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107回国会参議院1986/11/11

本会議 第9号

発言数
7
登壇者
3
会派数
3
開催日
1986/11/11

会議録

藤田正明各派に属しない議員

○議長(藤田正明君) これより会議を開きます。  日程第一 昭和六十一年度一般会計補正予算(第1号)  日程第二 昭和六十一年度特別会計補正予算(特第1号)  日程第三 昭和六十一年度政府関係機関補正予算(機第1号)  以上三案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。予算委員長桧垣徳太郎君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔桧垣徳太郎君登壇、拍手〕

桧垣徳太郎自由民主党

○桧垣徳太郎君 ただいま議題となりました昭和六十一年度補正予算三案の委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  今回の補正は、九月十九日、政府が決定した総合経済対策を推進するため、公共事業費の追加を行うほか、給与改善費等当初予算作成後に生じた事由に基づき、特に緊要となった事項について措置を講ずることとしており、歳出の追加総額は一兆四千三十五億円となっております。  他方、既定経費の節減、普通国債償還財源の予算繰り入れ停止等によって、一兆六千六百七十三億円の歳出削減を行っております。  歳入につきましては、最近までの収入実績にかんがみ、租税及び印紙収入、日銀納付金等の減額措置を講じ、不足する財源を補うため六十年度剰余金の受け入れ、建設公債の追加発行等を行うこととしております。  本補正の結果、昭和六十一年度一般会計予算の総額は、歳入歳出とも当初予算に対し二千六百三十八億円減少し、五十三兆八千二百四十八億円となります。  また、一般会計予算の補正に関連して、国立学校特別会計等十六の特別会計と、国民金融公庫等二公庫の政府関係機関予算について所要の補正が行われております。  補正予算三案は、十月三十一日、国会に提出され、同日、宮澤大蔵大臣より趣旨説明を聴取し、衆議院からの送付を待って、十一月七日、十日、十一日の三日間にわたり、中曽根内閣総理大臣並 びに関係各大臣に対し、国政全般にわたり熱心な質疑が行われました。  以下、質疑の主なもの若干につき、その要旨を御報告申し上げます。  まず、経済・景気動向に関し、「円高不況に伴う経済の落ち込みで、六十一年度政府経済見通しの実質四%成長の達成は不可能ではないか。また政府が推進しようとしている総合経済対策は、六十一年度の経済成長をどの程度押し上げる見通しか」との質疑があり、これに対し中曽根内閣総理大臣及び近藤経済企画庁長官より、「円高で外需が減り輸出関連産業が苦しく、経済はやや停滞し調整局面を迎えたが、家計消費、住宅建設、非製造業の設備投資等の内需は予想以上に伸びている。三兆六千億円に上る総合経済対策、四回にわたる公定歩合引き下げ等で内需にさらに一段と弾みをつけ、外需の落ち込みをカバーすると同時に、さらに米国との間で為替安定の合意確認を行うなど、実質成長率四%の目標に近づけるために鋭意努力中である。総合経済対策は、政府の公共事業追加一兆四千億円、地方自治体の単独事業追加八千億円を柱に、住宅建設の促進や電力会社の設備投資前倒し等、中身の充実した施策を行うことにしている。対策のうち定量化できるものの一年間の経済効果は四兆九千億円、名目GNPの約一・五%に相当し、仮に来年三月までの六十一年度中の効果を単純計算すると、〇・七%程度名目GNPを押し上げることになるが、円高差益還元など経済対策中、定量化しにくいものを含めると相当な景気浮揚効果が期待できる」旨の答弁がありました。  