内閣委員会 第2号
- 発言数
- 236 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/08/19
会議録
○石川委員長 これより会議を開きます。 去る一日、人事院より国会に国家公務員法第二十三条の規定に基づく国家公務員災害補償法の改正に関する意見の申し出があり、同日、議長より当委員会に参考送付されましたので、御報告申し上げます。 ────◇─────
○石川委員長 この際、新たに就任された玉置総務庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。玉置総務庁長官。
○玉置国務大臣 総務庁長官の玉置でございます。 さきの特別国会におきまして就任のごあいさつをすべきところ、病気療養のため失礼させていただきました。本日、この場をおかりしてごあいさつをさせていただきます 私は、簡素にして効率的な行政の実現を目指し、総合調整官庁としての総務庁の果たすべき役割を十分認識し、行政改革の推進を初め、各般の課題に誠心誠意取り組んでまいる所存であります。 委員長を初め、皆様方の格別の御指導、御鞭撻を心からお願いを申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手) ────◇─────
○石川委員長 次に、公務員の制度及び給与に関する件について調査を進めます。 まず、去る十二日の一般職の職員の給与及び週休二日制についての報告並びに給与の改定についての勧告につきまして、人事院から説明を聴取いたします。内海人事院総裁。
○内海説明員 人事院におきましては、去る十二日、公務員の給与及び週休二日制に関する報告並びに給与に関する勧告を国会及び内閣に提出いたしました。本日、早速勧告内容について聴取いただく機会を与えられましたことに衷心から感謝申し上げます。以下、その概要を御説明申し上げます。 まず初めに、勧告の内容について御説明いたします。 公務員の給与は、従来から民間の給与と均衡させることを基本としてまいりましたが、本年も四月時点における官民の給与を精密に調査し、相互の給与を厳密に比較いたしました。その結果、官民の給与の較差は金額で六千九十六円、率で二・三一%であることが判明いたしました。この較差は、民間の給与の動向を反映して例年に比べ低率ではありますが、なお相当の額の較差となっておりますので、この較差を解消し、公務員の給与を適正に維持することが必要であると認め、勧告することといたしました。 改善に当たりましては、本年の官民給与の較差の状況、民間企業における給与配分の状況、公務員の在職実態及び生活面等を詳細に検討し、六千九十六円の較差の配分として、俸給に五千二百九十六円、手当に四百六十八円、この改善の定率手当へのはね返り三百三十二円といたしました。 まず、俸給表につきましては、初任給、四十歳代の職員、上級管理職員層に重点を置きつつ、全俸給表にわたって金額の改定を行っております。 また、指定職俸給表につきましては、諸般の事情を勘案し、行政職と同程度の改善といたしております。 次に、手当につきましては、本年の官民給与の較差の状況、民間における支給状況等を考慮し、扶養手当について改善を行い、その他宿日直手当、医師の初任給調整手当についても必要な改善を行っております。 特別給については、公務員の期末・勤勉手当の年間の平均支給月分と民間のボーナスの年間の支給月分とがほぼ均衡しておるので据え置いております。 筑波研究学園都市移転手当については、本年末までにその改廃につき勧告を行うこととされており、本院としても慎重に検討した結果、学園都市における生活環境の状況等を考慮し、引き続き存置することが適当であると認めました。なお、支給割合、支給対象範囲については所要の調整を行うことといたしております。 また、かねて検討を重ねてきました勤労環境の変化等に伴う俸給の調整額の適正化につきましては、昭和六十二年度から実施することといたしております。 実施時期については、本年四月一日からとしております。ただし、宿日直手当については、六十二年一月一日からとしております。 次に、報告の中で言及しております職員の週休二日制につきまして御説明申し上げます。 民間における週休二日制の普及状況とその動向等を考慮いたしますと、職員の週休二日制についても、現行の四週五休制からさらに前進させる必要があるものと考えられます。このため、国民生活への影響等に留意しつつ、実地に即した問題点の検証及び対応策の検討を行うことを目的とし、昭和六十二年内における四週六休制への円滑な移行を目標に、本年末から、四週六休制の試行を実施する必要があると認められる旨、申し述べております。 以上、勧告及び報告の概要を御説明申し上げましたが、報告の中において勧告実施の要請等について申し述べておりますので、その趣旨について簡単に御説明申し上げます。 職員の給与につきましては、ここ数年抑制を受けてきたものの、昨年の勧告については関係各位の御努力により完全実施へ向け進展が図られ、このことが職員の勤務意欲を一層向上させるなど、公務をめぐる環境に好ましい影響をもたらしたものと考えております。 人事院勧告については、申し上げるまでもなく、労働基本権制約に伴う代償措置として行われるものであり、法の定める情勢適応の原則に基づき、精密な調査を行って職員の給与を民間の給与に均衡させるため行うものであります。また、人事院の給与勧告が、職員にとってほとんど唯一の給与改善のための機会となっていることも御案内のとおりであります。 本院としましては、職員をして安んじて職務に精励させ、公務に必要な人材を確保し、将来にわたる国の行政運営の安定を図ることの重要性にかんがみ、勧告が実施され、適正な給与が確保されることが公務における人事管理の上で最も重要なことの一つである旨、報告において指摘いたしております。本年における勧告の完全実施を強く期待するゆえんであります。 内閣委員会の皆様におかれましては、人事院勧告制度が果たしている役割及び職員が行政の各分野において真摯に職務に精励している実情に深い御理解を賜り、何とぞこの勧告のとおり早急に実施していただくようお願いを申し上げます。
○石川委員長 この際、玉置総務庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。玉置総務庁長官。
○玉置国務大臣 委員長から特にお許しをいただきましたので、本委員会の御審議に当たり、本年度の人事院勧告の取り扱いについて、担当大臣としての考え方を述べさせていただきます。 人事院勧告制度は労働基本権制約の代償措置として憲法上の評価を与えられているものでありますから、給与担当大臣としては、この制度を尊重し、国政全般との関連を考慮しつつ、勧告が完全実施されるよう最大限の努力をしてまいる所存であります。 ところで、近時の公務員給与の改定については、財政事情の悪化等により、五十七年度の改定見送り、五十八、五十九年度の政府による俸給表の作成等異例の措置がとられてきたところであります。しかしながら、職員の間に広がった給与改定に関する不安感を払拭するために、五十九年度の給与改定に際しては、官房長官談話で六十一年度までのおおむね三年間で勧告を完全実施するよう鋭意努力することを明らかにしたところであります。 さらに昨年度は、こうした考え方に立って完全実施に向けて一層の前進を図るため、実施月は三カ月おくれたものの、そのほかは勧告どおりの改定を行うとともに、官房長官談話で、六十一年度以降、人事院勧告の完全実施に向け誠意を持って対処することを明らかにしたところであります。 本年度の人事院勧告の取り扱いについては、このような給与改定の経緯を踏まえ、公務員の生活及び士気への配慮、良好な労使関係の維持、財政事情等国政全般との関連を考慮しつつ、勧告の完全実施に向けて最大限の努力を尽くしてまいる所存であります。 なお、人事院はその報告において、本年末から四週六休制の試行を行うよう提言しております。政府といたしましては、本年五月一日の経済対策閣僚会議で決定された経済構造調整推進要綱などで示されているように、基本的には国家公務員の週休二日制を推進する方向でありますが、その推進に当たっては行財政改革の推進との関連等をも勘案する必要があります。四週六休制の試行についても、これらの点を踏まえて検討してまいる所存でありますので、委員各位の御理解を賜りたいと存じます。 私はこのとおりだと思います。そこで、私の本音を言っておきます。 私は、総務会に十四年おる、十四年おって、この人事院勧告については、世界に冠たる一つの制度だというので、終始一貫、いろいろな議論がございましたが、完全実施を常に叫んでまいりました。それだけに、今度も私はそういうふうにしたい、こういう気持ちでいっぱいでありますが、なかなか政治はそういうわけにはいきません。給与関係閣僚会議とかここに偉い後藤田先生とかおられる、それだけに政治の中で解決せなければならぬ問題でございますので、その辺の配慮を十分委員各位において御勘案をいただきまして、よろしくひとつお願いをしたいと思います。これが私の誠実な答弁でございます。 ありがとうございます。 ─────────────
○石川委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。上原康助君。
○上原委員 ただいま今年度の人事院勧告の内容の概略と、また今、総務庁の玉置長官からもこの勧告をどう実施をしていくかという所信の表明がございましたが、改めてまず人勧についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 最初に、人事院総裁にお尋ねをいたしますが、今もある程度内容の御説明があったわけですが、御承知のように、二・三一%、額にして六千九十六円、これは関係公務員の皆さんからすると、余りにも生活実態というか、過去五年にわたって凍結もしくは抑制をされてきた手前もあって、勧告自体について非常に御不満があることも恐らくお気づきじゃないかという気がします。反面、御説明にもありましたように、目下の行財政改革とかあるいは経済の下降現象等々考え合わせると、なかなか公務員賃金を従前どおり民間準拠と言いながらも思うようにいかないという経済環境なり行財政環境もあるかもしれませんが、いずれにしても勧告制度ができて以降、最低の勧告になっていることは間違いありません。 そこで、今回の人事院勧告について総裁としてどういう点に重点を置かれたのか、また今回の勧告の特徴点というものはどういう面にあるのか、そこいらのことからまずお尋ねをしておきたいと思います。
○内海説明員 ただいま御質問いただきました点について私どもが考え、あるいはその考えに立っていかようなる勧告を申し上げたかということにつきましては、ただいま御報告申し上げました私どもの本年度における報告及び勧告に尽きるわけでございますが、さらに改めて申し上げますと、もう先刻御存じのように、私どもの勧告というものは公務員の給与について民間給与と均衡を保たせるということが極めて大事な要点になるわけでございます。しかもそのことは、公務員にとりましては、労働基本権というものが制約を受けておるわけでございますから、ほとんど唯一の給与改善の機会でございます。 そういう意味から考えますと、私どもは厳密に精密に民間の給与を調査いたしまして、それと見合うあるいはそれとの較差を埋め合わせるようにこの勧告を申し上げておる次第でございまして、そういう点から考えますと、私どもとしましては、今年におきましても在来と全く同じ考え方に立って勧告をいたしておる次第でございます。 確かに、率におきましては例年に比べますと低率でございます。低率ではございますけれども、実際の額の較差というものは六千余円にも及んでおるわけでございますから、我々はぜひこれを埋めていただくという観点に立ってこの勧告を行っておるわけでございます。 また、今年の勧告における特徴ということでございますが、何分にも今申しましたように例年に比べますと低率になっておりますために、俸給及び諸手当というふうなものにまんべんなくこれを改善するということは、かえって分散してしまう恐れもございますので、今年におきましては、その主たる力を俸給の改善ということで俸給表の各部分にわたる改善を行い、手当につきましては、最も生活との関連の深い扶養手当の増額にとどめる等の措置をとったわけでございます。 それ以外につきましては、今回の報告におきまして週休二日制についての四週六休制の本年内における試行を要望いたしまして、それに対する各省の体制も整えていただくことを要求し、さらに来年におきまするこれの実現をこの報告におきまして要望いたしておる、こういう点が今回におきまする特徴であろうかと考えます。 なお、詳細につきましては、また御質問をいただいてお答え申し上げたいと思います。
○上原委員 民間給与との均衡をとるということを基本に、これは従来そういうお考えを人事院も政府もお述べになってきたわけですが、それは数字のとり方、いろいろあるでしょうが、また細かいことはこれからの議論の中でやっていくとして、問題の一つは、今、後段お述べになった週休二日制にしても、これは勧告ではなく報告にとどまっているわけですよね。しかも四週六休制の実施を六十二年以降という点も不満が残る点ですね。この週休二日制の問題にしましても、ある面では公共機関がむしろ先行して実施をした方が週休二日制の完全実施ということはより実効性が上がるのだという意見もないわけじゃない。こういう意見が出てからかなりの期間がたっているわけですね。 そこで、後ほど問題点を二、三明らかにしますが、週休二日制の点にしても、四週六休制の実施を報告にとどめたこと、あるいは実施を六十二年以降に後退させた、ここはどういう立場からこうなったのか、改めて聞いておきたいと思います。
○中島説明員 昨年の報告におきまして、人事院は公務員の世界にも近い将来四週六休制を導入する必要があるという考え方をお示しいたしました。その考え方に基づきまして、政府の方では昨年の十二月、おくれたところはことしの一月になったところもございますが、四分の二指定方式ということで、四週六休制の将来をにらみまして実施をしていただいております。 ところが、海上保安官とかあるいは航空管制官とか、そういう交代制勤務の職員とか少人数職場の職員等につきましては、四分の二指定方式が実は実施されておりません。そういうような職場におきまして四週六休制を導入するというときには、現在の勤務体制とか勤務時間の割り振りというものを実地に即して検証してみる必要がある、そして四週六休制のもとにおける勤務体制とか勤務時間の割り振りというものを把握する必要がある、そういう考え方から、ことしの末から四週六休制の試行というものをやっていただこうじゃないか、その過程を見ながら、安定的にこれは四週六休制が実施できるなという確証を得たときにひとつ勧告をしようじゃないかということでお示ししておるわけでございまして、私たちは四週六休制の本格実施というものをにらみまして、ことしの末からの四週六休制の試行というものを御提言申し上げておるわけでございます。したがいまして、円滑に進めるためにはそういう方法が実地に即して最もいい方法だというふうに考えておるわけでございます。
○上原委員 そこで、官房長官が今ちょっと席をお立ちになりましたので、この内容から入りますが、今の四週六休制の問題あるいは週休二日制完全実施等に向けては、これはある程度段階を踏まなければいけないことについては理解をしないわけでもありませんけれども、航空管制官あるいは海上保安関係、いま一つは法務省の矯正職員、刑務所職員等の問題がありますね。いまだに四週六休どころか四週五休も実施をできないところもあるわけですね。そういったところについてはどのようにさらに前進させていくのかということと、そして将来、近い将来において週休二日制の実施をやらないと、貿易摩擦の問題とかいろんな、これは日本の労働時間と各国の比較を数字を挙げて申し上げるまでもなく、働き過ぎというところがあるわけですね。したがって最近、けさあたりの新聞報道を見ましても、政府部内においても、週休二日制を進める場合は土曜の閉庁方式に踏み切るべきだという意見も強くなってきている。あるいは与党内部においても、この際最低限人勧の完全実施というものはやるべきだというような意見も各関係部会でも非常に強くなっているということが言われているわけですが、近い将来完全週休二日制に向けてどういうような方法でやっていこうとするのか、もっと具体化をしていくお考えがあるのかどうか、改めて御見解を聞いておきたいと思います。
○中島説明員 ただいま申し上げましたように、現在四週五休制ということで実施をしておりまして、その四週五休制から一歩前進させるという意味におきまして四週六休制というものを御提言申し上げたわけでございますが、現在のところ、その四週六休制というものをどのように円滑に実施していくかということを国民の理解を得ながら考えていかなければならないというところでございます。先生のおっしゃいます完全週休二日制というのも将来の私たちの目標としてはあることはあるわけでございますけれども、現在のところは着実に歩みを進めるということを考えていきたいということでございます。
○上原委員 そうしますと、今のところでは閉庁方式とかそういうようなことでの週休二日制の完全実施に向けた方法というか方針というのはおとりにならない、こういうお考えですか。
○中島説明員 閉庁方式の問題につきましては、職員の勤務条件を向上するという観点から労働時間の短縮について考えている私たち人事院といたしましてすぐに御提言申し上げることができるかどうかということでございますが、この閉庁というのは、公務サービスのあり方というものを基本的に大きく変える問題である。したがいまして、政府といたしましてもこの問題につきまして非常に重大な関心をお持ちの問題であるに違いないということでございます。 私たち、職員の勤務条件を向上させるという観点から物事を考えていきますけれども、この閉庁方式による公務サービスのあり方の変更についての政府の考え方というものをよく把握していかなければならないというふうに思います。したがいまして、この問題につきましては、政府と息の合ったところで物事を考えていかなければならないというふうに思います。
○上原委員 では、総務庁はどうですか。
○手塚説明員 ただいま人事院の方からも御答弁ございましたが、勤務条件の向上、確かに私どもも望ましいことだと思います。それから、五月に決定されました経済構造調整推進要綱、あれにおいても、長中期課題としては銀行、公務員について週休二日制を推進するように言っております。したがって、将来の課題として完全週休二日制というものを頭に置きますと、閉庁問題というものは当然出てくるのではないかというふうに私どもも考えております。 ただ、私どもの立場は、職員の勤務条件という観点から考えまして、土曜日に職員が全員いなくなる、まあ閉庁という見方もできますが、この閉庁というのは職員の勤務条件サイドからだけではなくて、行政サービスのあり方、役所が土曜日に窓口を開かなくていいのかどうかというような観点があるわけで、ただ勤務条件のサイドからだけ云々はできない。それを踏まえて、いろいろな方面に関係してまいりますので、政府部内でも検討を進めていかなければならない、このように考えております。
○上原委員 ちょっと消極的な御答弁になっている感がしてならないのですが、官房長官の見解も聞きたいところですが、あえて申し上げておきますが、諸外国の年間労働時間数というのは、一九八四年のベースで、アメリカが大体千九百三十四時間、イギリスが千九百四十一時間、フランスに至っては千六百四十九時間、西ドイツは千六百五十二時間です。日本は何と二千百八十時間。国家公務員の年間実労働時間にしても二千二十四時間になっている。それにプラス超過勤務があるわけですよね。これだけ国際社会においていろいろ議論がある中で、まだこの労働時間については後進性を持っていることに着目をした場合に、もう少し人事院としても政府全体として完全週休二日制ということに持っていく積極的な努力が必要だと私は思うのです。この点、注文をつけておきたいと思います。 時間の都合がありますので、この勧告の中のその他について二点ぐらいお伺いをしておきますが、先ほどもございましたが、今回の人勧では、通勤手当は民間とほぼ均衡しているということで改定がなされておりませんね。しかし、国鉄は、御承知のように七月十四日に五・六%に上る大幅な運賃値上げを申請しております。しかも、九月一日実施をめどにしている。そうしますと、もしこの申請どおり運賃値上げがされた場合に、今度この通勤手当のゼロ勧告をしているという点は非常に問題が出てくると思うのですね。恐らく九月一日以降、あるいは十月一日にしても、改定がなされた場合には、民間企業においては臨機応変に即応していくかもしれない。しかし、人勧においては一年で、また来年の人勧においてしかこの通勤手当の問題は出てこないということになりますと、相当これはインパクトを与えることになりかねない。この点は恐らくおわかりの上でこういうことになったと思うのだが、どういうお考えなのかということが一点。 もう一つは、調整額の問題。今回の勧告でも、「また、かねて検討を重ねてきた勤労環境の変化等に伴う俸給の調整額の適正化については、昭和六十二年度から実施することとする。」こう記されております。確かに労働環境の変化に伴う調整は必要な面があるかもしれませんが、実際問題として調整額を低く査定をしていく方向に変えられたら困るわけですよ。その内容はどういうふうなことをやろうとしているのか。例えば放射能関係を取り扱う人々にしても、安全管理が従前より進んだから格を下げてもいいとか調整額を低くしてもいい、そういうことであるならば職場実態と伴わない面も出てくると思うのです。こういう点はどのように改正をしようとしているのか、内容について少し説明をしておいていただきたいと思います。
○鹿兒島説明員 お答えいたします。 まず通勤手当でございますけれども、先ほども総裁からお話がございましたように、ことしは生活給の中では扶養手当に重点を置いて改定をすることにいたしました結果、通勤手当及び住居手当につきましては改定の勧告をいたしておりません。 そこで、通勤手当につきましては、お話がございましたように既に国鉄から運賃引き上げの申請が出されているという事実は私どもも十分認識をいたしております。一方、官民の比較でございますけれども、御案内のように四月時点で比較をいたしますと、いわゆる最高支給額の分布の中位の金額階層は昨年と同様に二万円から二万一千円ということになっておりまして、従来と変化がございませんので据え置きにしたわけでございます。お話がございましたように、国鉄の運賃改定が行われますと、その結果が民間の方の通勤手当にこれから反映してくる、その結果はまた明年の勧告作業の中で精査をする、かような段取りになるわけでございます。そういう従来からの仕組みでございますので、ひとつ御理解を賜りたいと思います。 次に、調整額の問題でございますが、これは御承知のように大変古いいきさつのある問題でございまして、昭和四十七年以来調整額については検討を続けてきたわけでございます。検討の内容は二点ございまして、一つは調整率の問題でございます。調整率の問題につきましては、かつて一律四%でございましたものを五十五年に三%、それから一%分は定額化するという形で措置をいたしました。その後、官職の特殊性の評価ということで、五十五年以来今日まで検討を続けてまいったわけでございますが、お話にもございましたように、調整額をつけました時点と比較いたしますと職務環境もいろいろ変化が出てきておりまして、いろいろ検討いたしました結果、結局三点について今後調整をしていきたいということでございます。 その三つの点と申しますのは、一つは結核を中心といたしますいわゆる病院関係の職務でございます。いま一つは、お話の中にございました原子力関係の取り扱いでございまして、これをつけた当時と今日の状況を比べますと、民間におきましてもこの種の施設が非常に普及をいたしておりますし、政府の中におきましてもかかる施設がふえまして、防護措置も国際基準に従ってそれぞれ基準が立てられるという状況になってきております。それから三番目は、職業安定関係の職務でございまして、この職業安定関係に調整額をつけた当時におきましては、いわゆる失対労務関係の窓口業務ということで非常にさまざまな問題がございました。その後、そういった問題も失対労務者の減少等がございましてだんだんと状況が変わってきたということで、窓口事務が大変だということは十分わかりますけれども、当時の情勢と比較いたしましてこれについても調整をいたしたい。以上の三点でございます。
