建設委員会土地問題に関する小委員会 第1号
- 発言数
- 5 件
- 登壇者
- 3 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1987/05/20
会議録
○村岡小委員長 これより土地問題に関する小委員会を開会いたします。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 現下の東京圏を中心とした地価高騰は異常なものがあります。このような状態は健全な経済活動を阻害するばかりでなく、国民生活の安定にも多大な影響を与えるものであります。狭い国土を有効に活用することこそ、二十一世紀の日本の一層の活力を保障するものであります。この意味において、土地問題の解決こそ緊急かつ重要な課題であると存じます。 小委員各位の御意見を踏まえ、関係当局並びに広く識者の御意見を伺い、適切な方策を講ずるべく検討を重ねてまいりたいと存じます。何とぞ、よろしくお願い申し上げます。 土地問題に関する件について調査を進めます。 この際、土地問題について政府から説明を聴取いたします。国土庁清水官房長。
○清水(達)政府委員 最近の地価動向等の概況につきまして御説明申し上げます。 先日発表いたしました六十二年の地価公示によりますと、地価は最近全国的には安定をいたしておりますけれども、東京等一部地域におきましては著しい上昇が見られ、特に東京においては、商業地、住宅地ともに地価上昇の著しい地域が拡大をいたしております。このため国土庁といたしましては、事務所床供給の推進、投機的取引の抑制を柱とする地価高騰対策を進めているところでございますけれども、政府といたしましては先般の地価対策関係閣僚会議におきまして、第一に土地取引規制の強化、第二に国等が土地売買等の契約を締結しようとする場合の適正な地価の形成のための配慮、第三に投機的土地取引抑制に関する土地税制の改善、第四に土地関連融資の適正化等を内容とする地価対策が了承されたところでございまして、これを実施すべく鋭意努力中でございます。 特に、土地取引規制の強化につきましては国土利用計画法の改正案を国会に提出し、建設委員会で御審議いただく運びとなっておりますし、また土地税制につきましても、二年以下の超短期保有の土地の譲渡益に対する超重課制度の創設、それから、短期保有として重課されております土地の所有期間を、十年から五年へ短縮する長短区分の見直しにつきまして国会の御審議をお願いしているところでございます。これらの施策が実施されますれば地価抑制に相当の効果があるというふうに考えているところでございます。 今後とも、地価対策関係閣僚会議を機動的に開催する等、政府一体となって効果的かつ総合的な地価対策を推進してまいる所存でございますが、建設委員会小委員会の諸先生方におかれましても、現下の地価高騰の現状を踏まえ、幅広い見地から土地問題についての御論議をいただきまして、私どもに御教示賜りたいというふうに考えております。 なお、地価動向、地価上昇の要因、対策等の詳細につきましては、さきに国会に御報告申し上げました国土利用白書に基づきまして土地局次長から御説明申し上げますので、よろしくお願いいたします。
○村岡小委員長 片桐土地局次長。
○片桐説明員 土地局次長の片桐でございます。 六十一年度の国土利用白書に基づきまして、近年の地価動向につきまして御説明させていただきます。 お手元に資料をお配りしてございますけれども、これにつきまして一ページから説明してまいりたいと思います。 最初に、近年の地価動向の特徴について説明させていただきます。 六十二年一月一日現在の地価公示につきましては四月一日に公表いたしたわけでございますけれども、この地価公示では東京圏を中心に著しい上昇を示している一方、ほとんどの地方圏では地価が極めて安定しておるという、地価上昇の二極分化現象が非常に顕著にあらわれているわけでございます。これにつきましては表−1のところに示してございますけれども、一審右側の六十二年の地価公示の全用途平均の上昇率を見ていただきますと、東京圏が二三・八%というふうに突出した上昇率を示しておりますけれども、その他の地域では大阪圏が四・六%、名古屋圏が二・四%、地方平均が一・五%と極めて安定した傾向を示しているわけでございます。 このような最近の地価上昇傾向が過去の地価上昇と比べてどういう特徴があったかということにつきまして説明してみたいと思います。 