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104回国会参議院1986/04/23

補助金等に関する特別委員会 第5号

発言数
131
登壇者
15
会派数
6
開催日
1986/04/23

会議録

嶋崎均自由民主党・自由国民会議

○委員長(嶋崎均君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を開会いたします。  国の補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題といたします。  本日は、本法律案の審査のため、参考人として、午後一時からは地方公共団体の関係者の方々を、また午後三時三十分からは学識経験者の方々をお呼びいたしております。  まず、地方公共団体から、新潟県副知事金子清君、全国市長会副会長・伊勢市長水谷光男君及び全国町村会理事湯本安正君の三名の方々の御出席をいただいております。  この際、参考人の方々にごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙中のところ、当委員会に御出席いただきましてまことにありがとうございます。  本日は、本法律案につきまして忌憚のない御意見を拝聴いたしまして、今後の審査の参考にいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  なお、議事の進め方について申し上げます。  まず、一人十五分程度順次御意見をお述べいただき、その後各委員の質疑に対してお答えいただきたいと存じます。何とぞよろしくお願いいたします。  それでは、金子参考人からお願いいたします。金子参考人。

金子清新潟県副知事

○参考人(金子清君) ただいま御紹介をいただきました新潟県副知事の金子でございます。  諸先生方には、日ごろ地方行財政の諸問題につきまして格別の御理解と御高配を賜っており、また本月は、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案に関しまして地方団体の意見を申し述べる機会を与えていただき、衷心より感謝申し上げます。  御案内のとおり、国は昭和六十年度の予算編成におきまして生活保護費などの補助負担率を一律に引き下げたのでありますが、この措置は一年限りの暫定措置とされ、昭和六十一年度以降の補助負担率のあり方につきましては、政府部内に設けられました補助金問題検討会において、昨年の五月以来十二月の予算内示の直前まで調査、検討が行われ、十二月二十日に国庫補助負担金の見直し及び補助負担率のあり方を内容といたします最終報告が提出されたところであります。  同報告書を拝見いたしますと、老人福祉、児童福祉などの入所措置の関係につきましては一応の事務の見直しが行われたようでありますが、生活保護費につきましては、生活保護行政が国民に健康で文化的な最低限度の生活水準を保障する制度であるということから、国の責任の度合いを考慮して従来どおり国庫補助負担率を十分の八とするということが適当であるという意見と、国庫補助負担率の体系的な見直しの観点から三分の一とするのが適当であるとする意見とが対立いたしたまま両論併記となっております。  政府は、この報告を受け直ちに生活保護費の取り扱いにつきまして関係省庁の意見調整を行ったところでありますが、これが難航し、結局この件は、政府・与党連絡会議に持ち込まれた結果、生活保護に係る補助率につきましては本来十分の八であるべきであるが国の財政事情を考慮して今後三年間緊急避難的に十分の七とする、また、たばこ消費税の税率を引き上げ、国の増収分も地方の収入とするという臨時異例の措置を講ずるという裁定がなされたというふうに伺っております。  以上のような経過を経て、昭和六十一年度の予算におきましては児童福祉、老人福祉などの入所措置の関係については二分の一、生活保護費については昭和六十年度に引き続き十分の七とされ、その他公共事業などにつきましても昭和六十年度よりさらに引き下げられたところであります。私どもといたしましては、国と地方との間の機能分担のあり方を初め、事務事業の見直しについての十分な論議が尽くされないままこのような補助負担率の引き下げが行われましたことは甚だ残念に存じておる次第でございます。  今回の引き下げは三年間の暫定措置とされておりますので、昭和六十四年度以降のあり方につきましては、暫定期間中において国、地方の役割分担及び財源配分のあり方などとともに抜本的な見直しを行った上で、私どもも納得できる適切な措置を講じていただき、国、地方を通ずる真の行政改革と財政再建が図られますよう期待申し上げているところでございます。  今さら申し上げるまでもなく、私どもは国庫補助金などの整理合理化はすべて反対であるというふうに申し上げているものではございません。国、地方を通ずる行政の簡素合理化を進め、中央集中の排除と地方分権の確立という基本的方向に沿った国庫補助金などの整理合理化には、私どもといたしましても進んでこれに協力申し上げるという考え方を持っておるところであります。このため私どもは、今回のようなやり方ではなく、地方制度調査会の答申でも提言されておりますように、補助金額が少額なもの、実質的な補助率が著しく低いもの、職員設置費の例に見られるような地方行政として既に定着、同化している事務事業に対する国の補助金などは整理し、地方交付税などによる財源措置に振りかえるべきであると考えております。  また、会館など公共施設の整備は、本来地方団体が自主的に対応すべきものと考えられますので、そのような観点からこれら国庫補助金は極力整理し、地方債及び地方交付税による財源措置に振りかえることとすべきであると考えております。このようにすることによりまして、地方の自主性、自律性も強化されますとともに、国の事務と負担も大幅に軽減され、国、地方を通ずる行政改革と財政債権にも大きく寄与することができると存じております。  御承知のとおり、地方財政は昭和六十一年度末におきまして五十八兆八千億円に上る借入金を抱え極めて厳しい状況に置かれております。また公債費負担比率も逐年上昇いたし、公債費負担比率が危険ラインと言われております二〇%を超える団体が昭和五十九年度決算では一千三十三団体、全体の三一・三%と前年度の八百二十団体に比べ大幅に増加しており、個々の地方団体は苦しい財政運営を余儀なくされている実情にございます。したがいまして、このような借金依存体質から速やかに脱却し、地方財政構造の健全化を図ることが急務となっておるところでございます。  このため、地方自主財源の強化充実、とりわけ地方税源の充実、地方交付税総額の確保が図られなければならないと存じております。しかるに、過般来の新聞報道などによりますと、臨時行政改革推進審議会の推進状況調査小委員会におきまして、地方交付税に関する諸問題などが論議されているやに仄聞いたしております。御承知のように、地方交付税制度は国、地方間の財源配分にかかわる問題であり、総体としての国、地方間の費用負担及び財源配分の状況等を十分に検討した上でそのあり方が論ぜられるべきであると存じております。これらの検討が行われないまま軽々に交付税率引き下げといった論議がなされているとすれば、極めて不適当であるというふうに存じております。  また、現在、交付税特別会計は五兆七千億円に上る借入金を抱えておりまして、これらの検討に当たってはこの点も十分留意されるべきであるというふうに考えております。  なお、本年度におきましてはシャウプ勧告以来の税制の抜本的改革も検討されているというふうに伺っております。この機会に国、地方を通ずる税制につきまして抜本的見直しをしていただき、地方歳入に占める地方税の収入割合を引き上げ、地方の自主税源を強化し、国と地方の役割分担に基づいた適切な財源配分が図られまして円滑な地方財政運営が期せられますよう、適切な財政措置を昭和六十二年度から講じていただきたいというふうに存じておるところでございます。  以上、簡単でございますが、私ども地方団体の立場から、特に全国知事会の立場から意見を申し述べさせていただきましたので、よろしくお願いいたします。

嶋崎均自由民主党・自由国民会議

○委員長(嶋崎均君) ありがとうございました。  次に、水谷参考人にお願いいたします。水谷参考人。

水谷光男全国市長会副会長・伊勢市長

○参考人(水谷光男君) 全国市長会の副会長をいたしております伊勢市長の水谷光男でございます。  参議院補助金等に関する特別委員会の諸先生方には、地方行財政の諸問題につきまして日ごろ格別の御理解、御尽力を賜っておりますこと、この機会に心から厚く感謝申し上げるところでございます。  本日は、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案につきまして意見を申し述べる機会をいただきましたので、都市行政に直接かかわっております市長の立場から意見を申し述べさせていただきます。ただいま県側を代表して御説明がございましたが、若干重複する点もございますが、お許しをいただきとう存じます。  御案内のとおり、地方財政は地方財政計画に沿って運営されておるわけでございますが、昭和六十一年度の計画規模は総額で五十二兆八千四百五十八億円、前年度対比四・六%の増となり、国の予算の伸び率三・〇を上回るものとなっております。一般財源は六%の増、一般財源比率も六五・一%となるなど、内容は改善されてきております。しかし、国庫補助負担率の引き下げに伴う影響額を補てんするため、建設地方債が九千三百億円増発され、そのために地方債依存度が前年度の七・八%から八・四%に押し上げられることとなったのでございます。  さらに、地方財政は六十一年度末におきまして、ただいまお話もございましたように五十八兆円を超える借入金残高を抱えるなど、極めて厳しい状況に置かれておりまして、個々の地方団体につきましても公債費負担比率が年々上昇いたしまして、二〇%を超える団体が一千三十三団体と前年度の八百二十団体と比べて大幅な増加を示しておりまして、財政の硬直化が一段と進んでいるのが実態でございます。地方団体は財政難であるからといってやめてしまうことができない住民に直結した行政が大部分でございます上、歳入構造から見ましても自主財源が極めて乏しく、その上、国の制度、施策の影響を強く受けるという特質を持っておるのでございます。  また、地方団体は三千三百余の個別の財政主体の集合体であり、税収の伸び悩みにより予算編成にも四苦八苦しているところが数多くあること等を考えますと、現下の地方財政の実態は全く予断を許さない状況にありまして、地方財政の健全化はまだまだと言わざるを得ないのでございます。  地方団体におきましても、この危機を打開すべく事務事業の見直し、組織機構の簡素化、職員の給与、定員の適正化、経費の節減合理化等に努め、みずから努力しているところでございますが、地方財政の現状に対する十分な認識が得られずに国と地方団体の財政状況を単純に比較論評する向きもございまして、時としては地方財政の方が国より余裕があるとの見方があることは極めて残念に存じておる次第でございます。  さて、国庫補助負担率の引き下げ問題についてでございます。  ただいま申し述べてまいりましたような地方財政の状況の中にありまして、国の厳しい財政事情により国庫補助負担率の引き下げが昭和六十年度の予算編成において行われたのでございます。その際、私どもは総力を挙げてその反対運動を展開したのでございますが、結局、これは一年限りの暫定措置である、地方負担の増加についても全額補てんするということでございまして、不本意でございましたが、これを受け入れることとしたわけでございます。  その後、昭和六十一年度以降の補助負担率のあり方につきましては、補助金問題関係閣僚会議のもとに設けられました補助金問題検討会において検討が続けられたのでございますが、昨年十二月二十日の最終報告に至りましても、生活保護費の負担率につきましては、「補助率の体系的な見直しの観点から三分の二とする」意見と、「国の責任の度合を考慮して、従来どおり十分の八とする」意見、両論併記することとなったのでございます。このため、補助金問題関係閣僚会議及び自治、大蔵両大臣の折衝を行ったのでございますが、ここにおきましても意見の一致を見られず、最終的には自民党裁定により決着が図られたのでございます。  その主な内容としましては、生活保護費の補助率は十分の七とする、老人福祉、児童福祉等については機関委任事務を団体委任事務としてその補助率を二分の一とする、公共事業の補助率は二分の一を超えるものについては六十年度の補助率からさらに一段階引き下げる、補助率引き下げ措置は今後三年間の暫定措置とするとなっておりまして、私ども地方団体にとりまして非常に厳しいものとなっておるのでございます。幸い、昭和六十一年度につきましては、たばこ消費税の税率引き上げという補てん措置を含む財源措置がなされ、またある程度事務の見直し等が行われておりまして、私どもといたしまして今回の措置もやむを得ないと判断しておるところでございます。  これまで私どもは、国庫補助金等の整理合理化に当たりましては、地方団体の事務事業として既に同化、定着しているものなど地方の自主性にゆだねることが適切と考えられる補助金や人件費、法施行事務費等運営費に係る補助金につきましては、これを廃止し、縮減し、地方一般財源に移行することを基本として推進するとともに、存続する補助金等につきましては類似ないし同一目的の補助金等の統合メニュー化、補助金等の交付手続の簡素合理化を図ること等を一貫して主張しておりまして、具体的な提案もさせていただいてまいったところでございます。こうすることによりまして、地方の自主性、自律性も強化されますとともに、国の事務と負担もまた大幅に軽減され、財政再建にも大きく寄与することができると信ずるのでございます。  このように、私ども地方団体は、補助金の整理合理化にすべて反対というものではございません。地方団体が意見を申し上げますのは補助金等の削減のやり方に対してでありまして、筋の通った整理合理化ならむしろ協力を惜しまないところでございます。今回の措置は三年間の暫定措置とされておりますので、その後の見直しに当たって、地方団体の自主性、自律性の尊重の観点に立った、私どもにも十分納得のいく整理合理化を推進していただきたいと存じております。  なお、法案の審議、取り扱いにつきましては、私どもがとやかく申し上げる筋合いではございませんけれども、直接地方行政を執行する立場にある者といたしましては、本法案の審議経過に大きな関心を寄せているところでございます。  御承知のように、本法案におきましては、地方団体の数多くの事業とかかわっておりまして、その影響は極めて大きいものがございます。幸い昨年度は、先生方初め関係の皆様の御尽力によりまして、法案成立後国費の繰り上げ交付等所要の措置を講じていただきましたので事業執行に事なきを得たのでございますが、本年度におきましても円滑な事業執行ができますよう諸先生様の格別の御配慮をお願い申し上げる次第でございます。  最後に、国民健康保険につきましてこの機会にお願い申し上げたいと存じます。  国民健康保険は、現在退職者医療制度の創設に伴う見込み違いによる負担増のため、極めて厳しい状況下にございます。この見込み違いによる不足財源の補てん等につきましては、昭和六十年度の補正におきまして一千三百六十七億二千五百万円が措置されましたが、この措置によりましてもなお十分ではないと存じますので、今後とも国の絶大な対処をお願いしたいと存じます。  また、今国会に提出されております老人保健法等の一部を改正する法律案は、受益者負担による一部負担の見直しや加入者案分率の引き上げを行い、来るべき高齢化社会に対応した老人保健制度を構築するとともに、国保財政の危機を克服するための必要最小限の緊急措置であると存じますので、同法案の速やかな成立につきましてもあわせてお願い申し上げる次第でございます。  以上、市長の立場から忌憚のない意見を申し述べさせていただきました。地方財政の厳しい実情を何とぞ御理解くださいまして、格別の御協力、御指導を賜りますようお願い申し上げ、私の公述を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

嶋崎均自由民主党・自由国民会議

○委員長(嶋崎均君) ありがとうございました。  次に、湯本参考人にお願いいたします。湯本参考人。

湯本安正全国町村会理事

○参考人(湯本安正君) ただいま御紹介をちょうだいいたしました全国町村会理事、長野県木島平村長の湯本でございます。  先生方には、常々地方行財政問題に関しまして格別の御理解と御尽力を賜り、また本日は、町村を代表して意見を申し述べる機会をお与えいただきましてまことにありがたく、衷心より厚くお礼を申し上げる次第でございます。  補助金問題につきましては、既に金子副知事さんあるいは水谷市長さんからお話がありまして、重複を避けて簡単に申し上げたいと存じます。  昨年、補助金問題検討会を中心としつつ補助金問題は検討されてきたわけでありますが、現下の情勢において万やむを得ざるものとして不本意ながら受け入れざるを得なかった次第であります。事務事業の十分な見直しのないままの引き下げ措置は、今後絶対にとっていただきたくないということをお願い申し上げる次第でございます。特に私ども町村は、財政規模が平均三十億弱でありまして、一般財源は平均十六億円程度という弱小な財政規模であり、公債費負担比率も二〇%を超える団体も非常に多い状況でありまして、既に今も市長さんからお話しのとおりであります。地方に財政負担が転嫁された場合には財政的に大きな負担となるわけでありまして、何分よろしくお願いを申し上げたいと存じます。  これと関連いたしまして、最近政府の行革審において、地方への財政負担の転嫁にとどまらず、私ども弱小町村の切り捨てに連なるような市町村合併を推進しようとする動きすらあるやに伺っておりまして、大変重大な、しかも町村の存亡にかかわる問題として受けとめている次第でございます。  町村は、弱小といえどもそれぞれの地域の実情を生かしつつ、真の住民福祉の向上を図るべく努力を重ね、現にその効果を発揮しつつある町村も多い次第であります。そういうことから、弱小町村は合併してしまうということでなく、各町村が過疎町村であれ山村であれ、それぞれ成り立っていくような財政措置をぜひお願い申し上げたいと存じます。またこうした財政環境の厳しい折から、国の財源等を合併町村にのみ手厚く配分するといった偏った財政措置によりまして、合併を自主的に望んでいない町村まで合併に追い込まれ、切り捨てられていくというような事態の起こらないように国の財政措置には十分慎重な御配慮をお願いいたす次第でございます。  補助負担金等に関する意見は以上でありまして、地方自治の現場を預かる立場から忌憚のない意見をお願いかだがた申し述べさせていただきましたが、国、地方を通ずる行政の軽量・効率化、経費の節減等には個々の団体が国と一丸となって取り組んでまいりたいと存じておりますので、本法案につきましても速やかな成立をお願い申し上げまして、簡単でありますけれども私の公述を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

嶋崎均自由民主党・自由国民会議

○委員長(嶋崎均君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 私は社会党の村沢牧であります。  参考人の皆さん方には大変お忙しいところを御出席いただきまして、貴重な御意見ありがとうございました。  まず、御三人の参考人にお伺いしたいのでありますが、昨年の補助金の一律カットは、これは地方団体挙げて抵抗を示した。しかし、これは一年限りであるからということで政府も約束したわけであります。そしてまた、私ども国会の審議の中においても、一年限りにしなさいという附帯決議もつけておるところであります。六十一年度の予算編成に対しましても、地方団体から政府に対して補助金カットについていろいろな要請が出されたことは承知をいたしております。しかし、一年 限りという法律が今度また出されてきたわけでありますが、その中身を見ますると、提出した方法も昨年と大体同じような方法で提出している。しかもなお、内容に至りましては補助金のカット率を拡大いたしまして、例えば二分の一以下のものについてもカットをするというようなこと、それからまた、国の財政負担を昭和六十六年以降に先送りをするという、こういう内容が出されておるわけでありますが、こうしたことに対して地方団体はどういう気持ちでもって受けとめていらっしゃるでしょうか、そのことが一点であります。  第二点目であります。地方六団体は地方制度調査会や地方財政審議会の意見等も踏まえまして、お話がありましたように、国と地方の機能分担を見直すことなくて国の補助金を引き下げることは、国の財政負担を地方に転嫁することだ、したがってこのことは行政改革の基本理念にも反する、こういう御意見がずっと出されておったわけであります。  そこで、六十一年度の今回の出された法律案は、補助金問題検討会で地方団体の代表の皆様方にも加わってもらって検討をしたんだから、昨年のようなそういう批判は余り受けませんというようなことも、一部政府も言っているわけでありますが、検討会に検討してもらいましたけれども、この検討の内容は主として国の財政事情を第一義的に考えての検討ではなかったのかな、本当に地方と国との機能分担がうまくいくようなところまで突っ込んでなされた検討であったかどうかということについては私は疑問を持つものでありますが、地方団体としてはどのようにそのことを受けとめていらっしゃるでしょうか、お伺いしたいんです。  それから、ちょっと具体的になりますが、新潟の副知事さんにお聞きしたいんですが、六十年度に引き続いて本年も国庫負担が削減をされる。新潟県の場合、五十九年度に比べてどのくらいの歳入不足になるのか。つまり、補助金のカットがなかったならばどうであったのかということと、そのことによってことしの予算編成も、既に県の予算編成も終わっていると思いますけれども、どういう対策をとったか、例えば起債の増加だとか、あるいはまた地方自治体によっては積立金を崩したところもありますし、つまり県の財政の硬直化ということに対してどういう影響を及ぼしてくるであろうか。  さらには、国の補助金がカットされて地方の負担が多くなる。そのことによって県独自の、あるいは県単事業といいますか、県単独事業の抑制などになってこないかどうか、そんなようなことについて、新潟県の実情についてお話しをいただければ幸いというふうに思います。  まず第一回の質問を終わりたいと思います。

