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104回国会参議院1986/05/14

本会議 第16号

発言数
65
登壇者
20
会派数
7
開催日
1986/05/14

会議録

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 御紹介いたします。  両院議長の招待により来日されましたニュージーランド国会副議長ジョン・ジェームス・テリス閣下の御一行がただいま貴賓席にお見えになっております。  ここに、諸君とともに、心からなる歓迎の意を表します。   〔総員起立、拍手〕      —————・—————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) これより会議を開きます。  日程第一 安全保障会議設置法案(趣旨説明)  本案について提出者の趣旨説明を求めます。後藤田国務大臣。    〔国務大臣後藤田正晴君登壇、拍手〕

後藤田正晴自由民主党・新自由国民連合内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 安全保障会議設置法案について、その趣旨を御説明申し上げます。  近年における社会全体の複雑高度化、我が国の国際的役割の拡大と我が国周辺地域の国際政治面での重要性の増大等によって、重大緊急事態の発生の可能性は潜在的に高まっておりますが、こういった事態に対して迅速適切に対処し、事態の拡大発展を防止するため、内閣の果たすべき役割はますます増大をいたしております。臨時行政改革推進審議会の答申においても、かかる基本的考え方に基づいて、内閣に安全保障会議を設置することを提言をいたしております。今回提出いたしました法律案は、この答申の趣旨を最大限尊重して、内閣における総合調整機能強化の一環と促して、重大緊急事態への対処体制の整備を図るため、現行国防会議の任務を継承するとともに、重大緊急事態への対処措置等を審議する機関として、内閣に安全保障会議を設置しようとするものであります。  以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一は、安全保障会議の審議事項についてであります。  安全保障会議は、まず、現在の国防会議の任務をそのまま引き継いで、国防に関する重要事項について、内閣総理大臣の諮問を受け、審議、答申するほか、必要に応じ、内閣総理大臣に対して意見を述べることとしております。これに加えまして、新たな任務として、重大緊急事態への対処に関する重要事項についても、同様に審議、答申するほか、意見を述べることといたしております。  第二は、安全保障会議の組織についてであります。  安全保障会議は、議長及び議員をもって組織するものとし、議長は、内閣総理大臣をもって充てることとしております。議員は、現在の国防会議の議員である内閣法第九条の規定によりあらかじめ指定された国務大臣、外務大臣、大蔵大臣、防衛庁長官、経済企画庁長官に加え、新たに内閣官房長官及び国家公安委員会委員長をもって充てることといたしております。  第三に、現行国防会議事務局を廃止することとし、安全保障会議に関する事務につきましては、内閣官房において処理し、命を受けて内閣審議官がつかさどることとしております。  以上のほか、関係国務大臣その他の関係者の会議への出席、議長及び議員の職務上の秘密保持等につきまして所要の規定をいたしております。  最後に、安全保障会議は、昭和六十一年七月一同から発足することといたしております。  以上が安全保障会議設置法案の趣旨でございます。(拍手)     —————————————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。久保田真苗君。    〔久保田墓田君登壇、拍手〕

