産業・資源エネルギーに関する調査会 第1号
- 発言数
- 81 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1986/10/08
会議録
○会長(浜本万三君) ただいまから産業・資源エネルギーに関する調査会を開会いたします。 この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 産業・資源エネルギーに関する調査のため、本日の調査会に国際エネルギー政策フォーラム議長・財団法人日本エネルギー経済研究所会長向坂正男君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ─────────────
○会長(浜本万三君) 産業・資源エネルギーに関する調査を議題といたします。 まず、派遣委員の報告を聴取いたします。沢田一精君。
○沢田一精君 去る八月に行いました委員派遣について、その概要を御報告申し上げます。 派遣地は北海道で、派遣期間は八月二十日から二十二日までの三日間で、派遣委員は浜本会長、対馬理事、飯田理事、神谷理事、橋本理事、工藤委員と私の七名であります。 日程は、第一日目は北海道の産業経済の概況とエネルギー事情について札幌通商産業局から、炭鉱等鉱山保安問題の概要について札幌鉱山保安監督局からおのおの説明を聴取いたしました。次いで、北炭幌内炭鉱株式会社を訪れ、第八次石炭政策の策定を控えて、同炭鉱の操業状況及び経営上の問題点、労働条件と雇用問題、産炭地域の振興対策のあり方等について、会社、労働組合及び当該自治体等の関係者から意見と要望を聴取いたしました。 第二日目は、北海道内の石炭鉱業の実情と地域経済に対する役割並びに今後の石炭対策のあり方等について石炭産業と労働組合及び北海道庁、北海道議会並びに産炭地域の自治体関係者から意見と要望を聴取いたしました。次いで、北海道電力株式会社泊原子力発電所の建設状況及び北海道原子力環境センターを視察いたしました。 第三日目は、苫小牧東部石油備蓄株式会社苫小牧事業所、北海道石油共同備蓄株式会社北海道事業所、北海道電力株式会社苫東厚真発電所及び王子製紙株式会社苫小牧工場を視察いたしました。 以下、日程に従いましてその概要を御報告いたします。 まず北海道の産業経済の概要でありますが、道内における純生産の産業別の比率は第一次産業が八%、第二次産業が二三%、第三次産業が六九%と、全国平均がおのおの三%、三四%、六三%であるのに比べて第一次及び第三次産業の比率が高く、第二次産業の比率が低いのが特徴と言えます。このため、地域の特性を生かしたテクノポリス計画の推進等を初め、大規模工業団地の造成と積極的な企業誘致など産業基盤の整備を含めた地域振興対策が進められております。今後とも雇用機会の増大、地元産業の振興を含めた産業構造の高度化等、地域の産業経済の発展のために適切な施策の誘導が望まれるところであります。 次に、北海道のエネルギー事情でありますが、本道は我が国有数の産炭地域であり、石炭のウエートが一次エネルギー供給全体の二八%を占めており、特に国内炭は全国平均三%に対して約二〇%に達しております。その一方、泊原子力発電所が建設中であるものの、現在のところ原子力とLNGは導入されておりません。 こうしたことから、石油の比率が相対的に高く、特に暖房用等の灯油が重要な熱源となっております。このように、北海道においては石炭産業の動向が道内のエネルギー事情及び地域経済に大きな影響を与えることになります。このため、需要業界との間で引き取り炭価が折り合わないため、資金繰りが苦しい状態にある一部の炭鉱に対し、国及び道は緊急援助等の措置を講じておるところであります。 次に、炭鉱にとって保安の確保に万全を期すことは生産活動の大前提であります。道内においても三菱南大夕張炭鉱が昨年の五月にガス爆発により、多数の罹災者を出したことは記憶に新しいところであります。このため、保安管理体制の確立、自然条件の事前把握、坑内骨格構造の整備、集中監視体制の確立、作業環境の整備等を重点にした監督指導が行われておりますが、採炭区域の深部化、奥部化による自然条件の悪化に対応した保安の確保について、労使一体の努力が今後とも重要であります。 北炭幌内炭鉱株式会社は夕張炭田北部の幾春別炭田に位置しております。鉱区は磐の沢と呼ばれる露頭坑を含み良質炭であり、埋蔵炭量は一億二千六百万トンを有しているといわれますが、急傾斜坑が多く、採炭箇所も現在マイナス千二百八十メートルまで開発が進んでおります。同鉱は昭和五十年のガス爆発災害のため、全坑道の水没という措置がとられましたが、復旧に努めました結果、五十二年より一部生産を再開して以後切羽増設が進み、最近では年産百二十万トンの出炭規模に達しています。また、機械化採炭が大幅に取り入れられたため、生産能率もほぼ全国平均に近い水準となっております。同鉱の経営健全化については労使一体となった努力が続けられており、賃金水準も他の炭鉱と比べて相当の格差が見られるとのことであります。この結果、生産炭価はトン当たり、坑内掘りで一万五千円、露頭掘りで一万一千円程度の水準を実現しているという説明がありました。しかしながら、トン当たり八千円程度の水準にある輸入炭との間では大きな価格差があり、炭鉱の存続のためには適切な施策の維持が不可欠であるという強い要望が述べられたところであります。また、鉄鋼業界が、輸入炭に見合った価格での国内炭の引き取りを主張し、本年六月から仮払いの措置をとっているため、原料炭のウエートの高い北炭真谷地炭鉱が経営危機に直面していますが、空知炭鉱を含む北炭三山はおのおの債務の保証をしておりますため、真谷地炭鉱の危機は幌内炭鉱の経営にも大きな影響を与えるため、同鉱の救済について適切な対策を講ずるよう要望がありました。幌内炭鉱のある三笠市の経済は同鉱に依存する度合いが極めて高いので、地域経済社会の維持のためには炭鉱の存続と生産規模の維持がぜひとも必要であるという要望が自治体等の関係者からありました。なお、幌内炭鉱において意見及び要望を聴取いたしました関係者は、北炭幌内炭鉱株式会社、幌内炭鉱労働組合、幌内炭鉱職員組合、三笠市及び三笠市幌内炭鉱問題対策市民会議であります。 石炭鉱業は北海道にとって基幹産業であるばかりでなく、産炭地域の雇用の安定と当該地域経済社会の維持に大きな役割を果たしております。 第八次石炭政策の策定を前にして内外炭格差の拡大という事情に対応した需要業界の引き取り炭価に対する厳しい姿勢など、国内炭をめぐる環境は一層その厳しさを増しており、石炭産業及び産炭地域関係者にはみずからの存亡をかけた強い不安と危機感があります。このため、道内の石炭業界からは、できるだけ現有炭鉱の存続と生産規模の維持を図ることを新石炭政策の柱とし、石炭関係法の期限の延長と石炭政策予算を確保すること、また、適正炭価の設定、需要の確保、生産及び保安確保に対する助成制度の拡充強化と石炭産業の安定を基本としながら地域の特性に応じた多角的産業開発などによる産炭地域の活性化などの要望があったところであります。 次に、労働組合関係者からは、国内炭需要確保を図るため、IQ制度の存続、国内炭火力発電所の継続稼働、需要業界に対する引き取り交付金や内外炭価格差調整金などの検討、エネルギー安全保障の観点から、国民全体の経済の負担による国内炭の保護政策の推進などの要望が述べられました。 次に、産炭地域自治体関係者からは、アメリカ、西欧諸国のような特別財政援助を実施して需要業界の引き取りやすい政策を確立すること、内外炭価格差調整のため、石炭の販売一括管理を行う販売公社等調整機関の設立及び電力用炭引き取りについての全国負担調整措置をとること、石炭政策としての将来を目指す抜本的先行型産炭地振興対策の確立、地域改造整備制度などの特別援助策の確立、産炭地の基幹進出企業に対する時限助成措置の確立などの要望が述べられました。 また、北海道及び道議会関係者からも石炭対策財源の確保、適正炭価の設定、需要の確保、各種助成制度の充実強化などの要望が述べられました。 なお、北海道内の石炭鉱業の実情と地域経済への役割並びに新石炭政策のあり方等について意見及び要望を聴取いたしました関係者は、日本石炭協会北海道支部、全北海道労働組合協議会、日本炭鉱労働組合北海道地方本部、全国炭鉱職員労働組合協議会北海道地方本部、全日本労働総同盟北海道地方同盟、北海道産炭地域振興対策協議会、北海道及び北海道議会であります。 以上の石炭関係者の意見及び要望の中で強調されましたことは、産炭地域の多くはその存立を炭鉱に依存しており、閉山は深刻な雇用不安の発生のみならず地域経済社会の崩壊につながるおそれがあり、最良の産炭地域振興対策はヤマを残すことであるという点でありました。第八次石炭政策の策定とその実施に当たっては、こうした現地関係者の声を基にしながら、雇用問題と地域経済への影響という観点にも十分配慮し、石炭産業及び産炭地域自治体等の自助努力、需要業界の協力を求めて地域の実情に即した適切な対策を確立し、その推進に努めるべきであると考えます。 なお、石炭対策についての関係者等からの要望事項につきましては、これを会議録に掲載されるように取り計らい方を会長にお願いいたします。 次に、北海道電力株式会社泊原子力発電所は道内初めての原子力発電所として、一号機、二号機、各出力五十七万九千キロワットを現在建設中であり、その工事進捗率は一号機は五六%で原子炉格納容器の据えつけ工事中であります。二号機は二〇%で原子炉部分を含めた建屋の基礎工事中であります。型式は両機ともPWR型で昭和五十九年八月に同時着工いたしましたが、運転開始予定は一号機が六十四年六月、二号機は六十六年六月となっております。会社側の説明に対し、建設工事に伴う地元の雇用効果、原子力発電所立地に伴う地元自治体等に対する立地交付金、固定資産税等の見通し、温排水による漁業への影響、放射性廃棄物処理及び廃炉費用を含んだ場合の原子力発電コストの見通し等の点について質疑が行われたところであります。 原子力施設につきましては、周辺環境に対する安全対策の確立が最も大きな課題の一つであります。このため、泊発電所の周辺の主要地点に、放射線観測のためのモニタリングステーション、モニタリングポスト等を設けますとともに、農産物、海産物、水、土壌等の検査を行い、これらを集中的に管理するために発電所の近くに北海道原子力環境センターが設けられております。 次に、苫小牧東部石油備蓄株式会社苫小牧事業所、北海道石油共同備蓄株式会社北海道事業所及び北海道電力株式会社苫東厚真発電所は苫小牧東部大規模工業基地内に立地しておりますが、同工業基地は、立地している企業が極めて少なく、適切な企業誘致策等が積極的に推進されることが望まれます。苫小牧東部石油備蓄株式会社苫小牧事業所は、国家備蓄三千万キロリットル体制の一環として、むつ小川原石油備蓄基地に次いで二番目に運用を開始した基地であります。原油タンク五十五基で総量六百二十万キロリットルを最終目標にしておりますが、昭和五十九年九月から一部原油受け入れを開始しております。なお、当事業所に隣接して五百万キロリットルの能力を持つ北海道石油共同備蓄会社北海道事業所が建設され、一部運用を開始しております。