内閣委員会 第2号
- 発言数
- 212 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/10/21
会議録
○石川委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田口健二君。
○田口委員 最初に、給与担当大臣であります玉置総務庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。 去る八月十二日に出されました本年度人事院勧告の扱いにつきまして、本日、給与関係閣僚会議さらには閣議でもってこの扱いについて決定をされたというふうに聞き及んでおりますが、確認の意味を含めて、その内容も含めまして改めてこのことについてお尋ねをいたしたいと思います。
○玉置国務大臣 人勧完全実施につきましては、今朝八時半から給与関係閣僚会議を開かせていただきまして、自民党側からも出てまいりましたが、それぞれいろいろな意見もありましたが、最後は出席者全員一致で人勧の完全実施をやるということに決まりました。それを受けて、九時からの閣議でこの問題が冒頭に出まして、閣議でも給与関係閣僚会議の決定を踏まえて完全実施に向けて諸般の準備を進めるということになりました。 皆さんのおかげでございます。この席をかりまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。
○田口委員 ただいまのお話では、今年の人事院勧告は勧告どおり完全実施をするというふうに決定をされたとお聞きをいたしました。もともと人事院勧告制度は公務員の労働基本権を制限しておるその代償措置としての機能を持っておるわけでありますから、完全実施は当然といえば当然のことでありますけれども、ここ数年人事院勧告の凍結あるいは実施時期の値切りなどということが続いておるときだけに、今年の勧告が完全実施をされるということは大変喜ばしいことだというふうに思っておりますし、給与担当大臣である総務庁長官の御努力に対しまして、この機会に敬意を表させていただきたいと思います。 そこで、公務災害補償法の問題について少しお尋ねをいたしたいと思います。 まず、人事院にお尋ねをするわけでありますが、今回の改正のもとになりました意見書が八月一日に出されておるわけでありますが、その意見書を出す背景といいますか、基本的な考え方についてまずお尋ねをいたしたいと思います。
○大城説明員 今回の意見の申し出に関します経緯でございますが、民間企業の労働者を対象とする労働者災害補償保険法におきましてさきの通常国会に一部改正法案が提出されまして、これが五月に成立、公布されることになりました。人事院はこのような労災保険の動向を踏まえて国家公務員について講ずべき措置について検討を行ったわけでございますが、その結果、国家公務員災害補償法の改正が必要と認められましたので、その事項について国会及び内閣に対して意見の申し出を行ったものでございます。
○田口委員 今お話がありましたように、労災補償法が改正になり、それを受けて官民の均衡を図るという立場で意見書を出されたというふうに理解をしておるわけであります。 そこで、このことについて若干見解をいただきたいと思うのでありますが、公務員と民間の場合の賃金や労働条件については現状かなりの差異があるというふうに思っております。とりわけ、これらの賃金、労働条件を決定をする制度においては根本的に相違がある。例えば、民間労働者の場合には労働基本権が保障されておるわけでありますから、当然労使の交渉の中でこれらのものが決定をされていく、一方、公務員の場合には労働基本権が制限をされておるわけでありますから、人事院勧告制度に見られるような、あるいは人事院規則等によってこれらのものが具体的に決められていく、こういう仕組みになっておるわけでありますから、当然その中身についてはかなりの差異があると思うわけであります。 そこで、私が心配をいたしますのは、官民の均衡を図るという立場でいわゆる労災横並びということを画一的にやっていくとするならば、これは官民の均衡を図るというよりも、逆に官民の格差を増大をするような結果にならないか。したがって、これらの運用については十分配慮をしていかなければならないと考えるわけでありますが、このことについて人事院としてのお考えをお尋ねいたしたいと思います。
○大城説明員 労働条件の官民の比較の問題につきましては、今お話がございましたように労働基本権の制約に伴う代償措置としてのいろいろな制度がございます。そういうものの制度の運用を的確に行うことは当然でございますが、災害補償の制度については、労災保険、民間企業労働者に対する補償と均衡を失しないようにという基本原則がございます。それを守っていくことがこの制度の本来の使命であろうかと思っております。もちろん、国家公務員につきまして特別の事情がある、そういう分野もあろうかと思います。それはそれで配慮をいたしてまいりますが、基本的には民間企業労働者との均衡を考慮するという原則に従って災害補償の制度を考えていくべきであるというふうに考えます。
○田口委員 一般論としては、労災法に準拠をして公務員の場合にも均衡を図るという意味で是正をしていくのは当然のことだろうと思うのでありますが、今私が特に申し上げたのは、このことをただ単に労災横並びということで画一的に実施をすることになれば、先ほど申し上げましたように賃金ゃ労働条件の決定の仕組みが違うわけでありますから、あるいは賃金の実態そのものの中身もかなりの差異があるわけですから、単に労災横並びというような形でやれば、これは必ずしも均衡を図ることにならないのではないか、逆に均衡を失することになるのではないかということなんですよ。したがって、労災に準拠をしていく場合には、その内容においても十分配慮を加えていかなければ、そこに格差が生じてきて本当の意味での均衡を図るということにならないのではないか、こういう点でお尋ねをしているわけですが、どうでしょうか。
○大城説明員 公務員について特別的な配慮と申しますか特例的な措置を行わなければならない部分があるとすれば、それは当然考えてまいらなければならないと思います。 一つの例を申し上げますと、公務員の特殊性に基づく災害補償の関係の特例措置といたしまして、現在、警察官あるいは海上保安官等の職務内容が特殊な職員が、生命または身体に高度の危険が予測されるような状況のもとにおきまして犯罪捜査等の職務に従事したために公務上の災害を受けた、こういうような場合についてはいわゆる特別公務災害として補償の額を割り増しする、そういう措置を講じておるところでございまして、特別な配慮を加えなければならないところは当然加えてまいる、基本的には労災との均衡ということを念頭に入れて考えていくということでございます。
○田口委員 その均衡という点で大変重要な問題が一つあるわけですけれども、それは民間における法定外給付の問題です。このことは既に九十三国会、百二国会における本委員会の附帯決議の中でも明らかになっておるわけです。「民間企業における業務上の災害等に対する法定外給付の実情にかんがみ、公務員の場合においても適切な措置を講ずること。」こういう附帯決議が実はなされておるわけでありますが、こうした民間における決定外給付の現状について、特に死亡一時金などの場合についてどのように現状把握をしておられるか、お尋ねをいたしたいと思います。
○大城説明員 民間企業の法定外給付でございますけれども、人事院では毎年その支給状況についての調査を行っております。 昭和六十年の十月に実施いたしました調査では、法定外給付を実施している企業の割合は、死亡の場合には、業務災害で六三%、通勤災害で四八%、障害の場合には、業務災害で五五%、通勤災害で四一%、そういうような実施状況になっておりまして、支給額も年々増額されている、そういう状況でございます。昭和六十年におきますその支給額の状況を見ますと、実施企業の割合を考慮して出しました平均額でございますが、死亡の場合は、業務災害で約八百万円、通勤災害で約五百万円、また障害等級第三級の場合、業務災害で約六百四十万円、通勤災害で三百九十万円、そういう額が出ております。 これに対しまして国家公務員の関係では、いわゆる特別援護金という制度がございましてその支給を行っているわけでございますが、民間企業の場合における支給状況、支給企業の割合なり支給額なり、それぞれ企業によりましてかなり差があるということで必ずしも民間企業の額と同額ではないわけでございますが、遺族特別援護金で公務死亡の場合に最高三百万円というような額の特別援護金を支給する、そういう措置行っておりまして民間企業の動向を見ながらその改善に努めていきたいというふうに考えております。
○田口委員 今お話がありましたように、民間の場合では、平均のとり方その他いろいろあると思うのですが、大体八百万ぐらい、私の調査ではもう少し上がっているような感じなんですが、通勤災害の場合でも五百万、一方これに相当する公務員の場合には三百万、やはり相当の開きが出てきておるわけであります。今も少しお話がありましたが、これらの点について現在、増額是正をする考えがあるのかどうなのか、そのことをお尋ねいたしたいと思います。
○大城説明員 民間の状況、今申し上げたとおりでございますが、その年々の状況を見ながら必要な改善に努力してまいりたいと思います。
○田口委員 今度の改正案の最初の大きな一つに、平均給与額の中で最高限度額と最低限度額を新たに設けるという改正になっています。この最高限度額並びに最低限度額の計算の根拠といいますか、その仕組みはどのように算出されるのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○大城説明員 労災保険の関係で改正が行われることは先ほど申し上げましたが、その労災保険の制度の方では、毎年六月に行われます賃金構造基本統計調査の結果に基づきまして、年齢階層を五歳別にとりまして、労働者における賃金を低い方から順に並べまして、下から五%のところにある者の賃金額を最低限度にする、上から五%のところにある者の賃金額を最高限度として限度額を決定するという形になっております。 国家公務員災害補償におきましてもこれに倣いまして毎年四月に限度額を設定するわけでございますが、それは労災保険の方の定められました限度額、それを考慮して定めるということで、時期のずれがございますけれども、基本的にはそれと同じ水準に合わせていくという考え方で算出することを考慮しております。
○田口委員 今お話がありました労災における計算の根拠といいますか、そういうものを基準にして定めていくということでありますが、賃金構造基本統計調査というものが労災の場合には使われておるわけですが、この調査には公務員グループは対象になっておるのですか。
○大城説明員 除かれております。
○田口委員 ですから、先ほどの質問とも関連があるわけでして、労災の計算の仕組み、基準をとっていくということになれば、その基本になっておる賃金構造基本統計調査の中にはいわゆる公務員グループの賃金実態というのは含まれてない、それを基礎にして公務員の場合の最高限度額、最低限度額を決めていくということになると、公務員の場合、何か実態にそぐわないのではないか。ですから、公務員の場合にそのことを考慮して決めていくとするならば、その辺をもう少し詳しく教えていただきたいというように思うのです。
○大城説明員 労災保険の方で基礎にいたします賃金構造基本統計は、ただいまお話しのように公務員は含まれていないということになるわけでございますけれども、それではその公務員を含めた全般的なデータがあるかということになりますと、そういうデータがないわけでございます。 それで、考え方といたしましては、今回の改正は一般の勤労者全体との不均衡あるいは年金受給者相互の不均衡を是正する、そういう観点で考えられているものでございますので、そういう意味からいたしますと公務員だけ別というわけにはどうもいかないのではないか。一般勤労者全体の賃金実態を参考にするという意味で、やはり労災の方でベースにいたします賃金構造基本統計調査をとるのが趣旨から考えて妥当ではないのかということで、国家公務員の方の限度額につきましてもそれに合わせていく、そういう考え方をとっているわけでございます。
○田口委員 公務員の労災の問題にしても、ある意味ではいわゆる民間水準に引き下げられるという部分が今の説明でいきますと出てくるような気がするのですよ。ところが、さっき言ったように法定外給付などの問題について見ると、これはかなり民間の方がよくなってきている。ただ、この部分は労災に準拠して横並びをするということになれば、公務員の水準から民間の水準に引き下げられるという矛盾が出てくるのではないかと思うのですが、その辺についてはどうお考えになるのですか。
○大城説明員 確かに最高限度額を設ければ、そのことによりまして下げられるという問題が出てくるわけでございますが、民間企業の中でもそれぞれいろいろな業種、職種がございます。非常に高賃金の方もあるわけでございますから、そういう方々がこのような制度によりまして限度額の適用を受けるということがあり得るとすれば、やはり公務員の場合にも当然それと同じようなことがあって一向に問題ではないのではないか、やはり民間とのバランスということを考えればそうせざるを得ないのではないか、そういうことを考えているわけでございます。特に民間とのバランスということで問題があるとすればそれは検討しなければなりませんが、今回のこの制度の導入についてはそういう問題はないのではないかというふうに考えます。
○田口委員 ただ、私が申し上げているのは、最高限度額を設定するからそれにかかる人が出てくるから問題だということではなくて、水準の問題として、民間における最高限度額の額の問題、それから公務員の給与実態の中における額の設定の問題について、横並びということでは問題が出てくるのではないか、こういうことで申し上げておるわけです。 それからもう一つ、労災の限度額の設定の仕方を見ますと、五歳別に区切っておるわけですが、最高のピークが五十歳から五十五歳、五十五歳から限度額がぐっと下がってくるというカーブになっているわけですね。公務員の場合には現在定年制が施行されて、非現業職員の場合にはその大多数が六十歳という定年になっているわけです。ですから、この最高限度額のカーブから見てみますと、五十五歳からずっと落ち込んでくるわけですね。こういう点は制度上矛盾をすることはないかどうか、その辺について見解を聞きたいと思います。
○大城説明員 確かに国家公務員の全般的な状況を考えますと年齢に応じて賃金水準が上がっていくという形になっておりますけれども、民間企業の労働者の場合でも、いわゆる標準労働者層、学卒直後に採用されましてそのまま勤務が続いていく、そういう標準労働者層については賃金が下がるということはない状況でございます。そういう意味では、民間企業と公務員とでもそう条件が違うということではないのではないか。 その場合に、そういう給与制度に着目いたしまして、国家公務員だけ別に何か限度額を考えることがどうかということになりますと、それはいわば賃金構造の中に含まれておりますいろいろな企業、産業、そういうものの中から一部を取り出して定める、国の場合、いわば一企業の給与制度に基づいて限度額を決める、そういうことに実はなるわけでございまして、労災の方がそういう全産業を一括して限度額を出していくということを考えている以上、国家公務員についてもそれに合わせていかなければその趣旨が達せられないのではないか、そういうふうに考えます。 定年制につきましても、確かに六十歳定年を国家公務員は導入いたしましたけれども、民間企業の場合にも六十歳定年が一般化してきている状況でございます。それでもなおかつ五十五歳以上の賃金が下がっていくということは、いわばその間の状況で、五十歳代で離職する方、そういう方も含めまして、平均的な賃金のレベルがそういう統計データとして出てくる中でやはり五十五歳以上が低下するという実態があるわけでございますから、それに乗っかって最高限度額を定めることによって最高限度額が下がっていくということも、いたし方ないと申しますか、そういうことは当然起こり得ることではないかというふうに考えます。
○田口委員 それでは、最高限度額を設けることによって、適用除外というのでしょうか、経過措置によってその額に達するまでは改定額が据え置かれるということになってくるわけですけれども、これの対象人員は、現在の計算で考えてみますとどのぐらいの人数なのか、できればそれに該当する人たちの職種が一体どういう職種であるのか、わかっておればお知らせいただきたいと思います。
○大城説明員 ただいまお話しの数字、試算でございますけれども、五十九年六月の賃金構造基本統計調査から計算いたしますと、最低限度額の設定によりまして年金額が増額される者が約百二十名であるのに対しまして、最高限度額の設定によりましてスライドが停止される者が百三十名弱、そういう人数が出てまいります。そのもとになりましたのは、六十年三月における年金受給者千七百六十四人、それをもとにいたしましてそういう額の適用をしてみると今のような影響を受ける者が積算されるということでございます。 なお、その最高限度額を上回る職種と申しますか、どういう層かということにつきましては、俸給表で申しますと、行政職(一)、郵政の管理職、教育職(一)、指定職、公安職(二)、そういうところが比較的多い部分でございます。
