科学技術委員会 第2号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1987/05/26
会議録
○原田委員長 これより会議を開きます。 科学技術振興の基本施策に関する件、特に超電導の研究開発に関する将来展望と今とるべき施策の問題について調査を進めます。 本件調査のため、参考人から御意見を聴取いたします。 本日御出席願っております参考人は、東京大学工学部教授田中昭二君、株式会社東芝総合研究所技監荻原宏康君及び株式会社テクノバ取締役京谷好泰君であります。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 参考人各位には、御多用中のところ本委員会に御出席くださいまして、まことにありがとうございます。 本日は、超電導の研究開発に関する将来展望と今とるべき施策の問題につきまして、忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 なお、議事の順序でありますが、まず各参考人からそれぞれ四十分程度御意見をお述べいただき、その後委員の質疑に対して御答弁をお願いしたいと存じます。 それでは、田中参考人にお願いいたします。
○田中参考人 東京大学の田中でございます。 高温超電導についてということで多少御説明させていただきたいと存じます。お配りした資料にございますので、それに基づきましてお話をさせていただきます。 超電導というものの研究に携わった者にとりまして、高温超電導というのは非常に長い間の夢でございます。二十一世紀の技術革新は核融合と高温超電導である、こういうことをソ連の非常に有名な理論家であるギンツブルグが数年前に言っております。私たちもこれをキャッチフレーズにいたしまして、文部省あたりから多少研究費などをいただいていたわけでありますが、ここで申し上げたいことは、高温超電導というのは二十一世紀なんだというふうにだれもが信じていたわけであります。ところが、最近になりまして突如として高温超電導が目の前にあらわれまして、私たち研究者といたしましては二十一世紀がいきなり目の前に来てしまった、あるいはタイムマシンに乗って二十一世紀に入っちゃったというような衝撃を受けているわけであります。 そういうことでございまして、長い間の夢でありましたので、幾つかの報告がこれまでございましたけれども、すべて幻として消えてしまいました。そのために、我々研究者仲間では、USOをもじりましてアンアイデンティファイド・スーパーコンダクティング・オブジェクト、つまりうそだというふうに昨年までは言っておったわけでございます。それが昨年の暮れになりまして三十度Kを超す高温超電導体が見つかったということになりまして、それにつれて広大な応用分野があるのではないかということになりました。そしてことしの二月になりまして、九十度Kというような液体窒素温度を超す超電導が発見されたということになりまして、世界的にブームになった、そういうのが現在の情勢でございます。 それで次のページに移りまして、最近セラミックス超電導という言葉がよく使われております。セラミックスというと瀬戸物ですから一般には絶縁体だというふうに思われる方が非常に多いわけでございますが、そのセラミックス、主に酸化物ですけれども、その一部に金属的な性質を示すセラミックスもあるわけでございまして、それが最近話題になっております高温超電導体の金属性のセラミックスで起きた現象なのであります。 電気抵抗の原因というのはさまざまございますけれども、金属の中にあります自由電子が不純物やそういうものにぶつかりましてエネルギーを失う、そういうことによって電気抵抗が発生するのでございまして、普通の金属ですと、絶対温度零度に持っていきましても有限の電気抵抗は残るわけであります。ところが、超電導になりますと、ある温度で突如として電気抵抗がゼロになるわけでございますけれども、そのゼロになり方というのがまた非常に異常でございます。 なぜそうなるかと申しますと、次のページにございます。超電導というのは、実は超電導より高温では常電導と言われておりますけれども、常電導における金属の中の電子の振る舞いと超電導になったときの金属の中の電子の振る舞いは全く違ったものであるということをまず御認識いただきたいと思います。 いい例が、その上の絵にありますように、水蒸気を考えてみますと、水蒸気というのは水の分子が空気中で自由にばらばらに動き回っているわけでありますけれども、これはある露点以下になりますと突如として水滴、水になってしまうわけであります。その場合に、水蒸気と水とは全く物理的性質の異なるものでございます。それを我々は気相、液相というふうに呼んでおりまして、この転移温度を相転移、こういうふうに呼んでいるわけであります。金属の中でも常電導相の場合には自由電子が自由に動き回っているわけでありますけれども、ある臨界温度以下になりますと、突如として電子同士が手をつなぐような格好になりまして、全体が一つのクモのような動き方をするようになるわけであります。これを私ども協力現象と言っておりますが、この手をつなぐ力が非常に弱いために、ちょっと温度を上げるとまたばらばらの電子に戻って常電導相になってしまう。高温超電導の問題は、この手をつなぐ力をいかにして強くするか、あるいは強い物質を発見するかということにあったわけでございます。 超電導相に入りますと非常に特殊な現象が起こってまいります。次のページでございますが、超電導相の特徴といたしまして、電気抵抗がある温度で突如としてゼロになるということになるわけでありますけれども、このゼロになり方というのがほぼ完全にゼロということでございまして、その証拠に、超電導でリングをつくりましてこれに電流を流しますと永久に電流が流れる。永久というのは証明しがたいわけですが、一年とか数年のオーダーでは電流が減らないというわけであります。でありますから、例えば、超電導線で地球から月まで線を張りまして、地球で六ボルトの電池をかければ月で電球がつく、それほど電気抵抗が低いということになるわけであります。 それからもう一つマイスナー効果というのがございまして、超電導の状態になりますと完全に磁気を遮へいしてしまいます。これは超電導独特の現象でありまして、したがいまして、ある物質が超電導になったかならないかということは、電気抵抗だけでなくてマイスナー効果も測定しなければ完全に証明されたということにはならないわけであります。最近、一昨日でありますか、非常に高い超電導体が見つかったという報告がございましたけれども、実はこれはマイスナー効果はまだ観測されていないようでございまして、私どもの中ではまだ少し疑問があるということが言われているわけであります。 次のページに参りまして、こういうようなことでもう一つ非常に重要な要素がございます。超電導におきます電子の結びつきが非常に弱いということを申し上げましたが、そのために外から磁界をかけるとまた常電導に戻ってしまう。その磁界を我々は臨界磁場と言っておりますけれども、例えば超電導線を巻いて電磁石をつくって強い磁界を発生させよう、そういう場合には、臨界磁場が非常に重要なファクターになっているわけであります。 それからもう一つ重要なファクターで臨界電流というのがございます。これは、電気抵抗ゼロだから無限に電流が流れるかというと、そうではございませんでして、電流がその線の中を流れますと、電磁気の法則によりましてその周りに磁界を生じてしまいます。この磁界は電流密度に比例いたしますので、ある程度以上電流が流れると自分でつくった磁界で超電導を壊してしまう。そういうことで余り電流が流れると常電導に戻ってしまう、そういうことがございます。これを我々は臨界電流と呼んでおります。でありますので、応用という意味で申し上げますと、臨界磁場と臨界温度というのが超電導体の特徴を示す非常に重要な要素であるというふうになっているわけでございます。 次に参りまして、超電導の応用というのは非常に簡単でございます。つまり、電気抵抗がゼロになりますので送電、電気を送る損失がゼロになるということであります。それから、これを利用いたしまして非常に強い磁界を簡単につくれるということがございます。それからもう一つ重要なものとして、先ほど申し上げましたようにマイスナー効果がございますので、弱い磁場でありましたらこれを完全に遮へいするという効果がございます。 二番目に応用例として非常に重要でありますのは、超電導特有のジョセフソン効果というのがございます。これはジョセフソンコンピューターというのでお聞きになったこともあるかと思いますが、超高速コンピューターの素子になるのではないかということで随分研究されたものでございます。しかし、現在のところまだ完成まで至っておりません。そのほか、非常に弱い電磁波を検出できるとか、非常に弱い磁場を検出できるとか、このジョセフソン効果の応用というのは超電導の応用の一つの重要な部分である、そういうふうに思っております。 こういうように超電導を応用するにつきまして非常に重要なのは寒剤でございます。ある超電導体を冷やすときに、一番簡単なのは冷たい液体に浸してしまうことでありまして、今まで一番よく用いられてまいりましたのは液体ヘリウムでございます。これは絶対温度の四・二度Kという非常に低い温度、摂氏で言いますとマイナス二百六十九度という非常に低い温度でございます。これが超電導の研究で今まで用いられてきましたが、これは一リットル二千円もいたしまして、しかも資源がアメリカに限られておりまして、取り扱いも厄介でありますし、今まで臨界温度がなかなか上がらなくて応用が広がらなかったという原因の一つには、この液体ヘリウムを使わざるを得なかったということがあるわけでございます。ところが、最近になりまして、液体窒素を使っても超電導になるということになるわけでありまして、そうすると液体窒素というのは空気中で幾らでもとれますし、現在一リットル五十円というのは、つまりミルクよりずっと安いわけであります。そういうわけで応用範囲が急激に広がるだろうという見通しを我々に抱かせているわけでございます。 その次に参りまして超電導の歴史でございますけれども、一九一一年にライデン大学のカマリン・オンネスという先生が窒素の液化、ヘリウムの液化に成功いたしまして、液体ヘリウムを用いまして水銀の電気抵抗をはかっておりましたところ、四度Kあたりで突如として電気抵抗がゼロになることを発見いたしました。この先生は非常に偉い先生でありまして、この現象は現在の理論だととても説明がつかないということを見抜きまして、スーパーコンダクティビティー、こういう名前をつけたわけでございます。その後、量子力学が出現いたしましたけれども、超電導の原因というものを説明することはできませんで、物性物理学の最後のなぞと言われていたわけでございます。 それを解決したのが四番目にございますバーディン、クーパー、シュリーファーの三人でございまして、この人たちがBCS理論というものをつくりまして、その当時の超電導現象というものをすべて説明した非常に壮大な理論をつくられたわけでございます。その功績によりましてこの三人の先生はノーベル賞を受賞されたということでございます。特にバーディン先生は、トランジスタの発明によってその前にもノーベル賞を受賞されておりますので、二度ノーベル賞を受賞されたという輝かしい経歴がございます。このBCS理論で実は物性物理学は終わったというような意見もございましたけれども、現在に至りましてこの理論はもはや適用できなくなった、そういう事態に現在入っているわけでございます。 最近の超電導ブームのきっかけをつくりましたのは、IBMのチューリヒ研究所のベドノーツとミューラーという人が、昨年の三月に、ランタンとバリウムと銅の酸化物で三十度Kでどうも高温超電導があるらしいという報告をしたわけでございます。それが八ページの絵でございます。その絵によりますと、実際に超電導になっているのは十度K以下でございますけれども、電気抵抗は三十度Kあたりからだらだらと下がってくる。どうも超電導じゃないかということを言ったわけでございます。しかし、その出しました雑誌が「ツァイトシュリフト・ファー・フィジク」という現在では余り読まれていないドイツの雑誌でございましたことと、今まで余りにもこういう報告が多かったために、世界じゅうだれ一人として信用しなかったわけであります。これは私がミューラー博士に直接会ってお聞きしたことでございます。それで、私どもが昨年の十一月にこの物質を取り上げまして、次のページにありますように、黒でかいた線がそうですけれども、三十度K以上で急激に抵抗が減少する、そして超電導になるということを確認いたしました。しかも、その物質がミューラーたちのつくった物質の中に一部まざっておりました特殊な物質であるということも確認したわけであります。 その前に、臨界温度の上昇の歴史というものをちょっとごらんになっていただきたいと思います。 次のページでございますけれども、横軸が年でございまして縦軸が臨界温度でございます。一九一一年に水銀というのが四度Kであります。それから一九七三年にニオブ3ゲルマニウムという物質で二十二・三度という記録を出して以来、十三年間〇・一度も上昇しない、そういうことがございました。でありますから、七十年間でたった十八度しか上昇しなかった。これを概想いたしますと、二〇〇〇年になりましても三十度Kに到達しないということでありまして、私ども研究者にとりましては非常に苦しい時代が続いたわけでございます。 ところが、先ほど申し上げましたような昨年の暮れのブレークスルーによりまして、それ以後の進歩は目覚ましいものがございます。次の表にございますが、これは年でなくて日にち付でございます。十二月八日、これは私どもが最終的に確認した時点でございますが三十度K、それから二十二日に四十度Kに私ども到達いたしました。それから二月十六日には、アメリカのヒューストン大学のチュー教授が九十五度の物質を発見したという報告をいたしているわけであります。そして三月十八日に百二十五度Kを出したというドイツのグループの報告がございましたけれども、実はこれは最近少し疑惑というとオーバーですが、怪しいということになっておりまして、現在世界で認められている臨界温度の最高は九十五度K前後ということになっているわけであります。それでも、ごらんになりますように液体窒素温度をはるかに超えておりまして、液体窒素温度での応用は可能であるということになっております。 それ以後の経緯をちょっと書いてございますのがその次のページでございます。私たちは一九七五年でございますから今を去る十二年前にセラミックス超電導の研究を開始いたしました。その当時、鉛酸バリウムという物質をやっておりましたので、なぜこういうセラミックス超電導体が超電導になるかということの原因を追求してまいりました。それで、先ほど申し上げましたように昨年の三月にミューラーらが超電導があるんじゃないかということがございましたが、十二月八日になりまして、ある特殊な物質で我々が高温超電導の確認をいたしたわけでございます。これがアメリカに伝わりまして、世界の高温超電導研究を触発したというふうに歴史的になっております。 その後はもう続々でございまして、次のページにありますように、ベル研究所、それから日本の分子研、電総研、続きましてアメリカのヒューストン大学でチュー教授が九十五度K、ほとんど同時に、我々の誇るべきことかと思いますが、東大の氷上助教授が、実はチューさんは物質名を発表していなかったのですが、同じ物質で高温超電導になるということを見出しております。それから中国でも同様の発見がございました。それで三月二日、たった二週間後でありますが、我々もイットリウム・バリウム・銅の酸化物という物質で九十五度Kに到達しているわけでございます。