予算委員会 第12号
- 発言数
- 107 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1986/03/19
会議録
○委員長(安田隆明君) 予算委員会を開会いたします。 昭和六十一年度一般会計予算、昭和六十一年度特別会計予算、昭和六十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 昨日に引き続き、総括質疑を行います。柳澤錬造君。
○柳澤錬造君 皆さん大変さわやかな顔をなさっていらっしゃるから、さわやかな御答弁をお願いしておきます。 最初に、中曽根総理がことしの新年早々に、ことしは民活元年の年だとおっしゃられたんですが、その辺の真意はどういうところにあるか、お聞かせいただきたいんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 昨年の九月二十二日のいわゆるG5による円・ドル調整以来、世界経済の前途を眺めてみておりまして、大体景気の持続力というものがどの程度続き、どういうふうにインフレなき経済成長が続くかという観測を世界的に皆さんやってみて、恐らく景気停滞というような赤信号が出はしないか、そういう観測もかなりありました。そういう意味もあって、日本経済全般も見まして、内需喚起ということが国内経済政策的にも、あるいはさらに対外経済政策において膨大な外貨の処理対策という面からも必要である、そういうような考えに立って内需の喚起ということが非常に重大な政策に浮上してくるであろう。じゃ、何で内需喚起を具体的に有効にやるかと考えますと、財政が出動する余地は少なくなってきている、そうすればデレギュレーションを中心にした民活というものによって住宅とか都市の再開発とか、あるいは諸般の政策を行う必要もあるし、あるいは労働時間の短縮というようなことにもより消費を増大する、そういう両々相まった政策によって内需を喚起する、そういう時代に入った。それについてはやはり民活というものが非常に重要で、そういう面からも東京湾横断道路の問題であるとかあるいは明石の大橋であるとか、あるいは関西における学園都市の問題であるとか、そういうさまざまな企画を我々は今推進しておるわけでございますが、そういう大型プロジェクトあるいは各地域における都市計画による都市改造の振興というものを思い切って前進させたい、それは民活によって行わせよう、そういう考えに立ってやっておるものであります。
○柳澤錬造君 ありがとうございました。 これは私の持論でもあるんですが、三十八万平方キロというこの国土が大陸の中にあったら、今日の日本経済はできなかったと私は思うんです。海洋国家であって、世界一の海運産業があって、それを支えるだけの世界一の造船産業があった。そして、港々に製鉄所ができて外国から鉄鉱石も運べば石炭も運ぶ、それでいい鉄ができる、それが各産業に波及していって今日のこの経済力ができ上がったと思うんだけれども、その辺の御認識はいかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 昭和三十年以後、戦後の復興期という時代におきましてはいわゆる海岸におけるコンビナートをつくったという点がその後の日本の重化学工業国家化に非常に貢献しております。海岸におけるコンビナートをつくるということは当然造船、海運というものを前提にして行われて、それが見事に成功した政策である。もちろん一部には公害その他の問題も起きましたけれども、それはその後の政策によって克服してきておるのでありまして、長い目で見る場合には、あの造船及び海岸コンビナート政策というものは非常に成功であったと思っております。
○柳澤錬造君 そういう点で、産業の総元締めともいうべき通産大臣はいかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私も基本的にはそう考えます。
○柳澤錬造君 通産大臣、そういうことをおっしゃるならば、去る十二日に我が党の柄谷議員が質問されたときに通産大臣は、鉄鋼産業は過剰生産だ、だから需要に見合った生産をしてくれないと困るんだという答弁をなさったんですが、今の御答弁とはいささか違うわけなんです。製鉄所は自分が勝手に製鉄所をつくったんじゃないんです。通産省の許可を得てつくっているのであって、その辺についてもう一回改めて答弁をお願いします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は鉄鋼業が今過剰設備問題を抱えておるという答弁をいたしました。その趣旨は、主として普通鋼電炉業について申し上げたつもりでございます。この業種につきましては、昭和五十三年から五十八年までの間は特定不況産業安定臨時措置法、こういうふうな法律を適用してまいりましたし、また五十八年から六十二年までの間は特定産業構造改善臨時措置法、こういう法律に基づいて、二回にわたりまして設備処理の基本方針を示してきたところでございます。どういうことをいたしましても、時代が変わりまして需給関係にギャップが出てまいりますと、これは内外の需要に見合った生産を行っていくということが価格の安定というためには避けて通れない問題ではなかろうか。あの鉄鋼問題の設備のときなどは、むしろ通産省としては過剰設備にならないように秩序ある生産を行わせるということで抑えぎみに行政指導してきたと聞いております。 必要があれば、委細につきましては担当局長から説明させます。
○柳澤錬造君 そういう細かい局長の答弁は要らぬです。ただしかし、これは総理もお聞きをいただきたいし、もう一度通産大臣にお答えいただきたいんですが、鉄鋼産業の全国の従業員の数というのは昭和五十年には四十五万五千二百四十三名おった、それが昨六十年度は三十五万三千三百五十五名、十万以上減っているわけです。それから、稼働している溶鉱炉なんかも、五十年のときは五十五基が動いていたのが昨年度は三十八基というふうに十七基も火を落としている。この現実を通産大臣はどういうふうにお考えになって、そしてどういう対処の仕方をしているか。先ほどの御答弁程度では間に合わない状態にありますということなんです。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 例えば韓国などに技術を移転し、手伝いもしたりして製鉄業が生まれてきた。それなどがアメリカに対して輸出もするでしょうし、それから日本に対しても輸出をしておって、かなり鉄やセメントなどが韓国から入ってきている。一方、世界的な同時不況というようなこともあって鉄の需要がそれほど伸びていない。こういうような世界全体の経済の状態の中で、一方、生産性が非常に高い工場等ができるということになりますと過剰設備というものが生まれてくる。これは経済の原則ですからやむを得ないことでありまして、需要に見合った生産をするためには過剰になったものについて何らかの調整措置を講じていかざるを得ない、私はそう思っております。今後やはりセラミックスとか何とかというものが将来エンジンにでも採用されるということになっていきますと、需要というものがそういう点でも落ち込んでくるということは言えるでしょう。したがって、鉄鋼メーカー自身が新素材、新製品という分野に、今後に向けて今から勉強もしておりますし、積極的に取り組んでいるということも事実であろうし、我々はまたそれを応援していくという考えてあります。
○柳澤錬造君 通産大臣にもう一つ。 今いみじくも言われた需要に見合った生産というのは、通産大臣の頭の中にあるのはどのくらいとお考えですか。
○政府委員(岩崎八男君) 世界の鉄鋼需要はこの十年間ほど七億トン前後で、ほとんど横ばいで推移しております。そういう中で日本国も約一億トン、これが現実の実績でありますし、昨年一億三百万トンぐらい、これがことしはさらに一億トンを切るか切らないかというような感じで推移するというようなことで、私どもは四半期ごとにガイドポストをつくりまして、その需要に見合った生産が実現できるように努力しておる次第でございます。
○柳澤錬造君 大臣、そういうことを聞いているんじゃなくて、それは結果なんですよ、今の言っているのは。そんなこと聞かなくたってわかってるんです。 次に移らしていただいて、総理は今、国鉄の余剰人員対策に大変御苦労なさっているし、政府挙げて今いろいろな方面に働きかけているわけです。これはぜひやっていただかなきゃならないし、しかし同時に、今言った鉄鋼と同じように民間にはそういうところがたくさんございます。造船産業もその中の一つで、これは造船の大手と中級だけを調べた数字なんですが、昭和五十年には二十八万八千八百十三名おった、昨六十年には十八万五千八十三名、これも十万以上減っているんです。さらに造船所には下請の協力工がおって、これは四十九年の数字で八万九千七百六名おった、昨年は四万三千三百二十五名、もう半分以下になっている、これでもまだどうにもならない、やっていけないといって、恐らくことしじゅうにはさらに二万名ぐらいの減少をといってやると思うんです。それについて所管の運輸大臣とそれから労働大臣にどういう御見解、御対策をお持ちかお聞きをしたいんです。
