農林水産委員会 第7号
- 発言数
- 243 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1986/04/17
会議録
○委員長(成相善十君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 農林水産政策に関する調査を議題といたします。 羽田農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。羽田農林水産大臣。
○国務大臣(羽田孜君) 私は、去る八日、昨年末から三度にわたり行われていた日ソ漁業委員会における協議に関し、閣僚レベルで協議を行うため訪ソし、九日及び十日、カメンツェフ・ソ連邦漁業大臣と二回にわたり会談を行うとともに、十日、ムラホフスキー国家農工委員会議長兼第一副首相とも会談し、去る十二日、帰国いたしました。 本件協議が難航したことにより、日ソ双方の漁船は、本年当初よりそれぞれ相手国の二百海里水域から総引き揚げの状態が続いておりましたが、今回、私が訪ソし、事態の打開に努めた結果、合意の方向に目途がついたところであります。 その結果については、日ソ双方の漁獲割り当て量が十五万トンとなるとともに、ソ連水域における我が国漁船の操業条件について、底刺し網の禁止、一部水域における着底トロールの禁止、二つの操業水域の閉鎖が行われる等厳しいものとなっております。 我が方にとっては、非常に厳しくつらい決断と言わざるを得ない結果でありますが、これ以上閣僚レベルでの協議を続けても状況が変わる見通しもないばかりか、協議が長引けば、漁業者への影響がますます深刻なものとなるとの判断から決断した次第であり、やむを得ざる結果であったと考えております。 今後、協議の結果に伴い、減船を余儀なくされる漁業者等に対し講ずべき対策を早急に検討する必要があると考えております。 また、減船等に関連して必要となる漁業離職者の雇用対策、水産加工業等の関連産業対策等についても、所要の措置を検討する必要がございますので、関係省庁と密接な連絡をとってまいりたいと存じております。 以上であります。 —————————————
○委員長(成相善十君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 農業改良資金助成法による貸付金等の財源に充てるための日本中央競馬会の国庫納付金の納付等に関する臨時措置法案の審査のため、本日、日本中央競馬会理事長澤邉守君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成相善十君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(成相善十君) 農業改良資金助成法による貸付金等の財源に充てるための日本中央競馬会の国庫納付金の納付等に関する臨時措置法案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。羽田農林水産大臣。
○国務大臣(羽田孜君) 農業改良資金助成法による貸付金等の財源に充てるための日本中央競馬会の国庫納付金の納付等に関する臨時措置法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。 農業改良資金制度は、農業者の創意工夫に基づく合理的な生産方式の導入等のための無利子資金の貸付を通じて、農業経営の安定と農業生産力の増強に貢献しているところであります。この農業改良資金制度につきましては、今日の我が国農業をめぐる内外の厳しい情勢に対処し、生産性の高い農業の実現を目指して農業経営基盤の強化を一層推進するため、同資金の拡充を行うとともに、これに要する財源につきましては、現下の財政事情にかんがみ、一般会計からの繰り入れに加えて、特別の財源を緊急に確保する必要が生じております。 政府といたしましては、このような状況に対処するため、日本中央競馬会の協力のもとに、昭和六十一、六十二両年度限りの特例措置として、同会の競馬事業の円滑な運営に支障のない範囲内で、同会に積み立てられている特別積立金の一部を国庫に納付させ、これを農業改良資金の政府貸付金等の財源に充てることとし、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。 第一に、日本中央競馬会は、昭和六十一、六十二両事業年度において、日本中央競馬会法の規定による通常の国庫納付をするほか、特別積立金のうち百五十億円ずつ合計三百億円を特別国庫納付金として国庫に納付しなければならないものとすることであります。 第二に、この特別国庫納付金は、農業経営基盤強化措置特別会計の歳入とし、農業改良資金の政府貸付金等の財源に充てるものとすることであります。 なお、この法律案に対する衆議院における修正の趣旨につきまして、便宜政府側から御説明申し上げます。 修正の内容は、この法律案の施行期日である昭和六十一年四月一日が既に経過していることにかんがみ、施行期日を公布の日からと改めることであります。 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(成相善十君) 以上で趣旨説明は終わりました。 それでは、これより本案の質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山田譲君 私は、初めにまず一般論として、予算編成上の方針といいますか、考え方をまず大蔵省にお聞きしたいわけであります。 御承知のとおり、競馬会から国庫に納付する金というのは、第一国庫納付金と第二国庫納付金というのが法律上決まっていますね。第一国庫納付金についても第二国庫納付金についても相当な金額で、六十年度で両方合わせて千九百七十億ほど納付しているわけです。それだけ相当競馬会は国庫に対して貢献している、こういうことになると思うんです。ところが、不思議なことに五十六年には百八十億円ばかり、五十八年には二百二十億円ばかり、特別国庫納付金としてそれとは別にまた国庫へ納めさせている。いわば競馬会から召し上げているわけであります。 そこで私のお伺いしたいのは、大蔵省の方針として、予算編成するに当たって、第一国庫納付金あるいは第二国庫納付金というのは法律上きちんと決まっているから仕方ないとしても、それ以外に五十六年と五十八年のようにこういった形でまた特別に金を納付させている。さらに六十一年、六十二年かかって三百億を追加して国庫に納めさせようとしている。もちろんかつての二回やったものは一般会計に繰り入れ、今度の場合はその点特別会計に入れるわけであるからちょっと違うんですけれども、いずれにしても国庫に対してそういう形でもって競馬会に納めさせているというのは事実であります。 〔委員長退席、理事星長治君着席〕 そこで伺いたいのは、どうも大蔵省の予算編成上の問題として一貫性がないんじゃないか、何か思いつきみたいに特別国庫納付金を納めさせたり、あるいはまた特別会計に納めさせたりしようとしている。こういうことについて一体大蔵省の本当の基本的な考え方はどういうことなのか。つまりどういうときに特別国庫納付金を納めさせ、どういうときに特別会計に納めさせようとしているかというふうなことについて、何か原理原則というか、まとまった考え方があってこういうことをなさるのか。それともいわば思いつきみたいに、ことしはちょっと足りないから競馬会あたりから召し上げておけばいいやというふうな非常に安易な気持ちでやっておられるのか。私はどうも後者のように思えてならないのだけれども、そこら辺どうですか、大蔵省。
○説明員(竹内克伸君) 御指摘のように、昭和五十六年度及び五十八年度におきまして一般会計の一般財源として御協力をいただいたことは事実でございます。それに対しまして、今回は特別会計にお納めいただくということでございます。 一般会計の一般財源に御協力をいただきました五十六年度、五十八年度の考え方でございますけれども、このところ御案内のような財源事情の非常にきつい予算編成でございますので、各特殊法人等各方面に対して税外収入の御協力をお願いしている実情にございます。競馬会につきましても、同様の趣旨から両年度にわたりまして御協力をお願いしたという次第でございます。 そこで、今回のは特別会計に直接納入していただくということでございますので、五十六年度、五十八年度とはそういう意味で違うわけでございますが、その点につきましては、片方で極めて厳しい財源事情、財政事情のもとにございますが、同時にこの農業改良資金の農政上の重要性ということもあるわけでございます。特に六十一年度におきましては、畜産振興に改良資金を重点的に配分する必要があるという要請もございました。そういう点から、他方でもって畜産振興に寄与することを旨としております競馬会から御協力をいただくということになったわけでございますが、今回のは特別会計の農業改良資金の財源を確保するという趣旨で御協力をいただいたということでございますので、こういう形で御提案申し上げているわけでございます。 極めて一般論として申し上げれば、御指摘のように、特別の財源を御協力いただく場合におきましても、一般会計の一般財源という形にするのが望ましいことはもちろんでございますけれども、今回はそういう趣旨で御協力をいただくことができたということで、特別会計の財源という形で御提案したわけでございます。
○山田譲君 非常に財政が厳しい、そういう厳しい情勢の中でさらに競馬会に協力をしていただくという話はわかるんですけれども、それじゃ五十六年に百八十億ばかり特別国庫納付金を一般会計に納めさせ、五十七年には納めさせないで五十八年にまた二百二十億ほど納めさせた。五十九年と六十年は納めさせなかったということですね。そうすると、五十七年の納めさせなかったときは余り財政状況が厳しくなかったということですか。あるいはまた五十九年、六十年についても一般会計に入れるだけのそんなに厳しい状態でなかったと、こういう判断でやったんですか。
○説明員(竹内克伸君) 毎年毎年の予算編成に当たりまして、先ほど申し上げましたように極力税 外収入の確保を図りたいという気持ちは、これはこのところ毎年同じ事情にございます。ただ、それぞれの機関からどういう御協力を特別にちょうだいできるかということにつきましては、毎年度その都度、その法人の資産の状況でございますとか経理の状況でございますとか、そういう点の議論を十分当該法人あるいは所管の官庁と詰めさせていただいて、その上で御協力いただいてきておりますので、ある年度は御協力いただき、ある年度は御協力がいただけないという事実はございますけれども、基本的には最近の財政事情からいえば同じような事情にございますが、年度によって異なっているというのはそういう事情から来ているわけでございます。
○山田譲君 そういう事情と言うけれども、その事情がよくわからないんです。だから話し合ったことは当然だと思うんですけれども、事情が五十七年は納めさせなくてもいい事情であった、五十八年は納めさせる事情ができた、五十九年はまたそういう事情がなくなった、こういうふうなことでは、予算編成は毎年毎年やることではあると思いますけれども、それにしても取られる競馬会にとってみたらたまったものじゃないという感じがするんですよね。ことしは取られるかな、来年は取られないかな、再来年はどうだろうなんて一々そんなことを心配しなきゃならぬ。競馬会は立派な事業をなさって相当の成績を上げていらっしゃるわけですけれども、それにしても決まった第一、第二以外にさらにまたいつ取られるかもわからないというんじゃ心配で、理事長さんは毎日まくらを高くして寝られないような状態じゃないかと思うんです。だから、それを僕は一貫性がないと最初から言っているわけですよ。 じゃ今後もそういうことをやるわけですか。
○説明員(竹内克伸君) あくまで特別の御協力をお願いしているわけでございますので、毎年毎年一定の額を同じように御協力いただくという性格ではないわけでございます。したがいまして、毎年毎年の各年度の財政事情によって特別の納付をいただく年があったりなかったりということになるのは、そういう意味では御理解いただけるのではないかと思います。今後の問題としては、今回の措置はあくまでも二年度間にわたる特別の措置ということで考えております。
○山田譲君 それは大蔵省の言うことだから黙って聞かざるを得ないということで理解するんでしょうけれども、それじゃ第一国庫納付金、第二国庫納付金というのはどういう性格だと思うんですか。
○説明員(竹内克伸君) 御案内のように、競馬会法にございますように、第一国庫納付金は売り上げの一〇%、第二国庫納付金は剰余金の半分ということで御協力いただいているわけでございますが、この納付金の性格自体につきましては、競馬会のこの問題についてのいろいろな経緯からこういう立法がなされているということで、これは恒久的な制度ということで納付をいただいているわけでございます。
○山田譲君 私はどうも非常に気に入らないわけですね。法律でもってきちっと第一国庫納付金は売上高の十分の一、それから第二国庫納付金は剰余金の半分というふうに決まっているわけですよね。もしどうしてもこれだけでは足りないということであれば、法律をきちんと改正して第一国庫納付金なり第二国庫納付金をふやすというふうな方向で検討すべきであって、何が第一、第二はそのままにしておいて、それでその都度取ったり取らなかったりというやり方はどう考えてもおかしいと思うんだけれども、大蔵省はそう思わないですか。
○説明員(竹内克伸君) もちろん、先ほども申し上げましたような財源事情でございますから、一般財源を極力確保したいという気持ちは常にあるわけでございますので、御指摘のように競馬会法上の納付金そのものを引き上げたらどうかということは、私どもの立場からいたしますと、非常にありがたいと申しますと変ですが、そういうことが可能であれば非常にありがたい話ではございますけれども、しかしながらそれはそれなりにまた長い経緯があってできている制度でございますので、ここはなかなか難しい問題もあろうかと思います。
○山田譲君 誤解してもらっちゃ困るんだけれども、私は何も第一国庫納付金と第二国庫納付金を上げなさいと言っているわけじゃないんですよ。だけれども、それはそのままにしておいて時々思いつきみたいでもって特別に取られるということはおかしくはないかということを言っているんであって、何も法律でもって国庫納付金をもっと上げなさいということを言っているわけじゃないんです。だけれども、私が言いたいのは、予算編成に当たってそういう毎年毎年、何か余り大した考えもなくて、ただ財政上のつじつま合わせに、ことしはどうもこのくらい競馬会から余計もらおうじゃないかとか、ことしはもらわなくていいというふうな考え方でやられたんじゃ、それは競馬会にとってはたまらないじゃないかと、こういうことで言っているわけです。そういう一貫性がやはり欲しいという気がするわけです。 今度三百億を六十一年度と六十二年度に分けてやる。その次はどうするか。どうするかということはそのときに考える、そういうやり方なんですか。
○説明員(竹内克伸君) 毎年度の扱いが全く同じでないということで一貫性がないという御批判をちょうだいしているわけでございますけれども、各年度の予算編成はその年度の事情によっていろいろ異なる扱いになる、そういう意味におきましてやむを得ない面があると思います。中央競馬会だけではなくて、毎年度このところ財源事情等から各法人に御協力をお願いしておりますけれども、その結果は、その年その年の財源事情だけではなくて、その当該法人の事情等から十分議論を尽くさしていただいた上で、御協力をいただけるということでいただいているわけでございます。 今後の問題につきましては、繰り返しになって恐縮でございますけれども、この措置自体はあくまで二カ年間の措置ということで考えております。
○山田譲君 この問題はこれ以上言っても結局、押し問答みたいですからしようがないからやめますけれども、私が大蔵省に強く望みたいのは、こういうやり方は予算編成上もおかしい、思いつきじゃなくてある程度一貫性を持って、こういうときは特別国庫納付金をさらにいただくことにするんだとか、それなりの事情がちゃんとなきゃいけないと思う。あなたの言っているのを聞いていると、ただその都度ごとしは足りないから競馬会にお願いしますというふうな調子でもって、取ったり取らなかったりというようなやり方はおかしいんじゃないか、こういうことでございます。 念のためにお聞きしておきますけれども、これ以外にこの種の法人から金を納付させているというケースはありますか、あったら参考までに教えてください。
○説明員(竹内克伸君) 一般会計の一般財源として特別に御協力をいただいているという例は近時幾つかございます。今回にいささか類似の例としまして、つまり特別法によりまして特別会計への納付金を特別にお願いしているという例といたしましては、昭和五十六年度から五十九年度までの間に輪開銀から産業投資特別会計に特別の納付金の増額をお願いした例がございます。
○山田譲君 今ちょっと聞こえなかったんだけれども、どこからですか。
○説明員(竹内克伸君) 日本輸出入銀行及び日本開発銀行でございます。
○山田譲君 わかりました。 次に農水省にお伺いしたいんです。ことしは百五十億、来年は百五十億、計三百億を二年間かかって特別会計の方へ納めさせる、競馬会から。こういうことのようでありますけれども、この百五十億、三百億という金、これは一体どういう根拠でもってそういう数字にしたかということと、もう一つ、四十億を一般会計から繰り入れますが、 この四十億はどういう計算で出てきたか。去年は百億出したようですけれども、ことしは四十億にしている。これはどういう根拠でそういう数字が出たか教えてください。
○政府委員(大坪敏男君) 来年度の農業改良資金の資金需要等を考え、財源手当てといたしましては、大体百九十億程度で十分だろうという判断があったわけでございますし、中央競馬会からは三百億を納付していただくということで御理解もいただいたわけでございますが、中央競馬会の円滑な運営にも配慮して三百億を二回に分けるといたしますと、百五十億が六十一年度の納付額になるわけでございますので、これと合わせまして一般会計から四十億のお繰り入れをいただく。そういたしまして、全体としては資金枠といたしまして百九十億ということにした次第でございます。したがいまして、三百億のうち六十一年度に納付していただく残余の百五十億につきましては六十二年度に納付していただくということにした次第でございます。
○山田譲君 三百億を二で割れば百五十億になり、百五十に四十を足せば百九十になるというくらいの数字は僕にもわかるわけです。僕が言っているのは、どこから四十億という数字が出てきたか、どこから三百億という数字が出てきたかということを聞いているわけですよ。
○政府委員(大坪敏男君) 中央競馬会から特別国庫納付金を納付していただくに当たりまして、中央競馬会といろいろ御相談したわけでございますが、その財源といたしましては、現在同会が積み立てております特別積立金の中から出していただくということにしたわけでございます。現在、六十年末で保有しております特別積立金は三千九百四十八億でございますが、その中から会の運営に支障がない範囲で資金に御協力いただける程度は三百億程度であろうということで、一応私どもに御協力いただく金額の総額といたしましては三百億ということに相談が相なったわけでございます。
○山田譲君 そうすると、初めにそういう競馬会との相談の結果、三百億程度ならば出しましょうということがあって、それから逆算していったわけであって、あなたの方から農業改良資金のためにこれだけ必要だから、だから競馬会にお願いしますという格好でいったんじゃないということですか。
○政府委員(大坪敏男君) いずれにいたしましても、この話は全部、何と申しましょうか、総合勘案の中で決まっていったというふうに御理解賜りたいと存じます。
○山田譲君 それじゃ四十億はどういうふうにして決まったんですか。
○政府委員(関谷俊作君) これはただいま畜産局長からお答えがございましたように、六十一年度における中央競馬会からの繰り入れが百五十億円までは見込める、こういうことがございまして、私ども六十一年度の農業改良資金の貸し付けのいろいろ計画をしたわけでございます。そうしますと、この百五十億円という財源が得られることも勘案しながら大体五百九十六億円という貸付枠を設定いたしまして、その中から農家からの償還金が約三百億円見込まれておりますので、それを差し引きました所要の新規財源の三分の一となりますと約百九十億円になるわけでございまして、そこから中央競馬会の百五十億円を引きました四十億円を一般会計から繰り入れる、こういうことにいたしたわけでございます。
○山田譲君 そうすると来年は、来年のことは余りわからないとはいうものの、百五十億の方はわかっていて、あとの方の関係については、ことしは四十億だったけれども来年はどうなるか、これはまだわからないという話ですか。大体の見当はつけているわけですか。
○政府委員(関谷俊作君) 来年のお尋ねは六十二年度のことであろうかと思いますが、これはどの程度の新規貸付枠を見込むか、所要財源のうち農家からの償還金等がどのくらい見込まれるかでございますが、現在の一つの前提を難きまして、今年度、六十一年度とほぼ同じぐらいの約六百億円近い貸付枠を仮に設定いたしたとしますと、このままでまいりますと、中央競馬会の百五十億円のほかに四十億円程度の一般会計からの繰り入れは必要になる、こういう計算でございますが、これはあくまでも貸付枠を六百億円近い金額、つまり六十一年度とほぼ同じぐらい、こうした場合の算定でございます。
○山田譲君 無利子無担保とは言いながらも、貸す金ですから当然返ってくることを考えると、絶対額をどんどんふやしていく、一般会計なり、競馬会からでもいいですけれども、とにかく入れれば原資そのものは広がっていくわけですが、大体、幾らくらいにすればいいというお考えですか。
○政府委員(関谷俊作君) これは将来になりますと、六十二年度以降どのくらいの貸付枠を設定するか、これはこれから今年度の実施状況等も見ながら設定していくわけでございますので、仮に六百億円というような数字をずっと続けますと、その間は国庫からの国費のいわば繰り入れ、繰り入れというか財源というのは必要なわけでございまして、ある時点までいくといわゆる自転と申しまして、償還金で貸付新規財源を賄えるようになるわけでございますが、これはあくまでも貸付枠をどういうふうに設定するかという先のこととも関連しますので、今現在時点で何年ぐらいになれば自転するか、あるいはその時期での農業経営基盤強化措置特別会計でこの関係の資金としてどのぐらいのものが残高になるかというのはなかなか今計算しにくい状況でございます。
○山田譲君 こういう事業をするからにはある程度の見通しを持って、大体この程度集まれば後は自転でいいんじゃないか、こういう考え方が当然あっていいと思うんです。特にこの百五十億という金、六十一年度と六十二年度は百五十億が競馬会からいただける、こういうことである程度見通しはっくんだけれども、そうするとそれ以降はまた競馬会から、百五十億か何億か知りませんが、いずれにしても御協力を願わなきゃこの貸し付けがうまくいかないというふうなことについては、ある程度の見通しかないと困るんじゃないかと思うんですよね。そこら辺、そのときになってまた困れば競馬会にお願いずれは、競馬会のことだから、どこかからかひねり出してもらえるというふうな安易な気持ちでおられたら困ると思うんですが、ここら辺どういうものですか。
○政府委員(関谷俊作君) 今回の六十一年、二年の資金計画は、これはあくまでも中央競馬会から百五十億円の御協力が得られる、それぞれ百五十億円得られるということと、それから現在のこういう農業情勢でございますので、この数年間というか、当面の改良資金による需要と申しますか、農政上の必要性が非常に高い、こういう両面を勘案したわけでございまして、もっと先の方になりますと、単純に六百億円を前提に毎年貸すということになりますと、十年近い期間の間にようやく自転をする状況になるという計算になるわけでございますけれども、この辺のところは、農業改良資金を今後も運営しまして、資金所要額がどのくらいになるか、その場合、特に従来の貸付実績なりこの資金に対する農家の需要と申しますか、それがどの程度になるか、この辺を見きわめた上で対応したい。私どもあくまでも今回中央競馬会からこういう形で納付金をいただいた、こういうことはただ安易にそういうことを前提にするということではなくて、あくまでも中央競馬会の方の格別の御協力によって得られたものだ、これを毎年のように今後も安易に前提として資金計画を考えるというような態度であってはならないと考えております。
○山田譲君 やっぱりこういう貸し付けをやるからには、ある程度政府として、政府といいますか、農水省として考えている成算ですね、それについてどのくらいお金をかけたいんだ、そうすれば大体お米はこのくらいふえるだろうし、あるいは経営規模はこのくらいに拡大するであろうとか、あるいは農業後継者の育成にはこれだけプラスに なるだろうというような、そういうものがあってそれぞれの貸し付けをするんじゃないかと思うんです。そこでお伺いしたいのは、生産方式改善資金、あるいは経営規模拡大資金、農家生活改善資金、後継者育成資金、これをそれぞれに分けて、どういうねらいでもってどのくらい貸し付けを行おうとしているのかということを教えてください。
○政府委員(関谷俊作君) お尋ねのような資金の種類がございまして、生産方式改善資金は、従来技術導入資金ということで、どちらかというと一つの個別技術といっていいか、割合狭い範囲の技術導入というような感じての資金だけでございましたが、それに加えまして、六十年度の改正によって、文字どおりもう少し広い意味での生産方式と言えるような内容を加えることによって一連の技術をセットで導入する、それによって野菜、畜産その他部門別の振興というか生産の合理化を図ってコストの低減を図っていく、こういうような趣旨のものでございます。 それから農家生活改善資金は、従来からございますが、農家生活における改善のための一つの新しい技術を中心にしました農家生活の改善の面で、この中には御承知のような高齢者活動資金というような、農村社会における高齢者の方々の活動を活発化する、こういうようなことも含めました幅広い生活改善の手段でございます。 後継者育成資金につきましては、後継者の方々が一つの部門を新しく始めるとか、そういうような形でこれから本格的な農業経営に乗り出すいわば一つの踏み台としてこの育成資金を使っていく、こういうことでございます。 なお、資金の種類としましては、六十年度に新設されました、このほかに経営規模拡大資金というのがございまして、これは主として利用権設定、貸付方式による規模拡大、これを促進するための資金でございます。 なお、資金枠でございますが、昭和六十一年度について申し上げますと、全体が五百九十七億円でございまして、生産方式改善資金四百三十五億円、経営規模拡大資金十二億円、農家生活改善資金四十億円、農業後継者育成資金百十億円、こういう計画をいたしております。
○山田譲君 皆それぞれなかなか意味のある貸し付けであって、非常にいいことだと思うんです。ただ問題は、さっきも局長ちょっと言われたけれども、資金需要の方を考えながらというふうなお話がありましたが、需要面から見ますと、どうも果たしてそんなに需要があるのか心配になってくるようなことがあるわけです。試みに五十七年、五十八年、五十九年と貸付枠と実際に貸し付けられた金額、この実績を見てみますと、どうもそうなっていない。五十九年度について見ますと、貸付枠が百八十億ある、これに対して実際に貸し出した金は百十六億くらいですね。ただ農業生活改善資金というのは五十億の枠に対して五十二億が借りられている。それから後継者育成資金につきましては、これまで百二十億枠があるんだけれども、実際に貸し出したものは九十二億一千八百万、全体として見た場合に三百五十億の枠があるのに対して二百六十一億しか貸し出しが行われていない。これは五十九年度でありますけれども、五十七年度、五十八年度を見ても大体同じような傾向が見られます。農家生活改善資金というのは枠よりも多く借りられているようですけれども、あとの方は必ずしもそんなものではない。六割から七割くらいしか実績がないわけですね。あとの金は余っているという状態です。そういう状態の中でことし、来年、競馬会からせっかく百五十億円いただいても果たしてそれがいっぱいいっぱいに借りられるかどうか。この辺心配になるわけですけれども、そこはどうでしょうか。
