社会労働委員会 第3号
- 発言数
- 286 件
- 登壇者
- 30 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/05/15
会議録
○堀内委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、これを許します。池端清一君。
○池端委員 医薬品副作用被害救済基金法の改正案につきまして、一点だけ斎藤厚生大臣に確認の質問を行いたいと思います。 去る五月十二日の与野党国対委員長会談におきまして、売上税法案の取り扱いについては合意をしております。したがって、この医薬品副作用被害救済基金法改正案の附則第十一条の規定は事実上の削除となる、こういうふうに解釈をしておりますが、その解釈でよろしいかどうか、大臣の確認を求めたいと思います。
○斎藤国務大臣 この規定につきましては、与野党国対委員長会談の合意に従って処置いたします。
○池端委員 よろしいです。
○堀内委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。
○堀内委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案について採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○堀内委員長 この際、本案に対し、長野祐也君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の四派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。沼川洋一君。
○沼川委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合を代表いたしまして、本動議につきまして御説明を申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法案施行に当たり、次の事項につき格段の努力を払うべきである。 一 医薬品副作用被害救済・研究振興基金の研究振興業務の運営については、民間の活力が発揮されるよう基金の自主性の尊重と民間の意見の反映に留意すること。 ニ バイオテクノロジー等の先端技術に関する試験研究を実施するに当たっては、生命倫理に十分配慮し、適正な試験研究が行われるよう指導・監督に万全を期すること。 三 医薬品副作用被害救済制度の活用の促進のため基金制度の周知徹底を図るとともに、救済事業の迅速な事務処理のための改善を進めること。以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 長野祐也君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、斎藤厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。斎藤厚生大臣。
○斎藤国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。 —————————————
○堀内委員長 お諮りいたします。 本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○堀内委員長 内閣提出、身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件の両案件を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永井孝信君。
○永井委員 大臣に冒頭お尋ねいたしたいと思いますが、ことしは国連の障害者年の十年間の中間年に当たるわけですね。この障害者年だけではなくて、例えば婦人年であるとか青年年であるとかあるいは人権年であるとか、いろいろなことがそういう国連の行事として行われていくわけでありますが、いつも思うのでありますが、初年度は多彩な行事があります。そしてビジョンが派手に打ち上げられていくわけでありますが、どうも見ていると、政府の対応は線香花火に終わる傾向が強いのじゃないかという危惧を持っているわけであります。 そこで、お尋ねをするわけでありますが、これまでの五年間における長期計画の進捗状況はどうなっているか、あるいは今後の後半に向けての取り組みはどのように進めようと考えていらっしゃるか、大臣の答弁を冒頭にお伺いしておきたいと思います。
○平井国務大臣 ただいま委員が冒頭に御指摘になりました点については、まことに心すべきものであろうと考えております。昭和五十七年三月に策定されました障害者対策に関する長期計画におきましては、障害者の雇用対策について、特に重度障害者に最大の重点を置きまして、可能な限り一般雇用の場を確保するために力を入れてまいったところでございまして、この方針に沿って諸施策を推進してきたわけでございます。 この国連の障害者の十年の後半期における取り組みにつきましては、現在中央心身障害者対策協議会の場において、後半期における重点施策について御審議をいただいておるところでございまして、同協議会において結論が出されました場合に、その結論を尊重して、さらに積極的に障害者雇用対策を推進してまいりたいと考えております。
○永井委員 大臣の答弁がありましたけれども、答弁のとおり、政府としても障害者の方々のための政策をより積極的に推進されるようにお願いを重ねて申し上げておきたいと思います。 さて、法律案の具体的な中身に入っていくわけでありますが、まず初めに、今回の法改正によりまして、雇用対策そのものが充実強化されるということになっているのであります。そのためには障害者雇用対策のための予算というものが十分に確保されねばならないと私は考えるわけであります。また障害者の雇用がどんどん進んでまいりますと、当然のこととして納付金の減額が起きてくるわけですね。この予算上の問題であります。政府が対応するために必要な予算を確保する、加えて障害者を雇用しなかった場合の納付金制度が片方にあって、その両方が相関関係を持って運用されてきていると思うのでありますが、その納付金の減少なども含めて、これからの予算対応についてどうされるのか、初めにお聞きをしておきたいと思います。
○平井国務大臣 ただいま御答弁申し上げましたように、労働省としては障害者対策は今後も引き続き最重点課題の一つでございます。 御指摘の予算でございますが、必要な予算の確保につきまして、本年度は二百九十八億八千二百万円、対前年で十一億三千百万円が増額でございまして、今後ともこの対策の予算の確保につきましては、最大限の努力をしてまいらなければならぬと考えております。 いま一点、納付金の問題でございますが、これは身体障害者の雇用に伴う経済的な負担の調整等を目的といたしておりまして、雇用率より少なく身体障害者を雇用しておる場合に徴収するものでございまして、身体障害者の雇用の改善に伴って、これは減少することとなるわけでございます。したがって、その目的は事業主拠出の共同事業たる性格もございますので、国の予算でここを補うというのは困難ではなかろうかと私は考えております。また政府としましては、納付金のこのような性格から、これになじむ施策につきましては、納付金を財源として行っておりますが、国の施策として行うべき職業リハビリテーションに関する施策等については、国の予算により行っておるところでございまして、今後とも納付金のみに依存することなく、必要な予算の獲得にはやはり全力を挙げなければならぬと考えております。
○永井委員 確かに予算上の努力はされているわけでありますが、今回は、この法律が改正されるという立場からいきますと、予算上の努力というのは、国がどう責任ある行動をとるかというあかしでなければならぬと思うわけです。そういう面から、まだまだこれで十分というわけではないのでありまして、しかも雇用が確保されてまいりますと、納付金が減少するという、これは具体的な事実でありますから、納付金に依存することのないような予算上の措置というものを当然考えていかなければならない、私はこう思うわけです。その関係について、もう一言簡単に突っ込んお答えいただけますか。
○白井政府委員 お答え申し上げます。 今大臣が御答弁申し上げましたように、納付金は、今先生御指摘のとおり、雇用が進んでまいりますと、そのトータルとしては減ってくるわけでございます。しかし、納付金の性格は、身体障害者に対する公平な対策を企業がとるということで、雇用率の少ないところから雇用率の達成度が高いところへ、それを均等にするということでございまして、性格上そういうものの取り扱いにつきましては、納付金でやらざるを得ないわけでございますが、今大臣が申し上げましたとおり、リハビリその他本来国の施策でやるべきものにつきましては、その環境を十分整備してまいりたいということでございます。
○永井委員 次の質問に入ってまいりますが、職業リハビリテーションの関係であります。この業務が現行の雇用促進事業団から今度は日本障害者雇用促進協会というところへ全部移管されるわけですね。これを移管することによって具体的にどのような効果を期待することができるのか、あるいはこの新しい協会の運営に問題はないのか。例えば事業主団体でありますから、この事業主団体に国がすべてを任せ切ってしまうということで果たして問題はないのか。障害者関係の事業というものは、業務の公平性あるいは中立性というものは絶対的に保証されなければならないと思うのでありますが、その関係はどうでございましょう。
○白井政府委員 お答えいたします。 今回の改正によりまして、今先生御指摘のとおり、日本障害者雇用促進協会というものに現在の身体障害者雇用促進協会を発展的に改組させるわけでございますが、ここにおきまして、現在の国立職業リハビリテーションセンターや今月開始予定をいたしております吉備高原職業リハセンの運営業務を加えまして、現在雇用促進事業団が設置運営しております心身障害者職業センターそれからセンター・オブ・センターということで設置構想を進めておりますこの障害者職業総合センターの設置運営もあわせてこの協会でやっていただくということにいたしております。これによりまして、障害者に対します職業評価、職業指導等の業務がこの日本障害者雇用促進協会において一元的に実施されるということで、従来に比べまして、より以上のきめ細かな手厚いサービスを提供することができるというふうに、そのメリットを考えているわけでございます。 この協会自体につきましては、今先生御指摘のとおり、事業主団体ということになっておりますが、法律でそもそも規定いたしました協会でございますし、現在既に国立リハセンその他の運営につきましても、この身障者雇用促進協会に委託して運営いたしているわけでございますけれども、その運営自体につきましては、公平な立場で実施されるように、その中身をそれぞれ認可その他の措置をとりまして指導しているところでございまして、先生の御心配の点につきましては、十分心配なくできると思いますし、また労働省としましても、そういうことのないように指導してまいりたいというふうに思っております。
○永井委員 心配ないようにしたいということでありますから、それを私どもも信頼をしてまいりたいと思うのでありますが、とにもかくにも国の方から事業主団体に全部渡すわけでありますから、危惧を持たない方が不思議でありまして、その辺のところは十分の上にも十分に御指導いただきたい、こう思うわけであります。 そのリハビリテーションの関係を出しましたついでに、少しつけ加えて質問してみたいと思うわけでありますが、この職業リハビリテーションと医療との関係ですね。労働省は御案内のように労災病院も持っておるわけでありますから、この職業リハビリテーションと医療との連携ということについて労働省はどのようにそれを担保していくのかということを、私はまず聞いておきたいと思うわけであります。 また、この医療から職業リハビリテーションまでを一貫して行う総合リハビリテーションの施設をさらに増設すべきではないか。所沢に一つありますね。国立のリハビリテーションがありますが、岡山にも今度四月の初めからオープンしました施設があると聞いておりますが、この二カ所が中心で、これが広域障害者職業センターだということになりましても、全国をフォローするためには余りにも数が少な過ぎるのではないか。もしも仮にブロックの中心にこれが位置づけられるとするならば、例えば北海道、九州あるいは近畿、中部というふうに、もっとこういう施設というものが増設されて、初めてこの法の改正の趣旨も生きてくるのではないか、こう思うわけでありますが、どうでございますか。
○白井政府委員 お答えいたします。 今回の法改正におきましては、職業リハビリテーションの原則についての規定を設けておりまして、職業リハビリテーションの措置は、医学的リハの措置と適切な連携のもとに実施すべき旨をまた定めております。この規定の趣旨にのっとりまして、公共職業安定所や障害者職業センター等の職業リハを実施する機関におきましては、職業リバの措置の実施や対象となる障害者の把握等について、医療機関との情報交換、協議を行う等、必要に応じて適切な連携を行ってまいりたいというふうに思っております。 また、医療から職業リハまでを一貫して行う総合リハの設置の問題につきましては、先生おっしゃるとおり、確かにブロック別に必要であるというふうに思っておりますが、それぞれ類似の施設や独自の立場でできているものもございまして、所沢それから吉備、さらには九州では福岡県に労災病院と一緒に一つのリハの施設をつくっておりまして、また近畿では先生のところの兵庫県等につきましては、県自体が独自の立場でいろいろとつくっておられます。こういうそれぞれのブロックの状態も考慮しながら、さらにはそういう施設のないところのブロック等も十分検討に入れまして、今後の検討課題としてまいりたいというふうに思っております。
○永井委員 それに関連をして、この心障センターの現状の問題点についてちょっと一言触れておきたいと思うわけでありますが、ILOが第九十九号によって勧告をしているわけです。ILO勧告の第九十九号によりますと、職業リハビリについての基本的な理解について触れているわけでありますが、障害者が職業につき、かつ、それを継続することができるようにするための職業上の援助、例えば職業指導、職業訓練及び職業の選択紹介を含む継続的で総合的な更生過程の一部門であるというふうに指摘をしているわけです。 それからいきますと、例えばこの職業リハビリカウンセリングあるいは職業能力評価、あるいは職業訓練、職業紹介、職場適応指導、その他いろいろあると思うのでありますが、現状は、私の聞き取り調査でいろいろ調べてみますと、この職業リハビリカウンセリングと職業能力評価の二つが中心に置かれているわけです。だからこれだけでは、ここで今私が触れましたように、医療から職業へ一貫した体制ということになっていかないのではないか。そうなりますと、当面そのほかに職業紹介も含めてそうでありますが、とにもかくにも職場適応指導というものが極めて重要になってくる、このように考えるわけでありますが、そういう立場からこのカウンセラーの関係について少しお尋ねをしてみたいと思うわけであります。 この障害者の職業カウンセラーの専門性を高めるために、今度の法改正でもいろいろな配慮をされているわけでありますが、その中の一つに、新たに資格を付与することを決めているわけです。これは私は非常に大切なことだと思うのでありますが、現行のカウンセラーの事業団における研修制度というものを調べてみますと、新任研修は三カ月であります。その後の業務間研修、中間研修で約二週間。これでは余りにも貧弱過ぎると私は思うのです。したがって、このカウンセラーの研修というものをもっと具体的に充実するようなことを考えていくべきではないか、このように一つは考えます。 時間の関係で、質問をはしって恐縮でありますが、この新法によって今度は身分移管にもなります。あるいは新たな資格を付与するということの対象になっていくわけでありますが、その場合は、現在のカウンセラーは既に、この研修を私は貧弱過ぎると言いましたけれども、その貧弱過ぎる研修を受けたにしても、それ以来ずっと実務を積み重ねてきているわけです。したがって、この資格を付与する場合は、現在のカウンセラーについては全員に対して当然資格は付与されるものと私は考えているのでありますが、この二つについて具体的にお答えをいただきたいと思います。
○平井国務大臣 御案内のように、この障害の重度化、さらに多様化が進展しておりまして、御指摘の職業のリハビリテーション、これは非常に重要な課題であり、また反面非常に困難なものとなりつつあるわけでございます。したがって、これに従事する障害者職業カウンセラーの研修の充実強化、これはいろいろ御指摘ございましたけれども、それなりの資格を得るということになりますと、やはり結果が有効に働くだけの研修の見直し等々もまた場合によっては必要ではないかというふうに私は考えております。いずれにしましても、今回のこの改正によりまして、障害者職業カウンセラーが専門職として位置づけられることになるわけですが、今御指摘の点も多分にここのところであろうかと思いまして、やはりその専門性を高めるためには、従来にも増して研修の充実強化ということは早速に考えてまいらなければならぬというふうに考えております。 また、現在このリハビリテーションにかかわる調査研究を行いますとともに、カウンセラー等の専門職員の養成、研修を行う施設として障害者職業総合センターの設置を推進しているところでございまして、同センターが建設されました場合には、一層総合的な、また系統的な、効果的な研修を実施することとしておるわけでございます。 いま一つ、現在カウンセラーとして心身障害者職業センターに勤務しております職員の方につきましては、今回の改正に伴いまして、障害者職業カウンセラーとしての資格を取得することができるよう措置すること、かようにいたしております。
○永井委員 例えば現行でもいろいろな実務の中からそれぞれの障害者の方々に対するいろいろな研究の材料が蓄積されているわけですね。こういうものをカウンセラー自身が分析、研究することができるように、勤務上の問題も含めて配慮されることも片方で必要でしょう、実務的に。今大臣が答弁されましたように、障害者の総合センターというのですか、職業総合センターの設置を推進をして、その中で研修を充実させていきたい、こういうことでありますけれども、もちろんそのことも必要だけれども、日常的な実務によってカウンセラーの専門職としての内容を高めていくということが常に付加されるような指導も必要ではないかと私は思います。 もう一つは、今大臣の答弁で、現在のカウンセラーの方々について、そのまま自動的に、言葉で言えば自動的に資格を付与することになるのかという私の質問に対しては、もう一つ不明確なんでありますが、そこはひとつ明確に答えてくれませんか。
○平井国務大臣 おっしゃるように、省令で自動的に行う、こういうことであります。
○永井委員 どうも時間が短過ぎて突っ込んだ議論ができません。したがって、はしって恐縮でありますが、次の質問に入っていきたいと思います。 障害者の雇用促進に当たって公共職業安定所と心身障害者の職業センターとが連携ももちろん密にしなくてはいけないのでありますが、現在までの状況を見る限りでは非常に不十分ではないか。特に就職した後、そのフォローアップが全くないといってもいいのではないかとさえ私は思うのです。とりわけこのカウンセラーの方々にいろいろ聞いてみますと、職業の適性も含めてですが、職業評価も含めてでありますが、能力評価も含めていろいろなことを努力をして就職をさせるように職業安定所を通じて措置をした、措置をという言葉がいいかどうかわかりませんけれども。ところがその後どうなったかということについては全くわからぬわけですね。途中でその人がその職業に継続してつくことができない状態になって離れておってもなかなかわからない。あるいはその職場で果たしてうまく仕事ができているかどうかということもわからない。そういうフィードバックがないわけですね。これでは本来の目的を果たすことができないと私は思うので、この職業安定所と心身障害者の方々の職業センターとがもっと有機的に結びつくようなことを労働省としては極めて重視をしてやるべきだと思うのですが、どうですか。
○白井政府委員 お答えいたします。 私たちも現在の心身障害者職業センターのカウンセラーの方等から、そういう先生御指摘のような切実な御意見をお聞きしております。我々としましては、職業紹介を担当します安定所と職業評価、職業指導を担当いたしますセンターとの連携が最も重要であると思っておりまして、それに対する指導を従来行ってきたわけでございますが、今回の改正におきましては、公共職業安定所と障害者職業センターとの連携につきまして規定を設けておりまして、法律上もそういう明記をいたしまして、今先生おっしゃいましたフォローアップも含めまして、密接な連携がとれるように十分安定所等を指導してまいりたいというふうに思っております。
○永井委員 次に、大臣、今円高不況で大変ですね。この大変なときに企業が生き残りのためにいろんな合理化をやります。その合理化をやるときに、もちろん希望退職を募るときもあれば解雇ということもありますね。そういう全体に非常に経済情勢が厳しい中で、雇用の関係でいえば極めて弱い立場にある障害者が最初に解雇されていくということになっていくのではないかという心配を持つわけです、現実がどうなっているかなかなか私どもは掌握し切れておりませんけれども。したがって、最近の障害者の雇用失業という関係についてはどこまで労働省としては把握されているのか、ひとつ簡単に答えてください。
○白井政府委員 現下の厳しい雇用失業情勢の中で障害者の置かれている雇用環境は非常に厳しいものがあると思っております。しかし、今個々にそれがどういうふうに身体障害者に影響を及ぼしているかという数字につきましては、把握が難しいわけでございますが、安定所を通じまして就職をした身体障害者であって、現在就業中の者は、昭和六十二年三月末で二十八万一千八百九十四人となっておりまして、これは前年度と比較いたしますと、二十七万七千五百七十人が六十一年三月末でございますので、二%の増加を一応はいたしております。ただ、求職者が六十二年三月末は六十一年三月末に比べましてふえておりますので、そういうところで全体的に見ますと、厳しい情勢にあるというふうに考えております。
○永井委員 具体的な問題で一つ二つ私の体験した問題を含めて申し上げてみたいと思うのですが、私も依頼をされて障害者の方をある企業に就職させたことも何回かありました。障害者を雇い入れた雇用主には一年ないし一年半の間、その内容によっても違いますけれども、賃金を補助するという助成金の制度がありますね。この助成金の制度が済むと、はいさよならとやめてもらうということが極めて多いわけですよ。そうすると、その企業にとれば安い労働力を雇うことができるという、企業にとってメリットの分だけを食い逃げするということになってくる。あるいは重度障害者の場合も同じでありますが、重度障害者については三年間にわたって毎月三万円という高額の補助金が出ることになっているわけでありますが、これを食い逃げするという不届きな企業も私の見る中でもかなり存在をするわけですね。 あるいは施設の関係でいいますと、助成金の支給を受けて障害者の方々のためということで施設の新設をする、その事業が終わってしまうと、いろんな理由をつけて、その重度障害者の方々の雇用を打ち切ってしまう、こういうケースが随分あるのですよ。だから助成金の審査に当たっては、もちろん十分な調査を行うとともに、この助成金の支給後においてどうなっていくのかということの事後のフォローアップというものを、労働省は当然の義務としてやるべきではないかと思うのですが、どうですか。
○白井政府委員 お答えいたします。 障害者を雇い入れるにつきましては、今先生御指摘のように、助成措置をとっているわけでございますが、この助成金の支給が終わったら障害者を解雇するというような例があるということは、我々もお聞きしております。そういうことのないように十分指導いたしておりますが、しかし、なかなかこれは個々には難しい点があるわけでございますけれども、具体的な措置としましては、制度の趣旨に反しまして、実質上の解雇に当たる措置等をとった場合には助成金の支給をしない、または返還させることなどの措置をとることによりまして、厳正に対処してまいりたいと考えております。 それから、なお後段の施設等に対します助成の問題でございますが、これにつきましては、そもそも助成金を認定するに当たりまして、身体障害者雇用促進協会、現在の協会でございますが、そこに設けられております委員会の専門的な助言を得つつ、経営内容や障害者の雇用状況等を厳正に審査してまいっているわけでございますが、残念ながら、その受けた事業所の中に、予期に反したような業績または措置がとられたというもの等につきまして、特にそこまで悪質な点がなくても、経営上から倒産するというようなものが具体的には出てきております。このような審査につきまして、より慎重な審査を行うとともに、助成金の支給後につきましても、関係機関と密接な連携をとりながら、十分なフォローアップを行ってまいりたいと思っております。
○永井委員 ぜひひとつ厳格にそういう答弁の趣旨を実行してもらうように重ねて要望しておきます。 次に、雇用率の問題ですが、今度雇用率が少し拡大されました。非常にいいことだと思うのでありますが、一つは、この雇用率、定めた雇用率を達成したら、障害者の方々で就職希望している人は、全部それでこの雇用率の中に入り切ってしまうのか、そういうことで算定されているのかどうか。 時間がありませんから、はしりますけれども、もう一つは、非常に不届きな話でありますけれども、納付金さえ払えば障害者を雇用しなくてもいいという考え方を持っている事業者がまだまだいるのではないか。かつていろいろ調査をしてみますと、雇用率を達成している企業は全企業数の四〇%程度だ、こう言われたこともありました。しかし、これは極めて中小零細企業に多いのであって、むしろ大企業ほど実は雇用率の達成に熱心ではないのですね。だから大企業が熱心になって雇用率を達成してくれれば、障害者はたくさん雇用できるのでありますけれども、それができていない、こういう関係から納付金さえ払えばいいという考え方をあくまでも払拭させるように、これは責任を持って進めてもらうこと。雇用率を達成できれば雇用希望者が全部確保できるのかどうか。 もう一つは、一つの提議でありますが、障害者といってもいろいろありまして、例えば私の近くにも福祉工場がありますけれども、下半身不随の方々が、上半身はまさに健常者でありますから、上半身を使って行う仕事は十分にできるわけですね、そういう人は生き生きとして仕事をしています。 〔委員長退席、長野委員長代理着席〕 しかし、障害の部位、程度によって変わってくるわけでありますから、障害者の方々が就職を希望する場合に、例えば短時間ならできるとかあるいは短時間しか就業できないような業務があれば、それにも就職してみたいとかいろいろなことがあると思うのですね。そういう障害者の方々のニーズにこたえていくためには、そういう人たちを短時間雇い入れたといたしましても、例えば半日、普通の健常者の人の二分の一勤務すれば、雇用率では二分の一で算定してあげるとか、いろいろなことを通して雇用主にも協力をいただくということはできるのじゃないかと思いますが、この関係について三つほど言いましたけれども、もう時間の関係もありますから、ひとつ簡単に答えてください。
○白井政府委員 お答えいたします。 まず、第一点につきましては、この雇用率達成によりまして、一般の雇用失業情勢の中の失業率を含めまして、一般の人と同じ雇用状況になるということでございます。 それから、二番目の問題でございますが、納付金を支払ったら雇わなくてもいいという思想がもしあるとすれば、この法律の趣旨は、納付金を支払ったといっても、雇用率の制度上身体障害者を雇用する義務は残るわけでございまして、これらの企業に対しましては、雇い入れ計画制度その他に基づきまして、雇用率達成の指導を強力に推進しているところでございますし、今後とも推進してまいりたいというふうに考えております。 それから、パートの問題につきましては、先生の御提言は一つの非常に有効な御提言だというふうに思っております。その率の取り扱いとかいろいろな方法等もございますし、また障害者の障害の種類や程度、希望等に基づくとともに、雇用の場でのいろいろな状態もあるわけでございますので、その雇用の場のあり方等も十分検討してまいりまして、今後前向きの検討課題として勉強してまいりたいというふうに思っております。
○永井委員 次に、重度障害者の雇用を促進する立場から考えまして、保護雇用制度、ヨーロッパにもありますね、そういう保護雇用制度というものを導入すべきではないかと思うのですが、どうですか。これも一言でお答えください。