石油備蓄の推進は石油供給安定化の重要な対策となっておりますが、国際石油情勢の変動に適切に対応しつつ、総合的な石油政策の立場から、立地地域の合意形成、安全対策の徹底に努めるとともに、地元企業の活用など地域経済の振興にも十分配慮する必要があると思います。 北海道電力株式会社苫東厚真発電所は、新鋭の石炭火力発電所として、出力三十五万キロワットの一号機が昭和五十五年十月に、出力六十万キロワットの二号機が六十年十月に営業運転を開始しております。一号機は道内炭を使用しており、主として太平洋炭鉱と幌内炭鉱から船またはトラックで輸送されております。二号機は海外炭を使用しており、オーストラリア、カナダ等から石炭専用船で運搬されております。なお、石炭の受け入れは当発電所に隣接した苫東コールセンター株式会社が行い、ベルトコンベヤーにより発電所構内貯炭場に搬入されております。石炭火力発電所は、石油代替エネルギーの柱の一つである石炭の利用に国内炭を含めて大きな役割を果たすことが期待されます。 王子製紙株式会社苫小牧工場は、新聞用紙生産工場としては世界最大級と言われ、我が国新聞用紙消費量の約三〇%を供給いたしております。当工場は、明治末期に操業を開始して以来の長い歴史を持っておりますが、近年の紙パルプ産業の構造不況に対応して大幅な合理化に努め、生産能率は大きく向上いたしております。また、エネルギー多消費型産業として、エネルギー使用の効率化についても努力が行われております。紙パルプ産業など基礎資材産業には、最近の内外の経済環境の変化の中で、厳しい対応に迫られている分野も少なくありませんが、エネルギー使用の効率化などを含めて、構造的に体質の改善など高度化による基盤の強化を図ることが必要と思われます。 最後に、今回の調査に際し御協力をいただきました関係の方々に感謝の意を表して私の報告を終わります。
○会長(浜本万三君) ありがとうございました。 以上で派遣委員の報告は終わりました。 なお、沢田君の報告中にありました要望事項につきましては、これを本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 ─────────────
○会長(浜本万三君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、小野明君及び大森昭君が委員を辞任され、その補欠として上野雄文君及び本岡昭次君が選任されました。 ─────────────
○会長(浜本万三君) これより、ただいまの報告にまつわる質疑を参考人及び政府側に対して行うことといたします。 向坂参考人には御多忙中のところ本委員会に御出席をいただきましてまことにありがとうございました。 なお、委員各位に申し上げます。 本日の質疑に際し、あるいは若干不満足な答弁があろうかと思われますが、現時点における政府側の事情を御賢察の上、御寛容いただきますよう、特に私の方からお願いを申し上げたいと存じます。 それでは、質疑のある方は順次御発言願います。
○対馬孝且君 まず、きょうは向坂先生の参考人としておいでくださいましたことに対しまして、深く感謝を申し上げます。 向坂先生は石炭鉱業審議会小委員長としまして、鋭意今日まで第八次の石炭政策に、答申に向けて努力を払われておることに対しましても深く敬意を表し、感謝を申し上げたいと思います。大変きょうは、今会長からもございましたが、限られた短い時間でございますので、できるだけひとつ答弁もそのものずばりお答えを願えれば幸いだと思います。 まず第一の問題は、今石炭鉱業審議会のもとで鋭意八次政策に取り組まれているわけでありますが、何といっても今もう九州、北海道、炭鉱に生活をしている働く者、産炭地域の住民はまさに戦々恐々といたしています。 それはなぜかと申しますと、九月の上旬以来、ここにありますように、一斉に中央各紙、地元紙を含めまして、大体出炭目標は一千万トンから九百万トンぐらい、しかも原料炭は五年ないし三年以内にはゼロになる、しかも炭鉱は五炭鉱ないし六炭鉱閉山と、これが軒並み出された報道でございます。これは恐らく向坂先生もごらんになっていると思いますけれども、このことを聞きまして今もう山元では大変でございまして、いたたまれぬという気持ちで、先般来九州、北海道から続々上京して、通産省あるいは政府側、関係省庁に対しましても要請をいたしております。なおかつ、今月に入りましてからそれぞれの産炭地域で座り込みを実行されておりまして、加えて二十二日には人権上の問題とも危ぶまれる坑内の坑底に座り込みをするという一大世論が実は高まっているわけであります。 そういう情勢を踏まえまして私が第一にお伺いしたいことは、去る九月十七日本会議におきまして、私は中曽根総理に対しまして石炭問題に取り組む姿勢についてお伺いをいたしてまいりました。このときの答弁としまして、特に総理から、現在石鉱審において検討中ではあるが、石炭産業の問題は、雇用問題のみならず、その地域の町ぐるみの大きな社会問題を内包しており、そういう意味においても政府は慎重に対処していくべきであると思いますと、極めて現地の認識を踏まえた答弁をなされました。 まず、このことについて向坂先生の認識なり感想をひとつお伺いしておきたいと思います。
○参考人(向坂正男君) 石炭鉱業審議会の第八次政策の策定がいろいろな事情によりまして延びており、その間に新聞などにいろいろな報道が行われまして、産炭地の皆さん大変不安な状況に陥っているということを伺い、私どもも策定が延びていることを大変遺憾に思っている次第でございます。 この問題に取り組むに当たりまして、エネルギー安全保障における国内炭の役割、もう一つは産炭地域、石炭産業に依存する度合いの非常に大きい産炭地域の地元の雇用、地域住民の生活の問題、そこに直接かかわりある問題として地域問題という観点から慎重に審議を進めているところでございます。
○対馬孝且君 今、向坂先生から安全保障の見地、そして雇用問題、地域社会の問題ということで進めてまいりましたというお答えでございました。その認識は私も一致をしているわけであります。 そこで、問題の第二点としてお伺いしたいのは、八次政策を樹立する場合に、昨年の九月三日にこれ諮問をいたしました。約一年を経過をして当初は八月末答申の予定と、これは私もお会いいたしまして何回か確認をしておりますけれども。そこで問題は、今回の急激な円高による影響、また、それに伴う異常な事態が今日の問題解決の非常な障害になっているんではないか。この点端的にお伺いしたいと思います。
○参考人(向坂正男君) 御指摘のように、ことしに入りましてからの急激な円高が国内炭政策を考える上に非常に一層厳しい環境にしてしまったということは私ども痛感する次第でございまして、それは二つの点に見られると思います。 一つは、内外炭の価格差が大幅に拡大して、国内炭に対して輸入炭がほぼ三分の一程度の価格である。そういう状況で、需要家にとっては国内炭の購入による負担を非常に大きく感じるという状況になりましたこと、これが第一でございます。 第二は、国内炭の大きな需要業界である鉄鋼業界が円レートの急激な上昇によりまして大変経営収支の面に大きな打撃を受けておりまして、したがって内外炭格差の拡大、その負担というものを鉄鋼業界は非常に重荷に感じてきているというこの二つの面があると思います。鉄鋼業界は輸出価格の面、それがまた国内価格にも響き、また原料面の安く入手できるという面はありますけれども、製品価格の面、輸出依存度が非常に高いだけに国際競争にさらされて鉄鋼業は大変な苦境に陥っているということ、これが今度の第八次政策の策定において非常に大きな厳しい環境といえると思います。
○対馬孝且君 エネルギー庁長官、今向坂先生がお答えになっておりますが、この急激な円高に対しては政府の責任であると私は明確に申し上げなければなりません。それはなぜかと言いますと、昨年のG5蔵相会議で竹下前大蔵大臣の発言を契機にこれは円高へ誘導したわけでありまして、当時私が聞いておりますのは、恐らく石鉱審、当初は二百円前後のレートを想定をしておったと、今日は百五十円台の急激な円高になっておると、このことに対して政府の責任として石炭のこれからの問題解決にはどういう姿勢で対処しようとしているのか。また政府の認識は、急激な円高が非常に今日の石鉱審の答申をおくらせている、あるいは解決に至っていない、このことについてどういうふうにお考えですか。
○政府委員(野々内隆君) 現在の為替レートというものが人為的なものであるのか、あるいは日本経済の実力を反映したものであるのか、この辺につきましてはいろいろ議論の分かれるところであろうかと思いますが、私ども現場で実物行政を担当いたします者としては、どうも余りにも急速な円高というものが日本経済の対応をおくらせているということは事実であろうかと思っております。ただ、これが一体だれの責任であるのかというようなことは言ってもせんないことでございまして、私どもとしては、できるだけ為替レートが安定をするように財政当局にお願いをし、既に総理以下財政当局も何とか為替レートの安定の方向で努力をいたしたいということになっております。 当面、向坂先生からお話がありましたように、この国内の不況、主として円高によります不況というものが一番の問題になっておりますので、何とかこの点を手を打ちたいということで、事業規模三兆数千億の補正予算というものを現在準備中でございまして、これをできるだけ早く国会に上程をし、御承認をいただき、実施をして国内不況対策を何とか急いで手を打ちたいということを考えておりまして、それがまた石炭対策の早期解決に貢献するであろうというふうに考えております。
○対馬孝且君 責任はともあれ、問題がやっぱり円高にあるということは今長官もお認めになったようですから。 そこで問題は、そうであるとするならば、先ほどもお話が出ましたけれども、鉄鋼の三分の一価格が一方的に強行された。これが今日の異常な、現実には原料炭山はもはや賃金カット、一割ないし二割の賃金カットをされております。もしこのままいくと、後ほどもお伺いしますけれども、答申がだんだんずれ込んでいきますと、これは資金ショートを起こすという問題も今事実上発生をしているわけであります。また、そういう状態にあるわけであります。 そこで私は、鉄鋼のこの三分の一価格の一方的実力行使ということに対して、いわゆる小委員会委員長という立場でどういうふうに鉄鋼に対して対応してきたのか、あるいはどういう見方をされているのかという問題。加えて、これは石炭合理化臨時措置法、現在七次の答申継続中ですからね、これ。八次が来年度、六十二年度からスタートするわけでありまして、まだ七次継続中なんです。しかも、はっきり申し上げなければならないことは、通産六法でも明らかになっておりますように、石炭合理化臨時措置法のここにありますように、五十八条あるいは六十条で基準炭価を政府の責任において定めなければならない。はっきりしているんですね、これ。勧告もしなきゃならぬと。このときに一方的に三分の一が強行されて実力行使されている。これは私はゆゆしき問題であって、あえて言うなら石炭合理化臨時措置法、法律の違反に値するものであるというぐらいに私は考えております。 しかも一方的に強行された。私も北海道の商工会議所のお偉い方にいろいろ聞きましたけれども、もし一般商社でもって三分の一価格でないとあしたから取引をお断りします、これ仮払いしますと言ったら、これはどこの企業だってもつ企業はないと言うわけだよ。これは北海道の商工会議所のお偉い方が言っているんですけれどもね。そういう意味ではこれは商業道徳上からも問題ではないか。こういう点についてどういう対応をして、またどういう手を打たれたのか。また、これからどうしようとしているのか。この点を含めて向坂先生とエネルギー庁長官にひとつお伺いしたいと思います。
