社会労働委員会 第2号
- 発言数
- 192 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/05/14
会議録
○堀内委員長 これより会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件及び労働関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 この際、斎藤厚生大臣及び平井労働大臣から、それぞれ所信を表明したいとの申し出がありますので、順次これを許します。斎藤厚生大臣。
○斎藤国務大臣 社会労働委員会の御審議に先立ち、所信の一端を申し述べたいと存じます。 今日、我が国の経済社会は、高度情報化、技術革新の進展、厳しい国際経済環境のもとでの経済の構造調整といった大きな変化の局面の中で、世界にも例がない本格的な長寿社会に向かって着実に歩みを進めております。こうした未知への歩みの中で国民すべてが健康で生きがいを持って暮らすことのできる明るい福祉社会をつくり上げていくことは、私どもに課せられた最も大きな任務であります。 幸いにも、二十一世紀に至るここ十数年は、人口構造から見て社会全体として働き盛りの方々が多く、将来の超高齢社会にふさわしい経済社会システムの構築の準備に最も適切な時期であると考えます。 この好機を生かし、長寿社会の基盤となる社会保障について、将来を見据えた長期的な観点に立ちながら、国民の方々すべてが安心して頼ることのできる公平、公正な制度となるよう見直しを行い、国民の信頼と期待にこたえていかなければなりません。 また、今後増大し、多様化すると見込まれる要介護老人等のニーズに対応し、福祉と保健医療の連携、調整を図り、最も適切なサービスをきめ細かく提供できる体制を整備していくことが必要であり、これを支える十分なマンパワーを養成、確保していくことが重要であると考えております。 私は、このような見地に立ち、厚生行政の新たな展開と着実な推進を図ってまいりたいと考えております。 以下、昭和六十二年度における主要な施策について申し述べます。 まず、昨年六月に閣議決定された「長寿社会対策大綱」を指針として、高齢者について総合的な対応に努めてまいります。 明るい長寿社会を築いていくためには、国民一人一人の健康が基本であります。このため、第二次五カ年計画による老人保健事業の充実等生涯を通じた健康づくりに積極的に取り組んでまいります。 また、介護等を要する高齢者が可能な限り住みなれた地域や家庭において暮らすことができるよう、デイサービス事業の格段の拡大、ホームヘルパーの増員等を図るとともに、保健医療面の機能訓練、訪問指導を充実する等在宅サービスを拡充することといたしております。在宅での介護等が困難な方々のためには、引き続き特別養護老人ホーム等の施設を整備するとともに、医療サービスと生活サービスをあわせて提供する老人保健施設を全国的に整備してまいります。 さらに、深刻化している痴呆性老人問題に対処するため、総合的な施策の推進について検討を進めてまいります。 このような施策が有効に機能するためには、福祉と保健医療が一体となって推進されることが不可欠であります。このため、都道府県に高齢者総合相談センターを設置し、幅広い情報の提供等を行うとともに、市町村に高齢者サービス調整チームを組織し、施策相互の連携を図ってまいります。 また、マンパワーの面でも高齢化の進展による介護ニーズの増大等に対応するため、社会福祉士及び介護福祉士の資格を定め、国民が安心してこれらのサービスを受けることができるようにいたしたいと考えております。 高齢者に関する施策と並んで重要と考えておりますのは、児童、障害者などに対するきめ細かな対策の推進であります。 このため、来るべき長寿社会を担う児童が健やかに成長するよう健全育成対策等の児童福祉対策の充実に努めるとともに、障害者対策についても、本年が「国連・障害者の十年」の中間年に当たることから、特にその推進強化に努めてまいります。 公的年金制度につきましては、長年の懸案でありました積立金の自主運用が実現の運びとなり、このための法律案の御審議をお願いいたすとともに、年金額の特例スライド等を行う所存であります。さらに、長寿社会にふさわしい年金制度の確立を図る観点から、公的年金制度の一元化等につき所要の検討を進めてまいります。 また、医療保険制度につきましては、引き続き医療費の適正化を徹底して進めるとともに、将来にわたり制度全体の安定した運営を確保していくため、国民健康保険の改革に取り組み、また、社会保険審議会において医療保険制度の一元化を見据えた基本的な問題について幅広く検討していただくことといたしております。 次に、保健医療の分野における施策について申し上げます。 まず、緊急の課題となっているエイズ対策につきましては、我が国では患者の発生は少数にとどまっているものの、最近の動向を見ると感染の拡大が懸念される状況となっております。このため、政府としてもエイズ対策関係閣僚会議を開催し、「エイズ問題総合対策大綱」を決定したところであります。これに基づき、広報活動、感染予防、治療薬の開発等の対策を強力に推進するとともに、予防等のための必要な法的措置を講ずることといたしております。 次に、懸案の精神保健医療対策につきましては、精神病院入院患者の人権擁護の推進と社会復帰の促進を図るため精神衛生法の改正法案を今国会に御提案申し上げているところであります。今後とも、広く国民の精神保健の向上に資する施策を展開してまいる所存であります。 さらに、国立病院・療養所につきましては、国立医療機関にふさわしい医療を担っていけるよう、その機能の充実強化を図るために、再編成を着実に進めていくこととしております。このための国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案が継続審査となっておりますので、よろしく御審議をお願い申し上げます。 また、医療の高度化と国際化に対応して、臨床工学技士等の新たな資格制度を設けるとともに、外国医師の研修のための特例措置を講ずることとしております。 健康の維持確保のための科学技術研究の推進につきましては、引き続き、「対がん十カ年総合戦略」に基づくがん対策に積極的に取り組むとともに、新たに、老化メカニズムの解明等を行うシルバーサイエンス研究に着手するほか、先端的科学技術を活用して民間で行われる医薬品、医療用具等に関する技術開発を振興するための出融資制度を創設することといたしております。 次に、中国残留孤児対策につきましては、訪日調査をおおむね終える運びとなりましたので、この機会に中国を訪問し、孤児対策の推進に多大の御協力をいただいた中国政府並びに長年にわたり孤児を養育していただいた養父母を初め中国国民に対して、改めて心からの感謝の気持ちをお伝えするとともに、引き続き御協力をいただけるようお願いしてまいったところであります。これから多くの孤児が帰国する時代となりますので、希望する孤児の一日も早い帰国受け入れと定着自立促進に全力を挙げて取り組む所存であります。 このほか、業務行政につきましては、医薬品の安全性確保に万全を期するとともに、献血による血液確保対策、覚せい剤等の乱用防止のための官民を通じての予防啓発活動等に積極的に取り組んでまいります。 生活衛生行政につきましても、化学物質の安全確保の総合対策に着手するとともに、引き続き環境衛生関係営業の振興、指導、食品の安全確保に努め、水道、廃棄物処理施設の整備及び合併処理浄化槽の整備を進めてまいる所存であります。 また、地方事務官制度の廃止を内容とした厚生年金保険法等の一部を改正する法律案についても、よろしく御審議をお願い申し上げます。 以上、所信の一端を申し上げましたが、厚生行政の課題は、このほか、いずれも国民生活と密着した、ひとときもゆるがせにできないものばかりであります。私は、皆様の御理解、御協力を得ながら諸問題の解決に取り組んでまいる所存であります。何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
○堀内委員長 平井労働大臣。
○平井国務大臣 社会労働委員会の御審議に先立ち、今後の労働行政について所信を申し述べ、委員各位を初め、国民の皆様の御理解と御協力をお願い申し上げます。 これまでの急速な円高の進展を背景として、広範な産業構造の転換が進行しております。このため、特に造船、鉄鋼等の構造不況業種及びその関連地域を中心に雇用調整が本格化し、失業者が増加するなど雇用面への影響は看過できない事態となっており、本年一月には完全失業率が史上初めて三%を記録しております。今や、雇用の安定の確保は、国政の最重要課題の一つであり、私としましても最大限の努力を傾注してまいる所存であります。 また、労働条件の向上と勤労者福祉の増進は、雇用の安定の確保と並んで、経済社会の安定、発展と豊かな国民生活の実現のための基本的課題であります。 私は、このような見地に立って、労働行政を積極的に進めてまいる所存であります。 第一は、産業構造の転換等に対応した総合的雇用対策であります。 現下の厳しい雇用失業情勢に対処するため、政府は、昨年十二月に政府・与党雇用対策推進本部を設置し、経済政策、産業政策と一体となった総合的な雇用対策の推進に取り組んでいるところであります。また、地域雇用対策推進協議会の開催により、地域の雇用動向を的確に把握し、地域の実情を十分踏まえた対策を進めることとしております。 労働省におきましても、産業構造の転換等に対応した緊急対策として三十万人雇用開発プログラムを実施し、失業の予防、能力開発及び雇用開発に重点を置いた雇用対策を強力に推進してまいります。 また、地域における厳しい雇用情勢に対処するため、先般成立した地域雇用開発等促進法に基づき、各種助成制度の活用による雇用開発の促進を中心に能力開発の推進等を内容とする総合的な地域雇用対策を推進してまいります。 さらに、炭鉱離職者対策につきましても、第八次石炭政策に基づく石炭鉱業の合理化等に対応した施策の推進に努めてまいります。 第二は、労働条件の向上と勤労者福祉の増進のための対策であります。 週休二日制の普及等労働時間短縮は、勤労者福祉の観点はもとより、長期的に見た雇用機会の確保や内需拡大等の観点からも重要であり、引き続き、社会的、国民的合意形成の促進と労使の自主的努力に対する指導、援助に努めてまいります。 労働基準法につきましては、中央労働基準審議会の建議に沿い、法定労働時間の短縮、年次有給休暇の最低付与日数の引き上げ等社会経済情勢の変化に対応した改正を行うこととしており、今国会にそのための法律案を提出いたしましたので、よろしく御審議をお願い申し上げます。 また、豊かで安定した勤労者生活を実現するためには、持ち家の取得等を促進することが極めて重要であります。 このため、勤労者財産形成持ち家融資制度の充実等を図ることとしており、今国会にそのための法律案を提出いたしましたので、よろしく御審議をお願い申し上げます。 第三は、障害者等特別な配慮を必要とする人々の職業生活援助対策であります。 本年は、「国連・障害者の十年」中間年に当たっており、障害者対策の一層の強化が求められております。 このため、精神薄弱者対策の充実強化、身体障害者の雇用の安定のための施策の拡充、職業リハビリテーション体制の整備等を内容とする法律案を今国会に提出いたしましたので、よろしく御審議をお願い申し上げます。 また、本年四月一日を期して国鉄の新経営形態への移行が実施されましたが、清算事業団職員の円滑な再就職を促進するため、さきの国会で成立した再就職促進法に基づく諸施策に全力を挙げて取り組んでまいります。 このような労働行政の展開に加え、我が国の経済社会におけるさまざまな構造変化に的確に対応するため、高年齢者の雇用就業対策、男女の雇用機会均等の確保等女子労働者対策、職場における健康と安全の確保対策、職業能力開発対策等を積極的に推進するとともに、良好な労使関係の維持発展を図るための環境づくりに努めてまいります。 また、臨時行政調査会の答申を受け、職業安定関係地方事務官制度の廃止、都道府県労働局の設置等を内容とする法律案を今国会に提出いたしましたので、よろしく御審議をお願い申し上げます。 以上、当面する労働行政の重点事項について私の所信の一端を申し述べました。委員長初め、委員各位の御指導、御鞭撻を賜りますよう何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)
○堀内委員長 以上で両大臣の所信表明は終わりました。
○堀内委員長 内閣提出、年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案、医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案、児童扶養手当法等の一部を改正する法律案、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案、身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案及び地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件の各案件を議題とし、順次趣旨の説明を求めます。斎藤厚生大臣。 ————————————— 年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案 医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案 児童扶養手当法等の一部を改正する法律案 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律 の一部を改正する法律案 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○斎藤国務大臣 ただいま議題となりました年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国の公的年金制度は、社会保障の中心的な制度として国民生活において重要な役割を果たすに至っており、本格的な高齢化社会に向けて、長期的に安定した制度運営が図られなければなりません。 そのためには、年金財政の基盤を強化していくことが重要であり、年金積立金の運用の仕組みを改善することにより、より多くの運用収益を確保していくことが大きな課題となっております。 今回提出いたしました法律案は、このような要請にかんがみ、厚生年金保険事業及び国民年金事業の財政基盤の強化に資するため、年金福祉事業団の新たな業務として、資金運用部から借り入れた厚生年金保険及び国民年金の積立金の一部について国債等の有価証券の取得、金銭信託、生命保険契約等の方法により、安全確実かつ有利に運用できる道を開くとともに、これにより生じた収益を積立金として積み立て、毎事業年度その一定の割合を厚生保険特別会計年金勘定及び国民年金特別会計国民年金勘定に納付することとするものであります。 なお、この法律案については、本年四月一日から実施することといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、ただいま議題となりました医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国は、現在、人口の高齢化が急速に進行しておりますが、本格的な長寿社会においても活力ある福祉社会を維持していくためには、何よりも国民の健康の確保が基本であり、高齢化に伴い増大の危惧される疾病等を克服し、積極的に健康増進を図ることが緊要の課題となっております。 他方、近年目覚ましい進展を遂げているバイオテクノロジーを初めとする先端的科学技術は、これを保健医療の分野で十分に活用していけば、このような課題の克服も可能となる画期的な医薬品、医療用具等の開発をもたらすものと大きく期待されております。 しかしながら、これらの先端的科学技術の研究・応用は、いまだ未知の分野も多く、今後の広範な研究の蓄積が必要とされております。そのためには、広く基礎科学研究を充実強化することはもとより、その蓄積を医薬品、医療用具等という具体的な成果の形で保健医療の場に提供していく役割を担う民間の積極的な技術開発への取り組みを推進していくことが必要であります。特に、これらの先端的科学技術の研究開発はリスクも大きく、民間の自主努力だけでは迅速かつ効率的な取り組みが困難な面があります。このため、本格的な長寿社会を目前に控えて国民保健の確保向上を図る観点から、国の振興制度を早急に確立することが望まれております。 政府といたしましては、このような認識のもとに、民間において行われる医薬品、医療用具等に関する研究開発を振興するため、医薬品副作用被害救済基金の業務として研究振興業務を加えることとし、この法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、医薬品副作用被害救済基金は、従来からの目的に加え、民間において行われる医薬品の生産等に関する技術の試験研究の促進に関する業務を行うことにより、国民の健康の保持増進に寄与する技術の開発を振興し、もって国民保健の向上に資することを目的とすることとし、これに伴い名称を医薬品副作用被害救済・研究振興基金と改めることとしております。 第二に、研究振興業務については、医薬品の生産または販売に関する技術のうち、医薬品の品質、有効性及び安全性の確保向上等国民の健康の保持増進に寄与する技術を振興対象とするほか、医療用具等についても同様に対象とできることとしております。また、その業務の内容としては、民間が行うこれらの技術の試験研究について、必要な資金の出資及び貸し付けを初めその促進のために必要な業務を行うこととしております。 第三に、基金は研究振興業務を行うための資本金を有することとし、そのための資金として政府及び民間から出資を受け入れることとしております。また基金は、従来からの医薬品副作用被害の救済給付業務と研究振興業務との経理を区分し、それぞれ別個の勘定を設けることとしております。 なお、この法律の施行期日は、本年十月一日からとしておりますが、研究振興業務のための出資の募集に関する事項については公布の日から施行することとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、ただいま議題となりました児童扶養手当法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概略を御説明申し上げます。 母子家庭及び心身障害者に係る各種手当制度並びに老人、障害者等の所得保障の中心である年金制度につきましては、従来からその充実に努めてきたところでありますが、最近の厳しい財政状況のもとにあっても、母子家庭、障害者、老人等に対しては社会経済情勢の動向に対応した適切な配慮がなされる必要があります。 今回の改正案は、このような趣旨にかんがみ、児童扶養手当、特別児童扶養手当、障害児福祉手当、特別障害者手当等の額の引き上げを行うとともに、拠出制国民年金、厚生年金及び老齢福祉年金について給付の改善等を行うこととするものであります。 以下、改正案の内容について御説明申し上げます。 まず、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の改正について申し上げます。 第一に、児童扶養手当の額につきましては、児童一人の場合月額三万三千七百円から三万三千九百円に、児童二人の場合月額三万八千七百円から三万八千九百円に、それぞれ本年四月から引き上げることとしております。 第二に、特別児童扶養手当の額につきましては、障害児一人につき月額二万七千二百円から二万七千四百円に、重度障害児一人につき月額四万八百円から四万千百円に、それぞれ本年四月から引き上げることとしております。 第三に、障害児福祉手当、特別障害者手当及び特別障害者手当制度の発足に伴い経過的に支給されている福祉手当の額についてでありますが、障害児福祉手当及び経過的に支給されている福祉手当の額につきましては、月額一万千五百五十円から一万千六百五十円に、特別障害者手当の額につきましては、月額二万八百円から二万九百円に、それぞれ本年四月から引き上げることとしております。 次に、国民年金法等の一部を改正する法律の改正等年金制度の改善について申し上げます。 第一に、拠出制国民年金及び厚生年金の物価スライドの特例措置について申し上げます。 現行の制度におきましては、消費者物価上昇率が五%を超えた場合に物価スライドを実施することとなっておりますが、昭和六十二年度におきましては、特例として昭和六十一年の物価上昇率に応じた年金額の引き上げを本年四月から実施することとしております。 第二に、老齢福祉年金の額につきましては、拠出制年金の額の引き上げに準じて月額二万七千二百円から二万七千四百円に、本年四月から引き上げることとしております。 第三に、旧国民年金法による老齢年金につきましては、昭和六十三年二月から、現行の年四回支払いを、二月、四月、六月、八月、十月及び十二月の年六回支払いに変更することとしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概略であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、ただいま議題となりました原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 広島市及び長崎市に投下された原子爆弾の被爆者については、原子爆弾被爆者の医療等に関する法律により、健康診断及び医療の給付を行うとともに、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律により、医療特別手当等の支給を行い、被爆者の健康の保持増進と生活の安定を図ってまいったところであります。 本法律案は、被爆者の福祉の一層の向上を図るため、医療特別手当等の額の引き上げを行うこととし、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正しようとするものであります。 以下、その内容について御説明申し上げます。 まず第一は、医療特別手当の額を、現行の月額十一万八百円から十一万千六百円に引き上げることであります。 第二は、特別手当の額を、現行の月額四万八百円から四万千百円に引き上げることであります。 第三は、原子爆弾小頭症手当の額を、現行の月額三万八千百円から三万八千四百円に引き上げることであります。 第四は、健康管理手当の額を、現行の月額二万七千二百円から二万七千四百円に引き上げることであります。 第五は、保健手当の額を、一定の範囲の身体上の障害のある者等に対し支給されるものについては、現行の月額二万七千二百円から二万七千四百円に、それ以外のものについては、現行の月額一万三千六百円から一万三千七百円に引き上げることであります。 また、これらの改正の実施時期は、昭和六十二年四月一日といたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、ただいま議題となりました戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 戦傷病者、戦没者遺族等に対しましては、その置かれた状況にかんがみ、年金の支給を初め各種の援護施策を講じ、福祉の増進に努めてきたところでありますが、昭和六十二年度においても、年金等の支給額を引き上げることとし、関係の法律を改正しようとするものであります。 改正の内容は、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正し、障害年金、遺族年金等の額を恩給法の改正に準じて引き上げるものであります。 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願いいたします。
