農林水産委員会 第5号
- 発言数
- 52 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/05/21
会議録
○玉沢委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、集落地域整備法案を議題とし、審査を進めます。 本日は、本案審査のため、参考人として日本大学農獣医学部教授青木志郎君、全国農業会議所事務局長池田昭雄君、愛知県西尾市長本多貫一君、以上三名の方々に御出席をいただき、御意見を承ることにいたしております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつ申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、審査の参考にいたしたいと存じます。 次に、議事の順序について申し上げます。青木参考人、池田参考人、本多参考人の順に、お一人十五分程度御意見をお述べいただき、その後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。 なお、念のため申し上げますが、発言の際は委員長の許可を得ることになっております。また、参考人は委員に対し質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おきいただきたいと存じます。 それでは、青木参考人にお願いいたします。
○青木参考人 ただいま御紹介をいただきました日本大学の青木でございます。 私は、昭和五十九年まで東京工業大学の建築学科におきまして、建築計画並びに地域計画、主として小都市や農村地域の計画に関する研究と教育を行ってまいりまして、現在は、日本大学の農獣医学部農業工学科という学科におきまして、引き続き農村建築並びに農村計画の研究と教育を行っている者でございます。 〔委員長退席、近藤(元)委員長代理着席〕 その間、農村地域の市町村計画の策定であるとか集落計画の策定といったような実践的な活動も行ってまいりました。また現在、農村計画学会の会長も務めさせていただいていることを申し添えておきます。したがって、建築計画並びに農村計画の研究者として、また地域計画者、すなわちプランナーとしての立場から本法案に対する意見を述べさせていただきます。 私の申し上げます意見は、大別して次の三つに分けられます。その第一は、本法案に対する総括的な評価についてでございます。第二には、本法案が集落地域の整備計画という形の実践的な活動に入ったときに起きる問題と、そのときにおける留意すべき点についての見解を述べさせていただきます。第三には、これからの農村の集落整備また農村計画といった政策に対する希望を述べさせていただきます。 まず第一に、本法案に対する総括的な評価についてでございます。 本法案により、第一に、農村地域の土地利用の秩序化が可能になるであろうということ、第二には、生活空間と生産空間との一体的な整備が可能になるであろうということ、第三には、農村地域の居住環境の向上が望めるということ、第四には、集落という小領域を整備対象地域としたということ、また第五には、この法案が農林水産省と建設省の両省の合議によって提案されているということ、この五点について私は高く評価いたしたいと思います。 まず第一の、農村地域の土地利用の秩序化が可能になるということでありますが、この法案によりまして、集落地区計画と集落農業振興地域整備計画というものを車の両輪のごとく一体的に進めることによって、農業的土地利用と都市的土地利用の一体的な総合性が図られるということ、それによりまして優良農地の確保あるいは無計画な農地転用の防止、それから都市のスプロール化による混乱の防止、またもう一つ大きなことは、今まで対象として計画的にはプラスというよりも大変マイナスになってきている白地地域に規制がかかるというようなことが評価されるかと思います。 第二の、生活空間と生産空間の一体的整備が可能になるということでございますが、これは、この土地利用の秩序化によりまして農村の空間の持つ特質である生産空間と生活空間が重層的に一体的に利用されて初めてそこの生産と生活というものが成立する農村地域でございまして、一体的な整備なしにはこれからの農村における農業を初めその生活が維持しかねるという点で、この法案によりまして一体的な整備ができるということでございます。従来の政策でも、一体的に整備されないために、我々計画者として見た場合には非常にロスの多いものが多かったように感じます。 第三の、この農村地域の居住環境の向上が望めるということであります。これは農林水産省でも、生活環境というものについていろいろの事業を組み立てまして整備はしてまいりましたが、農林水産省という省における限界がございまして、我々の考える生活環境の整備がなかなかできなかった。今度はこの集落地区計画におきまして、いわゆる都市計画法に基づくところの居住環境の整備ということが可能になる、そしてその向上ができるということで、大変評価ができるかと思います。 それから第四の、集落という小領域を整備対象地域としたことを評価するというのは、一つは、町づくり、村づくりというような計画は、従来は県の総合計画あるいは広域市町村計画、そして市町村計画へという形で上位計画を上意下達型でおろしてきて、それに従って計画されたのですが、やはりこれには問題がございまして、住民そのものが、この計画に対する理解とその事業を進めていくときのエネルギーになかなかなり得ない。そういう点でこの集落を原点にしてまいりますと、市町村計画一つ取り上げてみましても、その最小単位で下位計画なのです。この下位計画をまずここで重視しているということを私は評価したい。私の計画に対する考え方は、いわゆる下位からの積み上げ方式というものと上位計画との整合性をとって初めてその地域の計画がすばらしいものになるというふうに考えているわけです。しっかりした下位計画なしにはちゃんとした地域計画はできないというふうに考えておる点で、集落を対象にしたということを評価したいと思います。 また、もう一つの視点を見ますと、土地問題がこの法案の中心になっておりますが、まさに土地を実際に計画する場合、土地所有者である人々の土地に対する考え方あるいは土地の利用計画というものがしっかりしてないとちゃんとした利用計画はできないわけです。しかし、この集落という中におきます土地の問題というのは、そういう土地所有者の計画に対する合意が非常に得やすいということでございます。そういう点で集落を単位としたことを評価するわけです。合意が得やすいということは、土地を利用する場合にどうしても土地の公共性というものがあります。これを発揮させることがこれからの土地利用では重要ですが、集落の中での話し合いの場合には、いわゆる公共益といいますか、公益、共益という形の中で私益をある程度規制できる、集落のためなら、集落のみんながよくなることならというような形で私益を規制するという機能を集落は持っております。そういう点で、秩序ある土地利用をするためにこの集落の中での討議ができるということで、これもこの領域を評価するわけです。 それからもう一つは、集落を対象とすることによって、いわゆるハードな計画を進める場合にソフトな計画というものが割合とやりやすい、可能になるという点で集落というものが大きな意味を持っているということです。 第五に、両省が合議をされて出されたということは、実際に私たちがその地域におりまして計画をする場合に、こういうことを申し上げては大変失礼だと思いますけれども、霞ケ関の縦割り行政が小さな市町村に至るまで縦割り行政になっておりまして、一体的な計画が大変しにくかったわけです。そういう点で、両省から出されまして両省で集落整備をするということは、市町村の人々にとっても、またその地域の住民にとってもその計画を実践するのに大変やりやすくなるという点で評価をいたします。 以上の点から、私はこの法案が成立することを大変期待いたします。また、私自身がこの集落計画というものの重要性、またそういう農村計画に対する法的制度が必要であるということを二十年来唱えておりましたし、前の農政審の専門委員としてもその必要性を強く説いた者として、この法案がここに提出されたことを私個人としても大変喜ばしいことだというふうに考えております。 次に、第二の集落計画を実践する場合の問題点と意見についてでございます。 まず一つは土地利用について。この法案は視点を変えてみますと、従来行われてきた農地に対する規制を緩めまして、都市的土地利用のための土地の拡大を求める法案であるというふうにも理解できます。ここで大変重要なことは、そういうときに投機的な都市的土地利用計画を含んだ都市側からの土地需要をこの中に持ち込まれますと、本来の農村地域の農業用地あるいは農村の持つ集落の生活環境というようなものが崩壊するおそれがあります。その点を十分に留意していただきたいというふうに考えます。ですから、そういうものを防ぐためには、私は、一つは科学的な手法によりまして、都市的土地利用として使う土地の需要がどのくらいあるかということを客観的に把握した上で行っていただきたいということであります。それからもう一つは、細かい用途地区の決定というものをする必要があるのではなかろうか。従来の住宅用地であるとか農業用地であるとかというような大まかなものでなくて、農地でもいろいろな規制をかけることが必要でありましょうし、それから都市的土地利用であるところの、ここで言いますと集落地区計画の中に入る土地利用計画にしても、細かい規制をする必要があるのではなかろうかと思います。 私は、最近フランスの土地利用計画の調査をしてまいりました。ボスという法律がございますが、それによりますと、農地の中でも幾つかございまして、全く建物をつくってはいかぬと規制している農地がございますし、森林にしましても、手を入れてはいけないというような林地を指定しております。