○参考人(向坂正男君) 五月に鉄鋼業界から通産大臣に対して要望が出されまして、鉄鋼業界がこれだけ大きくなった内外炭価格差の負担をいつまでもしょうことはできないという要望が提出されました後、御指摘のように六月から国内炭、原料炭を輸入炭価格並みで仮払いするというふうに鉄鋼業界が行動に出られたのでございますけれども、鉄鋼業界が去年の下期以来、大変大幅な赤字を抱えている。今後その赤字はますます大きくなるということを考えますと、理解できない点がないではございませんけれども、しかし、御指摘のように、私は異例の行動だというふうに考えております。 しかし、これは仮払いでございますから、私は需給・価格部会の部会長をやっておりますので、早期に六十一年度の基準炭価を決めるように部会として行動をしようということを通産省とも相談いたしまして、まず需給・価格部会の専門部会を開き——専門分科会と称しておりますが、開き、また懇談会も開いて、鉄鋼業界に対してはこの仮払いということを、国内炭購入の負担をもう少ししてほしいという現実的な対応を考えてほしい。また石炭業界に対しては、親会社も含めまして石炭グループとしてできるだけの合理化を進めてコストを引き下げる努力をしてほしいという要請をいたしたところでございます。 しかし、この専門分科会、また懇談会を通じまして両者の歩み寄りは余り進みませんでした。その後、通商省はもとより、私どもも鉄鋼業界に対して何らか現実的な対応をしてほしいという要請を続けてまいりましたけれども、鉄鋼業界は苦しい状況から、なかなかそういう対応策が具体的に出てこなかったわけでございます。したがって、その間、八次策の検討小委員会の方も実質的には審議が余り進まないという状況でございます。 しかし、こういう状況を続けたら、先ほど御指摘のように産炭地、石炭会社もそうですけれども、産炭地域の方々はいろいろな意味で犠牲を払わなければならないので、審議を進めたいということで、先般、石油価格部会と政策部会の合同会議を開いて、そこで委員の御意見を伺い、その後、締めくくりとしまして、まず今、八次策及び六十一年度の基準炭価問題を詰めていくには石炭業界と鉄鋼業界との話し合い、原料炭問題の解決が先決であろうということで、この合同部会で中立委員三人とそれから石炭、鉄鋼両業界から二人ずつの委員を出していただいて、このいわゆる七人委員会で原料炭問題、六十一年度の価格と八次策における原料炭引き取り問題、この問題両方を合わせて両者の調整を進めていく。何とか合意を図りたいということで今進めているところでございます。
○政府委員(高橋達直君) 今年度の炭価問題につきましての私どもの考え方につきましては、ただいま向坂参考人からお話があった考え方と同じでございます。御案内のように、需給両業界の価格問題についての見解が相当離れておりますので、これを何とか審議会で御調整いただこうということでやっております。 ただいま対馬先生から御指摘のございました法律との関係でございますが、御指摘のように、石炭鉱業合理化臨時措置法の五十八条におきましては、毎年の炭価を通産大臣が定めるというふうになっておりますが、その要件といたしまして、石炭鉱業審議会の意見を聞くというのが一つと、それから内容的には石炭の生産費及び石炭の輸入価格を考慮してと、そのほかの事情もございますけれども、そういった事情を考慮して決めるということになっておりますので、いずれにいたしましても、需給両業界の代表も審議会の委員になっておりますので、この意見の調整が先決でございます。私どもといたしましては、ただいま向坂先生からお話のありましたようなことで審議をお進めいただきまして、何とかできるだけ早く結論を得ていただきたいということで考えております。
○対馬孝且君 今、向坂先生、政府側からお答えを願ったわけでありますが、私はここが大事なことだと思うんであります。結論を求めたいということで七人委員会が発足された、これは多とします。しかし問題は、石炭協会は二百七十一円より炭価は下げられないと言うし、鉄鋼は、とてもこれは三分の一以外だめだと言うし、これじゃいつまでたっても解決つかぬと思うのですね、やっぱり。もはやこの段階では私は——私、渡辺通産大臣、それから田村通産大臣と合わせて四回会っている。そのときに、北海道地域からの代表が会ったときも、知事もお会いしていますけれども、私も同席していまして、三方一両損の解決以外ないと、こう言うんですよ、大臣が。それは結構だと思う。三方一両損とは何かといえば、これは国鉄方式だ、かつての。いわゆる協会も泣いてくれ、石炭も泣け、鉄鋼業界も泣けと、そのかわり政府も考えると、こうなんだけれども、問題は私はここだと思うのですよ、向坂先生。 今まで大変御苦労なさったと思いますけれども、これから七人委員会やって結論出ますか。私は、やっぱりここまで来ると政治決断が必要である、政策的手だてがなければ解決にならぬと思います。 あえて私はこの間も本会議場で総理にも申し上げましたが、西ドイツの、フランスあるいはイギリスもそうでありますけれども、特に西ドイツの場合は自由企業体制ですね、先生はもう何回も行かれておわかりのとおり。私もルール炭田へも行ってきましたけれども、こういう関係から見ますと、やっぱり国が財政的あるいは公的措置をやっているのですよ。現に最近の炭炭格差、かつては油炭格差といいましたが、コールペニヒ方式を西ドイツは採用している、これがいいか悪いかはまたそれぞれの考え方があると思いますけれども。これは向坂先生に、時間もありませんから率直にお聞きしたいのでありますが、ここまで来ると、政府としてのやっぱり政策、手だてが問題解決の重要な段階に来ている、それは政策的手だてがなければやっぱりこれからの八次答申というのが決着を見る段階にならないんではないか、こういう感を深くするんですが、率直に、ひとつ虚心坦懐に先生の気持ちをお聞かせ願えれば幸いだ、こう思います。
○参考人(向坂正男君) 七人委員会、第一回を始めたばかりでございますが、第一回において、鉄鋼業界もこれまでの態度よりは一歩進めまして、原料炭問題についての両業界の調整のいわば土俵に上がってもらったというところでございますから、この七人委員会でまとめられるかどうか、いつまでにまとめられるかということを今予断するのは時期尚早ではないかと思います。 次回の七人委員会の会合も予定を決めておりまして、そこでさらにより突っ込んだ両業界の対応を聞き、その両者の調整に努めるということになっているわけでございます。できるだけこの七人委員会で原料炭問題についての調整を図る努力をなお続けたいと思っている次第でございまして、その先に政府が出てこなければ、政府の何らかの負担がなければ話し合いがつかないのかどうか、この点についてはまだその予測をするのは早いかと思いますけれども、私の個人的な感想を申し上げれば、やはり何らか政府が閉山対策など、従来の制度にあるもの以上に対応を考えてほしいという気持ちを持っていることをここで私は申し上げたいと思います。
○対馬孝且君 今、率直な向坂先生のお言葉をいただきまして非常に私も、解決の道はもちろん自主的解決が結構なんですけれども、今率直なお答えがありましたから、現行制度もしくはそれ以外の政策的手だてが必要であるというお言葉をいただきまして、認識が一致するわけであります。 それで、私は率直に今度は政府側に申し上げたいんだけれども、日本の石炭産業は、よくマスコミでも、過保護だとかなまぬるいとかといういろいろな説があるんだけれども、私はこれは根拠を持って申し上げるんだけれども、これは最近の五十九年の数字ですが、労働者一人当たりの年間の能率を見ますと、西ドイツは五百五十八トン、フランスが五百十二トン、イギリスが五百三十一トン、我が国が七百三十一トンであります。世界最高の能率を上げているわけであります。それじゃ、はっきり言って国の補助、国家的補助はどうなんだと、過保護だとかいろんなことを言うけれども、どうなっているんだといえば、今日、イギリスはトン当たり四千二百五十六円です。フランスが九千八百六十一円、西ドイツが四千九百十四円です。日本は二千四百八円というのが今日の国が石炭政策に出している補助であります。これを見たって何も日本は高いわけじゃない。もちろん、日本の場合の二千四百八円は前向きの合理化安定費を基準にしておりますけれども、あとは後向きですから、鉱害とか緊急就労とかというのを私は全部知っていますけれども。 だから、こういう意味で言うと、能率は最高、世界の水準をはるかに超えていっている、かつ国家的補助はそんな高いわけじゃない、それで何でつぶさなきゃならぬかと。私はわからないんですね、はっきり申し上げて。ただ経済合理主義だけで石炭をつぶすのであれば、私は政治は要らない、政治不在であると言わなければならぬということをこの間中曽根総理にも申し上げました。明らかに前川リポートでも、これは時間がないから申し上げなかったが、この間本会議で申し上げていますので重複を避けますけれども、前川リポートによる考え方によって石炭山がつぶされる、これ自体も政治の誤りだということを本会議でも指摘をしました。 私は率直に申し上げまして、こういう認識に立つとするならば、当面、何といってもやっぱり早期に、長官も早期解決をしたいという気持ちは、努力をされていることはよくわかりますけれども、今いみじくも向坂小委員長から、まさしく何らかのやっぱり政策的手だてが必要である、この感を深くするというお答えでありますから、この答えに立って政府としてはどういう現在努力をされているのか、またどういう手を打たれているのか、その点をひとつ率直にお聞かせ願いたい。 それから、先生に一つ。石鉱審の最終答申の時期はいつかということです。また、小委員会の取りまとめ、七人委員会の取りまとめの関連もあると言うが、いつごろ取りまとめをなされるのか、その点も含めてお伺いしたい。 それから政府には、これはずれればずれるだけ——これは今も政府側でやっていますけれども、貯炭がもはや三百万トンを超えている。かつて昭和五十三年に貯炭の問題についての対策をとったことは理解できると思います。したがって貯炭融資の対策を最終的にとってもらいたいと思います。この点についてよろしくお願いしたい。いかがですか、お伺いしたい。
