農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 220 件
- 登壇者
- 21 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/03/25
会議録
○玉沢委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、森林法の一部を改正する等の法律案を議題とし、審査を進めます。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。串原義直君。
○串原委員 まず大臣に伺いたいわけでございますが、昭和六十年度に二分の一を超えますところの高率の補助率等を十分の一引き下げる。これは六十年度一年限りという当初公約でございました。ところが、この約束を破られまして、さらに六十一年度から三年間二分の一を超える高率補助の引き下げを政府は断行いたしました。その内容は、直轄事業については六十年度措置の継続、補助事業は六十年度措置にプラスさらに十分の一を引き下げるというものでございました。その昭和六十一年度より三年間の措置にかかわる関係法律案の提出に当たりまして、政府は補助金問題関係閣僚会議を開き、補助率のあり方を検討するために補助金問題検討会を設置し、その検討会は十二回にわたって慎重に検討された結果を報告されたようです。政府はその報告を尊重して法案を百四回国会に提出をしたのでございます。この経過を大臣も、今申し上げましたとおり間違いなく承知をされているというふうに考えるのですけれども、いかがですか。
○加藤国務大臣 補助率につきましては、御指摘のとおりこれまで六十年度、六十一年度の二回にわたって引き下げが行われております。六十年度の引き下げ措置は一年間の暫定措置としてお認めいただいたと承知しておりますが、その際、六十一年度以降の補助率のあり方については政府部内で検討し、一年の間に結論を出すこととなっていたと承知しております。六十一年度につきましては、前年度の引き下げの際の関係大臣間の合意に従いまして、六十一年度以降の補助率のあり方について補助金問題検討会において検討が行われ、その結果を踏まえて六十一年度から六十三年度までの暫定措置として補助率の引き下げを決定さしていただいたと承知しております。
○串原委員 つまり、私が申し上げましたこと、大臣もそのとおりであったというふうに御答弁をいただいたのでありますが、大事なところですからもう一つ伺っておきたいと思うのであります。 その際に、昭和六十年十二月二十一日、大蔵、自治両大臣の間で「この措置は、今後三年間の暫定措置とする。」二つ目は、この「期間内においては、国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じない」という合意がありましたことを私は承知をしているわけでありますけれども、大臣もそのことは確認されていらっしゃると思うのでございますし、この合意事項をどのように農水大臣としては受けとめていらっしゃいますか。
○加藤国務大臣 六十年十二月二十一日に大蔵、自治両大臣の間で御指摘の覚書が取り交わされたことは承知しております。随分御苦心されたなという感じを持っております。
○串原委員 実は私もそのときの両大臣の合意は苦心されたんだろうと思っておりますが、とにかくその事項については、この法案の担当である農林水産大臣も承知をいたしておる、こういうことでございます。 いま一つ私はこの際確認をしておきたいと思うのでありますが、昭和六十一年四月十六日の衆議院の大蔵委員会で、昭和六十一年以降三年間においては「国・地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の引下げは行わないこと。」という内容を含みました附帯決議が全会一致をもって決められていたことを大臣は承知でございますか。この決議を承知しているとするならば、いかように受けとめておられますか。
○加藤国務大臣 四月十六日の衆議院大蔵委員会におきまして、ただいま委員が御指摘になった附帯決議が行われておるということは存じております。
○串原委員 大臣、そこで私は伺いたいのですけれども、まず第一に、六十年度限りの特別措置であるということで補助率を引き下げた。その地方自治体等に対する約束も簡単にほごにいたしまして、六十一年度から三年間また補助率を下げることにした。それも検討会を先ほど御答弁のように閣僚会議の協議を経て設置をし、十二回も検討会で相談をした結果三年間の引き下げの特別措置をやった。それから両大臣、つまり大蔵、自治の両大臣が相談をして、もうこれ以上国と地方との財政措置の基本的な変更はしないということを相談しておる。なおかつそれを受けて、当時担当して審議をした衆議院の大蔵委員会の皆さんは附帯決議をいたしまして、その附帯決議は全党一致、全会一致で、もうこれ以上の国、地方間における財政措置の変更、つまり具体的に言っておりますけれども、「補助率の引下げは行わない」、こういう附帯決議を全会一致、全党一致で決めた。それにもかかわらずまた御丁寧に――御丁寧という表現にしておきますけれども、つまり今回またまた補助率の引き下げ変更を行う。こういうふうになってまいりますと、六十一年度以降三年間ということを決めたその次の年に、ことしは次の年ですね、次の年にまた補助率を下げる。これはまさに私としてはどうしても納得のできない措置なんですけれども、その理由を私はまず大臣から聞きたいのであります。
○加藤国務大臣 先生御存じのような経過があるわけでございますが、六十二年度の予算編成に当たりましては、円高が急速に進展する等経済環境が激変する一方、厳しい財政状況が続いており、国費を抑制しつつも内需拡大策としての公共事業の事業費を確保することが重要な政策課題となっておるところでございまして、この課題にこたえるために、政府全体として財投の活用等事業費拡大のための種々の工夫を凝らした上で、さらに補助負担率の引き下げについても緊急やむを得ない措置として実施するように決意した次第でございます。 当農林水産省といたしましても、生産性の高い農林水産業の構造を確立する等の上で農林水産関係公共事業の推進が重要な課題となっております。そのため事業費の確保が必要なこと、また補助・負担率引き下げに伴う地方負担についても、事業の推進に支障がないよう昨年を上回る手厚い地方財政措置が講じられていること等やむを得ない措置であると判断したところでございます。
○串原委員 内需拡大策を図らなきゃならぬ、そのためにも公共事業費の枠の拡大を図らなきゃならぬ、そういうことを踏まえてやむを得ず緊急避難的にこの措置を講じた、こう言うのでありまするけれども、そうであるならば、やり方、手法はほかにあったはずだと私は思う。補助率を下げるという手法でなくとも、他に政府全体の中で考えて、この際内需拡大とは何か、内需拡大の柱は何か、そのためにはどうすべきかということをこの手法以外に考えるべきであったと私は思うのであります。先ほど申し上げましたように、いろいろな経過を踏まえまして、もうこれ以上国と地方との補助率の変更は行わないという合意をそれぞれの立場で得てきたのにまた下げるということについては、今の流行語じゃないけれども、まさに公約違反だろうというふうに私は思うのであります。公約違反そのものではないか、私はこう言いたいのであります。大臣の答弁を聞いていて、まさにこのことはそのときどきの都合によって、思いつきと言ってはどうかと思うけれども、思いつきみたいな発想によって補助率の引き下げ等々をやっていくということは承知できない。これは多くの地方自治体、地方の皆さんの声でございます。今私は、この法案はときどきの都合によって考えた御都合主義法案ではないかという意味を言ったけれども、この批判に対して政治家としての大臣はどうお考えでありますか、お答え願いたい。
○加藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、厳しい財政事情の中で内需拡大を行い、そしてまた農林水産省といたしましては生産性向上、構造改革というものをやる場合に万やむを得ない選択であったと考えております。
○串原委員 大蔵省に伺うのですけれども、今私は大臣に御都合主義ではないか、こういう表現で伺ったのでありまするけれども、あなた今まで私の質問を聞いていて、私の言わんとするところはおよそ御理解をいただいたと思うのでございますが、ともかく最初昭和六十年度一年限りの補助率カットである。にもかかわらず、先ほど質疑をしましたように、六十一年度からまた三年の補助率カットをやった。その補助率カットの際にも、大蔵、自治両大臣の合意が質疑の中で申し上げたようにあった。衆議院の大蔵委員会でも申し上げたような附帯決議が行われた。そういう経過の中でまたまた補助率を引き下げるという法律案を出すようにしたのは、どうしても私は理解できない。承知できない。さっき私はまさに公約違反ではないか、こういうふうに言ったのでありますが、大臣が御答弁のように、厳しい財政状態の中で内需拡大を図らなきゃならぬ。その内需拡大のためには公共事業費の拡大を図っていきたいんだ、万やむを得なかったという話でありますが、万やむを得ないという話ならどこでだってそんな話は簡単に通じていくんですよ。大蔵省としてはなぜほかの手法を講じて今の内需拡大、公共事業費の拡大をやらなかったか。万やむを得ないなんという言葉だけで事を処理できる性質のものではない、私はこう思う。どうですか。
○斎藤(次)政府委員 ただいま先生御指摘のような批判があることは私どもも重々承知しております。また六十年度に単年度限りの補助率カットをやりまして、それから六十一年度に、補助金問題検討会の議を経て国会の御審議をお願いして、三年間の暫定措置として公共、非公共を通ずる総合的な補助率引き下げを行わせていただいたという事実があることも承知しております。私どもはその経緯を踏まえまして、昨年実は種々の検討を重ねたわけでございます。 公共事業の事業費を確保するということが内需拡大のためにぜひ必要であるという認識のもとに、実は財政投融資事業の活用あるいは民間活力の活用という、今先生が問題とされておられます補助率カット手法以外の手段をあらゆる努力を通じて工夫いたしまして、そちらの面でも実は相当大幅な伸びを確保しておるわけでございます。ただ財政投融資事業ないしは民間活力の活用というのは、どうしてもその事業の性格上地域的に偏る性格のものでございます。全国くまなくその事業の効果が行き渡るというものではないということもございます。そこで、苦しい国の財政事情の中で財政再建路線というものを守りつつ公共事業の事業費増額の効果を全国にくまなく行き渡らせるためには、どうしても補助率の引き下げをもう一度お願いせざるを得ないのではないかという判断になりまして、自治省並びに農林省を初めとする関係省庁とよく協議をいたしまして、今回のような措置をとらせていただいたわけでございます。 そこで、昨年の両大臣の覚書あるいは国会の附帯決議にございますように、国と地方公共団体の基本的な財政関係に影響を及ぼすような補助率カットをやるべきでないという御趣旨がございますので、地方公共団体の今回の補助率カットに伴って出していただく地方債の元利償還分については、交付団体の分については全額国が別途財源措置を講ずるという昨年度を上回る手厚い措置を講じて、その点についても配慮いたしたつもりでございます。その点をよく御理解いただきたいというのが私どもの衷心の願いであるわけでございます。
○串原委員 私は、きょうは時間がないからこの機会では余りやりとりできないのは残念に思うけれども、それでは一つだけ伺っておこう。 財政再建路線の中で内需拡大のために公共事業等をふやしていくためには万やむを得なかったという御答弁であったけれども、そうであるとするならば、私は一つ確認しておきますが、これから国会の大問題になるであろう内需拡大策、公共事業も随分大きくしなければならぬ。内需拡大策を思い切ってやらなければ大変なことになるのですよ。時間がないから円の問題についてはいろいろ申し上げませんが、大変な事態です、円もいよいよ百四十八円になったじゃありませんか。私はもっと高くなると思う、このままでやっておったら。ということになると内需拡大、公共事業費をふやしていくという政策をとらなければならぬ。そういたしますと、この種の手法しかなかったということになるなら、これから大蔵省はその対策をとる場合に補助金カットをやるのですか。ほかの方法がないというのですか。
○斎藤(次)政府委員 その点については、今後どういうぐあいに内需拡大策をやっていくかというのはまさに今後の問題でございます。私どもは、当面予算の成立を一刻も早くお願いして、そういう補助率カットを含むいろいろな手法で苦心をした予算のできるだけ早い執行ということをお願いしたいと実は考えておるわけでございます。今後、ことし、来年にかけての内需拡大策をどうやっていくかというのはまさにこれからいろいろ勉強していかなければならぬ課題だというぐあいに考えておりまして、現在のところどういう手法でやるかということについてまだ具体的な青写真を持っているわけではないわけでございます。
○串原委員 時間がないからこれ以上言いませんが、ここで線を引いて、この前までは、ここの時点以前は内需拡大、公共事業費拡大のためには補助金カットの方法しかなかった、この日以降はほかの方法がありますという理屈は通らぬじゃないかと私は言うのですよ。そんなものじゃないじゃないか、一貫性を持った政治でなければいかぬじゃないか、財政運営でなければいかぬじゃないかということを私は言っているのですよ。でありますから、この補助金カットによって公共事業費をふやそうという手法は正しい方法ではない、まさに約束違反であるということを強調しておかないと後の質問が続きませんから、これで私は終わりにしますが、そこのところは特に強調しておきたいと思う、そういうことなんです。 もう一つ大蔵省にお聞きします。 あなたは今御答弁をいただく中で、地方自治体には補助金カットするけれども迷惑はかけない、こういうふうに御答弁になった。単純な言い方で恐縮ですけれども、そうであるとするならばこういうことになる。右のポケットの方に補助金カットというのでお金を入れた、しかし左のポケットからはあなたの方に出してやる、こういうことである。一回り回ってみたら同じところに来た、こういう話であります。ぐるぐると歩いてきたら同じ地点に帰ってきた、こういうことであります。地方自治体で喜ばないようなそんな面倒な手法をどうして講ずるのですか。右のポケットから出して左のポケットに入れる、そんな手法を講じなくても、私が先ほど申し上げましたように、大蔵省が腹を据えるならば、こんな手法でなくてやり方はあったはずだということを言っているのであります。いかがですか、そう思いませんか。御答弁願います。
○斎藤(次)政府委員 現在の財政の状況を考えますと、国が直ちに公共事業費を今回のような手法を用いずにふやすということであれば、これは建設公債の増発による以外にないだろうというぐあいに考えられます。そういたしますと、建設公債の増発といえども利払い費がかかります。現在巨額な公債残高を抱えてその中の建設公債の利払い費を考えると、財政に対する負担というものを考えて、建設公債の増発には常に慎重であらねばならぬというぐあいに私どもは考えておるわけでございます。 補助率のカットにつきまして、先ほど御答弁申し上げましたように、地方公共団体についてはその元利償還費の全額を見るということで手厚い措置を講じておりますけれども、財政力に比較的余裕のある不交付団体、東京都等でございますけれども、不交付団体については相応の負担をしていただくということについて御理解を求めることにいたしておるわけでございまして、その意味で単に全額を地方に振りかえたということではないということも御理解をいただきたいと考えておるわけでございます。
○串原委員 それではもう一回大蔵省に伺いますけれども、先ほど申し上げましたように、今回の措置は衆議院大蔵委員会の附帯決議に見られる国、地方の間の財政関係の変更、大蔵、自治両大臣の合意に見られる国、地方間の財政関係についての変更、こういうことには当たらないということですか。
○斎藤(次)政府委員 今回の公共事業の補助率のカットのお願いは、先ほど農林大臣が御答弁されたように六十年、六十一年度の補助金カットのようないわば非公共、公共を通じる総合的な見直しという見地から行ったものではございません。財政再建路線、国の財政状況が非常に厳しい中で公共事業費を確保するという観点から行った万やむを得ない措置であったと考えておりますけれども、その際、昨年を上回るいわば地方公共団体に対する財政補てん措置も講じておりますので、私どもとしては、基本的な財政関係の変更をもたらすような補助金カットというのには当たらない。したがって附帯決議の趣旨にそぐわないというものではないというぐあいに考えておるわけでございます。
○串原委員 これも確かに理屈を重ねていけばいろいろあるでしはう。基本的には触れないということもあるでしょう。しかし、衆議院の大蔵委員会では補助金の引き下げはやらない、こういうふうに附帯決議の中で言っていますね。もう一回申し上げますが、衆議院の大蔵委員会では補助金の引き下げ等はこれ以上行わないこと、こう言っているわけですね。そういうことにも関係しない、心配ありませんよ、こういうことですか。
○斎藤(次)政府委員 昨年の附帯決議を念のためにもう一度読ませていただきますと、この間においては、「国・地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の引下げは行わないこと。」と書いてございまして、ポイントは国、地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の引き下げを行わないということでございます。私どもが今回お願いしておりますのは、公共事業の分野について事業費確保のために補助率カットをお願いするわけでございますけれども、そのために発行していただきます地方債の元利償還費については、全額交付団体については別途国が負担をするという措置を講じておりますので、この「基本的に変更する」という補助率カットには当たらないという意味で、この附帯決議の趣旨に合わないということではないのではないかというぐあいに考えておるわけでございます。
○串原委員 ではもう一度確認をさせていただきます。地方自治体には全然財政的には迷惑をかけません、こういうことですか。
○斎藤(次)政府委員 全く迷惑をかけないと申し上げているわけではございませんで、不交付団体、東京都のように、この引き下げに伴う国費減少分に見合って発行していただく地方債の元利償還費を基準財政需要に算入してもなお財源に不足が生じない、したがって交付税を配る必要がないという団体については相応の負担をお願いすることにいたしておるわけでございます。
○串原委員 自治省お見えになっていますか。――今の質問に関連をして、あなた方の方で計算をして、今回の法改正によって地方自治体は全然負担増にならないのか、なるのか、明確に御答弁願います。
○小林(実)政府委員 先ほどから覚書あるいは昨年の国会の審議の際の経緯に照らしての御質問でございますが、今回の引き下げにつきましては、先ほどからお話がございましたように、急速な円高の進展等に伴いまして公共投資の拡大による内需の振興という要請が一つ出てきた。一方で国の財政再建路線を引き続き堅持しなければいけない、こういう要請が、政府全体としての事情があるわけでございます。そこで、財投とか民間活力の活用等各般の工夫を凝らした上で緊急避難的に補助率のカットを行う、こういうことになったわけでございまして、やむを得ないというふうに考えております。 この点につきましては覚書等がございまして、自治省といたしましても非常に苦しい選択ではございましたけれども、一つには、今回の補助・負担率の引き下げは内需拡大の要請にこたえるためにほぼ公共事業に限って行う、この規模も当初話があったものよりも大分少なくなってきておるわけであります。二番目に、補助・負担率の引き下げによる国費減少相当額につきましては地方債を発行いたしまして、その元利償還費を全額地方交付税で財源措置をする、こういうことにいたしております。三番目に、これに必要な交付税の措置につきまして、必要な原資につきましては、国が将来交付団体については全額負担するという約束になっております。 そういうことでございまして、地方財政に実質的な負担増がほとんど生じない、こういう手厚い財政措置になりましたものですから、覚書あるいは国会の附帯決議に実質的に背くことにならないようになってきたのではないか、そういう面で努力を払ったつもりでございまして、やむを得ないものというふうに考えておる次第でございます。
○串原委員 自治省にいま一つ伺います。その補助率カットによって生じる自治体の負担は、将来において交付税等で心配いたしまして迷惑をかけません、こういうことでありますが、資金の運営等につきましては若干の影響が出てくるだろうという懸念もいたしますと同時に、ここで伺いたいことは、財政力が順次低下していくような過疎町村、第一次産業を主体とした自治体は今非常に財政が苦しい。したがいまして、補助率が順次低下をしていくということになりますならば、あなた方の期待に反して、公共事業がだんだん事業費が拡大していくという方向ではなくて、むしろ自治体の負担率が高くなることによって公共事業に回す金が狭まってくるという危険を私は感じているのであります。その点について、自治省としてはどんな理解をいたしておりますか。
○小林(実)政府委員 六十二年度の補助率カットですが、今回の措置によりまして地方団体が受ける影響というのは、政府全体の金額で申し上げますと、投資的経費では千八百億でございます。そのうち国庫補助率のカットによる額が千二百億でございまして、それを財源に事業拡大するわけで、その拡大に伴いまして地方負担がふえるわけでございます。その金額が六百億でございます。合わせまして千八百億でございますが、これにつきましては、六十二年度の場合で申し上げますと、全額起債でまず充当をいたします。それから、個々の地方団体の影響がどうなるかということでございますが、カット分の千二百億につきましては、交付税の基準財政需要額に一〇〇%算入をいたすわけでございます。それから拡大に伴いましてふえました六百億につきましては、元利償還の八〇%を交付税の基準財政需要額に算入をいたす、こういう手厚い措置をいたしておるわけでございます。 さらに、将来の問題といたしまして、国と地方の財政全体の話になりますが、千二百億の元利償還につきましての九〇%につきまして国の方で負担をする、交付税の総額は法定で決まってくるわけでございますが、それにプラスして将来国が負担をする、こういう約束になっております。個別の地方団体におきましても、このようにカット影響分につきましては手厚い措置をしておりますので事業の執行には支障はない、こういうように考えております。 ただ、長い目で見た場合に小さな団体等についてどうするのかという御心配の御質問かと思います。これは地方財政全体の問題として私ども深刻にとらえておりまして、今後とも説あるいは交付税の総額を確保いたしまして財政運営に支障の生ずることのないように努力したいというふうに考えております。
○串原委員 もう時間が参りますからこれ以上やりとりできませんが、自治省に強く要請しておきますけれども、私はこの種の措置によって財政力の弱い自治体、小さな団体に影響はじりじりと出てくるだろうという懸念を持っておるわけです。影響の出ないような措置を地方行政全体の計画の中で真剣に検討してもらうことを強く要請しておきたいと思っております。 そこで大臣、この補助金カットは、さらに加えて来年度また下げるみたいなことは絶対ないでしょうな。
○加藤国務大臣 六十三年度予算、来年度の問題について現在まだ申し上げる段階ではございませんが、補助・負担率は事業の円滑な執行の上から極力安定的なものとすることが望ましいと考えております。
○串原委員 いま一つ大臣に伺っておきます。 今のところ、補助金カットは六十三年度までということですね。それが終わった場合に六十四年度からはもとに戻る、これは当然のことでありますが、こういうことであろうと思うのですけれども、大臣にそのことを伺っておきたいわけであります。
