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108回国会衆議院1987/05/14

建設委員会 第2号

発言数
172
登壇者
30
会派数
5
開催日
1987/05/14

会議録

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 これより会議を開きます。   建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、建設行政の基本施策及び国土行政の基本施策について、建設大臣及び国土庁長官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。天野建設大臣。

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 建設行政の基本方針及び当面の諸施策について、私の所信を申し述べます。  最近の我が国経済の課題は、行財政改革を推進する一方、内需を中心とした景気の持続的拡大を図り、雇用の安定と地域経済の活性化を積極的に図っていくことにあります。  このため、昭和六十二年度の建設省関係予算については、歳出規模を厳しく抑制するという予算編成方針のもとではありましたが、道路特定財源の全額確保、財政投融資資金の積極的活用、民間活力の活用、補助率の暫定的引き下げ等の措置を講ずることにより、事業費の確保に努めたところであります。  また、昭和六十二年度の税制改正については、民間活力を活用するための税制の創設、土地譲渡益課税の改善等が行われることとなっております。  御承知のとおり、国土建設の目標は、住宅・社会資本の整備を通じ、国土の均衡ある発展を促進し、活力ある経済社会と安全で快適な国民生活を実現することにありますが、我が国の住宅・社会資本の整備はいまだ立ちおくれた状況にあります。  このため、昭和六十二年度においては、民間活力の活用による都市開発の促進のための新たな施策の展開等を図り、住宅・社会資本の整備を強力に推進していく所存であります。  以下、当面の諸施策について申し述べます。  第一に、都市対策であります。  これからの都市整備に当たっては、本格的な都市化、情報化、産業構造の高度化等に適切に対応するとともに、それぞれの地域の特性を生かしながら、安全で個性と魅力ある都市を形成することを目標として、長期的展望のもとに、総合的、計画的に都市政策を推進していくことが必要であります。  このような観点に立って、都市計画を適切、有効に推進するとともに、街路、公園、下水道等の都市基盤施設については、五カ年計画に基づき、計画的かつ効率的にその整備を進めてまいりたいと存じます。  さらに、内需の拡大、都市機能の高度化等に資するため、市街地開発事業等の一層の拡充・推進を図るとともに、新たに地方都市等に配慮した民間事業者による都市開発を推進するための制度の創設を図ることとしております。  また、都市近郊集落の計画的整備を進めるための措置を新たに講ずるとともに、都市の防災構造化の促進、都市緑化の積極的推進と「国際花と緑の博覧会」の準備を図ってまいります。  第二に、住宅・宅地対策と建築物の整備であります。  住宅は、国民の生活の基盤であり、家族の団らんの場であります。本年は国際居住年にも当たっており、内需拡大の要請にもこたえながら、第五期住宅建設五カ年計画に基づき、総合的な施策を展開してまいる所存であります。  このため、住宅金融公庫の貸し付け条件の改善及び住宅税制の拡充等を図るとともに、大都市地域等における公共賃貸住宅の的確な供給、既成市街地における良質な市街地住宅の供給、既存住宅ストックの有効活用、高齢者対策の充実、地域に根差した住まいづくりの推進、木造住宅の振興等の施策を推進してまいりたいと存じます。  また、宅地対策については、地価の安定に留意しつつ、良質な宅地の供給を促進するため、公的宅地開発の推進、政策金融の活用、関連公共公益施設の整備等を図るとともに、特に、線引きの見直しの促進、開発許可制度の適切な運用、土地関係税制の改善等に重点を置いて各般の施策を総合的に推進してまいりたいと存じます。  さらに、建築物の整備については、技術開発等の推進、総合設計制度等の一層の活用を図るとともに、建築規制に関し、経済社会の変化に対応した適切な見直しを図ってまいりたいと存じます。  第三に、国土の保全と水資源の開発であります。  我が国の国土は、洪水・土石流等に対して極めて弱い体質を持っておりますが、その保全施設の整備はいまだ立ちおくれております。  このため、新たに昭和六十二年度を初年度とする第七次治水事業五カ年計画を策定し、重要水系の河川の整備、土石流・地すべり対策等を計画的かつ強力に推進するとともに、海岸事業及び急傾斜地崩壊対策事業をそれぞれの五カ年計画に基づき積極的に推進してまいる所存であります。  また、災害対策の充実を図るため、新たに災害関連緊急事業の制度を創設し、その着実な実施に努めてまいります。  さらに、安定した水供給を図るため、多目的ダムの建設等による水資源の開発を促進してまいる所存であります。  なお、地域に密接した豊かで潤いのある河川の整備を一層促進するため、河川の整備に市町村長が参加できることとする等の方策を講ずる所存であります。  第四に、道路の整備であります。  道路は、国土の均衡ある発展、活力とゆとりある地域社会の形成及び安全で快適な生活環境の確保を図るために欠くことのできない基本的な公共施設であります。  しかしながら、我が国の道路整備は、いまだ質量ともに立ちおくれております。  このため、第九次道路整備五カ年計画に基づき、高速自動車国道から市町村道に至る道路網を体系的に整備していくとともに、多様化し高度化する国民の要請にもこたえてまいる所存であります。  特に、高速自動車国道に対する国の助成措置の強化を図るなど有料道路事業の推進を図るとともに、全国的な高規格幹線道路網の計画を早期に策定する所存であります。  なお、民間活力を活用しつつ、東京湾横断道路及び明石海峡大橋の建設を推進するとともに、新たに伊勢湾岸道路の建設に着手することとしております。  第五に、建設産業・不動産業の振興であります。  建設産業については、建設業の許可基準の見直し、許可審査事務の厳正化、元請・下請関係の合理化、中小建設業者の育成、建設労働・資材対策等その健全な発展を図るための施策を中長期的展望に立って展開してまいる所存であります。  不動産業については、その一層の振興を図るため、高度情報化社会に対応した不動産流通市場の整備を初めとする各種施策を推進してまいりたいと存じます。  また、経済・技術協力等によって、開発途上国の経済社会基盤施設の整備等建設分野における国際交流の一層の推進に努めてまいる所存であります。  このほか、高速自動車国道等のネットワークを活用した高度情報通信網の整備、高度情報化に対応した都市整備及び建築物整備の推進等を図るとともに、豊かな自然環境と都市機能の調和のもとに、人々が憩い、学ぶことのできる複合的なリゾート地域の整備、先端技術の活用等による建設技術の研究開発について積極的に推進してまいる所存であります。  以上、私の所信を申し述べましたが、その推進に当たっては、所管行政の合理化、効率化を図るとともに、綱紀の保持に努め、国民の信頼と期待にこたえる考えであります。  委員長を初め委員各位の御指導と御鞭撻をお願いいたします。(拍手)

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 次に、綿貫国土庁長官。

綿貫民輔自由民主党国土庁長官

○綿貫国務大臣 国土行政の基本方針及び当面の諸施策について、私の所信を申し上げます。  我が国は、経済社会環境の変化の中で歴史的ともいうべき転換期を迎えており、内需主導型の経済成長等により経済構造調整の推進を図ることが求められております。また、人口の高齢化、全国的な都市化現象、急激かつ広範な技術革新等の潮流への対応も従来にも増して重要となってきております。  このような変化に的確に対応しつつ、二十一世紀を見通した長期的な展望のもとに、国土の均衡ある発展を図り、住みよい国づくり、地域づくりを進めるため、私は、次に述べる諸施策を積極的に推進してまいる所存であります。  第一は、国土計画の推進であります。  まず、国土政策の根幹となる全国総合開発計画については、二十一世紀への国土づくりの指針となる第四次全国総合開発計画の策定作業を鋭意進めてまいります。計画立案に当たっては、各地域がその特性を生かしつつ、多様性を持ちながら活性化し、適切に機能分担している姿、いわば多極分散型国土の構築を目指すこととしております。あわせて国土利用計画についても体系的整備を推進してまいります。  また、定住構想を引き続き推進するとともに、関係省庁の公共事業を円滑に推進するため、国土総合開発事業調整費を活用し、事業及び調査の調整を行ってまいります。  なお、国土行政の一環として、沿岸域を含む海洋について、長期的視点に立った総合利用のあり方を引き続き検討してまいります。  第二は、地方振興の推進であります。  多極分散型国土を形成するため、二十一世紀に向けての基本的、総合的な地方振興施策の検討及び地方定住基盤の整備と地域経済の活性化のための地方振興プロジェクトの推進を図るとともに、四全総に対応した新しい東北、北陸、中国、四国及び九州の各地方開発促進計画の策定及びこれに基づく振興施策を推進してまいります。  また、新産業都市、工業整備特別地域、テクノポリス地域の整備により、地方産業拠点の振興を図るとともに、田園都市構想モデル事業などによる魅力ある圏域づくり、花と緑、伝統文化などの地域の個性を生かした町づくり、生活環境と生産基盤の調和した豊かな村づくりを進めるため、地方都市と農山漁村について総合的な整備を図ってまいります。  さらに、過疎地域、振興山村、豪雪地帯、特殊土壌地帯、離島、奄美群島、小笠原諸島、半島などについても各種の特別事業の実施、生活環境の整備、産業の振興などを積極的に進めることにより、計画的、総合的振興を引き続き推進してまいります。  特に、豪雪地帯については基本計画を改定し、これに基づき豪雪地帯の振興施策の総合的推進に努めることとしております。  また、特殊土壌地帯については、既に特殊土壌地帯災害防除及び振興臨時措置法の期限を五年間延長していただいたところであり、引き続き所要の施策を推進してまいる所存であります。  さらに、ゆとりある国民生活の実現と地域の振興を目指して、民間事業者の能力の活用により広く国民が利用できるリゾート地域を整備していくため所要の措置を講ずることとし、今国会に関係省庁と共同してリゾート地域整備のため総合保養地域整備法案を提出し、御審議をお願いしているところであります。  第三は、大都市圏整備の推進であります。  大都市圏の整備と秩序ある発展を図るため、新しい三国の大都市圏整備計画、首都改造計画、新しい近畿の創生計画及び二十一世紀中部圏計画を積極的に推進してまいります。  また、東京大都市圏における核都市の育成整備及び筑波研究学園都市の育成整備を図るとともに、琵琶湖総合開発事業の計画的な実施、関西文化学術研究都市建設の推進及び関西国際空港関連施設整備の推進を図るなど、各地域の総合的整備についても積極的に取り組んでまいります。  第四は、総合的な土地対策の推進であります。  土地は、国民の生活と生産を通ずる諸活動の共通の基盤であり、地価の安定と適正かつ有効な利用の推進を図ることが極めて重要であります。  地価は、現在、全国的には安定傾向を示しておりますが、東京等一部地域においては著しい上昇が見られます。  この地価高騰に対しては、土地取引の適正化と土地供給の促進の両面からの対策を進めてきたところであり、特に、土地取引の適正化については、小規模土地取引の規制の強化、土地取引動向の監視の強化等の投機的取引の抑制策を講じてまいりました。さらに、現在、国土利用計画法の改正及び超短期重課制度の創設等土地税制の改正について法案を提出し、御審議をお願いしているところであります。  国土利用計画法については、地価が急激に上昇している地域等で都道府県知事が指定する区域において土地取引の届け出を要する面積の限度を引き下げることができることとすること等を内容としており、その速やかな御審議をお願いする所存であります。  また、国土利用計画法の的確な運用、地価公示の拡充等により、長期的な地価の安定傾向の定着を図るとともに、土地信託、借地といった所有者参画型の土地供給手法の活用等による土地の有効利用の推進を図ってまいります。  今後とも、地価対策関係閣僚会議を機動的に開催し、効果的かつ総合的な地価対策を政府一体となって強力に推進してまいる所存であります。  第五は、総合的な水資源対策の推進であります。  水資源の安定を図ることは、国土行政を推進する上で基本的な課題の一つであります。  このため、経済社会情勢の変化、連続して発生する渇水などに対応し、二十一世紀を展望して策定する新しい水資源に関する長期計画及び利根川水系、荒川水系などにおける水資源開発基本計画に沿い、水源地域対策等の充実を図りつつ、積極的に水資源開発を推進してまいります。  さらに、地盤沈下防止等対策要綱に基づく諸対策の推進など地下水利用の適正化を推進するとともに、「水の週間」行事の実施、雑用水利用の促進など水資源の有効利用に努めてまいります。  第六に、災害対策についてであります。  国土を保全し、国民の生命及び財産を地震、火山噴火などの災害から守ることは国の重要な責務であり、国土庁といたしましては、関係省庁との緊密な連携のもとに、各般にわたる災害対策を総合的かつ計画的に実施していく所存であります。  昨年は、豪雪、梅雨前線豪雨、台風第十号及びその後の低気圧、伊豆大島及び桜島の火山噴火などによる災害が発生いたしました。これらの災害応急対策等に努めてきたところでありますが、今後とも、これらの災害に係る復旧事業等の促進に努めることといたしております。特に、伊豆大島の火山噴火に対しましては、緊急観測監視体制及び活動火山対策特別措置法に基づく避難施設の整備推進等の対策を講じてきたところであり、今後とも適切に対応してまいる所存であります。  なお、そのほかの火山対策については、全国の活動的な火山に係る防災体制の整備を促進するとともに、特に火山活動が活発化している桜島については、降灰対策、土石流対策などを総合的に推進してまいります。  次に、震災対策については、発生が懸念されている東海地震に対処するため、引き続き防災体制の充実、地震対策緊急整備事業の促進等を図るとともに、落下物対策の推進、防災基地の整備等をより一層進めることとしております。  また、近年多大の被害を発生させている土砂災害については、関係省庁との連携を図りつつ、治山砂防施設の整備、警戒避難体制の整備など、総合的な対策を推進していく所存であります。  さらに、防災無線網の充実強化を図るほか、情報化に対応した総合的な防災対策の推進を図ることとしております。  最後に、国際化の推進であります。  本年は国際連合が定めた国際居住年に当たり、これに関連した各種事業の推進を図るとともに、国連人間居住委員会等との協力の拡充、水資源開発についての技術交流等国土政策に関する国際協力を引き続き積極的に推進していくこととしております。  以上、国土行政に関する所信を申し述べましたが、これらの施策の強力な推進に全力を挙げて取り組んでまいりますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。(拍手)

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 次に、昭和六十二年度建設省関係予算及び昭和六十二年度国土庁関係予算について、それぞれの概要説明を聴取いたします。東家建設政務次官。

東家嘉幸自由民主党建設政務次官

○東家政府委員 建設省関係の昭和六十二年度予算について、その概要を御説明いたします。  建設省所管の一般会計予算は、歳入百八十六億八千六百万円余、歳出三兆六千八百五十五億二千七百万円余、国庫債務負担行為五千三百四十一億七千二百万円余でありますが、建設省に移しかえを予定されている総理府所管予算を合わせた建設省関係の一般会計予算では、歳出四兆二千二百六十九億八百万円余、国庫債務負担行為五千六百七十億千百万円余を予定いたしております。  次に、建設省所管の特別会計予算について御説明いたします。  まず、道路整備特別会計では、歳入歳出とも二兆七千五十一億七千八百万円余、国庫債務負担行為二千三百六十七億三千六百万円余を予定いたしておりますが、歳入については、臨時的な措置として揮発油税収入の一部直接組み入れ及び資金運用部からの借り入れを行うことといたしております。  また、治水特別会計では、歳入歳出とも一兆千七百二十八億七千六百万円余、国庫債務負担行為二千五百三十四億五千六百万円余、都市開発資金融通特別会計では、歳入歳出とも九百三億二千二百万円余を予定いたしております。  次に、大蔵省と共管の特定国有財産整備特別会計のうち、建設省所掌分については、歳出百十九億八千八百万円余、国庫債務負担行為二百二億三千三百万円余を予定いたしております。  建設省といたしましては、以上の予算によりまして、都市対策、住宅宅地対策、国土保全・水資源対策、道路整備等各般にわたる施策を推進してまいる所存であります。  なお、建設省関係予算の事業別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります昭和六十二年度建設省関係予算概要説明によりまして御承知を願いたいと存じます。  以上、よろしくお願いいたします。(拍手)

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 次に、工藤国土政務次官。

工藤巖自由民主党国土政務次官

○工藤(巌)政府委員 総理府所管のうち国土庁の昭和六十二年度一般会計歳出予算について、その概要を御説明いたします。  国土庁の一般会計歳出予算は、二千二百九十三億九千百万円余を予定しておりまして、前年度予算に比べ四十四億四千五百万円余の城となっております。  その主要な内容は、  第一に、第四次全国総合開発計画の普及等の国土計画の推進  第二に、地価の安定、適正な土地利用の促進等の総合的土地対策の推進  第三に、水資源の開発及び有効利用の促進等の総合的な水資源対策の推進  第四に、良好、安全な都市環境の整備を図るための大都市圏整備の推進  第五に、人口の地方定住を促進し、国土の均衡ある発展と活力ある地域社会の形成を図るための地方振興の推進  第六に、地方都市の開発整備、工業の再配置及び産炭地域の振興を図るための地域振興整備公団の事業の推進  第七に、国土を保全し、国民の生命及び財産を災害から守るための総合的災害対策の推進であります。  国土庁予算の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります昭和六十二年度国土庁予算概要説明によりまして御承知願いたいと存じます。  以上、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 以上で両大臣の所信表明並びに関係予算の概要説明は終わりました。     ―――――――――――――

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。三野優美君。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 おはようございます。ただいま建設、国土庁両大臣から所信表明がございましたし、常日ごろ建設大臣には建設行政について非常に熱心に取り組んでおられるわけでございますが、この際、中曽根内閣の主要な役割を果たしている建設大臣に一、二お尋ねしておきたいと思うのであります。  去る十二日の閣議後の記者会見で、建設大臣は公共事業について非常に熱心に取り組むという姿勢を示しながら、補正予算の規模は、政府は五兆と言っているのですが、五兆五千億ぐらい要求していきたい、これは譲れない部分だという御発言をされているようでございます。  そこで、ひとつ大臣にお尋ねしたいのでおりますが、その五兆五千億という規模の理論的な根拠、大臣としての五兆五千億必要だという理論的な根拠、これは一体どこに求めておられるのか、お尋ねをしておきたいと思います。  同時に、この五兆五千億というのは、さまざまな議論があるわけでありますが、政府の五兆の中ではいわば減税も含まれるという意見がある。建設大臣は、いや一般公共事業が五兆五千億だと言っておられるのか、そこらの点についてちょっとお尋ねをしておきたいと思うのであります。きょうも新聞によりますと、アメリカの財務長官までが五兆円というのは減税を枠外に出せよと、いわば外国からも日本の国内の予算についてとやかく言われるような事態でありまして、もちろん我々は我々の国内問題として対応すべきでありますが、やはり国際的な環境というのは無視できない状況の中にあるわけなんで、この点をまず第一点としてお尋ねをしておきたいと思うのであります。  いま一つは、この際ですから、大臣は建設行政非常に長い経験を持っておられるようでありますが、先般来建設省から六十一年度の公共工事の請負金額のブロック別の経過が発表になっているわけであります。これを見ますると、かなりのアンバラがあるわけですね。私の手元にあるものを見ても、対前年度比、関東では一二・三%、北海道は二・〇%、北陸はマイナス二・九%、四国も三・五%、沖縄はマイナス六・六%ということになっているわけでありまして、これらを見る限りにおきましては、もちろん私はやはり事業が対前年度では集中的に行われていた、あとそれが終わったということもあると思いますが、しかしそれにしてみても、この近畿の一六%、関東の一二・三%と見る限りにおいては、大都市に集中している、もちろんこれは市町村の単独事業も含めてでありますけれども。地方自治体の財政状況とのかかわりもあると思うのでありますが、私は行政の公平化から言うならば、もっとバランスをとる必要があるのではないか。もちろん大都市の財政力が強いから、おまえのところは勝手にやれというわけにはいかないにしてみても、おおよそ全国的にはバランスをとる必要があるのではないか。この限りにおいては何といっても大都市中心に設備が行われておる、地方へ行けば行くほど薄くなっているという現実は見逃せない事実だと思うのでありますが、こういう実態についてどのように理解されておるのか、この際お尋ねをしておきたいと思うのであります。  それからもう一点、これは実は通告してない分でありますが、大臣、専門ですからひとつお尋ねします。  今日、公共事業に対して外国から、とりわけアメリカからの事業参加の要請が非常に強い。今、当面問題になっているのは、いわば関西新国際空港にぜひ参入したいという意見があるのでありますが、それはそれとして、建設省としてこれからの建設事業に対する外国からの参入、今そう多くはないようでありますが、その希望の見通しあるいはそれに対してどのように対応をしようとしているのか、少し中長期的に見解をいただきたいと思うのであります。

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 近く――どういう言葉を使ったらいいのか、間違ったら大変ですから、会期が延長になるか臨時国会を召集するかという問題は、いわゆる政党間では話し合いがついたようでございますから臨時国会召集ということになるだろうと思いますし、その段階における補正予算の組み方の内容についてでございますが、理論的な根拠はまだ打ち合わせをしておりませんからありませんが、私は、建設省の執行能力の範囲内でできる最大限をひとつやりたい、そういう考え方でこの間発言をしたわけでありますが、減税分を含めるなんということはもってのほかでありまして、こんなことは私たちの方にはまだ何の話し合いもございません。  それと、五兆円以上という数字でありますが、六兆円以下とか五兆円以上、日本語は非常に難しいのですから、そういう点で五兆九千九百九十九億も五兆円以上でありますし、五兆と一億円でも五兆以上でありますから、そういう点で、できれば少しでも多くやってほしいから五兆五千億円ぐらい考えるようにしてほしいという発言をしたわけでございます。理論的根拠はありません。  ただ、事業費で、現在の建設省並びに公共事業を扱っている官庁の能力は大体七兆円ぐらいだそうでありまして、そういう点で、それにできるだけ近い数値という意味で、実は五兆五千億ぐらい出すようにしたらどうだ、ともかくも去年の補正は中身が空なんだからことしはそれ以上考慮すべきではないかという意味合いで発言をしております。  それからもう一つの外国企業の問題は、ちょっと発言がしにくいのであります。というのは、今アメリカに対して言っておることは、日本はオープンですから日本の建設業者が政府登録してやるような段取りでおやりなさい、そんならいいでしょうということで、決して受け入れを拒んでいるわけではありません。ところがなかなか過去の慣例からいってみたって、諸外国で一番仕事をとっているのは韓国でその次は日本ですから、あとはもうアメリカさんが出てきたって、アメリカが来たから特定に指名でやらせるなんというわけにはいきませんから、競争入札ですから、そういう点からいけば恐らくアメリカ企業は進出できないんじゃないか、私はそう想像したのですが、それでも業界関係の意向を聞く必要があるだろう。進出企業は三社だというのです、最近になって詰めてみれば。三社のうちの一社は日本に出ておりますが、あとの二社は全然影も形もありませんから、本当にやる意思があるのかどうかということを確かめる意味において業者間の話し合いをしようということに合いたしております。  それからもう一つは、具体的には事務当局から説明させますが、公共事業の配分計画は、今先生のおっしゃるように大都市中心であってはいけない、特に東京中心であってはいけない、そういう考え方で、惰性的な、配分計画としては我々は今までの関係もありますからやっておると思いますが、私の場合は去年の補正から実質的に配り始めたのでありますが、今の段階では、御承知のように円高によって不況をこうむった地域に重点的な配分をしたいというので、実は去年の補正から、ことしの今審議されておる予算でもそうでありますが、できるだけそういう地域に重点的に配分しようということでやっていることは事実であります。  今までの過去の数字については事務当局から説明いたさせます。

