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104回国会参議院1986/05/08

農林水産委員会 第8号

発言数
259
登壇者
15
会派数
6
開催日
1986/05/08

会議録

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  まず、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  委員の異動に伴い、現在、理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事に菅野久光君を指名いたします。     ―――――――――――――

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  生物系特定産業技術研究推進機構法案の審査のため、本日の委員会に、参考人として、玉川大学農学部教授中島哲夫君、株式会社三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長中村桂子君及び全国農業協同組合中央会常務理事茅野久君の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) 次に、生物系特定産業技術研究推進機構法案を議題といたします。  まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。羽田農林水産大臣。

羽田孜自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) 生物系特定産業技術研究推進機構法案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  近年における技術革新の動きは目覚ましく、特にバイオテクノロジー等先端技術の発展には著しいものがあります。農林漁業、飲食料品製造業等の分野においても、これら新しい技術の開発、導入により技術水準の高度化を図り、生産性の飛躍的向上、画期的新品種・新製品の開発等による新たな展開が期待されているところであります。  御承知のとおり、我が国では、農林漁業等の分野におきましては、民間の技術開発への取り組みは他の分野に比べ十分ではなく、国や都道府県等の公的機関における試験研究が大きな役割を果たしてきたところであります。  しかしながら、さきに述べたような技術革新の状況下において、農林漁業、飲食料品製造業等に関する技術の分野も将来の大きな進展が見込まれる分野として、民間における関心が最近急速に高まってきているところであります。また欧米諸国においては、既に官民挙げてこの分野における技術開発に積極的に取り組んでいるところであります。  このような状況にかんがみ、我が国としても、国等の公的機関における試験研究の充実強化に努めることはもちろんでありますが、それと同時に、民間がこれら分野における技術開発に積極的に取り組み得る方途を講じ、全体としてこの分野の技術水準の高度化を図ることが、国民経済の健全な発展及び国民生活の向上の観点から喫緊の課題となっております。  政府といたしましては、このような認識のもとに、農林漁業、飲食料品製造業等における生物系特定産業技術に関する民間の試験研究を促進する等のため、農業機械化研究所を改組して、生物系特定産業技術研究推進機構を設立することとし、この法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、機構は、民間において行われる生物系特定産業技術に関する試験研究を促進するための業務を行うことにより、生物系特定産業技術の高度化を推進し、もって国民経済の健全な発展及び国民生活の向上に資することを目的とするとともに、農業機械化の促進に資するため、農機具の改良に関する試験研究等の業務を行うことを目的としております。  第二に、機構の民間研究促進業務の対象とする分野につきましては、当面、農林漁業、飲食料品製造業等の産業分野としておりますが、生物系特定産業技術に係る他の産業分野も対象とし得ることとしております。  第三に、機構は生物系特定産業技術についての民間の関係者が発起人となり、政府及び民間が出資して設立される認可法人とすることとしております。  第四に、機構は民間が行う試験研究に必要な資金の出資及び融資を行うほか、国の試験研究機関と民間とが行う共同研究のあっせん、国による遺伝資源の提供についての民間の研究者に対するあっせん、その他民間において行われる生物系特定産業技術に関する試験研究を促進するために必要な業務を行うこととしております。  また、機構はこれらの業務にあわせて、農業機械化促進法に定めるところにより、農業機械化の促進に資するため、従来農業機械化研究所が行ってきた農機具の改良に関する試験研究、農機具についての検査等の業務を行うこととしております。  第五に、機構が設立されることに伴い、農業機械化研究所を解散することとしておりますが、その権利義務については六機構が承継することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及び主要な内容であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようよろしくお願い申し上げます。

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) 次に、補足説明を聴取いたします。櫛渕農林水産技術会議事務局長。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 生物系特定産業技術研究推進機構法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。  本法律案を提出いたしました理由につきましては、既に提案理由におきまして申し述べましたので、以下その内容につき若干補足させていただきます。  第一に、この機構の業務の対象となる「生物系特定産業技術」につきましては、生物の機能を維持増進する等生物の機能にかかわる業務を行う事業のうち、農林漁業、飲食料品製造業及びたばこ製造業その他政令で定める業種に属する事業に関する技術であって、その開発に当たり生物の機能等に密接に関連する試験研究を必要とするものとしております。  なお、政令で定める業種といたしましては、これに属する事業に関する技術の性格を勘案し、その技術の高度化を図ることが特に必要でかつ適切と認められる業種を定めることとしております。  第二に、機構の資本金につきましては、その設立に際し政府及び政府以外の者が出資する金額と農業機械化研究所から承継する同研究所に対する出資金の合計額とし、機構は、必要があるときは、主務大臣の認可を受けてその資本金を増加することができることとしております。  第三に、機構の業務の適正な運営を期するため、機構の業務に関し学識経験を有する者二十五人以内で構成する評議員会を置くこととしております。  第四に、機構の財務及び会計につきましては、民間の研究促進のための出資及び融資等の業務と農業機械化促進のための試験研究等の業務とは性格が異なることから、それぞれ業務ごとに経理を区分し勘定を設けて整理することとしております。  なお、民間の研究促進のための業務に係る勘定におきましては、毎事業年度の損益計算において利益が生じたときは、繰越損失への充当及び積立金の積み立てを行った後の残余の額について、主務大臣の認可を受けて、その出資者に対しそれぞれの出資額に応じ分配することができることとしております。  第五に、機構が設立されることに伴い、農業機械化研究所を解散するものとし、その一切の権利義務は機構が承継することとしております。  また、このような措置を構ずることに伴い、農業機械化促進法につきまして、農業機械化の促進に資するための農機具の改良に関する試験研究、農機具についての検査等の業務は、機構が行うものとする等の所要の規定の整備を行うこととしております。  以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明を終わります。

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) それでは、先ほど決定されました参考人の方々の御出席を願っておりますので、御意見を承ることといたします。  この際、参考人の方々に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多忙のところ当委員会に御出席をいただきましてありがとうございます。本日は、生物系特定産業技術研究推進機構法案につきまして、それぞれの御専門の立場からの御意見をお伺いし、審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願いを申し上げます。  それでは、議事の進め方について申し上げます。  御意見をお述べ願う時間はお一人十分程度とし、その順序は、中島参考人、中村参考人、茅野参考人といたします。参考人の御意見の開陳が一応済みました後で委員からの質疑にお答えをいただきたいと存じます。  それでは、中島参考人からお願いいたします。中島参考人。

中島哲夫玉川大学農学部教授

○参考人(中島哲夫君) 中島でございます。  私の専門は植物育種学でございます。最初に私が今までやってまいりましたことを申し上げますと、植物育種に利用するという立場から過去三十年間にわたりまして植物の組織培養について研究をしてまいりました。植物の組織培養と申しますのは、今日言われておりますところの植物バイオテクノロジーの基礎技術でございまして、DNA組みかえを利用する際の、あるいは細胞融合の際のプロトプラストの培養とか、あるいは雑種をつくるための胚培養、胚珠培養あるいは育種効率を上げるための菊培養などでございます。本日は、植物育種学の立場から私見を述べさせていただきたいと存じます。  申し上げるまでもないことでございますが、育種、いわゆる品種改良は我が国農業の発展に今まで大きな貢献を果たしてまいりました。例えば稲、麦などの生産力の向上、品質の改善に、また果樹作や野菜作などに対しましても、果たした役割は大変大きなものでございます。我が国の現在の育種技術は世界的に見ましても決して引けをとるものではないというように考えております。  ところが、これからの育種というのを考えてみますと、大変大きな問題を抱えているように思います。それは一つには消費者あるいは生産物の利用者のニーズの多様化でございます、例えばトマト一つとってみましても、従来のトマトに加えましてミニトマトだとか、あるいは完熟トマトだとか、あるいは加工トマトだとか、随分と要求はさまざまでございます。  第二には農業形態、特に栽培形態の変化でございます。例えば稲の省力機械化栽培、野菜の施設栽培、養液栽培など、現在までにも栽培形態の変化は起こっておりますが、今後もこのような傾向は続くものと考えられます。今までもこれらに対しましてその都度育種は対応してきたのでございます。今後これらのニーズの多様化、栽培形態の変化に対応するためには、特に急速に対応するためには、育種技術自身も大きな飛躍をしなければならない、そういう問題を抱えているのではないかというように考えております。  ところで、育種技術の根幹は、一つにはいわゆる遺伝的に違ったものをつくり出すか、私たちはこれを変異の拡大と申しておりますが、この技術と、第二には拡大された変異の中からいかにして好ましいものを選び出すか、いわゆる選抜の技術、これが育種技術の根幹でございます。  変異拡大につきましては、従来交配、かけ合わせあるいは突然変異の誘発技術が使われておりました。特に交配によりまして、それも主として品種と品種の間の交配でございますが、これによって多くの新品種が育成され、農業生産に貢献してまいったわけでございます。また一方、少し縁の遠い野生種と栽培種の間の交配も一部では行われてきております。これは例えば野生種が持っております病気に強い遺伝子、耐病性遺伝子を栽培種に導入するときなどに使うものでございます。小麦の赤さび病、トマト、ジャガイモ、たばこなどの各種耐病性遺伝子など、野生種が持つ耐病性遺伝子がこの方法で栽培品種に導入されてきております。これもまた農業生産上大きな貢献を今までしてきたわけでございます。このようなかけ合わせによりますところの方法は一種の遺伝子組みかえと申すべきものでございます。品種間でのかけ合わせにしましても、また縁の遠いものの間のかけ合わせにしましても、遺伝子の組み合わせを新しく変えまして新品種が育成されているわけでございます。  このような遺伝子組みかえは、いわば交配可能な範囲、すなわち、かけ合わせをいたしまして雑種植物ができる範囲に限られてしまいます。雑種植物ができませんと、その後は打つ手がないというのが従来の交配による遺伝子の組みかえということでございます。  先ほど申し上げましたように、新しいニーズまたは新しい栽培形態の変化に急速に対応するためには、交配可能な範囲を拡大する、すなわち、もっと広い範囲で遺伝子の組みかえをすることが必要でございます。また育種技術の効率化を図ることも必要でございます。こういうところから新しい手法、いわゆるバイオテクノロジーを導入いたしました新しい育種技術の体系化というようなことが現在必要になってまいったわけでございます。特に将来、二十一世紀での発展を考えますと、今我が国でもこのようなことに手をつけることがどうしても必要であると考えております。  一方、バイオテクノロジーの眼目でありますところの組みかえDNA手法や細胞融合などを育種に利用することを考えてみますと、これらの手法は高等植物ではまだ研究段階でございまして、直ちにこれらの技術を利用して新品種ができる段階ではございません。現在は多くの基礎研究を積み重ね、知見の蓄積を図るとともに、利用のための技術開発をすることが必要であるというように考えております。また、これらの例えば組みかえDNAあるいは細胞融合、こういう技術単独で高等植物の作物の新品種育成ができるわけではございません。従来の育種とこれら新手法をドッキングさせまして新しい育種体系をつくる必要がございます。こうなりますと従来の育種技術自体にも改善のメスを入れる必要があると考えております。  このような意味での新しい育種体系をつくるための基礎研究は農林水産省関係の試験研究機関でも、また大学などでも現在強力に進めているわけでございます。しかし人員の点とかあるいは施設などの点を考えますと、また諸外国の状況を考えますと、私どもはもっと基盤を広げまして技術開発にも手を広げていきませんと、二十一世紀に向けて我が国が世界に立ちおくれるのではないかというような危惧を日ごろ持っているわけでございます。  今回の法案は、いわゆる民間活力をこの方面にも向けるための処置と私は理解いたしておるわけでございますが、以上申し上げたような立場からいたしますと、育種の将来を考えますと、このような処置は至当なものではないだろうか、その将来の成果に期待を持つものでございます。  大変簡単でございますけれども終わります。

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) ありがとうございました。  次に、中村参考人にお願いいたします。中村参考人。

中村桂子株式会社三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長

○参考人(中村桂子君) 中村でございます。大変申しわけございません、風邪を引いてしまいまして、お開き苦しいと思うのですけれどもお許しください。  私は、元来は遺伝子研究をしておりまして、最近は、そういう遺伝子研究などから出てまいりました新しいバイオテクノロジーというものは社会にいかに応用されていくべきかというような分野を仕事にしておりまして、そういう立場から申し上げます。今中島先生は育種の側からバイオテクノロジーの必要性をおっしゃいましたけれども、私はむしろ新しいバイオテクノロジーの側から、こういうものがこのような生物系産業に使われていくことの意味のようなことをお話をさせていただこうと思います。  最初に私の基本的な考えを申し上げますと、今回出されました法案は非常に時宜を得た大事な法案だというふうに私は思っております。そう思います理由を申し上げますと、まず、このような法案が出された背景には、今申し上げました生物関係の中でバイオテクノロジーというふうに呼ばれております新しい技術が開発されている、技術の分野で革新が起きているということがあると思うんです。このバイオテクノロジーと申しますのは、いわゆる生物系の産業だけではなくていろいろな産業の中で非常に重要な技術として認識されて、国でも御承知のように多くの面で推進されております。例えば既に通産省では、次世代の技術、次の世代を支える技術として研究組合をおつくりになって総合的な研究を進めていらっしゃいますし、それから基盤技術研究円滑化法に基づいてセンターをおつくりになって、ついせんだってそれに基づいて蛋白工学研究所という民間の活力を利用した研究所が設立されております。  このようなことが既に行われている中で、実は私は、このバイオテクノロジーというのが本当に当面最も有効に活用されるべき分野は、もちろん通産省がねらっていらっしゃるようないわゆるバイオインダストリーと呼ばれている分野はそうですけれども、私自身は、これが最も活用されるべき分野は農林水産業及び食品産業であるし、実際に応用の可能性の高いのもその分野ではないかと思っています。そういう意味でこのような分野に特に力を入れた研究促進、技術開発促進というものは非常に今求められていることだというふうに思っております。このような分野は実は今中島先生からもお話がありましたように、まだまだ基礎研究が不足な分野ですので、そういう部分から十分に積み上げた総合的な研究をするための対策が重要だと思います。そのためにはこのような今考えられているような推進機構というのは非情に重要な役割をするだろうと思います。  今、私バイオテクノロジーと申し上げましたが、バイオテクノロジーと申しますと、すぐに遺伝子組みかえとか細胞融合とかいう非常に特殊な技術だけが皆様の繭の中に浮かぶのではないかと思うのですが、バイオテクノロジーというのは、一般的に申しますと、生物の機能をできるだけ有効に使おうという技術ですので、そのような新しい技術だけではなくて、今お話のあった育種技術の中で実際に使われております生長点培養ですとか菊培養ですとか、もう既に技術化されているようなものも大事にしていく、そういう技術だというふうに思っておりますので、そういうものを全体的に促進することが大事だと思います。  それから二番目に、今社会は非常に変わっている、時代は変わっていると言われています。例えば情報社会というようなことが言われております。これももちろんそうだと思うんですけれども、私自身はどんな時代になっても食べ物というのは基本的なものとして非常に大事なものであって、安定的にしかも安全なおいしいよい食べ物を供給するということは、社会が安定しているための基本だというふうに思います。私は研究者としてもそう思いますが、一主婦としてもそういうふうに思っております。そういう意味で食べ物をきちっと生産するということは、これからどんな社会になっても大事であり、特にこれから大事なことだ。今までは生産ということが主に考えられてきましたけれども、これからは生活ということが非常に大事な時代になると思いますので、そういう中で食べ物というものの位置づけを大事にしていきたいというふうに思います。  それから三番目には、農林水産業というのは、主に研究についても技術開発についてもほとんどこれまでは宮、国主体でやっていらしたと思います。特に稲、麦などの主要作物についてはほとんど全く民間の力なしに宵中心でやっていらしたと思います。けれども、最近、今申し上げましたバイオテクノロジーなどのように世界的な技術の動きを見ますと、こういう部分に民間の企業が非常に関心を持っております。これはどういうことかと申しますと、この技術が将来の可能性を持っているから民間の企業が非常に関心を持っているということで、これは日本だけではございませんで、世界的な動きとしてそういう動きがございます。私は、これから新しい技術開発の中で富民共同というような形で物事を進めていくことが非常に大事だと思います、これまでの官主体ではなくて、民間の関心のないところでやるのは非常に難しいと思うんですが、今動きとしては、民間が関心を持つという動きになっておりますので、この時期に産学協同という新しい機構をつくってそういう形を促進していくことが大事だと思います。  特に、官と申しましても、先ほど申しました葯培養、生長点培養というような非常に現実的な技術というのは、既に各地域で、私よくいろいろな各県の農業試験場とかそういうところへ伺いますけれども、そういうところでは非常に意欲的に研究をしていらっしゃいます。それから食品産業というのは比較的地域特有の特性を持った中小企業が多いんですけれども、そういうところでも非常に関心を持って新しいことに取り組んでいらっしゃいます。そういう意味で地域とか中小企業とか、一言で言ってしまえば草の根的と言うんでしょうか、非常に小さなところから芽生えているそういうものを育てるという意味でも、今までの通産省的な技術促進とまたちょっと違った形での農林水産、食品産業というような面からの促進政策というのは非常に大事なことではないかというふうに思います。  それから四番員は、これは中島先生もお触れになりましたが、これからは国際社会の中での日本ということを考えなければならないと思います。その中で新しい技術をどのように使っていくかということは大事だと思うんですが、その国際社会の中で日本を考えるときに競争の問題と協調の問題があると思います。競争については、先ほど中島先生がお触れになりましたように、外国で非常に行われておりますので、基礎技術から日本がきちっと持つということは非常に大事だというのはもちろんですが、もう一面、私は国際協調というところでこの技術を日本が基礎からきちっと進めていくことが大事だというふうに思っています。特に先進国との協調もそうでございますけれども、開発途上国に日本がある意味では技術的に進んだ国として技術の転移をしたり、それから先ほど申しましたように、この分野は実は先進国といえどもまだこれから開発をしていかなければならない新しい分野ですので、むしろ大もとから開発途上国の方たちと一緒にそういう農業のようなものを育てていくという意味で協調のできていく分野ではないかというふうに思っております。  簡単ですけれども、以上申し上げたような幾つかの理由から、私はこのような研究推進機構ができるということは非常に大事なことではないかというふうに考えております。大変お聞き苦しくて申しわけございませんでした。ありがとうございました。

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) ありがとうございました。  次に、茅野参考人にお願いいたします。茅野参考人。

茅野久全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(茅野久君) 本日は参考人として意見を述べさしていただく機会を与えられましたことを深く感謝いたしますとともに、私は全国農業協同組合中央会において営農指導を担当しておるという立場からの意見を述べさしていただきたいと、かように存ずる次第でございます。  御承知のとおり、我が国の農業の現状ということにつきましては、今さら私が申し上げるまでもなく、非常に困難な状況の中に置かれてあるわけでございまして、私ども農協団体といたしましても鋭意こうした問題の解決に取り組んでおるというところでございますが、その一つの手段として、生産性を高める技術開発というものの重要性がますます大きな課題となりつつあるというふうに考えておるわけでございます。  従来、農業分野の技術開発というものにつきましては、先ほど諸先生方から国や県において御担当いただいておるというふうなお話がございましたが、まさにそういうような形で取り進められてきたわけでございまして、今般新たにこの機構を創立いたしまして、官産学の共同開発を行う道を開いていただいたということは、バイオテクノロジー等を初めとする技術革新が農業の分野にも急激に新しい研究需要をもたらしている今日、まことに時宜を得たものというふうに期待をいたしておるところでございます。これによって生物系特定産業の研究が大いに促進され、その成果が農業生産活動に活用され、生産性の向上につながることを私どもとしては強く念願をいたしておるものでございます。  私ども農協団体といたしましても、この分野の技術開発に既に取り組んでいる一部の団体もございます。また現在検討中の団体もかなりの数に及んでおるわけでございます。したがって私どもは六機構が適正な運営のもとで十分な機能を発揮され、我が国農業の振興に寄与していただくことを前提といたしまして、次のような意見開陳を行いたいと思うものでございます。  その第一点は、先ほど申し上げましたように、農業分野の技術開発は、これまで主として国や県で担当していただいておったわけでありますが、六機構の設立により、従来これらの公的機関で行われていた試験研究がおろそかにならないよう十分な御配慮をお願いいたしたいという点でございます。  元来、日本列島は南北に細長く、面積の割合に気候、風土というものが地域によって非常に異なっておるという列島でございますが、農業生産の形態もまことに多種多様でございまして、したがって農業生産で私どもが一番必要とするものは地域の特性に見合った技術を持つということではないかというふうに考えております。一般企業が期待する技術研究とはやや趣を異にするものであるかとも思いますが、地域特性の上に立った技術の開発、普及に今まで地域農試あるいは県の農業試験場、普及所というものが果たされてきた役割は極めて大きかったというふうに考えるものであります。こうした意味で従来の国や県の研究体制の機能の維持強化ということにつき、一層の御留意をいただくようお願いをいたしたいというふうに考えるわけでございます。  これら公的機関の研究と連携をいたしまして、六機構では民間企業及び学者、自治体というようなところが参画して、農業者の望んでいる分野の応用開発というものを一層推進していただくよう大いに期待をいたしておるものであります。いずれにいたしましても、私ども農薬生産を担う農家の立場を代表するものとして、こうした研究成果が個々の農家の生産性の向上と経営の安定に大きく役立つことを願っておるものであります。  第二の点は、この生物系特定産業技術研究の成果として得られた技術をどのようにして生産農家に導入していくかということであります。研究成果の中にはいろいろのものが出てまいりましょうと思います。例えば新品種の種子のようなものでありますれば、その導入に余り大きな技術上の問題はないものと考えておるわけでありますが、しかし中にはその研究成果を導入利用するという場合、農業者がそのための技術習得を必要とするものもあろうかと思います。また、いろいろの研究成果が出てきた場合、どれを選んだらよいのか、どれとどれを組み合わせてより高い生産性を追求するのか、農業者としても判断に迷うというようなものがあろうかというふうに思うわけでございます。  こうした点で私ども農協団体といたしましても、そういった研究成果を十分駆使し得るような農業者の育成につきまして努力をしてまいる所存でございますが、これは私ども農協組織の枠内では達成するということが非常に困難ではないかという点で、国、県、市町村の御指導、御協力と相まって初めでこのことが達成されるものと考えております。したがってこの点に十分対応していただきたいと思います。  同時に、さきに述べました農業者の技術的レベルアップを円滑に行いますためには、適当な時期に適正な情報を公開していただくということが必要と考えますので、ぜひこの点についても御検討、御配慮を賜りたいというふうに考えるわけでございます。  第三点は研究目標の設定に関しての点でございます。六機構は生物系特定産業の技術研究の推進を目的としておるわけでございますが、これはかなり広い範囲の産業に関連するものと思います。しかし、何といっても農業には直接、間接のインパクトが想定されますので、私どもとしましても、その効果が十分発揮されることを大いに期待しているところであります。そして私どもが一番関心のあるところは、どういう研究目標が設定され、その結果、農家や農協にどういうインパクトが想定されるかということでありまして、先ほど正しい情報の公開をお願いいたしたのもこのためでありますが、これをもう一歩踏み込んで、私ども農業者がどんな技術の開発を望んでいるのか、また機構が融資あるいは出資の際に行う研究テーマというものの審査等に直接農林漁業関係者の意見を十分反映させるための配慮をお願いいたしたいと考えるものでございます。  第四点は、六機構が持つもう一つの機能であります農業機械化研究所の従来行ってまいりました業務の機能充実についてのお願いであります。  申すまでもなく、近年農業機械の発達は目覚ましく、耕地の基盤整備と相まって年々大型化してきており、生産性の向上に果たしておる役割もまた大きいものがあります。同時に、農業機械の大型化や作業の複雑化、それにこれを使用する農業従事者の高齢化等によりまして、ともすると安全性という点が脅かされることが多くなってきておるように考えております。私どもは農業機械の安全使用運動に取り組み、また万一の場合の労災保険による補償など、ソフト面でのできる限りの対応をしてまいっておりますが、安全な農作業を確保するためには、何といっても、ハード面での安全な農業機械や安全装置の開発というようなことが不可欠の前提と考えておるわけでございます。こういった意味で、従来農業機械化研究所で御担当いただいていた農業機械化促進のための試験研究をこの機会に強化拡充していただきたいということをお願いいたしまして、以上四点の陳述を申し上げまして参考人としての意見とさせていただきます。  どうもありがとうございました。

