補助金等に関する特別委員会 第3号
- 発言数
- 378 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 7
- 開催日
- 1986/04/21
会議録
○委員長(嶋崎均君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を開会いたします。 まず、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 国の補助金等の臨時特例等に関する法律案の審査のため、来る四月二十三日、午後一時から当委員会に参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(嶋崎均君) 御異議ないと認めます。 なお、人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(嶋崎均君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(嶋崎均君) 次に、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○村沢牧君 私は最初に、経済構造調査研究会に関連した質問を行います。 総理、あなたが私的諮問機関としていわゆる経構研をつくった目的、その経構研の性格、報告書をどのように評価しておられるのか、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 昨年以来、日本の膨大な貿易のインバランス、不均衡、特に輸出が非常に伸びまして、輸入との差額が大体経常収支で五百億ドル以上にも及び、なおこの傾向は毎年連続する可能性がある、そういうことで各国からかなり強い批判が出てまいっておりまして、日本だけが単独でこのような膨大な世界じゅうの資金を吸収してひとりで繁栄していることを続けるということは許さない、そういうような雲行きが強くなってまいりました。そういうことを背景にいたしまして、我々は最大限の努力をあらゆる方面で行ってこの傾向を緩和して、国際的な日本に対する緊張あるいは批判というものを正さなければならない。しかし、これは一朝一夕にしてできる問題ではない。このようなことが起こるというのは日本側の事情もありますが、国際金融上の事情もあり、また各国の事情もある。そういう意味においてこの状況をよく分析してもらい、中長期的にどういうふうな処置が行わるべきかという考え方を示してもらいたい、そういうような考えに立ちまして私の個人的な諮問委員会をつくったものでございます。 約十九回開きまして、私も十八回出席いたしまして熱心な御意見をいただきました。そして四月七日でございましたか、意見書の提出がありました。これは私的諮問機関でございますから、国家行政組織法第八条に基づく審議会等とは性格が違うということはよく承知しております。 したがいまして、これを受け取りまして、政府としては、まずその内容については我々は時宜に適したものであり貴重かつ適切な意見であると評価する、そういう評価をいたしましたが、この取り扱いについては、いわゆる八条機関の報告とは違いまして参考意見と、そういうふうにいたしまして、これを参考にしつつ政府・与党でその政策を練り上げていくという方策をとったわけでございます。そういう意味で、経済対策閣僚会議を開きまして今のような評価を行い、これに対処する方向を決め、政府・与党一体となってこれに対応することを決めました。そして、当面やる問題、それから中期的に時間がかかる問題あるいは長期的な措置を必要とするもの、そういうものに仕分けをして、これを順次具体化するための検討をする委員会、会議をつくろうということで、大体官房長官を中心に関係各省及び党の首脳部等が参加した会議をつくりまして、これでこれを具体化していく方策を決め党を挙げて推進していきたいと思っているわけであります。 政府はその際に談話を発表いたしました。この総理大臣談話の中におきましては、まず第一に、この大幅黒字の背景には、我が国経済に見られる輸出指向等経済構造上の要因もあり、今後従来の発想を転換して我が国の経済構造調整という画期的な施策に取り組み、国際協調型経済構造への変革を図っていかなきゃならない、こういうふうにまず言っておるわけであります。そして、輸出依存による大幅な経済収支不均衡のもとで日本のみが繁栄の孤島であり続けることは不可能であり、この変革の成否こそ我が国の将来を左右すると言っても過言ではない、そう言っておるわけであります。 もちろん、政治の要請は国民生活の安定と向上を確保することにあります。そう言って、政治の本質、要請ははっきり我々つかんでおるわけでございますが、現在の状況にかんがみて対応する政策としてはこれは時宜を得たものである、そう考えたわけであります。 そして、世界に対して訴えたい、そう談話には言っておりまして、我が国の大幅な経常収支不均衡の継続は憂慮すべき状態であると自分たちも思っておる。そして経常収支不均衡を国際的に調和のとれるよう着実に縮小させることはまさに国民的目標であり、この目標を実現するために国民の理解と協力を得つつ政府はあらゆる努力を傾注していく決意でありますと。それと同時に、世界各国の努力と協力が不可欠であり、各国が構造調整によってみずからの抱える困難な問題を克服するとともに、互いに政策協調の実を結ぶことにより国際社会の安定と発展がもたらされることを念願してやまない、こう言って世界の協力、協調も求めておる、こういうことでございます。
○村沢牧君 総理が次から次へと私的諮問機関をつくって、自分のお気に入りの人を委員にして、その報告書を国の施策に誘導しようとしていることについては国会においても常に批判をされているところであります。総理は経構研の報告書が時宜に適したものである、高く評価していると本会議でも答弁しているわけでありますが、この報告書は、今お聞きをすると総理の任期中の単なる参考資料ではない、我が国の経済構造転換の基本方針として政府の施策として練り上げていく。したがって、この報告書に盛られたことは将来の日本の産業構造の変化にもつながってくるというふうに思いますが、そういうことでよろしいですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 構造調整につながっていくだろうと思います。昨年が三百数十億ドル、ことしが五百数十億ドル、ことしと申しましてもこれは三月三十日の状況です。来年の三月末ぐらいになれば石油の低落等も加えて、多く見積もる人は七百億ドルに及ぶ黒字が日本に累積すると。かつてOPECがひとり占めてお金を世界からかき集めたときが約四百億ドル前後であると言われています。これは、世界の石油産出国が集まってそれだけだというのを、日本一国だけで五百億ドル、七百億ドルというお金をため込んで世界が黙っているはずはないわけであります。しかしこれは必ずしも日本の罪のみによるものではない。しかし、一面において日本は貿易国家でございますから、輸出に一生懸命になって輸出構造型の社会経済情勢というものを一生懸命馴致して、そしてその成果がここに出てきたということも否定できない。 御存じのように、吉田内閣のもとにおいて商工省が通商産業省と変えられた、あれはまさに輸出指向型で外貨を獲得するためにやらんとした努力であります。それがこのように実ってきたという、そういうことを考えますというと、我が国の社会経済構造の中には輸出指向という面がまだ残っている面もかなりあると考えなければならない。そういう面を今まで直してきたわけです、市場開放 であるとかそのほかの努力もいたしまして。しかし、国際的にはまだ厳しい情勢にある。 例えば、この間アメリカへ行ってみますというと、アメリカの上院、下院の議員二十一名が、日本の大使館に来て昼食をともにしていただきましたが、そろってみんなが言うのは、まだ保護主義法案の圧力は非常に強い、特にオムニバス法案と言われる包括的な保護主義法案をいつ出されるかわからぬ、現在、予算と税制をやっておるけれども、ことしの秋の選挙を目指してぼっとそれが出てくる危険性がある、そういうことを非常に憂慮しておったのでございます。もしああいうような保護主義法案が通過すれば、日本の輸出はとまってまいりまして、それは結局不景気と失業につながってまいります。中小企業の困難はさらに大きくなります。 そういうことを考えてみますと、我々は全力を振るってそのようなことを起こさないように努力しなけりゃならない、それには日本自体がひとりで黒字をひとり占めしているという情勢を真剣に国を挙げて直す努力をしているという誠意を示す必要があるのであります。それが保護主義法案を防圧する一つの今日の我々の課題であります。きついつらいことではあるけれども、国家のことを考え国民のことも考えたら我々はやらざるを得ない。それが結局は繁栄と安定を続ける道になる。この間OECDの閣僚理事会がありまして、けさ外務大臣、企画庁長官から報告を受けましたが、やはりヨーロッパにおきましても同じような指摘が強くなされておる。 こういう状態を考えてみますと、我々は国民のお力をおかりし野党の皆さんの御協力もお願いして、国民的努力としてこれを我々としては全力を振るってやらなければならない。その方策についてはいわゆる経構研で半年近く権威者が集まってつくってくれた内容はなかなかよくできておるが、しかしこれは参考意見である、あくまで政策は政府・与党の協力によってつくり上げていく、こういう考えに立ちましてその会議をつくるということにして、これから練り上げていく。当面の問題としては、予算が成立しましたときに、四月八日に総合経済対策を発表したわけでございます。これによって公共事業の前倒しであるとか、あるいは電力やガスの一兆円を目途にする差益還元であるとか、あるいは民活であるとか、そのほか諸般の政策を行うことによりまして大体GNPを〇・七%引き上げる力を持つ政策を今推進しつつあります。これは当面の目標です。しかし、この経構研の中においても内需の振興、それから輸出・輸入のバランスの回復、そのために輸入の増大あるいはさらに円ドル関係の調整、いわゆる国際通貨関係の調整、安定、そういうような諸般の政策が盛り上げられておりまして、我々はこれはなかなか時宜を得たものであると考えておるわけであります。
○村沢牧君 報告書は、輸入の増大による経済転換を基本としております。総理は、この報告書を手土産に訪米してサミットの地ならしをした。そこで、日米会談で日本の経済構造を輸出依存体質から輸入指向型経済に転換するために百年に一度の外科手術をするような決意で取り組むということを表明し、レーガン大統領からその決意と約束を高く称賛をされている。それだけに、私的諮問機関とはいえ、この報告書は中曽根個人の単なるPR文書ではなくて、我が国の国際的な公約として受けとめられておるわけであります。我が国は、これまで、そのいい悪いは別といたしましても、輸出の拡大によって経済成長を遂げてきましたが、将来は輸入大国に導こうとすることは、まさに大きな政策の転換になります。このことは、国民世論はもちろん、与党内においてもコンセンサスは必ずしも私は得ていないというように思うんです。こうした方向に日本の経済を転換するんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 輸出入のアンバランスで膨大な外貨が日本に流れ込んで黒字が累積している、こういう傾向を国民的努力によって変えていこう、そうして適切な輸出入バランスを回復しよう、そういう政策を実行しようと思っておるんです。レーガン大統領に対しましては、私はこの経構研の報告の性格をよく説明しまして、これは私的諮問機関の意見であって、したがってこれは参考にするというような考えで政府・与党で政策を練り上げていく、しかしこの内容というものは時宜に適したものであると考えておる、そういうことをはっきり私は言いまして、国民的努力目標としてこの輸出・輸入のアンバランスを適切に改革していくという決意を私は告げた次第であり、そのことは間違っていないと確信するものであります。
○村沢牧君 経構研報告を私的諮問機関の勧告書として紹介しただけだという今のお話でありますが、総理は外国向けと国内向けを使い分けしている。訪問先での発言の中身を帰国後すりかえるというのは外交上不信を買うだけであって、国政のためには大きなマイナスなんです。あなたが外国で記者会見をしたことときょう国会で言うこととは大分違っておるんですが、真意はどこなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 全然違っておりません。私は、外国で記者会見したときも今のようなことを言い、国会で申し上げていることと同じことを申し上げておる。つまり、日本は終戦以来今まで一生懸命貿易国家として努力してきた、その成果もあって輸出・輸入の関係においては最近は輸出が非常に膨大になって、これだけ黒字がたまって国際社会にも若干迷惑をおかけしておる、こういうものは続けるわけにはいかぬ、こういう状態を続けていたら世界から村八分になって、日本は第二のカルタゴになる危険もなしとはいえないと自分は心配しておる、そういうことも言っておる。それは、日本でも同じことを私は言ってきておるのであります。そういう危険性があるということを知っていながら黙っているということは、国民に対する政治家がなすべきことではない。たとえきついつらいことであっても、国のため、あるいは中小企業や農村や国民全般の幸せにつながることについては、やはり勇気を持って言って、お願いしなけりゃならぬ、そう思っておるんです。 しかし、輸出入の適正バランスはどういうものであるかということについては、国民が、日本人が判断をいたします。外国からは輸入の目標の数字を示せと強く言われておる。私はこれを拒否してきておるわけであります。しかし、一般的に言えば、日本は外国に対して経済協力をしていますからある程度の外貨が要ります。日本は膨大な貿易国家であり、そうして原料を入れて製品を輸出する国家でありますから、そのインベントリーの資金が要ります。あるいは日本は外国に対して直接投資をやってまいりますからその資金も要ります。あるいはODAの資金も要ります。そういう意味において、日本がこれだけの大きな国として外国と協力していくためにはある程度の適正外貨量というものは要るわけです。しかし、それが五百億ドル、六百億ドルとなって、外国に迷惑をかけ続けるという状態で日本民族が生き残れるとは思わぬのであります。 だから、時間をかけて徐々にその体質構造を改革して適正バランスまで持っていこう、それには拡大均衡でなけりゃいけません。拡大均衡をやろうと思ったら、輸入を増大していくというのは一つの道でもあります。そういう意味において、私は輸入も大事であると考えて申しておるのであります。
○村沢牧君 その問題については、きょうは時間がありませんからまた後日改めて論議いたしましょう。 この際、報告書と日米交渉に関係して農業問題について若干伺っておきたい。 この報告書には「国際化時代にふさわしい農業政策の推進」という項目を設けていろいろ提言をしておるところでありますが、その言わんとするところは国際分業論を前提とする農産物の市場開放であります。本法律案のように補助金が大幅カットされる、農業が大変厳しいときに、このような提言に対して、また今答弁になった総理の決 意に対して、農水大臣はどのように考えますか。
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。 全般につきましてはただいま総理からお話がございましたように、やはり今日の我が国が置かれておる現状、こういったものを改革しながらむしろ私はそういう中にあって日本が本当に質の高い国づくり、こういったものを指し示しているものであるというふうに考えております。その中で私ども農政につきましては今後育成すべき担い手、これに焦点を当てまして施策の集中化あるいは重点化、これを図りなさいということがまず第一点だと思います。第二点につきましては、構造政策を促進、助長する方向での価格政策の見直しと合理化であるというふうに思います。三番目が内外価格差、これの縮小と市場アクセスの改善への努力の三点ということでございます。確かに、競争すべきものは競争しなさい、あるいは輸入できるものは輸入しなさいということでありますけれども、これは国際分業というものを指摘しているものであるというふうには受け取っておりません。 いずれにいたしましても、この提言につきましては、先ほど総理からもお答えがありましたように、内閣としてはいろんな各審議会、そして党との連絡会議、そういったものの中でも進めてまいりますし、また私どもといたしましては農政審議会、ここにおきまして我が国農業を取り巻く内外の環境条件の変化を踏まえ長期的視点からあすの農業のあるべき姿を展望する新しいビジョン、これについて検討していただくこととしておりまして、その際、経構研の提言もやはり参考の意見としてその中で検討されるというふうに私どもは考えております。
○村沢牧君 農林水産大臣、この経構研の提言にあるような形に日本農業がなってしまうとしたら大変なことになるんです。ここではこの問題を論議いたしませんが、日本農業を守るという立場でもってこれからあなたは努力してもらいたいというふうに思うんです。 そこで、我が国の重要農産物十二品目の輸入についての暫定合意は四月二十二日、すなわち明日で期限切れになります。アメリカは今までの交渉で完全自由化を求めて強い姿勢でおりますけれども、そうしたこともこの経構研の報告や中曽根総理がアメリカへ行って日本を輸入大国にしますなんと言っていることが響いている。このことは間違いないというふうに思うんです。日米農産物交渉があすまでに一体決着がつくのかどうか。この交渉の現況と我が国の基本姿勢について示してください。
○国務大臣(羽田孜君) 十二品目につきましては、先ごろ行われました例のアクションプログラム、この中におきまして、ガット及び関係国との協議、交渉を踏まえ、我が国農水産業の実情に配慮しつつ、国際的動向に即した市場アクセスの改善に努めることが政府の方針となっております。そういう意味で十二品目の問題につきましては、中長期の一つの方向を示しました経構研の報告というものが直接影響するものでないというふうに考えております。 なお、二十二日の日に、明日でございますか、で一応切れることになっておりますけれども、この問題につきましては、今日まで大使クラスまで上げまして米国側といろいろと話しております。ただ、米国側の方では現在原則自由化といいますか、自由化というものを標榜されておりまして、まだ現実的なものが出されておりません。私どもも今申し上げましたように大使等、また私どもも直接いろんな方々に対してやはり現実的な対応をすべきであるということを話しておりまして、残念ながらまだその間に大きな隔たりがあるというのが現状であります。 ただ、この問題、日にちにつきましては米側の方の外交日程、そういったものもございまして、二十二日までに話がつくというのは今の段階では難しいなというふうに思っております。しかし、先方の方の外交日程等をこなした中で私どもの方もアプローチし、また向こうからも話しかけがございますので、そういった中で何とか私どもは現実的な対応ができるように十分話し合いを進めていきたい、かように考えております。
○村沢牧君 我が国の姿勢は。
○国務大臣(羽田孜君) 我が国の姿勢は、今日までずっと申し上げてまいりましたように、我が国の農業に著しい変化あるいは大きな悪い影響、こういったものを及ぼさないように考えると同時に、やはりそれぞれの小さなものでも地域経済に大きな効果といいますか、成果をあらわしておる分野がございます。こういったものもきちんと先方側に話してまいりたいというふうに考えております。
○村沢牧君 本法律案の補助金カットによる地方の負担増については適切な財政措置を講じておるので、地方には余り迷惑をかけていないというようなことを言っておりますけれども、その多くのものは国の負担の繰り延べであります。国債残高に加えて負担繰り延べ措置による政府債務は毎年累増しているわけでありますけれども、六十一年度末に予想される政府債務はどのくらいになりますか。
○政府委員(保田博君) 数字でございますので私の方から御説明をさせていただきます。 政府の長期債務の残高は六十一年度末で百六十八兆三千四百億円と見込まれております。その第一は、当然のことでございますが、建設国債並びに特例債を合わせました普通国債が百四十三兆二千四百億円、それから出資国債並びに交付国債等が二兆三千四百億円、それから借入金が二十二兆七千五百億円でございます。なお、この借入金の中には交付税特別会計から一般会計に五十九年に振りかえられました借入金五兆八千三百億円並びに今国会で御提案を申し上げております法律によりまして国鉄から一般会計が引き継ぐことを予定させていただいております借入金五兆六百億円を含んでおります。 なお、このほかやや観点は違いますけれども、最近の極めて厳しい財政状況のもとでそれぞれの制度、施策をめぐる状況を勘案しながら、当面の予算編成上の都合もこれあり、しかし中長期的な視野に立って各制度に御迷惑をかけないという範囲内でいろんな施策を講じております。 その第一は、たしか五十八年度以降行っております国民年金の繰り入れの平準化措置が一兆九百億、それから厚生年金等の国庫負担の繰り入れ特例が約一兆四千億程度、それから政管健保の繰り入れ特別措置の合計額、これが六十年度と六十一年度合わせまして約二千二百億円程度というようなことになろうかと思います。 最後に申し上げました三つのものは形式的には国の債務というものにはカウントしておりませんけれども、多分にその多くのものは将来の財政負担となる性格のものというふうに考えております。
○村沢牧君 今説明があったように、国債残高を含めて我が国の債務は莫大なものになっているわけであります。 そこで、本法律案のようにすべての国の負担を六十六年以降に繰り延べるものは別といたしましても、それ以外のものについては政府の公約する六十五年度特例公債脱却、これを達成するまでは償還はしない、国債を除いては。そういうお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる国民年金でございますとか、厚生年金繰入特例、政管健保の繰入特例の措置、この問題につきましては、おっしゃいますとおり厚年、国年の特例措置というのは、まさに特例公債依存体質脱却後できるだけ早い機会に繰り入れに着手するというふうに申し上げておるわけであります。それから、政管健保の場合は、将来政管健保財政の悪化によって事業の適正な運営が困難となるおそれが生じた場合には、繰入減額相当額に達するまでの全額を繰り入れる措置、その他の適切な措置を講ずるということを法律上明記することによってお願いをしておるということでございます。
○村沢牧君 大蔵大臣、さっき主計局次長から説明があったですね、そのほかに、例えば国鉄債務 の負担金だとか、あるいは地方交付税特別会計の問題等あるわけですね。これも六十五年度財政再建が完了するまではほうっておくんですか。
○政府委員(保田博君) まず第一点のお尋ねでございますが、国鉄の債務の一般会計に振りかえられる予定の金額、これにつきましては、この金額を何年間据え置いて何年間で償還するかという具体的な償還の方法は、この法律が成立しました後、関係部局内で相談をいたしまして政令でこれを決める、こういうことになっております。 それから第二点は……
○村沢牧君 交付税特会。
○政府委員(保田博君) 交付税特会の借入金につきましては、六十六年度からいろんな債務の総合的な整理を行うということになっているはずでございます。
○政府委員(持永堯民君) 交付税特会の問題について申し上げますが、これは五十九年度の地方財政対策の際に、従来この特会の借入金につきましては特会から償還をする、その場合に国が二分の一の一般会計から繰り入れをするという仕組みがあったわけでございますけれども、五十九年度の見直しの際に国と地方と整理をいたしまして、現在交付税特会として残っております債務は、おおむね当時の借入金の半分、五兆六千億ばかりでございますが、それについては交付税特会の中から六十六年度以降返還をするということに相なっております。
○村沢牧君 六十五年度特例公債脱却のためには、六十二年度以降、毎年少なくとも約一兆三千億程度の国債の減額が必要であります。そのほかにも、今話があったように六十五年までに償還しなければならないものまで出てくる。したがって、六十五年度赤字国債脱却などということは、だれもそんなことができるとは思っておらない。大蔵大臣がその旗をおろさないということは一応理解はできるといたしましても、そんなことをまじめに聞いている人はないんです。 そこで、総理の私的諮問機関の経構研は「財政政策の運営に当たっては、赤字国債依存体質からの早期脱却という財政改革の基本路線は維持すべきであるが、」財源の効率的配分、「機動的な対応を図る必要がある。」と言っており、六十五年度赤字国債脱却などということは一言も言っておらないんです。あなたが信頼をする学者の先生はそういうことを言っておるんです。総理はこのことをどういうふうに理解しますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 六十五年赤字公債依存体質脱却の旗をおろせとは言っていないと。
○村沢牧君 おろせとは言っていないんですよ。それは知っていますよ。しかし、早期脱却は必要であるがということは、これは六十五年度赤字国債脱却はできる。あなたもこの会議には、さっきお話がありましたように、十九回開いた、そのうち一回欠席しただけで、あとは全部出席して一緒に討論をしておったと言うんですが、どういう考え方なんですか、総理。
○国務大臣(中曽根康弘君) 経構研は財政審議会じゃありませんから、輸出・輸入あるいは貨幣の安定関係、全般を見ておるわけですから、六十五年赤字公債依存体質脱却という財政政策に焦点を当てた発言は遠慮したんだろうと思いますが、しかし、といって放漫財政を許してはならない、早期に脱却すべきである、そういう一般的方針を示したものだと考えております。
○村沢牧君 あなたはこの経構研の報告で、日本の経済体質を輸入指向型に変えなさいということを非常に強調している。アメリカへ行ってもそのことを盛んに言っている。しかし、この報告の中にも「財政・金融政策の進め方」がちゃんと書いてあるじゃないですか、私が言ったように。このことについては極めて慎重な態度をとっているわけですね。口が非常に重い。一方の方は大変信用して貴重な資料だと言うんですが、こっちの方は、財政政策について言ったことはどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 内需の拡大については昨年の十月に第一回の大きな政策をやり、また去年の十二月に予算編成と同時にやり、さらに四月八日にまた第三回の総合対策をやり、最近におきましては公定歩合を三回も約一カ月前後の間に引き下げて、ドイツと並んで世界の一番低い金利の国にいたしましたり、あるいは電力やガスの差益還元を思い切って一兆円をめどにやる。あるいは公共事業の前倒しを思い切って今までの記録以上やろう、そういう決意を示したり、ともかく財政政策もやっておるし、円ドルの調整にいたしましても、去年の九月二十二日のG5の会議をこっちもある程度イニシアチブをとりまして、実行してきている。そういうわけで、財政政策もかなりやっていると御認識願いたいと思うんです。
○村沢牧君 私は財政政策をやっていないと言うわけじゃないんです。私が今数字を挙げて指摘をしたように、また大蔵省側の答弁があったように、六十五年度赤字公債脱却というのは大変なことなんです。総理はあくまで六十五年赤字公債脱却ということを、この経構研の報告から見てもあなたは考えているんですか。そのことを聞いているんですよ。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは本会議でも大蔵大臣とともにお答え申し上げましたように、この旗はおろすわけにはいきませんと申し上げておるわけです。
○村沢牧君 この論議はいつまでやっても時間を食うばかりでありますが、旗をおろさないという気持ちはわかるんですよ。わかるけれども、これはもうできない、私はそのように指摘をしておきますが、また次の問題について関連して質問いたしましょう。 そこで、中曽根内閣になって以来、このように政府債務が累増していますが、総理はこの責任をどう考えますか。そして、この法律案に見られますように、政府の負担すべきものをできるだけ後年度に繰り延べ、当該年度の予算編成さえ何とかできればよいという一時しのぎの糊塗策を毎年続けておるということはもう許されないと思うんです。総理の見解を聞きたい。
○国務大臣(竹下登君) 確かに公債残高の歴史を見ましても、それは昭和四十年から始まって本当に十年間では九兆数千億でございます。その後累増してまいっております。しかしながら、この中曽根内閣以来、いわゆる毎年毎年の公債依存度というものはこれは逐年下がってきておるということは、やはり財政改革の努力のあらわれの一つではなかろうかというふうに御理解をいただきたいものだと考えておるところでございます。 なるほど、御批判にありましたように、いわば後年度にツケ回ししているんじゃないかということにつきましては、先ほど来御指摘のありました国年、厚年あるいは政管健保等のお金をある意味においてはお借りしておる、あるいはこれは制度間の財政の調整措置がとも言えるわけでございますが、それによって御指摘の点を私は否定するものではございませんけれども、それが後年度に対しての大きな財政支出そのものを不可能にするという措置ではなく、現状におけるいわば調整措置だというふうに御理解をいただきたいと思っておるところであります。
○村沢牧君 次は、総合経済対策についてお伺いしますが、これまた本法律案と非常に関係を持つものであります。四月八日に発表した政府の総合経済対策は全体で四十項目にも達しておるわけでありますが、どうも切り札に欠けて迫力不足である、私はこれをもって政府の期待するような効果があらわれるというようには思っておりません。総理は、今回の総合政策を実行すれば数兆円規模の減税をしたと同じような効果があらわれ相当な内需振興になる、そして景気は秋に向かって好転をし明るさを取り戻してくるであろう、こういうことを言われているようでありますが、この対策によって算出される事業規模、それから国民経済にどれだけの波及効果があるというふうに思われますか。その根拠を示してください。
○国務大臣(平泉渉君) 今回の対策においては、電力、ガスについておよそ一兆円程度の差益還元を行うほか、試算困難ではありますが、他の品目 についても差益還元を行うことといたしております。円高の交易条件改善効果、原油価格低下のメリットによるものであります。実質所得を増大させる効果がございます。第二番目に、電力とNTTについては投資の追加を行う、こういうことで所得が増加をいたします。また、電力の投資の繰り上げ発注に伴い上期のやはり国民所得が増大する効果がございます。 今回の対策の中には効果は計測しがたいものがあるので以上に尽きるわけではございませんが、全体を加えまして六十一年度上半期における対策の効果は二兆円を上回る名目GNPの増加になる、かように見ておるわけでございます。
○村沢牧君 それもやってみなければわからないことであって、円高差益を国民が消費に回していけばそういうことも期待できるかもしれないけれども、その保証はないわけです。 そこで、総理は日米首脳会議で、総合経済対策によって十一兆円の内需がふえGNPを〇・七%引き上げる効果がある、したがって六十一年度実質四%成長という目標は達成できる、こういう見えを切っているようでありますけれども、その自信はあるんですか。その根拠を示してください。
○国務大臣(中曽根康弘君) 上半期においては、今企画庁長官が申し上げましたように約二兆円、そして〇・七%のGNPを押し上げる力を持っている、そういう報告を聞いておりましたが、国民経済研究協会とかそのほかのいろいろな学者の論文等も読んでみますと、石油の値下がりが今後ずっと続いていく、あるいは公共事業の前倒しの投資乗数効果等も見ると、そういうような面で見ると事業量はふえていく、あるいは差益や余剰が出てくる。輸入が減りまして、そして輸出はいわゆるJカーブ効果というのもまだ残っております。そういういうんな面から見ると、十兆から十五兆ぐらいの数字のものが出ておりました。私はそれをうろ覚えに覚えておりまして、大体十一兆見当ではないかというので申し上げたので、今の上半期の話とは別の話であります。
○村沢牧君 総理は、日米会談ではレーガン大統領の言うことはよく引き受けて、MOSS協議の対象品目に自動車部品などを入れるということについても前向きな姿勢を示した。ところが、国内の与野党幹事長・書記長会談で合意した減税問題などについては極めて消極的な態度である。総合経済対策で減税をしたと同じような効果があらわれるのだから、具体的な減税はしなくてもいいというのですか。 先週の与野党国対委員長会談で自民党の藤波国対委員長は、今週、つまりきょうから始まる週の政府・与党連絡会議でさきの与野党の申し合わせを、実行方法を取り上げていく、そういうふうに言っているんですが、このことについて総理もそのような気持ちを持っていますか。
○国務大臣(竹下登君) 幹事長・書記長会談の申し合わせは、これはもとより重要に受けております。政府自体の今日までの姿勢といたしましては、抜本答申をお願いするように税調に報告をいたしておりますので、それの推移を見守っておる、今週中にもあるいは中間報告がいただけるような環境にあるではないかということであります。一方、それと、重く受けとめております与野党幹事長・書記長会談の問題につきましては、既に数回政調・政審の責任者の会合が行われておる。その都度御連絡をいただきますところのもろもろの資料等につきましては、正確にこれを提出することによりましてこの協議がさらに進んでいくということに御協力を申し上げておるというのが実情でございます。 それで私が感じますのは、いわゆる政策減税の点と所得減税の点は分けてお考えになっておるようでありますが、所得減税の問題について年内に結論を得るということを御相談いただいておるというのは、結局政府税調の推移等をも恐らく横目で見ながら相談していこうということではなかろうかというふうに、これは私が推測をいたしておるところであります。 国対委員長会談でどういうお話があったか、まだ政府・与党連絡会議は今週行われておりませんので定かに承知しておりませんが、いずれにせよこれは私が聞いてみればわかることでございますので、適当な機会にその国対委員長のお考えはあるいは私から聞いてお伝えすることができるかと思います。
○村沢牧君 国対委員長会談の話を何も竹下さんに聞いて伝えてもらわなくたっていいんですけれども、あなたのところの藤波国対委員長がそういうことを言っているんですから、今週中の政府・与党連絡会議でもってこの問題についても詰めてまいりますと言っていますから、それはやりますか。
○国務大臣(竹下登君) 普通月曜日にやるわけでございますが、きょうは安井先生の葬儀がありますので、政府・与党連絡会議はきょうは行われませんが、藤波国対委員長からよくその辺の事情は承った上で相談をしなきゃならぬと思っております。
○村沢牧君 そこで、このような総合経済対策を閣議決定して円高による不況感を心理的に和らげようとしておる、あるいはサミットを控え膨れ上がる一方の貿易黒字に対する海外の批判をかわすために、我が国はこんな努力をしていますといって経済対策や経構研の報告書を振りかざしてみても、現実には今提案されておるように補助金を一律削減して地方自治体と国民に負担を転嫁している、景気の回復と内需拡大の足を引っ張ることはまさに時代の要請に逆行するものでありますが、言うこととやっていることが違うんじゃないですか。どうなんですか、総理。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる補助金という問題になりますと、ただ御案内のとおり、公共事業におきましては確かに補助率をかえさせていただくための今法律を御審議いただいておるわけでありますが、事業費という点におきましてはこれを拡大いたしておりますので、これがいわゆる景気を引っ張っていく上の力となるということが言えると思います。それから、社会保障関係におきましても、末端の給付そのものには何らの変更があるわけではございませんので、いわば今回の措置は経済に対しては中立的なものというふうに理解をすべきであろうというふうに考えております。