○田口委員 この最高限度額が設定されますと、今度の法律改正ではこの部分は昭和六十二年二月から実施をするということになっておるようでありますが、実際に来年の二月から実施をされるとすれば、その具体的な数字はどういうことになるのでしょうか。
○大城説明員 法律の施行を二月ということを予定してお願いをしてございますけれども、私どものこの国家公務員災害補償の方の限度額の設定は四月を基準にしまして毎年四月にやっていくということでございますから、二月につきましては、労災保険の方の賃金構造のデータから出されました額を二月にまず適用いたしまして、その後四月に追っかけてまた新しいデータによる改正を行うということで、翌年四月にまた改正するという形で年々限度額を改定していくということを考えております。
○田口委員 そのところがちょっとよくわからないのですが、来年の二月は労災で決定をされた額をそのまま適用して、来年の四月ですか、再来年の四月ですか。——来年の四月ですね。来年の四月に再度改定を検討する、こういうことも聞いておるのですが、例えば来年の四月に改定をするということになれば、今年度にいわば実施をされる人事院勧告に基づく給与の改定率は、その二月の労災を基準にした額に加味されて改定をする、こういうことになるわけですか。
○大城説明員 基本的な制度運用の姿として申し上げますと、労災の方のベースにいたします賃金構造のデータが六月か七月ごろに出るということになりますから、それをベースにしまして労災の方は翌年の八月、その前年のデータをもとにしまして八月に改定するということになるわけでございますが、そのときに、私ども国家公務員の方は四月にそれを改定するということになりますから、その時点では前年の賃金構造の数字がない、したがって、その前の年、前々年の賃金構造の数字をベースにいたしまして算出した額を翌年の水準に合わせる、労災の方はその翌年の数字になりますので、それに合わせるという形で、私どもは公務員給与の改定率をそこに使いましてベースを合わせるということで、四月に国家公務員災害補償の方は限度額を設定していく、そういうふうに考えているわけでございます。
○田口委員 どうもよくわからないのですが、労災の方は、例えば今年度で考えますと六十年度の統計調査の数字をもとにして今年の八月に決定するわけですね。国家公務員の場合には、その八月に労災が決めた数字で来年の二月にスタートするわけですね。そうすると、四月には改定すると言っていますけれども、その根拠になる数字は一体どれを使うわけですか。
○渡邊説明員 法施行のときを来年の二月を予定しているわけでございますが、そのとき現在では労災で定められました最高限度額あるいは最低限度額そのままを使うということでございますが、四月になりますと、国家公務員の方の場合には一応毎年四月改定ということを考えておりまして、いわば前年の労災の方で定められました金額を四月時点に調整すると申しましょうか、そういうような形で四月現在の金額を定めるということを考えているわけでございます。 具体的な方法といたしましては、今回の最初の形で申しますと、二月現在に定められている額に前年の公務員給与の改定率を掛けまして、いわば労災の、来年二月に決めます金額というのは前々年、六十二年ですと六十年の六月現在の水準を定めているわけでございますけれども、それに国家公務員の給与改定率を乗じることによりまして六十一年度の水準に置き直すという形をとりまして、それを六十二年の四月から限度額としていくというふうに考えているということでございまして、水準的にはほぼ同じになるのではないかと考えております。
○田口委員 そうしますと、そこで調整の仕方にもよると思うのですが、今お話が出ておりますように労災の方は八月に改定する、公務員の場合には翌年の四月に改定するということになれば、そこに八カ月間のずれが出てくるわけですね。その辺は一体どのように扱っていくわけですか。
○大城説明員 公務員の場合に四月に改定するということを申し上げておりますけれども、それは実は労災保険の方で八月から実施されるものを四月時点で推計してそれを限度額として用いていくということを考えているわけでございますから、八カ月おくれるということではありませんので、その点もう一度申し上げます。
○田口委員 繰り返してお尋ねしますが、四月の時期に改定するときには、その年の八月に労災が改定することを予想して、その辺の改定の中身も推計して四月の時点で公務員の場合には改定するということなんですね。
○大城説明員 そのとおりでございます。
○田口委員 そこで、通勤災害の問題が今度出てきておるわけです。説明によれば範囲を拡大していくというふうな考え方のようでありますが、その中身については「人事院規則で定める」、このようになっておるわけであります。 その人事院規則で定める内容、どのように規則で定めていくのか、具体的にケースを例示して定めるのかあるいは抽象的に規定をしていくのか、その辺のことが現在わかっておれば教えていただきたいと思います。 なお関連をして、当然このことは労災においても同じようなことが言えるのだろうと思うのですが、労災における状況は私もわかりませんので、わかっておればそれも含めてお答えをいただきたいと思います。
○大城説明員 通勤の定義につきまして人事院規則で定めるものが何かというお尋ねでございますが、従来、「日常生活上必要な行為」というふうに表現されていたものを人事院規則の中で具体的に書くということで考えております。現在の予定といたしましては、従来から含まれていたものといたしまして食料とか文房具、書籍などの日用品の購入、これに準ずるものとして独身者の食堂での食事あるいはクリーこング店への立ち寄り、病院、診療所での治療等の行為、それから選挙権その他公務員としての権利の行使、そういうものが従来から考えられていたものでありますが、それに加えまして新たに、学校教育法による大学において教育を受けることその他職員の職務能力の開発向上に資するものと認められる行為、それから人工透析その他生命維持に不可欠な医療を受ける場合、そういうものを規則で定めるということを現在検討しております。 なお、労災保険の方におきましても細部については法律の施行規則等で定められるというふうに聞いておりますので、そういうものに合わせて、同じ範囲を私どもも規則で定めるように原則としては考えているところでございます。
○田口委員 そうしますと、今のお話ではある程度幾つかの具体的なケースを規則の中に並べて、こういうものが対象の範囲になる、こういうふうに規則では決めていくわけですか。
○大城説明員 なるべくそういうことにしたいということで検討しております。
○田口委員 私がちょっと心配をするのは、従来の条文でいきますと、「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為」というふうに書いているわけですね。ところが今回の改正案では、考え方としてわかるのでありますが、「日常生活上必要な行為であつて人事院規則で定める」ということになると、人事院規則の定め方いかんによっては現在よりも非常に枠が限定をされるということが出てくるのじゃないか、実はこういう心配をするわけでお尋ねをしているのですが、その辺のところはどうなんでしょうか。
○大城説明員 規則で定めます際にも、先ほど申し上げましたように、新たに、学校に通うとか人工透析を受けるとか、そういう部分を拡大するという方向で考えておりまして、今お話しのような範囲を限定して狭くするということは考えておりません。
○田口委員 それではもうちょっと通勤災害の問題でお尋ねしますが、これは現状と同じで改正になっておらないのですが、説明資料の中に、いわゆる通勤の途中、今お話がありましたようなところに寄る、そしてまた通常の通勤経路に戻った時点でその経路が対象になってくる。それで、通常の経路から外れて今言われたような行為を行う場合の途中経路は対象になっていないわけですね。そのように理解していいですか。
○大城説明員 そういうふうに理解していただいて結構でございます。
○田口委員 そこで、これは現状もそうだろうと思うのでその理解をしかとお聞きをしたいと思うのでありますが、特に現在、都市部においては非常に交通機関の発達等もございますから、勤務先から通常の経路を通って、それから途中でそのようなところに寄って、また通常の経路に戻ってきて、それから自宅に帰る、必ずしもそのようなケースだけではないと思うのですね。勤務先から別のところに行って、通常使用しておらない経路を通って自宅に帰る、こういうのが随分今日の交通機関の発達の中ではあると思うのですが、その場合は一体どのようにこの経路というのは判断をしておるわけですか。
○大城説明員 確かに、通勤の際にはいろいろな経路を経るということがあると思いますが、あくまでその通勤途上における災害を補償する。その補償の対象を考えるという意味で合理的な範囲内がどうかということで、いわゆる通常の通勤の経路とは認められないようなものについては確かにその対象外とせざるを得ない。いろいろなケースがあろうと思いますので一概に一口でどういうふうにと申し上げかねますけれども、趣旨はそういう趣旨で、合理的な通勤の経路であるかどうか、それが通勤災害の補償の対象にするという意味での通勤の経路と考えられるかどうか、それを個々のケースによって判断していくということになろうかと思います。
○田口委員 それから、公務員の場合も単身赴任というケースが最近非常に多くなってきているわけです。単身赴任ですから、当然たまには自宅に帰省をする。こういう帰省をするとき、自宅から勤務先にそのまま直行する、あるいは勤務先から自宅に帰省をする、この間というのは現在通勤途上災害として認められておるのですか。
○大城説明員 いわゆる単身赴任はいろいろな形があろうかと思います。その中で、いわゆる本人の勤務のための拠点というような観点から、そこからの勤務先への往復が、やはり先ほど申し上げましたような通勤災害の対象となりますようなそういう合理的な通勤の経路であるかどうかという意味で、個別に検討しなければならない問題であろうと思います。 したがって、一概に単身赴任だから全部だめだということにはならないとは思いますが、一般的に、いわゆる帰省というような形で帰るというようなケースについては、通勤途上とは認められないケースが多いのではないかと思います。
○田口委員 それからもう一つ、これも具体的なケースですけれども、学校の教師が勤務先からの帰宅途中においていわば家庭訪問を実施をする、その後自宅に帰る、こういうケースもたくさんあろうかと思うのでありますが、こういう場合に通勤途上の災害の適用が受けられるのかどうか、これもお尋ねをしておきたいと思います。
○渡邊説明員 ただいまのお話でございますけれども、その帰宅の途中で寄られる行為というものの性格いかんということになってこようかと思います。 先ほど来申しておりますように、認定に当たりましては個々の事案ごとに認定するという形になろうかと思います。それが仕事として寄っているんだということになれば恐らくは通勤災害、その後の行為でございますけれども、通勤災害ということになろうかと思います。ただ、実際上はいろいろ個別に具体的に見ていかないと判断はできにくいという面はあろうかと思いますけれども、原則的に申しますれば、仕事としてそこへ立ち寄ったということになりますれば、その後の自宅までの経路というものは通勤ということになろうかと思います。
○田口委員 最後に、収監中の場合に休業補償の支給を停止をする、こういうことに今度の改正ではなっておるわけであります。これは一般論としては当然のことだろうというふうに私どもも思うわけでありますが、ただ、最近いろいろなこうしたケースの中で業務上過失という問題がしばしば出てくるわけです。本人の不注意その他過失によるものについては別問題にしても、個々のケースを見てまいりますと、不可抗力ともいうべき状況の中で現実に業務上過失致死とかその他の罪名の中で収監をされる、こういうことについては例外的に考えてもいいのではなかろうか、こういう気もするわけですが、その辺のお考えはどうでしょうか。
○大城説明員 交通事故のような場合どうかということでございますけれども、刑法の方の問題として、犯罪の種類によっていろいろな区別をするということは必ずしも明確に出てまいりません。災害補償制度におきましても、そういう犯罪の種類によって、一部の犯罪についてはそれを別扱いにするということが果たしてできるのかどうか、なかなか難しいのではないかと思います。 ただ、具体的な適用の問題といたしまして休業補償を制限する範囲をどう定めるかということにつきましては、労災保険の方でもいろいろな問題を検討されているようでございますので、細部についてはその労災保険の方の検討状況を見ながら私どもも十分検討したいと考えております。
○田口委員 検討されるということですから、一つ要望しておきたいと思うのであります。 例えば地方公務員の場合においても、禁錮以上の刑に処せられた場合にいわゆる分限で職を失う、こういう仕組みがあるわけですけれども、ただ、交通事故の中で特に長が認めた場合にはその規定から除外をする、こういうことも随分あちらこちらでやられているわけですから、やはりそういった点も含めてぜひ、これはほかの問題では余り出てこないと思いますが、とりわけ交通事故の場合はかなり最近は多く出てきておるというふうに思いますので、含めてひとつ検討していただきたいというふうに要望を申し上げておきます。 それから、ちょっと総務長官が席を外しておられますので、お尋ねをする点が……
○石川委員長 総務長官見えました。
○田口委員 玉置総務長官にお尋ねをいたしたいと思います。 最近、長官の発言で大変マスコミをにぎわせ、ある意味では非常に多くの国民が関心を持っておる事柄が二つあるというふうに思います。それは、一つは農業協同組合、農協に対する行政監察という問題でありますし、二つ目には在外公館等に対する行政監察、こういう問題であります。 私どもも新聞などの報道でしかその中身についてうかがい知ることができないわけでありますが、予断を持ってお尋ねをすることはできませんので、長官の真意をまず農協の問題からお聞きしたいと思うのであります。私は、いろいろな意見があると思うのでありますが、これだけ多くのマスコミが取り上げるということは、すなわち国民の多くがこのことに大変関心を持っておる、このことは間違いがなかろうというふうに考えております。したがって、この場で長官の真意についてまずお聞かせをいただきたいと思います。
○玉置国務大臣 けさほども庁内の幹部の諸君と話をしておったのですが、かいじ国体に対する山梨の方の出先が監察を考えておったことは事実です。しかし、私はそれらの実態は知らなかった。それでけさ言ったのは、四十七都道府県の四十六番目にやった山梨の国体、それに対して県民の一部では行き過ぎておるのじゃないかなという意見のあることも、これは事実でしょう。世の中には反対意見もあるし賛成意見もある。しかし、その批判の意見というものが県民の半分以上を占めたとかあるいは八〇%の県民がそれがおかしいとか、こういうときにはやはり総務庁としては動くべきである。しかし、一部の批判のものだけを受けて直ちに監察、調査という手段を踏むということはいかがなものかなと思う、こういう前提があるわけです。 ところが、農協の問題につきましては、系統農協の中でも、今回の例を見ましても非情に厳しい仲間に対する批判がある。特にOBの方で今私たちのところに寄せられている情報というのは大変なものであります。中には実名で、そして堂々と相手の名前を挙げてきております。少し行き過ぎたものもあるのではないかという感じもしておりまするが、とにかく北海道から沖縄の端に至るまで、系統農協に対する批判があって、しかし、なかなかそれを言い出す者がなかった。私はだれよりも農家を、私も農家の出身でございますので愛しておりますし、本当の意味の協同組合精神というものは一体どこへ行ったのだろうか、この原点を見詰めてみて、やはり一応総務庁としてこれは言うべき時期が来ておるのじゃないだろうかと思って農協問題を取り上げたわけであります。 取り上げた本旨のものは、悪を裁くというのではなしに、系統農協が持つ自浄作用、自分たちは自分たちのこととして厳粛に受けとめて、国民の批判に立派にこたえていくような再建策を立てるというところにねらいを絞ってきたのです。おかげで、第一回の会談をやりましたときにも、自助努力をいたしますということで、十月の中ごろには自助努力の目標を文言にして発表できます、また発表しますということでありましたが、内部で、それではまだ十分批判にこたえるようにならないのじゃないかという意見もこれあり、十一月、一ヵ月ほどもう少し検討を加えて、さらに立派なものとして世に問いたいということでありまして、今その自助努力を我々はしっかりと見詰めておるわけであります。 しかし、片一方、事務的には既に農林省に対してこういう問題についての監察は始まっておりますし、地方に対する監察につきましても、来年始めるべく準備をいたしておるところであります。これが今の実情でございます。
○田口委員 長官のお考えはそれなりに理解はできるわけでありますが、この問題について農林水産省の方では一体どのように受けとめられておられるのか、お尋ねをしたいと思います。
