農林水産委員会 第1号
- 発言数
- 226 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/10/21
会議録
○玉沢委員長 これより会議を開きます。 理事辞任の件についてお諮りいたします。 理事武田一夫君から、理事を辞任いたしたい旨の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○玉沢委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○玉沢委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 それでは、理事に水谷弘君を指名いたします。 ────◇─────
○玉沢委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産業の実情を調査し、その振興を図るため 農林水産業の振興に関する事項 農林水産物に関する事項 農林水産業団体に関する事項 農林水産金融に関する事項 農林漁業災害補償制度に関する事項 について、本会期中調査をいたしたいと存じます。 つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○玉沢委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ────◇─────
○玉沢委員長 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。保利耕輔君。
○保利委員 加藤大臣には、羽田前農林大臣からお引き継ぎになられまして約三カ月でございますが、この間、御就任早々米価の問題にお取り組みになって、あるいは漁業の面では北洋漁業の減船対策に奔走される。林業におきましても、いわゆる国有林野の大きな問題が控えておるわけでございますが、こういったいろいろな問題が山積をしておる中で大変ベテランでございます加藤六月農林大臣が御就任になられまして、我々としても大いに御期待を申し上げておるところでございます。大臣の御活躍を心からお祈り申し上げたいと存じます。 最近は社会改革が静かに静かに進行しておるように思われるわけでございますが、時あたかも、国会におきましても国鉄改革法案の審議中でございますし、また社会的に見ましても、つい最近は炭鉱の閉山問題でございますとか、あるいは鉄鋼の高炉をつぶさなければならぬというようなことも出てきておる。どうも社会構造、経済構造が少しずつ変革をしつつあるような時期にあろうかと思います。そういう中にありまして、我々の農政あるいは漁業行政あるいは林業行政も新しい時代を迎えつつあるなという感じが私もしておるわけでございます。ことしあるいは来年を新農政元年というふうに位置づけてもいいのではないかと思いますし、あるいは農業新時代というものの到来ではないかという感じがしないでもないわけでございます。 大臣、就任されてから約三カ月でございますが、この間いろいろな問題に取り組まれて、農政というものに本当に真剣に御努力をなさっていらっしゃるわけでございますけれども、感想を交え、これからの農政あるいは漁業、林業にお取り組みになります基本的なお考え方、そして御決意をお聞かせいただければありがたいと思います。よろしくお願いいたします。
○加藤国務大臣 我が国全体といたしましては、経済構造の調整をやらなくてはならなくなってきております。この経済構造の調整を、いかに苦しくても、いかに困難でありましょうとも、国民の英知と努力を結集してやり遂げないといけない。それをやり遂げないと日本が国際的に孤立し、あるいはまた国際的に袋だたきに遭う可能性があるという問題をまず強く認識しておるということを申させていただきます。 そして、それに関連いたしますし、あるいは関連がない部門もあるかとは思いますけれども、農林水産行政というものはまさに内外非常に厳しい状況に置かれておる。そういう中で農林水産省というものは、一つは、政治の原点であり、また国民生活の原点でございます食べ物を安定的に供給していくという大任務があります。それに伴ういろいろな議論も行われておるわけでございます。また、二番目は林業関係でございますけれども、山林、森林の荒廃という問題が非常に憂慮される状態でございまして、農林水産省といたしましては、自然環境の保全という大切な仕事を持っておるわけでございまして、ここら辺からももろもろの配慮をしていかなくてはならない。現在の経済社会情勢の変化あるいはまた国民のニーズの多様化ということに対し、適宜、適切に処置していきながら、国民の生活の向上と発展に処していかなくてはならぬ。農林水産省全省一体となって、今必死に取り組んでいこうと決意を固め、また着々と実行していきつつあると私は考えておるところでございます。
○保利委員 今、大臣のお言葉の中にも、山の問題についてちょっとお触れをいただいたわけでございます。今、森林・河川緊急整備税というものが検討されておるわけでございますが、これは農林省の中では林野庁が主体になっていろいろな案をつくっていただいております。私は、日本の経済発展というものは、良質で安価で豊富な水がこれを支えてきたといっても過言ではないと思うわけでございます。これからますます水というものの重要性が加わってくるということを考えるにつきまして、この緊急な整備税をもちまして早いところ山に手当てをしませんと、後世の日本人に対して大変大きな問題を残すことになるのではないかと考えますので、これを大いに推進していかなければならないと思うのでございますが、大臣としてどういうお気持ちでこの問題にお取り組みいただくか、簡単で結構でございますが、御決意のほどをお聞かせいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 昨年は私、党の税制調査会長をいたしておったわけでございます。河川利用料と水源税という形で考えてみますと、何十時間という議論を活発に展開いたしました。その中では賛成、反対両派ありました。賛成派の皆さんの中には胸を打つような、国の将来と森林の荒廃を嘆く声もあります。そういうことでありましたが、ことしはそれを、今御質問になりましたように森林・河川緊急整備税ということで建設省と農林省が一体となりまして、この案は林野庁が考えたのでありますが、農林省も全力を挙げて取っ組む、そしてまた建設省とも連絡を密にしてやっていこうということでやらしていただいておるところでございます。 その考え方あるいは構想等は保利委員もう御存じのとおりでございますが、要は、財政事情の厳しい中でも緑の森林の荒廃を阻止し、水源の涵養、一番大切な水と空気というその水の方を何とかしていこうという精神でございまして、ぜひこれが各界各方面の理解を得て実現されることを期待いたしております。
○保利委員 大臣、ありがとうございました。税制のベテラン、そしてエキスパートであります大臣でございますので、大きな御活躍をお祈り申し上げ、我々も一生懸命この実現に邁進をしてまいりたい、このように思います。 さて、今年度のてん菜、大豆、畑作物生産者価格は既に決定をされておりまして、今週はサトウキビの値段を決めるという運びになっておるわけでございます。既に決定されました部分につきましてはやむを得ないものと考えるわけでございますが、この価格決定に当たりまして、いかなる基本方針でこれをお決めになったかということについてお聞かせいただきたいと存じます。 また同時に、北海道のてん菜につきましては、ことしから糖分取引に移行するということで新しいやり方に変わったわけでございますが、新しいやり方をいたしますとどうしても農家の手取りが少なくなるという地方が出てくるわけでございます。こういったものに対して緩和策を講じられたと伺っておりますが、どのような緩和策を講じられたか。これは事務局からでも結構でございますから、どうぞ簡潔に御説明をお願い申し上げたいと思います。
○加藤国務大臣 てん菜、カンショ、バレイショの生産者価格は、農業パリティ指数に基づき算出される価格を基準としまして、物価その他の経済事情を参酌して決定するというように法律に明定してあるわけでございますが、六十一年産につきましては、農業パリティ指数の動向を踏まえ、各畑作物ごとの生産性の向上の動向、そして畑作物間のバランス、畑作物をめぐる厳しい財政事情及び需給事情等を総合的に勘案して決定したところでございます。 なお、糖分度の問題につきましては事務当局から御説明申し上げますが、要はやはり生産性の向上ということと、それから水を売ったのではいけないので、そこら辺の問題等で何度以上がいいか、あるいは何度をどうするか等の議論もいたしますし、また逆に、激変緩和措置も講じながら決定いたしたところでございます。
○谷野政府委員 てん菜の糖分取引の問題でございますが、懸案でございましたてん菜の糖分取引につきまして、各方面の御協力によりまして六十一年度からこれを実施することになったわけでございます。糖分取引の考え方といたしましては、やはり生産者にとりまして糖分向上努力が報われる必要がある、また糖分の高いものが出てくるということが加工コストの低減につながる、これらが総合されまして、総体として国内産糖のコストが低減をいたしまして制度の健全な運営に資するという方向で決めるべきであるというふうに私どもは考えたわけでございます。ただ、初年度におきましては、その円滑な移行が図られるということもただいま御指摘のとおり大変重要でございましたので、基準糖分につきましては、一つの点ではございませんで十六・三度以上十六・九度ということで、〇・六度といいます比較的広い幅の基準糖分帯を設けることといたしましたし、また、糖分格差につきましても〇・一度について百二十円ということで、格別刺激的になり過ぎないようにというようなことで決定をいたしたわけでございます。 そのようにいたしましても、ただいま御指摘のように、糖分の低い地域、高い地域で差が出てくることは事実でございまして、そういうことを勘案いたしまして、糖分取引推進費というのが従来あったわけでございますが、これを改めまして、糖分取引対策費というものを設定いたしました。その配分につきましては、糖分取引の実施に伴いましてこれを推進し、かつ、その円滑な移行を図るという方向で運営をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○保利委員 そこで、今週はサトウキビの値段を決めなければならないわけでございます。沖縄の基幹作物はサトウキビ、あるいはパイナップルというようなものもございますけれども、何といっても沖縄においてはサトウキビである。しかし、なかなか生産性が上がらないわけでございますが、サトウキビの生産性を上げるためにはやはり基盤の整備を行うということが第一の条件であろうかと思うわけでございます。私も先年、沖縄へ行ってまいりまして、基盤整備をしたところと、していないところ、作業の違いその他をよく見てまいったわけでございますが、基盤整備をしたところは随分違うなという感想を正直に言って持ったわけでございます。そこで、沖縄の特にサトウキビ畑の基盤整備についてどういうふうな取り組みで臨まれるか、お聞かせを願いたいと思います。
○鴻巣政府委員 御指摘のように、サトウキビの生産性を向上するために、沖縄とかあるいは奄美などの農業基盤の整備につきましては、従来から採択基準を下げたり、あるいは補助率を上げたり予算を確保するといったことで特別の配慮をいたしておりまして、鋭意事業の推進を図ってまいったわけでございます。六十一年度予算を見ましても、農業基盤整備費全体の前の年に対する伸びは九八・八%でしたが、沖縄につきましては対前年伸び率が一〇二・八%、奄美につきましては対前年比一〇一・八%と重点的に予算を確保いたしております。 御指摘のように、基盤整備は大変重要だと心得ておりますので、サトウキビの生産性向上のためにも、今後各種の農業基盤整備事業を積極的に推進してまいりたいと考えております。
○保利委員 さらに、バレイショあるいはカンショ、これに伴うところのでん粉も決まっておるわけでございますけれども、御承知のとおり、でん粉はアメリカ側が自由化を要求している十二品目の中の一品目でございまして、この十二品目の交渉いかんによっては、北海道あるいは鹿児島といったようなところが大きな打撃を受けるわけでございます。十二品目の交渉の状況を簡単にお知らせを願いたいと存じます。
○谷野政府委員 十二品目に関します件につきましては御案内のとおりでございまして、日米間で二年数カ月前に一応の決着を見まして、その後二年間の休戦期間が切れまして、ことしの夏以来新しい局面に入っておるわけでございます。ただいまアメリカ側は、ガットの方に持ち出したい、パネル設置を要求いたしておるわけでございますが、これにつきましてはいまだガットの段階で協議が行われるということでございます。私どもといたしましては、ただいま御指摘の国産の芋でん粉の問題につきましては、カンショにつきましては南九州の台風常襲地帯の大変重要な作物でございますし、またバレイショにつきましても、北海道におきます輪作体系の維持上不可欠の作物でございます。それらのカンショ、バレイショの非常に重要な需要先というふうになっておるわけでございまして、また、その地域における重要性も御指摘のとおりでございますので、あらゆる機会を通じまして、現在の制度ができるだけ維持できるように最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○保利委員 一段の御努力をお願い申し上げたいと存じます。 さて、大変大事な項目なんですが、時間がなくなってしまいましたので、一括して大豆の問題についてお伺いをいたしたいと思います。 これは大臣に後で御感想をちょっと伺いたいと思っておるわけでございますが、非常に難しい問題ですけれども、米の過剰基調を受けましてポスト三期対策を進めていかなければならない、いわゆる減反を少し増していただかなければならないという一般的な状況にあります。その転作の作物でございます大豆、しかも、これは基幹作物と言ってもいいのじゃないかと思うわけでございます。これの政府が負担をいたします交付金というものが非常に大きな額になりつつある。これは農政上の非常に大きな問題だと思うわけでございます。昭和六十年産の大豆にかかわりましては、大体三百億円を超える交付金が支払われなければならないという状況にあるわけでございます。 一方、大豆の生産もこのところ転作によりましてだんだん伸びてまいりまして、御承知のとおり、昭和五十一年には十一万トンぐらいの生産であったものが、昭和六十年には二十二、三万トンの生産に上がってきておるわけでございます。さらに、農林省が持っております昭和六十五年度におきます生産の見通しによりますと、大体四十二万トン前後の大豆を生産することになっておる。ところが、現在の二十二、三万トンの段階で、現在の制度のもとでは大体三百億ぐらいの交付金が必要だという価格体系になっておるわけでございますが、これが四十二万トン生産をするということになりますと、後で計算の結果を出していただけるかもしれませんけれども、ちょっと計算をしてみますと一千億近い、あるいは一千億を超える金額になるのじゃないか。大豆を作ってもらうために一千億の金が要るということになりますと、これは大変なことだなと私も考えざるを得ないわけでございます。 そこで、この大豆の生産あるいはポスト三期対策との兼ね合いあるいは今後の大豆の生産対策というものを一体どういうふうにするのか。集団化とかいろいろな問題もあると思いますが、こういった問題を一括してお答えいただきたいと存ずる次第でございます。
○浜口政府委員 大豆につきましては、ただいま先生から御指摘のとおりでございまして、食生活の上でも、あるいは農業の作付体系の上でも基幹的なものだというふうに私ども考えております。この点につきましては、先ほどお話がございましたように六十年産は、今回の補正予算の関連で申し上げますと三百十億に近い金額になることになりまして、そのために、不足分につきまして現在財政当局と鋭意検討、折衝中でございます。 一方、これも先生御指摘のとおりでございまして、先ほどの理由に基づきまして水田利用再編対策におきましては、この対策が発足以来急激にその作付面積が伸びておりまして、現在の六十五年の見通しにおきましても四十二万ヘクタールというものを予定しておりますことから、先ほど金額のお話がございましたが、現在の状況、与えられた前提というものを計算いたしましても、今申し上げました三百十億に近い金額からさらに約二倍以上の金額になろうというような計算になるところでございます。
○加藤国務大臣 保利委員御指摘のとおりの問題でございます。感想をとおっしゃいましたが、大豆が基幹作物であり、国民生活にとって非常に重要なものであるというのはもう共通認識であると思いますけれども、国産大豆の生産量が増加するに伴いまして、今お答えをさせましたように、財政負担が急激に増加する傾向にあるというのが一点であります。それから、他の面から申し上げますと、実需者からも良質大豆の安定的供給という要望が強まっております。そこで、今後とも、生産性及び商品性の向上並びに財政負担の軽減ということに重点を置いて対策を講じてまいらなくてはならないのではないかと考えておるところでございます。
○保利委員 いずれにいたしましても、大豆の問題は大変大事な問題でございますので、これからの施策について論議を十分深めていただきたいと考える次第でございます。 今の局長の御答弁の中で、聞き違いかもしれませんけれども、四十二万ヘクタールというお話がございましたが、四十二万トンではないかと思いますので、御確認を申し上げておきます。
○浜口政府委員 先生御指摘のとおり、四十二万トンでございます。失礼いたしました。
○保利委員 いよいよ時間がなくなりました。あと一問だけお願いを申し上げておきます。 昨今の大変大きな話題は、アメリカの精米業者協会、いわゆるRMAがUSTRに対して、日本の食管制度は不公正であるということで提訴をいたしまして、アメリカ側として大統領が対抗処置をとるようにということを求めた訴えを起こしておるわけでございます。これは我が国にとっても非常に大きな問題だと考えるわけでございますが、反面、仮に諸関税を引き上げるというような対抗処置をアメリカ政府が不幸にしてとられた場合には、そういうことを申し上げてはいかがかと思いますけれども、これはRMAとしては一銭の得にもならない、輸出もできない、しかしほかの品目で関税が上がるという様子になるわけでありますから、そこら辺はRMAとしても期するところではないのではないか、願わくば十万トンでも二十万トンでも日本に売りつけたいというところが本当の気持ちではないかなと思うわけでございます。我が党といたしましては、代表の人に本日アメリカへ行ってもらいまして、そして向こうの当局者といろいろと話し合いをしていただく、説明をするという段取りにいたしておるわけでございます。いずれにいたしましても、このRMAの提訴は十月二十七日までに結論を出すということを伺っておりますが、この問題について政府はどのようなお気持ちで取り組まれるか。 さらにはまた、この問題の中心になっておりますいわゆる食管制度を今後とも堅持していただきたいと思いますし、食管制度というものは単に生産者のためではなくて国民のためにある、消費者のためのものでもあるという認識をよくPRする必要もあろうかと思うわけでございます。したがいまして、食管制度は今後も堅持をしていただかなければならないと私は考えておるわけでございます。 ちょっとつけ足しになりますけれども、最近、米の価格が輸入のものと比べて非常に高いという話が出ておりますが、米の国際相場というものは変動が物すごく激しいと私は理解をいたしております。昭和五十六年当時はトン五百ドルぐらいしておった。それが五年後の昭和六十一年ではトン二百ドル前後になっている。実に四〇%の値段にまで下がってきている。さらにこれに円高を加味して考えるならば、四分の一ぐらいに下がってきてしまっているという特殊な事情にある。それだけ変動が激しいという米の国際相場でございますから、こういう非常な変動の一番波の底にある現時点において、多分そうだと思いますが、そこでの比較で日本の米が高いという論じ方をするのは少し性急にすぎないかなというふうに私は見ておるわけでございます。 以上申し述べましたが、RMAの提訴についてのお考え、さらに食管制度についてのお考えをお尋ねしたいと存じます。
○加藤国務大臣 保利委員からも申されましたが、私は、米というのは五つないし六つの立場で考えなくてはならぬということをいつも申し上げておるわけであります。 第一番目は、国民の主食であるということでございます。第二番目は、我が国農産物総出荷額の三分の一を占めておる、そして全国各方面で植えておるということで、我が国農業の基幹をなしておるという問題。三番目は、自然環境の保全に水田稲作というものが重大な効果を発揮しておるという問題。四番目は、何といいましても我が国の文化、伝統そのものが米とつながっておる。春の祭、秋の祭、国民のもろもろの行事すべて稲作に関連しておるということ。そして五番目は、そういう中で生産者に厳しい生産調整をお願いしてきておるという具体的な事実がある。さらにつけ加えて、我が国がガットに加入する前後から、すべてこの問題についてはガット上認められておる等々の要因があるわけでございます。 ここら辺の問題につきましては、今までも機会あるごとにアメリカ側にその重要性について説明をいたしてきたところでございます。したがいまして、今回の問題に対しましても、RMAは民間団体でございますが、アメリカの政府に対しては、慎重な対応をあらゆる機会を通じて要請、説明をいたしてきておるところでございます。 それから、食管制度そのものは保利委員がお述べになったとおりでございまして、消費者に対してその安定を図るという重要な役割を果たしてきておるということはそのとおりでございまして、昭和十七年以来、あるいは戦後の問題をいろいろ振り返ってみましても、消費者団体から熱烈な食管制度の維持、堅持の要請もある、あるいは生産者団体から食管制度の廃止の要請がある、いろいろなものを繰り返しながら、生産者と消費者の間、国民全体の間の要請にバランスをとりながらこたえてきておるのが食管制度である。そして、生産者のための食管制度であるという一方的な発言は好ましくないので、これは消費者のための食管制度でもあるということを私たちはこの際じっくり考えなくてはならないときが来ておるのではないか、このようにも思っておるところでございます。
○保利委員 時間が参りましたので、これで終わらせていただきますが、ただ、最後に、生産者、消費者を含めた国民のための新しい農政の展開について、加藤大臣の御活躍を心からお祈り申し上げたいと存じます。よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○玉沢委員長 上原康助君。
○上原委員 本委員会の御配慮によって若干の質問ができますことを、まず委員長初め関係者の皆さんに敬意を表しておきたいと思います。 そこで、極めて限られた時間でありますので端的にお尋ねをさせていただきたいと思うのですが、最初に加藤農水大臣に。せんだって十六日に私たち社会党の農水部会、甘味対策委員会で、十七日にも畑作物の価格が決まるということでいろいろ申し入れをいたしました。そのときは大変景気のいいことをおっしゃっていたので、まさか生産者価格を下げるような無謀というかやぼなことはしないと期待をしていたのですが、十七日に決まった畑作四品というか、てん菜初め大豆その他は軒並み前年度価格より引き下げられております。先ほども保利先生から甘味、てん菜や沖縄のサトウキビについてのお尋ねもいろいろあったようですが、農業を取り巻く情勢が内外とも非常に厳しい、そのことは私どもも理解をしないわけでもないのですが、しかし、今回の価格決定がもたらす生産者農家に与える影響は非常に大きいと私は思うのですね。なぜこのように価格を引き下げなければならなかったのか、その理由。まあ、農水省の御熱意、努力もわからないわけではありませんが、相当影響が大きいと思うのです。そういう意味で、農民や生産者の立場あるいは消費者の立場を考えない農政なんてもちろんないわけですが、それにしても、農水省までが農民の立場を忘れたのかという声は強いと思うのですね。こういうことについて大臣はどういうふうな御見解を持っておられるのか、またなぜこういう引き下げになったのか、ひとつお聞かせいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 先ほどの保利委員の御質問のときにもお答え申し上げたわけでございますが、上原委員から今、我々が要請したときには下げるようなことは言わなんだというようなお話がございました。私はあの席でも、パリティ指数の問題、需給状況あるいは他の畑作物とのバランス等で、生産性向上分も考えてやらなくてはならない、そして常に農民皆さん、生産者皆さんも、生産性向上と合理化努力は一生懸命してもらわなくてはなりませんということは申し上げたわけでございますが、今お答え申し上げましたようなもろもろの要素を踏まえまして決定をいたしたところでございます。私は、一・六六という数字で農家の手取りが減ってはいない、こう考えておるわけでございますが、あらゆる情勢を勘案しまして決定いたした次第でございますので、よろしく御理解をお願いいたしたいと考えておるところでございます。