○村沢牧君 そこで建設大臣、この対策では、公共事業については上半期における契約済み額を過去最高を上回ることを目指して前倒し執行するということになっているわけでありますが、具体的な方針を示してください。
○国務大臣(江藤隆美君) 四月八日の経済対策閣僚会議で過去最高の前倒しをするという大体方針が決まりました。ちなみに、過去最高を上回るといいますと、最高が五十七年度の建設省分でおおよそ七八%でございます。したがいまして、私どもは八〇%の前倒し執行を念頭に置いてこれから取り進めてまいる、こういうことになりますわけでありまして、過ぐる四月四日に予算案が国会で通過をいたしましたので、翌四月五日に補助金のいわゆる引き下げ対象外の事業分について、国費分で言いますとおよそ一兆七千五百億、事業費ベースで言いますとおよそ二兆三千二百億、この分を実は内示をいたしまして、特に積雪寒冷地帯あるいは災害復旧、あるいはまた雇用に非常にかかわりのあるところ、それらの特に注意すべきところについては細心の執行上の配慮を払いながらするようにということを四月五日に通達を出したわけであります。 ちなみに、昨年は四月二十六日に出しておりますから、ことしは非常に予算の内示は早かった、通達は十四日でありますが、去年は予算の内示と通達が四月二十六日、ことしは予算の内示は五日、通達は十四日、こういうことで今取り進めておるところでございます。
○村沢牧君 そこで政府の資料を見ると、既に内示をしておる額が、建設省は今お話がありましたように一兆七子五百億、農林水産省、運輸省等加えて二兆七千百億円は既に内示をしたんです。この法律の成立を待って箇所づけを決定するのが三兆一千三百億、そういう資料が出ておるわけであ りますけれども、既に四六%は金額を内示したんです。したがって、前倒し執行するとするならば、この既に内示をしている事業についての作業はかなり進んでいなければならないと思いますけれども、政府の指導性と地方の取り組みについて、どうなっているんですか。
○国務大臣(江藤隆美君) 先刻申し上げましたように、建設省ではおおよそ二兆三千二百億の既に内示をいたしまして、事業執行の方針としては特に災害復旧、積雪寒冷地帯の事業の執行のいわゆる早期化を図りなさい、こういうことが第一に示してございます。それから中小業者が仕事がございませんから、特に中小規模の工事について急いで発注をしなさい。それから雇用が深刻化しておる地帯が実はございますから、そういう雇用の深刻な地域については特に事業の実施に当たって雇用促進について配慮をしなさい。大まかにこういう三つの条項を付して、そして四月十四日にこの通達を出した。配分は四月五日にいたしました。こういうことでありまして、残る部分については今鋭意事務的には準備を進めておりまして、法案が通過次第、直ちにこれが執行できる体制にございます。
○村沢牧君 農林水産省は。
○国務大臣(羽田孜君) 私どもの公共事業関係でございますけれども、執行経費のあれは一兆二千九百億円でございます。既に本年度の予算の成立時に内示を行いましたものは六千七百億円で、五二%になっております。現在まだ内示しておりませんものは四八%、六千二百億円ということになっておりまして、現在内示してないものにつきましても、積雪寒冷地域の特殊事情等を考えながら、こういったものについて法案成立後直ちに執行するようにということで進めております。
○村沢牧君 運輸大臣。
○国務大臣(三塚博君) 過去最高は五十七年度の六九%ですから、建設省の七八から比べますと一〇ポイントほど下がるのかなと思いますが、ただいま建設大臣言われましたように、内需喚起という観点から右へならえをしながら、四千五百億円が配分予定額でありますけれども、既に二千九百億は内示をいたしておりまして率は六四%でありますと、こういうことであります。
○村沢牧君 今説明のあったように、公共事業については既に五〇%に達する金額が内示をされてどんどんこの作業が進んでいるということなんです。したがって、大蔵省や大蔵大臣が言われるように、この法律を早く連休前に上げてもらわなきゃ公共事業の前倒しができないからこれをやってくれなんということは、そんなことをやらなくたってもうやっているじゃないですか。ですから、慎重審議をこれはすればいい。どうですか。
○国務大臣(竹下登君) いや、村沢さん、内示はやっていますよね、これは精いっぱい。そうして内示であって、いわゆるそれは施行交付はしてないわけでございますから、したがって契約の実行行為を、これは補助率の関係のないものはできますけれども、しかし補助率の関係のありますものにつきましては、これはこの方が大型でございますし、この法律を通してもらえば、それこそ翌日からでも、もう地方公共団体も、あるいは直轄分も欣喜雀躍としてこの御趣旨に沿うような努力をするということが、これはやっぱりまともなお答えでございます。
○村沢牧君 公共事業については一応の仕分けをして内示をしましたが、非公共事業についてはどうなっていますか。
○政府委員(保田博君) 非公共事業のうち今回の補助率引き下げの対象となりますものにつきましては、六十一年度以降の補助率をいかが扱うべきか、目下この法案を御審議いただいておりますので、交付決定をさせていただくということはいかがなものかと考えておりまして、これは差し控えさせていただいておりますが、補助率引き下げの対象外となりますものにつきましては、通常年と同様の交付決定その他の手続を円滑にやらしていただいております。
○村沢牧君 非公共事業について、特に金額も多く重要な問題が厚生省関係にあるんですが、厚生大臣の見解を伺いたい。
○国務大臣(今井勇君) 私どもは、現在御審議いただいております補助金の例の特例法案の成立を見ない段階で、都道府県とか市町村に補助金を交付しますことは困難でございまして、その間、県や市町村に経費の支出をしていただくことになるわけでございます。したがいまして、県や市町村におきます立てかえ払いをできるだけ少なくすると同時に、県や市町村の計画的な財政運営を確保するためにも、ぜひひとつこの法案の早期成立をお願いしなければならぬところでございます。 なお、昨年度におきましては、法案の成立後、必要に応じまして補助金を前倒し的に交付いたしまして、県や市町村の立てかえ払いによります金利負担というものを実質的に生ぜしめないように措置したところでございますが、本年度におきましても同様の措置を講じまして、県や市町村の実質的な財政負担にならないように十分配慮してまいりたい、このように考えているものでございます。
○村沢牧君 厚生省関係で、例えば老人保護費にしても生活保護費にしても、本法が成立しなければ交付決定はできない。しかし、本法が成立しないとしても、地方団体は必要な措置をしなければならない。現実しておるんです。それに要する財源対策、つまり借入金だとか利子、こうしたものはどのように対応していくんですか。
○国務大臣(竹下登君) これはやっぱり、まず非公共関係補助金についての問題について、対象外のものについてはきちんとやります。対象のものについては国会で法案御審議中でございますから、法律行為として交付決定を行うことはいかがかと。しかし、先ほど来お答えがありますように、車の両輪でありますところの地方団体の財政運営に支障を生じてはならぬ、こういうことから自治省で御苦心をいただいて地方交付税の交付については早期交付に努めておられる、そしてもし資金繰りに問題が生ずる地方団体につきましてはその実情に応じて資金運用部資金の短期融資制度の活用と、こういうことを行っておるわけでございます。基本的には今回、関係予算の執行がおくれたことによって地方団体に金利等について実質的な財政負担を生ぜしめることのないよう国庫支出金を前倒し的に早期交付するというようなことで、結論から言うと、昨年も実はこれは体験をさせていただいたわけでございますし、金利負担等御迷惑のかからない形で対応してまいりますというお答えかと思います。
○村沢牧君 今、地方交付税の早期交付をやっておるという説明だったんですが、自治省にお伺いしますが、本年度はどのように対応したんですか。
○政府委員(持永堯民君) 突然のお尋ねでございますので具体的な数字はちょっと持ち合わせておりませんが、先ほど大蔵大臣から御答弁ありましたように、四月交付の段階で毎年この法律上交付すべき額がある程度決められておりまして、その交付につきましてなるたけ早く交付しようということで努力をいたしたわけでございます。あわせまして、この資金繰りにどうしても困る団体がもしあるといけませんので、そういうところは申し出をするように連絡もいたしまして、今幸いにしてこの借り入れは比較的楽に借り入れができる金融情勢でございますけれども、できるだけ借り入れ等も円滑にいくように今調査をし、連絡を受けまして御支援を申し上げてまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
○村沢牧君 突然のお話で答弁ができないなんということは、それだけ熱意がないということじゃないですか。昨年は、こういう事態が発生するために地方交付税の早期交付を行った。前の年に比べて一二・五%の増加交付をしたんですよ。ことしも配慮したとするならばそういう実績があるわけなんだ。どうなんですか。
○政府委員(持永堯民君) 恐縮でございますが、数字をちょっと持ち合わせておりませんけれども、去年と比べますと交付税総額大体四%程度の伸びでございますので、その程度の概算交付の増額はいたしておるところでございます。
○村沢牧君 このような法律に関係をして地方自治体が非常に迷惑を受けている。そのことを考慮に置いて交付税の配分をしたんですか。今あなたの答弁を聞いていると、全然そんなことは考えてないんじゃないですか。どうなんですか。
○政府委員(持永堯民君) 今、具体的な数字は早速取り寄せましてお答え申し上げたいと思います。
○村沢牧君 それじゃ、それを待っていると時間を食いますから次に進みましょう。 公共事業の仕分けと早期発注については昨年の本委員会でも大きな問題となり、そのために審議も混乱した事実があります。政府が景気対策で公共事業の前倒しをし、またこれを確実に実行しようとするならば、この法律が成立せぬだって今までの法律があるんだからそれによってやればいいことなんだ。ことしは仕分けをして早期発注がある程度できるようにしたということでありますが、しかし非公共事業についてはまだ仕分けもしてないわけでありますが、こういうことを毎年繰り返してはいけないと去年も強く言われたんですが、大蔵大臣、どうなんですか。
○国務大臣(竹下登君) 去年、法律の性格が、一年かかって勉強しますのでとりあえずは一年限りのアバウト一律カットで御勘弁をと、こういう内容の法律でございました。したがって、法律そのものに公共事業のみでなくいろんな角度から議論が集中し、そして実際この法律を成立せしめていただくにも時間がかかった。そこで、いろいろな議論の過程、経過を通じまして最初はやはり院の、いわゆる国会の意思が決まるまでの間は執行するのはいかがかというので、全体的にこの執行に対して慎重であったわけでありますが、本院等においての御指摘がありまして、少なくとも補助率の関係ないものからはこれは執行に移すべきだということで合意に達して、ことしはそこで一遍なれたわけです、なれたというと、いいことになれたわけじゃございませんけれども。 したがって、ことしの場合は、補助率に関係のないものについてのいわゆる箇所づけでございますとか執行態勢には万全を期したと。そしてもう一つは、対象になるものにつきましては本当に準備だけは完全に行っておこうという態勢が整ったということは、やはり昨年以来の経験に照らしてそうなったものではなかろうかというふうに私はこれを理解いたしておるところであります。 非公関係についてもいろいろ議論があっておりましたが、なるほどなと思いましたが、去る十八日にやっぱりちゃんと通達を資金運用部に出して、生活保護費補助金等の国庫支出金の交付が例年よりおくれ、そのために資金繰りのため資金運用部地方短期資金の貸し付けを希望することがあれば早くそれに対処しなさいと、これも六十年度に同様の措置をとらしていただいた経験に照らして早々とそういう通達を出しておるということでございますので、執行につきましては万可能な限りの措置を行って地方団体等に迷惑をかけないように、もとより給付を受けられる人にも迷惑をかけないようにするのは当然のことでありますが、重ねて何とぞ早期成立を伏してお願いをいたす次第でございます。
○村沢牧君 建設大臣に聞くが、公共事業の前倒しは執行期間を早めるだけで総事業費がこれによってふえているわけじゃない。このことによって政府の期待をするような景気が仮に若干上回ったとしてもそれは全体のことである。公共事業を請け負う業者、業界は下半期にはほとんど仕事がなくなってまた苦しくなってしまう。したがって、下半期にも仕事が確保できる、そういう保証がない限り、よしんば上半期に契約をしたとしても明年の三月までは仕事を持っていってしまう。これでは前倒ししようとしたってかけ声だけに終わってしまうんですが、これにはどのように対処するんですか。
○国務大臣(江藤隆美君) 昭和六十年度にはことしの二月に実はゼロ国債、すなわち債務負担行為でもっておよそ六千億の事業の実は追加をしていただきました。それから災害復旧費を六十年度災は八五%、五十九年災は九五%終わるということでおよそ五千億余りやらしていただきまして、そうして年度末の事業のいわゆる陥没を防ごうということで、また同時に、年度末になったら全く仕事がないというようなことがないように処置をさしていただいたのが実は六十年度末でございます。 今回はおおよそ八〇%の前倒し執行をするわけでありますから、朝飯はまあどうにか腹いっぱい食うが晩飯になったらもう茶わんの底には飯が残っていなかったというのでもまことにこれは不景気な話でありまして、これからひとつ諸般の経済状況、財政状況等をよくにらみながら事業の執行の段階でまた財政当局、政府全体と御相談を申し上げていろいろ御心配のないような措置もひとつ工夫してみたい、こう思っておるところでございます。
○村沢牧君 前倒し発注をしますと、ですから下半期も大丈夫ですよと、その保証がなければ幾ら前倒し前倒しと言ったって気持ちよくできないじゃないですか。ですから、率直に言うならば、下半期においては補正予算を組むとかあるいは建設国債を発行するとか、何らかの措置がなければいけない。そのことをやっぱりここで保証しなきゃいけないんですが、どういうふうにお考えですか。
○国務大臣(江藤隆美君) 建設国債とか補正予算ということについては私どもは大変うれしい話でありますが、これは政府全体にかかわることでございますから、大蔵大臣を中心としていわゆる中曽根内閣全体の今後のいわゆる財政運用の中で考慮していくべきものである。これは一建設大臣が申し上げましてもうどん屋のかまみたいになりますからこれで御勘弁をいただきたいと思います。
○村沢牧君 建設大臣は大変うれしいことだというような答弁ですが、あなただったらこうすべきだ、こうしてもらいたいというひとつ意見があったら出してください。
○国務大臣(江藤隆美君) なかなか言いにくいです、これは。建設省としては事業費が伸びるということは大変結構なことでありますし、他の公共事業を持っておる役所も同じようにやっぱりゼロシーリング、マイナスシーリングに悩んできたわけですから、早くひとつ、総理が言われますように、円高の成果がだんだん年末に上がってきて景気もよくなってくるであろうと、こういう御託宣も一方ではありますから、早くそういう時期が来ぬかなと、こう思ってひたすら神に祈るような気持ちでおる、これが心境でございます。
○村沢牧君 大蔵大臣はどういうふうに思いますか。
○国務大臣(竹下登君) 私も随分昔の話でございますけれど建設大臣も経験さしていただきましたが、円高メリットというようなことをいろいろ考えてみますと、過去最高のものをやる。そういたしますと、卸売物価が資材等で二〇%以上下がっておるものも中にはございます。そうすると、これは数字的に必ずしも正確な数字じゃございませんが、いわゆる同じ費用でもって効果が、百メートルのところが百十メートル道路ができると、こういうようなことがいわば事業費だけでなく事業量の増加によってそれが下期へどういうふうな影響をもたらしていくものかなというようなことも、この法律を上げていただきました後、補助金関係連絡会議というものの中で各省と詰めてみなければならないというふうに思っておるところでございます。それと同時に、今度は円高によるメリットが出て、民間活力等に一つの公共事業的支出というものが加わってまいりますならば、私はなだらかな公共事業的事業の執行というものができることが期待できるではなかろうかというふうにも考えておるところであります。 ただ、補正をどうするかと、こういうことになりますと、何分この間予算を成立さしていただいたばかりのときに、はい、補正を考えておりますというようなことは、これはやっぱり財政当局として今日の時点で申し上げるべき筋合いのものではないというふうにお答えをするのが限界であろうというふうに考えております。
○村沢牧君 総理、そこで公共事業の前倒し執行をする、なるほどそれはいいことです。上半期は仕事がふえる、しかし下半期になったら仕事がなくなってしまう、これに対しては政府が何らかの手当てをしなければならなくなる。どうなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 総合経済対策の中にも、金融そのほか弾力的措置を総合的にとっていくと、そういうふうに書いてありまして、この変化を見守ってまいりたいと思っております。
○村沢牧君 そこで、もう一回もとに戻ったような質問になりますが、総理の経構研ですね、これでもやっぱり金融対策上機動的な対応をしなきゃいけないということを言っていますが、それはこの建設国債などのことも意味しているんですか、どうなんですか。総理に聞いているんだ、これは総理の諮問機関だから。
○国務大臣(竹下登君) 今の問題についてはやはり私の担当でございまして、ちょうどきょうからまた第三回目の公定歩合の引き下げが行われたと。したがいまして、大体完全にもろもろの金利体系に影響が出ますのが約一月かかりますが、そういうのもまさにいわゆる金融政策の弾力的、機動的対応の一つではないかというふうに考えております。 建設公債の発行ということになりますと、これは金融的の措置というよりもいわゆる財政上の措置ということになろうかと思うわけでございます。その問題につきましては、財政という点については、原則今日まで対応してきた政府の姿勢を基本的には維持すべきであると、こういう経構研の御報告もいただいておりますので、そういう態度で対応していくべきであろうというふうに考えておるところであります。
○村沢牧君 次に移りますが、昨年の補助金法案審議の際、政府は繰り返して一年限りの措置であると、こういう答弁をしておりました。本院特別委員会は、法案の採択に当たって「本法律の高率補助率の一律引下げ措置と行革関連特例法の延長措置は昭和六十年度限りの暫定措置とすること。」、こういう附帯決議もつけております。このことは、審議の中で出された各委員の意見を集約して、国の財政が苦しいからといって地方に負担を転嫁すべきでないと、こういう国会の意思を表明したものだというふうに思います。 政府は、補助金問題検討会で検討してもらって新たに提案したものであるから単なる延長ではないと、こう言いたいようでありますが、本法案は形式も昨年と同じ、期間、カット内容とも拡大をしている。しかもその財源対策は先送りをしている、こうした実質的な改悪延長であります。昨年の経過にかんがみて、このような国会、国民を軽視するような態度は許されないと思うが、どうなんですか。
○国務大臣(竹下登君) 六十年度においての高率補助の引き下げは一年間の暫定措置である、そのとおりでございます。そして、参議院の補助金特別委員会における附帯決議、昭和六十年五月十六日にも確かに「一律引き下げ措置と行革関連特例法の延長措置は昭和六十年度限りの暫定措置とすること。」と、こういう附帯決議をちょうだいしておることも事実であります。 したがって、今、村沢さん答弁の先取りをして御意見の中でお話がありましたように、六十一年度以降の補助率のあり方については国と地方との間の機能分担、費用負担の見直し、これを政府部内においていろいろ行ったわけでございます。すなわち、一年の間にその結論を出しますので、まさに一年間の暫定措置としてお認めいただきたいということでお認めいただいて、その後、補助金問題閣僚会議というようなもののもとに検討会を設けて、村長さんも市長さんも県知事さんもこの検討会に入っていただきまして、たしか十二回これを開催して、そこで年末の十二月二十一日に、その報告に基づきまして補助金問題関係閣僚会議の決定で今度はこれをお願いした。したがいまして、いわゆる事務事業の見直しを行って、やっぱり昨年と違いますのは、一年間かかって検討しますからアバウト一割で、いわゆる一律カットでお願いしますと、これがことしの場合は、それぞれ見直しを行った形においてお願いをしておるというのが、性格的にはやはり基本的に違いがあるところではなかろうかというふうに御理解をいただくように、お答えを一生懸命でしておるというのが現状でございます。
○村沢牧君 これから私を含めて各委員が質問をしてまいりますと、政府は、補助金問題検討会で検討してもらったからという答弁が必ずはね返ってくる。しかし、それだけ検討しておるのだとすれば、何も暫定措置として法律を出す必要はない。そこで補助金問題検討会の検討の内容というのは極めて重要な問題なんです。 検討会の中には両論併記の問題がたくさんあるわけでありますが、そこで検討会の会議録なりあるいはその内容を記したものをぜひ資料として提出してもらいたい、提出すべきである。このことは衆議院段階でも強く要請したんですが、我が党も本委員会が始まる前にこの資料を要求したわけですけれども、現在に至るまでまだそれが出てこない。どうしてなんですか。
○国務大臣(竹下登君) 検討会の検討の議事録というのは、速記をとっておるわけでもございませんからありません。したがって、確かに両論併記のものがございますから、それがまた三年間の暫定にした一つの理由になるわけでございますけれども、これは、いわゆる報告書と先生方と議論をしておるのとを個別に照合してみますと、結局あの報告書自体の中へ大体正確にこの議論が行われたものが結果として整理されておりますので、失礼な言い方でございますが、そのとき私も工夫してみましたけれども、順序を入れかえてお出ししてもやっぱり意味がないしと。やっぱり議論しておりますと、あの報告というものがまさに議事録というふうに御理解がいただけるのじゃないかということで、この問題、御要求あるいは理事会等でも、これは国会でお諮りいただくことでございますけれども、御説明して理解を、あの報告書そのものがまさに議事録でございますという性格を持つものでございますということを御理解を得なきゃならぬと実は思っておるところでございます。
○村沢牧君 今の答弁を聞いておりますと、まとめた議事録みたいなものはある、しかしまとめてみるとあの報告書になってくるということですが、あるとすればそれを提出してくださいよ。私たちはこれから参考人を呼んで意見を聴取するにしても、こういう問題が出てくる、あるいは検討会の委員の皆さん方はそれぞれの立場を代表する人たちでありますから、どういう意見が出たと、そのことを十分把握しなければ法案の審議にもならないんです。ぜひ提出してください。
○国務大臣(竹下登君) どの先生がどういう意見を吐いたといういわゆる速記録のようなものがあるわけではございませんが、あの報告書を読んでいただきまして、そしていろんなことを予測して先生と突き合わせをしておりますと、結局、あの報告書そのものがなるほど議事録的な性格だなと、こういうふうに理解をしていただけると思いますので、これからも何回も議論をしておるうちに恐らくそういう御理解がいただけるんじゃないかなと思っておりますが、なお、この問題は国会の問題でございますから、我々として努力するにはやぶさかでございません。
○村沢牧君 大蔵大臣は見ているから、突き合わせてみるとこれになると。私どもは、全然資料を出さないんだから、見ていないからわからないんです。国会の問題だというのですから、委員長の方からひとつ取り計らっていただいて、私はぜひその資料を出してもらいたいと思う。
○委員長(嶋崎均君) ただいまの村沢君の発言につきましては、理事会でよく協議をさせていただきたいと思います。
○村沢牧君 それでは、私も理事ですから。 そこで、昨年もそうだったけれども、政府の法案提出時期がおくれて年度の開始の時期に法案が成立していない、そのために予算と法律の乖離が 生じている、こうしたことがないようにこの種の改正は予算編成の前に行って、改正案が成立したらその法律に基づいて予算編成をすべきであります。また、地方財政法第十九条には、国の支出金の支出時期が明示をされている。政府はこのような法規定や常識を守らぬために国会審議にも混乱を来している。本改正案提出に当たっていかなる配慮をしたのですか。
○国務大臣(竹下登君) これは昨年も御議論をいただきましたが、今回の補助率の総合的見直しにつきましては、補助金問題検討会において十二回にわたって議論が行われて、そうして十二月二十一日にやっと閣僚会議で決めたということであります。 したがって、今までの例として、恐らく念頭に置いての御質問というのは、行革関連特例法を行革国会というので一遍やりまして、そこで補助率を決めておいた後予算編成をしたという、模範的といいますか、一つの先例が存在することは事実でございますが、今回は年末ぎりぎりに検討会の報告に基づいて閣僚会議で決定をしたということでございますので、予算編成の前に法案を例えば臨時国会等で御審議をいただくというわけにはいかなかったわけであります。 しかし、六十一年度予算と表裏一体の重要な予算関連法案でありますから、これはぜひとも必要だという意味におきまして政府として姿勢を示さなきゃならぬということで、予算提出と同じ日の一月二十四日に提出して御審議をいただくと、こういう姿勢をとったわけであります。その年度の予算関連法案というものにつきましては、普通の場合、二月の第三金曜日ぐらいをいつもタイムリミットといたしておりますが、これについては予算案提出と同日に提出したということで私どもの姿勢のほどを御理解賜りたいと、このようにお願いする次第であります。
○村沢牧君 昨年の本院特別委員会で委員長見解として次のことが言われております。 今回の補助金整理特例法案の参議院における審議が、予算成立後、かなりの日数を経過した後になったために法案の審議が内容的にも、期間的にも著しく制約を受けることとなった。 このために法案審議の過程において「法案成立までの期間は、現行法があるのであるから、これによって執行し、国民や地方公共団体に迷惑を及ぼさないよう、配慮すべきである。」との意見も出されているところである。 このことは、参議院としての審議権を確保する上で、このような多くの行政分野にわたる補助金を一括法とすることの問題点、予算成立後の後追い審議となる法案提出時期の問題点等を指摘しているものである。 本特別委員会としては、このような問題点に留意し、今後政府の善処を要望するものである。 委員長見解が出されておるわけであります。 本委員会のこうした意思や決意があるにもかかわらず、今の大蔵大臣の答弁では国会軽視も甚だしいと思うんです。政府の責任ある態度を示してください。
○国務大臣(竹下登君) 委員長見解もございました。そこで、いろいろ工夫をいたしましたが、行革国会というものがかつてあった、あの先例は実際問題としてなかなか難しいことだと思うわけであります。一年かかって審議して、年末ぎりぎりに結論を出したと。そうなると、政府の姿勢としての最大限というものは、他の予算関連法案は二月の第三金曜日ぐらいがタイムリミットになりますが、これだけは一月の予算書提出と同日に出すということで我々の、いわゆる委員長見解にこたえた一つの考え方として御理解を賜りたいというふうに考えるわけでございます。 それから、いま一つの問題につきましては、去年議論のありました問題は、やっぱり四十八本もの法律改正を一括して提案するのについても議論があった、こういう御意見がありました。これは種々その後も議論をいたしまして、やはり最近における財政状況及び累次の臨調答申等の趣旨を踏まえて行われる一般論として、財政上の措置であるということ。それから、まさに国の補助金、負担金等に限って行われる措置である。そして三番目には、財政資金の効率的使用を図るために行われる措置で、財政収支の改善に資するものであるという共通の性格を有しておるから、その趣旨、目的が一つであるので、一体をなした法律として提案するということに結論から申して帰結したわけであります。 したがって、いわば一括して御審議をお願いすることは、ある意味においては全体を通覧し総合的な御審議をお願いすることもできるという考え方に立っておりますので、ぎりぎり国会審議を制約するという法律の出し方ではないだろうというところに議論の上、帰結をいたしましてお願いを今日しておるというのが実情でございます。
○村沢牧君 総理、国庫支出金は、法律の規定によってその負担割合が多くのものが定められております。したがって、これを変更するときにはそれなりの理由、理論が必要だというふうに思います。そして補助金の見直しは、その背後にある行政施策、行政領域を見直して、国と地方との機能分担のあり方を第一義的に取り上げなければならない。補助金問題検討会で検討してもらったとか、あるいは関係閣僚会議で何回も協議をしたと言っておるわけでありますが、しかし、それは国の財政負担をいかに軽減するかということが第一義的な問題であって、それなるがゆえに三年間の暫定措置にしたというふうに思うのでありますが、まず第一に、財政問題より前に、この国と地方との関係を検討してかからなきゃいかぬ。そのことについては総理、どのように考えますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) その点につきましては、臨調答申あるいは行革審の答申もあり、また財政制度審議会の御答申もありまして、国と地方との事務を整理し見直すようにということで鋭意その作業も進めて、今回の国会におきましても機関委任事務等については別途法律で御審議をお願いしておるわけで、今後も続けてまいるところでございます。また、他方、財政的見地からは、大蔵大臣から御答弁申し上げましたような次第で、今回同じように事務事業の見直しの一つの財政的見地としてこのような措置もお願い申し上げている次第でございます。
○村沢牧君 今、大蔵大臣から答弁があったように、本改正案は四十九の法律改正を一括して提案しておる、そして本案によって補助金カット及び繰り入れ延期の節減額は一兆四千七百五十億円という巨額に達しておるんです。しかも、その多くのものは国庫負担制度の根幹に触れる内容を含んでおり、現在及び将来の自治体運営に重大な影響を及ぼすものであります。大蔵大臣は先ほど答弁をしておったんですが、しかし大臣、本来ならば一つ一つの法律について慎重審議すべきである。このように多くの重要法律の改正を一括法案として提出すること、しかも予算関連法案であるから早期に議決してもらいたいというようなことは国会の審議権を侵害するものだ。昨年もこのことが論議されたんですが、先ほどの大蔵大臣の答弁では納得できません。ことしはせめて少しは変わっているかと思ったが変わっておらない。どういうふうに考えますか。
○国務大臣(竹下登君) 委員長見解というものがございまして、それに基づいていろいろ私どもも議論をしてみました。ただ、委員長見解も、そういうこともいわばもう一遍勉強してみると、こういう趣旨にも受け取れるわけであります。種々勉強しましたが、大ざっぱに申しますと、言ってみれば財政上の措置であるという点が共通の性格を持っておるというようなことからいたしまして、やはり全体を通覧した総合的な御審議に対応するという意味においては、この一括法というものも、今おっしゃったのとは別の角度から国会の審議権を制約するということにはならないであろうと。したがって、国会の方でこれに対応なすって特別委員会をおつくりになったのだなというふうに理解をさしていただいておるところでございます。
○村沢牧君 今回の提案された法律を見ると、片方では他の法律でもって審議をする、そして補助 金の問題はここで審議をするということになっておりまして、私が先ほど指摘をしたように、いずれにしても重要な法律なんです。したがって、例えば生活保護法にしてもその他の問題にしても、なぜ補助率を下げなければならないのか、この背景はどうなのか、そのことをやっぱり慎重審議をしなければなりませんけれども、このように四十数本の一括提案をされたのでは審議するいとまもないんですよ。ですから、大臣がいかに答弁しようとしても、幾ら言いわけしようとしても、こういう提出の方法はまずい。 そこで総理にお伺いいたしますが、昨年も総括質問等において、あるいは締めくくり質問においてこの問題は随分論議をされた。総理もいろいろ答弁していますが、ここに会議録を持っておりますが、総理の最終的答弁は、「将来の問題と受けとめまして、今回国会でいろいろ御議論になった趣旨等もよく検討を加えて、そして適切な処理を今後はいたしたい、その線に向かって努力したい、」そういうことを私は約束いたしますと、こういうことを言っているんです。どういうふうにこの対応をしたんですか。今の答弁を聞いている限りにおいて、また出された法律を見る限りにおいてそのことは全然検討されておらない。どうなんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 六十年及び六十一年度につきましていろいろ御迷惑をおかけして恐縮に存じておるところでございますが、六十一年度の予算編成につきましては、六十年度の経験にかんがみまして、また委員会の御意向等もよく頭に入れまして、そして検討会をまずつくりまして知事さんやあるいは市町村の代表の方の御参集もいただき、鋭意検討していただきました。それから党の方ともいろいろ御意見も承りまして、そしていわゆる地方六団体の皆様方の御理解も得るように懸命に努力をいたしまして、六十年度とは違って、六十一年度につきましては特に地方との対話、協議というものを積極的にやりまして、その結果このような措置をとった次第でございます。
○村沢牧君 私は、一括して出すというこのあり方について今質問したんですが、竹下大臣、あなたもこういうことを答弁していますね。こういうことは暫定とか、臨時とかいっても、毎年やるべきことではありません。それは、答弁に当たります私自身の立場としても、毎度こんなことをやったら大変なことじゃないかという感じをいたしております、こういう答弁をしています。しかし、あなたの答弁だとか、総理もこういう答弁をしているのですが、これは国会の意思なんですよ。委員長見解、附帯決議なんです。これを実行してもらわないことにはあなたたちがこの法案審議をやってどんなことを約束したって、また来年変わっちゃうんだ。ですから、私のこの質問ということもありますが、これは国会の意思ですから、なぜこういうことをしたのかはっきりした見解と、将来果たしてまたこういうことをやるのかやらないのか、そのことを明快にしてもらわなければ、幾らあなたと論議をして答弁をもらったってまた変更されてしまいますから、私は納得できません。これ以上質問できません。
○国務大臣(竹下登君) 昨年の議論は私どもも十分承知しております。したがって、本当は一年かかって検討をいたしますと、だから、ことしは一年限りでございますからこの一律カットをお認めいただきたい、概してそういう趣旨であったわけであります。そこで一年かかってこの検討をいたしまして、本来ならばあるいは恒久的なものであるべきかもしらぬ。しかしここに二つの理由がありまして、一つは私の頭の一隅には財政再建期間中、すなわち六十五年までという考えがないわけではございませんでした。が一方、特に生活保護の問題につきまして、いわゆる両論併記の報告をいただいた。両論併記とは、すなわち三分の二にすべきだというのと、十分の八に返すべきだという議論でございます。で、政策選択の決定として、中をとったという意味じゃございませんが、昨年同様十分の七にしようという決定をした。いわばこれは両論併記だからやっぱりもう一度議論してみなきゃならぬなという気持ちがあったというのが一つであります。 それからもう一つは、いわゆる税制の抜本改正というのを今日税制調査会へ諮問をいたしておる。そうすると、仮に、国税、地方税のあり方でございますから、答申をちょうだいして、地方税とか国税とかいろんな仮に変化が行われたといたしますと、普通の場合それが平年度化するには二年かかるというのが普通でございます。かれこれ考えて、されば三年ということの暫定措置でお願いしようということにいたしたわけであります。 したがって、昨年申し上げましたとおり、毎年毎年とりあえず一年間で御勘弁をという措置はとらなかった。しかし、両論併記の中で議まとまらずのものもあった。一方、税制改正の問題もある。かれこれ考えまして、三年でお願いをしようということで一応我々の考え方を整理いたしまして、委員長見解等を念頭に置きながら整理をして御提案し御審議を賜ろう、こういうことにいたしたという経過でございます。