しかも、その建物を建ててはいかぬという理由がなかなか考えさせられるところでございますが、そこに建物が建つと教会が見えなくなって景観的に好ましくないというようなことでその建物を許可しないということをしております。また、都市的土地利用の中で将来開発する住宅地でも、そこは独立住宅地にするか集合住宅地にするかというような形のふるい分けをも明確に土地利用計画を立てるときにやっております。もちろん、工業用地とかそういうものも考えてはっきりしておりますし、それから集落地区計画では、居住地の中にも自家菜園地区というものを明確にとって、そこには一切の建物を建てることを許さないというようなこともしております。そういうふうなきめの細かい土地利用計画をしないと、この法案を成功させることはなかなか難しいのではなかろうかというような感じがいたします。 もう一つは、集落地区計画と集落農業振興地域整備計画の線引きの問題ですが、これも大変難しかろう。いわゆる新都市計画法ができて市街化区域、調整区域というような線引きをしたときに、市街化区域が非常に膨大になりまして、その市街化区域の中の農地の処理にお困りになったことはもう皆さん御存じのことかと思いますが、そういうかつて行った過ちを犯さないような線引きができるような手法と規制というものを政令か何かで考える必要があるのではなかろうかというふうに考えております。 それからもう一つは、この集落地区計画と集落農業振興地域整備計画というものが実践されていく場合に、やはりまたここで縦割り行政的な形で、集落地区計画は都市計画という形でやりますからこれは建設省、それから集落農業振興地域整備計画は農林省だというような形で線の内外でもって分担が明確になって、実際に事業までおりていくときにそこで一体性がとられなくなるということをおそれますから、そういうことのないようにしていただきたい。例えば農地の中の道路も、これは国、県道も通っておりますし、農道といいましても生活道路的な要素をなします。また、集落地区計画の中にも農地は残ると思いますし、農業用建物というようなものも残るようになるかと思いますので、この辺は事業におろす段階でも、同じ車で同じハンドルを握って一緒に進めていただきたいということを考えております。それから建築物につきましては、いろいろな規制をしておりますので都市計画の手法で足りるかと私は思いますし、また建築協定というようなものでよい環境をつくっていただけるかと思います。 それから、この法案には出ておりませんが、景観の問題です。景観というのはこういう法律にはなじまない問題でございますが、一言何か景観という言葉がこの文章の中にあったらばよかったなという感じがいたします。やはりこれからの居住地域は、都市、農村を問わず、アメニティーの高いそういう空間と人間の感性の中で、心地よさ、豊さというものを感じるような空間をつくる必要があるかと思います。先ほどのフランスのポスという土地利用計画法によりますと、計画に先立って景観について調査をするということが一つの義務になっております。そういう点でこれは見習うべきことではなかろうかというふうに考えております。 それから、計画の技術、手法というようなものがまだ研究段階でございますし、新しい法案によって新しい形でやるわけでございますから、この辺の研究を今後大いに開発していく必要があるのではなかろうかというふうに考えております。 最後に、農村地域の整備に対する政策に対しての希望でございますが、この法律でカバーされるところの農村集落は約四万三千でございますが、日本には約十四万の集落があります。農振地域にはこれでカバーされる集落以外に九万四千ぐらいの集落がございます。この集落の整備に対しましても制度的なものをつくっていただきまして、立派な農村空間をつくっていただきたいというふうに考えております。この法案が終わりましたら、早速他の集落の計画をする制度の検討に取りかかっていただければ大変幸いかと思います。 それから、先ほどのアメニティーの問題といいますか景観の問題も、今後、農村整備の大きな課題にしていただきたいと思います。それから、この法案におきましては、住民が主体的に計画に参加できるようなものが若干できてきております。大変喜ばしいわけですが、一層住民がこの計画に参画できるような体制を法的にもつくっていただければ大変ありがたいかというふうに考えております。 時間がございませんので、さっと意見を述べさせていただきました。あとは御質問でいろいろなお答えをしたいと思います。どうもありがとうございました。
○近藤(元)委員長代理 大変ありがとうございました。 次に、池田参考人にお願いをいたします。 時間の制約をして大変申しわけないのですが、できるだけ時間の中でおおさめいただきたいと思います。
○池田参考人 全国農業会議所の池田でございます。限られた時間の中で、私なりの考え方を申し述べてみたいと思っております。 きょうは、集落地域整備法の審議に当たりまして、参考人としてお招きにあずかりましてありがとうございました。 私ども全国農業会議所でございますけれども、農地法なり農用地利用増進法などによりまして農地の利用調整を預かっております農業委員会の全国機関といたしまして、かねてから土地の利用について強い関心を持ちながら活動をいたしておるところでございます。その立場から、今回のこの法案につきまして慎重に見守ってまいりましたけれども、歴史的に見ましても意義のある、時宜にかなった法案であると考え、ぜひ今国会において御成立を賜りたいと考えておりまして、既に私どもはこの趣旨の要望もしておるところであります。乙のような観点から若干の意見を申し述べてみたいと思っております。 私どもは、今回のこの法案の意義につきまして、次のような受けとめ方をいたしております。 その第一は、農村地域の整備について、都市計画の手法も加えまして新たな発想をつくり上げた点であると考えております。農振法と都市計画法は、御承知のとおりそれぞれ昭和四十年代の前半に制定されました。都市のスプロールの抑止、そして優良農地の確保、こういうことで役割を果たしてまいりましたけれども、現在それから約二十年を経過いたしております。農村の状況も大きく変化いたしておりますし、都計法と農振法の重複いたしておりますところ等におきましては、この変化が特に著しいというふうに考えております。今回の法案は、この地域について、農水省、建設省両省が従来のようなそれぞれの政策を独自にそれぞれやっていくということではなくて、両省が協力して農地を守るのだ、同時に良好な居住環境を整備していくのだということでありまして、地域整備に係る手法としては初めての経験ではないかと思います。今後の地域整備に係る方策について、示唆に富んだ意義のあるものだというふうに理解をいたしております。 第二は、市街化調整区域は市街化を抑制するという地域になっておりますから、建設行政からはやや疎外されておりました。御承知のとおりです。一方、農振法のいわゆる白地地域につきましては本格的な農業投資が抑制されておる、当然のことだったわけですが、いわゆる行政の谷間にあったというふうに言えるのではないかと考えます。この二つの重複した地域は地方中核都市などにも近いので、現状を放置しますと、農地の粗放的な利用とかスプロール化の拡大とか、あるいは劣悪な居住環境の拡大ということも考えられるようになってきているというふうに考えております。これに対応いたしまして、優良農地の確保と土地改良、生活環境整備を一体として行うことは、農村地域全体の活性化を図る上でもいいことではないか、こういう考え方を持っております。 第三点といたしましては、この際、土地利用規制緩和の問題につきましてお願いを申し上げておきたいと思っております。 土地は限られた資源である、御承知のとおりでございます。私どもは、その利用に関しましては、国民の多様な要求にこたえて国土の保全、生産、生活の維持とその発展のために利用していくということであります。土地の持つ特殊の性格からいたしまして投機などが横行しやすいわけでございまして、ともすればこうした秩序が乱されるということは困るのではないか、御承知のとおりでございます。したがいまして、私どもは、農地法なり農振法なり都市計画法、国土利用計画法というものは、こういう経験を踏まえて英知をもってつくられたものだと思っております。土地については、公共的な立場からの利用と取引の規制というルールに基づくことが現段階では非常に大事なことじゃないかと実は考えておるわけでございます。 次に、この法案が動き出すことになった場合御配慮を賜りたいということについて、何点か簡単に申し上げてみたいと思っております。 第一点は、二つの計画の整合性を保つということだと思っております。御承知のとおり、この法案では集落で二つの計画を立てることとされて、それぞれ農振法なり都計法の体系に従っておりますけれども、法律の形式上はそれぞれ独自に定められてよいことになっておる。しかし、この計画は一体として実施されなければその意義も実効も上がらないと考えております。したがいまして、この法律の性格を十分に生かすために、両方の計画が十分整合性を持って同時に立てられるということにつきまして御指導を賜りたい。特に、これらの地域におきましては相当量の農振農用地区域も含まれておるわけでございますので、計画の整合性の確保によって農地を守る視点が大事ではないかと考えております。 〔近藤(元)委員長代理退席、委員長着席〕 第二点目は集落地区計画でございますけれども、本法案は、地方中核都市に近い集落で混住化や人口の増加が見られる集落において実施されることになるわけでございますが、この場合、都市の膨張圧力というものが働いて集落地区計画が必要以上に拡大されるという懸念があります。