予算委員会 第7号
- 発言数
- 434 件
- 登壇者
- 47 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/03/11
会議録
○委員長(安田隆明君) 予算委員会を開会いたします。 まず、公聴会開会承認要求に関する件についてお諮りをいたします。 昭和六十一年度総予算三案審査のため、来る三月二十日に公聴会を開会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認めます。 つきましては、公述人の数及び選定等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(安田隆明君) 次に、昭和六十一年度一般会計予算、昭和六十一年度特別会計予算、昭和六十一年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。 —————————————
○委員長(安田隆明君) この際、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 昭和六十一年度総予算審査のため、本日、日本銀行総裁澄田智君、臨時教育審議会会長岡本道雄君、住宅・都市整備公団総裁丸山良仁君の三名を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(安田隆明君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(安田隆明君) それでは、昨日に引き続き、総括質疑を行います。中野鉄造君。
○中野鉄造君 私は、冒頭、間近に迫ってまいりました東京サミットの準備状況について若干お尋ねいたします。 いわゆるサミットにおける討議議題の設定状況についてお伺いしたいと思いますけれども、すなわち政治議題とかあるいは軍縮問題、テロ対策、新科学技術開発国際機構といった個別のテーマもいろいろと取りざたされておりますけれども、まだ我々にはその具体的なことは知らされておりません。総理はこのたびの東京サミットでどういうことをお話し合いになろうとするのか。経済議題のように既にもう確定しているものはよろしゅうございますけれども、例えば経済議題の中でもそのテーマについてそれぞれのねらいをどこに置かれているのか。また政治議題については、少なくとも大枠についてこの際国民の前に御披瀝をいただきたい、このように思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) サミットの準備は着々として進行しております。今まで各国の大統領あるいは総理大臣のスタッフが適宜、随時集まりまして、東京サミットに対する準備の打ち合わせをやっておりまして、その中でどういうアイテ ムを選ぶか、どういう事項を今後討議の中心に据えていくか等々についていろいろ調整をしてまいってきて、まだ確定した案は決まっておりません。いずれ四月のぎりぎりのころ決まってくるのだろうと思いますが、今までの例からいたしますと、経済サミットでございますから、何といっても経済問題が中心でございます。 今の状況を見ますと、インフレなき経済成長、インフレなき経済繁栄の持続ということを中心の目標にいたしまして、そしてそれに必要な各国の協力の諸原則等を討議するものと思われます。特に、昨年の秋から世界経済に潮の変わり目が出てまいりまして、国際通貨関係の変化あるいは石油の大幅な値下げというような状態が出てきて、一部には景気に対する陰りを云々されるということも出てきております。 しかしまた一面におきましては、石油の値下げあるいは今のようなアメリカのドルの軟化というようなものが逆に景気を刺激するという面も出てきておりまして、アメリカやヨーロッパは景気についてはかなり強い見方をしてきております。若干いろいろ変化はありますが、基本的には最近の我々に対する情報は割合強気に転じてきている、そういうことであります。しかし、このような新しい国際通貨関係とかあるいは石油の値下がりに対応して、先進諸国はどういうふうにしてインフレなき繁栄を持続していくかということが第一であると思います。 それから、発展途上国や債務国に対する対策というものも重要な項目になってまいります。石油産出の債務国、例えばメキシコとかそのほかの国がございますが、それらの国々もかなり苦しいし、一次産品の低下というものもございまして、債務国に対するどういう国際協力があり得るであろうかというような問題、発展途上国の一次産品等に対する先進工業諸国の関係、こういうような発展途上国や債務国に対する対策というものが第二にあると思います。 それから第三番目は、やはり通貨関係の問題が出てくると思います。昨年の九月二十二日のG5の成功以来、通貨関係につきましては国際協調の線が強く出てまいりました。先般の金利の引き下げについても、各国が独自に、特に中央銀行の独自性に基づいて行ったものではありますが、やはり世界経済をにらんで各国が政策協調、そういうものをやっておる、世界的金利水準の低下というものを考えて行動している、そういうことであるだろうと思います。そういう意味におきまして、通貨関係、金利関係というようなものを国際的にどういう政策で調整していくかという問題がかなり大きな問題であるだろうと思います。 そのほか、科学技術の問題であるとかあるいは若干の問題も出てくると思いますが、我々としては、アジアにおけるサミットでございますから、やはり東洋文明と西洋文明の出会いという点もありまして、太平洋、大西洋協力というような一つの我々の理想というものを討議したらどうかという気もいたしております。 それから、レーガン・ゴルバチョフ第二回会談を控えまして、昨年に引き続いて、いかにして平和と軍縮を実りあらしむるかという問題について東は東、西は西、アジア、ヨーロッパ、アメリカおのおのの考えを持っておりますが、そういう問題についても議論は出てくるであろう、そして米ソ交渉を実りのある、そして世界が平和と軍縮に向かって安心し得るような体制へ一歩ずつ着実に進むという方向に我々としても協力していきたい、そう思っておりまして、そういう問題についての討議も進むものである、そういうように考えております。
○中野鉄造君 ただいま総理からのお話がありましたように、このサミットの趣旨であります経済問題を中心としたそういう論議であれば、これはもうまことに結構ですけれども、過去のいろいろな経緯からいたしましても、例えばレーガン大統領のタカ派的色彩がサミットにもかなり影響しまして、昨年のボン・サミットにおいては、SDI問題に見られるように政治、軍事的色合いがどちらかというと濃くなった、また対ソ軍事的結束を誇る場として利用されつつあるといったような、こういう見方さえもあるようですけれども、しかし一面、昨年秋に実現しましたレーガン・ゴルバチョフ会談によって国際緊張の緩むことが期待され、またことしにも予定される両首脳の会談がこの傾向をより確実にするという役割も課されているわけですから、こうした状況の中での今総理がおっしゃったような経済中心のサミットであるということを堅持して、そういういろいろな軍事的色彩を強めたようなサミットでないことを私たちは望むわけですけれども、総理のその辺の御見解をお願いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) サミットは、何と申しますかフォーマルな国際会議ではなくして、これは各国の大統領や首相が集まって随時に自分たちの考えを述べ合う、そういう場所でございまして、正規のいわゆる国際会議という何か肩ひじの張ったものではない、かみしもを着たようなものではない、むしろ自由にゆっくりフランクリースピーキングをしようじゃないか、隔意なき懇談、討議をやろうじゃないか、そういう場所であるべきであると思っております。ですから対決の場ではない、これは協調と平和を導くための場であり、繁栄を導くための努力の場である、そう考えておりまして、東京サミットもそういう線で成功に持っていきたいと思っております。
○中野鉄造君 それからまた、先ほどの総理のお話の中にもありましたように、今回日本はアジアの一員として、むしろアジア諸国の代表としてこのサミット討議の中に諸国の意思を反映さしていく、そういう責務があるわけですけれども、政府はこの間から大来元外相のほか大使経験者の方々をアジア諸国に派遣して各国の意見を聞くこととしているようでありますが、このことについての具体的計画及び派遣に当たっての考え方をお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) このサミットは、今度は東京で行われるわけでございまして、参加しているのは日本だけでございますし、アジアの諸国も大変な関心を寄せられておることは御承知のとおりであります。日本としてもアジア諸国の考え方を十分聞かしていただきまして、それをサミットの場に反映をしてサミット成功に持っていきたい、こういう基本的な姿勢でございまして、そのためにも事前にアジア諸国の首脳の皆さんのお考えをお聞かせをいただきたいということで、近く韓国あるいはまたASEAN諸国その他インドを初めとしたアジアの諸国に政府のいわば特使を派遣いたしまして、十分打ち合わせをしたい、こういうふうに考えております。韓国あるいはASEAN諸国に対しては、須之部元次官を特派大使として派遣をしたいと思いますし、またインドに対しましては大来元外相を派遣いたしましてインドとのお話をさしていただこう、こういうふうに考えておるわけであります。
○中野鉄造君 次に、SDIとMADについてお尋ねいたしますが、これまで政府は戦争は均衡と抑止によって抑止されてきた、こういうように説明されております。さらに、従来核抑止戦略は相互確証破壊戦略、いわゆるMADであり、相互に相手国の国民及び産業施設、軍事施設などをいわば人質とし合うことで成立する、こういうようにされてきたわけですけれども、相互に攻撃力のみを持ち、相手の攻撃から自国を無防備状態に置く、こういう矛盾の上に立って辛うじてこの戦略概念ができ上がっているんです。ところが最近、SDIは相手攻撃に対して防護力を持ち、また攻撃を無力化しようというものであり、MAD戦略に基本的修正を加えようとするものである、こういうような声がアメリカ国内でもあるやに聞きますけれども、こうしたことについて、総理はSDIとMADの関係をどのように御説明になりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) SDIはやはり抑止論あるいは均衡論に基づいている一つの戦略構想であると思います。つまり、今まではICBMのようなワシントン、モスコーを直接ねらうような大陸間弾道弾による大量殺りくあるいは発射基地 をねらうという大量破壊、そういうものの戦略で、そしてお互いが死滅するという関係で抑止されて平和が維持されてきた、そういう理論に基づくものであったと思います。SDIは、そういう大量破壊を中心に物を考えるというやり方じゃなくて、破壊が行われないようにする。そういう意味で、上がってくるものを途中で落としてしまう、そういう形でICBMをもう無用なものにしてしまう、そういう兵器体系がアメリカにもソ連にも相互にできれば、これで核兵器を地上からなくさせることができる、追放することができる、そういうレーガン大統領の理想に基づいていろいろ構想され展開されておるものであり、私はそれはそれなりに一つの新しい次の時代への戦略体系への転換であろうと思っております。 しかし、その移行の過程において現に持っておる莫大なICBMというものとそれを阻止する力というものの変化の間において不均衡が生ずるというと、お互いに猜疑心が起きますから、その変化の過程の取り扱いが非常に難しい。したがって、それに移行していく場合においても安定性を害しないように、相互信頼を害しないようにしつつ、変化に応じてついに核兵器を地球上からなくしてしまう、そういうような動的均衡、動的安定状態をいかに実現していくかということが大事であるだろうと思います。しかし、SDIはそういう理想を持ってはおりますけれども、どの程度それが可能であるかという点は今模索中であり、我が国としてもその調査を行っているところです。 我が国は、そういう考えに基づきましてSDIに対する五つの原則をレーガン大統領にも申し入れ、サミットの席上で私から各国首脳に対して日本の立場として申し上げておるところです。 それの第一は、ソ連に対する一方的優位を追求するものではない。これは今申し上げたように、お互いに持ち合えばお互いがやらなくなる、そういう意味で一方的優位を追求しない。西側全体の抑止力の一部としてその維持強化に資する、つまり抑止力ということが基本にある。それから攻撃核兵器の大幅削減を目指す。つまりICBMをなくしていく、そういう考えです。それからABM条約に違反しない、これは相互信頼性を維持して、そして変化していく過程においても安定性を維持していこうという考えです。それから開発、配備については同盟国との協議、ソ連との交渉が先行すべきである。つまりソ連との交渉が先行すべきである点は非常に大事なので、お互いがそれで理解し合いながら核兵器をなくしていこう、そういう考えに立っておるものであります。
○中野鉄造君 総理は、サミットもこれあり、SDIに関する対米協力に一日も早くゴーサインを出したいようでありますが、しかし一方外務省は、イギリスはとにかくとして西ドイツ、フランスあるいはカナダ等の反応をにらみながら慎重に対処していこう、こういう姿勢のように受けとめておりますけれども、総理と外務大臣にSDI参加問題についてそれぞれのお考えをお尋ねしたいと思います。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 別に総理大臣とSDIに対する考え方が違っておるわけじゃないんです。というのは、まだSDIに対して日本そのものが結論を出していない、SDIの研究には理解をしているということは政府の見解としてはっきりしておりますが、研究に参加するかどうかということについてはまさに今政府が真剣に調査研究をいたしておる段階でございまして、近く第三次の官民調査団を米国に派遣をいたしまして、政府さらに民間の立場からアメリカのSDI研究についていろいろと問題点を聞きたい、こういうことでございます。その調査団の報告を受けて、さらに政府部内で十分検討して報告を出さなきゃならぬ、こういうふうに考えておるわけでございます。 現在の時点におきましては、政府といたしましては白紙であるといいますか、研究参加についてはまだはっきり方向を決めておるわけではない。いずれにいたしましても、各国もそれぞれ対応を決めておるわけでございます。日本としましても慎重にそして自主的な立場でこの問題については方針を決めなきゃならぬ、こういうふうに考えております。
○国務大臣(中曽根康弘君) 外務大臣の発言と全く同じでありまして、全く変わっておりません。寸毫の差もない、そう言ってもいいと思うのです。 つまり、SDIというものは次の新しいタイプの兵器体系でありますから、よほど慎重によくきわめる必要がある。そういう観点に立って二次にわたって調査団も出し、また近く民間も入れた調査研究団を出して、そして情報の収集あるいはSDIというものはどういうふうに変化発展していくかという先も見きわめる、そういう必要があるものでありますから、私は非常に注意深くかつ慎重にこれを取り扱っていこうという考えで、そして大体よく研究し調査し尽くしたそういう段階において一歩ずつ我々の考えを固めていこう、そういう考えですから、まだ研究について理解は示しているけれども、それ以上の態度に出ているものではない、目下調査中である、そういうことであると御理解願いたいと思います。
○中野鉄造君 私はこれにこだわるようですけれども、安保条約にいわば限定されるべき極めて地域性の高いものが、今や地球的規模のしかも宇宙にまで拡大することが果たして適当か否か。これは相手がいることですから、必要であるといえばそういう議論もあるかと思いますけれども、今申しましたような私の疑問もあるわけですけれども、この点についていかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 日米安保条約は厳として存在しておるわけでありますし、これを我々は維持して、そして効果的に発展をさせなければならない、こういう考え方のもとに日米間の緊密な関係を保っておるわけでございます。その安保条約とSDIの問題と今どういう関係にあるかというふうな御質問かと思いますが、SDIそのものは、先ほどから総理もお話がございましたように、まさに世界的な立場に立った、核兵器を廃絶しようという非常な理想に燃えた防御体制でございますから、これはこれなりにアメリカが中心になって研究開発を積んでいくわけでございます。そういう中にあって、日本は日本として日米安保条約を守りながらSDIに対するどういう対応をするかということは、先ほどから我々が申し上げましたように、慎重に今検討しておる段階であります。
○中野鉄造君 次に、秘密保護と研究の自由拘束についてお尋ねいたしますが、秘密保護を前提にSDI研究に参加することは研究の自由、学問の自由という面でもいささか問題があるのじゃないかと思います。参加した場合、当然米国からの情報のみならず官にも民間にもアメリカ政府から研究開発資金が流れ込むはずでありますが、それに依拠する成果にはほぼ秘密保護の網がかぶせられる、こういうことが予想されます。そうすると日本の科学技術研究分野における学問研究の自由という貴重な財産が損なわれるおそれがあるんじゃないかと思いますが、そうした自由を拘束されることによりまして、逆に我が国にとっては科学技術研究のおくれのもとになるのじゃないかというような懸念もありますけれども、この点についてはいかがですか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) SDIの研究に参加するかどうかということについて日本はまだ何ら決めていない、今まさに調査中でございます。いろいろの角度から、日本は日本の立場もありますし、いろいろの観点から研究調査を進めてそして結論を出したいということでございますから、今いろいろと御意見もございましたし、私自身も各界の意見も聞いておりますが、そういう問題点は十分日本政府の中で論議をしてそして結論を出さなければならない、こういうふうに思っております。 SDI研究参加につきまして、科学技術がむしろおくれるのじゃないかというお話がございますが、私は各国を回ってSDIについていろいろと 各国の責任者から話を聞いたところによれば、イギリスにいたしましてもあるいは西ドイツにいたしましてもフランスにいたしましても、むしろSDIの研究に参加をしなければその国の新しいこれからの科学技術において大きなおくれをとるのだと、こういう基本的な考え方が各国にはあるように私は受けとめております。
○中野鉄造君 次に、武器共同開発の問題についてお尋ねいたしますが、衆議院の予算委員会で外務省の小和田条約局長は、武器の共同開発についてまず一つ目として、技術さえ供与しなければどこの国とでも許される。二番目には、アメリカとは技術供与ができるけれども共同生産はやるつもりはない、こういう見解を示されておりますが、そのとおりですか。
○政府委員(小和田恒君) 衆議院の予算委員会におきまして、武器の共同研究開発の問題について特に米国との関係において御質問がございました。 私が申し上げました趣旨は、共同研究というものに武器技術の供与が伴います場合には武器技術供与の取り扱いについての原則によって処理されることになるであろうということを申し上げたわけでございます。御承知のとおり、我が国には武器輸出三原則というものがございまして、この武器輸出三原則は武器技術も含むということになっております。米国との関係におきましては御承知のとおり武器技術供与に関する取り決めが締結されておりますので、米国との武器技術供与を伴うような共同研究開発というものは、この武器技術供与取り決めの趣旨に従って処理されることになるであろうということを申し上げたわけでございます。
○中野鉄造君 僕はそこのところが非常にわかりにくいんですが、技術供与をしない共同開発というものをもう少しわかりやすく御説明いただきたいと思うんです。
○政府委員(小和田恒君) 一般論として武器技術の供与あるいは武器技術の共同研究開発ということを申し上げるのは必ずしも適当ではございませんで、武器ないし武器技術の共同研究開発というものにはいろいろな形態があるということだと思います。そこで、共同研究開発というものを抽象的、一般的に論ずることは必ずしも適当ではないと考えますし、これは具体的な事例に即して判断されるべきものであろうというふうに考えております。 全く一般論として理論的に申し上げますれば、先ほど私が申し上げましたように、武器技術供与が行われる場合には、これは米国との関係におきましては武器技術供与取り決めの趣旨に従って行われる、それ以外の場合には武器輸出三原則に従って処理をされることになる、こういう理論的、一般的な考え方を申し上げたわけでございます。
○中野鉄造君 そうしますと、私の理解では、共同開発というのはお互いの国がそれぞれの技術を提供し合って、いわゆるどこかでセッティングしなければ共同開発とは言えない。それがなければそれは独自開発じゃないかと思うんです。そういうようなことではなくて共同開発と言えるとするならば、技術供与をしない共同開発、それを具体的にひとつお示しいただきたいと思います。
○政府委員(小和田恒君) 今お尋ねの件につきましては、私の職責上は必ずしも私がこの問題にお答えする適当な人間ではないと思いますが、御承知のように、数年前の衆議院の予算委員会におきまして、武器の共同研究開発というものはどういうものであるかということについて政府の考え方をお示ししたことがございます。そのときに政府の立場として申し上げましたのは次のようなことでございます。 一つ。武器の共同研究開発という用語は、法令上の定義があるわけではございませんが、一般的に言えば、二つ以上のものが特定の武器の研究開発について、必要な構想、技術、技術者、運用者、資金、試験設備等の面で協力して実施する活動を言い、協力の態様により種々の形態がございます。すなわち、双方の技術をプールし、責任分担を調整し、かつ必要資金を分担するといった本格的とも言える形態のものから、協力がごく一部に限られるといった形態のものまでございます。 二番目。いずれにいたしましても、武器の共同研究開発につきましては、それに伴って、武器の輸出または武器技術の提供が行われるということになりますならば、その部分につきまして、個々のケースに即し、武器輸出三原則、政府方針に基づいて対処することとなりますのは言うまでもございません。こういう見解を申し述べているわけでございます。 私がこの前衆議院予算委員会におきまして御説明いたしましたのも、こういう一般的、理論的な考え方について御説明をしたことであるというふうに御理解いただきたいと思います。
○中野鉄造君 では、具体的にそうした形で共同開発をした事例がありますか、あるいはその計画がありますか。
○政府委員(藤井宏昭君) お答え申し上げます。 具体的な今までの例も、それから現段階におきまして日米間で共同研究開発をするという予定もございません。
○中野鉄造君 じゃ、百歩譲って武器共同開発ができるといたしましても、その共同開発の結果でき上がったものは、これはもうまさしく武器でございまして、そうすると我が国の国産武器というものは先ほどもお話があったような三原則によって輸出はできない、こうなっておるし、輸出はしないが共同開発はできる。そうすると、この三原則の精神とどのようにかみ合うのでしょうか。
○政府委員(藤井宏昭君) お答え申し上げます。 日米間につきましては、委員御存じのとおり、日米の武器技術供与に関する交換公文、それに従いまして昨年末には細目取り決めができておりまして、武器技術三原則等にかかわらず、アメリカに対しましては武器技術の供与を可能ならしめております。したがいまして、仮定の問題でございますけれども、日米間につきましては、仮に日米の共同研究開発が行われましてその果実であるところの技術がありとしまして、それをアメリカに輸出するということは現行の体制上可能でございます。
○中野鉄造君 アメリカとは武器の共同生産を行うつもりはない、こういう見解でありますが、アメリカとの関係で可能なのは技術供与と試作品の段階までである、したがって共同生産を行うつもりはありません、これは昭和五十八年の通産大臣でありました山中大臣の答弁でありますが、ここに将来ともにそれではこういうことをしないと明言すべきであると思いますが、この点いかがですか。
○政府委員(藤井宏昭君) 武器技術の取り決めに従いまして、委員御指摘のように武器技術の供与を実効あらしめるため必要な物品というものは武器技術の一部としてアメリカに対しまして輸出可能でございます。 他方、共同生産につきましては、累次政府が国会において御答弁申し上げておりますとおり、共同生産はこれを行わないということを申し述べておるわけでございます。
○中野鉄造君 また話を蒸し返すようですけれども、共同開発については過去にそういう具体的な事例もなければ今後の計画もないということであれば、共同開発というものは死文化している、こういうように理解してもいいんですか。
○政府委員(藤井宏昭君) 共同研究開発という言葉は、特に先ほど申し述べました交換公文等にある言葉ではございませんで、先ほど小和田条約局長が御答弁申し上げましたように、伊藤国務大臣が昭和五十七年でございますが、衆議院の予算委員会で御答弁申し上げておりますように、さまざまな形態が考えられるということで一つの定義を申し上げておるわけでございます。 したがいまして、死文化云々ということはございませんで、一つの概念というふうに了解しております。
○中野鉄造君 大臣お願いします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 今局長が答弁したとおりであろうと思います。共同生産というのは、政府としては行わないという基本方針はしばしば国会で説明をしたとおりでございます。 武器の共同研究につきましては、アメリカとの関係におきましてはこれを行うということは、三原則の中で武器技術の輸出は枠外になっておりますから、その結果として武器技術の輸出ができるわけでございます。したがって、武器技術の共同研究ということについては、我々しばしば国会で答弁しておりますように、アメリカとの関係においては最終的にその結果として生まれた武器技術を輸出することはできるわけでございますが、その他につきましてはあくまでも武器輸出三原則というものを踏まえて、これらの問題について対応しなきゃならぬというのが我々の考えてあります。
○中野鉄造君 先ほどの五十八年の山中通産大臣の答弁に関連しますけれども、今後アメリカが日本における共同研究開発を考える、そういうようなことも言われておりますけれども。その場合の対応はどのようにお考えになっていますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 御質問の裏にある背景を推測いたしますと、これはSDIが念頭にあるのじゃないかと思いますが、従来から繰り返し述べておるとおり、我が国としての対応はまだ検討中ということでございます。 武器ないし武器技術の共同研究開発には種々の形態がありまして、共同研究開発につきまして抽象的あるいは一般的に論ずることは必ずしも適当でない、具体的事例に即して判断さるべきである、こういうふうに思っております。一般的に言えば、武器ないし武器技術の共同研究開発において武器技術の供与が伴う場合には、その部分については武器輸出三原則に基づいて対処することとなるわけです。したがって、仮に日米間で武器ないし武器技術の共同研究開発が行われる場合に武器技術の供与が伴うときは、対米武器技術供与取り決めのもとでその供与の道が開かれておるわけであります。
○中野鉄造君 次に、OTHレーダー購入についてお尋ねしますが、OTHレーダーは中期防衛力整備計画の最重要事業の一つとして、アメリカの技術提供を受け導入する計画を進められていると聞いておりますが、計画そのものが集団的自衛権に抵触しはしないかと、こういう私は考えてあります。それに対して、今までの討議の中で防衛庁側の説明によりますと、集団的自衛権にはこれは抵触しない、あくまでも我が国独自でこれは運用し、知り得た情報をその都度の判断によって提供する、こういうように答えられておりますけれども、しかし一方向こう側では、まず第一番目にこのOTHレーダー解析のためのソフトウェアは提供しない、二番目に日本の生データは米軍にダイレクトに直送してほしい、三番目に総合的に解析評価した情報も日本側に提供すると、こういうように言っているのですけれども、我が国がこのOTHレーダーを購入する場合にアメリカ軍からソフトウェアは提供されるのかどうか、これがまず一点。アメリカ側は解析ソフトウエアは重大な機密で提供するわけにはいかないと聞いておりますけれども、そのとおりであるのか。
○国務大臣(加藤紘一君) OTHレーダーと申しますのは、水平線の先まで見えるものでございまして、ドップラー効果というものを利用するものでございますけれども、非常に広範囲に情報それから船舶、飛行機等の航跡をキャッチできるという意味で、我が国の専守防衛の立場から見て有益なのではないかと思って現在その導入を検討しておるところでございます。 そこで、この導入の基本的な性格でございますけれども、今申しましたようにあくまでも我が国の防衛のために情報を収集するものでございまして、そういった意味でいわゆる集団的自衛権の原則に抵触するものではございません。委員御指摘の、我が国で整備いたしましても、米側のソフトをもらわないと何の情報価値もないんじゃないかという一部報道がございましたけれども、誤報でございます。それは我が国が設置して、そしてレーダーとして持っていますと、それによって航跡が見えるわけでございますので、我が国にとりまして生データを自分の国で使えるものでございます。仮にそういった情報をほかの国に解析してもらい、ほかの国の判断によってでないと情報をもらえないという性格のものであったならば、我が国はそういう装備を持つつもりはございません。
○中野鉄造君 今長官がお答えになりましたように、これまでのいろいろなそういったような情報は誤報であると、そういうことをおっしゃいましたけれども、しかしながらアメリカ側が指摘しているように、OTHレーダー情報は総合的に評価してこそ意味があって、日本側が単独で運用しても成果は小さい、こういうように言っていると聞いていますが、これもまた誤報ですか。
○国務大臣(加藤紘一君) OTHレーダーのカバーするところはそれなりにある種の限界があります。それを私たちが我が国の防衛のために有効な地域に仮に設置するとすれば、そういう地域に設置することになるだろうと思います。それ自体が私たちの国にとって有益であると思っておりますので、そういうことであるかどうか、今技術的に私たちは導入を検討しておるものでございまして、あくまでも我が国が設置し、我が国のために使えるものではないかということでやっている点は御理解いただきたいと思います。ほかの国と一緒にやらなければ意味がないのではないかという報道がございますが、そういうものではございません。
○中野鉄造君 五百億円もの多額な支出をしてまで購入すべきであるのかどうか。そこいらもあるからこそいろいろ検討はされていると思いますけれども、先ほどから言われているようにいろいろな情報が飛び交っております。また私が知ったところでは、米軍が求めている方式では日本が設置するOTHレーダーの情報はそのまま米軍に流されることになる。参議院の決算委員会で西廣防衛局長は、提供するかどうかは個々の事例に即し国益に照らして自主的に判断する、こういうふうに答弁されておりますけれども、全く情報すら我が国に入れられない、独自で運用できないとは言いかねるかもしれませんけれども、それに近いようなシステムになっているのではないかと思いますが、その点について明確にお答えをいただきます。
○国務大臣(加藤紘一君) 繰り返しますけれども、我が国が独自で運用できないような設備であったら、私たちは持つつもりはありません。そこははっきり申し上げておきます。 そこで得られた情報を私たちがほかの友好国に提供するかどうか、そしてそれで一種のバーゲンですけれども、こっちがいい情報を持っておれば向こうもそれなりにいい情報を提供してくれます。こっちに何にも情報なければ情報の交換というのはなかなかうまくいかないところがあります。そういったことも含めて、我が国が自主的に我が国の国益のために判断して、相手側に情報を上げ、向こうからももらうか、それはまた別個の問題でございます。
○中野鉄造君 そこのところが非常に微妙でして、そういうことになれば、これを購入してスタートした場合、早い話が我が国は実質的に、取りようによっては米軍の戦略、戦術、情報システムの一翼を担った米軍指揮下の部隊みたいになってくるのじゃないかというような見方もするんですけれども、それがまさに集団的自衛権に抵触してしまうのではないかという危惧もあるわけですが、その辺の見解はどうですか。
○国務大臣(加藤紘一君) これもまた繰り返しになりますけれども、OTHレーダーは、例えばレーダーで何かを見ます。そして、それをどこかのソフトにかけて、それでないと飛行機の姿が見えないというものではありません。データそのものに航跡が見えてきて、そして我が国にとって敵機の存在であるとか、それからそれぞれのいろんな艦艇の動きが見えるものでございますので、そう いった意味で私たちが設置するものでございます。それをどのように使うかというのは当然のことながら我が国の国益ですが、必要でなければそんな交換はしないと言っても、我が国にとってちゃんと意味のある情報であるからこそ私たちは設置の可能性を考えているものでございます。