○上原委員 通勤手当の問題は、運賃改定がなされた段階においては非常に影響を与えるということは否定できないと思いますので、また次回の勧告なり何らかの形でひとつ配慮できる面はやっていただきたいということ。それと今の調整額の問題にしましても、確かにお答えしておられる環境変化ということは全面的に否定はいたしませんが、しかし、これも安易な改変、あるいは改定というよりも改悪等が著しく関係職員に影響を与えるというような急激変化があってはいかぬと思うのです。その点も十分御配慮いただきたいということを要望をしておきたいと思います。 それともう一点は、これも随分古い話なんですが、亜熱帯手当の問題、私が議員になったときからこれは取り上げてきて、もう何代かの人事院総裁ともやりとりをしてきましたが、その都度、検討中ということでいまだに日の目を見ていないわけです。最近の人事院の検討状況はどうなっているのか。 特に、いろいろ新しい制度を設けるとか新しい手当をやるということは今の環境下では非常に難しいことはわかりますけれども、年間七、八カ月も冷房というかクーラーを使用しなければいかないということで、非常に精神的、肉体的、いろいろな面で影響を受けているわけですね。ですから、該当者が少ないとか、あるいは沖縄県という、南西諸島という、それだけの狭い地域だからというだけでいつまでも検討中といって見過ごしていい問題じゃないと私は思うのです。改めて総裁と関係者のきちっとした見解を聞かせていただいて、ぜひ次回の勧告では何らかの実を上げるようにやっていただきたい。どうでしょう。
○鹿兒島説明員 お話がございました沖縄在勤の職員に対する亜熱帯手当の問題につきましては、四十年代の末から議論になっておりまして、たしか先生からも五十一年に当時の総裁に御質問いただいて以来、再三御質問があったと記憶いたしております。 亜熱帯手当につきましては、これはやはり生活給として地域の職員に支給をするということになりますと、二点から検討する必要があるわけであります。一つは、生活給でございますので生計費にどのような事情の変化があるかということが一つ。それからいま一つは、やはり官民均衡という立場から、沖縄に所在いたします民間企業のかかる種類の手当というものがどのような状態になっているかということであります。 ことしも関係者の方からこういった要望もございましたので、私どもも私どもなりに調査をいたしておりますけれども、率直に申し上げまして、現在の段階では生計費につきましては他の地域と格別の相違がないという実態がございます。また、民間企業におきましても、ごくわずかの企業で沖縄所在の企業につきまして職員に対しまして手当を出しているものもございますけれども、極めて例外にとどまっておるというような状況で、今のところまだこれを給与として反映させるということにつきましては私ども十分な自信を持ちかねております。 多年の要望でもございますので、私どもも引き続き研究をさせていただきたい、かように考えております。
○上原委員 引き続き検討検討でもいきませんので、これは人事院総裁どうですか。
○内海説明員 ただいま局長が答弁いたしましたものにつけ加えるものはないのでございますが、おっしゃっている意味は私どももよくわかります。やはり給与というもののいろいろな面からの検討というものが必要であり、そういう観点に立って長い間いろいろ考え続けながらいまだに御要望に沿い得るような措置まで至ってないわけでございます。しかし、実情についてはこれからもさらに深めてよく検討いたしたいと私は考えております。
○上原委員 これも関係者の強い要望がありますので、ぜひひとつ実現をするように特段の御考慮を要望をしておきたいと思います。 そこで、官房長官がお見えになりましたので、問題は、この六十一年度人事院勧告が完全実施されるかどうかということなんですね。先ほど玉置長官は、終始一貫完全実施をする意見を持って、また今回も給与担当大臣としてはそのようにやっていきたいが、官房長官が怖いからなかなか難しいというような御答弁だったか決意表明だったかと思うのですが、二・三一%、六〇九六円という、これは勧告制度ができてから、勧告としては史上最低ですね。これさえも完全実施をしないということになると、官房長官のかなえの軽重が問われるどころか、中曽根内閣のかなえの軽重が問われる。早目に給与関係閣僚会議を持って、臨時国会も九月中旬ごろ開かれるということなんで、やはり冒頭というか、給与関係法案を早目に提出をして、少なくとも関係者が、今度もどうなるのかな、この程度も実施をしてくれないのかなという不安を持たないような措置をおとりになる方がいいと私は思うし、またそういう腹づもりで既にやっていらっしゃると思うのですが、昨年度の例もありますからね、官房長官のこの談話もありますし、見解表明もあるわけですから、改めて、完全実施についてどのようにお考えなのか、御見解を聞かしていただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 去る十二日に人事院から勧告をちょうだいしたわけでございますが、早速十五日に給与関係閣僚会議を開きまして、内容の説明を受け、そして関係の各閣僚からの意見の開陳があったわけでございます。もちろんお立場によっていろいろな御意見がございましたが、まず第一回の会合はこの程度ということで終わったわけでございます。さらに引き続いて何回か給与関係閣僚会議を開いて本年度の人事院勧告をどう取り扱うか最終決定をいたしたいと考えておりますので、今の時点で、次に開かれるであろう臨時国会の冒頭に提案をしろという御意見でございますが、御意見として拝聴させていただきますが、今まだそこまで煮詰まっておるわけではございません。 ただ、この扱いをどうするかということにつきましては、先ほど玉置総務庁長官から御意見がございました。もちろん給与関係閣僚会議のそれぞれの閣僚はそれぞれのお立場で御意見は当然あるわけでございますが、私といたしましては、従来からの経緯もこれあり、やはり玉置長官の先ほど申された御趣旨の線を尊重して処理をしたい、かように希望をいたしておるわけでございます。
○上原委員 御慎重な御発言をするお気持ちもわからぬわけじゃないですが、官房長官、昨年は藤波官房長官は、「来年度以降においては、人事院勧告の完全実施に向けて誠意を持って対処する所存であります。」という官房長官談話を発表しているわけですね。あなたはそのときはたしか総務庁長官、給与担当大臣なんだ。これは六十年、昨年です。後藤田総務庁長官の所感として、「来年度以降においては人事院勧告の完全実施へ向けて誠意を持って対処するので、」今度は七月一日からで辛抱してくれと言っている。 こう言っておきながら、また――もちろんそれは給与関連法案を国会冒頭というのは、これも言葉のあやであって、冒頭でなければいかぬということじゃないのですが、少なくともそうおくれない段階で法案を出し完全実施をする。少なくとも臨時国会が開かれる前段までには給与関係閣僚会議において完全実施を決定をし法案の策定をやっていくというふうな作業は進めるぐらいの誠意を示してもらわぬと、昨年のこのお二人の談話というものあるいは所感というものは、これは公務員に対する公約違反になりますよ。御賢明な官房長官が今さらこういうことを言わなかったとは言えないと思うのです。今回はここで完全実施をやる、そしてその取り扱いは諸般の事情を見ながらやるということなら話はわかるのです。どうですか。
○後藤田国務大臣 私の答えがえらい消極的な印象を与えたのではないかな、こう思うわけでございますが、私は、かるがゆえに、先ほどお答えしたように従来からの経緯もこれありということを申し上げたのは、そういった従来からの官房長官の談話もあるし総務庁長官としての私自身の見解もあるしいろいろあるから、そこら過去の経緯もこれありということで一まとめに表現をしてございまするので御理解をしておいていただぎたい、こう思うわけでございます。
○上原委員 それだけおっしゃれば、あとは作業の進みぐあいを期待をしておきましょう。ぜひ完全実施をなさるように、また給与関連法案もできるだけ早目に御提出をしていただくように、これも強く御要望しておきたいと思います。 次へ進みます。次に、せっかく防衛庁長官がおいでになりましたので――きょうは栗原長官まではお呼びしなかったのですが、いやぜひ出ていって一%を守るという見解を述べたいからという、熱意があるというので出るということだったので、大臣がおいでになることをこっちが拒否する必要もないと思って来ていただいたのですが、どういう御答弁をするか興味を持っているのです。 そこで、この人勧問題と防衛費の問題というのは、論理的に言うと、絡ませては議論が非常にしにくいというか、かえってこんがらかる面もありますけれども、反面また防衛費全体の枠をGNP一%以内に抑えるというか、にするという一つの政策があるだけに、当然人件費というものも含んでいるわけですね。絶えず人勧が出た段階で防衛費の一%枠問題が頭をもたげてくるわけですが、防衛費一%枠を守るという、そういった思惑というかあるいは政府方針というものがあるから人勧の完全実施であるとかあるいは勧告の内容に影響を与えるとすると、これは余計に重大問題だと思うのです。 そこで問題は、今回の二・三一%が完全に実施をされたという段階においても、数字は一々申し上げませんが、防衛費の一%枠というものは守られるのかどうか。過般の防衛庁長官御就任時においては、何か一%枠というものに柔軟に対応するという御発言を栗原長官は既にやっておられるわけですね。そういう関連性もありますのでこの際改めて、どういうお考えなのか、どう対処していかれようとするのか、円高・ドル安問題等いろいろこれは絡みますので短時間で議論できる問題じゃありませんが、基本的な防衛庁の御見解だけはぜひ明らかにしておいてもらいたい。そうすることがこれからの論議をいろいろな面で深めていく面においてもいいと私は思いますので、ぜひ長官の率直な御見解を聞いておきたいと思います。
○栗原国務大臣 私の方で手を挙げてこの委員会に出席させていただいたというわけじゃございませんが、せっかくの御質問でございますのでお答えを申し上げたいと思います。 給与の問題と防衛費一%の問題は直接的に関係を持つものではない、私はそう思っております。しかも、一%の問題について私が柔軟な姿勢を示したということは、いろいろな問いの中でのやりとりでございまして、この人勧との関係ではございません。人勧との関係で申し上げるならば、ただいまも官房長官からお話のありましたとおり、一般職の国家公務員の給与をどういうふうに取り扱うか、まだこれが決まっていない。防衛庁の職員は一般職の国家公務員の給与に準ずるということでございますから、政府の方でこれをどう取り扱うかということが決まっていない、しかもGNPの推移がまだ確定をしていない、そういう段階でございますので、この段階で一%の問題について防衛庁として確たることは申し上げられないということでございます。
○上原委員 ちょっとよくわからないのですが、しかし人事院勧告が実施されると自衛官の給与も改定をするわけでしょう。 そこで、問題は、GNPがどう変化をしていくのかというのも大変興味があり関心が持たれているところなんですが、六十一年度の給与勧告二・三一%が完全実施をされるとなると、防衛庁関係には幾ら影響を与えるのですか、数字的に。
○池田説明員 先ほど防衛庁長官から御答弁申し上げましたように、まだ防衛庁職員の給与法の内容は決まっておりません。したがって、新しい給与法でどれだけ自衛官等の俸給が上がるのか、これは正確にわからない状況でございます。 一応、先般人事院の方で出されました勧告から判断してみますと、やはり公安職の低階級のいわゆるベースアップ改定率が非常に高くなっているように思われます。したがいまして、自衛官の曹士がこれに該当いたしますので、そういう意味では少し高くなるのじゃないかという予想もございます。また、自衛官の場合は、いわゆる営内に居住する者につきましてはそれに見合う食事代等を引いているというような計算がございますので少し高くなるのじゃないかと思いますが、一応それはわきへ置いておきまして、先般の予算編成のときに大体百四十四億円程度ではないかと計算をいたしました。これは今言ったように果たしてそうなるかどうかちょっと時間を要しますけれども、百四十四億で計算をいたしますと、二・三一で三百三十三億になるわけでございます。
○上原委員 三百三十三億になるとしますと、GNP一%枠内におさまるのですか。
○池田説明員 補正がなされましてベースアップがなされる、そのときに防衛関係費が膨らんでまいりますけれども、そのときのGNPが幾らになるか、これはまだわからない状況でございます。したがいまして、現在の段階では六十一年度の政府の当初見通しによるGNPで計算いたしますと、一%分が三兆三千六百七十億でございますから、これから現在の六十一年度の三兆三千四百三十五億を引きまして、さらに三百三十三億を引くと、これが数字がそうなるという前提でございますと、九十八億円程度が一%の数字よりも足りないということになります。極めて単純、機械的な計算でございます。
○上原委員 栗原長官、今お聞きのように、数字的には、これは仮定の計算ですから、しかし仮定といってもかなり根拠のある数字ではあると私は思うのです。これはそう狂わない、違わない。そういうことではじき出されるわけだから、この一%を、今回の人勧を完全実施された場合には超えていくのじゃないか。一方においては超えてはならないという我々の強い主張もある、国民の願いもまたあると思うのですね。だから、人勧は四月一日じゃなくして六月か七月に延ばせという意見も出てくるかもしれないが、それじゃ困るわけですよ。 我々の言っているところの矛盾点があるかもしれない、実際問題としては。これは弱点があるかもしれない。しかし同時に、私はこれは可能性のないことじゃないと思う。完全実施をやるということと一%を守るということは、二律背反じゃなくして同一視できる問題だと思うのですね。 ということは、昨年も相当の節約はやっているわけですよ。円高・ドル安の面もあったでしょう、あるいは自助努力もあったでしょう。そういういろいろな困難な状況、条件はあるにいたしても、政府として、防衛庁として一%枠はあくまで尊重していきたい、人勧も完全実施をする努力をする、その内部の努力によって一%枠にとどめていくという基本姿勢が私は大事だと思うのですね、今のところ。それがぐらぐらするものだから、要らぬ誤解を与えたり、あなたの本心、本意でないことが場合によっては新聞に伝わるかもしれない。これはあり得ないことではないですね。したがって、この段階においては、私はそういった防衛庁長官としての基本姿勢というものを明確にすることによって、内部でいろいろな努力をして、自助努力をやる、政府全体としてもその面をまたバックアップしていく、そういったものがなければいけないと思うのですが、 その点をぜひ明確にしていただきたいと思うのです。
○栗原国務大臣 防衛庁といたしましては、いわゆる防衛計画の大綱水準をできるだけ早く達成していくこと、そういうことから中期防衛力整備計画をつくったわけでございます。したがいまして、大綱水準の達成というのを基本としている、これがもとである。これは総理も言っておられますけれども、それがもとでございます。そういう観点からいろいろの問題を考えていかなければならない。 今の人勧と一%の問題というのは仮定の要素が非常に多いわけでございまして、この段階において確たることは申し上げられないというのは先ほども申し上げたとおりでございます。
○上原委員 あなたの本音は大体わかった。要するに、枠を超えてもいいという見解なんだ。「防衛計画の大綱」となりますと、これはまた議論は一%問題どころじゃないですよ。人勧との関連どころじゃないですよ。これはまた後日の議論の中でやってまいりますが、要するに防衛計画大綱の水準に持っていくことが防衛庁の基本姿勢だ。それは、一つの目標を立てた以上はそうおっしゃるでしょう。そうすれば、もう一%というのは実質的に突破するという前提であの計画は立てられているのですよ。 そうしますと、今の御見解からすると、今回の人勧問題と絡ませようが絡ませまいが、大綱水準を目標にしているということであるならば、遅からず一%枠の突破というものはあり得るというのが防衛庁長官の見解ですか。
○栗原国務大臣 私の申し上げているのは、防衛庁の基本的な考え方はどうだと言うから、これは防衛計画の大綱水準にできるだけ早く到達していきたいということである。それとこの現実の人勧の処理の問題、これはいろいろの不確定要素があって何とも言えない。しかし、先ほど申されましたとおり、予算の中でいろいろ節約するとか合理化する点がないのかどうか、こういう御指摘がございましたけれども、そういう点は従前どおりいろいろと考えていかなければならない、こう考えておりますが、今の段階で人勧の問題と絡めて一%問題を云々するということは適当でないといいますか、できないということである。ただ、三木内閣の一%を守るという、これは守っていきたいという姿勢は変わっていないということでございます。
○上原委員 これは、またいずれ機会があると思いますから、もっといろいろな角度からじっくり議論をいたしましょう。少なくとも当面――当面といっても六十二年度の予算においても一%を守るということは、総理を初め、今もはっきりじゃないけれどもその考えは変わっていないという御見解は持っておられるようですから、その点はぜひ守っていただきたいし実行してもらいたいということを注文をつけておきたいと思います。 そこで、時間もあと少ししかありませんので、次に、この人勧問題とのかかわりでもありますが、駐労問題について、これも基本的なことだけをお尋ねをしておきたいと思います。 最近の円高・ドル安問題で基地関係雇用員の面がまた非常に不安が持たれつつあるわけですね。恐らく給与改定の段階ではいろいろな米側からの要求、あるいはまたその他の件でも問題が出てくるかもしれませんが、従前どおり公務員の賃金改定、給与改定がなされた段階においては同時同率でやっていく、その方針は変わりはないのかどうかというのが一つです。 もう一点は、最近の円高・ドル安問題があって、基地関係雇用員、従業員の雇用の問題であるとか給与改定とか日本側負担とか、そういう面に変化が出る可能性があるのかどうか、どういうお見立てをしておられるのか、これも基本的な点だけぜひ明らかにしておいていただきたいと思います。
○宍倉説明員 お答えいたします。 まず最初の御質問でございます、国家公務員の給与改定と駐留軍従業員の給与改定と同時同率に行うという基本的な考え方につきまして従前と変わりはないか、こういうことでございますが、これは従前と同様の基本的な立場に立ちまして米側と折衝を進めてまいりたい、このように考えております。 それから、二番目のお尋ねでございますが、円高が非常に進行しております中でいろいろな問題が起こらないかということでございます。 確かに、この一年間ぐらいの間に円が非常に高くなっております。四割、五割というぐらい高くなっているわけでございますから、米側の方も円建てで支払っております駐留軍従業員に対する給与につきまして困難な状況が出てきておるということは容易に想像できるわけでございます。しかしながら、幸いなことに、現段階におきましては、私どもが米側に対しまして駐留軍従業員の雇用の不安が起きないように十分配慮してほしいとたびたび要請している、その要請に即した形で米側も配慮をしてくれておりまして、現在のところ大きな問題が起きるような気配は見られておりません。これは今の状況では大変いいことでございますが、今後もこうした安定した状況が続くように、私どもといたしましても最善の努力を尽くしてまいりたいと存じております。
○上原委員 これもこの程度聞いておきます。ただ、しかし、今施設庁長官がおっしゃるように、そう簡単に事が進むようではないと私は思うので、これもよっぽど注意を払うというか、雇用主としての責任というか立場を十分に果たすために努力をしてもらわなければいかぬ面が出てくると思いますから、その点も注文をつけておきたいと思います。 そこで、時間があと五分しかありませんから、せっかく官房長官おいでになりましたので、議題とちょっと離れるかもしれませんが、御理解いただいて、靖国問題について一言二言聞いておきたいと思うのです。 今回の、終戦記念日と言っている敗戦記念日ですわ、八日十五日、なぜ総理の公式参拝がなかったのか。なかった方がいいわけなんですが、問題は、相当後藤田官房長官の政治力というかいろいろな面が影響したというふうに私たちは見ておるわけです。それはいい面もあるし、相当の参謀だなと思う面もあるし、いずれにしても一つ二つ明らかになってきたことは、憲法二十条ですか、政教分離の規定からしてもおかしい、ですから公式参拝というのはやめるべきだという立場、見解を我々はとるわけですね。しかし政府は、依然として違憲の疑いはあるけれどもということをもなし崩しにして昨年は堂々とやった。ことしはやらなかった。その理由は何かということをもう一遍聞いておきたい。 同時に、A級戦犯が靖国神社に合祀をされているから公式参拝を控えたという見方もあるわけですね。また、そのことについてアジア近隣諸国からいろいろな批判なり意見が出たから取りやめたということになっているのじゃないかという見方もあるわけですね。結論的に言うと、そうしますとA級戦犯が靖国神社に合祀されていなければ公式参拝というものは憲法上も何にも問題はないというお考えでやっているのか。このことは非常に重要な問題だと私は思うので、これからの議論もあるでしょうが、官房長官がこれを取り仕切っておられるから、ここで改めて御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 公式参拝につきましては、昨年来申し上げておりますように制度化されたものではございません。これを実施するかどうかについては、その都度、諸般の事情を総合的に慎重に自主的に判断をいたしまして取り扱っていくということで、本年は公式参拝を差し控えるということにしたわけでございます。 もちろんこの問題は、御案内のように全国のほとんど大部分の地方団体から公式参拝を実行すべしといったような議会の決議があり、それから同時に、遺族会の皆さん方はもう当然のことでございますし、あるいはまた自由民主党の中からも、総務会の決定等で、政府としては公式参拝をすべきであるといったような申し入れがございました。それを受けて一年間靖国懇を開きまして御意見をちょうだいした上で、従来の法制局の見解は、いわゆる公式参拝というのはなお違憲の疑いを否定し得ないので閣僚は差し控えるべきであろう、こういうような見解を出しておりましたが、その見解の一部を変更する、つまりは神社儀式によらない、宗教儀式にのっとらないといったような参拝方式をとってやるということで、これは国民の大部分の人、また遺族の皆さん方が戦没者を追悼し平和を祈念する中心的施設は靖国神社であるといったような国民の感情にこたえて実施するということもまた我々としてはやらなければならぬ事柄であろうということで、昨年公式参拝に踏み切った、こういうことでございます。 もちろん、このことについては当時近隣諸国への配慮等もいたしておりましたけれども、公式参拝後の近隣諸国の批判というものはまことに厳しいものがあったわけでございます。その批判は、ひっくるめて申しますと、要は、過去における我が国の行為によって多大の苦痛と損害をこうむった近隣の諸国民の間に、そのような我が国の行為について責任のある人たちが祭られておるということになると、ひいてはこのことによって我が国がいろいろな機会に表明をしてまいりましたところの過般の戦争への反省とその上に立った平和友好への決意に対する誤解と不信さえ生まれるおそれが出てきておったわけでございます。もちろん政府としましては、我々としてはあくまでもこれは戦没者を追悼し平和を祈念するということであって、いわゆる軍国主義であるとかそういったことの批判に該当するような行為ではないということで、できる限りの外交努力はいたしましたけれども、やはりその誤解が解けない、誤解あるいは不信を生むおそれがある。 こういうようなことを考えますと、この問題は日本の国民感情に根差した大変難しい取り扱いであると同時に、過去の戦争等による被害を受けた諸国民がまだ生存しておる、そうすると、そういった方々、相手国の国民感情、これとの谷間に起きておる大変難しい配慮をしなければならぬ課題であると私は考えるわけです。もちろん近隣諸国も、このことは日本の内政の問題である、したがって外国からどうこうということではないがという前提つきでいろいろなことをおっしゃられる。そうしますと、私どもとしてはそれを正面から受けとめながら何らかの打開の道を講じなければならぬというようなことで、本年度の公式参拝についてはこの際一応見送るということが国益に沿うゆえんではないのか、こういう結論に達したわけでございます。 もちろん、そうは言いながらも、靖国神社への公式参拝は違憲ではないという昨年発表いたしました官房長官の談話、これは廃止するとかいったようなことではございません。相変わらず、私どもとしてはあくまでも日本の国民感情に沿って将来とも諸外国に対して日本の真意というものを訴え続けていかなければならない、かように考えるわけでございます。 そして、同時にまた遺族の皆さん方もそういった政府の決意を実行することができるような環境の整備に御協力をしていただくことができるのではないのか。もちろんA級戦犯合祀の問題ということは、政教分離の建前上、政府の口からはいささかも言うべき筋合いのものではございません。その前提のもとに私はお答えしておるのでございますが、遺族の皆さん方も環境整備ということに国内的には御協力を願うこともあるいは可能なのではなかろうかな、こう私は思うわけでございますし、同時にまた政府としては、日本政府の、日本の国民の切なる願いというものを外国に対して今後とも精力的に理解を求めることによってこの問題を解決していきたい、かような考え方のもとに今回の公式参拝は総理大臣は見送るということにしたわけでございますが、各国務大臣の皆さん方には、昨年の決定の際もそうでございましたが、ことしも同じでございます。 いずれにせよ、この問題については閣僚に対してどうこうすべしといったような強制をすべき筋合いのものではない、閣僚御自身の判断によってやっていただきたい、ただし公式参拝の場合には憲法違反の疑いを受けないように、そこだけは宗教儀式によらないといったようにしていただきたい、こういうことを申し上げてことしの参拝は見送った、かようなことでございまするので御理解を賜りたいと思います。