久保田真苗日本社会党

○久保田真苗君 私は、日本社会党を代表して、安全保障会議設置法案について質問を行います。  まず、本題に先立ちまして、余りにも急激な円高の進行について、総理、大蔵大臣、経企庁長官の認識と対処を伺います。  日米首脳会談、東京サミットを終えて、円は一段と切り上がり、百六十円突破を記録いたしました。昨年九月のG5からは実に五割もの切り上げです。円高の進行が余りにも早過ぎたため対応できない輸出産業の打撃と混乱は大きく、特に中小下請企業の困難は加速されております。総理はまさかこれほど急激な円高進行を予想されたわけではないと思いますが、いかがでしょうか。また、今後の円の推移をどのように見ておられるのでしょうか。既に産業界から企業努力の限界を超えた円高という叫びが聞こえますが、総理、大蔵大臣、これをどうごらんになりますか。円を耐え得る水準に引き戻し、ショックを和らげるためにどう対処されるのか、お伺いいたします。  経企庁長官は、円高の各種産業に与えた影響をどのように分析され、またどんな対策が必要とお考えですか。  大蔵大臣、昨年のG5でドル高是正の合意をして日米欧が協調介入に踏み切ったとき、あなたは円高の限度と速度についてどんなお考えを持っていらっしゃいましたか。結局、協調したのはこちらだけで、一方的協調ではなかったのでしょうか。  総理、日米首脳会談やサミットで米欧に協調介入を要請したのではなかったのですか。再度協調を強く求めるお考えはありませんか。結局、G5以来の通貨対策は我が国にとっては失敗だったのではありませんか。その責任はどこにあるのか、明らかにしてください。  円高に苦しむ事業がある一方、円高と原油及び一次産品の大幅値下がりで予想を上回る莫大な差益が生じました。経企庁長官、今の時点で差益総額はどのくらいになりますか。これを広く分配して内需を喚起すべきと思いますが、消費者への還元は一体どうなっているのですか。かつて原油値上げのときには、電光石火の勢いで狂乱物価が消費者を襲いました。今、還元がこのようにおくれているのは、政府の消費者の権利軽視と無策によるものではないでしょうか。経企庁長官は、輸入一次産品に頼る製品や一般輸入品の値下げについてどういう手を打っておられますか。経企庁の調べでも消費者還元はほとんど実勢を反映していないのではありませんか。  総理、昨日発表された電気、ガス料金の値下げにつきましても、その時期は余りにも遅く、金額も少な過ぎます。その算定基準、一ドル百七十八円、一バレル十九ドルを円高と原油安がとっくに追い越してしまい、これがもとに戻ることは考えにくいのではありませんか。したがって、電気、ガス料金の再度の値下げを今すぐにも実施すべきと考えますが、総理の所見を伺います。  円高苦境だからといって賃上げを抑えられ、黒字がたまったといって預貯金の金利は下げられ、財政再建だからといって医療、福祉、教育の負担増を強いられ、差益還元は遅々として進まず、秋には大増税のかけ声まで聞こえては、中曽根内閣の経済政策のもとで一般国民の生活にとっていいことは何一つありません。このような政策を今後どう転換されるのか、総理の所存をお聞かせください。  次に、本法案の提案する安全保障会議と議院内閣制について伺います。  総理、あなたはかつて首相公選制を提唱し、首相に就任されてからは大統領的首相になりたいという願望を述べたと言われております。特に、最近、貿易摩擦等の処理に当たって、各省庁の抵抗を抑えるため、総理の指導力を最大限に発揮するトップダウン方式の政治手法を改めて模索したと推測されるのであります。このような総理の考え方に沿って、行革審から内閣の調整機能の強化と緊急事態への対処方策を答申させて、危機管理に名をかり、アメリカの大統領のように、あらゆる権限、情報を総理に集中させるシステムを確立しようとするのが今回の内閣の調整機能の強化の意図ではないのでしょうか。しかしながら、今日アメリカでは、ホワイトハウスへの過度な権力集中が生み出す弊害に国内で厳しい批判も出ており、チェック機能の強化が各方面から指摘されているのであります。総理の求められる大統領的首相とはどういう首相でありますか。見解を伺いたいのであります。  申し上げるまでもなく、我が国の憲法は議院内閣制をとり、内閣総理大臣が閣議で政策調整を図り、行政権の行使については内閣が国会に対して連帯して責任を負うこととなっているのであります。本来、内閣の構成員である国務大臣は、国家的視野に立って重要な政策課題について閣議で論議すべき役割を担っているのでありますが、歴代自民党の国務大臣は、この役割を十分に自覚しないままに、その所掌する行政機関の長としての立場にとらわれぎみだと言われます。これを改め、閣議を行政部門の意見調整、意思決定の基本として強力なリーダーシップを発揮することこそ総理の任務ではありませんか。  それを本法案によって、「我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれがある」事柄について総理と少数の閣僚が密室の中で事実上決するということは、憲法の議院内閣制を実質的に変更し、寡頭独裁の政治を目指すものと言わざるを得ません。総理は、これまでも公的、私的諮問機関の多用によって国民を代表する国会での論議を遠ざけ、今また内閣の連帯責任を空洞化しようとしておられますが、もしそのような大統領的首相を望まれるのならば、むしろ国の象徴としての天皇制を廃止し、総理の議席も国会解散権も返上し、議院内閣制を大統領制に変える提案をされるべきなのであります。総理は議院内閣制を守るおつもりがおありでしょうか。内閣総理大臣官房の再編は総理への権力集中を意図し、安保会議は内閣の中にもう一つの寡頭内閣をつくるもので、到底認めることはできません。総理の所見を求めます。  次に、安全保障会議設置法案について伺います。  この法案の問題点の中心は、重大緊急事態の内容であります。  重大緊急事態を「国防に関する重要事項としてその対処措置につき語るべき事態以外の緊急事態であって、我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれがあるもののうち、通常の緊急事態対処体制によっては適切に対処することが困難な事態をいう。」と定義づけられておりますが、この定義が何を意味するのかおわかりでしょうか。極めて抽象、あいまいであり、一体、国防と通常の緊急事態以外に我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれのある緊急事態とはいかなる事態なのでしょうか。さらに、緊急事態とはだれが決めるのでしょうか、超法規的な措置を含むのでしょうか、このような点を明らかにしていただきたいのであります。  また、本法案は、緊急事態に対するトップダウンによる政府意思決定を定めるものと説明されておりますが、トップダウンと言えば、要は上意下達の方式であり、封建時代または独裁体制の手法であります。トップダウンによる意思決定は本来民主主義とはなじまないものと考えますが、総理の所見を求めます。  元来、国防会議は、シビリアンコントロールの機能を発揮するために設けられたものであることは言うまでもありません。今回、重大緊急事態に対処するためなどと意味のよくわからない目的をつけ加えて安全保障会議を設置し、国防と緊急事態への危機管理を一つの機関で対処させることは、シビリアンコントロールの本来の目的を一層あいまいにするものと思われますが、総理のお考えを求めます。  さらに、安全保障会議は、新たに国家公安委員長、内閣官房長官を加えることとしております。このことは、危機管理の名において国内の治安維持について警察権力の強化と総理への権力集中をもくろみ、国家秘密法の制定、有事法制の確定、民間防衛体制を着々と実施しようとするものではないかと思うのであります。このような国民に新たな不安と不信感を与えるような法案は直ちに撤回すべきものと思うのでありますが、いかがでしょうか。  また、これに関連して、有事法制の第三分類の研究内容と目的は何か、いわゆる民間防衛についてもこの安保会議の対象にするのかについて官房長官の御答弁を求めます。  さて、本法案は行革審答申に基づいて作成されたのでありますが、この答申には随所に情報統制、報道管制の意図が盛り込まれていることを見落としてはならないのであります。すなわち、緊急事態への対処に当たっては報道、広報対策としての情報の秘匿がうたわれ、また、情報調査室を初め関係省庁を構成員とする合同情報会議では、情報の秘密保全のための関係職員の守秘義務の確保について所要の措置が強制されているのであります。さらに、対外関係処理に当たっての行動ルールとして、外務省と各省庁間の保秘体制を強化とか、また行政情報ネットワークの整備の項でも、システムとしての秘匿性が必要とされるとしているのであります。情報が秘匿された中で、国民が知らない間に戦争に突入していった歴史的教訓を政府は想起すべきであります。  臨調は開かれた行政の実現のため情報公開の推進を答申したのでありますが、臨調答申を最大限に尊重するという政府の姿勢も、政府に都合のいい部分だけの尊重となり、都合の悪い情報を国民の目から秘匿する傾向は、マルコス疑惑の関連資料に見られるように最近甚だしいものがあります。総理、国民には、開かれた情報によって常に行政を監視し、批判し、正しい民主主義の実践を期待する権利があります。ホワイトハウスへの過度の権力集中を批判されるアメリカの国家安全保障会議すら、一方に広範囲の確立された情報公開制度を大前提としているのであります。総理は情報公開制度をつくるつもりがおありですか。情報公開法の制定について臨調答申を尊重する意思がおありなのかどうか、伺いたいのであります。  また、世論の総批判を浴びて廃案となった国家秘密法案を再び提出することはあり得ないと考えますが、総理の御見解を求めます。  さらに、今回、内閣官房に外政調整室が設けられることとしている点についてであります。総理は中曽根外交を標榜し、外務省の頭越しに外交を進めかねないとの情報をしばしば耳にいたします。二元外交のおそれが内閣官房への外政調整室の設置によりさらに増すのではないかと案ぜられるのですが、総理はどういう見解をお持ちでしょうか。  総理、安全保障会議を設けることは、単に国防に関する事項を審議するだけではなく、国家の安全保障という観点から、国民の社会生活、経済生活、政治生活のすべてにわたって危機を想定して日常的に監視し、その情報を管理しつつ、緊急事態に一般的、予防的に対処せんがため、限定された臨時的措置などというものではなく、恒常的、恒久的に国民管理体制の確立を目指すものと考えざるを得ないのであります。このように我が国の法制度と基本的に異なるものを今回法律として認めることは断じてできません。最後に総理の所見を求め、本法案の撤回を要求して、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 久保田議員にお答えをいたします。  まず、円高の問題でございますが、為替相場の動向というものは為替に聞けとよく言われるものでありまして、我々がその数字について申し上げることはできないのであります。しかし、最近の相場の動きはちょっと急激過ぎると前から申し上げておりまして、長期的安定が重要であると考えておるわけでございます。  サミットにおきましては、お互いが経済指標を出して、そしてそれを著しく逸脱するかどうかお互いに監視し、是正の努力をし合おう、そういう話をしたわけです。そして、みんなが痛み分けで帰ったわけです。アメリカは大きな財政赤字、日本は貿易の黒字、ヨーロッパは産業の不活発とそれから失業問題、これらを是正しよう、そうやってみんなで痛み分けで帰って、そしてウィリアムズバーグ・サミットのあのステートメントに基づいて、有用である場合には介入もやろう、そういうことを確認したのであります。サミットは、前から申し上げているように、個別通貨の話し合いをする場所じゃなくて、政策調整それから構造改革への皆の努力をし合おうということを決めた場所なのであります。  アメリカのレーガン大統領には、私はサミットにおきましても、日本経済が急激な円高によって非常に苦しい状況にある、また特に韓国や台湾やあるいは香港、シンガポール、あれはドルにリンクしているものですから円との差が四〇%以上に開いて、我々は不利になってきて、だっと今台湾、韓国から流入している、かつてのアメリカと同じだと、そういう状況を申し述べて、経済人にとっては耐えがたい状況にあるのだということは、日本経済の説明で各首脳にも強く申したのであります。  それで、レーガン大統領は、日本を去るに際しまして記者会見をやって、こう言っておるのです。まず我々はと言って、あと途中ちょっと略しますが、我々は他のサミット参加国との経済政策調整の強化につき前進を見たと、そういうことをまず言いまして、そして我々はさらにこれが日米双方が望むところのより安定した円ドル関係をもたらすものと信ずると。日米双方が望むところのより安定したと、こういう表現をしておるのであります。  しかるところ、新聞でも御存じのように、アメリカのベーカー財務長官は上院の財政・銀行合同小委員会で次のように言ったと新聞にも書いてあります。ドルは円に対して以前のドル高分を相殺する以上の幅で下落してきたと。また、ドルの適正水準の目標を設けていないとのステートメントについて、市場は勝手に解釈しており懸念していると、こういう趣旨の表現を行ったところです。これらがどういうふうに相場に影響するか、きょうの寄りつきを見ますと、百六十五円、四円の線を今動いているという報告を受けました。これらは市場で決まる問題でありまして、我々がどうこうという問題ではありませんけれども、我々は、これらの材料が今後どういうふうに響いていくか、日銀当局がどういうような判断を示し行動するか見守ってまいりたい、そう考えておるところなのであります。  次に、円高対策については、四月八日に総合経済対策を行いましたが、最近における円の急上昇にかんがみまして、さらに緊急対策をつくるように各省に指示いたしまして今大急ぎでやっておる最中でございます。  差益の還元につきましては、総合経済対策においてこれを決定いたしたところであり、特に主要輸入消費財の価格動向等については去る四月三十日に消費者等に情報提供も行ったところであり、今後ともこの輸入消費財についても円高効果が市場メカニズムを通じて国内販売価格に反映されていくように強く指導してまいるつもりであります。  けさの新聞にも、ごらんのように、電力、ガスについては約一兆八百五十九億円の料金引き下げを行う、これによりまして標準家庭は六月一日以降、月千四百円から千六百円ぐらいの電力代、ガス代が安くなるということになります。石油の製品についても、昨年の九月からことしの四月にかけて、リッター百三十八円から百三十円あるいはそれ以下に今もう石油は下がっておる。灯油にいたしましても、リッター七十五円六十銭から六十二円九十銭に下がってきております。プロパンの値段についても約一千億円これを安くしようと、そういうことで、六月から月約三百円から四百円程度の引き下げということを今実行しようとしておるのであります。その他の輸入品につきましても、関係経済団体約五十四団体に対して円高効果の小売価格への反映を行うように今強く指導しておるところでございます。政府といたしましてもこのように努力しているということをぜひ御了承願いたいと思うのであります。  今後の経済運営につきましては、やはり総合経済対策を実効あらしむる、内需を中心にして景気の持続的拡大を図っていくように努力をしていく、そういう方面でまいりたいと思っております。  さらに、いわゆる大統領的首相というお話でございますが、日本のような高密激動社会にあっては非常に動くテンポが速い、国際関係も非常に激動している時代であります。そういう意味において、これに政治が合うように、あるいは先手を打っていかなければ国民のストレスはたまって政治不信が起こることは必定です。そういう意味におきまして、政治は先手が大事であり、大衆本位に進むという意味におきまして、私の政治姿勢、政治手法として行っておると。官僚あるいは各省庁だけに任せておけば結局縄張り争いで、そして行政が停滞してきておるのはよく目に見えておるところであります。やはり要所要所については閣議を使い、そしてトップダウン方式でその障害を除去しなければ国民のニーズに合うテンポとリズムには合いません。そういう手法を使って行っているという意味であります。  もちろん、内閣法あるいは憲法に従ってやっておるのであります。総理大臣は内閣の首班として、行政各部の首班としての指導力を発揮しなければなりません。あの内閣法その他を見ましても、罷免権を持っております。行政各部のやったことに対する差しとめの権限も持っています。あるいは各省の権限疑義の裁定は内閣に諮って総理大臣がやるというふうに書かれております。そういう面からいたしましても、今日の内閣総理大臣の権限は、戦前のプリマスインターパレスと言われるような、同輩中の首席という総理大臣とは違ってきておるのでありまして、アメリカとイギリスの政府首脳との権限を巧みにコンバインされてできておるのが今日の日本憲法です。でありまするから、戦前の総理大臣を頭に置いて政治をやったら間違いだと、私はこのように思いまして、私流の手法でやっておる、そういうことであり、大衆民主主義の時代はこういう手法でなければ間に合わぬ、そう思っておるのであります。  議院内閣制を守ることはもちろん当然のことでございます。憲法を遵守して議院内閣制を堅持するということは、あくまでそのとおり実行してまいりたいと思います。  それから安保会議と閣議との関係でございますが、安全保障会議の法的性格は、これは総理大臣の諮問機関であって、国防会議と同じ諮問機関でございます。それで、国防に関する重要事項あるいは重大緊急事態への対応措置というものについて総理の諮問を受けてその意見を表明する、こういう形になっております。閣議決定を必要とする事項があれば、速やかにそれは閣議決定をするし、また内閣は連帯して責任を負うという現行制度には変更はない。閣議決定を必要としないというものについては、それぞれ必要としない手続に従って行う。それも法律で決まっておる手続に従って行うと、こういうことになるわけであります。  それからシビリアンコントロールの問題ですが、私は文民統制はさらに強化されたと思うのです。なぜなれば、国防会議というのは今はたしか防衛庁設置法で決められておるのであって、防衛庁の設置法の中に国防会議というものがつくられているということ自体が変則である。私は、独立の法律でつくるとか、内閣制度に関係する法律でこれはつくるべき性格である、そう思っておりまして、今回はそういう意味においては文民統制は一歩前進していると、そのように考えており、単に国防問題のみならず、いわゆる非常の緊急事態に対する対処を総合的に行えるようにしておるのでありまして、文民統制は一歩前進している、そのように考えておるわけであります。  情報公開については、私も前向きでありまして、臨調の答申を踏まえて大いに努力しておるところでございます。特に地方公共団体において実行しているところもございますので、その成果等も今よく見守っております。とりあえずは各省庁の連絡会議を開きまして、窓口事務とかその他についてできるだけ情報公開の趣旨に沿うように努力さしておるところであります。  外政調整室について外交二元化にならないようにもちろん十分注意をし、これは行革審の答申にもその点は書かれておるところでございます。外交の本来の仕事は外務省です。しかし、各省を通ずるいろいろ調整事務があります。特に今度のような経済摩擦の問題については、外務省だけではなくして、農水省もあるいは通産省も、運輸省もあるいは厚生省も、各省をまとめていかなければ経済摩擦に対応できない、外務省だけではできない、そういうような意味において今度の外政調整室というものも考えられておるのであります。しかし、外交本来の仕事は外務省でありますから、外務省を尊重して二元化にならないようにするということは当然であります。  安保会議のメンバーにつきましては、先ほど提案趣旨の中で申し上げたとおりでございます。必要に応じて各大臣も呼び得る、そういうことにしておるのです。官房長官を入れましたのは、内閣の統一上、一番中心にあるのは官房長官でございます。国家公安委員長の場合は、やはり緊急事態については警察が非常に重要な機能を発揮するということがあるがらでございます。  国家秘密保護法案というものは、今、党で慎重に検討し、各方面の意見も聞いておりまして、練っておるというところでございます。  また、今回の法案によりまして国民管理体制へ移行するという御質問でございますが、そういうことは全く考えておりません。  残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)    〔国務大臣後藤田正晴君登壇、拍手〕