この計画は集落の生活環境整備を行うものでありますから、現におられる住民のための良好な環境整備を第一に考える、いたずらに面積の拡大ということがないようにすべきじゃないか、こんなように考えております。 第三点は、住民合意の促進という問題であります。集落地区計画や農振計画にいたしましても、集落の土地利用を合理的かつ計画的に行うものでございますから、住民の希望なり知恵なり工夫というものが合意形成の上で非常に大事だと考えております。したがいまして、住民の意欲を引き上げるということが大事でございます。現在、各地におきまして、住民の合意形成によって一村一品運動なり村づくりをしておるという例がございますので、そういう視点も大事にしながら計画づくりをするということが必要なんじゃないか、こんなように考えております。 それから、第四点は予算の確保でございます。計画をつくっていよいよ事業を実施するということになりますと、やはり住民とか市町村だけでは担い切れない問題も出てくるのではないかと思いますので、土地改良なり農業施設の整備、区画整理あるいは道路なり公共施設等について、やはり先生方の御配慮を賜るということが必要だと考えております。それぞれ従来の予算の体系の中で扱われるということだと思いますけれども、せっかくの制度でございますから、特段の御配慮を賜りたいと考えるものであります。 それから、第五点目は農地の保全の問題でございます。これが最後でございますけれども、農振整備計画にいたしましても、集落地区計画にいたしましても、集落の土地利用について大きな変更を加えるものであります。住民の合意はもちろんでございますけれども、農地保全という立場から、こうした土地利用調整を内容とします両計画の作成に当たりましては、農業委員会の意見を聞くことを明確にしていただくとか、そういう御配慮を何かいただけないものだろうか、こういうことをお願い申し上げておきます。また、都道府県におきましても基本方針を樹立するということになりますので、これは農地転用なり区画整理等の関連の問題があります。当然のことであります。したがいまして、農地調整の観点から、農業会議の意見を聴取していただくということをはっきりさせながらやっていただいたらどうか、この点、御配慮賜りたいということを、これは農地保全の立場からお願いを申し上げておきます。 いろいろ申し上げましたけれども、円高不況の問題もありますし、農業、農村は苦しい実情に置かれておりますので、本法案のような措置を含めまして、農業なり農村の活性化のために今後ともぜひとも御努力を賜りたいということをお願い申し上げます。 意見を申し上げる機会を与えていただきまして、ありがとうございました。御礼申し上げます。 以上でございます。(拍手)
○玉沢委員長 ありがとうございました。 次に、本多参考人にお願いいたします。
○本多参考人 私、ただいま御紹介をいただきました愛知県西尾市長の本多でございます。 愛知県の西尾市と申し上げましても、きょうお集まりの先生方には、愛知県にそんな市があるのかというような御疑問を持たれるようなことではないかと考えますので、私ども西尾市の現況を御説明申し上げながら、今度の法案に対するかかわり合い、あるいは市長としての法案に対する願望等申し上げまして参考にしていただきたい、このように考えておるところでございます。 私ども西尾市は、名古屋からちょうど南へ三十五キロの地点にございまして、愛知県の真ん中を流れます矢作川流域の最下流の市であるわけなんでございます。矢作川は、御存じのように上流に豊田市、それから中間に岡崎市、安城市、私ども西尾市、最下流部に碧南市というふうに、愛知県の西三河の都市はこの矢作川にへばりついて発展をしてまいりまして、私どもがこの川を母なる川だ、このように呼んでいる理由がそこにあるわけなんでございます。その三河湾国定公園の中に位置いたしますのが私ども西尾市でございまして、現在、総面積は七十五平方キロ、人口は九万三千人でございます。人口の伸び率は大変低うございまして、最近五カ年の伸び率が七%というようなことでございまして、毎年毎年微増をいたしておるところでございます。このようなことから、現在、何とか西三河南部の中核都市としての位置づけを確保していきたいということで、都市づくりを真剣に進めておるところでございます。 農業につきましては、抹茶の生産が全国の一位であるわけなんでございまして、約七割をつくっております。そのほかに植木、緑化木あるいは施設園芸、バラ、そういうような大変先端技術を駆使しました農業も盛んでございまして、今後も「グリーンシティー西尾」を一つのキャッチフレーズといたしまして農業の一層の振興を図ってまいりたい、このように考えております。 また、工業の面では、地場産業といたしましては鋳物、これは日本の三大産地の一つでございます。それから、三河木綿の名で残っております織り物等が盛んでございましたが、現在の円高の中で大変な不況に見舞われ、苦しい経営を続けておるところでございます。現在では、今申し上げましたように豊田がすぐ隣でございますので、自動車関連産業が現在第一位を占めるような背景のもとで本市の諸般の施策を進めておる、このように考えておるところでございます。本市では第四次総合計画をつくりまして、人間性豊かな文化都市を最終目標にいたしまして、現在都市づくりを進めておるところでございます。 まず、土地利用の現況を申し上げますと、市全域が都市計画区域に指定をされておりまして、市街化区域は二四%の千八百ヘクタール、残り五千七百ヘクタールが市街化調整区域でございます。この市街化区域の整備につきましては、従来よりどこの市でもやっておりますとおり、組合施行の都市計画法によります土地区画整理事業あるいは大量輸送機関でございます鉄道の高架事業を含めました駅周辺の再開発計画のほか、質の高い居住空間を目指しまして建設省が二、三年前から導入をされましたHOPE計画も積極的に推進をいたしまして、新しい形の町づくりをいたしておるところでございます。 次に、市街化調整区域でございますが、このうち、農用地区域に指定しております二千九百ヘクタールについては、積極的に農地の保全、整備に努めているところでございます。現在、土地改良事業といたしましては、国営矢作川総合用水事業を初め、県営圃場整備事業三地区、農村総合整備モデル事業などを実施中でございまして、農業生産性の一層の向上を目指しまして、農業基盤整備事業の積極的な推進を図っておるところでございます。 このように、本市におきましては、目標とする計画的な町づくりに向けて着実な成果を上げている状況でありますが、地域の開発、保全をめぐるさまざまな課題が生じている状況でございます。 この点について申し上げますと、昭和三十年における本市の人口は六万六千人で、そのうち、農家人口は三九%の二万六千人でありました。当時の農村集落は経済的には決して豊かではございませんでしたけれども、大変活力にあふれた時代でございました。その後、昭和三十年代後半から四十年代に入りますと、御案内の高度経済成長期を迎え、自動車関連産業の進出などによりまして次第に都市化、工業化の傾向が顕著となったのであります。現在の人口は、先ほど申し上げましたように九万三千人に増加をし、農家人口は二万四千人と減少し、人口比率で二五%となっておる状況でございます。このような都市化の結果、調整区域における混住化の進展は著しく、農業生産面におけるさまざまな課題も生じてまいったところでございます。 第一には、生活雑排水の問題がございます。農村は昔から、先生方も御存じのように、お勝手の水などは小川や排水路へ流しておりました。人口が自然の浄化能力に見合ってバランスが保たれていた時代はよかったのでありますが、都市化の進展や生活水準の向上により合成洗剤などの有害物質による農業用水の汚濁が深刻化し、稲の生育はもとより、農民の生活環境が大変悪化をしてまいったところでございます。このようなことから、本市では、昭和四十五年度から農業用水の水質汚濁防止対策として、農林水産省の助成による水質障害対策事業を順次実施しておりますが、依然新たな住宅建設が繰り返し行われておることから、末端ではいろいろ大変な苦労が続いておるのが現状でございます。 第二点といたしまして、集落の中においては、各家庭で乗用車を保有する時代になりました。現在、私ども西尾市の農家では、二台はおろか三台、四合と持っておる農家まで出てきたところでございまして、現在までの集落の狭い道路では交通事故の危険も著しく増大をしておる状況でございます。 本市の第四次総合計画では、目標年の昭和七十年の人口を、六十年の一一%増の十万都市を目指すものでございます。当然のことながら一層の混住化、都市化の進展が予想されますので、現在、この対策に頭を痛めているところでございます。 このような時期にこの集落地域整備法案が今国会に上程されましたことは、まことに時宜を得た適切な措置であると深く感謝をいたしておる次第でございます。私ども、行政の最先端で土地利用計画や地域の開発、整備、保全などを預かる者にとりまして、本法案に大きな期待を寄せているところでございます。本日、このような機会をいただきましたので、この法案に関します私なりの意見を申し上げ、先生方の御理解を賜りたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。 まず第一に申し上げたいことは、現在の都市化、兼業化、高齢化の状況下にあります市街化調整区域内の集落の現状でございます。 調整区域内の集落におきましては、特に生活環境面での整備がおくれておりまして、近年、社会経済の進展に伴う生活様式の都市化、多様化などにより地域町の混住化が進み、住民の生活環境整備を望む声がますます大きくなっている状況でございます。私どもで調整区域内の住民を対象にいたしまして意向調査を実施した結果によりますと、住みにくい理由として、道路、排水、し尿処理などの生活環境整備の立ちおくれ、公共交通施設や公園緑地等の不備などを挙げる者が非常に多くございました。