本会議 第11号
- 発言数
- 61 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1986/04/18
会議録
○議長(木村睦男君) これより会議を開きます。 日程第一 農業改良資金助成法による貸付金等の財源に充てるための日本中央競馬会の国庫納付金の納付等に関する臨時措置法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。農林水産委員長成相善十君。 〔成相善十君登壇、拍手〕
○成相善十君 ただいま議題となりました法律案につきまして、委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。 本法律案は、農業改良資金助成法第三条の規定による都道府県に対する貸付金等の財源に充てるため、日本中央競馬会の特別積立金のうち百五十億円ずつ合計三百億円を、昭和六十一年度及び昭和六十二年度において、特例的に国庫に納付させ、農業経営基盤強化措置特別会計の歳入とする措置を講じようとするものであります。 委員会におきます質疑の主な内容は、中央競馬会国庫納付金制度の趣旨とあり方、特別国庫納付が中央競馬会財政に与える影響、中央競馬会の運営をめぐる問題、軽種馬育成対策、農業改良資金の充実の内容と今後の財源確保の見通し、貸付条件の改善等でありますが、その詳細は会議録によって御承知を願います。 質疑を終局し、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、御報告いたします。(拍手) —————————————
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。 よって、本案は全会一致をもって可決されました。 —————・—————
○議長(木村睦男君) 日程第二 下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案 日程第三 日本下水道事業団法の一部を改正する法律案 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上両案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。建設委員長小山一平君。 〔小山一平君登壇、拍手〕
○小山一平君 ただいま議題となりました二法案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。 まず、下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案は、下水道の緊急かつ計画的な整備を促進して都市環境の改善を図り、あわせて公共用水域の水質の保全に資するため、新たに昭和六十一年度を初年度とする下水道整備五カ年計画を策定しようとするものであります。 次に、日本下水道事業団法の一部を改正する法律案は、下水汚泥等の処理を推進するため、広域的な下水汚泥等の処理事業を日本下水道事業団の業務に加えるとともに、下水道債券の発行、政府の債務保証、国庫補助等について所要の規定の整備を行おうとするものであります。 委員会におきましては、両案を一括して審査し、下水道整備の現状と第五次計画の実績、下水道整備の長期目標と新五カ年計画の関係、事業団の行う汚泥処理業務と地方自治体の関係等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録により御承知願います。 質疑を終了し、討論もなく、順次採決の結果、下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案は全会一致をもって、また、日本下水道事業団法の一部を改正する法律案は多数をもって、いずれも原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案について、いずれも青木理事より各派共同提案に係る附帯決議案が提出され、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。 まず、下水道整備緊急措置法の一部を改正する法律案の採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。 よって、本案は全会一致をもって可決されました。 次に、日本下水道事業団法の一部を改正する法律案の採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。 よって、本案は可決されました。 —————・—————
○議長(木村睦男君) 日程第四 児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案 日程第五 環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案 日程第六 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上三案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。社会労働委員長岩崎純三君。 〔岩崎純三君登壇、拍手〕
○岩崎純三君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案の内容は、児童扶養手当、特別児童扶養手当、障害児福祉手当、特別障害者手当等の額を引き上げることであります。 次に、環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案の主な内容は、環境衛生金融公庫及び沖縄振興開発金融公庫において、新たに、環境衛生関係営業者の営業等に要する運転資金の貸し付けを行うこととすること等であります。 委員会におきましては、以上二案を一括議題として審議を進め、児童扶養手当の引き上げ幅と所得制限、政策金融のあり方、環境衛生金融公庫の融資手続の簡素化等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終了し、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案について、自由主民党・自由国民会議を代表して佐々木理事より施行期日等に関する修正案が提出されました。 討論はなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって修正議決すべきものと決しました。 次に、環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案について諮りましたところ、討論はなく、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。 なお、本法律案に対し、附帯決議が全会一致をもって付されております。 次に、中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案について申し上げます。 本法律案の主な内容は、第一に、掛金月額の最低額及び最高額をそれぞれ引き上げること。第二に、転職前の掛金納付月数が二十四月以上である場合には、退職理由のいかんを問わず、被共済者の申し出により掛金納付月数を通算できることとすること。第三に、加入等の促進のため、中小企業退職金共済事業団は、一定の範囲で掛金を減額することができ、特定業種退職金共済組合は、一定の範囲で掛金の納付を免除することができることとすること。第四に、余裕金の運用方法の範囲を拡大すること。第五に、中小企業退職金共済事業団等が行う掛金負担軽減措置に要する費用を国が補助することとし、退職金給付に対する国庫補助は廃止すること等であります。 委員会におきましては、企業規模別の退職金制度の格差、本制度への加入促進対策、パートタイム労働者等への制度の適用等の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。 質疑を終了し、討論はなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決しました。 なお、本法律案に対し、附帯決議が全会一致をもって付されております。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。 まず、児童扶養手当法及び特別児童扶養手当等の支給に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。 本案の委員長報告は修正議決報告でございます。 本案を委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。 よって、本案は全会一致をもって委員長報告の とおり修正議決されました。 次に、環境衛生金融公庫法及び沖縄振興開発金融公庫法の一部を改正する法律案、及び中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を一括して採決いたします。 両案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。 よって、両案は全会一致をもって可決されました。 ─────・─────
○議長(木村睦男君) 日程第七 電波法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長大森昭君。 〔大森昭君登壇、拍手〕
○大森昭君 ただいま議題となりました電波法の一部を改正する法律案につきまして、逓信委員会における審査の経過と結果を御報告いたします。 本法律案は、千九百七十四年の海上における人命の安全のための国際条約附属書の一部改正の発効に備えるため、郵政大臣の行う無線設備の型式検定の範囲について所要の整備を行うとともに、社会経済活動の国際化の進展にかんがみ、相互主義に基づいて、外国人等にも免許を与えることができる無線局の範囲を拡大しようとするものであります。 委員会におきましては、通信機器をめぐる日米摩擦、民間放送の多局化構想、アマチュア無線局の免許制度のあり方等について質疑が行われました。 質疑を終わり、討論なく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、御報告いたします。(拍手) —————————————
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。 よって、本案は全会一致をもって可決されました。 —————・—————
○議長(木村睦男君) 日程第八 恩給法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長亀長友義君。 〔亀長友義君登壇、拍手〕
