逓信委員会 第4号
- 発言数
- 237 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/05/18
会議録
○深谷委員長 これより会議を開きます。 放送法及び電波法の一部を改正する法律案、電波法の一部を改正する法律案、電気通信事業法の一部を改正する法律案の三案を議題といたします。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 ただいま議題となりました三法律案審査に際し、本日、参考人として、放送法及び電波法の一部を改正する法律案について日本放送協会専務理事林乙也君を、電気通信事業法の一部を改正する法律案について日本電信電話株式会社常務取締役電話企画本部長高橋節治君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○深谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ―――――――――――――
○深谷委員長 質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。阿部未喜男君。
○阿部(未)委員 大臣に伺いたいのですけれども、今日情報通信の分野でも著しく開発が進みまして、この国会でも議題になっております国際VANなどという想像もできなかったような手段によって国際間の情報交換が行われるようになっています。そして先進諸国の方は特権のように次々と新しい手段の開発を進めておられます。そのことを否定するものではありませんけれども、しかし一方では、発展途上国で電話の普及さえ思うに任せないような国も数多くあります。例えばアフリカの大飢餓の問題にしても、もっと情報の分野が進んでおり、あるいは交通の手段があったならば、もう少し早く手を打って処理ができたのではないか、そういう思いもしてならないのです。言いかえれば、通信はその社会の神経であるとも言えると思うのであります。したがいまして、先進諸国はひとつ力を合わせて、こういう途上国に対して情報通信の分野でも相応の援助が行えるような努力が払われていいのではないか、そういう気がしてならないのですが、日本政府としてこの点についてどう考えておられるのか、閣僚の一人であります郵政大臣の所見を承りたいと思います。
○唐沢国務大臣 大変大事な問題でございますが、具体的には事務当局から御答弁いたさせますが、最近非常に外国の通信大臣も参ります。私も一月各国を回ってまいりました。そこで、これからは電気通信に関しましては技術的な話し合い、事務当局の話し合いも必要であるが、やはりトップレベルでの話し合いも必要であろうということに認識は一致しておりますが、そのときの問題が当然のことながら通信方式の標準化ですね。それから先進国間では技術の共同開発、こういうものが問題になりますが、もう一つの問題は、先生おっしゃられましたように、発展途上国に対する技術援助でございまして、二カ月くらい前に行われましたOECDのタイド二〇〇〇、あれでは発展途上国に対する技術援助というものが非常に大きく取り上げられた。たまたま倉成さんと私がテレビ会議でその話をいたしましたら、そのときの永井座長にOECD加盟国が、日本もそこまで関心を持ってくれているのかと言って非常に喜んでおったそうでございますが、確かに政府開発援助でも最近は電気通信に関するものがふえております。もしなんでしたら、具体的には事務当局の方から御報告をさせますが、先生のおっしゃるとおりだと思っております。
○阿部(未)委員 大変立派なお話でございまして、ただ、ちょうど時期もヤマブキの花の咲くころでございますが、花だけ咲いて実がないのでは困りますから、少し事務当局から具体的に説明をお願いしたい。
○塩谷政府委員 先生お尋ねのとおり、まさしく発展途上国に対する技術援助、これは日本の今日的な意味での国際化の一つの重要な側面でございまして、私ども、いろいろな面でその施策を考えているところでございます。 二、三御紹介申し上げますと、まず、これは従来からやっておりますけれども、いわゆる政府開発援助、ODAでございますが、これによりまして発展途上国の電気通信網の整備あるいは電気通信技術者養成などの協力を実施中でございます。 それから、ことし特に、APT、アジア太平洋電気通信共同体という組織がございます。ITU、国際電気通信連合の一つのアジア的な地方機関でございますが、そこの主催によります農村地域、特に発展途上国の場合、都市と農村の開きというのは大変離れておりまして、その農村地域、ルーラル電気通信網の開発セミナーを東京でやろうということにしておりまして、その際にいろいろ電気通信網の整備を考えておられる国の相談にあずかっていきたいというふうに思っております。 それから三番目に、これは今申し上げました国際電気通信連合の中に、いわゆる南北問題といいますか、先進国と発展途上国の技術格差を解消するための機関として電気通信開発センターというのが昨年九月設立されておりますけれども、この活動を積極的に支援したい、資金的にも組織的にも支援したいということで、国内のこの機関もつくりまして、この面での電気通信の国際協力を積極的に推進してまいりたいというふうに考えております。
○阿部(未)委員 もう一つ参考までに伺いますが、郵政省の予算の中に特にそういうものを見受けないのですが、どこか例えば外務省の予算とか、ほかにそういうものがあるわけですか。
○塩谷政府委員 郵政省の予算ということで申し上げますと、例えばITUの分担金というようなことで出しておりますけれども、それ以外に、今おっしゃいました外務省の関係では、資金協力として円借款あるいは無債資金協力、こういうようなこと、それから技術協力ということでやっておりまして、そういった資金協力の面では外務省関係の円借款あるいは資金協力が大きいと思います。
○阿部(未)委員 わかりました。 では次に、第二KDDの問題について大臣に伺いたいのです。これは大臣に御答弁をいただきます。 国際電気通信事業への新規参入の問題につきましては、この委員会でもかねていろいろ議論をしてきたところでございます。郵政省は、電気通信事業法第十条の精神から推して考えて、市場規模を考慮すれば事業会社は一つにまとまることが望ましい、そういうお話がこの前ございましたし、また、せっかく努力中であるという趣旨も述べられました。また、通信ケーブルの新設は今のところ考えられないのではないかという趣旨のお話も伺ってきたところでございますが、たしか四月十七日だったと思いますけれども、唐沢郵政大臣は、私どもからすれば突如として、新会社が太平洋通信ケーブルの敷設を打ち出せば、これを歓迎するという趣旨の発表をされました。太平洋通信ケーブルの敷設については、これはまさに百八十度の方針の転換であると言わなければなりませんが、その背景、理由等について大臣のお考えを聞きたいのです。
○唐沢国務大臣 当時、確かに私は国際電気通信分野の参入は当面一社が適当ではないかというようなことを御答弁いたしました。大体民間の会社もそういうことをお考えのようでありまして、二つのグループが一本化の調整を渡辺経団連情報通信委員長に依頼されまして、四月の初めに調停案が示されたわけでございます。内容はもう先生御存じだと思いますので申し上げませんが、内外の各企業の要望にこたえた公平な内容になっておると考えておりまして、私もこれを支持いたしております。現在この調停案に従いまして中核八社、この中には米国、英国の企業も含まれておりますが、話し合いが行われておりまして、これを見守っておるところでございます。 なお、新太平洋ケーブルの敷設は新会社の経営にかかわる重要な問題でございまして、第一義的には直接の利害者である民間関係者で率直に検討されることが必要であると考えております。そして、今先生おっしゃるように、その結果新会社が新太平洋ケーブル計画を打ち出すのであれば、国際電気通信分野における競争の促進という観点から私はこれを歓迎すると申し上げたところでございます。 ところで、この問題につきましては、最近しばらく逓信委員会はなかったわけですが、予算委員会、決算委員会がございまして、先生方の御意見としては、国際化、自由化の時代に郵政省が余り口を出さぬ方がいいではないかという御説と、反対に、この間木下先生からお話がありましたように、これはあくまでも日本が自主的に決める問題であるという御意見もあるわけでございます。結局どこまで自由にし、どこから規制するかという問題だろうと思っておりますが、我が国の電気通信改革は先生方で法を可決、成立いただいたわけですが、今までのところ順調に来ていると私は思っておるわけでございます。諸外国も大変注目をいたしておりまして、自由化はイギリスの方が一年早かった、日本は六十年であった、しかし、その後第一種の新規参入が十社を超えておる、第二種は三百社をかなり超えておるということで非常に世界の注目を集めている。その上に日本の高い技術水準というのもありまして、外国の通信大臣は日本の自由化の今までの経過、またそういうものをぜひ教えてほしいという話もありまして、カナダのマクドナルド大臣によりますと、向こうも電気通信改革を考えていて、日本と同じように一種と二種と、どういう名前になるかわからないがそういうものに分けることを今考えているというようなことを申しておりました。 そういうことでございますので、私といたしましては、今後とも、日本は世界の電気通信改革の旗手である、そして先導的な役割を果たす国であるということで、国際化、自由化に積極的に前向きに対処させていただくべきではないかと考えております。 一方、個々の案件、具体的な申請がありました場合には、電気通信事業法の第一条に「電気通信の健全な発達及び国民の利便の確保を図り、公共の福祉を増進することを目的とする。」というのがございますが、この精神にのっとりましてあくまでも厳正、公正に処理をさせていただくつもりでございます。
○阿部(未)委員 一緒に質問しましたからあれですけれども、分けるとこれは二つになります。 一つは、いわゆる新規参入の会社は一本にまとまることが望ましい。これは渡辺経団連情報通信委員長の提案どおり一本にまとまる方向ですから、まだどこまでいったかわかりませんが、そのことは望ましいことであり、この委員会での議論と相反するものではありません。 しかし、もう一つ太平洋通信ケーブルの敷設という問題は、一本にまとまることとは別に、まとまることを条件に敷設を認めるというようなものではなくて、これはあくまでも第十条の精神というものが生かされなければならないことになってきますし、一本化されたから敷設を認めるというような条件づきのものではなかったと思うのです。たまたま渡辺さんの調停の中に太平洋ケーブルの敷設については話し合えというのがあったから、大臣はそれを受けて歓迎すると言ったのだろうと私は思うのです。歓迎というのはそもそも行き過ぎではないですか。どうなんですか。
○唐沢国務大臣 一社の問題でございますが、いろいろ事業規模等からして一社がふさわしいであろうと私は考えるということを申し上げましたし、実はイギリスのパーキンソン元貿易産業相も下院の答弁で、たしか一九九〇年までは新規参入は一社にするということを述べておられるし、二つのグループが一本化を渡辺経団連情報通信委員長に申し入れられたのもそういうお考えであったからであろう、こういうふうに考えております。 それから、そういうところで中核八社がいろいろ御議論なさって出た結論は従来から尊重させていただくということは申し上げておるわけなんでございますが、それを歓迎すると言ったわけです。しかし、先ほど申し上げましたように、あくまでも個々の案件につきましては電気通信事業法の精神にのっとり、また法に従いまして厳正、公正に処理をさせていただくつもりでございます。 ただ、なぜ歓迎すると言ったかというと、例えば阿部先生が私の家においでになるというときに、おいでになるのを拒否するものではないという言い方もありますし、ぜひおいでくださいという言い方もあるわけでございますが、私は先生の顔を見るとぜひおいでください、こういったちなものですから、そう申し上げております。私は、基本線といたしましてはあくまでも自由化、国際化には前向きに積極的に対処するが、個々の案件については法に従って厳正、公正に処理をさせていただく所存でございます。
○阿部(未)委員 それは、人と人とのつき合いのかかわりならば、大臣のおっしゃるように、拒否するものではないと言うよりもどうぞおいでくださいと言う方がいいでしょう。しかし、事は国益、通信の主権というような問題にもかかわるわけでございますから、それを今までの方針を百八十度転換して、今まで拒否しておったものをどうぞいらっしゃいと言うのは態度の豹変ではないか。しかも、仄聞するところによると、必ずしも事務当局との間に十分な意思疎通の上で大臣が発言されたのではないのではないかという気がするのです。したがって、私は百八十度と言い、突如としてという言葉を使ったのですが、その辺はどうなんですか。
○唐沢国務大臣 実は先生のおっしゃることもよくわかるわけでございますが、私はそのときに記者会見をいたしまして、大体出るところと出ない箇所がございまして、そのときには、私はただ米国側の問題もあるので今後の展開を注視したい、こういうふうに申し上げでおるわけでございますので、それを含めてひとつ御理解をいただきたいと思います。
○阿部(未)委員 だんだん要領を得て答弁が上手になりまして、本当はもう少し聞きたいところですが、苦労をされておるようでございますから……。 そこで、実は私の誤解があるといけませんから、経団連の渡辺情報通信委員長の調停、例えば中核八社、そして株は均等にするとかいろいろあったようですが、あの調停の内容をちょっと簡単に、わかりやすく知らせてくださいませんか。
○奥山政府委員 第二KDDに参入を希望をしております二つのグループの発起人代表から依頼を受けられました渡辺経団連情報通信委員長が四月二日に出されました最終調整案の内容でございますが、まず第一点は、それぞれのグループから四社ずつを中核社として指定をされまして、その中核八社が株式のシェアは均等に保有するということ、並びにその中核八社から第二KDDに役員を出すということ、並びにケーブルにつきましては新会社において直ちに検討を開始するということが主要な内容でございます。
○阿部(未)委員 大体承知しておるところと一緒のようでございますけれども、聞くところによりますと、せっかくそういう最終調停が出されたのですけれども、その中の太平洋ケーブルの敷設については、ITJとIDCの周にはかなり意見の対立があるように報じられておるのですが、その辺はどう把握されておりますか。
○奥山政府委員 ただいまもお話がございましたように、現在、中核八社におきまして渡辺調停案に基づきまして鋭意協議が行われているところでございます。 その中で、ケーブルの問題につきましては、それぞれの中核八社の中で考えにばらつきがあることも事実のようでございます。私ども、もちろん、それに参画しているわけではございませんので詳細を把握しておりませんが、伝えられるところによりますと、ケーブルの扱いにつきまして現在なお両グループ間に隔たりがあるようでございます。 いずれにいたしましても、これまで四月十五日と五月一日、二回にわたりましてケーブルの問題を含む諸条件について協議がなされておりますし、第三回目が近く行われるやに聞いておりますので、今後さらにケーブルの問題も含めてこれらの協議が続行されるものというふうに考えております。
○阿部(未)委員 そこで大臣の発言が問題になってくるのです。どうぞ両者で十分御協議をくださいとおっしゃったのならば、これは今局長がおっしゃったようにこれから中核八社が話し合いを進めていけばいいのですが、歓迎するとおっしゃった大臣の立場からは、一歩踏み出して行政的な指導をしなければならなくなるのではないか。その辺はどう考えておられますか。
○奥山政府委員 先ほど大臣が答弁されましたように、ケーブルの敷設の問題は、それが利益に帰するかあるいはリスクを負うことになるのかはあくまでもいわばそろばん勘定といいましょうか、それぞれの会社の経営の方針にかかわる重要な問題でございますので、第一義的には各社が判断すべきことでございます。そのような各社の判断に基づいてケーブルの扱いについて何らかの話が詰められていくものと思います。 その中で、ケーブルは今後どのような形態のものを想定するのか、あるいは国際電気通信ネットワークとしてのケーブルがどのように今後機能していくのか、つながっていくのかといったようなことが八社協議の場で詰められてくることになると思いますので、もしそうした協議の場でケーブルの敷設計画というものが合意に達したならば、先ほど大臣が申し上げましたように、法律の条項に照らすことを前提に公正、公平に取り扱っていく、そういう趣旨で大臣がああいう発言をされたものというふうに考えております。
○阿部(未)委員 これから事務当局の方だろうと思うのですけれども、その中核八社、いわゆる二つのグループの話し合いの取りまとめについても若干の責任があるのではないか、私はそう聞いているのです。どうですか。
○奥山政府委員 新規参入するかしないかということはあくまでも民間の発意に基づく自主的な行為でございますので、これの帰趨について、郵政省の方から、どうあるべきだというような介入に当たるようなことは避けるのが至当ではないかというふうに考えております。
○阿部(未)委員 それでは結論、やはり歓迎という言葉は少し行き過ぎであったということになりますね。それは両者の間で十分話し合ってくださいと言うべきところを歓迎しますとやってしまったのは、少し行き過ぎであったということになりませんか。どうしてもならなければならぬでもいいですがね。どうですか。
○唐沢国務大臣 中核八社というのは、日本を代表する企業、それからアメリカ、イギリスの企業も入っておられる。そこで今いろいろ打ち合わせをされて、検討されておられる。今奥山局長が申しましたように、第一義的には、ケーブルならケーブルを敷設しようとする民間業者でこれはお決めになる問題であって、そういう中核八社の出された結論というものはやはり尊重していくべきであろうと思っております。 しかし、先ほど私はただし書きの方を申し上げなかったのですが、これはケーブルですから、こちら側もあればあちら側もあるということで、相手方の出方ももちろんあることでございますし、個々の問題になれば、先生の意を体して、それは法の精神に従い、法にのっとって厳正、公正に処理をさせていただくつもりでございます。
○阿部(未)委員 今の尊重するぐらいのところがよかったのですね。だから歓迎するはちょっと行き過ぎだったと思うのですが、まあ相手もあるわけです。大臣の気持ちが全然わからないわけではありませんからこれ以上言いませんけれども、ちょっと勇み足しゃなかったかという気がしたものですから。私至言い過ぎたかもわかりませんが。 次に、通信主権の問題についてであります。 新しい事業者に対する外国資本の参加はそれぞれ規制もあり、また第二種電気通信事業については規制がない、いろいろな関係がございますが、これはこれで法定されておるものですからとやかく言う気持ちはないのですけれども、その資本が経営参加をするということになってくるとこれは若干通信主権にかかわってくるのではないか。もちろん、自主的に日本が決めたことだから通信主権にかかわらないとおっしゃればそういう理論も成り立ちます。しかし、逆に実体論として、相手の国がぜひこうしたいと言って日本がそれを断り切れないような国際間の力の関係、状況に置かれてこれを認めたとすれば、これはやはり通信主権が侵されたというふうに理解をすべきではないかと思うのです。経営参加の問題についてもしそういうことありとせば、私は通信主権にかかわる問題だと思いますので、この点どうお考えか聞いておきたいのです。
○奥山政府委員 通信主権という言葉は、ITU条約の前文にも明記されておりますとおり、各国がこれを尊重すべきことは当然でございます。 ところで、今御指摘の通信事業、第二KDDに対する経営参加の問題につきましては、電気通信事業法で三分の一未満の外資の参加は認められることになっております。いわゆる第二KDDも第一種電気通信事業でございますことから、この条項が適用になることは申し上げるまでもございません。 電気通信事業法等電電改革三法の御審議の際に外資の割合については種々御議論がございましたけれども、国会での御審議を踏まえましたあげくに、三分の一未満の外資を認めてもこれは日本の通信主権を侵すことにはならないという国会の御意思の決定になったというふうに私どもは理解をしております。したがいまして、これはあくまでも日本国の自主的、自発的な判断による決定であるということでございますので、通信主権が侵されることはないというふうに理解しているところでございます。
○阿部(未)委員 三分の一の外資を認めたということそれ自体が私は通信主権を侵していると言うのじゃないのですよ。ただ、私も記憶に新しいのは、あの法案の各条項の整備をするに当たって金丸先生から、外資の規制だけは余りやるなよというお話があって三分の一が認められた、こういう経過があるわけです。そのことで言うのじゃないのです。三分の一の資本参加が経営の参加につながった場合、しかも向こうがその経営をやるということを押しつけたという場合に通信主権の問題とかかわりがないか、こう言っておるのです。
○奥山政府委員 法律に基づきまして三分の一未満の外資の参入が認められていることを前提にいたしますと、あくまでもこれは日本の国が、そのような外資の参入が出てまいりました場合には日本国の主体性においてこれを判断すべきものでございまして、日本国の主体性において経営が侵されることはないというふうに判断した場合にはこれは主権が侵されたことにはならないというふうに考えております。
○阿部(未)委員 先のことを言うのは悪いのですけれども、そうするとそれは、これからのいわゆる第二KDDの参入、その後に来る経営参加という問題については日本国が独自な立場で自主的に判断をする、そう理解していいのですね。
○奥山政府委員 経営に参加という言葉でございますが、私どもは法律に基づいて行政を執行いたします。電気通信事業法の精神であります競争の導入ということは国際電気通信事業においても当然これは私どもとしては積極的に対応すべきことでございますので、法律の範囲内において私どもとしてはその判断をすべきであろうというふうに考えます。
○阿部(未)委員 三分の一の外資の参加は認められておる、これはもう異論のないところですが、そこで実体論として、経営に参加をしてくる、その場合に、それを認めるか認めないかというのはなお日本の政府の自主的な判断によるところだと理解するのか、それはやむを得ないのだ、こう理解するのか、そこのところなんですよ。
○奥山政府委員 具体的には個別の申請内容を見てみないと非常に判断をしにくいのでございますけれども、抽象論、一般論的に申し上げますと、電気通信事業法によりまして三分の一未満の外資の参入を認めております以上、これは、世界に先駆けでこのような法体制をつくって競争を国際電気通信事業の分野にも導入したということから、むしろ積極的にとらえられるべきであろうというふうに考えております。
○阿部(未)委員 今の局長の答弁ですと私なかなかこれは引き下がりにくいのですよね。やはり第十条の精神もあるわけですし、そう簡単にこれはそうなるんだとはなかなか言いにくい気がするし、今度中核入社になりましたから前とはちょっと情勢が変わっているのは私も承知をしております。しかし、非常に強く経営参加を希望しておる外国の会社があることも御案内のとおりなんですから。しかもこの国などというのは、政府高官から王室に至るまで、ぜひぜひということで日本の首脳の頭をなでよるようですから、もし軽々にこれをやると日本の通信体系の中で、あるいは国益の面から考えて取り返しのつかないような事態が起こるのではないか、このことはひとつ大臣も局長も意にとめてもらいたいのですが、私の言うのは無理でしょうか、どうでしょうか。
○唐沢国務大臣 確かに先生の危惧されているお気持ちはわかるわけでございますが、何しろ電気通信事業法も三分の一まで外資を認めております。今度の渡辺調停案では役員の派遣もこれを認めておるということは、これは世界にかつて例のないことでございまして、それだけ我が国は逆に言うと電気通信では世界の旗手であって、最も先導的な役割を果たしておると思っております。 しかしながら、反面、先ほども申し上げておりますように、我々はあくまでも電気通信事業法の精神を尊重してやらしていただいておるわけでございまして、電気通信の健全な発達、国民の利便の確保、公共の福祉の増進、これを図らなければならないわけでございまして、そういう意味から通信主権というものはそれはもちろん守っていかなければいけないと考えております。あとは個々の案件は法に従いまして厳正、公正に処理をさせて、先生の御意見は大変な参考になる御意見としてよく心にとめておくつもりでございます。
○阿部(未)委員 時間がなくなりましたが一つだけ大臣にお願いしておきたいのですが、いわゆる新しい法案の電気通信事業法の一部改正の中で、国際VANについてはそれぞれの国内における法制の違いがあり、たくさんの問題を含んでおるように思われます。したがって、この国際VANの取り扱いについては、仮にこの電気通信事業法の一部が改正をされても、それぞれの国内の持つ法制上の問題等を十分検討されて、日本の国益に反することがないように、私は何も日本が電気通信事業を独占せいと言うのじゃないのですよ、開放それ自体は否定しませんが、日本の国益が侵されるようなことがないように、各国の国内の法制上の諸点も十分検討しながら、拙速をとうとぶことのないように処理をしてもらいたいということを最後に希望して、私の質問を終わります。
○深谷委員長 鳥居一雄君。
○鳥居委員 最初に、電気通信事業法の重大な九条違反という疑いの濃い問題について伺いたいと思います。 これまで有線放送事業の正常化問題がしばしば本委員会におきまして取り上げられてまいりました。もうかれこれ十年来の懸案であり、議員立法による規制を、何とか対策をとらなければならないということで、立法措置もとられました。しかし、今日、法治国家である我が国の中で、無法業者が延々とこの事業を展開していく、こういう実態はまことにもって目に余るものがございます。具体的に取り上げてまいりたいと思うのです。 これは国内の有力紙に載りましたある有線業者の宣伝広告です。全面広告を各紙に載せました。この全面広告によりますと、三百二十チャンネル、この三百二十チャンネルのチャンネルリースをやる。この社が持っている幾つかのチャンネル、これはそれぞれの企画があるわけですけれども、空きチャンネルを希望の加盟各社に自由に使わせていこう、こういうふれ込みで実は宣伝をいたしております。 問題は、全国にネットワークを同軸ケーブルで張りめぐらして、そしてともかく有線ラジオ法違反なんというそんな段階ではありませんで、第一睡電気通信事業者と見まがうようなそういう営業実態が実はここにある。この事実を郵政省は承知していますか。