○嶌田説明員 総務庁によります農協についての行政監察につきましては、今後、総務庁の考えを具体的に承りまして、その上で対応を考えていきたいというふうに考えております。
○田口委員 農林水産省としてはそれは当たり前のことなんですが、私がお聞きをしたいのは、今、玉置長官の方でやはり問題があるというふうに指摘をされておる。それで、当然、農林水産省というのは農協に対する指導監督の主務官庁であろうと思いますから、農協の今指摘をされたような問題についてどのような認識を持っておられるのか。長官が指摘をしておられるような認識であるのか、それとも、いや、そういうことではないのだ、別の考え方を持っておられるのか、その辺を実はお尋ねをいたしたいと思うのです。
○嶌田説明員 農協につきましていろいろ御批判のあるのは承知しております。ただ、私どもといたしまして、農協法に基づきまして農協はいろいろな事業活動を行っているわけでございますが、農協法に基づきまして国及び都道府県によります定期的な検査も行っているところでございます。このようなことで必要な指導を行っているところでございますので、農協の事業活動、いろいろやっておりますけれども、法に基づいて適正な範囲で行われているというふうに考えております。
○田口委員 余りはっきりわからないのですが、あなたにこれ以上言っても無理でしょうから、このぐらいにしておきます。 そこで、先ほど長官の方からも今後の問題についてちょっとお話がありましたけれども、監察局の方として、この農協に対する監察の問題について、これからの具体的な手順についてわかっておればひとつ教えていただきたいと思います。
○山本(貞)政府委員 ただいま先生の御指摘の点でございますが、先ほど来、玉置大臣から申しておりますように、農協の行政監察は、農林省の農協等に対する指導監督行政の改善に資する、こういうことで、対象といたしましては国とか県の農協等に対する指導監督行政、その実施状況、さらに協力を得まして農協等の業務の活動実態、これにつきまして調査をいたす、こういうことでございます。 手順といたしまして、先ほど大臣から御答弁ございましたように、大体十月下旬、すなわちただいまからでございますが、農水省等につきましてヒアリング等の準備調査に入りつつあります。そういたしまして、来月ごろには若干の農協等のテスト調査をいたしまして、十分調査計画を練りまして、その上で来年の一月から三月にかけまして全国的な調査を実施する、こういうふうな段取りでございます。
○田口委員 それで、時間の関係もありますから、玉置長官に先ほど申し上げました在外公館等に関する監察についてのお考えをひとつお聞きかせいただきたいと思います。 今までの新聞報道等によれば、それぞれニュアンスも少し違っておりまして、いわゆる政府の海外援助に対する監察、それから在外公館の活動そのもの対する監察というふうに二つに分けられるような気もしておるのですが、ちょっとわかりかねる点もございますので、この問題に対する長官のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○玉置国務大臣 私は、これだけ経済大国になった世界の中の日本ということになりますと、政府開発援助、いわゆるODAでございますが、これをしっかりやっていくということについては、これは当然だという考えを基本的には持っております。それに必要な予算措置それから人員の配置、これは当然考えていかなければならぬと考えております。 しかし、昨今の外務省のあり方を見ておりましたときに、少し自分たちの姿勢というものが崩れかかってきておるのではないだろうかという疑念を持っておりました。それだけに、ここ三、四年の間、外務省のいろいろな会合にも私はもう出ていなかったのです。参議院におりましたときには、戸塚先生なんかもおられたのですが、私はだれよりもだれよりもこの問題で先頭を切ってやってきた。故人であります毛利松平さんを先頭にしまして、私が参議院の代表格でこれに参加してきたのです。 しかし、ここを聖域化するような動きが出てきまして、どうもやはり姿勢が崩れてきておるのではないだろうか。基本的な考え方は、我々は政治家として大事なのは姿勢は政策に優先をするということです。それでないと被援助国に対しても本当にありがたく思われない。ここに僕は力点を置いたわけです。年々ふえていきますODAの予算、平均しましたら一〇・二になります。汚職を起こしたJICAにしても七・七、予算でふえていっています。定員もそのとおりでありまして、よその官庁がスリム化されて減員をされていく中で外務省関係の定員だけがふえていくという、外務省だけではありませんが、とにかくふえていく中に入っておる。それならば余計にみずからの姿勢を正さなければならぬ、こう思っておるやさきにJICAの汚職が起こった。 JICAの汚職が起こったときに僕は外務省の幹部の方と三回ほど会いました。そのときに、ああでない、こうでないと言う。外交官ですからね、外国へ行ってああでない、こうでないと言えないといかぬ。それは国内におる行政官とまたわけが違っておりますから。特に外国の場合はなかなか自分から謝らないという、こういう一つの習癖がある、それだから仕方がないのかもわかりませんが、みずから管轄する中で汚職事件を起こして世間を騒がせ、国民に御迷惑をかけておるときに、そういう定員の問題、監察、調査の能力を持っておる私の前に来て、個人玉置ならいいと思いますが、少なくとも国民の負託を受けておる、そういう監察、調査の能力を持っておる総務庁に来て、いや実はJICAの問題で国民に御迷惑をかけております、済みませんというその言葉が出てこない。そこで僕は、これはいかぬ、やっぱり僕の思ったとおりだ。そして、JICAの問題にしましても、四十三人の定員増の要求が来ていますが、人数をふやせばいい、人数をふやせばこれは解決できるんだというその安易な考え方に、これはやっぱり反省を要するなと僕は思ったわけであります。 日本の援助についてはいろいろ取りざたされております。もう田口先生も御存じかもわかりませんが、日本が出てきて有償、無償技術協力の援助を受けた場合に、その受けた当事者の間では確かにありがたがられても、どうもその被援助国の全国民的に、日本が出てきたら何かあるんじゃないだろうかという疑惑の眼が向けられている間は本当の援助にはならない、こう私は考えておったのでありまして、これを機会に外務省自身も自助努力をするという方向に向かわれております。 どこまでやっていただくか、まだ具体的に、新聞報道しか見ておりませんが、外務省から、この問題についてはこうする、あの問題についてはこうする、また将来に向かって有償についてはこう、無償についてはこう、技術協力はこうというふうなことが出てきましたら、私はやっぱりありがたく受けて——一番いいのは監察、調査なんか受けなくて本当に国民の信頼に足るような役所であることが一番いいのです、これは。それだけにそういう方向づけを外務省自身がしっかりしてくれれば何も言うことはない。しかし、当面事務的には、ここまで言い切った限り、本省に対する監察、在外公館に対する調査、そういったものについてはやっていきたい、こう考えておりまして、在外公館に対しては六十二年度の予算要求の中で実現を図りたい、こう考えておるところであります。
○田口委員 外務省にお尋ねをしたいと思うのですが、今の玉置長官の発言がありましてから私も二、三資料を見てみたのでありますが、四十九年の六月二十四日に、これは「技術協力を中心として」ということで外務省に対して勧告がなされておるわけです。中身は相当たくさんになっておりますが、この要旨をちょっと眺めてみただけでも非常に問題を感じておるのです。 例えば、外務省は、本来海外技術協力事業団が行うべき個々の技術協力案件の細部にまでわたって関与し、所属先補てん制度の奨励、研修実施、民間企業の税制の改善など、本来外務省が行政事務として推進すべき事項に積極的でない点が見られるので、その推進に努める必要がある。また、事業団については、内部における連絡調整、事務処理体制の整備、専門的知識能力、各種プロジェクト事業及び開発の調査事業等不十分な点が見られるので、外務省等は事業団に対し改善を図るよう指導する必要があると書いてあるわけであります。 ですから、四十九年の六月にこのような勧告がなされておるわけでありますから、当然この勧告の趣旨に従って適切な措置がとられておるということになれば、恐らく今回のような不祥事も出てこなかったのではなかろうか、こういう点に極めて問題を感じておるわけでありますが、一体、外務省としては、これらの勧告を受けてどのように今日まで対処をされてきたのか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
○大島説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘のように、昭和四十九年に海外技術協力を中心といたしまして行政監察が行われました。この行政監察は、外務省を初めといたしまして、政府で技術協力に携わっております全部で十六の省庁でございますが、これを対象にいたしまして行われたものでございます。 その勧告は三本の柱になっておりまして、一部分ただいま御指摘があったとおりでございますが、第一に、技術協力については体系的な運営の確立に努めるべきである。例えば技術協力の計画的実施の確保であるとか情報収集であるとか、あるいは評価制度をきちっと確立せよとか、こういう内容から成るわけでございます。それから第二番目に、技術協力に携わる日本側の適切な人材を確保するようにという点が勧告されております。第三番目に、技術協力にいろいろございます各種形態の業務運営の改善ということで勧告がなされておりまして、非常に多岐にわたっております。 外務省といたしましては、こういう勧告を受けまして、その後関係省庁あるいは援助実施機関であります国際協力事業団等と協議をいたしまして、累次その改善に努めてまいっております。それで、その改善措置の結果につきましては行政監察当局にも報告がなされておるわけでございます。 ごく簡単に要点だけ申し上げますと、例えば計画的な実施につきましては、関係省庁との協議を密接にするとかあるいは指摘にあります技術協力と資金協力の連携を強めるとかいうことでございますが、一番大きな点は、経済協力局の中に調査計面課を置きまして、こういった実施面での長期的な計画化に努めたという改善措置をとっております。 それから評価につきましても、局長以下局内の課長から成る経済協力評価委員会というものを設置しております。また、調査計画課という新しくつくりました課においても、経済協力に関する評価を主な仕事としてその充実に努めておるところでございます。 それから、先生御指摘のございました業務運営の改善につきましては、従来外務省と国際協力事業団の間で仕事の整理をできるだけ進めるということで、具体的には可能なところから業務移譲を行って事業団の自主性を高めるということを進めております。これにつきましては、漸次事業団が海外事務所の設置等を通じまして整備されてきておりますので、そういった実態に応じまして業務の移譲を進める分野を拡大いたして、自主性の強化に資するように努力をしてまいっております。 そのほか、経済協力全般の推進につきましては、私どもも各種の自主的な改善努力のための措置をとっております。具体的には、ごく最近の例で申しますと、外務大臣のもとに政府開発援助に関します効率的、効果的な実施のための研究会というものも設けまして、部外の有識者の方々の意見も幅広く徴しながら、累次、その多様化し高度化しております技術協力におくれをとらないように、適切な、より効果的な、かつ思いやりのある対応ができるようにふだんから努力を払っているところでございます。
○田口委員 全く抽象的でよくわからないのですが、時間がありませんから、本委員会には先般在外公館に関する小委員会も設けられておりますので、改めてそういう機会等を通じてお尋ねをすることになろうかと思いまして、一応この問題を終わらせていただきます。 最後に、私は、行政監察局長にちょっとお尋ねをしたいと思うのであります。 冒頭にも申し上げましたように、最近この行政監察ということが大変クローズアップをされてきまして、非常に国民も大きな関心を持っておるというふうに思います。ところが、この行政監察というのはある意味では国家権力の一つの大きな行使だろうというふうに私は思うのです。ところが、行政監察という制度そのものの仕組みについて国民はまだ十分理解をしておらない点がたくさんあるのではなかろうか。例えば、会計検査院のような形ですとかなり多くの人がその内容についても知っておる。したがって、このことについてもう少し十分に国民に知っていただく必要がある、同時に誤解を与えてもいけないと私は思うのであります。 先ほど大臣のお話の中にかいじ国体の問題もありました。行政監察といえばどんなものでもやれるのか、私は必ずしもそうではないと思うのであります。例えば、地方自治体の問題であるとかあるいは任意団体の問題であるとか、そういうものについてすべて行政監察が及ぶのかどうなのか、極めて問題のあるところだろうというふうに思うのです。そこには一定の限界といいますかそういうものがあろうかというふうに思うのでありますが、行政監察局の方として、行政監察を行う場合についてのそういった基本的な考え方をこの機会にひとつ表明をしていただきたいと思います。
○山本(貞)政府委員 ただいま行政監察につきましての基本的な性格、あり方あるいはその対応の仕方、それについて御説明するように、こういうことでございます。 先生御案内のとおり、行政監察、これは会計検査院と違いまして、政府部内における広い意味でのいわば部内監察、この点がまず会計検査院と基本的な違いの第一点でございます。それから第二の点は、御案内のとおり会計検査院は基本的には会計経理の問題というものが中心でございますが、行政監察の場合は行政全般、つまり行政の体制あるいは施策の中身、運営等々全般にわたる、こういう点がまず基本的に違うかと存じます。 そこで、行政監察の対象でございますが、これは総務庁設置法によりまして、いわゆる各省庁の行政全般、本庁内部部局あるいは附属機関、出先機関、この行政全般並びに地方公共団体、これに対しまして国が相当の委任事務を行っております、あるいは補助を行っております、こういった委任、補助の業務、こういったことも調査ということで対象になります。さらに、いわゆるかつての三公社、ただいま二つが株式会社になりましたが、これも特殊法人でございまして、これらを含めた特殊法人全体、この業務が調査の対象になります。しかしながら、民間のそれらの関係団体につきましても、これはあくまで任意調査、協力を得まして必要な限りにおきまして調査資料を御提供いただく、こういうふうなことでございまして、行政監察及び調査の対象というものはこういうものでございます。 それから、行政監察の目的ということでございますが、私ども、個々の不正、不当の事案の糾弾にわたるようなことを目的とするものではございません。あくまで行政全体が、体制、施策、運営全体につきまして、これが変化に対応しまして本当に効果的で適正で効率的に行われているかどうか、そういうことを調べまして問題点を指摘し、これの改善に資する、こういうふうな目的で行政監察をいたしておるわけでございます。 ただ、先生御案内のように、私ども行政監察をやります場合もそこにキャパシティーの制約がございまして、毎年、行政全体につきまして検討いたしまして、来年度はどのようなテーマを取り上げるかというふうなことでいろいろ計画をいたします。今後は少し中長期ベースでテーマもあわせて検討したい、こういうようなことでただいま検討いたしておりますが、そういうふうに年度の前に全体のテーマをよく検討いたしまして、そうしまして毎四半期ごとにテーマを決定いたしまして、そして中央で予備的なテスト調査等もいたしまして計画を練りまして、必要に応じまして全国的に出先機関を使って実態調査をして、そして取りまとめを行いまして勧告をする。常に変化に対応いたしまして機動的にも問題を取り上げる。 最後にもう一点でございますが、全国的な視野から扱うのが適当な問題もございます。あるいは問題によりましては専ら現地的に改善する方が適当な問題もございます。先ほど大臣から御説明いたしましたが、例えば国体の問題というのは全国的な視野から検討をするのが適当な問題でございまして、一事務所で取り上げるのは必ずしも適当ではない。こういったものは地方監察としてやる必要はございませんが、なお問題によりまして現地的に改善を要するような問題につきましては、例えば毎年三百件くらいの地方監察をそれぞれ現地で行いまして、現地的に改善を推進している。 まあ大体そういったことがざっと申し上げますと基本的な性格であり、私どもの運営の方針でございます。
○田口委員 それでは、時間の関係もありますので、これで終わります。ありがとうございました。
○石川委員長 この際、暫時休憩いたします。 午前十一時五十三分休憩 ────◇───── 午後三時二分開議
○石川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。斉藤節君。
○斉藤(節)委員 まず、本題に入る前に、本日人事院勧告が完全実施されることが閣議決定されましたが、これに基づいて、いつこの法案が提出されるのかということが一つの焦点になろうかと思うわけでございます。今国会で補正予算が提出されるわけでありますけれども、そのときに間に合うように出されると見てよいのかどうか、その辺、総務庁長官にお尋ねしたいと思います。