○亀長友義君 ただいま議題となりました恩給法等の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案の内容の第一は、恩給年額の増額であります。昭和六十年度における公務員給与の改善を基礎として、本年七月分以降、平均五・二%程度増額することとしております。第二は、公務関係扶助料最低補償額及び傷病恩給年額を、本年七月分以降、兵の仮定俸給のアップ率により、五・三%増額することとしております。第三は、普通恩給及び普通扶助料の最低保障額を、本年七月以降、五・三%増額すること、さらに普通扶助料の最低保障額については、八月分以降、他の公的年金の給付水準を考慮して引き上げること であります。第四は、傷病者遺族特別年金の年額を、本年七月分以降、五・三%増額すること、さらに八月分以降、普通扶助料の最低保障額の引き上げに準じ、これを引き上げるとともに、同年金に係る遺族加算の年額を増額することとしております。 以上のほか、扶養加給の増額等所要の改善を行うこととしております。 委員会におきましては、恩給改定実施時期を七月とした理由、公的年金の改革に伴う今後の恩給制度の見直し、傷病恩給の審査のあり方、本年度の人事院勧告の有無と勧告に対する取り扱い方針、台湾人元日本兵に対する補償問題その他戦後処理の諸問題について質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。 質疑を終わりましたところ、日本共産党を代表して内藤委員より、本年四月分以降、恩給年額を増額することを内容とする修正案が提出されました。 本修正案は予算を伴うものでありますので内閣の意見を聴取いたしましたところ、江崎総務庁長官より、政府としては反対である旨の発言がありました。 次いで、原案並びに修正案について討論に入りましたところ、日本共産党を代表して内藤委員より、修正案に賛成、原案に反対の旨の発言がありました。 討論を終わり、採決の結果、内藤委員提出の修正案は否決され、本法律案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、本法律案に対し、各派共同提案に係る恩給の改定実施時期の一体化等七項目にわたる附帯決議が全会一致をもって行われました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。 よって、本案は可決されました。 —————・—————
○議長(木村睦男君) 日程第九 国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。文教委員長林寛子君。 〔林寛子君登壇、拍手〕
○林寛子君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 本法律案は、徳島大学の教育学部を改組して総合科学部を、九州工業大学に情報工学部をそれぞれ設置するとともに、岡山大学に医療技術短期大学部を併設し、富山大学経営短期大学部を経済学部への統合に伴って廃止するほか、総定員法の枠外とされております新設医科大学等の職員の定員を改めようとするものであります。 なお、衆議院において施行期日等についての修正が行われております。 委員会におきましては、総合科学部設置の趣旨、学部新設のための法案提出時期、定員外職員の処遇改善、婦人研究者の地位向上、大学入試制度の改革と大学の質的充実、児童数減少に対応する教員養成制度、学生寮の整備等の諸問題につきまして熱心な質疑が行われましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。 質疑を終わり、討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、大学進学者の急増に適切に対応することなど四項目から成る附帯決議を行いました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。 よって、本案は全会一致をもって可決されました。 ─────・─────
○議長(木村睦男君) 日程第一〇 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案。 日程第一一 中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案 (いずれも内閣提出、衆議院送付) 以上両案を一括して議題といたします。 まず、委員長の報告を求めます。商工委員長下条進一郎君。 〔下条進一郎君登壇、拍手〕
○下条進一郎君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、商工委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。 まず、情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案は、近年における情報化の広汎かつ急速な進展に対応して、汎用プログラム開発の一層の促進を図るため、情報処理振興事業協会が実施する特売プログラムの開発に必要な資金を同協会へ出資できることとする等の措置を講じようとするものであります。 次に、中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案は、最近の我が国経済社会の情報化の進展に伴い、中小企業と大企業との情報化格差等を縮小しようとするものであります。すなわち、電子計算機活用による中小企業者の事業活動の円滑化を図り、電子計算機を利用して行う経営管理に関する中小企業指導事業の実施体制を整備し、あわせて、中小企業の情報化施策に必要なプログラムを中小企業設備近代化資金の貸付事業の対象に追加する等の措置を講じようとするものであります。 委員会においては、二法律案を一括して議題とし、汎用プログラムの開発・流通の促進、情報処理技術者の育成強化、中小企業経営等における情報化による効果、中小企業の情報化指導に要する人材の確保等について質疑が行われましたが、その詳細は会議録に譲ります。 質疑を終わり、討論なく、採決に入り、情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案については多数をもって原案どおり可決すべきものと決定し、次に、中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案については全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 以上、御報告申し上げます。(拍手) —————————————
○議長(木村睦男君) これより採決をいたします。 まず、情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案の採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 過半数と認めます。 よって、本案は可決されました。 次に、中小企業指導法及び中小企業近代化資金等助成法の一部を改正する法律案の採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○議長(木村睦男君) 総員起立と認めます。 よって、本案は全会一致をもって可決されました。 —————・—————
○議長(木村睦男君) この際、日程に追加して、 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案について、提出者の趣旨説明を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(木村睦男君) 御異議ないと認めます。竹下大蔵大臣。 〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
○国務大臣(竹下登君) ただいま議題となりまし た国の補助金等の臨時特例等に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 御承知のとおり、我が国財政を取り巻く環境には一段と厳しいものがあり、我が国経済の着実な発展と国民生活の安定向上を図るためには、引き続き財政改革を強力に推進し、財政の対応力の回復を図ることが緊要であります。 このため、政府は、昭和六十一年度予算におきまして、歳出面において、既存の制度、施策の改革を行うなど徹底した節減合理化を行い、全体としてその規模を厳に抑制することといたしたところであります。 このような中で、最近における財政状況、社会経済情勢の推移及び累次の臨時行政調査会の答申等の趣旨を踏まえ、補助金等につきましては、引き続きその整理合理化を推進するとともに、事務事業の見直しを積極的に進めながら補助率の総合的見直し等を行うこととし、また、厚生年金の国庫負担金の繰り入れ等につきましても所要の特例措置を講ずることとしたところであります。 なお、補助率のあり方等につきましては、補助金問題関係閣僚会議及び補助金問題検討会において鋭意検討を重ねてきたところであり、今般の措置は、補助金問題検討会の報告を最大限尊重することとし、その趣旨を踏まえて行うこととしているものであります。 本法律案は、以上申し述べました国の補助金等の臨時特例等の措置について所要の立法措置を講ずるものであります。 すなわち、本法律案は、国の補助金等に関し、社会保障、公共事業等の各政策分野の特性に配意しつつ、昭和六十一年度から昭和六十三年度までの各年度において補助率等の引き下げを行うこととしているもの及び地方公共団体の一般財源による措置への移行を行うこととしているものについて所要の措置を講ずるとともに、昭和六十一年度から昭和六十三年度までの各年度における厚生年金保険事業に係る国庫負担金の繰り入れ等について所要の特例措置を講ずるものであります。なお、補助率等の引き下げの対象となる地方公共団体に対しましては、その事務事業の執行及び財政運営に支障を生ずることのないよう財政金融上の措置を講ずることとしております。 以上、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手) —————————————
○議長(木村睦男君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。青木薪次君。 〔青木薪次君登壇、拍手〕
○青木薪次君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました国の補助金等の臨時特例等に関する法律案について、総理並びに関係大臣に対し質問いたします。 まず、過日の日米会談について伺います。 中曽根総理は、先週末、サミット調整と経済摩擦解消を理由に訪米されました。キャンプ・デービッドでのロン・ヤス会談と歓待は、派手好みの総理にとって満足すべきものであったでありましょう。しかし、会談を通じて、中曽根総理自身が米国に約束し、背負った課題は極めて重いと言わざるを得ません。総理は、いわゆる前川レポートに沿い、日本の経済体質を輸出依存から内需中心、製品輸入拡大の方向に改めることを約束し、貿易黒字の縮小と輸入志向型の経済構造に向けて、試練を受けて立つ決意を表明されたのであります。 しかし、中曽根総理が公約した経済政策はほとんど達成されておりません。内需主導経済の移行への失敗はもちろん、財政再建の行き詰まり等内外の不信を買ってまいりました。今回の経済構造の調整、体質転換はさらに奥深く、多くの中小企業や農業を初め、石炭産業等に大きな打撃と出血を求めている問題であり、言うべくして困難なことは過去の例に照らし明らかであります。任期残すところ七カ月の中曽根総理に、果たして重大な国際公約を実行し、かつ指導する自信がおありかどうかお伺いするとともに、具体的な政策手段と方法をお示し願いたいのであります。 レーガン大統領は、日米経済摩擦に関連し、半導体を初め、たばこ、ワインの市場開放を要求し、輸送機器関連分野についてはMOSS協議を提起しましたが、いずれも日本にとって不利なものであり、政府は拒否すべきだと思いますが、あわせて答弁してください。 一方で、総理、外務大臣は、国会で慎重な姿勢を見せていたSDIについて、従来の「研究に理解を示す」ことから発展し、「政府部内で十分に相談する」と前向きの発言をしたと言われますが、真実はどうなのか、今までの方針を変えたのか、明確に答弁してください。総理、平家物語に「衣の袖から鎧が見える」という言葉があります。戦後最もタカ派である中曽根総理は、オーストラリア、ニュージーランドなど、太平洋戦争で重大な影響を受けた国々の首脳がSDIに対する拒否の選択をしています、このこととあわせ、平和憲法を守るべき立場の総理としてどう考えているか答弁してください。 