○政府委員(関谷俊作君) 改良資金の貸付実績については、先生のお挙げになったような数字の状況でございます。この三年度は特にいわゆる自転しておった時代でございまして、国からの資金造成のための補助金を交付していない時期でございまして、既に造成された財源で貸し付けを行っていた時代でございまして、そういう意味で直接国の財政措置とはリンクしていない時期でございますが、この時期を見ますと、いろんな原因がございますけれども、私どもの対応として見ますと、従来貸付対象として見ていた技術がある程度普及定着をしてきたということがありまして、当初予定したような貸付需要があるだろうということでございましたが、どうも実際にはそこまでいかなかった。これから普及段階に移行すべき新技術、改良技術、こういう意味で新しい技術に対応する資金種類と申しますか、そういうものの設定という意味での私どもの対応がまだ十分に行われてなかった、こういう面もあるんではないか。 なお、これは一つの見方でございますけれども、稲作の不作の時期であったりいたしまして、どうも投資意欲が少し低下していた、こういうこともあるのではないかということ。 それからもう一つは、これは仕組みの問題でございますが、この時期は県段階でそれぞれ資金管理をしておりますので、貸付原資の過不足がございまして、過去これぐらい需要があるだろうと思って資金造成をした県が、実際にはその後の状況でかなり資金枠を余した、こういうような県間の過不足、特に余りの方がこういうような貸付枠を下回るという実績が出たのではないかと思っておりまして、今申し上げましたような諸原因に即しまして、六十年度以降改善を図っていきたいということで対応することをいたしておるわけでございます。
○山田譲君 せっかくこういう貸付枠をつくってお金を出していても、肝心の借りる方が十分借りてくれないで、お金を余してしまうというふうなこと。これは五十七年から三年間全部同じ傾向があるわけで、これから六十年、六十一年、六十二年とずっとやっていくんでしょうが、さっき言ったように枠をふやしあるいは原資をふやしていくのも結構ですけれども、実際に借り手がなけりゃ何にもならない、宝の持ちぐされということになるわけです。 その原因として今局長二、三挙げられたけれども、よく意見としてあっちこっちから聞かれるのは、この資金貸し付けの枠、限度といいますか、これが非常に中途半端で困る、本当に借りたいという人はこの金額じゃ足りないんで、もう少し限度を上げてもらえないかということ。もう一つは、償還の期間が短過ぎる、もうちょっと長く、最低十年くらいに全部してもらえないかというふうなこと。そうすればこんな余すようなことはなくていっぱいいっぱい借りられるようなことになるんじゃないか。こういうことを言う人がいるんですけれども、その辺はどんなものですか。
○政府委員(関谷俊作君) 貸付条件のうち特に大事な貸付限度の問題が第一点でございますが、現在の方式は、御承知のように、一種の標準資金需要額を国が定めまして、それを基準として県がそれぞれの県の実情に即した事業単価を定め、それに一種の貸付率、一般には八割、畜産振興資金は九割を乗じております。このもとになります標準資金需要額でございますが、従来からできるだけ実態に即して改善をしていく、こういうことでございまして、現在の主体になっております生産方式改善資金の中の四資金種目は六十年度時点で実態に即して設定したわけでございますが、それ以外の従来からある六つの資金種目につきましては、五十五年度、一部四十七年度でございますが、設定をいたしておりまして、これから私ども実情に応じて必要に応じ改定するという基本的な考え方を持っているわけでございます。五十五年度以降は一応物価動向等では余りすぐに引き上げなければならないという状況はないというふうに考えておりますけれども、いずれにしましても、今後の需要に応じた対応ということで、この標準資金需要額の改定問題について十分検討してまいりたいと考えております。 次に償還期間でございますが、現在の期間にしましたのは、従来の技術導入資金について五十二年度に五年から七年に延長しております。それから六十年度においては、生産方式改善資金のうち の畜産振興資金等につきまして十年というようなことにしておりまして、現在のこれらいわゆる新技術等の導入に要する償還期間としては、当面このくらいの期間であれば実態的に対応できるのではないかというふうに考えておりますが、この点も一つの需要に対する十分な対応という面で、今後の問題としては常に状況に応じて十分注意してまいりたいと考えております。
○山田譲君 私は、個々の標準資金需要額については、これは少ない、あれは多いとかという考えは今ないんですけれども、どうもそういう意見が非常に強く、あっちこっちから聞かれるものですから、ぜひ考えてやっていただきたいというように思います。特に、ことし競馬会からの御協力で大幅に原資もできたわけですから、せっかくいただいたものを余すようなことがあっては申しわけないわけですから、ぜひひとつそういう方向で考えていただきたい。そして、仮にも資金がダブついて余って困るというふうなことのないようによく指導していただきたいというふうに思います。 そこでお聞きしたいんですけれども、借りたものですから償還をしなきゃならないわけですが、償還状況はどうなってますか。
○政府委員(関谷俊作君) 償還状況は、全体として見ますと、極めて良好と言ってもいいのではないかという状況でございまして、逆に申しますならば、いわゆる未償還、滞納がどのぐらいあるかということになるわけでございます。現在私どもの把握しております数字では、昭和五十年以前の貸し付けで来償還のものが全体で二千六百万円ぐらいでございます。五十一年度以降のものについては、若干まだ年度が新しいので、これらを加えました五十九年度末の償還金延納状況を申しますと、三億二千百万円ぐらいになるわけでございますが、全体の貸付金額等から見ますと、この数字としてはまだ償還が非常に円滑にいってないという状況ではない、かように考えております。
○山田譲君 農業改良普及所なり農業委員会というようなところがかなり綿密に調べて、そして返す実力のある人を確めた上で貸しているから大体償還はうまくいっているように私も感ずるんですが、そういう焦げついた場合に、あれは無利子無担保ですね、保証人は要るということになっておるんですけれども、そういう場合に保証人がかわって払ってやるというふうなケースはかなりあるものですか。
○政府委員(関谷俊作君) 保証人による支払いの例は極めて少ないというふうに承知しております。大体本人がお支払いになられるわけでございまして、私どもの承知しておりますのでは、農業後継者育成資金の場合に、保証人に親がなりましてその親がかわりに支払ったという例はございますけれども、ごくわずかな例ということでございまして、全体としては一応保証人ということで立てていただいて貸し付けておりますけれども、実際には本人支払いがまずほとんど全部である、こういうふうに承知しております。
○山田譲君 そこで、競馬会にお聞きしたいんです。お聞きになったようなことで、理事長さんの方としては、いわば取られる側ですけれども、こういうことについて命ずっといろいろ話をしてきたわけですが、どういうふうにお考えですか。つまり、第一国庫納付金、第二国庫納付金を納めている。さらにそのときそのときの都合によって取られるというふうなことについて、これは非常にいいことだとお思いになるか、困ったものだとお思いになるか、この二つしかないと思うのだけれども、どっちですか。
○参考人(澤邉守君) 競場会はこれまでも既存の第一国庫納付金及び第二国庫納付金の納付を通じまして国庫に寄与してきておるわけでございまして、六十年度は、先ほど先生のおっしゃいましたように、千九百七十二億円ということで、五十五年以降大体千七百億円台でずつ。と来ておりまして、昨年はふえたわけでございます。そういうことで国庫財政に寄与しておるわけでございます。 今回、六十一年度予算編成に際しまして、第一、第二国庫納付金のほかに特別に、ただいままでお話ありましたような三百億について納付することの協力要請がございました。私どもといたしましては、改良資金という農政の重要な施策を進めるために、今の財政事情のもとで緊急に財源を確保する必要があるという農政上の強い御要請にかんがみまして、また私どもの中央競馬会の特殊法人といいますか、政府機関という性格からいたしましても、できる限り政府に御協力を申し上げるという観点から、中央競馬会の財務状況あるいは業務の状況等を考えまして、私ども経営努力をいたしますれば、三百億円を二カ年にわたって特別に納付いたしましても、何とか事業運営に支障は来さなくて済むのではないかというように考えまして、六十一年度、六十二年度限りの特別措置という前提のもとに御協力を申し上げることにしたわけでございます。 特別積立金を取り崩して納付するわけでございますが、特別積立金というものは、私どもの経営の努力もございますけれども、馬主とか調教師とか騎手とか、それぞれ競馬サークル全体の関係者が、生産者を含めてでございますが、いいレース、充実したレースを展開するためにいろいろ努力して参画する、その結果として利益が上がったものの半分が積み立てられるということでございます。これは競馬の円滑な運営あるいは今後の発展のために使われることを皆さんが期待しておるわけでございます。そういう意味から申しますと、私どもは今後は第一納付金、第二納付金というこれまでの既存の恒久的な制度の中で御協力していくのを原則としたいというふうに考えております。
○山田譲君 そこで理事長さんにお伺いしたいのは、売り上げ、売得金というんですか、この売り上げがずっと年を追って少しずつでもふえているように思うんですね。今後の競馬会の運営として、この売り上げをさらに伸ばしていく、またそういう情勢が現実にあるんだというふうにお考えかどうか、その辺はどういうものですか。
○参考人(澤邉守君) 私どもの業績の中心でございます売得金、売り上げでございますが、六十年度はおかげさまで大変好調でございまして、売り上げ全体といたしまして九%前年度より伸びました。前年の五十九年度は五十八年度に対しまして約四%でございました。その前は余り好調ではございませんで、ほぼ横ばいに近い、微増でございますけれども、続いておったわけでございますが、一昨年、昨年と大変好調でございまして大変喜んでおるわけでございます。 今後の見通しということにつきましてなかなか数字をもって申し上げるのは難しいわけでございますが、御案内のように、最近レジャーに対する需要というのは国民生活の向上といいますか、あるいは余暇時間の拡大というようなことに伴いまして非常に伸びておりますが、非常に多様化しておりまして、その中での競争は非常に激しいわけでございます。そういう中で私どもの競馬のほか競輪とか類似の公営競技全体は、若年層に若干公営競技離れというような現象もございまして、なかなか厳しい状態でございまして、私ども以外はなかなか業績が伸びない、減っておるところもあるわけでございます。 そういう中で中央競馬だけはひとりおかげさまで順調で来ておりますけれども、今後のことを見ますと、競馬といいますのは一種の興行というような性格を持っておりまして、ファンの方は、なかなか流動的といいますか、移り気と申しますか、新しいものに飛びつくという面がございますので、全体としては他の事業に比べれば不安定性というものを本質的に持っておるというように思います。そういう中で、特に競馬場の場内への入場者が私どもにおいてもやや微減傾向をたどっておりまして、とまるところまでまだいっておりません、いろいろ努力はしておりますけれども。そういうこともございますし、また公営競技全体は、私どもを除いていろいろ経営の立て直しに御努力なさっておるところで、そのためには、私どもはやや先行しましたけれども、場外の発売ということにかなり重点を置いて努力をなさっております。経営の立て直しということは敬意を表す るわけでございますが、これはある意では公営競技相互間での激しい競争が一層激化するという結果にもなるわけでございますので、私どもといたしましても、将来の売り上げについて、ここ一、二年のように好調が続くということは必ずしも楽観できないのではないかというように思っております。 それからもう一つ、競馬の特殊事情といたしまして、通常のそういう経営の波ということのほかに、例えば馬の伝染病など集団的に発生しますと、かなりの期間競馬の施行をストップせざるを得ない。また、最近は非常に少なくなりましてほとんどございませんけれども、騒擾事件が起こるとか、あるいは天候、気象異変によって競馬が施行できない、大雪でも降りますとたちどころにその目は施行できないというようなことがございますが、まあ短期のことはいいんですが、そういう中期の、中期といいますか一定期間、数カ月間競馬がとまるというようなことも全くないことはないわけでございますので、そういうときに備える準備もしておかなければいけないということからいたしますと、一般的な不安定の上にもう一つそういう要因を抱えております。 〔理事星長治君退席、委員長着席〕 したがって、私どもも将来必ずしも楽観視できないとは思っておりますので、今後とも施設を整備したり場外の売り場を拡張したり、あるいは新設をしたり、PR、宣伝も大いにやるなどいろいろいたしまして、できるだけファンの方に楽しんでいただく、幅広く楽しんでいただく、それによって売り上げもふやして国庫にも寄与するという努力はしていきたいと思っております。
○山田譲君 そういう努力をするにつけても、この施設設備みたいなものはできるだけ改善して皆さんに快適に利用してもらうようにしなきゃいけないと思うんです。そこで現在いわゆる特別積立金の累計額というものを見ますと、六十年度で約四千億、三千九百億ぐらいはあるようですね。これはもちろん全部金になっているわけじゃないんで、いろいろ施設に変わっているものもあると思うんですけれども、その内訳をちょっと教えていただけませんか。
○参考人(澤邉守君) 特別積立金は六十年度末で三千九百四十八億円となっております。私どもは年度を暦年でやっておりますので、昨年の十二月末という意味でございます。 その内容は、積立金という名称でございますけれども、その大部分は、競馬開催に必要な競馬場だとか、あるいはトレーニングセンターとか、場外の売り場の施設その他馬場の施設とか、あるいは厩舎とか土地とかという固定資産になっておりまして、その固定資産化しておりますのが二千九百五十七億、四千のうちで約三千ということでございまして、残りが預金なり有価証券、短期の有価証券という形で流動資産を持っておるわけでございます。その流動資産の額が九百九十一億円でございます。ただ、この流動資産の中には六十年度の事業で六十一年度に繰り越しております施設工事に支出を予定しておりますものも八十六億円ばかり入っておりますので、それは間もなく固定資産化するわけでございます。それを差し引きますと九百五億円ということになります。他方、この固定資産の中に経理はされておりますが、長期の国債その他の有価証券でございますが、これはいざとなれば流動化できないわけではございませんので、流動可能な長期有価証券が四百七十四億円ばかりということで、九百一億円に四百七十四億円を足しますと一千三百七十九億円、これが特別積立金の中で流動的な資産といいますか、いざというときには現金化できる資産ということで保有しているものでございます。
○山田譲君 今聞いた程度の流動資産で、その中から三百億ことしと来年で取られるということですね。それは相当大きな金額ではないかと思うんですけれども、その辺はどうですか。
○参考人(澤邉守君) この流動資産一千三百八十億円ばかり持っておると申しましたが、どういう目的で持っているのかということでございます。私ども先ほど申しましたように、経営的に非常に不安定な性格の事業でございますので、そういう不振になって欠損が出るというようなときの準備、そういう中でも特に長期間競馬施行が不可能になるというようなことになった場合、それは年度末には欠損としてあらわれてきますので、そういう不測の事態に対する準備金といいますか、そういう意味で持っておるというもの、そういう目的のもの。 もう一つは、設備投資を今後、これまでもやっておりますし、今後も一層やらなければいかぬと思いますが、そういう必要な設備投資に充てるための資金、準備金という性格なり目的を持っておるものでございます。私ども設備投資をして施設を改善し快適にしていく、あるいはデラックス化していくというのは最近の傾向としてはどうしても必要になってきているわけですが、そういうこと、普通の企業ならば増資をするというようなことが考えられるわけでございますが、私どもは増資の規定が法律上ございません。資本金は当初の四十九億円のままになっております。 したがって、この特別利益の半分を積み立てた特別積立金というのは通常の場合なら自己資本に相当するものとして将来の事業の拡張の資金に充てる、設備投資その他の拡張のための資金に充てる、そういう目的を持っておるものだというふうに理解しております。特に私ども国からは助成あるいは特別な低利融資というのは一切受ける道はございませんので、独立採算でやっていかなければならない。その中でしかも増資規定がないということからいたしますと、一千三百七十九億というのは、えらいたくさん持っているじゃないかというふうにあるいは見られる場合もありますけれども、そういう自己資本の充実をして、それによって将来の発展を期するための必要な設備投資等をやっていく、そういう意味で持っておるものでございますので、先ほどもお答えしましたように、今後設備を一層高級化といいますか、改善していくということが今後の発展を図るためにぜひ必要だということで、私どもも積極的に思い切った投資をしていきたいというふうに考えております。 そういう点からいたしますと、現在の一千三百七十九億円から三百億円を二年間にわたって納付した残りというものは、必要最小限度のものではないかというように考えております。
○山田譲君 競馬というのは非常に複雑ないろんなシステムがありまして、競馬会を取り巻く人たちには、一般のファンはもちろんのことですけれども、馬主というふうな人がいる、さらに調教師というふうな存在もあるし、騎手もいます。そういう複雑ないろんな関係があって競馬会を運営していくのは非常に難しいことだと思うんですけれども、うんと上の馬主なんかになりますと、大変お金持ちが多いと思うけれども、一般には大体普通のサラリーマンが多い。中には本当に貧窮といいますか、いわゆるマルビ階級と称される人たちがまた案外血道を上げて競馬をやる、こういうふうなことがいろいろあるんですけれども、そういう中にあって理事長さんの基本的な方向として、競馬をどういう方向へ持っていく、どの辺の人たちに楽しんでもらおうという基本的な考え方があったら教えていただきたいと思います。
○参考人(澤邉守君) 日本の競馬は世界の競馬の中でも特殊な面がございまして、発祥の地であるイギリスあたりは、今先生おっしゃったように、貴族なり大変富裕な階級が、女王様も馬を持っておられるくらいですから、馬主さんというのは大変富裕階級である。日本の場合ももちろんそれ相当の資産がなければ持てませんけれども、諸外国に比べれば非常に大衆化しておる、少数のお金持ちが馬を持っているということではない、比較的大衆化されておる。またファンも特定の層だけではなしに、広く国民の多数の方が楽しんでいただけるという意味で大衆に支えられておる競馬だという特色を世界の中でも一番持っている方の一つじゃないかというように考えております。そういう意味で、私どもファンに対するサービスということが非常に大事なことだということで、そこに 重点を置いて進めておるわけでございます。 そこで競馬というのは何だと言われますと、私はレジャーであり、娯楽だと思いますけれども、いろんな面を持っておりまして、スポーツ性も持っておりますし、それからゲーム、いろいろ資料を集めてデータ分析して推理して的中させるというゲーム、その上にお金をかけるということでかけ事、それからああいう競馬場あたり自然環境がきれいでございますし、そういう中で人間がつくった最高の芸術品と言われる馬の美しい競走を見るというのは、レクリエーションとしても、自然に触れる、動物に触れるという意味で大変いい娯楽ではないか、そういうこと、あるいは社交の場だという意味でいろいろな要素を持っております。私どもは国民幅広く大勢の方にそれぞれの楽しみ方をしていただいたらいいんじゃないか。余りかけ一点張りじゃなくて、スポーツとして楽しむ方もおり、あるいは社交場として利用される方もあり、レクリエーションとして家族でお楽しみいただく、別に競馬の馬券を買っていただかなくても結構であるというようなつもりで幅広く国民の方に楽しんでいただく。明るくて美しく楽しくといいますか、ゆとりのある競馬といいますか、かけ事の要素を持っておりますけれども、余り射幸心をあおって、過熱して社会問題なり、家庭問題を起こす原因になるような事態というのは、これは好ましくないんです。そういうことからマイナスのイメージもつきまとっている面がございます。これは非常に最近は少なくなってきておりますけれども、まだ少し残っておる面がございます。そういうことだけに余り力を入れないようにしてやっていったらいいのではないかという意味で、国民の老幼男女を通じた幅広い国民の健全な娯楽として伸ばしていったらいいんではないかというふうに考えております。
○山田譲君 時間がないものですから、いろいろ聞きたいんですけれども、この辺にしておいて、一つぜひ聞いておきたいのは厩務員の問題です。この人たちが労働組合をつくっている。こういう方は、調教師の組織があって、その人たちと団体交渉して労働条件を決めていくということに一応なっているようです。まずお伺いしたいのは、ことしの春闘はどうであったかということをお伺いしたいと思うんです。
○参考人(澤邉守君) ことしの春闘は日本調教師会と厩務員の労働組合、これは三つございますけれども、これとの間の自主交渉が行われまして、現段階では円満に妥結して解決をいたしました。その過程におきまして、せんだっての日曜日に皐月賞という非常に大きなレースがあったわけでございますが、それの前後、当日を含めまして予定してストライキに入るというような通告を労働組合側が出すというような経過もございましたけれども、最終的には四月十一日に実質的に円満妥結をいたしました。最近ではほとんどストに至るということはここ数年来ございませんので、比較的労使関係は円満にいっているのではないかというふうに思っております。 なお、御参考に申し上げますと、春闘の要求はいろいろございましたけれども、ベースアップについては、基本給において四・五九%の引き上げということになりました。そのほか大きなこととしては、細かくいろいろございますけれども、諸手当の引き上げとか、あるいは年末年始の休日を一日ふやすというようなことが主要な内容といたしまして妥結したわけでございます。
○山田譲君 聞いてみますと、確かに賃金については調教師の組織と話し合いである程度決められるけれども、何かボーナスとかあるいは退職手当、その他の手当みたいなものですね、これになると全く調教師の人たちには力がない、実質的にはそれは調教師が競馬会に頼んで競馬会に出してもらっているというふうな話を聞いたんですが、それは本当ですか。
○参考人(澤邉守君) 厩務員は調教師が雇用主でございますから、本来人件費は雇用主が全責任を持って負担するというのが原則であるべきだと思いますけれども、これまでいろいろな経過もございましたし、また競馬の関係者の調教師、厩務員、あるいは馬主さんもそうですけれども、騎手、すべて収入の源泉はどこにあるかということになりますと、結局私どもの売り上げから直接、間接いっておる、賞金を通じていくのが一番多いわけでございます。そういうことになっておりまして、その他の収入というのはそれほど期待できないわけでございますので、私どもは厩務員の雇用主ではもちろんなくて、また労使関係の当事者ではもちろんないわけですが、他の場合と違いまして、今言いましたような関係から私どもが人件費の一部につきましても負担いたしております。これは期末手当、家族手当、勤勉手当、住居手当という手当の一部、退職金につきましては全部私どもが負担しておるというふうなことを続けておるわけでございます。 特に、退職金についてどうして全部競馬会が負担しておるのかということは、厩務員の定年は六十五歳になっております。調教師の方がやめられたり亡くなられたということになりますと、そこに雇用されております厩務員は他の厩舎の調教師のところに転厩をするということが保証されておるわけでございます。そうしますと、もう間もなく定年という方を新しく雇った調教師は、定年になると相当額の退職金を払わなければならぬということだとなかなか転厩を受け入れがたいというようなことにもなりかねなくて、不公平な面もございます。そういう点もございまして、退職金につきましては個々の調教師の負担にするのは必ずしも適当ではない。また調教師は、競馬は優勝劣敗の世界でございますから、賞金の中から進上金ということで馬主から交付されるのが収入の大きな割合を占めておるわけでございますが、これは人によって非常な差があるわけでございます。したがって、給与は自分で全部責任持って払うといたしましても、人件費のうちの一部については同じように全部調教師が負担するということでは、厩務員に不安定といいますか、不公平といいますか、というような面が免れなくなるおそれがあるというようなことも考えまして、助成を行っておるところでございます。
○山田譲君 労働省にお願いします。 古くして新しい問題として、労使関係の問題が厩務員と調教師の関係であるわけですけれども、今ちょっとお聞きしたように、大体賃金については間違いなく調教師の権限でやっておられる、しかしながら退職手当、それからボーナスについては全然調教師に権限はない、そういうことですから、たとえ団交をやってみても当事者能力がほとんどその限りではないと同じだと思うんです。結局、競馬会と相談して競馬会が出す、こういう格好になる。こういう団体交渉が労使関係法上の団体交渉と言えるかどうか。その辺は労働省の見解としてはどうですか。
○説明員(廣見和夫君) 実態につきましては今私もお伺いしたところでございますが、ごく一般的に申し上げまして、普通、団体交渉は、当然のことながら、雇用関係の当事者の間に行われるということになるわけでございます。そこで、使用者がいろいろの事情がございまして、これまた一般的に申し上げますと、何らかの意味で第三者から援助を受けるということもあろうかと思います。そういう意味で実質的な当事者能力が実態的には狭くなってきているという面も現実にはあるわけでございます。例えば通常の場合では親会社と子会社、親会社が子会社に何らかの援助をする、あるいは子会社は賃金を決めるときに親会社と相談する、あるいはケースによっては銀行等の事実上の指導を受けるというようなこともございますでしょう。しかし、そういう何らかの援助を受ける、あるいは何らかの相談をするということがございましても、それは実態的な問題でございまして、そういう援助があるからと申しましても、それが直ちに法的な意味での労使間の当事者性あるいは使用者の当事者能力を否定することにはつながらないのではなかろうか。労働法におきましても、そういうような実態も踏まえながら団体交渉は当該使用者と行うことを想定しておる。したが ってその使用者が責任を持って団体交渉に応じていく。実態としまして、使用者がいろんな形で、今申し上げましたような例で援助を受けたり、相談することがあったとしても、使用者が労働組合と対するときは、責任を持って話し合っていくという仕組みを労働法は基本的に想定しているのではなかろうかというふうに考えております。