○奥山政府委員 ただいま御指摘のございました某有線ラジオ放送事業者が御指摘のような新聞広告を出したということは承知しております。また、それらにつきまして適法な有線放送事業者の方から私どもの方にも、このような状態が現在はびこりつつあるというようなお申し出も最近受けたところでございます。 現在私ども、その新聞の広告のみでは詳細な業務の実態がわかりませんので、これからその実態、実情につきまして詳しく調査をした上で適切に対処をいたしたいと思っております。
○鳥居委員 この広告によりますと、同軸ケーブルで三百二十チャンネルのさまざまな番組の供給ができる。その三百二十チャンネルのうちの、例えばこの中に六つのジャンルのさまざまな番組があります。この番組の中に、各地のNHK放送あるいは民間の各放送、それを全国どこでもいながらにして聞くことができます、こういうふれ込みで提供をしているわけです。これは有ラ法の五条違反じゃありませんか。
○森島政府委員 先生おっしゃいますように大阪有線放送等におきまして放送事業者の同意を得ないで再送信を行っているという事実がございまして、これは有線ラジオ法の五条違反でございますが、この大阪有線放送社等は、いわゆる道路占用許可、電柱の許可承諾、こういうことを得ないでこの違法な業務を行っておるわけでございますので、これにつきましては既に六十年に業務停止命令を発し、これに従わないということで告発いたしまして、三つの事業者それから八つの放送所について告発し、起訴されて、裁判等も進行中でございます。したがいまして、こういった違法状態を適法なものに直した上で再送信の同意も得て業務をすべきだ、こういうことで強く指導をしているところでございますが、違法状態がまだ続いておるという大変遺憾な状態でございます。
○鳥居委員 無届けの有線ラジオが何で長年月にわたって営業を続けているのか。許可を受けない設備が何で延々と営業ができるのか。番組の中にラジオ放送その他が無断で延々と続いてなされている。率直に言って、一体どういうわけなんだろうかという疑問を持たざるを得ない、そういう感じでございます。 この会社は、全国的なネットワークを持っているチェーンストア業界あるいはファミリーレストラン、こういうところにチャンネルリースをいたしまして、本支店の間で企業間通信を現に行っている。そして会社概要、六十一年三月のものでありますけれども、得意先は都市銀行など融資関係が四百十九社、大学など教育関係が百五十一、そのほか病院、鉄道など七十五万の得意先を持っている、こんな状況です。 それで一例は、本社の意向を全国に散らばっている支店あるいは出張所その他へ同時に一斉放送をする、あるいは一斉にファクシミリ伝送をする、その際に、本社から基幹の地点まではNTT専用回線を契約して使い、接続をし、そして同軸ケーブルで全国のネットワークにしている。こういう実態は電気通信事業法違反の疑いが非常に濃厚だと思いますが、いかがですか。
○奥山政府委員 ただいま御指摘がございましたように、あるチェーンストアならチェーンストアの本社からそれぞれの営業所あるいは店舗に、チャンネル貸しをすることによって一斉に同報的なサービスを提供するということ、もしそのようなことが事実でございましたならば、電気通信事業法九条の許可を得ていない以上、これは違法ということになります。
○鳥居委員 これは営業案内ですが、これを見ますと、「こんな使い方ができます」といううたい文句で、「ファックス、プリンターによる文字情報等の一斉送信」「経営本部にあるワープロに原稿のフロッピーを入れると、電気信号はゆうせんの回線を伝わり、数多く点在するあなたの各店舗支所に設置されている端末プリンター機が一斉に、しかも同時に通達文書を打ち出します。」それから、「業務連絡などの音声放送、FAX、プリンター、静止画像なども本部から全店一斉または各地に送信が可能になります。」これは技術的に明らかに電気通信事業法違反、こう言えるものだと思うのですが、九条以外に、接続の上からどんなものでしょうか。
○奥山政府委員 ただいま御指摘がありましたような業務の実態につきまして、現在のところ、私ども実はまだ事実関係を詳細に把握しておりませんので、これからそれらの実態について調査した上で判断を下させていただきたいというふうに考えます。
○鳥居委員 今指摘したことが事実なのかどうかということは別問題として、こういう実態は一般二種という形じゃないのですか。リセールという意味からいって、もし一般二種と認定されるものであれば、電気通信事業法上届け出義務がなければならない。義務違反は何ですか。
○奥山政府委員 利用の形態をいまひとつ私ども十分把握しておりませんので、一種の形態で違法でああ場合も考えられますし、あるいは二種の場合もあり得るかもしれませんので、いずれにいたしましてもそれらの実態を精緻に把握してみたいと思います。
○鳥居委員 それで、全国十二カ所の都市部の拠点はもう全部同軸ケーブルでネットワーク化ができ上がっているわけですね。この放送所からタコ足のように伸びている各加入事業所に対しましては一方通行で今流れているわけですね。双方向の部分だけはNTTの通信回線を使って接続をしている。しかし、これは双方向にしようと思えばいつでもできる。こういう実態のネットワークがあるとすれば、使い始めた段階で事業法違反という指摘をするのか、現に今の態様で重大な違反になる疑いが濃いということで警告ができるのか、その辺はどうなんでしょうか。
○奥山政府委員 そこのところはちょっと私、現時点の情報だけでは断定的な結論を申し上げるだけの材料を持ち合わせておりませんので、いずれにいたしましても事実関係の把握を先決にさせていただきたいと思います。
○鳥居委員 ともかくこの不法業者の実態というのは本当にひどいものだと思うのです。例えば道路占用料についてはのっけからまるっきり払わない。払って公正に事業を営もうとする者は、払わないで全国的なネットワークの中でダンピングができる、そういう中で、不公正競争の中でこつこつ生き抜いて頑張ってきた。そういう正直者がばかを見るような、そんな法治国家であってはならないと思います。ですからある一面がちいえば、道路占用料の問題あるいは電柱懸架の問題、電柱料を払わないのですから払わない分幾らでもダンピングができるわけです。しかし、電気通信事業法あるいは有線ラジオ法の法律違反という、現に郵政省所管の事業の監督にある郵政省としては、ともかくこれに対する対策というのは真剣に取り組んでいくべき立場にあるだろうと思うのです。かつては四者協議もあったように伺っております。各省呼びかけまして関係四者が集まって協議をされた。有ラ法違反で告発をした。その結果逮捕者が出た。しかし、罰金を払えば、後、痛くもかゆくもない。郵政省の告発の後さらにまた事業が拡大をしていく。こんなような状況ですから、引き続き御協議をいただきまして有力な手だてをとれるようにひとつ頑張っていただきたいと思うのです。大臣、最後にひとつ。
○唐沢国務大臣 先生おっしゃるように、違法がまかり通る、正直者がばかを見るような世の中であってはならないわけでございまして、電気通信の分野でこのような違法な行為があるとすればこれはゆゆしき問題でございます。 今奥山局長も答弁申し上げましたように、できるだけ早く事実関係を調査いたしまして、その結果を待って適切に対応してまいりたい、このように考えております。
○鳥居委員 電気通信事業法の一部改正で、今回国際VANを我が国の特別二種電気通信事業者が行えるようにしていこう、こういう法律整備ということでございます。これまで国際VANについては、KDDのVENUSIPを使いましてパケット交換方式の公衆電気通信ということで行われてまいりました。日本の国内VAN業者では四社がもう既に電子メールサービスということで現在行っているわけですけれども、今度の法律整備によって一体どういう形の意義が生まれるのか、まず伺いたいと思います。
○奥山政府委員 ただいま御指摘ございましたように、確かにKDDのVENUS-Pという国際公衆データ伝送サービスというものが行われております。これを利用いたしまして既に活発なデータ伝送が米国等との間に行われていることも事実でございます。年々その利用状況もふえておりまして、現在KDDのVENUS-Pの売り上げも十三億円で、また契約件数も一万件に近くなろうとしておりますので、そういう意味ではこのVENUS-Pの利用は非常に拡大をしている、また発展をしている、所期の目的を達成していると言っていいかと思います。 ただ先生御案内のとおり、VENUS-PにつきましてはKDDのいわゆる貸付、つまり契約約款によりましていわば画一的なサービスメニューが決められております。KDDといたしましては、もちろんそういう契約約款でサービスを提供することによって、だれでも申し出があった場合にはこれに応ずるというかわりに、一つの画一的なサービス基準がその中に織り込まれております。今回新たに電気通信事業法の一部改正を行うことによって、KDDのそういう約款方式以外の、KDDとの合意に基づく契約外の約款で第二種事業による国際電気通信サービスの道を開くということは、これまでのKDDのVENUS-Pを利用して提供されておりましたサービスに新たに多様多彩なサービスが加わることになります。 例えばの例で申し上げますと、KDDのVENUS-Pは、KDDのVENUS-Pとしての一つの料金体系がございます。それに拘束されるということはございますし、またKDDのVENUS-Pを利用することによる物理的な手順、条件あるいは制御手順といったようなものにも制約をされます。ところが、今後新しい第二種電気通信事業者がKDDとの合意のもとに国際VANサービスに乗り出すことにいたしますと、そのような料金面あるいは物理的な提供条件等が一つクリアされますと同時に、サービスメニューといたしましても、民間の発意、創意に基づきましてさまざまな利用が出てくると思われます。 例えば現在でも、先ほど先生御指摘ございましたが、情報データのためのデータベースサービス等も日本の各社行っておりますけれども、これらはVENUS-Pを使うことによりまして個々のサービスの契約になりますが、この新しい利用形態をお認めいただくことになりました場合には、日本から例えばアメリカのある地点までは相乗りの大束回線で乗り入れて、そこでスイッチングを行ってアメリカの各種のデータベースに直接アクセスすることができるとか、あるいは今日のように二十四時間国際金融取引が行われるような時代になってまいりますと、瞬間的なデータのやりとりということが非常に大事になってまいりますので、高速で大容量なデータを国際VANの中に蓄積しておくことによりまして、日本と例えばニューヨーク間の時差に基づく金融取引等を、各企業がこれを利用することによって有効に自己の目的に資することができるといったようなことが可能になろうかと思われます。
○鳥居委員 国際VAN解禁ということになりますと、これからの段階でどんなような形の発展が見込めるのか、こういうふうに考えますと、大体集約して三つの形だろう。データベースサービス、今のパケット交換サービス、それからまた電子メールサービス、こういう形で、従来はVENUSlPがやっていたわけですが、これから各社が国際VAN業者として市場争いが始まるわけですけれども、VENUSlPにかなり影響があるんじゃないだろうか。減収はどのくらいと見込んでおりますか。
○奥山政府委員 VENUS-Pにつきましては先ほども申し上げましたように年々順調に発展をしてきているところでございますし、この際新しい道を開くことによって提供されるサービスというものは、さらにそれに付加して、民間の創意あるいは工夫によって新しい利用形態が生まれるであろうと思っております。そのことは国内のデータ通信サービスを見ておりましても、NTTのデ本によるサービスに加えて、先生御案内のとおりに既に三百五十社以上のVANサービス事業者が出ておりますけれども、これらがそれぞれ多彩なサービスを行っております。両者相携えて現在市場マーケットが拡大しておりますので、国際におきましてもそのように、KDDのVENUS-Pの発展と新しい枠組みによるサービスとが両々相まって進展し、発展し拡大していくことを私どもとしては期待をしたいというふうに考えております。
○鳥居委員 そうすると、影響ないと見ておるわけでしょうか、あるいは、どういう見通してありますか。
○奥山政府委員 KDDのVENUSlPよりは非常に多彩なサービスが利用できるものですから、これに全く影響がないかと言われますと、ある意味ではKDDのVENUS-Pの利用者からこちらの方に、新しい枠組みの方に乗り移る人もないとは言い切れないかもしれません。しかしながら、これはそういうふうに一つの限定された市場をお互いにせめぎ合って奪い合うのではなくて、両方が切磋琢磨することによってパイを大きくすることに今回の改正の目的があるのでございますので、この点につきましてはKDD並びに新しい国際VAN事業者においてもそのような方向に進むものであろうというふうに期待をしております。
○鳥居委員 四月二十八日、民間各社によりまして国際VAN導入協議会が第一回の会合を開いたことが新聞報道にございます。現在、国内業者を見てみますと特別第二種が十社、一般二種電気通信事業者が三百五十、これは国際VAN事業をひとつやってみようじゃないか、こういう見通しは郵政省としてはどういうふうにつかんでいらっしゃいますか。
○奥山政府委員 現在国内で第二種事業を行っております三百数十社のうち十社が特別第二種でございます。法律上の定義によりまして、国際VAN事業を行う第二種事業者は当然のことながら特別第二種として登録を要するわけでございますが、現在、私どもの方に非公式にこれまでのところ打診あるいは内々の申し出がございますのは、これら現在登録をしております十社につきましては、それぞれ国際VAN事業を行う法律を当委員会でお認めいただきまして国会で成立した暁には乗り出したいという意欲は持っているようでございます。また、現在第二種事業として届け出をしている各社の中にも、もし国会でこの法律を成立させていただきました暁には国際VAN事業を行いたいという意向を表明する向きもあるようでございますので、これらは今後、現在の特別第二種並びに一般二種を通じましてさらにただいま御指摘ございましたような動きが加速化されるのではないかというふうに予測をしております。
○鳥居委員 六十年の電気通信事業法案が成立した当時、やがて次は国際VANの時代になる、しかし障害がある、二つの大きな障害があって、まず第一はITU条約に基づいてCCITT勧告があり、特にDシリーズ、D1、D6、これをクリアしないことにはどうにもならない、こういう議論があったわけです。これともう一つは対地国の国内法整備、これができないと国際VANの開放というのはまだまだ道が遠いんだ、盛んにこう言われてきたものでございました。 今回このDシリーズ、どういうふうにクリアしたのか。国際法制上、一つの改革をしない限りは国際VAN事業というのは解禁というわけにはいかない。そして国際VAN問題研究会の報告を見てみますと、この報告でも指摘しているのでありますが、第三のアプローチでいくことがいいのではないか、こういう指摘が実はあるわけですけれども、郵政省としてどういうふうに御説明されますか。
○奥山政府委員 まさしく御指摘ございましたとおり、電気通信事業法を成立させていただきました際には、国際的な第二種電気通信事業、いわゆる国際VANにつきましては国際的な約束事から直ちにこれを行うことは困難であるということで、とりあえず将来その道が開かれることを予測いたしまして法律の中に定義だけ設けておいたところでございます。ところが、その後国際的な経済活動並びに国際電気通信事業、国際VANに対する需要が内外ともに高まってまいりましたので、私どもはそうしたニーズにこたえるのが責務であろうということで今回の法改正に踏み切ったところでございます。 その際、御指摘ございましたCCITTのいわゆるDシリーズに基づく勧告の中には、国際VANを実現するための禁止規定がございます。つまり国際専用回線を利用者が国際電気通信事業に使用することについては厳格な禁止規定がございます。そこのところを私ども、今回法改正に当たりましても一番の重要な着眼点として取り組んだところでございます。 それを私ども今回の法律的なスキームの中でクリアいたしました観点は、大きく申し上げまして二点ございまして、一つは、第二種電気通信事業者が国際電気通信事業者としてその業務を行うためには、当然のことながら国際的な約束は遵守してもらわなければならないということで、国際的な条約上等の約束については遵守義務を負わせる、またそれに違反した場合には政府として担保措置を講ずることが第一点でございます。 それから第二点といたしましては、このようなD1勧告に基づく制約をクリアするための枠組みといたしまして、子細に私ども研究を重ねてまいりました結果、これまでも国際電気通信事業の世界におきましては電気通信事業者同士の回線の融通のし合い、俗にキァリアリースと言っているようですが、キァリア同士のリース、回線の融通を行うということは慣行上認められてきておりますし、そのような制度をつくることはD1勧告に違反するものではないという結論に達したところでございます。そうしたいわゆるキァリアリース、つまり電気通信事業者同士の回線の融通のし合いをすることによって、第二種電気通信事業者に、単なるD1勧告で規定しております利用者、顧客という位置から国際電気通信事業者のステータスを付与することが可能であろうということで、日本の国内法制的にはその部分を約款外役務というふうに位置づけまして、これまで第一種電気通信事業者が広くあまねく一般に提供義務として公表しております約款のほかに、新しい約款外役務を認可するという仕組みをつくったわけでございます。 当然のことながらその場合に、これは約款外の役務でございますので第一種電気通信事業者の合意が前提でございますので、例えば現在の第一種電気通信事業者でありますKDDと国際VANを行う事業者との間には合意が成立するということが前提になるものでございます。 しからば今お話がございました外国の法制との整合性はどうかということでございますが、アメリカにおきましては既に昨年の五月にこの問題に関するFCCの裁定が出されまして、アメリカの法制における問題点はクリアされたということでございます。イギリスにつきましてもことしの三月に既に新しいVANの免許方針等を策定しておりますし、その他各国ともこれに追随する動きにもございますので、さしむきはアメリカとの間から国際VANサービスが始まると思いますけれども、次第にこれらが全世界的に広がっていくことを私どもとしても希望し期待しているところでございます。
○鳥居委員 そうするとCCITT条約の中のRPOA、これとの関係はどうなんでしょうか。今NHK初め四事業体がRPOAになっていますね。そうすると、政府としては連合員の立場でRPOAの指定をする、そして各国に対して通信の保障をしていく、そういう立場をとられようとしているのでしょうか。もし国際VAN事業者すべてをRPOAの指定をしていこうとすると、我が国にはその指定の基準その他何もないわけですけれども、どうなっているのでしょうか。
○奥山政府委員 RPOAの問題につきましては、ただいま先生が引用されました省内の国際第二種電気通信事業に関する研究会の中でも第三の道としてそのような方法が示唆されていたことは事実でございます。アメリカもこれまでの過程で、いわゆる高度サービス事業者、日本流に言えばVAN事業者ということになるのかもしれませんが、これにRPOAを付与する道も決定をしたような事実もございます。 ところが、その後、私どももあるいはアメリカにおいてもこのRPOA問題を子細に検討いたしました結果、KPOAという国際条約に基づく一定の権利と義務を有する者としての地位を付与すること自体のみによって国際VANが可能になるということにはならないという結論に達してまいりまして、いわばちょっと誤解を招くかもしれませんが、RPOAというレッテルさえ張れば国際VANは自由にできるのだという考え方は、これは非常に問題があるということがアメリカ並びに日本においても意識されるに至りましたので、RPOAにつきましては有害な混信の排除その他の見地から現在NTT、KDD、NHK等に付与されておりますけれども、RPOAの付与自体と国際VAN事業を行うこととは必ずしも直接的には連動しない、むしろRPOAが目指しているような国際上の義務を履行するあるいはRPOAに基づく一定の権利を獲得するためには、それぞれの国内法制でそのための措置をする必要があろうということで、今回約款外役務ということで、両者の合意に基づく新しい契約を郵政大臣が認可をすることによって国際条約上の遵守をさせようというふうに日本の法制としては整理をしたところでございます。
○鳥居委員 ITU、CCITTの下部機関でスタディーグループがありますね。そこで十三年ぶりに来年八八年にPC/WATTCの結論を出そう、従来の古い電信・電話規則、これを電気通信規則に改めて新しい時代に即応した体制を整えよう、こういう中での議論で国際VANを導入していく、解禁していくという考え方が強烈に一本筋が通っていいようにも思うのです。もちろんVAN解禁に反対の立場の国もあるだろうと思いますし、あるいはオープンにしていこうという政策の国もあるだろうと思いますが、我が国の立場としてどんなスタンスで臨もうとしているのか、これはまた一つの大きな問題だろうと思うのです。それが一点。では、まずそれを伺いたいと思います。
○塩谷政府委員 ITUの主管庁会議についてのお尋ねでございますので、一般的な対処方針という観点で私の方からとりあえずお答えしたいと思います。 先生もおっしゃいますとおり、電信規則と電話規則を一本にしまして国際電気通信規則というものの制定を目指していろいろ準備が行われているわけでございます。私ども、来年のこの電信電話主管庁会議まで草案をいろいろ慎重に検討いたしていきたいと思っておりますけれども、基本的には、電気通信の自由化を目下道めでおります国と独占的に運営している国もございますし、あるいはまたデータ通信の発達した先進諸国と未整備な開発途上国、いろいろございまして、世界共通の規則ということになりますと、そういったそれぞれの国にとって受け入れられやすいような簡素で柔軟なものが望ましいということが予想されますので、私ども、先生おっしゃいますとおり電気通信の自由化ということを基本的な方針としながら、できるだけ多くの関係諸国との調和を図りたいと考えているところでございます。
○鳥居委員 この国際VAN問題研究会が「外国通信事業者の反応について慎重な考慮を払わなければならない。」という指摘をしているのですよ。つまり現行国際通信法制との整合性という問題でまだまだ議論が分かれているわけですから、十分な検討、主張をなさっていただきたいと思うのです。 それから、導入懇に集まられました二十二社、今の特別二種というのが十社ありますが、さしあたり国際VANを始めようということになりますとDNICの問題が一つの障害であろうと言われているわけですが、番号計画については、既にCCITTで電波の割り当てと同じように各国の番号割り当てがなされている。我が国は四四〇。四四〇という三けたにネットワークの番号がつきますから四けた、この指定がないと国際VANとしては通用しないわけです。しかし、四四〇十個の内容を見ますと、既に三つが決まり、第二KDDができれば四つ目が決まる。残る六つを国内二十社がどうやって分け合うのか、こんな報道も実はございます。現状はどうなっているのでしょうか。 それから、見通しとしてはもっと分捕ってこなければならない性格のものではないかと思うのです。四四〇の後ろが四五〇で韓国ですね。四五〇までの間、九十個がまだ全然あいているわけです。頑張って取ってきているのがイギリスとアメリカ、アメリカあたり七十個をもう既に取っているわけですから、これはどういうふうに対応されるのか、伺いたいと思います。
○奥山政府委員 DNIC、つまり国際公衆データネットワークを識別するためのコード、符号でございますが、これにつきましては、先生が大変御専門的な見地から御指摘ございましたようにITUの場で各国に付与がなされております。日本の場合には、先ほどもお話がございましたように四四〇シリーズということで十個でございますが、既に三個が使用されておりますのであと七個しかございません。一方、アメリカは七十個、イギリスは二十個を獲得しております。これらにつきましては、先ほどのお話にもございましたように、日本のすぐ次は四五〇、韓国でございますので、その間に相当のゆとりがまだあると私どもは見ております。 今回、こういう法律をお認めいただきますと、日本は世界に先駆けて国際VANをアメリカとともに華々しく行う道が開かれると思いますので、これは一つの非常に大きな既成事実となりまして、ITUの場に私どももそういう実績を背景に新しい番号の増加について申し出をすることができるだろうと思っておりますから、こういう番号の物理的な制約条件が一応ございますが、国内の二種事業者が国際VANを行う際に、この番号問題によってその制約が行われることが極力ないように積極的に努力したいと思います。それでもなおかつどうしてもデータネットワーク番号が不足する――あるいは自分は直接外国のデータネットワークと結ぶつもりはない、国内だけで国際VANを、さらに下請といいましょうか、ぶら下がった形で提供すればいいといったような事業者も出でこようかと思いますので、そういった人たちとは番号の共用といったこともまた可能になろうかと思っております。いずれにいたしましても、DNICの付与並びに新たな増加については、事業の遂行に支障のないように最大限努力をしたいと思います。
○鳥居委員 とりあえずは集まった二十二社、特別二種の国際VANに進出したいという希望の皆さんは全部DNICが必要なわけですね。それから、一般二種の中でも国際VANに進出しようという希望の各社がありますね。そうすると、物理的に足りないわけですよ。今スペアが六つしかない。だから、確実に次の番号をとってくるのだというものがない限りはやはりとれないのじゃないかと思うのですね、相手のある交渉でありますし。そんなに大変なものじゃないという説明はしますけれども、しかし事務局があって、番号はあいているけれども、日本に対する特別感情もあるでしょう、オーケーをとって、アメリカ式に四四一、四四二、せいぜいここら辺までとれればいいわけですが、どんな見通しを持っているのですか。