さて、行政改革を旗印に政権を担当し三年余、中曽根総理の最大の政治課題である財政再建計画は破綻に追い込まれております。そして、計画達成の目標を六十五年度に後送りし、毎年度の赤字公債の減額幅を一兆円に下方修正したにもかかわらず、過去三年間の赤字公債の減額累計は九千億円に達しないのが現実であります。政府は、公約どおり財政再建を達成しようとすれば、今後毎年度一兆三千億円以上の赤字公債の減額が必要でありまするが、実行不可能なことはだれの目にも明らかであり、政府の公約はまさに絵にかいたもちであります。しかして、政府公約を破綻に追い込んだ原因が、財政再建を推進したはずの中曽根総理の財政政策にあったことは皮肉と言わなければならぬと思うのであります。 五十八年度以来、歳出削減一本やりの政策運営は、五百億ドルを超える経常黒字を突出させて海外との経済摩擦を激化させる一方、内需を抑制して税の自然増収率の低下をもたらして財政再建の推進力を奪ったのであります。歳出削減に偏った財政再建策は角を矯めて牛を殺したのであります。硬直的財政運営に対する批判は、野党だけでなく与党内部にさえ巻き起こっておりますが、中曽根総理は、あくまでも昭和六十五年度赤字公債脱却という破れ傘の財政再建方針を堅持されるのかどうか。堅持するとすれば、具体的にどのようにして赤字公債を脱却するのか、国民の前にその道筋を明らかに示していただきたいと思うのであります。 しかも、最近の棒上げとも言うべき円高は、中小輸出企業はもとより、日本経済全体をデフレの渦に巻き込み、景気を後退させておるのであります。急激過ぎる円高にあわてふためいた政府が、各国に為替市場への協調逆介入を要請したものの、冷たく拒否されたばかりか、現行の円水準さえ納得されず、世界で孤立したことは、日本の政策運営に対する強い拒絶反応を示すものと言わざるを得ないのであります。 今後、円高デフレが浸透するにつれて経済がますます下降することが危惧されております。政府は、総合経済対策を打ち出したことで経済への悪影響を防止できるとの立場でありまするが、最も期待される公共事業の契約前倒しも、事業総量を抑制しようとしているため、下期の大幅な公共投資の追加なくしては、単なる公共事業の朝三暮四になりかねません。政府は今や、迫りくる不況を克服し、総理がアメリカで公約した四%の実質経済成長の達成と内需主導の経済構造の調整のためにも、財政政策を抜本的に転換すべきだと思いまするけれども、総理の見解を伺いたいと思います。 本補助金法案は、中曽根内閣の圧縮型財政政策にかかわる歳出削減の典型的な例であります。以下、具体的な問題点について伺います。 まず指摘したいのは、政府の約束違反についてであります。昨年の補助金法案審査の際、政府は補助率カットは六十年度一年限りと約束し、我々も本年度の暫定措置とすることを決議し、竹下大蔵大臣も十分配意すると答弁したはずであります。しかるに政府は、それをほごにしたばかりか、補助率引き下げ対象を拡大し、一兆一千六百三十七億円の減額を強行し、あまつさえ、その期間を三年間に延長したことは全く許しがたい行為だと思うのであります。補助金問題検討会の結論や、一律でないことに力点を置き説明しておりまするが、国の財政赤字を地方自治体にツケを回す構造に変わりはなく、政府の反省を求めざるを得ないのであります。 苦肉の策のたばこ消費税の引き上げは、手続上の問題をおくとしても、国からの補てんが一年に限っていることは、補助金削減が三年に及ぶことを勘案すれば、明らかにバランスを失していると指摘をせざるを得ないのであります。本法案による地方自治体の負担増加額について一般財源で必ず補てんずるとともに、三年後の六十四年度予算では従前の補助負担率に戻すことを確約すべきと思いますが、大蔵大臣の見解を伺いたいと思います。 また、三年間の暫定期間中、補助金負担率の引き下げや負担対象の縮小など、国、地方の新たな財政調整措置は行うべきでないと思いますが、あわせて大蔵大臣、自治大臣に伺いたいと思います。 五十七年度以来、公的年金の国庫負担の繰り延べが実施されてきましたが、さらに三年間延長されようとしています。既に六十一年度までの国庫負担繰り延べ額は一兆三千五百三十億円に達しております。政府は、将来必ず元利合計を含めて年金会計に返済すると説明しておりまするが、現時点では全く返済の時期、方法が定まっておらず、踏み倒しの危険性さえあるのであります。この際政府は年金国庫負担の繰り延べの元利返済について具体的な計画を策定し、六十四年度から速やかに繰り入れるべきではありませんか、大蔵大臣、厚生大臣の見解を伺いたいと思います。 政府は従来、盛んに地方自治体余裕論を強調してきました。しかし、三千を超える自治体の財政は千差万別であり、しかも各自治体とも骨身を削って財政の改善に努めており、その中で補助事業は温存しつつ、補助率だけの引き下げや、交付税総額を据え置いたまま一般財源化を促進することは、明らかに地方財政への圧迫以外の何物でもありません。地方の自立が叫ばれている今日こそ、地方財源の充実や補助金の地方への移管が促進されるべきであります。今回の補助金法案はまさにこれに逆行するものでありまするが、今後の税財政制度の検討に当たっては、近年の財源不足を補てんするため発行した建設地方債の償還について国が完全に保障するのはもちろん、地方交付税の基本税目の拡大と総額の安定的確保を図ることが何よりも重要と思いまするが、総理と自治大臣の見解を伺いたいと思います。 四月十五日のアメリカによるリビア攻撃は宣戦布告なき戦争であり、一触即発の世界大戦が憂慮されると、世界各国の政府と指導者が発言しておりますが、中曽根総理はいかが考えますか。国際テロの発生などは人類に対する挑戦として国際連合などで協議すべき課題であり、ましてやアメリカが小国リビアを近代科学を駆使した戦力でたたくということは驚くべき行き過ぎではないでしょうか、御答弁ください。 総理が、十四日午前十一時、日本時間十五日午前一時にホワイトハウスにレーガン大統領を訪ね、二回目の首脳会談を終え、同日四時過ぎワシントンを立ち帰国の途につき、三時間後にリビア攻撃が開始されております。そして、事前にアメリカは世界の主要国にこの計画を説明しております。国際テロ対策で意見が一致した中曽根総理との間で、リビア攻撃が事前に知らされていたと国民ほとんどが信じているのでありますが、いかがですか、御答弁ください。 最後に、うわさされる衆議院解散と同日選挙について伺います。 自民党金丸幹事長が「衆議院解散権は総理の特権、常在戦場で対処」との発言に中曽根総理はいたく「感謝する」旨の報道がされております。衆議院の定数是正をめぐって各党の話し合いがなされておりますが、言うまでもなく定数是正なき解散は違憲であり、例えば定数是正されたとしても大義名分なき解散は制約されるとした保利元衆議院議長の見解で明白であります。最近、総理周辺より吹かれる解散、同日選挙論は極めて不謹慎でありますが、総理はこの際明確に、国権の最高機関たる国会において国民に意思を鮮明にするとともに、軽々に衆議院解散、同日選挙を総理周辺においては特に言及しないよう要求いたしまして、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
○国務大臣(中曽根康弘君) 青木議員にお答えをいたします。 今回の訪米に際しまして、ワシントン及びキャンプ・デービッドにおきまして日米間の諸問題について討議をいたしました。経済問題につきましては、日米両国の持っておる構造的問題についてそれぞれ相互的にこれが改革を行う、そのためにも協議をするという話し合いをいたしました。アメリカ側としては膨大なる財政赤字の問題です。 日本の場合ではまた膨大なる輸出超過の累積という問題で、これが主な議題でもあったように思います。 アメリカにおきましては、今、国会において税制法案と予算法案が審議されていますが、いわゆるオムニバス法案と言われる保護主義法案がいつ上程されるかもしれないという危険性があるのであります。この保護主義法案が万一成立すれば、日本は相当な失業と不景気に見舞われる危険性があるのであります。これが一たん成立すれば、この法律を廃止させるためには相当な年月がかかるとも考えられます。また、ヨーロッパにおきましては、日本に対しまして、この輸出超過に対して輸入の数量を明示してほしい、そういうような強い要望が来ております。我々はこれを拒否しております。しかし、このような内外の情勢から見ますと、やはり今のような五百億ドル以上に及ぶ黒字の累積を毎年続けていくわけにはいきません。日本は世界に生きられなくなる危険性があるのであります。 そういうような状況のもとに、今回、国際協調のための経済構造調整研究会の報告が提出されましたが、この報告を検討いたしましたところ、これは時宜に適したものであり、かつ貴重、かつ適切な内容を持っていると政府としては評価したものであります。しかし、この報告は、いわゆる国家行政組織法八条による八条機関の報告ではございません。私の私的研究機関の報告であります。 したがいまして、これにつきましては取り扱いを慎重に考慮いたしまして、これは一つの参考意見として考えるということにいたしました。そして、政府と与党と十分連携を図りつつこれに対する検討を行い、そして必要に応じましてこれは政策を練り上げつつ関係審議会等に諮問すべきものは諮問をする。そして当面行うべきこと、あるいは中期的に対応すべきこと、あるいは長期的に措置すべきこと、そのように仕分けをしつつ政府・与党で政策を練り上げていく、そしてそのために必要な体制整備を図る。大体、官房長官を中心として政府・与党の関係者でそういう政策を練り上げる機関をつくろうと思っておるところでございます。そういうような政府・与党一致した努力によりまして、これから鋭意努力していきたいと考えておったところであります。私は、アメリカ大統領に対しまして、そういう向きの考えを伝えたところ、アメリカ側としては強くこれを評価したところであります。 また私は、アメリカに対しては、いわゆる財政赤字の処理あるいは金利の低下等についても強い要望をしてきたところでございます。金利の低下あるいは円・ドル関係の調整等については、昨年の秋以来協調が成功しておるところでございますけれども、引き続いて努力していこうと、私からも特に申し上げたところでございます。 そのほか、いわゆるMOSS協議という今までやってまいりました個別市場品目についての協議も、今後も行おうという点について意見が一致いたしましたが、どれをその対象にするかという点については今後政府間で相談をするということにして、別に決まったわけではございません。 なお、SDIの問題につきましては、私から、三次にわたる調査団をアメリカへ出しまして、アメリカ側が親切にいろいろ説明してくれたことについて感謝の意を表しました。そして、この調査団の報告を参考にしつつ、我が国の対応を政府部内で慎重にこれから検討していくということを意思表示したところでございます。したがって、我が国の対応ぶりは政府部内で慎重に検討していく、そういうのが現在の態度でございます。 六十五年度財政再建の問題でございますが、赤字公債依存体質から脱却しようという考えは変わっておりません。しかし、具体的にどのような方策をとるかと言われますれば、毎年度予算編成等におきましてその対応を決めつつあります。予算編成に際しましては、金融政策やあるいは公共事業やらあるいは民間活力の動員やら、あるいはNTTそのほかの国有財産の売却やら、そういう諸般の問題を総合的に考えつつ、この目的達成のために今後とも配慮して努力してまいりたいと思っておるところで、五カ年にわたる厳格な、リジッドな財政政策を策定することは、石油の値段等あるいは為替の相場等がこのように変動しているときは必ずしもできないと考えておるのであります。 公共事業の問題につきましては、内需の拡大に今回の予算も相当配慮いたしまして、一般公共事業の事業量また事業費についても、前年度三・七%を上回る四・三%にしたところでございます。