○白井政府委員 お答えいたします。 保護雇用につきましては、重度障害者の雇用、就業の場を確保する上で国家的な手段であると評価する御意見もございますが、また一方、結果的に一般雇用への移動を少なくして滞留現象をもたらす等の問題があるというような御指摘もございます。昭和五十七年に提出された身体障害者雇用審議会の意見書等におきましても、意見が分かれているような状況でございます。
○永井委員 時間がなくなってまいりました。はしります。 厚生省にお尋ねをいたしますが、障害者の方々のための共同作業所というのは随分全国にあります。実数は私も把握し切れておりませんけれども、当委員会でも私も何回か取り上げてまいりまして、この共同作業所に対する国の助成も対象箇所をふやしてもらいました。しかし問題は、特定の団体に委託して行っているわけでありますから、その団体に属さない共同作業所は全部網の目から漏れていくわけですね。ところが就職もままならぬということから父兄の方々が集まったり、あるいは地域の方々が知恵を出し合ったり、資金を出し合ったりして零細な共同作業所を随分つくっているわけでありますが、そういうところにこそ国の助成というものが必要じゃないか、私はこう思うのですね。 その場合に、団体に加盟していないからなかなかその対象がつかみにくいとか、この業務が円滑に遂行できないという問題点があるとするならば、それこそ地方自治体も存在することでありますから、そういう地方自治体にも協力をいただいてやるべきだと思うのでありますが、やはりあまねく広くこの法の精神を生かすために、この共同作業所に対する補助の執行について、厚生省、簡単に答えてください。
○村岡説明員 御説明を申し上げたいと思います。 いわゆる共同作業所、小規模作業所というものにつきまして、親の会の行います適所援護事業が含まれております。これにつきまして、全日本精神薄弱者育成会を通じまして補助を行っておるところでございます。これについての御質問でございますが、この親の会を通じまして補助をしている理由といたしましては、三点ほど考えておるわけでございます。 まず第一点は、小規模作業所などの精神薄弱者のための地域におきます援護活動におきましては、精神薄弱者の親あるいは親の会の果たす役割が大きい、このような親たちのボランティア活動である適所援護事業を推進、助長することが適当ではないか。二つ目は、親たちを中心とする作業所につきましては、国庫補助が行われましたのは五十二年度からでございますけれども、以前から行われておりまして、今日まで地域におきます援護活動の中心となって活動してきている。それから第三点といたしましては、全日本精神薄弱者育成会は、他にこれに比肩し得るようなもののない規模の精神薄弱者サイドの全国団体でありまして、全国に支部があるあるいは運営がしっかりしているというようなことから、十分な能力のある団体ではないか、こういう事情から、補助する団体としては、これを実施しております全日本精神薄弱者育成会が適当ではないかということで実施をいたしておるところでございます。
○永井委員 今の育成会とかいろいろなところの団体を通して、あるいはほかのいろいろな、今説明がありましたような三点あるのですが、そんなことを聞いておるのじゃないのです。そういうところから漏れていく、網の目から漏れていくような零細のボランティア、善意で集まってやっているような共同作業所をどうやって対象にして援助していくのかということを求めているのであって、今の厚生省が言っているような援助の仕方というのはわかり切った話なのだから、そういう答弁を求めておるのじゃないのだ。もう時間がありませんから答弁は要らぬから、後でどういうふうにするのか私のところへ言ってきてください。 その次に、今回の法改正によって雇用促進事業団から日本障害者雇用促進協会へ業務移管されるわけですね。だから移管される職員の関係についても触れておかなくてはいけないと思うのですが、この移管される職員の労働条件が低下しないように関係労働組合と十分協議してもらわなくてはいけない、業務移管の趣旨が生かされるように、労働省としても十分に指導してもらわなくてはいけないと思うのでありますが、どうですか。
○白井政府委員 お答えいたします。 今回の業務移管によりまして移管される職員の労働条件につきましては、移管に伴いまして低下するようなことがあってはならないと我々は考えております。これらの職員の労働条件等につきましては、関係労使で話し合うべき問題ではございますが、労働省としましても、この話し合いが十分円滑に進められるように環境整備に努めてまいりたいというふうに考えております。
○永井委員 最後に、締めくくりで大臣にお答えいただきたいと思うのでありますが、今厚生省に私が申し上げましたように、この精神薄弱者の方方の共同作業所一つとってみても、本当に善意の固まりでやっているところが多いのですよ。これの所管は厚生省かもしれぬけれども、そういうところにもっともっとそういう法律の精神を生かした国の施策が行き届くように、労働省の側も努力してもらわなければいかぬわけですね。 もう時間が終了になりましたので、きょうはこれ以上言うことはできませんけれども、そういう本当に底辺で頑張っている皆さんに、自立自助ということだけではなくて、国が手を差し伸べることのできるものは、これは厚生省の管轄だ、これは労働省の管轄だということだけではなくて、それこそお互いに連携をとって実のあるものにしていただきたい。これがまず一つです。 そして障害者にとって就職したり社会人として健常者の皆さんと同じように生活できるようになることが大きな夢なのですね。そういうことになってきますと、今回の法改正によって直ちに障害者の方々が全員働くことができるようになるとは私は思いませんけれども、この法律というものは働きたいと願う障害者やその家族にとっては大きな希望を与えていくと私は思うのです。したがって、その希望をまさに灯を消さないようにするために、ひとつ労働大臣が積極的に担当の大臣として、この法改正をさらに実りのあるものにしていくために、これからの対応というものを決意として私は言ってもらいたいと思うのです。
○平井国務大臣 前段で御指摘の点は、共同作業所の問題等々に対する国の支援体制をさらに強化できないかということでございますが、いずれにしましても、結果的にそれが効果を発揮して働かなければ全く意味がございませんので、実態に即して効果的な結果が出ますような方向で、そういう体制は今後順次強化すべきであろうと考えております。 今後の問題でございますけれども、今回の法改正により何もすべて事足れりとは全く考えておりませんで、ただ御案内のように、相当思い切った改正でございますので、職業リハビリテーションの実施体制は相当整備強化されます。そしてまた今後の雇用対策面につきましても、おのずから抜本的な強化ということになるわけでございますが、やはりこういう問題は、この法律すべての底に流れておる趣旨と申しましょうか、やはり社会的連帯感と責任を持ってやらなければ、これは到底効果的でないということでございますので、さらに見直しながら、今後すべてこういう弱い立場の方々があすへの希望を持って十分に働き得るような環境整備、さらには法律の改正、制度、またその運用に当たりましても、法律と制度ができたから、これですべてうまくいくかと申しますと、これは委員も御案内のように、すべてその衝に当たる運用の中身、やはり機動的、弾力的かつ親切にきめ細かく応分の配慮をいたしながら、この趣旨が生かされるような方向で全般的に強化する対策という方向で最善の努力をいたしてまいりたいと考えております、
○永井委員 終わります。
○長野委員長代理 平石磨作太郎君。
○平石委員 まず大臣にお伺いをいたします。 今回の法改正、非常に対象範囲を広められまして、まことに大きな前進である、このように理解するわけです。五十六年、当時国際障害者年、あのとき私は藤尾労働大臣に申し上げたことがあるのですが、「完全参加と平等」、こういうことで障害者年が行われたわけですが、その当時政府に行動計画といいますか長期計画を推進する主要な閣僚でもって組織ができたわけでありますが、そのときに労働大臣がこれに参加してなかった、なぜ参加しないのか、こういったことを国会で取り上げたことがございます。したがって、その当時の状況からいいますと大変な前進である、こういう気がするわけでして、今回新法の対象として、今の身体障害者福祉法あるいはそれぞれの諸法にある障害者を乗り越えて、障害者として、いわゆる機能を喪失したあるいは機能が減退したという者まで対象を広げたわけですが、この理由、それからその対象の障害者、これについて大臣に簡単に一言お願いを申し上げたい。私の時間二十五分ですので、ひとつ御協力をお願いいたします。
○平井国務大臣 改正法案におきましては、「障害者」とは「身体又は精神に障害があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著じく困難な者をいう。」とされておるわけでございまして、これまでは身体障害者雇用促進法の対象とされてきました身体障害者に加えて精神薄弱者、精神障害者等を含み、障害の種類のいかんを問わず職業生活におきまして相当のハンディキャップを有する方々をすべて含む、そういうことを今回の改正法の対象といたしまして、全般的に今申し上げましたような対象について今後国が施策に力を入れていこうということでございます。
○平石委員 それでは局長にお伺いをいたします。 障害者ということについてちょっとお聞きをしておきたいのですが、障害者というのは、申し上げましたように、機能喪失とかあるいは機能が減退したというような場合でございますが、特にこの中で限定をして申し上げますと、身体障害者、肢体不自由児というのは外からわかります。内部疾患を持つ障害者、これは一応手帳によって確認ができると思うのです。ところが今回入りました精神の障害、こういうことでございますが、これも非常に結構なことでして、私これを非常な前進と見ておるわけでありますが、どのようにして把握するか。障害者というのは、病状が固定をする、治療効果が上がらない、だから固定をして残存障害として残ったものが障害なんだ。そうすると、肢体不自由児はわかるのでございますが、精神の障害の場合は、外から見たときに、あなたは精神に残存障害が残っておる、これはわかりません。これをどのようにして把握するか、対象にしていくか。したがって、そこのところは非常に難しいところだが、そこまで踏み切っておられるので、ぜひひとつそのことについても一言お伺いをしておきたいと思うのです。
○白井政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のように、精神の障害、いわゆる精神薄弱者や精神障害者につきましては、雇用促進等を図らなければならない一方、取扱対象として決定するには非常に難しい問題を抱えております。現在安定所で行っております障害者に対します求職登録制度におきましては、精神薄弱者、精神障害者につきましては、本人や保護者の申し出によって初めて登録がなされるという制度をとっておるところでございます。この法律改正後におきましても、原則としては、同様の考え方で職業指導、職業相談等を行ってまいりたいと考えております。 ただ、精神薄弱者につきまして、実雇用率に今度カウントするわけでございますので、その他の援護措置の適用の場合を含めまして、その確認をしなければならないということが不可欠になってくるわけでございますが、精神薄弱者につきましては、精神薄弱者判定機関の判定を基礎としまして、都道府県知事が発行いたしております療育手帳がございます。原則としてこれによって判断してまいりたい。ただ、手帳のない者につきまして、もし希望する者があれば、精神薄弱者判定機関の判定書等によりまして確認をしてまいりたいと思っております。 それから、精神障害者の確認はなおまた難しいのでございますけれども、この場合も、精神障害者が職場適応訓練制度等を利用したいという希望があった場合につきましては、今申しましたように、医師の意見書をもってこの判定をしてまいりたい。そしてこれらの人々につきましては、人権上の問題を引き起こさないように、取扱機関はもちろんでございますが、個人の秘密の保持につきまして、事業主に対しても十分指導してまいりたいと思っております。 〔長野委員長代理退席、浜田(卓)委員 長代理着席〕
○平石委員 大変結構な答弁ですが、そのようにプライバシーの問題もございますから、当然本人その他家族の申し出等を一つの基礎にしてこれを行っていく、こういうことが妥当だと思うわけです。 そこで、私ちょっと紹介申し上げたいのですが、高知県に昭和二十八年ごろから光の村という、精薄者を取り扱い、教育をし、技能をつけ、能力開発を行いながらずっと取り組んでおられるところがございます。これが昭和六十年の四月二十一日に東京にも来ました。全国からそのような子供さんが来ますから、東京の父兄その他がぜひ東京にもつくってほしいということで、六十年の四月に東京にも開設をいたしました。 これはどういうことかといいますと、もちろん厚生省所管でございますから、労働省所管ではございませんので、どうにもなりませんけれども、私が申し上げたいことは、非常に低い労働能力を持っておる方、低いといったら語弊がありますけれども、この方々は確かに相当緻密に、相当根気よく指導していかないと社会進出が難しい、こういうお子さんでございますから、当然のこととして、そういう中で小さいうちからやっていかねばならない、こういうことがその経験知から言えるわけです。したがって、労働省が今回そういった対象を広めて、職業能力ができたと、社会進出ができる年次に達して、これからやりましょう、こうなりましても、現実の場合に機能が働かない。したがって、せっかく法でそのように広めてはいただきましても、対象にはまってこない、こういうことが考えられるわけです。したがって、ここをどのような形でそこまで、何とかやってやれるというようなところまで、この法律を機能さすためにはぜひ考えてもらわねばならないところなんですが、ひとつ御見解を賜りたいと思うわけです。
○白井政府委員 お答えいたします。 幼い精神薄弱者の人々、もちろん子供さんにつきましては、先生御指摘のように、学校でそもそも取り扱うべき問題でございまして、基本的には養護学校等の教育下において教育の一環として行われなければならない、また親御さんの方もそういうことを望んでおられるというふうに思います。しかし一方、職業能力の開発等につきましては、在学中からいろいろな指導が必要なわけでございまして、その在学中の職業評価、職業指導等の職業リハの実施につきまして、その効果的な実施が行われるように、従来から進路指導等の関係を考慮しながら心身障害者職業センターにおける職業評価、それから精神薄弱者特殊学級等の生徒及び保護者に対する特別職業指導、それから職場適応指導等を実施してきているところでございます。これらの連携関係を今後ますます緊密にしてまいりたいと思っておりますし、なお、今回の法改正案におきましては、精神薄弱者を実雇用率にカウントすることのほか、地域の障害者職業センターにおきまして職業準備訓練を行う、それを系統的、総合的に行いまして、就職またはいわゆる一般の職業生活を行うにつきましての能力開発をやってまいりたいと考えておりますので、御指摘の点を十分踏まえてやってまいりたいと思っております。
○平石委員 ここはせっかく広げていただきましたので、効果あらしめるためにひとつよろしくお願いをしておきたいと思うわけです。 それから、そういったお子さんたち、障害者、これは今までもそうでございますが、雇用率が達成できない場合は、いわゆる納付金、こういったことで法律上義務づけておるわけですね。ところがこの資料等を拝見いたしますと、未達成企業が四六%、こういうことが資料の上に出ております。したがって、労働省がこの雇用については、企業に対する指導も相当行われておるということはわかるんでありますが、また雇用率につきましても、若干の伸びというようなことでございまして、それほど顕著なものになっていないということから、企業に対してどのように指導がなされておるものか。そしてこの企業が、先ほどの論議にもありましたが、これから納付金さえ納めればいいじゃないかというような軽い気持ちになってもらっても困るので、そこらあたりをどのようにして指導をやっていかれるか、簡単にお願いをしたいと思います。
○白井政府委員 先生御指摘のように、身体障害者の雇用の促進につきましては、鋭意努力いたしておるところでございますが、率その他から見ますと、必ずしも大幅な伸びを行っていない。残念ながら横ばい状況であるという状況でございます。 一つには、重度障害者が非常にふえてきておるということ。それから精神薄弱者等の雇用の促進につきましては、手間と申しますか手厚い対応をしていかなければならないということ等がございまして、需給がうまくマッチしないという点もあるかと思います。しかし、先ほど御指摘の納付金を納めれば済むということではないわけでございまして、これは先ほども御説明申し上げましたように、未達成企業に対しては雇用率がかかっておるわけでございますから、雇用率の達成につきまして十分な指導をしてまいりたい。そのためにリハビリテーション体制の強化を行いまして、身体障害者の雇用への適応を図りますとともに、企業等に対しましては、十分な雇用率達成につきましての指導を強化してまいりたいと考えております。
○平石委員 雇用率につきましては、従来身体障害者雇用促進法が生まれて以来義務づけられておりますけれども、それはそれなりに困難が伴うからこそ思うように雇用率の上昇はない。したがって、法律でそのように仕掛けはつくり、そのように法の裏づけを持って、一応企業に雇用してもらう、あるいは市町村あるいは県あるいは国、こういった形でそれぞれの裏づけは持っておるわけでございますが、特に今回対象を広められた中で、今答弁にもありました重度の障害者、これも雇用確保については大変な苦労が要るのではなかろうか。だからこそ、先ほど申し上げたように、この重度の障害者——ちょっと資料を見させてもらいますと、六十一年の統計によりますと、求職登録者が四万一千四百十九人、それでそのうちの重度障害者が一万二千九人、ざっと二九%の者がいわゆる重度の障害者である、こうなってきますと、この重度の障害者というのが、障害ということを考えてみますと、これは先年私、労働大臣にも申し上げたのですが、厚生省の所管しております身体障害者福祉法に等級でもって障害等級があるわけです。ところが各法にばらばらの等級表がございますから、労働大臣に対して、これを統一したらどうか、厚生省の所管するあの福祉法の等級を一つの母法として、そしてこれを各法に大体横並びにしてはいかがかということを提言したわけです。 それはほぼできたようでございますから、そこには触れませんけれども、私はこのときの論議のことをもう一回繰り返しますが、そういった障害がだんだんと進行していって、とうとう寝たきりになった、本当の重症になったという場合には、身体障害者手帳を引き上げられる、あなたは身体障害者じゃない、こうなる。そんなことになる場合に、そこまでいったらもう職業能力を失いますけれども、その一歩手前といったような方をどのようにしてやるか。それからもう一つ、今申し上げたいわゆる精神薄弱者。そういったいわゆる職業能力を持ちつつ重症であるという方。それから時間がございませんから、もう一つ申し上げておきます。現在企業で在職中の方が工場その他で機械に巻き込まれたというので障害を受けた、そして途中でそういう障害者になった。この場合に、やはり雇用の安定ということで、今回の法律で継続雇用の助成金が出る、こういう形に前進措置がとられておるわけです。これは結構なことであるのですが、今言ったようなところまで障害が残ってしまったという場合にどうするか。これもあわせひとつお答えをいただきたい。
○白井政府委員 お答えいたします。 先生御指摘の障害のために完全に労働能力を失って、その生活を支えるということは非常に重要な問題であるわけでございますが、今回御審議願っておりますこの法律の対象とします障害者対策は、雇用対策をねらうわけでございまして、障害者が雇用の場におきまして、その能力が十分発揮できるようにしてまいるということでございます。したがって、原則的には、今先生御指摘の点につきまして、これを対象としていくということは非常に困難でございます。これがもし企業の責任または業務遂行上にそういう状態になった場合には、事業主の負担によります労災保険等によりまして年金の支給その他が行われて、その面倒を見ているというのが現状でございます。
○平石委員 今回のこの法律は、いわゆる障害としては、職業能力が大変制限を受けた、こういうことになっておるわけです。それから障害者福祉法の場合は、日常生活に支障がある。そこに違いが出てくるわけですね。したがって、今局長のお答えになったように、企業の中で仕事中そういう形になった、こういう場合はもう職業戦線から外れてしまいます、こういうことにならざるを得ない。したがって、それはその法律でもって措置をしていただきます、こういうことですから、寝たきりとかになりますと、これはなかなか困難だと思います。その手前のところの、いわゆる能力はまだある、こういう方々に対しては、雇用不安にならないように、確かに企業の方で安定的にひとつ十分な仕事にはならないけれども見ていく、こういうことをこの法律の施行に当たっては特に要望しておきたいと私は思うわけです。 したがって、これからそういう方々が多くなってくるという状況を考えたときに、今後のこの法律の適用、運用については、労働省としても相当困難な問題があろうかと思うが、これからは、先ほどの論議にありましたように、だからこそ職業のリハビリテーションその他の機能を十分発揮してもらわねばならぬ。そして現在岡山にもつくろうとしておるようでございますが、機構をつくり施設ができるということでなしに、もっともっと今言ったような問題点があるということを考えていただく。それから若年の労働者は、いわゆる精薄者、そういった障害者については、その当時から、やはり先ほど指摘をいたしましたように、教育と同時に職業戦線に、将来働く場へ進出できるようなところまで御配慮願う、こういうことを申し上げたわけですが、ひとつ大臣、いよいよ最後になりましたが、今言ったことを踏まえて、これからの決意と、さらにこの法律の適用についての労働大臣としての所信、決意をひとつお聞かせいただきたいと思うわけです。 〔浜田(卓)委員長代理退席、委員長着席〕
○平井国務大臣 大変傾聴すべき御指摘をいろいろいただいたわけでございます。特に、このたびの法改正においては、種々御議論ございました中で、職業の指導、訓練、紹介、いわゆる職業リハビリテーションが非常に大きく取り上げられたわけでございますが、先ほども私申し上げましたように、相当強化され、かなりな効果を発揮するであろうとは考えられますが、やはり今御指摘がるるございました中で、重度障害、寝たきり一歩手前、ぎりぎりの接点において、よく考えてみれば、それなりにすき間がありはしないか、これは御指摘のとおりでございまして、そういうことも踏まえて、私はこの制度の運用をでき得る限り機動的、弾力的に、親切に、効果が上がり得るようにやっていかなければならぬ。 いま一つ、当然のことながら、この法律の趣旨に即しまして、やはりこういう方々の社会生活、経済生活に対する参加ということは、基本的に事業主のみならず社会そのものの理解、合意といいましょうか、そういう中において初めて社会的連帯というものができまして、そこでこそ初めてこの制度の運用が効果を発揮する、かように考えておりますので、さような観点から、総合的な考えを持って今後この運用また法律の施行に当たってまいりたいと考えております。
○平石委員 以上で終わります。
○堀内委員長 田中慶秋君。
○田中(慶)委員 身体障害者雇用促進法の一部を改正する法案に関連をしながら質問をさせていただきたいと思います。 精薄者にとっては、身体障害者と同じような形で雇用率制度が適用されることは、長年の念願であり、今回の改正案については、雇用の義務づけを行う者の事業主そのものが雇用をしている場合に、同じような評価がされることになるかどうかということが懸念をされているわけであります。身体障害者に比べて不利な条件というものが一部解消されることにはなっても、雇用の促進というものに対する期待というものが、この法律によって心身障害者に対する期待は大きくなっていても、現実には雇用というものが期待とは大変裏腹な形の中で心配される、こういうことで肝心の雇用そのものの制度が守られているかどうか。あるいはまた守らなげればいけないにもかかわらず、今回の精薄者雇用の促進も進まなくなってくるのではないかという懸念もあるわけですけれども、これらに対してどのようにお考えになっているのか、冒頭にお伺いしたいと思います。
○白井政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のような懸念ももちろんあるわけでございますが、一方、この精神薄弱者を実雇用率にカウントすることによりまして、従来から精神薄弱者を雇い入れて努力しておられる企業の努力に対する評価を上げることにもなりますし、また一方、精神薄弱者を雇い入れるということによって、その実雇用率にカウントするということで、身体障害者と同じように取り扱われるということは、精神薄弱者の雇用の促進を進めることになる。むしろそちらの方が強いのではないかというふうに我々考えまして、踏み切った次第でございます。
○田中(慶)委員 いずれにしても、もう既にこの十年余り経過をされております身体障害者の雇用義務が、現実にはまだその数値さえも守られていない。特にお役所については達成されていても、民間企業そのものがまだ半分以下であるという実態を見たときに、今このような身障者を含めた雇用率アップは大変すばらしいことだと思うのですよ。ですけれども、現実に指導する立場として、これをどのような形の中で推移をし、かつまた雇用の促進を図るかということが大きな課題ではないか。これに対してどのように取り組まれていくのか。たまたまそういう制度はつくっても、仏つくって魂入れずじゃしようがない。ですから、その辺をどのように考えられるのかお伺いしたい。
○白井政府委員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、特に民間等につきましては、近年の雇用失業情勢も反映いたしておりますが、雇用率が横ばいということでございます。企業側の雇用率未達成の中にはあと一人というようなところもございますし、今後のいろいろな指導の仕方等で今後進めていくべき点はいろいろあると思います。さらにそれに対応いたします身体障害者の側にとりましては、先ほどもお話に出ましたが、最近の障害は非常に重度化した障害者が多いということ、それから精神薄弱者等につきましては、これも先生御指摘のとおり、職業に適応させていくにつきましては、非常に手厚い指導を行っていかなければならないということでございます。 それらにつきましては、今回の法改正におきまして、リハビリテーション体制を強化することによりまして、またその他の適応訓練、その他の適応に対する指導を十分準備することによりまして、身体障害者側の適応性を高めてまいりたい、雇用の促進を図れるような状態にしてまいりたい、かように考えております。 それからもう一方、中途障害者、先ほどお話に出ましたが、途中で障害を受けた人々の取り扱いを助成によって強化していく。それからさらに最近は転職その他をされる障害者が多いわけでございますが、それらにつきましての定着指導を強化してまいるというようなことも含めまして、総合的な対応を図ってまいりたいと考えております。
○田中(慶)委員 私がなぜこのようなことを申し上げるかというと、国際障害者年が昭和五十六年で、現実に五年経過しているわけですけれども、この実雇用率を考えたときに、国際障害者年のときには確かに官民一体となってこれに対する啓蒙がされたから伸びた。しかし去年、おととし、特に去年になっても全く伸びがない、これが現実ですね。ですから、こういうことを考えたときに、これからまた身障者の雇用も法的雇用率としてワンポイント上げるわけですから、相当の、皆さん方も含めて、これは啓蒙しなければ、現実には、ただ門戸を開いたけれども何にもならない、こういうことが心配されるわけです。 ですから、先ほどもお話が出ましたように、これに対する未達成のところはお金で解決すればいい、こういう習慣はぜひこれからもなくしていただきたいし、特にそれらに対する企業指導というものをもっと精力的にやらなければいけないであろう、こんなふうに思っております。 また、もう一つは、障害者に対する勤労意欲をわかせなければいけないと思う。例えば障害者年金をちょうだいしている人たちあるいは生活保護をちょうだいしている障害者の人たち、現実におりますね。あるいはまた障害者の施設に入っている人たち、こういう人たちがおります。この人たちがせっかく勤労意欲を持ち、パートに行きあるいは現実に勤められる。ところが、そのことによって今まで以上に逆に年金が少なくなり、あるいはまた生活保護が打ち切られたり、さらにはまた、例えばそれぞれの寮に入っている人たちは逆にその寮費が高くなったりする、勤労意欲を阻害することも現実にあるわけです、こういうことが現実に障害者の今の雇用の問題と裏腹な形の中で法の問題点があるわけです。やはりこういう点は逆に整備をして、勤労意欲を、社会参加をさせるような、こちらにおいては門戸を開いたのですから、税制問題やこれらの問題についてもちゃんとすべきじゃないか、この辺はどう思いますか。