○奥山政府委員 法律が成立する前に私どもが先走ってITUの方にDNICのさらに増加について物申すことはちょっと不謹慎かと思って差し控えておりますけれども、国際VAN事業を行うことを希望してくる事業者というものは御指摘のとおり相当ふえてくるであろうと思います。これらにつきましては私ども個別に既に非公式なヒアリングも始めておりますので、DNICの付与の見通しはそれらの需給状況とかみ合わせながら、法律施行後速やかに獲得できるものは獲得するあるいはまた共用方式でいくことを希望する者には共用方式でいっていただくというような整理をしてまいりたいというふうに考えております。
○鳥居委員 一般二種の電気通信事業者が国際VANをやりたいと希望した場合に、どんな条件が付されるのでしょうか。
○奥山政府委員 当然のことでございますが、法律的にはまず、一般二種にとどまっている限り、つまり届け出事業者である限りは国際VANを行うことはできませんので、これは改めて特別第二種としての登録を要することになります。これはもちろん国内的な手続きでございます。あとは、私どもが現在の一般二種事業者に、あなたのところは国際第二種事業、つまり特二の方に乗り出すのはけしからぬとかけしかるというようなことを申し上げることは当然できないことでございますので、またそういうことをするつもりもございません。 ただ、申し上げられますのは、相手国、さしむきはアメリカが想定されますが、アメリカの国際VAN事業者というものもおのずから数に限りがございます。つまり、パートナーとしてのアメリカの日本流に言う国際第二種電気通信事業者、いわゆる国際VAN事業者には限りがございますから、それとの見合いで、日本の事業者の方もおのずからアメリカのどこの国際VAN事業者とネットワークを結ぶかということで、ある意味での合従連衡が起こってくるのではないかというふうに見ておりますので、まず第一義的には民間の自主的な動きを注目してまいりたいと考えております。
○鳥居委員 今度のMOSS協議以来の経過を通産省の方は郵政省に意見書を出された。大変御苦労されて成案を得ることができてなんというような褒め言葉がついたのは今回が初めでだろうと思うのですね。これで一つのめどができ上がって、その際、できるだけ制約をつけるべきでないという一つの基本的な考え方が述べられたと思います。日米間でこれから細目協議に入るわけですけれども、どんなような考え方で臨まれるのか。さらに、国際VANが始まると同時に規制が強まるのじゃないだろうか、こういう危惧が一部にあることも現実の問題なのですが、いかがでしょうか。
○奥山政府委員 確かにあるひねった見方をする人は、今回の法改正を行うことによって、例えば約款外役務に対して郵政大臣が認可をするなどといったような条文が加えられましたために、規制ではないかというようなことを最初勘ぐる向きもございましたけれども、ただいまいみじくもおっしゃいましたように、通産省が裏にいたかどうかは別といたしまして、経団連も通産省も、今回のMOSS協議の結果に基づく郵政省の合意については、むしろその労を多とするというような評価を私どもの方に示してまいりましたので、その意味では、産業界を含めて規制の強化になったという受けとめ方は全くないと思います。 今後、具体的な細目につきましては、法律をお認めいただきました後、速やかに日米間で協議に入らなければならないと思っております。それを私ども既に予見いたしまして、今回の法改正におきましても、新たな規制といいましょうか、そういうようなものにつきましては、これを加重するようなことは行わなかったつもりでございます。特別第二種につきましても現在の登録要件そのままでいいことにしておりますし、また、特にいろいろ民間の方から御指摘ございました一般第二種事業、これについては現行の電気通信事業法においてあらゆる規制が除かれているので、それについては今回も新しい規制を加えることがないようにという御要望がございましたので、一般第二種事業につきましては、一般第二種事業がぶら下がった形で、上の親会社は別として、いわゆる子会社といいましょうか、枝にぶら下がった形で国際VANのサービスを行うあるいはそれを享受する場合でも特別な制約は加えないことにしております。また、外資の制限の問題につきましても、これまでどおり第二種事業につきましては一切、一〇〇%これを認めるという方法をとったところでございます。
○鳥居委員 電波法の一部改正につきまして残りの時間でちょっと伺いたいと思うのです。 市民ラジオが一時パーソナル無線の五十七年以来鳴りをひそのたかに言われてまいりましたけれども、何かまたUターン現象みたいに出力五ワットなんていう市民ラジオが横行しているように聞いております。これは、一つはパーソナル無線をもっと強化していくべきではないのか。周波数帯でもうちょっと広げていく、チャンネル数で広げる、そして市民ラジオの五ワット出力なんていうのはどんどんびしびし取り締まっていく、この両面で対策を講じていかなければいけないのじゃないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
○奥山政府委員 確かに違法な市民ラジオが横行いたしまして、我が国の重要無線その他の電波監理全般に非常に重大な影響を及ぼすようになりましたのを背景に、それらを駆逐するための一つの方策といたしまして、パーソナル無線といったような新しい手段を五十七年から導入いたしました。その結果、違法CBにつきましては現在では大幅に減っておりますけれども、また他方、一種のイタチごっこのような形で違法な無線局が後を絶たないことも事実でございます。 今回の電波法の改正におきましても、そのような事態に着目をいたしまして、パーソナル無線をより使いやすくする、しかもまだ、使いやすくする反面、これが違法といいましょうか、他に有害な混信を与えるようなことになっては元も子もないということで、技術基準適合証明を受けたものであるというようなこと並びに周波数も限定をされているというようなこと、さらに、技術的な開発面についても現在パーソナル無線については一応既に開発され尽くされているというようなことから、今回のパーソナル無線についての是正措置といいましょうか、免許の有効期間の延長を行ったわけでございますので、これらとあわせまして今後の違法CB対策というものにつきましてはさらに努力を重ねてまいりたいと思います。
○鳥居委員 確かに行政事務簡素化の一環として五年が十年になったことは評価されるだろうと思うのですね。 それで特に移動体無線、無線の有効性というのは、動いているものの中での位置づけというのは非常に大事で、これは何も自動車に限ったわけじゃないのですが、業務用でもMCAが非常に評価されている現状ですね。MCAについてはもうちょっと、定型的な考え方から、将来展望としてネットワークにしたらどうなのかという意見が非常にあるわけです。これはセンターとセンターをオンラインで結べないわけはないのですし、そういうような発展の仕方というのはできないものでしょうか。
○奥山政府委員 大変貴重な御提言だろうというふうに受けとめております。今後日本の無線の発達の中で移動体関係の無線局の急激な増大ということは私どもとしても予見をしているところでございまして、MCAのように周波数を共用して有効に、かつ混信なく行えるような方式というものは私どもにとっても一番貴重な存在でございますので、これの利用の増大ということを極力図ってまいりたいと思います。 五十七年にMCAシステムが東京で導入されました後、そのような利点が意識されまして、現在では既に十九地域でMCAが行われております。京阪神では京都、大阪、名古屋、東京では東京、横浜、埼玉、宇都宮でございますので、こういうふうにそれぞれの都市で次第にMCAの導入が図られたといたしますと、おのずからその間を移動する移動体無線についても、今おっしゃいましたような広域的な利用の需要がふえてまいるかと思います。 ただ、現在のところはMCAは、自動車電話なんかと違いまして、御承知のとおり二十キロとか三十キロとかといういわば大ゾーン方式をとっておりますので、その大ゾーン方式の中での需要に大半はとどまっておりますので、現時点で私どもそうしたネットワーク化の御要望というのはまだそう顕在化した形では伺っておりませんが、さらにユーザーの方々並びに移動無線センター等の会議もたびたびございますので、そういう場を通じましてニーズを的確に把握してまいりたいと思います。いずれにいたしましても、御指摘の点を十分今後検討させていただきたいと思います。
○鳥居委員 せっかくゾーンができて、それぞれの地域の中で生きているのですけれども、ゾーンから離れると全然意味がないわけですね。ですからネットワークができれば大変な有効性というのが発揮できるだろうと思いますので、ぜひ御検討をお願いしたいと思います。以上で終わります。
○深谷委員長 上田利正君。
○上田(利)委員 最初にコードレスボンについて質問をいたします。 現在無線局の免許を受けている合法的なコードレスボンはNTTがサービスを提供しておりますものだけでございます。NTTのコードレス電話は電磁波の障害や混信あるいは通話料金の誤請求とかあるいは誤接続というようなことはほとんどございませんけれども、不法コードレス電話が現在大量に市場に出回っておりまして、これが使用され、料金上のトラブルやあるいは誤接続と同時に混信妨害が各地で発生をいたしております。中には警察無線や消防無線等いわゆる無線通信にも混信妨害を与えまして、これが事故を誘発して社会的に大きな問題となっております。 このような不法コードレスボンに対する対策は、強化月間を設定いたしまして、政府広報やリーフレットの配布などによります地域や国民に対ける注意喚起程度で、法的な取り締まり手段というものが放置をされておるのが現状ではないかと思うのであります。こうした中で、二年前にNTTが民営化され、同時に端末機器が開放され自由化されまして、そしてNTT以外にもこれを許可すべきである、使用させるべきだ、こういう要望が強く出されてまいっておるのが現実であります。私自身も自由競争の原則から申しましてこのコードレスボンの自由化に別に反対をするものではありません。 〔委員長退席、田名部委員長代理着席〕 しかしながら、今度の法改正により、許可を不要とすることによりまして、現在のNTTのコードレスボンと同様に郵政大臣が呼び出し符号あるいは呼び出し名称、いわゆるID等を個別に指定して、特定の相手局以外とは接続されないように措置するということで法改正案が出されておりますけれども、今後は、早く言いますと規制がないような状態になり、何でも自由だというような概念から、利用者側からしましても、悪徳業者による不法端末機器が逆に市場に出回って無線通信に対する混信妨害が一層拡大されるおそれがあると思うのでございますが、この点、まず最初にお聞きをしたいと思います。
○奥山政府委員 コードレス電話について今回免許不要に踏み切りました背景につきましては、先生御案内のとおり、コードレス電話というものにつきましてあくまでもこれが特定の無線局との間の識別がなされて、他に妨害を与えることがないというのが大前提でございます。 今回の法改正に当たりましてもその点を担保することがどうしても必要であるということでございまして、NTTのようにこれまでもIDといったような識別符号によりまして誤接続等がないように措置をしておりましたところはいいわけですけれども、もし万一さらに不法コードレス電話が今後ふえるようなことになりますと、これはかってのいわゆる連法無線市民ラジオのように、日本の無線通信の監理に重大な影響を及ぼすというふうに私どもとしても判断をしたところでございます。 そういう見地から、今回はそうしたことを防止するために、これほど簡易なかつまた微弱な電波であることを前提にいたしまして、いわゆるID、呼び出し符号あるいは呼び出し名称を必ず送出する機器に付するという措置を担保いたしまして、その上で今回の免許を不要にする措置を講じたところでございますので、その意味では、これまでNTTしか提供できなかったコードレス電話というものが今後は事務所なりあるいは御家庭において、民間のメーカ1の方々が今度おつくりいただきます法律に沿った形で、その技術条件に合う形で製作をされますので、適法なコードレス電話が相当大量に出回ってくる、大量生産がなされるというふうに見ております。しかも、それによりまして料金も当然のことながら下がってまいりますから、今御指摘ございましたこれまで横行しておりますような不法なコードレス電話というものが駆逐されることになると私どもとしては考えております。
○上田(利)委員 現在のコードレスボンはNTTだけでございますけれども、これを設置した場合に、一般加入電話、いろいろな電話が今出ておりますけれども、通常の昔の黒電話と言われたものでありますと毎月の基本料金が住宅用の場合千八百円、しかしこのコードレス電話を設置した場合については別に毎月基本料金として三千九百円、これは局長のお話も含めて今後もっと安くなると思うのでございます。 今の不法のコードレス電話は、電話機は買いますけれども、これを使用するに当たって正規にNTTに申請しているわけじゃないのですから、結局潜りで基本料金の三千九百円を払わないということなんですりだから、これは免許をなくして自由にいたしますけれども、言うならば電話機はどこのメーカーの電話機でも、あるいは設置もいいわけでございますけれども、結局この使用料金は払わなければならない。しかし電話機だけまたそれを逆にとったような電話機をつくるメーカーから買って、無線局指定のところはどうにもなりませんから、これはすぐにわかるわけですから、そしてそれを使用するということが多発してくるのじゃないか。今度は店頭にもどんどんあるわけですから、そういう中から不正製造業者がつくったものを使って、自分でこれはすぐにできるわけですから、そうすると料金も払わなくてこれは使える、こういうふうに拡大していかないかという懸念があるわけでございます。この点はどうでしょうか。
○奥山政府委員 今御指摘の点は、現在はびこっている違法、不法のコードレス電話が、非常に安かろうそして悪かろうということで、安いかわりに妨害も与えるということでございます。一方、現在NTTのみしか提供しておりませんコードレス電話につきましては、いろいろな払い方があるようですが、平均いたしましても十数万円はかかるということで、余りにも落差が大き過ぎるということから現在の違法のものがはびこっていると私どもとしては把握をしております。また、業界の方あるいは善良なユーザーの方々からいろいろヒアリングを行ってみますと、まさしくそこに問題があるのであって、一定の簡易な、しかし混信を起こさないというようなことを法律によって担保していただければ、それによって民間のメーカーは一斉に非常にコストダウンをした機器をつくることができる、今までの潜りの業者は影を潜めるであろうというようなことを異口同音に言っておられますので、今回こういう措置を講じていただきましたならば、恐らく今相当手ぐすねを引いて待っておられますメーカーの方々は、それぞれ工夫を凝らして、安くていいコードレス電話を大量に普及させると思いますので、それによって現在の違法なあるいは不法なコードレス電話の駆逐に相当大きく役立つだろうと考えております。
○上田(利)委員 今まで規制してきましていろいろと問題があったのは、局長が言ったような問題点がございますから、これを自由化してオープンにすることによってそういうものを防げるんだ、これは論じようからいって否定するものじゃないのです。電話機本体についてもNTTよりも安かったことは事実でございますけれども、言うならばそれが一般電話と同じような形でなくて、いわゆる基本料金に加算をされる、これは今後についても加算をしないというわけにいかないです。したがいまして、それは料金はどうなるか別にしましても、そうなると電話機本体は安くなりまして、そして規制がとれでずっとできるのでしょうけれども、さらにそれを潜ってやるという者が出ないとも限りませんから、その点は十分郵政省として対処していかなければならぬ問題だろうと思うのです。 もう一つの問題は、そういう中で、罰則規定ではございませんけれども、法の百二条の十一でございますか、免許を不要とする中で基準不適合設備がもし出てきた場合、この設備を使った無線局が他の無線局の運用に重大な影響を与えるおそれがあると郵政大臣が認めたときは、製造業者、販売業者に対し必要な措置を講ずる、その必要な措置というのは勧告をしますよということなんです。勧告をしてこれにも従わないというときは公表する、今度の法改正の中ではこういうことになっておるのですけれども、これだけでは――例えば製造業者がそういう不法のものをつくった場合については製造禁止をさせるとか、販売した業者についてはいわゆる制裁で半年は販売をさせないとか、今まで不法あるいは不正なこのようなコードレスボンをつくったところは罰せられない、売ったところも罰せられない、使った人間だけがやられてきたという不備があったと思うのです。ですから、その点はもう少し、公表されても大したことないわということだといけないと思うのでございますけれども、この点の見解はどうでしょうか。
○奥山政府委員 ただいま御指摘のありました点がこれまで各種の違法無線機器がはびこる一つの悪の根源であったと私どもとしても思っております。ただ、これまでの電波法の体系がただいま上田先生おっしゃいましたとおりあくまで無線機器を中心に法制ができているものですから、電波を出したら出した者が罰せられる、あるいは注意を受けるという仕組みになっておりまして、ずっと電波法制定以来今日までそういうことでまいったわけでございますが、そういういわば川下だけを押さえていたのではいつまでたっても悪の根源が押さえられないということで、今回初めていわば川上にさかのぼって、郵政省の行政からすれば手前みそになって恐縮なんですが、いわば画期的に製造業、販売業にまで立ち入って、そこにも一定の規制をかけるという措置が初めて講じられたところでございます。 その際に、先生御指摘になりましたように、もう製造まで禁止したらどうかということなんでございますが、そこのところはいわば憲法上の問題とでもいいましょうか職業選択の自由といいましょうか、物をつくることまでをやめさせてしまえということは日本の現在の法制上非常に難しいということで、総合的にさまざまな法的な利益を比較考量いたしました結果、法制局とも相談いたしまして、とりあえず今回はそういう不適合設備については勧告をする、勧告をしても聞かない者についてはさらに公表するということによって、これは国民の良識的な判断に基づく指弾、おのずから健全な国民の指弾によってそういう悪徳業者は駆逐されるであろうということをまず期待するということにしたわけでございます。 なお、省としてはあるいは政府としては何ら直接的に事業者に手を触れられないのかということでございますが、私どもの今回提案させていただいております法律には製造業者、販売業者に報告義務をかけておりますので、私どもが報告を徴しました暁におきまして、もし虚偽の報告をしたという場合には罰則で担保をされるという最終的な措置が講ぜられております。
○上田(利)委員 法的にいろいろ問題がありましょうけれども、やはりこの勧告はきちっとして、そして公表も、あらゆる国民が、ああ、あの会社はこうなのか、あるいはあの販売店はこうなのかということがわかるようにして、そしてそういうことのないような環境をつくっていかなければならぬと思いますから、そういうことだけは申し添えておきたいと思います。 次に、電波障害事故問題について質問をしたいと思います。 既に労働省やあるいは通産省、郵政省も御存じでございますけれども、山梨県の北巨摩部長坂町に、唐沢郵政大臣の松本に近い方でございますけれども、バルブ組み立ての加工業会社で和興製作所というのがございます。実はそこで、五十七年三月二十二日に従業員が作業中に死亡するという、こういう事故が発生をいたしました。 それは、この会社の従業員の小林善雄さんという当時三十三歳、まだ若かったのでございますけれども、数値制御旋盤、いわゆるNC旋盤と言われております、これはロボット旋盤ということになりますけれども、このNC旋盤の操作工程をあらかじめ制御部に入力しましてメモリー運転の状態にしておき、ねじ切りの作業を行っておったところ、この旋盤の主軸に取りつけた加工物がしん振れをいたしましたことを発見しましたので、そこで、旋盤の主電源というのは切りませんでしたが、制御部のスイッチをメモリー運転から手動に切りかえで、そしてこれで主軸がとまったということを明確に確認をして、うん、これで安全だな、こう思ってこの小林善雄君は故障個所を、主軸を初め手をつけたところ、突然この旋盤の主軸がひとりでに回転を始めて、大きいわけですから、頭から胸をこの機械にあっという間に巻き込まれて、亡くなってしまった、こういう事故なんです。当時、大きな問題でございました。 この使用の旋盤は、一年前ですから昭和五十六年に導入をいたしました新しい旋盤、NC旋盤でありましたけれども、それだけに、作業工程を内蔵するメモリーに全部記憶をさせて、それで自動的にねじ切りがどんどん行われる、こういうものであります。 また、小林善雄さんは、このときはたまたま加工物の取りつけを行う仕事をしておりましたけれども、本人の仕事の任務は異常勤作の監視と機械の調整等の保守作業、これが小林善雄さんの作業の任務分担であります。担当業務でありましたから、したがって機械保守のベテランでもあったわけでございます。 この事故に対しまして、山梨県警やあるいは甲府労働基準監督署は当初、機械の異常勤作によるものかあるいは作業に従事しておった小林さんの操作ミスかという、この両面でいわゆる調査に入ったわけでございますけれども、両面から徹底的に県警やあるいは甲府労働基準監督署が調査をやりましたけれども、原因がわからない、こういうことで終わってしまいました。当時の結論としては最終的には、小林さんがメモリー運転から手動運転に切りかえてはいるけれども、旋盤装置全体の主電源を切断しないままに機械に直接手を触れたことから、不注意事故として処理をされてしまった、こういう事件でございます。 その後、甲府の監督署は労働省産業安全研究所に調査を依頼いたしました。長い間調査をいたしまして、研究所の調査によりまして、旋盤を中心とする周辺機器、モーター、コンピューターなどいろいろございますけれども、それには異常がないということがわかりました。 しかし、さらにどういう状況か追跡調査をずっと実施した結果、旋盤の上部天井にクレーンが動作をしておりまして、このクレーンが動作する際に、旋盤の上にクレーンが上がりますけれども、瞬間的ですが電気火花、いわゆる電磁波が、電波ですか、これが発生をして、その電波がプラスチックカバーの操作盤の中の主軸回転制御部、いわゆる回路、制御回路でございますけれども、これに侵入をしてきて、そして手動にかえたのだけれども、その手動の状態にもかかわらず、主軸が突然回転を始めてしまった、こういう最終結論になりました。 本人に対するいろいろなものはその後労働災害として対処されましたけれども、このことは、微弱電波あるいは電磁波、いわゆるノイズというようなものであっても大きな事故となるということを私どもに、五十七年、ちょうどロボット作業がいろいろ入ってきたときでございますけれども、これを教えてくれた事故でございます。想像もしなかったようなことです。 そこで質問でございますけれども、五月十六日の新聞、ここにございますが、「電波事故、二百六十件も 「誤作動対策」へ 通産省」というような形で新聞に載っております。工場や家庭で使われる電子機器が外部からの妨害電波で誤って作動する障害や事故が非常に多発している。中にはテレビゲームの機器などによって、それの電磁波によって列車事故などが南海電鉄でも起きておりますけれども、そういうものが二百六十件もある、こういう報道がされてきている。これは、通産省の機械安全化・無公害化委員会の中の電波障害問題分科会という分科会の中で実態調査その他をやる中からこういう実態が明らかになったということで報告書が出ておるわけでございます。山梨で起きましたような人身事故にもなりかねないような事例がこの中にも出ていると思うのでございますけれども、最近なぜこのような事故が多発するようになったのか、郵政省としてどうこれを考えているか、まずそれからお聞きをしたいと思います。 〔田名部委員長代理退席、委員長着席〕
○奥山政府委員 ただいま山梨県におけるNC旋盤の人身事故につきまして大変詳しい御説明がございましたが、あのような事故を契機にいたしまして、私どもといたしましても、こういう事例が他にもあるのではないかということで、先般来省内に不要電波問題懇談会を設けて事例の収集並びにその対策につきまして、学識経験者にお集まりいただきまして検討を続けてまいったところでございます。 その中に、旋盤の事故あるいは先ほどもお話ございました、昨年の三月にございました、列車の連行を近所のテレビゲームの電磁波が妨害したといったような例も出てまいりまして、全体で私どもが把握したところでは百五十件ばかりそういう事例を承知したところでございます。 これは、最近のマイクロエレクトロニクスの普及あるいは電子機器の普及に伴いまして、電磁浦が社会のあらゆるところで発出されるというような状態になってまいりまして、一方その影響を受ける側の電子機器といたしましては、最近では非常に技術開発が進みましたために、ICにいたしましてもLSIにいたしましても非常に高密度のものになっておりますので、少しの電磁波の影響を非常にセンシティブに受けやすいというような状態になっております。そうした出す側と受ける側の両方の要因が相乗効果を来して最近特にそのような事例がふえているのではないかと思っております。 先ほどの不要電波問題懇談会におきましてそのような実態分析が詳細に行われまして、今後に向けて講ずべき対策につきましても御提言をいただきましたので、私どもといたしましてはこのような事故が起きないように、出す側の機器のみならず受ける側の機器についても何らかの措置が必要であろうと考えておりますので、関係の向きといろいろ協議、相談をいたしまして対策を講じてまいりたいと思っております。
○上田(利)委員 通産省おりますか。――通産省としての対応策をちょっとお聞きしたいと思います。