明るく住みよい集落地域を実現するためには、道路、公園、下水道など都市施設を整備して生活環境を向上させると同時に、生産基盤の整備を一体的に推進することが極めて重要であり、これによりまして、優良農用地の確保、保全という面でも一層の効果が期待できるものと考える次第でございます。 このような考え方によりまして、本市は、第四次西尾市総合計画に基づき農業経営の促進を図るため、昭和五十八年度に農村総合整備計画を樹立し、昭和六十年度からは、農林水産省の助成によりまして農村総合整備モデル事業を実施いたしておるところでございますが、さらに、ただいま御審議をいただいております本法案によりまして一層きめ細かく計画的な集落整備が推進できるということで、大変ありがたいことだと存じております。 第二点目に申し上げたいことは、集落地域の整備と農地の保全についてでございます。 集落周辺地域につきましては、農振白地地域の急速なスプロール化が進んでいる状況であります。本市における昭和五十六年から六十年までの五カ年間におきます調整区域内の農地転用二十二ヘクタールのうち、実に二十一ヘクタールがこの農振白地地域で占められておる状況でございます。このため、生活雑排水が農業用水に流入して水質汚濁などの被害が生じ、農家や土地改良区などが大変な苦労をいたしておる状況でございます。こうした状況の中にありまして、長期的な視野に立って計画的な土地利用を推進することは緊急の課題となっております。今回の法案で、集落農業振興地域整備計画及び集落地区計画を定め、集落地域の計画的な土地利用への誘導と土地の有効な活用が図られるよう開発規制を緩和されることは、地域住民に密着した活力ある集落地域を形成し、農地の保全に資するものと考えております。 次に、第三点目といたしましては、本法案の施行についてであります。今回、農林水産省及び建設省との共管法案として提出をされておりますが、前の参考人もお述べになりましたとおり、この法案の施行に当たられましては、両省の協調のもとに十分に調整され、私ども地方の市町村にとってより有益な法律となりますように御期待を申し上げる次第でございます。 最後に、本法案に関連する財政的な措置についてお願いを申し上げます。こうした集落地域における諸問題に対処していくには、地域農業者及び住民の積極的な取り組みが前提となることは当然でありますが、何といっても、私ども住民に密着している市町村長の責任の重大さを痛感いたしておるところでございます。私どもも、現場において地元関係者と創意工夫を凝らして十分話し合いを行いながら、豊かな地域づくりに取り組む決意でございますが、どうか政府、国会におかれましても、こうした計画を実現するための生産、生活両面の総合的な整備を図るために必要な関連予算の拡充整備を行っていただくとともに、地域の実情を十分踏まえた効果的な運用を図っていただくようにお願いを申し上げる次第でございます。 以上、このたびの集落地域整備法案に関しまして、現場の市長といたしまして、当面している問題点を踏まえた御意見を申し上げましたが、本法案が一日も早く国会で議了され、集落地域の健全な発展を実現するための法制として大きな役割を果たしてくださることを心から御期待を申し上げまして、大変意見になりませんでしたけれども、私の意見にかえさせていただきます。 大変どうもありがとうございました。(拍手)
○玉沢委員長 ありがとうございました。 以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。 —————————————
○玉沢委員長 これより参考人に対する質疑を行います。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 参考人の皆さんにはお忙しいところを御出席をいただきまして、貴重な御意見をいただいて感謝いたします。 まず最初に、これは三人の皆さんにお伺いしますが、従来、農水省は農地を守るために頑張ってきたし、建設省は宅地をつくるために努力をされてきた。相反するものが長い間努力をされて一つの法案にまとめてきたわけでありますから、これからは特に集落の中で、一つの型を言うと、八十八人の世帯の中で三十三が農村部であるとすれば、五十五が新しく入った居住者である、こういう状況のもとで財産的あるいは財産に類する土地所有というものが動くわけでありますから、この合意形成の形をどのようにされたら一番いいのかということについてそれぞれからお伺いしたい。先ほど青木先生からもお話がありましたが、この合意形成の形をどういうふうにしたらいいのか。上意下達では困る、やはり下からの積み上げでなければならない。こういうことについての形をどうされたらいいのか。
○青木参考人 総論賛成、各論反対というようなところでなかなか難しいところでございますが、少なくとも集落という一つの領域の中で、新住民の方々の入り方にもよりますけれども、そういう新しい人々は別といたしましても、そういう土地の利用につきまして、いわゆる私益追求型だけの土地利用ということでなしに、集落全体としての土地をどう利用するかということを討議できる——私は今、塩尻市というところの五十三集落の集落計画を四年かけて終わりましたですが、そこでやった経験から申し上げますと、時間がちょっとございませんから簡単に申し上げますと、土地利用の現況という図面を前にいたしまして、一つ一つの土地についていかにするべきかということを討議してまいります。これは自分の土地だけでなしに人の土地でも討議するわけですね。そうしますと、例えばの話をしますと、休耕地に赤色を塗りますと、自分たちの集落にどのくらいの休耕地があるかということが非常にはっきりわかります。そうしますと、役場から来て数字だけでおたくの集落に何ヘクタールの休耕地があるから何とかしろ生言いましても、休耕していない農家の人は問題にいたしませんし、ちょっと小さな畑を休耕している場合にもそんなに気にもしませんが、実際にその図面の上で自分たちの集落の中に赤く塗られた休耕地が多いのを見るとびっくりいたしまして、これはもったいないじゃないか、何とかしなければならないというような形で具体的にそういう土地問題というものがされます。 そういう新しい手法を踏まえましてその合意を得られる方法は幾つかあるかと思います。全くそれができないということではなしに、実際に時間をかけて、話し合いの中で相当合意を形成できるのではなかろうかというふうに僕は考えます。土地の貸し借りであるとか、あるいは売り買いであるというような問題はいろいろな手法があるかと思いますが、合意形成を得るにはそういう一つの方法があって、集落という領域の中では相当可能であるというように考えております。
○池田参考人 大変難しい問題だと思いますけれども、私、先ほど意見の中で申し上げましたとおり、やはり村づくりをするんだ、それから集落をつくり上げるんだという多少運動論のようなものが必要になってくるのじゃないか。そうでありませんと、上の方から押しつけるみたいな物の考え方になってしまいますと、もともと混住化しているわけですから、意見がなかなか合わないという問題が出てくると思います。しかし、そういたしましても十年先にどうするかという視点を考えてみますれば、おれは息子がおる、じゃ、どういうことでどういう農業を続けるとか、そういう視点が個々によって違うと思いますので、そういう問題をできる限り話し合いを濃密にやる、また、必要によっては関係者の協議会みたいなものを最終場面ではつくり上げていくとか、そこへ市町村なり関係機関がまた入り込んでやるとか、そういう何遍も何遍も行ったり来たりの繰り返しかないと、もともと混住化して大変な地帯でございますから、そうたやすいことでできるとは考えておりません。したがいまして、運動論なり村づくりをするんだという視点を明確にした対応が必要なのではないか、こんなように考えております。一般論で恐縮です。
○本多参考人 今の先生の御質問につきましては、私ども自治体の長といたしまして日ごろから大変苦慮いたしておるところでございます。今度の法案を見ますと、白地の部分に自分の土地がなくて振興地域にある、しかし次三男対策地として白地の部分につくりたいという方々が非常に多いわけなんです。そのときに、今度の法案を通していただくならば、私の知っている知識の範囲内ではこれはうまく交換できるというようなことでございますが、地価が違いますので、そこらは十分話し合いをし、行政がこれを仲介をしていかないとなかなかできない、こんなように思っております。そういう面ではひとつ今度の法案で画期的なお仕事をやらせていただきたい、このように思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○竹内(猛)委員 この法案を実施をするに当たって、従来よりもその地域が整備をされ、そして居住者には快適な居住環境、生活環境、それから農業者にとっては現在よりも希望が持てる農業にならなければこれは意味がない、こういうふうに思います。そこで、一方において農業に関連をしては、都市近郊、現在は四万三千集落を対象にしておりますけれども、この四万三千の中で兼業農家がかなり多いと思うのですが、農業における兼業というものを一体どう位置づけていくのか。特に西尾市のように、人口の構造からいって自動車に関連をする産業の労働者がかなりいるところで今の兼業状態をどういうふうに農業の中でとらえるのか、それとも農業外で見ていくのか、その兼業問題はどういうように考えられているのか。そして、全体として地価を高騰させて土地が値上がるようなことになるとしたらこれは失敗だと思うのですね。土地はやはり値上がりを抑えながら、同時に生活環境がよくなるということでなければいけない。非常に矛盾するような問題だけれども、この辺のことについてのお考えをいただきたいと思います。
