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107回国会衆議院1986/11/28

本会議 第16号

発言数
17
登壇者
7
会派数
6
開催日
1986/11/28

会議録

原健三郎無所属

○議長(原健三郎君) これより会議を開きます。      ────◇─────  会期延長の件

原健三郎無所属

○議長(原健三郎君) 会期延長の件につきお諮りいたします。  本国会の会期を十二月二十日まで二十一日間延長いたしたいと存じ、これを発議いたします。  本件につき討論の通告があります。順次これを許します。伊藤忠治君。     〔伊藤忠治君登壇〕

伊藤忠治日本社会党・護憲共同

○伊藤忠治君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました二十一日間会期を延長する件に対し、反対の討論を行います。(拍手)  私は、今さらながら、会期を設定することの意義について考えさせられるのであります。会期内で議論が尽くされ、有終の結論を得ることが議会運営の理想であろうと思います。議論が交わされ、法案が成立すればよし、不幸にして廃案、継続となった場合は、それだけ法案に問題が多かったからであります。なぜそうなったのか、国民の前に国会審議の内容が明らかになり、ひいては国民に開かれた国会として機能することにもなると考えるのであります。  今臨時国会は八十日間の会期で始まりました。今日までに国鉄改革法案などは成立を見ました。しかし、現在審議中の老人保健法改正案の会期内成立が困難と見るや、政府・自民党は会期を延長して法案の成立を図ろうとする。これは、つくった土俵では自分に不利と見たら土俵を広げて勝負に勝とうとする、全くフェアでない、理不尽なやり方にほかなりません。(拍手)そこには、数の論理で押し切ろうとする強権的姿勢が如実にあらわれているのであります。  我が国会は、一定の会期を定めて開会するという会期制をとっています。その会期における独立性と会期不継続の原則は、議会制民主主義の大きな柱となっているのであります。我が国議会制度を築かれた先人の英知は、会期中に成立を見ない案件は、廃案にするか、特別な議決をもって継続にするという慣例を確立しており、憲法の理念に立脚した議会制民主主義を守る根幹としているのであります。にもかかわらず、政府・自民党はこれらの慣例を無視し、会期延長を強行しようとする、このような暴挙は、議会制度を擁護する立場からも断じて認めることができないのであります。(拍手)  今、会期末を迎え、国会の審議を顧みるとき、果たして国民の期待にこたえることができたでありましょうか。残念ながら私はノーと言いたいのであります。私たち日本社会党・護憲共同は、百六特別国会の段階において、折から厳しさを増す円高不況克服の抜本的対策を講ずるため、速やかな臨時国会の開会を強く要求したのであります。しかるに、政府・自民党はこれにこたえず、九月十一日開会までの一カ月有半、政治空白をみずからつくり出したことをよもやお忘れではありますまい。(拍手)  また、今臨時国会において議事運営の重大な障害になったのは、減税の年内実施問題であります。三月四日の与野党合意に基づき、自民党政府がこれの早期解決に積極的姿勢を示していたならば、法案の審議に十分時間をかけることができたはずであります。このような経過を一切捨象し、法案の成立が遅滞していることのみを理由に会期延長を打ち出すやり方は、まさに他へ責任を転嫁して顧みない傲慢な態度と言わなければなりません。(拍手)  また、中曽根内閣は国鉄改革法案を今国会の最大課題と位置づけ、会期内成立を至上命令に衆参両院で強行採決を繰り返し、先刻参議院本会議で可決されたのであります。審議は尽くされたのでありましょうか。議論は深められ、多くの問題点は解明されたのでありましょうか。ノーであります。多くの疑問を残し、問題の解決が図られないままに審議は打ち切られ、法案は可決されてしまったのであります。悔いを千載に残すようなことになれば、国民にわびて済むことではなく、その責任は挙げて政府・自民党にあることを強く訴えるものであります。(拍手)  このように多くの問題点を残しながら、今また政府・自民党は、老人保健法改正案などの成立を図るため会期の延長を求めてきているのであります。しかし本法案は、将来展望を明確にしないで老人医療費の財政支出を削減し、一方で按分率と患者の負担増に転嫁するやり方は、進行する長寿社会に背を向けた、国民の命と医療を圧迫する反国民的な法案であることは今日までの審議を通じて明らかになりました。野党がこぞって強力に反対する理由はまさにここにあります。  自民党政府はこのことを一顧だにせず、会期を延長して数の力で成立させようとするやり方は、議会制民主主義を否定する暴挙であり、断じて容認することはできないのであります。(拍手)我が国会が今とるべき道は会期の延長ではありません。今次国会を顧みて謙虚に反省し、国民の負託にこたえるため、改めて出直すことであります。  私は、このことを強く訴え、会期延長の発議に対する反対討論を終わります。(拍手)