○上原委員 なかなか苦しい御答弁で、御心中はお察しいたしますが、農家の手取りが減っていないと言っても、数字が示すように減っているのですよ、大臣。 そこで、パリティ指数問題等については後ほど触れるといたしまして、私は、主にてん菜とサトウキビを関連づけてお尋ねをいたしますが、これまでもしばしば議論されてきておりますように、沖縄農業に占めるサトウキビの割合というのは非常に高い。この間大臣もいみじくもおっしゃったように、九割、七割ということを念頭に置いて絶えずやっているんだということであれば、価格を下げるなんという理屈はどこからも出てこないわけなんだが、政治家は言っていることとやることはみんな違うから困るので、もちろん、これは北海道のてん菜、奄美、南西諸島のサトウキビ全体で甘味の自給率をどうするかという絡みなり政策があるわけですが、農水省として、沖縄農業におけるサトウキビの位置づけはどのようにお考えになっておるのか。その基本認識というものをしっかり共通的に持たないと、私は、価格政策にも、また振興策においてもいろいろな違いが出てくる危険性というか懸念を持つわけで、そういう位置づけをどのようになさろうとしているのか、まずその点を明確にしていただきたいと思うのです。
○加藤国務大臣 沖縄におけるサトウキビは、その栽培戸数が全農家の約九割、そして栽培面積が全耕地面積の約七割を占めておりまして、九割、七割ということを先般も申し上げたわけでございますが、沖縄県農業の最大の基幹作物となっておるという認識を持っております。そして、甘味資源特別措置法に基づくサトウキビの生産振興地域に指定されておるという立場に立って考えておりまして、サトウキビの生産振興に当たっては、生産性の向上と農家経営の安定を図るということが重要であり、このような観点から、土地基盤等生産条件の整備、収穫作業等の省力化のための機械、施設の導入あるいは畜産、野菜作との経営の複合化、優良なサトウキビの種苗の生産、配付あるいは病害虫の駆除などの諸対策を、沖縄という地域の実態に即しつつ総合的にやってまいらなくてはならない。そして、今申し上げましたような施策の充実によりまして、沖縄のサトウキビ生産の振興と地域経済の活性化に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○上原委員 今ありましたように、全く模範回答ですね。国土庁長官をしておられたころよりもっと優等生答弁が多くなっている。そういう御認識であれば、再生産に見合う価格保証というようなものも当然確保せねばいかぬですね。ですから、よく言われているように沖縄のサトウキビは全国の米に相当する。今大臣おっしゃったように、全農家の八五%から九〇%、また作付面積も三分の二、七割前後を占めている。さらに、第二次振計では、政府みずからが基幹作目としてサトウキビの振興をうたっておるということも今お述べになったとおり。しかし、そういういろいろな基盤整備なり品種改良あるいは農業用水、かんがい用水の確保等々の施策も並行、並立的に進めていかなければいけないことは当然なんですが、同時に農作物は自然災害に非常に左右されますね。もちろんサトウキビだけではありませんが、とりわけ南西諸島はそういう位置に置かれている。これは地球がそうなっているのだから動かすわけにはいかぬ。そうしますと、今の基本認識の上に立って生産振興を進め、いろいろな施策も逐次進捗はしてきている。私たちもそれを否定するわけではありません。よくわかります。 そこで、今年のサトウキビの生産見込みはどういうふうになっておりますか。
○松山説明員 ことしのサトウキビの生産見込みにつきましては、十月一日現在で調査いたしまして、このほど取りまとめを終わったばかりでございます。ことしの場合、伸長の最盛期でございます六月から九月にかけまして降水量が非常に少なかった、その結果生育が阻害されたという事情がございましたし、それから、沖縄諸島を中心といたしまして、台風十三号によります倒伏でございますとか裂傷であるとかといったようなものが発生した、こういう事情がございまして、平年的な作柄に比べてみますと一割程度の減収という見込みでございます。若干収穫見込み面積も落ちておりますので、この辺の事情も加味いたしました実数といたしましては、二百十四万六千トンというのが私どもの現在の見込みでございます。
○上原委員 南西諸島も入れて二百十四万……。
○松山説明員 そうです。
○上原委員 鹿児島のことは後で新盛先生が聞くと思いますが、全体で一割程度の減収だとすると、これは当然自給率の面あるいは全体的なことに影響をしてまいりますね。 特にここで指摘をしておきたいことは、県の調査によりますと、今年度の六十一年産収穫量は、生産量、単収とも五十五年度産以来六年ぶりの不作だと言っているわけですね。それは、今若干指摘がありましたが、伸長初期の低温、六月から八月の生育旺盛期の長期干ばつ、それに台風十三号の被害などで、沖縄だけで言いますと前期より三十二万五千トン、計画より三十九万二千トンも少ないことになる。特に、大臣を含めて農水省に御認識いただきたいことは、地域別に見ると、干ばつ被害の大きかった国頭離島あるいは島尻離島の落ち込みが目立つということ。伊江村あるいは伊平屋とか伊是名の北部離島は前年実績の六七・六%に落ち込む、これは計画の五六・九%ですね。南北大東、粟国村、久米島の島尻離島は前年の六五・三%、計画の六二・一%しか見込まれていない。宮古離島も前年の七三・二%、計画の六八・一%と不振で、宮古全体でも前年の七八・二%しか見込まれない。 総じて、沖縄本島と八重山群島だけは前年度並みの数字が出ているようですが、大変厳しいのですね。しかも、離島関係が干ばつや台風その他の被害でこういうふうな生産状況になると、生産農家にとっては今度の価格のあり方との関連においてもますます深刻な問題になっているということ、この点についてはどういう御認識なのか。今私が挙げた数字は県の調査によるものですが、大体農水省もそういうふうに把握しておられると思うのですが、その点はいかがですか。
○谷野政府委員 沖縄全体の数字につきましては先ほど統計情報部長が申し上げたとおりでございますが、沖縄県の中のさらに細分いたしました地域ごとのケースにつきましては、ただいま先生御指摘のように、地域によってかなりの差があるということは私どもも承知をいたしております。全般的な傾向といたしましては、数字は細こうございますので省略させていただきますが、やはり小さな離島において減収の度合いが大きかった。干ばつその他の性質から申しまして、中央部に山があるような大きな島の地域については水源その他の問題からいって被害の程度も少のうございまして、また地域によっては前年並みの収穫を見ておるというようなところもあるわけでございますが、全般的に申しまして、小さな離島において減収率が高いということは御指摘のとおりでございます。
○上原委員 そうしますと、そういう災害時の生産者価格決定は別の次元とか別の性格の問題だとおっしゃるかもしれませんが、農家にとってみればそれは減収だ。そして価格も下げられる、そうすると手取りはますます少なくなりますね。だから、こういった環境の中でこの二十四日にも決められようとするキビ価格については——てん菜が実質的に二・二六%手取り額が引き下げられたがゆえに大変なショックを受けておるのですね、大臣、正直申し上げて。そういったことの比較論は余りしたくはないわけですが、横並びとかあるいは全体が下がっているのだからキビも下がるのは当たり前だという論理は人情深い大臣は立てないと私は思うのです。しかし、これはなかなか厳しい状況にあるということだけはわかりますね。そこで、今期のサトウキビ価格の決定に当たってはどういうお立場で考えておられるのか。私が最初に言った基本認識、その基本認識の上において進行する過程で災害が起きている。これは天災だ。そうであれば、価格というものに対しても当然配慮すべきだと私は思うのですね。どのようなお立場で価格決定をなされようとするのか、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 先ほどお答えいたしましたが、農業パリティ指数に基づき算出される価格を基準としまして、物価その他の経済事情を参酌して決定することといたしております。その際、生産性向上の動向、他の畑作物とのバランス、厳しい財政事情及び需給事情等をも総合的に勘案しまして決定してまいりたいと考えておるところでございます。
○上原委員 なかなかそれ以上の答弁というか言い回しは難しいのでそうおっしゃるかもしれませんが、例えば、パリティ、パリティとおっしゃるけれども、しかし、今回もてん菜価格はパリティ以上に引き下げられていますね。これも問題ですよ。さらに、置かれている条件が違うということもよく理解をしていただかなければいかぬと思うのですね。キビだって農家手取り額は五十九年、六十年と連続据え置きですよ。しかも、五十六年以降五年間でわずか六十円しか上がっていない。これをまた下げるということになると、これは何をか言わんやですね。パリティ指数の下落ということは、これは数字のとり方にもよるでしょうが、数字ですから否定はしませんが、先ほども申し上げました糖安法二十一条では、あくまでも「再生産を確保する」、諸般のいろいろな参酌事項はあるけれども「再生産を確保する」という前提があるんだ。そうであるならば、パリティよりも下げた決定をしているということと、もう一つ私たちが非常に問題にしたいのは生産費のあり方です。 例えば、総合事務局はいつも十月の上旬ごろ、これは農水省もそうですが、サトウキビを十アール当たり幾ら生産費がかかる、トン当たり幾ら生産費がかかるということを出している。六十年生産費というのは沖縄は三・二%の増で二万六千百三十七円、今の農家手取り額は二万一千四百七十円ですから、皆さんが価格的にはじき出すトン当たり生産費はこれだけかかりますよというのとの格差は実に四千六百六十七円もあるのですよ。これは極めて矛盾しているのです。この議論も何回かされてきています。理屈を合わして何やかんや言っているのですが、この落差については皆さんはどのように説明なさるのですか。なぜこれだけの乖離があるのか、お答えいただきたいと思うのです。
○谷野政府委員 ただいま御指摘の生産費との関係でございますが、御指摘がございましたように沖縄におきますサトウキビの第二次生産費は、六十年でトン当たり二万六千百三十七円という数字になっていることは私も十分承知をいたしております。それで、この二万六千百三十七円という数字は、鹿児島県の南西諸島の数字に比べまして四千円ばかり高い数字になっているわけでございますが、その内容を子細に検討してみますと、沖縄の場合、収穫労働に大変多くの労力を要しておるということでございます。これは一つは、沖縄の場合収穫量、つまり、トン数で数えましたサトウキビの量が多いという事情もございますけれども、それ以上に、これに加えまして剥葉作業、葉を収穫の前に取るわけでございますが、この剥葉作業というものが沖縄独特の作業として行われておるわけでございます。この労働力によります時間を価額に換算いたしましたものが大変多くのウエートを占めておるという実態があるわけでございます。また単収につきましても、あるいは糖分につきましても、必ずしも思うほど向上していないというのが実態でございまして、そういう事情がこの生産費を価格の場合にどのように考えていくかというところに影響をするわけでございます。 私どもといたしましては、このような沖縄の実態を一方で見ながら、一方、先ほど来申し上げておるわけでございますが、同じサトウキビをつくっておられます南西諸島との関係、あるいは砂糖になりますと、砂糖自体としてはいろいろな作物からとられた砂糖も同じ砂糖になるわけでございます。そういうような点を、パリティを基礎といたしまして勘案をいたしまして価格決定をしてまいりたいと考えておるわけでございます。
○上原委員 それは剥葉問題とかいろいろありますけれども、後ほどちょっと触れますが、それは、基盤整備であるとか機械化の問題であるとか品種改良の問題であるとか、総合的に判断しないと、今の説明だけでは私はいかがかと思うのです。 そこで、実際決定になるものと皆さんがはじき出すものと、毎年生産費が非常に格差があり過ぎる。農民の皆さんはトン当たりつくるにはそれだけかかるということを見込んでいるわけですね、数字として出るわけだから。しかもてん菜の場合は、御承知のとおり、皆さんがはじき出す生産費よりも実際価格は上回っているのですよ。だから、そこにはいろいろな、今言う労働力の問題、労働時間の問題があるでしょう。その労働時間ということはどのように価格面ではお考えになるのですか。今さらそういう議論をしてもいかないかもしらぬが、我々は生産費所得補償方式を採用すべきだということをかねがね主張してきたのです。パリティと言いながらパリティ以下に押さえ込んでいるわけでしょう。過去においてパリティがアップしたときはパリティ並みに上げなかったのですよ。こういう議論も時間があれば数字的にありますからできますが、あなた方が価格決定をするいろいろな手法においてはいつも何かそういった理屈をつけてやっているけれども、労働力がかかればそれだけの生産費がかかっているわけだから、当然その面も含めて価格というものに反映しなければいけないのじゃないですか。労働力においてはお米の二・五倍、てん菜の五倍以上かかっているのですよ。それはどうなんですか。
○谷野政府委員 ただいま申し上げましたように、沖縄の場合、剥葉労働等におきまして大変労働時間を要しておる、それが生産費の数字の中に大きな数字として反映されておるということは事実でございます。その辺につきましては先ほどもお答えを申し上げたところでございますけれども、砂糖の価格というものを決定するその基礎となりますてん菜、サトウキビの価格を決定いたします際には、そういう諸事情の中でただいまの生産費の調査というものも私ども十分拝見をさせていただいておるわけでございますけれども、このサトウキビの価格決定につきましては、基本的には、農業パリティ指数に基づいて算出される価格を基準といたしまして、物価その他の経済事情を参酌して決定をする、こういうことになっておるわけでございます。 過去の場合に、パリティが上がったときにどうしたかという御質問でございますが、パリティの部分が上がってきておりました際におきまして、生産性向上その他の事情を勘案いたしまして、総合的に据え置きの決定を行ってきたわけでございます。本年につきましては、そのようなパリティの数字がここ数年の方向と違いまして下がるという事態にあるわけでございまして、そういうものを基礎といたしまして、今後、ただいま申し上げましたような諸事情を十分勘案いたしまして、総合的に判断をし、決定をさせていただきたいというふうに考えております。
○上原委員 今度採用しようとするパリティ指数は幾らなんですか。
○谷野政府委員 パリティ指数につきましては、最近時点数カ月の数字を総合いたしますと、マイナスの〇・六六程度であるというふうに考えております。
○上原委員 そこで、総合判断をしてということで説明のつじつまは合わすわけですが、こういう議論だけしてもなんですから……。ただ、農民なり一般常識として受けとめるのは、皆さんがはじき出す生産費と実際に政府が決めるものとの格差が大き過ぎる、それに対する不満が強いということはぜひ御理解いただきたいと思うのです。その他の事情を参酌ということになると、あなた方の論理というのは伸縮自在だよ。それじゃいかぬよ。 そこで、生産性の向上云々、これは当然でしょう。農民だっていろいろ努力しておりますよ。だが、土地改良事業の実態は今どうなっているのですか。かんがい排水事業とか圃場整備事業とか、そういうものですね。いうところの基盤整備はどういう実態になっているのですか。
○鴻巣政府委員 農業基盤の整備は、ほかの都道府県に比べますと沖縄の場合は残念ながらおくれているという感じでございまして、畑を見ましても、これは土地改良長期計画が始まる直前のが一番最新のデータで、五十八年三月の末でございますが、耕地面積は畑で沖縄は四万四千二百へクタールございますが、うち七千六百ヘクタール、一七・一%が整備済みということでございまして、ほかの都府県が全体で三六・一%まで進んでいるのに比べますと、残念ながらまだ大変おくれていると言わざるを得ない現状でございます。
○上原委員 ですから約半分強ですよね、三一、二%として一七・一%というのは。県農水部の耕地課あたりがまとめたのによりますと、かんがい排水は、要整備量四万七千ヘクタールに対し、昭和六十年度までの見込みで、今おっしゃったよりちょっと落ちて六千二百六十四ヘクタールしかやっていませんね。整備率一三・三%です。圃場整備は四万四千ヘクタールに対して九千八百五十九ヘクタールで、整備率二二・四%、こういう状況です。だから、機械化の問題についてもこれまで何回か議論してきたが、十年一日のごとく余り前進しない。ハーベスターにしても何にしても。品種改良もNCo310ですか、もう三十年余りたつのだがまだ新しい品種というのは出ていない。だんだん退化するわけだ。農民がどんなに努力をしても基盤整備、そういった圃場整備、かんがい排水ができないと機械化もできない。品種改良も一向にやらない。努力するのとイタチごっこじゃないですか。そういった基本的なところに問題があるということをお考えになって、もちろんそれは御認識いただいていると思いますが、努力しておられることは私は大いに多としますよ。多とするにしてもなおこれだけのおくれがある、格差があるということは、あなた方のこれまでの御答弁によっても、また農業白書やその他においてもちゃんと証明されていることなんですよ、大臣。だから価格というものも、そういう面も十分参酌をして、パリティ指数で決めるという場合だってこういうことは十分考慮しなさいという意味を含んでいると思いますよ、大枠においては。 今私が指摘をした特に農業用水の確保については、これは今回干ばつ問題いろいろあって、大きなダムも必要なんだが、地形にマッチをした、適応した小規模ダムによる農業用水確保というのは非常に必要だと思うのですね。これを抜本的に、しかも積極的にやらないと、キビの問題とか価格の問題その他を含めて沖縄農業ということを考えた場合には、よりおくれをとることになりかねない状況に今置かれていると思うのですが、そういった総合的な改善、土地改良事業の推進についてはこれからどういうふうにやっていかれようとされるのか、改めてお考えを明らかにしていただきたいと思います。
○鴻巣政府委員 沖縄の農業基盤の整備につきましては、従来から採択基準を下げる、例えば国営でございますと、他の都府県が三千ヘクタール以上とございますのを沖縄の場合は千ヘクタール以上、補助率も、現在暫定で他の都道府県は国営の場合五五%ですが、沖縄の場合は八五%にするというように、採択基準あるいは補助率について特別の優遇措置を講じておりますし、また、予算の確保につきましても格段の意を用いておるところでございます。具体的に申しますと、六十一年度の農業基盤整備費全体の伸びが対前年比九八・八%でございますが、沖縄にありましては対前年比で一〇二・八%ということで、重点的に予算を確保いたしておるわけでございます。これからも、サトウキビの生産性の向上のために、農業基盤整備事業を重点的に、かつ積極的に推進してまいりたいと考えております。
○上原委員 大臣のお考えもちょっと聞かしてください。
○加藤国務大臣 ただいま鴻巣局長がお答え申し上げたとおりでございます。さらに、沖縄全体における水の問題というのは、農業関係だけでなしに一般の問題についても大変重要になっておる、総合的にこの問題を解決していかなくてはならないという認識を持っておるということをつけ加えさせていただきます。
○上原委員 そこで、ちょっと前後するのですが、そういった環境に置かれておる。そうしますと生産奨励金というのも、これは一部に今さら奨励なんてという暴論的な言い方もあるようですが、私はやはりこれは従前どおり必要だと思うのです。この点についてはどういう御見解をお持ちですか。
○谷野政府委員 ただいま御指摘のとおり、サトウキビにつきましては、生産奨励金というものが従来設けられてきたわけでございます。この生産奨励金の決まりました経緯につきましてもいろいろ経緯があるわけでございますが、本年の取り扱いにつきましては、最低生産者価格の決定との関連のもとに、今後慎重に検討してまいりたいというふうに考えております。
○上原委員 もう時間が残り少なくなりましたが、先ほど冒頭で指摘しましたように、今回は特に島尻とか北部とか離島関係が悪い。そうなりますと、含みつ糖についても引き続き十分な気配りをする必要があるということ。一方、キビもこういう状況に置かれていますが、もう一つの基幹作目と言われるパインに至っては大変な状況にある。これはきょうは時間がありませんからあえて取り上げません。別の機会にいたしますが、北海道はいろいろあっても転作なり作目の選択がきくのですよ。キビしかつくれぬところ、パインしかつくれぬというところは、価格決定に当たってもそれなりの配慮はしなければいかぬと思うのです。 そこで、まとめとして私は、当面のいろいろなことはありますけれども、価格決定は、先ほど申し上げましたようなことで引き下げなどということでなくしてぜひ上げる、そういう前提で御努力をいただきたいということ。そして今後の課題として、一つには農業基盤整備の推進、それから収穫作業の機械化の問題、単収の安定及び向上ということ、優良品種及び健全種苗の育成、普及、病害虫防除対策の強化が挙げられると思うのですが、こういうことをぜひやっていただかないと、今のキビの生産性の向上にしても、あるいはさっき言った労働力を少なくする問題についてもなかなかうまくいかないと思うのです。今私が幾つか挙げたようなことの中で、特に価格の問題あるいは基盤整備、品種改良、病害虫対策、水資源対策、こういうことについては恐らく基本認識において変わりはないと思うのですが、今後どのように進めていくのか。また、六十二年度以降の予算の面においても引き続きこういった面は配慮しなければいけないと私は思うのですが、ひとつ大臣の所見を改めてお聞かせいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 そういう基本認識については、上原委員と私は一致しておると思います。私も同じようなことを先ほどお答え申し上げたわけでございますが、さらにつけ加えますと、気配り、目配りをいたして今後推進していきたいと考えておるところでございます。
○上原委員 最後になりますが、いよいよ二十四日ですか、キビの価格をお決めになるようです。そこで大臣、米に始まってこの間の畑作主要作物みんな引き下げられた、キビも例外ではない、こういう言い方なり考え方もあるかもしれませんが、少なくとも、わずか短い時間で指摘をしたような問題があるということ、まだまだ格差も大きい、置かれている条件も厳しい、しかも、今回は自然災害というようなことがあったということを考えると、キビの価格を下げるなんというのはこれはいけませんよ、奄美諸島を含めて。どうなんですか。改めて決意を聞いておきましょう。
○加藤国務大臣 先ほどよりたびたび申し上げましたような問題点を考慮しながら、総合的に勘案して決定いたしたい、こう申し上げる以外にお答えはしようがございません。
○上原委員 後は新盛委員が引き継ぎます。
○玉沢委員長 新盛辰雄君。
○新盛委員 農林大臣、今議論されておりましたサトウキビがこれから決定されるわけですが、六十一年産のてん菜、芋類、大豆等の価格が決まりました。カンショでん粉は鹿児島に関係がありますから一言言っておきますが、原料基準価格でも〇・七%引き下げ、また取引指導価格でも一%、これは総括ですが、引き下げという結果になりまして、まことに遺憾でございます。生産意欲を欠くようなこういうことではよくない。これはパリティ指数もですけれども、生産意欲をかき立てるような価格、農家の手取りというのは安定すればいいわけであって、そうした面ではどうも配慮がなされていないように思うのです。また、これまで取り扱われましたことについては、一生懸命取り組んでいただいたことは前日申し入れに行ったときもよくわかっておりますが、これは将来の問題もありますから、一体どう考えておられるか。 それとまた、でん粉の方では米国からの輸入自由化の問題がございます。六十一年七月十五日にガット違反だと言って提訴もされているという状況ですが、この十二品目の中にでん粉も含まれているわけです。この輸入の自由化ということについては、これまで農水省も全力を挙げておられるわけですが、ひとつ断固阻止してもらわなければこれはまた生産に大きく影響するわけですから、その点の大臣の決意をまず明らかにしていただきたいと思います。
○加藤国務大臣 先般の畑作物の価格決定ではああいう数字が出たわけでございます。しかし、考えてみれば、世界の農産物価格の激しい変動の中で少ない変動であった。生産関係の皆さん方は、さらに意欲を持ち、生産性向上と品質向上のために必死で頑張ってもらいたい、それが今回の畑作物の価格決定に当たりましての私の感じでございます。それから、十二品目関連の問題は、今までたびたびあらゆる場所でお答え申し上げているように、態度は一つも変わっておりません。
○新盛委員 漁業問題で三つほど、焦点を絞って質問をしておきたいと思います。 本年の日ソ地先沖合漁業交渉あるいは日ソサケ・マス交渉等で漁獲量の大幅な削減を余儀なくされたわけであります。今回、政府が北洋漁業対策として発表されました内容を拝見しますと、政府としてはいろいろ御努力もあったとは思いますが、漁業系統が要求されたいわゆる救済対策経費に対する五分の一程度ぐらい、総額にして百九十五億六千万という、我々がこれまで漁業問題を取り扱ってきた内容では極めて低額の内容であります。そこで、今回の減船は何隻になるのか、それから乗組員のいわゆる余剰といいますか、減員というのは何名なのか。さらに、北洋漁業等の救済対策に関する申し入れをこの九月十八日に我が党は農林大臣に申し入れをして各面の対策をお立ていただいたつもりでおりますが、これはごらんになったと思いますので、この一連の関係についてひとつお答えをいただきたい。 それと、今度は減船の取り扱いが始まるわけでありましょうが、実際にこの交付金ではもうどうにもならない、もう減船やめようかという混乱も現場では生じています。あるいは減船するといいましても、共補償で救済しようということになると残存経営者はこれまた大変ですね、また借金を抱えるわけですから。そういう幾つかの問題がございまして、ますます経営状態は悪化するという状況でありますが、どういうお考えか、お聞かせをいただきたいと思います。
