予算委員会 第9号
- 発言数
- 466 件
- 登壇者
- 51 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1986/03/14
会議録
○委員長(安田隆明君) 予算委員会を開会いたします。 昭和六十一年度一般会計予算、昭和六十一年度特別会計予算、昭和六十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 前回に引き続き、総括質疑を行います。 安恒良一君の質疑を続行いたします。安恒君。
○安恒良一君 前回、平和相互銀行の不正融資の問題、第三分類、第四分類の金額についてお聞きをしましたが、お答えができませんでした。私の調査では八百十三億、また今大蔵大臣のお手元にも新聞を差し上げていますが、金財等の数字は当たらずといえども遠からずと、こういうことでいいでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 新聞等で報道されております数字は私も拝見をいたしております。けさもちょうだいいたしました。これと検査結果とを対比することは差し控えさしていただきたいと存じますが、平和相互銀行の資産内容が相当悪化していたという事実の認識は御指摘と異なるものではございません。
○安恒良一君 御指摘と異なることではないということですから、大臣がやはり第三分類、第四分類八百十三億を事実上暗黙に認められたというふうに私は理解をします。 そこで、検査の結果の数字が言えないならば、内容はどうなっていますか。
○政府委員(吉田正輝君) 先般の検査の公表におきましては、平和相互銀行の経営姿勢、融資体制、信用供与の構造及び内容、大口信用集中、損益構造、内部事務管理体制等に関し問題が認められ、適切な再建計画が必要である旨指摘したところであります。
○安恒良一君 今回の検査に関連しまして、二月七日付で我が党の目黒議員より平和相互銀行が購入した「時代行列」についての質問の主意書が出ておりますが、政府は何一つ答えていません。ここで総理にもう一回このことについて御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 先般、質問主意書に対して閣議決定をいたしまして答弁をいたしたところでございますが、御質問の点につきましては、金融検査の性格にかんがみあれ以上お答えできないということについて御理解をいただきたいと思います。
○安恒良一君 私は理解をすることができません。 時間の関係がありますから、中身を聞きます。 それでは、コンサルティング・フォーラム社へ四十億の融資があったのかなかったのか、その点をお答えください。
○政府委員(吉田正輝君) 先日の目黒議員の質問主意書に対する答弁書におきましてお答えいたしましたように、特定の金融機関と特定の企業との具体的な取引にかかわる事柄につきましてその検査内容を開示いたしますれば、金融機関とその取引先との信頼関係が崩れ、円滑な金融取引に支障を来すおそれがあるとともに、検査への金融機関の協力を得ることが困難となり、検査の円滑な執行に支障を来すこととなります。このことは、ひいては預金者保護、信用秩序の維持に悪影響を及ぼすこととなりかねないと存じます。お尋ねの件は、特定の金融機関と特定の企業との具体的な取引にかかわる事柄でありますので、以上申し上げました理由により答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
○安恒良一君 理解ができません。というのは、この前もお示しをいたしましたように、時価一億からせいぜい五億と言われているものを四十億の高値で平和相互銀行が買ったことは事実なんです。でありますから、御承知のように延べ千百人、百四十三日間も検査された大蔵省が知っていないということはないと思うんです。このことについて明らかにしてください。
○政府委員(吉田正輝君) 恐縮でございますけれども、先ほど申し上げましたような、本件のような具体的な取引につきまして、特定の金融機関と特定の企業との具体的な取引にかかわる事柄でございますので、答弁を差し控えさせていただきたいと再度お願いする次第でございます。
○安恒良一君 私はやはり事柄によると思うんです。 では、私の方から言いますと、八月十七日に二十億、九月十七日に二十一億のいわゆる融資がされているではないですか。この点どうですか。
○政府委員(吉田正輝君) 取引の有無、その事実等については答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
○安恒良一君 平和相互銀行の内部の有力な証言によりますと、鶴岡、滝田氏のところに当時の審査部長、次長が呼ばれて株の買い取りの手付金、前渡金として四十億の融資に必要な手続が命じられています。二人は「時代行列」を買うことをさらさら知らなくて、この稟議書を出して、そして常務会が決定をしています。それならばこの稟議書をこに提出してください。
○政府委員(吉田正輝君) 金融機関から提出される資料その他を含めまして、本件に限らず、先ほど申し上げました理由によりまして、一般論で申し上げまして提出を差し控えさせていただきたいと存じます。
○安恒良一君 大蔵大臣に聞きます。そのことをはっきりしてください。
○国務大臣(竹下登君) これは銀行局長がお答えしたこと、そして先般の質問主意書に対するお答え、これが精いっぱいの措置であります。
○委員長(安田隆明君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(安田隆明君) 速記を起こして。
○安恒良一君 それでは、ほかの質問をまず先に続行します。 総理にお聞きしたいんですが、総理は二十一世紀に向けてたくましい文化と福祉国家ということを言われていますが、総理になられましてから、社会保障費、当然増だけで年間に約九千億から一兆円ある、それを三分の一ぐらいしか大蔵省は認めませんから、今まで総理になって、制度の改悪、繰り延べ、補助金のカット等々が次から次に重ねられています。 そこで、揺りかごから墓場までと、我が国は皆年金、皆保険でありますが、この制度を総理は将来どうしようとされているのか、厚生大臣、総理のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(今井勇君) お答え申し上げたいと思います。 今後の社会保障制度につきまして、私は大事な点は二つあると思っております。その第一は、本格的な高齢化社会というものを控えまして、年金とか医療といった基盤的な制度を揺るぎないものにしていくことがまず必要でございます。すなわち、人口の高齢化によりまして経費のふえてまいりますこれらの制度につきましても、給付と負担の両面から公平を図り、しかも国民の信頼に足るものとしていくことは極めて重要な課題であろうと思っています。また次に、第二の問題でありますが、寝たきりであったり、また体に障害を持つ恵まれない方々に対しまして思いやりのある施策というものを講じていくことがいわば福祉の原点であって、今後とも重要な課題と私は考えておるものでございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 社会福祉、社会保障は、政府の重大な政策の一つでございます。厳しい財政の中でも、できるだけ社会福祉、社会保障に今後も力を入れてまいりたいと思いますが、ことしの予算を見ましても、社会保障関係費が九兆八千億、防衛関係費が三兆三千億、アメリカやイギリスやフランスやドイツ等と比べてみましても、防衛費と社会保障関係費の比率というものは、日本は防衛費が非常に少ない比率になっておるのであります。我が国の特殊な国柄にもより、いろんないきさつもありまして、政府もそういう意味では防衛費を抑えて社会福祉費をできるだけふやすように努力しておりますが、今後もそうしたいと思います。 ただ、最近に至りまして、非常に長寿社会になって長寿の方々がどんどん大量にふえている、人口もある程度ふえている、そういうような関係から御老人に対する経費がかなりふえてきております。そういうことになって、将来を考えてみますと、今の若い方々が老人になったときにも、今あるいは今以上のいろんな給付を受けられるようにしておかないと我々としては無責任になります。そういう考えに立ちまして、社会保障関係全般が今の若い人たちにも同じように平等に報いられるようなシステムの改革を今やっておかなければいけない。そういう考え方に立ちまして、今の御老人には多少御不満が出る点があるかもしれません。しかし必要なことは、これはあくまでも堅持して維持していく、そういう考えに立ちまして、制度の安定的な維持、世代間の公平、給付と負担の公平、そういう考えに立ちまして今後も努力してまいりたいと思っております。
○安恒良一君 厚生大臣にお聞きしますが、アメリカのメディケートシステムはどうなっていますか。
○国務大臣(今井勇君) 詳細につきましては、政府委員に答弁させていただきたいと思います。
○政府委員(北郷勲夫君) おっしゃっているのは、メディケアあるいはそういったものを中心にしますアメリカの医療保険制度のことかと存じますが、アメリカでは老人を主といたしました仕組みだけがあるわけでございまして、全般的な全国民を対象とする医療保険制度はないわけでございまして、どちらかといいますと、民間の医療保険を一般的には適用する、こういう形になっておるわけでございます。
○安恒良一君 何%ぐらいカバーしていますか。
○政府委員(幸田正孝君) 公的保険は、ただいまお答えを申し上げましたように、老人あるいは低所得者を対象としたものでございまして、適用率は約一二%でございますが、メディケアとメディケート両方合わせますとおおよそ二〇%でございます。それから、国民の大体八割がそういった意味で、正確には七九%でございますけれども、民間保険に加入をしている、こういう状況でございます。
○安恒良一君 そこで、もう一遍総理と厚生大臣にお聞きしたいのですが、厚生省は既に人生八十年の社会保障ということで、吉村さんを中心にしていろんなことが研究されている。どうも厚生大臣の御答弁は抽象的ですから、日本の社会保障をどうしようとされているのかということについて、少し具体的にお考えを示していただきたい。 それから、今申し上げたようにアメリカとイギリスの制度では根本的に異なるわけです。ですから総理は、今後社会保障の根幹をやはり揺りかごから墓場までというイギリス型をとられようとしているのか、アメリカ型をとられようとしているのか、総理のお考えをお聞かせください。
○国務大臣(今井勇君) 先生お説のように、現在事務次官を長といたしまして、高齢者対策企画推進本部というもので、本格的な高齢化社会を迎えて二十一世紀までの間に講ずべきいろんな施策について検討させているわけでございます。具体的にどういうふうに内容がまとまっておりますのか、最終的な報告をまだ十分私は受けておりませんのでありますが、その中で社会保障あるいは保健医療、福祉サービス、それから医療保険、それから科学技術の振興などにつきまして、その整合性のある推進方策を検討いたしておると聞いておるものでございまして、間もなく私の手元にもその詳細な内容が上がってくると思っております。
○国務大臣(中曽根康弘君) 英国型、アメリカ型とは言われますが、揺りかごから墓場までという英国のビバリッジのあの理想というものは、イギリスにおきましても英国病だと言われたり、そういう関係でサッチャー政権のもとでは非常に大きな変化が生まれて、社会福祉に国家の介入というものは相当削減されてきております。 日本は、日本型社会福祉をやろう、そういう考えに立ちまして、必要最小限のものは国家が関係して面倒を見させていただく、国民健康保険にしても老人医療にしても同様でございます。必要最小限のものは国が確保していく。それ以上はできるだけ選択の自由ということも認めて、そして自由の量をふやしていく、あるいは民間商品をどんどん開発させて、よりよき給付やその他を受けられるというチャンスも与えていく、そういう考えに立って進めていくと思います。
○安恒良一君 総理、選択と言われたんですが、例えば厚生省の方針によると、国民健康保険なんかは将来はもう全部なくす、こう書いてあるんですが、総理の言われた選択という意味はどうでしょうか。ある一定以上は選択ということか、その選択の中味。
○国務大臣(中曽根康弘君) 最低限は国家としてこれに関係して保障していく。しかし、それ以上の部分については自由な好みというものも大いに尊重していく。そして、民間がいろんな商品やらサービスのいいものを開発して、それを国民の皆様方が選択していくということを我々は考えております。
○安恒良一君 そうすると、今アメリカのメディケートは全人口の二〇%だけはやっている。残りは民間健康保険ですから、総理のお考えも大体そういうところですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) アメリカと日本が必要最小限という限度をどの程度まで見ているか。国が介入して関係しているか、そういう点につきまして私は細かい数字を忘れておりますが、その辺は専門家にお聞き願えれば、日本とアメリカのニュアンスの差がわかると思います。
○政府委員(幸田正孝君) 私ども厚生省としましては、国民皆保険は昭和三十六年以来四分の一世紀以上経過しておりまして国民の間に定着をいたし、国民医療の確保の上で不可欠の制度というふうに考えております。したがいまして、必要にして適正な医療は公的な保険で私どもは確保いたしたい、こういう基本的な考え方でございまして、決してアメリカ型のような民間保険主体の健康保険に変えていく考えは全くございません。やはり今後とも公的医療保険が今申し上げましたような必要にして適正な医療を確保する主たるものでございまして、民間保険はその公的保険の発展を阻害しない形でこれを補完する、いわば従たる形で考えていくべきものだと考えているわけでございます。
○安恒良一君 そこで、時間がありませんから、この次にまたそれは掘り下げることにいたします。 いわゆる人口の高齢化のもとで社会保障関係予算は他の経費と基本的に異なる性質を持っているし、当然増があります。そうかといって、増税なき財政再建ではやれないと、こんなことで予算編成の時期に社会保障特別会計構想が出てきました。これに対して今井厚生大臣、竹下大蔵大臣、それから渡辺通産大臣、安倍外務大臣、総理からお考えを、これは将来非常に重要なことですから、ここでお聞かせ願えれば幸いだと思います。
○国務大臣(今井勇君) 社会保障の予算につきましては、おっしゃいますように高齢化が非常に進むことや年金制度が成熟化してまいりますので、毎年相当規模の自然増がこれは避けて通れないという性格を持っているのは先生のおっしゃるとおりでございます。こういった社会保障予算につきまして一般会計から切り離しまして、社会保障に関します給付と負担の関係を明確に示すという構想は極めて示唆に富んだものであって、社会保障の財政のあり方を検討する上で極めて有効な考え方と私は考えております。しかし一方、この問題は対象事業であるとか財源など検討すべき問題も多いわけでございますから、国の財政構造全体として問題もございますので、幅広く検討してまいりたいと思っておるものでございます。
○国務大臣(竹下登君) 基本的には厚生大臣からお答えがございましたが、これはいろいろな専門的機関あるいは日本社会党をも含めてこの提言をいろいろ私どもも聞かされております。そして今、厚生大臣からお答えがありましたように、示唆に富んだ御提案というので本勉強をしようじゃないかと、これはそのとおりに思っております。 そこで、いつも議論として問題になりますのは、逆な意味において硬直化しはしないかというような議論もございます。それから、いわば福祉目的税、こういうことになりますと、特定財源としてのあり方、このような問題が絶えず議論になるところでありますので、示唆に富んだ考え方であるという認識の上に立って、これから突っ込んだ勉強を財政当局としてもしなければならない課題だというふうに受けとめております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) よく勉強をしておりませんのでわかりませんが、長寿社会は大変なお金がかかって、今のように一般会計で、しかも一般会計が直接税に頼っているという中で、景気、不景気で直接税というのはふえたり減ったりしますから、そのたびごとに社会保障がぐらぐらするのでは困る。したがって、やはり社会保障の財源というのは切り離して、景気、不景気に関係のないものを財源にしていくことの方が社会保障の安定が図れる、そのために切り離すという考え方が出ておるんではないか、そう思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 我が国の社会保障制度は長い時間をかけまして積み上げられたものであろうと思います。この根幹は堅持していくべきだと、私はこういうふうに考えておるわけでございます。しかし、長寿社会を迎えるに当たりまして社会保障予算は必然的にふえてくる傾向にあるわけでございます。そういう中で給付と負担の割合をどういうふうに持っていくかということも踏まえて、いわゆる一般会計から切り離して特別会計に持っていくという構想につきましては、先ほど大蔵大臣も答弁いたしましたように、私も示唆に富んだ構想ではないか、研究に値する、こういうふうに思っております。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大蔵大臣と同じであります。
○安恒良一君 私は、一般会計において既に生じている赤字の穴埋めの財源としてでなくて、高齢社会で継続的に増大が予想される年金を中心に社会保障給付に当たっては特定の財源を検討する、これはもうここまで来ると党派を超えて避けて通れない道だというふうに思いますが、この点について厚生大臣、それから大蔵大臣、どう考えられますか。
○国務大臣(今井勇君) 今の年金の問題でございますが、特別会計につきましては対象事業の範囲だとか財源をどのように考えるか、いろいろ考え方があろうと思います。そこで、先生の御意見というのは一つの貴重な御意見、考え方でございまして、御意見も十分に参考にしながら今後とも真剣にその内容等につきまして検討してまいりたい、このように思っております。
○国務大臣(竹下登君) 特に私の方は財源問題ということになろうかと思います。したがって、先ほど来示唆に富んだ提案としてお互いが問答をいたしましたいわゆる福祉目的的財源というものをさらに範囲を狭めて、年金というものを対象にした財源のあり方ということも御提言いただいておりますし、今まで中身についての議論までしていただいておりますので、これからも財政当局としても掘り下げた議論をすべき課題であるというふうに思います。
○安恒良一君 そこで、平和相互問題に戻りますが、なぜこんな取引が行われたかという背景は、佐藤茂氏が持っている平和相互銀行の株二千百六十二万株を適正価格で買いたいということで「時代行列」購入という問題が始まっています。ですから、先ほどの稟議書の提出を求めている平和相互銀行の融資については、不当な融資をめぐって政治献金、株の買い戻しなどの疑惑が言われています。一般的な理由による提出拒否は断じて認められません。この点とうしますか。
○政府委員(吉田正輝君) 先ほど申し上げましたとおり、個別の取引でございますので提出を差し控えさせていただきたいと存じます。
○安恒良一君 これを橋渡しをしたという人は大蔵省銀行局特別金融課長を経験した磯江重泰氏が橋渡しをしたというふうに言われていますが、この点はどうですか。
○政府委員(吉田正輝君) 本件につきましても、先ほど申し上げましたようなことで答弁を差し控えさせていただきたいと存じます。
○安恒良一君 だめです。何を聞いても言えないということならだめです。何を聞いてももうすべてやみからやみに葬り去るということはだめです。
○委員長(安田隆明君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(安田隆明君) 速記を起こして。 本問題につきましては、なお政府において調整が必要ということでございますので、本問題に関する安恒君の質疑は後刻に譲ります。 —————————————
○委員長(安田隆明君) 次に、大川清幸君の質疑を行います。大川君。
○大川清幸君 通告申し上げました質問に入る前に、去る十一日の本委員会の席上で我が党の中野鉄造委員の予算審議に係る質問で、実際にもう三月の半ばへ来ておるわけですが、毎年どうも年度を越して予算が成立するということで、空白をつくった場合の暫定予算についていかがかという御質問を申し上げまして、大蔵大臣、総理からそれぞれ御答弁いただいたんですが、総理の御答弁は、あの日ちょっと虫の居どころでも悪かったんですか、そっけなかったように思うので、ちょっと納得いかないのでもう一回御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 三月十一日の本委員会における中野委員に対する答弁は舌足らずでありましたが、大蔵大臣の答弁と同趣旨でありまして、暫定予算という事態になりませんよう、ひたすら円滑な御審議をお願いいたしたいということでございます。
○大川清幸君 実際に今三月の半ばで、年度末ももう目の前に来ておりまして物理的になかなか困難だ。委員会側といたしましても予算審議につきましてはみんなそれなりの努力をするわけですが、どうも物理的に困難ではないか、こう思われるわけでございまして、暫定予算についてはいかがなものですか。対応なさるお気持ちは持っているんでしょうね、どうなんですか、もう一回御答弁願います。
○国務大臣(竹下登君) 予算の空白が生じてはならぬ、したがって、その際は財政法の定めによる暫定予算と、それは大川さん、今準備しておりますなどということは、これは言えるものではございません。今ひたすらひたすらこいねがうということであります。
○大川清幸君 総理も同じですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) ただひたすらこいねがうのみであります。
○大川清幸君 委員長、これは毎年各党の意向を入れまして歴代の予算委員長さんが政府に対して警告している問題でもあるわけですから、理事会で一回検討していただくようにお願いしたいんですが、どうですか。
○委員長(安田隆明君) 大川君の今の発言は重々承っておきます。
○大川清幸君 理事会で検討はしていただけるんですね。
○委員長(安田隆明君) 理事会で相談させていただきます。
○大川清幸君 次に、通告申し上げた問題について御質問を申し上げたいと思いますが、初めに文部大臣にお願いいたします。 毎年NHKでは、成人の日すなわち一月十五日に全国の青年の代表といいますか、伺うと今回は四千二百五十八人応募されたそうで、その中の九人の方々がそれぞれ当日主張を発表になられておりまして、この行事には文部大臣、それから皇太子御夫妻や浩宮様も御出席だったように私は記憶するわけでございます。 例えば沖縄の根間さんという十六歳の女子高校生などは、身体障害者といいますか、聾唖のお父さん、お母さんと妹二人、その中でたった一人の健常者で、これが「私の青春に迷いはない」という題で、今後も手足の不自由な御家族などの役に立っていきたいというような考え方を発表なさっておりますし、兵庫県の農村のある青年は、十六歳の高校生ですが、お父さんが実現しなかった但馬牛の日本一を目指してこれから頑張ろうとか、挫折した目的をもう一回立ち上がってやっていこうというようなことや、それから定時制の高校に通っている十六歳の阿部さんという、これは福島県の女子高校生だったと思いますが、昼間働きながら一生懸命スポーツに取り組み、やがては看護婦の資格を取って社会に尽くしていこうというような大変貴重な発表があったわけで、これはそう言っては申しわけないんですが、大人のいろいろな教訓ですとか何百、何千の教科書よりも同年配の青少年にとっては極めてインパクトの大きい効果があるのではないか。こうした自分の生活環境に打ちかって、苦労に打ちかって、人生の目的あるいは生き方、こういうものを述べておられるのですが、これは本当に純真な青少年の魂の叫びだと思うんです。 これは私、たまたま二月一日の再放映だったそうでちょこっと伺ったんですが、聞いてみると前後二回ぐらいの発表、それからNHKで出しているこんな薄いパンフレット、これが価格が二百円で送料が百二十円、大変高いんですよ。恐らくろくに頒布しないからこの程度で高いのだろうと思いますが、こうしたやはり貴重な青少年の真摯な声というものはもう少し広く一般の青少年に聞いていただくチャンスをつくっていいのではないかと、こう思います。ただ、報道のいろいろな制限や番組の組み方その他の問題があろうかと思いますが、そうした機会を拡大するような方法は考えていただけませんか、いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の青年の主張の大会には私も同席させていただいて、代表の意見の発表は、先生と同じように何かこう、じんとくるような、涙が出るような気持ちで聞いてまいりました。御指摘のように、同世代の人々がああいった試練に耐えたりあるいは自分で歯を食いしばって頑張ったりしておる青少年の生き方に感銘をし、では自分もひとつやってみようという新たな励みを持つようになるとも私も思いますので、これはNHKの方で再放送ももう既にされておりますし、文集等も出しておられますけれども、さらに一層これが周知徹底されますようにNHKに御協力方をお願いしてみたいと、こう思います。
○大川清幸君 総理、いかがでしょう、御所見があればお願いいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 海部文部大臣と同じ考えを持っております。
○大川清幸君 そこで、これは技術的にいろいろ難しい問題もあるのですが、先ほど安恒委員の質問の中でも高齢化社会の問題が取り上げられておりましたが、二十一世紀に向かって高齢者がふえることは事実でございまして、こうした方々への年金、医療の問題は十分対応しなければならないのは当然でございます。 そうした手厚く福祉対策をやる等のほかに、八十歳、九十歳でかくしゃくとしていろいろなものに取り組んで、むしろ建設的な仕事をなさっている方もたくさんいらっしゃるわけで、青少年のように年に一度どこかへ集まっていただいて主張を発表していただくなどというのはなかなか無理ですが、調べてみますと、NHKさんなんかでも例えば「お達者くらぶ」で、何かウイークデーにいろいろお年寄りのための番組を組んでおるし、それから敬老の日などには各地方の自治体やそれから民間団体でも、お年寄りを励ましたりお見舞い金を差し上げる等の温かいいろいろな行事が行われておりますが これは三年に一遍とかあるいは二年に一遍とかあるいは敬老の日を制定して何周年とかに、全国からそういう方々の御意見を一回拝聴する意味で、お出かけ願うのが大変ならばどこかの団体等を通じて意見を出していただく、そういう発表の機会があったらこれはなかなかいいのではないか。 と思いますのは、評論家、学者さんあるいは我々議員等はいろいろ発表する機会がありますが、民間の中でそうして前向きに例えば二十一世紀の福祉はこうあったらいいとか、日本の国の教育はこうあったらいいとかという、これは長年の生活の経験と知恵、こういうものを持っていらっしゃる方がおりますから、折を選んでそういうようなことはできないか。スポンサーの団体等を見つけたり、なかなか難しい問題はあるのですが、その方向で例えば肝いりを厚生省あたりでやってみるというようなことは考えられませんか、どうですか。
○政府委員(小島弘仲君) 先生お話しのように、老人の積極的な社会参加という意味で、お年寄りの方々のそれぞれの人生経験や長年の経験の蓄積の上に立ったいろいろなお考え方を発表してもらうということは非常に有意義なことだと考えております。お話しのようにNHKでも、先生お話しのほかに、敬老の日には「老人の主張」というようなことも取り上げられていもようでございますし、また厚生省を中心に実施しております老人の社会参加の促進事業の中で、特に老人クラブ活動の中でそういうような催しを現在も実施しております。さらに、全国の老人クラブの連合会でも、老人の主張を編集いたしまして優秀なものを作品集として配布するというような事業もやっておりますが、さらにこれらの活動を積極化する方向で検討さしていただきたいと思っております。
○大川清幸君 厚生大臣か総理、御意見ありましたらお願いをいたします。いかがでしょうか。
○国務大臣(今井勇君) ただいま政府委員が答弁いたしましたように、やはり私どもとしましては、老人の持っております豊富な経験、そういったものを生かしながら、それを受け継ぐ形で私どもがしっかりやっていこうという形、そしてまた老人のいろいろな問題については私どもがしっかりとまた支えて差し上げようという形でいくのが基本だろうと思っております。
○国務大臣(中曽根康弘君) 御老人の長い人生の中の貴重な御経験を次の世代の人間にいろいろな面から話してあげるということは非常に有意義であると思います。したがいまして、政府といたしましても関係団体等とも相談をして、できるだけ前向きに御趣旨に沿った方向で努力をしてみたいと考えます。
○大川清幸君 その点はよろしくお願いをいたします。 次に、公営住宅の家賃の自動振り込みの問題でちょっと自治大臣とそれから郵政大臣に御意見をお伺いしておきたいと思うんですが、東京都の公営住宅の家賃の直接振り込みにつきまして東京都の通知では「二月十五日までに手続を済ませてください。」ということで、「手続は簡単で、次のものを預金口座のある銀行などの窓口に提出するだけです。」というようなことですが、その下に注意書きがございまして、「銀行のほか、信用金庫、信用組合や農協も利用できますが、郵便局は利用できませんので御注意ください。」と、こうなっているんですよ。 これは自治省の方では、地方自治法の関係でいろいろ問題があり、証紙による収入の方法とか口座振替の方法による歳入の納付等の解釈の問題等。それから郵政省側の言い分を聞いてみますと、 自動払込みは、郵便貯金を払戻し、その払戻金をもって郵便振替による公金の払込みを行うものであり、従来の「払込み」と何等変るものではありません。 したがって、地方自治法に定める口座振替の規定を適用されるべきものではないものと考えます。 自治省の見解は、口頭による行政指導であり、全国の地方公共団体の四百五十市町村においては、これにかかわらず、お客さまの利便を優先し、税金、住宅使用料等の収納に自動払込みを採用しています。こうなっておりまして、両省の見解が分かれております。 これが都民に配られましたときに六十件ぐらい東京都住宅局にいろいろな問い合わせがあったわけでございますが、実際今使っていらっしゃる方々の利便を考えたならば、両省でこれはよく相談していただいて、だめですよというような一片の通知では今まで利用している人も大変困るわけですし、聞いてみると、東京都住宅局もこれには困りながらこういう周知徹底の文書を出したんですよ。ちょうど両大臣おそろいですから、それぞれの御答弁を伺っておきましょう。
○国務大臣(小沢一郎君) 地方自治法あるいは政令等の解釈の問題につきましては、詳しくは政府委員からお答えいたしますけれども、今先生御指摘のように、郵貯の問題につきましては基本的にはその背景に国の郵政事業と民間の金融機関の基本的なあり方についての議論の問題があるであろうと思います。しかしながら、これらもいわゆる国民の便宜、国民のニーズにこたえて、そしてそれに対応していくというのがどちらにいたしましても使命であろうと思います。したがいまして、そういう点を踏まえまして、法の運用を国民のより一層便宜のために、またサービスの向上のために努めるようにしていかなければならないと、私はそのように考えております。
○国務大臣(佐藤文生君) 私は先生の御意見と同じでございまして、住民の利便を考えればやはりぜひ郵便局も使っていただきたい、こういうぐあいに思っておりまして、今度は東京都の方が郵便局だけは除外するということで非常に残念に思っておりますけれども、今後折衝を続けまして、使っていただくようにお願いを申し上げていきたいと、こう思っております。
○大川清幸君 両大臣から御所見を伺いましたので、何も両省でけんかをする必要は全くありませんから、前向きでひとつよく相談をしてこの問題の解決をお願いいたしたいと思います。それでよろしいですね。 次に、財政問題に入りたいと思います。 いわゆる増税なき財政再建、昭和六十五年度赤字公債脱却の基本方針、これは今後も継続していくのですかと聞くとお気持ちの答弁になるから、現実の問題として物理的にできるのですかできないのですか、この辺を伺います。