○政府委員(高橋達直君) 石炭対策として財政が出動すべきではないかという御指摘でございますけれども、この問題も含めまして現在審議会において御検討をいただいているわけでございます。ただ、これまでの議論などを拝聴いたしますと、御案内のとおりの国も財政再建の途上にあるということで、おのずからその程度には限界があろうという御意見もございますが、私どもといたしましては、石炭鉱業審議会での御議論を踏まえて適切に対処をしてまいりたい、かように考えております。 また、貯炭の問題につきましては、私どもも心を痛めておりまして、最近非常に各社において貯炭がたまっている状況にあるわけでございます。現在のところ各社の対応で何とか対応しているようでございますので、私どももこういった事態を今後とも注意深く見守ってまいりたいと思っております。
○参考人(向坂正男君) 十六日に次の七人委員会を開く予定にしておりますから、そのときに鉄鋼業界としてどういう対応に出てくるのかということを見ませんと、いついつまでにまとめられるということを申し上げることはできないと思いますが、私どもとしては、もちろんその影響を考えれば、できるだけ早く原料炭問題を片づけ、さらに今度は検討小委員会で八次案の最終的な詰めに入るということで、できるだけ早くというふうに考えておることをここで申し上げたいと思います。
○対馬孝且君 長官、先ほど言った政策的手だてをどういうふうに考えているのか、あるいはどうすべきなのかというそれを答えていないので……。 それからもう一つは、いつも直下型閉山は避ける、仮に閉山するにしても雪崩閉山は避けたいと。最後ですから申し上げるんですけれども、御存じのとおり、現在、大体出炭トン数は、我が国では一昨年が千六百六十万トン、フランスは大体千五百万トンで、年々五十万トンずつずっとスローでいくんですよ。こうなると、これはある程度、多少の合理化はあっても山をつぶすことにはなりません。例えば、そういうフランス型で五十万トンずつソフトランディングでずっといくというならこれはまた一つの考え方はありますけれども、最悪の場合でもそういったものが検討されているのかどうなのか。どうも政府の考え方は、PRする新聞だけは一千万トンになれば五つの山はつぶれる、原料炭山が五年間でゼロといったってこれは急激な閉山になってしまうんです。何をとってみてもこれは閉山ですよ。そうなったら暴動も起きかねないと僕は言っているんです、こんなことは言いたくないけれどもね。 なぜかと言ったら、給与、退職金が、幌内炭鉱なんというのは以前のを払わない退職金がいまだに五十八億あるというんです。これは政府も払う責任がないというんでしょう。企業は限界があるというんでしょう。これは労働者は黙っているわけにいかないでしょう。そういう問題も含んでいるので、私はあえてこういうことを言うんです。 政府側として、もちろん最終結論は答申を待ってとおっしゃるかもしれませんが、要は、やっぱり政策的な政治決断が必要だ、ここをひとつ最後にお答え願いたいと思います。
○政府委員(野々内隆君) 総理からもできるだけ急ぐようにという御指示もございますし、山の経理を見ておりますとそう延ばすわけにもいかぬというふうに考えておりますので、できるだけ急ぎたいという気持ちで対応をいたしております。 政策的支援につきましてももちろんできるだけしていこうと思っておりますが、ただ、石炭対策のために新たに税を新設するとかあるいは増税をするというのはなかなか国民的な支持も難しいかとは思っておりますが、できるだけのことはしたいと思っております。 それから、雪崩的な閉山が起こりますと地域に大変な問題が起こるということは私どもも十分認識をし、総理並びに通産大臣にもこの点につきましては御説明をし、御理解いただいておりますので、そういうことが起こらないように考えてまいりたいと思っております。
○対馬孝且君 最後ですから答弁は要りませんけれども、ひとつ責任ある立場で早急に、政治決断の時期である、これはひとつ勇断を持ってやるべきである、このことを申し添えて私の質問を終わります。
○工藤万砂美君 まずもって、向坂参考人におかれては長い間日本の国内石炭産業の育成のために大変な御努力を賜っておるわけでありまするし、また、常に公正な立場で日本のエネルギーというものについての御意見を賜り、非常にエネルギー業界の、いわゆる指導的な立場にあられるわけでありまして、私どもといたしましても、先生の今日までの業績に対しまして全幅の信頼と御尊敬を申し上げているわけでございます。したがいまして、きょうの先生の御意見というものは、必ずや政府、当局におきましても、今後の石炭政策について大きくお取り上げをいただいて政策に生かしていただけるものと私は確信して疑わないわけであります。 そこで、私は第一にお伺いを申し上げさせていただきますけれども、我が国のエネルギーの供給量でございますけれども、これは原油換算で昭和六十年度で四億三千九百万キロリットルでございますけれども、このうちの国産エネルギーとしては、石炭が一千百万キロリットル、天然ガスが二百万キロリットル、水力が二千二百万キロリットル、地熱が五十万キロリットル、新エネ、すなわち原子力関係を含めてでございますけれども、これが百三十万キロリットル、石油が七十万キロリットルとなっておりまして、合計いたしますと三千七百五十万キロリットルで、総エネルギーのわずかに八・五%でございます。しかも原子力は準国産でありますから、完全な国産エネルギーとしては三千六百二十万キロリットルでございまして、実にその八・二二三%というふうに極めて少ない比率であります。 したがいまして、エネルギーの安全保障という面から考えますると、純然たる国産エネルギーとしては総エネルギーの大体何%を確保することが必要であろうか、こういうことについて先生の御意見をまずお伺いしておきたいと思います。
○参考人(向坂正男君) 日本はエネルギー資源が極めて乏しくて輸入エネルギー資源に依存せざるを得ない、こういう状況に置かれておりますから、第一次の石油ショック以来、日本はエネルギー安全保障の確保を主眼にしましてエネルギー政策を展開されてきたわけでございますが、国内資源の乏しい日本としては、エネルギーの安全保障の問題は単に国産エネルギーの比率ということだけによって考えるというわけにはいかないので、原子力などを含めまして多様なエネルギーを使う、また消費の面でもできるだけ効率的に使う、また緊急事態に対しては石油備蓄をしなければならない、海外の石油、LNGなどの確保のために供給源を分散していろいろなところから買う、そういう多面的といいますか、総合的な政策の推進によって日本のエネルギー安全保障が確保されるのではないかと思います。 もちろん、国内資源は最も安定した供給の基盤を持ちますから、石炭にしましてもあるいは地熱などにしましても、できるだけ安全保障のリスク負担の程度を、つまり余り過大な安全保険料といいますか、それを払わないような程度で国内資源をできるだけ有効に使うべきだというふうに考えられるべきだと思います。 したがって、一言で言えば、国産エネルギーが何%であれば安全保障上いいのかというような判定は難しいのではないかというように考えております。
○工藤万砂美君 確たる国内エネルギーのパーセントというものを御指摘なさらなかったわけでございますけれども、通産当局としては七十年度に一二%ないし一三%という資料を実は私どもいただいておるわけでございますから、少なくとも今日の八・二二三%というようなことではこれは大変だなというような考え方を私は持っているわけでございます。 しかも、これは先生に対して釈迦に説法でございますけれども、エネルギーを制する者はその国を制するというような古い言葉がありまするように、結局、日本のエネルギーというものが外国のエネルギーに全面的に頼ることによって御存じのようにオイルショックのような問題が起きてきたということを考えますると、やはり国内の純然たるエネルギーの確保という問題については、私どもはもっともっと真剣に、少なくとも二〇%以上のエネルギーは持つべきである、こういう考え方を持っておるわけでございます。 そこで、二点目にお伺いしたいことでございますけれども、先ほど来産炭地域の問題についてもお触れになりましたけれども、御案内のように、産炭地域の市町村でいわゆる産炭法の六条指定、二条指定、十条指定の数というのは日本全国で二百十六市町村がございます。その人口の合計というものが、驚くなかれ、計算してまいりますと八百十三万二千五百一人であります。これに加えて、指定外の東京ほか大都市におけるいわゆる石炭産業の本支店というものの人口等も合わせますと、実はこれはびっくりするわけでありますけれども、約九百万人ぐらいの方々が大なり小なり、あるいはまた直接間接に国内石炭産業の影響というものをいまだに実は受けているわけであります、もちろん自治体もそうでございますが。そういうことを考えてまいりますと、石炭産業というものが壊滅するようなことにでもなりまするとこれは大きな社会問題となりまして、国といたしましても多額の財政支出を強いられるわけであります。 したがいまして、今回解決を迫られておりまするユーザーの鉄鋼と原料炭山との問題でありますとか、あるいはまた第八次政策の問題というのは、エネルギーの安全保障という問題もありますけれども、それより以上に地域の民生安定保障という面で考えていかなければならない、こう考えますけれども、参考人のひとつ御存念をこの問題に対してお伺いしたいと思います。
○参考人(向坂正男君) ただいま御説明になった国内炭の直接間接の影響については、どういう積算であるのかよくわかりませんけれども、大変広範な影響を持つという御指摘には驚いて、十分そこまでよく存じませんでした。 しかし、それはともかくとしましても、この第八次政策の策定におきましては、エネルギーの安定供給上の役割についての配慮はもとより、特にこれから石炭生産が縮小の方向に向かうだけに、産炭地域、これに十分配慮を行って八次策を策定しなければならないという強い認識を持っているということを申し上げておきます。