○佐竹政府委員 まず、今回の北洋漁業に係る減船の規模でございますが、減船総隻数は四百九十四隻、かようなことになっているわけでございまして、うち、船をスクラップにいたしますものの数が三百五十三隻、かようなことでございます。また、減船による離職予定者でございますが、これは、減船救済の対象にならない大手の船も含めまして約六千二百人程度になるというふうに見込まれているわけでございます。 それから、社会党の申し入れのございました救済対策につきましては、金額の点では必ずしも御納得いただけないかと思いますが、私どもとしては、既に講じました対策も含め、減船漁業者の直接の救済対策である交付金の交付、さらに残存漁業者に対しましては、約百億でございますが、新しく借り入れのための低利の融資措置の創設を図った次第でございます。そのほか、国際規制関連融資等も一応用意してあるわけでございます。さらに、流通加工対策でございますが、流通加工に関する資金制度につきましても、金利の引き下げあるいは償還期間の延長等の措置も講じまして準備したわけでございます。また漁業離職者でございますが、これに対しましては、特に交付金の中身といたしまして退職手当等について特別にその積算をいたしておりますほか、漁臨法の適用により今後の就職あっせん等に遺憾のないようにしてまいりたい、これは関係各省の御協力もいただくことを考えております。 それから最後に、ただいま先生御指摘ございましたように、業界から約千三百億の交付金希望が出ていることは私どもも承知しておりまして、それに対して私どもは、昨年行われましたカニ、ツブ、エビ等に対する減船措置を前提にいたしまして、操業の実態、経営実態等も考慮して措置したわけでございます。業界の希望額に比べれば確かに低いわけでございまして、そのために、今お話のございましたように再度減船の実行についていろいろ議論が行われていることは私ども承知しておりますが、よく業界と意思疎通を図りまして、決して決まったものを押しつけるということではなく、中身を変えるわけではございませんが、今回の措置の私どもの趣旨もよく理解していただきまして、お話し合いの上、円滑に減船を進めてまいりたい、かように考えているわけでございまして、先般も、担当いたしました漁政部長等も北海道に派遣いたしまして意思疎通を図っているところでございます。
○新盛委員 今お話のあった北洋漁業対策特別資金、いわゆる融資措置について、枠として約百億くらいを用意している、そして償還期限七年、利率にして三%という内容ですが、この融資対象を限定されているのじゃないかと思うのです。近代化資金、燃油資金あるいは維持資金、これを借りかえに限るのはなぜだろうかという疑問が現場でも出ています。近代化資金だって、これは五十トン以上の大型船にはやらないということになっているが、これは幅が広うございますから、そういうもので一応融資限定をされると、あなたは弾力的に運用するとおっしゃっているようだけれども、なかなかそうなっていないのじゃないか。これらの指導について、余り見せかけだけで実態が伴わないというようなことになったのではよくないので、ひとつこの辺の指導をどうされるのかお聞かせください。
○佐竹政府委員 今回創設されました北洋漁業対策特別資金につきましては、減船後引き続き漁業を継続する者に対して、交付金等の交付に加え、その経営の維持安定を図るため、減船漁業に係る負債を借りかえるための低利資金の融通を行うものでございます。貸付条件につきましては、償還期限が七年、うち据え置き二年、貸付利率三%としているわけでございますが、さらに、具体的内容については、今後対象者の負債等の実態を調査の上、財政当局と協議して、できる限り速やかに細部を決めてまいりたいと考えております。 ただ、御指摘の制度資金等につきましては、これは従来からこの種の措置を講じます場合、それぞれ既に政策的な配慮で償還条件が決まっているわけでございますので、原則的にその肩がわりの対象にはしていない。これは経営維持安定資金等でもそのような扱いがされておりまして、今回もそのようなことになろうかというふうに考えているわけでございます。
○新盛委員 乗組員の離職者対策は、六千二百人という莫大な人間が職を離れるということになるわけで、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法、いわゆる漁臨法、これによって内容的にも退職者の退職金を含めて万全を期したいということでありますが、この退職金は完全に支払われる能力はあるのですか。それとまた、これから新たに仕事を探さなければならないのですが、離職者対策としてどうお考えか。それと関連をしまして、今度はこれだけの減船ですから、いわゆる漁業協同組合に働いている職員も合理化したり削減をしていかざるを得ない状況が生まれてくるわけですね。こうした系統団体の職員について、それぞれの箇所でもう既に希望退職の募集が始まっているというふうに聞いています。ところが、漁臨法等で救済できる漁船員の方はそれなりの措置ができるけれども、漁協系統に働いている職員については何らの手だてもないわけです。全くそれぞれの漁協でこれからの就職その他を含めて考えてやらなければならない。これは大問題ですよ。これらの問題について今までいろいろなお取り組みはいただいているとは思うけれども、身分の保障あるいは生活の保障、こういうものについて漁協相互間の交流というのもありましょうが、生首飛ばすようなことをされないように、また、こうした面についてこれからどう救済をおやりになるのか。既に根室漁協とか歯舞漁協とか、こういうところで七十六人希望退職をというふうになっているようであります。しかし、現実にはこの皆さんには全然手だてがないわけでありますから、特定地域漁業再建の整備対象として、新たな手法でもって水産庁も少し検討していただかなければいけないのじゃないか。 それで、大臣の方も、今国鉄などの問題、鉄鋼あるいは造船、もうあらゆるところに余剰人員、離職者というのが生まれつつあるわけですが、特にこの漁業の関係では、漁船員も、今度は漁協系統で働く職員もそういう状況が生まれてきておりますから、これは農林水産省としてどう取り組んでいくか、ひとつ大臣の決意もお聞かせいただきたいと思うのです。
○加藤国務大臣 北洋漁業の減船に伴い影響を受けた漁業協同組合等におきましては、今後経営の悪化のほか、業務量の減少に伴う経営の合理化等の問題が懸念されておるところでございます。このような中で経営が不振となっている漁協につきましては、漁協信用事業整備強化対策事業の活用により経営の安定を図っていきたいと考えております。 また、今御指摘になりました漁協職員の規模の縮小が避けられない場合におきましても、まず系統組織内部等の関係者間で十分な話し合いが行われ、離職、再就職等が円滑に行われるよう、必要に応じまして道あるいは県を通じて指導してまいりたいと考えておるところでございます。
○佐竹政府委員 退職金と漁臨法の適用関係について、私から補足御答弁いたします。退職金につきましては、基本的には労使関係の協議により決められるべきものというふうに理解しておりますけれども、今回の北洋減船に際しましては、特に沖合底びき網漁業等では、組合との交渉により退職金の支払いの協約が先行しているという実態を考慮いたしまして、昨年のカニ、ツブ、エビ漁業の減船の際には、退職金につきましては固定給の一・五カ月分の上積みでございましたが、今回はただいま申し上げましたようなこと等を考慮いたしまして、過去最高であった六カ月分を上限とするというように、大変厳しい財政事情のもとではございますけれども、私どももそれなりの努力を行ったところでございます。今後、退職金の支払いの実態等を勘案しながら円滑な交付に努めてまいりたい、かように考えているわけでございます。 それから、漁臨法の適用関係でございますが、求職活動が円滑に進められるよう、いわゆる漁臨法に基づく就職指導、職業訓練、職業転換給付金の支給等の措置が講ぜられるよう、運輸省、労働省に働きかけてきたところでございますが、母船式底びき網等漁業につきましては七月二十九日から、沖合底びき網漁業、底刺し網漁業等につきましては九月三十日から漁臨法の適用業種となっているところでございます。その他、母船式サケ・マス漁業等につきましても、これは後発組でございますので、減船の決定がおくれた関係で漁臨法の適用もおくれているわけでございますが、同法の適用を受けるため両省に働きかけているところでございまして、これらの施策を通じて、漁業離職者の再就職のあっせん等が円滑に行われるよう努めてまいりたいと考えておるわけでございます。
○新盛委員 ここで要望しておきますが、この北洋漁業救済に伴う漁協職員等の雇用安定に関する諸問題については、全国漁協労働組合協議会というのがございまして、水産庁とかねがね交渉しておられるとは思いますが、雇用問題についてはこれからの安定策を含めて、安定した労使の問題もですけれども、特に漁協系列の中における転職などというのはなかなかうまくいかないわけですから、十分にひとつ積極的に話し合っていただきたい。よろしいですか。 次に、カツオ・マグロの問題で、これもまた鹿児島県などは基幹産業の一つなんですが、これは全国的な問題もございますのでお聞かせをいただきたいと思うのであります。 もう御承知のように、極めて大変な状況であります。魚価においても近年例を見ない暴落、そしてまた異常な外国の水産物輸入、こういうことで、マグロに例をとりますと在庫五万トン、そして市場価格は最低、輸入十万トン、国内生産は二十万トン、マーケットが日本だけに限られているものですから極めて大変であることは間違いないのです。これについて輸入の規制、そしてまた需給を正常化させる具体的対策として、系統では一生懸命消費拡大をやっていらっしゃるようであります。その面についての魚価対策、輸入の抑制、消費の促進、在庫消化のための流通の合理化等、これは政府が指導して具体的対策を立てなければならない時期に来ていると思うのであります。この件についてはどうお考えか、お聞かせいただきたい。
○佐竹政府委員 カツオ・マグロ漁業につきましては、かつて、油の値段が非常に安かった、その反面魚価が上昇していったというような非常に恵まれた条件が高度成長時代にあったわけでございますが、オイルショック以降、そういう条件が失われた中で構造的に漁業の姿を変えていくことが不可避になっているというふうに判断しているわけでございます。このような中で自主的な数次の減船等を行ってまいったわけでございます。また減船に加えて、経済的条件の変動の激変緩和のための融資措置もいろいろ講じてまいりました。ところが、最近、ただいま先生も御指摘のように、円高等の影響によりましてカツオ缶詰の輸出が不振に陥り、またマグロについては、メバチ、キハダ等の供給量が増大したこと等によってカツオ・マグロ魚価は低迷し、漁業者の経営は非常に悪化している、かような状況でございます。 そこで、まずどういうふうな対応をするかでございますが、基本的には、先ほど申し上げましたように、現在の経済的な条件に適応するように構造変動は不可避であるというふうに考えておりますが、当面、ショックが非常に大きいわけでございますので、まず、円高の影響が大きいカツオ・マグロ漁業につきましては、海外まき網、この供給量が十万トン近くあるわけでございます。これにつきましては、極力外地水揚げをして国内の市況に影響を与えないようにすること、それからまた、ただいま先生からも御指摘のございました消費拡大のための諸措置等も私ども若干の予算をつけてやっているわけでございます。それから、基本的には漁獲努力量を削減することが必要であるというふうに判断しておりまして、業界とも、水産構造の再編成のための減船等につきまして御相談申し上げているところでございます。 また、マグロはえ縄漁業につきましては、当面マグロの需給均衡を図るために、運搬船による搬入の抑制措置を十月一日から講ずることとしたわけでございます。さらに韓国、台湾、特に台湾につきまして、国交がないこと等によってなかなか協議が難しい問題もございますけれども、日本が唯一の刺身市場である、日本の市場を混乱させることはそれぞれの国のためにもならないということを強く訴えまして、業界、政府ともどもその協議を重ねているところでございます。 また、長期的には、マグロ漁業の需給均衡を図りつつ、その構造を改善するための対策等が必要であるというふうに判断いたしまして、業界と意見調整をさらにやってまいりたい、かように考えているわけでございます。
○新盛委員 いろいろと対策を立てて、新資金などを用意されたりしておられるようでありますが、カツオに例をとりますと、枕崎、山川などに五十年代、三十六隻いた一本釣りのカツオの漁船は現在十隻、惨たんたる状況で、カツオ釣りの漁業について最近海まきがどんどん進行してきている。しかも、一方では円高というような状況の中で、円高がこれから定着をしていく傾向であれば消費拡大も全力を挙げなければなりませんが、これから業者の関係では、海まきなのか一本釣りなのか。海まきというのは一網打尽ですから、資源が枯渇するとかいろいろな影響が起こっているのですが、漁法とすれば、そういうように遠洋漁業が衰退していくものですからなおのこと、一体どうするかという問題がありますが、一本釣りという伝統的な漁法というのはもはや将来なくなるのか。水産庁は何かなくすつもりでおるのではないかと思うのだが、この辺のことについてお考えをお聞かせいただきたいと思うのです。 それで、加工の問題もありますが、やはり需要と供給のバランスをとること、いわゆる釣りの隻数それから海まきの隻数、この生産体制のバランスをどうするかという問題も将来の問題として考えなければいけないのじゃないかと思うのですね。そうでなければカツオ漁業は壊滅するだろう。特に、かつおぶしの側に回るのと加工していくのと、それから生鮮品として刺身などで食べるのと、これはどっちかに重点を置かざるを得ないでしょう。そういう面の指導というものがどうもなされていないのじゃないかと思うのですが、この面はどうか。 それから、新資金を三百億おつくりになったのは結構なのですが、これも弾力的運用をしていただきたい。余りぎちぎちはめますとせっかくつくった融資枠もなかなかうまくいかない。その面をお聞かせいただきたいと思う。
○佐竹政府委員 カツオ需要につきましては、先生御指摘の刺身需要と、それから加工品の大宗を占めます節需要、それから缶詰あるいは缶詰原料としての冷凍輸出、三種類あるわけでございまして、私ども海まき転換を図りましたときには、まき網漁業による漁獲物は専ら輸出に向ける、それから近海カツオ釣り、遠洋カツオ釣り等では、要するに釣り漁業は刺身需要に向く、かような判断をしていたわけでございますけれども、最近の漁業実態、市場の動向を見ておりますと、その節需要につきましても、まき網船での漁獲物が向けられて十分間に合うというふうな加工業者の意見も強いわけでございます。しかも、当然のことでございますけれども、コスト的にはまき網の方が安い、こういうことがございまして、仮にまき網の転換を図らないとしても、外国からのまき網漁船の操業もあり得るわけでございます。したがって、最終的な結論を出したわけではございませんけれども、今後の方向としては、一本釣りは生鮮の刺身需要としては残っていくであろう、しかし、節需要についてもまき網船の漁獲物でカバーされていくというふうな実態も否定できないところでございまして、そのことを前提にいたしまして釣り漁業の将来を考えていきたい、かように考えているわけでございます。 それから、漁業経営再建資金でございますが、この資金は漁業経営の再建を図るための資金ではございますけれども、最近におけるカツオ・マグロ漁業を初めとする漁業経営の悪化に対処いたしまして、その資金繰りにも役立つように配慮しているわけでございます。と申しますのは、かつて講じました燃油資金あるいは経営維持安定資金のちょうど償還期に当たりまして、これで揚げ超になりますといろいろ問題が出てまいりますので、もちろん、この資金の性格上限度はあるわけでございまして、全く自由自在に使えるというわけではございませんが、制度の趣旨の範囲内で分割貸し付けの実施、これは三回まで認めることにいたしました等弾力的運用を図ってまいりたい、かように考えているわけでございます。
○新盛委員 最後に大臣、日韓漁業交渉についてぜひ決意をお聞かせいただきたいと思うのですが、御承知のように十月いっぱいでこの協定が切れますね。今実務者会議で交渉がされております。北洋の方々は早く二百海里を設定すべきだ、西日本の方はちょっと困る、まさに一方を立てれば一方が立たずの式なんですが、その間隙を縫って韓国船オッタートロールはまさに目に余る。日本の側も漁業秩序が守られているかどうかいろいろ言われておりますがね。ところが、二百海里を設定する方がベターなのか。ある漁業系列ではその方がいいと言う。別の方では、いや、それは早く日朝協定を結んだ方がいい、日朝の方は民間レベルでやっておりますから。だけれども、これからの最大の対立点は何になっているのか。そしてまた、これから先の交渉をされるのに、万が一、十月いっぱいにこれができなければ北洋漁業はまた大混乱を来す、こうした状況もございますので、これは早急に結論を出さなければならないのじゃないかと思うのであります。韓国側の漁業規制、すなわち操業規制、あるいは日本の側もそれ相当のルールは守ろう、こういう仕組みの話し合いも続けなければいけないでしょう。一体、二百海里設定に踏み切るのか、あるいは今のまま協定を継続延伸させようとされるのか、実務者会議でどんな話がされているのか、その辺のところを決意も含めてお考えをお聞かせいただきたい。非常に重要な問題であります。
○加藤国務大臣 過去四回実務者会議をやりました。また今週も実務者会議をやり、さらに庁長会議もやらせなくてはならないと考えておるところでございますが、十月末の北海道沖の自主規制措置の期限切れを控えまして、協議そのものは重大な局面を迎えております。私は、協議の促進を図る観点から、昨日、李在日韓国大使を招請しまして、北海道の厳しい情勢への理解を求めますとともに、当面の北海道沖の問題の円満な決着への協力要請をいたしたところでございます。 今後は、まず北海道沖の問題を十月末の取り扱いに決着をつけますとともに、引き続き十一月以降、北海道沖の問題を含め、全般的な見直しに全力を挙げて取り組んでまいりたい、こう考えておるところでございます。
○新盛委員 漁業者の将来の漁業構造を決める大事な問題でもありますから、ひとつ現下の諸情勢を十分に判断して、解決に向かって御努力をいただきたいと思います。 質問を終わります。ありがとうございました。
○玉沢委員長 藤原房雄君。
○藤原(房)委員 きょうは、米価の審議がございまして以来といいますか、久しぶりの委員会でございますが、この席に参りましてから三カ月半ですかの間の農林漁業をめぐります諸問題について、若干の時間をいただきまして質問させていただきたいと思います。農業、漁業、林業それぞれにわたりまして非常に広範な問題でまことに申しわけございませんが、時の問題でもございますので、限られた時間ではございますが、ぜひひとつ政府のお取り組みをお聞きしたいと思うのであります。 最初に林業のことでございますが、知床の原生林伐採問題、これは新聞報道ではいろいろ見ておるわけでございますけれども、公の席上で大臣からきちっとしたお考えをお聞きしていないということで、これをちょっとお聞きしておきたいと思うのであります。 この知床問題につきましては、今日までいろいろ経過もございまして、自然保護団体を初めといたしまして非常に関心の深い問題でございました。大臣の御決断によりまして、これはひとつ四カ月様子を見よう、動物調査をしようじゃないかということになったわけでございます。その決断には心から敬意を表するものでありますが、果たして四カ月の調査で、冬季間だけの動物調査で実態の把握がよろしいのかどうかということに対しての危惧もございます。それから、調査をいたします機関としまして、メンバーとか、調査をした後どういう形でこれが検討されて結論を出すのか、こういうこと等についても自然保護団体の方々のいろいろな危惧もあるわけでございます。そういうことにつきまして、いろいろお取り組みになっておる様子については報じられておりますが、大臣から直接、公の場でお聞きをしたいと思います。いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 知床に残された貴重な資源、自然を保全することは極めて重要であるということが一番最初にあるわけでございます。そして、約三万九千ヘクタールに及ぶ知床国立公園の約九割を国有林が占めておるわけでございます。その中で特に自然環境の保全が強く要請されております約二万三千ヘクタールの区域、全体の六割になるわけでございますが、これらにつきましては、基本的には、人手を加えず、将来とも原生的な状態が保全される森林として取り扱うということにいたしております。残りの区域、全体の約四割でございますが、これにつきましては、自然環境の保全に十分配慮して、最小限の人手を加えて、健全で活力ある森林の維持、造成を行う中で木材資源の利用による地域振興を図ってまいりたい、これが基本的な考え方でございます。 そこで、今回計画しておる内容は、今申し上げましたような考え方に従いまして、過去にも人手を加えて資源造成を図ってきた一部の区域につきまして、動物の生息環境の確保、漁業への影響等に慎重に配慮しまして、一ヘクタールにつきおよそ五本程度の抜き切りを行うこととしたものでございます。この施業計画、伐採計画につきましては、計画の作成段階から地元町、自然保護団体等に対しまして、計画の内容が十分理解を得られるように話し合いを進めてきたところでございますが、地元関係者の大方の理解は得られたものの自然保護団体が伐採凍結に固執されておられたため、先般九月二十日でありますが、地元斜里町長から事前の動物調査の実施等の仲介案が提示されてきたところでございます。こういう状況を踏まえまして、知床国有林の施業計画につきましてはより科学的、客観的データに基づいて実施することが望ましいとの考えのもとに、動物調査等を来年二月ごろまでを目途に行うこととしたところでございます。したがって、年内の伐採は行わず、本調査の結果に基づきましていつ伐採するかを決めることといたしたいと考えておるところでございます。
○藤原(房)委員 今のお話の中にもございましたが、調査結果に基づいていつ伐採するかを決めるという、何かあくまで伐採に重点を置いたような御発言でございますが、全国で原生林といいますか、千古おのを入れざるところはだんだん少なくなってまいりましたね。ここは戦前から伐採したという経過もある。私もこの地元は三十年ほど前から行ったこともございますので知っておりますけれども、また、入植者が近くにおったとかそういったことでナショナルトラスト運動なんかもございまして、隣接地に自然を残そうといういろいろな動きもございます。その隣接地ということでもございまして、地元はもちろんといたしまして、自然保護団体の方々についても非常に関心の深いところであり、漁業者にとりましても、五十七年ですか、伐採計画が以前にありましたときにも、漁業に大きな影響があるのだということ等で一時中止になったという経緯もあるわけでございます。後楽園球場の中から何本しか切らないのだとか、そういうような言い方はいろいろあるのかもしれません。しかし、それは切る本数とかなんとかじゃなくて、生態系にどういう影響を及ぼすかという重要なことを言っておるのでありまして、本数とか林道をつくるとかいうことじゃないのだ。非常に配慮をした伐採計画であることは私も十分承知はいたしておりますけれども、あくまでも日本列島の中で残されてまいりました少ない原生林、そしてまた鳥獣のこと等を考え合わせまして、四カ月の期間で十分な調査ができるのかどうかという危惧も地元民は抱いておるわけでございます。 地元では営林署にお働きになっている方々がいらっしゃって、そういう立場からいたしますと、やはりそのままにしておくよりもというお考えの方もいらっしゃいます。それぞれの利害の立場でいろいろなお話があるのは当然だろうと思いますが、一たびこういうことで調査をしようというからには、世論、いろいろな立場の方々の納得のいくような調査をきちっとしてしかるべきであると思うのでございます。そういうことについては今大臣からもお話がございましたが。さらに生物遺伝資源保存林、こういう指定等もするのだというようなこともあわせて発表になっているところを見ますといろいろ気を使っているのだろうと思いますが、何せ林野庁としましては伐採というか更新をする、こういうことで山の活性化を図ることはもちろんのことですが、林野庁の運営にも大きな影響を及ぼす問題でもございます。 そういうことから、最近言われておりますが、国有林の中の原生林等の保存についての自然保護団体の運動が各地でそれぞれ非常に活発に行われているわけであります。林野庁としましてもその都度いろいろ頭を悩ませて対処していらっしゃるようですが、国有林とか国立公園、こういうものに対して、自然を守るという観点が林野庁の立場では今までどちらかというと欠けている面であったと思うのです。全体の今までの時代の流れの中で伐採計画を立て、そしてそれによって国有林野の運営を図るということが重点であった。その時代から、今や数少ないものを残していかなければならないということで林野会計は非常に厳しい状況に立たされている、こういう現状にあると認識をするわけであります。こういうこと等も考え合わせまして、今後、林野庁としては、財源問題、また森林、原生林の維持ということ等もあわせて根本的に考え直していかなければならないときに来ているという感じがするのですが、大臣はどのようにお考えでしょうか、お伺いしておきたいと思います。
