農林水産委員会 第4号
- 発言数
- 270 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1986/03/27
会議録
○委員長(成相善十君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。 土地改良法及び特定土地改良工事特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案につきましては既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山田譲君 土地改良法の関係に入る前に、一つ大臣にぜひお伺いしたいと思うのであります。それはこの前の大臣の所信表明に対する質問でも若干触れたわけでありますが、近ごろの傾向を見ますと、日本の耕地がずっと減っていっているという現象が明らかにあるわけであります。ただでさえ日本の少ない耕地がさらにだんだん減っていくということは、いろんな原因があると思うんですけれども、その原因についても後で、これは大臣でなくても結構でありますが、お伺いしたいのでありますが、とにかくそういう問題があります。先日の四全総の報告を見ましても、ここ十年ぐらいの間に百万ヘクタールくらいは、なくなるとは言っていないけれども、遊休地化するというふうな言い方をしているわけであります。そういう中にあって土地改良の重要性もまた一方では非常にあるわけであります。 そこで大臣にお伺いしたいのは、こういうように耕地がどんどん減っていく、そしてまた当然のことのようになってますけれども、担い手もどんどん減っていって、二〇〇〇年のときには四百十六万人に、これは四全総の関係の報告で言っているわけですけれども、減ってしまう。こういう状態について、これからの農政は非常に難しいものがあろうかと思いますけれども、その原因と、それに対して農政をどういうふうに持っていくかというような問題についてまず大臣の御意見を伺っておきたいというふうに思います。
○国務大臣(羽田孜君) 確かに、今先生からお話がありましたように、近年都市化が進んでいくということ、あるいは農村にも工業を導入するとか、そういった面がございまして、確かに農地が減っているといいますか、どんどんというほどじゃありませんけれども、多少減っている傾向にあるということは言えると思います。 それともう一つは、今先生から御指摘がありましたのは、例の国土庁の調査といいますか、それの見通しにあったんじゃなかろうかと思いますけれども、高齢化が進んでおるということで、このまま手をこまねいていると百万ヘクタールぐらい減ってしまいますよという話であろうというふうに思っております。 ですから、原因としては、いわゆる都市化の問題、あるいは高齢化の問題、そういった問題があると思いますけれども、しかし私どもは、そういったこの時期というものを、大きな新しい時代の農業をつくり上げるための一つの転換の時期であるというふうにとらまえながら、これに対して例えば農用地利用増進事業といったものを十分活用しながら中核的な農家に農地の集積を図る、そして本当の意味での近代的な農業というものをつくり上げていく、これに貸さなければいけないんではないかということを今考えます。
○山田譲君 農水省の方のおつくりになっている長期見通しを見ましても、昭和六十五年については、大体面積が五百五十万ヘクタールぐらい必要であろうというふうなことになっているようであります。ところが、現在見ますと、既にこれを割って五百三十八万ヘクタールになっております。こういう見通しですね、農水省がおつくりになった長期見通し、あるいは農政の基本方向というようなものがあるわけですけれども、こういうものと、それから土地改良の三次計画がありますね、これとの整合性についてはどういうふうに考えていらっしゃるか、これは局長、お願いします。
○政府委員(佐竹五六君) ただいま先生の御発言の中にございました五百五十万ヘクタールでございますが、これにつきましては、農産物長期需給見通しに基づきましてそれぞれの個々の作物別に需要量を勘案しながら生産量を決める、それに生産性の伸び等を見て必要延べ作付面積を出す。それが大体六百十三万ヘクタールぐらいになるわけでございます。それに耕地利用率、大体現在たしか一〇三%ぐらいでございますか、それの伸びを見込みまして一一三%ということで見込んで算定しました数字が五百五十万ヘクタールという数字でございます。 そのような意味で、この数字というのは食糧自給力の維持強化という農政の基本的課題と密接不可分の関係にあるわけでございます。私ども、土地改良長期計画も、その農産物長期需給見通しに基づくこの五百五十万ヘクタールを前提といたしまして、耕地の壊廃もある程度見込んで四十七万ヘクタールの造成が必要である、こういう数字を算定しているわけでございまして、そのような意味でこの農産物長期需給見通しと土地改良長期計画は整合している、こういうことになっている、そういう関係にあるわけでございます。
○山田譲君 今言われた第三次計画で畑を六十万ヘクタール、田んぼを約百万ヘクタール、それから農用地開発を約四十七万ヘクタールというふうに計画しているようでありますけれども、これはどういうことからこういう数字が出たのか。そして、田んぼは当然お米をつくるわけですけれども、一体畑については何をつくろうとなさるか、あるいは農用地開発をしてどういうことをしょうとしておられるか、こういう計算があってこれは出てきた数字だと思うんですけれども、その辺はどうですか。
○政府委員(佐竹五六君) ただいまお話のございました百六万ヘクタール、それから畑六十万ヘクタールの整備、それから農用地造成四十七万ヘクタール、こういう数字があるわけでございますが、これにつきましては、六十七年の整備の目標を大体七〇%程度に置く。というのは、水田でございましたら三十アール区画で冬期の地下水位を七十センチ以下にする、畑でございましたら、その農道が大体個々の圃場まで整備される、そういう状態を想定いたしまして、それを大体七〇%まで持っていきたい。そのためには、当然のことでございますが、農用地の総合的な整備事業というのが必要になるわけでございまして、その面積が、田百万あるいは畑六十万、こういうことになっておりまして、さらにその前提といたしまして、基幹的な農業用用排水施設というものの整備をする必要があるわけでございまして、その整備に要する事業費を見込んでおるわけでございます。 それから農用地造成の四十七万ヘクタールにつきましては、先ほども御説明いたしましたけれども、延べ作付面積の六百十三万ヘクタールというものから五百五十万ヘクタールを算定いたしまして、それに壊廃を見込みまして、必要な造成面積として四十七万ヘクタールという数字を割り出しているわけでございます。
○山田譲君 例えばお米の需給の見通しでありますけれども、お米については、どうもだんだん一人当たりの消費量も減っていく、十年後に、六十五年ですか、一人当たりが六十三キロないし六十六キロというふうなところまで減っていく。今ちょっと需要もふえているようですけれども、いずれにしても、そういうふうに一人当たりのお米が減っていく。当然それに伴ってお米の生産量も減らしていかなきゃならないということがあるわけですけれども、例えばお米について言えば、お米は、百万ヘクタールの土地改良をちゃんとやって、そうしてその結果として出る数字一千万トンなり、あるいは一人当たりの需要というふうなものを勘案した結果になっているのかどうか。そこら辺はどうですか。
○政府委員(佐竹五六君) 先ほど申し上げましたように、この土地改良長期計画につきましては、個々の作物ごとに需要の動向を勘案して必要生産量を決めまして、その必要生産量について、例えば土地改良等によって単収の伸びも期待できるわけでございますから、そういう伸びを見込んで必要作付面積を出すという作業を積み上げておるわけでございまして、そのような意味で、ただいま先生の御指摘がありましたとおり、個々の作物とリンクして計画が立てられておると言うことができるわけでございます。
○山田譲君 例えば群馬なんか見ますと、最近よく見られるんですけれども、もちろん便利のいいところはいいんですが、山間僻地なんかの田んぼになりますと、これはだんだん減っていく、減っていくというか荒れ果てていっている。先祖伝来かなり苦労してつくった田んぼなんでしょうけれども、どうも割に合わないから、あんなところの田んぼまでやってもしょうがないというわけで、田んぼが荒れていっている状況が非常に顕著に見られます。こういうことについて、農水省としてはどういうふうに指導なさるか。その辺はどうですか。
○政府委員(佐竹五六君) 先ほど大臣からの御答弁にもありましたとおり、農業労働力がだんだん高齢化していくということになりますと、どうしても条件の悪い山間部では耕作放棄というような事態が発生するわけでございます。そのことが先ほどもお話ししました五百五十万ヘクタールというトータル面積にも影響してくるわけでございますので、私どもとしては、そのような条件の悪い耕地につきましても、もちろん一定の経済的なチェックを経て事業として取り上げたものについては、省力的な営農が営めるような条件を整えるということが一点。それからなおかつ、それぞれの地域で、少数ではございますけれども、なお農業をやっていこうという意欲を持たれる方もいらっしゃるわけでございますから、そういう人たちにそういう耕地の耕作権が集中するように、ハードな面では農業基盤の整備を進める、それからソフトな面ではそういう整備した農地について意欲的な農業を営む方々に耕作権が集中するように持っていく。こういうハード、ソフト両面から対策を講じてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○山田譲君 非常に便利なところでしたらだれしも耕すだろうけれども、不便なところになりますと、みんな集中しろといっても、不便なところまでわざわざ行ってやるのは面倒くさいから、だから割にも合わないし、こんなものはもう捨てた方がいいというふうな格好で捨てているのが実情なんじゃないかと思うのですよね。 私は、これは非常にもったいない話だと思うのですけれども、考えようによってみれば、割に合わないものなら無理することもないというふうにも思うんですけれども、何かもう少し活用の道はないかということを感じるんですけれども、その辺はどうでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 確かにおっしゃられるとおり、画一的に三反歩区画をつくれといっても、山間地の土地条件からいって、それは物理的にできないことはないにしても非常に金がかかり過ぎるというようなこともございますので、そういうところでは二十アール区画でもいいというような方策もとっております。 また一方、当然のことでございますが、私どもとしては、非常に条件の悪いところに、その条件を無視してまであえて農地として残そうということを考えているわけではございませんので、一定の経済的な投資効率というものは常に算定してやっているわけでございまして、これは土地改良事業としてやる以上、投資効率、つまりその事業をやることによって作物の増収効果とかあるいは営農労力の節減効果、そういうものを見込んで妥当投資額というのを一応算定いたしました。それと事業費を比較して一事業になるところをとる、こういう作業は全部についてやっております。したがって、そういうものから外れるところについては、これは例えば植林を進めるとかいうような方策も当然考えられるわけでございまして、そのときどきの経済的な条件に従いまして耕地の限界、耕境というふうに私ども申しておりますが、それが変動するというのは、これは自然のある意味では摂理と申しますか、経済の法則でございます。そういうことを前提にしながら、その中で五百五十万ヘクタールの農地を確保していきたい、かように考えておるわけでございます。
○山田譲君 よくわからないのは、いろんな推計がなされるわけですけれども、結局五百五十万ヘクタールを何とかして確保していきたいということのようですけれども、実際の現状を見ますと、今言ったように田畑はどんどん荒れる、特に山間僻地みたいなところでは。片方では相当膨大な金をかけて土地を開発していくというふうなことがあるわけでして、片方では、例えばお米について言えば、先ほども言いましたように、需要の方はまだ当分減っていくであろうというふうに考えられる。 それやこれやを考えますと、例えば今後、十年後に一体日本の耕地は減るんだろうか、ふえるんだろうか、田んぼと畑の比率はどうなるんだろうかというふうなことがどうもよくわからなくなってくるわけですね。一応計画は間違いなく立てているけれども、そのとおりに果たしてなっているかどうか、ここら辺はさっきもちょっとお伺いしたところではありますけれども、十年後を見通して、大体どういう姿になるだろうということを農水省としてどう考えていらっしゃるか、もう一遍お答えいただきたいと思うのです。
○政府委員(佐竹五六君) 先ほど申し上げましたように、六十七年を目標といたしまして五百五十万ヘクタールの農地の確保、もちろんこれは田と畑、今ちょっと数字が手元にございませんけれども、それぞれ基礎になる数字があるわけでございます。ただ、現在、私どもといたしましても、この土地改良長期計画の前提になりました農産物長期需給見通しが、策定してから五年を経過しておりまして、いろいろな面で現状に合わなくなっている面もあるわけでございまして、そのことについては、これは計画を変更するかどうかは別といたしまして、現在農政審議会においてその見直しと申しますか、レビューをやっているわけでございます。どういう理由で、どこがどのくらい現状と食い違っているかということがございます。その結果を見守る。と申しますのは、農産物長期需給見通しが改定されれば、私どもの土地改良長期計画の方も、当然のことでございますが、これは計画の改定等に踏み切らなければならない、かように考えているところでございます。
○山田譲君 そこで、土地改良法のある程度問題に入っていきたいと思うんですけれども、そういうことで第三次計画ができていると思うんですね。ところが、第三次計画がなかなか計画どおり進んでいないという実態があるんじゃないかと思うんです。大体今のところ進捗率としては何%ぐらいにいっていますか。
○政府委員(佐竹五六君) 金額ベースで一応進捗率を見ますと、六十一年度末で約二二%という数字になっております。