○加藤国務大臣 六十四年度以降の取り扱いにつきましては、その時点におきます我が国の財政事情等を勘案しながら判断することになると思いますが、農林水産省といたしましては、今回の引き下げは二年間の暫定措置でありますので二年間で終わることを希望するものでありますけれども、いずれにいたしましても農林水産行政の円滑な推進ということを基本として、事業、制度の根幹を踏まえながら適切に対処してまいる所存でございます。
○串原委員 さらに質疑を深めたいのですが、時間が少のうございますから、あとは同僚議員に質疑を深めていただくということにいたしまして、この際、畜産のことを伺っておきたいわけです。 私は伺いたくなかったのですが、残された時間でちょっと伺うことにいたしますが、けさ食肉について畜審に諮問をされた。これはどんな提案をやったのですか。
○濱田説明員 御説明いたします。 畜産物価格につきましては、畜産物の価格安定等に関する法律に基づきます牛肉、豚肉といった指定食肉の安定価格と、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づきます加工原料乳の保証価格等をそれぞれ会計年度ごとに決定することとなっておりまして、先生御承知のとおりでございます。その手順といたしまして、当該年度の開始前に農林水産大臣が畜産振興審議会の意見を聞いて決定するということになっておりまして、本日、食肉部会に指定食肉についての諮問を申し上げたわけでございます。 その内容でございますが、まず種類が去勢和牛、その他の去勢牛、豚肉というのが対象になるわけでございますが、中心価格で申し上げますと、前年度に比べまして去勢和牛が二・一%の引き下げ、その他の去勢牛につきまして六・四%の引き下げ、豚肉につきましては一五・四%の引き下げということでございます。これにつきましては、飼料その他の生産費につきまして調査の結果相当の引き下げがあるということで、所定の計算方式に従いまして試算をしたものでございます。
○串原委員 これは大臣から答弁願いたいのでありますが、今お話のあったように豚肉は一五・四%下げる、和牛は二・一%下げる、去勢牛が六・四%下げる、こういうことですね。まさに予想外の値下げ諮問である、私はこう言わざるを得ないのであります。とりわけ、若干えさの値段が下がったにいたしましても、豚の場合一五・四%、これは大変なことだというふうに思うのであります。こんな急速な、飛行機で言うならば急降下、こんな値下げ諮問の価格は私はそうですかと言うわけにいかないんですよ。時間がありませんから端的に表現をいたしますが、こんな状態で価格を下げていくと、日本の畜産農家の経営というのは大変なことになる。ただでさえ畜産経営農家は苦しいのが多い。大臣、このままで、こんな格好で価格を下げていって畜産農家はやっていけると思いますか。とりわけ養豚農家の場合、重大な経営危機に陥るであろうと私は憂慮いたします。大臣、どう考えているのですか。
○加藤国務大臣 この数字を出すまでにはいろいろな経緯と経過があるわけでございますが、豚肉につきましては素畜費指数を五カ年の平均指数の傾向により平準化いたしまして、一応六十二年度限りの激変緩和措置を講じてこの数字が出たわけでございまして、相当配慮をいたした数字でございます。私は、内外ともに大変厳しい今日の情勢でございますが、我が国の養豚業者の皆さんが、こういう事態を踏まえ、思いを新たにして頑張っていただくことを心から期待しておるところでございます。
○串原委員 いま一点大臣に伺いたいのですが、きょうは食肉部会ですね。あすは酪農部会が開かれて酪農関係、乳価を諮問することになるわけでありますが、肉と乳は違うよとはいいますけれども、しかしこの大臣の姿勢だとすると、あしたもこれまた乳価の大幅値下げ諮問ということになる危険性を感じるのであります。あしたの乳価なんか、そんなに下げるということで諮問してはいけない。まさに急速な価格変動になるようなことはやってはいけない、こう思います。その姿勢を、前日であるけれども、きょう聞いておきたい。 それから、例の加工乳の限度数量について農業団体から強く要請を受けていらっしゃると思う。数字的には、ある農業団体は二百十四万トンという話があるわけでございますが、この限度数量もぜひ確保してやるべきであると思うのでありますが、大臣、いかがですか。
○加藤国務大臣 あすの諮問案につきましても、出てきた具体的数字そのものでいきますと相当大幅になるわけでございますので、私としたら激変緩和措置は講じながらやっていかなくてはならない。それから、特に限度数量問題について非常に御要望が強いわけでございます。そこら辺の問題ももろもろ考えながら諮問いたしたいと考えておるところでございます。
○串原委員 時間がないのでもうこれ以上やりとりできませんけれども、先ほどから申しますように、畜産行政については重大な段階に来ていますので、改めて大臣等との質疑をやらせていただく機会を持たせていただきますが、きょうは食肉、あしたは酪農ということで大事なときにありますから、農林水産省としてはせっかく汗を流していただきますように、腹を据えていただきますように要請をして終わることにいたします。
○玉沢委員長 辻一彦君。
○辻(一)委員 私は、引き続いて補助金カット法改正案の問題について二、三質疑したいと思います。 まず最初に、今大蔵、自治の方から聞きたいことについて答弁が幾つかありましたので、そういう点は時間の点からカットして進みたいと思いますが、その前に、去年の大蔵委員会における附帯決議について、今日の状況から合わせて大蔵省と自治省はどういうようにお考えになっていらっしゃるか、一応念のために伺っておきたいと思います。大蔵からお伺いします。
○斎藤(次)政府委員 お答えいたします。 六十二年度の公共事業予算につきましては、大変厳しい財政事情のもとで国費は抑制せざるを得ないという状況でございましたが、片方で円高が非常に急速に進展する等経済環境が激変しておりました。そういうことに適切に対応するために、所要の事業費増を確保することが重要な政策課題となったわけでございます。このために、財政投融資の活用とか民間活力の活用等できる限りの工夫を行ったわけでございますけれども、所要の事業費増を確保し、またその効果を全国にくまなく行き渡らせるためには補助・負担率の引き下げを行わざるを得なかったわけでございます。 補助・負担率の引き下げによる地方財政への影響については、地方財政の運営に支障が生じないように昨年を上回る手厚い措置を講じて、極力配意をするということにしたつもりでございます。何とぞ御理解をいただきたいというぐあいにお願いを申し上げます。
○小林(実)政府委員 今回の引き下げについての御質問でございますが、覚書あるいは昨年の予算を編成する当時におきましての事情を考えてみますと、大方の予測を上回る円高の進行がございまして、その後内需拡大を図る必要がある、こういう事情が出てきたということがあると思います。一方、国の方におきましては、一般歳出の総額を前年度同額以下に抑えなければいけないというような要請がございまして、その二つの要請の中で種々工夫を凝らして、その上でさらに緊急避難的に引き下げを行う、こういうことになったわけでございまして、やむを得ないと考えておるわけでございます。 自治省自身といたしましても大変苦慮いたしましたけれども、今までよりも手厚い財政措置が講じられておりまして、地方財政にとりましては実質的な負担増がほとんど生じない、こういうことになっておりますので、大蔵省と同意をしたということで御理解をいただきたいと思います。
○辻(一)委員 さきにも質問がありまして御答弁がありましたから再度は繰り返しませんが、それはカットして、今のような大蔵省、自治省の見解を一応前提にすると、確かにこの前行った附帯決議は、やはりこれ以上地方への補助金をカットすることに二つの歯どめをかけるという趣旨が附帯決議の中に流れておったと思うのですね。しかし、今のような解釈でいけば、これからも、来年だってまたやれないことはない。そう一遍に日本の経済状況が大きく変わるほど甘くはない。この難しさが続く限りまた同様な措置がとられるおそれがあるのではないか。この点からいうと、やはり附帯決議が示した内容は地方への補助カットをこの点で歯どめをかけようという意思が流れておるのですが、それに沿わない方向になると思うのです。この点についてもう一度お尋ねいたしたい。
○斎藤(次)政府委員 昨年の国会の附帯決議、私ども十分に承知しているわけでございまして、確かに国、地方間の財政関係に基本的に影響を及ぼすような補助金カットはするなという御趣旨は、現段階でもまだ生きておると考えております。 今回、補助率カットに伴う国費負担減少分を臨時財政特例債の発行でお願いしているわけですが、その元利償還について、不交付団体を除く交付団体については全額別途国が将来負担をするという措置を講じたのも、実はこの国会の附帯決議の趣旨に沿うようにということで考えたものでございまして、今後ともそういう国会の附帯決議の趣旨をよく念頭に置いていろいろなことに当たっていきたいというぐあいに考えております。
○小林(実)政府委員 六十一年度の引き下げに際しての覚書がございます。また、今回の引き下げに際しましては二年間の暫定措置である、こういうことで確認をいたしております。国会における御審議の経過あるいは覚書等、当然守るべきものであるというふうに考えておるところでございます。
○辻(一)委員 若干の地方財政の負担等を考慮した点はあるとは思いますが、それをもって附帯決議の趣旨に全面的に沿っているとは言いがたいですね。 そこで、今自治省が言われましたが、二年間の暫定措置であるというならば、来年はこういうことは絶対ないということは言えるのですか。もしこういうやり方が認められて解釈が広がっていくと、また来年もこういう問題が起こりかねない。しかし、今のお話では暫定二年である、こう言っていらっしゃるのですが、来年はもうないということははっきり言えますか。これは自治省と大蔵省に一遍お尋ねしたい。まず自治省から。
○小林(実)政府委員 私どもといたしましては、先ほどお答えしましたように確認をしておることでございますから、当然守られるべきものであるというふうに考えております。
○斎藤(次)政府委員 六十三年度の予算編成の内容にかかわる事柄でございまして、今後どのようなことが起きるかということは現段階ではなかなか見通しにくいということがございますので、はっきりしたことを申し上げるのは大変困難な御質問でございます。 ただ、補助率等の引き下げはもう三回にわたっていること、それから今のようないろいろな問題の御指摘をいただいていること、それから国会の附帯決議がちゃんとあること、こういうことを十分念頭に置いて対処していかなければならぬというぐあいに考えておるわけでございます。
○辻(一)委員 事務当局の御答弁ですから、決まったことをやられるという立場ですからそれ以上は今ここで求めても無理ですが、やはりこれは両省の政治責任者、担当大臣に聞かなくてはならない問題だと思います。昨年も大体似たような答弁があって、そしてまたことしこれが繰り返されている。こういう点からいうと今の答弁をもって安心はできない。その点を帰って担当大臣の方によくよく伝えていただきたいと思うのです。それから、自治省と大蔵省の見解はここの場においてもかなり食い違う感じがしますが、ここで事務当局にそれ以上お尋ねしてもいろいろ無理もあろうと思いますから、この件の見解の相違はまた機会を改めて伺いたいと思います。 第二として、きのう閣議に報告された地方財政白書がけさ報道されておりますが、それによると、自治省の地方財政白書は歳入五十七兆四千億、歳出五十六兆二千九百三十五億、そのうち公債費は一〇%を初めて超えて一〇・二%になった、財政硬直化の構造を印象づけたというように報道されております。この中で、地方債の発行残高が四十二兆七千億、地方交付税特別会計の借入金が五兆七千億、企業債のうち普通会計の負担する償還額が八兆八千億、合わすと実質借入金は五十七兆二千七百億になる。地方財政の借金は歳入総額五十七兆四千億とほぼ匹敵する金額になっている。こういうように報じられていますが、この大まかな数字で間違いないかどうか、自治省ちょっとお伺いします。
○小林(実)政府委員 六十年度の決算につきましての御指摘は、今お話があったとおりだと思います。
○辻(一)委員 そこでお尋ねしますが、この改正案は、補助率を引き下げることによって地方への補助金を減額して、その額を新たに補助事業に充当する、公共事業に充てる、こういうことによって公共事業の確保を図ることをねらいにしていると思われます。しかし、このままで進むと、地方財政のたび重なる補助率の引き下げによって、今数字が示したように地方債の残高あるいは公債費の比率がふえて、財政運営上の大きな負担になっていくのではないか、今後の公共事業を消化していくのにも支障を来すおそれはないか、この点を懸念いたします。これについて自治省としては地方自治団体の元締めとしてどう考えられるか、お伺いいたします。
○小林(実)政府委員 今回の国庫補助負担率の引き下げによります地方財政への影響につきましては、建設地方債の増発により補てんをすることにいたしておるわけでございます。投資的経費につきましてはそういう措置をすることにいたしておるわけでございます。この結果、地方団体の地方債依存度が高まりまして、その元利償還費が増大するということになるわけでございます。これは御指摘のとおりでございますが、これらの地方債の元利償還費につきましては地方交付税で財源措置をすることといたしております。先ほど申し上げましたように、カットに見合う分につきましては一〇〇%基準財政需要額に算入する、調整債と言っておるものにつきましては八〇%算入をするということにいたしておりますので、今回の地方債の増発によりまして、公共事業の実施や地方団体の財政運営に支障が生ずることはないというふうに考えておるわけでございます。 ただ、今までこういった措置が続いてきておりますので、地方債が増発されることによりまして地方財政の借金が増大することは事実でございます。この点に関しましては、特に今回のカットによります臨時財政特例債につきましては、従来は五〇%国が交付税特会に繰り入れるということでございましたが、それを後年度国の方で九〇%面倒を見る、こういうことを約束いたしております、来年度以降地方財政計画を作成するに当たりましては、これら地方債、臨時財政特例債あるいは調整債の元利償還費の全額を地方財政計画の歳出に計上いたしまして、既に約束をされました地方交付税の加算措置を考慮した上でなお総額が不足するというような場合には、所要の地方財源確保措置を講じてまいりたいと考えておりまして、私どもの責任において将来とも地方財政の運営に支障が生じないように措置するつもりでございますので、御理解を願いたいと思います。
○辻(一)委員 五〇%を九〇%まで高めたという面は事実でありますから理解をします。しかし、全体として地方財政は非常に窮屈になり、だんだんと困難になってきておる。これは一つの過去の例ですが、昭和五十年に国会に財政特例法が初めて提案された。私は当時参議院におって大蔵委員会におりましたが、二兆三千億の財政特例法、それが五、六年すれば五、六十兆円になるだろうという論議をしたことがありますけれども、五、六年で五、六十兆円は超えて、十年余りたった今百五十兆近い残高を持つようになってきた。 今この歴史に顧みて、大蔵の方は地方の財政はまだゆとりがあるから国の補助をカットしても、その分を地方が負担をふやしても何とかやっていけるという考え方がずっと続いておるように思いますが、こういう形で地方の補助金カット等々ずっといろいろ重ねながら、地方財政が赤字といいますか借金をだんだん背負ってきている。将来は、長い先を見ますと、国の財政におけるような不安が起こりかねないと私は思います。そういうものを起こさせないだけの確信があるというか歯どめができるかどうか、これは大蔵と自治両方から伺っておきたい。
○斎藤(次)政府委員 私ども、いわゆる地方財政富裕論というのをとっておるわけではございません。地方団体も非常に苦しいということはよく存じておるつもりでございます。また地方団体は三千三百の地方団体の固まりでございますので、その間に非常に財政力の格差があるということも承知しておるわけでございます。 ただ私どもが基本的に申し上げたいのは、マクロベースで見ますと、少なくとも総体として眺めた上では、例えば公債残高一つとりましても、先ほど先生がおっしゃいましたように地方は五十兆を超えたというところですが、国は百五十二兆、それから公債費、公債依存度、公債費の比率、いずれをとりましても国の方が総体として見ればより苦しい事情にあるという御理解はいただきたいというぐあいに考えておるわけでございます。繰り返すようでございますけれども、地方財政が楽であるとか富裕であるという認識は全く持っておりません。
○小林(実)政府委員 先ほど六十年度の決算におきまして借入金の総額の話がございましたが、その後の財政措置によりまして、六十二年度末におきましては地方債の現債高が四十七兆、それから公営企業関係の現債高のうち普通会計の方で負担すべきものの残高が十兆五千億、それから交付税特会における借入金の残高が六兆一千億ございまして、約六十四兆の借金が地方財政全体としてございます。それから個別の団体ではさらに状態が深刻でございまして、個々のレベルで見てみますと、公債費負担比率が二〇%を超すものが全体の三一%にもなる、こういうような状況でございまして、私どもといたしましては、この健全化のために、地方財政対策に当たりましては地方一般財源を確保してまいりたい、それに最大限の努力を払ってまいりたいと考えておるところでございます。それによりまして少しでも財政事情がよくなるように努めたいと思っております。
○辻(一)委員 地方は豊かであるというわけではないのですが、中央よりもよりゆとりがあるという考え方が大変大蔵に強いように思いましたから、あえて指摘をしました。 そこで農林大臣にお伺いしますが、今のような形で地方債や公債費の額がふえていく、そういうふうになると、県単独でやる政策、都道府県の行う単独の政策に充てる経費あるいは公共事業等々、特に農林水産関係、土地改良等々に充てる面で将来支障を来していく心配があると思うのですが、これらについて、地方財政がこういう形で圧迫をされていく中で農林水産施策を推進する上において支障はないというように考えますか、その点いかがでしょう。
○加藤国務大臣 農業基盤整備を初めとします農林水産関係公共事業につきましては、生産性の高い農業構造を確立する等の上から、その積極的な推進が重要な課題となっておるのは御存じのとおりでございます。今回の補助・負担率引き下げは、厳しい財政事情のもとで、国費は抑制しつつも所要の事業費増を確保するために実施するものでございまして、六十二年度事業費は、国費が対前年度九八・一%と削減される中で対前年度比一〇一・三%を確保しておるというところでざいます。こういうことで、すなわち補助・負担率の引き下げに伴う地方公共団体の事業費負担について建設地方債の発行対象とするとともに、先ほど来大蔵、自治が答弁いたしておりますように、その元利償還費については、地方交付税の算定を通じて適切な財政措置を講ずることとしておりますので、農林水産関係の公共事業の実施には支障を及ぼすことはないと認識いたしております。そして、今後とも農林水産関係公共事業の重要性にかんがみましてその積極的な推進を図りますとともに、所要の予算の確保に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○辻(一)委員 地方財政が困難になればいろいろな支障が出る懸念があろうとは思いますが、それはおいて、大臣にもう一度お尋ねしますが、今のようなやり方は、ゼロシーリングで天井を打っておるので、だから事業量を確保するにはどうするかということになると、補助率を下げてその下がった分を事業費の拡大に充てる、こういうやり方です。私はこういう行き方はほぼ限界に来ておると思うのです。もう歯どめをかけるべきじゃないか、こういう行き方については。こう思いますが、これについて大臣としてどうお考えになりますか。
○加藤国務大臣 これまでの補助・負担率の引き下げ措置によりまして補助・負担率の水準は低下しております。従来に比べて補助・負担率引き下げによる事業費拡大効果も小さくなっておることは事実でございます。今後の取り扱いにつきましては、財政事情を勘案しながら判断することになると考えますけれども、農林水産省といたしましては、補助・負担率は事業の円滑な執行の上からも極力安定的なものとなることが望ましいと考えております。 今回の補助金問題についてもいろいろ議論をいたしました。工期の短縮ということと補助率の引き下げとの問題等を含めましていろいろ議論し、先ほどお答え申し上げました生産性向上という観点等も考えての上でのことでございましたが、補助あるいは負担率は安定的なものが好ましいことは事実でございます。一方、今申し上げましたような工期の短縮あるいは早期完成ということとの関係についても相当な議論をいたしてきた結果でございます。
○辻(一)委員 担当大臣として支障を来すなんということは言えないと思いますが、例えば漁港にしても山の方にしても百分の七十五、それが三分の二になり、百分の六十になり、また百分の五十七になる、ずっと下がってきておるのですね。それによって減額された部分を確保してこの事業費の拡大に充てて何とかやっておる。しかしもう大体限界に来たのじゃないか。だから、これについてはやはり事業量を確保し、公共事業を進めていくには新しい政策への転換ということがもう必要な時期に来ておるのじゃないか。この点については十分考えて来年度については取り組んでいただきたい、これは要望しておきます。 次に、今回の暫定予算がこの三十、三十一日に論議をされますが、公共事業は大体七分の二ぐらいを計上するというふうに聞いております。この場合、漁港関係でいうと、北海道を初めとする北の地域は、海の気象条件からいって早期着工をやらないと後で予算が確保されても仕事が進まない、こういう点がありますが、暫定予算執行において傾斜配分を十分考えているか、考えているとすればどれぐらいの割合になるのか、この点について聞きたいと思います。
○佐竹政府委員 北海道、東北及び北陸のいわゆる積雪寒冷地域につきましては、先生今御指摘のございましたように、従来から海上が比較的平穏な第一・四半期に工事が着工できるように指導してまいっておるわけでございます。 暫定予算につきましては、現在作業中でございますので具体的な数字については申せませんけれども、適期施工の観点から、これらの地域につきましては、過去の実績をも勘案して傾斜配分いたしまして、事業の円滑な実施が行われるように配慮してまいりたいと考えております。なお、この場合に対象と考えており、ます地域につきましては、北海道、東北六県、それから北陸四県の十一道県を対象として考えておるわけでございます。
○辻(一)委員 大体それで考え方はわかりましたが、海は夏を過ぎて秋になると北の方は荒れますから、支障のないようにぜひひとつしっかりやってもらいたいと思います。 最後に、私も米の問題について一言大臣にお尋ねしたい。 それは、四月の中旬にリン農務長官、ヤイター通商代表が来る。その前に政府はいろいろな対応があろうと思いますが、国会で論議をする機会がどうも今の状態からいうとなかなか難しそうに思うので、この機会に五分間ほどお尋ねしたいと思います。 私は、米をめぐるアメリカ政府の動きについて、佐藤農相に六十年の六月、羽田農相に六十一年の二月と四月、加藤農相に六十一年、去年の十月ですが、三代の農相に対して、アメリカは今、日本に米の輸入を押しつけようとしている動きが非常に強くなっているがどう考えておるかということをお尋ねした。佐藤農相や羽田農相の時代は、前のブロック農務長官等は、日本へ行ったら米のことは言うなと農務省に言われているので、そういう理解で、米には手をつけぬという大体考え方だ。しかしリン農務長官になって、加州出身であるし、もう米は聖域にあらず、こういうことが新聞のインタビュー等にもどんどん出されていく、それを見てもアメリカの状況は非常に大きく変わってきていると思いますが、このような中でいよいよヤイター通商代表、リン農務長官が四月の中旬以降に来日をする、それに対して政府としては、過去の衆参両院における米需給の国会決議がありますが、これらを踏まえてどういうように対応しようとしておるのか。そしてまた、ガットの場に米問題をアメリカは出そうと精米業界の提訴以来言っておるわけでありますから、向こうが提訴を要求したときにこちらはこれに対してどう対応するのか、この二点について、ひとつ大臣の基本的なお考えを聞かしていただきたい。
