補助金等に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 316 件
- 登壇者
- 34 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1986/04/24
会議録
○委員長(嶋崎均君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を開会いたします。 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大川清幸君 一昨日に引き続きまして質問をいたしますが、ここ数日の為替相場の急激な変動は総理、どうも胃に余りよくございませんですね。どうも夢見が悪いみたいなような気がいたしますが、せんだっては御所見を一応伺っておりますけれども、どうも国内では第四次の公定歩合の引き下げ等もぼつぼつうわさに出ております。しかし、この相場については、我が国の単独介入ではどうも効果がないんではないかというようなことが専門家の間でも常識になっておるようでございます。せんだっての総理のお言葉のいわゆる大わざでございますが、先の見える総理のことですから、先般の訪米のときにレーガンさんと、大わざはかけないがどうも布石はしてきたんじゃないかなというような夢をちょっと見ましてね。 サミットのときに、百六十円か百五十円か、相場のことですから明確な推測はつきませんけれども、アメリカの国内では国際経済研究所の所長さんなんかは百六十円、その他の経済専門家では百五十円ぐらいのことを示唆しているような御意見もありますので、こうしたことを考えますと、どうも最悪の状態のところでサミットで関係先進国の協力を得て協調介入なり何なりをなさる、そのときがその大わざという意味なのかなというような推測もいたすわけでございますが、先進国の意向等はまだ確認ができませんけれども、どうも円高志向はかたいようだということを考えると、サミットでもどうも日本の立場が孤立する危険性があるんじゃなかろうかという心配をいたしておりますので、その辺の感触あるいは総理のお考えはまずいかがでございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 最近の円高、ドルの急落、これは円高というよりもドルの世界的な急落という現象がありまして、これはちょっと激し過ぎる。そういう意味におきまして非常に私たちは心配しております。また、これが中小企業や最近におきましてはいわゆる力のある企業についてもなかなか困難な状況になりつつある。そういう状況については非常に我々も心配をしておりまして、これに対する有効なる対策を講ずる必要がある。私は、このような急激な変化にある場合には乱高下であると考えて、要するにむしろ投機筋の動きがかなり強いと見られる、そういう場合におきましては、単独または協調によって正常化するということも考えなけりゃいかぬと、そうも考えておったところでもあり、申し上げてきたところでありますが、それらについて適切なことをやるべきであると、そう思っております。
○大川清幸君 ところで、これも未確認情報ですが、アメリカのある政府高官は東京サミットに臨むに当たって、日本に対しては内需拡大あるいは市場開放、税制改革の推進ないしは過剰貯蓄の是正などについても求めるような考え方だということになっておりまして、この報道がございますが、これらの問題は予算委員会のときからすべて論じられてきた課題でもございますが、どうもアメリカ側がこういうものを出してくる場合には、サミットでもかなり強い要求の形になるんではないかという危惧を私は持っておりますが、これらの対策についてはいかがでございましょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本がやるべき政策については、今政府・与党一体となって、将来やる政策についていよいよスタートするということになったわけです。しかし、今まで既に昨年の秋から三次にわたって内需の振興策、景気政策というものをやってきて、四月八日にはかなり思い切ったものもまたやっており、公定歩合もまた思い切った引き下げを数回やってきておるわけであります。こういうわけで、日本は日本として独自の見地に立ってやるべきことをやっていくと、そういう態度を堅持しておれば外国からは非難さるべき筋のものではない、そう思っております。外国筋は外国筋で、日本の実情もまだそれほど深く知っているわけではありませんから、また実績を見守るという態度でもありましょうからいろいろな発言もあると思いますけれども、日本は日本としての独自の立場に立って自分たちの政策を遂行していく、そういう考えてやればサミット自体も明るいサミットになり得る、世界が協調して前進していくというそういう協調サミットになり得ると、そう私は確信しております。
○大川清幸君 次に、もう一問だけ、これはちょっと角度が違いますが、SDIの研究あるいはそれに参加する等のことも予算委員会のときからいろいろ論議がありました。世界の戦争をいろいろ見ておりますと、例えばナポレオンも例のアルプスを越えてイタリアへ入るときにイタリアの解放なんということを言いました。日本も聖戦とかなんとか言って中国の侵略をやったわけですが、どうも戦争はそれぞれ仕掛けるときには正義の理論があるように見えますが、戦争そのものを考えますと、勝者も敗者もやはり同じ人類にとっては犯罪者であるというような私は認識を持っております。 今回のアメリカのカダフィとの関係の行動についても大変心配がありまして、それぞれの言い分があるんでしょうが、やはり戦争そのもののきっかけになるようなことについては慎重な態度をとっていただいた方がよろしいんではないかと考えます。サミットでも、ソ連との関係では、平和的競争をソ連と行っていくべきだというようなことをレーガンさんがおっしゃったというんですが、言葉は平和の競争だということですが、実際にはやはり過去になかったような破壊力を持ったいろいろな兵器をどうするかというような深刻な問題があるわけですから、この平和の問題についての対応は慎重な上にも慎重な対応をお願いいたしたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、核兵器は業の兵器だと、そう申し上げておることは御存じいただいていると思います。この業の兵器を使った大規模核戦争というようなものには勝者はない。レーガン大統領も大規模核戦争には勝者はいないと、そう言っておったと記憶しております。全部敗者になるのかもしれぬと、そういうふうにすら感ぜられるのであります。そういう意味におきまして、核を廃絶させる、核戦争を防止する、そういう面に向けて我々は全力を尽くすべきであります。特に、米ソのようなICBMのような大きな恐るべき核兵器を持っておる国々自体がみずから自粛して、話し合いによってこれを削減し廃絶に持っていく、あるいは国際紛争解決の手段というものもそういう恐るべきものによる解決ということは行うべきものでない、国連憲章というものも歳として存在をする、そういう意味におきまして、我々の理念としてはそういうことをひたすら追求していきたい。東京サミットにおきましても、もちろんそのような核の廃絶に向かって、そして正しい軍縮が行われるように私たちとしては議論したい、そう考えております。
○大川清幸君 次に、内需拡大あるいはGNPの四%達成への努力等はレーガンさんともお約束をなさったそうでございまして、一昨日の質問の中でも私ちょっと触れたんですが、政府経済見通しの当初の実績の中でも、特に固定資本の形成の当初の目標とそれから実績のギャップについて申し上げたんですが、どうも近ごろの円高等を見ておりますと、やはり輸出の落ち込みが先行して、プラス要素は出てきてもタイムラグがあって半年後であるということを考えますと、民間の金融機関等でも、どうも政府の見込んでおったところの名目成長率と実質成長率、これは私予算委員会のときに指摘をいたしましたように、両目標がほとんど限りなく近くなるんではないか、あるいは最近の動向を見ておりますと、どうも名目成長率と実質成長率が逆転するんではないかという心配も出てきたわけでございまして、サミットでもこの問題が話題になるんでしょうが、GNP達成についての御心配は全く持っていませんか、いかがでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、レーガン大統領との話で四%を約束したということはないんです。我々はこれこれの政策をやっておる、よってこれらを実行することによって四%達成は可能であると考えておる、そういう見通しを述べたということで、この点は前から申し上げているとおりであります。しかし、最近の円ドル関係等々、あるいは石油の値下げという状況全般を見ますというと、やはり世界経済に大きな変化が今起きつつあるのでありまして、そういう意味においては、我々は真剣にこれを見守り対処していかなければならぬと思っております。今まで決めた四月八日の政策以下、財政金融政策の機動的運営等々全力を尽くしまして四%が可能になるように努力もしていきますし、私は年間を通じた長い目で見ればそれは可能である、そう考えております。
○大川清幸君 その辺は異論のあるところですが、時間が限られておりますので次に移ります。 建設大臣はかねて建設委員会等でも、一兆円の公共事業の追加が例えば仮にあれば直接一兆円だけGNPを押し上げることにもなるし、初年度で一・四七、次年度で二・二五でしたか、三年目になりますと二・七二ぐらいの乗数効果があるんだというようなことを御所見でおっしゃっておりまして、税収効果の上でも五千億円近いものが期待できるんじゃなかろうかというようなことをおっしゃったように記憶いたしておりますが、このお考えは今でも変わりませんですね。
○国務大臣(江藤隆美君) 今も同じでございます。
○大川清幸君 ところで、これは事業費はやはりGNPの伸び率に見合っただけ本年はとっていまして、後でこの問題にも触れますけれども、その努力は一応評価はいたすんですが、先ほどから為替相場その他の問題で論議をしているのでおわかりいただいたと思いますし、専門家の間でも、近ごろのこうした傾向から見ると、せっかくの公共事業なんかの効果もどうもGNPの影響等で見ると消されてしまうんじゃないかという所見があるわけですが、これは追加があるかないかという論議をすると、まだ予算がかかっているからどうも何とも言えませんと建設大臣も大蔵大臣もおっしゃるんでしょうけれども、これは追加がなければ効果がないということになると、本年の経済見通しはなかなか難しいと思うんですが、建設大臣、その辺どうごらんになりますか。追加がなきゃやっぱりしんどいのじゃないでしょうかね。どうでしょうか。
○国務大臣(江藤隆美君) 六十一年度のGNPが三百三十兆をはるかに超すという見込みだそうでありますから、その中に一兆円程度の公共事業の追加をして一体何ほどのことがあるかというのも一つの私は議論であろうと思います。しかしながら、私はずっと農政をやってきておりましたが、米価が少し上がるということは、直接米をつくっている人いない人にかかわらず何かほっとするものがありまして、そうした米価が上がったという心理的なものがやっぱり農村から、あるいはその辺の商店街を通じて何らか明るい気持ちになって少し景気がよくなるぞという感じを持つ。私はやっぱりそういう点では直接間接を問わず効果のあるものだろうと、こういうふうに思っております。
○大川清幸君 ところで、六十一年度公共事業関係の予算では一応経済成長率を上回る事業費、これを確保した形になっておるんですけれども、その内容についてちょっと御説明をいただきましょうか。
○国務大臣(江藤隆美君) 経済成長を上回る事業費だけは確保したいという切なる念願がございまして、補助金の実は調整をさせていただいて、それによってちょっと欠けますけれども、おおよそ四千億実は出てきたわけでございます。この四千億をもとにしまして事業費を伸ばすということにして、おおよそ五千八百五十億を事業量の増に使わせていただいた。この結果、全体の事業費では五・七%の伸び率になりました、こういうことになるわけでございます。
○大川清幸君 ところで、確保されたことについては評価するにやぶさかではないんですが、その公共事業の事業費の確保の中身ですね。これは建設国債を増発して国費をふやしたと、こういう形にはなっておりませんね。一部やはり財政投融資の資金の活用と補助率の見直しによって、その見直しで浮いた分を事業費に回したと、こういうことですから、従来の基本的な考え方からいうとこれはちょっと苦しいやりくりで、邪道と言っては失礼だけれども、こういうようなやり方については余り芳しいことではないと私は思っておりますが、大臣の御所見いかがでしょうか。
○国務大臣(江藤隆美君) 五十五年から実はゼロシーリングが始まりまして、五十九年度からマイナスシーリングが始まってまいりましたわけであります。したがいまして、そういう中で六十一年度、国費ベースではいささか減りましたが、補助金をカットすることによって財源を生み出して事業費を伸ばしたと、こういうことですから、本来からいいますと必ずしも喜ぶべきことではありませんが、まあ苦心の策だというふうに御理解いただくとありがたいと思います。 政府部内でいろいろ検討いたしました結果、これは直接に地方自治団体に迷惑をかけるわけにいきませんから、四千億分については一〇〇%の起債、一〇〇%地方交付税で見ますよと、残りの部分につきましては、千八百五十億につきましては一〇〇%起債で見ますが、残りの、そのうちの八〇%を目標に後日また交付税でひとつ面倒を見させていただきましょうと、こういうことで財源手当てを含めまして事業量の確保をさせていただいた、こういうことでございます。
○大川清幸君 要するに予算操作によって事業量を確保した。しかし、これは三年後どうするかも明確なお答えはいずれもいただいておりませんけれども、補助率の見直し措置、三年後に例えばやめるといたしますと、その後の事業費については経済成長を上回るやはり事業費の確保ということになりますと、それだけの何らかの措置をする。国債の増発ということにもなるのかもしれませんが、この三年後の措置については一体どうされるおつもりでございますか。
○国務大臣(竹下登君) 三年という期限をつけた暫定措置であることは御案内のとおりでございますが、三年後においてはその時点における経済情勢と、そして国、地方とのいわゆる財政状態等を総合的に勘案して決めようと、こういう筋になっておるわけでございますが、あるいは公共事業等が念頭にあったといたしますならば、私は予測でございますが、税制改正なんかで税源調整なんかがあれば別でございますが、大きな変化はないではないかというふうに思っております。
○大川清幸君 これは再延長があるかどうか聞いても、六十年度の悪い言葉で言うと前科があるので、ここで論議しても時間がなくなってきましたから、これはこの程度にしておきます。 それでは、建設省関係の高率補助率あるいは負担率の引き下げ措置の概要を聞いても時間がありませんから、こちらでちょっと申し上げますと、例えばこれはマクロですが、道路整備費二千百八十一億円、五十九年度が十分の十だったものが六十年度十分の九・五、それから六十一年度から六十三年度までは十分の九・五ないし十分の九。それから治水事業も、七百四十二億円については同じような補助率の削減の仕方で、パターンは全くこれは二つ同じです。それから下水道事業と住宅対策事業については、下水道が九百八十一億円節減されるという勘定になっておりまして、五十九年度が四分の三、それから六十年度が三分の二、そして六十一年度から六十三年度までが十分の六。住宅対策事業の方は五十六億円で、この下水道と全く同じような削減の仕方のパターンになっております。これは補助金問題検討会等でのいろいろな基本的な考え方が出ておりますが、これらに照らしてみて、こうしたまさに、何というんですか、パターンが全く同じような削減の仕方ですが、この削減の根拠についてはどういうことなんでしょうか。
○国務大臣(江藤隆美君) これらの事業はいずれも公共事業またはそれに準ずるものでございますから、その重要度においてはいささかも変わりはないものでありまして、したがって結果的には一律みたいな格好になりますけれども、大体そういう公共事業もしくはそれに類するものという考え方からそういう削減率になっておると御理解願いたいと思います。
○大川清幸君 どうも、やはり役割分担の見直しあるいは経費負担の見直し等についても明確なことが行われないで、これは意地の悪い言い方で恐縮なんですが、まず補助率の削減ありきということからつじつまを合わせたようにどうも読めるんですが、その点はそうじゃないんですかね。
○国務大臣(江藤隆美君) 厳密に、厳正に、公平に考えましてそういう結果が出たわけでございます。
○大川清幸君 もう時間がなくなってきましたから、前倒しの問題ですが、過去の最高ということです。したがいまして、過去の最高といいますと、過去を見ますと六五・三%が五十八年度ですか、これを上回るということでありますと、八〇%ないしそれを超えるというような考え方でよろしいんでしょうか。
○国務大臣(江藤隆美君) 過去一番のときは昭和五十七年でございまして、政府全体がたしか七五%ぐらいの目標ではなかったかと思いますけれども、建設省はそのときは頑張りまして実は七八%上半期で消化をしたと、こういう結果になっております。
○大川清幸君 ところで、補助金カット、補助率をカットして、地方の負担分になるやつは交付税等で見るし、それから特例公債等で見るから財政的には直接な被害はないことになっているんですが、やはり公団その他にやる分についてもどうも予算運営の硬直化が起こるような心配が一つあること。それから、地方公共団体でも例えば不交付団体なんかは単独事業をさぼって、五年の目標を七年にするとか、いろんなやりくりもあるわけですよ。そういうこともございまして、どうも全体的に見ると、四%達成は大丈夫なんだと総理おっしゃったんですが、公共事業だけで断定的なことは言えませんが、どうもGNPを押し上げる材料としてはその辺のところがやはり問題になってきそうだなというふうに思っていますが、建設大臣はその点の心配はなさっておりませんか。
○国務大臣(江藤隆美君) 先ほど答弁が漏れましたけれども、今年度は八〇%消化を目標にして実は予算の執行をいたしたいと、こういうふうに考えております。 それから今の御意見でありますが、なかなかこれは慎重に考えませんと容易なことではない、これからの予算執行には弾力的に、機動的にやはり考えていく必要があろうと、こういうふうに思っておるところでございます。
○大川清幸君 ところで、特例公債で見る分については該当の地方公共団体は資金繰りでも一息つくことができますが、不交付団体関係でいうといわゆる交付税織り込み済み分については被害はそのままストレートに受けるわけです。この辺は救済措置は全く今回はない、やむを得ないと、こういうことでしょうか。
○国務大臣(江藤隆美君) 今回の措置につきまして、実は去年もこの補助金のカットをやったわけですから、私は去年一体どうだったろうかと思って調べてみまして、まだ詳細に検討し尽くしておりませんが、一般的な地方自治団体の普通建設事業では全体で六・七%前年度比事業が伸びておる。しかし、今度は二年目でありますから私はそのようにいくとは思っていないんです。おっしゃるように、不交付団体ですとかその他かなりきついところがありますから、今後のいわゆる補助率の引き下げに伴う公共事業の執行というのはやっぱりなかなか気をつけていかなきゃいかぬ。去年は全体に地方自治団体が都道府県の単独事業を含めて六・七%は伸びましたと、こう言うけれども、伸びたところもあるでしょうし伸びないところもある、全体的にそれは言えることだろうと思うんです。 ですから、補助金カットが直接の原因ばかりだと私は思いませんけれども、ことしはそういう傾向がさらに強くなるものだと考えて、今後予算の執行については十分配慮してまいる必要がある、こう考えておるところでございます。
○大川清幸君 残り時間が一分になりましたから、当面の内需拡大あるいは公共事業問題については残念ながらここで打ち切りまして、これから中長期的に見て内需拡大にも効果があるんじゃなかろうか。しかも、二十一世紀を展望した場合の高齢者社会を考えますと、現状でいつでも高齢者世帯の平均収入というのは高齢者一人当たり今百四十万円ちょっとですね。しかし、預金を見ますとかなり高くて、皆さんそれぞれ七百七十万円ぐらいが平均だそうでございます、六十四歳で千二百万円、六十五歳で千百万円。これは老後やっぱりいろいろ心配があったりするんで貯蓄をなさっておるそうでございまして、高齢者の生活の不安を除くための社会保障というのをしっかりやっておいていただくことが基本的には一つですね。 それから二番目には、やはり寝たきりの方も二〇%そこらはいつの時代もあるんでしょうが、八〇%前後の方々はみんなこれから六十歳、七十歳、八十歳になってもかくしゃくとして御活躍をなさるわけですから、こうした方々の社会参加というのはボランティアのこともあるし、あるいは旅行その他のレジャーをお楽しみになることもやはり広い意味で言えば内需拡大の一環にもなるでしょう。そうしたレジャーその他もありますが、またしっかりしたお仕事をなされることもあるわけで、高齢者のこれからの就労対策等についても政府は十分お考えになっていると思いますが、具体的に言えば、名称をどうしたらいいかわかりませんが、いわばシルバービジネスの育成なんというようなことで、高齢者の方に参加をしていただいて、希望ある二十一世紀を展望していただくようなことを考えたらどうか、こう思うわけでございまして、この辺はどうかということです。 それから、この間の前川前総裁の御提言の中で、ちょっと見てみましたら、こうした高齢者社会に対する対応なんかがないんですが、そんな働く場なんかを開拓していただいたら、やはり内需拡大、今後の社会の活性化にも役立つんではないかと考えておりますが、御所見があればそれぞれ関係大臣からお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(今井勇君) まず、私からは、社会保障の問題とシルバービジネスの問題についてのお尋ねがございましたが、我が国が先生おっしゃいますように貯蓄率が極めて高いというのは、やっぱり病気だとか災害だとか、老後の心配など将来への不安に備えるという要素もありましょうが、一方、勤勉性といった我が国の国民性によるところもあると思っております。私といたしましては、本格的な高齢化の社会を控えまして、年金とか医療といった基礎的な制度を揺るぎないものとしていくことがぜひとも必要だと考えておるわけでございます。このため老人保健制度というのを含めまして、こういった制度につきまして給付と負担の両面から公平を図りながら、国民の信頼に足るものとしていくことが重要な課題だと考えておるわけであります。 また、寝たきりとか痴呆といった老後の不安に対しましても、施設の対策あるいは在宅対策、この両面にわたりまして心配のないように各般の施策を進めていく必要があろうと考えております。 一方、シルバー産業の育成の問題でございますが、これは極めて先生おっしゃいますように重要だと思っておりまして、昨年シルバーサービスの振興の指導室をつくりまして、同時に、現在シルバー産業に関します研究会も設けまして研究、検討をしているところでございまして、今後ともその育成強化に努力をいたしたいと考えておるものでございます。
○大川清幸君 総理はこの問題には何か御所見ございますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) いい点を御指摘いただいたと思いますが、その辺にかなり大きな分野が残されているように考えまして努力いたしたい と思います。
○大川清幸君 終わります。どうもありがとうございました。
○佐藤昭夫君 国の財政が大変な赤字だからという理由で、今次法案に示されるように国民生活向けの補助金を次々とカットしたり、また一般国民には厳しく税金を取り立てながら、その一方で一部団体による脱税が野放しにされているとすれば、これは断じて許されることではありません。この問題をはっきりさせることが本法案審議の前提でもありますので、まず全日本同和会などによる脱税事件について質問をいたします。 国税庁、昨年五月より東京、京都などで発生したいわゆる脱税請負グループによる相続税、所得税の脱税事件の概要を、その脱税手口も含めてまず御報告ください。
○政府委員(塚越則男君) お尋ねの件でございますが、いわゆる架空保証債務を計上しているという事案でございまして、六十年十一月までの状況で申し上げますと、査察の着手件数が六十三件、告発件数が五十七件でございまして、告発した事件の総増養所得は百四十二億円、加算税も含めた総増産税額は七十二億円ということになっております。
○佐藤昭夫君 その手口。
○政府委員(塚越則男君) その手口についてでございますが、保証債務を履行するために資産を譲渡した場合に、その履行に伴います求償権を行使することができなくなった金額につきましては課税されないという制度がございます。これは所得税法の六十四条の二項でございます。この制度を悪用いたしまして、債権者、債務者名を脱税コンサルタントの関係会社、知人等といたしまして、連帯保証人を土地譲渡人、これが納税者になるわけですが、という形にする架空債権、債務を捏造いたしました上で保証債務を土地譲渡代金で履行し、債務者が破産したため求償権の行使が不可能になったというように仮装いたしていたのが代表的な事例でございます。
○佐藤昭夫君 法務省、その同様事件の京都グループの概要、逮捕者の数、脱税の金額、脱税の手口、御説明いただきたいと思います。
○説明員(原田明夫君) お答え申し上げます。 ただいまお尋ねの件につきましては、京都地方検察庁におきまして昨年五月から現在までに相続税法、所得税法違反ということで関係者八十七名の事件を受理いたしまして、このうち六十六名を公判請求いたしております。 これらの一連の事案は、いずれも行為者らにおいて納税義務者からの依頼を受けまして、架空の債務を計上するなどして過少申告して脱税したというものでございまして、起訴に係る適税額は合計二十八億円となっております。
○佐藤昭夫君 明確な説明なかったんですが、京都の脱税請負グループ、この中心人物は全日本同和会京都府・市連の幹部で鈴木元動丸会長、村井英雄副会長、長谷部事務局長、渡守秀治事務局次長など、これらの人々が設立をした有限会社同和産業なる架空会社を舞台に二十九億円に上る脱税事件が行われたと、こういうことですね。
○説明員(原田明夫君) そのとおりでございます。
○佐藤昭夫君 これはまさに。全日本同和会京都府・市連幹部による組織的な犯行だというふうに言わなければなりませんが、そこで大蔵大臣に聞きます。 まさか、こんな大規模な脱税事件に税務署が癒着していた、こういうことはないでしょうね。
○国務大臣(竹下登君) 内容を詳しく承知しておるわけではございませんが、ないであろうと私も信じております。
○佐藤昭夫君 ところがであります。さっきも紹介いたしました脱税請負グループの中心人物長谷部全日本同和会京都府・市連事務局長、この人が裁判の中でこんな証言をしているんであります。 とにかく、脱税の画策をするために税務署の職員の方から受け皿の会社をつくったらどうですかと、こういうことを言われて、この有限会社同和産業なるものをつくった。そして、税務署の方から今度つくる書類については、相続税の申告に際しては被相続人が同和産業に債務があったことにして書類をつくってほしい。さらに譲渡所得については、依頼者が保証債務を持っており、保証した会社がつぶれたということで、同和産業に、つぶれた会社のかわりに金を払ったが、つぶれた会社から金を取れなかったので被害をこうむったという形の書類をつくってくれという、こういう指導がありましてこういう書類をつくってきたと、こういうことを証言しているんですよ。明らかに税務署の職員が脱税の手口、方法について指導をして、それについていろいろと画策してきたと。一体、大蔵大臣どう思いますか。
○政府委員(塚越則男君) 御指摘の脱税事件に係る公判の中で、被告人側から御指摘のような趣旨の発言がなされたということは聞いておりますが、税務職員は税法の定めるところに従って適正公平な課税の実現に努めることがその職責でございます。そのような立場にある税務職員が脱税事件に関与したり脱税の指導を行うというようなことがあり得ないことは、この事件を査察事件として立件しているということからも御理解いただけるところと思います。
○佐藤昭夫君 今の段階に至って何を白々しいことを言うんですか。とにかくうその証言をしたら偽証になるかもしれないというそういう場において、当人があなたもお認めになったようなそういう証言をしている。だからこそ、八五年十一月二十一日の京都地裁の判決、この判決文の中で、税務当局の弱腰がでたらめな申告でも調査なしに通じてしまうと被告らに認識をさせた、これにより被告らが私利私欲に走ったことの責任の一端は税務当局にもある、常に断固たる態度で臨んでいればこの種の犯罪はなかったと明確に断罪をしているじゃありませんか。 国税庁長官来ておられますか。次長、あなただったらもういいです。それなら大蔵大臣、税務当局へのここまでのきっぱりした指摘をしておるこの判決、大蔵大臣はどのように受けとめられるでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 税務当局者としては、いわばある意味における激励であるというふうにも受けとめて、法の基づくところ厳正な執行をしなければならぬ、そのように考えます。
○佐藤昭夫君 激励であるというようなそういうきれいごとの言い分が通るんでしょうか。とにかく税務署の弱腰が、こういうでたらめな申告でも通るんだというふうにこれらのグループに思わせてきた、断固たる姿勢がなかったからこの種の犯罪が起こったんだ、こういうふうに書いているじゃありませんか。 ところで、昭和四十三年一月三十日以降の大阪国税局長と部落解放同盟中央本部との七項目確認事項。七項目ありますが主なものを紹介しますが、その第二項、「同和対策控除の必要性を認め、」すなわち税法に今ない特別控除を認めると、こういう意味ですね、「租税特別措置法の法制化に努める。その間の処置として、局長権限による内部通達によってそれにあてる。」第三項、「企業連が指導し、企業連を窓口として提出される白、青色をとわず自主申告については全面的にこれを認める。」、すなわち、企業連というのは部落解放同盟などが中心になってつくっておる企業の連合団体ですけれども、そこが扱ってきた申告は全部フリーパスだというわけです。「ただし内容調査の必要ある場合には企業連を通じ企業連と協力して調査にあたる。」、以下四番、五番、六番は省略しますけれども、この大阪国税局長と解同中央本部及び大企連――大阪府同和地区企業連合会、この確認事項でありますが、これらに示されます陥落解放同盟や全日本同和会との税務当局の癒着はそれ以前から我が党は問題にしてきたところであります。こうした判決にも触れられておる癒着の姿勢、これが大規模な脱税事件にまで発展をしたということじゃないでしょうか。こういう特定団体を特別扱いするような確認事項、こういうものは即刻破棄をすべきじゃありませんか、国 税庁。
