災害対策特別委員会 第2号
- 発言数
- 117 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1987/05/15
会議録
○伊藤委員長 これより会議を開きます。 災害対策に関する件について調査を進めます。 昭和六十二年度における災害対策の施策について国土庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。綿貫国土庁長官。
○綿貫国務大臣 災害対策に関する私の所信を申し上げます。 我が国は、その自然的条件から、地震、台風、豪雨、豪雪、火山噴火などによる災害を受けやすく、また、社会経済環境の変化に伴い災害の態様も複雑、多様化してきております。 このような災害から国土を保全し、国民の安全を守ることは、国政の基本であり、政府といたしましては、防災基本計画に基づき、防災に関する科学技術研究の推進、災害予防の強化、国土保全の推進、迅速・適切な災害応急対策及び災害復旧の実施などに重点を置いて災害対策の推進を図っているところであります。 昨年は、豪雪、梅雨前線豪雨、台風第十号及びその後の低気圧、伊豆大島及び桜島の火山噴火などによる災害が発生いたしました。 政府といたしましては、これらの災害に対処するため、関係省庁連絡会議の開催、政府調査団の派遣、政府対策本部の設置などを通じ、迅速かつ適切な災害応急対策等に努めてきたところでありますが、今後とも、これら災害に係る復旧事業等の促進を図ってまいります。 特に、昨年十一月に十二年ぶりに噴火を再開した伊豆大島の火山噴火に対しましては、伊豆大島噴火対策本部を設置し、政府調査団の現地調査などを通じ、迅速かつ的確な災害応急対策に努めるとともに、緊急観測監視体制の整備及び活動火山対策特別措置法に基づく避難施設緊急整備地域の指定及び計画の承認等の対策を講じてきたところであり、今後とも、関係省庁との密接な連絡のもとに、適切に対処してまいる所存であります。 また、引き続き活発な火山活動が続いている桜島につきましては、降灰対策、土石流対策などを総合的に推進するとともに、全国の活動的な火山に係る防災体制の整備を促進してまいります。 震災対策につきましては、発生が懸念されている東海地震に対処するため、大規模地震対策特別措置法の的確な運用に努めるとともに、引き続き地震対策緊急整備事業の促進を図ってまいる所存であります。また、大都市震災対策につきましては、防災活動態勢の充実、都市の防災性の強化などに努めることとし、特に、南関東地域を対象とした震災応急対策活動システムに関する調査を実施することといたしております。さらに、災害時の防災拠点として機能する防災基地の整備を促進するとともに、建築物の耐震改修に係る税制上の特別措置の創設による落下物対策の一層の推進を図ることとしております。 近年多大の被害をもたらしている土砂災害につきましては、関係省庁との連携を図りつつ、治山・砂防施設の整備、警戒避難体制の整備など総合的な対策を推進していくこととしております。 また、災害時における応急対策を迅速かつ円滑に実施するため、引き続き、防災無線網の整備など防災情報収集・伝達システムの充実強化を図ってまいります。 さらに、災害に対する備えを一層強化するため、二十一世紀に向けての高度情報化社会への進展に対応した総合的な防災対策の推進を図るとともに、国民の防災意識の高揚と防災知識の普及を図り、関係機関の緊密な連携のもとに、地域の実情に即した防災訓練を実施してまいる所存であります。 昭和六十二年度においては、これらの災害対策の総合的な推進を図るため、科学技術の研究、災害予防、国土保全、災害復旧などに要する経費、総額一兆八千四百二十五億円余を予算計上いたしております。 以上、災害対策に関する所信を申し述べましたが、今後とも各省庁の協力のもとに防災対策に万全を期してまいる所存でありますので、よろしくお願いいたします。
○伊藤委員長 引き続き、昭和六十二年度における防災関係予算の概要につきまして、政府から説明を聴取いたします。山本防災局長。
○山本(重)政府委員 昭和六十二年度における防災関係予算の概要につきまして、お手元にお配りいたしております資料に基づきまして御説明申し上げます。 この資料では、一ページ目には総括表を掲げ、二ページ以降には事項別、省庁別にその主な内訳を掲げてございます。 まず、一ページをお開きいただきたいと存じます。 関係省庁から提出されました防災関係予算を国土庁において取りまとめたものでございますが、それぞれの項目をごらんいただきますと、科学技術の研究につきましては、下から二段目の合計欄にございますように、三百七億一千八百万円ということで前年度に比べ六・二%の増となっており、災害予防に関しましては、四千三十四億五千二百万円ということで八・四%の増となっております。また、国土保全につきましては、一兆一千五百七十五億四千八百万円で一・七%の減、災害復旧につきましては、二千五百八億五千八百万円で一三・一%の城となっております。トータルといたしましては、合計欄の計にありますように、一兆八千四百二十五億七千六百万円ということで対前年度比一・四%の減となっております。 次のページをお開きいただきたいと存じます。 二ページは、科学技術の研究でございます。関係省庁におきまして各種の災害対策の科学技術の研究費を計上いたしております。ここには地震予知に関する経費も含まれており、事項の頭に米則がついておりますが、それがその地震予知に関する経費でございます。 その主なものとして、科学技術庁の欄に、首都圏の南部におきます地震活動に関する研究や関東・東海地域におきます地殻活動に関する研究といったものがございます。 それから、三ページにまいりまして、文部省のところに国立学校における地震予知に関する基礎的な研究、通産省のところに地質調査所で行っております地震予知に関する地質学・地球化学的な研究。さらにおめくりいただきまして、海上保安庁のところに海底の地形及び地質構造の測量、気象庁の欄に直下型の地震予知の実用化に関する総合的な研究、さらに建設省のところに測地の方法による地殻変動の調査等をいたすことといたしております。 こういたしました地震予知関係の経費が一番下の欄にまとめてございますが、後で御説明申し上げますように、七ページにございますが、気象庁の地震観測の施設の経費を合わせますと、トータル五十三億二千万円の予算が計上されております。このほかに各種災害対策に関する関係省庁の研究費を合わせますと、総額三百七億一千八百万円が計上されていることとなります。 次に、五ページをおめくりいただきたいと存じますが、災害予防に関する経費が掲げてございます。 主なものを申しますと、科学技術庁におきます原子力に関する防災対策に必要な経費、それから国土庁につきましては災害対策を総合的に推進するための調整経費、中央防災無線網の整備に関する経費、大規模地震対策の推進あるいは南関東の地域におきます震災応急対策に関する調査等に要する経費、さらに豪雪地帯対策の推進経費などが計上されております。 また、文部省でございますが、主なものとして、二番目の公立学校におきます建物改築補強、これは東海地震に関する地震防災対策強化地域におきます公立学校の校舎の改築に要する経費で、五十六億円余が計上されております。 次に、六ページにまいりまして、農林水産省の関係で、活動火山の周辺地域におきます農林水産業防災施設の整備、災害時におきます応急復旧用の木材の備蓄に関する経費、それから林野火災予防に関する経費、こういったものが計上されております。 さらに、通商産業省の関係では高圧ガスの保安あるいは石炭鉱山の保安に関する経費や原子力発電所の保安に関する経費が計上されております。 七ページにまいりまして、運輸省関係では空港を初め運輸関係施設の防災対策に関する経費が計上されております。海上保安庁におきましては、巡視船艇あるいはヘリコプター等を含みます航空機等の整備に要する経費を計上いたしております。また、気象庁でございますが、気象観測の施設整備、あるいは先ほど地震予知に関する経費として申し上げましたが、米印のついております地震観測の施設の整備、また火山観測施設の整備、こういった諸施設の整備に要する経費を計上いたしております。 それから、労働省におきましては労働災害の防止に関する経費を計上いたしております。 八ページをおめくりいただきまして、建設省におきましては、多くの項目の経費を計上しておりますが、主なものを申し上げますと、道路の防災に関する諸経費、都市の防災化の推進、雪に強い町づくり、あるいは道路の雪害防止対策、雪崩対策等々の経費、さらに街路事業として避難路の整備、こういった経費が計上されておりまして、合計二千八百九十七億円余となっております。 それから、消防庁でございますが、主なものとして消防防災無線の整備、さらに九ページをおめくりいただきますと、大震火災対策施設の整備あるいは消防施設の整備、こういった経費がございます。 これら災害予防に関する経費として、合計四千三十四億五千二百万円となるわけでございます。 次に、十ページに参りまして、国土保全経費でございますが、主なものを申し上げますと、農林省関係で治山事業、海岸保全事業、農地の防災事業、こういった国土保全事業に要する経費が二千四百九億円計上されております。 それから、建設省でございますが、河川事業、ダム事業、砂防事業、急傾斜地の崩壊対策事業、このような経費が計上されておりまして、合計八千七百三十八億円余となっております。 その他、各省庁の経費を合わせますと、十一ページにございますように、合計一兆一千五百七十五億四千八百万円が計上されております。 さらに、十二ページに参りまして、災害復旧等の経費でございます。 大蔵省のところで、地震再保険に要する経費が計上されております。 次に、文部省でございますが、国公立の学校施設の災害復旧に要する経費を計上しており、また、厚生省におきましては、災害救助法の施行に関する経費、災害弔慰金、災害援護資金に関する経費を計上いたしております。 また、農林水産省におきましては、治山施設等の公共土木施設あるいは農地・農業用施設、林道の災害復旧事業に要する経費並びに農林漁業関係の災害補償及び保険等に要する経費を計上いたしております。 さらに、運輸省におきましては港湾関係、建設省におきましては河川等の公共土木施設の災害復旧事業に要する経費等が計上されております。 これら災害復旧等に要する予算といたしまして、合計二千五百八億五千八百万円が計上されております。 なお、括弧書きにございますように、自治省におきましては、このほか地方債計画に災害復旧事業債として三百五十四億円が計上されております。 以上、昭和六十二年度におきます防災関係予算の概要につきまして簡単に御説明させていただきました。
○伊藤委員長 御苦労さんでした。 以上で説明は終わりました。 —————————————
○伊藤委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木村守男君。
○木村(守)委員 まずもって、ただいま大臣からの所信表明を承りまして、また予算に関する説明を受けまして、本当に日夜努力されていることに敬意を表します。特に綿貫国土庁長官におかれては、昨年の伊豆大島火山噴火を初め、前後しての鹿児島集中豪雨とかその他の土石流を伴う災害等々多発いたしましたけれども、陣頭指揮をもってこれに当たられたことに心から敬意を表し、また関係各省の皆さん方にも感謝の誠をささげるものであります。 さて、この際率直に伺わせていただきますが、まず第一点は、伊豆大島、この火山噴火の状況が、その後も火山性の微動が続いていると承っておりますが、その危険度合いといいますか、それに対応すべくその後の予知体制はどうなっているのか、そういう点をお尋ねしたいと思います。
○鈴置説明員 伊豆大島のその後の活動状況を経過等を含めまして御説明させていただきます。 噴火そのものに関しましては、昨年の十二月十八日以降起きておりませんが、その後、目視観測によりますと、伊豆大島の北山腹の噴気の高さは次第に減少いたしまして、四月下句からはほとんど見えない状態になってございます。 それから、地震回数も次第に減少しております。しかしながら、山頂部に限りますと微小な地震の活動が相変わらず続いているというのが現状でございます。 それから、火山性微動でございますが、これは引き続き、本年の一月以降すっと継続して発生しております。発生間隔は三十分から一時間置きでございます。また、一回の微動の継続時間は十分ないし三十分、こういった微動が相変わらず継続しております。この微動の発生源もやはり三原山の直下であるというふうに現在推定されておるところでございます。 それから、ほかの観測データでございますが、例えば傾斜計でありますとか、体積ひずみ計、伸縮計、測距儀、そういったデータには特に顕著な変動はこの間認められてございません。 以上の観測の結果を総合いたしますと、火山性微動が相変わらず継続しております。それから、みかけ比抵抗、これは現在横ばいではありますが、全体的にまだ依然として低い値を示している。そういうことを考え合わせますと、今後も噴火が起こる可能性はあるのではないかと考えられておるわけでございまして、それに対しまして、新たに整備された監視観測体制によりまして厳重な監視を今後も続けてまいる所存でございます。 以上でございます。
○山本(重)政府委員 ただいま気象庁の方から御報告ございましたが、このような観測監視体制は、御案内のように、昨年の伊豆大島噴火対策本部で緊急観測監視体制の整備計画を定めまして、これに基づきまして、島内の五十八地点で十七項目の観測を行っておりますが、現在、気象庁、東京大学、国立防災科学技術センター、あるいは地質調査所、あるいは国土地理院、海上保安庁水路部が、それぞれ地震計、傾斜計、磁力計、伸縮計、重力計、こういったものによりまして、あるいは水準測量等も常時行っておるところでございます。 気象庁の大島測候所、それから気象本庁におきましては、これらの観測データが常時テレメーターで出されておりまして、気象観測所では三名、気象庁の火山室で一名が二十四時間監視体制をとっておるという状況でございます。 また、火山に異常が見られました場合には、直ちに臨時火山情報あるいは火山活動情報を発表するということにいたしております。 なお、伊豆大島対策をさらに増強いたしますためにも、火山噴火予知連絡会には、昨年以来、伊豆大島部会が設置されておりまして、これらの観測データに基づきまして、常時専門家による火山の活動状況についての総合判断をするという体制がとられております。