○山田譲君 それは確かに法律上というか、一応形式的な面ではそういうことだと思うけれども、今お話を聞いたように、親会社が子会社を縛るとか、親銀行が何か文句を言うとか、そういうのと違いまして、賃金は調教師が決めましょう、一般の賃金ですね、しかし退職手当やボーナスは競馬会が決めてくれるんだというふうになっていて調教師がもし出ていたとしたら、その団体交渉ではその限りにおいては全然交渉能力がない人と組合は団交しなければならなくなるわけですね。そこはわかるでしょう。ですから法律的に言ってもそこのところは非常に難しい問題で、私は何かどっちとも言い切れないような気がするんですよ。しかし、組合側からすれば、労働条件というのはすべての問題につながるわけだから、何も一般の賃金だけではない。退職手当を幾らにしてくれとか、あるいはボーナスを何カ月くれとかという話は組合側も調教師もあきらめている、その団交でやっても決まらないというので。そうなりますと、その限りでは団体交渉とは言えないんじゃないかという感じがするんですよ。そこら辺どうですか。
○説明員(廣見和夫君) 実態面と法律の建前との間の非常に難しい問題だろうと思うわけでございますが、労働法は、繰り返しになるかもしれませんが、労働者を雇用している使用者との団体交渉を想定している。その使用者を越えて実質的に話し合いの中身に影響ある人との交渉を認めていくということになりますと、だれが使用者としての立場になるかがわからなくなってくる、不分明になってくるという点もございまして、あくまで使用者と交渉する、使用者が交渉の当事者に立つというふうに割り切っているものだというふうに私ども理解しております。実態的に詰めてまいりますと、今先生の御指摘のようなケースももちろんないわけではございませんが、私ども、使用者というのは通常の場合は一人であり、それは実態的には決められなければなりませんが、その使用者と話し合っていただく、あとは使用者と第三者との関係、例えば援助、確かに実質的には仮にボーナスあるいは退職金について丸々第三者から援助を受けるということがあったとしても、その決定というのは当該使用者と労働組合との間において行われていく。その援助を受け入れることは、使用者の責任といいますか、使用者の権限において、あるいは使用者の立場において第三者から受ける。その受けたものを労働組合との間で決定していく。法律的にはこのように整理して考えなければいけない問題ではなかろうかというふうに私どもは考えております。
○山田譲君 そこで、使用者とおっしゃったけれども、使用者性が法律の解釈論として僕は問題だと思うんだけれども、使用者性が調教師について完全だと言い切れるかどうかの問題だと思うんですよ。ですから名前は使用者だからすべて使用者だというんじゃなくて、実際の問題として実態を見て、これは使用者であるか使用者とは言えないとかということは、むしろ実態論から出てくるべき問題じゃないか。ただ名前が使用者と書いてあるから全部使用者だというのは——そもそも団体交渉を憲法で保障されているということは、労働組合があってだれかと話をすれば話がつくということを前提として団体交渉というものは成り立っていると思うんですよ。だからあくまでも話し合いで決めていくわけです。ところが話し合いで決まらないというようなことがもしあるとしたら、これは使用者の使用者性が一〇〇%ないというふうに考えざるを得ないと思うんですよね。だから、ただ使用者という名前さえ書いてあればそう言えるか、そんなに形式的なものかどうか、労働法の解釈として。そこら辺どうですか。簡単でいいです、もう時間がないですから。
○説明員(廣見和夫君) 先生御指摘のとおり、使用者が要するに雇用関係の当事者にあるかどうかは、単なる形式的な契約の存在だけではなくて、あくまで実態的に判断しなければならないものであるというふうに私ども思っております。したがいまして、あくまで実態の判断だと思いますが、その実態の判断に当たりましては、必ずしも一〇〇%使用者が決めないと第三者が使用者になってくるかということになってまいりますと、その判断は非常に難しい問題が出てまいるだろうというふうに思いますが、あくまで実態的な判断が必要であるということは、私どももさように思っております。
○山田譲君 この問題はどうも難しい問題だけれども、私の希望としては、ですから何らかの形でもって競馬会も、そういった競馬会の何で決まっているような退職手当なりボーナスの問題については競馬会も団交に出るくらいの積極性があっていいんではないか。それが本当の団体交渉になり、憲法が保障している団体交渉権というものじゃないかと思うんですよ、そこまではっきりわかっているんだったら。ですから、それを私の希望として申し上げておくわけです。すれすれのところですから非常に難しい問題だとは思いますけれども、そこら辺、理事長さんにもよく御検討をいただきたいと思うんです。 時間が来たのでこの辺でやめますが、最後に大臣、いろいろお聞きになっておわかりだと思うんですけれども、一つの問題としては、財政上、非常に安易に競馬会から召し上げるというふうな気持ちの問題、これがいいか悪いか、当か不当かというふうな問題、それから競馬会についての運営、非常に難しい問題がいっぱいあるようですけれども、今聞いた限りでもっていいですから、その辺についての大臣のお考えを聞いて私の質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 今、競馬の内容、特に労働者の問題ですとか、そういった問題につきまして、私どもも実は初めてお聞きするような問題もありますけれども、こういった問題も、健全な競馬あるいは本当に国民から理解されるものにするために十分気をつけていかなければならぬ。確かに国の方の資金が足りないからということで安易にあれするということについては、やっぱり私たちも慎重でなければいけないというふうに考えております。ただ、畜産というものを振興する、それが一つの競馬会の今日あるさまでございますので、そういった面を理解して、今度の場合のような臨時特例措置といいますか、こういったことでやむを得ざる措置としてお願いをしたということについて御理解をいただきたいということ。 それから競馬というものは長いこと我が国の歴史の中でも健全に発展してきておりますので、先ほど理事長からもお話がございましたとおり、明るい競馬場、そういう中で好ましい競馬の内容というもの、ただそこで金銭をかけてどうこうというだけでない、人間がつくった最高の芸術の走る姿を見ながらそこでみんなが楽しむ、家族ぐるみで楽しむ、そんな雰囲気というものもつくっていく必要があるんじゃないかなというふうに思っております。 そういう意味で、私どもとしても、これからも競馬会が健全に発展していくように、いろんな角度からお互いに話し合ったり、あるいは監督をしていきたいというふうに考えております。
○山田譲君 終わります。
○菅野久光君 私、初めに大臣の方から御報告のありました日ソ漁業交渉の件について御質問申し上げたいと思います。 何はともあれ、訪ソされましたことについて本当に御苦労さまでございました。しかし大臣が行って何かいい結果を生むのではないかという期待が大きかっただけに失望もまた大変大きい。このことについては十分御認識になっていると思いますが、本当に関係者が心配していた以上の惨たんたる結果に終わったということだと思います。 漁獲の割り当て量が十五万トン、これは年間に換算すれば二十万トンとも言われますけれども、 いずれにしろ昨年の六十万トンから見れば三分の一、または四分の一にすぎないわけであります。このような状況でありますから、ことしの漁獲の実績というのはこの割り当て量をかなり下回ることになるだろうというふうに思います。 ソ連の水域は、厳しい気象条件のもとで、幾多先人が悪戦苦闘しながら、文字どおり命をかけて切り開いてきた漁場であります。北海道や東北の漁民にとって欠くことのできない重要な漁場でありまして、二百海里設定直前の五十一年には、百五十万トンの漁獲量を誇っていたその漁場が、本年をもって壊滅とは言わないまでも、事実上それに近い状態となってしまいました。私の気持ちからすれば、まさに喪服を着てこの問題を論じなければならないような心境であります。 そこで、今回の交渉の最高責任者であり、御自身も訪ソされた羽田大臣に、この交渉の結果というものを今後に生かすためにも、今回の交渉のどこに問題があったというふうにお考えになっているのか、またその見通しに甘さがなかったのか、事前の対策は十分であったかという点について率直な御見解をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) まず、委員の皆様方の御配慮をいただき私が訪ソしたわけでありまた漁民の皆さん、加工関係の皆さん方、大きな期待を寄せていただいておったわけでありますけれども、期待に十分おこたえできなかったこと、私自身も大変遺憾に存じております。 今先生からお話がありました事前の認識あるいは対策等についてでありますけれども、この点につきましては、ずっと今日までの長い交渉経過というものを踏まえながら、非常に厳しい状況にあるということについて私どもも承知しておりました。また、特に今度の新しいゴルバチョフ体制の中で、なかなか資源問題あるいは生産性ということに対して非常に厳しい何か指摘がされたようでございまして、そういったものも事前にお聞きしておりましたので、なかなか厄介だなということで、昨年の十二月から交渉に臨んでおったわけでありますけれども、その予測のとおり非常に困難なものであったというようであります。 いずれにしましても、だんだん、ずっと厳しくなってきておるという事情がありました。そういうことが言えます。そして、私どもとしまして、私が訪ソいたしましたときに先方に申し上げたことは、まず、北洋の漁業というのは我が国の伝統的なもので、しかもあそこの漁場というものを開発するために大きな役割を果たしてきたはずであるということ、それからソ連側の方のいろんな提案というものを拝見したときに、これはある一部のものについては、まさに今御指摘のような壊滅的なものになる、全滅と言ってもよろしいでしょう、そういうことになってしまう。激変緩和ということが、これはいかなる場合でもあるのであって、一つの漁法なら漁法、これは底刺し網漁を私は今指しているわけですけれども、こういったものを全滅させるようなことについては絶対にこれは困るということで、この点で特に延々と話し合ったわけでございます。 ただ、先方の方も資源の問題ということで、これは今日までもそういったことについて日本側と話してきたことであって、これについてはまさに党大会のいろんな決議とかそういったものを持ち出しまして、これは一切引くことはできないということでありました。 そういうことで、そのまず第一の問題点というのは、ソ連水域における資源保護の問題で、特に大陸棚資源の保護を図ろうとするソ連側の態度は極めてかたいものでありまして、カメンツェフ漁業大臣は今申し上げた二十七回のソ連大会でも、資源の合理的利用の問題あるいは保護の問題、こういったものが取り上げられたんだ、だからこれについては私どもとしてもみずからの漁場について一歩も下がることができないんだということ。それからムラホフスキー国家農工委議長、この方にお会いしましたときもやはり同様のことを言われておりまして、彼の表現では、我々としては、大陸棚資源を初めとして特別な高価な魚の資源が大分減っておる、こういったものを子孫に継承する我々には義務があるんだというような言い方をされながら、これについても相当厳しいことを述べておられました。 そして二つ目の問題は、これはもう従来から話されておったことでありますけれども、いわゆる日ソ間の漁獲実績、これの格差が非常に大きいということで、ソ連自身も他の国の二百海里から出なければならないという実態がございます。そういう意味でみずからの海でなるべく漁獲を上げるということと、非常にあれしておりました食糧政策の観点から水産物の供給向上を目指しておるということで、この間もちょっとどこかで申し上げましたけれども、魚をこの五年間の間に国民に十七キロから十九キロぐらい食べていただこうという実は計画をしておるのだと。いずれにしても、これから我々としては魚たんぱくというものを重視していきたいということを強く言っておりまして、そういう中にあって漁獲実績というものが今まで日本と余りにも開き過ぎるというのが、この二カ月、三カ月間あの国の中においても指摘されてきておるということで、この点についてもどうしても譲ることができないというのが実態であったわけであります。 そういうことで、私どもとしましても、この問題についてもっと粘り強くいろいろと話し合いたいということで相当しつこい話もしたのでございますけれども、しかし、このまま話しましても、この問題については絶対にもうどうにもならないのですということでありまして、他の例えばイカですとかあるいはサバですとか、そういった魚種に携わる漁民の皆さん方も出漁できないという今日の状況でありまして、このまま延引させることはその皆さん方にも悪い影響を与えてしまうというときに、つらくても苦しくてもここで決断をせざるを得ないであろうということで先ほどお話がありましたような結果になったということでございます。
○菅野久光君 私は前の委員会のときにも、大臣が訪ソされてこの膠着した状況というものを打開すべきではないかということを申し上げました。まだその時点では訪ソされるような計画はない、大臣が行って何らかの前進回答がとれるような状況が生まれれば、大臣が行ってトップ会談でそれをやるというようなことであった。今までもたびたびそういうことであったわけでありますが、これだけ長い間交渉して、それでもなお前進がないということであれば、やっぱり大臣が訪ソするということによって交渉妥結への糸口あるいは妥結への状況というものをつくり出すべきではないか、だから早期に大臣訪ソということの決意を固めていただきたい旨の質問を私はし、また意見を申し上げたわけであります。結果的には大臣が行かれて、そしていろいろ話し合ったけれども、結局、先ほどお話しのような状況になったということからいえば、私が先ほど申し上げましたが、何か本当に厳しいということはだれしもわかっていたにしても、これほどの激変、激変緩和というのはどんな場合でも考えなければならないことだということでありますが、これほど本当にひどい状況になるとは我が国の人たちは思っていなかったというふうに思うんですね。そういう点では本当に残念な結果になって、結果論ではありますけれども、もっと早くに何とかならなかったか。例えばこのような結果になるにしても、その辺の見通しなりあるいはソ連側の状況、そういうものに対する把握といいますか、そういったようなものが、ちょっとというか、大分抜かったのではないかというふうに思わざるを得ないわけであります。こういったようなことについては非常に難しいということもありますし、またこれほど急激に変わることはないであろうという期待感もあったのではないか。期待を持つということは当然であります。そういうことが強過ぎた、その結果がこのような状況を生み出したのではないかというふうに思うわけです。 今回のこういったような結果になったことによって、業界紙によれば「底刺網延縄漁船(一一〇隻)のうち、ソ連水域のみを漁場としている中型 船二三隻は全面減船、小型船八七隻も過半が減船必至」「沖合底曳一九六隻は、ベルキナ以北と三角水域の禁漁及び東樺太の着定禁止により三分の一程度が減船に追いこまれよう。」というふうに言われております。そうなれば二百海里が設定された五十二年以来の大幅減船となるわけでありますが、この点についての水産庁の見通しはどのようなことになっておりますでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(佐野宏哉君) 先生今御指摘の中型底刺し網のような場合はソ連水域にしか漁場を持っておりませんから、底はえ縄というようなことを考えるかどうかは別といたしまして、底刺し網としてはだめなものはだめということになってしまうわけでございます。それ以外のものにつきましては、日ソ双方の水域で操業できるというような事情もございまして、ソ連水域での漁獲割り当て量の魚種別組成とか、あるいは水域別の張りつけ、あるいは許可隻数枠がどうなるか、そういうことを見た上で、それをそれぞれ関係業界で調整していただいて減船隻数に翻訳していくということになるわけでございまして、現在のところ相当大きな規模になりそうだということは疑問の余地のないところでございますけれども、具体的に減船隻数についておおよその見当をつけられるという段階にはまだ至っておらない状況でございます。
○菅野久光君 大体調査はいつごろになるような見通しでしょうか。
○政府委員(佐野宏哉君) 実は先ほどもある席で北海道の関係者の皆さんと御一緒しておったのでございますが、道内でも例えば洋底船の減船問題と沿岸漁業者との間の調整をどう考えるかというようなことについて、お話を伺っておりますと、大変深刻な意見の相違があるようにお見受けいたしたところでございまして、減船のための調整の過程というのは相当容易ならざる事態であるなどいう印象を受けながらお話を伺っていたような事情でございます。私どもとしては、できるだけ早く決めていただいた方がいろんな意味で関係者の苦痛が少ないわけでございまして、急ぎたいとは思っておりますが、暦の上でめどを立てるというところまではちょっと今お答えをする用意はございませんので、お許しをいただきたいと思います。
○菅野久光君 これは減船も単純なものではなくて、日ソの漁業交渉によって当面出漁できなくなった船はおおよそわかるわけですね。しかしソ連水域へ出漁できないからといって、それをそのまま減船ということではなくて、できるだけ国内の水域の中で救済をしていくといいますか、いわゆる再編をしていくという努力の中でどれだけ吸収できるか。漁業関係を私もちょっと勉強いたしまして、魚種ごとにいろいろ難しい問題がありまして、片方がいいと言えば片方が悪いと言うような問題があるわけですけれども、しかし同じ水産に携わる者として、人の痛みを我が痛みとして最大限そこら辺のところを折り合いつけるような話し合いというものがなければ、私は全くどうにもならない状況になってくるのではないかというふうに思うんですね。 そういう意味で、この減船の問題についてはまさにこれからの日本の水産業をどうしていくかということのかかわりの中で対策を考えていかなければならない。特に小型の底刺しなんかはもうどうにもならない状況でありますし、また海で生きてきた人はやっぱり海でなければ本当のいい仕事ができないという問題があります。そういう意味では、何とか海で仕事ができるような漁業の再編というものを含めた対策というものを早急に立てていかなければならないのではないかというふうに思いますが、その辺のお考えはいかがでしょう。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 従来から漁業関係の離職者の再就職先といたしましては、漁業が大きな比重を占めておるわけでございまして、水産庁が少し前に行いました漁業労働力等実態調査がございますが、それで調べた場合にも、調査対象四百二十一名の離職者のうち二百八十名が漁業に再就職しておるという調査結果がございまして、従来から漁業が最も有望な再就職先であるということは、これは疑いのないところでございまして、今後とも、私どもとしては、そういう漁業に再就職できるようにということを十分念頭に置いて考えてまいりたいと思っております。
○菅野久光君 このような状況になって、大臣が総理に報告なさったときに総理から何か指示が出されたということが報道されておりますが、その辺についてどのような指示であったのかお知らせいただきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 先日の報告に伺いましたときの総理からの御指示というのは、こういうようになった結果によって減船が生まれてくるであろう、そういった人たちの再就職についても関係省庁と十分検討するようにということと、もう一つは、その地域というのは相当冷え込む可能性があるだろう、そういった問題についても一体何ができるのか十分検討してほしいということであります。 また、それと同時に、総理から前々から言われたことは、二百海里問題というのは定着し厳しくなってきておる、去年いろいろと林業問題で大変であったけれども、ことしは特に漁業問題について配慮してもらいたい、この二百海里が定着したことによって中長期的展望に立ってこれからの日本の漁業はどうあるべきなのか、そんな問題についても検討するようにということは、これは前から実は御指示のあったことであります。
○菅野久光君 具体的には当面、減船の問題が大きな問題の一つであります。減船については、かつては共補償ということで減船対策が進められた。しかし、今日の状況は違うと思うんですが、減船対策に当たる基本的な考え方がございましたらお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(佐野宏哉君) 今回の減船に対してどのような対策を講ずるかということにつきましては、財政当局とも御相談を始めておりますが、財政当局は当然のことながら相当大規模なことになりそうだということで、大変身構えておられますんで、こういう形の減船対策が講ぜられることになるでありましょうということを予告的に申し上げることは大変難しい次第でございますが、ただ先生御指摘のように、共補償という手法が使えない減船というのが実は昨年のカニ、ツブ、エビの場合に経験をいたしておりますので、私どもとしては、その共補償、少なくとも同一漁業種類の中で皆さん共倒れになって、お仲間のうちでは共補償ということが成り立ちがたい事態ということについては、昨年既に経験がございますので、そういう意味で先生御指摘のような事態について、私どもは十分な問題意識と経験は持っておりますということだけで、今の段階は御容赦いただきたいと思っております。
○菅野久光君 去年カニ、ツブ、エビで経験をされたということでありますが、どうも大蔵省は早くもそれこそ身構えているといいますか、このことについて防波堤を高くしているようでありまして、この辺は首相が国全体のことも考えながら指示していることに対して大蔵が抵抗する。どうも政府の内部がちぐはぐじゃないのか、私はそう思えてならないわけでありますが、その辺について大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) まあ、財政当局というのは常に財布のひもを緩めない、これは今までのあれでございます。しかし、今度まさに国際規制ということによってこんなふうに影響を受けるわけでありますから、その辺の影響というものについて十分説明すると同時に、これは内閣それぞれの立場の方々からもいろいろな力をちょうだいしながらよく財政当局を説得していきたいというふうに考えております。
○菅野久光君 私は、関係漁民あるいは団体、そういう人たちから見れば、総理がそういうふうに指示しているにもかかわらず、財政当局者のだれが言ったのかわかりませんけれども、そういうこ とを口にすること自体が許せないと思うんですよ。そんな総理の言うことも聞けないような役人であればその立場から去ってもらう、そのくらいの決意がなければ国民は納得しないんじゃないかというふうに思うんですよ。そういうことをいつも許しておく、そこに今日のいろいろな政治の上で——確かに大臣が言われるように財政当局は常にひもを固くしておかないととめどもなく出ていくというものはありますけれども、国全体が首相の指示でそういうことをやろうとしているときに、もう頭から金がないからというようなことで、財政当局者のだれかが話をする、そういうことがまた報道される。今の政治のそういうあり方といいますか、内閣自体のそういったような方針なり何なりがきちっと官僚の人たちに徹底しない、こんなことを私は許しておいちゃいけないんじゃないかというふうに思うんですよ。その辺いかがですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 先ほどの私の発言がやや不用意であって大蔵省の同僚に迷惑をかけておるわけですが、私から一言釈明をさしていただきます。 いろいろな対策を講ずる場合に、財政当局としては当然、できるだけ財政負担の少ない方法を選択するように脳漿を絞って考えるというのは、彼らの立場から見れば当然のミッションを遂行しているわけでありまして、私ども要求官庁の側から見ましても、財政支出が高ければ高いほどいいというものではございませんので、私は、その大蔵省の同僚は忠実に職務を執行しておるわけで、決して非難がましい意味で申し上げたわけでは全くございません。私どもとしても、できるだけ納税者に対する負担が少ない方法が可能である限り納税者に対する負担の少ない方法を選びたいと思うのは、財政当局だけではなくて、行政官として当然のあるべき心構えであるというふうに思っておりますので、私の先ほどの発言が何らか大蔵省に対して非難がましいインプリケーションを持っているようにお聞き取りいただいたとすればお許しをいただきたいと思います。
○菅野久光君 長官はいろいろ配慮して言われた。長官が言われたことで私は言っているんじゃないんです。既にそういうことが報道されているわけ。で、だから別に長官の言った言葉を私はとらえて言っているんじゃないんですから、その辺は誤解をしないようにしていただきたい。 大蔵当局がそういうことでもう既に防波堤を張っていることが報道関係者によって報道されているんですよ。だから私は言っているわけです。水産庁を中心にして農林水産省から、あるいは自治省とか関係のところを含めて、このくらいの金は要るぞと言って、そこのところで初めて大蔵との話が出るわけでしょう。それが出る前からそんなことをやっているんじゃ私は許せないというふうに思うんです。そして金があるとかないとかという。私はそういう論議で金がないからこの程度ですということで済む問題じゃないと思うんです。金がなければ、例えば軍艦一隻を外せばいい。軍艦がなくても生きていけるわけですが、しかし漁民の人たちは今何らかの形で救済しなければ生きていけないわけですよ。だから、そういうことは内閣全体で判断してもらわなければならないことです。農林水産省としては、今の財政状況が云々ということで、まさかこれだけの要求をこういうふうにしようなんとは思わない、少なくしようなんとは思わないだろうというふうに私は思いますけれども、その点で、今までの例なども含めて、十分な対策をぜひお願いをいたしたいというふうに思うんです。 今回の日ソ漁業交渉で特に大打撃を受けるのは根室だとか稚内ですね。根室のことが過日の新聞に出ておりました。「根室市内の底刺しはえ縄漁船は中、小型合わせて九十五隻。乗組員と家族を合わせると四千人を超える。水産加工業など関連もあり、市民の八割が漁業依存。これだけの人間に死の宣告。日本に政治はあるのか。殺到する問い合わせに」関係の団体の人が語気を荒くしてと、こういう言葉が出ている。あるいは漁業関係の社長さんの声。「三隻の小型底刺しはえ縄漁船で働いてくれた二十六人の乗組員のことを考えると、なかなか寝つけなかった。自分に言い聞かせるように、漁ができない以上、全員、解雇せざるを得ない。でも、こいつらの今後の生活補償を政府に認めさせることがおれに課せられた最後の仕事かも知れない」。こういったようなことが報ぜられて、まさに深刻な状況になっているわけです。 こんなことなどを踏まえて、特に漁業基地でもあるこういったような都市について、これらの自治体に対する財源対策などを含めた手当ての問題についてはどのようにお考えでしょうか。