○本多参考人 先生の御質問にお答えをいたしますが、現在、地価の問題については、率直に申し上げまして、先生方は東京中心でお考えになっておりますので大変激しい地価の暴騰が問題になっておりますけれども、私ども地方自治体へ参りまして現在農民の方々が言っていらっしゃいますのは、市街化区域は相当の値で売れるわけなんですが、調整区域はもう全然安い値段なんです。こういうことでございまして、そこにその住民の方々の不満も一つあるわけなんです。そういう場合に、今言われましたように新しい集落地域の白地の部分の整備ができ、そこでそういう土地が確保できるならば、今申し上げましたように交換をさせていただいて、そこで目的を達成することができる、こう思います。 それと、兼業農家の問題でございますが、私ども、専業農家というのは五%から七%くらいしかないと思います。あとはじいちゃん、ばあちゃんでやっておりまして、あとは全部トヨタへ勤めに行ったり企業へ勤めに行く、こういう兼業農家でございます。その中で今から一番心配されることは、今まで兼業、農外収入で農家経営を支えてきた面が多分にあるわけなんですが、この円高の問題でこれから失業者が続出しますと、これらが賄えなくなっていくという問題を私ども自治体の長としましては一番心配をしているところでございます。専業農家につきましても、あくまでも規模の拡大を図りたい、省力化を図りたい、コストの低減を図りたい、こういうことが主体でございますので、そういう線に沿って土地利用計画を考えてまいりたい、このように自治体の長としては考えております。
○竹内(猛)委員 時間がないから余り細かいことは伺いませんが、財政的な問題です。これは金がなかったら全く仕事ができないと思います。そこで、財政上の負担の状況ですね、国が幾ら、都道府県が幾ら、市町村、それから自己負担というものも恐らくあるだろう。こういう点についての経験者なら経験者の考え方、あるいはこれから予想されるものであるならば予想される問題、特に青木先生は御経験があると思いますけれども、その点について。 それからもう一つは、今、日本の農業が海外から注目をされておりますね。過剰保護であるとかあるいは米を買えとか、それから消費者の方からは、安い外国のものがあるのに何で高いものをつくらせるのか、こういうようないろいろな批判があって、農業としてはもう崩壊していくんじゃないかという心配さえあるぐらいに厳しい状況の中で、五兆円の内需優先ということを約束された。日本という国は海外でうまい約束をするけれども実行しない国だという批判がアメリカからもEC、ヨーロッパからも、最近は中国からもそういう批判がありますね。だからこれはやるほかない。やるとするならば、今言う農村地帯における家庭の雑排水、生活用水というものを処理するためには、農業地帯においてはやはり下水あるいは暗渠というようなものをつくって、ともかく農業経営も都市の生活もうまくいくようにする、そういうことが必要だ。そのためには大変金がかかります。そのお金の問題について、財政上の問題についてひとつお伺いをしたい。
○青木参考人 農業問題は私専門でございませんのでお答えできませんが、先ほどの予算といいますか、お金の問題の住民の負担ということについてちょっと意見を述べさせていただきますけれども、先ほど申しましたように、五十二集落の集落計画を住民が主体的につくり出したわけでございます。これをやりますと、まず市会議員に対する陳情の件数が半分に減りました。そしてまた私は、やり方としましては、こういう計画の中で住民が、個人が負担するものは何か、それから集落として負担するものは何か、旧村的な領域で地区、これは財産区を持っておりますから、そういうところで負担するものは何か、それから市町村で負担するものはどういうものか、そして県、国にお願いするようなものはどういうふうなものにするべきかということを住民自身に考えさせるやり方をしてやっております。例えば、集会所施設を建てる、土地は集落で出すというようなことを含めまして、計画に対する予算的なことばかりでなしに、計画そのものにも自分たちでやるべきことが多くなってまいりまして、陳情が半分に減った。それで、陳情もハードなものが非常に少なくなりまして、むしろソフトなものが多くなってきております。ということは、情報を流しなさいとか、そういうような形になりまして、集落という小さな領域の中でのそういう物的な計画について住民がみずから負担するということが相当多くなってまいりました。これは、先ほど申し上げましたように、いわゆる住民がみずから自分たちの地域を計画するという組織のあり方、それから行政の指導のあり方ということが非常に重要な意味になってくるのではなかろうか。しかし、いずれにしましても、上下水道にしましても、これは住民の負担によってすることはなかなか難しいし、また市町村の予算の中でも難しいので、国としてはやはりそれなりの予算措置というものを考えていただければというふうに考えております。 それから、前の質問に対して私ちょっと答えが足りないところがございましたので申し上げますが、いわゆる合意形成というものを土地の利用に対する合意形成という形に絞るとなかなか難しいです。むしろ、村づくりという形の中で合意形成をする。これは祭りとか、そういうソフトな問題、全体的な計画という形の中での合意形成の中で土地という問題を持っていく。土地だけクローズアップして、それをどうだというように非常にハードに詰めるということは大変難しい。むしろ村づくり、町づくり、ふるさとづくり、そういう計画の中で進める必要がある。だから、この法案も余りそういう狭い形の中でハードに決めないで、むしろ村づくり、町づくり、そういう哲学といいますか思想といいますか、そういう形の中でこの法案を持ち込んでいただきますと土地問題というのは相当前進するのではなかろうかというふうに考えております。 以上でございます。
○竹内(猛)委員 時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、法律だけでなしに定款とか条例とか、そういうものをつくって細かくしないとそれぞれがうまくいかないのじゃないかということを思うのです。その点だけをちょっと、どなたでも結構ですから……。
○青木参考人 まさにそのとおりでございまして、建築の方でいいますといわゆる建築協定であるとかいうようなものもございますから、みんなで協定して自分たちで守るというようなものを、きめ細かいものをつくり出していく必要があるだろう。おっしゃるとおりだと思います。
○竹内(猛)委員 どうもありがとうございました。
○玉沢委員長 水谷弘君。
○水谷委員 参考人の皆様、大変お忙しいところありがとうございます。時間が制限されておりますので、何点かに絞ってお尋ねをいたしたいと思います。 最初に青木先生にお願いをしたいのでございますが、きめ細かな土地利用計画を立てていかなければならないというお話が先ほどございました。それを集落地区計画の中でいわゆるゾーニングまでやっていくということになりますと、大変な検討、調査、計画が要求されるわけでありますが、それをどこの段階でどういうふうにしていったらいいのか、それを一つお尋ねしたいと思います。 それからもう一つは、大変な都市化が進んでいる地域を今回集落整備として一体的な都市利用、それからいわゆる生産としての利用の調整を図るという意味でございますけれども、都市的需要が非常に強いところでございますので、どうしてもそこは皆さんがおっしゃっているとおり投機の対象になることが十分考えられます。これを具体的に抑制させていくべき手法を、この法を実施する上でどのようにしていかなければならないとお考えか。二点、青木先生にはお願いをしたいと思います。 それから池田事務局長には、この集落整備計画の計画区域のとり方について、先ほどのお話の中でも、特に集落地区計画の区域が過大に計画をされないように、面積がいたずらに拡大されないように、そこに住む住民の方たちの生活環境の向上のために資するような範囲にというお話がございましたが、この法案の中では、相当規模の農用地のあるところ、さらには相当数の住居等があるところというように、いわゆる集落地域を設定する場合の要件というものが非常に抽象的にしかなっておりません。望ましい規模はどの程度とお考えになっていらっしゃるか、お尋ねをしておきたいと思います。 それから、先ほど、この計画策定の段階で農業委員会また農業会議の意見が十分に反映されるようにという御要望がございましたが、そうさせるためには具体的にどういうふうにしていかなければならないか、お考えをお聞かせいただきたいと思います。 それから、西尾市の本多市長さんにお尋ねをいたしたいのは、人間性豊かな福祉都市を築いていくために大変な御努力をされているわけでございますが、現在、いわゆる市街化区域については相当の力を注いでその整備に当たっていらっしゃると思います。しかしながら、まだまだ市街地の整備がそんなに進んでいるとは思えません。そこへ今度、このような新たな集落整備事業が入ってくるわけでございます。実際に行政の現場でお仕事をされている市長さんとして、この新規事業に対して新たに取り組んでいける人、お金、機構、こういうものの対応についてどのようにお考えになっていらっしゃるか、それをお尋ねしておきたいと思います。時間がございませんので、質問をまとめて申し上げて恐縮でございますが、御答弁をいただきたいと思います。
