環境特別委員会 第2号
- 発言数
- 4 件
- 登壇者
- 2 名
- 会派数
- 1
- 開催日
- 1986/11/26
会議録
○委員長(曽根田郁夫君) ただいまから環境特別委員会を開会いたします。 公害及び環境保全対策樹立に関する調査を議題といたします。 先般当委員会が行いました委員派遣について、派遣委員の報告を聴取いたします。関口恵造君。
○関口恵造君 委員派遣の報告を申し上げます。 去る九月一日から三日までの三日間、湖沼水質保全、自然保護等に関する実情調査のため、曽根田委員長、高桑理事、石井委員、渡辺委員、近藤委員及び私、関口の六名により、秋田県及び青森県への派遣を行いました。 日程の第一日は、秋田空港で同空港の環境の状況について説明を聴取、次いで秋田県庁におきまして、県の公害・環境行政の概況、八郎湖の水質の現況と対策、青秋林道計画と白神山地の保全の問題等について説明を聴取しました。その後、寒風山に赴き男鹿国定公園の管理状況を、また八郎湖において水質の状況を、それぞれ現地調査いたしました。 第二日は、八森町管内で青秋林道及び白神山地の現地視察を行いました。 第三日には、十和田湖町において、青森県の公害・環境行政の概況、十和田八幡平国立公園の管理状況及び十和田湖の水質の現況と対策及び青秋林道計画と白神山地の保全の問題について説明を聴取した後、十和田湖を現地視察いたしました。 以下、これらの調査事項のうち主要な点について報告いたします。 まず、八郎湖の水質の状況について申し上げます。 八郎湖は、かつて八郎潟と呼ばれていたころは、海と通じた汽水湖で、琵琶湖に次いで我が国第二の大きな湖でありました。しかし、昭和三十二年から始まった干拓により、現在、面積は四千五百ヘクタールと往時の二二%に縮小し、同時に、干拓農地の利水のために海との間が仕切られ淡水湖に変わっております。 昭和四十七年に水質環境基準A類型COD三ミリグラム・パー・リットル以下に指定されておりますが、近年における水質の状況は、四・七ないし一〇・〇ミリグラム・パー・リットルと著しく汚れております。また、富栄養化の指標である窒素、燐も高い濃度で推移しています。県当局におきましては、工場、事業場の排水の監視に努めるとともに、処理施設の改善、新増設、管理体制の強化等の指導を進めていくこととしております。また、流域下水道、農村集落排水施設、し尿処理施設の整備等の施策を講じているところであります。 次に、十和田八幡平国立公園の管理状況及び十和田湖の水質の状況について申し上げます。 十和田八幡平国立公園は、八甲田山を含む十和田湖地域と八幡平地域とから成り、総面積八万五千ヘクタールの我が国を代表する国立公園の一つであります。利用者数は年々増加の傾向にあり、五十九年には九百万人以上の人がこの地を訪れました。大規模な違法開発の事例は生じていないが、高山植物の盗採、残土の公園内放置などの違法事例や利用客による湿原の踏み荒らしが問題になっているため、パトロールの強化などに努めているとの説明がありました。 十和田湖は、かつては透明度二十メートル、全国二位を誇っていましたが、近年は汚染が進み、六十年度のCOD測定値は、水質環境基準AA類型の値一ミリグラム・パー・リットルぎりぎりにまで上がっています。汚染の進行する背景といたしましては、周辺の特定事業場から十和田湖に排出される日量三百二十トンの排水のうち、規制対象となるのは一事業場の五十三トンのみであり、残り八六%は未規制のまま排出されている実情にあること、観光客の入り込み数が年々増加していることなどが挙げられます。 県当局は、対象事業場の監視、指導の強化、未規制事業場に対する啓蒙指導、排水の湖への直接流入を避けるための地下浸透方式の導入などの対策を講じているほか、十和田湖特定環境保全公共下水道事業が昭和六十六年度の供用開始を目指して進められているところであります。汚れの特に著しい八郎湖はもとより、十和田湖においても、水質の改善を図るためにはなお一層の努力が必要であると思われます。 最後に、青秋林道計画と白神山地の保全の問題について申し上げます。 青森・秋田の県境に横たわる白神山地は一万六千ヘクタールという、日本では最大規模のブナの原生林が残されていることで知られています。この地域は、クマゲラを初め鳥類や哺乳類等の貴重な野生生物が生息する日本でも数少ない豊かな生態系が残されているところであります。青秋林道は、この山地を貫いて青森県西目屋村と秋田県八森町とを結ぶ全長二十九・六キロメートルの広域基幹林道で、木材生産と地域振興を目的として五十七年度に着工されました。六十年度末現在で、青森県側、秋田県側合わせて七キロメートルが既に開設されており、六十六年度の全線開通を目指して工事が進められています。 また、林野庁は本年八月、白神山地森林施業総合調査報告書を発表しました。それによりますと、この地域を伐採を行わない保全林、利用目的に必要な限りの伐採を行う自然観察教育林、伐採を行う施業林の三つに区分して取り扱う方針が打ち出されており、これに基づいて来年度からの地域施業計画を策定することとしております。 一方、環境庁は、この一帯を自然環境保全地域に指定すべく検討を進めており、青森、秋田の両 県も環境庁に対して指定の要望を行っているところであります。これに対して林野庁は、環境庁から具体的な協議があった段階で検討するとしております。 このたびの視察を通じて、白神山地は後世に残すべき貴重な地域であることが実感されました。このような地域での林道建設については、自然環境に及ぼす影響を最小限度にとどめるよう慎重な配慮がなされるべきであります。また、自然環境保全地域の指定につきましては、可及的速やかにその実現を図るべきであると感じた次第であります。 なお、青森県よりスパイクタイヤ対策の推進等についての要望書を、また現地の団体からも要望書をいただいております。これらの要望事項を会議録の末尾に掲載していただきたく、委員長のお取り計らいをお願いいたします。 以上、報告を終わります。
○委員長(曽根田郁夫君) 以上をもちまして派遣委員の報告は終了いたしました。 なお、関口君の報告中、御要望のありました青森県等からの要望事項を本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(曽根田郁夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 本日はこれにて散会いたします。 午後一時四十七分散会