○国務大臣(三塚博君) かねがね御指摘のように海運、造船は非常に深刻な事態に相なっておりますにかんがみまして、運輸省といたしましては、基本的な方策といたしますれば過剰船腹の解撤による需要創出という方策を打ち立てさせていただきながら、今国会にも外航船の解撤制度の創設についてお願いを申し上げておるところであります。同時に特定不況業種・特定不況地域関係労働者の雇用の安定に関する特別措置法に基づく雇用調整助成金制度の適用なども労働省と相協議しながら考えておるところであり、特に造船、造機につきまして他部門への配転も御研究をいただいて、非常に御努力をいただいておるわけでございますが、これらと並行しながら業種転換、言うべくして難しいことも私どもよく存じておるのでありますが、かような実態の中で我が国の造船、造機というものが着実に基本を維持しつつ前に進むということでありますれば、それも大事だなと、こういうことでこの取り組みを合いたしておるというのが昨今の現況でございます。
○国務大臣(林ゆう君) 造船業が構造的要因によりまして極めて厳しい状況に置かれているということは先生御指摘のとおりでございます。労働省といたしましては従来から船舶製造修理業を特定不況業種に指定いたしまして、休業、教育訓練、それから出向を実施する事業主に対する助成などによりまして失業の予防を図っているところでございます。またやむを得ず離職をした方々に対しましては雇用保険の失業給付の延長、あるいはまた機動的な職業訓練の実施、そしてまた離職者を雇い入れる事業主に対する助成などを行っておりまして、離職者の再就職の促進を今図っているところでございます。さらに、現在関係都道府県に臨時雇用対策本部を設置させまして、一層機動的な雇用対策の推進を図るなどの対策を進めておるところでございます。今後とも造船業の動向把握に努めまして、運輸省その他と連携をとりつつ、関係労働者の雇用の安定に努力してまいりたい、このように思っている次第でございます。
○柳澤錬造君 運輸大臣、もうちょっと答えてほしいと思う。 確かに船が余っていることは事実なんです。しかし、石油ショックの後、これはえらいことになったというので総合エネルギー調査会でもって長期エネルギー需給計画というものをお決めになっている。そのときには省エネをやらなくちゃいけないと言いながらも、昭和六十年度には四億八千五百万キロリットルの油を輸入しなければやっていけないのだという答申を出しているわけなんだ。そのとおりの状態に今あるとするならば、タンカーだけでも三百杯ぐらいまで必要になるわけなんだ。だから、その辺がこれは先ほど通産大臣も言われた経済情勢の変化なんです。そのことはだれがいいとか悪いとか言ったって、国際的な変化なんだから、それに対応して政府としてもう少し手当てをする方法がございませんか。知恵をお聞かせいただきたいんです。
○国務大臣(三塚博君) 御指摘のように、予想需要が誤ったのかどうかという問題が一点ございます。これは、あれだけの原油高騰に伴う自衛措置として省エネ政策が行われた。我が国も代替エネルギーの開発に向けて国会の御要望、国民の御要望を受けて本格的に取り組むということで省エネが徹底していく、代替エネルギーがそれにかわる、これが一点御案内のとおりであります。 第二点は、ペルシャ湾を中心とした輸送体系というものが北海油田の発見等に伴いまして輸送距離において三〇%程度節減された、これもその結果であるわけでございまして、その辺で大きく前提要件が崩れましたことは御案内のとおりであります。しかし、行政はそれに敏速に、弾力的に対応してまいるというのも重要な要素でございますので、どうこれに対応するかということで政府挙げて取り組まさしていただき、運輸省はその担当省として海造審に、また海造審の話では結論出るまでと、こうおしかりいただくかもしれませんが、真剣な御議論を今いただいておりますことも事実であります。 しかし、議論を待ってにいたしましても、非常に深刻な事態でありますから、これに対する転換措置、対応措置を今申し上げましたようなことどもの中でまずこれを据えていくということでありましょうし、大きくは世界経済の中でありましょうし、我が国経済の今後の運営方策の中でその決着点を見出す、具体策を見出す、あるいはそれに対応する政策を見出すということになっていくのではないだろうかと、こうでありますけれども、与えられた運輸省の責任という意味で全力投球をいたしておるところでありまして、今後とも専門家である柳澤委員の格段の御鞭撻、御叱正もちょうだいをいたしたい、このように思っております。
○柳澤錬造君 運輸大臣、本当にありがとうございます。海造審の答申が出たらその中でいい知恵をまたとったらいいけれども、出なくても所管省としてのことをやっていただきたいと思うんです。 それで総理、どうなんですか。衆議院で代表質問のときに我が党の塚本委員長が年金客船をつくったらどうかという御質問したんですが、余り色のよい返事でなかったように議事録を見ましたんです。もう一回、その辺の考え方を変えてくれないかどうかお聞きしたいんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 年金客船につきましては、民社党の御提案で党首会談の際にもお聞きいたしましたし、代表質問の際にもお聞きをいたしました。我々も、これも一つのアイデアである、検討すべきいいお考えであると、そう思いまして、政府部内におきましても検討させました。その結果は、一番のポイントで難所とされるのはこれをどういうふうにして運航し得るか、採算ベースに乗せて運航し得るか、そしてだれが一体これを管理するのか、そういうようなポイントがありまして、いろいろ研究した結果ではちょっと無理だ、経費が相当かかるし普通のメンテナンスその他等も考えてみると採算ベースに乗りにくいんではないかと、そういう点でまだ停滞しておるという状況なのでございます。
○柳澤錬造君 年金というのだから厚生大臣の御見解をお聞きします。
○国務大臣(今井勇君) 今、総理からも御答弁がございましたが、私ども年金の問題を担当しているわけでございますが、これから急速に年金給付というものが増大するわけですが、その原資に充てるために、年金の積立金はできるだけ高利に運営したいということが最大の課題でございまして、年金積立金を使いまして豪華客船を建造することにつきましては、年金積立金の使い道あるいは運用の仕方というものでいかがかというふうな感じがいたしておるものでございます。 また、御提案の客船の構想につきましては、今、総理からも御答弁がございましたが、事業としての需要や採算性に疑問があるとの意見が強いわけでございます。したがいまして、豪華客船の構想につきましては、せっかくの御提案でございますが、これは慎重の上にも慎重に考えねばなるまい。この問題につきましては、幅広い観点から自民党で検討していただくことになっておると聞いているわけでございまして、そのような現状であることをまず申し上げなければならぬと思っておるわけでございます。
○柳澤錬造君 今度は、お金のことが関係するから大蔵大臣に聞かなければいかぬけれども、世界一の海運国であり、世界一の造船国でありながら客船が一杯もないなんて情けないと皆さん思わないんですか。今も資金的云々と出るのだけれども、厚生年金やなんかの金が五十兆ぐらいあるんでしょう、それを超えているわけだ。大蔵大臣は勝手にその金利を上げたり下げたり、あなた自由にやっているでしょう。一番高い八・五%の金利にしたときは年間でもって四兆二千五百億の利子がつく。下げていったときには六・三%で三兆一千五百億。大蔵大臣が好き勝手に上げたり下げたりして、その金利だけで年間に一兆円から動くんですよ。その中で三百億や五百億の金が融通がつかないはずはないでしょう。そんな大蔵大臣ですかと言いたいのだけれども、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる預託金利というのは、これは公定歩合に連動して動くわけでございますので、これは私が勝手に動かしているわけではございません。ただ、法律上六%以上ということになっておりますから、それ以上の預託金利の下げというのは法律改正を要するわけでありますが、これは別に私が自由に動かす性格のものじゃございません。 年金給付の貴重な財源である年金資金を投入するということになりますと、やはりいわゆる採算性というのを全く外において議論するわけにもまいらないではなかろうかというふうに思っております。確かに、これは今まで党首会談でも二回にわたってこの問題は出ております。ちょうど我が党の党首、総裁は中曽根総理であり、同席しておった金丸幹事長は山梨県、政調会長藤尾さんは栃木県、ちょうど海のないところの代表が三人お座りになっておりましたが、私はその次に座っておりましたが、島根県でございますから海岸線はかなり長い、こういう立場にありましたものの、率直に言って前からの御提言でありますので、これからもよく相談をしてみましょうということにその党首会談でもなったわけでございます。 私の立場から言えば、年金給付の貴重な財源を採算性ということを全く外において議論するのはなかなか難しいというふうに感じておりますが、総理からも塚本さんにもお答えがありましたように、今後とも党内等でももっと詰めてみなきゃならぬ課題だというふうなお答えをなすったことは私も承知をいたしております。
○柳澤錬造君 総理の衆議院本会議の御答弁を私も読みましたし、今も先ほどから採算性が出てくるので、農水大臣の方にお答えいただきたいんですが、小麦を幾らでもって政府が買い上げて幾らで売っているか、アメリカから輸入している小麦は幾らで輸入して、これは幾らで売っているか、発表してください。
○国務大臣(羽田孜君) 国内産麦につきましては、一応管理経費、これ含めてでありますけれども、トン当たり二十万円であります。これは年によって多少前後いたしますけれども、およそ六十万トンかう七十万トンぐらい生産しております。 また、輸入小麦につきましては、一応食用のものがおよそこれは管理経費を含めまして五万円であります。そして、およそ四百万トンぐらい輸入しております。 なお、これは両方プールいたしまして計算いたしますので、国内の方はおよそ千三百億ぐらい赤字になり、輸入麦の方が千三百億ぐらい黒字になって、ちょうどとんとんになるというような今計算であります。