後藤田正晴自由民主党・新自由国民連合内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 総理の御答弁を補足いたしましてお答えを申し上げます。  まず第一の、重大緊急事態ははっきりせぬではないか、こういう御質問でございましたが、これは条文に書いてありますように、国防に関する事態以外の我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれのある緊急事態のうちで、例えば災害対策本部であるとか国民生活安定緊急対策本部のように、今日既に対処体制が整っておるもので適切に処理ができかねるといったような事態である。それは一体何かということになると、これは先行きのことでございまするので想定することは困難ではございますが、過去の例で申し上げまするというと、例えばミグ事件であるとか、あるいはKALの事件、あるいはダッカ事件等が一応こういった事態に該当する、かように考えておるわけでございますが、あるいはまた将来、例えば関東大震災程度の大きな災害が起きたといったことを考えますというと、これは今ある災害の非常の体制だけでは対応できないほどの社会的な混乱、不安を起こす、幅広い対処を要する措置であろうと思います。こういった事態はこの法律で想定しておる重大緊急事態に該当する、かように御理解をしていただきたいと思います。  もう一つは、超法規措置を含むのか、こういった御趣旨の御質問ございましたが、申し上げるまでもなく我が国は法治国家でございます。それで、安全保障会議というのは、総理の諮問にこたえて審議をし答申をする機関でございます。その処理方針が決まって答申をいたしますれば、それ以後の実施という段階は、それぞれの所管において憲法並びに法律の枠内で行われるわけでございまするので、この会議で超法規措置をとってそれを行うといったようなことはあり得ざることでございます。  いま一つは、重大緊急事態の認定はだれがするのか、こういう御質問もあったと承知をいたしておりますが、これはやはり安全保障室あるいは各省の事務当局等の補佐を常々受けておる関係の所管大臣あるいは官房長官、こういう者の意見を参考にいたしまして、最終的には内閣総理大臣が判断をせられるべきものであろう、かように理解をするわけでございます。  それから有事法制についての御質問がございましたが、これは有事において自衛隊がその任務を有効かつ適切に遂行する上での法制上の問題点の整理を目的として、現在、防衛庁において勉強をしていただいておる事柄でございます。このうち、第三分類の研究は、総合的な検討が必要と考えられる事項あるいは所管省庁が明確でない、こういった事項に属するのが第三分類でございます。したがって、これらについては政府全体として検討を進めるべき筋合いのものである、かように考えておるわけでございます。  それから、いわゆる民防衛についても安全保障会議の対象になるのかといった御趣旨の御質問もあったやにお伺いをいたしましたが、現在、そういうことを対象としてやっていくという考え方は持っておりません。  以上で終わらせていただきます。(拍手)    〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕

竹下登自由民主党・新自由国民連合大蔵大臣

○国務大臣(竹下登君) お答えをいたします。  今、総理から詳しくお話がございましたが、ちょうど本日、本会議場へ入る前が百六十四円七十五銭から百六十五円五十銭、三億五千万ドルの出来高というところでございます。元来、あくまでも為替相場というのは、お答えにもございましたように、市場で決まるべきものでございます。  それで、昨年九月の五カ国蔵相・中央銀行総裁会議、これにおきまして、為替相場が各国の経済ファンダメンタルズをよりよく反映することが望ましい、そういう認識の一致があったということでありまして、今久保田先生お尋ねの限度とか速度とかということにつきましては、特定の予測なり合意というものがあったわけではございません。いわゆるそれぞれの国には通貨主権がございますから、そこのところはおのずから限界があるわけであります。したがって、一方的協調、こういう御主張もございましたが、大幅なドル高是正が各国の経済ファンダメンタルズをよりよく反映するような形でなされたということは、総合的な協調というふうに言えるではなかろうか。  それからまた、米国における財政赤字、いわゆるグラム・ラドマン法の成立などによりましてその努力が芽生えてきた、あるいは政策協調の結果としての一連の利下げ、結果として協調利下げ、こういうことになりますが、これはまだ各国ともかなりの差はございますものの、やはり政策協調ということに評価できるではなかろうかと考えます。ただ、最近の為替相場の動きが急激である、したがって、やはり安定が重要でございますので、そのためには、先般のサミットで決まりましたように、先進各国がより政策協調を何にも増して行うということにおいて合意されましたサーベイランス、相互監視の強化、これが基本的には相場の安定には一番大事なことであるという認識の上に立っております。(拍手)    〔国務大臣平泉渉君登壇、拍手〕

平泉渉自由民主党・新自由国民連合経済企画庁長官

○国務大臣(平泉渉君) 総理、大蔵大臣からの答弁と重複しない範囲でお答えを申し上げたいと存じます。  最近の円高の現象につきましては、相場の問題ということもございますが、やはり変化の速度というものは、各企業、また各家計にとりましてもなかなか対応の難しい面がある、そういう意味におきましても今度の円高の速度について我々は大変懸念をいたしておる面があることは御承知のとおりでございます。そういう意味からも、政府といたしましては大変注意深く経済情勢をフォローしておりまして、去る四月八日に、主として中小企業対策というようなものを観点に置きまして総合経済対策というものを決定いたしまして、現在それを実施をいたしておる段階でございますが、さらに一段と最近の円相場の動向を反映させまして、また現実のニーズにこたえる、殊に輸出関連の中小零細企業に対する対策を主として考える、こういうことで極めて近いうちにこの対策の決定を見ることができる、かように考えておるわけでございまして、総理も特に先ほどそういう御言及がございましたけれども、現在、関係省庁の間で本当に昼夜兼行で努力をいたしておる段階でございます。  それから円高及び原油価格低下による我が国経済に及ぼす影響、及びそのメリットの面あるいはデメリット、そういった問題でございますが、なかなか調査の難しい面もございまして、はっきりとお答えをする段階に至らないわけでございますが、しかしこの主要輸入消費財の価格動向などにつきましては十分調査をいたしておるわけでございます。去る四月三十日には消費者等に情報提供を行っております。また、輸入消費財についての円高等の効果が市場メカニズムを通じて国内販売価格に反映されていくように努力をいたしておりまして、通産省とも相協力をいたしまして、関係業界にも十分注意、行政指導を行っておる段階でございます。  以上でございます。(拍手)     —————————————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 太田淳夫君。    〔太田淳夫君登壇、拍手〕