○山田譲君 第三次計画をきちんとやれば、そうすればさっきあなたがずっとおっしゃったような五百五十万ヘクタールを確保し、そして大体需給見通しのとおりの農作物をつくることができるということであるとするならば、第三次計画が二二%しかいっていないということは、これは相当その計画そのもののとおりにいかないということになるんじゃないかと思うんですが、そこはどうですか。
○政府委員(佐竹五六君) この計画は等比級数的に毎年の一定の事業量の伸びを見込んで策定しておりますので、二二%が毎年、十年間で一〇〇%達成するとして四年ならば四〇%ぐらいいっているはずだろうということには必ずしもならないわけでございますが、しかしながら現時点でかなり計画が当初想定したよりおくれていることは、これは否定できないところでございます。
○山田譲君 だから、そこで最初に私言ったように、需給見通しと整合性がありますかと聞いたのはそこだったわけです。だから、一〇〇%第三次計画が達成されたとすれば需給見通しどおりになるということであるとすると、第三次計画は二二%しか進んでいないとすると、これは需給見通しのとおりにならないというふうに常識的に考えざるを得ないんだけれども、その辺どうでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) もちろん、農地の面積の現状を規定します要因といたしましては、拡張と壊廃と両方のバランスで決まってくるわけでございますので、必ず拡張が計画どおりいけばその予定面積が確保できるかという問題は形式論理としてはあるわけでございますが、実際問題としましては、壊廃もかなり落ち込んできておりまして、主として拡張の方の減り方によって現在の農地の面積の現状が、大臣が冒頭お答えいたしましたように、毎年少しずつ減ってきているという趨勢にあることは間違いないところでございます。ただ拡張につきましては、土地改良長期計画も四年たっただけでございます。まだ後年度が残されておりますので、私どもとしては後年度に、今回の土地改良法等の改正もその一つのあらわれでございますけれども、何とか事業量を拡大する方策を模索しながら計画の達成に努力してまいりたい、現段階ではそのように考えておるわけでございます。
○山田譲君 それにしても三十二兆でしたかね、第三次計画の総額、そして二二%ということですね。そうすると今の財政難の中で、努力はすると言っていますけれども、これは現実問題として相当難しい話になってきやしないかと思うんですね。ですから私が言いたいのは、需給計画をきちっとつくり、そして第三次計画をそれに合わせてつくったとすれば、これは一番大事なことなんですから、この第三次計画どおりにぜひやってもらうようにこれから頑張ってもらいたいんですね。 それに関連して、今度の土地改良法の改正もある程度そういうことも加味したと思うんですけれども、今度の土地改良法の主なねらい、それから改正点、そしてそれが農民に対してどのくらい利害得失を与えることになるかということを御説明願いたいと思います。
○政府委員(佐竹五六君) 今回の改正の端的なねらいといたしましては、国費の支出増が厳しく抑制されている状況で、事業量をふやすためにし、全般的に遅延しております国営事業、土地改良事業の進度をアップすることをねらいとしているわけでございます。 今回の改正によりまして節約される国費が二百億ぐらいになるわけでございます。この二百億を国営事業、これは一般会計事業と従来からの特別会計事業、それからまた国営に関連いたします附帯の県営、団体事業にも使うことといたしまして、そのことによって事業量として約四百三十億程度の増を見込んでいるわけでございます。このことによって工期がどのくらい短縮されるかということでございますけれども、従来の一般会計事業では、平均的な工期が昨年の状況では二十二年程度であったものが二十年程度に短縮される、それから従来の特別会計事業につきましては、六十年度では十四年であったものが十三年程度に、一年でございますが短縮されるという効果が出るわけでございます。 このように、特に従来の特別会計事業について工期が短縮されることによって、いわゆる建設利息の負担が少なくなるわけでございまして、その分だけ農民の受益者負担も軽減される、かような関係にあるわけでございます。
○山田譲君 さっきもちょっと言いましたけれども、四全総の方では、何か要するに手をこまねいていればということだと思いますけれども、黙っていれば百万ヘクタール土地が、もちろん土地はあるんでしょうけれども、何か遊休地として荒れ果てていってしまうということのようですけれども、この関係とこの第三次計画との関係、これはどうなりますか、どうなるというふうに考えられるか。
○政府委員(佐竹五六君) この土地改良長期計画の前提になりました農産物の長期需給見通し、さらにその政策的な裏打ちといたしましては、「八〇年代の農政の基本方向」という方向が農政審議会の議を経て定められているわけでございますが、その「「八〇年代の農政の基本方向」の推進について」という、いわば基本方向を実現するための具体的な政策手段がやはり農政審から答申されておりまして、それによりますと、十年間で約九十万ヘクタールの農地が移動することを見込んでおるわけでございます。そのような意味で、個々の具体的な数字につきましては、国土庁の方の試算とチェックが必要になるかと思いますけれども、基本的な方向といたしましては、国土庁の方で考えておられる考え方と私どもが考えている考え方とは整合しているものと考えておるわけでございます。
○山田譲君 いや、国土庁は百万ヘクタールはもう荒れ果てていってしまうよと言っているわけですよね。だから、それと同じ考えじゃ困るんで、荒れ果てないということを農水省としては考えてもらわないと困るわけだけれども、その点はどうなんですか。
○政府委員(佐竹五六君) 冒頭、大臣からもお答えいたしましたが、私どもとしては、農業就業人口が非常に高齢化していくということは、これは一つ間違えば荒廃する危険性もあるわけでございますけれども、また逆に言えば、その流動化する耕地の動くきっかけにもなるわけでございまして、まさに盾の両面でございまして、私どもとしては、今先生から御指摘いただきましたとおり、荒廃してもらっては困るわけでございますから、非常に年をとってきたので耕作をやめたいという方々から、意欲的にやられる少数の方々に耕作権が移動するように政策の展開を図ってまいりたいと、かように考えているわけでございます。
○山田譲君 現在、農業問題で一番問題になっているのは、米を初めとして過剰の問題じゃないかと思うんですね。そのために減反政策をやったり、いろんな調整をしているわけですけれども、そういう中で土地改良をやってお米をたくさんとっている、あるいは畑の改良をしてそれで農産物をたくさんとるというふうなことを考えていくのは非常に難しいと思うんですけれども、その過剰の傾向と土地改良の関係、これはどういうふうに考えればいいんですか。
○政府委員(佐竹五六君) 国営事業と申しますか、国営事業に限らず、農用地造成を進めるに当たっては、何を、どういう作物をそこでつくるかということが基本的に重要な問題であることは御指摘のとおりでございます。その農産物長期需給見通しによって伸びる、拡大が期待される作物と、それからむしろ生産が過剰で抑制しなければならない作物とを判断いたしまして、拡大が期待される作物を中心に計画をつくるということを仕組むわけでございまして、例えば農産物長期需給見通しで拡大が期待される作物としては、麦類、大豆、それから野菜の中でも葉菜、それから果樹の中でもビワ、桃、ナシ、クリ、こういうものが、さらに特用作物としては、てん菜、菜種等も需要の拡大が期待されます。それから特に飼料作物については大幅に伸ばす必要があるというふうに考えているわけでございます。 このような作物を中心に、それぞれの地域ごとの市場条件等、従来の農業者の営農経験等も勘案しながら、個別地区ごとに営農計画を立てているわけでございまして、非常に具体的な例で申し上げれば、かつては農用地造成の大宗を占めたものは開田であったわけでございますけれども、一切開田はもう私ども認めておりません。それからまた果樹の方でも、かつて三十年代から四十年代の初めにかけては、非常にミカン園の造成が精力的に行われたわけでございますけれども、これにつきましても、現在のかんきつの需給動向から見て、そのような計画は一切組まれていないわけでございまして、そのようにそのときどきの需給情勢を反映した計画をつくるべく努力しているところでございます。
○山田譲君 農産物というものの性格上、将来を見通すということは、それはある程度はできるにしても、現実問題としては非常に難しさがあると思うんですね。 恐らく八郎潟にしても、あの干拓を始めたとき、ちょうど私も秋田県庁にいたわけですけれども、いろいろ当時のことを思い出しますと、あのことの是非をめぐって非常に議論がありました。今米はないんだというけれども、将来はお米をもっともっと食わなくなるから、そんなものをつくってもしようがないというふうな意見も確かにあったわけですね。だから、そういうところで干拓が必要だということで干拓をし始めた。ところが、現実に最近の状況を見ますと、やはりお米が相当問題になってきているということがありますし、なかなか将来を見通すということは難しいと思うんですけれども、その辺は臨機応変に絶えずその時勢に合うように、その需要に見合うような営農の指導をよくやっていっていただきたい。土地改良についてはどうしてもそれが必要だと思うんですけれども、どうもその辺が、今までの状況を見ると、足りなかったんじゃないかというふうな気がするんですけれども、その辺はどうですか。
○政府委員(佐竹五六君) ただいま八郎潟の例を引かれたわけでございますが、私どもそれなりに努力はしてきているつもりではございますけれども、御指摘のように個々の地区をとりますと、御指摘を受けて非常にごもっともである、まだまだそういう地区があることもこれは事実でございます。なお一層、非常に多額の国費、貴重な国費をかけてやっている仕事でございますので、そういうところがまず原則として出ないようにしてまいるように今後も努力してまいりたいと、かように考えております。
○山田譲君 そこで、いささか具体的なところへ入っていってみようと思うんですが、まず一つの土地改良事業を始めようということになった場合に、まずどういう手続を経て土地改良事業が開始されるか、そこのところをちょっと具体的に教えてください。
○政府委員(佐竹五六君) 国営土地改良事業の開始手続でございますけれども、まず土地改良法の三条に規定する「資格を有する者」、これは十五人以上の者が申請人となります。申請人は、土地改良事業計画の概要、それからでき上がった施設の予定管理方法その他必要な事項を公告いたしまして、受益農家の三分の二以上、それから農用地造成の場合には、全員の同意を得て、関係都道府県知事を経由して農林水産大臣に施行の申請をいたすわけでございます。この申請を受けますと、国は申請内容を審査し、関係都道府県知事等と協議いたしまして、その適否を決定することになるわけでございます。国は適当とする旨の決定をした場合には、専門技術者の調査報告を聞く、つまり計画内容が技術的に見て妥当であるかどうかということについて専門技術者からチェックしていただきまして、そういう手続を経た上、国営土地改良事業計画を作成いたしまして、その旨を公告し、所定の期間、これは二十日以上でございますが、関係市町村の事務所に事業計画書の写しを縦覧に供することといたしまして、利害関係人の異議申し立ての機会を設けているわけでございます。以上の手続が完了した上で工事に着工するということとなる。かような形をとっておりまして、県営事業以下につきましても大体これに準じた手続となっておるわけでございます。
○山田譲君 わかりました。 私が聞きたいのは、基本的な考え方として、土地改良事業というのは、農民の方から土地改良をぜひやってもらいたいということになるのか、国の方からある程度イニシアチブをとって、そしておまえさんのところにこれだけの土地改良をしてあげるがどうかということになるのか。その考え方として、法律はよくわかりましたけれども、実際の基本的な考え方は、そこら辺はどういうものですか。
○政府委員(佐竹五六君) これは基本的には農民の申請を待って事業を着手し、進めるということは、現在の土地改良事業制度の基本的な性格でございます。
○山田譲君 申請ですね、その申請書の内容というのは、当然それは申請する人が知っているはずだろうけれども、聞いてみますと、どうも知らない間にやらされたというふうなことをよく言う人がいるんですけれども、そこら辺はどうでしょうか。本当に農民の意思でぜひともやってもらいたいということで始まっているとすれば、農民からそういう苦情が出るはずがないようにも思うんだけれども、その辺はどんなもんですか。
○政府委員(佐竹五六君) 私どもの事業は各種公共事業の中ではやや特色のある性格を持っておりまして、必ず負担を伴うわけでございます。その負担を伴うがゆえに、先ほど御説明いたしましたように三分の二の同意をとる、こういう手続が手続全体のかなめになっているわけでございまして、したがいまして、その同意を徴集する場合には、少なくともこれだけの御負担をお願いいたしますということをきちっと説明してない限り、なかなか判こはついていただけないわけでございます。ただ、昨今非常に兼業化が進んでくるというようなこともございまして、御主人がいないときに手続をいろいろやらなきゃいけないというようなこともあって、どうも先ほど先生がおっしゃったようなケースが出る素地があるわけでございます。 したがいまして、私どもとしては、この同意についてはくれぐれも慎重を期しておるわけでございまして、先ほど三分の二の同意をとればいいというふうに申し上げましたけれども、これも全地域で三分の二ということと、もちろんそれは当然のことでございますが、さらにきめ細かく大字別に三分の二がとられていることを前提にしているわけでございます。この点につきましては、現在の農業を取り巻く諸条件の変化を十分考えて、慎重の上、も慎重に同意の徴集手続を進めるように私ども都道府県を指導しているところでございます。
○山田譲君 相当長期の事業であるだけに、長い間ですから、いろいろ工法も変わるとか、あるいは価格も上がっていくとか、あるいは場合によってはその計画を多少変更していかなきゃならぬという場合もあると思うんですけれども、そういうときに、その変更内容、あるいは変更の申請というのも当然農民側から出されると思うんですけれども、その辺はどうなっていますか。