○白井政府委員 お答えいたします。 確かに先生おっしゃるような点は、裏腹としてあることは我々も承知いたしております。これは身体障害者の問題だけでなくて高齢者の問題等もあるわけでございますが、年金の中でも、労災年金等につきましては、その支給が制限されることなく、所得に関係なく支給されるわけでございますけれども、今御指摘の障害者福祉年金等につきましては、これは無拠出という点で、所得保障という点があるのかと思いますけれども、確かに所得によって年金が削られるというようなことになっております。その点等につきましては、十分検討を進めながら、厚生省その他関係機関と協議をする等によりまして、一応対応を検討してまいりたいと思っております。
○田中(慶)委員 例えば極端なことを言って、生活保護者が月四万円ずつにして四十八万円ちょうだいしていたとします。この人たちがパートなりでわずかな収入を得ることによって、それぞれの年金額なり手当額なりが大幅に減額されるのです。ですから、この人たちにとっては、むしろ働かないでそれぞれのものをちょうだいしていた方が生活が楽だと言われる。やはりそういうことであっては、今回の精神だって、何のためにつくったかわからなくなってくる。ですから、こういうことのないように、それは労働省は雇用の促進という立場あるいは厚生省の方は逆に保護する立場というものがあるのかわかりませんけれども、その辺は連携をとってぜひやっていただかなければいけない、こんなふうに思います。 例えばもう一つ、私も実際に経験しておるわけですけれども、身体障害者の人たちが自分たちの仲間で地域作業所をつくっております。高い土地は買えないから調整区域で協力をいただいてプレハブをつくる。ところが現実にプレハブをつくるにしても、今の建築基準法から適用除外をされるものではないわけです。ですから、その人たちが本当にすばらしい自分たちの地域作業所ができて喜んだ、しかし、それは取り壊さなければいけない、こういう例も幾つかあるわけです。ですから、例えば建築基準法の見直しあるいは除外、こういうことも含めて幅広く点検をしていかなければいけないと私は思うのです。今回の単なる雇用率のアップだけではなくして、こういう身障者の人たちあるいはまた精薄者の人たちの雇用の場が大きく拡大するためには、皆さんが雇用促進という立場で、今申し上げたように、建築や厚生省やいろいろな分野にわたって弊害になっている法の整備をぜひこの際やっていただきたい、この辺は大臣に答弁を求めたいと思います。
○平井国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたけれども、今回のリハビリテーション等々の系統的な強化ということで、決してこの問題足れりとしているわけではございませんで、ただいま具体的に御指摘になった共同作業所等の建ぺい率等々も現行法がそのまま適用されておる等々の問題がございます。そういう細部にわたりましては、基本的に申し上げて、やはり各省間において、そういう方々のために十分に有効に働くようなきめ細かい点について今後総合的な対策をもって当たらなければ、一片の法律、制度をもってすべてが効果的に働くというふうには私は考えておりません。したがって、今後そういう御趣旨の方向で十分にきめの細かい対策を立ててまいりたいと考えております。
○田中(慶)委員 大臣からそのような力強い答弁がありましたので、さらに大臣の考え方をお伺いしたいと思います。 現在、円高による大変な不況、厳しい経済環境であるわけであります。雇用情勢は、大臣の所信表明にも言われているように、かつてない三%、こういう形の中で雇用問題が大きく心配されているわけてあります。健常者にとっても失業が増大している。それ以上に増して障害者の雇用の場は大変弱い立場にあるのではないかと思います。こういうことを含めて、これから労働省として、今回の法の改正もその一つかもわかりませんが、もっとこういう人たちに対する拡大をぜひしていだだきたいものだ、こんなふうに考えておりますけれども、大臣の決意のほどを改めてお聞かせをいただきたいと思います。
○平井国務大臣 これはもう御指摘のとおり、ただいまの雇用情勢は健常者、社会全般にとりまして非常に重要な課題でありますと同時に、また先の見通しが非常に難しいときでございます。特にそういう中でこういうふうな障害を持たれた方々の雇用の促進というのは、言うべくしてなかなか容易でございませんけれども、一つには、でき得る限りのその趣旨にのっとった法律改正、また制度を整備する。いま一つは、企業主を初め関係者の方々、広くは社会全般において、こういう方々の社会参加に対する本当の意味の温かい御理解とコンセンサスというものはどうしても欠かせないもの。その中にありまして、役所としては、その方向づけの中で、そういう意思の十二分な浸透、また御協力願うためのあらゆる施策、それも法律でよしとせず、運用面において親切にきめ細かく、実態的に効果が上がるような方向で、また先ほど御答弁申し上げましたような、各省間において、これはもう一省だけでは到底できませんから、十分な連携を持って、総合的な政策を持って対処すべきもの、その方向で最大限の努力をいたしたいと考えております。
○田中(慶)委員 最後になりますが、去る五月十二日の与野党国対委員長会談において、売上税法案の取り扱いについては合意をしているわけであります。したがって、身体障害者雇用促進法改正案の附則第二十九条の規定は事実上の削除となるように解釈しているわけですけれども、この辺についての見解を大臣にお伺いしたいと思います。
○平井国務大臣 ただいま御指摘の点でございますが、この規定につきましては、与野党国対委員長会談の合意に従いまして処置いたします。
○田中(慶)委員 終わります。
○堀内委員長 田中美智子君。
○田中(美)委員 雇用率の達成が非常におくれているということは、障害者にとっては非常に大きなことだと思います。年金だとかいろいろな補助金とか手当とか医療に対する補助とか、こういうようなことは当然のことですけれども、やはり障害を持った方たちが最も願っていることは、働いてみずから自分がお金を取りたいというのが一番の願いなわけですね。これが遅々として進まない。 時間がありませんので、私の方から申し上げますが、八六年の六月の調査、去年の六月の達成率で見ますと、これは三百人から四百九十九人まで、五百人以下の企業では五六・九%、約五七%が未達成、それから千人以下が六六・三%も未達成、それから千人以上の企業では七六・八%という未達成です。大きい企業がこれを達成すれば、数は非常に大きいわけですので、これをこのまま放置しておくということは許されないと思うのですけれども、このように大きな企業ほどこれに対して協力的でないという結果が出ているということを大臣はどのようにお考えになるでしょうか。
○白井政府委員 お答えいたします。 全体的に雇用率の問題につきましては、先ほどからお話があるとおりでございまして、先生御指摘の点もそのとおりでございます。しかし、千人以上の企業につきましても、五十二年から六十一年にかけまして雇用率の伸びの状況を見ますと、0・36%の伸びを示しておりまして、その間、百人未満の企業におきましては〇・〇四%の伸びでございますので、大企業につきましても、伸び率その他では雇用改善が進んできているというふうに思っているわけでございます。 しかし、先ほどからのお話のように、身体障害者の障害が非常に重度化しているというような点におきまして、雇用の促進が必ずしも十分に図られていないという点につきましては、今後の法改正の体制等の整備等も含めまして、雇用率の達成に努めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○田中(美)委員 重度化といいましても、どこの障害によって重度化というふうに考えますと、例えば車いすに乗って両足が全然立たないという方でも一級ですからね。重度化なんですね。しかし、先ほどもちょっとお話ありましたけれども、そういう方でも上半身は正常なわけですからね。こういう方を採用するということは、納付金があれだけあるわけですから、百億以上、二百億あるわけですから、これはもうちょっと車いすが通れるようにすれば、健常者と同じように働くわけですから、重度化しているからできないんだということは、もう理屈にならないのですね。 それで〇・三六%で、こう言いましても、この十年間というもの——こういうもので多少いいなどというような国会答弁では、やはり障害者にとってはむしろ怒りになるのではないかと思います。机上の数字でいけばちょっとはよくなっているじゃないかと言うかもしれませんけれども、〇・三六とか、こんなふうな答弁ですと、障害者が聞いていらしたら、やはりそれは怒りになるというふうに思う。障害者の心理というものをもう少し考えてやっていただきたいと思うのです。 それで、これは一九七五年の十二月二十五日、そちら十分御存じ、そちらが、労働省がやってくださったことですが、共産党・革新共同の議員があの当時何遍も予算委員会でも社労でもあちこちで取り上げまして、あのときはまだ努力義務だったのですね。そのときに雇用率を〇・五%以下しか達成していない悪質な企業を公表せよということで労働省が踏み切ってくださった。あの当時、百十五カ所の、これは事業所でしたけれども、企業名を公表しました。今百十五カ所全部挙げることできませんけれども、例えば、その中には三菱の本社とか丸紅の本社とかモービル石油の本社とか日本製鋼の本社とか日本セメント本社とかヤクルト本社とか新日本証券本社とか、こういうのがずらっと百十五社、労働省が発表なさった悪質な企業公表があったわけです。その後、これが努力義務ではなくて法的な義務になったわけです。義務になってからも、まだ達成率が千人以上だったら約七七%も達成していない。ですから、ぎりぎりのところでまだ未達成になっているのもあるでしょう。しかし、この中には必ず悪質なものがあるはずですね。あれから十年もたっておりますのに一度も企業名が公表されない。あのときにやはり悪質なものは企業名を公表するというお約束もしているわけですね。そういうお約束をしていない努力義務のときにやれと言ったときにやってくださったのに、その後やるということになってから一度もやられないということは、私は何としても納得できないわけです。これは例えばで百十五の中からたまたま取り上げたんで、別に他意があってこの企業を取り上げたわけではありません。例として言ったわけですね。ですから、こういうふうな企業というのがその後どうなっているか。事業所と企業が一体になればあれですけれども、悪質なものがあるではないか、それをなぜ今すぐ公表しないのか。この百十五の事業所というのは、その後ちゃんと指導して十年間の間に悪質でなくなっているのかどうか、この二つのことを——もう一度言いますけれども、前、公表されたものが努力の結果悪質でなくなってきているのか。その後いろいろ悪質なものがあったら、これはやっぱり公表する努力をしているのかどうか。公表してほしいということ。これは公表ということになれば、大臣がどうしても決断していただかなければなりませんので、この公表のことは大臣にお答え願いたいと思います。
○白井政府委員 お答えいたします。 ちょっと先ほど私の言い方が悪かったのかもしれませんが、〇・〇四%の伸びというのは、五十二年から六十一年の間の百人未満の企業においては〇・〇四だったけれども、千人以上の企業におきましては〇・三六の伸びということでございまして、これが伸びが高いというようなことを言っているわけでなくて、千人以上の規模の企業につきましても努力が進められているということを申し上げたのでございますので、訂正させていただきます。 それから、雇用率の問題でございますが、未達成企業に対しましては、雇用率の特に低い企業に対しまして、御存じのとおり雇い入れ計画の作成命令その他勧告を実施いたしているところでございまして、都道府県の幹部職員等が集中的に個別指導を行っております。その指導の結果、これら勧告企業の身体障害者の雇用状況は、全般的にはかなり改善してきており、大部分の企業が身体障害者雇用に積極的に取り組んでいる、こういうふうに見ているところでございます。
○平井国務大臣 ただいま局長からも順次改善はされておるということで御答弁申し上げたわけでございますが、今委員御指摘の企業名の公表はどうかということでございますけれども、これは単に社会的制裁を加えることのみを目的とするものではございませんで、やはり公表を前提とするこの指導によりまして、企業が身体障害者、障害者等の雇用に積極的に取り組むようにすることが本来的な趣旨であろうかというふうに考えております。したがって、雇用改善状況がなお不十分と判断される企業に対しましては、今後とも労働省幹部によりまして直接指導を行う等、さらに指導を強化してまいりたい、かように考えております。
○田中(美)委員 ここは国会ですので、大臣、やはり公表を前提にしてという、これはまくら言葉であって、改善されているといっても、これも今申し上げましたように、約七七%が未達成だというのは、前がいかに悪かったかということで、それがちょっとよくなったということで、改善されていますなどというような言い方というのは、やはり障害者の神経を逆なですると思うのです。努力をしているけれども、この程度上がったけれども、まだ不十分だ、こう言わなければ、全般的には改善を見ていますなんて、これはやはり労働大臣の言う言葉ではないですね。 ですから、やはりここは国会なんですから、指導の過程は、何も私もこういうふうに三菱本社と名前を出せとか、こういうふうに出したらいい気味だ、こういうつもりで言っているんじゃないんですよ。私だってやはり本当は、公表するぞ、だからちゃんと直せということです。しかし、大臣からすれば、その決意のほどというのが、障害者は国会の大臣の答えに期待をしているわけですから、やはり指導してもどうしても言うことをきかない場合には公表するのだ、こういう言い方をしなければ、指導の過程の中では、確かに公表を前提にしながら、公表するぞ、だからやれ、こうかもしれませんけれども、大臣の姿勢というものが、これが政治に対する信頼というものを深めていく。大臣たる者、やはりそこで、実際は公表しないのだけれども、するぞとおどしながらやるんだ、こういう姿勢ではなくて、結果的にはそうなったにしても、やはり公表するんだ、指導に従わないというようなものは公表するんだということをはっきり言ってほしいと思うのです。私は悪質な数字の悪いのはあしたすぐ公表せよと言っているのじゃないのです。徹底的な指導をしてほしい、こういうふうに思っているのです。もう少し大臣としての——だてでなっているわけじゃないでしょう。国民は期待しているのですよ。ですから、ちゃんとした期待にこたえるような立派な答えをしていただきたいと思う。決意をしていただきたいと思います。
○平井国務大臣 労働大臣にだてで就任しているかどうか、これは私が判断するところではございませんが、率直に申し上げて、企業名の公表というのが目的でございませんで、先ほど来当委員会で御答弁申し上げましたように、単に未達成企業を責めるのみでなくて、この問題の効果的な方向づけというのは、当然今回の改正案に盛り込まれましたような実態に即したリハビリテーション等々の対策、制度、施設の強化、さらには先ほど来申し上げておりますような企業主を初めとするこの問題に対する国民的な理解、社会的な連帯において、そこのところを役所としてはでき得る限り指導を強化して、実のあるものにすべきでないかというのが総合的な私の考え方でございまして、一カ所だけを取り上げて企業名を公表することが、そのまま即雇用率向上につながるとは私即断いたしておりませんで、先ほど申し上げましたように、この法律、こういう問題の趣旨に照らして考えました場合には、私は企業名は絶対に公表しないということは申し上げませんけれども、そのことにおいてさらに指導を一層強化するのみならず、やはり総合的な政策、対策、制度、運用、御理解ということでなければ実効は上がらない、かように考えております。
○田中(美)委員 ちょっと話をそらさないでいただきたい。私は何も公表さえすれば雇用率が達成するなどとは言っておりません。話をそらさないでください。 今度の法案については、私は質問時間が非常に少ないわけですから、全般にわたっては言えないわけです。だから賛成ということははっきりと表明しているじゃないですか。そちらのある程度の努力というものに対しては評価していますので、これには賛成しているではありませんか。しかし、この前あのときに公表するということになっていながら、はっきりと約束できない。幾ら指導しても言うことをきかない場合には公表するというのは当然だというふうに思います。しかし、時間がありませんので、法改正になりまして公表することが義務づけられていても、大臣がこれに対して堂々と、言うことをきかない場合には公表すんだと言うぐらいの強さを持たなければ、先ほどもどなたかがおっしゃっていたように、仏つくって魂入れずというようなことになる心配というのがある。雇用率がちっとも進んでいかないということが続いていくんではないかと思います。 時間がもうありませんので、最後に一言言いますが、今度は法定雇用率が来年からほんのちょっとですが上がりますね。そうしますと、まず官庁ですね、労働省なり厚生省なり官庁もすぐ上げなきゃなりませんね。そうすると、来年ですので、来年の四月からですので、四月になってから採用を一生懸命しようとして一年間ほっておくのではなくて、来年の四月に二%になるんだということは今からわかっているわけですので、今から採用の努力をして、四月一日までにはぴたっと二%達成できるようにできますか。その点お答えください。
○小倉説明員 お答えいたします。 来年の四月から〇・一、民間、官公庁等とも引き上げということは、昨年の秋の五年ごとの雇用率の見直しの中で審議会から御答申をいただいたところでございます。したがいまして、来年の四月から〇・一、それぞれ引き上げに向けまして、ことしの秋に政令改正を行うわけでございます。したがいまして、その政令改正とあわせまして、それが政令で決まりましたら、正式にそれぞれの機関へ通知をいたしまして、来年の採用の時期までに守られるように指導してまいることとしておるわけでございますが、それでは遅過ぎるわけでございまして、昨年の秋、審議会から答申が出ましたときに、そういうふうになる予定だからということで、各省庁の連絡会議等々で周知徹底を図っているところでございます。
○田中(美)委員 じゃ大臣、その点、労働省だけの大臣ではありませんので、各官庁が来年の四月一日にはきちっと二%達成できるようにきちっとした御指導を願いたい。その決意をお聞きいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○平井国務大臣 ただいま室長が御答弁申し上げましたような方向で措置いたしたいと考えております。
○堀内委員長 以上で両案件に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○堀内委員長 これより両案件を討論に付するのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○堀内委員長 この際、本案に対し、長野祐也君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 趣旨の説明を求めます。池端清一君。
○池端委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は本法の施行に当たり、障害者の雇用の促進と安定を図るため、次の事項について、その実現に努力すべきである。 一 雇用率達成指導の強化に努め、障害者の雇用に消極的な企業については、企業名の公表制度の活用についても十分に検討すること。 二 特に重度の障害者の雇用の促進が図られるよう、今後とも、障害の種類・程度に応じた諸対策の充実強化に努めること。 三 障害者の雇用の安定を図るため、就職後の定着指導等のフォローアップに努めること。 四 公共職業安定所、障害者職業センター、障害者職業訓練校等における職業リハビリテーション体制の整備及びサービスの一層の充実強化を図ること。 五 マイクロエレクトロニクス等産業構造の変化に対応した障害者の職域開発の推進を図ること。 六 職業リハビリテーション関係業務、納付金関係業務等が的確に遂行されるよう日本障害者雇用促進協会を十分に指導すること。 七 精神薄弱者の雇用の促進等を図るための条件整備対策を引き続き推進するとともに、精神障害者等の雇用に関し調査研究に努めること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 この際、平井労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。平井労働大臣。
○平井国務大臣 ただいま決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。 —————————————
○堀内委員長 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件について採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました両案件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○堀内委員長 労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。 本件につきましては、先般来各会派間において御協議をいただき、意見の一致を見ましたので、委員長において草案を作成し、委員各位のお手元に配付いたしてございます。 その起草案の趣旨及び内容につきまして、委員長から簡単に御説明申し上げます。 現在、勤労者の持ち家取得については、依然として立ちおくれが見られます。一方、十兆円に達する勤労者財産形成貯蓄を原資とする勤労者財産形成持家融資制度は、いまだ十分に利用されておらず、その一層の活用が強く求められております。 本案は、このような実情にかんがみ、勤労者の持ち家取得を促進し、あわせて当面の課題である内需拡大の要請にこたえるため、勤労者財産形成持家融資制度の拡充等を図ろうとするもので、その主な内容は次のとおりであります。 第一に、持ち家取得のための資金調達を容易にするため、勤労者財産形成持家個人融資の貸付限度額を勤労者財産形成貯蓄等の五倍に相当する額から、十倍に相当する額の範囲内の一定の額に引き上げるものとすること。 第二に、勤労者財産形成持家融資に係る貯蓄期間の要件を、三年以上から一年以上に緩和するものとすること。 なお、この法律は、公布の日から施行するものとすること。 以上が、本起草案の趣旨及び内容であります。 ————————————— 勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○堀内委員長 この際、お諮りいたします。 お手元に配付いたしております草案を勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案の成案とし、これを委員会提出の法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立総員。よって、さよう決しました。 なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時四十四分休憩 ————◇————— 午後一時六分開議
○堀内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 本日付託になりました田口健二君外五名提出、原子爆弾被爆者等援護法案並びに内閣提出、臨床工学技士法案、義肢装具士法案の各案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。田口健二君。 ————————————— 原子爆弾被爆者等援護法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○田口議員 私は、ただいま議題になりました原子爆弾被爆者等援護法案につきまして、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合を代表いたしまして、その提案の理由を御説明申し上げます。 昭和二十年八月六日、続いて九日、広島、長崎に投下された人類史上最初の原爆投下は、一瞬にして三十万人余の生命を奪い、両市を焦土と化したのであります。この原子爆弾による被害は、普通の爆弾と異なり、放射能と熱線と爆風の複合的な効果により、大量無差別に破壊、殺傷するものであるだけに、その非人道性ははかり知れないものがあります。たとえ一命を取りとめた人たちも、この世の出来事とは思われない焦熱地獄を身をもって体験し、生涯消えることのない傷痕と、原爆後遺症に苦しみ、病苦、貧困、孤独の三重苦に悩まされながら、今日までようやく生き続けてきた、というのが実感であります。 被爆から四十二年目を迎えようとしている今日に至るまで、国は原爆で亡くなられた方々や、その遺族に対し全く弔意をあらわしておりません。一家の支柱を失い、途方にくれる遺族に、特段の生活援助もしておりません。ここに現行二法の最大の欠陥が指摘できるのであります。国家補償に基づく被爆者援護法を求める広範な国民の不満は、なぜ軍人軍属など軍関係者のみを援護し、原爆の犠牲者を差別して処遇するのか、戦時諸法制から見て、全く納得がいかないという点にあります。本法案提出に当たり、私はこの際、まず国家補償法の必要性について明らかにしたいと存じます。 国家補償の原則に立つ援護法が必要な第一の理由は、アメリカの原爆投下は国際法で禁止された毒ガス、生物化学兵器以上の非人道的兵器による無差別爆撃であって、国際法違反の犯罪行為であるということです。したがって、たとえサンフランシスコ条約で、日本が対米請求権を放棄したものであっても、被爆者の立場からすれば、請求権を放棄した日本国政府に対して国家補償を要求する当然の権利があると考えます。しかも、原爆投下を誘発したのは、日本軍国主義政府が起こした戦争なのであります。我々がこの史上最初の核爆発の熱線と爆風、そして放射能によるはかり知れない人命と健康被害に目をつぶることは、被爆国としての日本が恒久平和を口にする資格なしと言わなければなりません。 第二の理由は、既に太平洋戦争を体験している年代も数少なくなり、ややもすれば戦争の悲惨さは忘れ去られようとしている現状であります。原爆が投下され、戦後既に四十二年日を迎えようとしている今日、被爆者にとってはその心身の傷跡は永久に消えないとしても、その方々にとっては援護法が制定されることによって初めて戦後が終わるのであります。 私たちは以上のような理由から、全被爆者とその遺族に対し、放射能被害の特殊性を考慮しつつ、現行の軍属、準軍属に対する援護法に準じて、原爆被爆者等援護法を提案することといたしたのであります。 次に、この法律の内容の概要を御説明申し上げます。 第一は、健康管理及び医療の給付であります。健康管理のため年間に定期二回、随時二回以上の健康診断や成人病検査、精密検査等を行うとともに、被爆者の負傷または疾病について医療の給付を行い、その医療費は、七十歳未満の被爆者については現行法どおりとするとともに、老人被爆者についても、老人保健法にかかわらず、本人一部負担、地方自治体負担を国の負担といたしました。 第二は、医療手当及び介護手当の支給であります。被爆者の入院、通院、在宅療養を対象として月額十万円の範囲内で医療手当を支給し、また日常生活に介護を必要とする者には月額十万円の範囲内で介護手当を支給し、家族介護についても給付するよう措置したのであります。 第三は、被爆二世または三世に対する措置であります。被爆者の子または孫で希望者には健康診断の機会を与え、さらに放射能の影響により生ずる疑いがある疾病にかかった者に対して、被爆者とみなし、健康診断、医療の給付及び医療手当、介護手当の支給を行うことにしたのであります。 第四は、被爆という特殊な被害に着眼した国家補償として、被爆者年金を支給することであります。全被爆者に対して、政令で定める障害の程度に応じて、年額最低三十二万八千八百円から最高六百八十一万千八百円までの範囲内で年金を支給することとし、これに現行の小頭症手当、健康管理手当、及び保健手当を統合いたします。 第五は、特別給付金の支給であります。本来なら死没者の遺族に対して弔意をあらわすため、弔慰金及び遺族年金を支給すべきでありますが、当面の措置として、それにかわるものとして百二十万円の特別給付金とし、五年以内に償還すべき記各国債をもって交付することにいたしました。 第六は、被爆者が死亡した場合は、二十万円の葬祭料を、その葬祭を行う者に対して支給することにしたのであります。 第七は、被爆者が健康診断や治療のため旧国鉄の旅客会社を利用する場合には、本人及びその介護者の運賃は無料とすることにいたしました。 第八は、高年齢被爆者、小頭症その他の保護を必要とする被爆者のため、国立原子爆弾被爆者保護施設を設置し、国の負担で保護すること。被爆者のための相談所を都道府県が設置し、国は施設の設置、運営の補助をすることにいたしました。 第九は、厚生大臣の諮問機関として、原爆被爆者等援護審議会を設け、その審議会に被爆者の代表を委員に加えることにしたのであります。 第十は、放射線影響研究所の法的な位置づけを明確にするとともに、必要な助成を行うことといたしました。 第十一は、日本に居住する外国人被爆者に対しても本法を適用することにしたのであります。 なお、この法律の施行は、昭和六十三年一月一日であります。 以上がこの法律案の提案の理由及び内容であります。 被爆後既に四十二年目を迎えようとしている今日、老齢化する被爆者や遺族に、もう時間はありません。再び原爆による犠牲者を出すなという原水爆禁止の全国民の願いにこたえて、何とぞ慎重御審議の上、速やかに可決されるようお願い申し上げます。