なお、第四次公定歩合の引き下げに関連し、「日銀は国の内外から要請の強かった金利引き下げを十月末まで引き延ばしたことで経済や雇用の悪化を招いたのではないか」との質疑に対し、澄田日本銀行総裁より、「国内景気に底がたい面があるとの判断に変わりはないものの、輸出関連産業や構造不況業種を中心に停滞感が強まっていることも承知している。金融政策に予断は禁物で、時宜にかない、かつ機動的に対応するとの観点に立ち、国際協調の立場をも踏まえ、政府の総合経済対策の実行の機会をとらえ公定歩合の引き下げに踏み切った。四回の公定歩合引き下げと政府施策の相乗効果で内需の着実な拡大が期待できる」旨の答弁がありました。  財政問題に関し、「経済の落ち込みに対し、十八カ月予算構想の財政出動による景気回復を図るとすれば、補正予算の規模を拡大し、一段と強い対策を講ずべきではなかったか。また補正予算の編成時期がおくれ、年度内消化が危ぶまれ、景気浮揚の政策効果を減殺する危険が大きいのではないか。五十八年度以降の特例公債削減の実績並びに本補正で一兆円を超える税収減額が行われたこと等から見て、六十五年度財政再建の達成は歳入歳出両面から不可能になったのではないか」などの質疑があり、これに対し中曽根内閣総理大臣並びに宮澤大蔵大臣等より、「景気の落ち込みに対応する予算として不十分であるとの指摘は理解できないわけではないが、しかし、公債発行抑制の臨調方針を堅持し、円高デフレによる税収減の苦しい状況下で、特例公債の増発を避けつつ、八年ぶりに補正予算で一般公共事業追加のための建設国債を増発するなど景気拡大に最大限の配慮をしており、財政再建と財政出動による景気浮揚という二律背反の困難な状況のもとではベストを尽くした予算である。補正予算の執行と景気浮揚には、政府も細心の注意を払って、公共事業等で地方負担を伴うものは、恒例の十二月開会の地方議会の繰り上げ開会の要請を初め、積雪寒冷地等では冬期でもやりやすい事業の選定、さらに早期の箇所づけ、設計等に鋭意工夫を凝らしている。また円高被害や構造不況業種等によって経済が停滞している地域には十分配慮し、公共事業予算の傾斜配分を行うことにし、年度内消化と景気浮揚の実効が上がるよう各省を督励中である。六十五年度に特例公債脱却の財政再建目標を達成するのは至難であるが、臨調路線を守り財政再建の旗はおろすべきではない。特例公債脱却の目標があればこそ苦しい歳出削減で各省の協力も得られる。またこれにかわる新しい目標の設定は、新たな環境を考えて判断しなければいけないし、果たしてその際コンセンサスが得られるか大変難しい。なお、今年度の税収の落ち込みと財政再建の関連では、税収以外に電電株の高値売却が続けば、一般会計から国債整理基金への繰り入れも不要となり、その分財政に余裕ができるし、また円高デフレという外的事情等によって日本経済の潜在成長力発揮が阻害されたことを考えると、このまま低成長が続くと悲観的にだけ見ることもないので、財政再建に向け必死の努力をする決意である」旨の答弁がありました。  なお、質疑は、このほか税制改革、円高不況と中小企業対策、老人保健法改正問題、産業空洞化と雇用問題、SDI構想等広範多岐にわたって行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  本日をもって質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本社会党・護憲共同を代表して野田委員が反対、自由民主党を代表して吉川委員が賛成、公明党・国民会議を代表して峯山委員が反対、日本共産党を代表して内藤委員が反対、民社党・国民連合を代表して井上委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。  討論を終局し、採決の結果、昭和六十一年度補正予算三案は賛成多数で原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────