○手塚政府委員 確かに先生のおっしゃるように、きょう給与関係閣僚会議、引き続いて閣議で今年度の人事院勧告について勧告どおり実施するということをお決めいただきました。したがいまして、そういう政府の取り扱い方針が決まりましたので早速作業に取りかかりまして、できるだけ早く法案化を図るということで作業に着手しているわけでございます。 ただ、中身的には私どもの立場から考えまして当然補正の中身になるものと理解しておりますが、法案が補正予算と一緒になるべきかどうかという点は、私ども必ずしもその点は同時にいかなければいけないというふうには考えておりません。実際問題といたしまして、過去の例によりますと、取り扱い方針が決まりましてから法案提出まで二、三週間かかるというのが例でございます。その中でも、なるべく早く御審議を仰げるように、急いで法案をつくるように目下努力を始めているところでございます。
○斉藤(節)委員 国家公務員の方々はみんな大変首を長くして待っているわけでございますので、できるだけ早く法案を提出していただきたい、そういうふうに思うわけでございます。 さて、本題に入らせていただきますけれども、九月十九日、東京都八王子市高尾の御衣霊堂で産業殉職者合祀慰霊式が行われたわけでありますけれども、それに私、労働大臣などと一緒に参加させていただいたわけであります。そこで非常に目を引きましたのは、幼い子がお父さんを亡くして本当にかわいそうな状況にある、また、若いお母さんが泣きながら献花しているというような状況を私、見まして、公務災害といいましょうか、こういうような労働災害で亡くなるということは大変気の毒だなと思っておったわけでありますけれども、本年の八月一日、人事院は国家公務員災害補償法の改正に関する意見の申し出を行いまして、政府はそれを受けて今般本法案を提出してきたわけであります。 まず、本法案の審議に入る前に、総務庁長官に、公務災害あるいは公務災害補償についての基本的な認識をお伺いしたいと思うわけでありますけれども、よろしくお願いします。
○玉置国務大臣 国家公務員の仕事というのは大変な仕事でございますので、災害を受けないように十分事前にいろいろと配慮をする、これは当然役所の方もそうでございますが、本人もそれは公僕として自分の身辺というものに十分注意を払ってやっていかなければならぬ。 基本はそうでございますが、不幸にして災害を受けた場合は、これは民間との均衡に十分配慮しながら、国ができるだけのことを皆さんのお力添えをかりてやっていくというふうにやっていきたいと思っております。
○斉藤(節)委員 今回の災害補償法の改正に関しまして社会保障制度審議会からスライド制に関する答申があったと聞いておりますけれども、この答申についての趣旨と、それに対する人事院の考えはどうなのか、お伺いしたいと思います。
○大城説明員 社会保障制度審議会の御答申の際に、今お話しのような趣旨のことが付言されておりまして、制度によってスライドのあり方に相違があるので将来検討されることが望ましいということでございました。それぞれ年金関係についてスライドの制度がいろいろあるということで、その違いを問題にされたことであろうかと思います。 私ども、国家公務員の災害補償法に関しましては労災保険法に倣って六%の貸金スライドを行うということを定めておりまして、これについてほかとのバランスの問題、いろいろ難しい問題があろうかと思いますが、基本的には労災との均衡を考慮しながら考えていきたいというふうに考えております。
○斉藤(節)委員 次に、国家公務員の災害補償の現状はどうなっているのか、その概要を簡単にお聞かせ願いたいと思います。
○大城説明員 国家公務員が災害をこうむった場合の補償、それから福祉施設というものがあるわけでございますが、これは人事院が指定しております三十八の実施機関、各省庁でございますが、それがその任に当たっておりまして、人事院が補償法の規定に基づきましてその完全な実施を図っていくということで、それぞれ、補償につきましては、療養補償、休業補償、障害補償あるいは遺族補償など九種類、それから福祉施設はいろいろなものを十九種類、さまざまでございますが、そういうものを実施しております。
○斉藤(節)委員 公務災害の発生を防止するということが非常に重要だと思いますが、過去三年間の災害報告件数及び公務災害認定はどのようになっているのか、お尋ねしたいと思います。
○大城説明員 災害として認定いたしました件数を三年度について見てまいりますと、五十七年度が一万五千二百四十三件、五十八年度が一万五千七百十八件、五十九年度が一万五千百九十件ということでございますが、傾向としては年々減少傾向にあるというふうに考えております。
○斉藤(節)委員 減少傾向にあるということは非常に結構なことだと思います。 そこで、この繰越件数でございますね、いわゆる未処理の件数が、五十七年度七百九十三件、五十八年度九百三十四件、五十九年度六百五十一件、このように残っているわけでありますけれども、未処理というのはどういうことなのか、まだ災害と認められず補償もなされていないということなのかどうか、この未処理事案に対しての主な理由とその取り組みについてお尋ねしたいと思います。
○大城説明員 ただいま御指摘のありましたような件数があるわけでございますけれども、未処理と申しますのは、例えば年度末近くになってから報告があって、それの調査にかかっているあるいは手続をしている最中で、まだ最終的な決定がなされていない、そういうようなものでございます。
○斉藤(節)委員 公務による災害の防止とは別に、職員の健康管理も重要な問題であると私は考えているわけです。特に最近、ワープロあるいはパソコン、こういったVDTの作業に従事する者の健康管理が議論されておりますけれども、まずこの点について、民間の状況はどうなっているのか、また労働省としてはどのように対応しているのかについてお尋ねしたいと思います。
○佃説明員 VDT作業につきましては、目の疲れや手腕系への影響が指摘されておりますので、労働省では労働衛生の観点から調査研究を進めてまいりました。それら調査研究の結果を踏まえまして、昭和六十年十二月に「VDT作業のための労働衛生上の指針」を定めまして、局長通知で出しております。その内容は、作業場の照明や採光、作業姿勢、連続作業時間、健康管理などに関するものでございます。 この指針は、VDT作業におきます労働衛生管理につきまして、関係労使が適切な作業環境管理、作業管理及び健康管理に積極的に取り組むことをその基本としているものでございまして、現在この指針の関係事業場への普及定着に努めているところでございます。また、その一環として、中央労働災害防止協会等の安全衛生団体を通じましてVDT作業に関する労働衛生教育を実施しているところでございます。
○斉藤(節)委員 公務においてもVDTの導入は著しいものがあると思いますけれども、人事院が中間報告として昨年五月に発表したVDT導入・使用状況等の調査結果によると、表をいただいておりますけれども、相当数の職員が従事していることがわかったわけであります。 その調査結果を受けて人事院は六月十四日、「VDT作業従事職員に係る環境管理、作業管理及び健康管理について」という通知を出したと聞いておりますけれども、その趣旨はどのようなものでありましょうか。
○大城説明員 ただいま御指摘のありましたようなVDT作業に関する通知を出したわけでございますが、これは先ほど労働省の方のお答えにもありましたように、民間での導入が進むと同時に、国においても近年広範なVDT作業の広がりがあるということを前提にいたしまして、それらの情勢に対処するためにVDTの管理基準等についての検討を人事院としても行いまして、趣旨は労働省の方の通知と同様でございますが、公務の特性に配慮してその検討をいたしました結果、ことしの六月十四日にそういう通知を出したということでございます。
○斉藤(節)委員 人事院からの通知が出されたのが今も御答弁されましたように六月十四日でありますから、今十月でありますのでちょうど四カ月ということになりますが、この通達はどのように実施されているのか。例えば総務庁などはVDTの作業者が非常に多いように私は思うのでありますけれども、総務庁統計局などVDT従事職員が多いようなところではどうなっておるのか、その辺をお尋ねしたいと思います。
○三浦政府委員 総務庁統計センターにおけるVDT作業におきましては、昭和六十一年六月十四日付で人事院から通知のありました「VDT作業従事職員に係る環境管理、作業管理及び健康管理の指針」に沿って、環境管理、作業管理及び健康管理等を実施しているところでございます。
○斉藤(節)委員 人事院としては、VDTの導入状況の調査を行い、また今年通達を出しているわけでありますから、その後のVDTの導入状況がどうなっているのか、また通達がどこまで実施されているのか、そういった問題についても後追い調査を行う必要があると私は思うのでありますけれども、その辺はどうなっておるか、どう考えておられるか、お伺いしたいと思います。
○大城説明員 VDT作業の通知を出しましてから四カ月ぐらいたつわけでございますが、まだ全体的な状況を把握するというところまでいっておりません。各省庁におきまして、私どもの示した指針に従って体制整備をするということでいろいろ御検討を願っている段階であるかと思います。私どもにもいろいろ御協議等がございまして、その際に私どもとしての考え方なり指導の方向についてお話を申し上げているわけでございますけれども、おおむね各省庁ともこの指針の線に沿って御検討いただいていると考えております。 これから先の実施状況につきましては、環境整備等をするためには若干時間もかかるかと思いますので、いつの時期ということをまだはっきりはしておりませんが、しかるべき時期になりましたら、その状況についての調査をいたしたいと考えております。
○斉藤(節)委員 確かに時間もかかります。また予算もかかることでありますからそれは仕方ないかと思いますけれども、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 次に、さきの百四国会において労災法の改正の際、労災保険未加入中の事故に係る補償制度の改正がなされておりますけれども、この改正の趣旨をお聞きしたいと思うわけでございます。
○岡山説明員 お答え申し上げます。 さきの国会におきまして労災保険法の改正をいただいたわけでございますけれども、その際に、労災保険の強制適用事業になっておりながらいろいろな手続きを怠っておりまして、いわゆる未加入事業場ということになっておる事業場で労災事故が発生した場合に、従来、保険料につきましては時効にかからない二年間分をさかのぼって徴収する、こういう措置を講じてきたわけでございますけれども、ただ一方、保険関係の成立届けをいたしておりまして、しかし何らかの事情で保険料の滞納をしておった期間中に労災事故が発生いたしました場合には、保険料をさかのぼって取るだけではなくて、その保険給付に要しました費用の全部または一部を徴収することにしておったわけでございます。 そこで、この二つを比べてみますと所定の手続を行っている事業主の方がかえって不利益な取り扱いになってしまう、こういう均衡上の問題もあったわけでございまして、このために事業主の方では意図的に加入手続を怠るというような問題もございましたので、この是正をする必要があるということで御指摘を受けておったわけでございます。こういうことで、労災保険審議会の建議を受けましてこのような不均衡をなくしまして、未加入中の事故に関する費用徴収の制度につきまして、ただいま申し上げましたように、手続きを怠っておった場合の事業主につきましても費用徴収をするというように改正をいただいたわけでございます。
○斉藤(節)委員 保険料を未納するというような事業所は、その経営状態、作業環境も余りよくなく、また事故発生の可能性も高いのじゃないかと私は思うわけでありますけれども、このような未納の状態の事業所で災害に遭った労働者といいますか従業員に対してはどのように救済しようとしておるのか、お尋ねしたいと思います。
○岡山説明員 お答え申し上げます。 ただいまお話ございました労働者の方につきましては、労災保険法の強制適用事業になっておるわけでございますので、したがいまして、事業主が保険加入の手続を怠っておったという場合におきましても保険給付は実施をするということで、この点につきましては今回の改正で変更を加えておりません。従来どおり保険給付をするということにしております。
○斉藤(節)委員 わかりました。 現実には保険料未納額というのはどのくらいあるのか、御説明願いたいと思うわけです。また、労働省としてはこの問題についてどのように対応しておられるのか、お聞きしたいと思います。
○早坂説明員 昭和六十年度におきまして労働保険料として徴収すべきものとして決定された額が二兆四千五百億円ほどでございますが、このうち六十年度末の滞納額は五百億円程度でございます。 労働保険料は自主申告、自主納付、こういう制度で運用いたしておりますが、私どもといたしましては、あらゆる機会を通じまして事業主に対する法令の周知徹底を図って、これによって適正な納付が行われるよう指導を行っております。また、法定期限に納付が行われない事業場に対しましては督促状を発し、必要に応じて差し押さえを含む滞納処分を実施する等により、納付者間に費用負担の公平を失しないよう努めているところでございます。今後とも、なおさらに適正徴収に努めてまいりたい、そう考えている次第でございます。
○斉藤(節)委員 次に、年金額についてでありますけれども、昨年の法改正において、給与水準が六%以上、上下した場合、人事院規則で定めるところにより、当該変動率を基準として翌年四月以降の年金額を改定して支給することになりましたけれども、六十年の給与勧告率は五・七四%、今年はきょうありましたように二・三一%でありますから、単純に考えましても八%を超えていることから、来年の四月から年金額が改定されるものと思うわけでありますけれども、具体的改定内容はどうなっているのかお尋ねします。
○大城説明員 スライドにつきましては、ただいまお話しのような改正がなされました結果、六十年四月の給与水準との比較で六十一年四月の給与水準が六%以上になっておる、そういう賃金上昇があった場合にスライドが行われるわけでございます。ただいまお話しのような給与の改定率を前提にすれば、六%を超えるということが考えられるわけでございまして、その六%を超える率を基準にいたしましてスライドによる改定が四月から行われることになろうかと思います。具体的には、給与決定が実施されました後、来年四月までにこれを公示するということで行いたいということでございます。
○斉藤(節)委員 次に、法案の内容について伺いますけれども、まず、今回の法改正の第一番目に挙げられております年金額算出の基礎となる平均給与の日額、これに最高限度、最低限度の額を設定した理由をお伺いしたいと思います。
○大城説明員 最高限度額、最低限度額を設定した理由でございますけれども、原則としまして、補償が行われる場合に、事故発生前の三カ月間の給与を基礎として一日当たりの給与額の算定をいたします。その額を用いて補償を行うということになるわけでございますが、年金たる補償の場合には、それを基準にして長い間給付が行われていく、そのことに伴いまして職員間のアンバランス、均衡を失するというような点が出てまいりますので、それを是正するという観点から最高、最低の限度額を設ける、そういう改正を行うということでございます。
○斉藤(節)委員 今回の法改正では年金の場合に限って平均給与額に限度額を設けているわけでありますけれども、休業補償など一時金については平均給与額に限度額が設けられていないのはなぜでありますか、お伺いします。
○大城説明員 休業補償などの場合に一時金として出されるものは、年金と異なりまして一ヵ月限りの給付でありますし、それから災害発生日に近い時点で補償が行われるということでございますけれども、年金の場合にはさらに長い期間にわたって補償が継続していくということからの違いがある、その点で年金の場合にはそういう不均衡が生じてくるということでございますので、そういう措置をとろうということでございます。
○斉藤(節)委員 これはちょっと蛇足みたいなものですけれども、この最高、最低額は人事院が決めるということでありますけれども、具体的には何を基準に決めておられるのか、簡単に言ってください。
○大城説明員 これにつきまして労災保険制度の方におきまして同様の制度がとられることになっておりまして、そちらの方は賃金構造基本統計調査の結果に基づいて算出する、私どもの国家公務員災害補償は、それとの均衡を考慮しまして、労災の方で定められました最高限度額、最低限度額を考慮して定めるということを考えております。 〔委員長退席、船田委員長代理着席〕
○斉藤(節)委員 この制度改正によって影響を受ける職員はどの程度いるのか、また必要経費の増減はどのくらいになるのか、お伺いします。