○加藤国務大臣 私が改めて申し上げるまでもございませんが、米は日本国民の主食であり、我が国農業全体の基幹をなすものでありますとともに、水田稲作は国土、自然環境の保全や伝統的文化の形成とも深くかかわっております。このようなことから、我が国は米については国内自給を基本方針としており、また米の貿易制度は、ガット上容認された国家貿易制度であると考えております。我が国としましては、米は日本農業の基幹をなす最も重要な農産物であることから、今後とも国会における米の需給安定に関する決議等の趣旨を体し、米の国内自給という基本方針のもとに、米国側の理解をさらに深めるよう全力を傾注するとともに、今後の対処についても誤りなきを期してまいる所存でございます。 そして、ガット新ラウンド云々でございますが、我が国の米の問題をガット新ラウンドの場において取り上げたいという米国側の意向につきましては、我が国としては、ガット新ラウンドにおいて農業貿易に関する新たなルールづくり等に積極的に参加していく考えではありますが、交渉の具体的内容等につきましては今後多数国間で決定していく問題であると考えております。
○辻(一)委員 もう一、二お尋ねをしたいんですが、時間が来ましたからこれで終わりますが、アメリカから二人の代表が来る。日本の目玉に指を突っ込むようなやり方は絶対させないという決意でひとつ農林大臣頑張っていただきたい。このことを要望して質問を終わります。ありがとうございました。
○玉沢委員長 五十嵐広三君。
○五十嵐委員 最初に大臣にちょっとお伺いしたいと思うのでありますが、我が国の農業、殊に酪農、畜産なんかの場合は、欧米とは違って近代化にしっかり取り組み始めたのは割合最近のことであります。しかし、鋭意努力しながら北海道なんかも相当生産性を上げるところまでやってきたというふうには思うのですが、しかしそれは短期間に急激な設備投資、近代化の努力でありますから、同時にそれは大変な借金を一方では背負っている、こういうことであろうと思うのであります。こういう我が国の酪農、畜産等の経営の安定化ということを考える場合に、やはり何といったって長期的な政策展望というようなものが非常に大事でないかというふうに実は思うところなのであります。まさに最近の、特に内外の非常に厳しい環境の中で、いわば胸突き八丁のようなところに今差しかかっているわけでありますから、どうかそういう長期的な安定化への配慮というものを失わないでしっかり支えてもらわなくちゃいかぬ、こういうぐあいに思うのであります。したがいまして、今度のこの価格政策等も含めて、そういう長期的なしっかりした方針でこれを支えていくのだということについて、これはもう大臣も異論のないことであろうと思うので、基本的なそういう姿勢についてまずお伺いを申し上げたいと思うのです。
○加藤国務大臣 我が国の畜産は、農業総生産額の約三割を占める重要な部分となっております。特に酪農及び肉用牛生産は、国土の有効利用、農山村の振興を図る上で重要な役割を有しております。我が国の土地利用型農業の基軸として期待されておるところでございます。このため、長期的な観点に立って総合的な振興、合理化を図っていくことにしております。 こういう施策の推進に当たりましては、昨年十一月の農政審議会報告「二十一世紀へ向けての農政の基本方向」を踏まえまして、飼料基盤の拡充、飼養管理技術の向上、畜産新技術の活用等を推進しまして生産性の向上を図り、健全な畜産の発展に努めてまいりたい考えでございます。
○五十嵐委員 全中の調査によりますと、酪農、畜産農家の経営内容は、ほぼ六〇%の農家が経営不振農家とされているわけであります。これら農家は固定的な負債にあえいでいるというのが現状であろうと思うのであります。殊に北海道なんかの場合ですと、今申しましたように、規模拡大、設備近代化ということで大変な投資を行ってきているわけでありますから、それと同時に多額な負債がその経営を極めて圧迫しているということも御承知のことであろうと思うのであります。最近の円高による飼料価格の値下がりなどで、確かに一定の経営改善は得たということも言えるのでありますが、しかし、去年もことしもかなりの減産を一方では自主的にしていかなければならぬ。わずかに一息ついたとは言え、経営環境は極めてまだまだ厳しいものがあるというふうに思うのでありますが、そういう経営実態の現状認識というようなものについて、今申し上げたようなことと差はないかどうかという点。 時間がありませんからあと少し質問の内容を続けて述べておきたいと思うのです。 今度の加工原料乳保証乳価の算定に当たって、従前よく言われているのでありますが、家族労賃の評価についての問題であるとか、あるいは子牛価格であるとか、地代、資本利子等について検討すべき点はかなりあるのではないかというふうに思われるわけであります。これらについては十分に生産者の意見も尊重しながらひとつ決定に当たっていただきたい、こういうぐあいに思うところであります。あるいは乳脂肪率基準を現行の三・二から三・五%に引き上げたということでありますが、これらは当然保証乳価算定に重要な影響を与えるということになろうと思うのでありますが、これらについてのお考えも局長からでもお伺いできればと思います。 もとより円高のメリットだとか、あるいは生産性のメリットができるだけ消費者に還元をされるように努力をしていくことは私は大事なことだというふうに思います。しかし、その努力と同時に忘れてならないのは、さっき言いましたような胸突き八丁のところに差しかかっている生産者側に生産意欲を失わせないように、大変だけれども、しかし長期の展望を持ちながら何としても頑張っていくという気持ちを持ってもらう意味でも、一定の生産者へのメリットの還元というようなものは、私はやはり消費者だって国民全体だって理解をしていただけるところではないかというふうに思うわけであります。今年の畜産、酪農の政策価格の決定に当たりましても、ぜひ我が国の酪農、畜産の長期安定化という基本的な視座を欠落させないようにひとつお決めをいただきたい。端的に言えば、単に単年度の生産費要素だけではなくて、やはり長期の展望に立ってひとつぜひ御配慮をいただきたい、こういうぐあいに思っているところであります。 それから限度数量でありますが、依然として大量の乳製品が輸入を見ている。これは生乳換算でもよく言われておりますように、北海道での生産総体を上回るというような状況にあるわけであります。これでは国内の生産者が、一方でどんなに厳しい計画生産を進めても意味がないんじゃないかという抜け道のないような気持ちになるのも当然だと思うわけであります。国内の乳製品の需要そのものは拡大傾向で推移しているわけでありますが、限度数量は大幅にこれを下回っている。六十一年度で十二万トンの乖離が見込まれているのも御承知のとおりであります。限度数量の決定に当たっては、乳製品の国産シェアを拡大する、そこのところに視点をしっかり置いてぜひひとつ決めていただきたい、こう思うわけでありますが、どうでしょうか。 また、チーズ向けの原料乳を不足払い制度から外して、生乳生産拡大を図ろうとしている生産現場の実態といいますか、そういうものも十分に限度数量決定については御配慮していただきたいと思いますが、ぜひこの点につきましては大臣の誠意あるお答えをいただきたいと思います。 それから、最後に局長にちょっとお伺いしておきますが、一月ほど前に北海道農協酪農畜産対策本部は、中央酪農会議が決定した来年度の生乳供給計画について、チーズ部門を一般枠に織り込んで、しかも北海道に前年比一・五%の生乳減産配分をしたことについて大変に実は反発をして、これは承服できない、事実上割り当て拒否を表明して、かつてない重大な局面にあることは御承知のとおりであります。私どもが考えましても、確かに中央酪農会議の方針は、大幅な安値乳価を覚悟で、乳価は安くてもチーズをつくって需要を拡大しようという国産チーズ振興の基本理念にどうも逆行するのではないか、このように思われるわけであります。生乳生産の三分の一を占める北海道が、中央の生乳供給計画を承服できないとする事態は極めて異常で重大なものであるというふうに思うのでありますが、これにつきましてもこの機会に農水省の見解をお伺いしておきたいと思います。
○濱田説明員 まず最初にお話ございました全中の負債に関します調査の点でございますが、私どもの承知しておりますところによりますと、全中が六十年の十二月に農協からのアンケート調査で、対象の農協数千四百六十だと思いますが、乳用牛を中心に調査をしたものだというふうに承知しております。この調査結果によりますと、負債の状況につきましては幾つかの分類の仕方があるわけでございますが、先生のおっしゃったような状況になっていると思います。分類の仕方によりましてはあるいは率が変わってくることもあり得ると思います。私どもは畜産農家の負債問題に対しまして、特に酪農分について申し上げますと、五十六年度から五カ年計画で酪農経営負債整理資金制度を設けまして、毎年次償還不能なものにつきまして長期低利の資金に借りかえるということとともに、農協等の関係機関によりまして濃密な経営指導を行うということでやってきております。その結果経営の改善が見られまして、相当な効果を上げてきているのではないかというふうに考えているわけでございます。 また、肉用牛についても触れさせていただきますと、六十年度から三カ年計画で肉用牛経営合理化資金制度というものを設けまして、毎年次の償還不能なものにつきまして、同じく長期低利の資金に借りかえを行っているというようなことでやっているわけでございます。 現在畜産経営は非常に規模が大きくなりまして、取り扱う資金量も多額になっております。このような畜産経営の一部におきましては、いわゆる固定化負債問題が発生するということがございますが、基本的には生産技術の未熟というような点、あるいは資金管理等や財務管理の面等に問題があるようなこともあるのではないかというふうに考えられております。したがいまして、今後は農業改良普及員、農協の営農指導員等の関係者が一体となりまして、営農指導や経営管理指導のもとで経営の合理化を図っていくことが必要なのではないかというふうに長期的に考えている次第でございます。 それから、加工原料乳の保証価格等につきまして貴重な御意見を賜ったわけでございます。加工原料乳の保証価格につきましては、生産者団体等からも、乳脂肪率基準を現行の三・二%から三・五%に変更してほしい、あるいはその激変緩和、生産性向上分の農家還元の措置を講じてほしいというような声があることは伺っておるわけでございます。いずれにいたしましても、先ほども申し上げたわけでございますが、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づきまして、生乳の生産条件や需給事情、内外の経済情勢、畜産経営の状況等各種の要素を総合的に考慮いたしまして、明日二十六日に開催されます畜産振興審議会酪農部会の御意見を伺いまして適正に決定してまいることとしておるわけでございます。 それから限度数量についてもお話があったわけでございますが、生産者みずからが生産調整を実施されまして、またチーズ向け原料乳の生産拡大に努力されておりますことは十分承知しておりまして、畜産局といたしましても、これらに対します助成指導を行っているわけでございますが、これにつきましても、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法に基づきまして生乳の生産条件や需給事情、内外の経済情勢、畜産経営の状況等の各種の要素を総合的に考慮いたしまして、明日の審議会酪農部会に御意見を伺いまして適正に決定をしてまいるということになっておるわけでございます。なお限度数量の配分に当たりましては、従来から主要な加工原料乳地帯の特性に意を用いまして配分を行っているということをつけ加えさせていただきます。 それから北海道のチーズの増産に絡みますいろんな動きがあるわけでございますが、中央酪農会議は先般、各県指定団体の合意のもとに六十二年度の生産計画につきまして、現在の牛乳、乳製品の需給動向、生産需給の緩和傾向を考慮いたしまして、引き続き減産することを決めておるわけでございます。この六十二年度の計画におきましては、チーズの増産分につきましてはプラスアルファという形で置かれておりまして、四月以降の生産者と乳業メーカーとの交渉によって、今後積み上げられるものにつきましては別枠として認めるという形になっている次第でございます。畜産局といたしましても、北海道の生産者の方々の御努力が実を結びまして国産ナチュラルチーズの生産振興が図られるよう、百七十億円のこのための基金を造成いたしまして、これに対しまして援助しようとしているところでございます。 それから乳製品の輸入につきましてお話があったわけでございますが、乳製品の輸入につきましては、国内の需給等に十分留意しながら基本的には次のような方向で対処しております。つまり畜産振興事業団の一元輸入の対象となっておりますバター、脱粉等につきましては、これは極力抑制しております。それから内外価格差が極めて大きいことから国内で経済的に生産しがたい飼料用脱粉あるいは沖縄向けのバター等につきましては、輸入割り当て制度の適切な運営によりまして必要最小限度の輸入にとどめておる。それから調製食用油脂につきましては、これは輸出国側と話し合いをいたしまして、事前確認制によります輸出の自主規制を行っておりますし、ココア調製品につきましては、関係業界団体等に対する指導によりまして必要なことをやっております。 以上のようなことで諸般のことをやっておりますことを申し上げさせていただきます。長々と失礼いたしました。
○五十嵐委員 もう時間ですからあれですが、恐縮ですが一言、大臣。 さっき質問したのは、今のような個々について御答弁というよりは全体を通じての流れで、今度の価格だとかあるいは限度数量についての陳情を御質問ということで申し上げたようなつもりなんでありますが、ここで一言、恐縮ですが、委員長、大臣からちょっと御答弁をいただいて終えたいと思います。
○加藤国務大臣 価格決定につきましては、先ほど先生から御指摘がありましたような家族労働費とか素畜費とかいろいろな要素があります。これらを冷静に見ながら、しかしまた安定経営ということ、あるいはまた需給関係あるいは内外価格差、いろいろな問題を考えながら、各界各方面の意見を十二分に承っていきたいということを昨日も申し上げましたが、きょうこの席をかりまして改めて申させていただく次第でございます。
○五十嵐委員 どうもありがとうございました。
○玉沢委員長 新盛辰雄君。
○新盛委員 森林法の一部を改正する等の法律案に関連をいたしまして漁港関係、さらに最近の危機的状況の漁業問題について御質問をいたします。 まず今回のこの法案のことでございますが、補助率引き下げ措置によりまして幾らの国費の削減があって、またそれによる事業費の拡大は幾らになるのか。これまで三回の補助率引き下げで合計の削減額は一体幾らになっているのか、これからの第七次計画の進捗にどのような影響が出るのかお聞きします。
○佐竹政府委員 六十年度以降、六十、六十一、六十二と補助率の引き下げ措置を講じられたわけでございますが、これによります事業費拡大額は、今回の引き下げ措置を含めまして累計で約五百十四億円に達しております。これを第七次漁港整備長期計画の事業費、一兆八千五百億円でございますが、これに対比いたしますと約二・八%に相当するわけでございまして、この分だけ事業促進に役立ったのではないかと考えているわけでございます。 〔委員長退席、保利委員長代理着席〕
○新盛委員 再度の引き下げだとか、あるいは地方財政対策だとか地方と都市との社会資本の格差の問題など、この補助金カットには非常に問題があるのですが、これまで同僚議員の方から質問がありましたでしょうから、今後の問題として、我々は社会資本充実の面でも非常に遺憾であると思っています。 最近、指定業種の許可、いわゆる一斉更新の時期に来ております。本年八月に五年に一度の指定漁業、五種類くらいあるのでしょうが、この一斉更新が行われる許認可予定隻数、これが公示されるというふうに聞いているのですけれども、この更新に当たっての基本的な政府の態度はどういうことかお聞かせをいただきたい。
○佐竹政府委員 本年八月には沖合底びき網漁業、以西底びき網漁業、大中型まき網漁業、遠洋カツオ・マグロ漁業、近海カツオ・マグロ漁業の五業種につきまして、いわゆる許可の一斉更新が行われることになっているわけでございます。この一斉更新に当たっての方針につきましては、現在中央漁業審議会に小委員会を設けて御検討いただいているところでございます。私どもといたしましては、これら五業種につきましては、いずれも漁場競合の激化等による漁船の操業条件の悪化、それから魚価の伸び悩み等により経営環境が毎年非常に厳しさを増しているというふうに判断しております。一方、これらの水産資源の状態につきましては、その保護育成上楽観を許せない状態にあるというふうに認識しているわけでございます。 そこで、今回の一斉更新に当たりましては、このような状況を踏まえまして資源保護、漁業経営の安定を図る、そういうような観点から、第一に漁獲努力量の抑制、第二に漁業経営の合理化、第三に資源、漁場等の管理の充実、第四に漁業モラルの確立、こういうことを基本的な課題といたしましてこれらにこたえるようにしてまいりたい、かように考えているわけでございます。
○新盛委員 基本的な方向としては大筋で一応了解をいたしますが、個々の漁業の実態に照らし合わせますと、必ずしも基本方針どおりいってない部面があります。例えば国際的な漁業の場合、資源管理など条約等によって行われている場合に、果たして日本が漁獲努力量の抑制ということの意味があるのかないのか、こういうことになってくるのじゃないか。日豪協定あるいは日米協定、これは漁業協定ですが、数量、入漁料、隻数が決まっているわけですね。それを抑制をするというのは意味があるのですか。
○佐竹政府委員 確かに操業をしている国というのは必ずしも協定に参加していない場合があるわけでございまして、例えば北太平洋におけるサケ・マス漁業における韓国あるいは台湾の問題、それから最近特に急増しておりますマグロ等でトルコ等、これはいわゆるICCATに加盟していないわけでございます。その点では今先生の御指摘のような御懸念はあろうかと思うわけでございますけれども、私どもは国際漁業の中でも特に世界第一の漁業国であるわけでございますし、多少減少はしておりますけれども、遠洋漁業で二百万トンからの漁獲を上げているわけでございますので、私どもがいわば先頭に立って、国際会議等の場を通じまして、実績国として私どもそれなりの蓄積も持っているわけでございますので、それらを開陳しながら、資源管理に努力するということをやってまいりたい。そのプロセスで未加入国等の加入を勧誘してまいりたい、こういうことを基調にこの問題に取り組んでいきたいと思うわけでございます。 確かに、国際協定あるいは二国間協定等を結んでいない国が漁獲努力を強化いたしますと一見無意味なように見えることはそのとおりでございます。それだからといって私どもが先頭に立ってこれをやれば、世界的に資源が枯渇することは目に見えているわけでございますので、今申し上げましたようなことで対応してまいりたいと考えているわけでございます。
○新盛委員 長い間水産庁が行ってきました許可行政あるいは漁業者の実態、漁協などの金融機関に及ぼす影響などを十分に踏まえて適切にやってもらわなければなりませんし、また責任を持って対処していただきたい、この意味はおわかりだと思うのです。それは申し上げるまでもないのですが、漁権ですね。これは一トン当たり八十万円とかなんとか言っておるのですが、それを担保にして船をつくるとかいろいろなのがあります。それで、抑制を三百日を二百日にするとか、あるいは操業の実績がない場合に船主が減船交付金を節税するとか、いろいろな問題がありますが、この許可の権利ですね。こうしたことについてはひとつ十分に責任を持って現場の実態を明確にしながら、またその実情に合わせて十分にやっていただきたい。これはお答えがあればお答えください。
○佐竹政府委員 これはよかれあしかれ、とにかくトン当たり幾らということで流通している実態があるわけでございます。そのことの是非についてはその制度のあり方の問題としていろいろ議論があろうかと思いますが、漁業者の方々がそれを前提に経営をされていることは事実でございますので、今回の一斉更新に当たりましても、私ども基本的には漁獲努力量抑制、許可の隻数を抑制していくという方向を考えておるわけでございますが、それを実施に移す場合には無理が出ないように、大変漁業情勢も経営環境も厳しい折でございますので、業界代表の方々に入っていただきました中央漁業審議会で十分議論を尽くすことはもとよりでございますが、さらに各問題の業界で個別に業者の方々のヒアリング等も実施いたしまして、急激な変化によって経営が困難になるようなことのないように十分注意して一斉更新を行うようにいたしたいと考えております。
○新盛委員 次に、カツオ・マグロ漁業について魚価の問題なんですが、御承知のように、例えば太平洋のメバチ、浜値はもう既に四十キロ上で一千円を切っております。昨年暮れには千三百円まで上がったことがある。こうして変動が非常に激しいのですが、油の値段、これは原油価格が一バレル十四ドルか十五ドルであったのですけれども、十八ドルに固定しそうなOPECの動きもあるのですが、内地のA重油はキロリットル当たり二万六千円、これが六千五百円ぐらい上がるのじゃないかというように見込まれているのですけれども、こういう状況から魚価安、燃油高の再来ではないかということで、業界は非常に騒いでいるわけです。 この魚価形成の要因は供給量、それから在庫さらには消費量ということになるわけですが、この在庫の把握というのは正確に水産庁、握っているのですか。これはこれからの問題なんですが、四万トンだとか五万トンだとかあるいはそれ以上なのか実態がつかめていないわけですね。魚価は在庫がふえれば安くなるのは当たり前です。だからマグロの価格について、今のところ安値で一向に変動がないというのは一体どういうことなのか、在庫は一体どうなっているのですか。
○佐竹政府委員 かつて、先生もよく御承知のように魚転がしが問題になりまして、在庫の把握がどうも行政として不十分である一こういう御指摘も受けまして、現在、まず統計情報部作成の水産物流通統計の中で在庫を把握しているわけでございます。これは月別に集計いたしまして、産地五十市町村、消費地十四都市を対象にして、カバレージは大体六割ぐらいというふうに見ておるわけでございます。ただ、これは営業冷蔵庫が対象でございまして、自家冷蔵庫が対象になっていないというような批判もございますので、水産庁が独自に冷凍水産物の需給価格見通しを作成するために、冷凍水産物在庫実態調査を行っているわけでございます。これも月別に集計いたしまして、特にこれは指定統計にはなっておりませんで、業界の協力のもとにやっているわけでございますが、大手十七社でございまして、カバレージは大体二割程度となっております。ただ、これは価格動向に大きな影響を与えます大手八社の在庫は的確に把握しているつもりでございます。 このような在庫の把握にあわせまして、私ども冷凍水産物需給検討会というのを開きまして、消費者代表あるいは小売代表、さまざまな立場の方々にお集まりいただきまして、最近の、マグロを初めとする主要な魚介類の需給動向についていろいろ情報を収集しまして、かつてのようなおかしな現象の出ないようにそれなりに努力しているつもりでございますが、さらに今後も努力してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○新盛委員 これはいろいろな問題もあるのでしょうが、冷凍マグロの八割を押さえている一般買い業者、この量は調査しておられますか、実態を把握しておられますか。
○佐竹政府委員 直接の取引の一般買いでどの程度買い付けたとかいうようなことを私ども直接にチェックはしておりませんけれども、その結果として形成される在庫量につきましてはつかんでおります。