○国務大臣(竹下登君) 六十五年度までに特例公債依存体質から脱却するという努力目標の達成は容易ならざるものがあるという考え方には立っております。しかし、財政改革の推進はぜひともなし遂げなければならない国民的課題でございますから、目標達成に向けて今後とも全力を挙げて取り組んでいかなければならぬというふうにいつもお答えをいたしておるところでございます。
○大川清幸君 ところで、これを持続して今後も財政運営あるいは予算編成をやっていかれるとなりますと、今までにも衆議院でも当参議院の予算委員会でも各議員からたびたび指摘をされておりますので、具体的な問題はここで一々取り上げませんが、現在も発生している財政運営上のいろいろな弊害やゆがみ、これは今後も拡大する心配があると思いますが、全然そういう心配はなさっておりませんか。
○国務大臣(竹下登君) これは議論のあるところでございますが、このままでいわゆる赤字公債依存体質というものを続けていけば、なおのことそのゆがみ、ひずみが財政の体系の上にはできる。したがって、やはりその生ずるであろうゆがみ、ひずみというものを是正するためにむしろこの措置を続けていくべきであるというふうに考えております。
○大川清幸君 ちょっと何か今の御答弁聞いていると、ゆがみあるいは弊害をなくすためになお持続するというふうに私は受け取ったんですが、そういう受け取り方でいいんですね。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる赤字公債依存体質というものを仮に将来とも続けるということがあれば、それから生ずるゆがみ、ひずみというのはまさに財政上大変なものになる。したがって、そういうものを生じさせない手法の一つとして赤字公債脱却の目標年次を定めて、努力目標に向かって進むというのが私は現状、適切な政策選択の手段ではなかろうかと、こういうふうにお答えしたわけであります。
○大川清幸君 どうも大蔵大臣の御答弁、大変静かで御丁寧なんですが、いつも聞いていると内容がなかったり矛盾していたりということがたびたびありますので、今の御答弁もちょっと私納得いかないのですが、時間がないので次の問題に進んでみたいと思います。 財政政策のあり方については私、後で意見を交えながらちょっと御提言を申し上げてみたいと思うのですが、先に、今のゆがみとか増税なき財政再建はおっしゃるとおりになっていない、国民の側から見るとどうもお言葉どおりになっていないということを幾つか指摘をしてみたいと思うわけでございます。 五十七年度から六十一年度までの五年間の国民所得に対する国民負担の割合、状況がどうなっているかということをお伺いしたいと思うんですが、これは国税、地方税の負担率とそれから社会保障の負担率、三つについて御報告願いたいと思います。
○政府委員(尾崎護君) 五十七年度から六十一年度の五年間におきまして国税、地方税、社会保障負担の国民所得に対します比率は、大体それぞれ。〇・九%前後上昇してきております。
○大川清幸君 社会保障負担の方は。
○政府委員(尾崎護君) 社会保障負担の国民所得に対します比率も〇・九%上昇してきております。
○大川清幸君 そうすると、国税あるいは地方税で〇・九、ただいま御報告ありましたように社会保障の負担の方も〇・九。二・七%の増ですね。したがって、国民の側から見ますと、増税なき再建と言うけれども、総理もお言葉がうまいから、でこぼこ調整というようなうまいことをおっしゃって、結果としては国民にこれだけやっぱり負担を押しつけた結果になるんですよ。ですから、看板とはちょっと違うんで、詐欺とまでは言いませんが、やっぱり増税なき財政再建というふうには国民の側から言うと受け取れないと思うんですが、総理はどうお考えになっていますか。
○国務大臣(竹下登君) これはいつも議論いたします増税なき財政再建の増税なきというものの定義論から入っていくわけでございますが、その議論は別といたしまして、基本的には経済の拡大に伴いまして自然増収によって緩やかに上昇しているものでございますので、いわば新たなる税目をもって増収措置を考えて国民の皆様方に押しつけたという範疇には入らないというふうに思っております。
○大川清幸君 いや、国民の方は押しつけられたと思っていますよ。 次に、財政構造上のゆがみはそれではどんなものがあるだろうか、挙げれば限りがないので、渡辺大臣が大蔵大臣のときの五十七、八年ごろさんざん議論したんです。言葉は悪いですが、大蔵省も嫌うんですけれども、いわゆる先送りツケ回しというのを私あのころ大分具体的に指摘したのを御記憶だと思います。それから本年度についても、衆議院の予算委員会で我が党の正木政審会長が約十兆円前後の後年度負担についても指摘を既にしたところでございますが、地方の補助金のカットを三年に区切ってやるとか、そのほか時限措置で当面を糊塗した問題がかなりありますよ、一々言っていると切りがないですからやめますが。そこで、一般歳出の伸び率ゼロ方針というのは、これはある意味では財政再建、財政改革のためには一つのやはり歯どめとして大切なところだろうと私も理解をいたしますけれども、予算技術の悪用にわたることまでやってもらっては困るんです。 具体的に一つ例を言いますと、例えば昭和六十年度のガソリン税の道路整備特別会計への直入、なんでこんなことなさるんですか。これは一般会計の総合主義を破る典型的な事例です。どう思っていますか。
○国務大臣(竹下登君) 後ほど正確を期すために主計局長からお答えをさせますが、地方道路整備臨時交付金、そしてその財源として揮発油税の一部の道路整備特別会計直入、これは六十年度から六十二年度までの臨時措置としまして、昨年これは全党賛成で本当は通していただいた法律案でございます。これは地方道のおくれに対する措置として、従来の譲与税というような問題もございますので、現行の六十年度予算と申しましょうか、現在動いておる六十年度予算の中で御理解をいただいた措置であるというふうに理解をしております。
○政府委員(吉野良彦君) ただいま大臣から御答弁ございましたとおりでございますが、若干補足をして御説明さしていただきます。 いわゆるガソリン税の直入でございますけれども、御承知のように政府全体として今いわゆる第九次の道路整備五カ年計画の達成に努力をしているわけでございますが、その中でも特にいわゆる地方道の整備がおくれておるというような状況にかんがみまして地方道の整備の財源を優先的に確保したい、しかもいわゆる補助金ではございませんで、地方のかなり自主的な判断で使うことができるというような性格を持ちました地方道路整備臨時交付金といいますものを六十年度に新たに創設をいたすことにいたしまして、その財源として、言ってみれば一般会計の財政事情に左右されないで財源が優先的に確保できるようにということで、道路財源でございますガソリン税の一部をその財源に充てるということで法律をお出しをいたしまして、御審議をいただきまして六十年度から六十二年度、ちょうど今の道路整備五カ年計画が六十二年度に終わることになっておりますので、その六十二年度までの三年間の特例措置ということでお願いをして御了承いただきまして、六十一年度もこの法律に従いまして予算措置をさしていただいているわけでございます。
○大川清幸君 政治的な答弁は局長にしていただくつもりは私全然ありませんので、一般会計の総合主義についてどうかと聞いて、それをお答えになっていないんですよ。議会側でこれは法案としては賛成してもらったし予算も通していただいたから御了解願いたいと、それはそれでいいですが、今後のことを私心配するから言っているんです。 じゃ、もう一つ例を挙げますよ。 六十一年度農水省関係の中央競馬会の納付金の問題ですが、これは六十一年、六十二年でそれぞれ百五十億ずつで合計三百億、農業経営基盤強化措置特別会計にこれも直入しましたが、この措置はどうしてこんな直入の措置をとったんですか。
○政府委員(吉野良彦君) これも御承知かと存じますけれども、農水省の農業経営基盤強化措置特別会計におきましては農業改良資金の貸付金の運用をいたしているわけでございますが、特にいわゆる補助から融資へというような基本的な方向にも沿いながら、六十一年度から特に畜産振興に重点を置いて農業改良資金の運用をやっていこうという考え方に基づきまして、農業改良資金の貸付財源の一部といたしまして中央競馬会の積立金の中から特別に六十一、六十二年両年度にわたりまして特別の御協力をいただくということで、この特別会計の財源として直接に御協力をいただくということにしたわけでございます。
○大川清幸君 それでは、中央競馬会の出資金はどこから出ていますか。
○政府委員(吉野良彦君) 中央競馬会の資本金でございますが、もともと中央競馬会はそれまで国営競馬特別会計で運営しておりましたものが昭和二十九年に中央競馬会が設立をされまして、それに伴いまして、当時までこの国営競馬特別会計に属しておりました資産を、これを特別会計がなくなりますものですから一般会計に引き継ぎをいたしまして、一般会計から出資をするという形になっているわけでございます。
○大川清幸君 ですから制度の変更があった経緯も私よく承知しておりますが、現実の問題として現在一般会計なんですよ。ですから中央競馬会の特別積立金にしても一たんやっぱり一般会計へお戻しになって、必要があれば出資目的をはっきりした上で予算技術上はそういう措置をしてもらうのが当たり前なんですよ。違いますか。
○政府委員(吉野良彦君) 一般的に申し上げますと、一般会計に御協力をいただく形はいろいろあるわけでございますけれども、先ほども申し上げましたように、もともと中央競馬会というものの事業あるいはまた事業に伴います利益の一部は、御案内のように一般会計に国庫納付金としてちょうだいをしているわけでございますが、今回お願いをしておりますのは、一般的な利益納付ではございませんで、積み立てられた積立金の一部を特別に御協力をいただくということでもございますし、それからまた、もともと競馬会の運用によって生じます財源は畜産振興と密接に関連をいたします。先ほど申しましたように、特に畜産振興に重点を置いて農業改良資金の拡充を図っていこうということでございますので、そういった趣旨なり目的からいって、直接に特別会計に御協力をいただくというのが最も適当ではないかと、こういうふうに判断をしたわけでございます。
○大川清幸君 予算編成の玄人でそれに責任を持たなきゃならない局長の答弁として私はどうも納得いかない。 自治大臣、ちょっと飛び火して申しわけないけれども、地方公共団体の会計というのは一般会計、特別会計あるいは公営企業会計と極めて明確なんですよ。国のようにこうした便宜的な法律なんかつくる権限も何にもないから、これは会計のけじめはきちんとせざるを得ないんですよ。例えば経済力のない、そう言っちゃ悪いけれども、山梨県あたりでもあれは道路なんかの企業会計でやってもうかり過ぎて、もうかり過ぎたかどうかわかりませんが、留保財源がたくさんできて、一般会計へ繰り込めないから、全国で評判になるようなとんでもない高い絵を買ったんで有名になった、あの美術館。そこまでやって、この制度がいいかどうかは別として、会計というものはそういうものなんだ。私はこれは何も局長をつるし上げるんじゃなくて、大蔵省として今後財源が枯渇すればするほど一般会計という基本をきちんと踏まえてもらわないと困るので、むしろ局長を応援のつもりで僕は質問しているんだから、大臣が政治的な答弁をするのはわかるけれども、予算の技術屋としての今のような答弁は僕は納得いかない。地方公共団体ではそういう会計のけじめをきちんとしているかしていないか、状況を御存じだったら報告してください。
○政府委員(石山努君) 地方公共団体における会計の設置の問題でございますけれども、今お尋ねの中にもございましたが、一般会計と特別会計の二つがございまして、特別会計につきましては、地方自治法の規定に基づきまして、「一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合において、条例でこれを設置する」と、こういうような仕組みになっております。
○大川清幸君 それは条例で便宜的にやる場合もあるけれども、地方議会での予算の審議というのはそういう点は極めて細かいし、議会の目はちゃんと通るんですよ。やるにもけじめはつけるわけ。これは特例法をつくっておやりになるから法律違反でないことは私は承知ですけれども、今増税なき財政再建とか、もう本当に経費を切り詰めて効率のいい予算編成をこれからもやっていかなきゃならないときに、これは百歩譲ってそれじゃ、この方法でいいですけれども各省庁が自分の所管分だからこれはこれでバイパスでやりますよというようなことになって、一般会計から出たものも全部使うときは勝手にやられたら、これは予算編成なんか大蔵省としてできなくなる。だから、そこのけじめを今はっきりしておきなさいと私は言っているんです。局長答弁してください。
○政府委員(吉野良彦君) 一般的に申し上げますれば、国の予算は一般会計を中心にして構成をされておりますし、それからまた特別会計は特別会計それ自体新設は厳に抑制をするというような考え方で運用されております。かつまた、一般会計と特別会計との間のけじめと申しますか、それは厳に守っていかなければならないというふうに思います。 したがいまして、御指摘のような御趣旨は、私どもも今後よく一般会計と特別会計との間のけじめを安易に乱ることのないように注意をしてやってまいりたいと存じます。
○大川清幸君 ぜひそれは守ってもらいたいと思います。 農業経営基盤強化措置の中身はどういうことですか。さっき局長からそれらしい説明があったんですが、これは担当大臣からちょっと中身を伺っておきましょうか。
○国務大臣(羽田孜君) これは、中心は畜産の資金であります。そのほか稲作の資金、畑作資金、果樹資金、野菜資金、養蚕資金、そして一般資金というふうになっております。
○大川清幸君 ですから、畜産の部分も入っているんですけれども、今言った各項目に使うことについては、本当は厳格に言ったらちょっと問題があるのじゃないですか、だから一般会計へ入れろと言っているんですよ。どうなんですか。
○政府委員(吉野良彦君) お話しのように、農業改良資金のすべてが畜産振興に充てられるものでないことは御指摘のとおりでございますが、六十一年度でお願いをしております特別会計の中身は、農業改良資金の中でも特に大部分畜産振興に重点を置いて拡充をしていくという内容にもなっておりますので、そういった点で大変密接な関連があると、こういうふうに理解をしているわけでございます。
○大川清幸君 まあいろいろわかるけれどもね、板挟みだから。立場はわからないことはないけれども。 農水関係で、予算はやっぱりゼロシーリングで削り込んだんでしょう。見返りでしょうがないのでこれは出したというような邪推もできるんだよね、例えばたばこの値上げの財源みたいに。こんなことをやっていると、僕は予算制度が成り立たなくなるという心配をするから、さっきからやかましく言っているんですよ。 大蔵大臣、こんな操作までやって、予算の原則までどこかでゆがめちゃって財政運営をやるというのは、やっぱりこれは四年連続してゼロシーリングでやっているけれども、格好はゼロの形にようやくなっていますけれども、余り自慢できる財政運営じゃないと思いますが、御所見いかがですか。御自分のことを言うのも言いづらいでしょうけれども、いかがです。
○国務大臣(竹下登君) 大川さんの持論というのは、要するに財政法第十四条は「歳入歳出は、すべて、これを予算に編入しなければならない。」、いわゆる総合予算主義という原則からすれば、一般会計はなるほど前年度同額以下に抑えたかもしらぬが、あるいは総合予算主義の中では一般会計へ入れてそして出しても理屈の通るものを、あえてバイパスをつくって、そして一般会計を前年同額以下に抑えるための便法としてこれらの措置をみだりにとることはけしからぬと、大筋そういう話だと思うのであります。 しかし、この問題一つ一つは、それは地方道の問題あるいは畜産振興の問題等につきまして、特別会計とはいえこれも総合予算主義の原則にのっとってやったものでございますから、おっしゃるとおり違法性があるとはお互い思わない。 しかし、本来はやっぱりいわゆる財政法第十四条の思想というものは、財政当局者としてはいつも踏まえていなければならない考え方であるということについては、また私も決してそれを否定するものではありません。
○大川清幸君 これは総理、財政運営上随分苦しんで、歯を食いしばってやってきたのはよくわかるんですが、もう限界に来ていますよね、この財政運営は。そう思っておりませんか、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 毎年毎年限界に来ておるのじゃないかということを予算編成が済むや否や感じながらも、また歯を食いしばって、制度、施策の根本にまでさかのぼって、今日いろいろな御批判をいただきながらも来ておるわけでありますから、既にして予算編成の技術的にも限界に達したものであるという認識の上に立ちますと、その時点から私どもがいわゆる厳しい財政措置ということに対する意欲も何も失われてしまう。だから、やっぱりこれは歯を食いしばって頑張り続けると、こういうことでありましょう。
○大川清幸君 予算が通りますと、やっぱり無理であったなと腹の中で本音は思うんでしょうけれども、時間がないので次の問題、もう一つ問題点を取り上げてみましょう。資源配分と経済政策の関係のゆがみについて指摘してみたいと思うんです。 五十八年度以降六十一年度までの社会保障と公共事業及び防衛費、これは予算に占める構成比率はどうなっておりますか、御報告ください。
○政府委員(吉野良彦君) まず一般歳出に占めます構成比でございます。五十九年度から申し上げさしていただきますが、社会保障関係費は五十九年度二八・六、六十年度二九・四、六十一年度三〇・二。それから公共事業関係費でございますが、五十九年度二〇・○、六十年度一九・五、六十一年度一九・一。防衛関係費でございますが、五十九年度九・○、六十年度九・六、六十一年度一〇・三というような構成比になっております。
○大川清幸君 これは資源配分の上でいって、数字を見まして、そちらはゆがみでない、外国の例に比べても基本的には防衛費なんかも総額では小さいからというようなことを言っておりますが、資源配分という構成比率から見ますと、やっぱり社会保障費というのは、ここのところいろいろな自然増があっていいはずなものが横ばいですよね、数字の上では。それから公共事業というのは、これは内需拡大その他貿易摩擦の解消のためにもいろいろ措置をしていかなきゃならないんだが、財政事情が許さないために抑え込んできた。むしろ実額でもダウンしてきているような傾向というのは明らか。防衛費だけは突出突出と言いますが、突出という表現がいいかどうかは知らないけれども、ふえている。 その中で、私はきょうは防衛費などのことについて論議するよりも、公共投資が経済の拡大、内需拡大については大変必要なときであるが、これの状況がやっぱり今後の財政政策、景気対策からいっても問題ではなかろうかと思うのでありまして、五十八年度それから六十一年度のGNPに対する固定資本の形成状況、これはどうなっていますか、これも数字でちょっと報告していただけますか。
○政府委員(吉野良彦君) いわゆる公的固定資本形成のGNP比、GNPに対します比率でございますが、五十八年度が八・二%でございます。それに対しまして六十一年度、現在御審議をいただいております予算、あるいはその予算の前提になっております経済見通しの数字で計算をいたしますと、これが六・五%でございます。 ただ、一点補足をさしていただきたいと存じますが、御承知のように六十年度からいわゆる従来の電電、専売両公社が民営化されまして、統計上も六十年度からNTTなりそれから日本たばこ産業株式会社に係ります固定資本形成は民間部門の方に移っておりますので、仮に従来と同じように公的固定資本形成の上に試算をして加算してみますと、六十一年度は先ほど申しました六・五%というのが七・〇%ぐらいになろうかと存じます。
○大川清幸君 建設大臣、今局長から報告があったんですが、電電とかたばこは別にして、建設省関係の固定資本形成、この状況をちょっと御報告願いたいんですが、どうですか。
○政府委員(赤羽隆夫君) 特に建設省所管の事業といったようなブレークダウンをしておりません。内訳はしておりません。
○大川清幸君 わかりました。 GNPベースで公的固定資本形成、これは金額でいつでも、さっき局長の言った条件は私承知していますけれども、金額で見ても五十八年が二十三兆四千億円、六十一年が二十一兆八千億円。多少の事情はわかりますけれども、むしろふやしていかなければならない公的固定資本形成というものは実額でも実際ダウンしているわけでしょう。それからGNP比で見ても、さっき御報告があったんですけれども、五年前の五十六年度の九・三%から六十一年度は六・三%、三分の二の水準ぐらいに今なっているはずですよ。 これから見ると、今後の問題を私心配するわけですが、ここでちょっと伺っておきますが、六十年度に終わる公共事業投資の計画がありますね。これの達成の見込みはどの程度に見ていますか。わかりますか。
○政府委員(高橋進君) 建設省関係の公共事業の各種五カ年計画、五本この六十年度で終わりまして、昭和六十一年度を初年度としての新しい五カ年計画を予定しておりますが、この六十年度までの達成率はそれぞれ七割ないし八割程度のものが大部分でございます。 ちょっと今具体の数字、手元にございませんので後ほど申し上げます。
○大川清幸君 事業別にいろいろ答弁してもらうのも大変だと思うし、これは具体的に通告してなかったのであれですが、住宅建設計画だけはある程度の水準にいっているのは皆さんおわかりのとおりですが、そのほか六十一年度まで見てみますと、達成率六〇%ちょっとぐらいじゃないですか。ですから、長期的に見れば国民生活の水準をかさ上げするというか、そういう効果のある公共事業、これを毎年切り込んできたんですけれども、先ほどの話じゃないが、こうした公共投資の圧迫をしていくことは今後の景気の見通し、明年度の景気の推移というものを展望した場合、もうこの方法も、公共事業の切り込みも限界が来ているように思いますが、どうでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 公共事業の問題、これは大川さん御案内のとおり、いわば国費ベースではもちろんダウンをしておりますが、事業費ベースで工夫をして、名目成長率と実質成長率の間ぐらいになりますか、そういうところまで位置づけた、これも精いっぱいの努力でありました。問題はやっぱり対GNP比で、投資額で見ますとそれは世界から比べれば確かに高い。しかしそれは今までおくれておったからじゃないかと、こういう議論がもちろんあるわけでありますが、ただこの問題も基本的には、やはり最終的には財源問題そのものに逢着いたします。 それからいま一つは、用地費率という問題が特に日本の公共事業等には多くのシェアをもたらす、こういう宿命的な問題もありますが、やはりそのときどきの経済、財政事情に対応して適切な措置、それは事業費ということがどうしても我々の念頭には置かれるわけでございますが、そういう考え方で対応すべきではなかろうかというふうに考えております。
○大川清幸君 景気その他の問題を、後で触れますが、そうしたことを配慮に入れた場合に、これは国土庁、経済企画庁でも今の大蔵大臣の御答弁と同じような考え方ですか。どうですか。
○国務大臣(山崎平八郎君) お答えいたします。 ただいまの先生のお話、これにつきまして実は国土庁といたしましては、振り返ってみまして我が国の社会資本の整備水準が着実に向上はしておりますけれども、残念ながらいまだ満足すべき状態ではございません。したがいまして、国土庁上いたしましては、国土の総合利用と均衡ある発展、これを図るために今後とも着実な公共投資を行っていく必要があると考えております。 なお、今後の公共投資につきましては、経済全体の中でのバランス、民間投資との役割分担等も踏まえながら引き続き検討をしてまいる考えでございます。
○国務大臣(平泉渉君) 景気のために一番効くのは公共投資と輸出なんですね。輸出の方はちょっと国際的に問題がございますのでそれほどうまくいかないと。公共投資の方は今、大蔵大臣が申し上げたような財政状況である。こういうことで、我々としてはそれ以外の内需拡大を大いに図っていかなきゃならぬなと、こういう点で景気の拡大のためにはいろいろ尋常ならざる努力を払ってまいる所存でございます。
○大川清幸君 公共投資を中心にした財政の圧縮ですね、これは中期的に見ましても経済にある意味でのデフレ効果みたいなものを与える要素を持っているんですよ。 そこで初めに、質問する前にちょっと数字を確認しておきたいんですが、経済企画庁、展望と指針、これでは名目成長率は六%から七%ということになっておりますが、昭和五十八年度以降、六十一年度は見込みでしょうけれども、平均成長率はどうなっていますか。
○政府委員(勝村坦郎君) 展望と指針が発表されました五十八年度以降の経済成長率を申し上げますと、実質成長率では、五十八年度が三・七%、五十九年度が五・〇%、六十年度は上半期で四・八%でございます。それから名目成長率の方は、同じく五十八年度が四・三、それから五十九年度が六・七、六十年度が上半期で六・四となっております。 六十一年度の見通しについては、御承知のとおりと思いますが、実質成長率を四・○名目で五・一というふうに見込んでおります。
○大川清幸君 今報告があったとおりでございまして、名目、実質、両方御報告願ったんですが、今の名目の数字でも五十九年度これは六%台になっていますが、ほかは六%台に達していないわけですよ。いろいろなこれは要因があるのは私もわかりますが、この名目成長率の低下ということはやっぱり財政にデフレ的な効果を及ぼす要素の一つだ、これは否定できないと思うんですが、どうお考えになりますかね。どうでしょう。
○国務大臣(竹下登君) これはあるいは経済企画庁からお答えあろうかと思いますが、私どももいわゆる七、六。五抜きの四、三、二、一という数字の中で、七、六の中間値をとった六・五と。今御指摘のとおりでありますが、これは著しく物価が安定して、したがってそれの要因で、名目数値は確かに六%以下だというようなこともありますが、実質が大体四%程度というのは今日守られておる。ただ、大川さんおっしゃるのは、税収の場合は名目値というものだから、そうなれば税収の限りにおいては当初予測と違ってくるんじゃないか、こういう御議論があろうかと思うのであります。しかし、そんないろんな議論をしていただきまして、十二月にいわゆるリボルビングをして、当面この数字でいいだろう、こういうことでありますので、中期展望とか仮定計算とかはその数字を引き続き使わせていただく、こういうことになっておるわけであります。
○大川清幸君 そこで、今までの御報告願った数字で明らかなのは、やっぱり今大蔵大臣もおっしゃったように、税収見込みの前提のこれは名目成長率ですから、これは余り圧縮型でやっているとさっきから言っているように、税収の落ち込みも、後で別のところでお伺いしてみたいと思っていますが、そっちへも響いてくるし、それから経済全体からいってもデフレ効果はそれなりに起こってくるわけでございますので、この圧縮型、さっきから繰り返して三度目になりますが、もう財政もそれはゼロシーリングでむだをなくす、改革の方法でやる方向は私理解いたしますけれども、しかし、もっと柔軟な対応の仕方をどこかで見つけないと無理じゃないんですか。これ一本やりで、馬車道で、言ってみれば木を見て森を見ず、森を見て山を見ずみたいな財政運営をやっていること自体が弾力的にこれから対応できなくなる危険があるので、こうした姿勢というのはもういよいよ限界じゃありませんかなと思うんですが、そう思っておりませんか。
○国務大臣(竹下登君) 私が、よくかたくななまでにもこの財政再建の旗はおろしませんと、あの「かたくな」という言葉は余りよくなかったなと自分でも思っております、表現としてはよくなかったかなと。この間、衆議院の予算委員長の委員長報告を聞いておりましたら、そこにもかたくななまでにも堅持するとのお答えがありましたというようなことで、聞いておる私としても、人の口から聞くと余りかたくな過ぎるかな、こんな感じを受けないわけでもございませんでした。 したがって私どもは、財政改革という路線に従っては旗をおろさず進む。が、いわゆる財政金融等の措置についての弾力的な姿勢というのは、いつまでもこれはまた持ち続けていかなければならない課題だと。しかし、いわゆる旗をおろしていわば歯どめなき膨張政策というようなものに対しては、これはかたくななまでにもという言葉を使って対応してもいいんじゃないかというふうに思っております。
○大川清幸君 ですから、例えば中期展望の中で税収の基本となる名目成長率六・五%を掲げていろいろな財政運営や経済対策をやる。ところが見てみると、成長率の足を引っ張るような、公共投資なり何なりを抑え込んできちゃった。経済専門家、評論家あたりでも、何とかその辺はもう考えた方がいいのに時期を逸したんじゃないかという厳しい意見まであるぐらいです。この二つのことをこう並べてみますと、財政運営自体が、精神分裂じゃないけれども、これは自己矛盾を起こしている、こんなふうにも見えるんですが、全然そうは思っておりませんか、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 財政自体いろんな苦労をして国家予算も編成するわけでありますが、問題は、やっぱりいわゆる財政上の財源問題に帰着する。経済専門家の中にも、建設公債についてはもっと柔軟性を持ってもいいじゃないかとか、こういういろんな議論がありますが、私これは大川さんとのたびたびの議論の中にもいつも感ずることでございますけれども、大体建設国債そのものが財政法上からいえば異例の措置であって、今は建設国債までは異例でなくて赤字国債だけが異例だというふうな、財政法上からは少しこれもゆがみ、ひずみの物の考え方になっているんじゃないかな、こんな感じすら実は持つわけであります。そこで、これは本当に、まずは赤字公債からの脱却、ここまではコンセンサスができるわけです、年次を延ばせとかどうとかいう議論は別として。が、それ以上に、やっぱり昭和三十九年までは建設国債といえども一銭も出ていないわけでございますから、みずから振り返って、お互いいささかイージーになっておるんじゃないかという自己反省もまた必要ではなかろうか。 財政法上からいいますと、これは少し話が長くなって申しわけありませんが、西ドイツと日本は確かに赤字公債、建設国債、分けた物の考え方ですが、他の先進国は皆一緒と。なるほど残高になってしまうとまるっきり一緒の評価にしかならぬ。だから私は、その辺をもう一遍三十九年に戻れという、そんなことを申すつもりはございませんが、あの建設国債すら一銭もなかった時代というものをもう一遍想起してみるべきではないかなと、こういうある種の意識転換も必要だというふうに考えております。
○大川清幸君 それは建設国債だって借金ですから、私ふえることを何も望んでいませんが、今の姿勢で切り込んで一生懸命財政改革に取り組むことについては評価しないわけじゃないんですよ。ただ、貿易摩擦その他で言うと、個人消費だって、後でちょっと別の問題のときに聞きますが、物価が安定していれば常識として需要が拡大するはずなのに、全く数字はそうなっていない。今そういう方程式が作用しないところまで来ていますので、やはり景気対策や経済成長について、貿易摩擦一つ解消することを考慮に入れても公共事業なんかについてはかなりのインパクトのある要素であるから、やっぱり適当な時期にもう少し対応をしておいてもらった方がよいのではないかなという感触を私は持っているわけです。 今までいろいろ財政のゆがみやそれから予算編成での、邪道とまでは言いませんけれども、下向いているから、嫌な顔をしているからもう余り言いませんが、こういう無理までなさった問題点は指摘したんですが、それじゃ、これから財政再建なりあるいは財政を改善するのに今の厳しい状況の中で全然道がないんだろうか。考えてみると、あながちそうでもないんじゃないかなという気も私はしている点もあるわけなんですよ。歳出の中に国債費の割合が二〇%を超えるなんていうようなことで厳しい批判、指摘なんかもあるわけですが、この国債費のうちで、財政を極端に今まで圧迫をしてきた国債費の利払い額、これの推移は五十七年度からどうなっていますか。数字で言うと、これは六十一年度の予定まで入れるとそんなにひどくないと思いますが、どうなんですか。増加額、金額そのものより増加額でいいですよ。