○中野鉄造君 次は、経済、財政問題についてお尋ねいたしますが、昭和六十一年度の政府経済見通しては名目成長率五・一%、実質四%ということを言われていますけれども、一方、民間調査機関ではせいぜいこれは実質成長率二%から三%台であるということはこの間からずっと言われております。予算編成や経済見通し策定の平均的な比較をしてみても一層の円高基調でありまして、政府見通し達成はこれは非常に困難であるという見方が定着しております。そこで、民間設備投資調査の下方修正だとか景気の低迷ぶりから現状を政府はどのように見ておられるのか、それときょうは日銀総裁もお見えになっておりますけれども、この辺の先行きの見通しをどのようにごらんになっているのか、お尋ねします。
○国務大臣(平泉渉君) 昭和六十一年度の経済成長の見込みでございますが、今ようやく四月から始まるこの六十一年度、外需は御承知のとおり円高が進んでおりますので減少する見込みでございます。ただ、消費の方は物価が非常に安定しておりますので、所得の着実な増加、それから設備投資の方では非製造業、それから技術革新関連の分野で根強い投資意欲がある、また住宅投資が最近盛り上がってきておる、こういうことを総合的に勘案をいたしまして、今後着実に増加しておる。さらに円高の交易条件の改善が本格的にこれからあらわれてくるということを見ております。また二回にわたって公定歩合の引き下げが行われた、こういうことで投資環境の改善が行われた。また昨年の十月及び十二月二十八日に内需拡大の総合施策を二回にわたって実施をいたしております。そういうことで、このたびの予算の中のこういった措置をすべて加えまして、六十一年度実質四%の経済成長ということを期待をいたしておるわけでございます。
○参考人(澄田智君) 私どもの立場から、例えば主要な企業の設備投資動向等あるいはその他の企業の動向を調査いたしておりますが、個人消費は総じて底がたい動きを示しているほか、設備投資も輸出関連の業種では下方修正の動きが見られますが、電力等の非製造部門、非製造業の伸びがかなりこれを支えている、こういう状況でありまして、全体はかなりな水準を維持している、こういう状況でございます。 円高の進展が景況全体にどういうインパクトをもたらすか、その一方で円高や原油価格の下落に伴うコストの低減等が経済にどのように浸透していくか、こういう点は今後も十分注意深く見守っていくつもりでございますが、さらにここ二回の公定歩合の引き下げが金利水準全体の低下を通じて景気によい影響を及ぼしていくということを期待している次第でございます。
○中野鉄造君 最近の原油値下がりはこれは好ましい経済環境の一つですが、問題は、経常収支の黒字が非常に大きいということは依然として変わりませんし、今でも批判されているところですが、経済の外需依存の結果というものはこのようにますます大きくなるんじゃないか、そういう懸念がいたします。一方、予算は財政再建でこれは厳しく圧縮されておる、政府として財政政策の転換を図り、減税、公共投資の追加をしないと、政府が言うところの内需主導型への移行というのはこれはもう不可能じゃないか、私は非常に悲観的な気持ちを持っているんですが、この辺のところはいかがですか。
○国務大臣(平泉渉君) 先生のおっしゃるとおり、我が国の経済はこの両三年ほどの間アメリカの経済政策、その結果非常に輸出が伸びる、最近の我が国の輸出の伸び方というのはちょっと異常なぐらい伸びましたので、それにずっと引っ張られた形の経済の形になっておるわけであります。しかし、このような異常なまでの経常黒字の突出、しかもこれは殊にアメリカ向けなんですね。そういう状況というものはやはり我々はだんだんに鎮静化してくる、今度の為替レートの調整というようなことで結果的に相当これは効果があらわれてくる、我が国経済の本来の体質に戻れば、もともと輸出体質のある経済ではございますけれども、今までほど異常な状態というものではなくなってくるんではあるまいか。 さらに加えまして、政府としてはさらに内需振興のためのあらゆる政策を動員する、こういうことで昨年来二回にわたってそういう政策を先ほど申し上げましたとおりに決定をいたしておりますし、さらに、今回御審議を願っております予算案の中でもそういう政策を十分織り込みまして、この予算案成立の暁には総合的な経済対策を行う、こういうことで内需振興に全力を挙げてまいりたいと思っておる次第でございます。
○中野鉄造君 内需主導だとか内需拡大ということを口ではもう何回も言われますけれども、果たして内需拡大というものがそう簡単にできるだろうかということを私は懸念するわけですが、かつての高度成長期のように、電気洗濯機だとか冷蔵庫だとか一家の家庭の国民生活を革命するようなああいうようなものは今は全部ストック状態ですし、そういうものがない今日、果たしてどれほどの内需拡大、どういうことができるんだろう。それは住宅だとか何とかありますけれども、しかしまた、私が読んだある本では、ある経済学者がおっしゃっているように、内需拡大というのは言ってみればアルルの女だ、聞いたことはあるけれども見たことはない、こういうようなことを言っている人もいるようですけれども、果たして内需拡大というのはできるのかなと懸念があるんですが、いかがですか。
○国務大臣(江崎真澄君) 特命相として、それじゃ私の方からお答えをいたします。 既に経企庁長官が申しましたように、東京湾の横断道路とか、あるいは明石海峡とかいろいろございます。しかし、これはもっともっとにわかの円高によるデフレの影響というものを相殺するためにも、幸い金利の引き下げとかいろいろ政策的なてこ入れも行われておりますが、円高による中小企業の被害、にわかの円高ということは大変ですけれども、しかし結果的に言うと、過去の例をごらんになればわかりますが、円高のときの下半期というものは国民消費は着実に伸びておるんです。これはもう現実にそういう統計があらわれでおります。 それから、きょう、例えば新しい一つのものとして御紹介できるのは、通産、運輸、建設、郵政、これらが先週の閣議でようやくまとめたわけですが、民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法案、これは随分長いですからちょっと読ませていただいたわけですが、それぞれが例えば港湾の用地、そこを利用して多角的にいろんな建築物をつくっていこう。それからこれは何も都会ばかりじゃありませんで、港湾といえば日本海側にもございます。そういった面で都会だけでなしに全日本的な高い見地から、通産、建設、運輸、郵政などが工業技術開発及び企業化の基盤施設、あるいは都会ならば国際見本市、それから国際会議場の建設、それから情報産業のニューメディア時代に合わせたそういう複合施設をつくっていこう。これは既にもう提案をしてこれから御審議を願うわけでありますが、そういったものは、予算の策定後にこのにわかの円高をどうかしてカバーして民活を利用したいという創意工夫に基づく、いわゆる横断道路などに触発された官側のこれは計画でもあるわけであります。民間においても目下鋭意総理のリーダーシップのもとに、私ども特命大臣としても各関係省庁と綿密に連絡をとりながら強くこの引き出しについて努力を図っておるところであります。
○中野鉄造君 くどいようですけれども、内需拡大だとかそういったようなことは言うことは易しい、また計画を打ち立てることも易しいわけですけれども、本当にそれが効果が出るということはこれは容易なことじゃない。今特命大臣おっしゃ ったように、そういう政府としてのいろいろな対応は立てられていると思いますが、そういったようなものをやってみなくちゃわからないというんじゃ困る。果たしてそういうものがいつごろからその効果が出てくるとお考えになっていますか。
○国務大臣(江崎真澄君) これはそんなに時間がございません。少なくとも総理も四月半ばには訪米をする予定でおられます。それからまた、サミットに向けて各国からこの貿易インバランスを背景にして日本の内需振興について強い要請がありましょう。これは御承知のように、財政事情はアメリカよりもっと悪いですね、数字については省略をいたしますが。したがって、貯蓄率が一八%と異常に高い、アメリカは五%程度、そんなことから内需型の経済運営を非常に強く迫られることが目前に迫っております。ぜひひとつ、現在の計画はそれなりに予算として御審議願っておるわけでありますが、これは多々ますます弁ずで、国際協調をしていく上からも、また貿易インバランスの解消を少しでも狭めていくためにも緊急に実行に移さなければならない。これは深い決意で努力をいたしております。
○中野鉄造君 効果はいつごろ出てきますか。
○国務大臣(江崎真澄君) 効果については、これは円高の効果が資材の輸入等についてはもう今既に出かかっておりますね。それから民活については、やはり下半期に向けて上半期は公共事業の前倒しということが建設省などでも気構えられておるようであります。したがって、その後をどうカバーするかということで、今直ちに計画を立ててそれが下半期に効果をあらわすようにしていきたいというのが私どもの念願でございます。
○中野鉄造君 そこで特に問題は、経済の鈍化によるところの六十一年度の税収でございます。今、下半期に期待をかけているということを言われましたけれども、それはうまくいけばの話でありまして、例えばこの六十年度補正後の予算でも税収の伸びはなかなかはかばかしくない。六十一年度の場合、円高と原油値下がりで法人税、石油税の税収落ち込みはこれはもう明らかだと思いますね。仮に六十一年度四十兆五千六百億の税収が達成できないで、補正予算で六十年度同様にまた赤字国債の増発を繰り返すということになったならば、もう中曽根財政再建はこれは吹き飛んでしまうんじゃないか。これはもう秋になって経済の鈍化、それによる税収不足、こういうことが重なってきますとこれは政治責任を問われることになってもいたし方ないと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 御指摘になりましたとおり、補正予算で赤字公債の増発によって税収減を埋めなければいかなかった、大変私も残念に思っております。普通、これは別に閣議で決まった数字、省議で決まった数字じゃございませんが、よく私は一%は誤差のうちというようなことを言っておりますが、一%ちょっと超したわけでございますから、私なりにこれは深刻に受けとめておるわけであります。 さて、その落ち込んだのを前提にいたしまして、それで経済の諸指標を参考にしつつも、ヒアリング等を行いまして下から積み上げたものが税収のいわゆる見積もりと、こういうことになっておりますので、それは将来、経済のいろいろな変化もございましょうが、御案内のように中進国等から追い上げられておる輸出産業等これは影響があっておるということは私も十分承知しておりますが、しかし円高によるいわゆる輸入物価の下落によるところのメリット、こうしたものを考えてみますならば、現在の税収見積もりというのは適正なものであろうというふうに考えております。
○中野鉄造君 私は、今六十一年度予算について全体としての規模及びその税収面からの問題、幾つかの問題を指摘したわけですけれども、今度は個別に歳出面でもこれはいろいろ私は問題が浮き彫りにされていると思うんです。 まず、これも既に何回かごの審議の中で問題になったと思いますけれども、公務員の給与改善費一%分、つまり七百八十億円の未計上、これはもう見込まれる歳出経費を当初予算に繰り込むという予算編成の原則の考え方にこれは違反しているんじゃないか。既に補正をこれは当初から想定しているんじゃないかとさえも思いたくなるんですが、そういう意味から言えば、これはもう結論的に予算そのものは欠陥予算である、こういうように指摘したいんですが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 給与改善費というものは、かつて組まなかった時代もございます。それから一つの理論的根拠を五%に置いたということも当時の考えとしてはあり得ることだと思います。その後はだんだん減してまいりまして、一%ということを申し上げて一%を計上し続けて今日に至った。これは言ってみれば財政上の措置でございますので、これそのものは、私は基本的に人事院勧告を尊重するというものに逆行するものではないというふうに考えております。概算要求時点からいろいろ考え、そしていわゆる六十年度の人事院勧告等に沿っていきますために、今法律でお願いしております五十九年度の剰余金、これをみんな使わしていただきたいということ、さらには六十一年度の予算編成に対しての問題からして、一%従来積んでおりました給与改善費はこれを積まないで、しかしその本質は少しも変わるものではない。 なかんずく、きのうでございましたか、ある人が私にお話がありましたが、春闘相場に影響を与えるためにわざわざ積まなかったんじゃないかと、そんなような考えは毛頭考えたこともございません。単なる財政上の措置でありまして、そして人事院勧告がどれだけ出るかということは今から予測はできませんものの、それについてはそのときの財政事情において十分対応できる範囲内のものであるというふうに考えます。
○中野鉄造君 次に、税制についてお尋ねいたしますが、総理は昨年夏以来、大規模な所得税減税について何回も発言を繰り返されております。ところが、その財源というものがまだ明らかにされていない。したがって、いろいろなうわさでは単なる選挙対策のアドバルーンじゃないかと、こういうような声も聞きますけれども、増税なき財政再建あるいは内需転換、少なくとも今までどれ一つをとってみても総理が言われる経済財政政策で公約したことが余り実行されてない。今回の大型所得税減税も、これは公約倒れになるんじゃないかという懸念を強くするわけですけれども、もし本当に減税をやる気があるならば、減税財源をこの際明示して税制改革案を国民の前に提示すべきじゃないかと思いますし、また政府税調でも自民党税調の中にもこういう考え方をお持ちの人がたくさんいるということを聞いております。減税先行案だけの方針を持ってこられて、そして最後にどんでん返しを食らうというようなことでは、これはもうまさに国民を欺瞞した姿勢であろうと思いますし、減税案は秋の減税財源確定まで延ばすべきだ、こういう考えを持っておりますけれども、政府の見解はいかがなものか。そしてさらに、何を減税の財源とされるおつもりか、そこのところお尋ねいたします。
○国務大臣(竹下登君) そもそも税調に対して諮問を総理大臣から申されましたときに、「御審議に当たりましては、税に関する重圧感を除去し、まず、国民の理解を得ることが重要であることに鑑み、とりまとめの手順としては、負担あるいは負担感の軽減、合理化に資するものからお願いし、それを踏まえた上で、一体としての包括的な御指針を来年」、去年のことでございますから、「来年秋頃までにいただければ幸いに存じます。」こういう諮問のごあいさつがございました。やっぱりシャウプ以来今日までの間にいろんなゆがみ、ひずみが生じて、そして重圧感がございます。まずはその重圧感のあるところ、国民が最も今重圧を感じているところがどこにあるかというところから御審議いただくというのが、非常に私は素直なお願いではなかろうかというふうに思っております。 そこで、ゆがみ、ひずみ、重圧感はこの辺にある、さればそういうところを除去していくために は、それに対してリベニュー、ニュートラルな考え方でどのようなものでそれをカバーしていくかということが総括的に秋に出される、こういう手順で進められるというのが私は私なりに極めて国民の関心にこたえるために素直な審議の進め方ではなかろうかというふうに思います。 さらに先般、四党幹事長・書記長会談におかれても、六十一年中に税制に対して各党間で協議して成案を得る、こう言っていらっしゃるのは、政府のその進め方と大体歩調を合わせた物の考え方ではないかな、さすがだなと思って感心しております。
○中野鉄造君 私は日ごろから非常に遺憾に思うのは、とかくいろいろなこういう審議の段階で、それはどこどこの審議会の中で今鋭意検討されているところですからその答申を待ちましてというようなことが再々返ってくるわけなんですね。何といったってここは国権の最高議決機関である国会なんですから、ここでいろいろな審議をしている、国民の皆さん方から見れば国会の上にもう一つ何かあるのかと、こういうような誤解さえ出てきそうな状況なんですけれども、何かというとすぐ審議会の方に逃げ込まれるというのは私は非常に遺憾だと思うんですね。そういったような意味で、少なくともそこの税の問題についても基本的政策は納税者の代表である国会がつくるわけですから、そこのところを明確にしていただきたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) そもそも歴史をひもといてみますと、議会制民主主義、いわゆる選挙によって国民が国会に参加するというのは税の監視をするためと、こういうところからきておるという歴史的事実も私どもも承知しております。 あくまでも国権の最高機関でありますから、したがって専門家の皆さん方に御審議をいただくにいたしましても、今度の税調の運営がまさにそうでありますように、去年の今ごろ幹事長・書記長会談で減税に対する勉強の申し合わせがなされ、したがって七月までのいわば通常国会の間に御議論いただきました全部を整理いたしまして、税調の議論より国会の議論が税については今時間的にも多いわけでございますから、それを全部整理して、それを八月に報告し、九月からそれをもとに作業を、勉強をしてくださいということでございますから、国権の最高機関たる国会を最高限に尊重して、専門家の間でこれをすり合わせをしてもらい、そして成案を得たものはまた国権の最高機関たる国会において御審議をいただくわけでございますから、手順として、審議会はこれは逃げ込み場所だというような考え方は毫も持ってはならぬ、こういうふうに考えております。
○委員長(安田隆明君) 関連質疑を許します。太田淳夫君。
○太田淳夫君 それでは、税制問題に関連して質問いたします。 今大蔵大臣からは、やはり税制改正につきましては国民が重圧を感じているところ、そのゆがみ、ひずみを直すところに基本的な姿勢があるというお考えを披瀝されましたけれども、いわゆるサラリーマンの人たちもやはり現行税制に対する不公平感というのは持っているわけでございまして、トーゴーサンあるいはクロヨンと言われております現行制度に対する不公平感、これについて何らかの是正がされるものとやはり期待をされているわけですが、総理のこの点に対する基本的な考え方を再度お聞かせ願えませんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) まさにそれを直そうという趣旨で諮問ができておるわけであります。不公平感とか重税感とか、あるいはひずみとか、この三十数年シャウプ税制以来の長い間にたまってきた国民の皆さんの不満やストレスを解消しよう、そういう意味でまず諮問しておるところでもあります。
○太田淳夫君 やはりその期待を裏切らないようにやっていかなきゃならない、このように思いますけれども、このトーゴーサンあるいはクロヨンと言われます不公平感というのは、一つは、国会でもいろいろ論議されてまいりましたし私たちも主張してまいりましたけれども、税のとらえ方の問題であるとかあるいは所得税課税の計算で経費部分を事業所得者と同じようにとらえてもらえないかということにあったと思うんですけれども、やはり給与所得者の皆さん方は給与所得控除という形であるために経費部分の扱いで不公平な扱いを受けている、こういう感じがぬぐえませんけれども、その点については大蔵大臣としてはどのようにこれを是正するおつもりでいらっしゃいますか。
○国務大臣(竹下登君) 今、基本的には総理からお考えをお述べになったとおりでありますが、たまたま専門委員会等で、今太田さんの御指摘なさいましたサラリーマンの方がなぜこのような重圧感を感ずるかというような点から、実額控除であるとかあるいは概算控除であるとかいろんなそうした問題の議論がなされ、事によったらきょうの、まだ部会でございますけれども、専門委員会から報告がなされるような、今会議が進んでおるんじゃないかというふうに思います。 そこで、我が国の所得税の負担水準について見ますと、国際的に見て低い水準にあります。これは確かでございます。また現在の給与所得控除について見ても、マクロ的に見て給与収入の約三〇%に達している、にもかかわらずサラリーマンの方が種々不満や不公平感、今御指摘なすったとおり、あります。それは十分承知しております。このような不満を抱いているのは、一つには今おっしゃった給与所得控除の性格が必ずしも明らかでなく、仕組みも非常にわかりにくい。これは御指摘のとおりです。 それから二番目は、給与所得の金額は、事業所得の場合と異なって、収入金額から法定の給与所得控除額を控除した後の金額とされており、かつ現行所得税法は事業所得等について申告納税制度をとっているのにもかかわらず、給与所得の場合には大半のサラリーマンについて年末調整によって納税手続が完結して、そこで確定申告によるみずからの税額確定手続に、全員が全員じゃありませんけれども、参画しないわけですね。ここにやっぱりそういう不満感があるだろうということを承知いたしておるわけであります。 したがって、この問題について税制調査会で今盛んに勉強中でございますので、その勉強中の議論についてちょっと申し上げてみますと、サラリーマンの不公平感に対処するための方法の一つとして、御指摘なさいましたように、給与所得者の勤務費用について概算控除と実額控除のいずれかの選択を認めてはどうかとする考え方もあるわけであります。しかし、実額控除の選択制度を新たに導入するに当たっては、その前提として、給与収入から控除さるべき費用についての具体的、客観的基準を見出し得るか、さらには税務の執行に多大の影響を及ぼす等の問題も確かにあることも事実でございます。それこそ、ネクタイ何本までは経費がとか、いろんな議論が平素もなされることでございますが、それらの点を総合的に勘案して、今いわゆる専門委員会の審議が行われておりますが、税調において私はこれはかなり濃密な議論をしていただける課題である、適切な答申が出ることを期待しておるという現状であります。
○太田淳夫君 今、政府税調でいろいろとそういう濃密な論議がされているというお話でございました。やはりこの委員会でも論議はされてまいりましたけれども、これから高度情報化社会に入っていくわけでございます。かつての電電公社のINSも、一体何をするものかというようなこともありましたけれども、だんだんと定着をしつつあるわけで、これが幅広く社会、各家庭の中にも入り込んでくるんじゃないかと思うんです。 そういった意味で、今勤務費用ということでお話がございましたが、その中には、やはりこれから中堅サラリーマンの方々も各家庭で、例えばパソコンですかというものを持ちながら、いろいろと仕事もするようなことになろうかと思います。あるいはこちらにお見えになる皆様方もそういうことでいろいろと仕事に対処されるようなことになると思いますが、そういう部分、これからの高 度情報化社会の中にあって一番大事な中堅所得層の方々、これは日本の国にとっても重要な人間的な資本じゃないかと思いますが、そういう方々がやはり再生産に必要な経費まで今まで課税されてきた、それが今後は税調で論議される中で多少でもそういう控除制度ができることになれば一歩前進、あるいは不公平感の是正になるんじゃないかと、このように思うわけですが、そういった点を含めまして、総理もやはり新しいそういう時代の流れに沿った税制というものを考えていただくように、一言御意見を賜りたいと思うんです。
○国務大臣(中曽根康弘君) 新しい時代に相応するようないろんな問題が出てきておりますから、太田さんがおっしゃるような生活自体の変化あるいは職業形態の変化、そういうものに対応できるような合理的な税制体系にしていただきたいと、このように念願いたしております。
○中野鉄造君 次に土地政策についてお尋ねいたしますが、最近国民生活の上で大きな問題は地価の高騰でありまして、特に東京の都心を中心としました高騰はこれはもう異常なものがありまして、御承知のように、昨年末の取引では、銀座六丁目あたりでは三・三平米一億二千万円で、世界一の高値であります。その後も千代田区、中央区、一億円相場で取引されていると聞いておりますが、このほか都内の商業地域全体の土地の値上がりも、これは二、三年前に比較して二倍ないしは三倍と、こういうようになっておりますけれども、これもビル需要が強いのが原因であろうと思いますが、その引き金となったのは、何といっても中曽根総理の民活論、特に国有地の高値売却によるんじゃないかと、こういう思いがいたしますが、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(吉居時哉君) お答え申し上げます。 ただいま御指摘のように、全般的には我が国におきましては地価の上昇は鈍化傾向を深めておりますけれども、東京都の都心部の商業地の一部におきましては今御指摘のように地価の上昇が大変目立っております。この原因でございますけれども、いろいろ今分析中でございますが、これもただいま御指摘がございましたように、いわゆるOA化によります事務所スペースの増大であるとか、あるいは外資系企業やコンピューター関連企業の都心部への進出であるとか、あるいは自社ビルを都心部に所有することによりましてイメージアップを図るといったような企業が増加しているとか、あるいはまた情報が集中しております都心部で情報収集を図るために進出する企業が増加しているとかいったような、こういう事務所用地等の需要が増加しておるというのが現在の我々の分析でございます。
○中野鉄造君 そういう傾向に対して、抑制策はどういう手を打たれていますか。
○政府委員(吉居時哉君) これらの傾向に対応するために、現在、私どもにおきましては東京都と地価高騰対策についての検討会を鋭意進めているところでございまして、今後とも、土地取引動向の監視の徹底等に努めますとともに、国土利用計画法の運用に万全を期してまいりたいと、かように考えております。
○中野鉄造君 地価抑制策として、国土利用計画法によります都市計画区域の市街化区域の二千平方メートル以上の土地売買について届け出義務をさらに小さくするとか、あるいはまた知事が勧告だとか公表できる対象を拡大すべきじゃないか、こういうような施策もあるのではないかと思いますが、その辺のところいかがですか。
○政府委員(吉居時哉君) 現在、国土利用計画法によります土地取引の規制では、今御指摘のように、市街化区域におきましては二千平米以上の取引につきまして届け出・勧告制があるわけでございます。これは大規模な取引を規制することによりまして土地取引全体に及ぼす波及効果等を考慮して定めているものでございますけれども、しかし大都市等におきましてはこの基準は大き過ぎるのではないかといった批判もあることは承知しております。そこで、私どもも現在進めております国土利用計画法の検討の重要な課題の一つというふうに認識いたしまして、これらの点につきましては前向きに検討を進めたいと、かように考えております。
○国務大臣(江崎真澄君) これは総務庁長官というより特命相としての方でお答えすることになると思いますが、まあ特命相何でも屋ですが、本当に東京の地価というのは大変でございまして、これは放置できません。専門家ともいろいろ懇談しておりますと、東京のオフィスビルの需要は九九・七%だ、これは一種のパンク状況だというんですね。特に、日本が経済大国と言われるまでに発展をしてきたということ、それから金融の自由化に伴って、証券も出てまいります、信託銀行も出てきます、銀行もいいところに出てくる。九九・七%ではこれは何ともなりませんですね。そこで、国有地の信託制度という新たな制度で道を開いたのも、これも何とか土地利用を安易ならしめようという一つの高値抑圧の方策であることは御理解いただけると思います。 先ほどちょっと御質問の中にも出たように、今いろんな規制がかかり過ぎておりますね。一体、アメリカのニューヨークを見てもあれは岩盤の上だというから、これは東京とはまことに地理的事情、また条件も違いますが、果たして本当に高層ビルの間に平屋が散在しておるのか。それからまたロンドンがそうなっておるのか、パリはどうなのか、いろんな疑問が出てまいりますね。ですから、やはりこの基準の見直しとか公的な規制の見直しということも含んで、これは非常に問題が多うございます。個人の私権に関する問題ですから検討を要するところでありますが、そういう面を皆様方の御理解や御協力も得ながら何とかやはり東京都というものを見直していく場面が来ておる。 一つだけ簡単な例を言いますと、金融の関係者、これは今東京で十七万人だそうです。ところがニューヨークは七十万人、ロンドンは五十万人余と、こういいます。そうすると、金融界だけでも日本の国際金融の自由化に伴って今後三倍以上に膨れ上がることは目の前にあるわけですね。それをどうするかということ、そして地価をどう抑圧するか、これはやはり仰せのように基準の見直しとか規制の緩和とかいろんな面で各省庁の御協力を得、自治体の理解を得なければならない、かように考えております。
○中野鉄造君 今、地価の高騰ということで、一つの大きな問題なのは固定資産税の問題ですけれども、地価がどんどん上がってくる。それに比例して固定資産税が上がってくる。そうすると土地の切り売りが始まる。また個人の住宅用の固定資産税に耐え切れないでやむなく泣きの涙で自分の土地を売り払わなくちゃいけない、そういうようなことも出てくるわけですけれども、これは東京ばかりではありませんよ、もう各地方のそういう主要都市、政令都市なんというところは大体、東京ほどまではないにしても似たり寄ったりじゃないかと思うんです。 私はここに福岡のあるお年寄りの人から手紙をいただいておりますけれども、この中に書かれているのは、年金生活者である、年金で夫婦二人っきりでつつましく細々と生活している。ところがビルの谷間に、都心に自分の家があるために、もういろいろな人から、悪質なデベロッパーといいますか、そういうところから、あるいは今にあれば出ていくんじゃないのかというようなことでねらわれている状況。先祖代々守り通してきたその自分の土地、家を自分の代になって手放さなくちゃいけない、非常に残念だ、そういう切々とした手紙をいただいておりますけれども、固定資産税という形で、そういう年金生活のお年寄りの人たち、いわばそれはもう自分の財産として死ぬまで守り通していくぞというような、いわば生きがいなんですね。はたから見ればそういうところにある土地財産、それを売れば多額の金を懐にするわけですからいいじゃないかという見方もあるかもしれませんけれども、その人たちにとっては、いわばそれはもう生きがいに近いものなんです。そういうような悲惨な事態も起こっているわけです けれども、こういう年金生活者に対する固定資産税の高騰、その抑圧、そういうものに対して特に自治大臣、どのようにお考えですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 先ほど答弁がございましたように、全国的に見ますと地価はむしろ鎮静化の傾向にあると思います。特に東京都心を中心といたしまして一部急激な上昇があることは御指摘のとおりでございますけれども、こういうような急激な地価上昇に対しましての固定資産税につきましては、負担調整措置を活用することによりまして現制度の中でも対応していかなければならないと思っております。 今御指摘の特に高齢年金生活者に対する税負担の問題につきましては、固定資産税という性格も本来的なものも考えていかなければなりませんけれども、いずれにいたしましても、今後高齢化社会はどんどん進みます。そういう意味におきまして今後の検討課題として取り組んでいきたいと考えております。
○中野鉄造君 この点については本当に切実な問題でもありますし、高齢化社会というものはどんどん進展してまいりますし、そういうところに政治の光を当てていくということこそ血の通った行政ではないかと思いますので、総理の方からも一言お願いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 先祖以来の土地あるいは家屋を保持したいというその御老人の気持ちは我々もよく理解できまして、そういう点についてはいろいろ役所としても御相談に乗ると、そういうことが大事ではないかと思います。 ただしかし、また他面考えてみますと、東京のような大都会のビルの林立しているところに祖先伝来の土地をお持ちであるという方については、いつまでも同じような状況で生活が果たして将来もできるものかどうか。国土の全般的な効率的利用という面から見れば、その空中権といわれますか、空間はもったいないわけですね。そういう意味でみんなが利用できるようなという考えも他面にはお持ちいただいて、そしてそれを信託にするとか、権利を保持していながらその大きなものの中にお住みになるとか、あるいは場合によっては貸してあげて、そしてその上がりで自分は郊外の方にお住みになるとか、そういうようなやっぱり新しい時代に相応した住み方というものもまた一面お考え願わないと時代にマッチしないということもあると思うんです。 しかし、それについては強制や何かはできませんね。やっぱり相談に乗ってあげて、そしてこれが一番いい住み方だという合理的な、世の中動いていることは御老人でもおわかりでしょうから、ですからよくお話しして、そして納得をしていただけばそういうやり方も一つのやり方ではないかと、そう思う次第です。
○中野鉄造君 次に、NTTの株の問題についてお尋ねいたします。 六十一年度の国債整理基金特別会計の歳入の中で、政府が最も期待していたのがこのNTTの政府保有株の売却による歳入であったろうと思うんですが、つまり政府の計算では百九十五万株、一株二十一万三千二百円として四千百五十七億四千万円の収入ということになりますが、この計算では一株当たりの額面金額五万円に対して四・二六倍の評価のもとに算出しておりますけれども、同じような企業でありますKDDの株式は現在額面に対して六十倍近い。きょうあたりどうなっていますか、そういう値段になっております。したがって、このNTTの政府保有株の売却では巨額のやっぱりプレミアムが予想されますけれども、今電電株式売却問題研究会で検討中ということになっておりますが、国民共有のこれは資産でありますだけに、公明正大に、後々いろいろな嫌らしい疑惑が生じないように、政府としてはどのような処分の方向を考えられているのか、お尋ねいたします。