○上原委員 時間があればもう少し、今のは大変重要なあれで、本音を大分おっしゃったような気がしますので、またいずれ議論を深めたいと思います。 ニュージャージーとロングビーチの寄港についてお尋ねするつもりで外務省も来ていただきましたが、持ち時間が過ぎましたので、これで失礼をいたします。
○石川委員長 野坂浩賢君。
○野坂委員 全く久しぶりに質問をさせていただきますが、私は時間が非常に少のうございますので、簡潔にお尋ねをいたします。ただ、答弁だけはよくわかるように親切に御答弁をいただきたいと思います。 まず冒頭に人事院総裁にお尋ねをいたします。 今回、二・三一%、六千九十六円という公務員の給与改定の勧告がありました。あなたの談話を読んでみますと、この給与の勧告は精密な調査に基づいて行ったものである、ただいま冒頭におけるあなたの説明の中では、精密に厳密に調査を行った結果の勧告である、こういうお話があったわけであります。この精密な調査というものは、民間の賃金との較差を十分に精査をし調査をして漏れなく織り込んだものであるというふうに理解してよろしいか。
○内海説明員 詳細につきましては主管局長に答弁をさせますけれども、ただいまの御質問の件に関しまする私どもの民間給与の調査の状態ですが、これはたびたび申し上げておりますように、私は極めて精密に厳密に調査をいたしたつもりでおります。 私どもが標準といたしておりますのは、企業規模で百人以上かつ事業所の従業員五十人以上という対象の企業約四万数千の中から選び出しました七千七百の企業について、約五十万人に及ぶそれぞれの従業員についての給与を現実に即して調査をいたしました。それらを科学的な手法をもって分析整理したものでございまして、私どもは、今我々が実施し得るものとしては最も精密な、精査されたものである、こういうふうに考えておりますし、そういうふうにして調査した結果を織り込んで行ったのが今回の、そしてまた在来の勧告である、こういうふうに申し上げたいと思います。
○野坂委員 確かにあなたの報告書を読みますと、その後に起きた諸問題についても八百一円程度は加算をしておるということが書いてある。ただ、春の賃金ベアが行われた後についても、もし漏れておるものがあれば加えなければならぬと思うのですが、それらに対する追跡調査というものは今後は行わないのか行うのか、極めて簡単に伺いたい。
○鹿兒島説明員 総裁からお答えしましたとおり、四月時点におきます民間企業約七千七百の従業員約五十万人につきまして賃金台帳によって個々の給与を把握するわけでございます。 私どもの調査の時期が五月の中旬から六月の中旬にかけてでございますので、したがって、四月に給与改定が行われております民間企業、特に賃金が支払われております民間企業につきましては完全に把握いたしております。そして、調査時点が六月中旬までかかりますので、遡及改定をする企業が全体の二割ほどございますが、これも遡及改定の状況を調査しまして、これが遡及改定分として今お話のあったような数字になるわけでございます。
○野坂委員 最近行われました労働組合のセンターの大会の議論を踏まえてみますと、隠しベアというものがあるのではないのかということが言われております。新聞でも紹介をされておりますが、端的に例を挙げますと、例えば三菱重工の場合等は、表示では六千五百円、うち定昇は三千九百円だが、実際の手取り分のアップは八千九百九十円に上る、こういうふうに言われておる。あるいは、全石油関係は、組合員平均ではなく二十八歳組合員のベアを表示するという格好で、三十八歳ということになれば四・四七%だが、平均賃金になると一方五千七百十三円、五・一二%だ。こういうふうに、外部に向けた発表と内部に向けた実施というものについては若干の隔たりがあるということが明らかにされておるわけであります。こういう点については人事院としてはどのように対処、対応しておるのか伺いたい。
○鹿兒島説明員 いわゆる春闘の時期におきまして対外的に公表いたしますベア率と実際の支払い額の違いということは、私どももしばしば耳にいたしております。ただ、私どもの調査は、先ほども申しましたとおり具体的な賃金台帳に当たりまして支払い実額というものを調査しておりますので、私どもが調査しました限りにおきましては、現実に支給した金額によって官民較差を調査いたしております。
○野坂委員 賃金台帳に基づいて全部精査をし集約をしておるので、人事院の考え方としては隠しベアというようなものはない、こういうふうにお考えだと思いますが、例えば商品券の渡しとか、そういう問題で、一年たたなければわからないものが多くあるというふうに承知をしておるわけであります。したがって、これらの点については一年後でなければわからないという結果になるのではないかというふうに私たちは憂慮するわけでありまして、これらの問題については、再度企業等に、厳密な精査ということを表現されておりますが、そういう点についてそのものが確たるものかどうかということを十分調査をしていただくようにまずお願いをしておきたい、そう思います。 時間がありませんから次に進みます。 いつも問題になりますのは、勧告の完全実施ということが言われておるわけであります。かつて、今までには五十七年に実施の見送り、それ以降削った案というものが実施をされ、三年前に、三年間でこれらの問題はすべて解消するという、当時後藤田さんが官房長官であったと思いますが、そのようにおっしゃられて、今二・三一%が出てきたわけであります。これにつきましては、先ほど、従来の経緯を考えて総務庁長官の玉置さんから完全実施するように努力をしたいという意味の御発言がありました。 後藤田官房長官は、この間、第三次中曽根内閣ができ上がったときに、今度の内閣は重厚なものである、今回は七期以上が大体閣内に入る――後藤田さんの方は七期かなと思って見ておりますと、五期だ。そういうことになると、あなたは五期であっても七期以上の実力があると言わなければならぬわけでありますから、この人事院の勧告については、官房長官後藤田正晴としては――中曽根内閣の閣僚の一人、給与担当大臣、この人は完全実施をしたいと述べた。しかし、二十年間自民党の総務の中にあって、なかなか思うようにならなかったという一部の苦衷も披露された。したがって、官房長官は、八月十五日に給与関係の閣僚会議を開かれたわけでありますから、積極的に六十一年からは完全に実施をする、六十年は七月に三カ月ずれ込んだ、今度は必ず実施をするというあなたの官房長官談話も引き合いに出して、十分対応されるものと私は信じておりますが、そのとおり考えてよろしいか。いつまでも引っ張らないで、この辺で官房長官としての態度を明確にしておいた方が、いわゆる閣僚会議というものもスムーズに、中曽根内閣も要らざる論議をすることなく進めるのではなかろうかというふうに思いますので、きちんと御答弁をいただければありがたいと思います。
○後藤田国務大臣 官房長官は給与関係閣僚会議の主宰者でございます。その給与関係閣僚会議がまだ結論を出しておりませんので、私の立場でこういった公の席でこうすると言うことは差し控えさせていただきたいと思いますが、私の気持ちは、先ほどこの席でお答えをしたような線で努力をいたしたい、かように御理解を賜ればありがたい、こう思います。
○野坂委員 官房長官は給与改定に関する人事院の勧告は完全に実施したい、する決意である、こういうふうに確認をいたします。もし確認に相違があれば御答弁いただきたいと思います。 二番目に、三年後には整々したものに進めるという談話、この中で、確かに今の民間給与と比べて較差があるから二・三一を出した。 しかしこの間に退職をした人たち、この間にいわゆる給料をもらわなかった人たち、実施を見送られたり人事院勧告を削られたりした人たちは、総じて見ると、一人平均年間六十万円の損失になっておるように私は計算しております。それらについては何の配慮もしないでいいだろうかなという心配と憂慮をするわけでありますが、その点もどうお考えになっておるのか。二点についてお尋ねをしたいと思います。
○後藤田国務大臣 この問題につきましては、野坂さんがおっしゃるような御意見、御心配、これは従来から国会等でもよく御質疑を受けているところでございますが、大変形式的な答えで恐縮に思いますけれども、やはり給与は毎年毎年勧告を受け、それで勧告をどう扱うかということを決めた上で、国会の御審議を経て法律として処理をしてけりをつけておるわけでございますので、過去にさかのぼって今おっしゃった損失をどうこうしろということについては、これは無理ではないのか、私はかように考えておるわけでございます。
○野坂委員 今までの分の取り戻しは、簡単に言うと政府がそれぞれもうけてしまう、やむを得ないという非常に明確な答弁ですが、そういうものもあるのですから、今度の場合はもたもたしないで完全実施をすることが人事院が言っておりますように行政の推進になりあるいは勤労意欲の向上につながるものだ、いっときもそういうことを公務員の皆さん方に心配をさせないことが行政の責任者として私は当然だと思うのでありますが、そういう意味で第二点目の質問についてはお話をいただきましたが、完全実施をするというふうに官房長官はお考えになっておりますというふうに確認してよろしいか。よろしい、こういうふうな御答弁で結構でありますから、正式にお願いいたします。
○後藤田国務大臣 先ほどお答えをいたしましたように、私は給与関係閣僚会議の座長でございますから、その点をぜひひとつ御理解をしていただきたい、こう思うわけでございます。
○野坂委員 座長でありますから発言の取りまとめだけということでもないと思いますので、リードする力が七期生よりも強いわけですから、そういう意味であなたは官房長官及び座長として完全実施をするように最大の努力をするということでございますか。
○後藤田国務大臣 最大限の努力をいたしたい、こういうことでございます。
○野坂委員 いたしたいということはいたしますということですか、よくわかりませんが。もう一遍お願いします。
○後藤田国務大臣 いたしたいということは願望でございまして、そのとおりになるかどうかはわからない、こういうことでございます。
○野坂委員 だから努力をするということですね。 そういうことですね。願望であるけれども、それに向かって最大努力なするという決意も含んでおるというふうに理解していいわけですか。
○後藤田国務大臣 努力をする、こういうことでございます。
○野坂委員 わかりました。 週休二日制問題について簡潔にお尋ねをいたします。 上原議員からも御質問がありましたように、週休二日制問題につきましては、本年末から四週六休問題については試行して、六十二年内に実施に踏み切りたいという人事院の考え方、この六十二年内というのは六十二年四月からと理解していいのですか、願望を含めて御答弁をいただきたい。
○中島説明員 本年の十二月の末から四週六休制の試行をやっていただきたい、そしてその試行の経過、特に公務運営の状況とか国民生活への影響というものを総合的に判断して正式の勧告の時期を決定いたしたいと考えておりますが、人事院といたしましては、関係者の協力を得て公務部内の調整が十分に行われ、そして勤務体制とか勤務時間の割り振りの見直しが行われる、そういうもとにおける四週六休制というものの状況について国民の理解が得られることを前提にいたしまして、来年の夏にも正式の勧告ができればなと考えております。
○野坂委員 試行されて来年の夏勧告するということになると、六十二年ということになりますね。六十二年内ということになると暦の方でいきますが、六十二年度とは書いてないわけですから、直ちに円滑に移行することができるかどうかということを疑問に思います。試行して、来年の何月ごろから四週六休へと円滑に移行するということは、勧告の前にそうしなければ、八月に勧告をして年内にできるかどうかは非常に疑問があると思います。その辺はどうお考えですか。
○中島説明員 試行の経過というものをよく見てみたいと思いますが、御存じのように、公務というのは一会計年度を一つの区切りとして運営されております。省庁によりまして業務の繁忙期がそれぞれ異なりますので、一年間の試行というものを経て判断するのが適当でございますけれども、私たちは、今の労働時間短縮をめぐる国内的、国際的な環境を考えますと、そのことにつきまして関係省庁の協力を得ながら来年の夏にもその判断ができればということでございます。
○野坂委員 私の持ち時間がほとんどなくなりまして、これ以上質問することがなかなか難しくなってまいりましたので、四週六休問題についてはまた改めてその場で御質問したいと思いますが、少なくとも来年の夏には勧告するということだけは確認ができたと思うのであります。遅くともというふうに理解いたします。 防衛庁問題について一点だけ触れておきます。 先ほど同僚議員からの質問で、防衛庁長官は、基本姿勢というのは防衛大綱の達成、中期防の達成、それが職責を果たすという意味では姿勢であろうかとも思います。ただ、中曽根内閣の一閣僚でありますし、特に栗原さんは中曽根総理からのおぼしめしで、世に言う一本釣りという格好で閣内にお入りになっておりますから、非常に信頼も厚いだろうと思います。ことしの予算委員会で、何回となく中断いたしましたが、六十一年度内は一%の枠を守るという明言が総理の口からされておるわけであります。また、今、官房長官から、給与関係閣僚会議の座長としても、官房長官としても完全実施に最大努力をするというお話をちょうだいしました。恐らく確定的であろうと私は信じて疑っておりません。 そこで、今、給与関係で防衛庁はいまだ決定をしていないということであります。しかし、俸給表も防衛庁はいろいろあるということでありますが、一%の枠を中曽根総理は守るということになれば、あなたの基本姿勢とは違っても閣内の閣僚としては守っていかなければならぬ、こういう任務もあるわけであります。そうしますと、約九十七億円程度は例えばこのとおりで単純計算をして進めると超すわけであります。あるいは節約とか油が安くなったとかいろいろありましょうけれども、単純に見て、引き上がった場合、これは一%枠を超すことになります。 そこで、程度論というようなものが栗原さんの口から出て新聞をにぎわしておりますけれども、少なくとも六十一年度内は一%の枠は突破をしないわけでありますから、突破をするということになれば、人員を整理するとか、あるいは油の買い付けの問題、武器の買い付けの問題等でそのことは守らなければならぬという閣僚任務があると思いますが、その点についてはお守りになって、内容的に十分精査をされるということになりますかということをお尋ねしたいと思うのです。
○栗原国務大臣 私は、仮定の問題につきましていろいろお答えをすることは適当でないと思います。 なお、総理の国会における発言についても私よく詳細に見ておりませんからこれについてどうこうは申し上げられませんが、防衛庁長官でございますので総理大臣の御命令に従う、これは当然でございます。
○野坂委員 そうしますと、一%の枠の中でおさめるということになれば――架空の問題だから議論はできないと言うが、現実に起きてからでは遅いではないか。予想されるものについてどう対応し対処するかということも政治家の課題であるし、責任者として当然であると私は思うのです。そういう意味で、一%枠内におさまらない、あるいはGNPの動きが、名目五・一%で実質四%というものは、斯界の皆さんの意見を聞くと、むしろ下がるのではないのかということも言われるわけであります。三兆三千億円というものは、あるいは二%ならば六兆円も下がってくるということになれば重大な事態でありますから、それらについては今から御検討されるだろうというのは当然だと思うのです。 そこで、時間がありませんから、私が最終的にお聞きしたいのは、よく読んでいないけれども、総理大臣の御命令に従うのは当然でありますということ。総理が一%の枠は六十一年度内は守りますと言っておるということを、私はここに持ってきておりませんけれども、ゆうべ読んだわけですから、そういうことであれば、それについては厳守をして、その内容についてはいろいろありましょうけれども、人件費、人間の合理化の問題もありましょうし、輸入の低減もありましょうし、原油の値下がり、そういうものも加えてみて十分対応するということになりましょうかと聞いておるわけです。その点について伺っておきたい。
○栗原国務大臣 先ほど申し上げましたとおり、私は総理大臣が言われたことをよく見ておりませんし、それがどういう意味であるのか、それもまだよく考えてない。したがって、野坂さんのおっしゃったことは承っておりますが、総理大臣の真意がどこにあるかということは私なりにいろいろと検討させてもらいたい、こう思っております。しかし、いずれにいたしましても総理大臣の命令を聞くのは当然でございます。
○野坂委員 時間が参りましたのでこれ以上質問することはできませんが、一%枠を守るというのは、三木総理以来、いろいろな動きはありましたけれども、今日なお守られておるというのが現状であります。程度論は払拭をされまして、中曽根内閣の閣僚として一%枠を守り抜くという決意で臨まれますことを要望して、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○石川委員長 田口健二君。
○田口委員 官房長官にお尋ねをいたしたいと思いますが、何分にも生まれて初めて質問するわけでありますから、ふなれな点がありましたら御容赦をいただきたいと思います。 まず私は、当面の緊急的な問題でありますので、多少議題から外れるかもわかりませんが、お許しをいただいて質問させていただきたいと思います。 今月の二十四日にアメリカの戦艦ニュージャージーが佐世保の港に寄港することになっています。私は、かつて最初にアメリカの原子力潜水艦シードラゴン号が佐世保に入港いたしまして以来、約二十年近くにわたってこの問題にかかわってまいりました。とりわけ二度にわたるアメリカの原子力空母エンタープライズあるいはカール・ビンソン、ミッドウェー、さらに最近では多数の攻撃型の原子力潜水艦が佐世保に入ってきています。その都度地元の住民は、これらのアメリカの艦艇に核弾頭が搭載をされておるのではなかろうか、核が日本の港に持ち込まれておるのではなかろうかと、大変な疑惑と不安を持っておるわけであります。その都度政府の答弁としては、我が国には非核三原則があるし、これはあくまでも堅持をしていく、核の持ち込みについては日米安保条約によって事前協議の対象になっておるから、事前協議の申し入れかない以上、核の持ち込みはあり得ないという答弁を実はされてまいりました。 しかし、かつての駐日アメリカ大使でありましたライシャワーさんの発言やラロック提督の証言などからも見られますように、私どもとしてはこれらの政府の答弁については大変大きな疑問を持っておったわけであります。今回の戦艦ニュージャージーについては、私は今までのような政府のお答えでは納得はできないと思います。既にアメリカは太平洋艦隊に核巡航ミサイル・トマホークの配備を決定し、どのような艦艇にこれを配備しておるかということについても明らかにしておるわけでありまして、戦艦ニュージャージーには約三十二発のトマホークが搭載をされておるということは公然たる事実であります。 したがってお尋ねをするわけでありますが、今回の戦艦ニュージャージーの寄港をお認めになったその根拠として、一体だれがどのようにしてこのニュージャージーに核弾頭が搭載をされていないという確認をしたのか、このことをお聞きいたしたいと思いますし、今後とも政府は非核三原則についてあくまでもこれを守っていくという姿勢があられるのかどうなのか、このことも確認をさせていただきたいと思います。さらにもう一点、外務大臣が駐日アメリカ大使と会談をされたというふうにお聞きをいたしておりますが、どういう目的でどのような内容でお話しになったのか、そのことも明らかにしていただければ幸いであると思います。
○後藤田国務大臣 まず最初に、非核三原則を政府はあくまでも守る決意があるのか、こういうことでございますが、これは守り抜く決意でございます。そのことをお答えいたしておきたい。 それから、これは申し上げるまでもありませんけれども、特定の艦艇にトマホークあるいは核兵器を搭載する能力があるということと搭載しているということとはおのずから別の問題ではなかろうか、私はかように理解をするわけでございます。 今御質疑にございましたように、日本の政府としては非核三原則を堅持しておる、したがって核の持ち込みは認めない、もし核の持ち込みをするということであれば事前協議の対象になる、事前協議があればそれは拒否する、それが日本政府の従来からの確固とした政策でございます。 そこで、今回のニュージャージーの佐世保入港に当たりましても、駐日大使を外務大臣が招致をして、アメリカ政府としては日本政府の持っておる非核三原則について十分御理解をしていただいておるものと思うがいかがか、こういったような確認をした上でニュージャージーの入港を認めるわけでございますから、改めてアメリカ政府の方から核の持ち込みについて事前協議がない以上は、日米安保条約というお互いの信頼関係の上に立って、アメリカ政府、つまりはニュージャージーは核の持ち込みはしていない、かように私どもとしては考えておるわけでございます。