○堀内委員長 平井労働大臣。 ————————————— 身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案 地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、 公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○平井国務大臣 ただいま議題となりました身体障害者雇用促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 障害者の雇用対策につきましては、昭和五十一年に全面的に改正されました身体障害者雇用促進法を中心として、その雇用の促進に努めてきたところであります。 この身体障害者雇用促進法は、身体障害者の雇用の促進を目的としており、一部の規定は精神薄弱者についても適用されていましたが、すべての障害者を対象とする法律とはされていないところであります。精神薄弱者等を含め障害者全般の対策が重要になってまいりますとともに、国際的にもすべての種類の障害者に対する雇用対策の実施が求められており、身体障害者雇用促進法につきましても、その対象を障害者全般に拡大し施策の充実強化を図ることが強く求められています。 また、近年、離職する障害者が増加し、雇用の促進のみならず、その雇用の安定のための施策の充実強化を図る必要が生じております。 一方、雇用率制度及び納付金制度上の精神薄弱者の取り扱いにつきましては、かねてから懸案となっておりましたが、昨年七月、身体障害者雇用審議会より、雇用されている精神薄弱者については身体障害者と同様に取り扱うこととすべきであるとの意見書の提出を見たところであります。 さらに、近年、障害の重度化、多様化が進展しており、就職の困難な障害者が増加していますが、これらの障害者の雇用の促進を図っていくためには、職業リハビリテーションを強力に推進することが必要となっており、その体制の整備を図ることが喫緊の課題となっています。 このような状況にかんがみ、政府といたしましては、この法律案を作成し、身体障害者雇用審議会にお諮りした上、ここに提出した次第であります。 次に、その内容の概要を御説明申し上げます。 第一は、法律の対象となる障害者の範囲の拡大及び施策の拡充であります。 すなわち、雇用率制度等を除き身体障害者雇用促進法上の施策の対象をすべての障害者に拡大するとともに、企業に在職中に障害者となった労働者の雇用継続のための助成措置、雇用されている障害者に対する助言・指導の実施等障害者の雇用の安定のための施策を充実強化することといたしております。そして、これに伴い、法律の名称を身体障害者雇用促進法から障害者の雇用の促進等に関する法律へと改めることとしております。 第二は、精神薄弱者対策の充実強化であります。 雇用されている精神薄弱者につきまして、雇用率制度上身体障害者を雇用する場合と同様に取り扱うこととし、納付金制度上もこれまで講じられておりました助成金の支給等の措置に加えて、身体障害者雇用調整金及び報奨金の支給の対象に加えることといたしております。 第三は、職業リハビリテーションの推進であります。 職業リハビリテーションにつきまして、その原則等を法律上規定するとともに、これまで雇用促進事業団、身体障害者雇用促進協会等多岐の団体において設置または運営されてまいりました職業リハビリテーションに関係する施設を障害者職業センターとして法律上位置づけ、この設置運営の業務を日本障害者雇用促進協会において一元的に実施することといたしております。 なお、この法律の施行は、企業に在職中に障害者となった者の雇用継続のための助成に係る部分については本年七月一日から、他の部分については昭和六十三年四月一日からといたしております。 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 次に、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、公共職業安定所及びその出張所の設置等に関し承認を求めるの件について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 現在、労働省の地方支分部局として、公共職業安定所が全国に配置されておりますが、これらに関して、現下の重要課題である行政改革の一環として、その一部を整理統合するとともに、近年の地域の実情の変化に伴い、その配置の適正化を図る必要が生じてきております。 この案件は、昭和六十二年度において行う予定の右の理由による再編整理に伴い、横浜南公共職業安定所ほか公共職業安定所及びその出張所七カ所の設置等を行うことについて、地方自治法第百五十六条第六項の規定に基づき、国会の御承認を求めようとするものであります。 何とぞ御審議の上、速やかに御承認下さいますようお願いを申し上げます。 以上であります。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○堀内委員長 引き続き、年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案並びに医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案の両案について質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。村山富市君。
○村山(富)委員 年金財政基盤強化のために年金積立金を自主運用したいというのが、趣旨説明にもございましたように、長い間の念願であったわけです。これがようやく日の目を見たわけでありますから、最初の年でもありますし、幾つかの問題について見解を承っておきたいというように思いますので、これから質問をいたしたいと思います。 まず、年金積立金というものは将来どの程度の額になっていくのか、その将来見通しについて承っておきたいと思うのです。
○水田政府委員 お答え申し上げます。 厚生年金、国民年金の積立金の将来推計でございますが、六十二年度六十二兆円、六十五年度七十六兆円、七十年度百兆円、八十年度百二十四兆円、九十年度百三十六兆円、百年度約百七十三兆円と見込んでおります。
○村山(富)委員 今お話がございましたように、年次を追って積立金は相当ふえていくわけですけれども、しかしまた、それに見合って成熟度が高まってまいりますと、受給者もふえてまいりますから、必ずしも年金財政は円滑にはいかない面もあるというふうに思われるわけであります。そもそも年金積立金の持っておる意義とか目的といったものはどの辺にあるのかということについても、この際見解を明らかにしておいてもらいたいと思うのです。
○水田政府委員 年金の財政方式は、受給者が恒常状態になった場合は、公的年金の場合、大体賦課方式になるのが一般的な方式でございますが、年金制度が成熱して、受給者が急激にふえていくという場合は、その受給者のふえるのに応じまして、後代の人の保険料の負担も急激にふえてまいるわけでございまして、後代の人の急激な負担増を緩和するために、あらかじめ積立金を積んでおいて、その運用収益で後代の人の保険料負担が急激にふえるのを緩和してやる、こういう目的で大体公的年金制度においては修正積み立てという方式をとって一定の運用収益を年金財政の基礎といたしているわけでございます。
○村山(富)委員 年金の積立金というのは、将来の年金給付に充てるための資金であり、年金積立金の運用収入は年金の支払いに充てられる重要な財源になるわけですね。しかも積立金の原資は加入者から徴収した保険料であるわけですから、この積立金の運用については安全で確実、できる限り有利に運用するということが当然要請されると思うのです。したがって、自主運用事業のねらいというものはこういうところになければならぬと思うのですが、その点はどうでしょうか。
○斎藤国務大臣 今先生がおっしゃられましたように、これから本格化する高齢化社会、長寿社会にあって年金の成熟化というのは非常に早いスピードで進むわけでございます。そういう際に、後代の方々の保険料負担を少しでも緩和していくために、この年金の積立金を、今おっしゃられましたように、安全かつ有利に運用をしてまいるということは非常に重要な問題である。このたびの自主運用、そしてこの年金財政基盤強化法案を出させていただき、これに基づいてできる限りの努力をして、将来の年金財政に資してまいりたいと考えておるところでございます。
○村山(富)委員 今度のこの国会に年金積立金の自主運用法案のほかに郵便貯金、簡易保険についても同様の法案が提出されているわけですが、郵貯の自主運用と年金積立金の自主運用とは基本的にどういうところに違いがあると言われるのか、そこらの見解についてもこの際承っておきたいと思います。
○水田政府委員 私どもの自主運用は、先ほど大臣からお答え申し上げましたように、将来の年金財政の安定に寄与するということが目的でございますが、今回郵便貯金について行われます自主運用は、金融自由化に適切に対処していくために行われるものと承知をいたしております。
○村山(富)委員 大蔵省見えていますか。——この際、大蔵省の見解も聞いておきたいと思うのですが、年金の積立金と郵貯や簡保の金との性格の違いというのは一体どういうところにあるというふうに思われるか、今厚生省から答弁がございましたけれども、自主運用のあり方についてどういう点に違いがあると判断されておるのか、こういう点について大蔵省の見解を聞いておきたいと思います。
○米澤説明員 お答え申し上げます。 まず第一点の年金の積立金と郵便貯金あるいは簡保の積立金の性格の違いということでございますけれども、年金の積立金の性格につきましては、先ほど厚生省から御答弁のあったとおりであろうと思っております。 一方、郵便貯金につきましては、これはいわば国民の零細な貯蓄の手段を全国あまねく提供して、良質な貯蓄の機会を国民に提供するというものであろうと思います。 簡易保険につきましては、やはりこれは国民の貯蓄の一形態でございますけれども、それが非常に簡易、便利な零細な保険の機会を全国津々浦々提供している、こういうものではないかと思っております。したがいまして、実はそのほかにも国の手元に集まってくるそういう有償資金というのはいろいろあるわけでございますけれども、それぞれ資金の性格が異なることは当然でございます。 そこで、第二の点につながっていくわけでございますけれども、こうして実は国の制度あるいは国の信用というものを背景に国の手元に集まってくる有償資金というのはいろいろあるわけでございますけれども、こうしたものは、やはり国の制度あるいは国の信用というものが背景になって集まってくるお金でございますから、それはやはり国の政策目的のために一元的に公共目的に運用されるべきものではないかということで、実は昭和二十六年に資金運用部が発足いたしまして以来、資金運用部によるところのこうした公共資金の統合運用というものが行われてきたわけでございます。 ところで、今回御審議をお願いしておりますこの年金財政基盤強化法の第一条にございますとおり、年金資金につきましていわゆる自主運用と言われておりますけれども、年金財源強化のための事業が創設されるということは、年金の給付に要する費用の財源を確保し、もって年金の財政基盤の強化をするということが目的でございます。これに対しまして、郵便貯金の方は、郵便貯金の金融自由化対策資金という郵便貯金の中に特別な勘定ができまして、これは郵便貯金がそのまま運用されるというよりも、やはり郵便貯金が金融の自由化の中で成り立っていくように、いわばそういうマーケットでの金融のレートというものが郵便貯金の収益にリンクするような仕掛けをやろうということで設立された事業で、両者の運用中業の性格、目的が違うということは、御指摘のとおりでございます。 そこで、ただそれぞれの事業の性格は違いますけれども、いずれにいたしましても、国の制度、信用に基づいて国の手元に集まってくるお金は、やはりそれぞれいわゆる自主運用事業ということをやるにいたしましても、国の政策的な重要度の優先順位に従って一元的に、具体的に申し上げますと、財政投融資計画ということで国会の御議決をいただきまして、二十七兆円の財政投融資計画の中で六十五の機関がございますけれども、年金もその機関の一つ、郵貯もその機関の一つということで、他の財投事業とのバランスに応じて、事業のそれぞれの性格、それから財投全体の原資事情、そういうものを総合勘案して財投計画の中で位置づけられているというふうに考えております。
○村山(富)委員 その性格の違いに基づく扱い方について、また後で御質問したいと思うのですが、その前に、最近の円高やドル安による為替レートの関係等もありまして、史上最低の低金利政策がとられておる、このように金融環境が大変厳しい状況にあるわけでございますが、今まで御説明がありましたような年金の長期にわたる財源の涵養を図っていく、そのためにこの自主運用の事業がどのような成果を上げていくかということは極めて注目をされることだと思うのです。したがって、この自主運用事業の運用方針、資金運用を行っていく考え方等をこの際山らかにしておいていただきたいというように思うのです。
○水田政府委員 私どもは共済組合の運用のあり方とバランスをとって自主運用の事業を拡大していきたい、こういうふうに思っているわけでございますが、具体的には毎年度毎年度の新規預託金の三分の一について自主運用の要求をしてまいりたい、このように考えておるわけでございます。こういう考えに立ちまして、その成果が具体的にどのようになるのかというのを試算をしてみました。これは当然運用の原資というものは、一定額を国庫に納付してまいりますので、そういう条件を織り込みながら将来推計をいたしますと、具体的には六十二年度一兆円、六十三年度から新規運用対象額の三分の一を自主運用の対象に加えていく。それから国庫には六十七年度から積立金の五分の一を納付するという前提で試算をいたしますと、運用利回りが預託金利よりも一・五%上回った、利差が一・五%あったという前提で複利で計算をいたしますと、十年間の累積利益額は三兆一千百億円、国庫納付金は一兆一千八百億円になります。これが利差が一・五%までいかなくて、一%どまりであったとした場合には、累積利益額は二兆四百億円、国庫納付額は七千七百億円、これは十年間の累計でございます。
○村山(富)委員 今日は金融環境の見通しをつけることは非常に困難な状況にあると思うのですね。したがって、この自主運用を誤れば、これはまた大変な結果になると思うのですが、万々が一、赤字が出るというようなことはないと思いますけれども、仮にそういうことがあった場合に一は、どのような措置をとられるのか、承っておきたいと思います。
○水田政府委員 私ども厚生年金基金をスタートさせまして既に二十年の実績を持っておるわけでございますが、この企業年金の実績から見まして、預託金利を下回るような、いわゆる利差が生じない、あるいは預託金利よりも割り込むような事態になるということはまずないものと考えておりますが、万一ある単年度にそういう事態が生じましても、積立金につきましては過去五年間累積をいたしまして、その五分の一を国庫に納め、常に五分の四は積立金として留保するという形で運営を行ってまいりますので、仮に単年度赤字が生じても、その積立金を取り崩して充当することによって、不測の事態は生じない、このように考えているわけでございます。 〔委員長退席、丹羽(雄)委員長代理着席〕
○村山(富)委員 年金資金運用検討会というようなものもつくられて、あらゆる角度から議論をしながら、できるだけ有利な運用ができるようにしていこうという万全の策もとっておると思うのですが、万全の上にも万全を期して所期の目的が達せられるように、運用については十分配慮してもらいたいというふうに思うのです。 そこで、これは時間がございませんから、重ねて聞いておきますけれども、この自主運用事業が実現される一歩手前の制度として、六十一年から資金確保事業というものが実施をされていますね。この資金確保事業と自主運用事業とはどういう点で違いがあるのか、その相違点を明らかにしてもらう、これが一つです。 それからもう一つは、還元融資の財源は本来年金積立金から充当されるべきであると思うのですが、今後はこの資金確保事業と自主運用事業とは当然一本化されてしかるべきではないかというふうにも思われるのです。そういう点についてはどういう見解を持っておられるか、承りたいと思うのです。
○水田政府委員 六十一年度から始めました資金確保事業というものは、年金福祉事業団が資金運用部から原資を借りてまいりまして、これを高利運用しまして、その利差益を事業団の内部に留保し、積み立てまして、将来の環元融資事業の原資に充てることを目的としているわけでございまして、今回始めようとします自主運用事業も、原資を資金運用部から調達してくるという点において全く同じであり、また高利に運用し、その利差を稼ぐという点も共通しているわけでございますが、この自主運用事業の方は、年金特会の方にその利差益を定期的に納付していくという点で昨年の資金確保事業とは基本的に異なるわけでございます。 次に、先生は、この事業を一本化すべきではないかということでございますが、私どもは、資金確保事業は、事業団が環元融資事業を安定的に実施していく上でどうしても一定の財源を内部留保しておくということは事業の安定性から極めて重要だと考えておりますので、今後ともこの自主運用事業、資金確保事業ともにその役割、目的は違いますので、両立させながら充実を図ってまいりたいと考えておりますが、しかしながら、将来例えば還元融資についての資金需要というようなものが大幅に減少してまいりました場合には、先生御指摘のように、資金確保事業も自主運用事業に一本化するということも当然起こり得ようかと考えております。
○村山(富)委員 この資金確保事業というのは六十一年から出発したばかりですから、まだその実績を問うにはちょっと年限がどうかと思うのですが、六十一年以降やられてこられましたこの資金確保事業の実績というものは、もし御報告できれば御報告いただきたいと思うのです。
○水田政府委員 資金確保事業の運用実績、これは信託銀行八社の平均でございますが、信託報酬差し引き後で実現利回りで七・六五%、これは現実に事業団がキャッシュで受け取ったものの実現利回りが七・六五でございまして、なお運用中の資産を今直ちに全部売却したとした場合の、それを総合利回りと言っておりますが、総合利回りで見ますと一六・七二%でございます。
○村山(富)委員 今度の資金運用事業の中で生命保険との契約が新たに加わっているわけですね。この生命保険の契約というのは具体的にどういう資金運用を行っていくように考えているのか、その点も御説明いただきたいと思うのです。
○水田政府委員 私ども、これからますます自主運用量が運用対象として将来に向かってふえてまいるわけでございますので、できるだけ多くの金融機関に分散し、競争して運用収益を上げてまいりたいというのが基本的な姿勢でございまして、既に資金確保事業については、これが信託銀行を専ら対象に、先ほど御報告申し上げましたように、各社の競争のもとで大変いい成績を上げていただいているわけでございますが、生命保険が御参加いただく場合にも、現在信託銀行でお願いしているような方法で御参加をいただきたい、このように思っているわけでございます。
○村山(富)委員 資金確保事業で七・六五%の利回りでもって運用されておる。ある意味ではかなりの実績も上がっておるのではないかと思うのですが、資金運用部の預託金利は、公定歩合の引き下げ等もありまして年々低下する傾向にあるわけですね。現に低下もしているわけです。したがって、この法案のねらいとする年金財源の確保を図っていくためには、自主運用の運用枠の幅というものをもっと拡大してもらう必要があるんじゃないかというふうに思うのですね。これはさっきから議論がありますように、将来にわたって必ずしも年金財源というものは余裕があるものでもない。成熟度が高まっていけば当然受給者もふえてまいりまして、資金繰りが苦しくなる。これはほかの年金制度を見れば明らかですからね。厚生年金もやがてそういうふうになる可能性があるわけです。したがって、先般年金改革も行われて長期に安定するような方策も講じられてきたところでありますけれども、しかし、それにしても年金全体の制度からすればまだ幾つかの問題も抱えているわけです。そういう意味から申し上げますと、年金の財源をどうつくっていくかということは極めて重要な課題になっていると思うのであります。 そういう意味で、自主運用の範囲をできるだけ拡大して、有利に財源の涵養ができるような方策を講じていくということは、当然必要なことだと思うのですが、この運用枠を拡大していくということについて大臣はどのようにお考えですか。
○斎藤国務大臣 御指摘の点は大変重要な問題であると考えておりますし、それには自主運用の額の規模というものと密接な関連がございます。本年度は総額一兆円の自主運用を行うことといたしておりますが、将来にわたりましては、共済年金並みの積立金総額の三分の一についての運用をできるようにということを目標にいたしまして、昭和六十三年度以降は新規預託対象額の三分の一を確保いたしたい、こういうことで最善の努力をいたしてまいりたい、こう思っております。
