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108回国会衆議院1987/05/13

大蔵委員会 第5号

発言数
88
登壇者
14
会派数
4
開催日
1987/05/13

会議録

池田行彦自由民主党

○池田委員長 これより会議を開きます。  まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田行彦自由民主党

○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、宮地正介君を理事に指名いたします。      ――――◇―――――

池田行彦自由民主党

○池田委員長 内閣提出、国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件を議題といたします。  趣旨の説明を求めます。宮澤大蔵大臣。     ―――――――――――――  国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国   会の議決を求めるの件     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 ただいま議題となりました国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。  本件は、去る二月三日薨去せられました故宣仁親王殿下の御所有であった財産を、遺贈により総理府所管の皇室用財産として取得することにつきまして、国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるものでありまして、その概要は次のとおりであります。  故宣仁親王殿下は、東京都港区高輪に所在する御所有地等を、皇室用財産とすることを条件として国に遺贈するとの御遺言をなさいました。  本件財産は、隣接する国有地部分とともに高輪皇族邸を構成しているものでありまして、同殿下の御遺志をお受けして、これを皇室用財産とする目的で取得することにより、皇族殿邸を国において一体的に管理していくことが適当であると認められることから、総理府所管の皇室用財産として取得しようとするものであります。  以上が本件を提案いたしました理由でございます。  何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。

池田行彦自由民主党

○池田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     ―――――――――――――

池田行彦自由民主党

○池田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 最初に、この席からまた大蔵大臣の答弁を聞く、おかわりにならずにまた再び相まみえることになりました。どうぞよろしくお願いいたしたいと思います。  最初に、中曽根総理がアメリカへ行って、日本の貿易摩擦の一環として内需の拡大が極めて大切である、その一つとして減税を実施しなければならない、言葉のてにをはは別として、趣旨としてはこういうふうな内容の約束をレーガン大統領と日本の国を代表してしてきた。このことには変わりがないと思いますが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 我が国の内需の振興の必要について説明をされました際、できるならば、この国会で税制改正を御審議願っていることに関連をしまして、前倒しで減税をしたいという自由民主党の緊急政策要綱の決定を国会後に具体化していきたいということを説明されたと承知しております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 では、そのことは、今のお答えでは自民党の責任においても実現をしなければならない、これが少なくともレーガン大統領と我が国との関係において約束されたことであるということに、重ねてお答えをいただくわけでありますが、そのように理解してよろしいですね。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 自由民主党としては、非常に、具体的にどの程度、何ということではございませんけれども、そのような意思を持ち、また総理大臣としても、できるならばそういうことを実現したいと考えておられることと存じます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 参議院の答弁その他と若干あれはありますが、今のお答えで速やかな実現を期待をしていきます。  国有財産のことをということも求められておるようでもありますから、時間の関係もありますが、若干質問をしながらまだ関係者にお答えをいただきたいと思います。  「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基く。」こう憲法第一条に明らかにされております。今天皇陛下も大変お年を召されまして、一つは、いろいろ国事に奔走されておられる御努力には敬意を表するものであります。しかし、見る側にとっては若干痛々しいなというような感覚もなくありません。しかしまた、御本人にとってみればそれがあるいは大きな生きがいにつながっていることになるということもあり得ると思うのであります。しかし、そういうことは別といたしましても、今憲法の第一条にありますように国民の総意のもとにおける象徴であるとすれば、やはり健全でありさらにますますそれが国民の声にこたえていただける、そういう条件も必要だと思います。それが皇室典範を変えていくためのまず必要な要件の一つではないかということが一つあります。  それからもう一つは、決められている法律は男尊女卑、いわゆる皇位の継承は極めて女子に対しては差別的な条件が多いのであります。今の世界的な、サッチャーさんのように、あるいはアキノさんのような場合もあるのですが、ですから、女性の立場というものも含めまして当然これも改善されていかなければならぬ要件だと思う。日本の国だけが男尊女卑という形のもの、女子の場合は結婚していけば皇族から離れてしまう、こういうことにもなっているわけでありまして、余りにもそれは差別が大き過ぎはしないか、こういうふうに思うわけでありますが、この二点、とりあえずお答えをいただきたいと思います。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 第一点でございました天皇陛下の御高齢化に伴う問題でございます。  御指摘のとおりに、陛下はだんだんと御高齢におなりになっておりますことは事実でございまして、しかも一方では数多くの御公務をこなしておられる、そういう状況であることは御指摘のとおりでございます。そういうような中で、やはり私どもといたしましてはあらゆる場において、陛下の御公務そのものが御負担が少しでも軽くなるように、こういうような配慮をいたしながら種々の行事あるいは儀式、そういったものに対応をいたしているところでございます。  御案内のとおり現在の皇室典範におきましては摂政なりあるいは臨時代行法に基づきます代行なりというような法律上の制度はあるわけでありますが、それはそれぞれの法制におきまして厳密なる要件が定められていることであり、その基本的な方向を修正するのがいいのかどうか、これはなかなか難しき問題であろうと存じます。そういうような前提に立ちました上で、現在の決められました諸行事というのを陛下の御負担をなるべく軽くするような格好でというような努力をいたしている段階でございます。  先ほど御質問の中にもございましたように、陛下のこれは生きがいではないかというような見方も確かにあるわけでありまして、そういったことへの配慮もいたしながら、しかも実質的に御負担が減るように、一、二の例でございますが、例えば各種のいろいろな儀式あるいは儀式というほどではございませんいろいろな人とのお会い、そういった際に服装をいろいろお着がえになる、これも陛下にとってはやはり相当な御負担になり得る。そういったものをずっと簡略化していくとか、あるいは外交団にお会いになりましたときのお話の時間を多少短くしていってそれによって一遍の行事の時間を総体としてだんだん少なくするとか、そういったいろいろなことを努力してやっていることでございまして、基本的な制度そのものについてどうこうするのかということでございましたら、現在ある摂政なりあるいは代行という制度によって法律上の対応というものは十分できるのじゃないかというように存じているところでございます。  それから第二点の皇位継承権の問題でございます。  確かに、御指摘のとおり、現在の制度は、典範の規定によりまして「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承する。」皇室典範第一条の規定でございまして、非常に明確にその思想がとられているところでございます。こういうような規定になりました経緯というものは先生十分御理解をいただいております御承知のとおりのことで、日本の皇室における皇位というものの取り扱い、これはやはり一つの歴史に基づいての制度であろうと存ずるわけでございますが、それを世の中の変遷とともに変えるべきなのかどうか、千数百年続いてまいりましたと言われるその制度の基本にかかわるような問題であろうと存じますので、今どうこうとは存じておりませんが、そういった伝統を踏まえての考え方として、幸いにもと申しますか、現在すぐさまにそういう事態が目前に迫っているわけではございません。これは御承知のとおりでございますので、そういったような情勢をよく判断しながら考えていかなければならない問題、やはりそういうようなことがその方向であるという国民の全体の総意になったときはどうなのだ、こういうような問い詰め方をされますと、それはまさにそのときのことというように申し上げざるを得ないと思いますが、ただいまでは急にどうこうしなければならないというようには存じておりません。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 また戻るかもわかりませんが、次に行ってみます。  皇室経済法のもとに皇室経済会議が開かれているわけでありますが、経済会議の中で問題点がそれぞれあるわけでありますけれども、後で申し上げる皇室用財産の言うならば帳簿それから管理等は万全を期されているのかどうか。それから、千何百年ぐらい前からの陵墓のいわゆる皇室用財産はだれが管理をし、盗掘なども行われている実態もあるわけでありますが、それらに対する監督、管理はだれの責任でどう行っているのか、お答えをいただきたいと思います。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 御指摘の皇室用財産の点でございますが、皇室用財産、いわゆる皇居その他あるいは広いところでは那須の御用邸の敷地あるいは陵墓の敷地といったようないろいろ各種の土地、建物等がございます。数量的に申し上げますと、現在土地は二千四百六十五万平米ぐらいあるということでございますが、そのうちで一番大きいのは那須の御用邸、これは山林がずっとあるわけでございますのでそれが一番大きかろうと思いますが、そういったような状況でございます。  こういうものの管理、これはやはり宮内庁の所管のことになっているわけでございます。御用邸と申しますとそれぞれ非常に山の中にまであるわけでございますから、そういったところに人がいっぱいいるということはもちろんございません。ごく少数の人間によって管理しているというのが現状であろうと思います。皇居というようなことあるいは京都御所というようなことになりますと、管理はやはり宮内庁でございますが、これは直接は皇宮警察というようなものが警備をしてくれているというようなことで総体的に行っている。しかし、財産の管理という面からいえば宮内庁であるということになろうと思います。  それから、もう一つ御指摘のございました例の陵墓、これも三十三府県にわたりまして土地の面積で申し上げますと六百五十万平米ぐらいのものがございます。大小さまざま、いろいろあるわけでございますが、土地としてはそのぐらいのものがございます。その管理もこれは宮内庁の中の書陵部というのが所管でございます。陵墓職員というのを置きまして、各地区を、全国を五つぐらいに分けまして監区というのをつくりまして管理させているわけでございますが、御案内のとおり昔は非常に山の中あるいは田んぼの中にあったものが周囲が非常に都市化してくる。奈良、京都、大阪等でございますから、そういったような事態になりまして管理が非常に難しい面というのが出てきておりますことは事実でございます。しかし、そうかといってそれではそれを万全にすべて人の手でもって何かできるかということはなかなか困難なことでございますので、そういうのはやはり地元の警察当局なりそういったところと十分の連絡をとりながら不穏なことがないように管理させていただいておるということでございます。  先ほども盗掘の問題にお触れになりましたが、確かに盗掘が起こる場合がございます。さくはいたしておりますが、そのさくをくぐってくる。それも非常に考古的なマニアといったような方の場合もあるようでございまして、金銭的にどういうものを掘り出してということじゃなくても、そういったようなことが一般的なブームとして行われるような場合もある、好奇心からの場合もあるということで、対策は非常に悩んでいるわけでございますが、できるだけの予算とできるだけの現在の人員でもって見回りをよくする。そういったようなことの行われたところについてのさくや何かの、実際に申しますと穴があいているところをすぐ見つけるというわけにもいかない場合もあるわけでありますが、そういうのは見回りをよくすることによって、そういうことの修繕を完全にすることによってちょっと好奇心を起こしてというようなことがないように持っていく、こういうような努力をいたしている段階でございます。  したがいまして、総体として申し上げれば、皇室用財産の管理につきましては宮内庁が責任であるというように存じております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 将来の歴史家あるいは今の歴史家もそうでありますが、その歴史の流れを知りあるいは当時の歴史というものによって新しい国民の理解を得るというためにも貴重な財産であります。現在の学者の間からも陵墓の発掘が求められているという声もなくはありません。いつかそういうことによってより一層の国民的な理解を深めることも必要なことだろうし、また、そういう意味においても管理について万全を期していかなければならない。今の答弁ではどうも舌足らずといいますか、金足らずというか人足らずというか、とにかく努力は一生懸命やっておりますがこういう状態はやむを得ないのです、一言で言うとどうもそういう答弁になっていると思うのでありまして、もう少し確たる方向を持って期待にこたえていただけるように強く要請をいたしますが、お答えをいただきたいと思います。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 御指摘の点、まことにごもっともな御意見でございますが、幸いなことに、管理いたしております各種施設、陵墓も含めまして、基本的な問題が非常に大きな影響を受けるような事故が最近発生しているということはございません。しかしながら、非常に不安はあるわけでありまして、そういう意味ではなお一層努力をして、ただいま先生がおっしゃいましたように、本質的に困るというようなことは絶対に起こらないように陵墓の管理等も努力をしてまいりたいと思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 今回の法律に提案になりました高松宮さんの私有地、これを皇室用財産として寄附を受け入れる。もしこれが一般的に高輪一丁目の土地の条件において相続税を納めるとするならば、もしこの法案なしとするならば、どの程度の相続税となったのか、その点をお答えをいただきたい。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 ただいまの御質疑の点でございますが、宮内庁といたしましては計算してございませんので、幾らというようなことはお答えしかねるわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 それでは国税庁の方は。