○青木参考人 まず最初は、詳細な土地利用、用途利用を決めるのにはどうしたらよろしいかという御質問かと思います。これもなかなか難しいことでございまして、我々も今それを勉強中でございまして、ちょうど先週、フランスでそういう土地利用の決め方をしているのを勉強したところですが、それを御紹介しながらお話を申し上げますと、いわゆる土地利用としても、先ほど最初のところでもお話ししましたように、都市利用的地区でも十種類ぐらいございます。それから、農地におきましても大体十種類近い分類をしております。私はこれほど日本の場合にする必要はないかと思いますけれども、しかし、参考になるかと思います。 例えば住宅地でございますと、建ぺい率といいますか容積率といいますか、そういうものを中心にして容積率の違った地区をつくるとか、あるいは集合住宅地はどこにつくる、独立住宅地をどこの地区につくるというような形で、土地利用を決めるときにそういう種類も決めているというようなことをやっております。これは我が国においてもできないことではないわけでございまして、恐らく大都市近郊の集落でございますと住宅用地が主かと思いますが、一体その集落にどのくらいの住宅用地をつくり出すかということを科学的に需要を調査して、それに伴った土地を用意するということがあれば、膨大な、無計画な宅地としての確保というようなことは必要なくなるかと思います。そのためには、フランスの場合にはそういう住民の組織といいますか、自治体のコミューンの代表者の組織が一つございまして、その中には県の職員なんかも委員の中に入っております。そういうところで決定をしていくわけでございますが、そのためにはそれを計画するまた違った組織がつくられます。それにはいわゆる建築家であるとか生物学者であるとか景観の学者であるとか農業経営の方々、それから農業工学的な方々、いろいろな分野の方々が計画するチームをつくりまして、そこで相当客観的に、科学的にいろいろな資料をつくりましてやっております。これは法的にそういうものをつくってやるようにされておりますからやりますが、我々は計画した人々ともお話ししましたが、相当明確なデータをつけながら計画をしておりまして、そういうことで組織をちゃんとつくる必要があるだろうというふうに考えております。 それから、先ほどの土地の投機的な問題ということを私も一番心配しているわけで、線引きの仕方というものをどういうところに持っていくかということでございますが、これは今答えたようなことをしっかりやればある程度しっかりした線引きができるのではなかろうか、そうすると、むやみやたらに思惑で土地を求めることができない。ということは、利用できる土地の用途が相当はっきり決まっておりますから、用途別の規模算定ということもできるわけでございますから、その辺をちゃんとやればそれは防げるのではなかろうかというふうに考えております。
○池田参考人 二点の質問でございます。区域のとり方の問題等でございますが、これは私は先ほども、この区域を設定するときどのような方法で具体的にやるかということについては、きっちりとした話し合いをしないままに上から押しつけるみたいな形になってしまいますと困るということを申し上げたわけですけれども、このとり方につきましては、相当規模ですか、そういうことになっている、それから相当数ということのようでございますけれども、これは余り流動的じゃどうにもならぬじゃないか、やはりこれは一定の歯どめ、きちんとした対応が必要なんじゃないか、むしろそうしないと困るのじゃないかというふうに考えております。しかるべくよろしくみたいな話ですとこれは政策にならぬというふうに考えております。 それから期間の問題も、状況が悪いから見直せばいいじゃないかということになってしまいますと、現場へ行ってしまいますとそういう意見が多いと思いますけれども、やはり話し合いをきっちりやることによりまして相当長い期間設定されるということでありませんと、見直せばいいじゃないか、逆線引きすればいいじゃないかというのは、こういう問題が今多少起こっておりますけれども、そういう問題をやりますとこれは居住地域の問題等もありますので、たやすく、しょっちゅう見直すという話はよろしくないんじゃないか、こういうふうに私は考えております。まだ具体的にどうかというふうなところまでは勉強が足りません。申しわけないと思っています。 それから、農地保全の問題につきましては、私どもは、一つは機関としての役割を先ほど申し上げました。農地保全の立場から、特に、先ほど出ましたように土地調整という問題が地価高騰の問題等に結びついては困る、農業者が困る、こういうふうな考え方を持っておりますので、やはり機関としての問題につきましては、厳正にきちんとやっていくという対応が必要だと思います。それからもう一つの視点は、私ども組織といたしましては、農地を守り、有効利用する運動という運動論がやはり必要だ。現に今少しずつ動いておりますけれども、そういう二つの視点が必要だ、こういうふうに実は考えておるわけでございます。よろしくお願いいたします。
○本多参考人 私への御質問の二点についてお答えをいたします。 第一点の市街化区域内の整備をどうしていくかという問題でございますが、これは参考意見の中でも申し上げましたが、現行法で建設省で御厄介になっておる土地区画整理事業、これを一遍にはやってまいれませんので、計画的に周辺全部に進めていきたい、こういうことでございます。私ども西尾市の実例を申し上げますと、先ほど申し上げたとおり現在やっておるのは三カ所でございます。一カ所がもう終わりかけておりますので、現在次の地区の調査、設計に入る、こういう手法で逐次全域にわたってやっていきたい、こういうことでございます。それからもう一つ、地方都市で一番困っておりますのは、商店街の地盤沈下の問題があるわけでございまして、これを都市再開発法にのせて再開発をしていかなければならぬ、こういう問題がございます。これはまた膨大な金のかかることでございますが、しかし、これらも避けては通れない問題でございますので、現在一部手がけておるところでございます。 それから、集落整備事業の人と金と手法についてお尋ねになったわけです。これも今申し上げましたように、今までの区画整理プラス今度の問題が入ってまいりますので、当然、計画的に自分の能力に応じた範囲内でやっていかないとできぬのではないか、このように思っております。しかし、公正な立場からいうと、市街化調整区域は今まで捨て去られておりましたから、この際強い要望が出てくると思いますので、これには対応していかなければならぬ、このように思っております。 それから人の問題でございますが、地方自治体も現在真剣に行革を進めておるところでございまして、職員の削減に取り組んでおります。しかし、今先生のおっしゃったような心配もございますので、土木技術者というのはなかなか削減できません。これから二十一世紀へ向けての町づくりの主体をなすのはやはりそういう技術者でございますので、一般事務職を削減いたしまして、そういう者はむしろふやしておるというような状況下で人はやっております。 それから金の問題でございますが、これはひとつ先生方にお願いして、しっかりと国家予算の中で御援助をいただきながらやっていきたい、このように思っております。 手法といたしましては、一遍にはできませんので計画的にやってまいりたい、こう思っております。よろしくお願いいたします。
○水谷委員 どうもありがとうございました。大変貴重な御意見をいただきましたので、審議の過程を通じまして皆様の御意見を反映してまいりたいと思います。
○玉沢委員長 神田厚君。
○神田委員 本日は、参考人の皆さん方には大変貴重な御意見をいただきまして、まことにありがとうございました。限られた時間でございますので、ごく簡単に二、三質問をさせていただきます。 まず最初に、青木参考人にお伺いをいたしますが、この法律は、市町村のいわゆる該当地域の中で、集落地区計画については、居住者等の利用に供される道路、公園などの施設及び建築物等の整備並びに土地の利用に関する計画を定めると言われておりますが、ただいま青木参考人のお話を聞いておりますと、環境問題その他に非常に御関心もお持ちで、環境問題その他の問題も非常に大きなウエートを占めるお話をいただきました。少し抽象的でありますが、理想的な集落の計画というのはどんなふうなものだとお考えでありますか。
○青木参考人 理想的な集落計画といいますか、私たちが実際に住んでいるところがどういう地域であってほしいかということを考えればよろしいわけでございまして、特別に農村の集落だけが理想ということではなくて、実際私が現在住んでいる地域もどういう地域であったらよろしいかということを考えていただければよろしいかと思います。少なくとも、農村の集落、農村空間というようなものはやはり自然が非常に多いということですね。ですから、この自然を大事にしていただきたいということが一つでございます。また、そこに住む人々が新しく来た人々、特に都市近郊は新しい人々が多いのですが、その人々と前からいた人々との入間的なかかわり合い、豊かな人間関係ができるような空間であってほしいということ、そういうことをするためにいかなることをするかということに尽きるかと思うわけです。それから、老人にとって一体その集落空間はどういう集落であればよろしいか、子供にとってどうか、御婦人にとってどうか、青年にとってどうか、そういう人々にとってどういう空間であるかというようなことを考える必要があろうかと思います。ですから、一概に理想といいましても、若者が理想とする集落空間と老人が理想とする集落笠岡とは少し違うわけでございますけれども、それぞれの立場で対応できるような計画というようなものが必要かと思います。 一言で言って大変難しいわけでございますが、一つの例を挙げれば道路という問題も、車のための道路でなくて、老人にとって道路とは一体いかなるものかというふうに考えたときに、何も全面舗装する道路は必要でないのではなかろうか。両サイドに土がありまして、そこに花を植えさせる、その花を老人が管理する。そうすると、老人はそこにいるときに老人同士が語り合える、物を育てる、花を吹かすという喜びも感じる。そういうこと以外に、村の人々がそこを通ったときに、おじいちゃん元気か、おばあちゃん孫はどうかね、そういう声をかけてくれる。そういうことが老人にとっては非常に豊かな生活になるわけです。我々が調査したときにある老人にそういうことを聞いたら、ここで花をつくっていることで何が一番楽しいかと言ったら、村の衆の顔が見れる、村の衆が声をかけてくれる、これが一番楽しいんだ。だから集落空間というものも、老人にとって道とは何かというと、何も車のための全面舗装ということではなしにむしろそういう空間をつくるということである、これが老人にとっての一つの農村空間としての理想の道であるというふうに考えられます。そういうふうにいろいろな視点から見て、総合的に調整して豊かな村になるようにする必要があるのではなかろうかというふうに思います。今のお答えとして、理想の農村計画とは何か、集落計画とは何かということは、一つ一つの細かい配慮された計画が必要なのではなかろうかというふうに考えております。