○工藤万砂美君 経構研などでも、経済構造を変革させなければならぬということで、産炭地においても万が一の場合は他の産業の誘致というようなこともいろいろ言われておりますけれども、現実の問題としましては、今日の経済情勢の中では到底、炭鉱が閉山をしたからといって他のそれに匹敵するような産業を誘致するなんということは全くもって私は不可能だ、かように実は思っておるわけであります。したがいまして、一番安全なことは、民生の安定ということを確保するためには、やはりどんなに国が支出を重ねても閉山を出さないで、かつては一市町村一炭鉱というような政策が通産から持ち出されたわけでございますけれども、それをやっぱり確保することがとりもなおさず民生の安定につながり産炭地域の振興につながっていくということを考えますときに、私どもといたしましても、ぜひとも閉山というものは差し控えていくような施策をぜひお考えおき願いたいし、また石炭政策の八次答申の中でもそれを重点にしてお考えおき願いたい、こう思うわけであります。 特に、三点目になりますけれども、実は九月の十七日と三十日に自民党政調会の石炭対策特別委員会というものが開催をされまして、その席上にユーザーでありまする鉄鋼、それからセメント、電力、さらにまた石炭企業の代表の出席を求めて事情の聴取を行ったわけでございますけれども、ユーザー側の意見と石炭企業側の意見には相当の隔りがございまして、先生が先ほど来仰せられているようなことでなかなかもって意見がかみ合わないということでございました。しかし自民党の委員会の委員全員の意思統一といたしましては、やはり第一に、ユーザー側の六月以降の三分の二支払い拒否というものは従来のいわゆる商取引の慣行から甚だしく逸脱したものである、その上に基準炭価制度という問題もあるわけでありますので、かつまた原料炭山がこの支払い拒否に遭って今すぐにでも倒産をするというような状況にあるわけであるから、何としてもひとつこの際はユーザー側は譲歩すべきである、こういう意見の意思統一がなされたわけであります。 それから第二点では、第八次政策以降というものは電力炭に主力を置くことはもちろんでありますけれども、八次政策以降ですね、その後はもちろん電力炭志向になりますけれども、八次政策以降といえどもやっぱり電力炭のみで少なくとも一千万トンの生産規模を確保すべきであって、単に、先ほど来対馬委員も仰せられておりまするように、経済性だけにとらわれてこの政策というものは進めるべきじゃない、こういう強硬な実は意見の表明が行われたわけであります。 したがいまして、八次以降の答申は、もちろんその八次政策で論議をされるわけでありますけれども、審議会といたしましては、これらの意見を尊重して、八次政策の答申案をまとめる努力をこういう御意見に対してどう対処していただけますのか、その点についても御意見を賜りたいと思います。
○参考人(向坂正男君) 今、自民党の石特で出されましたいろいろな御意見につきましては、私どもも間接に伺いまして、十分そういう御意見に我々八次策の審議は配慮しなければならないというふうに考えております。 確かに、鉄鋼業界が六月から輸入炭価格並みしか払わないというようなことはこれまでに比べますと異例の行動でございますから、できるだけこれを正常な状態に戻したい、そういう意味で、先ほど申し上げたように、六十一年度の基準炭価設定の問題について例年に比べますと早目に需給・価格部会で取り上げた次第でございまして、その後の経過は先ほど申し上げたとおり、基準炭価問題及び六十一年度の引き取り量についても鉄鋼業界と石炭業界の話をできるだけ早く調整したいという努力を進めているところでございます。 それから八次策以降の問題につきましては、いろいろ御意見があることは承っております。これは需要業界の方からもありますし、ただいまのように自民党の中でもそういうような意見が出たということも伺っております。ただ、今のところはとても、八次策がなかなかまとまらない状況でございますから、その先の問題まで考え検討している余裕というか、そういう状況にはございません。ただ、私どもは産炭地への深刻な影響、特にここでもし閉山が出て炭鉱労働者の失業が発生したときに、これまでの閉山に比べまして非常に再就職が困難であるという状況をよくわきまえ認識しておりますので、できるだけ閉山が、あるとしても分散的に、一時に集中しないようにということが八次策の検討小委員会の中の意見でございます。 したがって、石炭鉱業の特性として、需要が減ってきて生産を落とさなきゃならないときには、普通の工場みたいに六割操短でいくとかそういう手だてがございませんから、生産縮小、需要の縮小に伴ってある程度の閉山が出ることは避けられない。現存炭鉱全部維持しようということも難しい情勢になってきていると思いますが、閉山が起こったとしてもできるだけ集中的にならないように、また、先ほどの八次策以降の問題の御指摘ございましたけれども、八次策の中でやっぱりこれだけの炭鉱はどうしても残すといういわゆる歯どめ、これはしっかりやらなければならない、そういう意味で需要業界との十分な合意を図りたいというように考えております。
○工藤万砂美君 八次政策以降といえども一千万トン以上を確保すべきであるというような御意見は、少なくとも八次政策の中で、よりそれ以上のものを確保すべきであるというような意見を踏まえての実は討議であったわけでございますので、当然八次政策の中ではとても、一千万トンも危ないし、八百万トンになるかもしれない、六百万トンになるかもしれぬというふうな御意見は、大変御無礼な話でございますけれども、私どもは聞く耳を持たぬというようなことでやっていかなきゃならぬ私どもの政治姿勢でございますので、その辺はお含みおきを願いたい、かように思いますのと、先ほどエネ庁長官がおっしゃいました——部長でございましたか、もう貯炭の面につきましても既に今飽和状態に来ておりまして、三分の一の仮払いということなものですから、納めるにも納め切らぬということで、実際にはもう三百万トン以上も、三百万トンというのは既に九月の中ごろでございましたが、もう既に三百数十万トンに達しておりまして、金額にいたしましても五百億円以上のものがストックをされているという状態なわけでございまして、もうこれ以上の金繰りとしてはできないというのが各炭鉱の実態でございますので、何としても早くに鉄鋼との問題を御調整、御決定を下さるように御努力を賜りたい、かように思うわけでございます。 そこで私は、一千万トンとかそれ以上という問題に絡めまして、四点目でお伺いをして御意見としてお踏まえを願いたいことは、御案内のような電源開発株式会社がございますが、これは電源開発促進法によって電発というものの使命というものが我が国のいわゆる産業の振興及び発展に寄与することを目的として制定されたわけでございまして、これは申し上げる必要もございませんけれども、裏を返せば電力供給の補完を行うということと同時に、国内の原料供給者である石炭産業の発展にも寄与する目的も私は含まれているというふうに申し上げられると思うわけでございます。その電発は、今日では御案内のようにもう七百六十万トンの石炭を使用しているわけでございますが、そのうち三百三十万トンが国内炭であって、四百三十万トンが輸入炭でございます。だから、私どもとしては、石炭産業、そしてまた国内の産業を守るために、振興させるためにできたこの電発というものが、あえてコストを下げるために言うなれば外国の炭をたかなきゃならぬというところに私は妙な矛盾を感ずるわけでございます。 しかも電発というのは御案内のように近年民間企業になりました。しかし民間企業といいましても国がその株式の七二・三六%を持っているわけであります。したがいまして、国の発言権というものは従来と同じように変わらない、いわゆる公益企業としてこれを継続しまた手を入れていかなきゃならないと思うわけでございます。したがいまして、企業として収益を上げて発電コストを低廉にするということは当然でございますけれども、しかしながら、コスト主義に徹する余り国内炭の縮小とかあるいはまた減少とか、そういうことを考えることは、これはまた私どもとしては許されないことであると存じます。 しかも六十年度の決算書を見ますると、ここにございますけれども、余剰金として七十七億百六十九万六千円という余剰金を出しておるわけでございます。だとしますると、今すぐ約七十万トンを国内炭に切りかえても余りあるということになってまいりますですね。したがいまして、原料炭山をさらに電力炭に銘柄を変更するとか選炭比率を変えていくというようなことができる炭鉱については、できるだけ私は電発にお引き取りをいただくような方策をとりながらできる限りひとつ閉山を阻止していく、こういう政策をとらざるを得ないのではないかしら、こう思うわけであります。 先ほど冒頭に先般の視察の経過が報告されましたけれども、その中にはちょっと含まれていませんでしたようですが、原料炭山でもいわゆる電発に対する電力炭に切りかえる可能性はあるのかという私どもの質問に対しましては、十分それは対応できる、しかも炭価の面につきましても十分採算がとれるような方法でこれはお取りいただくとすれば原料炭山としても大変助かるし、これは将来に残された我々の生きていく唯一の道である、こういうような御要請もございましたし、また炭労からも、ぜひこれはひとつ取り上げていただいて、電発にお引き取りいただいて、そして閉山を阻止していただきたい、強い要請が実はあったわけでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、今すぐ七十万トンをお取りいただけるというのは電発でございますから、できる限り八次政策の中で原料炭山を電力炭に切りかえさせていただいて、そして電発にお取りいただくと。こういうことと同時に、コストが上昇するだろうと、電発自身の、発電コストというものがですね、平均のいわゆる電力料金よりも売電価格が高くなった場合には、先ほどもお話がございましたような西ドイツで行われているいわゆるコールペニヒ制度の準用といいますか、それに似たような形で九電力で多少は御負担をいただくと。それは即、公益企業でございますから、国民全体でそれは御負担を申し上げるということになるわけでございますので、決してこれについては九電力といえども拒否する何物もないと私は思うわけでございます。 しかし、その補てんというものが大変であるし、これ以上は補てんができないというようなコストになった場合に限り、これは国の方といたしましても石炭政策の中でやはり増加引き取り交付金のような制度を設けていただいてそれを補てんしてあげると。そういう方法でまいりますと、いわゆる従来のお引き取りいただいている一般の電力炭にプラスいたしまして、昭和六十六年度以降といえどもやはり千三百六十万トンぐらいの電力炭の引き取りは必ず私は可能であると思うわけでございまするけれども、このことはもちろん政策を決定するための基本的な問題でありますけれども、これはひとつ審議会の先生といたしましても、この面についての御意見がございましたならば承らしていただきたいと思うわけであります。
○参考人(向坂正男君) 国内炭の引き取り問題につきましては、最終的な詰めに入る段階でこの原料炭の問題が起こりましたので、原料炭問題を片づけるところに今までのところ集中しておりまして、一般炭を電力がどの程度どういう形で引き受けてもらえるかという話は検討小委員会としてもまだ詰めておりません。もちろん、審議の過程で電力業界からこの一般炭の引き取り問題に関していろいろな御要望を承りました。しかし、それ以上さらに最終年度までにどのくらい引き取っていただくか、それが電力業界の中でどういう配分になるのか、そういう問題については検討小委員会としてはこれから、原料炭の問題が片づけばこの問題の検討に取りかかりたいというように思っておりまして、今の御意見参考にいたしたいと思います。