なお、四月八日には緊急の経済対策を先般発表いたしまして、あれをやれば、企画庁の試算によれば〇・七%程度のGNPを押し上げる力があろうと報告を聞いておりますが、そのように今後とも適切な政策を実行いたしまして、所期の目的を達する考えでございます。建設公債の増発による公共投資という問題は、大幅な財政赤字を抱えまして、今後の利子の支払い等を考えますと、なかなか困難であると考えておるのでございます。 補助率引き下げの問題でございますが、昭和六十一年度予算におきましては、補助金問題検討会の報告の趣旨等を踏まえまして、社会保障等を中心に事業の見直しを行いながら総合的な見直しを行ったところでございます。六十四年度以降の取り扱いについては、今までの経緯や今回の措置の性格も踏まえ、今後の諸情勢の推移、国、地方の財源配分など役割分担等を勘案しながら、その時点において適切に対応する考えでございます。 なお、三年間の暫定措置の期間内におきましては、国、地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の変更を行うことは考えておりません。 厚生年金の繰り入れ特例措置の問題につきましては、財政改革を一層強力に推進して、一般会計が特例公債依存体質から脱却した後におきまして、できる限り速やかに繰り入れに着手する考えております。 地方交付税につきましては、地方財政の円滑な運営に支障が生じないよう所要額を確保していくことにいたしたいと思っております。また、地方債の元利償還などの後年度の地方財政負担についても、国として必要な措置を講じ、地方団体の財政運営に支障を生じないように対処する所存であります。 リビアの問題につきましては、いわゆる事前通報というような形のものは正確にあったわけではございません。私の場合は、キャンプ・デービッドにおける大統領との食事の機会に、アメリカ側としては、先般の西ベルリンにおけるディスコの爆破事件、その前後における諸般の確実な証拠を 握っておる、それから今後もこのテロが続発する危険性が十分ある、そういうようなことを言いまして、そして米国が近いうちにリビアに対して必要な措置を行う可能性があるという、そういう一般的な話があった次第であります。いつ、どこで、何をするかというようなことはあったわけではございません。 米国がこのように、攻撃をリビアのテロに対する自衛のための措置であると説明していましたことについて、確実な証拠を握っておるとかあるいはこれが続発する危険性が十分あるとか、そういう確信を持った話をしておりましたが、私としては、米国としての理由があるのであろうが、詳細については当方において証拠を握っているわけでも何でもありませんから、承知しておらないので、事態の推移を重大な関心を持って見守っておるというところであり、政府としても事態がこれ以上悪化、拡大しないことを希望して、そのことはアメリカ政府についても既に伝達済みでございます。 残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手) 〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
○国務大臣(竹下登君) 私に対する御質問の第一は、補助金法案によるいわゆる地方自治体の負担増に対する補てん措置の問題についてでございます。 今回の補助率の見直しに当たりましては、国、地方のたばこ消費税の引き上げ及び建設地方債の活用によりまして、所要の地方財政対策を講じ、地方行財政の運営に支障が生じないよう対処したところであります。六十二年度以降につきましても、各年度の地方財政収支見通しに基づいて所要の地方財政対策を講じ、地方行財政の運営に支障が生じないよう対処してまいりたい、このように考えております。 それから六十四年度予算以降の問題でございます。 まず、六十年度の措置は、これは補助率のあり方を一年かけて検討する、その間の暫定措置として行ったものであります。今回はそれとは基本的に性格を異にいたしまして、いわゆる補助金問題関係閣僚会議、また補助金問題検討会、これらの報告の趣旨を踏まえまして、事務事業の見直し等に努めながら総合的見直しを行ったものであります。したがって、六十四年度以降の取り扱い、これにつきましては、今後の諸情勢の推移あるいは国と地方との財政状況等を勘案しながらその時点において適切に対処すべき問題である、かように理解をしております。 それから暫定措置の期間内においては、総理からお答えもございましたように、国、地方間の財政関係を基本的に変更するような補助率の変更を行う考えはありません。 最後に、いわゆる公的年金の国庫負担繰り延べに対する問題でございます。 返済の期間、方式等返済の具体的内容につきましては、今後の国の財政状況を勘案する必要がありまして現時点で明らかにできないところでございますが、政府としては国の財政改革をさらに一層強力に推進する等誠意を持って対処し、一般会計が特例公債依存体質から脱却した後において、行革関連特例法及び今回の措置によります年金国庫負担金の減額分につき積立金運用収入を含めてきる限り速やかな繰り入れに着手する所存でございます。(拍手) 〔国務大臣小沢一郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(小沢一郎君) 青木先生にお答えいたします。 ほとんど総理、大蔵大臣から御答弁がありましたので、補足的に私から申し上げます。 最初に、補助率の引き下げに関する問題でございますが、私どもといたしましては、この措置によりまして地方団体の財政運営に支障が生じないよう、この点については十分配慮いたしまして所要の措置をしたつもりでございます。今後とも交付税総額の確保を図る等必要な地方財政対策を講ずる所存でございます。 それから交付税総額の問題でございますが、地方財政の今日極めて厳しい状況を踏まえまして、今後地方財政の健全化を図るとともに、地方行財政の自主性、自律性を高めるために、地方交付税の所要額の確保につきましては今後とも全力で努力いたしてまいりたいと考えております。また、地方債の元利償還費につきましては、毎年度地方交付税の算定を通じまして財源措置を講ずることとし、また、これに関連いたしまして、後年度における地方交付税の総額を増額する措置をも講ずることとしております。これらの措置等によりまして、地方団体の財政運営に支障を生ずることのないよう対処してまいる所存であります。 それから三年間の暫定期間中の負担割合の問題でございますが、私どもももちろん基本的に負担割合の変更をする考えはございません。(拍手) 〔国務大臣今井勇君登壇、拍手〕
○国務大臣(今井勇君) 青木先生にお答え申し上げます。 お尋ねの厚生年金保険の国庫負担の繰り延べ分の返済につきましては、一般会計が特例公債依存体質から脱却いたしました後におきましてできる限り速やかに着手をいたしまして、年金財政の運営に支障を来すことのないように計画的に行うことが政府の方針でございます。(拍手)
○議長(木村睦男君) 答弁の補足があります。中曽根内閣総理大臣。 〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
○国務大臣(中曽根康弘君) 答弁漏れがありまして失礼いたしました。 解散、選挙については考えておりません。(拍手)
○議長(木村睦男君) 大川清幸君。 〔大川清幸君登壇、拍手〕
○大川清幸君 私は、公明党・国民会議を代表し、ただいま議題となりました国の補助金等の臨時特例等に関する法律案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。 まず、基本的な問題からお伺いをいたします。 中曽根総理は、財政再建の公約を掲げ、いわゆる仕事師内閣を自称して今日に至っておりますが、六十五年度赤字国債脱却は事実上不可能なことが明白であります。また、「増税なき財政再建」も毎年度覆されており、だれの目から見ても公約は完全な破綻状態であります。したがって、六十五年度赤字国債脱却の旗をおろし、国民の納得のいく、より合理的な財政再建策を改めて示してはいかがかと考えますが、総理並びに大蔵大臣の御所見を伺います。 また、内需拡大が最も重要課題である今日、いわゆる縮小均衡型の財政運営の継続か、拡大均衡 型への政策転換かが問われておりますが、総理、大蔵大臣の今後の財政運営について、そのいずれをおとりになるか、お伺いをいたします。 次に、四月七日発表の国際協調のための経済構造調整研究会の報告書によりますと、この提言の中で、外需依存型から内需主導型への抜本的政策転換をうたっておりますが、総理は、このレポートの実施について、レーガン大統領との会談でかなり色よい意思表明をなさったように報道されておりますが、真相はどうだったのでありましょうか。 〔議長退席、副議長着席〕 なお、このテーマは東京サミットでも大きなよりどころとして尊重されると言われておりますが、明確な答弁をお願いいたします。また、同レポートは、総理の六十五年度赤字国債脱却の基本方針に関連して、時期は明記されていないものの、実質的な軌道修正を示唆しているものと解されますが、この重大なずれについてはどうお考えでありましょうか、総理の真意を伺っておきます。 次に、去る三月四日の幹事長・書記長会談で合意した六十一年中に所得税の一般減税実施の件は、実行するのかしないのか、総理、大蔵大臣の責任ある御答弁をお願いいたします。 次に、去る四月八日、経済対策閣僚会議で策定された総合経済対策についてお伺いをいたします。 最近の急速な円高に伴う中小企業の厳しい環境変化への対応策、円高、原油価格低下のメリットの経済各方面への浸透策、規制緩和による民間活力の拡大等が盛り込まれておりますが、国民生活へのスムーズな波及効果が生じなければまさに看板倒れであります。特に、輸入消費財価格動向等調査対象品目として三十七品目が挙げられておりますが、四月末を目途に消費者に対する価格情報の提供を行うというのでは、極めてなまぬるい対応で、余り効果が期待できないものと思いますが、総理はより効果的な具体策をお持ちかどうか、お伺いをいたしておきます。 また、公共事業の施行促進が柱の一つとなっており、上半期契約済み額が過去最高になるよう目指しておりますけれども、年度後半における公共事業の追加を行う意図をお持ちかどうか、お伺いをいたします。 なお、中小企業対策の中で、下請中小企業を保護するための代金支払遅延防止法の厳正な運用を期待いたしますが、親企業等に対する指導を強化する意思がおありかどうか、通産大臣の御意見をお伺いいたします。 さらに、民間活力導入に関連する規制緩和が進められておる一方で、都市における地価の暴騰が懸念されております。総理はどのような現状認識と具体的な対応策をお持ちか、お伺いをいたします。あわせて大蔵大臣に、土地取引に対する金融機関への指導をどうされるのか、具体策をお伺いいたします。 次に、昨年の補助金カットは暫定措置であり、六十一年度以降については、国と地方の役割分担、費用負担の見直し等とあわせて検討することになっていたにもかかわらず、その検討が全くなされていないといってもよい状態の中で補助率を引き下げようとするものでありまして、しかも六十三年度に及ぶというのでは、いわば詐欺にも等しい約束違反のひどい仕打ちであります。総理、大蔵大臣から、地方自治体の納得のいく見解をお伺いしたいと思います。 しかも、今回の臨時特例法によって一兆二千百六十三億円が節減されるとしておりますが、その中身は、福祉、教育関係費の切り捨てで、断じて納得できるものではありません。厚生保険特別会計への国庫負担の繰り延べ三千四十億円、義務教育費八百十九億円、児童福祉一千七百九億円、生活保護で一千五百五十億円、老人福祉一千二十八億円と、これら主なものの合計額は約八千億円であります。憲法に照らして、本来国が負担すべきものを地方に押しつけるのは決して許されるべきことではありません。また、弱者いじめの最たるものと言わざるを得ないのであります。総理、大蔵、自治大臣の所見をお伺いいたします。 次に、財政金融上の措置は、一応建設地方債の増発とその元利償還に対する交付税上の措置等によるものとされておりますが、不交付団体への財政負担転嫁の側面も否めませんし、地方自治体の財政状況の悪化が懸念されるところであります。地方の財政運営に支障が起こらないよう万全の財源補てん策が必要でありますが、大蔵、自治大臣の答弁をお願いいたします。 次に、今回の補助率カットに伴う地方財源対策としてたばこ消費税の引き上げが行われますが、この措置は今年一年ということになっております。しかし、六十二、三年度についての財源確保策が不明確なところが問題であります。まさかたばこ消費税の再値上げ、再々値上げ、またこれに類するこそくな方法を講じようというのではないでしょうね。いかがでございますか。また、補助率カットが六十一年度から六十三年度に及ぶものであれば、これに対応する地方の財源確保策を明確にしておかなければならないわけでありまして、このままでは極めて不親切であります。具体策がおありかどうか、お伺いをいたします。 本来、補助金のあり方については、スクラップ・アンド・ビルド方式かサンセット方式で行うべきであり、今回のように、約束の役割分担等の基本的な見直しを置き去りにしたまま一括削減という乱暴なやり方は、財政再建の名に値しないものであります。六十三年度までというのを撤回し、できるだけ早い時期に、役割分担等の見直しとあわせ、整合性のある地方財源確保策に基づく補助率の見直しをしてはどうかと考えますが、総理、大蔵、自治大臣の御所見を伺います。 以上、幾つかの重要課題について質問いたしましたが、総理並びに関係大臣の責任ある答弁を期待し、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