太田淳夫公明党・国民会議

○太田淳夫君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました安全保障会議設置法案に対しまして、総理並びに関係大臣に若干の質問をいたします。  総理みずからが改憲論者と称する中曽根内閣が発足して三年有半が過ぎました。その間、「戦後政治の総決算」を掲げた中曽根内閣はどのような実績を上げたのか、中曽根政治の実態が何であったか、今改めて問い直す必要があると思うのであります。  総理は、一千海里シーレーン防衛とその洋上防空体制の強化、集団的自衛権の行使につながりかねない自衛艦による米艦護衛問題への踏み込み、防衛政策の根幹をなす防衛計画の大綱の見直し発言、そして昨年九月には総額十八兆四千億円にも上る中期防衛力整備計画を決定し、国民合意である防衛費の対GNP比一%枠のなし崩しをもくろむなど、危険きわまりない道を歩み続けております。  また、靖国神社への公式参拝の強行、スパイ防止法の提出など、中曽根内閣の時代逆行の政治についても触れざるを得ません。靖国神社への公式参拝については、既に「違憲の疑いをなお否定できない」という政府統一見解が厳然とあるにもかかわらず、総理は私的諮問機関を通じて公式参拝合憲論を打ち出しました。スパイ防止法に対しては、憲法に保障されている国民の知る権利を侵害する、乱用される危険性があるといった国民の強い批判があり、前国会において廃案となったにもかかわらず、なお総理自身が成立させるよう努力すると明言までしているのであります。  このような軍事力増強、戦前回帰色の濃い中曽根政治の一貫した流れの中から、今回、安全保障会議設置法案が提出されたことは多くの国民が不安と危惧を抱くところであります。そうした国民の心情を総理はどう受けとめ、国民に対しどう理解を求めていくお考えか、まずこの点をお伺いしたいのであります。  次に、この安全保障会議がどのような位置づけをなされるのかお尋ねいたします。  安全保障会議の設置につきましては、従来から各方面より提言されてまいりました。我が党といたしましても、安全保障の問題は軍事面のみならず、資源、エネルギー、食糧等幅広い視野と長期的展望に立って検討する必要があるとの観点から、現在の国防会議を解消し、政府部内に総合安全保障会議を設置することを提案しているところであります。  また、政府部内としても、散大平総理の政策研究会である総合安全保障研究グループが報告書を提出し、それを受けた形で鈴木内閣時代に総合安全保障会議の設置が積極的に検討されました。しかし、この際の政府の論議においては、国防会議を無視して新しい機構を考えることは実際的ではないとの結論になり、安全保障会議のような機構の設置は見送られたのであります。そして、結果的には、総合安全保障関係閣僚会議の設置が閣議決定され、今日に至っている経緯があります。今回提案されている安全保障会議は、いわば同一の目的から生まれた同様の会議体であり、その意味で現在の総合安全保障関係閣僚会議とどういう関係になるのか、また実際的な運用面でどう異なるのか、明確にしていただきたいと思います。  さらに、安全保障会議は国防会議の任務を継承することにもなっておりますが、国防会議につきましては、臨調答申にも指摘されておりますように、必ずしもその機能を適切に発揮しているとは言いがたい、防衛予算や装備の単なる追認機関と堕しているとの批判もあることは事実であります。こうした批判にどう対応していくのか。特にシビリアンコントロールを充実強化するためには、事務部内の権限強化とスタッフの充実がぜひとも必要であります。国防会議から安全保障会議に変わっていくことによってこのシビリアンコントロールが具体的にどう強化されるのか、お伺いいたします。  次に、法案の内容について何点かお尋ねします。  まず、重大緊急事態とはいかなるものかという点であります。  政府の言う重大緊急事態の定義は非常にあいまいであると言わざるを得ません。政府は、この定義の抽象性への指摘に対し、将来起こり得るいろいろな事態を、どんなことが起こるかわからない事態を具体的に書くということは大変困難であると答弁しておりますが、このように全く何が起こるか予想できない事態に対し、平素から調整の仕方についてマニュアルをつくるとしているのは、矛盾も甚だしいと思わざるを得ません。対処方針のマニュアルが作成できるのであれば、もっと具体的かつ詳細に重大緊急事態を説明できるはずであります。この点について総理の明確なる御答弁を求めたいと思います。  また、政府の定義によれば、重大緊急事態とは非軍事緊急事態であって、かつ通常の体制では対処困難な事態とされているものの、政府が事例として挙げている事態の中には、対応の仕方いかんによっては有事に直結しかねないものもあるのであります。こうした事態は有事との境界が不明確であり、平素から重大緊急事態に備えるということが事実上の有事体制の強化、国民の監視、管理の強化に密接に結びつくのではないかとの危惧を生むのであります。この点総理はいかがお考えか、御所見をお聞かせ願いたいと思います。  次に、これと関連して重大緊急事態の発生原因の多様性についても触れざるを得ません。  これまで我が国に起こった重大緊急事態として政府は、ミグ25事件、ダッカ事件、大韓航空機撃墜事件等を事例として挙げておりますが、それぞれその原因は全く異なるものであります。後藤田官房長官は、大規模地震の場合も重大緊急事態に該当する旨の答弁を行っておりますが、人為的要因に基づくものと自然的要因に基づくものとを統一的に一つの組織で検討することが適当かどうか、大いに疑問であります。この点については、昭和五十五年に内閣審議室が取りまとめた「国の総合安全保障に関する行政の仕組み」によれば、「危機管理といっても、災害の場合、外部からの侵略がある場合等、種々のケースがあり、」「それぞれ別個の危機管理体制が整備されていなければならない性格のものである」、このように指摘をしております。自然災害については中央防災会議があり、エネルギー危機については国民生活安定緊急対策本部があります。したがって、そういった個別の対処制度を整備することが本来のあり方であり、最も適切な対応であると考えますが、総理並びに官房長官の御所見を伺いたいと思います。  最後に、国民の知る権利との関係をお尋ねいたします。  安全保障会議の設置に伴なって行われる内閣官房の再編案によれば、内閣調査室を情報調査室に改組するとされております。また行革審答申によれば、外務省情報調査局、防衛庁防衛局、警察庁警備局、公安調査庁との合同情報会議の設置が提起されております。こうした考え方は内閣による一元内情報管理かとの懸念をどうしても生じさせるものであります。民主主義社会においては、自由な報道を通じた正確な情報に基づく国民の活発な議論が根幹であることは論をまちません。また、そうした議論を通じて初めて安全保障問題についても国民の理解と支持が得られるものと信じます。このような観点から、国民の知る権利に基づく幅広い情報公開に内閣の情報機能の強化が逆行することは絶対にあってはならないと考えるものでありますが、総理並びに官房長官の御所見をお尋ねし、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 太田議員にお答えをいたします。  まず、本法案提出の背景、趣旨についての御質問でございます。  最近の我が国のように高密激動社会となり、また国際的にも非常に高度の情報化時代に突入している状況におきましては、内外において、国の安全に重大な影響を及ぼすおそれがある重大緊急事態が発生する潜在的危険性は常にあるわけでございます。安保会議を設置する趣旨は、国防会議の任務をそのまま継承するとともに、重大緊急事態に内閣として迅速、適切に対処し、事態の拡大発展を防止しよう、そういう趣旨によるものであります。  なお、総合安保関係閣僚会議との関係でございますが、この閣僚会議は、経済、外交等の諸施策について、安全保障の視点から総合性及び整合性を確保するための協議機関であります。この両会議は、その役割を異にするので、安全保障会議設置後においても総合安全保障関係閣僚会議は存続して、両々相まって我が国の平和と安全を確保していく考えております。  シビリアンコントロールの問題は先ほど申し上げましたが、一つの例として、今までの国防会議設置法は、防衛庁設置法に規定されているものを、独立の内閣系統の法としてこれを前進させたと、そういう意味におきまして、私はシビリアンコントロールは一歩前進していると思うのであります。国防会議の任務を安全保障会議にそのまま一方において引き継いでいる。重大緊急事態には、事態の推移によっては国防事態、つまり有事に発展しかねないものがありますが、会議で重大緊急事態の段階から審議することによって、有事に至らない段階で有事に至らしめないように、適切に国の意思を決定して有効な対処方針を決めていくことができると思います。以上のような理由から、いわゆる文民統制は前進すると考えております。  重大緊急事態の定義については、先ほど官房長官からお答えがありました。  これは、国防に関する事態以外の我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれのある緊急事態のうちで、例えば災害対策本部とか国民生活安定緊急対策本部のような今日ある緊急事態対処体制では適切な対処が困難であるというものが当たるものでありまして、重大緊急事態の要件としては、緊急性と重大性と異例性の三つが規定されております。  さらに、これは有事体制をはかるものなのかということでありますが、安全保障会議は、現在の国防会議の任務をそのまま引き継ぐとともに、重大緊急事態に内閣として迅速、的確に対処し、いわば有事に至らない段階で有事に至らしめないように事態の拡大発展を未然に防止する、それによって国の安全を確保しようというものでありまして、御指摘のようなものではございません。  次に、多様な重大緊急事態に統一的対処は適切かということでございますが、経済的な緊急事態や自然災害などのように通常の対処体制によって適切に対処し得る事態以外の緊急事態であって、その原因のいかんにかかわらず、いずれも我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれのある事態に対応しようとするものでありまして、このような事態は、内閣としての総合調整を要するものであり、場合によっては国防事態に発展しかねないものもあるため、現行国防会議を安全保障会議に改組し、ここで統一的に処理できるようにしたと判断しておるものであります。  合同情報会議につきましては、合同情報会議(仮称)の設置、内閣調査室の改組等は、行革審の答申を踏まえて、内閣の総合調整機能が機動的、効率的に発揮されることを目的として行うもので、国民の知る権利を妨げるものではございません。  残余の答弁は関係大臣がいたします。(拍手)    〔国務大臣後藤田正晴君登壇、拍手〕

後藤田正晴自由民主党・新自由国民連合内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 補足をいたしまして太田議員にお答えを申し上げます。  一つは、重大緊急事態の発生原因の多様性によって、これらを一つの組織で統一的に対処するのは不適切ではないか、こういう御趣旨の御質問でございますが、これは先ほど、重大緊急事態というのは、国防に関する事態以外の事態で、かつ経済的な緊急事態や自然災害などのように通常の対処体制によって適切に対処し得る事態以外の事態であると考えておる、こういうお答えを申したのでございますが、これは太田議員御指摘のような点も考えまして、通常の体制がかなり整っておるものは、それらの対処体制において処理させることが合理的であると、かように判断したからでございます。  また、重大緊急事態の例として、先ほどミグ25事件であるとかKAL事件であるとかダッカ事件、あるいは関東大震災のごとき過去の例を申し上げましたが、これらは人為的な事故であれ、あるいは自然的な事件であれ、その発生原因のいかんにかかわらないで、いずれも我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれのある事態であり、なお、関東大震災の例のようなものは、通常の災害対策では対応が困難な事態、例えば治安維持上重大な支障が生じるような社会的大混乱を伴った災害が過去の例でもあるし、これからもあり得るかもしらぬといったようなことを念頭に置きまして、例としてお答えをしておるわけでございます。こういった事態は内閣としての総合調整を要するものでございまして、また場合によっては、処理のいかんによっては国防事態にまで発展しかねないものも考えられるわけでございます。そこで、現在の国防会議を改組して、ここで統一的に処理することが迅速、適切に処理する上で合理的ではないか、こういう判断をして改正を御提案申し上げておるような次第でございます。  それから合同情報会議の設置、内閣調査室の改組等による内閣の機能強化は、国民の知る権利、これの妨げになりはしないかという御趣旨の御質問もございましたが、御案内のように、現在は外務省であるとかあるいは防衛庁であるとか、法務省であるとか警察庁であるとか、その他多くの官庁でそれぞれの所管行政を進める上において必要な情報を所管としておる部局があるわけでございます。これらはやはり定期的に合同の情報会議といったような趣旨のものを設けまして、定例的にお互いに所管行政の状況を知り合う仕組みをつくって、そのことによって内閣全体の重要政策に関する総合的な把握を図ること、これが適切であろうと、こういうことで行革審の答申を踏まえて設置しようという考えを持っておるものでございます。  また、内閣調査室の改組のことにつきましては、内閣の総合調整機能の強化を図るための情報の収集分析体制等を強化する必要があるということで、今回内閣の調査室を情報調査室へ改組をする、こういう考え方で現在準備をいたしておるような次第でございます。これらのことは、今日いかなる仕事をするにしても、やはり肝心なことは基礎的な各種の情報というものをそれぞれの所管行政において的確に収集、判断をして対応していくということが極めて私は重要であろうと、こう考えているわけでございまして、このことと国民の知る権利を妨げるといったようなことはこれはおのずから別個の問題である、かように理解をいたしている次第でございます。(拍手)     —————————————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 内藤功君。    〔内藤功君登壇、拍手〕