○工藤万砂美君 私は今、先走ったような意見を申し上げたというふうにお受け取りになられますと非常に困るわけでございますけれども、原料炭山の皆さん方は、第八次政策の中で逐次これは引き取りをゼロにされてもやむを得ぬといったような非常に苦しい立場でもって鉄鋼業界にもお話をされているわけでございます。しかし、そうはおっしゃいましても、現地におられる炭鉱の方々や原料炭山の従業員の方々や産炭地域の方々というのは、それじゃ、あとの四、五年で完全になくなってしまうのか、こういう危惧の念をお持ちでしょうし、また鉄鋼業界といたしましても、八次政策の中でゼロにするということであれば、例えば初年度、六十二年度に全面的に引き取りを拒否するということだって決して不可能な問題ではないというふうにお考えになるかもしれません、ユーザー側といたしましては。だから段階的にスローダウンでやっていくなんということが、あるいはスピードアップされるというような危険もあるわけでございますよ。 そうしますと、それに相対応して次善の策として、これはやっぱりその電力炭に対してのいろいろな問題を今から討議をしていただいて、原料炭山といえどもこういう方法でやれば何とかして生きていけるのだよと、こういう御意見が出てまいりませんと本当に原料炭山の方々は希望を失ってしまうということがございますので、あえて先走ったような意見でございますけれども申し上げた、こういうことでございまするし、さらに産炭地である九州と北海道でございますけれども、北海道なんていうのは御案内のようにNOxもサルファも非常に少ない。〇・三から〇・六ぐらいです、最大が、サルファなんかは。九州は多少多いのですけれども、九州の炭と北海道の炭とミックスしてやれば今の電発でもって引き取っていただいているような石炭は優につくれるわけでございますから、私は両方助けていただくについてはそういう方法がいいと思うわけでございます。 そこで、最後でございますけれども、通産当局に提言させていただきますけれども、鉄鋼と石炭というのは不可分な関係にありますが、鉄鋼の言い分は、急激な円高で営業不振に陥った事情等から、国内炭の三分の一は従来の内外炭の格差であるけれども、残りの三分の一は円高政策のあおりであるから価格の三分の一は国が見るべきであるといった主張が実はなされたわけであります。しかし実情は理解できるといたしましても実施はなかなか困難だと思いますので、総合経済対策の中で鉄のいわゆる利用というものを最優先すべきであって、鉄利用プロジェクト等の設置を行って直接鉄鋼産業の振興を図りながら、側面では石炭産業支援の方策を考えながら早急に対策をとるべきと考えますけれども、これについての御意見のほどを政府側から伺っておきたいと思います。
○政府委員(野々内隆君) この鉄鋼と石炭の問題、基本的にはやはり鉄鋼業界が不況であるという点に基本的な問題があるわけでございますので、私どもとしましては、何とか現在のこの不況を克服するための対応をとりたいということで、できるだけ早く補正予算を国会に上程し景気対策をやりたいというのが基本的な考え方でございまして、当然その中には例えば学校の建てかえというような、あるいは住宅建設というような鉄鋼の需要あるいはセメントの需要というものに結びつく事業もかなり盛り込んであるというふうに考えておりますので、まず補正予算を提出し景気をよくするということに重点を置いて景気対策を進め、それによって需要業界の国内炭への対応というものを従来よりもソフトに持っていきたいというふうに考えております。
○工藤万砂美君 先生どうもありがとうございました。
○馬場富君 私は、今回の委員派遣の報告の中にもありましたように、北海道電力の泊原子力発電所が原子力発電として一号機、二号機が建設中でありますが、北海道は先ほどからも質問が出ておりますように良質な産炭地でもございますし、その需要をやはり現地では強く必要としておりますが、北海道で初めて原子力発電を建設する理由についてまず御説明願いたいと思います。
○政府委員(野々内隆君) 第一次石油ショックが日本の一次エネルギーの七八%が石油に依存をしておるというそういう現実のもとで起こりまして、あのような国を挙げての問題になったわけでございます。 私どもはエネルギー源の多様化ということをエネルギー政策の中心として進めておりますが、電力におきましては、その中で安定し、かつ低廉な原子力というものを中心に電源の多様化を進めております。昨年の発電の中で二六%が原子力になり、石油は二五%、そのあと石炭という形でございますが、今後とも原子力、石炭、LNGそれから石油と、こういうもののウエートをベストミックスという形で電源の多様化に努め、コストの低減に努めてまいりたいというふうに考えております。
○馬場富君 その答弁でございますが、安全で低廉な原子力ということでございますが、特に安全という面につきまして、地元の人々もそういう点については心配の声もあります。そういう点で、日本の原子力発電の安全性の現状とあわせまして周辺に対する安全対策について説明願いたいと思います。
○政府委員(野々内隆君) チェルノブイリの事故が原子力の安全性に対する不安というものを引き起こしたことは事実でございまして、大変残念なことに思っております。 私どもは、あの事故が起きますと直ちに日本国内の発電所のある地元あるいは計画された地点への情報を流すあるいは説明をするということに重点を置いて、国内的な世論というものに対して日本がいかに安全に留意をした発電所の管理を行っているかという御説明をいたしましたが、日本の原子力発電所につきましては、電気事業法あるいは原子炉等規制法に基づきまして設計の段階から建設、運転に至りますまで政府の監督のもとに、また一定の基準のもとに施行されておりまして、この中身は私は国際的に十分誇り得る内容であるというふうに考えております。しかし物事には絶対というものはないということで、日々前進するということを念頭に置いて、より安全な対応を考える必要があると思っておりまして、アメリカのスリーマイルの事故あるいは今回のソ連のチェルノブイリの事故というものを教訓といたしまして、より安全を目指した原子力発電所の建設と運営に努めてまいりたいと思っております。
○馬場富君 言われますように、原子力は日本の長期エネルギー需給見通しの中でも大きな役割を果たしておりますので、私はその必要性は認めます。ところが最近、今お話もありましたように原子力に関する事故がやはり大きなニュースとなって出ております。すなわち、今御説明がありましたが、ソ連のチェルノブイリ原子力発電所の事故、また、ここ二、三日はソ連の原子力潜水艦の沈没事故等、そういう原子力という問題につきましての事故が非常に国民の間で多くの話題を投げております。そういう点で多くの国民は原子力に対する大きな不安というものがあるんじゃないか、特に世界の中でも有数の原子力発電設備を持っております日本としてはこの事故をやはり他山の石としなければならない、こう思います。 そういう点で二、三実は質問したいと思うわけでありますが、特にソ連のチェルノブイリ原子力発電所の事故については史上最大の事故とも言われまして、今なお完全な処置ができてない現状のままに進行されております。この原因は何であったかという点につきまして、IAEAにおける専門家委員会のソビエトの報告がなされておりますが、その報告書をもとにして説明願いたいと思います。
○政府委員(野々内隆君) 今回の事故につきましては、まだ完全な調査が行き届いていない点もございますが、御指摘のIAEAのレポートによりますと二つあろうかと思います。一つは構造上の問題、もう一つは運転上のミスの問題、二つあろうかと思っております。 構造上の問題で大きいのは、原子炉の温度が急速に上昇いたしまして冷却水の中で泡が急速にふえてまいりますと、それによって原子炉の反応がふえるという、これをボイド係数と言っておりますが、そういう設計になっております。我が国の場合はこのボイド係数がマイナスでございまして、急速に泡がふえると原子炉の反応度が落ちるという自己抑制型になっておりまして、この辺が一つ大きい違いかと思います。そのほか格納容器というようなものがソ連の場合はなかったという点もあろうかと思っております。 他方運転面では、今回は実は電源がとまった場合にどういうふうに対応するかということを実験したわけですが、結果的にはこの実験は成功であったと言われておりますが、実験の段階で原子炉の出力を下げる必要がありますが、そのときに次々と安全装置を切ってしまったという、ここが大問題でございまして、裸で赤ん坊を風の中にほうり出したようなものでございまして、日本の場合には、実験をやるときにもそういうようなことは全く認められておりませんし、また一度に安全装置を全部切るというようなことは構造上もできない仕組みになっております。 したがいまして、構造上あるいは運転上のミスというものが今回の原因であったんじゃないかというふうに考えておりまして、今後さらに照査が進みますといろいろ出てくるかもしれません。例えば、爆発が二度ございましたが、それが一体水素によるものか水蒸気によるものかというようなところ、まだはっきりしない点もございまして、今後、調査が進むと思いますが、そういう調査結果を踏まえて、教訓とすべき点は取り入れて、より安全に努めてまいりたいと思っております。
○馬場富君 私も、かつて商工委員会等で日本の原子力発電の管理について随分現状を視察したこともございます。そういう点で、今説明にも出ましたし、新聞や報告書でも出ておりまするこの原子炉の作動中に実験を行ったということが非常に引っかかってくるわけです。あれほど安全性を大事にする原子炉の作動中になぜ実験を行わなきゃならなかったかという問題につきまして、僕はここが一つのポイントであると思うのですが、ずっとこのレポートやいろんな説明を聞いておりますと、その実験とは、もし停電した場合、タービン等が作動停止した場合の補助的な考え方として、そのタービンの空回りの動力を利用してその発電力をポンプ等の操作に使おうとしたというそういう実験であるというふうに、私は皆さん方から説明を聞いてそのように理解しましたけれども、これは僕は日本の原子炉にはないと思います。ところがソビエトのチェルノブイリ発電所のこの原子炉にはそういういわゆる予備的装置が、停電した場合にそのタービンの空回りの動力を利用してその電力がポンプの作動に影響するようなそういう構造があるかどうか、これを御説明願いたいと思います。
○政府委員(野々内隆君) 実験の目的は御指摘のようなことであったかと私どもも聞いておりますが、問題はタービンがとまった場合に直ちに予備電力が作動をすればそういう問題が起こらないわけですが、私どもの聞いている情報では、どうもソ連の原子炉につきましては予備電力の作動に時間がかかる。したがって、タービンの弾みを利用して水を送るということを考えざるを得なかったのではないかというふうに思っておりますが、日本の場合には、電源がとまりましてもしばらくは水が二次系に入るという構造になっておりますのと、予備電力が幾つもつくってありまして、直ちにそれが作動をするという二つの状況になっておりますので、こういう実験は日本としては必要がないというふうに考えております。
○馬場富君 この事故のときに運転ミスとかあるいは規則無視とかいう言葉が出ておりますが、結局停電や何だか起こらなかった、平常な作動をされた、その場合に、実験ですから、一つはそういうものが起こったとしたらという想定のもとに実はそういう空回りのタービンを利用してのそういう実験が行われた、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(野々内隆君) そういうふうに理解をいたしております。
○馬場富君 では、日本の原子炉については、停電やそうした場合に、先ほどもないと言われましたが、どのような方法でこれが行われますか。