○柳澤錬造君 大蔵大臣、皆聞いてほしいんだが、今農水大臣は細かいことを言わないからあれだけれども、二十万から二十一万ぐらいのコストがかかったものを幾らで売るかといえば、国内のものは六万九千円で売っているんですよ。三分の一以下。アメリカから入ってくるのは五万四千円そこそこで入ってきて、そっちの方は経費がかかっていって六万円ぐらいになるんだけれども、八万三千円で売るんです。それをプールしてと言う。細かい数字を言わないからよろしくないけれども、採算性がどこにあるんですか。そういう点から考えて、運輸大臣もう一度出てきて、やはり所管大臣としては年金客船つくるんだと、ここでさっと言ってください。
○国務大臣(三塚博君) 一万トンクラスは五隻あることは御案内のとおりでありまして、海運国家が持っておるいわゆる二万トンという客船はございません。そういう意味で年金客船は、私も党におりましたとき政調会長代理で、海のあるのは竹下大蔵大臣と私ということで、大変その構想はすばらしいことだな、こう思っております。 総理が言われましたとおり、政府間交渉がなかなか詰まらぬものですから、党にきちっとやれと、こういうことで当時御厳命をいただきまして、今、藤尾会長の手元で各省やられておりますので、その結論を私は深く期待をいたしており、それに対応できるように運輸省もその勉強を今いたしておりますから、そういうことで御理解を賜りたいと存じます。
○柳澤錬造君 運輸大臣もう一つ。 液化天然ガスのLNG船、豪州からの五隻が宙ぶらりんになっているのだけれども、これは日本が使うガスを運ぶんだから日本の造船所でつくらせるべきだけれども、何かもやもやしているわけです。どんな状況になって、どうしようとしているか、ちょっと御説明いただきたい。
○国務大臣(三塚博君) 五隻につきまして、たしか七隻のうちの二隻は国際入札の指名業者、我が国造船、参加をいたしておりますが、進んでおると。 それで五隻をどうするか。一応外国船籍でと、こんな感じのようでありますが、運輸省といたしますれば、これは日本に来るわけでございますから、維持管理それから安全性等々について、我が国造船がこれを受注をすることは運航上正解であろう。同時に、我が国の造船技術、これは冠たるものでございますし、十二分に発注者の御要望にこたえ、特にLNGを使う電力五社の対応についても万全であるだろうと、そういうことで激励をいたしておるわけでありますが、今後も運輸省という観点では、その方向に取り組んでまいるということであります。
○柳澤錬造君 総理、最後にこの関係でまたお答えいただきたいと思います。 資源エネルギー庁長官おいでいただいていると思うんだけれども、非鉄金属産業、昭和四十年のときには山が三十九カ所あった。次々とつぶれていってしまって、今もう、たった九つしか残っていない。もう三十が閉山になってしまったんですけれども、その辺について所管長官としてどういうお気持ちているか、お聞きしたいんです。
○政府委員(小川邦夫君) 御指摘のように、非鉄鉱山、五十三年の円高、それから今回の円高、大変な困窮状態にあるわけでございまして、これに対応いたしまして、実は六十年度の下期におきましても直ちに発動できる仕組みがいわゆる緊急融資制度、正確には金属鉱業経営安定化融資という制度がございましたので、下期に四十八億ドルの融資を発動したわけでございます。 ただ、事態はさらに厳しくなっておるものでございますから、六十年度予算におきましても、さらにこの緊急融資の利子補給財源の手当てを入れていただきまして、それに基づきますと、融資枠でまいりますと百二十五億の融資というものは六十一年度に可能になるということでございます。 これが一つの緊急対策としての軸でございますが、このほかには、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の対象に中小鉱山を入れていただくということ、さらには鉱山の基礎体力強化という意味合いで、税制改正における減耗控除制度の三年間延長をお願いしておりますし、それから探鉱促進のための予算としまして、いわゆる三段階探鉱調査予算につきましても何とか所要額を計上させていただいておる、こういうことで対応いたそうとしております。
○柳澤錬造君 これはエネ庁長官と同じく通産大臣の方にもお聞きいただきたいんですが、昭和三十年を基準にして、物価が大体五倍ちょっと上がってきているのだけれども、銅は全くの横ばいで、逆に九五%なんです。鉛に至ると八〇%。昭和三十年より下がってしまっているんです。 それで、今度はそこへ持ってきて、この円高でもってひいひい言っているわけですが、名前を挙げるとあれですけれども、北海道の豊羽鉱山なんというものは、昨年の八月は月一億ぐらいの利益が出ておった。今度の円高でもって逆に月に一億ずつの赤字が出るというような状態なんです。今若干、融資のお話があったんですけれども、抜本的にそういう山の対策をどうしたらよろしいとお考えか。エネ庁長官とともに、これは通産大臣の方も御見解をお聞きしたいです。
○政府委員(小川邦夫君) 先ほど四十八億ドルと申し上げましたのは四十八億円で、訂正いたします。 それで、抜本策という御指摘でございますが、実はこういった財政上の厳しい制約の中でどこまでの対応策をとれるかということで我々検討をしてきておるわけでございますが、実はこの緊急融資制度自体がこういった異例の事態に備える制度として用意されておりまして、この助成制度の内容も五年間の平均金利が二・七%ということでございますから、これは鉱山の特殊性ということからこういった助成内容をお許しいただいているわけでございますが、他の融資制度に比べて格段の配慮をした仕組みで当面乗り切ろうと対処しておるわけでございます。 ただ、これだけかどうかという点につきましては、円高の情勢が極めて厳しい段階にあることも事実でございますので、本制度の運用をまずは進めていくわけでございますが、今後とも事態の推移を見きわめまして、現在の対策で十分であるか否かにつきましては十分注視してまいりまして、適時適切に対応してまいりたいと考えております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいまエネルギー庁次長の答弁で尽きると思います。やはり業種間の整合性を持たせなければなりませんので、二・七%の金利というのは、ほかの業種とも比べまして、極めて配慮した金利である、私はそう思っております。
○柳澤錬造君 確かに二・七%というのは安いけれども、今の山の状態からいけば、それこそ無利子融資ぐらいやらなければどうにもならない。それで、この山をもうつぶしてしまうのかどうなんですか。同時に、レアメタルなんかの関係についても、どういうお考えをお持ちですか、これは通産大臣にお聞きしたいんです。
○政府委員(小川邦夫君) レアメタルの問題につきましては、今まで申し上げましたベースメタルの対応策は先ほど御答弁申し上げたとおりでございますが、レアメタルにつきましては、備蓄の問題と、それからソースの多角化という意味の探鉱開発というものを現在進めておりまして、これによりましてレアメタルの途絶その他の問題に対処することに全力を挙げているところでございます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 御承知のとおり、今二十一日分の備蓄があるわけでございますが、五十八年度から七鉱種のレアメタルで六十日を目標に備蓄するということであります。したがって、ことしの予算でも約四・八日分の積み増しをするというようなことで、やはり非常に日本にとっても大事なものでありますか々そういう点で備えるということをやっておるわけであります。 山につきましては、つぶすとかつぶさぬということでなくして、それらの技術というものは保存をしなきゃならぬし、将来海外での探鉱、掘る場合、開発輸入みたいに掘る場合がありますから、そういうような技術の温存のためにもある程度のものはぜひ必要だ。しかしながら、やはり何といってもこれは自由社会で自由経済ですから、採算が全く合わない、いろんなお手伝いはするが全く合わないという場合には、これはまたやむを得ないことではないか、そう思っております。
○柳澤錬造君 総理、レアメタルが今二十一日分と少しふえてきた、アメリカが三年分備蓄しているのはさておいても、西ドイツが一年分なんです。それで、今やっと日本は二十一日。通産大臣、もう一回お答えいただきたいんだけれども、その程度でよろしいという御判断がどうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは多々ますます弁ずということでございましょうが、アメリカの場合は軍事用というものが頭の中にあるわけでありますから、我が国とは必ずしも同じくは考えられない。我が国はとりあえず六十日分ということでその積み増しに努力をしておるということであります。これは財政との問題もございますし、それはもっとあった方がいいという考えもありましょうが、政策の整合性の問題で、大体この程度が当面の目標として妥当なところではないか、そう思っております。