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) ありがとうございました。  以上で参考人の方々の御意見の開陳を終わります。  それでは、これより参考人の方々に対し質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 ただいまは参考人として御出席をいただき大変貴重な御意見をそれぞれいただきまして、大変ありがとうございました。今お話をいただきましたこと、あるいはそれぞれの先生の御専門の立場から今のお話にはなかったことでも御見解を伺いたいというふうに思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと存じます。  それにいたしましても、ただいまそれぞれ、今度の法案によりましてでき上がります新しい機構というものにかなり民間の活力も活用してということで御期待をいただいた御意見だったと思うのであります。それだけに何か非常に重大な感じがするのであります。この組織、機構は後で私どもは審議することになるわけでありますが、運用次第によっては御期待のような方向へ動いていくということにもなりましょうし、運用がちょっとうまくなければ、逆にいろいろなブレーキになるということにもなりかねない、そういう感じもしておりますので、それこそ審議の中で私どもも慎重にそういうことにも対応しながら審議をしていきたいというふうに思っております。その辺またいろいろお知恵をかりることがありましたら、よろしくお願いをしたいと思います。  最初に中島先生にお伺いするわけであります。先生の今のお話の中でも、高等植物に対する組みかえDNAの手法とかあるいは細胞融合などという最も新しいハイテクの技術と言われているもの、こういうものは実際に応用するにはまだ時間がかかりそうだと、こういうお話でございました。例えば今までの育種でございますと、何代も何代も品種改良のためには栽培を繰り返していって、そしてその品種の固定したかどうかも確認し、その性能も確認する、こういう形になるわけでありますけれども、こうした新しい技術によります場合は、それが短縮されてくるということにもなるのかもしれません。しかし、そうだといたしましても、これは一般のいわゆる工業の場合の性能試験だとかなんとかというものと違って、かなり時間を要するものではないかというふうに思うわけであります。それだけに、これを私伺いますのは、実はこの機構との関係もあって、試験研究にお金を出します、融資をいたしますといった場合に、かなりの期間を要し、しかもそれが果たしていいものかどうかというのがなかなかわからぬ、こういうような形のものになるんではないだろうかというようなことを懸念するものですから、その辺のところ、もし御見解があればお聞かせをいただきたいというふうに思います。  それから中村先生のお話で、民間の研究というものに具体的に携わっておられるその御体験もあろうかと思うのでありますけれども、確かに民間企業が新しいハイテクの技術に関心を持ち始めているということはわかるのでありますが、しかし同時に、このハイテクの技術といいますのはまだ野のものとも山のものともわからぬ面が多いということになりますと、どれだけその関心を具体的な研究ということに投入してくれるだろうか。私の疑問は、今までの研究投資、民間の研究投資ということでいきますと、特に農林漁業関係というのは工業と比べて物すごく少ないという側面もあるものでございますから、特に民間の研究機関においでになります先生の御感想をお聞かせいただきたいと思います。  それからもう一つ、これは何か座談会のような形をとられて先生がまとめられたものですけれども、それをちょっと拝見いたしますと、これからのライフサイエンスということでバイオエシックス試論ということが書かれてございまして、大変私も興味を持って拝見させていただいたわけでありますけれども、非常に大事なポイントになるんじゃないだろうか、このバイオテクノロジーに対しての取り組みの姿勢というんでしょうか、それを決める上では非常に大事なポイントになるんではないか、こんなふうにも思うものですから、恐縮ですが、このバイオエシックスというものを少しコンデンスしてわかりやすく御説明いただければありがたいというふうに思います。  それから茅野先生は特に農業の経営の現場というものをいろいろと御存じだと思うわけであります。こういう中で特に、さっきもちょっとお話で触れられておりましたが、それぞれの地域とか、多分単協ということなんでしょうか、いろいろなこういう新しい技術への取り組みがあるやにお話がございました。どういう分野で大体どんなことに取り組んでおられるのかというようなことを、おわかりでございましたらお聞かせをいただきたいというふうに思います。

中島哲夫玉川大学農学部教授

○参考人(中島哲夫君) 今先生から御質問がございましたし、先生の御意見もございましたように、相手が生物、高等植物だものですから、バイオテクノロジーを取り入れようが何しようが、ある程度の年数がかかるということは、育種に年数がかかるというのはいたし方のないところじゃないかと思います。きょうやりまして、あしたできるというわけにはどうしたっていかない。しかしながら、先ほど私ちょっと申し上げたわけでございますけれども、今後の農業がさまざま変わりますのに直ちに対応するというようなことを植物育種それ自身考えていかなきゃいけないんじゃないか。そのことは一つには対応できるような幅を持つということと、もう一つは育種というものの効率をいかにして上げるかというこの二点にあるんじゃないかと思います。ある程度時間はかかるかもしれませんけれども、少なくとも今よりは大幅に時間を短縮するというようなことをどうしても考えていかなきゃいけないんじゃないか。  先ほど中村参考人からも話がありましたけれども、ハイテクといいますと直ちに考えられる組みかえDNA、細胞融合だけじゃなくて、例えば菊培養みたいなものもあるとおっしゃいましたけれども、菊培養なんというのはまさにいかにして効率化を図るか、育種の年数を短くするかというところじゃないかと思います。それから細胞融合にいたしましても、縁の遠いものの間で雑種をつくるということもさることながら、この技術をうまく使いまして従来五年かかったのを二年でというようなことも現実にあるところではかなり可能性も示されているようなところがございますものですから、それらもすべて含めまして少なくとも今までよりは年数を短くする、効率化を図る、それから今までよりはより広い範囲に対応できると、そういうことを考えますと、新しい技術を取り込んだところの育種体系というようなものをつくらざるを得ないんじゃないかというように私は存じております。

中村桂子株式会社三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長

○参考人(中村桂子君) 二つ御質問いただきました。  最初の民間の関心という問題ですけれども、確かに植物の研究というのは先ほど申しましたようにまだ進んでおりませんので、そういうところでやるといってもそういうところへ資金を投入するだろうかという御質問ですが、まず一つは、民間の体質も少しずつ変わりつつあるというふうに私は思っております。と申しますのは、国際的に見ましても、単にでき上がった技術を導入してやっていくということはもう成り立たないということがだんだんわかってきて、ある程度のリスクをかけても基礎から自分でやっていかなければならないという認識が徐々に高まりつつあるように私は思っております。これは一般的な技術関係。そういう中でこういうバイオテクノロジーの具体的な植物のようなものも自分のところで取り組まなければならないものと徐々に考える範囲に入ってきているのではないかというふうに思っております。  それから確かにまだまだ現実にやるのには研究が大事なんですけれども、具体的に産業にすぐなるものといいますと、微生物を使った食品産業のようなものが実は一番可能性が高い。それはなぜかと申しますと、日本の食品産業というのは御承知のように醸造業、発酵業というものから出発しておりますので、もともと新しい技術を従来のものに結びつけるポテンシャルを大変に持っているという事情がございますので、食品産業の分野ではそういう微生物の技術を非常に生かしやすい。それから育種の場合は、先ほどから申しましたように、まだまだ生かしにくいんですが、実は先ほど中島先生からお話がありましたように、これも同じように、食品産業が醸造業、発酵業というポテンシャルを持っていたから強いのと同じように、従来の育種という面で日本は非常に私はポテンシャルを持っている国だというふうに思います。ですから、新しい技術というのはそれだけでは成り立たないのであって、従来技術がどれだけポテンシャルを持っているかということが大事なので、そういうものを持っておりますので、これはそういうものを生かしてやっていくという認識は出てきているんではないかというふうに思っております。  それから二番目の取り組みの姿勢の問題ですが、技術の場合には、これはバイオテクノロジーに限らず、明らかに安全性という問題を考えながらやっていかなければならないというのは、もうこれは今では技術者の中での常識だというふうに私は思っております。特にバイオテクノロジーの場合は、御承知のように、そもそも遺伝子組みかえのようなものができましたときに最初からその安全性ということを非常に大事にしまして、御承知のようにガイドラインというものをつくってやっております。その場合にこれからの一つの問題としましては、農林水産業になりますと、今までの第二次産業のような場合と違いまして、これまではクローズド、閉じ込めた工場の中で使っていたわけですが、当然将来、まだまだこれから先のことですが、将来はオープンな場所で使わなければならなくなりますので、そういう場合の安全性のような問題は実は私どもまだ十分知識がないわけです。そういう意味ではそのような問題をこのような技術開発と同時に常に考えていかなければならない、車の両輪として考えていかなければならないと私は思っております。特にオープンに使う場合のことについてはほとんどこれまで経験がないということを踏まえて考えなければならない。  それから倫理ということをおっしゃいましたけれども、倫理という場合には、動植物に使う直接の技術には、これは人間のエゴイズムかもしれませんが、動植物に対しては倫理ということを考えなくてもいい。いいというのは変ですけれども、特に植物の場合には倫理というような問題は、私は特にそれ自身には考えなくてもいいだろうと思います。ただ、バイオテクノロジーの場合、品種改良というふうなところで使われる同じ技術が人間にも応用し得るということを常に頭に置いておかなければならない。そこで人間の問題はまた別の問題だという意識を持って行わなければならないと思いますが、動植物そのものについては私は、安全性は非常に大事だと思いますが、倫理の問題そのものは特に考えなくてもいいのではないか、そういうふうに思っております。

茅野久全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(茅野久君) 農協段階では、今までどちらかと申しますと、生産技術の問題につきましては、機械とかあるいは農薬、肥料というような分野による生産技術の推進というような点を主体に技術対策が進められてきたというふうに考えていいんだというふうに思うわけでございます。したがって、本日ここでも議題に出ております育種なり品種改良、こういうようなものにつきましては、まだ十分な体制というようなものがつくられておらぬのではないかというふうに考えます。特に、この面における基礎的な研究というような点についてはまだまだ私ども系統農協の力というものは不十分であるというふうに遺憾ながら申し上げざるを得ないのではないかというふうに思います。  しかし、先ほども申し上げましたように、この新しい時代の趨勢、バイオテクノロジー等の問題を契機といたしまして、一部の農協においては既にこれに取り組んでおるのでございます。県の段階におきましては、北海道あるいは長野、鹿児島、あるいは第三セクターによる広島等におけるこういう育種あるいはハイテク等に対する取り組みというようなものが開始されつつあるわけでございます。また農協の段階でございますが、極めてやりやすいと申しますか、そういうような段階におきまして、ウイルスフリーの苗とか、そういうようなものを中心とした花あるいは果樹、園芸作物というようなものを中心といたしまして、それぞれ農協の段階での取り組みというもの、それから既にこういうものから発生した品種その他のものの利用というようなものが現実に取り扱いを開始されておる、実用化されておるというふうな段階にあるということを、簡単でございますけれども、申し上げてお答えといたしたいと思います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 さらに続いてもう少し教えていただきたいと思います。  中島先生、育種の面で確かに大幅に新しい技術によって、バイオテクノロジーの導入によって期間が短縮されるということは大いに期待されるわけでありますが、ただ先生も御指摘になりましたように、高等植物にはまだなかなか難しいということが言われているわけであります。たまたま筑波大学の先生が稲の品種改良について組みかえ技術を利用して要するにカルスの段階までいかれたんでしょうか。しかし、そこから先のカルスから植物にしていくのがなかなか面倒なようでございまして、その辺のところはこれから先の何か壁のような感じもするんです。今先生の御研究の分野でごらんになりまして、こうした技術が、予測というのはなかなか難しいかもしれませんけれども、一つの壁を越えるのは大体どのくらいの時期になるんだろうかというようなことをもし想定できますなら教えていただきたいというふうに思います。  それから中村先生の最初のお話の中で開発途上国の関係のお話がございました。私は実は去年の秋、タイ、フィリピン、インドネシアというところを回ってまいりました。そのときに、例えばインドネシアで動物医薬品の検定技術の移植を我が国のプロジェクトの応援でもってやっておりましたけれども、ここでたまたま聞きました意見は、日本のある業界からは、そういう検定というのは先進国でみんなちゃんとやっているんだから途上国でそこまで技術移転を受けてやる必要ないんじゃないか、言ってみれば、ある程度分業すればいいんではないかというような意見があったというふうに聞きました。しかし、その一方でまた、それこそ抗生物質の過剰投与で動物、家畜の問題がいろいろと問題になるというようなことも伺いました。そんなことがありますので、そういう途上国との交流ということが私も本当に大事な時期に来ているんだというふうに思います。しかしそれは、言ってみれば、企業戦略というか、そういう新しい技術の途上国への普及ということと何かぶつかり合うような感じがするんですけれども、その辺のところ、違う表現であれかもしれませんが、企業の倫理観みたいなものになるのかもしれませんが、これも民間ということでいろいろ出てくる問題をどういうふうにごらんになっているかということ、もし御判断をお聞かせをいただければと、こんなふうにも思います。  それから茅野さんには、こういう新しい技術というバイオの関係ばかりということではなしに、言ってみれば、もっと違った生物系という表現を使っているようでありますから、その辺のところにかなりもっと得意な分野があるんではないだろうかという気もいたしますし、例えば土壌改良剤の生物的な活用の方法だとか、いろいろあるんではないだろうかという気もいたしますけれども、その辺何かございますでしょうか。

中島哲夫玉川大学農学部教授

○参考人(中島哲夫君) ただいま稲村先生からの御指摘のように、仮に組みかえDNAを植物の細胞に導入いたしましても、また細胞融合をさせましても、その細胞をもとにしまして植物体ができなければ農業上は何の役にも立たない、おっしゃるとおりでございます。その植物体がちゃんとできるかどうかというところに現在大変大きな問題がございまして、たばこなんかでは極めて簡単にできるんですけれども、すべての作物ですぐにできるというわけにはなかなかいかないわけでございます。特に稲を含めまして、稲科の植物というのはなかなかそれが難しい、世界的にも大変大きな問題になっております。ところが、稲につきましてでございますけれども、去年からことしにかけまして、我が国の四カ所でそれぞれ全く独立的にでございますが、稲のプロトプラスト、裸にしましてそういう状態で細胞融合などするわけですけれども、それをもとにしまして植物体をちゃんとつくったというのが四カ所、四例出てまいりまして、これは従来よその国でもできたというような話はありましたけれども、どうもちょっと真偽のほどが疑われるみたいなところがあったんです。今回の我が国の場合、四カ所それぞれインデペンデントでございまして、これはもう確実なものでございます。  それを拝見しますと、四カ所の一つは農水省の農業生物資源研究所でございます。それから一カ所は東北大学農学部でございます。あと二カ所は企業のこの方面の研究をするためにつくりましたところの研究機関でございます。これはいい意味での競争みたいなものでございますけれども、恐らく大学や国の研究機関といたしましても民間に負けるなというのもございましたでしょうし、片方では研究所をつくったからにはそういった成果を早く上げたいと、そういうのがうまくあれしまして、日本でそういう成果を上げたというようなところがございますものですから、この点も属を広くしまして、そしてこの問題に取り組んでいかなきゃいけないんじゃないか。そういうような状況が起こることによりまして、何年先に確実になんということはちょっと申し上げられませんけれども、重要な作物につきまして細胞から再び植物体をというのはでき得るようになるんじゃないだろうか。そのための研究を今強力にやらなきゃいけないんじゃないかというように存じております。

中村桂子株式会社三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長

○参考人(中村桂子君) 私、先ほど開発途上国のお話をしたんですけれども、私は先日もちょっとASEANのところへ行ったりいたしまして、そういう国々でのバイオテクノロジーへの期待が非常に大きいということを拝見して先ほどのようなことを申し上げました。ですから、ある意味では私のこの機構に対する勝手な期待かもしれません。本当にそういうことを考えていらっしゃるかどうかというよりは、私の立場からの勝手な期待かもしれないんですが、この機構のなさることの例の中に、例えば海外研究者を招聘するとか、そういうことがありますと、そのときに単に先進国の人を招くというだけではなくて、開発途上国の人も招いて一緒にやるというような可能性もあるのではないか。そういうある程度の私の期待を込めて申し上げたことなので、それはこの参考人という立場からは、むしろそういうことを考えていただきたいというような意見として申し上げたいというふうに思っております。  先ほど企業戦略というふうにおっしゃいましたけれども、ですから、私の申し上げた意味は、まだこのバイオテクノロジーというのは企業戦略というような形で開発途上国へ出ていくようなものではなくて、むしろもう少し総合的に国の立場のようなことで考えるべきだ。そうしますと、こういうようなものを通して具体的な形にしていった方がいいのではないか、そういう気持ちもありまして申し上げたことなんです。

茅野久全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(茅野久君) この法律案の目的といいますか、定義とするところは、生物の機能を維持増進し、もしくは利用し、または生物の機能の発現の成果を獲得し、または利用するというふうな形の目的といいますか、定義を持っておるという点から申しますと、生物の機能を増進するという言場から申しますと、六機構は、広い意味で単に種子だけでなく、生物の機能増進を図るあらゆる施策というようなものが研究開発の対象として挙げられてしかるべきではないか。その意味で非常に広範な立場に立つかと思いますけれども、維持増進を図り得るような機能、そういうものであればこれを取り上げて、この中で進めていただくということを私どもとしては期待をし、またそういうふうな成果が上げられることを望むものでございます。  以上、お答え申し上げます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 私は、特に今回のこの法案が民間の研究を促進するというところに大きなウエートの一つがある、そのことが特徴だと思いますし、それに皆さんが御期待になっているということなわけでありますが、そうした民間の研究ということが、経済的な側面から考えていくと、種子というところにどうしても関心が集中するのではないだろうか。圃場をいかにうまくつくっていくかというようなことについては、今までも農家がやってきたことですし、そういうことについての研究なども地方の試験研究機関とか、国の地方にある試験研究機関とかというようなところでいろいろとやっていきますが、関心の集中は種子というところにどうしても企業としてはなるんではないだろうか。そうすると、種子の問題というのが農業という産業の面からいうと極めて重要なものになってまいります。それだけにまたいろいろと慎重に考えなきゃならない面もあるという気がしているんです。  そこで、また先生方に一つずつ聞くような形で恐縮でございますけれども、生長点培養あるいは菊培養、子房の培養とか、いろいろと新しい技術が、組みかえDNAだとか細胞融合以外にもあるわけでありますが、いずれにしても、今、農業のというよりも、世間の関心はその辺のところへ皆集中してしまっていて、先生の専門の分野にはみんなが大きな興味を持つけれども、農学部の学生も募集すればそういうところへみんな集中して、そして、本来は総合的でなければならない技術のはずなんですけれども、ほかの分野になかなか関心が向いていかない、そういう傾向があるんではないだろうか、その辺を私は大変心配しているわけです。それは研究者でおられると同時に教育者でもあられる先生の立場で最近のそういう動向というものをどうお考えになっているかということをお教えいただきたいというふうに思うんであります。  それから中村先生。私、今の直接には高等植物のこともさることながら、先ほど食品関係などということでお触れになりましたが、先生のライフサイエンス論の中でも、いろいろ従来醸造の問題だとか、おみそとかなんとかと具体的に触れられております。そうした食品系統のこうしたバイオの技術というもの、これはまた高等植物の品種改良というものとは違った分野の、そしてまたこれが何かバイオの技術として一番具体的に実現していく道のような気もいたしますけれども、その辺のところの少し具体的なこと、何か新しいこういう技術でこういうものが今できてきていますというような、そんなことがお教えいただければ大変ありがたいというふうに思います。  それから茅野さんにお伺いしたいのは、種子というものについては、今までは主として、何といいますか、品種の作成だとか、そういうものはほとんど県とか国の試験場で担当して、そして種子の農家への頒布のための生産とか、そういうものは大体農協さんが担当してやる、こういうシステムができていたと思うんですね。今度は民間の種子生産ということが積極的に展開をされていくということの中で、農協の立場というのはかなり微妙なものになるんではないだろうかというふうに思うんで、その辺こうあってほしいというものをもしお持ちでしたらお聞かせをいただきたいというふうに思います。  以上で私は終わります。

中島哲夫玉川大学農学部教授

○参考人(中島哲夫君) 先生のおっしゃいますように農業というのは総合的なものでございます。確かに品種というのは大きな役割を果たすわけでございますけれども、種がよければすべていいという、そういうわけじゃございませんでして、当然新しい品種に対しましては新しい栽培方法を考えなければいけないというような面もあると思いますし、あるいは新しい栽培方法のためにはそれに見合う品種をつくらなければいかぬというような面があるんじゃないか。それらが総合しまして初めて農業生産というのが成り立つ、これは私も重々そのとおりだと思っております。ただ本日、私は植物育種学という立場で申し上げたものですから、その点だけを強調したわけでございますし、それから先生のおっしゃいますように、最近農学部を志望してくる学生の中には、農学部へ行くとそういうような面で道が開けるんじゃないかというような、何といいますか、かなり偏った期待を抱いてくる向きも確かにございますように思います。私どもは、大学の教育におきましては、決してそういうようなものではない、もっと総合的に考えなければいけない、このことは重々教育いたしているわけでございます。このことは先生のおっしゃるとおり大変大事なことで、私自身の専門の植物育種学それ自身にしましても、決していわゆるバイオだけが植物育種ではない、そうじゃなくて、それを支えるところの従来やってきましたところの、泥臭いかもしれませんけれども、あの育種の技術がなければ実は品種ができないんだ、これは重々心得ております。

中村桂子株式会社三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長

○参考人(中村桂子君) 食品産業のことでございますけれども、食品というものの特徴としては、私、食生活というのは非常に保守的なものだ、また保守的である必要があるのではないか、余り変わったものが出てくるものではないのではないか。ですから、我々のマーケット、それからまた食卓に出てくる場合にはほとんど変わらないものがむしろ出てくる方がいいのではないかというふうに思っているわけです。ただ、それをつくる過程で、例えばお酒をつくる、おしょうゆをつくる場合、出てくるものはお酒だったり、おしょうゆだったりするわけですけれども、その陰で使われている技術は、おしょうゆづくりもお酒づくりも、そこで使っている微生物は非常に改良されておりますし、その中で新しいバイオテクノロジーも使われているわけですね。ただ、でき上がったものは、とんでもない違うものができてくるかというと、それはお酒であり、おしょうゆであるというのが、それがやはり正しい姿ではないか。むしろ食品産業の特徴は、生物にこだわらざるを得ないし、こだわらなければいけないのではないか。例えば繊維でしたらば、従来は全部生物だったわけでございますね、羊毛だったり麻だったり綿だったり絹だったり。それを我々は合成繊維というものをつくってかなり取りかえてきたわけです。必ずしもよくない面もあるかもしれませんけれども、それでも済むわけですが、食べ物というのはそうはいかない。むしろ生物にこだわらなければならないし、またどんな世の中になっても多分こだわるべきだと私は思う。そうしますと、それをつくる方法としては、よりよいものを、より安全なものを、よりおいしいものをつくっていくというところでバイオテクノロジーは生かされるでしょうし、技術も、皆さん見たところでは変わってないとお思いになっているものの、陰ではかなり技術の改良が行われていると、そういう現状だというふうに思います。

