよ、こういうことは、住宅だとか社会公共資本の整備の問題だとか等々ございますが、住宅とかそうした社会公共資本の整備というものはまさに今度の対策の大きな柱になるわけでございますので、さしあたって今度の緊急対策の中に取り込んでいく、そして補正予算の中にそれを入れ込む、さらに必要な法律改正等々は行う、こういうことで、単にいい案を出しただけでなく、今度は経済企画庁が中心になってこれを執行していきたい、したがって経済企画庁の体制も、こうした経済構造調整政策が政府全体でできるような体制に、これからいわばその編成を考えていきたい、かように私は思っておる次第でございます。
○村山(喜)委員 そういうような考え方を長官がお持ちであれば結構だと思いますが、問題は、内需拡大という発想は、従来から、公共事業を拡大すればそれでいいんだ、そうして今の産業構造はこれから情報化産業社会の時代に入ってくるんだからそっちの方で労働力等もカバーしていけばいいじゃないかというような見方が正統派みたいな見方でございましたが、どうも公共事業等も、こんなに不動産価格が特に大都市の場合にぼんと上がりまして、そこへそういうような公共投資を拡大するような方向へやりますと、用地買収のために国民の貴重な資源配分のお金が食われてしまって何ら経済的には潤さないというような状態が出てくるようであれば、これは基本的に考え直してもらわなければならないし、一体先端技術というものがこれからの未来社会の中で経済成長を担い得る分野としてどこまで担当ができるだろうか。我々が、前川リポートでも指摘をしておりまするように、生活をしていく環境の整備というようなものに重点を置いて生活の質の問題をどう高めるかということを考えていくならば、この内需拡大の道というものもそういうような方向の中でつくっていくべきではなかろうか、こういうふうに考えておるわけでございますが、その点については要望を申し上げておきたいと思います。いかがでございましょう。
○近藤国務大臣 先生の御指摘のように公共事業ばかりでは地価だけ上げてしまってという危惧は実は私どもも持ちまして、閣議の場におきましても、総理から公共事業の実行に当たってはそれが地価に食われないようなことを十分考えなければならないな、こういうようなお話もございました。 実は私は山形の代議士でございますが、冒頭お話がございましたように、東京は地価がどんどん上がっておりますけれども、山形はむしろ地価が下がっている。先生の選挙区はどうか、恐らく先生の方も決して地価がじゃんじゃん上がっているような状況ではないと思うわけでございますので、これは新前川レポートの中にも書いてございますけれども、公共事業の配分に当たっては、まさに円高不況で影響を受けた地域だとかその他経済が停滞しているような地域に特に配慮して配分を行うことにしよう、こういうことでございますので、私どもはこの公共事業でそういう地方の方を重点的に配分する形で地方の経済を活性化する、それがまさに内需拡大のための大きな入れ物を国全体として、日本社会全体として準備することになる、かように考えておるわけであります。 これが一点でございます。 第二点として、そうは言っても住宅がおくれておりますので、新前川レポートの中にも住宅を柱にしてございますけれども、私は、実は先般来、新しく土地を求めて住宅をつくるということは理想でございますが、それはなかなか簡単なことではない、それだけの余裕がない方もいらっしゃいますので、住宅はそのままだけれども内部のリフォームを通じて生活の質の向上をすること、これも十分考えるべきではないか、こういうことで台所リフォーム、キッチンリフォーム計画を進めておりまして、住宅金融公庫も積極的にリフォームローンを取り上げていただく、また民間の金融機関も、今の低金利時代でございますので、そうしたリフォームローン、キッチン・リフォーム・ローンについては特別に低い利率で融資をしていただく、そういう御協力もいただいて進めておるわけでございますので、土地を手当てして家を建てるということだけでは土地も上がってしまって問題もありますから、むしろ今住んでいる家をより住みやすく、効果的に、快適に使うということもこれからの内需拡大の大きな柱になるのではないか、私はかように考えておるわけであります。 第三点として日本のこれからの産業構造でございますけれども、これも新前川レポートの中の付表でつけてございますが、従来の第一次産業、第二次産業あわせて日本の経済の物的生産部門というのは、今後どんどん合理化が進んでまいりますので、金庫として二〇〇〇年までに約二百万人ぐらいの雇用が結果として減るのではないか。しかし、その付表の中で申してございますけれども、まさに流通だとか通信だとか運輸だとかそういうネットワーク部門、さらにはサービス、マネジメント部門はむしろ今後大きな雇用創出の可能性を持っておって、これが合わさって大体七百万ぐらいの雇用創出をする。差し引き五百万ぐらいの新たな雇用の必要が出てくるのでありますから、この分野に積極的な雇用誘導を行う、産業誘導というか雇用誘導を行うことによって日本の安定した雇用も確保できるのではないか、そういう形でバランスのとれた経済発展を実現すべきだというのが新前川レポートの基本的な考え方であると理解をしている次第でございます。
○村山(喜)委員 これはお答えをいただかなくて結構でございますが、この経済審議会の建議の中で、一つだけ非常に甘く見ていらっしゃるのじゃないだろうか。それは、海外における日本の企業の生産の水準がアメリカや西ドイツに比べてまだ低いから日本の産業の空洞化という問題は恐るるに足らないという主張です。 これはいかがであろうかと思うのは、先ほども若干申し上げましたが、最近の土地投機、それから株式が大変な乱高下をしながら高いところに張りついています。それに為替相場は御承知のようなことでございます。そういうようないわゆる金余り現象の中で三大投機と称せられるようなものがうごめいている。しかも海外に対する資金は流出をしていくわけですね。これは財テクの資金稼ぎのために金利稼ぎにも出かけていく。また、円がこんなに強くなってまいりますと、海外に工場を移していく。そして海外の子会社を強化する。さらにまた外国企業の買収をやる。海外における下請の発注をやる。そして海外からの製品の購入を進めていく。いわゆる実物資本の進出が現実に進行しつつあるわけです。そういうことを考えていきますと、日本の国内では産業の空洞化が生ずるおそれは十分にある。しかもこれはアメリカ経済がかつて歩いたその道ではなかろうか。こういうふうに指摘されている人たちもおるわけです。 ですから、そういうことを考えてまいりますと、産業の空洞化という問題は、甘く見ていると、これはまた日本列島が総投機列島になったような、今長官もおっしゃったように山形とか鹿児島のあたりは地価は上昇しておりませんけれども、もし間違ってかじ取りが悪ければ、今度は地方の中核都市を中心にして土地が値上がりをしていくことは間違いないのですから、それをやはり防止していくのが政治であろうと思うので、この点については産業の空洞化の問題は甘いのじゃないかということを意見として申し上げておきたいと思います。 では、引き続いて最近の悪徳商法の問題について尋ねてまいりたいと思います。 まず、豊田商事の不当利得返還請求事件というのがございまして、既に裁判の結論が出たわけでございます。大蔵省の瀧川法人税課長にお聞きをいたしますが、判決は確定をいたしましたか。 〔委員長退席、小野委員長代理着席〕
○瀧川説明員 十九名の方々につきましては控訴状が出ていないということは確認できておりますけれども、一名の方につきましては現在確認中でございます。
○村山(喜)委員 大体きのうあたりで確定するのはなかろうかと見られておったわけでございますが、論議を進めていく前提といたしまして、判決が確定をしたということを前提にして質問をいたします。 そこで、豊田商法という大変有名な悪徳商法がかり通る中で、今裁判に持ち込まれた問題は二十名の高額の歩合給与所得者でございまして、原告側の請求どおり総額四億七千三百万円の返還を命じられた。その中で源泉徴収として国税庁が徴収いたしましたものは幾らございましたか。
○瀧川説明員 五千二百万でございます。
○村山(喜)委員 これについては所得税法二百四条によりまして外交員報酬ということで源泉徴収したわけでございますが、それは源泉徴収に当たらない、こういうことであるとするならば還付をしなければならぬということを課長も法務委員会で話をしておいででございますが、それはいわゆる過誤納金という形で国税通則法に基づいて税務署長が職権で還付ができる、こういうふうに見ていいわけでしょうか。
○瀧川説明員 今回の判決は、御指摘のとおり、特定の外交員の、それから特定の期間におきまする報酬について無効だと判示されたわけでございます。これらの外交員報酬にかかわる源泉所得税の取り扱いについてでございますけれども、現在判決に示されました経済的背景とか法律的権利義務関係とかそういうものを鋭意検討しておる段階でございまして、過誤納金に該当するかどうかについてはまだ結論が出ていないというのが現状でございます。 ただ、一般論で申し上げさせていただきますと、例えば給与等を過って過大に支払ったという場合とか正当額を超えて源泉所得税を納付してしまったような場合、あるいは源泉徴収をすべきでないのに過って源泉徴収をしたというような場合には、既に払われております源泉所得税は過誤納金ということになりまして、おっしゃるとおり国税通則法の第五十六条の規定によって還付することになっているわけでございます。 ただ、この場合、一般的な手続といたしましては、源泉所得税の過誤納還付請求書というものを出していただいて、源泉徴収義務者の所轄税務署に提出していただいて、それで還付するというような形をとっておるわけでございます。
○村山(喜)委員 現在検討中ということでございますが、これは事実調査によれば、五十九年の十二月からですか六十年の四月までの報酬額二千万円以上の者でありかつまた固定給与をもらっていた外交員についての判決、こういうことでございますね。とするならば、これは役員の給与とか一般職員の給与あるいは報酬額が二千万円以下の者であるとか、そういうようなものは含まれていない。とするならば、それらの訴外外交員、訴えをしなかった外交員の数、役員の数やその他は、国税庁としては、検討中という中にはそれとの関係も考えながらという意味の検討中であるのか。あるいは、そういうような手続としては過誤納金として処理ができる規定はあるが、それに該当するかどうかということについて調査を進めていらっしゃるのか。いつごろそういう結論を出す見込みであるのか。 というのは、これは大変な悪徳商法でございまして、豊田商事の税金は被害者に還付してもらいたい、源泉徴収で七十四億円も取っているのは被害者救済のために回してもらえばいいじゃないかという原告団の弁護人の要求等もあり、我々のところにも被害者の二万数千名、二万九千名とか七千名とか言われておりますが、その人たちの代表がやってみえまして、不当に詐取された被害金額には到底見合うものではないわずかの金額しかないが、何とかならぬのかという陳情もあるわけでございます。そこら辺を大蔵省としてはどういうふうに踏まえながら理論的に構成をして、そしていつごろをめどに結論を出そうとしているのか。やはり急がなければならないと思いますが、それについての考え方をお聞かせ願いたい。
○瀧川説明員 少しく今回の判決の論理構成というものから御紹介させていただきたいと思うのですけれども、その判決は、おっしゃるとおり二十名という特定の外交員の、それから五十九年十二月からの極めて多額な外交員報酬というものについて判決されたわけです。 その判決では、まず豊田商事の行っておりました商法の違法性は極めて強いと評価しまして、その上で、次の段階として、個々の外交員の勤務期間、あるいは社内におきます経歴、それからその方々が個々に行われましたセールスの方法、いただいた報酬額、そういうものを基礎にいたしまして、彼らの違法性を基礎づける主要な事実についての認識の有無、そういうものを個別に認定しまして、そしてこれらの社員が違法性を有する会社の商法に加担したというふうに位置づけまして、その結果としてその歩合報酬契約が公序良俗に反して無効である、したがって不当利得に当たる、こういう論理構成になっているわけでございます。 一方、私どもの税務上の処理というものは、租税を徴収いたす場合にしても、あるいはそれをお返しする場合にしても、法律の規定に従って整然と適正に行わなければならないという立場にあるわけでございます。したがって、一般的に見まして既に徴収されている源泉所得税を還付できますのは、先ほど申し上げたのと一部ダブりますけれども、要するに源泉徴収の対象となりました所得の支払いが誤りであったために返還された場合とか、その所得が源泉徴収の対象とならないことが法的に明確にされた場合などに限られるというふうに考えておる次第でございます。 また、これも一般論でございますけれども、先ほど申し上げたような判決が出た場合におきます支払い済みの給与の問題、あるいは訴外の外交員の報酬の問題、あるいは当該被告にかかわりまする返還の対象とされた期間以前の報酬というものにつきましては、この判決の影響を受けるものではないというように考えられるわけでございます。 いずれにしましても、その判決で示されました権利義務関係あるいは経済的事実というものにつきまして詳細に検討していく必要があるというので、現在その作業を極めて一生懸命やっているところでございまして、できるだけ早く結論を出したいと思っております。
○村山(喜)委員 できるだけ早くでは答えにならないのですよ。それは気持ちの表現だけで。課長がここで自分の責任で言われるわけにもいかぬだろうし、それは大蔵委員会あたりできちっとするのが建前であろうと思いますから、その点はあれしません。 日本の税制の上では訴外の外交員については援用ができないというような見解を言われましたが、諸外国の場合にはそれについて救済をするという方式がある事例等も聞いております。そういう状況があるかどうかについては、法人税課の方ではどのように調査をしていますか。
○瀧川説明員 これが先生のおっしゃったものにぴたり当たるかどうかわかりませんけれども、アメリカにクラスアクションという制度があるように聞いております。詳細を存じ上げないのでまことに申しわけないのですが、日本で言う集団訴訟といいますか代表者訴訟をひっくり返したようなものかなと。つまり、日本の場合には、たくさんの原告がいてそのうちの一部が訴訟を起こした場合、代表者訴訟と呼んでおりますけれども、被告の方が代表でやるというのはないと思うのですね。というのは、もしそうしますと、訴外になった方々は抗弁権を失ってしまうのではなかろうかというふうな感じもいたします。これは私の個人的な感じですけれども、アメリカ流のクラスアクションというのがもし私の考えているようなものであるとすると、やはり訴訟法上は若干問題があるのではなかろうかと思っております。
○村山(喜)委員 今のアメリカ流のクラスアクションという制度は法務委員会で我が党の稲葉誠一委員が明らかにしているわけでございますが、そういう実態を把握することは税務行政をやる上からも必要なことであろうと思いますから、勉強を願っておきたいと思います。 そこで、これは特定商品等の預託等取引契約に関する法律、いわゆるまがい商法の取り締まりということで、この事件が出ましてから六十一年五月、法律が制定を見ているわけでございます。このような悪徳商法がのさばらないための手だてとして立法府としてはそういう法律制定をやった。このような悪徳商法に対して国民の生活を守るという立場から、経済企画庁の中に消費者行政のいわゆる契約の適正化に対する予算上の措置がなされていると思うのでございますが、二度とこういう悪徳商法を許さない体制づくりというものはどういうふうになっているのですか。
○横溝政府委員 今先生御指摘の予算面の裏づけにつきましては、ちょっと手元に資料を持ってまいりませんでしたけれども、私の記憶しておりますところでは、おっしゃるように預託法に関連する執行事務のために通商産業省において予算措置を講じていただいておると存じております。それが消費者行政予算全体の中に含まれておると理解しております。 それはともかくといたしまして、先生おっしゃいますように、豊田商事事件だけでなくていろんなたぐいの悪徳商法といいますか、悪質な商法がいろいろございます。これを防止していくこと、対処していくことは、消費者保護の観点に立って極めて重要であると私ども考えておりまして、御存じのとおり、総理が会長で関係各省大臣が構成メンバーであります消費者保護会議を毎年一回開催いたしまして、その後一年間の各省の消費者行政の重点を決めていただいておりますけれども、昨年の十月三十一日に開かれました消費者保護会議におきましても、「悪質な消費者取引の防止等」というのは重要な項目として取り上げておりまして、今御指摘の預託法の実効ある運用を指摘するとともに、その他の悪質な消費者取引につきましても、関係省庁との連携のもとでその実態の究明に努めるとともに、関係法令の厳格な運用あるいは悪質事犯の取り締まり体制の強化、さらには消費者に対する啓発等、消費者に対する情報提供、いろんな手段を通じて悪質な消費者取引の防止に努めてまいる体制をとってそれを運用していこうとしているところでございます。