○村山(富)委員 先ほどちょっと申し上げましたけれども、これは大蔵省に聞きたいと思うのですが、預託金利については、今まで議論があったような年金財源の性格から考えて、そういう性格を配慮した上で金利というものは考えられていいと思うのですね。ところが現実には六十一年度六・○五であったものが六十二年三月七日からは五・二〇に下がっておるわけです。最近の金融事情をいろいろ調べてみますと、公定歩合がまた下げられるのではないかという話もちらほら出ていますね。こういう傾向の中で、私はそういう配慮もしながら預託金利というものは考えていただかなければならぬと思うのですが、さらに公定歩合の引き下げに基づいて金利が引き下げられるようなことになるのかならないのか、そういう点について見通しがあれば、この際聞いておきたいと思います。
○米澤説明員 お答え申し上げます。 資金運用部の預託金利につきましては、今国会におきまして、さきに成立させていただきました改正後の資金運用部資金法第四条に規定されておりますとおり、国債の金利その他市場金利を考慮するとともに、郵便貯金、年金等預託者側の事業の実施に支障を来さないように配慮して政令で定める、こういうことになっております。 それで、先ほど五・二というお話が出ました。三月七日から施行されておりますけれども、あの五・二というのを政令で決めましたときの市場金利は、どれをとりましても、まだそれよりも相当低い水準にございまして、その中で、法律にもございますように、ただいま先生からも御指摘がありました年金側の事情ということも総合勘案されまして、政令で五・二%という水準が設定されたものと承知しております。 もちろん金利というものは、ある側から見れば高いほどいいということもございましょうけれども、金利と申しますものは、その性格上、やはりときどきの経済金融状況でありますとか物価の水準でありますとか、そういうものに応じてどうしてもおのずから客観的なよりどころのあるところでございまして、ある資金だけ世の中の水準と別な水準で金利が設定できるというものでもなかなかないという、大変苦しいところでございますけれども、御理解賜りたいところでございます。 特に、最近のように、金融の自由化というものが進んでまいりますと、あらゆる金利が非常に一体のものになっておりますので、そういう意味で、もちろん法律にございますように、資金運用部でお預かりしております以上、預託者側の事情というものに配慮していることは当然でございますけれども、さりとてその市場の金利水準とかけ離れた水準を設定するということはなかなかできない。最近の金利水準というものは、さらに一層市場金利全般が低下しておりますという点は客観的な事実として御理解賜りたいと思います。
○村山(富)委員 ですから、資金運用部に預託をされておると、やはり市中金利を無視できない、そういう制約があって縛られるわけですね。したがって、自主運用ができる運用枠というものを大いに拡大してもらわないと困ると思うのです。 先ほど、私は郵便貯金等との違いについて御説明をいただきましたけれども、もちろん年金制度ができた由来の違いはありますけれども、さっき大臣からも答弁がありましたように、少なくとも共済組合並みの運用ができるようなものに当然すべきではないか。例えば厚生年金ができた当時は戦争中でありまして、軍部の資金の調達に使われたとかいろいろなことがありますけれども、しかし、そういうものとはもう全然世の中が変わっているわけですから、したがって、この厚生年金の積立金も、共済並みに、加入者が発言できるような機関ができるとか、そういうところまではなかなかいけないにしても、せめて三分の一、三分の一、三分の一くらいの枠で運用ができるような運用枠の拡大というものは当然考えられてしかるべきではないかと思うのです。そういう点について大蔵省はどういう見解を持っておるのか、この際聞いておきたいと思うのです。
○米澤説明員 お答え申し上げます。 先ほども御答弁申し上げましたように、年金の財政基盤強化事業が極めて重要な事業であるということは、私ども十分認識しておりまして、ことしの予算で資金運用部の制度発足以来大変画期的なことであったろうと思いますけれども、こういう制度改革をお願いしているわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、この事業は極めて重要な事業でありますが、財政投融資二十七兆円の中に大事でない事業というものもないつもりでございまして、六十五の機関がございます。その六十五の機関それぞれやはり資金需要というものがあるわけでございますから、全体の原資事情とそれから財投関係のほかの事業の需要というものとを総合勘案しながら、毎年度の予算でこれは検討されていくべき事柄ではないかというふうに思っております。
○村山(富)委員 今ある制度から考えれば、その制度の流れとしてはそうだと思いますけれども、そもそも年金の財源の性格等々から考えてみても、しかも将来展望を考えてみて、やはり自主運用の枠は当然拡大されてしかるべきものであると思いますので、これはひとつ重ねて大臣に聞いておきたいと思うのですが、その運用枠を拡大するという方向でさらに頑張ってもらう必要がある。 それから、しかし現実には運用部に預託されている額は非常に大きいわけですから、大部分ですから、したがって、この金利がどうなるかということは加入者にとっては大変重要な関心事なんですね。そういう金利を引き下げさせないということについても大臣の格段の努力が必要だと思うのですが、そういう問題に対する大臣の決意を聞いておきたいと思います。
○斎藤国務大臣 お答えを申し上げます前に、先ほど御答弁申し上げました中で、六十三年度からの取り組みといたしまして、新規預託額の三分の一と申し上げたかと思うのでございますけれども、新規運用対象額の三分の一、すなわち、それは新規預託額と満期償還に係る財源と両方合わせた中の三分の一を目標に置いて努力をいたしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 御指摘の金利の問題でございますけれども、先般の資金運用部資金法の改正の際にも預託金利の弾力化が図られたわけでございますが、厚生省からの申し入れによりまして、預託金利の改定に当たりましては、厚生年金保険事業及び国民年金事業の財政の安定に配慮するという旨の文言が法律に規定されておるわけでございます。預託金利改定につきましては、財投が現下の経済、金融に果たす役割も十分認識しているわけでございますけれども、資金運用部資金法にも規定されているとおり、年金財源の安定ということにも十分配慮してもらわなければならない、こう考えておりますので、そういう観点から今後も努力をいたしてまいりたいと思う次第でございます。 〔丹羽(雄)委員長代理退席、浜田(卓)委員長代理着席〕
○村山(富)委員 大蔵省、もう私の質問はこれでいいですから、どうぞ。 その次に、医薬品副作用被害救済基金法の改正案について一、二承りたいと思います。 これは基本的に、被害者の救済をする基金と、医薬品や医療用具の研究開発をするものとは性格が違うと思うのですね。その性格の違うものを一つの基金に並立させるということについては、やはり若干おかしいのではないかと思うのですが、この点に対する見解を一つ。 それからもう一つは、新薬の開発というのは、本来的にはやはり企業間競争でもって企業が行うべきものであると思うのです。したがって、この基金が、民間の企業が本来的には行うべきである研究開発事業について、さらに研究開発を行うというのは、やはり若干整理をしておく必要があるのではないか。と申しますのは、基金が行う研究開発事業の分野はどういう分野のものを担当してやるのかということについて、やはり基本的にしっかり踏まえておく必要があるのではないかという気がするのですが、その点についてどういうふうにお考えか。 それから三つ目は、被害者救済という本来の業務についても、これは参議院でも指摘をされておりましたが、例えば被害者の認定をするのに相当長期間を要するとか、あるいは血友病患者のエイズの感染等に対する何らの救済措置もないとか、こういった問題について、やはり検討していく必要があるのではないかと思うのです。こういう本来やらなければならないことに対して、救済基金というものはまだまだ相当改善されなければならない点がたくさんあると思うのですが、こういう点が少しも顧みられずになおざりにされているのではないかと思われるのです。こういう点についてどういうふうに基本的には考えておられるか、まずその点を明らかにしてもらいたいと思います。
○森(幸)政府委員 先生の今の三つの御質問にお答えを申し上げます。 まず最初に、被害者の救済と企業の研究開発の振興、この二つの事業を一緒にやるということについてでございます。 今回、この研究振興業務を行う実施主体をどういうふうに持っていくかにつきましては、実は内部でもいろいろ検討をいたしてきたわけでございますが、政府全体の行政改革の推進という大きな政策目標の中で、新しい法人を設立することはなかなか困難ではないかということもございまして、既存の法人の改組でこれを実現していくことにするほかないのではないかというふうに考えたところでございます。そういう観点から厚生省の特殊法人あるいは特別認可法人全体につきまして精査をしてみました結果、やはりその中では、医薬品の安全性に関連するという点で共通性があると思われますこの医薬品副作用被害救済基金の改組で対応することといたしたのでございます。この改組によりまして、基金本体の業務でございます救済業務に影響を及ぼすことがないよう、その点につきましては十分配慮をしていくつもりでございます。 それから、先生御指摘の二番目の問題でございます。新薬の研究開発のあり方ということかと思います。 今回研究開発を促進することを特に取り上げましたねらいといたしましては、一つには、今後活力ある長寿社会の実現に向けまして、がんであるとかあるいは老人性痴呆等々の克服が国民保健上の大変大きな課題になってくるわけでございます。これを可能にするような画期的な新薬というものを、先端的な技術の進歩を取り入れまして積極的に推進をしていく、そういう方向に風間の研究開発の活力を誘導していきたいということが第一点でございます。第二点といたしまして、先端的な技術開発につきましては、非常に多額の費用を要するということのほかに、非常にリスクも大きいわけでございまして、個々の企業で対応していくことにはなかなか困難な面もあるというようなことで、公的資金を提供いたしまして、研究開発の振興を図っていくことの必要性は高いのではないかと考えたところでございます。そういう意味から申しますと、基金は産業技術全体の水準を向上させるような基礎的、応用的な段階の研究開発を対象として振興していくということに重点が置かれるものと考えております。 なお、このような公的資金の提供によります技術振興につきましては、既に鉱工業の分野であるとか農林漁業の分野では実現をいたしているところでございまして、今回のお願いを申し上げております改正法では、残されております国民保健上重要な医学、薬学の分野におきます技術振興ということをねらいとしたものでございます。 それから三番目に、救済業務への影響の問題かと存じます。 救済制度が発足をいたしましてから、この制度が定着をしあるいはこれが積極的に活用されるということのために、厚生省及び救済基金といたしまして、医療機関を初めといたします関係のところに制度の周知徹底を図る、あるいは他制度との均衡を図りながら給付の改善を進める、さらには申請手続の簡素化というようなことで、この制度の改善に努めてきたところでございますが、六十二年度におきましては、迅速な事務処理を図るためのコンピューターの導入であるとか広報活動の充実強化というようなことも取り組んでみたい、かように考えております。新たに研究振興業務が追加された後におきましても、引き続きこの救済制度の充実には努めてまいりたい、かように考えております。
○村山(富)委員 それは新薬やら医療用器具の開発は必要なことですから当然だと思うのですが、ただ、この基金が扱う範囲といいますか、そういうものはある程度概念が明確にならないとちょっと理解がしにくいのじゃないかと思いますから、今後の運用の中でひとつ十分検討していただきたいと思います。 それから、これは参議院の予算委員会でも若干問題になっておりましたけれども、輸入血液による血友病患者のエイズ感染者というのは一体どの程度あるのか、まだ明確になっておらぬと思うのですよ。これは扱い方をよほど慎重にしていただかないと、人権問題とも絡んでくると思うのです。現に血友病患者であるためにもう営業関係の仕事から外されるとか、いわれない疑いの目で見られて、大変人権問題が起こっているようなこともちらほら聞くんですけれども、それだけに慎重を期していく必要があると思うのです。しかし、そうかといって、これの対策を講じていくためには、実態というものを正確につかむことが必要であるというように思うのですが、今厚生省はどの程度の患者がおられるというふうに推計しておるのか、もしわかれば御答弁いただきたいと思います。
○森(幸)政府委員 現在までにエイズの患者、そして認定をされておられます方のうち、血液凝固因子製剤によって感染したと思われる患者の数は二十四人でございます。 それから、血液凝固因子製剤を使用しております患者の方々は、全体として約五千人ぐらいおられるのではないかというふうに推定されておりますが、その中でどの程度の方々がエイズウィルスに感染しておるかということにつきましては、すべてを調査したものはございませんが、研究報告によりますと、三〇%程度が保因者ではないかというような報告もございます。このうちさらにどのくらいの方が発病するかということにつきましての推定は、現在の段階ではなかなか困難かと思っております。 先生お話しのようなことで、こういう方々の詳細な実態の把握というようなことが今後の課題かと思いますが、御指摘にございましたように、人権問題への配慮というようななかなか難しい問題もあるかと思います。関係団体ともいろいろお話をさせていただきたい、かように考えております。 〔浜田(卓)委員長代理退席、長野委員長 代理着席〕
○村山(富)委員 これは前段でも申し上げましたように、輸入血液によって感染者ができた、エイズにかかったというようなものに対して、今のこの救済基金ではなかなか適応できないような制度になっておる。しかし、そうかといって、これは血液製剤を使うことによって感染をしているわけですから、したがって、これは現実にあるわけですから、これに対する救済対策は、単に検討しているというだけではなくて、具体的にいつごろぐらいまでにこのめどを立てるような目標で検討しているのか。そこらの点は、今の段階で答弁が難しければ、どうせエイズ予防法案は臨時国会等で議論されることになると思うのですが、そういう段階ぐらいまでには一応の目安ぐらいは明らかにしてもらう必要があるんじゃないか。そういうエイズ感染者に対する血友病患者の救済対策について明らかにしてもらう必要があるんじゃないかというふうに思うのですが、その点が一つ。 もう一つは、それにしても実態が正確につかめないと救済対策の向上がないわけですで金をはじき出すにしても、何人おるのかによって違いますから、その実態を把握するについては、先ほどから議論がありますように、人権問題等も絡んで大変難しい扱い方の問題があるというふうに思いますので、全国に血友病患者の組織もあるわけですから、そういう団体の方々の意見も十分聞いて、そして少なくとも人権問題等についてトラブルの起こらないようにやってもらう必要があるというふうに思いますので、そういうことについて最後に御答弁をいただいておきたいと思うのです。
○斎藤国務大臣 血液凝固因子の投与によりましてエイズウイルスに感染された方々について、この薬害救済基金で救済できないかというお話がございました。先生も御承知のように、この制度におきましては、薬理作用の副次的なものとして出たものを副作用というふうに定義をいたしておることが第一点。 また第二点目には、代替の措置がないものとして、一定の副作用がわかりつつも使用せざるを得ないというもの、すなわち、この血液製剤とか制がん剤、こういったものについては当初から除外をいたしておるという点。 また、被害が起きました後に遡及して適用することができないというような問題。 そういったようないろいろな問題がございまして、法律的にはこの救済基金で救済することが非常に困難であるというふうに、これまでも検討を続けてまいったところでございますが、こういったエイズウイルスに感染された方については特別お気の毒な点もございまして、何とかもう一度この制度でできないものか、もう一遍ひとつ研究、検討をいたしてみたいというふうに考えております。 同時にまた、どうしてもだめな場合であっても、何かほかの方法等によって、医療の援助等を中心といたしまして、何らかの措置がとれないものかというようなことも含めてひとつ検討をいたしたい、こう考えておるところでございますが、先生おっしゃいますように、そう長い時間検討ばかり続けているわけにはまいりませんので、できるだけ速やかにこの検討を進めたいというふうに考えておるところでございます。 もう一点は、そういった血液凝固因子による感染者を的確に把握するという問題でございますが、先生も御指摘のように、人権問題を十分配慮しながらこれを進めてまいりたいと考えておりまして、現段階におきましても、そういった資料を収集して、そしてこれを把握する努力をいたしておりますが、今国会に提出をさせていただいておりますいわゆるエイズ予防法の成立をいただきましたならば、人権に配慮しつつ、法的な裏づけを持って、この把握をより的確にできるものと考えておりますので、その方向で努力をいたしたいと考えます。
○村山(富)委員 時間も参りましたので、これで終わりますけれども、そういう点十分ひとつ配慮して、今後一層積極的に取り組みを強化していただきたいということを心から期待をして、質問を終わります。
○長野委員長代理 河野正君。
○河野(正)委員 今もちょっと触れられましたが、今度の医薬品副作用被害救済基金法の改正の目的は、先ほどもちょっと話がありましたように、研究振興というものを加えていく、要するにそういった題名の変更、それから目的の変更というものがあるわけです。しかし、これは正直言って医薬品副作用の救済問題と、それから研究振興あるいは開発という問題は、関連がありそうで関連がない、こういう性格のものであって、これは今もちょっと申されましたが、そういう形の改正をして果たして成果が上がり得るのかどうか。法改正する以上は、成果が上がらなければ問題にならぬと思うのです。そういう意味で、こういう改正というものが本当に成果を上げ得るのかどうか私どもちょっと疑問があるので、時間がございませんから、簡潔にひとつお答えいただきたいと思うのです。
○森(幸)政府委員 まず、今先生御指摘の点は、今回の基金法改正のねらいということになろうかと思います。先ほどもお話が出ておりましたけれども、今回提案をいたしておりますこの改正案、これは活力ある長寿社会を実現していくということのために、近年目覚ましい発展を遂げておりますバイオテクノロジーなどの先端技術を活用いたしまして、国民保健医療上の重要課題を克服をしていく、そういうための画期的な新薬であるとか医療機器の基礎的な研究開発を振興していこうというところにねらいがあるわけでございます。これはこれからの長寿社会を迎えるに当たって非常に大きな課題ではないかということで、今回取り上げさしていただいたところでございます。 今先生お話しのように、従来の基金の行っております事業との関連というところがあろうかと思いますけれども、この点につきましては、現在の行政改革の趣旨等を考えまして、この救済基金においてこの事業を推進していくということが現在とり得る最も適切な方法ではないかというふうに判断をいたしたわけでございます。
○河野(正)委員 今お答えをいただいたわけですけれども、どうも現状認識というものが非常に不十分ではないかという感じがするのですね。というのは、御承知のように、研究振興は長寿社会を迎えてその必要性があることは当然でございます。でございますけれども、今先端技術に基づくようないろいろな開発研究というものはかなりの年数とかなりの金がかかるのですよ。それを三億円程度でそういう目的を達成しようなんというのは、これは現状認識の不足も本当に甚だしいと思うのですよ。 俗間言われておることですから、実際にはどうかわかりませんけれども、大体一つの薬を開発するには三十億から五十億かかると言われている。しかも年数が三年から五年かかると言われている、つまらぬ薬は別ですけれども。今先端医療という目的を持ってそういう研究開発をしようとすれば、今申し上げますように、少なくとも三十億から五十億、しかも年数としては三年から五年、これが現実なんですよ。 そういうことから考えてまいりますと、長寿社会に向けて今度基金法がつくられることは極めて適切な方法である、こうおっしゃったけれども、私はこれは今の医学、医術に対しての認識というものが全く欠けておるのではないかという感じがいたします。これらについてはどうお考えでしょうか。これは大臣からひとつお答えをいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 本年度の予算におきましては、十億円が措置されておりまして、基本財産として七億円、そして事業費として三億円ということでございまして、今先生が御指摘のような点につきましては、私も率直に、それに反論をすることは難しいように思わしていただきます。 しかしながら、この新しい考え方を事業に移していくという、本年初年度であるという点、またこの資金を産業特会から配分を受ける、そういう非常に厳しい配分の中から資金の配分を受けておるという点、また本年度この法律を成立をさしていただきましたならば、十月一日から実施をしていく、本年度は半年間、そしてそれに対する準備等いろいろあろうかと思うわけでございますので、本年度は御指摘のように、資金的にも少し小さ過ぎる状況ではありまするけれども、小さく産んで大きく育てるというような気持ちで、来年度以降もこの事業量の確保、拡大に最善を尽くしてまいり、そして先生の御指摘のような、十分これに対応できるような業務に発展をさしてまいりたいというふうに考えておるところでございますので、よろしく御理解をいただきたいと思います。