○神田委員 上意下達ではなくて下意で十二分に話し合いを詰めて、先生おっしゃいましたのはソフト計画ということだと思うのですが、そういうものをつくっていけというふうなことだと思っております。私、全く賛成でありまして、大変参考になりました。 ところで、一つ、線引きの手法を規制をするというお話がございましたが、それは具体的にどんなふうなことを考えておられますか。
○青木参考人 線引きの何でございますか。
○神田委員 線引きの手法を規制をするというふうな線引きのやり方ですか。
○青木参考人 法的に規制をするということは、むしろ技法としてどうするかということになるかと思いますが、これは先ほども言いましたように、やはり土地の利用計画をはっきりさせることだと思いますね。そのためには、先ほどからたびたび言っておりますように、少しきめ細かい土地の用地計画をするとおのずから合理的な線引きができるのではなかろうかというふうに考えております。 それから、前の質問で、理想的なということでちょっと言わせていただければ、町の計画とか村の計画で三つの計画がございます。これは社会計画、経済計画、物財計画で、この三つが三位一体にされれば理想的な計画になるかと思います。残念ながら、我が国の計画はこれが三位一体的になかなか行われていない。経済優先、効率、利益優先で、そしてそれに対応する物財計画というのが先行して、いわゆる社会計画、ソフトな計画というのがおくれていたわけですね。これからの計画では、ぜひこの三つの計画を三位一体的に進められることを希望いたしております。
○神田委員 池田参考人に御質問申し上げますが、先ほど、これらの計画をするに当たって農業委員会等の意見を十分聞いてもらいたいというふうなこともございました。当然、農業協同組合あるいは土地改良区などの関係する機関の意見というのは尊重されるわけでありますが、どういう形でこの農業委員会の意見が聴取をされるようになったらいいか、その辺のお考え方がありましたら、どうかひとつ。
○池田参考人 これは農振法の世界でもそうでございますし、それから土地改良法の問題でもございます。ですから、純然たる公的な機関でございますので、しかも農地の調整を預かっているという機関でございますので、区域の設定とか、その中身を変更するとか、そういう問題でございます。私ども、村づくりの視点と、それから、その辺が先生方がおっしゃったように地価高騰等に余り結びついては困る。そうなりますと、やはり一定の歯どめはしておく必要があるんじゃないか、いいものはいい、悪いものは悪いという判断を機関としてする必要があるんじゃないか、こういうふうに考えております。 単なる村づくりの話だけでございますと、こんな村づくりをすればいいじゃないかということだけでございますけれども、農地の問題がかかわり合いますので、それからまた、先生方の御質問がありましたように、将来どうなるかということを考えてみた場合において、やはり機関として農業委員会の意見を、計画をつくる段階から協議に参加させていただいても結構でございますし、こんなことでやろうじゃないかというときに、最終的に機関としてこんなことについてどうだろうかというお尋ねが市町村長からありましたときには、こんなことはこう考えていますというぐらいの意見を出すということが将来の村づくりの視点から必要でございますし、それから農地調整というのが現にあるわけでございますから、法律の世界が農振法もありますし、農地法の世界等もあるわけでございますから、そういう点を御判断いただきまして、そのことがまた将来的に必ずプラスになっていくというふうに私どもは確信いたしておりますので、ぜひお願いしたい、こう考えております。
○神田委員 最後に、本多参考人にお尋ねします。 行政をお預かりいただいているという立場から、混住化が進行しているところにおいて主にどういうことが現実的な問題として市役所等に持ち出され、また、市の機関としてはどういうふうな形でそれらの相談に乗って指導しているのか。その辺、現状はいかがでありますか。
○本多参考人 私ども末端自治体の長は何でも受けなければならぬということでございますので、いろいろな問題が来ております。その中でも特に出てまいっておりますのは先ほども申し上げました雑排水、排水の問題、これは強力に出てきておるところでございますし、また道路の整備の問題が出てきております。それからもう一つは宅地の問題がございまして、例えば農振地域の中に自分の土地はある、しかし部落周辺の白地にはない、こういう方が次三男対策として近くへつくりたい、何とかならぬか、こういう問題がございます。これなんか今度の法律でやっていただけると思います。今まで、市が入りまして調整を図りながら交換をしていただいてその要望にこたえる、これが一番大きな問題でございまして、そういう努力を続けておるところでございます。よろしくお願いいたします。
○神田委員 終わります。
○玉沢委員長 寺前巖君。
○寺前委員 どうも御苦労さんでございます。 先ほどからの参考人の皆さんの意見にもあるし、質問者の意見の中にもあるわけですが、今の都市計画の線引きで市街化区域と調整区域に分けた、その調整区域に入った一画にまた新しい市街地域ができる、投機の対象となって優良農地が農業破壊の方向につながるのではないだろうか、こういう心配がこの法案をめぐって一番共通した大きな問題点になっているというふうに思うのです。 そこで、先ほどからの話を聞きながらもう一度詰め的にお聞きしたいのですが、私たちの希望意見がどうあろうと、一たん法律ができてしまうと法律のひとり歩きというものが起こるわけですね。ですから、法律がひとり歩きをしていった場合に、そういうつもりでやったはずではなかった、こう後から言ってもそうはいかないわけです。そこで、法律上きちんと詰めをやっておかなくて我々はこういうつもりではなかったと後から言ってもどうにもなりませんので、そういう意味においての御意見をひとつ聞かしていただきたいと思うわけです。 まず第一に、これは計画法ではありますけれども、調整区域内の集落に対して、農地をつぶして新しくここが集落地域ですよという線を引いていく、それに対して、地域住民の意見を中心にしてその線引きができていく、あるいは投機的な対象にさせないということになっていく歯どめはこの法律ではどういう点で見ることができるのか、これが一点です。その点をちょっとお三方に聞きたいと思うのです。
○青木参考人 大変難しい問題でございまして、私も、意見を述べたところでもその点を心配したことを申し上げたと思います。これは住民の意向に従うと言っても、住民自身が、土地を持っている人々が既に投機的な考え方を持っている場合も多うございますし、それからまた、それを利用しようとする側も投機的な考え方を持っておりますと、両者の合意によってそういう土地の使われ方をする可能性は全くないとは言えないかと思います。法的な制度がどこまでできるかということは大変難しいことかと思いますけれども、少なくとも土地利用計画というものがある以上、これは規制をするということなんですね。だから、計画という言葉の中にはもう規制という質を持ったことなんです。その規制がこの法律によってどれだけできるかということでございますが、そういう規制を実際に行うときに政令なり何なりできめ細かい条件というものをある程度つけていけば、私は、マイナスになるよりも、全体的に集落の計画という点ではこの法案はいいのではないかというふうに考えております。これからの課題かと思います。
○池田参考人 大変難しい問題でございますが、第一点の住民の意見の問題は、私どもはやはりそういうことが非常に大事だと思っております。それから投機の問題等につきましては、そういうことがないようにどうしてもやる必要がある、こういうふうに今の段階ですと申し上げるしかないわけです。 先ほど申し上げましたとおり、土地というものは、公的な立場から利用なり取引という問題を考える必要があるというふうに私は考えております。また、そのことが国土保全の問題でございますし、それから農業自身の問題から考えましてもそういう視点が大事だということを先ほど意見の中で申し上げて、そのことも変わっておりません。したがいまして、先ほど神田先生からの御意見のときもありましたように、どういう戸数でどういう面積要件がという問題も、当然先生方と御相談の上で国の方でお決めになると思いますが、そういう問題は、やはり決めるに際してきめ細かな対応を最初から私どもとしてはお願いする必要があるんじゃないかということを考えております。そうしませんと、御指摘のように、これは農業調整地域でございまして都市計画区域じゃないわけでございますから、むやみやたらな話が続々と出ていってしまうということは困ります。 ただ、私が申し上げましたのは、現在、混住化の問題がございますし、それから、そういうことをめぐりましてスプロールの問題があります。ミニ開発もあります。いろいろな問題があります。むしろこれをほっておくことの方がどう考えましてもいけないという考え方が私の考え方の中にどうしても優先いたしております。したがって、規制をどうするという問題は、私どもの方も機関としても頑張りたいと思いますし、またお役所の方も、そういう視点で当然のことながらやっていただけることじゃないかと思っております。ただ単に住民、住民という話ばかり前面に出てしまいますと、これは確かに問題が起こる面もあるかもわかりません。したがいまして、土地という視点を前面に出して、公的な視点というものを考えながらやっていくということが現段階においては非常に大事だと考えております。 以上でございます。