○説明員(横田光雄君) 日ソ漁業交渉の妥結に伴いまして、関係地域の産業経済に対して大きな影響が与えられることが予想されているところでございますが、これにつきましては、基本的には国による財政金融政策により対応すべきものと考えております。 しかしながら、地方団体として対応すべき問題があり、それによって財政上の問題が生じてくるような場合には、当該団体の財政状況等を勘案しながら、その財政運営に重大な支障が生ずることのないよう適切に対処してまいりたいと考えております。
○菅野久光君 こういったようなことがある程度明らかになって、自治省等にその対応をお願いした段階では、ひとつ速やかに対応していただきますように心からお願いを申し上げたいというふうに思います。 昨年も交渉の遅延、それに伴う損失、そういったようなこと、あるいはカニ、ツブ、エビのように全く減船というような状況などがありまして、私もその補償の問題について幾度か委員会で質問いたしました。去年は、サケ・マス問題については幸い水温が上がらなかったために予期したよりは若干被害が少なくて済んだようでありますけれども、しかしそれにしましても、損失補償の時間がかかってどうにもならぬという問題があるわけですよ。カニ、ツブ、エビなんかはもう早くに減船ということが決まりました。それからサケ・マスなんかについては六月の実績を見て、こういったようなことがありました。だから去年の交渉の問題については、もう六月段階で損失の総額といいますか、あるいは補償しなければならない部分等についてはすべてわかったんですけれども、実際の決着についてはかなり長い間かかりました。去年、最終的に決着した時期はいつだったでしょうか。
○政府委員(佐野宏哉君) 政府として方針を決定いたしましたのは十月の末でございます。
○菅野久光君 方針決定で実際に損失額が補償された時期はいつですか。
○政府委員(佐野宏哉君) 昨年のカニ、ツブ、エビの場合には、財源が補正予算でございましたので、補正予算が成立いたしましたのは本年の二月十五日でございまして、それから成立いたしました補正予算に基づきまして交付要綱、要領等を施行いたしましたのが二月二十八日でございます。
○菅野久光君 実際には十月に決まっても補正予算ということでそれだけの遅延を見るわけです。大体一年かかるわけですね。しかしカラスの鳴かない目はあっても借りた金に利子のかからない日はないわけですよ。そういうこと等から見れば、これは緊急な問題として今後扱っていかないと大変ですね。もしもこのように時間がかかるのであれば、せめて利子補給なども含めた対策というものが必要ではないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(佐野宏哉君) 利子補給の問題は、例の国際規制関連の経営安定資金、ああいう仕組みで利子補給の制度がございますから、利子補給つきの融資が必要な場合には国際規制関連の経営安定資金で対応するということで従来やってきておったわけでございます。
○菅野久光君 命の資金で漁業者の借りている金の全体についてカバーできますか。
○政府委員(佐野宏哉君) 国際規制関連の経営安定資金というのは、あれは出漁遅延に伴います損 矢を後年度に繰り延べるという、そういうことを念頭に置いて仕組んだ制度でございますから、国際規制関連の経営安定資金の融資額が漁業者が現に抱えておる債務の額とうまく合うかどうかということは、それ自体は必ずしも保証の限りでないような制度になっておるわけであります。 それで、出漁遅延に伴います損失を後年度へ繰り延べるという目的のためにそれを念頭に置いて仕組んだ制度でございますから、純然たる負債対策が必要であるという場合にはまた負債対策の関係の制度資金を用意してございますので、そちらの方で対応していただくということになるわけであります。 それからもう一つ、私が今お答えしながら、あるいは先生の御覧回の趣旨を誤解しておったのかもしれないと思い始めたんですが、要するに減船という決断をしてから現地に減船対策の金が政府から来るまでの間も借金は借金としてたまっていくので金利がかかるという、もしその点の御懸念でございますれば、昨年のカニ、ツブ、エビの場合ですと、漁業者の抱えておる借金の主要な部分をなしております共補償関係の借金の残高については、交付金を交付する時点での残高が交付金で手当てをされるような仕掛けになっておりますから、そういう意味では共補償関係の借金が残っているということに起因する御心配は、昨年のカニ、ツブ、エビの場合であれば、交付金の仕掛けの中で手当てができるようになっておるわけであります。昨年の経験から見ますと、共補償残高の問題が手当てがついておれば、おおむね先生御指摘の問題はその中で飲み込まれておるというふうに昨年の経験からいって私どもは思っております。
○菅野久光君 いずれにしても大変な状況でありますから、できるだけの手当てをしていくということが私は大事なことだというふうに思いますし、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、なるべく減船の数を少なくするということがそういう意味では大事なことでもありますし、日本のこれからの水産をどうしていくのか、そことのかかわりの中でひとつ早急な対策を立てていただきたい。そのことを要望しておきたいというふうに思います。 いずれにしましても、アメリカとの交渉との関係もいろいろあって、全く我が方が無手勝流で戦うと言ったらあれですが、交渉するということは非常に難しい状況になってきている、そういうことではないかと思いますし、我が国は世界で一番魚を輸入する輸入大国でありますね。そういったようなことなどを含めて、実は昨年鯨のときからいろいろ動き出しまして、アメリカとの交渉がなかなかうまくいかないというようなことなどから、いわゆる漁獲規制に対抗していくための略称対抗法案、これなどもいろいろ考えて、私どもも考えましたし、またほかの団体も考えられているわけでありますが、こういったようなものを持っていることは、発動しないにこしたことはないわけでありますけれども、持っているということが今後の交渉にとって非常に有利になるのではないかというふうに思いますが、その点について大臣の見解はいかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 今のお話につきましては、私どもも先生から今お話がありましたように、業界の中でもあるいは各党の中でもいろいろと御議論なされているという話がありますし、実は私どもは、アメリカですとか、そういった国と話すときにもそういう動きもあるんですよということを話してまいりました。ただ、これはつくるだけであるからいいだろうというお話もありますけれども、まさかつくるときにそれを言うわけにはいきませんし、これは発動するんですよということを言いながらやらなきゃならぬということでありますから、これに対してどんなような向こうが対応をしてぐるかということもよく見きわめなければいけないということと、今日の日本は今いろんな経済摩擦の問題等でいろいろな問題を抱えておるということでありますから、私どもとしても、そういった問題がどんなふうに波及するのか十分見きわめていかなければいけないというふうに思っております。
○菅野久光君 それからこのように外国の二百海里の規制によってどんどん追い詰められてきている状況の中で、沿岸にとっては韓国船の問題、先日の委員会で初村委員からいろいろお話がございましたけれども、対韓二百海里の適用の問題ですね、これを何とか考えていかないと、外国からは締め出される、国内に戻ってきて、さあ、やろうと思っても、あの韓国の大きな船で、トロールでだあっと持っていかれてしまう。これじゃもう日本の漁民というのは本当にどうしたらいいかわからないような状況になるんじゃないでしょうか。私も何回もこの委員会で言っているわけですけれども、あの韓国船の大きな船で、トロールですね、あれで海底がめちゃめちゃになってしまっている。日本の豊富な漁場、豊かな漁場が荒らされてしまっている。これを少しでもとにかく早くやめさせなければ、日本の水産というものは一体どうなってしまうんだろうかというふうに心配するのは私だけではないというふうに思うんです。その辺については、いよいよソ連との関係がこうなった事態を踏まえて、対韓二百海里の問題についてはどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(佐野宏哉君) 二百海里時代の厳しさがこういう形で極めて具体的に北海道周辺の漁業者の皆さんにひしひしと感じられるこの中で、恐らく二百海里が韓国に対して適用されておらないという事態が現地の漁業者のお気持ちからいって到底容認しがたい事態であろうということは、これは私どもも率直にそうだろうと思っております。 ただ、私どもといたしまして、二百海里の問題についてどう考えるかということになりますと、二百海里を韓国に対して適用することが現存の日韓の漁業関係を律しております現行の秩序といかなる関係があるのであるか、あるいはそのことがさらに日韓関係全般に対してどういう影響を与えるものであるか、そういうことをいろいろ慎重に検討しないといけないというふうに思っておりますので、最近の我が国の漁業の置かれている状況の変化ということを踏まえまして、そのような問題とあわせて慎重に検討してまいりたいと思っております。
○菅野久光君 いつも慎重に検討、慎重に検討ということで何年も過ぎてしまうわけですね。ことしの十月で韓国との協定も切れるというような状況でありますし、幾ら韓国と水産庁とがやっても、あの違反操業あるいは無謀操業というのはもうなくならないんですよ。今までも何回もやったんですね。その都度何かそれらしい返事はあっても、実際に理場に行ってみるとそういう形にはなっていないわけです。ですから漁業者の立場からいえば、対韓二百海里というものは早急にきちっとやってもらいたい、そういうことを私は前々から申し上げているわけでありますが、これだけ対アメリカ、カナダ、そしてソ連との関係が大変厳しくなってきた段階で我が国の漁業を守るということからいえば、このことをやらずして日本の漁業を守るということになっていかないんじゃないか。さあ、いざやったときには、もう日本の漁場はめちゃめちゃになっていたということでは困るのではないでしょうか。私は強くこのことを申し上げておきたいというふうに思います。 今度の交渉の結果、出漁の時期をいつごろと予測されておりますか。
○政府委員(佐野宏哉君) 私どもはできるだけ早くと思っておりますが、ごく技術的に申し上げますと、日ソ漁業委員会の審議がすべて終わりまして、議事録を作成して、議事録の署名を行いまして、それから両国代表間で自国二百海里内で相手側の漁船に与える漁獲量とか操業水域を通報する書簡を交換いたしまして、それから許可証を発給するということになるわけでございまして、委員会の審議がすべて済んで議事録ができて書簡が交換されて、そこから数えまして恐らく一週間ぐらいはかかるだろうというふうに思っております。
○菅野久光君 条件を整えて一日も早く出漁できる態勢をとっていただきたいと思います。まだこ のことで大打撃を受ける地域には何らかの形で大臣が現地に入って、誠意を持った対応といいますか、そういうことが必要だと思いますけれども、その点についてはどのようなことになっておりますか。
○国務大臣(羽田孜君) 先日もちょっとその問題についてお答えしましたけれども、私どもといたしましても、でき得る限り状況というものを、まずともかくこういう結果になったことを十分説明申し上げるということ、そして今、現状はどんなふうになっているか私どもみずから肌で触れるということが大切であろうということで、何とか今週じゅうにでも行きたいなということで、国会の方の関係もありますが、しかしその辺を今調整してもらいながら、何とか一日も早く現地に飛んでみたいというふうに思っております。
○菅野久光君 大臣がなかなか日程がとれないようでありますが、この時期にということであれば、いろいろな国会の問題はあったとしても、我が党としてはこういう事態ですから、何とか大臣が行けるような形で協力をしたいというふうに思っております。 最後に、このこととかかわって日ソのサケ・マス交渉が大変大幅におくれてしまっている。そのこともまた五月一日の出漁期を控えて漁民は心配しているわけであります。新聞なんかでは、四月二十六日ごろにソ連としては交渉に入りたいようなことを言われておるようでありますが、今の段階の見通しあるいは交渉に臨む決意、それを一言お願いをいたしたいと思います。
○政府委員(佐野宏哉君) 元来は、サケ・マス問題を審議いたします日ソ漁業合同委員会は二月三日からということであったわけでございますが、日ソ漁業委員会がこういう調子なものでございますので、大変延び延びになっておりまして、関係の漁業者の皆さんには御心配をかけて恐縮に思っておるところでございます。ソ連側の意向は、先ほどちょっと先生お触れになりましたように二十六日からというふうに載っておりますが、羽田大臣からカメンツェフ大臣に対して、漁期も迫っていることであるからそんなことを言わずにもっと早くやろうということを話していただいておりますが、現在のところまだソ連側から特段の反応はございません。日ソ漁業合同委員会が開かれることになりますれば、私どもとしては、我が国のサケ・マス漁業の重要性を十分に念頭に置いてその安定的な継続のために最善を尽くしてまいりたいと考えております。
○菅野久光君 大臣も近々現地に行かれるようでありますから、現地の声をひとつ肌で聞いて、十分になるかどうかは別にしても、誠意を持ってこの対策に当たられるように心からお願いをして、水産、日ソ関係の問題については終わりたいと思います。 次に、時間が余りありませんのではしょってお伺いをいたします。 今提案になっております農業改良資金助成法にかかわる問題でありますが、市場開放だとかあるいは円高・ドル安など、我が国を取り巻く農業情勢は本当に厳しいわけであります。こうした中で農業所得が伸び悩んで、若い農業の担い手というのは減少の一途にあります。農産物の消費は停滞する、ほとんどすべての農産物は何か過剰基調のような形になっております。そのことによって生産調整に追い込まれております。構造改善による農業の生産性の向上だとか体質の強化もさっぱり進んでいないのが現実ではないかというふうに思います。 昭和六十一年度の農林水産省の予算を見ますと、一般歳出の中でどうにか今までは一〇%台を維持してきたわけでありますが、ことしはそれを割ってしまいました。さらに前年度に比べ四・八%減の三兆一千四百億円で、四年連続の減少となってしまいました。これに対して防衛予算は突出して三兆三千四百億円と農林水産予算を上回って、ついに逆転をしてしまいました。これは大変大きな問題だというふうに私は考えております。法案の審査に入る前に、農政の最高責任者である大臣はこのような事態をどう考えられておるか、また今後どのように対処されるおつもりか、簡潔にひとつお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 現下の大変厳しい財政事情ということで、ただいま御指摘がありましたように、一般歳出に占める割合も一〇%を割ったというのが現状であり、また防衛費を下回ってしまっておるというのも現状であるということは、これはもう率直に認めざるを得ません。ただ、内容につきましては、国営の土地改良の事業費そのものをふやすための工夫をするとか、あるいは生物系の特定産業技術研究推進機構、こういったものの設立をしてバイオテクノロジー等をこれから発展さしていこう、また自主的な創意工夫を生かしてということで今御審議をいただいております農業改良資金制度、こういったものの拡充を行うこと、あるいは森林・林業、木材産業回復のための五カ年計画というものをつくり上げたということ、またマリノフォーラム21を通じて漁業新技術の開発などによって我が国の周辺水域を振興していこうという施策を打ち出したこと、非常に厳しい中でもこのときに今要請されておる一つの方向を示し得たということだけは申し上げることができると思います。
○菅野久光君 時間がございませんので、次の問題をお聞きしたいと思います。今回提出された法案によりますと、日本中央競馬会から昭和六十一、六十二年度の二年間に限って百五十億円ずつ計三百億円を納付させて農業改良資金の財源に充てようとしております。しかし本制度の資金は臨時的、短期的なものではなくて恒常的かつ長期的に必要とされるものだというふうに思うんです。そういう意味では六十三年度以降はいかにして財源を確保するのか、その点をひとつ明らかにしていただきたい。
○政府委員(関谷俊作君) この改良資金の財源としましては、新規の場合には従来返ってまいります農家の償還金も新しい財源に回るわけでございますが、その点を見込みながら六十三年度以降の財源についても取り組まなければいけないと考えておりまして、現在程度の貸付枠を続けてまいりますと、六十三年度以降については従来の、今回お願いしておりますような措置とは別に、基本的には一般会計と申しますか、そういう面での財源について相当の努力をしなければいけない、かように考えております。
○菅野久光君 全く臨時的な措置ということで六十一、六十二年度は百五十億ずつ中央競馬会から納付させて、六十三年度以降は相当努力をしなきゃならぬということで、何かそういうことで政策の一貫性というものが保たれるのかどうなのか、ちょっと私は心配するわけであります。それはそれで、次の六十三年度以降相当な努力をしなきゃならぬということで、今からもうその努力が始まらなきゃならないんじゃないかなというふうに思います。 そこで、中央競馬会に関して理事長さんにお伺いいたしますが、中央競馬会の売得金について今後の見通しをちょっとお伺いいたしたいというふうに思います。
○参考人(澤邉守君) 今後の売得金、売り上げの見通してございますが、中央競馬事業につきましては、昨年は前年を、五十九年を九%ばかり売り上げにおいて上回るという、おかげさまで大変好調な業績でございました。ことしも、今までのところ、昨年非常に伸びたのにさらに六%ぐらい上回った売り上げになっております。そういうことで、今までのところは順調に来ておりますが、三年ぐらい前はほぼ横ばいで二、三年経過したこともございますし、競馬という特殊なファンの好みが変わる面が非常に強い事業でございますので、その意味では大変不安定な要素を持っておると思いますので、将来どうなるかということを的確に見通すことはなかなかできませんけれども、レジャー産業全体が非常に伸びるとは思いますけれども、その中で公営競技は、私ども以外の他の公営競技は非常に今お困りになっておる、業績が伸びなくてお困りになっておるということからもわか りますように、なかなか厳しい情勢にある。他の公営競技も今事業の立て直しについて非常に御努力なさって、もう既に成果が上がっているところもございますが、そういう情勢でございますので、私どもの方も現在の好調を将来まで引き延ばして楽観するのは非常に禁物ではないかというように考えております。そのためには、厳しい競争の中で生き延びていくといいますか、安定的な成長を図っていきますためには、必要な投資はもっとやらなきゃいかぬだろう。 そういう点からいたしますと、私どものスタンドなり、あるいは場外の売り場は非常に混雑して環境も余りよくございませんので、そういうところのグレードアップといいますか、施設の改善、快適な施設にする。例えば冬の寒風吹きさらす中でスタンドで一日じゅう座って観戦をしてほしいというのもなかなか無理な話でございまして、冷暖房完備というのも、全面的ではないにしろ、やっていかないとお客さんが集まらなくなるというような問題もございます。そういうようなことについて、積極的な施設・設備投資ということは今後相当大事なことではないか。そういうことのほか、何と申しましても、公正でしかしおもしろいレースを展開するということ、これは私どもじゃなくして馬主さんなり調教師さん、騎手、関係者全員、全部が努力しなきゃいかぬことだと思いますけれども、そういうこと等によりまして安定的な成長を図っていきたい。そういう中で、国庫に対しても、今後第一納付金、第二納付金を通じて寄与してまいりたいと、かように考えております。
○菅野久光君 今回百五十億円ずつ二年間三百億円、これを農業改良資金助成法による貸付金に拠出をしていただくということは、これは農業者にとっては大変ありがたいことだというふうに思うんですね。何か農林水産省とあうんの呼吸のような形でこの額が決まったやに聞いておりますけれども、余りこういうことに本当は依拠しないで、一般予算の中できちっと資金が獲得されることが一番いいことでありますけれども、今の状況としてはやむを得ないことなんだなというふうに私も思わざるを得ません。 それにしましても、金を生み出す軽種馬の問題が今大変な状況になっておるわけですね。この資金助成法では、直接的には軽種馬の問題については金は出されないことになっているわけですね。これは畜産局長の方にもお願いしたいわけでありますが、私も北海道で軽種馬の産地日高を抱えておりますので、金を生み出す軽種馬の方たちに対する手厚い今後政策というものを特に私は望んでおきたいというふうに思います。 それにしましても、今年度の畜産物の生産価格は予想されたように本当に厳しいものになりまして、酪農家が多額の負債に苦しんでいるときにこのような価格の引き下げは経営に大きな打撃を与えることになる。これは畜産物価格の審議のときにも私は申し上げましたが、畜産農家のこの負債対策について、農林水産省の方でいうと、何というんでしょうか、一般的な二兼農家だとかなんとか、そういうことも全部ひっくるめた中で、農家経済は上向きになっていると、畜産局長は審議のときに何かそのような趣旨の答弁をされましたけれども、決してそんな状況でないわけでありますから、そんなことを言っていたのでは納得させるなんということにはなりませんから、もう少し現実をきちっと調査して、この負債対策の問題について納得できるようにこれからの施策をやってもらいたいというふうに思いますが、この点についていかがでしょう。
○政府委員(大坪敏男君) 酪農家に対します負債対策といたしましては、五十六年から五カ年計画で酪農経営負債整理資金というものをつくりまして実施してまいったわけでございます。内容的には毎年償還困難な借入金を長期低利のものに借りかえさせるということとあわせまして、関係諸団体が関係農家に対して濃密な経営指導を行う、そういう対応でやってまいっておるわけでございますが、私どもはいろいろデータを見る限りでは経営の改善が進んでおるというふうに見受けられるわけでございまして、特に北海道について見ますと、資金を借り受けました農家一戸当たりの平均農業所得あるいは経産牛一頭当たりの乳量等は逐年増加しておりますし、かつまた経産牛一頭当たりの負債額は逐年減少しておるということでございまして、私どもはいろいろなデータを見る限りでは相当の効果を上げてきているというふうに見ているわけでございます。 なお、六十年度におきまして本対策は幕を閉じたわけでございますが、六十年度は最終年次といたしまして、単に六十年度の償還分の中での不能のものについてを借りかえさせるだけでなくて、六十五年度までに償還期限が達するものの中から償還風難と認められるものにつきましても、内容を吟味の上、六十年度中に一括して借りかえ措置を講ずるという措置を講じたところでございます。
○菅野久光君 終わります。
○委員長(成相善十君) 本案に対する質疑は、午前はこの程度とし、午後二時まで休憩いたします。 午後零時二十七分休憩 —————・————— 午後二時一分開会
○委員長(成相善十君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、農業改良資金助成法による貸付金等の財源に充てるための日本中央競馬会の国庫納付金の納付等に関する臨時措置法案の質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○塩出啓典君 きょうは農業改良資金助成法による貸付金等の財源云々の法案について質問をいたしますが、その前に、先般の日ソ漁業交渉の点について一言お尋ねをしたいと思います。 去る十一日にモスクワにおいて二百海里内の漁獲量をめぐっての交渉が妥結したわけであります。その内容は新聞等で拝見したわけですが、日本国内においてはどの程度の影響が出るものなのか。新聞等では百五十隻ぐらい減船をしなければならないとか、こういうような報道もされておるわけでありますが、どの程度の影響が出るのか、それに対する対策はどうなのか、この二点についてお尋ねをいたします。
○政府委員(佐野宏哉君) お答えいたします。 現在までのところ決まっておりますのは、操業水域、それから漁具、漁法に関する部分と、それから総漁獲量、以上でございます。したがいまして、その範囲で、沿海州水域のベルキナ岬以北が禁漁区になりますとか、あるいは千島列島太平洋側の第二区と言っております操業水域がございますが、その操業水域の中でちょうど国後島周辺のところが禁漁区になるとか、そういうことが決まっておるという段階でありまして、十五万トンの漁獲量が魚種別にいかなるものになり、どの水域に割りつけられて、それぞれ漁法別にどういうふうに配分されるかということはまだ決まっておりません。 したがいまして、そういう段階で正確にどの程度減船が出るかということにつきまして、正確な数字はもちろん、おおよその見当を申し上げることも大変難しいのでございますが、底刺し網の中で中型の底刺し網、これが二十隻台、二十何隻という数字でございますが、これはソ連水域でしか操業水域がございませんので、これは操業水域が完全になくなってしまうという意味では底刺し網はやめなきゃいけないということになります。それ以外の小型の底刺し網、百隻見当でございますが、これにつきましては、ソ連の二百海里水域の中で底刺し網をするという可能性は全くなくなったわけでございますが、日本水域、日本の二百海里水域の中でも操業することが許されておる漁船でございますから、これがどの程度減船することになるかというのは、Uターンをした場合の日本の二百海里水域の中でのいわゆる漁業調整上の問題がございますので、関係者の皆さんの御相談が進 まないとちょっと見当がつきにくいところでございますが、いずれにいたしましても、底刺し網が密集をしております根室周辺というのは一つの重大な影響を受ける地域であるというふうに考えております。 〔委員長退席、理事北修二君着席〕 それから、底びきの方につきましては、稚内周辺の底びき漁船は沿海州水域での漁場を完全に失いますから、かつ東樺太の水域で着底トロールが禁止されますので、これまた非常に重大な影響を受ける領域であります。ただ沖合底びき漁船は、これも日本の二百海里水域の中で操業することが許されておりますので、現実にどの程度減船することになるかということは、これまた関係者の御棚談を通じてしか決まってまいりませんので、今の段階では予想しにくいところでございます。 ちょっと言いわけめきまますが、沖合底びきについてどの程度減船をするべきであるかということにつきましては、当該沖合底ひきの漁業者と沖合底びき漁船がUターンしてきた場合の影響を憂慮しておられる沿岸漁業者等の御意見の中では相当重大な懸隔があるように見受けられますので、ちょっと関係者の御相談の成り行きを見ないうちは予断にわたることは差し控えさしていただきたいと思います。 それから減船漁業者に対しましては当然何らかの対策が必要になると考えておりますが、減船漁業者を救済するために講ずべき対策につきましては、ただいま財政当局と相談を始めたところでございますので、今の段階で具体的な姿を描いてお答えすることはできませんが、適切に対処する所存でおります。
○塩出啓典君 そういう点は現実を踏まえて納得のいく対応策をよろしくお願いしたいと思います。 そこで、二百海里時代を迎えて、各国とも主権を主張するために、日本は各国において二百海里の水域内から排除されてきておる、こういうような方向にあると言われておるわけでありますが、現実問題として現状はどうなのか。 我々としては、そういう時代に備えて、我が国の二百海里、我が国は周りが海に囲まれているわけでありまして、そういう海をもっと活用して、二百海里内における新しい漁業資源の開発とか、そういう点にもっと力を入れて、またある意味では養殖とか、つくる漁業ということが言われてきているわけですけれども、こういう点についてはどのように考えているのか、これをお伺いしたいと思います。