内藤功日本共産党

○内藤功君 私は、日本共産党を代表して、安全保障会議設置法案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。  本法案によれば、内閣総理大臣が重大緊急事態の名のもとに、閣議にも国会にも語らず、対処方針を決定し、指示できるという強大な権限を保有することになります。また、防衛出動下令以前の平時の段階から、有事体制、有事法令の実施による戦時国家体制がつくられ、国民の自由、権利が規制されるおそれがあります。民主主義をとうとぶ多くの国民が、このような法案に危惧を抱くのは当然であります。  そこで、まず第一に、安全保障会議を設置して対処しようとする重大緊急事態について政府の説明は依然として不明確なので伺います。  政府は、大規模災害などの通常の緊急事態と外国からの武力攻撃などの国防事態との中間に重大緊急事態があると称し、その例としてミグ事件、大韓航空機事件、ダッカ事件を挙げています。しかし、これらの事件は、現行の法令と既存の体制の運用で特段の支障なく対処できたではありませんか。安全保障会議をあえてつくらなくても、関係閣僚間の協議、閣議での協議で処理できる性質の事柄ではありませんか。しからば、安全保障会議でなければ対処できない重大緊急事態とはどんな事態が。総理、その具体例を明確に示していただきたいのであります。    〔議長退席、副議長着席〕  第二に、本法案の最大の眼目は、日本平時の段階から自衛隊の日米共同作戦参加の体制をつくろうとしている点にあります。  そこで具体的に伺います。次のような事態は安全保障会議の議題とされることになるのではないかということであります。その一、在日米軍が極東地域へ出撃するという事態での便宜供与はどうか。その二、西太平洋の公海上で日米いずれかの艦船が攻撃を受けるという事態での日米共同対処はどうか。その三、米海軍の公式戦略として発表されたワトキンズ作戦部長、ケリー海兵隊司令官の論文で明らかにされました米軍の太平洋、オホーツク海でのソ連潜水艦など海軍戦力への攻撃、サハリン、千島への海兵隊の進攻という事態での日本の協力、支援を求められた場合はどうか。以上について、総理の明確な答弁を求めるものであります。  第三に、安全保障会議と有事法制研究とのかかわりについてであります。  政府はこの点について、有事法制研究の第三分類は、所管が決まっていないわけだから、内閣全体で取り組むべき課題であり、安全保障会議で取り上げそして調整をすると述べていますが、これは安全保障会議で、航空、船舶の運航統制でありますとか電波統制など、第三分類の有事法令を具体的に促進するということなのかどうか。また、第三分類だけでなく、自衛隊法百三条に基づく政令制定などの第一分類、有事の際の戦死者の取り扱いや野戦病院の設置などの第二分類、さらには国家機密法、このような有事法制全体について安全保障会議で促進していこうとしているのではありませんか。総理の明確な答弁を求めます。  第四に、安全保障会議と国民の集会の自由など基本的人権との関係についてであります。  国家公安委員長が新たに正式のメンバーとなり、また政府の答弁によれば、自衛隊の治安出動も議題とされ、大災害に伴う社会不安も重大緊急事態に当たるとされております。これはまさに安全保障会議が、国展の大規模な集会やデモなどの自由、権利に対し、武力、警察力による抑圧、規制を推進する機関となることではありませんか。総理の答弁を求めます。  第五に、国民の知る権利、報道の自由とのかかわりについてであります。  政府は、安全保障会議の設置とあわせて、内閣調査室の情報調査室への改組、強化を初め、合同情報会議や内閣広報官の設置などを行うとしておりますが、これは行革審答申が指摘しておりますように、緊急事態対処の基盤整備を目指すもので、内閣官房を中心に、あらゆる軍事、外交あるいは警備情報の収集と秘密の保全や報道統制と世論操作の体制を強化しようとするものではありませんか。藤波前官房長官は、緊急事態が起こった場合、報道機関に協力を求めることがあり得ると答弁していますが、これはまさに協力要請に名をかりた報道統制、世論誘導につながるものではありませんか。総理並びに官房長官の答弁を求めるものであります。  第六に、安全保障会議と国会、内閣との関係についてであります。  日本国憲法第六十五条は行政権が合議体たる内閣に属することを定め、これを受けて内閣法がつくられております。内閣法四条は、「内閣がその職権を行うのは、閣議によるものとする」、こう決めております。さらに内閣法六条は、「内閣総理大臣は、閣議にかけて決定した方針に基いて、行政各部を指揮監督する」と定めております。しかるに政府は、総理を長とした一部少数の閣僚のみで構成する安全保障会議で国の安全に重大な影響を及ぼす事態への基本方針を定め、総理が閣議にも語らず行政各部を指揮監督して実行していくことがあり得ると答弁をしております。総理は法秩序の尊重をしばしば言われますが、このようなことは憲法及び内閣法に違反し、法秩序の尊重とは全く相反することではないのですか。総理の明確な答弁を求めるものであります。  さらに、国会との関係についても、政府は、報告すべきものがあれば報告すると述べ、国会への報告すら行わない場合もあるとしております。本来、国の平和や安全に重大な影響を及ぼす重要問題については、国会が第一義的に審議、決定すべきではありませんか。国会への報告すらしないということでは国権の最高機関を軽視するものではありませんか。安全保障会議の設置は、大統領的首相になりたいという中曽根総理の願望に沿って、国会からも内閣からもコントロールされない少数閣僚による独裁的な機関をつくろうということではありませんか。総理の明確な答弁を求めるものであります。  国民の知らぬ間に侵略戦争が準備、開始され、三百十万人のとうとい人命を失った歴史を再び繰り返してはなりません。少数の為政者、権力者の手に国の和戦の運命、国の安危をゆだねてはならないことを歴史の教訓は示しております。本法案は、総理が呼号する戦後政治総決算路線の具体化であり、国家機密法や有事法制、政党法制定の企てとともに、日本型ファシズムと日米軍事同盟体制国家づくりを推進するための法案であります。我が党は、本法案の成立を断じて許さないため、広範な国展と力を合わせて奮闘することを表明して、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 内藤議員にお答えを申し上げます。  重大緊急事態とはという御質問でございますが、これは国防に関する事態以外の我が国の安全に重大な影響を及ぼすおそれのある緊急事態のうち、例えば災害対策本部とか国民生活安定緊急対策本部のような今日ある緊急事態対処体制では適切でないもっと困難な事態に対応するというものでありまして、過去の例として先ほど官房長官が申し上げましたようなケースがそれに当たるものであります。  安保会議の議題につきましては、これは一概に申し上げることは困難で、起きてくる緊急事態というものに対応するということでございますが、国防に関する部分は国防会議の任務を引き継ぐ。したがって、防衛出動の可否等のほか国防に関する重要事項として総理が必要と認める事項を審議するものでございます。なお、自衛隊と米軍との協力関係につきましては、個別的自衛権の範囲内におきまして、従来国会で私が答弁を申し上げた範囲内におけるものなのであります。  安保会議と有事法制研究の問題でございますが、今回の改正は有事法制の取り扱いをは直接関係するものではございません。有事法制第三分類の研究については、現在防衛庁で行っている検討の結果を見ながら、担当部局をどこにするか等を含め今後の取り扱いについて政府全体として取り組んでいく必要がありますが、その際、安全保障室ができていれば種々の調整等の事務をそこで行うことも考えられるところであります。また、国家機密法とは何ら関係もございません。  基本的人権の問題については、国家、国民の安全をより一層確保していこうという趣旨のものでございまして、集会、デモ等は憲法や法令によって認められたものであり、これらの行為はここで言う重大緊急事態には当たらない、御指摘のようなことはございません。  それから情報調査室の問題でございますが、内閣調査室の情報調査室への改組等は、行革審の答申を踏まえて、内閣の総合調整機能が機動的、効率的に発揮されることを目的として行うものであって、報道統制、世論操作等を意図するものではございません。  なお、緊急事態等に対しましては、国民に的確な情報を提供することが必要であり、また状況によっては報道機関への協力要請ももちろんあり得ると思いますが、報道統制とか世論誘導というようなごときものを考えているのではないのであります。  閣議との関係におきましては、これは総理の諮問機関として内閣に設置されるものでありまして、この答申の内容について、閣議を経べきものについてはこれを経る、経ないで各省が実施できる案件についてはそのように行う、いずれも法律に従って行うと、こういうことであります。  国会への報告につきましては、これは内閣の諮問機関でございまして、内閣が答申を受け、それを実行するという関係にあるものであります。その実施に当たりましては、既存の法律により国会承認が必要とされている場合には、当然その手続がとられます。重大緊急事態の対応措置等について国会へ御報告することが適切であり、機宜やるべきであると考えた場合には事後的に報告する、こういうことになると思います。  これらの法律を通過させることによって独裁的な政権をつくうとしているのではないかという御質問でございましたが、共産型独裁政権などは毛頭考えておらないのであります。(拍手)    〔国務大臣後藤田正晴君登壇、拍手〕

後藤田正晴自由民主党・新自由国民連合内閣官房長官

○国務大臣(後藤田正晴君) 国民の知る権利、報道の自由とのかかわりについて、内藤議員に補足してお答えをいたしたいと思います。  御案内のように、昨年の七月に提出されました行革審の答申では、「国際化の進展に伴い対外関係の重要性が増大し、国際・国内関係の高度化により緊急事態発生の可能性の高まっている現在、その的確・機敏な対応のため、内閣を中心とする総合調整機能の強化は喫緊の課題である」、こういう認識のもとに内閣官房等の組織の再編成を提言しておるわけでございますが、その中で、内閣調査室の情報調査室への改組等はこの中に答申をせられているわけでございますが、それを踏まえまして、政府としては内閣の総合調整機能を強化する一環として情報調査室に改組をしたい、こういうことを考えておるわけでございまして、報道統制とか世論操作、こういうことが民主主義の社会においてあり得ざることであることはもう皆様方御承知のとおりであろうと思います。我々はいささかもさようなことは考えておりません。  なおまた、藤波前長官が緊急事態が起こった場合、報道機関等に協力を求めることがあり得ると答弁をしておるが、これは報道統制、世論誘導につながるのではないか、こういう御心配でございますが、さようなことはございません。緊急事態が発生した場合に適切にこれに対処する、それがためには何といっても国民の理解と協力が私は不可欠であろう、かように考えるわけでございます。ならば、やはりそのためには国民に対して的確な情報を常時御提供申し上げるということは私は当然のことであろう、そのために報道の諸機関にできる限りの御協力をお願い申し上げるということは当然のことであろうと思います。これをもって報道統制、世論誘導に当たるということはあり得ないことであろう、かように理解するわけでございます。(拍手)