門田實国税庁直税部長

○門田政府委員 御質問でございますが、これは評価額の問題になろうかと思います。付近の路線価を用いて機械的に計算いたしますと、大体六十四億円というくらいの感じでございます。それを前提にいたしまして、あと相続人等々の条件を入れまして税額を算定するということになると思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 六十四億円というこの価額の評価についてはまだ後でしますが、五億円以上は今七五%ですね。ですから六十億と仮定をいたしましても四十億程度の税額になる。アバウトな話ですがそうなる。そういうふうに今の答えは理解してよろしいですね。

門田實国税庁直税部長

○門田政府委員 大まかな数字としましてはそういう感触でございます。ただ、実際の納税額となりますと、配偶者の場合には非課税要素もございますから、その辺はまた若干数字が変動すると思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 変動するとしても基礎控除の分だけであって、大体アバウトの数字としては変わりはない。高輪の区役所へいわゆる固定資産の評価額を聞いたのでありますが、お答えいただけなかったです。別に個人の分を聞いているわけでもないし、いわゆる高輪の地区において一番高い価格は幾らかということを聞いたのですが。新宿で聞きましたら、平米当たり三百九十九万円が固定資産の一番高い評価額である。相続の場合はこれが幾らになるかというと千五百十万になる。今度は私の住んでいる大宮を例にとったのでありますが、これは評価額が百一万円である。相続の場合の評価額は二百五十万になる。これから質問をしていきますが、要するに公示というものと、路線価格というものと、それから固定資産評価額と、同時に評価基準書の評価倍率表という税務署がつくっております倍率表、これはほぼ二・五倍から四倍ぐらいになっておる。  これも公示価格で見ますると、私が言おうとしているのは北海道が悪いとかなんとかではなくて、北海道の小樽などでは平米当たり四千円。千歳でも四千円。鳥取県の鳥取市で二万九千円。宮崎県のよく生活調査で出てくる延岡が八千円。富山県の富山市が二万六千円。東京へいきますと、上野が二千三百五十万円。東池袋が二千四百五十万円。新宿が二千六十万円。これが公示価格である。これが一〇〇です。その一〇〇に対して大体五六ぐらいが路線価格になっておる。そして固定資産評価額は四〇ぐらいになっておる。さらに今度はその四〇になっているものの四倍あるいは二・五倍が相続税の評価額になっておる。大体こういう数字には間違いないと思うのですが、まずその点いかがですか。

門田實国税庁直税部長

○門田政府委員 お話のように、相続税におきましては、路線価を計算いたしまして、これを土地評価の基本といたしておるわけでございます。その算定に当たりましては、今お話に出ましたような前年の地価公示価格あるいは売買実例価額あるいは地価精通者の意見、こういうものに基づきまして価格を算定いたしております。  相続税の評価額と地価公示価格と固定資産税の評価額、それぞれ目的とするところが違うものですからそこに相違があるわけでございまして、ただいまお話にございましたように、地価公示価格の水準と相続税の評価額の水準との関係、これにつきましては、我々大体七〇%ぐらいをめどとして評価をいたしておりますが、実際はそれを下回っておる、御指摘のとおりでございます。固定資産税の評価額の方は、これは現に保有しておる資産に対します課税でありますから、さらに評価が低い水準になっておる、こういうことでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 またもとへ戻りますが、だからこの数字でいって一つの問題は、高松宮さんの遺言で寄贈される分は宮内庁じゃ計算しないと言う。この法案が通るという前提で考えているのかもしれませんが、一応やはり計算をして、この程度になるのでその負担は極めて重いということもある。またその他、後の家族の状況を考えてみて先を読むということもある。私は恐らくそういうものを見て提案をしているのだろうと思うのですね。ですから、大蔵省とも十分その辺は相談されて出されたものだろうと思っているのですが、無手勝流、何もそういう相談なしに黙って出せば通るという考え方でいたわけではないだろうと思うのですが、これは担当局長の段階ですか、大蔵大臣になりますか、その辺の交渉なり話し合いは全然行われなかったわけですか。