○政府委員(佐竹五六君) まず、先ほどは着工に当たって御説明したわけでございますが、当然計画変更をしなければならないわけでございます。 計画変更というのは一つ一つ事業の節目でやるようにいたしておりますので、毎年毎年、いろいろな事業の変化する要因というのは毎年度の事業のうちにもあるわけでございますので、これは計画変更のときだけ三分の二の同意をとればいいということではなくて、毎年毎年予算が決まりまして、その決まった段階で地元に、ほとんどすべてというふうに申し上げて差し支えないかと思いますが、土地改良区があるわけでございます、受益者の団体として。その土地改良区の理事者にはもちろん、総代会等に対して、ことしの予算はこう決まってこういう仕事をやりますということを御説明して、その計画変更の手続をとろうとしたら初めて、いや、そんなに負担がふえるのかというようなことが起きないように、各事業所、これは国営の事業所があるわけでございますので、私どもの組織の内部の問題でございますから、事業所長に対してはその点は十分念入りに行うように指導しているところでございます。
○山田譲君 正式な申請書を出さなきゃ変更できないということでしょうけれども、その変更というのは大体どの程度の変更を言うんですか。つまり工法変更という場合はどういう程度の内容になるか、こういう問題です。
○政府委員(佐竹五六君) これははっきりと法律上の要請として、計画変更がどういう事態になれば変更しなければならないかということは書いてあるわけではございませんが、要するに事業計画に著しい変更があった場合ということで、私どもとしてはおおむね事業費をメルクマールにいたしまして、事業費の増高が一割を超えるような場合にはできるだけ速やかに計画変更の手続をとるように運用しているところでございます。
○山田譲君 そうすると、その一割以内であれば、例えば五%の金が余計かかるようになったというような場合は、特別に申請とかそういう手続を経ないで事業をやっている人は自由にできると、こういうことですか。
○政府委員(佐竹五六君) 今先生がおっしゃられるようなことになるわけでございますが、そこで問題を起こす要因をつくってはいけないということで、毎年の事業費について、事業内容について、工法の変更なり物価の動向がどうなって、ことしの事業費はどういうふうに決まっているんだということを土地改良区の理事会あるいは総代会等で必ず説明するようにということにしているわけでございまして、この辺は十分その徹底は図っているつもりでございますけれども、私どもと逆の受益者の立場から見れば、まだ不十分であるという御批判もあろうかと思いますので、特に念入りにやるように指導をしているところでございます。
○山田譲君 私どもあちこち歩いてみて、大体において農民からは土地改良してもらってよかったという声が多いんですけれども、しかし、ときどき非常に不満だというのがあります。その不満の一つとして、今言ったように全然わからないうちにどんどん負担がふえていく、あるいは事業費がふえていく、こういう状況をおれたちは知らなかった、結果的に見るとえらく最初の計画とは違っているじゃないか、負担も多くなっていると、こういうふうなことをときどき文句として聞くわけであります。 我々は普通、金を借りる場合は、まず幾ら償還できるんだろうということを逆に考えて、その範囲内で事業をやるんですけれども、どうもそういう人たちの話を聞いてみると、全然わからないうちに自分たちの負担がどんどんふえていってしまう。最終的にはえらく膨大なものを思いがけず取られる、非常に不満であるという声があるんだけれども、その辺はどうなんですか。
○政府委員(佐竹五六君) 現在ほぼ完了に近づいてきているところ、地区につきましては、おおむね第一次オイルショック、それから第二次オイルショックに伴う物価の著しい上昇を施行の途中で受けているわけでございます。そのような意味で、当初話を聞いたときからみれば極端に負担がふえている、そういう声が出る要因がそこにあるわけでございまして、一方、特に昨今、農産物価格につきましては、過剰基調を背景といたしまして停滞ぎみでございますために、一層そのような受益者の方々の御不満が起きる素地はあるわけでございまして、これは過去の過ぎたことでございますが、今後そのような事態を招来しないように、計画内容を変える場合には、それによって受けるメリットと負担増を、土地改良区の理事者はもちろんでございますが、総代会等にも説明いたしまして、本当であればそれは一人一人の受益者の方に御説明すればよろしいんでございましょうけれども、それも限界がございますから、せめて土地改良区の総代会等では、工法変更あるいは事業内容を変更することによって受けるメリットとそれに伴う負担増を比較勘案する機会を具体的な形でお示しした上で計画を変えていこう、工法を変更するならするということをきちっとやるように、少なくとも技術的な見地からだけ考えて、受益者の方々の意向を無視してそうすることがかりそめにもあってはならないということについて、現場の工事関係者に徹底を図ってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○山田譲君 かりそめにもあってはならないんだけれども、あるわけですね。あるもある、膨大な負担増になっている。しかも、それを農民の人たちが知らなくて、終わりごろになってやっと気がついたというふうな状態が相当ある。相当あるかどうかそのあたりのことはよくわかりませんけれども、群馬県には時々あるわけですね。そうなると、その説明が非常に不親切で、土地の利用なんというのはお国がやるんだと言わんばかりのやり方でどんどんやってしまう。その結果として肝心の負担する側からすれば思いがけず負担がふえた、話が違うじゃないかということがよくあるんですけれども、その辺はどうですか。同じようなことだけれども、もう一遍お答え願いたいと思います。
○政府委員(佐竹五六君) これは手続的にはほぼ完備しておりまして、きちっと判こをついていただかなければ計画の変更はできないわけでございます。また毎年度の事業計画の説明はそれなりにやっているわけでございますけれども、現在の農村の社会的な事情の変化等をいろいろ考えますと、総代に徹底させても必ずしも個々の受益者に徹底しないというような問題が起きがちなわけでございます。私ども、そのようなことがあることもあって、具体的には例えば六十年の三月十八日付でございますが、私、構造改善局長名でございますが、「国営事業の実施中においては、事業の計画・実施内容、地元負担金の額等について、機会あるごとに関係機関、地元土地改良区、受益農家等への一層の周知徹底を図り、事業に対する認識を深め、理解を得つつ事業を進めるよう努めるものとする。」という通達をしているわけでございまして、考え方としては、先生の御指摘は私ども正面から受けとめるわけでございまして、後はこれをいかに徹底させるかということにかかっているわけでございます。今後ともこの徹底方について努力してまいりたいと、かように考えております。
○山田譲君 これからの話は当然だろうと思うけれども、既にそうなってしまって負担増でもってどうにもならぬ、こんなものは払わないというふうなところもあるわけですね。ですから、そういうところに対してはどうしますか。知らないうちにやってしまったんだけれども何とか払ってくれと言ってその膨大な負担金を払わせるのか、それとも何かほかの方法を考えるか。その辺はどうですか。
○政府委員(佐竹五六君) 現実に現在計画変更を最終的に手続をとって事業を完了させなければならない地区については、先ほど申し上げました事情もあって非常に負担金がふえている地区が多いわけでございます。ただ、私どもとして申し上げられることは、いずれにいたしましても、最終的に同意をいただきまして、変更計画について御同意をいただかなければ事業は完了しないわけでございます。今までいろいろな事業をやってまいりましたけれども、いずれもその過程では非常にいろいろ問題があった地区もございます。しかし関係者それぞれ汗を流して最終的には農家の方に御納得いただいて、全員とは申しませんけれども、三分の二でも大体八割から九割ぐらいの御同意はいただいて事業を終わらしているわけでございまして、そのためには結局最後は負担の問題になります。これについて国、県、それから関係市町村、それぞれ今置かれた条件の中でできることをそれなりに尽くして、国、県、市町村もこれだけやったんだからひとつ農家の方も負担増は御納得いただきたいという形でその同意をしていただくということでございまして、そういう考え方に立って関係の都道府県、それから市町村等と協議しながら計画変更の手続を進めていく。こういうことをしている最中でございます。
○山田譲君 具体的にいろいろ例を挙げれば結構あるんですけれども、これは私が直接調べたわけではないし、私の後で隣の稲村委員がいろいろ御質問なさると思うけれども、青蓮寺、あれは三重県ですね、青蓮寺の関係でそういうふうなことがあって、今おっしゃるような方向で県なり市町村がある程度負担することによって大体解決しそうであるということを聞いたのですけれども、その辺は事実ですか。
○政府委員(佐竹五六君) 青蓮寺につきましては六十年度で事業が終わります。六十一年度から償還が始まるわけでございます。現在、計画変更の手続は完了しておりますが、それは地元の土地改良区理事者の方が、負担については自分が責任を持って処理するということで受益者の方々の御同意をいただいたというふうに私ども承知しております。あとは都道府県と関係市町村の負担についてそれぞれの法的手続を、現在既に済んでいるものもございますが、進めているところもございます。 なお、国につきましては、実はこの青蓮寺地区とそれから六十一年度に完了いたします坂井北部の二地区につきましては、そのような問題が非常にございましたので、償還条件の緩和という形で六十一年度予算要求をやったわけでございますが、理由を申し上げますと長くなるので御質問があればお答えいたしますが、ストレートの形で償還条件の緩和を実現することは非常に難しくございました。財政当局としても、ただこれらの地区については結局、先ほど来先生からも御指摘いただき、私どもも申し上げましたような事情から負担がふえた特殊な事情があるということもあって、個別地区の問題として償還の仕方については引き続き協議を続けるということで現在さらに大蔵省と折衝することになっているわけでございまして、それぞれ国、県、市町村、関係者がそれなりの努力を評価して受益者の方々も御同意を青蓮寺地区についてはいただいたというふうに私ども考えているわけでございます。
○山田譲君 ちょっと言葉じりをつかまえるようで悪いけれども、青蓮寺の例で今おっしゃった中に、市町村なり県が法的手続でもってやるとか何か言われたけれども、その法的手続というのはどういうことを言うのですか、その場合。
○政府委員(佐竹五六君) これは都道府県につきましては条例の措置が要るわけでございます。さらに具体的な支出については予算措置も要るわけでございます。そのような意味でそれぞれ自治体が所要の法的手続をとるということを申し上げたわけでございます。
○山田譲君 私は、それは結構なことだと思いますけれども、考えようによっては全然問題の解決にはなっていないのであって、要するに国の負担すべきところを都道府県なり市町村が肩がわりしたという格好になる。あるいはまた農民の知らないうちにふえた負担分を市町村が出してやることになったということであって、いずれにしても本来的な姿ではないと思うんですね。しかもそのことのために県や市町村が条例までつくらなければならないというのは、どう考えてもこれはおかしいのです。これからそういうことがあってもらっては困るのですが、この辺の問題はまた後で稲村さんがいろいろやると思いますからこの辺でとどめておきます。 その次に聞きたいのは、農用地開発公団の問題なんです。これについては農用地開発公団の設立の目的みたいなものは今さら言うまでもないわけでありますが、それに対して例の行革審のあれがありますね。行革審に小委員会がありまして、特に特殊法人関係をやっている小委員会のようでありますけれども、それが中間報告を出して、それで農用地開発公団についてこういうことを言っているんです。もう既に御承知のとおりだと思いますけれども、要するにお金が非常にかかり過ぎると。「標準的な農家一戸当たり一億円から一億三千万円程度の補助金がつぎ込まれている。このように、個人の資産形成に一億数千万円の補助金をつぎ込むようなことは常識では考えられない。」、こういうことを言っているわけです。 私は、こういうことを言う人の方がよっぽど常識では考えられない、非常識な人だと思うんですがね。そういうことだから結果として、「公団事業については、これを廃止する方向で、その在り方を見直せ」と、こういうことも言っている。で、食糧安全保障の問題にも触れて、「我国の国際的地位からみて、牛肉、乳製品等について、市場開放を進めていくことが要請されている状況下において、酪農経営にとって条件の良くない中山間地帯に農用地を開発しても、いずれ事業経営が成り立たなくなることが危ぐされる。」と、こういうふうなことも言っているわけです。 私は、こういう考えでそもそもの農業の問題を考えること自体おかしいと思うんですけれども、まして具体的に農用地開発公団がこういった考え方で廃止されるということになったら、これはどうしても私ども納得できない話なんですが、まずその辺のことについてどうお思いですか。