○新盛委員 幾ら。
○佐竹政府委員 これは、実は先ほど申し上げましたように協力していただいて出していくわけでございますので各社別にはつかんでおりませんけれども、八社合計で、在庫量六十一年十二月末で約一万三千トン弱、こういうことになっておりまして、全国の当時の在庫量の推定約二割弱、こういうことになっております。
○新盛委員 公取の方、来ていらっしゃいますか。――この船買い業者の最大手と言われている三菱商事関係の東洋冷蔵、冷凍マグロの五割を押さえているというのですが、これは価格操作が十分にできるわけで、そのツケが結局生産者や消費者に回ってくるわけです。この一般買いそのものは、漁業者側の要請もあって定着しているかに見えますので余り否定もできませんが、一企業が五〇%も扱って価格操作の可能性がないというのは不思議なんですね。公取としては冷凍水産物の流通実態について、かつてカツオ・マグロの一般買い問題で御調査された経緯がありますが、今回のこういう一般買い業者がどういうふうな内容でどういう数量でやっているか、実態をつかんでおられますか。
○小峰説明員 ただいま先生御指摘になられましたように、公正取引委員会で五十五年に冷凍水産物の流通実態についての調査を公表しておりますが、これは流通問題全般に対する取り組みの一環といたしまして、当時その輸入量が非常にふえているとか、冷凍食品化が非常に進んでいるというような実態に即しまして調査を行ったものでございます。その後は特にこれに類した調査を継続的に行っているということはございませんが、独禁法上の問題があるというような具体的な情報に接しましたら、当然必要な対応はとっていくつもりでございます。
○新盛委員 対処していただくのでしょうけれども、こういう状況が生産者や消費者の方に非常に影響があるのですから、これは実態が発生したらじゃなくて、実態は発生しているのですから、すぐひとつ取り扱いを明確にして調査に入っていただきたいと思うのです。いいですね。 それで最近、輸入マグロ類は円高の影響もあって急激にふえているのです。六十年度で二十八万九千トン、六十一年度で三十二万二千トン、しかも韓国、台湾、パナマ、これらのところから入っているのです。韓国とは日韓漁業協定その他いろいろな問題がありますが、これからも課題があるのですけれども、大臣、運搬船で搬入するものですから、これは輸入といったって日本の国内の生産業者にとってはなかなか大変でして、運搬船を使うものをなぜこの対象にして交渉に乗せないのか、そうしたことについて政府の考えを聞いておきたいと思うのですが、どうでしょう。
○佐竹政府委員 五十一年以降、特に韓国につきましては、水産庁の実務者レベルで年四回需給協議会を開催いたしまして、四半期ごとの刺身用韓国マグロの対日輸出の自主規制の上限を決めていることは御案内のとおりでございますが、当時におきましては、大体運搬船による搬入量というのは全体の輸入量の二割ぐらいで、非常にネグリジブルであったというふうに承知しております。ところが最近、確かに御指摘のように、我が国も同様でございますが、運搬船による搬入が非常に増大いたしまして、ほぼフィフティー・フィフティー、一般独航船による搬入量と五分五分の状況になってまいっているわけでございます。 そこで、まず我が国におきましても、昨年十月より運搬船による搬入について従来より規制を強化いたしました。従来年間二回、総枠で三万トンというようなことだったわけでございますが、今後は年間一回、それも各船ごとに百五十トンという上限を決めたような措置を講じたわけでございます。それなりの成果は今までのところ上がっているように見ておるわけでありますが、私どももやっていることでございますから当然韓国もやってもらうべきであるということを基調にいたしまして、実務者協議のたびに強く申し入れるところでございます。現在のところ上限目標を決めるというところまでは来ておらないわけでございますけれども、韓国も日本の刺身市場の価格を適正に維持するという観点からそのようにしていることについてはそれなりに理解を示し、協力をする姿勢はございます。できればもう少しきちっとした形にしていきたい、かように考えております。
○新盛委員 ぜひお願いをしておきます。 最近イタリア、トルコなどから生鮮マグロの輸入も続いていますね。これはICCAT、例の大西洋マグロ類保存国際委員会、てれに加盟していないです。こんなのがどんどん日本の商社を通じて輸入されている。資源上の問題もあるし、日本としても対処しなければならない問題がありますね。 それと関連をして、最近三月二十三日ごろに新聞に出ましたが、「日本産なのに米国産と偽りサケ〝逆輸出〟、暴利 値段は三倍以上」というのがあったり、パプアニューギニアとの協定が三月十日付で破棄され、後で捕鯨の問題でも申し上げますが、ありとあらゆる面でどうも押されっ放し。入漁料の面では米国並みに引き上げろというふうにパプアニューギニアの場合には言っておるし、あるいは無償援助、日本の方から円借款でODA予算の中でやっているのですね。全体から見ますと生産者、漁業者にとっては非常に屈辱ですよ、ある意味では。今後の漁業外交、こうした面ではひとつ積極的に御努力をいただきたいと思うのです。もう時間があとわずかですから、あとの問題もございますのでそれはお答えは要りませんが、今後の問題としてぜひこの交渉の面の実を上げるようにしてください。 ところで、それこそ「屈辱と憤りの南極捕鯨禁止」、三月二十四日朝日新聞の「論壇」に投稿された香川県の捕鯨船乗組員の方の論文が載っています。血を吐くような叫びですね。捕鯨船の乗務員である松田さんのおっしゃるとおり、今回のIWCにおける取り扱いというのは、まさしく日本の鯨肉嗜好に対して、動物愛護という一面があるにしても、これは非常に遺憾であると思うのですが、この商業捕鯨は最後の漁期も終わりまして四月には日本に帰ってくるわけですね。内容はもう省略しますが、日本が捕鯨を続けるならマグナソン法を発動して対日漁獲割り当てを一年目に半分にするとかあるいは翌年度はゼロにするとか、こういっておどかされまして、そして日本の方はどちらをとるかというので捕鯨の方をとってしまったのです。結局商業捕鯨は禁止しましょうと約束をして、最後の船が昨年出たわけです。これが四月に帰ってくるわけです。 ところが、今度は日本政府は、スケトウダラ、こういう底魚、これをとっていたベーリング海、御承知の日米の漁業交渉でまさに大変な仕打ちを受けたわけですよ。御存じでしょう。それこそ割り当てが一九八四年では百十六万トン、八五年は九十万トン、年々下がりますけれども、八六年には四十七万五千トン、ことし八七年は二万五千トンですよ。もう来年はゼロですよ。いわゆる約束事であったものが、国際間の信義と信頼によって話をして、では私どもは捕鯨を一応やめましょう、しかし、一九九〇年に再度調査船を初めとする商業捕鯨の再開を我々は期待しているんだが、一方のアメリカの方はこんなふうにして、結局ベーリング海二百海里規制ということでぴしゃっと線を引かれたのではどうすることもできないですよね。一体国際信義上どういうことなのか。 外務省にもお答えいただきますが、同時に大臣、捕鯨が禁止されますと離職者が出るのですよ。この間テレビで捕鯨の方のドキュメントを出しておられましたが、まさしく我々も安閑としておれないですね。一体どうしてくれますか。
○野上説明員 御指摘のような我が国漁業関係者の置かれております厳しい状況につきましては、外務省といたしましてもこれを深刻に受けとめておりまして、引き続き粘り強い外交努力によりまして漁業生産活動の確保に最大限努めてまいりたいと考えておるわけでございます。 この日米間の底魚の割り当てにつきまして、我が国といたしましては機会あるごとにアメリカ側に対しまして、この二、三年の締め出しが余りにも急激過ぎて日本の漁業者の対応がついていけないという事情をよく説明いたし、理解させることに努力しております。また、これまで我が国といたしましてアメリカの漁業振興に果たしてまいりました協力の実績等にもかんがみまして、今後とも相当量の対日漁獲割り当てを行うよう要求の努力を続けていく所存でございます。
○新盛委員 IWCのモラトリアムの決定というのは何らの正当な科学的根拠もないのですから、やはり外務省が日本を代表して積極的な交渉をしてもらわなければ局面の打開はできませんよ。一方的に、今まで参加もしてない国々、鯨には縁のない国々を呼び集めて数をそろえて、そして数の暴力でもって押し切ったのでしょう。それを黙って日本の一動物愛護者が牛を食うのに、鯨を食うのがなぜ悪いのかという話などすると外国では大問題になるそうだけれども、こうした面の外交手段、今おっしゃったようなやり方では局面の打開はできませんよ。これは一九九〇年再開に向かっていわゆる調査捕鯨その他をやるわけでございますが、農林水産省の所轄大臣としても放置できない問題ですよ。ベーリング海の方は全部ゼロですよ。これから日ソ交渉でまたゼロ、ニューギニアの方も協定破棄、こういうことがこれからどんどん来ますと、一体日本の漁業はこれで立っていくだろうか、こうなるのですが、大臣、所見を伺いたい。
○加藤国務大臣 まず第一の鯨類の関係でございますが、我が国は国際捕鯨委員会、いわゆるIWCが一九八二年に決定したモラトリアムは科学的根拠に基づかない不当なものであり、早急に見直さるべきであると考えております。 そこで、政府としましては、このIWCにおけるモラトリアム決定の見直しのための一環といたしまして調査捕鯨を実施することとし、本年のIWCに調査計画を提出する予定でございます。また、この調査の実施に必要な財政措置を講ずることといたしております。さらに我が国の沿岸小型捕鯨の一部につきましても、アラスカエスキモー等に認められている原住民生存捕鯨と同様の性格を有していると考えておりますので、生存捕鯨として認められるよう要求することとしております。そしてまた世界的に二百海里体制が定着していく中で、いろいろ漁業交渉をめぐる情勢は極めて厳しくなっております。したがって、我が国の遠洋漁業等の置かれている立場は今後ますます厳しくなるものと想像されますが、漁業従事者のみならず水産加工業者等多くの関係者がこれに依存し生計を立てておる、そしてまた地域経済にも大きなウエートを占めておるということ等考えまして、今後とも相手国の実情に応じた漁業交渉の展開と、海外漁業協力の推進等を通じまして我が国漁船の操業の継続に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○新盛委員 全力を挙げて外交交渉の実を上げていただきたいと思うのです。 それで、具体的に我が国では一体どうすればいいかということで提案をしているわけでありますが、国会の中でも、一時は与党の自民党の議員を交えまして本邦漁業者の漁業生産活動の確保法案、表題はこういうことになっていますが、一般的に水産対抗法、こういうのを準備をしました。ところが外務省の方がどうも円高、貿易摩擦その他の関係、二百海里の諸問題もあって、残念ながら与党の方でも議員立法としておつくりになっておってそれを引っ込められた。どういうわけだったのですか。どうも我々まだ期待が持てるのですけれども、やむを得ず社公民共共同提案の議員立法として今回第百八国会再開冒頭、十二月二十九日に提出をいたしました。まだ本会議がございませんで、提案理由を本会議でやらなければいけないのです。 そこで、捕鯨をやめるということを含めて、対日割り当てはゼロになろうとしている、またベーリング海その他、どういう数量になったかということなどを外務省はこれまでいろいろと御検討されて、これはただ見ないふりしておられたわけじゃないのでしょうが、外務省が何か二百海里はもっと話し合いを進めればうまくいくだろう、捕鯨もうまくいくだろう、あるいは日ソも日米も、各南太平洋フォーラム諸国も含めて何とかうまくいくだろうという甘い見通しがあったからついにこんなにもう八方がんじがらめ、四面楚歌、こういう状態になったのだと思うのですよ。対抗法案があれば向こうもそんなに強くは出てこなかったと思うのですが、これは外務省として少しは責任を感じてもらわなければいけませんね。ひとつお答えをいただきたい。 そしてまたスチーブンス法案(流し網規制法案)、これもアメリカでは動きがありますが、イシイルカの問題。こういうので調査捕鯨、生存捕鯨の存続を考えていく場合、これはすべてリンクしていかなければいけませんが、与党の皆さんも現状打開のためには前向きに御検討いただいていいのじゃないか。内容についてはそんなに大きな隔たりがあるわけじゃないのですから、日本の水産を守ろうというのですから、そういう面で、私どもが議員立法で出した内容は自民党さんが最初つくられた議員立法の案と全く同じですよ。障害になっている障壁は何かと言えば外交手段の問題だけでしょう。それで大臣は個人的に物を言っていいのか、また外向けに言うと大変ハレーションが大きくなるから内心お答えができる場面ではないと思いますけれども、与党の方の関係もあるのですが、ここでは強いて言うなら個人的にこの対抗法案についてあなたのお考えはどうですか。それと、外務省もこの経緯についてぜひひとつお聞かせをいただきたいと思うのであります。
○加藤国務大臣 衆法第一号、本邦漁業者の漁業生産活動の確保に関する法律案、この案につきましては、漁業交渉に及ぼす影響のほか、ガットとの関連での相手国の報復可能性等を勘案いたしまして総合的に判断すべきであり、慎重な対応が必要だと考えております。また、対米漁業外交上発生する諸問題につきましては、それぞれごとに粘り強くきめ細かい対応を図っていくことが適当であると考えておるところでございます。
○野上説明員 ただいまお話しの法案の内容につきましては、私どもも十分検討させていただきました。新海洋法条約のもとで認められております各国の漁業管轄権の行使に対して貿易上の措置で対抗するという大変難しい問題がございまして、法案に規定されているような措置が発動されますと、ガットその他国際条約、国際約束の違反となることは避けがたいと考えられますので、かような立法は回避する必要があるというのが私どもの考え方でございます。 さらにまた、従来から米国等の類似の動きに対しまして強く反対してまいりました我が国の立場を弱めるという問題もございます。また、我が国の方から輸入制限に発展しかねない立法をするということは、貿易問題をめぐりまして対日本満の強いアメリカの議会の感情的な反発を招いて保護主義的な動きを助長しかねないという心配もございます。そうしたことから、この問題は漁業分野にとどまらず我が国の対外関係におきましていろいろと不利益をもたらすおそれがあるというふうに考えますので、こういった点を総合的に考慮いたしまして本件は慎重に対応する必要があると考えております。
○新盛委員 もう時間が来ましたが、当農林水産委員会で、かつては農畜水産物輸入自由化・枠拡大に反対する決議を与野党満場一致で決議したことがあります。それによってアメリカ側の対応も随分変化してきたと思われる節もあるのですよ。今日のこの枠拡大を初めとする自由化攻勢、米の問題等ございますけれども、そうした面では国益を守るために私どもはこういう決議をしたのです。 それで、今外務省がおっしゃるように、それは国際規制の中における漁業というのはなかなか難しい面がある、そして貿易戦争と言われている今日の状況では、いささか保護主義的な問題として相手側をさらに強く刺激するのではないか。アメリカ側だって保護主義で固まっているわけですから、そういう面で、これは農畜産物あるいは水産も入っているんですよ。輸入自由化、枠拡大という面では我々は絶対反対していく。阻止をしなければ日本の農業や漁業を守ることはできない、その観点に立っているのですから、それは大臣も同じでしょう。だから、具体的に行動を国会が起こさなければ、それこそ日本の漁業は壊滅的打撃を受ける、水産庁の存在価値なし、こうなるわけですよ。そうならないように、日本の漁業を守るために我々は全力を挙げる、これは国会がなすべき仕事ですよ、政治ですよ、政策ですよ。だから、今外務省にあんなに鼻面をけられてしまうと、我々四野党そろっての共同提案ですから、もちろんこれから審議しますよ。だけれども、初めからそんなふうに水を差すようなことを言ってもらったのでは困るんですよ。大臣、もう一回しっかりお答えいただいて終わります。
○加藤国務大臣 先ほどお答え申し上げましたように、慎重に対処していただきたいというところでございます。
○新盛委員 それじゃまたやりましょう。終わります。
○保利委員長代理 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十二分休憩 ――――◇――――― 午後一時三分開議
○玉沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。藤原房雄君。
○藤原(房)委員 森林法等の一部改正に関しまして若干の質問を申し上げる次第でございますが、同僚委員からもお話ございましたが、畜産物価格等の決定を眼前にいたしております時節柄でもございます。本日は法案審議ということでございますから、それに限るべきかもしれませんが、若干のお話を申し上げたいと思います。 昨今の農産物をめぐります諸情勢が非常に厳しいことにつきましては、私がいろいろ申し上げるまでもないことだろうと思うのでありますが、特に、国内だけのことではございませんで、諸外国からのいろいろな要請もございます。また、円の急騰といいますか円高、こういうこともございまして、非常に複雑な問題が絡み合っておりますので、これは難しい判断を要することだろうと思うわけであります。しかしながら、畜産物価格の中で、過日の諮問等を見ましても、飼料価格等につきましては値下がりしているのは事実でございまして、そういうことからいいますと、下げの方に働く要因の大きいことも否めない事実だろうと思います。 一方では、今日までも議論されてまいりましたように、現状で推移いたしますと、日本農業は壊滅的な打撃を受けることになるのではないか、こういうことも非常に憂慮されておるわけであります。何といいましても、他産業と農業との大きな相違は、年に一度の収穫期、それからまた生き物を扱うということでは他産業とは違って年次の要ることでありますし、計画的にこれを進めなければならないという大きな要因があろうかと思います。確かに世界的な需給の緩和という方向にあり、また円高が大幅に進みつつあるという現状の中では、国内的な対応だけではなくて、国際的な観点についても目を向けねばならないのは当然のことだろうと思います。 本来ならば何年間かの、長期といいますか中期といいますか、少なくとも農家経済というものを見るならば、数年の見通しということの中でこういう努力をすべきだということで、価格政策もある程度の年次を置いて見なければならない。その二年、三年の努力の中でそういうものを吸収する、農家経営もそういう努力をしなければならないだろうと思います。しかし、政府が決めます保証価格等につきましては一年ごとということでありますが、時代の推移ということについては農民も非常に敏感にキャッチをいたしております。ただし、それがすぐ生産の中で実行できることとある程度時間のかかることとがあって、やはりそのギャップを埋めることは非常に難しい。こういうことから、私は、この畜産物価格の決定に当たりましては、そういう複雑ないろいろな要因がございますけれども、ひとつ慎重に取り計らっていただきたいということと、今一生懸命努力なさっていらっしゃる農家の方々が再生産のできないようなことでは未来に希望を失い、後継者がついてこないような農業であってはならないのではないか、こういうことを非常に危惧をいたすわけでございます。このたびの農産物の価格決定に当たりましても、全中等では非常に慎重な、再生産が図られるような適正な価格の決定を、こういう表現をいたしておりますが、それはそこらのところを物語っているのではないかと思います。 さらにまた、長い目で見ますと、三十年代、四十年代、高度成長に伴いまして多頭化飼育、そしてまた規模拡大ということで、若い産業でございますこの畜産、特に酪農等につきましては、膨大な負債を抱えながら努力をしてきたわけであります。ようやくそれらのものが緒につきかかるころ、国際的な大きな変動に遭いまして方向転換をしなければならぬ、四十年代の返済計画または営農計画というものを根本から変えなければならぬ、こういう状況に立ち至ったわけでございます。農業がそう急激に方向転換できるわけではございませんし、農家の方々も今日大変な御努力をなさっていらっしゃるわけであります。価格政策がすべてだとは申しませんが、この四十年代の規模拡大、そういう路線に乗って大きく進んでまいりました酪農を初めとします畜産業につきましては、膨大な負債を抱えておるという現実もまた直視しなければならないだろうと思います。円高で安くなった分、そしてまた一生懸命合理化に努力した分、そういうものを勘案し、そしてまた、四十年代に規模拡大で大きな負債を背負っておるという現実、こういうもの等十分勘案いたしまして、再生産可能な価格決定ということについてぜひひとつ慎重な御配慮を賜りたい、このように思うわけでございます。大臣の所感をひとつ、この時点ですから非常に難しいことだろうと思いますけれども、今申し述べました私の考え方に対しての御答弁を賜りたいと思います。
○加藤国務大臣 先生おっしゃいましたように、我が国の農業、またその中で近々決定しなくてはなりません畜産、酪農関係につきましても、内外とも大変厳しい立場に置かれておるわけでございますけれども、必死で取り組んでおる農家の皆さん方が意欲を失わないように、また別の面で申し上げますと、農政審の報告を踏まえながら、各界、各方面の意見を十分に承り決定していきたいと考えておるところでございます。
○藤原(房)委員 それから、先ほど申し上げましたように畜産関係、特に酪農につきましては若いといいますか、ほかのものから見ますと時間の経過というものは比較的短い、若い産業ということが一つは言えるのだろうと思います。一生懸命努力をしてきた活力をそぐことのないような価格決定でありたいということを申し上げたわけでございますが、何といいましても価格差ということ七国内での消費拡大ということが大事なことだろうと思います。 そういう中で円高が進行する。きのうあたりからまたさらにこれが進んでおるわけでございますので、これは酪農民または農林省でどうこうというわけにはいかない一面がございますけれども、やはりおいしいものが流通して、おいしいものが安く提供されるということで、これが消費拡大に結びつくような方向、これがまた国内対策としては必要なことだろうと思います。そのための政策も、今度は飼料費の比重を変えるとかいろいろなことで手だてがあるようでございますが、不足払い制度の中にありまして、保証価格の引き下げがあったからといって基準取引価格を下げなきゃならないということはないのでありまして、少なくとも保証価格の引き下げによって乳製品の価格全体が引き下がる。消費者に安く提供される方向にそれが働くように、流通とか加工とかというところで何となしにそれが吸収されて、実際に消費者には十分に還元されないというようなことがあってはならぬだろうと思うわけであります。 乳業メーカーはメーカーでまた基準取引価格、いろいろな外国製品との価格差に悩んでおりますし、それぞれ努力をしなければならないことでありますが、冒頭申し上げましたように、安くてよい品が提供されて消費拡大にそれが結びつく。そのためには生産者も加工業者も流通業界もそれぞれに努力をしなければならぬ。こういうことのためには農林省としましても、この価格決定、価格政策とともに目を見張っていっていただきたい一つの大事なポイントではないか、こう思うわけであります。そういう点では、対外的なものもございますが、国内的な施策として尽くすべき手はひとつ十分に尽くしていただきたい、そういう配慮を十分に進めていただきたい、こういうことを考えておるわけでございますが、大臣、いかがでしょう。
○加藤国務大臣 おっしゃるとおり、おいしくて安いものを国民は要求されております。そして、今回の価格決定で今御意見がありましたように、それに関係する基準取引価格と保証価格の関係だけ考えましても、そこにいろいろな関係する要素が働いてくることは十分存じておるところでございます。先ほど申し上げましたように、生産者が意欲を失わないように、そして決定した数字が消費者に還元され、消費拡大につながるようにいろいろな考えられる方策を今後講じていかなくてはならない。また、決定に際してもそこら辺を十分考えておきたい、このように考えておるところでございます。