○大城説明員 現段階では、まだ推計でございますけれども、五十九年六月の賃金構造基本統計調査によりまして試算した限度額を六十年三月における年金受給者、これは千七百六十四人でございますが、これに適用いたしまして試算いたしますと、最低限度額の設定により年金額が増額される者は約百二十人、最高限度額の設定によりスライドが停止される者は百三十人弱ということでございまして、いずれも全体の約七%程度というふうになっております。 それから、経費がどうなるかということの見通しにつきましては、実は積算がなかなか難しい状況でございまして、はっきりした見通しが立てられないということでございます。
○斉藤(節)委員 七%程度でありますから、それほど経費の増減はないのかもしれません。わかりました。 この法律の施行に関して必要な経過措置を定めることになっておりますけれども、既に年金を受給している人で最高限度額以上あるいは最低限度額以下の年金を受けている人に対してはどのように対処されるのか、お答えいただきたいと思います。
○大城説明員 改正法の施行時に既に年金たる補償を受けている方につきましては施行時における平均給与額を保証するということを考えておりますが、ただし、施行後に年金たる補償を受けることになった者との均衡の問題がございますので、その平均給与額が最高限度額を超えている間につきましては年金たる補償のスライドを停止するという措置をとることになっております。なお、最低限度額につきましては、施行時に既に年金たる補償を受けている者についても施行後に年金たる補償を受けることとなった者と同様にこれを適用するというふうに考えております。
○斉藤(節)委員 結局、最高限度額の者はそのままスライドしていく、そして最低限度額の者は上げていくわけですね。そろいうふうに解釈してよろしいですか。——では、結構です。 次は、二点目の改正点でありますけれども、通勤の定義に関する規定の整備について。通勤災害についての規定を人事院規則によって整備するということになっておりますが、具体的にはどのような内容を考えているのでございましょうか。
○大城説明員 従来からあります行為のほかに新たに加えるものといたしまして、学校教育法による大学において教育を受けることその他職員の職務能力の開発向上に資するものと認められる行為、それから今お話のありました人工透析その他生命維持に不可欠な医療を受けられる場合、そういうものを従来の行為に加えて人事院規則で定めるということを考えております。
○斉藤(節)委員 例えば人工透析ということでありますけれども、診療行為の中にはそれ以外にももっと時間のかかるようなものもあるのじゃないかと思いますので、これらについても保護の対象として明確にすべきではないかと思うのでありますが、いかがでございますか。
○大城説明員 医療行為の関係につきましては、通常の通勤の途中でそういうことを受けるということを前提に考えているわけでございますから、一般的に申しますと、非常に長い時間の医療行為を要するというようなものはそういう通勤の途上で行われるということはむしろない、したがって、そういうものは従来から入らないと考えているわけでございます。 例えば人工透析というような例で申しますと、今のような状況ですと通勤の途上においてそれを行うことも必要であり、それが日常生活上当然行われなければならない行為になっている、そういうケースもあるということからそれを対象に取り込もうということでございまして、同様の趣旨のものがあるとすればそれは考えていくべきであると思いますが、この取り扱いにつきましては労災保険の方でも同様のことをお考えのようでございますので、それとのバランスを考えながら検討したいと考えております。
○斉藤(節)委員 次は、国家公務員と民間企業従業員とでは、死亡した場合または傷病を負った場合の給付金の額に差があり過ぎることは何回も今まで指摘されているところであります。五十五年の法改正の際の附帯決議でも、「民間企業における業務上の災害等に対する法定外給付の実情にかんがみ、公務員の場合においても適切な措置を講ずること。」このようになっているわけであります。この問題についての検討状況はどうなっておりましょうか。
○大城説明員 御指摘のような附帯決議がございまして、その問題、私ども考えているわけでございますが、いわゆる民間企業における法定外給付と国家公務員の場合の特別援護金との関係で、国の方が給付が低いではないかという問題が前からあるわけでございます。 それで、民間企業における法定外給付の性格が実はいろいろでございまして、弔慰金であるとか見舞いとかあるいは逸失利益のてん補とかさまざまでございまして、そういうものは果たしてどう考えるべきかということなどの問題点がございます。そういうことを念頭に置きながら特別援護金について改善を図ることを私ども検討してきておりますが、民間企業の方でそういう法定外給付が次第に増加しているというような状況にもございますので、それらの状況を見ながら、ただいま申し上げましたような性格的な問題もございますけれども、そういうものを含めて改善を図る方向で検討したいと考えております。
○斉藤(節)委員 特別援護金というのはどのぐらいの額ですか。三百万円ぐらいですか。
○大城説明員 公務の死亡の場合に遺族に対して三百万円というのが最高額でございます。
○斉藤(節)委員 被災職員の社会復帰の促進の措置については、労災の場合は労働福祉事業団によって一定のサービスが提供されているわけでありますけれども、公務員の場合これに相当するようなものはあるのかどうか。あるとしたらどのようなもので、また、ないとしたらどのようなことを検討されているか、お尋ねします。
○大城説明員 労災保険におきましていわゆる労働福祉事業なるものが行われておるわけでございますが、それに対応しまして国公災ではいわゆる福祉施設ということで、外科後処置とかリハビリテーション、アフターケアといったものを内容とする社会復帰の促進を目的とする施設を行っているわけでございます。 今お話のありました福祉事業の中では、国家公務員ではそういうものはないというものもございます。例えば労働福祉事業団で労災病院を併営しておりますが、そういった施設がないではないかという問題もございますけれども、労災病院の方も被災労働者に限らず勤労者一般に利用できるような形で行われておりますし、国だけ独自にそういうものを持つということにつきましては、果たしてそれだけの規模のものが確保できるかどうか、いろいろな問題がございます。しかし、福祉施設につきましては、基本的に民間におけるこういったものの取り扱いを考慮しながら、今後とも改善を図る方向で進めていきたいと思います。
○斉藤(節)委員 余りぽんぽんと進んでしまいまして、時間も余ってきてしまったわけでありますけれども、最後に総務庁長官にお尋ねしたいのであります。総務庁長官、ちょっと出てきていただけますか。——では総務庁長官でなくてもいいです。 国家公務員災害補償法は、公務員が公務または通勤によって災害を受けた際の補償を規定したものでありますけれども、この補償が十分でないと安心して公務に全力を傾注することはできないわけであります。常に見直しを行って安心して公務に専念できるようにすべきだと考えるわけでありますけれども、この点についてお伺いしたいと思うわけであります。
○手塚政府委員 大臣も全く私と同じでございますが、先生最初に御指摘になったようなケース、一家の大黒柱が急に倒れたというような場合には、本当に家族にとっては大変なことでございます。大臣も答弁いたしましたように、本来はそういった災害はなるべくないようにということで努力するわけですが、万が一ということは現実にございます。そういう場合に一家のことを考えますと、仮に職員が不幸にして倒れても家族がそれで困ることのないようにということは本当に大切なことだと我々認識しております。 そういう意味で、労災の方も同じような状況でいろいろ検討もされております。それを受けて公務員の場合については人事院の方は検討しているわけでございますが、今回のように意見の申し出がございましたら、それを受けまして政府としては極力それに沿った施策を講じていきたいというふうに考えておるところでございます。
○斉藤(節)委員 ではひとつそれをよろしくお願いしたいと思うわけであります。 時間が少し余りましたけれども、これで私の質問を終わりにさせていただきます。どうもありがとうございました。
○船田委員長代理 速記をとめておいてください。 〔速記中止〕
○船田委員長代理 速記を起こしてください。 和田一仁君。
○和田委員 長官がお見えになりませんので、その前に法案について質問を始めさせていただきたいと思います。 上程されておりますこの国家公務員の災害補償法についてでございますけれども、公務上の災害の実態について御説明をいただいて、その災害が一体どんな発生状態にあるのか、どんなふうな推移をしているのか、減っているのかふえているのか、そういうことについて、できるだけ職種別にお調べいただいたものがあればお教えをいただきたいと思います。
○大城説明員 災害発生の状況でございますが、最新時点では五十九年度のデータがございまして、五十九年度中に実施機関が公務災害または通勤災害ということで認定いたしました件数が一万四千九百十二件、公務災害または通勤災害でないと認定した件数が二百七十八件、そういう結果が出ております。 この災害の発生状況の推移を見てまいりますと、五十五年から、一万六千五百七件の後、減少傾向になっておりまして、五十九年度では今申し上げましたような一万四千九百十二件ということで、基本的には災害の発生状況が改善をされてきているというふうに理解をしております。 職種別等には必ずしも詳しいデータがないわけでございますが、いわゆる現業、非現業の別で見てまいりますと、非現業が五十九年度の数字では二千八百八件であるのに対しまして、現業が一万二千百四件ということで、八割が現業ということで、やはり災害の危険性がそういうところで多くなっているということがうかがわれるかと思います。 〔船田委員長代理退席、委員長着席〕
○和田委員 当然現業の方がそういった災害の被災率が高いということだと思います。しかし、全体の推移を見ればむしろ減少傾向にあるということは大変喜ばしい傾向だと思います。 この補償法の適用を受ける職員の実態からいいまして、全体で対象人員が約百九万、こういうふうに聞いておるわけですけれども、そのうち非常勤職員というのがどれくらいいらっしゃるのか、そういう非常勤職員というのはどういう職務の方が多いのか、また、そういった人への災害補償の実態はどんなふうになっているか、こういったデータがあればお示しいただきたいと思います。
○渡邊説明員 非常勤職員と申しますのは、時期、調査時点によりましてかなり数字等が変わってまいります。現在手元にございます数字では大体二十万人見当でございます。 ただ、職種別ということになりますとちょっと手持ち資料がございませんので、御勘弁いただきたいというふうに思います。
○和田委員 時期によってそれは正確な数字は動くとは思うのですけれども、概数二十万というようなことも聞いておるわけですが、各省庁別にどういうような数であるかは全然調べたこともないのでしょうか。ございますか。
○渡邊説明員 省庁別ということでございますれば手元に資料がございます。一応数の多いところを申し上げますと、法務省関係でほぼ五万人、それから文部省関係で四万七千人ぐらい、労働省関係で一万八千人、厚生省関係が一万五千人、大体こういった状況になってございます。
○和田委員 私が想像していたよりも、非常勤職員の数が非常に多いところと少ない省庁とで差が随分あるわけですね。これはそれぞれ仕事の内容によって違うのだろうと思うのですけれども、こういった非常勤の人にも同じような補償法が適用されているわけでございますね。 こういった実態の中で被災の率を見てまいりますと、非常勤の方と常勤の方とは災害を受ける率はどのような関係になっているか。常勤の人は、そういった自分の仕事の内容について非常勤の方よりも対応がきちっとできていて少ないのか、それとも逆に多いのか、そういった点はどうでしょうか。
○渡邊説明員 災害の件数を常勤職員と非常勤職員というふうな形で分けてみますと、先ほど申し上げましたように、一万四千件のうち一万二千三百件くらいが常勤職員ということでございまして、非常勤職員につきましては千七百件ばかりということでございます。そういうような状況になってございます。
○和田委員 長官がお見えになられたので、ちょっと質問を長官への質問に切りかえさせていただきます。 玉置総務庁長官に質問できる機会は私、初めてでございますので、こういった機会に長官の最近のいろいろなお考えについて、新聞等で出ております問題について、災害法の質問に入る前に若干長官の御見解を伺っておきたい、こんなふうに思います。 まず第一に、総務庁長官として、行政監察局の機構を活用してこれから種々の監察をやっていこう、こういうような御決意のようでございます。伝えられているところによりますと、農協、食管制度あるいは海外経済援助、在外公館、具体的に事例をお挙げになって、こういった問題についての行政監察を行いたいという御抱負をお持ちのように私どもは承っておるわけですが、こういった長官の御発言に対しまして私どもは、長官が言わんとすること、やらんとしていること、そのお考えの真意をぜひこの場でもお伺いさせていただきたい。まずこのことについてお伺いしたいと思います。 〔委員長退席、船田委員長代理着席〕
○玉置国務大臣 和田先生御承知のように、総務庁というのは監察オンリーのところではないのですね。たまたま私が就任をさせていただきまして、そうして比較的タブー視されておった問題、しかし国民の中では、そのことは政治の場でだれかがひとつ声を上げてくれぬか、そういう気持ちがあることを私は百も承知でございました。幸か不幸か長官に任命されまして、そして取り上げたのが農協問題であり、ODAの問題であり、さらにもう一つやりたいと思っているのは金融資本の問題でありますが、そうしょっちゅうやっておったら、あいつは何か事件屋だということを言われますので、この辺で監察のある程度の線引きはしなければいかぬなと考えております。 しかし、監察というものは、私は、監察は監察なきを期すを理想とする、こう思っております。監察なんて入れなくたって十分国民の皆さん方の御要望にこたえるような行政が運営されているということが最も望ましいということでありまして、それを前提にしまして、今言いましたように、国民が、だれかがやってくれぬかなという問題を取り上げてきたわけです。ですから私は、総務庁の監察権というか調査権、そういうものは会計検査院のそれと違いまして、監察、調査をした結果、いいところがあれば、それはこういう事実で、かくかくしかじかだ、だから国民の皆さん、これは賛嘆してやってほしいというふうな評価を加えて結果を発表するというようなことにもいたしたいと考えております。 しかし、何せこのところ脚光を浴びてきたような形なんで、私はここまでマスコミの皆さん方に御協力いただけるようなことを考えておりませんでしたが、とみに総務庁の出先の機関まで張り切っておりまして、士気が大いに向上しておる、いいことではないか、こう考えておりますが、やはり監察、調査といいましてもおのずから限界がある。その限界をどの辺に置くべきかということも考えながら指導していきたい、こう考えております。
○和田委員 私ども民社党は、行政監察というものは大変大事だ、こういうとらえ方をしておりまして、今の総務庁にある行政監察局、これはやはり行政の部内の監察になりますね。私どもはむしろ行政監察というのは、各省庁から独立してでも、さっき長官いみじくも言われましたけれども、国民がやってほしいという問題、そういうものを公正に、厳正に監察できるようなシステムがもっと望ましい、こんなふうにも思って、実はオンブズマン制度みたいなものを我が国も導入してはどうかということをかねてから主張してまいっておるわけなんですが、なかなかそこまで参りません。今行えるのは長官のお手元にあるこの監察局の監察機構であろうと思うのです。 そういう意味で、今長官がおっしゃるように、国民が行政に対していろいろな希望や苦情やその他のものを持っておる場合に、これを監察し、監視し、あるいは苦情相談に応じる、こういう機能を行政監察局は行われるのだろうと思うのですけれども、それを具体的にお示しになっておやりになる、こういうことをいろいろな新聞で見ておるわけなんですが、また一部には、今おっしゃるように聖域のようにタブー視されていた、私は行政監察に聖域があってはいけないと思うのです。 そういうことを見ておる中で、やはりいろいろと不協和音も聞こえてくるようですね。長官のそういった意図等を、むしろ足を引っ張るというか、打ち消すような発言もあるようでございまして、例えばODAの監察についても、こういったことは相手国に対する内政干渉になってはまずいから十分慎重にやれとか、あるいは農協の監察については、これは法人格が違うのでそう簡単にはいかないぞというようなお話とか、あるいはけさの新聞に出ておりましたけれども、かいじ国体の監察を、何か特別な発言があったので、これは部分的にはやらないで全国規模でやった方がいいという見解のもとにやめてしまうというような、こういうものを見てまいりますと、行政監察に対して長官があれほどはっきりおっしゃっていながら、一体これができるのかどうか、その点と、こういう政府部内あるいは自民党の幹部の発言の中で長官の意図と違うような発言があるということ、ODAでがたがた言うのはおかしい、総務会で問題にするぞなんという発言が新聞に出ているわけですね。こういう不協和音的なものがある中で、長官はこれからの監察について具体的にどういうふうになさるおつもりか、ちょっとお聞かせいただきたい。