○政府委員(塚越則男君) 同和関係者に対する課税につきましては、できるだけ同和地区の実情に即した適正な課税を行うということにいたしておりまして、このため現地の局署におきまして同和関係者の陳情や要望を承ることはありますけれども、先生御指摘のような確認事項なるものは存在をいたしておりません。 なお、かつて大阪国税局において要望等を聞く機会が持たれた際に、同和関係者の要望事項を先方で取りまとめたものはあるというふうに聞いております。
○佐藤昭夫君 そんなにしらっぱくれてもだめです。お聞きします。 この同和団体などについては税について特別扱いをする、申告はフリーパスだと、こういったような方針はあるんですか。
○政府委員(塚越則男君) 同和問題につきましては、社会的、経済的にいろいろ難しい問題があるということで、実情に即した課税をするということを念のため通達したことはございますが、調査をしないとかフリーパスとか、そういう特別扱いをするようなことはございません。あくまでも法律の枠内で執行を行っているということでございます。
○佐藤昭夫君 あくまで法律の枠内だというふうにおっしゃったからもう一遍念を押しておきますけれども、前段で実情に即した扱いをするということは、法に触れるような特別扱いをするということじゃないということですね。
○政府委員(塚越則男君) そのような趣旨ではございません。
○佐藤昭夫君 まぎれもない証拠物があるんです。大蔵大臣、「昭和六十年五月十日」の日付でありますが、約一年前、上に「極秘」「読後消却」、読んだら焼き捨てよという特別の判がついてありまして、「大阪国税局資産税課課長補佐」、判を押しています。それで「統括官殿」、各出先税務署の統括官あて、「特定譲渡事案の提出について」というこういう見出しで、「記」ということで五項目ありますけれども、その中の主なものとして、「一「大企連」、「中企連」を除く特定団体に係るものについて記載する。」すなわち大企連、中企連、こういうところはこの調査に書かなくてもよろしいと。大企連というのはさっきも言いました大阪府同和地区企業連合会です。中企連というのは中小企業連合会、大阪中心であります。それから、これは大阪国税局から行っているんですから、その中に私の地元京都もありますけれども、京都は京企連というのがある。ここの正式名称は部落解放同盟京都府企業連合会というのですから、これはもうまぎれもない、部落解放同盟そのものの組織になるということは明瞭だと思いますけれども、そういう団体を除く「特定団体に係るものについて記載する。」、この中には、いわゆる全日本同和会のようなものもありますけれども、民商とかあるいは土建というふうに言われておるそういう団体、これが含まれておるということであります。 二番目、「記載に当たっては、別室を使用するなど」ということで、下にアンダーラインが引いてある、「慎重に取扱われたい。」ということで、こんなふうにして特定団体を決めて特別に詳しく統計をとる。部落解放同盟関係の団体はこれは調べぬでもよろしい、フリーパスと。しかも、その書類のつくり方が特別室で極秘裏に作成をするというこういうやり方をしているというのは異例なことであります。竹下さんも着きころ税務署でお仕事をなさったことがあるから、一体そのころからこんなことがあったのかなかったのか。それはともかくとしまして、私が聞いている限り、特別室をつくってひそかに書類作成をするというようなこんなことは異常なことであります。そうまでしてこういうやり方、いや、そんな法に抵触するような特別扱いなんてやっておりませんと言われても、こういうことが通っているというふうに言わざるを得ない。これは必要とあれば大臣に差し上げますから、よく調べていただきたいと思うんです。 ここで大臣、国税庁の方はきょう次長しか出てこなくて責任ある答弁がとれませんから、大臣に責任ある答弁を求めますけれども、直ちにひとつ私のこの指摘に基づいて、こういうことが事実かどうか調査をしていただきたいというふうに求めますが、どうですか。
○政府委員(塚越則男君) ただいま御指摘の文書でございますが、これは各局でそれぞれ創意工夫していろいろな施策を実行しているわけでございますが、そうした作業の一環として局の実務担当者が連絡文書で署から報告を求めたものだというふうに私ども思っております。秘文書でございますし、読後消却とされているので確認はなかなか難しいわけでございますが、そうした作業の一環として行われたものだと思います。このような税務全体の事務処理の中のごく一部のものでございまして、それだけを取り出してどうこうするということはかえって誤解を招くことになりかねないと思いますので、また事務運営上も支障を来すことになると思いますので、この点は確認をするとか、そういう話には私どもとしてはいたしかねるというふうに考えております。
○佐藤昭夫君 各税務署が創意工夫していろいろな調査をやるだろうと、そんな一般論を聞いているのじゃないんです。私が具体的に重要部分を紹介しましたような、大阪国税局資産税課課長補佐という名前で統括官あてに出されておるこういう文書、これはあるんですか、ないんですか、イエス、ノーで答えてください。
○政府委員(塚越則男君) 秘文書でございまして、読後消却とされているというお話でもございますので、確認はいたしかねます。
○佐藤昭夫君 そうすれば、大蔵大臣に要求します。ひとつ大臣の責任で、こういうものがあるのかないのか、ちょっと調査をしていただきたい。
○国務大臣(竹下登君) それは、秘密文書が先生の手元にあること自体もまた問題だなという印象を受けましたが、大体読後消却したものがあるわけないから確認の手法というものはないんじゃないか。まあ、おっしゃることでございますから、私なりに調査するに決してそれを拒否するものではございませんが、そのような心境でお話を聞いておりました。 なお、私は税務職員であったことはございません。
○佐藤昭夫君 とにかく調査をするということでありますけれども、調査をしてなるほど私の指摘のように、これは重大なことだ、そういう一部特定団体を税務上特別扱いをするというようなことがまかり通るとするとすれば、これは重大問題でありますから、そういう点で、その際にはひとつこれを破棄するというきっぱりした態度を大臣として国税庁に対して指導してもらいたいというふうに思いますが、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) それは一つの先生の論理構築に乗っかって指導しますということは、これはお約束できません。やはり私なりに判断すべき問題であろうかと思います。
○佐藤昭夫君 しかし、税務行政は法に照らして公明正大でなくちゃならぬということはお認めになりますね。
○国務大臣(竹下登君) それは当然のことでございます。
○佐藤昭夫君 総理、お休みでございますけれども、いや聞いておりましたということでありますのでお尋ねをいたしますけれども、このように一般に税務職員は常々上司から大企連や京企連、そういう部落解放同盟の関連組織、こういうところについては調査をする必要ないとか、あるいは滞納していても徴税に行くな、時効になっても仕方ないというふうに言われておるということを私は耳にしています。こんな実情にまでなっているのでありますから、納税者にすれば、そういう大企連にでも入れば税金を払わぬでもいいそうだとか、こんな不公平税務がまかり通るということであればばからしくて税金をまともに払う気がするかとか、こういう気持ちになるのは当然であると思います。 ですから、こういう税務行政、いわば税務当局がみずから脱税行為を容認し推進している、こういうようなことがあるとすればこれは大問題でありまして、こういう特定団体を特別扱いするような税務行政、これはこの際きっぱり改めさせるという総理大臣としてのひとつ指導的イニシアチブを求めたいと思いますが、どうですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 税務行政に関する法の執行はあくまで厳正に行わるべきであり、いかなる団体に対しても聖域があるべきではないと考えております。
○佐藤昭夫君 国税庁、今総理のいかなる団体といえども聖域があってはならないという基本的な立場、これをひとつしっかりと原点を再確認して、私の指摘したようなそういうゆがんだことがないように、国税庁長官としてその基本的立場を全税務署、全税務職員に徹底するための通達を出してもらいたい、検討してもらいたい。どうですか。
○政府委員(塚越則男君) 税務の執行は法律に基づいて法のもとに行われなければならないことは当然でございます。そのことはかねがね税務職員が心がけているところでございまして、改めてその点について通達を出すということは今のところ考えておりません。
○佐藤昭夫君 あなたは次長であるから、ひとつ長官に私のそういう提案をよく伝えてください。 それでは、時間の関係がありますから次へ進みます。 次は、これまた補助金カットなど国民生活の切り捨てをよそに、不公正な財政執行のもう一つの典型、これは撚糸工連問題など政官財癒着した融資行政をめぐる腐敗問題であります。これをただすことも本法案審議の前提とも言うべき問題であろうと思いますので、この点で幾つか質問します。 四月二十日の日経初め各新聞の報道によりますと、撚糸工連事件の疑惑の中心人物と言われております自民党のA代議士が、五十七年十一月に同工連の会館完成パーティーに出席した際、あいさつで、共同廃棄事業のおかげでこんな立派な会館が建ったというふうに発言したと報じています。これは、事業に伴って中小企業事業団から出た融資が流用され会館建設資金が捻出されたとも受け取れる発言でありまして、当時、出席していた中小企業庁幹部の一人も大変困惑したと報道をされております。これが事実だとすれば非常に重大でありますので、会計検査院、この会館建設について資金の流用があったかどうか、当然メスを入れるべきではないかと思いますが、どうでしょうか。
○説明員(沢井泰君) ただいま御指摘の点につきましても、今後の検査において十分調査してまいりたいと思っております。
○佐藤昭夫君 法務省にお尋ねします。 融資の流用で会館が建てられたということでありますと、今捜査俎上に上っておりますわいろ問題だけじゃなくて、融資の目的外流用、横領、こういった新たな犯罪の構成要件にもなるんじゃないかと考えられますけれども、検察当局はこの点も含めて関心を向けておられるんでしょうか。
○説明員(原田明夫君) お答え申し上げます。 ただいま捜査中の事案に関する事柄でございますので、ここでその状況について申し上げますことは差し控えさせていただきますが、検察当局におきましても、同会でいろいろ御論議なされている状況については承知しているものと考えております。
○佐藤昭夫君 いや、私はそういう新聞報道があるということで、その事柄について当局は関心を向けておられるかと、その点を聞いているんです。
○説明員(原田明夫君) 具体的な事案につきまして捜査当局の関心のあり方ということにつきまして御答弁することは差し控えさせていただきたいと存じますが、いずれにいたしましても、一連のこの事件に関しまして種々御論議がなされ、また報じられることについて検察当局も十分承知しているものと考えております。
○佐藤昭夫君 私がきょうこの場で正式に問題の提起をしているということも含めて、国会での議論について大いに承知しておるということと理解をしておきましょう。 この撚糸工連疑惑問題、横手代議士やさらにはA代議士とのかかわり、その起訴にまで至るかどうか当面の問題になっているわけですが、問題はそれだけではなくて、疑惑の全容解明が今日求められておるところだと思います。 そこで、四月十八日の共同通信の配信によりますと、撚糸工連の元専務理事、既に贈賄罪で起訴をされておるわけでありますが、井上修吾氏が二月に逮捕される前に共同通信社の取材に対して、約五十人に上るとされる献金議員のうち額の多い献金先として疑惑のA代議士を初め閣僚経験者、現閣僚を含む計十一人の政治家、いずれも自由民主党所属の名を挙げていたと報じているところであります。また、我が党の機関誌「赤旗」の取材に対して、この十一人に入っていると思われる七人の国会議員が、具体的に金銭の授受を認めておられるということを先日も二十二日の紙上に発表したところであります。 法務省、こうした事実も念頭に置いて捜査に当たるのが、あの巨悪を逃がさないという検察当局の当然の姿勢だと思いますが、いかがでしょう。
○説明員(原田明夫君) お答え申し上げます。 報道をされております個々の事柄につきまして、私の方から検察の考え方というものを申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、いずれにいたしましても、本件に関しましては検察当局は事案の全容を解明するために鋭意努力中でございますので、種々その過程で報じられることについても承知しているものと思います。
○佐藤昭夫君 そこで総理大臣、このいわゆるA代議士を初めとして大臣経験者を含む相当数の自民党国会議員関係者の疑惑が次々と持ち上がっています。こういうときに、国民の疑惑究明を望む期待にこたえるためにも、総理大臣として、また自民党総裁として積極的な表明を行う意思はありませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 司法当局は公正な職務執行をやっていると信じております。
○佐藤昭夫君 けさほどの新聞にもいわゆる疑惑の人物稻村佐近四郎氏について実名入りで、写真入りで大きく報道をされているという、ここまで来ている今の時期に今のような言い方で、第三者のような言い方で、あなた自由民主党の総裁でありながら言明を避けるという、このことを一体国民は国民の気持ちとして許すでありましょうか。単に司直の捜査にゆだねるというそういう消極的な態度じゃなくて、自民党自身の自浄能力が今国民から問われているんじゃないか。そうした真相究明のために自民党の総裁として積極的なイニシアチブをとる気持ちはないんですか、どうでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 公正に行われておると信じております。
○佐藤昭夫君 この撚糸工連疑惑やマルコス疑惑問題で自民党に火の手が上がらぬうちに、首相筋では解散を考えているのではないかとの観測もある。まさかあなた、そんなことを考えているわけじゃないでしょうね。
○国務大臣(中曽根康弘君) 解散は考えていませんと前から申し上げているとおりです。
○佐藤昭夫君 通産大臣、御無理してお願いしましたのでお待ちいただきましたけれども、通産大臣にお尋ねいたします。 今回の不正融資に通産省幹部職員が関係していたことが露呈をしたわけでありますけれども、なぜこうしたことが起こったのか、その原因をどうとらえているのか。また、こうしたことが二度と起こらない、再発防止策として何を考えているかということをひとつお答えいただきたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) このようなことで現職の課長、課長補佐が逮捕をされるというような事態になったことは大変申しわけないと思っておる次第でございます。 原因につきましては、一つは、やはり心の緩みということがあって、同じところで何十回も飲んだり食ったりするなんということはちょっとこれは常識的ではありません。やはり心の緩みがある。したがって、こういうことについては綱紀の粛正を一層厳格にする必要があります。 第二番目は、この制度に私はかなり問題があるというように、今までの調べたところではそのような気もいたします。何万台という織機を廃棄処分する。しかも、その織機について係官が立ち会って、これは廃棄に適する織機であるかどうかということを見ることになっておりますが、人数からいって実質にお金を数えるのとわけが違いますからね、これは各地に分散されているわけだから。そういうところで、プレートをつけたものあるいはつけかえたものとか、これは果たして役所だけで確認ができるか、信頼する組合に確認をしてもらえばいいわけですけれども、信頼した人に寝返られてしまったんではちょっと頼りの綱がなくなっちゃうわけだから、そこら辺にこの問題が実際ある。 それから、やはりもらい得みたいな形ですね。これは共補償で残っている業者も廃棄処分については一部負担するというようなことになれば、仲間同士ですから、これはインチキな機械だということはすぐわかるわけですね。何かそんなふうなことでもやればよかったんだろうなと、後になって、後の祭りだけれども、そのような気も実はするわけであります。 したがいまして、これは制度のあり方も含めまして、その存廃も含めて私はよく検討をして再発防止に努めてまいりたいと考えております。
○委員長(嶋崎均君) 時間でございます。時間でございますからもうやめてください。
○佐藤昭夫君 この補助金カット法案に関係をしての法案の問題でもう少し質問をしたいということで通借もしてきたんでありますけれども、もう時間になりましたので、残念ながら次の機会といたします。
○井上計君 最初に、総理にお願いであります。 円高がますます進んでまいりました。特にこの数日の異常なといいますか、異常な高騰についてはさらにまた深刻な問題を全国各地で起こしておる、こういうふうに思っております。御承知のように、我が党はきょうとあした党大会を開催いたしておりますので、昨日全国の都道府県連の中小企業対策責任者を招集いたしまして、各地の円高による種々の問題等々につきまして実情をいろいろと聴取いたしました。各地とも大変な事態に陥っておるという深刻な報告がなされたわけであり、特に新潟県の燕であるとか、あるいは愛知県の瀬戸であるとか、岐阜県の多治見であるとか、あるいは岡山県の花ござ等の産地である倉敷地区であるとかというふうなところでは、零細な中小輸出企業がもうどうにもならない、こういうようなことで、さてこれからどうしてやっていけばいいのであろうか、我々にこれからどうしろというのであろうか。そのような政策を早く示してほしいというふうな切々たる訴えを各地から代表者が聞いてまいりました。 私としても全く手の打ちようがないというふうな感じを持っておるわけでありますが、といって政治がもう仕方がないというわけにまいりませんけれども、特に東京サミットを総理がもう数日うちに主宰されるわけでありますが、サミットに臨まれるに当たりましても、このような急激な異常な円高によって起きておる各地の実態、十二分に御承知だと思いますので、それらの点をさらにひとつ御配慮いただきながら、特にまた政府、日銀大変御努力いただいておるようでありますけれども、言えば適正など申し上げますか、乱高下のない、輸出企業がある程度先の見通しができるような、そのような為替レート等についても十分御努力いただいていることは承知いたしておりますけれども、格段のひとつ御努力をお願いいたしたい。 私は、多くの中小企業が、中小企業だけじゃありません、輸出大企業も大変困っておりますけれども、特にそのような先に全く見通しが持てないような、そういう状態となっておる中小企業に対しての配慮をお考えいただきながらサミットに臨んでいただきたい、こういうことを特に要望するわけでありますが、最初に総理のひとつお考え、御所見をまずお伺いいたしたい、こう思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私も井上さんと同じような心配を持っておりまして、当面並びにサミットにおきましても適切なる処理をいたしたいと思っております。
○井上計君 この円高による各地のいろんな問題等々によって今申し上げましたように深刻な事態、総理またお答えいただきましたが、そういう状態を少しでも緩和し、そのような困っておる企業に対して将来にほのかな明るさでも見出してもらうようなそういう政策、対策がますます必要になってくる、こう考えますが、何といいましてもそれらの企業に対して、特に中小企業に対しての大きな柱はやはり金融政策であろう、当面するところ金融政策であろうと、このように考えるわけであります。これは最重要課題として今後も取り上げていかなぐてはいけない、こう考えます。 そのために、本年二月我々要望いたしましたが、特定中小企業の事業転換法が制定をされました。ややこれによって救済をされつつある企業もあるわけでありますが、ところがその金利であります。政策金利が当初五・五%でスタートしましたが、その後四回にわたる公定歩合の引き下げ等によりまして三月にこれが五%に政策金利がさらに引き下げをされましたけれども、しかしこのような公定歩合が下がった段階の中で、もう五%は政策金利と言えないというふうに思うわけでありますが、大蔵大臣どのようにお考えでありましょうか。五%がこのような、言えば国の政策によって生じておる異常な円高によって困っておる中小企業に対する政策金利として妥当かどうか、大蔵大臣どのようにお考えになりましょうか。
○国務大臣(竹下登君) まさに井上さん御指摘のとおり、この金利を下げましたのは四月の八日からでございます。したがって、今日の各種プライムレート等からいたしますと、私はいわゆる最優遇金利であります長プラでも現行六・四と同一水準としておるものが最も高く、その他はこれを下回る水準という方にすべてが設定されておるところでございますし、今の国際経済調整対策等特別貸し付けということについては、私は極めて低い水準としてこの五%、そして五・三というものが位置づけられてきた。本当に四月八日にやったばかりでございますが、そういう考え方でおるわけでございます。したがって、恐らく長期プライムレートも、今公定歩合下げにいろいろ金利の変化がございましても、それらを慎重に眺めておらなきゃなりませんが、私はこの転換資金の五・〇というのはやっぱり政策金融としての限界というものではないかという、今日時点そういう認識を持っております。
○井上計君 去る二十一日からさらに公定歩合が下げられまして三・五%になりました。したがって、市中金利は預金金利と連動して当然安くなってまいりましょう。また事実安くなっておるわけであります。今大臣は五%が政策金融の利率としては限度であろう、こういうふうなお答えでありますけれども、やはりそこの原因は、問題は財投資金の財投金利にある、こう考えるのでありますが、これは大蔵大臣いかがでありましょうか。
○国務大臣(竹下登君) これはすべてがそれだとも言えませんが、大きな要因であると思っております。法律に定められるところまさにこの六%、法律では六%に特殊な金利を積むと書いてありますから、したがって恐らく井上さんのおっしゃったのは、今六・〇五だと、それが仮に連動すれば、いわゆるこれは預貯金金利等にも影響しますから金利のつかない預金が生じてくる、こういうようなことにもなるという状態であるから、その法律自体を改正する考えをもあるいは含めての考え方かと思うのでございますが、各種金利状態を見なきゃこれはわかりませんので、今直ちに法律改正をお願いするという考えは今のところ持って おりません
○井上計君 今大臣お答えでありますけれども、お答えになりました中にありますところの資金運用部資金法の法律の問題であります。昭和二十六年に制定をされました。当時やはり言えば高金利時代に定めた利率でありますから、このような低金利、低成長の時代に果たしてこれがこのままでいいのかどうかという議論を私はもっとやはりしていただかなくちゃいかぬと、こう考えるわけであります。この第四条の「約定期間七年以上のもの」については「年六分」ということが明らかに書かれております。同時に、附則に「資金運用部預託金で契約上の預託期間が七年以上のものに対しては、法第四条第三項の規定にかかわらず、同項第六号の規定による利子を附するほか、昭和三十六年度以後当分の間、大蔵大臣が資金運用審議会の意見を聞いて定めるところにより、特別の利子を附する。」というふうに定められておるわけでありますから、この低金利、低成長時代でありますからこれをやはりまず見直しをして、この法律改正を私はもう当然考えていくべきだと、このように思いますけれども、いかがでありますか。
○国務大臣(竹下登君) これは恐らくそういうお考え方であろうと私も思っておりましたが、問題は、これは預託金利そのものになりますので、いわば厚生年金にいたしましても、あるいは郵便貯金等の運用に対する利回りにも逆の意味においてはなるわけでございますから、したがって貸し出しサイドだけを考えて対応するわけにも率直なところまいりませんので、各種金利動向を見ながら慎重な検討を要する問題であろう。おっしゃる意味は非常にわかりやすい話でございますが、そのように今直地にというところまで踏み切っておらぬというのが実情でございます。
○井上計君 預託金利の金利等との関係もあります。また、一般の預貯金の金利とも連動するというふうなこともありますから、今直ちにということはまいらぬということは承知をしておりますけれども、これがやはりこういうふうな情勢の中で全く取り上げられないということについてはいかがであろうかという感じを多分に持っておりますし、また今大臣は、直ちにというわけにいかぬけれども検討するような、大体そういうふうな意味の私理解をしたわけでありますが、検討していただく、同時に何か弾力的なひとつ措置によって当面これを処理していく。現在の政策金融である五%の金利は、この資金法の点からいって、またその他いろんな厚生年金基金、郵便貯金等々の問題からいって簡単には論議できませんけれども、しかし当面直面している問題としては、何かそこに方法をお考えいただく必要があるんではなかろうかと、こう考えます。 そこで、またさらに具体的に要望いたしますけれども、中小企業金融公庫及び国民金融公庫の収支は、基準金利と財投金利との間の利ざやが逆ざやとなるわけであります。そのために、大幅に内容は悪化をしておりまして、五十八年以降は両公庫に対する補給金というのは年々増額されておる。六十年度は三百三十億円が、さらに六十一年度は予算上五百三十六億円という、いわば両公庫に対する逆ざやの補給金が支出されることを予算上決められておりますけれども、これは六十一年度中小企業関係総予算の二千二百億円、私はかねがね現在の総予算の中で中小企業関係予算が年々減少して、二千二百億円というような予算は非常に少ない。事実また多くの中小企業者、中小企業団体はこの中小企業予算の少ないことに大変不満を持っているわけですね。しかし、現在の財政状況からいってやむを得ないというふうな点で余り最近は大きな声は上がっておりませんけれども、依然として不満があることは確かですね。その二千二百億円という中小企業関係予算の中の約四分の一が両公庫に対するいわば逆ざやと申し上げていいと思いますけれども、この補給金であるということであります。 したがって、このままでまいりますと、ますますこの補給金をふやさざるを得ない。となった場合には中小企業関係の予算をさらに食うわけでありますから、さらに中小企業対策は後退をする。何のための中小企業対策か、何をやっておるのかというふうな非難がさらにより多くなってくることは当然だと、こう思うわけでありますから、そこで私は明らかに申し上げますけれども、補正予算の中で中小企業関係予算を増額して、当面この逆ざや解消、補給金の増加することについて対応していくということもぜひ考えるべきだと、このように考えますが、これは大きな問題でありますから、ただ単に大蔵大臣がここで明らかに約束とかあるいはうんと言うわけにまいりませんけれども、そういう方向をやはり政府としてお考えいただかなくちゃいかぬ、このように考えますけれども、大蔵大臣、また総理も、この中小企業対策としての考え方の中で、当面はやはり両公庫に対する補給金をまず考えていく、それによって五%といういわば政策金融の金利をさらに下げることは可能である、このように思いますが、いかがでありますか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆるこの補給金というものが、今おっしゃいます中小企業関係の一般会計の予算の中で非常に大きなウエートを占めてきておるわけでございますので、ある意味においては中小企業関係予算の、もろもろの指導事業等は別として、目玉だなと、こういうふうにお考えになっておるだろうと思うんであります。したがって、厳しい財政状況の中でこの補給金は増額してきた、こういう状態にあるわけでありますが、なお今後のいわゆる金融の推移を見させていただきたいと思っております。
○国務大臣(中曽根康弘君) 大蔵大臣が答弁したとおりで、もろもろの金利の連関等もあると思いますが、しかしよく検討してみたいと思います。
○井上計君 特に、中小企業対策というものについて、一段と厳しい財政状態はわかっておりますけれども、御配慮いただく。また、それが私は、現在直面している我が国経済の大きな試練でありますけれども、円高に対応する方法の大きなものの一つであろう、このように考えておりますので、ぜひともこれは政府全体の問題として御検討いただき、まず先ほど申し上げましたようにこの資金法の法改正もひとつこの際お考えいただく。それは容易なことでありませんし、また他のいろんな関連する問題が多いわけでありますから簡単にはまいらぬと思いますが、まずそれと同時に、あわせて当面の問題としては、この両公庫に対する補給金の増額を現在の中小企業の予算から削るんでなくて、別途ひとつその点をお考えいただくということを再度要望しておきまして、次に移ります。 次は、自治大臣に主にお願いをいたしたいことでありますが、去る三月の二十七日であったと思いますが、地方行政委員会で自治省にお伺いいたしました地方税の問題であります。そのときにも時間足らずで十分意を尽くしておりませんので、再度お尋ねするということを御了承いただきたいと、こう考えます。 地方税の問題でありますが、所得税減税が強く叫ばれ、また要望され、また政府においても六十二年度以降の税制改正については今根本的な見直しを考えていただいておりますけれども、所得税減税ということが正面に出ております。地方税については所得税といわば連動する形の減税という考え方でありますが、やはり独自に地方税を下げることができれば、これはこれとしてまた地方税の減税を考えていくことが必要であるし、また国民は税といえば地方税も国税も一緒なんですから、それで少しでも地方税が減額される、あるいは減額される地方自治体ができれば、やはり右へ倣えで地方自治体がさらに経営努力を行っていくというふうな効果が出てくるであろう、そういう両面の効果から考えて地方税の減税をぜひやるべきだと、こう考えます。 ところが、現在、地方税を独自に減税することについては、地方自治体は自治省のいわばお許しがいただけないとできないというふうなことを言っておるようでありますが、しかし実際には標準税率をこれは自治省が示されておるわけでありますけれども、一定税率については、これは地方自治体が勝手に税率を下げることがもうできないのは当たり前であります。しかし、標準税率については地方自治体が独自の判断でこれが減税できる、減率できる、このような理解をしておるんですが、改めてお伺いしますけれども、それは可能であるのかどうか、あるいは自治省が認めないのかどうか、これらの点についてまずひとつお伺いをいたします。