○河野(正)委員 大臣が今私の議論に対して否定なさらなかったから、私はもうやめようと思いますけれども、今の現状というものを認識すれば、こんなものじゃだめなんですよ。せっかく法改正なさるのなら、十月一日から実施するということは別として、やはり将来の展望に向けて、私どもが申し上げたような現状というものの認識に立ってやっていただかなければならぬ、こういうように考えるわけです。時間がございませんから、それ以上深追いするわけにはまいりませんが、その点はひとつぜひ今後とも努力をお願いしたい、こう思っております。 それからもう一つは、二つの企業が共同して法人を設立する、そして要するに研究開発に供していこう。ですけれども、やはりこの研究開発というものは、成功するまではお互いに企業秘密というのがあるんですよ。もうでき上がってしまえば、それは学会にも報告もしなければならぬし、また実験もしなければならぬわけです。ですけれども、そこに行く過程の中では、お互いに企業が研究開発を大事にしていく、そういうような状況があることは否定できないと思うのですね。ですから、二つの企業が法人化してやっていくということが、果たしてスムーズに研究開発に役割を果たしていくのかどうか。お互いにちゅうちょし合って、お互いに壁をつくる、そういううらみがあるのではなかろうか、こういうふうに思います。そういうことがなければ結構です。これは薬だけではございませんよ。今のどういう業界においてもそういうことがあり得るわけですから、この点はひとつ十分踏まえて今後推進をしていただかなければ、せっかく研究振興のための基金ができたけれども、その目的を達することはできないということじゃ、これは意味がありませんから、それらについてもひとつこの際お答えをいただきたい。
○森(幸)政府委員 ただいま先生から御指摘いただきました点は、私どもにとりましても大変重要な課題だと思っております。今回行います出資事業というのは、お話にございましたように、二つ以上の企業の共同研究ということを対象といたしておるわけでございます。 御指摘のように、どこの業界もそうかと思いますが、医薬品業界におきましても、従来は共同研究ということにつきましては、かなり消極的な空気ということが実際あったのかというふうに思いますけれども、今回のねらいといたしております先端技術の分野ということで考えてみますと、今後は、従来からの製薬企業だけでございませんで、製薬企業と化学あるいはコンピューターなどのほかの業種の企業との共同研究というようなことを通して新しい技術の革新を図っていく、こういう必要性が高まっていくということが考えられるわけでございますし、また医薬品企業同士におきましても、この技術革新が大変激しくて、単独の企業で新薬を開発をしていくということにつきましては、先ほどの先生のお話にございましたように、かなり費用がかかるということ、それとリスクが非常に高いというようなこともありまして、共同でそういうものに対応していこうというような動きも出てきておりまして、最近の動向としますと、この共同研究方式というのはこれからふえていくのではないかというふうに考えておりまして、今後の共同研究の振興業務というのは、必要性もありますし、また実効が上がっていくのではないか、また上げていかなければいけないのではないかというような感じを持っておるところでございます。 先ほどもお話ございましたが、既にこういう種類の事業を行っております鉱工業あるいは農林水産業等々の先例等も私どもいろいろ勉強しながら、この制度が実際に有効に機能するような配慮をこれからも十分やっていかなければいけないと思っております。
○河野(正)委員 この研究開発のためにいろいろな各面の協力がお互いになければならぬ、それはそのとおりだと思います。しかし、先ほど申し上げるような一つの壁ができることも、これは否定できないと思うのです。ですから、私どもが言っているのは、とにかくいろいろな企業がお互いに知恵を出し合って研究開発する。これはもう今の医学では大部分そうですね。医学だけでなくて、工学部も農学部もあるいはいろいろな学部が一緒になって研究開発をお互いに力を寄せ合ってやっておるということですから、それは私どもも否定するものではございません。ただ、今申し上げますように、ある意味においては企業秘密その他があってそれが阻害されるというようなことがあってはならぬというような意味で申し上げたわけでございます。 そこで、もう時間がございませんから、続いて申し上げます。 やはり融資をする場合には、その企業の財政力あるいは企業の規模というものが当然対象になると思うのです。その際に、実際問題として、一つの新薬を開発するためには、要するに三十億も五十億もかかるし、時間的には三年も五年もかかる。そういう情勢ですから、中小企業では実際にはなかなか難しいと思うけれども、しかし、財政力あるいは企業の規模等を参酌した上でやっていくと、どうしても大企業本位になるというような嫌いがありはしないだろうか。現実問題として、中小企業で研究開発というのは現状ではなかなか難しい面もあるけれども、そうかといって全面的に否定するわけにはまいりませんね。ですから、そういう場合に、単に大企業本位になっては相ならぬという気がいたしますから、その辺についての見解もひとつ承っておきたいと思います。
○森(幸)政府委員 先生の今の御指摘の点につきましては、今後この研究開発の振興を行っていくに当たりまして、どういうテーマを取り上げていくかということがそのポイントになろうかと思います。私どもの方では、この研究開発のテーマは公募をいたしまして、その中から適切なものを決定するというふうに持っていきたいと思っております。そういう意味からいたしますと、中小企業の場合でも、一定の研究開発の能力を持って、またそういうふうな方向へ企業の活動を進めていこうというような意向を持っておられるところは、これに参加をしてくるのではないかというふうに考えておりますが、今御指摘のような点は、これからの運用に当たりまして、私どもも十分留意をしていかなければいけない点だと思っております。
○河野(正)委員 先ほどちょっとエイズの話が出ましたけれども、エイズの今後の対応についてはいろいろ国民の関心もあるところです。もちろんその患者さんはそうでしょう。そこで、今度の救済基金法ではウイルスとか血液とかいうものが入っていない。そこで、先ほどから大臣も御見解を述べられたが、何らかの形でこれは善処されなければならぬと思うが、ただ、私がちょっときょう気になりましたのは、先ほど大臣の所信表明を聞きまして、この中でこういうことが言われた。「政府としてもエイズ対策関係閣僚会議を開催し、「エイズ問題総合対策大綱」を決定したところであります。これに基づき、広報活動、感染予防、治療薬の開発等の対策を強力に推進するとともに、予防等のための必要な法的措置を講ずることといたしております川」とありますね。非常に結構です。ところが果たして政府そのものがそういう認識を持っていらっしゃるのかどうか。 これは新聞の報ずるところですけれども、政府・与党首脳会談の中で、ひとつエイズ感染防止のために献杯をやめようじゃないか、こういうことが話題になったと書いてある。ところが今の医学常識としては、献杯では感染しないというのが常識なんですよ。それを政府・与党首脳会談の中で、中曽根総理を初めとして感染防止のためにひとつ献杯をやめようじゃないかという運動をしようじゃないか。新聞紙上では「首相、とんだエイズ談議」こういうふうに書いてある。とにかく日本医師会から出しているパンフレット、その他関係団体から出しておるパンフレットでも、献杯では感染をしないんだ、これが常識なんですよ。要するに、血液、精液、そういったものが粘膜に傷があった場合に感染をする、これが常識なんですね。 ところが、政府はエイズ問題総合対策大綱を決められたというけれども、こういう認識でこういう大綱が決められたのではたまったものじゃない。これは首脳会談ですから、恐らく厚生大臣も御出席であったろうと思いますけれども、こんな認識では、これはいずれエイズ法案が出てきますから、そこで徹底的に究明しなければならぬと思うけれども、やはり血友病患者に対する輸血血液の問題ですね、そういったものも薬物の一環として取り扱ったらどうかという感じがあるということはそのとおりです。ですけれども、政府・与党首脳会談の中でこういう献杯でエイズがうつるんだ。そういうことはないんですというのが学説なんです。そしてそれがパンフレットに出ているのです。それをあえて首脳会談の中でそういうことを総理大臣を初めとして堂々とお話しになるような認識不足なことで、果たしてエイズ対策というものが根本的に解決できるだろうか。これは厚生大臣がハッスルして、総理、何を言うんですか、このくらいの勇気はあってよかったのじゃなかろうかと思うのです。これはひとつここで大臣の見解を承っておきたいと思います。
○斎藤国務大臣 この問題につきましては、参議院におきます予算委員会におきまして、ある党の医学専門分野から御出身の議員からの質疑応答の中で、今先生がおっしゃられましたように、一般的には献杯もしくは蚊で感染するということはないわけだけれども、しかし、医学の専門学者としての立場からいえば、確率は例えば千分の一なり一万分の一なり十万分の一かもしれない。しかし、そういう何万分の一かの確率というものも確率としてあることには違いないんだ。例えば五分の一の確率という場合に、第一回目にその確率が来ることもあるんだし、五番目に来ることもあるんだし、そういう意味からすれば、何万分の一の確率といえども確率としてあるんだという、まさに医学研究、科学者としての御見識が述べられたわけでございまして、そういったことをとらえて政府・与党首脳会議でお話に出たというふうに聞かしていただいております。 政府・与党首脳会議には、私はその構成メンバーでございませんので、その場には居合わせておらなかったわけでございますが、事前にそのような雰囲気もやや察知いたしておりましたので、それは科学者としての見解としてはそういう見解も一方にあるかもしれないけれども、しかし、通常一般的には、これは感染の心配はないんだということが大部分の方の意見であるし、そのようなことがまさに正しい知識を普及し、そして多くの国民の方が正しく認識をしていただくということのエイズ対策上の最も重要な点であるので、軽率なことはしないでいただいた方がいいということを関係者の方には事前に申し上げておいたわけでございます。その新聞記事を拝見をいたしましても、政府・与党首脳会議でそのような話が話題にはなりましたものの、結論を得るということではなく、言うならばうやむやのような形で話が終わったというふうにお聞きをいたしておりますので、私もほっと安心をいたしておるところでございます。 なお、現在はエイズ問題が非常に皆さんの関心の的になっておりますので、そういうような話が出ますけれども、献杯というようなこと、その他のこと等につきましても、エイズに限らず、その他のいろいろな病源蔵の感染とかいうような観点から見れば、そういう全体の観点から見れば、献杯がどうであるかという問題はまた別にあろうかと思うわけでございまして、私も全体として今先生のおっしゃられたとおりだというふうに認識をいたしておるところでございます。
○河野(正)委員 これはぜひひとつ厚生大臣、機会があることに、やはり政府首脳に対しては啓蒙を願わぬと、国民としては、そういうことが大きく報道されるということになると、これは失望しますよ。ですから、学者的に言えば、何でもかんでもそれはやらなきゃならぬでしょう。ですから、今度の基金法でもそうでしょう。もっともっと財政処置をしなきゃならぬ。三億ではとてもじゃないが開発できませんよ、絶対。だから当面これでお許しください、将来はもっとふやしますよ、こうおっしゃっている。ですから、そういうことを言うと、第一この法律案そのものに私ども反対しなきゃならぬということになりますよ。ですから、少なくとも見識ある総理以下が、例えば軽いお茶飲み話にしても、そういうことは厳に慎むべきである。医学的常識というなら、それは学者はいろいろなことを言うわけですから、いろいろなことを言っても、それで即実行されるわけじゃない、実現するわけじゃない。したがって、今の医学常識としては、献杯とか食事で感染するということはあり得ない。それはたまたま粘膜に傷があって、それに精液が入ったりあるいは血液が入ったりというときに感染するんだ、これが常識ですからね。これは一般の国民がそういうことを心配するならいいけれども、少なくとも国政の最高責任者がそういう談義をされることについては厳に慎んでいただきたい、こういうように思います。 そこで、時間がございませんので、次から次へやってまいりますが、この後に関連がございますから、ここでひとつ薬価基準についてちょっと一言簡単に御報告願いたいと思います。 今まで毎年毎年閣議決定でやっておったけれども、今後二年に一回、来年一月大体一〇%下がるらしい、こういうことが新聞で既に報道されています。これは後に医薬品との関連が出てきますから、ここで一言それらについて御報告願いたい。 それからもう一つは、薬価基準を下げて、その際に一体医療費はどうなるのか。これは今まで相関関係があったわけですから、この際ここで一言御報告を願いたい、こういうふうに思います。
○下村政府委員 薬価基準につきましては、現在の薬価の算定方式につきまして関係業界等から見直しを求める意見がございまして、中医協において、昨年の春以降内外の関係団体等から意見聴取をするというふうなこともやりまして、審議を行ってきているところでございます。ただいまそういうことで、従来の方式でまいりますと、この春にも薬価の改定をやるというふうな段取りになるわけでございますが、そういう算定方式自体についての改定作業をやっているということで、薬価調査も実施時期を延ばして、もちろん薬価の改定も延ばすということで現在に至っているわけでございます。 そういうことで、現在中医協で今後の改正頻度、今までは毎年やってきたけれども今後ほどのくらいでやるか。二年に一回というふうな議論も出ているわけでございます。それから銘柄制についてはどうするのか、あるいは算定自体について、今のバルクライン方式そのままでいいかどうか、それらについていろいろ幅広い御検討をいただいているわけでございますが、まだ実は最終的にまとまるというところまではいっておりません。 私どもとしては、そういう経過で延ばしたわけでございますが、従来からの要請といたしまして、不合理な薬価差を解消していくという基本政策もございますので、なるべく早く結論をちょうだいしたい、できましたら今月中にも結論をいただきたいというふうなことで、今関係者の意見調整を進めている、その意見調整の過程でいろいろな話も出てまいりますので、まあ新聞記事等にも出てくる、こういうことでございます。 そういうことで、改定幅等につきまして、今の段階では何とも言いかねるわけでございますけれども、従来の経過からいたしますと、この次の改定は全面改定になるんではないかという段取りになるわけでございます。それから今回の改正論議の中で、従来部分改定というふうな方式もとられたわけでございますが、部分改定は反対だというふうな意見も出ているところから、全面改定であれば相当大幅な薬価の改定があるんではないかというふうな推測も出てきている、こんな状況でございます。 診療報酬の合理化についてはずっと継続的に審議ということでございますが、昨年の秋、人事院勧告等もあったので、医療機関のその問題を見直してくれというふうな意見、緊急是正をやってほしいというふうな話が医師会側から出てまいりまして、これも薬価の問題と並行して審議をしているというふうな格好でございます。したがいまして、緊急是正というのはなかなか難しいと思いますが、並行審議ということからいいますと、薬価の問題について決着をつける際に、今後、診療報酬についての議論の進め方等をどうやるのかという点についても、あわせて何らかの中医協としての方針を決めていくということになろうかと考えている次第でございます。
○河野(正)委員 そこで、私どもは国政に携わっておるわけですが、新聞ではもう既に来年の一月ごろ大幅改定をやる、全面的改定をやる、それで大体一〇%ぐらい下げる、こういうことが出ているわけですね。しかし、マスコミだって何か根拠がなければ書かぬだろうと思うのですね。国会では、今局長がおっしゃったように、ああじゃこうじゃああじゃこうじゃおっしゃっている。そして新聞では既にもう先にさっと出てしまっておる。これは全く国政を軽視するということではないですか。
○下村政府委員 正確な状況としては、ただいま申し上げましたように、まだ中医協で算定方式、それから薬価調査のやり方といった問題も含めまして議論をやっているわけでございます。したがって、調査の実施時期、まして改定幅については、私どもとしては調査をやらなければ何とも言いかねるというのが正確なところでございます。 新聞あるいは業界紙等でもいろいろ書かれているわけでございますが、それらは、過去の経緯から推してそういう推測がなされている。ただいま申しましたように、改定幅については、この次は多分全面改定ではないか、そうすると、従来の全面改定の例からいくとそのぐらいにはなるのではないか、時期については、予算編成等の関連もあって恐らくその辺の時期になるのではないかという推測に基づいていろいろなことが言われているという状況でございまして、私どもとして内々の意思決定をしているものを御報告してないというふうな事情ではございませんので、御了解をいただきたいと思います。
○河野(正)委員 私どもは決定したものを聞いているわけじゃない。決定したことは正式に発表になるでしょう。であるけれども、その経過が今もういろいろな形で出てきておるでしょう。ですから、私が言っているのは、結論が今出るわけじゃないわけですから、こういう経過で、恐らく来年一月ごろこうなりましょう、あるいはまた薬価基準も下がれば、その際に医療費の改定というのも当然考えなければならぬでしょう、そういう経過ぐらいははっきりしてもいいんじゃないですか。ここで結論をいつどうするんだと言うことができないことぐらい、率直に言って我々は承知しますよ。しますけれども、マスコミやいろいろな業界紙は書いておるわけですから、その経過ぐらいここで報告してもよろしいんじゃないですか。
○下村政府委員 経過につきましては、ただいま申し上げたようなとおりでございまして、今月中にもということですので、ただいま公益委員の間で最終的な取り運びについていろいろ御相談をいただいている段階でございます。 ただ、改定の時期でありますとか、これは薬価の方も診療報酬の方も、私どもとしては今の段階では何とも申しかねるわけでございまして、従来の例からいたしましても、薬価改定、診療報酬改定について余り先走って私どもから予測のようなことを申し上げますと、いろいろな影響がございますので、かなりはっきりした段階にならないと私どもとしては推測めいたことは言わないということになっておりますので、その点については御理解をいただきたいと思います。
○河野(正)委員 ですから、マスコミ、業界紙は推測しておるわけですから、私どももそのような推測をいたします。いいですね——そういうことで大臣もひとつお聞き取りいただきたいと思います。 そこで、なぜ私がそれをやっているかと申しましたら、薬の副作用の救済ということが法の目的ですし、かねがねこの委員会でやってきたのですが、要するに、一つは薬価基準にしましても、国立病院、それからきょう文部省においでいただいたと思いますが、大学の附属病院、こういうところでも薬の取引関係というものが非常に不明瞭ですね。薬価基準というのは国がつくるのでしょう。その国がつくった薬価基準を国の機関である国立病院あるいは文部省に所属する大学病院が破る、そういうことを現実にやっておるわけです。要するに、取引して、最後には一〇%のカットとか、大体一二、三%から一四%カットするのですよ。それが全部次の薬価基準の算定基礎になる。国が決めておいて国の機関が破る。きょう厚生省もおいでですが、とにかく安ければよろしいということで、正規の流通機構に乗らないで、そして現金問屋、私はブラックマーケットと言っておるのですよ。そういうところに、安かろう、安全性とか安定供給ということは別にして、とにかく安いということで買って、きょう警察庁もおいで願っておるはずですが、そして年間数百件のにせ薬事件というのが出ておるわけです。そういうことで、薬というのは生命関連商品、命に関連する商品ですから、これは非常に危険ですよ。そういうことが現実に行われておるのですね。しかも薬価基準というのは国がつくる。そしてその薬価基準というものを国の機関が破っておる。厚生省が破り、文部省が破る、そういうことが現実に行われておる。こういうことについてひとつ厚生省、文部省、それから警察庁は今のにせ薬の現状について御報告願いたいと思います。
○仲村政府委員 厚生省の国立病院で薬を購入するに当たりましては、御承知のように、他の物品と同様に会計法あるいは予決令にのっとりまして原則として競争入札で適正に購入しておるところでございます。お尋ねの薬価基準と購入薬価との関係でございますが、昭和六十年度の国立病院におきます購入単価は、平均いたしますとおおむね一割程度薬価基準より安くなっておるというふうに私ども承知しております。
○佐藤説明員 国立大学の附属病院におきます医薬品の購入でございますが、これにつきましては、大体の大学においてお互い国立大学相互間の購入価格について調査を行いまして、また他の地域の病院等の取引実例につきまして調査を行って予定価格を作成する、その上で競争入札ということになりまして購入をしておるわけでございます。契約の方式は、購入の数量あるいは取り扱いの業者あるいは納入場所、納入期限などを勘案いたしまして、国の定める会計法令上の規則にのっとってやっております。
○緒方説明員 警察としましては、お尋ねのにせ薬につきましては、国民の生命、健康を守るという立場から取り締まりを行ったところであります。最近のにせ薬にかかわる薬事事犯の検挙状況につきましては、昭和五十九年が百六十三件、百七十四名、昭和六十年が二百五十件、三百六名、昭和六十一年が三百三十五件、四百名となっております。 この増加の主な原因につきましては、健康ブームといわれる最近の社会風潮から各種の健康食品が市中に大量に出回っております。その中には実態が健康食品でありながら、あたかも薬のような効能、効果があると称して販売しておるものが増加しておるところでございます。例えば中医研電解カルシウム事件のように、薬局、薬店が効能を標榜して販売した事件や、スーパーラドンのように、水に浸して入浴すれば、がんやリューマチに効くと効能を標榜して販売した事件等があります。