○玉置国務大臣 私はいろいろな問題を投げかけて、こういう国会の場所でも発言を許していただいておりますが、不思議に農協問題にしましてもODAの問題にしましても、外からはああ言うたこう言うたというのは聞こえてくるのですが、私に直接言うてきた者は一人もおらぬです。大抵自民党ですと文句は言うてくるのですよ。ところが、党も政府も私に直接、それは玉置君行き過ぎだぞとかこれはやはり自重してくれとか、そういうことは言ってこない。だからこれからも──また私は人に言われて聞くような性格じゃないですよ。自分で政治信条を持ってやっておる問題ですから、人に言われて、へえ、そうでございますかと下がるようなものだったら初めからやらない。 ただ、かいじ国体の問題につきましては、これは私は全然ああいうことは知りませんでした。しかし、いろいろ報告を受けまして、そこまでいってなかった。そのいってないときに金丸副総理から電話がありまして、何とかおい、困ったものだぞというような話がありました。私も事実和歌山で国体をやっておりまして、剣道連盟の会長、それから体操連盟の会長をやって協力してきましたから、金丸さん以上に協力してきた、そういうことから考えれば当然いろいろな問題があるということはよく知っています。ですからかいじ国体の方は、あそこの所長がむしろ一般に見たら気負い込んだと思われますが、今総務庁の監察の士気が向上しておるその一つのあらわれだ、大いに彼を弁護してやらねばいかぬというふうに私は考えておりますが、全体の流れの中ではいかなることを言うてこようと一歩も下がるものではありません。 しかし、農協でも外務省でも、それぞれの担当におかれて、やはり我々は反省すべきところは反省すべきだ、それで、総務庁だけに事務的な監察、調査を煩わすことなく、自助努力で立派なものをつくってみせますと言って次々具体案が出てきたら、それがもう国民の要望にこたえることになるんじゃないだろうかと私は思います。しかし、なかなか、今綱引きの最中でございますので、どうか国会の与野党の先生方、玉置和郎を支援をしていただきたい。きょうお願いするのは初めてでございますので、よろしくお願いします。
○和田委員 いみじくも、きょうですかきのうですか、金丸副総理の方から電話があったというお話でした。長官はそこまで知らなかったけれども、副総理の方から電話があって、困ったことだ、何とかしてくれ、こういう電話だというが、その困ったことというのが私にはよくわからない。行政監察というのは、困ったことがあるからそれは外していくというのではこれは監察にならないんですよ。そういう発言でやめられたということになると、長官がせっかくおれはやろうという決意を持たれても、行政監察全体について、何だ適当なことをやはりやるんじゃないかというような印象につながりはしないか、そう心配するわけですが、その困ったことというのは、長官はどんなふうに御理解なさったのですか。
○山本(貞)政府委員 恐縮でございますが、大臣から御答弁の前に事務当局から、いろいろ報道されておりますので、誤解のないように経過をごく簡単に御説明申し上げます。 昨日の朝刊に本件の記事が載っておりまして、私は朝、早速現地の事務所に問い合わせをさせたわけでございます。現地の説明では、国体のあり方についての監察を第四・四半期にやることについて検討中である、本庁の業務の予定もいろいろございましょうからどうかという判断を仰いでまいったわけでございます。私は、この問題は取り上げるとすれば全国的視野から取り上げるべき問題でございまして、地方監察として一事務所だけの調査で結論を出すにはなじまない性格の問題でございますので、これは取りやめるべきである。それで直ちに大臣にはそのような私ども事務当局の判断をお伝えいたしまして、取りやめるように指示を担当課長にいたしました。そして、私は朝から外部の会議に出ておりましたので、午後までこの副総理の御発言というのは存じなかったわけでございます。 いずれにしましても、事務当局といたしましては、そういう性格の問題でございますので地方監察としてやることは適当ではない。中央の全国的視野での監察として取り上げるかどうかは、ただいま六十二年度以降の監察テーマにつきまして検討中でございますので、これは各方面の御意見も伺いながら、全体のプライオリティーとかいろいろな問題の状況もよく勘案いたしまして今後慎重に検討してまいりたい、そのような判断でございます。
○和田委員 山本さんのおっしゃるのは、総務庁としてそういう国体全体の監察を検討しつつあるときに、一地方よりは全体の監察の方がいい、そういう見解で、それは中央の考えとしてはいいと思うのですが、いろいろ聞こえてくる、そして長官の言う士気が上がってきた、そういうものに対応して出先がやろうとしているものをとめなければならないほどのものなのかどうか、ちょっとその辺は何かあるような感じがしてなりません。一巡して、来年の沖縄の海邦国体が終わってから全体の国体のあり方について監察をやる。制度、運営すべてについて監察をして、いいところがあるか、あるいは改めるべきところがあるか、そういうものを結論づけたいというならばそれでわかります。ただ何となしに、ああいう報道が出ますと、やはり厳正中立、公平でなければならない監察に、行政としてやることと政治的な判断、長官は極めて高度の政治的判断の上で監察業務を督励しよう、こう私は見ているんですけれども、それに別の政治的な力が加わってそれがゆがめられたり曲げられたりするのなら、これは長官の意に反する、私はそう思うのでこういう御質問をしたわけでございます。 〔船田委員長代理退席、委員長着席〕 いま一つこの監察について、農協に監察という、今までタブー視されていたそういう聖域に監察をしたい、こういうお話でございました。これは私は週刊誌等で対談を拝見しておりますと、農協を組織しておりますいわゆる組合員、一軒一軒の農家ですね、この農家が協同組合という一つの組織をつくっておる、その農協自体がこのままでは、長官の御意見によると破局につながるぞ。長官は学のあるところで、カタストロフィーになる、それもそういう自滅のあれがアナストロフィーだという御見解を私は週刊誌で拝見しました。そういうものを自助的に立て直していくための調査をなさる、こういう意味だろうと私は思うのですが、農協に対して何か非常に具体的に監察をされるというふうにも聞いておるのですが、いつごろからどのような方法で監察されるのか、長官の御指示はどういう御指示をされたか、まず長官にちょっとお伺いしたいと思います。
○玉置国務大臣 今、和田先生おっしゃっていただいたとおりで、今までのような状態でずっと進んでいきますと、これは、不況が続いておるということは、やはり非常に狭められたフィールドの中ですから自由に跳んだりはねたりできない。だから、私がいつも言いますように、非常にひどい不況の中ではそれぞれ生きていくために住み分けの理論が一番よろしい。ところが、税制的にも非常に優遇されておる協同組合ですから、諸般の問題そうですね、そういうときに、あれもやっていい、これもやっていいというようなことにはならないのじゃないか。やはり、これだけの巨大なものになってきたら何んでもやれるんだというふうな思い上がりは捨てなさいよ、しかも内部を見たときに、当然もう少し合理化し生産性を向上さすようなことは十分できるのじゃないかということの指摘をしてきたわけです。 おかげで、自助努力をするということで今作業を向こうも進めておりますので、十一月の中ごろには具体的な案が出てまいります。それを十分検討させていただきまして、そしてさらに自助努力を加えていただきたいところは私たちからもまた農協さんの方に御要望申し上げ、農林省さんに対してもそういう方向で指導してくれないだろうかということの御要請を申し上げたい。こうして、とにかく立派な農家がせっかくあの中で働いてきたのですから——この農家の方々が今農協から離れようとしています。これが結局膨張していって離れる、パンクするという、このアナストロフィーですが、それだけにここ一番やはりしっかりしてもらわなければいかぬというのが今度の私たちの発言であり、事務的には今監察局長から説明させますが、具体的に粛々と今やっておる最中であります。
○山本(貞)政府委員 大体基本的なところは大臣から御答弁ございましたが、農協の行政監察の準備状況でございますが、これは農協に対しまする農林省の指導監督行政の改善に役立てるということでやるわけでございますが、対象は、当然のことながら国とか県の農協に対する指導監督行政、それから農協の御協力も得ながらその活動実態全般について調査をする、こういうことでございます。 段取りといたしましては、まさにただいまから農水省あるいは農協中央会等々のヒアリング等の準備調査に入りつつあるわけでございます。来月には全国の若干の農協等のテスト調査をいたしまして、その段階で全般的に実態をある程度調べまして、そしてできるだけ充実した計画をつくりまして、全国的な調査は来年の一月から三月にかけて実施する、こういう段取りでただいま準備を進めておる次第でございます。
○和田委員 大臣がおっしゃったように、農家の皆さんがせっかくつくった協同組合としてその機能が発揮されて、逆に農家が農協離れをするというような現象が起こらぬよう、農家のためになるような方向でぜひひとつやっていただきたい、こんなふうに思います。 それから、まことに恐縮ですが、もう一つ長官にお尋ねしたいのですけれども、これは直接総務庁の所管ではないと思いますが、最近またややこしくなってきたのが靖国神社公式参拝の問題、これもこの間新聞にいろいろと記事が出ました。これはもう本当に長官というよりも政治家玉置和郎衆議院議員に私はお尋ねするようになるかもしれませんけれども、公式参拝が昨年行われて、そしてことしは見送りになりました。そして、十七日から十九日の秋季例大祭にも公式参加は行わない、こういうことになりましたけれども、一遍あれだけ違憲の疑いがあるから公式参拝はやらないんだと五十五年に内閣が決めておったにもかかわらず、この見送っていたことを去年公式参拝に踏み切りまして、踏み切っておきながらその後見送っている一番大きい理由は何ですか、長官はどういうふうにお考えになりますか。
○玉置国務大臣 まあこれは総理サイドの高度の政治判断でしょうね。これは日本国内だけでなしに、隣国とかいろいろな問題を含めて高度の政治判断でああいうことになったのじゃないかと思います。優先順位をどこにするかということを考えてやったことじゃないかと思いますね。 この際、私の見解もついでに言っておきますが、私は公式参拝賛成なんです。ただし、みんなで渡れば怖くないというの、私はあれが嫌いでね、ぞろぞろ連れていって一緒になって参拝するなんて大嫌いなんです。だから、私はああいうふうにみんなを連れて歩く前に、自分でさっさと、参議院のときも参議院議員玉置和郎、衆議院になっても衆議院議員玉置和郎。今度はちょうど入院中でございましたので参拝は代理で、国務大臣総務庁長官玉置和郎ということで、自分のポケットマネーで玉ぐし料を奉納させていただきまして代理参拝をさせました。それだけに、総理、皆さん偉い人は苦労しておるのじゃないですか。本音は私はどこにあるか知りませんけれども、やはり苦労しておるということは、日本を取り巻く政治環境というのは非常に難しいというところから来ておるのじゃないかと思いますね。答弁になったかどうかわかりませんが、これは私の見解です。
○和田委員 こういう質問は失礼かもしれませんけれども、今、高度の政治判断だという中に、やはり靖国にA級戦犯合祀があるうちはできない、こういう判断があったと私は思うのですね。そのA級戦犯合祀を外せばできるんではないか、こういう動きが出てきている。民社党の委員長の本会議質問でも、そういう動きがあればそれこそ宗教法人に対する介入になりますよ、これはまさに憲法違反ですよ、そういう指摘を質問の中でいたしました。それが、新聞によりますと靖国神社に祭神名票を出していた、それも公費で出していた、こういう記事も出ておるわけです。そういうことが取りやめにはなりましたが、A級戦犯合祀になった方々を外していこうという動きがあることは御存じですか。
○玉置国務大臣 私は、この靖国神社とか伊勢の皇大神宮なんというのは、これは国家の基本の幾つかの柱がありますが、それの最も大きな柱の一つだと思っておりまして、宗教法人にしたことが間違いなんです。私の力は宗政研というのをやっていましたから、靖国神社とか伊勢の皇大神宮というようなもの、建国の理念、それから祖国に自分の命をささげた、そういうものをお稲荷さんと同じような形で宗教法人の定義を当てはめていいものかどうかということに深い疑問を今も持っています。宗教法人以前の存在だと思っておりますだけに、今まだ法律が宗教法人になっていますが、これは権威のあるものです。その権威のあるものが、戦犯という解釈についていろいろ議論のあったことも知っています。神社本庁内部でも議論になったことも知っています。それだけに、いろいろな議論を経てそれであそこに合祀をされたというこの事実は、なかなか撤回とかそういうことはできるものじゃないと僕は思う。それこそ憲法で言うところの信教の自由を侵すことになる。 そういうことを判断しましたときに、これは少しく勉強して周囲の環境がよくなるようにしないと——ここで僕が藤尾さんみたいなことを言うと自分でさっさとやめなければいかぬですからね。だから、これはこの辺ぐらいにしておいて、どうかひとつ御理解を賜りたいと思います。
○和田委員 これは別の機会にまたいろいろと議論してみたいと思いますが、私どもは、宗教法人である現状からいって、やはり五十五年の政府の統一見解、あれが正しかった、こう思っております。 だから踏み切るときには、私は官房長官にお会いして、きょう公式参拝をされるそうだけれども、おやめになっておいた方がいい、それはまだ国民合意として、今宗教法人である靖国神社への公式参拝はおかしいことになりますよという念を入れました。藤波官房長官でしたけれども、和田さん、どういう代案があるんだ、こう言うから、私どもは戦没者に対して感謝の念、追悼の意をあらわすことにいささかもやぶさかでない、ましてやきょう、きょうというのは去年の八月十五日、公式の全国戦没者追悼の式典があるではないか、そこに陛下もおいでになる、それから総理はもちろんおいでになる、最高裁長官、衆参両院議長、こういった国の大事な方々がおいでになる、民社党も委員長が出る、こういう公式の戦没者の追悼行事をやっておきながら、午後、五十五年の統一見解と変わって公式参拝に行くというようなことはこの際やめておいた方がいいでしょう、こう申し上げました。 そのかわりに民社党は、戦没者追悼に関する法律をつくって、八月十五日全国一斉に国民が戦没者に対する感謝と追悼の念をあらわすようなそういう行事をやれ、そのためには靖国神社がいろいろ問題があるならば、そういう問題を外すように別のモニュメントをつくるなりそういうものを設立して、だれもが抵抗なく、どこの国からも何の指弾も受けないような格好で我が国の国のために殉じた人たちに追悼の意を表し得るような、そういう方法を講ずべきではないか、そういう提言をしておったわけなんで、私どもは、こういう格好で我が国の国に殉じた人々に対する慰霊のこういう行為にいろいろと問題があることを非常に残念に思っている。そういう立場から、今度のこの問題についても、A級戦犯を外せばいける、外そうというような動きが出てきて、またそれこそ宗教法人に対する国の介入ではないかというようなことになってくればますますこじれるな、こういうふうに思うので、私どもの考え方を申し上げまして、この問題はこれで打ち切りたいと思います。また別の機会に話をさせていただきたいと思っております。 それでは、法案の方の御質問をさせていただきますけれども、災害はやはり未然に防いで発生を極力減少させるということが何よりも肝要ではないかと思います。 そういう意味で、先ほど来傾向として減っているということは大変いいことであると思うわけでございますが、災害発生のできるだけ少ない職場、そういう職場というものは、職場環境が整備されているとか、あるいは安全基準等かきちっと確立されているとか、あるいは健康管理が行われているとか、そういうこともあろうかと思いますけれども、やはり職場規律が正しく守られて、そしてその職場で働いている人が働きがいを感ずるような、仕事に対して積極的な意欲の持てるような、そういうものでないと、災害というのは嫌々ながらやったりだらだらやったりしているところに発生する率が高いと思うわけなのでございまして、私はそういう立場から、職場の一番大事なのは規律、それと意欲、働きがいのある職場、こういうものが大事だと思いますが、大臣はいかがでしょうか。
○玉置国務大臣 やはり職場というのは、やってやりがいのある、そして仕事をすることによって自分の人生が燃えてくる、これが一番じゃないかと思います。それだけに国家公務員としてもそういうことを心がけて、周囲の環境を整備するとかなんとかいろいろなことを考えておりますが、一番大事なのは、自分が自分でやはり立派な心がけで仕事に精励をすることによって、奉仕即解脱という言葉、これは仏教にあります。奉仕をすることによってみずからの救いと喜びを見出す、この心境になれば一番いいので、そうしたら人勧の問題も余りがたがた言わぬでも済むような職場になるのですが、なかなかそこまでいかぬから我々が一生懸命人勧に骨を折らなければならぬということなのですが、究極の目的は奉仕即解脱だと私は思います。