○柳澤錬造君 総理、非鉄金属というのは小さいから何だけれども、非常に大事なことで、経済大国と日本は言うのだけれども、これはもう全くもって資源小国です。ですから、非鉄金属の将来のことも、それから先ほど鉄鋼だ海運だ造船だということ、基幹産業に触れたのだけれども、こういうことについて二十一世紀に向かって総理はどういうお考えをもって進めようとしているか。その辺について総合的な総理の御見解というか、よく総合安全保障と言われるんですから、そういう点についての総理の御見解を承りたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆる経済大国というものを維持していくためには、今、軽薄短小とか言われますが、重厚長大の方も基礎的には必要なので、ある一定の水準というものは保っておかなければ総合的に繁栄できるはずはないのであります。そういう意味において、基幹産業や鉱山も非常に重要であると考えております。それをどういうような限度において財政と調和を保ちつつやっていくかということは、その年度年度において考えていくべきことでございますが、例えばレアメタルのような問題は、やはりある程度の備蓄を持っておることは望ましいのでございまして、あるいはまた中国側等においてもレアメタルの開発をどうかというような話もなきにしもあらずでありまして、国内外ともども安定的な一定水準の量というものはみずから確保しておかなければならぬ、そういうふうに考えております。
○柳澤錬造君 今度は貿易問題でお聞きしていくんですけれども、前に別の委員会でやったときに、外務省のある局長はいわゆる貿易立国ということを否定するような御発言なさったんです。だから、これは外務大臣にお聞きするのだけれども、貿易立国というのは日本にとっては経済的な国是だと思うんです。それを否定するような発言をなさったということは、今の政府がそういう考え方を、いわゆる貿易立国をもうお捨てになるつもりなのかどうなのか、これは外務大臣からまずお聞きします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 別に外務省が貿易立国を否定しているわけでもないと思いますし、私も、今おっしゃるように日本は資源がありませんし、これまでの国の成長発展とりつ歴史を見ましても、経済を構造的に見ましても、やはり日本は貿易に大きく依存をして国の安定と繁栄を図る以外にない、こういうふうに考えております。
○柳澤錬造君 通産大臣、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、この資源の少ない日本においてたくさんの資源を消費して豊かに暮らすためには、自由経済それから自由貿易、これがもう欠かせない大きな要素の一つである、これは間違いのないとこるでございます。
○柳澤錬造君 総理からもあわせてお聞きしておきます。ただ、外務大臣、名前は私差し控えるけれども、外務省の局長が言っているんです、私の質問にそういう答弁の仕方で。だから、細かいことは除いて、その辺について最後に、総理が貿易立国ということは守り抜かなければいかぬという見解なのかどうなのかということをきちんとしておいてもらいたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 貿易立国は非常に大事でありまして、我々の国策の基本の一つであると思います。 問題は、輸出入について適正な均衡が維持された貿易立国ということが今日の時点において重要になってまいりました。過去においては貿易立国というと輸出というものに重点が置かれた。しかし、今日これだけ輸出力が増大してこれだけの大きな外貨が蓄積できる、こういう状態になりますと、輸入をもっと増大せよという国際的な圧力も随分出ており、結局、輸出輸入が適正なバランスを持った拡大均衡の貿易立国ということが望ましいあるべき姿であると思っております。
○柳澤錬造君 私は、日米関係は一番大事だと考えている方だし、だから昨年の本会議でも総理に、戦後のときの食糧危機にアメリカから食糧を援助してもらって日本は一人の餓死者も出さずに済んだ、今アメリカが経済的に困っているならば助けてあげたらいいじゃないですかと言ったのだけれども、そのとき総理の明確な御答弁がなかった。もしそれにお答えがいただければお聞きをしたい。それから、貿易問題で何で日本だけ悪者にされるんですかということ、外務大臣その点についてはどうお考えになりますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日本だけが別に悪者になっているとは私は思いません。アメリカとヨーロッパにおいても深刻な経済摩擦等が生じておるわけであります。ただ、日本の場合は御承知のように非常に輸出が伸びて、その結果として外貨、黒字が拡大をしておる。さらにまたもう一つは、やはり市場アクセスという問題について、日本の市場開放度でいろいろと国際水準から問題があるということで各国の批判を浴びて、それに対して日本は懸命に改善を図ってきておるわけでございます。日本だけがそういう目標になっているわけじゃないと思いますが、今日の事態では少なくともアメリカに対して大きな黒字を持っておる、あるいはECに対して大きな黒字を持っておるということは、日本に対するいろいろの問題提起となってあらわれておる、これは我々としても認識をしなきゃならぬ。そういうところからいろいろの政策についても考えなきゃならぬ、これはもう事実だろうと思います。
○柳澤錬造君 外務大臣、日本とアメリカの関係でアメリカから文句を食って、何で日本だけ悪者か。アメリカとカナダの方もはるかにカナダの方が輸出超過なんですよ。それを何でカナダに文句を言わないで、日本ばかり言われるんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 確かにカナダに対してアメリカは最近、カナダが二百億ドルぐらいの貿易黒字を持っている、あるいは西ドイツもそういうことが言えると思うわけでございますが、日米関係で言えば、これまでのアメリカ側の主張は、いわゆる市場アクセスが十分でないという点を強く批判している、いわゆるフェアな貿易をしるというのが彼らの主張の原点になっている。この点は日本としてもやはり反省をするところはして、直すところは直していかなきゃならぬ、こういう姿勢で取り組んでおるわけです。
○柳澤錬造君 アメリカとの関係は大事だから大事にしなくちゃいけないけれども、やっぱり同時に、言うべきことは言ってほしいと思うんです。そして、日本とアメリカの貿易収支の関係で日本が大幅黒字になったのは事実だけれども、日本が大幅黒字を出したというのは油の節約が最大の原因でしょうと言うんですよ。さっきも言ったように、昭和五十年度の輸入実績というのは日本は二億八千八百六十万キロリットル使っているんですよ。それが六十年度には四億八千五百万キロリットルになるだろうと言っていたのが、結果的には二億を切って昨年なんかは一億九千三百三十四万キロリットル。あの計画どおりにいったら、今よりかも五百十三億ドル多く金を払わなきゃならないんです。当然日本の貿易収支というものは、そうなったならばとんとんか赤字になるんですよ。そのことをなぜはっきり言わないんですかということ。どうなんですか、大蔵大臣もこれはもうきちんとしてください。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日本は確かに油は最大の輸入国ですが、その輸入は主力は中東でありまして、日米関係では、もちろんアメリカの油を買いたいと我々はアラスカ等の石油の輸入を要請はしておりますが、今のアメリカの議会の状況からなかなかこれは受け入れられないということは事実でありますが、日米間について言えば、これはやはりアメリカからの農産物等の輸入、その価格等の問題もありましょうし、あるいはアメリカ自体の経済の回復が非常に早かったという面等もあるでありましょうし、また日本の自動車を初めとする輸出産品の品質が非常にすぐれておった、いろいろと問題はあると思います。またアメリカの日本に対する輸出努力が不足しておった。いろいろな要素が組み重なって結局これだけの貿易の黒字というものに相なっておるんじゃないか、私はそういうふうに理解しております。
○柳澤錬造君 通産大臣じゃない、大蔵大臣だよ。
○国務大臣(竹下登君) いや、まさに石油問題でありましたから、通産大臣から先にお答えなすってその後私がと、こう思っておりましたが、御指名でございますので。 貿易黒字拡大の原因については、それは米国の財政赤字が大きいから、したがって高金利で、それがドル高に影響して、かなり長い間ドル高であった。あるいは八四年のアメリカの景気がよくて、どんどん輸入されたというようなこと等々もございますから、一義的にこの石油の問題だけで論ずるという立場にはございませんが、今おっしゃいましたように貿易黒字の大きな要素になっておるということは私も十分認めます。したがってそういう問題については絶えず、私の守備範囲で言うならば、高金利の問題あるいは財政赤字の問題等につきましてはその都度注意を喚起、指摘しておる、こういうことでありますし、ニューヨークG5の中における附属文書においても、アメリカの果たさなければならない役割として財政赤字の削減、それに伴うところの高金利の是正というようなことをみずからも声明しなければならぬという状態にあるわけですから、絶えずそういう意見交換はしておるということを申し上げておきます。