○加藤国務大臣 冒頭に一言申し上げておきたいのは、林野庁の職員はだれよりもだれよりも緑を愛し、緑を大切にし、そして我が国の自然環境の保全に意を用いておる連中ばかりがそろっておるのだということの御認識をいただきたい。山を切り倒し、山を荒らす元凶が林野庁であるかのごとき考え方は困る、私はこう思うので、はっきり申し上げておきたいと思うわけでございます。 林政審議会から次々と御答申をいただいております。それらの御答申を今後実際の政策の上に十分加味、実現していかなくてはなりません。そういう中でも、今申し上げました自然環境の保全ということには十分配慮しなくてはなりませんが、片や林野特会の方は、藤原委員御存じのとおり大変厳しい、苦しいものになってきつつあります。今この国会で国鉄法の審議をされておりますが、第二の国鉄というようなことにならないように必死に取り組んでいかなければならない。そして厳しい財政事情もある、ここら辺を総合的に判断しながら国民の理解と納得をいただき、そして山を愛し、森林を大切にする国民皆さん方の気持ちも酌みながら今後やっていかなくてはならぬと考えておるところでございます。
○藤原(房)委員 ぜひひとつ立派な調査をし、またそれをちゃんとした委員会といいますか、結果の検討につきましてもきちんとした、世論にたえられるような、今後の推移を御検討いただくというか、そういうふうにしていただきたいと思います。
○加藤国務大臣 先般、事務当局から詳しく発表させましたが、北海道森林技術センターに委嘱するわけでございますけれども、このセンターに日本の最高の権威者を網羅しまして、あらゆる問題に対応できるような権威者をそろえ、そしてその権威者の調査結果を待ちたいと考えておるところでございます。
○藤原(房)委員 二月までということは年度内に含みがあるみたいな、そういうふうにしか思えない一面もあるのですが、そんなことじゃなくて、きちんとした世論にたえられる調査結果、そしてまたその結論をきちっとだれにも納得できるような形で出していただきたいということを要望しておきます。 緊急の問題でございますから次に移りますが、北洋漁業の救済対策ですね。これは我が党も八月、九月、これらの諸問題が重大な問題だということで、農林当局にも大臣にもいろいろ申し入れをいたしたところでございます。 去る十月九日に、総額百九十五億六千万、道県の救済措置の利子補給分を加えて二百六十億三千万の対策が立てられたということでございますが、現地でいろいろお話を聞きますと、当初、一千三百億という要求であった。それも、財政当局が大変困難な事情にあるのだという中ですから非常に控え目に出したのだけれども、その五分の一にも当たらない結果であるということで地元では非常に困惑をしておる。先ほど長官のお話もございまして、現地に行っていろいろ説明をしておるということでございますが、各業界それぞれ利害がございまして、いろいろ対策が立てられる。特に沖底関係は大変な現状にあるわけでございますが、こういうことでは今後の進め方としまして現状のままではとてもやっていけないということで、浜では大変に困惑をしておる。こういうことで、十月九日の政府の発表に対して、もう少し現状を知ってもらいたいという声が非常に強い。 融資も含めていろいろな対策を講じたというお話はよく聞いておるわけでありますが、これは五十二年当時の降ってわいたように二百海里時代が出てきたということではない。あのときは国際法のいろいろな議論があって、そういう時代がやがて来るぞという中でのことでございました。しかし、最初ということで業界もまた当局も大変に御苦労なさったことだろうと思います。昨年のツブ、カニのときにも、これはまた時代が大きく変わり、財政的にも非常に困難な状況の中にあっていろいろ御苦労なさったと思います。今回は何といいましても日ソ漁業交渉の中で決まったことであって、漁業者の中で何かしようというのではない。日米、日ソ、沖合、サケ・マスそれぞれの交渉の中でのことでございますので、国に依存するということではなくして、現実に減船を余儀なくされて、それをのまざるを得ない現実の中でどうしても対処し得ないいろいろな問題が出てくる。こういうことについては当局としましても聞く耳を持たなければならないと私は思うのですが、どうなんでしょう。
○佐竹政府委員 今回の救済措置でございますが、大変財政事情の厳しい中でございますし、また、国の施策による影響を受けた者に対する対策としては現在時点ではほとんど唯一の例でございますが、先生御指摘のようなこともございますので、今回の措置を講じたところでございます。 確かに、金額の水準につきましては業界要望とかなり格差があるように受けとめられるかと思いますけれども、私どもとしては、昨年のカニ、ツブ、エビでとった措置を前提といたしまして、それに漁業種類別に経営実態、操業実態等を踏まえて決定したわけでございますので、それなりの配慮は行ったつもりであるわけでございます。さらに、特に残存の減船者に対しましては低利の借りかえ資金等も創設することとしたわけでございまして、現在の漁業の置かれている状況、それから今回の措置の考え方等、漁業者とよく意思疎通を図って減船を円滑に進めてまいりたい、かように考えているわけでございます。
○藤原(房)委員 この減船に伴いまして混乱を起こしてはならぬということで、当委員会としましても、四月十五日ですか、北洋漁業対策に関する決議を満場一致でいたしましたですね。「関係者の生活・経営並びに国民への水産物の安定供給に不安を生じないよう左記事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。」「漁獲割当量の大幅削減等に伴い生ずる関係漁業の減船、水産加工業の事業転換等に対しては、財源を含め諸対策を早急に講ずること。」その他数項目にわたりまして決議をいたしました。 厳しい財政ということは、これはもうだれもが認識していることであります。しかしながら、今まで国または道県の知事の許可を得て操業しておった、それが外交交渉の結果こういう現実になったということで、時代は確かに五十二年とは違うかもしれませんけれども、今日まで操業し得たものが交渉の結果こういうことになったということですから、やはりこれはそれなりの対策を講じなければならぬ。また、共補償等で大変に困窮をきわめて今日までまいった経緯も考え合わせますと、この共補償等についての対策、またツブ、カニ等で交付金に対する租税特別措置やいろいろなことが講じられましたが、そういうこと等についても今回については当然行われるだろうと思います。このたびの補償に当たっての基本的な考え方は五十二年当時とは大きくさま変わりしたというふうにだれもが感じておるわけでありますが、今回のこの措置をとるに当たりましての基本的な考え方、どの点にその思想といいますか考え方を置いてこういう金額をはじき出したのか、その点、ひとつお伺いしておきたいと思います。
○佐竹政府委員 今回の措置の基本的な考え方でございますが、昨年、カニ、ツブ、エビについてやはり減船交付金を交付したわけでございまして、その考え方が基調となっておりまして、ただ、漁業の実態等が異なる面がございますので、それは勘案することとしたわけでございます。五十二年の減船との比較について今先生から御意見が出たわけでございますが、漁業の実態等も非常に変わっておりまして、五十二年当時は沖合底びき等非常に経営内容がよかったわけでございますけれども、現在の状態では大変経営内容が悪化しているわけでございます。したがいまして、特別救済金、いわゆるのれん代等につきましても、五十二年当時と現在とではその水準に違いが出るのはこれはやむを得ないところでございまして、漁業者の期待した数値とは大きくかけ離れることとなったわけでございますが、私どもとしては、昨年の決着がつきましたルールを基調にしているわけでございますので、その点はひとつ御理解いただきたいと思います。
○藤原(房)委員 経営内容のよくない中で、今回こういう交渉の結果減船が余儀なくされたという現実、それだけに、これはもうそれぞれの経営者によりましていろいろなケースがありますから、また業界もそれぞれ業種の内容によってはいろいろな違いがありますから、一概に一つ一つ押しなべてお話しはできないかもしれませんけれども、その内実というものを十分に把握して、適切な措置をひとつ講じていただきたいということを要望しておきたいと思うのであります。さらにまた融資等につきましても、今後残る立場の方々が何とかこれを手がかりにしてということでありますが、十分にひとつ配慮を賜りたい、こう思うわけであります。 時間もありませんので、次に移ります。 先ほどもお話がございましたが、北海道のこういう減船をしなければならないという厳しい環境の中で、韓国との問題があるわけであります。減船を余儀なくされて、日本の漁業者が資源のことを考えて規制されておる。そういうところを、そういう枠にはまらぬということで目の前で韓国漁船にやられますと、これは感情的にも非常に穏やかなことじゃない。北海道におきましても漁業者が立ち上がって、これは断固ひとつ実力デモをしなければならぬ、こういうことで、これはテレビでも放映されておりましたが、感情を逆なですることのないような対策を講じなければならぬ。それには何といっても韓国との間の話し合いが大事だと思います。昨日も大臣が大使とお話をしたということが新聞に報道されておりましたが、暫定協定が今月で切れる、しかし安易な妥協は相ならぬ、こういうことで、今後のわずかな日数の中でこの話し合いを精力的に進めていただかなければならぬ。こういうことに対して、ひとつ大臣の現在の御心境といいますかお考えを、簡単で結構ですからお聞かせいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 北洋漁業関連に伴いまして四五%も減船を余儀なくされた北海道の漁民の立場を考えますと、韓国の漁船が今までどおりやるというのは国民感情の上から見ても、また、実際に窮情にあえいでおる漁民の立場から見ても好ましくないという基本的な考え方で折衝いたしておるわけでございます。ただ、両国の主張が平行線をたどっておりましたものですから、昨日、李大使を招請いたしまして、先ほど申し上げましたような要請を行ったわけでございます。どんなに苦しくとも何とか期限切れの前に話し合い、決着をつけたいという気持ちで今一生懸命やっておるところでございます。今週にも第五回目の実務者会議が開かれ、来週は庁長会談をやるということで、円満裏に何とか決着をつけたいという考えでいっぱいでございます。
○藤原(房)委員 今、日本経済は非常に大きな危機に差しかかっておるわけでございますが、それは何といっても、円高のためにそれぞれの産業がいろいろな苦境に立たされておる。そしてまた、日本の経済構造を転換しなければならぬということが声高に言われているわけであります。国際協調のための経済構造調整研究会、これは総理大臣の諮問機関でございまして、国家行政組織法にのっとったきちっとしたものではないのでそんな強制力はないのでありますけれども、時代相応の一つの考え方であることは間違いないと思うのです。この中には農業の問題についても書かれておる。いわゆる前川レポートということに対しての大臣のお考え等いろいろお聞きしたいところでございますが、時間もございませんので後日にまた譲りたいと思いますけれども、一次産業、これは短兵急に産業構造転換なんていいましてもなかなか容易なことではない。年に一遍しかとれない農作物は、そう他産業のように構造改善、構造調整なんということができるわけはないだろうと思いますが、やはり時間と金をかけてやらなければならぬだろう。そういうことから、いわゆる前川レポートによりまして日本の産業全体を何とかしていかなければならないということで、それに非常に縛られているような感じがしてならない。やはり中長期的な視点に立って、農業も漁業も林業もきちっとした対策を講じていかなければならぬだろうと私は思います。 特に、減反政策、三期政策を今日まで九年やってまいりました。その前もあるわけでありますが、この九年の間何が行われたか。とにかく米をつくらせないということが至上命題であって、九年終わってみて何が残ったか。そこには荒れ果てた田んぼがあるだけであって、転作するものもない。こういうような現状ではならぬ。今日、生産性を上げなければならぬという一つの命題の中で、生産コストをできるだけ低減するための努力が必要だということが言われているわけでありますが、五年、十年たちましたときに振り返って、それはこういう一つの結果を生んだという政策というものが必要ではないか。ポスト三期につきましてもいろいろお伺いしたいことがございますが、そういう中長期的な一つの考え方といいますか哲学といいますか、一つの目標というものをきちっと据えたものでなければならぬと思うわけであります。 今、米の問題につきましてもアメリカから輸入問題が起きているわけでありますが、ポスト三期、そしてまたアメリカからの強い圧力、こういうこと等につきまして、時間もございませんから一言で結構ですが、大臣の所見をお聞かせいただきまして、終わりたいと思います。
○加藤国務大臣 ポスト三期につきましては、農政審議会あるいは各界各方面の御意見を承りながら、今その骨格を固めておるところでございますが、ポスト三期という考え方でなしに、ひとつ新しい出発の水田利用再編を行いたい、こう考えておるところでございます。 それは、我が国農政全般を見まして、自給率の非常な偏りというもの等も出てきております。さらには、意欲ある中核農家の育成という問題等も非常に大変になり、農業に携わる人が意欲を持ち、夢と希望を持っていただけるようなものを何とかして展開していかなくてはならぬ。ただ、藤原委員がおっしゃいましたように、自然を相手にし、そして大地を相手にする農業というものを考えた場合に、すぐ直ちにできるというものではございません。中長期的に腰を据えてやっていかなくてはならない、こう思っておるところでございまして、私どもとしましては、日本国内だけでなしに、さらに諸外国のそういう農業政策に取り組んできた過程も見ながらやらなくてはならない。私は、そういう中で、特に英国の農業政策の第二次世界大戦後の一連の展開というものを非常に着目し、注意して見ておるところでございます。そして我が国の自然条件として、土地利用型農業というものは非常に競争力がない、それを克服する方法もそういう中で加味していかなくてはならぬ、こう思っておるわけでございます。 それから、RMA、ライス・ミラーズ・アソシエーションの提訴問題につきましては、先ほど来お答えいたしておるところでございますが、RMAも、これは民間の業者団体でございますけれども、調べてみますと、一八九九年に創立した団体でございますし、二十八業者関係が入っておるようでございます。今までアメリカに対しては、米に対する慎重な取り扱いを要請してきておったところでございますけれども、アメリカの一九七四年通商法三〇一条の中身等をいろいろ勉強いたしまして、果たしてアメリカ政府がこれを受理するかどうかという期限は、アメリカ時間の十月二十七日に迫ってきておるわけでございます。今回の提訴問題が起こってまいりましても、あらゆる機会と手段を講じまして慎重な配慮を要請してきたところでございます。その慎重な配慮を要請した根拠は、先ほどお答え申し上げましたが、六つないし七つの理由を挙げまして鋭意努力をいたしておるところでございます。 とにかく、内外とも我が国の農業、林業、水産業は非常に厳しいところに来ておりますけれども、国民に安定的に食糧を供給し、あるいはまた自然環境の保全に最大限に留意する、あるいは健全な地域社会をつくり上げていくという農林水産省の本来の任務に向かいまして、国民各界各層の皆様方あるいはこれに加うるに諸外国の皆様方の理解も得ながらたくましく推進していく、悔いを千載に残すようなことをしてはいけない、こういう立場で私はやってまいりたいと思いますので、国会の先生方の一段の御指導、御鞭撻をお願いしまして進んでまいりたいと思うところでございます。
○玉沢委員長 午後三時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十七分休憩 ────◇───── 午後三時三分開議
○玉沢委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。辻一彦君。
○辻(一)委員 私は、きょう米と今問題になっておりますアメリカとの関係について二、三質問をいたしたいと思います。 まず前段として、加藤農相は米についてどう考えているか、米哲学を聞きたいと思うのです。日本の中における米はその基盤である水田稲作、それは第一に国民主食の米を生産する、自給するということでありますが、それだけではなくして、三百万ヘクタールに及ぶ水田に水を張って行う水田稲作というもの、これは国土保全、自然の環境保全などの点から非常に大きな意義と効果を持っておると私は思います。そういう点で、農相の米並びに水田稲作に対する考え方、加藤哲学をまずひとつお伺いいたしたいと思います。
○加藤国務大臣 午前中にもお答え申し上げたわけでございますが、米は日本人の主食である。そしてその次は、我が国農産物の総出荷額の三分の一以上を占める我が国農業の基幹をなすものである、これが二番目であります。三番目は、今辻委員もおっしゃいましたが、この水田稲作というものが自然や環境の保全上不可欠のものであり、ダムの役割等の流量、水量計算等をいたしましても膨大な任務があるということが三番目でございますし、四番目は、我が国の文化、伝統の形成にも深く結びついておる、春祭り、秋祭り、もろもろの日本人的行事というものはすべて水田稲作に関係しておる、こういったところを深く認識しておりまして、主食というものに対する考え方、これは一部のパンを主食としておる人々にとって想像できない重要な意義がある、このように考えておるところでございます。 そして私たちが子供のころには、一粒の米、二粒の御飯をこぼしても、米をつくった人に対する感謝の気持ちを忘れてはならないと親から厳しく仰せつかり、一つの家庭の中においても、米というものが家庭のしつけそのものにも非常に重要な問題であったということを体して私も米という問題について考えておるところでございます。
○辻(一)委員 今農相の御答弁を聞きまして、米についても深い認識を持っていらっしゃるということは敬意を表したいと思います。ただ、大事な米をいかに守っていくかということはなかなか容易でない感じがいたしますが、ぜひそういう認識のもとに立って、主食自給、そしてもろもろの大きな意味を持つ米を守るために頑張ってほしいと思います。 そこで、そういう点から考えますと、アメリカのこの前から問題になっております精米業者協会、RMAの日本に対する米輸入の自由化要求、USTR提訴はかなり無理なものと思うが、農相の見解をお尋ねいたしたい。というのは、もう十分御存じのとおりでありますが、米はガットの中でも認められている国家貿易の品目であるし、国内では二割の減反、第三期対策以降は、伝えられるところでは二十数%、二五%近い減反もあり得るというようなことも言われている。そういう非常に犠牲を払って減反もやっておる。この二つを見ても、日本の米の自給方針、輸入制限は正当性を持つものでないかというように私は思います。 また、そういう中でアメリカのRMA、精米業者協会は米の自由化を要求して提訴しております。不当な提訴であるというふうに思いますが、これについて農相の見解をまずお尋ねいたしたい。
○加藤国務大臣 RMA、ライス・ミラーズ・アソシエーションというものにつきまして私も一生懸命勉強し、調べてみました。一八九九年に創立され、ワシントンにその本部を置いておる。そして、参加業者のいろいろな形態その他も見たわけでございますが、ある面で申し上げますとアメリカの民間業者でございます。このRMAが、我が国の米に関連しまして、一九七四年通商法三〇一条によって申し立てを行ってき、その内容は辻委員御存じのとおりだと思うわけでございます。 政府としましては、これまで種々の機会をとらえまして、アメリカに対し米の重要性等について理解を求めてきたところでございますし、また、日本の米の貿易制度はガット上認められた国家貿易制度であることから、本問題につきましても米国政府に対し慎重な対応を求めてきたところでございます。ただ、同法によりますと、この十月二十七日がいろいろの問題をはっきりさす期限になっておりますので、その成り行きをいろいろの形から危惧し、また心配もし、また今後アメリカ政府が慎重な対応をしてくれることを願っておるところでございます。
○辻(一)委員 今いろいろな使節を出したりアメリカに対していろいろな働きかけがなされているという大変微妙な時期であるというふうに感じますが、これは私は、やはり日本の考え方、立場をこういう機会には努めてはっきり言うべきではないかと思っております。 そこで、最近の情報によると、ヤイター代表はいろいろな発言をしておりますが、伝えられたところでは、RMAは提訴しておったものの、いろいろな状況によって、その取り下げの条件として援助米、加工用原料米の百万トンとか三十万トンとかの輸入を提案している。そのような打診が政府に対してあったのかどうか、その点はいかがでしょうか。
○後藤政府委員 お尋ねの件でございますが、一部の新聞に、RMAが申し立ての取り下げの条件を伝えたというような報道がございますけれども、この点につきましては、政府対政府という関係におきましては、何らこういった提案なり示唆というものを聞いてはおらないところでございます。 開発途上国への援助米という問題につきましては、これは外務省の所管でございますけれども、仮に米国産米を援助に使用するということにいたしました場合には、一つはケネディ・ラウンドの結果できました食糧援助規約、KR食糧援助におきまして、規約上、開発途上国産の穀物を優先使用すべきだということがうたわれておりますこと、あるいはまた近年国際市場で米の輸出競争が非常に激化しております。このRMAの提訴とは別に、タイなどからは、むしろ日本の食糧援助の中で自分の国の米の買い付けをふやしてほしいというような希望も表明されているところでございまして、そういったタイなどの伝統的な米輸出国からの反発も予想されるというような問題があろうかと思っております。 それから、加工用米につきましても、現在六十万ヘクタールに及びます転作を行っております中で、来年度からは、困難な状況の中でさらにこれをふやさなければいけないという需給均衡を図るための努力を強化することが緊急の政策課題になっているという状況でございますし、先生御案内のとおり、三期対策が始まりました五十九年から、加工用向けといたしまして、生産者の方々の努力によって他用途利用米の供給ということで、加工原料用に価格の低い米を供給するということが行われております。来年度以降、いわゆるポスト三期対策とも関連いたしまして、むしろこの他用途利用米の対象の拡大について検討が必要になってきているという状況でございますので、こういった中で加工用米を輸入するということになりますれば、その分だけ国内産米の需要が減る、生産調整の面積をそれだけふやさなければいかぬという状況になってまいりますので、現下のこういった需給均衡を図るための努力を強化しなければならないという状況のもとにおいては、加工用米の輸入を行うということも困難であろうというふうに考えておるところでございます。
○辻(一)委員 ことしの二月と四月のこの委員会でもちょっと私、論議をしたことがありますが、去年の九月に十日間ほど超党派の議員団でアメリカへ行って、そのときに貿易摩擦と農業問題という論議をやりまして、USTRにも行きましたし、アメリカの小麦の過剰状況もワシントン州で随分と見てまいりました。ワシントン州のスポーケンという小麦の生産地ですが、そこでも麦が過剰で、外に随分と野積みをしてある。膨大な麦を外に積み上げておりまして、そういうところでいろいろと懇談をすると、確かに農民団体からこの小麦を少し買い上げて援助用に使えないかという論議が出ましたが、しかし私たちは、日本も二割も水田を減反しているという事実と、開発途上国の食糧を買い上げて援助用に使うというのが国際的な申し合わせだからなかなか難しいだろうという論議をして帰ったことがありますね。政府も去年の段階でこの構想をかなり論議されましたが、やはり今言ったような点から消えていったと思うのですね。私は、この米の問題も、言うならば同じような性格を持っておると思います。二割以上の減反をやっているという事実と、そして米を買うとすればタイであるとかいろいろなところから買わなければ全体の申し合わせに反することになるという二点を見れば、こういう要求、提案というのは無理だなという感じがしておりました。今政府答弁でも、援助米にも加工用原料米にもそれは無理である、そういうことは考えてないということを明白に述べられたわけですが、私はそれはいいと思います。 そこで、けさの新聞を見ると、USTRのヤイター代表は、RMAの提訴取り下げ条件としての援助米は実現不可能、こういうふうに我が国の松永駐米大使に伝えたということが一部報道されておりますが、どういういきさつがあったのか、それからアメリカ側の考え方はこういうふうにきちっとしているのか、その点おわかりであればお伺いしたいと思います。