阿具根登各派に属しない議員副議長

○副議長(阿具根登君) 答弁の補足があります。中曽根内閣総理大臣。    〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) ただいまの御質問の中で、在日米軍、極東地域への出撃の便宜供与という問題でございますが、これは安保条約による条文の解釈の問題になると思います。これは事前協議そのほかにおきまして従来政府が答弁していたとおりの範囲内に限定されるということでございます。  それから米海軍がオホーツク海等へ進攻をする場合の日本の協力支援という御質問でございますが、この問題につきましても、日本の協力支援、自衛隊のことを意味しているかもしれませんが、日本が侵略されているという場合に、日本に救援に駆けつけてくる米軍あるいは日本に対する輸送船団で、日本に食糧や燃料を供給している船が攻撃される場合の協力関係等について、今まで私は答弁していると思います。そのような限定された、日本防衛というものを目的にして、そしてそれに駆けつける米軍に対する日本の協力というものはあり得ると、従来答弁したとおりでございまして、それを出るものではございません。(拍手)     —————————————

阿具根登各派に属しない議員副議長

○副議長(阿具根登君) 関嘉彦君。    〔関嘉彦君登壇、拍手〕

関嘉彦民社党・国民連合

○関嘉彦君 私は、民社党・国民連合を代表いたしまして、提案されております安全保障会議設置法案について、三点ほど総理大臣に質問したいと思っております。  民社党は、かねがね、現在の国防会議を改組強化して国家安全保障会議を設置するように提案してまいりました。その理由は、国家の安全保障の問題は防衛庁のみに任せておくには余りに大きな問題である。シビリアンコントロールのもとで治安、財政などの国内的な要因あるいは外交などとの関連で総合的に対処すべき問題であるのに、現在の国防会議は防衛庁設置法のもとにつくられたせいか、その運用が形骸化し、事実上防衛庁で決めた業務計画あるいは予算の追認機関にほかならない、国家の安全をそのときそのときの情勢に応じて審議する機関になっていない、それゆえそれを改組して国家の安全保障の問題を総合的、包括的に取り扱い得るようにするためでございます。  ところで、今般、政府は安全保障会議設置法案を提出されました。一見すると民社党の方針に賛成して法案を作成されたかのように見えますけれども、その内容を検討しますと、基本的な点において我が党の提唱したものと異なっており、原案のままではかえって将来に禍根を残すのではないかということを恐れております。その観点から、我々の見解と対比しまして政府の見解をただす意味において質問するものであります。  第一は、会議の名称の問題、すなわち国家安全保障会議ではなしに、単に安全保障会議としたのはいかなる理由によるのかという問題であります。  名は体をあらわすということわざのとおり、名称はしばしばその実体を規定するものであります。安全保障というだけではこの法案が何の安全を保障するのか明白でありません。現在ある国防会議が国家の防衛のための会議であるのと同じ精神において、今度設置されるものは当然に国家の安全保障の会議でなければなりません。総理は、去る三月二十五日の衆議院本会議で、我が党の滝沢議員の同趣旨の質問に対して、国家という字をつけると、ややもするといかめしい感じがして狭くなる、そういう感じもあって国家という字を省いたという趣旨の答弁をされましたが、これは総理の言葉としては信じられない言葉であります。  もともと日本語の国家あるいは国という言葉は極めて多義的な言葉であります。ある場合にはそれは郷土、カントリーを意味し、ある場合には国の利益というように国民共同体すなわちネーションを意味し、またある場合には権力的統治機構、特に中央政府すなわちガバメントを意味しております。しかし、政治学的には国家というのは狭い意味では権力的な統治機構を意味しますけれども、広い意味では一定の領域内で他と区別される一体性、アイデンティティーと申しますか、一体性を有する人々が共通の統治機関を有する状態、すなわち国民国家、ネーションステートを意味しております。日本を含めて民主主義国家、すなわちデモクラシーズはすべて国民国家であります。  確かに、本来の狭い意味の国家はいかめしい、そして狭い感じを与えることもありますが、広い意味の国家は、我々の家庭や地域社会や企業、こういうものを包み、それを支えている広い土台であります。国を守るとか国家の安全保障という場合の国家とは、この広い意味での国民共同体としての国家を意味していて、断じて狭い意味の統治機構そのものを意味してはならないのであります。総理が、国家という語はいかめしい感じを与えると言われるのは、権力機構としての国家を考えてのことだろうと思うのでありますけれども、もし総理の国家観がそのようなものにとどまるのでありますならば、事安全保障の問題に限らず、教育の面において愛国心を強調することは極めて危険なことであります。安全保障の対象は決して権力機構としての国家であってはならない、国民共同体としての国家でなければならないと考えますけれども、もしそれに総理が同意されるのであるならば、国家という語を避けること自体がおかしいのであります。  私は、戦後、政治家が国家の問題を正面から取り上げずに、それに対して逃げ腰の態度をとってきたことが、国民の間に国家をうさん臭いものに見えさせ、国防の観念をあいまいにし、臨教審の答申で「国を愛する心の涵養が必要であり」というような、諸外国であれば言わずもがなのことをあえて強調しなければならなくなったその原因は、まさにこの点にあると思うのであります。なぜ総理はそのように国家の言葉を敬遠し、単に安全保障会議とされたか、それを明らかにしていただきたい。  第二の質問に移ります。それは、この会議の事務局の危惧が実質的に格下げになるのではないかという危惧についてであります。  この会議が引き継いでおります国防会議においては、その事務をつかさどる事務局長は、内閣総理大臣から任命され、議長の命を受けて直接に事務を掌理する云々ということが国防会議の構成等に関する法律で明記されておりました。ところが、今回の安全保障会議の場合は、内閣官房が処理し、命を受けて内閣審議官がつかさどるとしか書かれておりません。多分その事務は内閣官房の中の安全保障室が担当するものと思われますけれども、何か事務局が格下げになったのではないかというふうな印象を与えます。  この安全保障会議のような各省にまたがる広範な行政を調整する機関が、成功して所期の目的をおさめ得るかどうかは、その審議の準備をする事務局がどのような権限を持ち、また、どのような地位の人がそのいわば事務局の事務を掌理するか、担当するかに依存するところが大きいわけであります。私は、この安全保障会議の事務を総括する者は、国防会議の事務局長の場合と同じように、事務次官クラスの人を総理大臣が任命し、安全保障会議の事務に関する限りは議長の命を受けるようにすべきではないかと考えております。事務局が国防会議のときに比して格下げされるのではないかと危惧するのでありますけれども、私の危惧が杞憂にすぎないものであるかどうか、それを確認しておきたいと思います。  第三は、この安全保障会議が設置された後にどのような事項を審議するかの問題であります。  新しい会議は、現在の国防会議の任務を引き継ぐほか、大韓航空機事件やミグ25の亡命事件のような緊急事態の発生に備えての必要な事項を審議するものと理解しておりますけれども、私は、そのほかに、現在では外務省の所管になっておりますところの日米安保条約のあるいは改定の問題であるとか運用上の重要問題、さらには現在問題になっているところのSDIなどの参加の問題、あるいは軍縮についての基本方針、そういった国家の安全保障の基本問題は設置法第二条の一に含まれる重要事項であって、外務省のみにゆだねるべき問題ではないと考えます。もちろんその対外交渉は外務省を通ずるべきでありますけれども、基本方針の審議はこの会議が行うべきであり、事務局は絶えずその審議に対応し得る準備をなすべきものと考えております。この点についての総理の見解をお伺いいたします。  このほか、個々の点で異論がありますけれども、それは委員会審議の段階に譲りまして、最後に一言だけ言っておきます。このような国家百年の大計に関する組織の問題は、そのスタートが大事であります。従来の行きがかりにとらわれることなしに、十分に再検討し、誤りなきを期せられたいことを希望して、私の質問を終わります。(拍手)    〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕

中曽根康弘自由民主党・新自由国民連合内閣総理大臣

○国務大臣(中曽根康弘君) 関議員にお答えをいたします。  関議員の国家、いわゆるネーションステートに関する御議論は傾聴いたしておるところでございます。今回、国家という名前をつけなかったというのは、一つは、行革審の答申がついておらないというのが一つの理由でもございますけれども、前にも申し上げましたように、ちょっといかめしい感じが与えられると。それで、学問的定義の問題と国民的理解の問題というのは少し差があります。国民的理解を求めるというのは政治の場であります。したがって、学問的定義の正確性というものもある程度は我慢してもらわないと政治が動かないというそういう場合もあり得る。そこで、国防会議の国防というのは国家の防衛、国防会議の仕事を引き継ぐ、そういう印象がそのまま残るということはちょっとどうかなと。やはり非常に幅の広い、外交からあるいは建設関係から金融から経済に至るまでの緊急事態というものを考えますと、幅の広い概念で安全保障会議と言った方が国民的に理解されやすい、誤解を生まない、そういう意味でこのようにしたので御理解をいただきたいと思うのでございます。  事務局の格下げではないかという御質問でございますが、そういうことは断じてございません。内閣におきましては総理大臣と官房長官は一体になって行うものでございます。そして、今回の改正によりましても、安全保障室長には現在の事務局長と同様、次官に準ずる者が充てられまして、所要の人員もさらに強化されると考えておる次第なのでございます。  次に、SDI等との問題でございますが、安全保障会議は、国防に関する重要事項について審議するという現行の国防会議の任務をそのまま引き継ぐもの。また、国防に関する政府部内の処理体制はこの法律によって変わらない。SDI研究参加の問題というものは、従来から外務省、防衛庁、通産省及び科学技術庁の関係四省庁で行ってきておるものでございまして、現時点で特に検討体制に変更を加える必要は認めるものではございません。  本法案につきましては、何とぞ、御審議の上、早急に成立方をお願い申し上げる次第でございます。(拍手)