○木村(守)委員 一つ伊豆大島の件について要望しておきたい。あの際、大臣初め東京都知事、また町長さん方も大変に努力された。あれだけ突発的というか、災害が来たときに、いわゆる人命第一主義をもって極めてスムーズに港まで避難のための移動が始まった。ただ、問題は、大型船が接岸できなかった、そのために実情に合わせた規模の船で行き来をした。ですから、港までは来たけれども、仄聞するところによると、七時間前後も待機させられたということになる。その後、地元の要望を受けて大臣は強く発言されて、大蔵とも詰められたようで、運輸当局の理解もあって、波浮の港に今度の予算措置がされていることには敬意を表します。これが完成は六十五年度ですかと聞いておりますが、これについて順調に完成されることを期待し、お願いしておきたい、こう思います。 次に、大臣に伺います。このたびの所信表明の中にも大きく取り上げてもらっていることは、大都市の防災対策、地震対策等について決意が述べられているということでございます。 そこで、特に具体的には南関東を初めとするわけでありますけれども、これからの都市災害というものは、情報化時代にもう入っておりますから、それなりの対応が、先ほど予算の概要説明にも裏づけされていることは多としますが、万が一のときに大変なパニックになりはせぬかということを懸念いたします。それを防ぐためには、しかるべく、高度情報化時代に対応する、施設の充実だけでなくて、万が一災害が発生した場合、それを最小限度に防げるように情報システムが確保されるべく、その辺の考えを大臣から伺っておきたいと思います。
○綿貫国務大臣 高度情報化社会の中にありまして、密度の高い都市において災害が起きた場合にはどうするのかという御質問だと思います。 今度の防災白書の中にも書いてございますが、昭和五十九年の世田谷のケーブル火災による災害、あるいは昭和六十一年の首都圏の大雪によりまして神奈川県で送電用の鉄塔が倒壊して大変な災害が起こりましたし、台風十号で昨年の郡山工業団地のコンピューターが故障して連鎖的な災害が起きた、こういうような事例が最近起こっておるわけでございます。そういうことで、このライフラインの多重化、安全化の検討、またその推進やそのバックアップシステムの整備などを図るということで、高度情報化社会の防災対策を進めていくことが非常に重要であると考えておる次第でございます。 また、今後は大都市の防災上から市街地の再開発あるいはオープンスペースの確保、都市機能の分散、こういう面もあわせて考えていかなければならないということで、ただいまいろいろとその面についても研究しておるところで。ございます。
○木村(守)委員 わかりました。 次に、話をまた移しますけれども、今度の所信表明の中でも具体的に取り上げている特徴の一つは、土石流、土砂による災害が多発してきていますので、それについても重視している姿勢がうかがわれることは結構だと思っております。 そこで、この土砂、土石流のことでありますけれども、大都市の災害に対して、地方都市周辺ではこれが多くなって、なぜだろうか、まあ天災だと言えばそれまでになっちゃう。天災を未然に防ぐ、あるいは天災の場合にその被害が最小限に防げるように、そういうことで努力していることは多としますが、最近ここ近年見ても、五十七年の長崎水害、あるいは五十八年山陰水害、五十九年の王滝村の土砂崩れ、あるいはまた六十年の長野県の地附山の土砂崩れなど、非常に悲しみを伴った災害が続いておったわけであります。最近では六十一年鹿児島の城山のかけ崩れとか等々があるようであります。また、私どもの身近な経験では、五十年八月六日、青森県の岩木山の集中豪雨による土石流の発生による人命を失った悲しい災害が思い出されるわけであります。 そこで、大臣におかれても、今度の所信表明に当たって、大都市災害に対して情報化時代に対応するということと、土砂、土石流対策を重視していくということは、冒頭申し上げたとおり多とするわけでありますが、何としても、我が国がどうしても雨の多い、ある意味では恵みの雨でもあるけれども、災害を伴うのが自然のまた厳しい摂理なのかもしれない。そういうことを踏まえて、建設省や国土庁が懸命な努力をしておるわけですけれども、そういう中にあって、まず施設だけが重視されて、施設の建設というものが未然に防ぐということで確かに必要だ、しかしながら、それについての予算措置もわかるわけですけれども、管理維持の点で私は弱いと思っている。例えば堰堤が必要な場所につくられる。その堰堤が役目を終えてしまっているのが、現状把握されていないために、それに対する対応がなかったために、ある場所においては堰堤がジャンプ台というような役目になってしまう。ですから、大変な、私どもの頭では計算できないぐらいな圧力となって、その上から来たものがジャンプ台というふうにして、堰堤がもう堰堤でなくなってジャンプ台になっている、こういうケースが間々あるわけです。そのために必要以上の人災的な災害に結びついている経緯が過去においては間々あった。そういうことでありまして、この点については何年かに一回ぐらい次官通達とかあるいはいろいろやっておるようですけれども、その後どういうことに指導されているのか。各県の大体知事などが、その規模によっては、ランクによっては管理責任者になっていますが、いずれにしても、全国的な監督官庁としての建設省あるいは国土庁として、その後この辺の事情をよく承知しているかどうか、あるいは忘れたころに災害はやってきますから、どうぞせっかくの施設が生かされているのかどうか、現状把握についてのその後のことを承知しておったら、あるいはこれからの姿勢をお示し願いたい。
○山本(重)政府委員 先生御指摘のように、最近の自然災害による犠牲者の占める割合というのは、やはり土砂災害が一番大きいということで、私どもも土砂災害を非常に重視いたしております。土砂災害対策を推進します場合には、どうしてもやはり土砂災害の発生源となる危険箇所の把握が重要だということで、この点につきましては、建設省あるいは林野庁等におきまして最近も土石流危険渓流あるいは地すべり危険箇所等々の危険箇所の再点検等を行っておると聞いております。先生御指摘のような点につきましても、関係省庁におきましても土砂災害防止月間というものを設けて、それぞれ各地方公共団体におきましてその危険箇所についてのパトロール点検等を実施しておりますので、今後も先生の御趣旨も踏まえたきめ細かな対策がとられますよう、関係省庁ともども検討してまいりたい、鋭意推進してまいりたいと考えております。
○木村(守)委員 次に、委員長初め委員の先生方のお許しをいただきまして、青森県に凍霜害がありましたので、他府県にもあるわけでありますが、その点についてお願いを付し質問したいと思います。 そこで、せっかくですから、委員長、よろしゅうございますか、急でありましたので簡単な被害写真です。大臣、委員長、それから農林省も。農林省は承知していますから。 大臣、それはリンゴの花なんです。ちょうど今、白い、かすかな香りのある可憐な花が咲いておるときなんですけれども、どうも化粧しなくてもきれいなリンゴの花が、この凍霜害のために大変に無残な姿でございます。咲かないままに今つぼみがしぼんでしまった、こういう実情でもあります。 今度の青森県を中心とした凍霜害は、その他の果樹も多少ありますが、リンゴが主体であります。それから野菜等でありますけれども、青森県の場合の被害面積は六千百四十二ヘクタール、これは中間の調査であります。よって被害額は恐らく四十六億から七億の間くらいだろう、こういう把握をしております。面積的に見ても、本県はリンゴの特産県でありますが、二〇%に当たる、こういうことであります。農家にとっては大変な痛手であります。他の県においても、岩手、秋田、山形、福島、あるいは関東の一部、近畿の一部にもあるやに聞いております。その地域での被害は、関係省庁の一応の御説明によると、今現在では百十五億前後するかというような数字を知らせてもらっているわけであります。 そこで、一つ伺いたいことは、まず第一に、災害でありますから、被災農家に対してお見舞いの気持ちを持って、どうぞ天災融資法発動の方向で検討してもらいたい。それには当然気象庁あたりで今専門的なデータに基づく調査や分析がなされていると思うわけでありますが、そういうことで強くこれを要望しておきたいと思います。今現在まだ結論は出てないやに聞いていますから、きょうこの席では確たる答えは無理かもしれませんが、順調にいくと月曜日農林委員会でもこの点を重ねてお尋ねし、深くお願いもするつもりですから、きょう現在まだ確たる答弁でなくても努力されているその状況を知らせてほしい、こう思います。
○青木政府委員 四月に入りましての全国各地におきまして、先生御指摘の凍霜害によります農作物の被害が出ておるわけでございます。私どもの手元に県からの報告ベースのものがありますが、今後そういう意味では動く金目でございますけれども、四月の十三日から十五日、この間、関東地方、近畿を中心に凍霜害がございまして、先生触れられました約百十六億くらいの被害がございます。 五月に入りましてからは、四日、五日にかけまして静岡県で、これはお茶でございますが、十六億程度の被害が報告されているわけでございます。それから、五月六日、先生が今触れられました青森県下におきましてマイナスの気温を記録いたしまして、リンゴ関係が約四十二億、それから野菜等が一部ございまして、現在のところ県報告で四十六億程度の被害が報告されているわけでございます。 私ども、この種の被災農家の救済のために、当然既存の自作農維持資金の活用とか天災融資法の発動等必要な資金需要に適切に対応するように今後検討を進めたいと思っておるわけであります。先生の触れられました天災融資法につきましては、御案内のとおり、被害が非常に著しくかつ国民経済に及ぼす影響が大だというようなことで、災害の態様とか規模、広がりあるいは被害の深度等を総合的に勘案いたしまして政令で指定するということになっているわけでございます。 一番中心のリンゴ関係、これは先生には釈迦に説法でございますけれども、今人工受粉督励のさなかだと思いますけれども、当然県下におきましては側花の受粉も含めて適切な指導をされているわけでございます。私の理解しているところでは、今月の二十四、五日あたりの段階がそういう人工受粉の成果で実がきちっと結実してつくかどうか、いわゆる実どまりの時期を迎えるわけでございます。この段階を経ませんと、今回の被害についてまず的確に判断はできないというふうに考えておりまして、今後そういう被害状況の把握に努めまして、その結果等を踏まえて適切に対処したい、こういうふうに考えております。
○木村(守)委員 青木審議官からは、この人は青森県にも詳しいわけでありまして、私は農家だけれども、青木さんは行政マンよりも離れて農家の実態を知っている人だから、大変に微に入り細にわたった御答弁をありがとうございました。そのとおりだと思うわけでありまして、どうぞこれからの推移を見きわめながら、一日も早く天災融資法発動の方向への気象庁の分析も急いでもらって、願わくはそういう方向でお願いをしておきたい、こう思います。 加えてまた、実際面として、農家は何しろ減反が長く続いた、価格は上がらない、米価はと、こういう中にあって、青森県とかそれから果樹をやっている人たちというのは果樹だけの専業農家というのは余りありませんで、どうしてもそういうあおりを受けてきている。ですから、個人差はあるにしても、今現在までにも大変に負債が多くなっているのが現状であります。そういう中にあっても、せっかくの制度資金としての自作農維持資金、これの融資枠の確保をお願いしておかなければならないと思います。そして、貸付限度についても、そういう負債農家があるということにかんがみて限度の特例措置をお願いしたいと思います。 加えて、今まで借りているお金に対してさらにこういう被害でございますから、返していける条件がない。それでなおかつ、特にリンゴなどは防除を続けなければいけない。放任になると他の畑にも御迷惑をかけるし、それから壊滅状態になってしまう。今年度のリンゴは、もう既に凍霜害を受けたリンゴ地帯はほとんど皆無作。その地域の古老に聞いても、今までこんなに強くやられたことはない、面積はもっと広い場合があるけれども、例えば中心花はやられても側花の一つや二つは生きている、それに受粉することによって、品質は余りよくなくても何とかこれはもってきた。こういう凍霜害が、今までは弱い凍霜害であった。今度はやられた地域は皆無作だ。もう既に実質的にはそういう現状にある。そういうことにかんがみて、今まで借りているお金さえも返していけないような状況に陥っていく。しかも、秋まで防除暦に基づいて県当局の指導に基づいて、そして今までの経験に照らして防除していかなければいけない、こういうことでありますから、どうぞそういう意味での償還条件等についての緩和をお願いしたい、その辺の考えを伺いたいと思います。