その後、金材研それから無機材研も続々と参入いたしまして、一九八七年三月十八日の有名なニューヨークの物理学会に入ったわけでございます。この意味は後で申し上げます。 それで、現在わかっております高温超電導物質というのは、その次のページにございますように、クラス・ゼロというのは第ゼロ世代でございまして、これは私どもが研究してまいりました物質でございます。その次がクラス・ワンで第一世代でございまして、これも私どもが見出した物質群でございます。その次が第二世代でございまして、これがチュー教授を初めとして発見された物質群でございまして、臨界温度が非常に高い物質でございます。 ここで注意申し上げたいのは、Ln1と書いてありますこのLnというのは、いわゆるランタナイト系に属する希土類でございまして、これはさまざまな元素がございます。チューさんが見つけたのはイットリウムという物質でございますが、イットリウムでなくても、イットリウムでもその他のものを入れても、超電導としては全く変わらないということをはっきり認めたのは、実は私どもを含めて日本のグループでございます。現在は、九十五度Kの高温超電導体というのは実に十種類近くもある。しかも、それは皆同じ性質を示すというふうになっております。 こういうふうなセラミック高温超電導体の特徴というのが次に書いてございます。 長所といたしましては、臨界温度が極めて高い。百度K近くに達するということでございます。それから、先ほど申し上げました臨界磁場も極めて大きく、将来百万ガウスの電磁石をつくることも可能ではないか。百万ガウスというのは大変な強い磁界でございまして、「可能」と書いてございますが、これはつくっても恐らく機械的な力は持たないだろう、そう言われるほど強い磁場でございますが、現在は東北大学にございます三十万ガウスという強磁場が世界で最高のものになっております。 短所といたしましては、何せセラミックスでございまして、普通の金属と違いまして、もろくて展性、延性に欠けるということがございます。それからもう一つこれまで短所と言われておりましたのは、臨界電流が普通のこれまでの超電導体に比べて非常に小さいのじゃないかということを言われておったわけでございますが、先々週になりましてIBMの研究所が非常に大きな臨界電流を見出しまして、私どもは、この臨界電流は、最新のファインセラミックス技術、半導体技術の導入によって恐らく近い将来短所は克服されるというふうに信じております。 それで、世界の研究の状況でございますが、その次のページにございます。昨年の暮れにこういうようなブレークスルーがございました後に、一気に研究が世界的に広がりました。ところが余りにも急激であったために、研究者がその情勢がよくわからないということがございまして、ことしの三月十八日にアメリカ物理学会が緊急のシンポジウムを開催いたしました。そのときには私も招待されて参りましたが、三千名という物理学者が集まりまして、夜中の三時半まで徹夜に近い集会を続けたというので、史上空前の集会になったわけでございます。その後、日本でも物理学会、応用物理学会でそれぞれ二千名、千五百名ほど集めて大変な関心を集めたわけでございます。それから四月になりましてアメリカのマテリアル・リサーチ・ソサエティー、材料学会ですが、これも約千名、それから二十九日にセラミック・ソサエティーで千名、その他続々と世界各地で高温超電導のシンポ、しかも国際シンポジウムをやるというようなことになってまいりまして、これに全部出席すると体がもたないというような状況になっております。 続きまして次のページの世界の研究状況でございますが、この分野の研究で非常に感じますことは、ナショナリズムが基礎研究の状況から非常に高まってきている。アメリカではどう、日本ではどう、中国ではどう、こういうような国分けの話が専ら盛んでございます。米国におきましては非常に活発でございまして、IBMの研究では百五十名ほど、それからベルでも百名以上、その他国立研、大学が非常に参入いたしまして、ざっと考えただけでも千名以上の研究者たちが非常にアクティブに研究を進めております。日本もかなり活発でございまして、大学、国立研等を見ますと大体五百名ぐらいかなというふうに思っておりますが、実は企業がそれぞれ内部で動員をしておられるようでございまして、その様子がわかりませんけれども、もう恐らく千名に達しているのじゃないか、そういうふうに私は推測しております。ちょっと意外かもしれませんが、中国が非常に活発でございます。もともと中国のごく少数でありますが、私たちと同じ酸化物超電導の研究をしていたグループがございます。その人たちが中心になって一斉に立ち上がったわけでございまして、特に今回の物質で重要となります希土類元素の大資源国であるということで、国策として推進しております。現在七百名が研究に参加しているということであります。西独はちょっとまだ立ちおくれておりますが、フランスは固体化学に非常に強みがございまして、現在立ち上がって懸命の追跡をしております。ソ連は最近来た人に聞きますと、立ち上がりは極めて遅かったわけでございますけれども、元来、基礎材料の研究に非常に強みを持っておりますので、最近かなり動いているのじゃないかと思いますが、真相はよくわかりません。 次の段階に参りまして、今後の研究動向でございますが、その前に、実はアメリカの動向でございますが、これは私たち非常に重大な関心を持っているわけでございます。それというのも、この参考資料にございますが、デュレンバーガーという上院議員の方が超電導競争力強化法案というのを三月三十日に提出いたしました。これは新聞報道によりますと、数日前に下院でも同様な法案が提出されているようでございます。これはデュレンバーガー上院議員の提案説明の議事録を読みましても明らかに日本を目標としておりまして、日本に対して負けるなという意味の法案でございます。これは通るかどうかわかりませんけれども、アメリカの今の動きを非常に象徴しておるわけであります。 それから、その次の参考資料のNSF、「ナショナル・サイエンス・ファウンデーション」でございますが、これは最近出したニュースでありまして、これによりますと、ミッドサマー、つまりことしの夏ごろにはナショナル・アカデミー・オブ・サイエンスの報告書がまとまる、そういうことを言っております。そして理事長のブロックというのがおりますが、それが日本に対して特に頑張れというようなことを言っておりまして、完全に高温超電導の研究開発では、今、まだ基礎研究だと私たち思っているわけなんですけれども、実は非常に激しい日米対立の様相が展開されておる。これに対してお願いは後で申し上げます。 それで、今後どういうふうな研究動向をとるだろうかということでございますが、一つには、現在百度Kまで到達したわけでありますけれども、それをさらに高温化するための探索研究が進むであろう。その目標は何といっても室温超電導でございます。それから二番目には、やはりBCS理論がもう崩壊した以上は、新しい理論体系をつくって物性研究が非常に進歩するであろう、そういうふうに思っています。それから三番目には、少なくとも現在既に実用可能の素材があるわけでありますから、これをいち早く実用化するという実用化研究が進歩するであろう。これは後で荻原さんからいろいろ御説明があるかと思います。 これが今後の研究動向でございます。ただ探索研究で非常に難しいところは、いつ何が起こるかまだわかっていない。つまり理論が全然ございませんので、手探りの作業になってまいりますので、あした室温超電導が見つかったと言われても不思議でないかもしれませんし、十年頑張っても出ないかもしれないという非常に難しい立場にあるわけでございます。 その次に、過去の発明、発見との比較がいろいろされておりますので、ちょっと御紹介いたします。 「ビジネス・ウイーク」が最近スーパーコンダクターの特集をいたしまして、その中では、エジソンによる電球の発明とかベル研究所によるトランジスタの発明に匹敵する、そういうことを言って非常にあおっております。それから二番目に、これはソ連のタス通信の言葉でありますけれども、核分裂の発見に匹敵する、つまりこれが現在の原子力利用に結びついているわけでございます一番目が、これは私の意見でございますが、一九一一年にドイツのフリッツ・ハーバーによって発見された空中窒素固定法に匹敵するかもしれない。と申しますのは、これによりまして空気中の窒素をアンモニアにする方法が見つかりまして、肥料が非常に安く大量生産できたために、現在の地球の五十億の人口が養われているわけでありまして、今回の発見もそれに似たような地球的規模を持つようになるのじゃないかというのが私の推測であります。なぜかと申しますと、地球が情報とエネルギーと農業、食糧によって成り立っているといたしますと、今回の高温超電導の影響というものは情報の分野でもエネルギーの分野でも両方に非常に大きな影響を与えるのじゃないか、そういう点があるためであります。 その次に、液体窒素超電導でもどういう応用があるかということでございます。これは径ほどお二人の方に説明いただけると思いますが、ざっと考えただけでもこういうような非常に大きな応用分野が開かれているわけであります。特に磁気浮上その他は京谷さんが御説明されると思いますが、加速器におきましても非常に重要な進歩がある。ちょっと時間があれして申しわけありませんが、アメリカで威信をかけた超特大の加速器の計画が進んでおりまして、約一兆円をかける、それにこの酸化物超電導を使ったらどうかという意見が最近有力になっております。そういたしますと、五十マイルの円周のトンネルを掘るのが実は五マイルで済むというのが推進派の意見であります。そのほか核融合とか、特に宇宙では、現在日陰に置けばもう既に超電導になるわけでありますから、非常に広範な応用が考えられているということで、一昨日もNASAの人からそういうような意見が私のところに寄せられてまいりました。 そのほかエレクトロニクスにおきましてもさまざまなことが考えられておりまして、特に超電導配線ですとワンウェハーの上にコンピューターが全部乗ってしまうかもしれない、そういう革新的なことが起こる可能性が多分にございます。そのほか医療システムにもそういうことがございます。電力、これも非常に大規模超電導システムが実現する可能性が出てまいるということで、これは径ほど御説明があるかと思います。 今後の展望と課題でございますけれども、私たち超電導の研究に携わった者といたしまして、今回のことは非常に教訓的でございまして、材料研究というものが超電導を含めましていかに重要かということを再び認識したわけであります。先ほど申し上げましたように、十年以上にわたる停滞に耐えるような非常に困難な研究で、ございますが、息長くやる必要がある。それはやはり国家の助成がどうしても必要になるのじゃないかというふうに考えております。 それから超電導に関しましては、室温超電導がもしあるとすれば、石にかじりついても、これをどうしても達成しなくてはいけない、そういうふうに私どもは考えております。これはどうしてかと申しますと、当然でありますけれども、室温超電導が発見されればこれは新しい産業革命必至というのが世界の科学者の常識になってきたわけでございます。半年前は、室温超電導などと言うとばかじゃないかと言われたのですが、現在ではあり得るという方向にほぼ一致しているようでございます。 それから、私が非常に心配しておりますのは、現在のアメリカその他の基礎研究の段階で起こっておりますナショナリズムをどうして克服して国際協調へ持っていくかということではないかと思います。これほど重要な発見でございますと、成果は人類共通の財産だというふうに考えるのが適当ではないかと考えております。その例といたしまして、トランジスタが発明されたときにATTベルはトランジスタの基本特許を公開いたしました。そのためにその後の情報化社会の建設が非常に早まったということがございます。アメリカは逆に超電導の技術を保護せよという意見が非常に高まっておりまして、これから将来、日本がリーダーシップをとるかアメリカがリーダーシップをとるかというようなことになってまいるわけでございますが、その場合に人類共通のものという観点をぜひ貫いていただきたい、そういうふうに思っているわけであります。 それから幸いにして、アメリカが日本を唯一の敵と言うのはちょっとぐあいが悪いのですが、コンペティターというふうに認めておりますので、アメリカで流されております技術ただ乗り論、これを何とかして克服する絶好のチャンスにめぐり会ったというふうに私どもは考えております。ここで基礎研究からきちんと日本はやっているんだということを何とかして示したいというのが私どもの悲願でありまして、実はアメリカのアナハイムの材料学会に、日本の「ジャパニーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジック」という雑誌がございまして、これに日本の高温超電導の論文が八十四編載っておるわけです。それを千冊持っていきまして、ただでばらまいてきて、とにかく日本のこともよく認識してほしい、そういうようなことで私たちも努力してまいったわけでございます。 それで、今後の施策に対するお願いでございますけれども、こういうような素材の研究を推進するときに思い切った国の研究開発が必要ということは当然でございますが、大きなナショナルプロジェクトをつくって推進したらどうか。ということは、素材の研究もそうでありますけれども、例えば、後でお話にございます磁気浮上のプロジェクトを推進するとか、そういうような応用に関する壮大な方策をお立てになれば、超電導の研究はそれにつれて非常にアクティベートされるだろう、そういうふうに思っているわけであります。 それから二番目に、実は最近まで超電導の研究者は非常に少なかった。マーケットもほとんどないのと同様でありましたので、研究者、技術者が非常に不足しております。特にアメリカは元来超電導の元祖でありますが、日本はそれほどでもなかったということで、例えば、研究者の数が三分の一以下だったのじゃないか。現在日本の企業も超電導研究に非常に多数の人員を動員するようになってまいりましたが、実は、超電導の専門家というのはほとんどいないと言ってよろしいわけであります。電気抵抗ゼロだから簡単だということでお考えと思いますが、実は超電導というのは非常に奥行きの深い学問でございまして、専門家を養成するのは大学時代から養成しなければいけないのじゃないか、そういうふうに私は思っています。そういう意味で、国公立大学に例えば超電導工学講座というふうなものを増設されることがどうしても急務であろう、そういうふうに思っております。そのほか国公立研究所の増員、それから民間企業の技術育成、そういうようなことが、アメリカとの対抗というのは非常にまずいのですが、世界の研究の流れに沿って、現在、国が至急になされるべきことではないかと私たちは思っております。 三番目に、先ほども申し上げましたように今はチャンスでございますので、ぜひ国際交流をいろいろな場でやっていきたい。今のアメリカの動きから申しまして、本当に研究交流に乗ってくるかどうかわかりませんけれども、とにかく今の段階から研究あるいは国際交流というものをやっておきませんと、将来大変なことになるのじゃないかというのが私の心配であります。特に、今日本の研究動向というものは非常に注目されております。アメリカの議員の先生たちも非常に動いておりますので、あるいは国会議員のレベルでこういうような交渉、交流を至急始められることが必要なんじゃないだろうか、そういうふうに思っている次第でございます。 甚だ簡単でございますが、これで終えさしていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○原田委員長 どうもありがとうございました。 次に、荻原参考人にお願いいたします。