阿具根登各派に属しない議員副議長

○副議長(阿具根登君) これにて質疑は終了いたしました。      —————・—————

阿具根登各派に属しない議員副議長

○副議長(阿具根登君) 日程第二 有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長大森昭君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔大森昭君登壇、拍手〕

大森昭日本社会党

○大森昭君 ただいま議題となりました有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。  本法律案は、テレビジョン放送等の再送信の円滑かつ適切な実施を図るため、再送信の同意に関し、当事者間で協議が調わない等の場合の措置として、郵政大臣のあっせんの制度にかえて、裁定の制度を設けることとするとともに、郵政大臣は、再送信の同意に関し裁定をしようとするときは、政令で定める審議会に諮問しなければならないこととするものであります。  委員会におきましては、裁定制度の行使のあり方、放送メディアにおける有線テレビジョン放送の位置づけ等の諸問題について質疑が行われました。  質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、片山甚市理事より、長期的展望に基づく放送政策の早期策定等の三項目から成る附帯決議案が提出され、全会一致をもってこれを本委員会の決議とすることに決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

阿具根登各派に属しない議員副議長

○副議長(阿具根登君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

阿具根登各派に属しない議員副議長

○副議長(阿具根登君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      —————・—————

阿具根登各派に属しない議員副議長

○副議長(阿具根登君) 日程第三 生物系特定産業技術研究推進機構法案  日程第四 農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案  日程第五 農林中央金庫法の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上三案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長成相善十君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔成相善十君登壇、拍手〕

成相善十自由民主党・自由国民会議

○成相善十君 ただいま議題となりました三法律案のうち、まず、生物系特定産業技術研究推進機構法案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。  本法律案は、民間において行われる生物系特定産業技術に関する試験研究に必要な資金の出融資その他の業務を行い、あわせて農機具の改良に関する試験研究等の業務を行う法人として、生物系特定産業技術研究推進機構を設立しようとするものであります。  委員会におきましては、参考人を招いてその意見を聴取するとともに、我が国のバイオテクノロジーの開発状況、機構設立に当たっての基本的な考え方、機構の適正な運営のための人材、資金確保の見通し、民間研究促進業務における出融資対象選定の基準、農業機械化研究所の改組に伴う農業機械化促進業務の充実、バイオテクノロジー開発に伴う安全性の確保、新技術開発成果の農業者等への還元、公的研究機関の研究開発の推進等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知を願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して下田委員より本法律案に反対である旨の発言がありました。  討論終局の後、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、六項目にわたる附帯決議を行いました。  次に、農水産業協同組合貯金保険法改正案及び農林中央金庫法改正案について申し上げます。  農水産業協同組合貯金保険法改正案は、最近における我が国の金融環境の変化に対応して、金融自由化の円滑な進展を図るための環境整備として、新たに、経営が困難となった農水産業協同組合に係る合併等に対する資金援助等の制度を設けることにより、農水産業協同組合の貯金者等の保護の充実を図ろうとするものであります。  農林中央金庫法改正案は、農林中央金庫について、その経営の自立化及び活性化を図るため、出資資格者から「政府」を削除するほか、その業務の運営に対する規制の整理合理化等の措置を講ずるとともに、最近における金融環境の変化に対応してその機能を発揮し得るよう、所属団体への貸し付けの条件等に関する制限を撤廃するほか、貸付業務、預金業務その他の業務の整備を図ろうとするものであります。  委員会におきましては、両法律案を一括して議題とし、審査を行いました。  質疑の主な内容は、農林漁業金融に農林中央金庫が果たしてきた役割、農林中央金庫の基本的性格と民間法人化を図ることの意味、金融自由化の内容とその系統金融に及ぼす影響、金融環境の変化に対応した農林中央金庫の業務のあり方、業務規定の整備による一般金融機関との競合への対応策、経営が困難となった組合を救済するための合併のあり方、貯金保険機構による資金援助の仕組み、貯金保険機構の財務の健全性等でありますが、その詳細は会議録によって御承知を願います。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本共産党を代表して下田委員より農林中央金庫法改正案に反対である旨の発言がありました。  討論終局の後、順次採決の結果、農水産業協同組合貯金保険法改正案は全会一致をもって、農林中央金庫法改正案は多数をもって、それぞれ原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、両法律案に対し、三項目及び四項目にわたる附帯決議をそれぞれ行いました。  以上、御報告いたします。(拍手)     —————————————

阿具根登各派に属しない議員副議長

○副議長(阿具根登君) これより採決をいたします。  まず、生物系特定産業技術研究推進機構法案及び農林中央金庫法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。  両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

阿具根登各派に属しない議員副議長

○副議長(阿具根登君) 過半数と認めます。  よって、両案は可決されました。  次に、農水産業協同組合貯金保険法の一部を改正する法律案の採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

阿具根登各派に属しない議員副議長

○副議長(阿具根登君) 総員起立と認めます。  よって、本案は全会一致をもって可決されました。      —————・—————

阿具根登各派に属しない議員副議長

○副議長(阿具根登君) 日程第六 研究交流促進法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。科学技術特別委員長馬場富君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔馬場富君登壇、拍手〕

馬場富公明党・国民会議

○馬場富君 ただいま議題となりました研究交流促進法案につきまして、科学技術特別委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、科学技術に関する国と国以外の者との交流を促進するために必要な措置を講ずることにより、我が国における科学技術に関する試験研究の効率的推進を図ろうとするものであります。  委員会におきましては、本法律案に防衛庁職員を含めた理由、軍事目的の研究とのかかわり方、SDI研究との関連、民間企業と国の試験研究機関との研究交流のあり方及び研究公務員の人材確保等広範にわたり熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して稲村理事、日本共産党を代表して佐藤委員から、それぞれ反対、また自由民主党・自由国民会議を代表して岡部理事、公明党・国民会議を代表して塩出理事から、それぞれ賛成する旨の意見が述べられました。  討論を終わり、採決の結果、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対し、研究交流の促進のための五項目にわたる附帯決議案が提出され、賛成多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

阿具根登各派に属しない議員副議長

○副議長(阿具根登君) 本案に対し、討論の通告がございます。発言を許します。片山甚市君。    〔片山甚市君登壇、拍手〕

片山甚市日本社会党

○片山甚市君 私は、日本社会党を代表し、研究交流促進法案に対し反対の討論を行うものであります。  まず、本法案の立法趣旨についてでありますが、我が国が、来るべき二十一世紀に向けて、人類の平和と福祉の向上を願い、豊かな国づくりを目指す中で、国際社会に寄与する科学技術の振興とその研究交流が進められるべきであり、いやしくも軍事利用を目的とする科学技術の研究交流などは、平和憲法のもとで絶対に許されるべきものでないことは言をまちません。    〔副議長退席、議長着席〕  しかるに、本法案のねらいは、中曽根総理が大義名分とする第二臨調答申や行革審答申が要求した民間活力を前提に、産官学の連携強化により、特定企業、大企業のハイテク研究開発に国の資金、施設、研究者、特許等を投入させるに加え、産官学軍の共同研究による科学技術の軍事利用とその推進体制づくりの意図が、審議を通じて一層明白になったと断ぜざるを得ないのであります。既に日本学術会議が科学研究基本法及び研究公務員特例法など基本法制定を政府に勧告していることを見ても、本法案が平和憲法の理念に基づいた真の科学技術振興及び研究交流の促進にはそぐわない異質のものであることは明らかであります。  本院における科学技術特別委員会の審議を通じても多くの問題点が指摘されましたが、いずれも国民の疑惑が十分に解明されてはいないのであります。ここで幾つかの問題点を挙げてみますと、まず本法案には、平和目的、民主的運営、公開の原則という最も重要な文言が明定されていないばかりか、本法案策定に至る二月六日の第四次案までは入っていなかった。防衛庁の研究機関が二月二十五日突如として本法案の対象とされ、自衛隊員が他の国家公務員と同等の立場で加わることによって産官学軍の共同研究が公然と推進することができる道を開いたことであります。一方で、人文科学のみにかかわるものは研究交流の対象から除いたままであり、科学諸部門の調和ある発展を図るという観点の全く欠如した法案なのであります。  このことによって、戦後三十有余年にわたり、平和憲法のもとに、科学技術が平和利用に限るとされてきた研究開発上の大原則を放棄し、今日的、国際的課題である宇宙開発、特にSDI、すなわち宇宙戦争構想と言える危険な政策に対しても無原則に追随する危険な側面を持ち、こうした研究開発への参加が、宇宙の開発と利用は平和の目的に限るとする国会決議に真っ向から反するものであり、立法府として重大な関心を持つべき問題であります。まさに、我が国の歩むべき平和国家としての未来をもゆがめる危険な法案と言わざるを得ないのであります。我が党が衆議院において、研究交流に関する基本方針として、平和目的の限定、民主的な運営、研究者の自主性の確保及び公開を明記した修正案を提案したのも、これらの原則を正しく継承すべき必然性があったからにほかなりません。  また、共同研究という名目のもとに、防衛庁と民間企業が共同研究しているところに国立の試験研究機関が加わることは、結局のところ、民間企業を媒体として防衛庁と国の機関が共同して軍事研究を行うことであり、平和目的に限定した研究を担保することはできず、出向先での研究公務員が結果的に特定企業に奉仕することによって、その地位や各省庁設置法の目的の範囲内でのみ研究に従事するという任務からも逸脱し、国民全体に奉仕するという国家公務員の立場、すなわち憲法第十五条の規定あるいは国家公務員法第九十六条の規定に抵触することによってその基本的立場が問われることになります。  国際技術交流、共同研究では、例えばアメリカとの共同研究に参加した研究公務員が、途中で研究意図が軍事研究に属するものと判明したからといって、研究者の意思で拒否できる自由が保障されていません。当該国の機密保持を理由に一方的に拘束することは我が国の公務員の地位を侵すことであり、さらに本法案第五条に言う「当該共同研究等への従事が当該共同研究等の効率的実施に特に資するものとして政令で定める要件」とは他の関係省庁をすべて拘束することであり、政令の内容についてもこれまでに慎重な協議がなされた形跡もなく、その基準も不明確なままで明定されてはいないのであります。このような欠陥法案をどうして認められましょうか。  私は、科学技術交流、共同研究が真の目的を達成するためには、次の諸点が明確にされることが大前提であると考えます。  その一は、研究交流、共同研究は、相互の自主性の尊重、対等平等、公開の原則を保障すべきこと。その二は、憲法の平和主義、学術研究の自由公務員の国民全体への奉仕者であることの諸規定を遵守し、軍事研究に国の研究機関、研究公務員を利用しないこと、この法律からは防衛庁と自衛隊員を除くこと。その三は、研究交流、共同研究を進めるに当たっては、公共性のあるものに限定し、設置目的の範囲を超える研究交流は行わないこと。  その四は、研究者の自主性を尊重し、強制は絶対に行わないこと、研究者に拒否する権利を保障すること。その五は、国有施設の使用に際しては、当該研究機関の運営に圧迫を来さないようにすること、また、運営経費等の当該研究機関への還元を行うこと。  以上の諸点が法制化の要件であることを指摘し、私は、科学の地位に関するユネスコ勧告及び日本学術会議の一九七六年勧告に基づく科学技術基本法を速やかに制定するとともに、研究公務員の身分保障を定める特例法を法制化すべきであります。本法案の撤回を求め、反対の討論を終わります。(拍手)