○政府委員(吉野良彦君) 概略で申し上げますが、五十八年度は、まず前年度に比べまして利払い費だけで約一兆五千億ふえております。それから五十九年度は、前年度に比べまして一兆円近くふえております。六十年度も同じく一兆円ぐらい前年度に比べてふえております。六十一年度でございますが、前年度に対しまして約九千億弱増加ということになろうかと思います。
○大川清幸君 違うよ。
○政府委員(吉野良彦君) 違います。失礼いたしました。八千億弱の増加でございます。六十一年度の利払い費が十兆六千四十八億円、それに対しまして六十年度が九兆八千七百八十五億でございますので、七千二百億強の増加ということになろうかと思います。
○大川清幸君 どっちにしても、徐々に増加額については低減してきている、いろんな努力の結果。ですから、この傾向を見てみると、財政の最悪な状態がここでもうピークに来たのかなという解釈、そうまで言えないとも思うんですけれども、こうした利払い費の減額を図っていくのは、さっき大蔵大臣の答弁があったとおりで、建設国債だって借金のうちだし、それなりに考えていかなきゃならぬというような趣旨のお話があったわけですから、この辺の問題をひとつ財政再建の今後の材料として考えたときに、これからもう道がないというのじゃなくて、国債費の利払いを抑え込んできている傾向、ここからやっぱり一つの財政政策なり何かの転換期には来ているように思うんですが、その辺はどう見ておりますか。まだまだひどくなると思っていらっしゃいますか、どうなんですか。
○政府委員(吉野良彦君) 利払い費は結局国債の残高に左右されるわけでございます。残高は御承知のように、ここ数年新規の公債の発行額は年々減少に努力をいたしておりますけれども、いずれにいたしましても毎年毎年新規に公債の発行をしておるわけでございますから、御承知のように残高はやはり累増の一途をたどっております。したがいまして、残高の増加に伴います利払い費の増加という傾向はなかなか抑えにくいというふうに思いますが、そうであればこそこの残高の増加をまず極力抑制する、できれば減らしていく、残高を抑制するためには毎年度の新規の、これは建設公債も含めてでございますが、公債の発行額を極力抑制していくということが基本になろうかと存じます。
○大川清幸君 大蔵大臣、どう見ておりますか。
○国務大臣(竹下登君) 結局今、主計局長申しましたように、問題は残高によって今日の財政の硬直をもたらしておるわけでございますから、事実本当に良心の苛責を、痛みを大変感じますのは、予算を組むときに利払い黄とそれからことし発行する国債費と、結局利払いのために結果としては帳じりから見れば国債発行をしておる、こういうことでございますから、その姿は何とか返さなきゃならぬということになると、やっぱり発行額そのものを減らしていくということになりはしないか。そして、それが今度は残高になった場合、電電株とかいろんな問題もございますけれども、その第二段階としては対GNP比で見た方がいいだろうと思いますが、残高そのものが減っていくような財政運営を念頭に描いておることは事実でございます。
○大川清幸君 財政の中期展望の前提とする利払い費、これは国債整理基金の資金繰りの計算の中ではどうなっておりますか。六十二年度以降六十五年度までの減額計画があるでしょう。これはどうなっていますか。
○政府委員(吉野良彦君) 御提出申し上げております国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算でございますが、御承知のように大きな前提がございます。一つは、いわゆる特例公債を六十二年度以降毎年度一兆三千百億ないし二百億ずつ減額をしていきまして、六十五年度にはゼロにするという前提が一つでございます。それかしもう一つの前提は、建設国債につきましても六十二年度以降六十一年度と同額で推移をするという二つの大きな前提がございますが、その前提に立ちまして試算をいたしますと、利払い費でございますが、六十一年度はこれでは約十兆一千億でございますが、六十二年度十兆五千億、六十三年度十一兆円、六十四年度十一兆四千億、六十五年度十一兆六千億という試算になってございます。
○大川清幸君 今数字を発表していただきましたように、減額の部分だけ今の数字からいいますと六十二年度が四千億で、六十三年度五千億、それから六十四年度四千億、六十五年度二千億と、こういうことになりますな。そうですね。(「増加額」と呼ぶ者あり)済みません。増加額です。 ですから、だんだん減っているので、私もさっき景気対策のためにはやっぱり公共投資をやれ、そのためには財源として公債発行も必要だろうと思いますが、こうした数字を見てみますと、増加額については抑え込んでいきたいという姿勢が出ていますから、この辺をうまく維持しながら財政運営をやっていくような方法はないか。別の考え方で言えば、六十五年度赤字公債脱却とか、あるいは一般歳出をゼロに抑える方法、それも今まで努力をしてきたことは評価いたしますし、今後の方針としても一つの見識だろうとは思いますけれども、そうした借金はこれはなくならない。頑張れとはおっしゃっているものの、六十五年度達成しないのはだれもわかっていることですから、余りそれにこだわらないで、財政運営というものを弾力的にやるような方法を考えてみたらどうなんだろうかなと。要するに、言葉を変えて言えば、もう少し借金とうまくつき合いながら景気刺激をやったらどうかという私は考えなんですが、そんな方向には変わらないですか、大蔵大臣。どうです。
○国務大臣(竹下登君) いろんな提言の中で、国債残高、対GNP比で見ればことしが四二・五%ですが、お示しした仮定計算からすれば、対GNP比もあるときからずうっと下がって、あるいは昭和七十四年ぐらいには二五%にもなるじゃないかと、こういう試算も一応はあり得ます。したがって今日、もう昭和三十九年までは公債発行してなかったと申しましたし、それから昭和四十九年までは赤字公債は一銭もなかったということだが、ある意味において公債依存体質の中におることは事実なんだから、それを肯定した上で、三十九年だ、四十九年だ言わないで、柔軟姿勢で対応する一つの指標として利払い費の伸び率の問題とか、あるいは対GNP比のいわゆる残高問題とか、そういうところへ焦点を合わせた経済運営の議論もしたらいいじゃないか、あるいは政策もそこへ持ってきたらいいじゃないかという御提言でございますが、議論としては私どももいつでもこれは対応していかなければならない議論だというふうに受けとめますものの、今旗をおろしてこっちとのつき合い方へ転換するということは考えておりません。
○大川清幸君 総理もあれですか、今後の財政運営、予算編成の基本的な考え方については大蔵大臣と同じでございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 同じであります。今いろいろ御議論を拝聴いたしまして、日本の財政の組み方の欠陥、あるいはやりくり、苦肉の策、そういう点をいろいろ御指摘いただきまして、我々もお聞きして大蔵当局も必死に耐えて苦労しているというふうにますます感じたわけでございます。必ずしも私はそれがいわゆる健全財政主義に合致したやり方であると思いません。しかし、法律的に許される範囲内で非常な苦労をしつつ効果的なことをやっていこうという一環であるというふうには御理解いただきたいと思って、これがいいとは思っておるわけじゃありません。 しかし、総体的に見ますとやはり努力のかいは出てきておりまして、一般会計における公債依存率でも三四%ぐらいあったのが今二〇%まで下がっていますし、今言った利子払いの増加額等にいたしましても、新規発行をできるだけ抑制していくという、これを堅持していることによって漸減させていくことはできると思うのです。じゃ、どうするのかと言われれば、やはり財政とかあるいはそのほかのあらゆる仕組みを行う、あるいは地方にも御協力を願うことによって事業量は減らさないように今後もやっていく必要がある。もう一つは、やはり民活という新しい大きな莫大な分野に着目いたしまして、日本が持っているこれだけの大きな貯蓄額というものを規制緩和という方法によって払い出す、それに今全力を振るってダムの水を出していこうと、そう思っておるわけで、これについては、今江崎特命相を中心にいたしまして、さらに一段と大がかりなことをやろうと思って努力しておるところでございます。
○委員長(安田隆明君) 大川清幸君の質疑は午前はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十分休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(安田隆明君) 予算委員会を再開いたします。 昭和六十一年度総予算三案を一括して議題といたします。 午前に引き続き、大川清幸君の質疑を行います。大川君。
○大川清幸君 午前中の質疑のときに、国債費の利払いの増加額についての数字を報告してくれと言ったんですが、そのときの局長の報告では、国鉄の債務や何かのこっちへかわった分だとか、それから蔵券の利子だとか全部入れてしまったのを報告したけれども、そうじゃなくて、国債の利払い費の額。
○政府委員(吉野良彦君) 大変申しわけございませんでした。先ほど五十七年度以降の利払い費の実績といたしまして申し上げた数字の中にはいわゆる蔵券の割引料等が入っておりますので、今お話しの純然たる国債の利子だけに限って申し上げますと、五十八年度以降のそれぞれの対前年度の増加額を申し上げますと、五十八年度が一兆二千二百七十六億円、それから五十九年度が八千五百三十四億円、六十年度が七千四百六十三億円、六十一年度が五千三百四十五億円でございます。
○大川清幸君 この論議はもう午前中やりましたからあとやりませんが、半減している状況を見ても、借金とうまくつき合う方法はこの辺のデータから見ても考えようがあるのではないか、そういう観点で御質問申し上げているんです。 次に、経済見通しと税収の観点から何点かお伺いをしてみたいと思います。 この委員会でもたびたび論議に出ました急速な円高、これはひところ一ドル百七十円台、今は百八十円台で前後しておるようですが、昨年九月の時点に比べますと六、七十円の開きがあるわけでございまして、これの経済に及ぼす影響というのは軽視できないと思うんですが、この影響についてはどんな観測をお持ちでございますか。
○国務大臣(平泉渉君) これはもう先生よく御存じのとおりでございますが、円高になりますと輸出数量が減少ぎみになる一方、輸入の方は増加するというふうに普通見込まれますので、その点からは実質のGNPを減少させる効果がございます。他方、円高によって輸入価格が下がってまいりまして、物価の安定で実質所得の増加に寄与する。こういう両面の面がございますほか、消費者心理に好影響を与え個人消費の拡大に資する、原材料コストの低下が企業収益を改善する、こういうようなことで内需が拡大するいわゆる交易条件の改善効果も働いてまいる、こういうようなことでございまして、時期的に見て、まず初めにいわゆるデフレ的な傾向が出てまいるけれども、その後は物価の低下の浸透に伴って内需への効果があらわれてくる、こういうふうに見ておるわけでございます。 詳しい今回の円高の実際の影響につきましては、海外の経済情勢等も勘案をいたさなければなりません。そういう状況と見ております。
○大川清幸君 大変楽観的な観測をお持ちのようなんですけれども、実際そういきますかな。内需の拡大の効果が出てくるという言い方をなさっているのだけれども、それでは実際にはいつごろと見ていらっしゃるんですか。
○政府委員(赤羽隆夫君) ただいま大臣からお答えがございましたけれども、補足して御説明した上でその時期的な見通しを申し上げたいと思います。 まず、円高になりますと、これは円高の効果というものは国民所得に対してどうあらわれるか。GNPと申しますけれども、大変難しい言い方をいたしますけれども、これは日本人が一年間働いて稼ぎ出した国民所得の合計ということになります。このGNPに対する効果ということになりますと、これは数量効果と価格の面での効果がございます。 数量的な効果は、先ほど大臣から御答弁もございましたように、輸入数量がふえる、輸出数量が減る。そういうことで生産数量に対するデフレ効果が発生をいたします。それに対しまして価格面の効果というのは、どちらかと言えばプラスの効果になります。と申しますのは、輸入支払い高が減少いたします。同時に輸出収入も減少いたします。ただし、輸出収入の場合にはそのままの価格を維持いたしますと大変に大きな収入減になるものですから、外貨建ての価格を引き上げるという努力がなされます。 ごく最近の統計で申しますと、円建ての輸入価格は二五%下がっております。それに対しまして円建ての輸出価格は一二・四%しか下がっておりません。そういうことで、輸出収入の減少というのは、輸入支払い額の減少の半分程度にとどまる、こういうことで、差し引きむしろ国民所得としては増加をする、こういうプラスの効果があるわけでございます。こうした効果が実際に最終需要にあらわれてくるまでには大体三四半期ないし一年程度のタイムラグがございます。したがいまして、プラスの効果が本格的にあらわれるのは大体ことしの年央あるいは年度央という時期ではないかと、こういうふうに見ております。
○大川清幸君 それから、価格が安定するし今言ったような効果が出るというんですが、念のため、昨年の下半期あたりは物価も安定しましたし、そろそろ円高現象も起こってきました。ですから、そういう意味では消費効果はなかなか極端に出ないにしても、かなり上がってきていいはずなんですね。それが方程式どおりに、午前中もちょっと触れたんですが、そうなっていないんです。それから、ことし一年間見ても今の効果が出てくるのは後半、年度きりぎりかなというぐらい慎重に私考えているんですけれども、そういう点からいうとどうも内需拡大の効果が出てくるのは、期待してもいいんだけれども、時期的な問題も考えると、後で税収のことにも心配だから触れたいと思っているんですが、余り楽観できないような気がしているんですけれども、その辺はどうなんでしょうね。
○政府委員(赤羽隆夫君) ただいま申し上げましたように、時間的にはやはり一年近くの時間の経過が必要でございます。その点があると思います。その時間的な問題を別にいたしまして、円高によるプラスというのがどのようにあらわれてくるのか、昨年の実績をもとに数字の上で御説明を申し上げたいと思います。 昨年、六十暦年の日本の全体の輸出は五十二兆円ございました。これは、商品ばかりではなくサービスの輸出も含めたものが五十二兆円、それから輸入が四十兆円ございます。その当時、昨年一年の平均的な為替レートは二百四十円でございます。現在百八十円、こういうことで、輸入の面で申しますと昨年と同じだけの輸入数量をことしも輸入する、こう仮定をいたしますと、輸入代金の支払いはその四分の一つまり十兆円節約になります。これに対しまして輸出の方は五十二兆円でございますから、これの四分の一収入が減るということになりますと十三兆円の減少、差し引き三兆円のマイナスということになるわけでありますけれども、先ほども申しましたように、輸入価格は二五%下がっておりますけれども輸出価格はその半分である、こういうことになります。 したがいまして、輸出の面での収入の減少は六兆五千億円、差し引き三兆五千億円のネットの国民所得の増加が得られる、こういう計算になろうかと思います。これは昨年のそのままの数量で輸入をする、輸出をする、こういうことでございますから、数量面でのデフレ効果は入っておりません。しかし、今申しましたように、価格面での効果というのはこれだけ国民所得をふやす、こういう効果があるわけでございまして、決して円高というものがデフレ効果一本やりではないということだと言えると思います。 ただ、繰り返しになりますけれども、プラスの効果が実際に需要をふやすのはやはり一年近くかかる。そういうことで昨年の暮れからことしにかけましてまだ消費に目に見えた効果があらわれていないものと、こういうふうに分析をしております。
○大川清幸君 いろいろ微妙な説明をなさったように、ネットで減税効果に匹敵するぐらいの個人の懐への影響があると今おっしゃったんですよ。だけれども、さっき私言ったように、昨年の状況を見ても個人消費さっぱりだったじゃないですか。この後半のところ、この辺のところは全然配慮しないで楽観的な見方だけでいいという意味、どうなんです。
○政府委員(赤羽隆夫君) 昨年の勤労者家計の状況、ついけさほど発表になりました家計調査で見てみますと、確かに昨年の家計調査ペースで見ました消費性向というのは前年よりもさらに下がるということになっております。しかし、この統計をよく見てみますと財産の純増、つまり土地、家屋の増加、これがふえておるわけでございまして、その点まで考慮に入れますと五十九年と六十年度はほぼ変わらない消費者行動になっている、こういうふうに考えられます。 ただ、最近なお消費の伸びが弱いということは事実でございますけれども、これは先ほども申しましたように、まだプラスの効果があらわれてきていないという面があろうかと思います。さらに加えて推測をいたしますと、最近物価が非常に安定をしてきている、それに対しまして金利が高い、相対的に実質金利が高いという状況がございます。そういったような点から見て、今は消費をするよりはむしろ貯蓄をした方がよろしいと、この貯蓄の一部が財産形成、これに回ったものと、こういうふうに理解をしておるわけでございます。
○大川清幸君 どっちにしてもこの論議ばっかり余りやっておられませんが、円高これについては企業の死命を制するぐらい深刻な問題ですから、一部新聞でも報道されているように、鉄鋼業の大手あるいは日産なんかでも役員の給料を一〇%カットするとか、いろいろ深刻な問題がある一方、それは石油業界とかガス、電気なんかでは利益還元の問題等もいろいろ言われておるプラスの面も十分私承知の上で言っているんですが、全体でいうと、二月の日銀の国内景気の見通しについても余り楽観できないような状況が報告されておりますが、やはり全体としてはどうもデフレ効果に働きそうだなというふうに思うんですが、大蔵大臣はその辺はそんなに深刻に考えておられませんか。
○国務大臣(竹下登君) 深刻に考えていないわけでもございません。 一番最初円高のメリットがどこへ出てくるかというと、やっぱり海外旅行者でございますね。この間、本当でございますが、ある夫妻が見えまして、何かフィジーへ行くのに六十万円用意しておったら四十五万円で済んで、十五万円は御両親にお土産を買って帰ったと、両親ともども深く感謝をしておったというようなことを言っておられて、なるほど円高のメリットが一番最初出るのは海外旅行者だなと。それが四百六十万ぐらいおりますから、相当それには影響がある。そうしますと、デメリットが一番最初どこへ出るかといいますと、輸出依存度が高くてNICS等と競合しておる中小企業の成約難という形で、これがやっぱり一番深刻じゃなかろうか。それに対する適切な対応策としては、先般の通産省でお考えになったあの法律であるなどいう感じがしております。 次のメリットというのは、これは今大川さんおっしゃいましたとおり、まさに電力、石油、ガスというところでございましょうが、いわゆる原粗油並びに原材料はみんな下がってくるわけですから、それが今赤羽さんが年央と、これも一つの見方だと思いますし、中には私どもの方にやっぱり十五カ月かかるぞと。そうすると、九月の二十二日にG5をやりまして、二十三日が旗日でございましたから二十四日から計算して十五カ月というとかなり時間はかかるなと、これは人によっての見方は違いますけれども。したがって、実質所得が上がったということになるわけですから、メリットというのがじわじわと出てきたら、金額では確かに三兆円の減税と同じような効果が出なきゃならぬはずだというふうに思っておりますが、NICS等に追い上げられておるものについては、私は本当に目配りのきいた施策が必要だということはもとより問題意識として十分持っております。
○大川清幸君 円高については相当ある意味では警戒して今後の推移を見守っていくことが経済政策あるいは財政運営上も大切な問題だと思うし、午前中にもちょっと触れたんですが、政府の公共事業投資、これが三年連続ずっと減少してきているわけですが、例えば六十一年度GNPベースでいつでも、ふえる金額はほんのわずかでしょう。GNPベースでどうですか、六十一年度。
○政府委員(赤羽隆夫君) GNPベースでいきまして二千億円強でございます。二十兆余りのものが二千億円強でございますから、一・一%のプラス。
○大川清幸君 この程度ですと景気対策その他でも別に考えないと、二千億程度じゃ余り期待できないように私は考えていますが、どうでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 二千億といいますと、国民一人当たり二千円。二千万人は省略いたしまして。二千円というものをその地域の人口比で割り当ててみると、やっぱり心理的にも相当なものになるんじゃないかという感じを、私はこれは昔、建設大臣をしておりますときによく一人頭で割った効果を考えておりましたので、あえてこれは専門的な分析ではございませんが、私の経験からしてそんなことを考えております。
○大川清幸君 それではもう少し別の材料で、円高に加えまして原油価格の低下があるわけです。原油価格も余り安くなると開発途上国その他世界全体の経済からいって喜んでばかりいられない問題もあるわけですが、それはさておいて、全体として、これはさっき輸入原材料も安くなるというお答えがあったんですが、そのとおりでありまして、そうすると物価は安定します。国内経済、国民生活にはいい状況になる要素ではあるんですが、卸売物価、消費者物価が安定してくるあるいは低下傾向にある。それはいいんですが、これは一種のデフレ効果であり、またGNPの名目成長率なんかに確実に響いてくると思いますが、ここはどう見ていますか。
○政府委員(赤羽隆夫君) 原油価格の低下が国内物価の安定に通ずるというのはおっしゃるとおりでございますけれども、これが必ずしも名目GNPを減らすかどうかということは一概に言えないと思います。と申しますのは、例えば今の時点で十ドル原油の値段が下がったといたします。そういたしますと、原油に対する輸入支払い額というのは二兆三千億円ぐらい節約になります。つまり、二兆三千億円分その時点におきまして名目GNPは増加をするわけでございます。この増加をした名目GNP、これが国内の物価安定を通じまして最終的な部門、つまり家計部門とか企業部門に回っていくにつれまして国内物価がだんだんと下がってくる。しかし、その下がり方というのはこの二兆三千億円の範囲内であろう、こういうふうに考えられます。したがいまして。必ずしも名目GNPが小さくなる、こういうことは言えないのではないかと思います。 さらに、こうした原油値下がりによりますところの実質所得の増加効果が最終需要部門での需要増加ということになりますと、その時点で実質GNPをふやしてくる、そういう形でまた名目GNPも支えられる、こういうことになるのではないか。こういう可能性があるので一概には名目GNPが小さくなる、こう言えないものと理解しております。
○大川清幸君 大蔵省、七日に発表した税収の伸びの鈍化について、これは数字まで必要ありませんが、全体の方向としては、今論議しているデフレ効果のことまでの言及は必要ありませんけれども、どうも六十年度税収の状況を見通して余りよくないというか、予想どおり確保できないのじゃないかということが一つ。 それから明年度、今審議している六十一年度の税収についてもさっきから論議しているようなデフレ効果は余り心配しなくていいという今局長の答弁あったのですけれども、私はそれはちょっと疑わしいと思っているのです。この税収の伸びを中心にした観測の立場もあると思うので、そっちの方をちょっと聞かせてください。
○政府委員(尾崎護君) 現在六十年度の税収につきまして知り得る一番新しいのは一月分の税収まででございますが、一月までの累計で見まして、税収は前年に比べまして九・八%の伸びになっております。補正後予算の伸び率が九・三%でございますので、補正後予算の伸び率をやや上回る状況にございます。ちなみに進捗率を申しますと、補正後予算に対します進捗割合が六六・四%でございまして、前年一月の場合にはそれが六六・一%でございました。 それから、六十一年度の税収につきまして名目成長率との関係で御質問がございましたが、これは先生よく御承知のとおり、税収見積もりは予算編成の一環といたしまして、その予算編成時点において知り得る課税実績、それから政府経済見通しのいろいろな指標などを基礎といたしまして個別税目ごとに適正に見積もっております。このように税収見積もりは政府経済見通しと密接な関連を持つことは確かでございますが、名目成長率から単純に算定しているものではございません。その点御理解いただきたいと存じます。
○大川清幸君 通産省、景気動向についての報告を最近受けられたでしょう。これの感触は余りよくなかったのではないですか、どうですか。
○政府委員(福川伸次君) 私どもでも各産業の今影響の調査を取りまとめているところでございますが、組み立て型産業につきましては、これは非価格競争力があるので、ある程度まだ輸出の可能性はございますけれども、基礎素材産業あるいは労働集約型産業というのは大変きつくなっております。とりわけ中小企業に関しましても、輸出に依存しております産地の輸出は、今のレートでは大変厳しくなっておりまして、受注も減少ぎみ、また新規の成約も難しい状況に相なってきております。
○大川清幸君 デフレ効果のことについて論議してもちょっと意見が分かれるところですが、私の観測としてはデフレ効果はどうしても働くだろう、名目成長率にもやはりかなりの影響が出てこないはずはない。それで、実質成長率に限りなく近づく可能性というのは、やはり残っているんじゃなかろうかという心配を私はしております。 そこで、先般うちの中野委員の質問に、あのときの景気論争か経済論争したときに大蔵大臣は、一%は誤差のうちというお言葉をおっしゃったんですよ。それから、予算はいろいろ基礎から積み上げて大蔵省でやっておるから、税収についても心配ないという御答弁なさったんです。ですけれども、果たしてそうでしょうか。 というのは、税収見積もり四十兆五千六百億、それから名目成長率五・一%、そのときの円レートが二百九円でしょう。それで企業収益、個人消費の伸び、こういうようなものをいろいろ見積もりをして積み上げてはいらっしゃるだろうと思いますが、その前提である円・ドルレートの変化、それから今言った円高による物価への影響だとか、それから原油価格の低下による物価への影響が出てきますから、やっぱり名目成長率への影響は出てくる。それと、土倉はしっかり積み上げたけれども、その土台が建っている地盤の方からへこんできたりする状況があるわけだから、あの中野委員に対する御答弁はちょっと変えてもらわないとまずいのじゃないですか。よろしいですか、あのままで。
○国務大臣(竹下登君) 我が方が予算を組みますときに二百九円とか、あるいは経済企画庁が予測を立てられるときに二百四円とか、一つの基準に応じてとる数値でございますから、その数値そのものが税の積み上げていく根拠にどういうふうな影響があるかについては事務当局の方が正確であろうと思いますが、私が申しておりますのは、五十八年、五十九年の税収について一番心配したのは、その前年が三兆、六兆と、こうきましたから、したがって見積もりというものですから、これは違います。正確に合うことは一遍もないわけでありますから、努力目標として掲げるのは、これは省議で決めたわけでも何でもございません。 私の勘で一%が誤差のうちだ。そこで、五十八、五十九はプラスの方の一%の誤差であったわけですから大変私なりにうれしゅうございました。そして、今度は補正で四千億減収、そうすると一%よりちょっと超すのですね。誤差のうちがちょっと外へはみ出たなということで、決算ベースで誤差のうちになればいいなと本当は期待しております。したがって、私の念頭にある一つの正確を期するための一%ということは、誤差の一番小さいのをとって一%ということを絶えず私が念頭に置いておるのでありまして、これは閣議決定した数値でもなければ省議で決まった数値でもございません。しかし、それは絶えず念頭に置いております。 そこで、今の進捗状況から見ますと、大部分が法人税になりますと三月決算でございますから、今からちょうど三分の二進んだところで、このとおりでございますから大丈夫ですというだけの私も自信があって言うわけじゃございませんが、この間の補正の減額というのは、あれは大体いいところを積み上げたものだなと思っております。ただ、おっしゃるのは、恐らくそれはそれであるいはそうかもしらぬが、その後の六十一年度、確かに原油価格の下落なんというのは従価税の場合もろにそれはきてしまいますから、これは私どもも予測の中へ入ると思うのでありますが、いわゆる円高による問題につきましては、私はそれがいつも仮定計算で出している六・五掛ける一・一の弾性値でやっているわけじゃございませんから、そう大きな狂いが生ずるというふうには考えておりません。
○大川清幸君 単純な計算でいいますと、もう余り時間がないから数字も細かいことまで伺っておられませんが、六十年度の補正後ベースで単純に比較をしていただきたいんですが、税収はこの両年度の実績でいうと自然増収分はどのぐらいになっていますか。
○政府委員(尾崎護君) 六十年度の補正予算額と五十九年度の税収額の差額だと思いますが、三兆二千三百六十六億円に相なります。ただし、五十九年度の税収の中にはたばこ消費税が含まれておりません。
○大川清幸君 たばこ消費税、それから電電の移しかえ分等の問題がありますので正確な数字はここでは出ないかもしれませんが、五十九年度と六十年度の比較でいいますと、六千億円前後に数字としてはなる。今度は六十一年度の見込みについて考えたときに、今言っているのは名目成長で五十九年と六十年で一%違いますから、私がさっきから言っているように、楽観を政府側がしておりますが、もし一%程度名目成長率で落ち込むようなことがあると、六千億ぴったりということには状況からいってなりませんが、かなりの部分がもし一%落ち込めば税額としても不足をしてくるというか、落ち込む勘定になるだろうと思いますが、その辺はどうですか。数字のことだけです、現実の問題は別として。
○政府委員(尾崎護君) 先ほど申し上げましたように、積み上げ方式をとっているわけでございますが、非常に機械的に計算をしてみますと、例えば六十年度の補正後予算額は三十八兆一千四百五十億円でございます。これに六十一年度予算の税収弾性値一・〇八を掛けまして、それで名目成長率が一%動いたと、仮にそれをただ掛け合わせて機械的に計算いたしますと約四千億円となります。
○大川清幸君 もう時間がなくなりましたからあれですが、かなりの落ち込みはやっぱりあるんで、そういう意味で現実はどうなるか、予想ですからそれはわからない面もあるかもしれませんが、円高あるいは原油価格の低下による名目成長率の影響というのは、これは今から警戒しておいてくださいよという意味なんです。 財政、金融面から先ほどの公共投資の対策まで含めていろいろ意見を交えながら御所見を伺ったんですが……
○委員長(安田隆明君) 大川君、時間が参りました。
○大川清幸君 はい。これは機動的な財政運営なり経済対策というのはやっぱり用意しておく必要があると思いますが、その点はどうですか。
○国務大臣(竹下登君) 先日来、総理の言葉から申し上げまして、予算通過後、いわゆるその対策については民活も含め、きっちりしたものを立てなきゃいかぬ、こうおっしゃっておるところでございます。 私の分野、すなわち財政と金融の分野におきましても弾力的な対応は、執行方法等を含め、予算成立後できるだけ早い時期に、私なりの分野でも経済対策会議になりますか、そういうところへ建言申し上げなきゃいかぬと思っております。
○大川清幸君 総理もお考えは同じですね。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大蔵大臣と同じであります。
○大川清幸君 経企庁長官、何か答弁ありますか。
○国務大臣(平泉渉君) 段々先生がおっしゃいましたとおり、ことしは去年後半から国際経済情勢の大変な大きな変化のある年でございますから、諸般の情勢を十分に考慮いたしまして、万遺憾なきを期してまいりたいと思っております。
○大川清幸君 では、時間が来ましたから建設省関係は今回は遠慮しておきます。ありがとうございました。
○委員長(安田隆明君) 以上で大川清幸君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(安田隆明君) この際、午前中留保いたしておりました安恒良一君の質疑を行います。安恒君。