○荻原参考人 東芝総合研究所の荻原でございます。きょうはこのような機会に話をさせていただきまして本当にありがとうございます。 資料を差し上げてありますので、それに沿って説明させていただきます。超電導酸化物の新しい動きについては今田中先生からお話があったとおりですので、私は、もう少し進んだ技術あるいはエンジニアリングという見方から、このものについて今後どうしたらいいかということを申し上げたいと思っています。まずその意味で、超電導酸化物の応用技術開発のうちで特に技術的な側面、そこでの課題というのを、三月ごろから今までにわかったことに基づいて、どう解決あるいは展開していったらいいかということを考えたことをお話ししたいと思います。 ということで、現在あります問題を三つにまず分けておきました。①基礎研究、②材料開発、③大型開発というものです。基礎研究のところは、今田中先生からお話があった部分ですけれども、材料開発というのは、より高い温度の物質を探す、あるいは、最後のところにありましたけれども、これだけすぐれた素材を見つけていただいたので、どう材料化していくかということ、その使い方を意識してどう開発し育てていくか、私ども目的基礎研究という言い方をしておりますけれども、その中身というものがこの材料開発では絡んでいく問題です。それから大型開発。これは組織的な開発として進められたもので、とにかく何をするかということがかなりはっきりわかった場合です。これは非常に大きな材料だとか、素材を材料化していく上で起動力になるというか推進力になるということで、今までの日本のいろいろな科学技術における行政というのでしょうか業績というのは、この動きが非常にしっかりしていたということによって支えられていたのだと思っています。以下、それについて述べていきたいと思います。主として私はこの②の材料開発の立場に立って問題提起、開発問題を摘出していきたい、そのように思っています。 まずその意味で材料開発ですけれども、この酸化物超電導体と申しますのは大変につくりやすくて扱いやすいものなんです。週刊朝日の五月二十二日号をごらんになった方は、この中で「五万円であなたも作れる夢の新素材 本誌編集部の試作品が世界記録にあと一歩」というキャッチフレーズで載っていたのを御存じかと思います。つまり、だれでもこのぐらいのものがあればつくれるものなんです。素人でもこのようなことができるために、非常に超電導、あるいは夢のという言葉にタッチしたというか接近した感じがありますので、だれでもが親しみを持って注目をしていただけているものだと思います。ただ、その意味で非常に重要なことなんですけれども、見せかけならそういう意味でだれでもつくれるわけですが、それがどのような意味を持っているか、あるいはどのような陥穽を持っているかというのは、やはりプロならプロとしての立場で申し上げなければいけないわけです。 お手元に差し上げてあります写真をごらんいただきたいと思いますが、そういうものができております。ただし、私ども企業の人間がここへ参らせていただいた以上は、やはりどういうものがどうできているかというのを実感として知っていただくということがかなり大切だと思いますので、委員長、もしよろしければ、五箱ほど実物を持ってきてありますので、さわっていただけますかと言うと変ですが、お目にかけたいと思います。
○原田委員長 ぜひお願いします。
○荻原参考人 一番最初にごらんに入れますのは、そこにありますデバイス、素子の配線パターンと称するものです。お回ししますけれども、半導体をつくる上で、半導体をつなぐ回路をこの物質でつくってあります。非常に細かいものですので、これをごらんに入れたいと思います。その次には、テープまたはシートというもので、先ほど田中先生がお話しになった三月十八日のアメリカの物理学会の際に、どうだ、こういうものはというのでアメリカの研究者が皆さんにごらんに入れているのがたくさんありましたけれども、それと同じものをここにごらんに入れます。これがシートです。それから、ここに巻いてありますのがテープです。これも篤とごらんいただきたいと思います。それから、ブロック成形体といいますのは、皆さんのお手元に写真を差し上げてあります。一つは、磁気の中で超電導で浮いている図がございます。その物質がこれでございます。それから、同じように実験ができるもので一円玉みたいなものがありますけれども、これもごらんいただきたいと思います。最後に、超電導線というのがやはり基本的に話題になりますので、二種類ほど、銅でつくったものと銀でつくったものとをごらんに入れます。 ということでございまして、どれもこれもとにかくつくろうと思えば、我々プロの手にかかりますとと言うとあれですが、すぐにそのぐらいのものはでき上がってしまいます。問題はそこから次のところにあることをこれから申し上げたいと思って、これを持ってまいりました。 まず一つ、その中で特性が出ないと話にならない、つまり、超電導が超電導であるというのがそのものの形の中で実現していないといけません。三月十八日以降いろいろなことが新聞発表になったり、あるいはアメリカの学会あたりの中で何ができたかにができたという報告がありますけれども、その後フォローされて超電導らしい特性が完全に満足に出たというものがないことは、今、田中先生の報告の中に出てきたとおりです。 さて、それがなぜかということをこれから申し上げながら、これから何をしていただけばいいかという話をさせていただきたいと思っております。 超電導線あるいは超電導体というものを見たとき、その値打ちというのを判断するのに何で判断するかといいますと、まず基本的な性能というのが三つございます。臨界温度、臨界磁界、臨界電流密度という三種類のものをそこに書いてありますが、超電導体というものは、この三つの特性がかなり十分エンジニアリング的な性能を持つことによって我々は技術として使っています。そこに「元素Hg」というのがありまして「臨界温度四・二K 臨界磁界〇・〇四一T 臨界電流密度*」というぐあいに書いてあるのは、これは一番最初に超電導が一九一一年に見つかったときのものです。現在それから約半世紀を楽に突破しまして、「合金・化合物」というところに「NbTi」と書いてありますニオブ・チタンと我々呼んでおる合金で申し上げますと、臨界温度が十度ケルビン、臨界磁界が十一テスラ、臨界電流密度が百万から一千万アンペア平方センチ当たりというものを今使っております。現在出てきておりますセラミックスは九十四ケルビンで、臨界磁界あるいは臨界電流密度というのは現在研究中あるいは増強しようという方向にありますので、化合物、合金の性能までは十分いってないものです。 こういう段階になければならないのですけれども、もう一つ応用上重要な性質としては、とにかく材料であることというのが非常に重要です。新聞などでは超電導材料が見つかったという言い方をしておりますけれども、正しい意味で材料というのは物をつくるのに使えないとだめなんで、物質というのは使えるレベルまで行って初めて材料と言っていいわけです。その意味で「工業材料」というぐあいにわざわざ書きましたけれども、そう書かないまでも、材料と言った以上は、安定に大量供給してくれる、それから性質が信頼性を持って使うことができる、あるいは加工に値するものであるという性質が要るのです。その意味で言いますと、現在のものは、こういうものについて材料という名前はまだ少し大げさ過ぎる名前になっております。 それから扱いやすさというのはやはり大切で、例えば電線につくったときに、線を巻くとかそういう話をするのに、強く引っ張っても切れない、あるいは簡単に巻けるというような性質が非常に重要なものになってまいります。 さて、その意味でそれでは今のものはどうなっているかということになりますので、これも例をもってごらんに入れたいと思います。 一番後ろから二枚目に大きな丸い挿絵を差し上げてあります。これは、現在恐らく一番世の中で進んだ超電導線と言われているものの断面図です。この中に小さい星のようにぽちぽちと点がありますけれども、これがニオブ・チタンという超電導体でつくった超電導材料そのものです。この太さは〇・五ミクロンという太さです。皆さんの髪の毛の太さというのが大体三十ミクロンから百ミクロンぐらいですから、これはその中に何十本という数字で入るくらい細いものです。これ全体が導体の中に入りまして、全体で〇・一ミリメートルという太さになっています。それから、これはこのままの図ではわからないのですけれども、ずっとねじれています。ツイストと称しまして、長さ方向にずっと場所が変わってぐるぐる回るような格好になっています。〇・一ミリメートルの太さの中に〇・五ミクロンという線が入って、ツイストと称する非常にファインなより線加工が行われているというのがこの線の特徴です。これで大体六アンペアから八アンペア流します。電流密度としましては、恐らく百万アンペアレベルの電流を流しているものです。 あと、浮上式鉄道、それからもう少し進んだ変圧器というものに使われるための起電導線も大体これと同じような構造になっていまして、極端なことを言いますと、もう〇・一ミクロンという細さの超電導線が一千万本入って全体は一ミリにしかならないというように非常に進んだ加工技術で今の金属の超電導線というのはでき上がっています。 そこまでいきませんが、磁気浮上で今宮崎で走っております超電導線といいますか、超電導コイルを巻いた線まで含めたサンプルがありますので、また同じく、ちょっと重いですけれども、ごらんいただきたいと思います。これは現実に使われている超電導線でございます。 さて、こういう超電導線の要件というのを線だけに限ってみますと、加工技術の極限というものへ挑戦しているという感じがあることはすぐ理解していただけるのではないかと思います。それの要点というのを三つほど申し上げますと、まず、安定化材というのと一緒に加工してそういう線にするということです。安定化材と称するのは、よい超電導性といいますのは非常に嫌な性質と言うと変ですが、常温にありますときには非常にかたいものなんです。ニクロム線だとかそういう抵抗体と同じように、かたいものほど温度を下げたときにいい超電導性を示します。冷やすために、熱を取り去っていくために、そこに銅をつけているのですが、その銅は御存じのように非常にやわらかい材料です。かたい材料とやわらかい材料を直径二十センチぐらいに一番最初の出発点のところから大体そういう形に仕上げておいて、全体が〇・一ミリになるまで細い線に仕上げます。そこまできれいに仕上げるだけの引き線をする加工技術というのがその中で体現されているわけでございます。 あともう一つ、非常に細くするということも、超電導物質の超電導性を上手に使うための必要要件なんです。細くしますと一本の線で流す電流というのが小さくなりますから、たくさん入れなければいけないというので、細い線がたくさん入っております。最後の図面のところは、〇・五ミクロンの線が一万四千五百二十本入って〇・一ミリという導線の中におさめられていてそういう線になっている。これだけの細かいものが、ツイストと称する、ぐるぐるよじれた存在になっています。 こういう技術というのは実は非常に新しく始まったもので、一番最後のページに超電導の歴史というようなものをごらんに入れてありますが、そのうち下から五つ目のところにステクレーの安定化理論というのがあります。そのときからこういう技術が必要だということが始まりました。つまり、大体、今超電導の応用技術をやっている人間が超電導の応用をやりながら必要性を発見し、それだけの加工力というのでしょうか、加工技術を育成してここまで来たものです。これはアメリカ、日本、ヨーロッパもありません。全部ほとんど同じような問題を発見し、同じように協力しながらここまで来た問題です。 さて一方、今度見つかりましたセラミックスというものについて考えを述べてみたいと思います。 まず、セラミックスといいますのは、材料あるいは物質というものを分類したときに三つに分類する、そのうちの一つのものです。有機物、金属、セラミックス、これで世の中の物質界あるいは材料というものは成り立っています。その意味で言いますと、金属とセラミックスとは性質からいっても何からいっても全く別なジャンルに属するものです。そういう意味で日本では非常にすばらしいファインセラミックスの技術あるいはエンジニアリングセラミックスの技術が発達していて、それで世界的に注目されているわけですけれども、ファインセラミックスにしてもエンジニアリングセラミックスにしても、現在開発されていて日本がすぐれていると言われている方向は、これは耐熱性がいい、あるいは非常にかたくて頑丈である、それから、かたくて摩耗が少ない、あるいは腐食に強いという面が非常に強調される方の技術の中で成功しているものです。これはある意味で言うと、金属を先ほどのような加工技術で上手に使っていくという方向とは逆な方向で、非常に高度の発展をした技術になります。 もう一つ、焼結体であるという問題がございます。焼結体といいますのは微粒子を焼き固めたもの、これがある意味で言うとセラミックスなんですけれども、その意味では、微粒子のそれぞれ一つずつの粒の性質というのが、かなり長い時期まで材料の加工のいろいろな経過をたどりながら保存されていきます。最近は、高靱性セラミックスというので高い温度の中でばね的な動きをするものが見つかっていますけれども、これはセラミックス材料そのものの性質よりも、微粒子と微粒子をつなぎ合わせている面のところをコントロールすることによってああいう性質をつくっているのです。ということは、先ほど電線で〇・一ミクロンという線のことを言いましたけれども、それは〇・一ミクロンの線があったとしても、十キロとか五十キロの間、一様な金属が完全につながっているものなんです。ということで、セラミックスが微粒子で固体と固体との間の制御性によって例えばばねのような動きをするというのとはかなり違った意味になってまいります。 それからもう一つ、日本の中では、機能性セラミックスといいまして、においをかぎ分けたりガス漏れを感ずるというようなセラミックスが非常に発達しておりますけれども、こういうセラミックスは、そういう特性を持たせるためには非常にがさがさな構造といいますか、中が粗な構造をしています。今回の超電導体も、次に申し上げますけれども、非常に酸素を上手にコントロールすることによりまして超電導性というものをつくっていきます。ということは、外界の酸素との間に上手に交換するという反応をさせながらこれをつくっていっているのです。 次に進ませていただきますと、セラミックスというのは、別な意味からいいますと、酸素の塊あるいは酸素の骨格の中にほかの分子、今度のことで言いますとバリウムとかイットリウムとかいうものが含まれていて、超電導性というのを上手に出してくるという使い方をしています。とすると、酸素ということが非常に大事なもので、その酸素を出し入れしましてあるところの酸素をなくするというような反応によってこの超電導の特性を出しているわけです。 さて、そうなってくるとということで、普通なら、先ほど超電導線というのは非常に長い間均質のものがつながっているという言い方をしました、それから、セラミックスはそうじゃなくて焼結体なので、粒が固まり合っているもので、粒の性質がいつまでも残るのだと申し上げましたけれども、さてそれでは長尺のものでないデバイス、今お見せしたものの中で言うとテープとか配線のパターンとかいうぐあいに、点のようなといいますかスポット的な、つまり長さじゃなくて広がり、それも非常に小さな広がりだけでいいというような使い方をしているものとしては、デバイス応用というのが先ほどから申し上げておりますようにあるのです。