○政府委員(渡辺功君) 地方税法の規定につきましての御質問でございますから私からお答えをさせていただきます。 ただいまの御質問の標準税率は、地方税法の第一条におきまして、地方団体が課税する場合に通常よるべき税率である、したがいまして財政上特別の必要があると認める場合にはこれによらないことができる、そういう性質の税率でございます。したがいまして、この法律上、財政上の特別の必要がある場合には、それを超えてあるいはそれを下回って課税することができるわけでございまして、この場合、特別の届け出あるいは許可というようなそういうことは必要がない、こういう仕組みになっておるわけでございます。
○井上計君 わかりました。 そこでお伺いいたしますけれども、現在、三千幾らの地方自治体の中で標準税率を適用しているとこみが大部分でありますけれども、超過税率を適用しているところも相当あるわけであります。特に市町村民税の法人税割等については千二百七十八自治体等々が超過税率を適用しておりますけれども、標準税率未満の自治体は一つもないわけですね。その理由はどのようにお考えでありましょうか。
○政府委員(渡辺功君) お話しのとおり、現在、地方公共団体におきましては超過課税を行っている団体は相当な数に上っております。これらの団体の財政の状況を見ますというと、非常にその財政状況は厳しい、あるいは法律上もそうでありますけれども、特別の財政上の理由があるということで超過課税をやっておるわけでございまして、そういった事情が地方団体に広く実際の状況としてある、こういうふうに判断をしております。
○井上計君 確かに地方自治体は非常に財政上厳しくて、標準税率未満の税率は採用するわけにまいらぬという自治体もそれは数多くある、こう思います。しかし、今自治省がおっしゃるように、じゃ三千幾つの自治体が全部貧乏自治体だということとは違うと思うんですね。私は、標準税率未満の税率を適用してもやっていける自治体はたくさんあると思うんですよ。その証拠には、もういつも問題になっておりますけれども、退職金が非常に高いとかあるいはラスパイレスが非常に高い給与、そういう自治体がたくさんあるわけですね。そういう自治体でも標準税率以上あるいは超過税率を適用しておる。貧乏自治体でも標準税率未満というところも一方にありますけれども、金持ち自治体でも、富裕自治体でも実は超過税率を適用しているところはあるわけですね。それはどうお考えでしょうか。
○政府委員(持永堯民君) 富裕団体であるかどうかという点については、なかなかこの判断が難しい面がございます。今御指摘のように、例えばラスが高いというところもあるわけでございますが、そういうところはその是正を強力に指導いたしておりますが、それを是正することによって浮いてきた財源が要らなくなるということではなくして、そういう財源はやはり住民サービスに使うべきである。例えば公共施設の整備を進めるとか、そういう効率的な金の使い方をすべきであるということでございまして、そういう財政需要の現状、あるいは住民ニーズの現状を踏まえました上で判断をするときに、いわば本当にゆとりがあるといいましょうか、財源が余っているという状況には今はないと思っております。
○井上計君 自治省としてはその程度のお答えしかやむを得ないと思いますが、現実には確かにラスの高いところについてはいろいろな指導をされる、そうして余った財源は住民福祉あるいは地域公共事業に云々という指導をされておりますけれども、なかなか進まぬわけですね。私は、標準税率未満の税率に減額できる自治体でもそれをやらない。依然として標準税率以上とっておる理由の最たるものは起債の問題がある、こう考えるんです。すなわち、自治省は、標準税率以上の税率をとっておる自治体でなければ起債の申請があっても認められないでしょう。現在、認められた例はないでしょう。それはどういう根拠で起債をそういう場合認めないのか、その根拠は何ですか。
○政府委員(持永堯民君) 御指摘のように、標準税率を下回る団体については地方債は認めないということになっておりまして、これは地方財政法五条という法律の規定で書いてあるわけでございます。 その趣旨でございますけれども、一つには、やはり基本的には地方債、借入金というものはなるたけ抑制をしていく、財政の運営の健全化なりあるいは財政運営の弾力化を図るということからして借入金はなるたけ減らすべきであるというそういう考え方。したがいまして、標準的な税収の確保をしないまま借入金に依存するということは、やはり財政運営上、財政の健全性という意味から妥当ではないという点が一つございます。 それからもう一つは、仮に今の時点で若干そういうゆとりがあるといたしましても、しかしそれは将来にわたって未来永劫にそういうゆとりがある状況がどうかわからないわけでございまして、したがって現在の住民負担を軽くし、起債に依存することによって将来のいわば納税者に負担を転嫁するといいましょうか、世代間の負担の公平という観点からしても問題がある、そういう観点からこの法律の規定があるわけでございます。同時に、実態面、現在の財政の実態面は先ほど申し上げたとおりでございます。
○井上計君 過去のそういうふうな考え方をそのまま現在でも踏襲していることが地方自治体の実態からして適当かどうか、いいのか悪いのかという論議を私はずべき状況にある、こう思うんですね。 おっしゃるように、確かに標準税率を下回るというふうな富裕団体は何も借り入れをしなくてもいいではないか、自主財源内ですべてやる、これは確かに理屈です。しかし、地方においても公民館あるいは市庁舎等々もありますけれども、そのようなものを建設する資金は通常財源内では出てこないのは当たり前ですよね。やはりそれは国の建設公債と同じだと思うんです。だから、地方自治体が特例公債的な起債についてはこれは標準税率以上であって、なおかつそれで金がないから認めないというのはこれは理屈として当然だと思いますけれども、国のやはり建設公債と同じように将来子孫に残す、その市町村民に残す財産、社会資本をつくるためのそのような起債は別の考え方であっていいのではないか、こう思うんですね。 だから、はっきりとある自治体においては標準税率を下げられるんだ、未満でいいんだ、下げられるんだ、しかし下げたら起債が認められない、したがって各種の事業ができないから標準税率そのままを適用しておるのだという団体があると私は仄聞しておるんですが、自治省はお知りかどうか知りませんけれども、私はもっとやはり地方自治体の経営努力を評価するような方法、したがってそれは標準税率未満のところであっても、やはり積極的にそういうところの事業についての起債を認めるというふうに地方財政法を改正していいと思うんですね。いつまでも地方財政法にこだわっておったのでは地方自治のやはり活力というものはなかなか出てこないと思うんです。だから、信賞必罰ではありませんけれども、経営努力して地方自治の標準税率を下回る、そういうところでなおこういうふうな事業をやるというところには積極的に私は起債を認めても、むしろその方が地方の活性化に役立つし、税率を下げることによってやはり市町村の要するに住民に対する還元というふうなことにもなるわけですから、私はそれが本当の地方自治だ、こう思うんです。 よく自治省は、地方税は公平であらなくちゃいかぬ、こう言うが、事実そうだと思います。憲法にもそうある。しかし、地方税が公平であるということは、何も富裕団体でもあるいは貧乏団体でも同じ税率をとりなさい、それが公平だということじゃなくて、やはりその努力の結果を住民に還元する、その最大限努力する方法をつくることが私は公平だ、こういうふうに考えるんですが、自治大臣、どうでしょう。
○国務大臣(小沢一郎君) 地財法の基本的な考え方につきましては、先ほど来政府委員から答弁がございました。基本的に、一般論といたしまして、先ほどの答弁ありますように、世代間の問題とかあるいは地方財政そのものの健全化ということになるわけでございますけれども、今日の三千三百幾つの地方公共団体の実態を私全部わかっておるわけではありませんが、先生のおっしゃるような状況に地方団体が仮になってきて、そしてそのような場合に地方自治体の判断、裁量、経営といいますか、その余地を仕組みの上でも考えていったらいいのではないか、簡単に言えばこういうことであろうと思います。 私どもといたしましては、基本的な原則というものは、これは全国画一的、一律的になりがちですけれども、本来的には自治体がそれぞれ自分たちのことは自分たちで考えてやっていくというのが地方自治の基本的なバックボーンにあるわけでございますので、その意味においては現実の段階でそのような形を果たしてとり得るだけの状況になっているかどうか、これは現実判断として難しいと思います。 しかしながら、先生の御指摘のような状況になり、しかもそれで地方自治体の本来の自活、そして地方財政上もそれでやっていける、そういうような判断ができるような状況になりつつあるとすれば、地財法の考え方もその中で何とか取り入れていけるかどうか、その点について考え方として検討していく一つの御提案である、お考えであると考えております。
○井上計君 時間がありませんから多く申し上げることを省略します。 地方議会の議員からよくこういうことを言われるんですね。もっと我が市は、我が町は標準税率を明らかに下げられる。だから下げろと言うと、理事者側は、自治省は認めてくれません、こう言うそうです。それは自治省と折衝すればいいではないかと言うと、その場合に起債が一切認可されません、だから下げることは可能でありますけれども起債が認可されませんから下げられません、全部これで済んでいるわけですね。だから、努力すれば標準税率を下げられる自治体がたくさんありますよ。 それは自治省は御存じないですよ。というのは、地方自治体はもう自治省を非常に怖がっているわけですね。自治省の御機嫌を損ねたら大変なことになる。それは自治省の皆さん方はお気づきでないが、我々は直接聞くことがありますよ。自治省は大変怖いです、もう自治省の権限は物すごいです、自治省の機嫌を損ねたら我々非常にやりづらくなります、こういうことを盛んに言っておるわけですね。これは事実かどうかは別として、しかし自治省を大変いわば畏敬していることは間違いなかろう、こう思いますが、したがって今大臣お答えのように、そういう実態を調べて、そうしてそれで可能なところなら地財法の改正云々と言われますけれども、私は逆に地財法を先に改正して、こういうことであるから標準税率を下げても起債の認可ができますよ、だから地方自治体はもっと努力をしなさい、こういうことにすべきであろうと思いますが、時間がありませんので以上提言にとどめますけれども、大蔵大臣も御関係あることですから、大蔵大臣、どうお考えでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる建設地方債等を発行して活力を持たすとかあるいは標準税率までに至らない税でもって消費を刺激するとか、そういう観点の考え方はございましょうが、財政の健全性の方から申しますと、結局標準税率以下にしておいて、そしていかに後世代に資産は残るとはいえ別途起債をするというのは、ある意味においては生きとし生けるものの負担を後世代に転嫁するという、私どもが建設公債に際しても非常に悩みを感ずると同じ、財政の健全性という問題からいえばそうしたポイントはやっぱり残るな、こういう印象で今お話を承っておりました。ただ、私の出身地がそういう状態にないから実感としてこなかったのかなという反省もないわけじゃございません。
○井上計君 もう時間がありませんから、最後はさらに意見だけ申し上げておきます。 大蔵大臣おっしゃったことが私はわからぬわけじゃありません。しかし、大都市及び大都市周辺の自治体は、大臣の御出身地とは大分違うわけです、財政状況が。かなりいいですよ。だから、非常に高い退職金あるいは非常に高いラス給与等々あるわけですからね。私は、やはりそういうふうな自治体に対しては、もっと経営努力をし、その努力の成果がもっと住民に還元できるような、そのようなやっぱり地方自治、地方政治というものでなくてはいかぬ。そういうふうなことに対する地方自治の不満が、国民の側から見ると地方政治も国政も同じことですから、全部国政の不満になっているというふうな、そういう傾向もありますね。 だから私は、確かに地方財政も健全化を考えなくちゃいけませんけれども、何も標準税率を下げたから直ちに地方財政がおかしくなるということとは全く違うと思うんです、この根拠は。そういう意味で、いずれにしてもそういうふうなことを含めてやはり真剣に検討をしていただく時期にある、このように考えますので、特に御答弁要りませんが、再度要望して、これは総理もお聞きいただいておりますから、総理にも十分行財政改革の一環としてお考えいただくように要望しておきます。 質問を終わります。
○下村泰君 本法案に関連して、障害者のことでまた再度お尋ねさせていただきます。 先般来、身体障害者更生援護施設に係る費用の徴収についていろいろお尋ねしてまいりました。障害者の方々が身を挺して厚生省の前に座り込みまでやりまして、できるだけ本人徴収のみにしてくれ、扶養義務の親たちには迷惑をかけないようにしてくれというようなことが主眼で座り込みまでやりました。彼らの話を聞いておりますると、無理もないという感が随分いたします。 と申しますのは、あの身体障害者の方たちの中には、親子の間で大変な闘争までやりまして、親の介護を受けずに、親から離れて自立のために一生懸命努力をしているグループもおるわけなんですね。中にはそのために親と対決したというグループもある。あの体の不自由な方々が自分たちみずから内立するためにそこまでやっているのかな、大変なことなんだというふうに私も感じました。また、そういう方々以外のグループもいらっしゃいます。そして、そういう方々の悲願というのは、あくまでも費用徴収の件について、自分たちででき得る範囲のもの、そして扶養義務の者からは取ってくれるなというようなのが彼らの意見でございました。 先般、補正予算の委員会でもお話をいたしましたときに、総理からお言葉をいただきまして、厚生省の方々も一生懸命何か研究なさってくれたんだそうです。そして、お話し合いもいたしましたが、何らかの形があらわれてくるやに承っておりますけれども、その後どういうふうに進展したのか、ひとつお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(小島弘仲君) 障害者の方々にもたびたび会いまして、向こうの御主張も聞くと同時に、こちらの考え方に理解を求めるというような会合を重ねてきております。まだ先生御指摘のように、完全に御理解を得るというところまでは残念ながらいっておりません。我々としても、障害者の特殊性あるいは今回初めて扶養義務者も含めて障害者が費用徴収の対象になる、そういう事情も勘案しながら、できるだけ合理的な処理をしながら無理のない御負担をお願いするような方向で 今最後の詰めを行っております。
○下村泰君 きょう二十四日ですから、きょう全国係長会議が開かれるはずで、その会議の中に当然費用徴収の基準というようなものも出てきていると思うのですが、今ここで教えてくれと言っても無理でしょうけれども、それは徴収される方にとって喜ばしいような形でまとまってきているんですか。
○政府委員(小島弘仲君) 現在、都道府県の担当者会議をやっておりますが、そこに最終的にお示しできる段階には至らないんじゃないかと、こう考えております。ただ、現在までの経緯その他について十分説明し、今後具体的な基準を追ってお示しするという取り扱いになろうかと考えております。 ただ、我々といたしましても、それぞれ例えば障害者につきましては老人の方々と違った日常の生活費の需要もあるだろうということを勘案いたしまして、そういうものも費用徴収の中で十分反映できるような方向をぜひ考えてまいりたいと考えております。
○下村泰君 局長に再度お尋ねしますけれども、現在は本人のみの徴収ということでお尋ねしたんですけれども、扶養義務の方の問題、これはあれを見ますと親だけでなく兄弟その他三親等まで及んでおるんですね。こういう扶養義務の方の問題はどういうふうに進展していますか。
○政府委員(小島弘仲君) これもいろいろ毎度申し上げますように、社会福祉制度全体の中での調和等を考えるといろいろ難しい問題がございます。ございますが、今回身体障害者につきましては全く新たに本人、扶養義務者の費用負担が出るということを考えまして、扶養義務者、これは全然取らないというわけにはまいりませんが、御指摘のような広範なものを何とかもう少し絞り込むことができないか、端的に、そういう方向で今検討はしております。
○下村泰君 そこでもう一つ児童家庭局に伺いますけれども、精神薄弱者の問題はこちらの方で取り扱っているんですね。それで、精薄の収容施設の方々も今度の例えば今社会局の方でおやりになっていらっしゃるような方向に進めることができるか、それとも現状維持なのか、お風がせください。
○政府委員(坂本龍彦君) 精神薄弱者施設の費用徴収につきましては、現在の段階で既に本人あるいは扶養義務者という範囲から徴収をさせていただいております。ただ、現在本人の方につきましては実際上ほとんど所得がございませんから、扶養義務者の方の主として税額を基準にいたしまして、所得能力を判断してそれに応じて費用の負担をお願いしております。 この問題につきましては、昨年の暮れに関係の審議会からも御意見が出まして、年金制度の充実等に関連いたしまして本人の方からもある程度の御負担をお願いすべきではないか、それから同時に、扶養義務者の負担のあり方につきましてもこの際見直したらどうかと、こういうことでございまして、現在いろいろと作業を進めておりますけれども、考え方といたしましては先ほど御質問のありました身体障害者も精神薄弱者も障害者であるという考え方から、できるだけ基本的に同じような考え方で今後の徴収のあり方を決めていこう、こういう前提で現在作業を進めておる段階でございます。
○下村泰君 大変両局とも前向きの形で御審議、研究くださっているということで、とても私はありがたいと思っております。実際にこれがそういう方向に向かって結果が出るように、厚生大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(今井勇君) 局長が答弁いたしましたように、先生がおっしゃいますような方向、あるいはまた今政府委員が答弁したような方向でひとつ、いずれにいたしましても精神薄弱者も身体障害者も同じく障害者でございますので、両者の費用徴収基準につきましては基本的には同じ考え方に立ってやるべきものだ、こういうふうに考えて同じその作業をさせておるところでございます。
○下村泰君 ありがとうございます。 総理大臣に私はお礼を申し上げたいと思います。この費用徴収問題が出てから身体障害者の方々が疑心暗鬼にとらわれて非常に悩んでいらっしゃったんです。ところが、先般私が質問いたしまして、総理が一言お答えになったために、それは厚生省としては頭が痛かったことと思います。自民党のある厚生部会の先生に私は言われましたよ。総理は何にもわからないんだから余計なことを聞いてくれるな、殊に総理は大蔵関係じゃないんだから、大蔵の経験がないからお金の方に関しては非常に無関心だからうっかりしたことを聞いてくれるなとくぎを刺されました。けれども、総理の一言によりましてその方々たちが非常に今明るい心になっております。厚生省は悩んだことだと思いますけれども、しかしその一言によりましてその方たちがどれだけ救われているか、精神的に。お礼を申し上げます。ありがとうございました。 さて、今度は文部省の方に伺います。 私の手元に、五十六年の資料で「我が国の特殊教育」という、こういうパンフレットがあります。これを拝見しました。せんだって海部文部大臣がお答えくださったように、「特殊教育を必要とする児童生徒に対して適切な就学指導を行うことは極めて重要なことです。」、こういう書き出しで就学指導ということでいろいろ書いてございます。その中で各市町村の教育委員会あるいは医師、教育職員、児童福祉施設職員、こういういろんな専門家が寄り寄り寄りまして、就学する児童の区分けといいましょうか、こういうところへ行きなさい、こういう学校へ行きなさいというようなことが指導されるということが書かれてございます。 これに関連しまして、この間もお尋ねしたんですけれども、九歳という年を迎えながらも三歳の児童以下の能力しかなくしかもどこへも行くことができない、ですからあなたはお宅で療養なさい、こういうふうに押しつけられている子供さんもいるわけなんですけれども、改めて文部大臣にお伺いしますけれども、こういうお子さん方も就学をしたい、あるいは学びたい、何とか自分で勉強もしたい、こういうお子さんもいるわけ、あるいは親御さんもいるわけですが、どういうふうになさいますか。
○国務大臣(海部俊樹君) この前先生から具体的に御指摘もあり、私の方でも調査をしてみたんでありますが、ただいま就学義務の猶予または免除の措置というのによりまして、いろいろな状況のために学校に就学することを免除されている児童生徒数は六百八十二名、これはむしろ生命、健康の維持のためには病気治療に専念された方がその児童生徒のためになる、こう判断をいたしまして、このことは保護者の申し出という形においてそれが行われております。なお、ほかに七百六名の方が今これは同じ免除措置を受けておりますが、少年院、教護院等においてそれなりの教育をここで受けておっていただく。 したがいまして、具体的に御指摘のように就学の希望を持っておる児童生徒をどの学校にも入れないで放置してあるというようなことは私どもの調査ではないはずでございまして、ただ都道府県の就学指導委員会で御検討しますときに、親の立場から、この学校は行きたくない、こっちの学校へ行きたいんだという御希望が強くございますと、強制的に処置したり学校へお連れするわけにはまいりませんので、そういう状況も、わずかな例だと思いますがあろうかという気はいたします。 いずれにしましても、その児童生徒の持っていらっしゃる障害の程度に応じまして、その方に最もふさわしい方法で教育を受けていただく。どうしても学校へ来れない方は教師の方から出向いていって巡回指導をするという制度等もただいま教育委員会を通じて行わせておりますことは先生も御承知と思いますので、申し上げさせていただきます。
○下村泰君 ありがとうございます。 総理、御自分でお話しになったことも日にちがたてばお忘れになると思いますけれども、ここに私切り抜きを持ってきたんです。一九八四年、おととしの二月二十七日、NHK総合テレビ夜十時、「総理にきく「教育の心」」、中曽根康弘、聞き手広中平祐、加賀美幸子。こういうお時間に御出演になった覚えございますね。このお時間の中でこういうふうなことを総理がおっしゃっているんです。「それに」というのは何か前段にお話があったんだと思います。 それに、また、障害児の扱い方や教育の方法なんかもね、日本ではまだ未開発ですよ。アメリカあたりはかなり進んでいるし、ヨーロッパでも進んでいる国がある。そういう、その、障害児の教育をどういうふうにしていくか。普通の学校の教育と、障害児の教育、子供を連れてく、一緒に、ミックスする必要がある。そりゃみんな生きたいし、勉強したいし、人並みのことやりたいんですから、生きる、勉強する力を自分で伸ばしてやるというやり方、必要ですね。そういうような問題もありますし、さまざまな問題が出てきています。 次に「新しい問題が」と、これまた別の話に入っていくんです。 これが放送されたときに、障害児を持つお母様方が物すごく喜んだというんです。それは総理お聞きになっていないでしょう。これはもう大変な、総理のこの言葉で障害者あるいは障害児者を持っているお父さん、お母さん方、関係する方々は我が意を得たりと喜んだんです。 ところが、そういうふうに喜んでいるのもつかの間で、これはことしの四月九日です。佐賀県立神崎高という高校があります。ここへ入ったお子さんは、理髪業をやっております羽根十四郎さんという方の長男で裕之君十六歳。 小児マヒのため両足が不自由だが、小学四年の時からこれまで母親ミヨ子さんの送迎で普通学級で学んだ。昨年春「高校生活も」と、自宅に近い同校を受験、「障害を含めた総合判定」で不合格になったが、養護学校へは進学せず、一年間、独学で〝浪人〟してきた。 今春の入試は、実は再挑戦。全力投球した。二日目の試験終了後、介添えのミヨ子さんは、高校側が用意した誓約書への署名、押印を求められ応じた。「通学、階段の昇降などは保護者が行い、教職員、生徒の介添えは期待しない」「施設は現状のままで異存はない」「不測の事故、好意の介添えなどによる事故があっても責任を問わない」などの内容。 これについて、志岐常文県教育長は「羽根君を迎え入れることで、学校の円滑な運営に支障があっては困る。基本的には学校や級友の善意に頼らず、保護者側の責任で学校生活を送るということを確認させてもらった。両親も納得している」と、誓約書を総合判定の材料の一つとしたことを認めている。 ミヨ子さんも「中学校では、同級生たちの手助けで無事卒業できましたが、入学時に誓約書を提出しました。今回も同じで、入学後の責任は私の方で負います」と話す。 文部省によると、高校は義務教育ではないので、障害の程度に応じた判定をしており、誓約書提出は異例というわけではないという。しかし、学校側が口頭で保護者に協力を求めるのが普通で、河原教授は、「誓約書を取るとは、障害者を体よく追い出そうとしているといわれてもやむを得まい。その内容は、友人付き合いするなというのと同じだし、しかも合格発表前で、退学条項まで入っているとは、人権侵害の疑いもある」と厳しく批判している。 こういう記事が載っておるんです。こういうことに関して、文部大臣並びに総理大臣のお考えを承りたいと思います。
○政府委員(高石邦男君) 具体的な内容について詳細を報告受けておりませんので承知しておりませんが、一般論で申し上げますと、それぞれの高等学校が障害の程度に応じて教育可能である者の入学を許可する、許すということは当然あり得るわけでございます。その場合、学校の条件が施設設備等整っていないという場合がございましょう。そういう場合に、一定の不自由を与えるということもありますので、そういうことをよく承知してこの高等学校に来てもらいたいということの事前の情報の交換というか、そういうことは必要ではないかと思うんです。そういう高等学校が受け入れた際には、障害者が教育を受けるにふさわしい環境の整備を漸次整備していくという努力は続けていかなければならないと思うのです。 したがいまして、佐賀県における具体的な取り扱いについてそういう状況下でまだ施設設備等が十分整っていないということで不自由をかけるという意味から、そういう話し合いが事前に行われたとすればやむを得ないことかと思いますが、そのゆえに障害者が高等学校へ進学することを差別する、忌避するということは適当でないと思っております。
○委員長(嶋崎均君) 下村君、時間です。
○下村泰君 言葉が足りなかったのですが、「障害者を普通学校へ・全国連絡会」の代表世話人河原一男長崎大教授が、大変人権侵害であると怒っていらっしゃる、こういうことなんでございます。いかがでございましょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国連の身体障害者に関する基本的な観念でも参加と平等ということを言っておるので、日本もその精神に基づいてやっておらなきゃなりませんし、やるべきであります。したがいまして、障害者でも意思と能力のある、特にやりたいという願望、そういう強い願望を持って一生懸命やろうとする人たちに対してはできるだけこれを受け入れて、平等に普通並みに扱って一緒に励むというのがやはり正しい精神だろうと思うんです。 今の具体的ケースの問題については、教育委員会なり当該の学校がお決めになったことで、我々は干渉する意思はありませんけれども、しかし方針としては、今のようなやり方は必ずしも適切ではない。お入りになってから三カ月とか半年はすぐ施設が間に合いませんから、まあしばらく御勘弁くださいと。しかし、その間にもできるだけ県とも相談をして施設をつくります、そういうような話なら話はわかると思うんです。そういうやっぱり愛情のこもったやり方でこの問題は解決しなければ教育の本質と両立しないと、私はそう思っております。
○下村泰君 よく総理のことをタカ派タカ派なんて言いますけれども、私はそうは思っておりません。非常に人間味のある心、優しい総理大臣だと思っておりますので、どうぞひとつ、これからも身体障害者の問題については温かいお心で見守っていただきたいと思います。ありがとうございました。
○委員長(嶋崎均君) 午後一時に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。 午後零時九分休憩 ―――――・――――― 午後一時二分開会
○委員長(嶋崎均君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。質疑のある方は順次御発言願います。
○高杉廸忠君 私は、まず生活保護と国庫補助の関係について伺います。 生活保護法では、他の福祉法と異なって国と地方自治体の共同の責任ではなく、国の責任であることが明らかに規定されているところであります。 そこで、この際、確認の意味も含めて伺いますが、その理由はどのような点にあると認識していますか。まず厚生大臣に伺います。