○河野(正)委員 とにかく安ければよろしい。今厚生省は一割は安くと言っている。ところが現実には取引して、最終的には十何%カットしている。要するに値引きしている。こういうことを、言われておるというのか強制するというのか……。それから文部省関係の大学附属病院においてもそのとおりですね。それこそできるだけ経費を抑えていこうという発想ですから、安ければよろしい。しかし私は、薬というのは安いだけではいかぬ。やはり安全性がなければいかぬ。それからもう一つは、安定供給、要するに、いつでもその薬が手に入るという安定供給ができなければいかぬ。私はそれが薬の三原則と言っているのです。それが守れない。その理由の一つに、今言うように、要するにたたけばよろしい。文部省もそうですよ、厚生省もそうです。それでしかも、文部省の場合は、私はまだ実情はわかりませんけれども、厚生省の場合は、現金問屋と国立病院の四十幾つかが取引しているのですよ。そしてまた私ども警察権がないからはっきりわかりませんけれども、にせ薬をつかまされて、そして患者に投薬をする。そしてそれが全く効きもせぬし、あるいはやせ薬のごときは、利尿剤ですから、したがってどんどんやせて健康をむしろ害する、こういうような状況が出ておるわけです。そして警察庁の報告のように、そういうにせ薬事件というのが後を絶たないのですよ。それは厚生省や文部省もそうだろうと思いますが、現金問屋を大事にする、安ければよろしい、経費が安く上がればよろしいということで奨励をする。だから厚生省も関係官を集めて、とにかく経費を安くしなさい。何といったって総医療費の三分の一が医薬品ですからね。今は十八兆とすると、約六兆が薬代でしょう、算術計算して。そういう状況ですから、安いものを買え、安いところと取引せいということで、結果的に現金問屋と取引をする、そしてにせ薬をつかまされる。そのにせ薬が、先ほどの警察庁の報告のように、後を絶たないところか毎年毎年ふえていきよるのですよ。ですから、少なくとも医薬品というものが生命関連商品である。今度の法律案そのものだってそうでしょう。医薬品の副作用に遭った方々に対して救済をしよう、こういう法律ですからね。その法律からいえば、今の厚生省あるいは文部省にしても大いに反省してもらわなければならぬですよ。 きょうは時間がございません。持ち時間が参りましたから、これ以上申し上げませんけれども、一体今後どういう姿勢で臨んでいくのか、それを一言ずつ、それから最後にひとつ大臣からも一言お願いします。
○仲村政府委員 御指摘のように、医薬品は人体に直接影響を及ぼすものでございまして、良質なものが供給されねばならないことは当然のことだと考えております。国立病院におきましても、良質な医薬品を確保するという観点とともに、購入する医薬品が良質である場合にはできるだけ安く購入するという経営努力もしなくてはいけないと考えております。したがいまして、先ほどもちょっと申し上げましたように、医薬品の購入に当たりましては、薬事法上の許可業者であって会計法に基づく審査により入札参加資格を得た業者から通常競争入札により購入しておるところでございますが、入札参加者を決める際には、製造番号が著しくふぞろいなものでございますとか、製造後日時が経過して使用期間が短いような医薬品を取り扱うような業者からは購入しないような指導を私ども現在行っておるところでございます。今後ともおっしゃいましたような観点で、安定供給の面も含めまして、適正な購入について病院を指導してまいりたいと考えております。
○佐藤説明員 国立大学の附属病院におきましての医薬品の購入に当たりましては、まず安全性ということについては、医薬品の選択をする委員会が大体置かれておりまして、薬事委員会の方で決めていくというような手続をとっております。 〔長野委員長代理退席、委員長着席〕 また契約を担当いたします職員の方では、大学の競争参加資格者名簿、こういうものをつくりまして、適格な業者から選定をして競争契約をする、こういうことをしておるところでございますが、先生の御指摘の趣旨も外しまして、適正な形で購入をするように、今後とも指導してまいりたいと思っております。
○斎藤国務大臣 厚生省といたしましては、ただいま保健医療局長から御答弁申し上げたとおりでございますが、国立病院等の経営につきましても、健全を期していくという観点と、そしてまた医薬品の良質な効能を確保し、また安全性を確保し、そして安定供給を確保するという観点を十分に踏まえながら適正に購入をいたしてまいらなければならないと考えておりますし、またいやしくも公的機関がその市場を著しく乱すというようなことのないような、良識に従った購入方法を指導徹底いたしてまいりたい、このように思っております。
○河野(正)委員 終わります。
○堀内委員長 午後二時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十二分休憩 ————◇————— 午後二時三十八分開議
○堀内委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。沼川洋一君。
○沼川委員 年金財政基盤強化法案についてまずお伺いします。 これはまず大臣にお伺いしたいと思います。 これは長年の懸案でもございましたし、年金の積立金の自主運用がようやく実施の方向となったものでございまして、この問題については、我が党としましても再三取り上げて主張してまいりましただけに、一応の評価はするものでございますが、率直に申し上げて、その金額また運用範囲など内容にはいささか不満が残るわけでございます。大蔵省は、今までこの反対の理由として、国の信用において集めたものは一元化運用すべきであるという主張を繰り返してきたわけでございますが、今でもその考え方が根強く残っているのじゃないか、このように思います。特に国家資金として財投の役割の重要性というのは、私もよく理解しておるつもりでございます。しかし、反面、これからは二十一世紀の超高齢化社会を目前にして、年金制度の長期的な安定、発展を図るということは今や国の大きな政策課題でもございます。そういう点から考えてまいりますと、一兆円という金額は積立金総額の六十分の一でございます。大臣、この点についてどのようなお考えをお持ちでありますか、お伺いしたいと思います。
○斎藤国務大臣 年金積立金の運用につきましては、共済年金の積立金の運用等を考えますと、やはり財投協力、そして有利運用、また福祉運用といった観点からバランスのとれた運用を図っていかなければならないと考えております。 本年はこの自主運用が一兆円ということに予定をされておるわけでございますが、今後、将来に向けまして年金積立額の三分の一を目標に増額を図ってまいりたいと考えております。来年度以降当面いたします段階におきましては、新規運用額の三分の一程度を確保するよう全力を挙げて努力をいたしたいと考えております。 〔委員長退席、丹羽(雄)委員長代理着席〕
○沼川委員 新規運用額の三分の一、これは御遠慮なさっているのじゃないですか。新規運用額というと約九兆円ですか、三分の一というと三兆円。今年度もそういう要求をなさっておりましたが……。 特に、今、年金改革というのが何回かにわたって行われてまいりましたし、これからまた年金の見直しというのも国会の俎上に何回か上るのじゃなかろうかと思います。負担と給付のバランスを図るということですけれども、中身を端的に言いますと、できるだけ年金額は抑えて保険料を上げる、そして国の財政が大変だから国庫はなるべく撤退していきたい、大体そういう方向がどうも国の年金改革のいわば基本姿勢じゃないか、そういう感じがいたします。要するに、年金に出す金は削っていく。ところが一方では、年金財政、積立金の運用は厚生省には自由にはできません、大蔵の方でこれはがっちり握っている。そういう面で考えますと、非常に——二十一世紀はもう申すまでもありませんが、聞くところによりますと、今お年寄りがどんどんとふえています。年金受給者が年間百万人と聞いております。またお年寄りの医療費がふえる一方でございます。結局、厚生省の毎年の予算編成の中で、例えば当然増経費を見ましても、一兆円とか一兆五千億、その中身はほとんど年金であり、いわば医療費であるわけです。ところが大蔵に折衝しますと、なかなか認めてもらえない。仕方がないから内部経費を削って予算編成をやる。それもだんだんもう限界じゃないかと思うくらい毎年厚生省の予算編成は心配しております。どうかそういう観点からも、これは財投と同じぐらいこれから重要な政策課題であるだけに、余り遠慮なさらないで、ひとつぜひとも運用額についてはもっと思い切った要求をしていただきたい、このように思います。御答弁は結構でございます。 次に、やはり自主運用ですけれども、郵便貯金の自主運用では、昭和六十二年度が二兆円、以降毎年度新規運用額が五千億円ずつ上乗せされて、五年間で累積十五兆円の運用額となることが明確になっております。ところが年金の自主運用については、昭和六十二年度の一兆円だけが決まっておりますが、今後のことが全く不明でございます。今後どのように運用額をふやしていくのか、具体的な方針をお聞かせいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 先ほど申し上げましたように、本年は一兆円でございますけれども、将来にわたって積立金運用の三分の一ということの目標に向かって努力をいたし、来年度以降新規運用対象額の三分の一を確保できるように全力を挙げて努力をいたしてまいりたいと思っております。
○沼川委員 現在年金積立金が全額資金運用部に預託されておるわけですが、どの程度の運用収益が得られているのかちょっとお伺いしたいと思います。
○水田政府委員 お答え申し上げます。 五十九年二月から六十一年三月まで、預託金利七・一〇%でございまして、六十一年三月から六十二年三月まで六・〇五、六十二年三月から現在五・二%、最近約二年間で一・九%と大幅に下がったわけでございますが、私ども資金運用部には七年物で預託をいたしておりまして、現在のところはかって高い金利で預託したものが積立金の大半を占めておりますので、現在の急激な預託金利の引き下げは直には余り響いておりません。 その結果、六十年度の厚生年金の利回りで申し上げますと七・一六%、六十一年度、これは見込みでございますが、七・〇七%でございます。六十二年度の見込みでございますが、現在の預託金利五・二%が一年間そのまま継続されるということであるならば六・八%、こういう状況に相なります。
○沼川委員 企業年金では信託銀行等を通しまして大きな運用収益を上げている、このように聞き及んでおりますが、大体何%くらいの収益率となっているのか、わかったらお教えいただきたい。
○水田政府委員 お答え申し上げます。 厚生年金基金の全体の平均を見ますと、五十七年度は八・五〇%、五十八年度八・六三%、五十九年度八・七七%、六十年度八・八八%、この四年間の平均は八・七〇%、このように相なっております。
○沼川委員 確かに企業年金では資金運用部預託と比べまして非常に大幅な運用を行っているわけですけれども、今回の自主運用では、預託金利をどの程度上回る運用収益を目標とされるおつもりなのかお伺いしたいと思います。
○水田政府委員 現在の金融環境が大変厳しゅうございますので、私ども当面手がたく、預託金利よりも一%ないし一・五%の利差を稼ぐことを目標にし、将来的には、先生も御指摘のありましたように、企業年金並みの運用実績を上げるように持っていきたい、このように考えております。
○沼川委員 厚生省では生命保険契約を使っていろいろとお考えになっておるようでございますが、具体的にどのような資金運用を考えていらっしゃるのかお聞かせいただきたいと思います。
○水田政府委員 先生御指摘のとおり、私ども努力をしまして、これから自主運用量をふやしてまいるつもりでございますので、できるだけ運用成果を上げますためには、多数の機関に分散運用した方がよろしいわけでございまして、そういう意味で今回、従来になかった生命保険契約というものを運用範囲の中に加えるということで法案を出させていただいておるわけでございます。 年金福祉事業団は六十一年度から資金確保事業ということで、この資金確保事業につきましては、運用対象として信託銀行しか入っておりませんで、信託八行につきまして、それぞれの銀行の企業年金等の積立金の運用実績なり運用体制などを十分個別にヒアリングして、お願いをする資金量を決め、また刻々に運用の内容についても実績の報告を受けながら、追加資金量というものは、その成績を十分勘案しながら行っているわけでございまして、その結果は大変いい運用成績を上げていただいているわけでございます。 一方、今回、自主運用に御参加いただける生命保険契約については、まだ大蔵省の具体的な認可がおりていないわけで、現在検討中というふうに聞いておりますが、仄聞いたしますところによりますと、共同契約方式ということで、個別の生命保険会社の運用実績とか運用体制というものを見きわめるというのじゃなくて、幹事会社が一括して引き受けて、それを各会社に内部的に分配する、それで運用の配当につきましては、護送船団方式といって、一番足の弱いところを守っていくという形がとられているやに聞いておりまして、これはやはり信託銀行の場合と同様、生保会社のそれぞれの競争を通じてよき成果を上げてもらうようにしなければならぬということで、この点について年金資金の重要性を十分認識して商品の認可をするように、既に私ども大蔵省の銀行局の方にお願いを申し上げている次第でございます。
○沼川委員 大蔵省から見えておられますでしょうか。——今厚生省の方から御答弁いただいて、特に生命保険契約についてでございますけれども、厚生省としては、やはりこれは高利運用に成果を上げるということからだとこれは当然のことだと思いますけれども、一つには、保険会社と個別に契約できるようにする、そういうお考えを今お聞きいたしました。またさらには分離勘定による運用、そういうことを考えていらっしゃるようでございますけれども、どうも聞くところによりますと、大蔵ではこの運用のあり方をめぐって何か大きな違いがあるように思います。たしか厚生省の方からそういう面での改善要求も出ているやにも聞いておりますが、自主運用についてどのようなお考えでございますか、お聞かせいただきたいと思います。
○谷口説明員 お答え申し上げます。 今先生の方から御質問のございました二点についてお答え申し上げたいと思います。 一つは、新しくできます保険契約の契約方式でございますけれども、個別契約方式を希望しているけれども、その点についてどうかということでございます。 これにつきましては、現在委託者でございます厚生省と、それから受託者でございます保険会社の間で協議中と聞いております。協議中のことでもございますので、コメントは今の段階では差し控えたいというふうに思っております。 それから、分離勘定の創設の問題でございますけれども、企業年金等団体年金保険のために、いわゆる分離勘定を創設するという件につきましては、既に生命保険業界におきましても基礎的な勉強を開始しておりまして、鋭意検討中ということでございますので、その結果を私どもも待っているというところでございます。
○沼川委員 重ねてちょっとお聞きしたいわけでございますが、大蔵の方がその共同契約方式にこだわる理由というのは、どういう理由からでございますか。
○谷口説明員 お答え申し上げます。 共同契約方式にこだわっているということではございませんで、目下受託者と委託者の間でその点について協議がなされているというふうに聞いておりますので、その結果を見守りたいということでいるわけでございます。
○沼川委員 実際の運用収益が個々の生命保険会社で違うわけですが、その配当率がすべての生命保険会社で同率と計算されるのでは、高い運用収益を上げた会社から十分な収益の還元が受けられない、そういう点がいろいろ問題になっているかと思います。詳しいその内容はよくわかりませんが、せっかくこういう一つの自主運用の道が開かれたわけでございますし、厚生省としても一兆円という、予算要求からすれば三分の一でございますけれども、これをもとに何とかしてひとつ成果を挙げたいということで努力をされておりますし、大蔵省としては、それを応援するという立場で、ぜひひとつ厚生省等で考えておられる線に沿った面でいろいろと御検討をいただきたいと思っているわけでございます。できるだけ多種多様な運用機関を選んで競わせるということは非常に大事なことではなかろうかと思いますだけに、ぜひひとつそういう面での御支援方をお願いしたいと思います。 これはちょっと私に聞こえてきた話では、どうも時間がかかる、どうも面倒だというようなことで、何かその辺に食い違いがあるようにも聞いておりますが、その辺、いかがでございますか。
○谷口説明員 分離勘定の創設につきましては、目下個人保険のための変額保険のための分離勘定というものが一つ例があるわけでございますけれども、企業年金保険につきましては、まだ例がないわけでございます。 それで、その創設のためにいろいろ検討すべき諸点がございまして、それを目下、業界で鋭意検討中ということでございますので、その検討結果を待っているという状況でございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
○沼川委員 とにかく厚生省が期待しておられるこういう高利運用、その成果が上がるようにぜひともそういう側面から応援をいただきたいと思います。時間がありませんので、質問をちょっと先にいきたいと思います。 次に、医薬品の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 今回のこの改正案は、医薬品等の研究開発に対する出融資制度の創設、これが一つの主眼となっておるわけでございます。御案内のように、近年驚異的な進歩を遂げているバイオテクノロジー、新素材、エレクトロニクス等の先端的な科学技術を国民の健康増進のために集中的に投入してまいりますならば、これは画期的な新薬等の開発が期待できるわけでございます。 しかしながら、日本の場合は、バイオ等の基礎科学の研究開発においては十年おくれをとっておる、こういう話をよく聞くわけでございます。そういう点から考えますと、出資六十二年度一億円、融資六十二年度二億円、合計三億円、この程度の運用では余りにも少なくて実効が上がらないのじゃないかと心配しますが、いかがでございましょうか。
○斎藤国務大臣 医薬品等の研究開発につきましては、諸外国と比べましてこれまで必ずしも十分な研究開発投資が行われていたとは言いがたい点がございました。そこで本制度創設をお願いをいたしまして、今後これに力強く取り組んでまいりたい、こう考えた次第でございますが、本制度が有効に活用されて、民間における研究開発が振興してまいることを望むわけでございます。そのためには、何よりもその財源の確保が重要でございます。本年は創設初年度でもございますので、今御指摘のように、資金量といたしましては十億円、そのうちの事業費としては三億円というようなことになっておるわけでございますが、今後この資金の財源の確保について財政当局に対しても強く要請をし、そして充実を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○沼川委員 従来の法の本体部分でございますところの副作用被害救済基金の拠出金率にも非常に問題があると思うわけです。この法律案は、御案内のようにサリドマイド、スモン等を教訓に五十四年に法律が制定されたわけでございますが、拠出金の出納状況を見てまいりますと、特に五十五年度より拠出金率が非常に下がっておるわけです。しかも六十年度の積立金が七十三億九千五百万円、このようになっております。将来大規模な副作用被害が発生したときに吹き飛んでしまうのじゃないか、こういうおそれもあると思うわけです。そういう意味で、研究開発は安全性の向上にも寄与するということが要求されますもので、あえて先ほどこの出資金はそういう意味からも少ないのじゃないかと申し上げたわけでございますが、いかがでしょうか。 〔丹羽(雄)委員長代理退席、長野委員長 代理着席〕
○森(幸)政府委員 今先生お話しのようなことで、積立金の額につきましては、現在確かに八十億ほどになってございます。これは今先生もお話しございましたように、将来の大規模な副作用被害というようなものが生じた場合には、この程度の額はどうしても必要であろうというふうに私ども考えているわけでございます。
○沼川委員 時間がございませんので、これに関連してお尋ねをしたいと思います。 厚生省ではたしか一月十四日だと思いますが、幸田事務次官を本部長とする国民医療総合対策本部を省内に設置されているわけでございます。これは従来の保険制度面における医療費を直接的に削減する、例えばレセプトの点検とかあるいは審査の強化などといった対症的な療法ではなくて、最終的に医療費適正化効果を発揮するような医療システム構築を長期的に検討していくことを目的としたところのプロジェクトチームだ、このように聞いておりますが、このような理解は間違いございませんでしょうか。
○長尾政府委員 お答えをさせていただきます。 国民医療総合対策本部の設置目的でございますが、御案内のように、二十一世紀の超高齢化社会に向かいまして、現在十八兆と見込まれます国民医療の規模はますます増大をしていくということが見込まれるわけでございます。こういった膨大な国民医療を良質で効率的な形で供給をしていくということはより一層重要な問題になると考えておるわけでございます。医療費の適正化問題につきましては、今先生から御指摘をいただきましたような観点から従来とも検討をしてまいったわけでございますけれども、今回の対策本部の考え方は、医療保障、いわば医療保険のシステム、それから医療そのもののシステム、その両面にまたがります総合的な観点から、我が国の医療システムの合理化、効率化、どういう形で国民の皆様に良質な医療を効率的に供給していくことができるかということを検討するために設けたものでございます。
○沼川委員 今お答えいただきましたけれども、そういう目的でつくられたものであるならば、私もこの第一部会から第二、第三部会の内容をずっと見させていただきまして、一つどうも疑問に思いますのは、将来にわたって医療費適正化対策を長期的な展望の中で考えていくというものであるならば、当然これは少なくとも第一部会の中の医療サービス問題の中に医薬分業のあり方というテーマがあったっていいのじゃなかろうかと思いますし、またこういう問題は大きな柱として審議されるべき問題じゃないかと思いますが、どこにもその柱はございません。この点についてはどのようにお考えになっていらっしゃいますか。 〔長野委員長代理退席、委員長着席〕
○長尾政府委員 我が国の医療問題を考えます場合に、医薬品の問題は先生御指摘のように大変大きな問題だと思うわけでございます。しかし、今先生お話しの医薬分業問題につきましては、私どもといたしましては、この医薬分業の推進についての方向性は既に定まっておるものというふうに考えておるわけでございまして、具体的な方策について関係局の中で検討されておるというふうに考えておるわけでございます。
○沼川委員 何回も私がこの問題を取り上げますと、確かに分業は省是だということで、そういう答えがはね返ってまいります。しかし、ここ何年かを見てまいりまして、厚生省では分業という問題を本気で考えていらっしゃるのだろうか、内容を見ますと、余り前進はしていないような気がいたします。 特に、あえてこの問題をお聞きいたしましたのは、メンバーの中で業務局関係で入っていらっしゃるのが業務局の経済課長さんだけなんですね。ですから、分業の方向を真剣に検討するということであるならば、少なくとも経済課長さんだけじゃなくて、業務局の企画課長さんとか安全課長さん、それに担当の審議官といった方々をメンバーとして入れるべきじゃないかと思いますが、全然入っていません。どのようにお考えになりますか。