○田口委員 従来と同じようなお答えだというふうに思うのでありますが、私どもの認識といたしましては、従来のアメリカの艦艇に比較をして、特にニュージャージーについては明らかに核弾頭が搭載をされておるのは恐らく周知の事実であろうというふうに思っておるわけで、特にその点でお尋ねをしたわけであります。 それでは、外務大臣が改めて今度駐日大使にそのことを確認をされたという理由はどういうことでしょうか。
○藤井説明員 お答え申し上げます。 ただいま官房長官が御答弁なさいましたように、もし核の持ち込みがあれば事前協議の対象となるということでございますので、本来このような事前協議制度の確認ということを必要としないわけでございます。これは日米安保条約を運営していく上で当然のことでございますけれども、日米両国の信頼関係からいいまして必要ないわけでございますけれども、ニュージャージーにつきましては昭和五十九年以来国会におきましてもいろいろな経緯がございまして、さらにニュージャージーがトマホークを積載いたします能力を付与される最初の軍艦であるという一つの象徴的なこともございまして、念には念を入れる、全くの特例として、外務大臣がマンスフィールド大使を招致いたしまして事前協議制度の確認を行った次第でございます。
○田口委員 そうすると、今度の外務大臣の駐日大使に対する会談、申し入れというのはあくまでも特例的なものであって、今後は一切そのようなことは行わない、こういうお考えですか。
○藤井説明員 ただいま申し述べましたように、今回の措置はあくまで特例であり、念には念を入れるということで、従来の経緯を踏まえて行われたものでございます。 将来につきましては、現段階で予測することは、あるいは断言することは全く困難かと存じます。
○田口委員 時間がありませんので、もう一点だけこの機会にお尋ねをしておきたいと思います。 このニュージャージーは、佐世保寄港の目的は乗組員の休養だというふうに言われておりますが、一体どこから来て、佐世保を出港した場合にどこに行くのかということについて、おわかりであれば教えていただきたいと思います。とりわけ現地の佐世保では、恐らくこのニュージャージーは佐世保を母港にするのではないかという話が随分と言われております。現実に佐世保の市内ではアメリカ軍の要員のための宿舎の増築が今どんどん行われておるわけでありまして、そういう話もあるわけでありますが、ニュージャージーの佐世保母港化という問題について何かわかっていることがありましたら、この機会に教えていただきたいと思います。
○藤井説明員 御存じのとおり、米軍におきましてもいずこの軍隊におきましてでもございますが、特定の艦船の運用につきまして、これをあらかじめ示すということはしないわけでございます。ニュージャージーは、第七艦隊に編成されまして東南アジア方面を回ってきたわけでございます。今後の予定につきましては、そういうわけでございますので、どういうふうになるのか私どもは公式に存じておりません。 それから、母港化の点につきましては、そのような危惧が現地の一部にあるということは仄聞しておりますけれども、米軍がそのようなことを考えているということは全く我々は存じておりません。
○田口委員 時間の関係がありますので一応ニュージャージーの問題はこれでおきまして、人事院総裁にお尋ねをいたしたいと思うのであります。 それは、一つは人事院勧告の時期の問題であります。 人事院勧告制度が置かれておるその趣旨からいって、早期勧告というのは当然であるし、またそのことも随分求められてきたと思います。また、人事院なりにそうした努力も払われてきたというふうに考えています。とりわけ八〇年代に入りますと、八〇年の人事院勧告が八月の八日、八一年は七日、八二年は六日、八三年は五日というふうに、だんだん勧告の時期が早まってきておるわけです。ところが今年に至りましては、御報告がありましたように八月の十二日に勧告が出されました。仄聞をするところによれば、これは政府の都合によって勧告の時期がずらされたという話も聞いておるわけであります。そうなりますと人事院の自主性、主体性というものについて疑問が出てくるわけでありまして、この早期勧告という問題について、人事院としての基本的な姿勢をひとつ御説明をいただきたいと思います。
○鹿兒島説明員 お話がございました中期勧告、早期実施ということは、私どもにとりまして一貫した考え方でございます。 勧告の時期につきましては、今お話もございましたけれども、四十年代には大体十二日から十五日という日取りをとっておりました。五十年代に入りましてこれが早まってまいりまして、五十年自体は八日の十三日でございましたが、その後はおおむね五日から十一日の間ということでございました。 ことしにつきましては、私どもといたしましては閣議が開催されます八月八日ということを目途にいたしまして鋭意作業を進めてまいったわけでございますが、政府の方で、当日は日程等の都合もございまして十分説明を聞けるかどうかというお話がございました。ことしは、言うまでもございませんが、先ほど来お話がございましたとおり人事院勧告にとりましては大変重要な年でございます。したがいまして、政府の方で得心のいく状況で勧告をするということを私どもが配慮したことは事実でございます。 と同時に、私どもの方の事務的な事情といたしましても、ことしは、非常に率の低い勧告の中で、いろいろと手当につきましても問題がございました。調整額の問題でございますとか、あるいは筑波研究学園都市の問題でございますとか、職員組合の方々ともいろいろ話を詰めていったという事情もございますし、あるいは較差外の宿日直の手当につきましてもことしは何らかの形で勧告をしたいというようなことがございました。そういう作業の詰めということもございまして、ことしは十二日という日取りにしたということでございます。
○田口委員 人事院にもう一点だけお尋ねをしておきたいと思うのであります。 今回の勧告の中には具体的にあらわれてきておりませんが、現在実施をされておる現状の中で特に調整手当の問題、これが、大変都市化が進むというか広域化が進んでくる中で、現実的には大変な矛盾というものが存在をしてきておる、そういうものが顕在化してきておるというふうに私どもは判断をしておるわけでありますが、この調整手当の見直しといいますか、この辺についてはどういう考え方な持っておられるのか、お尋ねをしてみたいと思います。
○鹿兒島説明員 調整手当につきましては、この委員会におきましても実は再三御質問がございまして、私どもも問題意識を持っておるということを繰り返しお答え申し上げてまいったわけでございます。 御案内のように、この調整手当につぎましては、暫定手当以来の種々のいきさつがございまして、現在の調整手当ができました昭和四十二年当時、当委員会におきましても、また参議院の内閣委員会におきましても、その他若干の委員会におきまして、当分の間これを凍結するという趣旨の附帯決議も実はいただいているわけでございます。しかしながら、調整手当の内容につきましては、地域の生活給の問題あるいは物価の問題、こういった問題を考えますと、四十二年当時から今日に至ります社会的な変化の中で、かなり事情が変化しているということは事実でございます。 そういうこともございまして、私どもは、大都市の周辺につきましては御承知の官署指定という方法で若干の微調整を続けて今日まで至っているわけでございますが、微調整でございますから、やはり今後におきましてはかなり大幅な見直しもしなければいけないのじゃなかろうかというふうな感じは持っております。 ただ、これを具体化いたします場合には相当の基礎的作業が必要でございまして、私どもは、民間企業が出しておりますいわゆる地域手当的なものにつきましては過去大体三年置きに調査をするということを続けてまいりまして、たまたま五十九年、六十年は連続して調査をした、その結果、昨年は大都市につきましては九%地域を一〇%にするという改定をしたわけでございますが、ことしの民調におきましては、いわゆる地域給につきましては調査をいたしておりません。 総体としまして、今後この地域給の問題につきましては私どももう少し時間をかしていただきまして、また、これは関係者が非常に多数ございますので、関係者が納得いただけるような形の検討を進めてまいりたい、かように考えております。
○田口委員 それで、総務庁の方に一つお尋ねをいたします。 先ほどから四週六休の試行の問題についていろいろ人事院の考え方なりも出てまいっておるわけでありますが、総務庁としては具体的にいつごろからこの試行に入る準備といいますか、お考えを持っておられるのか、その辺をお尋ねいたします。
○手塚説明員 昨年の人事院勧告の際にやはり報告で、現在の四週五休を前提といたしまして四分の二指定方式を試行せいということで、去年の暮れから実施しているところでございます。この結果を踏まえてさらに円滑に四週六休の試行に入ることを検討しなければいけませんので、早速にも関係省庁を集めて協議に入りたいと思っております。 ただ、現在、四分の二指定方式につきましても全部が参加しているわけではございませんで、約四分の一、二四%ほどはその形に乗れないということでいろいろ検討を加えているわけです。四週六休ということになりますれば、さらに一種の時間短縮的な面がございますから、さらに工夫を凝らしていかなければできないという点がございます。その辺を関係省庁となるべく速やかに協議して、方向を見つけ出して試行に移りたい、そういうふうに考えております。
○田口委員 人事院の提言では昭和六十一年末というふうになっているわけですが、今からそういう各省庁間で検討、調整をやりたいということですが、大まかなめどというのはまだ全然立たないのですか。
○手塚説明員 勧告ではございませんが、せっかく人事院から本年内から試行できないかという御提言をいただいているわけでございますから、私どもも極力その線でいけるように努力してまいりたい、かように考えているわけでございます。
○田口委員 時間がもうなくなりましたので、最後に官房長官にもう一度お尋ねをいたしたいと思います。 先ほどから先輩委員の皆さんから完全実施についてそれぞれ御質問がありまして、御答弁がありました。官房長官としての真意といいますか、大体私は理解をすることができたというふうに思っているわけですが、給与関係閣僚会議等の開催等の手続もあると思うのでありますが、やはり全国の公務員の皆さんが完全実施という点について大変大きな期待を持っておりますし、その一番注視をしておる点が、いつごろ閣議決定がなされるだろうか、これが何といっても公式的な政府の決定でありますから、こういう点について大きな関心を持っておるわけであります。私どもの判断とすれば、九月にも臨時国会が開催をされるということであれば、当然に臨時国会の前に閣議決定がなされるだろうというふうに判断をするわけでありますが、この閣議決定の見通しについてひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○後藤田国務大臣 御説のように、できるだけ早く結論を出すことが私も望ましいとは思いますけれども、従来からの先例がございますし、昨年、一昨年等の日時等も参考にしながらできる限り詰めていきたい、かように考えております。
○田口委員 終わります。
○石川委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ────◇───── 午後一時三十一分開議
○石川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。鈴切康雄君。
○鈴切委員 今回、衆参のダブル選挙を受けて、初めて内閣委員会として委員会が持たれたわけでございます。なかんずく、今回人事院勧告が国会並びに政府に提出をされたのを受けてきょうの委員会が開かれたわけでございますけれども、きょうは、人勧の問題、靖国神社の公式参拝の問題、GNP一%の問題、それと同時に、若干時間があるならば人勧の中身も少しやりたいと思っておるわけでございます。 そこで、人事院総裁にまずお伺いをいたしたいわけでございますが、本来、人事院は、民間企業の調査結果で給与の較差が五%を超える場合は勧告をしなければならないと規定されておりますけれども、今回の勧告率は二・三一%という、昭和五十四年の三・七〇%を下回る史上最低の勧告率でありました。にもかかわらず勧告されたということは、それなりの理由があったと私は思いますけれども、人事院総裁として、その御所見と、勧告の特色及びその配分についてどうお考えになったか、その点をまずお聞き申し上げます。
○内海説明員 御存じのように、人事院の行います勧告は、公務員にとりましては、労働基本権の制約を受けたもとにおきましてほとんど唯一の給与の改善される機会であると考えております。しかもその勧告というものは、これも先刻御存じのように、民間給与との較差を埋め合わせていくというところに一つのポイントがあるわけでございます。 その場合に、先ほどお話のありましたように、法にも五%云々ということがございますが、これはむしろ義務づけられたものであって、だから五%以下であっては勧告はしないということにはならないと私どもは当然のこととして考えております。要するに、状況が変化すれば、その変化した情勢に対応して給与の改善を図っていくという大原則がすなわち勧告の基礎となる考え方であろうと考えております。 今回の官民の較差を検討いたしますと、二・三一%ということで確かに例年に比べますと低率ではございますが、さりながらその額を見てみますと、やはり六千円余のかなり大きな額でございます。こういうものにつきましては、やはり給与の改善という意味では無視できないものでございますし、公務員の生活の実態等をいろいろ勘案いたしますと、これはぜひとも勧告をしてその是正を期すべきである、私どもは当然にこう考えるわけでございます。そういうことから本年も勧告をいたした次第でございます。 今回の勧告の特徴といたしましては、勧告の中身を見ていただけばおのずから明確になるのでございますが、一つは、確かに低率であるということは事実でございますから、特徴というよりもそういう結果でございます。 それに基づきまして、今度は給与の配分ということになりますと、どうしても一番重要な俸給表というものに目を向けなければならない、そういう意味で今回の配分の大部分は俸給表の改善ということに向けました。 手当につきましては、生活給という面を重視しまして、扶養手当を若干増額いたしました。そのほか、宿日直手当を十年ぶりに増額いたしております。また、今回、筑波手当の改廃について我々勧告する者としてその意見を勧告の形で申し出ることになっておりますので、これについても検討いたしました。さらに、俸給の調整額等についても言及いたしました。 そのほか、今朝来いろいろ論議をいただいております週休二日制に関しまして、今日、現に行っております四週五休について、さらにこれを四週六休に前進させるために今年末を目途に四週六休の試行をしていただきたい。さらに、そういうふうな試行の結果を検討して、来年においては四週六休というものをでき得べくんば勧告いたしたい、こういうふうに考え、その前提条件としての報告をいたしておる次第でございます。 以上がもし今回における特徴と言えば特徴であろうかと考えます。どうかよろしくお願い申し上げます。
○鈴切委員 人事院総裁、二点お聞きしておきますけれども、今図らずもおっしゃいましたけれども、労働基本権の代償機関としての第三者機関として人事院があるのだということになれば、その仕組みからいうならば人勧は完全実施ということ、これは当たり前のことですね。ところが、今日まで何回も凍結あるいは値切り、そして繰り延べというようなことが繰り返されておるわけですけれども、これに対して人事院総裁はどのような御所見でおられるのか。今回こそは何としても完全実施をしてもらわなければ困るというふうに政府に強く迫られる御決意があるのかどうか。それが一つ。 もう一つは、二・三一%という大変に低い率でございますけれども、今図らずも、率は少ないけれども額は非常に大きくなった、こういうお話でございまして、勧告せざるを得ないということなんですけれども、ことしを初め、それから来年も景気は突拍子もなくよくなるということはないから、民間企業としては大幅に給与が上がるということはなかなか難しい点もあるでしょう。少なくとも額は六千円以上になっているわけですけれども二・三一%、基本給が大きくなっておりますから、基本給が大きくなってまいりますと低率であっても額は大きくなるわけですね。となりますと、この二・三一%というのを見たときに、これは毎年勧告をする、そのように私ども考えてよいかどうか。その二点について。
○内海説明員 私どもの勧告の完全実施につきましては、在来からも私は私の考え方を申し上げておるわけでございますし、現在におきましても、この勧告というものは政府におかれてもあるいは国会におかれてもぜひ完全に実施をしていただかなければならないもの、そう考えておりますから、勧告に際しましても、国会の両院議長にも、そしてまた内閣総理大臣にも強く私どもの考え方を申し述べ、完全実施を要望したわけでございます。今後におきましても、国会におきますいろいろな御審議の場あるいは政府の関係を通じまして、私どもの完全実施への希望を強く要望いたしていきたい、こういうふうに考えております。 それから、後段の御質問でございますけれども、確かに本年は二・三一という低率でございますが、それじゃ今後そういうふうなことについてどう考えるかということでございますが、私は、これは私はですが、官民の較差が存する場合においては、やはり十分にそれを検討して勧告をするのが一番いいのではないのか、こういうふうに考えております。
○鈴切委員 毎年勧告をされるということ、結構だと思います。やはり、何といっても公務員の給与というものは生活を直接担っているだけに、この較差をそのままにほっておくということは問題であるわけでございまして、そういう意味において、人事院総裁の、前向きでありますけれども、私はなんて言わないで、人事院としてはというふうにおっしゃった方がなおさらいいように感じます。 そこで、勧告の内容、問題については後ほどお聞きいたしますけれども、幾ら人事院の勧告がなされても、それを完全に実施しなければ何の意味もないわけであります。 そこで、後藤田官房長官にお伺いいたしますけれども、人勧の取り扱いについては、政府は、五十六年度以来財政難を理由に実施時期の繰り下げ、率の切り下げ、さらには凍結等によって勧告の完全実施を見送ってこられました。そのことは人事院制度そのものを否定しかねない状況であったが、当時総務庁長官であった後藤田官房長官が、三年を目途にして人勧の完全実施を図ることをお約束されたことがありますね。あれから私は執拗に後藤田官房長官に対しても人勧の完全実施をずっと言い続けてきました。官房長官は私に、鈴切さん、そんなに何回も何回もおっしゃらなくたって私を信用してください、こうまでおっしゃった、それは私は記憶に新たでございます。今年度は言うなれば御努力をされてきたその三年目であるわけでございますから、当然完全実施は至上命題になると思いますけれども、ことしの人勧の取り扱いについて、政府の完全実施の決意をお伺いいたします。 それから同時に、後藤田官房長官の後に、給与担当の総務庁の政務次官も見えておりますから、恐らく総務庁長官が先ほど言われたことはかなりの決意をしてこられたわけでありますけれども、今お体が悪いということですから、政務次官も、やはりこの問題については真剣に取り扱わなければならない問題だから、その点について決意を伺います。
○後藤田国務大臣 人事院の勧告は労働基本権の代償措置である、こういうことでございますから、政府としては人事院勧告を最大限に尊重して、国政全般との絡みの中でできる限り実現していくというのが政府の基本的な態度であろう、こう私は思うわけでございますが、同時にまた過去の経緯等もございますから、午前中の答弁で申し上げましたとおり、私としてはできる限り公務員の諸君に不安感を与えないように処理してまいりたい、かように考えているわけでございます。
○近岡説明員 委員会冒頭に玉置長官から強い決意表明があったわけでございますが、私は政務次官でございますので、大臣ともどもに、大臣の御指示に従いまして最大限努力したいと思っておりますが、人事院の勧告制度は労働基本権制約の代償措置の一つとして憲法上の評価を与えられているものであるから、総務庁としては、この勧告制度を尊重し、国政全般との関連を考慮しつつ、勧告が完全実施されるよう最大限の努力を尽くしてまいりたいと思っております。 なお、本年度の給与勧告の取り扱いについては、今後も財政事情等が引き続き厳しいものと見込まれますが、職員の給与改定に関する不安感を払拭するためにも、昨年度の官房長官談話でお示ししたような考え方に沿って、国政全般に配慮しつつ検討を進めてまいりたい、このように思います。
○鈴切委員 官房長官 、八月十五日に第一回の給与関係閣僚会議が開かれ、結論は持ち越しになったようでありますけれども、会議ではどのような論議がされたか。いろいろ意見が出されたということはおっしゃっておりましたけれども、空気はどんな空気だったか。 それから官房長官、あなたはまとめ役で、発言を控えたとおっしゃっておりますが、あなたの本気はどうなのか。いわゆる気持ち、それはここでおっしゃった方がいいですよ。そのときは要するにまとめ役であったから、あなたが出しゃばって言うということは控えたのだろうけれども、いろいろとこれからもあれですから、ここでは本気をおっしゃった方がよさそうですよ。 それからまた、次回はいつ開き、いつごろその結論が出されるのか、また、臨時国会において法案が提出されると期待していいかどうか、その点についていかがでしょうか。
○後藤田国務大臣 八月十五日に第一回目の給与関係閣僚会議を開催いたしました。そのときは事務当局から人事院勧告の内容について詳しい説明を聴取したわけでございます。その後、関係閣僚数名おりますが、それぞれのお立場でそれぞれの御見解をお述べになったわけでございますが、そういった会議の性格上、どの閣僚が何を言ったということはここでは差し控えさせていただきたい、かように思うわけでございます。 いずれにいたしましても、当日の私の取りまとめは、今日各閣僚から意見をお聞かせいただいたが、いろいろなお立場でいろいろな見解がございますので、引き続いてこの問題は検討を進めたい、なお次回の会議等については別途事務当局から御連絡を申し上げる、こういうことで第一回は終わっておりますが、先ほど来御質問がありますように、できるだけ早く処理をするということは望ましいと思います。しかし、政府部内にもいろいろな意見がございますし、同時にまた、従来からの取り扱いの例もございますので、それらを参考にしながら結論を得たい。 その結論については、先ほど来お答えしているように、人事院勧告制度の趣旨を踏まえながら、過去の経緯等を尊重しながら、私どもとしては何とか職員の諸君に不安感を与えないような取りまとめをいたしたい、かように考えておるわけでございますので、御質問の、臨時国会の前云々とかいったようなことは今日の段階ではまだお答えをいたしかねる、こういうことでございます。