茅野久全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(茅野久君) 流通の問題について、農協として今後変革するのではないか、これに対してどう考えるかというような御質問であったと思います。今までの主要種子、例えば稲、麦、大豆というような種子につきましては、おっしゃいますように国、県の原種あるいは原原種の育成、それから指定圃場による種子生産、種子協会による生産者への流通と申しますか、配分というようなことが行われてきたわけでございます。その他野菜等の種子につきましては、育種者から種苗業者へというような形での流通が多かったかというふうに考えるわけでございますが、特に主要種子ですね、主要作物の種子の流通につきましての私どもの希望といたしましては、種子につきましては生産と需要の安定、生産者に必要な種子が必ず行くというような形が必要であろうというふうに考える点から、生産と需要というものが調整一致するというようなことが望ましいわけでございまして、そういう点で、種子協会というものが今まで果たしてきた機能というのはそういうところにあるんじゃないかというふうに考えるわけでございます。したがって今度、主要作物につきましてお生産、流通がフリーの形になってまいりましたけれども、この方々についても種子協会への加入という点についてぜひ行政の側での御努力を願いながら、種子協会への加入を通じての需給安定というものを維持させていただくようにお願いを申し上げたいというふうに考えるわけでございます。  なお、品種指定の県別指定の問題でございますけれども、これにつきましても、先ほども申し上げましたように、それぞれの県別の地域特性というようなものがございます点から申し上げまして、この指定につきましては、県別指定という従来のような品種指定の仕方を継続してお願いをしていくことが適切ではなかろうかということをつけ加えてお答えにいたしたいと思います。  以上でございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 ありがとうございました。

刈田貞子公明党・国民会議

○刈田貞子君 参考人の皆様、きょうは大変ありがとうございます。先ほど来いろいろ話を伺わせていただいておりますんですが、私はサイエンス音痴と申しましょうか、大変話が難しくてちょっとわからない部分があります。それで卑近な話で教えていただきたいと思います。  まず、中村参考人にお伺いするわけですが、先ほど来食品産業等におけるいろいろな話をなさっておられましたので、それに続いてお話を伺いますが、私も自分でヨーグルトをつくったり、おみそをつくったりいたします。これはもう既にバイオの一部の技術を私が使っていると、こういうことになるんだろうと思うんでございますけれども、その割に上手にできないんですね。おみそもおいしくない、それから上手に発酵しているのかなと思うようなぐあいでございます。したがいまして、私はこの種の技術というのは、私が下手だからだということもあるかもしれませんけれども、そんなに簡単なものではない。つまり化学を使っていくということはそんなに簡単なものではない、それからまたワンパターンでいくとも思われないということを私、感じております。それで、先ほど来いろいろ言われております、食品産業ないしは食品化学の中で言われる安全性の確認、チェックないしはその検討ということは、考えられることとしてどんなことが言われるのかということ、これを伺いたいわけです。つまりサイエンス音痴であるために、この種の技術がバラ色に見える場合もあるけれども、明の部分の割に私には暗の部分も非常に見えるわけで、そういう部分を少しお伺いしたいというふうに思います。今の食品の安全性の問題が一つですね。  それからもう一つは、これは例の理化学研究所の、筑波学園の谷田部町の例の問題がありましたね。何というんでしょうか、生物公害の封じ込めの話ですけれども、地元でストが起きました。幾分問題は解決したようでありますけれども、あれも町議会が全部反対して云々というようなことは、この種の技術に庶民は先が見えないということ。私は、これからこういうものが発展していくためには、かなりそういうコンセンサスをつくっていくことが必要だし、また情報を国民に伝えていくということがとても大事なことではないかなというふうに思いますので、その安全、安心というようなことについて中村参考人の御意見を伺いたいというふうに思います。  それから茅野参考人には、この種の技術が今後発展していく中で農業者が得られる利益、利潤というようなもの、こういうものをどのように考えていったらいいのだろうかというテーマがあるんです。例えば生長点組織培養でしょうか、ランの一種なんか。そうすると一鉢何万円もしていたシンビジウムが両手で抱えられるほど手に得られるようになるということになってきますと、その結果、付加価値が下がるというようなことで、農家が得ていく利潤というのはどういうことになっていくのだろうかということを私はラン栽培農家として考えなきゃいけないんじゃないか、そんなことを思うわけです。それがもし地域振興のために地域の生産農産物というようなことでこういうことを考えていった場合に、付加価値があって、少し生産していたからそれがその地域では特産物であって地域振興に役に立ったんだけれども、それがたくさん生産されることによって、これは一つの経済の論理になりますけれども、それが果たしてどういうことになっていくのか。だから、こういう技術が進んでいくことによってプラスがあるんだけれども、それを上手に運用していかなければ決して農家、農村にとってプラスにはなっていかないのではないかということを考えますので、その辺のことを教えていただきたいと思います。  一方で、そういう技術を駆使していく今回の民間参入ということの民間の考え方でありますけれども、あるいはまた独占、寡占化した企業なんかが参入してきた場合に、そういうところに利益が集中していってしまうようなことはあるのかないのか、そういうことを御心配なさいませんか、どうですか、茅野参考人にお伺いいたします。  そして中島参考人には、そういうことを含めまして、この種の技術は今後の発展に伴ってごく自然に発展していくものであろうというふうに思います。ただ、今申し上げましたような利潤の配分ということが非常に大きなテーマだ。それともう一つは、先ほど言いました安全性のチェック、これが私には今とても大事な二つの柱になっております。それを少しわかるようにお話ししていただけますと、この技術は私にとってはとってもバラ色になるのではないかというふうに思いますので、その総括的な御答弁をお願いしたいと思います。    〔委員長退席、理事星長治君着席〕

中村桂子株式会社三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長

○参考人(中村桂子君) 今、安全性ということで御質問があったんですけれども、特に遺伝子組みかえ、バイオテクノロジーの中での非常に中心的な技術としては遺伝子組みかえという技術がございます。これはこれからも重要な技術として使われていくだろうというふうに私は思っています。特に安全性という問題について御関心がおありだろうと思うんですけれども、この技術についてはやや特殊な背景があるわけです。と申しますのは、これは科学の中自体で非常に新しく開発された技術、具体的に申しますと一九七三年という年に初めて考え出された技術なわけですね。その時点では、初めてできた技術というものについては、そのときには科学者といえども知識はないわけですから、それがどういう可能性を持っているか、またはどういう危険性を持っているかという判断はその時点ではまだできないわけです。違う生物の遺伝子をほかの生物の中へ入れるというのだから、何事が起こるだろうということをその当時は科学者も考えまして、これは特別に考えていかなければならないということで、科学史上初めてのことだと思うんですが、世界じゅうの学者が集まりまして、これをどうやって使っていこうかについて技術を風発する以前に考えてガイドラインというものをつくったわけです。その時点で、この技術はある意味での危険性が考えられるということで科学者があらゆる可能性を考えた、その情報がすべての人々の中にも流れたわけです。  それ以後十三年たっておりまして、この技術は今では世界じゅうの生物学をやっているところで使っていないところはない、非常に大げさな言い方ですが、そう言ってもいいくらいこれは普及した技術になって、既にいろいろな成果を上げていますし、逆に言うと、安全性についても我々の知識は非常にふえたわけです。現時点では、当初に考えたような形の危険性はない、こういうふうに考えていいとサイエンスの立場では言えるような状況になっているわけです。けれども、先ほど情報を伝えることが下手だというふうにおっしゃいましたが、最先端のものを常に社会に流していくということはなかなか難しいことですので、そこに情報のギャップが出てくるわけです。  ですから、遺伝子組みかえ技術というのは、我々がつくっておりますがイドラインに従って使っている以上は安全だというのは、科学者の立場としてははっきり言える状況になっているんですけれども、それがうまく伝わっていない。十年前のそうでないのではないかと思った情報が伝わっているわけです。そういう現在の情報をお聞きになった上で、また違う部外者の立場として、そうは言うけれどもこうではないかというような御意見は当然あってもいいと思います。それをもとにしたディスカッションはするべきだと思うんですが、そこに大変情報のギャップがあるということを御理解いただきたいんです。  今の時点で申しますと、さっき申しましたように、先ほど谷田部町というお話がありましたけれども、例えばああいうところで今日本の中で具体的に行われております遺伝子組みかえ技術というのは、科学的に考えてほとんど危険性はないというふうに言っていい、閉じ込めた中でやっている限り。先ほど申しましたように、そういうつくった微生物なり生物体を外へ出したときに今度は外の生態系の中でどういう挙動をするかということについては、私どもはまだ十分な知識を持っておりませんので、それについてはまだ積み上げていかなければいけない、そういう状況だということを理解しておいていただきたいんです。安全性ということは非常に大事ですけれども、今どこまでわかっているかということをはっきり踏まえた上での安全性を考えていただきたいというふうに思っております。    〔理事星長治君退席、委員長着席〕

茅野久全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(茅野久君) 先ほど御質疑がございました点について、例として洋ランの問題を挙げられましたが、まさにその点についてはそのとおりだと思います。ただ、私どもとしましては、現在の国際化社会と申しますか、好むと好まざるとにかかわらず国際化社会の中に我が国が置かれており、さらに国際化の進展というものが出てくるというようなことが現実の姿であるというふうに考えるわけです。  そういうことも一つの要因であろうと思いますけれども、現在の日本農業の多くの農畜産物というものは、遺憾ながら生産調整を行わざるを得ないというような現実の中にあるわけでございます。特に、食糧の場合におきましては、自給力わずかに三三%という穀物の実態に見るような非常に遺憾な現状にあるわけでございます。これは我が国の経営規模なりあるいはその立地というような問題もあろうかと思いますけれども、農業生産の生産性向上に対する私どもの一層の努力が必要な面が非常に多いのではないかというふうに考えられるわけでございまして、そういう立場から短期的に見ますれば、今おっしゃられるような農業者の立場としましては、今まで数千円していたものがわずかに数百円になるというような現実は確かにあろうかと思います。将来日本農業を維持し、そうして食糧供給の安定というようなことを主体とした農畜産物を国内生産で行っていかなければならないというような立場におきましては、世界が今取り組んでおる品種改良、特にアメリカの農業等における品種改良の結果による世界農業の制覇というようなものは我が国にも非常に大きな影響をもたらしておる。こういう現実の中で、立地の差はございますけれども、いかにして生産性を上げていくかというような点について、品種の問題あるいは広い意味の生物系特定産業の研究推進というようなものが必要になってまいるのではないかというふうに考えるわけでございまして、短期的に見た場合と長期的に見た問題というような点で、私どもも一時の痛みをある程度考えて対処していかなければならぬのではないかというふうに考えるわけでございます。  また同時に、私どもとしましては、生産性の向上のために、地域営農集団と申しますか、農水省で申しますれば地域農業集団というような形の集団による生産性の向上というものも、この問題とは別の問題でございますけれども、取り組みながら、生産性向上に努力をいたしておるという実情でございます。  以上、お答え申し上げます。

中島哲夫玉川大学農学部教授

○参考人(中島哲夫君) 私も十分なお答えになり得るかどうか、ちょっとわかりかねるんですけれども、利潤の配分の点に気をつけるようにというその点は、これは同感でございます。やはりそういうことは今後とも考えていかなきゃいかぬ点だと存ずるんですけれども、先ほどから私申し上げております植物育種というような立場から申し上げますと、例えばバイオをうまく駆使しまして、これはまだ将来のことでございますけれども、一つの品種ができたといたします。日本全国その一つの品種だけで制覇してしまうというようなことというのは、これは絶対あり得ないのじゃないか。今でもそうでございます。現実に今栽培されております稲の品種というのは日本で一体幾つあるのか数えてみますと、これは随分と多いわけでございます。というのは、結局、農業というのは地域の環境条件みたいなものと結びつきまして初めて生産できるわけでございまして、一つの品種がありとあらゆる環境条件に適応して生産を上げるなんということは、これはもう絶対に考えられない。そういう点では、仮に一つの品種がバイオを利用してつくられた、それによって利潤がつくったところに独占されてしまうというようなことというのは、どうも余り考えにくいのじゃないかというような気がいたします。  それから安全性の問題でございますけれども、高等植物、作物などを対象にしました場合に、このことにつきまして、先ほど中村参考人がお話しになりましたように、科学的な根拠をもとにしまして今何かを申し上げるだけの実績がないわけでございます。そういうものを使いまして世の中に出るようなものというのは何らまだできていないわけでして、むしろ高等植物でどうやって組みかえDNA技術を使うかというような研究段階にあるわけでございますものですから、そういうデータはないんですけれども、ただ、高等植物でそういうようなことをやります場合にも、一部では大腸菌を使いましてDNAをふやすというようなことをしなきゃいけないわけなものですから、研究段階でもそういった意味で現在ありますところのガイドラインを守って研究を進めている、そういう状況でございます。これも恐らくとしか言えないんですけれども、高等植物に対しまして組みかえDNAを仮に利用したところで、とてつもないすごいものができるなんてことはまずちょっと考えられないんじゃないか。SFの世界でしばしば出てくるようなものができるということは、これはもうとてもじゃないですけれども考えられないことである。しかし、万が一ということを考えなきゃいけないものですから、ガイドラインというものを設定しそれを守るということは、そういうことを研究する段階でもしていかなきゃいけないんじゃないかというように考えております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 本日はお忙しい中を御出席をいただきまして心から御礼申し上げます。  最初に茅野参考人にお尋ねいたします。農業もかなり変わってくる、例えば万博でトマトもありましたように、余り農地がなくても農産物ができる、さらにはいろんな手法を使って人間に必要な作物を工場でつくる、こういうようになってきた場合、農業者の方に対するいろんな影響があると思うんですし、場合によっては農民が果たしてきた役割を産業が奪うということもあり得ると思うのでありますが、そういう点については農協中央会としてはどのようにお考えか、そういう点の危機感をお持ちなのかどうか。さらに、そういう状態にあるならば、例えば分野調整法とか、こういう分野には余り産業は来るなというような法律を考えるとか、そういうような点はどうなんでしょうか。

茅野久全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(茅野久君) 農業には、御存じのように、土地利用型農業と、それから最近では土地を節約したいわゆる施設型と申しますか、労働資本集約型農業というような農業があるのは先生御存じのとおりでございます。そういう中で、今先生おっしゃられましたのは、施設園芸あるいは施設型養豚養鶏というような形における、どちらかと申しますとかつて商系インテグレーションと言われたような形のものと、このような最近における施設型のものとが、今後農業の生産者に非常に大きな影響を与えるんじゃないかというような問題だろうと思います。この施設型農業については、現在既に土地の非常に少ない農家ではかなりみずから生産を行っておるわけですね。これを非常に大きくやるということは、管理その他の面からもそう可能性が強いとは私どもは考えておらないわけです。ただ、土地利用型については、かなりな土地を持ち、そうしてその規模の大きさによる生産メリットの追求というような形を進めていく必要があろうかというふうに考えるわけです。  施設型あるいは畜産の多頭飼育というような問題について、確かに現実に畜産その他の問題であらわれておるわけでございますけれども、これを例えば分野調整法というようなもので分離し、制約するというようなことは現実に私は非常に難しいんじゃないかというふうに考えておりますので、現状の中で私ども農業者が自分の力によってこの対応を取り進めていくように進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 次に、中島参考人と中村参考人にお尋ねをいたします。  日本のバイオ技術と申しますか、植物に関して、このレベルはそう低くはない、まだ日本には伝統的な醸造技術もある、そういうお話でございますが、実は農水省にいただいた資料では、日本の農林水産関係科学技術水準を欧米と比較した場合に、発酵技術は米国よりすぐれている、あるいはバイオマス変換においては欧州よりもすぐれておる。しかし遺伝子組みかえ、作物育種とか動物細胞培養とか、そういうようなものについては欧州と同等だけれども、アメリカに比べればややおくれておる。こういうようなデータを出しておるわけでありますが、大体率直に言ってこんな感じでございますか。日本の技術レベルというのはアメリカとかヨーロッパに比べて大体この程度であって、特に何かつけ加える御意見はありませんでしょうか。ちょっとお二人にお伺いしたいと思います。

中島哲夫玉川大学農学部教授

○参考人(中島哲夫君) 全般的に申し上げますと、そういうようなことじゃないかと思います。特にアメリカと比較しました場合に、こういった関係での研究者の層の厚さだとかというようなところにかなりの違いがございまして、そういうようなものが出てきているんじゃないだろうかというように存じます。  ただ、一言つけ加えさせていただきますと、作物の育種という、この点だけをとりまして現状を見ますと、部分的には必ずしもそうじゃないんじゃないか、日本がすぐれている部分も多々あるんじゃないだろうか。例えて申し上げますならば、野菜のF1品種みたいなものにつきましては、欧米よりも我が国の方がすぐれていると言うことができると思います。それから稲の育種みたいなものにつきましても、ちょっと比較のしようがないものですからなにですけれども、我が国の稲の育種というのは水準的には大変高いものじゃないだろうか。ただ、御承知のとおり、日本での稲の育種というのは日本型の稲に対してだけなものですから、日本型の稲を栽培しているところでは評価されますけれども、インド型の稲ということになりますと、全くこれは役に立たないと申しましょうか、そういうようなところから、必ずしもそういうような点については正当な評価がどうかというところはあるんじゃないかというように存じます。

中村桂子株式会社三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長

○参考人(中村桂子君) 技術の比較というのは大変難しゅうございまして、今おっしゃったこともそう言えばそう言えるだろうというふうに思います。ただ、私が申し上げたいことは、今大事なことはアメリカと比べてどうかとか、欧州と比べてどうかということを比較することではなくて、植物の分子生物学と申しますか、今のバイオテクノロジーを育てる基礎科学が分子生物学という分野なんですが、植物に関する分子生物学というのはこの生物学全体の中で世界的に見て非常におくれている、どこの国でもです。ほかの分野に比べてこれが非常におくれているということは事実なんです。今、欧州がどうか、米国がどうかといってとを全く抜きにしましても、日本として植物の分子生物学、植物の基礎科学というのを重点的に熱心にやらなければならないということは、これは紛れもない事実ではないかと思うんです。ですから、今大事なことはそれをやろうという決心をして、日本がたとえ今一番であろうと何であろうと、それをやろうということが大事なのではないかというふうに思っております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 それで、両先生はこの法案には非常に賛成である、こういうようなお話でございますが、ただこの法案だけでいいのか。例えば今中島参考人のお話がありましたように、野菜とか花等においては非常に進んでおるのだけれども、ある意味では政府が統制している米とか麦においては非常におくれている面もある。そういう意味で、先般種子法の改正等があったわけですが、これはもっと競争の条件をつくる、民間活力を生かせるように法体系を変えることが必要である、こういうような意見もあるわけです。そういう意味で現在の法案は法案として、それ以外にこういうことが必要であるという御意見がもしあれば中島参考人、中村参考人からお伺いしたいと思います。

中島哲夫玉川大学農学部教授

○参考人(中島哲夫君) 私、実は専門の違いからこの法律の文章というのは大変不案内でございまして、今回の趣旨には賛同でございますけれども、これだけでいいのかどうなのかというと、ちょっと法文を読んだだけでは私よくわかりかねるところがございまして、さらに何かが必要かどうかちょっとお答えできない状況でございます。

中村桂子株式会社三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長

○参考人(中村桂子君) 私も中島先生と同じでよくはわかっていないんですけれども、これ以外に必要かどうかということを抜きにして、単なる感想のようなことになってしまいますが、今まで農林水産省がお持ちになっていたそういう機関で今までしていらっしゃいました研究、最近では新しいものに対応していろいろ組織改革などもなさって対応していらっしゃると思いますけれども、そういうふうに国として本来やっていらっしゃる試験研究、そういう中でも新しいところになるべく小回りをきかして対応していくという体制は、これから技術開発がどんどん革新的に進んでいきますので、どっしり構えていらっしゃらないで、新しいものに対応できるように国自身の機関もそういうふうにおなりになる必要があるのではないか。非常に生意気を言い方ですが、それについて今どういうことを変えていただかなければいけないというような、そういうことはよくわかりませんが、感想としては、農林水産の中心として国の研究機関というのは非常に大事だと思いますので、そういうところが小回りがきいて対応していっていただきたいなという希望は持っております。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 実は今、今国会で、他の委員会において研究交流促進法という法律を審議しておるわけです。これは国の研究機関がもっともっと民間の研究機関と研究交流をする上において研究者の身分を守るための、よりやりやすくするための条件をつくる法律を今審議しているわけでありますが、私が両先生にお聞きしたのは例えば国の研究機関に対する要望とかです。今中村先生が言われたように、基礎科学に力を入れて、分子生物学というような分野、すぐには採算に結びつかない、非常に長期的な、基礎的な研究であれば、こういうものをもっと園がやる必要があるんです。さらには大学と民間との交流の問題とか、あるいはいろいろなそういうところでバイオのこともいろいろ研究しているわけで、大学でも工学部でもやっているし、農学部でもやっている。そういうような点の情報の交換というか、同じものを二カ所でやっていて全然別々というのでもいけませんし、そういう情報の交流をもっとしなくちゃいけないとか、そういうような面での何か御意見、もっとこうしたらいいとか、あるいは産学官の研究の交流についてもっとこうした方がいいんじゃないかとか、そういうような点、実際に研究されていて感ずる点があればそれをお聞きしたいと、そういうことなんです。その点はどうでしょう。

中島哲夫玉川大学農学部教授

○参考人(中島哲夫君) 確かに研究というのは、あるところでは競争的にやることによって大変促進するという場面もございますし、片方では情報を交換し、あるいは人を交換してというような、いわば協調でございますが、これによって促進される部分も大変あるように考えます。特にこれから先の例えばバイオを取り込んだ植物育種というようなことだけ考えたにいたしましても、今申し上げたような両方の面というのは大変必要なところじゃないだろうかというように存じております。

中村桂子株式会社三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長

○参考人(中村桂子君) まさにおっしゃったとおり、そういう情報交換とか産官学協同というふうなことは私は非常に重要なことだと思っております。こういうことが重要ではないかというふうにおっしゃいましたけれども、その御意見まさに私も同感でございますということで、そういうようなことを促進するようなシステムができればいいなというふうに思っております。先ほどちょっと国が対応していただきたいと申しました意味は、そういう情報交換を上手にするというふうな意味も含めて申し上げたつもりだったわけです。

塩出啓典公明党・国民会議

○塩出啓典君 茅野参考人に最後にお尋ねします、農業の機械化研究所についてもっと新しい農機具を開発してもらいたいという点で、実は私たちは農業機械化研究所というのはどういうことをやってきたのか不勉強であんまり知らなかったんですが、今こういうものは民間でもどんどん開発が進んで競争で技術が生まれている中で、機械化研究所というのはよっぽど頑張らないとその存在意義がなくなっていくんじゃないかというような感じも持つわけですが、特にこうあってほしいという中央会としての御意見があれば一分以内で。時間がありませんので。

茅野久全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(茅野久君) それじゃ一分で答えさせていただきますが、いずれにいたしましても、機械の改良という点については、私どもとしても特に安全というような面からぜひお願いをしたいというふうに考えておるわけであります。機械化研究所はこれらのできた機械の特に性能、安全性の点検というような機能も非常に大きな機能として持っておられるわけでございますので、農業機械の大型化に伴い、特に婦人、高齢者等がこれを使用しているというような立場で、機械の使用等に対して例えば婦人が使用しあるいは高齢者が使用する場合にも十分安全で性能が発揮し得るような機械の製作について協力、点検をしていただくようなことにお願いをいたしたいと、かように考えるわけでございます。

下田京子日本共産党

○下田京子君 参考人の皆さん御苦労さまです。  まず、中島参考人に。参考人は従来の育種技術を大変評価されると同時に、これからのバイオテクノロジーの活用の必要性を説かれたと思うんです。私が端的にお伺いしたいのは、従来の育種技術というものは評価されつつも、バイオテクノロジーが何か流行的な形になりまして、地方の大学等に行きますと、なかなかこういう従来の育種技術、基礎技術というものについての予算がつかなくなってきているという点で大変問題を感じている。そういう意味では人的にも予算的にも、そしてまた総合的な今後の研究という点でも、従来育種技術の研究というものを重視していくことも大事ではないかという点での御意見を聞かしてください。