金子清新潟県副知事

○参考人(金子清君) お答えいたします。  まず最初に、補助金のカットにつきましてどういうふうに受けとめておるかということでございますが、昨年のカットにつきましては、地方団体といたしましては若干寝耳に水というような形で行われたということで、私どもとして強く反対をしてまいったわけでございますし、県議会の議論におきましてもこの問題、いろいろと議論がなされてきたわけでございます。本年度の補助金のカットにつきましては、私どもといたしましても、先ほど申し上げましたとおり、額も昨年よりも倍以上の額にもなっておりますことで、カットそのものに必ずしも賛成をするものではございませんけれども、国の財政事情もあることであり、なおかつ補助金問題検討会で地方団体の代表も入って議論をされた結果であるということ、それに伴って財源措置も一応なされたということで、残念ではございますけれどもやむを得ないんではないかというふうに受けとめておるわけでございます。  それから、地方六団体としてことしの補助金問題検討会の中の議論というのは国の財政が第一義的でなかったかというお話でございますが、私は検討会の内容につきまして十分承知をいたしておるわけでございませんので明確な御答弁はできませんけれども、そういう点はあったのではないかという感じは持っております。  それから、本件の影響でございますけれども、昭和六十年における補助金の一律削減によります影響額でございますが、非公共事業、公共事業合わせまして総額百十二億円というふうに理解をいたしております。補助負担率の引き上げが百十二億円で、義務教育関係の一般財源化で六億四千万円程度というふうに理解をいたしております。それから六十一年度でございますが、約二百十二億円という影響額でございます。  それで、財政運営がどうであったかということでございますけれども、六十年度におきましてはかなり切り詰めた予算を組んだわけでございますが、その中で当初予算におきましては財政調整基金約九十億の取り崩しということを行いましたし、また六十一年度におきましては八十五億の財調基金とその他の基金十五億程度、約百億の取り崩しということで予算を組まざるを得なかったということでございます。  それから、地方債の依存度も六十年度当初が六%でございましたが、六十一年度には八・一%ということで、地方債依存度が増加しておりまして、今後の財政運営に若干問題を残しておるんではないかという感じはいたしております。  それから県単事業でございますが、六十年度におきましては前年度より五%だと思いますが、カットいたしました。ただ本年度につきましては、国の方の景気対策、公共事業の確保というような国の要請もございますので、公共事業も厳しい財政状況でございますが満額消化をいたしますとともに、県単事業につきましても、地財計画の伸び三・七%だったと思いますけれども、伸びは確保いたしたところでございます。  以上でございます。

水谷光男全国市長会副会長・伊勢市長

○参考人(水谷光男君) 今回の措置は、基本的には補助金問題検討会の報告の趣旨を踏まえて行われたものでございまして、地方団体としても代表は入っておりますし、論議の内容で国にウエートがかかっておったというような御意見も伺いましたけれども、地方団体の考え方も十分反映申し上げたところでございます。そういうふうなことでございますので、今回の措置はやむを得ないかと存じておるわけでございます。  伊勢市の実情について申し上げますれば、伊勢市は人口約十万七千人の都市でございます。影響の問題を申し上げますと、まず昭和六十年度におきます影響は、非公共で約二億二千六百万円、公共事業で約一千万円、合計二億三千六百万円となっております。昭和六十一年度における影響額は非公共で約四億三千万円、公共事業で約三千万円、合計四億六千六百万円となっておるわけでございます。  そういうことが財政運営にどういう影響を及ぼしておるかと、苦しい財政運営を余儀なくされておるのではないかということでございますが、一般的に申し上げますると、伊勢市の自主的に使用できる財源に大きな制約を受けることは事実でございます。すなわち、四億六千六百万円の一般財源がございますればその数倍の市単独事業が実施されますので、それだけ単独の投資的事業、社会福祉施設の削減が余儀なくされ、行政サービスの低下を来さざるを得ないというふうにも考えますけれども、しかし幸いにも昭和六十一年度の地方財政対策におきましては、こうした影響額をたばこ消費税の税率引き上げとか交付税総額の特例措置等の措置を講じてくださいましたので、当面の財政運営には支障を来たしておらないのでございます。  以上、お答えを申し上げます。

湯本安正全国町村会理事

○参考人(湯本安正君) ただいまの御質問でございますが、それぞれ副知事さん、あるいは市長さんからお話しがございましたように、町村会といたしましてもほぼ同じような考え方でありまして、機能分担というふうなことをもっとはっきりしていただくことが先決問題だったと、しかしこの問題についても、今回の措置についてはある程度前向きのものが見取れる。ただ単なる地方への転嫁では困るという考え方でありましたが、国と 地方は御承知のように車の両輪でございますので、お互いの財政状況というものを十分に把握しながら、やむを得ないものだったというふうな受けとめ方をいたしておる次第でございます。  うちの村の影響でありますが、昨年のものはちょっと持参をしておりませんのでわかりませんが、今年のを試算いたしますと、経常ベースでは六百八十万一千円でありまして、公共闘係では四千百七十七万四千円、合わせまして約五千万円ということであります。うちの村の財政規模は、一般会計が二十二億二千八百万円、特別会計合わせて三十億七千万円という程度でございますので、影響としては自治体の規模からいいますと相当大変である、しかし財政措置は講じていただけますので、どうにか計画事業の執行には差し支えないというふうに思っております。  以上であります。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 副知事さんに重ねてお伺いしますが、今度政府の出した総合経済対策によって御承知のように公共事業を上半期八〇%の前倒し発注する、地方団体に対しても政府の計画がいろいろと伝達されているというように思いますが、既に前倒し発注の御準備はされておられるのかどうか。つまり、この法律に関係のない仕事、これが建設省にしても農林省にしても運輸省にしても、約半分はこの法律に抵触しない事業がもう既に箇所づけがされているわけですが、そのことについてはどういうふうに狂っているのかということと、政府の意図するように上半期に八〇%の前倒しをするとするならば下半期は一体どうするのか。  新潟は豪雪地帯もあり、いろいろありますから早く仕事をするのはいいでしょうけれども、下半期になったら仕事がなくなってしまったということでは、これは景気対策にもなりませんし、また実際仕事に携わる人たちも非常に困るだろうというふうに思います。これについて、例えば補正予算だとか建設公債だとか、あるいは六十二年度の予算の前倒しとか、いろいろ言われておりますけれども、下半期に対して何らかのやっぱり国が手を打たないと地方も困るんではないかというふうに思うんですが、その辺についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのかということ。  もう一点、先ほど来社会福祉の問題について、生活保護費の関係について参考人の皆さん方それぞれお述べになっておったところでありますが、生活保護費のように当然国の責任において支出すべきもの、しかも法令によって全国一律の基準によって実施すべきものについて国の財政上の都合によって一律に率を引き下げる、これは間違いだ、私はそういう気持ちを持っているんです。そこでお話がありましたように、国の補助を三分の二にしようとする厚生省、大蔵省の御意見と、それから十分の八でなくちゃいけないという自治省の意見があって、最終的には十分の七になった。大変失礼ですが、副知事さん自治省にもおられた経験もあるようでありますが、地方へ行かれて一体どういうふうにお考えになるのか。自治省が言うように十分の八がいいのか、地方の行政を担当してもやっぱり十分の八にしなきゃいけないというふうにお考えになられるのかどうか、その辺はいかがでしょうか。

金子清新潟県副知事

○参考人(金子清君) 公共事業の前倒しの問題でございますが、先ほど先生もおっしゃいましたように本県は豪雪地帯でございますので、例年国の発注率よりも高目に上半期の発注目標を立てておりまして、本年度は八五%ということで方針を決めておりまして、補助事業、この一律カットに影響を受けるものはまだ内示がないようでございますが、その他の公共事業につきましては鋭意準備をいたしておるところでございます。  また、下期対策でございますが、本年度どうするかということは今から申し上げることもできませんが、昨年度の状況を申しますと、国のゼロ国債の割り当てもいただきましたし、特に昨年は県で県単の事業につきましても債務負担行為で発注をするという措置を講じております。本年度におきましても、状況を見てそういう措置を講じなきやならないということも起こるかと思っております。  それから、生活保護費の負担率の問題でございますが、私どもといたしますれば、これまで長年にわたって定められた十分の八というルールを守っていただきたいという気持ちでございますが、いろいろ御議論の中で国の財政上の問題ということが大きく左右したんだと思いますが、補助金問題検討会で十分の七ということで中をとった形で落ちっいたということでございますし、またそれに対する財源措置も講ぜられたところでございますので、私どもといたしましては、現段階においては現実の問題として十分の七はやむを得ないというふうに受けとめておるところでございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 市長さんにお伺いしたいんですが、公共事業のうち例えば道路だとか河川、治山などは国の補助金が削減された分についてある程度県も見る、市町村も見る、こういうことになろうというふうに思いますが、しかし農業の基盤整備なんかについてやっぱりこれも補助金が削減されているんですが、これについても三重県なり市でもって削減された分は持って地元に負担はかけない、今までの継続のやつはもちろんのことでございますが、これから新規に採択をされるものについても地元には負担をかけない、そういうふうに市としておやりになっていくのかどうかということなんですね。その辺について市の現状はどうなんでしょうか。

水谷光男全国市長会副会長・伊勢市長

○参考人(水谷光男君) お答えいたします。  補助事業につきましての国庫補助の削減ということにつきましては、国の方針もございますが、四カ年で完成するものが一年送りの五年で完成するようになるというふうなことは構造改善事業でも既になされておるわけでございます。補助事業についてはそういうふうなこともやむを得ないしかし、軽微なものにつきましては、市町村の場合には住民に密接した行政を進めなければなりませんから、そういう財政上弾力的な運営は当然考えていかなければなりません。また、ものによりましてはそういう削減分を市で肩がわりするというふうなことも考えざるを得ないケースもございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 そうすると、国の補助金がカットされたからといって、直ちに自治体の首長の皆さん方としては地方住民に転嫁するわけにはいかない。例えば生活保護、非公共の問題についてもそうだと思いますが、公共事業についてもそうですね。そうすると、どうしても自治体で負担をしなきゃならない。それだけ財政も厳しいときでありますから、起債も多くしなきゃならない、財政が硬直化してくるという形になり、そのことがやがては地方の住民のサービスが低下をしてくる、そういう結果になってくる心配があるんですが、どうでしょうか。

水谷光男全国市長会副会長・伊勢市長

○参考人(水谷光男君) 建設公共事業等につきましては、今回の国の建設国債等の増発というふうな措置で対応ができます。そういうふうなことでできるだけ制度の弾力的、効率的運用を図りながら、市の財政も勘案しながら私どもの伊勢市としては取り組んでおるのが実情でございます。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 湯本村長さんにお伺いいたしますが、同じ県でございますので私も村長さんの村もよく承知しているんですが、人口六千人くらいな山村と言っちゃ失礼ですが、豪雪地帯である。村長さんは県の町村長会長もやっていらっしゃるし、かつては国の町村会の副会長もやっていらっしゃったということでありますので、特にそういう山村過疎地方から出てきた村長さんとして、国の補助金のカットされたものについては大変小さい村では響くというふうに思うんですね。それだけの財政があればまたいいわけですが。さりとて県単独の仕事のように、補助率が三%、四%の仕事では、山村が持っていって仕事をやるわけにいかない、どうしても国の仕事に頼らなければならないというふうに思いますが、そういうことについて山村地域に対して影響が出てくるんではないかというふうに思いますが、その点についてどのようにお考えになっていらっしゃるのか。  また、公共事業だけでなくて、福祉、文教、こうしたものも一律に減らされていることは、規模の小さい町村にとっては大変だと思うんですが、どのようにお考えになったり、またどのような御指導をなさっているでしょうか。

湯本安正全国町村会理事

○参考人(湯本安正君) ただいまの御質問にお答えを申し上げたいと存じます。  我々の地域で一番問題になりますのは、豪雪対策、それから今の過疎対策というようなものに対する補助金の減というものは、これは非常に痛いわけであります。しかし、幸いに過疎地には、国が元利償還七割を見てくれます過疎債がありますので、過疎債の適用等を通じてどうにかこの急場をしのいでいくというような考え方で県とも打ち合わせをし、また団体としてもそういうふうな進め方をいたしております。  それから、ほかの公共事業に対する問題でありますが、まあうちの村等では土地基盤の整備等は既に八五%終わっておりまして、もうほぼ終了に近いわけでありますが、今年度のところため池の整備事業、それから団体営の農地開発補助金等、合わせて三千百六十万程度の影響を受けます。そこで、これを直接この負担にはね返らさしてはいけませんので、その分農林漁業資金の借り入れをしてもらいまして、できるだけ長期的に村で償還について一部利子補給をするというような措置を講じまして、理解を得て進めているわけであります。  ほかの問題につきましても、先ほど申し上げますように、約四千万ばかりの公共事業がありますけれども、一部については財調の取り崩し等も行いまして、この措置を行うというようなことを村ではやっております。全体といたしましては、長野県には過疎地が非常に多いわけでありまして、そういう扱いには意を用いざるを得ないわけでありますが、先ほど冒頭に申し上げましたように、地方財政はなかなか大変でありますので、全体的な面からぜひ御配慮をいただくようにお願いをいたしたい、こう思っております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 もう二問ほど副知事さんにお伺いしたいのですが、先ほど御意見の中にもありましたけれども、地方と国との事務事業の見直しですけれども、既に地方の仕事として固定化しているもの、あるいは地方の自主性にゆだねた方がいい、適切と考えられる補助金ですね、これは一般財源化をした方がいいという、これは六団体もそういう御意見なんですが、例えば現場の、現場と言っちゃ失礼ですけれども、県政を担当されて、こんなものぐらいひとつ県知事に任せろというようなものがおありになったらまたお示し願いたいというふうに思いますが、私はその場合においても、国の権限を委譲するだけでなくて、権限ばかり委譲さしてもらったって財源が伴わなきゃ、地方がまた負担するんですから、権限委譲と財源との関係をどういうふうにお考えになっていらっしゃるでしょうか、そのことが一つ。  それから、これは現在審議中の法律にも関係しますが、例えば老人保護費補助金あるいは児童保護費補助金等が十分の七から十分の五というふうな形に削減をされるわけです。しかし、この法律が成立しないと国は交付ができないということになりますね。しかし、県としては国の法律が成立しないからこの種の金を出さないでおけるというわけではないと思いますが、そういう場合に現実にどのように取り扱っており、あるいはそれに要する起債の利子等はどのように扱っていらっしゃるのか。国に要求すべきものがあるというふうに思いますが、その辺はいかがでしょうか。

金子清新潟県副知事

○参考人(金子清君) 国と地方の事務の見直しで特に具体的にどういうものがあるかということでございますが、今ちょっと具体的に例を申し上げるデータを持っておりませんので、差し控えさせていただきます。ただ、問題はやはり、先ほども申しましたように、地方制度調査会が申しておりますような、補助金の額が少額なものとか実質的な補助率が著しく低いものとか職員設置費等の削減、カットをいたしました場合には当然それに見合う一般財源というものを地方税源なりあるいは交付税によって措置されるべきものであるというふうに考えております。  それから、補助率カットに伴う老人保健関係あるいは児童福祉関係の事業に伴う支出でございますが、これはこの法案が通らないということで補助金の交付がおくれますれば、当然県の一般財源の中で措置をして交付をせざるを得ないということになると思います。その額はちょっと、例えば四月ひと月でどのくらいかは私よく存じませんけれども、ただ、何か昨年は若干のそれに見合う措置が講じられたというふうに理解しております。ことしはどういう措置がいただけるのかちょっと存じませんが、できますればそういう措置を講じていただければありがたいというふうに考えております。

村沢牧日本社会党

○村沢牧君 どうもありがとうございました、時間ですから。

矢野俊比古自由民主党・自由国民会議

○矢野俊比古君 私は、自由民主党の矢野俊比古でございます。  きょうは本当に御多忙なところを御出席いただきまして、また有益な御意見をいただいて感謝申し上げる次第でございます。地方行政の本当のエキスパート、深い経験をお持ちのお三方でございますので、私のような素人が御質問するというのは大変おこがましいと思っておりますけれども、ひとつ御教示をいただこうということで御質問をさせていただきます。  御承知のとおり、いわゆる補助金一括法案、まあことし提案されているわけでございますが、昨年も同様な形で国会に提出がございました。特に昨年の場合には、この一括法の法案の審議をめぐりまして、予算執行上との問題でいろいろと、まあトラブルと申しますか混乱がございまして、ことしは財政当局あるいは政府当局もそういった過去の、昨年の経緯を、あるいは教訓を踏まえまして、いろいろと予算執行面での配慮というのが加えられておるという御説明をいただいているわけでございますけれども、今の状況から昨年を顧みまして、いわゆる昨年度の地方行政の執行の面で後遺症というのか、何か問題が残ったことはなかったのか。先ほど総体的にはという水谷参考人のお話だったと思いますが、支障もなかったというようなお話でございましたけれども、いろいろ資金繰りとか金利の負担というふうなことで地方のそれぞれの行政当局、大変御腐心されたんじゃないかという気がしているわけでございます。したがって、そういう点で総体的に、あるいはまたこういった事業事務では大変やりにくかったというようなことがあったのかどうか。特に法律の実施がおくれたということもございましたので、その辺をまず伺っておきたいということ。  それから、ことしは政府の説明でいろんな配慮をしております、こういうことでございます。四月早々に予算が成立してほぼ一カ月たつわけでございますけれども、昨年に比べてその辺が、まあいわば比較して大変改善されているという御認識なのか。しかし、まあ御承知のように、一兆一千七百億でございますか、昨年に比べて倍の、早く言えば地方財政の減額でございますし、いわゆるしわ寄せでございますので、そういうような点でやっぱり相当事業事務の中で支障の分野が残るんじゃないかというような心配もしているわけでございますけれども、そういった点につきましてお三方にそれぞれ御見解をいただけましたらありがたいと思います。