○安恒良一君 どうしても稟議書は出せないということですが、それではこの扱いについてどういうふうにやっていただけますか。
○政府委員(吉田正輝君) 金融機関の方から私どもに提出した資料の内容につきましては、再三の御要請でございますが、御答弁を差し控えさせていただいた次第でございますが、先生から御披瀝のあった事実などは私どもとして十分承り、今後の指導監督上の参考にさせていただきたいと思っております。
○安恒良一君 ただ指導監督だけじゃなくて、私はこの事件をさらに追及をしていこうと思いますから、今後とも私と接触し、資料の提供その他を行ってもらいたいと思いますが、大臣どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 今後とも安恒さんが我が省に、なかんずく銀行局等々に御接触なさる問題につきましては、可能な限りの御協力を申し上げます。
○安恒良一君 それでは、なかなか真相が明らかになりませんので、次のような点を、私の調査に基づいて、真相究明についてお願いをしておきます。 午前中に申し上げましたように、磯江氏から大蔵省時代の後輩に当たる田代一正、当時の会長に話しかけがあり、田代一正氏より鶴岡氏、当時の取締役鶴岡氏より伊坂重昭氏、当時の監査役に引き継がれ、伊坂氏と佐藤茂氏側のたび重なる交渉の結果、佐藤氏所有の二千百六十三万株、平和相互銀行の株の譲渡が実現が可能だということで「時代行列」購入は決定された。そしていわゆる金の振り出し方法としては、コンサルティング・フォーラム社へ四十一億融資をし、伊坂氏個人の名前で八重洲画廊の真部氏との売買契約が六十年八月十五日に成立をした、こういうことであります。 そこで、私がこれを申し上げるのは、単なる資料提供で言っているわけではないのであります。いわゆる金融自由化時代の大蔵省の検査のあり方を問う問題であります。また政治の信用、名誉、根本姿勢を問うべき問題であります。すなわち重大なる政治倫理問題をも含んでおります。こういう問題であるからこそ、資料提供を要求したり中身の解明をお願いしたのでありますが、公の席上では出せない、こういうことでありますからまことに遺憾であります。 そこで、「時代行列」購入代金の流れについて、いわゆる八重洲画廊の真部氏の入金状況とその先の金の流れについて大蔵省、国税庁、法務省当局は調査すべきではないかと思いますが、どうでしょうか。
○政府委員(塚越則男君) 個別にわたる事柄につきましては答弁を差し控えなければならないことを御理解いただきたいと思います。 ただ、一般論として申し上げますと、国税当局といたしましては、国会で御論議のあった事柄ですとか、あるいは新聞、雑誌等で報道された事柄を含めまして、広く資料、情報の収集に努めまして、これらを法人から提出されます申告書等と総合的にチェックをいたしまして、課税上問題があると認められる場合には税務調査を行うなどいたしまして課税の適正化に努めているところでございます。
○政府委員(岡村泰孝君) 平和相互銀行をめぐりますいろいろな問題が報道されておるところでございますし、また国会におきましても御議論されておるところでございます。こういったことにつきましては検察当局といたしましても関心を持っておる、このように思っております。
○安恒良一君 関心を持っているとか一般論だけじゃなくして、いわゆる金の支払いが完了してから平和相互経営陣が約束の株式譲渡の履行を先方に迫った、そうしたら佐藤氏は、いや株式譲渡の決定権がないと言う、ここに私は犯罪のにおいがいたします。適正価格を著しく超えた買い物をした平和相互銀行の経営陣には、私は背任の疑いがあると思います。またこれを仕組んだ人々には詐欺の疑いがあると思います。でありますから、こういう問題については、私は厳正な捜査が必要だと思いますが、法務大臣、いかがでしょうか。
○政府委員(岡村泰孝君) 検察当局といたしましては、刑罰法令に触れるような行為があるといたしますれば厳正にこれに対処するものと、かように思っております。
○安恒良一君 私は、大蔵大臣と法務大臣にもう一度要望いたします。お答え願いたいと思いますが、この事件に関する税の調査、それからこの事件に関する疑いがありますから、そのことについてはやはり厳正な調査をする、こういうことについて大蔵大臣、法務大臣の御答弁を求めます。
○国務大臣(竹下登君) 先ほど塚越次長からお答えをいたしましたことを出るわけにもまいりませんが、国税当局が重大なる関心を持って、一般論として申し上げますが対応すべき課題だと認識しておると理解しております。
○国務大臣(鈴木省吾君) お答えいたします。 ただいま政府委員から答弁を申し上げましたとおり、刑罰法令等に違反する事件があれば、捜査当局としては厳正に対処してまいることを重ねて申し上げておきます。
○安恒良一君 盛んにあればあればという仮定でありますが、私はここまで私の調査で明らかにしておりますから、ぜひ厳正な捜査をお願いします。 私は、この真相が究明されるまで、私だけではありません、我が日本社会党は一歩も引かないでこの問題の解則にこれからもこの予算審議を通じて、この国会を通じてやっていきたいと思います。 以上をもって終わります。
○委員長(安田隆明君) 以上で安恒良一君の質疑は終了いたしました。(拍手) —————————————
○委員長(安田隆明君) 次に、高杉廸忠君の質疑を行います。高杉君。
○高杉廸忠君 私は、政府の社会保障に対する基本姿勢からただしたいと存じます。 総理にお伺いする前に、まず臨調に関連して伺います。 臨時行政調査会は、去る昭和五十八年三月十四日、第五次答申を提言してその活動を終えました。その後、行革の推進役として臨時行政改革推進審議会が設けられております。 そこで伺いますが、第一にこの機関の現在のテーマ、第二に報告書発表の日程、第三に特に推進状況調査小委員会のテーマ、第四に報告書の概要、第五に案文の取りまとめの日程をこの際明らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(山本貞雄君) 行革審におきましては六月の設置期限に向けまして最終答申をすべく、現在、推進状況調査小委員会それから地方行革分科会並びに特殊法人問題等小委員会、これを設置いたしまして、それぞれ臨調答申の推進状況あるいは財政再建の道筋問題、さらに広域行政問題を含みます地方行革問題の推進並びに個別の法人の見直しを含みます特殊法人の活性化問題、こういったことにつきまして審議中でございます。 〔委員長退席、理事桧垣徳太郎君着席〕 それぞれの小委員会等におきましては、四月末をめどに報告書を取りまとめまして審議会に報告する、こういう予定でございまして、審議会におきましては六月二十七日の設置期限までに最終答申をまとめまして総理に御答申申し上げる、このような予定でございます。 次に、推進状況調査小委員会でございますが、ここにおきましては臨調答申の推進状況並びに財政再建の道筋問題につきまして、従来から有識者並びに関係省庁ヒアリングを行ってまいった次第でございますが、特に財政再建の道筋問題につきましては、その基本的考え方並びに地方財政あるいは社会保障等々の個別の主要施策につきましてヒアリング等を進めておる次第でございます。 なお、社会保障制度の問題につきましては、先般厚生省から年金問題あるいは医療の問題さらに老人福祉の問題を中心にしましてヒアリングを行った次第でございます。今後こういったことにつきまして審議を重ねまして、小委員会といたしまして臨調答申の推進全般の問題並びに財政再建の道筋問題につきまして報告書をまとめる、そして四月末には行革審に報告する、そのような予定でございます。
○高杉廸忠君 総理に伺います。 従来、この推進審議会の答申が提起されますと内閣は、答申を最大限に尊重するという、こういうことで施策を実施に移してきています。これでは、内閣の基本方針は臨時行政改革推進審議会で決定したすべてを決定していく、こう言っても過言ではないと考えるんです。政府は中長期の計画として「一九八〇年代経済社会の展望と指針」、これを持っているわけです。そこで伺うんですが、これとこれから出されます答申、それはどういうような関係になるんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) まず行革審につきましては法律で、その答申につきましては最大限に尊重する、そう国会の審議を経て決められた法律で我々は約束させられております。したがいまして政府としては、出てきました答申につきましてはこれを最大限に尊重するべく努力してやっておるところであります。 それから、展望と指針と臨調の方針あるいは行革審の方針というものは整合性を持つように、展望と指針をつくりますときにも配慮してつくっております。また行革審におきましていろいろ答申を出す際も、展望と指針というものは既につくられてあるものでありますが、これをまた参考にして諸般の答申が出てきており、その間には矛盾はないものと考えております。
○高杉廸忠君 さらに進めますが、小委員会は財政改革の現状と今後の進め方、これを取りまとめているわけです。その中で財政再建と社会保障にかかわる基本的考え方、これを明らかにするということでありますけれども、そこで伺うんですが、高齢化がピークになる二十一世紀初頭にはどの程度と見通しているか、この際則らかにしていただきたいと思います。
○政府委員(北郷勲夫君) 行革審の方の推計は、私の方はよく承知いたしておりませんが、二十一世紀初頭、大体ピークの時点、ピークもいろいろあるのでございますが、大体安定したピーク時と考えますと昭和百年ごろと、こう想定いたします。かなり長期にわたりますのでいろいろな条件の設定が困難なわけでございますが、一応現行制度を前提といたしまして老人保健法の改正を織り込む、それから国民所得を年率六・五%程度、こういうふうな前提で考えてみますと、現在の社会保障負担率、昭和六十一年度見通しで一一%でございますが、昭和百年、二〇二五年でございますが、この時点では一八%になるのではないかというように推計をいたしております。
○高杉廸忠君 今答えたそれは現行制度を前提にしてその程度の割合となる、こういうのかどうか、あるいはその程度の上に上限を抑えたい、こういう政策意図が入ったものではないか、こういうふうに。考えるんですが、そのいずれですか。
○政府委員(北郷勲夫君) 先ほど申し上げました数字は、抑えたいといったような性格のことではございませんで、もちろん例えば医療費を適正な規模に抑えるといいますか、いわゆる従来からやっております適正化努力とか、こういった従来からやっております政策的な努力はあるわけでございますが、しかし大体この程度必要だということでございまして、これを抑えるというような意味で推計をいたしたものではございません。
○高杉廸忠君 次に、そのときの租税負担率、これはどの程度になりますか。
○政府委員(尾崎護君) 租税負担率の水準と申しますのは、究極的には政府部門とか民間部門に資源をどのように配分するのが適当かという問題と裏腹をなすものでありまして、国民が必要とする公共支出の水準に対応して決まってくるものであると考えられます。結局、年々の予算編成過程を通じまして国民の選択を通じて明らかにされていくべきものでありまして、これをかなり先の時点で固定的に考えるのは非常に難しいものでございます。
○高杉廸忠君 二七%と推計していませんか。
○政府委員(尾崎護君) そういう推計はいたしておりません。
○高杉廸忠君 それじゃ、さらに深めますが、厚生省は、年金、医療、この各制度ごとにどんな割合になるという見通しなんですか。
○政府委員(北郷勲夫君) 先ほど申し上げた試算の内訳でございますが、六十一年度の見通しで年金の方は六・三%でございますが、これが昭和百年ではほぼ倍の一に%程度ということに相なります。 それから、医療の方でございますが、医療とそのほか労災なんかを含めまして、合わせまして昭和六十一年、四・七%のものが若干伸びまして六%程度になるのではないかというように見通しております。
○高杉廸忠君 先ほどの租税負担率、どうして推計が出ないんですか。
○政府委員(尾崎護君) 社会保障負担率の推計は先ほど厚生省から御説明ございましたように、現行の施策を前提といたしまして、これを将来に投影して試算をなさったということでございますけれども、例えば将来の人口構成などの前提となるそういうものの推計が可能でございますので、それに現行の制度、施策を将来に投影するという仮定を置きますと、その負担の推計というのもできるのではないかと思いますけれども、税制の方は、先ほど申し上げましたとおり社会保障に伴います国庫負担も含めまして国、地方全体の歳出と裏腹をなすものでありまして、どのように推移するかを見込むことは極めて困難なものでございます。例えば現行税制を前提といたしまして、弾性値とか過去の趨勢とかで将来推計を行うことができるというようにも考えられますが、税収というのは先生よく御承知のとおり、そのときどきの経済情勢に非常に大きく左右されるものでありまして、数年程度の比較的短い期間でありますとそういう推計も成り立つのではないかと思いますけれども、例えば何十年という長期にわたりまして弾性値のような手法を用いて推計を行ってみましても、数字としては意味のないものになるのではないかということを恐れているわけでございます。
○高杉廸忠君 それじゃ、現在は幾らなんですか。
○政府委員(尾崎護君) 二五・一%でございます。
○高杉廸忠君 先ほど推計が厚生省の方から出て、現在合わせても四五%、こういうことになりますが、そういうことになりますね。
○政府委員(尾崎護君) 一八%は将来の数字でございますし、二五%は現在の租税負担率でございます。
○高杉廸忠君 数字的には最低四五%になる、それ以上になるということは確実だと思います。 そこで、進めますけれども、医療費抑制と社会保険給付率を短絡的に結びつけて、国会の議決に任されております本人の給付率をさらに一割引き下げて八割にする、こういうことを行革審が言及しているんです。こういうことになりますと立法府に対する越権ではないか、こういうふうに考えるんです。総理、どういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 法律に基づいてつくられた審議会の改善意見でありますから、それはお出しになることはもちろん自由であります。とるかとらぬかは、最終的には国会が決めることであります。
○高杉廸忠君 一昨年の十月、被用者保険本人の給付率を一割引き下げて医療費総額は一〇%も落ち込んでいます。それが医療費の膨張を抑えるのに効果があると考えているとしたら、これは間違いだと思うのです。国民の健康と命を真に考えたものではない、こういうように思うんです。それならば、むしろ日常の保健活動やリハビリあるいは医療機関等の供給側のビヘービア、現行の診療報酬点数等の問題点などにこそ私は目を向けるべきだ、こういうふうに思うんです。厚生大臣、いかがですか。
○政府委員(幸田正孝君) お話しのとおり、国民医療費を将来ともに適正な規模に保つためには、何よりも国民がまず病気にかからない、健康の維持増進のための施策を総合的に進めていくことが重要だと考えております。こういった観点から、私どもは国民の健康づくり対策の充実あるいは包括的な保健医療サービス体系の整備ということを進めますと同時に、技術料を適正に評価をする合理的な診療報酬体系の確立を目指して各般の施策を進めているところであります。
○高杉廸忠君 厚生大臣よろしいですか。
○国務大臣(今井勇君) 人生の八十年型社会で、この社会の活力を維持してまいりますためにも医療費の負担が国民に過大なものにならないようにしていかなければならない。また、このために私としても最善の努力をしてまいりたいと思っておるものでございます。
○高杉廸忠君 年金について伺いますけれども、将来の制度の成熟化を考えると、その負担が将来二倍になることは当然に予測できることであります。問題は、所得再配分の効果を持たない、所得に比例して徴収をされます社会保険の財源にすべてふえる部分を依存するという点にあると考えるんです。大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(今井勇君) 所得比例の保険料が累進構造を持ちます租税に比べまして所得の再配分の効果が小さいという面がありますことは、これは事実でございます。しかし、我が国におきましては現役時代に所得に応じて保険料を納めまして、それに応じて給付を受けるという社会保険方式というものがこれまで実は御案内のとおり長くとられてまいりました。既にこれは定着をいたしております。また年金制度を通じまして、稼得収入のあります現役の世代が老齢の年金受給世代を支えると申します、いわゆる世代間の所得の移転あるいは再配分が行われているということなどを踏まえて考えますと、やっぱり今後とも現行の方式を維持してまいりますことが妥当であろうと思っております。
○高杉廸忠君 負担が倍増する過程で所得の低い者に今後の負担増がしわ寄せされる、そういう結果になることを私は危惧するんです。 そこで我が党は、年金には法人、個人の支払う賃金総額、利潤、利子など減価償却を除く所得に一定の税率を課する年金目的税のようなものを導入、これを主張しているわけですけれども、総理並びに大蔵大臣、厚生大臣、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 一般論として申しますと、いわゆる目的税というものについては、それは税金というのは可能な限りみんな色のつかないのをそのときどきの必要に応じて使わしていただくというのが原則だから、いわゆる目的税というものは本筋からは好ましいものでない、こういう議論もちろんございますが、あの提案は非常に私どもも関心を持ってこれは検討課題としなきゃならぬ。時にはいささか個人的とはいえ接触もしてみておりますが、所得付加税というところに一つのさらに煮詰めなきゃいかぬ問題点があるんじゃないか。中には、いわゆる福祉目的税でもう少し広げた中に位置づけるべきだと、こういう意見もありますし、いやそうじゃなくて、やっぱり年金というものが基礎だからそこへ対応してやるべきだ。しかし、所得付加よりもあるいは間接税がいいじゃないかと、こういう議論ももちろんございますので、今後ともやっぱりこうした問答を起点として、掘り下げた議論をすべき課題だというふうに私は考えております。
○国務大臣(今井勇君) 年金の目的税を導入いたしまして、そして税方式に切りかえるということにつきましては、私は、既に拠出いたしました者とそうでない者の間に公平性が図られるだろうかという問題と、新たに巨額の税負担を導入することにつきまして国民の理解が得られるかどうかというふうな問題があろうと思います。また目的税の導入につきましては、年金だけの問題ではなくて税制全般に関する問題でありますので、一つの確かに考え方ではありましょうが、やっぱり私は慎重に検討すべきものだと考えております。
○国務大臣(中曽根康弘君) 我が国では従来、社会保険と言われますように、保険という概念でやりまして掛金で給付を受ける、そういう考えておりますから、こういうようなものを税という強制力を伴う形でやるというのが果たしてなじむかどうか。日本人は税が嫌いですから、たとえいい税でも悪税だと、こういう概念になっておるので、その辺は大いに、研究する余地があると思いますし、特に中小企業というような場合に所得というものをどういうふうに区分けするのかと、そういう問題もございます。しかし、社会党がそういう税を言ってきたということは一つの御見識であると思いまして、よく検討さしていただきたいと思っております。
○高杉廸忠君 それぞれから聞きましても、ニュアンスがちょっと違うんです。財政再建や自立自助を総理は言っているんです。どうしても高負担が避けられない。国民の負担率が高まる過程で社会保障の財源をどのように確保していくか極めて重要なんです。そのことなんですよ。大蔵大臣どうですか。総理、厚生大臣、この点は財源確保の問題だ、社会保障を後退させない、こういうことなんですよ。ちょっと違うんじゃないですか。大蔵大臣はいいんですよ、前向き、示唆に富んだと言っているから。そちらの方で言ってくださいよ。
○国務大臣(竹下登君) しかし、誤解があるといけませんが、例えば年金等になりますと、これは社会保険制度で組み立てられておるが、しかし基礎年金部分というものがあるじゃないか、そういうような議論もしてみなきゃいかぬ問題だなという問題意識は私もございます。それと、私自身が最初感じたのは、所得付加というのはどうかなと、こういう感じは今でも持っております。
○高杉廸忠君 しかし目的税、年金目的だから。
○国務大臣(竹下登君) その年金目的の場合であっても、あるいは対象は基礎年金部分だけにすべきかとか、そういう議論はまだ残るところではないかと思っております。そして、財政当局としては目的税をつくると硬直化する嫌いもあるということもまた念頭に置かなきゃならぬ。しかし、今総理からもおっしゃいましたように、そういう御提言があったわけです。一方、間接税が財源だという御提言もある。だから、やっぱり示唆に富んだ御提言としていろんな角度から議論しなきゃいけませんが、議論すべき課題だという問題意識は持っておるということを申し上げたわけであります。
○国務大臣(今井勇君) 今後の人口の高齢化などによりまして、社会保障に要します経費は、おっしゃるとおり増加がこれは避けられません。これらの経費は、いずれにしましても租税とやっぱり社会保険料によって私は賄わざるを得ないと考えております。これらをどのように組み合わせまして賄うかということは、最終的にはやはり国民の選択によって決めらるべき問題であろうと思います。 そこで、今後社会保障の特別会計という問題も含めまして、幅広い角度から検討いたしたいと考えておるものでございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、社会党のお考えの言わんとする善意というものと勇気と大胆さというものには非常に感銘するものであります。なかなか言い出せるものではありません。しかし、それは財源確保、つまり給付を下げないようにしようという意味の財源確保という御趣旨であると思いますが、そのこと自体が国民に対して一種の強圧感といいますか、あるいは一つの形式主義といいますか、そういうような感じを与える危険性があると思うんです。 元来、私は自由経済論者でありますから、そういう意味におきましての国民の選択性あるいは自由性、弾力性、そういうものをやっぱりとうとんでいきたいという気持ちが非常に強いのであります。
○高杉廸忠君 この問題はいずれ次回に譲るにしましても論議を進めなきゃならないと思っています。 次に、国立病院・療養所の再編について伺います。 厚生省は、今日まで国立病院・療養所をどのような基本的考え方で運営してきたのか。また厚生省は国民に対して保健医療行政、これをどのように執行していく立場にあると認識していますか。総理並びに厚生大臣に伺います。
○国務大臣(今井勇君) 国立病院あるいは療養所の問題でありますが、戦後、国民病と言われました例の結核対策に大いに力を入れてまいりました。昭和三十年代以降はそれにかわりまして重度心身障害あるいは筋ジスなどの政策医療の確保に大きな役割を果たしてまいったことは先生御案内のとおりでございます。しかし、成人病が最近急増いたしております。また医療内容が高度化をいたしてまいりますので、そういった医療の環境の変化に伴いまして、これに対応した国立の医療機関にふさわしい機能の強化が求められておるわけでございます。高齢化が進展する中で、充実した国民生活の基本というのは、おっしゃるとおり、まず健康であることであります。このために果たすべき保健医療行政の役割はますます重要である、私もそのように認識をいたしております。
○国務大臣(江崎真澄君) 総理という御指名でしたが、私担当大臣ですから。 これはやはり、高度経済成長時代にいろんな病院の整備もだんだんできてまいりました。それから、国立病院それから療養所、これはやはり相当高度な、今厚生大臣も申しましたような診療を果たすのが本来の目的でありますので、そこで臨調の答申を受けまして、厚生省側と相談をしてより充実した、よりよき病院にしていこう、そしてそれは高度な治療が受けられる国立病院でありたい、こういう精神で整理統合を図っておるというわけであります。
○高杉廸忠君 厚生大臣、国立病院・療養所の再編成の大義、これは何ですか。
○国務大臣(今井勇君) 先生御案内のように、我が国の医療機関を見ますと、マクロ的には大体量的な確保というのはまずまず達成されておると思いますが、人口の高齢化だとかあるいは疾病構造の変化、あるいは医学、医術の進歩などによりまして、医療内容というのは極めて高度化また多様化をいたしております。一方、国立病院・療養所について見ますと、その機能とか要員、そういったものの現状や国家財政の状況等を踏まえて考えますと、果たすべき役割をより一層明らかにいたしまして、国立医療機関としてふさわしい機能を果たすこと、これが強く要請されておるわけでございます。 そこで、今回の再編成というのは避けて通れない道である、私はそのように考えておるものでございます。
○高杉廸忠君 まだぴったりしませんけれども、私なりに考えますと、急激な医療環境の変化、それと財政事情の悪化、こういうことをどうしても考えるんです。そうしますと、今回の国立病院・療養所の再編成というのはどうも財源対策ではないか。厚生大臣、なぜ赤字の医療機関を国が運営していったら不合理なのか、赤字にならざるを得ない地域の医療こそ国が受け持つべき重要な医療の分野ではないか、こういうように思うんです。総理、そう思うのですが、厚生大臣、いかがですか。
○国務大臣(今井勇君) 今回の再編成では、国立病院だとか療養所の果たすべき役割を明確にするものでございまして、地域の一般的な医療の提供というのは極力他の経営主体にゆだねまして、国立医療機関はより広域を対象といたします高度の専門医療などの政策医療あるいは臨床研究、それから教育研修などに重点を果たしていくことに考えておるわけでございまして、今回の再編成というのはこのような観点から行うものでありまして、私は財政対策のためではないというふうに考えております。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国立病院の中には建てられてからもう相当古い時間がたって、施設やあるいは設備というものが古くなっておるものもあります。最近の医療関係の大きな変革、新しい病気の出現とか、あるいは医療機械の進歩とか検査の新しい方法とか、そういう面から見ましても、もうある転機が来つつあるように思うんです。この機会に国立の関係についてもさらによき医療を国民の皆様方に保障するし、あるいは専門的なことによって一般のお医者さんから委託を受けてその委託に応ずる力を持つ、そういうようなセンターになる必要もあるのです。そういうような面から、今までの水準を落とさないようにしつつ、よりよきものを供給しようという集約化をやる、そのことは私は適当な政策であると考えております。
○高杉廸忠君 今厚生大臣からお話しのように、高度医療、先駆的医療としていく、こういうようなお話であります。私は、だからつい最近この目で確かめてきたんです。国立病院医療センターを訪問して施設側から詳細なお話を伺って、御案内をいただいて診療の一つ一つを実態について確かめてきたんです。確かに昭和四十九年、旧陸軍病院時代の建物が姿を消して、一新をされて十六階の近代的ビルと生まれ変わりましたが、既に十年経過しているんです。 そこで大臣、現在せっかく高度医療、先駆的医療として十年経過したのだが、果たしてその機能は今日十分生かされ、国民のものになっていますか。私は見て確かめてきたんです。どうですか。
○政府委員(木戸脩君) お答えを申し上げます。 国立病院医療センターは、国立病院の代表的な医療機関として、がん、循環器病、小児外科など、高度先駆的な総合医療を担うとともに、膠原病などの難病の診断、治療、研究に関する基幹施設として指導的な役割を果たしていると思うわけでございます。 ただ、先生御指摘の、まだ未開棟の病棟があるではないかといこういうお話でございます。先生も先日御視察なさったわけでございますが、実は四十八年に全面改築、新装成った当時は、二十四病棟全部を開くということで計画をしたわけでございますが、現在のところ開いてないのは五病棟ということになっております。このうち四個病棟は、四十九年建設当時予定をしておりませんでした栄養指導とか心理室とか高度な検査室等に医学技術の進歩を踏まえて転用したわけでございます。したがいまして、あと一病棟開棟ということでございまして、この四月一日から開棟することになっておるわけでございます。
○高杉廸忠君 私は確かめたのですけれども、機材や人材が備わらないで今日十年たってもなお二百二十五ヘッドが活用されてない。今までのお話のように高適な高度先駆的医療、これはいいんですよ。それは否定しません。しかし、十六階の建物が十年前に建っていても、現実には二百五十ベッドが全然使ってない状態でしょう。十年間放置されていたわけですよ。どうなんですか。
○政府委員(木戸脩君) 今お答え申し上げたとおりでございます。確かに先生が御指摘のように、当初の計画から言いますとあと五病棟が未開棟ということでございますが、このうち四個病棟は今申し上げましたように医学技術の進歩等で、ベッドでなくて、ほかの高機能ということに切りかえたわけでございます。なかなか国立病院も定員がきつうございます。医療センターはその中でも私どもは重点的配置をしてきたつもりでございますが、なかなか定員の問題等がございまして、今まで開陳がおくれていたことは申しわけないと思っておりますが、今申し上げましたとおりに、この四月一日から一個病棟を開棟いたしますので、先生の御指摘の点は解決できるというふうに考えております。
○高杉廸忠君 四月一日からやるのは一部で、じゃ、現在使えないベッドはどのくらいの数字になるのか。
○政府委員(木戸脩君) 先生御指摘のように、訓令の定床ということから言えばあと二百二十五と、こういうことになるわけでございますが、先ほども申し上げましたように、四個病棟は現在のところはもう病棟として使う予定はない、こういうことでございますので、あと一個病棟だけ四十五ベッド開く、こういう考え方でございます。
○高杉廸忠君 せっかく近代的ビルを、十六階のすばらしい建物を建てたのをあかしていくということは、私はそういう意味ではもったいないと思うんです。大蔵大臣、全然病室使ってないんだからね。それが現実。現在先駆的医療を推進するといって大型病院をつくるんです。今日ではどこの県にも医大病院があって、既にセンター化しているのに。 そこで、文部大臣に伺うんですが、今度の再編計画に具体的な事前に御相談があったんですか。お話があったんですか、どうなんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 昨年の三月、厚生省が計画をお決めになり閣議に報告されましたときに、文部省の審議官のところへその基本について御説明の御連絡があったと、こう聞いております。
○高杉廸忠君 厚生大臣に伺うんですが、地方に移譲を予定する三十四施設のベッド数、この減少はどの程度になるんですか。
○政府委員(木戸脩君) 御指摘のように、移譲施設は三十四施設、ベッド数は約六千五百床でございます。
○高杉廸忠君 大臣、この中には淡路島や壱岐、対馬、この離島四施設、それから脳卒中患者のリハビリの機能を持つ山間部の温泉病院、これも統廃合合わせて十三施設、これが含まれていると聞くんですが、そうなると国立病院への依存度が高い僻地、これはもうまともにしわ寄せになるんですね。僻地医療にとっては大変なことなんです。総理、僻地医療にとっては大変なことになるんですよ。厚生大臣、総理、どういうふうに考えますか。
○国務大臣(今井勇君) 今回のこの再編成では、国立の医療機関はより広域を対象とする高度な専門医療といった国立の医療機関にふさわしい役割を担当することが必要だと、私はこう考えております。そこで、今の離島、僻地の医療の問題でございますが、厚生省といたしましてももちろん重要な医療政策であると考えておりますけれども、その確保につきましては、第一義的にはやはり地域医療の確保に責任を持つべき地方自治体が中心となって対応することが適切であると考えておるわけでございまして、国はその推進が図られるように助成などの措置を進めていくというふうに私は考えておるものでございます。