高橋進建設省大臣官房長

○高橋(進)政府委員 今先生から具体的に数字をお示しになりましたが、これは建設保証会社の統計の数字で、そのとおりでございます。  建設保証会社の数字といいますのは前金払いの保証をしたものについてでございまして、実はこれは建設省のみならず全省またがっていること、それから地方公共団体によりましてはまだ保証をかけていなかったりしまして必ずしも正確に出てこないという問題がございますが、なお分析いたしたいと思いますが、ただ、建設省におきましての予算配分につきましては、今大臣が申し上げたように地方重視ということでなっております。  具体的に申し上げますと、三大都市圏と地方圏と分けますと、例えば六十年度当初は地方圏に対して六六・六%の配分をいたしました。六十一年度当初予算では六八・四%ということで若干ふえ続けております。さらに六十一年度の、去年の補正でございますが、これは不況地域を重点的にやったわけでございますが、その結果といたしましては地方圏では七六・一%というふうにシェアを伸ばしておるわけでございまして、建設省の予算の配分におきましてはそういうことで地方重視ということで行っております。  なお、最初申し上げましたように保証会社の数字との関係の分析につきましては、なおいたしまして、また後日、先生に御報告申し上げたいと思います。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 建設省は地方重視でおやりになっていると言ってみても、この数字を見る限り、地方の財政力の差があるものですからますます格差を生みつつあるということを考えてみて、社会資本の充実という立場で日本列島全体の均衡ある発展ということを考えてみると地方にもう少し傾斜配分をすべきではないか、こういうことを申し上げておきたいと思うのであります。  それから大臣、外国からの参入については建設省としては拒む理由は何もない、一般競争入札だ、さあどうぞおいでください、こういうことで特別扱いはしませんよ、こういうように理解をしていいのであって、ただ、来て競争できるかどうかはそのときの話だ、こういうことですね。わかりました。  さて、この際、国土庁長官はおりませんが、政務次官がおいででございますのでお尋ねしておきたいと思います。今政府の方で鋭意議論をされております四全総の問題であります。  一つは、国土庁案が四月の末にできて、今各省庁で議論をされているようでありますが、聞くところによると八月ごろにはまとまって成案ができるのではないのか、こういう話を聞くのでありますが、そこらの日程についてお尋ねしておきたいと思うのであります。  いま一つは、国土庁案の中で、第二章の部分で「多極分散型国土の姿とその実現」ということで、いわば当初出されたものが東京中心じゃないかということで随分批判を受けて、それにこたえる形でこういうことを出されているわけでありますが、この「多極分散型国土の姿とその実現」の中で、一つには工業の分散、再配置、二つ目には業務上独立性が比較的高い中央諸官庁の一部部局、地方支分部局等の政府機関の移転再配置等を進める云々と書いてあるわけですね。その後は、三つ目には、全国的文化、研究施設を東京圏以外へ出す、事務所の立地を地方に誘導する、こういうことを出されておるわけであります。  この二の部分で特に私は注目したいと思うのでありますが、これは政府機関の地方への分権化というように理解をしていいのかどうか。したがって、一つには、比較的独立性の高い中央諸官庁の一部部局というのはどういうものを指すのか。さらにはもう一つは、今現にある地方の出先機関というものをさらに権限強化する、予算、財政、運営等についても機能を持たすという意味ととっていいのかどうか。あるいは市町村への権限移譲も含むと思いますが、特に地方の国の出先機関の権限強化を考えるべきではないのかと思うのです。私は実はこれに賛成なんであります。いわば権力が中央に集中するために経済財政運営というものは東京中心になってしまう。地方に権力を分権することによって、それに伴ってやはり民間の経済活動、財政活動というものもおのずからそちらに動くわけでありますから、そういう観点でなければ地方の活性化というのは本来的にはできないと私は思うのであります。とりわけ資本主義社会においてはそういう機能があると思うのでありまして、この点をひとつ聞いておきたいと思います。  それからいま一つ、きのうからきょうにかけて日本列島に雨が降って、非常に喜んでいるわけでありますけれども、どうも水不足が恒常化しつつあるのじゃないかという気がするわけであります。単に一時的な天候だけではなしに、水不足が恒常化している、こういう気がするわけでありますが、そこらについてどういう見解を持っているのか。そして、今日本列島の水の利用状況はどう動いているのか。特に第一次産業の農業用水というのはそうふえてないだろうと私は思うのでありますが、それはどうなのか。工業は、水を使うのが減っている産業がだんだんふえている。生活用水がふえているのじゃないかと思うのですが、そこらの現状をまず報告いただきたい。  そして、水は無制限じゃないのであって、ダムをつくれば何とかなるという仕組みだけではなくて、やはり有限資源だという前提がなければならぬと思う。その点が我々の側に少し弱いのじゃないかという気がするわけでありまして、その点をもっと強調して、有限資源である、だとするならば、水利用面からの生活改善、再利用も含めてここらのことがもっと議論の中心に据えられて、水は幾らでもあるんだという物の考え方から変えていかなければならぬと思うのであります。とりわけ生活用水の問題を含めて、水利用面からの生活改善というものについて政府は調査研究をしているのかどうか、ここらの点もひとつ聞いておきたいと思います。

星野進保国土庁計画・調整局長

○星野政府委員 作業状況についての御質問でございますので、私の方からお答えさせていただきます。  現在、先生御指摘いただきましたように関係省庁とすり合わせをやっている最中でございます。したがいまして、関係省庁と鋭意早く作業を済ませたいと考えておりますが、いろいろ問題もありまして、現在作業を続けているところでございます。  関係省庁との作業が一段落いたしますと今度は、国土審議会という審議会が私どもにございますので、国土審議会に国土庁試案というものをかけさせていただく段取りになります。国土庁から国土庁試案というものを国土審議会にかけさせていただきますと、国土審議会で御議論いただきまして、御議論がどのくらい続くか今のところ予想はつきませんが、三全総のときの経験等でございますと一カ月ないし一カ月半ぐらいという審議経過をたどりました。そこらはまた改めて国土審議会の御判断だと思いますので、そこらも含めまして、私どもとしてはできる限り早急に四全総の策定作業を進めたいと現在考えておるところでございます。  それからもう一つ、国土庁試案の、先生御指摘のいわゆる東京一極是正という観点で何点か今各省と御相談しております中に、政府関係機関の地方への分散ということについても御相談申し上げております。現在関係省庁いろいろ御意見がございまして、具体的にどの機関かと言われましても今のところちょっとお答え申し上げかねるところがございますが、基本的には先生御指摘のように独立性の高い政府関係機関、それからもう一つは、地方支分部局についてより権限を与えてくださいというようなことも関係省庁に今お願いしている最中でございまして、なお折衝中でございます。  以上、状況だけ御説明申し上げさせていただきました。     〔委員長退席、中島(衛)委員長代理着席〕

工藤巖自由民主党国土政務次官

○工藤(巌)政府委員 御質問は、東京にあるいろいろな研究機関や地方支分部局の分散ということが地方分権につながるのかどうかということであったかと思うのでありますけれども、多極分散型の国土をつくる場合に、地方がみずからその地域の開発、発展の努力をしていくことが極めて重要である。したがって、その意味では地方分権が望ましいということについては同意見でございますが、この計画にある機関を地方に移すことがそのまま分権につながるという考え方で申し上げているわけではございませんので、その点は、機関の移動そのものが分権を意味するものではない。ただし、多極分散型の国土をつくるために地方の権限が強化されていくことが望ましいということは、そのように考えておるところであります。  それから、水の問題につきましては水資源部長からお答え申し上げます。

志水茂明国土庁長官官房水資源部長

○志水政府委員 水資源に関しましての御質問にお答えしたいと思います。  近年だけ眺めてみましても、昭和五十九年の秋から六十年の冬にかけて、また昭和六十一年秋から六十二年の冬にかけて、東海とか近畿地方を中心として西日本で渇水が発生をいたしました。また今御指摘のように、ただいま雨が降りましたが、ことしになってこの四月から五月にかけても東日本を中心に渇水が発生をいたしております。  最近の数十年間において降雨の状況を眺めてみますと、我が国の年間の降雨量は全体的には減少傾向にございまして、また気温が上昇傾向にあるということと相まって、非常に渇水が発生しやすい状況になっております。  渇水が発生している原因といたしましては、降雨が少ないということが直接の原因ではございますが、水利用が非常に高度化をしておりますことと、また、ダムなどの水資源開発がおくれておりますことに加えて、以前に実施されました水資源開発計画において、計画時に想定をいたしました降雨条件に比べて近年は雨が非常に少なくなってきておる傾向がございますために、渇水時におけるダムからの補給必要量が増大をしておりまして、ダム容量が不足してきているというようなことが一つの大きな原因と推定をいたしております。  長期的な水資源対策といたしまして、今後の水需要の増大に対処するとともに最近のこういった少雨傾向、経済社会の高度化に対応するためには、水供給の安全度を高めていくための施策が必要であると考えておりまして、このためには、水資源開発を積極的に進めますとともに、水利用者側においても節水などの水利用の合理化に努めて、総合的な水資源対策を推進していく必要があると考えておりまして、現在、四全総と整合をとりながら策定中の総合的な水資源計画におきましても、これらの事項を重点的に検討いたしております。  それから、最近の水需要の動向でございますが、現在、農業用水、工業用水、生活用水合わせて年間約八百八十七億トンの水が使われておりまして、全体的には横ばい傾向にございます。  生活用水については現在年間約百四十九億トン便われておりまして、生活水準の向上あるいは都市化の進展等が増加要因で作用する一方、国民の節水意識の浸透、それから節水型機器の普及等によりまして水利用の合理化も進んできております。この結果、昭和四十年代の年間約九%というような急激な伸びは見られませんが、年間約三%程度生活用水は着実に増加しておる傾向にございまして、今後とも人口の増加あるいは下水道の普及等生活水準の向上によって増加していくものと考えております。  また工業用水につきましては、現在年間約百五十八億トン便われておりまして、生産活動のウエートが基礎資材型産業から加工組み立て型の産業、生活関連型産業へ移行する等の産業構造が大きく変化をしておりますために、先生御指摘のとおり、水の需要が微減ないし横ばいの傾向になっております。これには水の再生利用の回収率も七四%と非常に高くなっておりまして、これらも横ばいの一つの大きな原因になっておりますが、今後産業活動がさらに活発化することにあわせましてこういう再生利用の回収率がほぼ頭打ちの現況になっておりますことを見ますと、従来のようなふえ方ではないが徐々にふえていくのではないか、このように推定をいたしております。  また農業用水につきましては、現在年間約五百八十億トン便われておりまして、水田面積は減少傾向にありますものの、単位水田面積当たりの水使用量は、減水深の増大とか用排分離等によります反復利用率の低下といったものによりまして増加する傾向にございます。また、畑地かんがいが進展していることによりまして、全体としては現在横ばい傾向にございますが、今後とも土地利用の高度化等が進みますとやはり微増していくもの、このように推定をいたしております。  それから、最後に御指摘のありました有効利用の件でございますが、特に生活用水の有効利用につきまして御説明いたしますと、一人一日当たりの使用量を見てみますと現在約二百九十八リッターということになっております。これは、節水とか水使用の合理化の進展等を反映をいたしまして、その伸びが昭和四十年代は年間約五%と非常に大きかったのですが、最近では年間約一%に低下をしております。また、水洗トイレなどに使用します雑用水としての再生水の利用も、事務所ビルなどを中心に徐々にその普及が進んでおりまして、その施設数は現在全国で約四百四十件、使用量も一日約六万六千トン程度になっておりまして、順次増加していく傾向にございます。これらの雑用水の利用に当たりましては、逼迫する水需給対策並びに下水道に対します負荷の軽減等の立場から考えましても、今後とも地域の実情に応じてその積極的な導入を図っていく必要があると考えております。  しかし、これら雑用水利用の普及に当たりましては、その進水コストが非常に高いということ、また、施設の設計あるいは管理の基準等につきましてまだいろいろ問題がございます。これらの問題につきましても積極的に対応しながら、あわせて税制、金融上の優遇措置等につきましても充実させながら、今後とも一層こういった有効利用が図れるように努力をしてまいりたいと考えております。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 四全総の中身については私は政務次官と少し見解を異にしますから、またそのときに議論させていただくことにいたします。  建設省の方に二、三お尋ねしておきたい。時間がないものですから走り走りいきます。  建設大臣は五兆五千億の要求で、これはもう公共事業を中心にやっていくというお話でありますが、御承知のように、せんだって野村総合研究所が発表したところによると、五兆円の内需拡大でGNPを一年間に押し上げる効果は〇・七%なんだよ。したがって、今のままいくとこれをやってみてもGNPは三%どまりじゃないのか。これが直ちに貿易の黒字に直結するというのもおかしな話ですが、今貿易の不均衡が問題になっている中で五兆円やってみても、黒字減らしは三十億ドルにしかならぬ、こういう経過が発表になったわけであります。これについて建設省はどういう見解を持っているのかお尋ねしておきたいのが一点であります。  いま一つは、公共事業の地域経済に与える影響について二、三お尋ねしたいのであります。  六十一年度の補正予算の場合に、いわば不況地域へ傾斜配分をされる、十四道県に対して一一・一%、その他三十三都府県は八・二%ということになっておるわけですが、これはどういう結果をもたらしただろうか。労働省も出席いただいておりますが、特に建設省としては有効求人倍率の状況を見ながら配分した、こう言われるわけなんです。したがって、単に雇用だけではない、ほかの面でも影響はあるのだろうと思いますけれども、我々があのときに議論しているのを聞いていて、やはり失業者は随分出てきている、鉄鋼、石炭その他、貿易産業等も出ている、そこへ失業者を救うために有効求人倍率を基礎にして重点配分をしますよ、こう言ったのでありますけれども、労働省、これはどうなっているか、ひとつお尋ねしておきたい。  私の調べたところでは、六十一年四月と六十二年三月を比べてみても十四道県の有効求人倍率が〇・〇六一%しか上がっていないわけであります。全国平均では残念ながらプラス・マイナス・ゼロでありまして、去年の九月から十一月、ここらが一応補正予算を議論する場合の対象になっていたと思うのであります。この九月、十月と、十二月の予算が通って発注をして二月、三月、集中的に工事が各地で行われておると思うのでありますが、その三月と比べてみると有効求人倍率はマイナスのところがふえているのです。私の見たところでは八県がマイナスですね。あとも、若干上向いたところもあるのでありますけれども、そう目立った状況が見えていない、こういうふうに思うのでありますが、ここらはどうなっているのか聞いておきたいと思います。  いま一つは、経済企画庁の長期経済研究会が五月に発表予定だということが既に出たのでありますが、二十一世紀に向けての社会資本の充実、これについて倍増しなければ先進国並みにはならないよと。日本経済は経済的には先進国並みなんだけれども、社会資本は非常に立ちおくれている、したがって、まず五百兆ぐらいのものをやらなければいかぬじゃないか。五十九年度の概算値で現在まで三百四十七兆円と見ているわけですね。これが欧米並みにいくためには、日本列島の複雑な土地環境、山間部が多いということも含めて、いわばGNPの二倍ぐらいの投資がなければヨーロッパ並みにならないじゃないかという話があるわけであります。確かに調べてみると、今をでも議論されておりますが、下水道、都市公園あるいは生活道路などを見ると、先進国から見ると非常なおくれがあるわけですね。これをやるためには二十一世紀に向けてやはりこのぐらいの規模でやらなければ到達しないということがあるのでありますが、これについて一体どういうふうに考えているのか。  とりわけ我が国は、建設国債でいろいろとやろうとしているわけですね。建設国債は御承知のとおり償還期限六十年ということになっている。ところが、社会資本の耐久年数は約三十年ないし三十二、三年と言われているわけです。そうすると半分ですね。そうなりますと、建設国債と租税による一般財源とは五〇、五〇でなければペイしない。それ以上の建設国債を出していると子孫に対して過重な負担を残すことになるという報告があるわけでありますが、そこらについて財政上の取り組みをどうすべきなのか。ぜひ私は建設省としての意見を聞いておきたいと思います。社会資本の充実ということになると、生活関連環境整備ということが重点に置かれなければならぬ。下水道、公園、生活道路、そして居住環境を高めていくということに集中的に行うべきであると思うのでありますが、そこらはどうなのかということであります。  実は、そのところで私が建設省とぜひ意見を交換しておきたいと思いますのは、今度の五兆円あるいは去年の補正予算についても、不況、内需拡大、景気浮揚ということで公共事業というパターン、こういう政策設定をしているようでありますが、そんなことをやっていると、これはひょっとすると破綻してしまうのではないか。むしろ建設省の側からいうと、そういうことだけではなしに、今申し上げたような公共事業の地域経済に与える影響あるいは労働力を吸収した経過から見ると、私は県会時代から若干不安を持っているわけですが、むしろそうではなしに、先進国並みの生活水準、生活環境、社会資本充実のためにはこういう公共事業が集中的に行われなければだめなんですよ。そういう政策スローガンのもとでやらないと、私は、単に不況、黒字減らし、そして内需拡大イコール公共事業という論理はどうも整合性がないんじゃないか。もちろんゼロとは言いませんよ、ゼロとは言いませんけれども、むしろ社会資本の充実、生活環境の整備という点に、ヨーロッパ並みの生活環境というところに持っていくべきではないかと思うのでありますが、ここらについて、労働省も来ておられますから、この間の補正予算の結果がどういうようにその地域には影響しているのかも含めて御答弁いただきたいと思います。

渡辺尚建設省大臣官房総務審議官

○渡辺(尚)政府委員 いろいろお尋ねがあったわけでございますが、私の方からは三点についてお答えしたいと思います。順不同になるかと思いますが、お許しいただきたいと思います。  まず一つは、野村総合研究所、五月五日の読売新聞だと思いますが、その記事に関するお尋ねでございます。もちろん公共投資というのが生産活動を通じて乗数効果あるいは生産誘発効果あるいは雇用誘発効果というのがあるということから内需拡大に非常に有効であるということは、もう御説明するまでもないと思います。こういった公共投資の効果について、いろんな機関がいろんな前提条件を置きながらいろいろ数字を出しております。本件の野村総合研究所につきましても、問い合わせをやったわけでございますが、その詳細な前提条件についてはつまびらかにできなかったということがございまして、ちょっとこの点については評価といいますか論評を差し控えさせていただきたいと思います。  ただ、仮に五兆円という、これはこれからの話ですからどうなるかわかりませんけれども、仮に五兆円という公共投資があったとした場合のGNPの押し上げ効果、これは経済企画庁の改定世界経済モデル、これはごく最近、たしか五十九年に改定されたんだと思いますが、あるいは私の記憶が正しければそうだと思いますが、最近においてもそれは有効であるということを伺っておりますけれども、それでやりますと、初年度の乗数効果が一・四七でございますから、結果的にいいますと一・七%のGNPの押し上げ効果があるというふうに考えておるわけでございます。それからまた、日経の中期モデルからの計数があるわけでございますけれども、それによりますと、経常収支の改善効果につきましては五兆円で約四十億というような数字になっているわけでございます。  それから二つ目でございますが、やはり五月五日の読売新聞だと思いますが、経済企画庁の記事に関するお尋ねでございます。これは実は、先ほども先生からもありましたように、五月の末に公表するということでございまして、結局その詳細な中身を我々として掌握してないわけでございます。したがって、その五百兆というけれども、どういう内訳になるのか、特に建設省の所管している公共施設、こういったものに係る部分がどういう水準で考えられておるのかということがわからないのでございます。  確かに、我が国の住宅あるいは社会資本の整備の水準というのは非常に低い。住宅等、なかなか指標が難しいんですけれども、一言で言うと一部屋足りない。あるいは、公共施設はそれぞれ細かくいろいろありますけれども、大まかに言って三分の一の水準というようなことでございまして、その充実を図っていくというのが非常に重要だという認識は持っております。建設省といたしましては、昨年の八月に、これは建設省だけのものでございますけれども、約二年ぐらいかけて、二〇〇〇年までに公共投資あるいは公共整備をどうしていくか、どうすべきかという点について公表して世に問うております。  ポイントだけ申し上げますが、これから高齢化社会に突入するということから、これからの十五年というのは非常に重要な投資期間だという点が一つのポイントであります。  それから、いろんな前提を置きまして、その一つの中に潜在成長力を五%と置いておるわけですが、仮にそれと同じ公共投資というものをやっていく、IGでございますけれども、そういうことを前提といたしまして、現実的な可能性等も含めまして非常に概括的な数字でありますが、我が省の所管の公共投資について三百四十一兆円、まあ細かいところは多少動くかもしれませんが約三百四十兆円必要であるという試算をしておるところでございます。  それからもう一点でございますが、公共投資の位置づけについてでございます。もちろん、今申しましたように我が国の公共施設の整備水準というのは非常におくれております。したがって、これは単に欧米諸国に比べておくれているからということではなくて、まさに国民の非常に強い要望があるわけだし、それから国民の生活水準をいかに向上するかということからいってもその推進を図っていかなければならないということで、まさにそこに基本的な目標があるということは御指摘のとおりであります。ただ、その公共投資が、先ほど申しましたようにいちいろ経済的な波及効果があるわけでございますから、そういう意味で内需拡大の柱の一つということに位置づけられるということもあるかと思うわけでございます。  それから、ちょっと前後いたしますが、生活関連施設を中心にすべきではないかという、たしが御指摘があったと思います。もちろんそういう点非常に重要だと思います。しかし、要するに、全般的に国土をどういうふうに向上していくかということでありまして、例えば安全の問題をどうするか、あるいは快適な基盤をどうするか、あるいは、まさに先ほども御議論がありましたような、地方を活性化するための公共投資をどうするか、そういったものを全体をバランスよく行っていく必要があるのではないかと思います。  それから最後に、たしか去年の経済白書の中で公共施設の平均的な耐用年数が三十二年と、それをお引きになっているんだろうと思いますが、確かに償還とそういうギャップがございます。しかし、公共投資そのものは、元来やはりその性格からいきましても一般税収といいますか、それで対応すべき、つまりお金がこう上がってくるといいますか何といいますか、採算的な、経営的なものではないという性格からいたしますとまさに一般財源を使ってやるべきものであるというふうに考えておるわけでございますが、そういったもの全体を加味しながら考えていくべきではないかというふうに考えております。  以上でございます。