○政府委員(佐竹五六君) 農用地開発公団は、現在北海道、東北、九州を中心にいたしまして全草地造成面積の約三割程度の造成を担っているわけでございます。我が国の畜産の将来に最も基礎的な条件でございます飼料基盤の整備を進めているわけでございます。特にこれらの地域につきましては、比較的人口の減少する地域でございます。まさに畜産以外に地域の発展はあり得ないような地域でございます。今御指摘のような御意見が行革審特殊法人小委員会の中で出ていることは事実でございますが、まだ最終的な結論ではございませんので、私どもそれぞれについて必要な反論はいたしまして、御理解を得るべく努力しているわけでございます。 例えば一億数千万の数字そのものもいろいろ議論ございますが、その中の相当数は道路投資である。従来インフラ投資のおくれた地域で、その投資が個々の農家の資産形成ということではなく、地域全体の農林業の発展に役立っているというような事実、それからまた我が国の畜産は欧米に比べて百年のギャップがあるわけでございまして、それを埋めるためにはある程度集中的な投資をしなければならないというような問題等もいろいろ御説明いたしまして、御理解を得るべく努力してまいるところでございまして、私ども農林水産省といたしましては、公団が果たすべき役割、それから事業はまだ今後とも相当数あるということを確信しておるわけでございまして、今後も行革審の特殊法人小委員会の先生方に御理解をいただくべく努力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○山田譲君 この問題は非常に大事な問題だと思うんですね。食糧自給力が非常に重要だとか、食糧安保が大切だとか言われているやさきに、単に補助金の額を人間の数で割って、それで一人に対して一億数千万円が行っているんだ、こんなものは常識じゃ考えられないというその考え方が非常に非常識だし、こういう人が日本にたくさんまだいるかと思うと情なくなるわけです。 そこで、これはぜひ大臣に聞いておきたいんです。農用地開発公団については今言われたんですけれども、これはもう絶対廃止しないというふうな格好で、大臣ここで約束していただきたいんですけれども、どうですか。
○国務大臣(羽田孜君) 基本的には今局長からお答え申し上げましたとおりでありまして、今先生から御指摘の中にもありましたんですけれども、将来は乳製品だとか、あるいは肉等については安いものを他に求めればいいというような発言もあったように今お話がありましたけれども、しかし、たしかこの委員会でも私、申し上げたと思いますが、肉の海を越えての貿易量というのは非常に少ないものであって、日本人がこれだけ肉を食べるようになったときに、先方の供給国の方で何か問題があったときには日本に来る肉は途絶えてしまうということがある。そんなことになったらこれは大変なことなんであるし、また乳製品等についても国民の健康を維持するための基本的な食糧であるということを考えたときに、こういったものをきちんと日本の方である程度確保しておく、そのための体制というものは何が何でもつくらなきゃいけないということ。 それともう一つは、特に私自身思うんですけれども、人が山間部に住んでてもらわなければ困る。そうでなければ山そのものも崩壊していってしまうということもあります。そういうことを考えたときに、私はスイスとはちょっと違った考え方でありますけれども、スイスの場合には国境線を守るという防衛的な意味がありまして、それとは違いますが、山を守るという意味では、そういう中に優良なしかも健全な農家というものがなければいけない。その中で特に畜産、酪農というのが中心であろうというふうに思っております。 そういう意味で、私どもは、今局長からも申し上げましたように、草地をつくる中の三割からはこの事業によって進められておるということを考えたときに、そういう点を十分よく説明すれば、これはいろんな意見はあると思うんですけれども、そういう意見を踏まえながらも、よく今申し上げたような事情を筋道立てて説明すれば、私は必ず理解を得られると思いますし、私どもはまた理解をさせなければいけない、これを存続させなければいけない、そういう考え方に立っておるということをはっきりと申し上げておきたいと思います。
○山田譲君 力強い大臣のお言葉で大変うれしいんですけれども、ぜひとも頑張っていただきたい。そしてできることなら、さらに進んでこういう非常識な考えを是正するような方向でもって大臣にこれからも一層頑張っていただきたいと思うんです。これは農用地開発公団の問題ばかりじゃなくて、農産物について全体的に言える問題だと思うんです。どうも農業過保護論とか補助金を出し過ぎるという考え、こういう補助金をただ単純に人間の数で割るというふうな考え方では困るんでありまして、ぜひそこのところはこれからも頑張っていっていただきたい、かように思います。 そこで、私は具体的に農用地開発公団の問題でお伺いしたいんです。実はこの間一週間ぐらい前のことです。茨城県の北の方に高萩というところがありまして、あの後ろあたりに阿武隈山脈ですか、山があって、私は初めて知ったんですけれども、非常に深い山なんです。その深い山の中に、さっき大臣おっしゃいましたように、わずかですけれども部落が点々としてある。そういうところで農用地開発公団が非常に膨大な農地を開発してくれたわけですが、そのために山間にいた人たちが非常に農用地開発公団に感謝しているわけです。今まだ事業をやっていますけれども、その状況を見て本当にこれは結構だと思ったんです。ただ、高萩の市会議員のたくさんの人たちの考えに私びっくりしたんですが、ここで事業を始めるときに高萩市に何にも連絡がなかったということを盛んに言っているんですね。これじゃ困るんで、もちろん途中からよく理解してくれるようになったそうですけれども、始まったときは全然知らなかったということを言っていました。本当かどうかわかりません。それは事実なんでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 公団事業につきましても、基本的には土地改良法と同様な手続をとりまして、計画変更についても農家の全員の同意を必要としているわけでございます。ただ、今御指摘の高萩地区につきましては、五十九年に計画変更で道路を取り込んだ、このときの同意をとる作業を公団から市に委託したわけでございますが、市はこれを道路の地元負担はゼロにする、結局、地域開発と申しますか、地域の全体のプラスになる、もちろん公団の草地造成に役立つことは間違いございませんが、結果として地域全体の農林業、さらにまた生活上の便益にもプラスになるという観点から市がこれを負担した、地元負担なしで仕事をやったというようなことがあるようでございます。したがって、市の担当者の考え方で、この分は農家に負担をかけないから同意は要らないんじゃないかというようなことで事業が進められた可能性があるということでございます。ただ、仮にそのようなことがあっても、やはり私どもの事業は、個々の受益者に十分御説明し、同意を得て仕事を進めることが事業全体を地域に密着したものにしているそのかなめの手続でございますので、今後は、そのようなことが仮にもしあったとすれば、ないように指導してまいりたいと、かように考えております。
○山田譲君 私どもいろいろ説明してくれた人も相当な人ですから、わけのわからないことを言う人じゃないです。とにかくそれにしても、これだけの大事業をやるからには、市当局でもう少し親切丁寧に教えてもらいたかったということを言いながら、いずれにしても結果的には非常に公団のおかげで助かっている、ぜひとも公団廃止なんということの絶対ないようにということで強く激励をされましたので、そのこともあわせてお伝えしておきたいというふうに思います。 その次に、ちょっとこれは別な問題ですが、土地改良事業と地方交付税法との関係をお伺いしたいと思うんです。本来ならば自治省に聞けばいいんでしょうけれども、局長の方の側の考え方を聞きたいんです。 今の地方交付税法を見ますと、土地改良事業については何にもないわけで、測定単位としては耕地面積と農家の戸数ですか、これだけをもとにして計算をしていくということのようで、これはしようがないと思うんであります。ところが、それに対してあと補正ということがあるわけですけれども、その補正の際に当然土地改良事業、これは膨大な負担もあるわけですから、これについては補正のところでもって交付税を考えていくというふうなことが必要になってくるんではないかと思うんですけれども、その辺農水省としてはどうお考えですか。
○政府委員(佐竹五六君) 農業基盤整備事業の地方財政措置でございますが、地方交付税交付金の配分の基準となる基準財政需要額に、都道府県の場合には耕地面積、市町村の場合には農家戸数を基準に、単位費用を乗じて農業行政費投資的経費として算入されているというふうに承知しております。その単位費用は、農業基盤整備事業における都道府県負担分、市町村負担分も算定の一つのファクターになっているというふうに聞いておるところでございます。 現在、農業基盤整備事業の果たしている役割から見て果たしてこのような取り扱いでいいかどうかという問題でございまして、確かに農道は昔のいわゆる農道で、個々の圃場と市町村道とを結ぶ、そのような機能だけを果たしているのであれば、耕地面積でそれを表現することは十分妥当性があると思うわけでございますけれども、現実問題といたしましては、先生も御案内のように、かなり広域な大規模な農道を実施しているわけでございます。また排水事業につきましても、同様に地域排水全体を引き受けているような事業もやっているわけでございまして、果たして現在の仕組みで実態を反映しているんだろうかどうか、この点は私どもやや勉強が不足している点でございます。また現在の仕組みというのは、これは自治省の方も長年にわたってこの方式でやってこられているわけでございますので、これをいじるということにつきましては、いろいろ問題、相当な難しさが自治省の方であるという御意見もあろうかと思うんでございますけれども、今お話のございましたように、一般道路あるいは河川と同様な事業費補正というような考え方を入れませんと実態を反映しない面もあるんではないか。今後、私どもとしても検討を深め、自治省の方とも御協議申し上げていきたいと、このように考えているわけでございます。
○山田譲君 私も今局長おっしゃったとおりだと思うんですね。そのことが全然地方交付税の方へ反映されていないということは問題だと思うんですよ。ですから、地方自治体としても、従来のやり方を変えるというのは相当難しい面もあろうと思いますけれども、何とか交付税の方に土地改良のことが反映されるような交付税の算定方法について、ひとつ自治省とも今後頑張って今のような方針で努力していただきたいと、こういうふうに思います。 それから最後になりますけれども、埋蔵文化財の問題であります。 土地改良をやっていく上に、とりわけ群馬というところは埋蔵文化財といいますか古墳なんかも非常に多い。それから昔の遺跡みたいなものも非常に多いところなんです。そういうところですから、土地改良事業をやろうとすると往々にして重要な遺跡にぶつかることがあるんです。そうしますと、遺跡ですからそれ以上工事を続けるわけにはいかない。そこで文化庁といいますか、県では、教育委員会の方になると思うんですけれども、そこと協議をしなきゃならぬ。いろんな協議をして、そして発掘すべきものは発掘するし、つぶすものはつぶす、残すものは残すというふうないろんなやり方があるようでありますけれども、いずれにしてもその期間工事は中断されるわけですから、それが余り長くなるとこれまた地元の負担が多くなるというふうなことになって、群馬あたりでも非常に問題になっているわけです。 これは土地改良事業ばかりじゃないと思うけれども、事業をやっていてそういう文化財にぶち当たったというときに、まずどういうことを文化庁としてはなさるわけですか。
○説明員(田村誠君) お答え申し上げます。 土地改良事業でありますとか、その他の開発事業等の事業予定地に埋蔵文化財が所在する場合には、当該事業計画の内容と、そこにございます埋蔵文化財の価値、規模等を勘案いたしまして、埋蔵文化財の現状のまま保存するか、あるいは記録の形にして保存していくかということであるとか、また工事内容、工事実施の手順等を関係者の間で調整したり協議したりするということをまず行うわけでございます。 記録保存の扱いにされたものにつきましては、発掘調査を実施しなければいけないということになりますので、次には発掘調査のことについてまた話し合いが行われるということになるわけでございます。このような協議、発掘調査の迅速化につきましては、文化庁としても従来から地方公共団体の教育委員会を指導いたしまして、これらを早めるためには、何といいましても、地方公共団体の埋蔵文化財担当職員の手が足りないといけないわけでございますので、その増員の方を進めている、体制の整備を進めているということでございます。五十一年に比べまして六十年を見ますとおおよそ三倍近くの増員になっているわけでございます。 それから埋蔵文化財の所在状況。事業を始めてから埋蔵文化財にぶつかったというようなことになりますと事業計画に変更を来すというようなことになりますので、事業に取りかかる前に、ここには埋蔵文化財があるということをはっきりさしておかなきゃいけないということがございますので、埋蔵文化財の所在状況を確実に的確に把握するように地方公共団体の教育委員会を指導しているところでございます。また調査に当たりましては、調査の方法の効率化あるいは調査に当たって機械を使う、できるだけ機械を導入するようにというようなことを指導いたしております。また工事計画と調査との調整によりまして、両者を並行して実施できるところはするようにというようなことも指導しているところでございます。 このようなことにつきまして、必ずしも全国的に十分指導が徹底しているかどうかということもございますので、今後ともこれらの指導の徹底を図っていきたいというふうに考えております。
○山田譲君 そういうことでしょう。またいろいろ個々の状況によって違うとは思うんだけれども、私が特にここでお伺いしたいのは、当然埋蔵文化財にぶち当たれば今度それを掘らなきゃいかぬ、発掘しなきゃならない。その他いろんな費用はかかると思うんですけれども、人夫賃を初めとして、そのお金というものは一体どこで出しているんですか。