○国務大臣(江崎真澄君) 今の答弁で尽きるわけでありますが、要するに私立の病院、それからそれなりの地方自治体の病院、施設、診療所、こういったものが充実しておるという前提で高度なものを求めて統廃合をしていこうと、こういうことでありますから、今御指摘の点についても不自由のないように、もし病院であれば、その後には診療所を置くとか、あるいは私立の方にお願いをするとか自治体にお願いするとか、それなりの対策は厚生省でも万遺漏なく行われておるというふうに私ども報告を受けております。
○高杉廸忠君 それならば自治大臣に改めて聞きますけれども、自治大臣、昨年医療法が改正をされまして、都道府県が地域医療計画をつくることになっておるんです。そこで大臣、自治省初め地方公共団体と十分な協議がなされて今日に至っているかどうか、地域医療計画についてもですね。どうですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 基本的な問題についてはもちろん厚生省と協議しておるわけでありますが、今後策定いたします地域医療計画につきましては、今厚生省におきましてその指針を都道府県と相談しながら検討中というふうに聞いております。したがいまして、私どもといたしましては、その具体的な点につきましては今後自治省は協議を受けるものと考えております。
○高杉廸忠君 さらに自治大臣に伺うんですが、昨年の六月六日、事務次官通達を出されていますね。その内容と自治体病院の経営収支の実態を県立病院、市町村立などに分けて説明していただきたいと思うんです。膨大な資料だと思いますから資料を下さい。
○政府委員(小林実君) 自治体の経営状況でございますが、五十九年度決算におきましては、経常収益が一兆九千百四十二億、経常費用が一兆九千五百五十一億でございまして、この結果、経常損失額は四百九億円でございまして、全事業が七百二十七事業ございます、その約五三%に当たる三百八十三事業が赤字となっております。これを都道府県立と市町村に分けますと、都道府県立の場合で百八十二億の経常損失、事業数で申し上げますと約七割が赤字でございます。市町村立の病院におきましては二百二十七億の経常損失を生じておりまして、事業数で申し上げますと約五二%に当たる事業が赤字となっております。今回国立病院等の再編成、合理化に関連いたしまして、移譲先、公的医療機関等が予定されております。その中の一つとして自治体も考えられておるところでございます。 御承知のように、地方におきましても行政改革は喫緊の問題でございます。それから、病院ということで考えますと、自治体病院の経営状況が大変であるということ、また病院会計と一般会計が非常に厳しい状況でございますので、これらを考えて、経営移譲の問題が生じた場合におきましては、将来の採算性あるいは一般会計の負担等につきまして十分に検討する必要がある、地方団体としても慎重に対処する必要があるというふうに考えまして、通知をいたしたところでございます。
○高杉廸忠君 厚生大臣、厚生省は、国立病院・療養所の経営移譲の引き受け手としてさっきも江崎さんからお話がありましたように自治体が最善ですね。
○国務大臣(江崎真澄君) 私立も入れてですよ。
○高杉廸忠君 私立もですね。自治体が最善とも考えているようですよ。国でさえ支え切れなかったものを地方が財政負担を避けようとするのは当然なんですね。そうでしょう。江崎長官は首振っていますからそう考えていると思うんです。 そこで、大蔵大臣にも伺うんです。国でさえ支え切れないものは地方も嫌がるわけです。それを押しつけようとするんですよ。厚生大臣どうなんですか。
○政府委員(木戸脩君) 先ほども申し上げましたように、移譲先は三十四あるわけであります。いろいろな施設がございます。いろいろな立地条件がございます。私ども、必ずしも地方自治体だけではなく公的医療機関その他民間でしっかりしたところというのも受けていいかと思います。ただ、ほかに全く医療機関がないというようなところはやはり自治体というものが、自治体が直営しなくても自治体が関与する必要があるというふうには考えます。いずれにいたしましても、具体的な移譲先については各都道府県とも十分協議をしながら選定してまいりたいと考えております。
○国務大臣(江崎真澄君) ちょっと誤解があるようですから申し上げますが、これは自治体を含めましてやはり私立の病院、医療機関、もちろんそういうところの充実性に依存をする、そしてその水準は、高杉さん専門家であられるから既に御承知のように、欧米水準に達しておる、だから国立はもっと高度なものを追求していこう、こういうわけでありますから、私立に依存する分も相当多いわけであります。
○国務大臣(今井勇君) 先ほど政府委員から答弁をさしたところでございますが、移譲先につきましてはやはり地域と関係の非常に深い公共団体及び公的な医療機関など、公的な強い性格を持った団体というものを対象にしたいと考えておりますが、具体的な移譲先につきましては各都道府県と十分に協議しながら選定をしてまいりたいというふうに考えておるものでございます。
○高杉廸忠君 後で自治大臣に聞きますが、国がひとりで高度先駆的医療を担当していく、こう言っても、都道府県には地域医療計画、それに沿ったものでないと、国が一生懸命国立はやりますと言ったって、地方も一緒に地域医療計画をつくるわけですから、そうでなければ意味がないんですよね。自治大臣、どうですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 御指摘のように地域医療のあり方、そういう論議の中でもちろんとらえていかなければならないと思います。したがいまして、先生の先ほどの御指摘もありましたように、今後都道府県でその地域医療計画を策定していくわけでございますので、この再編の問題も地域医療計画の中で位置づけられていかなければならない、そのように考えております。
○高杉廸忠君 さらに自治大臣、「経営移譲の問題については慎重に対処する」、次官通達出している、具体的にはどうなんですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 通達の中身でしょうか。
○高杉廸忠君 そうそう。
○国務大臣(小沢一郎君) それにつきましては、先ほど政府委員も触れて答弁をいたしましたけれども、現実に自治体病院の経営も非常に厳しい状況にあります。地方においても財政全般も大変厳しい中でございますし、地方行革も進めなければならない、そういう状況でございますが、それぞれ各地域におきまして、国立病院の存立につきましてもいろいろケースがあると思います。したがいまして、具体的にはそれぞれの、ただいま申し上げましたように、各都道府県の定めるこれからつくる地域医療計画の中でこの問題も位置づけられていくものではないか、そのように申し上げたわけであります。
○高杉廸忠君 経営移譲について大変心配しているから嫌だというふうになると思うんですよね。 さらに自治大臣、一月三十一日現在で全国の自治体の九〇%に近い実に二千九百三十五の議会がこの再編計画に反対の決議、これを行っているんです。さらに、国立医療の存続と充実を求める決議をしているんです。どういうふうにこれは認識していますか。
○国務大臣(小沢一郎君) その事実は今申し上げましたように、地域においても病院の経営等も大変厳しいという問題が主としてその根底にあると思います。 〔理事桧垣徳太郎君退席、委員長着席〕 しかし、先ほど来厚生大臣もお話しのように、いわゆる国の医療は高度な問題につきまして担当していくのだ、そういう本来の再編の機能を十分に発揮できるようにするためには、地域のそういった医療のあり方を十分検討してその中から出てこなければならないものと、私はそのように先ほど来答弁いたしておるわけであります。
○高杉廸忠君 総理、総理にこの際伺うのですけれども、どうも話を聞いていますと、まだ各省間ですっきりしてないんですね。江崎長官も聞いておると思うんですが、自治体の方でも弱腰になっておるわけですし、そういう意味ではまだ政府部内で煮詰まったものかなという疑問を率直に持ちます。私は、本来この種の計画というものは、社会保障制度審議会あるいは医療審議会、こういうような総理の好きな審議会のところで十分に審議いただいて、慎重に論議をしてその答申を得て、しかも今聞いておられるように、各省はばらばらな形じゃなくて、縦割りじゃなくて、厚生、文部、自治、大蔵、こういう関係省庁が十分に協議して、そしてそれをきちっとした上で国会に提案すべきだ、こういうふうに思うんです。総理を初め文部大臣、自治大臣、大蔵大臣、厚生大臣、いかがですか。
○国務大臣(江崎真澄君) これはよく相談をしての話でありまして、今相談の途中というわけじゃないのです。そして、さっき申し上げましたように、高度成長時代に相当民間医療機関というものも発達してまいりました。充実してまいりました。その一面、国立と称するものは本当に医師が三人しかいないとか、まことに微々たる診療所であったり、国立とは名ばかりのものである。これでは本来の任務が果たせないではないか。より先端的な高度なものにしていこう。それは自治体病院とも協力をとるし、私立の病院との間に十分連絡をとりながら地域医療というものを万全にしていこう、そういう計画に立っての再配置でありますから、御心配等の点については十分私は、合意を得て厚生省において今後事務的にも進めていただける、こういうふうに考えております。
○国務大臣(今井勇君) 今回の国立病院とかあるいは療養所の再編成の問題でございますが、これは臨調の答申及びこれを受けまして閣議決定されました行政改革の具体化の方策に基づいて実施するものでございまして、具体的なこの再編計画の基本方針でございますが、これは昨年三月の閣議に報告をいたしまして了承をされておるところでございまして、私は、御指摘のようなものとは考えておらないのでございます。 また、その審議会の点でございますが、それぞれの法令によりまして審議の事項がきちっと決められておるわけでございます。国立病院あるいは療養所の再編成の計画につきましては、御質問のような手続を私は必要とされていないものだと考えております。しかしながら、再編成は極めて大事な問題でございますから、今申し上げたように、昨年三月に閣議に報告を行いまして了承されておりますが、この具体的な計画の実施に当たりましては、必要に応じまして関係の各省とも十分に話し合いをしてまいりたい、こう考えております。
○国務大臣(海部俊樹君) 厚生省が所管される施設について医療行政の観点から再編成を行うものであると聞いておりますし、また先ほど申し上げましたように、閣議に報告された後で審議官のところへ具体的な説明も受けておりますが、私どもとしては、大学の附属病院との関連も当然考慮されてこの計画がなされておるもの、こう受けとめております。
○国務大臣(小沢一郎君) 自治省といたしましては、今後各都道府県で策定する地域医療計画、その指針となるべきものを厚生省におきまして今検討中でございます。したがいまして、今後その具体的な問題等につきまして、地域医療のあり方、そういうものを十分に踏まえた上で厚生省とも十分協議してまいりたい、そのように考えております。
○国務大臣(竹下登君) この法律は、きょうの閣議で、今国会予定されておる八十五本、まあいずれにせよ提出される、それにつきましては厚生省が立案されて、大蔵省初めとしてこれには参画をいたしたものでございます。問題は、今後の問題であろう。計画の具体化に当たっては、予算編成過程等におきまして私の場合はこの詰めが行われるというふうに承知をいたしておるところでございます。
○国務大臣(江崎真澄君) こういう問題は、これは御承知のように総論は理解できても各論ではいろいろと議論のあるものです。それが今御議論の中心になっておるわけですが、自民党におきましても、この法律案、きょうが法案提出の我々内輪の申し合わせ日でありますが、調整をしておる最中である、こういうふうに了承をしております。しかし、方針については、既定方針を貫いていこうということで貫いていくことであります。失礼しました。きょう総務会を終わりまして提出をしたそうであります。 これはやっぱり各論について相当慎重な協議をした上で提出された、こういうことですから御了承願います。
○高杉廸忠君 自治大臣、大事なことなんですよ。自治体の九〇%、二千九百三十五の議会が決議している。自治大臣は、自治体の意見というものをどういうふうに尊重していく立場にありますか。これは党内なら党内の中でそういう自治体の意思というものを尊重していく、そういう立場に自治大臣あるんじゃないんですか。 それから厚生大臣、先ほどの審議会にかけなくてもいいというような発言ですと、一体これから民主主義の原則として、医療をどういうふうに地域から全国的にいくかということについては極めて重要ですから、当然そういう審議会でこそ十分審議をしていって結論を得るようにすることが大事じゃないか、こういうふうに思うんです。自治大臣、厚生大臣、どうでしょうか。
○国務大臣(小沢一郎君) 国の全体の政治の執行は中央政府、そして地方自治体、お互いが協力いたしまして、両方相まって本来の政策を実行し国民に行政サービスをすることができるわけであります。したがいまして、その意味において地方の自治体あるいは地域の住民、国民の意見は十分尊重されなければならないことは言うまでもないことであります。 先ほど御答弁いたしましたように、今その具体的な問題について検討を厚生省でもしておるわけでありますので、自治省といたしまして、また私といたしましても、今後その厚生省等の協議の中で十分地域の問題も把握しながら検討してその作業を進めてまいりたい、そのように考えております。
○政府委員(木戸脩君) 大臣からお答えを申し上げます前に、仕組みについて御説明をいたしたいと思います。 昨年の十二月に医療法が通ったわけでございまして、各県でこれから地域医療計画というものをつくっていただくわけであります。当然国立病院というのもその中に入るわけでございます。ただ、私どもとしましては、国立病院は全国的にどういうものを受け持つかということにつきましては、先ほど大臣が御答弁申し上げておりますように、より広域的な、他の医療機関ができない高度あるいは専門の医療、こういう大原則を持っているわけでございます。 したがいまして、今後国立病院・療養所も各地域医療計画の中で十分協議をしていただいて、具体的に高度先駆というのはどういうものを持つんだ、あるいは病院、診療所とどういう連携をとるんだということは地域医療計画の中で決めていただく。当然そのときには各県に都道府県医療審議会というものがございますので、そこの意見を聞いていく、こういう仕組みになっているわけでございます。
○高杉廸忠君 それじゃ、確認になりますが、さっき大臣が言われたこととはちょっとニュアンスが違いますが、そういう十分論議をしていく、こういうことですな。
○国務大臣(今井勇君) この問題は、十分に地元とは話し合いをしてまいります。これは御説のとおりでございます。 もう一度繰り返して申し上げますが、審議会の点でございますが、それぞれの審議事項が決まっておるわけでございまして、国立病院・療養所の再編成の計画そのものにつきましては、御質問のような手続はこれは必要とされていないものでございます。厚生大臣ができるわけでございます。しかしながら、地元との話し合いは十分にいたしますということを申し上げたわけでございまして、もし誤解がございますれば、私の今申し上げたのはそのとおりでございます。
○高杉廸忠君 いずれにしましても地域的には手続をしていくと、こういうことを確認しておきます。 それから、総理に伺いますが、おひざ元の長寿園のことであります。この長寿園の廃止については一昨日ですがお話もありましたが、現在六十四人の方が入院療養中で、現在町を挙げて存続、充実の要望が行われまして、地元の代表の方々が厚生省に十七回も陳情を行って足を運んでいるんです。これは全町民が強く要望していると思うんです。総理、地元の人たちの切なる願い、これをどのようにお考えになっていますか。
○国務大臣(今井勇君) 長寿園の問題でございますが、これは地域住民からの存続要望が極めて強いということはよく存じております。今回の計画につきましては、長寿園の統合によりまして国立医療機関としての質的な強化を図ろう、こう私どもは考えております。しかしながら、その実施に当たりましては地域の後医療の問題が先生のお話にございますから、当然これは確保しなきゃなりません。それで、そういったできる限りの配慮を払って地域住民の御理解及び御協力をぜひお願いしたいものだと思って、繰り返し繰り返し説得をしているところでございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 長寿園の患者の皆さんあるいは住民の皆様方には政府といたしましてもできる限り万全の手当てをいたしまして御迷惑をかけないようにしつつ、医療制度を充実する形でやっていきたいと思っております。 ただ、先般お答え申し上げましたように、地元の皆様方にもいろいろお願いもして、特別養護老人ホームをつくるとかあるいは診療所を新しくつくるとか、そういうようないろいろな配慮も行いまして、今御理解を得るように努力している最中でありますので、どうぞよろしく御了解をお願いいたしたいと思います。
○委員長(安田隆明君) 関連質疑を許します。山田譲君。
○山田譲君 私は医療制度の問題、その他いろいろ問題はあるにしても、これは今高杉さんがやっておられますから、私はここで特に長寿園について実態、実情がどうなっているかということを少しお話しをして、ぜひとも善処をお願いしたい、こう思うわけです。 どうも聞いていまして、総理大臣もそうですけれども、若干何か勘違いしていらっしゃらないかと思う節があるわけであります。 実は私も、この問題は非常に重要だと思いましたものですから、去年あたりから何回も足を運んで地元へ行ってきました。そして、とりわけ十日くらい前、ちょうどあの大雪の晩でありましたけれども、私は現地へ泊まり込んで、そして坂上部落、これは総理なんかもよく御存じの大変な山間僻地でありますけれども、その中を、寒い中でしたけれども、五、六カ所各家を歩き回って、その辺の村の人にも集まってもらったりして話を聞きました。それで、あの寒いしかも大雪の晩でありましたけれども、非常に多くの村人が集まってくださいまして、いろいろと私も陳情を受けたわけであります。 そこで、その中にいる人たちはもういろんな人が来ていました。その中にはもちろん中曽根さんの熱心な信者も、支持者もおられましたし、福田赳夫さんの信者もおられた、あるいはまた小渕恵三さんのど真ん中のようなところですからこれまた熱心な子分さんたちもたくさんおられたわけであります。そういう人でして、別に特定の人が扇動してやっているというふうな筋合いのものじゃ全然ない。本当に村が挙げて何とかしてこの長寿園を残してもらいたいという気持ちがいかに切実なものであるかということがよくわかったわけであります。 特にこの療養所につきましては、古い話ですけれども、昭和十四年に国立の結核療養所をつくろうとしたときに、各地方は嫌がってそれを受けなかったわけです。それに対してこの坂上部落の人たちは、これはお国のすることだから協力しようじゃないかといって、むしろ喜んで勤労奉仕までしてこの療養所を持ってきたのであります。そして、さらに戦時中には患者さんのために防空ごうまでつくったりなんかした。そういうふうにして非常に村人たちも、自分たちの命を守ってくれる大事な国立の療養所である、病院である、こういうことで、ほかに病院もない完全な無医地区ですから、一生懸命みんなが守り育てた。それで、療養所としても地域医療のために非常に努力をしてくださったわけであります。 そういう療養所ですから、日本国全体の医療制度をどうするこうするという大きな問題はこの際論外としても、とにかく村人があれだけ切実に残してくれと言っている。そしてまた患者さんたちも、これはもう大体六十以上の人が多いんですけれども、その人たちも何とかして自分はこの療養所にいたいんだ、こう言って願っているわけであって、これは決してだてや酔狂で言っている言葉じゃないんですね。ですから、ひとつここのところをよくよく考えていただいて、総理大臣にもぜひ善処をお願いしたい、こういうふうに思うわけです。 それで、非常に不満足なのは、これだけの大きな問題になっている、それで非常に厚生省もよくやるようなことを言っていますけれども、厚生省の人はだれ一人として今まで来やしない。現にあと二週間くらいしかないのに、とにかく三月いっぱいでやめます、そういうことを言ったって、これは村の人は納得するはずはないわけです。そこら辺を十分考えていただいてぜひとも善処をお願いしたい。総理大臣、いかがですか。ぜひお願いします。
○国務大臣(今井勇君) 先生のお気持ちは痛いほどわかるわけでございますが、長寿園は御案内のように小規模な施設でもございますし、立地条件にも恵まれておりませんという理由などから、国立の医療機関として存続整備を図ることは極めて困難であろうと考えておるわけでございます。しかしながら、長寿園を廃止いたしました後におきます医療の確保のための診療所の建設、あるいはまた入院患者の受け入れ先であります西群馬病院病棟などの整備などもだんだんと目鼻がついてまいりましたので、何とか予定どおりに計画を進めさせていただきたいものだと、ひたすらこれはお願いをするものでございます。 お説のとおり、この長寿園は昭和十四年に既設されておりまして、現在患者も六十四名、平均年齢も極めて高いことは私どもよく存じております。また長寿園の、私どもの職員でございますが、いろんな地方医務局の連中であるとかがたびたびお邪魔をいたしまして、長寿園に対しましていろいろお願いをしているということはぜひひとつ御理解を賜りたいものだと思っておるものでございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 厚生省でもいろいろ検討し、苦労して地元の皆さんの御理解を得るように努力しておるところでございます。まことに遺憾ではございますけれども、厚生大臣の答弁のとおりであります。
○高杉廸忠君 総理、高齢の患者さんを扱う場合には細心の配慮が必要なんです。また少くとも本人の同意が不可欠なんです。 私が過去にかかわった例で申し上げますと、昭和五十六年の七月に高齢の老人性疾患の患者さん五人、この方が事情があって都病院、いろんな問題があった病院で、埼玉県のセントラル病院に移送したわけです。そうしたら約二カ月半で五人の方全員が死亡した、こういう実例があるし、私もかかわったんです。そこで、こういうことを再度起こさないようにするためには無理しちゃだめです。もう細心な配慮で、私はやはり患者さん方の十分な理解と納得がなければ患者さんはしがみついてでも行かないと、こういう事情、これはやっぱり十分考慮をする必要があると思うんです。 そこで総理、長寿園については、第一に人命尊重の立場から強制的に転送はしない、第二に地域の人たちの意見は十分尊重していく、そして第三に十分話し合いをするよう努力をする、これを基本的にしたお約束、厚生大臣、総理にも私はしていただきたいと思うんです。いかがですか。
○国務大臣(今井勇君) お説のとおり、現在の入院患者は高齢者が多うございます。また寝たきりの患者もおられます。私もよく聞いて存じております。そういうことで、この西群馬病院への転院に当たりましては、病状などを十分に考えまして患者に万が一のことのないように、不安を与えないように、これは私も十分な注意を持って対処してまいりたいと、こう考えております。 また、これらの点は地域の住民の意見も十分聞いてまいったところでございますが、今後とも十分話し合いまして、理解が得られますように私どもも努めてまいりたいと、こう考えております。 それでまた、患者の移送に当たりましても、もう万が一にも先生のおっしゃいます御心配のようなことがないように十分に話し合いまして理解を求めてまいりたいと、このように思っておるものでございます。
○高杉廸忠君 三つの約束はできるんですか、約束していただけるんですか。
○国務大臣(今井勇君) 私が今御答弁申し上げたことが三つのお約束の私の答弁だというふうに御理解いただきたいと、私その気持ちで御答弁をしたつもりでございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大事な病人の方々でありますから、人命尊重ということがまず第一で、かりそめにもおっしゃったようなことが起きないように最善の手当てと注意をして行わせるようにいたしたいと思いますし、また地元の皆様方にも十分御理解を得るように努力いたしまして、円満に行われるように政府としても努力いたしたいと思います。
○高杉廸忠君 ぜひお願いをしておきます。 それから、老人医療関係に移りたいと思いますけれども、老人医療の無料制度が崩されて有料になった五十八年二月、それからもう三年も経過しているわけです。そこで、負担強化が提示されるこのこと自体が私は異常であると考えるんです。総理、中曽根内閣の特徴、財政再建の名のもとに福祉の削減、国庫負担の弱者への肩がわり、これを最も端的にあらわしているんじゃないかと私は思うんです。国庫負担を病気で通院しなければならない人たちや入院している者に転嫁していく、こういう政策というものは社会保障の後退である、そしてまた租税の所得再分配の機能というものを無視したものではないか、私はこういうふうに考えるんです。 そこで伺うんですが、厚生大臣それから大蔵大臣、どのようにお考えになっていますか。
○国務大臣(今井勇君) 老人医療費はただいま四兆円に達しておりますが、現在お年寄りの方々が負担しておられます一部負担の額はこのうち約六百億、割合にいたしまして一・六%でございまして、残りのほとんどは若い世代が負担をいたしております実情でございます。そういうことで、高齢化社会を迎えまして、お年寄りも現役世帯も力を合わせて老人医療費を公平に負担していこうという観点から今回の改正をお願いしているわけでございます。今回の改正では、お年寄りの方が払いやすいように定額制は変えない、また外来につきましては月の初めに一回払っていただきますれば後は払わなくてもいいといった現在の仕組みを維持することを基本にいたしております。また額につきましても、年金の充実の状況や高齢者の世帯の所得の実態から見て、何とかお願いできるんじゃなかろうかと考えているものでございます。 このように、今回の改正と申しますのは、二十一世紀におきましても安心して老後を託せる老人の保健制度の確立を目指すものでございますので、ぜひともひとつ先生の御理解をいただきたいものだと考えておるものでございます。
○国務大臣(竹下登君) 厚生大臣のお話に尽きるわけでございますが、私どもといたしましても、やはり二十一世紀、いわば中長期的展望の中で保健制度の長期安定ということからとられた措置である、このように理解をいたして御協力を賜りたいと思っております。
○高杉廸忠君 今度の老人保健制度の見直しによって六十一年度患者の一部負担の総額、これはどの程度になるんですか。
○政府委員(黒木武弘君) お答えをいたします。 今回の一部負担の改正は、ただいま大臣が御答弁申し上げたとおりの観点から行うわけでございますけれども、まず改正の内容でございますが、本年の六月から入院につきましては二カ月の限度を撤廃いたしますとともに、一旦三百円を五百円に改定するものでございますとともに、外来につきましては一カ月四百円を千円に改定することにいたしております。この改定に伴いまして、ただいまお尋ねの額でございますけれども、老人医療費総額四兆二千億円に上っておるわけでございますけれども、六十一年度の一部負担総額は六月実施で千五百七十五億円、満年度ベースにいたしまして千八百九十七億円と相なるわけでございます。
○高杉廸忠君 その引き上げの総額に及ぼす影響額、これはどの程度になりますか。
○政府委員(黒木武弘君) ただいま申し上げました額が老人医療費全体にどのような割合になるかというお尋ねだと思いますけれども、現在一部負担の老人医療費に占める割合は一・六%でございます。今回の改正に伴いまして一部負担の老人医療費全体に占める割合について申し上げますと、六十一年度六月実施で三・七%、満年度ベースで四・五%程度になるものと見込んでおります。
○高杉廸忠君 全体に占める割合、それから一部負担総額に及ぼす影響わかったんですが、必要な診療を抑制しないよう配慮する、こういうふうな説明もしているんですけれども、今お話があったそれだけの抑制診療の効果、こういうものを算出しているんですね。どうも理解ができないんですが、それはどういうふうな方法で試算をしているんですか。
○政府委員(黒木武弘君) ただいま申し上げました一部負担の総額でございますけれども、一部負担を改定いたしますと、いわゆる老人の総医療費総額に影響が出るものと考えておるわけでございますけれども、私どもとしては老人医療費四兆二千四百九十六億円に対しまして千百十四億円の減というものを影響額として見込んでおります。 その減の見込み方というお尋ねがもう一つあったんだろうと思いますが、今回の一部負担の改正に当たりましては、ただいま大臣からもお答えいたしましたように、老人の方が払いやすいような制度ということで一つは定額制度を変えなかった。二つ目には、月の初めに一回支払えばいいという現行の支払い方式を堅持したということでございまして、私どもは必要な受診の抑制にはならないというふうに十分配慮をいたしておるつもりでございます。 ただ、今回の一部負担を改正いたしますと、先ほども申しましたように千億余の影響額が出てくるわけでございます。これは従来から統計的に給付率が変わりますと医療費が変わるという相関がある。つまり、一部負担を上げますと給付率が下がるわけでございますけれども、給付率と医療費に相関があるということが言われておる、また現に見られておるわけでございまして、この相関式いわゆる長瀬計数と申しておりますけれども、その長瀬計数を用いまして一定の影響額を見込んだというものでございまして、御指摘のように必要な受診を抑制するといった政策的な意図で推計したものではないということで御理解をいただきたいと思います。
○高杉廸忠君 常に政府が言ってきているのは、被用者保険は本人の一割負担を導入している、それと比べると負担が軽いからバランスがとれないというのは、これはどうも理屈が通らないと思うんですね。いずれ十分な論議は一般質問等でやる機会があると思います。 私はこの際指摘したいのは、最近の政府の手法、一つのことを改悪すると、それを次の改悪を進める理由づけにしていく、こういうようなことで順次なし崩してきたというのが過去の例で、現実にあるわけです。そういうことは私どもはもうこれから認められないんですよね。厚生大臣それから総理にも伺います。そういう手法をやめていただきたいと思うんです。いかがですか。
○国務大臣(今井勇君) 私どもは、近年の一連の社会保障制度の改革というものは、やっぱり給付と負担の公平化を図ることによりまして、こういった制度をこれからやってまいります高齢化社会におきましても揺るぎのないものにしよう、私はそういうためにやるものだと考えております。 今回の老人保健制度の改革もそのような観点に立ちまして、世代間のまず負担の公平を図るというために一部負担の改正をお願いする。それから医療保険の間の負担の不均衡を是正するために加入者の案分率の引き上げをやろう。それからまた、介護を必要とするお年寄りやその家族のための老人の保健施設の制度化をやろうというふうなものの改正を行うこととしているわけでございまして、やはりこの改正は二十一世紀においても安心して老後を託せる、そういった老人保健制度の確立を目指すものでございまして、どうぞひとつ御理解をいただきたいものだと私は切にお願いするものでございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 厚生大臣が申し上げたとおりでございます。やはり長期的安定、世代間の公平、そして給付と負担のバランス、そういういろんな面を考えましてやむを得ざる措置としてお願いをしているわけでございます。
○高杉廸忠君 いずれ十分な機会を得たいと思いますが、先に進めさせていただきます。 総理、去る一月の三十一日の本院における各党代表質問のとき、我が党の本岡昭次議員の質問に対して、「人権擁護につきましては、民主主義の基本であり、一人一人の人権が確立するように」努力する、こういうふうに答えられた。また精神衛生法改正については、「国際的な意見もしんしゃくしつつ、入院患者の人権面」をよく見きわめる、こう述べられています。 そこで伺うんですが、総理が答弁されました「国際的な意見」、これはどういうようなことなんですか。
○国務大臣(今井勇君) 私は主なものとして三つあろうと思っております。その一つは、精神障害者の人権保護のための例の最低の基準案、いわゆるダエス草案のことでございます、