金子清新潟県副知事

○参考人(金子清君) 昨年の補助金一律カットの場合は、初めてということでいろいろ国会でも御議論がありまして法案の成立がおくれるということで、特に公共事業を中心といたしまして事業の着手が大変おくれたということで、私どもの地域は雪が早く降りますものですからできるだけ早く発注しなければならないということで、非常に事務当局としてはその後の対応に苦慮したわけでございます。ただことしは、伺いますと、補助金カットの対象とならない事業につきましては公共事業につきまして内示をいただいておるということでございますので、そういう面では昨年よりは事業の発注についてそれほど混乱はない。それか ら、昨年度末にゼロ国債の配分もいただきましたし、その分の発注もできますので、先ほど申しました八五%の上半期の発注は何とか可能ではないかというふうに考えておるところでございます。  それから、補助金カットに伴ってどういうような影響があるかということでございますが、本県の場合、非常に面積が広い、道路の延長も長いということで道路費の割合が非常に高いわけでございますが、補助金がカットされますと、その補助金の裏負担につきまして原則的に起債がないということで、全部が一般財源で見なきゃならないということで、その辺が一般財源の乏しい本県といたしましては非常にきついなという感じは持っております。

水谷光男全国市長会副会長・伊勢市長

○参考人(水谷光男君) 私、政府のそういう手続によりましてさしたる影響なくして推移したというふうに申し上げました。私どもとして一番問題にいたしますのは、補助金の一律カットということが国、地方の事務の見直し、要するに国の責任にかかわるもの、地方の責任にかかわるものという役割分担をつまびらかにしていただいてから、そして合理的な補助金のあり方、また金額、そういうものを十分考慮に入れてほしいということが一番大切なんでございまして、六十年の場合には残念ながらそういう検討がなされないままになされたということを甚だ遺憾に存じておるわけでございます。  幸い六十一年度につきましては、先ほど申し上げましたように、補助金問題検討会という制度を設けられて、そこで、十分ではございませんでしたけれども、そういう考え方のもとに検討をされて、そして補助金のカットを引き続いてされたということでございます。まだまだ国と地方との事務事業の見直し、役割分担ということについての十分の解明がなされておりませんけれども、今回の措置については昨年よりも前進をしておる、地方団体の私どもの考え方を酌んでいただいておると、こういうふうに理解をしておることでございます。しかしながら、そういう検討の上できる限り前の補助率に戻してもらいたいと、こういうふうには考えておるわけでございます。

湯本安正全国町村会理事

○参考人(湯本安正君) ただいま水谷市長さんからお話がありましたことで尽きているわけでありますが、昨年の場合には非常に事業がおくれて困ったということもありまして、我々も今回の措置においても実は内示をいただいたものと、それからまだ内示をいただけなくて困っておる問題もございます。そこでできるだけ、先ほどもお願いを申し上げたわけでありますが、補助金等は地方のいろいろな仕事を進める基本になりますので、ぜひ早く御決定をいただいてお願いを申し上げたいというのが我々の基本的な考え方でございますが、よろしくお願いいたします。

矢野俊比古自由民主党・自由国民会議

○矢野俊比古君 ただいま実は同僚の村沢委員からもちょっと御質問がありました。とにかく今内需拡大ということを何とかしなきゃいけない。総合経済対策でも八〇%近い前倒しということでございます。しかし、やはり今回法律が通りませんとなかなか補助率の変わったものについては実行できないということになってまいります。皆さんのお立場で見ると、政府は内需拡大でそういうものを出しているけれども、今のような状況だといわゆる上期八〇%といいましても、これはやはり恐らく決定しておかないといろいろ設計とかいろいろ地点決定とかというのは難しいんだろうと思うんでございますが、そういうことにも絡まないである程度のところは見通しがついていくのか。簡単に言えば、上期と仮にしたとき上期はまず政府見通しどおり全部いっちゃえる、しかし今のような状況だとなかなかいけない、全体に対してですね、八〇%近いというのは全体の公共事業でいっているわけでございます。その辺はどんなふうな御印象でございましょうか、教えていただきたいと思います。

金子清新潟県副知事

○参考人(金子清君) 地方団体といたしましては、やはり一日も早く補助金カットの問題につきまして成案が得られまして事業の内示をいただくことを期待いたしておるわけでございますが、先ほど申しましたように、昨年と比較しますればことしは若干補助金カットに影響のない分野についての内示をいただいておりますので、事務がそういう面で進められておりますので、昨年よりは若干よいのではないかと思っております。  いずれにいたしましても、私どもといたしますれば、この法案が通り内示があり次第、早急に事務手続を進めて八五%という本県での目標に向けて努力をいたすつもりでございます。

水谷光男全国市長会副会長・伊勢市長

○参考人(水谷光男君) 公共事業の早期着工、早期促進ということで、内需拡大でできる限り前倒しをして地域の経済の活性化を図らなきゃならぬということはお説のとおりでございます。  我々の地方の小都市につきましては、景気の影響が地方にはなかなかすぐに及びがとうございますし、最近そういう公共事業、特に私どもの町につきましては少のうございます。そういうふうなことでございますから、地方の業界としては早期発注を非常に強く望んでおるわけでございます。もちろん公共事業でございますから、国の補助金、県の補助金とのかかわり合いのもとでの作業が必要でございますので、今副知事さんもおっしゃられましたように、早く国の補助金も地方に及ぶようにしていただき、そして県との絡みで早期の公共事業に着手をしてでき得る限り地域活性化に役立てたい、こういうふうに考えておるわけでございますので、国の対応をよろしくお願いをしたいと思っております。

湯本安正全国町村会理事

○参考人(湯本安正君) 先ほども触れましたように、うちの村は豪雪地帯でございます。私の隣村等は一メートル近い雪がまだ平地にございます。こういうところでございますので、できるだけ早く公共事業の発注をしないといつでも会計検査院に怒られてしまう、なぜもっと早く工事をせぬかと。こういうようなことで実はできるだけ公共事業の発注は早目にできるような措置が望ましいわけなんでありまして、そういう点に御配慮をぜひお願いいたしたいと思います。

矢野俊比古自由民主党・自由国民会議

○矢野俊比古君 それでは次に移りますが、今回の提案されている法案は、お三方おっしゃいますように一律引き下げというようなことで、いわば相談もなしということだったと。しかし、今回は補助金問題検討会の答申に基づき、財政制度審議会でも示しているようでございますが、標準的な補助率二分の一という設定をいたしました。例外として高い部分は三分の二だ、それから低いんならば三分の一だ、そういった基本的な考え方のもとで生活保護等各種の福祉各分野、いわば非公共事業というんでございましょうか、こういうものについていろいろな補助率が決まり、また公共事業についても港湾改良とか、いろいろと種別ごとに補助率見直しを暫定的に行うということになっているわけでございます。  皆様方は、一応検討会で地方公共団体の御代表という形で御参加されているところでもございましょうし、またその答申を受けての先ほどもちょっと御指摘がありましたが、三分の二か十分の八かという両論併記もあったのが、十分の七というところに落ちついた。こういったことは、大蔵省あるいは自治省の協議のもとでこういう法案が作成されてきたという経緯だろうと思うんでございますけれども、そういう経緯から言いますと、皆様方としてある程度参加もされてきたということから、今のような暫定補助率について恐らく残念ながらやむを得ないと、先ほど金子参考人もそういう御発言でございましたし、湯本参考人も不本意ながらという言葉を使っておられました。  それで、やむを得ないということなんだろうと思うんでございますけれども、こういった今回の法案の内容というのはとにかくといたしまして、私としては今後の勉強をさしていただくためにも、今回のそういった補助率の見直しについて、こういう点は答申の中を選んだにしてもやっぱりちょっときついんじゃないのかという点が、現実の地方行政執行の上で、あるいはさらには大きく言えば理論的にということもあるのかもしれません。いずれの面にせよ、どういったところが大体非常に、不満というと言葉がきついかもしれませ んが、問題、疑問があるんじゃないかということがおありだろうかどうか、あるいはこういう事業についてはこういうところがむしろ、その議論の結果はとにかくとして妥当と思われるんじゃないかというふうなことがございましたら、ひとつそれぞれのお立場で御見解をいただければ幸いだと思います。

金子清新潟県副知事

○参考人(金子清君) 今回の法案の対象となっております補助金につきまして、この点はこうしたらいいかどうかという問題につきまして、私格別の意見は今持ってはおらないわけでございますが、先ほど来申しておりますように、いろいろ政府部内で関係者をお集めになりまして御議論いただいた結果でございますので、それぞれの立場を最大公約数的に考慮してできた案ではなかろうかというふうに思っております。そういうことで、地方団体側として若干先ほど来申しておりますように、補助率をカットされるということについては、基本的に残念なことではございますが、やむを得ないというふうに考えておるわけでございます。  それよりも、私どもは先ほども最初の陳述で申し上げましたように、補助金の整理というものは事務事業の整理をすることによって、事務事業の整理を伴う補助金のカットということでなければ行政改革の実も上がらないのではないかというふうに考えておりまして、そういう面での対応ということが、今後こういう問題が議論される場合には第一義的に必要なことではないだろうかというふうに思っておる次第でございます。

水谷光男全国市長会副会長・伊勢市長

○参考人(水谷光男君) ただいま副知事さんがおっしゃられたとおりでございまして、補助金の負担率のカットとかいう問題は、国と地方の役割分担、個々の補助金の目的、性質というものを十分考慮をされた上で補助金問題に取り組む必要があると思うんです。例えば、国と地方と共同の問題については二分の一とか、国の関与の責任の重いものについては当然高率補助、例えば生活保護にかかわる問題とか、国民の生命、健康を守るというふうな国民健康保険の問題とか、そういうふうな問題は当然国が関与していく度合い、責任の度合いが高いものでございますから、当然高率補助にしていただかなければいけません。そして、奨励的な補助金等については、これはまた三分の一とかいろいろございましょう。  そういうふうに、やっぱり補助金の目的、性質、国と地方との役割分担、こういうふうなことを考慮いただいて、ぜひぜひ補助金の考え方をまとめてくださればありがたい、こういうふうに考えております。

湯本安正全国町村会理事

○参考人(湯本安正君) 重ねてお答えを申し上げることもございません。要するに、事務事業の見直しということが基本になり、さらに機能分担というようなものが立派に生かされるときに初めて補助金の効果というものは高いものだというふうに私は思うのであります。我々自治体でも行政改革を実はやっておりまして、スクラップ・アンド・ビルドの考え方を実は生かしているわけであります。財政が厳しくなってくるとおのずからそういう点に十分な配慮を加える、一方では新しい行政需要に対応するという姿勢を我々は持たなきゃならぬわけでありまして、国の補助金についてもそういう考え方でぜひお願いをいたしたい、こう思います。

矢野俊比古自由民主党・自由国民会議

○矢野俊比古君 それでは、最後にお尋ねをいたしますが、ただいま個別、特定の事業でどういうものと言っても大変難しいと、これは今後国と地方の事務の分担、こういうものをよく整理をして、それに適した補助率をむしろ決定をしていく、そういうような前提の中で適正な補助金水準と申しますか、その結果では現行補助金が引き上げられるものもあるだろうしあるいは引き下げられるものもある。今回は昨年に続いて全部引き下げで大変残念だと思いますが、そういうような引き下げもあれば引き上げもある。こういう考え方、これは地方制度調査会の答申でも恐らくそういう趣旨で書かれていることなんだろうと思うんでございます。  実は、私は素人でございますので非常に勝手な議論になるんでございますが、地方自治法では固有事務とそれからいわば委任事務という分け方をしており、そして、委任事務の中で団体委任とそれから機関委任というような分け方になっているように思うわけでございます。しかし、現在の地方自治法の固有事務とか委任事務というのは、とにかく戦後制定されてずっと四十年たっているわけでございまして、随分現状に即さない点もあるんじゃないかなと思う。  そうすると、現在ある補助の制度ということから出発するのではなくて、地方自治法のまずその事務は、それぞれ固有事務とは一体何だろうともう一回見直す、あるいは団体委任事務、機関委任事務というのはそれとどんなになるんだろうか。そういう事務の配分というか、それぞれの事務の中で一つの補助率の適正設定というものが行われて、やはりそれは現実というものとの一つの妥協でございますから、あるいは当分の間、あるいはもちろん恒久的に、こういうふうな原則からは例外があり得るというようなつくり方をするのが非常に合理的じゃないのか。それは同時に、財源というものは当然必要でございまして、少なくとも地方の固有事務が原則とすれば、私はもう完全に地方財源で賄われてしかるべきだと思う。また各都道府県のいろいろ格差がありますから、それで完全にカバーできるのかということも実は疑問もありますけれども、観念としてはというか、基本的な考え方はそういうところからスタートしたらどうなのかなということをかねがね考えておったわけでございます。  皆様方地方行政のエキスパートとして、私みたいなそういう見方というのは、いやそれが実は、今度の検討会はこれはまさに臨時的でございますから別としまして、地方制度調査会なりあるいは地方財政の審議会なりというところではそういうような考えになっているんだというふうなことなのか、その辺の御判断をいただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。

金子清新潟県副知事

○参考人(金子清君) 機関委任事務と団体委任事務の問題につきましては、地方制度調査会でかねてから検討をされておりまして、いろいろと提言もなされておるわけでございます。私どもといたしますればできる限り機関委任事務をなくして団体委任事務に移行すべきではないかという意見を持っておるわけでございますが、そういう前提に立ちまして、補助金の問題につきましても、先ほど市長会の代表の市長さんが申されましたように、国と地方の役割分担に応じた補助金の負担率というものを検討していくということがやはり一つの方向ではないだろうかというふうに思っております。

水谷光男全国市長会副会長・伊勢市長

○参考人(水谷光男君) ただいまお話がございましたとおりでございます。我々としては、わかりやすく申し上げますれば、地方の住民サイドに立って簡便な事務手続で行政ニーズにこたえられるというふうな事務を我々は望むのでございます。ですから、補助金の整理というものと関係をして事務事業を見直していただく場合には、地域住民にとって早くそのニーズにこたえられる行政事務ができるように、そういうふうなことを望むわけでございます。具体的には、保育所の措置費なんかは一々上部の方に御相談しなくても各首長さんで対応ができるというふうな、そういうふうなことが住民サイドに立った行政ではないか、こういうふうに考えておりますので、しかるべく団体事務というふうなことを望んでおるわけでございます。

湯本安正全国町村会理事

○参考人(湯本安正君) 事務事業の方の見直しにおいては、できるだけ団体委任を県に大幅にお願いをする、それから市町村には機関委任というような形を相当大幅にお願いをするというような格好が出てきて、それに伴う財源の再配分ということが考えられると自治体の機能というものはさらに私は高まるというふうに実は思っております。

矢野俊比古自由民主党・自由国民会議

○矢野俊比古君 どうもありがとうございました。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 公明党の中野明でございます。  きょうは参考人の皆さんには大変お忙しいところ、ありがとうございました。二、三お尋ねをしたいと思います。  私たちは、今回の補助の率の引き下げ、これは昨年に続いて国の財政の都合で地方に国の負担を肩がわりさせている、こういうふうな認識を持っております。この点について皆さん方は、やはりこれは明らかに肩がわりだと、こういうふうに思っておられるかどうか、お三方にお願いをしたいと思います。

金子清新潟県副知事

○参考人(金子清君) 昨年とことし、二年続きました補助金のカットの問題でございますが、やはりその背景には、国の財政事情に基づく地方への負担転嫁と申しますか、地方に相応の負担をお願いしたいという国の気持ちが入っておるというふうに理解はいたしております。

水谷光男全国市長会副会長・伊勢市長

○参考人(水谷光男君) 先ほどもお答えを申しましたけれども、今回の措置は国の厳しい財政にかんがみて暫定措置として引き下げを行うということでございますが、前回に比べて私どもの地方団体の代表も入った検討会で論議されて、一応我々の考えを踏まえての事務事業の見直しということでございますから、やむを得ないと考えておるわけでございます。  そして、そういう補助金の一律カットによるところの地方財政への影響を極力カバーするために、たばこ消費税とか建設地方債の発行とか、そういうふうな措置で一応地方財源対策も考慮されておられますので、我々としては、国も苦しいときでございますから地方団体も我慢をして協力する、親子の関係でございますから。しかし地方団体も大変厳しい状況でございますから、唇歯輔車の関係ということで取り組んでいきたいと思っておるわけでございます。

湯本安正全国町村会理事

○参考人(湯本安正君) 今御指摘の問題は、機能分担が完全になって補助率を改定されるということになりますとそういう感じを持たなくて済むわけでありますけれども、機能分担が十分に明確になったというところまでいっておりませんのでそういう印象を受けるわけであります。しかし政府ではそれぞれ対応を考えていただいておりますので、お互いにひとつ苦しみを分かち合おうという考え方でいるわけであります。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 公経済の中で、ただ率の変更だけでこういうことを繰り返しておったのでは、行政改革にもならないし財政再建にもならない。ですから、こんなことをする間に、国が苦しいのであれば苦しいところが行政改革をしっかりやって、そして財政を再建していくことが基本である、私はこういう考えを持っております。  それで、皆さん方のお話を聞いていると、国の方が何とか財源的な手当てをしてくれたので、まあまあ不満足だけれども万やむを得ぬと、こういうふうに聞こえるんですが、そうしますと、お尋ねしたいことは、国の方がそんなにまで手当てをして、そして国会でも去年に続いてことしと大騒ぎをしてやるだけのメリットというんですかね、何のためにこんなことをしなきゃいかぬのだろうか、ちゃんと手当てをするのならば、もうそんなことをせずに国の方で今までどおりやっておけばいいじゃないか、あなた方が困らぬのだったら何でこんなに大騒ぎしなきゃならぬのかというのが私たちの何とも言えない気持ちであります。  この点について、皆さんにお尋ねするのはどうかと思いますので金子参考人にお尋ねをしますが、こういうことをしてどこのだれがメリットがあるのか、逆に私はこういうことをすることによって国民にはデメリットが出てくる、こういうふうに見ているのですが、立場上言いにくいかもしれませんが、せっかくおいでいただいたんですから代表して率直な御意見をお聞きしたいと思います。

金子清新潟県副知事

○参考人(金子清君) 非常に難しい質問でございますが、先生おっしゃいますように国も地方も同じ公経済でございますので、公経済の中で国の財政と地方財政がどういうふうに分担し合うかという問題の話だろうと思います。  率直に申し上げますと、やはり同規模の財政支出をするとすれば、補助金カットをしないでその分国の方の予算額をふやすということで、その分を地方に補助金をそのまま流すということで問題の解決はできないことではないと思いますけれども、それはやはり国のいろいろ一般歳出のマイナスシーリングとか、そういう基本的な財政再建の方針と申しますか、そういう問題もあってこういうことが行われておるのではないかと私は思っております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 お立場上大変答えにくいことを聞いてしまって申しわけないと思っておりますが、結局私たちの感じでは、国債を発行しなければならないところを地方債に名前を変えただけで、国の予算を圧縮したというふうに見せているだけであって、公経済の中では何にも変わっていないということなんです。ですから、こういうことをして何のメリットがあるのだろうかということを私たちは非常に疑問に思っておるので、ちょっとお聞きしてみたわけです。  もう一点は、これはそれぞれの会の代表としておいでをいただいたものと思いますので、ことしは正式に皆さん方の会の方から直接私自身お伺いしたことがないんですが、今回のこの法案についてそれぞれの知事会、市長会、町村長会は賛成なんですか、反対なんですか、その辺おっしゃってください。

金子清新潟県副知事

○参考人(金子清君) 法案につきましては先ほど来申しておりますように、補助金問題検討会におきまして地方三団体の代表も入って一応こういう結論が出たことに基づく法案でございますので、私どもといたしますればやむを得ないものというふうに考えております。