○政府委員(佐野宏哉君) まず、前段のお尋ねの件でございますが、日本にとりまして外国の二百海里水域内の重要な漁場と申しますと、ソ連の二百海里とアメリカの二百海里でございますが、ソ連につきましては、ただいま先生からお話ございましたように、ソ連の二百海里水域の中での我が国の漁船の操業というのは大幅に縮小せざるを得ないような小憩に立ち至っておるわけであります。 一方、アメリカの二百海里水域におきましては、一昨年までは百万トンの大台を超える漁獲割り当てを得ておったわけでございますけれども、昨年初めて百万トンの大台を切りまして九十万トンということになりました。本年は今のところの見通しては五十万トン見当、それを幾ら超えられるか、超えられてもたかのしれたものではないかという見通してございますから、一昨年までの水準に比べますと半分ということになるわけであります。アメリカの二百海里水域の中ではアメリカの国内漁業の発展が年ごとに着実に進んでおりますから、そういう意味では外国の漁船にとらせることのできる許容漁獲量のゆとりというのは明年以降もさらに減り続けるということが予想されるわけであります。 アメリカ、ソ連以外の漁場についてはこれは事情は区々でございまして、一生懸命いろんな手だてを講ずることによって最近でもツバルとの間に入漁協定が締結されまして、日本のカツオ、マグロ漁船が新しく入漁できることになったわけでございますが、そういうことがときどきは起こります。ときどきは起こりますが、全体として我が国の外国二百海里水域内における漁業ということを全体として眺めて申しますと、アメリカ水域とソ連水域での縮小傾向ということを覆し得るような事態はちょっとほかの水域では起こりがたいというふうに思っております。 そういう事情でございますから、先生御指摘のとおり、今後の我が国の水産業の前途を考えますれば、当然我が国の二百海里水域内の漁業振興ということにつきまして、従来から私ども努力をしてまいったつもりではございますが、今後一層力を尽くしてまいらなければならないと考えておる次第でございます。
○塩出啓典君 それでは、次に法案の質問をいたしたいと思います。 今回は日本競馬会から特別国庫納付金を農水省の農業経営基盤強化措置特別会計へ農業改良資金の財源として移す、こういうような内容のようでありますが、私の記憶するところでは、過去において日本競馬会は二回にわたって特別国庫納付金を納めておる。そのときには一般会計に納付したように思うわけでありますが、今回は一般会計ではなくて用途をはっきり決めた特別会計に入れたわけであります。しかし趣旨は前回も今も、要は国の財政の厳しさに対して競馬会の方からお手伝いを願うという点では余り変更はないと思うのですけれども、今回はなぜこういうように変わったのか、またそうしなければならない必然的な理由はどういう点にあったのか、そういう点をお尋ねしたいんです。どうでしょうか。
○政府委員(大坪敏男君) ただいま先生御指摘のように、昭和五十六年度及び五十八年度におきましては、中央競馬会は専売公社あるいは電電公社等と並びまして、特別の国庫納付をいたしたわけでございますが、そのときの理由といたしましては、当時の国の財政収支が極めて不均衡な状況にあったということから、当面の財政運営に必要な財源の確保に協力するという視点から納付したわけでございまして、それぞれ特別立法措置が行われまして、これに基づきまして一般会計に納付されたということでございます。 ところで、今回御審議をいただいておりまする中央競馬会の特別国庫納付金についてでございますが、朝方から御審議が行われておりますように、農業改良資金の拡充強化を図ることは農政上非常に緊要な課題となっておる。ところが財源につきましては、厳しい財政事情のもとでは一般会計だけでは不十分でございまして、何らかの特別の手当てが必要である。 〔理事北修二君退席、委員長着席〕 ところで、改良資金の中をよく見ますと、畜産振興資金の拡充が中心となっておるということがございます。中央競馬会は畜産振興に寄与することを旨とする団体でもありまして、中央競馬会におかれましても、畜産振興を主たる内容とする農業改良資金の財源確保という点につきましては、三百億という程度であれば業務に支障がないという意味から理解を示されたという、そういう経緯もあったわけでございまして、そういうことから臨時特例的な措置としてではございますが、用途を特定し、一般会計でございませんで、特別会計の方へ直接納付していただくというふうな構成をとった次第でございます。
○塩出啓典君 そうしますと、例えば今までと同じように一たん一般会計に入れて、それでまた一般会計から特別会計に移す。これは今までも特別会計にずっと毎年移してきているわけでしょう。そうしてもよかったんじゃないか、その方が連続性があるんじゃないか。そういう点はどうなんですか。
○政府委員(大坪敏男君) 確かに先生御指摘のような方法もあろうかと思うわけでございますが、私どもの立場から申し上げますと、直接特別会計に入れていただいた方が、確実性を持って私ども事業実施していくという視点から見れば、一般会計へ入れるのでなく直接特別会計に入れた方が私どもとしては望ましい、かように考えておる次第 でございます。
○塩出啓典君 農水省としては、一般会計へ入れたのはいいけれども、こっちへ来る予定がよそへ行ったんでは困るわけだから、そういう点ではひもをつけておけば一応心配ないわけですね。そういう点、大蔵省の方はどういうお考えなんでしょうか。
○政府委員(大坪敏男君) ただいまの点につきましては、財政当局ともいろいろ論議したわけでございますが、おおむね以上の線で合意に達したということでこういった形をとった次第でございます。
○塩出啓典君 そこで、今回この百五十億、あるいは二年続けて三百億、それが特別会計に入って、特に畜産振興、確かに競馬会の資金が畜産振興に使われるということはそれなりの必然性はあると思います。今回、百五十億プラスした分は、六十一年度予算で百五十億ふえたわけですね、それは畜産振興にはどの程度使われるのか、どういう用途になっていますか。
○政府委員(大坪敏男君) 今回の改良資金の新規財源の状況でございますが、国庫負担額で見ますると百九十億になっているわけでございまして、この百九十億の中の百五十億が中央競馬会からの特別国庫納付金でございますし、差額の四十億は一般会計の繰り入れということになるわけでございますが、その全体としての百九十億の国庫負担のうち、畜産振興資金につきまして百二十億ということでございまして、これを貸付枠にいたしますと百八十億ということになるわけでございまして、これは前年度に対比いたしまして倍増ということになっております。
○塩出啓典君 私がいただいた資料では、国庫負担が百九十億で、そのうち百五十億は競馬会、四十億は国から出ている。前年度は幾らだったんですか、対前年度はどうなりますか。
○政府委員(関谷俊作君) 前年度は中央競馬会納付金はございませんで、一般会計から特別会計への繰り入れが百億円あったわけでございます。
○塩出啓典君 そうしますと、今まで百億だったのが百九十億になったわけですから、九十億ふえたわけですね、結局。百億だったものが四十億ですから、六十億は国の一般会計から出るのを削減したことになる。だから九十億は増額したけれども六十億一般会計の歳出をカットしたと、こういう結果になるわけですね。
○政府委員(関谷俊作君) その計算だけからすれば、確かに塩出先生のおっしゃるとおりになるわけでございます。ただ、来年度、今畜産局長からお答えがありましたように、百九十億円を投入して貸付枠を拡大するということは、こういうことができました中には、中央競馬会から百五十億円いただけるということで、資金枠の拡充ができたという相互依存の関係にあるわけでございまして、もし中央競馬会からいただけなかったといたしますと、なかなかこれだけの貸付枠の伸びとか内容的な資金のいろいろな拡充、新設等もできない、こういう面も確かにあるわけでございますので、百億と四十億との比較ではそのとおりでございますけれども、全体として考えるならば、この納付金のおかげで改良資金が非常に拡充されたと、こういうふうなことでございます。
○塩出啓典君 私は、こういう財政の厳しいときですから、中央競馬会から応援をしていただいて、できるだけ歳出をカットするという方向は、決して悪いことじゃないと思うわけです。ただ、今回そういう中央競馬会のお金を畜産振興という名目で特別会計にちゃんとひもつきで入れるというのであるけれども、それなりにそのお金が本当にその畜産振興のために増額になったかといえば、結局そうではない。大半は赤字を埋めるのに使われている。そういう意味で、本来から言えば、もし中央競馬会から特別納付金をいただくならば一般会計に受け入れるのが筋である、そういうことを主張しておきたいと思います。これは今までも論議になった問題ですし、これ以上追及する考えはございません。 そうしますと結局、百五十億ずつ二年間続くわけですけれども、三年以後はこの財源がなくなるわけです。その場合、この特別会計の歳入はどうなるのか、畜産振興の予算はどのようになるのか。この点はどうでしょうか。
○政府委員(関谷俊作君) 昭和六十三年度以降の問題でございます。これにつきましては、一つは、六十三年度以降どのくらいの新規貸付枠を設定するかということがございます。今、当面いろいろな情勢から六十一年度で五百九十七億円という六百億円にほぼ近い貸付枠を計上しておりますが、こういう規模でいくか、あるいはもう少し少なくてもいいかとか、いろいろな貸付枠の規模、それから農家からの償還金をまた新規貸し付けに回しますので、その状況等を勘案しますと、それによって初めて国費からの所要額が決まってくるわけでございます。しかし、全体として見ますならば、六十三年度以降はこの中央競馬会の納付金というようなことはないわけでございますので、従来どおり一般会計からこの特別会計への繰り入れということについて財源確保という面で農林水産予算の中で十分配慮しなければならない、こういう状況になるというふうに考えております。
○塩出啓典君 いわゆる農業改良資金でございますが、これの貸付枠とそれから貸し付けの実績、これが非常に枠を消化していない。こういうことは当委員会でも指摘があったわけでありますが、今回この農業改良資金の貸付枠がふえる、貸し付ける枠を消化もしていないのに枠だけふやすというのは、これは政策的にはちょっと矛盾しておるのじゃないか、そういう感じがするんですが、これはどういうようにお考えですか。
○政府委員(関谷俊作君) 昭和五十七年、五十八年、五十九年度、この辺の実績について、各年三百五十億円の貸付枠のところ、実績は二百五十億円前後というような、それをかなり下回る結果に。なっております。これにつきましてはいろいろな原因があるわけでございますが、六十年度以降の問題としまして考えますと、従来ございました当時の資金の種類のほかに、新しく資金の種類を設定して貸し付けの需要に応じよう、こういうことが六十年度以降のこの制度の主眼になったわけでございます。したがいまして、六十年度におきましては、畜産振興資金、果樹栽培合理化資金、それから養蚕、野菜、そういう部門別の生産方式改善資金を導入しまして、全体的に新規の枠、資金種類について貸付枠を拡大するということを主眼としまして、六十年度に四百六十億円、六十一年度にはさらに資金種類、あるいは従来ございます畜産、野菜等の資金の内容の拡充ということで、制度的にこの制度の枠というか対象資金を広げまして、それによって新しい需要に応じていこう、こういうことで貸付枠の拡大を図ったわけでございます。 なお、五十九年度以前の問題としましては、御承知のように、この段階では各県段階で資金が回転しておりましたので、率直に申しまして、県によってはいわゆる死に枠というか、資金はあるんだけれどもどうも資金の方が実態的に多過ぎるということがございましたので、そういう面での枠を余すということもあったわけでございます。これにつきましては、六十年度から一応国による資金調整をすることにいたしましたので、この点の是正は図られると思いまして、できる限りある資金を有効に活用していくという画についても改善を図っておるところでございます。
○塩出啓典君 次に中央競馬会にお尋ねをいたします。 今回、特別積立金の中から二年間にわたって百五十億の特別国庫納付金を納入していただくわけですが、今までの約四千億の特別積立金というものはどういう形であるのか、これをお尋ねいたします。
○参考人(澤邉守君) お尋ねの趣旨は、特別積立金が六十年末で三千九百四十八億円に達しておりますが、それがどういう内容になっておるのかという趣旨のお尋ねかと思いますが、三千九百四十八億円のうち大部分は、競馬開催に必要な競馬場とか、あるいは調教をやっておりますトレーニン グセンターのスタンドとか、その他の施設あるいは場外の売り場の施設、馬場施設、馬房のあります厩舎の施設とかその他いろいろな建物、設備、それから土地等の固定資産になっておるわけでございまして、既に六十年末で固定資産化されておりますのが三千九百四十八億のうち二千九百五十七億。したがいまして、まず四分の三ぐらいが固定資産化されておる。残りが預金でございますとか、あるいは短期の有価証券等の流動資産、これが九百九十一億円になっておるわけでございます。その流動資産の中には、六十年度の事業で六十一年度に繰り越しました設備投資等の工事費で近く支出する予定のものがございますので、これは間もなく固定資産になるわけでございますから、この分を九百九十一億円から差し引きますと九百五億円になります。それからまた固定資産は、貸借対照表上、二千九百五十七億円の固定資産の中に長期の有価証券が入っておりますが、その中で流動可能なものもございまして、それが四百七十四億円ございます。九百五億円と四百七十四億円を加えました一千三百七十九億円、特別積立金の中で流動的な資産といいますか、固定資産の中で流動可能なものも含めまして考えますと、実質的な流動的な資産として一千三百七十九億円になる、こういう内容になっております。
○塩出啓典君 たしか一番最初に、昭和五十六年ですか、国庫納付金を特別に納付するあのときには、大蔵大臣が、こういうことは臨時の措置であって来年からは今後こういうことはない、こういうように言っていたと思うんでありますが、それがまたありましたですね。そのときもたしかそういうような答弁だったようでありますが、また今回こういうことになったわけであります。法案は大蔵委員会と農林水産委員会の違いはありましたけれども、中央競馬会としては、政府からこういうお話のときには、また今後も少したまったらまたもらうよ、そういうような話でやったのか、それとも今回限りでこういうことは軽々しくそう再々あるものではないというような話でやったのか。中央競馬会はどのような受けとめ方をされておりますか。
○参考人(澤邉守君) 前回百八十四億と二百二十億ですか、二回にわたって一般会計に納付したわけでございますが、そのときの経過として、また余裕があれば納付してもらうぞというような話は私はなかったと聞いております。 特別積立金の性格なり目的なりは、私どもとしては、それなりに必要があって積み立てておるものであって、不測の事態に対しまして備える、準備するという意味と、今後の設備投資に充てる準備金であるということを大きな目的として保有しているものでございます。また私どもの競馬会の経営努力ももちろんございますけれども、そのほか馬主、調教師、騎手、厩務員その他のいわゆる競馬サークルの方々がそれぞれ努力して強い馬を育て、立派な充実した興味のあるレースをやることによって利益を生んだということがございますので、その利益は、関係者の間では競馬の円滑な運営なり、あるいは今後の一層の発展のために使われるべきものであるという期待感を持っておりますので、私どもといたしましては、第一納付金、第二納付金の恒久的な制度によって国の財政に寄与する、六十年度におきましては千九百七十二億ばかりの納付を両納付金で行っておるわけでございますが、そういうルールに従って今後とも寄与していくということは大事なことだと思いますけれども、それ以上にということが恒久化することについては適当ではないというふうに私どもは考えております。
○塩出啓典君 こういう形で国がときどき納付金を納めさせるということは、ある意味で言えば、一生懸命経営努力してやっても全部取られちゃうんじゃないか、そういうことにもなりかねないんじゃないか。本来から言えば、現在七五%ですか、いわゆる賞金へのバックをふやすとか、あるいはこういうような国家財政のときに、例えばある期間、起源を決めて、五年なら五年間は第一、第二の国庫納付金の率をアップしてお願いするとか、そういうようにした方がすっきりするんじゃないか。これを不定期的に思いついたようにこういうようにするのは中央競馬会の健全な発展のためにもよろしくないんじゃないか。その点農水省としてはどのようにお考えですか。
○政府委員(大坪敏男君) 現在、中央競馬会法に基づきましては、第一国庫納付金は売り上げの一〇%、さらに剰余金が出た場合その二分の一が第二国庫納付金ということで、年間千数百億円の国庫納付金を納付していただいているわけでございますが、何と申しましても、ここ最近は、先ほど中央競馬会の理事長も御答弁されておりましたけれども、他の公営競技が停滞ないし減少の中で独歩高的にふえておる実態があるわけでございますが、こういった状況が今後果たして続くかどうかにつきましては、不確定な要素も多うございますし、よほどの経営努力を要するのではなかろうかと思うわけでございます。競馬が今後定着して国民へのサービスを提供していくためには、それなりのおもしろいゲームを提供するとか環境、施設の整備をするとか、そういった面での投資も要るわけでございますので、余りここで一〇%なり二分の一の率を上げることは、逆にそういった意味での経営的な努力の芽を摘むということになりかねませんし、結果的には逆に納付額自体を減少させるということもあり得るわけでございますので、現状の中では、私どもといたしましては、現行の一〇%あるいは二分の一という数字は妥当なものというふうに考えておる次第でございます。
○塩出啓典君 それでは次に、今後の設備投資計画とか、そういう臨時の支出に備える準備とか、そういう点については今回程度の納付金では支障がないのかどうか。これは中央競馬会にお尋ねします。 もう一つは、今申しましたように、関係者の士気に及ぼす影響というか、国家財政に寄与して非常に生きがいを感じていらっしゃるのか、それとも一生懸命頑張っても取られて非常に困るじゃないかという気持ちであるのか。そうなることを私は心配しておるわけですが、その点はどうですか。
○参考人(澤邉守君) 今後二カ年間にわたりまして三百億の特別納付をすることが私どもの運営に全く影響ないかということになりますれば、もちろんそれは影響がないとは言えないわけでございます。しかし、幸いにして、最近二年ばかり業績が比較的好調になっておりますので利益も上がっております。そういうことからいたしまして、将来につきましては、いろいろ不安定な要素は予見されますけれども、私どもさらに一層経営努力をいたしますれば、大きな支障はなく対処できるのではないかということを考えまして、六十一年、六十二年度限りの特別措置ということで御協力をさせていただくということにしたわけであります。その意味では不測の事態に対します準備と、それからまた今後の積極的な設備投資という点から考えましても、特段の支障はなく、何とかしのげるのではないかというふうに考えております。 士気の点につきましては、確かにそういう声は内外にございます、率直に申し上げまして。しかし、私どもの政府機関としての立場からいたしますれば、可能な範囲内において政府に御協力を申し上げるというのは当然のことだと思いますし、また農政上の特別に緊急な要請であり、二カ年間の特別措置であるというようなことから私ども考えたわけでございます。しかし、私ども内部はもちろんでございますが、競馬サークル全体の中にも、先ほど先生おっしゃったように、そのくらい納付する余裕があるならば、国庫納付率一〇%を改めるとか、あるいはもっと競馬サークルの中に還元すべきである、賞金を上げるべきであるとか、あるいは厩務員の給与をもっと上げるべきである、そういういろいろな声も全くなくはないわけでございます。しかし、ただいまの農政上の緊急の要請なり、あるいはこれにこたえることによります我が方の運営に対する影響という点をよく説明いたしまして、今回限りということであるな らばということで関係者の了解も得ておるところでございます。
○塩出啓典君 それから私のおります広島にも場外馬券所が設置されました。できるまでには地元の方の大変な反対もあったようでありますが、話し合いで設置され、以後、関係者も地域住民に対しては大変気を使って、トラブルもなしにうまくいっているように聞いております。 六十年度は二カ所場外馬券所を新設するとのことですが、今競艇とか競輪とか大変売り上げがダウンしている中で中央競馬会が売り上げを伸ばしてきているということは、場外馬券所の設置等の影響があるんじゃないか。その点はどうなのか。 今後、場外馬券所を幾らもふやすわけにはいかないし、今後の計画はどうなのか。中央競馬会の売り上げも、これだけが伸びるということはそう楽観できないんじゃないか。いずれ売り上げについても変化は出てくる、伸びがとまるということも当然あるんじゃないか。そういうふうに思うわけですが、その点のお考えはどうなんでしょうか。
○参考人(澤邉守君) 私どもの現在の売り上げ、昨年は一兆六千四百八十億でございますが、そのうちで場外が七七%でございます。昭和五十年前後は確か五〇%前後でございましたので、かなり場外のウエートが上がってきておる。これはレジャーが多様化する中で、いろいろのレジャーを同時に同じ日に楽しみたいというようなこともございまして、わざわざ競馬場までは赴かないけれども近所で買ってまたゴルフに行くとかいうような、そういう楽しみ方が一般的になってきているせいではないかなというふうに思います。また場外で投票券を買う場合も、従来はテレビも全く入っておりませんでしたけれども、最近は、一般のテレビではございませんが、私どもの映像情報サービスも完備いたしまして、場外においてレースの実況が見られるとか、あるいは下見所での馬の状態が見られるとかというようないろんなデータを映像によってサービスいたしております。それは競馬場まで行かなくてもかなり満足して観戦できるということの影響ではないかというふうに思っておりますが、そういうような状況になっておりまして、逆に場内への入場者がやや微減傾向をたどっておるというのを逆に心配するくらい、場外の方が伸びておるということでございます。 しかし、全体として安定的に売り上げを伸ばしていきますためには、場内への回帰も図らなければいけませんが、場外も一層伸ばしていきたい。一層といいましても、そう極端に至るところにつくるというのじゃなしに、地域調整もでき、また他の公営競技にもそれほど打撃を与えないというようなところを中心にして徐々にふやしていきたいというふうに考えておるわけでございます。 六十年度は山梨県の石和と立川に二カ所つくりました。その前の都市のお話でございますと、広島は中央競馬にほとんど縁がなかったところの場外の売り場としてはテストケースでございまして、つくるまではいろいろございましたけれども、御協力をいただきましてうまくいっておるところでございます。 今後の計画でございますが、私どもはそういうファンの現にいてしかも中央競馬の勝馬投票券を買えないようなところとか、あるいは地方の県庁所在地というような中核的な都市、あるいはノミ行為が非常に多いんじゃないかというようなところ、こういうところを中心にして順次地域調整もとりながら地元の御了解を得た上で設置を着実に進めていきたいということでございます。現在も五、六カ所話題にのって現にいろいろお話し合いをしているところもありますが、なかなか地元の一部の方の反対もございますので、一気にはまいりませんけれども、話し合いの上で着実にふやしていきたいなというふうに思っております。 それから売り上げについては余り楽観はできないのではないかというのは御指摘のとおりでございまして、ここ二年ばかりは順調に来ておりまして、ことしも前年に比べて六%ぐらい今までの実績は伸びております。しかし、だからといって安心はできないので、レジャー産業相互の間での競争も非常に厳しゅうございますし、また公営競技もいろいろ経営の立て直しをやっておるということになると、相互の食い合いというような点もございます。したがいまして、私どもといたしましては、安定的な発展といいますか、伸長ということを目指して公正、充実したレースを行い、ファンサービスを充実し施設を改善する、またPRにも努力する、いろんなことで安定成長を目標に努力したいと思っております。
○塩出啓典君 中央競馬会が第一、第二納付金の上にさらに特別納付金を納入して国家財政に非常に寄与されていることに我々は心から敬意を表するわけでありますが、今後とも国民から愛される健全なスポーツとして国民とともにさらに発展をするように関係者の御努力を心から期待する次第でございます。 次に、農業改良資金でございますが、この改良資金の償還状況等は順調にいっておる、このようなお話でございますが、現在までの農業改良資金として融資残を含めてトータルではどの程度の金額になるのか。それと、今日までの改良資金による効果ですね。当然改良資金というものは、それぞれ政策目的があって無利子の金をお貸ししておるわけでありまして、そういう資金が適正に効果を発揮しておるかどうかということは非常に大事じゃないかと思うんでございますが、そのような点ほどのように評価しておるのかお尋ねをいたします。
○政府委員(関谷俊作君) 貸付残高というよりは、むしろ今までに貸し付けしました額の累計で申し上げた方が、この資金の規模と申しますか、がよりおわかりいただけると思いますが、これは五十九年度までの実績でございますが、累計貸付額トータルで四千百四十四億円でございます。そのうち技術導入資金、五十九年度まではそういう名前になっておりましたが、技術導入資金が二千七億円、農家生活改善資金が六百八十二億円、農業後継者育成資金が千四百五十四億円でございます。 これら資金の効果ということでございますが、基本的にはいずれも農家を中心にしまして、個々の農業をやっておられる方々が自分の自主的な考え方で新しい技術を取り入れる、あるいは生活改善に取り組む、さらに後継者として育っていく、こういうことでございますので、なかなか数字的な形では申し上げられませんけれども、技術導入資金一つ見ましても、この資金で取り上げました新しい技術、それがだんだん定着しまして、またそれに応じまして新しい次の技術を取り入れる、こういうような意味で新技術の定着、導入、こういう効果を上げております。さらに最近では技術導入資金、今回で言えば生産方式改善資金でございますが、その中に地域農業技術導入資金という、普通の言葉で申しますと特認的に県の判断で設ける資金額がございまして、これが大変伸びております。内容的にいろいろ細かい地域特産的な作物もございまして、こういう形で各地域の実態に即した新技術の導入が図られている、こういうふうに考えております。 生活改善の方は、内容的には一般的な生活環境の改善、こういうようなことと、それからもう一つは、この中に高齢者活動資金というようなものも設けられておりまして、そういう地域的な形での環境改善への取り組み、あるいは高齢者活動の促進、こういう効果が上げられているというふうに考えております。 後継者の中では、後継者が共同で技術を習得する、あるいは研修教育を行うという形で いわゆるソフトな形で自分たちの技術、識見を高める、こういうような活動と、それから部門経営開始資金ということで、例えば畜産のある一部門とか、そういうことを後継者御自身がこの資金を借りて始められまして、それを一つの踏み台として本格的な経営者として育っていく、こういうような効果が上げられているというふうに考えております。