○高杉廸忠君 ダエス報告ですね。
○国務大臣(今井勇君) ダエス報告でございます。一九八三年。二番目はWHOのクラーク勧告、これは一九六八年。三番目はICJの訪日調査団によります日本の精神医療に関する中間報告、これは一九八五年。この三つであろうと存じております。
○国務大臣(中曽根康弘君) 厚生大臣の答弁のとおりです。
○高杉廸忠君 私、昨年の八月ジュネーブに参りまして、国連の人権小委員会に出席をいたしまして関係の皆さんの意見を伺ってきたんです。率直に申し上げまして、経済では我が国は大国かもしれませんけれども、人権、特に精神障害者の人権については全くの後進国であることを痛切に感じて帰ってきたんです。しかも、今後も経済技術面ではますます我が国は大国化するだろうと思うんです。したがって私はこれにふさわしい人権国にならなければならない、こういうふうに考えるんです。総理はどういうふうにお考えになりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 人権確立、擁護は憲法の重大な基本原則でございますから、一般的にまさにそのとおりであると思います。精神病者の扱いという問題については医療の問題も絡んでまいりまして、非常に複雑な難しい問題が起きつつあります。宇都宮病院のような事件も起こりました。そういういろんな経験を踏まえまして、少なくとも精神病者に対する人権擁護についても先進国として扱われるようにぜひならなければならぬと思っております。
○高杉廸忠君 我が国の精神衛生行政、これは国際人権B規約第九条第四項、これに違反するんではないかということですね。それから国際組織から厳しい批判が突きづけられてきた、私も去年実際聞かされたんですね。 こうした状況の中で、私は、早急に先進諸国の現行精神衛生法並びに行政の実態というものを、各国々の実態を把握する必要があるのだろうと思うんです。それをもとにして我が国の精神衛生行政、これをどういうように改革していくかということを具体的に検討することが不可欠だろうと、こう思うんです。ですから、過去の失敗例もあるだろうし成功例もあるだろうと思うんです。これをきちんと比較をして、さっき厚生大臣から言われましたダエス報告や国際諸勧告、これをクリアできるものをつくるべきである、こういうふうに考えるんです。 そこで、厚生大臣と外務大臣、それから総理にもぜひ所見を伺いたいと思うんです。
○国務大臣(今井勇君) 諸外国の状況につきましては、従来から国立精神衛生研究所におきます研究や、あるいは在外公館を通じました情報収集などによりましてその把握に努めているところでございます。 先生おっしゃいました改正案の作成に際しましては、精神障害者の人権擁護ということを重点にいたしましていろんな問題を進めますが、特に国際的な諸勧告でございますが、そういうものを参考としながら、日本の実情に即しました改善を積極的に図ってまいる方向で検討いたしたい、このように考えておるもの一でございます。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 我が国の精神衛生法は、精神障害者等の医療及び保護のために一定の場合強制入院させる措置等を規定しておるわけでございますが、こうした措置等にかかる手続が国際人権規約に違反しているのではないかというお話でもあろうと思いますが、我が国としては、政府としては違反をしているとは考えておりません。しかしながら、同法につきましては、現在厚生省において人権面における一層の整備を図るため改正を検討しておるものと承知しております。 外務省としましても、我が国における精神衛生行政に対して国際的な関心が高まっていることは十分承知をしております。国際的な批判に対しては十分に耳を傾け、また誤解があれば正しい理解を得られるよう努めるとの基本的な立場のもとに、今後とも国際的な視野から厚生省に協力してまいりたいと考えております。
○国務大臣(中曽根康弘君) 厚生大臣が答弁申し上げたとおりであります。
○高杉廸忠君 厚生大臣、予算を見ますと、こうした膨大な作業をするのにわずかに四百一万円ですね。これではとても話にならないお金だと思うんです。どうですか。
○政府委員(仲村英一君) お尋ねの四百一万円というのは精神保健基本問題検討費のことだと思いますが、これは精神衛生法の改正を含めました、ただいま御議論のございましたような我が国の精神保健の基本的な問題につきまして、広く各界の有識者の御意見を伺う場としての懇談会を開催するための直接経費でございます。先ほどから御議論のございました諸外国の状況でございますとか、その他関連のものにつきましては、既定経費の中で対応してまいる所存でございます。
○高杉廸忠君 大蔵大臣、今聞いたものでも私は十分であるとは思わぬです、予算的に。したがって、経済先進国人権後進国であってはならないし、特に外国からいろんな意見を言われている今日ですからこの種の十分な費用を今後出していくべきだと、こういうふうに思うんです。どうですか、大臣。
○国務大臣(竹下登君) 基本的には厚生省と協議する課題であろうと思っておりますが、あの四百一万というのはたしか先生方の会議費であったと記憶しておりますので、その会議でどのような結論が出ますか、その後の問題は厚生省と十分協議をいたします。
○高杉廸忠君 精神障害者の人権問題が我が国の国家的課題であることは言うまでもないんです。昨年の本院の決算委員会の質疑においても、当時の藤波官房長官も認められているわけです。今後本格的改正作業に入りますと、例えば社会復帰対策ですね、あるいは地域精神医療対策、こういう財源がどうしても必要なんですね。私は今のようなスタッフ、わずか十二名足らずの厚生省の精神保健課では、もうとてもじゃないけれども国際的な事業をしていく上で無理だと思うんです。長官も聞いておられますけれども、WHOの顧問のクラーク博士、これはその勧告に、日本でも精神衛生局をつくれ、こういうふうに言っているんですね、勧告の中で。財政並びに定員を管理される、こういうことは大変なことだと思いますが、それこそ人権国になる、人権先進国になる、こういう決意が込められなきゃならないと思うんですね。 そこで、総務長官にもぜひそういう前向きの方向で人員も確保するし、総理にもそういう姿勢で臨んでいただく、厚生大臣にもそういう姿勢で進めていく、そういうことで要請したいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 現在人員整理をする、一方では相互扶助で鉄道の余剰人員を採用する、いろいろあります。ありますが、今の御意見は貴重な御意見として十分承っておきます。
○国務大臣(今井勇君) お説のように、確かに精神衛生法の問題につきましては大きな問題があります。 そこでまず、精神衛生法の改正の具体的な内容でございますが、これは今後まだ検討にまつところが多いわけでありますが、制度改正に伴いまして必要となります財源の問題につきましては、具体的な改正作業と並行して財政当局とも十分にこれは相談してまいりたいと思っております。 また、検討に当たります厚生省の省内の体制でございます。私は、この問題に関しましては省内に関係部局から成りますプロジェクトチームをつくれということで、今編成をしているところでございますが、今後の検討作業の進展に応じまして、できるだけ先生のおっしゃいます体制を確保するように十分配慮してまいりたい、こう考えておるものでございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 御趣旨に沿ってできるだけ努力をいたさせます。
○高杉廸忠君 時間が参りましたから、次に労働災害対策について伺いたいと思うんですが、労働災害防止のための適正な施策、これを充実するにはその実態を正確に把握することが先決であることは言うまでもないんですが、我が国の労働災害によります被災者数、私の手元にある資料によりますと、昭和四十三年の百七十二万人をピークに漸次減少の傾向にあります。昭和五十九年には九十二万人に減少した。このことを示していますけれども、しかし、中小企業における労働災害の発生率は依然高いわけです。また高齢化社会への急激な移行に伴う高齢者の被災の増加、あるいはマイクロエレクトロニクスを利用した機械設備の導入によった新型労働災害の発生、解決すべき問題は山積していると思うんです。 そこで伺うんですが、総理はどのように認識されておりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 労働災害は最近は減っていると思いまして、いい現象であると思います。しかし、新しい機械とか工場設備とか、さまざまなものが出てきておりますから、十分それらに対応できるような労働災害の予防措置あるいは事後措置、そういうことを充実さしていかなければならぬと思います。
○高杉廸忠君 労働大臣に伺うんですが、我が国の労働災害の動向、その現況、特徴、発生原因、どのように把握していますか。
○政府委員(小粥義朗君) 我が国の労働災害の現状につきましては、先ほど先生御指摘ありましたように、五十九年では年間の新しい労働災害の総数は九十二万件程度でございます。一方、労働災害によります死亡者数が二千六百三十五人ということで、傾向としては減少傾向なんですが、特に死亡者数はその前年五十八年に比べて若干増加するといった動きもございます。なお今後とも十分配慮していかなければならない問題だと思っております。 それから、災害の傾向としましては、まず産業別に申し上げますと、従来製造業あるいは建設業での労働災害が件数としても多いし割合として多かったわけでございますが、最近はいわゆる三次産業、こちらの方での災害の割合が一貫してふえる傾向にございます。それからもう一つは、高齢者と若年者の災害の状況を比べますと、その労働者数に占める割合以上に高齢者の災害の発生率が高い。 それから、企業の規模別で見ますと、全体の労働災害の発生率、これは度数率という指標を私ども使っております。百万労働時間の中で起きる死傷者数の数でございます。全産業平均ですと二・七七という数字がございますが、大企業ではそれが一・〇六、ところが三百人以下になりますと四・五から、特に三十人ないし五十人ぐらいの規模になりますと八・五五という高い発生率を示しております。 そういうような高齢者、三次産業、中小企業、さらに新規の技術革新等に伴います新しい災害要因、これはまだ災害の件数としてはそれほどのものじゃございませんけれども、今後拡大するおそれがあるということで注目していかなければならない要因であると考えております。
○高杉廸忠君 次に、第六次労働災害防止計画、これにおける労働災害の目標減少率の三〇%、この見込みについて現状、これはどうなっていますか。もし目標の達成が危ぶまれるとするとその要因。
○政府委員(小粥義朗君) 五十八年に第六次の労働災害防止計画を策定いたしました。その計画では、五十八年から六十二年までの五年間の経過期間内に労働災害を三〇%減少させることを目標として諸般の対策を講じていこう、こういうことにいたしているわけでございます。まだ六十年の労働災害の件数が正確には出ておりませんけれども、一応推定で見まして、五十八年から六十年までの三カ年間、一三%程度の減少率になろうかと思っております。したがいまして、残り二年間ちょっとでございますからこれについてはさらに一層の努力が必要になろうかと思っておりますが、現在までの減少率が、いわゆる目標からしますと若干下回っているということになるわけでございます。 その原因としましては、産業別にはいわゆる製造業あるいは運送業、ここの災害の減少が少ないということ。また規模別には、先ほどお答えいたしましたように、中小企業での労働災害の減少率が目標どおりになかなかいっていないといったところにあろうかと思っております。
○高杉廸忠君 それじゃ、昭和六十一年度の予算で労働災害対策、具体的にはどういうように配慮していますか。
○政府委員(小粥義朗君) いわゆる安全対策、さらに職業病の疾病の予防といった、安全と衛生両方を含めまして、所要の対策費としては約百五十億ぐらいのものを計上いたしておりますが、その中では、従来からやっておりますものを引き続き継続していく経費もございますけれども、新しいものとしましては、先ほどお答えいたしました中小企業での災害の減少が思わしくないということから、中小企業でのいわゆる健康診断あるいは環境測定といったような経費についての助成制度、これを新たに従来ありましたものを集大成して中小企業の助成制度を創設するといったこと。さらに、先端技術等のいろんな動きがございます。そうしたものについての調査研究をさらに進めていかなければならない事項が幾つかございますので、そうした面の手当てをするといったようなことを重点に、対応いたしております。
○高杉廸忠君 労働大臣、中小企業における労働災害の発生状況、そしてその特徴。そして、中小企業においては労働災害が多発していますけれども、労働大臣、どういうような御見解を持っていますか。
○国務大臣(林ゆう君) 中小企業におきましては、不安全な構造に起因する繰り返し災害が起きるなど、そのことによりまして災害は全体の約九割を占めるというようなことでございまして、その災害の発生率は大企業に比べまして非常に比率が高くなっております。したがいまして、労働省といたしましては、中小企業に重点を置きまして労働災害防止に万全を期してまいるように努めてまいりたい、このように思うわけでございます。
○高杉廸忠君 重ねて労働大臣、労働災害が多いのは、私は、経済基盤が弱くてまた技術的人材も不足している、こういうようなことによるのではないかと思うんです。これらについてどのような具体的な対策を労働大臣はおとりになるんですか、伺います。
○国務大臣(林ゆう君) 従来から中小企業における労働災害の防止に重点を置いて監督、指導をしてまいっておりましたが、特に中小企業における事業主の自主的な活動を促進する観点から、補助制度や職場環境改善のための融資制度、これを活用してきているところでございます。そして昭和六十一年度におきましては、中小企業集団における共同安全衛生事業についての補助制度を創設することにいたしております。 なお、中小企業におきましては安全衛生に関する技術的能力が不足をしているという見地から、従来から、中小企業者が外部の専門家の指導が受けやすいよう労働安全衛生コンサルタント制度を設けておりまして、今後もこの中小企業の対策を推進するに当たりましても、これらのコンサルタントなどの専門家の十分な活用を配慮してまいりたい、このように思っているわけでございます。
○高杉廸忠君 最後になろうと思いますけれども、総理、今まで労働災害について労働大臣からも状況が報告されました。特に労働災害が中小企業に多いというのは、経済基盤が弱いし、あるいは技術的にも人材的にも非常に不足していることも事実です。したがって、これらの施策についても推進をしていただきたいし、特に労働災害防止の対策、中小企業における施策の推進、これには積極的にひとつ総理、していただくように強く要請をし、総理の所見を伺って私の質問を終わります。
○国務大臣(中曽根康弘君) 御趣旨に沿いまして、特に中小企業等における労働災害の予防、防止等については万全を期する次第でございます。
○委員長(安田隆明君) 以上で高杉廸忠君の質疑は終了いたしました。(拍手) ちょっと速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(安田隆明君) 速記を起こして。 —————————————
○委員長(安田隆明君) 次に、高桑栄松君の質疑を行います。高桑君。 〔資料配付〕
○高桑栄松君 それでは最初に、医療関係から質問させていただきますが、今大変重要な問題になっておりますエイズ、後天性免疫不全症候群でありますが、これについて最初に閣僚の何人かの方にアンケート調査をさせていただきます。 もし病気にかかった場合、がんとエイズとどっちが怖いとお思いでしょうか。最初に、外国往来の多いところがリスクのグループに入っておりますので、まず外務大臣どう思いましょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) がんも大変怖いと思いますけれど、まあだんだんと解明もされてきておりますが、エイズの方はまだまだそういう状況にはなっていないと思いますし、もっと怖いのじゃないかと思います
○高桑栄松君 それじゃ、引き続きまして、問題が科学的な問題でございますので科学技術庁長官お願いします。
○国務大臣(河野洋平君) 今外務大臣が御答弁されたとおりだと思います。
○高桑栄松君 それでは、本当は大蔵大臣と思ったんですが、おいでになってから伺うことにして、厚生大臣、担当の大臣でございますから、どちらが怖いかということ。
○国務大臣(今井勇君) がんはだんだんとその実体がわかりつつありますが、エイズにつきましてはまず極めて致命率の高い、その割にその実体がまだ十分把握されてないという病気でございますから、どちらかと言われればエイズかなという感じもいたしますが、いずれも両方、よく父と母とどっちが大事かという話に似ているような感じもいたします。
○高桑栄松君 それじゃ、一般にまとめは総理大臣でございますから、総理大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 現段階においてはエイズの方が恐ろしいと思います。
○高桑栄松君 どっちが怖いか、もう少し後で解説させていただきますけれども。 それでは厚生省に伺いますが、がんを例にとりまして、例えば胃がんの完全治癒率と、それからエイズの患者が発症してからの致命率というのを説明してください。
○政府委員(仲村英一君) 胃がんについて申し上げますと、国立がんセンターのデータでございますけれども、早期発見と適切な治療が行われた場合には五年後の生存率が九五%以上でございます。それからエイズでございますけれども、アメリカのCDCという、疾病管理センターと言われておるところでございますが、そこの報告によりますと、発症から一年以内で五〇%、二年以内で七五%の患者さんが亡くなるというデータが得られております。
○高桑栄松君 今お聞きになったと思いますが、エイズの致命率は物すごく高いんです。ことしの三月の「日本病院会雑誌」を見ますと、保健省のドクター・メイソンという人の発表を見ますと、二年目の致死率が九〇%で、三年以上生存者がないと言っております。もうはっきりどちらが怖いかおわかりになったと思います。 それでは、我が国の現在の感染者、患者の現状を厚生省説明してください。
○政府委員(仲村英一君) お尋ねの我が国のエイズの患者さんの数でございますけれども、六十一年一月末までに、厚生省のAIDS調査検討委員会で十四人の患者さんが確認されております。その内訳は、血友病患者の方が七名、男性同性愛者である患者さんが七名ということでございます。
○高桑栄松君 抗体陽性者はどれくらいと予想しておりますか。
○政府委員(仲村英一君) 血友病患者さんは、血液製剤を常時打たなくてはいけませんので、措置前の血液製剤を受けられた患者さんについては抗体の保有率は三〇%というふうに考えております。それから一般の方については、幸いなことに日本の場合には非常にまだ低いというふうに考えております。
○高桑栄松君 解説をさせていただきますと、私のデータでは、大ざっぱに患者の百倍ないし三百倍というのが我が国の権威者の考えでございますから、十四人を百倍すると千四百人、三百倍すると四千二百人陽性者がいるのではないか、この範囲だろうと思います。それで、感染と発病と死亡の関係をもう一度お願いします。
○政府委員(仲村英一君) エイズの場合には、御承知のように非常に潜伐期の長い疾患でございまして、二年ないし五年というふうなことで言われております。しかしながら、幸いにしてこのウイルスが非常に弱いということも聞いておりまして、抗体陽性者のうちの一五ないし二〇%から発病する。特に血友病の患者さんの場合にはもっと低い発病率のように聞いております。
○高桑栄松君 これもことし二月二十日の「メディカルトリビューン」を見ますと、感染から抗体陽性になるのに二ないし六カ月。感染にはある程度の血液の移行があるということであります。つまり感染が行われる条件としては血液が入るかどうかということになりますが、あるいはウイルスが血液中に入るか、つまり傷がついているとそこから入るということが言えるわけであります。この抗体というのは、普通は相手の菌を中和するとか不活化するのでありますけれども、これはそれができない病気である。抗体は中和しない。つまり細菌を抑え込む、不活化する能力はないということであります。したがって、この菌は遺伝子に取り込まれるものであるから、この菌が感染したら追い出すことは不可能である。入る相手が、ヘルパーTリンパ細胞といいまして、免疫を増強する側でございますから、そこに入った菌を殺すとするとリンパ球を殺さなければだめだ。それは体が死ぬということでありますから、したがって非常に怖い。ですから、発病したら三年以上生存者なしということでございます。 そういうことを一応認識をしていただきまして、次に、アメリカの国立アレルギー・伝染病研究所長のドクター・フォーシーという人がこう言っております。アメリカは現在百万の陽性者がいる。患者は一万六千で、死亡者八千と言っておりますから、現在半分死んだ。陽性者が百万、数年以内に二百万または三百万になるだろう、感染者の四〇%は死亡するだろう、したがって、百万のうちからは四十万死亡するだろう、二百万または三百万というと、百万は数年または十年以内くらいに死ぬだろう、こういうことを言っております。我が国も、先ほど申し上げましたように千五百から三千、四千くらいの間の陽性者がいるということをお考えいただきたい。 それから、免疫のお話をいたしましたが、一遍入りますと、それは遺伝子に組み込まれて自分で増殖していきますから、これはもう一生保菌者である。保菌者は一生感染能力があるということであります。感染の経路は、体液にすべてウイルスがある。血液、精液、だ液、汗、涙、みんなございますから、どこの体液に触れても、もし傷がこちら側にありますと感染をする可能性があるということを御認識いただいて、私の次の話を聞いていただきたいと思います。 そういうことでございますから、予防対策をどうするんだと、厚生省のお考えを。
○政府委員(仲村英一君) エイズというウイルスにつきましては、八一年に初めて発見されたものでございまして、まだ未知の部分も非常に多いわけでございます。しかしながら、これは間違いなく伝染病でございますので、伝染病の予防の原則に従いますと、病原体の対策、あるいは宿主側の感受性の対策、あるいは伝染経路の対策、御承知のように、先生専門家でいらっしゃいますが、三つの原則がございますけれども、個体の感受性の方の対策につきましては、現在のところまだワクチンが開発されておりませんので予防接種は不可能でございます。 それから、病原体についてどのようなことをすればよろしいかということでございますが、これはB型肝炎ウイルスと同じような形でそう強くないウイルスであることは認められておるようでございますが、それぞれの病院でございますとか関係のところでの病原体に対する消毒その他の措置は必要でございます。 それから感染経路でございますが、これは血友病患者さんにつきましては、現在もう既に安全な血漿分画製剤が出回っておりますので、今後は十分安全な血液製剤が血友病の患者さんには打たれるのでそこは心配ございませんが、一般の感染経路につきまして、今おっしゃいましたように主に男性同性愛の方同士の感染経路というのが今一番危ないわけでございますので、そこにつきましては、正確な知識を普及いたしまして、そのような行為のないように私どもとしては予防策を講ずるしかないというふうに考えている次第でございます。
○高桑栄松君 今のお話は、アメリカのデータがもとでホモということになっておりますけれども、一番最初の発症地と見られているアフリカですと、これは男性、女性同数になっております。それから、フランスはもう売春婦対策に重点を置いたということであります。ですから、各文化とかそういうもののセックスライフの違いによって対象がどこに絞られていくかということがあることは間違いないと思います。アメリカはホモに人権が与えられているので、ホモ達がふえているということだろうと思いますけれども、日本はそこまではいっていないんじゃないか。しかし、これから申し上げるいろんな場所がございますので、そこをこれからの対策として見ていただきますが、大蔵大臣、ちょっとおられなかったんですけれども、皆さんにアンケート調査をさしていただきました。がんにかかった場合とエイズにかかった場合と、大臣はどちらが怖いと思われますか。
○国務大臣(竹下登君) 中座しておりまして、外務大臣等からお答えがあったようでございますが、私もそれ以上の知識がございませんので、博士のお話をこれから聞いて勉強しようと思っております。
○高桑栄松君 大蔵大臣、大変御丁寧なお話で恐れ入っているんですが、私の講義を間違いないものと思って聞いていただけば、後で予算がございますので、どうしてもちゃんと聞いていただきたい。皆さんの結論はエイズが断然怖い、私の話を聞かれたら、もっと怖いと思われたと思います。そういうことでございます。 そこで、まずサーベーランス体制についてお伺いいたします。
○政府委員(仲村英一君) 厚生省といたしましてAIDS調査検討委員会というのを中央に設けまして、全国約六百の協力医療機関から疑わしい患者さんの情報をちょうだいいたします。これは同じ調査票をお配りしてございまして、そのフォーマットに従って情報を提供していただきますが、それを私ども中央でいただきまして、エキスパートが集まっておられます検討委員会で、これはエイズであるかないかを認定いたすわけでございまして、その結果が先ほど申し上げました十四名ということでございます。
○高桑栄松君 そのサーべーランスの中に性病クリニックが入っておりますか。いかがでしょう。
○政府委員(仲村英一君) 六百と申しましたのは、各都道府県の有力病院ということでお考えいただければ結構だと思います。
○高桑栄松君 厚生省、厚生大臣、聞いておいていただきたいんですけれども、性病の中にいっぱいありますけれども、エイズもやはり性病の一種でございます。したがいまして、性病の相談に来るときにはオールひょっとしたらエイズクエスチョンマークなわけですよ。ですから、性病クリニックは全国一斉にやるべきだし、そして性病クリニックに来た人は、本人の許可を得るのかどうか厚生省に調べてもらいますが、全部血液検査した方がいいと私は思うんです。あるかないかは区別しておきたいと私は思いますので、サーべーランスの中に性病クリニックを確実に入れるということであります。 次に、届け出伝染病に私はした方がいいと思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(仲村英一君) 先生のおっしゃるのは、伝染病予防法に基づく届け出伝染病ではないかと考えますが、その最大の目的、行政目的というのは、流行状況を的確に把握するということが目的の最大のことと考えられておりますが、そういう観点から考えますと、先ほど申し上げました私どもが現在しいておりますサーべーランス体制で、現在までのところ的確に発生患者は把握されておるということで考えておりますので、直ちに届け出伝染病に指定するという考えはございませんが、先ほどおっしゃいましたような今後の趨勢、傾向を見まして調査検討委員会とも御相談をしてまいりたい、このように考えております。
○高桑栄松君 オーストラリアでは、抗体陽性者は全部届け出るようにしたいということのようでありますが、まだなっていないようですけれども、我が国も今、それこそ水際でしぶきがかかったかどうか程度ですから、ここでやっぱり防衛体制をとるべきだと思うので、私はそれを検討してもらいたいと思います。 防衛庁長官、横須賀で米兵が、エイズ患者が出ましたね。突然でございますが、防衛庁としてはこれに対する何か、米軍との接触も多いわけですから、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(加藤紘一君) 我々の方も若干そういう話を聞いておりますので、防衛庁の方でその情報だけは的確に伝えてほしいということで、担当部局で話し合っているようでございます。
○高桑栄松君 それでは、患者を扱うのはこれは医師及び歯科医師等々がございますが、医療従事者に対する予防体制はどのような指示をされたでしょうか、厚生省。
○政府委員(仲村英一君) 先ほどお答えの中でちょっと触れさしていただきましたけれども、おっしゃるように、一般のハイリスクの患者さんグループとは別に、医療従事者、医療関係従事者というのは、特にエイズの感染の危険が高いということはおっしゃられるとおりだと思いますが、幸いなことにウイルスそのものが、天然痘のような強いウイルスではないということもございまして、私どもといたしましては、専門家の御意見に基づきまして、B型肝炎のウイルス並みの対応をすればよろしいという御指示もございましたのでその結果を踏まえまして、昨年の七月でございますけれども各都道府県に通知を出して、その中で細かく患者さんの問題でございますとかいろいろのことを指示しておるところでございます。
○高桑栄松君 私は歯学部の教授にお話をしたら、彼は青くなりまして、これは大変だと言ったのは、今のB型肝炎ウイルスですが、歯医者さんの感染率は高いんだそうですね。それから、口腔外科医が非常に高いそうです。それはやっぱり血液等々をいじくるからだと思うんですが。このエイズで困るのは、歯医者さんというのは間違いなく出血させますからね。これは患者がもし、エイズの人だというのはわからないですから、二年から五年ぐらい症状はないんですから、本人は何ともないと思って来るに違いない。やられたわけですよね。じゃーっともう血液が吹っ飛ぶわけだ。医者が吸うでしょうということです。その傷が消毒をされないときには、これは次の患者にうつるわけだ。同じように、舌圧子というのがありますね、耳鼻科でやっている。あれだって同じだと思うんですよ。こういうときにどうするか、指示なさいましたか。
○政府委員(仲村英一君) 舌圧子等注射の針でございますとか、そういうものはもう個人個人、一人一人の患者さんでかえていただくというような指示になっております。ただ先生のおっしゃいました、タービンの話だと思いますけれども、これについては今、歯科医師会とも私ども連絡をとっておりますが、一般的に歯科医師会の方にも関心を持っていただくということもございまして、二月十四日でございますけれども、指導者の講習会がありましたが、その際にも日本歯科医師会としても御出席をいただいております。したがって現在のところ、学問的にその歯科用のタービンが瞬間的に停止する場合に陰圧になる可能性はあるということでお話が出ておるようでございますけれども、実際上それがどうなるかということも含めまして、私どもとしてもなお、専門家の御意見を聞いて対応を考えてまいりたいと、このように考えております。
○高桑栄松君 今申し上げましたように、歯科を一例挙げましたけれども、歯科は出血をさせるから、次の患者も出血をさせるわけですから、非常に感染率が私はうっかりすると高いと思うんです。だから、これは急がなきゃだめなんですね。それに、一般に病院というのは、皆さんどうお思いか知りませんが、院内感染がとても高いわけです。ここでの感染率というのは普通、たくさん集まっているから、その分感染率が何かあるかもしれませんが、病院というのは病人が来ますので、ウイルスがまき散らされるわけです。エイズだけじゃありませんよ、私が言っているのは。ですから、病院というのは院肉感染がもともと高いんです。そこへがーっとやって吹っ飛ばされちゃうのではこれは大変なんで、歯医者さん、私が言ったら、どうしようかと言っていました。ですから、肝炎ウイルスですと、削るやつですね、あれは百三十度または百八十度で熱するようになっている。それは全部西独製で、日本製はないそうです。もし百度で、あれは百度でいいわけですけれども、エイズはですね。百度でも材質その他がどうなるかというのは問題ですねと。それから局所排気が要るんじゃないか。出た空気はそのまま外へ捨てていいのか。それから暖房、冷房のときに空気が全部循環をしなくなるんだがどうなんだろうかと、こういうことで歯医者さんはもう頭が痛いと言っていました。ですから一応御参考までに。 コンタクトレンズについては何か御指示ありましたか。