水谷光男全国市長会副会長・伊勢市長

○参考人(水谷光男君) 地方財政といえども国家財政の枠組みという中での編成でございます。ですから、国の財政と地方の財政とは緊密な関係があるわけでございます。そういうふうな観点から今回の措置はやむを得ないと、こういうふうに理解しております。

湯本安正全国町村会理事

○参考人(湯本安正君) 冒頭にも申し上げましたように、我々はやむを得ないという面を考えまして、一応町村会といたしましては促進を図るということにいたしました。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 聞きますところによりますと、湯本参考人は補助金問題検討会の一員だと聞いておるんですが、それで湯本参考人にちょっと教えてもらいたいんですが、この「むすび」のところで「国・地方の財源配分のあり方についての抜本的な見直しは今後の課題とされている」というふうに「むすび」に出ているんですね。だからもう初めから補助金問題検討会というのは国、地方の財源配分のあり方についてはもう一切検討しない、こういう前提で検討会に入ったんですか。これはこの「今後の課題とされていること、」と決定的におっしゃっているんで、これはこういうふうに決めて財源配分のことはもうやってくださるな、抜本的な見直し、そのことについては触れてくださるなと、こういうことで検討会というのは検討されたんでしょうか、どうでしょうか。

湯本安正全国町村会理事

○参考人(湯本安正君) 検討会の結論的な問題につきましては後刻、検討委員の代表の皆さんも御出席で意見の開陳があるようでありますので私から特段申し上げることを控えたいと思いますけれども、この問題は補助金問題検討会で十分に機能分担等を討議する時間的ゆとりを持てなかった、これはもちろんこういう論議を重ねてきたわけでありますけれども。そこで、そういう問題については引き続いて検討していくんだという考え方をここにうたわれたものというふうに解釈をいたしております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 とにかく、去年一年間の暫定ということになって、そして国会で大騒ぎになって、皆さん方の方も大変お困りになって、結論としてこういう一方的なやり方はいかぬということで役割分担をきちんとして、一年間かかってきちんとして、そして来年には結論を出します、こう言って出発しているわけですね。  その出てきた結論が、一番大事な財源配分を棚上げにしておいて出てきたものですからやはり暫 定にせざるを得ぬ、こういうことになったわけですね。ですから国会の、私たちはきのうも大蔵大臣にも申し上げたんですけれども、何かペテンにかけているのと違うかと、ペテンにかかったみたいなものだということを言うわけです。ところが、こういろいろ皆さん方のお話を、去年もそうだったんですが、去年も地方公共団体から参考人に出てきていただいて、そしてもっと怒ったらどうですか、これぐらい一方的にばかにされた話はないですよと言うたんですけれども、いや泣く子と地頭には勝てませんという市長さんが出てきまして、これはひどいことだな、こういう今の地方自治ということから考えたら、泣く子と地頭に勝てぬというような思いをさせるというやり方というのは民主政治じゃないと、私たちはそのように感じたわけですね。  それで 去年余り怒られなかったから、だからまた今度 年になったんですよ。だから去年もうちょっと怒っておいた方がよかったんじゃないかと思うんですが、ことし余り皆さん怒っているようにないから、そうするとこれ恒久的になるおそれがありますよと私たちは心配をするわけです。それは言いにくい立場はわかりますよ。わかりますけれども、せっかく出てきていただいて公の席で意見を言っていただくんですから怒るときは怒る、わかるときはわかるとしていただかないと、ずっとさっきから聞いていると余り怒っておられない、何かもうしようがない、我々の意見が少し入ったからというようなお話なんですが、そういうことで補助金検討会にもし知事会あるいは市長会、町村会が入れられているとしたら、あなた方は納得するための手段に使われているんじゃないか、そういう感じがしてなりません。  ですから、きょうはもうよろしいです、今から怒れと言ったって無理でしょうから。理不尽といえば語弊がありますけれども、不都合なら不都合だということを、やはりそれが地方自治だろうと思うんですが、そういうふうになるたけ意見を言ったり、あらゆる機会にそういうことを述べていただきたいなと私たちは思います。いずれにしましても、行政改革が叫ばれているときにこのような率をいらうというようなことは、これはもう行政改革の本旨に外れているわけです。率をいらうよりも、先ほどからお話が出ておりますように少額の補助金をとにかく切る、不要不急の補助金を切るというのが行政改革であります。  それからもう一つ、最後に一点だけお尋ねしておきますが、去年私はこれもお聞きしたんですが、非常に零細な補助金があります。わずかな補助金でもその事務手続は同じことですから、例えば二十万の補助金をもらうのに事務の手続の費用、書類をつくったりする費用に四十万もかかるというような補助金はもう皆さん方としては要らぬはずなんですね。ところが、それをお尋ねしたら、いや書類を山に積んでもいいから、どんなに少ない補助金でも欲しいとおっしゃった市長さんがいたわけでして、もし皆さん方がそういうお考えがいまだにあるとしたら私は行政改革はできないなと残念でたまりません。  恐らく、自分の金だったら二十万のお金をもらうのに四十万の金を使ってもらう人はいないと思います。それだったら二十万自分で用意した方がよっぽどましですわ、二十万得ですから。ところが公経済だから、だから自分の部下がどんなに苦労しようと二十万の補助金が入ってくれば四十万使っても構わぬという考え方を地方公共団体の責任者の皆さん方に改めていただかない限り行政改革は進まないなと、私はこのように思ったんですが、代表して水谷さんでも結構です、どちらでも結構です、その意見どうでしょう。

湯本安正全国町村会理事

○参考人(湯本安正君) お答えを申し上げたいと思います。  町村会といたしましても少額補助金は整理をしていただくことには賛成をしているわけであります。これは今先生おっしゃったように、非常に少額の補助金をいろいろ手続を重ねていただくというようなことは、もう今の時代でやめるべきじゃないかという考え方は大体一致をいたしておるはずであります。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 終わります。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 日本共産党の吉川でございます。  三人の参考人の皆さん御苦労さまでございます。幾つか質問をさせていただきます。  第一は、地方自治体の皆さんは昨年、ことしと引き続く国庫補助負担率の引き下げによる地方への負担転嫁には反対されてきました。しかし、政府が地方財政に支障のないように万全の措置を講ずるという約束を信じて補助金一律カットをやむを得ず受け入れてこられたと思います。  ところが、皆さん方もよくお読みになっておられると思いますが、時事通信の「地方行政」にこのような記事が書いてあります。国は地方団体の財政運営に支障のないように措置したとしているが、都道府県の六十一年度の予算から明らかなように、地方債の積み増しや各種基金の取り崩しがなければ地財計画と同水準の予算の伸びを確保するのは困難だったろう。国庫補助金の削減の大きさを改めて痛感させられたと。また次のようにも言っています。二年連続補助率カットの影響を深刻に受けとめ、地方債などで補助金カットの穴埋めが手当てされるといっても結局は一般財源からの持ち出し分はふえると認識している財政担当者が多い、こういうふうにも述べておられます。一般財源の持ち出しがふえれば当然自治体の財政運営のやりくりは苦しくなります。私たちもこの点を一番心配しているわけです。そこで、私どもが六十一年度の都道府県並びに市町村を調べてみましたのですが、補助金カットの影響であるとしか考えられない幾つかの特徴があらわれています。この点について皆さんのお考えをそれぞれお聞きしたいと思います。  一つは、補助金カットの穴埋めのために行われた地方債の大増発です。これは自治省も皆さんも認められる点だと思います。例えば、都道府県予算で見れば、地方財政計画で予定している地方債の伸び率一二・一%を上回って一八・六%にもなっています。これにより、先ほどの陳述にもありましたが、六十一年度末で地方全体の借入金残高が五十八兆円にも上り、公債比率が二〇%を超える団体が千三十三にも上る、こういう結果になります。地方財政を大きく圧迫する要因となっています。  二つは、それにとどまらずに財政調整基金、減債基金など各種基金の取り崩しがどの自治体でも一斉に行われているということです。例えば都道府県の財政調整基金の取り崩し状況を見れば、五十九年度が二十六団体、六百七十八億。六十年度は三十九団体、二千四百六十九億。六十一年度は四十四団体、二千百五十三億になっています。しかも六十一年度に全額ないしほぼ全額を取り崩し、基金が底をつく団体が十団体にも上ると予想されています。市町村にも同じ特徴があらわれております。五十九年度までの推移から見ればこれは明らかに異常な事態であり、補助金カットの影響ではないかと考えざるを得ません。  三つ目は、使用料、手数料がかつてなく多項目かつ大幅に引き上げられていることです。これも都道府県の例ですが、地方財政計画では四九%の伸びと予定されていますが、これを上回って引き上げる団体が三十四団体にも上り、全団体の平均では六・一%の引き上げになっています。市町村でも同様の傾向があらわれています。  四つ目は、自治体の単独補助金の廃止、縮小など地方単独事務事業の見直しが数えれば二百数十項目にもわたって行われているということです。これらは国の一律で最低限の基準を補うために、また住民の要求に基づいておのおのの自治体が独自に行ってきたものでその地域住民にとっては大切な事業であると思います。  以上、四つの特徴が見られますが、これらの特徴が都道府県、市町村を問わず六十一年度予算に一斉にあらわれてきていますが、これは地方行革の進行その他の要因もあるかとは思いますけれども、やはり補助金カットの影響が大きく響いていると思われるのですが、皆さん方のお考えはいかがでしょうか。お三人の方にそれぞれ伺いたいと 思います。

金子清新潟県副知事

○参考人(金子清君) 御指摘のとおり、本県でも六十一年度の地方債の発行額は約四〇%伸びております。また財調も先ほど申しましたように八十五億、その他の基金からも十五億ほど取り崩すということにいたしております。そういうことで非常に厳しい財政運営を六十一年度せざるを得ないということでございますが、地方債がふえたということは補助金カットに伴う財源措置、特に公共事業につきましてはすべて地方債で措置されるということでございますから、これは当然補助金カットの影響というふうに認めざるを得ないと思います。  財調の取り崩しにつきましては、若干はそういう面があろうかと思いますけれども、十分分析いたしておりませんので、今明確に申し上げることはできませんので御了承いただきたいと思います。

水谷光男全国市長会副会長・伊勢市長

○参考人(水谷光男君) 財調の取り崩しということでございますが、一律的に補助金のカットによって即財調取り崩しになっておるということは全部にわたってはいかがかと存じております。私どもの方におきましては、単独事業でやる場合どうしても財調を崩すということは、本来ならば財調基金の取り崩しは非常事態、災害とかそういう場合に取り崩すのでございますけれども、そういう市単独事業でやむを得ず崩すということはあり得るのでございますが、カット即基金にというはね返りは一律的には論じかねることではなかろうかと思いますが、御指摘のようなところもあるやに伺ってはおります。  使用料、手数料の問題でございます。これはなろうことなれば使用料、手数料ということは住民負担の増につながりますから差し控えたいとは存じますが、長く据え置きをして現実に合わないというふうなものもございますので、そういうふうなものにつきましては手数料補助金のアップを時代に合わすようにしておりますし、応益負担というふうな原則で手数料、使用料の見直しもやむを得ずやっておるというのが実態でございます。

湯本安正全国町村会理事

○参考人(湯本安正君) ただいまの御質問にお答えを申し上げたいと存じます。  国の補助金が減ったということになりますと、やはり痛みを分かち合うというような考え方を持ちまして進めざるを得ないわけでありますが、今お話ありました使用料、手数料をそのために引き上げたというようなことは実はございません。今も市長さんのお話にありましたように、人件費あるいは物件費等がどんどん上昇しておりますけれども、長い間据え置いてきている、そこで適正負担をひとつ考えようというようなことでいささか引き上げを行うというようなことをいたしました。財調資金は学校を全面改築しておりますのでそのために一部崩すということでありますが、これは補助金の減ったほどは崩しておりません。  また、起債の方でありますが、公債比率もできるだけ繰り上げ償還等を行いまして将来に備えるというような財政措置を講じておりますので、昨年は一四・八%、ことしは一三・四%というような予定でございまして、できるだけ健全の財政運用を通じまして進めたいという基本に立っているわけであります。しかし、いずれにいたしましても補助金が減るということは、総体的に村の財政に相当影響があるということはこれは紛れのない事実でございます。いろいろ工夫をいたしまして総体的な立場から財政運用を図るというつもりであります。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 私どもが皆さんの会のある事務局員の方に六十一年度予算について実情をお伺いした際に、こういうことをおっしゃっていました。つまり、六十一年度予算では地方債の積み増しも行った、財政調整基金なども底をつくほど取り崩しも行ったと、使用料、手数料の引き上げも行った、事務事業の見直しも行った、このようにできる限りのことを目いっぱいやったと、六十一年度はこれでどうにかなったが、六十二年度の予算編成はこのようなことが引き続いてできるかどうか、非常に厳しくなると思いますと述べられていました。  この点について、時間の残りが少ないんですけれども、私も実感として感じておりますので皆さんの認識を伺いたいと思います。また政府に対してどういう要望をお持ちなのか、代表して市長会の方にお伺いいたします。

水谷光男全国市長会副会長・伊勢市長

○参考人(水谷光男君) ややもいたしますと私どもの自治体では行政の肥大化、高度経済成長時代の肥大化というふうな問題がございますから、我我としては当然でございますけれども体質の改善を図るというふうなことをやっております。そういうふうなことが住民からも強く要請されて、いかに少ない経費で最大の行政効果、サービスを上げるかということが今日地方自治にゆだねられておる、また期待される大きな問題でございますから、そういうふうな意味で事務事業のすべての見直し、補助金の見直しというふうなこともやっておるわけでございます。そういう国の行革とか、こういう補助金のカットによってそういう作業をやっておると、そういう面も側面的にはあるかもわかりませんけれども、そういうことと関係なく、私どもの地方団体ではそれぞれ冗費があるとすれば徹底した冗費の節減を図る、また体質の簡素化、軽量化を図るというふうなことをやっておるわけでございます。そういうふうなことでございますので、財政構造の上で地方債の底上げとか補助金の問題とかいうふうなことがあろうかと思いますけれども、そういうふうに私どもは理解しておるのでございます。

吉川春子日本共産党

○吉川春子君 どうもありがとうございました。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 民社党の栗林でございます。  本日は大変御苦労さまでございました。先ほど来、貴重な御意見をいただきましてありがとうございました。  最後に、一つだけ御所見を承りたいと思うんですが、どちら様からでもよろしいんですが、それでは金子さんに代表してお答えいただくということで質問させていただきたいと思います。  補助金、約十五兆に近い補助金なんですが、八割は地方自治体向けでありまして、昨今の財政状況の中で補助金の削減ということが課題にならざるを得ないという状況ではあろうかと思います。ただ、地方自治体として見ますと、そう言われようと何であろうと、本当は補助金というのはなければない方がよっぽどいいんですね。というのは地方自治に対する本来阻害要因ですから、補助金なしで思う存分やらしてもらいたいというのが私は地方自治体の本当の気持ちだと思うんです。ですから本当は、現在の財政規模が適正規模であるかどうかということが問題の発端でして、それが適正な財政規模であるとしましたら、あとはそれをどうやって調達するかという問題だけですから、では補助金で調達をするのか、あるいは地方交付税で調達をするか、あるいは自主税源によるのか等々になるわけですね。地方自治体とすると、補助金という調達方法はなるべく少ないに越したことはない、地方交付税はふやしてもらいたい、自主税源、これもふやしてもらいたいということだと思うんです。  そういったことで今回の一連の法案の姿を見ますと、なるほど三年暫定で補助率は削減された形になっておりますけれども、結果としてその分の減収額はたばこ消費税の引き上げという形でいわば税源がふえた格好になっておりますね。一方、減収分は地方債の増発になりましたけれども、その返済分についても地方交付税では特段の配慮をする、こうなっておりますから、ある意味では地方交付税が少し手厚くなってきた。税がふえて地方交付税が手厚くなってきた。しかも、補助金はなるほど減ったかもしらぬけれども、全体像としてみますと、地方自治体とすると、まあもろ手を挙げて賛成とは言いづらいんだけれども、むしろ好ましい傾向ではあっても、まるでけしからぬという傾向ではないと、私にはそう見えるんです。  したがって、今回のようにある意味では財政対策が含まれた補助金削減というのは、さっき中野さんもおっしゃいましたけれども、非常に国とし てみると奇妙な格好になっておりまして、地方自治体とすると、今回の補助金一括引き下げ法案というのは、ある意味では財政措置も含めて理解できることであると、そうお考えになった方がむしろ間違いがないんではなかろうか、私は伺っておってこう思ったのでありますが、この点はいかがでありましょうか。これだけお尋ねしておきます。

金子清新潟県副知事

○参考人(金子清君) 先ほど来申し上げておりますとおり、地方団体といたしましては、補助金の問題を議論いたします場合に、単に国の財政事情から既存の補助金の補助率をカットするということではなくて、やはり補助金の整理という問題に取り組むに当たっては国と地方との役割分担というものを明確にしながら、その中で国の行政改革にも役立つような形で事務事業の見直しを行い、補助金そのものをなくしてもいいような補助金についてはそれを廃止する、そしてそれを一般財源にして地方に交付する、そういう姿に持っていくべきではないかというのが私どもの主張でございます。  本年度に行われます補助金カットにつきましては、先ほど来申しておりますように、若干事務事業の見直しが行われましたけれども、基本的な問題につきまして地方団体といたしましては必ずしも満足をいたしておるものではないわけでございますが、そうは申しましても国の財政事情もこれあり、やむを得ないものということで受けとめておる次第でございます。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 結構です。

下村泰二院クラブ・革新共闘

○下村泰君 御苦労さんです。二院クラブ・革新共闘の下村でございます。  私は、一点だけ伺わせていただきます。  今回の措置によりまして地方自治体においても当然、この補助率の少なくなった分、いろいろと縮小あるいは見直し、格差というものが生じることだろうと思うんですが、こういう場合に一番しわ寄せはどちらかというと社会福祉関係、ことに身体障害者の手当ての方に関係してくるんじゃないかと危惧をするものなんです。  私は、しばしば社会労働委員会でも新潟県の例を取り上げまして、県知事が大変福祉関係には関心がおありで、ことに身体障害者の問題に関しましては地域ぐるみの施策というのを日本でたしか一番最初に取り上げておやりになったというようなことで、よく例に出してお話を申し上げておるんですけれども、それだけの手厚く施策を施してくださっている新潟県でも、やはり補助率のカットによっていろいろと支障を来してきているのではないかと推察します。既に埼玉県ではもうハンディキャブの運行の中止、大阪の方では重度障害者手当の支給制限も考えているというような風聞もあるわけなんです。  それで、皆様方にお伺いしますが、こういう障害者福祉に対してどのような補助率のカットによって支障を来しているのかという点を一つだけ聞かせていただきたいと思います。

金子清新潟県副知事

○参考人(金子清君) 補助率のカットに伴います特に福祉関係の施策でございますが、いわゆる非公共関係の補助率カットにつきましても一応国の方で財政措置が講じられております。そういうことで、県といたしましては、福祉関係の予算につきまして、補助率カットがあるからということで六十一年度予算において格別その事業の縮小を図ったとか経費のカットをしたとか、そういうことはやっておりません。