○柳澤錬造君 私お願いしたいのは、特に外務大臣、そういうことをやっぱりアメリカに言ってほしいということです。だから、アメリカが赤字だ赤字だと騒ぐけれども、これも私はアメリカが油の買い過ぎだと言うんです。油と石油製品と両方でもって、昭和五十五年から五十九年度までの五年間、日本が年平均五百十八億二千五百万ドル、アメリカが千百三十五億四千五百万ドル。日本は油がないから輸入しなきゃしようがないでしょう。それで、節約しながら我慢している。アメリカはあるわけですよ、あれだけ備蓄をして、自分の国にも。だったら、そんなに苦しいと言うなら、それをやめたらいいじゃないですか。千百三十五億四千五百万ドルも年間買い込んでいるんです。そうしたら何もあれば赤字にならない。そのことをはっきり言ってくださいと言うんです。どうなんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日本はアメリカに対して言うべきことはちゃんと言ってきております。ここでは詳細申し上げるまでもないわけですけれども、御承知のように高金利の問題にいたしましても、財政赤字の問題等にしても、主張すべきことは主張しております。またアメリカの輸出努力というものに対しても我々は特に強く求めてもきております。油については、おっしゃるようにアメリカの全消費量のうちで外国から輸入しているのは三五%ということでございますが、これはアメリカ自身の全体の経済政策あるいは対外貿易あるいは国の安全保障といったもろもろのアメリカ自身の政策の基本に従って行われておるのであろう、こういうふうに考えますし、アメリカは御承知のように自分の国の油はできるだけ温存したいという方向をとってきていることはこれはもう事実だと思うわけでございます。しかし、これが日本の貿易の黒字というものとストレートに大きく結びついている、こういうふうには私は思っておりません。
○柳澤錬造君 そういう外務大臣だから困ると言うんです。アメリカはアメリカの都合でと言うのなら、日本は日本の都合で、つべこべ言うなと言えばいいんですよ。だから、お互いに協力しなければいかぬけれども、こっちもこうこうしかじかで、油の節約で貿易収支が黒になっているのですよと。何もアメリカの関係だけじゃないのだ。アメリカの関係を言うのなら、何でサウジアラビアやインドネシアに日本が文句を言わないか、同じ関係にあるわけだから。だから、おまえさんたちももうちょっと油の輸入をやめたらいいじゃないか、そうしたらそんなに赤にならないんだから。 そこで、MOSS交渉をおやりになって随分日本は譲られたんだけれども、大蔵大臣、さっきもお話が出たように、日本と同じように金利を下げろとなぜ言わなかったんですか。どこまでやられたんですか。
○国務大臣(竹下登君) 機会ありますごとに、対外不均衡の主な原因は昨年までのアメリカのドル高、高金利にある、その是正が必要であるということを言い続け、それが九月二十二日のニューヨークのG5において附属文書の声明にもなった、こういうことでございます。それからその次は、やっぱりロンドンG5のとき、これはことしの一月でございますが、この問題について、インフレはおおむね鎮静しておるからいわゆる利下げの環境が整ったという合意に達したと。そこで、それに基づきまして政策協調の一環として先般の公定歩合の引き下げが行われ、アメリカも三月七日、七・五%から七%に引き下げられた。 このことはいいことだと私は思っておりますが、さて例えば水準にまでですね、それに言及するということは、私は通貨主権という問題が存在をする限りにおいて、各国が各国の中央銀行における諸情勢を踏まえた判断というものがやっぱり主軸には存在しておるわけでございますから、その金利の利幅について、どこまであなたのところは下げるべきだという主張は、双方ともやっぱりその点までは、個人的な話なら結構でございますが、公の席上ではその辺は触れてはならない限界だというふうに私は考えております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほど柳澤先生が言ったようなことは、実はそういう具体的交渉を通産省でやっていますからね、言っているんですよ、それは。あなたと国じことを言っているんだよ。だけれども、彼らの怒っていることは、要するに日本はアメリカに約七百億ドルかな、ぐらいのものを売りつけている。そして我々からは二百億ドルぐらいしか買わないじゃないか、七百億ドルも売りつけるのならもっとアメリカの物を買ってくれ、そこを一番文句を言っているわけですよ。日本が黒字だからというんじゃなくて、日米関係で売るばかりで買わない、もっと買えと。その摩擦なんです。
○柳澤錬造君 だから大蔵大臣、今G5の話が出たんだけれども、結局余り金利で中へ立ち入るわけにはというお話だったけれども、MOSS交渉ではアメリカから随分日本の中へ立ち入って言われたわけでしょう。だから、そういう関係からいけば、十分譲ったんだから金利でももう少し立ち入って向こうに言ってもよろしいんじゃないですか。 それから、G5のお話が出たから、九月のときお帰りになって大変成功なさったようなことを大蔵大臣は得意然にお話をなさったんですけれども、何を根拠にあれが成功したと言われるんですか。
○国務大臣(竹下登君) 金利問題につきましては、もう今環境が整っているんだからやるべきではないかという主張はこれからもなお続けるべきことであると思っております。立ち入りの限界というのはおのずから時と場所によって心得ておるつもりでございます。 それから、昨年九月のG5が成功したということでございますが、これについては、要するに各国がいろんな協議をしながらなかなか協調して物事をやるという環境に至らなかった、それが各国の協調ということが合意されたという意味においては私は成功であったというふうに表現したかと思います。もっとも成功という言葉は私めったに使わないようにしておりますから、よかったとか何とか言ったんじゃないかと思っております。 それから、さらに言いますならば、その後ロンドンG5においてドル高是正が進展し、為替相場が各国の経済ファンダメンタルズをよりよく反映するようになり、その意味で昨年九月のG5以降の為替市場の状況を検討し、それまでの為替市場の進展に満足するということで意見の一致を見たということが、あるいはお答えの一部分になるのではなかろうかというふうに考えております。
○柳澤錬造君 それでは、大蔵大臣それから通産大臣もそうだけれども、円高があれよあれよという間に二百円になり、さらに最近は百七十円台、トヨタ自動車が一円動けば五百億円損しちゃう、そのくらいの状態にあるわけなんだけれども、日本の輸出産業全体で今どのくらいの損失がこの円高で出たという計算をなさっておりますか、お聞きしたい。
○政府委員(村岡茂生君) まことに申しわけありません。そのような計算をしたことはないのでございますが、多分私の勘で申し上げますと、三兆円とか四兆円という台には達するのではないかと思います。
○柳澤錬造君 それでは、お金の総元締めの大蔵大臣でしょっちゅう金のことをやっているからあれだけれども、そんな数字じゃないはずだが、大蔵大臣。
○政府委員(北村恭二君) 先生御承知のとおり、円高の産業界に及ぼす影響、企業収益に及ぼす影響ということになりますと、プラスの面マイナスの面、産業によっていろいろ異なるわけでございますし、企業によっても異なるわけでございますので、的確にそういうような計算を私どもしておりません。
○柳澤錬造君 正確なお答えといったってそれは無理なことなので、しかし大蔵大臣「あれよあれよと上がっていくんだけれども、大蔵大臣として円は幾らくらいが妥当だと御判断なさっているんですか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる為替相場の適正水準だけは通貨当局者は断じて口に出してはいかぬ、これはやっぱり鉄則として守らなきゃならぬことではないかと思っております。非常にそっけないようですが、そのとおりであります。
○柳澤錬造君 あなた、総理大臣みたいなことを言っちゃいかぬな。為替レートというのは、昔は購買量が物価でもって大体決まっておったでしょう、どうなるこうなる見通しが立ったんです。今度はG5をやって人為的な工作ができたわけでしょう。それで二百円になったときにあなたはお帰りになって、それからしばらくしたら、いや大体百九十円ぐらいになってもよかろうと言ったから、ますます上がっていっちゃったんじゃないの。それでそんなことを言っちゃいかぬなんて言えませんよ。ちゃんと言ってください。
○国務大臣(竹下登君) いや、これはやっぱり言えません事柄です。ただ人為的に、確かに今の為替相場は必ずしも適正な各国経済のファンダメンタルズを反映していないということで合意をした。が、相場自身は市場がその後ずっと決めておるわけでございますから、市場至上主義ということになろうかと思うわけであります。 それから、私の百九十円台の発言は、あれはニューヨークでございましたか、当時二百一円でございました。百九十九円になったらどうかと。そうすると二円という動きに対してそれを私が肯定しますと、今度は二百円というターゲットを持っているんじゃないか、こういうことになりますから、それは市場の判断にゆだねるべきものであると、こう申しましたら、ロイター電か何かだけが百九十円台許容発言とかいうことを伝えましたが、私の発言がそれによって円高を誘引したというふうには私自身は必ずしも思っておりません。それは確かに市場の思惑等も走っておるから、今の急激な円高という問題があるということは私の分析の中にもございますものの、その発言で大きく一つの突破口とかになったとは私は思っておりません。 ただ、いずれにせよ通貨大国といいますか、通貨強国と申しましょうか、そういう立場にあります通貨当局者が一つのターゲットを明らかにするということだけは差し控えるべきだということは、これはつれないようでございますが、世のため国のためやむを得ないことではないかと思っております。