○国務大臣(竹下登君) 原則的には、今おっしゃいましたように国民共有の財産だからいやしくも後ろ指指されるようなことになってはいかぬ、まさに公明正大に売らなきゃならぬ、これはおっしゃるとおりだと、私も同感でございます。 そこで、今おっしゃいましたいわゆる研究会でございますが、これとてやっぱり権威づけようということからいたしまして、昨年九月の国有財産中央審議会、これに了承を得た上で電電株式売却問題研究会というものを設けまして、適宜関係者の意見を聴取して今日に至っております。株式の売却方法等につきまして議論していただいておる今さなかでございますが、本年四月を目途に研究会の意見を取りまとめていただきたいと、こう申しております。 売却方法の決定ということになりますと、研究会の意見を参考として、そしてやっぱり国会における議論、これを大事にしなきゃいかぬ。率直に言って専門家というのが一人もおりません。まあ初めての試みでございますから、言ってみるならば。学識経験者というのはいないんですが、識者という方は国会にもたくさんいらっしゃいますし、それからそれぞれの関係方面にも、経験者はいないけれども識者の方はいらっしゃいますから、それらの意見をいろいろまとめまして、そして最終的にはそれをやっぱり国有財産中央審議会に諮問した形をとりたいと思っておりますが、基本的な考え方は、今御指摘になりましたとおり、いささかの疑惑を受けることもなく公明正大、そしてできるだけ多くの国民の方にこれを保有していただけるような措置をとりたいと、こう思っております。
○中野鉄造君 六十一年度中の処分株式数は百九十五万株でありますけれども、大体何回ぐらいに分けられますか。
○国務大臣(竹下登君) それもそのときどきの恐らく市場の状況等非常に難しい問題だと思います。ただ、先生せっかくのときでございますので、理財局長から少なくとも今度試算した根拠だけ少し説明を聞いてやっていただきたいと思います。
○政府委員(窪田弘君) 六十四年度までに売却が可能であります七百八十万株、これを単純に四年間でございますから四で割りまして、そういたしますと百九十五万株になります。これを先ほど先生おっしゃられましたように売却可能の株式数といたしております。価額は二十一万三千二百十円、先ほどおっしゃったとおりでございますが、これは発行価額という形式的なものをそのままのっけております。 実際、今大臣からお答えを申し上げましたように、国有財産中央審議会の御答申をいただくのが恐らく七月中旬になろうかと思いますが、それ以後上場その他いろいろな手続がございまして、実際売却をいたしますのは恐らく秋以降ということになろうかと思いますが、そのときの状況を見ましてどう売るかは考えていきたいと思っておりまして、今全く具体的な考えはございません。
○中野鉄造君 そうしますと、先ほども申しますように、これは国民の共有財産でございますので、公明正大に、いわゆるガラス張りで国民の皆さん方一人一人が納得のいく処分の方法をとらなくちゃいけない。そうなりますと、一番公平なのは早い話がこれはもう抽せんだとかそういう方法じゃないかなと思いますけれども、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 最初株を出します場合、抽せんということになりますと確かに公平ではございますが、さればその前の値決めをどうするかという問題もまた出てまいりまして、何分まだ決算が一回も済んでいない状態でございますから、四月、大筋の考え方を研究会でまとめていただければ、恐らく決算総会が六月になりましょうか、その辺から国民の皆様方の関心も、それから価格動向とかいうようなこともだんだん理解しやすい環境になるだろうというふうに思います。 ただ、市場にいずれは出回るわけでございますから、くじ引きというものに必ずしも適するかどうか、これは御提言でございますので、もとより勉強させていただきますが、それはくじ引き結構でございましょうと言うだけの自信は今日の私にはございません。
○中野鉄造君 大蔵大臣が今頭の中で考えられる ことは、じゃ、どういうような方法がいいのかなと。例えば入札方式にするとかいろいろあると思いますが、大臣個人のお考えとしてはこういう考え方もベターじゃないかなというような、もしそういうのがありましたならば……。
○国務大臣(竹下登君) 私は、もちろん経験者がいないという話をしましたが、識者以前のまだ知識しかないと思いますので、ここでこのような方法が念頭にありますと言うだけの自信は残念ながらございません。
○中野鉄造君 しかし、今もおっしゃるように、いずれこれはそういうときが来ますね。おっしゃるように向こうさんにもそういう専門家はいらっしゃらない。となると、何かそこにやっぱりそういうものがなければ、さあどうするか、もうそんないつまでもいつまでもああでもないこうでもない、わあわあがやがや、これはどうにもなりませんのでね。どういうことを考えられますか、それはわかりませんか。
○国務大臣(竹下登君) 確かにわあわあがやがやという感じもしないわけでもございませんが、したがって今専門家といいますか、識者の皆さんがお集まりになって各方面の意見を聞いて、それで国会でもかなり議論が、逓信委員会でも大蔵委員会でも法律が通っている段階からもうあっておりますので、それらを勘案しながら最終的に国有財産中央審議会に語らなきゃいかぬと。とにかく原則的には今おっしゃるように公明正大、また特定個人とかに集中することなく、できるだけ多くの国民の皆様方にという抽象的な整理しかまだ私にもできておりません。本当にその点については、識者というものが存在するならば、私はちょっと識者よりもまだ前の方におるような気がいたすぐらい慎重を要する問題でもありますが、まじめに結論を出させていただきたいと思っております。
○中野鉄造君 今も何回も申しますように、国民の共有財産であれば、国民がこれはひとしく株式売却に当たっての恩恵を受ける権利があるわけですからね。ですから、もし入札方式なんかとられるということになれば、それはそれなりの人たちでないと入札の手続さえもわからない。一国民がどうしてそういうところに行けるかというようなことも出てくるわけでして、そしてそういうことをやったあげくに、こういうように公平に入札をして、皆さん見てください、ガラス張りですよと、こんなことを言ったって、はなから行けなかったわけですから、そういう人たちが大勢出てくるわけですから、私の考えではそういう入札方式というようなこともこれもまたいかがなものかなと、国民一人一人の庶民の立場から考えるとそういうこともあるわけですから、ここのところはだれが見ても納得のいくそういうものを早くひとつ考えていただきたい、このように思います。午前はこれで終わりにします。
○委員長(安田隆明君) 中野君の質疑は午前はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十八分休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(安田隆明君) 予算委員会を再開いたします。 昭和六十一年度総予算三案を一括して議題といたします。 休憩前に引き続き、中野鉄造君の質疑を行います。中野君。
○中野鉄造君 午後の質問に入ります前に、先ほどお昼のニュースでも報道されておりました皇太子殿下の訪韓の件について安倍外務大臣の発表があったというような報道がなされておりました。 また、それに加えて、皇太子殿下が将来中国の方も訪問されるというようなお話も聞いておりますけれども、その辺のことをお聞かせいただきたい。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 皇太子殿下御夫妻の訪韓につきましては、実は韓国側から全斗換大統領が訪日をされた、こういう経緯を踏まえまして、これまで非公式に歓迎をしたいという御要請があったわけでございますが、今回韓国の李外務大臣から御巫駐韓大使に対しまして、正式に韓国御訪問を御招待申し上げたい、歓迎をしたいという趣旨のお話がございました。それを受けまして、実は昨日私に対して御巫大使から報告があったものでございますから、きょう総理とも相談をいたしまして、日本政府といたしましては皇太子殿下御夫妻に天皇陛下の御名代として訪韓をしていただく、こういう基本的な方向で、これから韓国との間で外交ルートを通じまして御日程等については詰めたい、こういうことで報告を記者に対して発表いたした次第でございます。 なお、中国に対する御訪問についてはまだ何も決まっておりません。
○中野鉄造君 円高問題についてお尋ねいたしますが、この円高差益及び今般の大幅な原油値下げによって起こるところの差益還元等物価対策及び中小企業対策についてお尋ねいたします。 昨年のG5以降、産業界を初め国民生活に非常に大きな影響が出ていることは御承知のとおりでございますが、結果はメリットもありデメリットもある。今のところ直接に大幅なメリットを得ておる電力、ガス、石油業界、これに対し輸出依存関連の中小企業は決定的な大打撃を受けているわけでございまして、そこで大蔵大臣、今回のこの円高の推移は五十三年のときとはその要因が異なっていると思いますが、その点についてお伺いいたします。
○国務大臣(竹下登君) 五十三年のときとあえて要因が異なっておるということを見出すといたしますならば、九月二十二日に行われましたニューヨークにおけるG5というのが大きなきっかけになった。もともと為替相場そのものは市場で決まるべきものでございますので、その原則が異なっておるとは言えませんが、G5というものが一つのきっかけになったという点においては異なっておろうかと思います。
○中野鉄造君 そこで、公取委員長にお尋ねいたしますが、今回の一連の円高、原油値下がりに伴って予想される諸問題、そしてそれに対する対応はどうなっておりますでしょうか。
○政府委員(高橋元君) 今のお尋ねにございましたような内外の経済情勢の変動が非常に激しい、そういう経済環境でございます。したがいまして、その中にあって日本国の経済の活力を維持向上させていく、国民の福祉の増進を図るということが必要になってまいりますが、その根幹は市場メカニズムの維持ということだと存じます。自由で公正な競争によって支えられた市場メカニズムの維持によって、その場合に企業及び国民が自主的な創意工夫を凝らして事業活動及び経済活動を展開していくことができるというふうに考えます。 仰せのありました円高の差益の還元の問題でございますけれども、円高効果が市場メカニズムを通じて国民経済の分野に円滑に浸透、反映するということが基本であろうというふうに思います。 繰り返しになりますけれども、そういうことができますために競争条件の整備が一層重要だというふうに存じておりますし、一昨年でございますか、石油元売企業の合併、業務提携等によりまして、いわゆる石油元売業の再編成ということがあったわけでございますけれども、そのときも、それによって石油業界の市場の競争的な体質が減殺されるようでは困るということで、元売企業が末端の小売価格を支配しないこと、整備された後の元売グループが相互に協調的な行動をとらないこと、そのほかの条件を決めまして、それを条件として提携、合併を認めたわけでございますし、その効果を見守りますために、昨年一年かかりまして流通の実態調査というものをやってまいりました。その結果、さらに独禁法の適正な運用という見地から注視をしていくということを申しておるわけでございます。 公正取引委員会といたしましては、これまでも独禁法上問題のある行為に対しては積極的に排除ということを行ってきたわけでございますし、事業者が共同して値下げをしないようにする、また は値上げをするといったようなやみカルテル、流通段階における販売価格を維持拘束するというやみ再販、こういった法違反の行為に対しましては厳正な対応を図ってまいるというのが私どもの考え方でございます。
○中野鉄造君 今回の円高は、いわば全く政府主導の政策誘導によるものであると言っても過言ではないと思いますが、そのために生じたメリットにせよデメリットにせよ、問題解決について政府は十分な適正な対応をしていただかなくてはいけないと思うわけです。 昭和五十三年の円高問題のとき、政府は円高差益還元対策ということで物価対策として八項目を打ち出されたわけですけれども、この石油、電力料金あるいは輸入肉、国際航空運賃、総代理店の並行輸入不当妨害問題、こういったような問題がありましたけれども、そこで今回の電力、ガス、石油製品について、電力、ガスは一兆二千億円、原油輸入直接メリットは三兆六千七百億円という莫大な金額に上る、こういう民間調査機関の報告がはじき出されておりますが、輸入肉については畜産振興事業団で年間十五万トンの八〇%を取り扱っておりますが、四十億から五十億の差益がある、こういうふうに聞いております。この円高、原油値下がりで総額十兆円を上回る額に上るわけですが、これはぜひともひとつ早急に還元を実施すべきじゃないかと思いますが、通産大臣、農水大臣の御所見を伺います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 円高によってある程度の差益が出るということは私は確実であろうと、そう思います。しかしながら、新聞等を見ればおわかりのように、みんなまちまちに金額が書いてあるわけです。それは円レートを幾らに見るか、石油の値下げを幾らに見るか、そういうことによって違いが出ておるわけですが、通産省では六十一年度の電力については四十円から五十円ぐらいの円高と、それからもう一つは四ドルから六ドルぐらいの原油の低下ということにすると、全体で八千億円ないし一兆円、もしそうなればですよ。これも仮定の問題ですから、実際のところ特に石油の方は幾らぐらいまで下がるのか、そこのところが全くわからない。もっともっと下がるかもわからぬという見方もあれば、その辺で落ちつくんじゃないかという見方もある。したがって、もう少し様子を見たい。そうしなければどういうふうに分配するかといっても、分け方があるわけです。 今のところ、我々といたしましてはひずみを是正しよう、一つは料金のひずみ。それからやはり課税後内部留保分については、それはいろいろな公共事業にかわる投資の積み増しにさせよう。もう一つは、規模が大きくなれば、当然これはコスト主義で電力は計算されていますから、需要者への還元ということも基本的にあるわけです。いずれにいたしましても、会社の決算の状況等を見たり石油の行方を見ながら、国民経済上役立つような方法で、しかも理屈にかなった還元をさせたい。ガスについてはおおむね電力の十分の一というくらいの差益というように考えております。 なお、石油製品その他は、先ほど公取委員長がお話しになりましたが、これは自由な競争によって自動的に末端に還元されるものと、かように考えております。
○国務大臣(羽田孜君) 畜産振興事業団によりますところの調整につきましてでございますけれども、これは御案内のとおり、我が国の畜産というのは非常に歴史が浅いということがございます。そういう意味で、我が国の畜産の振興ということを図ること、もう一点は消費者に安定して牛肉を供給する、こういうことで、ここに差益が実は出てきております。この差益につきましては、従来から畜産の振興あるいは酪農の振興等にも実はこのお金というものは使われておりまして、また消費者の皆さん方のためにも消費者の日というようなものを、「牛肉の日」といいますか、そういった日を設けながら安売りデーなんかもやっておるということで、このお金につきましては相当有効に実は使われておるということでございます。
○中野鉄造君 先ほどもお話がありました電力料金について、さきに述べた円高によって輸出関連中小企業というものはもう非常に今苦しい状況にあるわけですが、この間もありましたように、米国からこれに対するいろいろな施策、いわゆる助成策についてはかなり厳しいクレームがついているという状況にありますが、これについて通産大臣、中小企業庁長官、どういうお考えですか。
○政府委員(木下博生君) 円高によりまして影響を受けました中小企業者に対して対策を講ずるということで、先般、特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法の成立を見たわけでございまして、その実施に当たりまして緊急経営安定対策のための低利融資が輸出向けに補助するような形になるのではないかという懸念の表明があったわけでございます。私どもは、この対策資金は輸出を伸ばすために使うものではございませんで、新規契約ができないために資金繰りが非常に苦しくなる、そういう方々に対して一時的な資金繰りの対策ということで考えたものでございますので、全くアメリカ側に誤解があったというふうに考えております。 したがいまして、先々週、外務省において行われました事務レベルの協議におきまして私どもの対策の内容を説明いたしまして、それが輸出に使われるものではないということで説明いたしましたので、アメリカ側の納得は得られたものというふうに私ども考えておる次第でございます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 円高によって苦しんでおる中小企業、特に輸出関連の企業、その人にだけ特別な電力料金で面倒見るということ、これは非常に私はコスト主義という立場から難しいと思っております。しかし、電力の使い方その他の工夫は、それはできるんじゃないか。直接的に円高対策、苦しんだ人に電力で面倒見るということは、それはできない、そう思っております。
○中野鉄造君 それで、この電力料金の値下げがいつ行われるかということ等については、特に中小企業間では今非常に重要な関心の的になっているのですけれども、特にそういうようなことがなぜ起こるかといいますと、つまり現在輸出関連、例えば自動車などのメーカーとかあるいはその下請企業の間で、ちょうど今時期的に新年度の価格交渉が行われている真っ最中でもございまして、そういうところから、そのかぎを握る電力料金の値下げというものが早ければ早いほどその効果が出てくるというところでこういう強い要請が望まれているし、その時期というものに非常に強い関心を持っているわけですから、ひとつこの救済策の決め手にもなる値下げという点について再度お尋ねします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 急いでやるということになれば、それは為替差益だけかと。しかし、それではちょっとやっぱり石油の方も私は値下がりをもう少し見込んで還元したいと思っているものですから、為替差益だけでやるというと小幅になります。したがって、もう少し大幅なやり方ができないかということを考えますと、四月というわけにはいかない。やはり会社の決算等も見たりして、衆参両院のこういうふうな議論を通しまして皆さんの意見も聞いたり、それから今スタートをさせておりますが、懇談会をつくってそういう学識経験者の意見を聞いたりして、遅くとも五月中には結論を出したいと思っています。
○中野鉄造君 今もお話がありました原油の値下げ、現在、国家備蓄問題についてはいろいろありましょうけれども、さしあたって六十一年度の石特会計の中で、石油公団が本年度三百万キロリットルを調達するのに、バレル当たりの予算を二十八ドル、こういうようになっております。石油安定供給対策費が四千四十三億円計上されておりますけれども、現在の価格はバレル当たり二十ドルを切っておる、こういう状況にあるわけですが、スポット価格は十五ドルを切っておりまして、仮に二十ドルとして、八ドルの差は大き過ぎるのではないか。専門家の間でもこれは非常に理解しかねる、こういう議論がなされておりますが、いかがですか。
○政府委員(野々内隆君) 石油のスポット価格につきましては、確かに御指摘のとおり非常に低い。十ドル、十一ドルもございますが、日本に現在入ってきておりますのはまだかなり前の値段で入っておりまして、去年が平均二十八ドルでございましたが、一月が二十七ドル七十七、二月がきのう現在の統計では大体二十七ドル五十七ぐらいでございまして、まだ実は昨年に比べまして五十セント未満しか落ちていない状態でございます。したがいまして、これから三月、四月になるとかなり落ちてくると思いますが、ちょっと本年一年を通じまして一体どの辺でおさまるか、今現在では難しゅうございますので、やはり昨年からの見通しそのままで当面いくしかないというふうに思っております。
○中野鉄造君 次に、中小企業対策についてお尋ねいたしますが、経企庁が全国二十六の主要輸出型産地について実施した円高の影響調査を見ますと、利益大幅減が六〇%に及んでいます。そこで、緊急融資制度三千億円の利用状況についてお尋ねいたしたいと思いますが、それといま一つ、今日のような状況の中で円相場の推移に今非常な不安感を抱いているというのもこの人たちの気持ちでございますけれども、政府はどの程度が適正と考えているのか、その二点についてお尋ねいたします。
○政府委員(木下博生君) 緊急経営安定対策のための低利融資は、来年の三月まで三千億円ということで融資規模が一応決まっておるわけでございますが、昨年の十二月からその融資を始めておりますけれども、二月末ぐらいのところで、はっきりした数字を今手元に持っておりませんが、全体として九十億円から百億円ぐらいのところで、まだそれほど進んでおりません。ただ、それは既契約があります方々の場合にはすぐに融資の必要性がないわけでございまして、三月から四月、五月にかけて相当大幅にふえてくるものと私どもは予想しております。
○国務大臣(竹下登君) ロンドンG5におきまして、ニューヨークG5以来のドル安、ドル以外の通貨高ということが定着しつつあることはお互いに評価する、したがって今後とも後戻りするようなことをしてはいかぬ、こう申して、そこまでは共通認識でございます。ここのところ大体百八十円の前後で非常に小さい動きであるわけでございますが、一般論としてそこまでは申し上げることができたといたしましても、通貨の適正値はここだということを申し上げることは、なかんずく金融市場に大きな影響を持ちます日本の通貨当局者が断定することだけは差し控えさしていただく、こういうことでお願いをいたします。
○中野鉄造君 先ほどの緊急融資制度三千億円ですが、たとえ緊急融資であってみても借りたものは当然いつかは返さなければいかぬわけですから、そういう本当に倒産直前の会社が借りたとしても果たして返せるか。またこういうときにそういうものを借りるだけの状況にあるのかどうかということも非常に懸念されるわけですけれども、この現在の円高による影響で中小企業の皆さんがこうむっているデメリットというのはこの緊急融資制度三千億円だけでは到底救済できないものがあろうと思うんですけれども、先ほど申しましたようなそういうことも含めて、中小企業の皆さん方を何とか救済していくという、そういう対策をお考えになっていますか。
○政府委員(木下博生君) 確かに緊急融資だけですべての対策は足りるということにはならないかと思います。特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法におきましても、例えばそういう担保力のない企業に対する信用保証の別枠措置あるいは税制の還付措置というような措置を講じておるわけでございますが、現在のような円高の水準が今後も続くということになりますと、従来型の商品を従来のまま続けて輸出していくというようなことは非常に難しくなろうかと思います。したがいまして、そういう事業者の方々は事業転換というはっきりしたものではなくても、今後の経営のあり方を変えていかなくてはいけないということになるわけでございまして、そういう意味で今後経営の方針を変えていくためには、例えば事業転換のための融資というようなことでいろいろ助成をしていく必要があろうと考えておるわけでございます。 緊急融資措置は、あくまでも短期的に資金繰りが非常に困る企業者の方々に対しまして資金繰りをつけるための融資でございまして、したがって運転資金という性格ではございますが、すぐになかなか返せない性質のお金でもあるというようなことで、返済期間は五年とかそれ以上というような、長くすることで考えておりまして、その間にほかの分野に事業を拡大していって、そういう形で返していただくというようなことを考えておるわけでございまして、そのようなほかの分野に事業を拡大していくという対策については別のいろいろな中小企業対策で助成をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○中野鉄造君 それで、その救済措置の一環として、いろいろな代金の値引きだとかあるいは支払いの遅延などという下請いじめが起こらないように下請代金支払遅延等防止法、それに基づいてのいろいろな調査というものがなされていると思いますが、その中間的な形で御報告できますか。
○政府委員(木下博生君) 下請中小企業に対する対策といたしましては、昨年の秋以降、公正取引委員会と協議いたしまして、通産大臣、公正取引委員会の名前で親企業に対して通達を出すというようなこともやりましたし、また通産大臣が親企業団体の主なところの代表の方々に来ていただいて、下請にしわ寄せしないようにという要請をいたしたりいたしましたし、それからまた先日は下請等中小企業対策推進本部というものを通産省の中に設けまして、そういう下請企業がしわ寄せを受けることのないよう十分に相談に応ずる体制もつくっておるわけでございます。 それと同時に、公正取引委員会の方でも、下請代金支払遅延等防止法に基づいた調査をされておりますし、通産省でもその調査をやっておるわけでございますが、現在最終のまとめ中でございますけれども、中小企業庁として現在その法律に基づいた調査を親企業者あるいは下請企業者に対してやっておるわけでございまして、それによりましても一部値引き等の要請が下請企業者に対して行われておるという実態はわかっておりますので、法律に基づきまして適正な措置をやっていきたいというふうに考えております。
○中野鉄造君 いずれにいたしましても、今回のこの円高、原油の値下がりによる波紋は予想以上に大きいわけですが、そこでこの六十一年度予算五十四兆円の中身についても、個々に見直しをすればいろいろな影響があると思います。特別会計、財投についても全くそのとおりでして、整合性という観点から歳出は歳出、歳入は歳入、そういうように修正をするべきだと私は思いますけれども、総理、大蔵大臣の見解をお尋ねします。 つまり、昨年の十二月、この予算編成の作業時点と今とは実勢価格が違ってきているんですね。その大幅に異なる部分が相当歳入の部分でも考えられるわけです。したがって、この予算の審議は実際、実勢にはそぐわないと考えるわけですが、そういうところでつまり算定基礎が大幅に異なっており、異なっていないときのものを異なっている今の現状へ持ってきてそれを基礎にして審議しても、まるでボタンのかけ違いみたいなもので、これは先々が本当に心配なものだなと、こう思いますけれども、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 二つに分けて言えると思います。 歳入につきましては、私どもやはり全体の企業の聞き取り調査等に加えて政府の諸指標をもって、これはあくまでも見積もりでございますから毎年正確にそれが一致するということはございませんが、その時点、十二月時点で最善の整合性のあるものを積み上げていく、こういうものであります。 それから、歳出につきましては、この議論が一番最初行われましたのは昭和四十七年度予算をつ くるときでございます。すなわち、昭和四十六年の八月十五日、いわゆるニクソン大統領のドルの兌換停止というものに始まりましてから、四十七年度の予算、何ぼのレートで組むかというので非常に困りましたが、幸いスミソニアンレートで三百八円というものができましてそれで組んでまいりました。その後、今度は完全に変動相場制になりまして、そこで一応国会との議論の中である種のコンセンサスを得まして、直近二カ月間の平均値ということで組ましていただく。厳密に言いますと、今先生おっしゃったように、大体公定歩合が下がったり、それから変動相場制で為替の変動があったら予算そのものを修正して出すべきじゃないか、こんな議論もしたことがございますが、最大公約数の中で直近二カ月の為替レートをもって組もう、こういうことで合意を得たわけであります。 それから、公定歩合の場合も金利の変動があるから利子補給等について変化が生ずるじゃないかと。これは昭和五十五年に国会開会中に衆議院で一回、参議院で一回、この場合は下げじゃなく、上げでございましたけれども、その際いろいろ協議をいたしまして、公定歩合というようなものが国際金融社会の中で機動的に行われる場合にそれをもって予算書を書き直さなきゃいかぬというような主張は近代的でないということを衆議院の段階で公明党の二見さんからそういう質問がありまして、それがきっかけとなってその議論をやることはやめよう、こういうことになって今日に至っておるわけでございます。 しかし、執行の段階におきましては現実支払いが少なくて済むものもございますので、それはまさに現状に即した対応を歳出の面ではやっていかなきゃならぬということは承知をいたしております。
○中野鉄造君 つまり、この円高の問題に入ります冒頭に私が申し上げましたように、五十三年のときの円高と今日の円高とでは異なる面が非常に多いんじゃないですかと言ったことはそのことでございまして、つまり五十三年のときは三百円が百九十円になるのに二年間かかっています。今回は二百四十円が百八十円になるまでにわずか六カ月でこういうことになっているんです。そういうことで今回は非常にその影響が大きい。特殊と言えば特殊と言ってもいいんじゃないかと思いますが、そういうことで実勢というものはわずか六カ月の間にひどくかけ離れたものになってきている。そこで今のようなことを申し上げたわけですが、もう一度、そういうことはないということを今おっしゃいましたけれども、考えられませんか、特殊性にかんがみて。
○国務大臣(竹下登君) 確かに急ピッチだったという印象を私もひとしくいたしております。しかし、現実これは各国の経済ファンダメンタルズを反映したいわゆる市場の自律的な動きで決まってきておることはまた間違いございません。むしろ先生おっしゃるのは、予算書を書き直すとかそういう問題よりも、それよりも中小企業等非常に与えた影響そのものが大きいということが心理的な問題も含めて私は重要なポイントではなかろうかと思います。 今まで私も、円高のメリットというものはタイムラグがありまして、六カ月あるいは一年、中には十五カ月かかると言う人もおる、こんなお答えもしたことございますが、先日、一番端的に円高メリットを受けた人にお会いいたしましてなるほどなと思いましたのは、これは新婚旅行でフィジーへ行った人でございました。当初六十万円で予定しておったのが四十五万円で済んで、十五万円を両家の両親に土産を買ってまいりましたと、六人そろってお礼を言われたのはそれが初めてでございまして、したがって今度は原油価格はもとよりでありますが、あらゆる原材料が値下げしてくるわけでございますから、それのメリットというのが出てくるというのは少しく時間のかかる問題だ。 当面、いわゆる輸出関連中小企業等のお方が心理的な問題も含め非常にデメリットの感じをお持ちになっておることは私も肌で感じております。それに対しては通産省の中小企業転換法等々において十分対応され、そして私どもの担当いたします融資部門でもそれに適応しながら対処していかなきゃならぬと、このように考えております。
○中野鉄造君 今、本院の予算審議は二日目に入ってまさにこれからでございますが、国政の円滑な運営を考えるときに本院の審議権確保はこれは絶対な条件であります。一方、予算の空白は本来一日もあってはならないし、万一本院の審議権確保に支障を来し、あるいは予算の空白を生じるような事態になれば、これは国民の皆さん方に多大な御迷惑を及ぼすということになりますし、そういうことにならないように暫定予算を当然組むべきでありますし、事実、大蔵大臣も昨年四月の本委員会において、わずかな期間の空白であっても暫定予算を考えねばならない趣旨の答弁をなさっております。この点、総理並びに大蔵大臣の御見解を伺っておきます。
○国務大臣(竹下登君) まず、私からお答えを申し上げます。 今おっしゃいましたとおり、昨年も私はそのようなお答えをいたしたことがございます。そもそもいわゆる我が国の予算の空白というのは、現行の財政会計制度においては予定をされていないということが基本にあるわけでございます。御案内のようにい戦前の憲法におきましては明瞭に「帝国議会二於テ予算ヲ議定セス又ハ予算成立二至ラサルトキハ政府ハ前年度ノ予算ヲ施行スヘシ」、こう書かれてあります。他の先進国も全部そうなっておりますが、日本だけは予算の空白の事態は生じないという前提で憲法のとき議論されたのではなかろうかと言う人すらございます。 したがって、財政法でそれを受けていわゆる暫定予算制度というのがあるわけでございますから、その暫定予算というものは空白を置かないために必要な日数に限ってお願いすべきものであり、そして逆に申しますならば、政策意図の余り出ない義務的諸経費を計上すべきであり、必ず通すべきものであるという前提の中に位置づけられておるわけでございますから、それだけに非常にいつもこれは議論のあるところでございます。 憲法に欠陥があるなどという大それたことを申すつもりはございません。したがっていつ出すかという判断は、やはり政府が国会のこういう審議を見ながら、一日たりとも空白を置いてはならないということを念頭に置きながら出すべきものであって、したがって今日あえておまえの心境はと言われれば、ひたすら空白のないように議了成立させていただくことをこいねがうという、こういう一語に尽きます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 暫定予算を組む考えはございません。できるだけ早期に御審議の上、御成立を希望する次第であります。