○政府委員(丹羽雄哉君) 生活保護の問題につきましては、先生御案内のように補助金問題検討会におきまして結論が出されておるわけでございまして、私どもといたしましては今後とも国の機関委任事務として実施するべきである、このように考えておるわけでございますけれども、地域住民 の福祉の向上の確保という点から考えまして地方にもそれ相応の負担をしていただきたい、このように考えている次第でございます。よろしくお願いします。
○高杉廸忠君 そのような理由からしますと、本来国が全額費用を負担することになりますが、それを国が八割、それから地方自治体が二割、これに定めた理由これはどこにあるんですか。
○政府委員(小島弘仲君) 確かに全額国という考え方もいろいろ議論の過程であったようでございますが、いずれにいたしましても国が最終的に責任を負う。同時に、地方公共団体も地域住民の福祉、生活についてはそれなりの責任があるわけでございますので、そういう分担を明らかにする。相協力しながら遺憾なきを期していくという趣旨で、地方公共団体にも一部負担願うという現在の姿に落ちついたものと承知しております。
○高杉廸忠君 その理由、もう一つはっきりしませんけれども、ある面ではもっともらしく聞こえるんですが、権限の配分ですね、機関委任事務方式をとって、そして自治体を実施の主体として位置づける。そういうことになると単なる財政負担の押しつけ、こういう理由にしかならない、こういうふうに私は考えるんです。その点はどうでしょう。
○政府委員(小島弘仲君) これは毎度申し上げておりますように、国が最終的に責任を負う仕事である、統治機構としての国が最終的に責任を負う。その実施に当たっては、先生御指摘のように地方公共団体が国の機関委任事務としてこれを処理願っているわけでございます。この機関委任事務として処理願っているものについてもいろいろ負担のあり方があろうか、こう思っておりますが、地方財政法の十条におきましても、生活保護は列記されておる事項と同じように「国と地方公共団体相互の利害に関係ある事務」として位置づけられておりまして、やはり相協力しながら円滑な実施を図っていくべき仕事であると考えております。
○高杉廸忠君 さらに伺いますけれども、昨年来予算の概算要求から年末の予算編成の過程ですね、この中では生活保護について国の負担八割、これを三分の二に軽減するということで、大蔵大臣もお見えですが、大蔵省、厚生省が合意した、こういうような報道もあるわけですね。私も各方面に当たってみましたが、どうもこれは大蔵大臣、事実のようであります。御承知のように憲法第二十五条、これに基づく基本的生存権、これについては権利になっています。局長、きょうは政務次官もお見えでありますが、社会保障を守るべき厚生省、これはもっとしっかりしていただかなきゃならない、こう思うんです。 そこで伺うんですが、生活保護の国の責任、それからよって来る財政負担のあり方、これはどういうふうに考えておられるのか、厚生大臣から伺います。大蔵大臣にもあわせて伺います。
○政府委員(小島弘仲君) 生活保護につきましては、現行法上、国の責任において実施すべき制度として明確に位置づけられておりまして、先般の補助金問題検討会におきましても、今後ともこれは国の機関委任事務として国の最終責任で行うべき事務であるというふうに位置づけられております。また、それに要する費用の負担については、先生御指摘のように、その全額を直接国が負担すべきだという御意見もありますが、現行法におきましても、地域住民の福祉の向上の確保という点におきましては、地方公共団体も国とともに責任を有しているという見地から、国がすべて直接的にその全額を負担するのではなくて、地方に一部負担願うという体系もまた妥当なものと考えておりますし、より合理的ではなかろうかというふうに考えております。 しかし、制度の運営につきましては、先ほど申しましたように国が最終責任を負う、非常に国の責任が重いということでございますので、これは国の負担割合というのはやはり相当高いところに位置づけられていていいんじゃないか。他の福祉施策と横並びということよりもやはり高い負担ということでその姿勢も明示してしかるべきものだというふうに考えております。
○高杉廸忠君 三分の二、あったかどうか。
○政府委員(小島弘仲君) 補助金問題検討会におきましては、生活保護の今後の補助率のあり方についてはいろいろ御議論があったようでございます。全般的に、補助金問題検討会としては今後国と地方との相協力して処理する事務につきましてやはり半々で責任を持つものは二分の一補助、それから国がより重い責任を担うものは三分の二、それから地方が主として責任を負うものは三分の一という体系に整理すべきじゃないか、そういう合理化を図りながら進めるのが妥当ではなかろうかというような御意見もありまして、それを踏まえて生活保護は三分の二という意見が出たようでございますが、それとともに、一方ではやはり従前の経緯も尊重して十分の八であるべきだという御意見もあって一致しなかったというふうに報告書でも明示されております。 したがいまして、厚生省といたしましては、その補助金の体系を明確に整理していくという考え方にのっとるとすれば、やはり三分の二という補助率の一番高い方のところを生活保護の補助率として国の姿勢を明示するというふうに理解しております。
○国務大臣(竹下登君) おととしの暮れに議論をしましたのをちょっと整理いたしましたので、早口で申し上げます。 昭和二十一年の旧生活保護法制定当時、これは戦争被害者が多くて日本全体が絶対的な窮乏、地方財政は特にあってなきがごとしと、このような状態にあって一定の給付水準、行政水準を確保するためには高率の国庫負担を行う必要があった。だから、戦前の救護法時代は、御案内のとおり国の負担が二分の一とされておりましたが、終戦直後の一時期はしたがって全額国庫負担と、こういうことであります。 それからその次、随分議論をいたしたことでございますが、これはGHQの指示がありまして、まあ昔話だと思って聞いてください。大蔵省が二億円、厚生省が八億円と、こういうことをやったら、GHQからぼんと三十億来まして、そのときは三分の二国、三分の一地方にしようと思ったが、GHQの指示は三十億ぽんと来ましたから、したがっていわゆる八対二にしたわけです。それからその地方負担を導入する理由ちょっと現代離れしておりますが、乱給や怠惰な者をつくることを防ぐために一半の責任を地方に負ってもらう、こういう議論があって、それから新生活保護法へ来ておりまして、これが昭和二十五年でございます。このときは国庫負担率については国会においては特に議論はなかったと、こう書いてあります。それから社会福祉事業法ができて、福祉事務所ができたところから町村が外れていくというような経過を今日たどってきておるわけでございます。それで、その昭和二十九年の予算編成のときは、予算編成方針では半々にしましたが、これは厚生省の反対で現状維持と、こういうことになっております。 したがって、それが続いてきて、いわゆる昨年の場合は一年間かかって検討しますからとりあえず暫定で、アバウト、おおむね一律にしてくださいということで十分の七にして、ことしは先ほど話がありましたように大体基本は半々にしよう、しかしより国の重いものは三分の二にしよう、より軽いものは三分の一にしようと、三刻みに補助率を整理して、それを私どもが主張した。が、検討会でも両論併記になったものですから、したがって妥協とでも申しましょうか、昨年どおりということで落ちつきは政府一体の責任で十分の七ということにしたから、暫定にした理由のやっぱり大きな一つは、両論併記であったということが暫定とした一つの大きな理由でもある、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
○高杉廸忠君 今大蔵大臣からお話をいただいて、検討会でも国の負担については三分の二と十分の八、これが両論併記になっているわけですね。したがって、この問題に対する検討会の審議の経過を私はやっぱり具体的に詳細に明らかにすべきだと考えるんです。 そこで、従来も私どもにお願いをしておきましたが、こういった検討会それから審議会あるいは研究会、名称のいかんを問わず政府案の決定のよりどころに使うわけでありますから、結論だけではなくてやはりそのプロセス、これを明らかにすることが国民への責任だと思うんです。したがって、ぜひ詳細な議事録は提出すべきである。いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) この問題につきましては、本当は、どんな資料にするか考えました、率直に言って。だが結論から言いますと、ここで議論しているようなことが経過なんですよ、結局。 そうしますと、この報告を詳しく読んだら、結論から言ってこの報告の順番を変えて出すようなことになってもこれは不親切きわまるということで、速記録をとっているわけでもございませんし、したがって個々に説明に行きまして、こうなりますということで御了解を得るしかない。ここで長く議論しておるよりも、実際問題工夫してみましたが、何だか順番を入れかえたようなものを出してみても不親切きわまることですから、やっぱり要するにこの報告を口で、先生、あなたがこの間議論しておられたような話でございますと言った方が一番わかりやすい、結論から言うとそうなりました。
○高杉廸忠君 私は、大蔵大臣、ここで議論することも当然なんですし我々はわかります。やはり国民一般が非常に関心を持ち、特に自治体も関心を持っておるわけですから、国民に明らかにするのも政府の責任だと思うんですよ。だから議事録も出してください、あるいは従来の検討会の責任者もこの委員会に出席をして、どういう審議経過というか、これを明らかにすべきだ、こういうのが私どもの主張なんです。その点を生かしてもらいたいと思うんです。いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 結局、今差し上げております「補助金問題検討会の議論の内容について」と、議論してみるとこれに尽きるということになるわけでございます。議事録はもちろん、速記等はとっておらぬわけでございますが、だから何かないかと思って本当に苦労してみましたが、結論から言うとお出ししたものがまさに補助金問題検討会の議論の内容ということになってしまう。それはお出ししております。(「いや出してないじゃないか」と呼ぶ者あり)いや四月二十二日に、参議院補助金等に関する特別委員会、委員部提出資料というのを差し上げて、これが大体私も考えてみましたが、まあいいところだなと。いいところだなというのはちょっと表現がおかしいんですが、本当にそんな気がしました。
○高杉廸忠君 大蔵大臣の言われたのは、議事録というよりも検討会の要約だと思っておりますが、それですか。
○政府委員(保田博君) 補助金問題検討会の議事録をという御要望でございますが、衆議院の段階でも御議論をいただきまして、参議院の特別委員会でもそういう御要求がございました。でございますけれども、この検討会におきましてはいろんな立場の方々に率直に御意見をお述べいただくということから、非公開という前提で速記もとらないで会議を進めていただいたわけであります。まとめられました検討会の報告は、一般の審議会等における報告と違いまして、結論のほかにいろんな意味での少数意見といったようなものも並べてございまして、それらを総合してごらんいただければ、検討会の十二回の審議の中身もそれぞれのテーマについて、一方ではこういう御意見もあり、他方では異なる御意見もあったというようなことがよくおわかりいただけると思うわけであります。特に生活保護につきましては、先ほど来御議論になっておりますけれども、ああいうところでよくあらわれておると思います。 なお、その検討会の報告を多少順番を並べかえまして、検討テーマごとに結論らしきものあるいはそれに至る経過で出されました少数意見といったようなものはこれを取りまとめまして、先日委員部の方に御提出申し上げております。
○高杉廸忠君 これでしょう、表紙は。
○政府委員(保田博君) ちょっと存じませんが、「補助金問題検討会の議論の内容について」という資料でございます。
○高杉廸忠君 報告についてはわかっていますが、私の言うのは詳細な議事録を、特別委員会まで設置してやる重要な審議ですから、できるだけ詳細については提出すべきだと、こう言っているんです。 それからもう一つ、委員長にもぜひひとつ実施していただきたいのは、そういうことも含めまして検討会の責任者の方に御出席をいただいて、議事録が出ないのだから直接お話を聞くことも必要だと、こう考えるんです。委員長にお取り計らいいただきたいと思いますが、いかがですか。
○委員長(嶋崎均君) ただいまの高杉君の御意見につきましては、そういう方向で出席ができるかどうかということについて、現在、至急に連絡中でございますので、御了承願いたいと思います。
○高杉廸忠君 そもそもこの補助金の問題については、一部に言われていますように、補助金を縦に切らないで不要なものは削っていく、一律カット、一律引き下げ、こういうことでは自治大臣、自治体も私はそういうことでは納得しないと思うんですよね。自治大臣いかがですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 先生御指摘のように、補助負担率の問題につきましては、私どもいわゆる財政のみの理由で一律に負担率を切り下げるというようなことはすべきではないし、本来、何回も繰り返して申し上げますけれども、国と地方の事務事業等々あるいは役割分担、そういう形の中で国と地方の責任の度合いに応じてこの補助負担率を決めていくべきである、そのように考えておりますので、考え方といたしましては先生の御指摘のとおりのことであろうと思います。
○高杉廸忠君 さらに厚生省に伺いますが、六十年度も本年度も生活保護の臨時財政調整補助金二百億分ですね、これが計上されて補助率カットによる影響緩和に使われている、こういうふうに思うんですけれども、その使途、それから交付の内容ですね、どういうように行われているのか、ここに明らかにしていただきたいと思うんです。
○政府委員(小島弘仲君) 御指摘のとおり、補助率が六十年度、従来の十分の八から十分の七ということになったことに伴いまして、急激な負担増を緩和するという趣旨と合わせて生活保護の円滑、適正な運営を図るという趣旨で二百億つきました。これは、十分の八と十分の七との差の大体一三%ぐらいに当たる金額かと承知しております。 これにつきましては、こういう趣旨のものですから、当時の予算の審議等におきましてもこういう趣旨で使うというお話しを申し上げていたところでございますが、具体的には昨年の十一月に自治体が市であるところに対して、また県については本年の三月に交付を行ったわけでございます。ざっと申しますと、団体数全部で合計七百二十五ですか生活保護の関係団体があるわけでございますが、そのうち五百七十六に配りまして、百四十九が不交付という扱いになっております。 これは、基本的な考え方といたしましては、やはり財政的につらいところを中心に配る。財政力指数と申しますか、不交付団体をちょっと上回る財政力が一・一ぐらいのところまでを原則として対象にする。それから、小さいところほどやっぱり大変であろうというふうに考えまして、規模の小さい市ほど多く行くような工夫をしてみた。それから、さらに、その税収とか歳出に占める保護費の割合が高いところほど行くようにというような配慮で交付いたしました。 この全体の二百億の中の七〇%は主として財政状況のみに注目して配賦する。それから三〇%は財政状況の悪いところが中心になりますが、そこで生活保護の適正化に努力しているところ、努力の状況等時に自立更生のための指導なんかに熱心なところ、そういういろいろ工夫しているところ、そういうふうな努力を勘案して三〇%は配ったと、こういう経緯でございます。
○高杉廸忠君 したがって、やはり十分の八から十分の七、さらに三分の二と、こう行くわけですね。しかし、具体的にそういうところでも激変緩和をしなければならないし、基本的にはそういう財源措置が必要だと、こうなるわけだから、ますますこれは自治大臣、自治体としてはそういう一律にやられると大変なことになるわけですよね。ですから、これは基本的にやはり国は原則として全額、こういう方向へ行くべきが至当だと、こういうふうに考えるんです。財源対策ですね、このマクロの段階での取り決めが具体的に個々のミクロ段階でどう反映するか、これがやっぱり問題であると、こう考えるんです。建設地方債等による財源振りかえ、これは少なくとも地方自治体の当初予算編成段階では未確定要素であると思うんです。財源計算に上げにくいというのが現実ではないかと、こう思うんです。 そこで具体的に伺いますが、自治大臣、どのように地方自治体にはこういうことを説明していくんですか、その財源対策として。
○政府委員(持永堯民君) 毎年のことでございますけれども、地方財政の見通してございますとか、あるいは税制改正の内容でありますとか、御指摘ありました地方債の措置でありますとか、いろいろなことにつきまして各地方団体が予算編成を大体二月の初めごろ行いますので、その前に大体一月の中旬ないし下旬ごろでございますが、全国の総務部長会議、あるいは財政課長会議、あるいは地方課長会議等々を開きまして、その席で交付税なり、地方債なり、あるいは補助金等の仕組みがどう変わるか、どういう措置がされるかということについて文書で通知をし、あわせて説明を申し上げておりまして、そういったことで徹底を図っているわけでございます。もちろん最終的に交付税なり地方債の数字がきちっと予算編成段階で間違いなく捕捉できるかどうかということについてはこれは問題は残りますけれども、およそ予算編成を行う上で支障のない程度の判断はしていただけるものというふうに考えている次第でございます。
○高杉廸忠君 生活保護の問題については、いずれにしましても実施主体の負担率を増加させることは予算額の制約によって保護の停止または廃止、あるいは拒否、こういうのが行われるわけですよね。局長、お話し中ですけれども聞いていてくださいよ、厚生省に大事な問題ですから。 そこで、一般的に言うと靴に足を合わせると、こういった無理な問題なんですよ、強いる意味になるんじゃないか、こういうふうに考えるんですよね。こういった点からも原則の国の負担については、私は十分の七じゃなくて、少なくとも十分の八に早く戻すことですよ。大蔵大臣もいらっしゃいますから確認ですが、最も近い将来八割に戻す、こういうことをひとつ大蔵大臣、約束できませんか。厚生省についても所見を伺いますから、用意してください。
○国務大臣(竹下登君) これはやっぱり大体二分の一と、それでより国の責任の重いのは三分の二、そして三分の一と、非常に簡素な三段階という原則の上に立って私どものの方は議論してきたわけでございます。しかし、妥協の産物と申しますか、暫定措置として十分の七というものにこれは責任を持って合意をした。そうなると、この話は六十四年度予算編成の際はまた決着をつけなきゃいかぬ問題でございますが、かなり私は続く議論だろうと、率直にそう思うわけでございます。したがって、その時点において十分議論を詰めて決めるべきものであって、今五十九年度以前の補助率に返すべきですというお答えをする環境にはないとお答えせざるを得ません。
○高杉廸忠君 近い将来、もとに戻すと約束してもらわなきゃ困る。
○政府委員(小島弘仲君) これは大蔵大臣からも厚生大臣からも毎々御答弁申し上げておりますように、十分の七、三年間の暫定措置、その間、税制改正等のことも予定されておるようでございますので、それらの国と地方の財政状況、さらには事務の見直しというようなことを勘案して、その時点で改めて関係大臣で協議して決めるということでございますので、そのように御答弁させていただきます。
○高杉廸忠君 自治大臣、今の問題は近い将来早く八割に戻してもらわなきゃ困るのですよ、自治体は。自治大臣、どうですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 生活保護につきましては、先ほど来の先生の御議論も拝聴いたしておりましたけれども、国の負担、責任の度合いが社会保障の基盤的な制度であるだけに強く求められておると、私どもはそのような考え方に立っております。 ただ、具体的な数字という負担率につきまして八がいいのか、九がいいのか、十がいいのか、あるいは六がいいのか、その点につきましてはただいま大蔵大臣、厚生省からもお話がありましたけれども、今後の状況を見まして協議をして決めていくということでございまして、私どもとしてはそのような考え方のもとに立ちながら協議を進めていく所存であります。
○高杉廸忠君 政務次官もおられるので、ひとつ厚生省も早く八割に戻すようにしっかり促進していただきたいと思うのですね。 それから次に、機関委任事務から団体委任事務移行に伴う問題について伺いますが、今回の補助率の引き下げに伴って、事務の合理化の名のもとに今までの機関委任事務とされていたものが団体委任事務に移行される、これに関する問題として保育所を具体的に例を挙げて伺うのですが、現在の保育所への入所の措置の認定、これはどのような基準で、またどのような手続でなされているのか、この際明らかにしていただきたいと思うのです。
○政府委員(坂本龍彦君) 保育所への入所の実際の扱いでございますが、基本的には児童福祉法の規定によりまして、保護者の労働あるいは病気というようなことで保育に欠ける児童を保育所に入所させて保育するということになっておりますけれども、具体的に運用を行うにつきましては厚生省が通達を出しておりまして、それに基づいて児童福祉法による保育所への入所の措置基準というものが設定されております。ここに具体的に、保護者等についてこういう事情がある場合に人所措置をする、保育所への措置をする、こういうことになっておるわけでございます。この基準が各都道府県を通じて市町村にも伝達をされておるわけでありまして、国の機関としての市町村長がこの基準に従いまして、児童の家庭の状況等を審査した上で実際に保育所に入所すべきか否かということを決定しているわけでございます。
○高杉廸忠君 そうしますと、局長、各自治体では条例化をしますと認定基準、手続に団体のサイド、つまり地方公共団体の議会、この判断が入ってくると考えるのですよ。したがって、市町村の間に入所の認定について格差が生じてくる、こういうふうに私は思うのですけれども、この点はいかがお考えですか。 また、その格差が生じた場合、どのようにこれを是正していくのか、この二つ、これは自治大臣、厚生省にも聞きますが、大事な点ですから、議会の問題ですからあわせて伺います。
○政府委員(坂本龍彦君) 保育所への入所措置事務を団体委任事務ということにいたしますと、まず入所の要件につきまして国が政令で基準を定める、その国の政令で定めた基準に従って各市町村がさらに具体的な基準を条例で定めるということになるわけであります。それによりまして市町村が自主性に基づいてきめ細かな運用が図られることになるということになるわけでございます。 そこで、そういった場合に市町村ごとに格差が生じるということにならないかという御質問でございますが、保育所というものにつきましては、既に市町村の行政としてこれは現在の段階で十分定着をしておりますし、また団体委任事務にする際には、国としても入所の基本的要件については政令で定めるということでございますので、少なくとも市町村間において福祉の水準の低下につながるというような格差というものは生じないのではないかと私どもは考えております。 また、同時に、国が決めますのは政令で基本的な要件を決めるわけでございますが、さらに市町村に対しまして条例準則といったような具体的な一つの参考になるべきものを決めまして、これによってできるだけ市町村が入所について運用していただきたいということにいたしたいと思っておりますので、法令の趣旨に沿った適切な運営が図られると考えておりますし、また私どももそういった方向で指導してまいりたいと考えておる次第でございます。
○高杉廸忠君 さらに伺いますけれども、費用徴収について、現行は国の基準としてどんな方式をとっておられるのか、また、その基準については今後どのようにこれが変わっていくのか、これについてもあわせて明らかにしてもらいたいと思うのです。
○政府委員(坂本龍彦君) 保育所の費用徴収につきましては、現在国で入所児童の世帯の負担能力に応じまして傾斜的に徴収基準額というものを定めております。この国で定めている徴収基準額は、一つは、これによって国の国庫負担金を算定するという意味での精算基準でございますが、同時に各市町村長が保護者から保育料を徴収する際に準拠すべき基準となっております。これが現在の仕組みでございます。 そこで、この事務が今後団体委任事務化されるとどうなるかということでございますが、国の方でも基準というものは定めてまいりますけれども、この基準は今後は国庫負担を行う場合の算定基準という役割に徹することになるわけでございまして、法理上は具体的な徴収の基準というのは、各地方自治体がそれぞれ自主的な判断に基づいて決定をしていく、こういうことになるわけでございます。
○高杉廸忠君 局長、そうなるとまたここでも団体間の格差、これが生じてくるんじゃないかと、こう思うのですね。 そこで伺うのですが、そもそも費用負担の決定の前段階として費用負担能力の認定、これは具体的にはどういうふうに行うのですか、この辺もちょっと明らかにしてもらいたい。
○政府委員(坂本龍彦君) 現在の費用徴収の基準について御説明申し上げます。 実際に保育所に児童を入所させる場合に、個々の世帯の負担能力というものを認定することになるわけでありますが、現時点におきましては、まず生活保護世帯であるかどうかというものを判断いたしまして、その上でさらに市町村民税あるいは所得税といった課税の有無あるいは課税金額というようなものによって幾つかの階層に区分をいたしまして、その階層ごとに費用の徴収額を決めておるわけでございます。したがって、一番低い生活保護世帯のところは費用負担がゼロでございますが、所得額の相当な高いところへまいりますと全額徴収、その中間は一部徴収、こういうことになっておるわけでございます。これは、私どもとしては基本的には費用負担能力を短期間に正確かつ公平に把握できる最も妥当な方法であると考えて採用しているわけでございます。
○高杉廸忠君 そうなると、局長、費用負担方式というのは現在の措置費体系による方式、これを踏襲していくのかどうか、あるいは一律の負担方式、これをとることも可能ではないかというふうに考えるし、そうした方式をとるのかどうか、そうしたことを含めてすべて地方公共団体の条例決定に任せるのか、あるいは今のように準則と言われるんですから、モデル条約等を設けて具体的に指導していくのか、幾つか申し上げましたが、具体的にはどうなんですか。
○政府委員(坂本龍彦君) 今後の団体委任事務化された場合の費用負担の方式についてでございますが、原則的には費用徴収事務が団体委任事務になったといたしますと、地方の判断によって費用徴収基準を定めるということができるようになるわけでございますが、私どもとしてはできるだけ全国的に公平な扱いを行っていただくことが望ましいという考え方と、それから先ほども申しましたように、一律負担方式という方式も方式としては観念的に考えられないわけではございませんけれども、やはり実際の世帯の負担能力に応じた徴収をしていくというのが実質的な公平であろうということから、私どもとしては、今のところ地方公共団体が一応お決めになるわけでありますけれども、国において参考に供するために国としての準則の提示というような形で各市町村に対して指導をしてまいりたい、こういうことを考えておるわけでございます。
○高杉廸忠君 さらに伺うんですが、現行法で利用者または保護者の不服申し立て、その手続はどうなっているのか。それからまた、入所措置認定にかかわる行政処分、費用徴収にかかわる行政処分、それぞれについて具体的にひとつ示してもらいたいと思うんですね。
○政府委員(坂本龍彦君) 現行法上、保育所への入所あるいは費用徴収に関して不服がある場合の申し立ての手続は次のようになっております。 まず、市町村長が保育所への入所措置に関する処分を行った場合の不服の申し立てでございますが、これは市町村長の上級機関たる都道府県知事に審査請求を行うことができることになっております。これは行政不服審査法の規定によってそうなっておるわけでございまして、さらにその知事の決定に不服がある場合には、これも行政不服審査法と児童福祉法の規定によりまして厚生大臣に対して再審査請求を行うことができることになっております。 次に、市町村長が行った費用徴収事務に関する処分でございますが、これにつきましては、現在の法律では市町村長の上級機関たる都道府県知事に対して審査請求を行うことができるということになっておりまして、ただ、厚生大臣に対する再審査請求というのは法律上は認められておりません。それから、行政不服審査法に基づく不服申し立ての手続とは別個に、行政事件訴訟というものを提起することもできるということになっております。
○高杉廸忠君 それでは局長、今後ほどのように変わっていくのですか。
○政府委員(坂本龍彦君) これから保育所の行政事務が団体委任化された場合の不服申し立ての手続等でございますけれども、まず保育所への入所措置あるいは費用徴収に関する事務、これが団体委任事務になったことによりまして、市町村長から見て厚生大臣あるいは都道府県知事というのは、行政不服審査法上、審査請求の対象としての上級行政庁というものには該当しなくなるわけでございます。したがって、これらの事務に関する処分に対する不服申し立てといたしましては、市町村に対する異議申し立ての形で行われることになるわけでございます。 なお、先ほど申しましたように、これと別個に行政事件訴訟を提起できるということについては変わりはございません。
○高杉廸忠君 地方議会の審査請求、これは行政訴訟、こうなっていくわね。それはどうなんですか。すべて県、市町村に対する異議申し立てですよね、今説明を受けたのは。それとは別個に地方議会から審査請求、そういう行政訴訟、こういう問題が出てくるんじゃないかと思うんですが、それはどうなっていますか。どういう変化があるかということですよ。