廣見和夫労働省職業安定局雇用政策課長

○廣見説明員 お答え申し上げます。  今先生、有効求人倍率等も考えながら公共事業の重点配分をしているけれども、そのあたりの雇用に与える具体的な状況どうなんだろうかというお尋ねでございます。私ども、確かにこの有効求人倍率が低いような都道府県等につきまして公共事業の重点的な配分ということもお願い申し上げ、いろいろ御配慮いただいてこのような形になっておるわけでございますが、具体的に少し数字を見でみますと、この十四道県、北海道、青森、秋田、兵庫、和歌山、高知、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄の十四道県でございますが、これについて見てみますと、この有効求人倍率、例えば昨年の三月とことしの三月を見てみますと、昨年の三月が〇・四八でございまして、ことしの三月が〇・五〇ということで、確かに伸びは〇・〇二しかふえていない。それから昨年の四月が〇・四七でございましたから、それとことしの三月を比べてみますと、〇・五〇でございますので〇・〇三ふえているということで、一見この伸びは必ずしも高くないようでございますが、ただ、全国的に見てみますと、この季節調整をするかどうかによっても違いますが、季節調整した数値ではほとんど変わっておりません。例えば三月、〇・六三でございますので、昨年の状況を見ましても〇・六三とか六四でございますので、横ばいかむしろ下がりぎみ。全国はそういう中にあって、この十四道県につきましてはむしろ上がっているという形になっておるわけでございます。  そういう形で私たちは、この公共事業の発注がなかった場合、じゃどうだったのかという計算は大変難しゅうございますので、そこらあたりの積算ははっきり出てまいりませんが、相当の地域経済に与えた影響があったのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。  それと、例えばこの有効求人倍率に与えます公共事業の影響、保持に例えば建設業で見てみますと、最近御案内のとおり製造業を中心にしまして求人が非常に冷え込んでいる。特に製造業では、昨年の夏以降対前年比で二けた、大体二〇%ぐらいの求人減がございました。ところが、建設業だけが重要産業の中で全く逆で、求人がふえている。やはり八月から二月ぐらいまでは二けたの伸びを示しておりましたし、三月はちょっと減っておりまして大体対前年六%の伸びでございますが、そのような形で求人が力強い。そういうものに支えられて全体の有効求人倍率がやっと横ばいということでございまして、大変大きな強い影響を与えているということだと思います。  ただ、残念ながら地域経済全般を見ますと、鉄、造船その他いわゆる重厚長大産業といったようなものを中心にいたしまして雇用調整がまだ進むということもございますので、そういったような形でなかなかすぐに求人倍率も大幅に上昇という形になっておりませんが、全般的には大変大きな力強い影響を与えているのではないか、このように私たちは考えておるところでございます。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 ありがとうございました。

中島衛自由民主党

○中島(衛)委員長代理 坂上富男君。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 坂上でございますが、私の質問の時間は十一時五十分までということになっております。今、少し時間オーバーしておりますもので、あるいはちょっと超過してもお許しをいただきたいと思います。  本日の質問は三点でございます。一つは地価抑制に対する見通し、それから地域振興整備公団法に基づくニュータウンの全国的な状況、三番目に原子力発電所におきますところの災害対策基本法との関係における住民避難とその訓練についてお聞きをいたしたいと思います。  そこで、時間の配置でございますが、十一時二十分まで地価抑制、それから十一時三十分までニュータウン、以下二十分を原発問題、こういうことでございますので、御協力賜りたいと思います。それから御答弁でございますが、一行でいいです。イエスかノーか、ざっと答えていただく、こういうふうにひとつお願いをしたい、こう思っております。  さて、まず、国土庁長官は私の時間中はお帰りになりませんな。じゃ、それならそれなりにきちっとひとつおかわりの人でお願いをいたしたいと思います。  ただいま国土庁長官の所信表明をお聞きをいたしました。そこで問題は、土地対策についてこういうふうな所信表明があったわけでございます。「地価は、現在、全国的には安定傾向を示しておりますが、東京等一部地域においては著しい上昇がみられます。この地価高騰に対しては、土地取引の適正化と土地供給の促進の両面からの対策を進めできたところでありこそれで飛びまして、「抑制策を講じてまいりました。」そして、さらにこのような法案を提出をしております。審議をお願いします、こういう話であります。  地価抑制に対して本当に政府は自信を持って、いつ、このように安定させますということが一体言い得るのか、このことを実は結論としてお聞きをしたいのです。  それからまた建設大臣の方の所信表明を読んでみますると、土地対策の項の中で次のように言っておられます。「宅地対策については、地価の安定に留意しつつ」かくかくしかじかのことをやる、こう書いてあるわけです。一体この留意するというのはどういうことなのか。これも自信のある言葉ではありません。私は、国土と建設が最も地価抑制に対する責任をお持ちだろうと思うのであります。したがって、こういうことに対する責任の所在についてまず明確にしていただきたい、こう思って質問を展開するわけであります。  さてそこで、地価高騰の現況については先般来から事務局からお聞きをいたしております。このとおりでよろしゅうございましょうか。「昭和六十年地価公示の特徴」それから「六十二年地価公示の概要」、こういうような説明を聞いておりますが、これに付加すること、おありでございますか、どうでございますか。まずこれをお聞きをしたいと思っています。  それからもう一つ、「地価高騰に対する対策」こういう文書があります。これもこのとおりで、付加することがあるかないかお聞きをいたしまして、質問をさらに続けます。

田村嘉朗国土庁土地局長

○田村政府委員 地価の動向に関しましては、今先生おっしゃいました六十二年地価公示の特徴、概要にすべて焦点が網羅されておりまして、そのとおりでございます。また地価対策につきましては、私どもの現在取り組んでおります項目をすべてそこに加えてあるということでございます。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 警察の方がお見えでございますのでお聞きをいたしますが、俗に言う地上げ屋というのがあるそうでございますが、私も時たま、このように困っておりますという相談も受けます。どの程度の実態になっておるのか、どの程度の把握をなさっているのか。これは警察当局でございましょうか。あと関係省庁お答えいただくならお答えいただきたいと思います。簡単でいいですよ。

古川定昭警察庁刑事局捜査第二課長

○古川説明員 最近、不動産業者が土地取引、特に地上げに暴力団を利用したり、あるいは暴力団が地上げに直接介入する事犯が増加しております。  全国の警察におきまして昨年一年間で、このような、いわゆる地上げ等不動産取引に暴力団が介入し市民が困っているという相談を約千九百件ほど受理しております。この中には、ビルの屋上にハンマーで穴をあけたり建物に放火したりするといった極めて悪質なものもございまして、これらについては徹底して検挙しておるという現状でございます。  今後とも、市民からの相談に積極的に対応して、関係機関との連携を密にしながら地上げ等に絡む違法行為には厳正に対処していくという考えで取り組んでおるところでございます。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 いわゆる刑法犯罪類似のお話が今あったわけでございます。  今度は行政上の問題といたしまして、土地の買いあさりがひとつ大きな原因になっておるわけであります。私はこの間、零細と言っては申しわけありませんが、小さい、俗に言う町の不動産業者の方と懇談をいたしました。本日の建設大臣の所信に不動産業者の育成ということも書かれておるわけであります。大変結構であります。これらの人のお話を聞きますと、無資格の大商事会社等がこの土地の買いあさりをなさっている。小さい不動産業者、町の不動産業者がいろいろと取引をしようと思って商売をなさっている、そこに大手の不動産業者やあるいは不動産を商売になさらない御商売の人が三倍、四倍という値でもって押さえるというようなことが行われているそうでございます。したがいまして、このような無資格者の介入、大手不動産業者の土地の買収方法、こういうようなことが少し抑制をされませんと、これは切りなく地価が高騰するんじゃなかろうかと思っておるわけでございまして、これはもう私の意見だけでございます。  今度は大蔵省ですか、国税庁来ておられるが、一つは建設大臣のお話の中で、国有地を競争入札にして放出をするものだからこれも地上げの大きな理由というような話も、ちょっと伺ったわけであります。これに対しまして、転売できないような制限条項を契約の中でやっております、こう言っておるわけでございます。  私はこれは見せていただきました。この中で、いかがですか、制限条項、買い戻し条項が書いてあるわけですが、抵当権の設定は許すのですか、どうですか。抵当権の設定に基づいて抵当権実行がなされてこれを競売した場合、これを含むのですか。  確かにこの中に売買の禁止書いてあります。しかし、抵当権の設定を許せば、抵当権に基づく競売によってこれを取得することは適法なんじゃないか、こう思われるわけです。だから、これをやるんだったら抵当権設定も禁止しなければ、抵当権を取得した人が保護されないということがあるわけでございます。どのようなお考えか、お聞きをいたします。

川信雄大蔵省理財局国有財産第二課長

○川説明員 国有財産売買契約書におきましては、地上権、賃借権等使用収益を目的とする権利の設定を禁止しておりますけれども、抵当権の場合につきましては、抵当権設定者である買い受け人はその土地を引き続き用益できるものでありますことから、抵当権設定についてはこれは禁止しておりません。しかしながら、抵当権が実行されますと所有権がその段階で移転することになりますので、その場合には契約書で禁止している転売ということに該当することになります。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 これは議論したって時間がありませんから、抵当権設定を許すのだったら、抵当権に基づく効力というものはこの法律で保護されなければならぬと思っているわけでございます。ひとつもう少し御検討いただかないとだめだと思っています。私はやはり、大蔵省がおっしゃっております国有地売却制限条項というのは一つ一つ分析してみると相当まだ骨抜き、脱法行為ができるんじゃなかろうか、こう実は心配しておるわけでございます。さらに一層ひとつ御努力いただきたい、こう思っておるわけでございます。  もう一つ要望でございますが、町の不動産業者の皆様方がまじめに今言ったように取引をなさろうとしているわけでございます。それには物件説明書というのが要るわけでございます。物件説明書に評価証明等をつける場合、これは本人の委任状がなければ取れないそうでございます。弁護士もなかなか評価証明をもらうのに五、六年苦労したことがあるのでございます。今どうやら協定ができて許されるようになったわけでございます。取引主任を置いておるような正規の業者につきまして、自分が業務上必要な不動産評価証明などというものは委任状なしに取れるだけの権限を与えなければ、こういう正規の取引というものについては円滑に行われないんじゃなかろうか、実はこう思っているわけでありまして、不動産業者の育成というところに力を入れていられるようでありますから、ぜひひとつ御配慮を賜りたいと思います。何といたしましても私たち庶民が東京で住めないというような状況でございます。不動産業者は商売にならぬという状況だそうでございます。この地上げによってもうかっているのは一体だれなのかということに、ぜひひとつ今後とも行政の上であらゆる力を出していただきたい。  そこで、この部分の最後でございますが、一体どの段階で地価の抑制ができるのか、いろいろ施策をなさって。そしてこの抑制が、今おっしゃったような抑制が、いついつこの程度で抑制をいたします、できなかったら私がこれだけの責任をとりますということを言えませんか。御答弁を賜りたいと思います。     〔中島(衛)委員長代理退席、委員長着席〕

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 先生のお話、ごもっともです。私は、地価の暴騰は需要供給のバランスで始末をしなければ解決ができないと思っております。そこで、問題は東京都の一部地区でございますから、そういう点で私は、必要である不動産を十二分に確保すれば大丈夫だという考え方を持っております。  時間がないのに長くしゃべってあれですけれども、それで今、外国からの関係で事務所の必要性が非常に迫られて高くなったという話でありますが、その対策としては、やはり東京都内の中心地帯でなければいけないわけでありますから、これは私の私案で事務的に今進めておりますが、東京駅の再開発をやりたい。それに交通の便もよし、中心地帯でもあるという考え方から、国鉄用地の線路の上に高層な建築物を建てるべきだというので、今それをやっております。中曽根内閣が息ついているうちに何とかこの問題だけは決めたいと今思っているところでありますが、いわゆる官僚セクト主義にぶつかっているものですからなかなか簡単には済まないのでありますが、どうしても決めたい。  そうして、私の構想で代表的な建築家に設計をしてもらったのですが、東京駅に霞が関ビルが十二本建つということでございますから、これで事務所は大体いくんじゃないか。と同時に、住宅の方がマンション等が非常に高くなったというものですから、そういう点でこれが決まればすぐに一これは私がやるわけじゃないです、私の構想なんですが、上野駅にマンション専門の高層ビルを建てたい。上野駅から日暮里駅まで約二キロありますが、この間を利用して線路の上にやれば十二分に格好がつくんじゃないかと思っておるのであります。  そこで、その問題が決まるまでは国公有地の売買を中止しろという進言をもう何回もやっておるのでありますが、これも役所のセクト的なものに遭遇してまだ実現しないわけでありますが、これをどうしても実現したいと思っております。国の土地を売る、国公有地を売ることによってそれが暴騰につながる大きな要因になっては困るからであります。政府はできるだけの措置を講ずるつもりでおりますので、この問題はイデオロギーはありませんから、みんなで協力してできるようにひとつお願いだけ申し上げておきます。

田村嘉朗国土庁土地局長

○田村政府委員 東京中心の大変な地価上昇、この基本的な原因は、今までお話が出ておりますように都心部の事務所需要、これが基本であると思います。しかし、その過程で、金融緩和を背景にいたしまして投機的な取引が地価高騰に拍車をかけているということが大変大きいと思います。したがって、私どもは当面の対策として……(坂上委員「当面の対策はわかっている。だからいつまでに抑えられるか、それから抑えられなかったらその責任はだれがとるのか、これだけ聞きたい」と呼ぶ一国土利用計画法の一部改正、それから超短期重課制度について審議をお願いしているわけでございますが、これによって相当の効果を上げられるというふうに思っております。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 長官がいないところでその責任のとらせ方なんか言っても――お答えいただけますか。どうぞ。

工藤巖自由民主党国土政務次官

○工藤(巌)政府委員 結論だけ申し上げます。  地価の異常な高騰、これは異常な高騰だと思っております。したがいまして、既に御案内のもろもろの原因があり、そしてまた、もろもろの対策を講じております。これによってできるだけ地価の引き下げを図っていこうと考えているわけでありますが、御質問のいつまでにどの程度にできるかということについては、残念ながら今ここで明確に申し上げることができないのであります。また、この責任と言われましても、私どもは地価対策を所管する国土庁として全力を尽くして地価の安定に努力をしていく、このことは申し上げることができるわけでありますが、今後もそういう努力をしてまいるつもりでございますので、そういうお答えで御了承いただきたいと存じます。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 御了承をいただくわけにはいきません。やはり率直に言って、政権をとっておられる政府とこれを支持する与党の先生方に一番大きな責任があると私は思っておるのです、こういう状況は。だから必死になって、皆さん方内閣で一生懸命努力をなさっているのでありますが、もうこれは経済問題、社会問題ではない。私たち庶民は東京の真ん中からみんなおっぽり出されているというのが現状です。この政治責任をだれがとるかということを私は実は聞いているのですが、時間がないから余り演説しません、要望だけをしておきますが、やはりもう少しきちっとしていただきませんと、施政方針演説、所信表明だなんていってもしり抜けの演説だ、こんなの。これやりました、あれやりましたなんて言っても、これがどういう効果を及ぼすかということは全然出ていないわけです。ことしじゅうに抑えます、これぐらいのことを言えなければこれはやはり政治でないのではないですか。何のための国会なんだと思われますよ。ぜひひとつお願いしたいと思っております。これ一つでいいです。これで地価は終わりましたよ。  今度は地域振興整備公団なんです。これも全国のニュータウン計画と実施状況について書面でいただきました。  そこで、お聞きをしたいのでありますが、事業計画というのが変更できるかどうかということを実はお聞きをしたいわけであります。  私の選挙区の長岡ニュータウンでございますが、六十五年に終わるわけでございますが、一万戸入れたい、こう言っておりますが、現在まだ五百戸前後だというお話を聞いておるわけであります。これでは六十五年までその一割にも到達しないのではなかろうか、こう思っておるわけであります。これは私は、失敗とか見間違いとかということは申しません。何しろ十五年間にわたるところのいろいろの長期計画でございますから、こういうこともあるだろうと思うのです。数字ちょっと挙げられませんが、幸いここで膨大もない土地を押さえていただいているわけであります、公団から。しかも安い土地でございます。今これを求めるといったら容易じゃないようであります。だから別の方向さえ見出すならば、私は決してこれは災いとは言いませんが、福となるのではなかろうか、こう思っております。  そこで一つお願いでございますが、もう事業計画の期間延長はしなければなりませんし、事業内容の変更もひとつさしていただかなければなりません。それにはやはり政府の力をおかりしなければならぬと思っておるのであります。市会でも議論をなさっておるようであります。新潟県会でも議論が出始めておるようであります。これに大きな体育施設をつくったらどうかというようなお話もあるわけでありますが、そんなようなことが今議論をなさっておるようであります。ひとつ政府の方からもこういう施設そのものに対しても御援助いただかなければならぬと思っておるわけであります。地方振興にかかわる重要な問題でもございますので、一言でございますが関係省庁から御答弁いただきたいと思います。

北村廣太郎建設省都市局長

○北村(廣)政府委員 長岡ニュータウンの現状は先生が今お話しになったとおりでございまして、私どもとしても計画の変更、再検討は必要と考えております。その場合、新潟県当局及び長岡市当局の御意見を十分拝聴いたしまして、できるだけ一千八十ヘクタールの土地が有効に使えるように考えてまいりたいと存じております。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 時間がありませんので、災害について一つお聞きをいたします。  きょうの所信表明をお聞きをいたしておりますと、災害対策についておっしゃいました。政務次官、原子力発電所の事故に対する災害対策について何で意見がないのですか。事故が起きないのですか。災害が起きてもこれに対する対策をしないのですか。お聞きをしたいのであります。

工藤巖自由民主党国土政務次官

○工藤(巌)政府委員 原子力の問題につきまして、災害対策の中で、いろいろな幅広い災害がございますので、その中の一項目として原子力施設等の防災についても所要の努力をしているということでございますが、項目が非常に多いものでございますから原子力について特に文章では触れておられないのだ、かように存じます。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 今度は具体的にお聞きをいたします。  原子力発電所で大事故が起きたとき、国はどういう態勢に入るのですか、簡単に答えてください。

山本重三国土庁防災局長

○山本(重)政府委員 原子力発電所による事故については、災害対策基本法上、同法によりまして同法の対象になる災害は、放射性物質の大量の放出に伴って被害が生じた場合には災対法に基づいて対応をとるということになっております。この場合を想定いたしまして、国及び地方公共団体で各種防災計画を定めて、その防災計画に基づいた対応をすることにいたしております。  なお、スリーマイル島の事故災害の状況にかんがみまして、昭和五十四年に「原子力発電所等に係る防災対策上当面とるべき措置について」という事項を中央防災会議で決定いたしまして、この決定に基づいて、そういった事故が起こりました場合には、国務大臣を本部長として関係行政機関の職員から成る事故対策本部を設置して対応するということにいたしております。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 どこの国務大臣ですか。

山本重三国土庁防災局長

○山本(重)政府委員 これはそのときの状況によりまして、国務大臣としても、災害対策をつかさどる国土庁長官もございましょうし、専門的立場で知識を持っておる科学技術庁長官もございましょうし、原子力発電所等の所管をしておる通商産業大臣もございましょうし、それはそれぞれの事故の態様に応じてそれに最もふさわしい国務大臣をそのときに決定するということに相なろうかと思います。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 原発で大事故が起きたときの態勢、本部長が今おっしゃったようにその事案事案によって決まる、こうおっしゃっておるわけです。  昨年四月二十六日、ソビエトのチェルノブイリ原発の事故、どの程度避難が行われたか、御存じですか。原発の事故というのはその態様によって本部長が決まるなどというようなこと。もう可及的速やかになされなければならないのが対策なのであります。  それじゃお聞きをいたしますが、消防庁おられますか。消防庁、原子炉で火災が起きた場合、火を消しに行かれますか。どの程度放射能が放出した場合、もうやめるというふうにおっしゃるのか。  それから自衛隊の方です。防衛庁。市町村長から何とか助けてくれといって救援が行った場合、もう放射能が出過ぎておりますから行けません。どこか基準があるだろうと思うのですが、どの程度のときまで応援に行かれるのですか。  それから今度労働省にお聞きしますが、原子力発電所の大事故が起きた、火災が起きたということになりますと、各新聞社、報道機関は、デスクは直ちにおまえ飛べ、こういうことになるわけでございます。業務命令であります。この業務命令は、新聞記者の立場に立ったらどの程度の放射能の放出の場合拒否できるのか、労働省、どんなようなお考えですか。  三省からまずお答えいただきましょうか。

次郎丸誠男消防庁地域防災課長

○次郎丸説明員 火災ということであれば消防機関は出動いたしますけれども、この場合に当然、その消火に際して消防職団員の被曝はできるだけ低く抑えなければならないということは言うまでもないわけでございます。(坂上委員「簡単でいいですよ」と呼ぶ)そういったことで、特に許容被曝線量、私どもは十レムということで指導しておりますが、十レムを超えるような場合は消防職団員は消火活動は行わないということにいたしております。

大森敬治防衛庁防衛局運用課長

○大森説明員 お答えします。  自衛隊の災害救助でございますけれども、原子力発電等の火災事故に際しましては、防災会議で自衛隊の救助活動の大枠が決まっておりまして、モニタリングのための要員とか機材、それとか医療チームの派遣のための航空輸送ということが主になるかと思います。  御質問の、どのような放射レベルまで対応できるかということにつきましては申し上げにくいところでございますが、自衛隊といたしましては、災害本部その他の専門的な助言をいただきまして、できる限りの協力はやってまいりたいというふうに考えております。

松原東樹労働省労働基準局監督課長

○松原説明員 一般的には、労働者の身体、生命に危険が及ぶおそれが大きい場合についてまで労働契約上の就労義務を負うものとは考えられません。また労働者は、そういう場合には就労を拒否できるというふうに考えております。  御指摘の事故の場合につきましては、電離放射線障害防止規則におきまして、緊急の場合に関係者以外の立ち入りの禁止を措置すべきということを決めておるところでございます。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 今お聞きをしていますと、消防庁だけははっきりしているわけです。十レムになりますともうやめます、こう言う。また、そういうような放射能が放出していれば消火活動に行けません、こうなっておる。  防衛庁のお話を聞いても、何が何だかわからない。そのことを聞いているのですよ、今消防庁がずばっとおっしゃったように。一体どの程度まで応援をいただけるんですかと聞いているのです、原発を抱えている住民としては。あいまいな言葉は許されないのです。みんなが待っていたら、都合によって行けません、放射能がいっぱい出ているから。これじゃ困るんです。どこまで許されるのか、こう聞いている。  労働省にもお聞きをしますが、業務命令をどこで拒否できるのかと言っているのです。何レムまで。これは重要なことでございますからね。  さて警察でございますが、今言ったような状況なんですが、原発の事故が起きた場合、治安を担当する警察の立場として、治安の維持それから住民の保護について、ひとつどの程度の御活躍をいただけるんですか。警察からお聞きをしたいと思います。

半田嘉弘警察庁警備局警備課長

○半田説明員 警察といたしましても、もちろんできる限りのことはやるわけでありますが、特に原子力関係の問題につきましては極めて専門的な知識を要することになりますので、そういう関係の専門家のアドバイスをいただきながらできる限りのことはやる。例えば避難誘導でありますとかあるいは救助活動でありますとかあるいは交通規制でありますとかということになろうかと思いますが、放射性の物質が大変大量に放出されているところに、その警察官が被曝するおそれのあるところに飛び込めということまでは言えないということであろうと思います。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 今言ったように、これじゃ日本で原子力の大災害が起きたときに対応のしようがないじゃないですか。今外務委員会で原子力事故に対する二つの条約の批准の問題が出ています。何と書いてあるかおわかりですか、皆さん。日本はそういうおそれがあるからこの条約をつくりましょうと書いてあるんです。よくお読みください。  (「建設委員会でこんなことを論議するのか」と呼ぶ者あり)災害基本法なんだ、災害基本法……  (「それは専門的にやる委員会があるじゃないか」と呼ぶ者あり)だから、これが専門なんだ。これが専門なんだよ。わかっているのかね。よく教えてやってください。災害というのは、今所信表明があったじゃないか。あなた、聞いているの。  今言ったように、もう危険区域十キロなんというようなことを通り越して、日本国じゅうに対応のしようがないくらい万一の事故があった場合、どうですか。国際的な批准をしなければならぬ、こうなっておるわけであります。  さてそこで、全国の原発事故の災害避難の中で、住民参加の避難訓練が行われておりません。ただ模擬住民、まあおまえは住民だという職員らを模擬住民として参加させたことがあるわけであります。一体今のような状況から見てみまして、住民参加の避難訓練の必要性というのは皆さん方どのようにお思いになっておるのか。一体、危険というものに対してどのような概念をお持ちになっておるのか。ひとつ責任ある方の御答弁をいただきたいと思います。