○中野鉄造君 次に、国鉄の改革の問題についてお尋ねいたしますが、政府は分割・民営の方向で進められております。 まず第一番目に、国鉄の現在の危機を救うのは民営化する以外に方法はないのか、あるいは分割することにより経営効率は低下しないのか、こういうところが国民の皆様方もひとしく大きな不安を持っていると思いますが、総理の政府の改革案に対する御所見をお尋ねいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国鉄の改革につきましては、過去十数年にわたりましてもう五回以上も大きな改革をやらんとしてきてついに果たさず、結論は国民の皆様方がやはり指摘されますように、親方日の丸の赤字垂れ流しと、そういう体質から脱却できなかったという点にあると思うんです。それを直さんがために今度は思い切った大手術をしなければこれはだめだという考えに立って、臨調あるいは国鉄監理委員会が案をつくった次第です。 今度の案は思い切った案でございまして、一つには経営の責任体制を認める、労使関係を正常化する、両方に責任体制を持たせる、そういう点と、それから管理能力の範囲内に企業のスケールを決める、つまり六分割というものはある意味におい て管理能力の範囲内にこれを決めて、垂れ流しや無責任体制をやめさせようという考えてあります。私は、現在の国鉄の状況から見ますとやむを得ざる考え方であり、これ以外に今の国鉄を直す方法はないと確信しておりまして、この法案をぜひとも成立させるように全力を注ぐつもりでおります。
○中野鉄造君 この問題について私は少し具体的に入ってみたいと思いますが、例えば九州における国鉄の分割・民営化の問題ですが、まず第一に政府の改革案では、九州の国鉄は独立採算で自立経営を図ると、こういうことになっております。当然赤字の発生はこれはもう不可避ですから、三千六百億円、経営安定基金の運用益でこれを補てんする。そして収支の均衡が図れるようになっているわけではありますが、この運用益の範囲を超えないで経営できるかどうか、そのことをまずお尋ねします。
○国務大臣(三塚博君) この点は北海道、四国、九州三島の経営、御案内のとおりのファンドで運用益と、こういうことであります。運用益の考え方は、やむを得ざる公共性によってもたらされる分、こういうものを運用益でカバーをいたしますれば、企業体としての企業経営というものは収支のバランスの中で達成されるであろう。その一点は、民鉄並みの軽量経営に徹する、こういうこと。第二点は、地域鉄道としての愛される鉄道に転換をするため、経営者はもとより働く勤労者の諸君も一体となりましてサービスの向上に努める。こういうことでマクロに見まして監理委員会の提言は黒である、私ども運輸省の、政府の試算におきましても、確実にそういう方向でまいりますならば黒字計上が可能であろうと、このように見ておるわけであります。
○中野鉄造君 五十九年度の九州地区の国鉄は営業係数が二九四、つまり百円もうけるのに二百九十四円の経費が要る。一番ひどいのはこれは北海道で、百円もうけるのに四百十五円と、こういうふうになっておりますけれども、例えば九州の場合ですが、今言ったように採算性は決していいとは言えない。 そこで、今もお尋ねしたわけですが、もしだめな状況になったときに、今大臣は大丈夫、いけるというようなお話でしたけれども、だめな状況になった場合に六十二年度以降、毎年五%予定の運賃値上げ率がさらに高まって、今の倍以上になるのじゃないか、そういう懸念があるわけですけれども、そういうことのほかに地方交通線を切り捨てる、それが嫌なら地方公共団体への負担要請となって住民にはね返ってくる、こういうことが非常に心配になってくるわけですけれども、こうしたサービスの切り捨て、こういうことも含めて、その点についての大臣の御所見をいただきます。
○国務大臣(三塚博君) 経営でございますから、その経営者、経営体の経営戦略にも基本的にはかかわってまいることかと思います。 ただ、私ども政府として申し上げておりますことは、地域鉄道として地域民と一体になりまして運営を進めてまいりますならば、地域の鉄道でありますからその運行について確実に前進をしていくのではないだろうか。それはその乗られる方、地域民のニーズに十二分におこたえをさせていただくためのダイヤでありますとか、ただいま御指摘の料金、これは従前の経営方向の中でまいりますならば、五%程度の運賃値上げはやむを得ないことであろう。それは物賃、経済の成長率、そういうものとのかみ合わせの中でコストを賄うという意味で行われる改定率であります。この改定率が行われてまいりますれば、見通しとして着実に運営ができるでありましょう。 しかし、地交線の切り捨て云々という問題もございましたが、特定交通線以外の地方交通線については、新経営体が判断をしてこれは維持することに相なります。その場合、まさに地域鉄道でありますから、その形の中で進んでまいるのではないだろうか、こんなふうに思っておるところであります。
○中野鉄造君 九州と本州とは関門海底トンネルを通じて鉄道旅客が動いておるわけですが、福岡県では、例えば山口県との旅客流動が佐賀、大分両県よりも多い。本州とのサービス格差が関門間で拡大することは、九州と本州との一体化をこれは阻害することになるんじゃないか、こういう懸念もまたあるわけですが、そういうことになりますと、ひいては九州地域の経済的地盤が低下することにつながっていく、こういう点から再度その面についてのお尋ねをいたします。
○政府委員(棚橋泰君) 先生御指摘のように、九州と山口県との間には若干の流動がございまして、これは本州の三分割につきましても、例えば大阪での新幹線とか米原とか、主要なところでは若干の新しい会社間の流動があるわけでございます。ただ、これにつきましては従来から私鉄と国鉄、私鉄相互等相互乗り入れその他の経験が十分ございますし、新しい会社におきまして十分に会社相互間であらかじめ協定等を結びまして、特に切りかえ時におきましては現在の国鉄の列車ダイヤそのまま移行するということを考えておりますし、そういう意味でのお客様の利便に支障がないように十分配慮をしてまいりたいと思います。
○中野鉄造君 先ほど運輸大臣からもお話がありましたこの特定地方交通線についてですが、それぞれの地域において特定の地方交通線の存続の強い要請が今行われております。 特定地方交通線を抱えておられる大臣も数人いらっしゃるようですが、例えて言えば総理の郷里であります群馬県には足尾線、これが廃止対象になっておりますし、大蔵大臣では大社線が第三次路線となっていますし、建設大臣の方では宮崎一区の高千穂線がなっております。通産大臣も真岡線と、こういうことになっておりますが、それぞれの大臣の地元からの陳情に対してどういうお話をされているのか。 どの大臣にお聞きしましょうか。大蔵大臣いかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 長い間の問題でありまして、ただ一次、二次、三次では、我が方の大社線というのは三次でございますので、私は案外成績がいいんだなという感じを持ちまして、地元の皆さん方とそれを将来どう対応するかということを相談をしようじゃないかと、こう言っておるところでございます。
○中野鉄造君 次に、余剰人員対策についてお尋ねいたしますが、新聞報道では予定枠の四分の一に当たる再就職受け入れ先を確保できた、こういうように言われております。最近の受け入れ規模状況の報告をまずお尋ねいたしますが、私申し上げたいのは、もう時間がありませんので結論を急ぎますけれども、例えば九州では三〇%の八千九百人広域配転は、とてもこれは困難と私は思います。例えばもう自宅を今ローンで建てたばかりの人、そういう人たちもおりますし、とりわけそういう問題も抱えて今よく社会問題になっておりますし、そういう配転に伴うところの学童の移動、それによって起こるいじめの問題、そういうようなことにもつながってまいりますし、この辺のところをどういうようにお考えになっているのか。
○政府委員(中島眞二君) 今日までの国鉄余剰人員の各部門における受け入れの状況でございますが、まず公的部門につきましては、国家公務員につきましては六十一年度の採用ということで数字が積み上がってまいっておりまして、これはほぼ目標数に達しております。それから特殊法人等につきましては、これは六十五年度初めまでの数字でございますが、六十一年度に係ります国家公務員と特殊法人を合わせまして約二千三百名の職場が確保されております。それから地方公共団体につきましては、同様に六十一年度から六十五年度初めまででございますが、今日まで約四千人の採用の申し込みがございます。 それから、一般産業界につきましては、大手の民鉄、それからバス協会等を中心にしまして申し入れがございまして、これは国鉄の関連企業あるいは特殊法人とのダブリがございますので、それを除きますと約四千名でございます。それから国鉄の関連企業につきましては約二万一千人を目標 といたしておりますが、これは同様に六十五年度初めまででございますが、これについては国鉄関連企業約八百六十五社につきまして既に確保を終えているという状況でございまして、合計いたしますと約三万一千名ということになります。 それから、九州あるいは北海道の余剰人員につきましては非常に多うございます。そして、余剰人員に当たる人々の希望を尊重すれば、できるだけ地元において公的部門を初めとして、あるいは一般産業界あるいは関連企業での受け入れ先を用意するわけでございますが、なかなかそれだけでは対処できないのが実情でございます。 そういう情勢を踏まえまして、国鉄におきましては先般北海道から二千五百名、九州から九百名を国鉄改革実施前に本州に異動させるという案を発表いたしまして、本人の希望に基づいてこれを実施するということをいたしております。 なお、今後もそういうことを続けていかなければならないと思いますが、それに当たりましては、やはり子供さんの教育の問題とかあるいは住宅の問題につきましてきめ細かい配慮をしていく必要があろうかと思います。私ども全力を挙げてこれに取り組んでまいりたいと思っております。
○中野鉄造君 今もお話がありましたように、国鉄の関連事業や地方公共団体、民間企業に再就職を依頼するのは、それはそれで非常に結構なことだと思いますけれども、やはり国の機関が率先して大量の職員を吸収するようにやるべきじゃないのかなと私は思うんですが、今のやり方を見ておりますと、公的部門三万人の目標というのを掲げておられますけれども、どちらかというと地方依存の姿勢が強いわけでして、この際、国の受け入れ枠を例えば二万人とか幾らだとか、そういうように率先して大幅にふやすことがより大事じゃないかと思うんですが、いかがでしょう。
○政府委員(中島眞二君) 昨年十二月十三日に国鉄余剰人員の雇用対策の基本方針を閣議決定いたしました。その際に官房長官談話でもちまして、公的部門の採用につきましては三万人を目標といたしまして政府が一丸となってその達成に全力を尽くすという決意を表明したところでございます。 そこで、国家公務員の採用につきましては、今後国鉄改革に伴いましての新事業体の要員規模の確定を待つ必要がございますし、それからまた各省庁の採用数あるいは退職者の動向について見きわめる必要がございます。そういうことで、この閣議決定におきましては、本年秋までの間に分野別の国鉄余剰人員採用計画というのを策定することといたしておりまして、その中で具体的に分野別の採用目標数を掲げることといたしております。六十一年度につきましては、各省庁が採用数の一〇%以上を国鉄職員から採用するという具体的目標を掲げまして、総務庁におきまして各省庁と折衝しました結果、目標数を上回る数を確保しているという状況でございます。
○国務大臣(三塚博君) 今委員お説のとおりであります。 民間にまた地方にお願いする前に国家的な計画で法律を提案し、お願いを申し上げることでありますから、政府みずからの最大の努力をいたしましてこれに対応してまいりますことはそのとおりでありますので、官房長官また総務庁長官、関係閣僚とも鋭意協議をしつつその方向で秋まで煮詰めていこうと全力を尽くしておるところであります。
○中野鉄造君 次に、男女雇用機会均等法についてお尋ねいたしますが、この法律はいよいよ四月一日から施行されることになっておりますが、その準備状況は現在どういうようになっているのか。まず労働大臣、そして新しく施行される男女雇用機会均等法に対する総理の心構えをお尋ねいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 条約を成立せしめ、かつ法律も整備をいたしまして、いよいよこれを実行するという段階になりましたので、いろんな面に目を注ぎまして、この条約並びに法律の理想が実現されるように行政的にも十分注意してやってまいりたいと思っております。
○国務大臣(林ゆう君) 四月からこの法律が施行されるに当たりまして、労働省といたしましては婦人少年室を強化いたしまして、この問題の周知徹底あるいはまたいろいろと問題が起きましたときに対処するというようなことで今作業を進めているところでございます。
○中野鉄造君 この法律が十分に機能するためには、今大臣お答えになったように、婦人少年室が中心になってその運用をされていくと思いますけれども、この婦人少年室の拡充強化というのがいまひとつこれは不足しているのじゃないか、私はこういうように思うわけですが、私の調査したところではわずか今のところ婦人少年室の設置、任命というのが四件しかない、全国の中であとの十七件が今検討中といったような、こういう段階なんですね。どうでしょうか。
○国務大臣(林ゆう君) 婦人少年室の強化と申しますと、今、この四月の一日から施行される法律に伴いまして、婦人少年室では女子の労働者と事業主との間の紛争が生じた場合に対処するために助言、指導、勧告あるいは機会均等調停委員会、こういったものの運営などの新しい業務が行われることに相なります。これらに適切に対処いたしましてこの法律が円滑に施行されるためには、先ほど申し上げましたように婦人少年室の充実強化が不可欠な問題でございますので、まず昭和六十一年度には婦人少年室に十七名の増員を行いますとともに、その職員の資質の向上のため研修の充実などを図っていく、こういったことで対処をしてまいらなければいけないというふうに存じております。
○中野鉄造君 極めて不十分だと思いますね。同時に、この法律を本当に機能あらしめるためにはやっぱり並行して雇用機会均等調停委員会の設置がこれは不可欠でありますが、いつごろこれが委員会のメンバーといったようなものの任命等を含めてなるのか、この時期をひとつ明かしていただきたいと思います。それが一つ。 それと、構成員の方々は三名ということに聞いておりますけれども、その人選についてただ単に学識経験者というばかりではなくて、特にどういう点に留意をしてこの選任をするというおつもりなのか、その辺をお聞かせいただきたい。
○国務大臣(林ゆう君) 法律が四月一日から施行されるに当たりまして、この調停委員も四月の一日に任命するように今準備を進めているところでございます。 それで、先生御質問の中で、どういうような方々を委員に任命するかということでございますが、具体的な紛争を解決するためには、何と申しましてもいろいろと女性問題に対する理解のある方々、あるいはまた企業の雇用管理、労働法、労使関係に関しましての学識経験の豊かな方にお願いをしなければならないというふうに思っております。そしてまた、その中から特に社会的に信望がお高い方で、労使の間におきまして紛争が起きたときには公正中立な立場で十分な説得力を有する方をお願いをするということでございます。そして、四月一日に先ほど申し上げましたように発足するように今任命の準備を進めているところでございます。
○中野鉄造君 男女雇用機会均等法と抱き合わせにして労働基準法が改正されました。つまり、女子労働者の時間外労働の規制と深夜業の禁止が緩和された結果、いわゆるフルタイムでは働けなくなりまして、パートタイマーにならざるを得ない女性の方々がふえるのではないかと心配するわけですが、このパートの賃金あるいは労働条件といったようなものから見ると非常に両方ともこれは劣悪でありまして、しかも雇用は不安定で、パート労働者の保護立法ということがどうしてもこれは必要じゃないのかと私ども思うわけです。我が党といたしましてはこのパート労働法案を国会に提出しましたけれども、政府の方では法制化の必要はないとして、パート労働要綱に基づいて行政指導を行っていくということになっておりますが、その効果の面はいかがなものでしょうか。非 常に疑わしいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(林ゆう君) 最近の経済情勢の変化によりましてパートの労働者の方が大変ふえております。そういった中で先生御指摘のような法制化の問題というのもございましたけれども、労働省といたしましてはさしあたって先ほど先生御指摘のような要綱を出しまして、それに準拠してひとつやっていただこうということで、先々の問題でございますから、さしあたっては今のその要綱にのっとった方向でやってまいりたいと、このように思っているわけでございます。
○中野鉄造君 とにかく行政というのはしばらく様子を見てからやおら腰を上げようと、そういうようなことが非常に目立つわけなんです。そうではなくて、そういう後追い行政にならないためにも、こういうことになっていくということは目に見えているわけですから、やはりこれは法制化すべきだと思います。いかがですか、大臣の決意を。
○委員長(安田隆明君) 中野君、時間が参りました。
○国務大臣(林ゆう君) 先ほど御答弁申し上げましたように、要綱に従って、さしあたってはいろいろとパートの問題に取り組んでいるわけでございますが、またその法制化という問題につきましてはそれぞれ研究会その他に今研究もさしておるようなことでございますので、そういったものの報告が出た上で、また労働省としてははっきりしたことを考えてまいりたいと、このように思っております。
○中野鉄造君 終わります。(拍手)
○委員長(安田隆明君) 以上で中野鉄造君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(安田隆明君) 次に、粕谷照美君の質疑を行います。粕谷君。
○粕谷照美君 午前中に中野委員の方から御質問もありましたけれども、今度の東京サミットの議題の件でございます。総理の御答弁でわかった部分はあったんですが、先ほどのお昼のニュースでワインバーガー長官がこういうことを言っていらっしゃるんです。SDIへの参加については日本からメリットもあるということで親しい感触を得ている。そういう意味では、外務大臣の御答弁というのは慎重に討議をするということになっておりますけれども、そこのところに大変なニュアンスの違いがあるのではないか、こういう感じがしてなりません。 外務大臣の御答弁とあわせまして、最近教育改革について臨教審が第二次答申を出すと、その答申の後にサミットが行われるのだが、教育改革問題についてサミットの議題になるのではないか、こういうことが言われておりますけれども、そのようなことがあるでしょうか、お伺いいたします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) SDIについてはしばしばお答え申し上げましたように、近く第三次調査団を派遣したいと思っております。調査団の調査を踏まえながら政府として慎重に自主的に研究をいたしまして結論を出したい、こういうことであります。
○国務大臣(中曽根康弘君) サミットの際に教育の話が出るかどうかということでございますが、全く議題は未定でございます。
○粕谷照美君 外務大臣、自主的に決めます、調査団を派遣してそして結論を得ます、こういうことですけれども、サミットの前に日米首脳会議がある、こういうふうにお伺いしております。そういう一つ一つの節目に向かって調査団の結論を得るという理解でよろしいのですか。そういうことは一切考えないで慎重に検討する、こういう理解でしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 四月には日米首脳会談も予定されておりますし、五月にはサミットもあるわけでございますが、SDIはこれまで長い期間かけて検討、調査もしておりますし、また今回は第三次の官民合同団を派遣するわけであります。この日米首脳会談とかサミットとか、そういうものの時期にとらわれてこの方針を決めるとか、そういうことではございません。これまでの方針、これまでの調査研究に従って慎重に、そして自主的に結論を出すときには出さなければならない、こういうふうに思っております。
○粕谷照美君 岡本参考人においでいただきました。大変お忙しい参考人、ヨーロッパに十日ほどいらっしゃって、そしてゆうべ遅くお着きになってこの会議に出ていらっしゃる。本当に申しわけないというような気持ちでいっぱいでありますけれども、私の日程がこういうことになりましたので、ぜひともお許しをいただきたいと思います。 それで、二時五十分までという日程だそうですから、集中的に幾つかの問題のお考えをお伺いしたいと思っております。 今、臨教審の第三部会とか第四部会が次々と第二次答申に向けていろいろな討議をし、結論めいたものを発表しております。こういう大変忙しいときに会長であります方が十日間もヨーロッパへいろいろと調査にいらっしゃったその調査の内容というのはどういうことでございましょうか。
○参考人(岡本道雄君) 少しおくれまして失礼いたしました。 調査の内容は、私は科学技術会議の常任議員でございますので、毎年、欧米の私どもの相手になる人たちとお互いの国の科学技術行政の全般にわたってフリーな話し合いをするということをいたしておりますので、それがことしは過日極めて短時日に限りましてヨーロッパ三国と話し合ってまいった、これが主な仕事でございます。
○粕谷照美君 今度答申をされます第二次の発表になりますけれども、四月二十三日ということが言われておりますね、その日程というものは動かないものでありましょうか。 それから、先日出されました「臨教審だより」の「審議経過の概要(その三)」、これはその第二次答申の骨格になるものが入っている、こういう理解でよろしゅうございますか。 そして、あわせまして、第二次答申という名前で今発表されるということになっておりますが、初めのころは、これは基本答申ということでやられるというふうに私ども伺っておりましたけれども、基本答申というのが第二次答申に名称が変わったということは、内容的にも非常に意味のあることだというふうに思いますけれども、基本答申が第二次答申に変わった理由というものをお教えいただきたいと思います。
○参考人(岡本道雄君) まず、このたびの第二次答申、かつて基本答申と申しておったものでございますけれども、それが二十三日がどうかということでございますが、これはそういうふうにはっきりは決めておりません。四月の下旬とは申しておりますけれども、これは一般的に想像して二十三日というふうに申されておりますけれども、まだ運営委員会で決定はいたしておりませんが、そのころだろうということは考えております。 その次に、「審議経過の概要(その三)」に盛った内容がこのたびの第二次答申の骨格になるかどうかということでございますが、当然骨格にと申しますより、第二次答申に述べます内容は「審議経過の概要(その三)」で審議した内容に限ってはおります。あそこで出なかったものが突如出てまいるということはないと、そういうふうな御理解を願いたいと思います。 それから、基本答申と申しておりましたのを第二次答申にいたしましたのは、これは審議をいたしました結果、重要なものが第二次答申のときにまで完成するとは限らない、なお審議する必要のあるものも残るおそれがございますので、基本答申と申しますと、それが基本であとはそうでないように聞こえますので、これはやはり第二次として、そしてさらに審議を重ねる必要があるものは第三次に回そう、そういうことで、このたびは基本答申という言い方をやめまして第二次答申ということにいたしますけれども、しかしその内容が、最初からこの審議会全体を見たときに基本的なものになるであろうという意味においては変わってはおりません。 以上でございます。
○粕谷照美君 この臨教審に対する評価ですけれども、総理、総理府の調査を見ますと、第一次答申をしたことを知らないという国民が四二%なんですね。答申をされたものに対して余り期待していない、これが三三・五%、わからないというのが二五・八%と非常に評価が低いわけなんです。この点についてどのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨教審自体については国民の大きな関心を呼んでいるだろうと思うんです。つまり、いわゆる共通一次テストはどうなるのであるとか、輪切りや偏差値がどうなるのであるとか、いじめがどうなるのであるとか、そういう教育の内容問題については大きな関心を持たれておるわけです。そういう問題を直すために臨教審がつくられているということも知っておられると思います。しかし、内容が割合に専門的で、そして一般の国民にはわかりにくい。つまり、いじめがこうなりますとか輪切りはやめますとか、そういう鮮明な映し方が出てきていない、そういう意味においては国民の関心が少し薄れてきているという面もなきにしもあらずであります。 しかし、教育の本質からいたしまして、そう必ずしも鮮明な、ドラマチックなことばかりでやれるというものではない。地味なこつこつとしたことが教育の改革には大事な面もありますから、そういう点で国民に対する映りがほかの行革やその他の場合と違っておるのではないかと思います。
○粕谷照美君 文部大臣にお伺いいたしますけれども、去年の九月の十七日といえば第一次答申の後になりますけれども、静岡県で自民党の研修会があったそうです。そこで前文部大臣が、臨教審の審議は学者の論議が先行する嫌いがある、党として教育改革についての考え方を国民の前で明らかにすることにしたいと、こういうふうに話されたということであります。その理由に、第一次答申は「空理空論が多く、国民の期待する教育荒廃の克服問題に正面から答えるものになっていない」と、このようなことが報道されているんですね。これは、前文部大臣がそういうふうにおっしゃったということは大変なニュースだからこそ報道の中に入ったのだというふうに私も思うんです。 またそれは、先ほど総理がおっしゃったように、今の緊急の課題に対して本当に臨教審が答申するというものではなくて、大きな立場からの答申であるからそういうふうになったんだろうと、こういうふうにおっしゃっていますけれども、国民がそういうふうに言うのならいざ知らず、党内にそんなことがあると、こういうことは大変なことだと思うんですが、臨教審の今までの活動に対してどのような評価をなさるんでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 国会の御決議もいただき、臨教審が設置されましてちょうど今折り返し点に達しておると思っております。 私は文部大臣に任命されましてから三回臨教審の総会を傍聴させていただきました。朝の九時から夕方の三時まで、あれだけのお忙しい立場の先生方がいろいろな角度から自由な議論を繰り返していらっしゃることに、率直に言ってまず敬意を表した次第でございます。同時に、第一次答申の後に、先生お読みいただいたと思いますが、「審議経過の概要」というのも公表されました。これは全体で二百三十二ページ、たしか二十万五千語といいましたか、十分な読みごたえのある膨大なものでございました。 私は、そういった臨教審の御議論というものを今予断と憶測でもって内容に立ち至ってどうのこうの言うことは差し控えたいと思いますし、また第二次答申をいただきましたならばそれに基づいていろいろな対応をしていかなければならぬと、こう考えておりますけれども、いずれにしましても、当面の問題から中長期の改革の問題まで項目を分けて熱心に御議論いただき、問題点を出していただいておる、このように受けとめております。
○粕谷照美君 岡本会長にお伺いしたいのですけれども、私ども社会党も十三日の朝八時から臨教審の会長、副会長とお会いしまして意見を出します。各党それぞれお話し合いを持っていると思います。そして、確かに今文部大臣がおっしゃったように、「臨教審だより」に載せられている「経過の概要」を見ましても本当に精力的にやっていらっしゃるなということを感じないわけにはまいりません。それから、毎月出されますあの「臨教審だより」もそういうことが含まれているわけですね。その点については臨教審がどのようなことをやっていらっしゃるのかということを私どもはかいま見ることができるわけです。 しかし、やっぱり密室の審議だなというふうに思わないわけにはいかないところがたくさんあるわけです。突如として、おやというようなことを出されてくる、国民にショック療法を与えるという意味も含めているのかもしれませんけれども、事が教育であるだけに、そういう発表の仕方はまずいのではないか。例えばそのような問題が出たとしたならば、その問題に至るいろいろな方々の御意見、それはもし個人のお名前を出すのがぐあいが悪ければ、個人のお名前を出さないでも審議の経過というものが明らかになるような発表の方法というものが必要なのではないかと思いますけれども、いかがでございましょう。
○参考人(岡本道雄君) おっしゃいますように、教育の審議会でございますので、教育は国民のだれもが関心を持っておりまして、また意見を持っておりますので、この審議会の一つの大きな特徴としまして、できるだけ多方面からの国民の意見を聞くということと、それから審議の内容を率直にできるだけ知らせながら国民と一緒に審議するくらいなつもりでやろうというのが最初からの方針でございました。したがって、結論の出たときには国民もほぼその内容を知っておるというくらいなことにしていきたいというのが方針でございます。そのために、御承知のように、これは率直にほかの審議会と比べてお考え願いましたら、よくこれまで公開しておるとおっしゃっていただけると思うんです。その点が少し公開し過ぎておりまして国民にかえって迷惑をかける点もございますので、その点は先生方から御注意いただいたこともありまして、各自注意するようには申しておりますけれども、一般的に報道の方も努力してくれるなにもありまして、できるだけということで外によく出ますので、その点御心配かけた点はあると思います。 私、この審議会において一つ会長として考えておりますことは、この審議会のために特に言論の自由を制限することのないように各自自由にいろいろなことをおっしゃってください、そしてそれに即して審議会自体が部会にかけて、総会にかけて出しますときのものは、これはもうきちっとしたもので、私が責任を持って出すわけですけれども、それまでの間はできるだけ自由におっしゃいというふうに申しておりますので、その点がいろいろ突如として出るようにもお考えになりますけれども、皆できるだけ自由に発言していこうという気持ちでおりますので、そういう御心配をおかけしたかと思いますけれども、この点できるだけ公表してということで、具体的には公聴会をやりましたり、それから各人各方面からの意見をもらいましたり、こっちの意見を申したりしておりますけれども、各委員の発言もできるだけ自由にというふうにしておりますので、その点はできるだけ公開をということに努めておるという意味でひとつおとりいただいたらありがたいと思っております。
○粕谷照美君 文部大臣にお伺いいたしますけれども、この設置法のときに随分議論をしまして、せめて議事録だけでも公開をしなさいという要求が強かったと思うんです。それを抑えて、今会長がはしなくもおっしゃるように、他の審議会に比べてみてください、そうすると全く他の審議会はどういうことになっているのかということになるわけですけれども、これだけのことをたくさん報告をしてくださっても、事が思想だとか、一億国民がいれば一億教育に対していろいろな意見を持っているということであるだけに、どのような経 過でこうまとまったかということは大事なことでありまして、これだけのまとめでは足りないというふうに思うんです。全然議事録というものはおとりになっていらっしゃらないんですか。 それから、文部省としては公開はこれで十分だと、これ以上もう公開をする必要はないというようにお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
○国務大臣(海部俊樹君) 「審議経過の概要」も先生お手元にお持ちいただくように、それが「(その三)」でございます。そして部会なんかのありますときは、終わりますと記者会見を必ずしていらっしゃいます。それから、これは申し上げていいかどうか、慎まねばならぬかもしれませんが、委員の皆様方は皆筆の立つお方で、いろいろなところへ御意見や経過を御発表になっております。私どもは、そういった流れから見ますと、その「審議経過の概要」に載っていなくても、例えば個性尊重の教育方針というものがどういう議論があってどういう流れで来たのかということなんかは新聞なんかでも詳しく報道されておったことと記憶いたします。それで、もうちょっと幅広く御自由な議論をいただきませんと、答申までには整理願う問題も多かろうと思いますので、自由な御議論を保証するという意味では、私は今の程度で十分御理解がいただけるのではないだろうか、文部省としてはこう考えております。
○粕谷照美君 私はその点については不満であります。公開というからには、せめて議事録で国民の前に明らかにしていただきたいということを要望いたしておきます。 それから、会長は十日もヨーロッパにいらっしゃったんで、その間に起こったことを御存じないというふうに思うんですけれども、共通テストの問題について国民が非常に心配をしているわけなんですね。で、臨教審の考えている共通テストというのはどういうものであったのか、お教えいただきたいと思います。