○説明員(田村誠君) 発掘調査の費用の点でございますが、これも土地改良事業を含め、一般的に申し上げますと、土地開発事業等の実施によって埋蔵文化財が破壊されるというときには、最低限度の措置として発掘調査を行うということでございますので、このような開発事業が原因となって必要となった発掘調査の経費につきましては、当該開発事業者に負担を求めることを原則としているわけでございます。ただし、個人の人が住宅をつくるというようなことで調査が必要になる、あるいは極めて零細な事業者がやるというような場合には、その経費は地方公共団体が負担するようにしておりまして、国がこれに二分の一の補助をするということにしているわけでございます。農業基盤整備事業関係でございますと、この場合も農家の負担することとなる部分につきましては、文化財保護担当部局の方で負担するというようにしているわけでございまして、極めて厳しい財政事情の中ではあるわけですけれども、このような個人住宅建設あるいは農業基盤整備事業などでの発掘調査の経費のうちの農家の負担となる部分に係る国庫補助金につきましては、毎年増額に努めているところでございまして、今後もこれには努力してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○山田譲君 私は、今原則と言われたけれども、その原則そのものは全然間違っていると思うんですよね。つまり土地改良事業でもってずっとやっていって埋蔵文化財があれば、そしてこれを発掘しなけりゃならないとなったら、この事業は当然文化庁なり教育委員会の事業になって、そこでもって掘ったり調べたりいろいろすると思うんですよ。その金まで全部土地改良の方の金から払うというのはどうも筋が違うんじゃないか。担当している今度は文化財の文化庁の方の仕事になるわけだから、文化庁の方が金を出すのがむしろ原則じゃないかと思うんだけれども、どうですか、そこら辺は。
○説明員(田村誠君) これは道路をつくります場合でありますとか、鉄道を敷く場合でありますとか、いろんなものがあるわけでございますが、まず埋蔵文化財のところに計画ができましたときには、文化財をできるだけそのまま残してもらいたいということで事業計画を変更していただいたり、あるいは変更の一部になるかもしれませんが、土盛りによってそのまま埋蔵文化財を保存してもらうということをお願いしているわけでございます。ですけれども、どうしてもそこのところを壊さざるを得ないというようなことでありますと、それは壊す側で御負担をお願いして、記録の形で保存していただきたいというような形をとっているわけでございます。ただし、どうしても個人あるいは農民の方の負担でそういうことを実施することは困難だというような場合には公費で見ていくというような、ただいま御答弁申し上げました繰り返しになりますけれども、そういう形でやっております。
○山田譲君 これ以上言っても押し問答になるかもしれないけれども、基本的には、これは文化庁の関係の所管の法律に基づいてそういう事業がなされるわけですね。ですから土地改良事業はそこで一たん中断して、今度は文化庁所管の事業ということになって発掘したり、いろいろ調査したりする、こういうことになるんですから、この関係の仕事に要する経費というのは、当然文化庁といいますか、その所管の法律の関係の仕事なんだから、そちらの方でもって負担するのが本当じゃないかという感じがする。現に群馬県庁でも農政部あたりの意見として、群馬は非常に多いものですから、しかもその金が土地改良の事業費の方からとられているんで非常に困りますと、こういうことを盛んに言っているわけですね。何か聞いたところによると、教育委員会と農政関係が覚書みたいなものを取り交わして、ここからここまでは農政関係で出してくれとかなんとか、そういうことになっているようですから、これは理屈の問題じゃなくて、現実問題として金がないからしょうがないから持ち分調査をやっていると思うんですけれども、私はそこら辺文化庁がひとつ頑張って、それは急に金とれと言っても無理かもしれないけれども、ひとつ努力をしてもらいたい。さっきのように、これは土地改良をやる方の金でもって使うのは当たり前だ、原則だというのは、私はどうも納得できないわけですよ。どうですか、局長、この辺は。
○政府委員(佐竹五六君) 文化庁の御答弁は、現状を変更する者の原因者負担であると。これは特に道路とか鉄道とかいう種類の事業を念頭に置かれてそのような御答弁が出てくるんだろうと思うんでございますが、私どもの圃場整備の場合には非常に面を広くいじらなければならない、しかも最終的には農民負担を伴うものであるというところから、先ほどのような取り扱いが出てきたことになったんだろうと思うわけでございまして、私どもも実はこの話は方々で聞いてはおったんでございますが、ただいま数字を拝見いたしますと、五十五年から五十九年までで、群馬の基盤整備事業の中で、県営の場合でこの調査費が五・一%、団体でございますと一四・九%、五十五年から五十九年の平均でございますが、そうなっております。私どもとしても、特に一四・九%になりますと、これは非常に高い比率の問題でございますので、原則的な考え方というものは、これは関係各省も含めて確立された一つのルールでございますので変更することはなかなか難しいと思いますが、負担のこういう数字のもとで現実の事業運営でどういうふうな問題が起きているのか、私どももさらによく調査いたしまして、さらでだにこの事業費の高騰を抑制しなけりゃならないわけでございますから、関係者と協議をしてまいりたいと、かように考えているわけでございます。
○山田譲君 最後にお願いですけれども、今局長おっしゃったようなことで、文化庁の方もよく聞いていただきたいと思うんですが、これは相当の費用になっているわけです。ですから、これについては文化庁側としても、ぜひとも予算などをとっていただいて、そして原則としては文化庁の方でやる、教育委員会でやるというくらいな覚悟でひとつ予算獲得にも頑張っていただきたい。それからまた農水省もぜひ文化庁に対してもそういうことで側面的に応援をしていただきたいと思うんですね。そうすることによって、農民たちも文化財は大事なものだということはみんなよく知っているわけです。ですから、それぞれで掘ったりなんかすることはしようがない、しかしその経費が土地改良の金からとられるんじゃかなわないという感じを持っておりますから、ぜひひとつそういう方向で両省とも頑張っていただきたいと、こういうふうに思います。 これで終わります。
○菅野久光君 私は、ただいま審議中の法案とはかかわりありませんけれども、次回の委員会までにはちょっと間もありますので、ぜひ本日の委員会で、日ソ漁業交渉打開のために大臣が訪ソされるというような報道もありますので、その点について若干お尋ねをいたしたいというふうに思います。 私はさきの大臣所信表明に対する質問のときに意見を交えて大臣訪ソについて申し上げました。交渉再開から十日たつ今日においてもいまだ決着を見ないわけでありますし、二十五日付の新聞等によれば、日本側が交渉再開初日の十七日に示した新提案の主要部分に対して、ソ連側が受け入れられないというような姿勢を示して、事実上同提案を拒否した。これで再び交渉妥結への糸口さえ見出せない状態となっておって、見通しは極めて暗いというようなことが報道されております。こうした状況を心配しているのは皆さん同じ気持ちだというふうに思います。こうした中で大臣の訪ソが決定されたということは非常に結構なことだというふうに私は思います。 そこで、現在の交渉の状況だとか、あるいは大臣訪ソに当たっての、何というんですかね、ソ連側の状況だとか、あるいは大臣自体がどのようにお考えになっているのか、その辺についてぜひお聞かせいただきたい、このように思います。外交交渉にかかわる問題ですから、非常に難しい点があることは私も十分承知しておりますが、その点は十分配慮の上ひとつお答えいただきたいと思います。
○政府委員(佐野宏哉君) 前段のくだりについてまず私から答弁させていただくのをお許しいただきたいと思います。 十七日の日本提案に対して、ソ連側がこれに対して否定的な態度をとって云々という先ほどの菅野先生のお話は、事実そのとおりでございます。そういう事態でございますので、私どもといたしましては、局面を打開するためには、大臣に訪ソしていただき、閣僚レベルで問題の解決を図っていただくほかはないと判断いたしまして、二十五日、在モスクワ日本大使館の丹波公使からソ連の外務省第二極東部長のソロビヨフに対し、それから次の二十六日には、ソ連漁業省の渉外局長のジラーノフに対して、それぞれ大臣訪ソを受け入れて閣僚レベルの協議を通じてこの問題の決着を図りたいということを申し入れたところでございます。先方は、それぞれ上司に上げて政府部内で相談した上お返事いたしますということでございます。ただその際、カメンツェフ漁業大臣が目下病気療養中であるということに言及しておりますのは、私どもとして若干不安を感じているところでございますが、私どもといたしましては、何としても大臣訪ソ、閣僚レベルでの協議を実現したいと考えておるところでございます。
○国務大臣(羽田孜君) 今実務的な面で長官の方からお答え申し上げましたけれども、ともかくこの第三回目の協議がきょうで一応あれすることになっておりますけれども、ソ連側の方の姿勢は、先ほど先生から御指摘があったような状況で、このままいきますともう我が日本の北洋漁業というものは壊滅的な状態になるという状況でございます。そういうことで、この会議というものを少し延ばしてもらうということがまずあれでございましょうし、それと同時に、日ソ地先沖合協定というのは実務者同士で話し合って、そこで決着をつけていくというのが従来のあれでございますけれども、今日の状況では、なかなかそれだけでは話が進んでいかないということであろうというふうに思います。 そういう意味で、私としては、これは個人的なあれでございますけれども、日ソ関係についても、シェワルナゼ外務大臣がわざわざ日本にやってくる、そういう新しい時代を迎えようとしておるときに、今日まで長いこと、この八年間というものほとんど魚の問題でずっとつないできておるというのが現状でありますし、そういう魚というのを、今のような状況で本当に決裂していいものだろうかということを率直に訴えてまいりたいと思いますし、また北洋漁業を今日まで日本の国が開発そして発展させてきたこの歴史というものをやっぱりきちんと理解してもらいたいということを率直にお話し合いをしてまいりたいというふうに考えております。 ただ、今長官からお話がありましたように、外交ルートを通じながら今呼びかけをいたしておりますけれども、ちょうどカメンツェフ漁業相が健康を害しておるというようなこともありまして、今はっきりとした日程というのはまだ私どもあれしておりませんけれども、何とか先方に出かけていきまして率直な話し合いをして北洋漁業というものを救うために働いてみたいというふうに考えております。
○菅野久光君 今大臣の決意もお聞きをいたしました。早急にひとつソ連側にも環境を整えていただいて、一日も早くこの交渉の決着を見るように私ども心から期待をしておりますので、精力的にその辺についてお取り組みいただきますようにお願いをいたしまして私の質問を終わります。
○稲村稔夫君 今菅野委員から日ソの質問が出たわけでありますが、このことは我が国の漁業にとってまことに重大な問題だ、こんなふうに私も考えます。それだけに、今の当面する問題に大臣としてそれこそ全力を集中していただきたい、こんなふうにお願いを申し上げるわけであります。 そして同時に、今の漁業ほど劇的な形でやってはきておりませんけれども、農業そのものも、国際化というものがいろいろと言われるようになってまいりました。外圧であるとか、いろいろな形で、表現は人によっていろいろと違いますが、そういう中で今、法案審議をしておりますこの土地改良法等の改正をやって、少しでも土地改良事業というものの促進を図ろう、こういうことなんでありますけれども、それだけに、将来展望等を含めながら、土地改良事業というもののあり方そのものを考えてみなければならない、真剣にいろいろと考えてみなければならない、そういう時期に来ているのではないだろうか、こんなふうにも私は思う。そのことをひとつ前提にしながらこれからお伺いをしていきたいと思うわけです。そうしないと、本当に漁業と同じような方向へだんだんと追いやられていってしまう、こんなふうに私は思うのです。 最初に、先ほど山田委員からもいろいろと質問がありまして御答弁いただいておりましたが、第三次土地改良長期計画の関係、これの進捗状況は全体として約二二%ぐらいという御答弁がありました。こういう中で、今回の改正は、特に国営土地改良事業についての対応ということにも相なるわけでありますから、国営の土地改良事業というものがこの中でどのような役割を果たしていくであろうかということをまずお伺いをしたいというふうに思います。 国営かん排、農用地あるいは干拓ということで数字は一応いただいております。この実績はそれぞれわかりますけれども、今度は、一般会計、特別会計という区別をなくして、今後のものは一本化してできるだけ早くできるようにしようということのようでありますけれども、これが二二%という低い率でどの程度貢献できるということになりましょうか。数字でということはなかなか難しいかもしれませんが、感覚的にどんなことになるか、こういうことでも結構であります。
○政府委員(佐竹五六君) 第三次土地改良長期計画、トータルで三十二兆八千億の事業量を見積もっておるわけでございますが、その事業種目の構成といたしましては、農用地総合整備事業、それから基幹農業用用排水施設整備事業、それから農用地造成事業、ただいま御指摘の国営事業にかかわる事業種類としては大体この三つの事業種目が該当するわけでございます。 ただ、分類の基準が違っておりますために、直ちに的確に数字でお示しすることはできないわけでございますが、結果的な数字でございますけれども、その累積事業量の進度率で見ますと、六十年から六十一年は五・六%の進度アップになっております。六十年度末では一六・三であったものが、六十一年度末では二一・九になっている。五・六、これが前年は五・五、さらにその前の年は五・四ということでございますので、進捗率に対しましては、全体の分母が大きいものでございますから〇・数%しかあらわれてきませんけれども、そのことから御判断いただくことで大体傾向はつかめるんではないかというふうに思うわけでございます。
○稲村稔夫君 そういたしますと、いずれにしても、土地改良事業というものが国営だけでもせめてこういう努力をすることによって少しでも進捗がある、こういうことでまたさらに多少スピードアップということに貢献するであろう、こういうことになるんだと思うんであります。 そこで、これはこれとして、そうすると、あとの一般事業の方はこれからどういうふうになるとお考えでしょうか。もっとスピードがアップしていくことができるんだろうか、あるいは事業量というのはなかなかこれから先進むのは難しいというようなことになるんだろうか。その辺はどのように受けとめておられるでしょう。