○政府委員(仲村英一君) お答えいたします。 コンタクトレンズそのものについて特に注意を喚起するような事項は、取り扱い上、患者さんのエイズの予防の留意点には含まれておりません。これもまた治験が十分蓄積されてないからかもしれませんが、一説には、涙からは非常に感染しにくいのではないかということも私は文献で読んだ記憶がございます。ただ、学問的に確定されたかどうかということではございません。
○高桑栄松君 涙をなめる人は余りいないでしょうから、涙自身の感染はないけれども、涙の中にウイルスが出ているんですね。それはもう証明されている。コンタクトレンズを使用して練習させるときに傷をつけるだろう、そこで感染をするんではないかということだったですね。ですからコンタクトレンズは今までのやり方ではだめだ。つまり眼科医のところでなくて眼鏡屋さんでやるわけでしょうから、これをこのままほっておかれてはまずい。今まで私いろいろ厚生省とお話ししてみたですが、非常にまだ少ないから、大丈夫だと思っておられるようですけれども、一例見逃されても、それが入って感染をしますと、発病したら一〇〇%死ぬわけです。発病率は一〇%とおっしゃっていましたけれども、フォーシーという人は、二年ないし五年の潜伏期間で出てくるんだから、分母がまだ入ってこない、分子だけ出したってだめなんですと。ですから、毎年一〇%ぐらいと見ればいいんじゃないか。第一、四〇%死ぬということは、発症率四〇%以上です。以上じゃなかったら、四〇%は死なないんです。ですから、感染したら発症率は今の私の知見では四〇%以上。致命率は、三年以上生きている人はいないということですから、一例見逃しても厚生省は責任を感じないわけにはいかないんじゃないか、こう思って私は今申し上げているのでございます。 それからもう一つは、サウナがあおというのを私この間聞いてびっくりしたんです。私は知らなかったんです。患者または感染陽性者の人とはかみそりは共用するな、手ぬぐいは共用するな、歯ぶらしは共用するなということを出しているはずですね。出していますね、かみそりは共用するなということを。サウナに行くと備えつけかみそりがあるそうですね。サウナに行く人種にもし陽性者がいたらどうなるとお思いでしょうか。これに対する指示があると思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(仲村英一君) サウナで何人もが使えるかみそりが置いてあるかどうか私はちょっと承知しませんが、ゴルフ場などでは一人一人の使い捨てのものを使って置いてあるのを見たことはございます。そういう形でこの通知の中には書いてございませんが、理論的には危険はあり得ると考えております。
○高桑栄松君 いや、通知にあるはずですね、かみそりは共用するなというのが。必ず傷つけるんです。自分で知らなくても傷はついています。血が出なくたって、まず皮膚に傷がついているんですから危ないですね。ですから、これは本当に困った病気だと思います。 それで、血友病患者が三〇%陽性であると。日本は五千人と言っておりますから、数字は私が言う必要ないでしょう。その周辺はどうなのか。その相手は感染の危険が一生あるわけでございますから、ですから、この周辺の人たちに対する教育は何かなさっていますか。いかがでしょう。
○政府委員(仲村英一君) 周辺とおっしゃいますのは、例えば抗体陽性の方がいる家族とか、そういうことだろうと理解いたしますが、患者さんのおられるところでは、先ほどお話が出ましたかみそりでございますとかタオルとか歯ぶらしとかいうのは専用にするとか、いろいろの指示がございますが、血友病の患者さんは一生お医者さんにかかるということもございますので、血友病を預かっておられる血液の専門家の方に詳しい通知を出すように、私どもなお考えでおるところでございます。
○高桑栄松君 アメリカの例によりますと、やっぱり家族は村八分になっているし、大変なことだと思うんですね。日本の高級官僚でかかって亡くなった人のお話が載っておりますが、この人はすべてを認識しておって、奥さんにも子供にも全部言ってあった、したがって、すべて奥さんともノータッチだとか、すべてのものは消毒したとか、そういうことをして二、三年過ぎて発症したらしいですね。ですから、これは本当に大変なんです。 私は、そのためには国でどうするのかということでありますが、アメリカですと国で無料テレホンサービスをやっているそうですよ。一九八三年七月以来百万件だそうです。日本はそのお考えございますか。
○政府委員(仲村英一君) おっしゃいますテレホンサービスというのは、特定の電話番号をかけるとエイズの相談に乗るということだろうと思いますが、私どもはそこまではまだ考えておりませんが、全国で相談窓口を設けるということで通知をいたしております。保健所を含めました行政庁で約二百カ所ぐらい、それから専門の窓口といたしましては、医療機関として六十五カ所程度を指定いたしまして、ここへ電話をするようにということで、そういう周知徹底を図るようにしてまいりたいと考えております。
○高桑栄松君 では抗体検査体制について伺います。
○政府委員(仲村英一君) スクリーニングテストに使いますエライザ法というのが御承知のようにございますが、これはことしの一月に薬事審議会を通りまして輸入許可になりました。それから四月の診療報酬改定で、そのエライザの簡易抗体検査法が診療報酬の点数に収載されますので、そこで一般の医療機関でもできるようになるわけでございます。 それから、最終的な確認をいたします抗体検査でございますが、これは技術も要するものでございますので、各県の衛生研究所、八カ所を今私ども考えておりますが、ここで四月までに体制をつくるように今職員の研修その他をやっておるところでございます。
○高桑栄松君 検査体制については、間違ったポジティブ、間違ったネガティブ、いずれも相手にとっては困りますので、あるいは周りにとって困りますので、正確の度合いは最高度でなければだめだ、守秘義務がなければいけません。これは周りに大変パニックを与えますので、そういう意味で私はブロック制で衛生研究所を日本で数カ所と厚生省に申し上げておいたんですが、そういうことを今おやりになりつつあるようで結構だと思いますが、治療がないということもありまして、ともかく感染予防のためには抗体をチェックするしかない。 問題は献血でございますが、日本では献血のためにどういう体制をとろうとしているか、お話しください。
○政府委員(小林功典君) 血液の中で血友病患者に使われます凝固因子製剤、これは先ほどお話出ましたように、既に加熱製剤という新しい製品をスピード承認しましたので、これはいいと思います。 今お話の国内献血の血液の検査でございます。これは確かに先生おっしゃいますように、致死率の高い、しかも治療法のない非常に怖い病気だということで検査をしなければいかぬだろうというふうに考えております。ただ、日本と世界各国ではやや状況が違う面もございますし、先生のおっしゃいます分母、分子の話はもちろんございます。 それからもう一つ、日本では従来から約二年余りかけまして二万四千人程度の献血血液のモニタリングをやってまいりまして、その結果は、現段階では幸いにしてまだ一例も抗体ウイルスが発見されてないという状況もあるのでございますけれども、ただそれでも非常に怖い病気なので、慎重の上にも慎重を期さなければならないということで、来年度予算におきまして新たに抗体検査の予算を計上いたしまして御審議いただいているわけであります。それを核にいたしまして、日赤にも御協力いただきまして、全体で約百万人規模の抗体検査を実施することにしております。
○高桑栄松君 お配りいたしました資料をごらんいただきたいと思いますが、左側を見ていただきますと、各国エイズの検査体制は、米国等先進諸国はすべて政府によって義務づけられております。そしてそのお金はどれくらい使っているか。フランス五百六十億円でございます。アメリカ二百十億円であります。日本は、一番下にありますが、血液対策、特殊血液調査費、これは五万人分、五千四十万円であります。ちょっと単位が違いますから間違わないでいただきたいと思います。我が国の献血者は九百万人で、仮に百万を厚生省が五万、残った九十五万を日赤でやるとすると八百万が残ります。大ざっぱに、一千万で一件千円といたしますと百億かかる。二万四千人でゼロであったと。当たり前ですよね。今も申し上げた、千四百人から四千二百人を一億二千万で単純に割りますと、十万人で一人とか三人ぐらいなんです。二万で出たらおかしいんです。出ないからいいと思ってあなたが輸血を受けて、もしあなたがかかったらどうなさいますか。だからこれは見逃がしちゃいけないんです。ですから統計学の問題じゃないんだ。当たった人がもう生命を失うんですから。その保障は厚生省がするはずなんだ。だから五千四十万でいいんですかと、これは竹下さんの出番でございますけれども、これは何とかしてもらわなきゃ困りますよ。これはもう赤字黒字なんと言っていられないんじゃないか。しかもこの原料は、アメリカのエライザ法を買いますと、まあ半分ぐらいが原料だと思いますが、もし一件五百円だとすると、五十億の外貨減らしにもなるんじゃないですか。いかがでしょう。これは大蔵大臣に開いた方がいいな。どうでしょうね、百億要るんですけれども。
○国務大臣(竹下登君) この問題につきましては、一番最初は公明党の渡部先生からお話しがありまして、基礎的知識は全くないものですが、たまたま私の秘書官がかつてその予算担当をしておったことがある。だからやっぱり勉強しようと言っておったら、党首会談で竹入委員長から中曽根総理にこの話がございました。それで帰りまして、さらに勉強をしようじゃないかと。私も今のようなお話を聞きまして、知識のないままに単純になるほどなという気持ちはございましたが、党首会談がもう十二月に入ってからでございましたが、今の予算ということで、最終的にプロであります厚生省と財政当局とで折り合ったというふうに聞いておりますので、まあ赤字公債の対象じゃいかぬとか、そんな議論をしようとは全く思っておりませんが、この議論を高桑博士とやりますと、ちょっと余りにも落差が多過ぎるので、勉強を十分させていただきます。
○高桑栄松君 研究費のことも伺おうと思ったんですが、私の持ち時間がだんだん減ってきましたので、資料の右をごらんください。 研究費、アメリカ、一九八六年二百六十五億円です。日本、科学技術庁の特別の御配慮で四千三百万が出る。単位が違い過ぎるんです。問題になりませんですね。ですから日本は、何に金を使っているのか知らないけれども、黒字黒字と言われているんだから、やっぱりこれを学問だとか研究だとか予防だとか、いろんな面に使っていただきたいなと私は思います。 日和見感染対策という治療関係を急いでお話しをさせてもらいますが、患者の治療がないということは、もう厚生省さっきおっしゃっておられましたが、じゃどうするんだ、隔離するしかないのかと。どうもそこまでいきそうですね。病院も、そういう患者が行ったと言っただけで別な患者が行かないというんですね。病院の医療従事者も嫌だと言ってやめる人も出るぐらいだと。これは両方ともやっぱり拒絶反応をする。結局村八分的なことがどうしても起きるんじゃないか。 そこでエイズの症状は、エイズというのは症状群でございまして、エイズウィルスによって起きるものを言っているのではないんです。エイズウイルスもその原因の一つであります。免疫の程度を下げるものはすべてこれに入ります。いろんなものがこれに入ってまいります。例えばがんですね、放射線療法をして抵抗力が下がった、あれもみんな免疫が低下する、そこで起きる病気も後天性免疫不全症候群の一つに入ります。それは感染の危険が非常に大きくなります、普通の人よりも。したがって、無菌治療室、無菌の部屋に入れるということが院内感染を防ぐということになるだろう。その間に治療法が開発されないかという、生きる希望を与えるという意味で私は無菌治療室を計画的にブロックに配置すべきではないか。例えば国立病院なんかの統廃合は、こういうことの一つの対象になりはせぬのかなと私は思っておりますが、いかがでしょう。
○政府委員(仲村英一君) 前回、先生から同じ趣旨のお尋ねがございました後、私どもの省内の、担当ではございませんが審議官がアメリカへ参りましたので、NIHの附属病院のエイズ患者の治療状況を見てきてくれということでお願いをいたしました。アメリカでは患者が多いせいかどうかわかりませんが、隔離病室には入れていないようでございます。それから、今おっしゃいました無菌室に入れて治療をするということも現在行われていないというふうに私ども聞いております。したがって、今おっしゃいました日和見感染についてどのように患者さんを処遇するか、やっぱり担当のお医者さんのお考えだとは思いますが、現存無菌治療室は、御承知のように白血病の患者さんでございますとか骨髄移植をした後の患者さんとかでお使いいただいておりまして、全国で数十カ所あると私ども理解しておりますが、もしアメリカのそういう治療の経験等でそういうものが有効であるとすれば、そういうふうな考え方にもなろうかと思いますが、現在のところアメリカでも使っておらないということでございますが、なおこの問題については専門家の先生方の御意見も聞いてまいりたいと考えております。
○高桑栄松君 私は、エイズのためにと特に申し上げるつもりはないんで、日和見感染症対策という中でくくってやることがエイズに対する救いではないだろうか、エイズのエイズだと思って申し上げたわけです。 それでは次に、私がお伺いしたい老人保健法に関する質問をさしていただきますが、老人福祉法の第一条「目的」というのをちょっと厚生省読んでいただきたいんです。
○政府委員(黒木武弘君) 老人福祉法の第一条に目的規定があるわけでございますが、読み上げますと、「この法律は、老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もって老人の福祉を図ることを目的とする。」というものでございます。
○高桑栄松君 それでは、これは総理大臣にお伺いしたいと思いますが、老人福祉法の第一条ですね、これを見ますと、「健康の保持及び生活の安定」と書いてありますが、老人保健法にかかわることは、「健康の保持」、「生活の安定」、いずれにも反するような行動になるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。総理大臣にお願いしたいのです。
○国務大臣(今井勇君) 今回の老人保健制度の改正でございますが、老人医療費の負担の公平を図るために一部負担等の見直しを行うと同時に、医療、福祉を通じます総合的な施策の推進を図るという観点から、一つは寝たきり老人のための新しい施設の体系として老人の保健施設の制度化を図るほか、ヘルス事業につきましても、寝たきり防止のため保健婦によります訪問の指導や、あるいは機能訓練の大幅な拡充を図ることとしておるわけでございます。 このように今回の改正は、健康な老人づくりを行うと同時に、二十一世紀におきましても安心して老後を託せるような、そういう老人の保健施設、制度を確立するという観点から行うものでございまして、私は老人福祉法の趣旨に反するものではない、そのように考えておるものでございます。
○高桑栄松君 今度の改正に盛られている自己負担増について、特に私は前の健康保険法の改正のときにも申し上げたんですけれども、外来の料金を上げるということは受診を抑制すると。これはしないとおっしゃるけれども、事実は、もうしていることは数字的にも証明されているわけです。そういうことで、私は受診率低下というのは予防医学に反すると思っております。厚生大臣のお考えをもう一度承りましょう。
○国務大臣(今井勇君) お答え申しますが、老人医療費は先生御案内のように今四兆円に達しております。現在お年寄りが負担をしていただいておりますいわゆる一部負担の額と申しますのは、このうちの約六百億、割合にして一・六%でございます。残りのほとんどは現役の世帯が負担をしております実情でございます。そこで、高齢化社会を迎えまして、お年寄りも現役の世帯も、力を合わせて増大し続けます老人医療費を公平に負担をしていくという観点から今回の改正をお願いをしているものでございます。 外来につきましては、先生御案内のように、月の初めに一回払いますれば後は支払わなくてもいいという現在の制度は、これを変えるつもりはありませんし、一月四百円を千円とするものでございますが、私は年金や高齢者の世帯の所得の実態から見まして、何とかこれは御負担をいただけるものではなかろうかというふうに考えまして、必要な受診の抑制にはならないのではないかというふうに考えておるものでございます。
○高桑栄松君 老人保健法が、昭和五十七年ですか老人無料が有料になった途端に、一回二百円でしたか、それがもう一挙に受診率が下がったんですよ。それを今度ないとおっしゃるんですか。
○政府委員(黒木武弘君) 老人の外来の受診率でございますけれども、確かに御指摘のように、無料化の時代は、数字で申し上げますと受診の状況は千対千ということで、御老人が八百万おられるとすれば、外来の受診の保険に対する請求書は八百万だとすると八百万枚出てきたということでございまして、無料化時代が千人対千件であったということでございます。老人保健法ができましてから、その傾向は五十八年度が千対九百四十に、五十九年度は千対九百六十になっておりまして、現時点で申し上げますと千対千ということで、八百万の老人がおられますとすると八百万の外来の請求書が出ているということでございます。 今回外来の一部負担を千円に上げますことに伴いまして、この受診率がどういうふうに動くかということは定かではないわけでございますけれども、私どもは、先ほど大臣から御答弁いたしましたように、必要な受診は抑制しないように定額の方式をとった。それからさらに、月一回初めにお支払いいただければ、後はかかりつけのお医者さんに何度も見てもらえるということを堅持いたしまして、そういう意味で申し上げますと、お年寄りの年金所得の状況等からいって、必要な受診は抑制しないというふうに考えているものでございます。
○高桑栄松君 私は、予防医学の立場から再びこれには反対であると申し上げておきまして、次の質問に移らしてもらいます。 老人保健の中間施設ですね、それを設置する理由をひとつ伺います。
○国務大臣(今井勇君) これは増大し続けます寝たきりなどの介護を要するお年寄り、これにつきましては手厚い看護とか介護などの医療サービスや日常生活面でのサービスはどうしても必要でございますので、そういうサービスを提供する施設というものを目的にいたしまして中間施設というものをつくろうとするものでございます。
○高桑栄松君 これに入るかどうかということの決定はだれがするんでしょうね。医者でしょうか、患者でしょうか、家族でしょうか、第三者でしょうか。
○政府委員(黒木武弘君) この老人保健施設は、老人保健法の施設として位置づけておるわけでございますけれども、したがいまして私どもとしては、患者がいわば保険証を持って病院を訪れて、そこで入院が決まりますと同じような手続で、この施設に入所を可能にしたいと思っておりまして、そこの判断は患者側あるいは家族側の要請と、それから主治医なりそこの管理者でございますお医者さんの合意と申しましょうか、そういう形で入所が決まるというふうに考えております。
○高桑栄松君 もう一つは、中間施設というものは慢性疾患で急性の変化がないようなものには、いずれにしても治療からリハビリの間にあった方がいいと僕は思っているんです。したがってこれは六十五歳で区切る理由はないんじゃないか。包括医療の一環として、ワンステップではないのか、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○国務大臣(今井勇君) 今回、老人を対象にいわゆる中間施設の制度化に踏み切りましたことは、実は急増する寝たきりなどの要介護のお年寄りにふさわしい施設の整備が現在の緊急の課題と考えたからでございます。 なお、先生のおっしゃいますように、いわゆる中間施設というものを将来的に、老人に限らず難病であるとか精神疾患などにも拡大してまいりますことにつきましては、今後の課題として検討してまいりたい、このように考えておるものでございます。
○高桑栄松君 もう一つ、これはベッドの変更等々が予想されるわけで、地域医療計画の中で考えられたんでしょうか、いかがでしょう。
○政府委員(竹中浩治君) 老人保健施設は、御承知のように医療も一部担当するということでございまして、その部分の機能は現在の老人病院の機能と一部ダブる面があるわけでございます。 したがいまして、これからつくってまいります医療計画の中で、老人保健施設の収容定員数を一定の補正を行うことになろうかと思いますが、病院、病床の一部としてカウントをしてまいりたいと思っております。
○高桑栄松君 私は、地域医療計画というのは、今連続している医療法改正の中で最も重要な柱だと思っていますけれども、先ほどの国立病院の統廃合の問題も高杉委員からいろいろ御質問がありましたが、やっぱり地域医療計画があってその中で論議するべきものだと私は思っております。しかし、次に行きたいと思いますので、私の希望というか、考えを述べさしてもらって次に参ります。国立病院の統廃合は、さっき高杉委員がもう大変詳しく質問されましたので省きまして、教育改革の問題に移らせていただきたいと思います。 私は、臨教審の掲げているいろんなことは大変盛りだくさんで、どれが一体メインなのかよくわからないというくらい盛りだくさんじゃないかなと思っておりますが、その中で目につく重要なのは、個性重視というのが基本的な原則として挙げられておりますが、従来個性重視というのは教育サイドからの問題であって、教育を受ける側にするとこれは甘えの構造にはならないのか、重視されないときの責任を教育を受けた人間が追及をするような形ですね、そういうストレスが出てくるのではなかろうか、私はそれよりも個の確立ということが重要であると思っております。これは大学紛争の折に、私が医学部長をいたしましたけれども、あの中でセクトの争い、内ゲバ、これを見て、私はどうしても我が国の教育の中で個の確立が必要である、集団の中で個が抹殺されているということを痛感いたしましたが、民主主義、それから大学のあり方等々で、私は個の確立を非常に重要だと思いました。国際人としても個の確立がなければ国際的に通用はしません。それから、自己評価ということから生涯教育への自己反省になるかと思うのです。それから自主自立は個の確立から参ります。そういう意味で今のいじめの問題とも絡みまして、私は個の確立こそが教育の基本の中で今回欠けているのではなかろうかなと思っておりますが、総理大臣いかがでございましょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘のように、臨教審の「審議経過の概要」あるいはこの前出ました第一次答申なんかを読んでみましても、個性の尊重ということが大きな背景になっております。しかし、先生の御意見を承っておりまして、個性の尊重というのは確かに教育する側からの見方、視点が多分に加わっておりますが、言葉をかえますと、教育の目的は個の完成が大前提にあることはこれはもう言うまでもないことで、教育基本法の第一条も御承知のように、人格の完成を目指して行う。その人格とは平和的な国家及び社会の形成者として自主自立の精神を持ち、責任を重んずる人間を育てることを目的とすると、こうなっておりますから、私どもの理解は、その当然完成された個を確立しておる人を前提として、もっとそれを大切にして資質や個性や能力をうんと伸ばすことのできるようなものにしたらどうなんだろうか、こういう意見が背景にたくさんあって臨教審の議論は進められたと思います。過日の先生と臨教審の有田第三部会長とのやりとり等の中にもそれらのことはにじんでおるように思いますし、ただいま臨教審では部会長が受けとめまして、先生の御意向を踏まえて第二次答申に向かっておると聞いておりますが、私はあくまで個の完成があってその個性をうんと伸ばすような方向でいかなきゃならぬと、こう受けとめております。
○高桑栄松君 個の完成と言うとエンドレスだと思うので、私は確立と申し上げたわけでございますけれども。 次は、大学入試に関連しまして二、三日前いろいろな議論がございましたが、新聞によりますと、共通テストの受験は受験生の自由であるかどうかについて大学入試改革協議会に文部大臣から検討を依頼されたと。新聞なんでわからないんですが、一体どういうことを諮問というか検討を頼まれたんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 第一次答申で、大学の入学選抜の方法について、共通テストというような仮の呼び名で新しい制度を考えたらどうかということで指摘された問題点がたくさんございました。答申の中に出ておりました問題点は、大きく分けますと一つは偏差値、それによる輪切り、大学の序列化というような非人間的なよくない利用のされ方があったので、これを何とか変えるようにしなさいという点が一つと、いわゆるマークシート方式という今までの共通一次試験のやり方が出題の内容においてもっともっと検討すべきだ、この二つの点を中心に考えておりましたので、大学がそれらをどのように自由に利用、活用するか、大学の自由な利用、活用の仕方によっては偏差値輪切りの弊害も除去できるし、また入試センターがマークシート方式の出題の仕方をうんと改善すればよくなっていくのではないかというようなことで、その点に関しての意見をいろいろ述べておったのであります。そのことは改革協議会でもきょうまで議論が進んでおったと思います。 しかし、大学の自由な利活用の仕方の中の一つのあり方として総理大臣がこの間ここで言われたのが、今先生御指摘の受験生の側に立っての考え方という新しい発想でありますから、私どももそれは研究してくださいと、大学の自由な利活用のあり方の一つとして受ける受験生の立場も自由で選ぶことができるのではないかと、こういう御意見が総理から述べられ、私どもも、それは私がここでどうのこうの言うよりも、せっかく今改革協議会ができて、大学、高校関係者が皆集まってどうしたら弊害を除去することができるか、そういう御審議、御論議を願っておるさなかでありますので、こういう御意見が国会でございました、どうぞ研究、検討してみてください、こう言ってお伝えをしたわけであります。
○高桑栄松君 もう一度文部大臣にお願いいたしますが、そうすると諮問をされたのは、自由に受けることもあり得るという可能性を文相はそう思って諮問されたわけですね。いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) これは制度の根幹に触れる大問題でありますので、文部大臣の立場で予断と憶測を持って物を言うのではなくて、こういうこともひとつ研究の対象として勉強してみてください、研究をしてくださいということを申し上げたわけでして、ただいまいろいろな角度から御議論願っておりまして、利用する学校もあれば全く利用しない学校もあるし、一部だけ利用する学校もあるし、その利用にはどれだけのウエートを置いて利用するのか、幅広く奥深い選抜の対象の御議論を願っておる最中でありますので、受験生の立場の視点もひとつ御研究ください、こう言ってお伝えをしたわけでございます。
○高桑栄松君 文部大臣、もう一度。 試験をする側がするかしないかはそれはもう今までどおりでございますから結構なんですが、受験生が受けてもいいかどうかということを御諮問されたんでしょう、結局。ですから、そこは可能性がやっぱり文部大臣もあるから頼まれたんでしょうかね、ないのに頼まれたんだろうか、どうでしょう。
○国務大臣(海部俊樹君) いろいろな考え方の中に、受験生の立場でそういったことがあるとすれば、大学当局者や高校の皆さんはそれをどう受けとめどうなさるのか、御研究、御勉強をいただきたいというつもりでお伝えしたんです。
○高桑栄松君 私は大学入試の委員長もやったことがありまして、それから考えますと、受けたところと受けないところでどういう採点でどういう基準で選抜するのか、それは不可能ということなんですが、私は文部大臣が、かの明晰な海部さんが、ここでぐらぐらといったんじゃないかなと思っているんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 国会の御議論の中でいろいろ出ておりますので、それを私がどうのこうのと言うよりも、今つくってあります改革協議会の専門的なお立場の皆さんにいろいろな角度から御議論願うのがふさわしい、こう思いましたのでお伝えをし、研究、勉強をお願いしておるところでございます。
○高桑栄松君 一般論で申しますと、テストがなければ、いやテストがないという入試というのは、つまりテスト廃止ということであれば、これは入試制度の改善ですよ、制度が変わるということです。しかしテストが存続する限りは、これは入試の改善なんですね、やり方をどうするか、中身をどうするか。私は今の段階は改善だと思うんです。入試をなくしてどう選抜するかというのは今方法がないでしょう。そういうことで私は改善だと思うんです。 それで、共通一次のことを、文部大臣は短所のことは偏差値輪切りを言われましたが、長所はどういうことだったでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 今、高等教育機関のあるがままの姿とここで学びたいという生徒の姿と差がございますから、どうしても大学側が教育の入り口として、大学としては教育の一環として入学試験の制度を行い、そこでだれを受け入れ、だれにはお待ち願うと言うと言葉は悪いんですが、あきらめてもらう、お待ち願うかというのが入学試験の制度だと私は思っておりました。ところが、難問奇問という言葉が十年近く前に出まして、私どもは大学の入学試験のときに高等学校の勉強をまじめにしておっただけでは解決することができないような問題が出るのが一体人間的だろうかという角度の御議論も、私がちょうどこの前文部大臣を拝命しておりますときの国会の真剣な御議論でございました。ですから、難問奇問から解放して、少なくとも高等学校の正常なカリキュラムを一生懸命勉強しておればとにかくそれでいいんです、忍術のような受験技術は身につけなくてもいいんだということが言い切れるような試験制度に何とかならないだろうか、そこで与野党の皆さんにいろいろ御議論いただき、入試センターの設置法が成立をしたわけでございました。 そのときにもいろいろ御議論ありましたが、もう一つは、当時は率直に申しまして一期校、二期校という制度がございました。そうしましたら、大学に君たちは格差をつけるつもりか、二期校とは何事であるかという御意見もたしか随分ございまして、それでは同じ大学で同じ日に同じ内容の試験でまずスタートに立つことが、受験する側からしては公正であり平等ではないかという御意見等も強くあって、一期校、二期校の呼称格差を是正するという大きな問題点もあったと思います。この二つが片づきましたことは、私は共通一次試験というものの制度が始まって従来の野放しであった入学試験の制度が改善された、これはむしろ光の面であった、こう受けとめております。