原健三郎無所属

○議長(原健三郎君) 田名部匡省君。     〔田名部匡省君登壇〕

田名部匡省自由民主党

○田名部匡省君 私は、ただいま議長から発議されました会期を十二月二十日まで二十一日間延長する件につきまして、自由民主党を代表いたしまして賛成の討論をいたすものであります。(拍手)  御承知のとおり、今日我が国を取り巻く内外の情勢にはまことに厳しいものがあります。貿易摩擦や不況対策、また懸案の財政再建など、重要な課題が山積しております。  本臨時国会は、これら諸問題に対処するため去る九月十一日に召集されたものでありまして、補正予算、国鉄関連法案を初め、国民生活に密着した諸条件の審議に真剣に取り組んでまいったのであります。また、この臨時国会は、過ぐる国政選挙後初めて国政について本格的に論議を行う場でもあり、我が自由民主党は、国政選挙の勝利におごることなく、野党各党と話し合いによる運営に誠意を尽くしてまいったのであります。(拍手)  しかしながら、懸命な努力にもかかわらず、内閣提出の法案二十八件中、会期終了日前日の本日までに両院を通過して成立いたしましたものは十五件であります。残っております十三件の中には、行財政改革の推進に欠かせないもの、財政運営に支障を来すもの、また国民生活に影響を与えるもの等、臨時国会に対する国民の期待に十分こたえていないのが実情であります。  申すまでもなく、国会の役割は、国民生活を守り、向上させることにあります。その意味におきましても、ただいま議長から発議されました二十一日間の会期延長は妥当なものであります。自由民主党といたしましては、国政を担う責任政党として、議長の提案に賛意を表し、賛成の討論といたします。(拍手)

原健三郎無所属

○議長(原健三郎君) 春田重昭君。     〔春田重昭君登壇〕

春田重昭公明党・国民会議

○春田重昭君 私は、公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となりました今臨時会の会期を十一月三十日から十二月二十日までの二十一日間延長する件に対し、反対の討論を行うものであります。(拍手)  そもそも、中曽根総理は、今国会の冒頭における所信表明演説の中で、今臨時国会をお願いいたしましたのは、「緊急の課題である国鉄改革、老人保健制度の見直しなどの行財政改革、内需拡大のための経済対策の推進などに積極的に取り組み、公約を実現するため」とお述べになったのであります。すなわち国鉄改革、老人保健法改正、そして補正予算の三つが大きな柱であると申されたわけであります。しかるに、国鉄改革関連法案、補正予算は成立したものの、老人保健法改正案がいまだ審議中だからといって会期を延長することは、まことに御都合主義であり、到底容認することはできないのであります。(拍手)  御承知のとおり、老人保健法改正案は、我が党など野党を初め国民が強く反対し、撤回を求めている問題法案であります。それが会期内に成立しなかったからといって、そのためのみに安易に会期を延長することは、国会のルールに違反するものであり、会期制の本旨にもとるものと言わざるを得ないのであります。  もとより、国会に提出された法律案は、当初決められた会期の中で十分に審議を尽くし、処理するのが憲政の常道であります。加えて、中曽根内閣は、広範な国民が強く求めた年内減税、円高不況、中小企業対策、そして内需拡大策についても何ら実効ある対応を示しておりません。よって、今国会は明日をもって終わらせることとし、老人保健法改正案については速やかに撤回されんことを要求し、反対討論にかえるものであります。(拍手)