山本重三国土庁防災局長

○山本(重)政府委員 我が国の原子力発電所につきましては、先生御案内のとおり、原子炉等規制に関する法律等によって諸種の安全対策が講じられており、事故が発生することをできるだけ防止するという基本的体制をとっておりますけれども、万一事故によって放射性物質の大量の放出があった場合のことを考えまして、先ほど申し上げましたように五十四年に中央防災会議で、その際にとるべき措置、対策本部の設置であるとか、あるいは専門家、医師団等の常時配備等の手段をとっておりますが、さらに、専門的な事故対策という観点から五十五年に原子力安全委員会において検討いたしまして、その中におきまして、特に原子力発電所における発電時の事故による放射性等の物質の大量放出、こういった異常事態に対応するためには、やはりそれに即応した対応をとることが必要である。そのための異常事態の把握の仕方、それから周辺住民に対する広報のあり方、教育訓練、こういったことをすることが重要である。その中で訓練につきましては、この専門委員会の中において検討されました結果、周辺住民に対してはやはり何といいましても適切に指示を行って冷静に避難行動等をとらせる必要がある、そういう関係から、特に防災業務関係者に対する訓練ということが非常に重要である。そういうことで、緊急時の通信連絡訓練、住民に対する情報伝達訓練、こういった訓練を中心にやるべきであるということをいたしております。  それで、住民に対する避難訓練自体は、関係機関が適切な指示指導を行えば、地震あるいは水害等において避難訓練等は常時やっておりますので、そういったことによって対応できる。ただ、この原子力発電所の事故による放射性物質の放出、特異な事態に対しては、何が重要であるかということを考慮して、特に今申しました三点を中心に現在は訓練いたしておるという現状でございます。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 もう時間がありませんが、国道に、特に原発の付近とも限りませんけれども、相当たくさん遮断機が設置されておるわけです。国道の担当者からお聞きをいたしましたら、強風とかその他の災害、いわゆる自然災害によって国道が損壊されることを防止するために遮断して国道を守るのだ、こういうお話でした。原発事故が起きたときこの遮断をするのじゃないのか、放射能を浴びた住民はよその地域に逃がさないようにするのじゃなかろうか、こう言ったら、建設省がこれを管理しておりますが、建設省としてはそういう目的で設置したわけではありません、こう言っております。  そうだとするならば、万一原子力事故が起きた場合、遮断させるためにこれを使わせてくれといった場合に、建設省どうするのですか。きょうお答えをいただきたい、こう言っていたわけであります。いかがですか。

鈴木道雄建設省道路局長

○鈴木(道)政府委員 国道上の交通遮断機は、先生御指摘のように道路交通の危険を防止して通行どめを緊急に実施するために設けられておりまして、御指摘の有事の際の被曝地域への車の進入を交通遮断機によってとめるということはこの設立趣旨からいってできると思いますけれども、この被曝地域から避難してくる人たちをそれによってとめるということは、この遮断機の設立の趣旨からできないと考えております。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 こう聞いているのです。防災会議がどうしても必要だから遮断してくれ生言った場合、建設省はどうしますか、こういう質問なのです。ほかのことは答えなくていいのですから、よく質問を聞いて。

鈴木道雄建設省道路局長

○鈴木(道)政府委員 ですから、この遮断機の設立の目的からいいまして、そういった避難してくる人たちをとめるためにそれを使ってくれと言われてもできないと考えております。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 建設省は絶対断りますな。断るんですね。

鈴木道雄建設省道路局長

○鈴木(道)政府委員 今の設立の趣旨からそういうふうに考えております。ほかの手段でやっていただきたいと考えております。

坂上富男日本社会党・護憲共同

○坂上委員 時間がありませんからこれで打ち切りますが、これはじっくりとお聞きをしなければならぬわけであります。災害の季節に入ってまいります。おわかりにならぬ方もいるようですが、原発だって災害対策基本法の基本問題なんです。しかし、これについてはまだ全然こんな程度の対応なんです。これはもう内閣総理大臣以下、国民の生命と財産を放射能からどう守るか。外国とも批准しようという世の中でございます。もう世界的規模でこれは守らなければだめなんです。だから、推進派と言われる宮永氏がこういうことを言っているということを申し上げて、ひとつ御勉強をいただきたいと思っている。  「訓練をやればかえって安全性に不安を抱くというのは、日本的な反応だ。もっと防災関係や住民の原発、放射能への知識を増やす方向で充実すべきだと思う。ソ連の事故後、外国の事故でも相互に援助しようとの国際協定も出来た。日本も対策、訓練を充実させないと、外国から援助を要請されたとき何もできないことになる」と言っている。これはいろいろ参加しております宮永一郎さんという、原子力安全研究協会の研究参与の方の言葉でございます。  きょうははしょりながらの話でありまして、ひとつ頭に置いていただきまして、また機会を見て皆様方から聞かせていただきたいと思います。確かに自然災害に対しては一生懸命やっております。私らも努力します。しかし、本当に国民の命と健康と財産を守ると言いながら、原発は日本に関する限り事故が起きないと、国民をだまかした施策が行われているものだから防災対策についてもこういう状況、しかもこういう委員会で、これが審議の対象の委員会であるかどうかもわからないというような発言もあるような不体裁な審議のやり方には大変問題があるわけでありまして、ひとつ皆様方にきちっと災害の防止についてやっていただくように要請をしたい、こう思いまして終わりたいと思います。

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 小野信一君。

小野信一日本社会党・護憲共同

○小野委員 最初に両大臣の所見をお伺いいたします。  地価問題、土地問題はとみに国政の問題、政治の課題として大きく国民から要望されております。昭和三十年代の高度成長以来、都市への人口の集中化によってもたらされたこの土地問題は、もろもろの政策がつくられ実行されましたけれども、結局今日の時代で見ますと、国民の住宅取得能力限界をはるかに超えております。したがって、この三十年間の政策は成功したとは言えない、むしろ失敗したのではないだろうか、私はこう考えざるを得ないのですが、なぜ、土地利用計画を初めとする土地政策が失敗したのか。これらの政策に対する所見を両大臣にまずお尋ねいたします。

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 いろいろ御見解はあると思いますが、結果論から言えば、二十年後の状況がわからなかったということじゃないのでしょうか。この狭い日本の国土でありますから、このような状態が起きないという考えはなかったわけではないのですが、国土利用計画法というのは私個人の立法でつくった法律でありますが、そのとき、一応土地問題については相当考えたわけでありましたが、これほど強力な暴騰につながるような経済状態が来るとは夢にも考えておりませんでした。失敗と言えば失敗ではありますが、今の段階において失敗を議論するより、どう始末をつけるかということの方が重大じゃないかと思っております。担当ではないとは申し上げませんが、そういう点で、建設省は建設省なりにこの対策をどうするかということを今検討しております。  これは先ほどもちょっと申し上げましたが、与野党とも、これはイデオロギーの話ではありませんから、そういう観点から皆さん方の御協力を願って早急に結論を出したいと思っておりますので、その点よろしく御協力をお願い申し上げておきます。

工藤巖自由民主党国土政務次官

○工藤(巌)政府委員 昭和三十年代から今日までの地価の動きなどを考えてみますと、経済の高度成長に伴いまして、人口の急速な都市への集中をめぐって昭和三十年代は大変な地価の暴騰になったわけでございます。これに対応してもろもろの住宅対策等が講ぜられて、ニュータウンの開発などが行われてまいりました。  昭和四十年代に入りましてからも、いわゆる金融の大幅な緩和と過剰流動性を背景にして、全国的な土地の投機買いなどもあって、地価がかなり高くなった。これに対応してもろもろの対策が講ぜられてまいりました。国土利用計画法、国土庁の設置もそうでございます、いろいろな規制をやり、土地税制も強化し、また土地供給の努力もされて、狂乱した地価がおさまってまいりました。五十年代に入って、大変地価が安定をしてまいりました。その限りにおいては、こうしたもろもろの規制とか税制とか各般の対策はそれなりの効果を上げた、私はこう考えております。  現在はまた別な要因をもって東京の一部に地価の高騰が見られますけれども、総体的に見て、すべてよかったとは申し上げられないけれども、今日までとってまいりました土地対策というものについては評価してもよろしいのではないだろうか、かように存じております。

小野信一日本社会党・護憲共同

○小野委員 もう一度両大臣にお尋ねしますけれども、建設大臣は、将来の見通しが確保できなかった、把握できなかったことが今日の国民の住宅取得能力との乖離を生んだ、こう言いました。国土庁は、今までの政策は成功だとは言えないにしても失敗だと評価するのは酷ではないだろうか、こういう観点に私は理解いたしますが、今の地価を国民の所得と比較した場合に、少なくとも成功した、こういう評価は国民の側から出てこないのじゃないだろうかと私は思います。  それで、過去三十年間、昭和三十年代の高度成長を含めたもろもろの土地政策から、これからの土地政策は何を学ばなければならないと集約しておるのか。これからの土地政策に過去三十年間の土地政策から何を学んでつけ加えれば土地問題は解決する、こういう自信ある答弁がおありになりましたら、意見を聞かせていただきます。

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 それほど立派な意見は持っておりませんが、日本人で、今日のように国際経済でこれほどの力を持つようになろうと考えた人はほとんどなかったのじゃないかと思うのです。これを予期できだとすれば神様ではないかと私は思うのでありますが、そういう観点でそのことを議論することよりも、現状をどうして打開していくかというのが重要ではないかという感じを私は持っております。  もとより文字どおりの浅学非才でありますから、御期待に沿うようなことはできないかもしれませんが、自分の力でできる範囲内のことば始末をしていきたいと思っておりますし、今の土地の高さ、暴騰したといったって、これは極言すれば東京都内だけでありますから、この始末をどうするかということに絞って検討を続けていきたいと思っております。

工藤巖自由民主党国土政務次官

○工藤(巌)政府委員 建設大臣からおっしゃったとおり、今の地価問題は東京の一部に限られていると言ってもよろしいわけであります。  何を対策につけ加えればよいかという御質問でございますが、これは大変難しい土地の持っている特性、生活と生産の絶対的な基礎でもあり、しかも有限性を持っており、需要に対して供給がおくれがちである、こういう傾向を持っておりますことからこれからの土地対策を考えていかなければならないのでありますが、当面する問題を解決するためには、供給を拡大するという観点からの対応と、もう一つは、いわゆる投機的な考え方で土地に投資をする、またすることのできるような条件が金融緩和等を含めてある、こういうものをどうして抑えていくかという、規制と供給の拡大、この両面から考えていく必要があるだろう、こう考えております。

小野信一日本社会党・護憲共同

○小野委員 土地局長にお尋ねします。  何度も申し上げますけれども、これからの土地政策は、過去三十年間から学んだ中から何を選び出して、何を加えるということによって少なくとも過去の失敗を繰り返さないか、こういうことがなければ、同じような失敗を繰り返していくだろうと思うのです。

田村嘉朗国土庁土地局長

○田村政府委員 今までの地価動向、それからこれに対する地価対策の評価につきましては、政務次官から申し上げたとおりでございますけれども、従来の地価の動向と比べまして今回非常に特徴的なことは、従来の地価動向は上昇期には全国的に一律に上がっておったという傾向であったと言えると思います。しかし今回は東京中心の非常に局地的な現象である、しかも、今後東京以外でも動向いかんによっては局地的に地価上昇が起きてくる可能性が非常にあるというふうに思っております。これが一つの特徴でございます。  さらにまた、最近の状況を見てみますと、非常に短期間の投機的取引、土地転がしと言われておりますけれども、こういう現象が顕著でございます。金融緩和情勢が背景にあることはもちろんでございますけれども、従来の歴史の中ではこういった事柄はそれほど顕著ではなかったように思います。  したがいまして、私どもはこの東京中心に対して宅地供給を積極的に進めていくということが当然基本的な対策と思いますけれども、同時にまた、局地的に起こり得る地価上昇、特に投機的な取引について機動的に的確に対応できる方策を準備する必要がある。この点については従来の制度もいろいろ整備されてまいりましたけれども、なお補強する必要がある、こういうことで法律による規制あるいは税制、この点について今申し上げましたような特徴に対応する制度を特に充実する必要があるというふうに認識しております。

小野信一日本社会党・護憲共同

○小野委員 どうも答弁をお聞きいたしましても、これから地価が安定させられるのだという確信のある答弁を私は受け取ることができないのですけれども、特に東京都を中心とした一部の異常なる地価高騰、これだけが問題点であって、国民の住宅取得能力とかけ離れた全国的な地価についてはこれはやむを得ないという見方のように私は聞くのですけれども、これは間違いじゃないだろうか。これは間違いだろうと私は思いますので、やはり国民の所得と比較して地価が異常に高いことは全国的に間違いないわけですから、これに対する対策をきちっと立てていただきたい、これを要望しておきます。  そこで、国民の所得から考えて当然適正価格というものがあるんだろうと思うのです。今日本の適正価格は幾らか、こういう質問ではなくて、それは地域によって違うでしょうし、所得によって違うだろうと思うのです。そこで、適正価格というものはどういう条件を満たしたときに適正価格と言えるのか、その条件を検討してあるとすればお聞かせ願いたいと思います。

田村嘉朗国土庁土地局長

○田村政府委員 先生おっしゃるその適正な価格というのは、いわゆる地価公示制度あるいは国土利用計画法の中で使われている言葉でございます。その意味での適正な価格というのは、私どもは、買い進みとか売り急ぎとかそういう特別な事情のない取引市場において通常成立する価格、正常価格と言っておりますけれども、こういうものであろうというふうに考えております。  それをどういうふうに把握するかということでございますけれども、地価公示の公示価格を出す場合には三つ方法がございまして、一つは、今申し上げましたような特殊な事情のない通常の取引事例をたくさん集めましてこれから推定する市場価格、これを一つの参考とする。それから二番目には、地代等から収益を還元して、有効に利用した場合にどのくらいの価格でも採算がとれるだろうかという、収益還元法と言っておりますけれども、こういう方法によって推定される価格。それから三番目に、これは宅地開発等の場合に行われるわけですけれども、同じような効用を有する土地を造成するコストがどのくらいかかるだろうかという原価法。こういった三つの方法によって正常と推定される価格を判定しているわけでございます。その判定した結果を国民の皆様にお知らせして、そして適正な地価が形成されるようにこれを使っていただく、こういうことで地価公示制度が運用されているわけでございます。  それからもう一つは、今の公示価格、それから同じような方法によって判定されまする都道府県地価調査というのがございますが、この地価調査価格を基準にいたしまして、届け出の行われた取引につきまして適正な価格と言えるかどうかを判定している。こういうことで、今申し上げましたような二通りの意味におきまして、適正な価格というものを我々は運用しておる、また考えておるということでございます。

小野信一日本社会党・護憲共同

○小野委員 今の適正価格あるいは正常価格の条件を、今の東京の異常な地価の高騰というものは満たしておらないのですか。

田村嘉朗国土庁土地局長

○田村政府委員 私、今公示価格の算定について三通りの方法があると申しましたけれども、特に東京の業務地などの場合は、主として取引事例を集めてこれを参考にしていわゆる正常価格というものを出しておりますから、その地域において行われる取引事例で極端な買い進みとか売り急ぎとかあるいは非常に極端な投機的取引、こういったものを排除した普通の事例を集めて、それの真ん中辺がいわゆる正常な価格、こういうことになるわけでございますから、結局現在の取引動向の中で普通の相場から非常に飛び離れた価格というものは正常な価格ではないと思っておりますが、現在のような地価高騰期におきましてはそういう取引事例が、全部ではありません、部分的に見られるということは事実であります。

小野信一日本社会党・護憲共同

○小野委員 これもまた問題点を残した答弁になります。  そこで、もう一つお伺いしますけれども、譲渡益課税、これは御存じのように非常に高い税率を今課しております。反面、固定資産税は標準課税で一・四、実効税率で〇・一ぐらいですか、なっておる。非常に安い。このアンバランスが現在の日本の土地制度を大きくゆがめておると私は考えます。したがって譲渡益課税は、土地を保有する意欲を持続させるという能力を地主さんに与えてしまったのではないだろうか。しかし、そのことによって富の再配分をゆがめるという面を持ちます。したがって譲渡益税は、促進するという能力と、これをストップ、阻害するという領域と、二つ持つだろうと思うのです。したがって今日本の場合に、この譲渡益課税をどちらの面を強く打ち出すことが必要なんだろうか。あるいはバランスをとらなければならないと考えるとすれば、国民の側から見ると現在の日本の土地制度というのは成功しなかった、こうなりますから、国民の期待にこたえるためにこの譲渡益課税の能力、潜在能力をどちらかを顕在化させる必要があるのじゃないか、片方を殺してしまう今時期ではないだろうか、そう私は思うのですけれども、この譲渡益課税に対する土地局長のお考え方をお聞きいたします。

田村嘉朗国土庁土地局長

○田村政府委員 確かに譲渡所得に対する課税をどうするかというのは大変難しい問題でございますけれども、現在の考え方は、譲渡所得というのは、長年にわたって蓄積した土地の資産を売って一挙に実現するわけでございます。これに対して普通の所得税率を掛けますと、累進税率でございますから非常に高くなってしまう。これを緩和するという趣旨で、譲渡所得の二分の一を課税対象とするいわゆる二分の一総合課税というのが建前になっております。そういう考え方に立ちまして、現在の長期譲渡所得については、四千万円以下の部分は二〇%の比例課税、それを超える部分は二分の一総合課税、こういうふうな仕組みになっているわけでございます。これもまた高いではないか、もっと安くすれば宅地の供給が進むのではないかという御意見がある、これは事実でございます。しかし一方で、譲渡所得課税を軽減すれば資産としての土地保有がますます有利になって、土地を買う人がふえるだろう、そういう意見もございます。  それから、土地の譲渡益というのは、結局本人の苦労の結実というよりは、周りの開発された結果としてのいわゆる開発利益、これが顕現されているというふうなことで、そういったものが譲渡所得として地主に入るわけですから、この一部はやはり社会に還元してもらうという趣旨で、ある程度の税金を取るべきではないか、こういう意見もあるわけでございます。しかし、公共事業を推進するとかあるいは優良な宅地を開発する、あるいは住宅を建設するというふうな政策目的のために、土地が出やすくするように今いろいろな特別控除とか優遇の軽課の措置がとられているわけでございます。一方で、短期については、投機的取引を抑制するという見地からこれは重課するという仕組みになっているわけでございます。  そういうことが現在の考え方でございますけれども、本年度の税制改正におきましては、先生御案内のように、非常に短期間の譲渡益については投機的取引をさらに抑制する見地から重課するということとあわせまして、今長短区分は十年になっておりますけれども、五年で、五年以上持っておれば長期の譲渡所得ということで課税をしていこう。こうすればさらに一層宅地供給の促進が図られるであろうという税制改正を今御審議いただいておるわけでございまして、ただしこれはすべての土地についてそうしますと、ますますさっき申し上げましたような趣旨で土地を買う人がふえるかもしれないということで、実は昨年十二月三十一日までに持っている土地についてだけ五年にする、ことしになって以後買われる土地については依然十年の区分ということでお願いをしているところでございます。

小野信一日本社会党・護憲共同

○小野委員 終わります。

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 沢藤礼次郎君。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 私は、四全総と国土開発幹線自動車道、自動車交通網の建設について質問をいたしたいと存じます。  まず第一に、先ほども出ましたが、発表がおくれております第四次全国総合開発計画でありますけれども、これがいつの時期に公表されるのか、その見通しをお聞きしたい。作業のおくれている事情等もあわせて御説明願えれば幸いだ。一説には、多極分散じゃなくて、中曽根首相が大都市集中ということにこだわっていた背景もあるというふうにある報道は伝えておるのですが、そのことを含めましてお答えを願いたいと思います。

星野進保国土庁計画・調整局長

○星野政府委員 四全総の作業の策定状況でございますが、関係省庁と現在いろいろと御相談申し上げておる最中でございます。  なお、先生今、四全総がおくれたことについての理由は何かということでございますが、私ども、四全総は特に地方、各都道府県はもちろんでございますが、経済界その他とよく意見を交換する必要があるだろうということで、昨年国土審議会の方で、計画部会でございますが、調査審議経過報告をいただきました後、大臣を先頭にいたしまして各地方、ブロックごとにいろいろと意見を聞いてまいりました。そういうような手続をしながら今日に至っておるという状況でございます。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 事情等はその程度のお答えしか期待できないと思うのですけれども、いつ、今の作業状況から見て例えば五月中とか六月上旬とか、そういう目標は持っておられると思うのです。その点についてもう一言お願いしたい。  続きまして、その四全総の中に国土開発幹線自動車道建設の内容が盛り込まれていると思うのですが、どうですか。盛り込まれているとすれば、既に法定化されております七千六百キロメートルの既定の路線に何キロ上積みされる予定であるか、新しく建設を予定している路線の数、総延長をお示し願えれば幸いでございます。

星野進保国土庁計画・調整局長

○星野政府委員 策定時期でございますが、現在先ほども申し上げましたように関係省庁と折衝中でございまして、それが取りまとまりましたら国土審議会に国土庁試案といたしまして御提出申し上げたいと思っております。国土審議会がどのくらいの審議期間をかけて御審議いただくかは国土審議会の御判断によるところもあるものでございますので、ここでいつ決定されるかということは申しかねるわけでございますが、従前の例と申しますか、三全総を策定しましたときの例等をめくってみますと、一カ月ないし一カ月半くらいの御審議をいただいておるという例がございます。  それから、高規格道路の御質問でございますが、私ども、四全総の中におきますいわゆる多極分散型国土の形成ということに関します大変重要な政策の柱が、高規格幹路道路網の整備だというふうに心得ております。その高規格幹線道路網でございますが、三全総におきましては一万キロメーター余ということを申しておりましたが、私どもそれをさらに拡大するということで、現在関係省庁と折衝中でございます。それから同時に、路線名あるいはその他のことにつきましても、できればなるたけ明示させていただきたいというふうな方向で折衝をしている最中でございます。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 数字等で明らかにされなかった点については今の段階ではこれ以上追及申し上げません。私は勝手に推測するのですが、今のお話等も含めまして一万キロ台、そして既定路線の七千六百の二倍まではいかないだろう、大体その中間くらいじゃないかというふうに考えておるのですが、大臣うんうんとうなずいておりますので、その程度に理解をしておきます。一万三ないし四千キロメートル、これが私の得た感じでございます。  次に、時間が余りありませんので、先に進ませていただきます。  国土開発幹線自動車道建設法第一条、この「目的」というものを私は今後の作業で重要に取り上げて見詰めていきたいというふうに考えておるわけであります。繰り返すようで恐縮ですが、第一条には「国土の普遍的開発」を図るとか、あるいは「画期的な産業の立地振興及び国民生活領域の拡大を期する」とかあるいは「全国的な」、特にこの部分に注目したいのですが、「高速自動車交通網を新たに形成させるため、国土を縦貫し、又は横断する高速幹線自動車道」云々、こう書いてあります。  このようなことにつきまして、横断というのは何かということを私は国語的に調べてみたのでありますけれども、これはこっち側からあっち側に渡るというふうな表現もあるのですが、大陸、陸地や大洋などを東西の方向に横切ることとあります。東西の方向に横切ること、これが横断だ、東西と言っておるのです、辞典は。これは地球の一つの特徴でしょうね、国の配置から見て。それで見た場合、今実はこのルートの問題で、秋田を含めて岩手は大きな問題になっているのです。それはルートをどう引くかという問題です。  さて、もとに戻りますけれども、この「国土を縦貫し、又は横断する高速幹線自動車道を開設」する。しかるに、今まで法定化された、つまり第三条の別表に載せられております各路線、大きく分ければ十九路線、小さく分ければ三十二路線。その中で北東北横断道と呼びたいと思うのですが、秋田、横手、北上、さらにはそれを延長しての太平洋と結ぶという、固有名詞がないものですから、秋田線という名称しかないものですから、ぶっ通すということを考えた場合に、私は北東北という言葉を使わせていただきたいのですが、そのように御理解ください。  このたくさんあるうち、第三条別表にあるうちでこの北東北横断自動車道が国土を横断していない。先ほど申し上げた意味では横断していない。つまり秋田から横手、横手から岩手の北上までは決められたが、残った太平洋沿岸へどうつなげるかということについてはこの別表にはないわけです。なぜこれが、他のところは、これは手すさびにと言えば語弊がありますが、地図をちょっと広げてみたのですけれども、――これが東北の縦断、横断ですけれども、酒田――仙台あるいは新潟――いわき、平ですね、これはまさに横断という様相を呈していますが、この秋田線だけはここでストップしているわけです。こっち側は何もないのです。こういう決め方をした、せざるを得なかった理由というのがあったら教えてください。簡単で結構です。