○村沢牧君 今の答弁納得できませんけれども、もう一点だけ伺っておきましょう。 六十年度の一括法案によって、補助負担率の引き下げに伴う地方負担の増加は地方交付税と建設地方債で全部埋めるから地方には迷惑をかけません、そして、建設地方債の償還については元利を六十一年度以降の地方財政計画に算入するという方針である、こういう答弁をしていますが、ことしはどういう処置をしたんですか、去年の問題について。
○政府委員(持永堯民君) 六十年度の補助率の引き下げに伴いまして地方債を発行したわけでございますが、その元利償還の一部を国の方で手当てをするいうことになっておるわけでございます。 具体的に申し上げますと、臨時財政特例債という地方債の利子の問題が六十一年度に出てくるわけでございます。六十一年度におきまして、私ども地方財政全体の収支の見込みをまず立てたわけでございますが、その段階におきましては、国の補助率の引き下げが六十一年度仮にないとすれば収支は一応相償うという数字に相なったわけでございます。そこで、結果的には六十一年度の補助率の引き下げに伴う影響額一兆一千七百億円でございますけれども、これを別途補てんをするという形で全体としての収支を合わせることにいたしたわけでございます。 そこで、先ほどの昨年度の、六十年度の起債の償還に伴います国の負担分でございますけれども、今申しましたように、六十年度におきましてはそれがなくても補助率のカットがなければ収支が償うということでございましたので、むしろ地方財政の中期的な健全化を図るという観点から、この国が払うべきものにつきましては実は六十六年度以降に交付税に加算をするということにいたしたわけでございます。と申しますのは、六十六年から、先ほども申し上げましたように、地方交付税特別会計の借入金の償還が始まるということもございまして、償還が始まるときにむしろ返していただいた方が全体としての交付税の安定的な確保ができるだろうということでそういう措置をとったわけでございます。 なお、先ほどの御質問でございますが、地方交付税の六十一年度の四月交付分は二兆二千八百十八億でございまして、これにつきましては六十年度の場合よりも交付日を一日繰り上げますと同時に、金額につきましても先ほど四%程度と申し上げましたが、正確には三・九%でございますけれども、約九百億程度去年よりもふえているわけでございます。
○村沢牧君 大蔵大臣、今お聞きのとおり、去年の補助率カットによる財源対策は六十一年度から処理しますとちゃんと約束しているんですよ。政府答弁している。ところが、今話があったように、これを六十六年度へまた先送りしちゃった。ですから、あなたたちがどんな答弁をしたって、その場限りになっちゃって約束を守ってないからだめなんですよ。そのことを含めて、せっかく国会で一括法案なんていうものはもうやっちゃいけない と指摘をして、総理もああいう答弁をしているんです。それも一括法案として出してきたんです。これは国会の意思を尊重するという立場から重大な問題だと思うのです。一体今後どうするのか、そのことがはっきりしない限り、私はこの質問を続けるわけにいかない。今までやった措置と、今後どうするのか、はっきりした答弁をしてください。
○国務大臣(竹下登君) 私、数字的なことはあるいは後からつけ加えて答弁していただかなきゃ正確を欠くかもしれませんが、マクロの地方財政計画の中で、ことしの措置によるものなかりせば六十一年度は、マクロの経済対策――去年の答弁したものについても、恐らくマクロの地方財政計画の中ではその問題は吸収できます、ことしの措置で。がしかし、新たに生じたものについてきちんとした措置を交付税の出口ベースにおいて行いました、こういうことであろうと思います。 そこで、将来の問題でございますが、去年の場合は、一括法もさることながら、一律一括ということに対しての御指摘が非常に強かったと思うんであります。ことしの場合は、事務事業のあり方、なかんずく社会保障を中心としてのあるべき姿というのをとにもかくにも検討会で議論をした上で三年間ということでお願いしておるわけでございますから、その限りにおいては、国会の意見というものも十分念頭に置きながら御議論もいただき、また政策選択もさしていただいたということで御理解をいただかなきゃならぬ課題であろうなと思っておるわけであります。 三年後どうするかという問題につきましては、その時点における財政事情等を検討してその時点で決めなきゃなりませんが、いずれにせよ、地方財政の出口ベースにおいて支障を来してはならぬということは鉄則として守らなければならないと思っておるところであります。
○村沢牧君 大蔵大臣、あなたの答弁は違っておるんですよ。六十年度に生じた欠損については六十一年度から支払いしますと答弁しておる。去年はそういうことになっておったんだ。ところが、去年の地方団体に迷惑をかけた、総計で百七億だと思いますが、それは六十六年度へ全部繰り越しちゃったんですよ。新たに発生したものじゃないんだ。去年のものを繰り越しちゃったんだ。違いますか。
○政府委員(持永堯民君) 去年のものを繰り越すという御指摘でございますが、具体的には恐らくこの臨時財政特例債の百七億の分をおっしゃっておられるものと思います。これは、先ほど申しましたように、今年度、六十一年度におきましてこの措置がされなくても地方財政の運営には支障がないという判断をいたしまして、そういう収支見込みになったものですからそういう判断をいたしまして、むしろ六十六年度以降、交付税の償還が始まるときに措置をしていただいた方が中期的、長期的には交付税の全体的な安定的な確保ができるだろう、そういう考え方で先送りをいたしたということでございます。
○村沢牧君 それはこの会議録とも違うんですよ。それはあなたの勝手な解釈だ。去年の答弁のときには六十一年度から支払いますと言ったのを、六十六年に送った方がいいだろうなんて、あなたは勝手な解釈をして法律改正をしちゃったんじゃないですか。ですから私は、委員長、この国会の決議、態度、そのことについて政府は何らことしも配慮しておらない。今言ったように、去年の答弁とことしやったことは全く違っているんです。ですから、私は、この点を明らかにしなければこれ以上審議することはできない。委員長の方で諮ってください。
○委員長(嶋崎均君) 速記をとめて。 〔午前十一時二十分速記中止〕 〔午前十一時三十五分速記開始〕
○委員長(嶋崎均君) 速記を起こして。
○政府委員(持永堯民君) 先ほどの百七億の点でございますけれども、昨年のこの補助率の引き下げに伴います諸対策の中で、これは交付税に加算をするという覚書を取り交わし、かつそういうお答えを申し上げたわけでございますが、先ほど申し上げましたように、六十一年度についてこの収支を見ましたところ、六十一年度においてこれが、措置がなくても地方財政の運営には支障がないということで、そういう判断のもとにむしろ六十六年度以降の交付税特会の償還のことを考慮しましたときに、そちらに送った方がよりベターではなかろうかという判断をいたしまして、それで現在衆議院で御審議いただいておりますが、地方交付税法案の中にもそういう規定を盛り込みましてお願いをいたしておる、こういう次第でございます。
○村沢牧君 いかにしても、私ははっきりこういう昨年の自治省の答弁も持っていますが、今の答弁では納得できません。重大な政策変更です。しかも法律事項ですからね。これ以上、私は審議することはできません。もっとはっきりした答弁をしてください。
○国務大臣(竹下登君) 確かに昨年、それで先ほども答弁いたしましたように、出口ベースでことしの措置はたばこ消費税等でできる。むしろその問題は将来に先送りした方が地方財政計画全体の姿としてはベターであると。したがって政策変更とおっしゃいますが、その問題については地方交付税法の改正の中で法律事項として別途今日審議していただいておる、こういう筋合いにはなるわけでございます。 ただ、先生おっしゃっているのは、それはマクロで見る地財計画には支障がないかもしらぬが、あのとき言ったことと今やっている措置とが違うじゃないか、これは食言じゃないか、こういう御議論であろうと思いますが、その問題は別途地方交付税法の改正の中で法律改正、法律の中に組み入られて措置されておるから、具体的に今年度の地方財政計画を実行す合には支障のない措置がとられておりますので御理解を賜りたい、こういうことを言っておるという趣旨であると私も理解をいたしております。
○村沢牧君 ですから私は、地方交付税の方は別な法律でもって審議をしている、こっちはこっちで先送りをやっておる、そういう出し方はいけないと言うんですよ。どんなに答弁しようとしても、去年六十六年まで先送りするなんということは一言も言っていないじゃないですか。六十一年からやりますと言ったことが、もうことしになったらそういうふうに変えられちゃった。勝手に変えたんです、皆さん。そういう態度は許すことができない。ですから、私はこの問題がはっきりしない限りは以下の審議を続けるわけにいかないんですよ。
○委員長(嶋崎均君) 速記をとめてください。 〔速記中止〕
○委員長(嶋崎均君) 速記を起こして。
○国務大臣(竹下登君) 先ほど来のお話でございますが、今予算編成に際しましてそのことは念頭にございましたが、今年度の地方財政計画においては、いわばたばこ消費税等千二百億円等で対応ができる。したがって、この問題については別途地方交付税法の方で政策判断をいたしまして、国会で議論をいただいておるというのが現状でございます。したがって私は、御指摘なさいます問題について、なすべきこととして少なくとも関係方面にそれだけの、例えばたばこの問題でも、時期はおくれましたが、精いっぱい関係方面へお断りしたりお願いして歩いたんでございますから、それだけの配慮はしておくべき問題ではなかったかという反省は十分いたします。
○村沢牧君 今の答弁、わかっておりませんが、自治大臣に聞くけれども、結局こういうことじゃないですか。 ことしの補助金カット分は全部六十六年度へ送ります、六十年度にカットした分については、ことしから払っていかなきゃならぬけれども金がないのであわせて六十六年度へ送ります、そういう話じゃないですか。たばこ消費税とかなんとか言っているけれども、実際問題、金がないから去年の分をことしは払わなきゃならぬけれども、これも六十六年度へひとつ送ります、実際そういうことじゃないですか。
○国務大臣(竹下登君) たばこ消費税等があって、ことしの地方財政計画はこれで一応支障のないことになったから、したがってそれは先送りしても、いわばことしのことに対しては何の影響もないではないかという政策判断が私自身にはあったなという感じがいたします。
○村沢牧君 それじゃ、六十六年まで送ったらいいじゃないかと……。
○国務大臣(竹下登君) 毎年、いわば地方財政計画そのものの遂行には、大蔵省マクロベースでございますけれども、支障のない手当てを行うわけでございますから、六十一年度以降と、こう言っておりますから、私は、したがって先ほども申し上げましたように、こういうふうにしましたよという少なくとも事後了解ぐらいをする政治的配慮に欠けておったではないかという反省を込めてお答えをしたということであります。
○村沢牧君 どういう答弁をしても、とにかく六十六年度以降に送るということをはっきり言って書いてあるんですから、ですから私がここで、そのことは大蔵大臣も先ほどから熱心な答弁をやって、ある程度了解しましたなんと言うと、交付税の法律がかかってきているんですよ、そのときに、私はこれは納得しましたなんと言ったらどういうことになるんですか。別途この問題の法律がかかってきているでしょう。納得できませんよ、それじゃ。つまり、私どもがここの委員会でそういうこともやむを得ないなということを認めたとするならば、交付税の方の審議は即そういうことになっちゃうわけですよ。その点をどうお考えですか。
○国務大臣(竹下登君) それは、地方行政の主体的な法律であるところの交付税法にかかわる分を、ここで竹下登の答弁で日本社会党は承知したと言っちゃ、それはいけませんと私も思います。それは納得いかないままであるのではないかな、そのいわば野党の皆さん方の考え方を代表して申し上げちゃいけませんけれども、その問題はここで承知したとおっしゃってくださいと言っても、それは言えないだろうと私も仮に立場をかえた場合そう思いますよ、やっぱり。
○委員長(嶋崎均君) 速記をとめて。 〔速記中止〕
○委員長(嶋崎均君) 速記を起こして。 ただいまの村沢君の質疑に関しましては、理事会において協議をして決定をさせていただきたいと思いますので、御了承願いたいと思います。
○村沢牧君 六十三年度までは本法案の適用が続いていく。しかし、その時点になって財政再建が期待をしたように進んでいないから、先ほど来論議しているように、さらにまた延長する、カット率を強める、こういうことは絶対にありませんね。
○国務大臣(竹下登君) 六十四年以降の問題につきましては、これはいわば税法改正とかいろんな客観的要素もありますし、そのときの財政事情等もございますでしょうが、その時点で決めるべき問題だというお答えに尽きるではなかろうかと思っております。
○村沢牧君 ですから、そういう答弁をしているから、ときどき財政が苦しくなってくるととんでもないことをしちゃうんですよ。だから、この法律は三年限りですから、三年過ぎたら財政再建がどうあろうとももとへ戻しますよと、そのくらいな決意を述べることはできませんか。
○国務大臣(竹下登君) これは一応事務事業のあり方、費用負担のあり方等についての御議論をいただいた上で提出した法案でございますから、昨年のような事情とはいささか違いますので、したがって期限が過ぎたら単純にすべて五十九年以前の補助率に返しますというお答えをするわけにはこれはまいらないということであります。
○村沢牧君 そのことも納得できないんですが、まだ私どもの党の総括質問もあるし、また一般質問もありますからどんどんやっていきますがね。 そこで、六十一年度の地方財政は、国庫負担率の引き下げなかりせば収支が均衡するはずであったとさっきから答弁しているんです。ところが、今回の補助率引き下げによって一兆一千七百億円もの財源不足が生ずる。このことは地方財政法第二条の地方財政の運営の基本にも抵触するし、地方制度調査会あるいは地方財政審議会の意見、答申にも相反するものであるというふうに思います。したがって、法的にもあるいは国と地方との信頼関係から見ても、このような法律はこれを出すべきでない。自治大臣どう思いますか。
○国務大臣(小沢一郎君) 地財法二条におきましては、国の地方への転嫁となるような政策を禁じておるところでございます。それからまた、地方制度調査会あるいは地方財政審議会におきましては、いわゆるこの補助負担率につきましては対象事務事業の国と地方の責任の度合いに応じてこの負担比率というものを決めていくべきでありまして、単に国の財政、金がないから地方で負担してくださいということはいけませんという趣旨を言っておると思います。 今回のことは、先ほど来の大蔵大臣等の答弁にもございますが、基本的には六十年度の予算編成を終えまして、その後検討会におきましてもいろいろと真剣な議論がなされまして、考え方としては基本的な考えに立って、社会保障につきまして事務事業の見直し、権限の委譲等も行って予算編成が行われた、また地方財源の不足につきましては、異例の措置を含めて補てん策もとられた、そういうような経過になっておりますし、私どもといたしましても、もちろんまだ例えば生活保護費等については結論が出ておりません。それからまた、その他につきましてもいろいろまだ見直しをしていかなきゃならない問題点もたくさんあると思います。 そういうような意味合いにおきましては、必ずしも全部こういう考え方のもとに結論が出たわけではございませんけれども、基本的な思想といたしまして、国と地方の負担比率につきましての考えのもとになされたということでございますので、その意味におきまして、地財法二条に反しているとかあるいは地方制度調査会の意見に完全に反しているということではないであろうと私ども解釈をいたしております。
○村沢牧君 法律に反しているかどうかという具体的な問題は詰めていかなければならないというように思いますけれども、このように補助金がカットされて地方に負担が転嫁される、地方の富裕論なんという人が一部あるけれども、決してそんなものじゃない。去年補助金がカットされたことによって地方財政は起債が多くなり、ますます硬直化してきた。ことしの予算編成から見て、地方の予算から見て、自治大臣としてこの実態をどういうふうに思うのか。こういう形でもってどんどんこの補助金がカットされて地方に負担を転嫁することについて、大臣としてはどういうふうに考えますか。
○国務大臣(小沢一郎君) ただいま申し上げましたように、この補助負担率というものが国と地方の本当のいわゆる役割分担あるいは事務事業の見直しの中で、そして国はどのくらい、地方はどのぐらいというのが決められていくべきものでありますし、そういう形で負担割合が決まっていくということは、これは私どもも従来申し上げておいた筋道の議論でございますからその点はこれはそうあらねばならないと思っております。ただしかし、先生御指摘のように、今回の補てん措置につきまして、地方債につきましては地方交付税において元利償還等もできるだけ見ますよという形で補てん策を講じておるわけでありますが、今後こういったような状況が続くということになりますと、それなりにいわゆる交付税の中におけるそういった費用がふえていくということは事実でありますし、現実に地方は五十八兆八千億の六十一年度末で借金を抱えます。そういうような現状で、いわゆるマクロの単なる数字合わせからいえば富裕論みたいなものも出てきておるようでありますけれども、決してそういう状況ではない。 私どもといたしましては、今後元利の償還等地方債のそういったものにつきまして交付税総額を何としても確保して、そして地方財政に支障を来さないようにということで今後とも対処するつも りでおりまして、地方交付税の総額確保をするにつきましては、その交付税のあり方等々も含めまして必要な交付税総額というものは確保していかなければならない、そのように考えておるところであります。
○村沢牧君 そこで、今自治大臣からもお話がありました例えば生活保護の問題等について、補助金問題検討会は三分の二が適当だという意見と十分の八とするのが妥当だという意見があったというふうに両論が出されておるわけです。そこで補助金問題関係閣僚会議では、大蔵、厚生両大臣が三分の二を、自治大臣が十分の八を主張して結論が得られなかった。政府・与党連絡会議等に持ち上げて最終的には十分の七ということが決まった。自治省が十分の八を主張し厚生省が三分の二を主張した。厚生省は福祉を担当する省なんですよ。なぜこんな自治省よりも補助金が低くてもいいようなことを主張したんですか。厚生大臣の見解を聞きたい。
○国務大臣(今井勇君) これは総論におきまして三分の二というふうに書いてありますことを踏まえまして、前大臣は三分の二というふうなことで御協議を申し上げたと私どもは聞いております。
○村沢牧君 三分の二と書いてあるのじゃないんですよ。厚生省が主張したんですよ。自治省がそれじゃいかぬから十分の八にしなさいと主張して意見が対立したんです。なぜ三分の二と主張したんですか。
○国務大臣(今井勇君) これは、事務の性格というのは今後とも国が行います機関委任事務とすることが適当であって、その補助率としてはやっぱり補助率の体系的な見直しの観点から三分の二とするのが適当であるというふうに主張した、そういうふうに決まったというふうに私は聞いておりまして、そのように思っております。
○村沢牧君 自治省がこの種の補助金は十分の八にすべきだと、そういう主張をした、私はこの主張を評価する。自治省はどういう見解でこういうふうに主張したんですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 生活保護につきましては、いわゆる社会保障制度の基幹的な政策、基盤的な政策でありまして、したがいまして国の責任というものがよりほかのものより強く求められておるという考え方に立ちまして、いろいろな予算編成の段階において自治省としてはそのような意味で主張してきたものと考えております。
○村沢牧君 大蔵省が三分の二を主張した根拠は何ですか。生活保護というのは重要な項目ですから特に聞くんです。
○国務大臣(竹下登君) この問題につきましては、やっぱり今厚生大臣からお答えがございました補助金問題検討会報告において、私ども総じて言いますならば身近なものから地方公共団体に担いでいただこう。そこで、そういうことになるとおおむね二分の一だ。そうなると、それ以上国の力を入れるものは三分の二という刻み。そして、それ以下でも補助率の達成できるものは今度は三分の一という刻み。従来は十分の七がございましたり、三分の二なりがございましたり、いろいろな数字がありましたが、大体二分の一というものを基準にして上のものは三分の二、そして下のものは三分の一と、こういうようにおおむねそういう水準を想定することが妥当であろうというふうにかねて考えておったわけでございます。したがって生活保護は、それは昭和二十一年以来のいろんな議論がございますし、憲法二十五条から発生するところの議論もございますが、その上の分の三分の二ではいかがかという主張をしてきたというのが現実的な私どもの考え方でございました。
○村沢牧君 厚生大臣、厚生大臣も大蔵大臣の言うようなことと大体同じですか、あなたも。ただ金の面からだけ考えるんですか。
○国務大臣(今井勇君) 先ほど私の寸足らずの御答弁でございましたが、結論から申しますれば補助率全体の問題として三つあって、そのうちの一番高い三分の二ということをとろうというのが前大臣の発言であったと、私はそういうふうに引き継ぎを受けております。このときもできるだけ高い補助率が望ましいと考えたのであろうと思いますが、この補助金問題検討会の報告の総論によりますと三つ、三分の二と二分の一と三分の一がありましたので、そのうち最も高い三分の二の補助率をとることがこの際必要だと考えられたものだというふうに理解をしておるわけでございます。
○村沢牧君 ですから、厚生省がそういう態度でありますからことしの予算を見ても、またこの補助金の引き下げの問題を見ても、引き下げ額のうち厚生省関係はその四五%にも達する五千百六十九億円、このほかに厚生年金国庫負担分三千四十億円の繰り延べがあります。国の責任で対応しなければならない福祉関係予算が、補助金カットの名目でこのように縮減をされておるんです。こうしなければ国の予算が組めなかった、厚生省の予算が組めなかった、このことが実態だというふうに思うんです。防衛費は突出させても福祉予算を犠牲にして六十一年度予算を編成した、これが中曽根政治の実態じゃないか。大蔵大臣、厚生大臣どう考えますか。
○国務大臣(竹下登君) 私どもがやっぱり一番注意しなきゃならぬのは、それによっていわゆる福祉の水準を落としてはならぬと。したがって、その水準というものを維持しながら国と地方との費用負担のあり方ということで決定をしたわけでございますので、このこと自体によっていわばサービスの水準が落ちたというならばまさに福祉の後退でございますが、水準を落とさない工夫の中で行われたということを御理解いただきたいというふうに考えておるところであります。
○国務大臣(今井勇君) 私どもも今大蔵大臣から御答弁がありましたとおり、福祉水準はこれは低下を招いてはいけないということをまず主眼にしたわけでございまして、特に今後の社会福祉の行政を考えます場合に、地方の自主性のもとに住民に身近なところできめの細かなサービスができるようにということを私は基本に考えているわけでございます。このような考え方に立ちまして事務事業のあり方を見直しまして、これに合わせて国と地方の負担区分を変更しようとするものでございます。先ほど大蔵大臣がおっしゃいますように、今回の負担区分の変更に伴いまして地方の負担がふえますが、このための所要額につきましては地方財政の対策で手当てが講ぜられるということで、私どもは給付水準の低下を招かないというふうに考えたわけでございます。
○村沢牧君 いずれにしても、ここ数年間の福祉関係を含めて厚生省の予算を見ておると、伸び率もだんだん悪くなってきている。そこで、こうした財源を確保するために厚生省としては社会保障の特別会計みたいなものをつくりたいというようなことを真剣に検討されておるようでありますが、そうなんですか。あるいはまた、そういうことは今は考えておらないということなんですか。
○国務大臣(今井勇君) おっしゃいますように、厚生省の福祉予算等々は人口の高齢化と同時にこれは伸びるわけでございます。それで、あるお年になりました方に対しまして年金とかそういったものを待ってくださいと言うわけにまいりませんから、年々増加するわけでございまして、それをどう賄うかということの一つとして、今もおっしゃいましたような特別会計というものができないだろうかということを前大臣が申し上げまして、そういう考え方を発想したわけでありますが、なかなかこの問題につきましては一概に簡単にいかない問題がたくさんございますものですから、私どもは今、大蔵省ともいろいろあれこれ相談をしているというのが実情でございます。
○村沢牧君 大蔵大臣、この社会保障特別会計、これについて大蔵大臣はどういう見解を持っていますか。
○国務大臣(竹下登君) これは前厚生大臣の増岡私案として一つ出ております。それから日本社会党さんからも、これはただ年金に絞った形でございましたが、そういう考え方が出ております。その他経済研究所からの提言等もございます。したがって、各方面からそういう提言がありますとい うのは、これは示唆に富んだ御提案だということは少なくとも敬意を表して言うべきであると思っております。 しかし、現実にどうなるかということになりますと、当然いわゆる目的財源ということになりますと目的税の問題が出てまいります。税体系全体から言いますと、可能な限り税金には色のつかないのがいいわけでございますから、目的税の本質の問題が一つあるということと、いま一つは、それによって、考えようによれば硬直化する要因にもまたなるんではないかということも言えます。あるいは見方によれば聖域化していくんじゃないか、こういう問題もある。 したがって、この問題は、示唆に富んだ提言ではあるが、やっぱり相当広範囲な角度から議論を進めていかなきゃならぬ問題であるというふうに、今日のところ総じてお答えをすることにいたしておるということであります。
○村沢牧君 文部大臣に聞きますが、文部省関係も今回の補助率カットによって受ける影響は大きい。昨年は一律カットによって教材費だとか旅費等が引き下げをされた。ことしは恩給費その他が引き下げをされるということになってまいります。こうしてまいりますと、地方に与える影響なんかも非常に大きい。例えば教材費が率が引き下がったことによってどういう影響を来しておるのかということを文部省は把握しておられるかどうか。 そして同時に、義務教育費国庫負担法による二分の一国庫負担率の引き下げなど、こういうことは絶対やってはいけない、国と地方の財政関係を基本的に変更するようなことがあってはならないと思いますが、まず文部大臣の見解をお聞きし、あるいは具体的な問題については政府委員から答弁してください。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の義務教育国庫負担制度につきまして、共済費の追加費用及び恩給費について暫定的に国庫負担率を二分の一から三分の一に引き下げるというのは、これはあくまで特例であると私どもは承っておりますし、今回の措置は、現下の国の厳しい財政事情等諸般の状況を考慮し、地方財政当局とも御相談の上講ずることにしたものでありまして、これに伴う地方財政への影響については、所要の地方財政対策が講じられることになっております。 なお、文部省といたしましては、この義務教育国庫負担の制度の根幹についてこれを変えるつもりはございませんので、この制度の根幹は引き続き維持していきたい、このように考えております。 残余の数字については政府委員から御答弁いたします。
○政府委員(阿部充夫君) 昭和六十年度に教材費のいわゆる一般財源化を行ったわけでございますが、六十年度の各地方における予算計上の状況を見ますと、九月補正後段階での数字といたしまして、総額的にはおおむね前年度と同額あるいは全国的な総額としてはそれ以上の金額が計上されております。ただ、個々具体の市町村について見ますと、前年度をある程度下回るというようなケース等もあるようでございますので、現在、昭和六十年度におきましてその事情等を聞くと同時に、適正な額を確保するようにという指導を行ってきたところでございまして、年度末まである程度の補正が行われてきたと思っておりますが、まだその数字は調査中でございます。
○村沢牧君 いずれにしても、国が補助金あるいは補助率をカットすることによって、教育の関係でも地方に及ぼす影響は大きいんです。 そこで文部大臣に重ねてお伺いしますが、国庫負担の二分の一は確保したいということでありますが、ことしのカットに続いてなお栄養職員だとか事務職員の給与費が一般財源化されるのではないか、こういう危惧されている面がありますけれども、これについては文部省はどう考えますか。
○国務大臣(海部俊樹君) 御指摘の学校事務職員及び栄養職員につきましては、私どもは学校運営のために重要な基幹的な職員と受けとめておりますので、この制度は引き続き対象にしていきたい、こう考えております。
○村沢牧君 大蔵大臣、いいですね、文部大臣の答弁で。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる義務教育国庫負担法の基本的な根幹はもちろん維持すべきものであるというふうに考えておりますが、具体的な問題については、今の問題は今後とも慎重に検討すべき課題だというふうに考えております。
○村沢牧君 文部大臣がそういう決意を述べておりますから私は素直に受けとめておきますが、また来年になって学校の栄養職員だとか事務職員を云々なんてことは大蔵省としては絶対言い出さないように。よろしいですね。
○国務大臣(竹下登君) これはやっぱり、絶対という中に財政当局が存在すると言うのは、絶対にあるいはいけないかなとも思って、謹んで意のあるところは承っておりました。
○村沢牧君 そこで、義務教育諸学校施設費国庫負担法の附則の中で、国が昭和六十二年度まで三分の二の負担をする、こういう法律があるんですが、これと今回提案されておる法律との関係はどうなんですか。
○政府委員(阿部充夫君) 公立の小中学校の施設費の国庫負担につきましては、いわゆる急増対策ということで昭和四十八年度から五年間ずつの時限ということで補助率のかさ上げ措置を講じてきたわけでございまして、三回目の延長が昭和六十二年度までということに相なっております。したがいまして、今回のかさ上げ措置の一部是正策を暫定的にお願いしておりますが、その分につきましてもここの分だけは六十一、六十二の二年間についてかさ上げ措置を引き下げるということでお願いを申し上げておるわけでございます。 なお、六十二年度以降かさ上げ措置そのものをどうするかという課題がございますが、急増そのものは六十一年度で中学校関係は終わるわけでございますけれども、これは全国的に見てのことでございまして、各市町村別に見ますとなお急増状態が残るというケースもあり得ると思いますので、六十三年度予算編成の段階で財政当局とも御相談をして適切な措置を講じたい、かように考えているところでございます。
○村沢牧君 この法律に基づくものはカットの対象にしない、なっておらないと了解しましょう。 そこで、補助金カットの中でやっぱり金額と数が多いのが農水省であります。農林関係の補助金のカットは土地改良長期計画、これだって進んでおりません。これを阻害するものである。あるいはまた林業活性化対策なんと言っているけれども、これもまた補助金をカットする。今非常に苦しい立場に置かれている漁業についてもそうだ。幾ら大臣が農業の構造改善をしていくとか体質改善をしていくと言ったって、現実には補助金をカットして地方に負担を転嫁する、仕事ができないようにする、こんなことで農林業の振興が図れますか。
○国務大臣(羽田孜君) お答え申し上げます。 確かに、今日の財政事情非常に厳しいという中で、私どもの方としても高率補助につきましてカットせざるを得なかった、これは現実であります。ただし、事業費全体といたしましては、一般公共事業で前年対比五百三十四億円の増、それから一〇二・三%、この伸びを実は見ておるところであります。そういう中で私どもとして国営土地改良事業につきましても財投の金を持ってまいるとか、あるいは今お話がありましたように、森林についても確かに非常に厳しい状況でありますけれども、森林・林業、木材産業、この活力回復のための予算というものも特別につくったところであります。また海につきましても、こういう時代が到来しておるという中で将来を見はるかしながらマリノフォーラム21というような施策などもいたしまして、厳しい中にありましてもやっぱり必要なものについてはめり張りをつけながら前進をさせようという、非常に厳しい苦しい中でありますけれども、私どもとしても努めておることを御理解をいただきたいと思います。
○村沢牧君 大分時間も過ぎてきましたが、大蔵 大臣、本年度はたばこ消費税を値上げして何とか切り抜けた。この問題について私は大蔵委員会で随分大臣とも議論をしましたからここでは触れません。しかし、来年は一体どうするのか。たばこ消費税は一年限りの措置だということでありますから、また来年もこれをやるというわけにはいかないというふうに思うのでありますが、今こっちからお話がありましたように一年限りの措置でありますから、ことしはたばこ消費税は上げたけれども来年になればまた戻す、そういうことであろうというふうに私は思っております。このような措置をしたけれども、明年度以降の措置が出てきておらない。そこで今回の特別措置は三年間継続だ、こういう内容にかんがみましてこの補助金、負担金にかかわる自治体の負担の増加額、措置をしたと言ったって実際は負担が増加するんです。これについては一般財源で必ず補てんをする、その具体的な措置を予算編成期に明示する、こうすべきだと思いますが、どうなんですか。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、たばこの問題、法律を通過さしていただいたわけでございますが、これはまさに手続的に申しましても税調審議後でございますし、各方面へ翌日から事後の報告に行くというようなことでございましたし、一方税調で抜本策の議論がなされたときでございましたので、臨時異例の措置だからこれについては一年でございますと、こう申し上げておるわけであります。 したがって、来年度まず二つに分けましてたばこはどうなるかと、こういう問題がございますが、これはいわゆる間接税のあり方という問題についての議論の中で、税制調査会の後半の課題として議論をしていただこう。そこで、基本的にきちんとしていかなきゃならぬことは、あくまでも地方財政計画自体には支障を生じないような措置はきちんといたしますということだけは、基本的にまずお答えをしておかなければならない問題であるというふうに考えております。
○村沢牧君 基本的にそういう理解が立つならば、私が指摘をしたようなことも今後ぜひやるべきだ、このことはこれからの審議の中でさらに要求してまいります。また御意見も聞いてまいります。 そこで、地方の財政対策として地方交付税が大きな役割を占めておるわけでありますが、最近行革審の小委員会は地方交付税の国税三税の三二%を引き下げるような素案を出しているわけです。このことは絶対に私は認めるわけにはいきませんが、自治大臣、大蔵大臣の見解を求めたい。