藤田正明各派に属しない議員

○議長(藤田正明君) 三案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。渡辺四郎君。    〔渡辺四郎君登壇、拍手〕

渡辺四郎日本社会党

○渡辺四郎君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました昭和六十一年度補正予算三案に対し、反対の立場から討論を行います。  政府の対応の誤りが招いた余りにも急激な円高によって、今日の我が国経済は未曾有の困難に直面しています。  昨年九月、G5合意直前の一ドル二百四十円台から百五—六十円台へわずか一年で八十円を上回る円高となり、輸出関連の中小企業はもとより、大部分の我が国企業はなすすべもなく超円高の前にあえいでいるのが現状であります。本年一月から三月のGNPが実に十一年ぶりにマイナスとなったことが物語っているように、この間の我が国経済への打撃はあの石油ショックにも匹敵する激烈なものであると言っても過言ではありません。  今日の我が国経済の現状は、一部非製造業に若干の明るさが見えますものの、造船、鉄鋼、非鉄、繊維といった構造不況業種を抱える製造業の落ち込みは目に余るものがあります。また地域的に見ても、東京周辺が比較的好況であるのに対し、北海道、四国、九州等の地方景気はかつてない不況色一辺倒に覆われ、景気の業種別二極分化と地域破行性はそのきわみに達しています。  こうした状況の中で、円高による企業倒産は、昨年十一月以降本年九月までに実に四百三十二件を数え、前回の円高期だった五十二年から五十三年の同期間に比べ何と二・七倍にも達しています。また完全失業率は、円高不況を反映して三%近くまで急速に上昇しており、さらに、構造不況業種及び強引なやり方による国鉄分割・民営化に向けての余剰人員を加えると、実態ははるかに深刻であります。  政府は、アメリカ・レーガン政権の経済政策の失敗と政府みずからの対応の誤りが招いた急激な円高が、我が国産業にどれほど甚大な影響を及ぼすかを全く理解せず、円高のメリットばかりを強調し、終始楽観論を振りまいてまいりましたが、もう今やそれが完全な幻想にすぎなかったことが論証され、政府の景気誤診の責任は厳しく糾弾されなければなりません。  政府は、ようやく事態の深刻さに気づき、九月十九日、総合経済対策を決定いたしました。また日銀も、政府の対応のおくれに引きずられて、これまたようやく今月一日から〇・五%の公定歩合を引き下げましたが、すべてが後手後手の対策であり、その効果は政府が宣伝するよりはるかに小さいものにとどまることを指摘し、あわせて政府の誤った経済の現状認識が景気悪化を増幅したその責任について強く警告しながら、以下順次反対の理由を申し述べます。  反対の第一は、今回、補正予算に盛られた公共事業費の規模が極めて少額にとどまっていることです。  政府は、さきの総合経済対策で事業規模総額三兆六千億円の景気浮揚策を決定いたしましたが、今日の景気の現状を直視すれば、その程度の規模では到底ここまで落ち込んだ景気の浮揚には力不足であり、政府の経済見通し四%の達成は全く不可能であります。我々の五兆円規模の補正予算編成要求を無視し、何でも安く上げようとする政府の誤った判断が、不況の傷口を一層広げたことは否めない事実であり、そのような出し惜しみの対策では何らの効果も期待し得ないことをまず警告しておきます。  さらに、鳴り物入りで決めた経済対策から補正予算に盛り込んだ公共事業費は五千四百九十億円、うち災害復旧事業費を除いた一般公共事業費はわずかに千三百三十億円にすぎず、全く政府の景気対策は見せかけの水増し対策であると言わざるを得ません。さらに、塗炭の苦しみにあえいでいる中小企業の円高対策費は、これまたわずかの二百五十二億円にすぎず、これでは政府が本気で景気対策に取り組もうとしているとは全く思えず、このような補正予算は到底認めることはできません。直ちに公共事業費を初め中小企業等の円高対策費の追加計上を要求するものであります。  反対の第二は、税収見積もりが相変わらずずさんに行われていたことであります。  今回の円高は、六十一年度当初予算編成時点から既に始まっており、その時点で我々は再三にわたり景気の落ち込みとそれによる税収不足の危険を指摘してまいりました。しかるに政府は、円高楽観論の姿勢をとり続け、我々の主張にはついに耳を傾けようとしなかったのであります。果たせるかな、急激な円高の直撃による不況によって企業収益は実に二割を超える落ち込みとなり、今回の補正で法人税九千八百十億円、所得税四千二百六十億円の減額修正に追い込まれました。しかし、景気の現状は楽観論に立つ政府の認識よりはるかに厳しく、補正見積もりを上回る税収欠陥の危険すらあることを指摘しなければなりません。