○政府委員(野々内隆君) 二つございまして、一つは一時的に電気がとまりましても余力で水の流れが続くという構造になっておることと、もう一つは予備電力が直ちに作動をしてそれをカバーするということと、二つの方法によりカバーできることになっております。
○馬場富君 日本では、そういうことは結局実験の上においても、もちろん実験もないだろうし、そういうことがない、こう見てようございますか。
○政府委員(野々内隆君) そう考えてよろしいかと思います。
○馬場富君 それではこういう事故は日本においては起こらないと思います。 だが、御存じのように、今の原潜でもそうですが、沈んでしまって後はどうなるかという問題もあるし、それからチェルノブイリの問題も、やはり原子炉が一たん事故を起こした場合にこれを解消する対策というのは今はないわけです。そういう点で非常に、事故というものが起こってしまってからでは遅いという点で、今チェルノブイリと同じ事故が日本で起こるとは言いませんが、やはり今度の問題も操作する人によって問題が起こったわけです。全部が全部の人に起こるわけではなくて、その人によって起こったわけです。だから、そういうことを考えていきますと、日本の原子炉におきましても、やはり人的なミスというのが起こった場合には、今安全だ、安全だと言っておったって、今のチェルノブイリのような事故は別としまして、ほかの事故だって起こらないとは限らないから、そういう問題につきまして、これをひとつ訓練する科学技術庁と通産省の対応についてお尋ねいたします。
○政府委員(野々内隆君) 御指摘のように、設備が巨大化し複雑化するほど人的ミスというものについて十分注意しなきゃならないということかと思います。したがいまして、この対応は二つあろうかと思います。 一つは、人的ミスを起こそうとしても起こらないような設計にするということが一つかと思います。例えば、ソ連の事故の場合には制御棒を全部抜いてしまったわけですが、日本の場合には一度に全部抜くというようなことはできない状態で、一本ずつ抜かなきゃならないというような構造にする、あるいはどこか間違った操作が行われた場合には直ちに他のものがカバーをする、他のシステムがカバーをするというように、人的ミスが起こらないようにする方法と、もう一つは操作員の訓練、この二つによってそういう問題が起こらないように対応をしていきたいというふうに考えております。
○政府委員(佐々木壽康君) 数年前に米国でスリーマイルアイランドの事故が起きたわけでございますが、その際にやはり人為的なミスというものがございます。これにやはり早急に対応しなきゃいけないということで、その後日本といたしましても、設備の改善とか運転員の訓練、そういったことを充実させてまいっておりますし、また運転手順書等につきましても見直しを行っておりまして、全般的に運転管理体制の強化を図ったわけでございます。 それから、先ほどエネ庁長官の方から御説明がありましたように、装置といたしましても、インターロックシステムといったようなものがございまして、安全上非常に問題になるような機器につきましては、簡単に運転者がその安全系を外すとかそういったことができないようになっております。 いずれにいたしましても今回の事故は非常に重大な事故でございますので、私どもは、原子力安全委員会に設けられております特別の調査委員会がございますが、そういうところでさらに詳細に何か問題がないかということを検討していただいておりまして、その結果も踏まえまして必要な対策があれば講じたいと思っております。
○馬場富君 先ほど長官が言われました、やはり複数による、一人の人のミスはもう一人によってチェックしていくという一つの考え方が述べられましたが、私はやはりそういう角度でもう一遍日本の原子力発電、それを含む原子力関係について総点検すべきであると思います。この点どうですか。
○政府委員(野々内隆君) いろんなチェック機能というものが人的あるいはシステム的にできていることによって、全体として安全運転を確保するという方向にいきたいと思っております。
○馬場富君 次に、IAEA専門家会議が去る八月二十五日から二十九日にかけて開催されまして、住民数十三万五千人を対象に、世界各国の科学者、医者がソ連と協力して放射能被曝者の治療、長期的な影響調査を行う国際プログラムの準備を進めているとアメリカのゲール博士は語っておりますが、その後どのようになっているのか厚生省にお尋ねするとともに、また、現在最高の医療技術を提供し、被曝を救済し、あわせて唯一の被爆国である日本の立場からもまさに時宜を得た国際協力の私はできる場であると思いますが、この点いかがでございますか。
○説明員(羽毛田信吾君) お答えをさせていただきます。 先生今お話しのございましたように、ソ連のチェルノブイリ原発事故の対策につきまして国際的に協力を行うためにアメリカのゲール博士等が世界の放射線の専門家に呼びかけられまして、七月の八日でございましたけれどもロサンゼルスで会議を開催されました。それを踏まえてソ連側への援助計画の内容を検討され、その成果をまとめましてゲール博士自身が構想されまして援助計画を提案されるという動きがございまして、新聞報道もそのようなことの動きが報道されたものと思っております。この提案につきましては、その後具体的内容につきましてソ連側とさらに話し合いを進めるという段取りになっておったようでございますけれども、ソ連側の都合などによりまして現時点ではまだその後の会議というものは行われてないというのが現時点での段階だというふうに承知をいたしております。 それで、このゲール博士の呼びかけられました世界の専門家、十八人でございますけれども、この中には我が国からも放射線影響研究所の重松理事長が参画をいたしておりまして、放射線の人体影響に関しまする専門家ということでこのプロジェクトに積極的に参画をして、今その中に入っておられるというふうに承知をいたしております。私どもといたしましても日本の科学者が事故対策に協力できるということは大変結構なことであるというふうに考えておりまして、本件の今後の推移をぜひそういう観点から見守ってまいりたいというふうに思っております。 それから、そういうことも含めまして、我が国がこの被曝者の医療等の面におきましては世界の唯一の被爆国ということで非常に多くの科学的知見等を持っておるという先生のお話、そのとおりでございまして、今回の事故につきましても我が国のソ連への援助申し出ということで、事故発生直後の四月三十日には総理大臣から、あるいは五月一日には駐ソ日本大使からそれぞれソ連側に対しまして日本として医療分野等についての協力の用意がある旨を申し出ておるという状態でございます。これに対しまして、現時点ではソ連からの正式要請というものは受けておりませんと聞いております。 厚生省といたしましては、やはりこの原子爆弾被爆者の医療対策ということにつきましてのこれまでの科学的知見というものが今回の事故対策につきまして役立つものであるというふうに考えておりますので、その政府間での援助ということが行われる場合には、関係省庁とも十分相談をいたしまして、ぜひ積極的にこの援助といいますか、協力を行っていくという姿勢でやってまいりたいというふうに考えております。
○小笠原貞子君 国内炭を保護し、そしてその復興を図るということは、実質的なエネルギー基盤の確立と産炭地域の振興、そして働く労働者の家族、雇用の問題、生活を守るという観点から考えても非常に重要な問題となっております。ところが最近、異常な円高、国際的エネルギー資源価格の低下など一時的な経済的要因、これをもって前川レポートのように国内炭の大幅縮小を図るというような方向は、断じて我々日本共産党としては容認できないという立場をはっきりさせて、以下具体的に質問をしていきたいと思います。 当面、緊急対策として、また現在の第七次政策途上の問題として極めて重大な問題といたしましては、炭価と国内炭の引き取りという課題がございます。 まず炭価について伺うわけですけれども、基準炭価はどのようにして決められるか。時間がございません。私の方で申し上げますと、石炭鉱業合理化臨時措置法第五十八条、これによって通産大臣は、毎年、石鉱審の意見を聞き、生産費、輸入価格、他の燃料価格その他経済事情を考慮して決める。つまり大臣が決める、こうなっておりますす。このとおりでよろしゅうございますね。
○政府委員(高橋達直君) おっしゃるとおりでございます。
○小笠原貞子君 今年度の基準炭価はまだ決まっておりませんね。
○政府委員(高橋達直君) おっしゃるとおりでございます。
○小笠原貞子君 ところが鉄鋼は、従来の炭価を六月から三分の一しか払わないよと、こう言って今そのとおりになっていらっしゃいます。しかも三分の一でないと国内炭を引き取らないと、はっきり言えばおどしをかけているというふうに言わざるを得ないと思うわけなんです。法の仕組みからいえば石鉱審の答申を受けて大臣が決定する、今おっしゃったとおりですね。その大臣が決定する前に勝手に三分の一の価格でなきゃ引き取らないよということが決められるのでしょうか。
○政府委員(高橋達直君) 先生御指摘ございましたように、毎年度の炭価を通産大臣が審議会の意見を聞いて決定するわけでございますが、今年度についてはまだ決めておりません。これは審議会の意見を伺った上で決める仕組みになっておりまして、その審議会の委員の中に鉄鋼代表も入っておられますし、また石炭代表も入っておられるわけでございますけれども、意見の隔たりが大きいわけでございまして、いまだ調整ができないわけでございます。 一方、御指摘の鉄鋼業界の引き取りにつきましては、六月から輸入炭価格並みということで支払いを行っていると承知しているわけでございますけれども、これにつきましては今年度の価格が正式に通産大臣の決定となった段階ではその決定に従うものと期待をしております。
○小笠原貞子君 私は簡単にはっきりさせたいのです。 価格は大臣が決めます。そして、これを鉄鋼が三分の一でしか買わないというのはどこも決まってないことですね。どこもはっきり決まってないのに鉄鋼が一方的に三分の一でやりますということをやっているという事実は、これ否定できない、そう思うわけです。そうですよね。勝手に鉄鋼の意向でやっているんですよね、おたくも困っていると思うけれども。そうでしょう、鉄鋼の意向でしょう。
○政府委員(高橋達直君) 昨年度までは、その前年度の価格を基準に鉄鋼は支払いを行っているところでございます。
○小笠原貞子君 今おっしゃいましたけれども、通常この価格が決まるというのは六月、七月ころに決まる。遅いときでは、昨年は年末になったり、また年度末まで持っていかれてそれでやっと決定というふうになっておりますね。しかし今までは炭価が前の価格でそのまま一応払っていたわけですよね、今までは。今度払わないですね。今度三分の一しか払わないと、こういうところが問題だと私は再度指摘したいのです。 ところで、ほかも海外炭も買っているだろうけれども、ガスやその他のユーザーも大変だと思うのですよね。大変だという立場に立てば同じですね。ところが、三分の一しか払ってないというようなところ、ほかにありますか。