○藤原(房)委員 法案に入りますが、漁港整備、このたびのこの法案は補助率をカットするということで、私どもは地方に対するしわ寄せとして非常に危惧を持ち、そしてまた賛成しかねる法案である、こういうことが結論として言えるわけでありますが、漁港の整備というのは非常に重要な意義を持つ。私がここでまた長々申し上げるまでもないことだろうと思います。そしてまた、私ども全国の漁港大会にも何度か出させていただきましたが、それぞれ各地域からの強い要望があり、またその年次計画につきましても非常に進捗率がよくないということがよく言われ、その予算獲得等についての強い要望がよく出されるわけであります。そういうマクロ的な面でいろいろ言えるわけでありますが、各地を回りますと個々の漁港、ぜひここにつくってもらいたい、またここを改修してもらいたい、いろいろな要望があるわけであります。これらの各漁港の計画決定をするに当たりまして、関係地方団体の意見というものがどういう形で政策決定に反映されるのかということでございますが、非常に要望の数が多い、そういう中でどうしても選択しなければならないということになるのだろうと思います。その選択をするに当たりましての基準といいますか考え方といいますか、そういうことを基本としまして、簡単で結構ですから、こういうことだということをひとつお示しをいただきたいと思います。
○佐竹政府委員 個々の漁港の整備計画の決定でございますが、これは法律十七条に基づきまして農林水産大臣が行うこととされておりますが、その決定に当たりましては関係漁業団体、それから漁港の管理者の意見、またその要望というようなものを十分聴取いたしまして、全体計画である漁港整備長期計画、現在五十七年度から六十二年度までのものがございますが、その枠内で十分調整を図った上で、極力地元の要望を織り込むように努めているつもりでございますし、また今後もそのように努めてまいりたいと考えております。
○藤原(房)委員 これは後でまた述べますが、計画、それから何といいましても内需拡大とか公共事業投資によって、均衡ある国土の発展ということからいいますと、漁村に対しての漁港の整備というのは、それなりの地域経済に及ぼす影響等を考えますと非常に重要だと思うのでありますが、年々伸び率はその割には伸びていませんし、採択されないところもあるわけであります。新築とか改築事業、こういうことで、今言われたようないろいろなことで決定をするわけですけれども、採択されない漁港整備、地元から声が上がって、それが採択されなかったということで後回しになるわけですが、地元としてはぜひこうありたい、そういうものを今後どういうふうに配慮していくのか、その間のことについてちょっとお聞きしておきます。
○佐竹政府委員 整備いたします漁港の選定につきましては、一定の観点から港を拾っていくわけでございますが、その後地域的な漁業情勢の変化等があるわけでございまして、緊急に整備を要するものにつきましては、単年度または二カ年度の事業である漁港局部改良事業、計画事業費が一カ所一漁港につき一千万円以上二億円以下という制限がございますが、この局部改良事業を実施いたしまして、そのような地元の要望にきめ細かくこたえていくように努めているところでございます。
○藤原(房)委員 さっきもちょっとお話ございました漁港整備長期計画ですね。これは第七次がことしで終わるわけであります。この最終年に当たりますから、ことしについてはこれは案ということで、具体的には、これから一年分については実施してみなきゃわかりませんけれども、大体四年間なさっておるわけですから、おおよその第七次の漁港整備長期計画の進捗状況というのはおつかみになっていらっしゃるんだと思いますが、直轄と補助の進捗の状況、それから特に北海道の直轄事業と補助事業の現況についてちょっとお聞きしておきます。
○佐竹政府委員 漁港整備長期計画におきましては、直轄事業は北海道だけで行われていることになるわけでございます。 一応六十二年度予算、まだ成立しておりませんが、これが仮に成立したと見て、その進捗率というのは金額ペースで八一・六%になるわけでございます。これに対して補助事業は七四・五%の進捗率で、全体で七四・九%、こういうふうになるものと見込まれているわけでございます。 特に北海道について申し上げますと、六十二年度末の進捗状況でございますが、直轄事業は先ほど申し上げましたとおり八一・六%でございますが、これに対して補助事業は内地一般より若干進んでおりまして八六・九%、全体として八四・九%というふうになると見込まれておるわけでございます。
○藤原(房)委員 六十年度それから六十一年度、今年度限りと言ったのがまた補助率引き下げ、こういうことになったわけでありますけれども、補助率の引き下げによりまして、長期計画を立てておりました七次の漁港整備計画、この進捗にどういう影響を及ぼすか、総体的にひとつお答えいただきたいと思います。
○佐竹政府委員 六十年度、六十一年度、それからこの六十二年度、今回の措置も見込みまして補助率引き下げによる事業費拡大の効果でございますが、これは、今回の引き下げ措置を含めまして、累計で五百十四億円になると見込まれております。これは、第七次漁港整備長期計画の事業費が一兆八千五百億でございますので、約二・八%に相当するわけでございます。提言いたしますと、二・八%の事業促進効果があったのではないか、かように考えているわけでございます。
○藤原(房)委員 六十一年度、これはまだ全体像はつかみ得ないのか、もう工事についてはおよそ完了するか、大体終わっているところだろうと思いますからおつかみになることができているのだと思いますけれども、六十一年度の北海道の地元負担は大体どのぐらいになっているのか、また、補助率の削減による影響額はどういう現況になっているのか、わかっている範囲内でお答えいただきたい。
○佐竹政府委員 六十一年度の北海道の漁港事業におきます地元負担でございます。 道の負担は、全体事業費四百十五億円のうち約百二億円、二四・六%、市町村費の負担が七億円、一・七%、かようなことになっているわけでございます。 補助率削減による影響でございますが、これは六十二年度の事業費について一応試算してみます。これを六十一年度の補助率で置きました場合には、道の負担額は百十二億円、六十二年度の補助率で今回の削減を織り込みました道負担額を試算してみますと百十七億円で、約五億円の増加ということになろうかと見込んでおるわけでございます。
○藤原(房)委員 水産庁につきましては事業を進めるという立場ですから、地方財政への影響というのは余り――余りと言ったら語弊があるかもしれませんけれども、事業が進むから、また長期計画の進捗に寄与するということでお考えになっているのかもしれませんけれども、地方自治体についてはこれは大変なことでございまして、特に今農漁村というのは財政的にも大変に逼迫をいたしている現状、こういうことで、各地方自治体については補助率の引き下げというのは非常に困る。それはまあ自治省の方でもいろいろな手当てをすることは十分承知をいたしておりますけれども、しかし工事が少しでも進むことを期待しなければならないという非常に難しいところに立たされているわけであります。 昨日ですか、地方財政白書の発表がございましたが、地方公債の発行がいよいよ一割を占めて、地方財政の硬直化、こんなことも言われておりまして、ただ事業が伸びるという、水産庁としましてもそういう観点だけで見ているわけにはいかないような状況になりつつある。この点については、補助率引き下げによりまして地元負担がふえることについて、水産庁としても十分に念頭に置きながらのことだろうと思うのでありますけれども、これは詳しい財政事情のことについては自治省ですが、水産庁から見ました地元負担がふえることに対します事業の実施、余りにも財政力のないところについては、それは財政を非常に圧迫し、そしてまた大変に支障を来す、こういうことについても十分に配慮しおければならないと思うのであります。水産庁としては、補助率引き下げについてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか、これをちょっとお聞きしておきます。
○佐竹政府委員 今回の引き下げ措置に伴います地方公共団体の負担増につきましては、法律の三条の趣旨を受けましてすべて地方債発行の対象とする、さらにその元利償還額につきましては昨年を上回る手厚い措置が講ぜられておるというふうに私ども承知しておるわけでございます。したがいまして、特段に漁港事業の実施に支障が生ずることはないと考えておりますけれども、単に直接の補助率切り下げだけでなく、それに伴う事業費増に伴ってまた地方費の負担もふえるわけでございまして、これも含めて手当ては行われているわけでございますが、今後現場の事業実施の状況をよく注目してまいりたいと思います。現在の段階では私ども特段に支障が生ずることはないと考えております。
○藤原(房)委員 北海道でも六十一年、六十二年、比較して五億円の増ということですから、またその負担につきましての措置等についても実はあるのですけれども、漁港だけをやっているのならいいのですが、ほかの事業についてもやはり補助率がカットされたり、財政的に非常に窮迫した中でのことでありますから、総体的な観点から見ますと、金額の多い少ないということじゃなくて、やはり今まであったものがそれだけ切り詰められるということは、施工する地方自治体につきましても、金額の多寡ではなくして非常に重い負担になることは間違いないだろうと思うのです。 これにあわせて、どのように補助率が年々だんだんカットになるということになりますと、今まで補助率の高いところ、低いところ、いろいろな政策決定の中で補助率というのは決められておったわけですね。そういうものがこのようにだんだん切り詰められてまいりますと余り差がなくなるということで、これは政策遂行上、いろいろな条件を加味した補助率の決定ということからいってだんだんいびつなものになってくるのではないか、こういうことについては水産庁はどうお考えでしょう。
○佐竹政府委員 漁港整備事業の補助率等は、漁港の種類、それが北海道であるか沖縄であるかというような地域、それから事業及び施設の性格等を考慮してそれぞれ定められているわけでございますが、今回の補助率引き下げにおきましても、六十年度、六十一年度の一括分における引き下げても同様でございますけれども、このような趣旨を十分配慮して補助率の引き下げを行っておるわけでございまして、漁港事業の補助体系を大きく崩すこととならないように配慮したつもりでございます。 今回の引き下げにつきましても、原則は六十一年度に行った補助・負担率引き下げの後の水準を基準にし、二分の一を超える事業を対象に、直轄事業については約一〇%、補助事業については約五%下げるという原則があったわけでございますが、さらにこれに対して地域の調整措置とか、あるいは特定の性格の事業については引き下げの対象外とするというような措置を講ずることといたしておるわけでございます。これらによりまして、現在の漁港整備事業の補助体系の骨格は維持しているつもりでございます。
○藤原(房)委員 漁港整備について大変なお金がかかるわけでございますので、何年かかかるのは私もよくわかるわけでありますが、漁港という漁業者の生産活動の場といいますか基地といいますか、そういう働きの上からいいまして、やはり整備するにはある年限、そう長い時間かかってなされたんではなかなか生産活動に結びつかないという一面があります。六次計画にしましても七次計画にしましても、ちょっとデータを見ますと、前の長期計画で完成しないで継続という形でするところが非常に多うございまして、新規にこの計画の中に入る数というのは非常に少ないみたいに思うのですね。それは、それぞれの立地条件等違いますから押しなべてこれを判断するわけにはいかないだろうと思いますけれども、個々の名前を挙げるとまたそこはどうだこうだということになりますから固有名詞を挙げることは別としまして、一般的に長年月かかる、そういうケースが非常に多い。それにはいろいろな理由があるんだろうと思いますけれども、そういう漁港整備について完成までに非常に長年月かかって、長期計画につきましても継続が非常に多く、新しいものを採択する、その中に入れて推進するということは非常に難しい、こういう現状については水産庁としてはどのようにお考えになっていらっしゃるのか。総事業量という中での工事ですから、それはなかなか右から左というふうにはいかないだろうと思いますけれども、それだけ要望が多いということであり、それに対しての対処の仕方というのは、いろいろな漁港の性格等について判断基準等お持ちになっていらっしゃるんだろうと思いますが、ひところですとどんどん漁船の大型化というような時代がございました。大型化して、港ができたときにはその船が入れなかった、そんなこともございまして、非常に時間がかかり過ぎているということを私は目の当たりに見たり聞いたりしておりますけれども、今後のこの進め方等についてはどのようなお考えを持っていらっしゃるのかお聞かせいただきたいと思います。
○佐竹政府委員 昨今のような公共事業費の予算の現状でございますので、結果的に見ますと、私どもいろいろ努力はしているつもりでございますが、かなり長期間を要しているようなものがあることは、もうこれは否定できないところでございます。しかしながら、そういう漁港につきましても、整備の途上でのそれぞれの時点でそれなりの利用ができるように、計画の内容なり予算の使い方について努力しているつもりでございます。 それからまた、昨今、漁業を取り巻く情勢、大変大きく変貌しているわけでございます。私どもの漁港整備事業の対象になります漁港は、一般の港湾、北海道でいえば釧路、稚内等は一般港湾になりますので、漁港整備計画の対象となる漁港につきましては著しく状況が変わるということはございませんけれども、それなりの影響は確かに受けているわけでございます。今後、八次計画の策定作業を今進めているわけでございますが、私どもとしては、遠洋漁業は漁場の確保に粘り強く努力するつもりでございますけれども、やはり減少傾向は続くであろう、沖合漁業につきましては、まだイワシ類の資源は現状を維持することが見込まれるということで現状維持、沿岸漁業は、沿岸漁場の漁場整備に伴いまして増加傾向をたどる、養殖漁業につきましても同様に生産量の増加が認められる、こういうふうな認識に立ちまして、今後の漁港整備計画を、沿岸、沖合漁業、養殖漁業の発展に資するということに目途を置きまして、つくり育てる漁業の拠点整備、流通加工の拠点整備、さらにまた漁村の健全な発展に資する漁港機能の整備、こういうようなところに重点を置きまして八次計画を考えてまいりたい、かように考えているわけでございます。
○藤原(房)委員 最後になりますが、漁港については確かにいろいろ財政的な裏づけのもとに進めなければなりませんので非常に難しい一面もございますが、遠洋、沖合、漁業全体が今非常に大きな変貌を遂げる中でのことでございまして、特に北海道におきましては沿岸が非常に見直され、そしてまた漁港のあり方等についてもいろいろな要望があり、これは全国的にも同じことだと思いますが、ぜひひとつ、漁港の整備等については積極的にお進めいただきたいと思います。 最後に、この機会ですからお伺いしておきたいと思いますが、韓国の漁業問題でありますが、昨年七月以降、二百海里制度の適用の問題も含めまして、韓国とのいろいろな交渉が進められてまいりました。資源問題を初めとしまして、北海道としましては、韓国との話し合いというのは非常に重大な問題として受けとめておるわけでございますが、現時点での交渉の現状、それからこの交渉の経緯と今後に対する見通し等について、ぜひひとつ積極的な交渉を進めていただきたいという気持ちの上でお尋ねをするわけでございますが、最後にお尋ねをして終わりたいと思います。
○佐竹政府委員 日韓漁業関係につきましては、日韓漁業協定、それから北海道沖及び済州島沖の自主規制、こういう枠組みの中で運用されてきているわけでございますが、日韓漁業協定締結後二十年を経まして大きくその状況は変化しているわけでございます。かような観点から私ども交渉に臨んでいるわけでございますが、昨年十月末に北海道沖、済州島沖の三年間の自主規制の期限が切れたわけでございまして、当面その問題を中心に議論したわけでございますが、合意に至らなかったわけでございます。ただ、引き続き協議の必要性は双方認めたわけで、協議を一年間引き続き続けよう、協議を続けている以上は紛争が起きるのはまずいからということで、従来の自主規制の内容を単純に一年延長したわけでございます。私ども、一年以内に何とか全般的な問題も含めて決着をつける所存で交渉に臨んでいるわけでございます。 北海道沖、済州島沖の自主規制措置の内容面でお互いに話し合いが折り合えなかったわけでございますので、私ども、今後はその枠組みの問題も含めて議論しよう、土俵を広げて議論に臨んでいるわけでございます。その際、いわゆる二百海里適用問題もその解決のための一つの有力な手法であろうかというふうには考えておりますが、これまた日韓漁業協定との関係の整理を初め、私どもの日本国内におきましても調整すべき多くの課題を持っていると考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、また十月末で一年間の期間が過ぎるわけでございますので、それに向けましてさまざまな可能性を探って、外務省とも協議をしながらその交渉を進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○玉沢委員長 水谷弘君。
○水谷委員 森林法の一部を改正する等の法律案について、何点か御質問をいたします。 今回の制度改正は、昭和六十一年度改正による暫定期間中にさらに補助率の引き下げを行おうとするものであります。昭和六十年度の一律十分の一引き下げ措置は当年度限りの暫定措置であったわけです。そして、さらに六十一年度以降の補助率のあり方については、昭和六十年五月二十七日に補助金問題関係閣僚会議を開いて補助金問題検討会を設置して、十二月二十日に報告を行い、政府はそれに基づいて昭和六十一年度以降昭和六十三年度までの補助率の引き下げ等を行うこととし、昭和六十一年の第百四国会に関係法案を提出したわけでありますが、その際、昭和六十年の十二月二十一日、大蔵大臣と自治大臣との間で、一つは「この措置は、今後三年間の暫定措置とする。」二つにはこの「暫定措置の期間内においては、国・地方間の財政関係を基本的に変更するような措置は講じないものとする。」という合意、覚書があったことは御存じのとおりであります。 また、衆議院の大蔵委員会においても、国の補助金等の臨時特価等に関する法律案に対する附帯決議として、全会一致でその冒頭には「今回の措置は、国庫補助金等に係る三年間の暫定措置であることに鑑み、六十二年度以降においても地方の行財政運営に支障を生じないよう万全の措置を講ずることとし、その具体的措置を予算編成時ごとに明示すること。 この間においては、義務教育費国庫負担法による二分の一国庫負担率の引下げなど、国・地方問の財政関係を基本的に変更するような補助率の引下げは行わないこと。」このように附帯決議が付されているわけでございますし、三年間の暫定措置であるということは補助金特例法にもその旨規定されているのであります。 このような経緯があるにもかかわらず、昭和六十年度以降三年間の暫定措置を決定した翌年度である今年度に補助率の引き下げを行うことは約束違反ではないか、私はこのように考えるわけでありますが、最初に大蔵省、御答弁をいただきたいと思います。
○斎藤(次)政府委員 今回の措置につきまして、昨年度の大蔵、自治両大臣間の覚書あるいは衆議院大蔵委員会の附帯決議、そういったもろもろの約束違反ではないかという御指摘でございます。そういう御指摘がございますことは私どもも十分承知しております。当委員会でも、きょう午前中そういう御指摘を受けたところでございますけれども、六十二年度予算編成に当たりましては、円高が非常に急速に進展するなど経済情勢が激変する一方で、厳しい財政状況というのは続いておったわけでございます。 私どもといたしましては、財政再建路線を堅持しつつ、公共事業の事業費を確保するということで実は種々の工夫を行いまして、財政投融資の活用あるいは民間活力の活用等さまざまな方策を講じたわけでございますけれども、事業費増の効果を全国にくまなく行き渡らせるためにはさらに補助率、負担率の引き下げを行わざるを得ないということで、自治省初め各省庁にお願いをしていろいろと協議を重ねて今回の措置をとったわけでございます。その際、補助・負担率の引き下げによる地方財政への影響につきましては、昨年を上回る手厚い措置を講ずるということにしておる点もありますので、これらをあわせて御理解をいただきたいというのが私どものお願いでございます。
○水谷委員 要するに今回の補助率の引き下げが、国、地方間の財政関係の基本的な変更にはならないという考え方でおられるのですか。大蔵省、それからあわせて自治省にもお尋ねをしておきたいと思います。
○斎藤(次)政府委員 今回の措置は昨年の補助金カットと違いまして、公共、非公共を通じる全般的な見直しということではなくて、いわば国費抑制の中で公共事業の事業費を確保するために行ったものでございます。したがって、昨年度のようなオーバーオールな見直してはないという点、それから補助率のカットによる国費減少分を補てんするために出します地方債の将来の元利償還につきましては、例えば東京都のような不交付団体を除く交付団体につきましては別途国が財源措置をするということにいたしておりますので、私どもとしては基本的な関係を変更するというものには実質的に違反していないのではないかというぐあいに考えておるわけでございます。
○小林(実)政府委員 本年度さらに補助負担率の引き下げをお願いするような事態になったわけでございますが、それに関連いたしまして、昨年の覚書それから国会における審議等がございまして、このお話がありましたときには我々といたしましても相当苦しんだところでございます。しかし、折衝の結果、今回の補助・負担率の引き下げはほぼ公共事業に限って行うということにしたわけでございます。それから、カットによる国費減額相当額につきましては地方債で補てんをいたしまして、その元利償還を全額地方交付税で基準財政需要額に算入するということで個別の地方団体には迷惑がかからないということ、その交付税措置に必要な原資につきましては、ただいま大蔵省の方からお話がございましたように、将来交付団体分につきましては一〇〇%国が負担をする、こういうことになっておりまして、地方財政にとりましては実質的に負担増がほとんど生じないという措置になっているわけでございます。このようなことでございまして、御理解をいただきたいというふうに思うわけでございます。
○水谷委員 ただいまの議論を通じて、大臣、このことについてはどのようにお考えでございますか。
○加藤国務大臣 六十二年度予算編成に当たって、円高が急速に進展している等経済環境が激変する一方、厳しい財政状況が続いており、国費を抑制しつつも、内需拡大策として公共事業の事業費を確保することが重要な政策課題となっております。この課題にこたえるため、政府全体としまして財投の活用等事業費拡大のための種々の工夫を凝らした上で、さらに補助・負担率の引き下げについても緊急やむを得ない措置として実施することになったわけでございます。 農林水産省といたしましては、生産性の高い農林水産業の構造確立等の上で農林水産関係公共事業の推進が重要な課題となっており、そのため事業費の確保が必要なこと、また、補助・負担率の引き下げに伴う地方負担についても事業の推進に支障がないよう昨年を上回る手厚い地方財政措置が講ぜられておることから、やむを得ない措置と判断したものでございます。