ジョセフソン接合素子がありますし、トンネル素子があります。それからSQUIDと称する超電導量子干渉デバイスと言っているものがあります。超電導トランジスタがあります。こういうものが今までもかなりの注力をされながら開発されてきました。ただし材料は、鉛、ニオブ、ニオブと窒素の化合物、非常に特殊ですけれども、バリウムとビスマスと鉛と酸素の化合物、これもやはり今回のペロブスカイト、酸化物超電導体のもとになったものと言ってもいいのかもしれませんが、十三度ケルビンまで超電導を示すという物質なんです。こういうもので随分合言いましたデバイス関係は研究されてきました。その中でわかっていることは、まず、非常に制御された格好で単結晶というもので均一な物質をつくるということをすると、かなり電流が流れたり使いやすいのですけれども、多結晶で普通に、今皆さんにごらんに入れたもののようなつくり方をしますと、臨界電流密度が一けたから二けた落ちるのです。先ほど田中先生から紹介ありました十万アンペアというような電流密度を持った性能の物質も、もしも多結晶体でつくりますと一万アンペア、千アンペアという普通のオーダーに落ちてしまいます。 その問題はなぜかというのが今までも問題になっていました。どういう問題かというと、粒と粒という言い方をしましたので、表面とそれからその中側の性質の違い、これを二層構造と言っています。それから、結晶同士がつき合うための界面の問題。それから、表面が酸素と一我々の世の中は酸素あるいは水がたくさんあるところですので、それが行き来することによって酸化の進行ということが起こって性質が変わるということが比較的簡単に起こりやすい状況にあります。こういう問題のために、今までも、Pb、ニオブ、NbNというようなものまで含めていろいろな問題が出てきております。 そのうちで、まず結晶制御をすることによって非常に大きな均質の物質をつくればいいじゃないかという考え方があるわけですが、それはもちろん技術があるわけです。そこにありますように、プラズマスプレーとか、化学蒸着法だとか、あるいはスパッタリングだとかいうやり方がありまして、自分が好きなように物質をつくり上げていくという技術は確かにあります。ただ、これはまだ基本的には非常に高い技術ですから、これをどのように技術化していくか、あるいは工業化していくかというのは、もともと問題としては含まれていることになります。 さて、その意味でもう一歩入りまして、セラミックスで超電導体をつくってみるということでどのような問題があるのかということになりますが、先ほどセラミックスは酸素の塊あるいは酸素の骨格でできている、その酸素を取ったり入れたりして微妙に骨格を変えることによって超電導の特性を上手に出しているものが今の超電導酸化物であると申し上げました。そうすると、物をつくったときにいつ超電導性を持たせるような化学反応を起こさせるかというのが次に問題になってきます。化合物でこういうことをやるという経験は、実は日本には今まで一つあります。超電導体と称するものは恐らく世の中に今三千種類ほどあるのですけれども、実際に使われていますのはデバイス応用まで含めて約五種類と思っていただきたいと思います。そのうちの大きなものとしてニオブ3スズという超電導線になっている材料があるのですが、これは科学技術庁の金属材料技術研究所にいらっしゃった太刀川さんが太刀川メソッドという非常にすぐれた方法を発見されることによって工業化しました。それは超電導線の中にすべて後で反応する物質を取り込んでおいて、それが一つの方向にだけ反応するということで、自分の好きな状況を超電導線の中で起こさせることを非常に上手にコントロールするというのをインスピレーションでやられたのだと思います。そういうことができるものであるかというのが今度の超電導線の問題になります。 今ごらんに入れましたものの中で、線になっているもの、銅で被覆したものと銀で被覆したものがあります。銅で被覆したものの方は、単に線をつくるために銅をかぶせて線を引っ張ったというものです。なぜかと言いますと、銅は酸素に非常に激しく反応するものですから、自分が持っているせっかくの骨格としての酸素まで吸い取ってしまいます。つまり、化学反応のコントロール以上に周りにつけた銅によって化学反応が制御されてしまいますので、銅は線の格好をつくるためにつけたのであって、全体として線の機能を持たせるためにつけたものではありません。後で銀の線をごらんに入れます。これは私どもが約千アンペア・パー・スクエアセンチメートルという報告をさせていただいたものですが、銀といいますのは、至るところで皮膚呼吸のように酸素を出し入れしながら自分は何も変化しないものです。つまり線が長ければ長くても、どんな長さのところでも、ある断面だけで超電導特性を出すことができます。それによって超電導性を出します。 さて、磁気浮上だとか核融合だとか非常に大きなところに銀を使うというのは実用的かというと、これは違います。つまり、今は銀を使ってでも特性というもの、あるいは線をつくるというものを調べなければならない時期にあるのだということを申し上げるつもりでおりました。 それから、その次にもう一つ問題として挙げなくちゃいけないのは、恐らく先ほど言ました一本の線が〇・一ミクロンあるいは〇・五ミクロンというのが一万五千本も入って全体として〇・五ミリあるいは一ミリという構造の超電導線をつくらなくちゃならないというのが超電導線をつくるときの問題です。セラミックスは続いてどんどん延びていくものではありません。田中先生の御説明にありましたように、延性と展性を持っていないというのがセラミックスの特徴です。ですから、セラミックスをそういうぐあいに線のように引いていって変形させますと、上にあります銅は確かに延びていきますけれども、中で起こっているのは粒が細かくなっていくという破砕が起こっているだけなんです。そうすると、破砕体として起こってきて新しく生まれた微粒子が上手にまたつながり合っているかという問題が非常に基本的な問題となってきます。そういうことで、もともと加工しようと思えば、セラミックスに関して言うと、こういう粒々をどう処理するかという問題に対してきちんとした回答をつくらなくちゃなりません。これはまだ完全にできていませんというよりも、そういう見方をしないで議論は進んでいます。 さて、その次に輸送電流といいますのは、我々は一センチ平方当たり一千万アンペアから百万アンペアを流せて初めて超電導体だとしているわけです。今度のものにもそれだけの電流輸送をさせなくちゃならないのですが、これも田中先生から御説明がありましたけれども、これはBCS理論からもう一歩具体的に進んだグラッグの理論あるいはアブリコソフの理論と称するもので説明できる問題です。グラッグというのは、ギンツブルク、ランダウ、アブリコソフ、ゴルコフという四人の物理学者ですけれども、この人たちが、今言いましたように、なぜ超電導体には平方センチ当たり一千万アンペアというすごい電流が流れ、しかも全然熱が出ないで済むのかという理屈をきちんとつけたものです。簡単に言いますと、加工技術を金属なりなんなりに上手にすることによってその特性が発揮できるのだということになっています。例えば、合金系の線で言いますと、熱処理によって格子欠陥をつくる、あるいはディスロケーション、転移というものをつくる、それから析出というものをつくるということです。それから化合物系に関して言いますと、ニオブ3スズが今使われておりますけれども、非常に細かい粒をたくさん中につくってやるということなんです。こういうことによって第二種超電導体は非常に大きな電流輸送力を持つことができるのだということがわかっています。だとすると、現在あります議論は、すべてつくり上げたものをどう電流に流すかということだけで電流を流しています。それで到達したところが十万アンペアです。それから先は、この物質に今のグラッグ理論に基づく加工処理をどう施すかということが問題になります。まだそこまでやらないわけですから、十万アンペア以上のものが出てくるということがむしろ非常に珍しいので、いつになったらそういう加工技術なりなんなりをするような、この素材が材料的な性質を持ってくれるかというところが、これからの問題あるいは開発の問題になるのだと考えております。 さて、そういうことで、今までのところ申し上げたことは、非常に難しい点があるという言い方をしているつもりはないのです。むしろ三月から五月のおしまいまでのこの短い間に、このものについてはこれだけのことがわかってきたのです。何をするにしても、研究開発は必ず問題点のあり方とか課題の摘出だとかいうことをします。これだけ立派にいろいろなものがそろったということは、この材料が学会あるいはそういう人たちから非常に注目されていることだと思いますので、これからがこういう問題が解決されていくべきだと思います。 さて、どういうぐあいにやっていくかという話の中で考えを述べさせていただきますが、次の項目で、基礎研究から目的基礎研究に至るところはどういう問題があるかということを整理してみます。 まず、非常に高い温度、今よりも高い温度で臨界温度を持つ超電導体を探す、これは非常に重要なことです。室温はその中で当然一つの目安になります。これには今の超電導体の理論をとにかく確立してほしい。BCS理論はもうそろそろ危なくなったのだという話は田中先生からあったとおりです。新しい理論を確立し、それによって次の予測を立てるというのが理論屋さんの存在理由なわけですから、これは頑張ってもらいたいということになるわけです。 その次には、今言いました物性の確定です。この物質が実際的にはどんなものなんだという話を測定技術の開発研究まで含めてきちんと技術が使えるような言葉で展開できるように早くしてもらいたいと思います。その一つの中でもうわかっているものとして今考えられているものは、コヒーレント長さという量があります。これは超電導性がどのくらいに物質の中で波及力を持つか、あるいは力を持っているかということを示す量ですけれども、現在金属で使われているものよりも十分の一から五十分の一ぐらい短いものだということがわかってきて、非常にシャープな超電導性を示すということがわかっています。だとしますと、ジョセフソン素子だとか超電導トランジスタをつくるには非常に精密な技術開発、物をつくるときの技術力をもっと精密にしていくという方向の研究が必要だということがわかりました。 それから、セラミックスが非常に多結晶であると申し上げました。つまり界面があって、一粒ずつ個性を持って自分の境を持っている物質だと申し上げました。そういう微粒子、粒が小さいということによる特徴のある超電導のあり方、それから一粒ずつが界面を持っているということによる超電導のあり方、そういうような物性がどうなっているかというのも決定する必要があります。 さて、今申し上げましたのは、あくまでも金属で使っている現在の超電導の開発が非常に強力に展開されているという前提の中で、それと同じことに今の超電導体を使おう、使えるかという議論です。ただし、先ほど申し上げましたが、セラミックスは金属とは全くジャンルの違う物質です。つまり、セラミックス独得の使い方があっていいんじゃないか、それを新展開というぐあいに書きました。右側に簡単な図を入れてありますが、金属セラミックスの中でこういう材料の延性を利用することによって安定化極細多芯線という、最後にたくさん超電導性の具体的なものをごらんに入れたようなものをつくり上げました。一方、日本で名前を挙げておりますファインセラミックスは焼結という技術で、これは延性、展性を使うものとは全く逆方向の技術です。ですから、その方向での展開をすること、または焼結というのじゃなくて、ファインセラミックスの延びる力を見せたそれだけの技術力をもって、セラミックスにも延性的な使い方をするという開発にこれからセラミックス屋さんには移ってもらうということも一つの問題としてはあるのだろうと思います。いずれにしても、ここの問題の中では酸化物超電導体の生かし方を考えた展開がもう一つ問題になると思います。 あとは、超電導体、今まで、金属系で現在あるもの、それからセラミックス、いつも対立的な考え方をしておりましたけれども、複合することによって日本は特にいろいろなものを上手に使ってきました。それが一つの解決策です。この辺のところは基礎あるいは目的基礎というところに入ると考えております。 さてもう一つ、こういうものを引っ張ってきてくれたものとして、今まで日本の大きな業績の中には大型開発があります。これらの研究といいますのは、具体的には核融合、MHD発電、超電導発電機、超電導推進船、ジョセフソンコンピューター、超電導放射光施設、超電導磁気共鳴イメージング診断装置、こういった種類のものがありますが、こういうものが大型のプロジェクトあるいは全国的な一つの動機を持ったものとして動きがあるために、今までの個別の超電導体あるいは超電導性の工業化が非常に発展してきたものです。それぞれがいつ使われるかという問題は、社会的な必要性の時期というもので多少問題があるかもしれませんけれども、こういうものによってこれだけの展開が進んできたのです。 あるいはもう一つ、大規模利用へのスタートといいますか、こういうものが非常に使いやすいものとして出てきたときには、草の根応用と私はそこに書きましたけれども、例えば、太陽電池で発電所をつくろうという動機よりも、むしろポケットコンピューターの中にアモルファスの太陽素子がたくさんついたということで大量に使われて、これは日本が大きな発達をしました。そういうようにして基本的な小さな使い方の中にみんなが使えるものを見つけること、その二つの道で恐らくこういうものが生きていく、あるいは開発が推進されていくのだろうと思っております。 最後になりますけれども、このような進め方の中でこの開発、特に超電導酸化物を大きく使えるようにしていくための技術としましては、まず基礎研究と大型開発というのは公益的な立場から進めていただきたいと思っております。基礎研究の中で言いますと、これは大学、官公庁の研究所が主体になっていただきますし、このやり方というのは、田中先生のお話の中にありました技術ただ乗り論を払拭するには今一番いい時期だと思っております。アメリカの学会あたりでも、こういう話に対する日本の技術力は余りステレオタイプな物の言い方で考えると危ないのだという言い方をしているというのが、たしかきのうの朝日新聞の夕刊にも出ております。その好機だと思っております。 次は大型開発ですけれども、官主導の大型開発が先ほど言いましたように日本のいろいろな技術をスティミュレートするのに役に立ってきました。酸化物に関しても同じことですけれども、超電導に関しましてはまだ酸化物云々ということじゃなくて、今まで進んでいる超電導の開発に対して酸化物の影響を余り感ずることなく大いに進めていただきたいと思います。その理由は、今超電導酸化物はまだ具体的な物を考えるほどには、具体的な工業材料としてのイメージをどうつなげるかというのは我々余り上手につかんでおりません。むしろ、先ほどからお願いしてありますような要件が全部出てきたところでそれが言えるのだと思います。したがって、核融合だとかそういう話については、まだまだ力を入れて今の方針を貫いていただきたいと思います。 さて一方、国際協力といいますのは、超電導・極低温関係で言いますとバーマス体制、ベルサイユ・サミットの結果、九カ国でしょうか、そこの共同開発で材料研究がありますが、この中で日本が議長国を務めている唯一のものです。つまり日本の力がそれだけ認められています。それから超電導に関しては、これまでの日米協力だとか国際交流というのは非常に多くありました。日本とアメリカで研究者が交換し合ってというケースが、この中で言うと非常に多いのが恐らく超電導だと思っております。ですから、今回のアメリカの動きが非常に珍しい動きのような感じもしますし、さっきの「ビジネス・ウイーク」などに出てきている論調などでも、アメリカ人の中でも特に超電導で今まで強力に進めてきた人は、日本とアメリカのやり方の中で日本のやり方をよく知っていて、競争というものに対して疑問を持っている人たちがたくさんいます。つまり、これも実際には、国際交流は重要だけれども、今までもやっていた問題であって、特に今改めてこの件にということは余り心配ないのだろうと思っております。むしろ、今回の話の中で何となく神経を研ぎ澄まされている感じの方が心配です。 最後に、特許になりますけれども、この特許の問題がいろいろ出ていますが、これも技術者としては取れるものは取りたいと思っております。あと権利行使の話といいますのは、国の話もありましょうし会社の話もありましょうし、これは別問題だと考えております。 以上、最後に提案までさせていただきましたけれども、私の陳述を終わらせていただきたいと思います。(拍手)