○塩出啓典君 最後に農水大臣に要望をいたしますが、農村を回りまして、いろいろ政府の施策に よって金を借りて規模を拡大した、そういうようなところが非常に借金が余計できているというような例が特に畜産の分野とか多いように思います。そういう意味で国の融資制度は実態に即して本当に適切でなければいけない。絶えず再検討する必要がある。そうしないと何か制度の方が先に行って実態とそぐわない、結果的には農家の借金をつくるということにもなりかねない。そういう意味で、この農業改良資金は無利子無担保であるだけに、一番条件もいいわけですし、これが本当に日本の農業の新しい力をつける意味において役立つように絶えず見直しをする努力をしていただきたい。このことを要望したいんですけれども、大臣のお考えを聞いて終わります。
○国務大臣(羽田孜君) まさに今先生からもお話がありましたように、これからの農業そのものもみずからの創意工夫というものを生かさなければいけない、そしてただ補助金で誘導していくということじゃなくて、みずからの創意によって物事をやっていくときにできるだけ融資制度というものを拡充すべきであろうということが言われております。しかし実態にそぐわないものであるということでは、これは実際に機能しないということになるわけでありまして、今御指摘のことも踏まえながら、実態に即した金融制度というものを確立していくように我々の方もこれからも努めていきたいというふうに考えます。
○刈田貞子君 引き続き本改正案について質疑をさせていただきます。 けさほど来語を伺っておりまして私が思いましたことは、今日の厳しい国の財政事情のもとで農林水産省が農業関係の財源を確保するのにいかに御努力をなさったかということを思うと同時に、知恵も相当絞ったなということを感じております。しかし、このことを否定するものではございませんけれども、ずっと論議を聞いていて、国庫納付についてもう一つ筋がどうなんだろうかということをちょっと思いますものですから、そういう観点からお伺いさせていただきます。 まず一番最初に、考え方として、国庫納付金というのはどういうものであるのか教えてください。
○政府委員(大坪敏男君) 現在、中央競馬会は、中央競馬会法の定めるところによりまして、売り上げの一〇%相当額を第一国庫納付金として国庫に納付し、さらにまた決算の結果剰余金が出た場合は、その二分の一相当額を第二国庫納付金として国庫に納付しているわけでございます。 この国庫納付金の使途につきましては、同様中央競馬会法に定められているわけでございますが、その四分の一に相当する金額は社会福祉事業の振興のために充てなさいということと、その残りのおおむね四分の三に相当する金額は畜産業の振興のために充てるということになっているわけでございまして、したがいまして、日本中央競馬会は国庫納付金の納付を通じまして、社会福祉事業の進展と相まって、我が国畜産の発展に多大の貢献をしているというふうに考えております。
○刈田貞子君 そうじゃなくて、一般的にですよ。このケースの話を聞いているんじゃなくて、一般的に国庫納付金というのはどういう性格のものですかということを聞いたので、おたくへの質問じゃなくて、もしかしたら大蔵省かなんかに伺わなければいけない質問になるかもしれないんですけれども、そういう観点から考えてどうなんだろうかという筋を、私はこの法案の勉強をしながらずっと考えてみたものですから、実は一般論の方のお答えを聞きたかったんです。これはちょっと筋違いかもしれませんので結構でございますが、そういう疑問を持っております。 で、これは今おっしゃられた三十六条の精神ですね。恐らくこの三十六条の精神を参酌して、物をおっしゃったんだと思うんですけれども、今回の特別納付金というのはその三十六条の精神を踏まえてなされていることですか。
○政府委員(大坪敏男君) もちろん、特別立法措置として御審議をお願いいたしておるわけでございますので、この第一国庫納付金、第二国庫納付金とは同じではございませんが、中央競馬会自体が畜産の振興に資することを旨とする団体でもございますので、畜産振興を主たる内容として農業改良資金を拡充しようとする、その財源に充てるためのものとして特別の国庫納付金として納付しようとするということでございまして、その限りでこの三十六条の規定に準じたような内容の性格を持っておるというふうに理解いたします。
○刈田貞子君 そこで、中央競馬会の澤邉さんにお伺いいたしますが、二十九条には、特別積立金をやっていきなさい、こういうことが書いてあるわけでございますけれども、その二十九条の二項のところでお伺いをしたいんです。その特別積立金の処分についてのお話でございますけれども、この特別積立金の処分については政令でこれを定めるというふうになっていますね。ところが、私は探してみたんですけれども、政令はないわけですよね。午前中から、筋が通らないとか、あるいは一貫性がないとか、五十六年にいただき、五十八年にいただいたけれども、五十七年はなくても済んだとか、一貫性のないところの話がいろいろ出たわけでありますけれども、こういういろいろ政府の財源の事情によって流用されてみたりするのは、ここに政令の規定がないからそういう形のことが起きるのではなかろうかというふうに思ってみたりもするんですけれども、これはいかがなものでしょうか。
○政府委員(大坪敏男君) 確かに中央競馬会法第二十九条第二項におきまして「特別積立金の処分については、政令で定める。」という規定があるわけでございます。確かにこの政令はいまだ制定されておりません。 それではこの政令で意味するものは何であろうかということでございますが、私どもの理解といたしましては、例えば損失が出た場合に、損失てん補金というものがあるわけでございますが、これが現在二億円ということの限度になっているわけでございまして、その二億円の限度を超えた損失が発生した場合は、例えばこの政令でもって取り崩しまして、そのでん補金では充当できない損失を埋めるということが一つあるんじゃなかろうか。さらにまたある特別の事業をやる際に、この特別積立金を崩しまして財源を捻出する、そういうことがあるんじゃなかろうかと思うわけでございまして、いずれにいたしましても、この政令で予定しておりますのは、中央競馬会の目的なり業務とか、そういった範囲内でこの法律が政令にゆだねた範囲に限定されるべきであろうというふうに考えるわけでございます。 そこで、御案内のように、第一国庫納付金なり第二国庫納付金は、この中央競馬会法上、明文の規定が置いてあるわけでございます。さらにまた先ほど来御議論がございました五十六年度並びに五十八年度の特別国庫納付金につきましても、この政令を制定することなく、別個の新しい立法措置を講じて措置されたということがあるわけでございまして、したがいまして、私どもも今回の措置を講ずるにつきましては、政令の措置をとることなく、国会に新しい立法として御提案申し上げ、国会の御承認を得た上で実行することが適当であろうと考えまして、このように政令を制定することなく前二回のときと同様に、新しい立法として今日こうして御審議を賜っているわけでございます。
○刈田貞子君 澤過さん、いかがですか。
○参考人(澤邉守君) 私ども直接政令を定める立場ではございませんけれども、ただいま局長からお答えがありましたとおりに理解をいたしております。
○刈田貞子君 先ほど、例のこの特別積立金の累積額約四千億弱、その中からいわゆる流動資産といわれるものが千三百何がしというふうにおっしゃられまして、さらにその内訳として長期の有価証券、それから四分の三が固定資産になっているというお話が出ていましたね。これは競馬会の方にお伺いするんですけれども、ここに政令を設けてしまうと、おたくの方も困りますか。この有価証券については二十五条で大臣の許可を必要とす る。それから固定資産については二十六条で、これもそのあれについては大臣の許可を必要とするということがありますね。そうすると、これを取り崩したりつくったりするについては一々大臣の許可が要るというふうになっているのですが、これは二十九条のこの政令との関係でどういうふうに理解したらよろしいんですか。
○参考人(澤邉守君) 特別積立金が固定資産であるか、あるいは流動資産であるか、あるいはその中で流動資産でどういう持ち方をするのか、預金にするのか国債を買うのかというようなこと、あるいはまた固定資産であっても建物にするのか土地にするのかというようなことは、特別積立金そのものの額にはかかわらないことでございまして、特別積立金の処分ではない。特別積立金を取り崩すとか減額するとかいうことではなくて、ただ資産の内容が変わるだけである。したがって、資産の持ち方だけでこの処分の問題ではない。しかし今回、三百億、二カ年にわたって特別納付いたしますのは、特別積立金がそれだけ減額される、取り崩すわけでございますので、これには政令なりあるいは法律が必要である。政令ではなくして法律で今回やろうとする趣旨は先ほど局長のお答えがあったとおりだと思います。
○刈田貞子君 先ほど大坪局長の方から例の損失てん補準備金のことが出ていたので、それもあわせて伺いますけれども、言われたように、この二十八条を受けでできている政令四条で確かに二億になってますね。これは伺いましたら、昭和二十九年の段階の金額だそうでございますけれども、この辺のところをきちっと考え直すというか、政令の組みかえをするとかいうふうなことが必要じゃないかなというふうに思うのです。二十八条では、「競馬会は、政令で定める額に達するまでは、毎事業年度、剰余金の十分の一以上を損失てん補準備金として積み立てなければならない。」というふうに書いてありますね。それで、第二国庫納付金は剰余金の二分の一でしょう。だから、それを二倍にして、それの十分の一をあらかた計算してみますと五十億から六十億ぐらい現在はなければならないんですよね。だけど、この損失てん補準備金という会計には原則として二億しか置けないわけですね。この辺のところの考え方を局長と競馬会の方から伺わしてください。
○政府委員(大坪敏男君) この損失てん補準備金の額が二億と政令で決められましたのは、ただいま先生御指摘のように、昭和二十九年当時でございます。そのころなぜ二億円がその損失てん補準備金の限度と考えられたかという点でございますが、当時でございますれば、競馬の開催ができなくなった場合等に生じます損失のてん補を考えた場合には、大体その程度の金額があれば十分ではなかろうかというのがこの二億円の根拠であったようでございます。確かにその後競馬会自体の事業規模がどんどん拡張してきておりますし、また物価の上昇もあるということを考えれば、この二億円の金額についての考え方はいろいろあろうかと思うわけでございます。ところが、先ほど来同じような御議論をいただいております特別積立金制度がございまして、これにつきましては、六十年度末で三千九百億強という額に達しているわけでございまして、これは性格的には損失が生じた場合に損失に充てるために取り崩すことが可能な性格のものであるというふうに理解すれば、現時点におきましては、確かに損失てん補準備金の額を上げるということも一つの案だとは思いますが、特別積立金という制度があり、それによって損失てん補準備金の額を超える損失が出ましても、特別積立金を取り崩すことによって対応できるということであれば、あえて損失てん補準備金の額を引き上げる必要はないんではなかろうかというふうに考えている次第でございます。
○参考人(澤邉守君) ただいま局長から御答弁がありましたような趣旨で、法二十八条に基づきます政令の定める額が二億円というふうに決められておりますので、私どもといたしましては、損失てん補準備金としては二億までということで、昭和二十九年法律ができましてから、正確に覚えておりませんけれども、数年間の間に二億の積み立てを終わっておるということでございます。
○刈田貞子君 そうすると、この二十八条のこれは死んでいるわけですよね。これは考え直して、額なり何なりを直さないと、二十八条も二十九条もともに正確にしかも有効に運用できないという形の法律にはなりはしませんかということで、私は馬のことなど余り詳しくはないんでございますけれども、こういうふうに思うわけです。だから、その辺のところ少しちょっとお考えになったらいいんじゃないか。私は小言を言っているんじゃないんですよ。二十九年の事例に合わせて物を言ったりやったりしているからなんです。そして中央競馬会の方はそれで実情に合わせちゃっているわけですよ。不自由なんだけど実は合わせているわけですよね。中央競馬会の方はこちらの方の指導に合わせているんですよ。だから私は、これはやっぱり考えるべきだと言うのです。 今一レースやるのに十四億かかるとか。それなのに損失てん補準備金二億というのは、これは何に使うお金ですかと、こういう感じなの。本当に素人なんだけれども、乱そういうふうに思います。この辺のところは競馬会の方では言えないのね。だから私が代弁して言っているんです。やっぱりこの辺のところは考え直す必要があると思いますよ。この特別積立金なるものの性格づけをしっかりするためにも、二十八条の方を私は手直しをするべきだと思いますけれども、局長いかがですか。
○政府委員(大坪敏男君) 先生のおっしゃる趣旨につきましてはよく理解するところでございますが、現在の考え方は、損失てん補準備金並びに特別積立金を、損失補てんという視点からあわせて考えておるという実態があるわけでございますので、実行上損失補てんする事態が発生した場合におきましても支障はないというふうに考えるわけでございまして、検討はさせていただきますが、今の制度でもって対応し得るのじゃなかろうかというふうに考えております。
○刈田貞子君 相当苦しい答弁だと思いますよ。私のような素人が読んでも、なぜ二億かねと、こういう感じを持つわけ。だから、それを御検討なさいますように希望をいたします。 次に、畜産振興費の総額、十年でもいいんだけれども、とりあえず過去五年間の畜産振興費の総額を教えてください。
○政府委員(大坪敏男君) 国の予算に畜産振興費として計上されております予算額の最近五カ年間の状況を御説明申し上げます。 五十七年度二千三百四十九億円、五十八年度二千二百八十七億円、五十九年度二千二百二十九億円、六十年度二千百二十九億円、六十一年度千九百六十四億円でございまして、この五カ年間を合計いたしますと一兆九百五十八億円に上っております。
○刈田貞子君 それで、中央競馬会の国庫納付金、第二国庫納付金の四分の三をいただいているわけです。そうすると、その中央競馬会からの畜産振興費の総額は、その今言われたものの何%に当たりますか。
○政府委員(大坪敏男君) 甚だ恐縮でございますが、納付いたしました金額の四分の三相当額は今手元にございますが、四分の三相当額と実際に畜産振興費として計上された金額との比率は手元に持ち合わせておりませんので、後刻、率につきましては御報告さしていただきたいと思います。
○刈田貞子君 これをちゃんと通告してありますよ。このパーセンテージを教えてくださいとお願いしておいた。 そこで、そのパーセンテージが出てくるでしょう。そうすると、今度私が言うのは、こんなに中央競馬会からお世話になっていますねと、こうくるんだから、そのパーセンテージが出てこないとだめなのよ。ちゃんとお願いしておいたのにどうなっているんですか。 つまり私が、細かい数字ではございませんけれども、あらあら調べた関係でも、かなりの額を中央競馬会から入れていただくお金で負担していた だいているというのがわかっております。その細かい数字が欲しいなと思ったわけです。この中央競馬会なり、競馬会の設立の意義みたいなものも何かそんなところで感じなければならないのではないかというふうに思ったり、この競馬の意義も何か果たしているのではないかというふうに思ったりするんです。さっきの話をずっと筋を通していきますと、いささか特別国庫納付というものの筋がどうなんだろうかというふうに依然として思うんでございます。 それだけの余裕部分があるのならば、先ほど来話が出ておりましたけれども、例えばファンサービスのための還元率とか的中率とか、そういうものを変えることによって、より健全なゲームにこのことをしていくことにも大いに充てていかなければならないというふうに私は思うんですね。それからあとは競馬開催地へのいろいろな環境整備であるとかいうふうなものもあろうかというふうに思うんですけれども、この辺、局長いかがですか。
○政府委員(大坪敏男君) 今の御質問にお答えする前に、先ほどお尋ねございました比率を申し上げさせていただきたいと思います。 五十七年度五八・七%、これは国が実際に予算上畜産振興費として計上している予算額に対する国庫納付金の四分の三相当額の比率でございます。五十七年度五八・七%、五十八年度五二・一%、五十九年度五五・四%、六十年度六〇・一%、六十一年度七三・四%でございます。 それでは次の御質問にお答えさせていただきたいと存じますが、中央競馬会の円滑な実施を図り、その発展を図るためには、ファン対策の充実なり競馬場、場外施設等の周辺環境整備を図ることが特に重要だと認識しているわけでございます。このため、中央競馬会におかれましては、従来から競馬場や場外施設の施設改善、テレビ等による情報提供の強化、あるいはファンサービスの充実等に努めてこられているところでございます。また競馬場や場外施設等、周辺の環境整備につきましても、地元の強い要請にこたえ、道路の改修等、来場する競馬ファンの通行や地域住民の利便に直結するものについてその整備を図ってきているところでございます。今回の特別国庫納付は、今後における必要な施設改善等に支障のない範囲で行われるわけでございますので、引き続き今後ともファンサービスの徹底を図り、実質的にファンに還元されるように十分指導してまいりたい、かように考えております。
○刈田貞子君 ただいまのパーセンテージ、六十一年七三%ですよ。こんなにお世話になっているんです。これは大変なものだというふうに思いますよ。 それで、今ありました三百億は、競馬会の財政に影響を与えない範囲のというふうにおっしゃっておられましたので、私もそういうふうに理解をしたいのであります。 競馬会の方にお伺いいたしますが、いただいた資料で見ますと、開催場所、開催した競馬場の数が十カ所というふうに五十五年からずっとなっているわけですね。私が記憶しているのは、競馬法でたしか十二カ所が指定されているはずなんですが、開催されないところもあるわけですね、十二カ所といいますと。それから開催回数が年間をずっと通して三十六回になっております。そして競馬法で年三回以内という規定がありますから、これは十二カ所掛ける三回で三十六はいいんですけれども、いただいたデータだと十カ所しか開催されてないわけですね。恐らく使われないでいる競馬場もあると思うのですが、これはいかがですか。
○参考人(澤邉守君) 現在十カ所の競馬場で中央競馬は開催をいたしておるわけであります。競馬場といたしましては、そのほかに横浜の競馬場、これは根岸でございます。日本の競馬の発祥の地に近いわけであります。それから宮崎の競馬場の二カ所があるわけでございますが、実態を申しますと、法律上はその二カ所も競馬場で開催できることになっておりますが、横浜は既に競馬場としての実質はないわけでございます。森林公園にたしか利用されておるわけでございます。それからまた宮崎は中央競馬会への育成牧場ということになっておりまして、場所はございますが、競馬を開催するような施設が整備されておらなくて、開催施行もいたしておらない、かような実態にございます。したがいまして、その開催回数の範囲内において、特別な事情があるからということで、他の十カ所で開催するのに振りかえまして全体の開催回数をこなしているわけであります。 実態と法律とずれておるじゃないかと御指摘があれば、あるいはそのとおりかと思います。機会があれば直してしかるべきではないかというふうに思っております。
○刈田貞子君 気候の状況とかなんとかの状況によってその場所でできない場合は他でそれをやるというふうなことも書いてありますから、それはいいと思うが、府中の東京競馬場の場合はたしか毎週土日、土日でやっているのと違いますか。にぎやかに人が集まりますので、私は東京競馬場のそばにおりますものでございますから、大変になにでございます。 このことを聞いたのは、先ほどいろいろ設備投資の話が出ましたけれども、現に持っている施設等の維持管理、運営というふうなことについても結構お金がかかるんではなかろうかというふうなことで、使ってない馬場なんかはどうなっているのかということを考えたものですから、今そういうのを伺ったわけでございまして、決して維持管理等にお金がかからないわけはないわけですから、そういうことで私がいろいろ言っているのは、それだけの余裕があるのならば、競馬会としてはまだやることがたくさんあるのではないかという筋の方を通してみたくていろいろ言っているわけでございます。 ついでに申し上げますけれども、今の東京競馬場の府中市は、大きな声で言っていいのか悪いのかわかりませんけれども、一般会計に十億ほどの迷惑料をちょうだいしているわけでございますし、そのほかに、そこにありました厩舎を茨城県美浦町に動かしましたことによって大変立派な体育館をつくっていただきまして、市民のもの同様に使わしていただいているわけです。ああいうのが喜ぶんですね。競馬の開催地、特に東京競馬場というのは日本の代表でございますので、そこでこうむっている有形無形の被害というのは、これは当地で聞いたらもう一時間聞いても終わらないくらいあるわけであります。それに対してそれ相応のことをなさっていただいているわけでございますけれども、今後ともこうした開催地の環境の確保とか整備とかいうようなことは大事な要件にますますなっていくであろうというふうに思うんです。府中の場合も昔はあそこに厩舎があって、そして厩務員さんもみんなあそこに寝起きしておったわけですね。それが市街化が進むことによってああいうふうに移動を始めたわけでございますから、今後ともこうした手だてというのはいろいろな格好で必要だろうというふうに思うんです。 競馬会の方としてこういう開催地の環境確保というようなことでどんなお気遣いをしていらっしゃいますか。
○参考人(澤邉守君) 競馬の開催に伴いまして、競馬場、場外の発売所の周辺に交通の混雑、渋滞とか騒音だとか、あるいはごみの散乱とかということでいろいろ御迷惑をおかけしておりますので、そういう被害を、これは完全には防ぎ切らない点はありますけれども、できるだけ少なくし緩和するというようなこととあわせまして、直接関係がなくても周辺の生活環境の改善に資するような仕事をし、それを通じまして競馬開催に対して地元の皆さん方の御理解なり御支持を得て円滑に実施していきたいということで、事業対象といたしましては、道路の整備だとか、あるいは交通安全施設、信号その他ガードレールとか、そういうものをつくったり、あるいは公園なり広場をつくったり、中には文化教育施設なり体育館をつくるというのに対して御援助を申し上げているということをやっております。 大体五十七億円ばかりの予算で六十年はやって おりました。ここ数年来わずかでございますが少しずつふやしておるということで、地元市町村のそのような事情に対して御援助といいますか、迷惑料がわりに交付させていただいておるということでございます。これは大変地元でも歓迎をされておりまして、御要望も非常に強いところでございますし、一回やりましてもまた道路なら補修しなければいけない、再舗装しなきゃいかぬというような問題もございますので、大事な仕事だと思っておりますので、引き続きこれまでと同じように努力していきたいというふうに思っております。
○刈田貞子君 地元でも自動車の被害については大変に迷惑だということで、競馬の日にはノー・カー・デーというふうなポスターまでつくってできるだけ車をたくさん持ち込まないように、パニックになるわけですね、それで持ち込まないようにというような運動もやっておりまして、こんなふうなものは中山にもあるだろうし、結構あっちこっちに出てくる現象だと思うんですね。私は有形無形のこうした迷惑に対してある種の配慮はしていかなければなりませんし、それについては費用もかかるでしょうということで、そういうものも十分にプールしておいた上で、召し上げられないようにプールしておいた上で、その上で余力を国に出すなら出すというふうな形にしないと、本命の方の仕事が十分にできなくなるようであっては困るという趣旨でこういうことを申し上げましたので、今後ともひとつよろしくお願いしたいと思います。 法案そのものとは関係ないかもしれないんですけれども、これは局長の方に伺うことでございますが、ただいま中央競馬会の方からも多額の振興資金をちょうだいして日本の酪農あるいは畜産業というんですか、こういうものに力を入れていただいて、国を挙げて今日本は畜産に力を入れているというところなんですけれども、そういう私どもの努力に穴をあげるような事実を聞きましたし、新聞のデータもとりましたのでちょっとお伺いをいたしますわけです。 北海道を除いた生産団体のいわゆる指定団体の人たちからの話でございますけれども、昨年需給状況が緩和されたということ、あるいはことしの三月、加工原料乳保証価格が引き下げになった、九十円十銭でしたか、それが八十七円五十幾らになりましたね、引き下げになったということ、そういうことを盾にして大手の乳業三社が取引に対して大変圧力を加えてきているという話を聞きまして、生産団体がそういうことでつぶれていく、ないしはせっかく足腰強い酪農家をつくっていこうとしているときにこういう水を差すような話が出てきては困ると思うので、事実関係をどのように認識していらっしゃるかお伺いしたいわけです。 その取引の中身というのは、脂肪分は普通、基準で三・二ですが、この三・二の基準を三・五にせいとか、あるいはまた〇・一%超えるごとに八円乗っかるのを四円しか乗せませんとかというふうな話、あるいはまた原料乳の受け渡し工場を複数にする、あるいはその転送分については自己負担にするとかいうふうなこと、それから代金の期限の遅延、延長ですね、それから飲用向け乳価を百十八円から百八円にするというようなこと、それから乳量の削減あるいは要りませんという拒否、こんなことまで起きてくるというふうな条件がついているというんですよ。そして、もしこの条件を緩和してもらいたいのならば、我々の系統のメーカーがつくっている配合飼料でも買ってくれれば何とか緩和しますよというふうな条件までついているとかいないとかいう話がありまして、酪生連がいろいろ検討しているようでございますけれども、これはまさに価格カルテルにもひっかかるかもしれませんし、いわゆる公正な取引ということにまさに反する行為でございますので、こういうふうなことの事実を知っていらっしゃるかどうか、そしてもしそういうことがあれば厳重に御注意をいただかなければならないというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(大坪敏男君) ただいま先生がおっしゃいました事例は飲用向けの生乳取引に関してのことかと思うわけでございますが、現在の不足払い制度のもとにおきましては、加工乳につきましては政府が加工乳の保証価格を決める、また別途、指定乳製品の価格から製造販売経費を引きまして基準取引価格を決める、したがいましてその差額を国が不足払いするという仕組みになっているわけでございますが、この制度のもとにおきましても、飲用向け生乳につきましては、いわば需給実勢価格として形成されることを期待しておりまして、あくまでもこれは当事者間の取引ということで今日まで至っているわけでございます。確かに、先生今お話のございましたように昨今極めて需給が緩んでいる時期でもございます。そういうことから、今の飲用乳に関しましてはかなり買い手市場的な様相を呈しているようでございまして、そういった意味から取引条件につきましては、乳価の引き下げとかいろんな意味での提案がメーカー、乳業者の方からなされているんだろうと思うわけでございます。 私、実は三月、乳業会社の幹部の方々とお会いした際には、ことしに関しましては、生産者団体も三・一%というこれまでにない減産を行うというふうな状況であるので、生産者を余り刺激することなく円満な妥結をしてほしいということを要請したことがあるわけでございますが、ただいま先生の御指摘もございますので早速その辺は調べてみまして、私どもとしてどのような対応が可能かについては検討いたしてみたいと思います。 なお、最後に御指摘ございました自社系列の飼料の購入を強要するという例があるというようなことを私ども情報を得ましたので、関係県を通じまして調査する一方、乳業者並びに乳業者団体からも事情を聞いたわけでございますが、今のところそういった事実を確認するまでに至っておりません。もとより、このような事実は独禁法上の不公正な取引に該当するわけでございますので、あってはならないことでございます。したがいまして、私どもは、改めて乳業者並びに乳業者団体に対しましてこのようなことがないように注意を喚起した次第でございまして、今後とも十分注意を払っていきたいと思いますが、仮にそういう事実があった場合には、公正取引委員会とも相談しながら是正につきまして十分指導してまいりたいと、かように考えております。