○青木政府委員 災害時におきます資金対策としましては、先ほど来御指摘の天災融資法の検討の課題がございますが、並行いたしまして自作農維持資金の活用の方途があるわけでございます。 自作農維持資金は、現在貸付金利が四・四五という形で、ある意味では、天災融資法を発動した際に一部三%という資金もございますけれども、これは被害の深度が非常に高い農家でないと三%資金は出ないわけでございまして、天災資金の中のその上のランクの金利からいいますと、自作農維持資金の方がむしろ金利は安い、また資金の長さも自作農維持資金の方が長い、そういうこともありまして、災害の実情に応じてまた農家の資金需要に応じて、この自作農維持資金の活用に十分今後検討していく必要があると思っておりますので、先ほどの天災融資法、自作農維持資金の問題、いずれもこれは被害の実態把握が前提でございますので、それを踏まえて検討させていただきたい、こういうふうに思うわけであります。 それからまた、既貸付金の償還条件の緩和措置につきましては、災害時におきましては、私どもできるだけ弾力的に関係融資機関を指導いたしまして、例えば実情に応じては中間据置期間を設定するとか、償還期限を必要に応じて延長するとか、そういう弾力的な対応をいたしてきておりますので、今回の被災農家につきましても、実情に応じてそういう適切な対応について融資機関を指導してまいりたい、こういうふうに考えております。
○木村(守)委員 もう一つ伺います。 せっかくこの共済制度が一応ありまして、特に何度かの改正を踏まえて凍霜害に対しても該当する共済制度がある。しかしながら、現実には、掛金が高いということと、それからいざ被害があった場合の今までの例からいくと、どうしてもそれだけの認定をもらえないといいますか、運用面もありますか、そういうことでなじまない。そのために、青森県の場合は、今回の被災農家の場合、一割ちょっとぐらい、一割ですか。
○青木政府委員 加入率は一七%でございます。
○木村(守)委員 いずれにしてもその程度なんですね。そんなことでございますから、その辺についての考え、あるいは運用面での改善ですか、あるいは法改正まで必要になるかもしれない、その辺の考え方を伺いたいと思います。
○青木政府委員 果樹共済につきましては、農業共済の一環といたしまして、農作物共済なり家畜共済なり蚕繭共済なり各種の共済がございますけれども、果樹共済については昭和四十八年発足という意味でその中では相対的に歴史の浅い共済種目でございます。そういうこともありまして、その加入率につきましては、確かに、例えば水稲関係ですと九割の加入、また家畜共済におきましても乳用牛関係ですとやはり九割程度、低いもので畑作物共済、これも全国ベースで四割程度の加入率、その中で果樹共済は二五%程度の加入。そういう数字を相対的に見ますと、まあ果樹共済の加入率が低いということが言えるかと思います。そういう認識のもとに、私どもこれまで五十六年、五十八年あるいは六十年段階に入りまして各般の制度的な対応もいたしております。 一つは、例えばやはり具体的な共済事故がなかったようなケースにつきましては、その実績にかんがみて無事故割引的なもので積極的に対応する、あるいは、例えばリンゴの場合ですと、地域におきます共済、その受ける災害の態様というのがおのずと特定されてくるという側面がございますので、例えば暴風どひょう害について加入したいとか、あるいは今回の凍霜害をセットで入りたいとか、そういう共済事故を特定することによって、全体の共済掛金率が相対的に安くなりますから入りやすくなるとか、あるいは共済責任期間につきましても、果樹の場合については花芽の形成というのは前の年から形成されるということで、原則的に共済期間が長くセットされる傾向がありますが、その共済期間をもっと短縮した形で料率を低い形の中で加入したい、そういう農家もあるでしょう。そういう一連の要請を的確に踏まえて加入促進を図ってきているわけでございます。 先生御指摘のその掛金率の問題等につきましては、果樹の場合の料率は、ほかの共済種目におきます料率と比較して絶対数値から見ても高いと言える水準では必ずしもない。これは絶対数値が高ければ高い、これは保険でございますから、共済事故がそれだけ多ければそれ見合いの料率が対応せざるを得ないことは当然のことでございまして、そういうことも考えますと、特に果樹共済の料率が高いということが言えるのかどうか、そう必ずしも言えないのではないかという感じもいたしておりますが、ただいまお答え申し上げましたように、各般の制度の改善並びに関係農家の啓蒙を図りながら加入促進に努めてまいりたい、こう思っておるわけでございます。
○木村(守)委員 時間になりましたから、一言お礼を申し上げながら終えます。 きょう、たまたまこの時間に青木審議官たちの御配慮によりまして、農林省の果樹振興の板野課長が現地入りをしてくれております。本当に御苦労さまでございます。農林当局、仙台の農政局、関係市町村も今大変懸命の努力をされていることを心から感謝申し上げます。ただ、果樹共済のことについては、あなたなりの御認識はそれでよろしい。しかしながら、農家の実情からいくと、高いということは否めない事実であります。そういうことで、この点については月曜日に譲りたいと思います。 委員長、ありがとうございました。終わります。
○伊藤委員長 次に、渡部行雄君。
○渡部(行)委員 最初に、最近全国的に大変山火事が頻発しておるようでございますが、ことしになってからその件数がどのくらいになっているか、あるいは被害面積はどのくらいか。また、死傷者の数があれば、それもひとつお願いしたいと思います。さらに、被害金額としてはどのくらいになっておるか、お伺いいたします。
○次郎丸説明員 ことしになりまして本日まで、私ども詳報というものをとっておりますが、全体の数は、小さい火災までちょっとわかりませんけれども、二十ヘクタール以上の大規模な火災は三十五件発生しておりまして、焼損面積の合計は三千百六十九・二ヘクタールでございます。 これらの火災における消防活動で消防職団員が合わせて五名負傷しておりますが、ただ、二十ヘクタール未満の小さな火災で一件、私どもに報告のありましたところによりますと、民間の方が一人焼死し、それから一名が負傷しているという現況でございます。 なお、損害額につきましては、調査中のものが多うございますので、現在のところわかっていないのが現状でございます。
○渡部(行)委員 そこで、いよいよ具体的にお伺いいたしますが、去る四月二十四日に福島県の東白川郡塙町、それから鮫川村、この両町村にかけて発生した火事が二十五日になってようやく鎮火した。しかし、その被害面積は約二百ヘクタール。そして損害額が、一応公表されているのが三億余円、こういうことでございますが、私は直ちにその被害調査をしてまいりました。 ところが、私も何回か山火事というものに出会って経験しておりますが、今度のこの東白川郡の山火事は、いまだかつて見たことのない非常にすごい燃え方なんです。それというのも、下草というのはほとんど全部燃えて、土まで燃えておる。そして地肌が出て、そして杉の木は皆二十年から三十年くらいの一番大事な時期の杉の木で、それはもう枝から先まで全部燃えて、まるで山は細木を立てたような状況にあるわけでございます。 ここで、一体どうすれば応急対策ができるかということで、地元の人が非常に心配しておったのは、売れるところは直ちに伐採して売って現金にかえた方がいいという考え方と、しかし、ここで伐採してしまうと、もう地肌が出ておるので、この良質の土壌を保持できるだろうか、一雨降れば皆流されてしまう危険がある。こういうことで、その対応に非常に迷っておられたようでございます。そこで、私は、そういう問題に対しては、今までの歴史の中からあるいは治山等の経験を持っておる役所関係である程度御指導をいただかなければならないのじゃないか、こんなふうに考えてまいったわけでございます。 そこで、この地肌が出ておるようなところを当面緊急に対策するには、何か今すぐ出るような種でもまいて、例えばレンゲソウあるいはその他の草の種をそこにまくとか、そういうことで土壌をとにかく流出から防ぐ対策が必要ではないか、こんなことを考えてきたわけでございます。 そこで、今政府はこの報告も受けておると思いますが、土壌保持の手段をどのように考えておられるか。あるいは応急対策として、山林そのものを今後維持していく上で、例えば土とめをやるとかその他砂防ダムをつくるとかいろいろ対策があると思いますが、そういう点で一体どう対処されるおつもりか。また、残木処理の対策、燃えたその木をどのように処理していったらいいのか。その他、順次聞いていきたいと思いますが、林道開設とか、あるいは公共事業をそこに持ってきて一つの事業を興して、そこに補助金をおろして対策するなりいろいろあると思いますが、そういう点での対策についてお伺いいたします。
○杉本説明員 林野火災に伴う荒廃林地の復旧につきましては、大雨などにより人家、公共施設等に被害を与えるおそれのあるところにつきましては、二次災害が発生しないように、災害関連緊急治山事業などにより対処してまいりたいと考えております。 また、跡地の造林等につきましては、被害状況等を把握いたしまして、被害の態様に応じて造林補助事業等の補助事業、それから農林漁業金融公庫資金、それから林業改善資金等の活用を図りまして、復旧に万全を期してまいりたいと考えております。いずれにしても、地元の県と十分連携をとりまして、遺漏のないようにやってまいりたいと考えております。
○渡部(行)委員 そこで、今度の山火事は一応約二百ヘクタールというふうに帳簿上出ておりますが、これは東北特に福島あたりは実際に帳簿面積と実際の面積が大分違っているわけです。帳簿では十ヘクタールと書かれておっても、実際の面積は五十ヘクタールもあったり、あるいは甚しいのは百ヘクタールもあるのもあるわけですから、そういう点で言うならば、実測すればこれは三百ヘクタール以上になっているのじゃないか。そういうふうになると、これは局地激甚のそれに該当するのではないか、こんなふうに考えられるのですが、その辺の見きわめはどうなんでしょうか。局地激甚災害指定を受けられてもいいのではないかと私なりに考えておるのですが、この被害の実態から推して考えた場合に、一応法律上明示されているものは尊重しながらも、実態としてその辺は弾力的な運用ができるのではないかと私は思います。その点はいかがでしょうか。
○山本(重)政府委員 先生御指摘の塙町、鮫川村の林野火災の災害については、現在被害の状況自体を林野庁の方で調査中でございます。先生お話しございました内容についてもまだ報告を受けておりませんが、その調査がございましたら、調査の結果を踏まえまして適切な対応がとれるよう関係省庁と十分協議してまいりたいと考えております。
○渡部(行)委員 例えばこの指定を受けるには、被害額はどの程度から指定を受けられるわけですか。
○山本(重)政府委員 局地激甚災の指定基準は、先生今お話しございましたように、復旧見込み面積が三百ヘクタール以上、と同時に、所得についても、林業の被害見込み額が被害を受けた当該市町村の生産林業所得の推計額の一・五倍、五割増しを超える被害について対象となる、かような基準になっております。
○渡部(行)委員 この被害は、届けてあるのは恐らく針葉樹とかそういう樹木だけだと思いますが、こういう火災、この状態というのは土まで燃えている。それを復旧していくには、私は損害額の何倍かのものが実態としては要るのではないかと推定しているのですが、そういうものについてはどういうふうな配慮があるのでしょうか。
○杉本説明員 お答えいたします。 森林被害につきましては、先ほど国土庁の方からお話がございましたように、その森林から生産される生産所得というものを基準にして適用されるかどうかを決めるようになっております。したがいまして、現実にそこで失われた被害を対象にして考えているわけでございます。先生、土壌そのものについてもというお話でございましたが、その辺についてはなかなか難しい問題もあろうかと思いますので、今後の問題として勉強させていただきたいと思います。
○渡部(行)委員 そこで、具体的に言うと、これから、救済の方法としてこれだけの制度金融があるわけですから、こういうものを大いに活用をしながら金融を効率的にやっていく、あるいは補助事業をつけていく。その他、学校の児童に対する授業料の減免なりあるいは義務教育の、この際は幸い家は燃えていませんから、教科書の配付とかそういうことはなくていいわけですが、経済的に非常に困っておる山林所有の農家に対してはどういう救済措置を考えておられるのか、その辺ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○杉本説明員 お答えいたします。 私ども、災害復旧ということで考えておりますのは、その被害を受けました林地をさらに立派な林地にしていくためにやっているものでございまして、今先生がおっしゃいましたような、例えば被害を受けた人たちに対して学校等の面で面倒を見るということについては、私ども所管外かと思いますので、ちょっと答える立場にございませんので、御了承いただきたいと思います。
○渡部(行)委員 これは文部省なら文部省、その所管のところに——私は政府に対して聞いているのだから、各省庁に対して聞いているのじゃなくて。委員会というのは政府に対して聞いているのですよ。だから、私が通告しているのだから、そういう点については十分対応してもらわないと困るわけで、これは所管外だからといって全然答えてもらえないのではどうしようもないので、それじゃ、あなたの方から所管のところにひとつ話し合ってそういう対策を、対策に対しての質問が出たからひとつよろしくということを言っていただきたいと思います。 それから、まず、どういう思想に基づいて災害復旧が考えられているのか。例えば、公共施設の場合は完全に原形復旧が原則である。あるいは農地なんかが流されると、これも原状復帰というものが原則になってきている。ところが、山というようなものが火災によって全く災害を受けた場合、もちろん燃えたものを生木に戻せということはできませんので、それに対応する何物かが考えられていいのじゃないか。 そうすると、結局受けた損害をどういう形で救済していくか。ほとんど、小さな規模の災害になると、補助金というのではなしに融資という制度が一番適用されて、実際大したメリットというか大した救済の精神というものをもろに受けられない状態なんですよ。融資というのはまたこれは返済しなければならぬわけですから、そういうものでなくて、被害者側から見た場合に一〇〇%、例えば一ヘクタール全部一〇〇%被害を受けたのと、あるいは百ヘクタールの中で七〇%それぞれ被害があった。その際に、その中の所有者、百ヘクタールの方が七〇%の被害だったという場合——百ヘクタールと言ったが説明上三百ヘクタールとしますか。そうすると、三百ヘクタールだと局地激甚指定で相当優遇されるが、その一方、一ヘクタール完全に一〇〇%被害を受けたところはそういう制度上の恩恵を全然受けることができない。こうなると、ここに非常に不公平が出てくると思うのですよ。だから、そういう点に対しての公平の原則というのを一体どのように考えておられるのか。被害者側に立った救済法というものを少し考えてしかるべきじゃないか、私はこういうふうに思うのですが、その点はいかがでしょうか。これは大臣にお願いします。