○広野説明員 お答えいたします。 ただいま先生の御指摘のありましたとおり、機械情報産業局長の私的諮問機関であります機械安全化・無公害化委員会の中に電波障害問題分科会というのを設けまして、工作機械ですとか産業用ロボットあるいは医療用機械等十二機種につきまして事故例等の調査もいたしまして、先ほど御指摘のとおりの報告書をいただいたわけでございますが、それに基づきますと、それぞれの機器につきまして、使用形態ですとか設置場所によっていろいろと電波障害の形態が違っておるわけでございます。業界におきますいろいろな対応があるわけでございますが、まずは業界規格あるいは自主規制のガイドライン、そういうものをつくらせまして、電波障害のない方向に指導してまいりたい、かように感じておるところでございます。
○上田(利)委員 そこで、郵政省では不要電波問題懇談会というのを先ほど御答弁にありましたように設置をして、一年間ぐらいこれを検討して調査研究報告というのを五月十二日に出されておりまして、私の方でもこれを承知をいたしております。通産省は先ほどのように五月十五日に報告書を出している。それぞれ、多少は違うでしょうけれども電磁波とか電波による言うならば障害であるとか事故というものが出てきておる。着地点というのはみんな同じでございまして、郵政省それから通産省ともそれぞれそういうものを設置したことについて別段とやかくは申しませんけれども、これからは、厚生省の医療関係にも多く関連してまいりますし、もちろん労働災害、事故というようなもの、山梨のような人身事故やそういうものが出てきますと、しりぬぐい的には全部労働省。 ですから、郵政省、通産省それから厚生省、労働省など関係各省が一緒になってこれらの問題点について、不要電波関係あるいは今の電波問題、微弱電波あるいは電磁波であってもどうするのかということで、それぞれ部署は違いますから、今のこうした高度先端技術産業がずっと出てきているものを抑えるなんということはできませんけれども、事故を未然に防いでいく、おのおのの任務分野において防いでいかなければならぬ。労働省などの場合でも、各労働基準局の安全課などがより安全のためにはこうやらなければいかぬとか、あるいは通産省は通産省なりに具体的な指導をしていくあるいはこういう事例があるぞ、また郵政省は電波問題を預かっているわけでございますから、郵政省は郵政省としての立場で基本的な問題を明確にして、このような電波事故の起こらないような方策というものをやっていく必要があると思います。ばらばらでなくてやはり一緒に、総合的にやっていく機関を早急に設置する必要があると思いますけれども、大臣、その辺のお考えはどうでしょうか。
○唐沢国務大臣 ただいま上田先生から不要電波による事故につきまして詳細に御報告がありまして、いろいろ啓発をしていただきました。本当に痛ましい事故だと思っております。電気通信の発達もいいわけですが、不要電波の発生源となる機械もふえておる、またその障害を受ける機械もふえておるということからこのような事故が、今の報告にありましたように多発をいたしておるわけでございます。そのためにも、通産省は通産省で対策を考えておる、郵政省でも不要電波問題懇談会というのを昨年設置をいたして今研究をしているわけでございますけれども、確かに先生おっしゃるように、これは労働省、通産省、各省とも関係がございますので、関係省庁と十分調整を図りながら、今後総合的、具体的な不要電波対策を行うように努力をしてまいりたい。同時に、測定法の標準化とか防止技術の開発等、電磁環境整備のための基礎的研究の促進も図ってまいりたい、このように考えております。
○上田(利)委員 今ロボット産業それから先端技術産業あるいはINSとか高度情報化時代にも入ってきておりまして、そういう中で電磁波や電波によるいろいろな事故が非常に起きてきている。電子技術による省力化とかオートメーション化というものがずっと進んでくる社会の中で、電波汚染とか電磁環境汚染というものが日に日に深刻化してきておる。こういう中でこれらのトラブルが常に起きてきているということで、「ヒヤリ・ハット」、冷やりとしてはっとするというようなことでこの新聞にもございますけれども、仕事をしていながらも「ヒヤリ・ハット」というふうなことが言われるくらい、関西生産性本部などがまとめたこのリポートでも言われているという状況にあるわけでございますから、見えないこれらの新しい形の公害と申しますか、これに対しましては、郵政省、通産省などが中心になってこういうことをできるだけ防止をしていく、ぜひこういう立場で対応していただくように最後に要望しておきまして、時間が来ましたから終わります。
○深谷委員長 松前仰君。
○松前委員 放送法について若干御質問をさせていただきたいと思います。 放送法及び電波法の一部を改正する法律案の中身でございますが、今回、超短波多重放送について、FMの放送にPCMによって多重をしていくというような法律が出てきておるわけでございますが、この中で若干お伺いをしたいと思います。 超短波多重放送について、電波に重畳して音声を送るということ、放送法の中でこれは許可をしていないように書いてありますけれども、それはそのとおりでございますか。
○森島政府委員 今回の放送法改正でお願いしておりますのは、超短波放送、いわゆるFM放送に、その電波のすき間を利用した多重放送、FM多重放送をできるようにしていただきたいということでございます。その多重のやり方といたしましては、今ディジタル的な方法で多重するということを考えておりますけれども、その多重される放送の内容といたしましては二つございまして、文字多重放送と音声多重放送、この二つが多重できるように提案を申し上げているところでございます。現在の放送法では超短波放送を多重するということはまだ入っておりませんので、それを御提案申し上げておるわけでございます。
○松前委員 そうすると、文字多重という言葉がついているだけなんで、将来は音声多重もできるようになるというふうに法律を変えておく、そういうことになるわけですね。
○森島政府委員 今回御提案申し上げておりますFM多重放送によりまして、文字多重と音声多重と両方ともできるようにしたいという趣旨でございますが、ただ、改正案の九条に書いてございますのは、これはNHKの業務ということでございますので、ただいま申し上げました文字多重と音声多重の二つのうち、文字多重放送だけをFMに多重することをNHKの業務として認めたい、こういうことでございます。
○松前委員 次に、多重についてざっといろいろ総合的に聞きたいと思っております。 テレビジョン放送の多重放送、これについては依然としてテレビ内容と関連したものということで、法律ではそうなっておりますけれども、これは苦いろいろと、あるテレビ局が問題があったというものでございますが、これはこういうことになっている。テレビジョン放送の多重放送はテレビ内容と関連したものでなければならない。FMの場合にはFMの音声と関連したものというわけにはいかないと思いますので、恐らくこれは違うものでも構わないと思うのであります。もう一つ、文字放送、これも多重しているわけでございます。電波のすき間というような言葉も使われておりますけれども、結局は多重をしておるのでありますが、これはテレビジョン放送の中身と関連したものをできるだけ多く入れることになっている。 同じチャンネルの中で多重されているものについて、それぞれ違ったやり方がとられておるという現状でございますけれども、これは大変混乱するものですから私ども困るわけなんですが、何か統一できないか。というのは、最初のテレビジョン放送の多重放送、これはテレビ内容と関連したものにしなければいけないという、ここのところをほかのものと同じような形にすればすっきりするのじゃないか、そんなように思うのですが、この辺の御見解をちょっとお伺いしたいと思います。
○森島政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたように、テレビジョンに多重する場合とFMに多重する場合と、メディアの特性に応じましてその内容等で適当なものがそれぞれございますので、多重放送のあり方が多少変わってくるわけでございます。 まず、テレビジョン多重放送につきましては、放送法の四十四条六項に「同時に放送されるテレビジョン放送の放送番組の内容に関連し、」云々と書いてございまして、いわゆる補完番組でございますが、この補完番組を「できる限り多く設けるようにしなければならない。」こうなっておりまして、それに限るということではございませんが、できる限り補完番組を多くして、もとの、メーンの番組の内容を豊かにしたり効果を高めるようにしてほしい、こういう趣旨の法律の条文でございます。 それで、テレビジョン多重放送の場合も二つございまして、音声の多重と文字の多重とございますが、この法律の条文を受けまして、テレビジョンの音声多重の場合、実際には原則として補完番組に限定する、こういうことを行政方針としてとっております。その理由は、テレビに音声を多重する場合にはもとの番組を補完するものが望ましい、それが効果を高めるということが一つ。それから、音声でテレビと独立に番組が出ますと一つのラジオ番組が出る、こういったことになりまして、テレビジョンあるいは音声の全体の放送秩序にも関係がある、こういうことから現在のところ、方針といたしまして、テレビジョンの音声多重につきましては補完番組に限る、災害の番組は別でございますけれども、そういうことにしております。 それから、テレビジョンの文字多重につきましては、法律の条文でなるべく補完番組を多くしなければならないという趣旨は、主としてこれは字幕放送、耳の不自由な方がテレビを見てもおおよそのところはその内容がわかるようにするという字幕放送、こういったものを多くするように、こういう趣旨でございますので、テレビジョンの文字多重につきましては、そういった補完番組、それから独立に文字でいろいろな情報が送れますので、そういった独立番組もテレビジョン文字多重では認めておるところでございます。
○松前委員 今のテレビジョン放送の音声の多重、これはテレビの内容と合致するということが必要だというお話であったわけです。それの理由として放送秩序という言葉を持ち出されましたけれども、今度のFM多重、これは現行のFM放送にまた多重して音声、文字が出ていくということになるわけですが、文字放送と音声の多重と両方の面を持っているというものでございますね。これはやはり今おっしゃったようなことからいうと非常に放送秩序を乱すような代物ではないだろうか、そういう感じがするのです。 というのは、今FMの放送の免許申請を見ても、各地でいろいろトラブルが起こっておりますけれども、このFM多重放送について、これは恐らく現行のFM放送の中身と内容が関連したものじゃなくてもいいということになるわけですから、新しい放送ができるということになるわけなんで、そうするとここにいろいろな権力といいますか、そういうものが入ってきてそのチャンネルを占有しようとする動きが出てくる。そうするとFMの今現在のトラブルと全く同じようなことがここでも起こる。まあ多重ですからFMの現状よりはずっとその問題点は少ないかもしれないけれども、そういうことが起こる可能性がある、そう思うのでありますけれども、いかがお考えでしょうか。
○森島政府委員 テレビジョンの多重と比べましてFMで多重できる電波のすき間というものは非常に容量が限られておるわけでございます。したがいまして、FMで音声多重をやります場合におきましても、その音声の品質が非常に低い品質でございますので、これは新しいラジオの番組ができる、こういうふうな影響がテレビジョンの音声多重に比べるとずっと低いのではないかと思っております。 それからまた、テレビジョンの全国におけるいろいろな影響の度合いと比べまして、FMの放送局の現状からしまして、そういう音質の割に悪いFM多重放送というのができましても、先ほど秩序というふうなことを申し上げましたが、そういった面においては余り心配することはないのではないか、むしろ逆に、この電波のすき間を有効に利用して国民に便利な情報を提供する、こういったことの方が重要、こういうふうに考えまして今回の改正を提案しているわけでございます。
○松前委員 大して影響ないとおっしゃいますが、どういう使い方が出てくるか、これぐらいでもPCMという形で放送できるというか伝送できるということになると、いろいろな使い方がこれは可能性があるわけでありまして、そういう点からいってまた新たな問題が起こらぬとも限らない、そういうことでございますので、十分注意していただいて、それでこの新しい分野の発展のために郵政省として指導的立場をとっていただきたい。 それにはやはりFM放送の現状、これは本当にちょっと問題があると思うのですね。郵政省の指導というものは幾らやってもマスコミ排除というものができていないというようなこともあるし、いろいろ各地において一本化調整というのは、調整先がみんな違っていたり、いろいろ問題があってトラブルを起こしているという状況なんで、どうかそういうところからも姿勢を正してやっていっていただきたい、そしてこの新しい放送についての発展をリードしていっていただきたい、そのように要望いたしておきたいと思います。 さて、電波の混信については先ほど上田先生の方からお話、御質問があったわけですが、一つだけちょっとお伺いをしておきたいのです。 電波有効利用促進センター、この業務の内容、どうも法律を見ても内容がよく明確にならないのでありますけれども、これの本当に顕著な特徴というものをちょっと教えていただきたいのです。
○奥山政府委員 顕著な特徴という御質問でございますが、法律上に書いてございますように、一般的には電波の有効利用に関する相談、照会業務あるいは有効利用に関する調査等々でございます。しかし、恐らく先生のお尋ねは、そういう法律上の抽象的な文句でなくて、具体的に何を目指して何をやるのかという御質問だろうと思います。 そういう観点から申し上げますと、今回特に電波有効利用促進センターというようなものを指定の公益法人として法律の中に盛り込みました趣旨は、一にかかって六十年四月の電気通信事業法の制定に基づく新しい電気通信の競争体制下における必要性でございまして、これまでは、電波は二十五年の電波法制定以来国民に開放されたと申しましても、大半の電波は先生御案内のとおりNTTなりKDDあるいは電力とか消防とかガスとかいったような大きな企業体が圧倒的大部分を利用していたところでございますので、電波の混信等につきましても専門家がそれらの企業には養成されておりますので、これまでも私どもも照会、相談には応じてまいりましたけれども、さほど専門的な知識の欠如ということが電波の無線局免許に当たって障害になることはございませんでした。 ところが、一昨年の四月以降の電気通信事業の競争体制下になりまして以来、さまざまな面で新規参入が続々と登場しておりますので、有線による新規参入のみならず無線の有効利用、有効活用による形態も相当ふえてまいってございます。 特に電波有効利用促進センターで今後混信計算等で照会、相談に応ずべき主要な形態として想定されますのは、やはりマイクロにおける利用、これはほとんど、現在ではNTTとか電力等公共的な機関が大半を利用しておりますので、それらの事業体でなければ、一般の人たちはどういう利用の形態になっているのかほとんどわからない。そういうものについてはやはりこういう公益的な法人が懇切丁寧に相談に応じてあげることによってマイクロウェーブを利用した申請に資する。あるいは二、三年後に想定されます衛星による電気通信サービスが始まりました場合には非常にたくさんの地球局が登場してまいる予定でございますが、そうした衛星地球局の設置につきましても、どのような利用が周辺にあるのかといったようなことが一般の国民にはわからないわけでございますので、こうしたマイクロなりあるいは衛星地球局、あるいはさらに申し上げれば、もっと中継回線が今後利用されるであろう端末系の無線設備等も入ってくるかと思いますけれども、いずれにいたしましても、新しい電波の利用形態が非常に増大することにかんがみまして、こういう相談、照会に親身になって応じてあげることが必要ではないか、それがかゆいところに手の届く行政ではないかということで今回提案させていただいたようなことでございます。
○松前委員 新しい分野について利用促進ということで郵政省としては熱を入れてやっていかれる、その一つとしてこの促進センターがあるということのようでございますけれども、先ほどから話が出ておりますように、その反面、利用促進すればするほど電波はたくさん出ていくわけですね。先ほど不要電波がいろいろ問題を起こすと言っておりますが、不要じゃない本当に使われている電波そのものが妨害を起こしている、問題を起こしていることもあるわけです。 いつだったかテレビでありましたけれども、小さい無線の自動車が箱の中に入れてあって、パーソナル無線がな、あの電波を発射したら車輪が回り出して熱が出て火事になったという例が実際にあるわけなんですが、そういう不要電波以外の電波、そのものずばり正しい電波というものも妨害を起こす、そして問題を起こすこともあるわけなんです。不法電波対策、それから、そういう電波によって起こる障害というものをいかに防ぐかということが、この利用促進と同時に考えられていかなければならぬことだろうと思うのです。 そういう両面をやっていかなければならぬわけですが、郵政省としては促進以外の面についてはどういう取り組みを現在なされておるか、簡単にお願いいたします。
○奥山政府委員 御指摘をまつまでもなく、電波の利用秩序の維持というのは電波行政の根幹でございますし、またアルファでありオメガであるというふうに私ども思っております。したがいまして、先ほどの不要電波問題懇談会におきますようなああいう不要な電波もさることながら、不法の電波あるいは不法に至らないで善意、公然、平穏、無過失に電波を発射していても、それが障害を起こすこともあり得るわけでございますので、そうした各般にわたりまして、私どもとしましては、電波監視の体制の整備並びに諸措置を講ずることにしているところでございます。 これまでも、特に不法の電波につきましては、重要な無線通信に与える妨害が依然として減らないことにかんがみまして、さまざまな措置を講じ、具体的には、悪質なものについては告発を行いますし、また、行政指導で是正されるものは積極的に行政指導を行っております。また、不要電波につきましては、先ほど申し上げましたようなことで、今後積極的に出す側、受ける側についての総合的な対策を講じていくことにしております。 ただ、そうした電波を発射する側だけの措置では、これほど電子機器が普及し、またIC、LSIが高密度に普及した社会では不十分であろうということで、今回、あえて電波法を改正させていただきまして、無線機器を製造する、あるいは販売する業者に対しましても一定の行政上の措置ができるように、私どもとしては、措置を今回の法改正の中に織り込んだつもりでございますので、そうした総合的な対策を今後とも鋭意真剣に取り組んでまいりたいと思います。
○松前委員 さっき私が申し上げましたが、とにかく、利用促進の側ばかりやっておりますとその反対の面がどんどん起こってくるということで、先ほどお話しいただきました不法電波についての業者の罰則とか、そういうこともやられておるということなんですけれども、これは郵政省としては、ちょっとここらで総合的に電波をずっと洗い直して、それから通産省の話も聞いて、危険である受信装置というものをずっと洗い直してみるということが必要じゃないだろうか。通産省の方ではそれを洗い直すといっても専門家じゃないからそれほど詳しくはできないでしょうから、郵政省の側でそれをずっと調べ上げるということも必要だろうと思うのです。総合的に電波をずっと洗い直してみることが必要だと私は思うのでございますが、そういうことでこれから対処していっていただきたい。個別にちょこちょこ対策をやっていくだけではなくて、総合的に考えて、どこをびしっと押さえればいいんだということをしっかり示していただきたい、そのように思うわけでございます。その結果をこの委員会で発表していただければ、私どももいつもちょこちょこ質問しなくても済む、わかったということになるわけでございます。 そういう努力をぜひともお願いを申し上げたいと思う次第でございますが、郵政大臣、その辺についてちょっと御意見をお伺いしたいと思います。
○唐沢国務大臣 先ほど申し上げたのですが、不要電波の対策につきましては各省にも関係がございますので、各省とも十分調整をいたしまして、そして総合的な対策をとらせていただきたい、このように考えております。
○松前委員 それでは次に、電気通信事業法の一部を改正する法律案の方に移らせていただきたいと思います。 この法律改正案というものを見ておりますと今回の国際VAN自由化のための目的と考え方というものは明らかにならないわけでありますけれども、その他のいろいろな報道等で明らかにされている中から見ますと、特別二種というもの、これが国際VANになるわけでありますが、第一種から回線を借りるときに、第一種業者と国際VANとの間で交わされる契約約款、これにCCITTのD1という条項で制限がつけられるということで、国際VANはできないということなので、それを何とかできるようにしたいというのが今回の法改正だというように私は受けとめておるわけでございます。 D1条項というのは、御承知のように、専用線の使用というものは顧客の本来業務に関するものに限られて、これを再販してはならないというようなことで、再販を禁止しているということなんでございますけれども、今回の法律改正によると、その再販が可能になってくるというように読み取れるわけでございます。国際VANのように回線を借りて付加価値をつけて、高度サービスを不特定多数に提供するというような、単純再販でないようなやり方なんでございますけれども、それに国際の場合には制約がついているということなので、これはちょっと意味合いが普通のとは違うように思っております。 KDDのVENUS-Pでしたか、これが非常に万能で何でもできるネットワークであればこういう必要はなかったんじゃないかと私は思うのでありますけれども、それが万能でないということになれば、やはり独自にVAN事業をやるということになれば、プロトコルの問題とかいろいろなハードウエア、ソフトウエアの問題がそこに起こってくるわけでありまして、そういうものを準備しないと国際VANができないということになるわけなんで、そういうことで、何とかKDDのVENUS-Pを使わないでほかのやり方でできないだろうかというのが今回の法改正だろうと思うのです。 ただ、ここのところで、使えるようにするやり方として私が非常に疑問に感じるのは、専用回線を第一種事業から借りる場合、この借りる側の国際VANの会社と例えばKDDを対等の立場に置くということなんですね。これは回線の事業者同士のキャリアリースというような格好になるということなんでございますけれども、こういう格好にすればなぜCCITTのD1の条項に違反しないということになるのだろうか、その辺をちょっとお伺いしたいと思います。
○奥山政府委員 D1勧告によりますと、国際専用回線を再販売することが禁止されておりますために、これまで世界各国におきましても国際VAN事業を行う道が閉ざされていたところでございますが、今回私どもは、このD1勧告と抵触しない形で国際VAN事業を実施する道を開くための法改正を行うことにしたところでございます。 その際の法律的な構成、枠組みといたしましては、一つには、第二種電気通信事業者が第一種電気通信事業者から回線を借りて国際電気通信事業を行う際に、これまでのように利用者としての立場であったとしたならばD1勧告によって国際VANを行うことができないということでございますので、利用者としての地位から、国際電気通信事業を行う第二種電気通信事業者を電気通信事業者として位置づける必要があるということが第一点でございます。そういたしますと、D1勧告で言っております専用回線を借りる利用者ということではなくて、第一種事業者と第二種事業者との間は対等の電気通信事業者としての立場に立たなければならない、そういうことになりますので、その間でお互いの合意に基づく一つの契約を結んでいただくという枠組みをつくることにしたところでございます。 これはあくまでも合意でございますので、今KDDがVENUSlPで提供しておるような国際公衆データ伝送と違って、KDDにとっては提供義務はございません。約款ということは、保険の契約約款もそうでございますが、あまねく広く国民にそれを公示することによって、提供する方は一種の付合契約として応諾義務が生じますけれども、約款外の役務でございますので、KDDとしてはこれを提供する義務はございません。したがって、第一種事業者と第二種事業者との間の合意に基づくサービスの提供ということで、私どもはこれを便宜的に約款外役務というふうに呼ぶことにしたところでございます。 そういう約款外役務の認可によって国際電気通信事業を行う二種事業者を電気通信事業者として国内的な位置づけを行う。しかるが上に、今度は国際約束を遵守する必要が生じますので、今回の法改正に織り込みましたとおり、国際VAN事業を行う第二種電気通信事業者についても国際条約を遵守する義務を課し、しかもその義務の履行の違反があった場合にはそれについての一定の是正措置を講ずるという担保措置も講ずることによりまして、D1勧告の規定と整合性が保たれたというふうな結論に達したところでございます。