水谷光男全国市長会副会長・伊勢市長

○参考人(水谷光男君) 私どもの伊勢市の例を取り上げて申し上げますれば、六十一年度ではただいまお説のように、社会福祉の老人福祉、身体障害者、精神薄弱児、保育所関係でカットの影響額は二億七千万ほどでございますけれども、現在の水準を低下させることなく措置しております。

湯本安正全国町村会理事

○参考人(湯本安正君) 御指摘のありました問題、これは地方財政に全然関係がないというわけには私はいかぬと思います。ただ、先ほど申し上げましたように、いかに工夫をして福祉の程度を落とさぬようにするかということが我々に課せられた大事な仕事だという受けとめ方をいたしております。そういうつもりで予算の編成も行い、また実行もするというつもりでおります。

下村泰二院クラブ・革新共闘

○下村泰君 ありがとうございました。

嶋崎均自由民主党・自由国民会議

○委員長(嶋崎均君) 以上で地方公共団体の方々に対する質疑は終わりました。  参考人の方々には、貴重な御意見をお聞かせいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。どうもありがとうございました。(拍手)     —————————————

嶋崎均自由民主党・自由国民会議

○委員長(嶋崎均君) それでは、次に学識経験者の方々から意見を聴取いたします。  学識経験者の参考人としては、青山学院大学教授館龍一郎君、立命館大学教授遠藤兄君及び穂波町長山本滋君の三名の御出席をいただいております。  この際、参考人の方々にごあいさつを申し上げます。  本日は、非常に御多忙中のところ、当委員会に御出席いただきましてまことにありがとうございます。  本日は、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案につきまして忌憚のない御意見を拝聴いたしまして、今後の審査の参考にいたしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  なお、議事の進め方について申し上げます。  まず、一人十五分程度順次御意見をお述べいただき、その後各委員の質疑に対してお答えいただきたいと存じます。何とぞよろしくお願いいたします。  それでは、館参考人からお願いいたします。館参考人。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) ただいま御紹介いただきました館でございます。  本日は、補助金等に関する特例法案の審議に当たりまして、参考人として意見を述べる機会を与えていただきましたことを大変光栄に存ずる次第でございます。  次に、大変簡単ではございますが、所見を述べさせていただいて皆様方の参考に供したいというように存じます。  御承知のように、円高が急激に進行するのに伴いまして、輸出産業を中心にいたしまして大きな影響が生じておりますが、幸いに石油価格の低落等がございまして、多少の曲折はあっても、全体としては比較的順調な発展を日本経済は示すものというように私は考えております。それにもかかわらず、日本の財政は依然として多額の赤字公債に依存せざるを得ないという現状にありますが、これは到底健全な姿であるとは申せないというように存じます。一部には、円高デフレに対する対策として、建設公債を発行して内需の拡大を図るべきであるという議論が見られますが、公共事業による景気刺激効果は短期的には多少の効果があるとしても、中長期的に見た場合にはその効果に疑問が大きくて、結局は公債残高の増大というツケだけが残ってしまう危険が非常に大きいというように考えます。  御承知のように、公債の発行はまず第一に、公債費の増大を招き、歳出中に占める政策的経費に充て得る財政の余裕というのが狭くなるという意味で財政の硬直化をもたらし、将来生ずるかもしれない事態に機動的に対応し得る能力を弱めるという問題を持っております。さらにそれだけではなく、公債は将来における納税の予約でございますが、さしあたりは負担を伴わないというところから、しばしば財政の節度を失わせて大きな政府を招く危険性を持っておるというように言わざるを得ないというように存じます。  したがって、老齢化の進行に伴って経済の活力が失われてしまうというようなことが起こる前に、赤字公債依存体質から脱却するようにできるだけ努力して財政の弾力性の回復に努めるということは、後の世代に負担を残さないために我々が現在なし遂げなければならない、やや大げさな言葉を使えば国民的な課題であるというように申してよろしいと存じます。この意味で、六十一年度 予算案において、一般歳出の規模を四年連続して対前年比減額いたしまして、七千三百四十億の公債減額を行ったという点は一応評価できるというように申してよろしいかと存じます。もう少しできなかったものかというのが私の率直な感想でございますが、そういう意味で一応評価してよいであろうというように考えます。  さて、本題であります補助金等についてでございますが、補助金等は、一定の行政サービスの水準を維持し、また特定の施策の奨励等のために使う政策手段でございまして、政策遂行上重要な機能を持つものであるというように申してよろしいと思います。しかしその一方で、補助金についてはまず第一に、ややもすると地方行政の自主性がそれによって損われるという問題がありますし、第二に、財政資金の効率的な使用がこれまたそれによって阻害されるおそれがあるという問題がございます。また第三に、補助金がどうしても既得権化してまいりまして、その結果運用が惰性に流れたり、第四に、補助金待ちの行政といいますか、陳情競争というようなものを招来する等いろいろの問題点が指摘されてきたということも事実でございます。  したがって、補助金についてはその必要性、それから、果たしてその目的に対して補助金が有効な効果を発揮しているかどうかという点、言いかえれば、全体としての有効性、さらにはそれにかわる別の手段がないかどうかというようなことを含めて、絶えずこの補助金については見直しを行っていくという必要があるというように考える次第であります。  ところで、この補助金等は一般歳出の約四割を占めておりまして、そのうち地方公共団体に交付されるものの割合はほぼ八割見当ということになっております。今日の厳しい財政状況のもとで国、地方を通ずる行財政改革といいますか、節減合理化を進めていくためには、この補助金等の整理合理化が不可欠であるというのが実情であると存じます。また多くの国民も、その整理合理化を強く求めているというのが実情ではないかというように感じておる次第でございます。——ところで、補助金等の約八割が地方公共団体に交付され、それによって使われていくという状態のもとでは、補助金の整理合理化を進めるためには国と地方が相互に、車の両輪の関係にあると申しますか、あるいはやや古い表現で恐縮でございますが、唇歯輔車の関係にあるということを自覚いたしまして、それぞれの役割分担を見直し、国、地方を通ずる行財政の効率化、減量化に努めることが不可欠であるというように存じます。特にここ数年来の緊縮型の予算節約によりまして、全体として相当の節減合理化が行われてきたということを考えますと、今や国と地方を通ずる費用分担の見直しは避けて通れない課題であるというように申してよろしいかと存じます。  ところで、国と地方の財政状況を見た場合に、国の財政は御存じのように多額の特例公債の発行を余儀なくされておりまして、現在危機的な状況にあると言わざるを得ないことは御承知のとおりでございますが、さらに今後を考えた場合にも、ますます厳しい状況が続いていくだろうということが予想されるわけでございます。他方、地方財政につきましても大変厳しい状況にあるということは事実でございます。ただ、地方は非常に多数の地方公共団体から成っておりまして、その団体間の格差は相当大きくて、地方公共団体のうちには国に比べますと相対的に余裕のあるものも見られるということもまた事実でございます。  したがって、この際、国と地方とは、先ほども申したことでございますが、公経済における車の両輪である、そういう自覚に立って相互に協力し、負担を分かち合い、公共サービスの提供に努めるという考え方のもとに事務事業のあり方を見直し、それから補助率のあり方の見直しを行って、地方公共団体の協力を求めるということはやむを得ないことであるし、また積極的に望ましいことであるというように私は考えております。  このような観点から考えた場合に、なお見直しを行うべき分野がないとは言えませんが、国と地方の役割分担及び費用の負担のあり方の見直しとともに行われました今回の補助金等の削減は、昨年の一律削減などとは違って一歩前進した形態であるというように。申してよろしいと思いますので、これは一応評価してよろしいのではないかというように考える次第でございます。  ただ、国民の多くは、先ほども申しましたように補助金等に大変強い関心を持ち、補助金がむだに使われているのではないかという疑念を払拭し得ないでいるというのが実情ではないかと思います。住民に身近な行政はできる限り住民に身近な団体において処理するのが望ましいという原則に立ちながらも、事務事業の見直しを行い、補助金のあり方についてさらに機会を見て見直しを行っていくということが今後望まれるのではないかというように私は考えております。  以上、簡単でございますが、私の意見の陳述を終わりたいと思います。

嶋崎均自由民主党・自由国民会議

○委員長(嶋崎均君) ありがとうございました。  次に、遠藤参考人にお願いいたします。遠藤参考人。

遠藤晃立命館大学教授

○参考人(遠藤晃君) 御紹介をいただきました立命館大学の遠藤でございます。  私は、ただいまの館先生の御趣旨とはかなり逆の見解を御披露申し上げなければなりません。  今回の補助金等特例法案につきましては、私は二つの点で大変大きな基本的な問題が含まれているように一考えているわけでございます。  一つは、我が国の社会保障、社会福祉の根幹を揺るがすような、そういう後退が仮にこの法案が通過をいたしますと生じてくるんではないかということであります。二つ目は、これは地方自治の問題でございますが、やはりこの法案が通過をいたしますと、地方自治を財政面からゆがめる結果、自治体の行政機能を大変弱める結果をつくり出しまして、結果として、ここでも住民福祉の阻害が起こるんではないかということを危惧いたしておりまして、できますならば参議院の良識をもって、この法案については否決をしていただきたいということを心からお願いを申し上げたいと思っております。  その理由を二点から申し上げますが、まず社会保障の基本的な性格にかかわる点であります。  前年度の特例法を含めまして、御案内のとおり、いわゆる補助率カットの主要な対象が厚生省所管の社会保障、社会福祉の領域に向けられているわけでありますけれども、実はこの法案が「補助金等」という表現が使われておりまして、新聞紙上等でもしばしば高率補助がカットをされるというふうな言い方がされているということがあります。しかし、厚生省所管の対象事業のほとんどの部分は、これはいわゆる補助ではなくて国の責任に属する事務を機関委任の形で地方公共団体の長に執行させる、その経費の負担金、あえて申し上げますならば義務的な負担、これをいわば一方的にカットするというのが前年の特例法であり、今御審議いただいておりますところの特例法の内容であります。  社会保障における国の責任について、改めて多くのことを申し上げるまでもありませんけれども、例えば生活保護法の第一条では、「国が」という主語を明確に用いまして、国民の「最低限度の生活を保障する」役割を負わせておりますし、さらに第二条では、これの適用については「無差別平等」でなくてはならないということを掲げ、加えて第五条では、この法律の具体的な「解釈」、「運用」はすべてそういった第一条、第二条等の原理に基づいて行われなければならないということを念を押しております。  同じことは、児童福祉法におきましても、「すべて児童は、ひとしくその生活を保障」されなければならないということを挙げておるわけでありまして、このことは地方によって、つまりその住民が住んでいる地方自治体ごとにその措置、処遇に差があってはならないということ、そして、そのことを国が責任を負わねばならないということを明確にしているところであります。  ここで、私は行政と財政の関係ということを御提起を申し上げたいと思うわけですけれども、これはいわば目的と手段の関係にある事柄でありまして、一定の行政効果を目的として据えて、それを支えるのが財政であります。この目的と手段の関係が転倒されてならないということは、もう多くを申し上げるまでもないかと思いますけれども、そのことがとりわけてこういった社会保障、社会福祉の領域では、例えばそういった領域の経費につきまして義務的経費という言い方、あるいは当然増経費というふうな言い方等に象徴をされておりますように、そのときどきの財政の都合によって左右されてはならないということが、これはもう原則の問題であります。  ですから、そういう立場から考えてまいりますと、今度の法案をお決めいただきました政府の補助金問題関係閣僚会議の決定でありますけれども、その中で、その決定の趣旨は補助金問題検討会の報告を最大限に尊重をするということでありましたが、その補助金問題検討会の御議論の立て方について幾つも疑念を差し挟まざるを得ないというふうに思っているところであります。例えば見直しを行う根拠として二つのことを挙げておられます。一つは社会経済情勢の推移ということでありますけれども、これは社会経済の現実というものを見てまいりますと、こういった社会保障、社会福祉の領域における行政需要というのは一層拡大されてきているというのが現実でございます。  私、幾つもの自治体の財政の分析を現在行っておりますけれども、ほんの一例として、私の論旨に都合のいいような自治体ではなくて、具体的には兵庫県の西宮市、関西では有数の文教住宅都市で高額所得者が多い、そういう自治体でありますけれども、そこで、例えば生活保護率の推移でございますが、これを見ますと、昭和五十二年はまだ五%に達しない四・九%から、五十九年には九・一%、実人員では二千十二名から三千八百三十一名という、こういう増大ぶりが示されているわけであります。そういう事情を反映いたしまして西宮市の福祉局の予算は、昭和五十二年の四十九億から、六十一年、十年後には百二十四億という二倍を超える増加を図らなければならないという、こういう現実が生まれているところであります。  念のために申しますと、その予算の中で市の一般財源の負担というのは、五十二年にはちょうど五〇%の二十五億でございましたけれども、今度の補助率カットがもし実施されればということですが、百二十四億に対して八十六億、七〇%を一般財源が負担をしなければならないということも起こるわけであります。  そして、もとの補助金問題検討会の報告に戻りますと、いま一つの理由は、事務事業が自治体の事務として同化、定着をしているということでありますけれども、これは私はいささかも社会保障における国の責任という原理を変えるものであるというふうには思っておりません。とりわけて私が奇異に思いましたのは、具体的な見直しを行う基準でありますけれども、この報告では次のように述べられております。「国及び地方公共団体が、双方で等しく負担を分かち合う性格の事業の補助率は二分の一が適当であり、それをベースとして」上下という、こういうことでありますけれども、この申し上げました部分、等しく負担を分かち合う場合は二分の一というのは、これは当たり前のことでありまして、等しく分ければ二分の一という全く同義反覆のことを言っているわけでありまして、何ら私はこれは見直しの基準になるような主張であるというふうには考えません。  したがいまして、この第一の理由についての結論を申し上げますと、社会保障、社会福祉の領域というのは、すぐれてナショナルミニマムの課題に属することであります。そして憲法あるいは生活保護法にせよ、児童福祉法にせよ、老人福祉法にせよ、そういう立場を明確に打ち出しているところでありまして、したがって、少なくともこの措置と言われる諸経費、これは生活保護であれ、保育所入所であれ、養護老人ホームへの入所であれ、これはそういう趣旨からいいますと、もともとの十分の八自体が国の一〇〇%の責任を貫徹していないということでありまして、本来は一〇〇%であるべきだというのが私の見解であります。そして、そういう上に立って地方の自主性というのは、例えば福祉の用語で申しますといわゆる情緒的なサービス等々、その地域の風土等々に見合ったそういうところについては、まさに地方自治の自主性というのが発揮をされるべきでありますけれども、少なくとも措置の領域については十分の八というこの間の原則というのは生かされるべきであるし、なお努力の方向としてはそれが十分の十のところに持っていかれるべきであるということであります。  それから第二の理由でありますけれども、今回のいわゆる補助金カットに伴いまして、地方財源措置を講じたという言われ方がしております。時間の関係で中身は省略いたしますけれども、しかしこの場合、考え方の基本に据えられるべきは地方自治法第二百三十二条二項、それから地方財政法十一条の二というところにあるというふうに私は思っておりまして、この地方財政法の十一条の二は、そういった国の事務事業にかかわって地方が負担を要する場合には、それは地方交付税の基準財政需要額に算入をしなければならないということを明確に挙げているところであります。しかしながら、今回の措置はそういった部分はごくごくわずかなところにとどまりまして、多くの部分が建設地方債でもって処理されるということでありますから、これはいわば財政運営の基本を規定した地方財政法違反の疑いというものが十分にあるのではないかというふうに思っております。  もちろん私も、国家財政の大変な赤字という状況は承知をしておりますけれども、しかし考えてまいりますと、特例国債を含む膨大な国債の残というのは、もともとあの高度経済成長が終わりました後、専ら大型プロジェクト中心の公共事業の拡大政策の中で生じてきたものであります。そして、ああいった政策によって今日大企業は史上空前と言われる繁栄を続けているわけでありまして、物の道理としてその始末は、今回提案されておりますような国民とそれから地方自治体に負担を転嫁するというあり方ではなくて、それによって今日の繁栄を保障され得た、そういったところが負担をすべきであろうというふうに考えますし、また六十一年度予算の中でのいわゆる突出部分、防衛費あるいは対外経済援助費等々、そういったところからも、こういった措置をとらずに、国家財政の再建の方向へ向けていくという可能性を含んでいるというふうに思っているところであります。  最後に重ねて、どうか国民の福祉を守るという、こういう立場からこの法案について否決という方向をお出しいただくようにお願い申し上げまして、私の陳述を終わらせていただきたいと思います。