○長尾政府委員 お答えさせていただきます。 日本の医療をめぐります問題、先ほども申し上げましたように、医薬品の問題は非常に重要な問題ではございますが、限られた時間の中でポイントを絞って議論させていただくという構成で考えましたために、ただいまのような形でスタートさせていただいたわけでございます。議論が進みます過程で、医薬品の問題をどういうふうに取り組んでいくかということを検討いたします過程で、ただいま先生から御指摘がありましたことを踏まえて、私ども今後の検討を進めさせていただきたいと思います。
○沼川委員 現在、薬価の問題あるいは診療報酬の問題、特に保険医療の中でこれは非常に難しい問題であるだけにいろいろな角度から検討されておるわけでございますが、薬価あるいは診療報酬という問題に絡んで、やはり分業という問題がもっと真剣に取り上げられなければならぬと私は思うのです。先ほどから御答弁いただきましたけれども、ぜひそういう意味で、この総合対策本部の中に分業についての、今申し上げましたように、診療報酬との絡みあるいは薬価との絡みがございますので、そういう問題はもっと真剣ないわば議題として上がってもいいのじゃないかと思うのですが、何回も恐縮です。
○長尾政府委員 お答えさせていただきます。 今後議論を詰めていきます過程の中で、具体的なポイントの絞り方ということが私どもの議論の中で煮詰まってくると思うわけでございますが、その中で先生の御指摘を踏まえまして、考えさせていただきたいと思います。
○沼川委員 次に、また関連しまして、これは先ほど河野先生の御質問とまた関連する問題でもございますが、医薬品卸業の問題についてお尋ねをしたいと思います。 これは日本医薬品卸業連合会が最近発表しました「病院との価格交渉の動向」、これは昭和六十一年十月末の時点でございますけれども、これを見ますと、昨年四月の部分改定から半年を経過しているのにもかかわらず、購入価格未決定病院が四分の一に達し、一昨年のときよりもまたさらに非常におくれぎみになっているわけです。価格未決定率というのは二五・五%でございまして、一昨年改定の半年後調査しました一九・九%と比べますと五・六%も上回っている、こういう一つの調査結果が出ております。 これを見まして非常に感ずるわけですけれども、この未決定病院の存在というのは、これは中医協でも相当論議されましたし、国会でも論議されております。私も何回かごの質問をさせていただいております。しかし、これだけ問題にされてきたのにもかかわらず、実態は改善されるどころか、ますます何か慢性化の傾向、こういうふうに見てもいいような数字が上がっているわけです。 そこで、大臣にお尋ねしたいのですが、歴代の大臣にこの問題は聞いております。そのたびに大臣の御答弁は、強く指導する、改善に向かってどの大臣も、今までの歴代の大臣が決意を表明されております。改めて厚生大臣にお伺いしたいと思いますが、そういう経緯を踏まえて、この問題の解決をどうしたらいいのか、ひとつ大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 薬価改定直後におきましては、価格の決定が少しおくれるというようなことは現実にあるのではないかというふうに思うわけでありますが、その代金の支払いをおくらせるために、価格の決定がおくれるというようなことになることは大変問題であるというふうに考えておりまして、国立病院・療養所等を中心とした公的病院につきましては、私どもなり、また文部省なりを通じて、適正に指導をいたし、また民間医療機関等につきましては、各都道府県の所管の分野からひとつ強く指導をし、適正化を図ってまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。
○沼川委員 こういう問題はどうすれば解決するか、私非常に悩むわけでございますが、確かにこういう実態をずっといろいろ見てみますと、やはり医療機関の卸に対する代金の支払いというのが内容もひどくなっているわけですね。要するに、納付期日も書かせない、とにかく薬品は納付させる、価格は決まらない、それで結局その背景には買いたたきというのがあります。 きょうも先ほど保険局長やら何人か河野先生の御質問に答弁されておりましたが、大学病院あるいは国立病院、一方では会計法規は守りなさいという指導は確かにやっています。ところがもう一方では、良質で安く買えば一番いいわけですが、良質ということよりか会計法規は守れ、安く買え、こういう指導が現場ではやはりあっているわけです。そうなりますと、薬価が引き下げられる、当然それに右へ倣えで買いたたきがあるわけです。医療機関に対して卸はどうしても弱い立場です。何ならおまえのところは断って、ほかにかえると言われたら、それでおしまいですから、だから言われるままに、期日も書かせない、とにかく薬品だけは納品させる、何回行っても価格は決まらない。それが三カ月ぐらいならいいのですけれども、七カ月も七カ月半も代金をもらえない、こういう実態が依然として改まるどころか、先ほどちょっと数字でも言いましたように、さらに上回っている、さらに慢性化している。この問題をどういうふうにして解決していくかということについて、ただ強く指導しますだけじゃ、過去に何回も聞きました、いやしくも国会における大臣の発言で、この席で強く指導するとおっしゃったのが、いつまでたっても解決しない。どうも私は、確かに裏には難しい背景もありますけれども、大臣の御答弁があった以上、もう少しこれは改善を見てもいいのではないか、そういう気がいたします。 さらに、ちょっと具体的に申し上げますと、支払い基金の医療機関に対する代金の支払いというのは遅くとも二・五カ月から三カ月です。ところが七カ月も払わぬというのはどういうわけですか。当然その中には薬代も含まれているわけですから、どんなに長くとも三カ月ぐらいでは支払いが終わる、これが当たり前であって、会計法規を守れという御指導があるならば、この点が何かもうちょっときちっといかないものか、こういう気がするわけでございますが、いかがでしょうか。
○森(幸)政府委員 先生の今御指摘のございました点、なかなか難しい問題でございますが、やはり基本的には医薬品の購入に当たりましては、適正な契約に基づいて、支払い遅延というようなことが生じないように持っていくべきであるというのは、これは基本的な方向であろうと思います。 私ども業務局の立場といたしましては、そのような観点から関係の方面にいろいろ連絡をとりながら必要な御指導をお願いをしているところでありますけれども、もう少し基本的な問題といたしまして、現在、医薬品流通近代化協議会、これは業務局にそういう協議会を置いてございますが、その協議会におきまして、この医薬品流通問題の検討を今していただいておりますが、その際に、医療機関と卸売業者との間のモデル契約というものをつくって、それを普及させていくということが流通の適正化につながっていくのではないか、こういうような基本的な考え方を持って現在鋭意検討をお願いをしているところでございます。近い将来このモデル契約というものがまとまりました場合には、そういうものを普及させることによりまして、御指摘のような支払い遅延を含みます取引条件の改善というようなことにさらに努力をしてまいりたい、かように考えております。
○沼川委員 モデル契約をつくっていろいろやるということでございますので、期待をしたいと思いますが、何回も聞かせていただきたいと思います。きょうまたいろいろと前向きの御答弁をいただきまし、さっきからいろいろ、申すまでもなくやはり背景に医療保険制度そのもの、あるいは薬価基準の問題、医薬品流通の特殊性というのがあることを考えますと、なかなかすぱっといかない、それはよくわかります。しかし、もう何回も問題になりながら一向に改善されない、ますますエスカレートしていくのでは困ると思うのです。どうかそういう面でぜひしっかりした御指導をひとつお願いしたいと思います。 ただ、あえてここで申し上げますと、やはり根本的な要因は、依然として薬価差益に依存する病院経営のあり方に問題があるのではないか、このように思うのですが、いかがでしょうか。
○下村政府委員 ただいま薬価差益の問題については、薬価算定方式の改定ということで中医協でも御議論いただいているわけでございます。その中での議論としては、お話のように、薬価差益に依存する経営であるべきでないということにつきましては、委員全体を通じまして、大体そういう方向でやっていこうということになっているわけでございます。診療側も、薬価差益がいたずらに多いのは好ましくないという点については、大方そのような考え方ではないかというふうに理解しているわけでございまして、そういう方向に沿いまして、診療報酬の合理化あるいは薬価算定方式、薬価基準のあり方という面についても改善策を進めてまいりたい、このように考えているわけでございます。
○沼川委員 確かにこれは国立病院だけじゃなくて、文部省関係、大学病院等の問題もありますし、厚生省の中だけで解決できないいろいろな難しい問題もたくさんあろうかと思います。 それで、先ほどあえて国民医療総合対策本部の中に分業をもっと大きな柱として取り組めと私の言いたいのも、結局こういう問題を解消する抜本策として、今までも何回も、これは省是として頑張っております、分業をやりますとおっしゃるけれども、改めてもう一遍分業という問題がこういう問題の解決策としても大きな柱になったっていいんじゃないか、そういう段階が来ているのじゃないかという感じがいたします。 それとともに、往々にして今まで診療報酬と薬価というのがどうもいつもリンクしている。薬価を引き下げて、その分を診療報酬に上乗せするという形がとられてきているようですけれども、これはむしろ全然別個のものじゃないかという気もいたしますが、いかがでしょうか。
○下村政府委員 お説のように、一応別個のものという考え方にはなっているわけでございます。 ただ、実際問題といたしまして、薬価の改定が医療機関の経営に影響を及ぼすというふうな面もありますので、実際上薬価の改定に連動して診療報酬改定が行われる場合も今までは非常に多かったということでございます。そこは考え方としては別という点ははっきりしておるわけでございますが、実際面の取り扱いについては、その辺は医療機関の経営の実態を見ながら、その他の条件も総合的に勘案して診療報酬の改定を考えていくというのが現在の姿でございます。
○沼川委員 午前中もございましたけれども、さらに薬価基準の問題でお尋ねをいたしたいと思います。 昨年十一月、中医協で薬価調査が見送られまして、一年薬価引き下げがないわけですが、考えてみますと、五十六年ごろから五年間でざっと五〇%を超す大幅引き下げが行われておりまして、この薬価引き下げをどうするか、あるいはまた薬価基準算定方式の見直しをどうするか、いろいろなことを含めて今中医協で論議が行われているときでございますので、理時点で厚生省としてはっきりしたことは言えない、先ほどこういう御答弁でございました。確かに今まで算定方式として用いられてまいりました九〇%バルクライン方式を見直しする必要があるのではないかという論議があることは、もう御承知かと思います。新たにR方式、リーズナブルゾーン方式というのがいろいろとまた俎上に上っておるということも聞いております。これが最終的にどうなるのか、厚生省の中でも業務局と保険局では何か御意見が違うように伺っております。業務局の方ではリーズナブルゾーン方式はどうも賛成の方向だと聞いておりますし、保険局の方はどうも反対だ、そう聞いておりますけれども、お二人の御意見をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○下村政府委員 現在の算定方式の結果と申しますか、効果という点から見てまいりますと、九〇%バルクラインというふうなバルクライン方式というのは、下げ幅についてある程度マイルドな結果をもたらすけれども、必ず下がるというふうな批判もあるわけでございます。したがって、現在のところは、採算割れ品目等につきましては、その都度個別の検討対象といたしまして、別途引き上げ措置をとるという形で対応しているわけでございますが、原理的な面で、そういうことでRという考え方が出てくる現実的な背景は一応理解できる面はある、こう考えております。 しかしながら、Rということになりますと、そのRというものの性格は一体どういうふうなものなのか、それからまたその幅が一体どの程度であればいいのかということについては、残念ながらなかなか早急な結論が得られないという点で、直ちにこれを導入してまいるということについてはなかなか離しい面があろうか。これはまだ中医協で議論をいただいているところでございますので、確定的なことではございませんが、多少私の私見のようなものも交えましてお答え申し上げますと、そういうことになろうかと思います。
○森(幸)政府委員 薬価制度の問題は、基本的には医療保険制度の問題でございますけれども、同時にそのあり方というのが医薬品産業に対しましても大変大きな影響力を持っていることは言うまでもないわけでございます。今、先生、保険局と業務局の考え方が違うというお話も中に出てまいりましたが、基本的な態度がどうこうということではなくて、私ども、今申しましたような基本的な立場に立って、業務行政の立場からの御意見をこれまでもいろいろ申し上げてきておりますし、これからも必要に応じて保険局とも連絡をとりながら、そうして最終的には薬価算定方式が医療保険制度の中でうまくまとまりますように、そしてまた医薬品産業の健全な発展という点からいたしましても、適切にまとまるように持っていくために、私どもとしても努力してまいりたい、かように考えております。
○沼川委員 こういうふうに理解してよろしいですか。今の御答弁、ちょっとはっきりしない点もあったわけですが、保険局の方はどうも現行の手直しというようなお考えが強い。業務局の方としては、いろいろ問題はあるでしょうけれども、何とかして算定方式の見直しをやらなきゃならぬと。同じ省の中ですけれども、それぞれ局の立場が違いますし、例えば保険局は、保険財政というどうしたって財政面でいろいろと考える面もあるでしょうし、業務局では、やはり産業育成という面、また薬価調査を依頼しなければならぬ、そういう面からR方式には賛成だ、そういうように思うのですが、時間がございませんので、簡単で結構です、もうちょっと所見をいただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 リーズナブルゾーン方式にも、またバルクライン方式にいたしましても、それぞれ一長一短があるのだろうと思うわけでございます。これまで薬価の改定を昭和五十六年から五回ほど行ってまいりまして、それなりの効果も上げてき、またそれなりの薬価の引き下げも行われてまいったわけでございますが、現時点におきまして、これまでの状況を踏まえて算定方式等についてひとつその一長一短をいろいろ御検討いただき、そして新しい算定方式があるとするならば、それについて御協議をいただくというようなことで、今鋭意御協議をいただき、もうその大詰めに来ておるように聞かせていただいておるわけでございます。この検討の結果が出ましたならば、これを踏まえて厚生省としては対応いたしてまいりたいと考えております。
○沼川委員 以上で終わります。
○堀内委員長 塚田延充君。
○塚田委員 まず、年金の自主運用についてお尋ねいたします。 民社党は、かねてより年金財政の基盤強化のために、年金の自主運用の道を開くべきであると主張してきたわけでございますが、このたび厚生省の要求された三兆円に比べ一兆円と、なお不十分ながらも自主運用が認められましたことは、一歩前進したと評価するものであります。この見地から二、三点につきまして質問していきたいと思います。 今回は年金とともに郵便貯金にも自主運用の道が開かれたわけでございますけれども、郵貯の場合には、この自主運用が特別会計で行われるようになるのに対しまして、年金の方は年金福祉事業団を使うことになっておりますが、これはなぜこうなったのでしょうか。
○水田政府委員 特別会計で運用いたします場合は、運用対象が元本保証のあるものに限られるというふうに運用範囲に制約が加えられるということで、私どもは少しでも将来の年金財政の安定に寄与することを目的に自主運用事業を行いますので、幅の広い運用範囲ということで、事業団を通じてやるようにした、こういうことでございます。
○塚田委員 より積極的に、また有利に運用したいというような趣旨のもとに事業団を使ってということでございますが、それでは郵貯と比べて運用の範囲がどのように具体的に違っておるのか、御説山いただきたいと思います。
○水田政府委員 郵貯の場合は、国債、地方債、金融債などの有価証券と預貯金という元本保証のあるものに限られておりますが、私どもはこれらのもののほかに金銭信託、生命保険契約が加わっております。
○塚田委員 年金積立金の自主運用は、厚生省としては初めてのことでございますので、いろいろ研究されたと思いますが、諸外国の例も参考にする必要があると思います。この年金積立金の運用に長い歴史と経験を持っておりますアメリカにおいてはどのような運用が行われているのか。特にアメリカなどにおいては、株式の運用がかなりのシェアを占めているというふうに承知しておりますが、この辺について厚生省の検討の結果について御説明いただきたいと思います。
○水田政府委員 アメリカの年金制度は国民一般を対象とした公的年金がございますが、これは賦課式でございますので、積立金運用というのはございません。公務員を対象としました年金制度及び企業年金があるわけでございますが、この公務員の年金制度あるいは企業年金制度は積立方式で運営がなされております。地方公務員の年金制度における資産運用の中身でございますが、最も新しい情報としまして、一九八五年現在の資産運用の内訳を見ますと、株式運用が三四%、連邦政府証券三一%、社債、外債が二三%となっております。それから民間の企業年金の資産運用は、直接企業自身が運用する場合あるいは信託銀行に委託する場合、生命保険会社あるいは投資顧問会社を使う場合といろいろとあるわけでございますが、それらを通じて概観をいたしますと、資産別に見ますと、一九八六年現在で、株式は五割程度、債券は三割程度、このようになっております。
○塚田委員 株式の運用を入れるとなりますと、いろいろなリスクが出てくるというような意味で極めて慎重を期さなければいけないことは当然だと思います。しかしながら、年金資金運用検討会の中間報告では、議決権をあらかじめ放棄するなど、企業支配につながらないような形で株式運用もできるようにすべきだという提言がされております。 このような提言と、そしてまたいわゆるリスク回避のための歯どめというようなことを勘案しながら、何らか株式運用についての道も模索すべきだという考え方が、この検討会の中間報告のとおりたくさんあるわけでございますけれども、厚生省御自身としては、この株式運用を含めるということについて、現在どう考え、また今後どのような取り組み姿勢で、多分これは対大蔵ということになりましょうか、折衝することになると思うのですけれども、その決意と申しましょうか、今後の方針についてお伺いしたいと思います。
○水田政府委員 自主運用は、具体的に運用の衝に当たりますのは年金福祉事業団でございますが、この年金福祉事業団の資産運用のあり方は、大別して二つあると思います。 一つは、資金運用の専門機関でありますところの信託、生保に委託して行う。この生保、信託の場合は、当然株式運用もその中で加味してやっておるわけでございます。 もう一つの事業団が直接自分で運用する場合、これが現在言うなれば禁じ手になっているわけでございますが、これにつきましては、先生御指摘のとおり、年金資金運用検討会の中間報告で、公的資金を通じての企業支配にならないような方法で検討しろ、こういう御指摘もいただいておりますので、やはり年金福祉事業団が直接株式の運用に当たるということになりますと、それだけのファンドマネージャーを持つというような運用体制その他の問題がありますので、体制整備の問題等十分見きわめながら、関係省庁とも前向きに御相談をさせていただきたい、このように思っております。
○塚田委員 有利運用のために、株式運用についても、年金資金運用検討会の報告の線に沿って、今後関係省庁とも打ち合わせていく、このように受け取らせていただきます。 さて、自主運用の資金量は今後逐次拡大していくべきであり、またいくのではなかろうかと思うわけでございますが、その場合、運用事業の直接の衝に当たります年金福祉事業団の運用体制の整備が極めて重要であり、この上手下手と申しましょうか、これによって年金の財産が大きく左右されてしまうわけでございます。そういう意味におきまして、質の高い資金運用担当者の確保が要求されるわけでございます。こういうことも含めまして、年金福祉事業団の運用体制の整備に万全を期さなければいけないと思いますが、この件に関しまして、大臣の所見をお伺いしたいと思います。
○斎藤国務大臣 年金福祉事業団の運用体制の整備につきましては、先生がおっしゃるとおり、しっかりした体制を整えていかなければならないと考えております。特に責任体制を確立すること、また最適な運用方針が策定できること、また運用機関の運用実績を適正に評価できること、こういった三点について十分用意した体制を整備していかなければならないというふうに考えておりまして、本年四月から、この方針に沿いまして、年金福祉事業団に担当理事を責任者とする資金運用事業本部を既にスタートさせまして、その準備体制を整えているところでございます。今後とも御指摘のような運用体制の充実にさらに努力をいたしてまいる覚悟でございます。
○塚田委員 それでは次に、医薬品副作用被害救済基金法の一部を改正する法律案に関し質問させていただきます。 これは実際のところは、研究振興基金を設けようという方にかなりポイントを置かれた改正であろうと私は受けとめております。そういう意味におきまして、医薬品産業の研究開発を促進しようとするわけでございますが、このような施策を行うに当たりましては、我が国の医薬品産業の現状と問題点を明らかにして、それに対応した将来の医薬品産業政策のビジョンを前提として研究振興基金のあり方についての位置づけを明確にする必要があろうかと思います。 そういう次第でございまして、その際参考になるものといたしまして、本年二月、医薬品産業を中心としました化学産業に従事する勤労者の団体でございます化学エネルギー労協が「医薬品産業に関する政策提言」としまして、医薬品産業に対する産業政策のあり方について極めて広範かつ具体的な政策提言を盛り込んでおります。この提言の内容については、厚生省も入手しているはずと私は承知しておりますが、この提言を厚生省はどのようにお受けとめになっておりますのか、コメントいただきたいと思います。