○鈴切委員 あなたが言われた過去の経緯というのは、とりもなおさず、官房長官がちょうど総務庁長官であったときに、三年ということについて、完全実施をするなら私は三年ということをめどとしてやりたい。しかしそのときは、なぜ完全実施をしないのかということで大分国会でも論戦になったわけですね。しかし政府は三年ということで、少なくとも公務員の方も三年ということはやはり頭に残っている問題なんですね。となると、この三年は実はことしなんです。公務員の方は、ことしはもう完全実施だ、こういうふうにはっきりと割り切って期待をしているわけですよ。ところが、どうも官房長官は歯切れの余りよくないようなことを言われるのですけれども、いっそのこと、完全実施をことしはぜひやりたい、こうおっしゃったらどうなんですか。これは約束でしょう。約束である以上はやはりはっきりした方がいいですよ。どうでしょう。
○後藤田国務大臣 私は給与関係閣僚会議の座長であり、その結論が今日出てない段階でございますので、先ほど来お答えいたしておるような答弁を繰り返しておるわけでございます。いずれにいたしましても、御質問の中にある、昨年度なりあるいは一昨年度のときの官房長官談話の趣旨あるいは総務庁の長官としての見解等あるではないか、それら過去のいろいろな経緯を踏まえまして、そして職員の皆さん方にできる限り不安感を与えないような解決の道を探っていきたい、私はこうお答えしておるわけでございますから、ここらでひとつ御容赦をいただきたい、こう思うわけでございます。
○鈴切委員 今の官房長官の発言で、ことしは、三年の約束であるからこの過去の経緯を踏まえて完全実施をするということのお話であろうというふうに期待するわけであります。 この問題はこの程度にいたしまして、次に進みたいと思います。 八月十五日といいますと、これは忘れることのできない終戦の記念日であり、第二次世界大戦によってはかり知れない多大の犠牲者を出した戦争の悲惨さ、恐ろしさを思い出すにつけ、今日の平和の喜びと、二度と戦争の道へ逆戻りすることのないよう、国民として誓いを新たにする有意義な日であることは申すまでもありません。それとともに、戦争で亡くなられた方々への追悼並びに慰霊は国民感情として当然でありますが、憲法に抵触する靖国神社への公式参拝が戦没者にこたえる道であると直接結びつけようとする政府の考えには納得がいきません。 そこで、靖国神社公式参拝についてお伺いいたします。 政府は今回、中曽根首相の靖国神社公式参拝を見送ることを決め、十四日に後藤田官房長官から談話が発表されました。しかしこの方針は、我が党が従来から指摘してきた靖国神社への公式参拝は憲法に抵触するという基本的視点からのものではなく、相変わらず公式参拝は合憲という姿勢に基づくもので、まことに私は遺憾だと思います。 そこで、今回中曽根首相が公式参拝を取りやめた理由というのは何であったか、その点についてちょっとお伺いしましょう。
○後藤田国務大臣 いろいろな経緯を踏まえまして昨年度は、八月十五日の総理大臣の参拝は、宗教色を排除する、宗教的儀式は一切とらないといったようなことであるならば憲法違反には当たらないといったようなことで、いわゆる公式参拝に踏み切ったわけでございます。 そこで、これは毎年毎年それを繰り返すというようなことではなくて、その都度判断するということになっておったわけでございますが、ことしは、いずれにいたしましても諸外国等からのいろいろな御批判にも耳を傾けなければならぬ、こういう国益上の判断に立ちまして本年は取りやめる、こう決めたわけでございますから、一国の総理が去年は公式参拝をしてことしは取りやめるという以上は、やはりこれは国民の皆さん方にその理由をはっきりと説明しなければなるまい、こういうことで御承知のような私の談話を出させていただいて、本年度は公式参拝を取りやめたわけでございます。 したがって、またこの官房長官談話の中にございますように、憲法違反には当たらないという政府の公式見解、これは、依然としてこれを廃止するとか修正するとかという考え方は毛頭持っていない、こういうことでございます。
○鈴切委員 「近隣諸国の国民感情にも適切に配慮し」ということで官房長官の談話にも出ておりますけれども、今回靖国神社に閣僚が十六人ぐらい参拝された。その閣僚に新聞記者がいろいろとお聞きしますと、いや私は私的参拝ですとおっしゃる方、いや私は私的参拝でも公式参拝でもどちらだということは言えませんと言う方、それからもう一方は、いやもうおれは公式参拝だと公言しておった、そういう閣僚も何人かいた。これはテレビで映ったとおりですから、そんなことを否定することは何もないわけです、そういうふうにおっしゃったのだから。 政府としては、その中で閣僚がみずから公式参拝であると公言することについて、こういうことを望ましいことだというふうに思っておられましょうか。閣僚が公言したでしょう。閣僚が公言したのですよ、公式参拝だと。こういうふうな閣僚に対して、政府としては公式参拝をしないと言っていながら、公式参拝だというふうに言ったのを、望ましい、こういうふうにお思いでしょうか。これはどうなんですか。
○後藤田国務大臣 鈴切さん、その点は去年の公式参拝を総理大臣が行うということになった際にも、当時の藤波官房長官の閣議後の発言として、これは、総理大臣としてはいわゆる公式参拝をする、しかし宗教的儀式には一切のっとらない、したがって憲法違反ではありません、しかし、このことを各閣僚諸君に強制する意思は全然ありません、これは閣僚諸君の自主的御判断で結構でございますという話が閣議後の藤波長官のお話でございましたが、それに従って去年も公式参拝をした人がおればしない人もおるといったようなことであったと思います。本年も全くその点は同じでございます。閣僚の皆さん方に自主的に判断をしていただいたわけでございます。 ただその際に、閣僚はやはり前の人とはかわっておりますからね。そこで、いわゆる公式参拝をなさる場合には、ひとつ憲法違反にならないように、宗教的儀式を排除して、その点は十分御留意を願いたい、それだけは御注意を申し上げたのが経緯でございますから、閣僚の中に、今鈴切さんがおっしゃったような、新聞記者会見で答弁をそれぞれまちまちのお立場でやられたこと、私は、それは閣僚それぞれの見識に基づく発言であろう、かように理解をいたしております。
○鈴切委員 それでは、閣僚の中で公式参拝だと言うことに対して、後藤田官房長官はこれをお認めになる、政府としてお認めになる、こうでいいのですか。
○後藤田国務大臣 それは閣僚の皆さん方の御見識に基づく自主的判断によっておやりになったことでございますから、私は、それで当然ではないか、やむを得ない、私がとやかく批判する立場にはない、こう考えております。
○鈴切委員 そうなりますと、閣僚といっても国家権力を構成するところの内閣の一員なんですよ、その内閣の一員が、政府が決めた、公式参拝はことしは取りやめますよというのにもかかわらず、公式参拝を私はやっているんだ、こういうふうなことに対しては、政府はそれを容認をするというお立場なのか、ああいうふうなことは慎んでもらいたいなというふうにお思いになるのか、その点はどうなんですか。
○後藤田国務大臣 ことし私どもが決めましたのは、内閣総理大臣のいわゆる公式参拝は行わない、こういうことでございます。
○鈴切委員 内閣総理大臣の言うならば公式参拝を行わないということであるならば、これはやはり閣僚だってかなり配慮をしなくてはならない点じゃないでしょうか。昨年は、内閣総理大臣が公式参拝をやると言ったらみんなぞろっと公式参拝したじゃないですか。それでは、内閣総理大臣がことしは海外のいろいろの国民感情、近隣諸国の国民感情を考慮して公式参拝はやらないよと言うならば、やはり閣僚はその公式参拝に対しては、少なくとも、自分は心でそう思っておったって、言葉に出して公式参拝だと言うことに対して、それは望ましい、そのように政府としてはお思いになっているのか。それは信教の自由だからどうのと言うかもしれないけれども、要は閣僚の一員として、総理大臣がそういうことを言われ、しかも、官房長官が談話で発表され自制を唱えたにもかかわらずやるということについて、これはどうなんでしょうか。 結局、悪く勘ぐれば、内閣総理大臣は公式参拝をやめた、しかし、代行として閣僚に公式参拝をやらせたと近隣諸国が見ても――これはそういうふうな見方もできるんですよ。そうじゃないですか。内閣総理大臣はやめたけれども、結局はやらせじゃないか。公式参拝というのは、結局は閣僚にそういうことで内閣総理大臣の代行ということでやらせたんじゃないかというふうに近隣諸国はとらないとも限らないのですよ。 だから私は、少なくとも内閣総理大臣が公式参拝はことしはやめるんだ、そういうふうに言われ、しかも官房長官がそのように談話まで発表されたというならば、やはり公式参拝に対してはこれは公言をすべき問題ではない、こう思うのですが、あなたはどうお思いでしょう。 〔委員長退席、戸塚委員長代理着席〕
○後藤田国務大臣 そこが鈴切さんと私の見解が違うのです。私は、内閣総理大臣のいわゆる公式参拝は、ことしは諸般の状況を慎重に判断して取りやめにいたしました、しかしながら、この問題については、閣僚の皆さん方はそれぞれのお立場で参拝をなさる、あるいは参拝をしない、これは一向に差し支えのないことである、こういうことを私自身が申し上げてございます。ただ、いわゆる公式参拝なさる場合には憲法違反の非難を受けないように御留意を願いたいと、そこだけを申し上げて、あとは閣僚の自主的判断にお任せをしたわけでございますから、閣僚が、総理が言ったからって何も全部右へ倣えしなければならぬというふうには私は考えていない、かようにお答えを申し上げる次第でございます。
○鈴切委員 いや、中曽根内閣というものの構成は中曽根総理大臣一人ではできないのですよ。国家権力というもの、中曽根内閣というものは、各閣僚のポジションがあって、そして大臣というものがあって、その長として中曽根さんが頂点となっているわけでしょう。だから、言うならば閣僚だって国家権力の一端を担っているんじゃないですか。中曽根さんは、私は今回は海外の、そういう近隣諸国の国民感情を配慮して、だからやらないんだ、こうおっしゃり、あなたはわざわざ談話を発表され、自粛というのか自主性、そういうものを言われた。それにもかかわらずこういうことになると、閣僚がやはり昨年は公式参拝でやっておった。ことしは随分変わったなと近隣諸国はそのようにはた目は見るかもしれませんけれども、本質的には何も変わってない。私は、それは問題であるということを指摘をしておきます。 八月十四日の官房長官談話の五点目ですけれども、「政府は引き続き良好な国際関係を維持しつつ、事態の改善のために最大限の努力を傾注するつもりである。」とありますが、どういうことなんですか。
○後藤田国務大臣 政府といたしましては、いわゆる公式参拝を廃止するとか修正するとかといったような考え方は持ってないわけでございます。諸外国からの批判がいずこにあるかということもわかっておりますから、それらの点については引き続き外交的な努力によって日本の真意、つまり戦没者を追悼をし平和を祈念をするというこの一点に立って、それがまた国民の大部分の方の要望なんだ、そこらをひとつぜひ理解してもらいたいという努力を一層積み重ねてまいりたい、こういうことを私は念頭に置いて書いておるわけでございます。
○鈴切委員 それでは、近隣諸国の国民感情を大変に逆なでをしたということで、中国並びに韓国、ASEANを含めてかなりこの問題が大きな問題としてクローズアップされたわけですけれども、官房長官、それは何が原因なんです。何が原因であると把握され、またあなたとしてはどうお思いになっておられるのですか、その点。
○後藤田国務大臣 その点は午前中にもお答えをいたしましたように、アジア諸国の反発というものは、過去の日本の行動に対して責任のある者と被害を受けた者、これが一緒ということについてはこの日本の真意というものを必ずしも理解しがたい、かえって、日本が平和を祈念しそして戦没者を追悼するということは当たり前であるということを認めながらも、その点においてやはり日本の真意というものを誤解をするおそれを生じておるわけでございます。そこらを私は取り上げて、やはりあくまでもそういうことでないのだということを引き続いて努力をするし、同時にまた、そういうひっかかっておる点について環境整備をするということに国民の皆さん方の理解も仰げればありがたいな、こう考えておるわけでございます。
○鈴切委員 あなたは今大変に抽象的な答弁に終わったわけですけれども、けさ方、上原さんの質問に対してこういうことをおっしゃったでしょう。官房長官は、靖国神社から合祀されているA級戦犯を外すようなことについては、国は神社側に何らか働きかけをするということではないが、遺族の人たちが何らか話し合って善処することになると思うという発言をされた。それは発言されたでしょう。そういうふうなことを発言されませんか。
○後藤田国務大臣 これは私の談話の中に「A級戦犯」という言葉がございますから、ただいまの私の答弁は、過去の日本の行動について責任を有する人という言葉で抽象的に申しましたが、それは何ぞやということになればA級戦犯であるということは、これは申し上げて一向に差し支えありません、談話の中に使っておりますから。 そういう点については政府が関与することではないのだ。しかしながら、国民の大部分、殊に遺族のほとんどすべての人が、どうしても靖国神社が追悼の誠をささげ平和を祈念する中心的施設である、したがって、総理大臣以下ぜひひとつ公式参拝してもらいたい、こういう希望があるわけでございますから、それを実現する上においても、そういった環境について整備をすることに御協力を願うことができれば大変ありがたいな、こう私は申し上げているわけで、政府からどうこうしたいとかどうこうするということはこれは差し控えなければならぬ、かように思うわけでございます。
○鈴切委員 いや官房長官、それ自体がおかしいのじゃないですか。 例えば、今あなたが発言されたそれ自体が既に、A級戦犯の合祀が政府としてはネックである、だから遺族の人たちが何らか話し合ってそして善処することが望ましいということを、こういう場所であなた自体が願望的なことを言うということは、明らかに国が靖国神社に対して、直接な干渉でないにしても、遺族を通じてあなたが干渉していることになるのですよ。そうじゃないですか。そういうことになるのじゃないですか。だから実際に国の干渉と何ら変わらぬじゃないですか。あなたは口では決して国は神社等にそういうふうなことについて直接干渉はいたしませんと言いながらも、遺族にそういうことの善処をある程度期待するようなことを言ったのでは、直接国が靖国神社に対して干渉すると何ら変わらぬじゃないですか。その点どうなんですか。
○後藤田国務大臣 政教分離は日本国憲法の基本原則でございます。したがって、私が今言ったようなことで、直接はもちろんのこと、間接的にも遺族に対してどうこうしてもらいたいといったようなことを私は申す意思は毛頭ございません。
○鈴切委員 先ほどあなたは遺族がそういうことを善処することを期待したいみたいな話をしたから、これはあなた、大変な干渉になるのですよ。国会で、これだけの場所において答弁をして、そういうふうなことを期待するなんて言うことは、言うならば行き過ぎなんです。そんなことは言うべきじゃないのです。そんなことは一切任せればいいのです。私はそう思います。 同じく談話には、「公式参拝は制度化されたものではなく、その都度、実施すべきか否かを判断すべきものである」と述べられておりますけれども、要するに、諸外国から文句を言ってくれば公式参拝は中止をする、何も言ってこなければ公式参拝するということが判断の基準となるのか、その政府の判断する基準を明らかにしてもらいたいと思います。
○後藤田国務大臣 文句を言ったから云々という考え方を直ちにとるわけじゃありませんが、私は、日本の現状を考えた場合には、やはり国際関係というものをよほど重視をして内政上対応していかなければならぬ、こういう考え方を持っておるわけでございます。そういう意味合いにおいて、今回、靖国神社のいわゆる総理大臣の公式参拝を取りやめたことは、そういった国際的な配慮を重く見て取りやめた、かように御理解を願えればいいのではないか、かように思います。
○鈴切委員 国際的な配慮を重く見たということは、それはA級戦犯もさることながら、戦争中、日本の国が、言うならば軍国主義と靖国神社とが結びついて大変に戦争への拍車をかけたということはこれは歴史が物語っていることでございますけれども、そういうふうなことを考えたとき、基準というものについて、ただ外国の感情だけということでしょうか、それともやはり何かほかの要素があるのでしょうか。その点はどうでしょう。
○後藤田国務大臣 今回取りやめました主たる理由は、やはり国際関係をこの際は重視をする必要があるだろう、こういう観点で取りやめた、かように御理解願えればいいと思います。
○鈴切委員 靖国神社公式参拝の問題は、あなたは内政問題だ、こうおっしゃいますが、お考え方はどうでしょうか。
○後藤田国務大臣 これは私が思うだけでなしに、靖国神社の参拝は内政の問題であるし、またいろいろ厳しい批判をなさっておるアジア各国も、本来はこれは日本の内政問題であるがという前提でのいろいろな厳しい批判であることは、これは申すまでもございません。
○鈴切委員 そういうとらえ方だけだとやはりちょっとこれから問題を起こすと思うのですよ。 確かに内政問題ではあるわけでございますけれども、しかし安全保障という観点に立ったときに、これは近隣諸国からしてみれば、決して日本の内政問題だけであると簡単に片づけるわけにはいかない。すなわちそれは、靖国と軍国主義というふうなものが結びついて戦争を起こし、そしてそれが言うならば近隣諸国に多大な被害を与えた、日本は加害者としてそれなりに御迷惑をかけた、こういうふうなことを近隣諸国はみんなそれぞれ思っているんですね。 だから、日本の内政問題だと言えばそれだけだと言うならば、何も近隣諸国が日本の国に対してそのことを云々することはできないわけたけれども、安全保障という立場から考えてみると、やはりまた軍国主義が台頭してくる気配じゃないか、あるいはまたA級戦犯にしても、そういう戦犯を賛美するような、そういうふうな動きになってきているのじゃないか、そういう懸念があるから、だから、言うならば近隣諸国が一斉に反発したでしょう。それは事実じゃないですか。だから、内政問題であると同時に、安全保障という観点から立ったならば、私は決してそんな単純なものではない、こう思うのですが、あなたはどう思いますか。
○後藤田国務大臣 アジア各国がどういうお立場でああいう厳しい批判をなさっておるのかは私のそんたくできる範囲ではありませんが、私は、日本のこの国が軍国主義化するというようなことについては一切の懸念を持っておりません。平和憲法のもとで、今日まで四十年間孜々営々として平和国家建設で来た、今後ともこの立場で行くべきものであろうし、私は行くことを確信をいたしておりますので、軍国主義になるといったようなことは全然考えておりません。
○鈴切委員 いや、私は何も軍国主義になると言ったのじゃないですよ。しかし、そういうふうな過去の歴史というものは往々にして時間がたつと忘れられていくような、やはりそういう傾向はあるのですよ。となると、少しでもそういうふうな感じのすることについては日本としてもかなり敏感に感じなければいけないと思うのです。今回、近隣諸国が大変な反発をしてあのような談話を出し、中国の外務省は言い、または二階堂さんが中国に行ったときに鄧小平さんがこの問題を取り上げたとかいろいろあるわけですね。 官房長官、それじゃお聞きしますけれども、昨年の公式参拝するときに、こういう問題が起こらないと思ってやったのですか。こういう近隣諸国からの反発は全然ない、そのようにお思いで公式参拝を踏み切られたのですか。それじゃ余りにも政府としては先見性がないじゃないですか。先見性がない。そうじゃないですか。 少なくとも近隣諸国はどうなんだろうかということを――ただ単に遺族会が公式参拝をやれやれと言って、しかもこれは国民の大多数の意見だとか、あるいはまた遺族会が全部こぞってだとか、そんなことないでしょうよ。国民だってこうやって反対する人だっているんじゃないですか。しかも公式参拝は憲法に抵触するというふうに言われているんじゃないですか。政府は今までもそう言ってきたじゃないですか。あるいはまた、公式参拝を踏み切った途端に、もう公式参拝の仲間に入らない、一部の遺族としてもそういう旗上げをしたんじゃないですか。そういうふうなもろもろの影響があるということを政府はわからなかったのですか。どうですか、その点は。
○後藤田国務大臣 昨年公式参拝に踏み切る際も、外務当局としては近隣諸国に日本の真意というものは伝えてくれておったようでございますが、必ずしも十分なる理解が得られないままに公式参拝をせざるを得なくなったことは事実であろう、私はこう思いますが、その結果は私どもの予想以上の厳しい反応があったわけでございます。 そこで、本年はやはり国際関係に配慮する必要がありという国益上の立場から総理大臣の公式参拝は見送ったわけでございますが、しかし、私どもがやはり忘れてならないことは、こういった問題は、何といったって日本人としての国民感情、これにもこたえなければならない。そうしますと、午前中にお答えをいたしましたように、各地方団体のほとんどすべての議会の決議が来、そしてまた遺族会初め各種団体の切なる希望もあり、国民の多くの方がそれを望んでおるということであれば、政府としてもそれにこたえていくというのが大きな責務ではなかろうか、こう いうことで、この問題については双方、両面を考えながら私どもとしては対処しておるんだ、この点をぜひひとつ御理解をしていただきたい、かように思うわけでございます。
○鈴切委員 官房長官、あなたは、外務省を通じて近隣諸国にいろいろ打診をした、打診をしたけれどもその回答を得られないままに公式参拝に踏み切ったなんて、こんなこと言えますか。政府はもっと慎重でなくてはいけないじゃないですか。公式参拝をやるということは憲法に抵触するというふうに常々政府は答弁されているにもかかわらず、しかも、近隣諸国に打診したけれども近隣諸国の反応がわからないうちに公式参拝に踏み切ったなんて、もってのほかですよ。そんなことは許されない。だから、一斉に近隣諸国がこれに反応したということはもう当然のことだと私は思うのです。いかにも配慮がなさ過ぎた。 今回はそういうことで総理だけでも公式参拝をお取りやめになったということでありますが、本質的にはどうかということになると、本質的には変わってはいないのですよ。なぜかといえば、政府が昨年発表したあのいわゆる参拝形式を一応こうすることによって宗教色を薄めたと言うのでしょう。宗教色を薄めたって濃くしたって、そんなのは憲法に抵触していることは間違いないのですよ。そうでしょう。例えばここに汚物があるとする。それを幾ら希釈したって汚物は汚物なんですよ。そうじゃないですか。だから、抵触したものはやはり抵触したのであって、これはもう――ちょうどいいときだ。近隣諸国がそういうふうな反発をしてきた、そしてそれに政府も配慮しようとする姿勢が見えた。この際政府は、常日ごろ靖国神社の閣僚の公式参拝は憲法に抵触するんだというふうなことをずっと言ってこられた、その見解にもう一度やはり立ち戻るべきじゃないですか。その点はいかがですか。