嶋崎均自由民主党・自由国民会議

○委員長(嶋崎均君) ありがとうございました。  次に、山本参考人にお願いいたします。山本参考人。

山本滋穂波町長

○参考人(山本滋君) 御紹介受けました穂波町の町長の山本滋でございます。  私は、町長ももう十二年目に入っておりますので、具体的な市町村の立場から申し上げてみたいと思います。ただ、町村会には属してはおりますが、役員はしておりませんので、自由な、フリーな形で申し上げたいと思います。  町村における予算の編成でございますが、普通であれば法律その他、負担金、補助金等が決まっておりますので、それに基づいて十二月末から一月にかけて編成し、三月の議会で決定を見るわけでございます。ところが、この二年か二年半はそれがめちゃくちゃでございます。なぜかと申しますと、三月に議会にかけております予算が、まだ国の負担金が決まらず変更途中であり、どうなるかわからないわけでございます。そして不足分は、地方交付税で埋めると国が約束する中で決めねばなりません。そして法は、五月か六月になっ て決まります。それを四月一日にさかのぼって実施させるわけでございます。しかも四月、五月に当然交付すべきものは、予算は決まっておるんですが、減らす法律が決まっていないからということで出さないわけでございます。  逆を言えば、私の方から言えば、減らす法律が決まってないから多い法律でやれと言いたいわけでございます。こんなことが許されていいでしょうか、むちゃくちゃでございます。もし町村において、法律というのは町村においては条例でございます。条例を町民に出すのにこんなやり方でやって、地方課が我々に対していいぞと言えるでしょうか。国はそれを平気でやっておるわけでございます。しかも、予算は既に通っております。それは減額された負担金のもとに通っておると思います。法律は今進行中でございます。だから、今後こういうことはないとは思いますが、三年間固定ですからないとは思いますが、これはぜひ改めていただきたい。同時に国は、政府と議会の責任において翌年度にかかわる予算なり法律については四月一日から実施できるようにお願いいたしたいと思うわけでございます。  次に、法第四十九条によりますと、国は負担及び補助の引き下げの措置の対象となる地方公共団体に対しては財政金融の措置を講ずるものとする、こうあります。ところがどうでしょうか、これは五十九年の半ばごろから浮き上がりました労働省関係の失対事業補助金が六十年度で削減されました。そのときに労働省にも大蔵省にも陳情に行きました。必ず補助金や地方交付税は算入しますと、それだけの費用が要るんですから、それを財政需要額に入れますから。そうすると税金を引いた分はあなた方に来ますよと、こういうふうに説得されました。大蔵省まで行って説得されました。私がそれは直接申し上げましたが、それだけ全部ふえるなら同じことじゃないですか、どこが違うんですかと、そしたら、それは富裕団体だけが違うと、いわゆる不交付団体ですね。それは不交付団体であっても失対の補助金はやっておると、しかしこういうふうにすると、富裕団体についてはやらなくてよくなる、それだけは国がもうけるんだと、こういう説明をされました。  そうだろうと思って、六十年一年過ごしたわけですが、失対について計算いたしましたが、千四百四十八万五千円減額されました。そして、交付税は千七十四万円で、不足が三百七十四万五千円でございます。国の財政分からすれば三百七十四万円は微々たるものでございますが、千四百四十八万五千円の中の三百七十四万円でございます。いかに重要なものであるかはおわかりいただけようと思います。  これはどうしてこういうものが起こるかと、これは私の想像でございますが、私の方は産炭地の始末をしておるところでございまして、二万八千の人口と八千九百の戸数がございます。その中で生活保護が千三百戸です、人口にして千五百ぐらいだと思いますが。そして、失対労務者がその当時四百二十五名でございます。これはどこかの一県分の数に該当するわけでございます。そういうふうに非常に多いわけです。だから、全国平均の、県平均等で必要額を算入したんでは、とても私どもの方の分は補い得ないということになるんじゃないかと思うんです。例は昨年にありました。政保については減額されましたので、その分を補うといいながら別途二百億円措置されました。それは政保比率の多いところについて特別に補助するということで、二百億円が追加されたと思っております。そういうことからしますと、やはり私どものような特別なところについては、ただ地方交付税で賄うということができない、当てにならないという実例を既に示されておるわけでございます。そういうことからいたしますと、この法案に賛成するわけにはいきません。  しかも、いま一つ言いますと、老人保健法が成立のときに、これは数年前でございましたが、十分の二を町村に負担しろ、そうしたら国民健康保険が随分楽になるということで我々の方は賛成して通過をお願いしたわけでございます。ところが、もうそれを十分の三にし、十分の五にする、これは私どもから言わせれば詐欺です。一つの詐欺としか思えません。こういうことで新しい法律をつくられたわけでございます。児童福祉法にしましても、補助の十分の八が今度十分の七になり、それから十分の五になるわけでございます。これについても考えますのは、これも機関委任事務でございます。八割を補助されておりますので、金を出すから口は出すなど言われてまいりました。金は減らして口も出すな、こういうことです。保母の基準、あるいは設立の場合の認可、そういうものは全部国の措置であります。そうしておって金は半分しかやらぬ、こういうことがありますか。  また、私どもは中央からの指導のもとに地方行政改革に取り組んでおります。六十年の状況をもとにして現在取り組んでおるわけでございます。そうしていろいろな案を出しつつあります中で三年間のこういうものが出ますと、またやり直すといいますか組み直さねばいけません。こんなに政府のやり方がくるくると猫の目のように変わっては、私ども町村の立場としては信頼していけません。前に県副知事さん、市長さん、町長さん、あるいは村長さんもおっしゃいましたが、言いにくうございますけれども、でき得るならばこれは流していただきたいと思います。  終わります。

嶋崎均自由民主党・自由国民会議

○委員長(嶋崎均君) ありがとうございました。  以上で参考人からの意見聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 社会党の穐山です。本日はどうもありがとうございます。  館さんに最初お伺いをしますが、検討会の責任者であるわけですが、五月三十日から十二月二十日まで非常に熱心に審議をいただきました概況報告を読ましていただきましたが、どういう論争があったかという議事録が私ども手元にありませんので、若干の部分についてお伺いをしたいと思っております。  国と地方との事務の分担、そういうものについてどの程度まで議論を積み重ねていただいたかどうか。それから、その結果それが今回の答申の中に具体的にどのように盛られておるのか。それから三つ目は、費用分担のあり方の問題、全体についての議論がされて、その中の補助金の割合が議論をされたのかどうか。それからその次に、各省庁が何回か説明をしておりましたが財源、あるいは数字上の問題も提示をして皆さん方がフリーに議論をされてお決まりになったのかどうか。それから最後は、この法律案によりますと一兆一千七百億円という膨大な削減でありますが、経常経費あるいは投資的経費につきましても両方とも地方債の増発でいっているわけです。言いかえてみますと人件費も、赤字公債とは言いませんけれども客観的に言えばそういう要素を持ったもので補っているわけですが、そういうことを承知しながら一兆一千七百億円というものが検討会の結論であったかどうか、まずそこを教えていただきたいと思います。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) それではお答えいたします。  正確に申しますと、ほぼお答えできないというのがお答えになってしまいます。と申しますのは、今私がこの検討会の責任者というようにおっしゃられたんでございますが、私は別に責任者でございませんで、ただその中のメンバーの一人であったということでございますので、その点はまず最初にお断りしなければならない点でございます。  そして、そういう一メンバーとしての立場で申し上げられますことを申しますと、この報告書に大体検討会でなされた議論は載っておりまして、したがって、その少数意見があった部分については少数意見もそこに記録されておるというような形で議論が集約されております。一々の個別の点につきましても、ほぼこれをごらんいただければどういう議論がなされたかということは御理解い ただけるのではないかというように存じます。  最終的な予算のあり方の問題といいますか、手当ての方法の問題につきましては、これは私はもちろん、本日、ここに参考人として出席するために勉強もし、承知もしてまいりましたけれども、その点についての議論をこの検討会は任務としておりませんでしたので、そういう点については検討は行わなかったというように存じております。  余りお答えにならないんですが、もともと責任者でございませんので御了承いただきたいと思います。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 去年一律カットの際の審議のことでありますが、一年間の暫定措置である、まげて承認をいただきたい、こういう中で議論が進んだわけですが、その際に検討会を持って勉強をさしてもらう、その結果を予見するわけにはいかないけれども、審議の過程では、地方と中央の事務の配分などいろんなことを考えてみればなお一層切り込むものも出てくるだろう、あるいは据え置きのものも出るだろうし、逆に言えば、もっと高い補助率になるものもできるかもしらぬ、そういう議論が私どもと大蔵大臣の間では議論をされていたわけです。  ところが、今回の法律案を見ますと、補助率の引き下げが十七本、引き下げと横ばいが十五本、横ばいが十二本、小計で四十四本が全部横並びまたは下がっているわけです。あと一般財源化が二本、繰り入れ特例が三本、合計で四十九項目あるわけですが、去年の私どもの審議の経過から見ますと非常に不本意な結論が提案をされていて、去年の国会の審議が十分に参考にされていない、私どもはこういう印象を持つわけですが、館先生、検討会ではそういう点についての議論はいかがであったんでしょうか、ちょっとお伺いしておきます。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) 検討会の内容にわたることは先ほど申しましたような事情で、私責任を持って申し上げられる立場にもございませんし、できるだけフリーなディスカッションができるようにという観点から、一々そこでどういう議論が行われたかということはこの報告書を超えてはむしろお話し申し上げない方が、仮に知っていても、いいんではないかというように存ずるわけでございまして、大体その主要な問題点については先ほど申しましたように、この報告書の中に盛られておるというように感じておるわけでございます。  私自身の個人的な見解をこの機会に申させていただきますならば、実は私、昨年もこの問題につきまして意見を申させていただく機会を持ったわけでございます。そのときに、その当時の財政状況を踏まえて考えた場合に、個々の補助金の内容に入って一々議論をしていたのでは、当時のような大変財政の苦しい状況のもとで実際上はカットができないという問題になるのではないだろうか、したがって、一律カットという方法はやむを得ない措置であるし、その実効性という点を含めて言うならば、あるいはいい措置であるかもしれないということをその際は申し上げました。  しかし今後、つまりことしを見通しては、別に検討の機会を補助金について持つのは望ましいということも同時に申し上げたように記憶しておるわけでございますが、そこでこの検討が行われたわけですが、もう先生よく御承知のように、財政事情はその後非常によくなったかと申しますとそうではございませんで、ますます財政の状態は苦しい、国も地方も財政の状態は苦しいという状態にありまして、全部とは申しません、今のお話にもありましたように大変苦しい地方公共団体があることも事実でございますが、しかし、押しなべて見た場合はまだ多少余裕のある、相対的にでございますが、余裕のある団体が地方にはあるのではないだろうか。そうであるならば、こういう際でもありますから、これもこの前申し上げた言葉に自然になってしまうわけでございますが、兄貴が困っているときには弟が少し助けるというような形でこの問題を処理していくという、それも日本の風土、環境を考えたときにいいことではないだろうかというように考えて、こういう措置を適当というように私自身は判断したわけでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 皆さん方もこの参考資料をお持ちだと思うんですが、三ページ以下、個々の削減割合が載っているわけですが、これを一読しますとすぐわかりますのは、社会福祉、社会政策、福祉行政の分野は大いに切り込んでいるという特徴があるわけです。それから空港整備であるとか港の整備であるとか、そういう投資部分は変化がない。これが、去年は一律カットが特徴でしたが今回は差をつけて、どちらかといえば景気浮揚の方に頭が行って、憲法で言う人権の尊重、最低生活の保障という部分が値切られているのが特徴だというふうに思うわけです。こういうものが恒久化をしますと、これは政治に対する不信というものをますます深めていく、こういうふうに私個人は考えますが、今回の切り込み方の点について三人の方々からそれぞれ御意見をいただきたいと思うんです。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) それではお答え申し上げますが、一つは先ほども問題になった点でございますが、カットと申しましても社会保障関係の問題については、これはシビルミニマムを確保していくための措置は講じられているわけでございまして、それによって福祉が疎外される、そういう性質のものではないというように、基本的にはそういうものであるというように私は理解しておりまして、したがって、例えば公共事業関係のところでは景気対策を考慮して、実質的な事業量を確保するというようなもう一つの目標というものを同時に考慮しながらこの措置がなされているというように考えておりまして、カットという言葉を使われますと、何か福祉そのものがカットされたような印象になりますが、そうではないということの、私が申し上げるのは大変おこがましいことでございますが、そういうふうに私は理解しておるということを申し上げておきたいと思います。

遠藤晃立命館大学教授

○参考人(遠藤晃君) 私は、今おっしゃいましたように、社会政策的な領域のところに大変強くガットが出されてきているということにつきまして、二重の意味で極めて重大だというふうに思っております。  一つは、その領域の性格でありまして、押しなべて健康で文化的な生活を営む権利という、一番人間生活の基礎のところ、そこのところに非常に鋭い形で大きなカットが加えられてきているということ。そしていま一つは、他の公共事業的なところでの問題というのは、やはり地域地域によってその影響の相違というものがございます。しかしこれは社会保障的な、社会政策的な領域の場合は押しなべて全国に影響いたしますし、そしてとりわけて、それがそういう対象者の多い地方自治体の場合、これは地域の経済力が弱い中で対象者がふえてくるということでありますから、その自治体の財政力自体が総体的には弱いわけであります。ですから、そういう中で極めて深刻な影響を及ぼすことになるということを非常に強く危惧をいたしております。

山本滋穂波町長

○参考人(山本滋君) おっしゃるとおり、いわゆる建設を伴うものについては余りカットしてない、あるいはわずかに半分を超しておるという形で残しておりまして、その他の社会福祉的なものについてはほとんどが二分の一に落としてあるという特徴があるように見受けます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 皆さん方に責任があるというわけではありませんけれども、知恵をひとついただきたいと思いますのは、来年三月三十一日までたばこ消費税で二千四百億円一応充当するわけです。で、足りない部分は地方債の増発で充てるわけですけれども、来年四月一日が来ますと当てにできる財源が見当たらない、こういう懸念を持つわけですが、この措置が三年間というふうに提案をされている以上は、政府側としても重大な責任を感じつつ、財源についての手当てを当然国会に出さなきゃならぬと思いますが、こういう場合どういうことを考えたらいいのか、地方財政のことを研究の先生方に、どなたでも結構ですからぜひ知恵をいただきたいと思うんです。

遠藤晃立命館大学教授

○参考人(遠藤晃君) 最初の陳述のときの最後に少し申し上げたところでありますけれども、それに加えて私強調したいというふうに思っておりますのは、地方財源の保障の問題ですが、この地方交付税の運用というものが立法趣旨を非常に曲げられたような形で運用をされてきている。本来、基準財政需要額を正確に見積もって、そして地方税収等で不足する場合にその差を交付するということが立法の趣旨であったわけですけれども、本年度の場合もこのカット分を除きますと収支とんとんであるというふうに言われているわけですね。しかし、実際の地方交付税の基準財政需要額の算定の中ではさまざまな操作が行われております。例えば六十年度の例で言いますと、ごみの収集の基準財政需要額ですが、トラック一台二人の作業員でやっていたのを一・八人でやれるというふうなことで下げる、そういう操作の中で収支が合うということですね。ですから申し上げたいのは、いわばそういう地方へ転嫁ができる仕組みみたいなものを法を曲げてやっているから、今の御質問にそこからかかわるわけですけれども、逆に国家財政のところで正当な再建の方向を真剣に追求されない、こういう傾向が出ているんではないかというふうに思っているわけです。  私などの承知をしておりますところでは、例えば法人の利潤に対する課税の場合も、さまざまな税法上のいわゆる未実現の経費が経費として落とされる、そういう項目が、例えば海外進出準備金等々、日本の場合は二十数項目あるわけですが、欧米の厳しい国では、固定資産の償却分と退職手当の積み立てしか認めないわけですね。そういうあたりをきちんとやっていけば、国のところでかなりの税収というものを期待することができる。ところが最近では、この法人税率をさらに下げるかのような議論が出てきているということで、逆にますますそういう中ではこれから地方あるいは国民への転嫁というのが、さしあたりはこの三年間ですが、その後もそれが永続化する、あるいは一層いわゆるこのカットが強められてくる、こういうことになるんではないかということを心配しているということでございます。

山本滋穂波町長

○参考人(山本滋君) この三年を聞いた場合に、去年は一年限りでございました。一年限りというので私どもはだまされたわけです。これだけ下げるから、一年限りやるから下げるということは、二年目はもとには戻さぬでも少しは上げるか、その感じじか受けないわけです、日本語ではそう感じます。それをまた、下げるのが一年限りだったんだと、こう各省は言うわけです、まあ我々は労働省とよくやりますが。それでだまされました。そして、三年というんなら三年でいいから、その千二百億のたばこでもいい、とにかく三年間来るというならいいですよ、わかりますよ。それは一年だと、後はどうなときゃあなろたいということでしょう、それじゃ納得できませんよ。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) 私は特に申し上げるほどのこともございませんが、四十九条にこういうように規定しておりますし、地財計画の決定の中でおのずから適当な措置が講ぜられるものと確信しております。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 都道府県税あるいは市町村税でもそうでありますが、税源の問題を調べていきますと、定数の是正ではありませんけれども、法人事業税にいたしましても一番最低のところと最高のところでは大変な格差がある。費目によりましては団体間で二十倍というふうな格差があるわけです。しかし、まあこれを裏側から見ますと、配分のロスにも見えるわけです。この点がそれぞれの地方公共団体間ではいつも議論の種になっているし、また我々も十分勉強しなければならぬ問題だと思うんですが、この税源の偏在問題について何とか解消する、したいという気持ちを常々持つわけですけれども、何かその点についての有効な御意見があればお伺いをしたいと思っています。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) 先生御指摘のように大変難しい問題でございまして、名案があれば解決されているというような性質のものではないかと思います。  ただ、基本的には自主財源論というのがございますけれども、私は、地方自治のために自主財源という考え方に基本においては賛成でございます。しかし、現在のような行政区画の大きさというような点で考えますと、前にも申し上げたかもしれませんが、やはり例えば東京のベッドタウンになっているような町村では、そこに自主財源を提供した場合にだれがそれを決めていくか。夜間人口は確かにいる町ですけれども、昼間はほとんどいないで、その都市の財政にほとんど関心を持たない人が多数を占めているようなところに自主財源をどんどん配分していって、それで本当に地方自治が確保されたと言えるのだろうかということを考えますと、これも解決にならない。したがって、どうしても地域の大きさというようなことを含めてこの問題は考えていかなければなかなか解けない問題ではないかというように考えております。

遠藤晃立命館大学教授

○参考人(遠藤晃君) 御質問の御趣旨を税源の地域間の偏在、不均等の問題というふうに理解をいたしましたんですが、そうであれば、私は今の、先ほど申し上げました地方交付税制度をきちんと運用すれば、本来、地域間の財政調整の制度として戦後つくられましたものですから、それでもって均等化をかなりのところまでやっていくことができるというふうに思っております。そして私は、そのためにはかって地方交付税制度に移行します前、昭和二十年代は平衡交付金ということで、その配分を地方公共団体の代表を含む行政委員会としての地方財政委員会が行っておりました。そういう形に戻して内閣、具体的には自治省が配分するということではなくて、もちろん自治省も加わっていただくことになろうかと思いますけれども、地方自治体代表も含めたより民主的な行政委員会システム、ここのところで一つの打開の方向というのが考えられるんではないかということをかねがね思ってきていたということでございます。

穐山篤日本社会党

○穐山篤君 もう時間が来ましたので、ありがとうございました。

矢野俊比古自由民主党・自由国民会議

○矢野俊比古君 私は自由民主党の矢野俊比古でございます。  本日は、地方行政に関する学識経験者の方々で、御多忙のところを御出席いただきましたし、また大変貴重な御見解をいただきまして大変勉強させていただきました。  まず、館先生にお伺いをしたいのでございますが、ただいま穐山委員の御質問で、どうも検討会報告の中はちょっと、有力メンバーのお一人だということで、触れにくいということでございました。したがって、私はその中に触れるという意味ではなくて、あるいはまた差し支えない範囲というところでお答えをいただきたいと存じますけれども、この検討会報告は、拝見をしますと、諮問が「六十一年度以降の補助率の在り方」ということに閣僚会議から出ておりまして、それに沿って基本的考え方からずっと事細かく各事項に分けて御勉強になっておられると拝見をしているわけです。どうも私は、これを拝見していったずっと流れで言いますと、六十一年度以降の補助率の見直しというようなふうに受けとめておりましたんですが、実は最後のまとめのところで「国・地方の財源配分のあり方についての抜本的な見直しは今後の課題とされていること、」というようなことが中心になりまして、引き続き検討が要ると、「今回の措置は、当分の間の暫定的」だと、こういうことでございました。  こういうことで、政府はこの暫定ということを受けまして一応三年間という法律になったんだろうと思います。大蔵大臣の御答弁の中でも、財政再建ということもあるから五年ということも頭によぎりましたが、まあ三年が適当なところだと考えましたということでございますが、先生の御見解として暫定というのが三年という数字、これはあるいは一年でも二年でもあるわけでございますけれども、そういう点では暫定というのは三年、いろいろと懇談会にタッチされましたそのバックはあるわけだから、三年というのはしようがない んだなというふうに御見解をお持ちかどうかをまず伺いたいと思います。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) お答えいたしますが、これも最初にお断りしておきたいと思いますけれども、その検討会の一メンバーでございまして、別に有力メンバーであったわけではございません。  そういう立場で、今の点について私の感じを申させていただきますと、何といいましてもこれは大変難しい、もともと難しい問題でございます。一朝一夕にあらゆる問題が、事務配分の問題、それからしたがって事業量の配分の問題、それから費用負担の問題、両方を含めて大変難しい問題ですので、なかなか一朝一夕にすべての問題を解くということができないということが、私がメンバーの一人として実感したところでございます。したがいまして、この報告の一番最後に、今先生御指摘のとおり、今後さらに抜本的な見直しを必要とする、そういう言葉が残らざるを得なかったということであると存じます。  そこで、暫定というときに三年というのが適当な期間がどうかという問題でございますが、この点もなかなか、暫定をどのくらいの期間に定められるかということさえ実はなかなか難しい、そういう程度になかなか難しい背景を持った問題であるというように感じておりまして、私は諸般の事情を勘案した場合には、まあ三年というのは妥当なところかな、やや短いかなという、そういうような感じを持っております。