入江敏行大蔵省理財局次長

○入江政府委員 国有財産法の十三条の二項に基づいて国会へこの議案を御提出申し上げているわけでございますが、大蔵省といたしましては、宮内庁から御遺言の趣旨に沿って本物件を皇室用財産として受けたいという御相談がありましたときには、私どもは皇室用財産としてお受けすることが適当かどうかという観点で宮内庁の方と御相談をするわけでございまして、いろいろ経緯がありまして沿革的にも形態的にも殿邸として一体として使用、管理することがもともと適当な区域だということでこれをお受けしたいということで御提案しているわけでございます。したがいまして、私どもは、本物件をもし国が取得しない、いただかない場合にどういう税負担になるかというような観点では全く審査しておりません。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 これは計算すればわかることですから余りしませんけれども、出すとすればやはりその内容は交渉されることが望ましかったというふうに思います。  そこで、もう一つ先に行きますけれども、宮内庁の方にお伺いしますが、御主人がお亡くなりになられて結果的に残されたお奥さんは、この法律に基づけば御本人の意思により皇族を離れることもできるし、皇族に残ることもできる。法律の書き方は、本人の意思により皇族を離れることができる、こういう表現の仕方をしています。言うならば、自然体で行けば皇族として残るという意味に法律の体系はなっていると解せますが、宮内庁としてはこの点はどういうふうに、現段階ではわかっているのかわかっていないのか、お答えいただきたい。わかっていれば、どうなのか。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 典範の規定は先生おっしゃいましたとおりでございまして、原則は、特別な意思表示がなければそのままという考えであろうと存じます。また、特別な意思表示によってやはりそういう道を開いた方がいいという規定が典範にはある。それはいろいろな事情の場合があるわけでございまして、そういうことであろうと存じます。  具体の問題に当てはめて考えますと、陛下の弟さんの秩父宮と高松宮とお二人亡くなられたわけでありますが、秩父宮妃殿下の場合も皇族として残られて御活動になっている。高松宮様の場合にも特段のことは今回は考えられないというように存じております。したがって、高松宮妃殿下は皇族としてこのまま続けられるというように存じております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 そこで、これは大蔵大臣に聞くわけでありますが、相続は時代とともに価値観あるいは税制上もどうあるべきかというものは変わっていっているんだろうと思うのですが、まず相続というものに対して、長い議員生活あるいは大蔵省、そういうものの生活の中から、今日的時代において相続はどうあるべきか、相続とはどういうふうに理解をしていくべきか、その点ひとつ見解を承りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 どうもまことに不敏ながら十分に申し上げる自信がございません。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 お父さんなりおやじさんが残した財産は、企業とかその他はそのまま残っていくわけでありますが、個人の場合は、税率表は後でまた申し上げますが、相続税を目いっぱいどんどん取られる。そうしますと、一つの見解は、これは不労所得である。おやじさんの築いた財産というものは必ずしもその子供に無条件で行き渡る必要はない。子供は子供で新しく出直せばいい。それは全額取ってしまうことが一番いいというわけですね、その考え方に立てば。また、そうではない、やはり親子の情もあるんだから、その情愛というものをある程度考えて、半分なら半分はおやじの情けだということを考えていくとすれば、まあ五〇%ぐらいということになる。そういうことで、相続というものを今の社会的条件の中でどういう位置づけをすることが一番正しいか、こういうことが今一つ問われているんだろうと思うのですね。  ですから、いわゆる相続でも、ゼロにしてしまうという論理でいけば、これはもうこの土地の価格も何も問題はなくなってしまう。しかし、そうではない、そこに住んでいる人は二百平米までということで、住んでいる者にはそのままどんな高いところでも残します、こう言っているわけですから、そうなるとある一定のものについては継承させてやろうという気もあるわけですね。それ以外のものは目いっぱい取りますよというのが法律の建前のようにも考えられます。しかし、法律はどうあろうと、相続というものをどういうふうに見ていくか、これは極めて政治的なものであるし、哲学的なものだと思うのですね。ですから、今の社会制度の中で相続をどういうふうにしていくか、今度の税制の中でも外されてしまって検討されていない。  それで、今お答えいただきたいのですが、時間の関係もありますから、先ほど述べたように、新宿で二千六十万、それから上野で二千三百五十万、一方は、富山でも、延岡でも、登別でも四千円。それで基礎控除は同じなんですね。果たしてそれが公平と言えるかということに一つ問題がある。例えば県庁に勤めに行っている人はどこでも同じですね。給料もほとんど同じですよ。それで一方は、おまえは高いところに住んでいるから、基礎控除の二千万はすぐ超えてしまって、これは税金を納めなさい、こういうことになる。片一方は四千円ですから、それは基礎控除になるまでには大変な坪数になる。それは高いところに住んでいるのが悪いからだ、この論理が通用するのか。低いところに住んでいるから水につかるのはしようがないのだ、道路のそばに住んでいればうるさいのはしようがないのだ、これは政治じゃないだろうと思うのですね。  だから、今私が言おうとしているのは、梅田に住んでいる人は千八百二十万の評価の七割としても大変な金額になります。これは相続税を納められない。結論的に言いますが、今相続税を納める人は、自分の土地を皆売って、こっちから見れば北の方へ全部を売ってそのまま移転をする、そうしなければ納められない。  では、百坪持っていたらどうしますか。百坪の場合に、この値段でいった場合にどういう形態になりますか。三十坪の袋地をつくって大蔵省は了解してくれますか。百坪あったときに、七十坪までは認めるから、あとの三十坪は物納です、袋地です、落下傘でもなければおりられない、そういう土地で大蔵省は了解してくれますか。まずそのことからお答えください。