○後藤田国務大臣 いわゆる閣僚の公式参拝は憲法違反であるということを政府は断定したことはございません。政府は、憲法に違反しておる疑いが否定し得ないのでやはり閣僚参拝は遠慮した方がよかろう、こういった法制局長官の見解があったことは事実でございます。一年間学者その他の識見のある方にお集まりをいただいて検討した結果、宗教色を払拭してやるならばこれは憲法違反にあらず、こういうことになったわけでありますから、あなたは憲法違反であるとおっしゃるが、私は、ああいったやり方であるならば憲法違反にあらず、こういう考え方をとっておるわけでございます。 そうして、やはり私どもの基本は、国民の大多数の感情にこたえなければならぬというのが政府の大きな責任でもある、これも私ははっきり申し上げておきたいと思います。しかし同時に、あれだけの厳しい反応が、これは予想外の厳しさであったことは率直に認めます。ならば私は、今日の日本が置かれておる内外の厳しい情勢を考えた場合には、やはりことしはいわゆる総理の公式参拝は中止をさせていただいて、その理由を国民にもはっきりと申し上げ、さらにまた、この公式参拝を憲法違反のもとに返すといったようなことでなしに、あくまでもこれは変更、修正はしないで、今後一層国内外にわたっての理解を求めるような措置を進めて解決していくのが最善の道であろう、かように理解するわけでございます。
○鈴切委員 官房長官、あなたは今それだけの御配慮を持った御発言をされるというなら、閣僚の一人一人に、公式参拝をされそうな方に対して、どうかひとつ、今回は中曽根さんも公式参拝ということは取りやめるからあなたも公式参拝を公言するなんということはやはり閣僚としても自重してもらいたいとなぜ言わなかったのですか。どうしてもう少し説得力ある立場で――官房長官は言える立場であるでしょう。だから私は、むしろ閣僚をしてやらせているのではないかというようにとらざるを得ないのですよ。あなたのような説得力ある立場におられる方が、閣僚の中で公式参拝をやるんだと公言することに対してなぜ説得できないのですか。あなたが今答弁されたことをるるお話しになれば、ああそうか、それまで配慮してあれならば私もことしは、中曽根総理がやめられたという意味もよくわかるからというふうに考えるのが閣僚ではないですか。 内閣総理大臣がやめますというふうに言っていながら、信教は自由であるといってもそれと全く反対なことをやることに対して政府が認めるようなことを言ったら、私はきょうのあなたの答弁というのはやはり近隣諸国は相当微妙に反応すると思いますよ。だから、そういう意味において、やはりそれは若干配慮が足りなかったではないかぐらい言えないのですか。
○後藤田国務大臣 この点は去年もことしも同じなんですよ。事柄の性質上、こういうことは強制をすべき事柄ではない。あくまでも閣僚それぞれの良識に基づいた適切な判断に任せるべきであろうということでお任せしたわけでございますから、私どもは別段それでやらせようなんてさらさら考えておりませんし、またどうしてもやめてもらわなければ困るよという考え方も私はとっていない。あくまでも自主的判断にお任せをした、かように御理解をしていただきたいと思います。
○鈴切委員 八月十五日は、図らずも、天皇陛下をお迎えし、例の武道館において戦没者追悼式がありますね。これはそうい意味から言うと全く宗教色がないですよ。武道館におきますあの行事は、私どもも喜んで参加し、そして平和の誓いを新たにするという言うならば国民的な行事ではないですか。テレビでも報道されますし、ああいうふうなことはそういう意味からいって非常に好ましいことである。あるいは千鳥ヶ淵の墓苑についても、これも宗教色がなく、私どもも参加させていただいているのです。 ところが一宗教法人としての靖国神社となると、これはちょっと性質が変わってくるわけですよ。これは憲法に少なくとも抵触する疑いがあるとあなた今おっしゃったでしょう。抵触する疑いがあるものをどんなに希釈したって全部払拭されるということはないでしょう。そんなことはないはずです。だから、八日十五日に武道館において天皇陛下をお迎えして全国民が戦争で犠牲になられた方々をひとしく慰霊するということは、私は大変に重要なことだと思うのです。ところが、それが終わるとすぐに靖国に飛んでいく。そんな必要がありますか。あれだけでいいのではないか。 あなたは大多数の人がいわゆる靖国神社の公式参拝をやってくれと言っていると言うが、大多数というのはどれくらいなんですか。国民が全部靖国神社に参拝してくださいというふうに願っているのかどうか。そんなことはないでしょうよ。遺族会の中でも異論が出ているようなそういうものについては、やはり問題は問題だということで指摘せざるを得ません。 あなたは、あの武道館におけるところの、天皇陛下を迎えての八月十五日の式典の意義、その評価、そしてまた千鳥ヶ淵墓苑、多くの戦没者の方々が眠っているあの場所におけるところの式典、この二つをどういうふうに評価するのですか。
○後藤田国務大臣 八月十五日の政府主催の武道館における戦没者追悼式、これは大変重要な式典である、私はかように理解をいたしております。こういうことは引き続いてやらなければならぬ、こう考えるわけでございます。また、千鳥ヶ淵の場合も、これは無名戦士であったと思います。これもまたそれなりの意味のあることであろう、こう思います。同時に、この政府主催の八月十五日の式典は、あれはさきの大戦での戦没者ということになっておるのじゃないかと私は理解をいたしております。千鳥ヶ淵の方は文字どおりの無名の戦士、靖国神社は戦没者すべてを従来からお祭りをしておるといったようなことで、中身が少し違っておるのではないのか、私はこう思います。 同時にまた、何よりも靖国神社が戦没者を追悼する中心的な施設ではないかといった国民感情は、今、鈴切さんは全員じゃないとおっしゃるが、それは全員じゃありません、鈴切さんは反対だもの。それは全員じゃないけれども、地方団体のあの議決を見てください。ほとんどすべての地方団体が議決をしてきている。それから遺族会だって、それは反対の人はおるかもしらぬけれども、これはほとんどすべての人が大変な厳しい御要求ですよ。参拝しなさい、こういうことなのです。 それでは一体どうすればそれらの人たちの国民感情にも合致するのかということは、やはり政治の衝にある者としては真剣に考えなければならぬ課題であろうといったようなことで、私は昨年公式参拝に踏み切り、そしてことしは先ほど来申し上げたような事情で総理の公式参拝を見合わせた。しかし、各閣僚はそれぞれの自主的判断でやっていただいて結構であろう、こういう処置をしたわけでございますので、そこらにやらせであるとかなんとか、そういったような一切の魂胆はございませんので、ぜひ理解をしておいていただきたい、かように思うわけでございます。 〔戸塚委員長代理退席、委員長着席〕
○鈴切委員 いや私は、靖国神社に対して公式参拝でなければ、いわゆる閣僚であろうが何であろうが私的参拝ならどうぞ御随意にということなんですよ。政府が、しかも官房長官談話まで出して、そして公式参拝だと宣言したところに問題があるだろう。また、近隣諸国もそれに対して大変な反発をしてきたということは否めない事実です。 そして、公式参拝は制度化されたものではないという談話がありますけれども、制度化ということはいつもやるということ、それをある程度法律で定めるとか、あるいは閣議等で決定するということになろうかと思いますけれども、それについては政府はやらない、言うならばこういうことであります。昨年、官房長官の談話を発表することによって、政府は、従来の違憲ではないかとの疑いを否定できないという政府統一見解を変更して合憲とした、公式参拝に踏み切ったわけでありますけれども、政府の統一見解を変更された官房長官の談話の言うならば位置づけはどういうところにありましょうか。ウエートはどういうことなんでしょうか。例えば閣議決定とか閣議了解とか口頭了解とか通達とかいろいろあるでしょうけれども、その中でいわゆる官房長官談話というものの重みはどういう位置づけになるのですか。
○後藤田国務大臣 従来からございました、なお違憲の疑いを否定し得ないので閣僚のいわゆる公式参拝については見合わせてもらいたいというのは、これは閣議の決定でもなければ閣議の了解でもございません。これは法制局長官の見解であったわけでございます。それを一年間ああいう検討をした結果、宗教的な儀式を完全に排除してやるならば憲法違反にならないという一応の解決が出たわけですから、それを受けて、その面において法制局長官の見解の一部変更という形で内閣官房長官の談話を出したということでございますから、これまた閣議の決定あるいは閣議の了解といったような取り扱いをした問題ではございません。前者は法制局長官の見解であるし、後者は内閣官房長官としての公式な見解である、かように御理解をしておいていただければいいのではないか、こう思います。
○鈴切委員 靖国神社の論議というのは長い歴史がありまして、政府としては常に憲法に抵触する疑いを払拭できないと言い続けてきたわけです。だから、憲法問題であるわけですから、確かに公式参拝という問題については外国の国民感情というものを配慮しなかったという政府のどちらかというと早とちり的な行動に対しては大変に問題があると同時に、形式的においても宗教色を払拭するなんて苦しい答弁を官房長官やらないで、毎年毎年暑いのにこれが論議されるようなことではやはり問題だと私は思うので、これはいっそのこと前の昭和五十五年の統一見解に戻したらどうですか。
○後藤田国務大臣 鈴切さんのお立場は、憲法違反であるといったようなお立場に立っていらっしゃる、私はその立場に立ってないわけでございまして、したがって、五十五年の見解ですか、これは今資料を持っておりませんけれども、私は、あくまでも去年の藤波官房長官談話の趣旨に沿って、いろいろな障害があるならば、その理解を求めながら実施していくべき筋合いのものであろう、かように考えておるわけでございます。
○鈴切委員 まあ官房長官 がそういうふうな考え方でありますと、暑いこの夏においてもやはりまだまだ論議をせざるを得ない問題ではないかと思っております。その問題はこのぐらいにいたします。 防衛庁長官、今回の人事院勧告が完全実施されますと、自衛官など防衛庁職員の給与も引き上げられることになります。 そこで、五つ聞きたいわけですけれども、一つは、六十一年度の当初予算から見た場合、防衛費一%の枠は幾らになるか、それから、防衛費の総額は幾らなのか、三番目は、一%枠とのすき間は現在幾らか、四番目は、完全実施に必要な人件費は幾らになるのか、完全実施すると一%枠をどれくらいオーバーする見込みなのか、この五点をあわせてお伺いいたします。
○栗原国務大臣 政府委員から答弁させます。
○池田説明員 今回のベースアップがいずれ防衛庁職員給与法の改正になりまして自衛隊員等の給与が改定になりますが、それが現実にどの程度のものになるのか。これはまず俸給表そのものがまだわかっておりません。したがいまして、どういう格好で出るのかわからないという点をあらかじめ申し上げておきます。 まず、一%の枠でございますけれども、六十一年度のGNPの見通し、これは、補正の段階でどうなるか、これももちろんわかりませんので、六十一年度につきましては政府の当初見通しで申し上げる以外にございません。それですと、三兆三千六百七十億ということになります。 次に、防衛費のすき間でございますけれども、当初予算は三兆三千四百三十五億でございます。したがいまして、両方ともGNPが変わらないということを前提にいたしますと、二百三十五億がすき間になります。 次に、ベースアップの完全実施ということでございますが、先ほど申し上げましたように、ベースアップが自衛隊員の給与にどの程度響くかということは今正確には計算できません。ただ、今年度の予算を作成いたしますときに、仮に一%分を計上するということだと幾らになるかという計算をいたしましたのが、一%で百四十四億という計算をいたしました。しかし、今回のベースアップの改定の内容から判断いたしますと、公安職の低階級のところのアップ率が非常に高い、そんなこともございまして、自衛隊員のベースアップはもう少し高くなるのではないだろうかと一応予想は立てておりますが、まだ、正確な数字はわかりませんので、仮に予算のときに検討いたしました百四十四億がそのままでいけるという前提に立ちますと、二・三一%を掛けますと、三百三十三億になります。したがいましてすき間が二百三十五億でございましたから、ほかの事情が変わらない、例えばGNPも動かないというようなことをすべて前提にいたしますと、九十八億足りないということになります。
○鈴切委員 今御答弁がありましたのを要約しますと、六十一年度の防衛費は三兆三千四百三十五億円、GNP比が〇・九九三%。当初予算のことしのGNPの政府の考え方からいいますと〇・九九三%に当たり、一%までに残り人件費が二百三十五億円で、今回の二・三一%を完全実施すると、九十七億円突破する勘定になる。しかし、経費の節約とか燃料費の値下げとか円高による輸入品の値下げ、これで一 %は十分に守られると私は思うけれども、その点どうですか。
○池田説明員 従来の補正のときの財源をどう求めるかにつきましては、先生篤と御承知のとおり、その年度のその段階における不用額とか節約額を計上してまいります。現在の段階で、この補正の時期にどれだけ出るかということは正確には申し上げる数字が整っておりません。確かに為替の変動によりまして既に不用が出てくるようなものについては当然補正のときに不用を計上する、それは当然であります。そのほか、いろいろな契約、外貨以外のものもいろいろございますから、それも集計して補正の段階でそういうことを財源に充当することは当然我々も予想しておりますが、今正確に幾ら出るかということを判断できる状況ではございません。
○鈴切委員 一般行政経費の節約分や、支出が見込まれたのに実際は支出されなかった不用額を防衛費から削減すれば一 %以内におさめることは可能である、私はそう思っているのです。その証拠に、六十年度は節約分は五十億、不用分が四十二億、合わせて九十二億を浮かせてGNP一%内を守った実績があるんですね。要は、政府が本気になって一%枠を守るという考え方に立つかどうか、これに私はすべてかかってくると思うのですが、防衛庁長官どのようにお考えでしょうか。それと官房長官はどうお考えでしょうか。
○池田説明員 今先生の御指摘の六十年度補正の段階で九十二億、節約または不用が出たということはそのとおりでございます。それは、その段階で集計をしたら不用がそういうふうに計上されたということでございまして、一%を守るために無理無理節約した、そういう性質のものではございません。
○栗原国務大臣 ただいま政府委員から答弁したとおりの経過でございます。 したがいまして、我々は三木内閣のときの防衛費一%、その枠は守ってまいりたい、この気持ちは一向変わっておりません。しかし、今の段階で不用額がどのくらい出るか、削減がどうできるかというようなことは、ただいま政府委員から答弁したとおりで不確定でございます。したがって、この問題についてはこれ以上のことはお答えできないというのが現状でございます。
○後藤田国務大臣 ただいま防衛庁長官がお答えいたしたとおりでございます。
○鈴切委員 六十一年度のGNPの最終値は現時点では実ははっきりしないわけでございますから、当然この問題は臨時国会、通常国会にも持ち越されるだろうということは間違いございません。しかし栗原防衛庁長官は、再度の防衛庁長官になられて、就任早々、私もテレビでお元気な姿を拝見しておったわけでございますけれども、そのときもやはりいろいろと、それから後も、大綱水準の達成を一%より優先させる考えも明らかにされたり、政府が大綱決定の昭和五十一年にみずからの予算的制約としてGNP一%を設けて今日まで来たというそういう長い経緯を余りお答えにならないうちに、大綱水準の達成を一%より優先させるような考え方を言われたわけです。確かに自民党は今回大変に議席をとられたわけでございますけれども、まあしかし一%枠を撤廃しようという動きについては、私どもはかなり批判的な考え方に立っているわけでございます。もし一%が撤廃されると防衛費だけがひとり歩きしてしまうんじゃないだろうか、やたらに増大されるんじゃないだろうかというような考え方が国民の中にもあります。 例えば、昨年の九月の中期防衛力整備計画の決定のとき、大綱の見直し、別表の修正を考えていないとその当時の防衛庁長官は言っておったのです。ところが六十一年度の防衛白書は、別表の内容変更も可能であるが、しかしそれが直ちに大綱の見直しとはならないと強弁している。別表を含む大綱の見直しの口火を切ろうという動きとは私は無関係ではないような感じがしてならぬのですね。 今後も政府はGNP一%を守り、節度ある防衛力整備をすべきだ、私はそう思うけれども、GNP一%枠について政府は簡単に突破できる、そういう問題だというふうに認識しているかどうか。やはり一%という重みは、かなりこれは政府としても今までのいきさつから考えて慎重に対処しなければならぬ、こうお思いであるのか、その点はいかがでしょうか。
○栗原国務大臣 ただいま自民党が三百余議席をとった、それだから非常に勇ましい議論になるのではないかという御懸念でございますが、私は、そういうような態度はとるべきでない、こういうときにこそ本当に腰を据えて防衛問題を真剣に討議をしていただかなければならぬと考えております。 私が就任早々いろいろと記者会見その他の会合で話したことが記事になっておりますけれども、これは防衛力の整備の問題と一%というのが議題となったり、あるいは一%を超えるとそれは軍事大国になるとかならないとか、そういうような議論の中で展開をされたのでございまして、この人勧と一%の問題と直接結びついている問題ではございません。 これらの問題につきましては、一%というこの枠ですね、非常に重大な枠だと考えております。したがって我々もこれを守っていきたいということで来ておりまするけれども、一%枠を守ることが本当に我が国の防衛力のためになるのかならぬのか、そういった問題については広い視野からもう一回国民の皆さん方の御論議をいただく、特に国会で十分な御教示を賜りたい、こう考えております。
○鈴切委員 官房長官並びに防衛庁長官、人事院総裁、きょうは本当にどうもありがとうございました。
○石川委員長 川端達夫君。
○川端委員 このたび人事院から給与の改定に対する勧告及び週休二日制等に関する報告が出されました。それに関連して質問させていただきます。 既に御承知のように、人事院の勧告制度は国家公務員の労働基本権制約の代償の措置であり、その完全かつ迅速な実施は国際労働基準として既に確立しているところでありまして、我々も数年来の凍結、抑制という異常事態をことしこそ解消して、人事院勧告を早期に完全実施するよう強く要望するところでありますが、この勧告に関する政府の御見解を官房長官にお伺いいたしたいと思います。
○後藤田国務大臣 人事院勧告をやはり私どもとしては最大限尊重しまして完全実施に向けて努力をいたしたい、かように考えているわけでございます。
○川端委員 この勧告を完全実施した場合に必要財源が千八百三十億になるというふうに伺っているわけですが、この財源手当ての目途といいますか、これについて大蔵省にお伺いをいたしたいと思います。
○若林説明員 今回の人事院勧告を実施する場合に必要な財源といたしましては、一般会計で約千七百四十億円、特別会計で約四百十億円でございますが、重複分がございますので、それを差し引いたところでは、一般会計、特別会計合わせましてただいま御指摘のような約千八百三十億円となるわけでございます。 先生御案内のとおり、我が国の財政は極めて厳しい状況にございますし、また、勧告はさきの十二日に出されたばかりでもございまして、現時点においては勧告を実施するための財源のめどはまだ立っていないということでございます。
○川端委員 六十年度の決算では約四千四百億円の剰余金が出ていて今年度に繰り越されているわけですけれども、この剰余金の使い道といいますか、使途についてはどのようにお考えになっているのかを大蔵省にお伺いしたいと思います。
○若林説明員 お答えいたします。 剰余金の使途につきましては、財政法六条の規定によりまして、その二分の一を下らない金額は翌々年度までに公債の償還財源に充てなければならないとされておりまして、さらに政府といたしましては、特例公債償還までの問は全額公債の償還財源に充てるという基本的な方針をとっているところでございます。 いずれにいたしましても、六十年度の剰余金の取り扱いにつきましては、六十一年度補正予算の編成過程におきまして六十一年度中の歳出歳入の動向との関連を慎重に見きわめながら決定することになろうかと思います。
○川端委員 ただいまの官房長官の御答弁、それから財源に関する大蔵省の御答弁を伺いますと、完全実施に関しては誠意を持って前向きに努力をするというお言葉と、それから、財源的な部分はまだよく検討していない、四千四百億円の剰余金に関してはそれを回すという御趣旨でもないように思うのですが、財源的な観点から完全実施ということをとらえたときに、どのような見解をお持ちなのかということを官房長官にお伺いをいたしたいと思います。
○後藤田国務大臣 ただいま大蔵事務当局から御答弁申し上げましたように、財政的にはやはりなかなか厳しい状況にあることは間違いがございません。しかしながら、やはり公務員の給与の問題というのは、単にそういったことだけでいつまでも異例の措置を続けていいという筋合いのものでもない、やはり政府全体として解決の道を探っていかなければならない、そういう立場でこの問題には対処していくつもりでございますので、御理解を得ておきたいと思います。
○川端委員 財政的に非常に厳しい状況であるというのは十分理解をしているものでありますが、例えば民間の給与でありますと、労使で自助努力をするということ、それからストライキ権というものを背景にして交渉していくという中で給与改定が行われるというのは御案内のとおりでありますが、そういう権利を制約されるという中で人事院勧告制度というのが保障されている、存在するという趣旨から見ますと、財政上の理由があるから非常に難しいというふうなことは理由にならないのではないかと考えるわけです。 そういう意味で、御努力をいただくという御答弁でございましたけれども、例えば行財政改革というものが現在行われているわけですが、そういうことから見ても、万難を排して財源を確保すべきであると強く考えるわけですが、再度、財源確保の努力と完全実施に対する決意を大蔵省の方からお伺いをいたしたいと思います。
○若林説明員 先ほども御答弁申し上げましたように、財源につきましてはまだこれから検討していかなければならないということでございます。ただ、財政当局といたしましても人事院勧告制度を尊重するという従来からの基本的姿勢についてはいささかも変わるところはないわけでございまして、そういう精神を踏まえ、また、昨年度の勧告実施に当たりまして、「来年度以降においては、人事院勧告の完全実施に向けて誠意を持って対処する」という官房長官談話もございます。そういうものも十分踏まえまして、財政当局といたしましても十分慎重なる検討をしていきたい、このように思っております。
○川端委員 ただいまの大蔵省の答弁でも、勧告を完全実施するに関して財政上誠意を持って取り組んでいただくということでありますが、先ほどの御答弁でもありましたように、今年度の予算で給与改善費を計上していないということが非常に大きな障害になっているのではないかというふうに考えます。今年度、給与改善費を計上しなかったことが完全実施に関する財政上の問題点をより大きくしていると考えるわけですが、給与改善費未計上というものは給与改善勧告完全実施の財源上のネックになるのかならないのか、どういうふうにお考えなのか、大蔵省にお伺いしたいと思います。
○若林説明員 六十一年度の給与改善費につきましては、極めて厳しい財政事情のもとでその計上を見送らざるを得なかったわけでございますが、給与改善費は公務員給与改定に備えるための財源措置ということでございまして、給与改定の目安とするような趣旨のものではないわけでございます。したがいまして、これが計上されるされないにかかわらず、人事院勧告制度尊重という基本姿勢はいささかも変わるところがないわけでございまして、財政当局といたしましても、先ほど申し上げましたように勧告の完全実施に向けて誠意を持って対処する所存でございます。
○川端委員 給与改善費未計上を人勧問題とは絡ませないということの趣旨は、今の御答弁で、さきの国会と今国会変わっていないというふうに理解してよろしいですか。