○高桑栄松君 ここで共通一次の私の考えを述べさせていただきますけれども、もし共通一次を廃止するとすれば、今大臣の言われた長所がなくなるということですね。まずなくなります。したがって短所は、偏差値輪切りはなくなるかもしれないが、長所がなくなる。長所がないとすれば困るわけだ。ですから、短所というのは改善ができるのではないかということです。ですから、私は共通一次改善論者でございます。つまり偏差値輪切りは何で起きたか、それは点数を加えるからです。A大学は八百点でなきゃ二次を頑張ったってだめです、B大学は七百五十点ですと。そうすると序列がつくわけだ。統計学でこの範囲で採る採らぬが決まりますよと。偏差値輪切りですよ。加えなければいいんです、加算をしなければ。加算をしなければいいのではないか。 加算をしないとすればどうなるんだということが一つあります。加算をしないで、大臣の言われた高等学校の教育をちゃんと受けたかというのはバランスがとれてなきゃいけませんね。したがって科目が少なくなりますと。僕らのときはそうだったわけだ、総理大臣もそうなんですね、昔がいいと思っていらっしゃると思うんです。僕もその時代の人間ですから、三科目くらいで通っているんですよね。そうするとほかの方は勉強しませんよ。ですから高等学校のバランスが崩れます。したがって共通一次というのは、科目が多いほど高等学校教育はバランスがとれるんです。しかし試験で点数を加えるから偏差値が起きるんですね。したがってこれは、ある二次試験を受ける受験資格にしなければいかぬ。それは大学によって若干の程度が変わってもいい。しかしぐっと下げるということで、二次は総理大臣の言われる自由、記述、考える、これは自由なわけです。一次はそうしなきゃだめだと思うんです。そういう意味で私はそういうふうな意見を出しました。 松永前文部大臣は私と二、三度委員会、予算委員会で論争いたしまして、三遍目ぐらいは僕に賛成されました。昨年の六月三十日のテレビ討論会で、日曜日九時からのですが、突然、大学入試についてある議員がこういう意見を述べられたということで私の意見をそのまま出してくださいました。後で伺ったら、私は賛成なんだとおっしゃっていましたよね、今申し上げますけれども。 ですから、共通一次というものはそういう形で改善をするのが段階ではないのか。つまり八年の準備をかけて五年の実績を踏んで、入試センターへ行ってみたらわかる。あれだけ研究をしておって、どこを改善するのか全部研究していますよね。そういう努力の中に育ってきたものだし、私は簡単に変えるべきものじゃない、改善をすべきだ、これが私の考えでございます。いかがでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) どのようなことをしたら受験生のためになるか、そして世の批判を少しでも解決していくことができるか、こういう立場で臨教審で広い角度から御議論願った結論が、共通一次試験についてはその光の部分も認め、そして影の部分もたくさん出てきた。ですから共通一次試験というものはこれをやめて、これにかわるものとして、今は仮の括弧書きでありますが、共通テストというものをしなさい。それは国公私立大学が自由に利用、活用できるものにしなさい。 ですから、先生のおっしゃっておる改善すべき内容というのは、臨教審の方もきちっと踏まえて、ここはこうしなさいということを言われておるわけですし、入試センターの現場は私も見てまいりましたが、マークシート方式の試験の出し方についても随分研究は進んでおると思います。ですからそういった意味で、高校時代に勉強をどの辺までして、何が到達しておって、この大学ではどの科目にふさわしいかということを見る基礎資料をやっぱり得るためには、良質の問題でしかも的確に、主観を余り入れないできちっとまず判定を出す。その上に立って大学が本来の試験でその人の資質や個性や特徴を見る。これらのことの中からよりよい結果を持っていこうとしておるのでありますから、私はやっぱり内容、御趣旨は同じようなことで、新しいテストというものが今議論をされておる、七月にはその報告が出る、このようにお受け取りをいただきたいとお願いをいたします。
○高桑栄松君 言い方は忘れましたが、松永さんは私の提案をハードル論とおっしゃっていました。ハードルにする。レベルを下げればいいということでございます。一応御参考までに申し上げておきます。 それで、マークシート方式が出ましたが、私は国家公務員の採用試験にマークシート方式が使われているというふうに伺ったんですが、ちょっと説明していただけませんか。
○政府委員(仙田明雄君) 国家公務員の採用試験の試験種目には、今お話のございましたように、複数の答えを出してその中から正解を一つ選ぶという多肢選択式の試験問題、あるいは論文なり作文というものを書いてもらってそれを採点する記述式の試験問題、あるいは複数の試験官が面接をして人物を見るという人物試験その他いろいろな試験の形があるわけでございますが、今お話のございましたように、そういう試験種目の一つといたしまして多肢選択式、答案用紙としてはマークシートを使って回答していただくという試験の種目がございまして、これは昭和二十三年、人事院が第一回の公務員採用試験を始めて以来ずっと踏襲しております。
○高桑栄松君 マークシート方式というのは、やっぱりコンピューター時代に即応したやり方なんですね。ですから、これはやはり最先端のことなんです。やり方の問題で、しかも国家公務員採用試験が昭和二十三年からやっている、これで選ばれた人は人間的な人でない人が選ばれていては困りますね。だからやっぱりマークシート方式は改善をすべきなんだと私は思っております。それはそれでよろしゅうございますが。 今度はいじめの問題をひとつお話を聞かせていただきたいと思います。いじめは昔からあったと皆さんおっしゃいますが、今のいじめとはどう違うのか、ちょっと伺いたいと思います。文部大臣。
○国務大臣(海部俊樹君) 専門的学問的に御説明できるかどうかちょっと自信がございませんけれども、私ども昔やっぱり学生のころに、取っ組み合いをしたり、たたいたりたたかれたりした記憶はあるんですけれども、それはそれなりにその場限りのことであったような感じもいたしますし、また私ども六人兄弟で育っておりますから、兄弟げんかなども家でよくやりましたが、ほうり投げるときにはいすや柱のない方をちらっと探して、けがをしないようにほうり投げる、それぐらいの心のゆとりは持っておったように私自身思い出すんですが、このごろ御家庭では、いい悪いは別にして兄弟同士の切磋琢磨ということもございませんし、それからこのごろ報告されておりますいじめの内容を見ますと、何か集団で反復的に弱点をつついたり、いろいろな我々のころには余りしなかったなと思うようなことが報告されております。 強いて言いますならば、そういう集団生活とか人間の他に対する思いやりとかあるいは正義感とかいうようなことが、昔と比べて今はややもすると児童生徒全体の中に雰囲気として足りないんじゃないか。それがいじめの昔と今の違いではないだろうか。ですから、人口構造の変化による家庭の問題、社会の正義感の問題、学校の中の指導の問題、いろいろあると思いますけれども、私はそんなふうに受けとめております。
○高桑栄松君 新聞によりますと、いじめ対策がついに商売になってきたというのが出ておりましたが、御感想はいかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) ああいった問題を企業に任せるなんというのは全くよくない話でありますし、同時にまた、だからこそ私どももお願いしまして、児童生徒の心をどのようにしていじめから守っていく、またあるいはいじめをしたらいけないんだということを教えていく。これは御家庭のお父様、お母様が人生最初に出会う教師としてしつけとか思いやりなんかは当然教えていただかなきゃならぬと思いますが、児童生徒と直接毎日触れていただく学校の教師の皆さん方に、どうか心を開いて、悩みがあったら、落ち込んだときがあったら励ましてやってください。そして一歩前進して、やっぱりスポーツによって汗を流すとか、その他の生活体験をうんと身につけさせるとか、学校にありますゆとりの時間なんかもどうかお話し合いによってホームルームでああいったことを話し合うとか、例えば例に引いては悪いんですが、象徴的な富士見中学校の例なんかは、あなたのクラスで起こったらどう思いますかというようなことで総点検をお願いしておるわけでありますので、商売や営業に頼らないで学校と家庭の連携によってこの問題はぜひ解決をしていただきたい問題だ、決して好ましいようなことではないと、新聞報道を読んで私はそう思いました。
○高桑栄松君 今のお話は、えてして教育問題というのはロングレンジで、やっぱりそれはそういうものですから長い先を見てやるのが教育でございますけれども、しかし緊急の問題として自殺を含めたいじめがあるわけです。緊急対策を文部省はどう指示をしたのかということであります。
○国務大臣(海部俊樹君) これは再三にわたりまして、教育委員会を通じ全国の教育現場で地域と連絡を密にして、そしていろいろと相談室をつくるとか、子供の悩みを聞いたときは見て見ぬふりをしないで積極的に手を差し伸べてくださいと、当面の対策としてはそのようなことを指示して、それをすべての現場で真剣に一度考えていただくように、そのことを当面の急務としてはお願いをしております。
○高桑栄松君 私は、私の具体案が一つありますので、御参考に述べさせていただきます。 私はこの中で、集団化といじめられの孤立、絶望感、自殺というのを考えますと、問題点は傍観者でないかと思う。ノンポリですよ、大学紛争のときの。だから傍観者というものをなくする必要がないか。つまりすべての人に社会正義とは何か、傍観していてはいけないんだ。悪いことをしてはいけない、いいことをしないのは悪いんだ、こういう考え方をちゃんと植えつける必要があるのではないか。そのために私の具体策は、駆け込み寺を設けたらどうだと。言葉があの駆け込み寺とは違うんです、僕のは。要するに、大阪市立大学の調査によると、いじめられたときに相談に行かないでじっと耐えている、七三%ですからね。この人たちが、親も先生も友達もだめだ、どこへ行く、どこかへ行く場所がないから自殺に行くんじゃないか。そうすると、駆け込み寺があってそこに行く。そうしたら必ず受けてくれる。そこは、第一段階はどうするか。第二段階はクラス全体討議にかける。先生だけでは信用がないかもしれない。当事者、相手、親、第三者、校長先生も入れまして、それからあとカウンセラー等々が入った、裁判ではない、しかし教育の場として全員が、ああこういうことだ、社会正義とは何か、正しいというのは何か、それを現場教育としてやるような駆け込み寺が私は制度として要るのではないかと思っておりますが、いかがでしょう。
○国務大臣(海部俊樹君) 報道によりますと、学校においてそういったようなことにすべての教職員の皆さんが校長を中心に取り組んで解決をしたとおっしゃることもありますし、教育委員会や学校を指導して相談の窓口をつくるようにと私先ほど申し上げましたが、言葉をかえて言うなれば先生の駆け込み号とまさに同じ発想でございます。そして訪ねて行ったならば、声をかけたならば何かそこで心の通い路ができて救われるような、そういう場を設けるということは極めて大切なことだと受けとめております。
○高桑栄松君 付言させていただきますと、必ず取り上げるという意味です。取り上げないから絶望するんだ、必ず取り上げる場が要る、そういう駆け込み寺という意味でございます。 この教育問題について、共通一次及びいじめを含めて、総理大臣、何か御感想がございませんか。ひとつお願いいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) やっぱり基本的には、人間的な温かい、子供や学生本位を考えた親身の試験制度なりあるいは子供の扱いというものが欠如していると一つ思います。 しかしやっぱり、この間うちからずっと考えてみますと、今の子供は我々のときと違って抵抗力が弱い。昔なら、何をと刃向かってくる、あるいは自分で自主防衛をやるべきところを今の子供はどうしてもめそめそ泣いちまっている。非武装中立からもっと力がないような形になるんですよね。しかし今の現代社会というものは、どういうかげんか知りませんが、家庭の構造変革とか、社会の構造変革とか、兄弟の数とか、いろんな面でそういう抵抗力というものが非常になくなってきている子供が教室にいる。昔の我々のときの子供と違うんだということを先生がまず意識して、そういう非常にもろい、もろいガラスの人形のような子供たちをどう扱うか。そこで今先生のおっしゃった駆け込み号とか、必ず相談に乗ってやるとか、そういう発想が出てくると思うんですね。そういうようなことを前提にした考え方でこれに対処するということが大事だと思います。 しかし、一番のポイントは、じゃ、どこへそのお寺をつくるか。教員室でやれるのか、学校の外に置くのか、なかなか問題がありますね。電話でかける一一〇番みたいなものをつくっておいてやるのか。いろいろアイデアもあると思いますが、そういう問題もよく検討してみる必要があると思うんです。 それから、共通テストの問題については、先生がおっしゃるようなハードル論というのは私も賛成なんです。共通テストをやめろというんじゃないんです、私が言っているのは。任意テストにしなさい、あれはあっていいんですと。しかし大学の方も、どれを選ぶとか、何科目にするとか、そのうち一科目でも自分の大学はやってみるとか、信州大学みたいなそういう非常な自由とバラエティーを持ったやり方でやる。また子供の方も、大学の方にそういう自由があるなら子供の方にも自由を与えなさい、必ずあれを受けなけりゃ大学を受けさせないというのは余りかた過ぎやしませんかと。共通一次テストを受けるというのは、自分はどれぐらいの実力があるかということを自分で知りたい、だから自分でどの大学を選ぶかということを自分と先生と相談して決める資料を得る。そういう意味で私は意味がある。そういう形でやるとすれば、自分はあんなものを受けなくたって実力で必ず一発で東大へ入ってみせる、そういう子供がいるかもしれません。 だから、東大の受験生の中でも何割は一次テストを受けてきた者をやるけれども、何割ぐらいは受けなくても試験を受けさせる可能性を認めておいてやる。そのかわり、じゃ、どうするかと言えば、受け付けの先着順で決めたらいいじゃないかとか、考えようによってはですね。そうすれば、自分は受けなくても必ず受かってみせるという、そういう新しいタイプの人間も行きますよ。そういう人間がまた、案外アインシュタインになるかもしれない、エジソンになるかもしれないんですよね。ですから、そういうさまざまな仕組みを学校側も設けておいてやってあげる、そういうことが必要じゃないかということを私は申し上げておるのであります。 だから、これは任意テストというんだから、臨教審の答申を読んでみますと、これはもう自由であります、任意であります、完全にそういう文章になっておるんですから、ですから受ける方の身も自由にしてもらったらいいんじゃないか。学校の先生の方は、だから、大学とぶつかる入学試験というものは二次以外にないんです。一次というものはあれは受験じゃないんですよ、テストというのでね。力があるかないかを試す参考資料を得るにすぎないので、あれは入学試験じゃないんですよね。そういう概念をはっきりさせてバラエティーをつくってやったらどうか、そう私は思うのであります。
○高桑栄松君 ハードル論にも賛成していただいてありがとうございました。 さっき個の確立と申し上げましたが、私は個の確立て我が国で最もティピカルなお方は中曽根さんだと思っているわけであります。だから、その中曽根さんの個の確立に何かチェックをするのは私は嫌でございますけれども、せっかく任意テストとおっしゃっているんですから、任意の中身を余りおっしゃいますと非常にインフルエンシャルなんですよね、やっぱり中曽根さんは。だから、それは任意だから海部さんの任意にお任せをした方が私はいい処置ではないかなと思っております。 それでは次に入らせていただきます。 国立研究機関の問題で、今度研究交流促進法が科技庁から出された。きょう決まったと伺いました。これは百二国会で後藤田さんにお願いというか質問をしたら、大変いい御答弁がありまして、科技庁の方で出してくださったと思うのですが、国立試験研究機関から私のところに十何通か手紙と電話でお礼が来ております、ぜひ通してくれ、お願いをしたいと。大変私はよかったと思うので、この場をかりて後藤田さんと科技庁長官にお礼を申し上げます。 そこで、この閣議決定の中で、何か二月七日までは一貫して防衛庁が入ってなかったというのを、今度、二月十日以降これが含まれるようになったというのでいろんなことが懸念としてうわさされているんですが、これについて、何か防衛庁が入ったということについての今までのいきさつを御説明いただけますか。
○国務大臣(河野洋平君) 研究交流促進法、かねてからいろいろと御提案もいただき、また御激励もいただいておりますことをまず最初にお礼を申し上げたいと思います。 大変この法律をつくりますのに苦労もございました。何せ関係する省庁が非常に多くございまして、それぞれの省庁で研究をなさる方々のための特例措置を一つに集めだというような性質のものでございます。中身はもう先生御存じでございましょうからあえて全部申し上げるつもりもございませんが、外国からの研究者を任用するというようなことを初めといたしまして、従来法律上隘路になっておりましたことを何とかして取り除こう、こういうことが法律の趣旨でございます。 したがいまして、この隘路を取り除こうということでございますから、さまざまな分野で研究のために一生懸命努力をしておられる研究者の方々がおられるわけでございます。これは科学技術庁の国立研究機関にもおりますし、通産省にもおられますし、厚生省にもおられますし、各省庁にそれぞれおられるわけでございまして、防衛庁にもそうした方々がおられることも事実でございます。したがいまして、この法律をつくります際に、そうした方々のすべてに隘路となっているものを取り除いて差し上げるということが正しいのであって、どの部分はこの法律をかぶさないというふうに考えてはいかぬ、こんなふうに私どもは考えたわけでございます。 今、先生、途中まではそうしたことがなかったんじゃないか、途中から割り込みがあったんじゃないかというようなお話がございましたが、決してそうではございませんで、どういうふうにむしろこの法律がかぶれるかということでの議論はございましたけれども、法律の趣旨からいいましてすべての研究者にかぶせていくということが適当であろう、しかもそれはそれぞれの省庁が御判断になることだ、私どもはそれの一つの取りまとめの仕事をさせていただいた、こういうふうに考えておるわけでございます。ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○高桑栄松君 それでは、せっかく学会に行くのに休暇をもらわないで行ってもいい、これは大変喜んでおられるんですが、旅費の問題がございまして、研究費の中にもらった研究費、テーマがある。その成果は学会に発表する義務があると思うんです。その費用が入っていないんですよね、我が国では。アメリカでは自分のテーマで研究費を取ると研究者を雇うこともできる。学会出張はもちろんなんです。 そこで、これを何とかしていただけないか。研究費の一部を旅費に流用することができないのか。その研究テーマによりますよ。そのことについて、まず文部省どうでしょう、科研費。
○政府委員(植木浩君) お答え申し上げます。 文部省関係では科学研究費補助金というのがございます。これは採択された課題の研究に直接必要な経費に支出をいたしておるわけでございますが、ただいま先生からお話しございました例えば当該課題に関係をいたします研究成果を発表する場合には、科学研究費補助金によりましても学会の出席の旅費を認めておると、こういう取り扱いになっております。
○高桑栄松君 科技庁いかがでしょうか。
○政府委員(内田勇夫君) 私ども国立試験研究機関の研究者にとりましても、学会に出席することは研究の交流あるいは研究基盤の強化を図るという上から非常に重要であるというふうに考えております。 それで、学会に出席するための旅費でございますが、我が国の基礎的な研究を推進していく上で国立試験研究機関が果たすべき役割が非常に大きいという点から、昭和六十年度から科学技術振興調整費により国立試験研究機関の基礎的研究の推進を図っておりまして、この振興調整費の中で学会に出席するための旅費も含めて配分するということにいたしておりまして、トータルといたしまして学会出席のための旅費の大幅な拡充を図っておるところでございます。 さらに、六十一年度におきましても、この振興調整費の中からさらに国際研究集会への出張旅費についても配分できるようにいたしたいというふうに考えておりまして、そういった方向でこれに対応していきたいというふうに思っております。
○高桑栄松君 それはちゃんと決まった額であって、研究テーマごとに持っていくわけにいきませんね、どうでしょう。
○政府委員(内田勇夫君) 研究テーマということでございませんで、研究テーマに付随いたしまして研究所に配分するということにいたしております。
○高桑栄松君 科技庁長官、この前の文部省と他の研究機関の違いがまた同じようにここへ出てきているわけです。科研費はそれでいっていますからぜひこれをしていただきたいというのは国立試験研究機関からの私に対する要望でもございますから、ひとつ何か努力できませんか。
○国務大臣(河野洋平君) 国立試験研究所の責任者をやっておられた御経験を持つ先生からのお話でございまして、現場におられた方の体験を交えた御提言でございますから十分研究をさせていただきたいと、こう思っております。 今お話しがございまして、また私どもの方から御答弁を申し上げましたけれども、私の聞いておりますことに記憶に間違いがなければ研究者の方々一万人ぐらい、私どもの対象といたしております研究者一万人。それに対してたしか一億円ぐらいの旅費が五十九年度でございましたか、だったと思いますが、それをかなり大幅にふやしまして、今それを倍増以上にふやしてきたところでございまして、私どももできる限りの配慮をしようということでそういう姿勢で当たっております。今先生からのお話は、私受けとめさせていただいて少し研究をさせていただいて、いずれかの機会に御答弁をさせていただきたいと思っております。
○国務大臣(江崎真澄君) せっかく後藤田さんのこれは大変熱心な申し送りがありまして、この研究交流促進法案の作成につきましては、やはり科学技術庁と協力して、まず研究公務員の研究集会への積極的参加、それから退職手当法の特例措置等の必要な人事制度関係の措置、こういったものも盛り込みまして科技庁と連絡をとりながら非常に前向きに取り組んでおると、こういうことを申し上げておきます。これは前任者からの強い申し送りでございます。
○高桑栄松君 私が参議院に出るに当たって、武見太郎先生が私に、参議院は学問を政治に反映する場だ、そういうふうに心得でやりなさい、こう言われましたので、大変私はうれしいと思います。ありがとうございました。 そこで、筑波研究学園都市での自殺がふえているということで、私もあそこにいたものですから。ストレスをどう解消するか。その一つは旅費でございます。科技庁長官、今のがうまくいけばと思います。もう一つはトランスポーテーションがだめなんです、あれは。取手から先がもう全然だめなんですね。これについて第二常磐とか、今の常磐の密度だとか、国土庁のお考えをそれぞれ承らせていただきたいと思います。
○説明員(須田寛君) 現在の常磐線の状況につきましてまずお答え申し上げます。 現在、常磐線の取手−土浦間につきましては約九十本ぐらい電車を運転いたしておりますのですが、まだこれにつきましては幾らか増発の余力がある状態でございます。ただ、問題となっておりますのは、上野駅のターミナルの容量がもうなくなってきているということがございまして、ラッシュの増発が極めて難しくなっておるということと、それから快速電車を取手から先に延伸をいたしますためには、柿岡の地磁気観測所の例の誘導電流の関係がございまして困難でございますので、これらの解決が必要でございます。 したがいまして、やはり私どもは、今政府で御検討いただいております第二常磐線構想等で抜本的な解決が必要とは考えておりますけれども、それまでの間にできるだけ列車の増結なり、あるいはデータイムなり夕方のラッシュなり、比較的ゆとりのあるところの線路容量を使いましてできるだけの改善は努めてまいりたい、こんなふうに考えておるところでございます。
○国務大臣(山崎平八郎君) お答えいたします。 実は私も、就任早々でございましたが、一月の下旬に現地に参りました。一つは、御承知の関西の文化学術研究都市、これもいよいよ緒につきますので、その前に、その見本と言っては悪いですが、勉強したいという意味で行ってまいりました。 御承知のように、今おっしゃるような交通条件その他が甚だ不備でございますことは私も気がつきました。それからもう一つは、都市としての開発がまだ進んでおりませんで、人口十万を目標にいたしておりますが、まだ四万弱でございます。そういうことを勉強しながら、帰ってまいりましてからいろいろの意見を聞きまして、いわゆる単身赴任、そして自殺者があったというようなことも聞きまして、それは私は現場では気がつかなかったんですが、やはり都市の要件にいろいろ欠けるものがある、こういう感じを受けたわけでございます。 したがいまして、試験研究機関としての整備は一応完了はいたしておりますものの、都市としての条件がまだまだ不備な面がある。したがって、何といいましても都市の住民の憩いの場とかテニスコートとか公園、沿道の緑化、いろんな問題をひとつこれから都市施設を含めまして整備を完了、まあ、したとは言っていますけれども、まだ不備でございます。特に、近時商業施設や医療施設などの利便施設も今、順次整備中でございまして、したがって日常生活の面とか交通施設等の整備の面で都市としての未成熟な部門も実は見受けられます。このため、今後とも都市の住民が快適な日常生活が送れるよう周辺地域との交流を深めるとともに、レジャー機能等の集積を高めたり、住民相互の触れ合いの場を醸成するなど、潤いのある魅力的な町づくりを進めていきたい、これが国土庁の考えでございます。
○高桑栄松君 次に、環境アセスメント法案に関連しまして総理大臣に伺いたいと思うのですが、去る三月十日の中西委員のグローバルな環境汚染問題のときに、総理大臣は、リサイクル社会で環境問題は重要であるとおっしゃっておりましたが、私がいつも気にかけております環境アセスメント法案、その後どういうお取り組みをしておられるか、もう一度伺いたいと思います。
○国務大臣(森美秀君) お答えいたします。 環境行政の大先輩の高桑先生でございます。御承知のように一昨年の八月閣議決定いたしまして、その後、この効果を一生懸命見てまいっておるところでございます。したがいまして、このことは国民にとっても大変大事なことだと思いますので、先生方もひとつ御協力いただいて、より立派な実効ある閣議決定にしていきたいと考えております。
○高桑栄松君 ありがとうございました。 それでは次に、ASEANの人口問題国会議員懇談会のことで外務大臣に伺いたいんですけれども、私は、昨年まで五回の会議のうち三回出させていただきました。前回は石井一二議員も御一緒でございましたが、そのときに聞いたことは、この費用、ASEANですよ、アジアでないんです、ASEANですが、この費用は国連から出ているが、一部はオーストラリアから出ている、日本からはダイレクトには出ていないということなので、経済大国日本の援助を得たいということをどこへ行っても言われるんですが、いかがなんでしょうね。つまり、各国から数名ずつ国会議員が来ていますから、かなり有力者ですし、やっぱりほんのわずかのお金で、というのは、最低五万ドルと言っておりましたが、何とかならぬものでしょうか。いかがでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 先般、日本でアジア国会議員の人口問題に関するフォーラムが行われまして、私も御招待を申し上げたわけでございますが、日本としましてもこの人口問題に対しては非常に熱心に取り組んでおります。このアジアの人口問題を解決するために国会議員の会議が設けられておることは非常に評価をしておりますし、側面的にもいろいろと協力もいたしております。特に、この会議については国連の人口活動基金がいろいろと直接支援をいたしておりまして、日本はこの人口活動基金に対しまして最も大きな協力国でございまして、この活動基金を通じてそうした議員活動に対しても協力しておるということでございます。そういう意味では、直接的に日本自身が出すということじゃありませんけれども、活動基金を通じまして非常に協力しているということではないだろうか。そういうことを今後とも我々は国連というものを中心にして進めてまいりたいというのが日本の政府の考え方であります。
○高桑栄松君 それは私、承知しているんですけれども、非常に大きな金なら別なんですが、若干の金でも非常に効果が大きいのではないか。つまり、ASEANの人たちが日本をどう見ているかということに対する対応ができるという意味でお願いしたんですが、UNFPAの、あれはドル建てでしょう。あれは幾らでしょうかね。
○政府委員(中平立君) お答えいたします。 ただいま御審議いただいております六十一年度のコントリビューションでございますが、四千五百九十三万ドルでございます。
○高桑栄松君 大蔵大臣も関係がございますけれども、ドル建てですから円高、差額が出ますよね。一割としても四百五十万ドルなんですけれども、五万ドル、なんかやれないでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) お話の趣旨はよくわかりりますが、予算の執行段階でどのようなことができますか、私も勉強さしていただきます。
○高桑栄松君 ちょうど最後になりましたが、青函トンネルの問題をちょっとお話をさしていただいて御意見を承ります。 青函トンネルは、去る三月五日にレールが通りました。北海道の人間、青森、その辺は大変喜んでいるだろうと思います。ただこれは、思い起こしていただきたいのは、昭和二十九年の洞爺丸事件のときに、早速国会では安全対策のためにトンネルを掘ることが決まったんですね。昭和三十二年五月、衆議院の本会議で決議をされて決まったものであります。したがって今のように経済問題ではない、まず安全問題です。安全問題であれが決まって、そして二十年の歳月を経てトンネルができました。今御承知のように英仏海峡で、ドーバー海峡のあのトンネルをやっていますね。日本はあれだけのトンネルをつくって、我が国科学の金字塔だと思うんです。
○委員長(安田隆明君) 高桑君、時間が参りました。
○高桑栄松君 それに在来線を通すという手はないと思うんですよ。この金字塔には世界最高を誇る新幹線を通すべきである。そしてもう一つは、ニューメディア時代には交通の便が必要なんだと、これは二月二十五日、予算公聴会、竹内さんのお話でございます。地域格差の解消、これは政治の課題でございます。これだけを挙げて、私は新幹線を通してもらいたいということを北海道開発庁長官、運輸大臣、国土庁長官にそれぞれお答えをお願いして終わりといたします。
○国務大臣(三塚博君) 北海道新幹線をぜひという願望はかねがねよく承らさせていただいております。御案内のように、盛岡から青森までというのが当面するルート上からまいりますと経過してまいらなければなりません。一つのプロセスでございます。同時に、御案内のように国鉄再建という極めて重要な転機を迎えておりますわけでございまして、よって昨年の八月、政府・与党の中で整備新幹線をどのように進めるかということにつき、財源問題等検討委員会というのを設けまして、事業主体及び運行主体、財源等についての検討を年内いっぱい進め結論を出すということにいたしております。 青函は六十二年度中に完成であります。よって、直ちに新幹線がということの願望は知りつつも、具体的スケジュールにはなかなかなりがたい、そういうことでありますものでありますから、せめて三条路線ということで、在来の線路も敷かさせていただきますが、やがて北海道は新幹線も敷くのでありますよというので、広軌の新幹線も敷きまして、日本では珍しい三条鉄道という、線路だけでありますけれども、ここで夢と希望を北海道に与えていくと、こういうことでただいま取り組んでおるわけでありまして、今後国民的な盛り上がりの中で本問題の解決に取り組んでいかなければならぬ、このように思っておるところであります。
○国務大臣(山崎平八郎君) お答えいたします。 国土の一体化とその均衡ある発展ということは、ぜひとも、こういう観点から考えますと、北海道と本州との新幹線によって結ばれます意義はまことに大きいものがあると存じます。特に、北海道には未来の領土の星が輝いております。しかし、整備新幹線につきましてその建設に係る諸問題につきましては、御承知のように既に整備新幹線財源問題等検討委員会というものが設置されておりまして、現在そちらで検討中でございます。したがいまして、青函トンネルの新幹線の敷設という問題はこれらの状況を踏まえまして判断されるべきであると、かように考えております。 以上でございます。
○国務大臣(古賀雷四郎君) お答えします。 北海道は御承知のように二百海里時代の漁業で大変な問題に逢着しております。また道内の農業地帯は減反問題でも非常にその苦心があります。さらに、失業率につきましては四%台ということで、北海道の活性化がなかなか進まない。お話の新幹線、これはこれらの活性化に非常にインパクトを与える大きな要素である、青函トンネルがようやく日が見えてきましたので、一日も早く通すことは道民の悲願であるし、これを達成することが私の役割であるとも考えております。しかし、御承知のとおり財源問題等検討委員会で検討されているところでありますので、それらの進行状況とあわせまして前向きに対処してまいりたいと考えております。 なお、昭和六十年度においては北海道新幹線について五千万円の調査費がついていることを御報告申し上げたいと思います。
○委員長(安田隆明君) 以上で高桑栄松君の質疑は終了いたしました。 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十五分散会