○村山(喜)委員 やはり豊田商事につきましては、こういうような悪徳商法をやって罪を重ねている責任の追及と同時に、被害者に対してはやはりそれを救済するという制度、これが十分でないから、管財人が請求権を行使いたしまして財産保全をやったものも持ち逃げをされておる、そういうような財産の状況の中ではなかなか被害者補償金として積み立てることができないというような苦しい状況にあるようでございます。そういう中から不当な取得として判決が大阪地裁で出た。それについては国税ともかかわりがございますから、その源泉徴収をしたものについては全部被害者救済の方に回してもらいたいという要請がある。しかし、それは現在の日本の税制の制度の中では適用が難しい。これを行政的な立場で処理をするということもなかなか難しい問題であろうかと思います。 しからば、それを何らか救済をするための措置ということになってくると、これに対して立法府の我々もそういう立場から勉強しなくちゃならぬし、またそういうような意味において、行政、消費者保護という立場から、大蔵省あたりでも勉強はするというのですが、これは収入を集めるところの歳入機関としての大蔵省が主たる任務でございますから、出す方まで考えて金を集めるわけじゃないわけでございますから、やはりそこら辺を、アメリカにそういうような制度がある、何とかそれに乗っけて救済ができないかという指摘もあるわけでございまして、近藤長官、これについては、悪徳商法は、立法措置はそういうようなことで防御、これからは発生させないぞという手だては講じたが、行政的にはまだたくさん問題が指摘をしたように残っているのでございまして、どういう考え方に立って消費者保護を進めていったらいいのか、見解を最後にお聞きしてこの問題は締めくくりたいと思います。
○近藤国務大臣 先生の御指摘は私もよく理解するわけでございます。ただ、この事案に限らず、いろいろ消費者保護の観点から、間違ったというか利用が不可能な商品を販売されていろいろ御迷惑をこうむっていらっしゃる消費者の方もいらっしゃるわけでございますが、そうした方々に対して国が救済を申し上げるための何らかの資金的な措置、こういうことは実際的な問題としていろいろ難しい面もあると思います。先生の御趣旨については十分検討させていただきますが。 ただ、あえて申し上げますと、今度の豊田商事に限らず、私ども冷静に考えてみて、そんなに話はうまくいくはずがないのじゃないかなと思うものもあって、ただまあ何となく勧誘されてはめ込まれてしまう、こういう面もございますので、そういう場合に、ちょっとこれは問題じゃないかな、こういうような御疑念をお持ちになった場合には、まさに、各県にございます消費者センターもありますので、そちらの方に御照会をしていただいて、そちらの方で私ども客観的な事実に基づいた情報の提供をさせていただく、そういうことで未然にかかる不祥事態が起こらないように消費者の方々を保護できるような体制、こういうことについて我々も努力いたしますが、消費者の側からも積極的に御照会をしていただくということも必要ではないかな、かように考える次第でございます。
○村山(喜)委員 もう一つの悪徳商法は、霊感商法というんでしょうか、経済企画庁の広報によりますると、これは開運商法、こういう名前でとらえて、広報に「カモにもネギにもならない方法。」というのでPRをしていらっしゃるようでございますが、これは大変この中身を、私たちの社文の法律センターを中心にいたしまして、全国のそういうような被害者の救済のために弁護団の連合会ができまして、そこで調べたケースもございます。また、こういうような問題をめぐりましてNHKでも報道をいたしました。そういう意味から、今、人の信仰心、人間の弱さというもの、そして困っているその状況に対しまして、それを今度は悪用いたしまして、あなたは祖先のたたりがあるとかなんとかというようなことで人をおどしたりすかしたりしながら大変な金額の物品を売りつけていくような反社会的な行為が許されるはずはないわけでございまして、こういうようなものがまかり通っていくということを法治国家として認めておるならば、これは大変なことになるかと思います。 そこで、内容について、それぞれの立場から、こういうような悪徳商法に対する措置をどういうふうにやっておられるのか、これに対応して総合的な対策というものをどういうふうに進めたらいいのかという問題について見解をお尋ねしてまいりたいと思います。 そこで、まず実態をどういうふうに把握をしておいでになるのか。これは、今もお話がありましたように、やはり国民センターに、あるいは都道府県にはそれぞれ消費者センターがございまして、経済企画庁が総括的には国民の生活を守るという立場から統計的な数字等はお持ちだろうと思いますので、把握をしておいでになる概要をまず御説明をお願いいたします。
○横溝政府委員 いわゆる開運商法あるいは霊感商法につきましての国民生活センターあるいは地方公共団体の消費生活センターに寄せられた苦情あるいは問い合わせ、苦情、相談の件数でございますけれども、六十年度が千百七十一件、六十一年度、昨年度でありますけれども、ちょっと今私の手元にありますのが三月十日までの数字の集計でございますが、千七百九十三件、まあ千八百件程度になって、ございます。
○村山(喜)委員 ですから、そういうような状態に対して、ただ統計的に数字を集めるだけが経済企画庁の任務ではなかろうと思いますから、どういうような対策をお講じになったのですか。
○横溝政府委員 これは先生御存じのとおり、この開運商法にかかわるいろんな側面にいろんな法律、したがってその法律を所管する各省庁が関連するわけでありまして、今申しましたように最近本件に関する苦情件数がふえておるところでありますので、それらの各省庁と連携を密にしまして、それぞれ所管の法律の厳格な適用等をやっていただくようにお願いしておるところであります。 それが一つと、それからもう一つは、やはり消費者が未然にこういう商法に巻き込まれないようにするためにPRをする、情報提供をする、啓発をする。先生がさっき具体的に御指摘になりました啓発の、カモにもネギにもならないようにというのを御指摘になりましたけれども、これは三月下旬に主要週刊誌九誌に出して消費者一般に警告を発したわけでありますが、それ以外にも、例えばこの五月の半ばに主要婦人関係の雑誌、主婦の文とか主婦と生活とかそういう雑誌にも開運商法関係の啓発記事を出すというようなことをやっておりますし、もちろん、今大臣が申しましたように、国民生活センターあるいは地方の消費生活センターにおきまして、具体的にこういう商法に巻き込まれて相談に来られた方に対しては、鋭意精力的にあっせん、相談に応じておるところでございます。
○村山(喜)委員 これは被害者のための弁護士の人たちの連合会がことしの二月十三日に電話相談を始めましてから二カ月で、電話と手紙の相談件数が千四百件、そして被害額が六十一億円、二月十九日と三月二十日に事情をお聞きをしたいということでわざわざお見えになった人たちが六百人、合計十九億円の被害の相談がなされておるようでございます。年齢やら被害者のトータルがここに出ておりますが、この約千名以上の人たちが短期間の間に数字を出されておるわけですが、この中の八割以上が女性でございます。 それで、全国の消費者センターや国民生活センター、この二年間分はさっきお聞きをしたのですが、この問題はもっと早くから始まっておったんじゃなかろうかと思うのですが、六十年に急に始まったわけでしょうか、あるいはもっと前から始まっているのでしょうか。それと、今、国民生活局長は、それぞれの所管庁にまたがっておるので、現在ある法律をそれぞれ厳格に適用をして対処してもらっておりますという話でございますから、きょうここに御出席をいただいているところから、どういうふうな対応の仕方をしているかをそれぞれお尋ねをしてまいりたいと思います。 そこで、まず警察庁の方から上野生活経済課長がお見えでございますから、警察としてどのような状況の取り締まり等をやっていらっしゃるのかお聞きをしたいと思います。 というのは、この前北海道におきまして長官が、霊感商法の問題もきちっとやるぞということで、テレビに出てその問題を発表をされたようでございますが、その後警察の動きは余りぱっとしないじゃないかというような話もあるようでございます。課長はNHKの番組に出て話をされて、こういうような悪徳商法を許してはならぬということで厳しい姿勢を示していらっしゃるようでございますが、捜査をし、立件をしようという状況になると、今度はうまく和解に持ち込んで立件ができないような動きを示しているやにも我々はいろいろ聞くのでございますが、そこら辺の状況を説明を願いたい。
○上野説明員 お答えいたします。 霊感商法という言葉自身は人によって使う意味が若干違いますので、ここでは、人の死後あるいは将来のことについてあることないことを申し向けてその人に不安をあおり立て、その不安につけ込み、普通の人だったら買わないようなものを不当に高価な値段で売りつける商法、こういう意味で使わせていただきます。 今申しました定義の中にありますように、警察といたしましては、霊感商法というのは各種の悪質商法の中でも最も悪質なもの、すなわち人の弱みにつけ込むというか人の不安をかき立ててその弱みにつけ込むという意味で大変に悪質なものだ、こういうふうに考えております。そういう面で、各府県の警察に対しましては、霊感商法に関する相談あるいは情報があった場合は、違法行為があったら厳正に対処するようにということはもちろんでございますが、それだけにとどまらず、善良な国民がその犠牲にならないように、同種の被害が続発しないように、そういう防止のためのあらゆる努力をするようにということを繰り返し指示をしてきたところでございます。 そういうことがございまして、昨年一年間の数字を見てみますと、霊感商法絡みで全国の警察に寄せられた情報あるいは相談というのは合計百九十八件ございました。その多くのものというのは、解約したい、金を取り戻したいが何とかならないだろうかというのが七割ほどを占めております。あるいはしつこく勧誘されるなどでたまらないという話もございます。こういうものの中で何らかの法令に触れているものがあった場合は極力事件として処理をするようにと各府県に言っております。昨年は四件の事件が事件として立件されておるわけでございます。 〔小野委員長代理退席、委員長着席〕 ただ、一般的に申しますと、今先生からのお話もございましたが、この種の業者というのはどちらかというと組織的に法令を研究しております。もともと合法、違法すれすれの行為を行うし、証拠を残さないとか、なかなかしっぽを出さないという面が一つございます。またもう一つは、警察が情報を入手し何らかの行動に移る、捜査に着手するとかといいますとすぐその被害者と示談に入る等の形になってしまいまして、あるいは被害届が出てこないというようなことが非常に多くなっておるわけでございます。そういう面でなかなかきれいに事件としてするということは難しゅうございます。ただ、この数年間、いろいろな各種の法令を多角的に活用するようにということを言ってきまして、具体的に申しますと、詐欺罪、恐喝罪、脅迫罪、薬事法の違反、訪問販売法違反、迷惑防止条例違反あるいは外国為替管理法の違反というような七つの法律を適用して検挙しておるところでございます。ただ、全般的には、昨年来、そういうキャンペーンを各省庁あるいは関係の団体、消費者関係団体、マスコミ等がずっと行っておりますので、最近若干情報の件数は減っておるわけでございます。 しかし、今申しましたように、人の弱みにつけ込むこの種の悪質なという面で、根絶されるまで、被害にかからないようにあるいは被害に遭ったらすぐ相談するようにというPR等を含めまして、関係機関、消費者団体、マスコミ等と連携して、さらに密接な情報交換のもと広報活動を行う、あるいはそういう被害防止のための諸施策を講じていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○村山(喜)委員 それぞれ所管をされているところが見えておるわけでございますので、その立場から説明を願いたいと思います。まず、厚生省ですか、あるいは通産省消費経済課ですか、いわゆるトラブル情報提供制度等が通産省の場合にもあるわけですが、そういうような問題あるいは訪問販売に対する違反の問題等、そういうような該当の事例等を調べてみれば、訪問販売協会等には加盟をしているというようなのもあるようでございます。そうなると協会を通じて指導をするというようなこともできるわけでございますから、そういうようなトラブル情報提供制度というようなものが一体十分に活用されているかどうかちょっとお話を聞きたいし、厚生省の方では薬事法違反の問題があるんじゃないかというような問題がございますし、また国民生活関係のそういうような問題に対しては、生活相談所等を通じまして広報で宣伝をされて十分な注意をという呼びかけをしているのですが、こういうようなものに対してのこれからのやり方というものをどういうふうにやられるのか、その点をそれぞれの立場で説明を願いたい。
○北畠説明員 先生のただいまのいわゆる霊感商法につきましての御質問でございますが、御説明をいたしたいと思います。 私ども通産省の方といたしましては、いわゆる訪問販売法という法律を所管をしておるようなわけでございます。これは指定商品制度をとっておりまして、具体的には、訪問販売をする場合におきまして、ドアをあけるときにその氏名とかあるいは売ろうとする商品を告げる、これにつきましては法律上は訓示規定でございますけれども、それ以外に書面交付あるいはクーリングオフというような規定、さらに解約をするということになった場合のいわゆる損害賠償金の上限の制限、こういうような行為規制という規制をこの法律の関係で行っておるようなわけでございます。 それで、いわゆる霊感商法について、個別個別のケースがそれに該当するかどうかというのは個別に当たってみなければいけない、こういうことになるわけでございます。この霊感商法につきまして、私ども通産省の方では以前からかなり問題ではないかという感じは持っておりまして、具体的には私どもの方の通産省が中心となりまして、先ほど先生がおっしゃいましたような日本訪問販売協会あるいは日本通信販売協会等関係の十一団体で構成をされます消費者トラブル連絡協議会という会合がございます。これは関係団体が、昨年の九月ごろでございますが、集まりまして、毎月一回情報交換をしている、こういう会合でございますけれども、昨年の十二月にこの会合をやりました際にも、このあたりについて少しPRをしていく必要があるのではないか、それからさらにことしの三月におきましても、この問題がいろいろ言論界等で取り上げられるような段階になったときでございますけれども、それについても私どもの方に寄せられます手口を公表するというようなことで、関係団体の方にPR及びそれに対する十分な注意を呼びかけるというような対応をとってまいったようなわけでございます。そのために、例えば私どもの方の日本消費者協会でございますが、こちらの方の雑誌等で漫画入りでPRをするというようなことも具体的に行われておるようなわけでございます。 それと同時に、該当企業が日本訪問販売協会の会員ではないか、こういうことがございましたので、私どもの方は、去る三月十九日でございますが、日本訪問販売協会の幹部に私どもの方に来ていただきまして、同協会の会員に該当する企業があるということ、それで同協会の方はいわゆる倫理綱領というのを定めておりまして、例えば長時間居座って消費者に契約を強いてはいけないというような倫理綱領がございますので、そういうような綱領に違反しないかどうか相手の関係企業、該当企業の方を呼んで厳しく事情聴取をするようにというふうに指示を私どもはしておるような段階でございます。それで、この指示を受けまして、訪問販売協会の幹部の方は該当企業を呼びまして厳しくいろいろ事情聴取をいたしました。その結果、相手の企業の方から、自分たちとしては日本訪問販売協会の会員であることは好ましくないのではないかということで、四月末をもちまして退会するという届け出を出してきたような状況でございます。 それから、私ども通産省の方といたしましては、そういう訪問販売協会の関係以外で、行政側としては、各通産局の方に、先ほどの国民生活センターあるいは各地の都道府県の消費者相談室がございますので、それと同じような相談室がございますから、私どもの方は各通産局に対しまして、四月の初めでございますが、霊感商法にかかわります個別の相談があった場合に適切かつ迅速に処理をすること、それから相談の処理に当たって訪問販売法等の法令違反の疑いがあるような場合においてはそれについて関係企業を呼ぶというようなことできちんと厳重な指導をするように、それから、これらに関する手口等について適切な啓発に努める、それと、先ほど上野課長が御答弁されましたが、通産局の各地方にございます関係の行政機関でございますが、これと十分連携をとって対応をするように、こういうような指示を出しておるようなわけでございます。 それと同時に、私ども通産省の方といたしましては、この会社が訪問販売法の関係で問題があるのではないかという可能性がございますので、該当企業を三回ほど呼びまして事情聴取をいたしました。その結果、個別の案件につきまして一つ一つ完全に詰めることは非常に難しいわけでございますが、先ほど冒頭私が申し上げましたように、訪問販売法の関係におきまして、例えばドアをあけたときに印鑑なりつぼなり多宝塔なり売りますよということを相手の方に告げていないというようなあたりはやはりちょっと度が過ぎるのではないかな、こういうことで、そのあたりを含めまして法律関係それから長時間の説得等が問題あるのではないかということで厳重指導をしておるような状況でございます。 なお、該当企業の方の一社でございますが、四月六日でございますけれども、誤解を生ずるような物品販売は三月末をもって一切禁止するということを関連業者への徹底通知をしたということ、あるいは以前のトラブルについては誠心誠意を持って処理する所存であるというような報告を私どもの方にはしてきておるようなわけでございますが、私どもの方といたしましては、この問題について今後そういうようなことがこれからもあってはいけないわけでございますので、各通産局に対して厳重に監視をするように、さらに昨週の十五日でございますが、各通産局の消費者担当課長会議及び都道府県等消費者行政担当課長会議がございましたので、その際におきましても、現在取り巻いております状況について十分報告をいたし、なおかつその監視体制を強めるように、こういうことで対応をしてきておるようなわけでございます。 なお、先生がおっしゃいました訪問販売トラブル情報提供制度につきましては、先ほど私が申し上げましたように、いろいろその都度必要な情報について、いわゆる制度にのせるという形ではございませんが、必要な情報提供は私どもの方としてはしているつもりでございますし、これからもこの霊感商法なりの動きを見ながら適切に対処をしてまいりたい、このように考えております。