○政府委員(高橋達直君) 現在までのところ、鉄鋼業以外にはないものと承知をしております。
○小笠原貞子君 それは当たり前なんですよね。つまり鉄鋼だけがさっき言ったように法の仕組み、手続からも逸脱していると。しかも今は——ここの問題はっきりさせたいのですけれども、今は第七次政策の途上ですよね、八次が出るまでは。第七次政策の途上なんだと。第七次はどういうふうに書いているかといったら、「国内炭生産側の条件その他の諸事情を考慮し、当面これまでの慣例に沿った価格での引取の協力を求めることが適当である」、こうお書きになりましたよね。だから今までは決められた値段を出していたと。ことしになって、いろいろ理屈をつけるけれども三分の一しか払わないと。また、今年度から引き取りを鉄鋼の方は拒否するということを言っているし、炭価を三分の一というふうに一方的に値切りをしているということも、これは石鉱審の第七次政策からいってもちょっと行き過ぎでございますよね。だから毅然とした態度で御指導を願いたいということなんです。 そのためには、どこで問題がこんがらかっているかと言ったら、今第七次答申の政策の途上ですよ。だから第七次政策の立場に立ってやらなきゃならないのに、第八次と混同しちゃっているわけですよね。この第八次はまたいろいろ具体的な問題が出るだろうと思う。それなのに第八次のを今に混同しちゃって、そして三分の一と値切られた、これ以上だったら引き取らないよというふうに言われれば、これもうしようがないなというように、私は非常に弱腰だと思う、通産省としても。だからそういうところをはっきりさせたい。つまり第七次途上のことなのに、鉄鋼の方はもう海外炭が安いんだよ、これをおどしの武器にしているということですよね。だから、その辺のところは通産省としても、今第七次なんだよと、第八次はこの次の問題としてはっきりさせる。今第七次の途上でこういう勝手なことをされていくということに毅然とした態度をとらないから問題は長引いて、そして炭鉱は大変苦労させられるということだと思うのです。きちっと切り離して調整すべきだというふうに私は重ねて申し上げたいと思いますけれども、どうですか、やる気ありますか。
○政府委員(高橋達直君) 毎年度の炭価は審議会の御意見を聞いて決めるわけでございますので、鉄鋼業の意見も十分調整した上でないとなかなか決めることが困難でないかと思っております。御指摘のように第七次政策の期間がことしが最後でございますが、鉄鋼業の方の主張といたしましては、状況が変わったということで自分たちの経営が極めて困難になってきているということから今度の対策はとっているわけでございますので、いわば異例の事態ということでございますので、私どもといたしましては、審議会にお願いいたしまして一刻も早く御調整いただこうと思っておりますけれども、やはり需要家の理解と協力を得た上でこれを実施していくのが筋かと思っております。
○小笠原貞子君 状況が変わったということで法を曲げて勝手に決めていいということにはならないと思うのですよね。状況が変わったと言えばほかだって大変ですよ。さっき言ったほかの業界も大変だけれども、ほかはやってないのに鉄鋼だけやっているというのは、やっぱり鉄鋼、大独占企業がおどしかけて、強い者がおどしかけているのじゃないですか。鉄鋼大変だと言うけれども、山の方がもっと大変ですよね。もう山の皆さん、きょうもどこからか知らないが来ていらっしゃるけれども、鉄鋼大変なんというものじゃない。山はもうまさに死活の問題にかかわっているということを口じゃなくて本当に理解していただきたい、そう思うわけなんです。鉄鋼は私に言わせればやっぱりおどしだと思うのですね。 例えば、大変だ、大変だ、こう言うけれども、新日鉄の場合調べてみましたら、輸入炭、六十年度と六十一年度を比べますと、輸入炭は円高ですから安くなりました。この円高の分というのがトン当たり三千五百円安くなっている。そうすると、新日鉄が買い入れる二千三百七十五万トン、これを掛けますと八百二十九億、円高で新日鉄は外国炭買い入れるのに八百二十九億メリットがあった、これもう公表された数字ですから、これプラスになっているわけなんです。じゃ逆に、国内炭高くてもう買い入れられないなんて騒いでいるけれども、この国内炭が前年度と比べてどれだけ価格差が広がったかといいますと、六十年度と比べますと、トン当たり三千五百円、これ負担になっているわけです、確かに、前年度と比べると。しかし、三千五百円、国内炭使用量百二十一万トン、これ掛けますと四十二億というのがデメリットですよね。メリットの方は八百二十九億ですよ。そして、デメリット、損だというのが四十二億なんですね。 大変だ、大変だって、メリットの方、全然言わないじゃないですか。こういう鉄鋼業界、ずるいと思うのです。これ全国的な鉄鋼業界でいえば、益に、メリットになった分は二千二百五億円ですよ。そして円高によって高くなったと騒いでいる損した分が百八億ですよね、これ全部公表された数字から見ますと。しっかりしてくださいよ。鉄鋼は強い、確かに。鉄鋼だからかたいけれども。その辺のところはきちっとした立場で私はこういう数字から見てもやっていただかなければならないと思います。よろしく、そういう立場でしっかりやってください。やりますね。
○政府委員(高橋達直君) 今年度の炭価の問題につきましては、審議会に御審議を急いでいただきたいと思っております。 ただいまの先生の御指摘でございますけれども、鉄鋼業の言い分によりますと、製品面でかなりの円高によるデメリットを受けておるということで、経営の面から見ますと膨大な損失をこうむっているという主張がございます。その辺もありますし、また先生の御指摘もございます。その辺を審議会で十分に御議論をいただきたいと思っております。
○小笠原貞子君 いろいろあるけれども、あなたは通産省なんだから山のもっと言い分聞いて。山もっと大変だというのも聞いてください。しっかりやってくださいよね、御苦労だけれども。 最後なんだけれども、これ国鉄の民営・分割というのが今大きな問題になって、これとの関係なんですけれども、運輸省は先日、貨物輸送量の資料というのを提出してくれたわけですわ。これを見ましたら、びっくりしたんですが、国内炭輸送量見通しが六十年度の四百三十六万トンから六十二年度は二百九十万トン、六十三年には百三十万トン、そして六十四年には急激にダウンしてわずか十万トンしか見込んでいないわけですわ。一体なぜなんだろうか。これは第八次答申で、全国で三つしか山残らないということを想定しているということからにこういうふうな見通しを立てたと思うのです。これはちょっと大変なことですね。先取りがはやっているけれども、政府・運輸省がこんな見通しをするということは、これは大きな問題だと思うんです。向坂さん、石鉱審として、先取りしてこういうふうに運輸省までが見通しを減らしているというようなことをどう考えられるか。 それから通産省、こういう運輸省のもうどんどんどんどん、三つしか残さないというようなことについての見通しについて御相談があったんでしょうか。時間がないから簡単に要領よくお答えをいただきたいと思います。
○参考人(向坂正男君) 新聞の写しをもらって初めて私は知った次第でございます。 それで、八次策の検討小委員会としては、どういうテンポで生産の縮小をするのか、一体どこの山がどこへ供給するのかというようなことはまだ全く結論を得ておりませんので、ある仮定のもとで運輸省が計算、試算したものということで、検討小委員会としては別にこの内容を特に問題にするということはいたしません。
○小笠原貞子君 相談あったかなかったか。
○政府委員(高橋達直君) 当方に本件について相談はございませんでした。
○小笠原貞子君 相談なしにもう全部ですよ、民営・分割だって法律通らない前にどんどんどんどん先取りをやっちゃって、既成事実つくっていって。本当にけしからぬと思うんだけれども、私はここで、運輸委員会じゃないから、また後の国鉄の方でやりますけれども、こういうことを勝手に見通しを立てているというのがこれは大きな問題になってくるわけです。 と申しますのは、六十四年には十万トンまで落として見込んでいるということになるわけですね。今度新しく貨物会社というものをつくっていくわけだけれども、その貨物会社の収支見通しというものが全く狂ってきてしまうということになるわけですよね。もうどんどん、これが最低十万トンに見込んでいるけれども、ふえるからいいでしょうなんというような意見もあるかもしれないけれども、ふえるのは結構ですよ。だけれども、ふえてひとりでに石炭動いてくれるわけじゃないんだから、これ運ばなきゃならないんだから。そうすると人件費から物件費からいろいろなものがかかる。これがもしも、まだ決まってないんだから、今私は七次ということが頭にあるんだけれども、国内炭を守らなければならないというような立場で、七次答申のままで千八百万トンということの輸送体系というものを考えれば、これは人数だけでも一万二千五百人ふやさなきゃならないという形になってくるわけですよね。そうすると、今出されている貨物会社の収支見通しというのは全く狂ってくるというような大きな問題を含んできているわけですわ。だから、きょうあえてそのことも申し上げました。 おたくにも相談ない。それから石炭審の方も相談ない。もう相談するのは上の方ばかり向いちゃって、石炭つぶすということからこういう結果になってきたということを考えますと、今日本の置かれている石炭の問題というのは、働く人たちが坑内に座り込みまでして頑張っているけれども、それだけでは本当にもう間に合わなくなってしまった。大きな大きな政治的な圧力でどんどんこんな先取りもやられてくるということになれば、やっぱり通産省としても、鉄鋼大変だ、だけれどもそれ以上に大変なんです、死活の道だと、今炭鉱は。そういう立場に立ってしっかりと御指導もいただきたい、毅然とした立場に立って調整をすべきであるということを重ねて、本当にしっかりやってくださいね。きょうは大臣のかわりなんだから、あなたは。だから、しっかり大臣にもお伝えになってやっていただきたいと思います。よろしくお願いします。
○政府委員(高橋達直君) 毅然とした態度でやらせていただきたいと思います。
○会長(浜本万三君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめます。 ─────────────
○会長(浜本万三君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 産業・資源エネルギーに関する調査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(浜本万三君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを会長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○会長(浜本万三君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後零時四分散会