○松前委員 法律の中身をずっと御説明いただいたようなものなんですけれども、利用者じゃないということをおっしゃったのですが、特別第二種が電気通信事業者、利用者じゃなくて事業者だということになると、利用しないんですかね。私には全然わからないのでありますけれども、いずれにしても第一種から回線を借りるということは間違いないですね。それはなぜ利用しないんだということになる。おかしいですよね。これは解釈をめぐって国際的にかなり問題が出てくると思います。郵政省としては今すぐに解釈をぴしっとすることはできないだろうと私は思うのですが、そういう解釈をきちっとしておいて、その後法律改正として私らに提供してもらえばよかったのでありますけれども、今先にこれが出てきてしまった。これは一体どういうことか。恐らくMOSS協議の圧力によってこういうことが出てきたのでかろう。何とか国際VANをやらなければ貿易摩擦の対象になってくるということで、何とかしなければいかぬという四苦八苦の末のものだろうと私は見ておるわけなんでございます。 こういうことをやっていくとだんだんひずみがたくさん出てくる。そのことを時間がありませんのでちょっと申し上げておきたいのでありますけれども、第一種というのは回線を保有しているわけです。それで、そのハードを外国の主権によって自由に利用されることが問題なものですから、通信主権を守るという観点から外資を制限した。第二種というのは、第一種の主権と申しますか、第一種のものを利用するのですから、そのもとで回線を借用するということなんですから、主権という問題については問題がないというように考えた。だから第一種と第二種ということで、第一種の方は外資の制限をしておるということだと思うのです。 ところが、国際VANというのは特に外資の規制を持ってこないわけなんです。不特定多数を対象として入り込める代物なんですね。これは私は前、電気通信事業法のときに、当時の小山さんと議論したことがございますけれども、不特定多数を対象にして入ってくるということになれば、これは外資が入り込んでくればかなり主権侵害ということもあり得る、その可能性が出てくるということなんです。特にVAN業者がKDDと対等の事業というようにみなされるならば、外資の規制というものはできなくなってしまう。要するにVAN業者の方は規制がないのですから、それでKDDと対等の地位にあるということになれば、明らかに主権というものが侵害をされる可能性が十分に出てきておかしくないということなんでございます。第一種と第二種のいずれが力を持つかということは、運用協定等で結ばれることになると思うのですけれども、運用協定なるもののチェックといいますか、それをどうしろというわけにはいかぬということになれば、やはり今回の国際VANをこうやって導入する、しかもそれをCCITTのD1というものに抵触しないように逃げたということによって大きな問題が起こってくると私は思うわけでございます。その辺について郵政省、どのようにお考えになっておりますか。
○奥山政府委員 今の御質問にお答えする前に、冒頭におっしゃいました点について二言だけ補足説明をさせていただきたいと思います。 確かに国際VANを行う第二種事業者も第一種事業者から回線は借りるわけです。先ほど利用者と申し上げましたのは、ITU条約に基づくD1勧告の中に顧客とか利用者とかという一定の概念がございまして、そういう意味での利用者としてとどまる限り国際VANを行うことができないということで、新たに国際電気通信事業者としての地位を付与することにしたという意味でございますので、補足させていただきたいと思います。 それから国際二種における通信主権の問題でございますが、電気通信事業法制定の際にたびたび御議論をいただきましたとおり、二種事業においては、最終的に内外企業の競争によって、その創意工夫がお互いに競い合うことによってより多彩なサービスが花開くであろう、かつまた日本の現在のこれだけ進んだ電気通信事業者の力からすれば、それによって外資によって席巻されることはないであろうというような判断から、現行の二種事業に対する外資の規制は全面的になくなったというふうに理解をしております。 今回の国際第二種電気通信事業でございますが、この国際第二種電気通信事業におきましても、二種事業はあくまで二種事業でございます。で、キャリアリースという形で第一種電気通信事業者の回線を合意のもとで借りて、かつまた現在日本の国内において第二種事業者が行っているような高度サービスを行うということでございますので、国内同様、国際的にも二種事業の行うVAN事業については主権が侵害されるようなことはないであろうというふうに私どもとしては理解をしております。
○松前委員 現状ではそういうような感じであろうとは思うのですけれども、これはやはりきちっと縛っておかないと、必ず法律の抜け道というのを探してくる人間がおりますから、これだってそうなんですから、今の法律改正もそうなんですから、そういう意味で、現状は日本は強いからなんという話でもって安心しておってはいけないと思うのです。そういうことでいつも郵政省、何かルーズな感じがして私しようがないのでありますが、大変失礼を言い方かもしれませんけれども、そういう感じがいたしております。 またほかに心配事があるのでございます。例えばVAN事業というもの、第一種と第二種との違いというものについて前に議論したことがありますけれども、その点なんです。 VANというものは、回線を借りてコンピューターをつないでメディア変換とか同報通信とかプロトコル変換とか速度変換とか、こういうことでもってやるわけなんでございますけれども、要するに情報を加工して新たなやり方で伝送していくということなんですね。パケット通信というのは、これは中心になってくるような感じがいたしますが、パケット通信といったって何も新しいことは全然ないです。ただパケット通信をすれば何がいいかというと、非常に効率的に回線を使うことができるということ。これは技術的な問題です。法律用語じゃありません、パケット通信なんというのは。法律の分野にぽんぽん出てくるからおかしくなるのであって、あたかもこれは何か新しい法律解釈みたいに聞こえておりますけれども、実はこれは技術用語なんで、パケット通信、すなわち回線を非常に有効に使う手段の一つでございます。 こういうものが出てくれば、VAN業者によってパケット通信をやれるような仕組みに装置を入れてするということになれば、これは付加価値通信網ということになる。ところが、そのパケット通信の中身は、電話だって何だって今第一種がやっている仕事というものを全部やることができる。ということになれば、VAN業者が第一種の回線を借りて、そしてそこにコンピューターを入れて、付加価値をつけたと称して電話をやることだってできる。これは単純再販になってしまいますよ。こういうことだって可能性があるわけです。とにかく何でもできてしまうということで、これは法律によりますと、第一種と第二種と接続するためにいろいろ協議して、まとまらなかったときに郵政大臣が命令で協定を結ばせるとか、そういうことが書いてございますけれども、そういうように特別二種を優遇することはないと思う。要するに、同じ競争相手、すなわち第一種と第二種とどこが違うんだと私は言いたい。ただ技術的に非常に効率よくやるやり方を採用するのがこの特別二種であるということなんでございます。 そんなことから考えますと、今回は特別二種というもの、これは本当に特別だみたいに思って優遇し過ぎて、そして国際VANを全部取り入れてしまおう、そして、先ほど申しましたように、その行き先は主権侵害という形にもなりかねないところへ、そういうルートをつくってしまうということにもなりかねないような気がしてしょうがないのでありますけれども、こんなところは当然郵政省の皆さんはおわかりでやっていると思うのでありますが、その辺について御見解をお願いしたいと思います。
○奥山政府委員 ただいま御指摘になりました点は、今回の法改正の大変重要な点であるというふうに私どもとしても認識をしております。 御指摘がございましたように、第二種電気通信事業は我が国の法制では、アメリカの基本サービスと高度サービスに分ける分け方をしておりませんので、その意味ではあらゆる形態の電気通信サービスを行える仕組みになっております。もし今回の法改正によりまして国際電気通信分野にこういう仕組みが導入された場合にどうなるのかということにつきましては、先生がおっしゃいますとおりに、これは私どもとしても大変慎重に考えなければならない点と思っております。 この点に関しまして申し上げますと、先ほど来申し上げておりますように、第二種電気通信事業者が第一種電気通信事業者から約款外役務として合意に基づいて郵政省に認可申請をしてきた場合には、郵政大臣は特段の支障がない限りこれを認可いたしますけれども、その際、当然のことながら第一種電気通信事業者でありますKDDとしては、自己の業務、経営の遂行に支障を来すような申し出であればこれは応諾いたしませんので、そこで合意というものが成り立たないというふうに考えております。 また政府といたしましても、この認可を行う際の一つの配慮すべき点といたしまして、第一種事業者と第二種事業者との協議によって第一種電気通信事業者の業務の遂行に支障を来すような事態になれば、これはひいては第一種電気通信事業者のユーザー、利用者にも重大な影響を及ぼしますので、そういう点から見ても、政府としてもこれは適当でないというふうに判断をいたします。 またさらに、もっと突っ込んで考えますと、第二種事業者の業務の遂行によりまして第一種電気通信事業者、端的にはKDDが電気通信回線設備の保持が経営上困難になることによって公共の利益に重大な支障を来す場合には、郵政大臣は当該第二種電気通信事業者に対して改善命令をかける道が法律によって定められております。 今申し上げましたように、一重、二重、三重といったような担保措置を講じておりますので、いわばこういった安全対策上の措置といいましょうか、セーフガードを二重にも三重にも講ずることによって、ただいま問題提起にありました点につきましては、国際VAN事業を行う二種事業者と一種事業者との利益の調和、ひいては公共の利益の増進に資するような形で運用してまいりたいというふうに考えております。
○松前委員 時間がもう来てしまいましたのですが、いろいろこの点については重要な問題なので、事業法の三年後の見直しということがありましたけれども、二年目に来てしまったのでありますが、まだまだ十分に検討して見直さなければいけない事項がたくさんあると思います。近い将来の電気通信の形態というものを考えてみると、この事業法自体がこれでいいかどうかということも検討してみなければいかぬと私は思っておるわけでございます。 後で同僚議員がまた質問されると思うので後の質疑に譲りたいと思いますけれども、最後に確認ですが、先ほどお話がありました第一種通信事業者が経営が圧迫されるというような事態が起こってくる、それは特別二種が導入された後でそれがわかってくるということになると、具体的には一体どういうふうにされるのですか。特別二種をやめろというようなことを郵政大臣が言うわけでしょうか。その辺ちょっと簡単にお聞かせいただきたいと思います。
○奥山政府委員 先ほどもちょっと触れさせていただきましたけれども、もし仮にそういう合意が成立して、ひとまずそのような国際VANサービスが実施に移された、しかしながら、第二種電気通信事業者の業務の遂行によって第一種電気通信事業者の電気通信回線設備の保持が経営上困難になることによって公共の利益が阻害されるような事態になりました場合には、ケース・バイ・ケースによって第二種電気通信事業者に対する業務の改善措置を講ずることになろうかと思います。
○松前委員 時間が来ましたので、終わります。
○深谷委員長 阿部昭吾君。
○阿部(昭)委員 FM放送問題についてお尋ねをしたいと存じます。 NHKの音声多重は認めないということにされましたのは一体なぜかということをまずお聞きしたいと思います。
○森島政府委員 今回の改正で御提案申し上げておりますFM多重放送でございますが、音声と文字と多重することができるわけでございますけれども、そのうちNHKにはFMの文字多重放送だけしか業務として認めない、こういう御提案を申し上げているわけでございます。 その理由といたしましては、このFM多重をしますためにFM放送の設備を使うわけでございますけれども、文字放送だけですと付加設備が大した費用がかからないわけでございますので、NHKが文字多重をする場合でも、そう負担を感じない範囲で文字多重ができ、しかもその利便といたしまして、例えば本体の方のFMの番組を文字で表示するとか、音楽の場合は曲名を表示するとか、こういった使い方もできますので、文字放送に限ってFM多重をNHKに認めたい。音声と多重となりますと、かなり設備面もありますし、それから特に音声の番組の制作ということで費用がかかりますので、こういった点、NHKの財政上問題があろうかと思います。 それから、音声番組を多重するということになりますと、既にNHKは中波で二系統、FM放送、こういった音声三波を放送いたしておりますので、特にFM多重で音声をNHKがやらなければならないほどの必要性は現時点では認められない、こういった理由からNHKについては文字に限って認めたい、こういう趣旨でございます。
○阿部(昭)委員 これはNHKと民放とのある意味でいえば分野、現状のNHKと民放とのいろいろなかかわり、今のお話でございますとそういうことではないみたいな印象の御指摘なんでありますが、私はやはり民放とNHKとのかかわり合いの仕方、現在の分野、いろいろなものを考慮して音声多重はNHKには認めないということにされたのじゃないかと思うのですが、そのあたりはどうでしょう。
○森島政府委員 NHKと民放との併存体制ということで日本の放送体制ができておりますが、この基本は今後も非常に適当ではないかと思っておるところでございます。 そこで、FMにつきましても多重が電波のすき間を使ってできる場合に、NHKにはどうするか、民放にはどうするか、こういう問題でございますけれども、多重がNHKでも民放でも設備的にはできるといたします場合には、電波の有効利用からいたしまして、できる限り国民の利便を考えますと両方ともできるということがまず第一義的には考えられてよろしいのじゃないかと思います。 その場合、NHKの業務のあり方、こういうようなこと、特に民放とのバランスで考えますと公共性の使命、こういった点からNHKの多重のやり方とFMを民放がやる場合の多重のやり方と、こういった点で差はあってもいいかもしれませんけれども、FM多重をNHKには文字しか認めない、こういう趣旨は、特にバランスという点では、先ほど言いましたもう既にNHKは音声三波をやっている、こういう点からは確かにバランスという面もございましてそういうことにしたわけでございますが、民放につきましては、FM放送局というのはFMのメーンの一波しかやっていないから多重で、多少音質が悪いものでも多重の音声ができるようにしてもいいのではないか、こういう趣旨でございます。したがって、先生おっしゃいましたようなバランスというようなことも結果的に考えて御提案申し上げておるわけでございます。
○阿部(昭)委員 NHKと民放との間には、また一面ではそれなりの競争というかそういう面もあるのだろうと思うのですね。しかし長い経過があって現状はそれなりに民放とNHKとの間のいろいろなバランスはつくられてきておるというふうにも思うわけです。 そこで、NHKは音声多重は認められないわけでありますからやらない。しかし、例えばNHKが出資をするなりあるいは関連をするなりの第三の法人というようなものが音声多重をやりたい、仮にこういうことになってくるとすれば、その場合はどうなりましょうか。
○森島政府委員 今回の改正で御提案しております趣旨は、まさにNHKにつきましては第三者が音声多重をやりたいというときにNHKのFMの放送設備を借りてやれる、こういうふうにしたい、こういうことでございます。 その場合、NHKがその第三者に出資をするかどうかということにつきましては、現在の放送法の施行令で決まっております出資の範囲には入っておりませんが、今回の放送法改正がお認めいただけた場合には、その施行令の整備をどうするか、こういうことで検討したいと思います。基本的にはNHKが公共性という範囲内で、NHKは営利を目的としてはならないということははっきりしておりますが、第三者の企業というものに出資する場合もNHKの公共性ということは放送法の精神からよく考えなければならない点だというふうに考えております。
○阿部(昭)委員 そういういろいろな実際的な問題が起こってくる可能性はあるのだろうと思うのであります。そういう場合に、NHKと民放との間に監督官庁としての郵政当局が従来果たしてきた役割というのがあったと思うのであります。そういう意味で、民放とNHKとのバランスというか、こういう状況をよく踏まえられて、我が国のNHKも民放も全体として円滑な発展ができるようにやってもらいたい、こう希望しておきたいと思うのであります。 それから、さっき唐沢郵政大臣は、第二KDDの問題につきまして開放政策という角度から先頭を切ってやろうとしておるというお話でありました。一面そこには、今もいろいろな議論が起こりましたように通信の主権という問題がある。朝からの議論をずっと聞いておりますと、一面ではいろいろな国際間の摩擦も非常に激化をしておる。そこで、唐沢大臣がおっしゃるように先頭を切ってこの開放をと言いながら、いざ実際上のことになりますと、今の中核八社の問題なりいろいろな関連のものがどのように仕上がっていくかはそう単純ではなかろうと思うのであります。 したがって私の恐れるのは、今外向きから言うと、唐沢郵政大臣の開放の先陣を切って、先頭に立って、こうおっしゃる部面だけが非常に鮮烈に受けとめられるだろうと思うのであります。しかし、もう一面は、通信主権という問題は決して軽々に扱うわけにはいかぬ問題という意味で、実際上の問題は相当いろいろになってくるのだろうと思うのです。そうなってまいりました場合に、それぞれの国際的な関係では開放を世界の先頭に立ってと言いながら中身はそうはいかぬという意味で、そこから、日本はどうも言うことと実際のことが違うじゃないかということになる場合が起こりそうな気がしてならぬわけであります。したがって、そういう意味では二つの相矛盾する問題をこの問題は持っておるわけでありまして、政治的な意味で言えば、そのあたりを相手の国々から言えば、開放の先頭にと言いながら実際上のことは通信主権だ何だかんだということでそう一筋縄ではいかぬ、この問題でまた不信感を招くというようなことにならぬように一体どうすべきなのかという問題があるのではないかと思うのであります。
○唐沢国務大臣 第二KDDの問題で先生いろいろ御心配いただきました。確かに基本的な問題だろうと思っております。そして、先生御承知のように、我が国の電気通信改革というのは世界で非常な評価を得ておるわけでございます。アメリカは昔から自由でございましたからこれは論外といたしますと、イギリスの方が一年先にBTの民営化ですか、自由化に踏み切ったのでございますが、日本の場合は新規参入が第一種だけで十社を超えておる、第二種はもう三百社を超えておるということで、各国が日本に着目をしておるわけでございまして、よその国でも国営でやっているところは徐々に民営化し、自由化しなければいけないなと思いながらどうしようかということで、日本が一つの実験台となっておるようなところが確かにあるわけです。 ですから、カナダのマクドナルド通信大臣も今電気通信の自由化を考えておりますが、それは下敷き、モデルとなるのは日本のようでございます。結局一種と二種とに分けて、そういう通信設備を持つところにはある程度の規制をしていこうというふうに分けておるわけでございまして、どこまで規制をし、どこまで自由にするかという点が大変難しいわけでございます。それが先生のおっしゃる通信主権の問題だろうと思いますが、私ども、精神としては国際化、自由化の実際に先頭に立っておるわけでございますから前向きに対処させていただきたいのですが、個々の事案につきましては、これはどうしても法に従いまして適正に、厳正に、公正に処理をさせていただきたい、こういうように考えております。
○阿部(昭)委員 さっき阿部未喜男議員からもお話があったのを私非常に印象深く受けとめておったのでありますが、日本とほかの国々との感覚はどうも相当違うものがあるわけでありまして、大臣が開放だ、自由だ、こういう格好で旗を上げれば、そこを強調されれば、もうあとは全部すらすらとみんないくものだ、こういう認識でどうしても受け取るわけであります。実際上は通信主権の問題もあり、今言ったような厳正、公正にというところも、いろいろなことが各論としては出てくるわけです。相手国の方は各論の方は全然超えて受けとめる場合が非常に多い。そのことがまた次の段階になると、日本はどうも言うこととやることとは違う、こういうことにはね返ってくるという意味で、この現実は経過段階も相手国に対して十二分の理解と認識を求めていくということがなければ、大臣の言うことと実際やることとは違うじゃないかということにはね返ってきて、また国際的な不信感を招く、こういうことのないようなきちっとした対応が必要であろう、このことを申し上げておきたいと思うのであります。 さっき私は非常に印象深く伺っておったのでありますが、我が国の電気通信事業やいろいろな分野で今後大きく変わってくるだろうと思うのは、例えばコードレスであるとか今どんどん広がっておる自動車電話、あるいはパーソナル無線がいろいろな分野に広がっておるとかといったようなものが、恐らく今世紀中には日本の社会の基礎構造全体を変えるくらいまで相当大きく発展していくのだろうと私は思うわけであります。そういう中で、全体は原則的には自由だと言いながら、そうでたらめ勝手なことをやられたのでは、これはとても世の中の秩序もへったくれもなくなっちゃう。そこで一定の筋道をきちっとしておかないと、この分野というのはあらゆるいろいろな意味の広がりを遂げていく分野であるだろうと思うわけであります。 そういう意味で、私は、長期的にこの分野をどのように展望し、どういうまとめというかレール、そういうもののはっきりした筋書きを、国民に対してはもちろんのこと国際的にも――先進国同士のいろいろなやり方等もあるのだろうと思うのでありますけれども、日本の国内でも国際的にもここ数年の間に非常に急激にこの分野は広がり、また将来もますます大きく広がっていくという意味では、一つの基準、一つのけじめというものは、国内はもちろんのこと、国際的にもきちっと確立をされていかねばならぬ分野ではないのかという気がしておるわけです。私は全くの素人なのでありますけれども、そういう意味で、時間がございませんので、ごく簡単に基本的なお考えをお聞かせ願えればありがたい。
○奥山政府委員 大所高所から大変幅広い問題の御指摘でございますので、私が的確に答えられるかどうかわかりませんが、とにもかくにも、御指摘ございましたように、現在有線、無線を問わず電気通信の世界というものが急速に拡大をし、また自由化に伴いましてその使用規模も急速に拡大しつつあることも事実でございます。 私ども行政といたしましては、そうした電気通信の発展が、帰するところは、やはりより豊かでより良質の電気通信サービスを低廉な料金で国民に提供することが究極目標であるということを根底に置きまして、私どものもろもろの施策を進めているところでございます。 長期的並びに中期的にさまざまな問題がございますけれども、これらにつきましては、私ども毎年電気通信に関する政策大綱というものを策定いたしまして、内外に向かうべき当面の電気通信の政策目標ということも明らかにしております。また、技術開発にかかわる基本指針というようなものも、電気通信技術審議会の議を経ましてまとめたものを、これも内外にお示しをしているところでございます。 いずれにいたしましても、電気通信回線とコンピューターとが一体的に結合して、高度情報社会というものが二十一世紀に向かって現在急速に進みつつありますので、私どもの行政といたしましても、その進運に立ちおくれないようにあらゆる施策を講じてまいりたいと思います。
○阿部(昭)委員 私なども大いに勉強したいと思いますが、ぜひひとつお願いをしたいと思います。 もう一つは、例えば第二電電といったような新しいネットワークがつくられつつあるわけでありますが、これも全部東京、名古屋あるいは大阪、これがもっとずっと九州の方にも広がっていくのだろうと思うのですが、ひがみかどうかわからぬが、こういうネットワークをやるときになると、第二電電のような民間ベースということになると、裏日本の側ではなく、どうしても人口周密な地域でペイするところだけを先にやっていく、この関係はどうしても国土の均衡ある発展というものと逆行する姿になっていく。したがって、郵政省の情報化社会に向かってのネットワークをどのように整備をしていくかということになると、メガロポリスの地域はどんどん進んでいくけれども、そうでない地域はやはりずっとおくれていく、このことをどこかできちっと、やはり均衡ある発展という角度からの対応というものが求められるのではないかと思うのですが、なかなかこれは同じようにいかぬ。 大臣、今、本予算が間もなくという段階のときに、既に相当以前から五兆円だ、やれ何だかんだと補正予算の議論が始まるという異例な姿にあるわけですけれども、そういう中で、第二電電の問題じゃないが、民間活力といっても、やはりメガロポリスの地域ではそれは可能であっても、そうでない、いろいろな意味で産業構造その他の二重構造でおくれておる地域というものはどうしてもどんどん取り残されていくというふうに思うのであります。そういう意味で、対応の仕方としては、国土の均衡ある発展という角度できちっとした対応が必要であるというのが私の強い強い考え方なのであります。このことが一つ。 その意味で、例えば今度自主運用などが始まってくるわけであります。そういう中でどうしても今の、ある意味でいえば日本の二重構造と言われておる地域の側に相当積極的な対策が講じられていかなければならぬのではないか、講じてもらわなければならぬ、こういう願望を誇っておるわけであります。この点に関しましてぜひひとつお考えをお聞きしたい、こう思います。
○唐沢国務大臣 均衡ある国土の発展ということでございまして、私も出身地からいうと先生と全く同意見でございますが、こういう高度情報社会になりますと、やはり地方と中央との格差というものが非常についてくる可能性がある。 カナダのマクドナルド大臣も、やはりカナダの大きな問題は中央と地方の問題であるということで、我々はかねてから放送で受信格差の縮小とか、また情報格差の縮小、そういうことに努めておりまして、先生方に御努力いただいてテレトピアも六十指定したということを話しましたら、大変に興味を持ってテレトピアについて非常に詳細に調べて帰って、きっとあれを参考にして向こうでいろいろ施策を推進するのだろうと思います。 そういう意味で、我々も今後の予算の中においても、地方に対する情報通信基盤の整備というものは国土の均衡ある発展のために何よりも必要であると考えておりまして、自民党の部会の先生方にもいろいろ応援していただき、また野党の先生にもいろいろ御支援をいただいて、次の予算、補正予算あるいは六十三年度以降の予算でできるだけのことをさせていただきたいということで、ぼつぼつ省内で検討をいたしておるわけでございますが、そういう意味で大変力強い御支援をいただいて感謝する次第でございます。 なお、今の自主運用につきましては、一部専門的な話がありますので、事務当局から御答弁いたさせます。