水野勝大蔵省主税局長

○水野政府委員 相続税の課税最低限と申しますか基礎控除と申しますのは、相続をされた遺産価額をもって課税させていただくということからいたしますと、金額をもって基準とするのがあくまで原則であろうかと思うわけでございます。例えば二百平米なり百坪、これは物的な基礎控除として課税除外をいたしますということになりますと、坪百万のあたりの方については一億円になる。しかし、そこにあくまで住みたいとおっしゃるかもしれませんが、持たない人から見ればそこは一億円の資産があり、売ろうと思えば何千万円かで売れる。そういうものを持たない方と持っている方とは、やはりそれを頭から百坪課税除外するというのはいかがかという気がするわけでございますが、そこはしかし最近の都心部におきますところの地価の高騰等も配慮いたしまして、現在租税特別措置法で御指摘のように二百平米までの分につきましては三割の評価減をいたすという特例をもってそこはいわば中間的に調整をいたしておるということではないかと思いまして、これはどちらかというとあくまで特例ではないのかなという感じ、そういうところから租税特別措置法で規定をさせていただいているのではないかと思うわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 それは質的なものを全然考慮に入れていないから、きょうはここで結論が出ようとは思いません。問題提起だけにとどまるだろうと思うのです。しかし、今の土地の異常な値上がりというものは、極めて住んでいる人に冷たい条件をつくっている。その土地を売らなければ相続税が納められないような仕組みに追い込まれているということは、そういう事情は、大蔵大臣、わかりますか。縦に首を振っているけれども、わかるかどうか、では答えてみてください。みんないる職員は同じなんですよね。もしお父さんの名前になっているとすれば、亡くなられたときに、相続税を納めるときにはもうその土地を売らなければ納められないのですよね、土地の価格が高いから。そういう大変などん底に逆に追い込まれてしまう。だからそれは今の公正という説には当てはまらないだろう。それは自分がそうしたわけではないのですから。社会的な条件で、しかもそれで生産されるものでもないのですから。金の卵が出てくるわけでもないのですから。ただ周りの地価が高いから、おまえは高いものを持っているんだぞということで、それを居住用に引き継ぐだけであっても、その家を売らなければ相続税を納められない。こういう状況は大臣も認識しておられるのかどうか、まずひとつお答えください。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 実はこの国会でもそういうことが何度か御指摘がありまして、殊に東京、大阪もあるいはある程度そうだと思いますけれども、東京で申しますれば二十三区の中ではそういう状況に、殊にここへ来まして土地の値上がりがひどうございますから、もう現実の問題になりつつありまして、このたびの税制改正のときに実はその点をどう考えるべきかということを随分税調でも御議論を願ったわけでございました。殊に相続税が土地というものに非常に大きなウエートを計算をいたしますと置かざるを得ないことになりますから今御指摘のようなことになるわけであって、早晩この相続税を直していかなければならないような事態にそういう観点からだんだん追い込まれているという感じを私自身が実は持っております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 御認識をしていただいただけでも幸いですが、小佐野さんが百五十億すべて企業の方に御寄附をなされた。恐らく高松宮さんも相続税を納めるというような事態になったとすれば、これは後に残された人は大変だ。この図面でもわかりますように全体で一つの屋敷の形態をなしているわけですから、その一部分をはがされたら屋敷としての形態をなさなくなってしまう、こういうことで、皇族として残していくということは大変だと思うのですね。ですから、そういう立場から見れば、そのことが大変な負担になるから皇室用財産に御寄附をなさった、私はそう考えます。だから、小佐野さんが各企業に全部寄附をなさったというのもそういう一つの道なのです。そうすると、その寄附のできない人たちだけがいや応なしに荒波にぶつかってしまうということになるわけでありまして、その点はぜひ検討の課題としていただきたい。これは毎日死んでいるわけですし、しかも相続税を五億円以上納める人たちの数も一万二千人以上とだんだん累増しているのが現状です。ですから、そういう状況から見れば、七五%の対象者がふえていっているということを考えますと、これはひとつ早急に前進する道を開いてもらいたいと思いますが、その点だけ方向を明らかにしていただきたい。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 最近の税収を見ておりますと、個人所得税の中でやはり土地の譲渡によるものが相当目立ってまいりました。それから相続税もやはり土地関係で予想よりもかなり税収が上がっておるというようなことで、この二、三年の土地の値上がりでまた今までの問題がどうもここまで来ますとちょっとひとつ考えなければいけないというようなところに来ておることは間違いないと思います。相続税の問題を考えなければならない時期がもう来ておるのではないかという感じすら実はいたしております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 ぜひひとつ大蔵大臣が総理になる前にこれだけは直してなろうという御態勢をとってもらいたい、そういうふうに期待してやまないです。  それからもう一つ申し上げますと、相続税の税額なのでありますが、これも昭和五十年のときに変わっただけで以後は改正されていないのです。これも時代の変遷に対応して――五億円を超える場合に七五%なのです。今の土地の価格でいって五億円といったらどこの家もみんなそうなってしまう。五百万円から九百万円以下で二〇%なのであります。これはもう一坪の値段にしかならない。それで二〇%。五千万円近くになって四〇%を超えるのですね。四五%になる。一億円で五五%にいってしまう。そうしますと、五坪ぐらい持っていると五〇%取られる。これも余りにも過酷ではないかと思うのですね。ですから、そういう意味でいくと、評価額なりの何倍というふうに――千歳、登別へ行ったら四千円なのですから、北海道全部合わせたって税金がからなくなってしまうかもしれない。まあ札幌があるから、札幌市は特別市だから別にしますが、そういうことにもなるかもしれない。そういうことにも問題がある。  だから、これの間隔というものはもっと広げていく必要性があるのではないか。一般の庶民の所得階層を減税しようというならば、そういう人たちを例にとりながら、最低の生活基準にある者は三割だなんということでなくその分は無料、住んでいるものは取らぬ、それ以外のものについて取るというぐらいの転換はせめて必要じゃないかと思うのですね。だから、五億円を超えて七五%と二百万円以下を一〇%、この段階は御検討いただきたい。今直せとは言わぬから検討してください。そうでないと、五十年から今日までそのまま据え置いているということで、相続税で泣いている人が物すごく多過ぎるのですよ。ですから、大臣、これも改めて御認識を得てひとつ是正の対象に御考慮いただきたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょう。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 大変な大邸宅に生まれた者は別としまして、普通の中流階級に生まれて、仮に東京の郊外あたりに住んでおりまして、親が亡くなってその後住むというようなときに、そこに住めないようにするというのは相続税の目的では恐らくなかっただろうと思うのでございます。いろいろ書画骨とうがあるとかあるいは貴金属があるとか株式があるとかいう方にある程度の負担をしてもらうということはあるとしまして、今のように、それが大きな家でなくても親の住んでいる家に住めなくなってしまう、あるいは中小企業でございますと同時にそこで仕事をしておるかもしれないわけでございますから、それが継げないとか、農業の場合もあるいはあり得るかもしれません。これは専ら土地の値段が非常に高くなったからでございますから、そういうことが相続税の納税をした結果であるということは、どうも相続税の目的としているところとは違うのではないかという感じを私も確かに持っておりますから、いろいろ検討しなければならない時期になっておると思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 随分両親の苛責に響いていくような質問で、回答もそういうふうに聞こえましたので、誠意を持ってこの後の対応に臨んでいただきたい。  時間の関係で、最後に、この前労働省の方に、前段の言葉が抜けていたせいもあったと思いますが、顔を洗って出直してくださいということを申し上げてありましたので、これは前の約束でありますから、この機会に若干お答えをいただきます。  内需の拡大が叫ばれているときであるからこそ臨時的にでも夏季に二十日間なり二十五日間なりの休暇を一斉に与える、それが内需の拡大につながり、あるいは地方の都市の活性化につながり、また中央の人が地方にセカンドハウスを持っていくというようなことにもつながる。この間も大勢集まった人に隠岐の島に行った人はどのぐらいおりますかと聞いたら、一人ぐらいしか手を挙げる人はなかったですね。じゃ男鹿半島に行った人はと言ったら、これもほとんどなかった。この中にも、随行で行ったら別として、それ以外には恐らく行った人はないだろうと思うのです。国内はもちろん国外は言わずもがなであります。  だから、今、元手が要らないでできるのはこれなんです。しかも中央官庁は経費の節減。冷房も要らないし電気も要らないし、そういうことで中央官庁から民間も夏になったら全部省エネになっていく。しかも地方は活性化する。お土産も買ってくる。また同時にそのことが外国へ行く機会にもつながる。労働省はぜひ、大臣がうんと言う言わないは別として、まず先頭に立って、大蔵大臣になったつもりで、休暇をより多く与えて、そしてよりお金を使ってもらう。そうなるとボーナスも多くなる。こういうことになっていくわけですから、内需の拡大、貿易摩擦、しかも二千時間を割るための労働時間の短縮、こういう要素を持っているものをただのんべんだらりと見逃している手はないと思うので、ぜひ気持ちのいい回答をしてもらって、私の質問を終わりたいと思います。

小島迪彦労働省労働基準局賃金福祉部企画課長

○小島説明員 今先生御指摘のとおり、夏休みにつきましての効用はいろいろあると思います。それで労働省といたしまして毎年、夏休みを大いに消化するように、特に年次有給休暇を使ってやるようにということでキャンペーン活動もやっておるのですが、この間もお話し申し上げましたように、昨年「ほっとウィーク」ということでかなり受けたと思うのですが、ことしはさらにもう少し意識の高揚について工夫いたしまして、もっともっと消化するようにやってまいりたいと思っております。  ちなみに、私どもが調査いたしましたところ、昨年、主な会社でございますが、千三百四十五社について調べましたところ、製造業ですと七・六日ぐらいとっております。それから、非製造業ですと五・一日というようなところですが、これも連続してということはなかなかでございますが、私ども、できるだけ最低一週間は連続してとるようにというふうにキャンペーンをいたしております。それからまた、役所等につきましてもとるようにということで、それぞれ関係の省庁に御協力をいただいておるところでございます。  また、ことしさらに進むように努力していきたいと思っております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 ちょっとせつない答弁ですが、そういうもので今の摩擦が解消できるようなものでもない。これがすべてオールマイティーだとも思いませんが、やはりそういう一つの大きなきっかけをつくらないと、頭の中を切りかえなければ、これはなかなか今の状況を脱却できないということを言っているわけなんで、ただ慫慂しようなんていうことで満足できるものではない。大蔵大臣から、これも一つの発想ですが、週休二日制なんていったらなかなかそんなことはできないと思って、これはやめるときは簡単にやめられますから、だからその意味においては――もう時間になりました。私の予定時間ですよ、こっちは過ぎてないんですよ、まだ前なんですが、お答えいただいて終わりたいと思います。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 あれこれ、いろいろ発想を変えなければならないことは多々ございますと思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 終わりたいと思います。

池田行彦自由民主党

○池田委員長 山田英介君。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件、この件につきましてはいろいろ精査をいたしたのでございますが、特段の問題はないということでございます。せっかくの機会でございますので、関連をいたしまして若干の質問をさせていただきたいと思っております。  まず、天皇御在位六十周年を記念いたしまして、昨年、十万円の記念金貨が発行されたわけでございます。一千万枚発行いたしまして、九百十万枚売却ができた、九十万枚が実は売れ残って六十二年度に持ち越されている、こういう状況でございます。おおよそ五千億円という臨時収入が国にございまして、六十二年度の予算案の中にもこれが充てられている、こういうことでございますが、実は、この御在位六十周年記念金貨の六十二年度の分が本日発売をされているわけでございます。七十万枚ということでございますが、もし現時点で、発売をいたしました本日の状況などがおわかりになりましたら、お知らせをいただきたいと思います。