○後藤政府委員 ヤイター代表と松永大使の間でどういうお話があったかということにつきまして、私どもその内容をつまびらかにし得る立場にないわけでございますが、先ほど申し上げましたように、この種の話が政府対政府で話し合われたということはないわけでございまして、一部の報道がなされ、またそれについていろいろ国内での反響というようなものが向こうに伝わっていることはあろうかというふうに思っております。
○辻(一)委員 そのいきさつを聞くには外務省の方に聞かなくちゃいけないと思いますからこれでとどめますが、いずれにしても日本の政府の態度は明白であるということは確認できると思いますので、しっかり頑張っていただきたいと思います。 そこで、我が国としてもRMAの提訴には取り下げを求め、USTRが提訴を受理しないように求めていくべきであると思います。条件つきといえども妥協はすべきではないと思います。アメリカは、ガットで承認していることを国内法であるこの通商法の三〇一条で判断をして、公正であるとか公正でないとかいう決めつけをやっているのですが、こういうようなことはガットの申し合わせに反することになるのではないか、そういうことを認めるわけにはいかないと思いますが、この点の見解等はいかがでしょう。
○眞木政府委員 お答え申し上げます。 御承知のようにガットは、日米両国を含みまして多くの国々が締約国となりまして、その遵守を確約しておる包括的に貿易を律する国際通商協定でございます。このガットにおきまして容認されております我が国の米の貿易制度に対しまして、米国の一国内法でございます通商法三〇一条を根拠にして非難をするということは妥当性を欠くものであると考えております。また、この通商法三〇一条のように、発動の要件あるいは基準といったものが必ずしも客観的に明確でない非常に包括的な規定でございまして、これを広義に解釈をして、国際的に容認された他国の国内制度といったものに適用し、これに規制を加えようということは、国際社会におきます、ガットの場におけるものも含みまして、そういう合意といったものを尊重するための基盤と申しますか基礎を不確かなものにするという点につきまして我々も懸念を有しているところでございます。
○辻(一)委員 そうしますと、アメリカは、場合によればガットにこの問題を持ち込むという可能性ありということも示唆しておるように感じますが、ガットに持ち込まれたら堂々と論議をして争うべきだと思いますが、この点いかがですか。
○後藤政府委員 ただいまこの申し立てを受けて、アメリカのUSTRにおきまして国内法手続としての検討が行われている段階でございますので、その結果がどうなるかということの仮定に基づいたお答えはしにくいわけでございますけれども、私ども今経済局長から御答弁申し上げましたような考えでおりますので、必要が生じました場合には十分我が方の考え方を主張してまいることに当然なるというふうに考えております。
○辻(一)委員 それはまだまだ仮定の段階であって、これからどうなるかは予断を許さないわけですが、この問題については日本の正当性をしっかりといかなる場所においても主張してもらいたいと思います。 そこで、外国のことをとやかく言うことはないのですが、向こうさんも随分こちらのことを言うわけですから多少触れざるを得ませんが、ヤイター代表は日本の米食糧安保論は理解できない、米は聖域でない、こういうことを言っております。先ほどちょっと申し上げたのですが、去年の九月に私もUSTRに参って、そしてちょうどヤイター代表が下院の公聴会に出かけるというので行き違いになったのですが、スーザン・アーリーというなかなか勇ましい人がおりまして相当な時間やり合ったのです。そのときに、食糧をもっと日本が買うべきだという主張でありましたので、私は、アメリカの農産物を日本が今最大限買い入れている、そのために日本の穀物自給率は今三割を割りかねない状況になっておる、これはもう限界だ、特に国の安全保障という点から考えるとこれ以上自給率を下げるわけにはいかない、特に米においてはしかりだ、アメリカはその米についてどう考えているのだ、こういうことをかなり突っ込んで聞いてみたのですね。そのときに彼女は、日本は狭い国土で食糧をつくっておるから、米については自由化要求は無理でしょうね、こういう見解、趣旨を述べたのですね。その点では私たちは、アメリカも日本の米についてはいろいろ難しさをよくわかっているのではないか、こういう感じが当時したのです。 それで、その足で日本の大使館へ寄って、大使以下担当者に、しかし、そうはいうものの、アメリカは火がつけばなかなか大変なところだから、米に触れれば日米関係は非常に緊張する、難しさがありますよということをよく頭にたたき込んでおく必要があるのではないか、こういうことを懇談して別れたことがありましたですね。 ところが、ことしの四月十六日にリン農務長官が新任して、すぐ一部新聞のインタビューに答えて、米は聖域にあらず、こういう見解を述べた。私は、たまたま衆議院の農水委員会の日であったので早速この問題を取り上げて、政府の見解をただしたのです。これは前農相も、ブロック農務長官等の見解では、今まで言っておることと変わりはない、十分この米の難しさは自分も知っている、こう言って答弁しておりましたが、なお安心ができない。特にリン農務長官は加州の出身であるという点からいえば、加州米が一番本拠地でありますから、これからこの問題は広がる可能性があるのじゃないか、こういう感じは当時私もしておった。そのため委員会でも取り上げてみたわけです。 今回このRMAの提訴を機会に、アメリカ政府の日本の米に対するそういう認識が変化しつつあるのじゃないかという感じを受けます。アメリカに対してもっともっと日本の米の持つ、加藤米哲学を初めとして米の問題点、重要性をよくよく認識、理解を深めておくということがより必要であると思いますが、これについてどうお考えか、お伺いしたい。
○加藤国務大臣 米国に対しましては、これまで種々の機会をとらえまして我が国の米の重要性等について理解を求めてきたところでございます。米国政府関係者はこの点につき十分な理解があるものと考えております。 今回の米国通商法三〇一条の申し立ては、先ほど申し上げましたが民間団体である全米精米業者協会が米国の国内法に基づき申し立てを行ったものであり、我が国としては重ねて米の重要性につき米国政府関係者に説明し、米国政府の慎重な対応を求めているところでございます。あらゆる手段、方法を講じて米国政府に対し今アプローチをいたしておるところでございます。
○辻(一)委員 次に、私は日本とアメリカとECの価格政策について、どれくらいそれぞれが財政負担をしているのかということをちょっとお尋ねいたしたいのです。 日本、アメリカ、ECは価格政策、価格支持あるいは輸出補助金等にそれぞれ財政負担をやっているが、これは数字をちょっと簡単で結構ですが、お伺いしたい。
○眞木政府委員 日本と米国、それからECの価格支持関係予算についてでございますが、一九八六年度におきまして、日本の場合政府の総予算額が五十四兆一千億円、うち農業関係予算額が二兆五千億円、そのうち価格あるいは所得支持関係予算額が五千億円となっております。 これに対しまして、米国の場合、ことしの一月から八月までの為替の平均をとりまして一ドル百七十四円で計算をいたしますと、米国の場合総予算額が百三十八兆四千億円、うち農業関係予算額が九兆四千億円、またそのうち価格所得支持関係予算額が三兆五千億円であります。 またECにつきましては、共通通貨単位ECUを百六十八円で計算をいたしますと、総予算額が五兆九千億円、うち農業関係予算額が三兆九千億円、そのうちの価格所得支持関係予算額が三兆七千億円と、概算でございますが、そのような数字になっておると思います。
○辻(一)委員 日本、米国、ECの価格支持関係の予算といいますか、財政支出は今御答弁のとおりだと思います。私は、ごく簡単に総予算に対して、それから農業予算に対して価格支持のためにどれぐらいのパーセントで使っているかということをちょっと試算してみたのですが、日本の場合は、総予算に対してこの価格支持に使っているのは約一%弱、農業予算に対しては二〇%弱になりますが、アメリカは総予算に対して二・五%、それから農業予算に対して三七%、三兆五千億円を使っている。それからECの場合は、これは各国がそれぞれ予算を持ってやっているのですから、これをもって同じようには並べるわけにはいきませんが、それでもこのECの予算に対して農業予算は六二%、農業予算に対して価格支持に九五%、三兆七千億円を使っている。一ドルが百七十円という試算がいろいろ基準がありますからこのままでいいかどうかはわかりませんが、今の数字をもとにして言えば、日本の五千億に対してアメリカは七倍の価格支持予算を使っているし、それからECは七・四倍使っている。いずれもアメリカ、ECはそれぞれ自国の農業を守るために農産物の価格支持、輸出補助金等多額の財政負担をしているということはこの数字から明らかであろうと思うのですね。日本はそれに比べて、アメリカのあれに比べれば七分の一、あるいはECの七・四分の一ということになる。 どうも伝えられる論議や印象は、我が国のみが膨大なる価格支持にお金を使って、そして日本だけが特別農産物に、特に米に価格支持をしている、こういうような印象を与えがちの論議がなされておるけれども、この数字を見る限りそうではないというふうに私は思うが、これについてどうお考えかを伺いたい。
○加藤国務大臣 私も農林水産大臣になりましてそこら辺を猛烈に勉強してみまして、辻委員と同じような感じを持っております。そしてさらに、アメリカの農産物の価格制度というのを相当勉強してみまして、これは大変なことをおやりになっておるんだなという印象、さらに農家一戸当たりのいろいろな問題まで換算してみましても相当違うということでございまして、それに関連しては、私は別の表現で言ったのは、十二品目問題等でも諸外国それぞれ国境保護措置をいろいろしておるという関係でも申し上げましたし、農産物に対するそれぞれの、ECあるいはアメリカの制度というものを日本の有識者の皆さん方が大いに勉強してみてもらいたいという感じを強く持っております。
○辻(一)委員 私も同様の感じを持つわけですね。わが国も日本の農業を守るために、特に主食である米を守るために食管制度あるいは国会決議に基づいて、米については価格支持政策と自給政策をとっている。日本、アメリカ、EC、それぞれお互いの国の農業を守って食糧を自給するためにかなりな補助金や助成金を出している、これはお互いのことだと思うのですね。これは各国の独自の農業政策、食糧政策であって、主権に属するものであって、この中に余り立ち入って内政干渉に近いような批判や非難、あるいはそれに基づく要求をやるというのは行き過ぎのような感じがしますが、これを農相、どうお考えになりますか。
○加藤国務大臣 行き過ぎかどうかはそれぞれの事情によるわけでございますが、ただ一つだけ注意しなくてはならないのは、内外価格差問題については私たちも大いに留意してこの縮小ということ、そして日本の消費者の皆さん方に理解と納得をしていただくようには持っていかなくてはならない。それぞれの国のそれぞれの事情、問題を抱えながらやっておるわけでございますけれども、我が国の場合を考えますと、内外価格差の縮小ということは考えないといけない。一つは、外国もいろいろのことをやっておるということを十分認識してもらわなくちゃならぬし、そしていま一つは、価格差という問題を今二度申し上げましたが、この問題にも留意しなくてはならないというところに我が国の農政の一番大きな転換点があるのではないかと考えておるところでございます。
○辻(一)委員 これはいかに水際に一線を引いて国会決議をもってしても、余りにも内外の価格の差が大きくなればなかなかその水圧には耐えられなくなる。そういう意味で、一線は引きながら国内においてはやはりより生産費が安くできるようにやっていくということ、これは大事であろうと思うのですね。それは私はきょうの論議ではありませんから一応別にしておきますが、今言われたように、日本だけが農産物に対して不当な価格政策をとっているというような印象がどうもいつの間にか広がっている感じがするので、私は、この点を今ごく大まかな数字でしたが、こういう数字をきちっと整理をして、わかりやすく国内にも国外にもよく説明して理解を広げておくということが大変大事じゃないかと思うのです。全国農協中央会が最近出した米国、ECの農業政策、価格政策をまとめた報告書も見ました。なかなかよく整理をされておると思うのですが、ああいう膨大なものではなくても、わかりやすくこういう数字をきちっと整理をして理解を広げる、こういうことが大変大事じゃないか。私は、国内にもこの点は大変大事だと思いますが、この点もう一度お尋ねしたいと思うのです。
○加藤国務大臣 一番わかりやすい一枚紙に書いてもう少しPRしたり、国民皆さんに理解と納得をしてもらわなくてはならないということで、私も省内のそれぞれの部局の皆さんに対しそういうことを言っておるところでございます。
○辻(一)委員 それから、戦後の我が国の米と麦の変遷というものをずっと振り返ってみると、確かに日本が敗戦によって食糧が非常に不足をした。私もその当時学校の教師をしておりました。給食のとき大変だったと思うのですが、そういうときにアメリカの援助で小麦が入って、それによっていろいろと食糧難をかなりくぐり抜けたということは事実だと思うのですね。そういう中で、アメリカの小麦輸入を引き金にして小麦市場が拡大をし、その後ほとんど外麦、特にアメリカに依存をしてきたということ、したがって、かつては米と並んで麦は自給できたのが今は全く数%というか、自給率としてはまことに低いところになってしまっている。これが小麦の四十年間における変化だと思うのですね。 もし米に対して輸入自由化というような点でどこかに一つ穴をあけたとすれば、私はやはり麦と同じような状況が将来起こりかねないと思うのですね。日本もエネルギーの大部分を外国に依存し、自給できる米までも崩して外国に依存するとなったならば、これは国の安全保障上も大変な問題じゃないかと思うのです。そういう点で、多少割高であっても安心料としてやはり米自給の方針は変えられないと思うし、変えるべきでないし、こういう点をしっかり守っていかなくてはならない、こう思いますが、この点いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 戦後の我が国の麦類、特に小麦、大麦等の自給率の変化という点は確かにあるわけでございます。そういう中で、昭和四十九年の第一次石油ショック、五十三年の第二次石油ショックの中で、世界で一番早く物価を安定させ、安定経済成長路線に移し、そして雇用不安を解消したという根源は、せめて米だけは十分に我が国内にあるんだという問題が大きな要素になったと私は考えております。そういう観点からも、米の完全国内自給という問題は非常に大切である、こういう基本的認識を持っております。また、消費者の関係の皆さん方も、いろいろの問題はありますけれども、各種世論調査の結果を見ましても、米の一〇〇%国内自給は何としてもやっていくのがいいのではないかというお考えもあるわけでございます。そこら辺はさらに思いを新たにしなくてはならない、こう思うわけでございまして、風穴があいたらという表現もございましたけれども、断じて風穴はあけてはならない、こういう気持ちでございます。
○辻(一)委員 大体お考えはよくわかりましたが、もしアメリカが、米の輸入自由化という日本農業の根幹を揺さぶるような、言うならば目玉に指を突っ込むようなことをあえてやるなら、これは我が国も、小麦などの国際性を持つ穀物については輸入先の市場分散等も考えるべきではないかと思いますが、これは私の意見として申し上げておきます、いい関係になることを期待はしておるわけですが。 そこで、大体時間が参りましたので、最後にポスト第三期対策や農政審の問題等をいろいろとお尋ねしたいと思いますが、時間的な点から、これはいずれまた次の機会に伺いたいと思います。 そこで、国営農用地開発事業の償還条件緩和問題について、ちょっと最後に一、二お尋ねいたしたいと思います。 これは、国富営農用地開発事業の、特に論議をしました坂井北部の国営丘陵地開発事業の償還条件の緩和については、この委員会で六十年の四月二日、六十一年の二月十九日、三月二十五日と四月十一日の農水大蔵の連合審査において、佐藤、羽田、二代の農相に対していろいろお考えをお伺いいたしました。三月二十五日には土地改良法の一部改正案の審議の中で、既に完工したところの国営農用地開発事業についても農家の負担を軽減するために努めることという一項を附帯決議をしておる。さらに、四月十一日に大蔵農水の連合審査で、当時の大蔵大臣から、六十二年度予算編成までに農林省と十分勉強して何らかの対策を考えたい、こういう答弁が行われておるのですね。時期的に見ると、農林省としても大蔵とこの問題についてもう詰めるべき時期に来ていると思いますが、これについて農相の決意というものをひとつお伺いいたしたい。
○鴻巣政府委員 まず私の方から事務的にお答えをいたします。 国営坂井北部の地区は、六十一年度に事業を完了するという予定でございまして、福井県は地元負担金の償還を六十二年度から始めるという予定だと聞いています。ただ、この地区の負担金が当初の見込みよりも、御指摘のように大幅に増大いたしておりますので、この国会でも再三辻先生からの御質問もあることですし、地元では、中川知事を初め皆さん大変御心配になって、いろいろ負担の軽減の要望がなされているわけです。そこで、ことし新しくステップ償還ということで、つまり事業が終わってから収益が少ない償還期間の前半の部分の償還額は少なく、後半の償還額をふやすという方式の道を開いて、このステップ償還を坂井北部の地区にも適用しようかというように考えておるところが一つでございます。 もう一つは、今お尋ねのように、償還条件の緩和を図る、つまり具体的に言えば償還の期間を延長することにつきまして、今先生のお話もありましたし、地元でも、中川知事その他地元の方も大変熱心な御要望がございますので、今財政当局に対しまして私ども事務当局で折衝いたしておりますが、実はちょっといろいろ行き違いがありまして、昨年、ステップ償還だけ済めば坂井北部の問題は片がつくような印象を財政当局に与えたせいでしょうか、なかなか今交渉が難航いたしておりますが、十二月の予算編成期までには何とか結論を出したいと努力をいたしているところでございます。
○辻(一)委員 最後に、加藤農相から、これらについてぜひひとつ大蔵とも詰めてもらいたいのですが、決意を一言お伺いしたい。
○加藤国務大臣 先ほど局長からお答えいたしました経過がございます。県知事を初め地元の皆さん、そして辻委員を初め関係の皆さんからこの点はよく承っております。厳しい財政事情のもとでございますので、償還条件の緩和を図ることにつきましてはなかなか楽観は許されない現状でございますが、実現に努力してまいりたい、こう考えておるところでございます。
○辻(一)委員 終わります。
○玉沢委員長 玉城栄一君。
○玉城委員 私は、サトウキビ価格の問題についてお伺いをいたしたいわけでありますが、私もその前に、最初にお米の問題について農相にお伺いしたいのです、これは基本的な大事な問題でありますので。 米を守るということの大臣の御決意、午前中からしっかりと聞かしていただいておりますが、ぜひそのとおりやっていただきたいわけであります。米、これはいわゆる主食である、基幹作物である、あるいは環境保全に貢献したとか、あるいは歴史と伝統に深いかかわりがあるとか減反をやってきたとか、あるいはガット上別にこれは問題ない、そのとおりよくわかるわけですが、ずっとお話を伺っておりまして、果たして国際社会の中で今後ともそういうことだけで通用するのかどうか、自信を持っていらっしゃるのかどうか、その辺いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 この地球上で主食としておるものにはいろいろの種類があるわけでございますけれども、我が日本人にとっては米は主食そのものでございます。主食という観点から申し上げますと、通用させなければならないではないか。私もいろいろな勉強をいたしておりますが、アメリカの有力な学者が書いておる本の中にも、主食という概念でとらえた場合に、日本の米、これは非常に尊重しなくてはならないということを大きく書いておるのも読んだり何かしましたが、米という観念でいくか、主食という観念でいくか。主食という観念でいった方がいいわけでございまして、世界いかなる国といえども、その国民が食べる主食については国内で完全自給したいというのが一つの念願であると考えますときに、主食である米という問題についての日本の考え方というものを国際社会においても理解してもらうように、これまた努力はしなくてはならぬと思います。
○玉城委員 そうしますと、いわゆる米の自由化なんということは今後絶対にあり得ない、あるいは今後国際世論について多少とも配慮しなくちゃならぬというようなこともあるのか、その辺いかがなものでしょうか。
○加藤国務大臣 その前提はいろいろあると思いますけれども、おいしくて安い米をという、おいしいという場合と安いという場合と両方が消費者、国民の間にはあると思います。したがって、現状の格好のままで一〇〇%、今後何十年間も何百年間もだめだとは言えないわけでございまして、内部におけるそれぞれの血の出るような努力をやっていきながら、今申し上げましたような立場を守っていきたい、私はこう考えておるところでございます。
○玉城委員 ぜひ大臣、先頭に立って頑張っていただきたいわけであります。 私は、サトウキビの価格の問題につきまして、きょうはいろいろ農水省のお考え方を午前中から伺ってまして、また予想されるいろんなことからしまして、これは大変厳しいのではないかということなんです。ただ、これからちょっといろいろお伺いしていきたいわけですが、これは二十四日に決定されるわけです。どういうふうな考え方でいらっしゃるのですかという御質問に対して、いろいろと総合的なことを勘案して決めるんだというようなお話しかしていらっしゃらないのですが、ただ、ことしパリティ指数は前年度より下がっているということ、それから例の二十一条に、最低生産者価格を決める場合に、そのパリティ指数を前年価格に掛けて、その他の事情を考慮するということからしますと、パリティ指数が下がっているということは、やはり価格面では相当厳しい、客観的に言いまして厳しいのかな、そういうふうには直接はおっしゃっていらっしゃらないわけですが、今私はお米の問題を伺いましたけれども、伝統と歴史、深いかかわりがあるということは全くそのとおりでありまして、これは沖縄だけに限らず南西諸島もそうですが、サトウキビというのは基幹作物で、これはまさに伝統と歴史に深いかかわりがある作物なんですね。これはひとり価格が下がるという上下だけの問題ではなくて、精神的にいろいろなかかわりが、もし仮に価格が下がってくるということになった場合には影響が出てくることが予想されるだけに、ことしのキビ価格については厳しいぞという予想については大変ショックを受けている、特に沖縄県の場合は。そういうことなんです。 それで、これは大臣でなくて結構なんですが、いわゆる五十八年、五十九年、六十年、三年間というのは、サトウキビの農家手取り価格というのは同じ額ですね。トン当たり二万千四百七十円ですね。いわゆるこの二年間は据え置かれてきたわけですね。その理由をちょっとお伺いしたいわけです。
○谷野政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御質問がございましたように、サトウキビの生産者価格につきましては、昭和五十八年に最低生産者価格二万六百五十円、奨励金八百二十円、合計農家手取りベースで申しまして二万一千四百七十円に決定をされまして以来、五十九年、六十年の三カ年間は同じ金額になっておるわけでございます。この内容につきましては、最低生産者価格につきましては定められましたパリティの考え方を適用をいたしますとともに、生産性の向上その他の要素を総合的に勘案をいたしまして、最終的に二万一千四百七十円、据え置きということにしてきたわけでございます。
○玉城委員 ですから、それはわかるのですよ。そういうふうに計算したということもわかるわけですが、なぜこの二年間いわゆる——ではこれをお伺いします。五十八年から五十九年のパリティ指数はどれくらい上がったんですか。それから、五十九年から六十年、パリティ指数はどれくらい上がったんですか。そして五十九年の最低生産者価格はこれだけになった、六十年はこれだけになった、その辺、そして農家の手取り価格は今おっしゃるトン当たり二万一千四百七十円なんだ、これをちょっと説明していただきたいわけです。
○谷野政府委員 それでは計数を申し上げますと、昭和五十九年の場合には、五十八年の四—八月に対しまして五十九年の四—八月のパリティ指数は〇・九三のアップでございました。同様に六十年の場合には〇・九六のアップになっておるわけでございます。〇・九三、〇・九六のアップは、当然価格を考えます際の基本的な要件でございますが、これは他の畑作物も同様でございますが、その間の生産性の向上を勘案いたしまして総合的に判断をし、据え置きということにいたしたわけでございます。