○国務大臣(中曽根康弘君) 大川議員にお答えをいたします。 まず、六十五年度赤字公債依存体質から脱却という問題でございますが、この目標年次を先に延ばしますれば一層の特例公債の累増を招く危険性があります。そして長期的には負担が増加する危険性もございます。その結果は、今までの歳出削減合理化の努力も水泡に帰する危険性もないとは言えません。その意味におきまして、六十五年度赤字公債依存体質脱却というものを先に延ばすということは不適当であると私は考えております。 次に、拡大均衡論でございますが、内需の拡大につきましては、前にも申し上げましたように、 努力しておるわけでございます。昨年に対しまして本年は四・三%の事業費の増大を実質的に図っておりますし、かつまた運営につきましても、先般四月八日に経済の緊急対策等を発表し、特に円・ドルの変化、あるいはさらに、石油の値段の低下を最大限に活用して景気が上昇に向かうべく努力しておるところでございます。今後も経済の運営、金融の運営等を適切に行いまして所期の目的を達する考え方でございます。 アメリカ大統領との間におきましては、経済構造の相互の改革について話し合いをいたしました。我が方といたしましては、先般出ましたいわゆる前川レポートの要点について話をし、また、先方の負っておる財政赤字問題等についても我が方の強い要望を申し上げ、これからはやはり世界経済というものは政策協調をさらに積極的に各国でやっていくこと、それから構造改革を各国がまた積極的に自分の行うべきことをやっていくこと、そういう積極的な構造改革と経済政策の調整という時代に入りつつあるのではないかということを積極的に提議した内容の話もありました。今後も、日本の経済を国際国家型へ、内需主導型へ、適切な輸出入バランスの回復へと向かって努力してまいるつもりでございます。 なお、この報告は私的研究会の報告でございますから、あくまでこれは参考にとどめ、政府は政府としての案を党と協力して中長期あるいは当面の問題に分けてつくり上げていく考え方ております。 次に、所得税減税の問題でございます。 長期的な問題については、来年度実行しようということで今税調に諮問しておるところでございますが、当面の問題については、これは各党間の協議の推移を見守りたいと考えておるところであります。 小売価格の問題でございますが、主要輸入消費財の価格動向等について調査をして、四月末を目途に消費者等に情報を提供する予定でおります。輸入消費財についての円高等の効果が市場メカニズムを通じて国内販売価格に反映されていくように努力しており、必要に応じ関係業界への要請等適切に今対応、努力中でございます。 公共事業に関する御質問でございますが、六十一年度予算におきましても四・三%の伸び率として努力したところであり、公共事業等の補正追加は目下考えておりません。 都心地の土地価格の騰貴の問題でございます。 全国的には地価は安定しているのでございますが、東京都の都心部の商業地域において高い地価上昇が見られております。これについては、基本的には旺盛な事務所需要によるものと考えます。日本がもう世界的な金融センターに今発展しつつあるわけですから、そういう世界的な金融機関等から事務所の要望が非常に多いようでございまして、それが今の騰貴を呼んでいる一つの原因でもあるようであります。やはりそれには用地の確保、供給増ということが必要であると思いまして、今建設省等を通じまして懸命の努力をしておるところであります。また、供給策とあわせまして、投機的な土地取引等を抑制するために、国土利用計画法の的確な運用、土地取引の監視の徹底化に努めてまいる所存であります。 補助率引き下げの問題でございますが、六十一年度予算におきましては、補助金問題検討会の報告の趣旨等を踏まえまして見直しを行ったところでございます。 福祉、教育費の問題については、この補助率の見直しに当たりましても、所要の地方財政対策を講じまして、地方行財政の運営に支障が生じないよう対処しており、福祉、教育等行政サービスの水準そのものに影響を与えることはないと確信しております。 たばこ消費税の問題でございますが、今回の措置は臨時異例的に講じられたというものでございまして、その意味におきまして一年限りの措置としたところであります。六十二年度以降の措置については、税制調査会の抜本改革の審議の結論等を待って対処いたしたいと思っております。 次に、国庫補助率の引き下げと地方財政措置でございますが、今回の見直しに当たりましては、所要の地方財政対策を講じて、地方行財政の運営に支障が生じないように特に配慮しておるつもりでございます。六十二年度以降につきましても、各年度の地方財政収支見通しに基づき所要の地方財政対策を講じ、地方団体の財政運営に支障を生じないように対処する所存ております。 今後の補助率の見直しの問題でございますが、今回の補助率の見直しに当たりましては、補助金問題検討会等において、国と地方の間の役割分担、費用負担のあり方等についても、幅広い見地から十分検討したところであります。補助金等のあり方につきましては、今後とも点検し、見直しに努めていく所存でございます。 残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手) 〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
○国務大臣(竹下登君) かなりの部分、総理からお答えがございました。大川さんの御質問に対し、いささか補足的に御説明申し上げます。 まず、六十五年度赤字国債脱却という問題につきましては、これは容易ならざる課題であることは私どもも十分認識いたしております。しかし、総理から具体的にお答えがありましたように、努力目標の達成に全力を今後とも尽くしていきたい、このように考えます。目標年次を先に延ばすことといたしますならば確かに財政改革の進展は緩やかなものとなりますが、一層の特例公債の累増を招くことによって長期的に見れば負担が大きくなる、このこともやはり考慮しなければならないことであるというふうに考えます。 次は、内需拡大に関する問題であります。 限られた予算の中で内需の拡大には可能な限りの配慮を行ってきておるわけでございますけれども、しかしこの問題等につきましては、たびたび行われました経済対策によりまして一層その底支えができるとともに、累次にわたる公定歩合の引き下げ等が内需を誘発する大きな基礎になる、私はこのように考えておるところであります。 幹事長・書記長会談の合意は、これは政府といたしましては、今、税制調査会において抜本策を検討していただいておる。しかし、三月四日の与野党幹事長・書記長会談の合意、これは重いものであります。したがって、各党間で今後協議される問題につきましては、政府としてはそれに種々御協力をしながら推移を見守るということであります。 それから地価暴騰に対する懸念。 総理からもお答えがございましたが、私ども、具体的には不動産融資について、金融機関の公共 性を十分自覚するようかねてから指導してきておりまして、昨年七月にも金融機関に対して注意を促したところでございますが、一昨日、金融機関に対して通達を発出いたしまして、投機的な土地取引を助長するようなことのないよう改めて指導しますとともに、あわせて不動産業者、建設業者向け土地関連融資の実情を把握することとした次第であります。今後とも十分注意してまいりたい、このように考えております。 次の問題は、補助金カットについての御意見を交えての御質疑でございます。 確かに六十年度は、これは一年以内に結論を得るということ、だから一年間の暫定措置にお願いをした。したがって、補助金問題関係閣僚会議、また補助金問題検討会、十二回お開きいただきまして、十二月二十一日、最終的に閣僚会議で決定をいたしたものであります。したがって、いわば補助率の総合的見直しを行ったという性格であると御理解をいただきたいと思います。 それから、それがゆえに今度は社会保障あるいは教育、これらの問題についての御意見がございました。 福祉、教育関係費等の水準そのものにつきましては影響を与えておるものではない、このように考えております。 それから次の問題は、いわゆる地方負担の問題でございます。 国、地方のたばこ消費税の引き上げ及び建設地方債の活用によって、ことしは所要の地方財政対策を講ずることとしております。また、建設地方債の増発に伴います後年度の地方負担につきましても、国として必要な措置を講じておるわけであります。ただ、個々の不交付団体について見ますと負担の増加を生ずることになりますが、現下の厳しい財政状況のもとでは、財政状況の良好な不交付団体の理解を求めざるを得ないというふうに考えております。 次が、たばこ消費税の増税は一年間の暫定、そして再引き上げを行うかという御趣旨の御質問でありました。 今、税制抜本改革につきまして審議が行われておりますが、間接税のあり方についてもその一環として後半において検討が行われるところでございます。したがって、今回のたばこ消費税の引き上げは、六十一年度予算におきます補助金等の整理合理化に伴う地方財政対策の一環としてのまさに臨時異例的に講じられたという背景がありまして、そのような観点から、税制の抜本改革の妨げにならないようにという六十一年度税制のあり方についての答申にも基づきまして一年限りの措置としたものであります。六十二年度以降の問題につきましては、まさにこの問題は税制調査会の審議の結論等を待つべき課題であるというふうに考えます。 それから六十二年、六十三年度の地方財政対策はどうなるのか、こういうことでございます。 いずれにいたしましても、六十二年度以降につきましても地方財政収支見通しに基づきます所要の地方財政対策を講じまして、地方行財政の運営に支障が生じないよう責任を持って対処してまいります。 それからさらに、可能な限り早く役割分担等の見直しを行え、こういう御趣旨でございますが、今回は確かに生活保護費等両論併記の報告もございましたが、今回の補助率の見直しというのは、いわば事務事業の見直し、費用負担のあり方等役割分担の見直しをも含めて行ったものでございます。しかし、今後やはりいろいろなことを検討して、総合勘案の上三年間の暫定措置としたところでありますので、六十四年度以降の取り扱いにつきましては、今後の推移、国と地方の財政状況、これらを勘案しながら適切に対処していく考え方であります。 なお、今後とも補助金等の整理合理化を推進するため、既存の補助金のあり方等につきましては、これは期限を切ることなく、毎年毎年の予算編成で絶えず不断に努力を積み重ねなければならない課題であるという問題意識の上に立っております。 以上でお答えを終わります。(拍手) 〔国務大臣渡辺美智雄君登壇、拍手〕