中島哲夫玉川大学農学部教授

○参考人(中島哲夫君) 私、先ほども申し上げたわけでございますけれども、今日言われておりますところの例えば遺伝子操作だとかあるいは細胞融合、そのことだけで新しい品種ができるわけでは絶対にない。従来の育種とドッキングさせまして、それで新しいそういった技術を取り入れたところの育種体系みたいなものをつくらなきゃいけないんじゃないか。そのことは植物育種に携わっている者はどなたもお考えになっていらっしゃることだと思っております。  確かに、先生がおっしゃいましたように、いつでも研究面でも日の当たる場所と日の当たらない場所みたいなものというのは、大変残念でございますけれども、ございます。ございますけれども、今ある意味ではどうしてもここのところを伸ばさなきゃいけない、こういうことは確かにあるんじゃないかと思います。何といいますか、予算の枠を大幅に広げてというようなことがあれば別でございますけれども、この場所を、遅れているところを今進めなければ全体像がうまくできないというような観点でもやはり考えなきゃいけないんじゃないか。最終的には両者をドッキングさせたところの一つの育種体系をつくるというようなことになって初めて現実に私どもの役に立つものということになるというように考えております。

下田京子日本共産党

○下田京子君 次に、中村参考人に二点お聞きしたいんです。五十九年五月九日に科学技術特別委員会で参考人としてお述べになっておられる会議録なんかも読ませていただきましたし、幾つか新聞やなんかも読ませていただいたんですが、バイオテクノロジーというのは生命や生物を扱う技術だ、そういう点で研究者としての理念が大変大事なんだということで、中村参考人がお述べになっている人類の未来の問題として、地球全体、生態系全体がどうなるかということを重視して研究は進められるべきだと、こう言われているのに私は大変感銘を受けた、これは重要なことだと思うんです。  それで、第一に聞きたいことは、中村参考人はかつて国立予防衛生研究所に勤務されておって、そして現在三菱化成の方にお移りになられたということなんですが、それぞれ国の機関とそれから企業とにあって制約の違いというか、その理念を貫いていく上での制約をどういうふうにお感じになっているかどうか、お移りになった御感想なんかも聞かしていただければと思います。  二点目には、国の役割と企業の役割、それからその特性ということを考えたときに、最も違う点は、役割、特性について一口に言えば、企業の場合には利潤追求、一般的に言って秘密主義というふうに言えると思うんですね。そういう中にあって、私としては、こういうバイオテクノロジーの研究を進めていく上で公開、自主、民主というような、そういう点での規制というのが重要になってくると思うんですね。国の研究機関ですと、研究途上でも公開をし、情報を流し、評価もし、批判も受ける、そしてそれが全体にまた活用されるという意味での大きな役割があるわけで、そういった点でも企業に対する規制が必要ではないかと思うんですが、その点いかにお考えでしょう。

中村桂子株式会社三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長

○参考人(中村桂子君) 今、国から民間に移って違うふうに考えているかという御質問なんですが、ちょっと私的事情を申し上げますと、私は民間にはおりますが、民間がサポートしてくれている基礎研究所におりますものですから、本当の意味での企業研究をしておりませんので、そういう立場だということでお答えいたします。  私は、これは個人的な感覚かもしれませんが、私自身はライフサイエンスという――私の大学時代の恩師が、先ほどおっしゃったようなある理想、これからのことを考えていくための科学技術としては当然生物のことを主体に考えなければいけないという理念をお持ちになってライフサイエンスということを提唱なさったわけです。私はそれに共鳴してずっと仕事をしておりますものですから、むしろその理念が先行していて、民間でやるか国でやるかということはその次であって、先生がおっしゃった生物を大事にしていこうという方を常に先行させているつもりでおります。どの研究所にいても、そういうことは科学者、技術者として自分自身で考えていけば可能だというふうに思っております。  それから二番目のことなんですが、おっしゃったように、私自身は利潤追求型のことに直接携わっておりませんので的確なお答えができるかどうかわかりませんが、少なくとも新しいタイプの遺伝子組みかえなどを含む技術に関しましては、先ほどから何度も申し上げておりますようにガイドラインというのがございまして、全く新しいことを始める場合には、大学ですと文部省、それ以外の企業を含めた研究機関ですと科学技術庁にそういう機関がございまして、委員会がございまして、そこに計画書を提出してから仕事を始めるということになっております。今そのガイドラインに従ってやっている限り、そういう新しいことに関しては、ある意味では情報はそういう形で公開されるという形で進められております。  それから実際に利潤追求型の研究にまで進んだ場合には、私は恐らく初めて使うので、研究者としても危険性について考えなければならないという時点を過ぎた段階にならなければ企業的な材料としては使い得ないと思うんですね。研究を完全に進めて、安全性も確認した上の材料でなければ企業的には実際には利用できないだろうと思うんです。危険なものをそのまま使うということは現実には不可能だろうと思いますので、最初の時点でそういう技術に関してはそういう情報公開型のシステムをとっているので、そういう意味では従来のやり方よりは一歩進んだやり方をしているのではないかと私自身は思っているんです。

下田京子日本共産党

○下田京子君 最後に茅野参考人にお聞きしますが、先ほどバイオテクノロジーの利用という段階にあっての技術の習得であるとか情報の公開とか、審査の点での御要望が出されたと思うんです。それはそれとして私も大変必要なことだと思います。その利用段階以前の研究にかかわって私が大変危惧の念を持っておりますのは、言うまでもございませんけれども、よく種子を制する者は世界を制するというふうに言われておりますね。特に企業が主要農産物に大変関心を持って、稲、麦、トウモロコシ等へのF1研究などにも熱いまなざしを注いでいるという中にあって、全中の広報局の方も、「農林経済」の六十年九月二日号にお述べになっておりますけれども、「人間の生命をはぐくみ、国民の食料を安定的に確保していくべき農業生産の基礎的研究開発が、利潤追求のターゲットとされることに一定の危ぐを抱かざるを得ない。」、こう言われているんですね。この辺、きょうはお述べになられておりませんでしたが、どうお感じなのかということでございます。

茅野久全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(茅野久君) まさに種子を制する者は世界を制するという言葉は流行語として出ておるわけですが、私ども食糧生産を担っておる農家の集団として、特に企業の参入というような問題についてはいろいろ危惧する点はございます。しかしながら、先ほどこちらの参考人の先生方からもお話がございましたように、これだけの地域における各種の地域特性を持つ我が国の農業生産というようなものについて一つの企業が全国的な制覇をする、あるいは農業全体に影響を及ぼすような種子開発というようなものが開発されてくるというような危惧は非常に少ないんではないかというふうに私どもは考えておるわけです。しかし私どもとしては、今まで非常に弱体であった育種の機能というものを私ども農業団体がみずからも努力をしながら開発育成をしていくというような努力をしていかなければならない、こういうふうに考えるわけでございます。  そういう点で、基礎的な部分については、私どもとしては従来から、私が最初の陳述でも申し上げましたように、国なり県なりというようなところにおける基礎的な研究を十分やっていただいて、ここから来る成果というものを受けて応用開発というような点を私どもが当面は取り進めていく、そういう中において将来、基礎的研究も農業団体として十分備え得るような力を持ってまいりたい、そういうことによって企業に十分対応し得るようなカをみずからはぐくんでいきたいというふうに考えているわけでございます。

喜屋武眞榮二院クラブ・革新共闘

○喜屋武眞榮君 私、時間の関係もございますので、お三名の参考人の皆さんに、まず共通の問題を最初に申し上げて、それから個々にまたお聞きしたい点を申し上げる。その間にひとつ考えていらっしゃる点を皆さん自身の立場に立って聞かせていただければありがたい、こう思っております。  それで、お三名の皆さんにまずお聞きしたいことは、このバイオテクノロジーの問題はまだ緒についたばかりで、先ほどもおっしゃったように、まさに将来の問題であるという言葉もありましたが、現時点でそれぞれの立場から述べていただいたそこに至るまでの過程においてお困りになったことは一体何であったのか。それから将来に向けて避けて通れない、困るであろうと予想される問題点は一体何なのか。そのことについてそれぞれのお立場からお聞きしたいということが一つ。  次に、中島参考人にお尋ねしたいことは、新品種、それから遺伝子の組み合わせという乙とを話しておられましたが、お聞きしたいことは、その実際の取り組みに当たって、天候とか温度とか湿度とか、そういったことが非常に大事な条件になるんでありましょうかどうでしょうかということについてお聞きしたいと思います。  次に、中村参考人にお聞きしたいことは、食物と寿命、食物と健康の問題について御専門の立場からお聞かせ願いたい。と申しますのは、日本人の体質がアレルギー化しておるということがよく話に出るのであります。例えばピリンアレルギーとか、たんぱくアレルギーとか花粉アレルギーとか、体質がアレルギー化しておる。この問題と寿命の問題、長寿の問題、健康の問題にかかわる重大な問題であると思っておりますので、その点ひとつお聞きいたしたい。  それから茅野参考人は地域の特性ということを大事にしておられた。地域の特性を大事にするということは風土を大事にするということだと私はお聞きしております。日本列島が地域の特殊性、多様性を持っておるということもおっしゃったわけでありますが、このことをお聞きになったでしょうか、あるいは問題にしておられるでしょうか。戦前は全国の各県に配る蚕種は実は沖縄でつくっておったのであります。このことと気候、風土というものとは非常に密接な関係があるのではないか、こう思うわけでありますが、そのことをお聞きになったことがありましょうか、あるいは取り上げられたことがあるでありましょうか。そのことを茅野さんに。  以上、お尋ねしまして、それぞれのコメントをいただきたいと思います。

中島哲夫玉川大学農学部教授

○参考人(中島哲夫君) 第一の共通の点でございます。先生の御質問に対するお答えになり得るのかどうかわからないんですけれども、私どもそういった仕事を始めてみましていつも困りますのは、実は植物の性質といいますか機能といいますか、それを私どもはかなり知っていたと今まで思っていたんですけれども、実際新しい局面で仕事を始めてみますと、余りにも知らな過ぎる。要するに植物それ自身の性質につきまして未知な部分が大変多いという点が一番困るところでございます。これから先も恐らく何かをすればするほど未知な部分というのに突き当たるということになるのじゃないかというように思っております。  今の生物の性質に未知な部分が多いということとも関係があるわけでございますけれども、私への御質問の新品種育成についての気象条件みたいなものの関係でございますけれども、この点は先ほど申し上げました育種の二つの柱であるところの技術の一つの選抜の方法でございます。その環境に応じた形で作物は性質を実際には発揮するものですから、実は選抜の場では気象条件というのが大変大きく関係してまいります。冬の間に夏つくる作物につきまして選抜するというのは、これは全くできないわけでございますし、また熱帯の環境条件のものを温帯で的確に選抜するというのはできないわけでございます。  今日でもある部分ではその点を合理化するために人工気象室みたいなものを使ってできるだけ効率的に選抜を進めるということをやっているわけでございますけれども、これはおのずから限界がございます。この点も植物の性質を知っているようなつもりでおりましたけれども、やはり未知な部分が多々あるというところと関係しているのじゃないかと思います。  以上でございます。

中村桂子株式会社三菱化成生命科学研究所人間・自然研究部長

○参考人(中村桂子君) 私は、中島先生と全く同じことを申し上げようと思っていたんです。生物の関係の仕事をしておりますと、いつでも何かをやろうと思うとわからないことだらけだというのが一番困ったことで、多分これからも生物のことというのはいつになったらすべてがわかるだろうということは当分続くのだろうということです。  それともう一つは、それとも関係があるのですが、困ったことというので言いますと、専門家、科学者、技術者はそういう未知な部分が多いというところで非常に苦労しているわけですけれども、それに対応して社会の要求は非常に性急だというか、せっかちだというか、一体何ができるのかとか、そういう要求が非常に強い。そこのギャップが大変大きいというのが一つの困ったことで、これから先もそれは続くのかなという気がいたします。  それから二番目の御質問です。大変申しわけないんですが、私は食べ物とか健康とかというものの専門家ではございませんので、明快なお答えはできません。というよりも、むしろ今の未知な部分が多いということとまさに重なるのですが、食べ物とか健康とかいうことは私たちの日常で非常に大事な基本的なことのはずなのに、実は現代科学はほとんどそれに対して総合的な研究ができてない。例えば栄養学というような基本的な学問ははっきり申し上げて大変おくれている。私は、ライフサイエンスという分野をやっておりますけれども、これが一番大事なことは、食べ物と健康という問題をこれから総合的に進めていくことだというふうに思っております。今の遺伝子組みかえとかバイオテクノロジーとかいろいろ言われておりますけれども、これはそのために利用していく手段だというふうに私は思っているんです。  御質問のことは非常に大事なことなんですけれども、残念ながら、それはこれから一生懸命解き明かしていく大事な課題だということしか申し上げられないんです。

茅野久全国農業協同組合中央会常務理事

○参考人(茅野久君) 私ども農協としましては、研究者の層が非常に薄いということが、バイオテクノロジー開発なりあるいは品種育成に一つの困った点であるということでございまして、この結果、基礎的研究というようなものも非常に不十分な点が多いということでございまして、この研究者の育成について特にいろいろ諸先生方のお力もおかりをいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。  また、もう一つ農協の立場から申しますと、先ほども中村参考人が申されましたように、この育種なりこういう仕事につきましては、その成果が非常に長期間に時間をかけなければ出てこないというような点がございますので、こういう点で組織としてこれを進めていく上にいろいろ理解を得るというような点が非常に難しい段階にありますけれども、これらも十分理解していただくようにしながら基本的な取り組みを進めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。  それから蚕種の問題についてでございますが、私まことに不勉強でございまして、沖縄でそういうことがあったということについては承知をいたしておりませんので、教えていただいたことを大変ありがたく思っております。  以上でございます。

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) 以上をもちまして参考人の方々に対する質疑を終わります。  参考人の方々に一言お礼を申し上げます。  本日は、皆様には、御多用中にもかかわらず当委員会に御出席をいただき、大変貴重な御意見を述べていただきましてまことにありがとうございました。当委員会を代表いたしまして厚くお礼を申し上げます。  午前の審査はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。    午後零時三十二分休憩      ―――――・―――――    午後二時一分開会

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、生物系特定産業技術研究推進機構法案を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言を願います。

山田譲日本社会党

○山田譲君 私は、この法律に入る前に、大変緊急なことでございますから、この間のサミットの問題でぜひ大臣にお伺いしておきたいと思うんです。しかし、とてもじゃないけど、この問題でやっているばかりにいきませんから、ごくかいつまんで大きなところだけを御質問して大臣のお考えなりお答えをいただきたいと、かように思います。  新聞その他の報道でございますけれども、例のサミットの最終日に出されました経済宣言を見ますと、従来と非常に違った点で農業問題についてかなり詳しく書かれている。とりわけこの宣言の十三項目にいろいろと書いてあります。こういった文章ですから余りはっきりと具体的に言っているわけじゃないんですが、新聞の解説その他によりますと、過剰基調にある、「構造的余剰状態」と言っておりますけれども、こういう状態を非常に「憂慮をもって留意する。」というような言い方をしております。それに対して、「余剰が存在する際には、世界需要に照らして、政策を再編成し、農業生産構造を調整するための行動が必要であることにつき合意している。」とも言っております。それをさらにOECDでいろいろ検討しましょうというふうな内容のことでありますから、本当に何を考えているかよくわからないんですけれども、こういったサミットの考え方に対して農水省がいろいろと心配しているというふうなことも出ているわけであります。大臣、こういうサミットの考え方について今後どういうふうに考えていかれようとするか。  それと、もう一つお伺いしたいのは、この点大臣はいらっしゃらないからわからないかとも思いますけれども、解説その他では、例えばECとか、あるいは米国、カナダというふうな輸出国と輸入国との間にかなり激論があったというふうなことも書いてあります。このときに中曽根総理はどういうふうな態度をとられたか、その辺、もし農水大臣おわかりでしたら教えていただきたいというふうに思うんです。

羽田孜自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) 我が国といたしましては、かねてから国際会議の場におきまして、農業の特殊性及び農業貿易の現状に配慮して対処すべきこと、これを主張してまいったところであります。  今回のサミットの経済宣言に農業のコミュニケが盛られた背景は、国際的に農産物の過剰、それから輸出競争の激化、それから農産物価格の低迷などがございまして、当面の問題の焦点は輸出補助のあり方にあるというふうに理解をいたしております。これは、輸出国と輸入国との、何というんですか、議論というよりは、むしろそれぞれが生産国であり輸出国である、それが一方では輸出するために相当な補助金というものをつけて輸出しておる、それによってある一部の国の伝統的な市場というものが荒らされているんじゃないかというような議論だったんじゃなかろうかというふうに思います。  このような背景から見まして、今回の経済宣言に盛られた内容というのは、第一義的には、補助金によって国内の非効率的な生産を増大して余剰分を輸出しておるということによって世界的な過剰を生み出すような輸出国の問題である、こういうふうに私どもとしては理解をいたしております。しかしながら、輸入国である我が国としても、農業構造の改善あるいは市場アクセスの改善などとも関連する問題と受けとめておりまして、生産性向上を通じて我が国農業の体質強化というものを図っていく必要があろう、これが重要であろうというふうに考えております。  いずれにいたしましても、今回の宣言では最終的にはOECDの作業を通じて検討を進めることとなっておるということでございまして、我が国としても、従来どおりこういった議論に積極的に参加しながら我が国の生産の実情ですとか、農業の実情ですとか、そういったものについてきちんと反映されるようにこれからも議論をしていきたいというふうに考えております。ですから、これは、私が出席しておったわけじゃございませんから表に出たものより知る由はないわけでありますけれども、仄聞しますと、総理はまさに議長国としてこれをまとめなければいけないということで議論してきたということであります。その前段の、あるいはアメリカに行って帰ってきたり、アメリカでの話、いろいろなものを聞いておりましても、日本の農業というものは非常に難しい特別な状況にあるんだということは常に言っておられたようでありまして、しかしこの会議のときには、そういう発言をする筋というものじゃなかったんじゃないか、むしろ輸出国同士のいろいろな議論だったんじゃないかなというふうに私どもは受けとめております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 きょうあたり農業新聞にも大きく出ておりましたけれども、従来の私どもの考え、あるいは大臣も同じかと思いますけれども、そういう従来の考え方で今後もずっと貫いていかれようとするか、あるいはこの宣言が出たことによって従来の方針に何らかの変更が出てくるんじゃないか、こういうことを皆心配しているわけでありますけれども、その辺についての見通しはいかがですか。

羽田孜自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) 我が国としまして、輸出入貿易の問題につきましては従来国会での決議もございます。こういったものを踏まえ、私どもが今日までここで議論してきたことを踏まえながら、それぞれの国に対して対応していきたいと思っております。  ただ、今私ども農政審議会の中で、これからの日本農業のあり得べき姿、こういったものの長期ビジョンというものをつくっていただこうということで議論をしていただいております。そういう中で、何というんですか、農業構造そのものの力というものをつける、そういった方向というものは今の議論とは別に私どもとしては進めていかなければいけないんじゃないかというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 総理がサミットの前にアメリカに行かれていろいろ相談なさったようですけれども、その行かれる前日に出されました経構研の例の報告ですね、あれなんかの内容を見ますと、最初の案より大分後退したような感じもありますけれども、いずれにしても、やっぱりもっともっと自由化しなければいけない、農産物についても市場開放しなければいけないというふうなことが、はっきり言わないにしても、大体考えられると思うんです。そういうものを持って中曽根総理がアメリカに行かれて、それをどの程度話されたかわかりませんが、おおむねそんなふうな内容のことがレーガンさんにも納得してもらえたんじゃないかと思うんですけれども、どうもそういうところを見ますと我々としても非常に心配なわけで、全農民も皆、どうなるんだろう、どうもこれからはもっともっと市場開放されてくるんじゃないかというふうな不安を持っていることは間違いないと思うんです。もちろん日本も鎖国じゃありませんからある程度のことは考えなければならないとは思うけれども、それにつけても、今大臣がおっしゃったような日本農業の特殊性というふうなものは、これは大いに強調してやってもらわなければ困るんで、ただ経済合理性だけを追求するような考えではちょっと困るわけですね。それについて大臣のお考えをもう一遍お伺いしたいと思うんです。