○玉城委員 今パリティ指数はおっしゃいました。そのほかに生産性の向上分を勘案して総合的にこう決めたんだ、その部分がよくわからないわけですよ。おっしゃるとおりパリティ指数が五十九年の場合は前年比〇・九三上がっている。したがってそれを前年の価格に掛けますと、トン当たり二万七百七十円、五十八年より五十九年は百二十円上がったわけです。上がった生産者価格になっていますね。それから六十年まで言いますと、その五十九年より百十円最低生産者価格は上がっているわけですね。そして今度は奨励金がその分、五十八年は奨励金は八百二十円が、五十九年に来ますとその最低生産者価格の上がった百二十円分奨励金は百二十円マイナスになっていますね。それから六十年は、同じように最低生産者価格前年比百十円上がった分今度は奨励金はマイナス百十円、そして手取りは据え置き、トン当たり二万一千四百七十円、こうなっておるわけです。そこで、いわゆる生産性向上なるものがどの部分にどういう形で入ってその奨励金からマイナスになっているのですか。
○谷野政府委員 ただいま御質問がございましたように、最低生産者価格が上がり奨励金が減額をされまして、合計額といたしまして農家手取りベースで同額となっているわけでございます。それで、奨励金の計算の考え方でございますけれども、これにつきましては、一定期間前の生産の状況、一番はっきりいたしておりますのは単収等でございますが、それと最近の状況とを比較いたしまして、それの相当部分をこの奨励金の減額の基礎として計算をいたしておるわけでございます。
○玉城委員 それはいろいろ理屈はおっしゃいますけれども、結果として五十九年、六十年というのは、サトウキビですがトン当たり同じ二万一千四百七十円ですよ、据え置き。たまたま偶然にそうなったとおっしゃりたいのですか、その辺がよくわからぬわけです。いろいろ計算した結果が五十九年も六十年も同じなんだ、手取りは。それとも偶然にそういうふうに一致したんだ、こういう意味なんですか。
○谷野政府委員 先ほど来申し上げておりますように、これらは総合的に勘案をして決定することになっておるわけでございます。したがいまして、細かい計算等につきましてはそれぞれ十円単位で計算をするというような関係から多少の端数はあるわけでございますが、基本的におおむねそういう線が計算上も出てきておるということでございます。
○玉城委員 そうしますと、ことし六十一年度、二十四日に決められる場合はどういうふうになるんですか。パリティ指数はマイナス〇・六六ですか。
○谷野政府委員 本年の問題でございますが、これは現在検討中でございますので内容の詳細につきましてはまだ決定をいたしていないわけでございますが、基本的な考え方といたしまして、やはりパリティ指数がございます。パリティ指数は、現在私どもの計算では四—八月でマイナスの〇・六六という数字が出ておるわけでございまして、これはパリティ指数としての一つの客観的な数字になるわけでございます。 それから生産性の向上でございますが、これらにつきましてはいろいろな御事情があるわけでございます。最近、生産性の伸びが必ずしも思わしくないという御意見もございます。また、本年干ばつであるという御指摘も一部にあるわけでございまして、その辺につきましては、今後、生産性向上の状況をどのように判断をするかということにつきまして鋭意検討を重ね、総合的に判断をいたしたいと考えております。
○玉城委員 私は端的に申し上げますと、五十九、六十年がトン当たり据え置き、いわゆるパリティが上がって計算した分、それには生産性向上も勘案してある。しかし、その分は奨励金を減らして、手取り額はトン当たり二万一千四百七十円で五十九、六十年来た。今度の場合はパリティが下がっているから、それを掛けますと当然下がりますね。その理屈からしますと、五十九、六十からやった皆さん方の考え方からすると、ことしについてはパリティが下がった分奨励金を上げて、少なくともこの二年間、三年間、同じ価格で来たわけですから、キビ生産農家は我慢してきたわけですから、ことしはやはり上げるべきだというのがこちらの申し上げたい点です。ですから、ことしは奨励金を、下がった分上げることはこれは当然ですね。
○谷野政府委員 ただいまのお話でございますように、パリティ指数は下がっておるわけでございます。一方奨励金につきましては、従来から生産性の向上をどのように見るかということで考えてきたわけでございまして、生産性が下がってきた、こういうことになりますと、価格を上げるという方向に計数的には働くわけでございますが、私どもは生産性の伸び率というのは、沖縄及び奄美群島の場合にはなかなか難しい問題があるとは思っておりますけれども、方向といたしましては、生産性というものは上昇の方向にあるし、またそうでなければならない。生産性が下がるということを前提に計算をするのはいかがなものかと考えておるわけでございまして、ことしもそういう考え方をベースにいたしまして総合的な判断をいたしたいと考えております。
○玉城委員 ですから、その生産性向上の分と奨励金のプラス・マイナスの分とがどうも我々にはぴしっと理解できるような形にはなっておらぬわけですよ。それはまあそれとして、そうしますと、ことしのサトウキビの生産費、これをちょっと御報告いただきたいのです。
○松山説明員 ことしの生産費はまだこれからのまとめになるわけでございますが、六十年の生産費、全国平均の数字で申し上げますと、十アール当たりの第一次生産費でございますが、十七万八千四百五十円でございます。これに資本利子なり地代を加えました第二次生産費でございますが、十九万七千六百四十一円となっております。これをサトウキビ一トン当たりで見てみますと、第一次生産費の方は二万二千二百九十円、それから第二次生産費の方は二万四千六百八十七円、全国平均の数字で申し上げますとこのような状況になっております。
○玉城委員 これは、沖縄はたしか千四百五十円か上がっていますね、それもちょっと報告してください。
○松山説明員 沖縄の生産費、トン当たりで申し上げたいと思いますが、第一次生産費が二万三千七百五十二円、それから第二次生産費の方は二万六千百三十七円、このように相なっております。
○玉城委員 したがいまして、この点につきましても、午前中ちょっと御説明もあったわけでありますが、昨年の据え置かれた二万一千四百七十円、それから生産費が二万六千百三十七円としますと、その差四千幾らになりますか、生産費といわゆる農家手取り価格の差が出ますね、四千余。ですから、これは実際に農家の手取り価格というものは、かかった生産費が償われていない、いわゆる赤字経営であるという論理は成り立たないのですか。
○谷野政府委員 ただいま統計情報部長からお答え申し上げましたように、第二次生産費については、沖縄の場合二万六千百三十七円という調査の結果が出ておるわけでございまして、この金額は農家の手取り二万一千四百七十円に比べまして高いことは御指摘のとおりでございます。この生産費の内容を見てみますと、鹿児島の場合には生産費調査の結果が、単県で見ますと二万二千七十三円、こういう数字になっておるわけでございまして、鹿児島と沖縄の間に四千円ばかりの生産費の差が出ておるわけでございます。 この生産費の内容を子細に検討してみますと、私どもの感じておりますことは、収穫労働に非常に多くの労力が費やされておる、その中で特に沖縄県では剥葉作業というものが収穫労働のほかにたくさんかかっております。収穫労働の問題は機械化の程度の問題、それから収量の問題等もあるわけでございますが、これらについて将来さらに生産性の向上が必要でございますし、またこの剥葉作業に大変多くの時間を使われているということをどのように評価をするかという問題が内容を詰めてまいります際に出てくるわけでございます。私どもは、その辺につきましてなおいろいろと将来の問題については研究はしてまいらなければならないというふうに考えておりますけれども、現状のいろいろな砂糖をめぐります諸情勢を総合的に勘案いたしますときには、この生産費全体につきまして、これを価格に直接織り込んで計算をするということにつきましてはいささか無理があるのではないかというふうに感じておるわけでございます。
○玉城委員 しかし、甘味資源作物の再生産確保を旨としてちゃんと決めなさいと、こうあるわけでしょう。ですから、そういうことからしますと、今農水省としては、サトウキビについてはこれ以上生産あるいは奨励というものは必要ない、もう現状でいいのだ、その辺、基本的にはどういうふうな考えを持っていらっしゃるのですか。
○谷野政府委員 サトウキビは沖縄にとりまして大変重要な作物であるということは、私どもも十分認識をしておるわけでございます。また、生産費の点のほかにいろいろな指標があるわけでございますが、単位面積当たりの粗収益あるいは所得で見ますと、これはほかの農作物に比べまして大変収益性の高い沖縄県独特の作物ということになっておるわけでございます。 将来の問題でございますが、私どもはサトウキビは将来とも沖縄の農業にとりまして基幹的な作物になっていくものであるというふうに考えておりますが、その場合、やはり総合的な甘味資源の問題を考えてまいりますときに、生産費をできるだけ切り下げて効率的な生産を行いつつ、沖縄の基幹的な作物として定着をさせていくのが重要ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○玉城委員 数字的なところで恐縮なんですけれども、現在国内産甘味、いわゆる自給率ですね、その中におけるサトウキビの率はどれぐらいなのか。そしていわゆる自給率の目標、そしてその中におけるサトウキビの率をどのぐらいに置いていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○谷野政府委員 まず現状から申し上げますと、砂糖の需要は、近年大体二百五、六十万トン程度で推移をしておるわけでございますが、このうち国内産糖はてん菜、甘蔗糖合わせまして八、九十万トンというところでございまして、全体の自給率で見ますと三分の一というのが現在の状況でございます。その中で、いわゆるサトウキビ、甘蔗糖の比率でございますが、これは全体の需要の約一割というのが現在の状況であるというふうに考えております。 昭和六十五年を目標といたします長期見通しにおきまして、砂糖の自給率は三割、当時はかなりもっと低かったわけでございますが、三割程度にしたいということを考えていたわけでございまして、現状はおおむねその水準にあるというふうに考えております。
○玉城委員 今おっしゃることは六十五年自給率三〇%、現在の自給率の中においてサトウキビは一割程度、六十五年についてもやはり三割のうちの一割、こういうことをおっしゃったわけですか。
○谷野政府委員 現在昭和六十一年でございますが、ただいま申し上げました六十五年の自給見通しは、現在あるものでございますが、過去においてつくられたという経緯がございます。現在、いろいろと農業を取り巻く内外の諸条件も変化をしてきているところでございますので、新たな自給見通しの策定につきまして現在検討を進めているところでございまして、将来の問題につきましては現在検討中であるというふうに御理解をいただきたいと思います。
○玉城委員 そうしますと、一応六十五年度目標自給率三〇%、その中のサトウキビの率も検討中であるという意味をおっしゃったわけですか。
○谷野政府委員 先ほど申し上げました数字は現状の数字でございまして、全体として自給率はおおむね三分の一、甘蔗糖は需要の約一割を賄っているというのが現状でございます。これを、昭和七十年の目標になろうかというふうに考えておりますが、今後どのように展開をしていくかという点でございますが、私どもはてん菜、サトウキビにつきましては、これは北海道、鹿児島、沖縄各道県におきます極めて重要な作物であるというふうに考えております。したがいまして、今後生産の合理化、品質の向上というものを図りながら、将来ともにその地域の基幹的な作物として位置づけをしていかなければならないというふうに考えておるわけでございます。 ただ、砂糖の内外価格差というものを見ますと、これは計数的に申し上げませんが、かなり大きいわけでございます。それを現在糖価安定制度におきまして輸入糖から調整金を取りまして、これを原資といたしまして、さらに国の交付金を加えまして現在の価格水準を維持しているという事情があるわけでございます。現在、自給率が三分の一といいますことは、輸入糖と国産糖の比率が、国産糖の自給率が上がってまいりましたということは、輸入糖と国産糖の価格の調整を行う場合のやはり一つの大きな条件の変化であるという事情もあるわけでございまして、私どもといたしましては、現在の糖価安定制度というものは将来ともに基幹部分は堅持をしていきたいというふうに考えておりますが、その辺の可能性というものにつきましても、やはりこの自給率の問題は、将来の問題を考えます際に一つの重要な要素になっていくというふうに考えております。したがいまして、そのあたりを総合的に勘案をいたしまして、将来の目標につきましての計数を検討してまいりたいというふうに考えております。
○玉城委員 それはまた後ほどゆっくり勉強さしていただきます。 問題は、二十四日にサトウキビの価格が決定される。パリティ指数はことしは下がっている。また、てん菜等決められた価格も、パリティ指数の下降分よりも予想以上に価格が下がっているということから、私冒頭に申し上げましたとおり、特に沖縄県の場合は、サトウキビというのは全農家の九〇%ですからね。これは沖縄の農業が今後栄えるか滅びるかという大事な瀬戸際にあるわけです。ですから価格の上下というだけの問題ではなくして、沖縄にいろいろある歴史とか伝統とかそういうものにかかわってくる大事な問題であるだけに私はしつこく伺っているわけです。この間、十七日に決められたてん菜それからカンショ、バレイショ及び大豆にかかるパリティ指数は、これも同じマイナス〇・六六%ですね。これを法律に基づく価格算定方式に当てはめた場合、てん菜の本年産価格は、パリティのマイナス〇・六六%にさらに〇・五四%を引いた価格で決定されている、計算してみますと。そこで、この〇・五四%の引き下げ部分はどのような根拠によって引き下げたものであるのか、具体的にちょっと御説明いただきたいわけです。
○谷野政府委員 てん菜の価格の計算でございますが、先ほど申しましたように、〇・六六というのはパリティ指数の変化でございます、マイナス〇・六六でございます。これに加えまして、てん菜の場合にはかなり生産性の向上がこの数年間進んできておるわけでございまして、それらの最近における年間の生産性向上の比率というものを計算いたしましてそのような数字になったわけでございます。
○玉城委員 沖縄並びに南西諸島のサトウキビの事情は北海道とは相当に違うわけです。そういうこともありまして、この計算につきましては、さっき申し上げましたようないろいろな、それこそ諸事情を考慮して総合的に勘案されるという形で、ぐっと引き下がるようなことがあったらこれは非常に重大問題になるわけですから、そんなことが絶対あってはならない、こういうことをぜひ御認識をしていただきたいと思うわけであります。 そこで、これもちょっとお伺いしておきます。沖縄県は、御存じのとおり台風、干ばつもこの間ありまして、私も伊江島という離島へ行きましたけれども、サトウキビが一斉に枯れて、それからイナゴが一斉に発生しているわけですね。もちろん向こうは地下水等もありませんから、いわゆる生活排水を使ってやっている。そういうことからしまして、午前中もおっしゃっておられますように、今度はサトウキビは全域にわたりまして相当の減収が予想されるわけですね。ですから、そういう台風、干ばつあるいは病害虫等の被害、ことしの場合どういうふうに農水省は見ておられるのか、減収数量とか。そしてそういういわゆる天災に対する救済措置というのはどういうふうに考えてやっておられるのか、お伺いいたします。
○松山説明員 御指摘のように本年の場合、鹿児島県、沖縄県を通じまして干ばつの問題あり、かつ台風被害の問題があったわけでございます。 まず干ばつの問題でございますけれども、生育盛期でございます六月から九月にかけまして降水量が非常に少なかったということで、生育遅延あるいは茎葉の枯死でございますとか黄変といったような被害が発生してございます。特に沖縄の場合には、本島周辺の離島を中心といたしまして被害の発生が見られるようでございます。大体沖縄の場合は約一万ヘクタールが被害面積になるのではないかと見込んでおります。 一方、八月下旬の台風十三号でございますが、これによりまして倒伏でございますとか茎葉の裂傷、潮風害といったような被害が発生しておりまして、沖縄の場合、一万八千ヘクタールを若干下回るだろうと思いますが、被害が見込まれる、こういうことでございます。 その他、病害虫の問題につきましてはなおこれからというところが多いわけでございますけれども、今までのところは大体平年程度の被害ではないだろうかというふうに見ております。 こういったようなことを織り込みまして、十月一日現在の調査によりますと、ことしのサトウキビの収穫見込み量といたしましては、平年的なものを約一割程度下回るだろう。全体の数字で二百十四万六千トンの収穫見込み、うち沖縄につきましては百四十三万二千トンの収穫を一応見込んでおる、こういう状態でございます。
○玉城委員 そこで、沖縄県の場合のサトウキビの生産性がおくれているという理由、いろいろあるわけですが、いわゆる土地の基盤整備率、これもおくれているわけですね。例えば圃場の整備率にしても、全国平均四二%、沖縄の場合は二二、約半分強というところですね。鹿児島県の場合が三二ですか、非常に沖縄県はおくれておるわけですね。いわゆるかんがい排水の問題にしましても沖縄はおくれておるという事情があるわけですね。ですから、これは大臣もおっしゃっておられたのですが、本当に力を入れてぜひやっていただかなくちゃいかぬわけであります。 それで、これは構造改善局になるのでしょうか、沖縄県の宮古島に地下ダム建設、いわゆる国営排水事業という沖縄プロジェクトを農水省は計画をしておられるわけですが、この事業の概要、どういう目的で、どういう規模の事業なのか、それがどういう効果があるのか、その辺をひとつ御説明いただきたいわけです。
○鴻巣政府委員 国営かんがい排水事業の宮古の地区は、平良市それから城辺町、下地町、上野村の一市二町一村、受益面積で約八千四百ヘクタールを対象にいたしまして地下ダムを三カ所つくる、それから用水路をつくるということで安定した水の供給を確保する。特に、ことしのように干ばつがあったものですから、大変地元の方も前から渇望されておりました。こういうことで、この地元でつくられるサトウキビとかあるいは野菜の安定的な生産に資するということを考えておるものでございます。昭和五十五年度から調査を始めておりまして、現在全体実施設計中でございまして、昭和六十二年に新規着工ができますように大蔵省に対して予算要求を行っているところでございます。
○玉城委員 六十二年、新年度ですね、予算要求。これは何年ぐらいで大体できますか。
○鴻巣政府委員 かなりこの事業規模が大きいのです。今私どもが手元に持っております資料でも三カ所の地下ダムで、たしか記憶では七百億ぐらいの金でございますので、十五年から二十年はかかるようなかなり大規模な事業を考えております。
○玉城委員 それは非常に結構な話で、できるだけ早くできるようにひとつ大臣も御認識いただいて推進していただきたいわけであります。農業はもちろん水が基本でありますから、地下ダムを開発してそれを農業用水として大いに活用しようということでありますので、ぜひひとつよろしくお願いをしたいのです。 砂糖の問題にもう一つ関連しまして、含みつ糖、説明するまでもなく御存じのとおりでありますが、この含みつ糖の保護措置につきましても強く沖縄側としては要望があるわけでございます。農水省としてはどういうお考えを持っていらっしゃるのかお伺いいたします。
○谷野政府委員 含みつ糖につきましては、現在価格安定制度の別枠で取り扱っております。これは含みつ糖というものが品質がいろいろございますということと、それから主として菓子等の固有用途に消費をされまして、一般の砂糖と異なる独自の価格形成が行われているというところからきているわけでございます。そういう含みつ糖の独特の現在の実態を勘案いたしまして、私どもといたしましては従来から一定の助成措置を講じてきているわけでございます。 ただいま御指摘がございましたように、沖縄の島嶼部、島の一部におきましては、その生産量が少ないというようなことから、将来ともに含みつ糖の工場に切りかえるということは非常に困難であるというふうなものもございます。私どもといたしましてもそのような事情を十分勘案いたしまして、今後とも含みつ糖対策をやってまいりたいというふうに考えております。
○玉城委員 ぜひこれはお願いしたいわけです。 もう一つは、例の砂糖消費税ですね。これはキロ当たり十六円砂糖消費税がかかっているわけですが、この砂糖消費税について、農水省としては、この税の目的とか趣旨とか、それを踏まえてどのように考えていらっしゃるのか、お伺いいたします。
○谷野政府委員 砂糖につきましては、ただいま御指摘のように、一般的にはキログラム当たり十六円の消費税が課せられておるわけでございます。この砂糖消費税は明治三十四年以来の大変長い歴史を持ったものでございまして、当時は奢侈品あるいは嗜好品という性格で税金が定められたという背景があったのではないかというふうに考えられるわけでございますが、その後現在の事情を勘案いたしますと、かなり情勢も変化をしてきておるのではないかというようなお話もございまして、撤廃の御要望があることは十分承知をいたしておるところでございます。私どもといたしましても、このことを踏まえまして、関係方面と十分折衝してまいりたいというふうに考えております。
○玉城委員 大臣、どうも終わりの方でありますのでお伺いしたいのですが、食糧安保、農水省もその大事なお立場でいらっしゃるわけですが、大臣も御存じのとおり、沖縄県は大きな軍事基地が居座っているわけです。これはある意味で軍事的な安全保障という役割を——非常に小さな島々で成り立っているところに非常に巨大な基地がどかっと居座っているために、いろいろな意味で沖縄の振興開発というものに支障があるわけです。全体県土のたしか一一%ぐらいが基地になっていると思います。特に沖縄本島の中部に当たりますところは、もちろん農業も非常に大事な地域ですが、ここらあたりは二七%ぐらいでしょうかね。例えば嘉手納飛行場のある嘉手納町あたりは八〇%が基地になるわけですね。そういうことで他県と違う非常に大きな負担を抱えているわけです。 もう一つは、よしあしは別としましても、そういう関係もありまして、いわゆる基地経済というものもこれまたあるわけです。ところが御存じのとおり急激な円高ですから、いわゆる基地関係の購買力というものが激減しているわけです。非常な経済的な困窮、あるいは沖縄の振興開発にも基地の存在が非常に大きな問題がある。また、さっき申し上げましたような圃場も、いわゆる整備率にしましても、これは第二次大戦のときに、沖縄県だけではありませんが、地上戦があったのは沖縄だけです。そのまま米軍が占領して基地を敷いた。それがずっと長い間続いてきたわけです。ですから、農地を整備するという時間的な余裕のないまま本土に返還されましてまだ十数年で、なかなか他県と違ったハンディがあるわけです。しかも、サトウキビというものは伝統的に昔からやっている。そういうもろもろの事情を抱えた中での今回のサトウキビの価格については、キビ作農家だけの問題ではなくて沖縄県全体の経済にも大きな影響を与える問題であるわけですから、そういう意味ではパリティ指数が上がった下がった、奨励金の趣旨がどうのこうのといういろいろな計算もさることながら、やはり政治的な配慮といいますか、価格決定に当たってこれはどうしても必要だと私は思うわけです。 そういう意味では、昨年六十年、五十九年、あの奨励金をその分引いて据え置きした考え方、それはことしも据え置きではなくて、ことしは今まで我慢したから今度は上げるべきだという考え方ですけれども、せめてそういう考え方で二十四日のサトウキビ価格の決定はぜひしていただかなくちゃならないと強く要望するわけですが、大臣、いかがでしょうか。
○加藤国務大臣 先ほど来の先生の御意見、御質問の趣旨を承っておりまして、その論理あるいはまた切実な御要望というのを身にしみて承っておったところでございます。 午前中あるいはまた午後にもお答え申し上げましたように、パリティ指数を初め他の畑作産物の関係あるいは生産性向上の問題等々を総合的に勘案しなくてはならぬわけでございますけれども、私たち沖縄返還のときに随分議論いたしたのでありますけれども、直接の地上の戦闘の場となり、また今日日本の安全保障を支えてもらっておる多くの基地があるということ等は十分承知をいたしております。そういう過程の中で私たちの胸の中にあって離れないものは、第二次世界大戦のときに、最後に軍司令官が、後世の沖縄県民に対して特別の配慮を請うという最後の打電がありました。このことは我々国政に携わる者として夢寐にも忘れてはならぬことであるという気持ちを持っておることを申させていただきます。
○玉城委員 今の大臣の御心情をぜひその価格政策に反映をしていただきたいということを強く要望して終わります。
○玉沢委員長 神田厚君。
○神田委員 畑作物価格が初めて引き下げになったわけでありますが、その引き下げの幅も、てん菜は最低生産者価格、あるいはカンショにおきましては原料基準価格、バレイショでも原料基準価格、大豆では基準価格、こういうところが引き下げられております。この引き下げ価格によりまして心配しますのは、これから先の生産面の問題でありますが、全体的に畑作物価格が引き下げられたことによりまして畑作物の生産の方に問題が生じないかどうか、その点についてはどういうふうに判断をなさっておりますか。