原健三郎無所属

○議員(原健三郎君) 中野寛成君。     〔中野寛成君登壇〕

中野寛成民社党・民主連合

○中野寛成君 ただいま議長から発議されました二十一日間の会期延長の件につき、民社党・民主連合を代表し、反対の討論を行います。  九月十一日から始まりましたこの臨時国会の最大の眼目は、深刻な円高不況対策としての大型補正予算及び関連法案の措置と、行政改革の最大の目玉である国鉄改革関連諸法案の成立を図ることでありました。  これに先立ち、我が党は、円高不況に苦しむ各業種並びに地域の救済を一刻も早く実現し、そこに働く人々の安心を確保するため、五兆円規模の大型補正予算と大幅所得減税をこの臨時国会の冒頭に提出するよう政府に強く要求いたしました。しかるに、補正予算が提出されたのは、何と臨時国会も半ばを過ぎた十月三十一日であり、中身に至っては、減税はなし、景気対策は微々たるもの、全く国民の期待を裏切るものでありました。  本来、これらの施策は春にでも行われるべきものでありました。にもかかわらず、党利党略の解散・総選挙でこれをないがしろにし、選挙後は自民党の党内事情で臨時国会の開会をおくらせ、やっと九月に入って開いたと思えば、外務大臣、大蔵大臣、通産大臣等が次々に国際会議に出かけるなど、国民の願いと国会を軽視する態度に終始したのであります。このような政局運営は、国会に対する国民の不信を一層増大させるものであり、猛省を求めるものであります。  また、年内減税問題につきましても、いまだ最終決着を見ていないのでありますが、その経緯を見るまでもなく、政府・自民党の不誠実な姿勢がいたずらに日時を空費させたものと言わざるを得ません。所得減税、政策減税を年内に実施するという政党間の約束が一時はほごにされようとしたのであります。公党間の約束が守られずして、どうして議会制民主主義が成り立ち得ましょうか。何をよりどころに私たちは話し合えばよいのでしょうか。公党間の約束を守ること、国民への公約を果たすことこそ最高の政治倫理であることを、政府・自民党はこの際厳しく肝に銘ずべきであります。  もう一つの重要課題である国鉄改革、民営・分割化のための諸法案については、我が党は、これを最も積極的に推進する立場から、その成立に最大の努力をいたしました。この国鉄法案も本日ようやく成立を見たことは御同慶の至りであります。しかし、国鉄改革は今日からが正念場であります。民営・分割が国鉄の再生、再建につながるかどうかは、まさにこれからの関係者の努力いかんにかかっております。我が党もまた、責任政党の立場で、国鉄改革を厳しく監視するとともに、最大の協力を惜しまぬ決意であります。  かくして、今臨時国会の主目的は終わったのであります。しかるに、政府・自民党がなおかつ大幅な会期延長を図ろうとするのは、とりもなおさず、国民の負担を増大し、福祉の大幅後退を図る老人保健法改悪案を成立させようとしているからにほかなりません。申すまでもなく、老人保健法改悪案は、これまで政府がやってきた福祉後退路線の象徴的法案であります。この法案は、お年寄りの負担を増大させ、いじめ、その家族の生活を大きく圧迫し、さらに加入者按分率の引き上げで、実質的に勤労者に対する形を変えた増税を強いるものであります。  このような悪法を成立させることに加担する会期延長を、私たちは断じて認めることはできません。この会期延長は、国民にとって百害あって一利なし。政府・自民党が老人保健法の改悪を本日をもって断念されるよう強く申し上げ、会期延長に対する反対討論を終わります。(拍手)