窪田弘大蔵省理財局長

○窪田政府委員 日銀にその辺を調べていただきましたところ、おおむね、営業時間が始まって二、三時間、午前中で引きかえが終わった店が大部分である。ただ、九州の一部あたりでは、まだ引きかえが残っているところがある模様でございます。ただ前回と違いまして、行列の人数が、多いところで、例えば都心の大きな銀行では二百名ぐらいに至ったところもございますが、平均しますと三、四十名というところで、前回に比べて静かな引きかえである。きょうの夕刊を見ましても、大体そういう記事が出ております。  引きかえの現時点の枚数等は、まだ計数が集計されておりません。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 本日発売になりましたこの七十万枚の各金融機関に対する配付の方法でございますが、私は、昨年の九百十万枚売れた事情と比較をいたしますと、七十万枚という限定版でございますので、昨年の分と比較をしたときにはかなり関心も高いのであろう、こう推察をしておるわけでございますが、実際に各金融機関の窓口等に並んで、先着順である。これは、たくさんある窓口の中の幾つかということでございますが、うちの銀行では皆さんに交換ができるのは五枚しかありませんとか、あるいは十枚しかありませんとか、こう言われれば、買いたいと思って先着順で並んだ皆さんも、そういうものかということで引き下がらざるを得ないわけでございます。しかし、何となくいま一つもやもやとしたような感じも残っておりまして、本当にそれだけしか配付されていないのかなというような、率直に言いますとそういう気持ちもあるわけでございます。この辺は、この配付の、あるいは配分の公平とか公正を期するという意味では、どのような措置をとられておられるのでしょうか。

窪田弘大蔵省理財局長

○窪田政府委員 前回の天皇金貨の配分については、いろいろな反省点がございましたが、その一つに、やはり店舗別の配分の仕方もございました。前回は、府県別には大体人口の比率、それから預金の額ということで、その二つの指標でお配りをしたわけでございますが、実際申し込みとその配分の枚数とが大変違ったところがございました。例えば北海道でございますとか、沖縄でございますとか。そこで今回は、各金融機関から希望の枚数をとりまして、その枚数が実は七十万枚の倍ぐらいの枚数になりましたので、それを単純なる案分計算で各金融機関に配分をいたしました。金融機関ごとの、店舗ごとの枚数は、各金融機関にお任せをしたということでございます。それから店舗の前に、四月三十日以降、自分の店は何枚あるということを掲示をしていただくようにお願いをしております。そういうことで、前回よりは大分静かな引きかえになったのではなかろうかと考えております。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 今回は、本日は七十万枚の売り出しということですが、この秋に予定分の残り三十万枚を改めてまた発売をなさるという御計画。それで、この秋口に限定版三十万枚というのは、従来のやり方と変えまして光沢仕上げ、プルーフ加工の十万円記念金貨、このようになさるというように伺っております。  それで、限定三十万枚ということと、それから傷がつかない仕上げになります、財産的な価値というものも非常に大きくなるであろうと常識的にこれは推測をされるわけでございます。そういう中で、昭和六年に二十円金貨というのが発行されたそうでございますが、ある筋のお話でございますけれども、四十年から五十年経過をいたしまして、これが五百万円ぐらいで取引をされているというようなこともあるようでございます。そうなってまいりますと、特にこの秋に発行をいたしますプルーフ加工の三十万枚の記念金貨というのは、発売、発行に当たりましては、一層の公平とか公正を期さなければならないというふうに考えます。  そういうことで伺いますと、何か造幣局の方で通信販売でこれは売りさばくというのでしょうか、一般の国民の皆さんの手元に、こういうふうにも伺っているわけであります。この点につきまして、どのようなお考えで、あるいは姿勢で、どのような方法で三十万枚、この秋の発行については考えておられるのか、この点について伺いたいと思います。

窪田弘大蔵省理財局長

○窪田政府委員 貨幣の配分を公平にするというその公平の扱いでございますが、いろいろなやり方があろうかと思います。従来、オリンピックの記念貨以来の公平の考え方は、大体需要を想定しまして、欲しい人には行き渡るだけの枚数をつくるという形の公平を考えてまいりました。しかし、昨年の天皇金貨の場合は、前評判が非常に高うございまして、その従来の手法では混乱をすることが想定されましたので、いわばチャンスの公平と申しますか機会の公平を考えまして、抽せんという方式をとったわけでございます。  ところが、御指摘のような結果にもなりましたので、今度のプルーフ貨幣の場合は実際かなり趣味のある人が申し込まれるであろうということで、希望に応じて製造し配付するという手法を取り入れてみたい。現在、通常貨のプルーフでもそういう方法をとっておりまして、この三月に申し込みを受け付けましたところ、予想を上回る二十万組という申し込みをいただいております。  そこで、プルーフ金貨の場合はどのくらい申し込みがあるだろうか。いまのところでは、大体十万枚ぐらいではなかろうかと想定しておりますが、しかし、もし申し込みがふえましたら、その残っている三十万枚のうちプルーフの枠をふやしまして、その需要にこたえるという方法をとってまいりたいと思っております。つまり、需要に応じてつくるという方法を今度は取り入れてみたいと思っておる次第でございます。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 今の御答弁でございますが、既に現時点では十万枚ほどの需要が見込まれておる、確認をされておる。これは当然準備もあるわけでございますので、大体時期的にいつごろまでに、秋に売り出すこのプルーフ加工の記念金貨の申し込みといいますか、希望というものを取りまとめる御予定でございましょうか。