○政府委員(佐竹五六君) 工期が延伸している事業は、これは国営だけに限らないわけでございまして、補助事業である県営事業あるいは団体事業でも同じ問題があるわけでございます。今回の措置によりましても、その浮きました国費の一部は関連の補助事業にも充当いたしておりますし、充当いたした額が六十億程度でございますので、事業量で百三十九億ぐらいの増にしかなりませんものでございますから、工期に端的にその数字は響いてはまいりませんけれども、若干ではございますが、国営関連の附帯県営、団体事業の促進には役立っていることになるわけでございます。それ以外には、これも六十年度から始めました国庫負担率の削減措置でございますが、これによっても、結局、国費の負担分を減らして、絶対額としては国費を据え置いて、そのことによって事業量を拡大するという仕組みでございまして、このことによっても、若干ではございますけれども、都道府県営事業の促進にもなっているわけでございます。ただいままでこうした措置はこの二つ、つまり今回の法律改正と、それから昨年からやっております国庫負担と県負担の割合の調整、この二つの措置でございますが、今後さらに何か有効な方法はないか、私どもは研究課題としてまいりたいと考えておるわけでございます。
○稲村稔夫君 ぜひいろいろと工夫をまたさらに続けていただきたいというふうに思います。といいますのは、先ほども山田委員からの指摘がいろいろとあったわけでありますけれども、事業費の値上がりというものが今までいろいろとありました。そういう中で、局長御答弁では、特に第一次、第二次の石油ショック等による資材その他の急速な値上がりということが指摘されました。これまでの間のものはそれが非常に大きなウエートであったでしょうけれども、これから先の問題としては、また違ういろいろな要素が加わってまいりますし、それから設計変更というのはかなり大きな費用の変更というものが起こるわけであります。家を一軒建てても、設計を途中で変えますと相当違ってくるわけですからね。その辺のところ、いろいろやっていけば必ず変更しなきゃならないものが出てくる、こんなことにもなりますし、そうすると、さらに負担の問題やら限られた予算の中でということになれば、また事業量の縮小とかなんとかというようなことで切り抜けざるを得ないというようなことになっていく可能性もあるわけでありますので、そういう御努力はぜひともお願いを申し上げたいと思います。 次に、こうした土地改良事業というものを進めていくにはいろいろと問題点があると思うわけでありますが、その中で一つ非常に大上段な形になりますが、今の農産物とのかかわりでどういうふうにこれを考えたらいいのかという問題を伺っていきたいというふうに思っております。 先ほど、これも山田委員から出ましたが、八〇年代の農政の基本方向とか農産物の需要と生産の長期見通しとの関連がどうなっているかということでありましたが、特に今、農産物の需要と生産の問題というのは、これは六十五年を目指してのものと数字の上では違いがいろいろと出てまいります。これから計画をしていくというもののときには当然新しい動向というものを見込みながら計画を立てなきゃならぬ、こういうことになると思うんであります。何か今これはフォローアップ中だというお話も伺っておりますが、フォローアップ中にしてみても要因はいろいろとつかんでおられるんだと思うんです。その辺のところの関連はどうなっておりますか。
○政府委員(吉國隆君) 農産物の需要と生産の長期見通し、また農政の基本方向のフォローアップの問題についてのお尋ねでございますが、お話ございましたように、現在の長期ビジョンは策定されましてから既に五年を経過しておるということでございまして、この間に我が国の農業を取り巻く内外の環境条件がいろいろ変化してきているということで、ただいま農政審議会におきまして現行ビジョンのこれまでの成果等の分析検討の作業を行っていただいておるところでございます。これをフォローアップ作業というふうに呼んでおるわけでございまして、現行長期ビジョンの取り扱いにつきましては、この分析検討の結果を踏まえまして判断をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○稲村稔夫君 特に農用地の造成事業については、これは必ず需要と計画との関係があるわけなんでありまして、新しい農用地を造成するのに需要との関係を見ないでつくるというわけにはいかぬ、こういうことになると思うんですね。ですから、私はかなり大きな変動がいろいろとあるだろうというふうに思っているわけであります。需要についての、そして国内の生産体制とのかかわりということで大きく変動があるだろうというふうに思うわけでありますけれども、そういう需要の見通しにマッチした事業計画というものに果たしてなるのでしょうか、この辺が大変気になるんですが、いかがですか。
○政府委員(佐竹五六君) 農用地造成の前提として何をつくるかということが最大の問題であることは、もうこれは御指摘のとおりでございまして、特に私どもこれは多額の国費を投入して造成するわけでございますから、もちろん農家に作付を強制するわけではございませんが、当然のことながら、全国的な需給動向に即応した作物をそこで作付していただくことが望ましいわけでございまして、そのような指導をしているわけでございます。現在までのところ、農産物の長期需給見通しに基づきまして、拡大が期待される作物、麦類とか大豆、葉菜類、それから特定の果樹、それから特用作物、それから特に飼料作物、こういうものを中心に作付を進めるよう指導しているわけでございまして、国営の農用地開発事業で申し上げますと、五十一年から五十四年では例えば非常に典型的な例としては野菜類の作付が計画では一七%ぐらいであったわけでございますが、五十五年から五十八年にはこれは四一%にふやすというようなことをやっているわけでございまして、果樹等につきましても、既に需要が限界に来ておりますかんきつ類は作付を考えませんで、ビワ、桃、ナシ、クリというような需要の拡大が望めるものを対象にしているわけでございます。このような全国的な動向と、それからそれぞれの個々の地区の市場条件とか、あるいは農家の技術力、既に培った技術力、こういうものを勘案いたしまして、マクロ的な自給度、それからさらに、ミクロの地域のそれぞれの御要望、こういうものの調整を図りながら仕事を進めてまいりたい、かように考えているわけでございます。
○稲村稔夫君 局長、それで私はさっき国際化の問題だとかなんかということを冒頭に申し上げたんです。というのは、現在の需要と生産の見通しというものの中には、このように急速に国際的な形でいろいろな要因が加わってくる。要因が加わってくることは計算しているけれども、今のように急速に加わってくるということがまだ考えられなかった時代に計画を立てています。そういう中で、言葉じりをつかまえるみたいになって申しわけないんですが、先ほど山田委員に答えられた中でも、拡大を見込まれるような作物ということで今私にもそう言いました。さっき具体的に出ました麦類であるとか、大豆であるとか、てん菜であるとかいうようなことで幾つかずっと出てました、飼料作物とかその他出てきました。しかし現実に麦類というのはこれから本当に拡大していっていいんでしょうか、その辺どう思っていますか。
○政府委員(佐竹五六君) これは私の立場から御答弁すべきかどうか、ちょっと役所の組織内部ではあれでございますが、申し上げましたのは一つの例として申し上げたわけでございますが、現実の計画から見ますと、御案内のように麦類は収益性が非常に低いわけでございまして、現在の農用地造成単価からでは、麦をメーンの作物としてつくったのでは到底採算がとれないわけでございまして、現実的なその計画の中からいいますと、麦類その他の欄で数%のウエートしかないわけでございまして、国営の農用地開発事業における麦類の作付が全体の需給に非常に大きく影響するというような実態にはなっていないわけでございます。 先生の御質問に対して正面からのお答えじゃなくて恐縮でございますけれども、現実の農用地造成では、別途の要因、つまり麦類そのものの収益性の観点から計画がされていないという実態があることはひとつ御理解いただきたいと思います。
○稲村稔夫君 そうすると、今のそれぞれの地域でつくられる作物というのは、これは国際的なそういういろいろなあつれきであるとかなんとかということが余り心配のない作物をつくるように指導していかれると、こういうことになりますか。
○政府委員(佐竹五六君) 私どもとしては、現在の制度に基づく需給状況、それから価格水準を前提にしてその仕事を進めているわけでございます。私どもの立場、つまり農用地造成を推進し、そこで作付を指導している者の立場から言えば、当然のことでございますけれども、そういう貿易政策の観点から措置が決まるに際しても、私どものような仕事が進められているという実態を十分勘案していただきたいということを主張する立場になるわけでございます。もっとも自由化問題というのは非常にいろいろなさまざまな側面から結論が出てくるわけでございますが、私どもは私どもの立場として現実に農用地を造成し、それを指導しているわけでございますから、農民の方を裏切ることにならないように私どもなりに努力してまいりたい、政府部内で努力してまいりたい、かように考えているわけでございます。
○稲村稔夫君 それではここの辺は大臣に伺いたいんですが、今、農産物のいろんな形での日本に対する輸入要求というものが、これは畜産を含めて非常に強くなってきています。そういう中で、我が国の穀物あるいは畜産物というものについて、あるいは場合によってはこれは今後は海魚も入るかもしれませんが、そういうものの自給と輸入とのその辺のかかわりというものをどういうふうに今後の農政の中で展開していこうとしておられるか。前に所信でもいろいろと言われたようでありますけれども、もう一度ここのところは大事なことですから確認したいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 今先生から御指摘ありましたように、この問題は生産をする農業者の皆さん方が一番心配されていることだろうというふうに思います。私どもの基本的な考え方は、例えば畜産を進めていく、このためには畜産物についても、先ほどもちょっとお話ししましたように、なかなか世界的に貿易量というものはそんなに多いものじゃないということでありますから、ある程度のものはきちんと確保していかなければいけない。そういうことで草地というものを造成していくということが必要でありましょう。 それから、例えば今局長の方からお話がありました大豆ですとか、あるいは麦類、こういったものにつきましても日本めん用の麦、このぐらいは我々としては確保していかなければいけないということ。それから大豆につきましても、みそですとか、しょうゆですとか、要するに私たちが生食として食べるようなもの、こういったようなものは日本として国内できちんと確保していく必要があるであろう。飼料なんかでも粗飼料の自給率を高めていくということは必要でありますけれども、しかし配合飼料の原料になるようなもの、これは国内で求めるといいましても非常にコストの高いものになってしまう。そういうことを考えたときに、これはやはり安定して輸入というものをしていかなければいけないんじゃないか、そういう中でひとつ整理をしていかなければいけないというふうに考えております。
○稲村稔夫君 そうすると、大臣のお考えはわかりましたが、いずれにしましても、国内で生産を必要とするもの、そういうものをきちっと範囲をある程度見定めをして、そういう中で最大限の努力をする、国内生産での努力をする、国内では無理だと考えられるものについては安定的輸入ということを考えていくと、こういう原則だというふうに理解してよろしいですね。 そうすると国内の場合、コストの問題が当然出てくると思うんです。これは草地にいたしましても面積的に全然違うわけですね。外国のアメリカであるとかオーストラリアみたいな極端なところもあります。そうするともうコストが違ってまいります。当然国内のものはコストがかなり高いということになると思いますけれども、そういう中で国際的ないろいろなあれが出てまいります。これにはどう対応するというふうにお考えになっていますか。
○国務大臣(羽田孜君) まさにオーストラリアですとかアメリカ、これは大分差があり過ぎますんでともかくといたしましても、こういったまさに土地改良事業等を進めて生産性の高いものにするということ。それから私どもとしては、今日までずっと進めてきておりますし、またこれからも相当進めていかなければならぬと思います規模の拡大のためのいわゆる流動化事業、こういったものを進めながらコストというものを下げていかなければならないし、またこの狭い国土というものを十分活用できるような新しい品種を開発するとか、バイオテクノロジー等の先端技術というものをこれから相当進めていかなければいけないであろうというふうに考えます。