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大川議員にお答えをいたします。 四月八日に決定された総合経済対策において、下請中小企業の保護の観点から今後どのような親会社の指導強化をやっていくのかという御質問でございますが、これは、今までも下請取引の適正化につきましては、先般実施した円高影響特別調査、そういうふうな調査をして、その結果に基づいて、親会社に指導通達を出して今まで指導の強化を図ってまいりました。しかしさらに、さきの総合経済対策の一環として、下請代金支払遅延等防止法に基づいて親事業者に対する立入検査、工場に直接行って、立入検査を強化をして、集中的に今やっております。また、下請等中小企業にかかわる相談受け付け、それから指導の充実のための相談窓口を各都道府県に一斉に聞いていただきました。これをどんどん利用して、いろいろ違反行為があったならば言ってきてくださいということで今指導をいたしております。今後とも下請取引の適正化につきましては万全の措置を講じてまいりたいと考えております。(拍手) 〔国務大臣小沢一郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(小沢一郎君) 大川先生にお答え申し上げます。 ほとんど答弁がございましたので、自治省の立場から補足的に申し上げます。 まず第一は、補助率引き下げと福祉、教育の行政水準の問題でありますが、マクロの補てん策といたしましては、財政運営に支障が生じないように私ども地方財源を確保し得たと考えておりますが、地方団体は三千三百幾つの多くの団体から構成されておるわけでございますので、個々の地方団体につきましても、その地域のいろいろな事情を的確に把握いたしまして、私どもとしては、地方交付税の算定あるいは地方債の配分を通じましてその影響額を補てんし、それによりまして福祉や教育の行政水準が低下したりすることのないように対処いたしてまいりたいと思っております。 それから次は、財源の補てん策の問題でございますが、特に不交付団体の点について申し上げますと、不交付団体の場合におきましては、地方交付税の算定上、補助率の引き下げに伴う負担の増加分を基準財政需要額に算入するわけでございますけれども、その措置を通じましても、なお基準財政収入額の方が上回っているということによって不交付団体になるわけでございますが、この意味におきましては、地方交付税の算定を通じまして は現実の財源の増とならないために地方債措置を講ずることとしているところでありますが、この点はやむを得ないところであると思いまして、御理解を賜りたいと思います。 それから、たばこ消費税と財源の問題でございますが、これは一年となっておるわけでございますが、私どもといたしましては、今日の税財源配分の仕組みを前提としてでありますが、六十二年度以降についても何らかの財源措置が必要と考えております。しかし、その点につきましては、各年度の地方財政収支見通しが明らかになった段階におきまして具体的に検討してまいりたいと考えております。 それから補助負担率の見直しの点でございますが、この三年間のうちに、特に地方財政の厳しい実情を踏まえまして、国、地方の財源配分及び役割分担のあり方等とともに、私どもとしては積極的に検討を行ってまいりまして適切に対処してまいりたい、そのように考えておるところであります。 以上であります。(拍手) —————————————
○副議長(阿具根登君) 神谷信之助君。 〔神谷信之助君登壇、拍手〕
○神谷信之助君 私は、日本共産党を代表し、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。 まず、当面する緊急問題についてお伺いします。 アメリカは、テロ対策を口実に、リビアに対し宣戦布告なき事実上の戦争行為をあえて強行しましたが、これは平和と民族主権を侵害するまことにゆゆしき事態であり、第三次世界大戦の火種さえつくりかねない危険をはらむものであります。もちろん我が党はいかなるテロ行為も断じて容認するものではありません。しかし、いかなる口実によっても、今回のアメリカの蛮行は、国際紛争解決の手段として武力行使を禁止し、話し合いによる解決の道を示す国連憲章に違反することは明らかであります。また、同趣旨の我が国憲法からしても、このようなアメリカの戦争行為は是認できません。したがって、レーガン大統領に対し直ちに中止の申し入れをすべきではありませんか。総理の見解を求めます。 本論に移ります。 初めに指摘したいことは、本法案は国会と国民に対する公約を踏みにじるものであることであります。昨年度六千四百億円に上る補助金カットは本年限りのものとの国会答弁はどうなったのですか。逆に、さらに三年間にわたり、二倍以上の年間一兆二千八百億円の負担を地方に転嫁するとは言語道断と言わねばなりません。総理並びに大蔵大臣の明確な答弁を求めます。 本法案はまた、軍拡優先、国民生活犠牲の臨調路線に沿って別途提案されている裁判抜き代執行導入法案、国庫負担、補助率大幅切り下げと結合した事務整理合理化法案及び地方行革大綱全面実施の方針とともに、地方自治を根本的に破壊するいわば四点セットとも言うべきものであります。 以下、具体的な問題で伺います。 まず、補助金カットが地方財政にもたらしている重大な影響についてであります。 政府は、昨年もことしも、補助金一括カットについて、地方財政運営に支障をもたらさないよう措置したと弁明しています。しかし、事実はどうですか。地方自治体の六十一年度予算では、地方債の増発にとどまらず、その影響が一斉にあらわれているではありませんか。 その一つは、財政調整基金、減債基金などの取りましであります。すなわち、都道府県で財政調整基金を設けている四十五団体中、昭和五十九年度における基金の取りましは二十九団体、六百七十七億六百万円であったものが、六十年、六十一年両年度では四十一団体、四千六百二十一億五千百万円の取りましが見込まれ、六十一年度に全額ないしほぼ全額の取りましにより底をつく県が十団体にも上ることが予想されているのであります。 その二は、住民への直接的な負担増の問題であります。国によるたばこ値上げの負担増だけでなく、ほとんどの地方自治体は、公立高校授業料、保育料、下水道料、公営住宅家賃、体育館、図書館等の使用料、動物園入園料など三十数項目にも及ぶ公共料金を一斉に引き上げています。都道府県の実態を調査すると、実に三十四団体もが地方財政計画の四・九%をも上回り、全国平均で六・二%の値上げを行っているのであります。政府が何と言おうと、この事実は、補助金カットがいかに地方住民に直接重大な負担増を強いているかが明白ではありませんか。 その三は、これまた多くの自治体において一斉に、老人憩いの家、学童保育、児童図書館を初め、数えれば二百数十項目にも及ぶ地方単独補助金の廃止や縮小で、広範な分野にわたっての住民サービスの切り捨てがあらわれていることであります。 以上の事実が示すごとく、臨調行革による補助金カットは、地方財政運営に重大な支障を与え、同時に、直接住民に負担増とサービス低下をもたらす以外の何物でもないことが明白ではありませんか。総理並びに自治大臣の答弁を求めます。 次に、国庫補助負担率の引き下げの対象となった事業についてであります。 生活保護の受給者は、昨年の補助率切り下げ後の半年間に実に四万九千人も減らされ、戦後最低の支給率にまで下がってしまったのであります。これこそまさに中曽根内閣の社会保障における戦後政治総決算路線の行き着く先ではありませんか。総理の見解を求めます。 義務教育国庫負担制度も同様であります。昨年の教材費、旅費の国庫負担廃止によって、教材費に遺漏のないようにとの文部省通達にもかかわらず、三十三都府県で六十年度教材費は削減されております。財政措置を伴わない文部省通達の無力さについて、文部大臣はどのように考えていますか。また、自治大臣、交付税による財源措置とは詭弁にすぎないことが明らかではありませんか。答弁を求めます。 次に、公共事業についてであります。 総理、あなたは、国民に直接影響はないとか行政水準を落とさないとか言いますが、今年度新たに発足する公共事業の五カ年計画、特に国民生活とかかわりの深い下水道や都市公園の五カ年計画は、今回初めてその総事業費が前の計画よりも下回ることになっているのではありませんか。補助事業と地方単独事業を合わせた実質上の総事業費は、下水道では第五次五カ年計画の十一兆二千百億円が第六次九兆九千八百億円と一一%の減、 都市公園では第三次二兆六千九百億円が第四次二兆五千四百億円と五・六%の減となっています。ところが政府は、調整費を大幅に取ることでいかにも事業規模を大きくしたかのような見せかけをしています。しかし、従来、調整費にはほとんど手をつけていないのであります。こうした欺瞞的な総事業費の縮小は、補助率の切り下げ、国庫補助金の大幅削減に起因するものであることは明白です。これでどうして国民に影響はないと言えるのですか。総理の見解を伺います。 また、新五カ年計画が一〇〇%実施された場合、五年後には下水道の人口普及率は四四%とのことですが、これは既に完了した第五次五カ年計画の六十年度目標ではありませんか。我が国の下水道普及率は三三%であるのに対し、イギリス九七%、西ドイツ九一%という状況です。都市公園では、一人当たり面積でワシントン四十五・七平方メートル、ロンドン三十・四平方メートルに対して、東京都区部は二・一平方メートル、京都市は二・四平方メートルにすぎないのであります。総理、あなたが国際国家日本と言うなら、国際的にも極めて低い水準にある生活環境の改善を目指して、この補助金等臨時特例法案を断念すべきではありませんか。 最後に、私は、軍備増強、大企業奉仕、国民生活破壊の中曽根内閣の戦後政治の総決算路線こそ、国家機密法案再提出、安保会議設置法案などと相まって、国民生活擁護よりも国家の権威を上位に置くという発想に基づくものであり、主権在民の憲法原理に挑戦するもので、断じて容認できないことを指摘し、国民生活の安定こそ政治の要諦であるという見地から、我が党は国民とともに全力を挙げて闘うことを明言して、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
○国務大臣(中曽根康弘君) 神谷議員にお答えをいたします。 まず、リビアの問題でございましたが、先ほども申し上げましたように、米国が確かな証拠を握っていると、そう言って、この攻撃をリビアのテロに対する自衛のための措置であると説明していることについては、米国としての理由があるのであろうが、詳細については当方としては承知していないので、事態の推移を重大な関心を持って見守っているところであります。政府としても事態がこれ以上悪化、拡大しないことを希望しておりまして、この点については、安倍外務大臣がワシントンで、また後藤田官房長官が東京において発言しているとおりであり、これは米側にも伝達済みであります。 補助率の引き下げの問題でございますが、六十一年度予算においては、補助金問題検討会の報告の趣旨等を踏まえまして、この見直しを行いながら補助率の総合的な改革を行ったところでございます。 今回の補助率の見直しに当たりましては、所要の地方財政対策を講じて、地方団体の財政運営に支障が生じないように対処いたし、見直しによって行政水準の低下や住民負担の増大等はないと考えております。 社会保障制度につきましては、戦後着実に発展し、前進してきております。今後とも、高齢化社会に備え、長期的に安定し、有効に機能する制度を築いていく所存でございます。国民生活の最後のよりどころである生活保護の重要性については、十分認識もしておるし、配慮もしておる所存でございます。 下水道と都市公園の新五カ年計画の投資規模は、前五カ年計画の実績を上回る額を確保しております。調整費については、今後、計画期間中の社会経済の動向、財政事情、事業の進捗率等を勘案して弾力的に対処してまいるつもりでおります。 なお、下水道等整備のため法案を撤回せよと言われますが、本法案により、下水道、公園事業を含めた公共事業の六十一年度事業費は前年度を上回る伸びとなっておりまして、事業の進捗に大いに寄与しております。したがって、本法案を撤回する考えはございません。 残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手) 〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