矢野俊比古自由民主党・自由国民会議

○矢野俊比古君 実は遠藤先生、山本先生にも、それぞれ御専門のお立場でございますから、そういったことについても御見解を伺おうかと思ったわけでございますが、先ほど御陳述の中で遠藤先生は、いずれにしましても社会保障というものの充実ということは国民の基本の問題であって、財政という問題から余りそういう議論に入るというのはいかがなものかというようなことで、否決というお言葉をお使いになりましたから、まあもともとこれは反対でございますので、御質問を申し上げてもと思いますが、ただ私、先生の御発言の中で、伺っておりまして、私どもも社会福祉の充実というのはできるだけのことはやっぱりあった方がいいと。といってもちろん、今後高齢化社会に向かう中で活力を失うことになってもいけない。そのバランスを国民負担と国あるいは地方公共団体でどうとっていくかというのが大きな課題だろうと思うわけでございます。  まあ先生も、補助率カットで財政措置というものがこれに影響するんで、カットは財政措置負担といいますか、こういうことに、逆に言えば負担軽減をいたしますから国民負担がふえるわけでございまして、そういう点では大きな問題だということでございますけれども、しかし同時にまた、財政ということも頭に置かなければならぬなということでございます。まあどこが負担するかということで、公共事業の拡大その他で大いに、早く言えば経営を拡大したいわば大企業が持てばいいじゃないかというような受けとめ方ができるような御発言に思ったわけでございますが、まあ当面しかしなかなかそういう対応というのができない。  また同時に、この法律がもし通りませんと、四月早々から予算が通っている段階もございまして、そうなりますとどうしても予算とのギャップになってしまう。私なんかが素人で考えれば、それはもう補正予算を組んで財源を回せばいいじゃないかというのが出てくると思うのでございますが、まあ今のような円高、せっかく原油下落で少しは息がつくかと思ったら円高という状況になって大変財源ということも厳しいということになるわけでございますが、そういうことになると大変なギャップが出るのでございますけれども、そういう点にはどんなふうにお考えをお持ちなのか、そういうところを教えていただければありがたいと思います。

遠藤晃立命館大学教授

○参考人(遠藤晃君) 行政と財政をどのように考えるかということ、そして最近の厳しい財政環境の中で一体どういう方向が考えられるかという、そういう御趣旨の御質問のように受けとめたわけでありますけれども、行政士財政というときに、やはり現実問題として一定の財政の枠がそこにあるということですね。このことはもちろん否定はできないわけです。しかしその行政を通して、もっと言うなら基本的な政策のところで、財政の制度あるいは運営を必要な方向へ転換していくことももちろん可能であるわけですね。  そしてそういう場合、私が重視をしたいと思いますのは、行政の力で財政を変えていける条件というものを国の場合と地方公共団体の場合とを比較をしますと、地方公共団体の場合はこれはもう著しく乏しいわけですね。例えば税制一つにしても、地方税法という国の法律で縛られているということがございまして、あらかたの財源というのは既に普通税のところで拾っておりますから、法定外普通税といってもなかなか思うに任せない。そういうことになりますと、国、地方を含めての今の財政困難の中で必要な政策あるいは行政の水準を維持しようとしますと、やはり国のところでの努力の責任といいますか、それが占める比重というものが極めて高いんではないか。それを地方のところにかぶせるようなことをいたしますと、地方の場合はまさに先ほど私が申しましたのとは逆に、財政の枠に縛られた中での行政の選択しかできないというところに追い込まれるわけです。  ですから、今も御質問の中で福祉の問題ももちろん重視をしているということをおっしゃったわけですが、余り具体的なことをあれこれ申し上げるのもなにかと思いますけれども、今私全国で五つの市の財政分析をやっておりますけれども、本当にさまざまな影響が昨年の一律カット以来あらわれてきているわけですね。ですから、そういう点で私は財政の基本的な弾力性という点では国と自治体の場合大いにそれが違うんだということをあえて申し上げたいというふうに思っております。  それからいま一つの、国のところでの円高問題がとりわけて今直面をしているところでありますけれども、そういう中での経済活動をめぐる一定の困難、これは当然あるわけですけれども、日本の企業の大変強い成長力、体力というもの、これは今もうまさに世界第一位の力をそういう点では持っている。これは、一九七四年以降の国際的な不況の中での経済成長の実態を見ましても、シンガポールのような小さな国はちょっと別ですけれども、やはりヨーロッパ諸国、アメリカと比べて日本がはるかにそれをしのいできたわけです。ですからそういう中で、だからもう国の財政もますますお先真っ暗になるというふうに考える必要はないんではなかろうかというふうに思っているということでございます。

矢野俊比古自由民主党・自由国民会議

○矢野俊比古君 山本参考人にお尋ねをさせていただきますが、山本参考人は学識経験者であられ、かつ穂波の町長さんという行政も預っておられるわけでありますが、先ほど、例えば三月、予算を地方の方でお決めになってもなかなか国の負担が決まらぬとやりくりが大変だ、不足分は後で交付税で埋めるといったってそれは実際非常にやりにくいものだというふうなことがございます。  先ほど二百億というような数字をちょっと伺ったんですけれども、当面四月に実施をやって、いろんな手配はことしは政府当局も昨年の教訓を学んでやっているわけでありますが、現実に一月ばかりで例えば後から不足分で云々と言われてもという場合、いわゆる借入金をやるとか、地方公共団体ですから地方債がその後すぐあるのか私もわかりません。これは私は素人でございます。あるいはそのための金利負担というようなことも出るんだろうと思いますが、仮に一月今のような現状ですと、穂波町としてはどの程度財政を、過大な負担を強いられるというようなことになるんでございましょうか、もしおわかりならお話しいただければ幸いでございます。

山本滋穂波町長

○参考人(山本滋君) 私が二百億と申しましたのは、昨年の失対事業の一割負担に関連して、政保については地方財政計画の中に入れるけれども、入れ切れない特殊な部面があるということから特別に二百億を組んだ例があるわけです、全体とし て。どういうふうに配賦しましたか、私どもの方は町でございますので、生活保護は受けておりませんので、やっておりませんのでその点はありませんが、失対事業等についても福岡県等は非常に多うございます。私の方の四百二十五名だけでも高知県一県分あるというような状況でございますので、そういうのが地方交付税の算定基礎の中には入れても、特異なものとして入れられない、入り切れない部分が出てくるんじゃないか、そういう分を別途に見ていただくべきじゃないかということを申し上げたわけでございます。  それで、ことしについて申し上げますと、ただいまのところ穂波の年間予算が四十八億でございます。そのほかにまだ一億九千万組めないものがあるわけです、組むべくして組めないものが。そこで空財源で組んでおる状況でございます。そうしないと交付税でふえるのかどこでふえるのかわかりませんので、そういう形をとっております。それは最終的には何とかなるんじゃないかと思いますが、ならぬときには、例えば先ほどの四百二十五名の方に対して冬と夏に見舞い金をやっております。夏が三万円、冬が五万円、それも四百名ぐらいやると一千八百万円ぐらいになるわけです。そういうのを切らざるを得なくなる。これは法律で決められた問題ではありませんからそれは切ってもいいわけです。いいですが、それは生活の中で毎年やってきておるものですから、それを切るということは非常につらいことになりますので、何とかそうならないように財源措置についてはっきりしたものを見出したいと、こう思っておるわけでございます。

矢野俊比古自由民主党・自由国民会議

○矢野俊比古君 大変地方行政の上で御苦労なさっているということで、私どももいろいろ先ほどお話しになったように予算と法律が一体になるような形でなきゃならぬじゃないかというおしかりはよく反省をさせていただきたいと思うんですが、私最後にお三方申し上げたいわけでございますけれども、先ほど前半の地方公共団体の代表の方々のときにもちょっと伺わさせていただきました。  先ほど館先生が、こういう費用分担の場合に行政事務の合理化とかあるいはまた整備ということが要るんじゃないかということでございまして、これは先ほど事務分担が入るかどうかという形とは別で御質疑がありました。私はそういうことで考えると、どうもやはり今回のように財源というような面からではなくて、やはり根本的に地方行政の内容、いわば国が委任する事務あるいは自治法に定められている固有事務、こういうふうなことがあるわけでございます。また、委任事務の中でも機関委任あるいは団体委任とかいうそういうような区別をもう一回自治法の見方を整理して、それてそれぞれの固有事務であれば確実に地方財源がきちっと手当てできる、交付税ではこういうところに持ってくる、あるいは自主財源がどうだと、こういう議論があってしかるべきかな、こう私は思っておるわけでございますが、そういった考えについてお三方からひとつ御批判をいただきたい。それによって私の質問を終わらせていただきます。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) お答えいたします。  私も、今先生が御指摘になったように、基本はまず地方と国との間の事務の分担をどういうようにするか、そういう問題から始まっていくべきものであって、お金の方から先に決まっていくというのは、これは本末転倒のそしりは免れないというように思います。ですから、できるだけ時間をかけて、そういう点についてさらに検討を進めていくというのが望ましいということには全く賛成でございますが、ただ場合によりますと臨時緊急の場合もあるだろう、財政がどうにもならないというようなときもあるだろうとは思っております。

遠藤晃立命館大学教授

○参考人(遠藤晃君) 私は、日本の戦後の憲法のもとでの、憲法的な理念を外した地方自治の充実なり定着ということを考えました場合に、やはりいわゆる戦後改革の段階での積み残しの課題というのがずっと尾を引いてきているというふうにかねがね考えております。  地方自治法の改正というのはすぐに行われたわけですが、それを裏づけるべき財政の改革がおくれて、例の昭和二十四年のシャウプ調査団の勧告があり、そしてそれを受けて昭和二十五年に地方行政調査委員会議、略称神戸委員会ですが、ここから柱として言いますと四点の答申が出されたわけですね。第一点のいわゆる地方独立税主義ですが、これは私はまず五〇%実施されて五〇%残ったというふうに思っております。五〇%といいますのは、固有事務を自主財源でというふうに今矢野先生の方からおっしゃいました、それが賄い切れるだけの地方財源が与えられなかったということでございます。それから答申の二点目の地域間の財政調整、これは一たんは一〇〇%実施をされた、それが地方平衡交付金制度であったというふうに私は思いますけれども、しかしそれはその後昭和二十九年の改正で配分権を当時の自治庁が握るということになって、私なりの評価からするとややその後、後退をさせられてきた。  ところが、あとの三番目、四番目は全く答申が実施をされていないわけですね。三番目は補助金の原則全面廃止であります。そして四番目は、それに見合う事務事業の再配分、逆に言いますとその再配分をやり、そして補助金を全面廃止しても第一番目の地方独立税と二番目の地域間の財政調整でもってまさに政府から相対的に自律性を持った地方自治が運営できるという、こういうような答申であったわけですが、それが残念なことに財政学の中では専ら流産をしたという表現を使っておりますけれども、そういうことで今日に至っております。  ですから、そういう意味合いで事務事業の分担関係の抜本的な見直しと、そしてそれを受ける財政制度のあり方についてもやはり抜本的な見直しというのが大きな課題として今日存在をしている、そういうふうに私は考えております。

山本滋穂波町長

○参考人(山本滋君) 地方自治団体と、県も含めてですが、国との事務の再配分をはっきりやる、そしてそれに見合うところの税の配分も行う、そういう中で、自治団体が今三千近くありますが、それの約半数はそれで行える、行えないものを前の平衡交付金制度のような形で引っ込んだところを埋めてやるという形にすべきではないか。今のように大部分の自治団体がもらわなければ生活といいますか、自治団体として生活できないということでは自治にならないと私は思います。

矢野俊比古自由民主党・自由国民会議

○矢野俊比古君 ありがとうございました。終わります。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 公明党の中野明でございます。  御三人の参考人には大変きょうはありがとうございます。特に館先生は、昨年に引き続いて御足労いただきまして恐縮しております。  まず最初に、館先生にお伺いをいたしますが、先生補助金問題検討会の一員ということでございますので、ぜひ私どもきょうは会長さんにお出ましを願いたかったんですが御用事があったようでございますので、お伺いいたしますが、この補助金問題検討会というのはどういう性格でどういう機能を持っているというふうに先生は御理解されておりますか、ちょっと教えてください。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) これは御承知のように、もともとは国会での審議の過程を経まして、そしてさらに三大臣の間での申し合わせということを受けてあり方を検討する、そういう研究会であるというように。承知しております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 きょうはそれを議論する場所ではございませんが、最近いわゆる私的諮問機関というのが続発して、そしてそれの報告がひとり歩きをしているという傾向が強いものですから、ちょっとそのことについて触れてみたいわけですが、昨年、先生御承知のとおり補助金特別委員会でも大変な問題になりまして、要するにその結論として総理大臣も国会で約束をなさったのは、国と地方の役割分担をはっきりさせて一年後には結論を出します、だからことし一年暫定にしてもらいたいと、こういうことでございました。その補助金問題関係閣僚会議の要請を受けての検討会なんです が、役割を分担するということになると、仕事の分担と財源の分担はもう当然これは一体のものだと、こういうように考えておりますが、この検討会の御報告の結論で、先ほどもちょっとお尋ねしたんですが、その「むすび」の中で「国・地方の財源配分のあり方についての抜本的な見直しは今後の課題とされていること、」そのようにおっしゃっているわけです。ですから、私たちはこれは一体何だろうと、「国・地方の財源配分のあり方についての抜本的な見直しは今後の課題とされていること」と、このような報告をなさっているということは、だれかがどこかで、この問題は今後の課題ですからもう検討しないでくださいと、こういうふうにとれるんですが、先生はここのところはどう理解をなさっておりますか。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) ただいまの文章について、私は今御指摘がありましたように、役割分担ということがまずあって、その上であるいは同時並行の問題として財源の問題があるというように理解しておりますが、役割分担の問題についても、実はそのすべてを詰め切れない非常に難しい問題があって、一年という短期間では完全には詰め切れないということがございました。そのことがこの文章に反映しておりまして、財源のことだけが今後の検討課題であるというようには私は理解しておりませんで、むしろ両方とも今後さらに検討していかなければならない問題である、そういうように一理解しております。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 それでは、検討会というのは非常に御苦労いただいてこんなことを申し上げるのは大変僭越至極でございますが、こんなに御苦労をいただいて報告も出されたんですが、結論として申し上げれば、結局六十一年度予算編成の隠れみのに使われてしまったんじゃないかな、このような印象を受けるわけです。と申しますのは、二十日に報告をされて、もう既に即補助金問題懇談会は全面的にこれを尊重いたしますという結論が出て、もう一、二日のうちにも予算は内示されているというのですか、編成は終わっているわけです。ですから、予算編成の追認のために報告を出されたんじゃないかというような印象を受けるんですが、その辺は先生はどうお感じになっていますか。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) 私自身は検討会に入っておりまして、予算を合理化するためにこの報告書が出されたというようには受け取っておりませんで、恐らくその審議検討の過程がいろいろな形で予算の編成に反映するということはあったんではなかろうかというようにも考えております。ただ、予算編成には私はタッチするわけではございませんので、そこの微妙な関係についてはわかりません。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 それで昨年なんですが、先生は昨年も同じようにおっしゃいました。兄が困っているときは弟が助けるというのは人間世界でも同じだと、わかるんです、そのために検討会をつくっていただいたり、大騒ぎをしてやるわけですから。ところが、今度の出てきた結論は、去年よりも倍の負担を地方に、負担と言えばちょっと言葉が適切じゃないかもしれませんが、地方にかぶらせて、手当てはしていますけれども、そして今度は一年が三年ですよ。これは私は常識にないんじゃないかなと、このように思うわけです。  ですから、きのうでしたか大蔵大臣にも言ったんですが、これはやっぱり一年検討してもだめだったので何とかもう一年お願いできないか、素直にそういうふうにおっしゃる方が自然じゃないだろうか。それを三年と、一体だれがそんなことを三年と決めたんだろうかということで、検討会を責めているんじゃありません、この三年ということが出てきたということは、やはり国と地方というのは信頼関係ですから、この信頼関係が損なわれるということは、やはり行政を行う上においてもプラスはありません。  そこで、そういう意見も申し上げたんですが、本当に国の方が行政改革に全力を挙げて、そして身を切ってまで努力している。だから、弟が見かねて助けましょうというのが普通の姿でありまして、どうも行政改革はいわゆる本来の行政改革になってない。結局、補助金一つにしましても、御検討いただいたように、少額の補助金なんかは事務手続の方に経費がかかり過ぎて、これらはもうどんどん切っていかなきゃならぬ。そんなことは、もう一つか二つか切られているだけでそのまま温存されている。そして率だけ切られるということになると、公経済の中における、結局どういうんですか肩がわりといいますか、負担を移しただけじゃないか。一つも公経済としての節約になっていない。  こういうようなことを毎年毎年繰り返して、国会でも大騒ぎをして、しかも地方は人質にとられて、先ほどは知事会、市長会それから町村長会、こう参考人来ていただいたんですけれども、もう何とか早いとこ通してもらいたいみたいな話ですね。それで、山本参考人が本当は先ほどの検討会におってくれたらもっと話がかみ合うたんじゃないかと思うんですが、町村長会ですか、そこは半ば賛成のような意見なんですね。それで、山本参考人はこれは否決してくれと言う。そこで、私たちは非常に厄介な、こういう法律の背景というものを理解というのか、認識をするのに非常に苦労するところなんです。  これは参考までに山本参考人にお伺いをしますが、全国町村会は補助金問題検討会に代表が入っておったのでもうこれはしようがないというふうに、大体合議機関でしょうから、全国町村会はこれは賛成に決まっているんですか。その辺どう理解しておられますか。