○堀内委員長 斎藤厚生大臣。 ————————————— 臨床工学技士法案 義肢装具士法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○斎藤国務大臣 ただいま議題となりました臨床工学技士法案について、その提案の理由及び内容の概要を御調明申し上げます。 近年、医療機器は目覚ましい進歩を遂げ、医療の重要な一翼を担うようになってまいりました。特に、人工透析装置、人工心肺装置、人工呼吸装置等人の呼吸、循環または代謝の機能を代替または補助するために使用される生命維持管理装置は、医療の分野に新たな可能性を開くものとして大きな役割を果たしております。 しかし、生命維持管理装置の操作及び保守点検には、単に医学的知識ばかりでなく、工学的知識も必要とし、装置そのものも時代とともにますます高度かつ複雑なものとなってきております。 この法律案は、このような現状にかんがみ、新たに臨床工学技士の資格を定めるとともに、その業務が適正に運用されるようにしようとするものであります。 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。 第一に、この法律案において臨床工学技士とは、厚生大臣の免許を受けて、臨床工学技士の名称を用いて、医師の指示のもとに、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行うことを業とする者をいうこととしております。 第二に、臨床工学技士になるためには、臨床工学技士国家試験に合格し、厚生大臣の免許を受けなければならないこととしており、国家試験を受験するためには、高等学校卒業後、一定の養成所等において、三年以上臨床工学技士として必要な知識及び技能を修得すること、大学において一定の科目を修めて卒業したこと等を必要としております。 第三に、国家試験の実施に関する事務は、厚生大臣の指定する者に行わせることができることとしております。 第四に、臨床工学技士は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携に努めなければならないこととするとともに、臨床工学技士でない者は、臨床工学技士という名称またはこれに紛らわしい名称を用いてはならないこととしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、ただいま議題となりました義肢装具士法案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 近年、リハビリテーション医療の分野において、義手、義足、ギプス等の義肢装具を手術直後の患者に装着して早期訓練を行うことにより、円滑な社会復帰を促進することを可能とする、いわゆる超早期リハビリテーションが普及、定着しつつありますが、これに伴い、義肢装具を製作し、身体に適合させる等の業務に従事する者が臨床の場において重要な役割を果たすようになってまいりました。 また、義肢装具は近年ますます高度かつ複雑なものとなってきており、個々の患者に適した義肢装具の製作適合等を行うには高度の専門的技術が必要とされております。 この法律案は、このような現状にかんがみ、新たに義肢装具士の資格制度を定めるとともに、その業務が適正に運用されるようにしようとするものであります。 以下、この法律案の主な内容について御説明申し上げます。 第一に、この法律案において義肢装具士とは、厚生大臣の免許を受けて、義肢装具士の名称を用いて、医師の指示のもとに、義肢装具の製作適合等を行うことを業とする者をいうこととしております。 第二に、義肢装具士になるためには、義肢装具上国家試験に合格し、厚生大臣の免許を受けなければならないこととしており、国家試験を受験するためには、高等学校卒業後、一定の養成所等において、三年以上義肢装具士として必要な知識及び技能を修得すること等を必要としております。 第三に、国家試験の実施に関する事務は、厚生大臣の指定する者に行わせることができることとしております。 第四に、義肢装具士は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携に努めなければならないこととするとともに、義肢装具士でない者は、義肢装具士という名称またはこれに紛らわしい名称を用いてはならないこととしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○堀内委員長 ただいま議題となりました各案とあわせて、内閣提出、児童扶養手当法等の一部を改正する法律案、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案の各案を議題とし、これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大原亨君。
○大原(亨)委員 たくさんの法律を短時間で質問するわけですから、答弁の方もひとつ的確にお願いします。 三法案のうち、最初に私が質問いたしますのは、原爆関係の二法案であります。このことにつきましては、野党を代表いたしまして田口委員から修正案を提案いたしております。その修正案の趣旨を踏まえながら、原爆二法案にどう対応するかという質疑を展開いたしたい。 それらの問題の中で議論された問題の第一は、原爆の生存者並びに死没者に対する実態調査の件であります。これは昭和四十年、五十年というふうに、戦後二十年、三十年、それぞれ生存者の調査をいたしまして、それに基づいて、そのときに対応する施策を展開してきたわけです。昭和六十年は第三回目、戦後四十年でございまして、残った被爆者の方々もだんだんと高齢化いたしております。今回の調査の中には、生存者の調査以外に死没者調査を含む、こういうことを昭和五十九年以来の国会におきまして論議をして、あるいは決議等を続けてきたわけであります。 死没者調査につきましては、ここにも当時の議事録があるわけでありますが、当時渡部厚生大臣、今一生懸命仕事をしておられますが、渡部厚生大臣は、言うなれば素人の厚生大臣でございます。しかし、非常に純情で新鮮な感覚を持って厚生行政に当たった人であります。印象的であります。その渡部厚生大臣が、日本は唯一の被爆国である、原爆という爆風や熱線や、そして他の爆弾にはない放射能、第二次放射能障害、残留放射能障害等を含めまして、これは言うなれば、人類の死活をかけた最後の爆弾と言われておりますが、その原子爆弾によって受けた被害を、唯一の被爆国である日本としては、生存者だけでなしに死没者を含めて調査をして、国がそのデータを集計いたしまして、できるならば、原爆被災白書を政府の手でつくりたい、こういうことを昭和五十九年の国会で答弁をされたのであります。当時私が質問に立ちました。そしてその年の八月六日広島で、あるいは八月九日長崎で、それぞれ総理大臣初め厚生大臣は現地で記者会見をいたしまして、そのことを明確にしたわけであります。それ以来、昭和六十年から始めましても時間がたっておるわけですが、それらの調査の推移、現在どういう段階にあるのか、そして第二は、これからどういう見通しで解析や集約を取りまとめをしていくのか、こういう点についてまずお答えをいただきたいと思います。
○仲村政府委員 原爆被爆者の実態調査の実施状況についてのお尋ねでございますが、御指摘のとおり、昭和六十年に三度目の生存者調査を行ったわけでございますし、同時に初めての死没者調査を実施したところでございます。 生存者調査につきましては、六十年の十月三日を調査日といたしまして、調査を実施いたしまして、回答数が三十一万三千四百九十九人ということでございまして、八六・七%という高い回収率を上げることができております。現在、実態調査の委員会というのを設けまして、集計結果をお諮りいたしまして、報告書の取りまとめを進めているところでございまして、できるだけ早い時期に公表をしたいと考えているところでございます。 一方、生存者調査とあわせて実施いたしました調査票によります死没者調査の回答数でございますが、二十八万六千八十七人、回収率で申し上げますと七九・一%という数字でございました。これにつきましては、現在、広島市及び長崎市において既にございます資料との照合等、整理を進めておるところでございまして、これの取りまとめにつきましては、なおもう少し時間を要するものと考えているところでございます。
○大原(亨)委員 二つに分けてお答えですが、生存者の、言うなれば集計、解析等を行って、その取りまとめを発表するということについては近い時期、こういうことでありますが、具体的には本月あるいは来月中ですか。
○仲村政府委員 最終的に資料の印刷等を含めまして、今月あるいは来月というぐらいのめどで作業を進めておるところでございます。
○大原(亨)委員 死没者調査につきましては非常に難しいわけですね、だれが考えても。瞬間的に原爆の直撃で死んだ人、それから原爆の熱線や爆風や放射能の瞬間的な影響を受けて、爆弾の影響を受けて、その直後に死んだ人あるいは一定の、例えば脱毛とか血便、高熱、血尿とかいろいろな症状を繰り返しながら、あるいはケロイドのそういう状況を繰り返しながら、その後五年以内とか、そういう順次特徴のある、特に原爆等が多いわけですが、白内障とか白血病が多いわけですが、そういう経過をたどって亡くなった人、そういう点について考えてみましても、極めて原爆の影響が深刻であるということの証拠でありますけれども、死没者の調査は難しいと思うわけですね。 この問題については、いつごろを目標にして、だんだんと年数はたっておりますが、おやりになるのか。これは私はもう今回を除いては、政府が取りまとめて、唯一の被爆国である日本が被爆の状況はこうであったという点を歴史に残す、人類に残す、そういうことはもう今回が言うなれば最後の機会であると私は思うのです。ですから、難しいのですが、できるだけ正確にやって、そして立派なものを残してもらいたいと思うのです。そういう面において大体どのような見通しを持って作業を進めておるか、もう少し具体的に御答弁ください。
○仲村政府委員 御指摘の死没者調査でございますが、先ほどお答え申し上げましたように、生存者調査と一緒に実施した調査票による死没者調査ということにつきまして、先ほどお答え申し上げたような回収率七九・一%という数字を御協力によりまして得ることができたわけでございます。それと、現在広島市及び長崎市において、これまで実施されてきております被爆者の動態調査というのを市が持っておりますが、そのデータと照合を進めておるところでございます。これは今先生おっしゃいましたように、過去の記憶に基づいて御報告いただいたこともございますので、いろいろな形で照合を進めておるところでございますけれども、これがなかなか短期間に作業が終了するというふうなことにはまいらないような、御指摘のとおりかなりな困難なような状況でございます。したがいまして、私どもといたしましては、広島、長崎両市の御協力を得まして、私どもの目標といたしましては、六十三年度中に取りまとめる方向で努力をいたしたいというふうに考えておるところでございます。
○大原(亨)委員 この死没者調査を含めて、実態調査をより立派で正確なものを完成していただくために、私が去年でしたか、質問のときに申し上げたことがあります。 というのは三年前でしたか、国会議員団の調査でワシントンに参りましたときに、特別に私がスケジュールを設けまして、アメリカの公文書館、国会図書館、ペンタゴン、学士院その他を厚生省の皆川君という書記官が案内いたしまして一緒に調査したことがございます。アメリカは日本とは違いまして、日本は国家機密法を先につくろうというのですが、しかしアメリカは情報公開法というのがもう立派にできておりまして、国防関係であっても何であっても、特別なものを除きましたら、二十年、三十年で公文書館に全部集まるような仕組みになっております。その公文書館の資料の中に、アメリカのマンハッタン管区調査団というのがございまして、アメリカは原爆を初めて三個ほど開発をしてつくったわけですが、それをテニアン島からB29で広島、長崎に二つ落としたわけであります。その製造から使用から影響に至るまで全部を調査しまして、放影研、ABCCもそういう流れを一つはくんでおるわけでありますが、その調査をしたマンハッタン管区調査団資料というのがございます。この調査団が戦後日本に占領軍と一緒に入ってまいりまして、そして都築博士とか仁科博士とかそういう原子力の研究者はもちろんですが、医師とか各界の学者の協力を求めて、政府が協力いたしまして、資料をかき集めまして、そしてアメリカは専門家を連れてまいりましたから、それをアメリカに持って帰りまして、今ずっと情報として、つまり税金を使った情報ですから、いずれは公開するのだという建前で行政をやっているということなんですが、公文書館に集めてあるわけであります。これは整理をいたしますと、国会図書館に入ってくるわけですが、整理をすることができないほど膨大なものであって、マイクロフィルムその他に入れてある部分とない部分があるわけです。 ですから、私もせっかく皆川書記官を一緒に連れて行ったわけで、やりとりを聞いておるわけでありますから、ぜひ日本としましては、そのデータを読み取り解析できるように、できるだけそれをフィルムにおさめて日本に持って帰ってこの実態調査の資料にしてはどうか、こういうことを提言したことがございます。この点についてもし報告すべき経過があればお答えいただきたいと思います。
○仲村政府委員 昨年のこの法案の御審議の際にも先生から御指摘がございました。今おっしゃいましたように、アメリカにございます日本大使館に依頼いたしまして、そのようなことについての調査をいたしましたところ、アメリカ公文書館に原爆被災関係の資料といたしまして、原爆製造計画に関する資料を集めましたマンハッタン管区資料というものと、戦略爆撃機調査団報告の一部として、そのような関係資料が保管されておるということのようでございます。 そういうことが先生の御指摘もございました結果判明いたしましたので、私どもから大使館を通じまして、関係資料の収集をしてくれということでお願いをしておるところでございます。お話に出ました皆川書記官、まだアメリカにおるわけでございまして、そこへ行っていただきまして、公文書館に潜り込んでいろいろ資料を探しておるというのが実態のようでございますが、今先生もおっしゃいましたように、資料の整理が必ずしも十分し尽くされておらないという点もございまして、的確に資料を収集することは必ずしも容易でないようでございますけれども、若干ずつ被災関係資料を収集できている部分もあるようでございます。したがいまして、このような関係の資料の収集がかなりのところまでもし進捗するといたしますれば、その点につきましても、広く関係者の閲覧に供すればいかがかということで、今在米日本大使館にお願いをしておるところが実態でございます。
○大原(亨)委員 大臣、以上ですが、歴代の厚生大臣も昭和五十九年以来の国会の審議を踏まえて非常に努力をされておりますし、予算も計上されておりますし、全国的な協力を得ておるわけであります。 そこで、大臣としては、生存者の実態調査、それから死没者を含めての実態調査、そして立派な白書を国の手で残すことは、これは被爆者に対する言うなればその気持ちにこたえる道でもあるし、政策の裏づけというだけではなしに、唯一の被爆国として日本としては大きな意義があるというふうに思いますが、大臣としては、ぜひお答えになりましたようなことについての日程をできるだけ早めて、立派なものをつくるために大臣としての職責を果たしていただきたい、こういうふうに希望いたしますが、所見をお伺いいたします。
○斎藤国務大臣 昭和六十年度から始めました原爆被爆者の実態調査、そのうちで生存者の調査、また死没者の調査、この死没者の調査は今回初めて行ったものでございますが、いずれもただいま御説明申し上げましたような形でそれぞれその集計に鋭意努力をいたしておるところでございます。また国内に散らばっております関係の資料を収集いたす作業、また今御指摘のございましたアメリカにおきます資料等も収集をする努力を今続けておるわけでございまして、この原爆被爆の実態を正しく伝えることは、被爆者に対する弔意を示すものとして大変大事であるというふうに受けとめております。 これらの資料をどのように集大成し、またどのように保管をしていくかというようなことについて十分検討し、また広島市や長崎市の関係者とも御相談をいたし、そしてこれらの資料を集大成し、そして原爆被爆の実態を後世に正しく伝えていくということといたしたい、こういう気持ちでこれから取り組んでまいりたいと考えております。
○大原(亨)委員 私どもは中曽根内閣はできるだけ早くやめてもらいたいという気持ちでありますが、しかし厚生大臣は長く頑張ってもらいたい、粘り腰だけは倣って頑張ってもらいたい、こう思います。しかし、それぞれの時間的限界で職務を果たされるわけですから、それが後に続きますように格段の御努力をいただきたいと思います。 昭和六十年に十年ごとにやりました大調査の生存者調査と死没者調査全体を見て、大切な施策として考えることについて申し上げたいと思うのです。 というのは、これは必ずしも大臣でなくてもいいのですが、大臣、原爆というのは、あの写真でわかるように、熱線、これは三、四千度というのですが、千五、六百度で鉄は溶解するのですから。爆心地はその三、四千度の熱線と、それから爆風は中心部は三十五トンくらいの重圧です。それと放射能の障害です。ですから、奇跡的に残っている人もあるわけですが、一定の地域の人は皆死ぬ、あるいは重度の障害を受けるということですから、家も一緒にやられるということですから、よく言われるように、原爆孤老とか社会的に非常に孤立をしてきた人が残っている人には多い、これは当然のことであります。それから原爆を受けた人はいろいろな機能障害を受けるわけです。放射能障害を受けるわけです。二次放射能、残留放射能の影響があるわけです。俗に加齢現象と言われております。あるいは原爆ぶらぶら病とかいって、正体はわからぬけれども、肝臓、どこが悪いかわからぬけれども、機能障害、機能が後退をして年を早くとる、こういうことが言われておるわけです。 それから、厚生大臣、日本の全体の福祉政策の中で一番おくれておる面は福祉や介護の面ですね。寝たきり老人とか痴呆性老人とか重度障害者に対する施策というものが総合的におくれているわけです。ですから、そういう状況の中で、今度の死没者調査の中にはそういう現象がかなり明確に出てくると私は思いますから、被爆者の高齢者に対する対策、重度障害者の中には、例えば当時原爆を受けたときに胎内にいました胎児は、原爆小頭症と言われておりまして、今四十歳に達しておりますが、知能指数が非常に低くて、いずれは親もどんどん亡くなるということです。ですから、そういう高齢化して孤立をし、ひとり暮らしも多いし寝たきりも多いという状況の中において、一般の施策の中においてもおくれている部面ですから、先導的にこの問題については施策を集中する必要があるのではないか。原爆被爆者の中で三十七万ほど手帳を持っておられますけれども、そういう障害を受けた人々の健康管理の一つといたしましても、高齢者の福祉や介護の面について、やはり格段の努力をすべきではないか、こういうふうに思います。これは政府委員でもよろしいが、答弁してください。
○仲村政府委員 御指摘のとおり、被爆後四十一年を経過しておるわけでございまして、高齢の被爆者の方々が多くなっていることは事実でございます。被爆者対策につきましては、この被爆者の現状に即したできるだけきめ細かな配慮が必要となっていることは御指摘のとおりだと考えております。 従前からやっておりました施策といたしましては、原爆養護ホームの整備でございますとかその運営、あるいは家庭奉仕員の派遣等いろいろおっしゃいましたような視点からの対応を考えてきておるわけでございますが、昭和六十二年度におきましては、健康管理施設への助成を行う予定でございます。さらに施策の充実を期してまいりたいと思います。 しかしながら、今後さらに高齢化が予想されるということでございますので、先ほど御説明申し上げました生存者調査の中でも、実態調査委員会の御意見をいただきまして、この高齢化についての調査事項等も含めて実態調査を実施したところでございますので、この結果も踏まえまして、今後とも施策の充実を図ってまいりたいと考えているわけでございます。 いずれにいたしましても、被爆者対策は、今後高齢化という問題でいろいろ重要な問題を招来するということで考えておりますが、その対応につきましても、私どもとしても十分結果を踏まえて配慮してまいりたいと考えております。 〔委員長退席、浜田(卓)委員長代理着席〕
○大原(亨)委員 大臣、高齢化対策の中で既にやっているものは、例えば医療でなしに福祉とか介護の面ですが、この面では養護老人ホームとか特別養護老人ホームとかあるわけです。そしてホームヘルパーの制度もあるわけです。介護の制度があるわけです。しかし、在宅、ひとり暮らしあるいは寝たきり、そういうふうないろいろな状況を考えてみましたら、言うなれば早目に集中的に出てきておるという現象ですから、在宅者がやはり今の高齢化問題の課題ですから、在宅者で被爆者、それを中心にしながら施設を利用する、そういうことについては全国的にやる中でも、これはぜひ一つの焦点に置いて重点的に努力してもらいたい、こういうふうに思います。 それはもちろん被爆者は全国にまたがっておるわけですけれども、集中しているのは広島、長崎です。高齢化の福祉や介護対策についてぜひ格段の努力をしてもらいたい。今御答弁あったわけですが、どうですか。
○斎藤国務大臣 私も昨年広島へお邪魔をいたしまして、特別養護老人ホームや養護老人ホーム等も見せていただきました。ただいま保健医療局長からお答えを申し上げましたような対策を講じておるところでございますが、先生おっしゃいますように、被爆者の方々も大変高齢化をいたしている現状でありまして、現在、特に念頭に置いて重点を置いて取り組んでまいることは、その被爆者の皆様方の高齢化に伴う諸問題を解決していくことが非常に重要なことであるというふうに認識をいたしております。今回の生存調査の結果等も踏まえて、より一層その対策が充実できるよう最善の努力をいたす覚悟でございます。
○大原(亨)委員 質問を移してまいりまして、今審議をいたしておりますのは、戦傷病者戦没者遺族等援護法をやっておるわけです。それで三野党が、これは共産党は別ですが、提案をいたしました中で、その法律の考え方は、底流はこういうことなんです。 今、いろいろな手当があるわけです。これは所得制限があって、更新の手続が必要なわけですが、問題によってはあるわけですけれども、いろいろな医療特別手当から特別手当、一番多いのは健康管理手当、健康管理という考え方を医療と一緒に手当の中へ入れておるわけですね。保健手当というものや介護の手当とかについても若干あるわけですね。そこでそれをまとめて被爆者年金にするという考え方がある。これは原爆の障害者として扱うというのがある。それで二万七千四百円の老齢福祉年金と同じような健康管理手当をもとにいたしまして、そして特項症、項症、款症というふうな考え方で、人数はともかくといたしまして、現行援護法を適用する、軍人、軍属、準軍属の援護法の精神を適用してやっていこうというのが一つある。 それからもう一つは、遺族に対しましての補償をどうするかというのが国家補償の精神の議論ですが、援護法では、遺族に対してはいろいろな問題があるんだが、しかし、弔慰を表するということは、弔慰金を出すということは、百二十万円というふうに交付公債で出しておりまして、予算ができるだけかからぬように協力しておるわけですが、その百二十万円の特別給付金という弔慰金的なあるいは遺族給与金的なそういう制度をやっておるのが特色なのであります。 その中心は、やはり国の責任がないとは言えないのであるから、基本懇の答申も広い意味で国家補償なんだというふうに言っておるわけですから、附帯決議もずっとやってきたわけですが、広い意味で国家補償なんだ。結果、責任論ということで田口委員が提案いたしました趣旨とは少し違うのですけれども、しかし、私どもは唯一の被爆国であるから、原爆は国際法に違反するんだという考え方で、原爆を禁止することを訴えるという、法体系もそうした方がいいのだという考え方であります。 問題は、時間がないので、こういうことをやったら終わりになってしまうわけですが、現在の援護法とこの原爆二法案を国家補償でやる際の接点の一つといたしまして、特別給付金という遺族に対する弔慰を表することが必要ではないか。これは初めてやる死没者の調査ともすぐれて深い関係があるということであります。だから、これができたならば、弔慰を表すことについて、戦後処理の問題でいろいろあるわけですがいろいろな厳しい条件を設けておるのですが、いろいろなものを時間があればずっとやるのですが、政府の施策についても出たとこ勝負のものがいっぱいあるわけですから、しかしここについても弔慰を表するようなことについてやるべきではないかの昨年の委員会のときも私はこういうことをやりました。これは想定問答集なんかでなくていいですから、私のことを聞いて答えてください。 というのは、私はこういうことを言ったのです。葬祭料がこの制度の中にあるのです。原爆二法の葬祭料がある。葬祭料は十一万円とってあるわけです。だんだんと改めている。それは生活保護法の公務扶助における、死没者に対して十一万円があるわけです。しかし、生活保護の場合には所得の制限とか財産の制限があるわけですね。ですから、これはいわゆる公的な扶助と言われる問題であります。しかし、原爆の場合は三十二年に医療法ができまして、四十三年に特別措置法ができたのですが、その中間で葬祭料を出しておるわけです。その葬祭料は被爆者の所得とか財産の制限はないわけです。十一万円は全部出しておるわけですね。それはある意味においては国家補償的な問題であります。ですから、死没者の実態がわかったならば、これをさかのぼって弔慰を表してはどうか。百二十万円という交付公債の案があるわけですが、精神としては、そういうところにも一つの根拠があるではないかということです。これは私も二、三年来議論をずっとしておりますが、個人的に聞きましたら、政府委員もだれもみんなそうだと言いますが、いい答弁はしないですね。だから、あなたは前向きにひとつ取り組んでもらいたいと思うのですね。私はそういう強い希望を表明いたしまして、あなたの大臣としての想定問答集でない見解を聞かせてもらいたい。