○柳澤錬造君 総理、もう時間がだんだんなくなって、いろいろお聞きしたいことがあるんですが、ただ、今の関係で一つ私が心配するのは、今のようなことをしておったら、みんながまじめに一生懸命、企業なり産業も、個人もそうだけれども、働くのがばかばかしくなって、いわゆるマネーゲームに走るという傾向が風潮となって進みやせぬか、非常にその辺危惧するけれども、総理いかがですか、その辺のお考え。
○国務大臣(中曽根康弘君) 乱高下はいけないと思います。 それから、ファンダメンタルズに合致しない国際通貨の関係というものがまたマネーゲームを引き起こす、ファンダメンタルズに合致しておればマネーゲームを起こす余地はだんだんなくなってくる。そのファンダメンタルズの中で非常に重要な要素は金利の差でございます。そういう面について我々はよく注目していく必要があると思っております。
○柳澤錬造君 次に、いろいろ国民生活のこと、時間がだんだん少なくなってきたんですが、これは建設大臣の方に、世界のGNPの一〇%を占めているんだといって、いわゆる経済大国という日本なんですが、そこで働いておる人たちが、一生働いて定年で退職金をもらっても自分の家も買えないというような状態なんです。政府が五カ年で六百七十万戸というような発表をしているんですが、その見通しがあるのかどうか、具体的にどういう対策をお持ちなのかということをお聞きしたいんです。
○国務大臣(江藤隆美君) お尋ねでありますが、今日本の世帯数は大体三千五百万世帯。それから家は実際はあるんです、三千八百六十万戸あるわけです。ところが非常に古いというもの、それから非常に狭いというものがございまして、そういうものを私どもはまず一つの目標としまして、これから五カ年計画六百七十万戸をいよいよ進めようというわけですが、この期間中に少なくとも最低居住水準、四人家族で五十平米以下、これをまずなくする努力をしていこうではないか。それから今世紀末には都会においては四人世帯で大体九十一平米、それから地方においては百二十三平米程度の住居面積を持つように誘導していこう、こういう計画で実はこれからやっていこうというわけでございます。 そこで、なかなか金の面もございますものですから、六百七十万戸のうちの大体三百三十万戸は公的資金に基づいてひとつ誘導していこう、これが第一番であります。第二番目は、やっぱり公的賃貸住宅を建てていく必要がある。地価が高くなったりしますとなかなかそういきませんので、最近の傾向として賃貸住宅が非常に比率として多くなってきております。したがいまして、いわゆる公営住宅を建てていくあるいは公団住宅、これはこの前申し上げましたが、十三万戸と踏んでおりますが、そういうものをやっぱりこの五カ年の間に建てていこう。 それから、この前からいろいろと国会内でも御議論をいただいておりますけれども、いわゆる税制面、取得税を初め贈与税、それから公庫の融資条件の緩和、いわゆる親子世帯、あるいはまた面積、あるいはまたこの前公定歩合の引き下げに伴いまして五・五%を五・四に、六・四%を五・九%に、六・八五%を六・四%にそれぞれ公庫資金の金利の引き下げをしていただいたわけでございますから、これらを総合して、何としてもこの五カ年計画の中で六百七十万戸だけはひとつ達成していこう、こういうことで今一生懸命取り組もうとしておるところでございます。
○柳澤錬造君 建設大臣、いろいろ今おっしゃったが、幾らぐらいになるかということなんだ。それはお考えいただいておいて、国土庁長官にお聞きするんだけれども、問題は土地なんだ、高過ぎて。私が調べたのでは、ニューヨークの一等地、あのオフィスビルのあるところは坪でもって千三百万円、東京の中心街ならば五千万から七千万、最近一億なんて出てきた。ここが問題なわけですよ、どうするか。それから住宅地の場合にはニューヨークの郊外で坪三万五千円、東京じゅうどこを探したってない。だから、国土庁長官がまず土地をどうするかということで、どういう政策、対策をお持ちかです。
○国務大臣(山崎平八郎君) お答えいたします。 確かに我が国は国土狭隘でございまして、したがって非常に地価が割高であるということはもうおっしゃるとおりでございます。そこで、国土庁といたしましては、土地の暴騰、高騰についてどのように抑えていくかということでございますが、ただいま住宅の取得の促進のために、全国的に見ますと一応地価は安定傾向にあるわけでございます。しかし、一部のところでは非常な激しい高騰も起きております。そこで、この傾向をさらに長期的にどのようにして定着させるかということが一番大事なんですが、さらに土地の有効利用、それからおっしゃるような宅地供給という問題、これをどのようにやっていくかということが非常に大事でございます。 そこで、このために国土利用計画法の的確な運用等によりまして地価のより一層の安定に努力をいたす所存でございますが、また先ほど建設大臣からもお話がございましたが、土地はその所有という問題よりも利用ということが重視される時代でございますので、土地信託とか先ほどお話に出ました借地方式、この活用等によりまして土地の有効利用のための施策を推進いたしますとともに、円滑な宅地供給のための諸般の施策を積極的に展開することが最も重要だと存ずる次第でございます。 以上でございます。
○柳澤錬造君 長官、土地が安定しているなんてことを言われちゃ困るので、先ほども申しましたように、ニューヨークの郊外で住宅地が坪三万五千円だというんでしょう。東京は今幾らですか。だから、これはそうかといって今の高いのを下げろったってそんなことはできることじゃないんだから、どうやるか。 それで、これは建設大臣考えてほしいんだけれども、建築基準法なんかで容積率があるね。ああいういろいろの制限を、例えば制約されているのをもうちょっと緩和して、それでもっと有効に利用できる何か方法、そういうお考えはございませんか。
○国務大臣(江藤隆美君) 先ほどのお尋ねでありますが、国土庁長官が申し上げましたのは、東京とか特定の地域が地価が非常に高くなっておる、地方はさほどに上がっておりませんで比較的安定しておりますということを申し上げたんだと思います。 そこで、私どもはいわゆる宅地の供給ということが必要になってきますから、まず第一番に、現在ある土地について諸般の規制がかかっておりますので、まず先生も一番お気づきになることは線引きの見直しであります。これは五年ごとに線引きは見直しをするというのが立法当時からの方針でございますから、今、都道府県に対して積極的にこの線引きの見直しによって良好な住宅用地を提供するように行政指導を強めておるというのが第一にございます。 それからもう一つは、開発許可の水準が御承知のように二十ヘクタール単位になっておりましたから、先般来これを五ヘクタールに縮めていく、こういうことに実はいたしましたわけであります。 そのほか、優良な計画を持った開発事業がなかなかうまくいかぬという場合がございます。そういうものについて建設大臣が特にこれは必要、良好なものであると認めたときには地方自治団体と合議をもって宅地の供給を進めるようにする、こういうふうな実は考え方も持っておりますし、あるいは開発許可事務をもっと早く進めて、もろもろのことをやりながらやりますが、問題は東京都内とかそういう大都市の中でございまして、これは先ほど来総理も申し上げましたように民活元年ということで、私どもは都市再開発という問題について改めてひとつ建設省は、特命相もできたことでございますから、関係各省と御相談を申し上げながら、ずっと東京二十三区展望しながら、よりよき宅地の供給ができるようにいろんな措置を講じていきたい。 そういうこともございまして、一昨日は都知事と私お目にかかりまして、これらについて積極的な御協力方をお願い申し上げたわけであります。したがいまして、まだ内容を私承っておりませんけれども、昨日の夕方には東京都として東京都のこれからの都市政策、いわゆる開発計画について公表されたと、こういうことでございますから、けさ担当の局長に対しまして、よくそれらの東京都の計画を建設省としても把握して、今後よりよく協力をしながら進めていこうという相談をいたしたばかりでございます。 都市計画法、それから建築基準法につきましては、せっかく局長が待っておりますから、専門家の答弁にお任せしたいと思います。
○政府委員(渡辺尚君) 大臣が御答弁されましたので私、建築基準法によって容積緩和をしたらどうかという御指摘の点だけについて御説明いたしたいと思います。 もう申すまでもなく、土地の有効利用を図らなきゃいかぬということは、これは重要な課題であるという認識はもちろん持っております。ところで、容積率といいますのは、例えば商業地域でございますと四〇〇%から一〇〇〇%、あるいは第一種住居専用地域でございますと五〇%から二〇〇%、これはすべての用途地域について決まっておるわけですが、そういう幅を持って決めているのが建築基準法でございます。それで、それを現実にはそれぞれの具体の地域の公共施設の状況でありますとか、土地利用の実態でありますとか、そういうものを見て都市計画で指定していくということになるわけでございます。 現状を見ますと、実際に指定された容積率とそれから実際に使われている容積率、この間にはかなりの余裕があるということが実際でございます。数字はなかなかこの解釈は難しいわけでございますけれども、端的な数字を申し上げますと、東京都の二十三区で言いますと、これはマクロの話でございますけれども、実際に使われているのは実際に都市計画によって指定されている容積率の三八%ということでございます。 さはさりながら、やはり土地の有効利用ということを進めていかなきゃならぬということでございますので、我々といたしましては例えば東京なんかの場合に、道路が狭いとか、オープンスペースがないとか、公共施設の状況が悪いわけでございます。そこで、そういったオープンスペースの確保でありますとか、高度利用に資する良好なプロジェクトにつきましては、個別に容積率を緩和するという特例措置をいろいろ持っております。例えば五十八年につくりました住宅関係の総合設計制度、この場合には最高一・七五倍まで容積率を割り増しするという制度を持っております。こういった特例措置を活用していきたいというふうに考えております。