地価公示が昭和四十六年一月から始まったわけでございますけれども、図−一に示しておりますように、過去四十八年、四十九年に極めて高い上昇率を示しております。それから、その次には五十五年、五十六年の地価公示が一〇%前後の上昇率を示しております。過去二度のこの上昇局面と今回の上昇にどういう違いがあるかということについて見てみたいと思いますけれども、まず四十八年、四十九年の地価公示、これは一月一日現在で示しておりますので、実際の地価上昇は四十七年、四十八年に起こったというふうに見てよろしいと思いますけれども、四十七年、四十八年の地価上昇におきましては圏域を問わず著しい地価上昇があったということでございます。これは表−1、公示価格年別変動率の表で四十八年、四十九年のところを見ていただきますと、各圏域とも三〇%前後の上昇率を示しているわけでございます。 このときの上昇の要因といたしましては、企業の事業用地取得需要や大都市への人口の集中等による住宅地需要の増大、それから列島改造ブームと過剰流動性を背景とする投機的な土地需要の発生ということで、四十七、八年には宅地ばかりではなくて農地、林地も含めた地価上昇が見られたわけでございます。 これが四十九年にマイナス九・二%というふうに土地の価格が下落いたしまして、その後数年間安定しているわけでございますけれども、その要因といたしましては、石油ショックの影響、総需要抑制政策への転換、国土利用計画法の施行、土地税制の改善等が挙げられると思います。 その次に五十四年、五十五年の地価上昇の局面でございますけれども、このときには主として三大都市圏の住宅地において著しい地価上昇が見られたわけでございます。これは下の表の五十五年、五十六年のところを見ていただきますと、三大都市圏が一〇%を超える上昇率を示しているわけでございます。なお、このときには地方の方も七・三%、八・三%とある程度の値上がりを見せているわけでございます。 このときの上昇の要因といたしましては、家計の資金調達能力の上昇等を背景とする堅調な住宅需要が要因であったというふうに思っております。 五十六年以降また安定しておりますけれども、その安定した要因といたしましては、地価、建築費の高水準、経済の先行きに対する不安、それから五十五年の金融引き締め政策等による住宅需要の冷え込みが要因であったというふうに考えております。 それでは、今回の東京圏の地価上昇の状況でございますけれども、その次のページで東京圏の住宅地における地価上昇についてもう少し詳しく見てみたいと思いますけれども、これを見ますと、距離圏により大きく上昇率が異なるわけでございます。 表−2の変動率の表を見ていただきますと、六十二年、一番右側のところで見ますと、五キロ未満、都心部のところが一番高い上昇率を示しておりまして、次第に距離圏が遠くなるにしたがって上昇率が低くなっているというふうな状況があらわれているわけでございます。これが例えば五十五年、五十六年の状況を見ますと、これは距離圏にかかわらずほぼ同様の上昇率を示しているという状況と非常に大きく違っているところでございます。 それからもう一点、商業地について東京圏とそれ以外の圏域との格差が非常に大きくなっているということを見てみたいと思います。 表−3のところに五十二年、五十七年、六十二年、五年ごとの数字をあらわしてございますけれども、東京を一〇〇とした場合に、例えば五十二年のときには大阪圏八一、名古屋圏三一、そういう格差だったのが、六十二年では大阪圏が四一、名古屋圏一六というような形で、都市圏ごとの商業地の価格の格差が非常に大きくなっているということが出ておるわけでございます。 それから、参考までにその次のページで、日本の住宅の価格とそれから米国の住宅の価格との比較を今回の白書で説明しておりますので、紹介したいと思います。 これは戸建て住宅価格と年収との関係を示してございますけれども、東京圏、大阪圏、ここでは住宅価格が三千五百万円前後ということで出ておりますけれども、この住宅の内容といたしましては、注の(1)に書いてございますけれども、敷地面積が二百平米前後、それから延べ床面積が百平米前後、この程度の住宅ということで見ております。これが年収との関係では六・一倍ないし六・六倍ということでなっております。