○原田委員長 どうもありがとうございました。 次に、京谷参考人にお願いいたします。
○京谷参考人 ただいま御紹介いただきました京谷でございます。本日は、大変よい機会を与えていただきまして、まことに光栄でございます。ありがとうございます。 きょうは、もともと私は超電導磁気浮上鉄道、世に言うリニアモーターカーをやっておりましたので、主にこういった応用面から意見を述べさせていただきたいと思います。 お手元の資料から参りますと、現状と将来展望ということで、まず自分のやってまいりましたリニアモーターカー、超電導磁気浮上鉄道について簡単に申し上げますと、現在JR鉄道総合技術研究所に所属の宮崎実験線、ここは延長七キロございます。そこで実験を進めておりまして、最初にML500という車が昭和五十二年七月から実験を開始いたしました。そして五十四年十二月に最高時速五百十七キロメートルを出したわけであります。これは現在もまだ世界最高記録になっております。続いて、人の乗れる、そして連結のできる車ということでMLU001という車を三両つくりまして、昭和五十五年十一月から走行実験を開始、そしていろいろ進めてまいりましたが、ことしの二月に人が乗りまして最高時速四百キロを達成いたしました。ちなみに、これも今のところでは世界記録になっております。今年三月二十八日にMLU002という新しい車を公開させていただいたわけであります。この車は今までの車の約倍近い大きさがございまして、長さが二十二メートル、重さが十七トンございます。座席の方も全部で四十四座席ございまして、今の計画では、いずれこの秋に入ったらいろいろな方に乗っていただけるようにしようというようなことで計画を進めている段階でございます。 ざっと申し上げましたが、この鉄道の技術の中心はあくまで超電導磁石、これを冷やすための低温といったところが中心の技術でございます。ちなみに、超電導磁石は先ほどお二人からいろいろお話がありましたが、私どもは最初からニオブとチタン、若干ほかのものも入っていますが、そういったものの合金のものをつくって、これを使いながら研究開発が進められる段階で、いかに軽くするか、浮いて走る車でありますし、ましてやその中心になる磁石が重くては仕方ありませんから、この磁石をいかにして軽くするか。そしてまた、液体ヘリウムで冷やしておりますので、どうしても熱が入ってこないようにしてやる。余り大きな魔法瓶にしますとその重さでだめになる。また熱がどんどん入るものですと、これを冷やしてやるための車の上に積む冷凍機が重くなる。したがって、熱が入らない、しかも軽い磁石をつくるといったところを中心にやってまいりました。 お手元の資料にありますように、先ほど荻原さんの方からお話がありましたが、超電導を安定に使うためには銅を使っている。最初のころは超電導の材料、超電導そのものでございますから、我々の場合ですと、ニオブ・チタンとその他の合金に対して十倍近い銅を使っていた。十倍近い銅で囲んでやらないと安心して使えなかった。その銅の比率を小さくしていこうと考えまして、いろいろ研究開発した結果、ML500という車のときには五倍でよろしい。現にこれで五百十七キロ出したわけです。その次に人の乗るタイプの001にしたときには、これを二にいたしました。そしてこの三月二十八日に発表した車では、これを一にまで下げております。現在のところスムーズに走っておりますので特に問題はないと思いますが、こういうふうに磁石自身を軽くするといったこともいろいろ開発の段階でございました。 それからいま一つ、冷やしてやる。先ほど来、ニオブ・チタンは液体ヘリウムを使うというお話がございましたが、この液体ヘリウムを使って冷やしているわけです。どうしても外から熱が入ってくる。それをどうしてやるか。ほうっておきますとヘリウムを蒸発させてしまう。そうでなくて、ヘリウムの入っている容器を閉じ込めてしまう。閉じ込めておくと、外から熱が入ってくるとヘリウムが蒸発します。そうすると、ほうっておくと中の圧力がどんどん上がってくる。圧力がまじゃありませんが、そのまま噴いてしまいます。だから、そうならないうちに基地へ戻って圧力を下げてやり、液体ヘリウムを補充するということも考えられますが、それでは人手がかかって仕方がない。それで、閉じ込めたヘリウムの容器の中に熱交換器を入れる。そしてその熱交換器をヘリウムの冷凍機で冷やしてやればいい。これを間接冷却と言っています。そうしてやりますと、中の方で圧力が上がってくる。温度が上がってくると、ヘリウムガスになった状態、温度の高いヘリウムガスが熱交換器に当たってもう一度液体ヘリウムになります。これを再凝縮と言っておりますが、そういう作業をしてやると、中の圧力がある一定圧力でしかも低温が保持できる、こういう方法でございます。そういう間接冷却というものを研究開発をしてきたのと同時に、ヘリウム冷凍機を軽くする、これをいろいろ苦心してまいりました。 ちなみに今までの経過で申し上げますと、この資料の左側にありますように、ML500ではそういったヘリウム冷凍機は搭載しておりません。この冷凍機を搭載し、間接冷却の確認をするための装置として500Rという車をつくりました。これは間接冷却であり、ヘリウム冷凍機を搭載してある。括弧してクロードと書いてありますのは冷凍機の熱サイクルでありまして、クロードサイクルと言います。それから、その次のMLU001も間接冷却でヘリウム冷凍機を積みました。この中にはクロードサイクル、それからJTスターリングと書いてございますが、これは、スターリングサイクルだけではヘリウム温度にならない。したがって、ジュール・トムソン弁のついた回路を一緒に組み合わせでやります。そうしますとヘリウム温度になるので、こういう組み合わせたものを使う。ところがこのジュール・トムソンのついたスターリングサイクルは、この下に書いてありますように、後に科学技術振興調整費のおかげをもちまして、その研究成果としてJT弁のないスターリングサイクルのみでヘリウム温度を達成することに成功いたしました。その冷凍機をMLU002につけたわけであります。これを今回から試験をするようになっております。こういったところまで来ておりまして、今のところ実用化の見通しとしては、短い区間のところならもうほぼ実用可能であるというところまで参りました。 ただ、現在分岐器、線路で言う分かれるところですね、そういう分岐器だとかあるいは変電所がたくさん並んでおるところをどううまくコントロールしてやるか、そういったところを実際にやってみなくてはならぬので、長距離用は若干そういった問題は残っております。したがって、そういったものの確認をやり、耐久試験をやり、そして最終的にはモデル線をつくって営業線へ進めていったらいいのではないか、こういうふうに考えております。 最近、いろいろ超電導の進歩に伴いまして新しいものが出てきます。これがうまくいけば建設費もあるいは運用費も低減できるというふうに考えられていますが、現在は、ここまで実用間近なものについてはこれをさらに早く実用を進めて、そしてこういった営業の経験をもとに、先ほど来荻原さんもおっしゃったように、実際に動かしてみて初めて我々が線材屋にいろいろ要求ができるわけです。こういう線をつくってほしいとかあるいはこういう巻き線にしてほしい、そういうところが具体的な目標を持って進めることができますから、さらに新しい超電導体を線材にする上においても大いに役に立つのではないか、こういうふうに考えております。 それで、超電導の応用として、先ほど来お話がありましたように、既に商品化を進めているもの、あるいは研究開発に着手しているものがあります。ここにはリニアモーターカー以外のものを書いておきましたが、交通機関では真空チューブ鉄道というのがございます。ちなみに、アメリカの科学雑誌が大分前に書きました、五百十七キロのときの記事でございますが、日本は新しい乗り物を開発した、しかし、日本が開発したのはプロペラ機である、我がアメリカはジェット機を開発するんだ、そういう記事がアメリカの雑誌に載っております。それは何空言っておられるかといいますと、チューブの中の空気を抜いて真空にしてやると空気抵抗がなくなる。その中を今走っております超電導磁気浮上鉄道を走らせてやる。そうすると時速数千キロ、あるいは最近に至りますと、もう数千キロを超えて万のあたりまでねらうという学者の方も出ております。そういったことが逐次発表されている。そういう真空チューブ鉄道。 あるいは最近高温超電導というものが出てきますと、にわかにアメリカとかその他から電話がかかってきたり書面が来るのは電気自動車です。電気自動車の研究は随分日本でも進んでおりましたが、これを超電導化したらどうなるのだろうか、今までの超電導磁気浮上鉄道の経験を大いに使ってひとつ電気自動車はできないだろうか、こういう質問がございます。 それから、既に研究開発の進んでいるものとしては超電導モーター船。これは超電導磁石でモーターをつくります。それでプロペラを回して進める。これを超電導モーター船といいます。 それから、その次の超電導電磁推進船といいますのは、海水中に超電導磁石を使って強い磁場をつくっておきます。その磁場のかかった海水に電流を通してやる。海水でございますから電気を通します。その磁場のかかった海水に電流を通してやりますと、電流の通った海水が磁場の中で押し出されます。その海水の押し出される反作用を使って船を進めよう。これは主に高速用のライナーとか潜水の貨物船、そういったものに考えられております。これは現在野にもう基礎研究は進んでおりまして、二、三年のうちに実証船もできてくるのではないか、こういうふうに考えられます。 それから、航空機用の電気機器などもいろいろ外国では進められております。それから航空・宇宙用発射装置、これは実は昨年、国際宇宙学会で発表したものでありますが、今のスペースシャトルあるいは翼つきのスペースシャトルにしても、これを打ち出すのは垂直に出していた。これを横に出してやる。横に出してやるについては、足が大変丈夫なものでないといけない。というのは、燃料の化け物であります、その燃料の化け物の燃料をなるべく少なくしてやる。それにはリニアモーターを使えばいいのではないか。リニアモーターの上に乗っけて、それでなるべく加速を速くして離してやる、そういう構想を実は航空宇宙研の長友教授と一緒に研究いたして発表したものであります。こういった応用が、これは何も宇宙だけではなくて航空機に対しても考えられるのではないか、こう思います。 それから、その他電力機器としては、先ほど荻原さんのおっしゃった核融合発電、超電導の発電機類、MHD発電あるいは超電導のエネルギー貯蔵装置とか変圧器、そういったものがいろいろ出てきますし、磁気分離装置、こういったものも出てまいります。それから、医療機器あるいは情報機器あるいは学術研究用の施設、こういったものが既に基礎研究が始まり、あるいは部分的には使われ、そういった段階に超電導の応用としては進んできております。 次のページのところには、これからとるべき施策とでも申しましょうか、私のまことに個人的な意見でございますが、この研究開発を三つに分けさせていただきました。先ほど材料になる前の素材、そうおっしゃっていましたが、超電導体の研究、それから超電導材の研究開発、それから超電導応用の研究開発、こういうふうに分けてみました。 超電導体の研究の場合ですと、新しい超電導体の追求は、もう先ほど来お二人がおっしゃっていましたのでこれ以上は申し上げませんが、とにかく国でもって長期に安定をしてやれるようにしていただきたい。私どもリニアモーターカーをずっとやってまいりまして、おかげさまで随分いろいろなところで応援していただきましたが、やはり基本的なものは長くすっと続けるようにしていただきたい。どうも波があり過ぎます。どこかでわっと騒ぐとこうなる、ちょっとほとぼりが冷めると下がってしまう、こういったことのないようにしていただきたい。それには国の研究機関が中心になってがっちり進めていっていただきたいな、こう思っています。 それから超電導材の研究開発でございます。先ほど来、荻原さんもいろいろおっしゃっていましたが、板の方、線の方、それから素材、先ほどデバイスとおっしゃっていましたが、そういったふうに分けてみて、いずれにしてもこれの手順を考えた方がいいのじゃないか。それから体の方を研究されている側からの情報提供、それから我々の方の、どっちかというと応用している側からの情報提供、こういったものがうまくいくようにしないといい材料はできないと思います。それからもう一つは、これを研究するグループの協力と競争がやはり要るんだ。こういったことをずっとやってきましていつもよく言われるのは、おまえさん、よく外国と競争をしている、そのくせ何か協力をしている、協力と競争とはどう思っているのだ、こう言われます。私が言っているのは、ちょうど一本の縄と一緒だ、競争できるような相手でないと協力もできない、全く競争もできないような低い人を相手に協力とは言わぬだろう、こう言っておるのであります。超電導応用開発の推進としては、これをどんどんしてやらないと超電導材の研究開発は進まない。これも先ほどおっしゃったようなリニアモーターカーの開発を早く進めること、それから大型プロジェクトの推進をする、あるいは長期の開発計画を早く確立をしていただきたいということであります。 超電導応用の研究開発としましては、先ほど来も同じことを申し上げていますが、既にできておるものは早くこれを促進しなくちゃいかぬ。特に、高温超電導があらわれてから、最近盛んにアメリカの連中がやってきまして、早くやってくれ、そうすれば我々高温超電導の目安がつくんだ、それをいつになったら公開するんだ、そういうことを盛んに言うわけです。 それから、その他の応用についても、既にもう調査研究あるいは基礎実験が進んでいるものはやはり今までと同じように急いでやっていこう。それから、新しい超電導体の出現で研究開発を進める。ここで今一番心配していますのは、新しいものができるから今ちょっとかかっておるものはほうっておけ、新しい高温超電導が出るまで待て、これを時々耳にするのですが、実に危壊なんです。アメリカの連中は悪口を言っておりまして、大体日本は勘定高いからそうなるんじゃないか、そうなってくると我々も大分気が楽になる、そういう意地の悪いことを言うのもおります。 それから、将来の応用をすること、これが一番大事なのではないか。ついこの間も、来た研究所の男と話していたのですが、今までの超電導応用では、高温超電導というものができてくると電気機器を超電導化する、これはだれでも考えるわけです。