○国務大臣(小沢一郎君) 今日の地方財政の状況は、先ほどもちょっと触れましたけれども、五十八兆八千億の借金を抱えておりまして、またいわゆる三千三百数十の団体の集まりでございますが、非常に個々の地方公共団体でもそのやりくりが厳しい状況になっております。したがいまして、現在の状況を前提とする限り、交付税率を引き下げるというような議論をする余地はないと思いますし、そのような地方財政の状況にないと、私どもはそう理解しております。
○国務大臣(竹下登君) 昨年度補助率の引き下げ措置に関連いたしまして大蔵、自治両大臣の覚書というものがございますが、これは地方交付税率についてまで両大臣で合意したという性格のものでは全くございません。交付税ということになりますと、それは国と地方との間の基本的財源配分にかかわる問題でございまして、地方税、それから地方譲与税がどうなるか、それから機能分担、費用負担がどうあるか、全部をくるんで議論しなきゃならぬ課題でございますので、短絡的に比較富裕論などというものによって現行の制度、施策を前提に置いておいて引き下げるべきだというような議論が直ちに成り立つとは私も思いません。
○村沢牧君 私の持ち時間もぼつぼつ終わりになりましたから、先ほど理事会扱いにした問題は保留いたしまして、そこで最後に総理に円高の問題について伺っておきます。 円がまた高くなって百七十一円台を更新しております。総理はレーガン大統領との会談で、あの当時のただいまぐらいの水準がいいと思うと言われておるわけですけれども、現在のこの急激な円高についてどう考えられますか。また、政策協調、相場安定のためにも我が国としてはどういう対応をすべきだというように思うんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 国際通貨の調整につきましては急激な乱高下は避くべきであると、そのように考えております。したがいまして、我が国の対応といたしましても、できるだけそのような急激な乱高下を回避するように努力をいたしたいと思っております。
○村沢牧君 極めて抽象的な答弁ですが、あなたはアメリカへ行ってレーガンさんとこういう話をしてきたんですから、あなたは外国へ行くと非常に格好のいいことを言って、先ほど申しましたように、レーガンさんの言うことはよく聞くけれども、国内へ来ると極めて国会では抽象的な答弁をしている。私はそのことが気に入らないんですよ。重ねて答弁は求めませんが、大蔵大臣はどういうふうに思われますか。
○国務大臣(竹下登君) 昨年来ドル高是正がなされてきたということそのものは評価をいたしますが、さて自国通貨を考えてみました場合に、それの急激な変化は、余りにも急激であった場合は我が国産業にも大きな影響をもたらす。きょう百七十三円台で寄りついておりましたが、私の手元にも今百七十一円台までつけておる、こういうことでございます、十一時半現在の相場が入ってきたわけでございますが。 これに対して、どういう背景がそうなさしめたか。まあ全面的なドル安という傾向のようでございますが、具体的な問題につきましては、いま少しこれは時間をかしていただいて判断すべきではなかろうかというふうに今考えております。
○村沢牧君 もう一問だけ。 私の資料では、百七十一円の高値を更新しているという資料を今私は持っているんですが、このことがドル暴落の懸念はないですか。
○国務大臣(竹下登君) 暴落というのがどれぐらいが暴落かということについては議論のあるところでありますが、総体的なアメリカの経済指標が必ずしも大変いい指標にはないということがございますけれども、一般論として、暴落の懸念というのはそれぞれの指標を見る限りにおいては私は感ぜられないというふうに考えます。
○村沢牧君 終わります。
○委員長(嶋崎均君) 午後二時に委員会を再開することとし、これにて休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ―――――・――――― 午後二時十分開会
○委員長(嶋崎均君) ただいまから補助金等に関する特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、国の補助金等の臨時特例等に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○穐山篤君 委員長、ちょっと資料を先に配りますから。 〔資料配付〕
○穐山篤君 今資料を二通配付しました。その一通は「財政赤字下の後年度負担等を伴う財源対策」、それからもう一通は、「最近の前倒の状況と補正予算の公共事業追加」の資料であります。 大蔵大臣、この「財政赤字下の後年度負担等を伴う財源対策」というものは、昭和四十九年から一応六十一年まで代表的なものをピックアップしたわけです。けさほど次長の方から金額的なものが明示をされましたが、ほぼ私が整理をしたものの集計だろうというふうに思います。これだけの後年度負担、言いかえてみますと後々に返済をいたします。そういう数字が右側にずっと書いてあるわけであります。この中でも地方財政にかかわるものが幾つかあるわけです。 そこでお伺いをするわけですが、五十九年度ですか、振り分けをいたしましたためにほとんど六十六年以降返済をする、こうなっているわけですが、これについては自信がおありでしょうか、まずその点からお伺いします。
○国務大臣(竹下登君) 総じて申し上げまして、六十六年度以降不可能だというようなことを言うべきものでもございませんし、これはこの趣旨に沿って適切な対応の仕方をしなければならぬというふうに考えております。
○穐山篤君 自治大臣、関係する項目がありますよね、おわかりになりませんか。――じゃ、事務当局で結構です。事務当局の方で六十六年以降に返済をしなければならぬ数字をおっしゃってください。
○政府委員(持永堯民君) 今、資料を拝見さしていただいておりますけれども、五十九年度のこの下の方にございますが、交付税特会の借入金返済、これは六十六年度以降に延ばすということでございます。そのほかでは、例えば六十年度で申し上げますと、高率補助の一律削減ということで九千四百億ばかりの数字が挙がっておりますが、この六十年度、六十一年度の補助率の引き下げに関連して後年度におきまして一般会計から措置をしていただくものがあるということでございます。
○穐山篤君 時間がありませんので総理にお伺いしますが、これは特にピックアップした問題でありますが、毎年毎年法律を改正しながら実は財政基盤を非常に結果として弱くしている、後年度に全部ツケが回っているというものであります。これは重箱の隅をつっつくような財源対策を毎年やっているためにこういう問題が起きるわけです。もっと発想を大きくして、本当に国益を守っていくというならば思い切った政策をとるべきではないか。もはやこれ以上重箱の隅をつっつくことは不可能に近いと思うんですね。その点についての総理の長期的な見解はいかがですか。
○国務大臣(竹下登君) まず私の方から申し上げますが、今穐山さん御指摘なさいましたのは、確かに従来、もう既に民営になりましたが、電電、専売、特別納付金をちょうだいしたりいろんなやりくりをしてきたことは事実でございます。したがって、だんだんやっていくと、おおむねこれ以上制度間の資金調整をしてみてもおのずから限界があるじゃないか、だからこの際抜本的な財政の恐らく再建計画とも言うべきようなものを立てて具体的に対応すべきじゃないか、大筋そういう議論じゃなかろうかというふうに拝察するわけでありますが、そこがそこでございまして、要するに私どもやっぱり制度、施策の根本にまでさかのぼりながら、内なる改革というものをなお進めていかなきゃならぬ時期ではなかろうか。何としてもいわゆる増税なき財政再建、すなわち安易に増税に頼ってはならぬよ、歳出削減からまずこれを行うべきであるよという臨調のかんぬきの中に今日対応してきたわけであります。 強いて新しい事実として言えることは、今年度の予算で計上しましたところの電電株の売却益等がやっと歳入に、まだ実行には移されておりませんが、入れることができるようになったということが一つと、それからいま一つは、いわゆる政策選択の問題は後の問題といたしましても、税制の抜本見直しということが行われるようになってきたということがやっぱり年々のお互いの問答の中で、窮屈な枠の中でいろいろな施策を講じつつ今日に至った段階において、いわゆる真摯な問答の中に出てきた一つの前進の体系、前進の形が出てきたというふうに理解すべきではなかろうかなということをつくづくと感じておるところでございます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本の財政が抱えている基本的問題を御指摘いただいたものと考えます。御指摘いただいたような要素もなきにしもあらずでありますが、やはり四十年代に財政が非常に膨張いたしまして、やや水膨れもした、そういう点をスリムになるというので行財政改革というものを臨調をつくってまで努力しつつある、そういう努力の一環も片一方にあるわけでありますけれども、しかし、年々やっている仕事の中には先延ばしという弊を突かれればやむを得ないという面もなきにしもあらずのように思います。こういうような諸問題を抱えつつ、これからもできるだけスリムになり、そして小さな政府をつくっていくという点に努力していかなければならぬと思いますが、問題点や課題というものは我々は常に考えていかなければならぬ、そのように自己批判もしておるところであります。
○穐山篤君 私の時間がもう来ましたので終わります。 そこで、もう一通の前倒し、過去の例で七五%が最高でありますが、その際に補正予算で五千二百二十二億円組んでいるわけです。この問題につきましてはもう時間がありませんから、次の総括質問のときに関係大臣に質問をしたいと思います。 終わります。
○中野明君 まず、本題に入る前に、午前中も問題になっておりましたが、どうも気になることが二点ほどありますので総理にお尋ねをしますが、今、日本がいわゆる外貨保有高が五百億ドルということで、これは大変な問題で世界が納得しないと総理はおっしゃっているんですが、そうかといって日本の国では全然なければ困るわけでして、大体世界が納得するというのはどの程度と総理はお考えになっておられるんですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) これは数量的に明示することは非常に困難であると思います。なぜなれば、円ドル関係がどう変化するか、あるいは景気が増大していくのか縮小していくのか、金利がどういうふうになっていくのか、そういういろんな関係が変動的要素もございますし、したがいまして数量的に明示せよという外国からの要請もありましたが、我々はそれを拒否してきておるところであります。 ただしかし、一般的に申し上げられますことは、日本は貿易国家で加工貿易で生きていきますから、原料輸入に関する外貨手当ては必要である、それから我々はODAあるいは経済協力をやりますからそれに関する外貨も必要である、それから第三番目は、外国に直接投資をやりますが、そのために外貨も必要である等々を考えますと、この経済数量に見合うある程度の外貨量というものはやはり必要である、そういうふうに考えておりますが、それが幾らであるかということは年々の経済の動きあるいは為替の変動等も考えてみないと申し上げられない、そう思うのであります。
○中野明君 それじゃ、現在の五百億ドルというのはこれはもう多いと、この認識は総理も持っておられるんですね。
○国務大臣(中曽根康弘君) 我々が今外貨量五百億ドルを持っているということはないのです。恐らく二百何十億ドル、二百億ドル前後じゃないかと思うんです。ただ輸出入のアンバランスが五百億ドル、経常収支のプラスが幾らあるか、そういうことで申し上げているわけであります。
○中野明君 じゃもう一点、円高なんですが、先日も私、予算委員会で申し上げたんですが、いわゆる入り口で協調介入をしたわけですね。そして、総理も政策的に協調介入したんだからやはりこれは政策的に考えていかなければならぬという意味の答弁をなさったんですが、大蔵大臣も先日アメリカへ行かれまして、総理も行ってこられました。そして今、日本のいわゆる中小企業初め日本のいわゆる業界といいますか、そこは結局円相場の安定ということを一番望んでいるわけでありまして、さあどの程度が安定がということになるとこれは大変問題になるところでありますが、大体先日来の伝えられるところによりますと、総理も訪米されて現在程度というようなニュアンスでお話し合いになったようですし、大蔵大臣もいろいろとそのことについては頭を結わえてお話しになったと思います。一体これをこのままで手を打たずにほっておいたら、ひどい人は百五十円ぐらいになるだろうと言う人も出てくるような始末なんですが、その点について、入り口で協調介入して、これでは日本は困るわけですから、もう一度、逆介入するという話し合いは本当にできたのかどうか、その辺。 それともう一点は、適正な円の水準というのはどうお考えになっているのか、この二点お答えいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 私どもがアメリカへ参りました場合、為替相場は安定することが好ましいということはお互い確認をし合っておるわけでございます。確かに、昨年九月のニューヨーク以来いささか急激に過ぎたという問題意識は私どもも持っております。ただ、為替相場そのものは、物価でございますとかあるいは相互の金利差でございますとか、あるいはもっと基本的に失業率でございますとか、そういうものが総合的に市場に反映して決まるものでございますから、幾らが適正水準かということになりますと、最近はその上にかてて加えて原油価格の下落の問題がそれぞれの国の通貨のレートに変動をもたらしてきておりますので、幾らが適正だと、こういうことになりますと、これを正確に発言することはなかなか困難な問題でございますが、少なくともいわば安定した状態にあることが好ましいということは双方の合意でございます。 さて、さようしからば一方、今度はいわばドル以外の通貨が高くなっておるわけでございますから、ドル買い介入をするか、こういうことになりますと、協調介入というものは、本当に双方が乱高下でそれぞれ世界経済に大きな影響を及ぼすと認識したときにはもとよりやるという道はこれは残されておるわけでありますけれども、どの程度の変動幅のときにやるか、どうした時期にやるかということについては、それはまさに為替相場そのものに影響を与えます問題でございますので、これは介入の時期、方法等については発言することはやはり差し控えるべきであるというふうにお互いが認識をいたしておるところでございます。
○中野明君 きょう総理、百七十一円というようなことで、これはもう史上最高ですね。ですから、今やらなんだらいつやるんだろうかという不安でいっぱいなんですね。その辺、ただ推移を見守る見守るとおっしゃっているうちにもうとめどもなく、相場ですから円が高くなっていくという可能性は私は出てきていると思うんですね。そういう点について、何かしら、東京サミットがもう目前ですから、当然サミットで大変な一つの国際間の話し合いの柱になるとは思いますけれども、そういう点、総理はもう逆介入の時期、政策介入せなきゃならぬと、こういうふうに判断されているんじゃないかと思うんですが、その辺どうでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) いわゆるフローティング制度のもとにおきましては、経済のファンダメンタルズを正確に反映するということが好ましいし、ある一定の時間を置けばそういう方向に馴致されていくという考えに基づいてフローティングシステムというものが作用している。その間に時々投機や何かが起こりますけれども、しかし結局は長い目で見れば経済の基礎的諸条件、強さというものに影響してそれが出てくる、そういうことになると思うんです。 それで、今の状況を見ますと、ドルが弱くなって、きょうあたり見るとポンドも随分強くなっている、それからマルクも強くなる、フランも大体強くなってきて、ドル以外はみんな強くなってきております。円もその一環としてなっておる。そういう状況になると国際環境の問題として、これが経済のファンダメンタルズを反映しているであろうかどうか、長く続けられるであろうかどうか、そういう判断も各国の専門家もするであろうし経済の当局者もしていくであろう、そう思うのであります。日本は日本でまたしているだろうと思います。 そういうような状況下に我々が積極的にああするこうするということは政府としては言えない立場にありますが、しかし申し上げられることは、今まで何回も申し上げましたように、急激な変動というものは望ましくない。そういうような乱高下あるいは急激な変動というものはできるだけ避けるようにお互いが努力し合うということが正しいと思うし、その点については国際合意があるわけであります。そういうようなところを重視しつつ我々はこれからも対応を考えていくということであります。
○中野明君 入り口で国際協調で介入をしていただいたわけですから、東京サミットではこれはぜひ、日本がこれ以上円が高くなってきたらそれこそ中小企業はたまらぬでしょうし対応がとれなくなる。ですから、やはりある程度一定の線はお持ちになっているんでしょうから、その辺まで押し戻してもらうような、そういう要請はやはり日本の方から出されるべきじゃないか、私はこのように思うんですが、大蔵大臣どうですか。
○国務大臣(竹下登君) これは適切と判断した場合においては、いわゆる日本から言い出すとか言わないとかという問題は別として、国際協調で対応することは極めて有意義なことだというふうに考えております。
○中野明君 本題じゃありませんので、ぜひこれは重大な問題ですのでよく情勢判断をお願いしたい、このように要望しておきます。 それでは、昨年も補助金特別委員会で私も審議に参加をしたわけですが、去年も大変問題になったところでございますが、結局同じことをことしも繰り返さなければならないという、まことに審議をしておる立場として残念この上ないんですが、まずその一つは法案の提出の仕方といいますか条文の作成の仕方、これがどうも私たち審議をする側から考えまして納得がいかない。まことに我々の審議権を束縛しているということ、これについて去年も随分議論があったんです。 まず大蔵省に聞きたいんですが、この法律は日切れ法案と同じ考えですが、これがおくれた場合は一体どうなるのかということについてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) これは中野さんおっしゃっていただきましたように、私どもとしては精神的にはまさに日切れ法案だと。すなわち予算が通過、成立いたしましたら直ちにこの補助率をもって執行に移したいという気持ちでいっぱいであります。しかしながら、今日衆議院における審議を含めまして今御審議いただいておるわけでございますから、この補助率に関係のあるものにつきましては、いわば執行するということをやっぱり差し控えるべきであろう、そこで去年の御審議の中で出た知恵というものが、少なくとも総体的な予算関連法案であるけれども、補助率の問題に関係のないものについては可及的速やかに執行しよう、そしてそれの点について地方自治体において資金繰りに苦労される場合にはいわゆる四月分の地方交付税の前倒し交付でございますか、そういうことと、それから資金運用部資金の短期融資等を積極的に御協力申し上げるということで対応をしておるわけでございます。 したがって、去年とどう変わったかと、こうおっしゃいますと、少しは審議が、衆議院から送られたのは少し早いわけでございますが、やっぱり私どもとしては当初からそういうことがあってはならないというので、箇所づけ等につきまして補助率に関係のないものについては極力準備しておいて、予算の通った日にそれを発表することができたというようなことが、昨年からの反省に基づく対応の仕方ではなかったであろうかというふうに思います。 いま一つは、総理が行政管理庁長官であられたころに行革特例法というのをやって、あれはまさに補助率のあり方を臨時国会で決めておいて、それに基づいて予算編成したわけですから、あれはうまくいったという、表現はおかしいんですが、やっぱり非常にオーソドックスであったと私も思うんであります。しかし、仰せこの一年かかっての議論というのが十二月の二十二日までかかったわけでございますから、したがって予算案と一緒に国会へ提出するというのが我々としては精いっぱいのことであったというふうに思います。他にも予算関連法案というのは、それは遅く出す法案もございますけれども、中身によりましては五月実施でありますとか六月実施でありますとかいうものもございますだけに、この問題はそれは精神的には確かに日切れ法案、いわゆる予算成立と一緒にこれが機能した方が一番いい法律でありますだけに、精いっぱいの努力というのが予算案と一緒に国会へ提出して御審議いただこうという姿勢 の上にあらわれておるというふうに御理解をいただかざるを得ないではなかろうかと、こんなふうに考えております。
○中野明君 去年だったら私これ以上申し上げなかったんですけれども、去年と同じパターンを繰り返すわけです。それでこの法律では、附則の一項で「昭和六十一年四月一日から施行する。」と、こうなっておりまして、これが衆議院で修正されてきましたね、「公布の日から」と。ところが二項を読んでみますと、これは法律が通れば四月一日から施行するように二項では書いてあるわけですね。そういうことになると、極論をすればこの法律はいつ通ってもちゃんと四月一日からやれるということになるわけですね。そういう法律の提出の仕方というもの、それは大蔵大臣が先ほどおっしゃったように財政当局として予算と法律が一致することはこれはもう理想的な姿で、最も願望されていることはわかりますよ。しかしながら、予算と法律案とは違うことも審議の過程であるわけです。全然なしとは言えませんね、我々審議するんですから。そういうことを考えましたときに、こういう提案の仕方というものは果たして国会の審議に、我々審議する側から見たときに、こういう提案の仕方というのは本当にこれを恒例化していいんだろうか。日切れ法案なら、その日に成立しなければ修正をして、あるいは予算が足らなければ修正をしなければいけませんね。そのために当参議院の予算委員会でも日切れ法案については予算委員会の審議の途中で一日あけて、そしてその日は日切れ法案の審議の日と、それほどまでして協力をして何とか予算と法律を一致させようと努力をしているわけです。 ところが、この法律は、けさほどからも問題になっておりますように、大変な大きな数の法律を一本にしてきて、そしてやられるものですから、こういう結果が出てきているわけです。これは去年の苦い経験でおわかりだと思うんですね。それにもかかわらないで、同じ手法を持ってこられるというのはどういうものだろうか。私たち議会の立場で言えば、こういう附則をつけないで公布の日からということになれば、それなりの処置をされるという法律の仕方、あるいは当委員会で最終的にそういう修正をする、四月一日からできるという修正をする。それならそれで審議権というものはわかります。だけれども、今の状態ではこれは幾ら審議をしても、結局、この法律が、極端な言い方をしたら八月に通ろうと十月に通ろうと四月一日にさかのぼるんですと、こういう提案の仕方、これはどうなんでしょうかね。財政当局として我々審議をする議会に提案される提案者として、これは守らなきゃならぬ一つの節度はあるんじゃないだろうか、これを越えていないだろうか、こういう気がしてならぬのです。大臣も、今は政府側ですけれども、立法府におられるんですから御理解できるんじゃないかと思いますがね。大臣がこちらの側に立って質問されたらわかるんじゃないか、同じことを言われるんじゃないかという気がするんですが、いかがでしょう。
○国務大臣(竹下登君) どういう立場で質問するようになるかなということを考えてみますと、本当に本院における多年の蓄積の中で、いわゆる日切れ法案をわざわざ法案処理日として予算委員会の終盤に一日あけて処理していただいておりますよね。したがって、本来ならばこの法律もその中へ入れていただけるような状態になれば一番好ましいことであるのかなというふうに思います。 しかし、それは政府が決めるわけではございませんので、政府は四月一日から、この今年度予算全体に係る補助率のあり方についてでございますから、お願いをしておると。それが国会の審議の状況の中でおくれれば、やっぱり公布の日からと、こういうことにならざるを得ない。そうすると、この年度全体の予算にかかわった法律でございますから、勢い全体に係る補助率としてそのとき確定をするわけでございます。だから本来は、それはかっての行革関連みたいに補助率のあり方についての臨時国会があって、その後、通常国会で、予算というのは、あれの方がむしろ例外であったかもしれませんが、あれは私も一つの非常に特筆すべき事態であったなということは感じております。 しかし、いろいろ考えてみて、さて私が中野さんの方へ座っておったときにどういうことを言うんだろうかなと思って、与党の代表質問であったら、政府はもっと協力して我々がこれを法案処理日に処理するような必要性をじゅんじゅんと説く努力をすべきである、こういう質問をあるいはするのかなあと、こんな感じもいたしております。
○中野明君 大蔵大臣、法案処理日に入れようとすれば、この法案の提出の仕方が問題なんですよ。各省ごとに分けてお出しになっておったら、全部これは法案処理日に自動的に参議院では入るようになっているんです。それをなさらないで一括にしてくるというのは、去年も問題になったわけですね、一括ということが。これだけ数多くの法律、しかも補助金というのは、それぞれの委員会で長い間の議論の経緯があって出てきているものでしょう。それを一まとめにして出してこられてするものですから、こんなにおくれる。それは去年の経験なんです。ですから、去年そういう苦い経験をなさったんだから、まさかことしは一本にしてこられないだろうと私たちは思っていたわけですけれども、やっぱり同じことを繰り返しておられて、そして同じ答弁をなさるわけです。 そうすると、法律そのものの、しかもこの附則というような中に我々国会の審議をそこまで束縛して果たしていいのか。我々はそれをしようがありませんと言って黙って見逃していいのかという、国会の審議権の立場から今申し上げているわけでして、法案処理日までつくって、参議院としては最大限政府の提案した、あるいは政府の予算に対して協力をする姿勢はとっているわけですよね。そういう議会に対して、こういう不親切なといいますか、ちょっと財政当局の願望が過ぎて甘え過ぎじゃありませんかねと、こういう感じがするんですが、もう一度。
○国務大臣(竹下登君) 甘え過ぎとおっしゃれば、それは幾ばくか当を得た御感想かなとも感じます。本来、それぞればらして各委員会で御審議をいただくと、いろんな歴史もあることですから。そういう考え方ももとよりございます。それぞればらした場合は審議がおくれてばらばらに上がってくるんじゃないか、だから一括にした方がベターだと、政府側にとって。そんな国会の推移を見通して、こういう手法をとったという意味じゃ決してございません。が、結局いろいろ議論してみますと、やはりいわば補助率全体の問題であり、まさに財政問題であるということになれば、総覧していただくためには一括して提出するのも一つの手法だ、その方がむしろ国会に対して総覧していただくための手としてはいいじゃないかという判断もしたわけでございます。しかし、国会の方でどちらがいいかという判断をされない前に一方的にこれがいいと言うのは、これは非礼でございますから、今までの先例もこれあり、やはり事財政に関する問題であるから、総覧していただくにはこの方が法律として御審議していただくのによりベターだと、こんな感じでもって、いろいろ議論した末のことでございますけれども、一括法であるという意味においてはまさに去年と同じ手法をとらしていただいたということに尽きると思うわけでございます。
○中野明君 大蔵大臣、わかるんですよ、財政当局の願望はね。だけれども、法案を決めるのは議会ですから、そこのところを言っているんでありまして、そして一括法ということになりますと、私たちが審議するのでも非常に困るわけですね。本当はこれを別々に出していただいたら、議会で我々が審議するということは、採決が多いほど責任のある審議ができるわけです。だから、ばらばらに出していただいたら、一つ一つそれぞれの委員会で責任を持って審議していけるわけですね。一本ということになると一回しかできないんです、採決は。そうしたら、極端な言い方をしますと、この中にどうしても私たちで言えばこれはいい、これはやらなきゃいかぬというのもあるで しょうし、これはおかしいぞ、何とか修正をしなきゃならぬとか、あるいはこれはもっとこうすべきだと、こういう意見はあるんです、皆。そんなことは全然できない。だから、一括法というのは、その意味では私は議会の審議権というものを非常に制約をしている、こういうふうに考えるんですが、この点はどうですか。
○国務大臣(竹下登君) それは、一つのやっぱり御見識だと思って、私もそれは十分承りおくべき問題だというふうに考えます。それは、中に、これは中野さんとしてはこの部門は賛成だという点がおありになることもあろうと十分想像できますが、やはり総体的に考えた場合、財政とそしていわば全体に係る、総覧していただく補助率の問題だという意味において一括をして出して御審議をいただいておる。そこで国会におかれては、特別委員会をつくって、それに対応してやろうという御判断をなすった、その辺が言ってみれば両者の調和点であったのかなと。しかし、私は中野さんの御指摘の意味は十分理解できることであるということは問題意識として十分持っております。
○中野明君 いわゆる去年の経過が全然生きていないというところに、私たちは何かしら国会審議というものをどのようにお考えになっているんだろうかな、こういう疑問といいますか、いささか去年の国会がそれじゃ何の役に立ったのかなということを残念に思っているわけです。やはり国会の審議権というものを皆さん方はそれなりの立場で尊重していただいて、議決するのは我々の側でしょう、その議決に従って対応なさればいいことであって、予算でも結局は、例えて言えば、当初予算でもし関連予算が決まらなければ、補正の制度もあるんですから何にも不都合なようにはならぬようにできているわけです。それをとにかく、いつ通っても四月一日からやるんですよということが初めから書いてあるということになったら、これはゆっくりやりましょうよと、そういうようなことを言いたくなるんですよ。 それで、皆さんの御答弁じゃ、必ず早く通してくださいという御答弁でしょう。そしたら、我々の審議権というのはどう考えておられるんだということになってくるわけでして、こういう提案の仕方ということは今後考えていただきたい。そして、国会はそれなりの協力態勢を示して、日切れ法案はちゃんと処理している。ことしもちゃんと処理したじゃありませんか。そういうことを考えれば、一括法にして日切れの中に入れろと言ったって、これは無理な話です。ばらばらに出してきて、そしてこれは日切れですからぜひ予算と裏腹になっているので協力してくれというのならば、それなりに議会としては対応しているはずでございますからね。そういうことを特に申し上げておきます、今後こういう手法でおやりにならないように。去年が一回で、ことしが二回ですから、もう三回目はいきませんよ。私も余りやかましく言う方じゃないんですけれども、三回目はいきません。これだけは申し上げておきます。 それで大臣、去年いろいろと委員長も見解を出した。総理も言っていただいた。それで、ことしはこういう形になって残念なんですが、去年どことしと法律を同じ形式にしてこられたんですが、去年よりも知恵を出して一歩よくなったところ、よくなったと言えば語弊がありますけれども、少しは改善されたところ、それから悪くなったところ、そして去年と同じだったところ、大きく三つに分けて、大蔵大臣はどう認識をしておられますか。
○国務大臣(竹下登君) よくなった、悪くなったということの表現は別としまして、補助率が去年よりも上がったものは在宅福祉というのがたしかありました。それから一緒になったものが生活保護、それから一般的に社会保障のいわゆる生活保護関連以外のものについては二分の一、低くなった、在宅福祉がたしか上へ上がった、上がった、下がったということではそういう種類のものがある、これは正確を期すために事務当局からきちんとお答えさせます。
○中野明君 そういう細かいことを私言おうとしているんじゃございませんで、去年よりも知恵を出されたのは、一括で予算を抑えないでとにかくこの法案に関係のないのはすぐできるようになさったということ、これは去年の苦い経験でそうなさったんですが、好ましくないけれども一歩前進と私は思っておりますが、ところが、中身が後退したのは、去年は一年間でしたが、ことしは三年の暫定になって、そして去年は六千億でしたが、ことしはその倍の一兆二千億円強になっていますね。それで、全然去年と変わっていないのは何かといいますと、悪い言葉で言えば、地方の困るのを人質にされて、そして国会審議を束縛しているということは去年と一つも変わっていません。それから、法案提出の方法も一括法ですから去年と変わっておりません。そして、役割分担と費用負担の見直しということを総理も大蔵大臣もはっきり約束されたんですが、結局、補助金問題検討会がなんかというところを一つの逃げ道というんですか、隠れみのというんですか、表現がどうか知りませんけれども、そこへ任してしまって、そこもろくに肝心のことはやっていないと私は思っているんです、後ほど触れていきますけれども。これは結局、結論を出しますと言って出てきた結論が暫定でしょう。ことしは一年間限りの暫定でございます、だから何とかこれは通してくれと言われて、我々も、最終的には地方も涙をのんだわけです。去年の参考人の供述もお聞きになったと思いますが、大変な不信を持つということと、一年間限りで涙をのみますということと、そして泣く子と地頭には勝てませんと、この三つ、私印象に残っていますがね。そういう思いで地方はおるんでしょう。 ところが、その一年間で結論を出しますと言って十二回も議論をされた。その出てきた結論が暫定でしょう。これで、私たちは去年それじゃ一生懸命汗かいて、この特別委員会で審議したことが何だったんだろうかな。もう一つだけ言えば、全部の予算を抑えないで、この法案に関係のないのはちゃんとしましたということだけじゃありませんか。これで果たして大蔵大臣は、参議院の特別委員会が納得すると思っていらっしゃるのかどうか、ちょっと聞きたいんですがね。
○国務大臣(竹下登君) それは、去年は要するに十二月の予算編成の際に、とにかくなかなかそれぞれの補助率について合意を得ることができなかった。しかし、財政上かなわぬというので一律ですね、多少の違いはありますけれどもアバウト一律一割削減と、こういうことでお願いしよう。そうなれば、一年間かかってきちんとした費用負担のあり方についての結論を出しますから、これは一年間の暫定で御勘弁くださいというので通していただいた。そこで一年間の検討期間というものが始まるわけです。それでここの参考人の御意見もそうでありますし、知事会等でも総理からも、いわばお互いの理解を得るに余りにも時間がなく唐突であった、これからは理解を得るようにしたいというような発言があって、したがって検討会にはことしは村長さんも、市長さんも、県知事さんも入ってもらって議論をして、そこでおおよその方向は出ることは出ました。だからその方向とは、すなわち社会保障でも身近なものは二分の一、そして特に責任の多くが政府にあるというものは三分の二、そこまで出さなくてもいいだろうというものが三分の一、こういう三段階の一つのお話が出ましたが、生活保護については三分の二ということについての合意を得るに至らなかった。したがって、私の頭の中では少なくとも財政再建期間中というようなことでお願いしたいという気持ちはございましたが、やっぱり両論併記の生活保護という問題があったから三年でお願いしようということになった。 それからいま一つは、国税、地方税のあり方についての抜本的税制調査会の審議が行われておるということを片方で考えてみますと、それらの結論が出て税制改正が行われてということになると、完全になるためには、六十二年度税制が完全に平年度化するのは六十三年度かな、こういうようなことも考え、そこで三年の暫定措置、こういうことでお願いをしたわけであります。 ただ、三という数字につきましては、これほど理論的に立派に構築された数字はありませんというようなものではございません、率直に言って。そういうことで三年間の暫定措置。だから去年と違いますのは、一年かけて村長さん、市長さん、知事さんも含めた検討会でもんだということが昨年とのやっぱり大きな違いではなかろうかというふうに考えております。