鈴木道雄建設省道路局長

○鈴木(道)政府委員 今の七千六百キロの国土開発幹線自動車道の建設に際しましては、全国の各地域から、半島、島嶼を除いて、大体二時間ぐらいで行けるようなネットワークをつくろうというのがまず一つ基本的な考え方にございまして、それから当時の経済力あるいは新産・工特等の拠点開発等を勘案しながら、その他交通需要を見て総合的に七千六百キロメーターが決まったわけでございまして、恐らく今北上で切られているということは、全体の規模の関係あるいは交通需要が当時はまだ国土開発幹線自動車道の中ではプライオリティーが低かったという判断でなかったかと考えております。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 今のお答えで、言いようによってある程度ほっとした部分もあるのですが、私は先ほど来申し上げた第一条の理由等からいって、秋田、横手、北上は決まっているわけですから、当然国土を横断するという意味では真っすぐ釜石に行くのが自然ではないか。これは後でまた別な理由といいますかファクターもつけ加えますけれども、これについてはお考えはどうですか。

鈴木道雄建設省道路局長

○鈴木(道)政府委員 縦貫とか横断の定義になりますけれども、国土開発幹線自動車道で縦貫道と言っておりますのは、大体国土の中心軸方向を縦貫と言っておりまして、例えば九州ですと南北になっております。それを横切る方向を横断と言っておりまして、先ほど先生からほかの、辞典からの御講義もございましたけれども、必ずしも端から端まで行ってなければ横断と言えないというふうには考えておりません。本来ならばそういった必要性もあったと思いますけれども、現在法律でも横断自動車道に入っておるわけでございますので、現在の秋田線も横断自動車道であると考えております。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 日本人ですから国語を大事にしたいのですが、それからいえば今の御答弁は不満なのですけれども、不満を残しながら、いずれまた論議をする機会を得たいと思いますので、先に進ませていただきます。  先日、正確に言えば四月二十日、建設省の東北地方建設局が関係方面に示した案というのがある。これは今申し上げた北上ルートでもない、それから岩手県が示した北の方に飛んでいく紫波ルートでもない、ちょうどそれを足して二で割ったような、ここの中途半端なところに持ってくるというのが建設局の示した案になっております。私どもはこれについては大変疑問を感じたり不満を持ったりしているのですが、このことは本省でも御了知なさっていることですか。

鈴木道雄建設省道路局長

○鈴木(道)政府委員 冒頭国土庁の方からも申し上げましたように、まだ高規格幹線道路網というものが、全体の規模が何キロになるか、またどの路線が採択になるかということは決まってない段階でございます。  これからそれが決定される段階で、今この路線について路線の位置がどうこうという議論をするのもなにかと思いますけれども、ほかの地域では余りそういう路線問題がないわけでございますが、岩手県は大変面積も広大だということがありまして、今先生御指摘のように県庁盛岡の方から斜めに行くルートあるいは北上の方から直接行ったルートがどうかという、いろいろな要望がたくさん出ているわけでございます。これは全国的な幹線道路網ではありますけれども、やはり岩手県の方の利用が多いわけですから、最終的に決める場合にはある程度のコンセンサスを得て決めたいという考えもございまして、北だ南だということになりますと、少し保留しようかということになってもこれまた大変なことになりますので、地建の方でこれは路線として、要望ではなくて、白紙の状態で案をつくって県と御相談したらどうかということについて私ども了知しているところでございます。  しかしながら、今そういったことで調整の段階でございまして、本省案とかこれでこの路線が決まったということではございませんで、調整段階で地建が出したもの。ただし北と南があって足して二で割るということではございませんで、やはり路線の性格あるいは空港とか新幹線の駅とか総合的に勘案をしたルートについて一つの試案をつくって、御相談をしているという段階でございます。したがって、そういうことについては私ども十分承知しているところでございます。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 今試案と言ったのは試みの案だと思うのですが、そういう現状にあるという確認はさせていただきたいと思います。これからであるということですね。  そういった建設局案には項目的に申し上げると若干無理があるのです。三つの点を挙げていますけれども、一つ一つ見てみますと、例えば空港に近いとかというのは、あの地形を見ると空港のそばにインターをつくるのは不可能なんです。むしろ高規格道路の方が平面交差する可能性があるわけですから、県都盛岡の県庁に行くにしてもあるいは今申し上げた点についても、高規格道路で平面交差可能の方が私は機能的だと思う。それが一つ。それから、先ほど申し上げた国土開発幹線自動車道建設法の第一条の目的に照らしてもこれは妥当性に欠ける。そして、何よりも秋田側が北上ルートを支持しているわけです。決議を上げている。秋田県の山内村、横手市など秋田がむしろ積極的で、岩手は何を考えているのだという空気があることを私は確認をしております。それから、北上ルートを支持する市町村、これは該当地域の圧倒的多数、九九%近くまでが決議を上げております。  それから、将来展望を見た場合に、横断自動車道を通って三陸沿岸の海産物あるいは人が仙台に向かう、秋田に向かう、東京に向かう、あるいは逆に三岸沿岸を訪ねる観光客が仙台から来る、東京から来る、秋田から来る、広域観光だ、こういうことからいっても、試案として示された案には地元の人たちはどうも首をかしげているということを私は特に申し上げたいわけであります。  昭和五十九年に発表されました――私、日にちをミスして政府委員の方に御迷惑をかけたのですが、昭和五十九年三月に出されておる国の四省庁、通産、運輸、建設と水産庁で実施されました「三陸沿岸地域総合開発整備計画調査報告書」の中では、釜石と北上を結ぶルートが沿岸開発のための骨格になるルートだということを何回も指摘しているのです。このことについては何か内部で変更がありましたか。

鈴木道雄建設省道路局長

○鈴木(道)政府委員 ただいま先生がおっしゃいました報告書については私も拝見をしました。その中にそういう趣旨が出ておりますが、同時にこの路線は花巻空港、新幹線駅へのアクセス向上のためにも必要だということも書いてございますし、当増はどちらかというとこの路線の必要性ということに重点を置いて検討されたというふうに理解しておりますし、最終的に技術的ないろいろな観点からの路線の決定というところまで踏み込んだ報告書ではない。したがって、ここに書いてございますことは我々十分承知しておりますけれども、それも含めて最終的に結論を出していきたいと考えております。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 新人でいきなり時間をオーバーするのは今後にも大変不便を来すだろうと思うので、四十一分までという御指示ですから時間内におさめたいと思うのですが、最後に建設大臣にお伺いしたいと思います。  さっきの地図を拡大したのがこれでございます。つまり、これが県南地区が主張している北上ルート、これが県で打ち出したルート、これが今度建設局が示した試みの案。この三つを見て、どれが姿がいいと思いますか。  私は、道路網というのは、道路網だけではなくて機能を大切にすれば姿がよくなる、すっきりする。航空機の機体でもそうです。そういった意味で、この道路がつくられるのは二十一世紀なんですから、二十一世紀の後輩、子孫に残す道路網として建設大臣はどれでいくか、明治四十年生まれの風格と気概を込めて、ひとつ風格のある道路網を目指していただきたい。

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 目下検討中ですし、道路局長の話を聞いているとそれで決まったような話ちょっとするんですけれども、まだまだそんな段階に入っておりません。問題は何といっても地元の利用価値ですから、そのルートが入るようになれば、地元とよく検討して御期待に沿えるようにいたします。

沢藤礼次郎日本社会党・護憲共同

○沢藤委員 終わります。

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時四十分休憩      ――――◇―――――     午後二時三十七分開議

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  両件調査のため、本日、参考人として日本道路公団理事窪津義弘君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ声あり〕

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 質疑を続行いたします。坂井弘一君。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 天野大臣に、補正予算の編成の問題ですが、この間、中曽根総理が参議院の予算委員会で、内需拡大の大型の補正予算は六月中に骨格をつくって夏までには成立をさせたい、これは天野建設大臣が大変御熱心で、早くやれという強い要望を受けたのでと、こういうことのようでしたが、ちょっとその辺の背景といいますか、大臣のお考え、概略承っておきたいと思います。

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 御承知のように、今年度の予算は既に昨年度約一兆円近くは前倒しで使っております。そして、この間暫定予算を組むときに約一兆円近くの金をやはり使っています。残りはそれほど大きなものではございません。しかし、今の残っている予算は、恐らく今月の二十二、三日ごろまでには成立するだろうと思うのでありますが、その段階においてでき得る最大限の前倒しをしたいと思っております。これは仕事を活気ある状態につなぐ意味においての考え方でございます。  そうしますと、一週間ぐらいで全部執行ができる予定でおりますから、今度後期の予算編成に入るわけですが、その後期、下期の例年でありますが、雪寒地帯、寒冷地帯等は御承知のように十一月末あるいは十二月から春の二月まで仕事ができなくなる可能性のあるところが非常に多くあるわけでありまして、そこにまた補正を出しますと、四国、九州、中国地方とか関東、関西はまだ結構ですが、北陸、東北、北海道といったような地域は作業が非常に困難になってきます。そういう点でどうせ編成するなら早くできないか。要するに予算を編成するのが目的ではなくて、完全執行しないことには内需拡大にもなりませんし、失対対策にもなりません。そういう意味で、やるためにはやはり冬期間を除いてある程度の予算を今年度じゅうに仕上げるようにしてほしい。そうするにはやはり六月中に臨時国会を召集しなくちゃいけないんじゃないかという話をしたわけであります。  そこで、来年度の予算でありますが、来年度の予算は十二月から召集される国会で審議されることになりますが、これもできることなら予算審議中に委員会の御了承を願って、相当額の前倒しをやりたい。そうしますと、来年の夏までの間は非常に活気のある公共事業の執行が行われるんではないかという考え方でこの意見を持っておるわけであります。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そのお考えはよくわかりました。まだわかるのですが、問題は税収の見通し、見込みですね、その辺の絡みの問題。それから大臣がお考えの公共投資をうんと大型にやりたい、これは大変結構だと思います。そうなりますと、ただ財源をどうするか。恐らくお考えは建設国債ということかなと。ただ、一〇〇%建設国債に頼ることが仮に無理とすれば、その一部は例えばNTTのをちょっと取り込みたいというお気持ちもおありかな、そんなところを探るようなことで恐縮なんですけれども、若干、内需について大臣がどんなお考えをお持ちなのか。

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 それはごもっともの話でありますが、私、二十分の一国務大臣ですから、財源についても意見はないわけではないのです。私の方は、建前として各担当省庁が必要とするものに対しては大蔵省が財源を苦労して見つけてつくってくれるのがそれは本筋だと思っております。そうですから、建設国債を出さなきゃいけないとかあるいはNTTの株を処分した金でやれなどということは申しません。私、財源には触れていないのです。あくまでもこれだけの事業は執行すべきだ、客観的、主観的情勢からいって今の段階ではこれぐらいの予算が必要だと思うから予算を出せという話をしておるだけでありまして、私、元来大蔵省の立場に立たないことになっておるものですから、その点については余り申し上げていないわけであります。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 そうですね。それは大臣おっしゃるとおりと思う。これは余り大蔵省の立場を考えておったら仕事はできませんね。仰せのとおりと思います。これは大蔵省のしりはうんとたたくように。  そこで今度は補正予算の中身の問題ですね。この間伊東政調会長も、中曽根さんがアメリカにお行きになって、そして五兆円以上の大型の内需拡大の投資をやりたい、これは国際公約でしょう。ただ、その中身については、伊東さんのお考えは、どうもこの公共事業予算、これは結構だが、従来の各省庁ごとの配分枠に従って配られるというような硬直的なやり方ではこれはいかがなものか、どうも効果が上がらぬのじゃないか、つまり今までの配分方式を改めて、例えば半分は従来の方式でやりましょう、しかし残り半分は不況地域でありますとか不況業種あるいは特に効果の上がる事業、そういうところに重点配分をしたらどうか、自民党内の協力も取りつけることに全力を挙げたいというようなことを強調されたと報ぜられておるようでございますが、大臣はこの考え方に対してはどうでしょうか。

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 去年の補正予算の段階において私の私案であったわけでありますが、閣議で了承をとって、去年の補正から今の不況地域対策というものを、十分とはいかないのですが相当額を入れて、その地域に対する傾斜配分というものをやっているつもりであります。ところが御承知のように、最初は点だけであったのですが、北海道は室蘭がひどいんじゃないかとか東北では釜石がひどいんじゃないかとか、いろいろ点だけが問題になっておったが、最近の状態からいくとこれは相当やっぱり全国的に不況の問題が出てきたんじゃないかと思われます。それでこれは、通産省と労働省とよく事務的に連絡をとりまして、できるだけそういう形に流したいとは考えております。ただし、ここ数年間御存じのように公共事業絞られてきておるものですから、いわゆる先進国との比較からいえば問題にならないほどおくれているわけでありますから、そういう観点で不況対策に全部を投ずるというわけにもまいりません。そういう点で、実はこれはまだ決定してないのですが、建設省自体としては来年から三年間継続で、十兆円のそうした関係に特別に執行のできるような予算を要求しようという考え方で合います。自民党の方でも年間五兆円ずつ三年間計画で別に出そうじゃないかという空気が今あるわけですから、五兆円出してもらうと建設省の関係は大体七〇%前後ですから三兆三千億、三年間で十兆円でちょうどいくと思うのですが、それはそういう不況地域対策として銘打ってやれば大変いいんじゃないかという考え方を持っておりますが、これはまだ決定したわけではありません。建設省としてはそういう考え方で、関係している地域と話し合いをしているところでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 大蔵省の方もこの予算配分はもう一回見直しをして、建設省に対しても、住宅でありますとか下水道でありますとか公園でありますとかあるいは生活関連の道路と申しましょうか、つまり生活基盤を強化するようなところに重点配分をしてはいかがかというようなことを大蔵省の方も建設省の方に要望といいますか、そういうことがありましたのでしょうか、要請か何か。新聞にあったかと思うのですが……。

高橋進建設省大臣官房長

○高橋(進)政府委員 まだ具体的にはそういったことはございません。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 ああそうですか。わかりました。  今大臣のお考えも伺いましたが、そこでやっぱり財源の問題がどうなるかというところに頭がすぐ入るものだから余りこの議論は深入りを実は私は内心したくない気持ちなんですね。NTT株の売却益が何とかならぬかなというようなことを探ってみたり、ながながしかし難しいなと。  ただしかし、この公共事業、特に生活基盤を強化する、大蔵省のそういう方針が本当の方針としてあるならこれは大変結構だと思う。したがって、そういう意味では財源は大蔵省でうんとお考えもいただきたいなと思うわけでありますが、いずれにいたしましても従来の予算配分方式をこの辺で一回見直さなければならぬぞ、特に生活関連公共社会資本、これは欧米に比べてうんとおくれているからこれを取り戻せという考え方も一方にあれば、しかしその考え方が出てくる一番根っこといいますか、もとは何かというと、本当にゆとりのある、安心できる国民生活の基盤をつくるための生活関連の公共資本をまず何物にも優先をして整備しなければならぬ、この考え方がまず基本になければならぬ。とすると、最近のいわゆる貿易摩擦、日米の険悪な経済関係、そういうことから、外圧によって内需拡大をやらなきゃいかぬから公共事業だという、この考え方はとりませんよね。大臣、盛んに首を振っておられますが、全くお考えは、そうした本当に基本をしっかり踏んまえたこれから公共事業、とりわけ生活基盤を拡充をする、そういう社会資本の充実ということにうんと力点を置いて進めていかなきゃならぬと思うわけでございまして、そのための、例えば今度は来年度予算の編成に向かっての予算配分の一つの方式として、概算要求段階ではゼロないしマイナスシーリングを一律に一たん線を引いて、そこで生まれできます余裕枠といいますか、そういうものを重点的に今のような生活関連、社会資本を強化するところに予算の配分をしたらいかがか、こういう考えも一部にあるようですが、いろいろなところを大臣もお考えだろうと思うが、そのような考え方についてはどうですか。何かしかし今までの方式を改めなければいかぬだろうなという気がいたしますが。

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 概算要求問題については私、意見を持っております。特に去年から閣議で何回か発言しているのでありますが、まず総理と大蔵大臣が予算委員会で御存じのように昨年度との比較で五二一%公共事業はアップしているということを大変主張するのですが、私はちっともアップなんかしてないと閣議で何回もたしなめたのであります。去年の当初予算とことしの当初予算を比較すれば、それは確かに五・二%アップしているだろう。しかし去年は当初予算で賄い切れなくなって三兆三千億という膨大な追加補正をやったんじゃないか、二つ足して五・二%アップしたというのならそれは本当のアップだよと言って、私閣議で何回かやっているわけですが、問題は今までずっとマイナスで来たという、ゼロからマイナスで来たわけでありますから、日本の公共事業それ自体がうんとおくれていることは事実でございます。そうですから、便乗主義という言葉をとっては大変ですが、貿易摩擦の関係でアメリカから強いられたからやるのではなくて、その対策として日本の国内の産業がどうにもならなくなっていものですから、そういう意味で、アメリカに主導されてやるような内需拡大だったら今の例えば五兆円というのなら十兆もやらなくちゃなるまい、国内の方はどうなっているんだ、私はそう思うのです。  そういう観点で、来年度の予算編成からは概算要求マイナスなんというのは私はいたしません。このままどこまで首がつながるかわかりませんが、概算の予算を組むところまで私がいれば、私はプラスで頑張るつもりでございます。  要するに、編成方針はいろいろな行政改革と財政再建という問題との絡み合わせもありますが、今命がなくなってはどうにもならないのですから、そういう意味で、その命をつなぐ意味においても、もう便乗してちょっと恐縮なんですけれども、後から補正を組むなんということでなしに頭からやるようにしたいと、現在私はそういう考え方を持っております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 大臣、頑張ってください。公共事業予算を拡大するということについてはもう大方異論がないのですよ、みんな賛成なんですね。ただ、現実を見ますと、一方には赤字脱却、財政再建路線というのが一つこう旗がある。そしたらどうしても財源をどうするのかという議論に行き着かざるを得ない。ということになってまいりますと、今私が申し上げましたように、それじゃ、ゼロないしマイナスシーリングというところに一たん線を引いて、余裕枠が出ればそれを政策的に重点配分したらどうかというような、ある種の苦肉の策みたいな考え方がここに出てくるということだろうと思うのですが、ただ、そういう考え方も私は極めて消極的であると思います。先ほどから天野大臣仰せのとおりだと思います。相当蛮勇を持ってかからなければとてもとても、今のこの本当におくれておる、国民から見てまことにお粗末な公共社会資本を整備することはなかなか並み大抵のことではなかろうと思いますので、大臣、大変御苦労いただいておりますが、どうぞひとつしっかり踏ん張っていただきまして、我々も及ばずながらバックアップをさしていただきたいと思います。  話は変わりますが、関西新国際空港が今随分にぎやかになってまいりまして、この建設工事に対します外国企業の参入問題は、もうこの辺で外国企業も――外国企業というのは今アメリカでしょう。これは参入させざるを得ないというように建設省もお考えのようなんでしょうか。日本の建設業界に協力の要請を建設省がされたようでございますけれども、その概要あるいは見通し等について若干お答えをいただきたい。

牧野徹建設省建設経済局長

○牧野政府委員 関西新空港への外国企業参入問題でございますが、まず基本的に、新空港を建設しておりますのは関西空港株式会社でございます。ですから、会社が自主的に判断して決定されるべきものというふうに考えております。ただ、そうした問題の中で、やはり我が国で建設工事を実施する場合には建設業の許可は当然必要でございます。そういう建設市場一般にかかわる問題が不可避的に含まれておりますので、従来から私どもも入りまして運輸省、外務省、建設省三省で取り組んできたということでございます。  具体的に言いますと、新聞等で御承知かと思いますが、関西空港株式会社がアメリカの企業に対してセミナーを開催いたしました。そこでいろいろ我が国の制度等あるいは会社の基本方針を説明したりしましたが、これにつきまして、引き続いてほかの国からの要請にも応じて会社がセミナーをやっておるようなことでございます。  さてそこで、私どもがこの外国企業の我が国建設市場への参入について基本的にどう考えているかということでございますが、我が国の制度は一言で言うとオープンだ。外国企業であるがゆえに例えば建設業の許可は取れないとか、取るのに当たって非常に不利だということは全くございません。現に外国企業のままで我が国の建設業の許可を取っておられる会社もございますし、合弁会社でやっておられる方ももちろんもっとございます。ですから私どもは、やはり我が国の建設市場に参入する以上は、我が国の法制度に従って許可を取った上で、企業努力を重ねられて発注者の信頼を得られる、こういうことがペースだと思っております。  ただ、そうはいいましても実際問題として、私は先ほど外国企業のまま建設業の許可を取っている会社もあると申し上げましたが、参入といいますか、その実績はそう多いものではございません。それも事実でございますから、何とか相互の理解を高めるよすがにでもなればということで、ただいま先生お話のございました件でございますが、先日、私どもの方から国内企業に対して、ひとつ外国企業、特にこの場合は御指摘のとおりアメリカでございますが、幅広い話し合いといいますか協力関係を形成するために業界に窓口を設置していただけないか、そして窓口を設置したら、お話があればそれ相当にきちんと対応してくれませんかという要請をしたところでございます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 どういうことになってまいりますのやら、我が国には我が国の建設業界のいろいろな長年の慣行とかいろいろな積み重ねがある中で、やはり彼我のいろいろな相違というものがあるわけですよね。この窓口がそこら辺の双方の理解を生むような大きな一助にもなり得て、そこで本当に双方が理解の上で米国企業なり外国企業が参入するというのならばこれは望ましいと思う。ただ、伝えられる日米摩擦、そういう中で、いわゆる外圧によって何がしか政治的に押し切られたというような形がもしか残るとするならば、これは我が因業界にとって大変不幸なことであると思います。したがって、そういう点につきましては十分御留意をいただきながら、そこはひとつ適切な調整なり指導を建設省の方にぜひいただきたいと思います。  それから、恐らくこの問題は、関西新空港の建設問題に端を発しまして、これから次から次へと起こってくる問題ですね。むしろターゲットは次にあるかもしれないというようなことが、ある意味では非常に不安があるのです。つまり、東京湾横断道路あるいは先ほどありました伊勢湾の湾岸道路等々、ビッグプロジェクトというのが将来の我が国日本の公共資本形成の中でやはり大きなウエートを占めている。これらが一つの標的というとらまえ方の中で関西空港の建設工事を突破口にしよう、こういう彼らのいわゆる経営戦略というものもなきにしもあらずだろうと思う。そういうことになってきますと、ひとりアメリカ企業だけの問題ではない。これは韓国を初めヨーロッパ等々外国勢がどう出てくるか、ここら辺も、建設省恐らく大変頭の痛いといいますか、よく眺めながら上手な対応をしなければいかぬという非常に難しい局面だろうと思うのですが、その辺の御苦心のところもあれば、一言といいますか、簡単にお教えいただければと思います。