○水谷委員 今回の制度改正は、今いろいろお話がございましたように、減額分を新たに補助事業等に充当することによって公共事業の事業費の確保を図ろうということでございますが、六十二年度の予算編成の段階で、地方財政が三年ぶりに経常収支で不足を生じたわけでございます。それから、六十一年度の約束に現実に違反しておるわけでございます。それで、六十二年度の補助率引き下げによって出てくる影響額が二千百七十億円、経常で三百七十億円、投資的経費で千八百億円、この投資的経費の千八百億円については、国費減額相当額の千二百億円を臨時財政特例債で、それから交付団体分の元利償還費を交付税で措置する、事業拡大分の地方負担六百億円を調整債、この元利償還の八〇%を交付税で算入ということをやっておるわけでありますけれども、これは去年の措置に比べては若干改善されておるということはよくわかるわけであります。しかし、いわゆる臨時財政特例債、これは元利償還の九〇%を国が持つことになっておる。すなわち不交付団体分を除いた分は一〇〇%持つ。しかし、本当は国が発行しなければならないものを発行主体を地方に移したにすぎない。私に言わせれば、これはやみ国債という指摘をされてもやむを得ないのではないか、こう考えますと、これは国、地方間の財政における基本的な問題にも触れ、そして財政秩序を乱すものになると言わざるを得ないわけでございます。 現在、地方財政は地方税等の歳入の伸びが停滞しておる。またそこへもってきてこういうたび重なる補助率の引き下げ、公債費の支出が増大しておる、財政運営に大きな負担になっておるわけであります。こういう状況の中で、手当てをしておるから心配ないということには現場はならないのではないか。個々の地方団体では地方債の増発で財政の硬直化を引き起こし、それが玉突きのようになっていって、結局ほかにやらなければならない公共事業や地方単独事業も影響を受けてくるということは間違いないわけでありますが、この点について自治省それから農水省のお考えをただしておきたいと思います。
○小林(実)政府委員 ただいま御指摘がございましたように、今回のカット分の影響額につきましては地方債で対応いたしまして、その元利償還につきましては一〇〇%あるいは八〇%ということで基準財政需要額に算入をいたすわけでございます。最近では、個別の地方団体におかれましても財政運営につきましてはよく勉強されておりまして、起債を起こす場合に元利償還についての財政措置がどうなるであろうかというのが一番の関心事でございます。今回の措置は非常に手厚い交付税措置を講ずることといたしておりますので、事業の執行につきましては支障が生じないというふうに思っているわけでございます。 地方財政全体の将来に対する問題につきましての御指摘でございます。公債費の負担が増大してまいりまして、その圧迫を受けておるということは事実でございまして、この問題につきましては将来とも地方財政計画を通じまして、個別の地方団体もその財政運営に困ることのないように最善の努力を重ねてまいりたいというふうに思っております。
○甕政府委員 農林水産省の立場から見ました場合、農林水産業に依存する地域が概して財政力が弱いというようなこともございまして、公共事業の執行が大丈夫かという御心配も理解できるところでありますけれども、今回の公共事業の補助・負担率引き下げに伴います地方負担につきましては、ただいまも大蔵省、自治省双方からお話がございましたように、昨年を上回る手厚い措置も講じられているということでございまして、公共事業の実施に支障が生ずることはまずあるまいというふうに私たちも見ているところでございます。ただ、御指摘のような御懸念もございますし、事業執行上今後注意を払って見てまいりたいと考えております。
○水谷委員 繰り返すようでございますけれども、本来国の財政で賄うべきもの、長期計画やいろいろなもので補助率を明確にしてあっていろいろな計画を立ててきた、それが国の財政事情の悪化でこのような手法をとって、結局それは地方団体へ転嫁することになっている、これは事実であると私は思います。今も指摘をいたしましたけれども、六十年度の各団体の公債費負担比率、これは自治省からいただいた資料でございますが、市町村になりますと、三〇%以上になっている市町村の数が百六、三〇%以上の内訳を見てみますと、三〇%から四〇%未満が百二、四〇%以上五〇%未満が三、五〇%以上が一、こういう公債費負担比率状況があるわけであります。都道府県あるいは市町村の公債費負担比率の状況からしても、このようなところに新たに借金をつくって一体これは大丈夫なのか、素朴にそういう疑問が出てくるわけでありますが、自治省、いかがですか。
○小林(実)政府委員 今回の措置によりまして、地方団体の歳入におきます地方債依存度が高まりまして、歳出におきます元利償還費が増大することになります。これらの元利償還費につきましては地方交付税で財源措置をすることといたしておりまして、今回の建設地方債の増発につきましては、これによりまして事業の執行に支障が生ずることはないというふうに考えておりますが、過去に発行した地方債の償還等によりまして財政運営が硬直化している団体、これは数多いことは事実でございまして、こういう団体につきましては健全化のために格段の努力をしていただく必要があるわけでございます。将来の問題といたしましては、先ほど申し上げましたように各年度の地方財政計画の策定を通じまして地方財源の確保を図りまして、財政の円滑な運営が図られるよう努力をしてまいりたいと思います。 それから、公債費負担比率の高い団体のお話がございましたが、起債制限がかかるかどうかというときの判定は別の算式がございまして、元利償還につきまして交付税措置をしているものは除いて計算をすることになっておるわけでございます。そういうことで計算をいたしますと、たしか起債制限がかかっております団体は五十八ぐらいであったかと思いますけれども、今回の臨時財政特例債あるいは調整債、補助金絡みの起債につきましては、いわゆる起債制限比率を超えている団体につきましても発行の制限はしないという方針で臨んでおるわけでございます。
○水谷委員 六十一年度に比べまして改善されている、補助率引き下げに対する措置は今年度こういうふうにしましたけれども、六十一年度の補助率引き下げについても今回同様に措置すべきではなかったのですか。いかがですか。
○小林(実)政府委員 六十一年度の際の補助・負担率の引き下げによる六十二年度の影響というのもあるわけでございますが、六十、六十一年度の補助・負担率の引き下げによる影響額についての財政措置は、五十七年の行革関連で地域財政特例の六分の一カットが行われたときとほぼ同じ措置を講じておりまして、これは既にお約束をしたところでまいっておりますのでやむを得ないのではないかというふうに思っておるわけでございます。
○水谷委員 先ほども申し上げましたけれども、官房長もおっしゃいましたように、農山漁村地域、農林水産業を中心としている地域については、補助・負担率の引き下げは大きな影響が必ず出てくるのだ、私はこう思っております。そうなってくると、事業費をふやしていくという目的で、円高不況の状況の中で、さらには経済摩擦、国際経済の中で迫られている内需拡大、そういう国全体の施策を進めていく中で、果たして事業費拡大ということが、地方債、財政等のいろいろな手当てをしておりますが、現実にそれが推進されていくのか、この辺が非常に心配になってくるわけであります。 それから、冒頭指摘をいたしましたように、昭和六十二年度及び昭和六十二年度の特例措置ということで、六十一年度に三年と言われたその暫定期間中に再度このような措置を講ずる。覚書もある、さらには委員会の附帯決議もある、こういうお約束を国民に対しても地方に対してもされていながら、こういう事情だからということで、また知恵を絞って新たな手法をぶつけてこられる。これはちょうど売上税の公約違反と同じで本当に重大な公約違反であろうと私は指摘をするわけであります。そうなってくると、また来年もこんなことを考えてくるんじゃないのか、ことしだけじゃないんじゃないか、こういうことを一回許してしまうと、次から次からなし崩しにこのような措置がとられてきたのでは、これは地方財政についても国の財政運営においても好ましくないことであると考えるわけでありますが、大蔵省、もう一度御答弁をいただきたいと思います。
○斎藤(次)政府委員 お答えいたします。 六十三年度のお話でございまして、まさに六十三年度予算編成の内容にかかわる事柄でございます。今後財政状況、経済状況その他がどのような状況になるか、現段階で確たることを申し上げることができない事情にございますのでなかなかお答えをしにくい件でございます。ただ私どもとしましては、補助率等の引き下げをもう三回もやっているということ、それから今回の法案の審議の過程で、水谷先生を初めとして皆様方から御指摘を受けた事項もございます。そういうことを十分踏まえながら対処するということで御理解をいただきたいと考えます。
○水谷委員 大臣、先ほども我が党の藤原委員から指摘をされましたけれども、いわゆる補助率に格差が設けられている。農政の重点的な、また適切な展開という上からすべて農林水産省としてはそのように位置づけてこられたわけでありますけれども、このようにしてどんどん三分の二が二分の一に限りなく近づいていく、そういうことになってまいりますと、いわゆる今後の農政を進めていく上において、こういう均一化されていく補助率というものは大変やりづらくなっていく、政策選択の上からも非常に問題がある、こういうふうに私は考えるわけでありますが、大臣、その点はいかがでございましょう。
○加藤国務大臣 農林水産関係公共事業の補助・負担率は、事業の重要度や緊急性、受益の範囲、程度等に加え、受益農家の負担能力等を総合的に勘案しつつ、バランスのとれた社会資本の整備を図る観点から決定されているところでございます。今回の補助・負担率の引き下げに当たりましては、六十年度、六十一年度と同様、原則として一定率の引き下げを行うこととしていることから、各事業の補助率の格差が縮小していることは御指摘のとおりでございます。しかしながら、個々の事業の見直しに当たりましては、事業の適切かつ円滑な執行のため補助率体系の維持を図ることとして、北海道、離島、奄美、沖縄の地域特例措置につきましては、その地域かさ上げの趣旨にかんがみ引き下げ幅の緩和を行う。また、同種事業について直轄負担率と補助率の格差の維持を図るといった措置を講じているところでございます。
○水谷委員 大臣の好答えはよくわかりますけれども、大変やりづらくなるし、目玉が目玉でなくて、目玉の輝きが大分とろっとしてくる、そういうふうにならざるを得ない、これは難しいだろうと思います。しかし頑張るという決意だと思います。補助金全体を真剣に洗い直しをする、こういう作業もされておると伺っておりますけれども、高額の補助率を一律下げていくという手法だけではなくて、補助金そのものの総点検といいますか、そういうものも徹底してやっていかなければならないだろう、こう申し上げるわけです。 そこで、特に治山関係について関連していろいろお尋ねをしておきたいと思いますが、現行の第六次治山事業五カ年計画、この達成状況はどういう状況でございますか。
○田中(宏尚)政府委員 第六次治山五カ年計画につきましては、その実績見込み額は治山事業計画額一兆四千七百億に対しまして一兆九百六十四億円ということで、達成率は七四・六%ということに相なっております。
○水谷委員 今年度に策定を予定している第七次治山事業五カ年計画はどのようなことを重点的に推進をされようとしておられますか、お尋ねをいたします。
○田中(宏尚)政府委員 第七次につきましては、国土の保全を図り、安全で住みよい国土を確保するということで、総投資額を一兆九千七百億ということで、昭和六十二年度を初年度として策定すべく現在事務を進めているわけでございます。 この計画におきましては、第一に安全で豊かな国土基盤の形成、それから第二に森林の水源涵養機能の拡充強化、それから第三に森林による生活環境の保全、形成ということに重点を置いて作成いたしております。このため荒廃林地でございますとかあるいは荒廃危険地等、こういうものの復旧整備を推進し、山地の保全を図るということに加えまして、劣悪な森林を整備して機能の高い森林の造成を図っていくということにその仕事の重点を置いて、何とか山を育てていきたいと考えているわけでございます。
○水谷委員 林業を取り巻く情勢は大変重大な危機に直面していると言ってもいいぐらいでございますが、間伐の立ちおくれ、それが森林の荒廃につながり、それが山崩れ、がけ崩れ等の要因になっていく。そういうことですから、やはり治山事業の周辺にあるいろいろな整備というものをしっかりやっていきませんと、治山事業をやる効果も、やったその後また崩壊を起こしていくという事例が各地にあるわけでございます。どうかその辺についてもしっかりと取り組んでいただきたいと思います。 それから細かいことでございますけれども、第六次五カ年計画の中に調整費が千七百億計上されております。それから第七次五カ年計画の段階で調整費が四千億計上されているわけでございます。案として二・三五倍の調整費が入っているのですけれども、これはどういう位置づけなんでしょうか。
○田中(宏尚)政府委員 調整費につきましては、その計画樹立後のいろいろな社会経済の動向なり財政事情の変動、こういうものを踏まえまして、進捗状況というものも頭に置いて全体の事業計画を弾力的かつ機動的に運用するという観点から本来設けられておるものでございます。 それで、新しい計画におきましては、先生御指摘のとおり、調整費の全体枠というものが前計画よりかなり高くなっているわけでございますけれども、これは我が国の社会経済情勢がここのところ大きな転換期にございまして、将来にわたりましていろいろと流動的な要素、予測不可能な要素というものが多々あるということを背景といたしまして、今回の計画では、将来に向けまして弾力的、機動的に運営できるようにということで、調整費の枠を前計画に比べまして多くを設定しているわけでございます。
○水谷委員 本日、畜産振興審議会に諮問されておられるわけでございますが、先ほども議論がございましたけれども、価格政策は我が国の農業においては重要な柱、構造政策を進めていく中にあってもこの価格政策は非常に重要な柱であり、激変というものは許されない。円高によってそのメリットが飼料等に出てきて価格がどんどん下がっている、そういういわゆる単純な生産費等の移動だけを追っていけば価格の引き下げという方向に単純計算ではまいりますけれども、我が国の農畜産物全体を取り巻くその状況を政府は常に明確に考えて、それを実際に現場でやっておられる畜産経営者、その農家の方々が希望を持ち、そして見通しを持って計画的に進んでいけるような対応が絶対必要である、こう考えるわけです。 かなりのマイナスの数字が出ております。これをこれから議論していただくわけでありますけれども、今ここで私どもがいろいろ議論をすることがこの審議会に対していろいろな影響を与える、そういうことからすれば配慮しなければならないことは十分承知しておりますが、しかし価格政策と同時に、同時にというよりも本当は構造政策を先行させ、価格政策を変更しなければならない状況になる前に、総合的な政策を政府がぴしっと立てていくべきであると思うわけであります。昨日も、計画生産の話について我が党の吉浦委員が触れておられましたけれども、片方でずさんに人を置いたままにして価格だけに厳しいメスが入ってくるとすれば、これは全く愛情のない、非常に冷たい農政であると指摘をされてもやむを得ないと思うわけであります。それともう一つは、かなり供給過剰、いわゆる需要の減退、こういう問題が深刻にもなっておりますし、消費拡大のためのいろいろな施策を積極的に打っていかなければならない。 それと今一番問題なのは、輸入の急増に対する適切な対応、チーズ等に見られるような大変な輸入ラッシュといいますかそういう中で、将来に対する不安をより一層増大させているわけであります。ですから、いわゆる生産環境の改善といいますか、それに真剣に取り組んでいっていただきたい。輸入急増対策、消費拡大、新製品の開発、小売価格の是正、実際に元の価格が下がっても消費者の手元にはそのメリットが明確に出てこない、こういう流通段階における明確な手当て、そういうものを中心にした施策を講じていく中で、価格政策というものをぴしっと位置づけていきませんと、実際に額に汗して一生懸命頑張って御努力をされている皆さん方に対する誠意ある農政と言えないと私は思いますが、一言このことについてお答えをいただきたいと思います。
○濱田説明員 本日、指定食肉、つまり牛肉及び豚肉の安定価格につきまして畜産振興審議会食肉部会にお諮りしておるわけでございますが、それぞれ生産条件、需給事情、内外の経済情勢、畜産経営の状況等各般の要素を総合的に判断をいたしまして、審議会の御意見を伺いまして適正に決定いたしたいというふうにしているところでございます。 六十二年度の指定食肉の安定価格につきましては、中長期的視点に立ちまして肉畜経営の健全な発展を図るために、円高や飼料穀物の国際需給を反映した飼料価格の値下がり等によりまして生産費が低下していること、それから規模拡大等により生産性が向上していること等の事情を考慮いたしまして、安定帯価格の中心水準で申しますと、去勢和牛につきましては二・一%、その他の去勢牛につきましては六・四%、豚肉につきましては一五・四%の引き下げという形の諮問になっているわけでございます。 ただこの場合、安定価格の算定に当たりまして上記事情によります生産コスト低下の要因を適正に織り込むことは農家所得の低下に直接に結びつくものではなくて、むしろ消費の拡大と需要の均衡を図りつつ、農家経営の安定と健全な発展を図る上で重要なことであろうと私どもは考えているわけでございます。なお、その消費拡大等につきましても、マスコミを利用いたしました各般の消費拡大対策等も講じております。 また、豚肉について申しますと、加工利用促進対策、消費者ニーズに応じました新しい製品の開発等を行うということ、あるいは輸入につきましても、国内需給動向を考慮いたしました秩序ある輸入の要請を関係方面にいたすということで各般の施策を進めてまいりまして、今後とも我が国の畜産の健全な安定に資するよう万般の配慮をいたしたいと考えている次第でございます。
○水谷委員 どうかひとつ生産環境の整備、いわゆる価格政策の激変ということのないように、そして生産費、農家の再生産、所得が確保できるように対応をしていっていただきたいと思います。 きょうの日農新聞の「論説」に「畜産の経営改善に国の支援を」という大きな見出しで裁っております。私もこれを拝見しておりまして、やはり経営というその視点がいよいよ大事になってきている、本当に畜種別に個別農家がそれぞれ計画を策定したり、簿記記帳、自己点検、そういういろいろなことを進められる力を生産者にどんどんつけていっていただく。そのために中央会では統一的採用試験に加えて資格認証制度を活用するなどいろいろやっていきたい、そういう方針を出しておられるようでありますが、いよいよこういう経営的視点、今までの生産技術というものから、それを含んだ、もちろんそれを含んでおりますけれども、こういう経営的視点からの体制づくりの動きに対して国の支援をと訴えておられるとおり、こういうものについては積極的、重点的に国が対応していかなければならないな、私はこう思っております。 きょうの新聞で今申し上げているわけですから、どうこうというお答えは結構でございますが、大臣、これも含めて先ほど審議官がお答えになりましたが、価格問題を含めた今後の畜産振興ということについての決意を一言賜ればありがたいと思います。
○加藤国務大臣 まず前段の本日の新聞記事に対する感想でございますが、私も同感でございます。営農指導といいますか、あるいはまたこれに金融、税制、財政上のもろもろの処置を加えたもので個々の農家に真剣に取り組んでもらうことが非常に大切であると考えております。 また、今回の畜産、酪農の価格決定に際しましては、先ほど濱田審議官がお答えしましたようなもろもろの情勢を勘案しまして、そういう中で消費者の皆さん方に喜んでいただき、そして生産者の皆さん方に意欲を持ってもらうぎりぎりの点を目指して決定していきたいと考えておるところでございます。
○水谷委員 ありがとうございました。以上で終わります。
○玉沢委員長 神田厚君。
○神田委員 森林法の一部を改正する等の法律案につきまして御質問を申し上げます。 森林の保安施設の問題がこの法律にかかわってくるわけでありますが、まず最初に治山事業につきまして御質問いたします。 御案内のように、治山事業は国土を守り人命を守り財産を守るという意味で極めて重要なものであるわけでありますが、この治山事業の必要な箇所というのは現時点でどのくらいあるのか、また必要な箇所のうち緊急に実行しなければならないところはどのくらいあるのか、お尋ねをいたします。 〔委員長退席、近藤(元)委員長代理着席〕
○田中(宏尚)政府委員 治山事業の整備対象となります荒廃地あるいは荒廃危険地等は、全国で約二百三十六万ヘクタールに上っております。またこれらの荒廃地等のうちで、人家の裏山でございますとかそういうところに所在いたしまして、いわゆる山地災害危険地域と称されているものにつきましては昭和六十年、六十一年度にわたって調査したわけでございますけれども、この調査結果によりますと、全国で十七万六千カ所というのが現時点の数字となっております。
○神田委員 非常に多くの事業を実行していかなければならないわけでありますが、現在の補助率での事業実行において問題になる点はどういう点だとお考えですか。
○田中(宏尚)政府委員 現在もいろいろな体系のもとで補助事業を行ってきているわけでございますけれども、国全体の厳しい財政事情の中で、シーリングという形で公共事業全体が抑制されている中で、緊急性が強い治山事業もその例外ではなくて、ほぼ前年同の国費ということでここ数年間推移してきているわけでございます。そういう中で、何とか事業費ベースでふやして治山事業の進捗を図りたいということが治山事業を担当しております我々としての一番の悲願でございまして、ここのところ補助率のカットという形を通じて事業費の拡大という道をたどってきているわけでございますけれども、今後とも何とか所要の国費の確保にも努めて、治山事業の一層の推進に努めてまいりたいと思っております。
○神田委員 今回補助率を引き下げる措置をとるということでありますが、昨年に引き続いての引き下げであるわけであります。このように毎年引き下げを行っていくという考え方はどういうところからきているのか。さらに財政金融上の措置を講ずるということを言っておりますけれども、どのようなことをどういうふうに具体的に行うつもりなのか、その点をお聞かせいただきたいと思います。
○田中(宏尚)政府委員 今回の公共事業に係ります補助金なり直轄事業の補助率の引き下げにつきましては、治山事業、公共事業同様でございますけれども、現在の厳しい財政事情のもとで、国費を一定の水準に抑制しながらも内需の拡大なり社会資本の整備を図りたいという要請にこたえて所要の事業費を確保する、そのための手段といたしまして補助・負担率を一定の範囲内で引き下げることが必要になりまして実施されたものでございます。特に治山事業につきましては、山地に起因する災害から国民の生命なり財産を守るという国土保全政策上極めて重要な事業でございますので、先ほど申し上げましたように、一方で近年山地災害が非常に多発しておるということから何とか事業費を拡大したいということで、こういう一般の公共事業の補助率のカットという手法を使いまして事業費の拡大ということを実現したわけでございます。 一方、今回の負担率なり補助率の引き下げによりまして地方の負担増という問題が出てくるわけでございますけれども、これにつきましては地方債発行の対象といたしますとともに、その元利償還金につきましては地方交付税で算定いたしまして、交付団体については全額一般会計から交付税特会に繰り入れるという従前より手厚い財政措置がとられておりまして、治山事業の推進上も格段の支障なしに運営できるのじゃないかと理解しているわけでございます。
○神田委員 今答弁もありましたように、必要な事業量を確保するために国の支出を減らして地方自治体に肩がわりさせるというようなことでありまして、こういうやり方は非常に性急なやり方だというふうに非難をされる面もありますが、その点はどういうふうに考えますか。