○太田説明員 お答えいたします。 厚生省の関係では、対象品目の中に高麗ニンジン濃縮液というのがございますが、これが医薬品まがいで売られているのではないかという問題でございます。これにつきましては、私ども関係業者を四回ほど呼びまして、販売方法の改善それから物そのものを改善することということで強力な指導を現在行っておるところでございます。 それから二番目は、そのものがデパート等でも売られているという御指摘も実はございまして、百貨店協会に対して、効能効果をうたった販売の方法というのは問題であるということで協力を要請したところでございます。 さらに、地方公共団体に対しまして、こういう問題につきましてよく監視の目を光らせるようにということで監視指導を徹底するように指示しておるところでございます。現在、地方に二千七百人ほどの薬事監視員が無許可品とかあるいは不良の医薬品、医療用具等の監視をしておりますが、この問題について、非常に重大な問題であるということでございますので、さらに監視を徹底させるよう指導しておるところで。ございます。 以上で、ございます。
○村山(喜)委員 長官、それぞれの立場で各省庁取り締まりなりあるいは指導の立場からお述べをいただいたのですが、どうもやはりこのやり方は、人の弱み、人の弱さというところにつけ込んで、そしておどして大変な金額で売りつけてやる汚いやり方ですね。これによる被害総額ははっきりわかりませんが、脱税というような問題もあるのじゃないかということでございます。きょうは時間がありませんから状況をお聞きできなかったわけですが、総合的にやはりこういうような国民の生活を守るという立場から大臣が中心になりましてこういうものがのさばらないようにしていただきたいのです。何かそういうような各省庁ばらばらの取り組みでは根絶できないのではないかと私は思っておりますので、いかがでございましょう、最後にその点につきましての大臣の所見をお聞きをいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○近藤国務大臣 社会の仕組みがだんだん複雑になってまいりますと、単なる物的な商品以外の資産商品と申しますか、いわゆる財テク、マネーゲームみたいなものを含めて、いろいろな商品の質が物的なものから資産的なもの、またいろいろな権利的なもの等々に変わって複雑化してまいりますので、私ども経済企画庁も、従来の消費者行政というものを、そうした物的な商品の適否というものからさらに資産商品といいますか債権商品といいますか、そういったもの等々まで広げた幅の広い角度からの消費者保護行政というものを進めるべきではないか、こういうことで国民生活審議会の先生方ともいろいろな面で御相談申し上げているわけでございますが、先生御指摘のとおり、関係各省それぞれの法令の定めるところに基づいていろいろ監督もし指導もしていると思いますが、やはり総合的な消費者の立場に立っての行政というものにもっと積極的に取り組むべきである、こういう御示唆である、かように私受けとめまして、ひとついろいろ内部でも先生の御趣旨に沿うような形で検討をし、体制を漸次つくってまいりたい。関係各省みんなそれぞれございますので、関係各省の協力を得ながらひとつ総合的な立場で適切に対応できるような体制を検討させていただきたいと考えておる次第でございます。
○河上委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ――――◇――――― 午後一時十九分開議
○河上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。草川昭三君。
○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。 きょう、私、まず最初に豊田商事の国税還付の問題、それから二番目に薬価あるいは丸山ワクチンの今後の問題、それから三番目に生糸取引所に関する問題、最後に転換社債をめぐる諸問題、以上の問題を取り上げさせていただきたい、こう思います。 まず最初に、これは午前中も議論があったようでございますけれども、豊田商事の破産管財人が提起をいたしました訴訟で、外交員報酬が不当利得に当たるから返還をされたいとの判決が昨日確定したと聞いております。私どもの方もけさ最高裁の事務局の方からそのようなことをお伺いをしておりますが、まず確定したかどうかについて国税当局の御意見を賜りたい、こう思います。
○瀧川説明員 お答え申し上げます。 先ほど、一時ごろでございますけれども、確認したところでは、二十名全員につきまして控訴状が提出されておりません。したがって、すべての判決が確定しているのではないかなと思っております。
○草川委員 実は私は昭和六十年十一月二十七日の法務委員会で今の問題を取り上げました。そのときに当時の国税の熊澤説明員はこういう答弁をいたしております。「国税当局といたしましては、今争われております民事上の裁判の結果を待って、その支払い報酬の権利関係が裁判上どういうふうに判断されるのか、その判断を待って適切に対処してまいるというのが現在の私どもの立場でございます。」という答弁を六十年に私はとっておるわけであります。そういう上に立ちまして、国税の改めての態度というのをお伺いをしたい、こう思います。
○瀧川説明員 先生御指摘の判決は、御案内のとおり、特定の外交員二十名につきまして特定の期間に得た歩合報酬について判示されたものでございますけれども、私ども税務上の処理に当たりましては、先ほどの私の前任の熊澤課長のお話のとおりでございまして、判決で示されましたその権利義務関係やあるいは経済的事実というものにつきまして今現在詳細に検討する必要があると考えておりまして、その作業を進めているところでございます。できるだけ早く結論を出すことといたしたいと思っております。
○草川委員 豊田商事の特にこのグループが支払ったところのいわゆる源泉所得税の総額、ボリュームというのですかは一体幾らか。これは個別でいいますと大変各企業にもわたりますのでグループとして聞きたいわけでございますが、約七十五億というのが源泉所得税の総額ではないかと聞いておりますが、そのあたりをどのように把握してみえるかお伺いをしたい、こう思います。
○瀧川説明員 先ほど来の判決は四月三十日に出ておるわけでございますけれども、この判決によりますると、訴えの対象となりました外交員二十名の訴えの対象となった期間、これは五十九年十二月から六十年四月でございますけれども、この間の外交員報酬に対する源泉所得税は約五千二百万円でございます。 なお、その他の外交員報酬などにつきましての源泉徴収税額につきましては、個別にわたる事柄でございますので御答弁することは差し控えさせていただきたいわけでございます。ただ、委員御指摘の金額が新聞等で報道されているいわゆる豊田商事グループと言われている法人の給与あるいは外交員報酬にかかわりまする源泉所得税の納付額の合計額であるといたしますれば、その金額は我々にとってそれほどの違和感を持っていないというふうに答えさしていただきたいと思います。
○草川委員 これで大体量というものが余り食い違っていないということになるわけであります。問題は、今も答弁がありましたように、訴えの対象となった五十九年の十二月から六十年の四月ということでこの判決はあるわけでありますが、この二十名の外交員の特定の期間の報酬を無効という判決です。判決の内容は、非常に長文なものでございますから、私どもも専門ではございませんので、なかなか問題点を適切にあれするには時間がかかることは十分承知をしておりますけれども、いわゆる要約といたしましては、会社の商法そのものが公序良俗に反するのではないか、こう判決で言っておるわけであります。そういうことから考えますと、二十名以外の外交員の報酬や給与についての源泉所得税も還付をするのは当然ではないか、こういうことになるわけでありますが、その点はどうでしょうか。
○瀧川説明員 先ほど来申し上げますように、今回の判決は特定の外交員の特定の時期に受けた極めて高額な外交員報酬について判示されたものでございます。 その判決におきましては、まず先生御指摘のとおり、豊田商事の商法の違法性というものが極めて強い、そういう評価をいたしました上で、その次に個々の外交員の勤務期間であるとか社内の経歴であるとかあるいはセールスの方法であるとか歩合報酬の支給額といったものなどから違法性を基礎づける主要な事実についての認識の有無を個別に認定いたしました。そしてこれらの社員が違法性を有する会社の商法に加担したというふうに位置づけまして、その結果としてその歩合報酬契約が公序良俗に反して無効であるから不当利得に当たるというように言っておるものでございます。 一方、私ども税務上の処理といたしましては、租税をいただくにしましてもお返しするにいたしましても、法律の規定に従って適正に行われなければならないというのが実態でございますし、またあるべき姿でございます。したがって、一般的に申し上げまして、既に徴収されている源泉所得税を還付できるというのは、例えば源泉徴収の対象となりました所得の支払いが誤りであったために返還された場合とかあるいはその所得が源泉徴収の対象とならないことが法的に明確にされた場合などに限られるというように考えておる次第でございます。 いずれにしましても、その判決で示されました権利義務関係や経済的事実というものにつきまして先ほども申し上げましたように詳細に検討する必要がございますので、現在鋭意その作業を進めております。ただ一方、管財人が七月一日にその中間配当を行いたいという意向を持っておられるということも聞いておりますので、できるだけ早く結論を出したいというように今頑張っておるところでございます。
○草川委員 管財人の七月一日の中間配当という時期があるわけでありますから、いずれにいたしましてもそれまでに早く結論を出したいという答弁でございますので、これでひとつ国税の具体的な時期というのが明らかになったわけでありますから、それは私どもひとつ評価をしたいと思うんですね。 ですけれども、今までの答弁の中では、例えばこの二十名の源泉所得税は約五千二百万円だということは認めておみえになるわけですが、これはもうわかり切ったことでありますからおっしゃらないのか、これも含めて七月一日までに答えると言っておみえになるのか、お伺いしたいと思います。
○瀧川説明員 二十名の分でございますけれども、現在鋭意検討を進めているということで、確たることを申し上げられない状況でございます。ただ、これも一般論で申し上げますと、その報酬が、いわゆる所得税法第二百四条に言う外交員報酬に当たらないということになれば、その報酬については既に徴収されている源泉所得税が還付されることになるというように考えております。
○草川委員 それで、ちょっと私気になりますのは、午前中の答弁を聞いておりますと、いわゆる被告にかかわる返還の対象とされた期間前の報酬だとかあるいはその外の問題等については判決の影響を受けるものではないと考えるというように非常に厳しい御答弁をなされていたやに先ほど私聞いておったわけでございますが、実は私ここは非常に今後問題になる点だと思うのです。 そこで、この事件の社会的な背景については今さらここでるる私が申し上げるまでもなく、早急にこの被害金額というものをそれぞれの管財人の手を通じましてそれぞれの被害者の方々に渡すべき社会的な背景というものがあると私は思うわけであります。そこで、これは国税当局はそういうことは言っていませんけれども、もし判決の影響を受けるものではないという姿勢が非常に強いとするならば、管財人なりまた被害者を代表するところの弁護団は、その他の従業員を非常にたくさん、どこまで幅を広げるか、あるいはいつからの時期に特定するか、あるいはそれを固定給にまで深めるのか、いろいろな作業があると思うのでございますけれども、それを一々裁判所に持ち込んでそれで判決を得ないとこの問題が解決をしないということになりますと、実はこの二十名の方々の裁判というのはパイロット裁判とでも言うべき代表裁判でございますから、大体その判決が確定をしたということになれば国税も一応は趣旨を踏まえて対処していただかなければいかぬということになっていくわけであります。ですから、その割り切り方が七月一日までにどのように出るかわかりませんけれども、あくまでも判決の確定した分だけだと非常に限定した態度に固執されますと、よしそういうことならばやむを得ないというので管財人が非常にたくさんの従業員を対象に裁判をしなければいけないということになりますと、裁判所の方も困ると思うのですね。裁判所自身が管財人の方々を大変説得して管財人になっていただいたという経過があるわけでありますから、管財人としてもいいかげんにしてほしいよという気持ちがあるのではないかと私は思うのであります。 そこで、仮定の話でございますが、もしこの以外の従業員の方々に対する裁判が提起をされたとするならば、裁判所は当然のことながら和解を持ち込むかもわからぬと私は思うのですね。国税さん、いらっしゃいよ、いいかげんにしてくださいよ、私がなぜこういう判決をしたのか、あなたわかっているだろうというような形になるのではないかと思うのですが、もしそういうように裁判所から和解の勧告があるならば国税はどういう対応を立てられるのか、この際お伺いをしておきたいと思います。
○瀧川説明員 先生仮にとおっしゃいましたので私も仮にでございますけれども、今後仮にそういう和解などの新たな事態というものが生じた場合には、その時点で十分検討して適切に対処してまいりたい、このように思っております。
○草川委員 この国税還付請求と四月三十日の判決の問題については及ぼす影響も非常に多いわけでありますし、社会的にも影響が大きいということを繰り返し申し上げておきます。ぜひ早急に我々の意向が解決をされるようにお願いをしたいし、最後の私の要望も、仮にではございますが、そういうことにならないように十分管財人の方々と御相談の上しかるべき処置をとっていただきたいということを強く申し上げまして、まず第一の豊田商事判決後の国税還付問題を終わりたいと思います。 第二番目に、今度は薬価問題に移っていきたいと思います。 この薬価問題については、特に薬価基準の算定方式の見直しについては中央社会保険医療協議会が議論をしておるわけでございますが、過日の十五日に公益代表が、現行のバルクライン方式を存続させ、極端に価格のばらつきが大きい薬品については加重平均方式を導入するという一つの新しい考え方を入れながら、しかも部分改正というのをやめて二年に一回の全面改正に切りかえたいというようなことを基調にした提案を各側に出されたというように私どもは聞いておるわけであります。この公益案がいつ建議をされて答申という形になって出てくるのか。あるいは厚生省はこれを受けて薬価調査をいつごろ行うのか。そして薬価基準の改正を少なくとも年度内に行うのかあるいは年度を越すことになるのか。少し見通し論を含めて厚生省の見解をお伺いしたいと思います。