○谷野政府委員 畑作物価格の生産者価格につきまして、ただいま御指摘のような形でサトウキビ以外の分につきましては先週末に決定をしたわけでございます。この決定の内容となっておりますものは、一つはパリティ指数の低下でございまして、パリティ指数が下がりますということは、農業経営にとりましてもそれだけコストが下がっておるわけでございます。そういう意味におきましては、これは経営に対しまして既にそういう下がっているものを勘案したということでございますから、一般的な影響というものにつきましては、私どもは十分資材価格その他の引き下がりによって補てんをされているものであるというふうに考えております。また、生産性の向上につきましても相応の勘案をいたしまして、生産性向上の一部につきまして価格引き下げ、つまり消費者等に均てんをしていただくという考え方で計算をいたしておるわけでございまして、これも既に生産性向上が事実上実現をしておる内容でございますので、そういう意味におきましては、私どもはこの価格で今後とも生産を続けていただけるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○神田委員 答弁でありますが、しかし、私どもといたしましては、この引き下げ価格、価格が一たん引き下げられるという問題については、いろいろ影響が出てくるというふうに判断をしております。そういう意味では、決定をされた価格問題でありますが、生産資材の引き下げ等々についてなお十二分な指導をしていただかねばならないというふうに考えています。 そこで、特に大豆の問題でありますが、大豆の場合はポスト三期対策の一つの目玉の商品にもなっているわけであります。この大豆がやはり引き下げ価格ということで決定されておりますが、そういうことによりまして三期対策を実施する上で問題がないのかどうか、混乱が生じるようなことがないのかどうか、その辺はどういうふうに判断なさっておりますか。
○浜口政府委員 今回の大豆の価格の決定におきまして、パリティ指数の動向あるいは生産性の向上あるいは他の畑作物とのバランス等々を総合的に勘案いたしまして、六十キロ当たり一万六千九百二十五円、前年対比で一・六六%の引き下げになりますが、その価格決定が行われたところでございます。この価格決定は、繰り返すようでございますが、最近におけるパリティ指数の動向とかあるいは大豆の生産性の向上を勘案して行われたわけでありまして、今後の大豆の生産性あるいは農家の所得に影響を与えるものではないと考えておるところであります。 なお、先生御指摘のとおり、大豆につきましては、我が国の食生活における重要な基幹作物でもございますし、あるいは輪作体系を組みます場合の重要な作物であります。さらに、これまで大豆の量がふえてまいりましたのも、現行の水田再編対策、五十三年から実施してまいりました中で、急激にといいますか、かなり大きなスピードでふえてきたものでございまして、今後ともこの転作等におきましても大豆の位置づけというのは重要だというふうに考えておるところであります。したがいまして、このように価格の問題がございますけれども、今後一層生産性の向上あるいは良品質の大豆の生産あるいは販売流通の改善といったようなものを促進いたしまして、こういう状況に対応するような足腰の強い大豆の生産を進めてまいりたいというふうに考えるところであります。
○神田委員 それから、交付金の縮減化についての要望が大蔵省から二、三出されておりますが、これらの問題についてはどういうふうに考えておりますか。
○浜口政府委員 ことしの大豆の現在の予算は約二百二十億程度でございますけれども、六十年産の作付あるいは北海道における状況等々を考えまして、午前中にもお話を申し上げたところでありますけれども、総枠、総体の金額といたしまして三百億を超えるといいますか、三百十億になんなんとする金額になるわけでございます。こういった金額につきましては、確かに先生御指摘のとおり、財政の面から財政当局がいろいろと関心を持って折衝を行われたところでありますけれども、農林省におきましても、農業の予算といったものにおける大豆に向けますところの交付金の金額の増高部分といったものも十分注意しておかなければいけないというふうに考えるところであります。また、予算の効率的な運営といったようなものからも、農政の立場から足腰の強い農業生産あるいは担い手の育成といったようなものに効率的に使っていかなければならないという命題があるわけでございます。 そういう意味の中でこの部分について、三百億を超えるといいますか、三百十億になんなんとする金額についての今後の見通しを踏まえましてどういうふうにやっていくかというものも議論になったことは事実でございます。そういう中で、一つはこのシステムの中で先ほど触れました基準価格の問題、あるいはそれに従事しておられます農業団体の行われます販売努力の問題等々を総合的に勘案しまして、大豆の今回の六十一年産の決定におきまして所要の改善が行われたところでございます。
○神田委員 特に大豆の生産量が上がってきているということは、政策誘導として転作の中で大豆をつくるように奨励をしているわけでありますから、むしろこれは奨励をしているという立場からいえば、それに見合った財政措置をしていかなければならないという状況でありまして、少なくとも中途半端な形で、限度数量問題などでそれらを頭打ちをさせていくような形では非常にまずいだろうと思うわけであります。したがいまして、そういう点を十二分に御考慮をいただいて、大蔵省、財政当局との折衝にも当たっていただきたいと強く要望をしておきます。 さて、残されました時間、農政全般について農林大臣にお尋ねを申し上げたいと思うわけでありますが、大臣が、現在農政の非常に困難な、非常に大事な時期に御就任をいただきまして、それぞれ鋭意御努力をしていただいておりますことに敬意を表するわけでありますが、極めて重要な問題が山積をしている状況であります。 そこで、まず最初に、日米の農産物交渉が日程に上っておりますけれども、この日米農産物交渉の現況につきまして御報告をいただきたいと思うのであります。
○眞木政府委員 お答え申し上げます。 日米間の農産物交渉、これまでいわゆる十二品目問題というのがあるわけでございます。これにつきましては、これまでの二年間の合意に基づきまして、米国がガット手続を停止するという期限が本年四月に到来するということでございましたので、その後の取り扱いにつきまして昨年末以降米国側と数次にわたりまして協議を行ってきたところでございますが、現在までのところ決着を見るに至っていないわけでございます。 この間、アメリカ側はこれら十二品目の即時完全自由化、あるいは年次別の自由化計画を示すべきであると主張いたしております。我が方といたしましては、米国が主張するこのような全面的自由化は受け入れることができない、個別品目ごとの具体的な要望を聞いて、それを踏まえて二国間で現実的かつ円満な解決を図るべきであると主張し続けてまいっております。この間、去る七月のガット理事会におきまして、アメリカ側は本件につきまして、その次のガット理事会で、紛争解決の手続として定められておりますパネル、少人数のグループによります判断を行うわけでございますが、このパネル設置を決定するよう要請してまいりました。また、その後も我が方に対しましていろいろな機会をとらえてこのパネル設置に同意するよう繰り返し要請をしております。 我が国といたしましては、二国間で円満かつ現実的な解決を図るべしとの立場をあくまで基本としながら引き続き努力してきたわけでございますが、このパネル設置につきましての次回のガット理事会は来る十月二十七日に予定されておるわけで、余り時間もないわけでございます。アメリカ側があくまでガット上の違法性の問題を主張する中にありまして、ガット上の違法、合法の判断は、ガット上の手続によれば、最終的にはこのパネルの判断にまつというのがこれまでの通例であるということも頭に入れなければならないと思いますが、あくまで今申し上げましたような基本的考え方を中心に理事会におきます各国の意見あるいは主張も聞きながら、その時点において最善の判断をしてまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、本件につきましては、今後とも我が国農業に不測の悪影響を及ぼさないように適切に対処してまいる所存であります。
○神田委員 関連しまして、米の輸入自由化の問題が出てまいりました。これは先ほど各党の委員の方からも御質問がございましたが、この米問題について農林水産省といたしましてはどのような対応をなさるおつもりでありますか。
○後藤政府委員 本日の当委員会でも、我が国におきます米の重要性につきまして御議論があっておるわけでございますけれども、私ども、こういった食生活の上でも農業の上でも、国土保全なり自然環境という点でも非常に重要な地位を占めております米につきまして、しかも現在生産者の多大な御努力によりまして生産調整を実施し、来年からはまたこれをさらに強化しなければいけないという状況の中で、国内で必要とされるものにつきましては、生産性の向上に努めながら、全量を国内生産で供給するということで国民生活の安定を図っていく必要があると考えております。 米国に対しましては、これまでいろいろな機会をとらえましてこのような米の重要性につきまして理解を求めてまいったところでございます。また、米の貿易制度はガット上認められた国家貿易制度であるということも含めまして、アメリカに対しまして慎重な対応を重ねて、あらゆる努力を通じまして現在やっておるところでございます。米国政府の慎重な対応を強く求めながら、私ども、残されている期間はもう短うございますけれども、一層の努力を払ってまいりたいと思っておるところでございます。
○神田委員 大臣にお聞きいたしますが、米は日本の農業の基幹作物でありまして、もしも米の自由化がされれば、日本の農業は稲作農業を中心として崩壊するだろう極めて大事な問題であります。したがいまして、この点につきまして大臣御自身はどのようにお考えでありますか。
○加藤国務大臣 我が国の米は国民の主食でございます。また、今長官がお答え申し上げましたような水田稲作というものは、自然環境の保全にも大変重要な役割をしておる、あるいはまた我が国の文化、伝統、歴史そのものである、こういった感じを強く持っておる次第でございます。今後ともあらゆる努力をいたしまして、国民の主食を国内で全量賄うようにしていかなくてはいけないと強い決意を持っておるところでございます。
○神田委員 関連しまして、政府閣僚の中にアメリカ米を援助米として使ったらどうだ、使うべきであるというふうな意見もあるようでありますが、アメリカ産米を日本国の援助米として利用するという考え方につきましては、農林水産省としてはどういうふうなお考えをお持ちでありますか。
○後藤政府委員 お答え申し上げます。 食糧援助の問題は直接的には外務省の所管でございますけれども、御案内のとおりケネディ・ラウンドでできまして、今日までずっと存続いたしておりますKR食糧援助という国際的な規約に基づく援助の仕組みがあるわけでございますが、その中で援助に供します穀物については開発途上国産の穀物を優先使用するということがうたわれておるといういわば国際ルールの問題がございますし、さらには、近年特に米は国際市場での競争が非常に激しくなってきております。タイなどからは、競争が非常に激しくなっておりますことを背景にいたしまして、援助米の買い付けをむしろふやしてもらいたいというふうな要請もあるやに聞いておりますので、そういった点からいたしますと、アジアのタイ等の伝統的な輸出国からの反発ということも考えられるのではないかというようなことで、いろいろ問題があると考えられていると承知いたしております。
○加藤国務大臣 公式的にも非公式的にも、ただいまの内閣の中で特定の閣僚がそういうことを申したことはないということをこの席ではっきり申し上げておきます。
○神田委員 これは新聞報道などで私どもは知らされているわけでありますが、もしもそういう意見が出た場合には大臣としてはどういうふうなお考えをお持ちですか。
○加藤国務大臣 援助米は本来外務省に属することでございます。そしてまた、先ほど来お答えしましたようなケネディ・ラウンド食糧援助計画、あるいはまた無償援助等三通りの食糧に関する援助はありますが、これらはすべて外務省所管になるわけでございますが、私は国務大臣としてでもそこら辺の問題については、はっきり今お答え申し上げたような線で言っておきたいとしておりますが、出てこないだろうと思います。
○神田委員 米に関連しまして、食管の見直し論が非常に幅広く出ておりますが、これにつきましてどのように考えておりますか。
○後藤政府委員 本年の生産者米価決定の経緯等もあろうかと思いますけれども、最近各界におきまして食管制度に関して種々の論議が行われているところでございます。私どもといたしましては、やはりこれだけ大きな制度であり、また生産者、消費者双方に関係をする非常に大きな制度でございますので、やはり国民各界各層の御議論に十分耳を傾けて、国民全体から理解と協力が得られるように、今後の食管制度の運営に誤りなきを期してまいりたいというふうに考えております。 食管制度は、国民の主食でございます米を政府が責任を持って管理をしまして、需給及び価格の調整と流通の規制を行いますことによりまして、生産者に対しましては再生産を確保し、また消費者に対しましては家計の安定を図るという重要な役割を果たしておりますので、こういった制度の基本は維持をしながら、今後とも事情の変化に即応しまして必要な運営面での改善というものにつきましては積極的にこれを図ってまいる。常に制度が時代の要請にこたえ、そして十分な柔軟性を持って本来の目的が達成されるように、その運用についてはこれからも十分改善を図り、研究をしてまいりたいというふうに思っております。
○神田委員 次に、総務庁が農協に対する行政監察の方針を打ち出しておりますが、これについて農林省としてはどのような対応をするつもりなのか、総務庁との間でどのような話し合いが行われているのか、お答えいただきたいと思います。
○甕政府委員 総務庁の行政監察を農協の事業運営について加えたい、こういう話がございまして、私どもの方も、総務庁の業務といたしましてそういった計画がとり行われることにつきましては一定の協力を惜しむものではない、こういう考え方でございます。 具体的には、農林水産省あるいは農協の全国組織に対しましてテストと申しますか、予備的な調査を行って、監察ないしは調査の項目を決めてまいりたい。第四・四半期でございますから、来年の一−三月に監察ないしは調査を実施したい、こういう計画と承っております。
○神田委員 総務庁が農協に対して監察を行うということについて、具体的にどのような方針でどういう監察を行おうとしているのか。どうも私どもが聞いておりますところによりますと、農協が協同精神にもとる行為をしているので、それについて農協本来の精神に立ち返ってもらわなければ困るというようなことで監察をするというような話でありますが、現実に農協が行っております事業やその他の問題は、いろいろ歴史的な経過があって現在の形になっているわけでありまして、これをただ農協憎しのような形で行政監察を行うということになりますれば農協自体が立ち行かなくなり、あるいはそこで働いている多くの労働者の雇用の問題にもなりますし、さらに組合員の生活の問題にもなってくるということでありますから、その点は農林省としてはやはり総務庁と十分な打ち合わせの上で、行政監察の方針について農林省としての立場を明らかにしておく必要があると思いますが、その辺はどういうように考えておりますか。
○甕政府委員 行政監察もその制度に基づいて行うものでございますから、目的といたしましては農林水産省の行う農協の指導監督行政に資することを目的とする、こういうことになろうかと思います。ただ、これはあくまでも行政監察の事柄の性格から来るおのずからなる範囲があると考えております。 農協につきまして具体的にどういう調査をするかということにつきましては、先ほど申し上げましたように、いろいろな準備的な調査でございますとかをやる中で明らかにしたいということでございますから、具体的にはこれからでございますけれども、そういった監察が農協の自主的な協力のもとに行われることでないと実効が上がりませんので、私ども農林水産省あるいは系統農協組織等が十分協議をいたしまして、その辺に対する対応は考えていきたいと思っております。
○神田委員 この行政監察について大臣はどのように考えておりますか、お答えいただきたいと思います。
○加藤国務大臣 農協法に基づき農協が営農指導その他本来の業務、そしてまた最近組合員の要望、需要がふえてきました信用保険、そういったものをおやりになっておられるのはいいわけでございますが、監察と調査と、そしてまた調査の対象にならないもの、こういったものがはっきりあるわけでございます。そこら辺を踏まえながら秩序ある粛々とした方法でやることを期待いたしております。
○神田委員 次に、北洋漁業問題でありますが、北洋漁業の救済対策につきまして、二、三御質問を申し上げます。 政府が発表しました政府交付金百九十五億六千万円と若干の融資措置に対しまして、関係漁民の不満がうっせきをしているようであります。聞いておるところによりますと、北海道あたりでは交付金を返上しようという声もあるというふうに聞いております。業界の要望は約一千三百億円であったわけでありますが、なぜこのような低額回答となったのか。また、この額で円滑に減船ができ、漁業者が納得すると考えているのかどうか。さらに、業界には共補償資金の融資を求めている向きがありますが、この問題についてはどのように対処をなさいますか、まずお伺いをいたします。
○佐竹政府委員 今回の北洋漁業者に対する救済措置につきましては、昨年のカニ、ツブ、エビ漁業の減船でとった措置を前提といたしまして、さらに、これに漁業種類別に経営実態、操業実態等を踏まえて決定したものでございまして、厳しい財政事情のもとでできる限りの配慮を行ったものであります。 さらに、御指摘のように減船残存者に対しましては、低利の借りかえ資金融資枠百億円を創設したわけでございます。業界希望の約千三百億との差異でございますけれども、一つには業界要望の中には特別救済金、いわゆるのれん代が約六百数十億見込んであったかと思うわけでございますけれども、これにつきましては現在多くの漁業種類につきまして経営内容が非常に悪化しておりまして、いわゆるのれん代を算定しました根拠である利益が出ていない、かような状況にあるわけでございまして、これが一つの大きな理由でございます。 さらにまた、業界要望には五十二年以来の各種減船に際しまして認められなかったような内容の要求費目も一応積算されておるわけでございまして、これらが業界要望額と政府決定額との間に大きな差異を生じた理由であるというふうに考えております。 それから、ただいまお話にございましたように、この金額について業界期待額と非常に離れているということから、一部で減船そのものについての是非について議論があるということは私ども承知しておりますけれども、現在の漁業を取り巻く情勢を考えれば、やはりこの際どうしても減船は必要であると考えておるわけでありまして、私どもの意のあるところを業界に十分御説明いたしまして、減船を円滑に進めてまいりたいと考えておるわけであります。その過程で、さらに現在の政府交付金を前提といたしまして共補償の必要性について議論がなされているという事実もございます。これにつきましては、その詳細について私どもも業界要望を聞きました上で対応していきたい、かように考えておるわけでございます。
○神田委員 次は、失業者の問題でありますが、漁業離職者は全体としてどのくらいの数に上るのか。一つは、退職金は十分賄えるような形になっておるのかどうか。もう一つは、漁業離職者の再就職の問題でありますが、年齢構成を見ると非常に年齢が高い中高年の退職が出てきそうでありますが、それらについていわゆる転職、再就職等についてどのような体制がとられているのか、この二点を伺います。
○佐竹政府委員 今回の減船による離職者の数でございますが、母船式底びき網漁業等約六百五十人、それから底刺し網漁業等で六百人、沖合底びき網漁業で約千四百人、サケ・マス漁業で約三千五百人、四業種で約六千二百人程度の減船者が発生するというふうに見込まれているわけでございます。 退職金につきましては、今回の減船に際して業界及び全日海、漁船同盟等労働組合側双方から、沖合底びき網漁業あるいは母船式底びき網漁業等につきましては、既に労使間で退職金の支払いについて協定が結ばれているというところから、特にその配慮を求められたわけでございます。私どもといたしましては、退職金につきましては、基本的には労使間で自主的に決められるべき性質のものであるというふうに考えております。しかしながら、今回の減船に際しましては、特に経営者側あるいは組合側からそのような要望がありましたことを踏まえまして減船交付金の経費補てん金の積算の内訳といたしまして、退職金については、昨年行いましたカニ、ツブ、エビ、そのやり方がルールになっておるわけでございますが、昨年の場合には一・五カ月分しか積算しなかったものを六カ月分積算いたしておるわけでございまして、これによって退職金について円滑な支払いが行われることを期待しているわけでございます。 それから、再就職問題でございますけれども、できるだけ企業内、業界内で転職を進め、失業者を発生させないことが重要であると考えております。関係業界等にその旨指導しているところでございますが、やむを得ず減船により漁業離職者が発生した場合にはその求職活動が円滑に進められるよう、国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法に基づく就職指導、職業訓練あるいは職業転換給付金の給付等の措置が講じられるよう、所管省である運輸省及び労働省に働きかけているところでございます。 母船式底びき網漁業等については七月二十九日から、沖合底びき網漁業、底刺し網漁業等については九月三十日から漁臨法の適用業種となっているところでございます。その他母船式サケ・マス漁業等につきましても、これは第二陣と申しますか、減船の決定がさきの四業種に比べておくれておりましたために漁臨法適用のための手続が若干おくれておるわけでございますが、これらにつきましても両省に働きかけているというところでございます。これらの政策を通じて漁業離職者の雇用対策を推進してまいりたい、かように考えている次第でございます。
○神田委員 五十二年の北洋減船のときには退職金が支払われなかったというような状況もあったようであります。また、それが長期に分割をされたり、そういう状況があったようでありますが、それらについては今回は十二分に行政指導を徹底してもらいたい。さらに、再就職問題は極めて深刻な問題でありますから、これらについて万全を尽くしていただきたい、このように思っております。 最後に、林野庁にお伺いしますが、いわゆる水源税構想の問題でありますが、私どもまだ党内ではこれについて結論を出すに至っておりませんが、あえて形を変えて今回もう一度水源税問題を打ち出されてきましたが、それらについてひとつ状況を御説明をいただきたいと思います。
○松田政府委員 お答え申し上げます。 国民生活上、水の安定供給は大変重要な課題でございますけれども、水の安定供給上森林の果たす役割は大変大きいわけでございます。しかしながら、近年の厳しい財政事情のもとで森林の荒廃が進んでいるのも事実でございます。このまま推移いたしますと、水源涵養等の機能が低下する懸念すらございます。 そういったような状況の中で森林の持つ水源涵養機能を確保するためには、一般財源の確保を図る一方におきまして、緊急措置として、森林の整備による利水上の受益を受ける関係者の負担による特別財源措置を講ずることが必要である、このように考えておるところでございまして、六十二年度緊急整備税の創設を現在要求しているところでございます。今後関係方面の御理解を得てこの実現を図っていきたい、このように考えておるところでございます。
○神田委員 最後に、この水源税問題について大臣御自身はどのようなお考えを持っておるのか。さらに北洋の離職者問題について大臣の決意をお聞きしたいと思います。
○加藤国務大臣 ただいま次長からお答えいたしたところでございます。緑を愛し、森林を大切にし、そしてまた自然環境の保全、そしてその源であります水源の涵養ということを、一般財政事情が非常に厳しい中でございますから、このまま放置してはならないという決意を持っておる次第でございます。 そして北洋漁業に関連します離職者問題につきましては、万全の対策を講じなくてはならない。労働省、運輸省、そして関係方面にも幅広く働きかけていく。さらには、今後政府が法案提出を準備しております新城下町法等の中におきましてもこういった問題を含めた配慮をしなくてはならぬと考えておるところでございます。
○神田委員 終わります。
○玉沢委員長 藤田スミ君。
○藤田委員 大臣にお伺いをいたします。 十月六日の参議院の予算委員会で中曽根総理は、現象的に見ると米の内外価格差の落差が余りにも大きいとし、こうした落差には何らかの欠陥があった、これをこのまま放置していいというものではないと発言をしておられます。今後の農業問題については、これは八月三十日の自民党の軽井沢セミナーでの御発言ですが、理詰めでたまには苦しいこともやってもらう、そういうことはやらないで、ある日突然がたっときて土台骨に亀裂ができるようなショックやらあるいは仕打ちを受けなければならぬということはないとも限らない、国鉄問題がいい例です、こういうふうに発言をしておられるわけです。大臣は総理から農政見直しの指示を受けたとされておりますけれども、それはあの「時の動き」の対談の中で大臣御自身が言われた「発想の大転換」、これを指しているのでしょうか。私は、大臣の言っておられる「発想の大転換」というのは、今までのどういう発想をどういうふうに転換させるおつもりなのか、明らかにしていただきたいわけです。