○田中(宏尚)政府委員 我々といたしましても、事業量確保のために、他の有効な手段がないかについて過去の経験からいろいろと検討を積み重ねてきたわけでございますけれども、治山事業の性格からいいまして、いわゆる民活でございますとかあるいは財投活用というような方途もなかなか探りにくい点がございますので、残念ながら、六十二年度の予算編成に当たりましては国費の確保等にも相当の努力はいたしましたけれども、こういう公共事業一般についての補助・負担率の引き下げを通じての事業量の確保という道を選択した次第でございます。
○神田委員 それから次に、農林水産省全体として、政令等も含めまして今回の措置にかかわりのある事業はどのようなものがあるのか、また農林省としてのメリットというのはどういうところにあるのか。
○甕政府委員 ただいま御質問の農林水産省の関係でどんな事業があるかということでございますが、公共事業の関係で農業基盤、治山、林道、漁港、沿岸漁場、海岸事業について今回の引き下げを行う措置がとられるわけでございます。今回の補助・負担率の引き下げにつきましては、厳しい財政事情のもとで、内需拡大あるいは農林水産業の生産基盤整備の推進の要請にこたえまして所要の事業費を確保するために実施するものでございますので、そういった効果を期待しておるところでございます。
○神田委員 地方自治体の問題ですが、先ほども答弁がありましたが、地方自治体が財源難という形になりまして事業量が減少するというようなことなどで、事業の実施及び地方自治体財政に支障が生じないように万全の措置を講すべきであるというふうに考えますが、この点はいかがですか。 〔近藤(元)委員長代理退席、委員長着席〕
○甕政府委員 御指摘のように今回の補助率、負担率の引き下げによりまして地方におきます公共事業の執行に支障が生じては困る、こういう立場からいたしまして、今回大蔵省及び自治省並びに私どもが協議、調整の中で、その元利償還費につきましては昨年を上回る手厚い措置も講じられる、こういうふうになっておりまして、今回の措置によりまして公共事業の実施に支障が生ずるということはまずなかろうと考えておるところでございます。
○神田委員 結局ここ三年補助率のカットが続いているわけでありますが、このやり方は地方に借金を強いて、それによって事業量を拡大しようということでありますが、地方自治体の格差がありまして、国の施策に沿ってできるところ、財政力の強いところあるいは弱いところ、こういう地方自治体の格差が出てくるという問題が一つ出てくると思うのであります。概して財政力が弱いというのが農林水産業の比重の大きいところでおりまして、都市近郊では公共事業がたくさんやられるけれども、過疎地、農村地帯では新たな投資が進まない、こういうことも考えられるわけであります。そこで、現在の地方の過疎化等に一層の拍車をかけるというような意味で、補助率を一律にカットするというところに問題があるわけでありまして、この点はどうでしょうか、何か考え方を変えることができないでしょうか。
○甕政府委員 今回の補助・負担率の引き下げに当たりまして、六十年度、六十一年度もそうでございましたけれども、原則として一定率の引き下げということを行っておるわけでございます。その結果、それぞれの事業の補助率の格差が縮小してきているということもございまして、ただいまのような御指摘もあろうかと思います。しかし、今回の引き下げ措置を講じます際も、個々の事業の見直しに当たりましては、事業の円滑、適切な執行のために補助率体系の維持を図るという考え方のもとに工夫をしておるところでございます。 例えば北海道、離島、奄美、沖縄、こういった地域特例措置につきましては、その地域かさ上げの趣旨にかんがみまして引き下げ幅の緩和を行いますとか、あるいは同じ種類の事業につきまして、直轄負担率と補助率の格差の維持を図るといったような措置を講じておるところでございます。また、先ほど来申し上げておりますように、地方財政に対します昨年を上回る財政措置といったことも手当でいたしまして、条件の悪い地域等に対しましても不測の支障を生じないように配慮をしておると考えております。
○神田委員 この法案の目的の一つは内需拡大に関連をするわけでありますが、特に農林水産関係公共事業への投資というのは、そういう意味で非常に大きな貢献をするだろうというふうに考えられます。したがって地域格差の是正等にもつながる問題でありますから、長期計画などで基盤整備をもう少し進めるべきだというように考えておりますが、この点はいかがでありますか。
○甕政府委員 農林水産省の関係におきましても、土地改良を初めといたしまして林業、漁業、それぞれの長期計画をもちまして現在公共事業の執行を行っております。内需拡大の趣旨から申しましても農林漁業の生産基盤を強化するといった観点からも、今後計画的な事業の執行に努める必要があるわけでございます。そういった角度からいたしましても、今回その事業量の確保を図るといった観点から補助率の特例といった措置も講じておるところでございまして、今後その達成のためにいろいろ努力を継続してまいりたいと考えております。
○神田委員 林業関係で最後に大臣にお伺いしますが、この林業の低迷を打開するとともに治山事業の重要性をさらに認識していただきまして、政府全体として治山事業の積極的な推進と林業施策の拡充を図るべきだと考えておりますが、御意見をいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 森林は木材供給のみならず国土の保全、水資源の涵養等の公益的な機能を有しております。林業の活性化、治山事業の推進等を通じまして森林の健全な育成を図ることは国政上の重要な課題であります。このため昨年十一月の林政審の報告、すなわち「林政の基本方向」等を踏まえまして木材需要の拡大、林業生産基盤の整備等各般の施策を推進することとし、特に国民の生命財産を保全し、水資源の涵養、生活環境の保全、形成等を図る治山事業につきましては、昭和六十二年度を初年度といたします第七次治山事業五カ年計画を策定し、その推進を図るなど、林業の振興と森林資源の充実に積極的に取り組んでまいる所存でございます。
○神田委員 次は漁港整備に関しましてお尋ねをいたします。 この漁港法の問題も、二分の一を超える補助率を毎年引き下げてきました結果、基本補助率が違っていたものが、法改正になって同一になっている。これは森林の方もそうでありますけれども、漁港整備の方もそういうことになっております。 例えば、持三漁港の外郭・水域施設の五十九年の補助率は七〇%であり、それが六十一年は六〇%、今回の措置によって五七・五%となっております。一方、五十九年の補助率が七五%であった北海道の係留施設の補助率が同じようになっております。このような例が各所に見えるわけでありますが、これでは農林水産省の補助率体系が崩れてめり張りのきいた行政ができない、こういう批判がありますけれども、どのように考えていますか。
○佐竹政府委員 漁港整備事業の補助率等につきましては、漁港の種類、地域、施設及び事業の性格等を考慮してそれぞれ定められているわけでございます。確かに今御指摘ございましたように、五十九年度におきましては漁港法に基づきます特定第三種漁港、外郭・水域施設が百分の七十であった、それが北海道特例で一種~三種漁港の係留施設が百分の七十五であった、五%の違いがあったものが、六十二年度、六十三年度につきましては百分の五十七・五で同じになってしまった、こういうところがあることは御指摘のとおりでございますが、反面、例えば北海道の第一種~第四種漁港につきまして、外郭・水域施設は百分の九十従来あったものが現在でも百分の七十二・五、特に四種漁港につきましては百分の七十五というふうに高率補助を維持しているわけでございます。 確かに御指摘のように差のあったものが差のなくなった部分が一部あることは否定できないところでございますけれども、反面補助率の非常に高かったものにつきましては若干格差が縮まったではないかというような御指摘もあろうかと思いますけれども、やはり基本的な高率補助は維持しているわけでございまして、これをどう評価するかでございますが、私ども総体として見まして、現行漁港整備事業の補助体系の骨格は維持できているのではないかと考えている次第でございます。
○神田委員 それでは、漁港の整備計画についてお尋ねします。 昭和五十七年に国会で承認した第七次漁港整備計画が来年度をもって最終年度を迎えることになるわけであります。この六年間、漁業環境は著しく変わっているわけでありますが、漁港との関連でどういう変化があったと認識をお持ちでありますか、まずお伺いいたします。
○佐竹政府委員 この五カ年間に米ソ二百海里体制の定着等に伴いまして、私ども海外漁場の確保、新漁場の開発には大いに努力してきたつもりではございますけれども、遺憾ながら米ソ海域を中心に遠洋漁業の後退が続いてまいりまして、大型漁船を中心に大幅な減船が行われたわけでございます。しかしながら反面、国内水産につきましては、イワシ資源の著しい増大を背景に沖合漁業が大幅に伸びまして、また沿岸漁業等も、特に養殖漁業等につきましては着実に増加しているわけでございます。全体としては漁獲量面におきましては順調に伸びてきている、こういうことでございます。 このような全体的な変化を反映いたしまして、漁船の総隻数でございますが、昭和六十年からはトータルの数字では減少に転じておりますけれども、漁港を根拠地とする漁船隻数は小型漁船を中心に依然として伸びている、かような状況になっていると認識しております。
○神田委員 そうしますと、漁港法に基づいて六十三年度から第八次漁港整備計画が策定されると思われますが、どのような漁業の将来見通しを持って八次計画の策定作業を行おうとしているのか、また八次整備計画そのものをおつくりになる考え方が固まっているのかどうか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
○佐竹政府委員 八次漁港整備計画につきましては現在水産庁において検討中でございますが、その検討の基礎となります漁業情勢につきましては先ほども申し上げましたような傾向が基本的に維持されるであろう。すなわち、一般的に見て遠洋漁業は依然として減少傾向、沖合漁業はイワシ類の資源状況に大幅な変化がない限り現状維持、沿岸漁業は沿岸漁場整備等が進むにつれまして増加傾向、養殖漁業は関連技術の開発導入により順調に生産が伸びていくであろう、こういうふうな認識に基づいて計画を策定しているわけでございます。 したがいまして、これに対応した今後の漁港整備の方向といたしましては、沿岸、沖合、さらに養殖漁業の発展に資するように、第一に、管理しっくり育てる漁業の拠点整備、第二に、流通、加工の拠点整備、第三に、漁村の健全な発展に資する漁港機能の整備、こういうようなことが重点として志向されるべきであろうというふうに考えている次第でございます。
○神田委員 二百海里問題で御質問申し上げます。 三月六日、七日に行われた日韓の漁業交渉は、日本側の日韓協定の抜本的見直しの主張と、韓国側の個別問題の一つ一つの解決という態度とがかみ合わない、そういうことで終わったと聞いております。北海道、済州島沖の暫定協定の期間は残り約半年しかないわけで、この間での解決は容易なことではないと考えるわけでありますが、韓国側からすると二百海里を相互に引き合うよりも今の状態がベターである、そういうことで日本側の要求にはなかなか乗らないのではないかと観測されております。しかし、このままの状態を放置することはできませんので、この際、水産の枠内だけでの問題解決が難しいとするならば、経済関係、政治関係の中での解決の方策をとらなければならないというふうに考えますが、水産庁長官並びに大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○佐竹政府委員 日韓の交渉の現状はただいま先生御指摘のとおりでございまして、あと余すところ半年ということでございまして、時間的制約を痛感している次第でございますが、私どもとしては、二百海里をお互いに引き合うことも含めましてあらゆる可能性を追求して何とか決着をつけるように努力してまいりたい、かように考えているわけでございます。 漁業の枠組みにとらわれず云々という点につきましては大臣の方から……。
○加藤国務大臣 漁業問題を解決するために経済、政治関係を含めた努力をすべきではないかという御意見でございます。韓国との間で経済や政治関係を絡めて協議することの得失につきましては、慎重な検討が必要であると考えております。 なお、韓国に対して早急に二百海里適用等も考えたらどうかというような御趣旨でございましたが、韓国漁船の我が国周辺水域への著しい進出等、日韓漁業協定の締結当時とは漁業をめぐる諸情勢が大きく変化していることから、日韓漁業関係の枠組みを見直し、日韓漁業協定締結後二十年間の情勢変化に対応した両国間の新しい漁業秩序をつくり上げることが必要であると考えております。このため、今後とも精力的に協議を行ってまいる所存でございます。
○神田委員 終わります。
○玉沢委員長 寺前巖君。
○寺前委員 森林法の一部を改正する等の法律案についてお聞きをいたします。まず、大臣に二、三の点を最初に聞きます。 これは日切れの法案だと言ってここで審議するのですが、あなたは何が日切れだと思われるのか聞きたい、これが一つ。 それから、補助率を六十年度に一年限りというふうに減らしてしまった。ところが六十一年になると三年限りだとまた減らす。それで今度また二年限りだと言って中途で減らしてくる。毎年毎年言うことがその場限りのことになってすぐに変更してくるということについて、これは行政のあり方としても、実際関係する方面の不信を買うことになるのじゃないだろうか、これが第二点。 それから第三番目に、五十九年と比べると、今度の補助率のカットによって自治体に影響するところ、予算委員会で資料を要求してその影響額というのを出してもらいましたら、私の方で足し算をすると千六百五十三億八千万円にもなる。これは非常に大きな金額なので、例えば老人ホームをつくりたいという問題があります、一体どのくらいの老人福祉施設の予算を組んでいるかというと一千億ちょっとなのですね。ですから地方自治体に一千六百億からの被害を与えるというのはそう気安い問題じゃない、こんなことをいつまでも続けるわけにはいかないという気にならないのか、この三つの点についてまず大臣に聞きたいと思います。
○加藤国務大臣 日切れ法案とはまさに日切れを懸念してやるわけでございますが、昨日御審議いただきました松くい虫法案のように、法案そのものがなくなってしまって対策を講ずることができなくなるような法案や、きょう御審議いただいております森林法等の特例に関する法案のように、与野党の皆さん方の合意によりまして暫定予算を組んでいただく、その暫定予算を執行するに当たりましては内需拡大、厳しい円高不況の克服に伴う緊急やむを得ないいろいろな措置としての日切れ法案があります。そういったものを加味して今回、きのう、きょう、当衆議院において御審議いただいております二十数本が日切れ法案である、私はこのように考えております。 それから、六十年、六十一年の補助率カット、これらが約束違反ではないかというようなのが二番目の御質疑でございました。これはもう今朝来、各党の先生方にたびたび繰り返して申しておるわけでございますけれども、その中で、地方財政に大変な負担をかけるのではないかという意味が二番目の御質疑の中心であったと思います。これもけさほど来大蔵、自治両省の政府委員が参りましてお答えをいたしておったわけでございますけれども、地方財政措置につきましては、大きく分けまして財源補てん措置と元利償還措置と二つの措置を講じます。財源補てん措置につきましては、すなわち建設地方債、地財法第五条に基づく増発を行い、そして国費削減相当分につきましては臨時財政特例債、残事業費拡大分につきましては調整債を発行さす。そして元利償還措置につきましては、今申し上げました臨時財政特例賞、すなわち昭和六十二年度引き下げ分につきましては全額基準財政需要に算入する。もちろん富裕団体等は別でございます。そして元利償還費の九〇%、交付団体のこれは全額でありますが、それを一般会計から交付税特会に繰り入れる。そして調整債につきましては八〇%を基準財政需要額に算入するということを講じております。そこら辺は御理解いただきたいと思うわけでございます。
○寺前委員 苦しい答弁で、借金でやるのだからいいというわけにはいかぬので、地方財政については非常に重大な影響を及ぼすものであります。 そこで、私は山の問題も海の問題も両方やりたいのですが、時間の制約がございますのできょうは山の問題に限ってやりたいと思うのです。 第六次の治山計画が終わっていよいよまた第七次に発展をするわけですが、考えてみるとこの第六次の計画というのは達成率が非常に悪いわけです。第一次の計画は一一八%、第二次は一〇八%、第三次は九五%、第四次は八七%、第五次は九八%、大体そこそこやってきたものですよ。ところが第六次になりますと、これが七四・六%どかた減りになっているのです。しかも第七次にいよいよ入ってくるわけだけれども、第七次計画そのものが、これはまた第六次より計画金額というのが非常に減ってしまっている。私はそれほど治山がうまくいってきたんだったらそれは言う必要ないと思う。しかし、治山はそんなうまくいっているというふうには簡単に言えないと思うのです。 おたくの資料を見ましても、山の荒廃地というのが、第六次計画で十四万ヘクタール整備する予定が実際には十万ヘクタールにとどまった。計画の七割だった。結局六十一年度末の荒廃地というのは十二万ヘクタールという数字が出ているわけです。これを荒廃危険地で見ますと、第六次のスタートのときには七十一万ヘクタールであったものが、六十一年度末では八十七万ヘクタールというふうに危険地は拡大をしているわけです。山腹崩壊や地すべりなどの災害の発生のおそれというのが非常に広範囲にわたってふえていっているわけです。あるいは山地災害危険地区というのを調べてみても、何ら整備に着手していないところ、九万五千カ所であったものが、六十一年度末では十二万一千カ所にふえているわけです。ですから、この未着生地がふえているというのはいいことではないし、調査の精度がよくなったという言い方をすればそれはいいことだったなということになるかしらぬけれども、それはしかし人命の関係で言うならばいいことではないのです。ですから第七次の計画というのが金額面において減ってきているということは、私はこういう一連の従来到達した点から考えて、六次ががた減りであるのにもかかわらず七次は金額でさらに抑えてきているということは、ちょっとゆゆしい問題ではないだろうかなというふうに思うのです。この点について大臣はいかにお考えになるのか。 そして同時に、今度の第七次計画の閣議了解事項として二月十日の閣議のあれを読んでみますと、「三年後には見直すことについて検討する」という言葉がある。とすると、三年後には私が危惧する問題について、必ず見直しを危険度を減らす方向に向かって前進的にする、すなわち予算面においても増額するという見直しをやるという立場に立っておられるのかどうか、その点についての御回答をいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 閣議了解で三年後に見直すということについての見解を申し上げます。 治山事業は国民の生命財産を守る極めて重要な事業であり、国土保全政策の根幹でございます。第七次治山事業五カ年計画は、治山事業の実施にとり重要な指針となるものであります。 三年後に同計画の見直しを検討することといたしたわけでございますが、これにつきましては、社会経済の動向、財政事情等を勘案しつつ、治山事業の円滑な推進が図れるよう適切に対処するために設けたものでございます。
○田中(宏尚)政府委員 現在検討中の第七次治山事業五カ年計画の治山事業の投資規模は、先生から御指摘がございましたように一兆四千百億で、前計画に対しまして九六%ということで、投資規模段階において前計画より下回っておるわけでございます。これは最近の厳しい財政事情のもとでこういう規模の設定をせざるを得なかったということでございますけれども、これまた先生の御指摘にありましたように、第六次の計画の達成率、進捗率が七四・六%に終わっているという実績というものも十分踏まえまして、できるだけ実現可能で、しかも治山事業が円滑に進展するということを相にらみまして設定したわけでございます。 ちなみに、現行計画の実績見込み額と比較させていただきますと、一三〇%の計画規模を確保することがこの一兆四千百億段階でもできるというふうに考えておるわけでございます。
○寺前委員 世の中、金がなかったら治山事業ができないのは事実なんです。そこで、金がなかったから達成率が悪かった、これを勘案しなければならぬということになっていくと人命との関係――政治の大もとは治山治水と昔から言うのです。その治山治水を値切る、山の崩壊状態の方は改善がされていないのにそんなことをしたらえらいことになるじゃないか、私が心配するのは、むしろそちらに心を寄せなかったらあかんと思う。私はこれはぜひ考え直してほしいと思うし、また林野庁自身が概算要求のときにはもっとたくさん金を出しておったわけですね。それががた減りに減っているんです。前のときと考えてみて、一・五倍ぐらいの概算要求をしておられたと思うのです。それが前より減るぐらいに絞られているのだから、大臣、それこそ治山治水は国の大もとなんだからと言って構えて、人命のためには閣議の中でも居直らなければいかぬ話じゃないですか、私はあえて指摘をしておきます。 そこで、今度は第七次、これ自身が姿勢をきちんと正しておかなかったら達成率が悪くなるんじゃないかという心配をするので、ちょっと聞きたいと思うのです。 六十二年度の予算を見ると、二千四百五十億円が治山事業費としてあるのです。これは六十一年度比で七・五%の増になっています。ところが内容は、補助率カット等によって地方公共団体負担が二二・九%増で、国費の方はマイナス一・九%ですよ。そうしたら、第七次の総額一兆四千百億円を五年間平均で見ると二千八百二十億円ですから、二千四百五十億円というのをふやしていかなかったら第七次計画達成にならぬでしはう。二千四百五十億円のままであったならば達成できませんわ。この補助率の方がことしと来年と同率でいくというのだったら、平均値の二千八百二十億円に持っていかなければならぬとするならば、国の持ち出し分を七次計画の中だけでもことしよりふやさなかったならば達成できないという勘定になりますよ。私の計算が間違うているというのだったら間違うていると言ってください。そうでなかったら、当然七次計画を達成するためには国費の持ち出し分はことしと同じようではだめなんですと明確にここで言っておいてほしいと思うのです。
○田中(宏尚)政府委員 先生からお話がございましたように、六十二年度の当初事業費が二千四百五十億でございますので、第七次で予定しております五カ年の一兆四千百億を全額達成するためには、六十二年度を初項といたしまして年伸び率六・九%の事業費増ということがなければできないということになっていることは事実でございます。
○寺前委員 長官がしっかりとそれを押さえておられるのだから、大臣、あなた、山をちゃんと治めることにそれこそ政治生命をかけるくらいのことはやらなければいかぬ。重ねて言っておきます。 そこで、第六次の治山事業をもう一度振り返ってみますと、一兆四千七百億円を治山事業総額として出しておられました。林野庁の当初の見込み額として、民有林には一兆一千九百六十億円、国有林には二千七百四十億円、こういうふうに事業計画をお立てになっていたようです。これは雑誌なんかにも出ておりましたから私はよく知っておるのです。ところが、第六次期間中の事業費実績を見ると、民有林の方は九千四百二十六億円で、進捗率七八・八%、約八割です。ところが国有林の方は千五百三十八億円で、五六・一%だ。計画の半分なんです。 第七次をおやりになるに当たって、私がここで気になるのは国有林なんです。何で国有林の方が少なくなるかということを踏んまえておいてもらわなければいかぬ。今度この法律に基づいて補助率が減っても自治体分はふやさせて事業量は減らさぬようにするのだ、提案説明の中でいわばそういう話でしたわ。それは自治体にその分の責任を負わせているから民有林の方は事業としては進むのですよ。国有林の場合には負担をさせるところがないんだ。自治体の御協力を得ましてというわけにいかぬのだから、第六次の結果から考えてみると、国有林の治山対策のお金をうんと出さなかったら、六次のときと同じように、この七次も国有林の分野でまた災害の被害について国の方が悪い役割をしているということを言われることになると思うのです。ですから、国有林治山事業がおくれるという問題について、予算的に、先ほどの話と同時に、第六次の計画の進行実績から見ても今のあり方ではだめなんだということを指摘したいと思うのですが、間違うていますか。