○斎藤国務大臣 今先生御指摘のような御意見また御要望もあることを十分承知いたしておるわけでございますが、私どもといたしましては、昭和五十五年の十二月に原爆被爆者対策基本問題懇談会の御報告等もかみしめまして、この原爆被爆者に対する対策につきましては、原爆という放射線においての特別な被害をこうむられたということに着目をいたしまして、現在の原爆二法において対応をさせていただく、こういう基本的な考え方をとらせていただいておるところでございます。 そういう中で、弔慰をあらわす弔慰金というようなことはどうかというお話でございますけれども、今申し上げましたように、その放射線が現在においても現存することによって健康に被害をもたらしているということにおいて、その被爆者の方々について特別な措置をしてまいるという考えに立たせていただいておりますので、お亡くなりになられました方々の御遺族に対して弔慰金を差し上げていくということはなじまないのではないか。また一般戦災者との整合性という問題等いろいろ検討させていただいておりますけれども、まことに恐縮でございますが、今直ちに先生のお話に同意させていただくことができにくい状況でございます。
○大原(亨)委員 これに関連しまして、大切な問題ですから、短時間で私が話をしますが、今まで議論しました中で、こういう問題があるわけです。戦傷病者戦没者遺族等援護法の中には準軍属がずっとございまして、十幾つあるわけです。昭和二十七年につくりまして以来、三十三年改正、その後ずっとやってまいりまして、最後には昭和四十九年には準軍属の中に旧防空法の関係で警防団や医療従事者を入れました。これも私は長い間議論いたしまして、これは準軍属の中へ二、三千名入っております。 それと一緒に、昭和二十年の三月二十三日の閣議決定で国民義勇隊に関する件というのがございます。これは閣議決定でございまして、当時は内務大臣の所管でございます。軍部の大臣とけんかになりましたが、内務大臣が所管するということになりました。これは家屋の疎開とか陣地の構築とかいうもの等をやるわけです。防空業務的なもものをやるのですが、いざという場合には、閣議決定を改めまして、国民義勇戦闘隊というふうにいたしまして、敵前上陸や空挺隊の本土決戦に備えるという体制をたんたんと強化しました。 それで、六月二十三日に施行したわけでありますが、国民義勇兵役法というのを臨時帝国議会を開きましてやったのです。六月八日から十二、三日ごろにかけましてやりました。秘密会等を開きまして、もう日本は沖縄も捨てたし、本土決戦になった、沖縄を基地としてテニアン島その他だけではなしに直接アメリカの軍隊が攻撃する、制空権もとられているという状況でありました。そこで臨時帝国議会を開きまして、国民義勇兵役法という九条の法律をつくりまして、そして十五歳から六十歳までの男子、十七歳から四十歳までの女子、そして健康な者で志願した者、これを包括的に、中曽根さんがよく言っておる投げ網をかけるような形で、個々に召集令状を出すのではなしに、投げ網をかける形、ここの者は出てこいと言ったら出てくるような格好、命令を聞かない場合には軍刑法の適用があるということであります。兵役法以外に国民兵役法をつくったわけです。 これは議論しておったら、これだけで一時間、二時間かかりますからしませんが、そういう状況の中で本土決戦に臨んだのです。法律は二十三日に施行したわけですよ。八月六日に原爆であります。それは政府の方の言い分はいろいろへ理屈をこねておるわけです。法律は公布されて実施されておるけれども、実際上の施行がなかった、実施がなかったというようなことを言ったり、いろいろなことをしております。定かでない。それは線引きをした経過があるが言わない。言わないのですが、そういうことからいうなれば、原爆を受けた当時の広島、長崎のような状況は、他の一般空襲も同じですけれども、全部の国民が命令服従の関係にあったということを言うわけです。命令服従の関係にあった。特別権力関係にあったということであります。 ですから、国際法の問題もあるけれども、国家補償の対象であるのだということの議論であります。これは資料を全部出しまして、議事録を出しまして、今まで何回もやってまいりましたが、これをここで蒸し返す時間はありません。ですから、そういうことを頭に置きながら、附帯決議にも毎年そういう実態調査をするということが出ておるわけです。ぜひこの点については事実を究明して、そしてこれに対して納得のできる対応をしてもらいたい。戦争犠牲者に対する措置というものは公平でなければならぬ、こういうことでございまして、この点は私が指摘をしておきます。 厚生大臣が特別に所信を述べようというのでありましたならば、後の機会にお聞きをいたしますが、今さっきの程度の答弁でしたら、想定問答集から一つも上がっておりませんから、これは局長が答弁しましても、課長がやりましても、課長補佐がやりましても、だれがやってもいいと私は思っておるわけであります。決してあなたを悪く言うわけではありませんが、そういうことであります。 そこで、問題は児童手当法に関係した問題です。児童手当法等の中にある年金スライドと原爆二法案の諸手当のスライド、これは〇・六%になっておるわけです。そろえているんです。それからきのう内閣委員会で上がりましたが恩給法、それからここでやっている戦傷病者戦没者遺族等援護法、これはスライドは二%です。私は、原爆二法案の諸手当の場合には、国家補償的な考え方があるんだから、〇・六%でなしに二%にしてはどうかという考え方を持っておるんですが、いかがでしょう。 〔浜田(卓)委員長代理退席、長野委員長 代理着席〕
○仲村政府委員 原爆被爆者に対します健康管理手当を初めといたします手当の額につきましては、被害者の福祉のなお一層の向上を図るという観点から、ほぼ毎年引き上げを行ってきておるところでございます。 お尋ねの引き上げ幅につきましては、国民的合意を得ることができる妥当な水準であることが必要であると私ども考えておりまして、かねてより引き上げ幅につきましては、老齢福祉年金等他の公的給付に準じたものとしているところでございまして、今回の法律案におきましても、この考え方に立ちまして、老齢福祉年金の引き上げ幅に準じた諸手当の引き上げを行いたい、こう考えておるところでございます。
○大原(亨)委員 行政改革審議会や社会保障制度審議会は、恩給——恩給というのは現行援護法のことも入っている。恩給と年金との問題についてはバランスをとれというふうに繰り返して言っているわけです。バランスとは何かというと、一つはスライドの問題なんですね。その考え方について筋を通せということなんですが、政府は今回、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の年金や諸給与のスライドは二%にしたわけです。人事院勧告は去年は二・三一%ですから、それを値切ったわけですよ。抑えることによってバランスをとる、そういうインチキな考え方をやったわけであります。それは私は理屈に合わないと思う。なぜかといいますと、年金等は保険数理を基礎にして、五年ごとに再計算をしまして、物価スライドをやるけれども、五年間たちましたならば、そのときの再計算では、生活水準とか、国会で修正いたしましたが、賃金を参酌をして、五年ごとに政策スライドを行う。五年ごとに再計算をしまして、賃金スライドを行うということになるわけですよ。それは保険料負担と給付とのバランスをとりながら国庫負担を入れて計算をしていくんです。しかし、税金でやっておる恩給とか援護法とか原爆の手当というふうなものは保険数理でやるわけじゃないんです。税金でやるわけですから、公平でなければいかぬと私は思いますよ。なぜ〇・六という年金ベースの物価スライドに合わせて原爆の手当はやるのかということについて、私はわからぬ、理屈にならぬではないかと思うのですが、いかがですか。
○仲村政府委員 先ほども申し上げましたように、引き上げ幅につきましては、国民的な合意を得ることができる妥当な水準であるということが必要だと私ども考えておりまして、かねてから引き上げ幅につきましては、老齢福祉年金等値の公的給付に準じたものということで引き上げをお願いしておるというのは事実でございます。
○大原(亨)委員 昭和七十年は公的年金の一元化があるんですよ。六十五年の年金のスライドのときには、原爆の諸手当もそのスライドに準じて政策的に上げていくのか。それはどうですか。
○仲村政府委員 私ども、この原爆の手当につきましては、前年の物価上昇率等に準拠いたしました公的年金の引き上げ率にほぼ準じたものということでやっておりますので、今回の改正につきましても、そのような形になるわけでございます。
○大原(亨)委員 そうしたならば、五年ごとの年金の政策スライド、賃金スライドのときには、それに準じて手当を上げるんですか、こういうふうに言っておるんだ。原爆については低いままでずっと物価スライドだけやっていくのか。そうでないでしょう。我々は反対したよ。物価スライドでなしに賃金スライドをしなさいと言って。年金のときもやったけれども。そうでなしに、五年の再計算のときには、収支をはかって、国庫負担を見て財源に基づいて政策スライドをやっていくんです。——よし、それはもういい。また後の機会にする。時間が惜しいわ。 そこで、厚生大臣、あなたは年金担当大臣だ。昭和七十年に公的年金を一元化するというけれども、どういう形、どういうスケジュール、どういう内容でやるかということについて、一〇〇%とは言わないけれども、五、六〇%くらいは目安がつきましたか。
○水田政府委員 お答え申し上げます。 一階部分につきましては、御承知のとおり基礎年金を導入することによりまして、給付の面も負担の面も一元化が図られたわけでございまして、七十年度を目途に被用者年金制度の一元化をこれから進めていくわけでございます。給付の面につきましては、将来に向かって一応整合性がとれたわけでございますが、七十年度を目途に、この被用者年金の一元化を進めてまいります過程で、厚生年金を初め被用者年金も六十四年ないし六十五年に再計算期を控えているわけでございますので、私ども七十年度の被用者年金の一元化に向かって、その展望の中で地ならしをすべきものがあるかないかということを、やはり六十四年ないし六十五年の被用者年金の再計算期においてそれぞれ検討をしてまいらなければならぬ、今このように考えておる次第でございます。
○大原(亨)委員 時間がたっただけで中身がないんです。何の中身もないんだから、答弁じゃない。七十年の公的年金の一元化については政府は案がないんですよ。どういうプロセスでどういうものをつくっていくかがないんですよ。 そこで、基礎年金を外国と同じように保険方式ではなしに税方式でやる、フラットの最低保障年金をする。そういうことを基礎にしなければ、きのう私は恩給の方で議論したんだけれども、防衛庁の自衛官の非任期制の年金にいたしましても、年金開始は五十五歳です。六十歳の兵隊を雇うわけにいかぬのだから。自衛官を全部対象にしなきゃいかぬ。そういう関係があって恩給との関係で議論したのですけれども、国鉄の共済年金、これを昭和六十五年以降どうするかという問題がある。それから給付と負担を一元化しようと思うと、自衛官その他のたくさんの年金の制度があるんですよ。基礎年金をまず変えなきゃいかぬ。抽象的な福祉目的税という議論ではなしに、この面とこの面とこの面はナショナルミニマルで絶対に全国民で保障すべきだという問題をセレクトいたしまして、それできちっとやらなきゃいかぬ。それを全体見てやるのが年金担当大臣である。前の増岡さんにいたしましても、全部そういたしました。年金担当大臣は厚生年金と国民年金の代弁者である。全体見ていない。恩給見なきゃいかぬ、七つの制度を見なきゃいかぬ、基礎年金は集めなきゃだめだ。第三号被保険者の確認事務とか免除、滞納率とか、今むちゃくちゃですよ、国民年金の制度は。だからそういうことをマイナスシーリングだけでしわ寄せしてはいけないのであって、そこで目的を持ったそれにふさわしい制度をどうするかということを考えるのが福祉目的税であると私は今思っている。漠然と売上税の肩がわりにやっておいて、四十兆円もかかる社会保障の費用の中で国庫負担を食べて逃げようというふうな考え方はいけない、こういうふうに言っているのですが、年金担当大臣がしゃんとしなきゃならぬ。そのためには、年金担当大臣は、閣議で決定するんではなしに、北海道開発庁長官とか沖縄とか、そういう長官と同じように、設置法をちゃんと決めて、権限を持って——水田年金局長は年金担当大臣の事務局か何かわからぬ、そんなものは。だから関係ないんだ、あれは。厚生年金の代表者だ、国民年金の代表者だ。審議官も機能してないんですよ。設置法をやって、年金担当大臣はどういう権限を持っているんだということをやらないと、国鉄の統一見解をつくったように、答弁する者がおらぬから官房長官と総理大臣が答弁した。増岡さん答弁しなかったのです。だから年金担当大臣、あなたはちゃんと整備をするという意味で、そういう設置法を設けて、そして名実ともに権限と職務を果たすようにしてもらいたい、こういうことですね。そうしないと、日本の年金はずっといっておいて土壇場では混乱するということになる。基礎年金もその一つである。これは質問しないで私が演説しておきますから。 そこで最後に、広島の放影研ですよ、ABCC。これはいろいろな経過、議論があって、反米感情も手伝ってあったのですが、今やアメリカ流の非常に大きな規模で被爆の実態を疫学的にも掌握するという貴重なデータを持っているわけですよ。だから被爆者の対策や実態調査にも生きてくると思うのですが、やってもらいたいと思うのですね。だからこの放影研の移転問題がいろいろ言われておるのですが、これはどういうめどを持ってやられておるかということを質問しておきます。
○仲村政府委員 現在放影研といたしまして、将来の研究体制をどうするかという検討をしておるところでございまして、その中で移転問題についても検討しております。 放影研の運営につきましては、御承知のように日米両国共同で行うことになっておりまして、放影研と協議しながらアメリカ側とも相談してまいりたいと考えているところでございます。 具体的な日程はまだ申し上げる段階に至っておりませんが、御指摘の移転問題も含めまして、放影研の将来構想については、放影研自身はもとより、日米政府あるいはさらに地元の関係の機関とも十分御相談をしながら事柄の検討を進めてまいりたいと考えております。
○大原(亨)委員 簡単に。これは貿易摩擦に関係しまして、ずっと議論しました結果、口上書で日本とアメリカが折半負担をして調査しているんですね。そこで防衛庁の予算の議論と同じように、日本が負担しろという要求があるのですか、アメリカから。アメリカ分を日本が負担しろ、こういう要求があるのですか。ノーかイエスかだけで。
○仲村政府委員 円高によりまして、ドル建ての費用が増高するのは御承知のとおりでございまして、その分につきましては、米国は新たな負担をしておるというのが事実でございまして、折半を動かすということについてのお話は伺っておりません。
○大原(亨)委員 以上で終わります。
○長野委員長代理 中沢健次君。
○中沢委員 私は臨床工学技士法それから義肢装具士法、この二つの法律につきまして、賛成ではありますけれども、幾つか質問させていただきたいと思います。 まず第一点でありますが、臨調の答申では、この新しい資格制度については慎重にやれ、それは一般論でありますけれども、そういう見解が一つは示されております。この是非について議論をいたしますと時間がかかりますので、それは別にいたしまして、今度出されました二つの資格制度の法案、私が調べますと、昭和四十六年に視能訓練士、これが制定をされて以来十六年ぶりの新しい資格制度提案でございまして、そういう点で言いますと、やはり相当本委員会でも今まで関係学会あるいは関係団体の方から強い働きかけがあった。あるいは厚生省の内部でつくっておりました検討会が三月の二十日に中間答申を出されまして、そしてこの提案につながってきたんではないかと思うのです。 まず、大臣に率直にお答えをいただきたいと思うのでありますが、この二つの資格制度についての一般的な必要性は僕らはわかるのでありますけれども、もっと具体的な必要性、そして今の時期にこの二つの制度が提案をされた理由について、少し具体的にお聞かせをいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 医学医術の進歩、またその周辺科学の進歩に伴いまして、医療は大変高度化、専門化いたしておるわけでございます。そういうことを反映して、その医療関係職種の中で、いまだ資格が制度化されないまま現に医療の場において重要な役割を果たしている職種が幾つかある。この職種について資格の制度化をし、そして資質の向上を図っていくということが、これから長寿社会へ向かってどうしても必要なことではないかというふうに考えたわけでございます。これまでにも長い経過の中でいろいろな検討がされてまいりましたけれども、実を結ばないでまいったわけでございまして、何とかこの際にできる限りのそういった職種の中で必要なものについてはぜひ資格化をきちっとし、そして将来のマンパワーの確保、そして資質の向上に努めてまいるということは、現在の行政改革の中でありまするけれども、なお必要なことである、こういう認識を持って取り組ましていただいたところでございます。 厚生省といたしましては、医療関係の学識経験者から成る資格制度検討会というのを設けまして、五つの職種について御検討をいただいたところでございます。その中で今回御提出をさせていただいております臨床工学技士、そして義肢装具士については、速やかにこの法制化を図るべきであるという答申をいただきましたので、法案をまとめまして、今回提出をさせていただいた、こういう経過でございます。
○中沢委員 そこで、今大臣の方から検討会で五つの職種について議論がされた、こういう話でございます。資料もいただいているのでありますけれども、この中間報告の中身をずっと読んでみますと、二つについては今度の国会で提案をされた。残る三つの職種につきましても、私自身は医療現場の体験はありませんけれども、自治体の出身でございまして、関係の市立病院なんか随分現場を見た、そういう経験なんかがあるのでありますけれども、残ったこの三つについても非常に大切な医療の職種じゃないか。ですからこの際、いろいろ問題が残っているのでありましょうけれども、二つやるのであればまとめて一緒に提案ができなかったのか。なぜ三つを残したのか。しかもこの三つ残した今後の取り扱い、これをどういうふうにされるおつもりか、これをまず大臣からお聞かせをいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 あと三つの職種につきましては、一つは医療福祉士、いわゆるMSWと言われるものでございます。そしてその次にまいりますのが言語聴覚療法士、いわゆるSTという分野でございます。この二つの分野につきましては、この検討委員会におきまして、なおこの業務範囲とか養成課程等についてもう少し詰めるべきところがあるのではないかという御指摘をいただき、現在関係団体で御協議をいただき、これを今進めていただいておるところでございます。できるだけ早い時期に結論を得まして、そして法制化をして、また国会に御審議をいただきたいというふうに今努力をいたしておるところでございます。また最後の補聴器士につきましては、中間報告の御指摘によりまして、当面は自主的な認定制度等を導入するなどして資質の向上、確保に努めてまいるということが適当ではないかという趣旨の中間報告がございまするので、もうしばらく様子を見させていただくということがいいのではないかというふうに考えております。 そうなりますと、今回御提案をいたしております二職種ともう二つと合わせて四職種を一度に御提案をさせていただければ最もよかったわけでございまするけれども、今申し上げましたように、あとのMSWとSTの部分につきましては、もう少し関係団体と詰めさせていただいて、そして皆さんが納得していただけるようなものとして早急に提出をさせていただく、こういうこととさせていただいておりますので、ひとつ御理解をいただきたいと思います。
○中沢委員 今の大臣のお答えで、残った三つについてはいろいろ関係団体と協議を重ねて努力をする、こういうことでございますので、ぜひその辺は期待をしておきたいと思います。 次に、今回のこり二つの法案を含めて、結局医療関係の資格については、今まで十四職種があったと思うのです。今度二つふえますと十六職種。全体的には大変医療が高度化をする、あるいは技術も必要になってくる。ですから、こういう職種がふえるということについては、私自身は全面的に反対をするわけじゃないのですけれども、問題はだんだん職種がふえてくる、医療現場でいえば専門家がたくさんふえて、全体的に職場の細分化といいましょうか、医療に従事をしている方々の横の連携、つまり連携プレーが一体どうなるか、その辺大丈夫かな、もっと言いますと、医療サービスを受ける患者から見ますと、その専門家がふえることは結構なんだけれども、実際にサービスの提供を受ける患者から見て、その辺の不安がやはり何とはなしに出てくるのではないかな、こういう感じを率直に持つのですけれども、それに対する厚生省の具体的な考え方、あるいはこれからの対策の立て方、これをちょっとお聞かせをいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 今先生が御指摘になられましたことは大変重要なことだと考えておりまして、例えばただいま御審議をいただいております臨床工学技士法につきましても、第三十九条に「臨床工学技士は、その業務を行うに当たっては、医師その他の医療関係者との緊密な連携を図り、適正な医療の確保に努めなければならない。」という一項を法文化いたしたわけでありまして、義肢装具士法につきましても同様であるわけでございます。これはこれまでの同種の資格法にはなかった法文でございまして、今回先生の御指摘のようなことを私どもも考えまして、このような法文を入れたわけでございます。 この法律がお認めをいただき、この資格制度が発足をいたしましたら、それぞれの現場におきまして、関係の医療担当者と十分に連絡をとり、チームワークをよくして、そして医療全体の向上が図られるように私どももきめ細かく指導をいたしてまいるべきだ、このように考えております。
○中沢委員 若干関連をするのですが、臨床工学の職種について言いますと、一つは人工透析あるいは人工心肺、こういうことがいろいろ言われているのでありますけれども、具体的にひとつお尋ねをしたいと思いますが、腎不全患者が人工透析で治療をされる、手元へちょっと資料をいただきましたけれども、日本透析療法学会、この学会の調査によりますと、昭和六十年度末だというふうにお聞きをいたしましたが、人工透析をやっている施設は全国で千五百八十七カ所、患者の数が六万六千三百、具体的にそういう技士として現場で作業をされている方々が約五千七百人、こういう一つのデータをいただいております。現状は六十年度末でありますので、できればもっと新しい資料があればお聞かせをいただきたい。これが一つ。 それから、腎不全患者そのものが全国的にこれから増加の傾向にある、あるいは高額療養費の関係もございまして、相当スピードを上げて患者がふえるのではないか、このようにも言われておりますけれども、その辺の将来的な見通しについてどういうデータをお持ちであるか、それと同じようなことで人工心肺あるいは私どもも知らないその種の職種があると思うのでありますけれども、そういう職種に事実上仕事をされている方々の現状と将来の見通しを数字的に明らかにしていただきたい。 それと関連をいたしまして、義肢装具の分野でも同じような内容でいろいろあると思うのです。これも実態と将来の見通し、特に交通事故がずっと増加の傾向にございますので、その種の対策も非常に、リハビリでありますけれども、重要ではないか、このように考えておりますので、現状と今後の見通し、これを含めて教えていただきたいと思います。
○竹中政府委員 人工透析等の患者の数あるいはそれに人工透析を含めましてここでお願いしております臨床工学技士に当たるような仕事をしていただいておる方々の数、今先生から昭和六十年の数字のお話がございましたが、私どもも現在時点では昭和六十年現在の数字しか持っておらないわけでございます。それに基づいて申し上げてみますと、例えば人工透析を受けておられる患者の数が約六万六千ということでございますが、将来、これから十年後ぐらい、昭和七十年時点でどれぐらいになるか。いろいろ学会での推計がございまして、人工透析を受けられる患者の数は六万六千から恐らく十万人ぐらいまで伸びるのではなかろうかと言われております。それから人工心肺の必要な手術の件数でございますが、これが昭和六十年現在で一万七千件、十年後には三万五千件になるというふうに考えられております。それからこの種の臨床工学技士が活躍していただくもう一つの場面でございますICUでございますが、ICUの病床の数が昭和六十年現在一万三千、昭和七十年には約一万八千になるであろうということでございます。 そういうことで、臨床工学技士でございますが、現在従事をしておられる方の数は、これは重複もかなりあろうかと思いますが、重複も含めまして約六千人でございます。これが今後の発展、普及に伴いまして、将来的には一万五千人から二万人ぐらいが必要なのではなかろうかと見込んでおります。 それから、同じような数字で義肢装具士でございます。義肢装具の対象の数でございますが、昭和六十年現在で三万三千六百強でございます。これが昭和七十年には六万五千件、ほぼ倍増するのではなかろうかと見ております。 現在、義肢装具につきまして製作、採型、適合等に従事をしておられる方は、昭和六十年現在で四千五百人でございまして、このうち医療機関の中で仕事をしておられる方々が、これは採型、適合も含んでやっていただいている方ということになろうかと思いますが、今の四千五百人のうち千人でございます。昭和七十年、十年後には医療機関の中で採型、適合に従事される方が恐らく倍ぐらい、二千人ぐらい必要ではないか。また製作のみに従事をする方、つまり先ほどの医療機関以外で働いておられる方でございますが、それも若干ふえまして、合計で六千人ぐらいの方々が必要になるのではなかろうかと見込んでおります。 〔長野委員長代理退席、丹羽(雄)委員長 代理着席〕
○中沢委員 数字そのものについては私が指摘した内容とほとんど類似をしておりまして、納得をするのでありますが、今お答えがありましたように、現状においてもそういう医療職種に従事をされている方が非常に多数いらっしゃる。今度の資格法との関連でいいますと、法案の附則第三条第三号を見たのでありますけれども、五年以上の経験があれば云々、こういうことが一応明記はされておりますけれども、私自身、杞憂かもしれませんが、現在たくさんの方々がそういう現場に従事をされている、今度の資格法が出てまいりますと、本当に今の職場がその人にとって守られるかどうか、この辺ちょっと確認のためにお答えをいただきたいと思います。
○竹中政府委員 今回お願いしております法案におきましては、国家試験の受験資格は、高校卒業後厚生大臣の指定した養成所等において三年以上必要な知識及び技能を修得していただくことが原則になっておるわけでございますが、今先生からお話がございましたように、既にこれらの業務分野で多くの方々に専門職種として従事していただいておるわけでございまして、それらの方々に一定の条件のもとに特例の受験資格を与えるということにさせていただいたらどうだろうか、お話しの附則の三条でございます。それは、この法案でお願いしておりますのは、五年以上の業務経験を有しまして、昭和六十八年三月末までに厚生大臣の指定いたしました講習会の課程を修了するといったようなことを条件にいたしまして、特例として受験資格を認めるということにしておるわけでございます。この二つの資格制度の発足に際しましては、今申し上げました指定講習会の円滑な実施を図ること等によりまして、現在従事していただいておる方々の受験資格の取得が支障なく行えるように努めてまいりたいと考えております。
○中沢委員 最後の質問でありますが、現状については今いろいろお答えもございました。資格法についての、現在現場で仕事をされておる方についてもそういう配慮があるという確認もとったのでありますけれども、問題は、これから先のこういう人たちの養成計画が一体どうなっていくか。先ほどの数字によりますと、例えば人工透析だけでも患者数が十一万人から十二万人にふえる。そうすると、今の数では当然足りないわけでありますから、関係の人工透析の技士の養成については相当力を入れて急いでいかなければ間に合っていかぬという結果になると思うのです。これは人工透析以外にも、最近は人工心肺の手術がたくさんふえておる、これからもどんどんふえるだろう、こういうことでございますので、私もかなり前の委員会でマンパワーの問題について大臣にも質問いたしてお答えをいただいておりますけれども、そういう全体的なマンパワーの計画の中で、この職種については相当ウエートを置いて、将来的な養成計画をきちっとつくって、医療の要求にこたえる必要性があると思うのでありますが、将来的な養成計画をどのように持っておられるか、お聞かせいただきたいと思います。