○中村(泰)政府委員 郵貯資金によります自主運用につきましては、当面の法律で運用対象が規定されておるわけでございますが、その中におきましては、金融自由化に的確に対応するためにできるだけ郵貯資金を有利、高利に運用するための手段といたしまして、国債、地方債、金融債、その他一定の社債であるとか外国債であるとか、いわば債券を中心に運用するということを予定いたしているところでございます。 先生御指摘のように、情報格差の解消といいますか、均衡ある国土の発展のために情報通信基盤の整備というものが今日の社会に要請されているわけでありますが、地方におきます。そういった施策についても、将来郵貯資金の貸し付けといったような問題が出てきますれば、私どもとしても十分検討いたしてまいらなくちゃならないというふうに考えているところでございます。
○阿部(昭)委員 終わります。
○深谷委員長 佐藤祐弘君。
○佐藤(祐)委員 電気通信事業法が議題になっておりますが、同法運用に関連して、日本共産党の幹部に対する電話盗聴事件に関してNTTにお聞きをしたい。 昨年十一月に、東京町田市の日本共産党の緒方靖夫国際部長宅の電話盗聴事件が発覚しました。この事件は、緒方宅に通じるNTTの電話回線を途中の電柱上の端子面内で枝分かれの工作をして、盗聴現場となりましたマンションの一室に引き込むというやり方で行われたわけであります。 当初から、マンションの部屋の借り主の父親が神奈川県警の警備部の現職警察官である、入居の保証人も元警察官、加えて同氏の住民票を申請したのも神奈川県警の警備公安の現職警官であることが明らかになりまして、警察による組織的、計画的犯行であることを示す事実が歴然としておったわけであります。そして、去る五月七日には東京地検特捜部が神奈川県警の現職警官の取り調べを行ったということから重大な問題になっております。 さらに、ことし二月には現参議院議員である日本共産党上田耕一郎副委員長の国立市の自宅の電話盗聴事件も発覚いたしました。これも現在東京地検特捜部で捜査中であります。 電話盗聴は、憲法の保障する通信の秘密を侵し、国民の基本的人権を踏みにじる犯罪行為である。電気通信事業法、有線電気通信法に反することも明白であります。しかも、この盗聴が公党の幹部、現職の国会議員をねらって行われた。ことは、憲法の保障する思想、信条、言論、表現の自由、結社の自由を侵し、議会活動を侵害する断じて許されないものであります。 この事態について、電気通信事業法などを厳格に守る責任のあるNTTはどういう認識に立っておられるのか、その点をまずお伺いしたい。
○高橋参考人 お答え申し上げます。 ただいま先生から緒方さんのお宅の事件それから上田さんのお宅の事件、この二件のことについてお尋ねがございましたけれども、一件の緒方さんのお宅の盗聴事件につきまして、両者ともそうですが、通信の秘密を保護するという私たち電気通信事業者に課せられた重大な責務を私たちは全うしなければいかぬということは重々心得ておりまして、従来から厳格にこの問題については取り扱っているところでございますけれども、今回の事件のような通信の秘密が侵されるというようなことがあればまことに遺憾なことである、このように思っております。 それで、そういう場合に、緒方さんのお宅の問題につきましては、これは明らかに盗聴が行われたのではないかという疑いが非常に強い、こういうようなことから、有線電気通信法第十二条の規定に該当する不法行為ではないか、こういうようなことで、NTTとしましても速やかに捜査機関に告発をしてきているところでございます。 それから、もう一方上田さんのお宅の問題につきましては、四対端子ブロックという証拠物件を直ちに検察庁の方に押収されておりまして、私たちの方としましてはその後の現物確認というか、確実に盗聴が行われたかどうかということにつきまして、まだ物について確実に調べておりません。確認をしておりませんので、その確認ができ次第、告発するかどうかということを決めていきたい、このように思っております。 いずれにしても、この事件については非常に重大な事件であると認識をしております。
○佐藤(祐)委員 電気通信事業法第四十一条で「通信の秘密が侵されないようにすること。」と明記されているのを初め、同法及び有線電気通信法の諸条で明らかのように、NTTは、今も御答弁ありましたが、利用者の通信保護の重大責任を負っている。ところが、実際にNTTがこの間とってこられた態度は、責任の重大さを本当に自覚しておられるのかどうか甚だ疑わしいと言わざるを得ないというように思っております。 まず、緒方宅の盗聴事件について言いますと、NTTも被害者の立場で告発をされました。しかし、第一に、事件の真相究明のための真剣な努力、これが見られない。また、重大な被害を受けました加入者緒方靖夫氏に対して当初一言のあいさつもなく、事件発覚から十日以上後に私たちがNTT本社に申し入れに訪れた際に、そういうやり方がいわゆる真藤社長のお客様に対する態度なのかとただしまして、初めて緒方氏にあいさつをするという状況であります。普通の会社なら、結果的にいわば欠陥商品を売っていたということにもなるわけですから、原因はどうであれ、ともかくすっ飛んでおわびに来るというのが当たり前じゃありませんか。ところがそういう態度はまるでない。このことは高橋参考人側自身が責任者として対応されたときの事実ですからよく御承知のはずであります。 また真相究明の問題では、NTTは告発したからそれでいいのだという態度であります。そして、我々とのやりとりの中で、盗聴とは断定できないとか電話のただがけかもしれないとか、事態を本当にリアルに認識しようとしない、軽く見ようとする態度に終始しておりました。しかし現職警察官の取り調べということになった今日、NTTの認識、対応がいかに見識のないものであったかということが明らかであります。そのようなことで第一種電気通信事業者としての社会的責任が果たせると考えておられるのかどうか、この間どんな努力をしてきたのか、お伺いしたいと思います。
○高橋参考人 お答え申し上げます。 とにかく全国にネットワークを繰り広げておりまして、加入数も四千六百万の加入。これにつきまして、異物取りつけとか盗聴とかということについで予防的な形でやるということは、これは本当に理想な形なのかもしれませんけれども、これは本当に物理的に非常に不可能なことでございまして、いや、そうかといって、そういうことを野方図にしているかというと、それはうちの責任としてとてもそういうことは許されません。 したがいまして、できる限り設備についての管理をしておるということでございますが、じゃ一体どういう管理をしているのかという形になりますと、これは工事に行くとかあるいは保全というか、メンテナンスでぐるぐる巡回をするとか、そういうときにそういう異物がないかどうか、おかしな状態になっていないかどうかということを非常に細心の注意を払って見てくる、こういうようなこととか、あるいはお客様の方からおかしなものが取りつけられておるとかあるいは非常に通話の品質が落ちているとか、そういうようなことを通して早急に対応しておくということが事実でございまして、おっしゃるように絶対にそういうことのないようにということで未然にそれを防ぐということは非常に不可能ではないか、こういうように考えております。これは単にNTT自身だけ全力を挙げても全部なくするという形には――いわば国民全体の認識というものもお願いをしていかなければならぬことではないか、私たちはこのように思っております。
○佐藤(祐)委員 今防止の問題でお話がありました。それは後ほどお尋ねしますが、現在私が指摘しているのは、即いきなり防止の問題ではありません。重大な盗聴事件が発覚した、これに対して真相究明の努力をほとんどやっていないじゃないか、この問題であります。 この問題で加えて言いますと、今回の事件は、発生そのものの経過からいいましてもNTT自身にも疑惑が持たれざるを得ないという要素のあった事件であります。例えば緒方宅から二百メートル離れた地点にマンションがあるわけですが、その上の電柱には二百対の回線が走っているわけです。その二百対の中からどうして緒方宅用の回線を特定できるのかという問題があります。これがわかる資料は町田局にしかないわけです。それが外部に漏れなかったかどうか、保管に手抜かりがなかったかどうかという問題もある。また、あなたたちは専門家なわけですから、そういうものを使わないでも他にどういう特定の方法があり得るかといったものの研究も当然であります。ところが、そういうことをなさらない。そういうことをすることが捜査の真相解明にも役立つという関係になっているわけです。ところが、どうもみずからは責任がないんだということを表現することにきゅうきゅうとして、積極的に真相究明ということについてほとんど何もされておらないというのが実態だと私は思うのです。告訴、告発をしたからあとはもう警察にお任せだ、これでは、通信の秘密を守ることということが決められている第一種電気通信事業者としての社会的責任は果たせないではないかということを申し上げているわけです。 ここで具体的な事実についてお伺いをいたします。 それは、その後明らかになったわけでありますが、NTT町田局が、緒方靖夫宅電話盗聴が本格化したと見られる昨年の九月ごろ、NTTの工事用車両や工事用の作業服、これを町田警察署の求めに応じて貸し出していたという事実であります。この点につきまして、町田局は赤旗の取材に対して、検察が調べていることなので言えない、こういうあいまいな言い方で逃げておるわけでありますが、この点明確にお答えをいただきたい。
○高橋参考人 お答え申し上げます。 ただいまの先生からの御質問は、町田局が町田警察署に対しまして工事用車両並びに制服二着を貸し出しておることは事実でございます。ただ、町田署の方から貸し出してほしいという要望の目的は、誘拐事件の演習をやるからということで町田署から依頼がございまして、誘拐事件の演習ということであれば公共的な度合いも非常に強いというようなことから、これは扱い局の局長さん自身の判断によりましてお貸ししたことは事実でございます。
○佐藤(祐)委員 その点で、地検の特捜部から事件に関連してその点を聞かれた、こういうことですね。
○高橋参考人 特捜部の方からそういう事実についての確認がございました。
○佐藤(祐)委員 町田署は誘拐事件の演習とかなんとか言っていたという説明でありましたが、これはやはりこの盗聴事件に関係があるのではないかという重大な疑惑で特捜部が町田局にただしたものであります。ですから、またこれは何とも特定できていないということでありまして、もしこれが盗聴工作のために使われていたとしたら大問題であります。そういう問題であるということを十分認識をしておいていただきたいと思います。 それから、上田宅の盗聴事件でもNTTの対応は極めて消極的である、私はこう言わざるを得ないわけです。今度は日本共産党の副委員長でありますし、しかも現職の参議院議員の宅での盗聴事件の発覚であります。現職の国会議員宅の盗聴が発覚したのは初めてのことであります。議会制民主主義の根本にかかわる重大事件であります。まず、NTTにこういう認識があったのかどうか。 上田側の告発を受けました東京地検は、二月二十一日に現場捜索をして、上田宅前の電柱の端子面内にある四対端子ブロック、これが実物であります。これは実物と同種のものです。NTTの回線がずっときまして、それとこれは結んで、ここから宅内線、上田宅への引き込み線をここに結びつける、こういうふうにつながっていく、こういうものなんです。これにつきまして、盗聴器がこの中に埋め込まれている可能性があるという重大な疑惑で東京地検が直ちに押収していったわけであります。どうしてそういうことになったかといいますと、この端子ブロックは、通常はNTTから入る線と出る線の間の抵抗をはかるとゼロオームが正常なんです。ところが、現場ではかりましたところ三百五十オームという異常に高い数値が認められたわけであります。そこには国立局の課長も立ち会っておった。こういう十分な疑惑がありながらNTTは告発もしないというのは、この事態に対しての認識が非常に甘いのではないか、それとも盗聴の疑いが全くないというふうに考えておられるのかどうかお聞きしたいと思います。
○高橋参考人 告発をするということにつきましては非常に重大な問題でございますので、私たちの方としても相当自信を持って事実確認をしなければならぬと考えております。したがいまして、四対端子ブロックが既に証拠物件として地検の方に押収されておるということでございまして、地検の方からこれは確かに異物が入っておるという公式な意見表明なり検査、調査結果が公表されれば私たちの方もそれに対応するといいますか、告発をするということ、あるいは押収物品が返されまして私たちの方で現物を確かめまして、確かに異物が入っておるということが確認できればこれを告発する、このように考えておりますが、現在のところ押収された物品が返ってきておりませんし、それから地検の方でも公式な調査の内容について発表しておりませんので、今その調査結果を待っておる、こういうような現状になっております。
○佐藤(祐)委員 私が問題にしておりますのは、告発をしないNTTの言い分はこれまでにも聞いております。しかし、そういうことが満たされなければ告発できないというものでもないわけです。現に課長が現場で現認して、これは普通はゼロオームであるべきものが三百五十オームという異常な高さを示すということで重大な疑惑を持って押収されたわけです。あるいは局自身のテストでも、上田宅の電話に二百五十オームの抵抗値が出ているという調査も局自身がやっておられる。また、緒方事件に続いての発生である。いろいろなことからいいまして、これは盗聴の疑いが極めて濃厚だということで告発をされて当然だと思っております。こういうこと三言いますのも、この問題に対する構えが非常に真剣さに欠けるのではないかということをこの間痛感しておるからであります。 その例を二、三申し上げますと、例えば我が党がNTTの本社と折衝しました際に、上田副委員長宅の電話に昨年十一月ころから異常があった、これは新聞にも報道されておるわけですが、その事実さえ幹部は知らなかったということがあります。また、問題のこの四対端子ブロック、これが地検に押収された後、積極的にその結果を聞こうとNTTはしていなかった。この中に盗聴器が埋め込まれているかどうか、それが確認できないから告訴もしないんだという今の答弁でありましたけれども、それならば、地検が押収をしてどういう結果が出るのか強い関心を持って問い合わせるとか、当然じゃありませんか。ところが、我々が折衝の中で繰り返しその問題を提起して、三月末過ぎになって初めで地検に問い合わせるという、こういう態度です。これでまじめに問題を重視して真相を解明しようとしていると言えますか。 さらに、この例の異常値の問題でありますが、事件発覚後一カ月以上たった三月末の折衝の際にNTTの幹部はどう言ったか。不良品だとそういうこともあり得ますというようなことを言ったのですよ。現実にはあり得ないことです、そんなことは。もし不良品が幾つもあるようなら、それこそNTTの経営上の大問題でしょう。ところが、そういうことを平然と言う。みずから検査検討もしないでそういうことを言う。こういう態度も、NTTのこの問題についての真剣な姿勢の欠如だと言わざるを得ないと思うのです。NTTはカエルコールだとか、その他売り上げをふやすことには非常に熱心でありますが、肝心の通信の安全確実性、通話の秘密、そういうものを守っていくという点、もっと真剣に取り組んでもらわなければならぬ。 この問題に関連してもう一つ言います。それは、当事者であります上田副委員長が七日の参議院の予算委員会で盗聴問題を取り上げました。そうしましたら、十一日になって、先週の月曜日であります、事件から三カ月目にNTTの国立局長が上田宅に初めて謝罪に来ました。その際に私たちがびっくりしましたのは、盗聴事件についてほとんど調べてもいないということなのです。当該現地の局長がですよ。 この端子ブロックの抵抗値、なぜそれが問題なのかといいますと、一九八〇年に共産党の、現在二人とも副委員長であります高原晋一、戎谷春松、この自宅にやはり盗聴器が仕掛けられるということがありました。そのときのやり方は、電話線が家に来るときに保安器というのがある、その中にヒューズ管があるわけです。そのヒューズ管の中に発信機を仕込むというやり方です。盗聴用の発信機ですね。その際にその盗聴器が、発信機が仕込まれたヒューズ管、一見外から見るとほかのヒューズ管と区別がつかない精巧なできばえのものです。その両方を結ぶと、そのときの抵抗が三百六十オームあったのですよ。これは、今回の三百五十オーム、ディジタルでは三百五十六オームという数値も出ています。それと極めて酷似しているわけです。こういうことも今回の事件を見ていく上で非常に大事なポイントの一つであります。 ところが、十一日にお見えになった国立の局長は、高原、戎谷両盗聴事件について、当時の電電公社が告訴、告発したがどうかも知らないと言ったのです。こんな態度がありますか。一つは国立局で発生したのですよ。戎谷春松氏は国立在住です。同じ国立市の現局長が、同じような共産党幹部宅の盗聴事件が発生しておるのに、これまでのデータも調べていない。ここにNTTがいかにこの問題で真剣でないか、それがはっきりとあらわれている。当時の事件では、NTTは両件とも、高原宅、戎谷宅とも告訴、告発をしております。それも知らないというのにはあきれ返らざるを得ない。こういうことでは本当に加入者が安心して電話をかけることはできない、こういうことになると思いますが、どうですか。
○高橋参考人 今の先生の、現場の局長が謝りに来るのが非常に遅いとか、あるいは過去のそういう事件について全然知らなかった、こういうようなお話がございましたが、私の方からも一言言わせていただければ、何回も先生のお宅へはお訪ねをしたのですけれども、選挙期間中でなかなか会えなかったという事実がございます。 それから過去の事件につきましては、局長自身も知っておったというふうに私たちは聞いております。 以上でございます。
○佐藤(祐)委員 そんな言いわけは通用しません。では、ここへ連れてきてもらってもいいのだ。それはいろいろ手続が要りますが。現に上田副委員長自身が大森局長に聞いたのですよ。知らないと言ったのだから。NTTが高原、戎谷事件で告訴、告発したかどうか、そのことさえ知らない。 だから、本来言うならば、そのときの盗聴装置はこういうものであった、三百六十オームの抵抗を示すようなヒューズ管が使われた、そういうこともよく踏まえた上で、今度の検察が押収したこれの三百五十オームという抵抗値ですね、こういうものについても考えていくというような姿勢がなければ、真実に接近しようという姿勢がまるでないということになるじゃありませんか。そこを問題にしているのです。 来方が遅かったという問題もあります。そこは私は余り強調はしていないのだ。何度も来られたことも事実に反します。私は当事者ですから、確実に知っているわけです、いつ来られたかということも。その後、今度の機会までは間違いなくずっとほうっておったのです。 それから、先ほど申し上げましたが、緒方宅の場合、緒方氏に対してはまるであいさつする気もなかったんじゃありませんか。そうでしょう、高橋さん。私が行きまして、あなたの目の前で、そんな失礼な態度があるかと、普通の会社ではとても考えられないということをお話しして、初めてあなたがあの場所で緒方さんに申しわけないと頭を下げられたんじゃないですか。 だから、最初から本当にこの問題を重視して我々にも接触なさる、あるいは真相究明に努力をされる、こういう点が極めて希薄である。上田宅事件で告発をしないのもそういう姿勢のあらわれだということを言わざるを得ないということであります。 きょうは余り時間がありませんから十分な質問ができませんけれども、一つ確認をしておきたいことがあります。それは、上田宅盗聴事件の場合も、これによって盗聴が行われたという可能性は非常に濃い。しかし、それ以外にも、他の方法による盗聴の可能性もあるわけです。我が党としては、ぜひともこれは究明しなければならぬというふうに考えております。その点、先日NTTの真藤社長あてに申し入れをいたしまして、一定の回答も得ておるわけですが、協力の問題です。NTTがやはりその責務から盗聴事件の真相究明に真剣な立場に立つ、そういう点で、我が党の要請に対しても必要な資料の提供や調査、こういう問題で積極的な協力をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○高橋参考人 今回の両事件に関しましては、事実の解明等が東京地検を中心にして行われております。当社といたしましては、地検の捜査にできる限り協力をしていく、これが基本姿勢でございますけれども、御迷惑をおかけしましたお客様に対しましても、プライバシー、いわば通信の秘密とか契約上の信義とか、あるいは捜査の妨げに抵触しない、いろいろ制限がございますけれども、可能な範囲で、具体的な御要望なり御質問がありますれば、その範囲内で御協力をしていきたい、このように思っております。
○佐藤(祐)委員 今回の盗聴事件につきましては、マスコミの各紙も大きく取り上げております。それはやはり問題が通信の秘密、基本的な人権にかかわる問題である、あるいは公党の幹部で現職の国会議員ということで、これは政治活動の重大な基本にかかわる、議会制民主主義の基本でありますから、自由な政治活動というのは。そういう問題として重視をされておるわけであります。つまり、憲法と民主主義を問うものだというふうに思っております。多くの新聞が社説も掲げまして、警察による盗聴の疑惑について警鐘を鳴らすと同時に、ひとり日本共産党の問題ではないと論じておられるのは私も当然だと思います。およそ民主的な社会にあってこういうことが引き続き発生するようでは大変困るわけであります。真相の究明がその意味で大変急がれますし、NTTが社会的な責任を果たすことが求められておると思うわけです。 ところが、今幾つかの具体例を申し上げてまいりましたけれども、NTTの基本的な姿勢に対して私は非常に心外に感じております。第一には、本当にこの責任を十分自覚しているとは言えないということです。二つ目には、事態をできるだけ軽く見せよう、そして真相究明に真剣に取り組まない。これは例を挙げれば幾つも挙げることができるのです。私はずっと折衝してきました。それから三つ目は、被害者である加入者に対する常識外れな態度です。加えて、最初に答弁がありましたが、再発防止の問題、今回の盗聴事件を教訓にしてどうその再発防止への手だてをとっていくか、これはもう一つの大事な点だと思うのです。 この点につきまして、四千六百万も加入者がいて、電線は長距離でどうしようもないのだというようなことを平然と本社の責任ある幹部も発言をされたという事実があります。私たちはその場ですぐにこれも批判いたしましたけれども、これは難しくてどうしようもないのだという姿勢であれば、結局通信の秘密の保持、これは電気通信事業法で明記されておるわけですが、これが守りようがないのだということになってしまうわけです。これでは守れなくても仕方がないのだ、いいのだということになってしまう。これは私は絶対に認めることができない。もちろん技術的にいろいろ研究する余地はあると思います。しかし、盗聴防止のために努力するのだという姿勢で取り組まれるのと、どうしようもないのだというのでは天と地との開きがあるわけです。こういう点で、これまで見られたそういう態度を改めて、通信の秘密を守るという責務を名実ともに果たしていく、そのために技術的な研究開発を含めて真剣に対処するべきである。この点、折衝の中でも何度か申し上げてきているわけですが、NTTとしてどんな検討をされたか、しかと承っておきたいと思います。
○高橋参考人 お答え申し上げます。 私の答弁が非常にまずいものですから、先生非常に誤解をされているのではないかと思うのですけれども、非常に設備が多くてこれはもうどうにもしようがないということではないわけです。通信の秘密を侵すことのないように守るということは当然の責務でございまして、できる限りそういう方向で努力していく。それから、そういう面で今回盗聴事件、疑わしい事件というものが出ているわけですけれども、こういうものが今後行われないような形でどうしていくかという技術的な問題、あるいは個々の平常の巡回なりメンテナンスというものを今以上に強化していく、これは先生から言われるまでもなく私たちも当然全国に指示をしておりまして、それはもう強化をしております。それから、技術的な問題につきましても、今後大きな金をかけずに効果のある方法はないかということで取り組んではおりますけれども、どういうものができますか、もうしばらく時間をかしていただきたい、このように思っております。
○佐藤(祐)委員 私が言いましたのは、別に取り違えて言っているわけではなくて、これまでの折衝の過程で、現にそういう発言があったわけです。名前は申し上げませんが、NTTの本社にこの問題の対策グループとしてつくられたメンバーの方です。衆議院の第一議員会館の部屋でやりましたが、そのときにはっきりそうおっしゃったのですよ。空中を飛んでおりましてどうにもなりません、こんなことでは一体責任が果たせるのかどうかという問題です。今研究をやっておるというお話でございますから、ぜひそれは精力的に進めていただきたい。これまで長い歴史がありますが、研究の成果はまるでないのです。だから、これは本当に真剣にやってもらいたいということを申し上げておきたいと思います。 大変時間が迫ってまいりました。でも、やはり所管の大臣に一言お聞きしないと悪いので、大臣の所見を……。
○唐沢国務大臣 電気通信が発達いたしますと、重要な問題は通信方式の標準化と並んでやはり通信の秘密保持であろうと思っております。そういう意味で、法律に基づきましてNTTなどの通信事業者には万全の措置をとるように指示しておるところでございます。 今お話しになりました件につきましては、現在検察当局において捜査中のものでございますので、捜査結果を待って適切に対処してまいりたい。また、捜査結果によりましてはNTTに対しても適切な指導をしてまいりたいと考えております。
○佐藤(祐)委員 それでは、事業法の一部改正に関連して郵政省にお伺いをします。 これは午前からいろいろやりとりがありました。私たちは、国際法で禁じられているものをいろいろなやりくりでこじあけてやろうとしているという点に非常に疑問を持っているわけです。時間がありませんから簡潔にお答えいただきたいのですが、こういう解釈は日本政府の解釈にすぎないのではないか、国際的な合意はあるのかどうか、その点をまず……。
○奥山政府委員 各国の法制の解釈は各国がそれぞれの通信主権に基づいて解釈すべきものと考えております。私どもは、現在の電気通信事業法との整合性において、今回の措置でD1勧告の問題はクリアされたというふうに考えております。