○中野明君 いや、もんだとおっしゃっているんですが、この補助金問題検討会の報告というのを見せてもらいましたが、何か大方この報告については前回合意ができているというやに聞いておりますけれども、「むすび」のところで、「国・地方の財源配分のあり方についての抜本的な見直しは今後の課題とされている」、じゃ、初めからこれは検討していないんじゃありませんか。去年のお約束と全然違うと私は思うんですが、去年は総理も大蔵大臣もきちんとそれを見直してやります、こう言っておられるのにこの検討会の報告では、「財源配分のあり方についての抜本的な見直しは今後の課題」と、初めからもうきちんと決められてこの人たちは議論しているというんですから、これは話にならぬ検討会になりますよ。その辺、「抜本的な見直しは今後の課題」とだれがしたんですか。頼むときにそう言っているんですか。
○国務大臣(竹下登君) やっぱり財源というものは、いわゆる税源配分というものにかかわりますと、今税制調査会へ抜本的な改正というものの御審議をお願いしておるという限りにおいては、そこが税源配分の場所というふうに理解し、政府としてはそれが今審議中でありますから、それをいわゆる尊重すべきものであって、今度の検討会は、現在の状態の中におけるいわばおおむね現在の税源配分の土俵の上に立っての補助率のあり方について議論をしていただいた、こういうことでございます。
○中野明君 それでは去年の附帯決議並びに去年の当委員会における総理、大蔵大臣の見解とは違いますよ。国と地方の役割分担を見直すということをおっしゃっているわけですね。役割分担の見直しというのはどういうことをいうんですか、説明してください。
○国務大臣(竹下登君) これはやっぱり現在の税源配分の上に立った役割分担の見直しというものを基本に検討会では議論をしてもらった。これは身近な問題だから、可能な限り地方の負担を余計にすべきだとか、あるいはまた、これはもう権限を委譲すべきものであるとか、そういう議論をちょうだいして、それをもとに今度の法律を作成した、こういうことでございますので、検討会で事務事業のあり方、負担分任あるいは費用負担のあり方等については議論をちょうだいした、こういうことになるわけでございます。
○中野明君 この役割分担の見直しということはこれはなんでしょう。役割の分担を見直すということは、仕事の分担を見直すとともに財源の分担も見直すということでないと役割分担の見直しにならぬでしょう。それを、財源の分担は抜きにしてやってくださいという検討会では、これはもう初めから暫定という、そういう考え方の検討会じゃなかったんですかね。どうなんでしょう、そうなりますと。
○国務大臣(竹下登君) 強いて言えばその立論は成り立つと思いますが、可能な限り恒久的な、補助率というのは大体安定しておった方がいいに決まっているんでございますから、可能な限り恒久的なものにしたいという気持ちはありました。そして、一方いわば財政再建期間中、すなわち五年ぐらいどうかなという気持ちももちろんございました。が、しかし、結果からいって三年といたしました理由は先ほど申し述べたとおりでございますが、やっぱりいわば権限委譲したものにつきましてはあるいは一般財源化するとか、そういういわゆる役割分担の作業が行われて財源の調整は行われたということは言えると思います。
○中野明君 だから大蔵大臣、言葉は悪いかもしれませんが、去年のお約束、それでことしのこのやり方を見ると何かペテンにかかったような気がするんですがね、我々の方は。もう一年限りの暫定ということで泣く泣く地方もそれで涙をのんだんでしょう。ところが、初めから今度は一年間かけて根本的に検討しますとおっしゃっておいて、今のお話を伺っているともう初めから財源の配分、財源の分配というのはこれはもう棚に上げておいて、今の時点でちょっと相談してくれというようなことでは、初めからもう結論は暫定となるに決まっているじゃありませんか。何か我々だまされたなというふうに感じるのは、ちょっとこれは思い過ぎでしょうか。大蔵大臣どうでしょうね。
○国務大臣(竹下登君) 結局は、今御指摘なさいましたとおり、補助金問題検討会で、「以上のとおり意見をとりまとめたが、補助率の見直しについては、基本的には、事情の許す限り極力安定的なものとする必要があると考える。」、私どももそう考えます。したがって、その限りにおいては可能な限り安定というのは恒久に近いものがいいというふうに考えます。しかし、書かれてありますとおり、「財源配分のあり方についての抜本的な見直しは今後の課題とされていること、政策分野の特性に配慮しつつ、今後とも引き続き事務事業の見直しを行う必要があること等から、今回の措置は、当分の間の暫定的なものとして行われるべきものと考える。」、このとおりの検討会の報告をちょうだいしたわけであります。だから私は、それは可能な限り安定するがいいに決まっておりますから、可能な限り長いがいいという考え方はございました。 しかし、それにしても仮に三年が五年であったとしましても暫定措置ではあるわけです。毎度見直していかなきゃならぬのは、事務事業のあり方はこれは絶えず見直していかなきゃならぬ。一方、財源問題といいますのは、やはり一方にいわゆる税制改正の抜本審議というのがまさに行われておるという段階である。したがって、費用負担のあり方ということについての結論を、一部両論併記もございましたものの検討会から意見をちょうだいしたということに尽きるであろうというふうに思います。可能な限り、ペテンにかけたとか言われないように一生懸命勉強してきたわけでございますが、しかし国会においてそれらの批判はこれはまた甘んじて私どもも受けて、それこそ緊張を続けながら今後とも行政に当たっていかなきゃならぬというふうに思います。
○中野明君 今、大臣言われるように、確かに費用負担の見直しというのはこれはやっておられますね。しかしながら、生活保護費はこれは両論併記です。財源配分のあり方はやらないで、これはもう暫定なんですが、先ほどの大臣の答弁をじっと聞いていますと、生活保護費だけが暫定で、ほかのはもう恒久にしていくみたいなように聞こえるんですが、その辺どうですか。
○国務大臣(竹下登君) 現行の施策、制度をそのままに置いた場合は、ほかの問題はかなり議論していただいたから可能な限り大変化がないのがいいなと思ってはおりますが、これとてやはり絶えざる見直しというのが行われていかなきゃならぬし、やはり一方、税制調査会で御審議いただいておるということを考えるならば恒久化すべきではない。ただ、五年ぐらいはお願いしたいなという気持ちが私自身にあったことは事実でございます。
○中野明君 その恒久化というのはちょっと問題がありますよ。とてもじゃないが、そんな簡単なものではありません。しかも、この補助金問題検討会というのがそんな大変なものじゃないです。権威のあるものでもないわけです。ですから、けさほどから出ているように、議事録でもあれば出せと言ったって議事録もとってないような、お互いにわあわあ言って話し合ったというような程度のものになってくるわけです、法的な立場でこの検討会の権威ということになりますと。そういうところでごじゃごじゃとやって、そして何の根拠もなしに二分の一とか三分の一とか、根拠はありませんよ。それを言うたことをもうほいほいと受けて、そしてそれを恒久化するということになったらこれは大変なことです。それはお考えいただ いたら困ると私は思います。 それで次の問題なんですが、先ほども議論が出ていましたように地方への肩がわりということ。肩がわりじゃない、こういうふうに政府では統一見解を持っておられるようですが、明らかに肩がわりですよ。これは肩がわりでないというように強弁されるというのはおかしいと思うんです。自治大臣もそうじゃない、いわゆる地方財政法の二条二項ですか、それには違反しないだろうというようなニュアンスで物をおっしゃっておりますが、だって国の方は財源がそれだけ助かったんでしょう。この法律が通らなかったら、あるいはこの法律を出されなかったらことしの予算は組めなかったんじゃないでしょうか。まずそこからお尋ねします。
○国務大臣(竹下登君) これは御指摘なさいましたように、肩がわりではないですか、仮に私が、はいそうです、こう言いますと、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長する」とともに「その自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を打ってはならない。」、これが地方財政法の第二条でございますから、法律違反を認める、こういうことになります。したがって私どもは、再々自治大臣からも申し上げておりますように、いわば事務事業の見直しを行いながら総合的な見直しを行ったものであって、そうしてそれに伴うところの影響については別途地方財政対策においてこれを補てんしておる、そういうことでありますから、単純な地方財政法第二条の第二項に反するものではない、こういうふうに申し上げておるところでございます。
○中野明君 結局それは法律違反だということは、真正面からは言えないかもしれませんが、結論として財源措置は講じたとおっしゃっていますが、本当はこの法律をもし提案しないという前提に立ては、これは予算は組めないか、それとも今の予算を組もうとすれば国債を出さなきゃしようがないですよ。そうせぬと組めないですもの。その国債を出すかわりに地方債を認めたということでしょう。ですから、肩がわりというのがぐあいが悪ければ、国債を地方債に受け持ってもらいました、そういうことになるのと違いますか。
○国務大臣(竹下登君) 地方財源不足の問題につきましては、最終的にたばこのことまでお願いしたわけでございますが、したがってたばことかそういう問題につきましては、いわば国が赤字公債を発行することなくしてとった措置である、こう言えると思います。 それから、公共事業費の補助率の変化によりますところの措置につきましては、ある意味において国の建設国債分が地方の建設地方債という姿に性格は違いますがなったというふうな整理は、私も一つの整理の方法であると思っております。富裕団体とかいろいろそうでないところもございますけれども、そういう論理は一応私も整理できる議論ではなかろうかというふうに承っておりました。
○中野明君 とにかくわかりやすく言えばそういうことになると私は思うんですよ。国債を出さなきゃならぬところを、国債を出せるような状況じゃないので地方債に肩がわりをしてもらって、肩がわりというのか、地方に受け持ってもらって、そしてこの予算をつくった。だからそういう意味からいえば、やはり地方に肩がわりをしているというそういう議論というものは、これはもう絶対そんなことはありませんと言えないんじゃないか。ただ法律違反であるかないかということになりますと、これはまた難しい法律論争もあると思いますが、こういうことを地方は感じている。だれもがそう思っている。いい言葉で言えば国の肩がわりをしている、悪く言えば国に肩がわりを押しつけられた、こういうふうに地方は全部思っているということだけは認識をしておいていただきたいな、こう思います。 それで、今たばこ消費税のことがちょっと大臣から出たんですが、私これを一度はお尋ねしておかなきゃいけないと思っていたんですが、税制調査会でちゃんとした後、突然、突如として出てきたわけですね。これはだれの発案ですか。
○国務大臣(竹下登君) 根底に、税制調査会で基本的な議論をしておるから根幹に触れるようなものはしてはならないぞ、こういう六十一年度税制に関する答申をちょうだいしておる。そこで、根幹に触れずしてそこのところ、従来ともやっておる摩擦的増収措置というのはどこにあるかということを知恵を絞ったわけでございます。したがって、赤字公債を発行するか何らかの措置をとるかというところに、いわばたばこというものに着目をした。 だれの発案かとおっしゃれば、これはやはり私の発案ということで責任を負うべき性格のものだ。私自身も寝覚めのいいことじゃこれはございませんので、税調の手続そのものも事後承認、事後承認を得たからいいじゃないかという筋合いのものではございませんし、したがってこれはもう初めから、この手法はみずからも違法ではないが正当性があるとは考えておりませんと言ってお断りするしか手がない、こう思って臨んだわけでございますから、やっぱり私の発案というのが妥当であろうと思います。
○中野明君 大蔵大臣が一人で責任をとろうというお気持ちのようですから、これ以上言いませんけれども、どうもそういうやり方というのはよろしくありませんね。しかもこれ、やはり結局は補助金カットがこういう形で一般にしわ寄せが来る。吸わない人は何も関係ないんですけれども、たばこをのむ人には肩がわりになっていくわけですね。そういうことで手続上にも今おっしゃったように問題がありますが、一度聞いてみたいと思っておりましたので、犯人はだれかなと思っておりましたが、大蔵大臣みずから自白をなさったのでこの程度にしておきます。 それでその次は、この法律が通らないと執行ができないというのは公共事業、あるいは非公共にもありますが、これは一体金額で公共事業でどれぐらいになり、非公共で金額でどれぐらいになりますか。
○政府委員(保田博君) お答えいたします。 公共事業につきまして、箇所別の内示をいたしましたものが二兆七千百億でございます。法案の成立を待ちましてということで現在内示をしていないものが三兆一千三百億円でございます。それから公共事業以外の非公共事業の補助金でございますが、補助率引き下げの対象となるということで現在交付決定を保留しておるものは二兆二千億ということでございます。
○中野明君 そうすると、当然地方の立てかえ問題が出てくるんです。去年もこれはえらい議論になったんですが、大蔵大臣、地方はまた立てかえにゃならぬ。これも同じことの繰り返しなんですが、これの立てかえた利子はどうしてくれるんですか。
○政府委員(保田博君) 公共事業以外の非公共事業、社会保障が中心でございますが、生活保護費あるいは児童保護費、あるいは老人保護費の補助金等につきましては交付決定がおくれることに相なります。しかしながら、地方公共団体がこれらの事業を円滑に執行いたしますために資金繰り資金が要る、それによりまして利子負担が生ずるということは六十年度においてもございましたし、六十一年度においても当然予想されるわけでございますが、この件につきましては、御提案申し上げております法律が成立いたしました後に交付されるべき補助金を従来の通例の年よりも早期に交付をするということによりまして、一時生じた利子負担当額を、今度は補助金を交付してもらい、それを運用することによって相償いをさせていただく、こういうことでございます。
○中野明君 そうすると、去年と同じ手法でやられる、それで地方に迷惑をかけない、こういうことですね。
○政府委員(保田博君) そのとおりでございます。
○中野明君 じゃ次の問題なんですが、補助金問題検討会、いずれこれは参考人に来ていただいて私どもも意見を聞いてみたいと思っております が、「国と地方公共団体との間の財政関係」のところで「地方財政も厳しい状況にはあるが、事務事業の見直し等に努めつつ、補助率のあり方を見直し、地方公共団体に協力を要請することもやむを得ないのではないかと考えられる。」という判断をしているわけですね。だから、この補助金問題検討会にこういう判断が出てくる根拠というもの、どんな資料を出して説明したんだろうかなと不思議でならぬのですが、自治省、どんな説明をしたんですか。地方公共団体に、先ほどの議論でいえば肩がわりですね、肩がわりしてもこれは「やむを得ないのではないかと考えられる。」という結論が出てきたんですが、自治省は地方財政の現状というのをそんなに裕福なように説明したんですか。説明した人はだれですかね、ちょっと言ってください。
○政府委員(持永堯民君) 補助金問題検討会の席上で、地方財政の現状等につきましても御説明を申し上げた次第でございます。その際には、地方財政も大変今多くの借入金を抱えまして厳しい状況にあるということを御説明申し上げ、御理解をいただいたつもりでおります。 ただ、今御指摘ございました検討会の報告のところでございますけれども、この内容におきましても「事務事業の見直し等に努めつつ、補助率のあり方を見直し、」ということに相なっておりまして、これはかねてから地方制度調査会あるいは地方団体側におきましても事務事業の見直しをして、つまり国と地方の役割分担を見直すこととあわせて補助率のあり方を見直すという主張をしてきたわけでございまして、そういった考え方がここに書かれているというふうに理解をいたしておるところでございます。
○中野明君 常々自治省は、補助率の引き下げというものは、公経済の中では国から地方に負担を移すだけであって、公経済全体としての支出が抑制されるものではないという意見、こういう考えをいつも持っておられて、我々委員会で質問しても絶えずそういう答えが返ってくるわけです。だから、恐らくそのことを説明なさったのだろうと思うんですが、ここに出てきている結論は、「地方公共団体に協力を要請することもやむを得ない」、これをもって肩がわりの一つのにしきの御旗にしているわけなんですよね。ですから、説明不足じゃなかったのかなという感じを受けてしようがないんですが、自治大臣どうなんでしょうか。 今回の、先ほど大蔵大臣は法律違反とはおっしゃいませんでしたけれども、地方公共団体に聞いてみたらわかりますが、もう明らかに国から押しつけられて国の肩がわりをさせられたとしかとっていませんよ。だから、法律違反であるとかないとかいうことは別にして、自治大臣、率直にどう感じておられますか。総務庁長官がおられたらいいんですけれども、ちょっと御用事があるそうですから自治大臣に伺いたい。
○国務大臣(小沢一郎君) この補助負担率の問題につきましては、先ほど大蔵大臣からもいろいろ御答弁がございましたけれども、現象としてとらえますと、先生御指摘のように、国で国債発行して予算編成というわけにはいかなかったから地方債の増発ということになっておるではないかという御指摘は、現象の事実としてはそのような形になっておると思います。しかし、私どもといたしましては、公共事業と経常経費的な要素とは若干のニュアンスの違いはあるとは思いますけれども、検討会の報告も、これも御指摘のとおり十分な役割分担といいますか、事務事業の見直しとかいうのが完全にできたわけではなくて、今後とも進めなければならないということになっておるわけですけれども、一部とはいえ、そういう考え方のもとに予算編成もなされたということでございます。 ただ今後、地方自治体におきましてもいわゆる地方債、借金が非常に多くなってまいりまして、それを今後の交付税措置等によって対処していく、見ていくということにいたしておるわけでございますけれども、それにいたしましても今後とも非常にその元利償還等が地方財政に大きな影響を持ってくることは事実だと思います。したがいまして、私どもといたしましては、このような状況がもし仮にますます続くとすれば非常に厳しい状態になる。私どもは、地方交付税等におきまして元利償還等をのみ込んで対処し得る限りにおいてはしていくつもりでございますけれども、そういうような状況をもってしてもなおかつ地方財政の運営に支障を来すというような場合におきましては、やはり交付税そのもののあり方、仕組み等も考えながら、なおかつ地方財政の運営に支障を来さないようにしていくのが私どもの役割であろう、そういうふうに思っておるわけであります。 いずれにいたしましても、大変国も厳しい状況でございますが、地方においてもいろいろ御苦労をおかけし、また地方財政自体も大変厳しい事情であることは変わりはない、私どもはその点十分に認識いたしまして今後とも対処していかなければならない、そのように考えております。
○中野明君 どうも検討会の結論がそういう結論が出てくるということは、僕は知事さんも市長さんも町長さんですかも入っておられて、それで全会一致でこんな結論が出てくるということは到底考えられないのですね。ですから、自治省と大蔵省が国の財政状態、地方の財政状態をどんな説明をしどういう資料をこの検討会へ出したのか、私はそれが知りたいですね。この検討会の人に渡した資料、出して説明をした資料というものを、ぜひこれをお出しいただきたいと思うんですが、これは出せますか。
○政府委員(保田博君) 検討会の非常に初期の段階におきまして、大蔵省から最近におきまする国の財政事情、それから自治省側から地方財政の現状といった説明をさせていただきました。一般的に我々が対外的にも説明に使っている資料でございまして、特段の意図を持って特殊な資料を調製したといったようなことはございません。非常に一般的な資料でございます。
○中野明君 出せますかと聞いている。
○政府委員(保田博君) その程度の資料ということであれば、お出しできないことはないと思います。
○中野明君 自治省も出せますか。
○政府委員(持永堯民君) お出しできると思います。
○中野明君 じゃ、後ほど出してください。 それで総理、私の受け持ち時間が迫ってまいりましたので総理にお尋ねをするんですが、前々から何度も申し上げておりますが、地方の財政の方が国よりは豊かであろうという判断が出たから、この検討会でもやむを得ぬだろうということになったんじゃないかと私は思うんですが、総理はやっぱりそう思っておられますか。地方が余裕がある、こういうように思っておられますか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 地方といっても三千三百も市町村はありますし、県によっても富裕の度合いは違いますから、一概にどうということは比較できないと思います。ただ、地方財政計画の一覧表で非常に抽象化された資料等見ますと、債務の負担度合いあるいは利子の支払いぐあい、そういう面においては今日の時点では国の方がきつくなっている。しかし、かつては地方も非常にきつい時代もあった。いろいろ入り組んでいる要素がかなりあるだろうと思います。
○中野明君 そうすると、国の方がきつい、それは一応客観的に私らもわからぬではないですね。国の方がきつい、地方の方が国よりはましだ。だから、この際地方でちょっと持ってくれ、それが車の両輪だ、こういう考え方じゃないか、こう思うんですけれどもね。これは総理、行財政改革、特に行政改革というのは、総理がそれこそ中曽根内閣の最重要課題として、いわゆる臨調までおつくりになって行政改革の成果を上げて国の方の苦しいのをよくしていくというのがこれがもう大眼目でありまして、国が苦しいから、地方の方がまだちょっとましやから持ってくれということになって、地方の足をここで引っ張って国と同じように苦しくなってくれというのじゃこれはえらいことになってくるわけなんでして、地方も苦しい、国 も苦しい、国の方がもっと苦しいのだったら、国の方が財政改革、行政改革をやって直していくのが建前でありまして、地方も苦しいのにそれへかぶせたら、地方はなお苦しくなって国と同じことになってしまう。 結局、地方が裕福だとか、国が苦しいとかいう国を基準にして物をお考えになっているような気がしていかぬのですけれども、地方が裕福であるかないかという基準は、そういう国との対比で言うのは私はこれは危険だと思うんです。国の方が苦しいのだったら、国の方をよくしていくことに力を入れていかないと、苦しい地方に国のあれを合わしたら、結局国とレベルを一緒にせい、国と一緒のレベルになったら、地方は富裕論というか、それはなくなる、こういうことなんでしょうかね。その辺よくわからぬのです。何を根拠にして国が地方へ持ってくれというのか、その辺の根拠が私よくわからぬのですが、このままでいったら共倒れということになるんです。国と地方と心中してくれという意味なのか、その辺の判断の基準というのをどこに置いておられるのか、ちょっと教えてください。
○国務大臣(竹下登君) 私いつも申し上げますように、地方富裕論、こういうことがございますが、これは三千三百の団体の集合ですから、それぞれの財政状況はもとよりかなりの相違があることは事実であります。ただ、マクロ地方財政計画ベースというもので比較した場合に、公債依存度でございますとか、残高でございますとか、あるいは公債費比率、いずれをとっても国は地方に比べより厳しい状況にある、こういうことは一般論としてと言えるわけですが、基本的にいわば地方財政富裕論という基本的にその立場に立って問題を律してはいけないというのは、私も本当は常日ごろ我と我が身にも言い聞かしておるわけでございます。 したがって、今度の場合も、私どもは非常にマクロ的なものを見がちでございます。個々の市町村に当たっておらぬという点もございますが、いろいろ考えてみて、この辺ならば許容し得る範囲のものではなかろうかということが、いわゆる建設地方債の発行とか、そういうことに国は満席発行しておる。地方はもちろん富裕団体もございますから満席発行ではない。赤字公債は少なくともないとかいうような点から、許容し得る範囲内のものではないかということを考えたわけです。それで地方の一般財源比率は六十年度の水準をさらに上回って若干でも一般財源比率はよくなってきておるから、基調的には改善されておるというふうな見方はできないわけじゃないけれども、富裕だからという、いわゆる富裕論というものを前提に置いて問題を律してはならぬということは絶えず心に言い聞かしておる。そこでやっぱり今度は身近なところは半々だなと、財政状態を全然外に置いて議論するわけじゃございませんけれども、そこから議論を積んでいただいたから、現行に比ぶれば地方へ御負担をしていただくのもやむを得なかろうという結論が検討会としても出たんではなかろうかというふうに考えております。
○中野明君 後ほどまた議論したいのですが、この補助金問題検討会で「補助率決定の要素等」、こうありますね。それで今おっしゃったように、二分の一とか三分の一とかということ、こんなことを言うのがおかしいということも私あります。根拠なしにそんなことをだれが言い出したんだということも一つあります。それからもう一つは、この中で「国及び地方の財政状況等の諸要素を総合的に勘案の上、決定」しよう、補助率というものは。国の財政状況等あるいは地方の財政状況等諸要素を総合的に勘案の上、決定されるべきものと考えるというんですから、取り方によったら、このように何ぼ率を言いながら、片方で国の財政状況、これも考えて率を決めるんだ、こういうようなことを言っているんですね、この検討会は。そんなものでしょうかね、補助率というものは。そういうものじゃないと私は理解をしておったんですけれどもね。何か国の財政事情によってその年その年で補助率が変わってくるということになったら、これは大変ですよ。地方も困るわけですね。だからそういう考え方をよく、みんな頭のいい偉い先生が集まったんでしょうけれども、これは参考人に来てもらってまた議論をしますけれども、こういう考え方でおられたら困るということと、今大蔵大臣言われましたように、地方富裕論という前提に立つということは、これは大変な間違いです。国を基準に物を考えては困ると思うんですよ、この問題は。国の財政は国自身が努力をして、そして財政再建をし行政改革をしていくというのが基本でなけりゃなりません。たまたま地方が今のお話では国よりは少しましだからというので、地方も国と一緒だったらこれはどうなるんだということですね。ですから、地方富裕論とかいうのが出てくる私その根拠が知りたいんですよね。恐らく大蔵省の発想じゃないかと思いますがね。自治省はそんな地方富裕論という発想はないでしょう。だから、これは危険な発想でして、本当にそういう考え方でおったら財政再建できませんし行政改革はできません。この点だけは改めて御忠告を申し上げておきます。 それで総理、こういうふうに補助金の率をカットする、率を下げる、そのことは行政改革ではございません。これは御理解があると思います。総理はもう専門ですから。これは行政改革じゃないんです。地方も望みあるいは私たちが一番問題にしているのは補助金そのもののカットです。不要なもの、補助金のカットが行政改革に通じるわけです。しかも、予算委員会でもちょっと私議論しましたが、少額の補助金ですね。その補助金をもらうための事務手続あるいはヒアリング、そういうことに要する経費の方が補助金の額よりも二倍も三倍もなるようなそういう補助金がたくさんあるわけです。これを切る、こういうのはなくする、そして地方にお任せする、あるいはもうそんなのやったら地方も要らぬというならなくする、そういうふうにするのが行政改革だと思うんですが、それが今回は、去年も議論が出たんですが、今回のこの一括法の中ではもうほとんどありませんね。二本でしたかな。こういうことについて総理はどうお考えですか。将来補助金を切らなければいけません。減らさなければなりません、補助金の数を。ところが、メニュー化したって中身は一つも変わってない。これでは地方の事務を預かっている人たちは国のやっていることに対して不信を持つだけです。改革になりません。ですから、補助金そのものをなくする、そして少額のはもうやらぬ、こういう基本方針をお出しになったらどうなんでしょう。総理、どうでしょう。
○国務大臣(中曽根康弘君) 中野先生の言わんとするところは私もよく理解できまして、筋の通ったお話であるだろうと思います。 要するに、国と地方との事務の調整、再調整、合理化をおやりなさいということに尽きるので、一方を切るとか切らぬとかという問題よりも、そういう意味の再調整をおやりなさい、合理化をおやりなさい、そういう御趣旨であるだろうと思うんです。そういう意味において、おっしゃるように余計手数がかかるとか、膨大な資料を要求されるとか、地方自体が迷惑に思っているようなそういうものは思い切って整理しなさい、そして、もっと合理的なものに直しなさい、そういう御趣旨であり、かつまた、国が余り過剰に干渉し過ぎているような仕事の内容も整理しなさいと。それによって、ある意味においてはお金の関係も整理されるかもしれぬが、しかし、そういうものについては地方の固有の事務に近くなってくるわけだから、財源が要る、そういう形もそのときには出てくる。要するに、中央・地方の事務あるいは分担の再調整をしなさい、そういう意味ではないかと私は受け取っております。
○中野明君 ぜひこれはやっていかないと行政改革じゃないと思います。ですから、これだけの大法案をお出しになっても、これは率をいろうているだけですものね。ですから、ここで私ども議論しておっても、先ほどのお話じゃないけれども、おしりから火がついてきてから、しまいにはまた早う通してくれというようなことを地方が言って くるかもしれません。そういうことでは何のための議論だろうかということになります。ですから、要するに、行政改革をもう最大の政治課題として中曽根内閣は取り組んでおられる。だったら、行政改革になることを最優先でやってもらいたいな、こういうことですね。ですから、ぜひこれはお願いをしたいということです。 それからもう一つは、率のカットをすることによって、去年も私申し上げたんですが、地方公共団体の間に不公平をさらに助長するわけです。経済力の弱いところは、率を切られたらたまらぬのですね。そして、交付税でカバーする、こう答弁があるんですけれども、交付税のカバーも限界があります。だから国の方針としてこういう措置をなさるということになると、国の方針で地方に不公平を助長したことになるわけですね。ですから、その手当てを制度として何かお考えになる必要があると思いますよ。もう交付税で何とかなるから交付税のあれで考えたらよろしいという、こう言うだけでは私は済まないと思います。一番困っているのは、大きなところはさしずめ何とか、苦しいけれども、おもしろくないけれども、やりくりできます。ところが、もう小さなところはたまらぬですよ。もう予算が組めなくなってくるでしょう。見通しも立たない。ですから、こういうことを国の方針でおやりになる以上は、必ずその手当てとして制度的に何かひとつお考えにならないと地方も納得できないんじゃないかな、こう思うんですが、何かいい知恵はないでしょうかね、大蔵大臣。
○政府委員(持永堯民君) 個別の地方団体に対します財政措置でございますが、経常経費、投資的経費両方ございますけれども、経常経費につきましては、今御質問の中にございましたように、地方交付税で措置をしていくことにいたしております。 そこで、交付税だけでは十分じゃないじゃないかという御指摘だろうと思いますけれども、こういった補助率の引き下げによって出てくる影響の分につきましては、従来以上に個別の団体ごとに影響額がきちんと措置されるように算定方法の改善もしていこうということで考えておりまして、現に六十年度の場合におきましても、税収等が伸びないということで大変苦しい団体もございますけれども、この補助金カットの影響についではそれなりの措置をし得たものと思っております。また、投資的経費の系統につきましては、これは公共事業の多いところ少ないところ、いろいろございますけれども、そういった面は地方債で調整いたしておりまして、各都道府県あるいは各市町村の個別の事情も十分お聞きをしながら、こういった補助率の引き下げということでもございますので、従来以上にきめ細かくいろいろなヒアリングその他を通じまして状況をお聞きして措置をいたしておるところでございまして、六十一年度においてもそういったそごを来すことのないように努力をしてまいりたいと考えております。
○中野明君 自治省、どうですか。私は今のお答えでは納得できないです。交付税で手当てをしたりなんかしてと言っていますけれども、地方債でももう限界を超えているところはどうなるんです。ですから、自治省としては何かそういうことについて知恵はないですか。
○政府委員(持永堯民君) 結局、地方団体に対します個々の財政措置は地方交付税と地方債、具体的にはそういうものに限られてくるわけでございまして、今、地方債についてもその限度を超しているという御指摘もございましたが、確かに一般的に、地方債を多く発行して償還費の負担が大変だ、あるいは起債制限という問題も出てくる団体もないわけじゃございません。しかし、今回の補助率の引き下げによって、これに関連して発行する地方債、措置をする地方債については、後々償還財源については普通交付税で元利償還費を算入することにいたしております。それから同時に、起債の発行のチェックをする場合におきましても、今回の起債については通常の地方債とは意味合いが異なりますから、こういう団体は出さないとかこういう団体は出すとかいうような制限はしないことにいたしておりまして、そういったことからして地方債による措置についてもいずれの団体においても支障はないというふうに考えておる次第でございます。
○中野明君 わかりました。 きょうの私の質問の最後になると思いますが、先ほど大蔵大臣は、五年にしたかったけれどもまあ三年だということで考えたとおっしゃるんですけれども、総理、これは去年の約束はもう一年限りということですよ。中身はいろいろ理屈があるでしょう。あるでしょうけれども、一年限りと約束をして、それが守れなくてまた暫定をするというのに三年というのは、これはひどいと思いませんか。一年限りと約束してだめだったんです。それで、恐らくことしは税調からも基本的に答申が出てくるでしょう。そういうことになると、申しわけないけれども、去年はもう予算が組めなかったから一年限りで暫定でしたんだけれども、将来は必ず抜本的に全部やります、一年かかってやったけれども財源配分その他が残ったからもう一年辛抱してもらえぬかと言って一年の暫定にするのが、頼むと言うたら語弊がありますが、要望する方の私は常識じゃないだろうかと思うんです。一年限りやと言って手をすり合わして頼んでおいて、それで結論を出しますからと言って約束しておいて、結論が出てきたら今度は三年で、しかも率の減るのがその倍ですよと。これはちょっとむちゃというものじゃないかなと私は思うんですが、総理、一年の暫定というふうにしようという考えはありませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 中野さんのおっしゃることもわからないではありませんが、国の場合考えてみますというと非常に苦しい状況にございまして、今のようなお考えに従うわけにはいかぬ状態にあると申し上げるのは甚だ遺憾千万でございます。 おっしゃいますように、地方団体といってもいろいろ千差万別でございまして、地方では貧しい府県もありますし市町村もございます。いいところもなきにしもあらずです。都会地あたりは割合にいいと言われております。そういうことで、一概に地方が富裕であるとか国よりはいいというふうに決めつけるべきものではない。これは個別個別で一つずつを対象にして考えるべきものである、そう思うんです。そういうような考えから考えてみますというと、できるだけこういうものは短くして、そして安定性を持たせるというやり方はいいと思いますが、国の情勢自体がなかなか厳しい状態で、六十五年赤字公債依存体質脱却とかあるいは増税なき財政再建ということを貫こうとしておるという、ある意味における至上命令を持っておるという点から見ますと、ある程度の長期的な観点における安定性というものもぜひお認めいただきたい、このように考える次第でございます。