窪田弘大蔵省理財局長

○窪田政府委員 実は、先ほど申しました通常貨のプルーフの申し込みが予想より多かったものでございますから、今そのプルーフの製造能力がいっぱいでございまして、恐らく秋口になりまして大体その前のプルーフのめどがついた段階で、今度の申し込みの具体的な方法を決めさせていただこうと思っております。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 新しい貨幣法は間もなく当委員会で審議をされるわけでございますが、今私申し上げました点につきましては現行の貨幣法に基づいての問題でございますので、伺わせていただいたわけでございます。  次に、昨年の三月十二、十三日両日にわたりまして、朝日新聞が天皇・皇室観につきまして改めて全国の世論調査を行っております。これが一番直近の天皇あるいは皇室観についての調査ということで、これをもとに質問させていただきます。  これによりますと、今の皇室に親しみを持っている、また今の皇室に親しみを持っていないの比率が、この昨年三月の調査では五一%対三七%、その前の調査、五十七年の十二月でございますが、親しみを持っている、四一%対持っていない、四六%、こういう結果が出ておりますけれども、比較をいたしまして一〇%ほど、皇室に対して親しみを持っているという国民の皆さんがふえてきたということに分析がされるわけでございます。  これにつきましては、山本次長さんおいででございますが、どのように分析をされ受けとめておられるのか、簡単で結構でございます。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 同一の手法によりますところの世論調査でございますので、そのときどきの意見が割合によく反映してくるのではなかろうかと存じますが、御指摘のような数字であったことを私も承知をいたしておるところでございます。ただ、親しみがあるとか親しみがないとか、この観点からいえば、やはり皇室というものが現行の憲法にございますように象徴天皇、国民の総意に基づくということになっているわけでございますが、親しみをお持ちいただくことがよりベターなものであるということはつくづくと感ずるわけでございまして、そういうような方向に国民の方々のお気持ちがなるように努力をする必要があるというように存じております。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 皇室の関係の皆様やあるいは宮内庁の皆様の御努力、私は評価を申し上げたいと存ずるわけでございますが、それでもこれは昨年も五十七年の調査も同じような傾向が出ているわけでございます。二十代の男女につきましてこの天皇・皇室観等を見てまいりますと、二十代の前半で親しみを持っていないという方が七〇%、親しみを持っているが二二%。二十代の後半で六六%が皇室に親しみを持っていない、二三%が持っている。そういう理由をちょっと調べてみますと、閉鎖的でかた苦しい、そういうような理由などが挙げられているのが目立つわけでございます。  それは親しみを持っている、持ってないの持ってない方の二十代の前半、後半という、極めて抽出された形での数字でちょっと恐縮をいたしておりますけれども、それはそれとして、こういう若い世代に対する天皇とか皇室観というようなものは、やはりこれからも宮内庁におかれても政府におかれても御努力をなさるべきなのではないだろうか、このように私は思っているわけでございます。  それで、私は五十九年四月でございましたが、内閣委員会に所属しておりましたときに山本次長といろいろ議論をさせていただいたことがございます。皇室用財産の一般開放という問題でございますが、皇居を初め赤坂の御用邸とか御料牧場とか埼玉鴨場あるいは新浜のカモ場、京都御所、桂離宮、修学院離宮あるいは正倉院、こういう有名なあるいはまた貴重な皇室用の財産があるわけでございます。  今回、五十七年調査と比較をして、昨年の皇室・天皇観の調査で親しみを持っているという方が一〇%ふえてきたということは、それはいろいろな条件とか要素があることは当然だと思いますが、その中の一つの要素として、この皇室用の財産を一般の国民の皆様にできるだけ開放してあげよう、開放させていただこうあるいは開放していこう、そういう姿勢あるいは努力がその一つとしてあったのじゃないだろうか、私はこういうふうにも考えるわけでございます。  そこで、まずその点についての宮内庁の御見解と、それから新浜のカモ場の一般開放について現実はどういうことになっているのか、それから埼玉鴨場につきましては自治体の窓口を通して一定の参観がなされておりますけれども、これにつきましては五十九年の内閣委員会で次長とのやりとりの中で、一層広く国民に開放ができるように研究していきたい、このようなお話をいただいているわけでございまして、この点につきましてその後どのように研究を進めていただいたのかどうか、お答えをいただければと思います。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 若い世代の方々が皇室というものになかなか親しみを感じにくいという世論調査の結果があることは、御指摘のとおりであろうと思います。若い方々はこれから日本を背負っていかれる方々になるわけでございますので、既に成年に達している方々であるわけでありますので、そういった方面への努力というのは大いに必要なこと御指摘のとおりで、やらなければならないことと存じます。  それから、御指摘のございました各種皇室用財産は、一種の歴史的なものとしての価値あるものあるいは庭園としての価値あるものといったようなものにつきましては、一般の方々の参観というようなものに広く門戸を開くべく、与えられた条件のもとにおきまして最大の努力をいたしているつもりでございます。ただ、何と申しましても片っ方では皇室用の現在のものとしての目的、それと置かれました条件、いろいろなことがあるわけでございまして、その中での対処の仕方、方向といたしましては、先生御指摘のとおりの方向でやるべきものというふうに存じているところでございます。  具体の問題といたしまして、先般、五十九年四月のときの御議論を私も鮮明に覚えているわけでございますが、埼玉鴨場についての御指摘があったわけでございまして、あの御質問が済みましてからその当月中に早速に埼玉県及び越谷市とも、担当の式部職でございますが、連絡をとらせて協議をいたしました。越谷市に対しましては御承知のとおりに市政移動教室といったようなこと、その他の市としてまとめていただいたものについての参観を認めてまいったわけでございますが、さらに、いろいろなやり方での御希望があればそれもお受けをするというような連絡をした結果、親と子のだるま教室とか越谷市快適環境シンポジウムとか姉妹都市キャンベルタウン、市の教育委員会等の参観を受け入れているような状況で、そういう意味では御指摘をいただいて、こちらの先生のお考え方並びに宮内庁としての対応というものを連絡しました結果、越谷市の対応は少し幅が広くなってきたということが申せるように存じます。  また同時に、埼玉県に対しましても、越谷市とは従来からこういう格好でやっているけれども、県下の市町村あるいは県自体で何か特別な御希望があれば相談をしてくれ、それによって応じ得るものはなるべくそういう御要望に応じるような格好に持っていきたいからということで、これの結果でございましょうか、埼玉県人会とか県の税務協議会とか県の報道機関の支局長といったような方々とかが参観に見えられたというような実績があるわけでございます。そういうような意味では、御指摘をいただきましたこと及び当庁の対応の仕方というものを関係機関に連絡した結果、前進を見たというように存じているわけでございます。  御案内のとおり、一般に常にということになりますと、各種の事情を勘案してなかなか踏み切れない状況もございますが、ただいま申し上げましたような方法によりまして、さらにはっきり申し上げれば、これは越谷市だけである必要もないわけなんで、県の方にはそういうような言い方もしたわけでございますが、周辺からの御希望があれば言っていただければ、対応できるものは対応したいというような気持ちでいるところでございます。  なお、新浜の方につきましては、やはり近隣の小学校の方々の参観とか、いろいろなある程度のことをいたしているわけでございます。新浜の場合には、隣に市のやっております野鳥の干潟の大きな公園がございまして、それとの続きでございますので、そちらの一般に公開されております野鳥公園の方に人が多く行っているというような状況であろうと思いますけれども、こういった市なり公共団体がまとめてくれたようなものがございますれば、対応することもやぶさかではないというように存じております。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 憲法第八十八条の規定を引くまでもなく、すべて皇室財産は国に属するわけでございます。また、国民のための財産であるという趣旨かと存じます。また、この現憲法の枠組みの中で象徴天皇制というようなものが、今や国民の間に非常にしっかりと根をおろして定着しておるという状況があるわけでございますので、なお一層天皇・皇室観等々国民に開かれた、あるいはまた親しみを持っていかれるようなそういう皇室を目指して今後とも御努力をいただきたいと思いますし、そういう観点からも、差しさわりのない最大限の範囲におきまして、これらの皇室用の財産等につきましては国民の強い希望、要望があるという実情にかんがみまして、今後とも前向きに対応していただきたいものだ、このように申し上げておきたいと存じます。  それで、皇室外交の関係で幾つか質問させていただきたいと思っております。  報道によりますと、皇太子御夫妻の御訪米が本年の十月に決まったということでございますけれども、これは御案内のとおり昨年五月の下旬、訪米の御計画が取りやめ、延期となっているわけでございます。この点につきましては、これは確認でございますが、正式に十月に皇太子御夫妻が御訪米なさるというふうに決まったととらえてよろしいのでしょうか。

山崎隆一郎外務省北米局北米第一課長

○山崎説明員 お答えいたします。  先般の日米首脳会談の後、渡辺官房副長官から発表がございましたとおりに、両殿下の御訪米につきましては、十月上旬のワシントン訪問を中心として本年秋に行うということで、両政府間で合意を見た次第でございます。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 昨年の十月に予定されておりました皇太子殿下の韓国御訪問につきましては、その後どうなっているのか。これは言われておりますいろいろな事由によりまして、御訪韓については延期になったままになっているわけでございますが、具体的に、ただいま御答弁がありましたように本年十月の御訪米の後にセットされるのか、現実に韓国政府と我が国政府は二国間において、皇太子殿下の御訪韓については協議に入っておられるのか、この点についてお知らせいただきたいと思います。

渋谷治彦外務省大臣官房外務参事官

○渋谷説明員 皇太子殿下御夫妻の韓国御訪問につきまして、政府は昨年の三月十一日に、これを推進する方向で検討するという発表をいたしました。その後、妃殿下の御健康の問題で両殿下の御訪米が延期されたこともあり、昨年中の御訪韓は難しくなった次第でございます。これにつきましては昨年の八月二十日に発表いたしました。  今後の御訪韓の日程につきましては、昨年八月二十日に発表した以上のことは現時点では何ら決まっておりません。この八月二十日の発表文の最後に、皇太子殿下「ご夫妻の訪韓はできるだけ早期に実現されるよう、両国間で引き続き協議してゆく」こととなっているというのが現状でございます。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 もう一つ。昨年の十月二十四日に、宇都宮徳馬先生を団長とされた日中友好協会代表団に対し、人民大会堂で鄧小平氏が皇太子殿下の訪中問題に触れまして、中国側には皇太子殿下の訪中は問題ない、これを受け入れる発言をなさっております。それから、特に天皇陛下の訪中に鄧小平氏が言及をいたしまして、日本政府が決めることであるけれどもいつでも歓迎をする、このように表明をされたということでございます。  この点についてまず一点は、陛下御自身の御訪中ということはあり得るのか、これが一点。それから、中国側と皇太子殿下または皇太子殿下御夫妻の訪中につきましては、政府間で協議に入っておられるのか、その見通しはどうかを聞かしてください。

渋谷治彦外務省大臣官房外務参事官

○渋谷説明員 皇太子殿下の中国御訪問につきましては、現在全く白紙の状態でございます。今後の見通し等につきましては、コメントは差し控えさせていただきたいと思います。  天皇陛下の中国御訪問につきましては、日中間で協議をしたということはございません。

山田英介公明党・国民会議

○山田委員 時間、五分ちょっと残っているようですが、以下で終わります。ありがとうございました。

池田行彦自由民主党

○池田委員長 正森成二君。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 まず最初に、大蔵大臣に伺います。  皇室の財産については、憲法に二カ条の規定があることは御承知のとおりであります。まず第一に憲法八条では、「皇室に財産を譲り渡し、又は皇室が、財産を譲り受け、若しくは賜与することは、国会の議決に基かなければならない。」という規定であります。もう一つは憲法八十八条でございまして、「すべて皇室財産は、国に属する。すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。」という条文であります。こういう条文がなぜ新憲法において定められたのか、その精神についてお答え願います。