○田中(宏尚)政府委員 国有林野の治山事業につきましては、先生から今数字の御指摘がございましたように、一般の民有林に比べまして実施率がかなり低くなっているわけでございます。これは国有林野事業の財務状況が非常に悪化してまいったということとも関連いたしまして、五十八年度以降全額一般会計の負担で実施する、従来は国有林野の事業勘定で治山事業をやってきたわけでございますけれども、残念ながらそういう財務状況にないということで一般会計ですべて負担するということで、一般会計自体が据え置きでございますとかという厳しい状況にございますために、国有林野の治山事業というものが実施率において五〇%強というような状況になっているわけでございます。現時点におきましても、国有林野事業の厳しさというものは変わらないところか非常に加速されてきているわけでございますけれども、国有林野の持っております使命、特に公共的こういう国有林野の治山事業を達成していくというようなことも十分念頭に置きまして、一日も早く国有林野事業の経営改善というものに取り組みまして、治山事業にも十分な金が回りますよう手配したいと思っている次第でございます。
○寺前委員 それでさっきの点もお認めになったし、今の点もお認めになったんだ。 私、この間うちから国有林のところを何カ所か営林署の皆さんに御案内いただきました。苦労なさっておられました。中津川の営林署というところに行ったときに、中津川の市長さんやその他の人にもお会いして、もう本当に要求されました。この町のすぐ周辺のところは民有林なのです、私たちも努力します、しかし、ずっと一番大もと、家で言えば大屋根、大屋根のところはお国のお世話になっているのです、大屋根を治めてもらわなかったら、部分的な屋根を直しておってもあきません、だから、一番能率の悪いところで大変だけれども、お国がそこのところを治めてほしいのです、加藤大臣にもぜひ一回見てほしいんですという話です。 私はそういう気持ちになるだろうと思った。というのは、この山腹の荒廃地は六十年度調査で約五千カ所、面積で二百ヘクタールある。復旧治山で山腹工事を実施してきたけれども、年間やれるのは四ヘクタールほどだ。このままでいったら五十年かかる。その間何回荒らされるかわからぬ。荒らされたときの被害なんて大変なものだ。金にかえられないんですよ、こういう話ですね。せめてこれが十年のテンポにならぬのかな、五倍の事業費を組んでもらえぬのだろうか。私ずっと一緒に歩いてみてそういう感じがしました。これは林野庁長官は先ほどから一番よく知っておられるのだ。この気持ちを酌み取って加藤大臣が山をちょっと歩いてほしい。そして具体的に言うならば、五十年テンポを十年テンポにするんだという構えでこれから中津川は予算の対処をやってもらえるかどうか、これが一つ。 同時に、私はあそこをずっと歩いて見ておりましたときに、言いたいことはいっぱいあります。皆伐方式でやっているがこれはよくない。これは改善せねばいかぬ。大分いろいろな点で改善はされていました。それから山に道路をつくります。道路をつくると溝をつくらないものだから、それがまた山を崩していく原因になっている。こういう問題については、ちゃんと溝っこをつくってやっていく、そういうきちんとした道路づくりをやるような指導、これは極めて実務的な問題になりますから林野庁の長官に聞きたいのですけれども、そういうきめ細かい指導をやってもらう必要があるのではないだろうか、お二人からひとつお願いしたいと思います。
○加藤国務大臣 私は農林水産大臣としてではなしに、今まで中津川には数回行きました。あそこら辺のことはよく存じておるつもりでございます。確かに川上と川下との関係がございますけれども、我々は国土保全ということを考えまして、国有林、民有林一体とした流域管理の考え方に立ちまして、緊急性の高いところから計画的にその推進を図っていかなくてはならないと考えております。
○田中(宏尚)政府委員 中津川営林署の国有林につきましては、先生にいろいろと現地も御精査いただいたようでございますけれども、御承知のとおり地形が非常に急峻でございまして、花嵐岩の深層風化地帯ということもございますし、それに加うるに昭和五十八年の台風十号で新規荒廃地というものも残念ながら発生しているわけでございます。こういう中でできるだけ国土保全の実を上げるということでいろいろな事業をやってきているわけでございますけれども、ただいま先生から御指摘がありました施業方針なり林道につきましては、例えば森林施業につきましては先生からもお話ございましたけれども、伐採面積を縮小するとかあるいは伐採箇所を分散させるというような努力は積み重ねてきているわけでございますし、今後も現地の実情に即した施業ということに意を用いてまいりたいと思っております。 それからさらに林道の開設につきましては、残土の適切な処理でございますとかあるいはのり面の保全というようなきめ細やかな指導ということもいたしてきておりますけれども、従来にも増しまして、今後とも国土の保全に十分配慮して施業なり林道工事をするよう指導してまいりたいと思っております。
○寺前委員 溝っこの問題、ぜひ検討しておいてください、あれは破壊する原因になっているから。 それでは時間の都合がありますからこの問題はさておいて、さっきちょっと、きのうからも鶏の話が質問に出ておりましたから、私もせっかくそれでは聞かしてもらいます。 新聞を見ておりましたら、去年ここの委員会でも問題になりましたけれども、愛知県でやみ増羽が去年問題になりました。十二月ですか、本委員会で、無断増羽にならない形で現在強力な指導を進めていますと言って畜産局長が答弁をやっていましたな。ところが現実は既に十二万羽が飼養されている。やみ増羽が強行されてしまっている。ことしの新聞を見ると島根県で、阪神鶏卵グループが赤玉一千万羽やみ増羽計画を全国的に展開する中で問題になっている。これは本当に養鶏をやっている農家の皆さんにとっては、これを専業として企業が事業へ入ってくるということになったら大変なんですね。だからこの島根県の問題について規制して、やみ増羽をやらさないようにすることができるんですか。愛知県でやられてしまったから島根県の場合にはもう仕方がないと思っておられるのか。やれるんだったら、やり方としてここを改善しますからできますんやという話を具体的に聞かしてほしいんです。
○濱田説明員 鶏卵の計画生産につきましては、需要に見合った安定的な供給体制を整備するため、五十六年に畜産局長通達、つまり「鶏卵の計画生産の推進について」というのを出しておりまして、全国段階、それから県単位の段階で飼養羽数の枠を定めまして、この枠内で調整を行うように国、都道府県、市町村、関係団体及び生産者が一体となりましてその指導を推進しているわけでございます。 このような情勢のもとでございますが、先生おっしゃいますように、昨年から関西の鶏卵販売業者が、殻の赤い卵でございますが、それをセールスポイントといたしまして、いわゆる赤玉卵の生産から流通までのグループ化、生産拡大の計画を進めておりまして、幾つかの地域で問題が起こっているわけでございます。御指摘のございました島根県の羽須美村の養鶏場建設もその一つの例でございますが、昨年八月から地元の養鶏家グループが関西の鶏卵販売グループの協力によりまして、老朽化しました鶏舎を建てかえる計画で進めてきたわけでございます。島根県の調査によりますと、当初は鶏卵の計画生産を枠内で行うという形でやっていたわけでございますが、最終的には鶏舎十棟、これは四十万羽に当たるわけでございますが、十棟の建設計画に変更されまして、現在は二棟がまだ建設中でございます。 現在、当該生産者に対しまして、村当局、それから県、県の養鶏協会が指導、説得を行っておりまして、私ども農林水産省といたしましても、鶏卵の計画生産の秩序を乱して大幅な増羽計画が実行に移されることになりますと、需給調整、養鶏経営安定を図る上から問題と考えられておりますので、このグループに対しまして何度も指導を行っております。今後とも引き続き計画生産の趣旨をよく理解いただきまして、ルールの中で調整をしてもらうように指導を強めてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○寺前委員 去年、愛知でちゃんと抑えるということを言いながらやれなかったのでしょう。だから、やれない原因はどこにあるんだということをたださなかったら、頑張ってやりますと言ったってそんなもの進まへんがな。だから進めるためにはどう一これは私、島根県の話はちょっと遠慮して言っておったのですけれども、京都にあるのです。うちの方でも今こういう問題が起こっておるのですよ。瑞穂町というところですけれども、阪神鶏卵グループが赤玉の養鶏場を一月二十九日に北久保というところに一棟つくりおって、二月二十四日にまた一棟、六月にはあと二棟完成する予定でこれはずっとやっておるのです。これはここから直接採卵をやって売ろうというのじゃないのです。もとのひなをここでつくろうという話なんです。だからひなをつくってこれを各地に送り出していったら、やみ増羽をいっぱいつくっていくことになる。 ところが、それが一つ問題になっておったら、その近所ですけれども、岩木というところに、これはもともと五万羽やみ増羽をやっておるところがあったのです。そこを、今度は今の話と一緒で、建てかえて二十万羽近くのもの、十五万羽から二十万羽ほど生産することになる。全くやみ増羽になっていくのです。そんなものはそこらじゅうにあるのです。ちょっと調べてみたら、うちの地方でも山元産業というのが、八万二千であったのが二十万羽計画で今やっておるのです。浅田農産というのが、六万五千羽が十五万羽計画になってやっている。次々と出てくるのです。だから、今のやり方をやっておるだけではこれは解決しない。 それで、これは今どういうことがやられているかと言うたら、卵価安定基金からの排除とか、配合飼料価格安定基金の排除とか、補助事業や制度資金からの排除とか、採卵鶏素ひな計画生産推進指導事業とか、こんなので指導をやっている、こう言う。ところがこれらの業者にとっては一つも関係ない。これではちっとも影響を受けない。だからやり方を抜本的に変えなかったら、これは解決せぬのと違うかと僕は思う。もっと簡単に言ってしまったら、例えば十億円以上の資本金で、こういう農家がやっている鶏を飼っているところに対する事業、こういう事業に対して、そういう大手企業が入ることはなら狂いというような分野規制法的な法律をつくって規制してしまうとか、百歩譲っても、もとのひなを出すところがどこへ出すかということが明確でない限り素ひなを出すことはまかりならぬとか、あるいは飼料のところで規制するとか抜本的なことを考えなかったら、これは絶対に抑えることはできないというふうになるのと違うかと私は心配するのだけれども、現実に指導しておられるあなたたちは、そんなことせぬかて任じておいてくださいと言えるのか言えないのか、その点を聞きたいのです。
○濱田説明員 お答えいたします。 確かに卵の生産につきましては、生産者が自主的に生産を行っているというのが基本的な建前でございまして、それをうまく計画生産を誘導するということには非常に難しい点があることは事実でございます。ただ、私どもは、自由経済、営業の自由という大前提のもとで、私ども行政が介入し得るあらゆる措置を駆使いたしまして指導を行っているわけでございます。 ただいま先生がおっしゃいましたように、えさの基金あるいは卵価基金、これは国の資金も入っている面がございます。それから制度資金あるいは補助金、こういうものと結びつきましたものにつきましては、都道府県、団体を通じまして強力に指導しておるわけでございます。今後とも引き続き関係方面と連絡を密にいたしまして、できるだけ計画調整の円滑なる達成に努めてまいりたいと思っている所存でございます。
○寺前委員 今のはちょっと余談になったわけですけれども、さっきも大臣に申し上げたように、これは日切れだという理屈をつけるのは筋が通らぬ話だ、私はそう思うのですよ。そこへ持ってきて自治体に責任を転嫁するやり方というのは、これはもう正しい治山治水のあり方ではないと思うのですよ。ですから、こういう考え方に私は反対します。 以上で質問を終わります。
○玉沢委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○玉沢委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。松田九郎君。
○松田(九)委員 私は、自由民主党を代表し、森林法の一部を改正する等の法律案に賛成の意見を述べるものであります。 現下の我が国の財政は、昭和六十二年度末の公債残高が約百五十二兆円に達すると見込まれ、まだ、その利払い等に要する経費は公債発行額を超えるなど、依然として極めて深刻な事態にあります。 一方、社会経済情勢の推移を見ますと、一昨年来急速に円高が進展しており、この過程で生ずる雇用、地域経済への影響は、一段と厳しさを増しております。 このような状況の中で、財政再建路線を堅持しつつ、内需拡大策として、公共事業の事業費を拡大することが緊急の課題となっているところであります。 さらに、我が国の農林水産業は、経営規模拡大の停滞、需給の不均衡などの諸問題に直面しており、生産性の高い農林水産業の確立のため、農林水産関係公共事業を一層積極的に推進し、基盤整備等の基礎的条件を整備することが強く求められております。 とりわけ漁港は、漁業生産と流通の基盤として漁村社会において極めて重要な役割を担っております。しかしながら、第七次漁港整備計画に基づく漁港修築事業の進捗率は、昭和六十一年度末で六割弱と低水準にとどまっており、強力にその推進を図る必要に迫られております。 また、治山事業についても、国土を守り国民の生命と財産を保全するまことに重要な事業であり、近年における山地災害の多発等により、その一層の促進の必要性が高まっておりますが、治山施設の整備水準はいまだ低位な状況にあります。 本法律案は、以上のような情勢を踏まえ、森林法の保安施設事業及び漁港法の漁港修築事業に係る補助率等を引き下げ、事業費を確保し、事業の一層の推進を図ることとするものであります。 その際、引き下げ措置の対象となる事業に係る地方公共団体に対しては、その事業の施行及び財政運営に支障を生ずることのないよう昨年を上回る手厚い財政上の措置を講ずることにより、万全を期していることをも考えあわせれば、今回の措置は、農林水産関係公共事業の一層の推進により、生産性の高い農林水産業の確立を図り、あわせて内需の拡大と農山漁村の活性化に資するため、必要かつ妥当な措置であると考えるものであります。 現下の厳しい財政状況のもとにおいて、農林水産関係公共事業費の確保、拡大に対する政府の熱意と努力に対し、改めて敬意を表して賛成討論を終わります。(拍手)
○玉沢委員長 串原義直君。
○串原委員 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となっております森林法の一部を改正する等の法律案について反対の討論を行うものであります。 政府は、さきに昭和六十年度限りであることを表明し、二分の一を超える高率の補助率を引き下げました。ところが、その約束に違反して、さらに昭和六十一年度から三年間、地方自治体に対する補助金削減措置を実施いたしました。この国の負担割合引き下げの特別措置を審議するに当たり、そのたびごとに、今後はこのような措置はいたしませんと答弁をしてまいりました。加えて、昭和六十年十二月には、関係閣僚の間でも同様趣旨の覚書も交わされたところでございます。さらにさきの国会におきましても、昭和六十一年度より三年間の見直し法案審議の際、このたびの見直しが最後であるというような答弁が行われ、衆議院大蔵委員会においてはその趣旨に基づいた附帯決議が行われました。ところが本法案は、繰り返された約束、国会の審議経過を全く軽視したものであります。 第二の反対理由は、国の財政運営の失政を地方に転嫁するものであり、地方自治体に負担させないよう措置すると言われるのでありますけれども、結果は地方の財政困難を招くものと考えるからであります。 たび重なる補助率の引き下げは、国と地方自治体との財政秩序を国側から乱すことであり、それは自治体はもちろん、殊に農業基盤整備に全力投球している地域住民から政治不信を招くことになりましょう。さらに、財政硬直化が進んでいる第一次産業主体の自治体は、このたびの措置により政策的予算を組みにくくなり、財政力豊かな自治体との格差を生ずることになりましょう。 第三の反対の理由は、円高不況地域における内需拡大政策に逆行するものであるからです。 政府の新たな補助率引き下げによる影響二千百七十億円については、臨時財政特例債などにより対応することとし、後年度において地方交付税などで補てんするというのでありますが、円高不況、雇用不安が広がりを見せております今日、この補助金削減という後ろ向きの政策で内需拡大、経済の活性化に結びつきますでしょうか。むしろ力の弱い自治体などにありましては、補助事業の返上という事態も起こり得ると憂慮するのであります。 最後に一言触れておきたいことは、政策を内需中心に転換させるため、政府が責任を持った積極的な公共事業拡大を含む財政主導型政策の推進です。殊に、長期にわたる計画に基づいて実施されている農村基盤整備事業の極端なおくれをこの際取り戻し得る内需拡大策をとるべきであり、補助金削減政策はそれに反するものであります。 以上の理由から、本法案に強く反対し、討論を終わります。(拍手)
○玉沢委員長 藤田スミ君。
○藤田委員 私は、日本共産党・革新共同を代表して、政府提出の森林法の一部を改正する等の法律案に対し、反対の討論を行うものであります。 討論に先立って一言申し述べておきたいのは、本法律案は補助金削減関連法案であり、本来徹底審議を尽くすべきで、日切れ法案と同じ扱いをすべきものではありません。暫定予算に公共事業費を組むためという理由なら、現行の補助率のまま計上すればよいのであり、何ら日切れ扱いにする正当な根拠がないことを指摘しておくものであります。 以下、私は本法律案に反対する主な理由を具体的に申し上げます。 まず第一の理由は、今回の措置が三たびの公約違反の補助金カットであることであります。六十年度予算の際には一年限りの措置と約束し、六十一年度予算の際には、再びこれ以上のカット率上乗せは行わない旨文書で約束をし、今回これらの約束を一切ほごにして三たびの補助金カットを強行するもので、絶対に許されるものではありません。 第二は、国の財政赤字のツケを、地方財政の現状を無視して地方公共団体に転嫁することであります。 第三は、今回の措置が二つの事業の進捗を大幅におくらせるのは必至であり、国民的要請に逆行したものとなっていることであります。 第六次治山事業五カ年計画及び第七次漁港整備長期計画の進捗率は、それぞれ最終年度で七四・六%、七四・九%のおくれになっています。今回の措置は、地方財政の負担をさらに重くし、公共事業の消化に到底責任が持てないと地方自治体関係者から言われているように、事業の進捗を大幅におくらせ、治山治水と沿岸漁業振興の整備強化を求める国民的要請に逆行したものにならざるを得ません。 以上述べましたように、今回の措置は、国の財政赤字のしわ寄せを円高不況、地方財政危機にあえぐ国民と地方公共団体に押しつけて、さらに追い打ちをかけるものであります。 我が党は、補助金カットで財政負担を地方公共団体に転嫁するのではなく、GNP一%枠を突破した軍事費の大幅削減、大企業優遇措置の是正などで事業費を確保し、国民生活関連公共事業を大幅に促進することを強く要求するものであります。 我が党は、以上のことを強く主張いたしまして、ただいま議題となっております政府提出の森林法の一部を改正する等の法律案に反対をし、私の討論を終わります。(拍手)
○玉沢委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○玉沢委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、森林法の一部を改正する等の法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○玉沢委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○玉沢委員長 この際、本案に対し、近藤元次君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。辻一彦君。
○辻(一)委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合を代表して、森林法の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 森林法の一部を改正する等の法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たっては、次記事項に留意し、その運用に遺憾なきを期すべきである。 記 一 近年における社会経済情勢の変化に的確に対応するため、社会資本の整備・充実が重要な課題となっていることにかんがみ、農林水産関係公共事業に係る各種長期計画の着実な進捗に必要な予算の確保に特段の努力を傾注するなど、生産性の高い農林水産業の確立を図るとともに、地域格差の是正に努めること。 二 現下の緊急課題である円高不況・雇用不安の打開のため、公共事業費の確保を図るなどにより、内需拡大、地域経済の振興と住民福祉向上に特段の措置を講ずること。 三 国庫補助負担率の削減は、再三の確認にもかかわらず毎年度拡大されており、政府に対する地方の不信を醸成するおそれがあることにかんがみ、国庫負担金及び補助金については、国・地方公共団体の行政責任を明確にすること。 四 国庫補助負担率削減に対する地方公共団体の財政支出増については、地方財政の現状を勘案し、臨時財政特例債、調整債の元利償還について国の責任において措置すること。 この場合において、六十年度、六十一年度における確認を勘案し、六十二年度影響額について地方交付税への特例加算等で適切に措置するよう努めること。 五 今回の本法案の審議・取扱いについては、暫定予算執行のための特別の措置であることにかんがみ、暫定予算執行に当たっては地方公共団体の予算執行と財政運営に支障を与えることのないよう、特段の配慮を払うこと。 右決議する。 以上の附帯決議案の趣旨につきましては、質疑の過程等を通じて委員各位の御承知のところと思いますので、説明は省略させていただきます。 何とぞ全員の御賛同を賜りますようお願い申し上げます。
○玉沢委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 近藤元次君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○玉沢委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、ただいまの附帯決議につきまして、農林水産大臣から発言を求められておりますので、これを許します。加藤農林水産大臣。
○加藤国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上善処してまいりたいと存じます。 ―――――――――――――
○玉沢委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案の委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○玉沢委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○玉沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時五十四分散会