○中野明君 地方がやはり国に協力をしてやっていこうとする姿勢は、皆地方の人は持っていると思います。それには一番根底になるのはやはり信頼関係でしょうからね。だから、先ほども私申し述べましたように、去年の当委員会の参考人で地方の知事さん、市長さん、町長さんですか、おいでになっての意見で、こんなことをやられたら私たちは不信を持つだけでございますという切実な声、それでもう泣く泣くのむ、だから一年限りの暫定でお願いしたいと。先ほど言いましたね、泣く子と地頭に勝てませんという、そんな思いを地方にさしたらいかぬと私は思うんです。ですから、そうならば地方に信頼をさらにつなげていくというのか、不信を解いていくためには、やはり理由を説明して、そしてもう一年辛抱してくれ、必ず抜本的に恒久的な安定したものにするからという方が説得力があるんじゃないかなと、こう思ってお尋ねをしているわけです。 どうも総理は、それは無理だというようなお話で、これ以上押し問答してもしようがありませんが、私の言っている真意はそこにあります。そうしてやることが正しいというか、国と地方の信頼 関係をさらに深めていく、今までの信頼関係は壊れそうになっていますから、その方法じゃないかなと、こう思っておりますのであえて申し上げましたが、どうかひとつそういうことも心にとめて、そして一日も早く抜本的にきちんと財源配分も含めて検討されて、もう三年と言わずにそれ以内にでも、そして今後は――もう一つ聞いておきますけれども、今後はどうなるんですか、この検討は。補助金問題検討会、こんなものはもうなくなるんでしょう。今後はどこでされるんですか。
○国務大臣(竹下登君) 検討会は一応その役目を終わった、こういうことになるわけであります。今後の問題については、いわゆる六十四年度予算編成の際に各省が協議する、こういうことになっておるわけでございます。ただいずれにせよ、その間におきましても地方財政計画の実行に支障を来すことはしてはならぬということが一番土台の合意になっておるということであります。
○中野明君 細部にわたりましては同僚委員がそれぞれの立場で質問するようですから、これで終わります。
○吉川春子君 それではまず最初に、中曽根総理の私的諮問機関政治と経済構造研究会報告についてお伺いいたします。 総理は、私的諮問機関をあたかも法的根拠を持つ公的な審議機関扱いをして、その報告をてこに重要な政策転換を図ったり公的審議機関の審議の方向づけをするという手法を多用されてこられました。今回の我が国経済と経済構造の大転換問題でも国会には何ら報告をせず、私的諮問機関に報告をまとめさせてレーガン大統領との日米会談でその実施を公約して、これを国際的な公約として国民に押しつけようとしています。こうした諮問機関政治は私はきっぱりとやめるべきではないかと思うんですけれども、まず最初に見解を伺います。
○国務大臣(中曽根康弘君) この点は前から申し上げますように、行政の独善を排して広く民意を尋ねつつ政策を進めるという私の考え方に基づいてやっておるものであります。しかし、国家行政組織法八条に基づく機関と私的諮問機関との区別というものは明瞭に意識してやっておりまして、意見書に対してはこれは参考として、我々は独自の立場に立って党と内閣で政策を練り上げていく、そういう立場を持っておるものでございます。
○吉川春子君 総理が大変多用されます私的諮問機関政治は、国会を軽視して議会民主主義を踏みにじるということと同時に、国家行政組織法上も今お話があったように重大な問題があるわけです。私的諮問機関のあり方はこれまで国会でたびたび取り上げられてきて、古くて新しい政治問題であると思います。政府は、これまで国家行政組織法違反の疑いを受けないようにするというふうに答弁されてきましたし、昭和三十六年には「懇談会等行政運営上の会合の開催について」の行政管理局長通達等出してきました。この局長通達の内容はどういう内容であったんでしょうか。そして、それは現在でも効力を保っているんでしょうか。
○政府委員(古橋源六郎君) お答えいたします。 委員お尋ねの国家行政組織法第八条の審議会と、いわゆる行政運営上の懇談会の差異というものにつきまして昭和三十六年の行政管理局長通達で述べておりますけれども、その内容は、今総理からもちょっとお話がございましたけれども、審議会等にあっては、その審議会を構成する各、個々の委員の意思とは別個の合議体としての意思を決定いたしまして、それを答申等といたしまして公の権威を持って表明をする、一つの合議体としての意思を決定するというのが審議会の特色でございますが、それに反しまして、行政運営上のいわゆる懇談会というものはそういうものではございませんで、行政運営上の懇談の場である、あるいは意見の交換をする、各、個々の委員が一方的に意見を言う、それを行政側がお話を伺うと、そういうものでございまして、個々の意見の交換の場である、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。 そういう点を、審議会と行政運営上の懇談会を区別して今後取り扱いをしてほしいということを通達で述べておるわけでございまして、その後、私どもにおきましては、その考え方について変更はございません。現在におきましても、両者の区別をはっきりさせて運営をしていくようにということを各省庁にお願いをしているところでございます。
○吉川春子君 いまだにその通達の効力については保っているんだということでございますけれども、その通達の内容は今日に至るも余り守られていないんではないかと私は思います。 私的諮問機関が報告書をまとめこれを公的審議会の機関意思であるかのように扱うことは、今の御答弁でもあるとおり許されないわけですが、この点、後藤田官房長官が総務庁長官の時代に参議院の予算委員会におきまして御答弁されております。この答弁の内容は、私的諮問機関は公的な審議機関の意思決定と紛らわしい報告のまとめ方はしないんだ、私的諮問機関の報告を公的審議会の答申であるかのように扱うのは好ましくないというふうに述べておられるわけですけれども、そういうふうに理解してよろしいのでしょうか。そして、この点で今回の経済構造研究会の報告のまとめ方と取り扱いはこの答申の趣旨に反するのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) 渉外関係のためにおくれまして大変恐縮でございます。 今の、政府委員からも答弁しましたように、私的諮問機関というのは、これは各閣僚、もとより総理を初め識者の意見を広く聞くというのであります。法律に基づく審議会の場合は、公的な回答をいただき、そしてそれを政府も相当な尊重をし制約を受けるわけでありますが、私的諮問機関の場合は自由な発言をしていただいて、民間の意思を広く求めて、そしてその上で政府の責任においていいものは取り上げる、取り上げられないものについてはこれは自由裁量ができる、そのあたりが公的諮問機関と私的諮問機関の大きな違いである。 今私、駆け込んできたわけでありますが、今度の前川委員会と俗称に言っております経構研の問題にしましても、これは総理の私的諮問機関ということでありまして、中長期の見通しに立った一つの報告書、リポートをいただいたわけでありまして、総理からもお答えがあったかと思いますが、それらについては政党内閣でありまするから党側とも十分協議をしながら実行に移していく、これは段取りとしてはそういうことになっていくものと御理解を願いたいと思います。
○吉川春子君 報道によりますと、この経構研の報告書の中身について、中曽根総理はキャンプ・デービッドの日米首脳会談で、これは百年ぶりの手術であり、その実行はエベレストよりも高い一万メートルの山を登るような苦痛を伴うが、党や閣僚の抵抗を排して自分の責任で実行すると、文字どおり国際公約と言える強い決意を表明したと伝えられています。これがもし事実だとすれば、総理の私的諮問機関に検討させたものを、国民的合意のないままレーガン政権への公約として国民に押しつける、こういうことになるのではないでしょうか。総理いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) キャンプ・デービッドでありましたかホワイトハウスでありましたか、私は今度出た前川報告というものはこういう性格のものですと、そういうことをちゃんと話してありまして、審議会のいわゆる答申とは違うと、自由に発言していただいたその意見を党は自由な立場に立ってこれを政策として練り上げていく、参考意見である、しかし、その内容は我々としては高く評価している、時宜に適して貴重な適切な内容を持っておる、そういうふうに評価している、これを参考にして政策を練り上げていく。しかし、今のようにこれだけの大きな輸出の黒字というものを、均衡を回復していくということは非常に困難なことで、いわばエベレストは八千メーターだけれども、この山は一万メーターもあるような高い山で前人未踏のところを行くのだ、非常に苦し いけれども、しかし国際経済に調和した日本をつくっていくためには我々は努力してやり切らなければいけない、自分はそう思う。党並びに国民の皆さんの御理解と御協力をいただいてこれを自分は推進したい、そういう意思を表明したので、別に公約とかなんとかというものではない。また、自分はこうしたいと、そういうことを言ったのでございます。
○吉川春子君 日米両首脳の新聞発表も拝見いたしましたが、その中でレーガン大統領は、中曽根首相は「日本がとるべきいくつかの大変重要な転換の概要を示した最近の大事な報告書について、私に説明されました。首相は、基本的な政策転換を実施する決意であり、」云々というふうに述べられているわけですけれども、これを拝見すると、単に説明しただけ以上の受けとめ方を向こうは、アメリカのレーガン大統領はされているんじゃないか、こういうふうに私は受け取ったんですけれども、そうではありませんか。
○国務大臣(中曽根康弘君) つまり、これを参考にして党と政府でその政策を練り上げて実行したい、そういうふうに私は自分の考えを表明したわけであって、アメリカの大統領がそういうふうに言うということも妥当なことであると。先方からすればそういうふうに受け取ったでしょう、私はそういうことをやりたいと言ってきたんですから。
○吉川春子君 この報告書の中身ですが、日本の市場の全面開放を要求するアメリカ、そして多国籍企業化の新展開を策する財界の要求に徹頭徹尾奉仕するものになっていると私たちは受け取っております。積極的な産業調整ということで中小企業、石炭産業、農業に破壊的な打撃を与えるものではないか、そういうものです。したがって、それは今日、日本経済の真の構造転換の焦眉の課題である内需拡大の道に逆行するものではないかと、そういうふうに思うわけです。 私の持ち時間が少ないので農業問題は後日取り上げることとして、きょうは雇用の問題を中心に伺いますが、報告書は、日本の黒字減らしのために直接投資の促進、すなわち多国籍企業化、製品輸入の促進を大々的にうたっています。 ところで、二月に出されました産構審の中間報告では、多国籍企業化の新展開、そして輸入拡大によって二百万人以上の大量の失業者を生み出すことを明らかにしております。これは通産大臣、そのとおりですね。
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は産構審のその中間答申も前に目を通したことがありますから私からもお答えいたしますが、今おっしゃるような二百万人の失業云々というような問題ではございません。しかし、今のように五百億ドルあるいは六百億ドルも黒字が累積していくという状態が続けば、結局はまた円は強くなっていかざるを得ない。円が強くなっていけば中小企業がまた困ってくる、輸出を阻害してきます。そういうようなことからやはり基本的な構造改革をある程度やって、そして今のような輸出と輸入のバランスを回復していくということが、大体この辺でみんなが安定していけるという道を選ぶ方法になるわけなんです。そういうような、国際経済というものは浮かんでいる船のようなものですからね。 ですから、そういう一つの内外調和という形の上に立たないと、これは世界からも孤立して日本は貿易国家として生きていけないということになるし、風内的にもひどいショックが出てくる、非常な惨事が出てこないとも限らないわけであります。一方においては、保護主義法案が万一通るようなことになったらもっとひどい失業が出てくるわけであります。そういうような前後を全部考えつつ、段階的に、そして国際経済と調和のとれたやり方をやっていこうという考えに立っておるので、中小企業を痛めつけようとかなんとかいう考えは毛頭ございません。
○吉川春子君 産構審で言っている内容では、製造業の輸入中間財、部品等の投入比率を八〇年度水準五・二%の二倍に引き上げることで直接間接を通じて約五十五万の雇用機会の減少がある。また、最終製品の輸入比率を二倍化することで約五十万の雇用機会の減少があったものと試算されているわけです。また、製造業の海外直接投資累積額年平均伸び率を一二%として雇用に対する影響を試算すれば、二〇〇〇年度の雇用機会の減少は五十六万人と見込まれ、さらに伸び率を政策的に一五%に引き上げた場合、雇用機会の減少はさらに四十一万人と、こういうふうに言っています。これを合計してさっき二百万人以上の失業者が生まれると私は申し上げたわけですが、また経企庁の技術革新・国際移転研究会が最近発表したところによりますと、海外直接投資拡大による二〇〇〇年の雇用減は三百六万人とさらに大きく見積もっているわけなんです。 いずれにしても、経構研の言う直接投資の促進、製品輸入の促進も、その結果として失業を予測すればこういう数字が出てくるのではないかと、この点を伺ったわけですけれども、こういう中身も含んでこの報告書を総理としては高く評価されておられるんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 産構審の答申と経構研の研究報告とは必ずしも一致していない、同じものではないです。全く別の、質の違う、質といいますと、片方は八条機関に関連する中間報告であり、片方は私的諮問機関のものでありますから違うものであります。 それから、今失業が出るという推計数字はどこから出たか、私は必ずしも責任を持った数字であるとは思いません。しかし一面において、片方においては我々は高度情報社会へ前進をする、ハイテクを目指してまた進めようと、それがまた雇用機会をさらに拡大しつつあるわけです。あるいはさらに流通や第三次産業のソフト化、そういう面に対してもまた政策をたくましく前進させよう、これもまた大きな雇用機会をつくってきておるものです。日本の戦後以来、各産業の構造変化を見ますと、そういう古いものは発展途上国そのほかの方に大体移して、そうしてさらに高度の付加価値の高いものに随時移行してきて、それで日本の国力や経済、技術力というのは高まってきておるわけですから、そういう進歩発展の過程としてとらえていただきたい。共産党は暗い面ばかり見ますけれども、明るい面も少しは見ていただきたいと思います。
○吉川春子君 ハイテク産業が雇用を創出するかという問題については、国会でも特別委員会がありまして検討していますが、なかなか複雑な問題があって、劇的な変化という結論も出ないかわりに、すごくふやすという結論も出ないし、マイナス面がかなり多いということも特別委員会の中では報告書として今国会に出されると思います。 西側の一員としての政府の立場ではなくて、日本の総理として国民の雇用を守る、経済を安定させる、そういうことが最大の責務であるということは私が申し上げるまでもないと思いますが、そういう立場から、アメリカに従属して日本の経済と国民生活を破壊させるような方向へ持っていくということは私たちとしては絶対に認めることはできないわけです。 政府の諮問機関である産構審でも二百万人の雇用減を予想する一方で、ME化等による雇用増を百十七万としている。だから、一方でふえても一方で減ると、こういう関係にあるわけです。この点については総理と考えが一致しないわけですけれども、私たちはやはりこの研究会報告を尊重するということが、失業の問題一つとっても、日本の経済と国民の生活の破壊につながるのではないか、こういうことをやっぱり強く指摘しておきたいと思うんです。失業者の増大というのは中小企業の倒産ということによってかなりあらわれるわけで、またそれは労働者全体の賃金を抑制するし、労働者の労働時間を引き延ばしていきます。経構研が幾ら口先で内需拡大をうたっても、その提言が示す方向はGNPの六割を占める国民の購買力の拡大、こういうところとは結びつかないんじゃないか、望むべくもないんじゃないかと思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(江崎真澄君) 通産大臣おりません が、私、国際経済の特命相でもあります。 そこでお答えをいたしますが、今総理が言われたように、本当に暗い面、失業の面だけを見るというのは私は当たらないと思いますよ。例えば油ショックのときには、油が標準価格が三十八ドル、スポット物は四十ドルを上回る。あのときには百六十七万人の失業者が出たんですからこれは、大変なことでした。しかし、それはハイテクにも吸収されたし、サービス関係、特に大スーパーから小スーパー、それからいわゆる旅館がホテルにかわるとか、あるいは造船などではその当時養鰻業にかわるという非常に無理な、不自然なこともありましたが、やはりそういうショックを受けながら日本は絶えず苦難を乗り越えて今日の経済発展を遂げたわけですね。 ですから、現在私は、いろんな角度から失業者の数を出しておりますが、さっき総理の答弁にありましたように、新しい産業、そして特に付加価値の高い産業に日本が移行しなければやはり生きていくことはできない。これはもう当然そういう仕組みになっておりますから、相当新しい雇用がそこに生まれることは否定できないと思います。その証拠に、昭和五十三年、円高を記録したことがございます。今はそれ以上に円高になりましたが、あの当時の試練が非常な何というか、日本の中小企業に至るまで何とか生き残ろうというお互いに努力をしたために、それがその次に襲ったいわゆる石油ショック、昭和五十四年、五十五年ずっと続きました。それを乗り切ったんですよ。あのときの円高というものは一年足らずでまた円安にだんだん戻っていく過程をとるわけですが、そのときにどうしても生き残らなければならぬというので合理化され、新しい産業が起こり、そういったものが雇用を吸収したり、そしてまた体質が改善されて能率的になって、そして何とかこの間の石油ショックを乗り切って、唯一世界の中で日本のみがあの第三次と言いますか、四次とも言いますが、あの石油ショックを、数え方によっていろんな言い方があります。私は第三次と言っていますが、その石油ショックを乗り切る大きな要因になった。 こういうことを考えますときに、今私は、総理よくやっておると思いますよ、本当に。もしそれじゃこのまま五百億ドル持って、そしてGNPの三・六%も経常収支を抱えて何ら対策をしない、特にサミット主催国として黙っておるなんというようなことをすれば、これは保護主義にどうしても走りますね。これはアメリカばかりじゃありません。ECからも非常に強い要請が出てきておることは御存じのとおりであります。サウジアラビアが、四十ドル以上スポットがしたあのときでも年間四百億ドル。そして相当社会還元をしたり、いろいろ発展途上国に向けての協力態勢をとったことなどを考えますと、日本がこのままの情勢でいけるはずはない。輸出立国ですから、ボイコットだってあるでしょう。日本商品を買わなけりゃならぬという理由は何もないですからね。この円高のときに、また二〇%もいわゆる輸入税をかけるとかなんとかというような事態でも起これば、失業者はますますふえるということになりますね。 ですから、私どもはこの次をどうするかということを考えながら、失業者が出ないようにやはり付加価値の高いものを追求し、そして新しい産業にだんだん移行していくことも考えなけりゃならぬでしょう。とりあえず今のところは緊急避難としても、やはり何らかの国際的な協調態勢に入らなければ日本としては孤立化するし、まさにサミット国としての仲間外れにならざるを得ない。これはやはり当然の対策として今後経構研の相当部分を取り入れて、私はこれを政策化していくことも必要であろうというふうに考えます。雇用の問題はもとより、御心配のないようにこれも対策をしていかなければならぬことは当然だと考えております。
○吉川春子君 日本の経済の問題に対して、外国からのいろいろな要望について、内需拡大をどういうふうに図るかという点については、国民の立場に立つのかあるいはアメリカの要求をのみ大きな企業の立場に立つのか、こういうことでも違ってくると思いますが、きょうはそこまで立ち入る時間はありませんが、私たちはこの経構研の方向をやはり推し進めていくことによって失業が増大する、そのことによって内需はむしろ冷え込むんじゃないか。むしろ雇用を促進したり、労働時間を短縮したり、あるいは賃上げをしたり、そういう方向での内需拡大であれば、もちろん国民からも支持されるでしょうけれども、そういう問題についてこの経構研の中身は、それを真っすぐに推し進めていくと非常に国民にとって大きな抑圧になるんだということを私は指摘しておきたいと思うんです。 それで、今審議されておりますこの補助金の一括法案につきましても、これは内需拡大という方向からいけばやはりかなり逆行ではないか。むしろ個人消費はますます冷え込んでいくんじゃないか。地方自治体の公共料金の一斉値上げその他の問題もあるわけですけれども、こういう立場から次に補助金一律カットによる地方自治体への影響について、総理の見解を伺っていきたいと思うんです。 国庫補助率のカットによる地方自治体への影響は、六十一年度当初予算案で前年度の二倍、約七千百六十一億に上る。経常経費や補助金カットのなかった五十九年度を水準にした場合に、全国都道府県の六十一年度予算案への影響額は約三千二百十五億、一般財源化分はこれは除いていますが、前年度に比べて二・八倍にもふえています。これは共同通信社のまとめた数字ですけれども、これは地方自治体に対する明白な影響ではないんでしょうか。これで住民に被害がないとどうして言えるんでしょうか。まず総理の見解を伺います。
○国務大臣(小沢一郎君) 今回の措置、いわゆる補助負担率の問題でございますが、これは国と地方のお互いの責任の度合いによりまして、そしてお互いの仕事のいわゆる事務事業等の見直し等によりまして行われたものでございまして、市町村から行政サービスを受ける個々の国民に対するいわゆるその水準の切り下げという問題ではございませんで、国と地方の負担の問題でございます。そして、そのいわゆる地方の負担増につきましては、たばこの消費税の引き上げあるいは地方債等の措置を講じまして、さらに地方交付税の後年度の加算あるいは地方債の元利償還等につきましても交付税で今後必ず見ていく、そういうような補てん措置を講じておるところでございまして、したがいまして地方公共団体の財政運営に支障がないというふうに考えておりますし、ましてや個々の住民に対する行政サービスの低下を招くものではないと、そのように考えております。
○吉川春子君 埼玉県の北部つまり群馬県に近い方ですけれども、加須市という人口五万人足らずのミニ市があります。この市議会で三月二十七日に、全会派一致による「地方自治体に対する国庫補助金一律カットに反対する意見書」を国に上げています。添付資料によりますと、この補助率カットを三年間続けた場合に同市の削減額は五億ですね。同じく事業費換算額は十三億となり、これは六十一年度の当初予算九十六億八千万に比して一三・五%の額になるというふうにしているんですけれども、こういう切実な地方議会の要望書について総理は御存じでしょうか。
○国務大臣(小沢一郎君) 加須市の市議会におきましてそういうような議決がなさ九だということは承知いたしております。 私どもといたしましては、先ほど申し上げましたけれども、そのように地方の個々のいろいろな公共団体におきましても、借入金が地方債の増大というようなこともありまして、ふえていることは事実であります。したがって、そのような点につきましても、今後交付税措置等々によりまして、その地域の財政運営に支障を来さないようにということでもって万全の措置をとってまいりたい、そう申し上げておるわけであります。
○吉川春子君 万全の措置をとっているという答弁が繰り返されているわけですけれども、しかし、 これが三年間続いた場合にもう自治体としては耐えられないんだと、こういう声を加須市の議会では上げているわけで、これは別に共産党の強い議会ではなくて保守系の圧倒的に強い議会なんですね。こういうところからもこういうような悲痛な声が上がっているということについて、総理はいかがお考えでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 自治体でございますから議会が自由に御意見を御表明なさることは自由であり、我々はそれを参考意見として拝聴していきたいと思っております。ただ、自治体も苦しいけれども国ももっと苦しいと考えておるので、長寿社会になりまして老人医療費だけでも相当の大きな膨張をやっておるわけです。そのお金をどこから生み出すか、そういうようなことにも今遭遇しておるので、地方自治体も苦しいところもあるでございましょうが、国についてもまた御同情願いたいと思うわけであります。
○吉川春子君 六十一年度の予算では保育所など福祉施設への補助率の大幅引き下げ、この影響が大きいわけですが、厚生省に伺います。保育所の措置費に対する国、県、市町村、保護者の負担割合はどうなっておりましょうか。
○政府委員(坂本龍彦君) 保育所の費用総額に占める保護者負担あるいは国と地方の負担の割合についてお答えをいたします。 〔委員長退席、理事北修二君着席〕 昭和五十九年度におきましては、費用総額に占める保護者の負担率が五二%でございます。残りの四八%が国と地方の負担ということになるわけでありまして、そのうち国が三八・四%、地方が九・六%という比率になっております。これは国が公費負担のうち八割、地方が二割という補助率で出てくる数字でございまして、六十年度になりますと保護者の負担率が五二・二%、公費負担率が四七・八%、国と地方との割合は、昨年特例的に国七割、地方三割となりまして、国が三三・五%、地方が一四・三%となっております。それから六十一年度予算におきましては、保護者の負担率は五一・一%となっておりまして、公費負担率が残りの四八・九%、六十一年度は国が五割、地方が五割という暫定的な率ということで予算を編成しておりまして、その数字といたしましては国二四・四五%、地方二四・四五%、こういう結果になっております。
○吉川春子君 国が十分の八の補助率という水準を保っていても、保育所の運営等については大変自治体の持ち出しというのが多いということが今の数字でおわかりいただけたと思うんです。 埼玉県川越市の保育園の措置費内負担割合を見てみますと、補助率カットのなかった五十九年度は措置費内負担割合は国が三〇%であります。それが六十年度には二六%に下がり、六十一年度は一八・五%ということで二割を割っています。しかも実際に保育事業に係る保育事業費総額、つまり自治体がいろいろ持ち出してやっていますけれども、それに対しては国の負担割合は五十九年度の水準でも一七%、それが六十年度は一四%になり、ことしは国の負担率はわずか一〇%になってしまっています。保育所の運営に当たっては、国の補助率が十分の八のときでさえ地方自治体は大変な財政的な負担を負っていたわけですけれども、この補助率の切り込みによって一層自治体に対する負担が劇的にふえているということを自治省はお認めになりますか。
○政府委員(持永堯民君) 全体の経費に対します負担割合は先ほど厚生省からお答えがあったとおりでございまして、地方の負担がふえてまいっておりますのは国の負担割合と地方の負担割合、つまり補助負担率が従来十分の八だったものが十分の七となり、そしてこれから三年間は二分の一、こういうことで当然地方の負担割合がふえてまいります。しかし、これは申し上げるまでもなく、国と地方の役割分担の見直しを行った上でこういう措置をとったということについて御理解いただきたいと思います。
○吉川春子君 六十一年度の保育所措置費国庫負担分はおよそ千八百五十二億なんですけれども、仮に従来どおり十分の八の負担率のベースに直しますと、地方自治体に対する今年度の影響額は幾らになりますか。それから子供一人で割った額は幾らになりますか。
○政府委員(坂本龍彦君) 六十一年度におきましては、予算で国と地方の負担割合を二分の一、五分五分といたしておりまして、今お尋ねがありましたように、仮にこれが国が八割とした場合との比較で申しますと千百十二億円ということになるわけでございます。それから六十一年度の保育児童の予算上の人員は百七十九万八千人ということになっておりまして、この千百十二億円を百七十九万八千人、仮に割り算をいたしますと、一人当たり月に五千百五十四円、こういう数字になるわけでございます。
○吉川春子君 つまり、ことしの補助率カットによって一人当たり五千何がしかの負担を住民に転嫁しない限り、去年の十分の八の水準は保てないわけなんです。保育園に預けている子供一人当たり五千何がしという金額は、これは一家庭当たりにすると大変な金額になるということがおわかりいただけると思うんです。 これも川越市の場合ですけれども、国の基準どおりの額を保護者に支払わせますと六十年度では六億七百万になりますけれども、実際には四億二千万程度しか徴収せずにその差額は市の持ち出しで負担しているわけなんです。地方公共団体というのは住民の生活実態をもちろんよく知っていますので、厚生省基準の高い保育料をそのまま徴収しているところは少ないわけなんですけれども、しかし補助率のカットが今後三年間も続くというようなことになれば、結局は保育料の値上げ、住民負担ということによって補わなくてはならなくなってくるのは明瞭ではないかと思いますが、いかがですか。
○政府委員(坂本龍彦君) 国と地方の補助金の負担割合と申しますか、国が地方に交付する補助金の負担割合は変わるといたしましても、それに見合う地方財政対策を講じるわけでございますので、これが直接に住民に対する例えば保育料の引き上げといったようなものにつながるということはないと考えております。 それから、先ほど申し上げました国の補助率の変更によって、例えば八割の場合との差か千百十二億円、仮に保育所に入っている児童一人当たりにして月五千百五十四円と申し上げましたけれども、この数字に対しましてもそれに見合う地方財政対策がなされるわけでございますから、住民に対する直接の負担増ということにはならないと考えておる次第でございます。
○吉川春子君 ちょっと総理にお伺いいたしますが、今保育料の値上げにはつながらないんだというお話でした。しかし、川越市では六十一年度の保育料の値上げ案を一六・五%という今までの最高の数字を示して出してきたわけなんです。結果としては四・二五%の値上げにとどまったわけですけれども、各市町村が保育料の大幅な値上げに追い込まれているということはちょっと私が埼玉を調べてみただけでも明らかです。埼玉県では三十九市があるんです。その中で値上げを予定しているところが二市、値上げをしちゃったところが三十三市、値上げしないところは一割なんですよね。九割の自治体がことし保育料の値上げをせざるを得ないところに追い込まれている。こういうことが補助率カットの影響として出てきているので、保育料の値上げにつながらないなどというのんきなことを言っていられないんです。 そこで、総理は保育園に子供さんをお預けになったことがあるかどうか存じませんけれども、若い家庭が子供を保育園に預けて夫婦共働きをしている。今度の補助率カットで圧倒的多数の自治体が保育料を値上げしなきゃならないところに追い込まれている。この若いお母さんたち、お父さんたちが保育料の負担に苦しまないようにぜひ御尽力いただきたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の措置は国と地方との負担区分の問題で、直接住民の皆様方には御迷惑をおかけしない、そういう趣旨のもとに改 革がなされていると私は聞いておりますが、詳細については厚生省から答弁させます。
○政府委員(坂本龍彦君) 保育料の値上げという場合にはそれぞれいろいろな理由があろうかと思うわけでございまして、例えば従来何年か保育料を据え置いていたけれどもこの年度においてはある程度引き上げを考えるという場合もございますし、それから国におきましても年々保育内容についての改善を行ったり、あるいは実際に保育に従事する職員の方の人件費が上がる、あるいは保育に必要な物件費が物価の上昇等によって上がってくる。それに見合って保育の事業の総額も上がりまして、国においても保育料の基準というものの大体それに見合った程度の引き上げというものも考えておるわけでございますので、そういった意味での保育料の改定というものはいろいろな理由によって各市町村ごとに出てくるのではないかと思っております。もちろん個別の事情というのはいろいろありますので一律に言えないわけでありますけれども、私どもは各市町村における保育料の引き上げというものが直接国の補助率の変更によって出てくるものではないというように理解をいたしておる次第でございます。
○吉川春子君 答弁はとても納得できるものではないし、こういう具体的な事実を示しているわけですから、やはり補助金のカットの影響というあらわれ方はいろいろでしょうけれども、住民負担には絶対行かないんだ、負担区分の変更だけだということではとどめられないということを私は指摘しておきたいと思います。 今回の補助金削減は、機関委任事務を団体委任事務に一部切りかえていく方向と抱き合わせで行われようとしています。もし仮に、保育所の入所措置について団体委任事務に改められ、あるいはまた、施設の最低基準についてはできる限り簡素合理化するという補助金問題検討会の方向になるとすれば、保育所の現在の水準を維持していけるのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。 厚生省令六十三号の児童福祉施設最低基準によれば、保育所の給食は学校給食と違ってセンター化はできない、それから民間委託もできないというふうになっています。ところが、こういう基準がある現在でさえ市町村によってはセンター化、民間委託を行い、さまざまなトラブルを発生させているわけなんです。補助金カットとセットで行う施設の最低基準の簡素合理化、団体委任事務化等は全体として保育の質を低下させずにはおかないのではないかと思いますけれども、この点についてはいかがですか。
○政府委員(坂本龍彦君) 保育所の最低基準につきましては、これは国が必要なものをきちんと決めまして、各地方においてもそれに従っていただくことにいたしております。ただ、今回補助金問題検討会におきましても、国の補助率あるいは機関委任事務を団体委任事務にするということとは別個に、いろいろな行政事務について簡素合理化を図るべきであるという御意見もございまして、ちょうど時期的には同じ時期に実施するわけでありますけれども、最低基準について、時代に合わなくなった面であるとか、あるいは余りにも詳細であってそこまで決める必要のないものとか、いろいろな面において見直しを行おうとしておることは事実でございますが、これは補助率の問題とかあるいは機関委任事務の問題とは別に、そういう簡素合理化の見地から実情を十分考えて実施をいたしたいと考えておるものでございます。したがって、あくまでも保育所における保育の水準というものは低下をさせることのないように十分配慮いたすわけでありますので、今お尋ねのあったような御心配はないと私どもは考えておる次第でございます。