入江敏行大蔵省理財局次長

○入江政府委員 御質問の二点でございますが、憲法八条の規定は、要するに皇室と皇室外のものとの間の財産の移動というものを通じまして、皇室の公平性といいますか、公正性といいますか、そういうものが損なわれることがないように、あるいは戦前と同じように不当な財産の集中が行われないようにということで、皇室の外と中との間の財産の移動を国会の審議にかけようというものでございます。  それから、後者はそれとはまた全然別でございまして、要するに皇室用の財産、戦前は皇室の財産というのは私有財産でもない、国有財産でもない、国会のコントロールもない、こういうような状況にあったわけでございますが、それを全部皇室の財産は、全くの私有財産は私有財産として、やや公的な色彩を持つものは一切国有財産として整理する、そういう形で国会のコントロールを及ぼそう、こういう趣旨でございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 大蔵大臣、今政府委員が答えたんですけれども、比較的こういう問題について権威があると言われております「註解日本國憲法」というのがございます。我々、学生時分に勉強したものですが、それの「註解」を見ますと、今あなたがお答えになったものが当たっておりまして、「むやみに皇室に財産が流入することは、皇室の財閥化を来し、皇室の公正無私の精神にそぐわぬし、また、逆に、故なく皇室から財産が流出することも、皇室と特定の者との間の好ましくない結びつきを生じ、公明正大を欠くに至る嫌なしとしない。」こういうぐあいに言われておるのですね。これは八条について決められておることですけれども、内と外との間で不当に安い価格でもらったり、あるいは渡したりするということは、これは皇室の象徴としての、あるいはその一族としての公明正大さあるいは公正無私さ、そういうものに疑いが生じるというようなことがあってはならないということも大きな精神になっているわけであります。  そこで伺いたいと思いますが、本件の高松宮の物件は、これはもともと高輪の御料地だったはずですが、それが財産税で一たん納められまして、それが新聞報道によりますと、昭和二十三年と三十六年に物納したものを高松宮家が私有に買い戻したというように言われております。  それが事実なのかどうかという点と、それから昭和四十七年四月十三日の参議院内閣委員会の審議でありますが、その中で当時の宇佐美長官が「新憲法と同時に、皇室の関係につきましては、大部分が財産税、それからその他は、憲法によってすべて皇室の財産は国有とするということで、不動産は全部ございません。一つもございません。当時国会の場においても説明されておりますが、占領下でございましたが、ただ有価証券というのは千五百万は認めるということで、当時の国会の速記録にも出ておるわけでございます。それと、あとは普通の動産でございます。その動産と申しましても、これはいろいろ雑多でございますが、若干の刀とか美術品というものは、もちろん代々伝わっているのがございます。」という答弁を山崎昇君の質問に対してしております。これとの関係はどういうことになるのですか。昭和四十七年四月十三日、内閣委員会議事録。

入江敏行大蔵省理財局次長

○入江政府委員 前段の御質問につきましてお答えいたします。  今おっしゃいました昭和二十三年及び三十六年に宮家に物納財産を払い下げたということは事実でございます。詳しいお話、よろしゅうございますか。――事実でございます。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 四十七年四月の質疑の関係で、当時の宇佐美長官が八十八条の解釈につきましていたしているのは御指摘のとおりでございます。  その関係、同じ憲法の中で皇室という言葉を使っていて二つに分かれるのはどうだ、こういうことになろうかと思いますが、それぞれの規定の趣旨というものから出発をいたしていると存じます。八条の方から申せば、これは当然のことながら各宮家まで含めました全体の皇室ということでの要するに賜与、贈与の関係の規定でございますから、それを絶対として制限をしている、こういうような思想に立っているものであろうと存じます。  それからもう一つの方の八十八条の規定は、二つ言い方があるわけでございますが、ただいま先生がおっしゃいました、あるいは先生が宇佐美長官の言として御指摘になりましたような言い方によっても、八十八条と実際の扱いとの間の説明はつくわけでございますけれども、そうじゃなくて、学者さんの多くの説のように同じである。ただし、当然純粋の私的のものにつきましては、八十八条というものが言っているわけではない。八十八条の方は、皇室というものの公的な活動の財源なりあるいは公的なものについて八十八条は言っているので、純粋の私的の私有財産を否定をしているわけではない、こういう言い方をしているような説が多いわけでございますが、それとの関係では、結論としては同じことになってくるのじゃなかろうかと存じます。  八十八条の関係で、私もいささか不勉強でございまして申しわけございませんが、「すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。」この場合の「皇室」というのを宮家の財政にまで及ぼして考えますと、必ずしもそうではございません。皇族費というのを出しておりますが、これは品位保持の資のためでございまして、すべてのものを国会の議決の経費で賄うという思想は最初からとられていないというようないろいろを言い方があるわけでございまして、これは議論は存しますけれども、結論といたしまして内廷、いわゆる天皇を中心にしました内廷におきましては、先ほど来申し上げましたような不動産は一切持っていない、すべて国有でございます。そして皇族の方は、要するに別邸という格好での別荘の方は私有財産を持っている。それは戦後ずっと統一されたやり方でございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 今の宮内庁次長の説明は、御本人は一生懸命答弁されておるのでしょうけれども、聞いている者にはわからないですね。私が言いました四十七年四月十三日の答弁では、宇佐美宮内庁長官はもっと単刀直入の答弁をしているのです。それは、憲法八条による「皇室」というのは天皇家だけでなしに皇族も全部入る、しかし憲法八十八条の場合は皇族は入らないのだ、こういう解釈を言っているのですね。それはある意味では当たっている点もございまして、当時そういう説を唱えたのは美濃部博士だけで、それ以外の大部分の学者は、憲法八十八条のいわゆる「皇室」の中には天皇家だけではなしに皇族も入っておるということを言われておるのです。そういう説明をされればそれは説明でわかるのですけれども、山本さんのような説明をされると、何を言われたのか恐らく大臣もおわかりにならなかったと思うのですね。お顔を見ていたら、わからぬなというような顔をしておられましたが。  しかし、そうだとしても、同じ八十八条なのに「すべて皇室財産は、国に属する。」という「皇室」は天皇だけである、その次の後段の「すべて皇室の費用は、予算に計上して国会の議決を経なければならない。」というのはこれは皇族も入る、それでなきゃ皇室経済法がおかしいわけですね。皇室経済法というのは、内廷費と宮廷費と皇族費に分けて、これは国会の議決によることになっているのですから。だからこそ宮家にも、全部ふだんの生活の資に充てるお金は国から予算で議決されて出ているのですから。そういう意味でも、八十八条では皇族は含まないのだというようなことを一方的に言う解釈というのは、憲法学上も通説じゃないし、非常に奇異だ。この四月十三日の質問は公明党の峯山昭範さんが質問しておられるのですけれども、同議員も非常にわかりにくい解釈であるというように言われているのです。  それとの関係で伺いたいと思うのですが、今度の高輪の八千平米とか九千平米というものにつきまして、これはどういう事情か知りませんが、後で説明してもらってもいいのですが、物納されたものを一たん私費で買い戻しておられるのですね。買い戻しておられる以上は私有財産ですね。これと四十七年の宇佐美長官の、不動産は全然持っておられませんというのとは一致しないのですけれども、強いて言いますと、不動産は全然持っておられませんというのは天皇だけであって皇族は別だという解釈をとれば、それはそれでつろくする。しかしその解釈は、大部分の憲法学者の解釈ではないということを申し上げたいのです。  それはさておいて、私有財産であったとすれば固定資産税を払っていたはずですね。自治省、幾ら払っておられたのですか。

佐野徹治自治省税務局固定資産税課長

○佐野説明員 固定資産税は、東京都だとか各市町村におきまして課税することとされておりまして、自治省といたしましては、個々の納税者の税額等につきましては知り得る立場にないということをまず御理解をいただきたいと思います。さらに、税額等は私人の秘密にかかわることでございますので、地方税法上は地方団体の側におきましてもこれを開示することはしないということといたしておりますので、この点につきましても御理解をいただきたいと思います。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 払っていたのか払っていなかったのか。

佐野徹治自治省税務局固定資産税課長

○佐野説明員 地方税法の規定によりまして、私有財産を所有いたしております場合には、一定の手続きに従いまして納税義務が生ずるということでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 私が事前に質問通告したときにはお答えしますと言っておいて、出てきたら答えないのですね。おかしいですね。払っていたか払ってないかということも、もう一遍聞いて、正面から答えないで私有財産だからそれは払っているという意味のことをやっと認めたのです。  国税庁、今さっき沢田議員にお答えになりましたけれども、新聞報道によれば、公示価格で言いますと問題の不動産は三百四十九億円になるというように報道されています。あなたの言われている相続税の評価額の六十億円余りというのと大分違いますね。どうなるのですか。その場合に仮に抽象的に言うとすれば、相続税はどうなるのですか。一定の前提を置いて答えてください。相続人が一人であるとかあるいは妻であるとか。