牧野徹建設省建設経済局長

○牧野政府委員 まず、関西空港の工事に対して参入を希望しておる国は、先生おっしゃるとおりアメリカだけではございません。これは関西空港株式会社が取引の希望の申し出というのを受理しておりますから、今私の持っております関西空港株式会社の資料によりますと、アメリカ初めオーストラリア以下全部で十一カ国、純粋の数で百六社程度が、これはいろいろな、工事だけではなしに物品調達等も含みますが、それだけの十一カ国の企業の方が取引をしたいという申し出をされているようですから、アメリカだけということではないかもしれません。  私どもは、先ほども申し上げましたように、それらの国の企業が入れるかどうかは、個別具体の発注者である会社と関西国際空港株式会社との間の信頼関係がどうなるかというのが基本だと思います。ただ、そういう努力をそれぞれの国の企業がされれば、それは私どものといいますか建設省としては、基本的に制度はオープンだと言っているわけでございますから、どこの国がよくてどこの国はだめということにはならない、そういうことは言い得ないと思っております。  それから、ちょっと前後しましたが、関西新空港を突破口としてその他のビッグプロジェクトにも及ぶのではないかというお問いただしてございますが、確かにそもそもアメリカなどでも関西新空港建設だけではなしに、その他の飛行場でございますとか、建設省関係でいえば東京湾横断道路でございますとか、そういうものについて向こうがいろいろしゃべっておることは事実でございます。その場合にどうなるかということですが、先ほど言いましたように私どもは制度はオープンで、努力すれば報われる。公平、無差別ということは、逆に優遇するということでもないのですから、淡々と日本の業者と同じように扱うということですから、そういう努力をされれば、どれはよくてどれはだめということはこれもまた言えないと思います。  ただ、突破口という先生のお話でございましたが、私はやはり突破口というか、確かに今までも入っていますけれども、ビッグプロジェクトで入ってくるのは関西新空港ということで貴重な前例ぐらいになるかもしれませんが、これがあってもなくても制度はオープンで、入ったければ今まででも入れたわけですから、そういう意味では突破口という表現はやや正確を欠くのかな、このように考えております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 やはり国際化という一つの大きな流れが全般にあるわけですよね。そういう中で我が方がひとり賢しで、いわゆる排除の論理というものがまずありきということではこれはよろしくない。したがって、そういう意味においてはまことにおっしゃるとおり、淡々と公平、平等、門戸開放ということで結構だと思う。思うが、ただ、どうも今関西国際空港建設工事に対する参入問題というのはかなり政治的な意図もなきにしもあらずという感じがする、これは新聞報道等を通じても。つまり、日米摩擦というものがやはり非常に大きくバックグラウンドにあるわけですね。そういうものが政治的に一つの巨大な力になって、そして日本の建設業界に向かってくるというものがこの関西空港の建設工事への参入ということにあらわれているんではないか。そういう意味においては突破口となり得る、突破口と向こうはねらってくる一つの心配があるという意味で実は申し上げた。したがって、決して私はかたくなにこれを拒否するという立場に立つのではない。ないが、しかし今のような背景がもし仮に、私の危惧が危惧であればいいんだが、そうでなくて本当にありとすれば、これは将来において非常に好ましかるべき、よろしかるべき建設のいろいろなプロジェクト工事に外国企業が参入する際に、日本人の感情としてあるいは日本の建設業界が何がしか反発といいますか、しっくりいかないというようなことになりますと禍根を残す心配なきにしもあらずと思いましたので、老婆心ながらそのようなことを申し上げた。これは関西空港またおいおいと進むに従いまして、機会を改めましてお尋ねをしていきたいと思います。  そこで、テーマを改めますが、実は四全総の関係です。  この間統一地方選挙が行われました。売上税という格好のテーマが飛び込んできまして、どうも地方における今何が大事か私なりに考えますと、これからの地方経済をどうするかという最大のテーマがあるわけですが、これがちょっとかすんだなという感じが実はいたします。あわせて、この四全総に関係しまして昨年暮れ十二月のあの中間案報告ですか、あそこではどうも東京重視というのが出た。国土の均衡ある発展あるいは地方分散、地方分権、地方の活力、地方の時代等々、地方を謳歌することはいっぱいあるんだが、そして四全総にも非常に期待をしたんだが、どうもやはり四全総の昨年の暮れのあれは東京重視である、じゃ、地方は粗末に扱われるんだな、地方側からしますとこういう不安というものが住民の側にも多分にあったのではないかなと私は思う。その後、いや、東京重視というのはよろしくない、地方から猛烈な反発があったから、やはりこの一極集中を是正して多極分散へという方向に方向転換をした。これは国土庁の英断だと私は思う。これは英断であり、賢明な方向を示したと思うのです。思うんだが、少なくとも地方の経済をどうするかという非常に切実な、地方住民があの統一地方選挙の際にこの辺の片隅にあったものは何かというと、昨年の暮れの東京重視という四全総の考え方、これは中曽根さんの考え方と言ってはえらい失礼かもしれぬけれども、これに対してかなり不安を持ったことも事実だろう。これは私なりにそういう分析といいますか見方を実はしているわけなのです。  そこで、今度の四全総案、四月三十日にまとまりました。これは今申しました東京圏への一極集中は国土資源と人間活動のバランスを崩す、こういう指摘、そこで多極分散型国土の形成というものを前面に打ち出した試案を国土庁がまとめられた。これは経緯を振り返りますと、今申しましたように昨年末の国土審議会がまとめました中間報告が東京重視という批判を受けた、そこで百八十度転換をしたのが今度の国土庁の試案ということなんだという受けとめ方でいいのでしょうか。

工藤巖自由民主党国土政務次官

○工藤(巌)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま、昨年の中間報告については東京中心型であった、しかしいろいろな批判が出たからこれを多極分散型に変えたと理解していいかということでありますが、そうではないと思っております。というのは、あくまでも審議の経過の報告につきましては審議状況について述べたものでございまして、その中の審議の焦点も実は、このごろ東京一極集中型になっているのではないか、それは東京の持つ国際的な機能が高まってきているがゆえに東京に集中し過ぎる形がある、そこで大都市圏におきましても、実は東京の周辺に業務核都市などもつくってこれを分散していけばいい、いわば大都市圏の中におけるこれからの見通しのようなこともいろいろ審議をし計画をしたものでございますから、したがってどうも中間報告には首都圏についての記述がバランス的に多過ぎた、それが何となく東京一極集中というような印象を与えたのではないか、私はそう思っております。実際には決してそうではなくて、今までの全国総合開発計画、新全総、三全総等、系譜を踏みながらもいずれも国土の均衡ある発展を目指したものであったわけでありまして、四全総もまさにそのとおりなわけです。  それで、今度出しましたのは計画の試案でございます。前に出たのは審議経過の概要を報告したものでございますから、今度の多極分散型の計画というものが国土庁で出しましたそもそもの試案だ、こうお考えいただいてしかるべきだと思っております。  なお必要がございますれば局長から補足させます。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 工藤政務次官、午前中のやりとりで、この四全総の成案ができるだけ早い機会にというお答えだったと思いますが、どうなのでしょうか、六月の末の閣議くらいではもう決定するというくらいのめどで進められますか。

星野進保国土庁計画・調整局長

○星野政府委員 先ほどもお答え申し上げたのですが、現在各省折衝中でございます。各省折衝が終わりますと、国土審議会におかけしないとなりません。これは野党の先生方も皆さんお入りになっております審議会でございますが、そこの審議会で御審議いただいて諮問答申されますと、閣議決定という段取りになります。国土審議会はどのくらいで終わるのかというのは、実は国土審議会という主体があるものですから国土審議会の御判断というものが非常に重要だと思いますが、私どもとしては先生言われるようにできるだけ早くやらさせていただきたいというふうに思っております。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 いろいろなこれから政局の動きもありますし、ちょっと流動的なのかなというようなことをちらちら思いながらお尋ねをしたのですが、この全総案について、正直にという言い方はよくないかもわかりませんが、議論をしていきたいと思うのです。  実は、東京重視、東京一極集中、この考え方はずっとあったと思うのです。戦前からあった。昭和十六年体制とか言われますが、東京一極、これを重視するという政策が一貫して今日までずっととられてきた。地方分散というのは何なのかと考えてみますと、それは生産現場だけを地方に移す。つまり情報機能ておりますとか中枢管理機能、文化創造機能、そういう大事な機能はすべて東京に集中をさせる、この政策は今日に至るも一貫して昭和十六年以来ずっと続いたと思うのです。本社機能も全部東京です。工場は地方に分散させる。これは官庁においてもしかり。地方は出先機関です。中枢管理機能、これは全部東京にある。この体制というものが今日の日本の非常に高度な、言うなれば最適工業社会、こういう表現をもって言う人もおりますが、確かに日本の大変な工業社会を形成してきた、それに役立った、極めて効率的であった、効果的であった、これは否めない事実だろうと思うのです。  したがって、もしこの考え方を持って今の四全総を眺めてみましたときに、四全総の議論というのは、今言う地方に生産現場だけを持っていく、分散する、果たしてこれだけでいいのかどうなのかというような議論、それから各地域を特色づける政策、つまり今村おこしとか町づくりとかいういろいろなアイデアが地域にありますね。そういう各地方、地域というものを特色づけるような政策を地方地方に置いていく、こういうようなことでよろしいのかというくらいの議論であって、やはり東京重視、東京一極集中といいますか、東京重視の政策の流れは変わるものではないのだ、こういう説があるようでございます。  そう言われてみますと、確かに今までの地方の都市機能というものを見ますと、地域の住民サービス、全国的なサービス機能を地方の都市に持たせるというようなことはかって一回もなかった。恐らく今後においてもそういうことは不可能であろうとすら私は思う。もしそういう考え方に立つならば、四全総で目指す多極分散型国土、言葉では表現できたとしても、その実行、実現の可能性というものは極めて困難じゃないかなというような実は気がしてならぬものだからくどくどしくこんなことをお尋ねするわけでございますが、今のような説をとる人に言わせますと、東京集中はもう当然なのだ、だから中枢機能を地方に分散させるなんというようなことは考えなさんな、不便だ、そんなことができますか、それよりも手っ取り早いのは、例えばリニアモーターカーを活用した東海道第二新幹線をつくったらどうか、東京-大阪間一時間、東京-名古屋間四十分、住まいは名古屋、大阪、働くのは東京、これの方がよっぽど効率的であるという考え方も一部にあるようでございます。  そういたしますと、今、四全総の試案の中で、やはり東京に国際金融、国際情報などの都市機能が集中をしておる、したがって、この東京の世界的役割がこれからますます増大するであろう、この物の考え方は、今私が申しましたようにやはり一貫して東京重視という流れは変わらないぞという説を裏づける四全総の物の考え方になっていくのではないかと思う。そうは言いながら、一方において多極分散だ、こう言う。これはなかなか、今まではずっと三全総までやってきまして、地方の定住とかいろいろなことを言ってきた。地方の時代と言ってきた。地方にやがてバラ色が現実のものになるようなことも随分言ってきた。しかし今現実はどうかというと、やっぱり東京ですね。  こんな席でこんなことを申し上げて甚だ恐縮なんですが、私の女房が東京で住みたいと言う。おまえ老後は田舎でいいんじゃないかと言ったら、とんでもない、便利が悪い、何にもない、東京へ行けば公園がある、図書館がある、美術館がある、大きな百貨店もある、ショッピングも楽しめる、緑もある、こう言うのですよ。そんなことないぞ、東京はコンクリに囲まれた本当に砂漠だ、私はこう言うのですけれども、どうもそうではないらしい。それでこの辺の、東京集中はよろしくないんだ、この過密はもう人間が住めないんだ、こう言い、そしてこれを改めて国土の均衡ある発展だ、だから四全総でやはり多極分散だ、こう出してみる、しかし、本当に日本が、東京がもっと広々として人間が住めるような環境になって、地方にはそこで定住できるようなゆとりのある職場もあれば生活空間もあればというようなことに本当になるのだろうか、そんなことを考えながらの御質問を実はしているわけでございます。  東京中心、東京一極集中というのも、東京が言うなれば一つの巨大なパラボラアンテナみたいなもので、アメリカに向かっておって、アメリカの情報が全部東京に一たんばんと入る、東京に入った情報がここを基点といたしまして日本の全国各地に伝えられる、分散する、こういうことであったと思います。情報というのは非常に大事であります。したがって本社機能というのは全部東京に集中する、それから地方には工場を分散させる、そうすれば企業にしましても非常に利益も大きい。ですから、こういうことを打破するということは大変困難じゃないかなという気が実はしながらもこのお尋ねをしているわけでありますが、迷いながらの質問でありまして、何をどう質問しているのか、まことにそういう難しい問題があるなどいう胸のうちをお察しいただきまして、何がしかの妙案があればひとつお教えをいただきたいと思います。

星野進保国土庁計画・調整局長

○星野政府委員 先生の今の御説をいろいろと拝聴いたしまして、実は私どもも審議会、懇談会その他で、十六年体制の議論でありますとかジャパン・コリドーの話でございますとか、それから逆に今度は、今までの国土総合開発の伝統でございます国土の均衡ある発展ということで、特に四十四年の第二全総のときに先生が今ずっとお触れになられましたいわゆるネットワーク論があって、交通体系のネットワーク化と同時に、中枢管理機能は大都市、それから工場等は地方という一つの考え方が多分あったと思うのです。ネットワークの方につきましては、実は当時、まずともかくも主軸をつくろうということで、縦の、北から南の縦貫道をつくっていくということを諸先輩がやっていただいて、現在それが完成しかかってきておりまして、いよいよネットワークの時代になるのだというときにちょうど今差しかかっているのじゃないかと思うのです。したがいまして、これからある意味で社会資本、高速交通体系につきましてはネットワーク化の時代をこれから迎えるので、基盤整備といたしましては、むしろ東京一極集中は現在の状況でありまして、今後はむしろ多極分散型の方向にいける条件が整ってきたのじゃないかというのが第一点でございます。  それから、第二番目の産業論を含めた先生の今のお悩みでございますが、我々も実は全く先生と同じように、本当のところはよくわからないということで悩んでおりますが、ただ一つだけ何となく言えそうだなと思っておりますのは、現在の東京一極集中型というのは、金融国日本なんでございますね。どうも金融を、全国のお金を東京に集めまして、それをアメリカへ出しまして、アメリカからどこへ行くか、こういう話でございますが、今度はその出したお金の子供が帰ってきまして、その子供がくるくるっと回って日本経済の中で乗数効果が起こって経済を何とか安定成長とかなんとかへ持っていくということになっておりまして、その点を強調する方々は恐らく現在の東京一極集中が先生が言われましたように大きなパラボラアンテナでありまして、そこを中心にして全国へ展開していくのじゃないかということをかなり強調されます。  ところが、我が国が果たして、この比喩がいいかどうかわかりませんが、ちょうど十九世紀のビクトリア王朝みたいに金融を主体にした大国でそのままいけるかどうかということの選択の問題だと思うのです。そういう意味では、現在のそういう金融大国的な選択に対しまして、今度、まことに手前勝手かもしれませんが、四全総で多極分散型ということで、例えば名古屋地域の産業技術でございますとか、関西圏におきます文化、経済両方の融合した独特の地域づくりだとか、そういう、一言でいいますと科学技術立国的な観点を踏まえた形で日本国の将来というものをもう一回よく考え直した地域構造というものをつくり直していきませんと、恐らく東京一極集中イコール金融集中型の経済、それで、世界を信用しないわけではございませんが、それがいずれにしましてもある時期非常に不安定な経済構造になるのじゃないだろうか。  それなら今のうちから、まだ今余力がありますから、ひとつ多極分散型ということで、確かに先生の御指摘のように少し理想論かもしれませんが、今のうちから十五年、二十年先を見渡しながら技術立国型あるいは科学技術型の立国という形で国土構造を考えていくべきじゃないだろうか。そのことが逆に言うとそれぞれ生まれ住みなれた地域で自分たちの生涯を終えられる条件にもなるわけでございますから、我々の生活にとってもすぐれてそちらの方が望ましいわけでございますので、どうもそういうことを考えましていろいろと審議会等で御議論いただいた結果が、私ども今、案として御相談申し上げております多極分散型という形に結晶しつつあるのかなというようなことを考えておりますが、これはもう先生の方がはるかにいろいろと深くお悩みになられて、大変きょうは参考にさせていただいたわけでございます。大変ありがとうございました。

坂井弘一公明党・国民会議

○坂井委員 現在というのは、先ほど言いましたようなある意味での最適、適当な工業社会というんですか、最適工業社会を超える時代に入った気がしますね。生産現場というのはもう余り魅力がなくなってきましたね。地方だって好まないですね。それよりも中央における管理機能、情報機能、この方がよほど魅力がある、こんな時代ですね。ですから、ハイテク産業とかなんとかというものが次に起こってくるわけですが、この議論はまた改めてさせていただくといたしまして、天谷さんが実はおもしろいことを言っておりましたね。  今の日本は三つの過大依存の危険を冒しつつある。その一つは、アメリカに対する過大依存である。二つ目は東京への過大依存である。つまり、東京五十キロ圏内に二千六百万から三千万の人口を擁するこの東京への一極集中、過大依存。三つ目の過大依存は、偏差値過大依存。これは学校だけじゃなくて、企業もシェアを争うというのは一種の偏差値である。こういう三つの過大依存というものを挙げて、東京一極集中を改めなきゃならぬということを盛んに議論を展開されているようですね。  余り時間がございません。この四全総に関係いたします議論はまた続けでさせていただきたいと思いますが、やはり東京一極集中ということでずっと一貫してきた。それはそれなりの意味があった。しかし、今日の社会、今の現状、国際化、情報化社会、こういう中では東京一極集中というのは改めなければいかぬ、多極分散というのは方向としては正しい。しかし、それを本当に可能にする、実現させるための方途はということになると、これは大変だぞということ。そこで、日本全体がこの数量化された価値観、価値指数といいますか、そういうものに振り回されておる。分かち合えるけれどもやめられぬということだろうと思うのですね。なぜかといいますと、短期で見れば確かに東京集中の方が利益は大きい、あるいはアメリカ依存の方が、あるいは偏差値に頼る方が短期的には利益は大きい。しかし中長期的に見ますとコストがかかる。もうエネルギーが大変です。ですから、もうこの道は選びたくない、こういうことだろうと思う。そして、まさに今一つの大きな曲がり角というか節目に来た。東京一極集中、東京重視、このままでは次の二十一世紀には向かえないぞというぐらいの認識をきちんと持ちまして、その上で四全総の成案をぜひいただきたい。  これはけさほどの議論にもございましたが、例えば中央官庁の一部部局を地方に移す、これを本当に今国土庁がお考えであるならば私は最大の敬意を表したいと思う。これについてはまだ物すごい大きな抵抗があると思いますよ。しかし、あえて本当に分散を可能にするその方途は何かというと、やはり中央省庁の一部をまず率先して地方に移すことだろうと思う。ある意味での遷都であり、ある意味での分都ですよ。これをやるかやらぬか、一にかかってそこにおると思う。もしそれが四全総において失敗するならば、これは冒頭申しましたけれども、住民、国民は大変な失望。それだけではなくて、日本列島、国土全体の大きな利益を損なうことにもなりかねない。そういう意味においては、国土庁のこの四全総に対する非常に大きな関心と、これがこれからの日本の国家、国際化の大きな波の中で我が国がどういう方向に向かうかという、それも占う大変大きな政治課題、政策課題だと思います。  そういう意味で、結論だけ申し上げますならば、中央官庁を移す。そうすれば本社機能も、先ほど言いましたようにもう超えていますから、この高度の工業社会、もう情報ですよ、管理機能ですよ、そういうものに魅力を持つわけですから、本社機能も地方にというようなことも可能になる。その道を開くことができるんじゃないかな、そんな気が実はいたします。本当に地方からそういう発想が出てくるかということも一つの問題点だろうと思います。  しかし、地方には非常に多様な文化もあれば、多様な物の考え方、思想もある。例えば、ある研究所の調べによりますと、戦後七十四の産業が興ったそうでありますが、この七十四興った産業のほとんどは地方で興っている。これは何か。先ほど言いましたように、発信機能は東京に全部集中した。東京にいますと東京のことだけしかわからない。だから東京ではそういう意味では産業が興らない。地方で興った産業が東京に来て、そしてマスメディアに乗って、そして爆発する、こういうのが今までの大体の図式ですね。例えばプレハブ住宅しかり、サラ金しかり、スーパーマーケットしかり、サウナぶろしかり、全部地方で興る、関西で興る。東京へ来て爆発した。東京で何が興ったか、七十四の産業の中で興ったのは何か、プロレス興業ぐらいだ、こういう。地方にはそういう発想をする能力がある、文化がある。ここのところを大事にして、地方が発信基地に本当に育つような政策誘導ができるかどうか、これも一つの大きな視点だろう。そういうものを触発し育てていく一つの大きな力になり得るものは何かというと、中央省庁の一部を地方へ思い切って持っていく、こういうことだろうかなというようなことを考えております。  あわせて、地方における唯一の資源は何かといえば、自然環境だろうと思いますね。今度はリゾート法案の審議がございますので、その際にまた議論をさせていただきたいと思いますけれども、そういうものをいかに活用し、地方を本当に豊かに、人間が住める地域たらしめるか、これは四全総にかけられた一つの大きな問題でございます。  もうアウトラインの大まかなお尋ねしかできませんでした。具体的にはまた日を改めましてお尋ねをさせていただきたい、お答えをぜひちょうだいいたしたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。  以上で終わります。

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 伊藤英成君。

伊藤英成民社党・国民連合

○伊藤(英)委員 まず最初に、土地の問題、地価の問題についてお伺いをいたします。  この間の四月一日に国土庁が発表をいたしました六十二年度の地価公示によりますと、東京を初めとして大都市圏がこの一年間に急激な地価上昇をしたわけでありますけれども、まず最初にその原因はどういうものであるというふうに考えておられるか、お伺いします。