○竹中政府委員 まず臨床工学技士でございますが、先ほど申し上げましたように、現在六千人で将来的には一万五千人から二万人が必要だということでございますので、当面毎年四百人から五百人程度の養成をすることが必要ではなかろうかと思っております。また義肢装具士につきましても、当面毎年百人程度を養成することが必要だと考えておりまして、既に一部にこういう養成所をつくりたいというお話も伺っておりますし、あるいは一部の大学において、臨床工学技士の養成に該当するような課程を考えていきたいというようなお話も伺っておりまして、先生からお話ございましたように、私どももこれからの医療の確保、向上のために、今申し上げましたような数字を目標にして養成体制の整備を十分図ってまいりたいと考えておる次第でございます。
○中沢委員 時間が来ましたので、以上で終わります。
○丹羽(雄)委員長代理 吉井光照君。
○吉井委員 私は、児童扶養手当法外四法案に関連いたしまして、若干の質問をいたしたいと思います。先ほどからの質問に重複する点が多々あろうかと思いますけれども、お許しを願いたいと思います。 まず、年金改定の方法についてお尋ねをしておきたいのですが、年金改定については昭和四十八年度から物価スライド、すなわち消費者物価が年平均で五%を超えて変動した場合、翌年の四月からその率に応じて年額を改定するもの、こういうわけでございますが、これが導入をされまして、近年は物価が五%を超えなくても、特例的にスライドが毎年行われているわけでございます。六十二年度におきましても、六十年度に対する六十一年度の消費者物価の上昇率が〇・六%、この〇・六%によって年金改定が行われているわけです。〇・六%でも改定が行われるということは結構なことですが、今後は物価上昇が少しでもあるならば、必ず年金額の改定を行うものと考えでいいのかどうか、それとも六十二年度は何か特別な理由があって改定をしたわけですから、今後のことは保証できないというのであるならば、六十二年度の特別な理由というのは一体どういう理由なのか、この点をまず明らかにしていただきたいと思います。 〔丹羽(雄)委員長代理退席、浜田(卓)委員長代理着席〕
○水田政府委員 お答えを申し上げます。 年金額の改定のルールといたしましては、再計算時に前回の再計算期以降の国民の生活水準なり物価の動向等を見きわめながら改定し、次の再計算期まではその年金額の実質価値を維持するということで、物価によるスライドを行っているわけでございます。現在、法律上の基準は今先生御指摘のとおり五%ということになっているわけでございます。現下の大変厳しい財政状況でございますが、五%を割っておりますが、私ども特例的に政策的に判断をいたしまして、物価スライドを今回実施するようにいたしたわけでございます。 先生の御質問は、今後五%を切った場合でも必ずやるのかどうか、こういうことでございますが、切った場合でも必ずやるという法律上の制度の仕掛けに現在なっておりませんので、そのときどきの総合的な判断によって特例的なスライドを行うというのがここ最近の趨勢になっているのでありまして、この五%の基準が、現在の物価が安定している状況から見て高さに失するのではないかという指摘のありますことも、私ども十分承知をいたしておりまして、そこの自動スライドの基準のあり方につきましては、来るべき再計算のときの検討項目として、年金審議会等にも十分そこらあたりの御意見を聞きながら将来の問題として検討をさせていただきたい、このように考えている次第でございます。
○吉井委員 今も申し上げましたように、近年消費者物価の上昇率が五%以下でも、特例として、また今の御答弁によりますと、政策的な判断といったこともあるようですが、いずれにいたしましても、毎年年金額の改定が行われておるわけですが、このこと自体は非常に結構なことです。ところが、年金の目的は主に老後の生活安定のためということからするならば、果たして消費者物価だけが最良のスライドの指標がどうか、またこれに問題はないのか。消費者物価といいますと、総務庁の消費者物価指数を用いるわけですが、この指数が実際私たち国民生活の実感の上から若干かけ離れているのではないか、こういった点はよく指摘をされているところです。これを用いるとしても、何らかの形で補正をして、老後生活の実態をよく反映したものとするといった工夫が年金の改定にはできないものかどうか、この点いかがでしょう。
○水田政府委員 お答え申し上げます。 ごもっともの御指摘でございまして、これは法律上の自動的な仕掛けということではなく、先ほどもちょっとお答えの中で触れさせていただきましたが、再計算時に前回の再計算のときから今回の再計算期の間の国民生活水準の向上でありますとか賃金上昇の度合いを総合勘案して、給付水準のあり方を見直すということが、いわば年金改正のやや定着したルールみたいなものになっておりまして、私どもは再計算時にはほぼそのルールに従った形でのあるべき年金額の見直し設定ということをやってまいっているわけでございまして、次の再計算期までの間は物価の上昇率でスライドすることによって実質価値を維持する、こういう形でやっているわけでございます。 では、それを毎年やったらどうだということがあるかと思いますが、給付水準のあり方というのは、費用負担の関連で設定さるべきものでございまして、あるべき本質的な給付水準というのは、年金再計算期に保険料負担との見合いでおのずと決めてまいるのが適切ではないかということで、今日までその方法を踏襲してやってまいっておるところでございます。
○吉井委員 児童扶養手当また特別児童扶養手当等も今回改定をされているわけですが、その改定率はほぼ〇・六%。これらは沿革的には年金制度と関連するものでして、例えば児童扶養手当について見ますと、死別母子家庭に対して支給されていた母子福祉年金の補完的な制度として全額国が負担するとして昭和三十七年の一月に発足をしたわけです。しかし、去る百二回国会で都道府県負担の導入を図る等のためにわざわざ年金の補完的制度という性格を変更した。そうして独自の福祉制度に改められているわけです。そうだとするならば、その額の改定については、年金サイドからではなくして、独自の福祉制度としてどうあるべきかという観点からきめ細かくそのあり方を検討すべきではないか、このように思うわけですが、御見解をお伺いしたいと思います。
○坂本政府委員 ただいま御指摘ございましたように、児童扶養手当は、従来の年金の補完的制度から独自の福祉制度へと昭和六十年に改定が行われたわけでございます。その後において手当額の改定を実施してきておりまして、基準は前年の物価上昇率に基づいて改定を行っております。これは単に従来年金の補完的制度であったから、今日においても年金に単純に合わせて行うということではなくて、やはり児童扶養手当制度としての考え方から行っておるわけでございます。結果としては同じ物価上昇見合いという形になっておりますけれども、考え方は今申し上げたようなものでございまして、こういった独自の福祉政策として、やはり今後社会経済情勢の動向に対応した改定というものも当然考慮すべきであろうと考えております。 ただ、現時点におきまして、全額国と地方公共団体によって負担をしておる、同時に今日の非常に厳しい財政状況の中にあって、この制度の安定的な運営を図っていくということから、現在の時点では、消費者物価上昇率に見合って少なくとも実質価値を維持するという考え方で、また同時に制度は異なりますが、同じように所得保障としての性格を持っている年金あるいはその他の各種の給付との均衡も考えながら改定を実施してまいっておるわけでございます。今後この考え方につきましても、いろいろまた私どもとしては検討をしてまいりたいと思っておるわけでございますが、基本的には、現在の改定の考え方は今申し上げたようなところでございます。
○吉井委員 もう一点、今の児童扶養手当、また特別児童扶養手当等の受給者の生活実態を厚生省としてはどのような形で調査されているのか、またその調査結果は、現在の手当の額に完全に反映されているとお考えになっているのかどうか、この点いかがですか。
○坂本政府委員 児童扶養手当は母子世帯に支給するものでありますし、特別児童扶養手当は障害児を養育している保護者に支給するという形でございますので、それぞれできるだけ実態を把握して、それに基づいて政策を決めていくという考え方のもとに各種の調査を実施してきております。 母子家庭につきましては、過去におきましておおむね五年ごとに全国的な実態調査を行っておりまして、最近では昭和五十八年度に行っております。それから障害児につきましては、過去において実態調査をやったわけでございますが、この調査につきましては、いろいろほかに難しい問題がございまして、最近では直接全国的な調査をしたのは五十年度ということで若干年数があいておりますが、六十一年度末、ことしの二月に新しい調査を実施いたしまして、今集計中でございます。これらの実態を私ども把握いたしまして、それを政策に反映させるようにいろいろ努力はしておるわけでございます。 この手当額そのもののほかに、母子家庭あるいは障害児に対して総合的に他の施策も含めまして、福祉施策としてできるだけ充実するような形で考えておるわけでございまして、例えば母子家庭に対しましては、ただいま申しましたような手当額の改定を初めといたしまして、母子福祉貸付金の貸し付け、あるいは就労対策、さらに介護人の派遣、障害児対策につきましては、施設整備を行って収容、あるいは在宅の場合の通園事業の充実、さらに家庭奉仕員の派遣、こういう幅広い見地からできるだけ実態に見合った対策を進めるように努力をしておるところでございます。
○吉井委員 次に、先ほどちょっとお話も出ましたが、国鉄共済の救済と年金の一元化についてお尋ねをしておきたい。 昭和五十九年二月二十四日の閣議決定では、昭和七十年を目途に公的年金の一元化を完了させる、こういうことになっているわけですが、今後の公的年金一元化問題の検討はどういう手順と方法になっているのか、大臣、お答え願いたいと思います。
○斎藤国務大臣 先生も今おっしゃっていただきましたように、昭和七十年を目途として年金の一元化を目指してまいるということは政府の方針として決めておるわけでございます。さきの年金改正におきまして、基礎年金を導入していただき、給付、負担の両面から一元化が図られたわけでございますが、今後はその他の部分におきます被用者年金全体の一元化へ向けて制度間の調整を図ってまいることになるわけでございます。これらの問題につきましては、できるだけ早急に検討に着手をいたしたいと思っておるところでございます。
○吉井委員 この国鉄共済の救済問題につきましては、去る三月二十四日に内閣官房長官、それから大蔵、運輸、厚生の各大臣によるところの閣僚懇談会が昭和六十四年度までの対策をまとめられたわけですが、六十五年度以降の対策としては、いよいよ厚生年金によるところの援助が必要、このように言われているわけですけれども、国鉄共済の救済に対しては、厚生年金側は反対、このように聞いておるわけです。それはどういう理由なのか。また国鉄共済に対する地共済の援助については自治大臣は反対、このように聞いておるわけですが、厚生年金の援助について所管であるところの厚生大臣のお考えをお伺いしておきたいと思います。
○斎藤国務大臣 国鉄共済年金問題につきましては、昭和六十年十一月の政府の統一見解に沿いまして、国鉄共済年金問題に関する閣僚懇談会を設置いたしまして、ここで鋭意検討を続けてまいりました。今お話にもございましたように、その中で昭和六十四年までの方策につきましては、この三月、過去の追加費用の見直しと国鉄共済年金の積立金の充当によって、昭和六十四年までの支払いに支障が生じないような措置を決定いたしたところでございます。六十五年度以降についてはどうするかということでございますが、引き続きこの国鉄共済年金問題に関する閣僚懇談会において検討をしてまいることといたしておるところでございます。 厚生年金もしくは他の年金との問題でございますが、先ほども申し上げましたように、被用者年金全体の一元化に向けての検討を今後進めてまいりますが、そういう中で被用者年金の一つとしての国鉄共済のあり方、もしくは他の年金との制度のアンバランスの調整という問題もそこでいろいろ議論されるでありましょうし、また一方、国鉄共済年金そのものにおけるいろいろな問題等について国鉄共済年金問題に関する閣僚懇談会で検討が行われる、こういうことでございまして、それぞれの分野、それぞれの立場において検討が行われていくということに今後なってまいると思うわけであります。今直ちに厚生年金がどのように助けるとか共済年金がどのように助けるかというようなことは、まだ少し早過ぎるような気がいたしておるわけでありまして、それぞれの問題を検討していく中で、いろいろな問題が出てき、そして相互間の問題調整が行われるということがあり得るであろうというふうに考えておるところでございます。
○吉井委員 先ほど申し上げましたように、また今大臣から御答弁をいただいたわけでございますが、六十年十一月のこの国鉄共済に関するところの政府統一見解では、六十五年度以降の国鉄共済問題については、六十四年度までの対策がまとまった後に速やかに検討する、こういうことになっているわけですが、どのような方法、手順でこれを検討されていくのか。またこの問題とそれから公的年金の一元化の問題、これは一体どのような関係にあると理解していいのか。すなわち、国鉄共済の問題が決まらないと、やはり他の公的年金の一元化という問題も進まないのではないか、このように思うわけですが、いかがですか。
○斎藤国務大臣 国鉄共済年金問題に関する閣僚懇談会は三月まで、六十四年度までの問題について検討いたしてまいったわけでございまして、六十五年度以降につきましては、言うならば、その三月に決めましたときに、六十五年度以降のことについてどうするかということを決めました。それはすなわち、先ほども申し上げましたように、この閣僚懇談会で引き続き検討する、こういうことになったばかりのところでございますが、今後まず当面は、国鉄共済年金の今後の収支の見通しとか、また給付水準の現状というような点から勉強し、検討を始めてまいりたいというふうに考えております。 また、他の被用者年金の一元化との関係でございますが、先ほど申し上げましたように、一元化の検討は検討として進め、そして国鉄共済の問題は問題として、その独自の問題について検討を進め、そういう検討の過程の中で、それぞれ関係する問題が出てくることになろうかというふうに思うわけでありまして、どちらが絶対に先でなければならないというようなことではなく、検討と並行しながら、お互いに調整すべき点が出てきた場合に調整をしてまいるということが妥当であろうというふうに思っております。
○吉井委員 次に、国保問題懇談会の件についてお尋ねをするわけですが、この国保の問題というのは今から非常に大きな問題になりつつあるわけです。この国保のあり方を検討する政府の国保問題懇談会、これが去る五月八日に発足をしたわけですが、この国保問題懇談会というのは何を検討するためにこれを設けることにしたのか、この点はいかがですか。
○末次説明員 国民健康保険は、御案内のとおり医療保険制度の基本をなす制度でございまして、この制度の安定した運営というものを確保する必要があるというふうに私ども認識しております。 したがいまして、医療保険制度全体の中におきます国保制度のあり方につきまして、国と地方の役割分担等を含めまして、この際幅広く基本的な検討を行いたいというふうに考えたわけでございまして、ただいまお話のございましたように、五月八日に学識経験者を構成メンバーといたします国保問題懇談会を開催したところでございます。
○吉井委員 そこで、昨年暮れの六十二年度の予算編成の際に、大蔵、厚生の両省は、国保に都道府県の負担を導入して、そして国の負担を軽減しよう、こういう案を出したわけですが、地方側は、国の負担転嫁であるとか、国保は国の制度として設けられたのだから、国の負担軽減のみを策するのは国の責任放棄である、このように非常に強い反論を示して、結局この案は撤回されたわけです。そのかわりに、大蔵、厚生、自治の三省の合意によりまして、この懇談会が設けられた、このような経緯があるわけですが、今述べました経緯等からいって、この懇談会は都道府県負担の導入を検討するものではない、このように考えてよろしいでしょうか。
○斎藤国務大臣 今回の国保問題懇談会は、国保の将来にわたっての安定的な運営を図っていくために、医療保険制度全体の中でどのように考えていくかということで、幅広い観点から御議論をいただくものでございますが、同時にまた国と地方との負担のあり方ということについても、その幅広い検討の一つの課題であろうというふうに考えておるところでございます。
○吉井委員 今大臣からも御答弁がございましたように、当然国と地方の負担のあり方、こういったものもいろいろと検討をされるわけですが、自治省はこの国保に対する都道府県負担の導入に反対をされているようですけれども、その理由についてお聞かせを願いたいと思います。
○二橋説明員 ただいまお尋ねにもございましたように、国民健康保険制度は、国の責任におきまして行われます国民皆保険の一環として行われる基本的な制度でございまして、他の医療保険制度と同様に、保険料と国庫負担によって財源を賄うべきものというふうに私ども考えております。 したがいまして、この国民健康保険につきまして地方負担を導入いたしますことは、地域の住民の税金を国保の被保険者にのみ支出するという結果になりまして、住民相互間のバランスを欠くということになります。そういう観点から、私どもとしては国保について地方負担を導入するということは行うべきではないと考えておる次第でございます。
○吉井委員 私が聞くところによりますと、自治省は当然ながらこの懇談会は都道府県負担の導入を検討する場ではない、このように考えていらっしゃるようですが、もし検討されることになった場合はどう対処するのですか。
○二橋説明員 国保問題懇談会は、先ほど厚生省の方から御答弁がございましたような趣旨で設けられたものでございまして、自治大臣も含みます三大臣の合意に基づいて設置されたところでございます。国民健康保険の安定した運営が確保されるように、医療保険制度全体の中における制度のあり方について幅広く基本的な検討を行うということで設けられたものでございますので、いろいろな角度から国保に関連する問題が検討されることになろうと思います。しかし、いずれにいたしましても、どのような課題が検討されるに当たりましても、ただいま申しましたような設置の趣旨に基づいて検討が行われるべきものというふうに考えております。 なお、国保の地方負担の導入の問題につきましての自治省の考え方は先ほど申し上げたとおりでございます。
○吉井委員 それでは厚生省にお尋ねをしますが、懇談会の検討期限、これはいつまでなのか。もし今年末までに検討を終えたとするならば、これを六十三年度予算に反映させるのですか、どうですか。
○末次説明員 当面の検討スケジュールにつきましては、さしあたり国保の現状と問題点につきまして御議論いただき、検討事項を整理する、そこから入りたいと思っておりまして、そこをまとめました段階で具体的な検討に入っていきたいというふうに考えております。 その時期につきましては、現在のところ、懇談会では特にいつまでと決めているわけではございませんが、ただ問題の緊要性もございまして、私どもといたしましてはできるだけ速やかに検討を進めていただきたい。その結果に基づきまして、またその時期に基づきまして対応を考えていきたいというふうに考えております。
○吉井委員 そこで、厚生省はかつて昭和五十九年の健保法の改正のときに、昭和六十年代後半のできるだけ早い時期に給付の八割程度への統一及び財源の調整等による負担の公平化を図る、そういう医療保険制度の一元化についての考え方を示されているわけですが、この実現への努力、これはその後どうなっているんでしょうか。
○末次説明員 医療保険制度につきましては、今後本格化する長寿社会を迎えますに当たりまして、給付と負担の公平化を図ることが不可欠の問題というふうに考えております。そういう関係で、前国会におきまして、老人医療費の負担の公平化を図るという見地から老人保健制度の改正が成立いたしました。したがいまして、今後この状況を踏まえまして、医療保険制度の一元化に本格的に取り組んでまいりたいというふうに考えておるわけでございます。 さしあたり、本年一月三十日に社会保険審議会に対しまして、一元化を念頭に置きまして、医療保険制度をめぐる基本的な問題を中心に幅広い検討をお願いしたところでございまして、具体的に四月十四日にはこの問題に取り組むための第一回の基本問題等小委員会を開催したところでございます。 また、ただいま御答弁申し上げております国保問題懇談会、これにつきましても制度一元化と深い関連を有するものでございまして、今後こういうふうに関係者の御意見を幅広く伺いながら、鋭意検討を進めていきたいというふうに考えております。
○吉井委員 今後の高齢化、これを控えまして、医療保険の一元化、また医療費の適正化等の中で、この国保というものを今後どう考えていけばいいのかということは、当面の国保のいわゆる一番最大の課題ではないか、このように思うわけでございますが、こうした非常に大きい問題については当然この懇談会でも取り上げるものと考えられるわけです。そうだとしますと、今回のこの懇談会の程度のもので処理するのは非常に困難ではないか、したがって、よりもっともっと規模の大きい組織でもってじっくりと取り組んでいく必要があるのではないか、このように思うわけですが、いかがですか。
○斎藤国務大臣 ただいま御説明申し上げましたように、医療保険の一元化に向けては、社会保険審議会にその御検討をお願いをし、基本問題の小委員会を持っていただきまして御検討を進めていただいている。またその中でも、特に国保の問題は緊急を要する非常に重要な問題でありまして、一方国保懇談会を設置をして御検討いただくということでございまして、これら二つの御協議をいただくということで、当面この御検討を進めていただく、これを見守らしていただくということが適当であろうというふうに思っております。
○吉井委員 そこで、この国保財政につきましては、例のいわば退職者医療制度創設時の加入者の見込み違い、これによって大きな影響額が生じて、そして昨年の老人保健法改正によってようやく一息をついた、こうした状況にあるわけですが、市町村によれば、なお五十九、六十年度の影響額、これは二千八十億円、これに対する国の未措置額が七百十三億、このようになっております。そして昨年の老人保健法改正の実施時期の二カ月おくれ等による国の未措置額がこれまた二百九十八億円残っておる、このように言われているわけですが、これらの未措置額について国は当然早急に補てんすべきではないかと思うのですが、もしそのお考えがないとするならば、一体この分はだれが負担することになるのですか。
○末次説明員 退職者医療制度創設に伴う五十九、六十年度の国保財政に対する影響額、これにつきましては、ただいまお話のございましたように、二千八十億に対しまして補正予算で千三百六十七億二千五百万の国民健康保険特別交付金を措置したわけでございます。これは極めて厳しい財政事情のもとで、国として最大限の努力を重ねたぎりぎりの結果であるというふうに私ども考えております。また六十一年度につきましても、当初予算に国保特別交付金を計上し、さらに補正予算で七百四十億の追加をしたわけでございまして、これもただいま申し上げましたような最大限り努力を重ねたぎりぎりの結果であるというふうに私ども考えております。 これにつきましていろいろ御批判のあることは承知しておるわけでございますが、お話のございました老人保健制度の改革等によりまして、国保財政の安定化が図られるというような状況もございますので、厚生省といたしましては、今後とも国保の財政状況を十分見守りながら、その運営の安定化が図られるよう誠意を持って適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○吉井委員 次に、被爆者援護手当の手続の改善についてちょっとお尋ねをしておきたいんですが、現在被爆者手帳を所持している人は全国で何人いらっしゃるのか、またそのうち七十歳以上のお年寄りの方々が何割を占めているのか、一番新しいデータでお知らせ願いたいと思います。
○仲村政府委員 被爆者手帳の保有者でございますが、現在昭和六十年度におきまして、三十六万六千人の方々が手帳を保有されておられます。そのうち七十歳以上というのは、先ほど話題になりましたように、実態調査のところで調査をしているわけでございますが、五十年の実態調査によりますれば、六十歳以上の方が三四%、七十歳以上の方が一五・五%でございまして、この率は恐らく一〇ポイントあるいは七、八ポイントずつアツプして高齢化が進んでおるというふうに考えております。
○吉井委員 今御答弁をいただきましたように、被爆から四十二年を迎える現在、被爆者の高齢化が非常に進んでおる、したがって、健康に対する不安、また将来に対する不安というものがますます大きくなっているわけですが、潜在的被爆者を含めると一万人、私どもの住んでおるところの山口県は、広島、長崎に次いで三番目の被爆県となっているわけですが、我が国は御承知のように、人類唯一の被爆国として全世界に平和を訴え続ける使命と責任があるわけでして、生き証人であるところの被爆者の存在は、これに大きく貢献をしておるわけでございます。こうした観点からも被爆者の高齢化対策というものが急務ではないか、私はこのように思うわけですが、いかがですか。
○斎藤国務大臣 原爆被爆者の皆様方には大変お気の毒な思いをいたしておりまして、現行原爆二法によってその対策を充実をさせているところでございますが、特に御指摘のように、被爆者の皆様方の高齢化というのが非常に進んでおりまして、被爆者の高齢化対策というものが非常に重要であるということを認識をいたし、きめ細かな対策を推進をいたしてまいりたいと考えております。現在、御承知のように、広島、長崎等におきまして、原爆被爆者の方々に向けての特別養護老人ホームや養護老人ホーム等の整備、また運営等を図っておるところであり、また家庭奉仕員等の制度を活用して御援助を申し上げておるという段階でありますし、また六十二年度におきましては、健康管理施設の助成も行ってまいる、こういうことにいたしておるわけであります。 先ほどの御質問でもございましたように、被爆者の実態調査、生存者調査等におきましても、高齢化問題についてのいろいろな御質問事項をふやしておるわけでありまして、この調査の集計ができ上がりましたならば、その結果を踏まえて、なお一層の高齢化対策をきめ細かくいたしてまいる決意でございます。
○吉井委員 また、この高齢化とともに、こういう被爆者の中には、多少体のぐあいが悪くても、生活を維持していくためには働かざるを得ない、こうした方々も随分いらっしゃるわけです。したがって、中には定期的に健康診断を受けたくても、長時間かかる病院通いはなかなかできない、こういった方も随分いらっしゃるわけです。現在受けている被爆者手当のうち、健康管理手当の受給者は全体の七割近くに達しているわけですが、これは御承知のように、三年ごとに更新をしなければならない。しかし、この更新手続が非常に煩雑である、しかも更新に長期間を要するために、被爆者にとってはこれがまた大きな負担となっている、こういう声をあちらこちらで聞くわけでございます。したがって、被爆者の置かれている現状を考えると、こうした点の改善がぜひとも必要ではないか、このように思うわけですが、この改善策についてお尋ねをしたいと思います。
○仲村政府委員 健康管理手当でございますが、御承知のように、被爆者の方々が一定の疾病にかかっているということに着目いたしまして支給されておるわけでございまして、対象者の方々は約二十二万人という数字でございます。その方々がその疾病にかかっているということに着目しておることから考えまして、定期的にその状態を確認することは、手当の趣旨から必要だということでこのようになっておるわけでございますが、御指摘のように、支給期間三年ということで、一部の疾病を除きまして三年ということでございますが、対象疾病診断書の様式等についてさらに改善する部分があればということで、今検討をお願いしておるところでございます。研究班を設置いたしまして、その内容等について研究をお願いしておるところでございまして、その研究結果を待って、私どもとして事務的な検討を進めてまいりたいと考えております。