○佐藤(祐)委員 そうとも言えないのです。先ほども引用がありましたが、第三のアプローチと言われているもののくだりにも、これは研究会のものですが、「現行国際通信法制との整合性や、このアプローチに対する外国通信事業者の反応について慎重な考慮を払わなければならない。」ということがむしろ書かれているわけです。ところが、実際には諸外国に対してアピールをするとか反応を聞くということがやられていない。これはやりようがないのです。ですから、大臣も一月に行ってこられたわけですが、国際的な理解は得ないまま、いわば横紙破りをアメリカ先導による末日でやろうとしているというのが客観的に描いた姿だと私は思うのです。しかも、ことし国際電信電話諮問委員会の第九回総会もあるのでしょう。それから、電信電話主管庁会議というのも予定されているわけです。本来ならばそこでこういう問題について本当に合意をから取った上で実行に踏み出すべきものであります。それが最もオーソドックスなアプローチなんだということも第一のアプローチで力説をしているわけです。ところが、率直に言ってそれでは合意を得る見通しがないから、あえて横紙破りをやってしまおうというのが今回の法案だと思うわけです。 そういう点で、私はこれには絶対に賛成することができないということを申し上げまして、次にNHKさんに来ていただいていますので、放送法及び電波法の一部改正の問題でお伺いをいたします。 これは中継所の問題と多重放送の問題があるわけですが、NHKとしてFM多重放送の実施の見通し、いつごろからやられるか、どう考えていますか。
○林参考人 FM多重放送の実施につきましてのNHKの考え方でございますけれども、FM多重の技術が開発されまして、法律の改正ということで国会に御審議いただいておるわけでございますが、今後郵政当局におきまして電気通信技術審議会の答申を受けましての技術基準の確立というものを受けまして、NHKといたしましてもこの業務に取り組んでいきたいというように考えておるわけでございます。 当面のNHKの考えといたしましては、FMの文字多重の面におきまして番組の表示をするというような業務を含めまして、いずれにいたしましても、技術基準の審議の動向あるいは視聴者のニーズというものを十分見きわめる中で、六十三年度の事業計画の中で取り組んでいくということに相なろうかと考えております。
○佐藤(祐)委員 もう時間が参りましたので、それでは、この問題で最後に大臣の意見をお聞きしたいのです。 この問題でも非常に逆転しているような形があるわけですよ。つまり、技術基準が当然確定しなければいかぬわけですが、この電気通信技術審議会での技術基準の答申はことしの十月にならないと出ないのですね。それからまた、郵政省内にありますFM多重放送利用調査研究会は、昨年からいろいろソフトの問題とかニーズの検討をやってきておられるわけですが、この報告書も六月にならないと出ないのですよ。まだ先なんですね。ところが、正式に結論が出ていないのに法案だけが先に出てくるということになっているわけです。これにはどうやら別の事情があるように私も思っているわけですが、いずれにしましても、こういう法案の出し方、審議のやり方は正しいとは思えないわけですが、その点大臣はどうお考えか。今後こういうやり方が続くようでは大変困ると思うのです。その点申し上げて、お聞きをしたい。
○唐沢国務大臣 放送用の電波につきましては、従来から、これをできる限り有効活用して国民の利便の増進を図ることといたしております。 この趣旨のもとで、既にテレビジョンの多重放送を実用化したところでございまして、今般、FM放送の電波のすき間を使って多重放送を行うことができるということが技術的検討の結果明らかになったわけであります。このため、技術開発の成果をできるだけ早く社会に還元をいたしたいという見地から、その実用化を図ることとして、今回法制上の準備を行いたいということで御審議をいただいたわけでございます。 なお、これが実用化いたしますと内需拡大にも資することができますので、どうぞ御理解の上、御協力のほどをお願いいたします。
○佐藤(祐)委員 全然質問の答えではありませんで、私が聞いたのは、多様化も結構だということではありますが、実際の技術基準なんかの確定が先になっているのですよ。だから、それより先にやるのはおかしいのではないかということを放送政策懇のメンバーの方なんかも強く言っておられるのですね。こういうやり方についておかしいのではないかということを申し上げたので、大臣もさらにその点、勉強しておいてください。以上で終わります。 〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕
○関谷委員長代理 伊藤忠治君。
○伊藤(忠)委員 私は、主に事業法の一部改正の問題を中心にしまして質問をさせていただきます。 まず初めに、国際電気通信法制の問題を中心に質問をさせていただきますが、電通局長の私的諮問機関でございます国際第二種電気通信事業問題研究会の報告、この中の資料で私は質問をいたしますので、そのようにひとつ前提を置いていただきたいと思います。 ITUに規定をされておりますRPOAの要件としまして、資料でいきますと二ページに「条約及び業務規則が規定するRPOAの要件は次のとおりである。」こういう前置きで以下六項目にわたって列挙されているわけです。ずっと見ていきまして、第三項は、「公衆通信業務又は放送業務を運用すること。」こうなっておりますので、私の理解が間違っておりましたら教えていただきたいと思いますが、これはNTTだとかKDDだとかNHKのことを言っているのじゃなかろうか。そうしますと、あとの五項目がITUに言いますRPOAの要件なんだ、このように理解をしてよろしいかどうか、端的にお聞きしますので端的にお答えいただきたいと思います。
○奥山政府委員 ITU条約に規定されておりますRPOAに関する条項は、さまざまなところに関連条文があるわけですが、電気通信局長の私的諮問機関の中でまとめましだのは、それらを集約いたしまして、今御指摘になりましたような六項目にまとめたものでございます。したがいまして、条約そのものの表現とは若干異なったものもあることを御理解賜りたいと思います。
○伊藤(忠)委員 次に、CCITTのD1勧告ですが、この基本原則の中で言っております第三項をまず質問いたします。「専用回線は分割使用できるが、これを再販売してはならない。」こう言っております。これは具体的にどういうケースを指すのか、御説明をいただきたいと思います。
○奥山政府委員 御指摘の分割使用の件につきましては、端的に申し上げますと、国際専用回線を賃貸した者がこれに例えば多重化装置等を付加することによりましてテレックスとかデータ通信というようなものに使用をしてはならないということが一番端的な例でございます。並びに、それをさらに再賃貸してはならないということもあわせて書かれております。
○伊藤(忠)委員 次に、第四項で言っております「専用回線と公衆通信網との相互接続は、一定の形態に限られる。」この意味は、専用線と公衆通信網を接続するということは単純再販に当たるのだけれども、一定の限度内であれば、一定の形態であればいいのだ、こういうふうに言っているのかどうか、お願いします。
○奥山政府委員 先ほどの御質問で私ちょっと答弁を間違えましたので、訂正させていただきます。 D1勧告の中で、分割使用はいい、ただし転貸はだめだということでございますので、多重化装置等を付加して分割使用はいいけれども、再販売はだめだという規定になっております。 それから、ただいまの一定の条件のもとで認められるものは何かということでございますが、これにつきまして一番典型的な例は、世界じゅうに本店、支店のネットワークを張りめぐらしております商社のような場合、これらの自社内通信用のネットワークは、あくまでも自営でございますが一つの交換業務を行うことから、念のため、いわば為念規定的にそれらのものは認められるということを表現したものでございます。
○伊藤(忠)委員 こういう意味ですか。専用線を借りまして公衆網に接続をするということはこれは単純再販そのものでありますね。それでこれはだめ。そうではなくて、専用線を借りて例えば自社網のそういう業者の通信網に役立てるということは、これは一定の形態に限られる中に入るんだ、こういう理解でいいんですか。
○奥山政府委員 自社内のネットワークのために専用線を借りまして、自社の営業のために自営業務を行うことは認められるということでございます。
○伊藤(忠)委員 すると、現在電気通信法で、現行法制で規定をされているケースのことを言っているのであって、つまり専用線を借りてリセールで公衆網とつないで中抜きでやっていく、こういうことではありません、それはいけません、こういうことを言っておるのですね。
○奥山政府委員 これは現在日本のみならず世界各国におきまして、私用の専用回線を利用して自社内のネットワークをつくることは認められているということでございます。
○伊藤(忠)委員 ちょっとさかのぼって申しわけありません。答弁を私、聞き漏らしましたので、三項のことなんですが、これは多重使用、つまりそういう付加価値サービスをやる、そういう場合には分割使用ができるけれどもリセールはだめ、こういう意味ですか、言われた意味は。
○奥山政府委員 結論的にはそういうことでございます。多重化装置等を使ってテレックス等に分割使用することは認められるけれども、再販売をすることは認められないということでございます。
○伊藤(忠)委員 次に移ります。 今回のこのRPOA、これは国際通信法制というものが一応でき上がっておりまして、それをどのようにクリアしようかという大変御苦労があった、こういうことなんですが、郵政省側、日本側としては、このRPOAというところに着眼をされまして、今回のような一部改正をやることによって道を開くことができる。しかし、従来の態度から考えますと態度が変わったのではないか。これまではこういう見解に立っておられなかったように私は理解しているわけです。この点が一つ。 それから二つ目は、そうなんだけれども、MOSS協議がございましたので相手に迫られまして、もうどうしようもなくなって今回国際VANの門戸を開放するというか、踏み出していく方法として今回の一部改正ということになった、私はこう理解をいたします。この辺がそうなのかどうなのかという御答弁、言っていただきたい。 もう一つはアメリカの関係で質問をするのですが、アメリカというのは日本政府のような考え方で国際電気通信法制に対応していたのかどうかといいますと、必ずしもそうではなかった。むしろそういうものよりも、どんどん新たな分野に切り込んでいくんだから、国際通信法制というのは足して二で割ったような内容にならざるを得ない、全体がうんと言えるところでしか決められませんからね。そういうものを一々考えていたら自分のところのVAN事業だってなかなかいかないというので、否定をするなんということはないとしても、それよりもまず実績主義でいこうという考え方で来ていた姿勢の方が強かったのではないか、私はこういうふうに感じておるのでございますが、その点はどうなんでございましょうか。 そのことに従いまして、そういうふうにアメリカが言うのはいいのですが、これは後で触れますけれども、日米両国で合意をなさいました。しかし、RPOA自身の整理が、アメリカ政府がアメリカ国内の業者に対してそのことがきちっと整理をできるのかどうか、そういう動きはどうなっているのかということを含めましてひとつお聞かせいただきたいと思います。
○奥山政府委員 確かに私的研究会でございます国際電気通信問題研究会の報告書の中におきましては、RPOA問題を今後国際VANの道を開くための第三の方途として指摘をしております。 先生がおっしゃいました、もともと郵政省としてはそういうことは考えていなかったのではないかという第一の御指摘でございますが、電気通信事業法が制定されました際には、いずれは国際VANというものも逐次道を開かれるであろうということは予見されましたけれども、その時点ではまだ日本もアメリカも含めまして世界的にそういう条件が成熟をしていなかったというふうに私どもは受けとめまして、ただ先取りをする見地から、電気通信事業法の中で、将来国際VANというものはあり得べしということで、とりあえず定義だけを特別第二種ということで設定をさせていただいたところでございます。 その後、電気通信事業法施行後二年たちましたけれども、その間に国際電気通信をめぐる世界の諸情勢は、私どもが当初予想いたしました以上に急速に進みまして、国民的にもあるいは産業界からも、一刻も早く国際VANを実現する道を開いてほしいという要望が逐次出されてまいりまして、例えば経団連の情報通信委員会から郵政大臣あてにも要望書が出されたりしております。こういう状況を踏まえまして、私どもといたしましては、やはり国際電気通信事業においてもさらにより高度化、多様化したサービスを国民にあまねく供給することが私どもの責務であろうということで、その検討に入ったところでございます。 ちょうど時あたかも米国とのMOSS協議の最中でもございましたが、六十年の二月に米国との電気通信に関するMOSS協議の中でも、アメリカもそのような判断に立ち至ったと見えまして、アメリカ側からもそのような研究についての一種の意思表示がございました。昨年の一月にMOSS協議が、安倍・シュルツ両大臣のもとで共同声明という形で出されました際には、電気通信問題に関するMOSS協議はすべて完全に終わった、成功裏に終わったという整理がなされましたけれども、ただこの問題については、日米間双方でスタディーをするということが合意されております。 それで、そのような日米間の合意に基づきまして私どもとしては研究を続けてきたところでございますので、MOSS協議そのものによって、これのみによって今回の国際VANが実現したということじゃございませんが、何分にも国際電気通信事業であります以上、それぞれの国、相手国のある仕事でございますので、そういう諸条件の熟したアメリカとの間で意思のそごがないようにこれまでの間綿密な協議を行ってきたところでございます。その結果、本年の二月に至りまして日米双方で最終的な合意が成立いたしましたので、それをも踏まえて今回の法案を出させていただいたところでございます。 それから三点目のお尋ねのアメリカにおけるRPOAの取り扱いでございますが、アメリカの場合は日本の郵政省の場合と違いまして、FCCという一種の規則制定権を持っている独立行政委員会が電気通信行政を所管しておりますので、国際VANにつきましても独自の判断で裁定という形でその方針を決定することができます。それでRPOAにつきましても、昨年の五月のFCCの決定によりますと、いわゆるアメリカの高度サービス事業者、エンハーンストサービス事業者に対してもRPOAを付与する道を開くというようなことが決められておりますので、日本においては今回の法改正により国際VANの道を開く、アメリカにおいては昨年五月の決定に基づいて国際VANに対するアメリカ側の法制上の措置は講じられたというふうに考えております。
○伊藤(忠)委員 すると、こう理解してよろしいですか。今議論しておりますように、日本側は、一部改正のこの法案が成立をすれば法制としてはきちっと体制ができるわけですね。アメリカの方は、昨年五月にFCCの関係できちっとアメリカのことについては整理されておりますから、国際VANというのは問題なく一、二の三でいける、こういうふうに理解していいですか。
○奥山政府委員 まず、日本側の法制でございますが、今回御提案申し上げております法律の一部改正の枠組みで国際VANに対する道が開けるというふうに考えております。その中にはもちろんのこと、約款外役務の認可、それから国際条約の遵守といったような措置を講ずることによってこの道が開けたというふうに考えております。 〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕 アメリカの方におきましては、昨年五月の裁定によりまして国際VANに対する障害はなくなったというふうに考えております。 もちろんのことでございますが、日本におきましては特別第二種電気通信事業者であることが必要でございますので、登録といったような従来の条件を満たす必要があることは申し上げるまでもございません。
○伊藤(忠)委員 そうすると、こういう関係になりますね。三月十二日に日米合意で成立したわけでしょう。アメリカは昨年の五月に体制をつくっていまして、MOSS協議を通じて日本に迫ってきて、日本は追われる格好で今回整理してこの委員会で今審議しておる、こういうことですか。
○奥山政府委員 アメリカの方は昨年五月に決定したので、それでは日本もすぐやれということで迫ってきて、それに押されてやったということではございませんで、先ほども申し上げましたように、アメリカの場合は、FCC自体が一定の規則制定権を持っておりますので、昨年の五月の裁定で国際VANに関する一つの方針を決めました。しかしながら、アメリカ側からとってみますと、日本あるいはその他の国と国際VANをやるためには、やはり具体的に詰めなければならない諸条件があるわけでございます。それを日本とアメリカとの間で今日まで協議をしてまいりまして、日米双方でこういう枠組みであれば両方の法制上の枠に整合する形でできるであろうという結論に達したのがことしの二月でございます。
○伊藤(忠)委員 なるべく簡潔にいきましょう、時間がございませんので。私もいっぱい聞きたいことがありますから……。 そうすると、世界を見渡しまして、アメリカと大体体制が似通っている相手国を探しますと日本しかない、イギリスもかなり自由化が進んでいるとはいいながらそこまではいっていない、そのほかのヨーロッパの国というのは推して知るべしだ、あとは、開発途上国はそこまでいっていない、こうなりますね。そうすると、国際VANを求めるアメリカの考え方からするならば、まず日本をねらいますね。これが一つ。それで今回のような方向に日本は受け皿づくりでなった、こうだと思います。いろいろ表現はありますが、そういうことでしょう。 同様に、アメリカにしてみれば自分たちの在所、母国みたいなものですな、ヨーロッパあたりに対して同じようなアプローチをしておるのかどうなのか、そうではなくて、ほかのところはやってないけれども、日本だけにMOSS協議の格好でそこから突破口を開いてきたのか、そのあたりはどうなんですか。
○奥山政府委員 さしむきは、電気通信の自由化体制が最も進んだ日本並びにアメリカの間でこの問題に関する条件が成熟をしたということから、日米間で取引が始まるということは事実でございます。 しかしながら、ただいま伊藤先生もおっしゃいましたように、イギリスにつきましては既にことしの三月に新しいVANの免許方針を出しております。イギリスの場合はまだ免許という形ではございますけれども、VANにつきまして既に前向きに検討をしておりますし、また、ヨーロッパの諸国すべてが国際VANにつきまして閉鎖的ということではございませんで、オランダ、そのほかブラジル等も入っておりますけれども、こういった国々におきましても国際VANについては前向きでございます。 こうした国際的な早い遅い、あるいは関心の度合いが違うのに日米間だけでまず突っ走るのはどうかということでございますが、これはやはり国際的な協議の場で、CCITTの場並びにいわゆる世界電信電話会議の準備委員会、PC/WATTCと言われるものの中でも、新しい今後における国際通信サービスのあり方について種々議論がなされておりまして、そういったマルチの場で真剣にこの問題も協議をされているところでございますので、そういう場を通じてこの問題も国際的な合意が成立していくものであろうというふうに考えております。
○伊藤(忠)委員 そうすると、イギリスなんかでは日本と同じような格好でVAN業者というのはかなり自由化されていまして、政府に申請すれば一定の要件のもとにやってよろしい、BTから回線を借りるのか、その辺ちょっとまだ弱いのですが、多分そうだと思うのですが、そんな類似したような格好で自由化は進んでいるのですか、今の答弁を聞きますと。
○奥山政府委員 イギリスの場合で申し上げますと、イギリスは一九八二年にVANに対する免許方針を出しまして、そこで初めてVANの自由化の方針を打ち出したところでございます。イギリスの場合はアメリカよりもむしろ日本を参考にしていると私どもは自負しているわけですけれども、アメリカのように高度サービスと基本サービスという分け方でなくて、日本の一種、二種に該当するような、といっても若干違うのですが、大規模VANと小規模VANといったような分け方にする構想でございまして、百万ポンド以上の売り上げがあれば大規模VANといったような分け方もあるようでございます。そうした日本に似たような感じで取り組んでおりますので、いずれは国際VANに道を開くべくイギリスとしては取り組んでいるという情報を私どもとしては得ております。
○伊藤(忠)委員 そういう場合に、外資はオールフリーで一〇〇%ですか、イギリスの場合。
○奥山政府委員 私どもが仄聞しているところでは、イギリスの新しいVANの免許方針については、外資についての規制はない方向であるというふうに伺っております。
○伊藤(忠)委員 次に、「国際VANの自由化に関する日米合意の概要」、これは、いただきました資料をもとに私は若干質問させていただきます。 そうしますと、「日米合意」とはなっていますけれども、アメリカは既に整理をした上で臨んできていた。日本の方はもちろんこれからやろうというような格好で協議に臨まれた。ここに貫かれておりますものというのは、日本側が整理しなければいけない問題を主に挙げている、このように理解をさせていただいていいですか。
○奥山政府委員 日米双方の合意でございますので、アメリカ側においてもこれに基づいて今後の措置を具体的には講じていくというものもございますし、日本側としてもこの合意内容に基づいて、法律改正を要するものは今回の法律改正として整理をさせていただいたということでございます。
○伊藤(忠)委員 この「合意の概要」の二ページ目になりますか、「データ通信網の相互接続」の項で、一番最後に「国際的に認知されるよう措置する。」こういう表現があります。これはどういうことを想定されているのでしょうか、簡潔にその中身をお聞かせください。
○奥山政府委員 国際的に認知をするという意味は、国際VANを行うために必要な国際データネットワークのための番号の付定というものが必要になってまいります。いわゆるDNICと言われるものでございまして、データ・ネットワーク・アイデンティフィケーション・コードというものでございますが、これを国際VAN事業者に付与するということを明確にしたものでございます。
○伊藤(忠)委員 次に行きます。 「相互接続について不当な差別的取扱いが行われないよう担保する。」これが一つ。それから二つ目は、合意が成立しない場合、一番最後にずっと書いてありますが「適切な措置を講ずる。」この二つに対して教えてください。
○奥山政府委員 まず前段の方でございますが、国際VAN事業を行うためには、一種事業者と国際VANを行おうとする二種事業者との間の合意が必要になってまいります。ところが、合意のためのネゴを行う際に、両者間、彼我の間に力関係の差があるというような場合が往々にして起こり得ようかと思います。その際、一方が他方に対して合理的な理由もなしに不当な条件を押しつけて特定の事業者に対して差別的な取り扱いを行うようなことは、健全な国際電気通信事業の発達を阻害するものでございますので、その場合については、三十六条、三十七条によりまして郵政大臣が改善命令をかける道を開くということにしたところでございます。 それから、後段の御指摘の点は、仮に合意が成立しない場合におきましては、一方の申し立てに基づいて郵政省にアピールがあった場合には、郵政省としてはそれを子細に検討いたしまして、その合意、契約の締結ができない理由が公共の利益を増進する上から適当でないというような判断がついた場合には郵政大臣が締結命令をかけるという道を開いたものでございます。現在御提案申し上げております法三十九条の締結命令がそれでございます。
○伊藤(忠)委員 そうすると、一点目は主に第一種事業者が優位な立場に立つというケースが多いんですね。次の「適切な措置を講ずる。」の質問に対する答弁というのはちょっとはっきりわからなかったのですが、一点目の質問に対してはそうですね。不利益の関係が出てくるというのは、やはり優位に立つのは第一種ですから、そういうケースが起こる頻度としては多いと理解していいですね。 それから後段の答弁は、ちょっと聞き漏らしたのですが、どういう意味ですか。ちょっとはっきり意味がわかりませんが……。
○奥山政府委員 前段の方は、先生がおっしゃいましたとおり一種事業による不当な差別という場合が想定されております。 後段の方は、両者の合意が不成立であったという場合、その不成立で、一方からの申し立てがあった場合に、その接続に関して、これが公共の利益を増進する見地から不当であるという場合には、その締結のための命令を下すという措置で担保したものでございます。
○伊藤(忠)委員 後でもちょっと触れさせていただきたいと思っておりますが、そうすると、今度はその第一種通信事業者の立場に立って見たときに、これは相当市場の関係で厳しくなるなという場合には、その事業者の持つ公共性を確保するために業務改善命令でしたか、議論がございましたが、ああいうものはこれと対等の立場でいくわけですね、考え方としては。そう理解していいのですか。
○奥山政府委員 ちょっと私、先生の御質問を的確にとらえたかどうか心もとないのでございますが、一種と二種との間で合意が成立をすることが国際VANを実現するための大前提になっておりますので、その合意に基づいて約款外役務の認可ということを郵政大臣が行うことによって国際VANが開けるということでございます。それで、一種事業者がゆえなく、合理的な理由がなく不当な差別取り扱いを行った場合が改善命令でございます。なお申し上げますと、それはあくまでも健全な競争を阻害する見地からそのような合意がなされない場合を想定してのことでございますので、そのような場合の改善命令でございます。 また、後段の三十九条の方は、合意が成立をしない場合で、しかも一方の申し立てがあった場合に、先ほどから申し上げておりますようにその接続等が行われない、それに対して郵政大臣が公益的見地から命令を行うという枠組みになっております。