超電導、しかもそれが高温でできる、常温でできるんだということになってきたときに何が起こるのだろうか。どうしても今までの電気機器にとらわれがちですが、そうでなくて、もうそんなものはやめちゃって、何か独自のものを考える必要があるのじゃないか。そういったことがこれからは一番必要であり、国際的にもそういったことを早く基礎的に研究をして提案することが一番、役に立つことである、そういう気がしております。 広範囲なことをやらなくちゃいかぬだろう、こう思いますが、いつも思いますのは、何か新しいものをやるときに、我が国ではどうしても、それはどこかの国でやっていますか、まずそれをお聞きになられる場合が多いのです。そうでなくて、私がいつも言っているのは、やっていないから開発と言うんだ、どこかでやっているなら開発費を下さいとは私は言わない、よそもできないと言っているから私がやるので、これを開発費として下さい、こう言っているのです。ところが、お出しになる方は、どこかでやっていると安心して出せるから、保険つきでないといけない。それなら開発保険か何か考えた方がいいんじゃないか。話が脱線しましたけれども、そういうことを考えるようなことが多うございます。 それからもう一つは、何としてもこれにはひとつお国として強力な方針を決めていただきたい。それから、先ほど来出ていましたが、やはり人が少のうございます。どうしても人材が少ない。これの養成をいかにするかということが問題ではないか、こう思います。 最後の方、三枚目のところに、実は簡単な漫画をかいてあります。これは実は昨年の暮れにかいたものです。超電導といったものがいろいろ出てくるけれども、こういうものをまとめて何か考えてみよう。最初考えておりましたのは、実は超電導発電機のお手伝いをしていたものですから、左下にある超電導発電機。こういったものをやるといつも気になるのは、これが実用化する、あるいは試験的にやるときに一般の負荷がどうなるだろうか、そういう実際のフィールドテストといいますか、そういったものがいつも気になるわけです。だから、そのフィールドテストを安心してできるようなものはできないだろうか。どこか特別の町をつくるか。それは大変だ。それならせっかく超電導発電機をやるんだったら、超電導を使ってもっと変わったものをいろいろやるような町をつくって、それでフィールドテストもできる、お互いさまじゃないかというようなことが言える、そういう町づくりはできぬだろうか。超電導応用の漫画がとうとう町づくりみたいになっちゃったのですが、この超電導発電機のすぐ右側にありますのが超電導エネルギー貯蔵です。これは永久電流モードといいますか、電流がいつまでも流れ続けるのを使って、それで必要なときにだけ出してやる。だから夜間と昼の使い分けもできますし、それからピークのセーバーにもなります。 右の方にありますのは超電導磁気浮上鉄道、世に言うリニアモーターカーであります。それから建物の中に入っているのは超高速のコンピューター、それから核磁気共鳴の医療診断装置、こういったものが建物の中にある。真ん中辺にリニアモーター発射装置、これはさっき申し上げたものです。先ほど細かく申し上げませんでしたが、実はMLU001というのは三両連結でございまして、この三両分の下の台車のところだけ、上の人が乗るところを取っ払いまして三両並べておいて、その上に防熱板を張って取りつけるとちょうどいいぐあいになる。だからそういう絵をかいております。 それから、左側の方にありますのが超電導モーター船であり、右にあるのが超電導電磁推進船で、これは水上を行くよりも水中を行くタイプのものにしてございます。これはなぜ水中ということをかいたかというと、実はこんなものを勉強しているときに時々新聞を見ていると、大きな船が何年ぶりかの大波にぶつかったとか、真っ二つに折れたとか、私ら子供のころからそういう話も聞いていました。ちょっと潜ったらもう折れる心配はないのになぜ潜ろうとしないのだろうか、潜るのにプロペラがあると苦労するからだろう、それでこんな電磁推進船の絵を潜水船としてかいてみた。 それから左の方から右へ向けてチューブ式磁気浮上鉄道がかいてございます。これは最高時速が、大体アメリカで最初提案されたのが九千六百キロです。これでいきますと、ニューヨークから南を回ってロサンゼルスまで行くのに五十四分で行きます。今から三年か四年ほど前に発表されたアメリカのMITの先生が提案されているのは、これをはるかに破りまして、東海岸から西海岸までを二十四分で行こう、これにはもっと高真空にしよう。盛んにその先生から何とか国鉄の方を早く進めて我々と協力をしてくれないか、真空チューブをやろうじゃないか、そういうふうな話がございます。 いずれにしても私がこの絵をかいたのは、こういうものをどこかで本当に実現できればいいなという私の夢であります。何かこういう初めてのものを日本で耐久的にテストしてそして初めて実用になるようにしていきたい、そうしてこそいいのじゃないだろうか。外国である程度使ってみて、これからどんどん商品になろうかというときに初めて日本の企業でもって商品にだけするような時代はもう過ぎたのじゃないか、日本がこういうものをまずつくって、そしてやるべきではないか、こういう勝手な夢を描きました。 以上が私の意見でございます。どうもありがとうございました。(拍手)
○原田委員長 どうもありがとうございました。 以上で参考人の御意見の開陳は終わりました。 ―――――――――――――
○原田委員長 これより質疑を行います。 この際、委員各位に一言申し上げます。 質疑につきましては、時間が限られておりますので、委員各位の特段の御協力をお願いいたします。 なお、委員長の許可を得て御発言をお願いしたいと存じます。
○竹内(黎)委員 参考人の先生には貴重かつ有益なお話を聞かせていただきまして、まことにありがとうございました。 それでは東京大学の田中先生に伺おうかと思うのですが、ずばりと言って、我が国の高温超電導の研究の水準というのは国際的に見てトップグループにあるのですか、それとも後発グループなのですか。もし不幸にして後発だとすれば何が原因か。人なのか金なのか体制なのか、そこのところをお聞かせください。
○田中参考人 お答えいたします。 高温超電導を最初にはっきりと確認したのは私たち日本でございまして、その意味でアメリカは完全に私たちの後を追ったわけでありますけれども、その後直ちに急速にアメリカで広がりまして、アメリカの雑誌流に言えば津波が襲ったというほど急激だった。現在、アメリカの研究の主力になっているベル研究所であるとかIBM研究所であるとか、専門家の非常にたくさんいるグループが活躍しております。日本は最初火をつけたのですけれども、残念なことにそれほど大きな研究じゃございませんで、大学がばらばらにやっている、あるいは国立研が少数の人間でやっている、そういう状態が二、三カ月続いたわけであります。そしてニューヨークの三月十八日のミーティングに行った時点では、これはもう日本は危ないのじゃないか、そういうふうに思ったわけでありますけれども、四月のアナハイムの会議に出ましたときは、論文数で申し上げれば日本の大学も国立研も非常に健闘いたしまして、大体同数の論文が公表されるというような状態になっております、質はちょっと別ですけれども。それで、現在のところアメリカの方がやや有利という状態かと思いますが、世界におきましてはやはりアメリカと日本が二大強国でありまして、ほぼ肩を並べて走っているという状態であります。今後文部省、科学技術庁、通産省のとられる施策によってその状態はかなり変わるであろう、私はそういうふうに思っております。 以上であります。
○竹内(黎)委員 どうもありがとうございました。
○平沼委員 京谷参考人にちょっと教えていただきたいのですが、お話を伺って、やはり何か一つもう実用化の段階に入るような形で進めないと将来いろいろな手が打てない、私も同感なわけでありますが、例えば、百キロくらい離れた空港と都市とを結ぶような実用化のリニアモーターを考えた場合に、建設に要する費用というのは大体どのくらいを見たらいいでしょうか。それをちょっとお聞きしたいのです。
○京谷参考人 今の御質問ですが、お答えするのが大変難しゅうございまして、百キロといっても場所によって随分お金が変わってきます。特に東京のような都心に入れる場合ですと大変なお金が
○平沼委員 ではもう少し具体的に言って、例えば千歳空港と札幌というようなところで、比較的土地の制約のないようなところでシミュレーションをやっておられると思うのですが、どうでしょうか。
○京谷参考人 あの辺で地方の方自身もおやりになっている分ですと、約一千億円くらいでございます。
○平沼委員 どうもありがとうございました。
○中山(太)委員 田中先生にお伺いしたいのですけれども、いろいろお話の中で超電導の研究分野にもナショナリズムが台頭してきているというお話がございました。日本としてこれから研究の国際協力をやるということをやかましく言っておるわけですけれども、具体的に日米間でこれを共同開発するという場合、どのような形が一番好ましいのか。先生のお考え、あるいはほかの先生も結構でございますけれども、具体的にどういうふうにこれから日本としてやるべきか、アメリカに呼びかけるべきか、その点ひとつ率直な御意見をちょうだいしたいと思います。
○田中参考人 私たち三月時点から非常に心配しておりましたのは、先ほど申し上げましたようにアメリカの日本に対する対抗意識が非常に強まっております。特にこの問題というのはナショナルセキュリティーの問題にも深く関係しておりますので、アメリカ人の日本に対する対抗意識が異常に高いように思われます。特にアメリカのジャーナリズムの論調を見ますと、いつも日本は基礎研究をやらないで応用研究だけでやる、ただ乗り論ですね、それを今度またやられるのじゃないかという非常な恐怖感のようなものを持っておられるというように思われます。 それで、我々としてはそうでなくて基礎研究の段階からしっかりやっているんだということをぜひアメリカの人たちにまずわかっていただきたい、そういうことで文部省にお願いいたしまして、まず情報交換を密接にやろう。実は国際会議がたくさんあるのですが、今のところは競争意識があるにしてもかなりフェアな状態で続けられていると思います。これをチャンスに、とにかく研究者の間の情報交換、つまり論文を交わすだけでなくて、実際に同じ席に座って話し合うチャンスをたくさんつくってほしい、そういうことで文部省にもちょっとお願いいたしまして、とにかくハワイあたりで何か会合が欲しいということを申し上げたのですが、それは一応そういうことをやろうかという計画になっております。 基礎研究の場合はよろしいのですけれども、応用研究になりますとこれは恐らく非常に難しいのじゃないか。これをどういうふうにやるかというのは恐らくもう既に政治問題化している。つまり応用はまだ何もないうちから政治問題化してしまった、向こうの国会に出ている、そういうような状態でありますので、この問題は、政治的に解決する以外ないのじゃないか。つまり両方の国会議員の先生方の間でなるべく早くいろいろな問題を議論していただきたい。我々研究者あるいは企業の範囲をもう超えてしまったというのが私の認識であります。 以上であります。
○中山(太)委員 さらに関連してお尋ねをいたしますけれども、先生のお話を聞いておりますと、当面基礎部門ではハワイあたりで日米の専門家の会議をすることが必要だ。それには大学サイドの基礎部門で一体どれくらいの予算が現在日本としてあるのか、また、それを先生方のお考えどおりやろうとすれば来年度予算でどの程度のものをセットすればいいのか、ひとつ御意見があればそこらを率直にこの機会にお聞かせを願っておきたいと思います。
○田中参考人 まず両国で二十名ないし三十名ぐらいずつの専門家が集まりまして、ハワイあたりで数日間の会議を開いたらよろしいのじゃないだろうか。そういたしますと、日本としては、何回やるかによりますけれども、旅費その他を含めまして一年に一千万近い経費が必要かと思われます。進歩が非常に早いものですから、一年一遍というのではとても賄い切れない、最低二回ぐらいは要るのじゃないだろうか、そういうふうに私は考えております。 以上でございます。
○原田委員長 今の件につきまして、両参考人から何か御意見がありましたらおっしゃってください。
○荻原参考人 国際化という話の中で、日本は今国際会議を非常にたくさんやっています。その中で企業が持っている分というのでしょうか、負担を分担する分というのは結構相当な額になっているのであります。それは一つは海外から来る先生たちを助けるというか、ある程度費用を出すことによってキー・パーソンにきちんと来ていただくということがかなり重要な部分になっていると思うのです。それは恐らく本来は企業云々ではなくて、全体として国なりなんなりが見なくてはならないものだろうと思います。ただ、一般的な言い方をすると、恐らく日本の国際会議は海外の国際会議に比べて非常に派手な感じがするところがあるのじゃないかなという感じはするのですけれども、実際的に数千万の金が使われて、しかも回数が非常に多い。それだけのものをきちんと支えていただければ一番いいのじゃないかというぐあいに考えます。大体一回が安いので一千万、高いのになると恐らく七千万ぐらい、場合によって一億を超すのは珍しいかもしれませんが、そのぐらいのものです。国際会議は今どのくらいあるのでしよう、ちょっと数は申し上げられませんけれども、そのくらいの費用になっております。
○京谷参考人 私も、こういった会議はどうも要るのじゃないか。昔の経験で恐縮なのですが、例えば超電導磁気浮上列車をやっているときも、日本だけアメリカヘ来たりヨーロッパに来てはいろいろな情報を仕込んで帰る。出す方のお金も不足なんだ。そうかといって日本で国際会議をやってくれるわけでもない。いつまでたってもそういうことでは日本と仲よく協力しにくいのだ、そういうことを盛んにヨーロッパの連中、アメリカの連中が言うものですから、超電導磁気浮上列車の国際セミナーを実は二度ほどやりました。これは大変評判がよかったわけです。どうしても便利な地ということで東京とか京都になってしまうのですけれども、私の方はとにかく物を見る会議にしようということで宮崎に持っていっちゃった。そうしたら幹事さん、意外に安くついてよかったなと言っていました。宮崎の応援をするわけではございませんけれども、とにかく経費も余りかからぬでよかった。ああいった景色のいいところだから皆さんに喜ばれた。やる場所にもよるのでしょうけれども、実はそういうふうに追い込まれるぐらいだった。今度はいつやってくれるのだ、こう聞かれる。そういう連中は相当忙しい体をしていても、こちらから、じゃとにかく半額旅費を持つからおまえ来てくれぬか、こう言うと来てくれるわけですね。そして、そういうときにせっかく来たのだから何もしゃべらぬかというと、彼らは来た以上は何か新しいニュースなり自分の新しい考え方を必ず言ってくれるものですから、大変有効なんです。だから、そういう聞き方はいいのですが、今度は日本から出ていく分というのをもう少し考えていただきたいというのが私の気持ちでございます。 以上です。