○刈田貞子君 局長、円満な妥結をしていただきたいように要望してきたというふうにおっしゃいましたけれども、局長が言われる円満な妥結というのはどういう話し合いのことですか。
○政府委員(大坪敏男君) 率直なところ、現在の飲用乳の需給関係を見ますれば、先生御案内のように極めて緩んでいる状況でございます。そういうことで、先ほど買い手市場と申し上げたわけでございますが、したがって経済原則的に見れば、かなりそれは引き下げるという状況かと思うわけでございますが、生産者自体、一方では三・一%の減産というかつてないことに取り組んでいるわけでもございますし、官民一体力を合わせまして、牛乳、乳製品の消費拡大をやろうというやさきでもございますので、そういった点から諸般の情勢を考えまして、単に経済原則だけでなくて、そういうことも加味した形で円満な話し合いをしてほしいということを申し上げた次第でございます。
○刈田貞子君 一方で一生懸命酪農を底上げしていこうという動きがあると、一方でその足を引っ張る動きがあるというのでは、トータルで見るとまことに不都合でございます。ですから、そういう御指導をきちっとしていただかないと困るなというふうにこの記事を見、そして事情を聞きまして思いましたので、よく御指導をお願いしたいと思います。 時間がなくなりましたんですけれども、園芸局長が手持ちぶさたのようでございますので一問だけちょっとお伺いをいたします。 昨年の四月に金融三法をみんなで論議いたしました。その中で農業改良資金の一部手直しがあり ましたものですから、そこでみんなで論議をしたわけでございますね。そのときに、すべての委員の方からあった御発言として、需要動向をしかと見定めなければならないということを、私は会議録を全部読ましていただいて、どの委員もみなおっしゃっているわけでございます。つまり、資金需要というものはどのぐらいあるのか、その動向をきちっと見定めていただいた上で資金計画を立てなければなりませんよということが言われておるわけでございますけれども、先ほど来皆様が御指摘なさっておりますように、枠がだぶついていて、そして需要の方がいささか落ちているというふうな感じがあるんじゃないかというふうに思うんですが、今回のこの法の改正の一番基本に当たる部分のところかというふうに思うので、その答弁をまず局長の方から伺いまして、そしてあわせて大臣の方からは、日本の畜産関係の事業の底上げといいますか、さらにこれを振興させるための抱負を伺いまして質問を終わらせていただきます。
○政府委員(関谷俊作君) 資金計画の問題でございますが、六十年、昨年の金融三法の際は、新しく生産方式改善資金といたしまして、果樹、畜産、野菜、養蚕という四資金を設けたわけでございますが、そういう新資金の制定拡充ということと相まちまして、昨年、六十年度は四百六十億円の枠を設定いたしました。 六十一年度につきましては、今回の財源措置とも関連しまして、新しい資金というものも設けながら資金需要に対応していきたいということで、稲作、畑作関係の新しい資金と野菜の資金、畜産振興資金についてはそれぞれ内容的な拡充をいたしまして、全体こういう新規新設、拡充と合わせますと、昨年をさらに上回ります五百九十七億円という資金枠を設定して対応したいということでございますので、なおこういう制度のよく普及徹底も図りまして、せっかくいただいております大事なお金でございますので、有効に使うように十分この資金を活用してまいりたいと思っております。
○国務大臣(羽田孜君) 畜産全体の底上げの問題でありますけれども、酪農につきましては、確かに一時的な現象というふうに私どもは見たいんですけれども、いずれにしましても、乳がだぶついておるという現象はございます。そういう中で経営というものを少しでも強いものにしていくためにこの間の価格決定の折にもいろいろと対策をしておりますけれども、乳肉一体の経営を進める、こういうことをしていかなきゃいけないと思っております。 また、肉生産そのものの方につきましても、これは繁殖と肥育、これを一体にしながら強いものにしていく必要がある。また肉がまだ現在はそんなに多くないという現状もございますのでそれを進めていくということ。また今までの肥育というのは割合と長い期間かけてやっておりましたけれども、これを少し短くして、サシの入ったものというよりは、今若い人たちの需要なんかを見てましても、赤肉に対する需要というのが非常に強いということがあります。こういうものもよく目指しながら市場の実態に合わせた生産を啓蒙し、それと同時に、足腰の強いものをつくり上げて畜産、酪農というものがともに発展していけるような方向というものをこれからも進めていきたいと思います。 その場合には、養豚の場合なんかにいたしましても、例えばハムなんかの原料というものがちょっと偏っておるという現状もありますから、こういうものにたえられるような体制もつくっていくということが大切かと思っております。
○下田京子君 まず、今回の改正案についての基本的な我が党の見解を述べたいと思うんです。 農業改良資金の原資を中央競馬会の特別積立金を取り崩していくことで対応していくということなんですけれども、農業改良資金そのものは無利子の資金でございまして、農業の発展、農家の皆さんの役に立つという点でこれは賛成できるものだというふうに考えます。ただ問題は、こうした農業改良資金の原資というものは本来一般会計予算で措置すべきものではないかと思うんです。 そこでお聞きしたい点は、大臣は、法案の趣旨説明の中でも、今回の措置が今回限りだと言っておられます。また局長の方は、三年後についてはどうするのかという点について、基本的には一般会計等で相当の努力をする必要がある、こう言われているわけですね。つまり今回の対応というものは、明確に言えば、予算全体が大変圧縮されている中で、農業予算削減という臨調の路線に基づいてやむなく緊急措置として出してきたものだということですね。
○国務大臣(羽田孜君) 多少先生の恣意が入っているんじゃないかなと思うんですけれども、私どもとしましては、農業改良資金というものはどうしても今緊急に必要なものであって、この枠を拡大していきたいという考え方を持っております。 そういう中で、今御指摘のとおり、本来でございますと、一般会計の中からこれを充当していくということが本来でございましょう。そういう意味で、私どもとしても、一般会計からの繰り入れというものを四十億したわけでありますけれども、まだ不足するものについて畜産を振興するという基本的な考え方を持ちます中央競馬会の方からも御協力をいただいたということであります。 ただしかし、これは私ども臨時特例措置だということも申し上げたように、本来は一般会計の中で進めていくのが筋道であろうというふうに私どもは思っております。ただ、この厳しい事情を臨調路線によってというお話でありますけれども、ただ臨調路線というだけでなくて、今日の経済基盤をつくるために相当な国債を発行してきた、この発行したものを返さなきゃならぬ、物すごい大きな勢いで今返済の時に迫られておるということでありますから、それで相当ウエートを占められておるという中で全体がへっこんできているんだということも御理解をいただきたいと思います。
○下田京子君 農業予算を削っていることを御理解なんということはとんでもないことです。 中央競馬会法の三十六条の規定によれば、中央競馬会の国庫納付金については、その四分の三を酪農、肉用牛振興など畜産業の振興の経費に充てる、こうなっているわけですね。先ほども御議論がございましたけれども、六十一年度予算を見ますと、中央競馬会の納付金が一千九百二十二億円計上されていまして、四分の三ということは一千四百四十二億円になりますね。一方、畜産振興費等はどうかと言えば、一千九百六十四億円で、さっきのお話では、七三・四%程度が畜産振興費等予算の中で中央競馬会からの納付金によって賄われているんだというお話であって、問題がないような御見解でございました。 しかし、これでいいんだというような御認識であったなら大変問題だという点で申し上げたいのは、今畜産振興費等という形でもって推移を見ますと、先ほども御説明ございましたけれども、まさに中曽根内閣になって行革、臨調路線というものがしかれて、五十七年度で二千三百四十九億円だったんですが、六十一年度予算ではどうかと言えば、一千九百六十四億円ですから、対五十七年比で見れば八三・六%、実に一六・四%減という状況ですよ。しかも純然たる畜産局の予算で見ればどうかと言えば、五十七年度には一千六百四十三億九千九百万円だったわけです。それが今回の改良資金、つまり農蚕園芸局の今回の法改正分も含めて一千三百三十五億二千七百万円で、これは五十七年対比で三百八億円で一八・八%減になっている。一方、競馬会の方の納付金の方はどうなんだろうかということで見ますと、五十七年当時は一千八百三十八億九千百万円でした。それが六十一年度予算では一千九百二十二億七百万円という形で、実額八十三億一千六百万円増になっているんです。 ですから、この競馬会法の趣旨からいっても、これだけ国庫納付金がふえているということになれば、畜産局の予算というのはむしろふえてしかるべきではなかろうか。そしてまた今後売り上げが伸びていって、その売り上げの伸びに合わず逆 に畜産振興費予算等がこのまま落ち込んでいくようなことになったら、逆現象も出てくるという問題をも含んでいるんだという点での御認識を問いたいと思います。
○政府委員(大坪敏男君) 数字上から見ますればただいま先生の御指摘のとおりだと思いますが、私ども内容的にはいろいろ工夫しているわけでございまして、引き続き額の確保はもとより、内容的にも畜産振興のために、足腰の強い畜産のために今後とも金額の確保と同時に、質の高い内容の予算ということで引き続き努力してまいりたいと考えております。
○下田京子君 大臣、畜産局の予算は減らすんではなくてむしろふやすべきじゃないかと御決意を聞いているんです。
○国務大臣(羽田孜君) 予算を減らしてきた中には、確かに今まで補助金等出しておったものを削ったりなんかしております。これは全般的に切り下げていかなければいけないということであります。ただ、今局長からも答弁しましたように、予算の額そのものでは確かに減っておりますけれども、私どもとして、これから酪農、畜産等を進めていく、そのための今日の需要に合ったもの、こういったものについては手当てをする、あるいは新しい芽を出していくようなことも考えておりますんで、畜産、酪農全体を振興するということについては何とか私どもはこの中でやっていけるんじゃないかと思っております。ただ、必要なものについてはできるだけこれからも確保するようには努力していきますという所信は申し上げておきます。
○下田京子君 予算を減らしておいて振興といっても、それは空のかけ声だけ、そこはもう明確だと思うんですね。 剰余金を積み立てた特別積立金を取り崩して国庫に入れる、こういうような対応をするということなら、むしろ競馬の健全な発展という形で多くの関係者に還元すべきです。これは競馬関係者の声なんです。その点で明確に今回の措置というのは後ろ向きだということは明確なんですよね。 聞きたいことは、今までも例えば馬券を買わなくてもスポーツとして競馬を見て楽しむだとか、家族ぐるみで競馬場に行って楽しむだとか、いろいろそういうファンに対する対応はなされてきたということは承知しているんですけれども、なかなかどうしてまだまだ決して十分でないということはお認めのとおりでありまして、今後とも積極的に軽種馬生産も含めたそうした対応に力を入れていくという点での決意をまず聞きたいと思います。
○参考人(澤邉守君) 競馬を健全な国民の娯楽として発展さしていくというためには、まだまだやらなければならないことが随分多いわけでございます。先ほども申しましたように、レジャー産業全体の中での公営競技の厳しい現状からいたしますと、私ども将来楽観できないという点からいたしますと、かなり思い切った積極的な投資をして、ファンサービスを強めていくということが必要だと思いますし、また御指摘ございましたように、生産対策につきましても、日本の競馬は事業としてはかなり栄えておりますけれども、レース、馬の実力からしますと、国際的に見るとまだまだ、後進国とは言いませんけれども、先進国にはまだちょっと届かないというのが現状のようでございますので、強い馬をつくり、いいレースをお見せするということに生産対策の面でも力を入れていかなければいけないというふうに考えております。
○下田京子君 強い馬づくりとよいレースをというお話ございましたけれども、特にその担い手であります軽種馬生産農家の問題、私が改めて指摘するまでもございません。もう御承知のことと思いますけれども、大変な負債で苦しんでおります。特に北海道の旦局地方の場合、全国の軽種馬生産農家の約七割という状況の中で、負債総額で四百億円、一戸当たりがざっと三千万円、これは政府も調査されて御存じだと思うんですが、うち半分が固定化負債と言われております。そういう中で、六十年度から三年間で九十億円の負債対策というものを組まれた。しかし、これで十分と言えるんだろうかという点では甚だ疑問な感じを受けるわけです。その点でどういう認識をして、今どういう対応を考えておられるのでしょうか。
○政府委員(大坪敏男君) 軽種馬生産農家の経営実態につきましては、北海道庁が五十九年実施した調査があるわけでございますが、これによりますと……
○下田京子君 承知してます。
○政府委員(大坪敏男君) 負債に限って申し上げますと、一戸当たり二千九百四十一万円ということでございまして、このうち系統資金が二千三百七十六万円、制度資金が五百三万円、その他の借入金が六十二万円となっているわけでございます。 それで、私どもの対応でございますが、軽種馬生産農家の中で、借入金によりまして急速に規模拡大ないしは優良な種馬の導入等を行った企業を中心に、経営力なり技術力なり資金力等々が伴わないこともございまして、負債が固定化し、借入金の償還が困難となったものも見られるようになったわけでございますので、社団法人日本軽種馬協会が日本中央競馬会等の補助を受けまして、昨年度から三カ年計画で軽種馬経営改善資金を設けまして……
○下田京子君 局長、私の言っていることに答えてくださいよ。
○政府委員(大坪敏男君) 償還困難なものを長期低利の資金に借りかえすることを実施しているところでございます。また、こういった負債整理問題につきましては、単に償還期に達したものを長期低利の資金に借りかえるだけじゃございませんで、個別個別の農家にそれなりの経営不振の要因があるわけでございますので、そういった要因分析もしながら、生産団体なり関係団体一体となって農家ごとに最も適切な経営面あるいは技術面の指導を行う、そういう体制で現在臨んでおるところでございます。
○下田京子君 具体的に実態を掌握した対応というものが今非常に望まれておりますから、重ねて負債対策等への対応もお願いしたいと思います。 次には、強い馬づくりのために今何が必要なのか用いろいろ御要望は伺っておりますけれども、特にその中で一つは種つけ料が大変高い、助成できないか、そういう御要望を聞いております。馬のよしあしは血統で決まるとまで言われておるそうですが、優良な種馬の場合に種つけ料だけでも一回二百万、三百万もかかるそうですね。そしてまた受胎率は平均でも八割というような状況で、とても零細な農家では手が出ない、こういうふうなお話です。ですから、受胎しなかった場合のその損失分、一定部分についてのカバーができるような助成策というものは考えられないだろうか。 あるいはまた、中央競馬会が購入しております種馬、昨年は一頭のみだったそうですが、それが日高地方に回っていることも承知しておりますけれども、日本軽種馬協会に寄贈して各地で活躍している、こういう優秀な種馬購入というものをもっと積極的にやっていくことができないだろうか。 以上、二点についてお伺いします。
○参考人(澤邉守君) 種つけ料が高いからという点の問題でございますが、私どもといたしましては、優良な種牡馬を海外から入れまして、また胴内の馬でも種牡馬を購入いたしまして、軽種馬生産農家に比較的安い種つけ料で御利用いただくということのために、軽種馬協会に対して無償で寄贈するということをやっておりまして、昨年も輸入種牡馬一頭、それから国内産の種牡馬一頭、二頭について寄贈をしたわけでございます。確かに種つけ料はほかの動物と比べて高いことは事実でございますが、そういうことで実質的に種つけ料の低減に寄与しているというふうに思っておりますし、今後ともこの事業は引き続き続けてまいりたいというふうに考えております。 積極的に種牡馬をもっと導入すべきではないかという点でございますが、軽種馬登録協会自体も、協会の積立金の中で種牡馬を輸入して種つけ に供するということをやっておりますので、私どもとしては、現在毎年平均しまして現在程度の規模を続けていけば需要におこたえできるのではないかというふうに考えております。 なお、競馬は血統によってその能力が決まると言われておりますけれども、私ども中央競馬会が今やっております種牡馬の導入、寄贈ということのほかに、民間でも実質的に今企業的に優良な馬を入れて種つけをするということはやっておりまして、それらによる改良効果というものは徐々に上がってきておるというふうに考えております。
○下田京子君 いい馬をつくるための種馬の購入や種つけ料の問題、今までも対応してきたけれども、それでよしとしないで今後もいろいろ検討していきたいという姿勢を示されたというふうに受けとめて、その具体的な実行を期待したいと思います。 〔委員長退席、理事星長治君着席〕 次に申し上げたいことは、どうも強い馬づくりのために本気になって競馬会も考えているんだろうかというようなお声も聞くのですね。例えば牧場が大変狭いところで育てられた馬は弱い馬になる、またけがもしやすい。さらに庭先売買の問題についてもいろいろと疑問が投げかけられておるそうですけれども、そういう形で売買された馬の場合には、どうしても厩舎に入れるまで故障がないようにという格好で、大事な育成時にハードトレーニングや何か、それなりのものをしなければいけないのに、結果として過保護に育てられてしまって、俗に言うもやし馬みたいなのができてしまうということなので、これは具体的な提案なんですけれども、一貫した強い馬づくりの体制というものが必要じゃないか。 さっきも言われましたけれども、ヨーロッパ等に比べて馬が弱いというのでは、人と馬とのかかわりなんかも違うようですし、いろいろな馬に対する人間とのかかわりも違うようですね。例えば馬を愛撫するときは平手でやって、怒るときはこぶしでやるというふうに、一例を言えばそういうことだそうですが、日本の場合には、怒るときも愛撫するときも手でたたくということでばらばらになっているというようなことも一つあります。問題は牧場の改良、草地の改良、さらには共同の育成所の設置、そういうものに対する運営の助成だとかというものが必要ではないだろうか。これは中央競馬会の助成でも農業改良資金の活用でもどちらでも結構だと思うのですけれども、いかがなものでしょうか。
○参考人(澤邉守君) 先ほど日本の馬は先進国に比べまして能力、質ともにまだ劣っておるということを申し上げました。国際化がどんどん競馬の世界でも進んでおりますので、国際的に通用する強い馬づくりをやるということは競馬関係者が努力しなければならない急務だというふうに います。その一環といたしまして、優良な種牡馬を導入して安く種つけに供するということも肝心なことだと思います。そのほかに今おっしゃったような血筋の問題がございますが、土地が狭いということも、それからまた経営が零細であるということも強い馬づくりができない要因の一つであります。 したがいまして、お説にありましたような育成面の対策が弱体であるということは私どももそのように思いますので、それが共同育成施設に対して、かつて助成したことはございますが、今後そういう面についてさらに検討をいたしまして、必要な施策があれば、あるいは改良資金なりその他、改良資金に限りません、私の方の独自の助成事業等で検討はしてみたいというように思います。また市場の問題につきましては、私ども軽種馬の取引市場に対しまして、昨年設置に対する助成を行いましたが、それによりまして市場取引が一層進みまして、公正な価格が形成され、取引が明朗化し、強い馬づくりの役にも立つというようなことを期待いたしておりますが、そういう市場取引の一層の促進ということにつきまして、私どもとしては抽せん馬制度の運用その他の面で一層努力してまいりたいと思っております。
○下田京子君 それも具体的に対応ということが今急がなければならないことだという点で重ねて御指摘、御要望します。 次に、単純なことなんですが、お答えいただきたいのは、予算の中で馬事等振興費というのがございますね。その馬事等振興費の中で馬事等助成金というのがございます。その金額が十九億七千五万九千円でございます。うち軽種馬の経営改善特別融通助成ですか、そういうものもいろいろやられておるわけですけれども、軽種馬生産対策関係費が六億七千万だと思います。残り十三億余円は一体何に使われているのか。
○参考人(澤邉守君) 馬事等助成金、これは大きくは馬事等振興費の中の助成金でございますが、十九億七千万計上しておるわけでございます。馬事事業助成金はお説のとおり六億七千万でございますが、その他は主として各種生産関係の団体、それから調教師会とか装蹄師会とか、そういう生産関係とちょっと外れますが……
○下田京子君 内訳。
○参考人(澤邉守君) それらに対する助成金であります。
○下田京子君 予算についてはきちっと報告しなきゃならないわけですよ。私が資料を持ってきなさいと言ったら、今までその種のものを公開したことがないなんというでたらめなことを言っているものですから、私は大変腹を立てているわけです。一番最後で結構です。具体的な内訳、何に対して幾ら、何に対して幾ら、御答弁ください。 次に厩務員の問題なんですけれども、一見華やかに見える競馬の中で競争馬の世話をして最高のコンディションづくりという点で大変大きな役割を果たしているのは厩務員ではないかと思うんです。この厩務員が調教師に雇用されている形になっているんですね。調教師本人はどういう身分になっているかといいますと、競馬会から一年更新で免許を受けていて、そしてまた調教師の収入といえば馬主からの馬を預かる預託料と、また預かった馬がレースに勝ったときの賞金の一〇%ということで対応されているんでしょう。ですから、大変いい馬を預かった調教師は収入も安定していいと思うんですけれども、差があるということが明確だと思うんです。 私はここでまず聞きたいことは、厩務員の果たしている役割をどういうふうに御認識されているのか、重要な構成員として位置づけられているのかどうかという点での御見解を聞きます。
○参考人(澤邉守君) 厩務員といいますのは調教師に雇用されまして、調教師が行います競走馬の飼養管理を補助するという役割を持っておりますので、競馬を施行するために重要な役割の一環を担っておるというふうに理解をしております。
○下田京子君 そうしますと、重要な一環を担っている厩務員、これも他の委員からも御指摘ありましたけれども、調教師と大変身分上不安定な雇用関係を結んでおるわけでしょう。そういうこともあって厩務員の退職金の一〇〇%、そしてまた一時金の八八%、これらを慣行として調教師会を通じて中央競馬会より助成され、支出されているというふうに私は承知しているんですけれども、問題は、この退職金がこういう契約になっているために、本当にいつ打ち切られるのかということで大変心配されているんですね。あと八年、十年後になると定年退職者が急増するというふうに聞いておりますけれども、これら退職金は約束どおり間違いなく支払われるというふうに的確に御答弁いただけますね。
○参考人(澤邉守君) 厩務員の人件費は、本来ならば雇用主である調教師が全額負担するというのがあるべき姿ではないかというふうに思いますが、ただ雇用関係といいますか、あるいは事業の特殊性からいたしまして、これまでの経緯もございまして、退職金につきましては競馬会が全額負担しておる、それから期末手当その他の手当につきましては一部負担をしておるということによって援助しておるわけであります。この点につきましてはいろいろ経緯があってのことでございますが、一つは、退職金について申し上げれば……
○下田京子君 経緯はいいから今後ちゃんとやってくださいますね。
○参考人(澤邉守君) それは今後給与がどのようになるか、それとの関連で退職金にどういうふうにはね返るかという問題がありますので、今これを変えるという考えを持っているわけではございませんけれども、調教師の負担能力というのは最近非常に上がってきております。これは勝負の世界で優勝劣敗原則が働きますから、調教師によって負担能力につきましては差はありますけれども、かなり上がってきておる面もありますので、今後とも必ず一〇〇%永久に中央競馬会が負担するということを決めているわけではございませんけれども、今すぐそれを変更するというような考えは今持っておるわけではございません。今後の推移を見ながら、調教師の負担能力、馬主の負担能力、それから給与の実態というようなものを見ながら検討すべき問題だというふうに思います。
○下田京子君 非常に不明朗な答弁じゃないですか。ですから毎年毎年皆さん心配して予算措置のたびに確認しているんですね。労使間の今の経過の話はいいって言ったのは私は承知しているからなんですよ。 中央競馬会は昭和三十五年二月十九日付で中央労働委員会のあっせん案第五項という格好で確認されているでしょう、御承知でしょう。
○参考人(澤邉守君) 承知しております。
○下田京子君 それを変えるということではないでしょう。
○参考人(澤邉守君) 私どもは中央競馬会として必要な場合に負担すべきだということは当然でございますけれども、すべてについて将来とも負担していかなければならないというところまでこのあっせん案は述べておるというふうには解釈いたしておりません。
○下田京子君 そんな論議がどこでされたことございますか。今後さらに労使関係の安定のために責任を持って積極的に努力するということになっているんですよ、あっせん案の内容は。それはもうけしからぬ話ですよ。ただ、私は今時間がないから詰めて議論するつもりはないですけれども、そういう対応でいったら、今言うような厩務員の労働条件の不安定な状態を許すような結果になる心配というものがあるということになるじゃありませんか。当面はそういうことで対応していることを変えない、こうおっしゃっていますから、それを継続されることを再度要望しておきます。 もう一つ大事なことなんですけれども、賞金がどういうふうに配分されるかという点でこれまたいろいろ御議論になっているようですね。現在、売上額、六十一年度で見れば一兆六千六百五十九億円見越しておりますけれども、その七五%というのは払い戻しになりますね。一〇%が第一国庫納付金に行くわけです。その他残り一五%がもろもろのところに競馬を取り巻く事業費なんていう格好で計上されているわけですけれども、うち六%がかつては賞金として馬主に行ったわけです。馬主に行くということは、私は馬主の肩を持つわけじゃありませんけれども、その預託料が払えないなんていうことになると大変なことですね。預託料の中には厩務員から騎手からもろもろの人件費が入っているわけです。先般、東京の馬主会会報を見ますと、一頭当たり現在八十万円ぐらいの赤字になっている、こういうお話も出ているわけです。そういう点からして、とりあえず、いろいろあるでしょうけれども、今後の検討課題の中で、諸経費が大変アップしている状況でございますだけに、言ってみれば、売上金の六%復活という格好で検討をいただきたい。