○参考人(岡本道雄君) 臨教審の新しい共通テストという名前をつけておりますのですが、これは第一次答申に申しておりますように、「偏差値偏重の受験競争の弊害を是正するために、各大学はそれぞれ自由にして個性的な入学者選抜を行うよう入試改革に取り組むこと」、そういうふうに各大学がそれぞれ自由に個性のある試験をやれと、そういうことが趣旨であるということですね。それから、このテストは「良質の試験問題を確保し、それにより高等学校教育の内容を尊重し、高等学校レベルにおける生徒の着実な学習の到達度を生かすとともに、各大学での多様で個性的な選抜の実現に資することを目的とする」、こういうことはそのテストの問題でございますけれども、これが良質の問題を確保するということなんです。 入学試験の問題というのは、これは多くの大学がこれをばらばらにやりますときにどれくらい苦労をしてやっているかわからないんです。その苦労の結果がややもすると難問奇問になったわけですね。そのためにこれを国として統一的にしっかり入学試験の問題を研究しようとするのがあの入試センターのことなんですね。あそこの研究部というのが研究しておりまして、良質の問題をつくるということと、それから良質の中には高等学校の教育レベルというものもございますから、あれを無視してやりますと、そうすると高等学校教育そのものが乱されるということ、そういうことも考えますよというようなこと。そして、確実に生徒の学習の到達度を見ようというようなことで、テストの内容は高等学校を出た者の試験としてはこれがレベルですよと、そういう一つの模範を示すというような意味もございます。 そういうものでやってみようということ。しかし、これは自由に使うということで、各大学がこれを自由にお使いなさいということ。それは、それによって試験問題をつくるということで時間をとらないのであれば、その余裕を各大学が自由に工夫してやるのにいよいよ活用しなさいというようなことでございます。 それから、あわせて偏差値偏重に陥り、不本意入学の傾向を助長しておる進路指導の改善、国立大学の受験機会の複数化、良質の試験用題の再利用、マークシート方式の改善等を指摘しておるわけでございますが、現在これは文部省の入学試験改革協議会において検討中でございますが、この中にいろいろ最前申したマークシート方式の改善というようなものも指摘しておるという意味では、現在のものが理想であるとは思っておらないわけです。 こういうものも今後改善はせんならぬけれども、今申しましたような、主に試験問題としてはこういうものが標準ですということを示すことと、それから、それによってもしできた余裕があれば各大学がそれぞれ固有の試験を自由にやって多様な入学制度をつくればいいと、そういうところが趣旨でございます。それがこのたびの新しい共通テストの趣旨でございます。
○粕谷照美君 文部大臣にお伺いいたしますけれども、臨教審の考える大学入試改革案、共通テストですね、これで共通一次の弊害がなくなるというようにお考えでしょうか。またなくしていかなければ共通テストをやる意味がないわけです。私どもはこの共通一次の前段になりました進適だとかあるいは能研とか、あれにやっぱり反対してきたんです。共通一次もやっぱりこれは問題だ、学校格差をどんどんどんどん助長するものであるというふうにして反対をしてきましたけれども、これは文部省が採用をした。そして障害が起きてきた。それをなくするために今度はこういうふうにやるんだと、その今作業中だと思いますけれども、自信はいかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 岡本会長お答えいただきましたように、第一次答申で指摘されました問題点を何が何でも改革をしたいという強い熱意を持っておりますし、また文部省といたしましては、昨年の七月以来各界の代表の皆さんにお集まりをいただいて制度改革協議会を設け、七月に中間報告をいただく予定になっております。その中で我々が強く期待しておりますことは、偏差値による大学の輪切りのような状況を絶対になくするようにしていきたい。同時にマークシート方式も考えて、人間の思考力や人間性というものをはかることのできるような出題内容に変えていただきたい。特にこれらの問題に期待をしながら報告がいただけるのを待っておるところでございます。
○粕谷照美君 臨教審は、マークシート方式は改善で、それから入試センターについては設置形態や機能について検討し改革を進める。共通テストについては「利用するか否か、利用するとしてもどのような利用方法をとるかは、国公私立を通じた各大学の自主的な判断に委ねる」と、こう書いてあります。大学がとるかとらないかを決めるのでありまして、受験生が共通テストを受けるか受けないかという任意テストではないというふうに理解をしてよろしゅうございますか。
○参考人(岡本道雄君) まず自由にということにつきましては、本来私は、大学入学試験というものは大学教育の初めだと思っておるんです。ですから、大学がどういう教育をしようかというときに、それに沿って自分の独自の試験をやるということは当然だと思っておるわけです。それで、おっしゃいましたように、今生徒の自由でなしに大学の自由ということでございますけれども、この点はおっしゃいますとおり、これはそもそも大学がユニークな大学であるために、自分の教育の一環としてやるその試験も、自分のやろうとしておる教育に即したものをやるという意味の方に重点を置いております。生徒は、受ける方は、それに従って自分の将来の志望とか希望を考えて大学を選ぶという自由があるわけです。そういうふうにお考えいただきたい。 それからマークシートにつきましては、これは私は、実は御存じかと思いますが、共通一次をいろいろ考えますときにも参画いたしておりますので、マークシートの問題は当時もやはり問題になりまして、当時よりもコンピューターなんかに対してはもっとアレルギーがございまして、これは十分議論を尽くされたことなんですけれども、当時からこれには問題があると言われておるんで す。したがって、それを改善するために入試センターというものが、研究部ができましてあれを一生懸命に考えまして、マークシートを使ってコンピューターを使うけれども、人間の思考力とか判断、理解力、そういうものを試すのにはどういうことにしたらいいかと、これに専心してまいったわけです、七年間というものは。 それで、あれは特に高校の校長先生なんかに全体に聞いてもらうとわかりますけれども、その点は大変よくできておると言われておるんです。しかし、これが最前申したとおり、決して理想ではないんです。そのために今努力すべきはソフトの問題なんです。あれを使うとしても、いかにしてソフトを使えば、単にあれがプラス・マイナスというなにだけれども、人間の思考力と判断力、そういうものを試すことができるか。それは、一応現在のあのマークシートの処理の方法で、今の時点ではまずまず最高のところまでいっておるけれども、あれが決して理想ではございません。特に情報化というものがございまして、これはまだ決して最高のものでございません。あれは御承知のようにディジタルな行き方をしますね。ですけれども、アナログな行き方というものになりますと、決してああいうマル・バツだけでなしに、すべてのものを把握できるようにもなりますので、これはマークシートのあの弊害を、現在を最善のものと認めないということは我々もそう考えておりまして、これに対して将来ますますひとつあれを研究して、いいものにつくっていこうということでございます。 それで、御承知のとおり、このたびの情報化時代に備えてということでございますので、情報化については特別の委員会をつくって徹底的に勉強しておりますから、この点は世界に先駆けていいものをつくりたいというふうに思っております。 それから、センターにつきましては、実はあれができます前には、日本は各大学へ文部省がお金を出しながら入試の改善をやっておったんですが、あれが実は日本が入試について国家として本格的に研究するという初めてのものなんです。そういう意味で、私は、あれは大変期待いたしておりまして、今後どういうことになりましても、あの機関が日本の入試について本格的にしっかり研究するということを期待いたしておりますので、この点とういうふうになりましてもあそこの機能というものは立派に果たしていってもらえるというふうに期待いたしておる次第でございます。
○粕谷照美君 参考人、時間があると思いますので、ありがとうございました。
○委員長(安田隆明君) 岡本参考人、どうもありがとうございました。御退席願います。
○粕谷照美君 総理にお伺いをいたします。本当は、初めは総理にお伺いしながらやりたいと思ったんですけれども、参考人の日程の都合でこういう形になりました。 新聞報道ですから、内容はよくわからないものですから、明らかにしておかないとぐあいが悪いと思いまして、今のこの臨教審の態度と、それから衆議院において総理とそれから文部大臣との間に意見が違ったというようなことの報道が行われておりました。これは二月の十八日の朝日になるでしょうか、共通テストのあり方については私大にまで拡大する考えには賛成できない、国公立に限る、マークシート方式は抜本的に間違っていると。この辺どのような形になっておりますでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 文部大臣とは髪の毛ほども変わっておりません。今もお聞きのように、大体臨教審の答申で出てきたことで改革をすべき点を私が思い切って強く強調して言ったのです。言いかえれば、偏差値あるいは輪切り、こういうものはやめた方がいい、それからあの試験は任意である、強制的、義務的なものではない、私大まで強制的におっかぶせようというのは間違いである、大学は採用するかしないかは自由であって、あれはむしろ任意テストというべき性格のものなのである、それから試験の機会をもっと複数化すべきである、そして、むしろ東大とか京大というような大学は必要あらば後ろの方へ回った方がよろしい、そういうような大体あの枠の中であの中身をこういうふうに改革したらいいんだと。 マークシートにしても、海部文部大臣がさっき言いましたように、暗記とか反射神経を使うというやり方はいかぬ、二十題とか十五題とか、あんな多く出さないで、三題ぐらいにして、そのブランチをうんと大きくして、よく考えてどっちかという判断をする。そういうように出題数を少なくするかわりに考える時間を多くして答案を書く、そういう形にすればマークシートでも改善の余地はある、そういうふうなことを言っておるんで、全然変わっておりません。
○粕谷照美君 そうしますと、この新聞報道が間違っていた、こういうことに私は受け取らざるを得ないわけであります。 〔委員長退席、理事桧垣徳太郎君着席〕 この報道で言えば、「この名称にはどうしても共通一次の印象が残るので、任意テストにしなさいといっている。」、任意のようなものですね、名前はどうであれ。その次、「受けても受けなくてもいい、まったく任意のものなのだ」と。受けても受けなくてもいいということになれば、学生が受けてもいい受けなくてもいい、しかし任意テストをやる学校へ行きたいと思っても、あの学校を受けたいと思っても任意テストありますよ、そうでなければ入れませんよと言ったら、これは受けることができないわけでありますから、ここのところは報道が間違っていたということでよろしゅうございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 任意テストという以上は受ける方も自由であるべきなんです。ですから、例えば仮に受けたとしても、それを結果を公表するとかそういうことはやめて、受けた人が自分はこの科目について何点とっていますかとか、自分はどのランクにおりますかとか、受けた方が要請してそれに返事が来るという体のものであるべきなんです。片っ方の方で結果をばっと公表するとか大学にすぐ通知しておくとか、そういうやり方は強制という味が非常に強くなるわけです。ですから、全く任意の自由なものにこれを変えていったらいい、言いかえれば選択制というものを考えたらいい。受験生本位で物を考えるのが正しいんですよ。もう大学や試験をやる方の物の考え方でやったら間違いだと思うんです。
○粕谷照美君 それは私どもも、できればこの共通一次は廃止をする、そして各大学の個別的な試験で選ぶということを考えているものですから、今の総理のおっしゃることにある程度の理解はするわけですけれども、文部大臣、それでよろしいんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 総理大臣と私と考えておりますことや問題点はここだと思っておりますことは同じだと思います。ただ、私の政治家としての経験の足りなさかあるいはボキャブラリーの少なさによって、聞いた方に同じ言葉で表現ができなかったことを大変残念に思うんです。 偏差値教育をなぐしようということは、これはどうしてもやらなきゃならぬ大問題ですから、五教科七科目全部を受けて、いい子、悪い子、普通の子と点数で分けるようなことは絶対に避けなきゃならぬ、これは私どもの信念でありますから、大学が活用されるときに一科目だけでも二科目だけでも活用されて結構ですし、またそれに対する配点を五割で配点されるか二割で配点されるか、あるいは極端なところはこれをほんの基礎のテストとして受けるだけで、あとは大学が受験生との間で試験をやる。ですから、一次試験とか二次試験とかいう言い方よりも、今度臨教審の指摘の共通テストというものは基礎テストを行って基礎資料を得るためのものである、自由活用のものである。ですから、会長の言うように、国公私立を通じて自由に活用しなさい、強制するものではありません。 だから、私の視点から物を言うと、これは強制するのでありませんから、うんと頑張って入試センターがいい新しいテストを用意して、いいから使おうこのテストぐらいの自信を持って、さあそ れなら使ってやろうという学校が出てくることを期待しておるという制度ですから、強制ではございませんし、またマークシート方式は改革を今お約束願って研究願っておるんですから、その結果を見守ろうということでございます。
○粕谷照美君 試験を受ける側からしますと、髪の毛があるかないかぐらいの私は違いじゃないかと思うんですよ。大学がこの任意テストを採用しますよと言うのと、受験生がそのテストをやるという大学を受けるためにはどうしても受けなきやいけないわけでしょう。任意にならないわけですよ。そこのところを明確にしてください。
○国務大臣(海部俊樹君) これはあくまで岡本会長がお答えしましたように、大学が一回一発のペーパーテストで選ぶ弊害から離れて、従来の試験は一回のテストだけで分けられましたから、ですから、幅広く奥深くその人物を選抜の対象にしたいということで基礎的なテストと、それから大学が本気になって資質や個性や適性を見抜くテストと、できればその人が高校時代どんなクラブ活動をやったか、奉仕活動をやったか、どんなお人柄かということなんかも調査書でわかるようにして、さらに面接とか小論文とか、芸術学部なら実技とか、いろいろ多様なものを取り合わせて選抜してくださいということであります。 ただ、受験生の方からはこれを受けるか受けないかの自由はありませんので、受験機会の複数化とかいろいろなことで大学がどれを選択するか、どの科目をどれだけ選べるかは大学の自由ですけれども、受ける受験生の方はそれを決めた大学を決まったことを承知で受けるわけですから、これを受験生の恣意に任せることはただいまのところ考えておりません。
○粕谷照美君 総理、やはりちょっと違うんじゃないでしょうか。ちょっとぐらいじゃない、すごく違うわけです、受ける人から言えば。いかがでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私はそこのところを研究してくれと言っているんです。それは非常に大事なポイントなんです。
○粕谷照美君 文部大臣、臨教審の会長が任命され、しかも総理直属の臨教審の答申ですね。その答申の一番緊急な問題をめぐってこんなに大きな差があるということを私は思わないわけにいきませんけれども、これは今どういう形で研究されているんですか。総理が研究してくれ、こうおっしゃっているのだそうですから、それを受けて研究が始まっていると思います。
○国務大臣(海部俊樹君) 臨教審の第一次答申で既にこれの改革は御指摘をいただいておりますから、先ほどお答えしましたように、ただいま制度改革の協議会を各界の代表の方にお集まりをいただいて、七月に報告をいただくようにして、鋭意作業が続いております。 総理大臣のお考えや国会の御答弁その他のことについては、これを大切に尊重して審議を続けてくださいということはお願いをし、通告もしてございますので、そういったことも踏まえながら、また国会のいろいろな御議論もその都度私は報告をしておりますので、そういったこと等も背景に踏まえながら、七月までに報告を取りまとめていただけるもの、こう考えております。
○粕谷照美君 その作業は一体どのくらいの日程で、七月にはもう初めに出すということでありますか。 それから、今どのくらいの進捗度でありますか。内容的には何を審議していらっしゃるのですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 昨年六月に答申をいただき、七月にスタートをいたしました。そうして、国立大学の入学試験の問題を担当される先生、私立大学の入学試験を担当される先生、高等学校の校長先生あるいは学者の皆さん、マスコミ出身の皆さん、そういった方々にお集まりをいただいて、臨教審の第一次答申で指摘されました諸問題、すなわち、繰り返すようでありますが、マークシート方式の出し方を改善すること、国公私立を通じて自由に利用、活用し、基礎資料を得るようなものにすること、そして偏差値輪切り教育の弊害をなくすること、これらのことが指摘されておりますから、それらの問題を踏まえて、今いろいろな角度から御議論をいただいておると聞いておりますが、私どもが余り予断と憶測を持って介入していくこともいかがかと思いますので、こちらの考え方や国会の御議論や問題点等を御通知はいたしますけれども、一々私も会議には出席しておりませんので、七月までにはそういったことを踏まえた報告がいただける、このように待機をしておるところでございます。
○粕谷照美君 残余の質問は一般質問のときに回したいと思います。どうしても納得がいかないのがたくさんあるわけですけれども。 科学技術庁長官にお伺いをいたしますけれども、先日の報道によりますと、五月の東京サミットで二十一世紀を目指す新科学技術開発機構を設立し、各国に参加を呼びかける計画だというようなことがありました。この計画が首相の私的諮問機関の国際協調のための経済構造調整研究会の報告の中に入るということでありますけれども、それはどういうことになっておりますでしょうか。
○国務大臣(河野洋平君) サミットに関連して云々という具体的なことで私ども今作業をしているわけではございません。しかし、昨日もお答えをいたしましたけれども、科学技術庁といたしましても、科学技術会議その他の御答申、御提言等を受けまして、今、日本の科学技術というものが国際社会の中で一体いかなる位置を占めていくか、あるいはいかなる分野で役割を果たしていくかということを考えていることは事実でございます。 そこで、私どもはヒューマン・アンド・アース・サイエンス・プログラムという一つの考え方を検討をいたしているわけでございます。この考え方は、あちこちで今考えられているテーマの中で共通した部分がございます。生命科学でございますとか、あるいは人間及び地球、自然、こういった分野について日本がイニシアチブをとって研究をしていく、そしてそれを国際的なスケールで研究協力をしていってはどうか、こういったことを検討をしているということでございます。これらの課題につきましては、いろいろな、例えば通産省の工業技術院なら工業技術院でも、どういうアイデアでどういうものをやっていくかという御検討がございますが、私ども科学技術庁の考え方で今まとまりかけている考え方は今申し上げたようなことでございます。
○粕谷照美君 SDI構想に対してはフランスのミッテラン大統領が反対をした、こういうことであります。外務大臣は先ほど、各国いろいろな対応があるとおっしゃいましたけれども、それぞれの対応をちょっと教えていただけませんか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 概括的に申し上げますと、イギリスの場合は、国と国との合意といいますか、約束によりましてSDI研究に国が参加する、協力する。フランスは、SDIの研究そのものに対して消極的な姿勢を政府としては示しておりますが、民間の参加についてはこれを妨げないということであります。西ドイツにつきましては、今交渉が行われておりますが、SDIも含めたいわゆる科学技術の米独間の包括的な協定を結びたいということで交渉を進めております。イタリーにつきましては、最近、民間の参加を認めるという方向になってきた。カナダも、政府間の協力はしない、しかし民間の協力はこれを認める、こういうことでございます。
○粕谷照美君 欧州先端技術共同体構想というのが、大体十八カ国参加して準備会が持たれている、こう聞いております。研究テーマなども報告をされておりますけれども、その報告の中に査察衛星システムの開発など軍事利用にも含みを持たせているというような報道がありますけれども、その辺の実態はおつかみでしょうか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 突然の御質問で、今担当の局長が見えておりませんが、今のヨーロッパについてのこうした衛星等の協力とか、NATOの関係もありますから、それは軍事的にもある いはまた民間の面でも、協力はいろいろな面で密接に行われておる、こういうふうに思っています。
○粕谷照美君 日本でもいわゆる欧州のユーレカ計画版が行われる、科技庁で研究段階だ、こういうことでありますけれども、その辺はどこらあたりまでの研究が進んでいるんですか。
○政府委員(長柄喜一郎君) 非常に大型の基礎研究プログラムにつきましては、通産省のヒューマン・フロンティア・プログラム、科学技術庁のヒューマン・アンド・アース・サイエンス・プログラムなどが今検討されているわけでございますけれども、いずれも専門家が一年間近く検討したものでございまして、現在、河野科学技術庁長官申し上げましたように、こういうものをいろいろ取り入れまして科学技術会議の政策委員会でそのフィージビリティーその他、利点、欠点等について検討が行われている段階でございます。
○理事(桧垣徳太郎君) 与党の理事に申し上げます。 定足数は満たしておるはずでありますけれども、与党の出席不十分と思われますので、至急に出席を求めてもらいたいと思います。 つきましては、質疑は続行してお願いをいたします。
○粕谷照美君 そういたしますと、まだ研究の段階だ、こういうことでありますが、報道なんかによりますと大体円高差益のお金をこちらに回して、そして半分ぐらいのお金をこちらに取ってというような構想までできているような感じがしてならないわけですが、別にこれはサミットの議題には総理、なりませんですね。
○国務大臣(中曽根康弘君) その問題は研究自体、つまりどういうふうにこれを研究、展開していこうかということはまだ不十分でありまして、サミットの議題にまでは熟してこないであろう、そう見ております。
○粕谷照美君 次に、東チモールに関する問題を質問いたします。 外務省、一九七五年以来十年を超えるインドネシアの東チモールに対する武力介入と住民に対する人権無視の弾圧の実態がアムネスティー・インターナショナルほかいろいろなマスコミあるいは機関誌等々で出されておりますが、その実態について政府はどのように把握をしていらっしゃいますか。
○政府委員(後藤利雄君) お答えいたします。 東チモールの現状でございますけれども、インドネシアの施政のもとで同地域の治安は、若干一部まだ犯罪はあるようでございますけれども、一般的には安定している模様でございます。また学校、病院、道路などの建設はかなり最近進めておられまして、同地域住民の民生の安定は比較的に図られつつある現状であるというのが私どもの把握している実態でございます。
○粕谷照美君 外務省がどういうところからその報告を取っているかということも私は非常に疑問になるわけですけれども、現時点において旧ポルトガル領東チモールの主権はどこに帰属をしているというふうに判断をされますか。
○政府委員(後藤利雄君) ただいまの現時点の帰属につきましては、インドネシアと旧宗主国のポルトガルの間で現在話し合いが進められておるという現状でございまして、私どもはその話し合いの進展を静かに見守っているというのが現状でございます。
○粕谷照美君 静かに見守っているだけでは具体的に物が進まないと思うのですけれども、インドネシアの侵入が始まった一九七五年の第三十回国連総会において、インドネシア軍の即時撤退、事実調査団の派遣などを内容とする決議がありました。日本政府はそのとき反対をしているわけですね。賛成六十五、反対十一のその十一の中に入っておりますが、根拠は一体何でしょうか。
○政府委員(中平立君) お答えいたします。 先生御指摘のように、一九七五年の第三十回総会から一九八二年の第三十七回総会まで、毎年同じような決議案が提出されてまいったわけであります。我が国といたしましては、緊急に必要なことは同地域住民の正常な生活の復帰であるということ、それからインドネシア政府が東チモールを効果的に統治している事実に適切な配慮を払うべきということ、そういう観点のほかにやはりその決議がインドネシアのみを一方的に非難しておるという点もございまして、そういう一方的に非難するということは必ずしも問題の解決に貸さないという観点から反対投票を行ったわけでございます。 なお、一九八三年以降は関係当事者の合意により国連での審議は行われておりません。 さらに付言さしていただくならば、一九七五年たまたま日本は安全保障理事会のメンバーでございましたけれども、そのときに安全保障理事会にもこの問題は提起されたわけでございますが、我が国は安全保障理事会のメンバーといたしまして、関係当事国が国連の努力に協力するという要請をする、そういう安保理決議第三百八十四号でございますけれども、これの成立に努力した経緯がございます。
○粕谷照美君 先ほど静かに見守っているというお話がありましたけれども、静かどころの話じゃないですね。八二年までの間に八回に及ぶ毎年の決議で、日本は反対しただけじゃなくて、反対のために積極的に動いていた、それは事実でありますか。事実とすればその理由をお伺いいたします。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 東チモールにつきましては、先ほどお話を政府委員からいたしましたように、これは実効的にはインドネシアが一応支配をしておる。しかし、旧宗主国であるポルトガルが主権を要求いたしまして、今インドネシアとそれからポルトガルの間で主権の存在をめぐりまして交渉が続いておるわけでございます。したがって、日本としましてはインドネシアとの友好関係もありますし、なお両国が話し合い、交渉しておるということでございますから、この状況を我々としては静観といいますか、見守っておるというのが今日の実情であります。
○粕谷照美君 今私が質問したのは、静かに見守っているならよろしいんですよ、積極的に反対ということで動いたのは事実ではないかということをお伺いして、その理由は何か、こう聞いているわけなんです。
○政府委員(中平立君) 先ほどお答えいたしましたように、七五年から八二年までにつきましては、先ほど申し上げました理由によりまして反対したわけでございますが、その後、国連の事務総長を中心といたしまして、関係者の話し合いということに舞台が変わってまいりましたので、先ほど大臣を初めとしてお答えいたしておりますとおりに、我々としては静かにこの推移を見守っているわけでございます。
○粕谷照美君 動いた事実はない、外務大臣それをおっしゃってください。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 積極的にインドネシア側の立場に立って動いたという事実は私は聞いておりません。
○粕谷照美君 いずれそのことは明らかになると思いますから後ほどに譲りまして、もしそういうことで積極的に動いたということであれば、それは国連憲章に違反する行動であるというふうに私は思っております。それで日本がそういう動きをしたというのは、インドネシアとの関係もありますと先ほど外務大臣おっしゃったんですけれども、インドネシアとの経済的関係を重視する立場から、東チモールの自決権を無視して非人道的な抑圧を黙認しているのではないか、こういう批判がたくさんあるわけですけれども、いかが思われますか。
○国務大臣(安倍晋太郎君) 東チモールをインドネシアが実効的に支配しておるということは承知しておりますが、人権抑圧等についての事実については私はまだ承知しておりません。聞いておりません。いずれにいたしましても、せっかく二国間の交渉に入っているわけですから、この交渉を静かに見守っていくというのが日本の外交のあり 方だろう、こういうことで、先ほど申し上げましたような方針をとっておるわけであります。
○理事(桧垣徳太郎君) 速記をとめて。 〔速記中止]
○理事(桧垣徳太郎君) 速記を起こして。 重ねて、特に与党の諸君に注意を喚起します。出席率が甚だ芳しくないということは、予算委員会の審議としては好ましいことではございません。御努力中とは思いますが、至急に委員の出席を求めるように再度御注意を申し上げます。
○粕谷照美君 インドネシアの侵略が始まってから六十五万人のうちの二十万人が殺された。残った人口のうちの半分がまた飢えに苦しんでいる、こういうようなことも事実あるわけですし、 〔理事桧垣徳太郎君退席、委員長着席〕 写真もこう出ておりまして、そしてアフリカの難民だけが飢えに苦しんでいるわけじゃない、こういう報道もあるわけでありますので、日本政府といたしましては、政府の外交文書において東チモールにおける現状に触れられていないということは、どうしても私はわからないわけであります。今後実情調査をやる必要があると思いますけれども、いかがでしょう。
○政府委員(後藤利雄君) 例えば、昨年の初めに東チモール独立革命戦線、FRETILINのホルタ氏が日本に参りましていろいろな先生方にお会いになっている報道等、私もよく承知しております。それから七五年、七六年の内戦のときに、四十万人くらいの当時の住民が山岳地帯に逃れたという報道もあります。しかし、当時山岳地帯は非常に食糧が不足しておるために、結局自発的にまた山岳地帯から戻ってきたという報道もございます。現在、かなりの人権がどの程度抑圧されているかというのは、その立場によって見方によって違いましょうけれども、例えば昨年、私どものインドネシア大使館の館員が現地に参りまして視察をいたしました。それから赤十字国際委員会からもいろいろと説明を受けておりまして、いろいろな点での環境は非常によくなってきているというように私どもは承知しております。
○粕谷照美君 そうしますと、もう実情調査を行っているので必要ない、こういう判断でしょうか。外務大臣いかがでしょう。
○国務大臣(安倍晋太郎君) これは今交渉が行われておりますし、我々は平和的に交渉によって自決権が、あるいは主権がはっきりと明確にされることを期待しておりますし、日本の姿勢というのは、あくまでも平和的な解決が日本の外交の基本方針でございます。しかし同時に、人道上のいろいろの問題につきましては、日本政府としても関心を持っております。先ほど局長も申し上げましたように、政府としても大使館員等も派遣して実情等も調べておるようでございますが、今後ともこの問題につきましては関心を持って、場合によってはまた調査のための派遣等も行わなければならない、こういうふうに考えます。
○粕谷照美君 日本はこの島を三年ほど占領していたことがあるわけですね。そして、その間に人口が四万人も減った、こういう事実もあるわけでありまして、インドネシアのことにだけ注目をしないで、私は、その人権じゅうりんというんですか、これが本当であるとしたら大変だと思うんですよね。耳や鼻をそぎとられた上で殴り殺されたなどという報告があるわけですから、そのようなことが事実かどうかということを確かめる責任が私は日本にあるというふうに思いますので、事実調査を要望しまして、この点についての質問を終わります。 次に、いじめの問題について伺います。 画家のセザンヌが中学生のときに、そのクラスに文豪のエミールが入ってきた。その入ってきたエミールに対して、セザンヌの同級生はみんなが口をきかないということで、大変な疎外をしたわけですね。そのときに、クラスのみんなの申し合わせを破ってセザンヌがエミールに話しかけた。そして彼はクラスのみんなから袋たたきに遭ったわけです。その後、エミールの父親が彼と一緒に来てリンゴを贈って大変感謝をし、そこから二人の友情が始まったと、こういう話を聞きまして、もう昔からそういういじめがあったんだなと。私自身も友人たちが、路地を通るときにお金出さないと通さない、こう言ったあの人は怖かったよねというようなことが今五十年もたった後で話し合われているわけですけれども、その昔からあったいじめと今行われているいじめについてどういう差があるかという、総理のお考えをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 昔のいじめは割合にからっとしていて、そして個人的なもので、集団的、組織的ではなかったと思うんです。今のいじめは陰湿であって、割合に組織的、グループ別に行われている、そういうような点が変わっていると思います。
○粕谷照美君 文部大臣はその点についてはどのようなお考えをお持ちですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 総理大臣がおっしゃったように、昔もいじめはあったと思いますが、昔は家庭に兄弟げんかなどの適正規模という言葉がいいか悪いか知りませんけれども、切瑳琢磨したり、ぶつかり合ったり、家庭同士で人に対する思いやりとか、いろいろな秩序とかルールとか身につけたと思いますが、このごろそれがなくなって、いい悪いは別ですけれども、学校は同世代年齢が初めて顔を合わせるところであるということと、もう一つは、いろいろ心の教育といいますか、人に対する思いやりとかいうようなことをしっかりと身につけさせるというようなことが幾らか足りないのではないか。そういうようなことから、いじめに対しても思いやりとか、本当にいじめておるという自覚なくやっておる人や、あるいは学校当局でもそう深刻に受けとめておってくださらないというようなことが最近の報道なんか見るとありますので、昔とはそういう点も変わったのかな、こんな受けとめ方をしております。