○柳沢委員 三先生にお尋ねしてもいいのですが、三先生ともに大型のナショナルプロジェクトをつくって、それを目標にみんなで協力してこの問題の解明及び開発にかかっていきたい、こういうお話があるような気がします。私もこの委員会で、ぜひ科学技術庁が音頭をとって国民的な目標、例えば、ケネディ大統領のときに月に人間を着陸させるのだというような気持ちを持って一生懸命宇宙科学の開発に当たった、それと同じような何かそういう国民的な課題がないのかというようなことを言ったこともあるのです。それに対して、最近科学技術庁はヒューマン・フロンティア何とかということで、なるべく人体の機能を解明していってそれを応用技術の面でも生かしたい、こういうようなことをやっているのだという話を聞いたわけなんですけれども、例えばその大型ナショナルプロジェクトというのはリニアモーターカーになってしまう、なってしまうと言ってはこれまた京谷先生に申しわけないのですが、そういう格好なのか、もっとほかに何か格好な目標があり得るのか、そういうテーマ、この問題へ向かっての国民的エネルギーを集約するような目標があるのだろうかということが一つです。 それから第二点は、これは今の三先生にお聞きしてもいいですし、どなたかお一人でもいいのですが、そういう関係で、今度総理がサミットに行ってヒューマン・フロンティア何とかというのを言うのだ、こういう話も伝えられておりますが、これだけ、このところ本当に毎日のように、何が新聞にあらわれるかというのを我々素人でも注目するような展開を見せている超電導の問題について、それと同じぐらいのウエートでもって総理にサミットでも言ってもらったらどんなものだろうかという気がしますので、この点についても何かコメントがあればいただきたいということでございます。 それから、第三点は京谷先生にお尋ねしたいのですが、先ほど、確かに超電導がこれだけ進歩しているのだったら今のリニアのヘリウムで冷やすのはちょっと待て、もうちょっとすればヘリウムで冷やさぬでもいいかもしれぬぞというような話があって困るのだというお話がありましたが、現実にこれだけどんどん進歩しているのも客観的な事実としてあるわけで、それが先生の方の御研究に、先生の方の主体的な御都合の観点からいってもどういう影響が今出ておるのだろうか、それらについてちょっとお話ししていただければありがたいと思います。
○田中参考人 私、そういうナショナルな国民の夢を託するようなプロジェクトがあると非常によろしいのじゃないだろうか、そういうふうに思っておりますけれども、国民の夢というのはリニアモーターカーではないのだろうか、あるいは宇宙航空機、そういうものではないかと思っておるわけでございます。 実は私、アメリカに行きまして新聞記者に多数面会させられたのですけれども、日本のリニアモーターカーについて非常にアメリカは気にしておりまして、日本が先にやっちゃうのじゃないかというような心配もあるわけでおります。そういう意味で、ある意味ではそれの開発をあるいは日米共同でやるとか、そういうような解決の仕方もあるかもしれない、そういうふうに思っております。 それから、これは蛇足かもしれませんが、デュレンバーガー上院議員がこの法案を出したときの提案の趣旨説明の議事録を読みますと非常に大変でありまして、一九五七年にスプートニクでソ連に先を越されたときに国民が団結して宇宙でソ連を負かしたではないか、三十年たった今、今度は超電導で団結して、日本を負かすとは言わないのですが、何とかしよう、そういう非常に激しい言葉で国民の団結を訴えておりました。そういう意味でも何か壮大なプロジェクトをつくったらよろしいかと思います。 以上でございます。
○荻原参考人 一番最初に、第一点の大型開発云々のところでございますけれども、一つは確かに大型開発はそうなんですが、大型開発は、目標がかなり具体的でないものはつかみどころがなくて、推進が実際にはできません。したがって、例えば磁気浮上列車開発、これは成ります。ところが、超電導酸化物というのは材料なんです。これは普通は大型の展開ができないものです。出てくるのを待たなくてはいけません。ここは基礎的な部門あるいは目的基礎といったところをいかに強化して援助をするかということになります。したがって、今申し上げましたように、同じ大型の中でも、推進の仕方を恐らく分けなくちゃいけないので、全体を包括することはできないだろう。ただし、目標を持った大型プロジェクトというのを開発することによって、材料開発にしても素材開発にしても非常にステイミュレートされるのです。そのことを大事にした大型開発でおるべきだという感じがします。 それから、ヒューマンフロンティアの方で申し上げます。 ちょっと過去のことを申し上げますが、一九七三年、これはNATOが主催して超電導の大型応用というのを、先ほどごらんに入れた超電導線がまだあれほどのものになっていない時代にやった。これはNATOですから、ソ連圏を除くほとんどの国の第一線の特に若い研究者がNATOの金で集まりまして、十日間ほどホテルにこもりきりでいろいろなディスカッションをしました。そのときの仲間というのは今に続いています。しかも、三十代の前半ぐらいのときから私はそれに参加したわけですけれども、そのときの横のつながりというものでほとんど古い――古いと自分で言ってはいけないのですが、今の金属系の超電導線について国際的な競争は全くなかったと思っています。協力だけだったと思っています。 ですから、例えばドイツの原子力研究所カールスルーエには、日本の超電導線が使われたマグネットで世界一を出したという自慢が出ています。それから、先ほどニオブ3スズという話をしましたが、ブルックヘブン・ナショナル・ラボラトリーの中にはやはり日本人で末永さんという教授がいて非常に活躍をしている。同じくMITの中にはビッターズ・ナショナル・マグネット・ラボラトリーという超電導あるいは磁気関係の非常に有名な研究所がありますが、ここは岩佐教授というのが大活躍をして、やはりつなぎ合っています。したがって、いいものはアメリカヘ持っていく、アメリカのいいものは日本へ持ってくることによって交流が非常にうまくいっているというぐあいに思っています。ですから、若い時代のそういう仕事というのは非常に大事だということです。 それから、もう一つは、京谷さんが先ほど、宮崎で二度ほど磁気浮上の国際会議をやった。今度の話の中で三月十八日のアメリカのフィーバーのあった後で「ビジネス・ウイーク」が取り上げていて、日本は早速この話を聞いてコンソーシアムをMITIがつくったぞというニュースを流している中で、アメリカ人の意見を聞いているところがあるのです。そのときに、GEのベンチャービジネスとして超電導線を売る会社として独立したIGCという会社があるのですが、そこのプレジデントのロズナーという人が日本人にとって非常にいいことを言っています。それはこう言っているのです。日本というのは今までずっと、超電導が非常に大きなポテンシャルを持っているということを見つけて、それをコンスタントに育ててきている。アメリカというのはそうじゃなくて、ショートサイトじゃなかったか。一つは、日本のやり方をきちんと見てきた人は、それだけのことをきちっと言えるわけです。それだけのものを日本が今までも提供してきたのです。これからも恐らくやっていくし、そういうことに対しては全然問題ないと思うのです。 ところが、ちょっと異常なというか不審に思うことは、先ほど田中先生がおっしゃられました磁気浮上列車に関しては日本は負けるじゃないかという話があるのです。アメリカは今までスポット的にやったりやらなかったりというのがぼんぼん出てきましたけれども、コンスタントなこれに対する技術的な政策というのでしょうか、実行はほとんどなかったと思います。それにもかかわらずなぜそういう人がそういうことを言えるのか。つまり、自分たちあるいはアメリカが今やっているという実感がどこにあって負けると言っているのかというのは全く理解できません。つまり、本当のことで言ってみると、超電導というものには今までタッチもしていなかったし携わっていないけれども、一つの国策としてしか技術を見ていない人がそういう言い方をしている。したがって、超電導という立場に立って国際的に今までどう展開してきたか、あるいは日本がどうコントリビュートしたかということを一遍きれいに整理してみると、今の話は整理できていくのだろうというぐあいに考えています。これがヒューマンフロンティアに対する人間的な交流の中でも大切だろうと思います。 第三点は京谷さんへの質問でしたので、私はこれで終わります。
○京谷参考人 まず私の方への御質問からお答えしますと、具体的な例としては、高温超電導ができるのだからヘリウムとかそういうものに関連する冷凍機の開発はもう要らぬのじゃないか、こういう声がどうしても出てくるのです。それが具体的な例でございます。私はそれを一番心配するのです。確かに低温というのは超電導に将来要らぬようになるかもしらぬ。しかし、これは相当かかるだろう。じゃ低温というものが一切要らなくなるのかと思ったら、これはとんでもない大間違いです。宇宙でもこれからますます低温工学が要るでしょうし、いろいろなところで要るようになると思います。日本はかつて低温が一番おくれておったわけです。それを今から二十年ぐらい前に、低温をもっと日本はやらなくちゃいかぬのだ、日本が宇宙を余りやっていなかったがゆえにそういう低温がおくれているということで、やっと何とか低温ということを皆さんあるいは業界の方も考え出したときにこういう話が起こって、途端に、やはり一生懸命勘定される方は、いや、そんなものが出たらもう要らぬじゃないか、やめちまえ、こういう話になると、一体日本の科学技術は将来どうなるのだ、そういうことが一番心配であります。それで、おくれておいて、また今度はどこかで低温でとんでもないものができたら、また委員会で、今度は低温の専門家として出てこい、こういうことになると大変だと思うのですね。だから、何とかそういうことにならないようにしたい、私はそう思っています。具体的な例としては今申し上げたようなことです。 それから、国民的な目標といいますのは、私も、何かいい目標はないか、リニアモーターというのは自分の一生の仕事だといつも思ってやっています。手前みそになるので心配なんですけれども、子供さんもリニアというのは一番よく知っているのじゃないか、これを国民的目標にしていただければ一番早いのであります。また、世界じゅう知っています。いつも私が講演のときに申し上げるのは、リニアモーターカーというのは学問的に言うと三通りあります。どうも日本ではそういうふうにとられている。といいますものは、かつての国鉄がやったように、浮いて走る。そうでなくて、今大阪の方でやっております車輪とレールを使って、接触はしております、浮きません、しかしリニアモーターで動く、これもリニアモーターカー。それから、そのうちに日本でもまた騒ぎが出るだろうと思うのは、この夏ぐらいにベルリンで走るだろうと思いますが、半浮上というものがございます。これは磁石の反発力を使って約八割の重量を支える、あとはプラスチックスの車輪でもって支えている、それで磁石のすき間をいつも調整しながら八割を維持している、こういうものを勝手に半浮上と言っておりますが、そういうものをひっくるめてリニアモーターカーと言っております。 ところが、外国の論文なんかを見ますと、ちゃんとリニアモーターカーといえば日本では超電導磁気浮上だ。外国の論文にはよくJNR、それでリニアモーターカーとわざわざ書いてくる。だから、最初のそういう言葉を使ったいきさつを一番尊重してくれるのが外国人であります。日本では学者が一番それを破るわけですね。やはりその辺が独創性というか、最初のものを大事にする思想を持っているか持っていないかの違いだ、こう思います。
○小澤(克)委員 田中参考人と荻原参考人にお尋ねいたします。 最近話題になっておりますセラミック系の場合に、臨界電流が少ないというのが短所であるというお話がありまして、両参考人とも、特に荻原参考人におかれましては、かなり具体的な克服の方向性などについて御説明があったようにお聞きいたしました。この問題については、どう言ったらいいでしょうか、原理的な障害というものはなくて、専ら技術的なもので、技術的にいずれ解決可能な問題点である、このように理解してよろしいのかと思っております。 それからもう一つ、京谷参考人にお尋ねいたします。 応用面について大変夢のあるお話を伺いましたが、一つだけ危惧するのは電磁推進船でございます。これは、スクリューがないということはキャビテーションがない、したがって、ソナーで探知できないということで大変厄介な潜水艦ですね、軍事応用が可能ではないかということを若干危惧するのですが、その点について各参考人にお伺いしたいと思います。
○田中参考人 臨界電流というものは、素材の性質にももちろんよりますけれども、それよりはプロセステクノロジーといいますか、製造工程に非常によるわけでありまして、現在使われておりますニオブ・チタンにしても、開発の初期では非常に少なかったわけですが、それがいろいろ製造工程を改良することによって非常に大きな臨界電流を得ることができるようになったわけでございます。現在、セラミックス超電導で、IBMの発表ですと、十万アンペア・パー・スクエアセンチぐらいの値が出ておりまして、まだ開発初期の段階でこれほど大きな値が出始めたということはむしろ驚くべきことに値するのじゃないか。そういう意味で、今後いろいろ加工技術が進んでいくにつれて、私は百万アンペア程度は十分いくのじゃないか、そういうふうに思っております。
○荻原参考人 臨界電流の十万アンペアという値は、恐らく素材としての値としては非常にいい値が出たのだと思っています。ですからあとは加工の問題ということになりますが、その加工をどうするかというところが問題なんで、実際にはこの十万アンペアという流れ方の正体をよく理解する必要があると思います。 一つの問題は、先ほどから申し上げておりますけれども、超電導体はセラミックスである以上は、一番使いやすいときは微粒子の集合体であるということなんです。この超電導体は、先ほどちょっと私の資料の中で構造をごらんに入れましたように、二次元の電流が流れるような性質を持ったものだ、そういうぐあいに言われています。 今から十何年ほど前に、やはり今回のような超電導屋にとっては騒ぎになった事件が一つありまして、有機超電導体というのが見つかった。これは室温の超電導体であると言われたのです。ヘリウムの技術がやっと立ち上がったばかりのときにそれが出て、これは相当大きなインパクトでした。これは間違いであるということがわかったのですけれども、ただし室温でできたとき、本来の超電導屋は余りびっくりしませんでした。これはなぜかというと、一次元の超電導体だと言われていたものです、プラスチックですけれども。ということで、この問題が一次元、二次元というと、今我々が使っていますのは金属的なもので三次元に使えるものです。つまり、どこでどういうぐあいに使うかということによってせっかくの性能も十分使えるような技術がどうなるかというところまで、かなり技術開発の問題を残した大きな能力を今見せたんだというように理解しています。したがって、これは不可能ではないけれどもまだまだ開発の問題があるという段階だと思っています。
○京谷参考人 今の御質問でございますが、ソナーで見つかる。今度は逆に言いますと見つからなくなる。最近、今度は超電導の方の応用でいわゆる弱い磁場を検知する方法がございます。これはもう既にそういうものが兵器でできている、それで鉄の塊とか弱い磁場はすぐに見つけてしまう。これはやはり超電導の応用ですから、どうも超電導の応用というのもまさに矛と盾じゃないか。 私は自分でこういうものをやっていていつも思いますのは、日本は平和なものを先につくればいい。そうすると兵器にならぬわけですね。兵器にこっそりやろうと思ってもみんな中はわかっちゃう。その方が平和のためにいいのじゃないか。だから、小型の冷凍機も各国が一生懸命隠してやっていた、日本の気に入りそうなのはどこも公開しないと言うものですから、じゃ、しないのならいい、日本人だってできるんだということで日本でやらせていただいた。やりました。そうしたら今度は何を言うかといったら、今までの自分の国内だけの秘密会議をオーブンにするから日本も来て話をしてくれ、こういうことになるわけですから、やはりそうやって兵器になりそうなものを逆にさっさと民需用に開発した方が本当に世界平和のためにいかがなものか、こう思います。