羽田孜自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) 基本的には、私どもは従来から議論しておるとおりでありまして、日本の農業というのはまだ残念ですけれども規模が拡大されない、非常に脆弱なところにあるということ、しかしいつまでも脆弱だから、弱いからといっているだけではいけないんで、足腰の強い農業をつくるために構造政策というものを私どもも真剣に議論していかなければいけないというふうに思っております。  なお、また貿易の問題につきましては、地域の経済、要するに全体的、全国的には小さいかもしれない、部分的なものかもしれないけれども、しかしこれがその地域経済を支えておるんだというものも実はあるわけでございます。私どもとしても、こういったものが生々と生産できるような体制といいますか、そういったものに取り組んでいかなければいけないんじゃないかな、こんなことを考えながらこれからも対応していきたいというふうに思っております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 ぜひそのお考えで頑張っていただきたいと思います。  それではこの法律の審議に入りたいと思うんですが、まず最初にお伺いしたいのはこの法律の名前です。非常に難しいですね。生物系特定産業技術研究推進機構法というんですけれども、これは落語の寿限無じゃないけれども、ちょっと生物系特定産業技術研究推進機構へ行ってくるよ、ああそうかい、生物系特定産業技術研究推進機構へ行っておいでというふうな、冬だったら日が暮れるような長い、しかもわからない名前なんですね。どうしてこういう複雑怪奇な名前をつけられたか、まずそこを伺いたいと思うんです。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 大変長くて難しい名前で恐縮しておりますけれども、実はこの機構が対象にしようとしております農林漁業でありますとか飲食料品製造業でありますような、こういういわば生物の機能を利用したり機能に依存するような産業、生物系産業というんでしょうか、こういう産業でいろいろ開発されていく技術に関係する試験研究が、鉱工業でありますとか電気通信とか、そういった生物と全く関係ないような分野の産業での研究とはおよそ性格とか研究の手法とかが違うことは申すまでもないわけでございますが、    〔委員長退席、理事北修二君着席〕 そういうことから、この機構の名前をつけるにつきまして、そういった生物にかかわりがあります産業分野の研究の特質に着目しまして、そういった研究推進を幅広く行えるような法人ということでいろいろと考え、その性格を十分あらわすような意味合いで検討した結果つけられたわけでございます。ちなみに、その過程としまして、農林水産業という言葉を用いてこういう法人の名前をつけたらどうかという考えもあったわけですが、これですと産業分野がそこで狭められてしまうといったような問題がございます。一方、バイオテクノロジーというような概念での名前にしようとしますと、そこでは対象の産業分野がはっきりしないということとか、もう一つは、この機構が対象にしようとします技術につきましては、必ずしもバイオばかりじゃなくて、もっと幅が広くて、例えば新素材だとかメカトロニクスのようなものを今後応用していく、そういう農林水産業にかかわる技術なども皆入っているものですから、そういうことでバイオというような名前でのつけ方も適切ではない。そういうようないろいろと問題がございまして、結果的に、大変わかりにくいというような面は指摘されておるわけですけれども、この法人の性格でありますとか、申し上げました今の業務の内容、こういったことを正確にあらわそうとしますと結局この名称になる、これが適切ではないかという経緯でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 いろいろ考えられた苦心の作であるということは名前を見ただけですぐわかります。簡単に考えたら、とてもじゃないけれども、こんな名前は出てこないわけですから、相当皆さん御苦心をなさってこういう名前をつけられたと思うんです。  私がちょっと気にかかるのは、農業機械化研究所を解散してここへ統合するというか、一つの組織をつくるわけですね。そうすると、名は体をあらわすといいますけれども、この生物系特定産業技術研究の中に従来の農業機械化でやっていたようなことが入るのか入らないのか、その点はどうですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) これは先ほど申し上げましたように、農林水産業に関する技術、この機構の対象にする技術の中には大方そういった機械化の研究というようなものも入るわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうすると、例えばトラクターというふうなものもこの生物の中に入るということですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) トラクターそのものは生物ではないわけですけれども、例えば作物を栽培したり家畜を飼育したりというその生物と密接に関係する、関連する研究を対象にする技術ということでございますので、トラクターのようにただ泥を起こすだけじゃなくて、実際には作物をうまくつくる、根をうまく発育させるとか、そういうことが当然その研究に伴うわけでございますので、そういう意味で、大体作業的な機械とかいろいろな機械の研究はこの中に入ると考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 大分苦しい答弁のように感じられてならないんですけれども、トラクターも動くし生物も動くものだから、その点ではどっちも同じということは考えられないわけでもないけれども、そうすると今まで機械化研究所でやっていたような機械は全部この生物系特定産業の中に入るというふうに考えるわけですか。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) 「生物系特定産業技術」という定義が法律案の第二条にございますけれども、生物の機能を維持増進、利用、また生物の機能の発現の成果を獲得、利用と、こういう意味での農業にまず入るわけでございますが、その後の方の技術のところで、「その開発に当たり生物の機能又はその発現の成果の特性に密接に関連する試験研究」と、こういう定義がございまして、生物の機能に密接に関係する、こういうことでございますので、トラクターそのものは生物ではございませんけれども、農作物という生物の機能を十分発揮させるという意味で機械化技術も含まれる、こういうふうな解釈でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 随分わかりにくい解釈ですけれども、そのくらいお考えになってこの名前が出てきたと思うんです。  その次にお伺いしたいのは、推進機構というけれども、機構というのはどうしてこういう名前をつけたんですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 機構といたしましたのは、この法人でございますけれども、これは民間の出資を受け入れまして民間の発意に基づきまして設立される、しかもそういう非常に幅広い業務を行う特別認可法人ということでありまして、大体他のそういった特別認可法人の例も参考にいたしましてこの機構というのをつけたのでございまして、現在特別認可法人の中にも数例この機構というものはあるわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 これに非常によく似た組織として通産省の基盤技術研究促進センターというのがありますね。これとは大分違いますか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 基盤技術研究促進センターとの違いですけれども、これは通産、郵政の所管の事業の中で、特に鉱工業、電気通信業、こういった関係の基盤技術というふうに対象の技術を決めておるわけでございまして、こちらの方は生物系特定産業ということで定義してございますように、農林漁業とか食品産業関係のようなところが主力になる生物系を中心にしていると、そういう点で違いがございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それはわかっていますけれども、そのセンターという名前と機構という名前の違いはどういうことですかということを聞いているわけです。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 名称につきましては、いろいろな名称の使い方があるわけでありますが、センターあるいは機構、さらには研究所とかいろいろございますけれども、ここであえて機構というような名称を選択いたしましたのは、今までの機械化研究所の業務をそのまま継承するということもございまして、ただ単に基盤センターのように民間支援業務だけをやるという性格のものでもないわけでございまして、そういったことでいろいろほかとの関係、例等も考えまして、若干そこに特徴を出すという意味で機構という名称を選択したわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 こんなことはどうでもいいようなことですけれども、何か機構というと非常にわかりにくいものですから、どうして通産省のセンターというふうな言葉を使っているのをそのまま使わなかったかという感じもするわけです。ほかに研究所とか何々協会とかいろんな名前がありますし、最近はやりで機構なんということをやたらに使いますけれども、何か法律的には余り機構というのとセンターの違いというふうなものはないと思うんですけれども、どうでしょうか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) おっしゃるとおり、厳密な違いというか明確な違いというものはないというふうに私ども思っておりますけれども、そこは若干そういう意味でニュアンスの違いというような意味もかなりございまして、いろいろセンターと言う場合もありますけれども、ここでは機構というものの方がよりふさわしいんではないかという判断でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そこでお伺いしたいのは、この農業機械化研究所は、IAMですか、という略号で世界的にもかなり通用する言葉になっているようですけれども、今度この研究所がなくなるということになりますと、その世界的に有名になったせっかくのIAMの標識がなくなるというふうなことになって非常に寂しいことじゃないかというふうに思うんです。その点はいかがですか。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) 機械化研究所は昭和三十七年に発足しまして、今お尋ねのIAMというマークを設定しましたのは昭和四十年でございます。これはもとは研究所の内規の中にございまして、研究所における作業衣、印刷物、用紙類等に使用するためにこのマークを定める、こういうことでIAMにしたわけでございますが、その後、国際的にもこういう名前で非常に信用が増しております。そういうこともございますので、今回の機構への移行に伴いましていわゆる法人としての名称はこういうふうに変わるわけでございますが、こういう内規から発足しましてかなり国際的にも通用しているこの名称を何とか実際上残していくことができないかということで検討しておりまして、これは機構発足後の問題でございますけれども、実際上の問題としまして、従来に引き続いてこのIAMという名前をこの機械化研究部門について使うということは差し支えないのではないかということで、そういう方向でぜひ検討いたしたいと思っております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 このIAMをぜひ残してやっていただきたいというふうに思います。ここの研究所の皆さんも何とかこの名前だけは残してもらいたいというふうなことを強く要望しておりますし、私もせっかくそこまで国際的にも有名になったものを残していった方がいいんじゃないかというんで、その方向でひとつ御検討願いたいと思います。  その次にお伺いしたいのは、今度の機構の定員は大体どのくらいですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 現在のところ、この機構の定員につきましては、具体的な数字はこの機構の設立時までに固められていくということでありますけれども、これまでのあれでは、設立時の全体としての職員数はおおむね百人程度になるものと考えているわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 当然、予算要求の去年の段階で、こういう機構をつくります、ついては定数をこのくらいにしたいということは大蔵省に要求していると思うんですけれども、そのときの数字はどのくらいだったんですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) その今申し上げた数字が、おおむねということで大体私どもが予算要求時から考えている数字でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうすると、予算要求の段階でもおおむねというふうなことであのうるさい大蔵省がそれで許可したんでしょうかね。当然それは何人までとちゃんと聞かなきゃ予算をつけてくれないのが大蔵省じゃないかと思うんです。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 御案内のとおり、この法人の予算はこれからのことでございまして、一般の国の政府機関の場合の予算とは異なりまして、まさに認可法人の認可予算でございますので、これから具体的に財務当局等と詰めるという段階になるわけでございまして、今までのところ明確に何名というふうにして決めたものはまだございません。

山田譲日本社会党

○山田譲君 さっきのおっしゃられた大体百名程度ということになりますと、今機械化研究所の方は九十名ですか、九十一名か九十名いますから、そうすると差し引き十名足らずくらいの人数を増員して機構をつくると、こういうふうに理解していいですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) トータルの数で申し上げますとそのとおりでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうすると、その九名なり十名の人というのは大体どんな人を考えておられるんですか。つまり公務員で言えば技官とか事務官とかいうふうな人がいますね。その九名というのはどういう人ですか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) この法人は、先ほど申し上げましたようにできるだけ民間の方々の意向を反映してということで、これからいろいろ設立手続をとってまいりましてそこでの新しい体制での御検討がされるということになっております。特に民間の御意見をなるべく尊重してということが念頭にあるわけでありますが、そこで全体としては、先ほど申し上げたようなことでおおむね百名程度というふうに考えておるわけでありますが、そういう中で一体どういう体制をとっていくのかどうか、あるいはどういうふうなそれぞれの組織あるいは分担をするかといったようなことは、まさにこれからのそういう民間の方々の御意見等も踏まえて判断して決めていくという、そういう段階になるわけでございます。ただ、基本は、今農業機械化研究所におられます方をそのまま継承していくというところは、これは我々側としてもはっきり決めているわけでございますけれども、今申し上げましたように、具体的な職務の分担等についてはこれからいろいろ検討されるというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それにしても、おおむね百名という数字は出てきているわけですから、その数字は何か根拠があってそういう百名と言っておるのでしょう。おおよそでもしようがないけれども、何か根拠があっておおよそ百名と言っていると思うんですよ。そうすると、現在、機械化研究所にいる人はもうみんな決まっていますから、そうすると残るのは、あとの十名足らず一体どういう人を採用するんだということは当然考えなきゃいけないことだと思うんですけれども、その辺どうですか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 新しい民間研究支援業務は、民間に対する出融資業務が中心でございますから、そういう出融資ということが円滑に行われるようにということで、それぞれふさわしい人をそこに確保していくということになろうかと思います。  そのほか、まだ後でいろいろお話があると思いますけれども、そういう出融資業務以外の業務も行うわけでございますので、それらへの対応ということでの体制整備も必要であるというふうに考えております。特に、現在、機械化研究所におられます職員の方々で共通する管理運営業務も実はあるわけでございますので、その辺のところも十分考えて、できるだけ効率的な体制ということを念頭に置きながら人員配置をしていく必要があるなというふうに考えておるところでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 本来ならばもう少し具体的にわかるはずだと思いますけれども、今の問題はその程度にしておきます。  次に、資本金の問題です。当初の予定では、二十五億を産投からもらって、あとの十五億を民間から集めるというふうなことのようですけれども、それはそのとおりですか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) おっしゃるとおりでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 その二十五億なり十五億というのはどこから出てきた数字ですか。どういう根拠でその数字が出てきたか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) この産投からの出資金あるいは融資、それから民間からの出資金というものは、今先生からお話がございましたようなことで初年度は考えているわけでございますけれども、私どもとして、具体的にどの程度の一体資金需要が出てくるかといったようなことは、まだ必ずしも正確には把握しておらない点もございます。そういう意味で、その根拠というものが必ずしも明確にはなっておりませんけれども、全体のこの機構の運営をしていくについての先ほど申し上げましたような人員の規模あるいはそれを賄っていくための所要のファンドといったようなものは、それはある程度のめどを立てているわけでございまして、そういうことが一つございまして、産投からの出資金のうちの二十五億円のうち今申し上げたような割り振りで考えているわけでございますが、    〔理事北修二君退席、委員長着席〕 一番肝心な出融資業務がどのくらいの資金量になるかということは、これからいろいろ我々としても詰めていかなければいけない問題ではないかと思っております。来年度以降さらにそういう意味での資金の充実を図っていきたいというふうに考えているわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 いや、出融資業務じゃなくて、この機構の資本金が四十五億ということでしょう、民間と両方合わせて。それはどういう根拠でつくりましたかと聞いているわけです。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) まず、この新しい民間支援業務を運営していく一つの組織体制として、全体としては先ほど申し上げたようなおおむね百人程度の機構というもの、組織というものを考えているわけでありまして、その中で特に民間支援業務の部分に対応する分野における所要の経費といったようなものも必要だというふうに考えておりますが、そういう運営費を賄っていくということのために必要な基本財産は一体幾らかということが念頭にございまして、それをある運用益というもので賄っていくというふうに考えておりますけれども、そういうことから逆算しての所要のファンドということで基本財産というものを積算しているわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 民間から十五億以上をファンドとして集めようということのようですけれども、その十五億についてはある程度の見通しを持っておられるかどうか、そこはどうですか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 今、この法案が御成立をさせていただいた後にそういう設立手続等に入ろうということで、まだ具体的な作業は進めておりませんけれども、そういう意味でまだ必ずしもこれがどういうふうに確保できるかということの見通しは持っておりません。  ただ、民間の方々に対してもいろんな機会にこの制度の内容を御説明いたしまして、ぜひひとつ法案成立の暁には御趣旨に賛同していただいて出資もお願いしたいという、そういう要請をしてまいっておりますが、ある程度は御協力をしようというお話を伺っているというのが今日の段階でございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 業務として出資業務と融資業務がありますね。その出資財源としては五億円をとり、融資財源として十三億円をとった、こういうことで五億円は民間の共同してやるような法人に出資します、十三億円の融資の方につきましては各企業などに融資をすると、こういうことのようですけれども、それぞれどういう団体に出資をし、どういう団体に融資をするかというふうなこと、もちろんやってみなきゃわからないかもしれないけれども、今のところどういうことを考えておられるか、その内容を説明してください。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 今先生お話ございましたように、これから具体的に、先ほどから申し上げておりますように、民間の方々等の御意見も十分踏まえまして、業務方法書などの作成をしてまいるわけでございますので、まだ必ずしも十分合の段階でどうこうということを申し上げられませんけれども、出融資業務の中で、特に融資は広くは民間の企業ということでございますが、そういうところの研究開発に対していわばリスクマネーを融資していくというふうに考えているわけであります。  出資の方は、これはそれぞれいろいろな方々が新たに研究法人を設立するという場合に、それに対して出資をするということになるわけでございますが、特に私どもとして意図しておりますのは、農林水産業のこういう特性から見て、いろいろ地域の産業あるいは技術開発を進めたいということで、これが通産等との違いがあると思っておりますけれども、できるだけそういう各それぞれの地域においてそういったそれぞれの関係者が集まって研究開発の法人をつくるという、そういうことに対して出資をし、そういうものに助成をしていきたい、そういうふうに考えているわけでございまして、出融資の業務についてはおおむね以上のような考え方を持っているわけでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そこで、融資の条件として、据置期間が五年で、償還期間が十五年以内、そして利率としては無利子だということで、括弧して、ただし書きがついておりまして、成功した場合、成功の度合い等に応じて所定の料率とすると、こういうふうになっていますね。これは間違いないですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) はい、間違いありません。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そうすると無利子でもってやって、それから成功した場合は成功の度合いに応じて所定の利率とすると言うんだけれども、それは観念的にはわかりますが、実際問題として成功したかしないか、いわゆる出世払いみたいなことですね。この成功したとかしないとかということは、だれがどこで、どういう基準で判断するんですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 大変難しいことではあると思いますけれども、こういったプロジェクトの成否の判断でございますが、関連の学識経験者等によりまして技術的な観点から検討していただいて判断をいただくということでございます。基本的にはその判断と申しますか、評価でございますけれども、これはそれぞれのプロジェクトの試験研究計画どおりその成果が得られたかどうかというようなこと、あるいはそれはオール・オア・ナッシングというようなことでもございませんので、そういった計画に対してどの程度到達し得たかというような、そういう段階的な評価もございますけれども、いずれにしても、こういったことで具体的な判断の基本にしたいと考えていますが、さらに具体的なことにつきましては、類似のいろんなこういった関係の方針等の例も参考にして今後詰めていかれるものと考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 これは非常に難しいことかと思いますけれども、おる程度そちらのお考えがあるんじゃないかと思うんですね。だからこの程度いけば成功だとか成功でないとか、それはそれぞれのプロジェクトによって違うかもしれないけれども、その判断は専門家かなんか集めるわけですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) おっしゃるとおり専門家によってそういう審査をお願いするというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 きょう午前中も問題になったんですけれども、私が非常に心配するというか、どういうふうにやるんだろうなと思っている点は、結局これは農業のためにやる、あるいは農民のためになるような結果にならなきゃ意味がないわけだと思うんです。そうしますと、研究した結果一〇〇%成功したと仮にします。その場合にその成果はどのようにして実際の農業に適用させるのか、あるいは農民の方にそれを活用できるようにするのか。そこら辺どういうふうに考えておられますか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) こういった機構の関係での先生の御指摘の研究の成果でございますが、こういった成果は、それぞれ最終的には農業の関係の技術あるいは製品等で、農業技術の関係のものにつきましては、新しい技術あるいは新しい製品ということになるわけでございまして、そういうものが実際に農家のところに、農業の現場に利用されるということになるわけです。当然その前には、それぞれの企業の成果は特許という形で出される段階もあるわけですけれども、最終的にはそういう新しい技術なり製品が農業の技術として現場にわたる、そういうふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 融資対象は特に民間でしょうけれども、大体において食品関係の会社みたいなところが多いんじゃないかと思うんです。そうした場合は、慈善事業をやっているわけじゃないから、自分のところでもってうまく成果が出れば当然それは自分の工場、会社のためにそれを使うということであって、それを広く一般にみんなにも知らしてしまったんじゃ、せっかく自分たちが一生懸命苦労したかいかないというような結果になるんじゃないかと思うんですが、その辺はどうお考えですか。どういうふうに具体的に農民のプラスになるような方向で活用しようと考えておられるんでしょうか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 食品産業の関係でございましょうか。私どもの国の研究機関である食品総合研究所、食品の研究所でございますけれども、関連のそういった食品関係のところも最近基礎的な研究が非常に進んでおりますが、そういうところでの研究の成果は、確かに研究のユーザーが農家ではない、そういう品種改良などとはちょっと場面が違うところがございますが、私どもといたしましては、この機構の持っております。そういう公益性といいますか、あるいは国の政策目的、こういうものを十分踏まえながら、その辺の研究成果についても、結果の扱い等についても当然民間のかかわるそういったインセンティブなどを失わないことが前提になりますけれども、そういう範囲で大いにできるだけ実際の役に立つような方向に指導していきたいと考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 午前中同僚委員の刈田さんの方からも話がありましたが、ハイテクの技術は非常に発達したけれども、そしてまたそれに伴って農業も発展したけれども、肝心の農民の生活はちっとも楽にならない、こういうことになったら何にもならないと思うんですよね。ですから、こういうものをつくるからには、そして、これだけのお金を使って単なる民間に有利な研究をさしてやるからには、その成果というものは、当然これはまずもって農業の発展と同時に、農民の幸せといいますか、暮らしを楽にするような、そういうことにならなければ意味がないと思うんですけれども、その点どうでしょうか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) おっしゃるとおりだと思います。

山田譲日本社会党

○山田譲君 そこのところよくよく注意して運営をしてもらいたいというふうに思うわけです。  ついては、何か評議員会というものをつくるようですけれども、法律に書いてあります二十五人、これはどういう人が評議員になるんですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 評議員の件でございますけれども、具体的な人選は今後の話でございます。基本的な考え方といたしましては、この機構が大変広範囲にわたる業務を行っておりますので、そういう広範囲にわたる業務に関連しての学識経験を有する者ということが第一点でございますし、もちろんこの評議員たる人物につきましては公正中立でございまして、人格識見の高い者、そういう中から人選が行われると考えておりますし、さらに先ほど先生の御指摘のありましたように、この機構の関係で一つはそういう技術の開発者、開発の側もありますけれども、その技術を利用する側、いわば農林漁業の関連でございますが、そういった側からの意向も十分反映されるようなことも配慮してまいりたい、そういうふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 評議員のところまでは法律に書いてありますけれども、さっきおっしゃった専門家のところ、専門家会議か何かについては法律には書いてない。省令か政令にこれを書く予定はあるんですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 今のところ具体的なものはございませんけれども、先ほど申し上げましたような専門家による審査の体制をつくっていきたい、そういうふうな考え方はございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 さっきちょっと問題にしました融資の条件、これは何によって決まるんですか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) これは機構の業務方法書というものの中で規定するということになるというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 その業務方法書はもうできているんですか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) これはこの機構の設立に合わせまして、その他のいろいろなこともございますけれども、重要なこととして決めて、それらについては認可または承認というものの手続を経てまいるわけでありますが、機構みずからがつくるものでございますので、まだできておりません。

山田譲日本社会党

○山田譲君 じゃ業務方法書によってさっき議論のあった融資要件なんか全部決まる、業務方法書そのものはまだ全体としてはでき上がってない、これは機構がつくるものだ、こういうことですか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) そういうことでございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 その次に、さっきの専門家の集まりと評議員会との関係はどうなるんですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 直接的な関係はございません。ですから、役員あるいは評議員会等の定められた機構の基本的な運営方針、こういったものに基づいて、先ほどの学識経験者、専門家といいますか、こういった専門家の審査を実施していただく、そういうことになるだろうと思います。

山田譲日本社会党

○山田譲君 事務所はどこへ置かれますか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 事務所は、現在のところ、機械化促進業務にかかわる関連の事務は、現在大宮に機械化研究所がございますのでここが適当だと考えておりますが、民間研究促進業務の関連は、いろいろ業務の効率を考えて東京に置くのがよいのではないかというふうに考えております。この二つの事務所を有機的にうまく使いながら進めたいと考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 役員ですけれども、この役員というのは専門的な知識を持ったような人が当然なると思うんです。今のところ、その点、どういう人を役員にされるつもりですか、お考えを聞かせてください。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) この機構の目的あるいは業務、こういうものに照らして最もふさわしい者が選ばれるというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 それは当然だけれども、例えば機械化研究所の今の理事長さんが馬場さんという方で、理事が二人と監事が一人、違っていたら教えてほしいんですが、いずれも農林水産省の東海農政局長とか園芸副部長さんであるとか中国四国農政局長とかで、恐らく事務官の方じゃないかと思うんですね。それはどうですか。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) 今お挙げになりました現在の研究所の役員のうち、理事のお二人の方は技術者出身の方でございます。なお、現在の常勤役員は、いずれも農林水産省に在職した人たちでありますが、過去には内部から二回ばかり研究関係の方を中心に、いわゆる内部登用で役員になっていただいたことがございます。