○柳澤錬造君 国土庁長官、建設大臣、本当に本気で取り組んでやっていただきたいんです。一坪に一万円札を並べたら二百七十枚しか並ばない。切手一枚がちょうど一万円になるんです。いかに土地が高いかということなんです。だから、今の局長がお話しになった容積率、ニューヨークのマンハッタンと比べても日本の方がきついし、ですから今数字をどうこうじゃなしに、何とかその辺を考えて、住宅が安くできるようなことをお考えをいただきたいとお願いだけしておきます。何か御答弁あれば聞きますけれども、なければよろしい。 じゃ、せっかくあれだから自治大臣の方にも今度。税金を納める者よりか税金を使う者の方が優遇されているのが今の地方自治体、退職金を見ても何を見ても。だから、そういうことについて自治大臣の御見解を聞きたいことが一つ。 それから、地方自治体には監査委員がおるわけだね。あれは二人いるけれども、一人は議員でなくちゃいかぬ。実際に効果をあらわさない。あれを三人にして、一人は議員で、二人は今度は一般の学識経験者となると少しは効果があると思う。その辺の自治大臣のお考えいかがです。
○国務大臣(小沢一郎君) 待遇の問題については、例えば給与とか退職金とかいうことであろうと思っております。 これは、国の公務員の場合におきましても、民間の水準を兼ね合いして決めておるわけでありまして、それに地方公務員も準じて決めることになっておるわけでございます。おおむね適正になっておると思いますが、その中におきまして、特に退職金なんかの場合も四都府県、それから市町村の中にも一部の団体において適正以上に高い支払いを決めておるところがございます。したがいまして、それらの中で特に計画的そして速やかに、これはもうひどい、是正を要するというところにつきましては、その団体を個別指導団体に指定いたしまして強力にその点は適正な水準にするよう指導をいたしておるところでございます。 それから、もう一つの監査委員の問題でございますけれども、議会の監査ということは議員と学識経験者という先生の御指摘ですが、基本的にはいわゆる行政に対する議会のチェックという形で今日のいろいろな歴史的に仕組みができてきたのであろうと思います。したがいまして、その中で今町村につきましては一人ないし二人、ほとんどの町村で二人置いておるわけでございますが、そのうちの一人は議員から選ぶ、これはやはり沿革的な形から考えても、今日なおそういう機能、要素というものは必要であろうと思いますし、直接住民から選ばれる議員というもの、それを監査委員に置くことによりまして、やはり行政をチェックするということが必要であろうと思います。そのほかのいわゆる学識経験者、そういう第三者的な客観的な立場に立って監査していく、これはもちろん必要であろうと思いますし、現実にほとんどのところが二人置いておりますのでそういう形になっておると思いますが、さらにこれをもう少しふやすとか、あるいは学識経験者の、何といいますか要素を多くした方がいいではないかという御意見かとも思いますけれども、町村の場合にはかなり小規模なものまで入っておりますし、財政の問題あるいは町村の事務そのものの問題等もあると思います。 したがいまして、今日の制度の中において監査委員としての認識を十分に持ってやっていただければそれで機能するのではないか、そのように考えておるわけであります。特に、今回の地方自治法の改正に当たりましては、その点はやはり地方制度調査会でも十分言われておるところでございますので、十分な監査、権限の機能を制度的にもつくりまして、そこの中で有効に機能していってもらいたい、そのように考えておるわけであります。
○柳澤錬造君 次に、昨年の八月十二日に日航ジャンボ機の事故のときに、自衛隊、警察官の皆さん御苦労なさって本当に頭が下がるんですが、警察官の方はあのときの日当を幾らお払いになったんですか。 〔委員長退席、理事桧垣徳太郎君着席〕
○政府委員(大堀太千男君) お答えをいたします。 昨年の八月十二日の日航機事故に関連をいたしまして警察官に支給いたしました手当でございますが、群馬県の警察官の例で申し上げますが、遭難救助作業に従事した場合、特殊勤務手当として遭難救助手当が一日につき五百円支給されております。また遺体を取り扱った場合は同じく特殊勤務手当として一体当たり五百円の死体取扱手当が支給されております。また正規の勤務時間を超えて救援活動に従事した場合は当然超過勤務手当を支給しております。それからなお、遠隔地、通常勤務地から離れておるところで作業いたしましたために、日当といたしましては一日当たり千四百円、それから宿泊費二千九百五十円が支給されておるところでございます。
○柳澤錬造君 これはもう総理というよりも官房長官の方でまとめてお答えいただきたいんですが、今、警察官がそういうお話、それから自衛隊はこの前私聞いて七百円という、大変なことだと思うんですよね、あの山のあすこへ、あれだけの救援活動をした人たちがその程度の手当でよろしいのかどうか。民間の場合だったら一時間残業をすると今千五百円ぐらいになるんです。だから、そういう点からいって、官房長官の方にお願いしておきますから、何とか検討をして、ああいう特殊な場合にはそれなりの手当が出るようなことをお考えいただきたいと思うんだが、いかがですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) ああいう事態に出動をした警察官あるいは自衛官の勤務というのはそれなりの厳しさがあるわけでございますから、したがって、今警察の方は事務当局からお答えをしたようにああいった特殊な手当が出ておりますし、私は厳しい予算の中でそれなりの対応はできておるというふうに一応は理解をいたしております。 ただ、私の仄聞するところによりますと、同じ現場に警察と自衛隊と両方出ていって自衛隊の方がどうも処遇が悪いのではないかなと、私はこういうことを仄聞しておるわけでございますが、こういった点についてはやはり同じ現場で同じような仕事をする以上は同じような処置にするように検討すべき課題であろうと、私はかように考えるわけでございます。
○柳澤錬造君 官房長官、これ以上もう時間なくなっちゃうとあとのができなくなるからあれだけれども、しかし、本当にもう大変な御苦労だと思う。あれが民間なら、私は行かぬと言う。それを言われればもう行くんですから、そういう点でぜひ考えてあげていただきたいと思います。 それで、今度は文部大臣の方へ教育制度でもってお聞きするんですが、来年から国立大学の受験機会の複数化が実施されるわけですけれども、試験日程の組み合わせでAグループとBグループと分けて今度行われることは御存じのとおりです。その発表の時期が四月末までにできないのかどうか、その辺いかがなんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の問題は、国大協で今鋭意努力を願っておりまして、なるべく早い機会にお示しした方がいいだろうと私どもも思っております。四月末というのは努力目標としては設置されておるわけでありますから、何とかそれまでに結論がきちっと示されますように、私どもは期待をして見守っておるところであります。
○柳澤錬造君 大臣、せっかくあれですから、やっぱり受験者、関係者は非常に心配なわけですから、四月末までには発表できるように大臣として御指導いただきたいと思うんです。 それから、そのAグループ、Bグループを分けるのについて、仄聞するところによると、もう中曽根総理も、東大や京大なんかはその後ろの方のBグループに入った方がよろしいということを言ったらしいというのをちょっと聞いたんですが、また信頼する筋から聞くと、東大の方もBグループでいいというふうにお決めになったように聞くんですけれども、文部大臣、その辺はいかがなんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 全国で九十五ございます国立大学が、それぞれの地域とか専門分野別とかあるいは受験生の希望とか、せっかく複数受験の機会をつくる以上はなるべく皆さんに利用していただきやすい方法にするのがいいと、こういうことを目標に国大協自身で今いろいろ御議論を詰めていただいておるわけでございまして、御指摘の具体的な問題はそれぞれの姿、形のあり方の中に一形態として考えられないことはございませんけれども、やっぱり今重要な問題を各大学で御議論願っておりますのでその御決定を私は見守っておるわけで、Bグループでいいとおっしゃったというような報告は、私は寡聞にしてまだ聞いておりませんのでお許しをいただきたいと思います。