○森(幸)政府委員 先生今お話しのように、本年の二月に「医薬品産業に関する政策提言」というのが化学エネルギー労協の方からなされたわけでございます。 この提言につきまして、私どもも読ましていただきまして、医薬品産業の分析だけではなくて、広く医療問題全般にわたりまして検討を行った上で、総合的な議論を展開をされておられます。今転換期を迎えていると言われるこの医薬品産業にとりまして、こういう労働組合というお立場から総合的な産業政策への提言が行われたということは、大変有意義なことではないかと私どもは考えております。 具体的な提言の中には、去る五十九年の秋に医薬品産業政策懇談会というところで行われました答申と共通の基盤で論じられているような問題も多々ございます。今後医薬品産業行政を進めるに当たりまして、私どもも十分参考にさせていただきたい、かように考えております。
○塚田委員 我が国の経済構造の変化、そして社会保障政策の変化の中で、医薬品産業の存立基盤もまた大きく変化しているわけでございます。このような情勢のもとで、厚生省は医薬品産業の将来のあり方についてどのようなビジョンを持っておられるのか、総括的にまた具体的、簡潔にばさっと言っていただきたいと思います。
○斎藤国務大臣 医薬品産業はエレクトロニクス産業とかコンピューター産業と並ぶ、我が国にふさわしい省資源、知識集約型の産業でありまして、技術立国を目指す我が国といたしましては、二十一世紀へ向けての重要な戦略産業であるべきだと考えております。また生命関連産業であります医薬品産業には、今後の高齢化社会の進行に伴い、増大し多様化する国民の保健医療ニーズに対応し、成人病治療とか、また老人性痴呆症の克服等のためにより安全で有効な新薬を開発していくことが求められておると思うわけであります。 このような期待が一層高まってまいるわけでありますが、そういう中で、厚生省といたしましては、まず第一に、研究開発の強化ということ、第二番目には、国際的事業の展開ということを柱といたしまして、積極的な産業振興策を推進し、国民の期待にこたえていける産業に育成をいたしてまいりたいと考えております。そういう際に、ただいまお話のございました化学エネルギー労協のお示しになられました医薬品産業に関する提言というものにつきましても、高く評価をさしていただき、十分参考にさしていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○塚田委員 新薬の開発の促進が国民の医療ニーズにこたえていくために極めて重要な役割を果たすわけでございますが、研究開発期間が極めて長期化しているとか、また開発投資額が巨額化するとかいうことで、医薬企業の経営基盤が非常に圧迫されるような状況になっており、画期的新薬の開発というのがますます困難な状況に追い込まれているのが現状だと言われておるわけでございます。そうなりますと、新薬の開発の促進のためには、規制の見直しであるとか特許制度の見直しなど、制度面での対応のみならず、産学官の協力体制の整備や研究交流の促進など環境整備も重要なわけでございます。このようなことに対しまして、現在国として、このような医薬品産業の研究開発活動に対してどのような具体的な支援施策を講じているのか、こうしたい、ああしたいじゃなくて、しているのかについて御説明賜りたいと存じます。
○森(幸)政府委員 今先生のお話の中にも出てまいりましたが、医薬品産業にとりまして研究開発の推進というのは大変大きなテーマでございます。特に近年におきましては、バイオテクノロジーを初めといたします先端技術が登場してきたということもございまして、医薬品の研究開発というのが新しい展開を現在示しつつあるわけでございまして、そういう観点から基礎的な研究、基盤的な技術開発の重要性がますます高まってきていると私ども考えております。そういうような状況のもとにおきまして、現在厚生省といたしまして考えております基本的な方向というのは、二つあろうかと思います。 まず第一は、難病治療薬あるいは希用薬と言われておりますが、医療上必要であるにもかかわらず市場性に乏しいというようなことのために、民間の企業の努力のみにゆだねていては十分な開発が期待できない、そういう医薬品に関する研究開発を促進するというのが行政の一つの役割であろう、こう考えております。 それから二つ目は、バイオテクノロジーの開発等々を通じまして、医薬品産業全体の技術水準を高めていく。そして医薬品産業が果たすべき社会的使命でもございます画期的な新薬の開発というような問題につきまして、これを支える基礎的、先端的な技術開発の研究を振興していく、これが二つ目の役割であろう、かように考えておるわけでございます。 そういう二つの公共性の高い分野において今後ともこの施策を伸ばしていきたいと考えておりますが、今先生お話しのように、具体的にどういうことをやっておるかということについて若干敷衍させていただきますと、前者につきましては、難病治療薬の開発を助成いたしますために、新薬開発推進事業という補助金を出してございます。それから後者の方につきましては、六十一年度から官民共同で行います長寿関連基礎科学研究事業というものに積極的に取り組んできておるわけでございますが、そういう考え方の延長上の問題といたしまして、今回この基金法の改正の中で、新たな出資、融資の制度を設けていきたい、かように考えております。
○塚田委員 研究振興について今後ますます需要が増してきておるから、そのバックアップのために今度の改正案による新提案がなされたもの、このように受けとめさせていただきます。 さて、先ほどより化学エネルギー労協の出されました政策提言についてかなりの評価をされているようでございますけれども、この際、行政、製薬団体、労働組合の三者から成るような協議機関を設置してはいかがであろうかと提案したいわけでございますが、厚生省のお考えをお聞かせいただきたいと存じます。
○森(幸)政府委員 先ほど来お話し申し上げておりますように、現在転換期にございます医薬品産業の今後の方向ということを検討してまいります場合には、いろいろな立場からの御意見が出て、それをすり合わせながら最も望ましい方向に医薬品産業を発展さしていくということが大きな課題だろうと考えております。そういうような医薬品産業の今後の推進を図っていくということになりますと、今般の化学エネルギー労協の御提言というものも、いろいろな各界の御意見等とあわせまして、私ども、先ほど申しましたように、重要な参考意見ということで取り上げさせていただきたい、かように思っております。 今お話しの行政あるいは組合さらには製薬団体等々から構成する協議機関ということを設置してはどうかという御意見でございますけれども、このような機関を設置することにつきましては、これはいろいろな考え方があろうかと思いますけれども、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、そういう各立場での御意見というものは、先ほど来申しておりますように、十分参考にさしていただくように、これからもいろいろな場を活用いたしまして、そういう方向へ持っていきたい、かように考えております。
○塚田委員 研究振興基金の計画というのは時宜にかなった、また夢多き助成事業だと思うわけでございますが、当初、この出発資本金といいましょうか、基金額が十億円を予定されておるようでございます。これは将来的にはどのくらいの規模まで持っていくつもりなのかお聞きしたいと思います。
○森(幸)政府委員 これは、今回法律をお認めいただけましたら、ことしの十月からこの基金は発足するということになろうかと思います。この基金が実際に動きますと、テーマの公募というようなことも行われることになってまいります。そういうような、これから各企業等々の動きを見まして、具体的な規模等につきましても、今後検討していくべきものだと思っておりますけれども、いずれにいたしましても、今年度の額というのは、これは本格的な出融資事業を行うという観点からいたしますと十分でないというような感じを持ってございます。少なくとも数十億ぐらいの規模に持っていくことができればということが私どもの現在の時点での希望でございますが、そこはこれからの各企業の申請の状況等々も考えながら決めてまいりたい、かように思います。
○塚田委員 さて、この法律の名前でございます医薬品副作用被害救済基金というわけでございますから、この救済基金そのものについて二、三質問していきたいと思います。 そもそも厚生省の業務行政というのは、医薬品の認可に当たりまして、薬効が確かなこととか副作用がないとか、または少ないことを目指しているはずでございます。この救済基金というのは、このあってはならないはずの薬害に対し、現実的に万やむを得ないときの患者救済をスムーズにすることが目的で設置されたはずでございます。一方、起こしてはならない薬害を引き起こす危険性について、製薬会社の側にとっても、その際の共済制度のような役割も果たしているのではないかと認識しているわけでございます。 この救済基金につきまして、現在積立金の状況が約八十億円に達しておると資料を見ているわけでございますけれども、この額は、考えようによっては、今までのここ数年の支払い実績から見ると、かなり余裕のある積立金額になっているという判断もできます。しかし、一方これは国民にとりましては、万が一のときの大変な担保でもある。あってはならないことだけれども、大きな薬害が起きた場合には、数百億とかいうことになった場合には不十分になるという両面を持っているわけでございますが、とりあえず厚生省としては、この救済基金の積立額の残高というのはどのくらいを適切な額と理論的及び経験的に考えておられるのか、御説明いただきたいと存じます。
○森(幸)政府委員 積立金の額は、今のお話にもございましたが、現在約七十九億ということになってございます。積立金を設けてあります趣旨は、万が一にも大規模な副作用被害というものが発生した場合に、これに迅速に対応できるようにするというところにあろうかと思います。 それでは、その積立金がどの程度保有されておれば適当なのかというところが御質問の点かと思いますが、これは計算すると申しましても、なかなか難しいところでございますけれども、私どもの過去の大規模な副作用被害のときの賠償額というようなものを参考に考えてまいりますと、少なくとも現在程度の積立金というのはどうしても必要なのではないのだろうかというような考え方を持ってございます。
○塚田委員 この制度は、申し上げましたように、医薬品メーカーにとりましては、強制的な共済制度に加入させられておる、しかしこれで安心もできるというような受けとめ方もあるはずでございます。ところが、この救済基金の実際の支払い状況などからすると、もう積立金は十分と思われる以上にいっているのじゃないか。となれば、共済制度的な考え方からすれば、それは取り崩して加入者に対して、配当というわけではございませんが、還付してもいいんじゃないかというような考え方もあるわけでございますし、それは特殊な考え方としても、極めて妥当な考え方としては、今後については拠出金の率をもっと下げて負担を軽減してほしいというような要望も出てきているわけでございますが、こういう要望の声なき声があったとして、厚生省はどのような受けとめておられましょうか。
○森(幸)政府委員 拠出金率につきましては、この制度が発足をいたしまして以降、給付の状況に合わせまして過去二回にわたって引き下げを行っております。現在積立金は、先ほども申しましたように、年々増加しているところでございますが、先ほど申しましたようなことで、万が一の規模の副作用被害が発生したときには、やはりこの程度のものは現在の段階では必要だ、私どもこう考えておるわけでございます。 そこで、これを将来どういうふうに考えていくかということになりますと、これまたなかなか難しい問題でございますが、今回新たに研究振興業務を追加をするということになりましたことでもありますし、またこの拠出金率につきましては、五年ごと以内に見直すというようなこともございますので、最近の給付の状況というようなものも勘案しながら、どの程度の積立金を保持していくかという先ほどのテーマも含めまして、基金の財政状況全般についてひとつ見直しをすることも検討してみたい、かように考えているところでございます。 それから、今お話の中に還付という御提案がございましたが、現在の制度のもとでは、一たん拠出していただきました額については、余剰が生じましても、還付を行うということは制度的にはなかなか難しいのではないか、かように考えております。
○塚田委員 研究振興基金を設けようというアイデアが出たわけでございますが、これは救済基金の方の積立金が余裕が出たからひとつ有効活用としていろいろ考えた上でちょうどいいかなということでもって研究振興基金というのが出てきたのか。それともそんなことは全然別にして、先ほど力説されておりましたように、研究振興というのは大切だから何とかしたいと思っていた、ところが新しい基金もしくは特殊法人をつくるのは難しいから、眠っておる法人とか何か探しておったら救済基金があったから、これを活用するのだ。この二つのアプローチ、考え方があったわけですが、実態はどちらなんですか。
○森(幸)政府委員 研究振興業務の経費は、産業投資特別会計と民間企業からの出資によります基本財産の果実によって運営をするということが決まっております。それからこの研究振興のために出資事業等の事業を行うわけでございますが、この事業費につきましては、産業投資特別会計からの出資金、貸付金によって賄うということが基本的な考え方としてはっきりしているところでございます。 今先生の二つの御指摘の後者、救済業務における積立金をこの研究振興業務に使っていくというようなことは、現在私どもが考えておるところでは、全く予定をしていないということを申し上げたいと思います。
○塚田委員 研究振興基金システムと申しましょうか、これは極めて戦略的に医薬品行政といいましょうか新薬開発のために大切であるということは、厚生省重々承知の上で、この構想を具体化させるために提案されたものと思うのですが、これを救済基金にくっつけるというところが私にとりましてはどうもこそくな手段じゃなかろうかと思えて仕方がないのでございます。一つの機構において一緒に運営していくという理由、そしてこれをやることのメリット、デメリットはどういうところにあるのでしょうか。
○森(幸)政府委員 今先生がお話しの研究振興業務を救済事業という従来からの基金の業務に追加するという形で今回処理をすることにいたしたわけでございます。この新しい研究振興業務を行う実施主体を一体どういうふうな形で考えていったらいいのかということは、私どもこの事業の方針を固めていく際に非常に大きな問題として出てきたわけでございまして、種々検討をいたしました。政府全体の行政改革の推進という大きな政策的な枠の中で新たな法人を設立するということは、極めて困難であるという状況でございまして、そうなりますと、厚生省の既存の法人の改組でこの事業を実現していくということが現実的ではないかというような結論になったわけでございます。厚生省の特殊法人あるいは特別認可法人と言われるものがいろいろございますけれども、そういう法人をいろいろ検討いたしまして、医薬品の安全性に関連があるというようなことも考えまして、この副作用救済基金の改組という方針で臨むことにいたしたわけでございます。 今御質問にございましたメリットはどうだということでございますが、今言ったような事情でそういう方針をとったわけでございます。しかし、今回新規に法人をつくらないで既存の法人の改組で対応することにいたしたということで、管理業務の体制というようなものは共有できるわけでございまして、その意味での経費についてのむだを省くということは可能になったかと考えております。それからもう一つ、この副作用被害の救済基金が研究振興業務を行うということで、企業の行います研究開発につきましても、安全性への配慮が十分行き届くというような実質的な効果も、付随的かもしれませんが、あるのではないかというふうに考えております。
○塚田委員 一般管理費の面において、総合化することによって合理化できるということになりますと、この救済基金というのは、中小メーカーも含めて全医薬品メーカーが拠出しているわけでございますが、研究振興の方はどちらかというと限られた医薬品メーカーが活用されることになるはずでございます。となると、中小メーカーのある程度の犠牲の上に一般管理費が負担されてしまうというような結果になるのじゃないかと思います。 そもそも経営論から言えば、これは邪道であり間違いじゃないかと私は思うのですよ。先ほど強調されましたように、そんなに研究振興が大切であり、そうなれば世論の支持もあるとなれば、堂々と一つの独立基金もしくは機構として運営してもいいのじゃないか。行革審がどう言うか知らぬけれども、行革審とかいうのはあくまでも、むだなものはおやめなさい、いいものはやりなさいということととるべきだと私は思うのです。その辺、厚生省は自信を持ってやるべきであり、こんな救済基金と一緒にすることによってお茶を濁すようなやり方だったらアブハチ取らずであって、救済基金の本来のいろいろな制約条件とか何かが出てきて、たがをはめられてしまう危険性があって、いわゆる本来の研究振興の目的に制約となる。そうなってはいけないということで、大事な仕事はそれなりのはっきりした目的のもとに一つの機構で運営するのだという自信を持ってぜび取り組んでいただきたいなと思うわけでございます。 そして、最後になりますが、救済基金の余裕があるからという見方からでも結構でございます。または研究振興基金の方の一つの新しい道として、先ほど局長が難病についても今までの中においても既に手を打っているのだとおっしゃられておりますけれども、私はまだまだ不十分だと思うので、徹底的にこの問題に取り組んでいただきたいと思うのです。取り組むには何といっても資金がなければ解決できないことが多いために、遅々として進まないような状況に置かれているのではないかと私は残念に思っているわけであり、救済基金の側からであれ研究振興基金の側からであれ、どちらでもいいですから、この有効活用ということで、営業ベースに基づく民間企業ではできない難病治療の研究に思い切り資金を出してやっていただきたい、このようにお願いしておきたいのですが、この件について大臣のコメントをいただきまして、終わります。
○森(幸)政府委員 今お話しのこの難病対策、これは厚生省にとりましても大変重要な対策でございます。先ほど難病の治療薬あるいは希用医薬品の問題に触れて、現在その開発、研究のための助成を行っているということを申し上げましたが、今回この基金の研究振興業務というものが行われます場合には、難病の治療薬等の開発に資するような、そういう基礎的技術の研究をも対象としていくように十分配慮していきたいと思っております。
○塚田委員 終わります。 〔委員長退席、長野委員長代理着席〕
○長野委員長代理 田中美智子君。
○田中(美)委員 まず、年金の積立金の自主運用についての質問からいたします。 自主運用が実現することになって厚生省も経済官庁になったというような声が聞かれております。そういう中で、この年金の積立金の管理運用とか自主運用については、保険金を拠出している者の代表を運営に参加させて民主的な運用に努めることというような附帯決議などが今まで出されているわけですけれども、今度の問題には労働者の参加がないわけですけれども、その点はどういうことでございましょうか。
○水田政府委員 これまで年金積立金の運用に拠出者の意向が反映するようにという附帯決議をたびたびいただいておりますのは、資金運用部に預託されております資金、これは資金運用審議会が学識経験者のみで構成されているので、それを是正すべきであるという附帯決議でございまして、直接的には私どもの運用を指したものではないと考えております。私どものこの自主運用事業は、年金審議会という厚生大臣の諮問機関がございまして、そこに当然拠出者の代表、労働者代表も入っておられまして、そこの提言に基づきまして、私ども法律をつくり、この年金審議会及び社会保障制度審議会満場一致の御了承をいただいて法案を出しているところでございますし、また年金審議会の中に設けられておりますところの資金問題懇談会の運用方針に従って私ども今後運営を図っていくつもりでございまして、この社労も私どもの自主運用事業の応援団であると思っておりますし、また年金審議会も当然応援団であると思っておりますので、そういう方の支援を受けながらこの事業を発展させていきたい、このように思っている次第でございます。
○田中(美)委員 これは初めてのことですので、やはりこれに保険料を拠出している代表者がきちっと意見が述べられるようにしなければならないのではないかというふうに思います。そういう点で、今度の場合に一括して生命保険に団体加盟するというようなことになりますと、これのよしあしの前に、被保険者が自分が生命保険に一括して入っているんだというようなこともろくに知らない、そして聞くところによると、そういうことになっているらしいということは、非常に被保険者に対して感情的にもいいことではないのではないか。こういう形で厚生省が、本来の厚生省の仕事ではないと私は思っているのですけれども、やはり金もうけに憂き身をやつすような方に情熱を持っていくのではなくて、もっと厚生省が情熱を持って努力するところにエネルギーを使ってほしい、そういうふうに思います。ですから、非常に誤解を招くわけなんですね。これで利ざやを稼いで、結局は被保険者に対して役に立つんですよと言われても、知らない間に自分の存在というものが金もうけの材料に使われているというふうなことは、やはり明朗ではないというふうに私は思います。その点、時間がありませんので、簡単に一言この点をお聞きいたします。
○水田政府委員 これは被保険者の年金の財源に充てるために一生懸命、私ども額に汗を流して高利運用を図ろう、こういうことをねらっているわけでございまして、どうぞ十分御理解をいただきたいと思います。
○田中(美)委員 労働者のためにというのは、年金局長や厚生大臣もそういうおつもりなんだと思いますけれども、やはり主観的なためにというのは、娘の結婚に親がこっちの男の方が娘のためにはなるんだと思っても、娘はこっちの男がいいんだということがあるわけですので、やはりそれは本人の意思がきちっとしていないのに、主観的に善意であったといっても、やはりそれは本当の善意になるかどうかということは疑いがある。そんな金もうけに憂き身をやつさないで、もっといいところに情熱を使っていただきたいと思います。主観的な善意はわかりますけれども、それは客観的な善意だというふうには思いません。むしろ誤解を招くというふうに思います。大臣、お話ししたそうですので、それでは簡単に。