門田實国税庁直税部長

○門田政府委員 お尋ねの件でございますが、恐縮ですが仮定を置かしていただきまして、相続人は配偶者一人といたしまして相続財産も本件のみ、こう仮定を置かしていただきます。そういたしましてその課税価格は先ほども申し上げましたが、本件土地の評価額を付近の路線価を用いて機械的に計算しますと約六十四億円ということになります。これを前提にいたしまして、相続税の算式で計算をいたしますと約四十七億円ということになりますが、配偶者の税額軽減、これが二分の一ございます。したがいまして二十三億円余りを差し引きますと、納付すべき税額は約二十三億円余り、こういうことになるわけでございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 この公示価格から見れば非常に低いですけれども、直税部長がおっしゃるのですからそれはそのとおり仮に信用するとして、宮澤大蔵大臣、私どもは、喜久子妃と言われるのですが、喜久子妃が国に寄附をされるということ自体は必ずしも反対ではありません。それを寄附されて、庶民全体が利用されるような例えば高松記念公園というようなものにして、そして国民が利用するならこれは結構なことなんです。  ところが伺いますと、一たん寄附はするけれどもそれは皇室用財産として従来と全く変わらない、自分の家として使うのでしょう。そうするとどういうことになるのですか。普通の市民なら、今の国税庁の言うところだったら二十三億何がし財産税を払わなければならない、相続すればですよ。それが全然払わなくてもいい。そして国の財産になり皇室用財産になって、しかもそれは今までどおり使える。そうすると高松宮生前のときには、額は言いませんでしたが固定資産税を払っておった。その固定資産税は払わなくてもいいということになれば、前と全く同じでかえって利益を得るということになるのじゃないですか。  これが仮に庶民だったとして、おやじが代々住んでおった豪邸があるとして、それを国に寄附します。しかし、それは公園にしてもいかぬし何にしてもいかぬし、おれが今までどおり使うよ、結構でございます、国の物になりましたから固定資産税はいただきません、こんな結構なことが庶民ならありますか。ないでしょう。だからこういう財産の処理の仕方というのは、庶民感情から見て著しく相入れないのじゃないですか。憲法の規定で、皇室というものは公正無私でなければならぬ、公明正大でなければならぬというのと著しく反するのじゃないですか。  国税庁、租税特別措置法の七十条にはどうなっていますか。「国等に対して相続財産を贈与した場合の相続税の非課税」というのがあるでしょう。その中に、国と地方公共団体とそれから法人の場合はよろしい。法人の場合はどうかと言えば、これは「教育若しくは科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして政令で定めるものに贈与をした場合には、」という条件がついていますね。あなた方は、条文の解釈としては、これは法人についてのみであって国と地方公共団体の場合には該当しない、こう言われるだろうと思うのですね。ところがその後で、「当該贈与により当該贈与をした者又はその親族その他これらの者と相続税法第六十四条第一項に規定する特別の関係がある者の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められる場合を除き、」となっていますね。それだったら本件の場合はどうなんですか。二十三億円という相続税の負担を免れ、固定資産税の負担を免れ、そして従来と同じように使うということになれば、租税特別措置法七十条からいっても、憲法の精神からいっても、庶民感情からいっても、おかしいんじゃないですか。

門田實国税庁直税部長

○門田政府委員 憲法論はさておきまして、租税特別措置法七十条の方のお話でございますが、七十条の趣旨は今おっしゃったとおりでございます。ただ実は、本件につきましては、七十条は相続、遺贈で財産を取得した人が国に贈与をする、こういう場合でございまして、今回のこのケースは被相続人から国に対して財産を遺贈したというケースでございますので、この七十条の適用の問題ではないわけでございます。これは七十条ではなくて、あくまでその被相続人から直接に財産が遺贈された、その国が受ける遺贈について相続税の課税関係がない、こういう問題でございます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 門田さん、私は法律家ですけれども余り細かいことは言いたくないが、あなたは遺贈だ、遺贈だとおっしゃるけれども、本当に遺贈なんですか。文書による遺贈だということを示すものはあるんですか。それはないんじゃないんですか。生前にこういうことを言っておられたということはありましても、そういう文書はないんじゃないんですか。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 ただいまの点でございますが、私の承知いたしておりますところでは、昨年の秋に公正証書による遺言を書いていらっしゃいます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 公正証書によって遺言されているなら、それはそれでいいでしょう。  時間の関係で、もう一点聞いて終わります。  こういうようにいろいろ国に寄附されるということなんですけれども、皇室財産というのは、憲法の建前からいえば、国民全体の納得の得られるものでなければならないと思うのです。そういう点で、もう数多くの国会議員が質問をなさったことですけれども、陵墓等、古墳であるとかそのほかいろいろなものがありますが、その調査だとかあるいは場合によっては発掘という場合に、それが全部皇室の祭祀の対象であるということで実現されないという問題があります。これは多くの国会議員が聞かれました。しかし、我が国の古代史でこの点は一番問題点になっておりまして、千数百年前あるいは二千年前のいろいろな貴重な陵墓等ですね、参考地などもありますから、全部で九百カ所近くあるわけでありますが、それが調査されないということで、考古学者などは古代史にぽかっと穴があいている状況にあると言っているわけです。  そしてこういう陵墓等はどうなっているかというと、これは宮内庁が管理する国有財産ですね。管理している人は、書陵部の関係だけで約百名前後と承知しておりますが、それももちろん国費であります。ところが、調査については、天皇家等の祭祀の対象であるということで、千五百年、二千年前のものでも立入調査もできない、発掘などは論外であるということになれば、日本の貴重な文化財について研究調査ができないということになる。もちろん、連綿と続いている皇室ですね。エジプトだとかいうようにもうなくなってしまっているのと違いますから、それは配慮しなきゃならない。答弁なんかでも全部そうなっておりますね。  しかし、もう時間がなくなりましたから、一々資料を持ってきましたが挙げませんが、答弁をよく見ますと、むやみやたらと発掘するのは困る、これは当然ですね。むやみやたらと発掘されたら、だれだって困りますね。しかしながら、傷んだような場合、それを修理するというような場合に学者等にそれを手伝ってもらう、それを発表するというようなこと。あるいは、陵墓以外の陵墓参考地とかそういうようなものがありますね。そういうものの場合はまた別にいろいろ考える余地がある。それから発掘に至らない調査ですね。中へ入って外側から見る、それだけでも、見るべき人が見れば随分違うそうですね。それだけでも認めてもらえないかというのが、考古学者の多くの願いなんですね。そういうことについて、もうそろそろ宮内庁というのは新しい考え方を持つべきである、これは共産党以外の多くの議員から聞かれているところであります。私は、今時間がございませんから全部読み上げませんけれども、それについての御見解を承って私の質問を終わります。

山本悟宮内庁次長

○山本(悟)政府委員 いろいろなお立場から、学界におきましてもいろいろな御意見のあることをよく承知をいたしております。また、国会の中におきましても、これに関連いたしましての御質問をたびたびお受けをしたこともございます。  そういうようないろいろな事情がございますけれども、今陵墓として管理さしていただいているのは、やはりそれは祭祀の場ということを中心にして管理さしていただいている、かように私どもは存じているわけでございまして、ただいま御指摘のございましたように、いろいろな場において、それの関係で困らない、支障のない範囲におきましては、いろいろな努力もいたしてまいりたいと存じますけれども、基本的には従来の考え方をとらしていただきたい、かように存じます。

正森成二日本共産党・革新共同

○正森委員 質問を終わりますけれども、大蔵大臣、これは多くの国会議員だけでなしに、考古学関係がこぞって願っていることなんですね。それは道理に合っていると思うのですね。むやみやたらに発掘するということにいきなり至る前にも、いろいろできることがあるわけですからね。文化的素養の高い宮澤大蔵大臣の御見解を承って終わります。

宮澤喜一自由民主党大蔵大臣

○宮澤国務大臣 御意見として承っておきます。

池田行彦自由民主党

○池田委員長 これにて本件に対する質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――

池田行彦自由民主党

○池田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会の議決を求めるの件について採決いたします。  本件に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

池田行彦自由民主党

○池田委員長 起立多数。よって、本件は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池田行彦自由民主党

○池田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――

池田行彦自由民主党

○池田委員長 次回は、明十四日木曜日午後二時二十分理事会、午後二時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時十八分散会      ――――◇―――――

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