○谷説明員 ただいまお尋ねの薬価問題あるいは薬価算定方式の見直しの件でございますが、今お話ございましたように、中央社会保険医療協議会、中医協におきまして昨年来検討を続けてきたわけでございます。先般五月十五日に公益側委員の案ということで幾つかの基本的な考え方が示されたわけでございます。先ほど申されましたように、現行バルクライン方式の修正でございますとか、部分改正の廃止あるいは薬価改正のおおむね。二年に一回といったような意見が出されているわけでございます。現在これにつきまして中医協の中で各側の委員が検討しているという段階でございます。 私どもとしては、今度五月二十五日に中医協が開かれる予定になっておりますので、できれば今月中にも結論をまとめていただきたいと考えております。その結果を受けまして、結論をいただいた後で薬価調査に着手したいと考えておりまして、薬価調査についてはできるだけ早く実施していきたいという考え方を持っているわけでございますが、お尋ねのございましたこの調査の結果による改定の時期につきましては、まだ薬価調査の時期も最終的に固まっておりませんし、いずれにいたしましても調査の結果を待って作業を行っていく、結論を得ていくということでございますので、現時点では時期についてはまだはっきりいたしておりません。
○草川委員 もう一問。先ほどの最後のところでございますけれども、一つは、年度の中に入るのか年度を越すのかというのはめどとして大きいと私は思うのですが、厚生省としては年度末をねらっておるのですか。もう一度お答えを願いたいと思います。
○谷説明員 薬価調査をいつやるかということにも関連するわけでございますし、いずれにしましても今度示されております公益側委員の意見をもとにいたしますと全面的な薬価の改正ということになりますので、集計の作業等を含めまして、先ほど申しましたように現時点ではまだいつごろになるかということがはっきりしていない状況でございます。
○草川委員 では次に移りましょう。 問題は、この基本的な考え方、もちろん公益側が提案されておりますけれども、厚生省の方のそれなりの考え方を反映して提案をされておると思うのでございます。去年の七月に中医協で薬価算定方式を検討するに当たっての基本的な考え方ということで八項目表明されておるというように聞いております。その中で、中小メーカーの立場を配慮しろ、それからメーカーの開発意欲が損なわれないこと、それから薬価算定が煩雑ではないというようなことが中心に書かれておるようでございますけれども、これは今回の提案の中には反映しておるとみなしていいのですか、どうですか。
○谷説明員 今回の公益側が示されました意見は、今お話ございましたような昨年来の検討項目を踏まえて出されたものでございます。具体的な算定方式としては、加重平均値を用いまして、大きな乖離のあるもの等については下方に修正をする、また乖離の少ないものについてはコスト的な要素を見てそれについて薬価の引き上げを行うということでございます。したがいまして、全体としては個々の医薬品の売り方の問題が関係してくるわけでございます。そういう意味合いにおきまして、大手あるいは中小といったような大きな区別ではなしに、個々の薬の売り方ということに着目をしてばらつきを修正していくという考え方だろうというふうに思っています。また、全体の算定方式といたしましては加重平均値を算定に用いるということから、全体としては一定の幅の中には収れんをしてくるといった考え方でございますので、考え方としては非常に簡素化をされてきているというふうに理解をいたしております。
○草川委員 今の簡素化の答弁でもう一つ聞きますけれども、今度いわゆる業界の方からは一定の幅を持ってくれというリーズナブルゾーンというのを要求されておりますが、今回は取り入れられたのかどうか。 それから、今度の公益案というものは現行方式とのそれなりの違いがあると思うのですが、シミュレーションをそれぞれ厚生省やっておるはずですね。これで薬価調査をするとどの程度下がるのか、従来どおりやはり二けた台にこれが下がるのか、その見通しをお伺いしたい、こう思います。
○谷説明員 関係団体の主張しておりましたいわゆるRゾーン方式ということは、基本的には市場の実勢価格を薬価に適切に反映するというような考え方で、加重平均値を薬価算定の基礎にするというのが一つの大きな考え方であったというふうに理解をしております。そういう意味合いにおきまして、今回の公益委員の示されました考え方というのは、基本的にはバルクライン方式を修正するということでございますが、その考え方の中には加重平均値を用いて算定をしていくという考え方も入っておりますので、そのような意味合いにおきまして、関係団体の主張しておりました考え方というものが一部取り入れられているというふうに私どもは理解をしております。 なお、この新しい算定方式を用いてどういう形になるかということにつきましては、薬価調査をこれからやりました上で具体的な数値を出していくということになろうかと思っております。
○草川委員 この問題も薬価調査前で言うことは無理かもわかりませんが、一応厚生省の腹というものを聞き出したいわけでありますが、時間の関係がございますので、薬価問題はこれで終わります。 続いて丸山ワクチンの問題に移りますが、厚生省御存じのとおり、丸山ワクチンは昭和五十一年の十一月に承認を申請してからもう早いもので十一年になるわけであります。その間に、二十四万を超す千八百人でございますか、投与を受けているということが言われております。二十四万人の人が投与を受けながらも副作用を訴えた人はいまだかつて一人もいないという非常にすぐれたものだというように私ども評価をしておるわけであります。しかも、このワクチンというものは模倣ではなくて独自の抽出物質であるということから、物質特許として昭和五十七年アメリカ、カナダ、さらに英国、スイス、ソビエト、イタリー、こういうふうに相次いで認可をされておるわけでありまして、独自の物質として国際的にも承認をされているものだ、こういうふうに聞いておりますが、残念ながら日本ではいまだ未承認、今細々と有償治験ということで投与をされているにすぎないわけであります。 最近、あるテレビでございますけれども、ことしの二月十六日でございますか、がん患者の問題を取り上げているテレビを見て非常に感銘を受けたのでございます。実はこれは子供さんでございまして、生後六カ月の乳幼児でございますが、三重県の人で水谷光作君という六カ月の子供さんです。昭和六十年の七月に国立三重大学において第三脳室の腫瘍並びに水頭症と診断をされて手術を勧められたわけでありますけれども、お父さんお母さん、六カ月の子供ですから、ちょっとと言って迷われる。名古屋の中部労災病院、ここで診ていただくわけでありますけれども、同じ病名で手術を勧められる。ところが、六カ月の乳幼児でありますからとても手術の自信がないというようなことで大変迷われたわけでありますけれども、この両親は、丸山ワクチンにすがろう、こういうことでございまして、単独で丸ワクを、中部労災病院との間でお話が行われまして、それで一応とにかく打ってみようじゃないかということで使用をされたようであります。ただ、これが物の見事、一年を経過しますと、CTで所見を見てまいりますと腫瘍というのが完全に消失をし治癒をしていた。これがテレビでずっと出るわけであります。現在この患者はほかの健康児と同様に元気に生活しているということになっておるわけであります。 これは一つの例でありますけれども、単独でこんなに象徴的なのはないということで、私は厚手省にこのビデオをお渡ししましたが、見ていただきましたか。
○高橋説明員 先生からお借りいたしまして、拝見さしていただきました。
○草川委員 感想はどうですか。
○高橋説明員 非常に感銘を受けました。
○草川委員 感銘を受けたと言われますともう私も何も言うことないわけでありますから、感銘を受けたというその本当のお言葉どおりに、丸山ワクチンの早期収載のために努力をしていただきたいわけでありますが、ひとつこの際、丸山ワクチンの現状というのを、どういうような状況になっておるのか、厚生省の方からお伺いをしたい、こう思います。
○高橋説明員 丸山ワクチンの開発の現状についてのお尋ねでございますが、御案内のとおり、昭和五十六年八月でございますが、中央薬事審議会の方から答申が出まして、そのとき附帯意見が出されたわけでございます。その中では、「この物質の医薬品としての有効性を確認するためには、順次、」「医薬品としての恒常性を確保する規格及び試験方法を確立すること」、次に「動物実験の不備な点を充足し、また、ヒトヘの至適用量を設定すること」、三番目に「新たな臨床試験成績を収集、整備すること等について、引き続き試験研究を行う必要がある。」という附帯意見だったわけでございます。先生も御案内のとおり、この中央薬事審議会の答申が出されました五十六年以降、丸山ワクチンの開発をいたしておりますゼリア新薬工業におきまして試験研究の実施に全力を傾注してきたところでございまして、私どもといたしましてもその努力については十分承知しているところでございます。 附帯意見にございます医薬品としての品質の恒常性を確保する規格の設定につきましては、既に原液につきましては恒常性を確保するための規格及び試験方法の設定を確立いたしまして、目下製剤について引き続き検討しているところでございます。 また、附帯意見にございましたヒトヘの至適用量の設定でございますが、これを行うための前提となる第一相臨床試験を昭和六十年五月より約半年にわたりまして北里研究所の附属病院におきまして健常人を用いて実施いたしておりまして、現在患者を対象として第二相臨床試験を計画中と聞いております。 以上でございます。
○草川委員 そこで、有償治験の期限というのが十二月の末になっておるわけでありますが、問題は、一体十二月末までにその結果というのが出てくるのか、あるいはまたその他のいろいろな研究もなされておるやに聞いておるわけでございますが、その点はどのように御判断をなすっておみえになるのか、お伺いしたいと思います。
○高橋説明員 ゼリア新薬工業の方に聞いているわけでございますが、抗がん剤としての研究成果がまとまるには臨床試験の検討を含めてなおしばらくの時間がかかりそうであるというふうに伺っているわけでございます。また、この抗がん剤の試験と並行いたしまして、今の先生の御質問にもございましたが、悪性腫瘍の患者に放射線を照射するときに白血球が減少するということが見られるわけでございますが、この白血球減少に対する治療効果があるという研究報告がございました。そういったことがございまして、昨年の十月から慶応大学医学部ほか五十の施設におきまして第二相臨床試験、これはあくまでも延命効果の検討ということで今まできていたわけでございますが、これとは別に、新たに悪性腫瘍患者に対する放射線治療時のこのような白血球減少に対する治療効果ということで第二相臨床試験を開始したところで、ございます。
○草川委員 六十一年の十月から、放射線治療を受けて白血球が減少したという方々を対象に放射線科の医師の方々が大変研究をなされているということでございますが、中間でも結構でございますが、その効果というのですか見通しについてできる限りの判断があればお聞かせ願いたい、こう思います。
○高橋説明員 慶応大学の方が中心になって今第二相臨床試験を開始したということを聞いておりますけれども、具体的な中身についてはまだ取りまとめ中であるということで伺っておりません。
○草川委員 ただ、私どもは非常に丸山ワクチンの早期認可ということを切望しておるわけでありますし、我が国も対がん政策十カ年計画というので総理自身が先頭になって政府としても大変な努力をしておるわけでございます。これはもう言わずもがなの話でありますから、そういう背景から考えれば、どちらにしても早く健康保険法に基づくところの薬価というものに収載をされる、そして全国のどこの場所においても投薬が受けられるような状況にしてもらいたい、これは念願なのです。 私どもがかねがね申し上げておりますのは、効くとか効かぬとかという話は、これはもう医薬の世界でありますから政治が口出しするべきではないと思いますが、そういう行政上の措置について差別があっては相ならぬ、あるいは本当に不十分な点があるならば、行政は手を差し伸べて、こうすべきじゃないか、こうすれば早く認可できるじゃないかと言う、それが行政のあるべき姿だということを私はかねがね主張をしておるわけであります。でございますから、本来の制がん剤として免疫療法として申請するのに今なおもう少し時間がかかるというならば、先ほど言われたように放射線による白血球減少を防止をする方法があるならば、五十の外科医に対して厚生省がもっとハッパをかけるとか、あるいは十二月末になるともう一応は切れるわけですから、十二月末も患者の皆さん心配するなよということを腹の中に持っておみえになるのかならぬのか、ここら辺が非常に私ども心配なところであります。もう一度御答弁願いたいと思うのです。この十二月末までにもし申請がない場合には、患者の皆さん方には御心配のないように、今検討しておるなら検討しておるでいいと思うのです、そういう答弁をしてもらいたいと思うのですが。
○高橋説明員 先生のお話にもございましたよう。に、ゼリア新薬工業におきましては抗がん剤としての開発をこれまで行ってきたわけでございますが、当面放射線療法に対する研究に全力を傾けていきますということを言っているわけでございます。これにつきましては私ども今注意深く見守っているところでございまして、今後とも必要な助言を与えてまいりたいと思っております。また、ゼリア新薬工業の方におきましては、抗がん剤の開発につきましてもその後で引き続き行っていきたいと言っているところでございます。この現在行っております治療研究が十二月までにまとまるかどうかということでございますが、悪性腫瘍患者における放射線療法時の白血球減少に対する治療効果の検討の臨床試験、これは早くて六十三年中というふうに聞いているところでございます。そういったことで、これにつきましては十二月までには成果がまとまるのは難しいということでございますが、その間当然のことながらこれまでどおり必要な指導を行っていくことを考えているわけで、ございます。 お尋ねの十二月以降の取り扱いということでございますが、なお六カ月ほどの期間がございますし、今の段階でこれをどうするということを具体的に決めているわけではございません。しかし、現に使用している患者さん等の実態等も踏まえまして慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
○草川委員 当然のことながら、今おっしゃるように年内には無理だろうということ、それはいろいろな研究のことですからそれを早くやれというわけにはいかないと思うのです。時期が要る。これはわかりました。それですから、十二月になると切れる。しかし問題は、患者が今使っておる。だからやめたというわけにはいきません。大変な混乱を与えるわけですから。でございますから、私はそれまでの間再度現状どおり延長するということが一つ。そして、その放射線の方の、これは制がん補助剤というような言葉が適当かどうかわかりませんけれども、また別の角度で申請がされる、それを審議会で認める、そして薬価に収載をされるということになった場合のことも我々は今から考えておかなければいかぬわけですね。 例えば、私はあくまでも単独投与をしたい、患者としてももうそろそろ薬に対してこういう薬を打ってほしいという患者からの選択権もあると思うのです。今まではすべてお医者さんだったわけですけれども、これは薬価の話に戻りますけれども、同一成分、同じ中身、同一効能の薬であるにもかかわらず、薬価というのはABC段階によって全部違うわけです。一部負担ですから、先生、ドクターに対して私は一部負担を少なくするためには中身は同じだから安い薬を使ってくださいよということは当然これから言える時代が来たわけですし、また言ったっていいと思うのです。これと同じように、今度は成分について、私はこういう薬を先生打ってもらいたいと言ったときに、いや実はこの薬はこういう限定つきの薬だからあなたはこれだめですよと言ったときに、では今までどおり日本医科大学へ行って丸山ワクチンの単独投与をしてくれることが将来も保証されるかどうか、こういう問題が一つあります。 それから、いや北海道でも九州でも放射線を照射すれば白血球が減るからそれに対して丸山ワクチンは効くから丸山ワクチンを打ちましょうということになると、わざわざ放射線を照射しなければ打ってくれないのかどうか。いや先生やめてくれよ、単独投与にしてくれと言った場合に、単独投与できるかできないのか。厚生省はいいと言うのか言わぬのかという問題も出てきます。これは今の答弁の中で、私どもは一日も早く認可をしてもらいたいのだけれども、ここをきちっと早く前倒し前倒しで厚生省は我々にひとつ責任のある態度を示しておいていただいて、関係者の方々に安心できる、信頼できる厚生省にしていただきたいと思うのですが、その点はどうでしょう。