○若林説明員 変わっておりません。
○川端委員 誠意を持って財政的に努力するということと完全実施をするということとは若干のギャップがあるように理解をいたすわけですが、ここ数年来、抑制、凍結、あるいは実施時期の変更、四月実施じゃなくて七月実施等々、財政上の理由によって人事院勧告の完全実施が見送られてきた、そして今回も財政的には給与改善費が未計上である、それから財政的にも非常に厳しいという環境の中で、今まで官房長官あるいは大蔵当局の返答も完全実施をするということには至らない、そういう中での人事院総裁としての御見解をお伺いいたしたいと思います。
○内海説明員 私どもの行います勧告の意味につきましては、在来も、そしてまた今日もしばしば申し上げておりますとおり、一つは、労働基本権の制約を受けておる公務員に対して、いわば給与改善の唯一といっていい機会でございますし、それからまた、勧告をいたしますについては、民間の給与との均衡を考えてその較差を埋めるという考え方に立って勧告をいたしておるわけでございまして、そういうふうなことの上で、公務員の給与の実情、あるいはこの給与によって公務員が一層仕事に努力してもらわなければいけない、あるいは士気も高まる、要するに、安んじて公務員が仕事をしていくためにはやはり適切な給与の改善というものは必要でございます。 そういう観点から、確かに財政事情が厳しい、あるいは日本の経済実態というものが厳しい状況にあるということは承知はいたしておりますけれども、それはそれとして、公務員をして本当にその仕事を忠実に執行してもらうためには、必要な、適切な給与改善というものは行わなければならないものと私は考えます。 そういう観点に立って、国会に対しましてもあるいは政府に対しましても強く要望をいたしておるわけでございますし、また、これに対応して、政府におかれてもたびたび官房長官あるいは総務長官等々からも御答弁ございますように、最大限の努力をして完全実施を図りたいということでございますし、国会におきましても積極的な御論議をいただいておるわけでございますから、私どもはそれに強く期待をいたしておるわけでございます。
○川端委員 人事院総裁がお述べになりましたことに関連をいたしますが、最高裁の判例でも、人事院勧告制度が公務員の労働基本権の代償措置として設けられているという性格から、政府は誠実に法律上及び事実上、可能な限りのことを尽くすということを求めております。 この趣旨からいいますと、給与改善費の計上というものを見送った今年度の措置というのは非常に異例ではないか、先国会での議論でもありますが、こういうことから見まして、可能な限り誠意を持ってやった結果が完全実施でなかったのだという判定というのは非常に難しい。そして、勧告制度の趣旨からいいまして、勧告は本来誠意を持って可能な限り尽くすということは完全実施をするということとしか理解できないわけなんですけれども、この問題について最後に、来年度からは経済の情勢を見込む中で給与改善費の計上というのはやはり何がしかの手当てはしていくべきではないかと思うわけですが、これについての大蔵当局の御見解をお伺いして、次の質問に移りたいと思います。
○若林説明員 財政当局といたしましても、極めて厳しい財政状況の中ではございますけれども、従来から人事院勧告を最大限の努力を払ってこれを尊重するという立場をとってきておりまして、今後ともこの完全実施に向けて誠意を持って対処するという点につきましては、先ほど来申し上げたとおりでございます。 一方、来年度予算におきまして給与改善費の取り扱いをどうするかという点でございますけれども、従来から、給与改善と申しますと、毎年度のそのたびごとの財政事情というものを勘案して計上してまいったわけでございまして、そういう意味におきまして、六十二年度の財政事情を十分勘案しつつ、今後の予算編成過程においてこの問題は検討してまいりたいというふうに考えております。
○川端委員 完全実施に関しては、可能な限りということじゃなくて、不退転の決意で財源確保をし、完全実施を強く要望したいというふうに思います。 次に、週休二日制についての報告が出ているわけです。昭和六十二年内に四週六休制への移行を目標として、本年末からの四週六休制の試行準備を報告されているわけですが、そのねらいについて人事院の方から一度御説明をいただきたいというふうに思います。
○中島説明員 現在、国家公務員につきましては四週五休制を実施しておるわけでございますけれども、今までの民間の普及状況とか労働時間短縮をめぐる国内的、国際的な要請、そういうものを考えますと、できるだけ速やかに四週六休制へ移行させる必要がある、このように考えるわけでございます。 さて、その四週六休制ですが、ごく普通の形で申し上げますと、すべての土曜半数の職員が出勤して半数の職員が休む、こういうことになるわけですが、国家公務員が勤務しておりますいろいろな職場がございますが、そのすべての職場におきまして半数の職員の出勤、半数の職員の休みということでは、行政サービスの提供の面においては問題があるというところが実はございます。そういうところにつきましては、試行という形で四週六休制を行いまして、どのような勤務体制、どのような勤務時間の割り振り、あるいはまたどのような応援体制等を組めば四週六休制が首尾よく実施できるかということを把握してまいらなければならない、実地に即して検証してみなければならない、このように実は考えたわけでございます。そして、ことしの十二月の末から四週六休制の試行をやっていただきまして、ただいまも申し上げました勤務体制等の見直し、そういうものに政府の方において取り組んでいただきたい、こういう趣旨でございます。
○川端委員 今回、勧告ではなしに報告にとどまっているわけです。その点についてはどういうふうに御見解をお持ちでしょうか。
○中島説明員 ただいま申し上げましたように、試行を行いまして、その結果国家公務員が勤めておりますあらゆる職場における四週六休制の形態というものがつかめましたならば、私たちは正式にどのような制度改正が必要なのかということを固めまして国会及び政府に対して勧告をする、そういう運びになろうかと思います。
○川端委員 今回の報告であります四週六休制の移行時に、各省庁の予算及び定員についての前提条件というものがおありなのかどうか、お伺いしたいと思います。
○手塚説明員 週休二日制が国家公務員についても進展することは、国家公務員を所管しておる私どもの立場からも、勤務条件の向上という点からはまことに喜ばしいと考えております。また、国際的な関係もあり、五月には経済対策閣僚会議で経済構造調整推進要綱というものを定め、その中でも銀行と並んで公務員の週休二日制の推進を定めているところです。 ただ、翻って考えますと、現在でもまだ企業の中で週休二日制、今の四週五休的な月一回の週休二日制もやっていないのが約四分の一、二四%あるわけです。さらに月二回以上ということになりましたら、実はまだ四割強が民間でもそこまで達しておりません。いろいろな意味で、公務員の週休二日制を推進するにしても、そういった方々も含めた国民の理解が得られなければできないと思います。片や現在、行財政改革を推進している時期でもございますので、職員の勤務条件の向上につながるこの四週六休につきましては、やはり予算、定員といったものをそのためにふやすということなしにできるようにという工夫をして検討を進めていきたい、我々はそういうふうに考えております。
○川端委員 予算及び定員についてはふやさないという前提で進めるという、そういう条件の中で、各省庁いろいろな背景がある中で円滑に移行することができるのかどうかというのが試行の趣旨でもあるかと思いますが、四週五休制を採用された昭和五十四年、このときの議論の中で、これに強く反対されるあるいは非常に問題があるというふうな懸念を表明されている省庁があるわけですし、考えましても、例えば病院を抱える厚生省でありますとか各地方自治体と密接な関係がある自治省あるいは警察庁というふうなものは、いろいろと業務の都合上、この当時も、四週五休の制度のときもいろいろな問題点を指摘をされていたわけですけれども、今回、四週六休制への移行という報告が出て試行という方向が打ち出されたことに関して、今申し上げた厚生省、自治省、警察庁はどういうふうに受けとめられているのか、それから、移行していくという場合にどういう問題があるというふうにお考えなのか、厚生省、自治省、警察庁にお伺いしたいと思います。
○高木説明員 国立病院・療養所を所管しております我々といたしましては、御承知のとおり病院の職務というのは特殊性を持っております、職種によりましては二十四時間ローテーションを組まなければならぬというような職種もございます。 こういったようなことで、四週六休制の実施に当たりましてはいろいろと難しい問題も抱えておるわけでございますけれども、四週六休制を導入するという今回の趣旨にかんがみまして、我々としましては、今後できるだけの工夫、改善を凝らしながら四週六休制の実施というようなことについて検討してまいりたいというふうに考えております。
○石川説明員 四週五休制を実施しております地方公共団体は、ことしの四月一日現在で二千五十団体、全団体の六一・七%でございます。 地方公共団体は、窓口部門でありますとか交代制部門を初めといたしまして、週休二日制の実施に当たりまして種々の困難を伴う部門を多く抱えているという現状でございます。 今般人事院より提言されました四週六休制の試行につきましては、自治省としても地方公共団体の予算、定員、業務執行体制への影響等につきまして分析をいたしながら、今後行われるでありましょう国における検討と並行いたしまして自治省としての方針を検討してまいりたいというふうに考えております。
○上野説明員 先般報告がありましたことにつきまして、今後政府部内におきまして具体的に推進方策が検討されることとなると思われますけれども、警察庁といたしましては、交代制職員の問題あるいは少人数職種の問題等検討すべき課題はございますものの、基本的には週休二日制の拡充は時代の趨勢でございまして、職員の勤務条件の改善につながることとなると考えますので、今後、政府部内における検討状況を踏まえつつ、四週六休制の実施についての検討を行ってまいりたいというふうに考えております。
○川端委員 各省庁とも趣旨に沿って前向きに検討されるというふうに理解させていただきました。ありがとうございました。 しかし、現実に進めていきますときに、やはり定員問題というのが一番大きな問題として出てくることは当然予想されるわけです。 総務庁にお伺いしたいのですが、第七次の定員削減計画というものを当然お持ちになっているわけですけれども、こことの調整というのが非常に問題になってくる。総務庁の人事管理に関する総合調整機能の強化というのは、本来の行政改革ということで非常に重要視されているわけです。特に今回の週休二日制の試行に向けてさらにこの機能の強化というのが非常に重要になってくると考えるわけですけれども、この点についての施策あるいは考え方というものについてお伺いいたしたいと思います。
○佐々木説明員 第七次定員削減計画について、この週休二日、四週六休への移行との関連いかんという御質問がございましたので、その点についてまずお答えを申し上げたいと思います。 この八月一日に第七次定員削減計画を政府として閣議決定いたしたわけであります。これは、現在の大変政府の重要な課題であります行財政改革をさらに進めますために、臨時行政改革推進審議会の最終答申を受けまして、政府として、五年間五%、四万三千九百八十人の削減を決定いたしたわけであります。現在の厳しい行財政のもとにありまして、行政コストの節減を図るということでもってこの施策は着実に毎年実行していかなければならない、このように私ども考えているわけであります。 なお、今、国家公務員の四週六休への移行の問題がございますけれども、こうしたような行財政改革の基本方針ということを前提として、また、こうしたような施策を総合勘案しながら一応考えていかなければならぬ。その場合にあってもこの第七次定員削減計画の着実な実施が前提になる、このように考えるわけであります。 なお、人事管理の総合調整の強化につきましては人事局長から御説明を申し上げます。
○手塚説明員 人事管理の総合調整の強化、簡単に言ってもなかなか難しゅうございますが、例えばこの四週六休制の問題についてであれば、やはり各省との連絡会議等も密にし、各省の実態も把握し、全体として極力足並みもそろえていけるようにという努力をいたしているところでございますし、今回の提案につきましても、そういった形で極力年内試行ができるようにという努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○川端委員 非常に抽象的なお答えだったので、再度お伺いしたいと思うのです。 行革に関連して、各省庁間の配置転換というのも、非常に定員削減とともに目玉といいますか、おやりになっていただいているところなんですが、ここ数年来の実績値も公表されているところであります。この各省庁間の配置転換の実績値というものはどういうふうに評価されているのかということについてお伺いいたします。
○佐々木説明員 省庁間配置転換につきましては、昭和五十五年からこれを開始したわけでありますけれども、毎年着実にこれの推進に努めておるわけであります。 昭和五十五年から昭和六十年度までの実績について申し上げますと、これは六百九十五人ということになります。これは見方によっては、毎年百人程度でありますから大変少ないではないかという御論議が出てこようかと思います。 ただ、省庁間配置転換は、その職員につきましてはいわば転職になる、ある省から他の省に行くということは全くの転職になる大きな事柄でございますから、その方そのものにつきましてもなかなか大変な決心が要る。また、受け入れ側それから送り出し側、それぞれの間の希望をいかに合わせるかといったような問題も実はあるわけであります。また、総定員法制定の際にありまして、これは昭和四十四年でありますけれども、参議院内閣委員会で、本人の意に反する配置転換は行わない、強制的な配置転換は行わないというふうな附帯決議があるわけでありますが、これにも配慮する必要があるわけであります。 したがいまして、今後とも私どもとしましては、関係省庁間の情報交換あるいは配置転換を行われる者についての研修の充実等を図りまして、その着実な実施に努めてまいりたい、このように考えているわけであります。
○川端委員 現在の国鉄問題、それから実際の民間産業における職種転換等の実態等から見まして、前向きに積極的にお取り組みをいただくことを特にお願いしておきたいと思います。 四週六休制に関して、開庁方式で現在検討されているわけですが、閉庁方式という割り切り方をする方がいいのではないかという議論もあるわけです。人事院としてこの閉庁方式というものに対しては検討されているのか、どういうような御見解をお持ちなのか、お伺いしたいと思います。
○中島説明員 閉庁問題につきましては、単に職員の勤務条件を向上するという観点からのみ考えるわけにまいりません。閉庁するということになりますと、国民に対する行政サービスのあり方を変えるということになりますので、政府としても非常に重大な関心事項だろうと思います。したがいまして、この閉庁問題につきましては、私たちといたしましては政府と息の合ったところで行動を起こさなければならないというふうに考えております。
○川端委員 週休二日制に関して文部省にお伺いしたいのですが、文部省としては、教育水準を維持するという大前提の中で現在も教育課程をどうするかというふうな重要な問題をお抱えになっているわけですが、そういう背景の中で今回こういう報告が出たということで、青少年の健全育成の見地ということから考えますと、民間における週休二日制の進展に伴って、家庭での触れ合いの問題、親と子の触れ合いの問題というふうなことからも、学校の五日制ということを真剣に検討すべきではないかというふうにも考えるわけです。今ちょうど夏休みですが、夏休みの休暇を短縮する等々の方法によって、時間を減らさずに十分可能ではないかなというふうにも考えるわけですが、学校の五日制導入に関しての文部省のお考えをお伺いしたいと思います。
○熱海説明員 お答え申し上げます。 社会一般における週休二日制の普及拡大の状況の中で、学校教育における週五日制の導入の是非というのが今重要な検討課題になっておるわけであります。しかし、この問題は学校教育の基本にかかわる問題でございますので、昨年九月に教育課程審議会が発足をいたしましたが、その審議会にその是非について諮問をし、今検討いただいている段階でございます。 現在のところ審議会としては、今、先生が御指摘のように、現在の教育水準というものを低下させないということを基本にしながら、例えばこういった週五日制が導入された場合に児童生徒の教育とか日常生活にどのような影響が出てくるのか、あるいはそれに対応して家庭とか学校あるいは地域社会というものがどういうふうにこれを受け入れてやっていけるのかなど、こういった総合的な観点から今検討を行っている段階でございます。この検討の結果が出てまいりましてから文部省としても最終的な決定をいたしたい、こういうことでございます。
○川端委員 時間も迫ってまいりましたので、人事院勧告に関して伺いますが、人事院は公務能率及び人事制度の一層の改善を求められておられるわけです。これは、民間における賃金の値上げ、労働条件の改善、労働時間の短縮等々の問題に関しましては、現在の円高不況というふうな非常に厳しい環境の中で、労使のそれこそ血のにじむような努力の結果もたらされているものであり、合理化努力、生産性向上というふうなものを考えますときに、今回の勧告における公務能率の向上、人事制度の一層の改善というのは当然のことだというふうに理解をするわけですけれども、さらに、もう少し具体的に、人事院として民間の労使の合理化努力というふうなものを調査して、これを抽象的な表現じゃなくて勧告に反映されていくということが当然されるべきじゃないかというふうに考えるわけですが、それに対する御見解をお伺いいたしたいと思います。
○鹿兒島説明員 お話がございました民間の経営努力の点につきましては、去る臨時行政調査会答申におきましてもその旨の指摘がございまして、以来、私ども毎年民間企業の調査の際に、民間企業におきましてどのようが経営努力をしているかということを調査をしてまいっております。その結果、現在の厳しい経済条件の中でさまざまな合理化の措置がとられているということで、その点につきましては、お話ございましたように抽象的ではありますけれども説明の中でも触れておりますし、また、総裁の談話におきましても、各公務員に対しまして一層の努力というものを要請しているわけでございます。具体的な措置の内容ということは、詳細なものではございませんが、民間企業の経営合理化につきましての概要というものは、私どももさまざまな機会に報告その他の資料の中でこれに触れまして各公務員に参考にしていただく、こういうことをやってきているわけでございます。
○川端委員 今お触れになりました臨調の最終答申によって、公務部門の業績評価を適切に行うための業績評価基準の導入は不可欠であるというふうに思っているわけですけれども、業績評価基準の作成を各省庁が早急に行うというふうなことが言われているわけですが、現在それについての作業がどの程度進んでいるのか、いつごろをめどに導入を図るというふうに検討されているのかについてお伺いしたいと思います。
○手塚説明員 実は、私どもの方にその質問が回ってまいったわけですが、確かに業績評価についての規定、これは読み方によって、はっきりしないのですが、組織についての業績評価、例えば目標管理というふうなことで、組織に目標を与えてそれがどの程度達成されたかという管理であるとすると、実は私どもの方の所管をちょっと離れまして、私どもの方は職員個人についての業績評価をやっているわけです。それは現に昭和二十六年から勤務評定という制度が国家公務員には導入されておりまして、それに基づいて個々の職員を評価し、それを特別昇給なりあるいは昇格なりに結びつけるという形で成績主義の推進を図っているところでございまして、もう既に導入されているということでございます。
○川端委員 導入されているとすると、臨調答申の「公務部門の業績評価を適切に行うことは、行政がややもすれば陥る運営の惰性を打破する上で有効である。このため、業績評価基準を関係部局で作成し、早期に導入する。」という表現に対してはどのように理解をされているのか。これはもうできているというふうに御理解されているのかどうか。これで最後の質問にしたいと思います。
○手塚説明員 私どもの方は職員の個人個人を対象にしてということになっておりまして、もちろんグループとしての職員といったものも頭に置きますが、この文言のとらえ方によっては、そうではなくて、組織そのものに対して目標を与えてそれで評価していくということになりますと、実は我が人事局の所管を離れてしまうものですから、端的なお答えはできないわけです。組織管理の問題になるかと思いますが、関係部局に改めて連絡はしておきたいと思っております。
○川端委員 どうもいろいろありがとうございました。これで終わります。
○石川委員長 柴田睦夫君。
○柴田(睦)委員 まず人事院勧告の問題ですが、今回の勧告によります給与の二・三一%の引き上げ率、これは現行勧告方式がとられた一九六〇年以降最低の引き上げ率であります。 公務員労働者は、八一年度以来人勧の値切りや共済年金掛金の大幅引き上げその他によって家計に深刻な打撃を受けております。これは七万人の公務員労働者にアンケート調査を実施しました国公労連の調査によっても明らかであります。自分の給与だけでは生計が成り立たない、だから配偶者や家族の収入に依存している世帯が五〇%に上っております。また、給与に対する不満、これは九割に達しております。今回の勧告水準は公務員労働者の生活実態とかけ離れたものでありますし、同時に、公務員の労働基本権の代償と称して設けられましたこの人勧制度が、賃金水準の面でも代償となり得ないものである、そういう制度であることを改めて明らかにしていると私は考えます。 この点をまず指摘しておきまして、官房長官にお伺いいたしますが、この最低水準の勧告をよもや値切ることは考えられておらないと思いますし、またこれを引き延ばすということも許されるべきものではないと思います。政府としては速やかに給与の改善を実施すべきであると考えますが、この点につきましてはもう午前中来いろいろと質問がございました。そこで、完全実施の意思があるかどうかに関連いたしまして、昨年の、当時は総務庁長官でありました後藤田長官、この答弁を見ておりますと、やはりきょうと同じように最大限の努力をするという言葉を使っておられます。これは努力をしたいという願望がするということであるということを言われまして、結局言葉の表現は同じであるわけであります。 昨年は七月からの実施ということで実際上三カ月値切られております。こういうことから比べてみまして、今度の最大限の努力というのは、本当に完全実施、四月にさかのぼってやるという気持ちで言っておられるのかどうか、この点をまずお伺いしたいと思います。
○後藤田国務大臣 過去の経緯から、五十九、六十、六十一年、三年間にわたって完全実施したい、こういう言葉を私は国会の答弁でもお約束をしているように思います。私は、そういう基本的な考え方のもとに、文字どおり人事院勧告の完全実施に向けてことしは努力をしたい、かように考えておるわけでございます。