また今回の減額修正によって、六十二年度の税収は財政の中期展望で見込んだ額を大幅に下回ることは確実であり、これによって中曽根内閣の六十五年度特例国債脱却目標はもはや完全に死に体となったのであります。このようなずさんな税収見積もりを立て、特例国債脱却目標の先送りを企て国民の目をごまかそうとした政府の責任は重く、断じて認めることはできません。  反対の第三は、既定経費の節減及び予備費が相変わらず主要な補正財源となっていることであります。  一昨年千三百二億円、昨年が千八百十三億円、そして、ことしは国債利払い費の減少を除いても千九百八十三億円の既定経費の節減が行われ、その額は年々増大しております。しかも、近年その節減は当初から補正予算の財源づくりを目的に各省庁に一定割合の留保を義務づけており、これでは当初予算それ自体が補正を前提とした不備な予算であることは明らかであり、それを財源とした補正予算など到底認めることはできません。  同様に、予備費の補正財源回しも、毎年千五百億円から千八百億円にも達しており、これが補正予算の主要財源化していることは明白であります。例年の使用実績に照らし、当初見積もり予算を適正化すべきであることをここ数年にわたり我々が真摯に提言したにもかかわらず、こそくな財源温存手段を続ける政府の姿勢は厳しく批判されなければなりません。つまり、このような愚挙はもはや容認することはできないからであります。  反対の第四は、減税が盛り込まれていないことであります。  六十一年度予算審議の途上で年内減税の与野党間合意が成立し、国民も大きな期待を寄せていることは既に周知のとおりであります。以来今日まで、減税の具体化について幾たびとなく与野党間折衝を重ねてまいりました。その中で我々野党は、住宅及びパート減税案と同時に、その財源についても具体的に提案してまいりました。にもかかわらず、政府と与党の抵抗の前にいまだ十分な合意が成立せず、減税が実施されないままになっていることは極めて遺憾千万であります。年内減税は公党間の約束であり、国民との約束でもあります。もしその約束がほごにされるようなことになれば、我が国の民主主義政治は戦後最大の危機を迎えると言っても過言ではありません。政府・自民党は直ちに本補正予算案を撤回し、減税を盛り込んだ補正予算案を再提出すべきであることを強く求めるものであります。  最後に、税制改正について警告しておきます。  先日、政府税制調査会からシャウプ改革以来の抜本的な税制改正として出された答申は、これまで総理が繰り返し改革の基本方針として答弁してきた、公平、公正、簡素、選択、活力、さらに増減税同額という観点に照らし、全く期待外れのものでありました。そもそも改革の理念すら明確でなく、与党内部からも同じ声が上がっているではありませんか。また最高税率の極端な引き下げは、高額所得者のみの優遇改革であり、さらに年収四百万円から六百万円の中堅所得者層の軽減率が極端に低いことを見れば、税のゆがみ、ひずみの是正どころか、ますます不公平が拡大するおそれ十分なものであります。  さらに、答申に盛られたA、B、C三つの間接税案は、いずれも総理が導入しないと答弁した大型間接税であり、特にC案の日本型付加価値税は、総理の言葉どおり、多段階、普遍的、網羅的で、流通の各段階に投げ網をかける税そのものではありませんか。にもかかわらず、予算委員会での総理の答弁は、三案いずれも従来の答弁に抵触するものではなく、限定性を持てばどのような間接税でも導入可能であるかの答弁を繰り返してきました。それは全く国会と国民を愚弄するも甚だしく、断じて許すことのできない、言葉による暴挙と言わざるを得ません。これこそ議会制民主主義を否定するものであり、このような中曽根総理の数を頼みにした公約違反のおごれる政治は、いつの日か必ずや国民の厳しい審判を受けるであろうことを申し上げ、私の反対討論を終わります。(拍手)

藤田正明各派に属しない議員

○議長(藤田正明君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────

藤田正明各派に属しない議員

○議長(藤田正明君) これより三案を一括して採決いたします。  三案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

藤田正明各派に属しない議員

○議長(藤田正明君) 過半数と認めます。  よって、三案は可決されました。(拍手)  本日はこれにて散会いたします。    午後三時五十五分散会

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