○吉川春子君 保育所の問題を例に補助金カットによる国民への被害を指摘してきたわけですが、これは埼玉だけではなくて全国共通の姿であるわけなんです。 総理にこの問題の最後に伺いますけれども、今指摘したようなことも含めて、それでも補助金のカットは国民への被害を全く及ぼさない、こういうふうにお考えなんでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) 直接の国民の皆様に対する影響はできるだけ防いで、中央と地方との負担区分の調整でいこう、そういう趣旨でやっておるものでございます。
○吉川春子君 趣旨は趣旨として、しかし現実にはかなり国民への直接の負担がかかっているということを私は指摘して、次の問題に移りたいと思います。 三年間の暫定措置問題ですけれども、今回の補助金カット一括法案は十省庁四十八法律にまたがり、国庫負担、補助率引き下げによる地方負担増は一兆二千八百億に上ります。その結果、地方公共団体の値上げ、行政サービスの低下などははかり知れないものがあるということは今保育の問題でお示ししました。 〔理事北修二君退席、委員長着席〕 昨年の補助金カット一括法案の審議の際に、政府は一年限りの措置という説明を繰り返してきましたけれども、これが事実に反していたということは既に明らかになりました。ことしは三年間の暫定措置というふうに説明されていますが、そこで総理にお伺いしたいんですが、暫定措置と言うからには、今回のカット対象四十九項目の大部分は三年後にもとに戻すというふうに考えるのが常識かと思いますが、総理もそのようにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これは、昨年は一年かかって基本的に検討させていただきますと、したがって一年間のいわゆるアバウト一割削減で御容赦願いたいというのが昨年の法律。したがって、今度は閣僚会議、その下に検討会を設けまして、一年かかって議論をいたしまして出した結論に基づいての法律を今御審議いただいておる。 そこで、暫定期間として三年ということを設定しておるわけでありますが、六十四年度以降はどうなるかということにつきましては、その際の国、地方の財政状態とか諸般の事情を考えまして、これに対して検討を加えて政府の責任においてこれを決める、こういうことになっておりますので、いわば五十九年の時点の補助率に返るという考え方ではございません。
○吉川春子君 もとに戻すということを前提としない暫定措置だということで、大変危険な御答弁であると思います。 自治省は、昨年の十二月の補助金問題検討会報告の考え方、すなわち、「補助率の見直しに当たっては、国及び地方公共団体が、双方で等しく負担を分かち合う性格の事業の補助率は二分の一が適当」、これをベースにして高い方は三分の二、低い方は三分の一の水準が適当とする、この考え方を基本的には受け入れているんでしょうか。
○政府委員(持永堯民君) 検討会の報告で今御指摘のような指摘がされているわけでございます。この報告には、今お読みになりました部分に関連いたしまして、「もとより個別補助率の見直しに当たっては個々の補助金の目的、性格等の相違を考慮する必要があり、画一的に律しきれないものがあることはいうまでもない。」ということもつけ加えているわけでございます。私どもとしては、従来から申し上げておりますように、やはり基本的には、特に国庫負担金につきましては、国と地方の責任の度合いなりあるいは役割分担に応じまして個々の事業なり仕事の目的、性格に応じて、そういう点を判断して決めていくべきものだろう、こういうふうに考えておる次第でございます。
○吉川春子君 自治大臣に一言簡単に伺いますが、そうしますと、基本的にこの考えを受け入れているものではないんだということですね。
○国務大臣(小沢一郎君) 補助負担率の基本的考え方につきましては、今政府委員から答弁ございました。 補助金の簡明化論という、いわばそういう中から出てきた議論につきましても、それはそれなりの考え方があると思います。しかし、私どもとしては、基本的にはやはり国と地方の役割分担、責任の度合い、そういう点を考えて負担率を決める というのがまず第一義的に求められるのではないだろうかというふうに考えております。
○吉川春子君 生活保護費の国庫負担率について、昨年十二月二十日、補助金問題関係閣僚会議において論議されたが、大蔵大臣と厚生大臣は三分の二、自治大臣は十分の八を主張して意見が一致せず、物別れに終わったと聞いておりますけれども、これはどうだったんですか。
○国務大臣(竹下登君) 私どもは、先ほど来お読みになっておりました地方と国とで半々というものは二分の一、それを基礎にして、国により比重のかかったものは三分の二と、その三分の二を念頭に置きましていろいろ意見を交わした、こういうことでございます。
○吉川春子君 政府・与党の連絡会議にゆだねられて、自民党の政調会長から、「生活保護費の国庫負担率については本来十分の八であるべきであるが、国の財政事情を考慮して緊急避難的に三年間十分の七とし、その後の在り方については生活保護制度の果たしている役割等に充分配慮して関係大臣で協議する」等の裁定があったと言われていますが、小沢自治大臣、これは前大臣から聞いておられますか。
○国務大臣(小沢一郎君) そのような昨年末の予算編成の過程の中での議論につきましては聞いております。
○吉川春子君 大蔵大臣はいかがでしょうか。こういうことでよろしいわけですか。
○国務大臣(竹下登君) 最終的には三大臣の覚書というものがございます。それによって措置を決めた、こういうことでございます。その際、政調会長も立会人としての御署名をいただいております。
○吉川春子君 そうしますと、補助金問題関係閣僚会議の決定やこれについての閣僚口頭了解で、生活保護に係る補助率は三年間は十分の七とし、後のあり方については大蔵、厚生、自治の三大臣が協議して決めるということは、こういう経緯を踏まえてこういうふうになったということでよろしいわけですね。
○国務大臣(竹下登君) そのとおりでございます。
○吉川春子君 そうしますと、こうした経緯からしても、十分の八が本来のあり方であり、三年後には当然十分の八に戻すのが本筋ということになると思いますけれども、中曽根総理、この三大臣の意見が合わない問題で、三年後には当然生活保護の性質からいってもとに戻すのが本筋というふうに思うんですけれども、総理のお立場としてはいかがでしょうか。
○国務大臣(中曽根康弘君) そのころの地方と中央との事務分担の状況とかあるいは中央、地方の財政状況とか、諸般の状況を考えながら検討すべきものと思います。
○吉川春子君 自治大臣に伺いますが、本来十分の八であるべきだ、十分の七は緊急避難、こういう考え方については自治大臣はどう思いますか。
○国務大臣(小沢一郎君) 先ほど来大蔵大臣、そしてただいま総理からも御答弁ありましたが、この問題につきましては検討会でも閣僚会議でも結論を見なかったところでございまして、今後三大臣で協議するわけでございます。 生活保護については、いろいろな考え方等々あると思います。私どもといたしましては、この生活保護というものの本質は社会保障の基盤的な、基幹的な、基礎的な制度であるから、それだけに、より強い国の責任が求められるのではないかというような考え方に立っておりますけれども、それが今十分の八が適当なのか、七なのか穴なのか、あるいはもっと高いのか、そういう点につきましては、今後三大臣でいろいろな状況を踏まえて検討していくということでございます。
○吉川春子君 そういたしますと、大蔵大臣、生活保護については三大臣が協議して決める場合に、何らかの検討機関を設けておやりになる、そういうことですか。
○国務大臣(竹下登君) 具体的なことは今後検討していく、こういうことにしておりますが、何らかの形で各般の御意見をいただくことは必要であろうと思っておりますが、今審議会をつくるとかあるいは検討会をつくるとかいうことを決めたわけではございません。
○吉川春子君 そういう機関をつくってやる可能性もあるということですか。
○国務大臣(竹下登君) 各般の意見を聞くということになれば、それも一つのメソッドとしては、選択肢としてはあり得るんではなかろうかと思います。
○吉川春子君 結核命令入所、児童扶養手当、特別障害者手当等は、補助金問題検討会報告では、国の負担割合は生活保護に準ずるものとして十分の七になっていますけれども、そういたしますとこれも三大臣の協議して定める中に入るんでしょうか。
○国務大臣(今井勇君) おっしゃいました結核の命令入所であるとか精神措置入院の負担割合につきましては、補助金問題検討会報告でもありますように、「生活保護に準じたものとすることが適当」とされておりますので、生活保護の補助率の三年後の取り扱いについて関係三大臣で協議する際にあわせて検討すべきものだと考えております。
○吉川春子君 持ち時間が少なくなりましたので先へ行きますが、一般財源化について伺いますが、文部大臣、公立学校の事務職員、栄養職員について、一般財源化の問題についてどう考えるかということと、それから大蔵大臣、三年間は少なくともこの二つについては一般財源化しない、こういうふうでよろしいんですか。
○国務大臣(海部俊樹君) 学校事務職員、栄養職員は、これは学校の基幹的な職員と我々は位置づけておりますので、一般財源化しないことが望ましいと思っております。
○国務大臣(竹下登君) この問題につきましては、今回共済費追加費用及び恩給費等について三年間の特例措置を講ずることとした。そこで、今御指摘の事務職員、栄養職員の問題につきましては、これは財政当局といたしましては各種の文教施策のあり方とあわせて各方面の意見を聞きながら絶えず勉強していく課題だと思っております。
○吉川春子君 そうすると、ちょっと確認ですけれども、三年間は動かさないという意味ではないということですか、大蔵大臣のお考えは。
○国務大臣(竹下登君) 教育諸般の問題として、絶えず検討をすべき課題であるというふうな御指摘を受けておるわけでございます。
○吉川春子君 文部大臣も言われましたように、基幹的な職員なわけですから、これを一般財源化するなどということは絶対にやるべきではないと申し上げておきたいと思います。 三年後に今回カットされた補助金はどうなるのかという問題ですけれども、考え方として、もとに戻すのか、継続して恒久化するのか、多少手直しして続けるのか、それから一般財源化していくのか、大幅な制度改正に吸収していくのか、私が考えたのではこの五つぐらいに当てはまると思うんですけれども、大体このどれかになるのじゃないんですか。
○国務大臣(竹下登君) これはまさに、六十四年度以降の取り扱いは、今後の諸情勢の推移とか国と地方との財政状況等を勘案しながら、その時点で適切な対処をすべき問題である。だから、今から予見をもって申し上げるわけにはまいらない。しかし、幾つかの選択肢をおっしゃっておりましたが、我々もいろんなことを考える参考にはなるお話だなと思って承っておりました。
○吉川春子君 暫定措置というのは、やっぱり日本語で言うとあくまで暫定措置なんですから、これが恒久化するということではなくて、もとに戻るというふうに考えるのがさっき申し上げましたように常識的だと思うんですけれども、もとに戻すということは明言されていない。そうすると、今の五つの考え方のどこかに入るとすると、これよりうまくいくという方向は余り出てこないようで、後退するという方向が出てくるというふうに思うんですけれども、しかし、この中でも幾つか はもとに戻すものもある。もとに戻すものがあるとすればそれは何か、おっしゃることできますか。
○国務大臣(竹下登君) それこそまさにその時点で協議して決定すべきものであって、今から予見をもって申し上げるという環境にはないということでございます。
○吉川春子君 もとに戻すということが、先ほど総理の御答弁にもありましたけれども、明言されない。大蔵大臣もされない。それで、暫定という形で補助金のカットということを三年間やっていくということは、本当に国民に対する負担増あるいは国民や国会を欺く説明だというふうに思うわけです。私たちはそういう意味でこの法案を絶対に認めるわけにはいかない、こういうことを最後に申し上げまして、時間が参りましたので質問を終わりたいと思います。
○井上計君 この法案の審議につきましては、私も昨年と同じようなことを繰り返しておるということについて、けさほど来そういう感じが強くいたしております。なぜこのようなことを繰り返すようなことになるのかということについては、先ほど同僚委員からもそれらについていろいろと質問が行われました。また、大蔵大臣からも御答弁がありましたから、これは理解をいたしますので私はあえてこれ以上申し上げませんけれども、ただ、この法律案は毎年、去年もことしも同じような形でこのようなことを続けておるということは、ただ単に国の財政と地方財政という問題だけでなくて、政治のあり方というふうなことにもなるんではなかろうか、こんなふうな感じがいたしますので、とにかく抜本的な今後三年の間に見直し、それから同時に、今度、このようなことをやる場合には、法案の提出の方法あるいは本予算案との関係等々、十分お考えをいただいて、言えば、予算関連法案の重要な法案が、このように年度が変わって日を過ごして、地方財政に大きな負担をかけることがないように今後ともぜひひとつ御留意をいただきたい。このことは、あえて要望でありますからお答え要りませんけれども、冒頭それをお願いしておきます。 そこで、具体的な質問に入りますけれども、膨大な補助金が依然として続いております。六十一年度一般歳出の四三・三%でありますから、三十二兆五千八百四十二億円という一般歳出の四三・三%は約十四兆一千百億円という膨大な金額になります。これらの補助金すべてが削減すべきと、あるいは整理すべきとは言いませんけれども、しかしこの中には、もっと慎重に検討すると当然削減すべきもの、あるいは削減してはいけないもの、あるいはもっと積極的に事業等を推進するために増額すべきもの、あるいはもう廃止してもいいものというふうにもっと区分されると思うんです、さらに検討すれば。そこで私は、先日、十八日の本会議でも提言をいたしましたけれども、従来の検討会にかえて、これから三年間は必要ないという先ほど大蔵大臣の検討会の役目は終わったという御答弁がありましたけれども、私はこの際、さらにもっと積極的な、根本的な見直しをするためには、やはり第三者機関による検討会といいますか、あるいは審議会といいますか、補助金削減のための、補助金検討のためのいわば専門的な、そういうふうな機関を設置すべきであるということを改めて提案をいたしますけれども、これについて総理、総務庁長官それから大蔵大臣、改めてどのような御見解をお持ちでございますか、お伺いをいたします。
○国務大臣(竹下登君) それじゃ、まず私からお答えいたしますが、問題は、何らかの意見を聞く必要はあるなということはお答えしているとおりでありますが、今まで出た臨調、行革審それからもう一つ財政審がございますよね、既存の機関の中で。したがって、その辺は絶えずいろんな貴重な御意見をいただいておるわけでございますから、専門の補助金問題等審議会とでも申しましょうか、そうしたところへいきなり踏み切るという考え方は今のところはございません。が、財政審、行革審等の進みぐあいを見守っていく必要はあろうかと思いますが、今のところは、臨調、行革審、財政審等で御指摘いただいておるということが、大体我々が作業を進めていく上の基本的な考え方になっておるんじゃないかというふうに考えております。
○国務大臣(江崎真澄君) 先回、本会議で私に対しての御質問でございましたから、本会議ですから簡単に御答弁したわけです。一つの御提案だと思って拝聴したわけですが、現在は考えておりませんと、これを申し上げたのは、今、大蔵大臣が申し上げたとおりでございます。 そこで、この不断の見直しについては、これはやっぱり積極的に行わなけりゃならぬと思っております。詳しくちょっと申し上げると、例えば昭和五十四年度それから五十五年度に補助金の整理合理化に関する行政監察をやっております。これは廃止三十二件、減額百五件、統合九件、その他運営改善等を含め二百六十八件の整理合理化が図られたわけであります。相当な効果を上げ、それで行政機関の横断的な調査を含めてこの成果が得られたわけでございます。 そこで、我々総務庁としては、そういう状況を踏まえ、井上さんの今の御提案もありますが、御承知のように昨年の十月から十二月にかけて、全省庁、これを対象にして行政監察を実施したわけであります。そして、現在その結論を鋭意取りまとめ中と。それから、今回の措置については、地方公共団体の関係者も交えて補助金検討部会で協議したことは御存じのとおりでございます。したがって、この結果、取り急いでおりますので、何せ十二月にかけてですから、もう結論を出さなけりゃいけませんね。そして、これは当然、必要があれば各省庁に厳重に警告を発しますし、それからまた改めるように要請をする、同時にこれは国会にも公表をし国民にも公表をしたい。こういう経緯でございますので、当然これは我々に課せられた総務庁の任務でありますので、今第三者機関をどうかという御提案は御提案として承っておきますが、やはり直接の任務として今後も絶えず中央、地方を通じてこの補助金のあり方については検討を深めてまいりたい、かように考えております。
○国務大臣(中曽根康弘君) 前のお二人の答弁のとおりであります。
○井上計君 現時点では特に考える必要がない、いわば一応役目は終わったということ、これも理解できます。しかし、今総務庁長官お答えいただきましたように、とにかく今もうこれでよろしいと、ことしはそう思っても実は来年になるとまた環境の変化等々によって必要でないもの、あるいは見直すべきものが出てくるわけでありますから、間断なくと申し上げていいと思いますけれども、常に総務庁長官お話のような形で補助金についての整理あるいは見直し等については今後も御努力をいただかなくちゃいけないと要望をひとつ特にしておきます。 この補助金の整理の中で、やはり一番大きな問題は箱物の整理と零細補助金の整理だと、こう思うんですね。零細補助金については六十年度までは都道府県及び政令都市に対する零細補助金一千万円を一千五百万円に引き上げをされたようであります。それから市町村については百万円を百五十万円に引き上げた、民間団体については一千万円を千五百万円に引き上げをされたと、このように伺っておりますが、実際にこれは、先ほどやはり同僚委員からもこれについての御質問がありましたけれども、百五十万円ぽっきりとは言いませんけれども、いわばその程度の零細な補助金を本当に必要としておるのかどうか。そういういわば零細な補助金をもらうために、これも先般申し上げましたけれども、各都道府県あるいは市町村が費やしている労力あるいは事務というのは莫大なものだと思うんですね。そのようなものをやはり一括して一般財源にするとか、あるいは中にはもうなくてもいいのだというものはたくさんあるんではないか。事実私どもそういう声を聞くんですね。こんなわずかな補助金実はもらわぬでもいいんだ、しかしずっと継続してもらっておるから自分のときにこれをもらわなければ実は困るんだ云々と。したがって、そのためには膨大な労力を 費やさなきゃいかぬと、こんなふうなことを聞くわけですね。そういう整理をもっと積極的にやっていくべきだと、このように考えます。 また、箱物についても、これは昨年の十二月でありますか、箱物等について、零細補助金の整理等について地方制度調査会がこのように出しておりますが、「実質的な補助率が著しく低いものに係る補助金等の整理。職員設置費に係る交付金に例がみられるような地方行政として既に定着同化している事務事業に対する補助金等の一般財源化。会館等公共施設に係る補助金等の地方債及び地方交付税による財源措置への振替え。地方団体が地域の実情に応じて独自の判断で対応することとした方が適当であるものに対する補助金等の廃止を主張している。」わけですね。だから、こういう声が随分と起きておるわけでありますから、もっと積極的に箱物の整理あるいは零細補助金の整理統合というものをお考えをいただく必要があると、こう思います。 関連いたしますけれども、民間団体に対する補助金です。千五百万円に引き上げられておりますけれども、民間団体というものは大体外郭団体がほとんどでありますけれども、こういう例が多いんですね。どの団体とは言いませんけれども、例えて言うと年間三千万円の補助金をもらっておる団体がある、じゃ三千万円が何に使われておるかとすると、それは天下りの役員の給与、退職積立金に全部なくなってしまっているんですね。一般職員だとか、あるいはその団体の事業費等はその団体に加入をしておる民間の団体あるいは民間の企業の会費あるいは事業を行うときの分担金で全部賄われておって、補助金は天下り役員の給与である、こういう団体が相当多いんです。だから、したがって、その団体にもちろん役員は全然要らぬとは言いませんけれども、仮に五人の役員を、五人も要らないようなところはありますが、三人に減らせば実は補助金が減ると、こういうケースも相当あるのではないかと思うんですが、これは総務庁長官どうお考えでしょう、こういうケース。
○国務大臣(江崎真澄君) それらを含めて十月から十二月までの行政監察に付したわけでございます。だから、やはり政府機関というものは、特にこういう民主主義の時代というものは、サービス機構というのは大きくなったり、今御指摘のようなそういう何か不当な補助金というようなものがふえがちですから絶えず見直しを行っていく、今御注意のありました点等については十分配慮をしていきたいと考えております。
○井上計君 十分注意をされると、十分わかっておるということでありますから結構でありますが、もう一つ同じようなことでありますが、私の感じを申し上げます。 「箱物補助一覧」というのをいただきました。これも先般申し上げましたけれども、四万四千五百八十六カ所あります。約八百億円のものが箱物補助として出ておりますけれども、この中に例えて言うと、国土庁のコミュニティーセンターであるとか高齢者コミュニティーセンター、あるいは同じようなものが文部省にも、名前は若干違いますけれども、同じようなものがあるんですね。文部省にもあります。それから厚生省にも老人福祉施設、児童福祉施設というものもあります。それから林野庁にも集会施設というのがあります、農水省に。それから労働省にも働く婦人の家だとか勤労青少年ホームだとか、自治省にはどんなものですか、リージョンプラザですか、こういうものがあります。体育館、テニス場等については、国土庁補助の体育館もありますれば、文部省の補助の体育館もある。もちろんこれが同じ地域に全部競合しているとは言いませんけれども、このようなものをもう少し統一すればかなり整理ができるのではなかろうか。 四、五年前のことでありますけれども、実は東北のある県へ参りましたときにびっくりしたのは、同じ建物ですが入り口が二つある。そうして、中に入ると事務所が二つある。図書館が二つある。どうしてかと聞いたら、いやこちらの入り口は文部省の補助です、こちらの入り口は実は自治省の補助です、どうしても入り口を二つつくらなくちゃ許可になりませんでしたという、実は全くもって笑い話のようなこともあるんですね。全国がなりあるようです、そういうようなのが。だから、受ける側もまことに困っておる。これらのものをどっかで統一をして、同じようなものを統一することによって整理もできますし、またさらに効果的なものもできますし、地方自治体も希望しておるんだけれども、実は国の補助のいわば縦割りによってなかなかそれができない。こんなふうなネックになっていることが随分あると思うんですがね。これらのものをあわせて総務庁としても調査を願いながら、ひとつお考えをいただかなくちゃいかぬと、こう思うんです。 ですから、私は先ほど第三者機関と申し上げているのは、なかなか現在の行革審あるいは既存の機関では十分そのようなことについて月が行き届かぬであろう、あるいは十分なる調査ができないであろうから、そういうふうな意味を考えると、やはり第三者機関による専門的なこのような検討機関が設置されることが必要ではなかろうかと、こういう提言をしておるんでありますが、これは大蔵大臣、それから総務庁長官、さらに地方の自治体の問題でありますから自治大臣、このようなことについてはどういうふうな御見解をお持ちでありますか、お伺いをいたします。
○国務大臣(竹下登君) まず会館等各種施設、今例示していっぱいおっしゃいましたが、確かに箱物補助金、これは本当は個々の補助金ごとに検討して一般財源化を進めていくということが本筋であるというふうに思って、今どうしておるかと申しますと、従来より会館等施設関係予算というのは非常に抑制いたしまして、したがってそういう一般財源化する方向の政策誘導というと少しオーバーでございましょうが、そういう考え方で対応しております。 それから、五十六年度でございますが、交付要綱というものをつくりまして、いわゆる複合化の推進ということを始めて、入り口が二つあったり、あるいは渡り廊下だけは会計検査院が来たときにはそれを取り外すとか、そんなことがないように、これは五十六年の基準でかなり進めておるということでございますが、おっしゃるとおりであります、これは。
○国務大臣(江崎真澄君) 御指摘の点は我々も経験しておるところですね。見ておるところですね、実際。こういう不合理をこの中曽根行革でやってのけようと、こういうわけですから、私も総務庁長官就任以来、この縦割り行政というものは大臣になるたびに縦割りが強くなっているんですね。セクト主義が強くなっておる。これはよくないですね。だから、もうこれは絶対改めてもらうように、今、既に事務当局とも話し合いをしておるところでありますし、各大臣にも協力をしてもらうところである。これはやっぱり中央の合理化と言うのなら、簡素にして能率的な役所づくりというのは、これをおいてほかにないですな。まず、手っ取り早くそれを手がけておるところであります。
○国務大臣(小沢一郎君) 補助金の整理合理化、特に先生御指摘の箱物等につきましては、大蔵大臣、総務庁長官のお話のとおりだと思っておりますが、この問題はなかなか言うべくして非常に現実には大変難しい面もある。各省庁それぞれ政策的な目的を持ってこの補助金というものを出しておると思います。したがいまして、そういう意味においては、先生の御提言のように、第三者機関みたいなところで客観的に論議してもらうということも一つの大きな有力な考え方ではないかなと、そのように思います。
○井上計君 自治大臣は大変遠慮ぎみに言っておられますけれども、何も縦割り行政すべてが悪いんだと私言うわけじゃありませんけれども、縦割り行政の弊害が末端に行くと至るところにあるわけですね。この箱物だけじゃありません、ほかの行政等、あるいは公共事業等についても。これは総務庁長官が、大臣になるたびにどうしてこんなに役所のセクト主義が強いのか、自分でも感じているとおっしゃった。そのとおりだと思うんです ね。ですから、この辺のところをやはり根本的に見直しをして、そういう弊害を早く除去することが行革の私は最たる目的でなくてはいかぬと、こう考えるんですね。 くどくど申しません。もうおわかりのことでありますから申しませんけれども、やはりそういう点をもっと積極的に組み込んでいただいて、そういう整理をしていただく。同時に、これがむだな補助金の使われ方ということとあわせて政治不信の大きな原因になっておるということもこれは明らかでありますから、これらについても十分というか、今まで以上に御努力をぜひいただかなくちゃいかぬというふうに思います。自治大臣は大変難しいと、各省庁のなにがあって難しいということ、全くそうだと思いますが、だから政府がそういうことを統一してもらって、こうだということになれば、これは自治大臣は大変やりやすくなって一番恩恵をこうむられるんだと、こう思いますから、もう御答弁はわかっていますから要りませんけれども、特にこれは強く要望をして提言をしておきます。 次に、補助金とは違いますけれども、やはり重大な関連があると思いますので農水大臣に伺いたい、こう思います。 一昨日でありましたか、ある新聞に秋田県の例の大潟村のまた記事が載っております。「秋田・大潟村の〝挑戦〟」というふうなサブ見出しで、大見出しは「減反黙殺 今年も確実」、こういうふうな見出してあります。これについては詳しく言いません。要するに大変な国費を投じて、約六百億円弱になりますか、を投じて八郎潟の干拓をやった。ところがそれについて入植した農家が借入金、要するに償還金を返すためにはこのような減反ではとても返せないというふうなこと等であり、大変なこれは農政としては大きな問題であろう、こう思いますけれども、私はこのことを今言うんじゃなくて、言えば大変な国費を投じて、なおかつ結果においてこれはもう政策の転換――政策の転換は環境の変化、食糧事情の変化等からやむを得ないと思いますけれども、こういうふうなことが今後も起き得る可能性があるんではないか、農業政策の中で、農業問題の中で。そういうふうなことを私懸念をしておるんですが、農水大臣どうですか、この大潟村のようなものが今後も起きると、現在工事をやっておる、あるいは工事をやろうとしておる計画の中でこういうふうな将来のことを考えると果たしてやることがいいかどうかというふうな疑念をお持ちのような、そのようなものは現在ありませんか。
○国務大臣(羽田孜君) 今先生から御指摘のございましたような点につきましては、確かに経済事情ですとか食糧の事情というものがこの長い期間の中に大きく変わってきておるということで、当初計画してきたときと完成するときと事情が変わっておるというようなことがございまして、そういった問題で問題を起こしておることがあります。それからまた、非常に工期がおくれてしまっておるというようなことで、その負担が大変大きくなっておるということで今議論がある問題は実は幾つか抱えております。
○井上計君 そこでお伺いをいたしますけれども、これは竹下大蔵大臣の地元の問題でありますが、例の中海の干拓と宍道湖の淡水化計画であります。 これが既に昭和三十八年から工事に着工して、従来、当初計画から見ると随分と上がっておりますが、八百八十億円の工費で、これは中海干拓だけで既に六百二十二億円を投入しておる。六十一年度予算で四十八億円、六十二年度以降二百十億円、合わせてまだ約二百六十億円ぐらい今後の工事をやるために必要な資金を投入しなくてはいかぬ、こういう問題であります。これが昭和三十八年、工期に入ったときと現在とは、先ほど申し上げた大潟村と同じようにもう環境がまるで変わってきておる。それから同時に食糧事情も大幅に変わってきておる。だから三十八年ころの計画と同じ考え方でこれからも工事を続けていくとすると大変なむだが起きるんではなかろうか、こういう感じがするんですね。地元のことでもう大蔵大臣十二分に御承知でありましょうが、私どものように全く部外者であっても、言えばこの地域に関係のない者の耳にも賛否両論依然として入ってくるわけですね。だから、これを仮に現在でも続けていくということが必要だとお考えであるのかどうか。あるいは余り必要ではないけれども、将来的に考えると、この辺で何らかの方法で政策転換をしてもいいんだとお考えになっておるのか。その場合に一時凍結をするとか、あるいはさらにもう一度政策を見直してどうするとかという、このような政策転換の御意向等については、農水大臣、何かお考えありませんか。どういうふうな御所見でありましょうか。
○国務大臣(羽田孜君) この問題につきましては昭和三十八年から始まっておりまして、あそこの地域の農業というのは大変零細であるということ、そしてやっぱり既農家の皆さん方の水というものもどうしても必要であるということで干拓並びにその淡水化というものを図ろうということで今日まで進めてきております。ただ今日、一方では今先生からお話がありましたように水質を汚濁するんじゃないか、あるいは自然に対して影響を及ぼすんじゃないかという声がございまして、これに対する反対の住民の方たちのあることも事実であります。それと同時に、やはりぜひともひとつこれを進めてほしいという両方の意見があるということでございまして、県の方でもこの問題につきまして、助言者会議というんですか、こういったものをつくりながら、ここでの今助言の報告が私どもの方にも実は寄せられておるということであります。また、県の方でも今検討しておるということでありまして、これはいずれにしましても法律に基づいて物事を進めておりますので、もともとの申請者であります県の方からいずれにしましてもどういう方向であるということが私どもの方にまた上がってくるんじゃないかと思います。そういう中で私どもとしても適正に判断をしていきたいというふうに考えております。
○井上計君 県の申請でやはり法律に基づいて行っておる、したがって県から言えば何らかの答えがなければ国としては現状ではこのまま進めていく以外に方法はない、要約するとこういう御答弁になろうかと思いますが、聞くところによると県も大変困っておるようですね。というのは、当時と現在とではこの干拓あるいは淡水化をやることによるメリット・デメリットが、当時は工事着手ころは確かにメリットの方が気かったと、こう思います。しかし、その後もう二十年以上たって、現在では逆にデメリットの方が多くなった。これは多くなっておっても不思議はないわけですね、状況が全く変わっておるんですから。しかし、その当時の二十数年前と同じメリット・デメリットでずっと従来も来、またこれからもいくということになってくるとそこに問題がある。事実そういうふうな意見が地元で相当強くなっておるわけです。 だから、県の方から来ればというお話でありましたが、積極的に農水省は乗り出して県をどのように指導する、あるいは県の意向をもっと早急に煮詰めて確かめていく、それについての対策をどうするか、転換をどうするか、このようなことまでお考えになる必要があるんじゃないでしょうか。どうでしょう。
○国務大臣(羽田孜君) 今先生のお話でございますけれども、現実に地元の方からぜひこれを推進してくれという声も実はまだ現状であるということでございまして、これは相当強い声が実はあるわけです。ですから、その辺の調整というのは申請者のもとであります県、これは当然やっぱり県というのがこれからもいろんな面で指導していただかなきゃなりませんので、県の方と十分我々としても連絡をしていきたいというふうに思っております。
○井上計君 もっともっと突っ込んだ調査をされることが必要だと思います。これはもう大蔵大臣地元で、大蔵大臣には本当は聞きたいんですが、大蔵大臣としてもお立場上お答えがしにくいで しょうからお聞きいたしませんけれども、地元の声を聞くと、全くこれは政争の具に供されておるという意見が相当ありますよね。本当はやめた方がいいんだと。しかし、今さらやめると言えないんだと言う人もあるわけですね。それから私、実は現実に私のある地域の友人に聞きますと、本当はもうやめた方がいいんだ。しかし、今さら我々としてはやめるということは言えないんだと、こう言う人がいるわけですよ。 だから私は、これなんかについては、言えばむだだとは言いませんけれども、過去のことはやむを得ぬとして、これからさらに二百何十億国が貴重な金を投資する必要があるのかどうか。投資した場合の効果がどうであるのかというようなことを改めてひとつ御検討いただくことを、特に強く主張をしておきます。 それから、資料をちょっと配ってください。 〔資料配付〕
○井上計君 次に、去る四月四日の当院予算委員会の締めくくりの総括質問の中で、私、健康保険の問題等について資料をお配りをして申し上げました。そのとき余り実は時間がありませんでしたので、まだ提案の足りないところ、また意見を申し上げるのが十分でなかった点等もありますので、いま一度繰り返しになりますけれども申し上げたい、こう思うわけであります。 私が資料をお配りいたしましたのは、現在の政府管掌の健康保険がこのままでまいりますと、幸い当面は剰余金が出ておる形になっておりますが、実際にはしかし今のこれは剰余金じゃなくていわば国庫補助を含めての剰余金でありますから、実質的にははっきり言って赤字であるというふうな状態が依然として続いておる、こう申し上げていいと思うんです。そこで改善策について提案をいたしました。そのときに厚生大臣の御答弁も、さらにこれについては私の提言した考え方をもとにして「積極的にこれを実現したらいかがだろうというふうな感じを強く持っているもので」云々と、こういうふうな厚生大臣の御答弁をいただきました。また、江崎総務庁長官も、大変興味深くこの資料を見たと、政管から民間の自主的な組合管掌健保、これに移行することは民間活力の導入という上からも行政改革の趣旨に全く沿ったものだと、こういうふうな御答弁をいただきました。また中曽根総理からも、これを見た結果大変参考になったと、こういうふうな御答弁をいただいております。 さてそこで、厚生省としてはこれらの問題についてどのような御検討をされておるのか。特に健保の運営改善について、私が提言をしておりますような従来の業種別健康保険組合、それを地域の健保組合の創立までどういうふうな御検討をされておるのか、まずそれを厚生大臣からひとつお伺いをいたしたいと、こう思います。