田村嘉朗国土庁土地局長

○田村政府委員 この六十二年度地価公示の結果を見ますと、全国的には比較的地価は安定しているわけでございますけれども、東京、その周辺におきまして異常な地価高騰が見られるというのが著しい特徴でございます。  その原因でございますけれども、これは先ほど来お話が出ておりますけれども、我が国経済の異常な国際化、情報化、サービス化、こういった構造変化に伴いまして、東京都心における業務機能への需要が非常に高まって、オフィス床需要が大きくなっている、こういうことだと思います。かなり過熱し過大化された予想需要というのもあると思いますけれども、いずれにいたしましてもこの都心でのビル需要が大きくなって、これに対する供給が追いつかない、こういうことが基本的な要因になって都心部で地価上昇が見られたということだと思います。そして、都心部で土地を売った者がかなり高額のお金を手にするわけでございますけれども、周辺の比較的環境のよい住宅地で代替地を求めている、この結果、周辺に地価上昇が及んでいっております。  一方、この過程におきまして、金融緩和情勢を背景にいたしまして、不動産業者が手当て買いをしていく、さらに一部の業者がその間の転売利益を目的として投機的取引を行っていく、こういうことで地価上昇が拍車をかけられているというふうに思っておりまして、簡単に言いますと、そういう構図で地価上昇が起こっていると思います。

伊藤英成民社党・国民連合

○伊藤(英)委員 今のような分析をもとにしてどういう対策をとっているのか、あるいはまたこれからとろうとしておるのかということ、それからその効果の見通しについてもお伺いをしたいのですけれども、今のお話を聞いていてちょっと思いましたのは、こういうことは十分認識をされて分析、対策をとられつつあるというふうに私は思いますけれども、実際には今回の土地の取引の大部分は、いわゆる大手不動産デベロッパーがやっているというのじゃないんだよ。さっきオフィス需要が非常に大きいという話をされましたけれども、大手不動産デベロッパーというのは大体一〇%ぐらいしか取引はしてない。大部分はいわゆる転売目的の中小不動産業者がやっているわけですね。そういう意味で、先ほど来着千お話も出ておりますけれども、転売、土地転がしをねらった、言うならば仮需要が大半であったろうということ、これは十分に認識をしておかなければいかぬのではなかろうか、こう思います。  それからもう一つ、今お話を聞いていて、やはりちょっと気になったのは、例えば国際化、情報化に伴う土地需要が非常に大きくなって云々というような議論がされます。これもよくされるのですけれども、本当にそうだろうかな、そういう機能は本当に多いのだろうかな。  例えば、先ほど東京が金融都市として云々という話が出たりいたします。そうしたときに、今東京に立地をしておる外国系の銀行というのは大体二百行くらいだそうであります。あるいは、証券会社も百五十社余りあるのだそうであります。しかし、世界の銀行がほとんど全部日本に来るのかというと、そんなにたくさん実は銀行があるわけじゃないですね。そういう意味で、本当にそんなふうになっているのだろうか、あるいはそういうものが長く続くのかなというふうに考えると、案外これはうそなんじゃないんだろうかという印象さえ受けます。ひょっとして、今の土地投機の現象に対する要因として述べられることが、あるいは国土庁等が発表する要因が逆にみんなをあおっているような結果になってやしないかな、こういうふうに思うのですね。  そういう意味で、今申し上げたことについての考え方も含めて、一番最初申し上げました、どういう対策をとって、これからそれがどういうふうに効果があると考えておられるか、御説明をお願いしたいと思います。

田村嘉朗国土庁土地局長

○田村政府委員 まず、都心部でのオフィス床需要が実際どのくらいあるのだろうか、場合によると、過大な見積もりを発表してあおっているのではないかというふうなお話がございましたけれども、いろいろな機関が今後のオフィス床需要の予想を出しておりますけれども、実は現時点で私どもが計算しておりますところでは、都心五区で見ますと、昭和七十五年までに今後新たに必要とされるオフィス床需要は大体千百ヘクタール程度ではないかというふうに思っております。  一方、近年都心部で再開発等による事務所の供給というのは大変増加しておりまして、六十一年の実績で見ますと前年に比べて五、六割ふえているというような状況でございますが、そういう傾向を伸ばしてみますと、都心五区では昭和七十五年までに千二百ヘクタールぐらいの供給が見込まれる、可能性でございますけれども、そういう計算をしております。そのほかに、東京臨海部における新埋立地あるいは国公有地跡地等を使って新規業務拠点等を開発してまいりますとさらに千数百ヘクタールの可能性も出てくる、こういうことでございまして、いかに東京都心におけるオフィス需要がふえるとしても、これに対応する供給力というものは十分にあるというふうに思っております。この点につきましては、実はあした国土利用白書が発表になりますけれども、この中で述べております。  そういったことでございますけれども、しかし、ある程度の規模以上の優秀な設備を備えたビルについては大変まだ需要は高いわけでございまして、これに伴って現在も再開発等が進行中でございます。そういう中で、今まで地価高騰が見られたわけでございますけれども、東京都心部、それから区部の南西部方面は地価高騰というのはかなり天井感が出てきたというふうに見ております。私どもは、むしろこれから周辺部での地価高騰がどのくらい進んでいくかということを大変心配しているわけでございまして、特にその過程での短期的な投機的取引がこれを加速しないように気をつけなければならない。こういうことで現在、当面の対策として国土利用計画法の一部改正をいたしまして、十分取引を監視していく、規制していく、それから税制の面でもこういった投機的取引を抑制していくように対策を考えていくということでございます。

伊藤英成民社党・国民連合

○伊藤(英)委員 今後のその効果の見通しなど、どんなふうに見ておられます。

田村嘉朗国土庁土地局長

○田村政府委員 今申し上げましたような施策が実現されますれば、私は今まで見られた地価高騰はかなり抑えられるというふうに考えております。

伊藤英成民社党・国民連合

○伊藤(英)委員 ぜひそれは効果があるように頑張っていただきたいと思いますが、今お話の出ました国土利用計画法の問題につきましても、これはちゃんと本委員会で後ほどやるとしても、その中でも一つ気になるのは、国公有地の問題であります。私は、この国公有地の問題が、こういう土地投機の問題について政府は余りにもなおざりではないかというような批判を浴びている一つの大きな要因だろう、こういうふうに思っているわけです。  例えば、私は昨年の十一月にこの建設委員会で六本木の林野庁の職員宿舎の問題について取り上げました。そのときに政府の方にも強く対策をお願いしたりいたしまして、そのときには国土庁長官にも、そしてまた建設大臣にもいろいろお話も伺ったわけであります。そしてその後も、いわゆる国公有地の問題というのは常に問題になっていたと思うのですが、ついこの三月にも国電の蒲田駅構内の貨物積みおろし跡地の競争入札が行われました。最近のこうした主なものの落札価格、一平米当たりどういうふうになっているのか。そして、それが周辺の公示価格に対してどういう状況になっているのかをまずお伺いいたします。

田村嘉朗国土庁土地局長

○田村政府委員 最近の国公有地あるいは国鉄用地の売却の代表的な例といたしまして六本木と蒲田があると思いますが、六本木の林野庁宿舎跡地、これは昨年の十二月一日に入札が行われたわけでございますけれども、この落札価格は平米当たり七百五十九万円余りということでございます。周辺の公示価格と申しましても、直ちに比較できる地点というのは必ずしもないわけでございますが、公示価格を基準といたしまして、私どもは比準価格と申しておりますが、この程度なら適正な範囲内ではないかという価格を算定してみますと、まあ大体その範囲内におさまっていると私どもは考えております。それから、ことしの三月に蒲田駅構内貨物跡地につきまして入札が行われたわけでございますけれども、これは落札価格が平方メートル当たり千三百六十一万円余りということで、私どもが適正と判定する価格よりもかなり高額であるという結果になっております。  その他数件、国鉄用地が売却されたのでございますけれども、単純に付近の公示価格と比べますと、大体二倍から四倍ぐらいというふうになっておりますが、ただ、これは昨年の一月一日時点の公示価格と比較しているわけでございますので、その後の地価上昇あるいは土地と土地の要因の比較といったことを行いますとかなり差は縮まると思いますけれども、かなり高額であるケースが多いということは事実でございます。  ちなみに国有地につきましては、六本木はいろいろな事情がございまして一般競争入札で売却されましたけれども、ほかの国有地につきましては非常に抑制的に運用されておりまして、ここ三年間に都心三区では二件ぐらいしか売却された例はないと思っております。

伊藤英成民社党・国民連合

○伊藤(英)委員 私は、今のお話を聞いておりますと、若干高いけれども何となく余り大きな問題じゃないよというような印象さえ受けるわけですね。しかし、世の中の多くの人はそんなふうには思っていないと私は思うのです。例えば新聞紙上で見ても、大変な批判の対象になっていると私は思うのですね。それこそ三倍やら五倍、あるいはさっきの国鉄の蒲田駅の問題にしてもそうでありますし、あるいはあれは越中島というのですか、あそこにしても十倍近い価格で落札されているという状況であります。そして、こういうものが地価をさらにどんどん上げてきた。何となくさっきの話は、これは六十一年のものだから価格の比較をするともっと差は縮まっておりますというような言い方をされましたけれども、言うならばこういう国公有地の払い下げの問題が地価を上げて、その上げた価格で比較をしている局面さえあるのではないかくらいのことさえ思うわけであります。  そういう意味で、私は、国土庁の答弁の中では、危機感というか、自分たちの、国土庁としての責任上これは大変なことであるのでどういうふうに取り組んでいきたいというような話がもっとあってしかるべきなんじゃないだろうか、こういうふうに思いますが、いかがでございますか。

田村嘉朗国土庁土地局長

○田村政府委員 私どもも、一般競争入札によります国有地等の売却が周辺地価に悪影響を及ぼすおそれが非常に大きいという点では先生と全く同感でございまして、この点については、そういう悪影響が及ばないように最大の配慮をしてもらいたいということで関係行政機関等にいろいろお願いをしてきております。文書で申し入れていることもございますし、あるいはそのための連絡調整会議を開くといったこともいろいろやらせていただいているわけであります。  国有地につきましては、六本木の売却はございましたけれども、先ほど申し上げましたように一般競争入札で売ることは非常に少ない運用をしております。問題は国鉄、それから現在の時点では国鉄清算事業団用地であろうと思います。私どもの立場からいたしますと、こういう地価高騰の著しい時点では一般競争入札によって売ることを差し控えてもらいたいということが本音でございますけれども、事業団の立場からいたしますとなかなかそうもいかないということで、いろいろ連絡、協議しております。最近、売る場合には十年間の転売禁止を条件とする、さらに風俗営業等の用途に使うことを禁止するというふうな条件もつけるとか、いろいろ厳しい条件をつけて一般競争入札で売却しているわけでありますけれども、私どもは必ずしもそれであればいつでも売っていいものかどうかという点については大変疑問を持っておるわけでございます。  先般、地価対策閣僚会議でもこの国鉄清算事業団用地についてどうするかということが話題になりまして、これから清算事業団において資産処分の基本方針を定めるわけでございますけれども、この基本方針の中では、まず地域の土地利用計画を十分配慮する、これはまた同時に地方公共団体の意向を十分尊重するという意味を兼ねていると思いますが、そういったことが一つ。それから、一般競争入札で売る場合には転売禁止その他厳しい条件をつけていくということ。それから三番目には、一般競争入札以外に借地とか信託とか、地価を顕在化しないような方法で処分をする、そういった処分方法の導入を検討する。こういったことを盛り込むように運輸省とお約束をしたわけでありますし、さらにまた、個々の処分計画について情報、意見交換を頻繁にやっていこうということをお互いに了解をしているわけでございます。  そういったことで、これから私どももいろいろ努力してまいりたいと思いますけれども、まだその具体的な方針そのものはこれからでございますので、その結果を見ながらまたいろいろと検討、努力してまいりたいと思います。

伊藤英成民社党・国民連合

○伊藤(英)委員 先ほどもちょっと触れましたけれども、政府は非常になおざりだな、こういうふうに言われるわけですね。その最大のものの一つが国公有地の問題であると私は思いますし、今度の国土利用計画法の改正の問題につきましても、今いろいろ話された分もあるとしても、それこそ「適正な地価の形成が図られるよう配慮する」というような精神規定で、いわゆる規制の対象外というかそういうふうにしているわけですね。本当にこんなことでちゃんといくかな、それこそ国土庁長官に、首をかけてもやりますかということを私は申し上げたいくらいでありますが、長官はいらっしゃいませんので、突然で申しわけありませんが政務次官にお願いしたいと思いますが、どういう御決意でいらっしゃいますか。

工藤巖自由民主党国土政務次官

○工藤(巌)政府委員 東京の今の地価の値上がりというのは大変異常なものであります。したがって、この問題を担当しております国土庁としては、これは極めて重要な課題として地価の鎮静のためにあらゆる努力をしなければならないと考えておりまして、ただいま局長からお話し申し上げましたようなもろもろの対策をとろうとしているわけであります。  そしてまたお話しの国有地の処分につきましては、国土庁としては厳しくと申しますか、周辺の地価を考えながら、これをもって地価をつり上げることがないように厳重にそういう配慮をしてもらいたいということを大臣も主張し続けているわけでございます。ただ一方には、国有地というのは国民の共有の土地であるから一般の競争入札でやるべきだという主張も、またそれぞれの官庁にあるようであります。そういうものと対応して私どもの方では強く主張し続けておりまして、そういうことから地価対策の関係閣僚会議の中の申し合わせとなっているわけでありまして、この申し合わせの趣旨を十分に貫いてまいりますように大臣ともども最大の努力をしてまいりたい、かように存じているわけであります。

伊藤英成民社党・国民連合

○伊藤(英)委員 突然で申しわけありませんが、建設大臣にちょっとお伺いしたいと思うのですが、閣議でこの国土利用計画法の問題について論議されたときに、建設大臣からも極めて不十分ではないかというような意味でいろいろ意見があったように新聞等で見ました。それから今、次官の方からも各省間のいろいろな問題もあってというような話をされましたけれども、本当に大丈夫かな、私はそういう念をぬぐうことがどうしてもできないのですね。  それで建設大臣にちょっとお伺いしたいのですが、建設大臣も本日の委員会でも一部国公有地の問題については触れられましたけれども、建設大臣、うまくいくと思われますかという聞き方はちょっといいのかなという気がしないじゃありませんが、ちょっと御意見をお伺いします。

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 私は担当大臣でございませんからここで発言はどうかと思うのですが、閣議で私の発言したのは、これから審議されるわけでありますが、率直に申し上げますが、国民の土地を売却するのにはいろいろ網をかけて抑えはするが、国公有地を売買するのに全然触れないのは何事だということで話をしたわけでございます。国土利用計画法は私の発案でできた法律でありますが、その段階においてこのような状況になろうと思わなかったものですから国公有地に網をかけるのをかけないでしまったという不手際もあるわけでありますが、少なくとも国公有地を売却することによって国民にある悪い影響を与えるような処分の仕方はやはり許せることじゃない、常識的に考えてそう思うのです。治外法権だ、おれは何ぼ高くたっていいんだというその考え方自体がとんでもない間違いではないかというふうにこの間主張したのです。それですから、具体的に土地の暴騰を抑える仕事をきちっとやってあるんならいいけれども、やりもしないで何事だというようなことで、この間ちょっとごたごたしたわけでありますが、その始末はいたしますということなものですから了承したという結果でございます。もうちょっと積極的に、立場を犠牲にしてやるくらいのことでないとこの仕事の解決は私はないと思います。  それですから、いろいろあるんですけれども、どうも建設大臣というのは建設省所管以外のことにとやかく言うことは余りいいことじゃありませんから、だから非常に残念なんですが、そろそろ、もう長くここに座っているわけでもないでしょうから、党に戻ったら十二分にやるつもりですから、そのときはひとつ御協力をお願い申し上げておきます。

伊藤英成民社党・国民連合

○伊藤(英)委員 ありがとうございました。私も本当にぜひお願いしたいと思いますし、それから、先ほど事前にお話しするとよかったのですが、私が建設大臣にお伺いしたのも、公共事業等いろいろやっていきます、しかし今の地価高騰によって公共事業の効率というのでしょうか効果というのでしょうか、それはもう著しく減殺されている、そのために日本全体の公共事業のやり方も非常に阻害されているという状況にあるわけですね。そういう意味では直接の所管の大臣じゃないのかもしれませんが、しかし物すごく密接な関係のある大臣でありますのでお伺いしたわけでありますが、ありがとうございました。そういう意味で、国土庁の方もぜひよろしくお願いしたいと思います。  今の話に関連して、この土地の問題は今なお非常に重要な問題でありますし、それから、これからどういうふうにちゃんと鎮静化していくかということも極めて問題ということであります。そういう意味で、我が党が土地臨調というのを創設して、行政レベルだけではなくて、学識経験者なりあるいは地方自治体の関係者なりあるいは民間事業者なり、そうしたいろいろな方の意見を集めてその対策に当たったらどうだということを提案をしているわけであります。  実はこの問題は、私の知る限りでは自民党の中にも一部こういう話があったことがあると思いますし、それから、ついせんだっての参議院の予算委員会でもこの問題についてちょっと出たことがありますが、やはりこういうことを真剣にやらないと、各省庁の問題がどうのとか、なかなかちゃんと実行されていかないんではないのかな、こういうふうに思うのであります。そういう意味で、この土地臨調の創設の問題についてどういうふうに考えられるか、お伺いをいたします。

工藤巖自由民主党国土政務次官

○工藤(巌)政府委員 大臣があれば最も適切なお答えができると思うのでありますけれども、この地価問題に対応いたしましていろいろ考えますことは、今の東京の一部の異常な土地の値上がり、全国的に見るとおおむね鎮静をしている中で東京の一部の異常な値上がりというのは、当面早急に対応しなければならないことだというような考え方をしております。  それで、ただいまお話のありましたような、長い時間をかけてそして長期の見通しに立って地価問題に取り組むというのであれば、またそうした広い各方面からの意見を聞いて、そもそもこの土地対策というものを考えていく必要があろうかと思いますが、当面差し迫った地価対策につきましては、地価対策の関係閣僚会議を設置することに。いたしまして、そこで数回会議を開いているわけでありますが、御承知のような地価適正化のためのもろもろの施策を講ずるということにしている現状でございますので、さよう御了承いただきたいと存ずる次第であります。

伊藤英成民社党・国民連合

○伊藤(英)委員 ぜひそれを効果あらしめてほしいのですが、閣僚会議の話、先ほどの建設大臣の話も含めて私は、本当にちゃんとそこで機能していくのかな、それから国土庁も、今までの経緯を見て、自分たちが思っていたように国公有地の問題についても今日まで運んできたかなという意味で、うまくいくだろうというふうに本当に思っているかどうか疑問だな、こう思うのですね。  きょうは時間もありませんのでそれ以上申し上げませんけれども、私は、今の土地問題というのはある意味では国土庁の存在意義が問われているときだと思うのですね。それこそ、もしもうまくいかなかったら私はこの任にあらず、あるいは自分たちの主張は日本の現在の政府の中では生きていかない、だから責任をとってやめますと言うぐらいのことがひょっとしたらあってもいいのかなというくらいの意味を持つものだと私は思うのですね。そういう意味で、ぜひちゃんと効果あるようにしていただきたいし、これはちょっとなかなかいきそうもないなと思ったらすぐアクションをとるとか、すべて後追い後追いという話になっていったのではそれこそ無政府状態みたいなものですから、ぜひよろしくお願いを申し上げたい、こういうふうに思います。  それから、これは極めて具体的な問題でありますけれども、時間がありませんので一つだけちょっとお伺いしたいのですが、土地保有に対する課税ですね、これをもっと強化することを検討したらどうかな、こういうふうに思っているわけであります。もちろんそのときには、いろいろ地域的な問題やらあるいは他の法律、税法との関係やらということの調整は必要でありますけれども、やはり必要だろうなという気がするわけであります。  先ほど坂井先生が東京集中の問題について四全総との絡みでいろいろ話をされました。例えば東京を考えたときに、東京というのはそれこそ莫大な資本が投下されて、そして猛烈な多数の機能を有している、価値を生み出している地域でありますね。その価値というのはどういうふうに実際に顕在しているのだろうか、そしてその価値に対してどういうふうに負担をするとそれは合理的になるのだろうかというふうなことを考えたときに、今のいわゆる土地保有税として総称され得るものを考えたときにやはり遊離しているのではないのか。これをちゃんと顕在化すれば、例えばこれだけの価値を享受することができる人たちが、ほんの一軒で占有をするとかいうような話はこれはだんだんと難しくなってくるかもしれませんし、ある一定の地域を多数の人でシェアをするというふうな格好にもなっていくだろう。そしてまた土地の動き、供給をどういうふうに図っていくか、土地の有効利用を図っていくということを考えたときに、土地保有に対する税をどういうふうに考えるかということだと私は思うのです。それこそ、今国内でもいろいろな学者、評論家もそういう意見を出しつつあるというふうに思いますし、あるいは外国の政府からも話が出たり、あるいは外国の学者までも日本のこうした税の問題について意見を出したりしているということだと思うのですね。そういう意味で、この土地保有に対する課税を強化するということが地価対策なりあるいは土地の有効利用というようなことを考えたときにどういうふうな意味を持つか、寄与するのか、その辺についてお伺いをいたします。

田村嘉朗国土庁土地局長

○田村政府委員 土地保有に対する課税の強化、これは確かに潜在的なキャピタルゲインに対する課税でもあります。したがって、その課税を強化することによって土地保有コストを引き上げるということが低未利用地の有効利用のインセンティブを強めるあるいは放出を促す、こういうことで土地の有効活用を促進する、土地の需給を緩和するという効果を持ってあろうという大変有力な意見がございます。私は理論的にはそのとおりだと思います。  しかしながら他方で、保有税の代表的なものは固定資産税でございますけれども、基本的には資産税としての性格を持つものでございます。毎年度経常的に住民に負担を求めるものでございます。住民の可処分所得からその負担が支払われることを期待しているわけでございまして、財産の処分をしてまで負担させることを予定しているものではないわけでございますから、課税の大幅な強化というのは大変困難が伴うということも事実であろうと存じます。  現に、東京におきましては固定資産税の三年目の見直しが現在行われておりまして、来年の一月一日時点でまた評価がえが行われるわけでございますけれども、これに対してどういう措置がとられるかわかりませんけれども、かなり固定資産税あるいは相続税、相続税は今の問題ではございませんが、固定資産税について税額の上昇が見られるという予想もされるわけでございます。  いずれにいたしましても、土地の保有課税の大幅な強化ということは地域社会あるいは住民生活に非常に大きな影響があるわけでございまして、これに対する十分な配慮が必要でございますし、また、そういうことを含めた国民あるいは住民のコンセンサスがありませんと、こういったことはなかなか実施が困難であろうと思います。

伊藤英成民社党・国民連合

○伊藤(英)委員 いろいろ問題もありコンセンサスが必要だということはこれはもっともな話でありますし、もしこれをかなり大幅にやろうとしますと大変大きな改正、改革になると思うので、もっともでありますけれども、コンセンサスを得るためにもこうした問題についてやはり議論をする必要があるんではないのかな、こういうふうに思います。それこそ何でもすべて外国がいいわけではありませんが、アメリカやイギリス、ドイツだって保有税は大体三%ぐらいでありますし、日本も昭和の初めは三・八%だったそうであります。現在でこそ一・四%に低くなってきて、しかも固定資産税の評価額は非常に低いわけでありますから、理屈の上で考えてやはり検討すべきだな、そして、急にではなくても長期的な問題として真剣に検討する意味があるだろう、こういうふうに思いますので、それだけお願いをして、私の質問を終わります。  どうもありがとうございました。