○吉井委員 次に、喉頭摘出者に対する税の減免についてちょっとお尋ねしておきたいと思うのです。 身体障害者福祉法によりますと、喉頭がん等でのどに続く気管の中にある発声器管を摘出した者は、音声または言語機能の喪失並びにその著しい障害に当たるとして、障害等級が三級または四級の重度障害者とされているわけですが、こうした喉頭摘出者の方々は、気管孔のみで呼吸をするわけですから、その気管孔が小さいために非常に軽度な運動でも息切れがする、たんが詰まりやすいので息苦しいとか、また平地を歩く場合でも、健常者に比べて遅いペースで歩かざるを得ない、長距離を歩くと呼吸困難になる、しかし歩行にかえて自転車に乗ろうとしても、特に寒いときなどはせき込んで呼吸困難になる、このように日常生活に大変な支障を生じていると伺っておるわけです。 このような音声または言語機能障害による不便は、同じく障害等級の一、三、四級に当たるとされております呼吸器機能障害の場合と全く同様だと私は思うのです。しかも、こうした喉頭摘出者は歩行困難であり、また音声が出ないために思うように行動したり、意思の伝達すらできない。したがって、事実上、電車やバスも利用が非常に困難である。そのために自動車、自家用車が日常生活で不可欠になっておる、こういう点でも呼吸器機能障害者と同じ状況にあるのではないか、このように思うわけですが、厚生省はこのような類似性を認めているのかどうか、この点はいかがですか。
○小林(功)政府委員 喉頭摘出者の問題でございますが、この道の専門家にも何人か御意見を伺ったわけでございますが、それによりますと、喉頭摘出のみによって呼吸困難に陥るということはまずないだろうというのが全員の一致した意見でございました。したがいまして、そういう意味で喉頭摘出者あるいは音声、言語障害すべてについて税の減免というのはなかなか困難であろうと思います。 ただ、先生もちょっとお触れになりましたように、喉頭を摘出した場合に、場合によっては合併症を併発するとかあるいはそれによって気管に影響を与えるとかいうことで呼吸機能に支障を生ずるという例も、これは余りたくさんはないようでございますが、まれにはあるということでございます。その場合には、呼吸器機能障害ということで障害認定を受けられますので、自動車税の減免につながるというケースもあり得るであろう、このように考えております。
○吉井委員 この喉頭摘出者ですが、私もたくさんの人を知っておるわけですが、今もちょっと触れられました税の減免、そういったものについて、これはわずかの県ですけれども、減免措置を講じておる、こういうことですが、こうした状況からすれば、自治省あたりも全国的に減免の指導をすべき時期に来ているのではないか、このように思うわけですが、自治省のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○小川説明員 ただいまの自動車税等の減免につきまして、先ほど厚生省の方から御答弁がございましたように、私どもといたしましては、特定の心身障害者に対します減免について課税の公平というものを確保していくという観点から、日常生活を営むに当たりまして、歩行困難というような一定の障害者につきまして限定して減免を行う、こういうふうにいたしておるわけでございます。先ほどの厚生省のお答えにもございましたようなことがありますので、私どもといたしましては、その段階にまでまだ至っていないのではないかというふうに考えておるわけでございますが、なお医学的、専門的な分野につきまして、厚生省の方からいろいろ助言等もいただきながら対処をしていくというふうに考えておるところでございます。
○吉井委員 以上で終わります。
○浜田(卓)委員長代理 次に、田中慶秋君。
○田中(慶)委員 まず、今回提案されている法案の中で、児童扶養手当の問題について質問をさせていただきたいと思います。 今回の児童扶養手当の引き上げで、例えば母子家庭の所得保障が十分にされているかどうか、この辺についてお伺いしたいと思います。特に最近の母子家庭、例えば交通事故による母子家庭もあるでしょうし、あるいはまたそれぞれの家庭の中における条件は違うにしても、病気によってなられたような母子家庭、大変悲惨な目を見ているわけでありますけれども、こういう中における所得保障といいますか、こういうことを考えたときに、子供を持ちながら家庭を営むというのは大変なことだと思いますので、この辺についてどのようにお考えになっているのか、冒頭にお伺いしたいと思います。
○坂本政府委員 母子家庭に対しましては、ただいま御指摘のあったような児童扶養手当の支給を初めといたしまして、また死亡の原因によっては年金の支給も行われるわけでございますが、そのほかに各種の施策を通じて、その生活の安定と自立の促進を図っていく必要があると考えておるわけでございます。母子家庭の状況もさまざまでございますが、私どもの考え方として、まず所得保障としての児童扶養手当につきましては、少なくとも現時点で物価上昇等を勘案して、その実質価値の維持を図るということを基本にいたしまして、今年手当額の引き上げを行うことを予定しておるわけでございます。 また、この母子家庭に対する福祉対策といたしましては、手当の支給だけでなく、母子福祉資金の貸し付け、さらに現在就労しておられない母子世帯の場合には就労対策、あるいは公的な施設における売店の設置に対する優先的な取り扱い、あるいは母子相談員による各種の相談、さらに母親あるいは子供が病気になったときの介護人の派遣、こういったような各種の対策を通じまして、母子家庭の生活の安定と自立の促進を図っていくべく努力をいたしているところでございます。
○田中(慶)委員 今回もそれぞれの引き上げをされているわけでありますけれども、今もお話があったわけですが、就労のために売店その他の問題等々を含めてという話でもありますけれども、例えば母子家庭になられたときに、政策上は一つには住宅問題も大変大きな問題でありますね。ところが現在県営住宅や市営住宅等々を含めて、母子家庭だからと優遇措置はあるにしても、限られた中で、それは優先的に入居できるものではない、あるいはまた保育所の問題等々についてだって、これらの問題を考えても優先的にというわけにはなかなかいかないのが現実です。そういう点では、やはりこういう問題を含めて、不慮の事故なりあるいはそういう形で母子家庭になられたときについては、それぞれの制度があることはよく存じ上げております。しかし、制度があっても、現実にその制度が一〇〇%生かされなければどうすることもできないわけですから、やはり扶養手当とかこういうものだけですべて解決するわけではないと思うのです。ですから、こういう一連の問題の中で、今申し上げた制度が一つあっても、その制度が一〇〇%生かせなければ、母子家庭の家庭環境というものが改善されるものではなかろう、こんなふうに私は思っておりますので、まずその辺についてどのような見解をお持ちになっているのかお伺いしたいと思うのです。
○坂本政府委員 確かに御指摘のとおりに、制度をつくってあるだけでは必ずしも有効に作用しないわけでございます。母子家庭対策につきましては、私どもが中心になって考えておるほかに、労働省あるいは建設省、さらに税制問題で大蔵省、政府の関係各省がそれぞれ所管の制度についていろいろと検討し制度をつくっておるわけでございます。私どもとしても、そういったことにもかんがみまして、関係各省とも十分協議をしながら、それぞれの制度が有効に生きるように、そういう努力を今までもしてまいりましたし、今後とも各制度が十分その機能、効果を発揮できるように努力をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。 〔浜田(卓)委員長代理退席、委員長着席〕
○田中(慶)委員 それぞれの立場で、これらの問題についてはより横の連携をとりながら、この制度が十二分に生かされるように御配慮をぜひお願いしたいと思います。 そこで、労働省にお伺いしたいわけですけれども、今お話をさせていただき、あるいはまた御答弁もありました。急に父親を亡くされたような場合においての母子家庭の母親が、例えば就労を希望してもなかなかその就労というのが難しい状態であります。例えば子供が小さい環境の中に置かれている問題でもあり、こういう点での就労というのは非常に難しいのじゃないかと思います。現在、この母子家庭の就労対策は、労働省としてどのようにされているのかお伺いしたいと思います。
○佐藤(仁)政府委員 お答え申し上げます。 母子家庭の母親のうち約八四%の者が就労いたしております。先生御指摘のとおり、そうした方方の就職は大変難しい面がございます。子弟の保育の問題でありますとか、職業経験がないあるいは大変乏しいがために職業上の技能を十分持っていないこと、そういう事情もございまして、よい労働条件の職場を得ることが大変難しいというのが実情であろうかと思います。 このため、公共職業安定所にはそうした母子家庭の母等に専門的に対応する職業相談員を配置いたしておりまして、家庭環境等も考慮しつつ、きめの細かい職業指導、職業紹介に努めております。またそうした母子家庭の母等を雇い入れた事業主に対しましては、六十二年度についていいますと、中小企業の場合、賃金の三分の二を一年間助成するという助成制度も持っておりますし、またそうした方が手に職をつけたいということで訓練を受ける場合には、訓練手当を支給するなどいたしまして、その就職の促進を図っているところでございます。
○田中(慶)委員 確かに制度上はそうなっていると思うのですけれども、ここにそれぞれの議員さんもいらっしゃいますけれども、私どもも日常の中でこのような相談は非常に多いわけです。ですから、現実問題として、例えば今まで御主人さんが比較的高い賃金をちょうだいしていた管理職の人たちが急にそういうふうになってくると、あしたからの生活が大きく変わるわけです。そういう点では、例えば中小企業でお雇いになった場合において三分の二の賃金保障をされるなり、あるいは訓練所でそれぞれの補助をいただいて、政策をしているということでありますけれども、現実問題として、この職場あるいはまたこの環境に置かれている人たちは大変な悩みを持っているわけです。ですから、もっともっとこの制度上の問題やら、あるいはまたそういうことを含めてPRも必要でしょうし、また制度の充実も必要だろうと思います。 確かに、それでなくても現実には、例えば高齢者の人たちだって、健常者の人たちがまだ職を得られなくて困っているわけですし、さらにまた最近の状態では非常に企業倒産が多くて、こういう形で就労の道というか雇用の道が少なくなってきているわけでありますから、しわ寄せはこういうところに必ず行くわけです。ですから、こういう問題に対する厚生省及び労働省の取り組みは、もっと連携を密にしてやる必要があるだろう。先ほどお答えをいただきましたけれども、現在の縦割り行政の中でそれぞれの問題点が今私が申し上げたような形の中で出ていることは現実です。 そういうことを含めて、これからも制度がやはり有効に生かされるために、それぞれの立場で横の連携を密にして、これらの問題についてもっと徹底を図られたいと思いますけれども、いかがでしょう。
○坂本政府委員 母子家庭の母親の就労問題につきましては、私どもも従来から意を十分に用いるように努めておりまして、特に労働問題主管省である労働省の対策について、私どもも関心を持ってそれに対応して、各地の母子福祉行政の担当者が動けるように種々連絡等も行っております。私どもとしては、従来母子家庭の就業対策につきましては、労働省における対策について、こちらから各県あるいは指定都市の母子福祉主管課長あてに通知を出しておりまして、中央のみならず各地方においても相互連携によって十分な対策が進められるように努力をいたしておりますが、今後ともなお両省の連絡を緊密にし、また全国的にその施策が十分浸透するように努めてまいりたいと存じます。
○田中(慶)委員 これからも厚生省、労働省を初めより連携を密にしてぜひやっていただきたい。 いずれにしても、だんだん雇用の道あるいは就労の道は非常に狭くなってきているのが現状でありますから、そういうことを含めてぜひ前向きにこういう問題を徹底していただきたいということを要請しておきます。 そこで、厚生省にお伺いしたいわけでありますが、今もお話に出ましたように、各都道府県の母子相談員が相談援助事業を行っている、こういうことでありますが、その相談はどういう中身あるいはまたどういう問題が多いか、そういう問題について現在手持ちであれば説明をいただきたいと思います。
○坂本政府委員 全国の母子相談員に相談があった事項の内容を大きく分けますと、まず生活の援護に関するもの、これが六二%になっております。その次に生活一般に関する相談が二五%、それから児童の教育等に関する相談が九・一%というような内容でございます。さらに生活援護の相談の中で一番多いものが児童扶養手当関係のものと母子、寡婦福祉資金の貸し付け、これが相当数を占めておるわけでございます。また生活一般に関しましては、就職問題、医療の問題、住宅の問題、これが多いわけでございます。また児童の教育につきましては、養育の問題、教育の問題というのが多数を占めております。そのほかに、母子世帯向けの公営住宅の問題あるいは母子寮の問題、こういう内容がございます。 私どもはそういった内容を踏まえまして、まず要望の多い母子福祉資金の貸し付けにつきましては、できるだけ要望にこたえられるように、毎年四十億円程度の原資を国が各都道府県あてに支出をいたしまして、資金を十分提供できるように考えております。さらに貸し付けの条件、限度額等につきましても、年々改善を図っておるわけでございます。そのほかに自立促進のための各種の技能講習の問題でありますとか母子寮への入所、さらに病気の場合の母子家庭への介護人の派遣、こういったところにできるだけ施策を重点的に行って、母子家庭の要望にこたえていくべく努力をいたしておるわけでございます。
○田中(慶)委員 今それぞれ母子相談員に対する現在行われている諸問題について述べられておりますけれども、例えばそこにおける自立の貸し付けの問題等々を含めて、いま少し制度といいますか、手続の簡略化が必要だと思うのです。せっかくいい制度があっても、現実にお困りの人たちというのは、余り時間や難しい手続ということで、時々いま少しこの手続が簡単であればなあと言われる、こういう問題があるわけです。ですから、こういう問題についても、やはりもっと簡素であるべきだろう、こんなふうに思います。 あるいはまた、特に在宅といいますか、自宅の中でそれぞれ就労ができる、最近はコンピューターソフトの問題やらいろいろなことを含めて検討したときに、そういう点での訓練等も現実には自分の選択ではできますけれども、そういうことも含めて、こういう家庭に合った環境での仕事のあっせんや職業訓練、また本人の特性もあると思いますけれども、そういう点のきめ細かさが必要だろうと思います。 私が今申し上げたのは、その立場に立ったきめの細かい指導や手続が必要であろう、こういう面で申し上げているので、これらについてももう少し簡素化が必要じゃないか、こんなことを思いますけれども、いかがでしょう。
○坂本政府委員 母子福祉資金の貸し付けにつきましては、やはり国と都道府県が負担をしております公的資金でございますから、その貸付業務の適正化という見地からいろいろ制約がございますけれども、私どもこれまでにできるだけ身近なところでその貸し付けが受けられるように考慮してまいりましたし、また今後、そういった制約の範囲内でできるだけ簡略化あるいはそれを借りようとする人の利便になるような方法、こういったものを研究してまいりたいと考えております。
○田中(慶)委員 いずれにしても、今回もそういう面では、児童扶養手当というものは、それぞれの家庭の人たちが健全なといいますか安心して暮らせる立場で行っているわけですから、より充実をしていただきたいということを重ねて要請しておきたいと思いますし、今申し上げた母子家庭全般について大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○斎藤国務大臣 母子家庭に対する対策につきましては、死別とかまた離婚によりまして受けられました精神的または経済的なショックをいかに緩和しつつ自立していただくか、また扶養する児童等の健全な育成をどういうふうにしていくかというような観点から大変重要な問題であるというふうに考えております。 先ほど来御指摘がございましたように、これまでにも所得保障の充実、また自立へ向けての諸政策の拡充、また税制面での配慮というような観点からこの政策を進めてまいっておるわけでございますが、御指摘のように、関係の労働省とか建設省とか、そういった関係省庁とも常に緊密に連携をとり合い、またきめ細かな政策で制度や仕組みというものを実際に使っていただく、そういうことが必要でありますので、母子相談員等の派遣などを一層活発にいたしまして、きめ細かな政策が推進できるよう一層努力をいたしたいと考えておるところでございます。
○田中(慶)委員 それでは次に、戦傷病者並びに戦没者の問題について若干質問させていただきたいと思います。 今回の年金額の改定がそれぞれ〇・六%の年金改定であるわけですけれども、全般的に戦傷者等の問題についてはスライド率が二%ということで高いわけでありますが、これはやはり国家補償という精神に基づいてこのような額の決定であるというふうに理解していいのかどうかお伺いしたいと思います。
○木戸政府委員 お答えを申し上げます。 援護年金の額の改定に当たっては、援護法の目的でございます国家補償の精神というのを踏まえて行っているわけでございます。具体的にはほぼ同じような性格の恩給法に基づく恩給の額の改定に準じて行っているわけでございます。
○田中(慶)委員 だんだん高齢者になってまいろうと思いますので、この辺についても生活不安のないように、今後ともきめの細かい形で行っていただきたいと思います。 特に、戦没者の遺族といいますか、その人たちは、やはり何といっても戦争というものの犠牲という形になっておると思いますし、そういう点では、特にまだ遺骨が収集されていないところについては一日も早く収集していただきたいという願望や、あるいはまた遺骨収集について国も一生懸命やっていらっしゃると思いますけれども、これからどのような形で、過去にどのくらい行い、今後どういう計画なのか、この辺についても、年金だけの問題ではなくして、心の痛みというものについても解決をしてやる必要があるのではないか。そんなことを考えたときに、これらに対してどのようにお考えになっておるかお伺いしたいと思います。
○斎藤国務大臣 政府におきます戦没者の遺骨収集は、昭和二十七年の講和条約発効後直ちに開始をいたしまして、フィリピン、マリアナ諸島、ソロモン諸島、東部ニューギニア等の旧戦域において、これまでに延べ百七十七回にのぼる収集が行われてまいったところでございます。その結果、約百二十一万柱の御遺骨が日本に送還されたところでございます。 遺骨収集の実施には相手国の了解が必要でありまして、また逐年危険な作業や難しい作業が伴うケースが多くなってきておるところでございますが、御遺族の御心情を考えますと、最後の一柱まで遺骨を収集するんだという気持ちで遺骨収集事業を継続いたしてまいりたいと考えております。本年度も昭和六十一年度同様、五地区、すなわちフィリピン、ソロモン諸島、マリアナ・パラオ諸島、沖縄、硫黄島において遺骨収集を実施する予定といたしております。
○田中(慶)委員 ぜひ遺族の立場に立って、これからもこれらについて行ってやっていただきたいと思います。 そこで、やはり戦争の被害者といいますか、先般大臣が二十九日から五月四日まで中国を訪問されて、中国残留孤児の問題について、今日までの経過あるいはまたお礼や、中国側とそれなりの話をされてきたと思いますけれども、この辺について、帰朝報告じゃありませんけれども、大臣としての考え方をお伺いしたいと思います。
○斎藤国務大臣 お話しいただきましたように、国会のお許しをいただきまして、四月二十九日から五月四日まで訪中をいたしてまいりました。これは中国残留日本人孤児の問題、なかんずく昭和五十六年から行ってまいりました訪日肉親捜しの問題が本年の三月をもちまして一応一回りいたし、一区切りをいたしたわけでございまするので、これまでにおきます中国政府の格別の御配慮、また慈愛をもって養育していただきました養父母の皆様方を初めとする中国国民の皆様方に、日本国を代表してお礼を申し上げに訪中をいたしたところでございます。 特に孤児問題の担当であります呉学謙外交部長、また王芳公安部長等にお目にかかりまして、今申し上げましたような感謝の気持ちを申し上げますとともに、なお肉親捜しをいたしましても肉親が判明しない方々については、引き続き肉親捜しを継続いたしたい、最後の一人まで調査をいたしたい、また新たに孤児と判明をされた方々についてもその調査をいたしたい、そういう場合においてなお引き続きの御協力をいただきたいということをお願いをいたし、また肉親が判明しない方をも含めて、御本人の希望によって帰国をされる場合には、早急にその受け入れを行ってまいりまするので、そういう点についても中国政府の一層の御協力をいただきたい、こういうようなことを申したわけでございます。中国政府、今申し上げました両部長も快くこれまでどおりの協力をして、最後までのこの問題解決に当たりたいということをおっしゃっていただきました。大変ありがたい気持ちを持って帰ってまいったところでございます。 そういうことでありますので、これから帰国されます孤児の方々を一日も早く定着、自立していただけるための方策に今後全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 なお、その際に、向こうの厚生大臣に該当いたします民政部長、衛生部長ともお会いをいたしまして、両国間の福祉、医療保険、保健医療という面における友好親善協力といった問題についても非常に実りのある話し合いをいたしてまいることができました。
○田中(慶)委員 まだ通告をしておきましたけれども、時間が参りましたので、これで質問をやめますが、例えば障害者の雇用とか、あるいはまた特に今回精薄者の雇用問題で労働省の方としての法改正がきょう国会でも審議をされ追加をされたわけであります。しかし、こういうものと、例えば福祉年金や生活保護、そしてこういう人たちが現実に就労といいますか、わずかなお金を稼いできても、現実には年金額がそのことによって減らされてみたり、あるいは生活保護が減額をされてみたり、あるいは福祉施設の入所されているところで、今まで無料だったものがそのことで有料になる。せっかく社会参加をする意欲やそういうことが、現実問題として、片方においては立法化し何とかしようとする、片方においてはそういう非常に法的な解釈論の矛盾があって逆にそれを救済できない。こういうことであってはいけないと思いますので、これはまたの機会にもさしていただきたいと思いますけれども、やはりそういう点での福祉というものがもっともっと連携を各所にわたって各般にわたってする必要があるだろう、こんなふうに考えておりますので、その辺を含めて私の考え方を申し上げて、次の機会にまた質問をさせていただきたいと思います。 以上で終わります。
○堀内委員長 田中美智子君。
○田中(美)委員 まず、質問に入ります前に一言言わせていただきたいと思います。 きょうは原爆特別措置法と児童扶養手当法、戦傷病者援護法、臨床工学技士法、義肢装具士法、この五つの法案をわずか三時間で質疑をするということになりました。従来ですと、対決法案は別といたしまして、全会、皆さんが賛成する法案などでは、一法案、どんなに少なくても三時間または六時間というのが普通だったわけです。ところがきょうは五つの法案を一遍に一括してやるということです。そのためにきょうの私の質問時間は、五本の法案を一括で二十五分間で質疑応答するというのですから、これはとんでもないことだというふうに思います。例えば賛成起立するような法律であっても、それは問題点や疑問点がたくさんあるわけです。ですから、改善すべきことがたくさんあるわけですから、どんなに賛成法案であっても、それはやはり国会で討議してきちっと検討していくべきだというふうに思います。ですから、多くの討議をし、民主的に審議を深めるということが国会議員またこの委員会の責務であるというふうに私は思っています。ところが、今度のように、法案の成立を一瀉千里でやるという理由として、それは売上税の問題で審議がおくれたので、審議する時間がないからやむを得ないのだという意見がありますけれども、売上税が廃案になるからといって、他の法案をおろそかにするということにはならないと私は思うのです。このようなことが二度と行われないように委員長に強く要求いたしまして、質問に入りたいというふうに思います。 それでまず、健康管理手当のあり方委員会というのがありますけれども、ここでは今、簡単にお答え願いたいのですけれども、何を検討していらっしゃるのでしょうか。
○仲村政府委員 原爆症調査研究委託費の中で、原爆障害症に関する調査研究班という研究班に、昭和六十年度より健康管理手当対象疾患の整理検討を国際疾病障害分類、ICDといっておりますが、それによって整理検討を行うということでございますとか、障害別による診断書の書式の改定案を検討する等の御検討をいただいておるところでございます。
○田中(美)委員 今健康管理手当が支給されているわけですけれども、大体三年に一遍認定を更新していくということですが、対象者の被爆者は今非常に老齢化しているわけですね。こういう中で三年に一遍ずつ認定を更新するといいますと、本当に目も十分に見えなくなったような方たちがいろいろな書類を書かせられるということで非常に面倒だ。三年で簡単に治るという病気——これは別に特にひどい病気でなくても、例えば腎臓が悪いということであって、その病気自体は臨床的には治ってきているというようなことがありましても、体が全体に弱っているわけですから、これと関連したところも弱ってきているわけですね。そういうことを考えれば、三年というのではなくて、これからは一度認定した場合には、特殊な事例は別として、これはもう半永久的に認定していくというふうにすべきではないかと思うのですけれども、その点ではどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
○仲村政府委員 健康管理手当と申しますのは、被爆者の方々が一定の疾病にかかっているかどうかということに着目して支給をしておるわけでございますので、その病気にかかっておるかどうかを定期的に確認することはぜひ必要なことだと考えております。したがって、仕組みとしては、そのような仕組みをとるのがこの手当の性質上、建前としてあるわけでございますけれども、さっき申し上げたような観点から見直しをしているというのが現状でございます。
○田中(美)委員 今被爆者は切り捨てられるのじゃないかという非常に不安を持っているわけですね。——大臣、よく聞いていてください。(斎藤国務大臣「聞いています」と呼ぶ)被爆者はふえていないのですね。どんどん減っていっているんですよ。そして老齢化していっているんですよ。それを切り捨ててしまうのではないかという不安を与えるということは、これは結果は出てみたらそうではないかもわかりません。しかし、不安を今与えているということは、今のような答弁を見ますと、病気なら病気を認定するのが必要なんだ、三年に一遍ずつやるのは必要なんだ、こういうふうな言い方をしますと、被爆者はこれはますます悪い方向に行くのではないかという形で心配していられるわけですね。 ですから、決して悪い方向に持っていこうとしているのではなくて、老齢化した被爆者に対して、さらにいい方向に検討しているんだ、だからもうちょっと待ってくれというならわかるわけですけれども、三年に一遍と言ったって、もうお年寄りは完全に治るということは——それは医者に任せなければ、臨床的には医者が決めることではあります。しかし、ここまで老齢化した場合には、実際にはもう手続が面倒なものですから、みずから放棄している人はいっぱいあるんですね。それをいいことにしてほったらかすということは、私はいけないと思うのですね。そういう意味で、決して悪い方向ではないんだという安心感を与えるような検討であるということであるかどうかということを大臣にお聞きしたいと思います。
○斎藤国務大臣 ただいま保健医療局長からも御答弁申し上げましたように、健康管理手当は、被爆によりまして一定の疾病を受けられたということに着目をして、この手当を支給をいたしておるわけでございますので、その疾病がどのような状況になっているかということは、定期的に調べていくということがこの手当の趣旨からして必要なことであろうと考えるわけでございます。 これが基本でございまするけれども、多くの皆様方から実態に合ったいろいろな御要望もございますので、この研究会を設置をいたしまして、この問題も、また他のもろもろの問題も含めて健康管理手当のあり方について今検討をしていただいておる。この検討結果が出ましたら、これを受けて私どもは改善すべきことは改善をいたしたいと考えておりますが、およそそういった問題についての研究をして取り組むということは、その制度を適正に、また効率的に、よりよく運用するためにどうしたらいいかということで研究をしていただく、検討に入る、こういうことでございますので、当初から悪くするために検討するというような姿勢ではございません。