○粕谷照美君 文部省はこのいじめの実態、体罰の実態を調査して発表いたしましたね。それについて新聞なんか読みますと、文部省の首脳は報告の結果について大変激怒した、こんなはずがないということなんだと思うんですけれども、その点についてはどういう判断をされておりますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 総点検をしましたのは、少しでもこのいじめをなくしていきたい。今、教育問題で一番緊急を要することで一番重要なことがいじめだと思っておりますから、あの報告を見て激怒したなんというようなことは全くないわけで、これが本当に、逆に言うならば隅々まで徹底された調査の結果だったろうかなということは私も感じましたけれども、同時にそれをもとにしてさらに末端まで徹底して、皆さんが、教育関係者すべてが我が事として受けとめてくださるようにしなければならぬなということを、私はあのとき談話としても申し上げたつもりでございます。
○粕谷照美君 過小報告の疑念があったんではないか、こういうことで文部省としては大変不満に思ったんではないか、こういうふうに考えるんですよ。 私ども、現場の先生方に伺いますと、小学校の一年生がからかわれたというのがいじめに入るのかどうなのか、報告しようがない。だから私は、文部省の調査そのものが、やっぱりああいうばらつきを出すような調査内容だったんではないか。上げてきた方に責任を負わせるのではなくて、自分自身もやっぱり反省していただきたい、こういうふうに思うんですけれども、いかがですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 全国の実態は、やっぱり上げてきていただかないといけませんし、教育委員会に御協力願い、学校に御協力願いませんと、末端のことはどうしてもわかりません。対策を立てるためには、やはり現場からその結果を聞いたりしなきゃならぬわけでありますから、あれ以外の方法というのがちょっと思いつきませんでしたので、現場に直接お願いをして上げていただいた、こういうことであります。
○粕谷照美君 その内容が問題だし、調査の方法がやはり科学的でなければだめだということを私は言っているのであります。 私もいろいろなことの報道を聞きますと、元教師として本当に胸の痛む思いがするわけです。そして、本当に我が仲間がこんなことをしたかと思うととても大変な、いたたまれないような気がするわけですけれども、そういうことに対して各省庁それぞれ努力をしていらっしゃると思いますけれども、特に関係のある省庁、御報告をいただけますか。
○国務大臣(江崎真澄君) 総務庁は青少年対策本部がありますので、私からお答え申し上げます。 これらの問題についてはもう既に総理、それから文部大臣からも十分答弁がありましたとおりでございまして、このいじめの問題については重大な関心を払って、今後ともこれをどう根絶していくべきか等々についてよく配慮をしてまいりたい、こう思っております。
○粕谷照美君 総理にお伺いをいたしますけれども、臨教審も指摘しているんですけれども、学校も責任がある、教師も責任がある。しかし、家庭教育が非常に大事なんだということを言っているわけですけれども、総理、この家庭教育力が落ちたということについてどのようなお考え方をお持ちですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 家庭教育が落ちたといいますと……。
○粕谷照美君 家庭の教育力が落ちた。
○国務大臣(中曽根康弘君) それは確かに前よりは落ちてきていると思います。それは夫婦共稼ぎが多くなったり、パートでお母さんが出ていったり、前はいわゆるかぎっ子というようなことが言われておりました。そういうような現象から、いわゆる核家族化という面も非常に大きく響いているのではないかと思います。
○粕谷照美君 共稼ぎが多くなって核家族化になっていったら大変だ、こういうふうにおっしゃったんですけれども、これから二十一世紀はそういう家庭がふえてくるわけですね。そうすると、ますます非行がたくさんになってくる、いじめがたくさんになってくる、こういうことでは困ると思うんです。共稼ぎしていらっしゃる、いらっしゃらないにはかかわらず、私は、子供をどのように教育していくかという親の物の考え方だというふうに思っているわけでありますが、しかし、それにしても親ばかり責めていられないわけで、いろいろと対策を講じなければならない。家庭の教育力がちゃんと高まるような対策をとらなければならないというふうに思っております。 労働大臣いかがですか。お父さんがなかなか早く帰ってこない、三六協定天井知らずでいつまでもいつまでも残業をやる、残業をやらなければ食べていかれない、こういうことについてどのようにお考えになっていますか。
○国務大臣(林ゆう君) 労働時間の短縮という問題につながってこようかと思いますけれども、労働時間が短くなるということは家庭での家族の触れ合いの時間が長くなる、あるいはまた家庭生活の充実が図れるというような観点からいたしますと、大変必要なことであろうかと思います。そしてまた、昨年は国会におきまして五月四日が休日法制化されました。これもまた家庭生活を長くする、あるいはまた家族の触れ合いを長くするための一つの方案というふうに私も承知をいたしております。 今後この労働時間の短縮につきましては、昨年制定されました「労働時間短縮の展望と指針」、これに基づきまして週休二日制の普及を基本といたしまして年次有給休暇の消化促進、あるいはまた連続休暇の定着、そしてまた所定外労働時間の短縮などを重点にいたしまして、社会的、国民的合意の形成及び労使の自主的努力に対する援助を推進してまいりたいと思っております。また、今後の労働時間の法制ということにつきましても、労働省といたしましては、労働基準法研究会の報告が出されましたので、この報告を受けて、今後中央労働基準審議会における審議を踏まえまして検討をしているところでございます。
○粕谷照美君 いじめが原因で登校拒否などになる、そういう子供たちを預かってとにかく治療しようという努力が行われておりますけれども、厚生省いかがですか。
○国務大臣(今井勇君) お説のように学校などにおきますいじめの問題は、私ども児童の健全な育成という観点から見過ごすことのできない問題でございますから、厚生省としましては、今のところ児童相談所あるいは家庭児童相談室というのがございますが、そういうところにおきます電話の相談を受けておる、また児童の福祉施設の職員がたくさんおりますが、専門的な知識を生かしまして、そういう職員が研修の講師としてあちこちに活動いたしております。また私どもには母親クラブという、いわゆる児童の健全育成の組織がございますので、そういう母親クラブなどのお母さん方が、家庭とか学校と連携をしながらこの問題に取り組んでおりまして、これは非常に大事なことでございますので、私どもも積極的に取り組むように指導をしておるところでございます。
○粕谷照美君 厚生省の情緒障害児への宿泊治療というのが行われているわけですけれども、それについてはいかがですか。
○政府委員(坂本龍彦君) 情緒障害児短期治療施設についてのお尋ねでございますが、この施設は、軽度の情緒障害を有するおおむね十二歳未満の児童を短期間収容する、あるいは保護者のもとから通わせて情緒障害を治すことを目的とする施設でございます。したがいまして、必ずしもいじめに基づく登校拒否とかいろんな問題に限らず、いろいろな原因によって情緒障害になった場合に対応する施設でございます。そういうことで、もちろんいじめの場合にも関連はございますけれども、実際には、児童相談所に相談があった場合に専門の判定員がどういう措置をするのが適当かということを判断いたしまして、こういう施設に入所させる場合もございますし、あるいは家庭でなお様子を見るとか、その他の措置をとると、いろいろ実態に即した対策をとるようにいたしておるわけでございます。
○粕谷照美君 日本のそういう子供たちに対する対策というのは、どうもよそから見ますと非常に監視的ではないか。すぐそういう子がいると戸塚ヨットスクールに入れよう、精神病院に入れよう、こういうことが行われているということに対しての私の質問は後日に譲るといたしまして、子供たちの自殺の推移を警察庁から数字をいただきました。小学生が五十五年十二人、五十六年十三人、五十七年十二人、五十八年十人、五十九年十人、大体十二、三人ということになっていますね。中学生が五十五年七十三人、五十六年八十八人、五十七年八十一人、五十八年が多くて百二人、そして五十九年で七十九人とぐっと落ちているわけで、この数字ができるだけ小さいということを望みながら、こういうようないじめに対して文部省としては、一体どのような対策をとったならば子供たちのいじめの状況を早く教師が見つけることができるか、地域の人たちが見つけることができるかということについてお考えになっていらっしゃいますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 報道によりますと、教師や親に自分の悩みや自分の立場を訴えた、そういったときにやはり手を差し伸べて励ましてもらったり、救いの言葉をかけてもらったりすることが児童生徒の今御指摘の悲しいいじめによる自殺をなくするためには一番やらなければならない、大人の、取り巻いておる周辺の関係者の責任ではないかと私どもは思うのです。 ですから、御家庭のお父さん、お母さんは人生最初の教師ですから、これは寝起きをともにされるわけですから当然おわかりいただけると思うけれども、いじめが起こったり、いじめによっていろいろ子供の心が傷ついていくという現場が学校であるならば、どうか先生方は少なくとも見て見ぬふりなんかはなさらないように、同時にこんなささいなことはいじめではないだろうと、自分の育ったころの大人の物差しで当てはめないで、やっぱり親切に一歩前進してどうかしたの、何かあったのというような言葉をかけていただくとか、要するに人間同士の間でみずみずしい心の通い合 いさえあればそういったことはまず防ぐことができる、これは当面の緊急処置であります。背後にある中長期の問題はいろいろありますけれども、当面に絞りますとそのようなことだと考えております。
○粕谷照美君 そのことも私は大事だと思いますけれども、教育条件の整備を緊急にやっていただくということが大事なんだと思うんです。 その教育条件の整備をするということになりますと、すぐひっかかってくるものが教育予算、この予算について大蔵大臣、教育についてはどのように考えていらっしゃいますか、臨調と教育。
○国務大臣(竹下登君) 教育予算につきましては、これは基本的には文部大臣がお答えになった方が正確であろうと思っておりますが、私は一方、臨調答申とかそういうものもございますが、その限られた財源の中で可能な限り、教育担当の文部省と密度の高い協議を行いながら対処しておるつもりであります。
○粕谷照美君 文部省のやりました教育費調査ですね、これは一般質問で私はやりたいと思っておりますけれども、本当に普通の家庭ではもう悲鳴を上げているというふうに思うんですよ。そういう中でぜひ教育減税をやってもらいたい、こういう声が上がっております。この教育減税については大蔵大臣どのようにお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) 昨年、本委員会におきましても議論がありましたが、去年の場合は教育減税、それから寝たきり老人対策の減税、それからいま一つは単身赴任減税と、こういうことでありました。寝たきり老人対策については税法上の措置でこれに対応いたしました。それから単身赴任の問題につきましては、通達をもってこれの実効を上げることにいたしました。それから教育減税の点につきましては、結局いろいろ議論をいたしますと、いわゆる一般的な、観念的な教育減税というのを税法の中へどう当てはめていくか。例えば義務教育だけで働いて既に税金を納めていらっしゃる方とのバランスの問題、あるいは課税最低限に達しない方々の子弟との関係というようなことから、やはり助成政策でこれは取り上げるべきであろうということから、私学予算、なかんずくこれが連動いたしまして、いわゆる地方自治体との調和した政策の中でこれに一応の対応をした。 なお、先日また与野党幹事長・書記長会談におきまして、さらにこの問題と住宅、パートを含めて実務者会議をお開きになってこれが結論を出すように努力なさると、現在はその御推移に対しましてプロ中のプロがお集まりになって御検討に相なるわけでありますから、我々としても積極的に資料提供にいたしましてもあらゆる協力をしなければならぬ。 ただ一番やっぱり問題は、先ほど二つの点を申し述べましたが、観念的な教育減税と助成政策の果たすべきものを税制体系の中にどう位置づけるかということを専門家の方とも終始議論をいたしておりますが、難しい問題がそこに幾らか存在しておるということは、税法上の立場からは一応は申し上げておくべきであろうと思います。
○粕谷照美君 総理、この教育減税についていかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 政策減税として与野党でもいろいろ話し合われたところであり、今後各党間の話し合いをよく注目していきたいと思います。
○粕谷照美君 婦人問題に関してお伺いいたします。 国連婦人の十年の間に、男女平等に向けて我が国においてはどのような進展があったかということについてお伺いをいたします。と申しますのは、ナイロビでの中曽根総理大臣のメッセージの中に「世界的にも又我が国においても歴史の中でかつてない程、婦人問題に対する関心が高まり、男女平等に向けて数多くの進展がみられました。」と、こうありますので、政府がどのように把握をしていらっしゃるかということについて御報告ください。
○国務大臣(後藤田正晴君) 国連婦人の十年の成果は、世界各国また我が国においても相当な見るべき結果が上がっておる、こう考えておるわけでございます。 御質問の点は、まず一つは基本的には女子差別撤廃条約の批准、二番目が民法及び国籍法の改正、男女雇用機会均等法の制定など法制上の婦人の地位の向上、三番目が男女平等を基本とするあらゆる分野への婦人の参加、四番目が母性の尊重と健康の擁護、五番目が老後等における生活の安定の確保、六番目が国際協力の推進、こういった各分野で相当な成果が上がっておる、こう思いますが、昨年ナイロビの会議等もあり、また国連でも二十世紀いっぱいさらに婦人の地位向上のための各国での施策の推進を図っていこう、こういうことをお決めになったようですから、政府としましても婦人の十年で設けました対策本部というものの性格をさらに今後一層推進するという意味合いから、つい先般改組をいたしまして、まだこれからなすべきことはたくさんあると思いまするので、それらに向かって全力を挙げてまいりたい、かように考えております。
○粕谷照美君 最初の目的にありました各種審議会にぜひ女性をという、その辺の進展ぐあいは目標どおりに今一〇%程度になったかどうかということも含め、また法律の改正があるんで、随分法務省頑張っていただいたんですけれども、例えばアメリカの男性と結婚した人が離婚をしようとする場合には夫の本国法でと、こう決めているわけで、妻のところではだめなんですね。この辺のところにも明らかに男女差別がありますので、法的にも直していかなきゃならない部分がある。特に私が申し上げたいのは、あらゆる差別をなくしようというあの男女差別撤廃条約の精神にのっとらない部分がまだたくさんある。先ほども御質問がありましたように、機会均等法にしてもそうです。大変不満なんです。そういうことについても、今官房長官おっしゃったように十分な討議をしていただけるかどうか、お伺いします。
○国務大臣(後藤田正晴君) 各種審議会その他への婦人の参加の問題ですが、六十年の六月一日現在で五・五%になっておりますが、昭和五十年は二・四%でございますから二倍以上になっておるわけでございます。 それからまた、今いろんな法律面でもまだ残っておる面があると、こういう御指摘でございますが、これは先ほど私がお答えしましたように、国連十年の決議で相当な改善措置はとられたことは事実ですけれども、これで終わっているわけでありませんので、御質問のような点も対策本部としては今後検討しながら、必要な改正を要する点があれば、こういう点についてはさらに一層力を入れていきたいと、こう考えております。
○粕谷照美君 今の御答弁でわかりましたから結構です。 もう一つあるんですね。教育課程において男女差別があるということでこの批准ができませんよと外務省は文部省に言った。文部省はまだ直さないんですけれども、一応の姿勢を見せたということでこの条約は批准ができた。今後いつまでも文部省が直さないということになったらどういうことになるんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の問題は、高等学校の家庭科の問題だと思いますが、その問題につきましては御審議を願いまして、それが条約批准の妨げになってはいけないというのでその答申をいただき、男女両方が家庭科を含む問題を共通の、あれは何といいましたか、選択必修という名前にしたと思いますが、男女とも同じ立場で選択必修という対応ができるようにいたしまして、そしてただいま教育課程審議会が行われておりますから、そこにそれでいかがかとお願いをし、答申を待っておるところでありますが、同じ立場で文部省としては対応をしたつもりでございます。
○粕谷照美君 高等学校だけではなくて、やっぱり中学校も相互乗り入れでできたというけれども、これはイコールでないんですね、同一ではないわけですから、その辺のところも十分に御注意いただきたいと思います。 そして、最後に総理にお伺いしたいのは、先ほどのナイロビの世界会議に対する総理大臣のメッセージ、大変いい言葉だなと思った。私ども中国とまだ国交回復になる前にしょっちゅう交流をしていたときに、もうさんざん向こうの女性に言われた言葉を総理がお使いになっているわけです。「天の半分は女性が支えております。その女性の地位を高め、より良き社会を築きあげていくための」云々と、こうされまして、「女性の参加なくして二十一世紀の未来を語ることはできないのであります。」非常に感動しますけれども、この女性問題に対する総理のお考えをお伺いします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本も戦後四十年たちまして民主主義が着実に前進をしておりまして、その民主主義の一つの原点である両性の平等、機会均等という面にいよいよ前進してきたと思います。この条約や法律の制定を機会にさらにこれを着実に物にしていくように、各方面に拡充していくように努力していきたいと思います。
○粕谷照美君 天の半分を支えるということについて、もう少し詳しく御説明をいただきたい。
○委員長(安田隆明君) 粕谷君、時間が参りました。
○国務大臣(中曽根康弘君) 天の半分を支えると毛沢東は言っておりましたが、しかし選挙の場合なんか見ると女の有権者の方が多いし、女の方の方がまじめに投票所へ行くようで、まあ男も負けないとは思いますが、どうも傾向からすると、特に上州あたりはそういう傾向がございまして、半分以上支えているんではないかと、そう考えることが時々ございます。 まあしかし、このように女性の力が発揮されてきまして、社会的にもあるいは教育的にもあるいは政治的にも大きくその発言が効果的に響いてきているということは非常に頼もしく存ずるところでございます。
○委員長(安田隆明君) 粕谷君、時間が参りました。
○粕谷照美君 平等・発展・平和というのがスローガンでありますので、本当にそのスローガンが実効できますように、総理としても実現のために努力をしていただきたいということを要望して私の質問を終わります。(拍手)
○委員長(安田隆明君) 以上で粕谷照美君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○委員長(安田隆明君) 次に、安武洋子君の質疑を行います。安武君。
○安武洋子君 私は、日本共産党を代表いたしまして、暮らしと平和、そして教育、国鉄の問題などについて質問をさせていただきます。 まず、福祉の問題につきまして総理にお伺いをいたしますけれども、総理は社会保障とか福祉、これは憲法二十五条でうたわれておりますけれども、国の責任というものについてどのように一体お考えになっていらっしゃいますでしょうか、お伺いをいたします。
○国務大臣(中曽根康弘君) 最低で文化的な生活を我々が保障するように懸命な努力をしなければならない、そういうように考えております。特に社会保障、社会福祉の問題については政府としてはきめ細かい政策を重点的に実行もしてまいりましたが、今後も実行してまいりたいと思っております。
○安武洋子君 総理にお伺いいたしますけれども、群馬県の吾妻町に長寿園という国立の療養所がございますけれども、総理のおひざ元でございますね。総理は御存じでございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大分前、まだ若いころ行ったことがあります。
○安武洋子君 厚生省にお伺いいたしますけれども、この長寿園の入院患者さんの数、それからその方たちの平均の年齢、そして地元の吾妻郡の方はその中で何名、何%なのかお答えください。
○政府委員(木戸脩君) お答えを申し上げます。 長寿園は本年三月末日をもって廃止することでございますが、三月十日現在の長寿園の入院患者数は六十四名でございます。平均年齢は七十五歳でございます。地元吾妻町を初め吾妻郡の入院患者の割合は八三%、五十三名、こういうことでございます。
○安武洋子君 今、三月いっぱいで廃止だと、このようにおっしゃいましたけれども、入院なさっている方もまた地元の方も大変強く反対をされております。それは御承知でございましょう。それでもなお廃止をすると、こういうふうなことでございますか。
○政府委員(木戸脩君) 長寿園は、昭和十四年に群馬県立の結核療養所としてできた施設で非常に老朽化しております。それから今後の国立病院・療養所のあり方というものを考えた場合、どうしても立地条件が悪いものでございますから、やはり将来とも国立医療機関として残すのが難しいと、こういう判断でございます。 ただ、私どもとしましては、患者さんのこと、それから患者さんにも現に入院しておられる方、あるいは今の園長が大変人格者で毎日十五人から二十人外来で来ておられる方がございます。したがいまして、私どもはこの計画を公表いたしましてから、一昨年の十一月以来、地元吾妻町それから県ともよく相談をいたしまして、地元に町立の診療所を建てる。それから入院患者は主には西群馬病院へ移っていただくわけでございますが、一部には、もう介護が主だ、それからどうしても地元を離れたくないという方々のために特別養護老人ホームを町立でつくっていただく。こういうことをいたしまして、昨年の九月にこの診療所それから特別養護老人ホームについての補助金の予算を町議会で受け入れをしていただき、さらに一月後には県議会でもこの二つの施設に対する県の補助を受け入れていただく。こういうことで、私どもとしては入院患者あるいは外来患者のためにいわゆる後医療のためにできるだけのことはしたつもりでございます。
○安武洋子君 だれもそんなことを聞いておりません。地元が強く反対をしている、入院患者の方も反対をしている、それでも強行されるのかということを聞いております。大臣お答えください。
○国務大臣(今井勇君) 長寿園の現状につきましては、今政府委員が御答弁を申し上げたとおりでございますが、私どもは、この長寿園というのは小規模な施設でありますし立地条件にも恵まれていないということから、国立医療機関として存続整備を図ることは適当ではないと考えておるものでございます。 そこで、長寿園を廃止した場合に一体後医療はどうするのかというようなことで御心配もありましたので、療養所をつくりましたり、あるいは入院患者の受け入れ先であります西群馬病院の病棟の整備などを急がしておりましたが、めどがつきましたので、六十年度予算の執行に当たるぎりぎりの線でございます本年の三月三十一日をもって廃止することにしたもので、この方針を変更する考えはございません。しかしながら、統合に当たりましては、先ほど申し上げたとおり、患者あるいは患者家族等と十分話し合いまして原則として西群馬病院に移っていただくことを考えております。 なおまた、患者の移送に当たりましては患者及び家族と話し合いまして、患者の病状等を十分に配慮して、不安を与えないように十分な配慮をしてまいりたいと考えております。
○安武洋子君 入っている人がそこのところをかわりたくないと反対しているわけなんですよ。それでもなお、反対しているのに強行されるのかということを聞いているわけです。
○国務大臣(今井勇君) 先ほどから申し上げましたように、この廃止につきましてはいろいろ考えた結果でございまして、やはり本年三月三十一日をもって廃止することにいたしまして、この方針を変更するつもりはございません。
○安武洋子君 では総理にお伺いをいたします。 総理は、総理になられまして初めていわゆるお国入りをなさっておりますけれども、そのときに長寿園につきまして歓迎集会の席上で陳情を受けられたと思うんです。どういう内容で、どういう 御答弁をされたと御記憶でございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) どさくさの際でありますから、私が国へ帰ったときは大勢の人にお会いしたものですからよく記憶に残っておりませんが、恐らくよく検討してみましょうと、そういうふうに申し上げたんではないかと思います。
○安武洋子君 何と無責任なことでしょう。政治家たる者が、総理たる者が、これはちゃんと撮られた方がありますのでビデオで残っておりますけれども、長寿園を整備拡充してくださいと、こういう陳情書を受けられまして、それを高く片手にかざされまして皆さんの御要望にこたえます、はっきりそうおっしゃっている。こういう陳情を受けられて、なさることは全く逆じゃありませんか。いかがなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いや、私は恐らくよく検討してみますと申し上げたような記憶があるんです。
○安武洋子君 全くむごいことをおっしゃる。検討して廃止をする。拡充をしてくれと言っているんです。整備をしてくれと言っているんです。その全く反対の結論をお出しになる。 長寿園に入院なさっていらっしゃるお年寄りというのは、朝、目が覚めるとお日様と長寿園がある、それが本当にありがたいことだ、こう言っておられる長寿園をあなたはお年寄りから奪うんですか。長年暮らしてこられたお年寄りというのは、そこのふるさとから切り離されるということがどれだけ不安なのか。しかも廃止だ、こんなむごいことを言われる。病状を悪化させることじゃありませんか。そういうお年寄りに冷たい姿勢について、一体総理はどうお考えなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 長寿園は五十年前につくられた結核療養所でもう古くなっていて、ちょっと近代性がないんですね。それで吾妻町の坂上という山の中の奥山の中にあるんです。そういうような場所にありますから、今のようなこういう時代にもなり、また厚生省といたしましても、よりよき医療を受けられるようにした方がいいではないかと、そういう奥山の中にあるよりも。そういう意味で西群馬病院にお移り願うようにしたい、そのかわり、地元の方が二十人も外来で来ているというところですから、そこで診療所もつくるし、それから特別養護老人ホームもつくって、そういう老人はそちらにも地元の方を収容しましょうと。そういう受け入れ施設まで十分つくって、厚生省としてはかなり親身になっていろいろ手配をして実はやっておるわけです。これを診療所もつくらず、あるいは特別養護老人ホームもつくらないというのでは無責任だと思われるかもしれませんが、この財政の苦しい中でそういうことまでやっているんですから、ですからその辺はぜひ御協力願いたいと、私はお願いを申し上げたいと思うのでございます。
○安武洋子君 そのお金で長寿園を整備拡充すべきなんです。地元の方も言っておられますよ。今五十年前と言われましたけれども、そのときには結核が亡国病だと、こういうことで受け入れ手がない。それをちゃんと協力して受け入れて、そして今まで守ってきた。まさにそういう地域だからこそその人たちの命の綱ですよ、長寿園が。それを冷酷にもあなたは奪っていかれる。住民の要求と反対のことをなさる。私はそのことに強く抗議をしたいんです。冷たい政治です。 そして、この長寿園を突破口にしてどんなことをなさろうとしているか。これは全国三分の一、これに当たる国立病院・療養所、こういうところを整理統合というふうなことで統廃合、それから経営の移譲と、こんなことを打ち出しておられるわけです。私も、対象になっております地元の病院、こういうところで話を聞いてきましたけれども、兵庫では加古川、篠山、こういう病院、これと、岩屋に分院がありますけれども、ここを移譲する、それから明石、神戸、この両病院を統合する、こういうことなんです。 例えば、例を挙げますと、岩屋分院というのはこれは淡路島にあるわけなんです。淡路島というところは、兵庫県下で見ますと一番結核の発病率も高いし死亡率も高いわけなんです。そしてこういう計画がもし強行されるということでありますと、そこにあります結核病床の方たちが、海を渡ってはるか三田とかあるいは青野原とか、こういうところに移されてしまう、こういうことになるわけですね。第二、第三の長寿園が生まれるわけですよ。全国の九割の自治体が反対だと、こういうむごい計画、第二、第三の長寿園を生むような計画に対して反対だと、こう言っている声、これは私は厚生大臣のところにも届いているであろうと、こう思います。 厚生大臣にお答えいただきたいんですけれども、九割に及ぶ圧倒的な地方自治体が反対をしている、この声を一体どう受けとめられているのか。私は、国立病院の統廃合など絶対やるべきでない、こう思いますが、御答弁をお願いいたします。
○国務大臣(今井勇君) 御案内だと思いますが、国立病院あるいは療養所というものの再編成でございますが、これは行政改革の一環といたしまして、こういったものが国立の医療機関にふさわしいような指導的な役割を果たせるように、その質的な強化を図りたいということを目的とするものでございまして、再編成というのは私は避けては通れない道だと考えておるものでございます。
○安武洋子君 どうして地域医療から国が撤退をしていくことがそういう今おっしゃったような理由につながるんでしょうか。私は、国としては地域医療に責任を持ち、そこを拡充強化をしていく、これが、国が国民の命を保障する、命を守るということで何よりも優先的に考えなければいけない問題でないか、こう思いますけれども、それはいかがですか。大臣にお伺いしています。
○政府委員(木戸脩君) 昨年の十二月に医療法が改正をされまして、今後医療計画というのをつくっていくわけでございます。 医療にはいろんなレベルの医療があるのは先生御存じのところだと思います。一次医療というのは開業医を中心としたプライマリーケア。二次医療、つまり基本的な医療圏におきましては一般的な疾病の入院まで。そして三次というレベルで、まさにこれから国立病院あるいは県立病院が受け持とうとしている高度あるいは専門の医療、こういうものになっているわけであります。国立病院は現在でも二百四十しかないわけでございます。基本的な医療圏というのは、こういう市町村圏を中心といたしまして四百ぐらいあるわけでございます。国立病院は国民の税金でやっているわけでございますから、できるだけ国民に平等に、均等にサービスが受けられるようにするということが重要でございまして、やはり量の問題を国立病院でやるのは無理でございます。そういう面からいたしまして、私どもは三次医療圏の医療を受け持つと、こういうふうに考えているわけでございまして、決して地域医療から撤退をする、こういうことではございません。
○安武洋子君 なぜ量の点を受け持つのが無理なんですか。今あるのを整備拡充する、そして国立病院をもっとふやす、そうすれば量にも対応できる、高度医療もできる、こういうことになるんじゃありませんか。大臣に答えていただきたいんです。
○国務大臣(今井勇君) たびたび同じことをお答えするわけでありますけれども、行政改革の一環として人間もふやせない、医者も充足できない、あるいは看護婦さんその他の従事者もふやせない、その中でやれよとおっしゃるわけでございますから、どうしてもやはり全体をレベルアップするというのはなかなか難しいと私は思うんです。 そこで、やはり国は国にふさわしい指導的な役割を果たせるようにその質的強化を図ることを目的として再編成をしようと思うわけです。しかし、おっしゃるように、確かにこの再編成というのは大きな問題でございます。地方関係団体、地元の関係者の御理解と協力がなければなかなか計画どおりの円滑な実施はできないと考えておりますから、この再編成の実施に当たりましては、私も繰り返し申しておりますけれども、地元の関係 者と十分に協議をいたしまして円滑な実施を図ってまいりたい、このように思っているものでございます。
○安武洋子君 人間をふやせない。看護婦さん、お医者さんなんかふやせばいいじゃないですか。国家公務員全部でこれは約五十万ですよ。そして自衛官なんというのが二十七万。人なんてやっぱりいるんですよ。そして、だれがお医者さんに出すお金、看護婦さんに出すお金がむだだと思うでしょうか。やっぱり国としては医療を充実してほしいと、こう思う。そして地域でそういう役割を果たしてきている。だからそれを整備拡充して、地域で果たしてきた役割、それをもっと果たしていく、私はそれが国の責務だと、こう思いますが、大臣いかがなんですか。