○高橋説明員 丸山ワクチンについてはっきりとした見通しを持って対処しろという御指摘だと思いますが、医薬品の審査につきましては、やはり一定の手続、そのために必要なそれぞれの段階での試験研究というものが必要なわけでございます。こういったことを片方ではきちっと片づけていかなければならないということもございます。そういうことで、私どもといたしましてはメーカーの方に一生懸命そういった附帯意見について早く結論を出しなさいということで言っているわけでございますが、一方、新しく放射線の照射時の白血球減少にこの投与が効果があるということで今研究をしているところでございまして、こういったことが早く結論が出ればと思っておるわけでございます。いずれにしても、今の時点で具体的に決めているわけではございませんが、先生がおっしゃいましたことを十分に認識いたしまして検討させていただきたいと思っております。
○草川委員 きょうはこれ以上議論してもあれだと思いますので、今課長が最後に答弁なされたように、混乱のないように、我々が今提案したことについては、十分受け入れられるというのですか、関係者の方々に心配のないように厚生省は責任のある方法をとっていただきたいと思うのです。我々はむちゃを言っておるわけではありません。薬ですから、こういうものですから非常に慎重なデータも出さなければいかぬし、やらなければいかぬというのはそのとおりなんです。しかし、以前に許可されておる薬というのは随分ラフな形で許可になっておるわけですから、そういうようなことを考えれば、丸山ワクチンなんというのはもっと早く認められるべきではないかということを我々は言っておるわけです。このことだけそう厳しく言わなくてもいいじゃないか、実績があるじゃないか、こう申し上げておるわけであります。二十何万人の方々が投与されたという実績の上に立って私が先ほど申し上げましたことをぜひ考えて対処をしていただきたい、こういうことを要望して、この問題を終わりたいと思います。どうも御苦労さまでした。 では続いて、横浜におきます生糸の取引所の問題に関連します日本の農水省の蚕糸行政のあり方について問題提起をしたい、こう思います。 これは私は質問主意書という形で過去六回農水省に質問しておりますし、過日の決算委員会でも本問題を取り上げまして、議決案で蚕糸行政の問題点というのが明らかになっております。その上に立って、時間がありませんので、具体的に問いをいたします。 横浜生糸取引所は本年の四月二十七日第六百七十三回の理事会を開催して新たに取引所の指示事項を決定しております。その中身につきましては、早く言えばルール違反をやってはいけませんよという趣旨のことを言っておるわけでございますが、この事実を承知しておるかどうか、お答えを願いたいと思います。
○中村説明員 横浜生糸取引所におきまして取引所指示事項の決定をしたということは承知をいたしております。
○草川委員 私がなぜこの質問をしたかといいますと、ことしの三月二十日付で「生糸・乾繭取引所の市場管理に関する質問主意書」というのを私は政府に出したわけです。そこでは、ことしの二月から五回にわたって横浜の取引所が、仕手戦を一部の方がやっておるものですからその機関店に対して監査をしたということについての質問をしたわけでありますが、農水省は調査事項については不適正と認められるものはなかったという答弁を三月三十一日付でしておるわけです。にもかかわらず、四月二十七日に、空き口座は行わないこと、あるいは融資のあっせんをして取引をしてはだめだよ、機関店はそういうことをやってはだめだよというような趣旨の注意事項を出しておる。何もやっていなければわざわざこういう通達というのですか決定をする必要はないのでございます。けれども、数週間後に取引所が指示事項を出さざるを得なかったというのは、実際現状ではルール違反がまかり通るということではなかったのか。質問主意書の答弁では、認められなかったと言っておるのですが、実際はあったのではないかということを私は言いたいわけです。この点はどうですか。
○中村説明員 取引所の指示事項につきましては、適正な市場管理を図るという観点から、同じ繭糸である乾繭の例をも参考として決定したものである、かように承知をいたしております。
○草川委員 ですから、生糸ばかりではなくて乾繭の取引所の問題も通じて取引員というのは同じですから、我々が質問したことについては農水の行政として一元的に判断をしてこれから答弁していただきたい、こう思うのであります。これを聞いて、ほかのことだから答えないという態度では蚕糸行政というものは改善されぬと私は思うわけであります。 続いて、五月六、七、八日に横浜、神戸、前橋、豊橋の四取引所が仕手の機関店に対する監査を行っております。これは事実でありますから後でまた答弁してください。また、五月十二日には、東京証券取引所の二部に上場している会社でございますけれども、生糸の取引員に対し横浜と前橋の取引所が監査を行っております。私きのうレクチャーのときに農水省にこの内容を聞くぞと言っておるわけでありますが、きょうここでその具体的な内容を報告できますか。
○中村説明員 横浜生糸取引所等が五月六、七、八、それから十二日に特定の取引員について監査を行ったわけでございますが、これらにつきましては、定款に基づきましてその受託業務の運営について行ったものであると承知をいたしておるわけでございます。
○草川委員 その中身を報告してください。
○中村説明員 その結果につきましては現在取引所において検討中である、こういうことでございます。
○草川委員 検討しておるということは事実問題点があったということだと思うのですが、これは繰り返し繰り返しおかしいじゃないかという問題提起をしておるわけですから、その結果についてはぜひ我々に報告してください。 そこで、どういうことが実際ここで行われたのかということでありますけれども、仕手戦を行っている機関店が、四月の納会というのですが、いろいろなルール違反をやっておるわけです。一つ具体的なことを申し上げますが、仕手戦ですから仕掛けるわけですけれども、仕手戦で生糸をずっと高くつり上げる。暴落をすれば、蚕糸事業団に持ち込めば蚕糸事業団が幾らでも買ってくれるわけです。それが二千億の赤字になったわけです。累積の在庫になったわけです。会計検査院もけしからぬと言っておる、臨調もいいかげんにしろと怒っている、大蔵省も何とかしろと言っている、総理大臣も決算委員会では困った問題だと言っている、こういうことになっているわけであります。 もうそれで私は終わったと思ったら、相変わらず仕手戦が行われておるわけであります。その仕手戦で価格をつり上げた機関店は、暴落をしないために最後のときに自分で高いものを引き取らなければいかぬのです。仕手ですから自分が独占的に仕掛けておるわけですが、ルール上はそういうことをやってはいかぬということになっておりますから、自分で全部引き取れないから他人にそれを引き取ってもらうわけですね。他人に引き取ってもらうために、他人はお金がありませんから仕手を仕掛けた人間が金を貸してやる。調査の内容ではそれがわかっておるはずなんです。それで、名義を貸した、あるいは架空売買というのですか、そういうルール違反を東京証券取引所の二部に今上場されておる会社が組んでやっておるわけであります。そういう事実がここで明らかになっておるはずなんですよ。それを私はきのう農水省に、きょうこういう質問をするから、あなたの方はわかっておるはずだから答えると言ったのですが、検討中だから答えられぬ、こう言うのです。そういう手ぬるい農水行政だから蚕糸事業団が二千億の在庫を抱えることになってしまい、欠損金の累積が五百億になったのだ。これは同じ農水省の中で課が違いますけれども、取引所というものとの関係でそういう仕組みになっておるわけですよ。 私はいいかげんにやめていただきたいと思うのですが、そういう仮装売買というのですか、名義貸しをやるというのですか、肩がわりをしたという事実があるわけでございますけれども、もしこういう事実があった場合に農水省はどういうような処分をするのか、お答え願いたいと思います。
○中村説明員 市場管理の問題につきましては、常々適正な市場管理が行われるように取引所を指導しておるわけでございます。監査等の結果につきましては、その結果に応じまして厳正に対処するものと理解をいたしております。
○草川委員 厳正に対処をしてもらいたいわけでございますけれども、大蔵省がお見えになりますが、それに加担をした企業が二部に上場している企業だとしますと、いわゆる上場企業が法令に違反した場合の取引所員に対する対応というのはどういうことになるのか。株主保護という立場からの問題もあると思うのですが、どういう見解がお答え願いたいと思います。
○西方説明員 証券取引所では、公正な価格形成を確保しなければいかぬ、それから投資家の保護も図らなければいかぬ、こういう任務があるわけでございます。したがいまして、会社の経営に重大な影響を与えるような事実が発生したような場合には直ちに証券取引所に通告する義務を負わせております。そのうち、証券取引所が必要と認めるような判断があった場合は、上場企業に対しまして適切かつタイムリーなディスクロージャーを行わせることにしております
○草川委員 ぜひそのように処置をしていただきたいと思うのであります。 法務省にもお伺いをいたしますが、私、この決算委員会、ことしの四月六日でありますが、遠藤法務大臣にこのような趣旨の質問をしましたら、遠藤法務大臣は、検察当局としても刑罰法令等に触れる疑いまたは事実があった場合には捜査当局としても厳正な処理をしようという考えだという趣旨の答弁をなすっておみえになりますが、一般論で結構でございますが、法務省の御意見を賜りたい、こう思います。
○石川説明員 具体的な事実関係がどうも明らかでございませんので何ともお答えしかねるところでございますけれども、仮に刑罰法令に触れる事実が明らかとなりますれば、当然検察当局といたしましては厳正に対処するものと承知いたしております。
○草川委員 それから農水省、もう一遍前へ戻りますが、この決算委員会で谷野局長は、「私どもは市場管理に関します諸情報につきまして関心を持っておるわけでございまして、いろいろな情報につきまして、手に入りましたものにつきましては慎重に検討いたしたい」と考える、こう言っておるのですよ。だから、きのう来から私は具体的にルール違反がひど過ぎるじゃないかということを主張しておるわけでありますから、農水省は我々にしりをたたかれる以前に事前に問題をつぶしていくということになりませんと、今日の乾繭・生糸相場を取り巻きます先物市場というのは、実に愚劣というのですか、今日的な状況に合いません。合わぬばかりか、そのツケが蚕糸事業団の赤字ということで税金に来るわけですよ。だから、正常なルールで取引をしなさい、先物というリスクヘッジをしなさい、国際化というこういう時代ですから国際的に対応できる先物取引にしてもらいたいということを私は強く主張するわけであります。 しかも、聞くところによりますと、四つの取引所がありますけれども、四つの取引所の見解というのは一本じゃないのだそうですね。あるところでは、私のように国会で問題になるなら非常に恥ずかしいことだから正常化に努力をしようじゃないかと言う。ところがそのほかのところは、多少悪い金があっても取引所はもうかるんだから、売ったり買ったりすれば手数料が入るんだから目をつぶろうじゃないか。これが豊田商事の金が三十億入った最大の原因なんですよ。悪い金が流れるということを承知をしながら先物取引市場が開かれておりますと、国際化に本当についていけない状況になると私は思うのです。こういう立場から私は物を言っておるわけでありますので、ぜひこの監査等において注意をされた取引員に対しては、私は、許可更新をしないというような強い態度を今から表明をしておきませんと、何らかの形でずるずると事態が推移するのではないか、こう思いますが、農水省の見解はどうですか。
○中村説明員 市場管理の問題につきましては、商品取引所に対し、常々厳正に行うようにという指導をしておりますし、これからもその指導を続けてまいりたいと思っておるわけでございます。 それから、商品取引員の許可の更新の問題につきましては、商品取引所法四十四条一項二号及び三号に掲げる要件に照らしまして、この商品取引員の受託業務の遂行の状況等を総合的に判断をして行っていくわけでございまして、今後もそのような方針でまいりたい、このように考えております。
○草川委員 課長、えらいぐずぐずしゃべってますけれども、もう少し姿勢をぴしっとして、大きい声を出して、取引員に対して悪いやつがおるなう徹底的にやる、そういう一言でいいのですよ。常々指導しておったらこういう私の問題提起にならぬのだから、もうちょっとはっきりしてやってくださいよ。取引所の問題だけでないんです。何回か言いますけれども、これは事業団の赤字の方へはね返ってくるのですよ。悪いなら悪いでぴしっと言えばいいのです。そして、新しい農業価格というんですか、農産物でもっと新しいものもどんどん先物取引市場に入れて、ボリュームを大きくして、シカゴのような相場がどんどんできるようなそういう農林行政をやりなさいよ。今のようなことを言って、我々に言われるとぐずぐず、逃げて逃げて、それでみんなにだまされて、舌を出されて、最後は、何回か言いますけれども、国に迷惑をかけるのですよ。きちっと指導していただきたいと思うし、私どもの問題提起を少しもあなたたちは聞かぬから、もう本当に個人的な問題ではなくて、とにかく税金がもったいないから私は声を大にしてこれからもこの問題を取り上げていきたい、こう思います。 時間があとございませんので、最後に転換社債の親引けの問題について簡潔に二、三点質問をしたいと思います。 五十六年の商法改正がございましたけれども、このときの目玉というのは、総会屋を排除して株主総会を運営をするということではなかったかと思いますし、その中に利益供与禁止規定というのが新設をされた。これが非常に大きな評価を受けたのではないかと思っております。しかし、これができてからもう五年になるんですが、相変わらず一部の総会屋というのが活動を続けている状況でありますし、その間、有名な事件としては伊勢丹事件がありましたし、その他たくさんの問題がございました。つい最近では山一証券等の問題もあったわけでございますが、この総会屋に対する利益供与というのが少し緩んできたのではないかと伝えられております。また、一部の有識者の間においては、商法四百九十七条の要件の加重ないしこれは拡充すべきではないかという立法論的な指摘もなされておるやに聞いております。 そこで、私も専門ではないからわかりませんけれども、つい最近でございますが、法務省の刑事局の川合検事という方が論文を出されておりますが、非常にこれが高い評価を受けておるわけです。ちなみに私の今から申し上げるのは、この論文の要約かどうか、私の知恵で申し上げるので、専門家からまた補充をしていただきたいと思うのですが、たとえ正当な商取引と見えても、転換社債を購入すれば、利息もしくは転換後の配当金を取得できるのはほぼ確実であるほか、キャピタルゲイン、資本収益というんですかの獲得をも期待できる等の理由で、最近では証券会社の店頭でもなかなか購入できないほどの人気商品となっているのであるから、そのようなものを購入できる地位を与えたこと自体で直ちに財産上の利益を供与したということも可能との私見が出ておるわけであります。 私がただこれだけ言っては何を言っておるかわからぬと思うのでありますが、実はその背景には、総額十五億円にも上る三菱重工の転換社債が山一証券によって約七十名の総会屋にばらまかれたという報道が、これは日刊紙から専門紙等に、大変なところに報道されておるわけでありますから、ほとんどの方は御承知のとおりだと思うのでございますが、そういうものの背景でこれを見ますと、私どもこれは非常に重要視したいと思いますし、私は高い評価を与えるべきではないか、こう思うのでございます。 まず、大蔵省にお伺いをいたしますが、私が先ほど触れました点についてどのような状況を把握しておみえになるのか、お伺いしたいと思います。
○金野説明員 お尋ねの転換社債の引き受けに関しましては、御指摘のございましたようにいろいろな形で報道もされておるわけでございますので、私どもといたしましては、引き受けに携わりました証券会社からいろいろと事実関係について事情を聞いたりいたしております。しかしながら、その結果では、紙上いろいろなところで報道されているようなことはなかったという回答を当該証券会社から聞いているというところでございます。