○国務大臣(今井勇君) まず最初に、地域の健保の組合についての考えでございますが、健保の組合につきましては、従来、共同連帯意識の強い単一の企業やあるいは同一の業種につきまして設立を認めてきたものでありますが、御要望のございます地域の総合健保組合につきましては、私も先般ここで先生に御答弁申し上げましたとおり、既存の健保組合と同様に効率的な運営が図られる場合についてその設立を認めることが適当であると考えております。既に私のところに幾つかの非公式の打診もございますので、業種は異なりますが、地域的に相当なまとまりがある場合につきましてはひとつ十分検討させたい、このように考えておりますことをまず御答弁をいたしたいと思います。 それから、健保組合の効率的な運営の問題でございますが、必要にして適切な医療を確保しながら医療保険制度を安定的に運営していくために、その運営の効率化を図るということは極めて重要なことだと考えております。具体的には、やっぱり保険者によります効率的な運営の確保ということと医療費の適正化の徹底が何よりも必要だろうと考えているわけでございます。 そこで、先生の御指摘の地域総合健保組合というようなものは、これは小規模のメリットを生かしながら経営の合理化が図られますし、地域におきますきめ細かな疾病予防あるいは健康管理などの被保険者の福祉の向上にも非常に資するものでありますから、先ほど申し上げたとおり前向きに取り組んでまいりたいと、こう考えているものでございます。さらに各保険者におきますレセプト点検あるいは医療費の通知の促進、それから支払基金などにおきます審査体制の充実ということなど、医療費適正化ということの対策は、先生おっしゃいますように一層推進してまいらねばならぬ、こう考えておるものでございます。
○井上計君 総括的な御答弁をいただきました。ただ、大臣今おっしゃったように、ただ考えておるとおっしゃってもなかなかこれは容易なことじゃありません。 そこで、先般の予算委員会のときと重複いたしますけれども、いま一度改めて、私はお配りした資料に基づいて全国印刷健保がどのような方法をやってどういう成果を上げている、どういうふうな努力をしたかということを申し上げて、ただ単にこれは厚生省だけの問題ではないと、こう思います。政府全体がこの問題と取り組んでいただかないとなかなかこのようなことは実現が不可能であるし、また効果は上がらぬと、こう考えますので、あえて重ねて御説明を申し上げたい、こう思うわけであります。 二枚目をひとつごらんをいただきますと、これは一つ重要であります。従来、新聞報道あるいは厚生省のお考えも、健康保険組合は大企業を主とした組合で、大企業のサラリーマンを被保険者としている組合である、したがって標準報酬も高い、またいろいろな面で恵まれておるから黒字が当たり前だ、こういうふうなことがしばしば言われておりますが、実際は現在約千五百ある健保組合のうち約半分の八百幾らは中小企業の総合健保なんですね。いわば政府が管掌しておる同じような事業所を集めた健保組合が半数以上あるということ、これが第一点ですね。 そこで、例として、私が関係しております全国印刷健保と政管との比較がこの二枚目の半ペラの数字であります。政管の被保険者数は千五百三十六万二千、全国印刷健保は十二万六千七百。といいますのは、全国印刷の組織は沖縄と九州の宮崎、大分等、一部を除いた四十四都道府県にまたがっておるわけです。その被保険者数が十二万六千七百一人である、印刷業の中小企業ばかりです。大企業はこれに入っておりません。零細な企業もかなり入っております。そこで、平均年齢は政府管掌四十歳に対して三十八・五歳、若干若いですが大して変わりません。ただ、扶養者の数においては政府管掌は被保険者数の一・一一倍で約千七百万人でありますが、印刷健保は一・二四倍ですから扶養者をたくさん抱えておるわけですね。平均の標準報酬一カ月政府管掌十九万七千五百九十八用に対して印刷健保は二十三万七千五百八十一円、高いです。高い理由は、これは同業のこういうふうな組合でありますから、標準報酬のつかみ方が的確なんですね。政府管掌の場合のように一方的な申告と違いますから、やはり実態をつかんでおると、こう思う。ですから、もしこれが小さな地域の組合になれば政府管掌の平均標準報酬は私は必ず上がると、こう思います。それからあとは一人当たりの保険料等々ありますが、省略いたしますけれども、余り大した変わりはないですね。 しかも、ここで表の最後にありますように、料率は政府管掌は従来は千分の八十四、今年度から引き下がって八十三、印刷健保は従来千分の八十三、政府より一か安いんです。さらに六十一年度から八十一というふうに一下げるわけですね。これらのほかに政府管掌と違うのがたくさんありますのは、まず本人及び家族の自己負担分を、五千円の足切りはありますけれども、それ以上は給付しているわけですね、現金給付。それから、出産とか死亡等の付加給付も政府管掌のさらに上積みをしておる。だから、実際に支出は政府管掌よりはるかにいいわけですね。だから、被保険者は大変喜んでおるわけです。こういうふうないわば政府 管掌と比較して、実際は中小零細企業の集まりである健保組合ですけれども、こういうふうなことを行っておって、そこで五十九年度の収入、支出の実態を、一枚目をごらんいただくとわかりますけれども、政府管掌の場合には保険料収入が三兆一千二百六十四億円あります。ところが、さらに五千五百三十六億円という国庫の補助が入っているわけですね。その他を入れまして三兆六千九百三十五億円という収入でありますが、支出は三兆四千八百九十五億円でありますから、剰余金が二千四十億円出たと、こう言われておりますが、国庫補助の五千五百三十六億円を差っ引きますと、実質的には三千八百億円ばかりの赤字になるということですね。これがなぜこのようなことになるかと。後で申し上げますけれども、要するに医療給付費が保険料収入の八一%に上がっているわけですよ。これが一番大きいんですね、差が。 なお、もう一つつけ加えますが、支出の中で職員給与の三百三十六億円というのはこれは社会保険事務所トータルでありますから、いわば厚生年金の職員も入っております。私の推定で六〇%が健康保険にかかわっておるであろうということで、三百三十六億円という推定を出したということでありますから、これは必ずしもどんぴしゃり正確ではないということで御了承をいただきたいと、こう思います。 これに対しまして印刷健保の方は、以下ずっと読むのを省略いたしますけれども、ずっと参りまして、国庫補助が五千二百四十万円、微々たるものです。これは事務補助であります。これらのものをずっとトータルいたしまして、実質的な剰余金が国庫補助の五千二百四十万を抜きまして二十四億四千四百六十万円という実質的な剰余金があるわけですね。政府管掌よりも料率が低い、そして政府管掌よりも上積みが多い、なおかつこれだけの実質的な剰余金があるというのは、印刷健保の場合には医療給付費が六三・八%であるということです。じゃ極端に医師にかかる等のいろんな抑制をしているかというと、全くそうじゃありません。積極的に健康診断等受けさしたりいろんなことをやっておるわけですね。特に入院ドックなんかについてもかなりの補助金を出してやっておる。そういうことをやりながら、なおこれだけの黒字が出ておるわけです。しかし、全国的に全部黒字じゃありません。先ほど申し上げました四十四都道府県を十三の支部に分けていますが、そのうち赤字の支部が七支部あるわけです。これは創設以来ずっと赤字です。例を挙げますと、北海道あるいは四国、中国、東北、九州もそうでありますが、ずっと赤字です。その赤字をどこでカバーしているかというのは東京、大阪あるいは東海、神奈川とか大体都市周辺のところでカバーしておりますけれども、ただ単にこれは標準報酬が安いから赤字ということでなくて、地方へ行けば行くほど扶養者が非常に多いこと、それから医療費がまことに高いわけですね。そういう面で赤字になること。かなり努力していますけれどもやむを得ぬということですが、これらをカバーして、なおかつこういう剰余金が出ておるということです。 なぜ剰余金が出ておるかというのは、大変な経営努力をもう二十年来やってきておるわけです。レセプトの点検を二十年前から実施をしました。当初随分と実は抵抗がありました。しかし、それだけでは十分でないので五十二年度からは、八、 九年前でありますが、医療費の通知制度というのをやりました。若干月がおくれますけれども、あなたは何月には病院へ何回通って幾らの医療費を払っています、健康保険組合から幾ら払いましたと、こういう通知をするわけです。そうすると、最初は随分と、そんなに病院にかかっていませんという返事が来るわけですね。いや一日は行ったけれども五日も行っていませんとか、あるいは風邪だけでそんな大きな病気じゃありませんとかというのが随分返ってくるわけです。だから、これについて当時、はっきり申し上げますけれども、日本医師会から大変な圧力がかかってきたんです。印刷健保はけしからぬ、印刷健保の患者は今後診ないとか、うるさ過ぎると随分圧力がかかってきた。しかも、当時厚生省からも実は強い行政指導があったんです。このようなことをやってはいかぬと、こういう行政指導があった。しかし、それを我々は実ははね返してずっとこれをやってきたんですね。そのために現在のような実は大変な成果があらわれておるということであります。だから、五十九年度だけ見ましても、このレセプト点検によっての要するに過誤訂正ということで、支払基金を通じて医療側から返ってきた金が十二億七千五百万円あるわけですよ、五十九年度だけで。 だから、いろんな経営努力に加えてそういうものを加えますから、先ほど申し上げましたように、実質二十四億四千万円という剰余金が出ておるということなんですね。これはもちろん努力した結果でありますけれども、実は努力できるような組織体制にあるということです。現在のような膨大な、言えば政府管掌の全国一本の運営では、厚生省がどんなに努力されてもこれは不可能だ。だから、できるだけ小さなといいますか、適正規模は三千人なのか五千人なのか、これは地域によって違ってまいりますけれども、そのような従来と違った地域の健保組合をつくって、その健保組合でそのような経営努力をする。同時に、それは医療費の抑制ということじゃなくて、文字どおり節減です。医療は後退しません。逆に前進します。健康診断をやったりいろんなことをやりますから、逆に前進をします。私はこのようなことをやれば、考えられるこういうメリットというものが、そういう効果は随分あると思うんです。要するに、適正な医療等の本人の認識は深まってまいりますし、定期的な検査もできます、実質的に。 それから地域には、例えて言うと会館、先ほど箱物の整理を申し上げましたけれども、総合的なそういうふうな会館ができればその中に事務所も置く、あるいは若干の検査設備も置く、あるいはまた老人クラブ等々の集会所を置いて老人医療の問題も扱える。いろんな面で私は地域の、町の開業医等々とタイアップすることによってかなり疾病予防にも効果がありますし、また成人病、老人病等のやはりそういう効果のある指導ができる。現在、病院等では、もう皆さん御承知のように外来が非常に多い。特に老人外来が多くて、朝六時か七時に受け付けを済ませてやっと終わるのがお昼ごろだというふうな大変なむだが多いですね、各地とこへ行っても。このようなこともやっぱりある程度整理できるんではなかろうかと、こう思います。 それから、社会保険事務に精通をした職員がたくさんおられます。そういう人たちの退職後の職場も確保できるわけですね。あるいは行政改革の中で、余剰人員等できればそういうところに確保できれば、すべていいことばかりとは言いませんけれども、そういう面で、この際根本的に健康保険のあり方、運営を考えていくことによって、私は冗費の節約、これから今後ほうっておけばますます高騰するであろう医療費、それについての適正な抑制、さらには医療の後退ではなくて逆に医療の前進というふうなことに相通じていくであろう、このように考えます。これについては特に厚生大臣から御答弁をもらわぬでいいですが、あわせて申し上げます。 ところが、それをやるためには健康保険の運営のあり方、組織のあり方を変えると同時に大変な努力が要りますが、もう一つは現在支払基金の問題があります。 現在、いただいた資料によりましても、五十九年度は取扱件数が五億二千百万件、大変な数です。金額が七兆一千四百六十億円ですか、の取り扱い金額ですね。これをどの程度の人数で全国四十七カ所の支部でやっておられるか。約六千名の職員で点検をしておるわけですが、実際にこのレセプトの点検をどういう形でやっているか。事務点検の面では七・五秒で一人一枚やっているんでしょう、レセプトの点検を。医者の請求されるいろいろな請求書を一人が七・五秒でどうやって点検をしておるか、こういう問題ですね。だから、このあり方をまず変えていかなくちゃならない。だから、印刷健保が先ほども申し上げました十二兆幾らと いう過誤訂正でもらえるのは、この事務点検、支払基金で行う事務点検のそこでもらっているわけですね、見つけているわけです。だから、支払基金がやっておる医師の審査なんというものは、一切健保組合、資格ありませんからできないわけでしょう。職員がやっておるその段階で既にそういうものがあるわけでありますから、だから支払基金の審査の方法、あり方、これまた根本的に考え直しをすれば、私はもっともっとむだな医療費というものが見つかっていくのではないか、こう思います。 もちろん、お医者さん、病院の全部が間違っておるとは言いません。非常にまじめな方もおられます。しかし、悪意とは言いませんけれども、人間ですから間違いがあるわけですね。一日しか来ない外来患者を五日に書き間違えることもあるでしょう。あるいは実際には使わなかった、やらなかった治療をやったことにする場合、間違いがあるかもしれませんが、まずそういう点検をできる体制というものをつくっていかなくては、私はなかなかこの医療費問題については解決しない、このようにもう前々から強く感じておるので、今まで時に触れて提言したんですが、なかなか一向に進みませんので、予算委員会に続いてきょうは特にこのことを、これは厚生省という問題では解決しませんから、総理、総務庁長官にぜひこれらについて本格的な取り組みをひとつお願いをしたい、こういう要望をするわけであります。 あわせて、国民健康保険についてもそうであります。国民健康保険に対する国庫補助額が二兆一千億円、六十一年度あるわけですね。前年度と比べまして八百七十九億円ふえております。このうち二兆百六十二億円というのは医療に対する補助ですよね。これは全都市町村に任じておるからこうなるんです。これも、健保と申し上げたが、健保と同じように国保についても地域で国保組合をつくっていく。そして、適正規模の組合をつくってそのような指導をしていけば、随分と私は国保についてもむだな医療費の節減ができるのではないか、こう考えております。 資料説明を含めて大分長くなりましたけれども、以上のような問題等含めて、まず厚生大臣に伺って、あと総務庁長官に伺って、できますれば総理からも御所見をひとつお伺いしたいと、こう思います。
○国務大臣(今井勇君) 先ほども先生のお話に先立ちまして全体的な答弁をいたしてしまいましたが、やはり先生おっしゃいますように、やっぱり適切な医療を、しかも十分な必要な場合にどこでも診ていただけるような医療を確保し、しかも医療保険を安定的に運営していくというためには、おっしゃいますように運営の効率化を図らなければならぬことは当然だと思います。 そこで、具体的に申しますれば、保険者によります効率的な運営の確保と、それから医療費の適正化の徹底が何よりも大事であろうと思うわけでございます。さらにまた各保険者におきます、先生おっしゃいますようにレセプトの点検、また医療費通知の促進、それから支払基金などにおきます審査体制の充実など、医療費の適正化対策、これは極めて大事なことでございまして、一層推進していかなければならぬと考えております。 それから、支払基金におきます審査体制の充実の問題でございますが、先生のおっしゃいますとおりでございまして、これはひとつ今後とも十分に力を入れましてやってまいらねばならぬというふうに考えているものでございます。
○国務大臣(江崎真澄君) この参考資料を拝見して、本当に敬服したりまた驚いたりしておるわけです。まさに一年間にこれは本人、家族、十二億余の返還があるんですね。老人保健でも少ないときで九千八百万、これは大変な御努力だということをしみじみ思います。だから、規模が適正規模であること、これはやっぱり必要でしょうね。余り大き過ぎると、今の七秒でレセプトを点検すると。私の記憶に間違いかなければ、レセプトというのは患者数で割るというと三秒で一枚の割にレセプトが出てくる、一体どういう診察をかるのだろうと。その後改められたかもしれぬが、そういうことが言われた時期がいっときありましたね、本当に。そのチェックがこの成果になってあらわれているわけですから、今これは我々総務庁としても、厚生省だけの問題じゃないと思います、やはりよく御趣旨の存するところを外しまして、行政監察ということもありますし、それから適正規模にしていく方法が一体どういうふうなものか、そのあたりも含めて今後の検討課題として重要な御提言と承っておきます。
○国務大臣(中曽根康弘君) 総務庁長官と同じであります。
○井上計君 私、この支払基金の問題は、たしか昭和五十四年であったかと思いますが提言したことがある。率直に言って大して改善されていません。それから健保問題等についても昭和五十四年、五十五年ごろ予算委員会等でも当時の厚生大臣にも提言をして、若干の改善をされておりますけれども、大した改善の跡が見られない、年々医療費は増高して赤字の累積があった、こういう問題があります。 この印刷健保も最初から何も黒字であったわけじゃないんです。実は二十年前大変な赤字になりまして、もう組織がもたない、組織を全部分けてそうしてもう政府管掌に引き取ってもらおうと、こういうこともあったんです。ところが、厚生省に引き取ってもらえなかったんです。だから、厚生省に引き取ってもらえないでこんな赤字が累積したのでは大変なことになる。そこでどうするかということで考えたのが、先ほどから申し上げているように、レセプトの点検、これだけでは十分ではない、そこで医療費の通知運動をやろうといって、かなり圧力が加わりましたが、やってきてこの結果を生んだということですから、一朝一夕に効果があったものではありませんけれども、しかし国がやる気になれば私はできると思うんですね。 しかも、こんなことを申し上げてどうかと思いますけれども、もう十年ほど前から全国で、お医者さんに言わすと、私も親しいお医者さんもたくさんおりますが、印刷健保の患者はもう本当に骨が折れる、どうして骨が折れるんだ、印刷健保の患者は請求のときに気を使わなくちゃいかぬ、間違いがあったんではいかぬからといって慎重にやっておって、慎重な請求でなおかつこうなんですから、私はこの率よりか本当に国、政管、国保がやれば大変なことになる。だから、健康保険の本人の一割負担が六十二年度から二割負担になりますけれども、私は二割負担なんかしなくても一割負担でやっていける、国庫補助もなくてもやっていけると。しかし、それは組織を考える、運営を考える、経営努力を考える。厚生大臣言われたように、ただ単に厚生省が検討するとかどうとかということでは、到底このようなことは成果は出ません。根本的に見直しをしてもらうということを強く提言をします。 同時に、私は先ほど来申し上げましたように、一般補助金の問題にもこれと同じようなことがたくさんあると思うんです、随所に。だから、この際重要な問題でありますから、大きな政治課題としてこの補助金の問題を含めてこういうふうなことをもっと考えていく、こういうことを強く主張し、ぜひひとつ強くお願いをしておきます。総務庁長官、もう一回決意を伺いたい。総理大臣にはあえてお聞きせぬでもいいですから。
○国務大臣(江崎真澄君) 全く御提言については前向きなお話と承って、感銘を深くしております。これは感銘を深くしておるだけじゃいけませんから、私の職掌柄行政監察もやりますし、また何かの組織を厚生省とも相談をしながら、これをやはり新しく検討する必要があるというふうに思います。
○井上計君 最後に、もう一つ申し上げておきます。 もう何年も前から、先ほど申し上げたように、提言したが一向に進展しません。だから、この問題は私が国会にいる限り毎年でも質問して、その進捗状況をお聞きすることにしますから、ひとつ よろしくお願いをいたします。 終わります。
○下村泰君 まず、今回の補助率引き下げは障害者にとって大変多くの、そして大きな問題をはらんでいることをお伝えしておきたいと思います。 国際障害者年中間年に当たりまして、こういうことが行われるのはまことに残念で仕方がございません。私はこうした観点に立って、この補助金問題についてお尋ねしたいと思います。 幾つかの問題の中で、まず措置費に関連しまして身体障害者福祉ホームについてお伺いしたいと思います。措置費は、本来国庫十分の八、自治体十分の二であるべきものが、六十年度一年限りということで国庫十分の七に引き下げ、そしてことしそれをさらに引き下げて十分の五、二分の一にして向こう三年間行うというわけなんですが、ここでその措置費の対象にさえなっていない施設があるわけなんです。五十九年の身体障害者福祉法改正の折に加わりました身体障害者福祉ホームがそれなんです。 私は、これができたときに大変施設の規模が小規模になりまして、二十名ですから、地域化が進むと大変期待をしたんです。日ごろいつも私が社労委員会で申し上げておったことなんで、大変これはすばらしいことだなと思ったんです。仙台でこのホームをつくろうとして、筋ジストロフィーの患者さんたちがいろいろ準備を進めてきました。ところが、重度の障害者はだめだということになったわけです。自立できる人、自炊できる人が対象ということになった。 そこでお伺いするんですが、この福祉ホームが考えられた経緯というのは一体どういう経緯なんでしょうか。
○政府委員(小島弘仲君) 在宅では日常の諸活動が困難なような障害者の方を入所の対象にいたしまして、軽微なというか、軽度のお世話をしながら、その日常生活と申しますか、例えばそこを利用いたしまして福祉工場あるいは事業所というような働く場所に通勤願うというような拠点の施設として一応考えております。
○下村泰君 それはよくわかるんですがね。 私は、こうした小さな地域につくられる福祉ホームを本当に望んでいるのは重度の方だと思うんですよ。重度であるがために、自分の住みかからあるいは実家から遠く離れた大規模の三十名とか五十名とかいうような施設に入るわけです。そうしますと、プライバシーは十分に保障されずにきたわけですね。小規模になれば少しは御自分の家に近くなる、近いところにできる、だからプライバシーも今よりはましになるだろう、そういう強い願いがあると思うんです。 ですから、彼らはそれを求めて運動もしたし声を上げてきたんです。これはもう三塚運輸大臣も御存じのはずなんですけれども、実は仙台の山田富也君という筋ジストロフィーの患者さん、この方が一生懸命周りに呼びかけて、そして仙台市、宮城県そのものは大変理解がありまして、土地その他も提供もされてきております。そして、周りの方々の熱い御後援によりまして、法人組織にもたしかなるはずです、ことしのうちには。こうして運動してきたわけなんです。今回の答申や法改正に私は大いにこれは反映したと、この人たちの運動がこのまま法の改正につながったと喜んでおったわけですね。ところが、こういうふうな今局長が答えたようなことで、何とかこの入所基準というのを緩和できないものなんでしょうかね。 ここにございますね、厚生省社会局長の「身体障害者福祉ホームの設備及び運営について」、この中で、「ただし、常時の介護、医療を必要とする状態にある者を除くものとする。」、こういう一項が入っている。このためにできなくなっちゃった。これは何とかなりませんかね。
○政府委員(小島弘仲君) 社会福祉施設の類型、いろいろあるわけでございますが、特に常時介護を必要とする重度の障害者の方々というようなものにつきましては、現在でも障害者の療護施設、医療とあわせて行うというような療護施設というような施設を、これも全国で百五十八カ所整備いたしております。重度の障害者について、常時日常生活が自分ではできないというような方々につきましては、それ相応のやっぱり人的、物的設備を必要といたしますので、小さな施設でというのはなかなか難しい面があろうかと思います、職員の交代制というようなことも考えましても。 したがいまして、このような方につきましては、身近なところという御要望には必ずしも沿いがたい面がありますが、療護施設というようなものを御活用願う、また今お話しの福祉ホームは、障害者の社会参加ということを促進する意味でその御活動の拠点として利用願うというような形で整備したものですから、こういうような区分になっているわけでございます。
○下村泰君 じゃ、社会局長に伺いますが、山田富也君は厚生省の方はどう見ていますか。あれは重度ですか軽度ですか。
○政府委員(小島弘仲君) 私まだお目にかかってないと思いますので、その障害者の程度について御判断を申し上げる状況にございません。
○下村泰君 実は重度なんですよ、この方は。その重度な方が中心になってこういう運動を展開して、そして仲間たちと一緒に自分たちで自立ホームをつくろうと努力しているわけなんですね。ところが、こういった通達のためにその人たちが入れないんです、今。大変希望を失っているというのが現況なんです。 ではお伺いしますけれども、実際に現在この設置状況はどうなっていますか、この福祉ホームは。
○政府委員(小島弘仲君) 現在全国でこの設置をいたしましたのは、熊本まだ一カ所という状況でございます。
○下村泰君 その熊本の状況を御存じですか。
○政府委員(小島弘仲君) これはある関連会社に勤める人たちを主として対象としていたと。その関連会社の事業開始と申しますか、それらが多少おくれたために本日開所し二名入居した、現在のところ入居希望者は二名を含めまして八名であるというふうに伺っております。
○下村泰君 これはたしか「希望郷」というのですか、どこかそっちの方らしいですね。これは県の方が社会事業団に委託して運営してもらう、だから県から予算が出るわけですね。ですから、運営そのものは大して心配ないわけです。ところが、何とここへ入る方々がおらなかったそうですよ。これは内輪の話ですからね。得た情報によりますると、県の方から頼んで歩いた、この委託された社会事業団の方が頼んで無理やりに入ってもらったというような形跡があるんですが、そういうことを聞いていますか。
○政府委員(小島弘仲君) この関連工場で働く予定の障害者の方々は十五名程度と伺っております。そのうち七名は自宅から通勤可能であるということで、現在のところはまだ八名にとどまっておるということでございますが、特に無理に頼んでというようなことについては事情を承知しておりません。
○下村泰君 とにかくこの山田富也君がこういうふうにして、自分たちの仲間が現在まだ大きな施設に残っている。その施設に残っている同じ筋ジストロフィーの患者さんたちがこの福祉ホームができることによって――自力でこれをつくっているんですよね。一生懸命自力でつくっている。これはもう三塚大臣もよく御存じなんです。自力で自分たちのホームをつくっているのに、この一項のために入れないんです。山田富也君自身は重度なんですから御自分のおうちにいらっしゃる。そして彼らが一番気をつけていることは風邪を引かないこと。風邪を引くと筋ジストロフィーというのはすぐ命にかかわるんです。ですから、それは御自分で気をつけております。常時介護というのはまことにそれはそのとおりなんですけれども、彼自身はそういうふうにして日常の生活を送って、この福祉問題に一生懸命活躍して取り組んでいるわけです。その富也君と同じような状態で自立の福祉ホームで生活をしようと望んでいる人たちがいるのにもかかわらず、この一項によってストップされているんです。 厚生大臣、ここのところ、この項目何とかなりませんかね。こういう人たち、自分たちでやろうとしているんですよ。それをこういう一項が、局長の通達だけですからね、これによってこの人たちはどうにもこうにも動けないんだ。ですから、せっかく仙台の皆さん、大きな愛情が一つになってこの人たちを助けるべく、また、この人たちも一生懸命更生できるように御自分たちで仕事を求めながらやろうとしているのにもかかわらず、こういう一項目のためにこの人たちの運動がストップする、あるいは希望を失う。これで果たしていつも総理がおっしゃっているようなことになるんですかね。ここのところ本当に僕はどうも納得がいかないんです。ですから、私は厚生大臣にこれは何か一言言っていただきたいと思うんです。
○政府委員(小島弘仲君) 施設の利用目的と申しますか、先ほど申し上げましたように、社会参加の拠点として社会活動をお助けするというような趣旨で設けた施設でございますので、職員も実際は定員二十名でございますと専門の指導員は一人、それから施設長と嘱託医と、これは非常勤でもいいことになっております。その範囲でお世話できるということに考えますと、常時介護を必要とするというような方に入居いただくというような施設にはなっていないわけでございますので、したがいまして常時の介護とか医療を必要とする方はこの対象とは考えないという運営をしているわけでございまして、一般的な障害の重度、軽度ということとは区別いたしまして、たとえ障害は重度であっても、日常軽度のお世話で社会活動がおできになる、日常生活をお続けになるという方は入居を願う取り扱いになっております。
○下村泰君 大体、今の局長のおっしゃったような状態の方でしたら、恐らくこういう福祉ホームというのは必要ないんじゃないかと思いますよ。御自分で働いてそれだけの収入があるような障害者であるならば、自分でアパートを借りるか、あるいは自分の家から通うか、私はそういうことをしていると思うんですよ。本当の福祉ホームというものを利用しようとする人は、こういった山田富也君のような方たちが本当に望んでいるのではないか。またそういう階層の人が望んでいるんではないかと思うんですよ。だから、せっかく法を改正したって何の意味にもならないと思います。本当に自立できる程度の人でしたら、こういうホームに入る必要ないんですからね。 この身体障害者福祉法の改正された部分、第二条なんか見るとすばらしいですよ、これは。「すべて身体障害者は、自ら進んでその障害を克服し、その有する能力を活用することにより、社会経済活動に参加することができるように努めなければならない。」、こういう条文が立派にあって、この条文に即するために一生懸命本人たちがやっている。ところが、今局長がおっしゃったような解釈でこれをとめてしまう。そうしますと、福祉ホームというのは一体何のためにこの条文が加えられたのかという疑問が出てくるわけですね、ここに。第三十条の二に、「身体障害者福祉ホームは、低額な料金で、身体上の障害のため家庭において日常生活を営むのに支障のある身体障害者に対し、その日常生活に適するような居室その他の設備を利用させるとともに、日常生活に必要な便宜を供与する施設とする。」、これは合わなくなってくるんじゃないですか。
○政府委員(小島弘仲君) 今、関係条文を挙げて御指摘いただきましたように、これは安い料金で利用していただくという利用施設になっているわけでございます。したがいまして、療護ホームとかそれから厚生援護施設のような措置施設でございませんで、したがって、この運営はその利用料を基礎として運営するという仕組みになっております。したがいまして、障害者につきましては現在、全体の施設体系もさらに見直しを必要とする時期だというふうに考えて見直しを進めておるところでございますが、やはりその施設の目的に兼ね合ったような形での運営ということを考えていかにゃならぬかと考えております。 先ほど申し上げましたように、特に日常生活に常時の介護を必要とするあるいは医療を必要とするという方々の施設と考える場合には、やはり現在の療護施設をどのような形で、また機能面で見直すかという問題で対処していくのが基本的な方向ではなかろうかと考えております。
○下村泰君 この山田君が今一生懸命やっているのは、自分たちで運営していこうと努力しているんですよね。仲間同士で何とかして運営していこう。それの目安も立っている。それから、自分たちで運営していくための資金その他も確保できている。ただし、建設費その他が非常に多額なものですから、そちらの方の準備はまだちょっとできかねておりますけれども、その運営は彼ら本人たちでやる。ですから、今利用費がどうのこうの云々ということは、彼らはそれなりに考えて運営していくということの彼らの話も聞きました。ですから、私の考えていることとそれから今局長がお答えくださったこととどことなく食い違いがあるんですね。その食い違う点を、今局長がおっしゃったように箇条書きでくると、どうしてもそこのところが食い違ってくるんですよね。御本人たちがうまく運営しようとしておるんです。それを運営しようとしているのに局長の方の通達でくると、つまりあくまでもそれは社会局長の立場としては法の上にのっとって、法をうまく運用するための答え方なんですよね。けれども、やっている方はそういうことをすべて自分たちで処理しようとしてやっているわけなんですよ。ですから、特例と言ってはなにかもしれませんけれども、彼らのできた状態によっては彼らの望んでいるような方向に進めてやるべきが私は行政当局のあり方ではないかというような気がするんです。そこなんです。それについてお答え願いたいと思うんです。
○政府委員(小島弘仲君) その山田さんのお考えの中身を承りまして、どのような施設体系の中で対処できるか、十分検討さしていただきたいと思っております。
○下村泰君 いや、ありがとうございます。そう答えてくだされば助かるんですよ。そうすれば私はこんな長くしゃべることなかったんです。大変いいお答えでございました。ですから、その上乗せに厚生大臣、ひとつお願いします。
○国務大臣(今井勇君) 今いろいろ局長とのやりとりを伺っておりまして、御指摘のケースにつきましてはよく事情を確かめまして私なりに判断をしてみたいと考えております。
○下村泰君 大分総理もお疲れのようですから、これ以上おとめするのはなんですからもうこの辺で私は終わりたいと思いますけれども、総理、お願いをしておきますけれども、今も申し上げましたように、こういうお話の仕方をすれば局長からああいう答えが返ってくるわけですね。あくまでも法というのは人間がつくったものであって人間が運営するもので、その法の中にはやっぱり血が通わにゃいかぬといつも私は思うんです。ですから、今の話のやりとりをお聞きになって、もし総理が何かお感じになるか、あるいは今後こういうふうなことはその場その場の、やはりある程度のケース・バイ・ケースの措置が必要であると私は思うんですが、いかがでございましょうか。総理のお声を聞いて終わりたいと思います。
○国務大臣(中曽根康弘君) 役所とか法律というものは画一的に物をやりたがるものでありますが、人間のためにやるものですから、特に身体障害者の場合は完全参加と平等という、そういう立派な目標があるわけでありますから、参加したいという方、自分でやりたいという方、これはありがたい話でありますから、政府としても積極的に協力して、できるだけ好意的にそれが成就するように協力してあげる、そういうことが法の趣旨でもある、行政の趣旨でもあると思います。今、社会局長も御相談に乗ってできるだけ協力するように答弁いたしましたが、政府としてもそういう趣旨に沿って努力をさせます。
○下村泰君 ありがとうございました。
○委員長(嶋崎均君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。 明二十二日午前十時に委員会を開会することと し、本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十一分散会