○政府委員(坂本龍彦君) 私ども、現在の不服申し立ての手続をいろいろ調べてみた場合に、直接議会との関係においては個別のケースについて具体的な手続というものがどうなっておるのかというのは十分知識がないわけでございますけれども、一つこういうことがあるというふうに考えております。 例えば、市町村の条例に基づいてその処分が行われた、この条例そのものに不服があるというようなケースがあるということも考えられるわけでございます。その場合には、これはそこに住んでいる選挙権を有する人がそもそも一般論として普通地方公共団体の長に対して条例の制定あるいは改正の請求をすることができるという地方自治法の規定がございますので、そういったような請求というものもこれは制度としてはあり得るのかなというふうに考えておりますが、この点については、特に今回の団体委任事務化によって条例が新たに制定されるという点で一つ従来とは変わってくる面があるかなというふうに考えております。
○高杉廸忠君 そこで、これは提案になるかと思うんですけれども、行政不服にかかわるそういう変化に伴って特別の審査機関、これを設けた方がいいのじゃないかなというふうに私は考えるんですよね。例えば国民健康保険料のような国民審査会、そういう特別の審査機関、これを設けた方がいいのじゃないかなというように思うんですが、その点はどうでしょう。
○政府委員(坂本龍彦君) 一つの御提案とは考えておりますけれども、私どもがこの保育所の事務についていろいろと考えてみますと、まず結論から申しまして、一般の行政処分に対する不服申し立ての手続以外に特別な機関あるいは手続を設ける積極的理由というのはちょっと見当たらないということと、それからそういった審査機関を設置すると、いろいろ機構上もあるいは手続上もかなり複雑になってまいります。そういうことで特に保育所への入所といったような実際上子供をどう扱うかという問題等について迅速に事件を決定するという意味においては、むしろそういった時間がかかる、あるいは複雑な手続が必要になるというようなことからいかがなものかと、こう考えておるわけでございます。 ただいま国民健康保険の審査会についてもちょっとお尋ねございましたが、私どもが伺っている限りでは、やはり健康保険の給付などで医学的判断を含む専門技術的な判断を必要とするという意味で、いろいろな立場の審査員に参加していただくということもございまして、実際にほかの職業を持っておる方が来られるわけでございますから、審査を行う日もそう毎日開けないという面もございます。それから、医療費などの場合には事後的に経済的な遡及しての処理が可能でございますけれども、保育所への入所というとそういうこともなかなかなじまないという点がございまして、私どもとしてはやはり一般の保育所を扱っておる行政事務の担当の方へ不服の申し立ての手続をするというのが一番この事務にとっては適切な方法ではなかろうかと、こう考えておる次第でございます。
○高杉廸忠君 保育は家庭の役割、こういったものを原則としている考えがどうも政府の姿勢であるというふうに思うんです。 そこで、年々保育料の減免、これを低下させてきたのも実情だろうというふうに考えるんです。保育所の措置費ですね、これは五十六年の二千九百億円、これをピークにして六十一年には千八百五十三億円、こういうふうに五年間で一千億円も減額させているのが実態なんです。大変な額なんですね。市町村の持ち出しの増加と保育料の値上げ、これが激しくなって、したがってこれが無認可保育所の増加、これを招いているのではないかというふうに私は考えるんです。 そこで伺うんですが、こうした現実について厚生省はどういうふうに考えるんですか。
○政府委員(坂本龍彦君) 最初に、国の保育所措置費の額の問題でございますが、確かに御指摘のとおり金額としては減っておるわけでございます。しかし、これは私どもが考えますには、児童が産まれる数が減ってまいりまして、保育所への措置児童も減少しているという事実が一つございます。それから、特に六十年度と六十一年度につきましては、国の補助率の改定がございますので、補助の額としてはやはり減少をしているということになるわけでございます。しかし、この補助率の変更による減につきましては、これに対して地方財政対策の中で所要の財源措置を講じておるわけでございますし、また保育の費用という面につきまして一人当たりの費用なりあるいは国の措置費、これは補助率を別にして考えますれば、実質的には増加の傾向にあるわけでございますので、私どもとしては保育の内容については決して低下をしていることはないと考えておるわけでございます。 また、保育料につきましても確かに保育料自体の引き上げは行っておりますけれども、これは保育内容の改善でございますとか、あるいは所要経費の増、こういったものに見合った程度の改定を行っておるわけでございまして、私どもとしては保護者の負担能力において無理のない範囲内で御負担をいただくように努めておるわけでございます。 さらに無認可保育所の問題でございますが、確かに現在の保育所でいろいろと多様化してまいりました保育需要に完全に対応し切れていないという面はこれはあろうかと思っております。したがって、私どもとしても、各地域の保育需要にできるだけ対応できるように認可保育所の整備を進めようということにいたしておりまして、特に延長保育、乳児保育といった最近において新しく需要がふえてまいりました保育の特別対策、こういったものを今後とも推進してまいりたいと考えておりまして、そういう意味においてできるだけ今御指摘のあったような事実に対処して保育水準あるいは保育内容、さらに保育の時間等について充実を図っていきたいと考えておる次第でございます。 〔委員長退席、理事北修二君着席〕
○高杉廸忠君 高齢化社会での担い手である児童の健全な育成、これは急務であると思うんです。児童を国のあるいは社会の子として育成していく、こういった考えを私は今こそ大事にしていただきたいと思うんです。これは特に大蔵大臣にもお願いをし質問をするわけですが、財政先行のその場限りの御都合主義では取り返しのつかない問題だと思うんです。極めて重要な問題でありますだけに、文教面の施策はもちろんでありますが、他の諸施策、児童手当の充実など相まって児童の健全育成については力を注ぐべき課題であると、こう思うんです。 そこで伺うんですが、大蔵大臣、厚生大臣、所見を伺います。
○国務大臣(今井勇君) 人口の高齢化が急速に進展します中で、将来を担います児童を心身ともに健全に育成していくことが極めて重要であるということは御指摘のとおりであろうと思います。 児童手当制度につきましては、本年六月からその対象を児童が二人以上おります家庭に拡大することにいたしておるわけでございますが、我が国が活力を維持しながら二十一世紀を迎えられますように、今後とも各般の児童福祉の施策の拡充というものに努めてまいりたいと、このように思うものでございます。
○国務大臣(竹下登君) 実は私事にわたって失礼でございますが、私、音青年団長をしておるときに保育所長をしておりました。が、当時は、言ってみれば本当は農村の最初は託児所であったと思います、季節託児所。それからこれじゃいかぬというので保育所をお願いして、これも我々の勤労奉仕でつくって、私も三年保育所長をしておりましたが、そのときに初めて措置費というものの仕組みを覚えさしていただきました。が、その後の私の経験からいえば、幼保一元化とかいろんな問題が出るように性格は大変違ってきた、ある意味においては高度化したのかもしれませんが、そういう印象を深くいたしております。 したがいまして、やっぱり保育に欠ける子供をただ預かるということじゃなしに、それこそ心身ともに健全に育てていくような役割、私はどっちかといえば預かる時代でございましたけれども、今、より重要になっておるのではなかろうかという問題意識だけは持っておるつもりでございます。
○高杉廸忠君 総務長官、大分お待たせして恐縮です。いよいよ出番ですから。 機関委任事務から団体委任事務へ移行するんですね。一連の見直しのその底流には、公的福祉をできるだけ縮小をしたりあるいは撤退させたり切り捨てたり、こういうふうに考えられるんですね。どうもそう思えてならないのです。市場競争の原理を取り入れて民間活力、できれば民間部門にできる限りゆだねていこうと、こういう臨調、行革審の考え方ですね。こうした底流あるいは基本的な姿勢、そういう臨調、行革、こういうものについては私は賛成できない、そういう立場なんです。この際はっきり明確にそういう立場を明らかにしておきたいと思うんですが、今度の補助金問題もあるいは一律カットの問題もあるいは十分の八を十分の七にする問題も、全部そういう底流があるからだというふうに考えるんです。総務長官、どういうふうに考えられますか。
○国務大臣(江崎真澄君) この問題は、やはり民間の活性化といいますか、地方行政に沿うものはやはり地方に任せる。すべて国が抱え込んで認許可権まで持って監督までするというようなことは限界もあるし、地方の行革も進めなければならぬ。それからまた、民間になじむものは民間でやっていただくということもやはり必要であろう。そのあたりは詳細な討議の上に一つの結論が生まれたものと、かように認識をいたしております。
○高杉廸忠君 長官、結構です。ただ、私どもの立場だけは理解してください、はっきりしていますから。 次に、厚生年金の国庫負担の繰り延べについて伺いますが、五十七年度以降の厚生年金国庫負担の繰り延べ額、これは六十一年度分合わせますと元利合計幾らになるんですか、この際明らかにしていただきたいと思う。
○政府委員(長尾立子君) お答えを申し上げます。 六十一年度までの厚生年金の繰り延べ額の総計は一兆二千五百十億円でございます。これにつきまして一定の前提を置いて運用収入相当額を試算いたしますと、六十一年度末で二千百七十二億円となりますので、元利合計をいたしますと一兆四千六百八十二億円と考えております。
○高杉廸忠君 この法律案によって繰り延べ分三千四十億円、これは厚生省予算編成の不足財源の数字合わせから出てきた額というふうに理解するんですが、そのほかに何か合理的な根拠、これがあるのかどうか。
○政府委員(長尾立子君) 今回の繰り延べ額でございますが、これは年金制度、ことしから大改正をいたしたわけでございますけれども、厚生年金の国庫負担につきましては、基礎年金相当分と、それから経過的な特別の国庫負担と二種類の国庫負担に分かれておるわけでございますが、この経過的な国庫負担の二分の一の範囲内において行うということが今回の法律の中で規定されておりまして、この二分の一範囲内というものを三千四十億円という形で設定をしたものでございます。
○高杉廸忠君 今回の特別措置によって国庫負担金の減額、これは経過的国庫負担、厚生年金国庫負担分の二分の一以内とすることにしていますけれども、それなら伺いますが、この基準ですね、これはどういうような合理的なことにお考えなんですか。
○政府委員(長尾立子君) 年金財政の観点からいたしますと、こういった国庫負担の繰り延べといいますものはできる限り圧縮をするということが望ましいかと思います。また、基礎年金の部分につきましてこういった繰り延べをいたすということは適切でないという観点がございます。こういった観点で、経過的な国庫負担を対象といたしましてできるだけ圧縮するという観点から、従来の経緯と昨年の金額等を踏まえまして二分の一ということにさせていただいたわけでございます。
○高杉廸忠君 そうすると、その返済と今後の具体的な見通しですね、それからそれをずっと実施していく場合の計画、こういうのを具体的にひとつ明らかにしていただきたいと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(長尾立子君) 今回の法律におきまして、この繰り延べ分につきましては運用収入相当額も含めまして返済を行うということが明確にされておるわけでございますが、将来の国家財政の状況等を勘案しなければならないということで、現段階では具体的な返済計画について明らかにできないところでございます。しかしながら、一般会計が特例公債依存体質から脱却した後におきまして、できる限り速やかに着手をいたしまして、年金財政の運営に支障を来すことのないよう計画的に行うということに政府の方針としてなっておるわけでございます。
○高杉廸忠君 これは部長、大蔵大臣と厚生大臣の両大臣の覚書で「出来る限り速やかな繰入れに着手する」と、こういうようになっていると思うんです。確認ですが、いかがですか。 〔理事北修二君退席、委員長着席〕
○政府委員(長尾立子君) 先生お話しのとおり、昨年の予算編成時におきまして大蔵大臣、厚生大臣両大臣間の覚書といたしまして、「今回及び昭和五十七年度から昭和六十年度までの特例措置による国庫負担金の減額分については、積立金運用収入の減額分を含め、一般会計が特例公債依存体質から脱却した後、出来る限り速やかな繰入れに着手することとする。その際、両大臣間で協議の上、年金財政の運営に支障をきたすことのないよう計画的に繰戻しを行うものとする。」という旨の覚書がございます。
○高杉廸忠君 そこで、これは大事なことですから厚生大臣に伺うんですが、今そういう覚書があります。これでは、着手さえすればあとは年金財政の運営に支障を来さなければ幾ら長期にわたってもよい、こういうふうに私はとれるんですよ。そうすると、これは何年かかるのか、大変長い返済になるんではないかと、こういうふうになるんです。これでは私は意味がないし、そうした覚書も速やかに全額を繰り戻す、こういう趣旨でなきゃならぬと、こう思うんです。ですから、大蔵大臣も厚生大臣もここにいらっしゃいますから、この際、速やかに全額を繰り戻す、いわゆる返済します、こういうように私は訂正すべき、あるいは本委員会で確認すべき事項だと、こういうように考えるんです。これは大蔵大臣も厚生大臣もいらっしゃいますから、両大臣からお答えをいただきたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) それでは私からまずお答えをいたします。 今、長尾部長さんからお答えがあっておりましたように、去年の場合、一律一括法的な性格を持っておりましたが、年金というものの仕組みが変わったからこれだけは考え直さなきゃならぬということを昨年も答弁を申し上げております。したがって、今までは一律に四分の一というのを、いわば基礎年金部分を取った後の残りで、しかも去年より少しでも少なくというのが三千四十億ということになったわけでございます。 そして、今度は返済に係る問題でございますが、今、長尾さんから朗読がありましたような覚書をいたしておるわけであります。まずはやっぱり法律に書き込まなきゃいかぬということが一番の問題であったというふうに思います。したがって、法律にその哲学をきちんと書かせていただいたわけでございます。 そこで、さていつかということになりますと、まさにこれは財政再建期間が終わりました後、影響のないようにお返しすると、こういうことの一語に尽きるわけであります。昨年も先生からお尋ねがありましたように、返すという約束だけしておって返済計画のない企業に対して民間金融機関が金を貸すものかと、こういう趣旨の御質問がありましたが、そこは政府といたしましてきちんとやっぱり法律でもって明記させていただいておるというところに御信任を賜りたいというふうに思います。 ただ私は、この場でお答えするべきことでは必ずしもございませんが、先般のG1〇へ出ましたときに、この五十三兆円というものは言ってみれば政府のこれは財源じゃないか、なぜこういうものを使わないで財政再建で厳しい厳しいと言うのか、いずれこれが二十五年ぐらいたってなくなったらどうせ賦課方式みたいになるんだから、四十年も先のことを考えなくてもいいじゃないかと言う大蔵大臣が二人ほどいらっしゃいました。ああ、日本はこうして国会で厳しい質問を受けながら、しかも法律で返すという約束をしておるんだからまだ日本の大蔵省も捨てたものじゃないなと、こういう感じを持ちました。いささかこの場をかりて、お答えとしては必ずしも当を得たお答えだとは思いませんが、そういう財政節度だけはこれからも守っていこうというふうに思っております。
○国務大臣(今井勇君) 大蔵大臣から今御答弁がございましたが、私どもといたしましても返済の期間の設定というものを検討いたします場合には、私どもは何としても年金財政の運営に支障を来してはいけませんから、そういうことのないように考慮を当然しなければなりません。今後の高齢化あるいは制度の成熟化を考えますと、厚生年金の給付というものが、共済年金の給付というものが急速に増大してまいりますから、やはり考えますとおのずとそれには限度があろうと思っております。 いずれにしましても、政府としては国の財政状況あるいは国の財政改革というものをさらに一層強力に推進するなど誠意をもって対処をいたしまして、一般会計が特例公債依存体質から脱却した後においてはできる限り速やかに繰り戻しをいただく、繰り戻してもらうという考え方でいかざるを得ないと思っております。
○高杉廸忠君 いずれにしても、大蔵大臣からのお答えもありましたが、やはり返済計画はきちっと国民が納得できるようなものにしないと、国会で幾らここで説明しても国民は納得できない問題だと思うのです。同時に、覚書で言いましたように、私はぜひこの際確認として、速やかに全額を繰り戻す、こういう前提がなければならぬ、こう思っているんです。 そこで、さらに具体的に詰めますけれども、今の状態でいきますと二兆円ですね、これは。こうなりますと、本年度も含めてこの措置を続けるとすると、それだけで二兆円を超える額になることは明らかなんですね。それでその積立金を大蔵省に預けてある、こういうことで加入者というものの納得が得られると考えている、そういうふうにすると私は甘いと思うんですね。それで、この二兆円を繰り延べる点で私は大事な点は、厚生大臣、しっかりしてもらいたいのは、他の社会保障の諸措置と相まって、将来社会保障関係の予算編成に私は大きな硬直化の要因となる、こういうふうに危惧するんです。したがって、新規の施策というものの計上はこれからますます困難になるのではないか、こういうふうに私は非常に深刻に見ているんです。 ですから、こういうことを踏まえまして、大蔵大臣もいらっしゃいますから、はっきり厚生大臣として、もうこういうことを繰り返しては困るし新規の社会保障についてもぜひ大蔵省にも予算措置をしてほしいと、こういう言いかえれば厚生大臣を激励する意味で私は申し上げたいと思うのですが、これに対する所見、それから大蔵大臣からも所見を伺いたいと思うんです。
○国務大臣(今井勇君) 厚生年金の国庫負担の繰り延べ措置というのは、政府全体として財政再建に取り組んでいきます中で、その一環としてやむを得ずとられた措置であると私は思っております。したがって、将来この繰り延べ分が繰り戻される場合には、当然私は厚生省の予算の別枠として取り扱われるべきものであると思っておりますから、そのほかの必要な社会保障予算の確保に支障が生ずるというようなことはないものだと考えております。
○国務大臣(竹下登君) 先ほど申しましたように、これは財源であるという物の考え方はとってはならぬ、あくまでも国民の皆様方のものをいわば預かって運用しておるという性格のものである、この問題意識は持っていないといかぬと思っております。 が、しかし、恐らく高杉さんの御質問の背景には、いわば経常部門一〇%、公共部門五%と、こういう厳しい概算要求基準を社会保障部門も例外でなく当てはめた場合、いろいろゆがみ、ひずみが生じて本来の社会保障の使命が果たせられないから、厚生省予算あるいは社会保障予算については別途の考えを持つべきだ、こういう御意見であろうかと思うのでありますが、どういう手法を来年とりますか、まだ今決めたわけではございません。いずれ八月末の概算要求時点までには決めなきゃいかぬ課題でございますが、諸般の情勢を見ますときに、それは厳しい厳しいものにならざるを得ないではなかろうか、こういう印象は私も持っておりますので、予算が通過した直後の閣議におきまして、あらかじめアナウンスをしたというわけではございませんが、そうした趣旨のお願いをしておいたというところでございます。
○高杉廸忠君 繰り返して申し上げますけれども、年金については後代負担というのはいやが上にも高まってくるわけですね。それで、さらにそのときどきの国庫負担も負担し、その上に繰り延べされた国庫負担までも負担していくという、こういうことになった事実について、私は非常に若い人の後代負担ということになると二重、三重、四重の苦になるだろうと思うんですね。だから予算編成の硬直化についても心配するし、そういう若い世代にすべての負担が後代負担となっていく、こういうことはやっぱり避けるべきだというふうに思うんです。これは意見ですから、そういうことのないように、ひとつこの際大蔵大臣、厚生大臣がいらっしゃる中で私の主張も確認をしておきたいと思っているわけです。 時間の関係でさらにほかの問題にちょっと触れてみたいと思うんですが、厚生大臣、高齢者対策企画推進本部の報告書と社会保障取り組みの基本方針について伺うのですが、去る四月の八日、厚生省の高齢者対策企画推進本部から提出された報告書、これは政府の今後の施策を進める上でどのような位置を占めるのか。例えば閣内に設けられております長寿社会対策関係閣僚会議、これが策定をする長寿社会の対策要綱との関係、これはどういうふうになるんですか、伺います。
○国務大臣(今井勇君) まず高齢者対策企画推進本部の報告でございますが、二十一世紀初頭までの期間というのは本格的な高齢化社会に移行する過渡期であるわけでございますし、スムーズな移行のためには整合性のある高齢化対策を考えていかなければならぬということから、省内で横断的に検討をさせまして、その結果をまとめたものが先生おっしゃいます高齢者対策企画推進本部の報告書でございます。この問題は大きな課題でありますし内容的にも精粗まちまちな部分もございますが、大筋としては厚生省の高齢者の対策に関する考え方を集約したものではございます。一方、長寿社会の対策大綱の策定に当たりましては、厚生省としましてはこの報告の考え方を踏まえながら対処してまいりたい、こう考えております。
○高杉廸忠君 そうしますと大臣、私は非常に国民にとって大事な課題でもあるし関心事のことなので伺うんですが、そうすると厚生省としては今後の行政の指針としてこの報告書に取り組んでいく、こういうふうに理解していいんでしょうか。
○国務大臣(今井勇君) 今後この報告の考え方を踏まえながらさらに検討を加えて施策の具体化を図ってまいりたい、このように思っております。
○高杉廸忠君 お答えがありましたように社会保障制度の基本的認識、これについてちょっと具体的にさらに伺うんですが、社会保障制度が長寿社会においても国民の生活基盤たり得るには当面の財政的判断、これが先行していては困るんで、必ず長期的見通しに立脚して、しかも給付面とともに費用面についても予算編成、あるいは会計制度、税制対策、こういうものを含めた全部の幅広い視野からの検討、これが行われなきゃならないというふうに私は考えるんですが、今度の報告書もそうした立場から問題を提起している、こういうふうに思うんですけれども“そういう点については大臣としてどういう認識あるいは今後の長期的見通し、これについてはどういうふうに理解されていますか、伺います。
○国務大臣(今井勇君) 社会保障の予算でございますが、これも国の予算の一部でございますからその編成に当たりましては各年度の国の財政状況というものを踏まえながら行わなきゃならぬのは当然でございますが、社会保障の制度というものが国民の生活設計の基盤となるものであることを考えますと、何よりも制度のやっぱり長期的な安定というものに配慮をして行うことが極めて大事だと私は考えております。そこで、従来から厚生省としましてはこの点も十分に配慮しながらいろいろ予算編成をしてきたところですが、今後とも人口の高齢化の進行など社会的なあるいはまた経済的な条件の変化を踏まえながら制度の長期的安定といったことを十分念頭に置きながら予算編成に取り組んでいく、こういう考え方をしております。
○高杉廸忠君 私は先般の予算委員会でもただしたところでありますけれども、社会保障の特別会計構想ですね、大蔵大臣、さっきもお話がありましたが、その背景、これにはゼロシーリングでの社会保障の編成、これはもう限界である、こういうふうな認識なんですね。現在この特別委員会で論議をしております補助金等の特例法案で具体的にお聞きしますが、政令分を含めますと一兆四千七百億円、これを三年間の期限つきで特例法で捻出するわけですね。その一兆四千七百億円のうち厚生省分が八千億円を超えるんですね。これではもう既に現在の予算編成、これはもう社会保障関係でも破綻を来しているということを事実が証明する、こういうふうに私は思うんですが、その点はどういうふうに認識されていますか。
○国務大臣(竹下登君) 今の高杉先生の側から見られた分析というものを私は否定するものではございません。結局、先ほど厚生大臣からもお答えがあっておりましたように、制度、施策というものをこれからもなお、例えば今国会においては老人保健法等をお願いしておるわけでございますが、やっぱり人口構造等を見ながら長期にわたって安定した負担と給付というようなものを考えていかなきゃならぬ、これが基本的に存在をいたしておるわけであります。したがって政府といたしましては、現行ではそういう長期的な改正をも含め、さはさりながら今日までの個々の人々に対する給付水準は落とさないという範囲の中でいろいろな腐心をさしていただいておる、それがいわゆる補助金特例法に基づきますところの各種施策であると、このように御理解を賜りたいと思うわけであります。言ってみれば、実質的水準を確保するための手法としてこれらの措置がとられておるというふうにお考えいただきたいと思う次第であります。
○国務大臣(今井勇君) 補助金特例法案によります減額のうち厚生省分は六十一年度の予算ベースで地方公共団体に対します補助率の引き下げなどによりまして五千百六十九億円、厚生年金の国庫負担の繰り入れの特例によりまして三千四十億円になっておることは先ほどのお話のとおりでございます。厚生省につきましては、厳しい財政事情の中でここ数年大変困難な予算編成を続けておるわけでございますが、今回の補助金特例法案に基づきます措置のうち補助率の引き下げというのは、補助金問題検討会の報告を踏まえて、地方公共団体の自主性を尊重する観点から国と地方の役割分担の見直しとともに行うものであります。また、厚生年金の国庫負担の繰り入れの特例というものは、事業の適正な運営に支障のない範囲でとられたやむを得ない措置であるというふうに私は考えておるものでございます。
○高杉廸忠君 時間の関係で、次にいわゆる中間施設の問題についてこの際伺いますが、中間施設のモデル実施について六十一年度予算に盛られております中間施設のモデル実施は、今回提案されております老人保健法改正案によって設けられる老人保健施設、この関係ですね、これはどういうような関係になるのか、この際伺います。
○政府委員(黒木武弘君) お答えをいたします。 今回御提案を申し上げております老人保健施設でございますが、御案内のように、今後寝たきり老人は増大をいたすことが予想されているわけでございます。その老人の多様なニーズに対応いたしまして医療サービスと生活サービス、このあわせ提供する施設として今回制度の基本的な事項について老人保健法の中に位置づけを行っております。今回予算に計上いたしておりますモデル事業につきましては、その基本的な制度の具体的な基準なり細目を決めます際の参考データ等をとるために今後実施をし、その状況を踏まえまして関係審議会の御審議を得て具体的な細目、基準等を定めてまいりたいと、そういうふうな関係にあるわけでございます。
○高杉廸忠君 部長、そうすると現在老人保健法改正案の成立とは関係なく、予算が成立した現在ですからモデルの実施というのは行っていく、こういう考え方かどうかというのが一つ。 その場合に施設や設備の整備費、運営費の補助、これは何を根拠に補助していくのか、また実際に実施できるのはいつごろ、こういう予定ですね、具体的にどうですか、伺います。
○政府委員(黒木武弘君) モデル事業の予算につきましては本年度予算に盛り込んでお認めを願っておるわけでございますけれども、この事業の実施、いわばモデルの実施でございますけれども、先ほど答弁いたしましたように、本格的実施を前提としまして老人保健施設の具体的な運用に係る諸基準を定めるのに必要な基礎データを収集することを目的とするものでございますので、老人保健法の一部改正の成立を待って実施したいというふうに考えております。第二点の整備費、運営費の補助の根拠についてのお尋ねでございますけれども、今回御提案申しております老人保健法の改正の中身として根拠を設けているわけではございませんで、モデル事業の予算につきましてはいわば予算補助ということで、従来私ども盛っております予算の中で、具体的に申しますと、整備費につきましては保健衛生施設等施設整備費補助金の中で二億二千万円、運営費につきましては老人保健臨時財政調整補助金の中で二億円を計上いたしているところでございます。 モデルの実施でございますけれども、老人保健法の一部改正が成立を見た後、速やかに実施をいたしたいというふうに考えております。
○高杉廸忠君 それじゃ具体的に聞きますが、そのモデルの実施というのは何を目的とするのか、それから本格的に実施のための基礎データ、これはどういうものを考えているか、具体的に。
○政府委員(黒木武弘君) モデル実施の目的をもう少し具体的にというお尋ねだと思いますけれども、モデル実施につきましては老人、保健施設制度の本格的な実施に備えて実施をいたすとお答え申し上げたところでございますけれども、具体的には例えば病院併設型とか、特別養護老人ホーム併設型とか、適所機能併設型といった種々のタイプ別に多様な形態で事業を試行的に実施をしてみたいというふうに考えておりまして、その結果を踏まえまして制度の具体的な運用に係る諸基準を定めるために必要な基礎データが収集されるであろう、そのためのモデル実施であるということで御理解をいただきたいと思います。 それから、そこで集めます基礎データはどういうものを考えているかというお尋ねでございます。モデル実施は諸基準を定めるために必要な基礎データの収集というふうにお答えいたしておりますけれども、例えばその基礎データといたしまして、利用者の心身の状況に関する資料、それから二つ目には、老人保健施設において行われる医療、介護、看護、機能訓練の程度、あるいは日常生活のお世話等のサービスの内容に関する資料、三つ目には、老人保健施設として備えるべき設備構造に関する資料、四つ目に、老人保健施設に必要な要員の種類やその配置等、勤務体制に関する資料、五つ目には、老人保健施設療養費の水準等を定めるに当たって必要な参考資料、そういった資料が中心になろうかというふうに考えている次第でございます。