○本多参考人 先生の具体的な質問でございますけれども、中身をまだ十分承知しておりませんので私から御答弁を申し上げませんが、あくまでも私どもといたしましては、住民意識を尊重してやっていくということが原点でございますので、その中にあってこれから起きる問題はお互いの力で解決していきたい、こういう手法をとっていきたい、こう思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○寺前委員 第二番目に、今の問題との関連なんですが、優良農用地として線引きされている農用地区域があります。今度、集落地区計画を立てるということになると、そこにも線引きが重なって入ってくるということになるでしょう。そうすると、計画は計画であって実行は実行だということになって、具体的になるときには、転用問題というのは農業委員会にかけなければならぬことになるかと思います。だけれども、計画そのものが大枠として決められてしまうと、それに従属させられていくという方向になるのじゃないだろうか。今度のこの法律案によると、その計画段階に農業委員会はかむことになるのか、かまないことになるのか、そこは一体どういうことになると見ておられるのか聞かしていただきたいと思います。お三方お願いします。
○青木参考人 農業委員会がかむか、かまないかという問題は私からすぐ答えることはできませんけれども、私の考え方としましては、優良農地が線引きに入って、いわゆる都市的土地利用になるということは十分あり得ると思います。優良農地というものは都市的土地利用をするについても最もいい地域なんです。ですからそれはあり得ると思います。しかし、それを全体その土地、集落の条件によってそうすることの方が好ましいという場合もありますから、一概に優良農地だから都市的土地利用をしてはいかぬということにはならないかと私は思います。それが、こういう言葉を使うのは大変失礼かと思いますが、政治的な形でもってそういう線引きがしばしば引かれて過ちを犯してきたわけなんで、むしろ僕は、科学的にそういう線引きをする必要があるということを今までしばしば申し上げておるわけです。科学的にというのは、いろいろな専門の立場、人々の組織の中で、本当の、この集落の中で土地利用としてはかくあるべきというものを出すべきだと思います。そういう検討する、あるいは計画するスタッフの中に農業委員会のメンバーが入るということは大変好ましいことであるというふうに考えております。
○池田参考人 お答えが重複するかと思いますけれども、先ほど申し上げましたようなことでございまして、私どもは、農業委員会という設置されました機関、農地を守るという視点、土地利用調整をするという機関でございます。したがいまして、そういう視点の機関としての問題と、それから私どもは農業、農民の利益代表としての機関でございますので、現在、農地の有効利用をする運動等もやっています。そういう問題の中でいろいろな意見とか要望等を申し上げて、やはり将来に向けて優良農地を守っていくんだという視点だけはきっちりさせるということが私どもの任務だと思っております。そういう視点で頑張ってやらなければいかぬ、こういうことしか申し上げられません。ただ、現状においてはスプロールが進行しておりますから、そのままほっておくわけにはまいらぬから、ぜひ私どもの視点も御理解いただきたいというふうに考えておるわけでございます。よろしくお願いします。
○本多参考人 先生も御存じのように、農業委員会の中には各部会を設けていろいろな審議をやっております。その一つに農政部会がございまして、その農政部会の中で、私ども市政全般のこういうような問題については一応意見だとかあるいは御協議だとかいただきまして進めております。当然関連が出てくると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○寺前委員 ともかく、私たちがいろいろ希望を持っておっても法律というのはひとり歩きするものですから、よほど法律の段階できちんと整備しておかなければならぬものは整備をしておかないと後の祭りということになりかねないので、皆さんの研究された内容をちょっと聞かしていただいた次第です。 それから、土地の利用の調整問題としてこの法律は出てきているわけですが、集落を整備していくその集落周辺の田んぼを整備をしていくということになりますと、先ほどから話が出ておりましたように用水、排水問題ですね、水の問題というのが非常に大きな位置を占めるのです。ですから、一地域の集落の整備だけでこの水の問題は解決しないわけですね。ちょっと離れたところに大きな町があって下水道を整備している、ここの集落の人たちはそれを見ながら自分のところのものもそれと結びつけたいとか、そういう問題も持っています。いろいろな意味で用排水問題というのは、集落整備をやっていく上においては非常に重要な位置をこれまで持ってきたと思うのです。今度の法律では、その辺の関係については何も触れていないように私は見ているのですけれども、この点について青木参考人の書かれたものの中にもいろいろ出ておりましたものですから、どういうようにこの法律案をお読み取りになっているのか、あるいは補強すべき意見があるのではないだろうかという点があったらお聞かせをいただきたい。 それからまた、池田参考人は、ともかく現実的には虫食い的にいろいろ町ができてきているのだから何らかの形で整備をしなければいかぬ、そういう町の整備と、それから農地の方についても白地地域の問題があって、そこでは今補助金も出ないので基盤整備が進みがたいという問題もあるから、こういう点では今度のものは積極的な意味を持っているのだから頼む、簡単に言ったらそういう御意見であったろうと思うのです。だから、現実的にそういう問題があるわけだけれども、先ほどのお話の中で縦割り行政の末端における問題点というのが出ておりました。一体具体的にどういう問題に直面をされたのか、池田参考人と市長さんにひとつお願いをしたいと思います。以上です。
○青木参考人 ただいまの水の問題はまさに先生のおっしゃるとおりでございまして、いずれにしましても、この法律は集落地域という一つの領域、線を引いた中という問題ですからどうしても閉鎖的に理解をしてしまうわけですが、整備法という形である程度線引きをしたその中の計画ということですからやむを得ないかと思います。実際に整備を事業化してまいりますと、当然水の問題、道路の問題、そういうようなものは他の集落、他の地域との関連の中で計画をされなければいけないわけですから、この上位計画というべき市町村の道路計画それから水利計画、そういうものとのドッキングは当然考えられることでございますし、また考えなければこれは成立しないかと思います。ですからそれを法的な条文として出さなくとも、私は、計画者とするならば当然それはこの計画の中で検討するべきことというふうに考えております。
○池田参考人 御承知のように、集落地区計画と集落の農振の整備計画というのを立てることになっております。先ほど意見の中で申し上げましたとおり、従来はいろいろと線引きの中で建設、農林の対応がそれぞれあった、今回はそれぞれというわけにはいかぬ、こういうふうに考えております。したがって、これは市町村段階の問題になると思いますけれども、私、内部はわかりませんが、市長さんの方が詳しいと思いますが、企画面の問題とかあるいは農村サイドの関係者が相談しながら、別々みたいな話になりますとやはり困ると思いますので、一体的に同時点ぐらいに出発するということがありませんと先生御指摘のような問題になるのではないかというふうに考えております。したがって、それは形式の問題でございますけれども、その前にやはり運動論としての問題が市町村の中でも必要でございますし、それから機関としてのそれぞれの役割があるわけでございますから、その機関としての役割を十分に発揮するということが必要なんじゃないか、こういうふうに私は考えております。
○本多参考人 私が特にこの点で申し上げましたのは、今度の法案が建設、農林両省の共管法案で出ておる、こういうことでございまして、その下に行きますとそれぞれの計画をつくるのに二つに分かれていっておる、こういうことでございますので、今までもとかく日本の官庁はセクト主義に走って、縦割り行政だと言われておりました。そのことを特に今度の法案の中で、両省協調してやっていかないと大変になりますよということを私どもお願いを申し上げた、こういうことでございます。具体的にどういうことがあったかということになりますと、いろいろな点が今までございましたけれども、特に具体的にここで挙げよと言われても思いつきません。そういうようなことで、あくまでも私ども自治体の長がどっちについたらいいか困らぬような方途を講じていただきたいということを特にお願いを申し上げる、こういうことでございます。
○寺前委員 ありがとうございました。
○玉沢委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人各位に一言お礼を申し上げます。 参考人各位には、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して、厚くお礼を申し上げます。 次回は、明二十二日金曜日午前九時三十五分理事会、午前九時四十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十七分散会