それに対しまして例えばニューヨークとかロサンゼルス、アメリカの大都市について見ますと、住宅の価格が約十四万ドル前後というふうになっておりますけれども、これをもし円で換算するとすれば、これは八五年の統計でございますので、八五年当時の例えば二百円というようなことで換算しますと二千八百万円、それから最近のドルレート例えば百四十円ということで換算いたしますと、約二千万円というような価格になるわけでございます。これを年収と比較した場合には三・三倍程度ということで、日本の住宅の価格が年収に比べて非常に高いということが出ているわけでございますけれども、これはやはり土地の価格の違いがここにあらわれているというふうに私どもは思っているわけでございます。 それから、その次のページに参りまして、このような地価上昇の要因につきまして説明いたしたいと思います。 東京を中心とした今回の地価上昇は、まず五十八年ごろから都心の商業地において始まったわけでございます。それが次第に周辺の商業地、周辺の住宅地に波及していったということでございますけれども、その要因といたしまして次のようなものが挙げられると思います。 まず、東京都心の商業地の地価上昇の基本的な要因といいますのは、国際化とか情報化、サービス化等の我が国経済の構造変化に伴いまして、東京に本社機能を移すとか本社機能を拡大するとか、それからまた外資系企業が進出するとか情報サービス業が新しく事務所を持つ、そういうような形で事務所需要が非常に旺盛になりまして、そのためのビル用地需要が増大したということが非常に大きな原因であったというふうに思っているわけで。ございます。 表−4を見ていただきますと、それぞれの都市の空室率を示しておりますけれども、「参考」のところの一番上に書いてあります東京のところを見ていただきますと、東京の空室率が〇・四とか〇・二というふうに非常に低くなっておりますけれども、これが東京におけるビルの逼迫状況ということを示しているものと思っております。 次に、(2)でございますけれども、事務所利用への転換とか都心部でのビル建設に伴います買いかえ需要によりまして、周辺住宅地の価格が上昇してきたということでございます。 それからその次には、このような買いかえ需要を当て込んだ一部業者による転売目的の土地取得とか手当て買い、こういうものが地価上昇に一層の拍車をかけたのではないかと見ております。 それからまた、金融の緩和状況がこのような投機的土地需要を増幅したのではないかということでございます。 金融に関する資料といたしましては図−3に示しておりますけれども、六十年、六十一年の全国銀行貸出残高の前年対比の伸び率が平均的に見て一〇%程度でございますのに対しまして、いわゆる不動産業に対する貸出残高につきましては三〇%から四〇%の伸びを示しているということでございます。 それからまた、その下の図でございますけれども、金利が非常に低下しているという状況でございます。 その次に、五ページでございますけれども、今後の地価の動向はどうなるのであろうかということでございます。 まず最も重要な問題は、東京におけるビルの需給関係が今後どうなるのかということでございます。今度の白書では、東京都心五区において今後昭和七十五年までの十五年間にさらに必要とされる事務所床需要につきまして推計をいたしておりますけれども、推計の仕方といたしましては、一人当たりの事務所床面積の伸びとか就業者人口の増加、こういうものをもとにして推計いたしておりますけれども、十五年間で約千百ヘクタール程度必要であろうというふうに見ております。年平均で見ますれば約七十四ヘクタールぐらいになろうかと思います。 これに対しまして、再開発事業の推進等により現状の法定容積率の活用、それから工場跡地、国公有地等の有効活用を図ることによりまして、都心部及びその周辺から十分需要に見合う事務所床供給が可能であると考えております。 右側の表を見ていただきますと、まず一番目の「都心五区の未利用容積率」でございますけれども、現在の充足率は六一%、これは年次がちょっと古いわけで、五十六年の時点の現況容積率で計算しておりますけれども、充足率六一%という状況でございます。 それから「既成市街地からの事務所床供給の可能性」ということで見ておりますけれども、六十一年の都心五区の事務所床のストックが二千九百六十ヘクタールございます。これが五十五年から六十一年の間に約五百ヘクタールのストックがふえておりますけれども、一年平均で約八十四ヘクタール程度の増加というふうになっております。これが七十五年には、ストックペースで約四千百ヘクタール、増加分といたしましては約千二百ヘクタール増加が可能であるというふうに見ておるわけでございます。 