○高杉廸忠君 それでは私は逆だと思うんですね。もう既に老人保健法を提出しているんでしょう。だから、そのモデルの実施というのは基礎データを収集するんだということになれば、私はもうそれは基礎データというのはきちんと用意をして、そして老人保健法の中間施設、あらゆる施策というものをとるべきが筋であって、モデル実施というのは基礎データをとるんだったらもうとっくにやってなきゃならぬですよ。本来、こういった基礎データというのは、行政として当然の責任だと私は思っているんです。それが老人保健法が成立した後あるいはこれからだと。これでは私は厚生省のやり方は全く逆だと思うんですが、こういう点は、大臣がいらっしゃるから大臣から聞きたいんですが、厚生省の姿勢を聞くんですよね。
○国務大臣(今井勇君) 老人保健施設のお話でございますが、やはりこれは基本的な事項を老人保健法の中に規定をいたしまして、設備の構造や、あるいは運営の基準といった具体的な細目というものは政令以下にゆだねておるわけでございまして、そういった具体的な基準を定めるためにモデル実施を行うものでございまして、これは法案の成立から施行までの間に私は検討すべき事項と考えてもよろしいんじゃないかというふうに考えているわけでございます。
○高杉廸忠君 大臣、せっかく老人保健法を提案しているんですから、なおかつこういう基礎データというものは十分に把握をして、それに基づいた確たる制度というものを立てていただきたい、これが私の強い要請なんです。そうでなければ制度あって施策なし、制度あって施設なし、あるいは制度あって実体なし、こういうことになるんですよ。だから、こういう事態にならないようにやっぱり基礎データをきちっと十分そろえて、そして国会に法律の改正をするならば提案をすべきだ、こう言っているわけなんで、その辺は厚生省としてしっかりしていただきたい、こうお願いをしておきます。 同時に、それならば具体的に伺いますが、入所の対象ですね、これはどういう状態のお年寄りに限定するのか、これを伺います。
○政府委員(黒木武弘君) 老人保健施設の入所対象者はどういう人を考えておるか、どういうお年寄りを考えているかということでございますけれども、私どもとしては本施設の性格にかんがみまして、病状が安定しており、入院治療の必要はないけれども在宅での療養が困難な寝たきり老人等、そういった方々ではなかろうか。これをそういった老人のニーズ面から見ますと、手厚い看護とか介護のサービス、あるいは家庭復帰のためのリハビリテーション、あるいはそういったもろもろの医療サービスに加えまして日常生活のサービス、いわば日常生活的なお世話をして差し上げる必要のあるお年寄りの方々というふうに考えておる次第でございます。
○高杉廸忠君 それじゃ部長、具体的に聞きますが、その医学的管理と看護を必要とするという状態は、治療を必要とする、あるいは介護を必要とするという状態と具体的にはどこがどういうふうに違うんですか。またその状態、これはどのような判定基準、例えばだれがという場合にはお医者さんだろうと思うんですが、だれが判定するのか、あわせて伺います。
○政府委員(黒木武弘君) 大変難しい御質問をいただいたわけでございますけれども、私どもは、老人保健施設の対象になられる方々の状態というのは寝たきりまたはこれに準ずる状態にある老人でありまして、病状等から見まして入院治療をする必要はないけれども、介護、看護、機能訓練等の医療サービスが必要な状態にある老人だというふうに考えております。例えで申し上げますと、脳卒中で倒れられたという場合を例にとりますと、発作直後の積極的な治療の時期を過ぎまして、その時期というのは病院でございますけれども、そういう時期を過ぎまして病状が比較的安定的な時期に入りまして、常時の診察あるいは介護等、病状の経過のチェックの検査とか、それから安定期の症状に対応した投薬処置などの医療が必要である状態、そういうものが対象の状態ではないかというふうに考えています。 つまるところ、老人保健施設の対象になるお年寄りの病状等の状態は、お尋ねでございますけれども、発病当初の積極的な治療が必要な状態とは違う、それからまた一方で、単なる生活上の世話を必要とする状態とは違うというふうに考えておりまして、したがって老人ホームは生活上の世話を専らいたす場所でございますし、それから病院は積極的な治療を行う場所でございますから、そういう違いに着目して今回の施設がぜひ必要ではないかというふうに考えております。 この施設への入所の判定でございますけれども、これは現行の病院への入院の場合と同じように、患者やその家族の意思を尊重しながら当該施設の管理医師が判断するということになろうかと思っております。
○高杉廸忠君 もうわずかな時間になりましたから、要請とそれから最後の質問になろうと思いますが、今お答えになりましたが、厚生省の老人保健施設についての考え方、その試案によりますと、新たな施設を設ける理由として要介護老人は医療ニーズ、医療と生活ニーズ、これをあわせて持つのが、現状ではこれらのニーズのいずれにも対応できない、こうしているんですね。したがって、現在いわゆる社会的に入院として問題となるのは介護ニーズの問題だというふうに思うんです。これらについてはいずれ老人保健法の審議の際に十分審議を尽くしたいと思います。 時間の関係で最後の質問なり要請もありますが、厚生大臣、午前の下村委員からの指摘もありましたが、身体障害者厚生援護施設の費用徴収について、私は予算委員会でもまた社会労働委員会でも機会あるごとにこの費用徴収の問題については政府の態度をただしてまいりました。その質疑を通じて確認をいたしましたのは、十分障害者の団体の方々や関係の方々とも話し合いながら負担能力に応じて無理のない負担をお願いする、これが総理並びに厚生大臣のお答えであったわけであります。しかし、今日まで障害者の団体の皆さんに具体的な提示ができない、こういうような状況でありますが、私は最終的にはきょうの全国係長会議で提案するようなお話も聞いていました。 したがって、私はここで三つの要請と提案をいたします。ぜひそれに基づいて実現をしていただきたいと思いますのは、具体的に申し上げますが、一つ、社会福祉の他の諸制度等々も勘案をして、いわゆる低所得者と言われるような障害の人たちは費用徴収の対象にしないこと、これが第一。第二は、必要な経過措置を設けて急激な変化に障害者の人たちが戸惑わないようにすること、これが二つ目。三つ目に、徴収に当たっては絶対に基礎年金の分だけしかとらない。収入のない者には年金制度改正により増額した額、これを超えないこと、こういうような三つ。これは基本原則として、やはりこのぐらいの配慮は必要だというふうに思います。したがって、要請をし、これらに対する明確な大臣のお約束をいただいて私の質問を終わります。ぜひ約束をしてください。
○国務大臣(今井勇君) お尋ねの費用徴収の問題でございますが、原則として本年七月から実施することにいたしておりますが、今の具体的な徴収基準の策定につきましては、障害者の特性だとか、あるいは施設の趣旨、目的などを十分配慮しながら、しかも今先生がお挙げになりました第一、第二、第三の問題につきまして十分省内で相談をいたしまして、無理のない徴収額となるように十分配慮をいたしてまいりたい、こういうふうに考えております。
○中野明君 大蔵大臣にまずお尋ねをするんですが、この特別委員会が始まりましてずっと議論になっております補助金問題検討会、私先日も申し上げたんですが、まずきょうはこの補助金問題検討会の性格からお尋ねをしたいんですが、これはどういう性格のものでございますか。
○国務大臣(竹下登君) どこで検討するかと。責任ある検討の場所はやっぱりこれは閣議決定に基づく閣僚会議としよう、しかしながら閣僚とてすべて専門家じゃございませんので、その閣僚会議が参考にさしていただくために、村長さんや市長さんや知事さんをも含むいわゆる学識経験者の人に集まっていただいて種々御検討いただき報告を いただいた。したがって、閣僚会議はその報告の大筋を参考にさしていただいて、これを法律改正をして提出し今御審議をいただいておると、こういう経過になろうかと思います。
○中野明君 そうしますと、この補助金問題検討会というのは、いつも問題になっております国家行政組織法上の審議会ではないですね。
○国務大臣(竹下登君) そのとおりでございます。
○中野明君 そうすると、本会議で黒柳議員も指摘しましたが、最近中曽根内閣はいわゆる国家行政組織法上の審議会でない私的懇談会といいますか、そういうのをやたらにつくられて、そしてそこで検討したものを最大限尊重するということになりますと、あたかもこれは国家行政組織法上のいわゆる八条委員会の審議会と同じ働きをさしているんじゃないか。 そこで思うんですが、総務庁長官もおいでいただいているんですが、この八条委員会とそれから今の私的懇談会というんですか、これはどこがどう違うんでしょうか。今のやり方を見ていると一緒じゃないかと。細かいことを聞くようですけれども、旅費とか日当とか、それらも何か違いがあるんだろうかどうだろうか。その辺、こんなやり方で果たしていいんだろうかと、こういう気がするんですが、違いを教えてください。
○国務大臣(江崎真澄君) 今お尋ねの国家行政組織法の八条に基づく審議会と懇談会との違いいかん、重要な点だと思います。 審議会等にありましては、審議会を構成する個々の委員の意思とは別の合議機関そのものの意思を決定する、答申等として公の権威を持って表明される。これに対して懇談会は合議機関としての機関意思が決定され、これが公の権威を持って表明されるというふうなものではなくて、行政運営上の意見交換とでもいいますか、懇談の場であると、こういう違いがあるわけでありまして、特にその実行に当たっては閣議で正式に確認をして決定の上で実行をしていく、これが大きな懇談会の基本的な要素をなすものでありまして、審議会の場合の多少拘束力を持つといったような権威は持っていない。あくまで広く民間の意見を徴して、そして参考に供する。 もちろん、国会を軽視するなどということはないわけでありまして、国会では平素審議を通じて各党各派の御意見は承っておるところでありますし、また当然その問題について実行に移す段階においてはそれぞれの御審議を煩わせる、こういうことになっておることは御承知のとおりでございます。
○中野明君 それで、この私的懇談会というのは意思決定なり結論を出すようなことをしてはならないと、こういうことにかねてから政府の統一した見解が出ているわけですが、ところが今日のこの補助金問題検討会というのは、昨日も参考人で検討会の人に来ていただいたんですが、どういう資格がということなり、もろもろのことを聞いたんですけれども、何かわけがわからぬですね。何か補助金のことで集まってやってくれというような程度で集まっているみたいな感じで、いろいろお聞きしても何か責任ある話がないんですね。会長さんじゃなかったからでしょう。私たちは会長さんもしくは会長さんの代行ということで来ていただいたんですが、私はそんなものじゃありませんということでもごもごしたことをおっしゃっているわけです。 これを拝見しますと、結論を出していますよね。こうあるべきだとか、あるいはこう考えるとか、確かに意見の分かれたところが二カ所ほどありますけれども、あとはみんな推進すべきであるとか結論を出している。そして、それ自体が僕は問題だと思うんですけれども、この報告書が去年の十二月二十日に大臣に提出されているわけでしょう。それで、その報告書が予算編成に当たってどのような形で反映されたのか、こういうようになりますと、この報告書が提出された翌日に補助金問題関係閣僚会議で、「補助金問題検討会の報告を最大限尊重することとし、その趣旨を踏まえて、予算編成を行うこと。」と、こういうふうに決めておられるんですね。ですから、前の日にもらって明くる日にはもう全面的に信用する、こういうことで予算編成を行う、こういうことなんです。ところが、さらに地方財政対策が決まりまして覚書が交わされたのが同じ明くる日、十二月二十一日でございます。ですから、報告書が提出をされた翌日にはすべてもう予算編成の作業は終わっておった、こういうことになるわけです。だから、報告書の提言を受け入れる時間的余裕というのは、常識で考えて私はないと思います。 大臣が、自分たちは専門的なことがわからぬからと言って相談をなさったんでしょうけれども、もう明くる日にはすべてが決まってしまって、そして結果から見ると、これはどういうことになっているんだろうか、どういう形で反映されたんだろうか。仮に予算編成と報告書と同じ考え方の部分がある、こういうふうに言われるのならば、予算編成作業は先行して行われておったと。そうすると、報告書はただそれを追認するだけの役目しか持たされていなかったんではないだろうか。こうなると、これはもう隠れみのという以外にないんですね。 いずれ竹下大蔵大臣はこっちの隣の方へお座りになる人でしょうから、あえて今から申し上げておくんですが、こういうやり方、こういう手法というもの、これはもう本当に議会を軽視していると言われてもしようがないと思いますよ。だから、こういうやり方はもう今後やらぬと。今、中曽根内閣ですから、あなたがやらぬ言ってもだれかがやれと言うたらやらにゃいかぬのかもしれませんが、こういう手法というのはよくありません。その辺、いいと思っておられるのかどうか。これでは納得できませんね。報告をもらって明くる日にはもうオーケー、これが補助金問題検討会の役目ということになったら、何ら権威のないこれがそのまま移動されて、ただ生活保護費のところが意見が分かれたというだけでしょう。それではおかしいんじゃないかという私の疑問にお答えいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) まず、昨年、一年かかって結論を出しますと、こう申しまして、それにはどういう手法をとるか、それはいろいろ私どもも考えておりました。八条機関ということになるとまた法律でお願いしなきゃならぬようになる。そうすると、行政権の責任ということになればやっぱり閣議だ。補助金問題関係閣僚会議というものをすべての責任の所在として位置づけようと。しかしながら、これはやっぱり実際に当たっていらっしゃる地方団体の長の方々等を含め有識者の参集を求めて意見を聞いたがいいと、そこで検討会をつくった。 それで検討会で、十二回でございますが、その都度いろんな議論が出たことは私どもも聞かされております。それを整理されたのがこのまさに二十日にちょうだいした意見で、集約したものが報告として出され、それじゃこれを最大限尊重して取りかかろうということから、初めての大臣折衝が二十二日でございましたか、から行われて、年末までにそれぞれ閣僚と財政当局者であります私との間で合意できたものが法律として提案された、こういうことになろうかと思います。 それで、確かに。税制の抜本審議とかいうのは、やっぱり八条機関たるそれこそ税制調査会、こういうようなのが適当であろうかと思いますが、昨年以来この場所で問答を繰り返しながら、結局政府の責任、しかも補助金問題関係閣僚会議というところで責任をとろうということで、そのお願いをして、検討会に有識者の意見を求めたということでございますから、やっぱり問題によっては、いわゆる行政府の責任ということでやる場合はそのような手法がとられるだろう。今御質問を受けながら、例えば今、大蔵委員会で並行審議していただいております金貨問題なんというのも、結局識者に集まってもらって意見を聞いたことも事実でありますので、行政府の責任の上に立って、それらの検討会というものはあながち全面的に否定されるものではないというふうに思ってお るところでございます。
○中野明君 大蔵大臣の言われるのはわかりますよ。わかりますけれども、ただ、この種のことについては、地方制度調査会とか地方財政審議会というふうに、もうがちっとした八条委員会があるわけですね。そして、そこからは十二月の十三日あるいは十一の二十七日、先に答申が出ているわけです。ところが、この予算編成の姿を見ると、こういう権威のある八条委員会から出た答申の趣旨とは非常に違って、この補助金問題検討会の趣旨が全面的に生きている。この辺を私は申し上げたいわけでして、金貨の問題なんかは、これはそれなりに私は役目を果たしていただいたんだろうと思います。しかし、こういう同じようなことを専門的にずっと継続してやっているところの答申が軽視されて、そして補助金問題、しかも検討した人に聞いてみたら、何かもう頼りない返事なんですよね。ですから、そっちの方を重視されるというのは困ったなというものがあるので、こういうやり方は余り好ましくないと思います。 大臣も今おっしゃったように、予算編成方針が決まって予算の内示が出たのが二十三日ですものね。ですから、二十日に答申されて二十一日にもう閣僚会議が決定をして、そして二十三日にはもう内示ですものね。だから、そういうことになると、これはまたいつもの手で隠れみのにされた。しかもその隠れみのは、ほんまの八条委員会が大体隠れみのになっていると我々は言ってきたわけですけれども、これはどっちかというと余り認知されていない隠れみのですから、二重に悪いんじゃないか。今後そういうことについては、権威ある審議会があるのならばその意見を聴取していく方がよろしいんじゃないか、こういう気持ちで申し上げたわけであります。 そこで、きょうは時間に制約を受けておりますので、総務庁長官が見えておりますから、ぜひ私はここで長官に、前回も申し上げましたが、昨年のこの特別委員会で一雄カットのときに大問題になりまして、要するに率はカットされたけれども手続は同じことだ、これではもう地方は踏んだりけったりだということで、補助金申請手続の簡素化ということについて問題になりまして、その当時は後藤川さんでしたか、必ずそれはやらせますというお答えが出ておるわけです。それで、先日も文部省にもお尋ねしたら、文部大臣も一部やっているというようなお話でございましたので、ぜひこれは要望、要望というよりもお願いでございますが、しかるべきときに、ことしの秋なら秋に、各省庁に言うともうこれは大変なことでございますので、行管の方で集めていただいて、今までこういうことをやったと、書類が二枚要ったのが一枚にしたとか、二回のヒアリングは一回にしたとかいう今までとは造った面をやはり出していただくということが必要じゃないだろうか、私はこのように考えておりますので、ぜひこれは、日にちをこちらの方で勝手に決めるわけにいきませんので、何か総務庁長官の方で何月ごろをめどに、大体今までとこれだけ変わったということをやっぱり国会に示していただきたいなと、こう思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は私極めて重要で、もうこれは再三他の議員の皆さんからも御指摘がある点でございます。特に地方の自主性、自律性、地方行体、これが問われておるときにやはり手続の簡素化というのは本当に必要なんですね。特に地方制度調査会の報告書などによると、驚くべき時間がかかる、労力を費やす、これはもう私も承知いたしております。それで、改革の一環として臨調答申に従って、地域性、効率性、総合性、こういう基本的視点に立脚して当然見直しを推進することは必要である、これはもう仰せのとおりだと、全く同感しております。 第百回国会においても、これは機関委任事務の整理合理化でございますが御審議を願った、それから地方公共団体に対する因の関与、必置規制の整理合理化、これも百二回国会において所要の改正をお願いしたところであります。ところが、この補助金の手続の簡素化という点については、これはもう全く焦眉の急でありまして、これは特にお互いの自主性と効率化を求められている折から、このためにも手続の簡素化についてはこの一月から三月まで既に本年も行ったところでございます。 したがって、今この結論を急いでおりますので、各省庁についてそれぞれ補完すべきところ、注意すべきところがあれば厳重に注意いたしますし、当然公開して、そしてまた議員の皆様にも御理解をいただき、もっと足りなければ引き続いて監査をするという方法に出たい、かように考えております。
○中野明君 大体、中間でも構わぬのですが、いつごろ作業が終わって、いつごろ私どもに教えていただけるでしょうか。そのめどはわかりますか。
○国務大臣(江崎真澄君) 私、一月から三月と申し上げましたが、ちょっと私の記憶違いで、空でお答えしておりまして失礼しました。 これは補助金事務手続の簡素合理化を進めるために昨年の十月から十二月にかけてと。ですから、これは取りまとめ中といいましてももう取りまとめて御報告の時期に来ておりますから、速やかに公表をするなり勧告をするなり、こういうことでまたごらんをいただくようにしたいと思います。 補足説明は事務当局からいたさせます。
○中野明君 でき次第教えていただきたいと思います。 それからもう一つは、少額補助金の批判、これが非常に強く出まして、地方自治経営学会の指摘をまつまでもなく、前々からこれは出ておりました。そこで、臨調の答申があって、少額補助金の整理ということに各省が力を入れられたわけです。ところが、この少額補助金を統合メニュー化する、こういう形で六十年度は原則として百万円以下はなくすると、国の補助金として。それから六十一年度は百五十万円以下をなくすということになっているわけです。結構なことだと思うのですが、ところがその内訳が問題でして、要すみに統合してメニュー化したんですが、この内訳は、内容として見てみますと一つも変わっておらぬ。だから、補助金の数を減らしただけで補助金の実態は変わっていないということが各省とも言えるんじゃないかと、こう思うんです。 特に補助金の多いのは農水省とか厚生省とか文部省とかいうことですが、文部大臣、文部省のことが資料としてありますのでちょっと申し上げますが、今までは集団学習奨励費あるいは地域活動奨励費、社会教育施設モデル事業促進費ですか、それからもう一つ何かあるんです。ちょっと印刷が悪くて見えにくいんですが、このように四つの口になっておったわけです。それを地方社会教育活動費補助金というふうに目を一つにしたいんですね。四つの口を一つにしたんですが、中身は一つも変わっておらぬのですね。 それで結局、例えて言えば、C町に例をとれば、婦人学級で二十万、家庭教育学級で四十万、青少年健全育成PTA活動で十万、それから高齢者の生きがい促進総合事業で三十五万、これを合わせでちょうど百五万になるわけです。ですから、これは約束どおり百万円以下はもうなくしましたと、こういうことになるんですが、中身を見たら一つも変わっておらぬのです。これでは結局何にもなっていないじゃないか。これは農水省、特に多いんですよ。きょうは余り多いですから言いませんけれども、農水省が特に多いんです。 だから、大蔵大臣も聞いておいてください。千二百の補助金があった、それで補助金を減らさにゃいかぬと言うたら一遍に六百になったんです、一晩で。それで中身を見ると、一つ一つは一つも変わっていないんです。ただ、五つだったら五つを集めて一つにしただけの話なんです。数は減りました、確かに。数は減ったけれども、実際に最先端に渡っていく補助金というのは一つも変わっていない。これではいかぬじゃないかということで、これは文部省よりも僕は総務庁長官に、この面もやはり行政監察というんでしょうか、その面で見ていただきたいなと。そうしないと何にもならぬわけですね。十万円の補助金をもらうのでも手数は一緒なんですよね。だから補助金をもらう、その補助金よりも事務手数料の方が多いというような矛盾した結果が出てきて、現場で働いている人は非常にむだなことだなと思いながら働いていると思うんです。 昨日、参考人の市長さんも見えておりましたので私申し上げましたけれども、去年はひどいことを言った参考人がおるんですね、市長さんで。補助金をもらうよりも手続をする金の方がたくさん要るというのは困るでしょう、それは損でしょうと、まあ損得で言うたらおかしいですけれども、そう言うたら、書類を山と積んでもよろしい、どんな少額の補助金でもやっぱりいただきたいんですと、こう参考人が来て言うたですね。だから、そういう考え方を市長さんなり町長さんが捨てない限り行政改革はできませんよ。あなたは自分のお金でやるんだったら、そんなことしますかと。二十万の収入を得るのに四十万も使って二十万の収入を得たのじゃ何にもならぬじゃありませんか、二十万はき出しやありませんかと。ところが、これは公金だから、職員が仕事して目に見えて自分の懐から出ないものですから、職員に遅くまで残業さしてでもその書類をつくる。こういうことを改めるために少額補助金というのが問題になってきたら、お役人さんというのは頭がいいんですね、数だけ少なくした。ここのところちょっと目を通してもらわないと、補助金問題は今一番問題になっているわけでしょう、補助金の額が余りにも大き過ぎ数も多過ぎて。ですから、その辺をお願いできないだろうかと思うんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(江崎真澄君) 全くこれまた重要な御指摘だと私同感いたします。ただ、御指摘の中にはわずかな助成、補助金でも国からもらった方が自分の思っておる、地方が計画しておる仕事がやりやすいと、こういう面もありますね、実際お互いに経験しておりますと。これはしかし、補助金に重点があるんじゃなくて、補助金に名をかりて自主的にやれるものをやっていくというわけですから、補助金本来のあり方とはちょっと違ったことであって、こういうものも仰せのように整理していくことは、これはやっぱり必要ですね。おっしゃる意味はよくわかります。 補助金というのは、一定の行政水準の維持、それから特定施策の奨励のための政策手段として政策遂行の上で重要な機能を担う、それに合致したものでなければならぬというふうに思います。したがって、今後ともこれが有効適切に使われるように、また、今度の御審議を煩わしておる問題につきましても、機関委任事務が審議がおくれるという御質問もございまして、本当に全部がこれは重なり合っておるわけではありませんが、ごもっともな御意見、何とかして本当は早く補助金カットがなされたら、委任事務も地方自治体に移譲するように早く通していただきたいと、これは私も責任を感じて内閣委員会の方にもお願いをしておるところでございます。 先ほど申し上げましたように、十月から十二月までの監査をやっておりますので、その結果については速やかに公表をし、またごらんをいただき、またそれに足りないところがあれば大いにひとつ激励叱咤していただくことを期待いたしておるものであります。
○中野明君 それで次の問題は、類似の補助金ですね。類似の補助金が、非常に各省には優秀なお役人がそろっていますので、それぞれ自分の受け持ちをよくしようということで、もうすばらしい知恵を出されて、いいアイデアがどんどん出てくるわけなんですが、ところが、これが縦割りなものですからすごくあるんですね。 ちょっと見てみますと、各省庁の町づくり事業というのがあります。これに関連するのがこんなにあるんですね。十四省庁、九十一事業、これ町づくりです。名前が振るっているのがありますよ。建設省の地方都市中心市街地活性化事業というような、シェイプアップ・マイタウン計画、シェイプアップというのがあるんですね。それから環境庁にはアメニティー・タウン。国土庁はたくさんありまして伝統的文化都市環境保存地区整備事業とか、伝統産業都市モデル地区整備事業、水線都市モデル地区整備事業とか、リフレッシュふるさと推進モデル事業というように国土庁もあります。それから郵政省にはテレトピアがありますね。運輸省はニューメディアターミナル、通産省にはニューメディアコミュニティー、それからテクノポリス、テクノマート、コミュニティーマート、舌をかみそうな片仮名が並んでおりますね。これを見たら普通の人はびっくりするんです、一体これどないなってんやと。同じ役所、しかも同じ政府でこれぐらい、九十一の事業がいわゆる町づくりでがばっときているんですね。 それで、計画なさるのはいいんですね。もういい計画なんですよ、一つ一つは。けれども、これが予算に限りがあるものですから、発表されたら全国のそれと思わんところは皆申請をするわけですね。この申請をするのにまたそれ相当にお役人を説得するだけの内容でなかったら申請してももう書類だけですぐだめになりますから、まことにすばらしいその構想に合うような申請書類になって、この書類をつくるだけでも大変なんですよ。それで、つくって出したからといってなかなか指定が受けられるかどうかわからぬのですね。宝くじよりはましですけれども、なかなか指定は難しい。予算が限りがあって、全国の市町村から申し込んできたら大変なもんですね。それは結局書類をつくるだけでそれこそもうむだになっているわけですね。そういうことが非常に多い。 だから、普通これを見てこれだけの事業の多さと主務官庁の多さ、そして名前を聞いただけでは何が何やらわかりませんね、一般の人はね。名前を聞いただけで、これはどんなことをするんだろうか。シェイプアップいったら何じゃろうかと。今はやりですから、それは名前が悪いとかそういう意味で言っているんじゃない。何をするんじゃろかというようなことですね。そういうことに一つの大きな問題があるわけです。 これは要するに国の財政が大変なときですから、どうしてもこういう形にいくんですけれども、これは将来国の財政が回復してきたときにはこんなものは長続きしませんね。すぐなくなってしまうやつですね。継続性は僕はないと思うんです、こういうのはね。ですから、そういうところ辺に非常に問題があるんですけれども、これは厄介な問題でして、やっておられる人はまことに山分の職務を果たすためにそれは知恵を絞ってすばらしい構想なんですよ。ところが横の連絡は全然ない。これは困るんじゃないか。だから、計画が過剰になっているということですね。地方の一つの都市でしたら、市長さんなり知事さんがおって、そこでちゃんと目を通すんですけれども、国の方は縦割り行政なものですから目を通す人がおらぬわけです。 だから、国として辛うじて大蔵省は予算の関係で目を通しているのだろうと思うんですけれども、やはり大蔵省としても他省庁から出てくるものですから、この均衡もあるということで、限られた予算の中からいわゆるニューメディアでもちょっとずつ通産と郵政と農水に分けてしまうと。大蔵省もできないんですよ、コントロールが。ですから、各省の顔を立ててちょびっとずつつけるから、また一つの構想が出たらもう三省庁でニューメディアといってやっているわけでしょう。受ける方はもういっぱい来るわけでしょう。一つのところへ二つも指定が受けられるところもあるし、関連しているんだから両方、受けたらいいのに、片方だけで片方はほかの町やと、こういうようなことになって、非常に地方では横の連絡をとるのに困るんじゃないかなという嫌いがありますね。そうすると、これはむだが多くなってきます。 ですから、どうしても中央に、これは行政改革のときにそんなこと言うたらまた怒られるかもしれませんけれども、行政改革というのは要らぬものをなくして要るものはつくっていくというのが行政改革だろうと私は思います。事業だって、何もかも事業を皆減らしてしまうというのが行政改革じゃなしに、不要不急のは減らすと。そして新しい要請が出てきたら思い切ってやると、これが行政改革でしょうから、中央にやっぱりそういうコントロールセンターというものが要るんじゃないだろうか。そうしないと、大蔵省だけに任しておいたら、大蔵省は予算編成の責任があるものですから、各省庁に余りおまえのとこもあかんといって全部切ってしまったら、やっぱり予算編成に支障がくるといってコントロールしているようで、お金の額を減らすだけのことで、事業を頭からだめだというわけにいかぬでしょう。説得力がありますからね、この事業そのものに。だから、申し込みが殺到するわけなんです。 そして、結局そこに過剰な計画になって、むだが多くて、地方はもううろうろするばかりで、運の悪い役所は書類ばかりつくって何もなし、書類はもうとにかくどんどん出したけれども何も当たらなんだ、こういうことにもなりかねないので、その辺を何か長官のところで御検討いただけないだろうか。このコントロールする場所と人がおらぬのです。地方へ行けば首長さんがおるんです。首長さんが、そんな余計ダブっていてはいかぬ、これ一本に絞れとコントロールできるんですけれども、国は縦割りです。それへ優秀なお役人さんが日夜知恵を絞って説得力のあるいい計画をつくるわけですから、大蔵省としてもこれは断りにくいというようなこともあるんじゃなかろうかということなんですが、その辺どうですか。