○草川委員 証券局にはまたいずれどこかほかの場所で少し転換社債のあり方について議論をさせていただきたいと思いますが、きょうは時間もございませんので、法務省にお伺いをいたします。 商法四百九十七条のいわゆる利益供与の禁止規定というのは、新しく五十六年の商法改正によって制定されたという趣旨は今も申し上げたわけでありますが、この規定というのはどういう契機から何を目指して制度化したのか、制定されたのか、立法趣旨についてお伺いをしたい、こう思います。
○大谷説明員 お答えいたします。 昭和五十六年の商法改正によりまして利益供与の禁止規定が設けられました趣旨は、先ほども先生が御指摘になりましたとおり、一言で申し上げますといわゆる総会屋の排除ということでございますが、我が国の株主総会が形骸化しているということの原因の一つに総会屋の存在があるということが指摘されていたのでございまして、この総会屋を根絶することが健全な株主総会の運営を回復し、ひいては企業経営の公正に対する国民の信頼をつなぐために不可欠の措置であると考えられたわけでございます。そこで、昭和五十六年の商法改正の眼目の一つといたしまして、総会屋の糧道を断つという観点から総会屋に利益を供与する行為を禁止いたしまして、さらに罰則も設けてその実効を期することとしたわけでございます。
○草川委員 もう五分前になりましたので、時間を厳守してあと二問だけ続けて質問しておきたいと思いますので、お答えを願いたいと思うのです。 これも同じく法務省ですが、総会屋に対する親引けは、商法の禁止する利益の供与に当たるのかどうなのか。それからもう一つは、総会屋に対するいろいろな問題が緩んでおるのではないかということを最初に申し上げましたが、総会屋に対する検察の姿勢をひとつはっきりとお答えを願って、私の質問を終わりたい、こう思います。
○石川説明員 最初の御質問でございますけれども、何分これは具体的な事実関係が判明いたしませんと私どもの方ではどうともお答えいたしかねるところでございます。 ただ、二問目の総会屋に対する姿勢でございますけれども、これは暴力団の資金源にもなっているというふうにも耳にしておりますので、刑罰法令に触れる事実関係があれば検察当局といたしましては厳正に対処する、そういうふうに思っております。
○草川委員 まだあと一分か二分ありますので、最後に私の意見を申し上げさせていただきたいのです。 転換社債というものについては、一般の株式の増資あるいは新株とは違いまして、今非常に大きな市場性を持つようになってまいりました。ところが、それがだれに売り渡されるのか、あるいは市場価格との差によって大変な利益を上げるわけでありますから、特定の人たちだけが特定の利益を受けるということはやはり不平等だと私は思うのですね。 私どもは、この委員会でも、どの委員会でも申し上げておりますのは、常に平等を求めるわけであります。不平等であっては相ならぬわけであります。先ほどの丸山ワクチンもそうであります。あるいは悪徳商法もそうであります。善良な市民が生活をしておる中で、特定の人間が特定の利益を得るということは許されるわけがない。それは要領がいいからもうけるのは当たり前だということがまかり通ったら、国の存続なんというのはないと私は思うのですね。そういうために我々は不正を追及しておるわけであります。 こういう趣旨からいえば、転換社債のあり方も今のままでいいかどうか。そういうところに総会屋は目をつけてくるわけでありますね。そういうことについては厳正な対処をしていただくために、それぞれの企業を監督する諸官庁あるいは証券局、またそれを横からしっかりと問題点を把握する法務省関係の位置づけというのが非常に重要になってくると思いますので、ぜひ国民生活を守るためにも厳正な対処をお願い申し上げたいわけであります。本来ならばここで国民生活局長の意見を求めるところでございますが、時間が来ましたのでこれで終わりますが、どうか関係省庁の一層の御関心を払っていただきたいということを要望して、私の質問を終わりたい、こう思います。 どうもありがとうございました。
○河上委員長 塚田延充君。
○塚田委員 世間を騒がせました典型的な悪徳商法と言われておりました豊田商事の問題につきましては、同社の破産によりまして今となりましては被害者をいかに救済するかということが大きな問題でございますし、さらには、このような悪徳商法をはびこらせないという意味において、最近では霊感商法とかなんとか言われているものがございますけれども、これらをいかに防止するかということが大きな課題になっているわけでございます。そして、これらの商法については、先ほど村山委員の方からも指摘があり、警察庁とのやりとりがございましたけれども、いわゆる被害者をつくってしまうということ、それは脅迫であるとか住宅不法侵入であるとか詐欺であるとかいうようなことが取り締まり当局との間では問題になるものの、すべてが合法、適法すれすれの線を来るためになかなか摘発が難しいというようなことも警察庁の方からは答弁があったわけでございます。 この商法につきましては、もう一方の観点を見てみますと、いわゆるセールスマンが社会的に見てどうにも常識を外れるような高給、歩合報酬を取っておるという面が裏腹のような形で内包されているわけでございます。となりますと、このような悪徳商法を取り締まるもしくは悪徳かどうかの判断の基準として、常識を逸するような高額歩合があるかどうかというのも、取り締まるもしくは指導する場合の大きなポイントとして生かせるのじゃないかというように私は考えるわけでございます。 そのような中におきまして、本年四月三十日に大阪地裁におきまして、豊田商事の元セールスマンの常識をはるかに超える高額歩合報酬というのは不法所得、不当所得みたいなものだから、これは管財人に返還すべきであるという注目すべき判決が出たわけでございます。このように、いわゆる高額歩合報酬が悪徳商法には常に内蔵されているのだという面に着目しての防止策をとれないかということになるわけでございますが、今の判決そのものはとりあえずは被害者救済というところに焦点を当てざるを得ないと思います。これにつきまして先ほど国税庁の方から村山委員の方に御回答がございましたけれども、もう一度確認を申し上げますが、適切に対処するというのは還付の方向で検討しておるというふうにずばり理解してよろしいのかどうか、お答えいただきたいと思います。
○瀧川説明員 今回の判決で、ございますけれども、これは、先生御指摘のとおり、特定の外交員、これは二十名でございます、それから特定の期間、これは五十九年十二月から六十年四月でございます、その期間に受けました極めて高額な外交員報酬につきまして無効という判示をしたものでございまして、これらの外交員報酬にかかわりまする源泉所得税の問題につきましては、現在百八十数ページにわたる非常に膨大な判決書というものを鋭意勉強させていただいているという状況でございまして、現在それをどういうふうに判定するかということにつきましては結論が出ていないわけでございます。 ただ、一般論で申し上げますと、例えば給与等を過って過大に支払った、そういうことによりまして正当税額を超えて源泉所得税を納付した場合とか、あるいは源泉徴収をすべきでないのに過って源泉徴収をしたというような場合には、既に支払われている源泉所得税はいわゆる過誤納金ということになりまして国税通則法五十六条の規定により還付することになるわけでございます。
○塚田委員 もう一度重ねてお聞きします。還付の方向で検討することになると理解してよろしいのでしょうか。
○瀧川説明員 還付すべきものになるかどうかのその根拠を勉強しているというところでございます。
○塚田委員 その根拠についてあくまでも客観的に、また法律に照らして答えを出すわけでございますが、もし今の二十名の者についてやはり根拠は判決に基づいてあるから還付すべきであるという答えが内定された場合に、この二十名というのは、数多いセールスマンの中のほんの一部の者が裁判技術上モデルケースとしてわかりやすい形で出されたものだと思います。となりますと、管財人側としては、国税庁のこの二十名の者に対するモデル判断みたいなものが出た場合には、そのモデルに従って一斉に所管の税務署に対して他のセールスマンについて還付申請するということが考えられますが、そうした場合には、この二十名の答えをもって広く他のセールスマンについても還付の方向でもって各税務署が対応する、このように解釈することになるのでしょうか。
○瀧川説明員 今回の判決は、先ほど申し上げましたように、特定の外交員の特定の期間に受けた極めて高額な外交員報酬について判示されたものでございます。今の御質問に対して少しく判決の考え方というのを御紹介させていただきますと、まず判決では、豊田商事の商法の違法性というものが極めて強い、まず会社の商法が違法性が強いということを評価した上で、その次に個人の段階に行きまして、個々の外交員の勤務期間であるとか社内での経歴であるとか個々の方々が行ったセールスの手法であるとかもらった報酬の支給額であるとか、そういうものを基礎としまして、違法性を基礎づける主要な事実についての認識の有無というものをこれまた個々に認定しまして、そしてこれらの社員が違法性を有する会社の商法に加担したと位置づけました。そして、その結果としまして、その歩合報酬契約が公序良俗に反して無効であるから不当利得に当たる、こういう論理構成をしておるわけでございます。 しかしながら、一方、我々が行っております税務上の処理というものは、租税を徴収する場合にしてもあるいは還付する場合にしましても、いずれにせよ法律の規定に従って適切に行われなければならないというものでございまして、したがって、一般的に申し上げますと、既に徴収しておりまする源泉所得税を還付できる場合というのは、例えば源泉徴収の対象となりました所得の支払いが誤りであったために返還されたような場合、あるいはその所得が源泉徴収の対象とならないことが法的に明確にされた場合などに限られるというふうに我々思っておるわけでございます。 また、もう一つ、これも一般的に申し上げまして、先ほど申し上げたような判決が出た場合におきまするその支払い済みの給与の部分とか、あるいは訴外の外交員の報酬であるとか、あるいは当該被告にかかわりまする返還の対象とされた期間以前の報酬につきましては、この判決の影響を受けるものではないというふうに我々は認識しております。 いずれにしましても判決に示されました権利義務関係あるいは経済的事実について詳細に検討する必要がございますので、現在一生懸命作業を進めておるところでございます。できるだけ早く結論を出したいと思っておる次第でございます。
○塚田委員 いずれにしましても、このように危ない橋を渡ってもうけようというような商法につきましては、必ずと言っていいくらい高額な歩合がついて回るのが通例だと思うのです。そのような観点からしますと、今企画庁なりが国民生活センターなどに苦情を持ち込まれておるいろいろな商法、会社がある。場合によっては厳重な注意をしたり何々調査をするとかいうことが行われておると思いますけれども、今問題となっておるようなそういう会社のいわゆる歩合給みたいなものがどのようになっているのか。豊田商事と匹敵するような超高額な歩合を採用しておるような商法の会社があるかどうか、その辺を企画庁としては調査されたことがあるのかどうか、その辺についてお答えいただきたいと思います。
○長澤説明員 いわゆる悪徳商法に関する苦情相談の実態というのはつかんでおりますけれども、その会社の給与の実態というのは残念ながら調べておりません。
○塚田委員 社会常識的に見まして、必ずと言っていいくらい高額歩合というのが裏に隠されているはずであり、それが悪徳かどうかを判断するかなり大きなメルクマールになるのじゃないかと私は冒頭申し上げたとおりでございます。そのような見地からいたしますと、このようないわゆる悪徳商法を何とか取り締まろうというようなことに基づいて通産省が努力された結果、昨年十一月に施行されました特定商品等の預託取引法でいろいろと対策を講じているわけでございますが、この法律の中には、私が指摘した、しかもこのたびの判決で明らかになった高額歩合報酬の違法性について、何らかこれをきっかけとしようとするような視点が欠けていると思います。この件につきまして、今言った歩合給のあたりにポイントを置いて、そのポイントを生かして、それにより立入検査をするとか業務停止命令を出すとか処置を講ずるような施策を特定商品等の預託取引法の改善によって実現することができるかどうか、ぜひできるような方向に通産省は考えるべきだと思いますが、いかがでしょう。
○柴崎説明員 お答えいたします。 この豊田商事のような商法、いわゆる現物まがい商法につきましては、先生御指摘のとおり、昨年十一月にいわゆる預託法が施行の運びとなっているわけでございます。業者に対する書面の交付を義務づける、あるいは不当な勧誘を禁止する、あるいは消費者に対する契約解除権を認める、このようなことで既に動き出しておるわけでございます。 御指摘の販売員に対する報酬の問題でございますけれども、なかなか難しい問題が含まれているのではないかと思います。そもそも販売員、セールスマンに対する報酬はどのレベルでなければいけないか、そういう適正水準といいますか、その辺の基準というのが非常に難しい、あるいはこの水準を超えるとそれは違法であるというような決めつけが果たして可能かどうか、こういう問題がございまして、先ほど申し上げました預託法におきましては、セールスマンに対する報酬の規制というものは特に設けられていないわけでございます。ただ、必ずしも直接的ではございませんけれども、この預託法では閲覧請求権というのを認めておりまして、この現物まがい取引というのは消費者の手元から商品が業者の手に渡ってしまう、いわば手元を離れてしまうという不安があるものですから、果たしてその業者が十分な財務状況にあるか、あるいは適正に業務を遂行しているか、こういうことを帳簿を閲覧することによってチェックする、このような中に給与とか諸手当とかいうものも含めた財務状況のチェックができるようになっておる、このようなことでございます。
○塚田委員 経済企画庁は国民生活の保護に当たるというのも大きな業務の一つだと思います。その面で、近藤長官、いろいろと御苦労されておるわけでありますが、豊田商法の被害者が大変悲惨な目に遭っているということはたびたびこの委員会で指摘されており、熟知しているはずでございます。そのような中において、一つの救済のきっかけになるかもしらぬなという判決が出されたこと、これを救済の方に何とか生かしてほしいと思うわけですけれども、この件について、すなわち判決に対してどのように受けとめておられるのか、それから、国税庁として今から根拠など十分検討の上還付のことについてはとりあえず研究するという方針を出されておりますが、それらも含めまして、国民生活保護行政の責任者としてのコメントをいただけたらと思っております。
○近藤国務大臣 先生御指摘の判決については私どもも、妥当なものである、かような判断をしているわけでございますが、これに基づきまして具体的にどのような被害者の方々の救済措置を講ずることが可能かということにつきましては、今国税庁の方からもいろいろ話がございましたけれども、大変な被害を受けられた方々でございますので、何らかのことができればベターであるとは考えますけれども、判決を踏まえましてまたいろいろなことをもう一度検討させていただきたい、こういうことでございます。
○塚田委員 次に、経済政策一般につきまして経済企画庁にお伺いしたいと思います。 現在の我が国経済の最大の課題といいますのは、国際収支の黒字の是正と円高不況の克服の二つではないかと判断されます。昨年九月十九日には総合経済対策が発表されまして、三兆六千億もの需要が創出されるということで大変期待されたわけでございますが、実際はいわゆる真水部分が少なかったために所期の効果が余り実現できていないのじゃないかと私は判断しておるわけでございます。そこで、六十一年度の実質経済成長率は企画庁が今お持ちの最新の資料の中ではどのくらいになると判断されておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