山田譲日本社会党

○山田譲君 ちゃんとしたその道の、それは全部とは言いませんけれども、専門家をぜひ入れてほしいと思うんです、単に役人だった人を天下りさせるというふうなことじゃなくて。特に機械だとか、これからのバイオテクノロジーとかという問題になりますと、相当専門的な知識が必要だと思うんです。ぜひそういう専門家を入れてもらわなきゃ困ると思うんですけれども、その点どうですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 先ほど大変型どおりのお答えを申し上げましたけれども、こういった機構でございますので、当然のことながら今度は生物系特定産業といいますか、こういった面での学識経験の豊かな者、あるいは人格とか大変立派な方とか、そういうことでありまして、具体的にはそういった方の中から、特別な前歴とかそういうものを特に問わない形で人選が進められるのではないかと考えておりますが、おっしゃるような意味合いのことについてはいろいろと今後の検討課題だと考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 何か都合悪くなると声が非常に小さくなってよくわからないけれども、とにかくそこのところはちゃんとやってもらいたいと思うんですよね。  今度はちょっと角度を変えまして、労災の問題について、機械に関係しますから、質問してみたいと思うんです。  農業従事者に対しては特別加入制度というのがありますね。第一種と第二種があるわけですけれども、このいずれを見ましても、五十五年から入っている人を見ますと、第一種にしても、五十五年は一万五千人ばかり事業主がいたんですが、これが五十九年度には一万三千四百三十人と減っている。事業主に従事する人たちについても、五十五年度は二万一千九百九十八人という数字であったものが五十九年度は一万九千百三十一人に減っております。それから第二種の人につきましては、これはやや加入者数もふえていまして、五十五年度は八万二千六百八人、それから五十九年度は十一万二千二百十八人とふえております。ところが、新規受給者数、つまり労災にかかった人、保険金をもらった人がまた五十五年度の千三百二十五人が五十九年度千七百五十八人ということですから、ふえているわけですね。全体として加入者数がむしろ減っている傾向にある、しかしながら新規受給者、つまり事故に遭った人はかなりふえている。こういう現状を見て、これは農水省がどこがやっていらっしゃるか知りませんが、どう思いますか。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) 労災の農業者の加入の状況については先生お尋ねのとおりでございまして、加入全体として見ますと、今先生の御引用になりましたのは労働省調査でございますが、もう一方この加入を扱っております農協系の調査によりますと、トータルで十七万四千人ぐらい、これが六十年度の数字でございまして、確かに個別に見ますと、若干増加と言っていい傾向は見られると思いますけれども、全体の農業就業人口から見ますと、まだ二・六%程度という非常に加入条件は悪うございます。また事故の状況もお尋ねのような状況でございますので、いずれにしましても、全体としては、せっかくあるこの労災制度が農業者の場合に十分活用されてない、こういうことでございますので、私どもいろいろ機械化研究所等でやっております安全性確保のための対策、また行政面でやっております安全対策の一環として、この関係者に、農業機械関係の研修とあわせまして、労災について十分加入が促進されるような運動をしようと、こういうことで関係の研修等の場においてこの制度についての普及を行いながら、そういう機械課の担当者を通じましてできる限りこの労畑制度の加入が広まりますようにこれからも大いに努力してまいりたいと考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 私がなお唖然としました点は、労災の第二種特別加入というのは、さっき若干加入者がふえていると言いましたけれども、これについては指定農業機械というのがありまして、労災が指定した機械じゃなきゃ加入できないという制度なんですね。その指定機械というのはどんなものがあるかというと、昭和五十年から五十五年まで見ますと、一々全部言いませんけれども、動力耕運機、その他の農業用トラクターであるとか、あるいは自走式田植え機であるとか、あるいは動力剪定機であるとか、チェーンソーであるとか、こういった、そう多くはないんですけれども、全部でせいぜい二十かそこらしかありません。ですからその他の農業機械を使っている人は特別加入できないわけですよね。どういう機械が指定の機械になるかといいますと、私驚いたんですけれども、最初から指定されるんじゃなくて、相当事故が起こったら、この機械は危ないからということで指定してくださいと言ってくるというんですね、これは労働省の方が指定するらしい。じゃ、まるで人間をモルモットみたいに扱って、相当のけががなければ指定の機械にしてもらえないというふうな、こういうやり方はどう考えてもおかしいと思うんですね。だから、こういう機械を出す前に、当然指定がなんかにして、そうして事故者を未然に防ぐというんじゃなきゃおかしいんじゃないですか。どうもその辺おかしいと労働省に言えば、労働省は、いや農民の安全対策の問題は農水省だと、こういうふうに言うんですけれども、この辺、農水省としてどう考えておられるか教えてください。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) 特別加入の要件の問題でございまして、これは所管の労働省の考え方というか、また制度の考え方からしまして、農業作業の場合に普通の生活関係の活動と農業関係の作業の区分がしにくいということおあって、法律上、労働省令で作業の種類を定める、こういうことで特別加入の道が開かれているわけでございまして、そこへ今お尋ねの機械の問題が出てまいるわけでございます。  労働省の今のお話ございましたが、別に危ないものを指定するということではなくて、我々の考え方としては、労働省にお願いをして農業の中で相当使われるような機械については逐次指定してもらおうという考え方で従来も臨んでまいっているわけでございまして、現在十八機種、五十五年五機種追加されました状態で十八機種でございます。我々としましては、今の農作業の機械化の状況では一応かなり重立ったもの、私どもがいろいろ事故調査で把握しております事故の種類から見ますと、かなりの程度のものはこれでカバーし得ていると思いますけれども、基本は、本来農業作業上重要な機械についてはできるだけ指定してもらうというのが私どもの考え方でございますので、これからもよく機械化の動向それから新しい農業機械の入り方、使われ方、これをよく考えまして、お尋ねのような危ない事故が起きてからという後追い的にということではなくて、できるだけ早く対応するようにこれからも労働省に働きかけてまいりたいと思っております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 機械化研究所ではこの安全の問題についてはかなりやっていらっしゃるかどうか。また聞くところによると、鑑定をやるそうですけれども、それはあくまでも自主的に来た人のをやるだけのことであって、全般的に機械が売り出された場合には全然ノータッチというふうなことのようですけれども、それでは危ない機械がどんどん市中に出回るという結果になりはしないかと思うんですけれども、その点どうですか。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) 農業機械化研究所のいわば安全対策の面につきましては、本来業務でございます型式検査の一つの項目として、安全面のチェックも検査の中で実施する、こうなっておりますが、安全鑑定というのは農業機械化研究所の非常に重要な業務として実施しておるわけでございますが、これは確かに、先生のお尋ねがございましたように、制度の性格としましては任意制でございます。申請に基づきまして鑑定するという建前になっておりまして、これは制度の性格としまして、自動車その他のようないわゆる強制的な要素を取り入れたものにしてはどうかという議論は従来もございましたが、農業機械という性格から一般に道路を走るというようなものでもございませんので、法律制度として強制検査あるいは強制鑑定というふうなところまではなかなか高められない、こういうことで任意制度として実施しておる次第でございます。  ただ、現実には、私どもこの安全鑑定制度の十分な活用ということを指導もしておりますし、また農機具会社でもこの安全鑑定に合格しているものでないとなかなか、簡単に言えば、信用がなくて売れにくいと、こういうようなこともございまして、現実には、先ほど申し上げました型式検査または安全鑑定どちらかに合格しました機種の出回り機種の中での割合、いろいろ農業トラクター等々ございますが、大体九割ぐらいは、この機種の台数で見ますと型式検査か安全鑑定どちらかに適合している機種になっている。こういうことで、現実の問題として、こういう機械化研究所がせっかく力を入れて実施しております安全面のチェックについては十分に活用されるよう運用上の問題としてこれからも努力してまいりたいと思っております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 最後に、大臣に特にお願いしたいんです。バイオテクノロジーは一種の流行みたいにもなっているようですけれども、試験場なんかに行って聞いてみますと、そういうハイテクも必要ではあるけれども、従来からやってきたオーソドックスな研究、そういうものも当然必要なんだ、やや流行的になり過ぎているというふうなことを言われる方もいるんですね。私は、それはそれとして、もう一つ特にお願いしたい点は、せっかくハイテクで増産ができましても、その結果、米の値段が下がってしまう、あるいはまた米が減反でもって減らされてしまうというふうなことになれば非常にちぐはぐなことになってしまう。そういう点についてぜひ羽田農水大臣に考えていただきたいと思うんです。その点についてのお考えをお聞きして質問をやめます。

羽田孜自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) 御指摘のとおり、新しい技術というものは追わなければいけませんけれども、まだ未知のものに対してただ期待だけ抱くということは危険であるということで、私どもも、農政を進めていくに当たって、これはちょっと話はあれでございますけれども、基盤整備等、基本的な問題にまず手を入れながら新しいものも追求していくという姿勢、これをとっていかなければいけないと思っております。  それと同時に、今お話がありましたように、生産性が高まったということ、生産性が高まって全体的にコストが安くなり価格が下がる、それで農家の方の利益というものが上がるんだということが一番の目的であろう、そのためにまたこういったバイオ等、新しい先端技術というものを追求してまいるわけでありますけれども、それによって生産する立場の人の生活というものを圧迫することになってはいかぬ。こういうことは私どもはよく留意していかなければいけないし、またそういうことにならないような方向というものを新しいものを取り入れながら進めていかなければいけないというふうに考えております。  それと同時に、今お話しのとおり、まさにどんどん生産性が高まる、それによって量が余計どれるということになりまして、これはまた減反というようなことになって非常に難しい問題でありますので、そのあたりを私たちどう対応するのか、十分常に検討していかなければいけない課題であろうというふうに考えております。

山田譲日本社会党

○山田譲君 終わります。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 先ほど山田委員の方からも話がありましたけれども、今回の法案の名称なんです。本当によく見ないとどこかが抜けてしまうような名称で、まことに一般の国民にはわかりづらい法案の名称だ。しかし、こういう名称をつくらざるを得なかったその苦心のほどはまたこの名称によってわかるわけであります。普通、農業機械化研究所というものを一応解散するというか吸収して、一つの機構をつくっていく場合、ほかのものもそうですけれども、大体似通ったようなものを統廃合して一つの組織をつくっていくというのが一般的なわけでありますけれども、今回の場合には全く関係がないかといえば、わずか関係があるような先ほどの答弁がありましたが、一般国民から見れば何か木に竹を接ぐようなもので、非常に不自然な機構のあり方ではないかというふうに思わざるを得ません。果たして、この名称でこの中に従来の農業機械化研究所があるというふうに理解する人がいるというふうにお考えかどうか、ここのところを初めにお聞きしたいと思います。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) この名称と先生の今御指摘の機械化研究所の中に含まれるということの理解度といいますか、印象、これにつきましてはちょっと申し上げかねますけれども、機械化研究所の現在のそういう研究業務の一切の機能は全面的に承継するという前提での機構でございますから、この機構はぜひそういう意味合いで、今までの機械化促進業務といいますか、機械化研究所の体を十分含んでいるというふうに理解していただきたいと思います。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 私どもは今法案を審議していますから理解はできますよ。しかし一般国民はどうか。従来農業機械化研究所というものが大宮にあった、しかし今度それがなくなってしまうわけですね、これでいくと。だから、こういう機構の中に農業機械化研究所があるというふうに理解できる国民というのはほとんどいないんじゃないかというふうに私は思いまして、その点で非常に不自然ではないか。なぜこうしなければならなかったのかということは、行革で厳しく、新しいものをつくるには結局スクラップをしなければ新しいものはつくれないんだということにかかわってこういう形になったというふうに理解してよろしいですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 今度の機構でございますが、二つの業務を目的として法案にも掲げてございますけれども、その二つの業務につきましては、大変木に竹を接いだものであるというふうな御指摘があるわけですが、私どもとしては、この二つの業務は、それぞれが農業の体質の強化ということを前提に行われるという意味から目的、趣旨を同じくしているんだというふうに理解しておりますし、さらに民間との連携でありますとか研究成果の相互の利用、こういった点で大変密接な関連を持っているんだというような意味合いから、これを一体的に今後推進していくことが有効ではないかというふうに考えているわけでございます。もちろん仮に先生の今の御指摘の民間研究促進業務というものを別な法人でつくるというようなことをした場合には、いろいろと役員の数あるいは管理部門の数とか、いろんな面から見て行革の要請に逆行することになるのであろうというふうに考えております、そういうようなことになるのではないか。そういうようないろいろな観点から、この機械化研究所を発展的に改組して、それでこの新しい機構をつくろうとしたものでありまして、そういうことで今後ともよりプラス面の成果を両業務とも合体したことで出していくように指導してまいりたいと考えております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 時間が余りないので、こちらで質問したことに端的に答えていただきたいと思うんですよ。  行革で、もう農林水産省としてはスクラップするものがない、それでやむを得ずここのところと一緒になったんだ、一緒になったというより、一緒にしたんだというふうに私どもとしては考えざるを得ないわけですよ。行革では新しい組織をつくるな、できるだけスクラップしていけという方向がありますね。そして人もふやすな。これは行革の方向ですよ。しかし現実的にはこの機構でいくと約十名前後の人がふえるわけです。だから、ここに私は不自然さがあるというふうに思うんです。その問題はまた次にやりますけれども、農業機械化研究所という名称がなくなって支障があるかないか、端的にひとつ答えていただきたいと思います。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) 農業機械化研究所といたしましては、こういう民間研究支援業務というものをどうしても農水省としてはやりたいということであれば我々もこれに積極的に乗ろうじゃないか、こういうようなことで今回の改組を考えた次第でございまして、私どもその場合に一番考えましたことは、機械化研究業務が今回の移行によっていやしくも後退することがあってはならないということでございまして、名称的にはこういう名称を使っておりますけれども、法律の方も農業機械化促進法という従来の法律の中に研究業務等位置づけておりますし、実際問題としましても、人員あるいは機構等も含めまして従来の研究業務が後退することはない、むしろこういう機会をとらえて新しい部門も含めて一つの発展の契機にもできないものか、こういうような気持ちを持っている次第でございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 先ほど山田委員の質問に答えて、IAMという従来使っていたものは何とか残していきたいというお答えはありました。それは私は大変大事なことだというふうに思うんですが、私が質問したのは、そういう農業機械化研究所という名称がなくなっても支障がないのかどうかということを実は聞いたんです。業務そのものがこの中でやられるということは、法律案に書いてありますからわかりますよ。しかし名称がなくなってもいいのかどうか、支障がないのかどうか、そこのところを端的にひとつ答えていただきたいと思います。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) 法人としての名称がなくなることに伴うマイナスは私どもはないと考えております。それはあくまでも現実的な業務の面で支障のないようにこれからもやっていくということでございますし、あと現実の運用としては、先ほどのIAMの問題なり、機械化研究所、現実に大宮でこれからもやっていく仕事については、一つの現実的な研究の場としてそういう名前が実態的に残っていくようなそういう運用というものは考えていくべきじゃないか。そういう面で、何とか機械化研究所という従来の存在がこのことによって見失われるというようなことのないような配慮はしていきたいと思っております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 歴史のある、しかも相当大きな成果を今まで上げてきたというふうに思うんです。そういうことからこの名称が何とか残せないものなのか。例えば大学なんかの場合にも附属病院というのがありますね。あれも大学という一つの組織の中で附属病院というのをつくっているわけですよ。ですから、この機構の中で、例えばこの機構の附属農業機械化研究所だとか、そういう名称というものを残せないのかどうか、そういう工夫というのはできないのかどうか、それもだめなのかどうか。その辺いろいろ検討なさったかとは思いますけれども、ちょっとお聞きしたいと思うんです。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) いわゆる機構上の附属の研究所ということになりますと、また研究所長というのはだれかということになったりしまして、またそれ自体が一つの機構になってまいりますし、現実にも新しい機構の中心的な部分は従来の機械化研究所の人や組織が担当するわけでございますので、そういうことも考えますと、いわゆる附属という形式よりは、むしろ大宮の機械化研究の部門について、実際上の名称として機械化研究所というような、通称と申しますか、そういう名前を使う。こういう内部的な運用で、これを同時に外部でも認識してもらう。こういうような現実的な対応がむしろ一番いいのではないかというふうに考えている次第でございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 私は例えばということで言って、今局長の方から現実的な対応をしたいということでありますから、ぜひ現実的な、国民のだれにもわかるものにしていただきたい、そういうことを特にお願いいたしたいと思います。  バイオの関係については、この研究促進ということが極めて今大事な時期である、そしてこのことにおくれをとってはならぬということについては私も十分理解ができます。  先ほど機構の中で、例えば出融資の関係なんかについては大宮ではちょっと不便ではないかということで、何か東京に置くような話があったように聞いたんですが、そこのところはもう一度ちょっと確かめておきたいと思います。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 機構の事務所の関係は先ほど申し上げましたけれども、現在の段階では、農林水産省としては、機械化促進業務の関係は現在の大宮が適当であるということ、それから新しい研究促進業務といいますか、そちらの方については東京に事務所を設けることがよろしいと、そういうことになっております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 ますます本当に不自然なんですね。  そこで、私は農業予算が年々削減されていく、そういう中でこの食糧安保の面からもおかしいではないかということをいろんな場で言いますと、政府関係の方々は、皆さん本当にオウムのように口をそろえてと言っていいと思いますが、それはそうですね、農業予算の中でふえているのはいわばこのバイオの関係だけなんですねと。ですから、そう言わざるを得ないんだというふうに思いますが、ここのところは必要な経費について予算をふやしている、必要なところには予算をつけているんだ、だから、そういう意味で農業予算が減ったからといって決して農業の問題が後退しているということにはならない、それは当たらないんだということを言われているわけですね。  それだけ胸を張って言われるんだから、一体どのくらいこのバイオの関係の予算がふえているのかということなんですけれども、資料では五十九年度の予算が十二億七千八百万、六十年度は十九億六千万で六億八千二百万ふえたわけですね。六十年度から六十一年度にかけては、今年度は二十五億七千九百万ですから六億一千九百万ふえたわけです。この数子は間違いございませんか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 間違いないと思います。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 この数字は私は間違いがないというふうに思うんですが、全体予算の中で六億ふえて胸張って予算をつけたということが言えるのかどうか。それは厳しい予算の中ですから、全体的に減らせと言っている中でふやしたんだからその成果は大きいということは言えると思いますけれども、今本当にバイオの関係について世界の各国にもおくれをとらないように、そして我が国の農林水産業の発展のために何としてもここのところは大事なところだということで予算をふやしてきたんだというふうに思うんです。それだけ今後の日本の農林水産業を発展させるためにこのバイオの関係が必要だということであれば、それは行革の問題もいろいろありますけれども、日本が本当に今後の日本の農林水産業の発展のために力点を置いていくということであれば、今のところではわずか十名の人数でありますけれども、独立した機構でやるということが私は必要だというふうに思うんですよ。恐らく皆さん方もそういうふうに思っているけれども、政府の機構の中ですからそうだとは言えないというふうに思うんですけれども、その辺はいかがですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 先ほど私申し上げたとおりのことでございまして、今の状況の中で新しい民間研究促進の業務を現在の機械化研究所と一体になった法人でやっていくということで極力成果を上げたいと、そういうふうに考えているわけでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 今の段階ではそういうお答えしか出ないんだろうというふうに思いますが、私の気持ちあるいは担当者の気持ちとしても、やはりそういうことではないかなというふうに思うのが自然だというふうに思うんですね。  ただ、心配されるのは、先ほどもお話がありましたように、名は体をあらわすと一般的に言われておりまして、このことによって農業の機械化研究についておろそかにするといいますか、だんだん研究そのものの費用を含めたものが縮小していくような方向というものはないというお答えをいただいておりますけれども、先ほど言いましたように、名は体をあらわすと言うけれども、この機構に限ってはそういうことはないというふうに言い切れますか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 先ほどの農産園芸局長からの答弁にもございましたけれども、法律でも定めているとおり、二つの目的の片方に位置づけてありますのでそういうことは心配ないというふうに考えております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 バイオの関係も機械化研究の方の関係も、この機構としては、ハーフ・ハーフで、どちらが従でどちらが主だとかということじゃない考え方で進めていくんだというふうに理解してよろしいですね。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) そういうふうに理解しております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 もうちょっと農業機械化研究所の今日まで果たしてきた役割についてお聞きしたいんですが、国内ではどのように役割を果たしてきたか、その評価と、それからお聞きしますと、海外経済協力についてもこの研究所が何らかの役割を果たしてきたやに聞いておりますが、その辺はどのように評価されておりますか。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) 国内的な意味でございますが、私の理解では、機械化のいわば三段階と申しますか、三つの時期に対応して役割を果たしているという感じを持っております。  一つは、日本の中心でございます稲作の確立時期に、田植えとか収穫過程の機械化を含めましたいわゆる一貫作業、機械作業体系の確立のための基礎的な研究開発をしたのが第一の時期でございます。次に、いわゆる水田利用再編成にあらわれますような転作も含めたもっと幅広い作物への対応ということで、これはいろいろ転作作物の収穫機等を中心にしました研究開発という面も含めまして、もう少し稲作以外のものも含めた機械化への役割でございます。それから三番目、現段階的に考えますと、ある意味では日本の機械化がかなりな水準に達しまして、現在ある意味では非常に難しい部面が残っているんじゃないかという感じを持っております。そういう意味で、この法案関係資料にも出ておりますが、例えば汎用コンバインの開発とかあるいは高速田植え機の開発というような今までなかなか難しいとされていた部門の機械化とか、それから野菜その他の収穫過程のような非常に難しい過程への取り組みということと、それからもう一つは、先ほど来いろいろ問題が出ておりますが、安全対策という面での機械化研究でございます。国内的にはそういうことでそのときどきの動向に応じました研究所の役割を果たしているというふうに考えております。  もう一つ、いわゆる技術協力、国際協力的な意味での研究所の役割でございます。これにつきましては、日本で唯一の機械化の研究機関でございますので、そういう研究、検査、鑑定等のノーハウを蓄積しておりますので、これを生かしまして、国際協力事業団、それからESCAP(国連アジア太平洋経済社会委員会)などの公的機関を通じて協力要請を受けまして、一つは研究所の職員の海外派遣、もう一つは海外研修生の受け入れ、こういうような主として人的な交流を通じまして技術協力の一環を担っております。例えば海外派遣でございますと、五十八、五十九、六十年それぞれ四、五件程度、それから受け入れの方も毎年二、三名程度、こういう受け入れがございまして、これからもこういう面のことは新機構に移りましてからも引き続き力を入れていきたいと思っております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 新機構に移ってからも引き続き力を入れていきたいということでありますから、そういう方向でひとつやっていただきたい。特に技術協力というのは金と違ってマルコス疑惑のようなものは起きないわけですね。特に先進国日本として大変大事な部分ではないかというふうに思います。  それにしましても、仕事の内容がハーフ・ハーフとなっていけば、だんだん年数がたてば人の数も、人員もだんだんハーフ・ハーフになっていくんじゃないかという懸念があるわけですよ。現在のところは大体九十名でバイオの関係十名程度というふうに考えておるということですけれども、ここら辺についてはどのようにお考えですか。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) 機械化の方の研究業務の性格は、民間支援業務と違いまして、研究とか検査、鑑定というのは現実の仕事を研究所自体が行うことでございまして、そういう意味で将来展望的に申しますと、いろんな意味でもちろん業務の合理化は考えなければいけないと思いますけれども、現実の施設を持ち、またそれなりの研究者という人を持ちましてやっていくというのが、これが仕事の中心でございますので、一概に人のバランスがどうなるということは申し上げられませんけれども、相当の人員、機構を要するという点は変わらないのじゃないか。しかし、その中でできるだけ業務の合理化を図って機械化の要請にこたえながら仕事を進めていかなければならない。  なお、先ほどの御議論の中で九十名あるいは百名という問題につきましては、この中に両部門にまたがる総務というか、研究の企画とか、そういう部門も含まれているわけでございますので、九十名全体が命後も専ら機械化だけに携わるということではございません。私の申し上げましたのは、その中でも機械化だけに携わる研究、検査等の現実の業務部門についてはある程度の人員を今後も持っていかなければいけないというふうな考えでございます。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 現実に農業の機械化研究に携わる人員についてはきちっと確保してもらいたいということを改めて強く要望しておきます。  この新機構で発起人及び評議員会をつくることになっておるわけですけれども、先ほどこの構成の問題については櫛渕局長の方からお話がありました。冒頭申しましたように、バイオの関係と農業機械化研究という二つの業務をやっていくということで、両方ともいわば力点を同じに置いていく中で、どちらが主でどちらが従だということではないということになれば、学識経験者なども含めて、ここの構成がどうなるかということがまたここの運営に大きくかかわってくるのではないかというふうに思うんですね。ですから、人を決めるその決め方というものは極めて難しいと思うんですよ。その辺はどのようにお考えでしょうか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 評議員の選任に当たってのいろいろ機械化の関係あるいは民間研究促進の関係、こういったところの専門学識経験者の割り振り等につきましてでございますが、まだ具体的な検討を進めているわけではございませんけれども、当然、農業機械の関係の学識経験者でありますとか、あるいは民間研究促進業務に関係しましては、関連のそういった生物系特定産業の幾つかの関連の学識経験者でありますとか、あるいは機械の関係と民間研究関係の共通領域みたいなものもございますし、そういうようなところに重点を置きながら適任の方々を選任していくような、そういう考え方になるだろうと考えております。