○国務大臣(今井勇君) 確かにおっしゃることも一理でございますけれども、国家公務員というのはどんどんふやせばいいじゃないかとおっしゃいますけれども、なかなかそうはいかないんです。私どもは減らせといってきつく言われますし、やっぱりその中でやらなきゃならぬのです。しかも、また一方、病院のことを考えますと、だんだん民間の病院も立派になってまいりました。あるいは町立、市立の病院も立派になってまいりました。そういうことを考えますと、これからの国立医療機関というのは、何遍も申しますが、やっぱり指導的な役割を果たせるようにその質的な強化を図る、そういうことで再編成をしなきゃいかぬだろう、私はそういうふうに思っております。その一環として今回のものをやっているわけでございます。
○安武洋子君 私の言ったことはやっぱり一理ございますでしょう。だから、そうはいかぬことはないんですよ。人をふやすことはできるんですよ。政府でしょう、政治でしょう。だから人をふやすという方針をお立てになって、そこに予算をつぎ込まれればいいわけですからね。そうやったら初めて国としての指導的な役割というのが十分果たせるわけですよ。国立病院を統廃合するというのにだれが賛成していますか。だれがそんなことを希望しておりますか。だれもしていないわけでしょう。だから国が地域医療から撤退するというのは間違いですよ、むしろ拡充するのがこれは国本来の筋なんですよ。そこを踏み違えられるからこんなおかしなことになる。だから、国立病院の統廃合なんてだれも望んでいない。地方自治体の九割も反対している。総理、やっぱりこの計画は命を大切にするなら撤回すべきである、そう思われませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今、厚生大臣が申し上げましたように、ともかく病院の近代化とか、医療技術の進歩とか、町立病院や県立病院が非常によくなってきている、こういうことから、国立病院は古い歴史を持っておりますが、建物も古いのも多うございますし、また、僻地にあるものは特に古いものになってきておるわけです。よりよき医療へ、そしてより合理化されたものに、そういうものに持っていくためにはある程度集約して、いい機械も入れお医者さんも充実して、そしてよき最近の新しい近代医学の恩典に浴するように、やはり充実したものに改革していく必要があると思うんです。それには今までのようなあり方だけではとてもいけない、この機会にそういう大学病院やその他に負けないようないいものに持っていくために集約しよう、そういう考えておりますので、一時は御不便かもしれませんが、少し時間をかけてみれば、ああその方がいい医療が受けられる、いい機械で診てもらえる、そういうふうになっていくんではないかと思っておるのであります。
○安武洋子君 総理のおっしゃったことはみんな今の国立病院を統廃合しなくたってできることなんですよ。できない。それは要は、そういうところの予算を出し惜しみなさるからということで、まことに国民の命を守ろうということにはいかに冷たいかということが如実にあらわれているわけです。私は撤回すべきだということを強く申し上げます。長寿園の計画ももちろん撤回すべきなんです。 私は、いかに総理が、先ほど言われましたけれども、一番最初に社会保障とか国民の命を守る、こういうことに冷淡、こういうことはそれは予算にはっきりあらわれておりますよ。これは総理になられて四回目の予算ですけれども、防衛費というのは三〇%近くも伸ばしているわけです。そして一方、社会保障費、これは給付を受ける人がふえますから当然ふえると、この分まで削減をしているわけですよ。総理いろいろとおっしゃいましたけれども、しかしこういう結果というのは、国の負担は減らすんだと、そしてそれはみんな国民におっかぶせる、お年寄りとか自治体とか、そういうところにおっかぶせていくんだ、こういう福祉切り捨てなんです。私は、この第二ラウンドが始まろうとしているというふうに思います。その大改悪の手始めというのがまたまた弱い立場のお年寄りをいじめる、こういうことじゃありませんか。これが老人保健法の改悪なんですよ。 三年前に、それまで無料だったお年寄りの医療費、これを有料にされたんです。そして今度また、今国会でお年寄りの負担をふやす、こういう計画なんでしょう。外来とか入院、私お伺いしますけれども、一体患者の負担をどのように変えようとしているのか。これは、外来、入院で答えてください。それから、一体これによって患者の負担、これのふえる総額というのは幾らになるのか、この二点についてお答えをいただきます。
○政府委員(黒木武弘君) お答えをいたします。 老人医療費につきましては、もう総額で四兆円を超えます巨額になっておるわけでございますが、そのうち八百三十万人の老人が一部負担として負担しております額は約六百億でございまして、医療費の一・六%と、ごくわずかなパーセンテージになっているものと考えております。その残りのほとんどのものは、現役世代の保険料あるいは税負担で賄われているのが実情でございます。これから急速な高齢化が進んでまいるわけでございますが、どうしても老人医療の増加は避けられないということで、私どもとしては老人も若い世代も力を合わせて公平に負担していくという観点が必要だということで、今回の改正をお願いしているものでございます。 お尋ねの改正の内容でございますけれども、本年の六月から、入院につきましては二カ月の限度を撤廃いたしますとともに、一日三百円を五百円に改定すること、外来につきましては一月四百円を千円に改定することといたしております。これによりまして、お尋ねの一部負担総額でございますが、六十一年度で九百六十五億円の増加と見込まれておるわけでございまして、引き上げ後におきましても、一部負担の総額は老人医療費の三・七%にとどまるというふうに考えておるところでございます。
○安武洋子君 外来で二・五倍、それから長期に入院しますと、一年で見ますとこれは一万八千円から十八万円、十倍です。お年寄りの場合というのは、初診料でもたった一つの科目というわけにはいかないわけですね。内科とか眼科とかあるいは歯科とかと、三つ行けば三千円というふうになるわけなんですね。 厚生大臣に伺います。全国の老人クラブから要望とか決議書、これが来ていると思いますけれども、その趣旨を述べてください。今回の改悪についてどう言っておられるか。厚生大臣と言ったんですよ。大臣に言ったんですよ。
○政府委員(黒木武弘君) 事実関係でございますから、私の方からまずお答えをいたします。 御指摘のとおり、全国老人クラブ連合会から本年二月に要望書が提出されております。その要旨につきましては、老人の所得の状況や公的年金の状況から見て、今回の一部負担の引き上げ幅が大き過ぎること、また、老人の受診の状況や付き添い・お世話料などの保険外負担があることなどから見て負担増には無理があるので、今回の改正には反対であるという要望でございます。
○安武洋子君 ここに老人クラブの決議がありますけれども、全国で八百万以上の会員を持つ老 人クラブの大会の名前で、前回は反対しなかった、自分たちの負担がかかるのに、いろいろあったんでしょうけれども、反対しなかったというお年寄りが二度も反対の決議をされているわけです、こういうふうにね。負担に耐えがたい、こういうふうに言われているわけですけれども、総理は、こういう全国の老人が老人保健法の改悪を撤回してほしいと望んでおられることについて、その声にどうこたえるのか、この場で全国の老人に答えてください。総理と言っている、総理。
○国務大臣(今井勇君) 老人クラブの御要望というのは私もよく承知いたしておりますが、高齢化の社会を迎えまして老人医療費の増加は避けられないところでございます。 そこで、老人保健制度を長期的に安定させようというからには、やっぱり老人医療費を国民が公平に支え合っていただくということが、私は極めて大事なことだと思っております。そこで、現在の一部負担というのは老人医療費の一・六%でございまして、老人医療費の大部分は若い世代が負担をいたしております実情でございます。 今回の改正は、老人の方々が払いやすいように、定額制をこれは変えません、額の改定を行うものでございますが、これによりましてどうなるかといいますと、六十一年度で老人医療費の三・七%、満年度で四・五%の一部負担になるわけでございまして、老人だけに無理な負担をお願いするものでは私はないと思っております。このように今回の改正は、高齢化社会におきまして国民が安心して老後を託せる老人保健制度そのものの確立を目指そうというものでございまして、撤回する考えはございません。
○安武洋子君 総理。
○国務大臣(中曽根康弘君) 厚生大臣の答弁のとおりです。
○安武洋子君 何が安心して老後が託せるんですか。安心できないから反対決議をされている。それから若い人たちとの云々、公平だと、負担のと、今の制度を安定的に維持するために。今の制度を安定的に維持すると、今現在のお年寄りが困る、負担に耐えがたいと、こうおっしゃっている。今の若い人も将来そういう目に遭わせると、こういうことになるわけでしょう。 もう一度総理お答えください。一体あなたは老人に対してそんな冷たい態度をおとりになるんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、あなた以上に老人を尊敬し老人を大事にする気持ちでいっぱいなんです。それは私が大体もう老人に近いですから、よくその立場はわかるんです。 しかし、何しろ御老人の数がうんとふえてきております。大体六十五歳以上の老人が人口の一割前後、一割を突破した。こういう状況で、それらの方に対する医療費だけでも四兆円を超しておる。その四兆円の莫大なお金がかかる中で、じゃ、御老人が幾ら払っているかといえば、今のお話のように一・五%ぐらい、あとの大部分は国がお金を出したりあるいはほかの若い人が保険で掛金をしている、そういうお金によって維持されているわけですね。それでこのままいくというと、老人がまたどんどんふえていく。そして老人と若い者の比率がぐっと変わってきて、若い者が減って老人がふえていく。そうすると若い者が負担する額がもっともっとふえて、耐えられないぐらいにふえていきそうです。そういう形がスウェーデンやイギリスにも起きて、スウェーデンやイギリス等においては、大体税金あるいは社会保険費というものが収入の何割を占めているかというと、いわゆる税金と社会保険費とを合わせたものが六割以上を占めている。百円給料取っても六十円はそっちへ取られてしまう。大体イギリスとスウェーデンが六割ですね。それからフランス、西ドイツが五割台ですね。日本はまだ三割六分です。アメリカが三割七分です。それぐらい日本の場合は、まだ税金とそれから社会保険費が少ないんですね。 政府も苦労をして税金や社会保険費をできるだけ少なくしておこうということと、もう一つは、今の若い人たちがお年寄りになったときでも、今の保健制度が維持されるように、今の老人に負けないぐらいな医療が必ず受けられるようにさしてあげなきゃいけない、そういうためには、まことに恐縮ですけれども老人に少し負担を余計お願いをする、もう少しふやしてくださいとこれはお願い申し上げているんです。そして長く若い人にもこれが受けられるようにする。それと同時に、もうできるだけ税金や社会保険費を少なくしていくという方針を今後も続けていきたい、そういう願いを持ってやっておるのでございまして、なるほど少なければ少ないほどいいんです。もう一銭でも少ない方がいいし、そういうふうに持っていきたいんです。持っていきたいけれども、国の財政の状況や今の保健制度というものを安定的に維持していくためにはここで我慢願わなければできないと思って、やむを得ず政府も断腸の思いでこれを提出しているということを御了解願いたいと思うのです。
○安武洋子君 断腸の思いなら、エイジス艦一艦、それが千五百億から二千億ですよ。それ一つおやめになれば老人の負担増というのは免れるわけですよ。だから、私は総理に、御存じかどうか知りませんけれども、老人の自殺の原因のトップというのは病苦なんですよ。それに対して今のような御答弁というのは、私はお年寄りは全く納得をしない、そう思います。 そういうお年寄りをいじめられるというふうな象徴が、この間の渡辺大臣の発言だというふうに私は思いますけれどもね。渡辺大臣は、三月の一日に福岡で、二十一世紀は灰色の世界、なぜならば働かない老人がいつまでも生きておってと、こういう発言をされております。私は、これこそ中曽根内閣のお年寄りに対する姿勢を端的に示したものだというふうに思わざるを得ません。さらに、毛針で釣られる魚は知能指数が高くないと野党の支持者も愚弄なさっておられますけれども、これが問題になりまして、昨日本会議で陳謝をなさっております。ところが、発言の一部に軽率なものがあったと陳謝をされましたけれども、大臣に伺いますけれども、発言のどの部分が軽率だったんでしょうか。何を謝られたんでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは、私が陳謝をした部分が軽率であったわけであります。それがどこの部分であるかということにつきましては、国対間で話し合いをしてそれでいいということになりまして、そういう案文になったわけでございますから、それ以上のことは申し上げません。
○安武洋子君 要は、国民に対して侮辱をなさった、お年寄りに対して侮辱をなさったから、謝る対象というのは国民でなければいけない。国民があれを聞いて、どの部分を陳謝なさったのかわからないではありませんか。だから、どこかということをきちっとお答えください。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は老人に対して侮辱することは絶対にありません。私が申し上げましたのは、二十一世紀の社会というのは、このままで行けば灰色の社会になりがちだと。いいですか。それはどういうことかというと、要するに老齢者が非常に多い、長寿社会ですから多いと。そして子供が少ない、昔は五人もおったのが一人とか二人とか。したがって、長生き社会を継続していくためにはたくさんな年金、医療費というお金が莫大にかかっていきますと。しかし、負担する子供の数は非常に少ないんです。それは子供が少ないんですから、昔のように五人も六人もいないわけですからね。あなたがおっしゃるから私が言うんですが、したがいまして、この負担率が二割が三割、三割が三割五分というように、月給から払う社会保障費というのはふえるんですよ。だから、そのためには高い月給を取れるような産業構造に変えていかなきゃならぬ、そういう趣旨のことを私は申し上げたのでございます。
○安武洋子君 ここに私は、あなたが発言をなさったテープ、それからそれを起こした原稿を持ってきている。ところが今おっしゃったようなことは全然おっしゃっていない。明らかに二十一世紀は灰色の世界、なぜならば働かない老人がいっぱい、いつまでも生きておってと、こうおっしゃっ ている。そしても針発言もここにあります。まだ不当なのもありますけれども、一体あなたはどの部分を国民に対して謝られたのか、それをはっきりしてください。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは部分だけを取り上げられておっしゃってもだめなんでして、全体のトーンを見てもらいたい。特に私が自分でも失言だと思ったのは、その毛針発言の部分であります。そこで野党がというようなことを言ったことがそこの部分であって、これはその点について私は失言だと言っておるわけであります。
○安武洋子君 全部読ましていただいたんですよ、テープも聞いたんですよ、そうなっていない。前後はそうなっていない。それと、毛針とだけおっしゃいましたけれども、じゃ、二十一世紀、老人が長生きをしておって灰色だと、このことは全く反省をなさらないんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は言葉が悪いから、働かない、働けない、栃木弁で少しイとエが一緒になったりなんかする点があって、聞き方によって違うかもしれませんが、働けない老人がそれは長生きすると、そういう意味なんです、この意味は。そして子供が少ない。ですから、言葉がちょっと関西の方に通用しない言葉かもしれませんが、私の言わんとした趣旨はそういう趣旨でございます。
○安武洋子君 働けないと働かないとどんなに違うんですか。何せ長生きするから灰色だと、それを反省なさらないんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 働けない老人がいっぱいおっていつまでも生きておられるということは、長生きするという意味なんですよ、これは。働く人が少ない、子供が少ない、したがって負担が多くて苦しいんですよ、それはだれかが負担をするわけですから、だからそうでしょうと。その苦しくなくするのにはどうするかといったらば、二十一世紀に向かって我々は新しい技術を開発したりして少ない子供の所得水準を高くする、そういうふうにしなけりゃなりませんということを言っているんですから、選挙の応援に行って票の減るようなことは申しません。
○安武洋子君 そういうごまかしを言っていただいても困るんですよ。あなたは、軽率か、つい口が滑ったか、選挙の応援か何か知りませんけれども、そういう発言というのは今までずっと何回も繰り返しておられるのですよ。 例を挙げますと、お金をかけたくなければさっさと死んでください、そうすればお金はかかりませんから。これは八三年に福井でおっしゃっています。それから、乳牛は乳が出なくなったら屠殺場に送る、豚は八カ月たったら殺す、人間も働けなくなったら死んでいただくと大蔵省は大変助かる。これは八三年の十一月に東京。それから、長生き社会にはお金がかかるんです、お金をかけたくなければ早く死ぬほかはない。八三年十二月に栃木。いずれも三年前の発言です。まことにひどい発言です。私は、お年寄りは早く死ぬ方がよい、こう言っている発言だというふうに思いますけれども、これが自民党政治の本音なんですね。大臣は思わず本音が出た、こういうことでしょう。この三つの発言について、じゃ、どう思われるんですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それも赤旗に書いてあることでありまして、選挙の最中に私も随分赤旗を配られました。ですから、これも前後があるわけですから。選挙演説ですからね。自分の選挙区の選挙演説とか何かでそんなことを私が言ったら落選しますよ。私は落選しないんですから。それは前後があって、前後の一部分にいろいろおかしく言ったりなんかする部分があるわけですよ。言わんとする趣旨はその正反対のことを私が言っているから拍手喝采を受けているわけです。
○安武洋子君 とんでもない、各紙が報道をいたしておりますよ、このように。そして、こういう発言がお年寄りを大切にしようという流れの中から出てきたりするでしょうか。まだあるんですよ。さらに昨年、長生きにはコストがかかる、出したくない人は早く死んだ方がいい。これは秋田。それから、老人医療無料は親不孝奨励金だ。これは八五年六月に東京で発言している。私たちが承知していて、報道されているだけでもこういう六回も暴言を繰り返しているんですよ。この暴言に対してあなたは今回の反省もなさらないんですか、この間の福岡も含めて。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はあなたのおっしゃることの正反対のことを言っているんですよ。その部分だけを取り上げまして言っておりますが、全体のトーンで、みんなこれは選挙演説なんです。講演会とか選挙の演説会でしゃべっておる発言でありますから、全体のトーンから見れば老人を大事にしなきゃならぬということを私は言っておるんです。
○安武洋子君 福岡の発言、その中では、国債は発行するな、税金はまけろ、おまけのついでに長生きさせろってんだ、こんなことまで言っておられる。なぜお年寄りを大切にするというそういう流れの中からこんな発言が出てきたりするんですか。明らかにお年寄りを邪魔者扱いにする、長生きしてもらっては迷惑だと、こういう一貫した流れではありませんか。 私は総理にお伺いしたいんです。総理はこれらの発言というのを適切な発言であるというふうに思われておりますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 渡辺君の演説というのは非常に逆説的な話をするんです。白いというときには黒いという話をする。それによって白いということを頭に思わせる。そういうことで聴衆の方が緊張しながら聞くと、そういう演説をやるんです。今話をずっと聞いていて、ああ渡辺君がいつもやっているような逆説をやっているなと。だから本人が言っているように、あなたが今指摘したことの逆を本人は念願をし訴えているわけなんです。それはもう渡辺君と長い間つき合ってみると私にはよくわかる。あなたは初めてお会いだからよくわからないのだろうと思うんです。
○安武洋子君 私、総理に申し上げたい。あなたは全く渡辺大臣と同じ立場じゃありませんか。私はこのお年寄りの問題を扱うに先立っていろんな方の意見を聞きましたよ。特養ホームにも行きましたよ。そこで、倒れた方が社会に復帰したい、懸命にリハビリしている、施設の方も懸命に頑張ってなさる、寝たきりのお年寄りを抱えて家族は本当に苦労されながら頑張ってなさる、その人たちに贈るのが今の発言であっていいんですか。あなたはそういう冷たい態度をお年寄りに一貫してとられて渡辺大臣をかばわれるんですか。こういうことがあってはいけないから心に戒めますと本会議で陳謝をされた。その中で、お年寄りに対するこういう侮辱は含まれないんですか。もう一度答えてください。
○国務大臣(中曽根康弘君) 厚生大臣のときに非常に老人を大事にした政策をやったのは渡辺厚生大臣ですよ。よくお調べ願えればわかると思います。
○安武洋子君 私は、総理がこんなひどい暴言を許される。主権者である国民を侮辱する、そしてお年寄りを侮べつする。それを、年寄りを敵視するようなことを平気でかばわれる。私は閣僚としてもう渡辺大臣は資格はないと思います。我が党が一貫して罷免を要求したのは当然であろうと思います。それをかばわれる。何という総理であろうかと。私は、本当に国民はこんなことを絶対に許さない、そのことをきつく申し上げます。総理のそういう態度というのはお年寄りに対して、お年寄りを全く敵視したものである、私は断固抗議をいたします。 住都公団の問題に移りますけれども、住宅問題というのも国民にとっては大切なんです。ところが臨調行革だ、こういうことで住都公団の民営化とか機能縮小、こういう問題が出ております。 そこで建設大臣に伺いますけれども、こういう問題について建設大臣はどうお考えでございましょうか。
○国務大臣(江藤隆美君) 住都公団の今後の問題につきましては、よく国会で民営化とかあるいは廃止とかいうことが議論されますが、まだ建設省 の意見を各委員の皆さんが御聴取いただいている段階でございまして、小委員会でまだ結論が出ておるものではございません。
○安武洋子君 建設大臣としてはどうお考えなのかということをお伺いしているわけです。
○国務大臣(江藤隆美君) なかんずく大都市圏の住宅建設については、公団が果たす役割は今後も私は極めて大きいと思っています。特に昭和五十五年から今日に至るまで、持ち家住宅の建設が漸減の傾向にございまして賃貸住宅が多くなっています。したがいまして、今回昭和六十一年度を初年度とする住宅整備五カ年計画、六百七十万戸の中で住都公団が担当するものがおおよそ十三万戸と予定をしておるところでございます。
○安武洋子君 答弁していただかないと困る。答弁になってない。もう一遍ちゃんと答えてください。
○委員長(安田隆明君) 安武君、もう一遍起立して。
○安武洋子君 住都公団の民営化とか機能縮小ということが問題になっているけれども、建設大臣の見解はいかがと、こう聞いているわけです。
○国務大臣(江藤隆美君) それはただいま意見の聴取の段階でございまして、まだどうこうという段階ではないと申し上げておるんです。私は、そういういろんな意見の聴取はあっておりますが、なかんずく大都市圏の住宅建設等については今後も大きな役割を果たしてまいると、こう言っておるわけでありまして、これから五カ年計画の中でも十三万戸の住宅建設を住都公団が担っていくということはその役割を明らかにしておるところでございます。
○安武洋子君 役割を明らかにするということは、あなたがせんだって私どもの中島議員に答えられたように民営にするとかあるいは機能を縮小するということは全く考えていない、こう受け取らせていただいていいんですね。
○国務大臣(江藤隆美君) 今までの、従来の形をそっくりそのまま継承するということについてはいささか疑義があります。なぜかといいますと、かつて公団は約四万戸に上るいわゆる空き家を持った時代がございます。今は新しい総裁になりまして鋭意努力してそれが六千七百戸に減ってきました。随分努力をしたと私はその労苦を多とするものであります。また随分と遊休の土地を抱えておった時代があります。まだそれも残っておるのも随分あるわけです。ですから公団といえどもこの行革のらち外にはないわけでありまして、過去のそういう経緯にかんがみて厳しく内容をチェックしながら合理化し、そしてまた効率化して国民の皆さん方のニーズにこたえていくという公団を私はつくり上げていくことが大事だと、こう思っておるわけです。
○安武洋子君 もう一つはっきりしない。民営化、そういうことについてどう考えていらっしゃるかということが出ていない。
○国務大臣(江藤隆美君) 民営化ということになりましたらそれは住宅会社のことです。住宅会社にするという気持ちはありません。ですから、公団は公団なりの役割をこれからも続けていくと私は申し上げておるんです。
○安武洋子君 住都公団総裁お越しをいただいていると思います。住都公団の総裁いかがなんでしょうか、御見解を伺います。
○参考人(丸山良仁君) 当公団は、ただいま大臣から御答弁のございましたように国の住宅政策あるいは都市政策を推進するためにつくられました政府の機関でございます。したがいまして、現在の住宅事情なり都市整備の状況を考えますと、当公団が今後果たすべき役割はなお重大なるものがある、このように考えているわけでございます。しかしながら、今御質問のございました行革審の小委員会に対する意見でございますが、これは先ほども大臣から御答弁のございましたように、現在建設省が小委員会に対しまして公団の必要性、事業の内容等についていろいろと御説明をしていただいているところでございます。したがいまして、まだ行革審からは何ら公団をどうしろこうしろというお話は出ておりません。したがいまして、この段階で私の見解を申し述べることは差し控えさせていただきたいと思います。
○安武洋子君 どちらにしましても、大臣にしろ住都公団の総裁にしろ、今住都公団の果たす役割というのは大きい、こういう御答弁なんです。だから私は、住都公団というのは国会で中島議員に答えられたように民営、縮小というふうなことは全く考えていないというのが当たり前のことだと思うんですよ。だから私は、ここは民営、縮小するのではなしにかえって拡充強化をすべき段階だと、こう思うわけです。 というのは、日本の住宅というのはウサギ小屋だと言われるぐらいひどいものですよ。政府というのがそれに対してどうしているか、これは住宅対策費を削っているわけです。そうしてその一方で何をしているかといいますと、在日米軍に対しまして思いやり予算で宿舎を建てようとしている。これは日本が出す義務はないわけです。六十一年度には米軍宿舎を一体何戸建てようとしているのか、そしてその費用は幾らなのか、これをお伺いいたします。
○政府委員(佐々淳行君) お答えいたします。 六十一年度における家族住宅の建設はトータルで九百六十五戸、歳出予算額二百七十六億七千百万円でございます。
○安武洋子君 今住民は大変反対しています。その反対を押し切りまして逗子の池子に建てようとしている米軍の将校用宿舎がございます。では、この宿舎の広さは一体平均して何平米なのでしょうか。
○政府委員(佐々淳行君) お答えいたします。 現在池子で計画をいたしております提供施設としての米軍住宅は、アメリカの国防総省の基準に基づくものでございまして、例えば三LDK百四十四平方メートル、四LDK百五十六平方メートル、中層住宅三LDK百三十六平方メートル等となっております。これらは米海軍将校、下士官の家族用の宿舎でございます。
○安武洋子君 横田にあります米軍将校宿舎、これは居間が三十畳ぐらい、そして浴室が三つ、こういう超デラックス、家賃はただ、そしてこの宿舎などを含めまして、思いやり予算ということで契約ベースで約九百億、これも支出をしようとしているわけです。 私は、この思いやり予算に関連をして質問を続けてまいりますけれども、今、神奈川県の横浜市の米軍上瀬谷通信基地、ここに艦隊作戦統制センター、これを増改築するという計画がございます。この通信基地は、アメリカ第七艦隊のP3C哨戒機、対潜哨戒機ですね、この対ソの潜水艦作戦、これについて通信、統制、指揮をする基地である、こういうこととともに、今OTH、すなわち超水平レーダーですね、このOTHとも連動します。そしてアメリカの北西太平洋の全域にわたって最重要の戦略情報、これが集まってくる中枢基地、こういうことになっておりまして、今中曽根内閣のもとでは日米共同作戦体制が一層強化をされておりますけれども、この中でこの上瀬谷の基地の問題というのは日本の平和と安全にとって大変重要な問題になってきているわけです。 そこでお伺いいたしますけれども、米国の八六年会計年度の国防関係予算、これにこの基地の増改築計画があったのを承知しているでしょうか。
○政府委員(藤井宏昭君) 承知しております。
○安武洋子君 では、その計画に電磁パルス防護設備、こういう内容があったことは間違いございませんか。
○政府委員(藤井宏昭君) そのような計画も入っておったと承知しております。
○安武洋子君 では、アメリカはこの計画を日本に対して思いやり予算で肩がわりをしてほしい、こう要求してきておるでしょうか。
○政府委員(藤井宏昭君) 昨年の六月でございますけれども、極めて非公式に打診があったというふうには承知しておりますけれども、正式な要請は受けておりません。
○安武洋子君 防衛庁に伺いますけれども、この 核爆発の際、強力な電磁波、電磁パルスが生じまして通信機器に重大な障害を与える、こういうことは御存じでしょうか。
○政府委員(筒井良三君) 核爆発が大気圏等で行われました場合、核分裂に伴いまして発生しますガンマ線が大気中の空気の分子に作用いたしまして強力な電磁波を発生いたします。ちょうど雷のときのザーザーという音を強くしたようなものでございますけれども、という現象がございます。
○安武洋子君 だから核爆発の際に強力な電磁パルスが生じる。 上瀬谷の通信基地というのは、増改築をするわけですけれども、ここに含まれている電磁パルス対策というのも核爆発で生じる電磁パルス対策だと思いますが、いかがですか。
○政府委員(藤井宏昭君) その点につきましては、米側と話しをしたわけでございますが、アメリカ側の説明によりますと、電磁波パルスと申しますのは確かに核に関連した、ただいま防衛庁の方から御説明ありましたようなふうに使われることが多いけれども、この上瀬谷の基地につきましてはそういうことを想定しているのではなくて、主に内部の電磁波シグナルの外部への漏出を防ぐということ、それから外部からの影響を遮断することであるというふうに説明を受けております。
○安武洋子君 そんなにごまかさないでください。 外務省、八六年のアメリカの「国防報告」二百十七ページ、ここに電磁パルス、EMPと言いますけれども、それについてどのような記述があるでしょうか。
○政府委員(藤井宏昭君) ただいま御指摘の点につきましては、次のように述べております。「核爆発の際のEMPの影響によって生じる電流の急激な変動は、適切な防護が施されていない各種の電子装置を損傷することがある。」ということでございますが、ただいま私申し上げましたように、EMPの影響と申しますのは必ずしも核爆発の際だけではなく、かなり大規模な電磁波の障害と申しますか攪乱というもの、それも想定しているということでございます。
○安武洋子君 今のところ核爆発以上のものはあるわけありませんでしょう。 防衛庁に伺います。「ザ・エフェクト・オブ・ニュークリア・ウェポンズ」これは米国防総省のエネルギー省編集、一九七七年、これの五百十四ページ、ここにはどのように書いているでしょうか。
○政府委員(筒井良三君) 「パルスの強度と持続時間と影響範囲は、爆発点の位置によってかなり変化するが、すべてのタイプの核爆発—地下から高々度まで—がEMPをともなう。地表又は地表近くの爆発によって爆発近傍に最も強い電界を生ずるが、高々度爆発では、地表面においても電界が非常に広い範囲にわたり、又程度も強いので、電気・電子機器にとって問題とされる。」と書いてございます。
○安武洋子君 これはどちらも米軍の公式文書なんです。そこで明らかに核爆発を想定したと、こうなっているのは実に明白なんです。ということは、核爆発によって電子通信機器が破壊される、そういう施設が破壊をされる、その対策を含む増改築を上瀬谷で行う、こういうことなんですよ。上瀬谷というのは、アメリカの第七艦隊の哨戒部隊の先ほど言ったように通信、統制、指揮の基地なんですよ。そうすると、核戦争が始まるとすれば直ちに攻撃目標になるわけです。こういう危険なものを思いやり予算で米軍のために、核戦争体制に日本が巻き込まれるのにつくってやる。こんなこと絶対評せませんよ。総理、いかがですか。
○政府委員(藤井宏昭君) 大変に核爆発がすぐに起こるというような感じのことでございますけれども、先ほどから申し上げておりますように、この上瀬谷の施設と申しますのは非常に脆弱な施設でございます。したがいまして、核爆発が起こりましたならばこの施設自身がとても存在し得ないということでございます。したがいましてそれからもわかりますように、確かにEMPと申しますのは、一番極端な場合には核爆発が起きた場合の電磁障害でございますけれども、この際上瀬谷につきましてのEMPと申しますのは電磁障害一般、特に外部に対する遮断とかいうことを目指しているというふうに我々了解しているわけでございます。