原健三郎無所属

○議長(原健三郎君) 矢島恒夫君。     〔矢島恒夫君登壇〕

矢島恒夫日本共産党・革新共同

○矢島恒夫君 私は、日本共産党・革新共同を代表して、今臨時国会の会期を二十一日間も延長することに反対の討論を行います。(拍手)  私は、まず初めに、本日参議院において希代の悪法、国鉄分割・民営化八法案を十分に審議も尽くさないまま採決を強行したことに対して、厳しく抗議するものであります。(拍手)  今回の会期延長は、政府・自民党が、現在参議院で審議中の老人保健法並びに防衛二法の改悪法案や本院で審議中の国立病院等の統廃合・再編成法案などの悪法をしゃにむに今国会で強行成立させるために行おうとしているものであります。しかも、会期延長によって次期通常国会へと連動させ、国家機密法の制定、大型間接税の導入、マル優廃止を中心とする税制改悪等を企図しており、中曽根総理の戦後政治総決算路線の総仕上げの場づくりを意図するものであり、我が党は、かかる会期延長に断固反対するものであります。(拍手)  これら一連の悪法について若干言及するならば、老人保健法改悪法案は、老人患者の自己負担を全体として平均三倍にも引き上げ、一年入院すれば十倍という他に類例のない大幅引き上げを行うものであります。また、負担の公平と称して国費の支出を削減し、拠出金の加入者按分率を変更し、労働者に新たな負担を押しつけるものであり、さらに低医療、低福祉、高負担の老人保健施設の新設や、国民健康保険法の改悪までセットされているのであります。このような憲法第二十五条や老人福祉法の理念に反するお年寄りいじめ、福祉切り捨ての大改悪法案だからこそ、改悪に反対する国民世論と運動が高まり、会期内での成立を見なかったのであります。それを国会を大幅に延長してまで成立させようとするのは、廃案を切実に願う老人と国民への冷たい仕打ちそのものと言わなければなりません。(拍手)  防衛二法の改悪法案は、護衛艦やF15等への新たな自衛官の配備、増員、予備自衛官の増員、武器使用の防護範囲の拡大などによって、対米従属、憲法違反の自衛隊の侵略的強化を図ろうとするものであります。  さらに、国立病院等の統廃合法案は、全国の国立医療機関二百五十三施設の約三割に当たる七十四施設を統廃合し、民間等に経営を移譲しようとするものでありますが、それは国民医療に対する国の責任放棄であり、地域医療確保を期待する国民の願いに背き、国民の医療を受ける権利を奪うものであります。(拍手)  これら一連の法案は、このような重大な問題を含んでいるからこそ、国民の厳しい糾弾を受け、成立するに至らなかったのであります。  会期内において成立しなかった法案は審議未了、廃案として処理するのが会期制をとる我が国会の当然のルールであります。多数をかさに、法案が通らないからといって会期を延長するなどということは言語道断、国民への挑戦であります。まさに党利党略を優先し、国会をみずからの都合のよい法案を通すための下請機関にしようとするものであり、議会制民主主義のじゅうりんと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)政府・自民党がこれら一連の悪法をごり押しする一方で、公務員の給与引き上げ法案を会期内に処理せず先延ばしにしたことは、これをいわば悪法成立の人質にするというものであり、断じて許すことができません。(拍手)  今、中曽根内閣がやるべきことは、一連の悪法成立のごり押しではなく、核兵器廃絶のための国際協定を締結し、SDIへの参加を撤回し、軍事費を大幅に削減し、福祉、教育の充実を図ることであり、円高対策の思い切った強化と増税なしの大幅減税を実施することであります。  私は、重ねて、多数におごり、一連の悪法を通すために会期を延長することに強く反対の意を表明して、私の反対討論を終わります。(拍手)

原健三郎無所属

○議長(原健三郎君) これにて討論は終局いたしました。     ─────────────

原健三郎無所属

○議長(原健三郎君) 採決いたします。  会期を十二月二十日まで二十一日間延長するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

原健三郎無所属

○議長(原健三郎君) 起立多数。よって、会期は二十一日間延長するに決しました。(拍手)      ────◇─────

谷垣禎一自由民主党

○谷垣禎一君 議事日程は延期し、本日はこれにて散会されることを望みます。

原健三郎無所属

○議長(原健三郎君) 谷垣禎一君の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

原健三郎無所属

○議長(原健三郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十三分散会

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