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 中路雅弘君。

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 限られた時間ですので、きょうは三つの問題について質問したいと思います。  地価問題、東京湾横断道路問題、それから区画整理問題、三つですが、国土庁長官が参議院の委員会に行っておられますので、政務次官にお答え願うことになるのでありますが、今の異常な地価高騰の問題については、先般四月の二十一日に党の議員団の申し入れを国土庁長官に行いました。大都市における地価高騰対策に関する申し入れですが、七項目の具体的な申し入れを行ったわけです。この中で、特に皆さんから質問がありますが、東京都を初めとした大都市、四月一日の公示地価を見ましても、東京の商業地の上昇率が七四・九%、地価公示始まって以来の上昇でありますし、住宅地も五〇・五%、これまで最高であった三五・七%をはるかに上回っているわけですが、この対策は緊急の課題になっていると思います。  最初に、地価の異常な高騰に対する国土庁の認識を一言お聞きしたいと思います。

工藤巖自由民主党国土政務次官

○工藤(巌)政府委員 最近の地価の状況につきましては、ただいまお話がありましたように、全国的には比較的鎮静をしておる中で、東京のしかも一部において極めて異常な上昇だというように認識をしております。したがって、私どもも、この地価対策の問題につきましては全力を挙げて取り組まなければならないと存じておるところでございます。

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 今も異常な地価高騰という認識でおっしゃいましたけれども、このような異常な地価高騰、国土利用計画法の十一条、十二条に関連してですが、この中には「その全部又は一部の区域で土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ、又は行われるおそれがあり、及び地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあると認められるもの」という事態に私は当たるのではないかと思うのですね。その際には規制区域の指定が問題になるのですが、区域の対象にどうしてやらなかったのか。これまでこの国土利用法に基づいた規制というのは一件もやられたことがないのですが、国土庁の認識でもこのような異常な地価高騰ですね、これについて、どうしてこの利用法の発動が行われなかったのか。

田村嘉朗国土庁土地局長

○田村政府委員 御指摘のように、土地の投機的取引が相当範囲にわたり集中して行われ、あるいは行われるおそれがあること、それから地価が急激に上昇し、または上昇するおそれがある、この二つの要件を同時に満たした場合に都道府県知事が規制区域を指定することができるというふうに法律上はなっております。  東京都知事は現在のところ、地価の急激な上昇はもちろんあるわけでありますけれども、投機的取引が相当範囲にわたって集中し、あるいはそのおそれが明確であるというふうに認めてはおらないと思います。したがって、当面は都条例によりまして小口取引の届け出制をしくことによって地価の監視をし、規制をしていくということが適当であるというふうに判断しているわけでございます。私どもといたしましてはこの知事の判断自体を一応尊重してまいりたい、かように思っております。

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 今、要件の一つの投機的取引の問題で、東京都は投機的取引とまだ認めていない、そういう発言があったのですが、私は、先日東京都企画審議室が出した、土地白書とも言われていますが、土地関係の資料集というのを、八六年度ですが、見てみました。一般の新聞でも報道されていますけれども、これを見ますと、土地の高騰の原因がいろいろ言われていますけれども、やはり民間企業の土地を投機的な対象としてやっている、これに最大の原因があるのじゃないかということがこの東京都の調査でもうかがえるわけですね。  この調査を読んでみますと、例えば六十一年一月一日現在の国土庁の公示地価の上昇率が商業地で四五%を超えた千代田区などの都心の四区、これは土地の買い主の六割以上を企業が占めているのですね。取引件数がはるかに多い練馬、世田谷、こういうところは、この地域では買い主の六割以上が個人なんですが、そして値上がりも商業地で九%から一二%、宅地で五%から一五%にとどまっているのですが、都心での企業による土地取引が地価を押し上げているという実態がこの調査でも明らかなんですね。千代田区の場合、六十年中の土地取引は七百四十二件ですが、買い主の八四%が法人、ほとんどは企業が占めているわけです。個人は一五%なんですね。だから企業が買い主になっている割合の高い地域ほど値上がり率も高く、企業の土地買いあさりが値上がりと結びついているということがこの東京都の調査でもはっきりしているわけです。  先ほど東京都の認識は投機的な取引とまだ認めてないとおっしゃったのですが、東京都自身が出したこの資料を見ましても、このことは地価高騰と企業との関係あるいは土地を投機的な対象にしているというところに大きな要因があるというふうに思うのですね。先ほど言いました四月二十一日に私たちが長官に申し入れた申し入れでも触れているのですが、国土利用計画法に基づく規制区域の指定等を含めた発動をすべきじゃないかということがこうした事実でも言えるんじゃないかと思うのです。  いずれにしても、こうした投機的な土地取引に対する厳しい規制が必要だというふうに思いますが、この問題についての対策についてお伺いしたいと思います。

田村嘉朗国土庁土地局長

○田村政府委員 最近の東京を中心とする地価上昇はいろいろな要因が複合して生じていると思います。やはり基本的には、先ほど来申しておりますように、都心部における事務所ビル需要等が急激に増大しているといういわば実需の増大、それに伴う買いかえ需要の増大ということでございますし、一方、その間にあって一部法人が投機的取引を行って、この地価上昇を加速しているということであろうかと思います。  法人による土地取得がどのくらいふえているかというのは、確かに東京都の土地白書でも触れているわけでございます。都心部では従来から法人取引が多いわけでございますけれども、住宅系の地域におきましても、今回の地価上昇とともに法人の比率が増加している事実が認められるわけでございます。ただ、法人による土地取得が直ちにこれは投機的取引であるというふうに断定することはできないわけでございます。しかし、そういうものもかなりあるであろうということは想像されますけれども、これが取引のほとんどであるというふうには思っておりません。  しかし、こういった投機的取引を抑制することが地価安定に非常に有効であるということでございますから、いろいろ法律改正あるいは税制改正等によりまして、特にこの投機的取引の抑制を中心とした施策を現在考え、また国会でも御審議をお願いしているという状況でございます。

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 建設大臣にちょっとお聞きしたいのですけれども、土地高騰というのは今政府が進めている内需拡大にも大変大きい影響を与えるのじゃないかと思うのですね。公共事業を五兆円とした場合に、これは建設省のどなたかお答え願いたいのですが、そのうち例えば、推定ですが、用地費、土地代というのはどのくらい出かるとお考えですか。

高橋進建設省大臣官房長

○高橋(進)政府委員 建設省所管事業で用地補償費の占める割合というのは大体二割ということで推移しておりまして、本年度におきます当初予算でも大体二割程度と考えております。  補正予算を組むといたしました場合、その性格上からいいまして二割を上回ることはないという感じておりますが、具体的にはこれからの問題でございます。

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 大臣、これは大変ですね。二割からそれが異常な高騰を示しているわけですから、内需の拡大についても大変大きな影響を与えると思うのですね。建設省としてもこの地価の高騰対策を行うのは当然のことじゃないかと思うのです。  先ほどありました投機的な土地取引で利益を得ている不動産業者、こういうものを厳しく規制するということは当然ですが、私たちのところにも訴えがたくさんあるのです。暴力や脅迫、嫌がらせという行為などで、不当な底地権や借地権、こうしたものの売買を強要するという訴えもあります。直接のこうした当事者の取り締まりだけではなくて、やはり背後の大手不動産を含めて厳しい行政措置を機敏に実施することが必要だと私は思いますが、大臣の所見をお伺いしておきたいと思います。

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 厳しくやることも必要でありますが、そのことよりも一番大きな問題は、やはり需給のバランスが崩れていることじゃないかと思うのです。  先ほどもちょっと申し上げましたが、国土利用計酒法の改正を今お願いしているはずでありますけれども、そのときの閣議で私、先ほど言ったような問題を提起して強力な意見を述べたのです。その段階で、土地の投機をできるだけ早く抑えるために、需給のバランスをとるという意味で東京駅の再開発を急ぐという条件をつけたのです。     〔委員長退席、中島(衛)委員長代理着席〕 それでこれは今事務的に進んでおりますが、これが完全に見込みが立ちますと、これは私の私案ですが、恐らく来年度から着工できるようになるのじゃないか。来年度から着工できれば二年間で霞が関ビル三棟ぐらいは簡単に建つのじゃないか。その構想を発表すれば今の事務所ビル関係の高騰につながる原因だけは排除されるのじゃないかというような感じをしておるのでありまして、公共事業を推進するにしたって、全国的にこんな状態ならとても簡単な予算ではどうにもなりませんが、幸いにも大暴騰しているところは東京の都内の一部であるという点で、その地域を除けば公共事業執行にはそれほど大きな影響はないわけですから、何とか始末ができるのではないかと思っております。

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 今お話しになった国土利用計画法の改正ですが、私はあれでは非常に不十分じゃないかと思っておりまして修正案を出すつもりでおりますけれども、今の大臣の所見については改めてその機会にも論議をしたいと思います。  限られた時間ですから先に進みますが、二番目の問題は、東京湾横断道路の特にアセスの問題なんです。道路公団お見えになっていますね。  東京湾横断道路については今、環境問題、安全問題のほかに、例えば私は日本経済新聞で読んだのですが、政府系金融機関の日本開発銀行の参事なんかも新聞に、湾岸道路が建設中なのに必要性も目的も全くわからない、なぜ一兆円も投資するのかという意味の疑問の声も投げかけられているなど、いろいろまだ問題点が多くあるわけです。この建設を法的に保障する特別措置法に対しては私たちは反対の態度をとったわけですが、しかし、法律が制定されて事業化に向けてアセスが審議されているわけですので、改めてその問題点について幾つか御質問をしたいと思います。  道路公団が昨年六月に東京湾横断道路の環境影響評価準備書を提出されて、これに基づいて神奈川県、千葉県など、それぞれその審査また意見を求めておられるわけですが、今その進捗状況、及びその中で出されている意見等を簡潔に御説明いただきたいと思います。

窪津義弘日本道路公団理事

○窪津参考人 東京湾横断道路の環境影響評価につきましては、ただいま先生おっしゃいましたように、昨年の六月から神奈川県及び千葉県において手続を実施しているところでございます。  現在までの状況ですが、千葉県においては六十一年十二月二十二日に知事意見が公団に提出されております。また、神奈川県知事意見につきましては、現時点ではまだ提出されておりません。この四月三十日に川崎市長の意見が県知事及び公団あてに提出をされております。  影響評価の手続の実施に当たりまして公団に提出されました住民の意見、それから知事、市長の意見の概要について申し上げますと、まず住民の意見につきましては、主として大気質、水質、自然環境等の保全に関する意見及び事業の実施に関する要望が述べられております。それから千葉県知事の意見につきましては、準備書はおおむね妥当とされた上で、工事の施行中及び工事の完了後について追跡調査等全般に係る事項、それから大気質、騒音、振動に係る事項、水質等に係る事項、自然環境等に係る事項等について意見が述べられております。それから川崎市長の意見につきましては、大気汚染、水質汚濁、海域生物、景観、船舶航行の安全について意見が述べられております。     〔中島(衛)委員長代理退席、委員長着席〕

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 今御説明いただいた中で、特に川崎の市長から四月三十日に意見が出ていますけれども、このもとになりました川崎市の環境影響審議会、五カ月間審議を続けたのですが、この中で、今おっしゃったように非常に重要な問題が幾つか指摘をされています。  これにどうこたえていくかということが非常に重要な課題だと思いますが、この審査書では、計画路線の設置に伴って特に注目されるのは大気汚染のうち窒素酸化物及び粉じんだということを指摘しまして、今おっしゃいましたけれども、特に具体的に、大気汚染では取りつけ口の川崎の浮島の換気塔と川崎側の人工島の換気塔の排気ガス、粉じん等の対策あるいは工事用船舶による水質汚濁といいますか窒素酸化物等の影響、それから船舶航行の安全対策の問題、こうした点を幾つか指摘をされていますが、今私が述べたような点について、道路公団としてこれらの対策についてどのように考え、どう対策を立てようとしておられるのか、御説明いただきたいと思います。

窪津義弘日本道路公団理事

○窪津参考人 ただいま御指摘の問題は、道路公団といたしましても大変に重要な問題と認識をいたしております。  市長の意見の内容につきましては、現在検討を行っておるところでございます。それで、今後神奈川知事の意見が提出されますが、この提出されました後に見解を含めて評価書を作成し、公告、縦覧することとしております。事業の実施に当たりましては、この意見の趣旨を十分尊重した上で必要に応じ対策を講じる等、環境保全に努めてまいりたいと考えております。なお、具体的な対策等については評価書の中で明らかにしてまいりたいと考えております。  また、船舶航行の安全対策につきましては、学識経験者及び関係団体の協力のもと東京湾横断道路海上交通安全調査委員会の中で慎重な調査検討を行っておりますので、この検討結果に基づき所要の対策を十分に講じてまいりたいと考えております。

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 とりわけこの大気汚染の問題なんですが、推定の交通量が一日当たり六万四千台と言われておりますけれども、そのうち川崎市の内陸部に流入する推計一万二千台の車両の通行の問題というのが住民の間でも大変大きな問題になっておるわけです。横断道路の浮島の取りつけ口から走っておる国道四百九号線のNO2について、昨年十二月に市民団体がこの環境汚染の問題について調査した結果を今いただいておりますけれども、これを見ましても、例えば浮島橋のところが〇・一七六ppm、産業道路のところが〇・三〇四ppm、京浜大師駅が〇・三六二ppmということで、川崎の環境基準は〇・〇二ppmですし中間目標も〇・〇四ppmですから、これの十倍を超える数値が今でも出ておるわけです。ここに新たに加わってくるわけですから非常に深刻なわけです。  この対策が特に必要になってくるわけですけれども、先ほどの川崎市の審議会の答申でも沿道の市民に及ぼす影響が非常に大きいということを述べております。御存じのように、ここのところは横断道路とともに高速湾岸道路の計画ですね。それから川崎縦貫道路ということで、これはまだルートや道路構造が未定でありますけれども、今三つの道路が深く重なった計画になってきておるわけです。一つの道路網を形成するということになりますから、こうした問題について、事業主体が別々だということで道路別の、あるいは縦貫道路はまだ先のことですので道路別の細切れのアセスということだけをやっていては問題が解決しない、この重なり合った三つの道路の影響について総合的な環境アセスを行う必要がある、そしてそれに対する対策が必要だというように私は考えるわけですが、この点についてどのようにお考えですか。

鈴木道雄建設省道路局長

○鈴木(道)政府委員 ただいまの次々にできてくる道路についてまとめてアセスメントをやれという先生の御指摘は大変ごもっともだと思いますけれども、川崎縦貫道路については現在建設省において具体的な計画策定のための調査を実施しておる段階でございまして、今の段階で東京湾横断道路とあわせて環境影響評価を実施することは困難でございます。したがいまして、この川崎縦貫道路が沿道地域の環境に与える影響につきましては、具体的な計画が固まった後、都市計画決定にあわせて環境影響評価を実施することにしておりまして、この中で川崎縦貫道路として必要な環境保全対策を講じていくように考えております。

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 結局対策が先送りになるんですね。住民の方は影響が一本になってくるわけですから、その点では、いろいろな事情があるにしても極めて重要な問題を先送りにせざるを得ない、そしてこの道路の計画だけが進んでいくという点で、このアセス自身も極めて不十分ではないかと私は思うのです。  そこで、特にこれからの手順で、先ほどお話しのように県知事の意見が出ますと、手続としては道路公団が評価書を出す、縦覧期間を置いて最終的には建設大臣の事業認可が出てくるわけですが、私は大臣に特にお願いしたいのは、今言ったような経過ですから、特に事業認可の前に環境の問題にはもっと慎重な配慮で環境庁とも相談をされる必要もありますし、住民の意見も十分聞いた検討が必要ではないかと思うのですが、大臣の所見をお聞きをしておきたいと思います。

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 今道路局長から答弁がありましたが、後のものまで先に繰り上げてやるわけにいかないでしょうから、現状の段階においてどうかということを十二分検討して期待に沿えるようにいたしたいと思います。

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 結局縦貫道路は先になりますけれども、その時点でも改めて総合的な環境の検討が必要だということを私は特に強調しておきたいと思います。  あと、時間がそうありませんのでもう一問ですが、区画整理事業の問題について後で具体的に一例で質問しますけれども、その問題を見まして大変驚いたのですが、今全国的に、区画整理事業で計画決定をして、しかし事業化のめどが立たない、例えば決定してから二十年以上まだ事業化のめどが立たないという困難な区域というのは、大体どれくらいあるのですか。

北村廣太郎建設省都市局長

○北村(廣)政府委員 昭和五十九年十二月時点で調査しました結果によりますると、都市計画の決定後二十年以上経過いたしましても事業化されていない区域は、全国で百三十八カ所ございました。その後現在までに二十一カ所が事業に着手いたしましたので、現在残っておりますのは百十七カ所でございます。

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 計画決定してから二十年以工事業化されないというのは百カ所以上まだあるんですね。  あわせてお聞きしたいのですが、なぜ事業化のめどが立たないのか、主な原因はどういうところにあるのですか。

北村廣太郎建設省都市局長

○北村(廣)政府委員 何よりも、地元説明等を繰り返しておりましても地元住民の方の御理解がどうしても得られず、同意が得られないということが第一でございます。  そうこうしているうちにだんだん地元の状況が変わってまいりまして、細かい宅地が立て込んでくるというようなことになりますと、区画整理を行おうと思っても実際上さまざまな困難が出てくる。現況の変化と住民の理解、この二点でございます。

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 これは当然、二十年たちますから全く事情が変わってきてしまうんですね。同じ計画に固執してもこれは進まないんですよ。  そこで、最後に一つ具体例でお話ししますけれども、これもその一つなんです。横須賀市の衣笠駅の南の非常に広い範囲の土地区画整理事業ですが、これも昭和四十三年十月に都市計画決定をしているのです。しかし、ずっと進まない。率直に言いますと、事実上難しくて県も市も今は放棄した状態ですね。しかし、住民の方からいえば、都市計画税、税金も払っているのだけれども、建築も制限を受ける、下水道も進まない、消防活動も十分でないということで不満が非常に高まっているのです。  この問題は、計画決定したからということで固執しないで、住民のニーズにこたえられる今の現状に合った都市づくり町づくりということを考えなければいけない。そういう面で、建設省がもっとこういった場所については県や市を指導して、現実に区画整理事業が困難になった場合、地元住民の意向を十分聞いていかなければなりませんけれども、都市計画の区画整理ではなくて、それ以外の手法も含めて、住民の納得のいく町づくりを進めることが今必要になっているのじゃないかというふうに私は思うのです。それは一部分区画整理でさらにやるところもあるかもしらぬけれども、全く事情が変わってしまってそんなことは困難なところも出てくるわけです。その点は具体的な実情に応じてどういう手法がいいのかということを含めて、建設省がそういう箇所についてはもっと積極的に県や市とも相談をし対策を進める必要があるのではないかということなんですが、これについての御見解をお聞きしたい。

北村廣太郎建設省都市局長

○北村(廣)政府委員 お尋ねの衣笠南地区については、ただいま御指摘のような現状にございます。当面、細街路を整備いたしまして消防対策をすることと、下水道等環境対策をするのが先決でございますので、お話のように全面的な計画の見直しを図り、できるだけ住みよい環境をつくりますように県と市を指導してまいりたいと存じます。

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 今おっしゃいましたけれども、私は、建設省で至急県、市を呼んで具体的な相談をしてほしいと思うのです。区画整理事業でやれない現実に事情が変わっている箇所については、ゾーンで分けてもいいと思うのですが、それにかわる手法、対策も必要だろう。あるいは緊急にやらなければいけない下水道だとかそういうものについてはどうするかということも相談をしてほしい。それから、せっかく具体的な例を挙げたわけですから、できたら現地を一度見て調査もしていただきたい。そして、どういう方法がいいのか検討してほしいということを要請したいのですが、いかがですか。

北村廣太郎建設省都市局長

○北村(廣)政府委員 早速そのようにいたしたいと存じます。

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 時間ですので、最後に大臣にお聞きしたいのですが、恐らくいろいろ原因があるでしょうけれども、二十年以上たって進まないそのままのところが全国的に今もまだ百カ所以上あるのですね。住民の方から町づくりの点でいろいろ障害がありますから不満も出てきていますので、こういう問題について建設省として改めて積極的な指導が必要ではないかと考えるのですが、最後に大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 十二分にその地域を調査いたさせまして、できるだけ早い機会に御期待に沿うような格好にするように検討させます。

中路雅弘日本共産党・革新共同

○中路委員 では終わります。

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 質疑は終了いたしました。      ――――◇―――――

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 次に、小委員会設置の件についてお諮りいたします。  土地問題に関する調査のため小委員十一名よりなる土地問題に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  小委員及び小委員長は、追って指名の上、公報をもってお知らせいたします。  なお、小委員及び小委員長の辞任の許可並びにその補欠選任につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  また、小委員会において参考人の出席を求め意見を聴取する必要が生じました場合は、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出席日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 次に、内閣提出、治山治水緊急措置法及び河川法の一部を改正する法律案並びに民間都市開発の推進に関する特別措置法案の両案を議題といたします。  順次趣旨説明を聴取いたします。天野建設大臣。     ―――――――――――――  治山治水緊急措置法及び河川法の一部を改正する法律案  民間都市開発の推進に関する特別措置法案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――

天野光晴自由民主党建設大臣

○天野国務大臣 ただいま議題となりました治山治水緊急措置法及び河川法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  近年の国土の利用、開発の著しい進展に伴い、山地及び河川流域において激甚な災害が発生するとともに、各種用水の不足は依然深刻であり、引き続き治山治水事業を緊急かつ計画的に実施して国土の保全と開発を図る必要があります。  また、災害関連緊急事業については、状況の推移等に応じ、機動的な対応を行う等の必要があります。  さらに、景観、親水性等を生かした河川の環境整備等の要請の増大にこたえるため、市町村長が河川行政に参加できることとする必要があります。  以上がこの法律案を提出した理由でありますが、次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。  まず、治山治水緊急措置法の一部改正についてでありますが、  第一に、現行の計画に引き続き昭和六十二年度を初年度とする治山事業五カ年計画及び治水事業五カ年計画を策定することといたしました。  第二に、再度災害を防止するため特に緊急に施行すべき事業を五カ年計画の対象である治山事業及び治水事業に含まれないことといたしました。  次に、河川法の一部改正についてでありますが、市町村長は、指定区間内の一級河川及び二級河川について、あらかじめ、河川管理者と協議して一定の河川工事または河川の維持を行うことができることといたしました。  さらに、これらの改正に伴い、国有林野事業特別会計及び治水特別会計の経理について所要の改正をすることといたしました。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。  次に、民間都市開発の推進に関する特別措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  都市開発は、良好な市街地の形成と都市機能の維持及び増進に寄与するとともに、内需の振興、地域経済の活性化等の要請にこたえる上でも緊急の課題となっております。この場合、民間事業者の能力を活用しつつ推進していくことが極めて重要であります。  しかしながら、特に地方都市等における都市開発事業においては、その必要性が高いにもかかわらず、事業化が困難な場合が多く、新たな支援措置が必要であります。  このような観点から、この法律案を提出することといたしました。  次に、その要旨を御説明申し上げます。  まず、建設大臣は、民間都市開発事業の推進を目的として設立された民法第三十四条の法人を民間都市開発推進機構として指定するとともに、機構に対する政府の無利子貸し付け、債券に係る政府の債務保証等の支援措置を講ずることとしております。  さらに、機構は、公共施設の整備を伴う等一定の要件を満たす事業について、その費用の一部を負担して参加すること、当該事業に要する費用に充てるための長期かつ低利の資金を融通すること等の業務を行うこととするとともに、その他の所要の規定を設けることとしております。  以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

村岡兼造自由民主党

○村岡委員長 以上で両案の趣旨説明聴取は終わりました。  次回は、明十五日金曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時五十五分散会      ――――◇―――――

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