○稲村稔夫君 その基本的な大臣のお考えはわかりました。そういう中で、今度は局長にお伺いしたいんであります。 こうした作物の国内での自給体制というものはいろいろな国際的な動きの中で変化していく部分が必ずあります。例えば先ほどかんきつの話が出ましたが、かんきつも大きないい例の一つでしょう。ミカンを農水省が暖地の斜面には植えなさいといって一生懸命奨励をしていた時代、あのころでももちろん自給計画にいろいろと問題がなかったとは思いませんけれども、そうするとその途中で、それが今度は今のこうした国際競争のあれの中へ入ってくると、オレンジの圧力だとかなんとかというものが出てきて、急速に今まさにかんきつはもう大変な状況に置かれるということになります。ですから、私はこの国際化ということの中で、よほどいろいろな要素を細かく検討していかれないと、せっかく立てた計画というのが途中でもって大きな壁にぶち当たる。せっかくつくって奨励してきたものが、例えば野菜みたいなものですと、ある野菜をこっちの野菜に変えますということは比較的簡単にできるのでしょうけれども、例えば果樹みたいなものであれば、これは大変転換も難しいということになりまして、一番最近で劇的だというふうに申し上げれば、あれでしょう、皆さんのところで一生懸命計画を立てていたときには、初期にはかなり桑園なども計画の中に入れて計画をやっていました。ところが、国際化の急速な荒波の中で桑園という計画をつくること自身がもう今や問題だということになっておりますから、そういう国際化の中で農地造成というのには本当に慎重さを必要とするんだと思うんですけれども、その辺の心配はありませんでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 私ども計画を立てる上では、先ほど現在の制度と価格水準ということを申し上げましたけれども、当然のことながら、特に農用地造成は長期間を要しますので、そういうことも長期の見通しをそれなりに立てることは必要であろうと思うわけでございます。私ども、かつて昭和三十年代の末から四十年代の初めにかけてミカンの農用地造成のラッシュがございました。当時、私どもも構造改善局、農地局に在職していたわけでございますけれども、静岡から以西の太平洋岸の傾斜地は全部ミカンで埋まるのではないか。それから三十年代末から同じく開田ラッシュがあったわけでございまして、この際私ども非常に難しいのは、個々の地域の皆さんの御希望と長期的な需給の見通しがなかなか整合しない場合があるわけでございます。何でおれのところだけだめなのかという形で問題が提起されます。私どもそれを強力に抑え込まなかったがゆえにいろいろ、多少の不安感はあったわけでございますが、現在の事態を招いたわけでございまして、そのことについてはずっと行政をやってきた者として深くそれなりに反省しているつもりでございます。再びそのようなことを繰り返すことのないように、計画の樹立に当たっては十分慎重に、それからマクロ的な需要の動向と個別地域の利害の調整について、地元の皆様方にも御納得いただくように、十分な説明もしてまいるというようなことをして、御指摘のような御懸念が現実化しないように努めてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○稲村稔夫君 今局長の言われたこと、わからぬわけじゃないんですけれども、さらにそういう中で今のいろいろと国際的な動き、そういう情報、それから市場についての判断というようなものも、それは例えば構造改善局だけでそれをやれといったら、それは局長大変だと思うんですが、これはまた大臣に伺わなければなりませんが、農林水産省全体としてそういう計画を進めていくときには、いろいろな影響というものをこれからは多方面にわたって検討しなければならない、そういう状況の中に置かれていると思うんです。いやが応でもおれのところだけ鎖国するというわけにいかない。そうすると、そういう総合的な知恵を出し合い、今後間違いのないような体制というものをぜひつくって今後の対応をしていただきたい、こう思うんですけれども、いかがでしょう。
○国務大臣(羽田孜君) 実は私はここでもよく御答弁申し上げましたように、今新しい情報時代だなんということを申しまして、農業者の皆さん方はニーズをつかまえて生産していただく、そんな時代がやってきているんじゃないかということを申し上げましたけれども、今度国に立場を置きますと、まさに今先生から御指摘があったように、よくそういったいろんなもろもろの要件というものを見定めながら計画をつくる、そしてその計画されたことを実際に営農される皆様方に敷衍していくということを考え、安定した生産というものが確保されるように努めていかなければならないということでありまして、私ども懸命に努めていきたいと思います。
○稲村稔夫君 念押しをして申しわけありません。私、ちょっと疑い深いところがありまして、申しわけありませんが、昔からよくお役所にはキャッチボールというのがございました。わかりますね、キャッチボールという意味は。農林水産省は少なくともないだろうと思いますけれども、中でキャッチボールが起こらないように、そこは本当に総合的にきちんとしていただきたい、こういうことを御要望申し上げておきたいと思います。 次に、国営土地改良事業の持っている今の時点でいろいろと問題になっているものについて、先ほど山田委員も触れられましたので、その点ちょっとお伺いしていきたいというふうに思います。 まず第一は、この間私も、ことしで引き渡しをするということになっております青蓮寺に伺わせていただきました。現地の皆さんにも、あるいは農水省の皆さんにもいろいろとお世話になりました。調査に当たってはお世話になりました。その青蓮寺で要望をいろいろと私どもは聞いたわけでありますけれども、その要望の中で集中的にあらわれているものというのは償還期限の大幅延長ということでございました。これは私自身が直接見に行ったわけでもありませんし、直接聞いたわけでもないんですけれども、福井県の坂井ですか、ここでも大変それが深刻になっていると、こういうお話も伺いました。償還の始まっていないところはまだその辺が表面に出てこないんだと思いますけれども、償還がいよいよ始まるというところになると、こういうそれこそ大幅な要求というのが出てくる。この辺の原因はどこにあるというふうに受けとめておいでになりましょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 今お話のございました青蓮寺、それから坂井北部の地区は、青蓮寺につきましては六十年度完了、坂井北部は六十一年度完了でございまして、いずれも四十年代の前半に着工した地区でございまして、先ほどもお答えしたことでございまして繰り返しになって恐縮でございますけれども、二度にわたるオイルショックによる著しい物価騰貴がその期間中に発生したということが一つございます。そのために当初例同意をいただいた際の負担金の数倍に最終的な負担金がなるという問題、それからまた特に最近数カ年農産物需給事情を反映いたしまして農産物価格が停滞ぎみである、農業所得が著しく伸び悩み、特に農用地造成等では農業を本当にやっていこうという方々の所得が非常に伸び悩んでいる。そういうような背景からただいま御指摘のあったような償還期間延長の要望が各地に出てきておるんではないか。特に、償還が近々開始される地域について非常に切実な問題になってきているんではないかと、私どももそのように理解しておるわけでございます。
○稲村稔夫君 私、こんなふうには言いたくはないんでありますけれども、しかし、今局長は、農業をやっていこうとしている者の所得が伸び悩んでいる、これは事実をそういうふうにおっしゃったんだと思うんです。しかし、なぜ農業をやっていこうとしている者の所得が伸び悩んでいるのか、こういう問題がそれにはどうしたってついて回るわけですね。 これは例えば米に代表される我が国の農産物、畜産物もそうでありますけれども、一つはコストの問題と価格の問題がなかなか折り合いがつかない。国際化の波ということもこれあり、行政価格の方はずっと抑えられ続けられてきてますよね、米価にしても。畜産物の価格は、私の方は大分文句ありますけれども、ここは今けんかする場所でもないからあれですが、しかし抑えられてきている、あるいは場合によっては若干下げられるということになってますよね。そういう中で所得が伸び悩むなんていうのは当たり前のことなんだと思うんですよ。つまり行政の責任というものもその辺にかなりかかわっているのではないかと思うんです。そうすると、所得が伸び悩んでいることについて要望があったなどということは、これがもしそうだとすれば、私は、じゃその責任を農林水産省としてはどうおとりになりますかと、こう伺わざるを得なくなるんですけれども、その辺はいかがですか。
○政府委員(佐竹五六君) これも先生御指摘の政策価格が決まっている品目等もかなりあるわけでございますが、これらいずれもそのように抑制ぎみに推移するということは、需給事情をそれなりに反映させていくということから結果したわけでございまして、責任ということの意味をどういうふうに理解するか、非常に高い次元でとらえられれば御指摘のとおりとも言えることもあろうかと思いますけれども、直接的に行政的な措置をそれから直ちにしなければならない法的な云々というような、そういう性質の問題ではない。広い意味で需給事情なりなんなりの見通しについてどうだというようなことになれば、それは御意見もあろうかと思いますけれども、私ども行政官でございますので、余り次元の高い話はできませんのでお許しいただきたいと思います。
○稲村稔夫君 それは局長のおっしゃるとおりで、それこそ局長がその辺のところをお答えになれば今お隣の大臣は要らないということになりかねませんので、それはわかります。 ただ、私が申し上げたいのは、これはまたそれぞれの農産物の価格問題や畜産物の価格問題で議論をするべきところだと思いますから、法案審議とは直接の議論ということではありませんけれども、今の非常に大きな要望が出てきているというのは、おっしゃるように農業所得の伸び悩み。新たに入るんではないんですから、今までやっている農業の方の所得の伸び悩みが直接響いている面もかなりあると言えるわけですね。 だから、そういう中で、私は後でまたいろいろと御提案も申し上げますけれども、いずれにしても、こうした大幅な償還期限の延長を望むような状況というのは不自然な形であります、事業を始めるときはそうは思わなかったんですからね。ということでもありますし、今後事業費の増高ということがあってはならない、計画を大幅に上回るようなことがあってはならないと思うんですが、そういう心配は今後はないでしょうかね。
○政府委員(佐竹五六君) 将来の問題ではございますけれども、昨今卸売物価等も著しい安定を見ているわけでございます。ただ、先ほど来先生から再三、国際化ということの御指摘がございました。日本の経済全体が世界経済のメカニズムの中に深く組み込まれているということもございまして、将来物価騰貴が絶対ないかということになれば、政府全体として恐らく安定的に推移するであろうという見通しは立てておるわけでございますが、私として現在申し上げられるのはそういうことでございまして、それ以外にむしろ私どもとしてできることといたしましては、工事の施工方法なり計画なりでできるだけその造成コストの上がらないような方法をとるということについて、これは技術者としては、よりよいものをつくりたいという、これは本能的と申しますか、要請はあるわけでございますけれども、場合によってはそれに逆らってでもとにかく、一定のその事業の目的から見てそこまでやる必要はないものであれば、とにかく施工コストの安いものを選ぶという、そういう発想をとっていただくように、私ども構造改善局建設部設計課あたりでそのような現場の技術者に対する指導を行っていきたいと、かように考えているわけでございます。
○稲村稔夫君 ぜひその辺は特に心がけていただきたいと思います。 先ほど山田委員から出た質問の中で、経費のことがよくわからなかったとか、それからいろいろと事例の話がございましたけれども、私は、いろいろな土地改良区のそこに参加している農民の皆さんと実際に話をしていく中で私自身が感じているものを申し上げますと、事業が出発してしまって一定のところまで進んでいきますと、もう返ることができないんです。ですから、多少いろいろ危惧があったり不満があったりしましても、改良区の偉い人が来て、これはどうしてもこうしなきゃ動きがとれないんで今後困るんだから、ちっと高くなるけれどもやろうじゃないかと、こう提起をされると、渋々みたいな形でみんな同意していく。そうしてだんだんと重なっていくうち、こんなになるとは知らなかったというようなことになってきた経緯というのは随分あるようですよね。ですから、設計変更等が起こるというのが大きな要因の一つになっていると思いますので、今後のこの事業の実施に当たっては、そうした変更などが起こらないように、技術的な隆路はいろいろあると思いますけれども、最大限、最大の関心を持って対応してもらいたい。このように思うわけですが、いかがでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 事業の施行過程の実態につきましては、私どもよりもはるかに先生の方が御認識が深いわけでございまして、私どもも三十年農林省に勤務しておりまして、実際にその場に立ち会ったことはございませんけれども、そういう雰囲気、今お話のございましたようなことは行われやすい、そういう雰囲気があることは十分わかるわけでございます。それだけに私ども御指摘いただいた問題には心して当たらなければならないというふうに思うわけでございます。 幸い、私どもの技術者はすべて例外なく現場を経験してまいっておるわけでございますので、そのときの経験を踏まえて、今お話のございましたようなことが安易に進まないように、私ども自身、事業の施行の責任を持つ国営事業所の職員が、そういうふうに進みがちであることを十分認識して事に当たってまいりたいと、かように考えているわけでございます。
○稲村稔夫君 そこはぜひお願いをいたします。せっかくこうやって少しでも事業を推進しようという法律を今審議しているわけでありますから、ぜひその辺はよろしくお願いしたいと思います。 次に、この農用地造成事業でありますけれども、これを進めていくときには必ずそれなりに新しい農地ができるんですから、いろいろな作付計画等が行われるわけであります。この作付計画というのは、その地域地域に見合ったかなり綿密な市場調査等もやられて対応しておられるんでしょうか、その辺のところ、実態をちょっとお聞かせください。
○政府委員(佐竹五六君) 農用地造成事業を施行するに当たりましては、これは計画段階では、お話のございましたような市場条件について国みずからが関係機関と十分協議して進めることはもちろんでございますが、さらにこれがかなり長期的に十数年、それ自体長過ぎるという御批判もあるわけでございますが、いずれにいたしましても、かなりの期間を要するわけでございまして、その間条件がいろいろ変わってくるということもございますへそこで、すべての地区について営農推進協議会という組織を組織いたしまして、ここに農協それから改良普及員あるいは試験場の技術者等に入っていただきまして、計画内容の妥当性を施行の途中においても常にチェックしていくというような仕組みをとって進めているところでございます。
○稲村稔夫君 これもちょっと具体的なことで恐縮でありますけれども、私、青蓮寺地区を見てまいりまして、あそこでブドウ、それも巨峰を中心にして一生懸命何とかしようという努力をしておられるようです。しかし、私がそれで心配をいたしますのは、あそこは、立地条件としては、山の中ですけれども、大阪にも名古屋にも車で一時間半か二時間くらいといういい条件の中にありながら、それでもなおかつ心配になるというのは、一つは、そういう特殊な産物に集中しますけれども、本当にマーケットとしてその辺が心配ないんだろうか、こういう問題がございます。それから後これからどうするかまだよくはっきりしていないような土地もまだ残っているようでありますけれども、普及員の皆さんは一生懸命技術上のあれを助けるような努力をしておられます。これは私も頭が下がる思いをしながら見てまいりました。しかし、どうしてもひっかかるのが、本当にマーケットが大丈夫なんだろうかなということなんで、その辺のあれの調査というのは非常に難しいものがありますけれども、しょっちゅう動いて、生き物ですからね、しかしそれを常にとらえながら綿密に調査しながら解析してやっていただかないと、さあ、でき上がって、全体やり始めてから今度とうにもならないということになったら大変だと思うんです。その辺はどの程度の対応をしておられるんでしょうかね。