○柳澤錬造君 せっかく一期校、二期校のあれがなくなって今度は変えるわけですから、その効果があらわれるようにやっぱりしていただかないといけないと思うんです。 それから次には、自己採点方式というものをやめて第二次出願というものを受け付けてやるんですけれども、その共通一次の前に繰り上げてやるということになっていくと、いわゆる受験産業の肥大化というようなことにつながりゃせぬかというような気がするんです。ですから、その辺で文部大臣としての御見解はどうなんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 私どもは、進路指導は基本的に高校と本人とが相談して行きたい学校、入りたい大学をねらって向かっていくのが当然の姿、形だと思っておりますから、受験産業の介入ということをできるだけやめなきゃならぬ。偏差値による輪切りという嫌な言葉がどうして出てきたかということを反省してみますと、自己採点をして志望校の変更ということを認めたところから受験産業の介入、介在が入ってきたことは先生御承知のとおりでございます。ですから、入りたい学校、行きたい学校というのを一次試験の前に複数で出願できるようにしておいて、そしてその結果に従って受験生が行動をする、受験機会が複数化にしてありますから志望校の変更を認めなくなったといっても受験生にとっては少しもマイナスはないと思います。そして、共通一次試験というものを受験産業が結果を全部収れんして、その中に高校までが介在していい子、悪い子、普通の子と点数だけで分けるところに、総理がおっしゃるように、アインシュタインやノーベル賞受賞者がはじかれてしまうような妙なことになってもいけないので、本人の資質や個性や能力を見る大学入学試験というものになるべく受験産業が介在しないようにしていきたい、こういう願いで複数化をやっております。
○柳澤錬造君 大変大臣いい御答弁いただいて、それで結局今度は複数受験ができるんだから、一番の問題、問題と言ってはおかしいが、デメリットというのはダブル合格者が出るわけでしょう。だから、その辺の扱いをどうするかということで、国大協の案でいけば入学手続の期間が三月二十一日から二十五日だということになっているんだけれども、補欠合格を早く決めるという関係からいけば、その二十五日なんと言わずにもっと繰り上げて二十三日ぐらいとか、そういうふうにしたら効果があると思うんですが、文部大臣いかがですか、そこは。
○国務大臣(海部俊樹君) おっしゃるように、複数希望をいたしますとその発表によって両方受かった人も結果としては出るわけであります。それは先生、各大学がいつ発表するかということといつ手続を行うかということ等についても今国大協自身で御検討願っておることで、具体的に先生たしか三月二十五日という国大協側の今議論の過程の日にちを挙げられましてそれを二日間早められないかと、このようなことでございますが、そういったことも全部含めて今議論をされておる最中と思いますので、そういった御趣旨を踏まえて、第二次の募集とかさらに補欠の合格者の発表とか、いろいろなことも大学はやっていくように検討しておると報告を受けております。 〔理事桧垣徳太郎君退席、委員長着席〕
○柳澤錬造君 だから文部大臣、お願いしたいのは、今国大協で盛んにやっているわけだけれども、任せておかないで、それなりにその辺はこういうことだぞと、AもBも、何か新聞を見るとBグループ三十なんと言っているんですから、そうじゃなくて半々ぐらいがいいぞとか、そういう点をそれなりの御指導の方法があるんですからおやりいただきたいということをお願いしておくわけです。 それから次には、これは外務大臣にお聞きをするんだけれども、外務大臣盛んに外国へ行かれて、その辺は敬意を表するのだけれども、いかがなんですか、北方領土の問題でこの間の三月十三日の朝日新聞によると、中曽根総理が仮に訪ソしても北方領土問題は絶対譲歩しない、四島はもちろんのこと二島も返還しないと言っているんですけれども、政府の御見解、どういうことになるんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) ソ連の領土問題に対する姿勢は依然としてかたいということは事実であろうと思います。これは、私が日ソ外相会談でソ連のシェワルナゼ外相との間で領土問題を論議した際においてもソ連側の態度は非常に厳しいものがあったと、こういうふうに私は存じております。 しかし、とにかくソ連との間ではこれまで数年間、ソ連は領土問題についてはもうテーブルに着くことすら拒否してきたわけでございますが、今回の会談において領土問題を含めて平和条約交渉をするということについて会談をしたわけでありますし、今後も引き続いて行うということを共同声明に両国の合意に基づいて明記をいたしたわけでございますから、今後とも日本としては領土問題をこの平和条約交渉の中で取り上げて、腰を据えで日本の主張を続けていかなければならない、こういうふうに考えております。
○柳澤錬造君 時間がないから細かいことは言わないけれども、問題は昭和四十八年の田中・ブレジネフ会談、あの日ソ共同声明の中身の解釈が、田中総理が帰ってきて日本の国会でやったことと向こうの政府が言っておることは違っているわけでしょう。これはその後の予算委員会で私は解明して、そしてそれじゃ、外務省が外交ルートできちんとしなさいと言ったけれども、その後も依然としてしていないわけなんですよ。そこはどういうふうに考えているんですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) その当時いわゆる田中・ブレジネフ会談において、領土問題について未解決の問題の中で処理をしていくということについては口頭合意が行われたわけでございまして、日本としては領土問題を平和条約交渉の中で取り上げるというのは当然のことでございますから、今回の会談におきましてこの点を提起いたしまして論議をいたしました。そしてその論議の結果についてはこの共同声明にはっきり盛り込んだわけでございますから、これから我々としては領土問題を含めた平和条約交渉ということで日ソ間で協議を続けていかなければならない。そしてその方向は、今回の外相会談において確立をされたと、こういうふうに思っております。
○柳澤錬造君 その未解決の諸問題の中に四島が入っているんだということの口頭了解、今大臣が言われたんだけれども、その証拠があるんですか。
○委員長(安田隆明君) 柳澤君、時間が参りました。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは両国の最高首脳が正式の会談の場において合意した厳然たる事実があるわけであります。
○柳澤錬造君 時間が来たからもうやめますが、それは証拠がないんですから、外務大臣はそんな逃げ口上を言わぬでください。 もう一つ聞きたいことは、北方領土は日本の領土だ、固有領土だと、これは総理も聞いていてほしいんだけれども、世界の各国の世界地図の中で日本領の色分けをしているのは韓国と中国と西独と、その後トルコがやった。四つしかないんです。アメリカですらも日本の領土という色分けをしていないんです。あれから何年かたつからもう一回ここで聞くんだけれども、外務省としてどの程度おやりになってどういう結果になったんですか、お示しください。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日本としては、北方領土はあくまで日本の固有の領土であるということで、各国に対しても地図等についてこれをはっきりしてほしいということはしばしばこれまでも外交ルートを通じても申し入れておりますし、その他のルートでいろいろと申し入れてきていることは事実であります。 アメリカは既にそうした日本側の趣旨を踏まえて、地図等につきましてアメリカ政府としての作成の方針をはっきり明示をいたしております。これはアメリカのそうした姿勢というものが世界的にもいろいろと今影響が出ていることは事実でありますし、残念ながらまだ世界全体というところには至っておりませんけれども、私も各国、特に自由国家群の諸国あるいはまた第三世界の諸国に対しても申し入れておりますし、これは今後とも努力をして変えさせていかなければならない、こういうふうに考えておりますし、だんだんとそういう理解は世界じゅうで広まってきている、こういうふうに認識しております。
○柳澤錬造君 もう一言だけ。 外務大臣、だから、五年かかってトルコが一つ変わっただけなんだから、今後速やかに外務省として各国に言ってやるということを、はっきりここで言ってくださいよ。約束できますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 政府としては最大の努力をして、各国に対して今後とも呼びかけをしてこの問題についての成果を上げさせなければならぬ、こういうふうに考えております。
○国務大臣(江崎真澄君) 私の方は担当庁でございますから、仰せのとおりだと思っております。これは一八五五年の日露、帝政ロシア当時の通好条約ではっきり国後、択捉は日本領、得撫島以北はロシア領ということで、この通好条約ではっきりしておることですから、今外務大臣の答弁に尽きております。これを大いにひとつ推進し、粘り強く進めていきたい。特に外務大臣がテーブルに着いてくれたということは、やっぱり高く評価をしておるものであります。 それから先ほどの東京の宅地問題については、今建設大臣とも詳細に打ち合わせておる最中でありますので、建設大臣も相当な決意でこの宅地問題解決に努力をしております。住宅局長が答弁しておりましたが、あの程度で解決するとは私ども思っておりませんので、もっと前進するように最善の努力をすることをつけ加えて申し上げておきます。
○委員長(安田隆明君) 以上で柳澤錬造君の質疑は終了いたしました。(拍手) 午後二時まで休憩いたします。 午前十一時四十五分休憩 〔休憩後開会に至らなかった〕