○和田委員 国家公務員として、まさに奉仕即解脱、そういう心境で全公務員が国家、国民のために働いていただければこういった災害補償も非常に少なくなる、こう私も願ってやみません。大臣どうぞ、もう結構でございます。 そこで、私は、きょうこの法案に対していろいろなことをお聞きしたいと思っておりました。地域的に災害の発生率がどういうふうになっているかあるいは職場規律との関係はどうか、そういうことも伺いたいと思ってまいりましたけれども、時間がだんだんなくなってしまいました。 これは当然防衛庁の職員、自衛官も、この法律が改正されればこれに準じて改正が行われるもの、こういうふうに思っておりますけれども、国の防衛という非常に特別な任務にある防衛庁職員、自衛官には、こういった災害補償制度というものは私は非常に大事だと思うのです。したがいまして、これが一般職と比較して現在どのようになっているか、まずお聞きしたいと思います。
○松本政府委員 お尋ねの自衛官の公務上の災害に対する補償でございますけれども、これは防衛庁職員給与法第二十七条によりまして、国家公務員災害補償法を準用するということになっております。したがいまして、一般職の国家公務員と同様の補償を行っております。 この件につきましては、例えば特別公務災害に関する補償につきましても、政令で自衛官については適用があるということになっております。
○和田委員 通常の場合にも危険の度合いの非常に高い仕事をしておるわけですけれども、もう一つ有事の場合に対してどういう対応をされるようになっておりますか。きょう本会議で防衛二法がかかりまして、我が党の質問の中でも有事立法について質問をしておりましたけれども、その有事の際の立法措置の中で、有事の際に自衛官が死んだあるいはけがをした、こういうものに対する補償はどうなっているでしょうか。
○松本政府委員 有事の際の公務災害補償でございますけれども、防衛庁職員給与法第三十条の規定には、「出動を命ぜられた職員に対する出動手当の支給、災害補償その他給与に関し必要な特別の措置については、別に法律で定める。」ということになっております。ただ、現在のところこの法律は未制定でございます。 ところで、ただいまお話のございましたこの制定でございますけれども、かつて防衛庁の方で有事法制研究というものを実施いたしまして、現在も研究を続けておるわけでございますけれども、この中に防衛庁職員給与法第三十条についても触れられてございます。ただ、この有事法制研究というものが、これは今まで再々申し上げておりますが、近い将来に国会提出を予定したいわゆる立法準備ではないということでございまして、防衛庁といたしましてはここで研究しておる問題点につきまして一般的には法制が整備されることは望ましいというぐあいに考えておりますけれども、この問題は非常に高度に政治的な問題であるというぐあいに理解しておりまして、今後国会におきます御審議あるいは国民世論の動向、そういうものも勘案しながら慎重に検討してまいりたいと考えておりまして、ただいまの防衛庁職員給与法第三十条の問題についても同じように扱うということにしております。
○和田委員 これは第一分類ですよね。職員給与法三十条ではっきりと、今局長がお読みになったように「別に法律で定める。」こう基本的にはなっているわけですが、それも、第一分類の中でこの法案は整備しなければならぬ、こういうふうに分類されている。これは防衛庁自身の努力なしにはいけないと私は思うのですね。有事がなければそれにこしたことはありません。しかし、有事のために防衛努力はしているのですから、そこに働く、そこで国のために殉じようという決意でやっている自衛官に、そういうときの対応は何もないというような姿勢では本当の士気は上がってこない。これはそれこそ奉仕即解脱にならないですよ、そういう高度な判断をやってもらわないと。そういうところにも災害補償法の一番大事な問題が残されている、私はこう思うわけなので、これは第一分類ですから、ぜひひとつそういう方向で鋭意検討をして早くやっていただきたい。 長官、退席されないので、お聞きいただいたならばちょっと長官の御感想を聞かしてください。私はそう思うのですが、どうですか。
○玉置国務大臣 これは僕一人だけの問題ではいかぬと思いますけれども、僕もきょう聞いてびっくりしております。これで本当に国家有事の際の自衛隊員の士気が奮い立つのだろうかという疑問を今ふっと持ちました。今、人事局長に聞いてみましてもそういう議論はなかったというから、いい国ですな、立派な平和な国ですよ。 だから、有事有事といいながら、さて有事が来たら慌てて国会でいろいろやらなければいかぬというそのときに、国論が統一してさっと決まるような国会であればそれは文句はない。しかし、なかなかそういうわけにいかぬですね、今までの経緯を見てみても。また、将来の展望を見てもなかなかそういうわけにいかない。しかし、日本人の特性として、国家がさあ大変だとなったときにはさっと固まるという特性があることは事実ですね。これは民族のよき伝統ですよ。党派だとかイデオロギーを超えて固まってくれるのではないかという期待を持ちながら、答弁にかえたいと思います。
○和田委員 そういう期待が期待どおりになることを私も念願しておりますが、できるなら平時に有事の際の対応をしておくことが我々の責務ではないか、こう考えております。 以上で質問を終わります。
○石川委員長 児玉健次君。
○児玉委員 今回の国家公務員災害補償法の一部改正案について、大きく三つに分けましてそれぞれについて御質問をいたしたいと思います。 まず、通勤途上の災害についてですが、最初にお尋ねしたいのは、「日用品の購入その他これに準ずる」、この文言が削除された理由はどういうことでしょうか。
○大城説明員 通勤途上の災害に関しましては、従来、「日用品の購入その他これに準ずる日常生活上必要な行為」ということでございますけれども、これを「人事院規則で定める」ということにいたしましたのは、従来から通勤災害の取り扱いでいろいろ問題になるその範囲の問題で、これをできるだけ拡大していくということを考えました際に、規則でそういうことを定めることによって随時必要なものを規則上定め得るようにしていくということでございまして、基本的な考え方は変わっておりません。新たに加えるものとして、学校への通学とかあるいは人工透析とかそういうものが時代の要請に従ってつけ加えられるべき状態になっている、そういうものを規則の上で書くということを考えているわけでございます。
○児玉委員 この通勤途上の災害に対する補償の問題は、長い間の日本の公務員労働者の要求と運動が基礎にある、そう私たちは受けとめております。 そこで、ただいまの御答弁でございますけれども、「日用品の購入その他これに準ずる」という文言を削除するのは、もちろん日用品を買ってはならぬという意味ではなく、日用品の購入というふうにくくってしまうと時間に窮屈さが出てくる、ある程度時間の幅を認めるという趣旨も含まれているのじゃないかと思いますが、端的にお答えいただきたい。
○大城説明員 時間的にどうかということに関しましては、医療の関係では確かに比較的長い時間にわたるようなもの、そういうものが果たして取り入れられるかというような点については問題があろうかと思います。その点について今回人工透析等を対象にしていくということで考えているわけでございます。
○児玉委員 そこで、きょうの午前中の質疑とも関連してお伺いしたいのですが、配られました第百七回国会、衆議院内閣委員会調査室というパンフレットがございます。国家公務員災害補償法の一部を改正する法律案に関する資料の六ページですが、今回の改正は、「通勤経路から逸脱し又は通勤を中断した場合」、今までは「日用品の購入等」という形で時間がかなりくくられていた。今度それが「夜間学校等への通学後の往復」というのが入っております。確認できますね。きょうの午前中のお話では、学校教育法で定められた夜間の大学というふうに限定して言われましたが、例えば学校教育法における専修学校への通学などはどうなるのか、お答えいただきたい。
○大城説明員 学校教育法による大学において教育を受けることというのは一つの例として考えているわけでございまして、それにもちろん限定する趣旨ではございません。職員の職務能力の開発向上に資するというふうに認められる一定の水準を満たした内容のものであるならば、専修学校等の課程を受講するための通学も保護の対象にすべきであると考えております。
○児玉委員 その際、学校教育法に規定するというくくりが必度なのかどうか、その点を伺います。
○渡邊説明員 ただいま御答弁申し上げましたように、現在のところ学校教育法による学校あるいは専修学校ということで考えてございますけれども、なお労災の方の学校の範囲も今後検討されるというふうに聞いております。それとのバランス等を考えましてこちらも検討してまいりたいと考えております。
○児玉委員 先ほどの審議官の御答弁の中で、公務員の職責を果たしていく、そのこととの関連という趣旨の御発言がありましたが、公務員は絶えざる研究と修養を求められている、このように私は考えます。研究と修養というのはかなり幅が広いわけでございますね。そういった中で、例えば自動車運転免許を取得するために自動車学校に通う、しかもその運転免許というのがその公務員の職責との関連でかなり深いかかわりがある、そのように判断される場合はどうでしょうか。
○大城説明員 自動車学校の例でございますけれども、これはやはり基本的な考え方は先ほど申し上げたとおりでございまして、職員の職務能力の開発向上に資すると認められる一定の水準を満たしているかどうかという観点からやはり検討せざるを得ないのではないかと考えます。なお、その具体的な取り扱いは、これも先ほど申し上げましたように労災保険の方でどうなるかということも参考にして検討したいと考えます。
○児玉委員 ちょっと委員会の審議との関連で私、希望を言いたいのですけれども、労災法との横並びというのは確かにあるだろうと思うのです。しかし、国家公務員の職場というのはその職場の持っている特殊性もありますし、そして今私たちが論議しているのは内閣委員会における論議なんですから、ここでそのことが必要であれば卒直にそのことをお答えいただきたいという希望を述べておきます。 そこで次の問題なんですが、人工透析のための通院。 昭和四十八年十一月二十七日、職員局長の名で出された「通勤による災害の認定について」という文書がございます。その文書の中で、「日用品の購入」という範疇の中に「病院、診療所で治療を受ける場合」というのが三番目に入っております。私はこれは結構なことだと思うわけですが、今度「人工透析のための通院」というのが例示的に加えられました。最近、都市部における病院の夜間診療体制の整備、これは病院その他の非常な努力によって一定の進展がある、こういうふうに考えるわけです。 そこでお伺いしたいわけですが、「人工透析のための通院」、こういうふうに非常に具体的に例示されたのはどういう理由からでしょうか。
○大城説明員 いわゆる診療を受ける場合にも、比較的短時間の診療は通勤途上でそういう医療機関等に寄って行うということがあるわけでございまして、それは日常生活上必要な行為に含まれる、そういう観点から従来これを含めていたわけでございます。ところが、長時間の医療行為ということになりますと、それは単に通勤途上で果たして途中でできるというものであるかどうかが問題でございまして、そういう意味で、どこまでそれがとれるかという意味で疑義がございます。 一般的に人工透析はかなりの時間を要することであるわけでございますが、そういうものはやはり生命維持のためどうしてもやむを得ずやらなければならない。それが通勤途上でそういう機関を利用して行われるということがあるわけですから、それはやはり対象に取り込んでいくべきものというふうに考えているわけでございます。したがって、それに類するような比較的長い時間のものであっても、人工透析と同じように考えなければならない、具体的にどういうものがあるかというのははっきりいたしませんが、そういうものがあればそれも対象に考えるということを今のところでは想定しております。
○児玉委員 大変わかりやすい御答弁をいただきまして、私もその点では一定の前進があったと思います。すなわち、夜間学校等への通学というのは通例四時間前後を必要といたします。それから、人工透析のための通院は週二回ないし三回、これまた四時間前後を要します。今の御答弁の中で生命維持に不可決な行為が同じカテゴリーとして含まれるとすれば、これはやはり貴重な前進だと私は考えます。 そうなってきますと、通勤途上で、風邪を引いたその他の病院に立ち寄っての治療は従来から認められているわけですから、今回、通勤途上における治療のほとんどが通勤途上の災害——もちろん病院に至る往復の経路からのその行き帰りは外されている、その点について私は不十分だと思いますが、それは別として、通勤途上における治療行為のほとんどが該当した、こういうふうに見ていいでしょうか。
○大城説明員 通勤途上での診療を受けるということ、かなりの部分が含まれることになると思いますが、具体的にどういうものがあるかというのは、いろいろなケースがございましょうから、やはり具体的に個別のケースにおいて検討していかなければならないと思います。
○児玉委員 そこで、やはり通勤途上との関連なんですが、昭和四十八年の十一月二十二日に労働基準局発六百四十四号という文書がございます。そこでこのように述べられております。「業務の終了後、事業場施設内で、囲碁、麻雀、サークル活動、労働組合の会合に出席をした後に帰宅するような場合には、社会通念上就業と帰宅との直接的関連を失わせると認められるほど長時間となるような場合を除き、就業との関連性を認めてもさしつかえない。」これは民間企業の労働者について述べたものです。 そこで、ここで述べられていることを国家公務員について同様に認めて当然ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○渡邊説明員 通勤と勤務との関連性の有無の判断と申しましょうか、そういったような面からの取り扱いというものは、国も労災と同様の取り扱いをいたしてございます。
○児玉委員 そこで、第一の柱との関連で、この点は人事院の総裁に私は伺いたいと思うのですが、通勤途上の災害という点では確かに一定の前進があった。それをますます広げていく必要がある。しかも、それを余り具体的、ストリクトに縛ってしまうというのは、これもこの後どうなのか、ある程度ケース・バイ・ケースの余地というのはあっていいだろう、こう考えるわけなんです。 そこで、この問題の一つの基本として、現在大都市における人口の集中、そして通勤時間と通勤距離の拡大、そういった中で、通勤というのは全体として勤務を行うために必要不可欠のものであって、通勤災害全体を業務上と見るという前進的な態度が今必要になってきているのではないか、この点について総裁の考えを伺いたいと思います。
○内海(倫)政府委員 通勤問題ということは、今朝来論議されておりますように、極めて災害認定の上では重要な要素を持っておりますので、今回の改正におきましてもそういうふうな観点に立って改正を行っておるわけですが、さらに客観的な社会条件、生活条件というふうなものが変化いたしますれば、それに対応して合理的な考え方に基づく施策は必要であろう、こういうふうに考えます。特に大都市の交通実態というふうなものはさらに今後いろいろ複雑多岐になると思いますから、そういうものに対応する施策、考え方というものは今後ともにいろいろ考えていかなければいけないかと思います。
○児玉委員 ぜひさらに積極的な検討をお願いしたいということを申し上げて、第二の柱である平均給与額に関連した問題に移りたいと思います。 まずお伺いしたいのですが、昭和五十九年度において傷病補償年金、障害補償年金、遺族補償年金、それぞれ平均支給額が幾らであったか、この点についてお答えをいただきます。
○大城説明員 五十九年度における年金の平均支給額でございますが、傷病補償年金二百四十三万九千七百円、障害補償年金百五十一万三千九百円、遺族補償年金百四十五万七千八百円でございます。
○児玉委員 今の金額を月に直しますと、傷病補償年金は二十万三千三百八円、障害補償年金は十二万六千百五十八円、遺族補償年金は十二万一千四百八十三円です。 国家公務員の生活の実態から、この月額に直した収入は十分だとお考えになりますか、その点お伺いしたいと思います。
○大城説明員 生活に十分であるかどうかというのは非常に難しい判断だと思いますが、補償としては必要な水準に達しておると考えております。
○児玉委員 例えば障害補償年金で月十二万六千百五十八円、これは国家公務員の平均年齢などからすれば十分だというのは到底当たらない判断です。 そこで言いたいのですが、極めて不十分な年金の支給状況のもとで、最低限度額を引き上げる合理性はあったとしても、最高限度額を設けることについては合理性がないと私たちは考えます。 そこで御質問ですが、皆さん方が前回の委員会でお配りくださった資料の中に給付のモデルが提出されております。労働者災害補償保険制度における最低限度額及び最高限度額、資料の五ページにその山が出ているのですが、このモデルはどのような労働者の賃金実態を基礎にされたものでしょうか。