○伊藤(忠)委員 ちょっとまあ次に譲ります。進めさせていただきますけれども、国際VAN事業についてですが、約款外役務の提供条件として郵政省としてはどのような内容を考えられているのか。これは恐らく当該事業者間での契約ということになるのでしょうからね。しかし、一つのガイドラインというのがあってしかるべきだと思いますから、それはサービス内容にすればどういうものなのか、料金にすればどうあるべきなのかというようなことについてお聞かせをいただきたい。
○奥山政府委員 この点は両事業者間の合意でございますので、内容を個々に立ち至って私どもの方でこうあるべきだということを申し上げるには至りませんけれども、まず一つは料金というものが考えられます。あるいは回線を借りる期間というものもございます。それから技術的な条件等、サービスの内容等、そういったもろもろの内容が両者間で協議の結果決定されるというふうに考えております。
○伊藤(忠)委員 そうしますと、郵政省、政府としてはそのガイドラインのようなものは一切お持ちにならぬというか、そういう格好では対応されないわけですか。両者間の自由契約に任せるという方針ですか。
○奥山政府委員 これは当然のことでございますが、今回の法改正の趣旨からいたしましても、まず第一種事業者並びに第二種事業者間の合意ということが大前提でございまして、その際の、認可をするに当たっての私どもの一つのガイドラインといたしましては、国際電気通信事業の健全な発達に資するということ並びに第一種電気通信事業者が不当な差別を行うことのないようにということ。また、第二種事業者が業務を遂行することによって、今度は逆に第一種電気通信事業者の経営に圧迫を与える、それがひいては第一種電気通信事業者のユーザー、国民一般にも迷惑を及ぼすようなことは好ましくない、避けるべきであろうと思っておりますし、また現行の第三十七条にもございますが、二種事業者の業務の遂行によって一種事業者、端的に言えばKDDの電気通信回線の保持が経営上困難になるようなことによって公益的な目的を阻害する場合には、郵政大臣としては改善命令をかけるということでございますので、一種事業者並びに二種事業者両方の利益並びに立場の調和を図るということが基本的な私どものガイドラインであろうというふうに考えております。
○伊藤(忠)委員 約款外役務の提供条件、これは郵政省がこういうものだという形を決めて指導なさるのか、それはもう業者間の自由契約で決めてやるのが基本なんだからそれに任せるが、オールフリーで何をやってもいいんだというのでは混乱するといけないからガイドラインという格好で政府がかんでいくのかどうかということをお聞きしているわけです。
○奥山政府委員 ガイドラインと申しますか、合意に基づくわけですから、その合意に基づいた約款外役務が申請という形で出てまいりますので、私どもはその申請を審査する際の一つの着眼点がガイドラインであろうと思います。 先ほど申し上げましたように、一種事業者がゆえなく二種事業者を不当に差別をしてはならないということ、これが三十六条。逆にまた、二種事業者の事業の遂行によって一種事業者の経営が危殆に瀕する、あるいはそれによって一種事業者自体の利用者にも迷惑を及ぼすようなこともあってはならないという、この二つのバランスは一番大事だろうと思っておりますので、その点を私ども十分念頭に置いて措置をしたいというふうに考えております。
○伊藤(忠)委員 国内的にはそういう格好でいくとしましても、国際VANですから外国との関係になるのです。そうすると、アメリカはアメリカで仕切ってくるのだから、両業者がドッキングしてというかやっていく場合に、通信を、VAN事業をやる場合に、当然これはきちっといくものだ、うまくいくものだというふうには考えられないのですね。ぎくしゃくすると思うのですよ。お互いに歴史も違いますし、いろいろ政府等の対応も違います、市場の関係も違いますから。そのときに、対外的に相手国の関係についてこういう問題については全然フリーですか。郵政省としては、アメリカとの関係でもきちっと詰めておく必要があるのですか、それは必要はないのですか。その辺ちょっとわかりませんから教えてほしい。整備されているのですか。
○奥山政府委員 郵政省に申請が出てくる前に、当然のことながら国際VAN事業を行う事業体はまずアメリカならアメリカの国際VAN事業を行う事業体と相談をして協議をするはずでございます。そこで初めて国際的にネットワークが成立するという合意が成り立つことが先決であろうと思います。そのようにアメリカのしかるべき事業体と日本の事業体がまずそこで話し合いをした上で、お互いに国際VAN事業を行い得るという確信がついた上でKDDの方に回線の利用についての申し出をする。郵政省といたしましては、その両方の条件が満たされることが認可の際の必要条件になってまいります。
○伊藤(忠)委員 そういうことだと思います。ですからアメリカとの間で業者が話が一応合っていたとしても、国内の第一種業者との話がつかない場合があるのです。そのときに、これはクリンチになりますからどういうふうにするかという問題が起こると思います。 ですから私が申し上げたのは、一般論では一口に言えるのですが、具体的にサービスをやっていこうと思ったら、アメリカのVAN業者は、相手になる日本のVAN業者との契約内容というのは、商売ですから一種業者との関係を離れて相当高度サービスができるような内容で締結をすると思うのです。そうすると国内のエリアで言いますと、KDDとの間では、そのことを特に業者が求めていったときに、迫られたKDDの方は、そんなんじゃ困る、おれのところの本体ががたがくるじゃないか、こうなってもめるのです。これは恐らく合意成立が危ぶまれるというような局面が出るんじゃないですか。ですからこの点をしっかりにらんでコントロールしてもらうというか保障をする、担保するような措置がとられないことには、予想しないような問題が起こるんじゃないか、僕はこれを一番懸念をしているわけです。 そのことについては原則的な対応の方針の答弁はございましたので、それを超えての議論というのはなかなかこの場じゃできないのでしょうけれども、国際VANというのはやはりそういう問題を絶えずはらむんだということを私は指摘を申し上げたいし、そのときには、第一種というのは国内的には強い立場にあるのだからあなたのところちょっと泣けやという単純なやり方ではこれは乗り切れぬような気がしますので、その点を一つ要望を申し上げておきたいと思います。時間の関係がございますのでこれ以上なかなか議論が深まらぬのが残念ですけれども、次に移らせていただきますが、そういう問題がございます。 それから、国内のRPOAの認可条件の中で、これは特に業者の規模なんですけれども、千二百ピット、五百回線というものですね。これ以上の業者の皆さんを大体オーケーの対象になさる、こういう理解でいいですね。現在十社ぐらい挙げているというような御答弁がございましたけれども、それは大体この規格といいますか規模にはまるんだ、こう理解させてもらってよろしいですね。それより細かいものでもオーケーだということじゃないですね。
○奥山政府委員 今の御質問にお答えする前に、向こうで話がついたんだからKDD泣けやといったような行政方針をとるつもりは毛頭ございません。あくまでも先ほど来申し上げておりますように、KDDの経営に支障を来すことによって第一種事業者のユーザーが迷惑をこうむるようなこと、あるいはKDD自体の電気通信回線設備の保持が困難になるような場合には、大臣の改善命令等々で適切に担保をするつもりでございますので、アメリカとの間で合意が成立したからKDD泣けというようなことには私ども考えておりませんので、御了承賜りたいと思います。 それからお尋ねの、現在の特二の基準を変えるつもりはないかということでございますが、千二百ピット、五百回線という基準はそのまま維持するつもりでございます。
○伊藤(忠)委員 次に再販の問題についてお尋ねをいたします。私の考え方が間違っていたら御指摘ください。 電話の単純再販というのは国内、国際ともに禁止をされておる、このように私理解をしております。 さて、VANの再販の場合はどうでしょうか。VANの場合は、国内は認められております。国際は従来は禁止されてきました。今も禁止されております、法案が通っておりませんから。この法案が通ればVANの再販は今後認められていく、こういうふうに理解をしておるのですが、よろしいでしょうか。
○奥山政府委員 国内的には再販売は、NTTの約款によりまして認められておりません。VANの再販売は認められております。国際的にはVANの再販売は、これまでの法制ではもちろん認められていなかったところでございます。今回の法改正によりまして国際VANの道が開かれたといたしますと、国際VANという面につきましては新しい道が開かれる。国際VANということで、KDDから約款外役務という形で認可を得たサービスのVAN事業というものを行い得るということになります。
○伊藤(忠)委員 VANのことはわかりました。電話の単純再販は国内、国際ともに禁止されておりますね。
○奥山政府委員 国内的には先ほども申し上げましたように、やはり公事接続は認められておりません。
○伊藤(忠)委員 このVANの関係で言いますと、国内は認められていまして国際は禁止されていました。今回法案が通れば、これからはそれが認められていくということになりますが、国際通信という利用者の限定したというか特殊性から考えますと、国際通信の単純再販というのは、今回のVANが国際的にできることを通じてかなりのシェアを、単純再販を国際的にオーケーすることになるんじゃないですか。
○奥山政府委員 先生の御指摘の点は大変重要なポイントであろうかと存じます。確かに法制的には、今回の改正によりまして国際VANにおける単純再販のような道にも法制上の枠組みとしては読める形になっております。ただ、しかしながら国際VANを行うという場合におきましても、一種事業者と二種事業者との双方の合意に基づく措置によって約款外役務の認可という行為が行われるわけでございますので、単純再販のようなものが第一種電気通信事業者の事業の的確な遂行に支障を及ぼすような場合には、第一種事業者としてはそれに合意をしないという形になると思われます。その合意をしないという形になった場合に、それを強制的に郵政大臣が締結命令でもかけるのかということがあるわけですけれども、私どもといたしましては、第三十九条の締結命令の要件は非常に厳格になっておりまして、公益を特に増進する必要があり、かつ適切であることというような縛りが入っておりますので、そのようなものについて私どもがこれは締結命令の条件を満たすというふうには考えておりません。さらに担保措置といたしますと、もし万が一第二種電気通信事業者がそうしたサービスを行うことによって第一種電気通信事業者の電気通信回線設備の保持を経営上困難にする、それによって公共的な見地から支障を来すような場合には、郵政大臣が逆に第二種事業者に対して改善命令をかける措置が認められておりますので、そうした二重三重の政府ガードによって今の問題は担保されるというふうに考えております。
○伊藤(忠)委員 だからここでだめ押しという言葉はまあ穏当じゃありませんけれども、再確認の意味で申し上げるのですが、結局、単純再販はこれは国内、国際ともに禁止をされている。今回国際VANがスタートをすることによって、事実上国際的にも単純再販が崩れていく、やはりこういう実態が起こってきます。そのときに、第一種業者がこれは困るんだということで抵抗して、契約がなかなか双方に成立をしなくて紛糾をした、そのときに郵政省にコミットいただいて、公益性を守るために指導をきちっとやっていただく、こういうことを私たちは特にお願いをしたいと思いますが、その点についてもう一度答弁願いたいと思います。
○奥山政府委員 もし仮に第二種事業者が単純再販を目的として第一種事業者に回線の申し込みを行った場合に、第一種事業者がこれに応じなかった場合については郵政省はこれを認めるということになります。
○伊藤(忠)委員 次に移ります。 第一種通信事業者というのは新規参入業者を含めて数がふえているわけです。それで、NTTの場合には国内通信はやってよろしい、国際通信はだめです、このことが法制上はっきりしています。KDDの場合は国際通信はやってよろしい、国内通信はだめです、このことははっきりしております。そのほかの第一種通信事業者は国内通信もオーケー、国際通信もオーケー、こういうふうに私は理解しているのですがどうですか。
○奥山政府委員 法制的には先生のおっしゃるとおりでございます。
○伊藤(忠)委員 すると、国際通信も国内通信もできる第一種通信業者が国際VANをやろうとしますときには、これはそのままの事業体でやれるのか、それとも特二業者として郵政省にこれは認可ですか、認めてもらわなければできないのか、つまり事業体をつくらなければできないのか、どうなんですか。
○奥山政府委員 第一種事業者の場合は法律によりましてみずから回線設備を保有しておりますので、その事業体が国際VANを行う場合にはみずからの事業として、つまり言うなればKDDのVENUS-Pの自己のサービスメニューとして行う形になります。
○伊藤(忠)委員 ですからそのままの事業体の格好で、直営の格好でやることができるわけですね。
○奥山政府委員 そのとおりでございます。
○伊藤(忠)委員 そうすると単純に考えまして、歴史的に見ましてNTTやKDDというのはそれぞれのサービスエリアをちゃんと制限されているわけですよね。ところがNCCが力を持ってきまして今言ったようなことをやっていけば、これはそちらの方が非常に有利に展開する、収益性からいえばですよ、非常に有利に展開し得る条件を現行法制上は与えられていると私は思うのですけれども、その点どうですか。
○奥山政府委員 その点全く仮定の問題でございますので、ちょっと私どもまだ即断的に答弁申しかねるのでございますけれども、いずれにいたしましてもその場合にも郵政大臣の認可というものは必要になってまいりますので、他の電気通信事業者との間の国際VANにおける十分な整合性、調和というようなものを考えた上で判断をすることになろうかと思います。
○伊藤(忠)委員 きょうも阿部先輩の質疑の中で恐らく出たと思いますけれども、やはり世界的に見ますとコモンキャリアというのは多種多彩なところがございまして、いろいろな戦略を持ちながら市場に進出をしてくるという時代を迎えているわけですね。まあイギリスの関係が今回第二KDD進出に絡みましてああいう形をつくっているわけです。もちろんこれは直接のケースに該当するかは別にしますが、イギリスの場合には例えばC&Wの場合ですか、BTの場合ですか黄金株など持っていますし、最後はこれだという強権発動がきくわけですな。 ところが、国際的に通信をやるのがまさにVANですからね。そういうときに、相互主義といいますけれども、最後の強権発動を相手はちゃんと持っていてこれで最大の障壁をつくることができる、こちらの方はそれに匹敵するようなものが何もないというようなことでこれからの相互主義というのは生かしていけるのだろうかという点を一番、この主権の問題も絡みますけれども私は心配しているわけですが、そのあたりについては心配がないものでしょうか。
○奥山政府委員 VANサービスというものは、電気通信事業法のときにたびたび御議論いただきましたように、電気通信事業の中でも今後最も発展をし多彩なサービスが展開する分野であるということから、内外の企業が相競うことによって国民が非常に多様な新しいサービスが受けられるということから最終的に外資の制限をゼロにしたところでございます。その点は国際の場合も基本的には同じでございまして、国際的に現在国内で行われているようなVANサービスの利益を日本国民が受けるためには、国内において外国の企業がVAN事業に参画をしてお互いに切磋琢磨しながら多彩なサービスを提供していると同様に、今後国際VANの世界においてもそうした状況が現出することを私どもとしては期待をしているところでございます。
○伊藤(忠)委員 時間がございませんのでもう最後になりますけれども、大臣にお聞きを申し上げたいと思います。それは事業法の見直しに関連をしまして、大局的な見地を含めまして答弁をいただきたいと思います。 今も御答弁をいただいたわけですが、国際VANが発展をします過程で、私は予期しないようなさまざまな外資導入問題というのですか外資の問題がやはり起こると思います。そういうときに我が国としてはどう対応するのかということが現行法制上だけで足り得るのかといいますと、やはり将来情勢に即応して検討していくということが必要なのではなかろうか、かように思うわけです。 国際通信の分野でいいますと、もちろんVANもそうですが、第二KDD問題が当然これからクローズアップしましょうし、海底ケーブルが光フアイバーに変わっていく、これはディジタル化のことですけれども、そういうことになっていく一方では衛星通信がどんどんということになっていけば、これは市場が本当に複雑に入り乱れていきますので、そういう問題は避けて通れないと私は思っているわけです。 二点目は、今申し上げましたようなディジタル化の進展に伴って事業者の区分の問題です。当然これは迫られるのじゃなかろうか、現行法制上はちゃんとできていますけれども、それだけでは対応できないようなケースが入ってくるのじゃなかろうか、二点目で私こう思います。 三点目は、通信と放送の境界がもう既になくなってきているのじゃないかと思っているわけです。ディジタル化の時代を迎えれば、光ファイバーに象徴されますように多様なサービスがどうしても出ます。その過程でオーバーラップしてしまいます。区別がつかなくなってくる。そういう場合に今の事業法で仕切れるのかといったら、これは放送法の領域の問題だって絡んでくると思うのですね。そういうことが近い将来これは検討を迫られるのじゃなかろうか、これは三点目です。 四点目は、プライバシーと通信主権の問題ですね。主権を守るというのですけれども、もちろんプライバシー、通信の秘密は守らなければいかぬ。通信の秘密を守ったら国家主権が侵されるという二律背反の問題が入っていると思います。それにどうして対応するのか。情報公開だ、まだいろいろありますけれども、そういうふうな検討がまだまだ日本の社会では非常に手がついてない部分、これから御検討というか、郵政省としてのその辺の問題解決の努力を賜らなければいかぬのじゃないか、私は自分なりにこのように思っているわけです。 国内通信ではINS、ISDN、二つの言い方がありますが、それがずっと全国ネットで広がっていったときには国内でも同様な問題が起こるだろう。そうすると、今後のこういうさまざまな変化に現行法でよしとはできない。情勢が進めば、これにどのように対応していくかという法制の改革を迫られる、こういうふうに私は展望するわけであります。 そうしますと、今回はMOSS協議の関係がございまして一部事業法の改正ということでクリアされるわけでありますが、それだけでは済まない。たまたま今年度いっぱいでこの事業法の期限が来る。四月一日以降、これは見直す時期でもありますから、そのときになったら郵政省としては把握できる問題点を出していただいて、言うならば、四月以降の対応できる法制として確立するために、この見直しについてそういう立場で対応されるのかどうか、この点をひとつ、改正に臨むといいますか、見直しに臨む大臣の所信、方針をお知らせいただきたいと思います。
○唐沢国務大臣 電気通信の基本に関することをたしか四つ御質問いただいたと思います。 まず第一、電気通信事業法の改正でございますが、今回の改正は、先ほどから奥山局長が申しておりますように、国民の要望と申しますか、このように国際化しておる、そして金融市場や為替市場が世界じゅうのどこかで開かれておるというようなときでございまして、国際的なデータ通信とかそういうものについての非常な国民の要望があったということでございまして、例の事業法附則第二条に基づく改正ではないわけでございます。 そして、事業法附則第二条によります改正と申しますのは、法制定当時、電気通信改革の将来というものはなかなかはっきりわからないということで、必要があれば見直しましょうというのが法の趣旨だったと思うわけでございます。 そして、電気通信事業者についての区分でございますが、これも実は日本が世界で最も早く先生方に法制定をしていただいたわけで、カナダのマクドナルド大臣が、いろいろ検討した、しかしやはり日本の法制が一番いいのじゃないか、そういうことで、電気通信の設備、回線を持つ分野とそうでない分野とこう分けた方がいいと思うので、帰ったらそういうふうに法律を改正するのか、制定するようにしたいと言っておりましたが、まだ新電電も萌芽期でございまして、また今後の動きを見てそういうことも考えさしていただかなければならないと思っております。 それから、通信と放送、この問題は前からときどきいろいろな方からお話が出るわけでございます。電波の有効利用のためにも、またほかのいろいろな要請がございまして、これは一体にして考えるべきではないかということでございますが、現状におきましては、我々は一応別々の取り扱いをさせていただいております。 それから、プライバシー、先ほどもお話がありました通信の秘密保持、これは通信方式の標準化と並んで最も重要な問題でございます。 こういうような重要な問題がたくさんございますが、そういう意味で事業法附則第二条が設けられておると思います。今後とも法律と実際が乖離がないようにということで、そういうそごがあるかないか、今検討させていただいているところでございます。
○伊藤(忠)委員 終わります。
○深谷委員長 これにて三案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○深谷委員長 これより三案について討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 放送法及び電波法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○深谷委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、電波法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○深谷委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 次に、電気通信事業法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○深谷委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○深谷委員長 ただいま議決いたしました電気通信事業法の一部を改正する法律案に対し、関谷勝嗣君外三名より、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。田並胤明君。
○田並委員 ただいま議題となりました電気通信事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案につきまして、提案者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 電気通信事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、この法律の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。 一 我が国の通信主権を確保しつつ、国際間の協調を図ることを前提として、我が国の電気通信事業及び国際的な電気通信事業全般の秩序ある健全な発展を期すこと。 一 第二種電気通信事業者が回線の単純再販を行うことを目的として約款外役務の申込みを行った場合には、第一種電気通信事業者がこれに応じないことを認めること。 一 国際電気通信サービスは異なる国の電気通信事業体による共同事業として提供されるものであることにかんがみ、第二種電気通信事業者による国際電気通信サービスにおいても、諸外国との協調が図られるよう配慮すること。 一 国際電気通信連合において新しい国際電気通信条約附属業務規則が採択された場合は、その円滑な履行が確保されるよう配慮すること。 以上のとおりでございます。 この附帯決議案は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合の四派共同提案に係るものでありまして、案文は、当委員会における質疑等を参酌して作成したものでありますから、説明を省かせていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げる次第でございます。 以上です。
○深谷委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○深谷委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、唐沢郵政大臣から発言を求められておりますので、これを許します。唐沢郵政大臣。
○唐沢国務大臣 慎重な御審議をいただきまして、ただいま放送法及び電波法の一部を改正する法律案、電波法の一部を改正する法律案及び電気通信事業法の一部を改正する法律案を御可決いただきましたことに対しまして、心から御礼を申し上げます。 この委員会の御審議を通じて承りました御意見につきましては、今後電気通信行政を推進していく上で十分生かしてまいりたいと存じております。 また、ただいまの電気通信事業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、今後その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。 まことにありがとうございました。(拍手) ―――――――――――――
○深谷委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○深谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○深谷委員長 次に、理事の補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。これよりその補欠選任を行いたいと存じますが、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○深谷委員長 御異議なしと認めます。 それでは、木下敬之助君を理事に指名いたします。 次回は、来る二十五日月曜日午前十時五十分理事会、午前十一時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時二十一分散会