○安武洋子君 電磁障害一般、核も含むということはアメリカの公式文書で明らかなわけなんですよ。何といおうと、これを否定する研究でも防衛庁がしているならいざ知らず、こういうことがはっきりしている。だからアメリカの核戦争体制を強化するようなことは私は断じて許せません。総理、お答えをいただきたいんです。これは拒否すべきです。総理いかがですか。
○国務大臣(加藤紘一君) 担当でございますからお答えいたします。 今のお言葉をずっと聞いておりますと、いかにもアメリカの核攻撃能力が日本に持ち込まれるとか、そういったイメージのおどろおどろしい感じで御質問なさっております。しかし御承知のように、我々の方が核を攻撃するような、爆発させるようなことをしようというわけではない。それで私たちの防衛庁の中にも、万が一核の爆発が起こったならばどんな防御をするかという研究の体制がありますけれども、それはどこかのところで起こったならばそれに対してどう対処しようかということでございます。また民間の方でも、そんなことはないんですけれども、核のシェルターに興味を持っておられる方もある。そういった意味の防御のものでございます。 そして、先ほどのエレクトロマグネティツクパルスというやつですか、あれにつきましても、万が一そういうことでいろいろ通信が閉ざされたならば、その機能があるのだろうかというような研究の一環であろうと聞いておりますし、したがって、我が国にいかにも核が持ち込まれそうだとか、それから戦場になりそうだとか、そういった感じの御質問はどうかなというふうに思います。
○安武洋子君 核戦争がどこかで起こったときに備える、長官はそう言われた。私は、核戦争が起こったときに一番に報復を受けて核戦争に巻き込まれますよ、それが上瀬谷の持っている性格ですよと、こう申し上げている。それを思いやり予算でつくろうとなさる。それは拒否すべきである。アメリカの要求を拒否すべきであるということを総理、明確に御答弁ください。
○国務大臣(加藤紘一君) 上瀬谷の通信所というのは、通称通信所とみんな言っておりますように、いろんな情報を集めているところと理解いたしております。そういった意味の情報の場所は米国のものにしても自衛隊のものについてもいろいろあるわけでございます。そして、核の世界でそういったおそれがあるというようなことは、世界のどこもそういう立場になるからみんな核の軍縮について議論しているのではないでしょうか。したがって、単なる通信所を私たちが持っていたからとか米側が持っていたからとか、それによってすぐ我が国が核の戦場になると断言なさるというのは、ちょっと論理の飛躍ではないかと思います。
○安武洋子君 総理に答弁さしてください。
○国務大臣(中曽根康弘君) 防衛庁長官の言っているとおりです。
○安武洋子君 私はアメリカの公式文書をちゃんと示して、核爆発に対処をするものであると、そういうことをちゃんと示しているわけですよ。だから私は、核戦争が起こったときに巻き込まれますよということを言っているのに、総理は答弁にもお立ちにならない。立てないんだろうと思います。日本がアメリカの核戦争計画にいよいよ深く組み込まれようとしている。総理、世界でただ一つの我が国は被爆国なんですよ。核兵器を廃絶してほしいというのは、これは国民の本当に心からの願いなんです。 ところが、総理はどう御承知か知りませんけれども、今国民の反核署名というのは千七、八百万もあるわけですよ。それなのに、私はきょうここに持ってきましたけれども、これは何ですか。自 民党の発行しているパンフレットですけれども、ここに「「核兵器の廃絶」は、日本の平和を破壊します。」、こんなことが書いてある。核兵器廃絶というのは国民の悲願なのに、この核兵器の廃絶を求める圧倒的国民の声を敵視される、こういうことで、自民党というのは核の傘にしがみついて核兵器は廃絶しないんだ、こういうことを述べている、私はこう思いますけれども、総理総裁としての総理の御見解を伺います。
○国務大臣(中曽根康弘君) その中をお読みになればわかるように、ソ連あるいは周りの国の中でも核兵器を持っている国がある、日本は日米安全保障体制のもとに大きい意味でアメリカの核の傘の中にある、それで両方の核と核が向き合って、それで均衡があって、それで抑止力によって平和が維持されている、そういう図式の中に日本はあるわけです。そして平和が四十年も続いているわけです。そういう意味で核抑止力というものが大事なものである。そういう意味で、現実に持っている以上は片方も持ってなければ平和が崩れる、そういう意味のことを言ったので、終局的には両方ともなくしてしまった方がよろしいと、そういう意味で核廃絶というのは私は前から熱心に唱えておるところであります。そのときは一、二、三でアメリカもソ連もなくしたらよろしい、早くそういう日を近づけるようにしましょう。
○委員長(安田隆明君) 関連質疑を許します。佐藤昭夫君。
○佐藤昭夫君 今総理の答弁があったわけでありますが、またもや核兵器の均衡抑止論を繰り返しておられる。この理論は、あなたも言われた核軍縮には全く逆行して、ずっと歴史を振り返ってみたときに、核兵器を五万発まで一路増大をさせてきたという事実から見ても、もはやこの理論というのは破綻をしており危険きわまりない理論だ、こんな理論は撤回をしてもらいたいということを申しておきたいわけでありますが、その危険さがこのパンフレットにどうあらわれているかということで、私幾つか関連質問をしたいと思います。 その一つは、この問題のパンフレットによりますと、「「非核都市宣言」は日本の平和に有害」だというこういう表紙、そして中身において左翼政党や団体の謀略だ、こう書いているんであります。しかし総理、今や非核都市宣言は九百十九自治体、全人口の五〇・七%を超え、あなたの地元の例えば高崎市や渋川市、ここでも自民党系の議員も全員賛成で大きく世論と運動が広がっているわけであります。あなたは、この広範な国民世論に耳をかさず、このまじめな核廃絶の声を謀略だと、こう言うんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 政府は、非核三原則を堅持してこれを遵守しておるし、国会も決議をして、国会と一緒になってこれを守っておるところでございます。国政上におきまして、やはり外交とか防衛とか、財政とか貨幣というのは中央政府の仕事になっておる。地方自治体の仕事というのは、地方自治の本旨に基づきまして地方の身の回りのことをおやりになる。中央と地方は仕事を分け合ってやっているわけです。ですから第一義的には防衛とか平和とかというような問題はまず中央政府が重大責任を負わなけりゃならぬ問題で、その点は一生懸命非核三原則を厳守してやっております。ですから地方の皆さんもどうぞ御安心なすって身の回りのことも一生懸命おやりください。しかし念のために、そういう宣言をおやりになるということはこれは御自由です。これは地方自治の本旨に基づいておやりになることですから御自由です。政府も参考にいたします。しかし我々の方はこうやっているんですからどうぞ御心配なきように念のためと、そういう意味であります。
○佐藤昭夫君 そういう運動は御自由だと、こう言いながら、しかしこのパンフレットには非核都市宣言というのはこれは有害だ、平和を破壊する、こういうふうに書いているんですから、この運動を敵視していることは明瞭じゃありませんか。しかもそのことというのは、結局口先では核廃絶を言ってもそんなことは望んでいないということの証明だと思うんですよ。聞きましょう。このパンフレットでは核兵器の廃絶が達成されても、通常兵器やBC兵器、細菌、化学兵器、こういうものが同時に廃絶されない限り、逆に世界を戦争に巻き込むとしている。これでは通常兵器がなくなるまでは核廃絶はすべきじゃないと。こうして核廃絶を無限の将来に棚上げをすることになると思うんですが、総理の本心はそういうことなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) できるだけ速やかに核は地球上から追放したい、前から言っておるとおりです。しかし、ゴルバチョフさんの提案でも三段階の提案で、大体二十世紀の終わりごろまでかかる、そういうふうにおっしゃっております。つまり現実的にあるものをなくしていくというためには、不安がないような形で合意が成立しなけりゃできない、そういうふうにそれは両方が抑止と均衡で張り合っておるから、このバランスが崩れたら危ないから崩れないように少しずつ減らしていこう、そういう考えに立って三段階で二十年も十五年もかかるという計画をつくっているので、これは現実的な立場です。共産党が言うように、朝目が覚めたら核兵器はなくなっていたというようなことは、口では言えるかもしれませんが現実論としては成り立たない。
○佐藤昭夫君 あなたはまたもやこのゴルバチョフ提案をとらえて段階的だと、一気に行くものではないということを合理化しようと思っているけれども、しかしゴルバチョフ提案の重要な点は、今世紀中にという期限を切って核廃絶をしようじゃないかということをアメリカに提唱をし呼びかけている。ここが重要、そこがあなたと決定的に違うんですよ。あなたの言うのであれば、そうすればお聞きをしますけれども、国連がことしの四月中に核兵器問題について核兵器禁止の課題を国際法にも含めるその措置について各国の意見を求める、意見を出してくれと。この問題についてあなたは賛成ということで回答を寄せますか、国連に対して。はっきりした答弁をしてもらいたい。
○政府委員(中平立君) お答えいたします。 先生御指摘の国連の事務総長の報告は、昨年の四十回総会で採択されたものと思います。あれは安全保障概念の研究という書類ではないかと私どもは思っておるわけでございますが、今御指摘のように核兵器の全面禁止を国際法に含める努力ということがうたわれておりますけれども、我が国にとりまして非常に慎重な検討を要する点が多々ございまして、四月二十六日までに意見を表明するか否かを含めまして現在検討しているところでございます。
○佐藤昭夫君 総理。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今の局長の答弁と同じです。
○佐藤昭夫君 私は核廃絶、具体的には核兵器全面禁止の国際協定を速やかに結ぶべきだというこういう意見を日本政府として国連に対して寄せるかと、こう聞いているんですけれども、そのことに対して目下検討中ということで答弁を避けておる、総理も含めて。これは実は昨年の八月に同様の問題について、軍備全廃と相あわせて核兵器廃絶を進めていくというのがこれが妥当だと、こういう趣旨の回答をやっているわけでしょう。だからこういうパンフレットにつながってくるんでしょう。 総理にもう一遍聞きましょう。あなたは軍備が全廃をされるまで核兵器廃絶はやれないしすべきじゃないと、こういうふうに思っているんですか。そうすれば、今まで国会で言っていることと大いに違うんだから、はっきりしてもらいたい。
○国務大臣(中曽根康弘君) 核兵器廃止はやれるし、やるべきであると、そう思っています。ただ、それをやるためには現実的にどう廃止するかという過程が大事なんです。さっき申し上げたように、均衡を失するという場合には不安感が起きて万一のことが起こりかねない。したがってお互いが査察をやって核兵器のある場所を確かめ合うとか、どう減らしていっているかということを第三者に検分して確かめ合ってもらうとか、そういう 安心のいくような保証措置が相伴わなければ、口先だけで言ってもだめだと、そういうことを言っているんです。
○佐藤昭夫君 このパンフレットに、軍備が全廃をされない限り核兵器廃絶はできない、すべきじゃないと、こういう記述があるんですよ。だから私は繰り返し聞いている。とにかくこういう核廃絶を求める国民の世論と運動を敵視している、これに敵対をするようなこういうパンフレットはもう絶対に私は容認できません。こうした中曽根内閣と自民党の態度に対しては国民からきっときっぱりした審判が下るだろうということを宣告をしておきます。 持ち時間三分ですから、私これで終わります。
○安武洋子君 私は核廃絶口先だけの総理だと先ほどの御答弁を聞いて思います。私は、総理は核廃絶を考えていらっしゃらないところか敵視をされていると思うんですよ。私の生まれ育ちました神戸市というのは十一年前から核兵器を積んだ船、これは非核証明を出さない限りは入港させないということで拒否をしておりますけれども、それまでは十五年間に四百三十二そうアメリカの軍艦が入ってきておりました。それ以後は一そうも入っていないわけです。この方式というのが方法は多少違いますけれども、ニュージーランドに広がっていったというふうなことで、国全体で非核、核を積んだ船は拒否する、核は拒否するということになっているんですよ。私は日本もこういう非核の道を歩むべきであると、こういうことを宣言いたしまして次の質問に移っていきます。 労働者の健康問題についてお伺いをいたします。 我が国の労働者というのは、これは統計によりましてもヨーロッパに比べまして二カ月も三カ月も長く働かされている。こういうことでこの長時間労働というのは世界的にも有名なわけなんです。しかも過密で極度に緊張を伴う、こういう労働が労働者の身も心も非常にむしばみ始めている、こういう状態があることを政府は御存じでございましょうか。
○政府委員(小粥義朗君) 我が国の労働時間の実情につきましては、製造業の生産労働者について国際比較をしたものがございますが、それによりますと、アメリカとは二百時間ぐらい、西ドイツあたりとは差が五百時間ぐらいの差があるわけでございますが、一方そうした労働時間の長さとそれから体の疾病の問題、これにつきましては昨年九月にストレス関連疾病に関する調査研究というのを中央労働災害防止協会の手でいたしておりますが、その中でそうしたストレスと時間外労働の長短関係についてはいろんなデータが出ております。
○安武洋子君 じゃ、そのいろんなデータ、今おっしゃいました労働省が昨年の秋に中央労災防止協会のストレス関連疾病に関する調査結果、この中の「ストレス関連疾病の状況」の報告、この中の発病率、時間外勤務の長さとストレスの有無の関係、それから長時間労働と病気への進行過程、これについてどのように述べているか、おっしゃってください。
○政府委員(小粥義朗君) まずストレス関連疾病の罹患状況でございますが、これは年齢階層別に見ますと年齢の高いほど罹患率は高くなっておりまして、ならしますと、男子の場合は千分の五十三・二人、女子の場合は千分の三十二・九人、こういうことになっています。 また、時間外勤務とストレスの有無の関係でございますが、これにつきましては時間外勤務、つまり疾病にかかります前に行っていた時間外勤務の長いほどストレスありとする率が高くなっておるわけでございます。 なお、それ以外のいろいろな点としましては、疲労感とストレスの関係、これも傷病で欠勤する前に、一日仕事が終わるとぐったりするというような状態の場合にはストレスありとする率が極めて高くなっているといったような状況が出ております。
○安武洋子君 労働省のこの御報告、今も御答弁がございましたように、ストレス関連疾病、この出現率といいますのは男子で五・三から五・九%、女子で三・三から三・六%と、こういうふうになっておりますけれども、三菱電機の人事部、ここが発行しました「メンタルヘルスガイドブック」いわゆる心の病気のパンフレット、私はこれを持ってきているわけなんです。 このパンフレットを見てみますと、ある一カ月間中の精神疾患で医者の診察を受けた者の全労働者に占める率というのが七・二%となっているわけなんです。全従業員が約五万人です。ですからこれを当てはめますと三千五百人。しかも「治療を受けるに至らないが同様の疾患に悩んでいる人を含めれば、その数はもっと多い」、こう述べているわけです。実に私は深刻な事態であろうと思いますけれども、労働大臣、こういう事態についてどのようにお考えでございましょうか。
○国務大臣(林ゆう君) 近年の技術革新の進展とかあるいはまた労働態様の変化、そういったもの、あるいはまた勤労者の高齢化、こういったもので健康問題は多様化してまいっております。 そこで、先ほど先生御指摘のございましたような問題で、ストレスを中心といたしました心の健康というものをどうやって見ていくかということが大事なことであろうかと思います。労働省では、昭和五十四年からシルバーヘルスプランを提唱いたしまして、中高年齢勤労者の心身両面の健康づくりの普及、それと定着に努めているところでございます。さらに六十年度からは、新たに企業においての心の健康相談、あるいはまたそれの実施体制が整備されるような必要な対策を進めているところでございます。
○安武洋子君 精神障害でお医者さんの診察を受けた者だけで七・二%。私は大変深刻な事態であろうと思うんです。 例を挙げてまいりますけれども、私の地元にも三菱、神戸とか伊丹などにございますけれども、ここの三菱電機でも特にハイテク部門、そしてニュービジネス部門、ここでは残業というのが五十時間の規制が七十時間、本当は百時間ぐらいだろうと言われるぐらいにふえているわけですよ。そしてこういう長時間労働なのに、この職場というのが、一つ例を挙げますとIC職場です。ちりを立ててはいけない、防じん服をすっぽりとかぶるわけです。目だけを出すわけです。そして動いてはいけない、話してはいけないということになっているそうです。ということになれば、非常な孤独に耐える。そしてちょっとミスを犯してもそれが大きなミスにつながっていくということで、極度の緊張を要する超過密の労働ということになるわけなんですね。こういう非人間的な環境の押しつけ、それから長時間労働、こういうものが相まちますと、これは精神障害の増大につながる主な原因になっていくというふうに思います。 今、ハイテク産業の増大、それから生産性の向上、それから製品の精度をより追求していく、こういうことで、産業界全体にこういう傾向が広がりつつあるわけなんです。これは、先ほどの労働省の調査でもそのことを示していると思うんです。 労働省、こういう調査をなさいましたけれども、一体この調査を今後どのように生かしていこうとなさっていらっしゃるのでしょうか、お伺いをいたします。
○政府委員(小粥義朗君) 先ほどお答えしました調査内容に示されたような実態を踏まえまして、私どもストレス対策要綱といったものを検討を今しているところでございますけれども、そうしたものでもって企業の、単に体の健康だけじゃない、心の健康管理についての対策も進められるような指導の進め方といったものを今検討しているところでございます。 と同時に、いわゆるハイテク産業等に代表されるわけでございますが、テクノストレスの問題もいろいろと言われております。したがいまして、六十一年度からはテクノストレスの調査研究の費用も予算の中に計上さしていただきまして、これでもってそうした実態の究明にさらに努めていきたいと考えております。
○安武洋子君 その研究も結構です。しかし、今私が申し上げたように、労働者の大変な実態というのを労働省自身もストレスの実態ということである程度は、ごく一部ですけれどもつかんでいらっしゃる。この調査を生かしてなさろうとするのは、またテクノストレスの研究と、こういうことだけでしょうか。
○政府委員(小粥義朗君) 先端技術を用います作業の労働負荷というものがいろんな形で疲労を蓄積し、あるいはそれが障害につながるおそれもあるということから、実は昨年十二月にVDT、ビジュアル・ディスプレー・ターミナル装置、これの作業につきまして一つの作業基準といったものを指針として出したわけでございます。これは、現実に労働基準局長名の通達をもちまして、いわゆる指導の指針として全国の都道府県労働基準局に示達をしまして、各事業所でそうしたVDT作業に従事する場合の作業の管理の仕方、あるいはいすその他の設備の問題、あるいは環境の問題、そうしたものについての指針を示し、現実に今指導に当たっているところでございます。
○安武洋子君 指針の内容を述べてください。
○政府委員(小粥義朗君) まずVDTの画面の高さであるとかあるいはその操作に従事する労働者が座りますいすの高さについての調整の可能性であるとか、さらには作業時間、これについては一時間やったら十ないし十五分の休息をとるといったような内容、さらに健康管理に関しましては、特に目の問題を含めまして健康診断の項目等についても一つの指針を示しているところでございます。
○安武洋子君 VDT以外にありますか。
○政府委員(小粥義朗君) 先ほどお答えしましたいわゆるテクノストレスの問題は、単にVDT以外にいろいろな先端技術を使います産業におけるこれからのストレスの発生についてそのおそれがある、そうした部門についての研究をさらに進めていくわけでございます。そうした研究の結果を積み重ねながら対策に生かしていきたいと思っているわけでございます。
○安武洋子君 ということは、VDT以外はないということだろうと思うわけですけれども、私は大いに研究はしていただきたいと思います。しかし、大変急ぐ問題なんです。 労働大臣にお伺いをいたしますけれども、今精神障害がこういうふうに大きく発生をしている。そういう原因になる長時間労働とか超過密労働、これはやはり今のVDT、いすの高さとかあるいは作業時間とか目の健康とかいろいろおっしゃいましたけれども、そういうふうにME化のもとでは一般的なこういう時短というのも非常に必要です。しかし、今おっしゃったようなVDT、こういうふうなことも踏まえまして極度にストレスが蓄積をするという、こういう労働に対しましては、それに応じた労働時間それからそれに応じた作業内容への規制、こういうこと、特別の対策をとるべきではないか、そういう研究に着手すべきではないか、こういうことをお伺いいたしますけれども、労働大臣、お答えください。
○国務大臣(林ゆう君) 先端技術の普及拡大に伴ってそういった労働者のいろいろとストレスが増大することも十分考えられておるわけでございますので、行政といたしましてもそれに対応するように、一般的に職場内外のさまざまな要因が関連しているために総合的な検討が必要であるということで、六十一年度からは予算の計上もされまして、こういった問題に取り組んでまいるということでございます。
○安武洋子君 ですから、テクノストレスの研究結構です、大いにやってくださいと申し上げているわけです。だから、今言ったような非常に急ぐ問題であるから、ME化が広がっていますから、そのもとで極度にストレスが蓄積される労働というものが、先ほど三菱でこれはごく一例ですけれども挙げましたようにあるわけなんですよね。非常に非人間的な環境を押しつけられて極度に緊張しなければならない、そういう仕事なんです。それに応じた労働時間あるいは作業内容へ、これに対する特別の規制というものが今急いで必要なんです。だからこういう研究を、やっぱり規制をやろうということで急いでいただけますか。労働大臣並びに総理の私は御見解を伺います。
○政府委員(小粥義朗君) そうした先端技術あるいはストレスを生む職場の中で代表的なものとして、先ほどVDTの作業についてのことをお答え申し上げたわけでございまして、現在一番典型的なVDT作業につきましても、先ほどお答えしたような一定の休息時間をとることによって疲労は回復するという形で医学的な知見も認めているところでございます。一方で、全体の総量時間を規制すべきだという御議論もあることは私ども承知いたしておりますけれども、現在の医学的な知見からいたしますと、そこまではまだ至っていないということでございまして、そうした先ほどお答えしたような指導指針でもってまずは対応は十分可能なものというふうに考えておるわけでございます。
○国務大臣(林ゆう君) ただいま政府委員の方から御答弁申し上げましたように、労働時間の短縮というものは、労働省もこの問題には取り組んでおりまして、昭和六十五年をめどにした一応の努力目標というのを掲げましてそれに当たっているところでございます。先ほど申し上げましたように、この先端技術の問題につきましても、労働時間の短縮というものは重要な要素を占めているものであるという認識のもとにこの指導を今いたしているところでございます。
○安武洋子君 VDTということについては明確な基準を示されました。だから私は、ほかの緊張を要してストレスが蓄積するようなものにも広げろ、それを十分研究せよということを言っているわけです。だからこういう状態を解消するために、今三十五歳で身も心もぼろぼろになる、そういう職場もあるんですよ。四十五歳でそうなる、身も心もぼろぼろだと。精神障害はこれだけ出ている。だから、それに対してどう対処されようとするのか、私は総理の御答弁をいただきたいです、総理。
○政府委員(小粥義朗君) その点は、先ほどお答えいたしましたように、昨年九月に発表された「ストレス関連疾病の状況」の後を受けまして、さらに今後テクノストレス関係の調査研究を鋭意進めてまいるということで、新年度予算も計上いたしまして、早速に対応するということにいたしているわけでございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 情報社会を前にしまして非常に大事な問題であると思いますので、よく調査研究してみたいと思います。
○安武洋子君 では、ぜひやっていただきたいということをお願いしておきまして、次に、重度障害者とか知恵おくれの人たちの雇用の問題で聞いてまいります。 私は、地元の神戸のいかり共同作業所というのを視察してまいりましたけれども、ここは倉庫のような非常に寒い、そして窓もないような暗いコンクリート敷き、こういうところでさまざまな障害を持つ人たちが一生懸命に袋張りをされているわけです。この人たちは、一生懸命働いても月に三千円から一万円なんです。それでも自分の力で働けたということで、お金を得られたということで、とても生き生きと明るい表情をなさっているわけです。しかし、この陰には、本当にこの人たちを支える陰の関係者の努力があるわけなんです。ところがこれに対しまして、地方自治体は援助の手を差し伸べておりますけれども、国は全く援助の手を差し伸べていないわけなんです。 私は総理にお願いをしたいわけですよ。障害者を本当に大切にするというなら、私は共同作業所に対して実態をよく調べないといけない、そして国も補助をするのが当然であろう、こう思いますが、いかがお考えでございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私も二、三工場を見に行ったことがあります。非常に深い関心を持って、できるだけの協力はさせていきたいと思います。
○安武洋子君 そのできるだけの協力というの は、国も補助をする、こう承ってよろしいですね。(「大臣、大臣。大臣手を挙げている」と呼ぶ者あり)
○政府委員(小島弘仲君) お尋ねの小規模作業場につきまして、国の助成の対象になっておりませんが、国の施策として実施いたします場合には、やはりそこで働いておられる障害者の健康の保持、あるいはその事業の効率的な実施というようなことを考えてまいらなければなりませんので、一定の物的、人的設備基準を定めております。したがいまして、これを下回るものにつきましては助成の対象とすることは困難な状況にあります。したがいまして、これらのせっかくの御努力でございますので、できるだけ国の基準を満たすような形で社会福祉法人となって助成対象になるように指導しているところでございます。
○安武洋子君 社会福祉法人の認可が得られるなんて、それはごく一部なんですよ。そういう得られないところに国としても温かい手を差し伸べると、私はこう言っているんですよ。総理は温かい手を差し伸べると、そう言っておられるのに、あなたたちはそれを政策で生かすべきですよ。 総理に聞きますけれども、本年は「完全参加と平等」、これをテーマにいたしました国際障害者年中間年です。ですから私は、障害者が自立して社会参加できる、こういうふうな総合的な展望を示されるべきだというふうに思いますが、総理、いかがでございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国際障害者年というような大きな仕事も我々は進めてきておりまして、参加と平等という原則に基づきまして、さらにこれに努力してまいりたいと思います。
○安武洋子君 示していただけるんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) ただいま申し上げましたように、参加と平等という原則に基づきまして推進していきたいと思います。
○安武洋子君 ぜひ、本年中間年、その展望を示していただきたいということを御要望いたしておきます。 次に、男女機会均等法の問題についてお伺いをいたしますけれども、労働省、この四月から法施行で、募集と採用、この二つ、どう変わりますか。
○政府委員(佐藤ギン子君) 先生今お話ございましたように、四月から雇用機会均等法が施行になります。募集、採用につきましては使用者の努力義務になっておりますけれども、労働大臣の指針が出されておりますので、その大臣の定めました指針にのっとって使用者には指導してまいりたいというふうに考えております。
○安武洋子君 中身を言ってください。
○政府委員(佐藤ギン子君) まず、女子を排除するような募集、採用につきましては、これは企業に改善を求めるということになっているわけでございます。
○安武洋子君 募集も採用もというふうに承っておきますが、例えば均等法の努力義務、これに違反した男子のみ募集、こういうのが求人申し込みで来ました場合、労働省はどう扱うんですか。
○政府委員(白井晋太郎君) 安定所のことだと思いますが、公共職業安定所はその公共的サービス機関としての性格から、できるだけ多くの求人を確保して就職の機会を多くすることになっているわけでございますが、そういうことで原則として求人も申し込みをすべて受理しなければならないということになっております。したがって、公共職業安定所におきましては、そういう求人につきましては、男女雇用機会均等法の趣旨に照らして不適切と認められるような求人について助言、指導を行った上、受理してまいりたいというふうに思っております。
○安武洋子君 助言、指導で受理と聞きました。じゃ、均等法に抵触する、法に抵触する求人、これはどう扱われるんですか。受理されるんですか。
○政府委員(白井晋太郎君) 先ほどの指針に抵触する求人につきましては、今申しましたように公共職業安定所としましては一般的に受理しなければならないということになっておりますので、助言、指導を行って受理するということでございます。
○安武洋子君 均等法が新しく施行されたのに、法に抵触するものまでも求人を受理される、こういうことでございますか。
○政府委員(白井晋太郎君) 指導を行って受理する、そういうことでございます。
○安武洋子君 労働大臣に伺います。 法に抵触するこういうものまで求人を受理していく、これでは何のために均等法を提出したんでしょうか。労働省自身がこの均等法を形骸化する、こういうことではありませんか。労働大臣の御答弁を私は求めます。
○政府委員(白井晋太郎君) 何回も申し上げておりますが、職業安定法上十六条で求人については原則としてすべて受理するということになっています。先生のおっしゃるのはただし書きで求人の「申込の内容が法令に違反するときこということだと思いますが、これはいわゆる強行法規に明確に違反した場合を指すものと考えておりまして、この男女機会均等法の募集、採用につきまして努力義務になっております点でございますので、その努力の要請といいますか、そういうものを求人者に対して指導して受理していくということでございます。
○安武洋子君 私は強行規定に抵触する、こういうことを言っているわけですよ。明らかに法律違反ですよ。法違反の求人までも受け付けるんだ、受理するんだ。十六条は、法に触れるものはこれは受理しないでいいというふうになっているではありませんか。受理しないこともできるという条項で、なぜこんな法に抵触するものまでも受け付けるということをなさるんですか。労働省自身が法に違反をするということを奨励する、こういうことになりますけれども……。(「大臣だよ、もう大臣の答弁だよ」と呼ぶ者あり)
○委員長(安田隆明君) 静かにしてください。
○政府委員(白井晋太郎君) 法律の問題なので私からお答えいたします。 先ほどから申し上げておりますように、奨励しているわけじゃなくて、法律に違反しているものを、違反していると申しますか努力義務に努力が足りないものにつきまして、それを指導して均等法の趣旨に沿うように持っていくのが安定所の仕事でございますし、そういうことで求人を確保していくということが重要だというふうに考えている次第でございます。
○安武洋子君 指導してもだめなものでも受け付けるとはっきりおっしゃったじゃありませんか。だから私は問題にしております。 今、男女雇用機会均等法関係問答集というものを私は現場に出されていると思いますよ、こういうものを。この中にはっきりと……
○委員長(安田隆明君) 安武君、時間が参りました。
○安武洋子君 こういう法に違反するものをちゃんと受理しようというふうなことを容認するということがうたわれているじゃありませんか。法に違反するということを政府自体が容認するとは何事なんですか。直ちに撤回をすべきである。法に違反するようなことを政府がしてもよいのかどうか、私は総理大臣に答弁を求めます。
○国務大臣(林ゆう君) 今回四月一日から施行されます法律は、これは努力義務をいってある法律でございまして、それでそれにもとるような募集などがなされました場合には、これを指導して安定所でこれを受け付けるということでございます。努力義務でございますから法のあれではございませんで……
○安武洋子君 強行規定のところ。強行規定も受理するから……
○国務大臣(林ゆう君) そういうことであれしておりますから、労働省といたしましては、安定所がそれを指導いたしまして、それを今度改めて受け付けるということでございます。
○委員長(安田隆明君) 以上で安武洋子君の質疑は終了いたしました。 明日は午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後五時三十六分散会