山本滋穂波町長

○参考人(山本滋君) 二千三百ある町村会ですから、私ども郡であり県であり、それが五十なんぼまとまって二千三百になっておるわけですが、その点についてそこまで我々は聞いておりません。決定しておるということは聞いておりません。決定しておるということを聞いておればきょうのような発言はできなかったと思います。聞いていないからできたわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 わかりました。  それで、最後にもう一つだけ館先生にお尋ねをしますが、国も財政状態は非常に悪いですね。そして地方も悪い。これはお互いに認識しておられるのですが、地方富裕論というのが、だれが言ったのか知りませんけれども、ときどき頭を持ち上げてくるわけなんですが、この地方富裕論という根拠が私たちには理解できないんでして、何を根拠に地方を富裕と言うんだろう。結局、国の側から国のことを根拠にして、国よりは地方がましじゃないかというところから出てきた議論じゃないかなという気もしないでもありません。  しかしながら、国は悪いですね。しかし地方も悪いわけです、黒字じゃないのです。ですから、病気で言ったら重病人とそして準重病人ですね。その重病人が準重病人の足を引っ張ったら一緒に重病人になってしまう。何とか重病人の方は自分で治ろうと努力し、そしてちょっとそれよりも準重病人の方はなおさら努力して、お互いが健康になっていくということが大事なことでして、何かお互いに困った者同士が足の引っ張り合いをして、それで両方ともだめになっていくんじゃないかということで非常に心配をするわけです。  そのためには、国の方はもっと行政改革に力を入れて、そして先ほど先生のお話にもございました、公債の脱却でも足らないとおっしゃっていましたが、本当にそのとおりだと私どもも思います。それをやらす方が先だと、このように感じているんですが、地方富裕論の根拠というのは、先生はこんな話が出てくるというのはどこでそういう話が出てくるというふうにお考えになっているか、ちょっと教えてください。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) 先ほども申し上げましたように、地方の財政事情が非常に厳しいということは私も認識しているつもりでございますが、しかしこれも今御指摘のとおり国との対比において相対的にまだ地方には余裕のあるところもある、そのときに余裕のあるところに少し負担を負ってもらうことによって国全体としての行財政改革を促進したい。そのときに国がそういう努力を怠っ ていいというようなことはもう問題にならないわけでございまして、国は当然その努力をさらに進めなければならないと思いますけれども、地方にもお願いしたいというような感じで受け取ってまいったわけでございます。

中野明公明党・国民会議

○中野明君 先生のおっしゃることは私ども理解できるわけです、一般論として。しかし今回、去年からことしにかけての場合は、予算が組めないから、去年もそうでしたね、それで自治大臣は泣く泣く判こを押したというのが去年の実態でした。ですから、国のゼロシーリングを達成、ゼロシーリングをやるための財源の移しかえということになるとこれはいただけないなと、私たちはそう思っているわけです。どういうのですか、国が困っているときに地方が知らぬ顔をせいとか、あるいは横で笑っておれというような意味で決して言っているんじゃありません。これはお互いに公経済ですから協力しなきゃならぬことはわかります。  しかしながら、国の方の一方的な財政の都合とか、あるいはいわゆる国が努力すべきところを怠っておいて、そしてやるべきことをやらないで地方に頼む頼むということになると、地方としては一生懸命、今行革をやっているわけですね。地方もやっています。国もやっています。私は国以上に地方の方が行革をしていると思います。ところが、行革をやって余裕ができたら国の方からちょっと助けてくれということになると、これはもう地方の行革に水を差すということにもなります。そういうことで、この法案について私どもは疑問を持っているということでございます。  私の意見だけ言ってしまって申しわけなかったですが、きょうは御苦労さまでございました。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 きょうは参考人の皆様御苦労さまでございます。共産党の佐藤です。  持ち時間が非常に限られておりますので、まず遠藤先生にお尋ねをいたします。  昨年来の補助金カットについて、政府はしきりに直接国民に影響はない、こういう答弁を繰り返してきているのでありますが、先日来私どもはこの委員会でも、社会福祉などの単独施策の後退に見る行政水準の低下、保育料などの値上げによる公共料金、使用料、手数料などの住民負担増大、こういった問題を指摘してきたところでありますが、これらの問題について各地で実際どのような問題が起こっておるのか、先生が調査なさっているとすれば実情を少しお話しいただきたいと思います。

遠藤晃立命館大学教授

○参考人(遠藤晃君) 財政の分析調査をやっているところで、タイプの違うところの例を簡単にお話したいと思いますが、その前に私は、今の地方財政全般の状況をどういうふうに見るのかということがあるんじゃないかと思うんです。私などはよく名誉の赤字、不名誉の黒字ということを言っておるんですけれども、自治省あたりは決算の帳じりの黒字の団体がふえたから少しよくなったんじゃないかというようなことを言うわけですけれども、現実に下水道がない町に住民が住んでいる、あるいは歩道のない道路を通って子供たちが学校や保育園に通っているというこういう状況の中では、それはやっぱり帳じりは黒字が出ることがあるわけで、なすべき仕事をやれているかどうかというところで見れば、自治体の財政というのはもう大変な深刻な状況に今あるというふうに思っております。ですから、そういう中ですから、いささかでも国からの負担転嫁等のことが起こりますと、これはたちまち具体的な影響が行政を通して住民の中に出てくるわけであります。  例えば、大阪府の寝屋川市の例をとりますと、ここは十七の公立保育園、それから二十四の民間保育所があるわけですけれども、その中で行政の方は、例えば公立保育園四つの園に対して一人のケースワーカーを配置しておりまして、これは保育相談あるいは減免手続等の相談、こういうことに乗るということが仕事であったわけですけれども、昨年のカットの結果これを取りやめて引き上げざるを得ない。ですから、保育の相談がある人は全部福祉事務所に市内どこからでも時間をかけて来なさいということになってしまうわけです。そして今議論がされておりますのは、各園に二人配置をしておりました看護婦を一名にする。そして一名の人ですから当然休暇等があるわけですが、そのときは本庁から代替の看護婦を派遣する。代替者がいればいいではないかということには実はならないわけですね。小っちゃな子供たちですから日ごろから接触している看護婦さんだったら体のぐあいの悪いことなんかもいろいろすぐに言うんですけれども、見慣れない人が来ていろいろ聞かれてもなかなかうまく答えられないという、小さなことのようですけれどもそういった非常に深刻な状況が出ております。  それから、どこの自治体にも共通して言えますのは、生活保護の補助率カットの結果、ケースワーカーが専ら調査に追われる、何とか全体として保護対象人員を下げる以外に財政負担を下げる方法はありませんから。その調査自体は私はやるべきことは当然やっていいというふうに思っておりますけれども、ただ生活保護のケースワーカーの役割は、これも改めて申し上げるまでもないわけですが、生活保護法の目的のところにありますように、単に生活扶助のお金を渡して生活を保障することだけが目的なのではなくて、その自立を助長するという、肝心の自立の援助という仕事、これが十分にできないという状況を生んでおりまして、寝屋川なんかでもそういう状況が顕著に出ているということであります。  あるいは比較的財政力量を持っている西宮市の例ですけれども、西宮市の場合財政力指数がほぼ一でありまして、日前の税収で行政をやっているわけですが、ここでは文教住宅都市ということで最重点の行政課題を下水道の整備に置いてまいりました。ところが、これが昨年一律カットを受けて、基本計画では毎年百億円くらいの事業をやらないと昭和六十五年市街地完成ということにならないわけです。ですけれども、一般財源投入をふやさなきゃいかぬという中で年にたった二十億円分の事業費しか組めないという状況なんかが生まれてきております。  あるいは人口の過疎化が進んでおります三重県の尾鷲市ですけれども、ここでは行政の基本課題は地域経済の振興であります。そこのところで土台をつくっていかないとやはり人口の減退というのを防ぎとめることはできないということなんですが、これもいわばそれ以前の義務的経費に属するところでの一般財源投入をふやさなきゃいかぬという中で、計画がされていた事業が先へ繰り延べられてしく、こういう状況なんかが生まれてきておりまして、私は非常に深刻な状況がどういうタイプの自治体でもこの一律カットの中で起こってきているというふうに考えております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 もう一つ遠藤参考人にお尋ねをしますが、この補助金カットの問題で、これまた政府は地方の財政運営には支障を来さないよう配慮している、措置している、こういうふうに答弁をしているわけでありますが、しかし昨年もことしもカットに伴う地方負担増の対策の大半はいわゆる地方債でありまして、借金の押しつけにほかなりません。こうしたやり方は当然地方財政の破綻を招くであろうということを私ども大変憂慮しておるわけでありますけれども、この点についての御所見をお願いしたいと思います。

遠藤晃立命館大学教授

○参考人(遠藤晃君) 御質問でおっしゃったとおりだと私も思っております。しかも、新聞等で拝見をしますと、例えば建設地方債分九千三百億円等々のことが出ておりまして、しかもその中の一定部分は国のところで元利償還を見るというふうなことがあるわけですけれども、これはやはり具体的に建設事業をやって、地方債は個別審査でありますから、それをやらないと出てこない金である。しかも、仮にそれをやることによって出てきたとしても、当然これはおっしゃるとおり借金でありますし、しかも自治省の方で出された資料でも、今回の特例債、調整債の元金、これは一兆四百億ですが、それに対する利息の分が、総計ではほぼ元金にもう匹敵をしかねない九千五百二十五億という額になります。ですから、個々の自治体 によってこの場合は対応が違ってくるかと思いますけれども、これも私が調査をやっております人口急増の大阪府の大東市の場合ですと、恐らくこの措置がとられることによって公債費の比率が起債制限比率ぎりぎりを突破するか少し前でとまるかという、そういう非常に深刻な事態がつくり出されることになるのではないか。  ですから、最初の陳述でも申し上げましたように、財源措置をやったということが言えるということであれば、これはもう当然交付税そのものの増額、具体的には国税三税三二%というその率の引き上げによって処理した、そういうことであれば財源措置を行ったということが言えますけれども、そうではありませんから、私は財源措置はごく部分的にしか行われなかったというのが今回の措置についての正当な見方ではないかというふうに思っております。

佐藤昭夫日本共産党

○佐藤昭夫君 ありがとうございました。

栗林卓司民社党・国民連合

○栗林卓司君 民社党の粟林でございます。  お忙しいところを貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。いろいろ教えていただきたい点があるのでございますが、同僚委員からほとんど出尽くしておりますので、重複を避けて一点だけ、館先生と遠藤先生にそれぞれ御所見を伺いたいと思います。  今議題になっております補助金特例法案でありますけれども、この法案について先ほど地方自治体の代表の方がおいでになって、ああ、あと三年間はとにかく変わらないんですかと、こうおっしゃったんですが、なるほど三年間の暫定措置になっておるんですが、暫定措置は三年間変わらないと、そう簡単にのみ込んでしまっていいのだろうかという質問なんであります。  例えば、昨年の十二月二十日の財政制度審議会の答申を見ますと、非常に熱っぽく補助金の整理合理化の必要性等について書いてございます。確かに今十四兆になんなんとするいわゆる補助金等の八割が地方公共団体向けてありますから、この整理合理化なしに行財政の改革なんてあるはずがないのであります。したがって、とにかく昨年の補助金一括法案をやっと上げるんで、そのときの条件めいた格好で補助金問題検討会をつくっていろいろ検討したんだけれども、非常に問題が難しいものだから途中でやめちゃってまあこの辺で暫定でいこうかという、こんな感じが私はしてしようがない。したがって、補助金整理合理化の前提になる国と地方の機能分担にしても突っ込んだ議論にはなかなかなってない。とりあえずは三年間は暫定でいこうや、こうなっているように私は思えるんですが、ではああそうかと読み下してしまうにしては余りに問題が大きいのじゃないか。  というのは、補助金というのはそういった格好で捨ておいていい問題ではございませんし、しかも今政府が何を言っているかといいますと、税制の全般にわたる抜本的見直しということを言っているのでありまして、そうなってまいりますと、国と地方の税源配分にしても当然それはそこの中へ入ってくる。それも、ではこれは地方に持ってこよう、これは国に持ってこようじゃなくて、その前には、一体国と地方はどういった分担で仕事をするのかということが当然突っ込んだ議論になってこなければいけない。それはこの法案が通ろうと通るまいと、通ったからといっても手を緩めないでまさに真剣に取り組まなければいけないのではなかろうか、私はこんな気がするんです。  遠藤先生からはこの法案を否決してくださいというような御趣旨がございましたけれども、これは地方自治体が人質に取られているものですからとても否決などという処置は国会としてはできない。といっても、税の国と地方の配分も含めて、しかも補助金問題は逃げては通れないわけですから、そうすると、もう国と地方の機能分担を含めて真剣に取り組むんだということを政府に約束させてこの法案はとりあえず処理をしていくということが一番正しい道なのではなかろうか、私はこんな気がするものですから、この点につきまして館先生と遠藤先生に御所見を伺いたいと思います。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) 先ほどもちょっと申し上げたのですが、今回の補助金の整理が私の観点から見て十分なものであるかということになりますと、私の観点からは必ずしも十分とは考えておらない。国民の多くの方々は補助金問題について、先ほど申しましたようにいろいろな箱物が地方にできたり何かするのを見ておりまして、何か地方には余裕があるのではないか、もう少し整理合理化したらいいのじゃないか、そういう不満を強く持っていると思うんですね。そういうことを考えますと、到底十分なものであるというように考えておりません。財政制度審議会が非常に強くこの補助金の整理合理化を主張したのはそういうバックに立つものだと私は理解しております。  ところで、検討委員会でこの問題を初めから暫定措置として検討したのか、難しいから暫定措置として検討したのかと言われれば、恐らくそういうことはなかっただろうというように考えておりまして、実際に法案として取り上げられたのが暫定であります。ただ、検討委員会としてはこれで全部の見直しができたというようには考えなかったということだけを申しておるわけでございまして、したがいまして、今後ともこの問題についてノータッチでいけるという性質のものではないというように、特に現在のように国債依存度が非常に高いという状態で、それをほうっておいたら一体どうしたらいいのかということを、参考人がそういうことを申しては失礼なのですが教えていただきたいというようにさえ思うぐらいでございまして、そういう意味で私は、少なくとも三年間このくらいの措置がとられて当然であると多くの人は考えておるのではないかということを率直に述べさせていただきたいと思います。

遠藤晃立命館大学教授

○参考人(遠藤晃君) 私二つのことを思うわけですが、一つは、どうもこの三年間という期間がこれで終わりそうにない、恐らくこれがさらに期間の延長みたいなことになるのではないか。その理由は、政府の方の、いわゆるでありますが国家財政再建、昭和六十五年度までに例の赤字国債ゼロという、これがもはや不可能になったということは明らかであります。ですから、仮にこの三年間の最終年度が、そういう意味での再建であるとしても再建の最終年度であったとしたならば、そこのところでこの期間が終わるということはあり得ましょうけれども、そういう点で困難であろうというふうに思います。  そして、よりもっと重要な問題としては、やはり補助金問題の抜本的な見直しという事柄の持っている大きさといいますか重大さということがあると思うんです。ある意味では日本の行政のありようを根本的に変えるという、それであって初めて私は言葉の本来の意味での抜本改革だというふうに思っておりますけれども、これを国民的な合意の中で実現していこうということになりますと、日本の財政民主主義の不徹底といいますか、財政全体が国民にまだまだわかるような形にされていないということがあり、そういうことがきちんとやられた上で、例えば私かねがね、国政選挙の基本の争点に地方財政問題がなるということが二度ぐらいないと地方財政はきちんとしていかぬのじゃないかというようなことを思ってきたんですけれども、そういうことも含めて、かなり長くかかることであろう。そうしますと、ますますこの三年間の暫定ということがどうも怪しいではないかというふうに思わざるを得ないということであります。

下村泰二院クラブ・革新共闘

○下村泰君 私は二院クラブ・革新共闘の下村でございます。  今度の措置は、当然国の方にお金がない、お金に余裕がないからこういう措置がとられてきたんだろうと思うんです。私は経済の方はまるで素人でございますので、館先生に伺いますけれども、歴代の総理大臣が昭和六十五年までには赤字国債を脱却するんだと言っておりますけれども、とてもそれはうまくいきそうもない。そうしますと、果たして六十五年までに赤字国債が脱却できるのか。できないとするならば、あと何年ぐらいかかったら国民に借金が全部返せるのか。ここのとこ ろをちょっと教えていただきたい。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) 大変難しい問題でございまして、ここで私がこうなるというようにもお答えできませんけれども、さしあたり今のような状態であれば、脱却するということを目標にしながら全力を挙げてやってみるということがまず第一であるというように考えております。

下村泰二院クラブ・革新共闘

○下村泰君 私はこういう問題というのはとにかく素人で、一体どういうふうにすればなしになるのか。通常我々庶民的感覚から言えば、借金している方が威張っているんですから、日本という国は。普通ならば借金している方が頭を下げなければいけないのが、借金をしている方が威張って、ああやったりこうやったりいろいろなことをやっておるわけです。しかも、言っていることとやっていることとまるで違って、一つも言っていることの方向に進んでないんですよ。ですから、私なんか素人ですから経済学というのはよくわかりませんけれども、先生の方は専門のお立場なんですから、個人的な意見で結構ですけれども、どのくらいかかれば、つまり現在の措置と方法でいってどのぐらいかかればいつごろなくなるというような予測はつきませんでしょうか。

館龍一郎青山学院大学教授

○参考人(館龍一郎君) いろいろな条件に依存しますから、必ずどういうようになるだろうというようなことは、まさに経済は御承知のように生き物でございますから、そのときどきの状況で、かつては例えば第二次石油ショックが生ずるというようなことはないだろうと思って、もっと早い機会に財政再建ができるんじゃないかと考えていたところに、第二次オイルショックが起こって税収が思いきり減少してしまうというようなことが起こるとか、そういうことがありますので、ここで完全にこうなりますというようなことはとても経済学者としても申し上げかねます。  しかし、先ほど申しましたように、国債を出してもいいんだという考え方も一方にはあります。しかし、先ほど言いましたように、どうしても財政の硬直化が進んで税収の二〇%、それを超えるようなものが公債費に先取りされてしまうというような状態からは早く脱却しなければ、本当に財政支出を必要とするときに財政支出を行うこともできませんし、本当に必要な分野にも財政支出を行うことができないということになっていくというように考えるものですから、もちろん社会保障関係も重要であるということはわかりますし、いろいろな補助金はみんな重要だからこそかつてそういう補助金が出されたわけですけれども、しかしこういう状況なので少しお互いに負担を分かち合ってやっていただけないだろうかというのが今度の案ではなかろうか。そういう観点に立って私はこの案に賛成しておりますと、こういうことでございます。

下村泰二院クラブ・革新共闘

○下村泰君 あと二分ございます。済みません、遠藤先生、私が今質問申し上げたんですけれども、その件に関して御意見がございましたら二分でまとめていただきたいと思います。

遠藤晃立命館大学教授

○参考人(遠藤晃君) 私はやはり政府の決断にかかっていることだと思うんです。ことしの場合、赤字国債ゼロを目標にして一兆円をというのが、結局四千八百億円ばかり残ったわけですね。具体的に考えますと、その四千八百億円をどこかの歳出を削って、私の主張でいえばこれは防衛予算とか対外経済援助費ですけれども、それを削ればことし一兆円の赤字国債減ができたわけですね。もちろん外的な環境、経済等々のことがありますけれども、私は政府の政策的な決断、それが転換されるかどうか。されなければ到底六十五年というのは無理であって、今のベースをそのまま延長しますと、それがさらに二年ないし三年延びることは必然ではないかというふうに思っています。

下村泰二院クラブ・革新共闘

○下村泰君 どうもありがとうございました。

嶋崎均自由民主党・自由国民会議

○委員長(嶋崎均君) 以上で学識経験者の方々に対する質疑は終わりました。  参考人の方々には、貴重な御意見をお聞かせいただきましてまことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げる次第でございます。(拍手)  明二十四日午前十時に委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後五時十七分散会

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