○近藤国務大臣 昨年の秋に発表いたしました総合経済対策は全体で三兆六千億円を超える内需促進策であったわけでございますが、私はそれなりの効果があったものと判断をしておりますし、それだからこそ、昨年度の円高というのは年初一ドル二百円ちょっとだったものが年末には一ドル百六十円を超えるような大変急激な円高であったわけでありますけれども、これが輸出関連の企業に相当なマイナスの効果を与えたものの、それを政府の内需拡大政策によって、すなわち財政によってカバーいたしまして、内需だけを比較いたしますと当初見通しの四%前後の内需拡大に何とか成功することができた、かように考えておるわけでございます。 しかし、この円高から来るところの輸出の低迷、そして輸入の増大は、それはそれなりに国際収支の改善という点から考えればいいことでございますが、この対GNPの成長率に対する貢献を考えれば、これは明らかにマイナスでございます。したがって、これが一%を超えるマイナスの寄与度であったということでございますので、六十一年度はまだ統計が出ておりませんけれども、暦年の六十一年で言いますと、二・五%のGNPの成長に終わってしまったということでございます。内需は何とか予想どおり、見込みどおり持っていったわけでございますが、外需要因によって三%を切ってしまった、こういうことであることを御理解いただきたいと思うわけでございます。
○塚田委員 さて、一九八七年のことでございますが、OECDの見通しによりますと日本の実質経済成長率は二・七五%にダウンするのじゃないかということが発表されておりますし、またIMFの見通しとしては二・七%くらいじゃないかということで、いずれにせよ政府の見通しよりもはるかに下の数字を指摘しておる。わけでございます。その中で、国内といいますか同じ政府の部内でございますが、本年四月十三日には、日本経済新聞の報道によりますと、通産省のどういう機関がどういう計算を打ち出したのかは別ですけれども、一応権威のある経済専門一般紙に一・六%だよというような数字も発表されているわけでございます。このように、経済企画庁がある程度責任を持って出された本年度の経済成長見通しに対して、内外からそうじゃないのだというような指摘がされているわけでございますが、これらの件について近藤長官としてはどのように反論し、または、実はこういうような状況があるから絶対大丈夫なんだよという内に秘めたる施策があるのか、それも含めてコメントをいただきたいと思います。
○近藤国務大臣 先生御指摘の通産省の数字につきましては、私も新聞で拝見をいたしましたが、どういう経緯でどういうところでああした計算が出たのかつまびらかにしない、率直なところそういう状況でございますが、先生御指摘のOECDの数字につきましては、これはOECDが公表した数字ではございませんけれども、内部の検討資料として一応私どもも知らされている数字ではございますが、それと三・五とは大きく違うではないか、こういうお話だと思うわけであります。 OECDに限らず、民間の調査機関も大体二%前後のGNPの成長率を今年度は予想しているわけでございますが、各項目を調べてみますと、大きく違いますのは二つございまして、一つは民間設備投資が我々が年初において考えたよりも厳しい見方をしておりまして、それが伸びてない。これは、一月以来の円高、最近は百四十円前後までなった円高を考えますと、一月の段階で百六十円ちょっとで推移すれば、日本の大変意欲に満ちた経営者でございますから、そろそろことしあたりは設備投資に踏み切ってくるのではないかと思っておったのが、円高によってその当初の意欲が相当そがれたということを考えますと、現状で自然体でいってよくいけば当初の設備投資が予定できないのかなということが一つ。それから、同じく円高が影響いたしますのがまさに輸出入の外需要因でございます。当然円高というのは外需要素としてマイナスに効いてまいります。この二つをあわせると大体私どもの当初見通しからさらに一%そこらのマイナスになる、これが御指摘の二%ちょっとくらいの数字になっているわけでございます。 そこで、私どもは政府として三・五%というものが、日本経済の構造調整を進めていくためにも、またある意味では円高を抑えるためにも、日本の経済成長が高まることが大事なわけでございます。これを何とか維持できるように、実は昨日予算を通していただいたわけでございますので、この予算の成立を待って、予算の速やかな前倒しを軸に、さらに後半の内需を財政主導によって確保するための緊急経済対策を今経済企画庁が中心になって関係各省と連携をとりながら早急に作成中でございますので、この緊急経済対策の適切な運用によって円高によるマイナス部分をリカバーすることによって当初見通しのGNPの成長率を何としても今年度は達成いたしたい、これが私どもの考えでございます。
○塚田委員 対外経済摩擦との関連でございますが、今や我が国の貿易黒字というのはGNPの四%前後に達してしまっている。そしてこれは経済理論からくるのかどうかわかりませんが、一般的にはGNPの二%くらいが適当ではないか、二%くらいまで縮小すべきではないかというような意見が各研究機関、政府の内外で出ているわけでございますけれども、いわゆる貿易黒字の対GNPというのは長官としては何%くらいが適切と考えておるか、お答えいただきたいと思います。
○近藤国務大臣 経常収支の黒字をGNP対比でどれくらいに抑えるかということはなかなか簡単に計算できない性質のものでございまして、その国の経済成長率とかまた対外収支依存率だとか、まさに国際的な経済環境はどうなるか、いろいろなことを配慮しなければならないわけでございます。しかし、考えてみますと、経常収支の黒字というのは、例えば日本人が働いたものを海外に持ち出す、こういうことになっているわけでありますので、いわば本来なら日本の国内の財産形成に、例えば住宅投資だとか社会公共設備だとかそういったものに回ってもよかったものを海外に押し出していって金融資産で持つ、ドルという外国通貨で持つ、こういう形になっているわけでありますが、それだけ黒字に見合いの赤字国にとっては日本の商品が来て国内経済に対して圧迫をする、そういう感じを持つと同時に、日本から考えればある意味では利用もしない対外債権を積んでみたって始まらないではないか、こういう見方も成り立つわけでございますので、おのずからどれくらいのものがいいのかなということはいろいろな角度がちこれまた検討の対象になる、こういうことでございます。 実は経済審議会の中で経済構造調整特別部会をつくっていわゆる新前川レポートを先生方に検討していただいたときにもこの議論が出ました。特定の数字を表に出しますと、今度これがひとり歩きいたしまして、そしてその数字に達成しないから日本はどうだこうだというふうになっても困りますので、数字を挙げることについて議論があって実は各先生方の御意見で挙げない経緯もございましたけれども、あえて先生からおまえはどれくらいのことを考えているのだというお話だとすれば、私はやはりGNPの二%くらい、すなわち日本の国民所得の二%を日本の貯蓄から外に金融資産という形で持つというのも日本の国際間の取引のボリュームを考えればそんなことかなというのを一つの目安として考えているということを申し上げる次第でございます。
○塚田委員 経済学に大変精通されております近藤長官の方から、個人的な見解ではありますけれども、ある程度の数字についてずばり御指摘いただいたことについては評価したいと思います。それはひとり歩きさせるとか公的なものではないものと私どもは受けとめております。しかし、個人的な見解でありますその二%をもとにちょっと考えてみますと、今約四%くらいになっておるとすれば、これを毎年〇・三%くらいずつ減らしていくとしてもその二%の数字に達するまで七年かかってしまう。そしてその外需依存分を補うために今度は国内需要の方へそれを付加しなければいけない、そうなると国内需要としては四・五%くらいの成長を期さなければならない、大変難しい経済政策を政府としては実行しなければいけないということになるわけです。 そうしますと、今の情勢から見ますと、財政再建の目標年度がはっきりと六十五年度に置かれているわけでございますけれども、実際は大幅に後退させざるを得ないんじゃないかという感触を持たざるを得ないわけでございます。政府の公式見解じゃなくて結構でございますけれども、一経済学徒的なセンスで、近藤長官としては財政再建の目標年度についてどう考えておられるのか、閣僚の立場を離れたことで結構ですから、お考えをお示しいただけたらと思います。
○近藤国務大臣 先生今四・数%を二%にするためにはというお話でございますが、実際問題として二%というのは大体五百億ドルでございますから、現在一千億ドルの黒字を五百億ドルにするには、先生〇・三%とおっしゃったけれども、私たちは多少野心的でございまして、まず五年間で百億ドルぐらいづつ減らしていこうということで、そうすると百億ドルというのは円にして一兆四千億ですね。一兆四千億というと、GNP対比、三百五十兆と考えれば、〇・四から〇・五、こういうことでございますので、御指摘のとおりそれを減らすということはまさに例えば内需を四・五%ずつふやしていって四%の中成長を達成する、こういうことでありますから、過去の実勢から考えてそれは厳しいではないか、こういうお話であると思うわけでありますが、御指摘の数字は私も十分理解するわけであります。 ただ、私はこれはあらゆるところで申し上げているわけでありますけれども、日本のようなまさに市場経済で大事なことは民間の活力をいかに発揮していただく環境をつくるかということでございまして、三百五十兆のGNPの中で消費の占めるのが二百兆、民間設備投資が五十五兆、民間住宅が十四、五兆、合わせて約二百七、八十兆円は民間活動の分野でございますから、財政がやれることはしょせん限度があると私は思うんですね。問題は二百七十兆の日本のGNPの大株主、いわゆる民間消費、民間投資活動をどうしたら活性化できるかということで、それに経済政策の重点が置かれるべきであると考えているわけであります。 ただ、昨今の予想以上の急激な円高によって、政府がいわゆる財政再建の枠にとらわれていてなすこともないでいるような印象を国内に与えることは、国内の投資活動に対してマイナスの効果を持ち、また国際的にもそれなら経常収支黒字も解決しないし、とすればさらに円高だということで日本の円高傾向にさらに拍車をかけることになりますので、当面はまさに臨時緊急の措置として財政主導によって思い切って景気に弾みをつけるということが大事でありますから、このためには建設国債の増発もやむを得ない、こう考えておりますけれども、いつまでも建設国債を発行して財政の力で経済成長を達成するのではなしに、あくまでもこれは弾みでございますから、民間企業の方々が将来に対して展望を持って、いわば私は成長期待と申し上げるのですが、成長期待をお持ちになればおのずから投資が出、消費がふえてくる。そうすると逆に財政が後退をしてくる。そうなれば、財政再建も、国が借金してやれば見返りの税収で返済がすぐできないとなっても、弾みがついて、後は財政が後退して民間が中心になって経済活動をしていけばおのずから税の増収が十分に考えられる。そう考えてみますと、私はあえて申しますが、日本経済がダイナミックな経済であれば、今の段階で財政再建の枠組みを一挙に外すことじゃなしに、少なくとも基本的な精神は維持しながら今後いろいろ知恵を出していくことではないかな、かように考えて、今経済企画庁挙げていい知恵を探して検討している、こういうことでございます。
○塚田委員 内需拡大という見地からと国民生活をより充実させるという観点から、近藤長官は住宅政策について非常に積極的な発言をされておるようであり、私は特に国民生活の充実という面からこれを評価するものであり、この点について質疑したかったのですが、時間がないので取りやめます。住宅政策についてよろしく頑張っていただきたいと思います。
○河上委員長 岩佐恵美君。
○岩佐委員 きょうは消費者信用の問題についてお伺いをしたいと思います。 一九八四年の秋以降、消費者信用のあり方について金融制度調査会の専門委員会で検討が行われてきております。この中で特に焦点となっているのが利息制限法の見直しと個人の信用情報の取り扱いであります。都市銀行等金融機関は、もうかる分野ということで消費者ローン分野に大々的に取り組んできています。大蔵省が行った金融機関における消費者信用の取り組み状況等についてのアンケート調査では、消費者信用へ今後積極的に取り組むと答えたものが九六・七%、大変高率になっていると報告をされています。そこで、もうかる分野に取り組むことで障害となっているとして、金融界はこぞって、消費者ローン金利について利息制限法の制限金利規制を撤廃すること、それとリスクを最小限にとどめることを目的とした信用情報機関の整備拡充を要求してきています。 まず大蔵省にお伺いしたいのですが、こうした点について金融制度調査会でどのような方向での検討が行われているのか、また報告の取りまとめはいつごろになるのか、このことについてお伺いをしたいと思います。
○鏡味説明員 ただいま先生の御質問にもございましたように、消費者信用をめぐる諸問題につきましては、金融制度調査会に今後の消費者信用のあり方に関する専門委員会というものを設けまして、そこで二年半の期間にわたっていろいろ御審議いただいてきているわけでございます。先般一通りの審議を終えたわけでございますので、現在中間報告書の取りまとめを行っておりまして、近々その報告がなされる見込みになっております。
○岩佐委員 どのような方向でということについてお答えいただけませんか。
○鏡味説明員 現在その専門委員会の中へ起草小委員会が設けられましてそこで取りまとめの内容を議論していただいておるところでございまして、その方向については私ども現段階で申し上げられるような状態になっておりません。
○岩佐委員 個人信用情報とプライバシー保護は大変密接な関係がありますし、重要な問題だと思います。昨年の三月、「情報商品としての個人情報の収集、提供等に伴うプライバシー保護等に関する総合実態調査」が発表されております。これは経済企画庁の委託調査でありますけれども、この調査内容についてかいつまんで報告をしていただきたいと思います。
○長澤説明員 御指摘の調査、六十一年三月に行われたものでございますが、国内のアンケート調査と海外の調査と二本立てになっておりまして、前者につきましては、一昨年十一月から十二月にかけて上場企業等を対象とした民間企業における個人情報の収集、利用、流通について初めて行ったアンケート調査でございまして、昨年五月に結果を公表したものでございます。それによりますと、回答企業約一千社ございましたが、その約四分の一の企業が平均百四十二万人分の個人情報を保有しているといった実態が明らかにされております。海外調査の方は、OECD等のガイドラインとかアメリカ、イギリス等欧米諸国の個人情報の保護に関する立法内容等を紹介したものでございます。
○岩佐委員 つまり、民間企業の四社に一社が個人情報を持って、一社当たりの平均保有情報量が百四十二万人に上っている。大変な数であります。しかも、その半数は、本人がそのような情報がファイルされていることを全く知らされていない。そういう恐るべき実態であるということもこの報告の中で明らかにされているわけです。しかも、この報告の最後に、「わが国においても早急に立法化の検討をしていくことが必要ではなかろうか。」ということで、国民のプライバシー保護、消費者保護の立場から早急に立法化を行うことが必要という提言がされているわけであります。 経済企画庁長官、きはうは参議院の方があってお急ぎだということでございますので、中間ではありますけれども、最初に経企庁長官の基本的な御姿勢についてお伺いしておきたいと思います。
○近藤国務大臣 最初に先生が銀行についてちょっとお触れになったわけでございますけれども、これからの日本の経済を考えた場合に、従来の生産者また製造に非常に重点を置いた経済運営から、その結果がある意味では輸出増強であり、そして貿易収支が黒字になっているわけでありますので、それをもとに戻して国民生活の充実を図るということだとすると、日本の金融機関も従来のメーカーローンからむしろ消費者ローンに積極的に切りかえをしていく、そして消費者の方々がそういうローンに対してアクセスを持って、ローンを提供されて、住宅を初め消費生活を向上されていくことがこれからの大きな方向ではないかと私は考えますので、むしろ従来メーカーサイドのローンであった銀行の方々も積極的に消費者ローンに御協力していただくことではないか、こういうことを実は申し上げておるわけであります。 その場合の最大のポイントは、企業だったら企業の信用というのはよくいろいろな形でわかっているけれども、個人の信用というのはよくわからない。したがって非常にリスキーだから、当然リスクを含めての金利を考えれば、消費者ローンというのはほかの金利が安くなっても非常に高い水準にとまってしまう、こういうことでございますので、銀行の立場はわからないじゃないけれども、しかし、何とかそこはひとつ技術的に解決をして、そして消費者ローンもできるだけ安い金利で広く提供するようなことを考えるべきじゃないか、実はこういう話をしてまいっているわけでございます。 問題は、そういう関連の中で個人信用、個人情報というものをどう扱うかということでございますが、片っ方ではそうした個人の信用調査みたいなものがなければ融資の対象としてリスキーだということもわかりますし、片っ方でそれがわけもなく一般に流れることによってプライバシーの侵害、またいろいろな意味の問題を生ずる危険も十分あるわけでございますので。このあたりをこれからどういうふうに考えていくか。私、消費者ローンというのも大事なことだと思いますが、しかし、消費者のプライバシー保護というのも大事なことでございますので、これはなかなか難しい問題で、ございますが、経済企画庁として、国民生活の内容の向上、充実、それはプライバシー保護を含めて、いわばハード、ソフト両面で国民生活を守り向上させるための方策として、いろいろな角度から有識者の御意見も承りながら今後検討しなければならない課題である、かように考えておる次第でございます。