○加藤国務大臣 今までは国内に目を向けた農政であったと思うわけでありますが、国際的にも幅広く目を向けなくてはならない、そして今までもちろん勉強もし、議論も国会内あるいは社会一般でされておったことでございますけれども、内外とも非常に厳しい農政問題に直面しておるわけでございます。そこで足腰の強い農政、生産性の高い農業あるいは国際的抵抗力のある農政、こういうものを大いに取り上げ議論し、そちらに向かって前進していかなくてはならないという意味で申し上げたわけでございます。 もちろん、自然を相手にし、土地を相手にする農業は産業でございますから、他の一般工業と違いまして相当中長期に問題を構えてやっていかなくてはならない、こう思うところでございますが、先ほど申し上げましたような点をにらみながら、そしてある面では農産物の内外価格差というものを常に念頭に置き、これを縮小あるいは圧縮する方向を目指しながら、血の出るような努力を我々は国民と一体となってやっていかなくてはならないという意味でたしか申し上げたのだと思います。なお、こういった問題につきまして中曽根総理の御指示もありますし、私もいろいろな角度からの意見は申し上げております。
○藤田委員 今大臣御自身から、内外価格差の問題を念頭に置いてというお言葉がございました。私は、「農林水産業に新たな展望を」というこの大臣の「時の動き」の対談も読ませていただいたわけです。この中でも「私は、大臣として、政治家として、これだけ格差があいていることを無視してはいけないと思う。これだけ格差がついたものを無視した農政は自滅、自爆以外の何物でもなくなりますね。」というふうに発言をしていらっしゃいます。 農水省が農政審に「内外価格差について」というペーパーを出しております。大臣ごらんいただいたと思いますが、担当の方、どなたかお持ちでしたら大臣に今お渡しください。——このペーパーでは、内外価格差の比較の方法として五通りを示しているわけです。 私は大臣にお伺いしたいわけです。この五通りというのは、CIF価格、生産者価格、消費者価格、それから生産者価格を単位労賃で割ったもの、消費者価格を同様に割ったもの、この五通りの方法を示しているわけですが、大臣の念頭にある内外価格差というのはどの方法で考えておられるのか、お聞かせをいただきたいわけです。
○加藤国務大臣 私もそこら辺の問題については大変勉強してみます。ただ、簡単に内外価格差という問題を申し上げますと誤解を招くと思います。その中には品質あるいはまた好み、味、いろいろなものがあるわけでございます。そういう中で、私は最終消費者に渡るときの内外価格差というものが一番念頭にあるわけでございます。
○藤田委員 消費者に渡るときの価格差を念頭に置いておられる。非常に消費者に不利益があってはならないという意味で今内外価格差が言われておって、大臣もそういうことで言われておられる。消費者価格というものを見てみますと、この表で「消費者価格」、この格差、直接比較は三以上超えるときは価格差があると言い、それ以下では著しい価格差と言えないというふうに私は理解をしておりますし、そういうふうに農水省からも御説明を受けております。 今米が大変問題になっておりますので、米のところを見てください。 「消費者価格」、直接比較をいたしましても、日本の米はフランスの一・五、それから西ドイツの一・二、それからアメリカの一・九倍。さらに、この一番端の五番目を見てください。消費者価格を単位時間労賃で割ったものと比較をいたしますと、フランスの○・八倍、西ドイツの○・九倍、アメリカの一・九倍、つまりフランス、西ドイツでは日本の米の方が安いということになるわけであります。うなずかれました。これはほかの品目でもそういうことになっておりますね、大臣。ミルクでもあるいは砂糖、小麦、牛肉、ここに並んでいるものはすべてそういうふうな数字になっております。だとしたら大臣は、日本の農産物の価格が消費者価格から見て遜色ないということをなぜはっきりさせられないのか、なぜ消費者の立場を考えて消費者価格の内外格差があると今のようにおっしゃるのか、私はそこのところをお伺いしたいわけです。
○加藤国務大臣 消費者価格の問題を最終的に念頭に置かない農政はあり得ないということでございますけれども、もう一つ藤田委員に申し上げておきたいのは、生産者価格、これも差があってはいけないということでございます。もちろん私が諸外国と我が国の米や小麦やあるいは牛肉や、ここにありますミルク・クリーム、豚肉等々の問題でいろいろ考えるわけでありますけれども、例えば若干数字は違いますが、アメリカの米の生産者価格は、三百七十ドルぐらいのものが消費者価格のときには千ドル近くになる。なぜ流通過程においてこれだけの差がつくのかという問題等も含めて私たちは勉強しなくてはなりませんが、消費者価格は常に念頭に置くわけでありますけれども、生産性の向上、生産者価格ということも農林水産省の立場としては忘れてはならない。先ほど申し上げましたが、足腰の強い、国際抵抗力のある生産構造というものも考えなくてはいけないので、そこら辺をあるときには強調し、あるときには消費者価格の立場で諸外国を説得する、こういうところでございます。
○藤田委員 生産者価格でも差があってはならないというふうにおっしゃいましたので、私はこの点について、それじゃ二点大臣のお考えをお伺いしましょう。 日本の米と価格で比較しているタイ米の生産の現状というものを大臣は十分御承知のことだと思うのです。タイの所得水準は日本の十分の一以下ですから、それだけ安い労賃で生産される米が安いのはこれは当たり前のことではありませんか。私はここに「タイ最底辺」という現地ルポ、中日新聞の伊藤章治さんの書かれた本を持っております。副題に「ほんの昨日の日本」という題がついているのが大変興味があるところなんです。これによりますと、タイの農民は、庭先で中間流通業者によって政府の指導価格よりも一〇%以上買いたたかれ、輸出価格に対する農家の庭先価格はほぼ半分という状態、しかも卸、輸出業者によって国際競争力維持という名目で米価は常に低水準に据え置かれ続けてきたということが克明に書かれています。そして、そういう中でタイの農民がどんなに残酷な生活を強いられているかということを書かれているわけです。 このようにして徹底的にタイの農民は搾取をされ、そして米価をたたかれているわけなんですけれども、そういう米価と日本の米を比較して、日本の生産者米価は高いから問題だ、あるいは消費者米価も高いから問題だというようなことを言えるでしょうか。そういうタイの農民の現状というものを大臣は御存じなんでしょうか。
○加藤国務大臣 私は今までタイ国に何十回か行っております。そして農家の中に上がり込みましていろいろ話をしたことも数回ございます。そしてそれは、バンコク周辺であったり、あるいはカンボジア国境周辺等にも行ってやっております。 私が生産者価格との格差があるということを申し上げておるのは、タイ国のことを念頭に置いて言っておるわけではございません。アメリカの、日本の百二十倍の農家一戸当たりの土地、水田稲作をやる者を念頭に置きながら、近代的農業を経営しておる過程において考えておることでございます。 ただ、藤田委員の御質問の中に、いろいろタイ国の内部のことに対する御意見がありましたが、まあ人は見方によるわけでございまして、私が話をさしていただいた農民等は、そういう中で相当満足し、そしてまた生活を享受しながらタイの農民も米づくりをやっておられるという感じを私は持っております。
○藤田委員 私が一つ一つ内外価格差について聞いていくと、大臣はそういうふうに問題をはぐらかされる。現実にタイのことを言っていないといったって、大臣御自身も、それから中曽根総理なんかも、また経構研に関係する学者も、随分タイの米のことを比較に挙げているじゃありませんか。私は、こういうものの本に書いてあるからこれが全部で、大臣がごらんになったタイというのは少し違うんだなどというようなことをここで議論しようとは思いませんけれども、おおむねタイの現状というものは、大方の方がこういう状態になっているということを指摘し、そういう中でこの比較をされるということは、私は、日本の農民もタイの農民が置かれているような状態になるべきだ、「ほんの昨日の日本」というような状態に逆戻りさせるおつもりかというふうに考えざるを得ないわけなんです。 もう一つの問題です。生産性の問題についてお伺いします。 生産性が労働生産性と土地生産性にあることは言うまでもありませんが、日本の米作の土地生産性、言いかえればこれは単収ですが、これはアメリカと日本の比較を日本開発銀行が資料を出してやっております。これを見ましても、アメリカは玄米で十アール当たり四百五キログラムです。これに対して日本は四百八十九キログラム、タイは百八十キログラム、このように日本の土地生産性というのは極めて高いわけです。日本の農民の努力というものが、私はこの数字ににじみ出ているように思います 一方、労働生産性について言えば、アメリカのように国土の非常に広い、何百ヘクタールもの米作と日本とを比較しても、これはアメリカが高いに決まっているじゃありませんか。しかし私は、こんな地理上の条件というものはとても超えるわけにはいかない、日本には日本の地理的条件があり、アメリカにはアメリカの地理的条件がある、そういう地理上の条件というものを超えることはできないと考えます。こうした地理的条件というものを無視して単純比較で語るのは、日本の農民の努力を傷つけることになりはしませんか、大臣。
○加藤国務大臣 自然的条件、地理的条件に、アメリカの米作と比べた場合大変な格差があるということは、日本国民全部知っておるわけでございまして、ただ、そういうものを念頭に置きながらも、なおかつ、より高い生産性、より高い労働生産性を求め、あるいは生産性向上に励んでいくというところに日本の農民の涙ぐましい努力がある、私はこう考えておるところでございます。
○藤田委員 そういう農民の努力を評価されるなら、これも単純に内外価格差をというその言葉で語るわけにはいかない、それは余りにも一面的であるということをお認めだというふうに理解していいですね、大臣。
○加藤国務大臣 一定の現状に満足し、一定の現状を一〇〇%肯定するということは向上発展の阻害になると私は考えております。
○藤田委員 満足するということ、あるいは現状からさらに発展させていくということと、内外価格差を、私が指摘するように、そういう地理的な条件も全く無視して語るということはどだいむちゃなことだということとは全く別の話なんです。大臣、はぐらかさないでくださいよ。 これを議論していたら時間がなくなりますので、私は、まさかそれを否定しているというわけではないというふうに理解をして、先ほど大臣は、品種のことをおっしゃいました。これについても、皆さんが内外価格差の問題を語られるときに一つも品種のことには触れていない、まさに全く無視しているわけです。しかし、タイの米、カリフォルニアの一部を除くアメリカの米、これは米といっても御承知のように長粒種でしょう。私たち日本人の好みには全然合わないわけです。私たちは短粒種、こんなことはもう米のイロハです。ところが、この品種の問題も全く抜きにして内外価格差という五文字で語られるというところに、それがしかも農水大臣までが語られるところに、ある意味では非常に憤りを私は感ずるわけです。大臣、どうですか。
○加藤国務大臣 私たちは、一つの大きな目標を持って常に頑張らないと向上発展はないと思います。ただ、私も先ほどお答えしましたように、そういうものを考える場合でも、一つの品質あるいはまた好みあるいは長い間の食習慣、こういうものがあるわけでございまして、そういう意味では単純に内外価格差云々を言ってはいけないということは先ほどお答えしたところでございます。 実は、そういう点はよく存じておるところでございまして、先般も中粒種のアメリカのカリフォルニア米を六十キロ買ってきた人が、それで日本風で御飯を炊きまして、多くの人を招待してこの米を食べてみてくれということをおやりになって、それを食べられた方々が、一つはコクがない、一つは風味がないというようなことをそれぞれ異口同音に言われた、それを実行してこられた方が、間接的ではありますが伝えていただいたということ等も聞いておりまして、そういう方々の御苦労、努力、あるいはまた品質の違い、好みの違いというものを、私はある面では強く、そのときその場所によっては強調もいたしておるところでございます、
○藤田委員 大体日本の消費者というのはササニシキだ、コシヒカリだと、これは自主流通米制度が導入されてからこういう銘柄米志向であおられまして、いわば高い米を押しつけられてきたわけです。ここに来て、事あるごとに消費者を引き合いに出して内外価格差を語るときには、全くそういうそれこそもう品質というものを抜きにして語るということに対しては、私は非常に問題だ。大臣がところによってはこのことを強調しておられるということですけれども、それならばもっとそのことをはっきりと農水省自身が、この内外価格差の問題について国民が正しく理解できるようによく話をしていくべきだというふうに私は思うわけです。それを全く抜きにして内外価格差ということで、その価格差がついたものを無視した農政は自滅、自爆以外の何物でもなくなるというようなことを言われるに及んでは、日本の農民にとってどんなにそのことが暴言であるかということを一体大臣はどこまでわかっておられるのだろうか。そういう点で私は、こういう大臣の発言の撤回さえも求めたい気持ちであります。 また、今二十一世紀に向けての農政ビジョンの策定を進めている農政審の審議ベースに経構研レポートが据えられています。この中を見ますと「基幹的な農産物を除いて、」というふうに言っておりますけれども、「内外価格差の著しい品目(農産加工品を含む)については、着実に輸入の拡大を図り、内外価格差の縮小と農業の合理化・効率化に努めるべきである。」というこの言葉をそのままいけば、これは日本の農業つぶしになると私は考えますし、この言葉はかねてから財界が主張していたことだなというふうに読んでおりますけれども、今政治が考えなければならない大事なことというのはこういうことなんでしょうか。日本の政治が、本当に今日本の食糧というものを真剣に考えるならば、それはまさに、穀物が何と三〇%を割るかと言われるような自給率にまで落ちてしまったこの現状の中で、いかに食糧の自給率を根本的に上げていくことが大事かという立場で議論をすることが大事じゃないでしょうか。私は、農政審においてもそういう立場で議論をするべきではないかというふうに考えますが、大臣、いかがですか。
○加藤国務大臣 穀物の自給率が三二%を割りそうだということでございます。世界先進国の例を見ましても、我が日本はそういう面では最低でございます。私は、きょうの当委員会の午前中にもお答え申し上げましたが、第二次世界大戦後の英国がとった食糧自給率、穀物自給率政策というものを我が日本は大いに見習わなくてはならないということも、また、重大な関心を持ってこの問題を勉強してまいりましたというようなこともお答え申し上げておるわけでございまして、四方を海に囲まれた我が日本が、国民に対し食糧、穀物の自給率を高めていくことは非常に大切であります。そういう中でも、品質とかあるいはまた好みとかいう問題もあるわけでございますけれども、現状を肯定してはいけないわけであります。ただ、戦後四十数年間の我が国の農政を振り返ってみた場合に、物によりまして自給率の度合いが向上しておるものと自給率が下がったもの、いろいろあります。その中では、きょういろいろ議論されました大豆等もあります。あるいは麦類もあるわけでございます。こういうものを総合的に判断しながら自給率の向上に資していかなくてはならないわけでございまして、我が一億二千万の国民に対し、安定的に食糧を供給していくというその心構えはだれにも劣るものではございません。 ただ、「時の動き」でお読みになられて、私の言った内外価格差の問題という表現を撤回しろというお話でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、内外価格差というものを常に念頭に置きながら、現状に甘んずることなく、さらに国民各界各層の理解を得ながら、血の出るような努力をこれから積み重ねて自給率を上げていくということでございまして、現状に甘んずるということはある面では自殺行為になるとさえ私は思っておるところでございます。
○藤田委員 大臣がここで話しておられる言葉のような形で内外価格差という言葉が世の中で語られているんだったら、私はここでこんな問題にしないのです。現に経構研のレポートで言われている「内外価格差の著しい品目については、着実に輸入の拡大を図り、」というこの言葉一つを見ましても、また今、しきりに内外価格差ということを盾にして輸入をさせよとアメリカの方は言っていますし、また、消費者は損をしているよということで、そういう理屈をかついで評論家の竹村健一さんなんかはもうとってもはしゃいでおられるわけですね。そういうときに同じような調子で言われる、そして農政審の審議のベースに経構研のこのレポートを据えておられるという点で私は大変問題にしているわけです。 だから、大臣の言われるような立場に立つなら、私は、経構研レポートというのは審議から外して、そして真剣に、自給率向上を目指してどうするかということで焦点を絞った議論を農政審で行うべきだということを思うわけですが、簡単で結構です。ここだけ答えてください。
○加藤国務大臣 そのことは、先ほど私がお答え申し上げました意欲ある中核的農家を育成し、そして国際抵抗力のある足腰の強い日本の農政を築き上げていくということが、これから我が日本にとっても、そして農政にとっても大切なことでございます。 私も、もちろん経済構造調整推進会議の一員でございます。また前川さんが前川レポートをお出しになる前、これは全く個人的にではございますが、一対一で二回にわたり激しい議論をさせていただいたこともあります。ここでその議論の中身を申し上げるなにはございませんけれども、ただ藤田委員の質問の中に輸入促進のためにという言葉があるのは、私はそのような輸入促進のための経構研レポートであるとはとっておりません。
○藤田委員 それでは次の問題に移ります。畑作問題です。 今回のサトウキビを除く畑作価格の引き下げというのは、先ほどからも言われておりますが、生産者に経済的な打撃ということだけではなしに、精神的にも生産意欲を奪い、農業への将来展望を失わせるという点で極めて遺憾であるということを最初に申し上げておきます。 ところで、私は先月畑作の中心地であります北海道の十勝地方に調査に入りました。そこで驚いたのは、今大臣も強調された生産性の高い中核農家、畑地で四十ヘクタール前後耕作しているそういう典型的な農家の集中している地域なんですが、そこで農家が極めて巨額の負債を抱えているわけです。そういう農家がたくさんあります。私はそこに、農水省が推し進めようとする日本の農業の将来像を見るような思いがいたしました。生産性の高い中核農家になるためには高額な農機具など生産資材の購入、土地の購入、それをみんな借金でやらなければならない。しかも農業は工業と違って天候による影響は避けられないわけですから、耕作面積が広ければ広いほど、一たびそういう被害を受けると打撃が大きくなるわけです。借金は雪だるま式にふえております。十勝の畑作農家の負債対策を緊急に行わなければならない。農水省は畑作農家の負債状況の原因及び対策についてどのように考えておられるのかということをお答えいただきたいわけです。 なお時間がありませんので、大変恐縮ですが、もう一つの畑作問題、サトウキビの問題で続けて質問をしておきます。 これは先ほどから何度も強調されました沖縄の被害というのは、干ばつあるいは台風で、県の調査でも七十億という被害予想が出されているわけです。私は、この干ばつの被害を少しでも少なくしていこうと努力をした、散水車をいっぱい使って、しかしその水代も実はサトウキビ代よりも高くつくというようなことを知りながら、それでも努力をした農民のその姿をよく知っています。私は改めて、大きな干ばつ被害をつくり出した原因として、これは沖縄の農業におけるかんがい施設の整備のおくれ、ここにあったということを指摘をせざるを得ません。この点について政府はどう受けとめておられるのか、これが一点です。 農民の方は、干ばつの被害補償を政府に求めております。こういうときに価格を下げるというようなことは、もってのほかであります。深刻な被害を価格に反映をさせて今度の価格については考えるべきだと思いますが、これが二点目です。 それから三点目ですが、圃場の整備とそれからかんがい整備の事業が大幅におくれているだけじゃないのです。せっかく圃場の整備がされていても、かんがい排水の施設がないところが非常に多い中で、そのばらばらな進め方ということが被害を一層広げています。私は早急にこの干ばつ対策の基盤整備を進めるべきだというふうに考えますが、農水省のお考えをお聞かせください。あわせて、二次振計最終年度までの基盤整備の見通し、目標というものを県は持っておりますけれども、農水省としてはどういうふうにこの二次振計に対して取り組んでいくおつもりなのか、決意のほどを聞かせていただきたいわけです。 時間が参りましたので御答弁だけ求めておきます。 大臣、私は先ほど大臣が米の一粒、その一粒を大事にする子供を育てていきたい、そういうことをおっしゃったことに大いに賛成なんです。本当に御飯がこぼれたよ、その一粒をむだにしてはいけないよ、そんなようなことを私は親に言われたものです。それほど米を大事にせよということを親は教えてくれました。その大事さを理解できたのは、私の目の前で田植えをする農民の姿を見、そして黄色くたわわに熟れる稲の穂を見て私は理解ができたと思います。私はそういう点で、そういうことを一番教えているのは都市農業だというふうに思うわけです。圧倒的な人々が住んでいる都市の子供たち、そこでこういうことを教える役割を果たしているのが都市農業。都市農業は環境だとか防災、そういうものと同時に、もちろん新鮮な野菜を住民の台所に持ち込んでくれるという点でも大きな役割を果たしています。 ところが大臣は、宅地並み課税について、建設省の方から検討し直したいとおっしゃるのでございましたら、農水省としてもその問題には応じて十分な検討をしたいと述べておられるわけですが、これは聞き方によったら、農地の宅地並み課税を検討し直すことに農水省として賛成しておられるのかなというふうに聞こえるわけですが、私はよもやそういうことではないだろうということで、大臣に最後に都市農業と宅地並み課税についてお伺いをして、質問を終わります。
○浜口政府委員 最初に先生から畑作農家の負債対策のお話がございました。この点につきまして現状を簡単に申し上げますと、確かに昨年度、六十年度に北海道におきまして実施いたしましたところの調査がございますけれども、農林水産省の農家経済調査によりますと、北海道の畑作農家一戸当たりの平均の負債額は、五十九年度末で千四百三万円でございます。これに対しまして、貯蓄額の方も千九百三十七万円というふうになっております。こういう状況でございますけれども、畑作農家の負債対策につきましては、従来から農家の実態に応じまして、災害等におきましては既貸付制度の制度資金の償還猶予等貸付条件の緩和等を行っておりますが、基本といたしましては、農林漁業金融公庫資金の自作農維持資金、この場合には金利が一般で従来五%でございましたが、現在では四・八五%でございます。この資金の活用等の措置によりまして対応している実態にございます。 自作農資金につきましては、この経営再建整備資金につきまして、今後とも資金枠の確保あるいは貸付限度の引き上げ等の貸付条件の改善に努めてまいる所存でございます。
○谷野政府委員 六十一年産のサトウキビの生産者価格でございますが、私どもといたしましては、農業パリティ指数に基づき算出される価格を基準といたしまして、物価その他の経済事情を参酌して決定することとしたいと考えております。ただいまいろいろと御指摘がございました事情は、生産性向上の動向その他の中で総合的に勘案いたしまして適正に決定してまいる所存でございます。
○鴻巣政府委員 沖縄の農業基盤の整備につきましては、かねてから積極的に推進をいたしておりますが、特にご指摘のような干ばつ対策等もございますので圃場整備の必要なところは圃場整備、面あるいは線的な用排水が必要なところは用排水、地域の実情に応じて積極的に進め、お話しのように今第二次沖縄振興開発計画もございますのでその趣旨に沿って進めていきたいと考えております。
○加藤国務大臣 市街化区域内農地の宅地並み課税制度は、四十七年の制度発足以降種々の経緯を経て、ようやく五十七年に現行の長期営農継続農地制度の創立をもって一応の決着を見たと考えておるところでございます。ただ、先般もお答えしましたように、建設省がこの問題を再検討するというのでありますれば、それを受けて当方も検討するのにやぶさかではないと考えております。それは藤田委員がおっしゃいましたような市街化区域内農地をつぶしてしまうという立場ではなくして、棒を飲んだような姿勢ではいけないというところで検討する、応ずるということを申したわけでございます。
○玉沢委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十二分散会