○大城説明員 民間企業の労働者につきまして賃金構造基本統計調査を労働省で実施しておりますが、その年齢階層別の集計結果を基礎にして算定したものというふうに承知しております。
○児玉委員 全国の国家公務員労働者の賃金モデルをつくったとすれば、これと重なりましょうか。
○大城説明員 国家公務員労働者の賃金モデルをつくるというところが実は非常に問題でございまして、一つの画一的な形でのモデルというのはなかなかできない。いろいろなものがあり得るわけでございますけれども、基本的な形としては、国家公務員の場合には民間企業の労働者に比べると上下の幅が狭い、いわばその民間企業のモデルの中の真ん中辺のところを上の方へ上げていくという形での線が一応描かれるのではないかと思いますが、画一的な形でこういう線になるという引き方は非常に技術的に難しい問題がございます。
○児玉委員 最低限度額の方なんですが、このモデルでは四十歳から四十五歳のところが山の頂上になっております。公務員の賃金モデルをもしつくるとすれば、この山は恐らく五十歳から五十五歳ないしはもう少し六十歳に近づいて山が形成されるはずです。そのようにモデルを、モデルというか最低限度額についてそのように修正することは不可能なのかどうか、この人についてお答えいただきます。
○大城説明員 国家公務員についてのモデルをつくること自体にいろいろ難しい問題があるというふうに申し上げましたが、それと同時に、今回の限度額を設けるという趣旨からすれば、公務員だけを特別扱いにすることが果たして妥当なのかどうか。全般の勤労者との均衡を問題にするときに、それとは別に国家公務員だけについて考えるということが果たしてどうなのか、その辺の問題があるわけでございまして、今回考えております限度額の設定におきましては、民間におきますそういうデータをもとにした限度額に倣うべきではないかというふうに考えます。
○児玉委員 今のお話ですが、必ずしも民間の賃金の実態に一〇〇%準拠しているわけではないんじゃないですか。例えば最低限度額と最高限度額の出発するところと終着するところ、ここは民間賃金のモデルのとおりではないと思いますが、いかがですか。
○渡邊説明員 年金額に限度額を設ける問題でございますが、今先生お示しのように、最低限度額の方につきましては、ILOの百二十一号条約というのがございまして、これによりますと、最高限度額を設ける際の最低保障というものが一応基準として定められております。これは、全労働者の下から七五%目の人の水準、これを下回ってはならないということになってございます。したがいまして、お示しのように、ごく若い年齢層、それから六十五歳以上の年齢層というものの線は、その水準を満たす線になってございます。 それから一方、最低限度額の方でございますが、これは現在、補償制度全般の最低保障額というのが定められてございまして、三千二百十円ということで定められてございます。この年金額につきましても、先ほど申しました原則どおり年齢階層別の上五%、下五%ということでいきますと、それを下回る部分が出てくる年齢層があるわけでございますけれども、それも現在の最低保障額である三千二百十円を保証するという形で現在の限度額を考えているということでございます。
○児玉委員 大臣にこの一つだけお伺いして大臣に対する御質問は以後いたしませんが、今の賃金モデルの問題で、最高限度額をこう山をつくっている、そして最低限度額をこうつくりまして、先ほど申したように、最低限度額に引き上げることは合理的であると私たちは考えております。最高限度額について、そこを超す部分については引き下げる、いろいろな例をおっしゃっておりますけれども、例えばある災害が起きる前三カ月大変な超勤をして、その超勤の実績が直ちに年金額に反映されるから不合理だ、そのことに限定して言えばそうかもしれないけれども、スライド制を加味すれば相当にその問題は解決できる。そして、何といっても公務員労働者の場合は、生涯公務員労働者として国民に奉仕する方が多いわけですから、そういう方々の賃金のピークは、その方の位、職階のいかんにかかわらず、終わりの方に来ているのです。 大臣にお伺いすることですから細かいことは聞きませんが、そういった公務員の生活実態、賃金実態にあわせて公務員の災害補償法を今後検討していくという点について、大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○玉置国務大臣 公務員の給与体系というものは、児玉委員御承知のとおり、民間との均衡を常に考えていくという基本に立っておりますので、そういう点を踏まえて人事院でもいろいろ作業をしたのじゃないかと思います。 ついでですが、これは余分なことですが、私はグラフだとかパーセント、コンマとか、あれは苦手で、この前も説明に来ましたけれども、わからぬ。もしこれ以上詳しいことをお聞きになるのだったら、政府委員の方で答弁させます。
○児玉委員 じゃ、三つ目の柱に移ります。収監中の休業補償に関連してでございます。 まず、改正の趣旨から伺いたいのですが、きょう既に若干の御論議があったかもしれませんが、簡単にお答えいただきたいのです。今度、収監中の休業補償を給付しない、これは禁錮刑以上既決収監に限る、このように受けとめていいですか。
○大城説明員 いわゆる既決の収監に限るというふうに考えております。
○児玉委員 そこで、何回か使わせていただいた内閣委員会調査室の資料の八ページですが、「監獄等に収監されている者、少年院等に収容されている者は、自らの行為により勤務することができない状況に置かれたものであること、」このように述べております。そうすると、将来にわたって、この給付を行わないということを、例えば伝染病による隔離、自然災害などに広げることはないと私は考えますが、いかがでしょうか。
○大城説明員 「自らの行為により」というところで、今お話しのような伝染病等の場合はやはり事情が違うと思いますので、そういうものは含めないというふうに考えております。
○児玉委員 さてそこで、公務に従事しているときに不幸にして何らかの事故を起こし、この問題の対象になるということはあり得ると思うのです。その際に、例えば学校の教員が子供を引率して登山をする、そのとき落雷事故が発生して子供の何人かが死亡する、現実にあったケースでございます。これが注意義務違反に問われたり、それから運転技術員が真剣に運転していて、しかし交通事故を起こしてみずからも負傷をする、そういう中で、これが例えば何らかの刑法上の罪に問われて、今皆さんが提起されているここの部分に該当するかもしれない。こういう問題を禁錮刑以上既決収監全体でひっくくってしまって見ようとしないのは余りに仮借ない態度ではないか、この点について何らかの救済措置を講ずべきではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○大城説明員 いわゆる刑法的な評価でどこで線が引けるかという問題になるかと思います。現在のところは今まで申し上げたようなことで考えておりますが、確かに問題点ではあるかと思います。具体的な範囲がどうなるかというのは、まだ私ども検討中でございますし、労働省の方も労災保険の関係でいろいろな検討をされているところでございますので、そういう状況とあわせて、なお具体的なところは検討したいと思います。
○児玉委員 これで趣旨の問題については終わりまして、現在の瞬間で収監中の休業補償に該当するような問題が起きた、だから法が改正されていない段階ですが、そのときは当然給付は行われると思うのですが、いかがでしょうか。
○大城説明員 現状では行われるということになります。
○児玉委員 そこが非常に重大な問題だと思います。明らかにこれは公務員労働者にとっては改悪だと言わなければなりません。 そこで、労働省のお答えをいただきたいのですが、昭和二十三年に労働省はこの点についての通達を出されたと思います。昭和二十三年七月十三日付の通達です。その通達の中で、愛媛その他からの問い合わせに対する回答という形で、「業務上の事由によって災害を蒙った労働者が、監獄、留置場又は労役場に拘禁又は留置された場合」云々、こういう場合も「使用者において休業補償を行うべきものであって、補償を受くべき労働者が右の施設にあると否とは何等影響を及ぼすものではない。」こういう通達が出ていると思うのですが、いかがでしょうか。
○岡山説明員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘がございました昭和二十三年七月十三日付の通達といいますか、地方からの照会に対しまして御指摘のような回答をした事実はございます。
○児玉委員 昭和二十三年の通達は極めて明快なわけですが、今度それを給付しないことにしたというのはどういう理由からでしょうか。
○岡山説明員 ただいまのようなケースにつきましてどのような取り扱いを行うべきかという点につきまして、この照会に該当いたしますのは、労働基準法の解釈ということで照会があったわけでございますが、労働基準法にそれについての取り扱いの規定はございません。 そこで、それについての解釈になるわけでございます。当時、収監中の労働者に対する取り扱いについて御指摘のような見解を示したわけでございますが、このような事例というのは非常にまれなケースだと思われるわけでございますが、最近このような事例が幾つか出てまいっておりまして、その取り扱いについて疑義が指摘をされておるわけでございます。 その一つは、船員保険法による取り扱い、それから健康保険法における同様のケースの取り扱いにつきまして、法律の明文でもって支給しない、こうなっていることとの均衡から、この点についていかがかというふうな指摘がございまして、この点につきましては、私どもの方といたしましては労災保険審議会の場において検討していただく必要があろうということでお諮りをし、検討していただいたわけでございますが、その結果、このようなケースにつきましては、この制度の趣旨、すなわち労働者が業務上災害によりまして負傷、疾病にかかり、療養のために労働不能である場合に支給されるという、こういう休業補償給付の本来の趣旨に照らしまして、また、今申し上げました船員保険法、健康保険法との関係からいいましても同様に休業補償給付を支給するのは適当でない、こういう結論で建議を公労使三者の一致によりましていただいたわけでございますので、これに即しまして改正の提案をしたところでございます。
○児玉委員 御承知のように、昭和五十八年十月十三日、雪島鉄工所ついての最高裁の小法廷判決もございます。そういったものとの関連で考えれば、この部分は明らかに改悪で、そして労働基準法も、その労働基準法本体は変わっていないわけですから、ここの部分については私たちは慎重な検討が必要だということを述べて、次の問題に移りたいと思います。 この機会に、国立大学における定員外職員の問題について若干の質問をさせていただきたいと思います。 現在、国立大学における定員外職員、いろいろな呼び方がありますが、皆さん方は常勤を要しない職員とか言われますが、私たちは定員外職員という言い方で言っております。その中で、日々雇用、いわゆるフルタイムの定員外職員とパートの定員外職員、こういう方々がどんな勤務をなさっているか、私は先日北海道大学で調査してまいりました。北海道大学のある学部において、本年五月一日に二十名が在職されております。この方々のなさっている仕事、講義資料作成十六件、文献検索六件、資料整理十三件、科研申請等十二件、学会業務四件、実験補助七件、スライド作成六件、一人で何回も答えられますからですが、こういう業務をなさっているということについて文部省は御承知でしょうか。
○佐藤説明員 お答えいたします。 国立大学におきまして、ただいま先生御指摘の日々雇用職員でございますが、昭和六十一年の七月現在で六千三百三十六名おるわけでございますが、ただいまお話がございましたように、国立大学の研究、教育の特性がございまして、そういった業務にこれらの非常勤の日々雇用の職員が従事をしている、こういう理解をいたしております。
○児玉委員 そこで、先ほどの北海道大学のある学部の例で言いますと、大学で重要な職務を果たしていらっしゃる皆さんが、これらの方々が配置されている講座、セクションの関係者三十二名の方々が、現在この定員外職員の問題で一番困難な点は何かというと、それはいわゆるパートの職員が二年たつと北海道大学では期限切れで再雇用されないので、期限切れ撤廃をしてほしいという意見が三十二名中二十四名、二年という期限を延長してほしいという意見が五名、その二つで九〇・六%になります。 そこでちょっとお伺いいたしたいわけですが、文部省の人事課長の名で昭和五十五年五月十六日付の通知が出されております。当時七等級四号俸の頭打ち撤廃ということにかかわった通知でございます。この通知はいわゆるフルタイムの職員を対象にしているのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○佐藤説明員 ただいま先生御指摘の五十五年の人事課長通知の対象になりますのは日々雇用の職員でございまして、パート職員は直接対象になっておりません。
○児玉委員 今人事課長が明確にお答えになったように、この通知にはパート職員は含まれていない。そのパート職員を期限つき採用とするような指導を文部省は大学に対してなさっているんでしょうか。
○佐藤説明員 パートタイム職員の今の期限の問題について直接文部省として大学に指導をしていることはないわけでございますが、これらにつきましては、パートタイム職員の勤務のあり方という観点で各大学が学内のコンセンサスを得まして自主的に定めていると理解をいたしております。
○児玉委員 人事課長は大変明敏な方で先へ先へとお答えになりますが、私がお聞きしたのは、昭和五十五年五月十六日の通知にいわゆるパートの職員は含まれていない、これは先ほどの答えで明確です。そして私がお聞きしたかったのは、この通知を契機にして期限つき採用が全国的にも一部の大学で生まれたわけですが、パートの職員まで期限つき採用にするような指導を文部省はしたのかしなかったのか、このことだけお答えいただきたいと思います。
○佐藤説明員 ただいま御答弁申し上げましたように、五十五年の通知に直接関連いたしましてパートの職員の期限の問題について指導したことはございません。
○児玉委員 この問題の基本的解決は、もちろん定員外職員の定員化、その方向で事態を進めていくことだろうと思うのです。そのことについての私たちの基本的考えを述べて、最後にお伺いしたいことがございます。 国立大学の演習林で働く林業技能補佐員の待遇問題についてでございます。 この問題について、昭和五十六年の四月一日に参議院の予算委員会において小笠原貞子議院が質問いたしました。そして本年四月十七日、同じく参議院の文教委員会で吉川春子議員が質問をいたしました。演習林の試験研究等で林業技能補佐員が果たす重要な役割については文部省はよく御認識のことですから、あえてその点について私は問いません。ほとんどの方が世帯主で一家の大黒柱である林業技能補佐員、その方々で扶養家族を持つ全員に定員内職員と同様の扶養手当を支給するのが当然だと私たちは考えます。そしてこの点については、ことしの四月の参議院文教委員会で一定のお答えがございました。来年度は既に目前ですから、その後の努力の経過についてお伺いいたしたいと思います。
○佐藤説明員 一般的に非常勤職員に扶養手当相当給与を支給するということにつきましては、非常勤職員の給与が勤務の実績に対する報酬としてとらえなければいけないということから、私どもといたしましては、生活的な給与である扶養手当については従来から消極的に考えているわけでございます。 しかしながら、林業技能補佐員につきましては、その勤務場所であります演習林の多くが過疎化が進行している僻地にございまして労働力の確保が困難であること、及び林業技能補佐員の多くが高齢者でございまして扶養親族を有するものが多いという特殊事情もございますので、何らかの給与上の改善措置ができないものかといろいろの角度で現在検討を進めているところでございます。林業技能補佐員の該当者がおります大学が十四大学ございますが、関係者からの地域の実情なりそのやり方をどうしたらいいかということを現在いろいろ意見を聞いて調整を図っているところでございます。
○児玉委員 この四月の文部省の御答弁では、「少なくとも来年度くらいからは何らかのラインが私どもで示せるように、そういうふうな方向で検討をしてまいりたい、」こう言われております。そろそろ来年ですから、来年度の実施についての皆さんの御努力を聞かせていただきたいと思うのです。
○佐藤説明員 ただいま御答弁申し上げましたように、現在大学からいろいろ意見を聴取しておるところでございまして、できれば来年度の計画に間に合うように文部省の結論を得たいというふうに考えております。
○児玉委員 この点は、文部省で一生懸命御努力なさっている皆さん方にはもしかしたら想像できないぐらい、現場の一人一人の補佐員の切実な要求でもございますから、ぜひ積極的な御検討をいただいて、そして明年四月の一日から確実に実施できるように御努力をお願いして、私の質問を終わります。
○石川委員長 次回は、来る二十三日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時二十三分散会