○国務大臣(竹下登君) 神谷さんの私に対する質問は一問でございます。 昭和六十年度における高率補助率の引き下げは、今後一年かかって本格的な検討を行うという意味において暫定措置でお願いしたわけであります。したがって、六十一年度以降の補助率のあり方につきましては、国と地方の間の機能分担、費用負担の見直し、これらを検討することといたしておりまして、したがって、その検討を行う場として、補助金問題関係閣僚会議、そして補助金問題検討会、これらをたびたび開催してきたところであります。六十一年度予算におきます補助率の見直しは、このような経緯の上に立って成り立ったものでございます。したがって、昨年の十二月二十一日に閣僚会議で決定をしたわけであります。いわば補助率の総合的見直しを行ったものである、このように御理解を賜りたいと思います。(拍手) 〔国務大臣小沢一郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(小沢一郎君) 神谷先生にお答え申し上げます。 補助金カットと地方財政運営の問題でございますが、財政運営に支障が生ずることのないように財源の確保をしたということは、総理からも御答弁がございました。特に、私どもといたしましては、個々の地方団体に対しまして、基準財政需要額の算定、地方債の配分等を通じましてきめ細かい財源措置を講ずることによりまして、この補助負担率の引き下げにより、財政運営に支障が生じたり、住民負担が増加したりすることのないようにいたしたいと考えております。 それから教材費の問題でございますが、教材費につきましては、地方団体の事業として同化定着しているということから、昭和六十年度から一般財源化を行うことといたしまして、地方交付税においては必要な財源の措置を講じたところでございます。一般財源化したものでございますから、それぞれの地方団体が自主的にその教材費につきましては所要の予算措置を講ずべきものと考えております。(拍手) 〔国務大臣海部俊樹君登壇、拍手〕
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘いただきました点について、文部省は、各地方公共団体において地域や学校の実情に応じて所要の教材費を確保し、教材の整備を図るよう引き続き指導いたしますとともに、必要に応じ、教材費に係る措置の充実 が図られますように要望してまいりたいと考えております。(拍手) —————————————
○副議長(阿具根登君) 井上計君。 〔井上計君登壇、拍手〕
○井上計君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました国の補助金等の臨時特例等に関する法律案に対し、総理並びに関係大臣に質問を行います。 まず初めに、総理にお尋ねをいたします。 新聞報道によりますと、先日の日米首脳会談において、中曽根総理はレーガン大統領に対し、今後我が国は貿易収支不均衡を速やかに是正するため製品輸入を進め、輸出志向型経済を輸入志向型経済に転換することを表明されたと伝えられております。確かに、現在我が国の直面している最大課題は貿易摩擦の解消であり、自由主義国家群の有力な一員として、国際協調を第一義的に考えることの重要性とその対策を急速に進めることについてはだれしも異論のないところであります。しかし、申すまでもなく、貿易摩擦の解消は容易なことではありません。したがって、製品輸入によってのみこの解消をたくそうとするならば、我が国の輸出産業、とりわけ中小企業は壊滅し、我が国経済に重大な影響を与え、さらに我が国農業もまた大きな打撃をこうむることは必至と考えられます。 総理、物にはまず順序があります。現在の大幅貿易黒字も一朝一夕に生じたものではありません。したがって、既に我が国がとっている市場開放、円高誘導等の成果を見守りながら、我々が事あるごとに主張している内需拡大型経済政策へ急いで転換すべきであります。この際、改めて貿易収支の改善策への総理のお考えを明確にしていただきたいと思います。 次に、内需拡大の大きな柱は、現在、与野党折衝にゆだねられている二兆円の大幅所得税減税と、建設国債のあり方を見直して公共事業をさらに積極的に拡大し実行することであります。今こそ財政の果たす役割は極めて重大であります。既に不可能と言われておる六十五年度赤字国債発行ゼロという一律緊縮財政路線を依然として金科玉条としていることが、経済成長を低下せしめ、今日の貿易摩擦問題や円高デフレを引き起こした原因でもあります。また、これから審議する補助金のカットというような結果をも招いたのであります。総理が示されたアメリカ政府との約束を実行するためには、多少の時間はかかりますけれども、内需拡大の財政政策に転換し、安定、恒久的な貿易均衡型政策をとるべきと考えますが、総理並びに大蔵大臣のお考えを承りたいと思います。 次に、補助金問題について具体的な質問に入ります。 大蔵大臣は、衆議院の審議の過程において、補助率カットは三年間の暫定措置であり、したがって補助金問題検討会にかわる新たな機関は設置せず、補助金の整理合理化は従来の行政ベースで進めていく旨の答弁をされたと聞いております。とすると、果たしてこのようなことで補助金の整理合理化が進むのかどうか甚だ疑問に思うのであります。 昨年の高率補助金の一割カットの際、大蔵、自治、厚生の三大臣の合意によって設置された補助金問題検討会が一年間をかけて検討した結果は、児童福祉、老人福祉等の補助率カットに伴い、その事務を従来の機関委任事務から団体委任事務にするといった極めてわずかなものだけであります。生活保護費補助金を初めとして、ほとんどの補助金については何らの具体的な結論が得られておりません。三大臣の合意に基づいて設置された検討機関の審議の結果がこの程度であるとするならば、これを通常の行政ベースに戻した場合、補助金の整理合理化がほとんど進まなくなるのは火を見るより明らかであります。 従来、我々が再三指摘してきたように、国の補助金こそ膨大なむだを生んでいる元凶であります。増税なき財政再建の実現のためには、国の一般歳出の四三・三%を占める補助金の大幅削減を図ることが絶対に不可欠であります。私は、このような観点から、行財政改革の趣旨に沿った補助金の抜本的整理合理化を行うため、権威ある第三者機関を設置し、三年間の暫定措置の期間内に国民の納得のいく結論を得るよう求めるべきと考えますが、総理並びに大蔵大臣及び行革担当の総務庁長官の御見解を求めるものであります。 第二は、補助金の総点検運動を再度実施すべきであります。 我が党が衆議院でも指摘したように、国庫補助金の申請等の事務手続には莫大な人員と手間を必要とし、都道府県の日常業務の約六〇%、市町村においても約四〇%がそれに費やされていると言われております。このように補助金の事務手続が依然として改善されない理由は、その置かれている環境にあります。つまり、政策決定以後の事務手続は係長クラスに任せてしまっていること、補助金対象者が圧倒的に多いこと、事務手続に関する部局相互の情報交換や調整、コントロールがないこと等を初め、時に改善を推進する声が出ても、旧態依然たる古い体質がそれを抹殺していることであります。国費の膨大なむだを生んでいるかかる補助事務手続は直ちに大幅に簡素効率化する必要があります。私は、この観点から、政府が五十三年当時に行った補助金の総点検を定期的に行うと同時に、これを国会に報告するよう求めるものでありますが、大蔵大臣並びに総務庁長官の御見解はいかがでありますか、お伺いをいたします。 次に第三は、奨励的補助金の大幅整理と、四万五千八百二十七件、八百九十一億円に上ると言われるいわゆる箱物補助金の地方一般財源化についてであります。 衆議院でも指摘があったように、奨励的補助金は、国と地方との共同事業に対する責任の度合いに応じて定められる国庫負担金と異なり、国が政策上奨励的立場に立って行うものでありますから、地方がそれを受け入れるか否かは本来自由であるべき性格のものであります。ところが、かかる奨励的補助金が各省庁の中央集権的な手段として利用されており、また選挙の集票手段としても利用されておりますから、そのために、零細補助金で効果は余りなくとも、他の面で不利になることを恐れて泣く泣く受け入れていると言われておるのが多くの問題を生み出している実態にあるわけであります。したがって、多くの弊害を生んでいる二兆四千億円にも及ぶ奨励的補助金は、この際思い切って整理すべきであります。このため私は、五年以上経過した奨励的補助金の原則廃止、地方自治の原則からして問題のある人件費補助の廃止をこの際提案するものでありますが、総理並 びに大蔵大臣の見解を求めます。 また、文化庁の文化センター、あるいは国土庁のコミュニティーセンター等というように、各省庁がばらばらに行っている箱物補助金については、これを地方の一般財源に振りかえることとし、各自治体で多目的施設を地域の実情に応じて建設することができるようにすべきだと考えますが、大蔵大臣のお考えはいかがでありますか、あわせてお伺いをいたします。 最後に、地方行革との関係についてであります。 政府は、現在、各自治体に対し強力に行政改革の推進を求めておりますが、地方の行う行革の成果はこれを地方に還元すべきものであります。行革によってせっかく努力しても、それが財政に余裕があるとされ、補助金カットという形で国に吸収されてしまうのでは、地方の行革意欲を阻害することになるでありましょう。国がどうしても地方の協力を求めるとするならば、負担の転嫁や先送りなどその場しのぎの政策ではなく、中長期的な財政再建計画を策定し、国が責任ある態度をとらなければ、地方の行革努力に水を差すことになり、また政府が強く提唱し、期待する民間活力の導入もかけ声だけに終わってしまうおそれがあります。これらの諸点について総理並びに大蔵大臣及び自治大臣の見解を求めて、私の質問を終わります。(拍手) 〔国務大臣中曽根康弘君登壇、拍手〕