菅野久光日本社会党

○菅野久光君 両方の立場をよく考えた人をその中に含めることもできるし、バイオの方あるいは機械化研究の方ということでやられる方もぜひこの中に入れていきたいということだろうと思いますが、その辺のバランスですね、このバランスをとるということがなかなか難しいというふうに思うんです。いろんな運営の問題などについては評議員会に諮ってやるということになっていくわけですから、そこの人選を誤るあるいは人選のバランスを崩すといいますか、そういうことになると、ここの運営について、これからも各党の方々が質問なさると思いますけれども、非常に公正さを欠くというか、この法律そのものの運用に当たって問題が起きていくことになるのではないかというふうに懸念いたしますので、それで特に評議員の方、あるいは発起人の方などについても十分バイオの関係、農業機械化研究の関係、その辺のバランスですね、そこをひとつ考えて選任をしていただきたい。このことを私から要望申し上げて、あと稲村委員の方に引き継ぎたいというふうに思います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 ここにこうありますけれども、一番最初に言葉の問題で手を変え品を変えて伺わなきゃならぬというところにこの法案のまた複雑さがあるんじゃないかと思うんです。  私は最初に「生物系」というのは一体どういうふうに考えて「生物系」というふうに言われているんだろうか。「生物系」というのは非常に幅広いですね、私も生物であります。そうすると、どういう範囲のものを「生物系」というふうに言われたんであろうかということ。  それから読み方が非常に難しいんでありまして、特定産業技術研究推進機構法案、それは「特定産業」と読むのと、「特定産業技術」と読むのとでは、またちょっと違ってくるんじゃないかと思いまして、そこでこの「特定」というのはどういうふうにくっついて次とつながっているんでしょうか。その「特定」という範囲をどういうふうに考えておられるんでしょうか。言葉の意味でまことに申しわけないんですけれども、名は体をあらわすとも言われますので、まず御説明いただきたいと思います。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) お答えいたします。  法律の第二条に定義をしてあるわけでありますけれども、「生物系」ということで考えておりますのは、我々は経済動植物としての生物を中心に考えているわけでございます。「生物の機能を維持増進し」というのがございまして、まさにこれは農林業あるいは漁業の場合で養殖業などはここのところに該当するのではないかというふうに考えております。それから「若しくは利用し」というのがございます。これは「生物の機能を利用し」ということでございまして、これは例えば微生物等をいろいろ加工技術等に利用するという場合、そういうのがこの「若しくは利用し」ということでございます。それから「生物の機能の発現の成果を獲得し」というのがございまして、増殖とかあるいは代謝といったような生物の機能がございますけれども、そういうものの成果を獲得する。これの一番端的ないい例といたしましては、海洋で育った魚を漁獲するといったようなのが、まきにこの「生物の機能の発現の成果を獲得し」ということであろうというふうに考えております。それから「若しくは利用する事業で」ということで、ここの「利用する」というのが「生物の機能の発現の成果を」利用するというのは、例えば農作物あるいは漁獲物を利用するということで、加工するというのがまさに一番代表的な例ではないかというふうに考えているわけです。  そういう意味で生物系産業というのはかなり広い概念であるというふうに考えているわけでございまして、それをすべてこの機構が対象にしていくというようなことではとても幅が広過ぎまして、ほかにもまたそういう面で、特に基盤センター等においてもいろいろそういうものを対象にしている分野もございますから、そういうところとの調整等も考える必要があると思いまして、そういう意味では生物系の産業の中でも特定の、全部ではない一部であるという思想で「特定」という文字を入れたわけであります。  さらにもう一つ、その後の方に加わっておりますのが産業での縛りというのと、もう一つは技術自体の縛りということがございまして、「その開発に当たり生物の機能又はその発現の成果の特性に密接に関連する試験研究」、まさに農作物の栽培技術とか、あるいは食品の加工技術とかいうものは生物の特性と密接に関連があるわけでありますので、そういう技術というものがこの生物系特定産業技術であるというふうに定義したわけでございまして、確かに一般的にはなかなか難しいわけでありますけれども、最近の広い分野の発展がございますので、そういうことで大変苦心の作でこんな表現になったわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 おぼろげながらにはわかるような気もいたしますが、今の例えば微生物の利用とか、そういう範囲でいくとなかなか面倒な部分が結構ある。特定産業というけれども、特定産業という範囲の中にくくれるのかどうかわからないような生物の特性利用というようなものがあるわけですね。例えて言えば、私の考えが間違っているのかもしれませんが、例えば医薬品などについては、医学の分野のものになってくるけれども、生物の特性を利用して例えばインターフェロンであるとかいろいろとこれが進められてきます。そうすると、こういうものの研究というものも、例えばこれからこの法案ができてその機構ができてきたときに、そういう研究をする場合に、「生物系」ということの中には入るけれども、「特定産業」の方に入らないということになるのでしょうか。  それから物すごく難しいと思うのがそこの辺の境目のところです。例えば人間の場合はそうだけれども、動物の家畜用の薬品だとかそういうもの、あるいは薬品といかなくてもえさに添加するものとか、そういうようなものの中には我々人間の方の関係のものと共通だというか、同じような技術のものが出てくる。そうすると、そっちの方の研究をしたいからこの機構を利用して金を借りたいと思いますとか、そういう場合も出てくるんじゃないかと思うんで、その辺の区別というのはどういうふうにして判断をどこでするということになるのか。まずこのことを伺っておきたい。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 大変重要な御指摘をいただいたわけでありますけれども、いろいろここは大きく動いている分野でございますので、なかなか現段階でこれから先のことが予想し得ない面がございます。どういうふうなところで目覚ましい発展がされるのかどうかといったようなことがなかなか予測し得ないところもございます。ここに明確に例示で挙げておりますのが、農林漁業、飲食料品製造業及びたばこ製造業ということで、まず当面こういうことが対象になるのではないかということで、あるいは最も重要ではないかということでここに掲げているわけでありますけれども、それ以外にも技術の性格を勘案して技術の高度化を図ることが必要であるというようなものについて、しかもそれが生物系の特定産業技術であるとすれば、それも対象にし得る道は開いておくというのがこの制度の非常に重要な特徴でございまして、そういう意味では特に先ほどお話がございました医薬品等はどうなんだという問題が確かにあります。  先ほどちょっと私申し上げましたけれども、ここで考えています生物というのは、経済動植物としての生物を対象に考えておりますので、直接人間を対象にしているというようなことではないわけであります。ただ、そういう医薬品等の中でも生物自体を医薬品に使っていくというようなもの、端的には薬草関係とかいろんなのがございまして、そういうものはこの中に十分入り得る分野ではないかなというふうに思っておりますけれども、医学の分野等についてはかなり違った要素を持っているのではないか、その辺は慎重に扱っていくべき性格のものではないか、そういうふうに思っております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 その判断の問題、どこで判断するかも伺いたいと思いますが、それは後の方のまたいろいろ伺いたいことの中で一緒に伺うことにいたしましょう。  そこで、また言葉じりにとらわれて申しわけありません。最後のところが「研究推進機構」、これは先ほど同僚委員からも出たことだと思いますが、その機構という言葉の持っているところにちょっと私はひっかかることがあります。と言いますのは、例えば今ここで一緒になります農業機械化研究所、農業機械化研究所といえば、それはそれで恒常的なものというふうに考える、何か別の理由があって解散をしなきゃならぬとかなんとかということは別にして。しかし機構というと、一つ目的があってその目的が達成されれば自然に解消していくというか、そのときには解消していくべき性格を持つ、そんな響きを持っているんじゃないか。我々は普通機構、機構と言ったときは、大体その機構というのは何かの目的があってその目的のためにつくっていく、そしてそれができ上がったらその機構は要らなくなる、こういう格好になるのが普通のような気がいたしますので、こういう言葉を使われたことにちょっとひっかかってくるところがあります。そこのところを御説明いただきたい。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 機構、なぜそういう表現をしたか、先ほどちょっとお答えいたしましたけれども、また局長の方からもお答えいたしましたが、現在、先生御案内のとおり、機構と称するものが大変たくさんございまして、それらをいろいろ見てみますと、今御指摘のありましたようなことには必ずしもなってないんではないかというふうに考えております。もちろん一つの組織でございますから、目的が達成されれば、それは解散なりその他が生ずると思いますけれども、かなり永続的に存在している機構もございますので、決してそういう意味ではないんではないかというふうに私どもは考えております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 言葉の遊戯は余り長くしているわけにもいきませんが、決して遊戯のつもりで言っているわけではありません、いろいろと気になる部分がありましたので確かめていたわけであります。  そこで、こうした機構をつくってまいりまして、そして、これによって民間産業の発展ということに寄与し得るであろうか、この辺のところにまた私は若干の疑問がございます、杞憂であればいいんでありますが。というのは、一つは、我が国におきましては、アメリカのように農業関係の中にベンチャービジネスが次から次へと生まれてきて、そして中にはつぶれていくのもあるし、それが大きくなって発展して、そういうようなものが出てくる、こういう形のものには一般的になっていない、我が国の農林漁業を取り巻いている条件の中では。食品産業のようなものの中でちょっと別なものがありましょう。そしてその反面、今度は、最近大企業がかなりバイオテクノロジーを中心にして関心を高めております。その関心を高めているのは、何といっても種子というところに大きな関心事があるだろうと思うんですが、そうしたアメリカでのものも大体種子が多いわけだと思います、一般的には比較的多い。そういうアメリカのベンチャーに当たるような部分というのは、実は我が国の場合は大企業の内部に現在、農林漁業関係について言えば、内部に持っている部分というのがあるんではないだろうか。こんなふうにも思うわけでありまして、下手をすると大企業の種子戦略に組み込まれてしまうというんですか、巻き込まれてしまうというようなことのおそれはないだろうかということを心配するわけであります。  それはもう一面からいきますと、農林水産業に関しては、工業関係と異なって、民間の研究投資といいましょうか、これは非常に少ないわけですね。工業関係では民間の方がむしろ研究投資は、我が国全体で見ていったら、大きくなってまいりますけれども、農林漁業の場合はこれが低いわけであります。なぜここのところが少ないんだということを考えていったときに、前の二つの問題と絡んでくるように思うんです。そうすると、資金的に準備をしてということで果たしてそれでうまく民間のそういう生物系の研究というものが進展をするだろうか。こういう危惧を持っているわけでありますので、この法案を用意されるに当たってその辺のところ、どういう見通しを立てておられたでしょうか。この辺のところは政治的な判断もあると思いますので、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) いろいろと難しい問題を御指摘いただいたわけですけれども、農林水産分野のこれまでの技術開発を見てみた場合に、確かに民間としての参加がないわけではございませんが、機械でありますとかあるいは農薬、肥料とか、そういう関係でかなり農業生産に果たしてきた民間の役割というものも評価されておるわけですけれども、全体として見ますと、先生今御指摘のように、研究の主力は公的な機関、国立、県立てございます。そういうこと、特にバイオといいますか、種苗なんかの関係ではそういう傾向が顕著だったことは確かだと思います。ところが昨今、先端技術、これはバイオに限りませんけれども、特にハイテク、その他メカトロニクスとかいろんな新素材とかを応用するそういういろんな新しい技術の進展が、従前と違ってかなり民間の関心を、民間といっても必ずしも大企業ばかりじゃなくて、かなり幅広い民間の関心を集めていることは私どもも最近十分感じておるわけでございます。  それからさらには、きょう今までの御議論にもございましたけれども、特に地域のいろいろな農業団体でありますとか地方の民間企業あるいは自治体、こういったところの第三セクター型のそういう研究開発の動きなども、きょうの午前中の方の御説明にもありましたけれども、ぽつぽつ見え始めてきているというような情勢についても最近新しい動きとして注目しているわけでございまして、そういういろいろな状況の中で、そうは言っても、民間あるいはそういった地域のミニプロジェクトといいますか、そういう第三セクター等が本格的に動くについては、今ここでこういった研究のリスクマネーの提供というか、こういう措置を講ずるということが大変重要な時期に来ているんじゃないか、そういうふうな見方をしておるわけです。特に種苗関係についても私どもも感じておりますけれども、国全体としての技術水準を高める、そういう認識で今後の民間全体の活力が高まっていくんじゃないかと、そういうふうに見ておるわけでございます。

羽田孜自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) 今事務局長の方からお答えいたしておりますけれども、ともかく近年におけるバイオテクノロジー等の先端産業、先端技術といいますか、こういったものの開発というのはともかく目覚ましいものがあるということがございます。その中で農林水産業あるいは食品産業、こういった分野において国が基礎的な研究をしていく、これにまた力を入れるということは当然でありましょうけれども、それと同時に民間でこういったものに対して関心を持ち、しかもまだ小さなところでもいろいろとこういったものに対して関心を持つようになってきておるというのがあると思います。それから、今お話があったように、各地域の中にあっても自治体なんかが盛んにこういった問題についても研究を活発にするようになってきておるということで、私どもとしてはそういうものを有機的に結びつけながら、国際的な進展、こういったものに対してもきちんと対応するようなことが必要であろうということでこういった機構を設けようとしておるわけであります。ただ、今先生からお話がありましたような、一つの大きな企業というものが完全に牛耳ってしまう、そんなことにはならぬようにいろんな面からチェックしていく必要があろうかな、そしてこれによって恩恵を受ける対象である農林水産業あるいは食品産業というものの立場というものも十分考えていかなければいけないというふうに考えております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 これは技術会議事務局長にお願いですけれども、もう少し大きい声でいつもお答えをいただきたいと思うんです、聞き取れないことがありますので。  それで、私、先ほどの同僚議員の質問の中でも、あるいは午前中の参考人に対する委員の質問の中でも、これが本当に農民のためにというんでしょうか、農業を追い詰めていくような形になってはいけないと、こういう観点がそれぞれあって御質問があったと思います。そこで、私がこういうことを危惧しておりますのは、例えば今野菜の種子はかなりF1が多いですね。大根の種子が缶詰になって出回っていることは御存じでしょうけれども、あれは幾らくらいだかは御存じですか、大根の種。私、目方をはかったわけじゃないけれども、この程度のこんな缶詰になっているやつが出ていまして、それが一つ三千円というのを私は見ました。そうしたところが、農家のおばあちゃんが、三千円で目を丸くしていましたら、おめえさん何びっくりしているんだね、一万円のもあるぜと、こういう話なんで、それじゃ金出すからその一万円のを買ってきてくれよと言った、まだ私、手に入れてないんですけれども。企業に任されたときというのはこういうことが起こってくる。  しかも、私が種子についての心配を一生懸命しておりますのは、例えばトウモロコシであるとかなんとかということで海外で日本の大きな資本が圃場経営の試みをしたりなんかいろいろとやってまいりました。しかし大体がうまくいかなくて撤収をしております。そうすると、結局、利益が出てくるものは種子だということで、関心というのは種子にしかないんじゃないだろうか。それで種子に関心を持って、そしてそこのところにこうした産投資金などを利用しての貸し付けがあればそれを大いに利用する。こういうことをやっていって、結局はそういうところで種子を押さえられて、またそれを買う農民の生産費のコストの中で種子の占める割合、比重が上がってしまう、こんなことが起こっては経済的に困る。こういうことで、まず運用の問題が一番出てきますので、特にそういう大企業の種子戦略でというと非常にきつい悪い言葉の言い方になりますけれども、そんなふうに生産者の側に不利益が出ないように運用としては十分に考えていただきたい。まずこのことは、とば口のところで随分時間をとってしまいまして申しわけありませんでしたが、大変心配になっていることでございますので念押しをさせていただいたわけであります。  そこで、法案の内容に入らせていただきたいと思います。最初は総則について伺いたいと思います。  この第一条のところは、先ほど菅野委員からも木に竹を接いだという話でいろいろとありましたから、これは私は理解できませんけれども一応省かせていただきまして、第二条の三で、「前二号に掲げるもののほか、その業種に属する事業に関する技術の性格を勘案し、その技術の高度化を図ることが特に必要でかつ適切と認められる業種として政令で定めるもの」と、こういうふうに言っている。それは先ほど表題の議論の御答弁の中でもちょっと触れられたように思いますけれども、「政令で定める」というふうになっておりますが、この政令の内容はどういうふうにお考えになっておりますか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) お答えいたします。  現在はそこにありますようなことですけれども、農林漁業、飲食料品製造業、たばこ製造業が代表業種としてありますが、それ以外の業種であっても、ここにありますように、技術の性格を勘案し高度化を図ることが必要であるといったようなものについて政令で定めることを予定しているわけでありますけれども、現在一体どういうものが政令で追加する必要があるかどうかということは、目下検討しておるところでございまして、まだ結論的なものは持っておらないわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 法案を審議するということになるわけでありますから、だからせめて、政令のきっちりしたものにはなっていないにしても、ある程度の詰めができていなければ私は困ると思うんです。政令で定めるという内容は一体何を指しているのか、どういうものがそこのところで出てくるのかということがわからぬのでは困る。さっきのお話でいったって、まだ望洋としているわけでしょう。どのあれになるかわからぬわけでしょう。その境目というものをまだ引いてないわけでしょう。医薬品は除外だと言っている。でも医薬品といったって家畜用のものはどうなりますかというようなこともあるでしょう。大体のアウトラインができてこないで、それで法案審議というのはどういうんでしょうかね。私は、大事な問題なんですから、当然これは準備をある程度のところまで詰めておられていいものじゃないかと思うんですけれども、その辺はどう思っていますか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) いろいろ内部で私ども検討しておるわけでございまして、この定義の中で性格として入るものは一体どういうものがあるかどうかということ、あるいはそれが一体どの程度重要性があるのかどうかということ、あるいは民間その他関係方面からの要請がどれだけ強くあるかどうか、そういうことをいろいろ総合判断しておりますのでなかなか結論は出せないわけですけれども、今、大体ここの農林漁業と飲食料品製造業あるいはたばこ製造業ということで、まずかなりな分野がこれで網羅されるのではないかというふうに思っておりますけれども、あえて今私どもが考えておりましてもう少し追加し得る、しなければいけない面があるとすれば、例えばいろいろ木材の加工業等の問題があるかというふうに思います。  それからもう一つは、いろいろ飲食料品関係の流通過程の問題で一体技術開発という問題がどういうふうに出てくるのか、それはちょっとどうも今のここの例示だけでは入り切れませんので、場合によってはそういうことも追加しなければいけないのかな。ただ、そういう流通過程という問題について果たしてそれがどの程度生物系産業として技術と言えるかどうかという点に若干問題はありますけれども、そういう分野がここで入っていない分野ではないか、それは場合によっては追加する必要があるのかなといったような、そういう検討を合しているところでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、この機構が発足するまでにはその政令というのは決まるんですか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) なるべくそういうふうにする必要があるというふうに考えております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 なるべくと言っても、あなた、あれでしょう、これは農業機械の方にはなりませんわな。だから、要するに、研究促進の方の事業であれになるわけでしょう。そうすると、今なるべくとおっしゃったけれども、実際には金を借りる話がもう始まるんじゃないかと思うんだけれども、どうするんですか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) ちょっと訂正さしていただきますが、これはこれからいろいろ追加し得るということで、必ずしもその業種としては発足までに間に合わさなければならないわけではない、むしろ来年度以降の問題としてあり得ますので、そういう意味で今申し上げたようなことでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、あれですか、当面発足するときには、この三つ、飲食料品製造業、たばこ製造業及び農林漁業で発足しておいて、そしてそれ以外をいろいろとまた検討しながら、政令でここにないそのほかのものに貸せるかどうかということが決まってきます、こういうことになりますか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 私ども大体そのように考えてきておるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 その辺のところも、本来は、発足をするときにはそれらのことはある程度検討されて構想を固めて審議していただきたかったというふうにも思うわけでありますが、そのことは、まあ、おきましょう。  それから次に資本金について伺います。まず、設立に当たっての国と民間との出資予定額というのは、金額と比率はどんなことになっておりますか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 設立に当たりまして、その資本金は、産投からの出資とそれから一般民間からの出資、それに機械化研究業務の関係もございますから一般会計からの出資というものもあるわけでございます。  そういうことで、まず国からの出資金の中で特に民間研究促進業務に対するものは、基本財産の造成のために二十億円、それから出資事業の財源として五億円を予定しております。それからなお、一般会計からの出資、機械化研究業務の関係では全額六十一年度予算額としては七千五百万円あるわけでございます。それから民間からは民間研究促進業務に対するものは全額基本財産の造成に充てるということになっておりまして、現在十五億円以上民間からの出資を求めたいということでいろいろ関係方面とお話し合いを進めつつあるわけでございます。それ以外、農業機械化促進業務に対するものは全額従来と同様基金の造成に充てられるということになっております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そういたしますと、産投会計からのものが二十億円と五億円、これはわかりました。そして七千五百万円、これはあれですか、第五条で書かれています「附則第二条第四項の規定により機構に出資があったものとされた金額」ということですか。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) 今お挙げになりました附則第二条第四項の規定は、従来の機械化研究所にその機構設立の時点で既に出資されている金額のことを言っております。これは五十九年度末で四十一億三百万円、六十年度分が七千六百万円加わりますし、それに六十一年度にどのくらい出資がされますか、それ全体を含めました機構設立時点での機械化研究所に既に出資されたものです。その時点では機械化研究所に既に出資されているわけですが、新機構ができましたときに、従来の研究所に既に出資されている部分をその機構のできた時点で機構に出資されたというふうに引き継いでいくことを法律の表現として出資されたものとみなすというふうに擬制をしているわけでございます。簡単に言えば出資金を引き継ぐ、機械化研究所の。その引き継ぐ先は、機械化促進業務に充てる資金として出資されたということで勘定区分がされますので、機械化研究業務の方の勘定区分の方に従来の研究所に既に出ております出資金が引き継がれるということをこういう表現で言っているわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それが七千五百万円。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) それは五十九年度末で四十一億三百万円ございまして、そのほかに六十年度、六十一年度でもう少しされますので、そういう金額が機械化研究所の言ってみれば持参金みたいなものとして、出資金として新機構に入っていくわけです。そのほかに、民間業務の方は新しい予算計上で、あるいは民間から集めるお金が新業務分として入っていくわけでございます。ですから懐が二つある。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、一家のうちで、だんなさんの持ち分と奥さんの持ってきた財産といったようなことで理解をしなきゃならぬということのようであります。そうするとこの機構家の財産は全部で幾らになりますか、今の発足時。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 六十一年度のこの機構の資金計画といたしまして、特に基本財産は三十五億円以上、まあ三十五億円程度を考えております、民間研究促進業務は。それから農業機械化促進業務関係は、先ほど話がありましたようなことでの引き継いでくる財産がございますから、それに足したものがこの機構としての発足当初……