○国務大臣(江崎真澄君) これも全く御指摘のとおりで、今は私も政府におりますが、お互いに政治家ですから、いろんな陳情を受けて本当に混乱することがありますね。それくらい無駄が多いということも一面から言えるわけでございまして、十分そのあたりは我々総務庁として御意見の存するところを踏まえ、また、私自身にも経験のあるところです。 例えば民活の一つの、全国的に今行われておるものとすれば、土地区画整理事業というやつがありますね。あの土地区画整理事業というのは民活の最も早道でしょうね、優良宅地をつくるわけですから。ところが、土地区画整理と言うと、都市計画のお手伝いをして優良宅地をつくるわけで、民活の最たるもので、全県下に数多くありますね。また公共団体が行うものもありますが、これも名前が悪いからもうちょっと名前を変えたらどうだ、農地の土地改良と間違いそうだからと、さっきの横文字じゃないが、横文字はやりなんです。これもいけませんね。 それから、仰せの縦割り行政というものを一つの政府にするということは、これはやっぱり簡素にして能率化の最たるものですね。この御趣旨はよくわかりますので、その線に沿って努力したいと思います。 それから、御承知の東京湾のベイブリッジ、明石海峡、関西国際空港、こういうものに触発されて民間のいろんな計画が出てきたわけですね。これも建設省、運輸省、郵政省、通産省。これはとりあえず、今の混乱を増すばかりですから、したがって四省庁、時間が限られておりますから、余り長くなりますから省略しますが、今提出しておる法案のとおりに一方に締めくくって一つの法律に、そして四省庁に合意を願ったと。その間を我々総務庁において取り仕切った、こういうこともありますので、御指摘のいろんな補助事業に対する整理合理化もこれはやっぱり責任あると思います。よく関係省庁と話し合いながら、縦割り行政というものがますます強くなるのはいけませんね。行革というのは簡素にして能率的なというなら、一つの政府で横の連絡が密であって時には人事の交流もまことに盛んである。そして、自分が担当したい省庁の仕事に熱意を燃やすというなら、他の省庁からも、格落ちや後、不遇になることがなくていつでも転勤ができるといったような民間にあるようなシステムに私は変えられていくことも、今、問題の御趣旨にこたえる方法の一つではないかというふうに考えるものであります。御趣旨はよく承りました。
○中野明君 それじゃ文部大臣にお尋ねをいたします。 義務教育費の負担金について、六十年度は、御承知のとおり、旅費、教材費、これが外されましたが、この法律では共済、恩給費が三年かけて一般財源化される、こうなってきております。しかし、伝え聞くところによりますと、このほかにも学校事務職員あるいは栄養士の人件費、児童手当、公務災害補償基金拠出金等についても検討されているということなんですが、この辺はどうお考えになっていますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 具体的にお示しになった中で、学校事務職員あるいは学校栄養職員、これは昨年の予算編成時にも議論の対象となったことはございました。けれども、義務教育費国庫負担法の根幹は崩さないつもりでおりますし、また、文部省といたしましては、事務職員あるいは栄養職員というのは学校で基幹的な仕事をしておる職員である、こう受けとめて、これを外すことは困難である、望ましくない、こういう気持ちで対処してまいりたいと思います。
○中野明君 大臣、最近どうも補助金の整理合理化ということになってくると、この補助対象が、補助金というのは補助対象掛ける補助率ですから、補助対象を切ってくるというのが大蔵省の最近盛んに言い出していることですね。それの一つの例が、文部省でいえば今お答えいただいたようなことなんですが、これでどんどんいきますと、しまいにもう一度ういうんですかね、学校の先生だけおられたら教育は何でもできるのかということになってくるわけですね。これは、どこまで補助対象、というものにしないと地方は困るわけですね。そして、今言われておる超過負担というのが前々から問題になっておって、かなりこの超過負担というのは解消されてきましたけれども、この対象が減ってくるとまた超過負担がふえてくるおそれができるんですよ。そんなややこしいんやったら、もういっそのこと、いわゆる学校の先生の給料も全部地方交付税に入れてしまったらええやないかという、それの方がよっぽど早いじゃないかという説も出てくるんですよ。 ですから、大臣に頑張っていただかぬと、何か次々にカニの足を摘んでいくようになって、もう胴体だけになってしまうというようなことになりかねないんですよね。そして地方はまた超過負担で悩まなきゃならぬ、こういうことになりますので、これは大蔵大臣にもぜひ考えていただきたいんですが、補助対象というものを何を基準にしてどうするかという、この辺もはっきりしたことを出していただかないと、地方としてはいつ何とき補助対象が、補助金の率もさることながら、今度は対象がばんばん切られてくるということになると、地方はもう大困りなんですよ。この辺は何か基準というものはあるんでしょうかね。あるいは基準をつくろうというお考えがあるのか。大蔵大臣、御所見があれば伺っておきたい。
○国務大臣(竹下登君) 補助率の引き下げの問題につきましては、私どもは自治省とマクロベースの話をいたしますと、その中では、個々の地方団体における財政運営に支障を来したり地方団体間の財政力格差を拡大させるようなことをしてはならぬ、こういうことで、地方交付税等を通じ所要の財源措置を講じておるわけですが、個々の町村に対しましては自治省の方で大変な御苦心をいただきながら適切に対応していただいておる。私どもはマクロベースで、交付税算定の際のいわゆる基準財政需要の中へ算入するなどの措置によって対応しますが、個々に対しては、これは目の細かい自治省あるいは県庁等々で御配慮をしていただいておるというふうに思っております。 それから、義務教育費の問題につきましては長い歴史がございまして、率直に、恩給費は昭和三十一年、共済費追加費用は昭和三十七年に、それぞれ主として当時の地方財政事情を考慮して国庫負担対象にしたものですが、それに対して今回は御説のような措置を行わしていただいた。昭和十八年からずうっと何回も何回も改正を続けてきております。しかし、その都度、やっぱりマクロベースにおいては一般財源で措置するとしても、いわゆる交付税措置等においては支障を来さないような財源措置だけはしていかなきゃいかぬというふうに思っておるところでございます。
○中野明君 時間の関係で次に参ります。 財政制度審議会から十二月二十日に出されておりますが、「歳出の節減合理化の方策に関する報告」の中で、民間団体向けの補助金等についてもこれは厳しい財政状況だからやれと、こういうことでおっしゃっております。私もそのとおりだと思います。民間団体の補助金こそ私は率の引き下げが急がれるものであって、こっちの方の率を下げるのが先だと私は思うぐらいなんですが、こういう答申があって、これを政府も尊重するということなんですが、そのように理解してよろしいですか。この答申どおり政府としてはやると、このように理解してよろしいですか。
○国務大臣(竹下登君) 非常に大ざっぱに言いまして、補助金というのはアバウト八割といたしまして、福祉、公共事業、教育、これでくくってみれば八割、地方自治体を通じて出すものが大ざっぱに八割、法律補助が八割、こういうことでございます。 主として民間団体の分は法律補助じゃなくて、どっちかといえば予算補助というようなものが多いわけでありますので、財政審からの報告に沿っていわゆる民間団体補助金について厳しく見直しを行いました。それは補助率の引き下げ、それから人件費補助金については定員の削減、そういうことで財政審の報告を尊重して対応してきたところでございます。これからもその精神を引き継いで対応しなければならぬと思っております。
○中野明君 金額が小さいからといって見逃さないようにお願いをしたいと思います。国のいわゆる補助金というのは全体が余り大き過ぎて、民間はもうその中では、金額的には一つ一つは大きいかもしれませんが、全体の額が大きいものですから。 そこで、本年度の予算における補助金ですね、民間団体向け補助金の補助率引き下げというものは幾らぐらいされたか、それをちょっとお答えいただきたいと思います。
○政府委員(保田博君) 補助金の目にいたしまして十八日でございます。削減によりまする国費の節減額は六億八千万円でございます。
○中野明君 主計局が作成した資料をいただいたんですが、「昭和六十一年度予算における補助金等の整理合理化について」、民間団体向け補助金の補助率の引き下げ、主なものは民間航空機用ジェットエンジン開発費補助金、目でこうなっております。これを十分の六から十分の五にした、このようになっておりますが、節減額は十億円程度、こういう資料をいただいたんですが、今お聞きしますと六億八千万ということですね。ですから、国会に提出された資料というのは減らす分は多日に出されるんですか。それとも六億八千万というのは四捨五入して十億になるんですか。この辺どうなんでしょう。
○政府委員(保田博君) 先生お持ちの資料はどんなようなものか存じませんが、私の手元に持っておりますのもそのような数字が入っております。これは予算編成の直後に補助金の整理合理化状況を概括的に取りまとめたものでございますので、非常に大ざっぱな数字であります。しかし、その後時間をかけまして精査いたしました金額は、先ほど申し上げました六億八千万でございます。
○中野明君 いや金額の大小じゃなしに、やはり予算審議をするに当たって私たちに出された資料というものは、こんなに古いものでいいかげんなものでは困るんでありまして、それは「十億円程度」と書いているからここで大きな声で怒るわけにはいきませんけれども、その「程度」が余り程度が過ぎるんじゃないか。六億八千万を、十億も減らしました、こう言われると、ああ十億減らしたのかと思って一応理解しておったところが、実際に聞いてみたら六億八千万でしたと。じゃこれは、ああそうか、それで「程度」と書いてあるのかという、そういうふうに理解する人ばかりじゃありませんで、大蔵省というのは、主計局というのはお金を、数字をいらうのがもう専門でしょうから、我々がやるのだったら、ああちょっと一つ忘れておりましたと言って済むかもしれませんけれども、皆さん方の方はそれが専門ですから、こういう資料を今後、それはからっとというわけにはいかぬでしょう。いかぬですけれども、余りひど過ぎますわね、六十八と百ですからね。 大蔵大臣、そういうのは気をつけていただきたいですね。やはり国会は政府から出てきた資料ということになると私たちは全面的に信頼をしているわけですから、程度というからこれ以上言いませんが、やはり四捨五入もほどほどにしていただきたいなと、このように思いますがね。その辺よろしくお願いしたいと思いますが、いかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) 私も今拝見いたしましたが、程度というものは本当に近い程度であるべきだと思っております。
○中野明君 それでは農水大臣おいでいただいておりますので、先日も私、予算委員会でも申し上げましたが、日米、日ソ、これの漁業交渉が一応終わりました。モスクワまで行かれて大変御苦労があったと思います。しかしながら、結果としてはまことに我が国漁業にとりましては残念なことでもあり、それに対する対応というものが大変なんですが、まだあと日ソサケ・マス交渉も残っております。そういうことで、まず日米、日ソ漁業交渉によって北洋漁業に携わっている人たちにどの程度の被害といいますか影響額が出たものだろうか、そしてそれに対して農水省としてというか国として、補助金になるのか何になるのか知りませんが、どういう手当てをされようとしておるのか、先日は北海道にも行ってこられたようですので、そういう状況を含めて教えていただきたい。
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。 日米の関係は一応形が整ったわけでありますけれども、日ソ関係につきましては今実はようやくほぼ結論が出るということであります。そしてサケ・マスというのがまたすぐその後交渉が始まるということでありまして、そういう意味でまだ減船が一体どのくらいになるのか、あるいはほかの漁場であれすることができるのか、その辺がまだはっきりしておりませんから、額等についてはまだ申し上げる段階ではないというふうに思っております。 ただ、先日私も帰りまして、北海道の釧路、根室、稚内、特に北洋漁業に頼っております地域を訪ねました。そこで漁民の皆さんあるいは加工、流通関係、そのほか関連の皆さん方とお話をしたわけであります。そういう中で私どもがさらにあれしましたことは、ともかく根室あたりは九〇%ぐらい漁業に頼っておるということでありますし、稚内あたりでも七〇%以上が漁業に頼っておるという状況で、ともかく町全体がやっぱり大きな影響を受けておるという状況でございます。そういうことで、減船した場合にそれに対するものを一体どうするのかということ、それから今日までいわゆる出漁できなかったこの人たちに給与を船主の皆さん方払っているということがあります。また、加工業の皆さん方が、原料が確保できないために操業ができなかったという問題もございます。そして、いろいろとこれは関連をどんどんたどっていきますと、いろんなものを運搬する運輸関係の業者の方ですとか、あるいは加工の人たちに箱を卸す業界の皆さんですとか、ともかく町全体に相当大きな影響を及ぼしておるという実情がございます。 そういったことを、私どもはっきりした時点でどれだけの影響があるか、もう既に今調べ始めている問題もありますけれども、その辺をよく詰めて、国際規制によるところの措置ということでこれを発動するような経営安定資金というのがございますけれども、これを発動するとか、あるいは水産加工経営改善強化資金、こういったものなんかを融通すると同時に、国として一体あと何をするべきなのか、こういったことについて関係省庁の皆様方にも御協力をいただきながら対策を進めていきたい、かように考えております。
○中野明君 今お話の出ました釧路市からも陳情というのですか、出てきておる。ことしの二月に出てきた資料を見ましても大変な影響額です。釧路市だけで九百七十二億、これは六十年実績をもとにソ連の水域に一月から行けなかったというあれの被害でしょうかね。それから、交渉中断による被害が十四億ですか。それから関連が二十一億と。こういうように一つの釧路とか根室とか稚内とか、今おっしゃった地域なんかはもう壊滅的なあれでしょうね、影響が大きい。自治大臣も当然お聞き及びだと思いますが、これは大変なことです。 ですから、今はまだ少しでもやらしてくれているんですけれども、やがてはアメリカはもう何年か後にはだめでしょう。ソ連も恐らく二百海里以内はもう、うちもとりに行かぬかわりにおたくもこっちに来てくれるなということでしょう。そして、欲しかったら買うてくれと言うんでしょうね。輸入してくれということでしょうからね。そうなりますと、もう北洋漁業というのは壊滅状態だろうと思いますので、今からそれに対する対策を相当制度的にも、あるいは基本的に政府の方でつくっておかないとこれは大変なことになる、こういうふうに今私たちは心配をしているわけです。で、ぜひその辺は大蔵大臣も、それは当然お聞き及びのことでございましょうから、財政が苦しくてもそういうことはちゃんとしてあげないとこれは大変なことになります。 そういうことで、ぜひこれはもう目に見えていますから、だから何年か先のことだろう、そのときはそのときで何とかなるだろうというようなことではなかなかいかぬものですから、何年か前からそれだけの計画を立てて財源も捻出する考え方をしておかないといかぬのじゃないかと思うんですが、大蔵大臣、北洋漁業のいわゆる応援といいますか、対応について大蔵省としてのお考えをちょっと教えていただいて終わります。
○国務大臣(竹下登君) 実は羽田農林水産大臣から厳しい状態の報告を聞きまして、きょうも本当はわずかな時間でございましたが、お休みの時間に廊下でございますけれどもその後の推移等を聞いておるところであります。 基本的にはこれは農林水産省自身がいろいろお考えになることでございますが、よく協議して対応していくべき課題だというふうに理解はいたしておるつもりでございます。
○中野明君 終わります。
○下田京子君 後藤田官房長官が四時から記者会見ということなものですから、繰り合わせまして、冒頭、当面する農政の重要問題で質問いたします。 去る四月七日公表されました国際協調のための経済構造調整研究会、いわゆる経構研の問題です。 総理はきのうの本会議等でも、これは私的諮問機関であるのでそういう立場から取り扱いを慎重にした、こう言われているんですけれども、さきの日米首脳会談においてレーガン大統領に報告されたこの中身というのは、今後の日本の外交上の指針を示し、そしてまた中長期的な日本の政策の基礎を示したという点で、レーガン大統領とのかかわりでいえば、まさに国際公約というふうに受けとめられるものではなかろうかと思うんです。
○国務大臣(後藤田正晴君) 日米首脳会談の結果、今下田さんおっしゃったような議論をなさる方がいらっしゃることは事実でございます。 しかし実際は、あれは私的な諮問機関でございますから、これは七口に報告が出たわけです。それで、八日に閣僚会議を開いて、これは党の五役も出ておりましたが、そこで、この意見というものは傾聴すべき貴重な御意見であるということを一方で決定をしてもらって、しかし、これは私的諮問機関ですから、やはり実施をするに当たっては、政策化する段階では、これは党との連携、それからまた政府の中には各種審議会があるから、それらとの調整を図りながら政策化していくということを決めていただき、そして適当な機会にできるだけ早く推進母体というものもつくりたい。そして同時に、こういった趣旨を持った総理談話というものをつくってもらうということを決定したわけです。 その段階で総理は向こうに行っておりますから、その総理談話の趣旨を踏まえまして、総理はレーガンさんにお会いになって、日本としては前川報告というものもある、それで構造政策というものは進めなければならないと考えておる、この前川報告なんかを参考にしながら、今後与党とも十分連携をしつつ国民の理解も求めて日本としてはこういう政策を取り進めていきたい、こういうことを表明したことは事実でございますが、別段その中身を一々説明したわけじゃないんです。総理は中身は説明しておりませんから。そこらで別段、公約というのはどういうことでしょうか、私はその点はよくわからないんですが。 しかし、ただ私はテレビ討論でも言ったんですが、一国の総理が相手方の大統領にお話ししたんですからそれなりに重みはありますよ、重みは。しかし、それをあなたは国際公約と、こう言う。私どもは国際公約なんかしたという覚えはないというのが我が方の理解でございます。
○下田京子君 日本側が国際公約という形で受けとめたかどうかは別にしましても、今いみじくも一国の総理が米レーガン大統領に言われたという点での重みはあるということなんですが、つまり、そのことが国際的なやっぱり信義の点で、米側はこれを国際公約という形で受けとめているのではなかろうかと思うんです。 なぜかといえば、今お話ございましたようなことも含めて、総理が現地で記者発表をされていますね、新聞等で。それを見ますと、経構研の中身については立ち入って説明がないというお話ですけれども、総理みずからが経構研をどう評価するかという点では高く評価して、この報告を政策化する作業を具体的にやる、推進本部も設置してやるんだと、こういうことを言われたときに、レーガン大統領がこの総理の発言を受けて、揺るぎないコミットメントとして称賛するんだと、こう言われているわけですね。そして何らかの具体的なフォローをしなきゃならないだろうという格好で米側からの提案があって、高級事務レベルによります定期協議を今後とも続けましょうと、こうなったわけですね。ですからこの場が、米側から言えばあのとき出されたこの経構研の内容等についてその後どう具体的に推進されているのかという形で迫られてくるだろう、そうお思いになりませんか。
○国務大臣(後藤田正晴君) いや、だから今私がお答えしましたように、こういう前川報告というものも出ておると。これを参考にしながら、これはまた私的諮問機関を腹の中に置いて物を言っているわけですから、したがってこれを政府・与党との調整も図りながら、国民の理解を求めつつ構造政策を日本としてはやっていきたいと、こう言っているわけですが、前川報告の中身そのものを国際公約として約束したなんということは全くないと、そのことを私は申し上げておるわけでございます。
○下田京子君 前川報告そのものではないと言いますけれども、総理みずからがいわゆるこの経構研、十九回中一回欠席したのみ、みずからが指揮をとってやられたと、それをおなかに入れていたかどうかは別にいたしましても、そういう内容でやっていくということをレーガン大統領と約束されたのは事実ですよね。 さらに官房長官に聞きたいことは、日米首脳会談後早速去る二十二日、経済構造調整推進のための会議をつくりまして基本方針を出しましたね。この方針なんですけれども、新聞報道によりますと、この基本方針の原案の段階に、経構研の報告を参考にしてという文言があったと伺っております。ところが、大変異論が出て削除されたと言われておりますけれども、削除された理由はどういうものでございましょうか。また、この削除され たということでこの経構研報告は棚上げになったというふうに理解してよろしいんでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) そうじゃありません、それは。必要ないということで削っただけの話です。というのは、最初に、「昭和六十一年四月八日の経済対策閣僚会議決定「経済構造調整の推進について」に基づき、」と、こういうことがありますから、「記」の方ではそういった文章は不要ではないかということで削っただけの話でございます。
○下田京子君 そうしますと、経構研の報告を参考にしてということはもう当たり前のととなんだという格好で削ったというふうに聞き取れるわけなんですけれども、新聞報道によれば「荒れ模様の船出」ということで、これは政府・自民党が二十二日、政府が用意した基本方針の文章を自民党側が修正させるというような格好でもって削られたと、こういうふうに報道されております。 私が申し上げたいのは、自民党内でも認知されないようなこういう報告が中曽根総理によって国際的に表面化されて、そして日本側が何と言おうと国際舞台の中で、今後高級事務レベルで定期的に協議をやっていくのだという格好になったという点が大変重大なんだということを申し上げておきます。 それで報告の内容なんですけれども、長官は御存じだと思います。構造調整の重要な柱の中に、中小企業や石炭産業とともに、農業問題についてはこう触れられているわけですね。「国際化時代にふさわしい農業政策の推進」というふうにうたっております。「国際化時代にふさわしい農業政策の推進」のために具体的に「今後育成すべき担い手に焦点を当てて施策の集中重点化を図る」んだと、こう述べられております。この「今後育成すべき担い手」というのは、一体だれのことを指されておりますか。
○政府委員(的場順三君) この報告書は、御承知のとおり、前川委員以下十七名の方々が自由な討議を重ねられまして、その中で我々の報告としてふさわしいものを集約してまとめておこうということでございますから、いろいろな御議論はございましたですけれども、この報告書の中に書いてあることに尽きるわけでございまして、これをどう解釈し、これをどういうふうに政策化していくかということは、今後政府と与党が考えていくことでございます。
○下田京子君 ですから、後藤田官房長官はどう認識されているのかと聞いているんですよ。その「育成すべき担い手」というのはどのように御理解されていますでしょうか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 私は、余り農業問題はよくわからないんです。私の理解は、これは何といいますか、中核農家と、かように理解をしております。
○下田京子君 中核農家というのは具体的にどのような農家ですか。
○国務大臣(後藤田正晴君) 事務当局から説明させます。
○国務大臣(羽田孜君) まさに新しい時代の中に、今バイオですとかまた情報化社会、情報、そういったものがどんどん農村にもあるいは農業の中にも取り入れられようとしております。そういうものにたえ得るようなやっぱり後継者というものをつくり上げていく、これは私ども自身もそのように考えながら進めております。
○下田京子君 官房長官、お時間だからお出になって結構なんですが、御自分で言われた御認識を農相に聞かなきゃならないというのは、またこれは意外な話なんですよね。私はこうだということでちゃんと責任を持って御答弁される、これは当然じゃないでしょうか。 そこで申し上げたいのは、私はこう思うんですよ。「育成すべき担い手」だと、それじゃ育成されない担い手というのもあるのか。私はすべての農民が日本の農業の重要かつ貴重な担い手だというふうに理解しているんです。それを、「今後育成すべき担い手」だと、あるいは一方育成しなくてもよい担い手だという格好で選別をするというのは、何を考えるのかといえば、恐らく中小の兼業農民をこれから農業から切り捨てていこう。つまりそれは補助金やあるいは融資やあるいは価格保証とか、そういうあらゆる問題から選別していこうということがやっぱりあるんだなと思うんですよ。こういうことだと結局農業から切り捨て、日本の農業は縮小されるんだということを、官房長官に私は申し上げておきます。どうぞお引き取りください。――じゃ答弁どうぞ。きちっと言ってください。
○国務大臣(後藤田正晴君) これは下田さん、私の立場を誤解していらっしゃるんじゃないでしょうかね。私はこの委員でも何でもない。私はその答申を受け取っただけのあれで、これからはそれぞれのつかさつかさでこれを参考にしながらどうしていくかということを決めるのでありまして、私は論議に参画したわけではございません。
○下田京子君 ですから、受け取った側としてどう理解するんだということを聞いているんですよ。 そこで農相に聞きますが、「基幹的な農産物を除いて、」今後輸入の拡大を図るんだというふうに書いてあります。基幹的な農産物とはどういう農産物のことを意味するのでしょう。報告書の原案には基幹的な農畜産物とあった、ところが最終的には畜が落ちたと、こう報道されておるんです。としますと、この基幹的農産物の中にはアメリカの大変関心の高い牛肉は入るのか入らないのか。いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) お答えを申し上げます。 経構研の報告書にある「基幹的な農産物」という言葉につきましては、研究会において、我が国の農業あるいは食生活上重要な意義を有する農作物というような意味であり、その具体的な範囲については特に詰めた論議があったんじゃないというふうに私は聞いております。いずれにいたしましても、この経構研の提言は中長期的な視野から政策展開の基本的な考え方、これを示したものと理解しておりまして、私ども農林水産省としましては、この前もお答えいたしましたように、この提言というものを参考にしながら農政審議会の中でも議論をしていただこうということであります。
○下田京子君 私は、この基幹的農産物の中には牛肉が入るのか入らぬのかと聞いたんですよね。お答えできない、そういうあいまいな態度が――じゃ、お答えください。
○国務大臣(羽田孜君) 今私は、その問題について前段でお答えいたしましたとおり、そういう細かいものについては議論しておらないということを申し上げたわけであります。
○下田京子君 ですから、議論したかしないかは別にしても、農相の見解を聞いたわけですよね。きちっとやはり態度表明がないということがどういうことを意味するのかということで申し上げたいんです。 つい先般、もう早くもリン農務省長官が、生肉は基幹的な農産物に入らないと受けとめたのかどうかわかりませんけれども、日米首脳会談後早速、牛肉について日米合意の期限は来年ですよね、にもかかわらず大幅な枠拡大を要求しているじゃありませんか。ですから、きちっとした態度こそ今必要だということを繰り返し私は言ってきているんです。
○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては、正式にきちんとアメリカと話し合って、今お話しのとおりの時期にもう一度話し合おうということになっておりますから、私どもはそのように対応してまいります。