○山本(重)政府委員 先生今御指摘の、激甚災害の指定される場合と指定されない場合、確かに被災者個人の側から見ますと、される場合とされない場合とがあるということでございますが、この制度は、もう御案内のように、法律に書いてございますように、その災害が国民経済に著しい影響を及ぼす、また、その災害による地方財政の負担を緩和して、あるいは被災者に対する特別の助成を行うということで、特に必要と認められる災害についてはこの激甚法によって特別の救済措置を講じようというものでございます。 この激甚災害に至らない場合でございましても、それぞれの施設等につきましては災害の救済の制度等がございますし、また、国が直接救済する場合のほかに各地方公共団体がそれぞれまた救済する方法もございます。これらの国、地方を通じた救済制度によって、それぞれ被災された方々が再び生活再建なり事業の復興をする道が開けるという手当てがいろいろとられていると私どもは考えております。
○渡部(行)委員 災害に対する政府の考え方の一番大事なのは、やはり災害を受けた方々が今後十分一般の災害を受けない方々と肩を並べて生活できるように手当をしていくというのが基本でなかろうか。つまり、国民の安寧秩序というものを維持するという観点から、いろいろな今までの法律なりあるいは制度なりができているわけですけれども、一つの条文やあるいは基準にこだわり過ぎて、非常に過酷な結果に終わらないようにしていただきたいというのが私の願いでございます。そういう点については一体どうでしょうか。これはひとつ国土庁長官お願いします。
○綿貫国務大臣 御指摘の点はございますが、いろいろの制度や法律と今おっしゃいましたが、それらのバランスということも考えてやらなければなりませんし、被災されました方々にはできるだけ自立していただくような方向でできるだけのことはやるということになっておりますが、その辺も十分配慮して御理解願いたい、こういうふうに思っております。
○渡部(行)委員 特に、こういう災害を受けた人たちは非常に心が動揺しておりますし、不安でならない毎日を送っていると思うのです。そういう点では、役所の指導というのはなるべく迅速にお願いしたいと思うのです。迅速適切という言葉がいいかと思いますけれども、そういうふうにひとつお願いしたいと思います。 それから、これは自治省の関係者に聞きますが、こういう場合のいわゆる特交とか、あるいはその他、町村との話し合いの中でどういう救済方法がありますか。また特別交付金等についてはどんなふうなお考えがあるか、お聞かせ願いたいと思います。
○海老説明員 お答え申し上げます。 今回の林野火災に係ります被災団体の経費につきましては、その実情を十分に調査の上、被害状況あるいは財政状況等を勘案いたしまして、当該団体の財政運営に支障が生じないように適切な対処をいたしてまいりたいと考えているところでございます。例えば災害復旧の場合ですと起債のかなり高い率の充当率による財源措置もございますし、特別交付税におきましてもそれぞれ所要額等を、要した経費等を勘案の上、適切に対処いたしていきたいというふうに考えているところでございます。
○渡部(行)委員 そこで、こういう災害というのは一見局地的に出ておるように見えるけれども、国全体で考えた場合、何千ヘクタールという面積、規模に及んでいるわけですから、日本の政府が日本の国の対策として考えれば、激甚災害の指定でも何でも全体として見ればできるのじゃないか一そういう考え方もまた一つは成り立たないか、こういうふうに私は考えるわけです。そうすれば、相当この制度の恩恵、法律の恩恵に浴する被害者が出てくると思うのです。そういう物の解釈の仕方というものをひとつ考えられないものか、この点ではどうでしょうか。
○山本(重)政府委員 森林の災害復旧に関します激甚災害特別措置法の適用につきましては、既に昭和五十六年に法改正で取り入れられておりまして、全国規模で森林被害がございました場合には、全国の生産林業所得推計額の五%を超える被害があります場合だとか、あるいはその被害が一・五%以上であってなおかつ県ごとに見まして県の被害見込み額がその県の生産林業所得推計額の六割を超えている県が一以上ある、あるいはやはり一県の被害見込み額が全国の生産林業の所得推計額の一%を超える県が一県以上ある、こういう状況になりますと、そもそも激甚法の本基準が適用されてそれに対する助成措置が講じられるということになっております。しかし、全国的に森林火災が発生してこのような被害が生ずるということは非常にまれでございますので、先ほど私御説明申し上げましたような局地激甚災害の基準を林業被害についても昭和五十八年に適用することとして先ほどの措置を開いたところでございます。この際におきましても、過去の森林の火災の被害の実態等々勘案しながら基準を定めた、それからまた他の激甚災害の適用を受けられます施設の被害の救済との関係のバランスも考えて定めた、かように承知しております。
○渡部(行)委員 もう一つは、森林火災というのは普通の家屋の火災などとは全く性格が違うので、これは言ってみれば、今の消防団の対応では決して専門的な対応とは言えないと思うのです。そして、今の科学消防の中でも、こういう場合にどういうふうに科学消防を生かしたらいいのかという問題もありますし、そういう点では、アメリカのように森林警備隊というようなものまでにいかなくとも、科学力と機動力というものを駆使して、ヘリコプターから薬物を散布するなり、何らかの専門的対応あるいは専門的な訓練、そういうものを持った、中央なりそれぞれのブロック別に、森林防災隊でも何でもいいですから、そういうものを今後考えていく気はないでしょうか。
○次郎丸説明員 林野火災につきましては、先生おっしゃるように、急峻な地形であるとか、あるいは交通だとか水利が非常に悪い、あるいは一たん火災が起きますと広範囲な地域にわたって火災が展開いたしますために非常に消火活動が困難であるというようなこともございまして、確かに単独の消防団だけでは対応できない場合が現実に出ておるわけでございます。こういったこともございまして、現在、隣接の市町村との相互応援というような協定を結びまして初期の段階で応援体制をとるような指導をいたしております。さらに、私ども消防庁としましては、都道府県を越えるような広域応援体制というものを充実させるように指導いたしておりますし、特に、林野火災のような大規模な特殊災害時における広域消防応援実施要領というものを定めまして、特に林野火災の場合にはヘリコプターによる空中偵察あるいは空中消火というものが非常に有効でございますので、こういった空中偵察、空中消火を実施し、林野火災に対応するように指導し推進をいたしておるところでございます。
○渡部(行)委員 時間が来ましたから、最後に一つ、これは大臣にお伺いしますが、大臣の災害対策に関する国土庁長官の所信表明の中に山林火災が全然触れられていないのですね。一言半句もないわけですよ。今これほど全国的に頻発しておるこの災害に対して一体無関心なのかと言いたいくらいな感じで私は読ませていただきましたが、これは大臣としては今後どういうふうに考えておられるのか。そして今、課長ではこれは何とも答えられないだろうと思いますけれども、きょうの私の質問した趣旨を十分踏まえていただいて、やはりもっと検討してみるとか、そういうことにして、万全の体制を組んでいただきたい、こういうふうに思います。よろしくお願いします。 それじゃ、大臣の所信をお願いします。
○綿貫国務大臣 先ほどからいろいろと御論議を聞いておりましたが、最近の林野の火災というものは非常に多発いたしております。六十年は十二件でございましたが、昨年は三十四件、ことしは五月に入ってもう三十五ということですから、これが非常に頻発しておるということで、これらの問題については大変関心を持っておるわけでございまして、先ほど所信表明の中に入っていなかったということでございますが、林野火災対策というのは災害対策の一つの重要な問題だというふうに認識いたしております。先ほどからいろいろと御開陳されました有益な御意見等も十分拝聴して、今後林野災害の対策に取り組んでいきたいと考えております。
○渡部(行)委員 どうもありがとうございました。
○伊藤委員長 次に、薮仲義彦君。
○薮仲委員 私は、ただいまの大臣の所信表明に関連いたしまして、国土の防災に関して句点か質問をさせていただきます。 きょうは非常に時間が限られておりますので、大変勝手な言い分で申しわけないのですが、御答弁は要点を簡潔にお願いできれば大変にありがたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 私が最初にお伺いしたいのは、私は静岡県民でございますので、最近どうも伊豆半島東方沖で群発地震が起きております。この群発地震が今後どうなるのかというのが県民にとっては非常に関心の深いところでございまして、この地震は、巷間言われますように、火山性の地震じゃないのかという意見もあるようでございます。先般の伊豆大島の火山の大噴火、あるいはまた昭和五十三年の伊豆大島近海、非常にマグニチュード七という大きな地震でございまして、内陸まで被害を受けておりますので、県民としては今度の地震は大丈夫がなという不安があるのは事実でございます。 この現在の火山活動に対しまして、予知連の強化地域部会も検討会を開いていただいているようでございますので、そういう意味から、この火山活動がどういう方向に今後向かっていくのか、この点をお伺いしたいことが一つ。 それから、この地震は静岡にとっては忘れることのできない東海地震との関連といいますか、関係性についてはどのようなものか。きょうは国土地理院からわざわざお見えいただいているようでございますけれども、よろしくお願いいたします。
○春山説明員 御説明いたします。 この群発活動が今後どういう推移をたどるかということについてでございますが、強化地域部会の検討の結果によりますと、今回の群発地震はその前の群発地震に比べて多少活動度が高い。例えばマグニチュード五・一、これは気象庁によりますマグニチュードで暫定でございますが、あるいは四クラスのもの、そういったものを幾つか含んでいるというふうなことで、一応小康状態にはなりましたけれども、このまま終わるとはちょっと考えにくい。ただ、さらに大きい地震が起きるかどうかはもう少し今後の推移を見てみないとはっきりしない、こういう見解でございます。 それから、第二点の、東海地震との絡みでございますけれども、この伊豆半島東方沖につきましては、昭和五十三年以降群発地震活動が繰り返し発生しております。それで、今回の活動は、過去十回以上群発地震が発生しておりますが、その活動しております地域、それから活動の様子、こういったものから、基本的にはこれまでのものと同じ性格のものであろうというふうに判断しております。それで、地震予知連絡会としましては、これまでと同様、東海地震と直接には結びつかない、このように判断しております。
○薮仲委員 ありがとうございました。我々県民は、地震には耐えていかなければならない、また、それを乗り越えていこうという決意は持っておりますけれども、こういう地震が発生いたしますと非常に不安に駆られております。どうかその意味で、今後とも観測を強化していただきまして、適切な対応をよろしくお願いをする次第でございます。どうもありがとうございました。 次に、これは気象庁にお伺いしたいのでございますけれども、どうも、きょうはまたからっと晴れ渡りました。建設省は異常な渇水に対して渇水対策本部を設置なさったようでございます。きょうはこの水の問題を中心にお伺いをしたいと思うのでございますが、その前段で、気象庁から現時点における気象の状況を何点かお伺いをしたいと思うのでございます。 その一つは、まず本年は非常に異常少雨、こういう言われ方をしておりますけれども、この異常少雨というのはこれからも長期にわたるのかどうか。これは我々国民生活あるいは社会経済に及ぼす影響は非常に大きなものがございますので、この見通しについてお伺いしたいことが一つでございます。 それから、近年、世界的に異常気象というものが指摘されております。現在、日本の国は降水量の問題がどうなのか。最近、地域によってはにじが見られないというような話もよく聞きます。そうすると、日本の国に本来降っている雨が少なくなってきたのかなというと、これはまた重大な問題でもございます。日本の降水量が長い期間のトレンドで見ていくと少なくなっているのかどうか、その辺の見通しについてお伺いしたいのが第二点でございます。 三点目は、毎年のようにどこかで渇水が起きる、こういうことはマスコミを通じて我々がいつも耳にするわけでございますが、最近はどうも渇水が多過ぎるのじゃないか。こういうことからして、気象庁の長い間のデータの中で、この渇水について何か周期性のようなものがあるのかどうか、あればその周期性、このぐらいで最近は発生しておりますということがもしも資料の中でおわかりでしたら、御説明をいただきたい。 以上、三点お伺いしておきます。
○嘉味田説明員 では、御説明いたします。 四月は北海道西部それから九州地方を除きまして各地で降水量が少のうございました。それから、特に東北地方から近畿地方にかけては、平年の降水量の一〇%から四〇%というふうな量になっております。それで、ここ数日雨がございましたけれども、これによりまして、五月のこれまでの降水量についてちょっと御報告いたします。北海道及び東海地方から西の方では平年のほぼ一〇〇%、それから北陸地方では六〇ないし七〇%、それから関東、東北地方は四〇%前後となっております。今後、六月上旬までの降水量は、これは予報でございますけれども、近畿以西ではほぼ平年並み、それからその他の地方では平年の降水量より少ないというふうに予想いたしております。