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 だから幾らになる。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 全体で七十六億円ぐらいだというふうに理解をしております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 金のことですから物事がはっきりしてないとぐあいが悪いのです。七十六億円くらいというふうに言われていましたけれども、そうするとなぜ持参金が今はアバウトで言われるんですか。持参金幾らとはっきりしない何か理由があるんですか。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) 機械化研究所の方の持参金である出資金の額については、五十九年度末が四十一億三百万、それに六十年度の出資金七千六百万円足しまして四十一億七千九百万円に、六十一年度中に、今七千五百万円ばかり政府出資を計上しておりますが、そのうちで設立時点までに研究所に出資する分、これはまだ実は未確定でございますから、仮に半々としますれば三千七百万円ぐらいが加わった金額でございますので、これは約でございまして、正確にその時点では決まるわけでございますが、大体四十二億円幾らというような金額でぴしゃりと決まるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 アバウトになった理由はわかりました。  さらに、どこの家庭でも金のことというのはちゃんとしておかないと後々いろいろと出てきますので、なお根掘り葉掘りで申しわけないんですが、今度の研究促進業務の方は三十五億円のあれでとりあえず取り組んでいきますと。そうすると、機械化の方は、今のお話を伺っていくと大体年々で積み上がってきているわけで、これからもそういうこと。今までのような実績は確保できるんですか。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) 新機構になりましてからの機械化研究促進業務関係のいわゆる財政の対応の仕方でございますが、これは従来と全く同じ考え方でいこう、つまり機械化促進業務の運営費の分で収入がございますので、それを差っ引きまして、要するに機械化研究業務必要上の経常経費の方は国の補助金で支出する、それから施設的なものになるものについては出資金として出す、そういうルールは大蔵省との間では了解されておりまして、既に新機構ができました以降は、新機構に出すものとして従来の機械化促進業務で計上しました予算を年度途中で区分しまして新機構の方に出す、こういうことで財政の対応の仕方は全く従来と同じ原則でいこう、こういうことになっております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 わかりました。そうすると結局、例えば奥さんが今まで仕事をしながら稼いでおりましたが、例え語で大変恐縮ですけれども、今度は機構ということで一緒になりました、だから今まで稼いでいたその職場なり収入なりというものは今までどおりでございますと、こういうことで理解していっていいわけですね。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) そのとおりでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それでは、次に設立について伺いたいと思います。  先ほどもいろいろと出ておりました人間の関係というのも、これまだこれからの問題では大事な問題になってくると思います。まず発起人が選ばれるということになります。設立するためには発起人が要るということになりますけれども、この発起人というのはどのような分野からその発起人というのは集められるんでしょうか。その発起人と後の役員とのかかわりというのはどういうふうになりましょうか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 発起人の具体的な人選につきましては、今の時点で予測しがたい点があるわけでございますけれども、この機構の目的でありますとか業務、それから発足時の対象業種等々から見まして、関連する民間企業でありますとか、業界の団体でありますとか、あるいは農林漁業者の団体、こういったところの指導的な立場にある方々が主体となるものではないかというふうに考えております。  それから役員との関係でございますけれども、理事長と監事につきましては、発起人が推薦をした者の中から大臣が、理事長と監事でございますが、これは発起人の推薦の中から農林水産大臣が任名することになっております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そこのところはわかりますけれども、発起人というのは大体必ず役員になるんですか。今の発起人二人じゃないでしょうね。理事長と監事になる人だけが発起人になるわけじゃないでしょう。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 発起人が役員になるかという話でございますけれども、そういう関係は直接的にございません。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 じゃ発起人というのは広くいろいろと関係する分野からということになるわけでありますが、その辺のところ、私は実を言うと、さっきの初めの方の質問の疑問の中に一つ入っていたものですから伺ったわけです。三つの業種以外のものも考えられるというふうに大体ある程度決まっているならば、発起人もそういう中で考えられるのかなと思っておりましたから、特に発起人がどういう分野から出るかを伺いたかったわけです。  そこで、今度は、理事長と監事は農林水産大臣が任命する、こうなっていますね。それから副理事長と理事は理事長が任命するんだけれども、農林水産大臣の認可を受ける、こういうふうになっていますね。これではかなり農林水産省というものの権限が強い。会社でいえば完全な子会社みたいなものになるわけですね。そしてまた同時に、そういうことになると、民間企業ということの意味合いが何かちょっと薄れるのではないかという気がいたします。このことを伺いますのは、普通であれば、設立当時のことであれば、発起人の中から発起人会で理事が選ばれて、その理事の互選なら互選でというような形で決まっていくと思うんですね。そういう自主的な決め方というのをしないで、わざわざ農林水産大臣の任命で理事長、監事を決める、それから副理事長と理事も農林水産大臣の認可が要る。こういうふうにされたのには何か特別な理由があるんですか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) お答えいたします。  この機構は、申し上げるまでもありませんけれども、公共性の大変高い業務を行うわけであります。研究促進業務はもちろん、それから機械化研究業務も同様でございます。そういうことで特別認可法人という性格を持っておるわけでございますし、産投会計からかなり多額の出資をしていただくということもございまして、公共性が大変高い組織であるわけでありますが、そういうことから、この業務運営等については必要最小限度の国の指導監督が必要であるというふうに考えています。もちろん、民間の自主性あるいは意見ができるだけ反映されるような、そういう仕組みは考えてまいらなければいけませんけれども、そういう意味での必要最小限度の指導監督は必要やむを得ないんではないかというふうに考えておるわけです。  そこで、この機構が発足前の段階で機構の理事あるいは監事となるべき者をまず発起人から御推薦いただいて、そして農林水産大臣が指名する。その前提は発起人の御推薦ということが一つございます。民間のできるだけ御意見を反映するという趣旨でございます。  その次に、実際に機構が発足をいたしますと、その指名された者が任命されるわけでありますけれども、その後の段階としましては、理事長が今度は役員を決めていく、任名をしていくということになるわけであります。そこについてはほかの類似の団体等とのバランス等も考えまして、その理事長からのについては農林水産大臣にそれについて認可を受けるということとしているわけでございまして、これは全くほかの類似団体の横並びで、別にこの団体だけが特別に厳しくしているというような趣旨ではございません。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そこの辺のところに私は若干疑義が残ります。といいますのは、できるだけ自主的な運営ということと、それから農林水産省の指導監督ということとは、これは別なことでありまして、指導監督というものの適切を欠くと官僚機構とかなんとかと言われるような、そういうものにまたなってしまうというおそれが多分にあります。ですから、実際には産投会計の金を貸すということですから監督というものは非常に大事でありまして、その体制については私は十分に留意していただきたいと思う。大事にかなり深入りしているという形についてはどうも私は疑義が残ります。が、時間も経過しておりますから、次に関連をしております「管理」のところについて伺いましょう。  この「管理」の中でも同じことが疑問になるんですけれども、それは今答弁いただいたから要りません。だが、この第二十一条で、「政府又は地方公共団体の職員(非常勤の者を除く。)は、役員となることができない。」、こういう規定が入っております。公務員の場合は退職をすれば役員になることができるわけですね。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) そのとおりでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 この辺を確かめましたのは、余り疑って物を聞いては悪いんでありますけれども、よく天下り人事とかなんとかということがいろいろと問題になったりしている場合があるわけでありまして、それだけにここでこの機構のこの条項が生かされて、退職をされた農林水産省の偉い方がここへ横滑りで行くというような場所をつくるような形にはならない運営を考えておられるんだろうと思いますけれども、その辺はいかがですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 役員の人選につきましては、現在時点では特にその特定の者が想定されている状況にはございませんし、またその役員になるであろう方の職歴も今の段階で予測するわけにはいかないわけでございまして、いずれにいたしましても、その機構の業務とか目的とか、こういうことにとりまして役員としてふさわしい者が選任されるように、そういうふうに今後検討されていくように指導したいと思います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そのふさわしいということがいろいろと議論にならないように十分配慮していただきたいと思います。  それから次は、第二十三条に兼職の禁止が載っております。これは「営利を目的とする団体の役員となり、又は自ら営利事業に従事してはならない。」、こういう規定で、公務員と同じような規定がここに載せられています。そして、その後に「ただし、農林水産大臣の承認を受けたときは、この限りでない。」、こういう例外が設けられております。これはどういうことを想定しておられるんですか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 今のこれもほかの制度と大体類似の規定でございますが、一般的にはその兼職禁止ということで適当だというふうに考えておりますけれども、極めて全く例外的なケースとして兼職をしていい場合もあり得るかどうかという、そういうあり得るという前提でほかの制度もできているわけであります。私どもとしても、そういう意味で類似の制度に倣ったということでございまして、今の段階で具体的にどうこうということを考えておりません。ケース・バイ・ケースで考えていきたいというふうに思っております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 みんな類似のものであれば横並びでみんなよろしいということについては私はちょっと抵抗があるんです。というのは、独自なものをちゃんと一番いいようにつくっていくということが大事なんだと思うんですよね。ですから、よそのところにあるからここのところにも入れておかなきゃならぬということに必ずしもとらわれることは必要なかったのではないか、こう思うんです。特別に何かあるんなら別ですよね。だけれども、想定を合されるものはほとんどないみたいなことですからね。ということなんですが、これはまあいいでしょう。  次の評議員の規定であります。評議員というのはどんな基準で人選をするんですか。何か基準がありますか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 特段の基準を設けているわけではございませんけれども、この機構の業務が大変広範囲にわたっておることから、こういったいろんな業務に対応して広い範囲から学識経験を有する者を求めたいということと、それと公正中立な判断ができる、そういった人格識見の高い者を求めたい、そういうような考えでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 これは後の方の、先ほどの御説明の中での専門家の結集ということとどう関連するのかということがあるんであります。二十五条に「機構に、その運営に関する重要事項を審議する機関として、評議員会を置く。」というふうになっているんですが、そうするとこの「運営に関する重要事項」というのは、これは機械化研究の方の運営に関する事項と、それから研究促進に関する事項の運営ということ、両方の運営ということでしょうし、「その運営に関する重要事項」というのは全然質の違う事項についての運営ということにもなるわけでありますから、そういう中でこの「重要事項」というのはどういうことを考えておられるのか、これをまず伺っておきたいと思います。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) まず一番典型的な例といたしましては、具体的な例としましては、機構の最も重要な規定でございます定款の変更の問題、あるいは業務方法書の作成あるいは変更、それから毎年度の予算とか事業計画、こういったことが最も基本的なことではないかというふうに考えておりますし、ほかの機構等においても同じような考え方でこれらについて評議員会等での御審議をいただくということが必要ではないかというふうに考えておるところでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうするとこの評議員会というのは、それぞれの業務についての審議というのはしないんですね。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) まず、事業計画とか、そういった基本的なことは、この評議員会でいろいろ御審議をいただくということが必要ではないかというふうに考えておりますけれども、個別のいろいろプロジェクトの採択等の問題については、これは評議員会という場で御審議をいただくということは必ずしも適切ではないんではないかというふうに考えております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 わかりました。それでは次に、先ほど山田委員から全体のこの機構の職員数等について伺ったと思いますけれども、具体的にこの研究促進の方の仕事というのはどのくらいの職員でやられるんですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) このことにつきましては、先ほども答弁をさせていただきましたけれども、現在の段階では具体的な数はまだ定まっておりませんが、この機構全体としてはおおむね百人程度ということでございます。それから現在機械化研究所に関連する職員は、先ほど農蚕園芸局長からのお話がありましたように、この中で両業務に共通する管理運営部門のようなところを含めた機構全体の運営についてはこれから検討したいと考えております。発足時までに詰められると考えております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 何回も念を押して恐縮でございますけれども、そうすると現在の機械化研究所のメンバーというものは、これは今度の機械化促進の事業の方で確保されるんですか。間違いなく確保されるんですか。

関谷俊作農林水産省農蚕園芸局長

○政府委員(関谷俊作君) その点はそのとおりでございますが、ただ機械化研究所の従来の職員なり組織の中で、例えば総務とか研究企画のような業務をやっております関係の組織、人員は、新機構になりましたときに、従来の機械化研究の部分だけではなくて、民間部分も含めました全体的な総務、研究企画というようなことを担当する一体的な組織の方がいいじゃないかということでございまして、もちろん研究業務もやりますので、そういう意味で完全に引き継がれるわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、言ってみれば、事務部門は共通するということになります、それであと研究部門については従来どおりのものが確保されますということですね。  そこで、今度はそうすると新しい研究促進業務の方ですが、どうも差し引き勘定、頭の中でおおよその目の子勘定をしてみると、現在はそんなに大きな仕事がないといったって、三十五億の原資を持って充てようとするわけであります。そうすると、この人員というのは、これだけの人員で果たして間に合うだろうか、かなりの人員を必要とするようになるんではないだろうかと心配するんですが、その辺はいかがですか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 将来の問題は別としまして、スタートをした後の段階におきましては、この限られた陣容の中で極力民間研究推進業務、出融資業務等でございますが、これを推進してまいりたいと、そういうふうに申し上げてお答えといたします。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それでは「業務」の方に質問を移してまいりましょう。  業務については先ほど山田委員からもいろいろと出ておりましたからできるだけ重複を避けたいと思いますけれども、その中でわからないことがありますのでお聞かせいただきたいと思います。それは融資についての成功、不成功の判断の問題ですね。この成功、不成功というものの判断はどういうふうにするおつもりなんでしょうか。なかなか面倒なような感じが私はするんです。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 判断をいただくものは、こういった試験研究の話でございますので、それぞれ専門の学識経験者等にそういった審査をお願いするということになります。そういった成功、不成功の評価でございますけれども、これについては、基本的な考え方としては、研究の計画に沿ってこの成果が得られたかどうか、どの程度研究の計画どおりに進んだかというようなところが評価の方法になるだろうと思いますけれども、さらに具体的には、類似のこういった関係の制度を持ったところがほかにいろいろございますので、そういうところの例を十分検討しながら今後機構の中で十分詰められるものと、そういうふうに考えております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 通産省の関係で基盤技術についての、あれは技術センターでしたか、何かあれで類似の資金が運用されているということも私は聞いておりますけれども、しかしそうした工業系のものとかなり違うというのでそれこそ生物系であると言えると思うんですね。午前中の参考人の先生方のお話の中でも、一定程度の期間というものはどうしても要ります、成果を見定めるには一定の期間がどうしても要りますと。これは工業関係に比べればはるかに長い期間を必要とするわけです。特にそれは例えばバイオのように期間を短縮してという努力をしている部分についてならばまだわからぬわけではありませんが、しかし従来方式の研究をさらに発展させていくというあれでいけば、例えば育種でいったら何世代も何世代も確認をしていくという作業をしなきゃなりません。これは随分時間がかかります。  ここで、例えば五年据え置きで十五年償還というあれですけれども、お金を借りるという立場からいきますと、利子がつくのかつかないのかというのは、これは重大な問題にもなるわけです。そこでひょっと私なんかが心配になりますのは、例えば十年ではとうとう成果が得られなかった、しかし十二年、十三年でかなりの成果を得ることができた、これは結果から見るとそうなったという研究があったとしましょう。ところが五年から償還が始まるわけです。そうすると、その場合に不成功だったということで無利子で償還をということであれば、そうすると後、まあ悪いことをしようと思ったらと言ったら言葉は悪いかもしれないけれども、そうすりゃ成功しませんでしたと言った方がいいような感じもないわけじゃないんで、そういう関係はどうなりますか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) お答えいたします。  今先生の御指摘のような心配が全くないと私も思いませんけれども、午前中のお話にもございましたように、かなり民間等においても試験研究の期間というものは短縮されているわけでございます。また、いろいろ研究の管理という面から見ましても、余り長期の計画ということは必ずしも適切ではないというふうに考えておりまして、できるだけある一定の期間を区切っての評価が必要ではないかというふうに考えております。しかし、お話がございましたように、もう少しかかるとそこで判定ができるではないかというような場合につきましては、ケース・バイ・ケースで十分その辺については事情というものを審査いたしまして、無理なことにならないように、場合によっては据置期間を若干でも延長いたしまして対応したいというふうに考えております。原則的には五年以内の据え置きで十五年償還ということで大体対応できるのではないかというふうに考えております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 どうもそれにしてもなかなかその辺の判断というのは難しさが伴っていくものだと思うんですね。  またもう一つ、私は難しいなと思って感じているのは、評価をする専門家の意見が分かれる場合というのがあると思うんです、評価がそれぞれ違って。要するにリスクまで出なきゃいいですよ。物事がはっきりとしているものであるとか、そういうことであればいいですよ。だが、ここであれすると、専門家が、いや、これだけあれば成果があったと見ていいだろう、いや、これではとても成果と言えないというように議論が分かれることだって間々あることですよ。そういった専門家の意見が分かれるようなときというのは何か対応を考えておられますか。

櫛渕欽也農林水産省農林水産技術会議事務局長

○政府委員(櫛渕欽也君) 御指摘のようなそういった問題は十分考えられることかと思いますが、私どもとしては、当然そういう場合にさらに第三者によるそういった評価を加える場合とか、あるいは研究のそういう内容によっては、先ほどちょっと土屋総務官の方から説明がありましたけれども、その研究の若干の期間延長を考えてさらに評価を十分詰めれるような状況に持っていくとか、そんなようなことを考えているわけでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 疑問ばっかり出していて申しわけないですが、これは大事なことなものですからあえて伺いたいんです。  それからこういう場合があると思うんですね。技術開発としては一定の成果がありました、しかしそれを実用化するには至らない、その実用化にはまだ先も遠そうだしというようなことで、その研究を進めていた資本が手を引くというようなことがあり得ます。そうすると、その資金を借りていた者が、その研究者なら研究者が個人でかぶらなきゃならないことになるんだろうかどうなのか。その辺がちょっと気になりますが、どうなんですか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) そういう場合は十分あり得るというふうに思いますけれども、この成功、不成功というものの判定といいますか評価は、その試験研究計画をベースにして行うというふうに考えておるわけでございまして、したがって、必ずしも企業化されるかどうかということを直接問うものではないというふうに思います。ですから、試験研究当初の計画どおり達成されているかどうか、あくまでもそれに視点を当てて評価していきたいと、こういうふうに思っております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 おっしゃることはわからぬわけじゃありませんが、私は民間の研究ということだから気にしているんですよ。あと一歩に近づいているけれども実用化していくにはまだ時間がかかるし、もうやめた、それで資本の方が手を引いちゃいますと、研究者だけが裸になって残るという場合があります。研究のためには相当資金の援助を受けていたわけですね。そして研究としては一定程度の成果があった。要するに実用化のための試験であれば別ですが、基礎的な研究では実用化にかなり遠いことが随分あるわけだけれども対象になるわけでしょう。しかし、そういうことで研究者が裸になってしまうということもあり得る。これは片っ方は企業ですから、企業の見込みとの関係でそういうことが起こり得ると思うんですよ。そういったときに何か救済の措置というのがあるんでしょうか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) そこは先ほど申し上げましたけれども、もう少し時間がかかればある程度評価ができるというような場合についてはそこは弾力的に対応する、もう少し支払い期間を猶予するとか延長するとかということで対応していきたい、いけばいいんではないかというふうに考えているわけです。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 ちょっと私の聞いている聞き方が悪いのかもしれませんが、要するにそうすると、企業が手を引いてもその企業が返すということですか。そこのところをちょっとはっきり言ってください。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) これはあくまでも企業体を対象にして行うものでありますから、今申し上げたようなケースの場合には、企業が責任を持ってその返済をするという必要があると思います。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 次に、この資金の回収の問題について伺いたいと思います。  それはこの生物系というものの一つの特徴だと思うんですけれども、工業の場合の研究に比べると結構時間がかかります。時間がかかって、しかも、先ほどいろいろと伺ってきたんですが、実を言うと、成功、不成功の定めがなかなか難しい部分があって、そしてまた今のように弾力的に運用して少し延ばしていこうやとかなんとかというケースというのが案外ふえてくるんじゃないだろうかということも気にいたします。そういたしますと、これは資金の回収という点でいろいろと問題が出てくるのではなかろうか、こんなふうに思います。  それから出資事業の場合には、一定の成果がおさめられたということになりますと、今まで伺っていたところだと、何か株の売却とかなんかということで回収すると、こういうふうにも伺ってまいりましたが、これも企業というのはなかなか容易なものでございませんで、今のような状況の中で株が売れるようなものとは必ずしも限らぬ場合も随分ありますね。資金の回収という面でも普通の工業の場合とはいろいろと違う困難が伴うんじゃないだろうかと思うんですけれども、その辺はどのように考えておられますか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 非常に大切なお金を運用するわけでございますから、十分その資金、債権管理等については慎重を期さなければいけないというふうに考えております。  したがって、まず第一は、プロジェクトの採択等に当たって、相手の信用あるいはその成功の確率の問題はもちろんでありますけれども、信用の問題等も十分審査する必要があるというふうに考えております。信用力の問題、さらには融資に当たっては保証とかあるいは担保ということをとることも必要ではないかというふうに考えているわけであります。  それから出資におきましては、これも同様でありますけれども、この技術開発ということにつきましては相当リスクを伴うことは避けられませんので、その点での覚悟はある程度はしなきゃいけないというふうに思いますけれども、しかし出資に当たっても十分そういう意味での債権の確保というか株の売却といったようなことで資金回収を考えているわけでありますけれども、そういう可能性をある程度審査し、検討した上での出資というものが必要ではないか。  いずれにいたしましても、これらについては、機構発足後、それぞれ専門家等の間において十分検討されることではないかというふうに考えております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 これの対象は国内の企業だけですか、出資、融資それぞれ。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 国内の企業を対象に考えております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 それは企業の国籍ということで考えられますか、それとも日本国内にある企業で国籍は関係ないということになりますか。その辺はどういうふうに考えておられましょうか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) その点につきましてはまだ必ずしも十分に詰めてはおりませんけれども、私どもとしては、いろいろなことを考えたときには、国内における国内企業を優先して対応すべきではないかというふうに考えております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 優先してという程度だとちょっと私は気になります。そうすると、例えばのことで、カーギル社が国内にバイオ関係の研究をしたいということで日本人の研究者などを使いながら基礎研究を始めましたということで、この機構の資金を利用したいというときは利用できますか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) これは大変微妙な問題でございまして、こういう国際関係がなかなか厳しい状況でありますから、建前として、その国内における日本国の企業以外のものは排除するということをきちっと明確にするということはなかなか問題ではないかという感じもしておりますけれども、あくまでもこの法律の趣旨に則して、まさに国民経済の健全な発展あるいは国民生活の向上という面に寄与するということがこの制度の大目的でありますから、それにふさわしいものを選んでいくということで対応することが適当ではないかというふうに思っております。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 そうすると、外国の企業であっても申請をされれば、いろいろな条件を見ていって合えば口出しをしなきゃならぬということになるんでしょうかね。今のように運用といったときに何かその辺のところがはっきりしていない。申請が出てきたときに、なぜはじいたんだという問題が当然出てくる。それこそ不明朗だということでまたクレームがつけられるというようなことになる危険性の方が強いんじゃないかと思いますが、その点はどうでしょうか。

土屋國夫農林水産省農林水産技術会議事務局研究総務官

○政府委員(土屋國夫君) 先ほど申し上げましたように、建前として全く最初からそれを排除するというわけにはまいらないんではないかというふうに考えておりまして、あくまでもこの制度の目的に則して判断していくことが必要ではないか。それ以上ちょっと申し上げかねるところでございます。

稲村稔夫日本社会党

○稲村稔夫君 時間がとうとう来てしまいました。まだ実は余していたんですけれども、とうとう時間がなくなりましたので、最後にまた大臣のお考えを伺って私の質問を終わらざるを得ないわけです。  今までもずっと伺ってまいりましたそれぞれのことというのは、大きくくくってしまえば我が国農業そのもの、農林水産業に重大な影響を与えてはいけない、それが特定資本の支配だとかなんかということになってもいけないし、それからまた、特に最後の方で伺った、外国資本とのあれの中に巻き込まれてしまってもいけない、そういうふうに国の施策が農林漁業を衰退の方へ持っていくなどということになってしまったら大変だ。こういう問題が一つあります。  それから、きょう午前中にいろいろと参考人の皆さんの御意見を伺いながら私は感じたんですが、最近は特に、白い服を着て農業をやろうなどという傾向が、極端な言い方ですけれども、生まれてくるということに対しては私どもは警戒しなきゃならないと思います。今の農業というものをもっともっと適切に育てていく、そういう観点から大臣の御見解を伺いたいと思います。

羽田孜自由民主党・新自由国民連合農林水産大臣

○国務大臣(羽田孜君) さきにも申し上げましたとおり、この生物系特定産業技術研究推進機構を設立いたしました基本的な考え方は、まさに今先生からお話がございましたように、我が国の農林水産業並びに食品産業、こういったものを本当に助長して農業に携わる皆さん方あるいは国民経済に大きなプラス効果を得よう、そして今、各国ともこの問題について非常に研究が進んでおるという現状の中でそういったものに対応できるような、負けてしまわないような体制をつくらなければいけないということでこれを進めておるわけでございまして、一部の人たちですとか、あるいは外国資本に牛耳られてしまうというようなことがあり得ないように、そしてもともとこの母体になっておった機械化研究所、こういったものがこれからも所期の目的というものをきちんと達せられるように、私どもとしても十分目を配りながら進めていきたいというふうに考えております。

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。     ―――――――――――――

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) この際、委員の異動について御報告いたします。  田渕哲也君が委員を辞任され、その補欠として山田勇君が選任されました。     ―――――――――――――

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) 次に、農林水産政策に関する調査のうち、外国人漁業の規制に関する法律の改正に関する件を議題といたします。  本件に関しましては、理事会で協議をいたしました結果、お手元に配付してありますような改正草案がまとまりました。  本草案の趣旨は、経済事情の変動及び我が国領海における外国漁船の違法操業等の実態等に対処して、外国人漁業の規制に関する法律に規定する罰金の多額を、現行の二十万円から四百万円に改定しようとするものであります。  本草案は確定したものと認め、本草案を外国人漁業の規制に関する法律の一部を改正する法律案として本委員会から提出することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、本会議における趣旨説明の内容につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

成相善十自由民主党・自由国民会議

○委員長(成相善十君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後五時三分散会      ―――――・―――――

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