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) これにて討論は終局いたしました。     —————————————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      —————・—————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 日程第七 昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)  日程第八 昭和五十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)  日程第九 昭和五十八年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)  日程第一〇 昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)  日程第一一 昭和五十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)  日程第一二 昭和五十八年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)   (いずれも衆議院送付)  以上六件を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。決算委員長丸谷金保君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔丸谷金保君登壇、拍手〕

丸谷金保日本社会党

○丸谷金保君 ただいま議題となりました昭和五十八年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)外五件につきまして、決算委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。  これら六件は、財政法の規定に基づき国会の事後承諾を求めるため提出されたものでありまして、その内容は、昭和五十八年度中において使用または増額の決定がなされた一般会計、特別会計の予備費関係経費であり、その主な費目は、災害復旧、総理大臣の外国訪問、衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査関係に必要な経費、並びに退職手当、雇用保険の求職者給付に対する国庫負担金、国民健康保険事業に対する国庫負担金等の不足を補うために必要な経費などであります。  委員会におきましては、これら六件を一括して昭和五十八年度決算外二件とともに審査いたしましたが、質疑の内容につきましては会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、直ちに討論に入りましたところ、日本共産党を代表して橋本委員より、昭和五十八年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)、同(その2)並びに昭和五十八年度特別会計予算総則第十一条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)、以上三件については賛成、他の三件には反対するとの意見が述べられました。  討論を終局し、採決の結果、予備費関係六件につきまして、多数をもって承諾を与えるべきものと議決された次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。  まず、日程第七、第九及び第一〇の予備費使用総調書等三件について採決をいたします。  三件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、三件は承諾することに決しました。  次に、日程第八、第一一及び第一二の予備費使用総調書等三件について採決をいたします。  三件を承諾することに賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、三件は承諾することに決しました。      —————・—————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 日程第一三 厚生省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長亀長友義君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔亀長友義君登壇、拍手〕

亀長友義自由民主党・自由国民会議

○亀長友義君 ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案の内容は、高度専門的な医療の進展に対して果たすべき国立医療機関の役割にかんがみ、特定の疾患等に関し診断及び治療、調査研究並びに技術者の研修を行う国立高度専門医療センターを設置しようとするものであります。このセンターは、国立がんセンター、国立循環器病センター及び本年十月一日から設置することを予定している国立精神・神経センターを総称するものであります。また、各センターの名称及び所掌事務は政令で定めることとしております。  委員会におきましては、本法律案提出の経緯、各センターの設置を政令事項とした理由、国立病院・療養所の再編成、合理化の基本的な考え方、地域における医療供給の確保、人口の高齢化と医療行政のあり方等について質疑が行われました。その詳細につきましては会議録により御承知願いたいと存じます。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して穐山委員、日本共産党を代表して内藤委員より、それぞれ反対である旨の発言がありました。  討論を終わり、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      —————・—————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 日程第一四 消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。商工委員長下条進一郎君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔下条進一郎君登壇、拍手〕

下条進一郎自由民主党・自由国民会議

○下条進一郎君 ただいま議題となりました消費生活用製品安全法等の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  本法律案は、行政改革の一環として、特殊法人等の自立化、活性化及び行政事務の簡素合理化を図ろうとするものであります。すなわち、製品安全協会、高圧ガス保安協会及び日本電気計器検定所に対する政府の出資金の返還並びにこれらの法人、電源開発株式会社及び中小企業投資育成株式会社の役員の選任等、業務の運営に対する規制の整理の合理化等の措置を講じようとするものであります。また、同時に、製品安全協会等が行う検査検定等の業務及び公害防止管理者等に係る試験事務を指定機関等により実施できるように措置しようとするものであります。  委員会におきましては、電源開発株式会社の活性化、今後の電力需給見通し、製品安全協会等の特殊法人の民間法人化、中小企業投資育成株式会社の活動実績などについて質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。  質疑を終わり、討論に入りましたところ、日本共産党市川理事より本法律案に反対の意見が述べられました。  次いで、採決の結果、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 日程第一五 地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長増岡康治君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔増岡康治君登壇、拍手〕

増岡康治自由民主党・自由国民会議

○増岡康治君 地方交付税法等の一部を改正する法律案について、委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。  本法律案は、地方交付税法を改正し、昭和六十一年度の地方交付税の総額について千二百億円の特例加算を行い、また後年度の総額についても所要の加算措置を講ずること、生活保護基準の引き上げ、教職員定数の改善及び国庫補助負担率の引き下げなど制度改正に伴って必要となる行政経費の財源を措置するため単位費用を改正すること、新産業都市等の建設並びに首都圏等の近郊整備地帯の整備に関する国の財政上の特別措置に関する法律について、法律の適用期間を五年間延長するとともに、利子補給における基準利率の縮減など所要の措置を講ずること等を主な内容とするものであります。  委員会におきましては、政府より趣旨説明を聴取した後、円高の進行と地方財政対策、地方行財政改革のあり方、補助金削減の影響等の問題について熱心な質疑が行われました。  質疑を終局し、討論に入りましたところ、本法律案に対し、日本社会党を代表して志苫委員、公明党・国民会議を代表して中野委員、日本共産党を代表して神谷委員、民社党・国民連合を代表して井上委員より、それぞれ反対、自由民主党・自由国民会議を代表して吉川委員より賛成の意見が述べられました。  次いで、採決を行いましたところ、本法律案は賛成多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。  なお、本法律案に対しまして、地方交付税制度の安定充実等を求める附帯決議が行われました。  以上、御報告いたします。(拍手)     —————————————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。      —————・—————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 日程第一六 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案  日程第一七 原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案   (いずれも内閣提出、衆議院送付)  以上両案を一括して議題といたします。  まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長岩崎純三君。     ━━━━━━━━━━━━━    〔岩崎純三君登壇、拍手〕

岩崎純三自由民主党・自由国民会議

○岩崎純三君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案の主な内容は、障害年金、遺族年金等の額を引き上げるとともに、戦傷病者等の妻に引き続き特別給付金を支給すること等であります。  次に、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の内容は、医療特別手当、特別手当、原子爆弾小頭症手当、健康管理手当及び保健手当の額を引き上げることであります。  委員会におきましては、以上二案を一括議題として審議を進め、一般戦災者に対する援護、中国残留日本人孤児の自立援護策、原爆死没者調査の施策への反映、被爆者の高齢化に伴う施策の改善等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。  質疑を終了し、まず、戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案について諮りましたところ、討論はなく、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。  次いで、原子爆弾被爆者に対する特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について諮りましたところ、討論はなく、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。  なお、以上二法律案に対し、附帯決議が全会一致をもって付されております。以上、御報告申し上げます。(拍手)     —————————————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) これより両案を一括して採決いたします。  両案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。  よって、両案は全会一致をもって可決されました。      —————・—————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 日程第一八 国会法の一部を改正する法律案(遠藤要君外七名発議)(委員会審査省略要求事件)  本案は、発議者要求のとおり委員会審査を省略し、これを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。  よって、本案を議題といたします。  まず、発議者の趣旨説明を求めます。遠藤要君。     —————————————    〔遠藤要君登壇、拍手〕

遠藤要自由民主党・自由国民会議

○遠藤要君 ただいま議題となりました国会法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明いたします。  本案は、先般の参議院改革協議会の答申に基づき、参議院にふさわしい審議を行う機関として、新たに国政の基本的事項に関し、長期的かつ総合的な調査を行う調査会を設けようとするものであります。  本案は、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議及び民社党・国民連合の賛同のもとに立案されたものであります。日本共産党は、委員会のほかに調査会を設ける必要性は認められない等の理由から本案の発議には加わっておりません。  以下、本案の内容について申し上げます。  まず第一に、参議院は、国政の基本的事項に関し、長期的かつ総合的な調査を行うため、調査会を設けることができることとし、この調査会は、参議院議員の半数の任期満了の日まで存続することとしております。  なお、調査会の名称、調査事項及び委員の数は、参議院の議決でこれを定めることとしております。  第二に、調査会の委員は、議院において選任し、調査会が存続する間、その任にあるものとし、また、調査会長は、調査会においてその委員がこれを互選することとしております。  第三に、調査会には、委員会の議決定足数、公聴会、国務大臣の出席要求、閉会中の審査等所要の規定を準用することとしております。  なお、附則において、本改正は第百五回国会の召集の日からこれを施行することとしておりますほか、関係法律について所要の整備を行うこととしております。  以上が本案の趣旨及びその内容でございます。  何とぞ御賛同くださるようお願いいたします。(拍手)     —————————————

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。    〔賛成者起立〕

木村睦男各派に属しない議員議長

○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。  よって、本案は可決されました。  本日はこれにて散会いたします。    午後零時二十七分散会      —————・—————

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