○山中説明員 先生の残りの質問にお答えいたします。 まず、長期的に見た場合に干ばつが何年置きぐらいに発生しているかということなんでございますけれども、今世紀に入ってからの記録を調べてみますと、大きな干ばつとしましては、大正二年に西日本各地、それから、昭和三年に新潟、山形両県、昭和四年に九州、中国各地、昭和九年に西日本各地、昭和十四年に西日本各地、昭和十七年に北陸地方、昭和十八年に東北地方で発生しております。その後、昭和二十年ごろから四十年ごろまでは降水量は比較的多い時期でございました。その後再び全国的に見ますと少雨の傾向が見られまして、大きな干ばつとしましては、昭和四十二年、これは北海道を除く全国、それから昭和四十八年に全国、それから昭和五十三年に全国で発生しております。最近の例を見ますと、この三回の干ばつの間隔は五ないし六年ぐらいになっております。 それから、もう一つの質問であります、日本における年降水量はどのように変化してきているのかということに対しましては、今世紀に入ってからの日本全国における年降水量の平均は約千六百七十ミリでございますけれども、今世紀初めの明治三十年代から大正時代の終わりごろまでは多くなっております。それから、昭和に入ってから、昭和二十年ごろまでは少雨でございました。その後、昭和四十年ごろまでは再び多い時期でございましたけれども、昭和六十年代以降減少して現在に至っております。 以上でございます。
○薮仲委員 最近は干ばつがおおむね五年に一度起きる。しかも、日本の国は現在六十年に入って少雨の方向にある。しかも、先ほどの六月、まあ一カ月先の予報でございますけれども、雨が少ないんじゃないか。 こうしてまいりますと、やはり水に対してここでもう一度認識を改めさしていただきたい。我々は、水といいますと、これは長官もよく御存じの言葉の中に、我々がむだに物を使うときに、日本の国では湯水のようにと、ごうよく言います。私たちの意識の中には、水が大切だという意識はだれもが持っていると思います。ところが、大切であるけれども、その大切な水が限りがあるという認識に非常に欠けているのじゃないか。最近は五年に一度のちょっとした気象異変で渇水が起きる。特にこのような高度情報化社会あるいは社会生活が非常に高度化されてまいりますと、電気とか水とのかかわり合いというのはもう我々の生活の中から切っても切り離せない。その中で水の大切さは知っておっても、有限の資源である貴重な資源なんですよ、日本の国に一年間にこれしか水が降らないんだ、これしか降らないんだからこれを大切にという意識は、何かまだ水にはゆとりがあるような感じがあるように思います。 そこで、私は、この異常渇水の状態から、国土庁がいろいろ御苦労したこの水に関する資料を読んでみました。昭和五十三年には「長期水需給計画」をお出しになっておられます。また「二十一世紀の水需要」、最近は水の白書をお出しになっていらっしゃる。この三つを通じながら、私はここで長官並びに関係の方々に何点かお伺いをしたいわけでございますけれども、私はこの三冊を読んでみまして一番感じたことは、水ということについてもう一度国民は認識を新たにしておかないと、二十一世紀大変な事態に立ち至ってから騒いでも間に合わない。二十一世紀といえば、もうあと十数年です。しかし、水を供給するダムをつくろうとすると、今では十年、二十年、三十年という時間がかかります。 その中で、水という問題をきょうは具体的に何点かお伺いしたいわけでございますが、こうしてみますと、やはり日本の国は限られた島国で、そこに降ってくる雨の量というものは、はっきり言ってもう使える水というのはそんなにないのかな。その使える水の中で、じゃあ二十一世紀は大丈夫なのかな。こういう点でこの本を見ていきますと、確かにあり余るほどはないかもしれません。でも、行政とまた受益者の国民の側がもし同じ気持ちになって水を大切に使おうとすれば、決して足りないというような事態を避けられるのじゃないかなという感じも一部持っております。 きょうはその辺を確かめさしていただきたいと思うのでございますが、特にこの三冊を読んでいきますと、日本の国の中では非常に心配な地域もあるわけでございます。そういう点を通じながら話を展開さしていきますけれども、その前に基本的な問題として、日本の国に年間とのくらいの降水量があるのか、それからいわゆる総降水量は何億トンぐらいなのか、それから、いわゆる水資源賦存量、使える水、降った雨が蒸発して残った水が賦存量でしょうけれども、この賦存量というのはどの程度なのか、その賦存量の中から日本の国民が利用可能な水の量というのは何億トンあるのか、ちょっと数字だけ簡単にお話しいただけますか。
○志水政府委員 お答えいたします。 年間の平均降水量は、先ほどの気象庁の話にもありましたが、従来は大体千八百ミリくらいと言われておりました。最近では今のお話では千六百何がしというところまで減ってきておるようでございますが、これで大体考えてみますと、世界の平均に対して約二倍弱の雨が降っているわけでございます。したがって、これを総降水量に直しますと約六千七百億トンと言われております。これを一人当たりに直してみますと、日本では非常に人口が多いものですから、年間約六千トンということになります。これは世界と比べてみますと、大体世界の五分の一しかありません。しかも、日本の雨というのは季節別、地域別に随分偏りがございますし、また、山から海までが非常に急傾斜でございまして、あっという間に出て行くといったようなことで、非常に使いにくい形になっておるというのが実情でございます。それで、本来的に使えない、蒸発するものを差し引きました水資源賦存量というものを一般の渇水年で考えてみますと、大体三千三百億トンほどに相なりまして、これのうち洪水で流れ去るもの、こういったものは実質的に使えませんから、経済的にまあまあこれで利用できるというものはおよそ六ないし七割程度で、年間約二千億トンくらいが利用できる限界ではないか、このように考えております。
○薮仲委員 総降水量が六千七百億トンあっても、実際はその三分の一、二千億トン程度が使える限界量ではないか。この「長期水需給計画」あるいは水白書を読ましていただきましても、大体二千億トンのうちどのくらい使っているかといいますと、いろいろなケースを考えられて二十一世紀の水需要も考えているようでございますけれども、大体千四百億トン前後を計画の中に取り込んでいらっしゃるというような計画になっておるようでございます。 そこで、私は白書に従って句点かちょっと確認をさせていただきたいのですが、現在、国民に対して安定供給をさせるために水資源の開発計画を国はお立てになっていらっしゃるわけですけれども、ここに書いてあるとおりに読みます。「一般に河川流量をもとにおおむね十年に一回発生すると予測される渇水年を算定し、その年の河川流況を前提としているので、異常少雨などにより、計画の対象となる渇水年より少ない河川流況の年に対しては、現行の水資源開発施設だけでは、計画上的確に対処することができない状況にある。」ということは、今のように少雨になってまいりますと対処できないのかなという、こういう不安があります。 さらに、六十四ページを読んでみますと、こういうことが書いてございます。「年間を通して安定して利用できることが河川水利用の基本となる。」こううたってあるわけでございますが、昭和三十年代から四十年代にかけてのいわゆる高度経済成長、都市用水初め用水の利用度が非常に高くなってきているわけですね。そこで、ここでこういうことが書いてあります。「一部の地域では増大する水需要に水資源開発が追いつかず、水資源開発施設が近い将来に建設されること等を条件に、緊急かつ暫定的に不安定な取水がみられた。この暫定取水は、河川流量が豊富な時には取水できるが、状況が悪化した時には取水できない不安定な水量である。」こういうふうにここでうたっているわけで、現在時点においても、流況によっては非常に不安定な取水をしなければならない、暫定取水をしなければならない地域があるとここで書かれているわけでございます。我々が大体そこかなと思うところもあるわけでございますけれども、この危険な地域が大体どういうところに存在するのか、これが対策は果たして大丈夫なのか、こういう点、ちょっとお伺いしたいのです。
○志水政府委員 先生御指摘のとおり、現行の水資源開発計画というのはおおむね十年に一回発生する程度の規模の渇水を対象に計画をいたします。十年に一回と申しますのは、従来の記録を検討し、そういった確率を持った渇水を対象にするわけでございますが、先ほど来の話にありますように、これが従来の傾向よりも雨の量が全般的に減ってまいりますと、従来十年に一回の渇水に対処できる計画であったものが、最近の小降雨現象によりまして、とてもとてもそんな安全度がない。これを逆算してみますと、所によりましては四年か五年に一回発生する規模の渇水にしか対応できないように落ち込んでいるところが幾つかございます。これは程度の差はありますけれども、ほぼ全国的にそういったことが言えるわけでございまして、先ほど先生の御指摘にもありました、ことし四月、五月の渇水、あるいは五十九年から六十年にかけましての渇水、あるいは六十一年から六十二年にかけて木曽川とか淀川を中心に西日本でありました渇水なども多発いたしております。こういったことに対しましては、もちろんダム等の建設を進めなければならないのは当然でございますが、利水者の方におきましても節水に努める、あるいは中水道、雑用水の利用等も図るなどして対応していく必要があるだろうと思っておるわけであります。 また、不安定な取水、確かに急激な水需要に追いつかないで開発が追いつかなかったというために生じてまいります不安定な取水、これはおおむね大都市近郊においてそういう傾向が見られておるわけでございまして、現在、都市用水の使用量は年間約三百七億トン使っておりますが、そのうちのおおむね一割、二十九億トンがこの不安定取水になっております。 これをさらに地域で分けてみますと、関東地域で都市用水の使用量が約五十三億トンございますが、そのうちの三割ですから十六億トンぐらいになりましょうか、それから近畿地域で約三十六億トン使っておりますからそのうちの約二割、したがって七億トンぐらいになりましょうか、こういったもの、それから愛知県の西部等でも数億トンぐらいの不安定な取水に依存せざるを得ないというような状況になっております。 これら全体の問題につきましては、先ほど申し上げましたように、現在も関係省庁ともよく連携をとりながら水資源開発の施設の建設促進、あるいは利水者における水の重要性のPR、こういったことも行いながら、節水とあわせ総合的な対策をとるべく努力しておるところでございます。
○薮仲委員 きょうはもう少し具体的にいきたいのですが、余り時間がありませんので要点だけ。 もう一点お伺いしたいのは、やはり水資源白書の中で、今部長がお話しになられました、特に大都市圏においては水資源開発促進法に基づいてフルプラン計画を立てまして、都市の急激な人口の増加あるいは産業の発達に対応できるような形で指定水域を決めて、そこで需給の見通しを立てて総合的な対策を立てる、これが水資源開発促進法の趣旨であって、これは河川の名前を挙げれば、皆さんもなぜそんなところがと思うほど超一級河川があるわけでございます。利根川、荒川、木曽川、淀川、吉野川、筑後川。首都圏に関しましては利根川あるいは荒川水系、近畿圏は淀川水系、中部圏は木曽川水系、このように重要な河川ですら、この中にはこういうふうに書かれているわけですね。「供給施設の建設は、需要量に対する供給施設が完成していない。このため、水需要の相当量は渇水時には取水が困難となる不安定な水源に依存している。」このように、大都市圏でも非常に不安定取水がうたわれているわけです。 さらに、これは長官に最後に御答弁いただくためにまとめてやりますけれども、長期需給見通しの中で、生活の多様化と質的向上に伴い水の安定供給が一層重要な要件となった。水使用の合理化が進み、節約余地が少なくなってきておる。ですから、水のわずかな供給不足も国民生活、産業経済に重大な影響を及ぼして、特に関東臨海、近畿臨海、北九州、この水利用が高度な段階に達している地域においては非常に重大な課題になっている。しかも、超長期に見た場合には、水資源の開発による供給を拡大することが困難である、こういうことが書いてあります。特に、「水資源開発による供給拡大が困難化し、水利用の高度化が更に進むと予想される地域は、関東、北九州、近畿及び沖縄である。」しかも、この地域は、「将来ダム等の建設による水供給の拡大は一層困難となることが予想されるので、水需給の安定のためには、水資源の有限性を認識して一層水使用の合理化を進め、節水に努める必要がある。」こううたってあるわけです。 これを見ますと、冒頭指摘いたしましたように、もう使える水はこれしかない。しかも、河川の開発がこれ以上進まない地域が出ておる。二十一世紀をより豊かに安定した国民生活を送るためには、水というものについてのしっかりとした見通しを立てなければならない。そうしますと、今四全総が行われておりますけれども、四全総の中でもそれにリンクした形で長期の水の需給見通しを長官のもとでしっかり確立していただきたい、このことが長官にお願いしたい点でございます。その上に立って、二十一世紀に向かっても国民生活において水の不安がない、こういう社会を築いていただきたいと思いますので、最後に長官の御答弁をいただいて、終わりたいと思います。