○斎藤国務大臣 お嬢さまがお婿さんを選ぶのとは大分違いまして、いずれの場合であっても、安全かつ効率的に運用されて、その運用収益が高まる、その高まったことが保険料の緩和に結びつくということであれば、どなたも一番利益を受けていただけるものではないかというふうに思っております。
○田中(美)委員 利益に結びつくか結びつかないかということは、やってみなければわからないことですからね。ですから、生命保険会社が大分大きな損をしちゃったとかというようなことだってリスクはあるわけですから、一〇〇%これはなるという確信はないわけですので、こんなことというのは、やはり誤解を招くので、私としては余り好ましいことではないというふうに思います。 ではその次に、今度の場合には国債とか地方債とか、そういう有価証券を取得するとあるわけですけれども、外債はどうなっているのですか。
○水田政府委員 購入の対象になっております。
○田中(美)委員 そうすると、アメリカの国債が買えるのですか。買えないのですか。
○水田政府委員 買えます。
○田中(美)委員 ここが一番被保険者にとっては心配なわけです。これはもう私が言わずとも十分御存じだと思いますけれども、ついこの間出ましたアメリカの国債にしても、相当大きな企業が買い控えているとかいろいろなことがあります。その前に大損している。これはことしの五月十二日の読売新聞の切り抜きですけれども、生命保険会社七社で為替差損一兆四千億円も損しているんですね。ですから、今これは危ないぞ、こういうふうに言われているときに、そんな危ないところへ手を出すというのは、厚生省が非常にばくち的になってきている。それも非常に危険なばくちを始めた。まさに道楽息子になってきているんじゃないかというような感じがして、これですってしまいやしないか。私はアメリカの国債というのは非常に心配です。これに今度一兆円をどんどんふやしていって、どんどん買っていく。大きな企業は損になるものはぱっと手控えますけれども、役所というところは何しろごゆっくりですので、危ない危ないと言ってもどんどん買っていくというようなことになったときに、じゃもしそこで損が出た場合には一体これはどうなるのですか。
○水田政府委員 買えるという能力を持つことと具体的に買うということは別冊題でございまして、今為替状況が安定していないという状況も十分承知いたしております。先ほど大臣が言われましたように、安全かつ効率的な運用ということを目指してやるつもりでございますので、その点は御心配要らないと思います。万一失敗したときはどうするのだ、こういう御指摘でございますが、私どもは厚生年金基金二十年の経験を持っておりまして、これは大変大きな収益を上げておりまして、その運用実績から見ても欠損が生ずるということは万々ないと思いますが、収益金というものは、私ども積み立てておきまして、国庫に納付いたしますのは、その五分の一ということで、五分の四が積立金として残っておりますので、万一単年度若干の欠損が生じても、準備された積立金で補てんすれば、十分全体として損失を免れるということができる慎重な態勢でやるようにいたしております。
○田中(美)委員 今のような大変な時代にそんな過信を持っていてはこれは大変なことです。本当に失敗したら全部ちゃんと国から補償してくれるのなら——これは掛金を掛けた人の金ですからね。ですから、もうかったときは成功払いでくれるけれども、失敗した場合にはどうしようもないという——生命保険会社だって長い間いろいろ上手にやってきた。今まで上手にやってきたと言っても時代が変わってきているのですよ。今アメリカの経済がどんなに大変になっているかということですね。それは今にドルの大暴落にでもなれば、今電車に局長や大臣はお乗りになっていらっしゃらないかもしれませんけれども、電車に乗ってみてください。八八年大恐慌来るとか、これはオーバーに言っているのかもしれませんけれども、週刊誌やなんかでもいっぱいこれは書かれているのですね。こういう中で、今までの我々の経験主義では対処できないような状態になっているときに、このような危険なことをやっていくということでは、やはりこの年金の積立金というのは、お年寄りが老後の保障のために、それを楽しみに出しているわけなんですから、まさに老後を平和に送りたいというものが、例えばアメリカのあれが買える、先ほど買うか買わないかわからないようにおっしゃいましたけれども、買えるということは、もし買った場合、これは今アメリカはどんどんSDIなどで軍拡を進めているときですので、そういうものに金を使われるのじゃないか。これは非常にあれですけれども、こういう点では労働者はこういうものに使われるということに対して私は納得できないのではないかというふうに思います。 それから、先ほどお話が出ておりましたけれども、株に手を出すということも、何だかここで話をしていると、アメリカの国債を買うかもしれない、株に手を出して金をもうけろというので、一体厚生省に私は今質問に立っているのかなという自分で錯覚を起こすような感じで、株に手を出すということも、株の大暴落なんというようなことになったときに、わずかぐらいの損失で済めば、今までのもうけたものを積み立てておいてという、こういう局長の話でしたけれども、すぱっとやられてしまった場合、たとえ小口に幾つに分散していても、大きくばっとやられたときには、これは非常に危険です。今大きな企業でも倒産ということも考えられておりますし、銀行の倒産さえ言われる。アメリカにはもう銀行の倒産も出ているわけですから、そういう中で株に手を出せというような、これを読みますと、そんなふうに感じますので、どうしても厚生省がおやりになって、だれがやったって、専門家がやったって大変なときに、厚生省がこんな金もうけに憂き身をやつすということは、武士の商法で非常にリスクが大きいし、補てんの保証というのがないということですので——補てんの保証はないですね、もし大きな穴をあけたとき。それだけお答え願います。
○水田政府委員 私ども自主運用の資金はできるだけ資金運用の専門家である生保会社であるとか信託銀行に委託して運営を行っていくつもりでございまして、そういう危険を冒さないような、十分な、適切なポートフォリオを組みまして運営に当たっていくつもりでございます。直接の衝に当たります事業団の担当理事と、それを監督しております年金局長は、もう数字は必ず出てまいるわけでございますので、首をかけて仕事をやってまいるわけでございますので、万が一にもそういうことのないように、最善の努力を尽くしてまいるので、十分御理解をいただきたいと思います。
○田中(美)委員 ちょっと失礼な言い方になるかもわかりませんが、局長の首がかかって首が飛んだからといって労働者の金が返ってくるわけではありませんし、いつまでも局長が局長でいられることもありませんので、そういうことは結局補てんをすることができないんだということが明らかになったと思います。 最後に、一言だけ大臣にお答え願いたいのですけれども、アメリカの国債をお買いになるおつもりですか。
○斎藤国務大臣 この法律を通していただきましたならば、年金福祉事業団が窓口になって、この収益事業を始めてまいるわけでございますが、先ほどからお話がございますように、確かに厚生省も年金福祉事業団もプロではないわけでございます。この資金運用については、国民的に大きな期待がありますとともに、またその期待に必ずこたえて、安全かつ効率的な運用がなされなければならないと考えておりますので、そういう点には十分注意をして、これに取り組んでまいらなければならない、こう考えております。 そういう観点から、この運用成果を上げるために、金融のエキスパートから成ります年金資金運用検討会を設けまして、ここで基本的な運用方針について精力的に御審議をいただいてまいりました。そしてこのほどその運用の基本指針につきましての御提言をいただいたところでございまして、この基本指針に沿って、先ほど申し上げましたように、安全かつ効率的な運用に全力を尽くしてまいる所存でございます。 〔長野委員長代理退席、委員長着席〕
○田中(美)委員 私の聞いたことには一つもお答えにならない。勝手なことをおっしゃっておりました。私はアメリカの国債を買うつもりかと言っておるのですが、それはお答えができなかったということで、次の医薬品の副作用被害救済基金法について質問をいたします。 これは私は非常にびっくりしたのですけれども、先ほどの議員の中からも出ておりましたが、副作用の被害者に対して救済する基金に企業が新薬を開発するものをくっつけるということ自体が非常になじまないものだというふうに思います。そういうところからいろいろな、誤解なのか正しい見方なのかわかりませんけれども、被害者の救済というものがおざなりになって、研究振興の方に重点を置くのではないか、そういうふうな考えが出てくるわけですけれども、この点についてはいかがでしょうか。時間がありませんので一言で言ってください。
○森(幸)政府委員 救済事業に加えまして研究振興事業をこの救済基金の事業に取り入れることにしなわけでございますが、その理由は、先ほど来申し上げておりますように、行政改革の推進の中で新規法人を設立することが極めて困難であるというような状況のもとで、既存法人の改組でそれを実現することにいたしたわけでございます。 ただ、そういうふうになりました場合に、その救済専業がおろそかになるのではないかというような今御指摘がございましたけれども、私どもは、救済制度につきましては、従来からやっておりますと同様に、今後ともこの制度が定着し、活用されるように、今までと同様にいろいろな措置を講じてまいりたい、かように考えております。 いずれにいたしましても、救済事業に影響が及ばないように、この研究振興業務をやっていくということでございます。
○田中(美)委員 今までと同様に同様にというふうに二度も言われましたけれども、今までがやはりきちっとやられてないのじゃないかというふうに私は思うものですから、もっと悪くなりはしないかという心配をするわけですね。今までどおりでも困るわけです。それを二度も言われるともっと困るという感じがいたします。 拠出金の率ですけれども、最初は上限は千分の二まではいいということで、五十五年度から千分の一で進んだわけですけれども、もう今は千分の〇・一になっているわけですね。最初三十八億五千六百万というようなことでしたけれども、もう六十年度には六億三百万というふうにずっと減ってきているのですね。これが本当に副作用の救済をする人がいなくなったから、だからこれがこういうふうになってきたというならばいいわけですけれども、この救済の中身の問題ですけれども、例えばこういう法律ができたというのは、大臣も御存じだと思いますけれども、スモンという世界最大の薬害、これがきっかけでできたわけですね。このスモンの患者さんというのは、今もう十分に報われているというふうに私は思っておりません。これは給付も少ないですし、スモンの患者さんにはもっとたくさんこういうふうにしてほしいということがあります。それがどこまでが妥当であるかどうかは別として、今非常に老齢化しているわけですね。例えば宇多野という国立療養所のところにはスモンの病棟があるわけですけれども、ここに入っても一、二カ月で出てこなければならない。若くて病気が軽ければ、また何かとこういうこともできるのかもわかりませんけれども、もう老齢化しておりますので、こういう方たちがやはり長期に療養する施設などが非常に欲しいというようなことを言っているのですね。ですから、例えばこういうことに、やはりこの基金をこんなようにどんどんどんどん下げるのではなくて、もっと初めからのような千分の一くらいというものをどんどんとっていって、そしてそういうものをつくるとか、そういうふうにするということが大事じゃないか、だから今までどおりでは大変に困るのじゃないかというふうに私は思っております。 そういう点で、このことをやっていただけるでしょうか。こういう方向に向かって、今すぐ長期の療養施設をつくるという返事をせよ、こういうことではありませんけれども、そういうふうな方向で努力ができるかということをちょっとお伺いしたいと思うのです。
○森(幸)政府委員 今先生のお話の中に二点あったかと思うのでございますが、先にこの基金の活用状況という御指摘がありました。 基金への申請件数というのは、制度が発足をいたしました後、徐々にではございますが請求件数も増加をいたしてきておりまして、六十一年度におきましては、これまで最高の百三十三件というところへ来ております。請求件数等が当初見込んでおりましたのに比べますと必ずしも多くないという点はございますが、これは医薬品の安全対策という点でも相当いろいろな手を打ってきたということも、私どもは要因の一つであると考えておりますが、同時に、医療機関を初め関係方面にこの制度が必ずしも十分に浸透していないんじゃないかというような御指摘も耳にすることがございます。そういうような御意見も十分踏まえまして、今後この制度の周知徹底を図ってまいりたい、かように考えます。
○田中(美)委員 よく御存じで。この基金制度というのは本当に知られていないということが大きいわけですので、泣き寝入りしている人がたくさんいるわけですね。ですから、こういう人たちをもっと幅広く進めていくということや、今私がお伺いしました、そういう施設などをつくるということの御返事がありませんでしたけれども、こういうものをぜひPRをうんとすると同時に、老齢化したそういう被害者に対して新たな救済をするという形で、もっと基金というものをふやしていただきたいと私は思っております。 それから、先ほどもちょっと出ておりましたが、やはり新薬を新しく開発するということは、聞くところによれば日本は非常におくれていたというふうに言われています。ですから、これに力を入れるということは決して悪いことではありませんけれども、例えば救済基金とくっついているというところに、先ほどから問題になっていたように、非常に疑いが出てくるということなんですが、やはり先ほど出ておりました希用薬だとか難病とか、こういうものに対してこそ、企業ベースではなかなかもうからないというものを国がきちっとやっていくということが大事だというふうに私は思っております。 それで、エイズの治療薬は開発をやる予定でしょうか。
○森(幸)政府委員 これは、研究振興業務は十月の研究開発業務の発足後、テーマを公募するということになるわけでございまして、そういう中で今お話しのようなテーマが出てくるかどうかということはございます。実施主体が民間企業でございますので、そういう制約はございますが、しかし、この出資なり融資なりの条件に合ったようなものが出てくれば、それはやり得る可能性はあるというふうに私どもは考えております。
○田中(美)委員 もうちょっと厚生省の指導というものを、今エイズの治療薬というのは非常にこいねがっているわけですので、企業ベースですのでということでちょっと弱いと思いますけれども、一応やる可能性はあるということですね。 それからもう一つは、血友病の患者さんが血液製剤のためにエイズのキャリアや患者になられた非常にお気の毒な方が何人か出ていられるということは新聞報道などで聞いております。これに対しては、厚生大臣に伺いたいのですけれども、この救済法ではがんだとか血液製剤については除外するということになっているわけですが、この血友病の方たちに対しては、やはり厚生省が認めた薬によってこのような病気やキャリアになられているということについては何らかの対策をする必要があると思うのです。厚生大臣、救済の措置があると思うのですけれども、だからこの救済措置の中に入れていくか、それともどういうふうな、何らかの形でやらなければ余りにも、人道問題から考えても国の責任が非常に大きいと思いますので、その点、厚生大臣にお答え願いたい。
○斎藤国務大臣 血液凝固因子の投与によりましてエイズウイルスに感染された方々について、この救済基金で救済ができないか、こういうお話があるわけでございます。私どももこれまで検討をいたしてまいりましたが、先生も御承知のように、この救済基金におきます副作用の定義というものが、いわゆるその薬の薬理作用による副次的な作用によって生じた場合を副作用、こういうことになっておることが第一でありまして、また第二番目には、先ほど先生もおっしゃられましたように、もうその薬しかないという、代替の措置がないということによって使わざるを得ない薬、すなわちこの血液製剤とか、また制がん剤というようなものについては除外をされておるという点、また被害が出ました後にそれを遡及して適用するということが、この救済基金が保険の仕組みになっておるという観点からも難しい、こういうようないろいろな難しい点がございまして、なかなか困難なことでありまするけれども、過日からいろいろ御指摘もあるわけでございますので、もう一度この救済基金で何とか救済することができないかという検討をしてみたいということとともに、どうしてもだめな場合であっても何らかの救済措置が、医療補助とかそういうような観点からも含めてできないかどうか早急に検討をいたしてみたいと考えて、今検討いたしておるところでございます。
○田中(美)委員 今の点で大変心強く思いましたので、ぜひそれを早急にやっていただきたいと思います。 最後に、きょうは反対討論もありませんので、この法案についての私の見解をちょっとまとめましたので、一言読ませていただきます。 第一に、この法案に対しては、製薬大企業などの研究開発に対して利子成功払いの融資や出資事業を行うというものであって、私としては納得ができません。 また二番目は、国や大学の研究を製薬企業の利益に奉仕させ、産官学の癒着を促進するものではないかというふうに思いますので、この点でも非常に大きな疑問を持っております。 それから三番目は、副作用被害者救済という基金本来の業務をおろそかにして、基金の性格を製薬企業奉仕の性格に変えていくのではないかというような問題点を含んでいるということで、この法案に対して私たちはどうしても賛成することができないということを申し上げまして、私の質問を終わります。
○堀内委員長 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○堀内委員長 速記を起こしてください。 年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案について質疑を終局いたしました。 —————————————
○堀内委員長 この際、本案に対し丹羽雄哉君から修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。丹羽雄哉君。 ————————————— 年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業 務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律 案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○丹羽(雄)委員 ただいま議題となりました年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 修正の要旨は、原案において「昭和六十二年四月一日」となっている施行期日を「公布の日」に改めることであります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○堀内委員長 これより本案及びただいま提出されました修正案を一括して討論に付するのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、本案に対する丹羽雄哉君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立多数。よって、本修正案は可決されました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決をいたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○堀内委員長 この際、本案に対し、長野祐也君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合の四派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。池端清一君。
○池端委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党・民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 年金財政基盤強化のための年金福祉事業団の業務の特例及び国庫納付金の納付に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。 一 年金財政基盤強化のための厚生年金・国民年金積立金の自主運用事業については、その趣旨を踏まえ、今後、運用額の拡大、運用対象の見直し等その充実に努めること。 二 年金財政基盤強化のための厚生年金・国民年金積立金の自主運用事業を適正に実施するため、政府においては、運用体制の整備を早急に進めること。 三 厚生年金・国民年金積立金の資金運用部預託金利については、年金財政の安定に十分配慮して定めること。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○堀内委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 長野祐也君外三名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○堀内委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 この際、斎藤厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。斎藤厚生大臣。
○斎藤国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。 —————————————
○堀内委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○堀内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○堀内委員長 次回は、明十五日金曜日午前九時三十分理事会、午前九時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十四分散会 ————◇—————