○下田京子君 いずれにしても、牛肉が入るか入らないかということを明言は避けているということだけがはっきりしたわけですね。
○国務大臣(羽田孜君) 私ども、まだこの議論というものをこれから農政審の中で議論してまいりたいと思っておりますけれども、やっぱり畜産というのは我が国の農業の中の基本でございます。そういう意味では、もちろん今おっしゃるとおりだと思います――入ります。
○下田京子君 明確でないですよ、要するに。基幹的な農産物以外は輸入の拡大を図ると言っているんですよ。だからはっきりお答えになるべきなんですよ。とにかく、このままいったら幾ら時間があっても足りませんよ。 次に申し上げますけれども、経構研の報告は、農産物市場開放についてアクションプログラムの中身よりもかなり大きく踏み込んでいるのではないかと私は思うんです。具体的に申し上げますけれども、輸入制限品目の取り扱いについて昨年七月三十日政府が決定したアクションプログラムの中にどう書いているかといいますと、「我が国農水産業の実情に配慮しつつ、国際的動向に即した市場アクセスの改善に努める」となっているわけです。今回の経構研の報告では、この部分がすっかり落ちてしまっているんです。新たに加わっているのが何かといいますと、「国内市場の一層の開放に向けての将来展望の下に」という言葉なんですね。ですから、冒頭に言いましたように、この経構研の報告というものは、農産物市場開放について、政府の決定したアクションプログラムよりも一歩大きくこの輸入問題では踏み込んでいる。どうですか。
○国務大臣(羽田孜君) まさに経構研での議論というのはそういう面が私もあると思います。ただ、これは経構研という立場で御議論なさったことでありまして、先ほど私が前段で申し上げましたとおり、これから私どもとしては農政の長期ビジョンというものを議論していただこうと農政審議会にお願いしておるところです。そこで、この経構研での議論というものも一応参考にしながら議論をしていただくということであります。これは総理も、この経構研の議論というものをひとつ各審議会、それぞれの関係の審議会でまた御議論をいただきたいということを言っておるんですから、別にこれは経構研のあれは至上命題だというふうに私は思っておりません。
○下田京子君 農相の立場は今わかりました。 ただ、この「国際的動向に即した」という表現がいかに重要なのかという点では、これは四月九日発表されました対外経済問題の諮問委員会の報告書に盛り込まれた文章なんですよね。そして同時に、なぜこれが入ったかという経過を見ますと、十人のメンバー中、農業団体のメンバーはたった一人、全国農業会議所専務理事の池田さんなんです。この池田さんが、「最近の日米摩擦におもう」という論文の中で、諮問委報告をまとめる過程で、当初の原案には輸入制限品目について「段階的に縮小と」あったけれども、この表現に池田さんが大変反対されたんですね。なぜかといえば、アメリカだってウエーバー品目というものがあって輸入制限しているじゃないか。ECをごらんなさい、課徴金制度や輸入制限品目を残しているじゃないか。それなのに、なぜ日本だけが単独で率先して段階的に自由化を進めるということをやらなきゃならないんだ、承服できない。相手側の対応に合わせた見直しをやっていくということが大事であって、「国際的な動向に即した輸入制限の見直し」という文言に修正された。 ですから、今回の経構研の報告で、「国際的な動向に即した」というこの文が欠落したということは重大なんですよね。日本が単独でも率先して市場開放を進めるというふうになるわけですから、そういう点で大臣はどういう立場に立っていますか。
○国務大臣(羽田孜君) お答えいたします。 このたびの経構研の議論というのは、基本的にやはり内需拡大というものを進めていこうということが一番の根底にあって、そういうことをもとにして参加されている委員の中でお話しになったということであります。ですから、私どもの立場といたしましては、今日までずっとお答えをしてまいりましたように、要するに今お話がありましたように、各国ともそれぞれがみんな国境措置というものを持っておる。私どももやっぱりこれからもそのことを主張してまいりますし、そのためには、まず基本的に国内生産というものをきちんと確保するということ、それと同時に、必要なものについては安定輸入というものを確保していかなければいけないということ、そして本当に困るものについてはやっぱり備蓄するということなんかについても今日までやっておるわけですから、私どもはその基本姿勢というものを持ちながら、しかも我が国の農業あるいは地域経済、こういったものにどんな影響があるのかということも見きわめながら、その都度きちんと対処していきたい。 経構研の御意見については、私どももやっぱり一つの御意見であるということで、それをまた議論の中に取り入れながら私どもはこういった問題について議論していきたいと思っております。
○下田京子君 突っ込んで聞きたいんですけれども、実は池田さんがこういうことも言っているんですね。 対外経済問題の諮問委の議論の中では、これが日本の有識者なのかと驚くような意見が次々と出た。ある人は、日本の政府がここで日本の農産物を全部開放することをはっきりすれば今の日米間の貿易摩擦問題は直ちに解決するだとか、またある人は、日本の米は加州米に比べて価格は三倍だ、こういう米づくりをいつまでやるのか、せめて倍以下にできる見通しがあるなら我慢するが、その見通しがないなら米の市場開放を全面的にやるべきだ、こういうふうなことを言われていて、池田さんは率直に、こういう荒唐無稽の現実離れした意見が日本の最高の有識者からどんどん出るというのは本当に驚きあきれたと言っているんです。農相、どう思いますか。
○国務大臣(羽田孜君) 確かに何というんですか、一面だけから見ますと、そういう議論というのはあると思うんです。私どもなんかも一般の人たちと話しているときに、私なんかに対して加州米を現地で食べた、すしなんかで食べたら大変うまい、しかもあの値段というのは三分の一以下である、ああいったものをどんどん輸入したらどうだろうかと言う。しかし、確かに米の面で、米というのはこれは全国に行き渡って生産できるものであるから、生産性の高い農業というのは日本の基本でもあるということで、我々はこれを守らなきゃならぬという一面と同時に、やっぱり水田が果たしているいわゆるダムの役割みたいな、いわゆる国土保全という面もあります。そういったことについては、多分ここにいらっしゃるメンバーの方々はお考えにならずにお話しになったんじゃないかなと。 ですから、それぞれが自由にこういうものは話すところですから、私どももやっぱりそういった意見はお聞きしながら、これはこうこうこうですよというふうに申し上げていかなきゃいけない。だから、その点でもしみんなが理解していないとすれば、我々がもっともっと理解してもらうように、日ごろからいろんなところでさらに話し合っていかなきゃいけないなという反省は持ちます。
○下田京子君 よくわからぬメンバーを十人中九人までそろえているんですよ。この九人の方々というのは、まさに積極的農産物自由化論者なんです。そんな方ばかり集めておいて、異端者みたいだと言われて大変不満を述べられていたのが池田さんなんです。ですから、そういう方のことを、これは諮問で出されたんだということでもって御旗にして進めていく今のやり方というのは大変問題だ。 それで、これは日米諮問委員会の最終報告がやっぱり私はベースになっていると思うんです。一九八四年の九月に、日米双方、レーガン・中曽根会談で今後の指針という格好でもって高く評価されたのが日米諮問委員会の内容でしょう。その内容には何と書いてあるかといいますと、日本の農業について、米や麦、大豆、牛の放牧はやめて野菜や果樹、豚、鶏、さらに草花の栽培に転換せよ、こういうふうに述べているんです。さらに経団連も同じようなことを言っています。そして、お米の日山化まで要求してきているんです。今の農相のような話でいくと、これは総理もさっぱり農業のことをわからぬで自由化を進めよという議論になりますね。 私は今聞きたいのは、いろんな形でこれまで周到に準備されてきているこの農産物の自由化を迫る動きに対して、お米を将来とも絶対に輸入しないというふうにお約束できますか。
○国務大臣(羽田孜君) お答えいたします。 今、総理も何もわからずにというお話ですけれども、例えば一番初め総理がアメリカに行かれて大統領とお話するときにも、その事前に総理ともいろいろお話をしました。そのお話をしたときに、私どもとほとんど変わらない感覚をお持ちになってそのままアメリカに出かけられたという経緯も私はよく承知しております。そして、確かに今この中でいろんなことが議論されたことはありますけれども、これはあくまでも議論なんであって、私たちがそれじゃその中で、それをどこで日本の中で本当に生かすことができるのか。本当に、現実的には一体どこがどうなのかということを私たち自身が実は議論しながら、これから農政というものを、それこそ皆様方の御指摘もいただきながら進めてきておるわけでございますから、私どもはその点については間違いないということ。 そして、米の輸入については先ほど申し上げたような事情があります。ただし、今、日本で、例えば沖縄なんかの場合には、どうしてもあそこの米でないとあそこのしょうちゅうはできないというようなことから、あるいはモチ米等が不足したりなんかしたときには輸入している現実はございます。ですから、絶対とか何とかということは言うべきじゃないと思いますけれども、私は基本的に米の輸入というものはするべきでないというふうに考えております。
○下田京子君 中曽根・レーガン会談で、今後の方針ということで総理みずからが高く評価した日米諮問委員会の中身の中に、米づくりや何かはやめなさい、こういうことを言っている。本当に日米諮問委員会の中でちゃんと言っているんです。ですから、最終報告の中でそれが述べられているわけであって、米が自由ということになれば、文字どおり日本の農業に壊滅的打撃を与えるんです。これはもうはっきりしています。 時間がなくなってきちゃったのでちょっと飛ばしまして、例えば今言うような経構研の報告という中身は国会の決議、自給力向上というやつ、率であればなおいいんですけれども、こういったものについても反するということを指摘して、江崎総務庁長官にお聞きします。 国際経済の特命相でありますだけに実情はよく御存じだと思うんです。一つは、日本が世界最大の農産物純輸入国であるという、この点では国際化時代という点でむしろいわば先取りしてきたんではなかろうか。二つ目には、中でもアメリカからの輸入が最大であって、特に貿易収支ということになれば日本の農業は赤字になりますし、こういう事情をアメリカの農家の方々、あるいは日本の財界人ですね、知らないんではないかというような意味の発言をなされていたと思うんですけれども、改めて御認識を聞かせてください。
○国務大臣(江崎真澄君) 農は国の大本である、これは中曽根総理もしばしば言っておりますね。米作を否定するなんというようなことはだれも考えておりませんよ、自民党は。それは農家に不安を与えてはなりませんから、私からしっかり答えておきます。 御承知のように、日本の産米量は、今生産調整をしておりますが、約千五十万トン、そして外国からの、これは飼料を含みますが、輸入量が二千七百万トン。そのうちの二千百万トン、いわゆる日本の米の生産量の倍量を、我々日常食べておる豆腐だとかみそ、しょうゆの原料になる大豆を初め小麦粉、そういったものを二千百万トン、倍量を入れているんですね。だから最大の顧客。ちょうどミッションで昨秋もアメリカを訪問しました。当時はまだ羽田農相ではありませんでしたが、アメリカに行きまして、農水省だけですよ、大歓迎して昼食をともにしようなんと言ってくれたのは。だから、お説のように十分これは宣伝しなければならぬ。日本が非常な輸入国である、これはアメリカ側にも我々宣伝はしたが、大使館とか領事館だけでは済まないから、輸入商社はもとよりのこと、各支店、そういうところが農産物を中心に生産しておる州などでは買い入れ側においてもそういう宣伝をうんとしなさいと、こういうことを我々も今組織的に検討をし、党側と協力をしてやっておるところであります。
○下田京子君 今言われたような内容と真っ向から反するような経構研の内容ですよ。もうこれは高く評価するんだ、それを実行していくための推進会議もつくるんだ、日米の間には高級事務レベルの定期協議もやっていくんだというはうなことは、全くこれは問題だということを繰り返し申し上げておきます。 それで、せっかく補助金カット一括法との関係ですから大蔵大臣に聞かなきゃならないんですが、農水関係のカット類をまず確認させてください。今回の補助金カット一括法で農水関係の高率補助のカット類、法律によるもの、これは農水省専管で、森林法百五十五億、漁港法で五十七億、その他の法律によるものが七十三億で合わせて二百八十五億円。それから法律以外の政令や予算措置によるものやは、農業基盤整備関係で四百五十八億円というものを中心にして六百二十八億円、合計で九百二十三億円にも上ると、間違いないですね。
○政府委員(田中宏尚君) ただいまの数字に間違いがございません。
○下田京子君 それで、これも議論になっていると思うんですけれども、財政措置ですね。国民に直接影響を及ぼさないとして、地方財政等でいろいろ措置を講じているというふうにお述べになっておりますけれども、法律によるものも予算措置によるものもすべて対応されるのかどうか、これが一点です。 それから、これはカットは三年限りで、三年後、四年目からどうするかというのは今後のいろいろな状況を見てたと、こういう話をされているんですけれども、これは大変問題だと思うんですね。やっぱり三年後もとに戻すべきだと思いますが、どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 最初の問題につきましては、マクロベースで私どもはお話するわけでございます。個々の市町村に対します問題は自治省でそれぞれ汗をかいて適切な措置を行われておるであろうと信じておりますが、マクロベースで基準財政需要額等に、算定基準に入れるとかいうことで、いわば地方財政計画そのものには支障を生ぜしめないと、こういうのを基本的な考えとして今回もまた今後も取り続けなければならないと思っております。 それから、二番目の補助率を返せと、単純に言えばそういう御質問でございますが、この問題につきましては、三年の時限としましたそもそもの理由は、一つは、やっぱり生活保護関係が両論併記で出てきたということで合意を見るに至らなかったということが一つあります。それからもう一つは、絶えずいわば財源配分、税源配分等は検討していかなきゃならぬ問題でありますが、たまたま国税、地方税のあり方について税制調査会で御審議いただいておる、そういうことの変化が今後全くないとは予測できません。等々考えますと、やはり三年というのが適当だ。三年という論理的合理性を言えとおっしゃってもこれはなかなか難しい問題でございますが、そのような措置を行いました。したがって、六十四年度以降の補助率におきましては、その時点における国、地方のいわば財政状態あるいは経済の推移等においての役割分担、費用負担のあり方等を慎重に検討して決めるべき課題である。単純に返すと、こういう物の考え方の上には立っておりません。
○国務大臣(江崎真澄君) ちょっと時間があるいはどういうことになりますかあれですが、さっき経構研と全く反対のことを私がお答えしたとおっしゃったが、これはそういうことを言っているのじゃないので、経構研というのは中期国標、私の言ったのは現況の認識はどうだと問われるから現況を率直に申し上げた。 そこで、経構研では経営が成り立つ農家の育成ということを言っていますよね。それからもう一つは、バイオテクノロジーをもっと採用して、今予算でもこの足りないときに大幅にふやしているでしょう。ですから、単作地帯などはバイオテクノロジーをもっと吸収して経営にたえるようないい農家づくりをしていこう、こういうふうに補足して御答弁しておきます。
○委員長(嶋崎均君) 下田君、時間でございます。
○下田京子君 そうなんですよね。私はこれ一問、どうしても言わなきゃならなかったのに時間なんですよ。ただ一言言っておきます。 つまり、高率でない補助金も六十一年度予算で軒並み補助率が下げられているんですよ、大蔵大臣。その中にはざっと五十八億七百万円カットがあります。それで今言うように、じゃすべてが国民に影響を与えないかといったらそうでもないみたいな話をされたのですが、そのとおりなんですよ。水田利用再編対策推進事業費補助金、これは一億五千八百万もあるんです。あるいは新農構のメニュー事業になりますと、これは個人の共同によるものだとか農協によるものですが、これはもう全然手当てされていないんです。そういう点で非常に問題だということを申し上げておきます。同時に、今回のこの一括法は、農水関係だけでも専管二本なんです。その他九本で、十一本もの法律をこういう格好で、もう時間だ、やめろということで通していくということはまさに問題だということを申し上げます。 そして、今江崎大臣が言われたことですけれども、将来は経構研が言っていることと同じだということを表明されたと思うので、これは重大だ、問題だと、本当にそういうことでは日本の農業は大変なことになると繰り返し申し上げておきます。
○委員長(嶋崎均君) 時間ですから。
○下田京子君 終わります。
○下村泰君 先ほど総務長官のお話をちょっと私聞いておって、どうしてこうやって立場立場が違うとこれだけおおらかなことをおっしゃるのかなと思ったんです、先ほどのお話で。つまり、縄張り根性を捨ててお互いに横の連絡をとり合う、有能な人間なら適材適所に運ぶ、異動もさせる、そして適宜政策を行う。大変すばらしいお考えを拝聴したんです。ところが、ほかの省へ行くと全然そういうことをおっしゃらないでしょう、皆さん。どういうわけで総務長官だけがそういうことをおっしゃって、ほかの方が言わないのかというようなことをふと感じました。 例えば、いつも私が問題にしている身体障害者の問題にしても、労働省と厚生省がお互いにお話し合いしてくださればスムーズにいくことが、いかない例がたくさんあるわけですよ。そういうところを総務長官にひとつお願いをしておきたいのですが、いかがでしょうか、ちょっと何か答えてください。
○国務大臣(江崎真澄君) 私は行政改革の究極の目的は、やはり縦割り行政の顕著な役所づくりではなくて、一つの政府、これでなくてはならぬと思うのですね。それから中曽根行革というものもやっぱりその理想に向けて走っていかにゃなりませんね。そして我々総務庁というものは、行管庁と総理府の一部の職務をとったわけで、いわば攻めの官庁になるわけです。ですから、ある意味においては各省庁に対して、縄張りでせめぎ合っておるものを調整したり、そしてそれを一体化したりと、こういうものもやはり我々に課せられております。簡素にして能率的な政府づくりという、それを目的に行革審を始めたんでしょう。その一番根本が忘れられて、縄張りがますます縦割り的に強くなるという政府をこのままにはしておけない、私本当にそう思うんです。 ですから、一人の江崎がそれを言ってみたところでこれはすぐ簡単にできると思いません、これは長い官庁それぞれの伝統がありますから。しかし国会議員が全部その気になって、そしてまた官庁のOBも、この中にも随分有力者がおられますね。ですから、そういう方たちも一体になってやっていけは私は不同能なことではない。これはやはり本来の簡素にして能率的な政府づくりの行革の根本精神を忘れてはならない。 また、私も総務庁長官であるうちにこの声を大きくして、総理もぜひそれは進めてくれと、こう言っておりますから、そういう面でぜひ一体化がちょっとでも進むように、また下村先生の熱心な福祉問題についても、特に身体障害者の問題については非常な御熱意を自分で傾けておられる、こういった面についても、あっちへ行け、こっちへ行けというようなことでは本当に困るですね。ですからその点は、さっきも大蔵大臣とささやいておったことですが、将来総理になったら、おまえさん、これはやっぱりやってくれにゃいかんわなと言ったら、いや、あなたのおっしゃるとおりだと言っていますから、これはやはりお互いに大事なことだと思って私ども受けとめておるわけでございます。
○下村泰君 別にごますのでやっておるわけじゃありませんけれども、そういう力強いお言葉を聞くと大変安心いたします。ただ、江崎さんが総務長官のときはそれでようございますけれども、今もお話に出ましたけれども、中曽根行革はこうである、そうすると中曽根行革というものが果たして竹下大蔵大臣が総理大臣になったときは継がれるのかどうかという、これも心配になってきますけれども、その話は抜きにしまして、今大蔵大臣と総務長官がささやいたそうでございますけれども、やはりその御認識はございますでしょうか、一応承っておきます。もし総理大臣になってからそんなことは言いませんでしたとは言わせないためにも、今確たる証拠を握っておきたいのでございますけれども、いかがでございましょう。
○国務大臣(竹下登君) もしの話は別におきまして、江崎総務長官が言われたことが本来のあるべき行革の姿であって、これはどの内閣ができようと私は継承さるべきものであろうというふうに考えております。
○下村泰君 突如フリートークでまことに申しわけなかったと思います。どうぞ総務長官お帰りくださいませ。 竹下大蔵大臣も大変すばらしいことをおっしゃってくださいました。どうぞひとつ代がかわりまして竹下内閣のときにもお忘れなきようお願いをいたしておきます。 この間、国鉄の障害者雇用についてお尋ねをいたしましたが、そのときに三塚運輸大臣から、「障害者の雇用対策は政府の基本方針であります。よって、一番弱いところにしわ寄せをして進むということになりますと、分割・民営は国民的な共感と理解を得ることができません。その辺のところを十二分に配慮をしつつ取り組んでまいります。」、こういうお答えをいただきました。これは大変ありがたかったのでございますけれども、今度は利用する障害者に対してもこのお気持ちをいただけないものかと、こう思うんです。 すなわち、障害者で内部障害者ですね、こういう方々がいらっしゃいます。難病患者もそうでございます。こういう方々の運賃の割引問題なんですけれども、この問題はずっと前に私も取り扱ったことがあるんですが、財政難を理由に見送られてきたわけなんでございますけれども、その辺ちょっと発想をかえてみて、そうした制度から除外されていた人たちが制度の適用を受けることでより一層利用することになれば、増収と言わないでも多少の利益は上がると思うんです。内部障害者あるいは難病の多くは福祉法からは外れています。国の手当ては大変不十分な方たちなんです。今まで難しかったのが分割・民営になったらなおさらじゃないかと思うんですが、いかがでございましょうかね。こういう方たちにもそういったような利用をさせていただけるというふうにならないものなんですか、伺います。
○政府委員(棚橋泰君) お答え申し上げます。 先生の御質問の御趣旨十分理解をするところではございます。ただ、先回のときにも財政難ということを申し上げたということでございますが、その後も国鉄の財政大変厳しい状況でございまして、今基本的な改革案を国会にお願いをしておるような状況でございます。現在、身体障害者関係につきましては大体年間五十数億ぐらいの割引をやっておるわけでございます。その範囲をどの範囲にするかということについてはいろいろ御議論のあるところでございますけれども、現在やっております割引は大体私鉄等も勘案をいたしまして、現状といたしましては国鉄としてはこの程度の割引をやるのが精いっぱいではないかというふうに考えておるわけでございます。 また、抜本改革をいたしました後の国鉄が民営になりましたらこういう身障者の対策等がおろそかになるんではないかというお尋ねでございますけれども、この点につきましては先ほど申し上げましたように、私鉄においても現在自主的にそういう制度をとっておるわけでございます。新しい会社が将来発足いたしましてもそういう水準は下がらないように、運輸省としても指導をしてまいるということで国鉄とも十分話をしておるところでございます。
○下村泰君 まだお願いがあるんですが、これは大臣がいらっしゃらないとやっぱり決定権がないですからね。いずれにいたしましても、きょうは大臣がいらっしゃらないから早目にやめましょう、これは。 電動いすのことでちょっと伺いたいと思うんです。電動車いすの制限速度について伺いたいんですけれども、制限速度を警察庁が四十九年六月に通常の歩行速度でおおむね時速四キロを超えないという基準を決めたんだそうですね。各都道府県公安委員会に通達を出して、それ以後そうなっておる。これに基づいて通産省工業技術院が五十二年に最高時速は四・五キロ以下というふうにJIS規格を決めたわけなんです。この後、各メーカーがこの規格に沿ってつくっているんだそうですが、どうして四キロから四・五キロというのを決めたんでしょうか。そこのところをちょっと伺いたいわけなんです。
○政府委員(八島幸彦君) お答えいたします。 電動車いすの速度をおおむね四キロメートルを超えないというふうに決めましたことは御指摘のとおりでございますが、これは通常の歩行者の平均速度が一時間当たり四キロメートルであるということから、歩行者扱いをするものですから同じ速度というふうにいたしたものでございます。
○下村泰君 多分、昔の人の言い伝えで一時間に一里、実際は三・九二キロですよね、そういう計算をするとちょっとこれは計算が合わないんですがね。普通の健常者だと四キロということはないんですよ、もうちょっと速く歩けるものなんですよ。私は競歩をやっていますから一時間七キロ歩きますけれどもね。ただ、電動いすというのは障害者にとってはもう足と同じですわね。急に雨が障ってきたときとかあるいは小走りに行かなきゃならないようなとき間に合わぬわけですね、この速度では。もちろん歩いていらっしゃる方の安全、乗っている障害者の安全、これはもう当然なんですが、技術院、安全という点で現行のスピードをもうちょっとアップするということは考えられないものなんでしょうか。
○政府委員(八島幸彦君) 電動車いすの性能を四キロ以上出せるようなものにつくるということは、私は専門的な技術的知識を持ち合わせておりませんけれども、恐らく可能であろうと思います。ただ、特定の場合に速度を上げて走れるようにしたらどうかという御指摘、そういう場合ももちろんあろうかと思います。しかし、そういう速度でなくて、通常の場合に四キロ程度の速度で歩道等を一般の歩行者とまじって通行するということから安全性の担保の問題もございますので、そういう他の歩行者の安全ということを考えて現在のところは四キロというふうにしている次第でございます。
○下村泰君 それはよくわかります。これは大臣よく聞いておいてください、これは自治管轄ですからね。ただ、電動車いすに乗っている人が踏切に行きますよ、踏切に来たときにその四キロの速度で行くと遮断機がおりる、そういうこともあるんです。それから名古屋へ行っておわかりでしょうけれども、あそこは百メートル道路がありますよ。普通の人間が歩いていても途中で信号がかわっちゃうんです、あそこは。そういうところもあります。それぞれの状況に応じて多少のスピードアップができるくらいにしてあげないと、実際電動車いすを使っている方が不便なんですね。私は何も百キロも二百キロも出せと言っているのじゃないんですよ、あんなもので百キロも二百キロも出るわけないんだから。せいぜい二キロか三キロぐらいですよ、プラスしたって。つまり小走りですわね。それはその人によりますよ。歩幅によって、奈良の大仏が小走りといっても大変なことになりますからね。昔、奈良の大仏と浅草の観音様が同時に出発して歩き始めたという、どこで会ったかというと、今の浅草の雷門がありますね、あそこで会ったんですよ。私も真偽のほどはわかりませんが、話ではそうなっておる。それであそこに大きなわらじがあるなんという話も聞きましたけれども、そのくらいスピードがある。そんなにスピードを出すようなものをつくれと私は言っているわけじゃないんです。 つまり、今の電動車いすで多少のスピードが上がる、例えば並みとか魚とか二つのスイッチがあって、せめて上がっても二キロ、六キロぐらいという程度でしたら、別に私は操作する方が何もそんなスピードでもって銀座通りの歩行者天国の込んでいるところを走ろうというのじゃないんですから、そういう緊急事態のとき、彼らにとっては緊急事態ですよね、踏切で遮断機が閉まるなんというときは。そのときには小走りにできる程度のスピードにアップしてはいかがかと、こういうことを私は申し上げておるんです。このくらいのことはやはり使う方の側の気持ちを考えてやるべきだと思いますよ。これからますます私はふえると思うんです。五十九年度の調査で千四百四十六人、これは厚生省の調査ですけれども、出ております。けれども、交通事故で災害に遭う方あるいはお仕事の関係で上から落ちてというような方もおります、現在参議院にもそういう方が一人おるんですから。そういうようなぐあいでいっそういう災難が降ってこないとも限らない。こういう利用者がふえると思います。そうするたびにこの問題は起きてくると思うんです。ですから、そのくらいの弾力性があっても私は罰は当たらないと思うんですよ。ひとつ大臣の方から御意見を聞かしてください。
○国務大臣(小沢一郎君) 歩道を走るわけですから、先生の御指摘のようにめたらやたら遠いスピードということのわけにはいかないんですが、お話のようにいろいろな状況に応じましてその処置ができるような方法を私どもも少し検討いたしてみます。いろいろな安全やらその他のことも警察で心配して今答えておるとおりでございますので、今後検討してみたいと思います。
○下村泰君 大臣の検討という言葉だけで終わらないで、検討した結果こんなぐあいにしてみたいと思いますと、そういうところをひとつ含んでおいてください。 それで厚生省にもお話を伺いたいんですけれども、大臣もいらっしゃいませんし、大蔵大臣も大変お疲れの御様子でございますので、この辺で私は切り上げます。あとはまた後日に回したいと思います。 どうもありがとうございました。
○委員長(嶋崎均君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 明二十五日、午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十分散会