○国務大臣(中曽根康弘君) 井上議員にお答えをいたします。 まず、日米会談の内容でございますが、日米関係全般にわたる幅広い意見交換をいたしました。なかんずく世界経済の問題や日米の経済摩擦の問題、それから東京サミットにかけての日米協力の問題等について率直な意見交換をした次第であります。なおまた、日米の経済構造の改革問題についても相互に積極的に努力していくという話をいたしまして、両方ともこれは協議していこうということになった次第であります。我々の方からは、特にアメリカの保護主義防圧について重ねて強い要望をいたしてきたところでございます。 次に、貿易収支の改善策の問題でございますが、現在のこの不均衡問題はアメリカ国会あるいはジャーナリズムにおいても大きな問題になっておるわけであります。我々としては、今まで実行してきたいわゆるアクションプログラムを遂行していく、あるいは内需の拡大等を着実に実施することに加えて、先般来、いわゆる経構研の報告書にありましたような内需主導型経済成長及び輸入促進を図るというようなこと等も加えて実行してまいりたいと思うのでございます。 やはり、おっしゃいますように、輸入だけでこれができるという問題ではないのです。内需の刺激、あるいは金利政策、あるいは減税政策、あるいは円・ドル関係の調整、特にこの円・ドル関係の調整ということは大きな要素でございます。現に、現在日本を見ておりますと、韓国及び台湾、香港は米ドルとリンクしております。まだ米ドルと同じ価値、価格で動いている。日本の円が今のように前と比べて高くなってまいりました。そのために韓国、台湾、香港から日本に今さあっと殺到して入ってきつつある状態で、一時の日本品がアメリカに入ったような形で日本に入ってきている。このことも私はアメリカ大統領に直接話して、いかにこの通貨関係が大事であるかということを申したのです。 アメリカにおける記者会見におきましても、アメリカがこれだけ膨大な輸入超過をやったという一つの原因は、高いドルのために世中じゅうからこれが吸引された、各国が輸出するというよりも、むしろアメリカに吸い取られたような状態で各国の物資がアメリカへ入っていったんだと。そういうこともアメリカは考えてもらわなければいけないということも記者会見で申したのでございまして、このようにあらゆる総合的な観点に立って、そしてある程度中長期的な構えをもってやることが必要である、そのように考えております。 それから景気の問題につきましては、やはり現在はいわゆる低金利、低物価の時代が当面来ていると思うのです。これは物資過剰に基づいてこういうことが来てデフレの原因になるのか、あるいは石油価格の低落等から低金利、低物価時代が来ているのか、これが経済にどう触れていくかということは問題でありまして、学者の間にも論争があるところでございます。私は、日本の場合は昭和五十三年におきましてもこういうことが起こりまして、たしか金利は三・五%まで下がったことがあると思います。あの場合は、しかし石油が暴騰しまして、日本のお金が全部アラブに吸い取られて、日本から出ていってしまったわけです。今回の場合は、むしろ払うべき石油代金が日本に残ってきている、そういうような状態でありますから、この日本に残っておる金というものを活用することによって、この低金利をさらに活用することによって景気の上昇を導くことができる。そういう方向に向かって経済対策を進めていき、秋ごろまでにはさらに景気が上昇する方向で進めていきたい、実質賃金も上昇するように我々としては努めたい、そのように考えておるところでございます。 減税について御質問がございましたが、これは来年度行うべき大幅なものを除き、先般の各党間での協議の内容、推移を当面の問題としては見守ってまいりたいと考えております。 次に、公共事業の拡大でございますが、この厳しい財政事情のもとに建設公債を増発するということは必ずしも適当でないと我々は考え、そのほかのあらゆる総合的な対策を実行していきたい。先般四月八日に緊急対策を発表いたしましたが、そのように今後も努力してまいりたいと思うのでございます。 補助金の整理合理化については全く同感でございます。補助金等の整理合理化をさらに推進していくために、補助金等のあり方等について今後とも点検をし、見直しに努めてまいりたいと思います。 なお、事務手続の簡素化につきましても、御指摘のとおりの点がございまして、さらにこれを検討し、改革していく必要があると思うのでございます。この点については、昨年十月から十二月にかけまして行政監察を実施して、今その取りまとめを行っている最中でございます。 五年以上経過した補助金の廃止の問題でございますが、補助金の整理合理化は今後とも推進していかなければならぬと思いますが、一定年数を経過したという理由だけで廃止することが適当であるか、これは問題があると思います。一つ一つのものについてやはり的確に審査していく必要があ る、そのように考えております。 人件費補助の廃止の問題でございますが、地方公共団体向け職員設置費補助については、臨調答申等を踏まえ、これまで地方の自主性、自律性の観点から一般財源化または交付金化を推進しております。交付金化されたものについても、事務事業の性格、地方への同化定着の状況等を踏まえまして、所要の見直しを検討いたします。 次に、いわゆる箱物補助金の一般財源化の問題でございます。 会館等の各種施設の設置につきましては、効率的使用、行政運営の効率化等の観点から、複合化、合併等の推進を図っております。今後とも、一層一般財源化を含めまして見直しを検討してまいりたいと存じます。 国庫補助負担率の引き下げの問題でございますが、たばこ消費税の税率引き上げ等により所要の補てん措置を今回講じました。地方団体の行政改革への意欲を阻害することにはならないものと考えております。 また、中長期的な財政再建の問題でございますが、これは臨調答申を踏まえまして、いわゆる増税なき財政再建あるいは六十五年度赤字公債依存体質から脱却する、こういうような原則は守って今後も努力してまいりますが、毎年度の予算編成過程におきまして、金利とかあるいは国有財産の売却であるとか、さまざまな総合的な観点から慎重に検討してまいりたいと思っておるところで、定量的なリジッドな長期的財政計画の策定は困難であると考えております。 残余の答弁は関係大臣からいたします。(拍手) 〔国務大臣竹下登君登壇、拍手〕
○国務大臣(竹下登君) 井上さんの御質問、まず第一番目は、いわゆる内需拡大の柱としての所得税減税問題であります。 現在、税制調査会で、所得税負担のあり方を含め、シャウプ税制以来のいわゆる抜本改正の御検討を賜っておるところであります。一方、所得税減税につきましては、三月四日、与野党幹事長・書記長会談の合意というものが存在をいたしております。したがって、これらの検討を見ながら、これに適切に対応していくべき課題であるというふうに考えております。 それから次の問題は、いわゆる公共事業のさらなる積極的拡大、こういう御意見を交えての御質問であります。 限られた予算の中でいろいろやってまいりました。したがって、先般発表いたしましたところのいわゆる総合経済対策、それらを柱といたしまして財政運営を行ってまいりたい。一概に建設公債と申しましても、確かにこれはある程度の税収増も見込めるものでございますが、しかし一方で、税収増を大幅に上回る元利払いというものが生じてくる。これは財政体質の健全化というべきものからすれば、やはり適切な財政政策だということは困難であると思っております。 それから次の問題は、権威ある第三者機関を設置せよと、かねての御意見でもございます。 今回の改正は、補助金問題関係閣僚会議、そしてまた検討会等で各省庁十分協議して、対応してきたところであります。そして一方、補助金等の問題を今後とも進めていくためには、臨調答申あるいは行革審の御意見、これらの問題がございますので、やはり不断の点検、見直しということに努めていくべき課題である、このように思っております。 それから事務手続の問題は総理からもお答えがございました。いわゆる提出部数の削減でございますとか、提出書類の一部廃止でございますとか、ヒアリング回数を減らすこととか、いろいろな工夫をいたしております。これからも、いわゆる補助金等適正化中央連絡会議、これにおきましてたびたびの合理化のための努力を行ってまいりたい、このように考えます。 それから五年以上経過した奨励的補助金、この問題でありますが、今後ともその見直し、抑制に努める必要がありますけれども、一定の年数の経過をもって廃止するということについては、いわばそれぞれの政策から考えて適当であるかどうか、私はにわかに賛成するわけにはまいりません。やはり補助の効果、事務事業の地方への同化定着の状況、こういうものを絶えず見直していく対象とすべきものであろうと思っております。 人件費補助の問題につきましては、地方の自主性、自律性の観点から一般財源化また交付金化を進めてまいりました。今後とも、同化定着化の状況を十分見きわめながら対応していくべき課題であると、意見をおおむね等しくいたしております。 それから箱物補助金の問題でございますが、五十六年度にいろいろ御議論がありまして、交付要綱、施設運営基準の改定、これを行ったわけであります。今後とも、いわゆる一般財源化を含めまして、所要の検討を続けていかなければならぬ、このように思います。 それから地方の行革意欲を阻害するようなことはしてはならぬぞよと、こういう御指摘であります。 確かに、私どもは、単に地方に負担を転嫁しようという考え方を毛頭持ってはならないと思っております。これは私どもが心得べき重大な問題だと思っておるところでございます。 それから国が地方の協力を得たいなら、負担転嫁や先送りなど、言ってみればその場しのぎの政策ではなくて、中長期的財政再建計画を策定して国民の前に明らかにすべきだと、かねての御議論でございます。 確かに、この問題につきましては、財政改革を進める基本的考え方、そしてその背景となります中期的事情につきまして財政運営の中期展望あるいは機械的手法によるところの仮定計算例、これらを出すことによりまして、可能な限り国民の合意を得るような素資料、もろもろの資料の提出ということにはこれからも努力して、それが国会の場で議論が交わされる中で、最終的な国民の合意が那辺にあるかということをつかむ努力というものは年々いたしておるところでありますが、厳密な意味における定量的財政計画、これはやはり経済が流動的で、しかも財政とはひっきょう経済の一部門であるということに位置づけいたしました際に、あらかじめそのような作業を行うというのは、いろいろな工夫をして毎年毎年の努力を重ねてみますものの、定量的指標というものをきちっと定めていくというのは非常に難しい問題であるということは、毎度お答えいたしておるとおりでございます。(拍手) 〔国務大臣江崎真澄君登壇、拍手〕
○国務大臣(江崎真澄君) 既にお答えがありましたので、二点について簡単にお答えを申し上げます。 臨調答申の提言した補助金の見直しにつきましては、時代の変化、情勢の変化、これに即応していく総合性の確保、簡素化、効率化、こういった観点に立脚して、行政施策のあり方、国、地方間の費用負担のあり方等について絶えざる見直しを行っていくことは当然でありまして、積極的に整理合理化を推進していくべきものと考えております。今度の措置もその一環と御承知をいただきとうございます。 新たな第三者機関を置いてはどうかということにつきましては、当面考えておりませんが、御承知のように補助金問題関係閣僚会議、それから地方公共団体の代表者を交えた補助金問題検討会の議に付して決定をした次第もありまするので、今後も機宜に応じて十分検討を続けてまいりたいと思います。 第二点、手数がかかり過ぎる。これは地方自治経営学会の調査の結果に見ましても、まさに明らかな点であります。そこで総務庁としましては、従来、補助金事務手続の簡素合理化を進めるために、総理からも御答弁がありましたように、昨年の十月から十二月にかけて補助金の総点検を行政監察に付したわけであります。現在、鋭意結論を取りまとめ中であります。取りまとめの結果、改善を要する事項につきましては、関係大臣に直接勧告をいたしますとともに、国会はもちろん、公表をすることといたしておりますので、御了承を願います。(拍手) 〔国務大臣小沢一郎君登壇、拍手〕
○国務大臣(小沢一郎君) 井上先生にお答え申し上げます。 補助負担率の引き下げと地方行政改革の問題でございますが、地方におきましては国に先んじまして行政改革を積極的に行っております。したがいまして、この地方行政改革の成果は、先生御指摘のように、地方住民に本来還元されるべきものであると考えております。今回の補助負担率の引き下げによります地方負担の増加額につきましては、異例の措置を含めまして所要の補てん措置を講じたつもりでございますけれども、なお今後とも、地方団体の行政改革への意欲を阻害することにならないよう、あらゆる機会を通じて十分に配慮してまいりたいと考えております。(拍手)
○副議長(阿具根登君) これにて質疑は終了いたしました。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時一分散会