○原田委員長 時間が経過しておりますので、ひとつ簡単に。
○貝沼委員 じゃ、簡単にちょっとだけお伺いしたいと思います。 それは、ナショナリズムのお話がございまして、人類共通の財産である、私もそのように思いますが、この人類共通の財産が国際会議になるとなかなか難しい問題が出てまいります。特に、リスクの多い研究を重ねてきた先進国が果たしてその権利というものをどこまで主張するのかしないのか、この辺の問題がございます。一面また、先ほど特許の取れるものは取った方がいい。事実、先般新聞でも、日本はかなり特許を取るような話も出ておったようでありますけれども、そうなってきますと、やはり特許を取った国がそれだけの発言力を持つわけでありますので、この辺のところをどう考えたらいいのか、この点をひとつ教えていただきたいと思います。
○田中参考人 私、大学におりまして特許のことはふなれで余りよくわかりません。ただ、現在特許で騒いでおりますけれども、今の物質がいつまでも、最後まで使われるかどうかという保証も実は余りございませんで、もっと高い臨界温度を持つ物質が出る可能性が非常に高い。それを目指して各国がやっているわけでありますけれども、その場合に基本特許はどうなるかというようなことは非常に深刻な問題になるのじゃないか。特にアメリカの法案によりますと、国産物質を保護する、そういうようなことがちゃんとうたわれておりまして、これは容易ならざることだというふうに患っております。私の個人的な考えですが、できたら日本で一生懸命やって、新しい物質を全部づくって、その上で特許公開という形をとるのが今の日本としては理想的な形になるのじゃないか、そういうふうに私は思っております。
○荻原参考人 今の金属の超電導体、超電導線の特許のことをちょっと申し上げますと、あの特許は実はアメリカにありまして、ニオブ・チタンと称する線それからニオブ・ジルコニウムというものがほかにあったのです。ちょうど日本でいいますと大型プロジェクトでMHD発電を初めて取り上げたときですけれども、その前後にそういうものがありましたので、大型プロジェクトの中で超電導をやっていくにはどうすればいいんだという非常に大きな問題になりました。日本人はこれは上手に逃げたのです。ターナリー・アロイと言いまして、第三種の元素を入れることによって、三元系の超電導体をつくるということでいろいろなのが出てきて、逃げました。これはもちろん今の科技庁の金属材料技術研究所あるいは民間の開発しているところです。 一方、超電導線を売るという商売をする電線会社というのでしょうか、そこは特許を買ったのです。それはもう十年ほど前に解けました。つまり、超電導開発は今つくるために何かをするということの中には代替品を見つけることがまず一つはできるのです。それによって超電導の開発はどんどん進めることができます。ただし、特許が出ているものが一番ベストのものだということがあり得るわけです。そのときには、一つは今のように権利があるのを買うことができます。それからもう一つは、もともと代替品を使っているうちに特許が切れるほど長い開発なんです。恐らくこれからのほとんどの開発がそうなると思うのです。ただしデバイスのようなものになってくるともう少し様子が違うと思いますが、これは物質で逃げられるでしょうし、それからその言い方をするならば、今の話は余りにも新しい時期の物質です。まだまだ日本でもその中で大きなコントリビュートをすることができると思っていますから、余りびっくりはしていません。 以上です。
○山原委員 最初に田中先生にお伺いしたいのですが、今ちょっとお話のあった例の超電導の成果は人類共通の財産であるという指摘ですが、これは大変大事なことだと思うのですけれども、現実には知的所有権の保護という問題が非常に強調されておりまして、ことしの一月にアメリカのレーガン大統領もそういう発言をされまして一層強くなっているというふうに思いますし、また、それに対してアメリカの科学者、研究者の間にも批判の声が起こっておると聞いております。先ほどニューヨークで非常に熱気のあふれた会議があったということを伺ったわけですが、その際にそういう制約的な発言あるいは政府側からの発言、またそれに対する論議というものがあったのかどうかという点をお伺いしたいのです。 それから、あとお二人の先生に、簡単ですが、全く素人の考えですけれども、実用化の問題について、基本的にはもう技術的な困難はなくなっているという判断をしていいのかどうかというのが一つです。二つ目は、推進のための、それは発生させるエネルギーの大きさといいますか、これは実用化の経済性の問題と絡んで大事な問題だと思いますが、このエネルギーというものは非常に大きなものを必要とするのかどうか、これが第二点です。もう一つは安全性の問題ですが、原子力問題については常に安全性の問題が今なお論議されておるという状態の中で、超電導の場合はどうなのか、簡単で結構ですけれども、お答えいただきたいと思います。
○原田委員長 それでは、簡単に御答弁いただきます。
○田中参考人 人類共通の財産というのは、もし日本がある特許を取った、それを放棄しるということを申し上げているつもりはないわけでありまして、権利を適当な価格で売り渡すというようなことはどんどんやりなさいということを申し上げただけでありますけれども、むしろ、アメリカの国産物質保護とかこういう異常な空気を感じて、逆に日本がそういうことを言い出さないと将来危ないのじゃないかということを考慮して申し上げたのであります。
○荻原参考人 今のコンパクトディスクだとかカセットとかいう特許を全部公開することによって仕事をうんと広く展開していっているのです。これも素材です。これはそういう意味では、当然のことながら見かけによっては特許の話は、出ていってそれは非常にセンセーショナルに感じていますけれども、超電導技術というものを広げるためには今のような感じでやられていくべきものだと思いますし、恐らく研究者は、物質特許云々と言っておりますが、そういう考え方をしていると考えます。
○京谷参考人 高温超電導の方はまだ十分実用化の検討はしておりません。まだ実験も十分できでおりません。というのは、そういう線材ができていないからです。しかし、今の時点では、リニアモーターカーについては技術的に十分可能であるということが申し上げられると思います。 それからエネルギーも、実際に使用する場合には速うございますので、スピードの面から言うと、東京-大阪を一つの例にとれば恐らく新幹線の二、三倍くらいのエネルギー消費量になる。しかし、大体飛行機の半分くらいになるのじゃないかと思います。 それから安全性は、これば一つの例でございますが、ことしの二月に私乗りまして四百キロ出したときに皆さんによく言われたのは、おまえもう少し緊張した顔をしろ。緊張した顔もできないわけです。これは動けば浮くのであります。そして、浮くための装置に一切制御装置とかそういったものは入っておりません。全くパッシブに浮くようになっているものですから、だから十分安心して乗れたわけです。安全面からいってもそういう安全性は十分確認がとれてきております。あとは大型の場合に長い実験線、モデル線をつくってそれを再確認する必要はあるかと思っております。 以上であります。
○原田委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 参考人各位には、御多用中のところ貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。(拍手) ――――◇―――――
○原田委員長 次に、貝沼次郎君外二名提出、海洋開発基本法案及び貝沼次郎君外二名提出、海洋開発委員会設置法案の両案を議題といたします。 提出者より順次趣旨の説明を聴取いたします。貝沼次郎君。 ――――――――――――― 海洋開発基本法案 海洋開発委員会設置法案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○貝沼議員 ただいま議題となりました公明党・国民会議提出の海洋開発基本法案及び海洋開発委員会設置法案につきまして、その提案理由並びに内容を御説明申し上げます。 海洋は、全地表面積の七割を占めながら、いまだ十分に開発されておらず、人類に残された未開発の宝庫と言えます。海洋には生物資源、鉱物資源、海水及びエネルギー資源並びにスペース等、多種多様な資源が豊富に包蔵されており、その開発は産業の振興、国民生活の向上、さらに人類社会の福祉に寄与することが大であります。 四面に海をめぐらし、国土の七五%に当たる大陸棚を有し、しかも、陸上資源の乏しい我が国としては、海洋の開発は最も重要かつ緊急を要する課題の一つであります。 第三次国連海洋法会議は、昭和五十七年四月三十日に海洋法条約草案を圧倒的多数で採択いたしました。条約の発効にはまだ数年はかかると見られますが、ともかく海洋自由の時代はもはや過ぎ去り、領海、経済水域、深海底資源開発等について新しいルールができました。 注目すべきことは、四面を海に囲まれた我が国に二百海里経済水域のルールを当てはめると、領域が海陸を合わせ十二・八倍の広さとなり、世界第八位の大国になるということであります。さらに、最近の画期的発見としては、いわゆるマンガン団塊と呼ばれる極めて良質の深海底鉱物が四千メートルないし六千メートルの深海底に豊富に賦存していることが確かめられました。そして、約二千五百メートルのあたりに海底熱水鉱床が、また、八百メートルから二千四百メートルあたりにコバルト・リッチ・マンガン・クラストというやはり極めて良質の深海底鉱物が発見されました。これら深海底鉱物の採掘については、公海の場合には、海洋法条約では人類の共通の財産という理念のもとに発展途上国を配慮したルールを決めています。 こうした中で、世界に貢献しながら国益も確保するためには、海洋資源の開発のみにとどまらず、海洋の調査、海洋環境の保全も含めた海洋の開発において、海洋先進国として世界をリードしていくことこそが我が国のとるべき道であると考えます。 公明党は、昭和四十四年に海洋資源開発振興法案を提出し、海洋開発の振興を訴え、さらに海洋開発基本法の制定と海洋開発委員会の設置等を訴えてまいりました。 また、海洋開発審議会においても、昭和五十四年八月十五日と昭和五十五年一月二十二日の二次にわたって答申し、その中で海洋開発基本法の制定と海洋開発委員会の設置を指摘し、海洋開発体制の速やかなる充実を迫り、しかも、その実現の時期を一九八〇年代初めとすべきであると提言しています。政府は、この答申を尊重し、速やかに対応すべきであります。 我が国では、現在、総理府以外に十三省庁という多くの省庁が海洋開発に取り組んでおります。そして、連絡調整を行いながらそれぞれが縦割り行政のもとで所管業務を実施しております。こうした現状をさらに発展させ、新しい時代の海洋開発を推進するためには、国全体としての総合的な計画のもとで、時代の進展におくれないよう適切な施策を実施することが緊急の課題であります。 公明党は、先ほど述べましたように、時代を先取りし、早くから海洋開発の促進の重要性を訴えてまいりましたが、この際、改めて第三次海洋法会議によって開かれた海洋新時代に対応した理念と基本方向を確立するよう主張し、海洋開発基本法の制定と海洋開発委員会の設置を提案するものであります。 以下、この海洋開発関係二法案の主な内容について御説明申し上げます。 まず、海洋開発基本法案について申し上げます。 第一に、目的と基本方針といたしましては、海洋開発に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって国民経済と国民生活の向上に寄与することを目的とし、開発に際しては、平和の目的に限り、民主的な運営のもとに、海洋環境の保全及び国際協調を図りつつ自主的にこれを行うことといたしました。 第二に、国、地方公共団体の施策、法制、財政上の措置、年次報告等につきましては、国、地方公共団体は海洋開発のための政策全般にわたり必要な施策を講ずるとともに、国は法制上、財政上の措置を行うものとし、また政府は年次報告書を国会に提出するようにいたしました。 第三に、国の具体的施策といたしましては、海洋開発委員会の意見を尊重し、内閣総理大臣の作成する海洋開発基本計画に基づき、国は、一、海洋生物資源、海水・海底資源、海洋エネルギー及び海洋空間の開発、二、海洋環境の保全、三、海域総合利用、四、基礎的調査研究、五、基礎的科学技術の研究、六、国際協力、七、研究体制の整備、八、情報流通、九、知識の普及及び啓発、十、その他必要な事項等を推進することといたしました。 第四に、総理府に海洋開発委員会を設置することといたしました。 次に、海洋開発委員会設置法案について申し上げます。 第一に、目的及び設置といたしましては、海洋開発に関する国の総合的かつ計画的な推進とその行政の民主的な運営に資するため、総理府に海洋開発委員会を設置することといたしております。 第二に、所掌事務及び意見の尊重といたしましては、委員会は、次に掲げる事項について企画し、審議し、及び決定し、その決定に基づき内閣総理大臣に意見を述べ、内閣総理大臣は、その意見を尊重しなければならないものといたしました。 事項の内容は、一、海洋開発に関する総合的かつ基本的な計画の作成に関し必要な事項、二、海洋開発に関する重要な政策、三、関係行政機関の海洋開発に関する事務の総合調整のうち重要なもの、四、関係行政機関の海洋開発に関する経費の見積もり、五、研究者及び技術者の養成訓練(大学における教授研究は除く)、六、その他海洋開発に関する重要事項などであります。 第三に、組織及び委員長につきましては、委員会は委員長及び委員六人をもって組織し、委員のうち四人は非常勤とすることができるとし、また、委員長は、科学技術庁長官たる国務大臣とすることといたしました。 第四に、参与及び専門委員につきましては、委員会に、重要な会務につき意見を述べさせるため、非常勤の専門委員を置くことができるものといたしました。 以上が、海洋開発基本法案及び海洋開発委員会設置法案の提案の理由並びにその主な内容であります。 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
○原田委員長 これにて両案について趣旨の説明は終わりました。 ――――◇―――――
○原田委員長 次に、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。 貝沼次郎君外二名提出、海洋開発基本法案 貝沼次郎君外二名提出、海洋開発委員会設置法 案 科学技術振興の基本施策に関する件 原子力の開発利用とその安全確保に関する件 宇宙開発に関する件 海洋開発に関する件 生命科学に関する件 新エネルギーの研究開発に関する件以上の各案件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 次に、閉会中の委員派遣に関する件についてお諮りいたします。 閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、派遣委員の人選、派遣地等、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 本日は、これにて散会いたします。 午後零時三分散会 ――――◇―――――