○柴田(睦)委員 人事院総裁にお伺いしますが、一昨年の人勧に対する当時の藤波官房長官の談話は、官民較差を段階的に解消しようという趣旨でありました。この段階的解消の立場というのは、公務員の労働基本権の代償として設けた政府自身が人勧を一定期間は完全実施しないということを宣言したもので、これは容認できない主張であるというように考えております。ことし政府がこの低額の給与改善を値切るようなことになれば、これは公務員労働者をいろいろな点において裏切るということになりますが、段階的実施の三年目という政府が公約いたしました最終年であろうとなかろうと、給与改善については勧告どおり実施するのが当然であるわけであります。現行の人勧という制度はそういうものだというように思いますが、人事院総裁いかがでしょうか。
○内海説明員 人事院の行います勧告の意味につきましては、るる申し述べておりますとおりでございまして、政府におかれましても、また国会におかれましても、これはぜひとも尊重し、かつ勧告のとおりに実施していただくべき性格のものであるというふうに私どもは確信しておるわけでございます。 過去におきまして抑制等の措置がとられましたけれども、その場合におきましても、私どもは極めて遺憾であるという見解を明らかにしてまいっておりますし、本年におきましてもぜひこれが完全に実施されるということを期待いたしております。政府におかれましても最大限努力をする、また国会におかれましてもその点の御努力はいただけるものと考えておりますので、ここにおきまして、私どもはそういうふうな御努力の結果、完全実施の実現しますことを期待しておるわけでございます。
○柴田(睦)委員 続いて伺いますが、人勧というのは、給与改善の完全実施というのが当たり前であるわけであります。それにもかかわらず、人事院総裁のことしの勧告に当たっての談話を見てみますと、これはちょっと大きな問題があるというように考えます。昨年の人勧は、四月実施するのが当たり前でありますけれども、七月実施で三カ月分が値切られました。その評価につきまして人事院総裁談話は、「公務員給与改定の勧告にあたって」ということで、「ここ数年、給与勧告について見送り又は一部実施という措置がとられていましたが、昨年、関係各方面の努力により、完全実施に向けて進展が図られました。このことは職員の勤務意欲を一層向上させるなど、公務をめぐる環境に好ましい影響をもたらしたものと考えております。」と、こう言っておられます。 公務員労働者の利益を保護するという人事院の任務から見ますと、昨年のやり方を評価するということですから、これでは不十分ではないか、そう思いますが、人事院総裁は、完全実施ということがされなくても値切られ方が少なければいいのだというような考え方が心の中におありではないかとこの談話から思いますが、はっきりしていただきたいと思います。
○内海説明員 決して私どもはさような考えを持っておるわけではございません。たびたび申し上げておるように、私どもの願いは、終始一貫、勧告が完全に実施されるということでございます。 ただ、客観的事実として、数年にわたって勧告がいろいろな形で抑制されてきたわけですから、それが昨年において大きく前進して、三カ月のあれはございましたけれども、俸給表を改めるというふうなこともなく、政府においてあるいは国会においてこれを実施していただいた、その客観的な事実はやはり公務員のそれぞれに対して一 つの、何といいますか勤務意欲の上に私は大きく影響を与えてきた。それはもはや政府もそして国会も本腰を入れて完全実施に向かってくれたのだということが反映したもの、それを私どもは客観的に書き上げたわけでございます。しかもそれは、政府に対してあるいは国会に対して、こういうわけでございますからなお一層そういう面の努力をしてもらわなければいけないという強い期待と要望を表明しておるわけでございます。
○柴田(睦)委員 現実に値切られているわけですから、人事院としてもそういうことがあってはいかぬというくらいなことは言ってもらいたかったということであります。 それから、政府の一昨年の藤波官房長官の談話の解釈につきまして、これは五十九年十一 月八日、参議院で共産党の内藤功議員の質問に答えられて藤波長官は、 「来年度以降においては、給与改定後の官民較差が、少なくとも本年度程度更に縮小されるよう鋭意努力してまいる所存であります。」というふうな表現にいたしましたのは、来年度完全に実施ができない場合でも、ことしと同じようにさらに較差を縮めていって、そして再来年までかけて完全に較差を解消するということを意味するのだということをこの言葉の中で示唆をした、こういうことになっておりまして、記者団からの質問に答えましては、これは三年をめどにして較差を解消するものだということを申しました こう言っておられますが、この見解は今日でも変わっていないものでありましょうか。
○後藤田国務大臣 変わっておりません。
○柴田(睦)委員 ということになりますと、ことしは完全実施をする、この変わっていない見解からいえばそういうことになってまいりますか。
○後藤田国務大臣 最大限努力をする、こういうことでございます。
○柴田(睦)委員 約束できると言ってもらいたいのですけれども、そこまで長官のお立場から言えない現在の段階のようでありますので、この程度にしておきます。 人事院にお伺いしますが、勧告では、筑波研究学園都市移転手当につきまして引き続き存置するということと、手当の支給割合等については所要の調整を行う、こう言っております。この後段の問題につきましては具体的にはこれから詰めて検討するものと思いますが、筑波研究学園都市への移転は国策として行われたもので、一方的に職員とその家族を移転させたものであるということ、生活上の不安をなくすようにしなければならないということ、都市環境整備は改善されつつあるとはいえまだ不十分であって、人口の定着などが予定よりおくれているということ、また人材や要員の確保、定着性の確保を図ることや、職員間に差別と分断をもたらさないようにすること、こういう点については十分に留意して検討すべき事項だと思いますが、御所見を承りたいと思います。
○鹿兒島説明員 お答えいたします。 筑波手当につきましては、これまでも再々この委員会でも御質問がございましたけれども、御承知のように大変沿革の古い手当でございまして、昭和四十六年にこの手当が初めてできまして十年間という形で存続してまいったわけでございますが、昭和五十六年にさらに五年間延長されまして、今年中にその改廃につきまして人事院が勧告をするということが給与法の附則でも定まっているわけでございます。 この手当の性格につきましては、これまでもいろいろな機会に御答弁申し上げてまいりましたけれども、非常に複雑な性格を持っておりまして、当初は機関の移転に伴いますいわゆる異動保障的な性格というものを非常に強く持っておりました。ところが、移転が長引くに従いまして現地で採用される識見も出てくる、人材の確保の必要も出てくるということで、さまざまな要素が取りまざりまして現行の手当ということになっております。基本的には、機関の移転自体は昭和五十五年に終了いたしているわけでございます。したがって、本来的な意味での異動保障的な手当の性格というものはかなり薄れてきている。 さはさりながら、現場の実情を見てみますと、お話にもございましたとおり都市としての基本的な施設というものは概成はされておりますけれども、当初予定されました人口に比べますとまだ三万九千人余りしか人口が入っていないということがありまして、さまざまないわゆる環境的な施設でありますとかあるいは交通手段でありますとか、不便な点も多々見受けられるわけであります。そういう都市の状況というものを頭に置き、それからまた、御案内のように筑波には国の研究機関のかなり多くの部分が集中いたしておりまして、現在のように国の科学技術の振興ということが大きな政治課題になっているという事情におきましては、人材確保の必要ということも引き続きあるわけでございます。 そういったもろもろの点を考慮いたしまして、現在の都市の状況なりあるいは研究者の確保ということを考えますと、さしあたりは現在の手当というものを当分の間存置をするということにいたしたい。さはさりながら、機関の移転自体は終わっておりますので、そのことに着目いたしまして若干の調整措置はとらしていただく、こういう考え方でおります。
○柴田(睦)委員 その調整措置をやる中において、私が今指摘したようないろいろな事項、これは検討の対象にするということでありますかどうか、それをお聞きしたいのです。
○鹿兒島説明員 若干具体的な考え方を申し上げますと、機関の移転自体は終わっておりますので、いわゆる移転職員あるいはこれに準ずる異動職員につきましては、現在特定の職員を除きまして一〇%の手当が出ておるわけでございますが、二年間に一%の割合を減ずるということをめどにいたしまして、これがおおむね六%に減じた段階でその見直しを行いたいということでございます。 また、人材確保という観点からいたしまして、研究職員を中心といたしまして基幹的な要員につきましては若干の範囲の拡大も行いますし、また、特にその中心になります研究職員につきましては現在の一〇%の手当をそのまま維持したい、かようなことを考えております。
○柴田(睦)委員 私が指摘したことも検討の重要な事項であると思いますので、これをちゃんと留意しながらやっていただきたいということであります。 それから、皆さん御質問になりましたGNP一%の問題ですが、現在の段階では明確な御返事がないようであります。この点は我が党は、GNP一%以内といえども軍事費の増大には反対であるわけであります。しかも、政府みずからが軍事費の歯どめと称しまして設けたGNP一%を突破させようとする動きが今いろいろなところにあるわけであります。人事院の給与の改善勧告に基づく完全実施をやりますと、今までの想定によれば一%を超えるということになりますが、政府の決定でありますし、これを守らなければならないということをおっしゃっております。だから、閣議決定を守る、そして人事院勧告も完全実施をする、こういう立場になるならば正面装備費などを削らなければならないということになると思いますけれども、そういうこともちゃんとやって一%以下を守るのかどうか、この点を明確にしていただきたいと思います。
○西廣説明員 人勧と一%問題につきましては、先ほど来防衛庁長官その他がお答え申し上げているように、現在のところ、今回の人勧によって自衛隊の人件費がどれだけ上がるかということもまだ確定しておりませんし、一%の分母になりますGNPがどう推移するかということもわかりませんので、確たることは申せないわけであります。 いずれにしましても、例年人勧の実施に関連をして各種の節約等の努力もやるわけでございますので、その状況を見ながら考えたいと思っておりますが、たびたび申し上げますように、GNP一%を守りたいということは引き続き我々が考えておるところでありますので、もう少し状況を見まして、いろいろな面で勉強してまいりたいと考えております。
○柴田(睦)委員 現在の段階ではそれ以上の答弁が出ないようでありますので、それはまた後日にいたしまして、次に、靖国公式参拝の問題についてお伺いいたします。 中曽根総理は、昨年は政府見解まで転換いたしまして公式参拝をやったわけですが、ことしは内外の批判が強いということから、総理自身の公式参拝はやめられました。官房長官談話では「差し控えることとした。」ということになっております。しかし、十六人の閣僚が参拝いたしましたし、その中には公式参拝であるということをはっきり言われる閣僚もおられる、また、公式参拝を強行する根拠になりました昨年の官房長官談話、これは存続しているんだ、こう言明しておられるということなど、いろいろ対応に矛盾があらわれているというように思います。これは結局は国内外の批判、とりわけアジア諸国民からの批判をかわすといいますか、総理はやめるけれども、ほかの閣僚は公式参拝はいいんだというようなことで、言葉は悪いけれども、小細工をやっているのじゃないかと思うわけであります。 問題は、談話に言われておりますようにA級戦犯だけの問題ではないと思うわけです。外国の昨年の公式参拝に対する論評を見てみましても、例えば英国のBBCテレビは、「中曽根総理の靖国公式参拝は、日本が第二次大戦のことをもはや恥じないという姿勢を示したもの」、こういう論評がありますし、中国の新華社通信は、「公式参拝は、日本軍国主義が起こした侵略戦争の性質をあいまいにし、中国人民とアジア各国人民の感情を傷つけるものである。また、この公式参拝は、日本軍国主義の名誉回復を図ろうとする思潮に迎合し、これを助長するものである。」こういう趣旨の論評が実際は出ているわけであります。こういう国際的な批判があるわけですから、今度のやり方によってこの国際的批判を納得させる、こういうことはできませんし、こういうことをやっていれば、ますますこの国際的な批判も広がるものであると思うわけであります。 問題の原点というのは、結局、さきの戦争をどう認識し、どう反省し、二度とこうした過ちを繰り返さないかということであるわけであります。言うまでもありませんが、さきの戦争というのは、日本の絶対主義的天皇制下の軍国主義が日本国民を侵略戦争に巻き込んで、アジアと世界の国民にはかり知れない損害、被害を与えた侵略戦争であった、これは歴史的に否定できない事実だと思うわけであります。 そこで官房長官にお伺いをしますが、さきの戦争についての政府の認識と責任について御見解、所見を伺いたいと思います。
○後藤田国務大臣 第二次大戦における我が国の行為について、これが侵略であるという厳しい国際的な批判、これを受けておることは事実でございまして、その事実は政府としては認識をする必要があるであろう。したがって、私どもとしてはこういった事実を踏まえまして、二度とこういったことのないように心がけていかなければならない、こう考えているわけでございます。
○柴田(睦)委員 侵略戦争であったということを政府としても、結局、今の日本国憲法に、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意する」と前文にちゃんとうたってありますし、また平和条約においても、「武力による威嚇又は武力の行使は、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、慎む」ということをうたっているわけであります。そういう点から、第二次大戦における我が国の立場というものは非常にはっきりしていると思うわけであります。 そこで、さきの侵略戦争の認識に関連する問題ですけれども、A級戦犯の問題があります。 長官談話の中で、昨年の公式参拝がA級戦犯に対して礼拝したのではないかという批判が近隣諸国からあるということを述べておられます。この批判は近隣諸国だけにあるのではなくて日本国内にももちろんあるわけですが、このA級戦犯というのは、戦後、極東軍事裁判、いわゆる東京裁判で下されたものであるわけであります。 政府は、この東京裁判の判決についてどのように認識しておられるのか、お伺いいたします。
○後藤田国務大臣 東京裁判については、柴田さん御案内のようにいろいろな意見があるのでございます。しかし、私どもといたしましては、サンフランシスコ平和条約のたしか十一条であったと思いますが、国と国との関係においては日本政府はこの極東裁判を受諾しておるという事実があるわけでございます。したがって、やはり我々はこの極東裁判の結果というものについても受諾をいたしておる、かように理解すべきであろう、こう思います。
○柴田(睦)委員 確認になりますけれども、そうしますと、今の御見解は中曽根内閣としての統一した見解であるというふうに承ってよろしゅうございますか。
○後藤田国務大臣 これは平和条約そのものの中に明記をしてあることでございますので、さように御理解していただいて結構だと思います。
○柴田(睦)委員 そうしますと、中曽根内閣の一員であります藤尾文部大臣が十五日の閣議後の記者会見で、東京裁判を正当と認めていないという見解を述べておられます。これは中曽根内閣としての見解と矛盾するのではないかと思いますが、官房長官いかがでしょうか。
○後藤田国務大臣 私も新聞紙上でそういう記事は拝見をいたしました。しかしながら、どういった質疑応答の中で、どういった雰囲気で新聞記事にあるような御発言をなさったのかは私は承知をいたしておりませんので、こういった席上で藤尾さんの発言についてとやかく申し上げる事由が私は現時点においてはございませんので、その点は御理解いただきたいと思います。
○柴田(睦)委員 それではその問題は終わりにいたしますが、結局私の見解を申し上げれば、総理や閣僚の靖国神社公式参拝というのは、諸外国でも言われますように、私は日本の国民として、あるいは戦争がもう少し続いていれば私自身も靖国神社に入っている立場にあったわけですけれども、そういう立場からも、公式参拝というのはやはりあの侵略戦争を肯定して軍国主義を美化するものである、憲法の政教分離、信教の自由にも反する明白な違憲行為であるということを確信しております。 そういう点から、政府が統一見解をあえて私的諮問機関を利用して変えたということではなくて、むしろ今の日本国は恒久平和主義の立場からいけばそういうことはやるべきではないんだということを、そう思っていない国民に納得させていく、こういう努力が必要であるということを申し上げながら、公式参拝の中止と昨年の長官談話の撤回、このことを求めるものであります。 次に、外務省の方に伺います。 戦艦ニュージャージーがこの二十四日に佐世保港に寄港するということでありますが、先ほどからの答弁を聞いておりますと、このニュージャージーには核トマホークの積載、核はないのだという前提で寄港を認めるということのようでありますけれども、八五年の三月五日、アメリカの下院の歳出委員会国防小委員会の秘密聴聞会に提出されておりますレーマンという人の文書の中には、「昨年、われわれは戦域核抑止力として核弾頭を装備したトマホーク海上発射巡航ミサイルの配置を始めた。」「これらは、攻撃型潜水艦」、これは複数になっております、それから「駆逐艦」、これも複数であらわしております、それから「再就役した戦艦」、これも複数ですが、この「再就役した戦艦(複数)で作戦的に可能な状態である。」こういうことが書いてあります。 この点についてはきのう訳しておいてくれと言いましたが、これは余り英語に詳しくない私たちの訳ですから違っておるかもしれませんが、こういうことが書いてあることは御承知でございましょうか。
○藤井説明員 ただいま御指摘の公聴会におきましてレーマン海軍長官がそのような趣旨の報告をしておるということは存じております。
○柴田(睦)委員 それでは、ここにあります「再就役した戦艦(複数)」、これは昨年、八四年ですから、八四年までに再就役した戦艦は何と何であるかおわかりですか。
○藤井説明員 ニュージャージー、アイオワが含まれると思います。
○柴田(睦)委員 八五年三月八日のアメリカの上院軍事委員会戦略戦域核戦力小委員会の「一九八六会計年度国防総省支出権限にかんする聴聞会」におきまして、これはホステットラー少将の証言の要約なんですけれども、「トマホークは複雑なシステムで、現地整備には適せず、工場から積み出されたら、発射されるまで、あるいは三〇~三六カ月目に再点検のため、地上施設にもどされるまで、ソッとおいておく。」ということ、いろいろありますが、そういうことが書いてあるわけであります。このことは御存じですか。
○藤井説明員 ただいま御指摘の報告書の中にそのような趣旨のことは書いてございます。
○柴田(睦)委員 そうしますと、結局、核トマホークを戦艦ニュージャージーが積んだら、三十ないし三十六カ月間はそのままに積んでおくということがあるのですから、ここから見ても、この核トマホークというものがこのニュージャージーの艦上にはあるということになるのではないでしょうか。
○藤井説明員 ただいまの報告書におきまして触れておりますことは、積んだら必ず取り外せない、そういう趣旨ではございませんで、これは必ず取り外せないということを言っているわけではございません。非常に技術的に複雑な点に触れておるわけでございます。したがいまして、核トマホークを搭載いたします能力が現にニュージャージーに付与されているか否かということについて、アメリカの言明ではそこについて非常に明確にそうは言っておりません。それらしきことは触れております。それが第一点でございます。 それから第二点は、核トマホークを搭載し得る能力があるということと現実にその核トマホークを搭載するということとは全く別個の問題であるというふうに了解しております。
○柴田(睦)委員 ところが、先ほどの証言された中身から見てみましても、ニュージャージーには核トマホークがもう準備されているんだということも出ておりますし、今の三十ないし三十六カ月間はそのままにしておく、その前に艦上で核用から非核用に切りかえるということは極めて高くつく、非常に難しいんだ、こういうことを言っているわけであります。 そういうことがありますし、それから、アメリカは現在アイオワ級の戦艦四隻の現役復帰を進めておりまして、四隻目のウィスコンシンには核トマホークが配備される方針が今の八五年三月八日の聴聞会でベーコン准将によって明らかにされております。 それから、今の聴聞会でエクソン上院議員が、戦艦はプラットホームということか、つまり彼は核の抑止力を載せるプラットホームかという趣旨で質問いたしましたが、これに答えたベーコン准将が、それはプラットホームである、核のプラットホームである、こう肯定し、続けて、危機に対処するために太平洋から地中海まで航行した巨艦ニュージャージーと同じだ、こう言っているわけであります。 これらの文書を見れば、能力があることとあることは別だ、こういうことを外務省が幾ら言っても、これはもう常識から見て核のトマホークを積んでいるということは明らかであるわけであります。 それに加えて、日本は非核三原則、こう言っておりますが、アメリカの方は核があるかないかは明らかにしないというのがアメリカの戦略だ、こう言っているわけでありますから、アメリカの方から今度は核を持った船が来るからということを言うはずはないわけでありますし、こういう意味では、事前協議の制度によって核の持ち込みを防ぐことができるという考え方は根本的に間違った考え方だと思うのです。これだけ疑いのあるニュージャージーですから、そこはこちらから進んで、非核三原則という原則を説明するだけではなくて、今まで文書にこういうことが書いてある、今までこう発表されている、国民もそう思っている、そこで核があるかないかはっきりさせてもらいたい、こう言うべきではないかと思いますが、その点をお伺いします。
○藤井説明員 先ほど御指摘のプラットホーム云々でございますけれども、プラットホームというものは必ずしも核を発射するという意味ではございませんで、ミサイルを発射するということに解釈されると思います。 それから、先ほど申し述べましたように、先ほど御指摘の公聴会の記録におきましても、この核のトマホークを一たん積んでしまったらそれは取れないということを言っておるわけでは決してございません。したがいまして、従来から申し述べておりますように、もし、その核の能力だけではなく、実際に核弾頭を付与されたトマホークを積んでニュージャージーが入港するということでございますれば、当然アメリカは日本に対しまして事前協議を行ってくるということでございます。これはアメリカの義務でございます。で、事前協議が行われない以上、これは日米の信頼関係からいたしましても、アメリカ政府はニュージャージーに核弾頭を積んで日本に入港していない、こういうことでございます。 特に、今回のニュージャージーにつきましては最初にトマホークの積載能力を付与されました軍艦でございますので、その象徴的な意味もございますし、かねてから当国会におきましても種々議論がございました経緯を踏まえまして、念には念を入れまして、特例といたしまして、先週の土曜日十六日にマンスフィールド大使を招致いたしまして、倉成外務大臣から事前協議制度についての確認を行った次第でございます。
○柴田(睦)委員 時間が過ぎましたので、大いに議論しなければならぬところですけれども、終わります。
○石川委員長 本日は、これにて散会いたします。 午後四時十六分散会