○参考人(澤邉守君) 賞金の額につきましては、確かに六%問題というのがございましたが、現在は実質売り上げの四・七%ぐらいになっておるわけでございます。 そこで、賞金は今後どうあるべきかということにつきましては、世の中の常識というものもございますし、また勝負の世界で優勝劣敗ですから、いい馬を育てて、いい馬を持っている馬主さんは、あるいはそれにつながっておる調教師、騎手は賞金の取得額が非常に高くなる。余りいい馬を持っておらない場合には賞金の獲得額が非常に少ないということで、その間の格差がある。格差があることによって勝負というのはおもしろくなるわけで、みんな同じように最低の方でも繋養経費が全部、飼養管理の経費が全部償うというようなことでは、励みにならなくていいレースが展開できないということになりますので、優勝劣敗原則というものは賞金の場合考えていかなければならないというふうに考えております。そういう点からいたしますと、私どもといたしましては、現状程度で適正な賞金額ではないか。もちろん今後の推移によって一般物価のこともありますし、あるいは飼養管理の経費等も見ながら変更を加えるところはもちろんあると思いますけれども、基本的にいい線できておるのではないかと思います。 なお、一言申し上げますと、全頭数について総繋養費を大体償うところに現在の賞金額はきておる、その中で個々には差がある、償わない人も、大いに償ってあり余る人もいる、それが勝負の世界で、原則的にそのような姿になっているのが望ましいのではないかというふうに私どもは思っております。
○下田京子君 言いわけばっかりよね、さっきから伺っていますと。競馬の発展をと言いながら、実際にやっている予算上の措置というのは全く言いわけなんですよ。全部は私は否定いたしませんけれども、もっと積極的に本気になっての対応ということが必要じゃないでしょうか。 もう時間になりましたので、最後に大臣に一つお聞きしたいことは、実は地方競馬の中での東京の特別区競馬の問題なんです。これはナイターの問題で、昨年閣議決定で時間延長が認められ、夜の九時までということで一方的に区で見切り発車するという格好になりました。ただ、その中で品川の区長さん自身もいろいろ申し上げているんですよ。今や地方競馬の役割は終わったんじゃないかとか、あるいはまたナイター競馬実施になりますと、付近に対するいろいろな問題もあるんじゃないかとか、いろいろ御指摘されております。それをなぜに見切り発車というような格好でいったのか。これは大変問題で、八千人もの反対する会の方々が署名を集められているのです。区議会でも結論が出てないんです。こういうような状況の中で、もう一度きちっとした説明をし、地元との合意を得る努力をなさる、その指導監督としての大臣の決意を聞きたいということです。 それと、最後に、さっきお話ししておきました宿題、馬事等振興費の具体的な事業内容と数字をお述べください。
○参考人(澤邉守君) 馬事等助成金十九億七千万、これは六十一年度予算でありますが、一応予定しておりますのは、軽種馬協会に対する助成金、これはラウンドで五千三百万、それから日本軽種馬登録協会への助成金一億六千七百万、競走馬育成協会の助成金一千五百万、この辺が生産関係の団体に対する助成金であります。それから日本馬班協会助成金二千百万、競馬共助会助成金六億一千百万、日本調教師会助成金一千三百万、日本装蹄師会助成金三千九百万、馬事文化財団助成金三億六千四百万、その他は在来馬の保存事業助成金一千四百万、それから馬事事業助成金六億七千万、以上でございます。
○政府委員(大坪敏男君) 大井競馬のナイター開催の問題についてでございますが、私どもは本件に関しましては基本的には、地元の住民の方々並びに地元の警察等関係者の理解を得ながら進めるということが重要だろうと考えておるわけでございまして、この方針に沿いまして特別区競馬組合を指導しているところでございます。 ところで、最近の情勢といたしましては、大井競馬場が所在します品川区の議会におきましてナイター競馬の実施につきまして審議した上で、品川区長は、地元の要望等に対し確実に対応することを条件に実施することはやむを得ない、いわば条件つき賛成の回答を特別区競馬組合に対して行ったというふうに承知しております。これを受けまして、特別区の競馬組合におきましては、これ ら関係町会などから要望されておりますところの防犯体制の問題、街路灯設置の問題等々につきまして、現在警察当局等とも協議をしているという状況にあると聞いているわけでございます。そこで、大井でのナイター競馬自体はことしの七月から開催予定ということのようでございますが、その実施につきましては、関係者の理解を得ながら円滑に行われるよう私どもといたしましても必要に応じまして今後とも特別区競馬組合を指導してまいりたい、かように考えておるところでございます。 〔理事星長治君退席、委員長着席〕
○喜屋武眞榮君 まず初めに財源問題についてお尋ねします。 今回の法案の骨子は私も理解しておりますけれども、日本中央競馬会から昭和六十一年と六十二年二年間にわたって百五十億の倍の三百億を国庫に納付させて農業改良資金の財源に充てるという骨子のようでありますが、予算が従来四年も減額されてきた、これを少しでもよくしていこうという意図からすると、これは結構なことだと思うんです。 農業に直接使えるお金がプラスするわけですから一応結構です。ところが、このような措置があるべき本当の措置であるだろうか、こういうことに対して疑問を持つわけなんです。 中央競馬会の売得金の今後の見通し、どのような見通しを持っておられるのであるか、まずそのことを最初にお聞きしたい。
○参考人(澤邉守君) 中央競馬会の売得金、売り上げでございますが、これは五十七、五十八年度はほぼ横ばい、一%台の伸び程度にとどまりましたが、五十九年度は四%を上回り、昨年、六十年度は九%という大変順調な伸び率となっております。これは競馬場や場外の発売施設を整備したり、あるいは新設をしたりといったようなこと、あるいはファンに対します映像伝送サービスを全国的に場外発売所に設置したというようなこと等の効果があらわれたものと思っております。 今後の見通しいかんというお尋ねでございますが、競馬事業は大変ファンの動向に左右されて、またファンがある意味では非常に移り気と申しますか、固定をしておりませんので、事業の性格上不安定な面が否定できません。したがいまして、今後どうなるかということを断定的に申し上げるのは非常に申しにくいわけでありますが、ことしも幸いにして一月から現在までのところ六%ぐらい伸びておりますので、ことしのところは比較的順調にいくと思います。来年以降になりますと、最近のレジャー産業相互間の競争が非常に激しいものがございますし、公営競技もそれぞれ御苦労なさっておりますし、場外施設を新設するということに対しまして私どもは一歩先んじておりましたが、ほかの競技もどんどんそういう方向で進んでおります。したがいまして、将来これまでの最近の好調を続けるということを楽観視するわけにはまいらないと思っております。しかし、私どもといたしましては、公正、充実したレースをお見せすることにより、また施設を改善いたしまして非常に快適な気分の中で見られるようにするとか、あるいはさらに一層情報サービスを強化する等あらゆる努力をいたしまして、安定的な成長を遂げるように努力してまいりたいと思っております。
○喜屋武眞榮君 人のふんどしで相撲をとるということも一つの知恵であるでしょう。 今安定的ということもおっしゃったですね。これは一般会計からの支出ということが常道でなければいけないと私は思うんです。と申しますのは、資料が明確に示しております。何と申しましても、数字は問題解決の武器である、また基本である、こう思うんです。私が疑問を持ちますのは、昭和六十一年度農業改良資金貸付枠は、前年に比べまして貸付種類は新設、拡充の方向に予定されておる。ところが、公営競技開催成績は年々ダウンしておりますね。皆さんの計画は前向きで、臨時収入も当てにしておられることはよくわかりますが、公営競技開催成績はもう年々減収の方向にいっております。このバランスを見た場合に、まさにそこから不安と疑問がわいてくるわけなんです。果たして不安がないのか、あるいは安泰か、安心できるのであるか、こういった点、いろいろと私なりに疑問を持つわけであります。私が疑問と言いましたのは、こういったことを踏まえての疑問であります。そこで六十三年度以降の農業改良資金の財源の確保については一体どのように考えておられるのであるか明らかにしてもらいたい。
○政府委員(関谷俊作君) 六十三年度以降につきましては、一つは、この改良資金の貸付枠をどのくらいと予定するかという問題がございまして、当面この六十年、六十一年にかけまして資金の種類、内容、金額等も大変拡充しておりますので、その状況を見きわめながら六十三年度以降の貸付枠の設定を図りたいと考えております。一方、農家からの返ってまいりました償還金は貸付財源に充てられますので、その差額が所要の財源ということになるわけでございまして、我々としましては、今回の措置はあくまでも臨時的な特例でございますので、六十三年度以降は基本的には従来と同様に一般会計の問題として、相当額の資金というか、予算を予定するということで、そういう方向で努力を必要とするというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 命の見通しにつきましても、今の段階では何かしら不安に思えますね、この点。 次に、資金の拡充の問題に触れてお聞きしたい点は、昭和六十一年の拡充が予定されておる生産方式改善資金の内訳を見ますというと、稲作省力生産安定資金と畑作技術合理化資金が新設になっておりますね。それから畜産振興資金と野菜生産高度化資金、これは貸付対象と貸付枠の拡大を図っておられる。そこでこの新設、新しく設置された項目、拡充を図ったことの理由は何なのか。それから今まで新設されなかったわけはどういうことだったのか、このことを明らかにしてもらいたい。
○政府委員(関谷俊作君) 実は、この辺の資金につきましては、昨年の改正をしますときに、従来の技術導入資金のほかに生産方式も含み生産方式改善資金ということで、畜産、野菜、果樹、養蚕と四部門の資金を創設したわけでございまして、その後の実態を見ますと、このとき創設いたしませんでした稲作、畑作、この二部門についても技術の実態から見ますと、例えば稲作で申しますと側条施肥田植え技術でございますとか、あるいは比較的大きい段階での成苗田植え技術、こういうようなものが出てまいりまして、こういうものを普及する必要性。それから畑作については一つの合理的な輪作体系、能率的な作業技術の導入、こういう技術の普及を図ります必要上、稲作、畑作についても一つの部門を設ける必要があろう。こういうのが新設の理由でございます。野菜につきましては、これまでございました雨よけ栽培、省エネルギー温室栽培の導入等やっておりますが、これからさらに能率的な野菜の生産方式の導入ということで省力化、それから収穫後の調製作業の省力化、こういうようなものとか、それから畜産につきましては、飼料自給度の向上、肉用牛の飼養規模の拡大等、子牛生産行程の総合的な改善を行うに必要な資金、こういうことでそれぞれその後の私どもの検討に即しまして、これらの資金の新設または拡充を行う必要があるというふうに判断した次第でございます。
○喜屋武眞榮君 次に、この資金枠の拡充に結びつけて、沖縄の開発の問題に触れたいのです。 たびたび機会あるごとに私、強調しておりますように、我が国の唯一の亜熱帯地域であるというこの特色は皆さん十分認識しておられると思うんです。他県ではまねることのできない内容があるわけなんですね。例えばサトウキビの問題やあるいはパインの栽培等々、どうしても今日までの立ちおくれの経過からしましても、政府の協力を得て、特に最近著しい開発の方向に、基盤整備の方向にいきつつあることも事実なんですが、他県との格差はどうしても追いつかない。ぐんぐん本土 もまた前進があるわけですから追いつかない。こういうことでかけっこをしておる状況であります。 そこで、農業改良資金についても、他の地域と異なった特殊性を十分認識の上で配慮してもらうべきである。絶えずそのことを言って、いいコメントをいただいておるわけですけれども、結果的にはなかなかおっしゃるとおりのことがあらわれてこない。そこに不満があり、もどかしさがあるわけなんです。そこで農水大臣の考えをぜひお聞きしたい。
○国務大臣(羽田孜君) お答えいたします。 農業改良資金の貸付対象とするためには、貸し付けを受けて導入、普及される技術が先端的なものであること、あるいはモデル的なものであること、こういったことを有することが必要でございまして、この考え方に従って資金種目あるいは対象機械、施設等を決めまして貸し付けを行っておるというのが現状でございます。したがって、これらの要件を満たす内容でございますと、農業改良資金の対象として実施することが可能であるわけでありますけれども、一般的にサトウキビあるいはパイナップルというように地域性の非常に強い作物について対応するのは、今都道府県が内容を決めておりますところの地域農業技術導入資金がございまして、これを活用するということになっておりまして、今先生から御指摘のあった問題につきましては、私どもの方も沖縄県の方と十分連絡をとってまいりたいというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 何と申しましても、沖縄における基幹産業といいますと農業であります。そして、その農業から生産する生産物というのは、私はいつでも言うのだが、結果的には沖縄県民のためになることは間違いありませんが、国土開発の一環として、そして一億二千万国民の食糧を生産する基地として沖縄をとらえてほしい、こういうことをまたここでも強調するんです。日本の食糧基地になることを私は自信を持って本土の皆さんにも政府にも強調いたすわけでありますが、そういう認識に立って、ぜひひとつ資金面の融資についても十分な配慮をしてもらうべきである、こう重ねて要望いたすわけなんです。それを理解していただけば結構だと思うんですが、大臣のコメントがいただきたい。
○国務大臣(羽田孜君) お答えいたします。 今お話がありましたように、確かに沖縄の気象というもの、これは亜熱帯の気候で、特色のある作物が、本土とは違った作物がとれるということ、あるいは野菜、花舟等につきましても、本土が寒い時期に栽培が十分できるということがございます。そういう意味で、私どもとしても、花弁ですとかあるいはパイナップルという特別な作物あるいは畜産、そういったものをこれからも振興して我が国の一つの農産物の基地にする、これは私も全く同感であります。そのためにこれからも土地改良を進めていくようなことを積極的にしていかなきゃいかぬと思っております。 ただ、今ここでも申し上げましたように、この資金そのものの性格というのは、モデル的なもの、あるいは先駆的なものということで資金量そのものの全体がそんなに大きなものじゃございませんので、そういう方がある場合には、私はもちろんそれは対象にしていかなければいけないというふうに思います。 全般的なサトウキビあるいはパイナップルのことにつきましては、先ほど申し上げた地域農業技術導入資金ですか、こういった資金を十分活用できると思いますので、今先生のお話をもとにしながら、私どもの方も県の方と十分協議してまいりたいというふうに考えます。
○喜屋武眞榮君 いいコメントがいただけましたので、次に、山には山の憂いあり、海には海の悩みありとだれかが言いました、そのことを盾にして私は申し上げたい。 今度大臣がソ連に行かれましてカメンツェフ漁業相と交渉された。大変御苦労さまでありました。二百海里問題をめぐって毎年のように日ソ漁業交渉で難渋しておられる。難渋の結果というのは毎年厳しい方向に行きつつある、結果的には。この二百海里問題が国際的にも大きな話題となって広がりつつあるわけです。ところが、このことと沖縄県の漁業問題とが無縁ではないということを私はこの機会に申し上げたいんです。そして理解を深めていただきたい、そして御協力をいただきたい、こういうことで実情を申し上げます。 沖縄の漁業は、今まさに二百海里問題をめぐって毎年のように特に最近厳しく直撃を受けつつあるということなんです。すなわち、北方で二百海里問題が問題になりまして、締め出されますというと、勢いあの地点からだんだん北方漁業が南の方に移動しつつあったわけです。このことは十分御存じだと思います。 ところで、その実態です。沖縄では亜熱帯の特殊性から、日本の水産業の漁業の枠の中で栽培漁業の適地であるということで、沖縄近海は非常に大事にされて、そして今具体的にはパヤオ、浮き魚礁というものが非常に大事にされまして、その成果がぐんぐんあらわれつつあるわけなんです。ところが、困ったことに、北の方からやってきた漁業団がそれをねらって、最初の方は紳士的でそう被害もなく問題にもならなかったようですが、このごろは目に余るものがある。そこで、県当局、それから沖縄海区漁業調整委員会、県の漁連、この三団体がもう黙っておれぬ、見ちゃおれぬ、こういうことで緊急対策を講じまして、今立ち上がりつつあります。その結果、つい最近政府にも陳情要請に来ておられます。この代表にきっと対応しておられると思いますが、そのことを後でお聞かせください。 それはこういうことなんです。まず、その浮き魚礁は、最初は公海上、二百海里の外でありましたから、しかもお互い日本の仲間でありますから、侵犯という言葉には当たらぬと思います。と言いますのは、沖縄の場合に、台湾漁業がもう頻繁に領海侵犯をいたしまして大騒動をしたが、幸いに海上保安庁の警備によってだんだん締め出されつつあるわけであります。ところが、それは締め出されつつありますけれども、今度、仲間同士が北の方からやってきまして荒らしつつある。このことは、実際問題としまして、何かしら内輪げんかをしておるようで大変気も引けるわけであります。 ところが、私は道義的立場から、紳士協定という立場から何とかならぬものかという気持ちを込めて申し上げたいんです。この公海上にある浮き魚礁に寄ってくる魚は、カツオ、マグロ、カジキ、サワラ、こういう魚が非常にいいあんばいに寄りつつある。それが大変困ったことに、北の方から五十トンから百トンの大型漁船でやってきておるんです。ところが沖縄自体の漁船は五トン前後の漁船なんです。ですから五トンで警戒を一応しておるわけですが、天気の悪い目には五トンでは行けない。そこをねらって五十トン、百トンの大型漁船が、今度北の方からやってきた漁団がどんどんそれをとり上げておる。それから昼は警戒しておるようですが、沖縄が引き揚げたすきをねらって夜分とる。沖縄の方針としまして、五トン装備では根こそきとらぬで適当にとっていつまでも魚礁に繁殖させるということだが、北からやってきた漁船はもう根こそぎ。だから沖縄では、一網打尽という言葉じゃなくして事実をもって一網打尽さらっていって、そして沖縄の小型の船が行きますと、十日や二週間はそこでは種切れになって魚をとれないというんですね。この事実を見て一網打尽されたといって悲鳴を上げておるんです。事実、こういうことがあるんです。最初は公海上のことであったが、今度は、沖縄では百五十一基の浮き魚礁を漁業組合がそれぞれの地域で仕掛けておるんです。そうすると、北の方からやってきたのが今度は公海から沖縄近海にまでも侵食して荒らしておる。そういう実態になっておるんですね。 そこで、一つの問題は、侵犯の形をとらずに県外の漁船がやるパヤオ周辺での操業をやめてほしい、沖縄の漁民が仕組んだ、栽培したその施設を 荒らさぬでもらいたいということが一つ。そういうことを関係県へ自粛要請したい、お願いします。これには法的拘束力もないということをよく承知しております。ないからといって自由に侵食してもらったんじゃ大変なことになる。ないからといって、それじゃ仕方がないといって沖縄側は手をこまぬくわけにもいかない、こういった悩みを訴えておるんです。 そこで、県が緊急パトロールを今強化しておるんです。お願いですというその良心的なところは、道義的立場から紳士協定しようじゃないですが、そして共存共栄をしていこうじゃないですかと、こういう謙虚な気持ちで今お願いをする。こういうわけですから、政府もひとつ御配慮願いたい。こういうことでこの緊急対策会議の代表も来ておるわけなんです。 そこで、先ほど申しました沖縄海区漁業調整委員会というのは、県内における漁業団体がそれぞれまた紳士協定をしまして、お互いに敷設した浮き魚礁を、縄張りを荒らさぬようにやりましょうなと、こういうことが沖縄海区漁業調整委員会の指示でできたのですね。県内でもこのように協定をして仲よくやっておりますのに、それを知ってか知らなくてか、外部から飛び込んできてめちゃくちゃに荒らしておるというのがこの現状であるわけなんです。北からやってきておる漁業団体は一体どこの何者かということも私は知っておりますけれども、ここでは皆さんにまた失礼になるかもしれませんので一応表明しないことにいたします、政府はちゃんとわかっておられると思います。そういうことで、このような実態に対して、道義的立場から、紳士的立場からぜひひとつ善処してもらいたい。ここに政治ありと私は言うんです。どうかひとつ、この問題は沖縄の特殊事情ではあるかもしれませんが、しかし私はいつでも、沖縄自体の問題と受けとめてもらいたくない、国土の一環として、沖縄の陸を、沖縄の海を、沖縄の空を考えて理解していただきたいと私がいつでも言うのはそういうことなんです。どうかそういうセクトを一応脱ぎ捨てて、大所高所から受けとめて、一日も早く緊急対策を立てていただいてそれなりに御指導を賜りたい。こういうことを強く要望いたしまして、大臣からはそのコメントを、そしてまた関係の皆さんからは今とっておられる具体的なことを聞かせてください。
○政府委員(佐野宏哉君) 今先生御指摘のような事態は、決して沖縄の特殊問題ではなくて、二百海里体制下、全国的にそういうケースがいろいろあるわけでありまして、決して沖縄の特殊事情ではない、今後二百海里時代に私ども水産行政が取り組むべき重要な問題であると、こう思っております。具体的な事情を大至急調査した上でとるべき対策について検討を始めたいと思っておりますので、きょうの段階ではそういう答弁で御容赦願いたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) このたびのああいうソビエトとの話し合いの結果、それによって減船が出てくる、そういったものが国内の漁場で仕事をしていく。そういったことがありますと、確かにそれぞれの漁場というのは各地域によって非常に細かいあれがされておりますので、今お話しのような問題が出てくるかと思っております。ですから、これは今長官の方からお答えしましたように、単に地域的な問題というふうにとらえず、そういう問題が各所にあるということを私たちは認識しながらそれぞれ調査して調整をするように指導していく、そういう考え方でこれから進めていきたいと思います。 —————————————
○委員長(成相善十君) この際、委員の異動について御報告いたします。 山田譲君、稲村稔夫君、八百板正君、小林国司君及び大城眞順君が委員を辞任され、その補欠として上野雄文君、村沢牧君、久保亘君、林健太郎君及び大河原太一郎君が選任されました。 —————————————
○委員長(成相善十君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 農業改良資金助成法による貸付金等の財源に充てるための日本中央競馬会の国庫納付金の納付等に関する臨時措置法案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成相善十君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成相善十君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(成相善十君) 次に、農林水産政策に関する調査のうち、北洋漁業対策に関する件を議題といたします。 菅野君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。菅野君。
○菅野久光君 私は、この際、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公則党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び二院クラブ・革新共闘の各派共同提案に係る北洋漁業対策に関する決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 北洋漁業対策に関する決議(案) 今次の日ソ漁業交渉は難航を極め、両国漁業の三カ月余にわたる中断の末、我が国漁業操業の大幅な規制という誠に厳しい結着を余儀なくされた。 また、米国水域の対日漁獲割当てについても、昨年に比べ大幅に削減されることが確実な状況となっている。 今後、この操業規制が関係漁業者、漁船員、水産加工業者ひいては地域経済等に及ぼす影響は計り知れないものがある。 よって政府は、関係者の生活・経営並びに国民への水産物の安定供給に不安を生じないよう次の事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。 一 漁獲割当量の大幅削減等に伴い生ずる関係漁業の減船、水産加工業の班業転換等に対しては、財源を含め諸対策を早急に講ずること。 二 減船等により離職を余儀なくされる漁船ぶ等の生活の安定を確保するため、速やかに円滑な転職のための施策を実施すること。 三 漁業活動の縮減等に伴い影響を被る地方自治体に対しては、現行財政制度の運営上、十分配慮を加えること。 四 新たな段階を迎えた二百海里体制に即し、中長期的な展望の下、遠洋漁業の計画的再編整備によりその経営の安定を図るとともに、我が国漁業の秩序ある操業が確保し得るよう対策を強化すること。 五 近日中に開催が見込まれる日ソ・サケマス漁業交渉に当たっては、我が国の要求が集塊できるよう全力を尽くすこと。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(成相善十君) ただいまの菅野君提出の決議案に対して御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、ただいまの各派共同提案による菅野君提出の北洋漁業対策に関する決議案の採決を行います。 本決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成相善十君) 全会一致と認めます。よって、北洋漁業対策に関する決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、羽田農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。羽田農林水産大臣。
○国務大臣(羽田孜君) ただいまの決議につきましては、その御趣旨を尊重し、検討の上、最善の努力を払ってまいる所存でございます。
○委員長(成相善十君) 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五分散会 —————・—————