○田中(美)委員 それでは絶対に悪くならないように。今生存していらっしゃる被爆者というのは貴重な存在だというふうに私は思います。二度とこういう方たちが出ないようにするという意味で、今生存しておられる被爆者というものに対して、貴重な存在であるのだということを認識の上に、決して悪くするのではなく、教条的にただ考えるのではなく、今大臣のお言葉の中にありましたように、実態に即して彼らを本当に国が大切にしていくのだという、世界的に見ても大切な人たちなんだという立場で今後進めていただきたい、そのようなお答えであったというふうに理解いたしまして、次の質問に移ります。 今、被爆者実態調査をやられているようですけれども、原爆死没者の調査、それから生存者の調査、この集計などはいつ出るのでしょうか。
○仲村政府委員 六十年度に実施いたしました被爆者実態調査のうち、生存者調査につきましては、現在最終的な取りまとめに入っておるところでございまして、今月あるいは来月中にも発表いたしたいと考えております。死没者調査につきましては、広島、長崎の既存の資料との照合という作業がございまして、これがなかなか難しい作業のようでございまして、なお日時を要する見込みで、六十三年度中を目標に取りまとめたいと考えております。
○田中(美)委員 よく聞こえなかったのですが、もうちょっと顔を上げてちゃんと聞こえるように、今月中か来月中と言われたのですか。生存者調査、今月中と言われたのですか。
○仲村政府委員 今月中あるいは来月中ということで作業の取りまとめを急いでいるところでございます。
○田中(美)委員 ということは、そのころに発表されるということですね。
○仲村政府委員 そのとおりでございます。
○田中(美)委員 わかりました。そうしましたら、その生存者の調査というものができたらどのように使うわけですか。数が、何人いたということがわかっただけでは困るわけですね。どのようにその調査をお使いになるつもりですか。
○仲村政府委員 生存者調査につきましては、被爆者の生活、健康等の実態を総合的に把握するために実施したわけでございまして、今後の被爆者対策の基礎資料を得たいということで考えております。
○田中(美)委員 ぜひこれは、ただ調査して何人いるということだけじゃなくて、調査は何のためにするのかということですから、やはり先ほど申しましたように、その被爆者をどういうふうに手厚く遇するかということにこの調査を生かしていただきたいというふうにお願いしたいと思います。 それから、その問題に生かしていただきたいということを大臣にお答えいただきたいのですが、もう一つあわせて、死没者の調査ですけれども、私は早いということは悪いごとではないと思います。できるだけ実態を明らかにして生々しく——本当は私などはああいう記事を読みますと、本当に胸が痛くて読みたくないというような気持ちになりますけれども、これはきちっと残しておくということが大事なことです。どのような状態の中でどのようにして亡くなられたのか、また原爆の直撃でやられた方ではなくて、その後生存しておられても、どのような生活の中で、どのように苦しい中で、どのような状態で、病状だけじゃなくて、生活実態までも、どのようにして亡くなられたか、一人の生活史のようなものもきちっと書かれるような調査結果をつくっていただきたい。先ほどどなたかが質問になったのでは、これがもう最後の調査になるかもしれないというようなことも言っておられましたので、なかなか簡単にできるものではありませんけれども、これは私たちの子孫に残して、かつてこういうことがあったんだということを、ただ数としてこれだけ人が死んだんだということではなくて、きちっとしたものを残していただきたいと思います。 この二つの点について大臣から一言お願いいたします、
○斎藤国務大臣 生存者調査の結果が出ましたならば、それを子細に分析をし、今後の原爆被爆者対策に資してまいりたいというふうに考えます。 また、死没者調査につきましては、もう少しその結果が出るのに時間がかかるようでございますけれども、これまでの原爆被爆に関する実態の記録として、これを集大成することが原爆被爆に遭われた皆様に対する慰霊の気持ちのあらわれでもあるし、またそうすることによって、悲惨なこのようなことが二度と再び起きないために我々が心していくというよりどころにもなってまいるものだ、このように考えておるところでございます。
○田中(美)委員 では次に、臨床工学技士法と義肢装具士法について伺います。 資格を持った人が安心して働けるように、義肢装具士の場合、いろいろ採型とか適合とかやりますね、こういうものが診療報酬で点数化できないかというように私は思うのですね。どういう仕事であるかというのは細かく私わかりませんけれども、こういうことをしたら診療報酬が幾ら出る、こういうことをしたら出るというふうなことにならないかと思うのですけれども、すぐというふうにいかないかもしれませんけれども、点数化というのをちょっと検討していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○竹中政府委員 お尋ねの義肢装具でございますが、治療上必要なものにつきましては、既に実は点数化をいたしておるわけでございます。中身といたしまして、現在医療機関で行われます採型、装着等につきましては、診療報酬点数といたしまして、これは採型ギプス料ということで千点でございます。また製作につきましては、療養費としてそれぞれ支給をいたしておるところでございます。
○田中(美)委員 私が今言いましたのは、例えばということであって、何と何が点数化されているかということじゃないのですね。これはどんどん幅が広がっていくわけですから、それをずっと点数化していくという方向で考えていただきたいというふうに申し上げたわけです。その方向で行かれますか。
○竹中政府委員 義肢装具につきましては、今申し上げましたように、既に点数化をいたしておるわけでございます。今後、この義肢装具士法ができました場合に、その後の保険診療上の取り扱いにつきましては、その実態を十分見極めた上で必要に応じて判断をしていきたいと考えております。
○田中(美)委員 そういう点でできるだけ点数化を広げていただきたいと思います。 それから、今度は臨床工学技士の場合ですけれども、これはまた装具士よりももっと幅が広くて何でもできるということですから、どこででも使えるということですね。そういう意味では便利ということはあるかもしれませんけれども、例えば人工透析とか人工心肺とかということになりますと、透析なども今非常に多くなっていますね。すると、現実にはそこだけというふうにやっている人があるわけですね。これは将来そういうふうに、ほかのことをしてはいけないと言いませんけれども、やはり人工透析の専門領域で、お医者さんで言うならば、何でもできるけれども、小児科が専門だとか、産婦人科が専門だとかというように、こういう専門領域の認定制を導入できないものだろうか。そういうことが工学技士の方も非常に誇りを持って、自分はベテランなんだというふうにもなれますし、また受ける方の患者も非常に安心感があるのではないかと思いますけれども、これも検討していただきたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○竹中政府委員 今お話がございましたように、特に大きな医療機関におきましては、こういった関係の方々もたくさんおられまして、人工透析だけを専門におやりになるとか、あるいはICUならICUだけを専門に見られるという方もあるわけでございます。そういった意味合いで、各専門学会におきまして、今お話がございましたような専門分化ということで、それぞれの領域別に技術の認定制度をつくって、資質の向上を図ろうということで、いろいろ関係学会で御検討をいただいておると聞いておるわけでございます。厚生省といたしましても、資質の確保、向上という観点から、このような考え方は望ましいものだと考えております。
○田中(美)委員 ぜひその点でよろしくお願いしたいと思います。 それから、養成機関の問題ですけれども、やはりこの二つとも、この二つの士法案ですけれども、ますます需要というのはこれから多くなると思うのです。私たち、私自身もこういう方たちのお世話をこれから受けるということもあるわけです。そういう意味で、高い資質がますます求められてきているというふうに思いますので、将来四年制の、大学四年制ということを原則にするように養成の方もいっていただきたいと思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○竹中政府委員 臨床工学技士、義肢装具士はともに医師の指示のもとに診療の補助業務を行うという業務でございます。現在のところ、診療の補助業務に従事する他の職種と同様に、高卒後厚生大臣が指定した養成校におきまして、三年間の養成ということを原則といたしまして対応することが可能だと考えておるわけでございます。また現時点で必要なすべての人材を大学のみに求めるということになりますと、必要数を充当することがなかなか難しいわけでございます。しかし、この二つのうち臨床工学技士につきましては、その職務の内容からいたしまして、大学において臨床工学の教育を行うという動きが現にございます。そういった点から、今回新たに大学におきまして、厚生大臣の指定する科目を修めた者についても受験資格を与えるということで、広く人材を求めることといたしておるわけでございます。
○田中(美)委員 ぜひ教育レベルも高めて社会的な地位も高め、誇りを持って質の高い仕事ができるように制度の上でもやっていただきたいと思います。 最後になりましたけれども、試験を民間に委託しているということで、現場の方たちは、やはり国がやってほしいという希望が非常に高いわけですけれども、行革だから新たに国がやるということはできないということで、中には嫌みを言う人もありまして、天下り先をつくるためじゃないかなどというようなことも言いますけれども、これは私が言っているわけじゃありません。そんなふうな声も聞きましたけれども。できれば国がやってほしいと思うのですが、たとえ民間に委託いたしましても、極力公平性が期せるようにきちっとやっていただきたいというふうに思います。社会から少しでも疑いを持たれるような試験をしないように、そういう点では厚生大臣が責任を持っていただきたいので、大臣からのお答えをいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 ただいま御審議をいただいております二法初め医療関係職種につきましては、その資質の確保ということが直接人の体や生命にかかわることでございますので、国家試験が厳正に実施されることは最も重要なことだと認識をいたしております。 このため、指定試験機関は事業計画や役員の選任及び解任等について厚生大臣の認可を受けなければならないものとするほか、役職員の不正行為に対し厳しい処罰規定を設けることなどにより試験事務の適正な執行を図ることといたしております。
○田中(美)委員 質問を終わります。 —————————————
○堀内委員長 この際、お諮りいたします。 ただいま審査中の原子爆弾被爆者等援護法案につきまして、提出者全員より撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 以上で各案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○堀内委員長 この際、児童扶養手当法等の一部を改正する法律案、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対して、丹羽雄哉君、田中美智子君及び野間友一君から、それぞれ修正案が提出されております。 順次趣旨の説明を求めます。丹羽雄哉君。 ————————————— 児童扶養手当法等の一部を改正する法律案に対 する修正案 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律 の一部を改正する法律案に対する修正案 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正す る法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○丹羽(雄)委員 ただいま議題となりました児童扶養手当法等の一部を改正する法律案、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及び戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、自由民主党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 修正の要旨は、各法律案において「昭和六十二年四月一日」となっている施行期日を「公布の日」に改め、昭和六十二年四月一日から適用することであります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○堀内委員長 田中美智子君。 ————————————— 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律 の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○田中(美)委員 私は、ただいま議題となりました原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、日本共産党・革新共同を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 ことしは、アメリカの非人道的な原爆の投下による広島、長崎の被爆から既に四十二年目になります。再び被爆者をつくるなど訴え続けてきた原爆被爆者が高齢化し、援護の強化はますます緊急の課題となっております。 この間、被爆者に対するいわゆる原爆二法によって、医療等に対する措置がとられていますが、死没者に対する弔慰、遺族に対する援護の制度を欠くなど被害者に対する対策は極めて不十分であります。 被爆者の願いは、国家補償に基づく原爆被爆者援護法を制定し、被爆者と遺族に対する援護措置を改善することと、援護法制定を核戦争阻止、核兵器廃絶の土台とすることであります。 この被爆者の願い、日本国民と世界の人々の願いを法制化するために、政府提出法案を国家補償に基づく原子爆弾被爆者等援護法に名称、内容ともにそっくり変えるよう修正を御提案するものであります。 次に、その内容をごく簡単に申し上げます。 その第一は、健康診断、医療の給付及び一般疾病医療費を支給することとしております。 第二に、被爆者に対する月十万円以内の医療手当及び家族介護を含め介護手当の支給を定めております。 第三に、全被爆者に被爆者年金を支給することとしております。その額は障害の程度に応じて定めることとし、賃金スライド制をとることとしております。 第四に、死没者の遺族に対する弔慰金及び遺族年金にかわるものとして、死亡者一人につき百二十万円の特別給付金を支給します。 第五に、被爆者が死亡したとき葬祭料を支給することとしております。 この他、被爆二世、三世に対する措置、被爆者の援護施設、被爆者の代表を加える被爆者等援護審議会の設置、日本に在留する外国人被爆者への本法の適用など、被爆者援護に必要な措置を定めております。 以上が修正案提案の理由及び内容でございます。 何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださるようお願い申し上げます。
○堀内委員長 野間友一君。 ————————————— 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○野間委員 ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対する修正案について、日本共産党・革新共同を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 本法による障害年金、遺族年金額の改定は、昭和五十一年以来国家公務員の給与の引き上げの率と同率で毎年実施されてきました。ところが、本年の政府提案の年金額の改定は、昨年度の公務員給与の改善率二・三一%を下回る二・〇%となっているのであります。 本法は、戦争犠牲者に対する国家補償の精神に基づいた年金給付であり、当然前年の国家公務員の給与の引き上げ率を基礎に給付改善を行うべきであります。 次に、修正案の概要を説明申し上げます。 その内容は、障害年金及び遺族年金等の額を前年の国家公務員の給与の改善率を基礎として二・四%引き上げることであります。 以上が本修正案を提出する理由と修正案の内容であります。 何とぞ委員各位の御賛同をいただくようお願いいたします。終わります。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 この際、日本共産党・革新共同の田中美智子君、野間友一君提出の両修正案について、国会法第五十七条の三の規定により内閣の意見を聴取いたします。斎藤厚生大臣。
○斎藤国務大臣 ただいまの両修正案については、政府としては、いずれも反対でございます。 —————————————
○堀内委員長 これより各案及びただいま提出されました各修正案を一括して討論に付するのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 児童扶養手当法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決をいたします。 まず、丹羽雄哉君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立総員。よって、丹羽雄哉君提出の修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 次に、原子爆弾被爆者に、対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する両修正案について採決いたします。 まず、田中美智子君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立少数。よって、田中美智子君提出の修正案は否決いたしました。 次に、丹羽雄哉君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立総員。よって、丹羽雄哉君提出の修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○堀内委員長 この際、本案に対し、長野祐也君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 趣旨の説明を求めます。田中慶秋君。
○田中(慶)委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関す る法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 国家補償の精神に基づく原子爆弾被爆者等援護法の制定を求める声は、一層高まってきた。また、原爆被爆者対策基本問題懇談会の意見書も、被爆者の援護対策は、広い意味での国家補債の精神で行うべきであるとの立場をとっている。 政府は、原爆被害者が高齢化し、事態は緊急を要するものであるという認識に立ち、可及的速やかに現行法を検討して、次の諸点についてその実現に努めるべきである。 一 死没者を含む実態調査が行われたが、速やかに解析を行いその集大成を図るとともに、被爆者対策の充実に努めること。 二 被爆者の障害の実態を踏まえ、所得制限のあり方を見直すこと。 三 放射線影響研究所、広島大学原爆放射能医学研究所、科学技術庁放射線医学総合研究所など研究調査機関相互の連携を強化するとともに、研究体制を整備充実し、その成果を被爆者対策に活用するよう、遺憾なきを期すこと。 四 放射線影響研究所の運営の改善、移転対策を進めるとともに、被爆者の健康管理と治療に、より役立てるため、原爆病院、財団法人原爆障害対策協議会との一体的運営が行えるよう検討すること。 五 原爆病院の整備改善を行い、病院財政の助成に十分配慮するとともに、その運営に当たっては、被爆者が必要とする医療を十分受けられるよう、万全の措置を講ずること。 六 被爆者に対する諸給付について、他制度との関連も検討し、生活保護の収入認定のあり方を見直すこと。 七 原爆症の認定については、被爆者の実情に即応するよう、制度と運営の改善を行うこと。 八 被爆者に対する家庭奉仕員制度を充実するとともに、相談業務の強化を図ること。 九 被爆者とその子及び孫に対する影響についての調査、研究及びその対策について十分配意し、二世の健康診断については、継続して行うとともに、その置かれている立場を理解して一層充実を図ること。 十 健康管理手当の認定については、制度の旨が生かされるよう地方自治体を指導すること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○堀内委員長 次に、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案及びこれに対する両修正案について採決いたします。 まず、野間友一君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立少数。よって、野間友一君提出の修正案は否決いたしました。 次に、丹羽雄哉君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立総員。よって、丹羽雄哉君提出の修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○堀内委員長 この際、本案に対し、長野祐也君外四名から、自由民主党、日本社会党。護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 趣旨の説明を求めます。田中慶秋君。
○田中(慶)委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同・公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項につき、格段の努力を払うべきである。 一 国民の生活水準の向上等に見合って、今後とも援護の水準を引き上げ、公平な援護措置が行われるよう努めること。 なお、戦没者遺族等の老齢化の現状及び生活の実態にかんがみ、一層の優遇措置を講ずるとともに、援護の水準の引上げに伴って被用者医療保険における被扶養者の取扱いが不利にならないよう配慮すること。 二 第二次大戦末期における閣議決定に基づく国民義勇隊及び国民義勇戦闘隊の組織及び活動状況等について明確にするとともに、公平適切な措置をとり得るよう検討すること。 三 満州開拓青年義勇隊開拓団については、関係者と連絡を密にし、一層資料の収集に努め、問題解決のため努力すること。 四 戦没者遺族等の高齢化が進んでいる現状にかんがみ、これら遺族の心情に十分に配慮し、海外旧戦域における遺骨収集、慰霊巡拝等については、更に積極的に推進すること。 五 生存未帰還者の調査については、引き続き関係方面との連絡を密にし、調査及び帰還の促進に万全を期すること。 六 訪日調査により肉親が判明しなかった中国残留日本人孤児については、引き続き肉親調査に最大限の努力をするとともに、今後とも、日本人であることが判明した中国残留孤児については、すべて訪日調査の対象とすること。 多くの中国残留日本人孤児が帰国を希望している現状にかんがみ、これらの日本人孤児が一日も早く日本に帰国できるよう、受入体制の整備を図るとともに、定着先における自立促進を図るため、関係省庁及び地方自治体が一体となって、広く国民の協力を得ながら、日本語教育、就職対策、住宅対策等の諾施策の総合的な実施に遺憾なきを期すること。 七 かつて日本国籍を有していた旧軍人軍属等及び旧国家総動員法による被徴用者等に係る戦後処理のなお未解決な諸問題については、人道的な見地に立ち、早急に、関係各省が一体となって必要な措置を講ずるよう検討すること。 八 原子爆弾による放射能、爆風、熱線等の傷害作用に起因する傷害、疾病を有する者に対する障害年金の支給及び死亡者の遺族に対する弔慰金、遺族年金等の支給に当たっては、現行援護法の適用につき遺憾なきを期すること。 九 ガス障害者に対する救済措置は、公平に行うとともにその改善に努めること。 十 法律の内容について必要な広報等に努める等更にその周知徹底を図るとともに、相談体制の強化、裁定等の事務の迅速化に更に努めること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○堀内委員長 次に、臨床工学技士法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○堀内委員長 この際、本案に対し、長野祐也君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 趣旨の説明を求めます。沼川洋一君。
○沼川委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同を代表いたしまして、本動議について御説明を申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 臨床工学技士法案に対する附帯決議(案) 政府は、臨床工学技士制度の円滑な運用のため、次の事項について十分配慮すべきである。 一 現に病院又は診療所において、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検に従事している者が円滑に受験資格を取得できるよう、講習会の実施等について十分配慮すること。 二 医療現場においてチーム医療が適正に行われるよう、臨床工学技士その他の医療関係者の十分な連携の確保につき、関係者に対しその周知徹底を図ること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 —————————————
○堀内委員長 次に、義肢装具士法案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○堀内委員長 この際、本案に対し、長野祐也君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合及び日本共産党・革新共同の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 趣旨の説明を求めます。長野祐也君。
○長野委員 私は、自由民主党、日本社会党。護憲共同、公明党・国民会議、民社党。民主連合及び日本共産党・革新共同を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 義肢装具士法案に対する附帯決議(案) 政府は、義肢装具士制度の円滑な運用のため、次の事項について十分配慮すべきである。 一 現に病院等において、医師の指示の下に、義肢装具を製作し、身体に適合させる等の業務に従事している者が円滑に受験資格を取得できるよう、講習会の実施等について十分配慮すること。 二 医療現場においてチーム医療が適正に行われるよう、義肢装具士その他の医療関係者の十分な連携の確保につき、関係者に対しその周知徹底を図ること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 お諮りいたします。 本動議のごとく附帯決議を付するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 この際、斎藤厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。斎藤厚生大臣。
○斎藤国務大臣 ただいま御決議になりました各法案に対する附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。 —————————————
○堀内委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました各案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○堀内委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十九分散会 ————◇—————