それから、一番下の3の「東京臨海部等における再開発による床供給の可能性」でございますけれども、十三号埋立地等の東京臨海部、それから汐留貨物駅の敷地、東京駅周辺、こういうところの開発によりまして、約千四百ヘクタールの床の供給が可能であるというふうにされております。 このような数字から見まして、事務所床の今後の状況は十分に需要に見合う供給が可能であるというふうに判断しているわけでございます。 その次のページに参りまして、最近、東京都心部を中心に事務所床供給が活発化しておりますし、また、事務所賃料も既に国際的水準から見ても極めて高水準になっているということでございます。 右側の図−4を見ていただきますと、五十五年から六十一年までの事務所床の供給の推移を東京都につきまして見ておりますけれども、例えば都心五区、二十三区、東京都計、こう三段階になっております。一番下の分が都心五区の分でございます。これだけ見ていただきましても、大体五十五年から六十年ぐらいまで見てみますと、百ヘクタールから百四十ヘクタールぐらいの年々の供給があったということでございます。それに対しまして、六十一年には二百三十二ヘクタールの供給ということで、非常に供給も活発化しているということが言えると思います。 それから、その下の表でございますけれども、これは主要都市のオフィス賃料水準を比較したものでございます。資料がちょっと古いわけでございますけれども、一九八五年十二月時点で比較をいたしますと、東京の場合に坪当たり、月の賃料でございますけれども、四万一千四百円というふうになっております。それに対しましてニューヨークが二万四千円、これは注(1)で換算レートが書いてありますけれども、一ドル二百三円ということで換算いたしておりまして、ニューヨークに比べて東京は七割ぐらい高いというのが出ております。それから、ロンドンが三万二千四百円ということで、東京はロンドンよりも三割ぐらい高いというような状況でございます。 ごく最近の数値ということで、東京だけ一九八六年十二月時点で五万三千五百七十円という数字が示してございます。これは、もう既にここで四万一千四百円から約三割ぐらい賃料が上がっているということになっております。ニューヨーク、ロンドンの新しい数字がございませんので、八五年十二月時点の価格、例えばニューヨーク二万四千円はそのままである、ただ円高でもってドルの換算レートだけを変えて計算するということで、注(1)のところで書いてございますけれども、一ドル百四十六円ということで換算した数字が、その下に括弧で書いてありますニューヨーク一万七千三百円という数字でございます。これと東京の五万三千五百七十円を比較いたしますと約三倍以上の賃料水準になっている。それからまたロンドンの場合でも、約二倍以上の賃料水準になっているということでございます。こういうような状況を反映いたしまして、東京都心部、それから東京の南西部の地価は天井感が出てきたとする見方が有力となっておるわけでございます。 次に、地価の安定を図るための対策といたしまして、国土利用白書では次のようなことを述べているわけでございます。 一つは、東京都心部への一極集中構造、これを是正する必要があるということで、そのための方策といたしまして業務核都市の育成とか他の大都市圏への分散、それから地方への分散を図る必要があるという点でございます。 第二点といたしましては、都市再開発の推進、埋立地、工場跡地等の有効活用によりまして土地供給の推進が必要である。それからまた、市街化区域内の農地につきましても計画的な宅地供給というもので活用していくべきであるということを考えております。 その次の対策といたしましては、土地取引の動向を十分監視するとともに、国土利用計画法の改正及びその適切な運用、所有期間二年以下の超短期譲渡益に対する重課税制度の早急な実施を図りまして、投機的な土地取引を抑制してまいる必要があるということでございます。 それからその次の対策といたしましては、借地とか土地信託、事業受託等地権者参画型の供給手法、これは売買による地価の顕在化を防ぎつつ土地の有効利用を促進するという上で極めて有効である、こういう手法を今後大いに活用していく必要がある、こういうことで、ございます。 以上で説明を終わります。
○村岡小委員長 以上で政府からの説明聴取は終わりました。 本日は、これにて散会いたします。 午前十一時二十六分散会