○綿貫国務大臣 イザヤ・ベンダサンという人の名で書かれた本に、日本人は水と安全はただだと思っている、こういう警告を発しておるわけでございます。 先ほどから薮仲先生御指摘のように、文化生活が進展すればするほど水の需要がふえますし、一方これを供給する、水をつくり出すということはなかなか短期的にはできませんし、立地点もだんだん難しくなっておるような状況でございまして、おっしゃるように水は有限であるというような考えに立って国民生活を営んでいかなければならないと思っております。その意味におきまして、国土庁におきましても水の日というのを八月一日に設定いたしまして水の重要性をPRしておる真っ最中でございますが、これからも国民の皆様方にぜひこの御認識を深めていただきたいと思っております。 なお、国土の中においてもこの水の位置づけというものは非常に重要なものでございますので、四全総の中でもそれらの点を踏まえて今策定をしておるところでございます。
○薮仲委員 終わります。
○伊藤委員長 滝沢幸助君。
○滝沢委員 委員長、御苦労さま。政府委員の皆さん、御苦労さん。 災害はいつやってくるかわからぬ。これはまた何も災害だけでなくて人生すべてそうなので、きょうの委員会なんかも大臣がさらわれていってしまって、これも災害ですな。 そこで、大臣が来られてから大臣のお考えはただすことにいたしまして、それまでに、建設省から見えていただいたはずでありますが、去年八月のあの水害、これは宮城県、福島県、茨城県、栃木県というようなところに大きな災害がございました。我々も現地に赴きましていろいろと調査また激励等をいたしたわけでございますが、その後の復旧事業の進捗状況、そしてまたこれらを一つの経験として新しい災害復旧についての試みをされているかどうか、お伺いしたいと思います。
○苗村説明員 お答えいたします。 第一点目の、六十一年発生建設省所管の公共土木施設等復旧事業の決定額は、全国で、補助、直轄合わせまして約四千九百九十五億円でございます。ちなみに、福島県分は約五百八十五億円でございます。このうち、六十一年八月の台風十号によりますものは全国で約千九百七億円でございまして、福島県は約四百四十五億円でございます。復旧進度につきましては、現在全国で約八九%進んでおりますし、福島県はこれより少し多くて約九〇%程度でございます。残事業箇所につきましても、今後鋭意事業を執行いたしまして、早期復旧を図ってまいりたいと思っております。 二点目でございますが、昭和六十年度より直轄河川等災害関連緊急事業を創設することによりまして、建設大臣が直轄管理いたします河川につきまして、従来行っておりました災害を受けました堤防等の河川管理施設の原形復旧に加えまして、これに関連いたします一定の改良復旧を緊急に実施いたしまして、再度災害防止を図るべく努めてまいりたいと思っております。
○滝沢委員 同じなようなことでありますが、所管が違うようでありますから……。 例の大島の災害でありますが、さっきも申し上げたとおり、大体災害というのは思わざるときにやってきますから、日常これに備えておかなければ、オオ、シマったということになる。(笑声)あれはみんなが引き揚げましたね。これは都からの勧告でしょうか、町が指導して引き揚げたのです。しかし、帰ってみたら、農作物がどうしたあるいは家畜がどうしたということで、災害に数えていいかどうかという議論もあったわけでありますが、それやこれやの経過はどうなりましたか。
○山本(重)政府委員 伊豆大島の噴火に際しましては、まず、何と申しましても、先ほど予知連の見解にもございましたように、今後も噴火が起こる可能性があるので十分厳重な監視が必要であるということでございます。そういうことで、昨年、予備費を使いまして緊急観測監視体制をしいたわけでございますが、現在におきましても、特に気象庁の現地の測候所あるいは気象本庁等で、これら敷設いたしました計器とテレメーターで常時状況がわかるように二十四時間の監視体制をしいて監視しているところでございます。 また、今後再び噴火が起こりました場合には、いち早く避難する体制をとることが必要でございます。そのための詳細な避難計画を地元大島町及び東京都におきまして定めでございます。 また、避難が安全かつ適切に行われますためには避難施設を緊急に整備する必要がございます。そのため、今年二月に活動火山対策特別措置法を適用いたしまして、避難施設の緊急整備事業を実施することといたしまして、総額約百四十億円ほど投入することとしております。このうち、緊急を要しますヘリコプターの離発着の広場等につきましては、差木地については既に完成いたしております。 また、避難港の整備につきましても、既に波浮港については六十一年度に委託調査が進められておりましたが、今年度に入りまして新しく四千トンバースの避難港をつくります波浮港を初め、今までございました元町港、岡田港、これらの港湾につきましても約百メートル、防波堤等の機能も備えた港湾の整備を行うことといたしておりまして、これにつきましては既に暫定予算が認められておりますので、詳細設計、一部用地測量等を進めておるところでございます。 また、都道三カ所、町道三カ所につきましても緊急避難道路として整備することといたしておりましたが、これらの道路等につきましても既に詳細設計等の準備に入っているところでございます。 いずれにいたしましても、私どもは、これらの緊急避難施設整備事業が早急に進められますように、今後とも大いに努力してまいりたいと考えております。
○滝沢委員 わかりました。 次に、小中高校あたりの学校火災は最近とのような状況になっているか。それと、特に児童生徒の避難訓練は十分にされているかどうか。御存じのように、最近は学校等も建築の構造等が近代化しまして、案外避難には難しいという状況になっておりますね。私はかつて申し上げたのでありますが、例えば雪国などで二人しか先生がいらっしゃらないのに身体障害者の先生がそこに一人いらっしゃるようなことは私は全くいけないことだと思いまして、たびたび警告を申し上げましたが、これは遺憾なきを期していただきたい。大体避難がきちんとできませんと、日ごろ消防庁、学校みんな何しているのだという非難があるわけですから、非難のないように避難訓練をしてほしい、こういうことです。文部省からひとつお答えいただきたい。
○遠山説明員 昭和六十一年度の全国の公立学校における火災の状況でございますが、小中高等学校全部合わせまして、そのうち全焼あるいは半焼に至ったものが十校ございます。その内訳でございますが、小学校が四校、中学校が四校、高校が二校でございます。 それで、全部の学校数に対する割合でございますが、〇・〇二%ということで、この率は年々減少しているところでございます。
○込山説明員 学校におきます防災活動についてお答え申し上げます。 学校におきましては、平素から、防災のための校内組織を確立するとともに、児童生徒が万一の災害に備えまして安全に避難ができますよう、学校における特別活動の学校行事等の時間において避難訓練を実施しておるところでございまして、その際、いろいろな計画につきましては、日ごろから警察であるとか消防関係機関などの協力を得ながら計画を実施するよう指導しているところでございます。ちなみに、学校における避難訓練の実施状況を全国的に見ますと、小学校については年平均三・四回、中学校におきましては年平均二・三回行われております。 文部省におきましても、今後、先生の御指摘になりました点を踏まえまして、学校における防災に関する安全活動、安全管理が一層徹底するように指導に努めてまいりたいと思っております。
○滝沢委員 この十校焼けた中で、原因等は全部はっきりしましたか。
○遠山説明員 昭和六十一年度は十校ですが、全部原因不明ということで報告を受けております。
○滝沢委員 だと思うのですよ。私は聞かなくたって、大体そんなものわかっても一校くらいだなと思っていました。というのは、私も県会に長くおりましたときも指摘したのですが、学校火災は原因がわからぬ、これがもう常識ですよ。それは学校の管理体制がでたらめだからです。昔は、理由のいかんを問わず、学校を焼いた校長先生は進退伺いを出す、これが教育界の常識でありました。木造校舎というのは特に焼ける。今はどうも改築を促進するためにわざと焼いているんじゃないかなんて言われるほどによく焼けるし、原因はわからぬ、そしてその後のおとがめはない、これが常識になっております。そう言われて嫌ならば原因を究明するべきです。きちんとこれからやっていただけますか。
○遠山説明員 先生の御趣旨に沿いまして、指導の徹底を期してまいりたいと思います。
○滝沢委員 次の委員会までにこの十校について原因をひとつさらに究明して、御報告を願いたいと思います。 次に、これは消防でございますが、民間のいわゆる消防団であります。これが、最近の状況を見ますると、過疎地におきましては若い者がいないために消防団員が定数を満たすことができません。非常につらい状況です。四十代、五十代になって消防に参加していただいている。しかしそれでも充足できない。そこで、婦人消防隊というものがそちらこちらに工夫されているのであります。見ますると、あの戦争中の竹やり訓練の日を思い出すように惨めな話であります。婦人消防隊の実態と消防団の充足率、その他これに対する手当、保険というようなものに触れて一言御説明願いたい。
○川崎説明員 消防団の現況を申し上げますと、六十一年四月一日現在で全国消防団は三千六百五十団ございまして、百二万六千人余の団員を擁しておるところでございます。 ただいまの先生の御指摘のとおり、消防団員は全国的に近年も引き続き若干ではございますが減少傾向でございまして、特に都市化の進む地域とかそれから過疎地、そういうところでの団員の確保につきましてはいろいろと苦労が多いという状況でございます。そういった状況を踏まえまして、私どもといたしまして、やはりこの地域防災の中核として頑張っていただける方でございますので、また、そういった方がいませんと、最近のような林野火災とか大規模な災害に対しましては常設の消防だけでは十分対応できませんので、常設と一緒に活躍していただける方を十分確保していく、そういうために消防団の一層の活性化を図るということで、私どもといたしまして、消防団の活性化事業というものも起こしまして、また、各市町村に対しまして、やはりただいまの御指摘にありましたような婦人層も含めた団の強化ということも十分検討し取り組むようにということも申し上げているところでございます。 そこで、現在消防団の中で婦人の消防団員というものの状況でございますが、これは現在、六十一年の段階でございますが、団員数は千二百二十五人でございます。これは消防団の中の婦人団員でございます。ところが、このほかに消防団員ではございませんが、地域のいわゆる自主防災活動組織として婦人防火クラブといったようなものが各地で結成されておるわけでございます。これは、民間団体がかなり精力的に奨励をし、また行政組織機関といたしましてもその活発化を働きかけておるところでございまして、既にその会員となっております方は約二百万に近くなってございます。ただ、その方々は必ずしも初期消火ということだけではなくて、火災の予防活動、そういった点にも重点を置いた活動をされておる方でございまして、消防団員とは違う側面を持っておるというふうに考えでございます。 今後、私どもといたしましては、やはり団員の強化策というものを重点に考えなくてはいけないと思っておりまして、そういう点で婦人の方々の消防団活動への参加というものをさらに促進していただくこと、それからまた、若手の方々、まだ参加していただいていない方もおられますので、団の活動というものに御理解を深めていただいて、地域ぐるみで団の強化策をとっていただく、そういうふうに働きかけるように市町村ともども奨励策をとってまいりたいというふうに考えております。
○滝沢委員 その婦人消防隊をこれからふやしていく以外には道はないという御返事と聞いてよろしいと思うのです。その場合に、男性の場合とこの待遇に格差がないと思いますが、そのとおりですか。
○川崎説明員 現在、消防団員の処遇といたしましては、年間の一定額の年の報酬、それから出動に当たりましての出動手当という形でその労苦に報いることにしてございます。また、退職に当たりましては退職報償金を支給するということで、各市町村ともどもすべて全国共通の制度で実施いたしてございます。また、当然危険を伴いますので、公務災害につきましては常勤の消防職員に劣らないような一つの公務災害補償制度を確立いたしておるところでございます。 消防団員になりますと、そういった制度が確立されておるわけでございますが、自主防災組織という状況でございますれば、これは各企業とか各地域ごとのものでございますのでこういった公務災害ということはございません。しかし、私どもとしては、具体の初期消火とかそういう活動に当たられるということでございますれば、そういった危険も伴うこともあるわけでございますので、ぜひ団員という形で参加していただくように働きかけることが望ましいというふうに考えております。
○滝沢委員 これは大臣、私はかねがねいわば列島改造論ですわな、日本の国土の中に人口はどのように分布すべきかということを言っているのですが、国土庁はなかなかきちんと出してくれない。しかし、もはや御婦人が消防団に参加して火事、水害等に対処しろというような状況になれば、これはまさに過疎問題は深刻なことでありますから、そのような意味で、一面からいうと、今度は人があふれて、それこそ男だって消防団なんていうのは夢にも見たことがない、これは専門の消防署の方々が一切おやりになるものというような認識の場所もあるわけでありますから、この格差について政治が目をつぶっていてはいかぬ、こう私は思うのでありますが、いかがですか。人口の適正分布、いわゆる列島改造がなければこれはどうにもならぬことだ、こう思うのです。
○綿貫国務大臣 私も田舎の消防団長を十年ばかりやっておりまして、消防に対しては極めてよく理解をしておるつもりでございます。ただいま御指摘のように、いろいろ過疎地域において消防あるいは防災体制というものが憂慮されておるわけでございますが、ただいま四全総の中におきましても定住ということを今回強く打ち出しておるところでございまして、今後それぞれの地域において特色のある地域を生み出していただくような方向と定住を推進して、その中においてこの自衛組織であります消防の組織が十分に機能するように取り進めていくべきであるというふうに考えております。