○岩佐委員 現在、大蔵省と通産省、それぞれ通達を出して、通達行政で行われているわけですね。これでは不十分だということで、合弁護士の皆さんやあるいは消費者の皆さんが非常に声を上げておられるわけです。しかも、この銀行の情報が、今のところはそれぞれの、例えばいわゆる銀行系の個人信用情報センター、それからクレジット系の信用情報センター、あるいはサラ金糸の全国信用情報センター、それから外国企業のあれ、こういうふうに分かれていろいろ情報を集めているわけですけれども、これを一元化していこうというような事態が近い将来つくり出される。そういう中でこの法制度を急ぐということは、近代国家において個人のプライバシーを守るというのは基本でありますから、そうのんきな悠長な話ではないということで、やはり長官が中心になって、経済企画庁が中心になってこの論議は早く詰めてやっていっていただきたい。経企庁しか、本当に消費者の基本的な権利を守る、そういう官庁はないわけですから、そういう意味での銀行がいろいろリスク云々、これは最初私が申し上げたように、そういうことだからこういう消費者情報が出てきているわけだけれども、それが逆に今度は消費者にとっていろいろな危害を及ぼすという状況になってきているわけですから、消費者の立場に立つ主務官庁としてどういうふうにされるのですか、立法化が必要でしょうということで申し上げているので、もう少し歯切れよく御答弁いただきたいと思うのです。
○近藤国務大臣 先生、これは大変難しい問題だと思いますが、基本的には個人のプライバシーを守るということでありますが、私は率直に言って、いろいろな例えば銀行それからクレジットカード、それぞれの形のクレジットの調査は、その会社、その系統の企業の仕事の面もございますから、あってしかるべきだと思うわけであります。しかし、それはそのシステムの中の情報でございますから、それが簡単に第三者に流れることがあっては絶対にいけないので、それはそれなりにプライバシーの保護というものをきちっと守ってもらうための必要なら法制的な措置も必要である、かように考えているわけでございます。 同時に、例えば私なら私個人が何が何でもそういうシステムに入らなければならないわけでもないわけで、それはまさに自分の判断で、オウンリスクでそういうものに入らないということは当然あっていいわけでございますから、そのあたりは一つのそういうシステムの中に入るか出るかは個人の問題で、何でもかんでも全部一つのワンシステム内に入ってしまってということでもない。しかし、そういうシステムの中にあってもおのずからプライバシー保護に対してはきちっとした体制がとられるべきである、かように考えている次第でございます。
○岩佐委員 長官の時間に合わせてちょっと順序が、もう少し丁寧にお伺いしていけばいいんですけれども、前後になっています。 実は今の銀行など情報を集めている四つのグループの流れがあるわけですけれども、これらはいわゆるブラック、過去にいろいろトラブルを起こした、そういう名簿であるわけですね。これが今、ブラックじゃなくてホワイト、つまり全国民に対して情報が広げられていこうとする。そういう一元化され、しかもその枠が従来の規範を超えて広げられていこうとする、だから非常に重要な段階になっているんだということなんですね、結論的に言えば。その結論部分に至るまでのやりとりをいろいろこれから時間内でやろうと思ったのですけれども、そのやりとりを聞いていただく暇がないということでありますので、長官に決意を先に求める結果になったのですけれども、今言われたように、自分が好んでその情報の中に入る、それはその本人の勝手でありますが、好むと好まざるとにかかわらずブラックからホワイトに移行していく、そういう流れが強まっているわけですから、そういう点では、現在のブラックでさえ国民の半数が知らされていない、それがもっと今度広がっていくわけですから、そういう事態だから緊急なんですよということを申し上げているわけです。その点について、きょうこの場ですぐに立法化しますというふうにはならないのだろうと思いますし、また先ほども必要とあらば立法化というお話もありましたので、その点はよくお立場も理解はできますけれども、そういうことなんです。ですから、そういうことも含めてもう一度一言お答えいただいて、どうぞ行っていただきたいと思います。
○近藤国務大臣 情報が客観化され、システム化されるということからくる、さっき言いました信用におけるクレジットワージー、信用度合いというものからくる便益というものもございますが、しかし同時に、個人のプライバシーをいかに守るかということは、突き詰めて言えば民主的な社会の根幹に触れる問題でございますから、単に便益性というだけで処置できる問題ではない。やはりあくまでも個人のプライバシーを守るというのが民主社会のよってもって立つ原点であるという認識で、これからいろいろ勉強させていただきたいと思います。
○岩佐委員 それで、大蔵省に細かい点をちょっとお伺いしたいのですけれども、今幾つかの流れで情報が集められているわけですけれども、先ほども申し上げたいろいろなグループの情報量というのは大体どの程度になっているのか、それからどういう情報が集められているのか、簡単に御説明いただけますか。
○鏡味説明員 銀行が利用しております個人信用情報センター、それから貸金業者が利用しております日本情報センター、それから外資系の消費者金融会社等が設立しておりますCCBという情報機関がございまして、これが当省の所管するところでございまして、あと通産省の所管する販売信用に関する情報センターがございますが、これは私どもの方では答弁を差し控えさせていただきますが、今申しました当方の所管しておりますところでは、氏名、生年月日、住所等の本人識別情報と、それから貸付年月日、貸付金額、返済日等の与信に関する情報、それから延滞、代位弁済、取引停止等の事故情報が登録されております。 この機関におきます保有データ量でございますけれども、銀行系が約千百三十万件、それから貸金業者の日本情報センターが持っておりますのが八百八十万件、それからCCBが三百二十万件というふうになっております。
○岩佐委員 大変膨大な情報量であるわけであります。 それで、何の瑕疵もないのにいわゆるブラックリストに載せられそして借り入れを拒否される、そういうような個人信用情報をめぐるトラブルというのは大変多くなっているというふうに伺っています。 今、近畿弁護士連合会のこのトラブルについての一つのデータがありますけれども、昭和六十一年五月二十日から二十二日の三日間一一〇番を設置した。その間に八十四件の被害相談が寄せられている。そのうち、銀行系が十一件、クレジット系が六十四件、サラ金糸が八件ということで、内容は、与信を断られた、理由を知りたい、これが六十一件、それから自分に何の瑕疵がないのにブラックリストに載せられているということで与信を断られた、これが八件というようなぐあいに、かなりそういう消費者の苦情が多くなってきているということが報告されていますけれども、経企庁、大蔵省、それぞれこうした苦情についてどういう数字をつかんでおられるのか、ちょっと御報告いただきたいと思います。
○鏡味説明員 大蔵省の方から最初にお答えさせていただきます。 いろいろな種類の苦情がございますが、銀行関係で銀行協会が受け付けておりますローンの苦情は、ローンに関します企業者、それから個人からの苦情でございますが、これは六十年度が八十三件、六十一年度が七十四件と聞いております。 それから、貸金業者関係につきましては財務局及び都道府県で苦情を受け付けておりますが、これは六十年度が三千五百件ほど、それから六十一年は、四月から十二月の九カ月でございますが、これが約二千三百件ほどございます。 ただ、この内訳で、ございますが、先ほどおっしゃった個人信用情報機関に関しますトラブル、苦情といったものは特にないというふうに私どもは承知しております。
○長澤説明員 国民生活センター及び地方消費生活センターの苦情の中に、プライバシー問題そのものを取り上げた苦情というのは少ないと聞いておりますけれども、ほかの商品、サービスの苦情に関連してプライバシーの問題がかかわっている、そういった苦情は幾つかあるということを聞いておりますが、具体的な数字はちょっと今手元に持ってきておりませんので、調べてお答えいたしたいと思います。
○岩佐委員 時間もありませんので先を急ぎたいと思いますが、先ほど話をしていた大蔵省の現行通達、これは事故情報、つまりブラックを対象にしているわけですけれども、長官とのやりとりで言いましたように、今後ホワイト情報についても相互交流を認めていく、そういう方向なのかどうかお伺いしておきたいと思います。
○鏡味説明員 先ほど先生からもお話がございましたように、昨年の三月に通達を発しまして、この通達の内容はアメリカの個人信用保護に関する法律とほぼ同じでございまして、本人の信用情報を利用する場合の利用制限とか、本人の同意を確実にとることとか、それから本人からどんな内容の情報が入っているか開示の要求があれば本人を確認した上でそれを本人に伝達する、それで本人が訂正要求があれば調査した上で必要があれば訂正するというようなことが主眼になっておりまして、それでプライバシー保護を行うことになっておるわけでございます。 それで、この通達は、先生今御指摘のように、三情報機関が情報交流を行うことを前提に出しておるわけでございますが、ただ情報交流だけじゃなくて、そもそも一次的な情報を収集する段階からプライバシー保護に十全な配慮をするようにという趣旨で出しておりまして、現在のところ三情報機関の情報交流は事故情報にとどまっておりますが、将来これがいわゆるホワイト情報まで拡大する場合でも対応できるようにそのプライバシー保護に十全の配慮をするように、そういう細々とした規定も設けた通達になっておるわけでございます。 ちなみに、今銀行系では事故情報を記録する場合には本人に連絡をしておりますし、他の機関につきましても準備が整い次第そういったことを行うように今指導しておりまして、本人が知らないうちに事故情報が蓄積されるというふうなことのないようにいたしていきたいと思っております。 ちなみに、トラブルではございませんが、先ほどの先生の御質問に関連いたしまして若干御説明いたしますと、昨年度、六十一年度に銀行系で本人からどういう情報が入っているかということで開示の要求がありましたのが約千八百八十件ほどでございまして、その間調査依頼がさらにあったのが四百件ぐらいで、そのうちの若干ほどは事実を調べたところ間違っていたということで訂正するというようなことで運用を行っているところでございます。
○岩佐委員 現在そういう行政指導のもとでいろいろと情報収集が行われている。この問題について、結局行政指導では指導の及ぶ範囲は限られているし、強制力もないではないか、だから行政指導と業界の自主規制ではプライバシーの保護は不十分だというようなことで、近畿弁護士連合会は、法案を作成すべきである、こういう提言をしておりますし、また欧米の多くは消費者信用情報の保護について法制度が整備をされている、だから日本でもそういうふうにするべきだということで、行政指導の不十分さを指摘をしているわけですね。 これは大蔵省もかんだ金融機関の情報システムで扱う個人データを保護するための指針という、こういうものがまとめられているわけでありますけれども、この指針でも、消費者には収集する目的を明確に示す規定がない。それから収集目的の範囲も、金融機関の業務上必要な限度というようなことで、OECD勧告や総務庁のプライバシー保護研究会の報告よりもずっと後退しているわけですね。そういう中でいわゆるブラック情報だけじゃなくてホワイト情報についても収集する、こういう点は本当に危険な状況でございます。 ですから、そういう点で、収集できる情報、これはもう経済的な与信の可否に限定をすべきだというふうに思いますし、また、その収集方法として適正かつ公正というふうにしていますけれども、これはもう厳格に個人の同意を明確にすべきだということで、いわゆる名簿屋などが収集する、そういうようなことについてはこれはもう絶対に制限をするというようなことが必要であるというふうに思うので、その点明確な回答をいただきたいと思います。
○鏡味説明員 先ほども御答弁いたしましたように、情報機関につきましては、アメリカのフェア・トレーディング・アクトとたしか称したと思いますけれども、それとほぼ同内容の通達を出しているわけでございます。これは通達と法律では効き目が違うじゃないかという御意見もあろうかと思います。ただ、アメリカの場合には、数千の信用情報機関がある中で、法律で全国一律に律しなければできないという技術的な問題、そういった風土の違いもあろうかと思いますが、私どもとしてはこの通達の効き目をよく見守ってまいりたいと思っております。 それから立法化の問題については、金融制度調査会でも今御議論いただいておりますので、私どもは金融制度調査会の報告が出たところでそういったものも踏まえながらこの問題は考えてまいりたい、そのように考えております。
○岩佐委員 最後に。この現行の通達でも非常に大きな問題になっているわけですから、見守っている間に大変な事態に立ち至る、そういうことを私たちは非常におそれているわけで、現行通達を必要とあらば改正するなり法ができるまでの間でもきちんと対応していくということを強く要求して、この件については終わりたいと思います。 もう一つ、おもちゃ、文具についての安全性のための基準。特に東京都の消費者センターが行った市販のおもちゃ、文具、大型千代紙の中に含まれるカドミウム、砒素などについて試買テストを行った調査結果によりますと、食品衛生法による鉛とカドミウム、クロムの基準値一〇〇PPm以下を超えるものが、鉛十八検体、カドミウムで四検体もあって、合成樹脂玩具の全検体のうち三三%で鉛とカドミウムの食品衛生法上の基準値を超えているわけであります。合成樹脂ふうせんでは、六検体で鉛の基準値を超えたのが三検体、カドミウムの基準値を超えたのが一検体となっているわけであります。 現在のところ、おもちゃについてはいわゆる溶出基準というのはあるけれども材質基準がない、これが問題である、材質基準をぜひ設ける必要があるというふうな意見があるわけでありますけれども、時間がございませんので簡単にこれに触れましたけれども、厚生省のこの点についての基本的な姿勢をお伺いしたいと思います。
○内山説明員 御指摘のおもちゃの件につきましては、東京都の試験結果におきましても、厚生省の定めました規格試験法によれば溶出は見られておりませんし、また人工唾液を用いました試験によりましても水を用いる食品衛生法の基準は超えておらず、その安全性ということについては問題がないと考えております。 しかしながら、乳幼児の安全性確保につきましては重要な問題であるということは厚生省としても考えておりまして、また重金属につきましては、厚生省で定めた方法ではこの結果では溶出は認められておりませんが、一般的に重金属そのものが有害であるということについては私どもよく承知しているところであります。したがいまして、乳幼児を対象とするおもちゃの規格基準につきましては、食品用の容器、包装あるいはおもちゃ等全体の規格基準の整備という中で今後検討させていだだきたいと考えております。
○岩佐委員 その際に、これは東京都の消費者センター東部支所消費者団体連絡会が出された資料でありますが、蛍光染料が子供用のハンカチ、子供用の浴用タオル、これから大分出ているということでございます。子供はこういうタオルや何かをよくしゃぶるということでありますので、この点についてもぜひあわせて検討をしていっていただきたい。強い要望が消費者団体からも寄せられています。この点についていかがでしょうか。
○荒木説明員 蛍光染料の安全性につきましては、今までの知見を見ますと特に問題はないというふうに私ども考えておるわけでございますが、蛍光染料を乳幼児用製品に使用することの必要性は非常に低いのじゃないかということで、できるだけ乳幼児用の製品に使用しないという方向で関係省において従来から指導してきております。私どもとしましても、こういう方向で関係方面について趣旨の徹底を今後とも図っていきたいと考えております。
○岩佐委員 終わります。
○河上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時四十分散会