○滝沢委員 あと、先ほどるる御質問のありました火災でありますが、先ほども申されておりましたとおり、福島県におきまして連続して山火事がございまして、四月の二十四、五日は、先ほどお話がありました塙、鮫川、そして浪江と葛尾というのが五月の四日から五日、原町が五月の九日から十日というように連鎖して焼けているのでありますが、激甚災の指定というものが、面積が一つの町村によって三百ヘクタールに足らぬということで指定をされないのでありますが、しかし、これは今申し上げた連鎖した地区を申し上げれば無慮二百ヘクタールを超えているのであります。そのような意味で、私は隣接の町村と一体ということでこの激甚災の指定をされてしかるべきではないかと思うのでありますが、そういう技術的な工夫はできませんか。
○山本(重)政府委員 森林火災による災害につきましては、かつては激甚災害法の適用がございませんでしたが、これにつきましてたしか五十六年の法改正で、中に森林災害についても激甚法の適用をして特別の助成をする道を開いたわけです。この際の基準がやはり非常に高くて、市町村当たりの災害ではあってもその市町村によっては相当の被害を、特に森林等の林業の所得に依存しておる地域においては相当大きな打撃を受ける、そういう観点から、森林の火災に伴います被害等につきましても特別の助成策を講ずべく局地激甚災害の制度をつくりましたのが五十八年でございます。そういうことで、五十八年のこの三百ヘクタールあるいは所得の一・五倍以上の被害という基準は、かなりその当時も各地で災害が起こりましたが、それらの全体の被災状況と、それから他の激甚災害法の適用の事例とのバランス等々を考えながら決めたと聞いております。 先ほど大臣から御説明申し上げましたように、ことし既に全国で三十五カ所の森林火災が起こっております。こういう状況を踏まえながら、こういった基準が適切であるかどうかということについて、私もよくまた林野庁当局とも十分勉強してまいりたいと考えております。今のところはこの基準を直ちに変えるということは非常に難しいのではないかと考えております。
○滝沢委員 長官、今のお話のようなことで、大きいことはいいことだなんて、あれは何のキャッチフレーズでしたでしょうね、しかし、災害まで大きくなくちゃ損なんです。この議会運営もそのとおりでございまして、私たちは大変苦労しておるのでありますが、どうかひとつ、ただ単なる面積ないしは損害の金額という計算ではなくして、実態に即したとらえ方をされて、規則を改正するしないということですが、それ以前の問題として、これは要するに一つの指定をしようという意欲、愛情、こういうことにあろうと私は思いますので、先の話を聞いても仕方ありません。今回のこの福島県方部一連の火災につきまして、山というのは大抵町と町の間にあるんだよね、峰が境なんだから。だから、一体にして考えていくような工夫をされてはいかがですか。大臣、いかがですか。
○綿貫国務大臣 おっしゃったような点につきまして、関係省庁とも十分また勉強をさせていただきたいと思っております。
○滝沢委員 ひとつ長官の受信に満ちた判断を期待しております。関係市町村長等もこの一カ月ほどのそうした判断をかたずをのんで待っていることでありますから、ひとつ実態をよく把握して決断してちょうだいしたいと思います。 なお、自治省にも残っていていただいたはずでありますが、塙町では二百万国会までに純粋な町の支出として使っている。もちろん民衆の被害は莫大なものでありますが、これに対して単に交付金の計算の一要素になるだけということでありますが、それでは足りない話でありまして、そうでなくともこれは過疎地の町村がいわば財政的に逼迫しておるわけでありますから、自治省でひとつ奮発した援助の体制がとられるように期待したいと思います。いかがですか。
○海老説明員 お答え申し上げます。 今回の森林火災に係ります被災団体の経費につきましては、その状況を十分調査の上、被害状況あるいは財政状況といったようなものを勘案いたしまして、当該団体の財政運営に支障が生じることがないように適切に対処をいたしてまいりたいと考えておるところでございます。
○滝沢委員 どうぞひとつ、これも四角行儀なことではなくて、自治省が本当に市町村の立場に立っての物の御判断を期待したいと思います。 さらに、これはちょっと幅広い話になりますが、木材の価格が非常に低落いたしておりまして、それに先ほどから申し上げておりまするとおり、農山村における若い層がほとんどもういないという過疎地の現象とあわせて、今度焼けた地区が再び緑の森林を回復するということは非常に困難だと私は思うのです。木材価格の低落によりまして造林意欲も失っておることでもあります。これに対して県行造林そのほか工夫していただく必要があると思うのです。例えば農家の出動労働力以外に請負とかその他工夫していただく必要があると思うのですが、いかがですか。
○杉本説明員 跡地の復旧につきましては、先生おっしゃいましたようなことも含めまして工夫をして、地元と相談の上万全を期してまいりたいと思っております。 その跡地の復旧につきましては、造林の補助事業だとか、それから農林漁業金融公庫の融資、それから林業改善資金などいろいろな施策を準備してございますので、十分相談して地元が困らないような形で対処してまいりたいと思っております。
○滝沢委員 ついでながら、木材という考えの中に、特に会津方部にあります桐の、これは話にならぬ価格の暴落がございます。しかし、その製品がお店に出てくるときは以前よりもかえって値上がりになっておりまして、桐のげたにしろ、ましてやたんすなんというのはとてもどなたもなかなか手に入るものじゃないというようなことでありますし、非常にそこは今の流通機構のいろいろと矛盾を感ずるところであります。それにしても、このままにしておいたら会津の桐は十年を経ずして絶滅してしまいます。この会津の桐のことをも含めて、先ほどから申し上げておりまするとおりの国産の木材の将来は非常に暗たんたるものがあろうと思うのです。これに対して政府が何らか積極的な対策を立てられなければ非常に困ることではないか、こう私は思うのでありますが、お考えはありますか。
○杉本説明員 先生おっしゃいましたように、今日本の林業というのは非常に苦しい状況になっておりまして、しかもそれが長い間続いているというまことにどん底の状態でございます。こういうことがずっと続きますと、これは日本の林業ばかりではなくて、日本の国土全体の問題にもなってくるということから、林野庁におきましては諸般の施策を講じまして、そういう方々が困らないようなことに努力しているわけでございますが、今後一層それを推進してまいりたいと考えております。
○滝沢委員 どうもありがとうございました。長官、御苦労さまでした。ありがとうございます。
○伊藤委員長 次に、藤田スミ君。
○藤田委員 最初に、長官にお伺いをいたします。 先ほど長官の所信表明を聞かせていただいたわけですけれども、私はこれを読んでおりまして、国土の保全という点で現状を長官はどういうふうに認識しておられるのかなというふうに思いました。 せんだっていただきました防災白書を見ましても、例えば河川の整備状況は、大河川では当面の整備目標に対して五七%、これは戦後最大の洪水に対するはんらん防御区域ですが五七%の達成率、それから中小河川五十ミリ対策は、都市河川が四八%、農山村河川は二〇%という状況であります。治山の施設の整備を見ましても、対象二十二万ヘクタールに対して六五%、それから砂防事業、急傾斜地崩壊対策など土砂災害危険箇所の整備状況では、危険箇所数が多いこともあってその進捗率は低水準にとどまっている、こういうふうに書かれているわけです。 第六次の国土保全に係る各種五カ年計画の実施状況というのを見てみましても、達成率は治山で七四・六、治水で七九・四、急傾斜地崩壊対策で六七・三、海岸事業が一八・四という、いわば大変点数の悪い状態。ここしばらくかなり達成率はよかったのですが、この五カ年計画は本当に状況の悪い中で終わりました。そして今度第七次計画の方を見ますと、これはもう予算が削られている、計画事業は事業額が削られているという状況になっているわけであります。こういう実態をどういうふうに認識しておられるのか、大臣にお伺いをしたいわけです。
○綿貫国務大臣 治山治水事業の重要性ということは私どももよく認識しておるつもりでございまして、今回の防災白書の中でもそのことは取り上げておるところでございます。 ただいま御指摘の、第六次治山治水事業と第七次との比較で御覧間をされておるわけでございますが、今御指摘のように、第六次の治山治水事業はそれぞれ目標に対しまして七五%から八〇%というところでございます。その実績に基づきまして今回の第七次計画が立てられておるわけでございまして、これらの実績を上回った計画となっておるわけであります。当初の計画と計画の比較よりも実績と今回の計画との比較でごらんになっていただきたいと思っております。 なお、調整費等もさらに上積みされておりますし、今後内需振興その他の関係からこれらについてもさらに肉づけされるものと考えておりますので、今まで以上に治山治水事業には力を入れてまいりたいと考えております。
○藤田委員 調整費はいつも議論になるわけですが、平たく言えば見せ金みたいな形でほとんど手がつけられないというようなことがずっとこれまでの中であるわけですから、私は積極的に国土保全のためのこういう公共事業にもっと力を入れてもらいたいというふうに思うわけなんです。 六十年の十月に総理府が世論調査をしておりますが、これは社会資本の整備に関する世論調査でありまして、その中で特に整備をしてほしい社会資本はというのに、治山治水、防災施設というのがやはり一番多い声になっているわけであります。つまりこれが国民の声なんです。今大臣は内需拡大ということをおっしゃいました。まさに今大型補正の問題も出ておるわけなんですけれども、内需拡大ということならば、私は、日本の国の中で最も急ぐべきこうした事業にこそお金を入れていって、内需の拡大を振興させるということでぜひお取り組みをいただきたい。そういう点では、長官からも積極的に、それは前の実績に合わせて今度の七次計画は金額では少なくなっているけれども、これは前の実績から照らしてだというのはちょっと納得ができませんので、やはりもっと前向きに対処するという点でもう一度御答弁をお願いしたいわけです。
○綿貫国務大臣 第七次の計画は十分充足できるように今後努力する、こういうふうに申し上げておるわけであります。
○藤田委員 それでは、少し具体的な問題で三点お伺いをしておきたいと思います。 奈良、大阪を流れております大和川、これは河川の堤防整備率で言いましたら四四%というお粗末な状態であります。ここは大阪湾に流れ込む流量として毎秒五千二百トンを目標に整備を進めているわけなんですけれども、こういう状態であります。ところが、流域の開発が進んで、住宅も立て込んできて、周辺の保水力が奪われる一方であります。したがって、どうしてもこういう河川の整備を早く進めないと、私は、五十七年にこの大和川の洪水が起こったときに現地に何度も足を運びましたけれども、都市の水害というのは本当に大変な状態が出てまいります。避難だけでも大変なんですが、あのときは二晩にわたって浸水いたしましたので、そういう家庭の悲惨さは本当に言葉に尽くせないものがございました。 この際、建設省の方から、この大和川河川の整備をどのように今後進める計画かを明らかにしていただきたい。それから、建設省としても、先ほど大臣がおっしゃったように、内需拡大はこういう事業にこそ振り向けるべきだという点で、積極的に五カ年計画を先取りして見直していくんだという構えが、真正面から取り組んでいく構えが欲しいわけですが、御答弁をお願いいたします。
○角田説明員 御説明いたします。 大和川水系では、先生先ほどありましたように、五十七年八月の台風十号で大変な災害があったわけであります。これにつきましては、河川激甚災害対策特別緊急事業という別枠の制度のもとに、六十一年までの間に集中的に河川の整備を進めて、昨年でほぼ概成したところでございます。今後とも引き続き、掘削、堤防の強化等努力いたしまして、流域の開発に十分対応していけるように総合治水対策を行ってまいりたいということでございます。そういったことで洪水に対する安全な地域づくりを図っていくということに鋭意努力をするという考え方でございまして、先ほど国土庁長官からありましたように、第七次の五カ年計画もただいま詰めていただいておりますので、これに基づきまして治水事業の積極的な推進を図っていくというふうに努力するところでございます。
○藤田委員 本当に国民の強い要求でもありますし、結局、全財政的に考えても、内需拡大の観点から見ても、もっともっと治山治水対策というものを進めていくということで、特に建設省の方に国土保全に関するそういう事業にもっともっと力を入れていただきたいと思います。 二点目は、森林の災害復旧の問題でありますけれども、これは先ほどからもお話にありましたように、四月から全国で山火事が相次ぎまして、二十六件、一千ヘクタールというような状態になっております。私の地元でも、泉南市というところで山火事が発生しましたが、わけても岩手県釜石などは大きな被災になりました。我が党は五月一日に政府に対して激甚災害の指定や積極的な治山対策事業を要求してまいりましたけれども、ずばりお伺いをいたしますが、釜石の東前町は今回三百九十二ヘクタールも焼損しております。激甚災害の指定を速やかに行うよう求められております。また、激甚指定のないところであっても、災害防止の観点から速やかに治山対策を行ってほしい、そういう復旧が望まれているわけでありますけれども、林野庁に来ていただいていると思いますが、今回の山火事に対する対応をお聞かせください。
○杉本説明員 林野火災の跡地の復旧の問題でございますが、できるだけ早く的確な復旧を図るために、被害状況などを十分把握いたしまして、その被害の態様に応じまして、造林補助事業、農林漁業金融公庫の融資、林業改善資金等を組み合わせましてその復旧に万全を期してまいりたいと考えております。被災をされた現地の方々の御意向等も把握しないとなかなか対応が立てられないということでございますので、今後十分関係する県と連携を強めながら万全を期してまいりたい、かように考える次第で、ございます。
○藤田委員 釜石の場合は、激甚災を適用する三百ヘクタール以上だということがあるわけですから、適用の可能性が大きいというふうに考えておいていいのでしょうか。
○杉本説明員 現在、釜石の被災につきましては、被災面積は先生おっしゃいましたようにかなり広うございます。適用の可否等については実態調査を待って対処してまいりたい、かように考える次第でございます。
○藤田委員 三点目は、豪雪対策なんですけれども、国土庁の集落防雪体制整備事業がどういうふうに行われているかということを、実は私ことしの二月豪雪地帯新潟県の安塚町に行ってまいりましていろいろと調査をしてまいりました。この地域の人たちが特に国への請願運動を起こして六十年度から実施されているものでありますので、実際に行ってみて、本当にこんなに喜ばれるものかというふうなことで、むしろこちらの方が驚きました。大変喜ばれているこうした事業、特に道路などの除雪にとどまらずに次々と雪おろしができるように家屋周辺の除排雪に機械を使うとか、あるいは住家を守れるようにしていく手だてを講じていくというようなすばらしいことでありまして、雪国の大変な生活の苦労の中にも光が見えてきた、こういうふうに言われるわけです。事業費としては六十二年度も四千万円で、全国で四カ所だけの事業であったわけです。 長官は特に雪の多いところにお住まいなので、もういろいろ言うことはないと思います。しかし、私は、雪対策の他の予算を削ることなしに集落防雪体制整備事業をもっと予算を拡大して箇所数をふやしていく必要があるのじゃないか、そういうふうにして雪国にも活力をつくり出していく、そういうことが非常に大事だというふうに考えますが、いかがでしょうか。
○澤田(秀)政府委員 特別豪雪地帯集落防雪体制整備事業は、特豪地帯の集落の住民が共同して防雪活動に当たる克雪のための重要なモデル事業でございまして、昭和六十年度から実施しております。今お話にありましたように、毎年四カ所ずつ新規採択をこれまで行ってきております。 国土庁としましては、この事業が家屋周辺の雪処理とか集落内道路の確保等の面で大変大きな効果を上げているということにかんがみまして、補助金等については毎年マイナス計上という厳しい財政状況のもとではありますが、この事業には特に重点を置いて、本年度においても昨年度と同様の規模を確保して実施していくこととしているところでございます。
○藤田委員 時間に制約がありますので、三点要望に近い形で申し上げたままでこの問題を終わるのは残念ですが、今後とも力を入れていただくように最後にお願いをして、次の災害遺児育英制度の創設の問題について長官にお伺いをしていきたいと思います。 この問題については、毎年行われている交通遺児と母親の全国大会の席上でその都度各政党が要望を受けているものであります。実は私も、この五月三日に地元で街頭募金中の中学生から直接訴えを受けたわけですが、我が党は、総理に対する女性の地位向上のための申し入れの中でも災害遺児育英制度の創設を要求してまいりました。 文部省の協力で行われました災害遺児世帯の実態調査を見ますと、災害で父親を失った家庭が九四・二%、母子家庭の生活程度は極めて低く、世帯総収入は勤労世帯の四九・四%、三世帯に一世帯が生活保護水準以下という状態であります。母親の仕事はパート、臨時、日雇い、そういう不安定な身分になっております。したがって、お母さんの健康は、病気あるいは病気がちが四人に一人で、高校進学で教育費の見通しが確実にあると答えている家庭はわずかに一五・七%であるのに対して、出してやれそうにないんだと答える人が一七・六%と、確実に出せるという数をはるかに上回っております。災害遺児母子は待ったなしの窮状にある、心身ともに疲れていると言わなければなりません。災害遺児たちはこういう母親の姿を見ては高校に行きたいとは言えないというふうに訴えているわけであります。しかし、同時に、災害遺児家庭を貧困から救う一番の近道は災害遺児の進学を制度的に進めることに尽きるんだ、すなわち、みずからの力で貧困から脱出するためにそれが求められるんだということも訴えられているわけです。 私は、防災対策などのおくれ、いわば人命軽視の政治のもとで生み出されたこういう災害遺児の進学の保証は当然政府が行うべき責任だというふうに思いますが、この点について長官の御所見をお伺いしたいことと、それから、文部省に対してお伺いいたしますが、総理も文部省にこの災害遺児育英制度の確立については関係省庁と協議させるということを既に六十一年二月の国会で答弁されておりますが、文部省はどのような検討をしてこられたのか、お伺いをしたいと思います。
○綿貫国務大臣 災害遺児に対する育英制度を設けようという声は国会でもたびたび皆さん方から出ておるわけでございます。 これにつきましては、今おっしゃいましたように、六十一年二月六日の衆議院の予算委員会におきまして、公明党の矢野絢也さんの質問に対しまして中曽根総理も前向きの答弁をいたしておりますし、また、交通遺児の皆様方の恩返し運動実行委員会が公開質問状を出しておりますが、これに対しましても自由民主党から前向きの回答をいたしておるわけでございまして、目下文部省を中心にいたしまして検討が進められておるところであります。
○廣田説明員 御説明申し上げます。 災害遺児に対します育英制度の問題でございますが、文部省といたしましては、当面の課題といたしまして、災害遺児の方々の主として高校進学を現行の各種奨学制度の中でどう措置していくかということを検討しているものでございます。 まず、文部省といたしましては、御案内のことかと思いますが、文部省のやっております育英奨学事業というものは、教育の機会均等を図る観点から、一般的に経済的に進学が困難であるという者に対しまして、日本育英会というものを設けまして、そこで奨学金の貸与を行っているわけでございます。これの充実に努めるということでございますが、災害遺児の問題につきましては、災害にもいろいろな種類のものがあるかと存じますが、やはり災害遺児だけに限りました特別の奨学制度をつくるということにつきましては、他の例えば親の病死というものに起因いたしますところの経済的に進学が困難になった者との均衡というものを十分に考えていかなければならないというような困難な面があるのじゃないかというように認識をしているところでございます。 ただ、そうはいいましても、災害等によりまして主たる家計支持者を失った者の高校進学を援助していくということはやっていかなければならないことでございますので、文部省といたしましても、本年度から日本育英会の奨学生の採用に際しましては特例措置を講ずるということにしたわけでございます。 具体的に申しますと、災害遺児等につきまして、中学校から高校へ入学する前年度に行われます奨学生の予約採用という制度がございますが、その予約採用時の採用基準について、一般的には一定の学力基準が要るわけでございますが、学力が基準に達しない者でありましても、奨学金を貸与することによって基準以上の学力に達する見込みのある者は奨学生の選考の対象としていくという措置をとったところでございます。また、通常の奨学生募集の時期以外でも、家計支持者の死亡等によりまして家計が急変して修学が困難になった場合、途中で応急的に採用するという制度を積極的に活用するということも通知しているところでございます。 それで、一方におきまして、今お話がございましたように、交通遺児団体の関係者を中心といたしまして、交通事故の遺児だけじゃなくて災害遺児へも奨学金を支給すべきであるということで、そのための募金活動の動きも出てきておりますので、文部省といたしましても、このような動きにどういうふうにして対応していくのか、それが円滑に進んでいくように、結局民間におきまして災害遺児を対象とした新たな奨学制度が設けられるということは非常に望ましいという考えのもとに、まだ事務的な段階でございますが、関係のある一、二の省庁とその対応について協議をしている、そういう段階で。ございます。
○藤田委員 ちょっともう一回はっきりさせてほしいのですが、そうすると、その交通遺児育英会が今災害遺児に対しても自分たちと同じように進学の夢を実らせていきたいということで取り組んでいますね。それに対して、その交通遺児育英会が、災害遺児に対してもそういうことで交通遺児育英会として門戸を広げて、育英事業というのですか、そういう活動をしていくという場合もあるし、それから災害遺児育英会というふうに新たなものを創設することがあるけれども、いずれにしても文部省としては、その団体の方からそういうことで具体の話があれば、いつでもそれを受けて関係省庁と協議をして事が進むように構えていく、そういうふうに聞いておいていいんですか。
○廣田説明員 今お話しのとおり、その交通遺児育英会の方々の具体的な考え方を十分体して、今おっしゃられた方向で進めていきたいと思っております。
○藤田委員 大臣、ほかの大臣と違って一般的な立場じゃないと思うのですね。災害特別委員会で名前もそのとおりでありますけれども、自然災害で死亡した死亡者の数というのは、昭和四十年から六十年の二十一年間に六千百五十六人、これは防災白書を見ましてもちゃんと書いてあるのですが、これだけの数になっているわけです。ところが、この死亡者の遺族には三百万円の弔慰金制度があるだけなんですよ。これは私は、やはり非常に関係の深いところにおられる大臣だという御認識をぜひ持っていただいて、積極的にやっていただきたいと思うのですね。 もともと労災やその他の事故などでも、補償や救済制度が非常に不十分であるために根本的にはそういう問題があるかと思います。しかし、そういう自然災害を含めて突然の災害で親を失って非常に苦労している家庭に対して少しでも希望を持たせていくためにも、それこそ公約だというふうにおっしゃいましたけれども、大臣として積極的にお取り組みをいただきたい、そのことを申し上げているわけなんですが、もう一度御答弁をいただきたいと思います。
○綿貫国務大臣 自然災害による犠牲者に対してもっといろいろと手厚くしろ、こういう御意見だと思いますが、これにつきましては議会の中でも各党の皆様方が御協議をいただきまして、それらの問題について今までも十分御協議をいただいた結果が法律の中にあらわれておるものだと思っておりますので、今後議会の中でもそういう議論をひとつぜひ高めでいただきたいと考えております。
○藤田委員 最後に、運輸省にお願いをしておりますので、一つだけお伺いをしておきますが、交通遺児対策そのものについて、交通事故による死亡者が非常にふえ続けてきておりまして、昨年は九千三百十七人の死亡者をつくり出しております。事故対策も交通遺児の対策もまだまだ強化しなければならないと思います。 運輸省の方は、高校の授業料減免事業を行っておられるわけですが、六十二年度も一億三千百万円が予算化されました。しかし、まだその事業、国のそういう予算を受けていない県が四県あると聞きました。高知、京都、三重、沖縄、この四県について、なぜこういう状態になっていると考えておられるのか、そして運輸省としては、全国でたった四県に対して、ぜひとも国のこういうせっかくの減免事業を受け入れるように働きかけるべきだと考えますが、運輸省。
○中島説明員 お答えいたします。 運輸省といたしましては、交通遺児の高校進学を容易にするということで、自動車事故の被害者の救済対策の一環といたしまして、交通遺児の高校授業料の減免を行います都道府県に対しまして、自動車損害賠償再保険特会から事業に要する経費の二分の一を補助しているところでございます。 この補助金につきましては、先ほど先生もおっしゃいましたように、四十三の都道府県に対しまして実際に補助金を行っているところでございますけれども、残りの四府県、これは京都府、三重県、高知県、沖縄県の四府県でございますけれども、この四府県におきましても、各府県が独自に他の生活保護家庭の子弟の方々に対する減免事業等とあわせまして、交通遺児にも減免事業を行っておるというふうに聞いておるところでございまして、たまたま補助金の申請が出ていないだけであるというふうに承知しております。
○藤田委員 たまたま出ていないだけという、そんな、ちょっと無責任ですよ。四十七の中のたった四つだけ。私は直接この四県に聞いてみたわけです。そうしたら、どういう事業名ですかと聞かれたり、どこでやっている事業ですかという返りがあったりしまして、ああよく知らないんだなということを思ったのです。 同時に、おっしゃるように県が独自にやっておられるということも知っています。したがって、それが全部運輸省の責任というふうには言いませんけれども、やはりこの四県について、ぜひ国の予算を活用して一層県が独自でやっている制度が充実する方向でぜひとも働きかけをしていただいて、全国まんべんなく進むようにお願いをしておきたい。時間がありませんので、最後にイエスかノーかだけ言ってください。 それから、長官、今お聞きのように、それは自賠責特会といういわば特別会計からだと言われればそれまでなんですが、やはり大分予算を使っているんです。それで、その交通遺児育英会、これは、今のは県の高校授業料減免事業ですが、それとは別のこの育英会にも金を出して、それでその交通遺児育英会がずっと発展をしてきております。そういう面でも私は、国土庁長官として国のそういう意味での積極的な働きを心から期待するわけです。 それでは、運輸省にお願いします。
○中島説明員 先生の御質問のように、各四府県に対しまして事情をお聞きしまして、もし補助金の交付申請があればそれにこたえたいと考えております。
○綿貫国務大臣 災害遺児の問題につきましては、非常に重要なことでございますので、私どもはさらに前向きに取り組んでいきたいと考えています。
○藤田委員 ありがとうございます。
○伊藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時五十二分散会