○政府委員(佐竹五六君) 特に最近、農用地造成では作物の内容が、野菜あるいは果樹でも特定の果樹、それから工芸作物とかなりきめ細かいマーケティングを必要とする作物がふえているわけでございます。私ども見ておりますと、そういう商品作物の経験のある農家が主体のところでは、作物が変わっても大体うまくいっているという印象を強く持っているわけでございます。特に、従来米だけしかつくっていなかったようなところに新しい商品作物を導入する場合には、非常にそういうマーケティング力が弱いということがございます。もちろん最終的には、何をつくるかということは個々の農家の御判断になるわけでございますけれども、しかし従来そういう商品作物の経験のない農家がこの農用地造成に参画される場合には、やや農家の個別的な判断に属する部分まで農協等にかわりに判断してもらうというようなことも必要であろうというふうに思うわけでございまして、これは制度の問題ではございませんが、現在の営農推進協議会の運用に当たっては、今申し上げましたようなそれぞれの地区の特殊性を十分配慮いたしまして指導に当たってまいりたい、かように考えているところでございます。
○稲村稔夫君 せっかく意欲を持って取り組もうということになるわけでありますから、それこそつくったものが売れないなんというようなことが起こったんでは、これは本当に困るということになりますので、その辺はぜひ細心の配慮をいただきたい、こんなふうにも思うんです。 これはいろいろと伺っていけば切りがなくいろいろとあるのであります。例えば、今もマーケティングのお話がありましたけれども、それじゃ本当にそういう流通関係の専門家が参画しているんだろうか、そうすると農協があると、こうおっしゃる。ところが、果たして農協がうまく対応しているかどうかというような問題までずっといろいろと出てまいりまして、その辺までいろいろと不安があるんです。 私の土地でも巨峰をつくっておりますので、できてきている巨峰の今の木を見て、大体どの水準かというのはほぼ見当もつけさせていただいているだけに、何かちょっと気になるという面がないわけではございません。しかし、これも技術的なことが随分含まれますので、議論していては切りがございません。これから進めていく中ではぜひそういう配慮というものをしていただきたい、こんなふうに思います。 次に、農用地造成をやるところというのは、林地だとか山地、大体そういうところなわけですね。土地としては比較的やせているところが多いわけでありますが、そこをまたさらに削ってやる特殊な土壌のところも随分あります。青蓮寺なんかの場合は、何か花崗岩のくずみたいな、風化したものみたいな感じの土地でありました。例えば私のあれになります新潟県でも、苗場などに行きましても、土地、土壌というのは全く作物をつくる土壌ではないんですね。作物をつくる土壌ではないものを切り開いていくというのが農用地造成の大方のものになるでしょう。そうすると、土壌改良というものにはかなりの力を入れてしかるべきだと思うんですが、この辺はどの程度の対応をしておられますか。
○政府委員(佐竹五六君) 一般的に申し上げまして、農用地造成における土壌改良につきましては、酸土の矯正及び燐酸吸収系数の改善等によって化学的改良を図ることが第一にございます。それと同時に、有機質資材の投入等により作物の生育に適する土壌とするための改良を、これは事業の中で事業費の一部に込めてやっているわけでございます。それからまた、特に母岩の性質が非常に不良な地区については、施行の過程で、営農技術確立調査というふうに私ども呼んでおりますけれども、土壌の成熟を促進するための対策として、かん水とか反転、砕土と作物の収量との関係等も現実に調査いたしまして、熟畑化を促進するというような対策を特にそのような地区についてはとっているわけでございます。さらに、工事完了後につきましては、これは一般農政の分野になるわけでございますが、地力増進法等に基づきまして重点的な指導をやっていただく、このような取り組みで対応してまいりたいと考えておるわけでございます。
○稲村稔夫君 完成後の、事後の話も出ましたから、ついでにそのことも含めての質問ということにさしていただきたいと思いますが、ああいう状態のところの土壌の改良というのは一朝一夕にしてできるものではないと私は思いますね。そうすると、その改良のためにはかなりの長年月が必要です。そのための経費というものは常について回ります。そうすると、事業完了後のアフターケアの一つとしてそれはどうしても必要なことになります。今一般農政の方に移してということもありましたが、それであればそれなりにそういう事業が継続できるように、そしてまた、そのためにいろいろな便宜を図ってやるというようなことが必要なんだと思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 私ども専ら造成する立場でございますが、造成した跡地がどのように運営されているかということをきめ細かく追求し調査しておくことも、よりよい計画を立てるために非常に大切なことではないかと思うわけでございます。従来もそれなりにやってきたつもりではございますが、今後、既に造成された地区の営農がどういう状態であるかということについて、単に一般農政の分野に任せるんではなく、その造成する我々の立場としてよりよい造成をするための資料なりノーハウを得るという見地から調査検討することを努めてまいりたい、これは今までもやってまいったとは思いますが、さらに一層そのような努力をしてまいりたいと考えるわけでございます。
○稲村稔夫君 お気持ちはわかりますがね。ただ、お言葉では随分きれいになっているけれども、こう言っては大変失礼ですが、だけど実際は現在の事業の途中であっても土壌改良についての対応策は必ずしも十分でない、これは私は事実だと思うんですよ。例えば青蓮寺に行きましても、結局、農家が付近からのあれから足りない分は金を出して買ってきて入れているというものがあります。最初は、ただでくれたそうです、皆さん、畜産公害になるものを持っていってくれるんだからと。だけど、今度はただじゃくれなくなったそうでありましてね。 それから苗場の例で言っても、あそこでは今度は有機物を補てんするために北越製紙のパルプかすを入れていますけれども、とてもそれでは到底追いつかないということで、わざわざ遠くの海岸に近い方の三島郡だとかなんとかというところまで農協がトラックを出して、そして畜産廃棄物を集めてくるというようなことを現実にやっているわけですよ。その経費というのをかぶっているわけです。だから、現段階でさえ、その辺のところはもっとよく見てもらわなきゃならないと思うんです。 それで、アフターケアの方も、今のお話でいけば安心に見えるけれども、現段階でもうまくいっていないものを、アフターケアでもってもっとそれをよくできるんだろうかという疑問すら出ます。ということで、まず現在がそういう状況にあるということは御認識ですか、どうですか。
○政府委員(佐竹五六君) 農用地造成において、土壌改良、地力の増進が重要であるということは十分認識しているつもりでございます。それなりの対策として制度的な仕組みとしてはつくっているわけでございますけれども、それが現実にどの程度機能しているかということについて、さらに認識を深めるように現場と私どもとの情報流通を円滑にすることを努力してまいりたいと、かように考えているわけでございます。
○稲村稔夫君 時間がなくなってきましたので、私はさきにお約束しましたように、これから幾つかの御提案を申し上げたいと思うんです。ぜひそういう方向へ進んでいただきたいという希望を持ちながら申し上げるわけであります。 一つは、ずっと今まであれしてきました問題の一つで償還期限の問題がございます。この償還期限の延長について、これは実態に合うようにいろいろと御検討をいただきたい、ぜひそういう御検討をしていただきたいと思いますけれども、その辺はいかがですか。
○政府委員(佐竹五六君) そのような検討を進めてまいりたいというふうに考えております。 これは長くなりますので省略いたしますが、単純に延ばすということだけではなかなか実現しませんので、どういうふうに知恵を出して実質的に償還期間の延長を図るか、今後さらに検討していきたいと、かように考えております。
○稲村稔夫君 ぜひ御検討をお願いいたします。 それから次に、私は農地造成をやりました場合は特に必要だと思うんですけれども、事業完了後のアフターケアの問題がいろいろとあります。私は農地造成事業に特にアクセントを置きましたが、かん排事業にしても同じであります。かん排事業なんかの場合はいろいろな引き渡しを受けてからの後の維持管理費等でいろいろと苦労をしているという実態があちこちにあります。このことは農地造成事業の場合にもこれが当てはまってくることがあるわけでありますが、例えば今の青蓮寺のあれでいきますと、道路をつくり、農道をつくった。その農道の下を排水を通しているわけですね。車が通っていく。それで壊れる。修理をしなきゃならない。修理費がかかると、こういうことがあります。たまたまここは市道に認定を地元の市でしていただいて対応を何かいろいろとうまくやっているという部分があるようでありますけれども、こうしたかん排事業等についてもそうした維持管理費に思わぬものがいろいろとかかるわけであります、電気料その他もあります。先ほど局長からは造成する立場だからというお話がありましたが、造成をするのに当たっていろいろと例が幾つもあるわけでありますから、その自治体だとかその他のところが行う事業、こういう事業とうまく組み合わせをいたしまして、そして維持管理費というものが後々大きな負担にならないように、そういう配慮が常にされてしかるべきだと思うんです、工事を進めていくときには。だから、農家との同意を得るときに、既にそういう根回しと言うと言葉は悪いかもしれませんが、ある程度の自治体なりその事業を一緒にやれるものをつくって、そういう体制をつくるような検討を常に続けてもらいたいと思いますけれども、その辺はいかがですか。
○政府委員(佐竹五六君) 昨今の国営事業は、かん排それから農用地造成を問わず、地域開発的な色彩の強い事業がふえてまいっているわけでございます。一方、これは各種公共施設に共通でございますけれども、建設については助成はするけれども、維持管理については面倒は見ないという、一種の財政のルールがあるわけでございます。この辺は地方行政に詳しい先生もよく御承知だろうと思うのでございますが、ただ、これを機械的に当てはめますと、最近の土地改良事業に甚だ実態にそぐわない面が出てまいりますので、そこをさまざまな知恵を出していくということにしたいと思うわけでございます。 国としてやれることといたしましては、特に新潟の実例、もう先生よく御承知でございますが、地域排水的な性格の強いものには直轄管理あるいは県管理補助というような仕組み、それからまた実質的な管理費になるわけでございますけれども、保守事業に対する助成方式を考えるというようなことがございます。 それからまた農用地造成の場合等で幹線道路なんかについては、それぞれ自治体の地域全体の農林業の振興、それにまた生活上の便益もプラスするものでございますから御負担をお願いしていく。ただ、自治体の場合につきましては、私どももそのような観点から実は四十七年の法律改正なんかやったわけでございますけれども、地方財政上の裏打ちが全然できておりませんものでございますから、制度はできたけれども、どうもうまく動かなかった、ない袖は振れないというようなことで自治体が大変お苦しみになったという実態があることも私ども承知しておりますので、今後これは自治省といろいろ話し合いをする必要があるわけでございますが、土地改良事業の現実的な機能を御認識いただいて、地方財政上の裏打ちをそれなりにつけていただくというふうなことを考えてまいりたい。集落排水等については、一部そういうものが実現しておりますので、そういう方向を伸ばしてまいりたい、かように考えております。
○稲村稔夫君 ぜひそういう細かい配慮を今後も一層強化していただきたいというふうに思います。 そこで、細かいことになって大臣にはちょっと恐縮なんでありますけれども、これは構造改善局だけということにはいかないと思いまして、全体の中で政策的に考えていただかなきゃならない問題としてアフターケアの問題、特に農地の造成の場合のアフターケアがあるわけです。今もずっと議論してまいりましたけれども、マーケティングの問題もあります。それから技術水準の問題もあります。今まで米しかつくってなかったところへ野菜をつくるとか、果物をつくるとかということをやれば、技術が一定のところに到達するには結構期間がかかります。それからまた土地が一丁前になるまでの間というのは年月がかかります。引き渡しをされてからすぐ一丁前ですよと、こう言われてしまったんでは、本当はなかなか大変だと思うんです、現実の問題として。青蓮寺へ行きましたら、三月になると国がお引き揚げになりますと恨めしそうなことを言っておられました。事業をやっている間は、それでも事業をやっているからという、そして国がついていてくれるからという、何というか、期待感みたいなものがあったんだと思う、安心感があったんだと思う。大変不安だと思うんですね。現実に今先ほどのブドウにしたって、本当に売れるだろうかという心配があったり、いろいろします。そうすると、引き渡しをしてから一定の間というものも、ある程度いろいろな形で相談に乗り、対応をして、いろいろな国の資金が出るものはいろいろと活用しながら対応してやるということが必要なんではないか。これはつくる場合ばかりでなく、全体として農政の推進として考えなきゃならない。私はもっともっと極端な議論を持っておりますよ。作物なんてどうせ売れないものを最初つくるんだから、売れない物をつくったら、その間は何とかして価格を保証してやったらいいじゃないか。そう言うとすぐ財政の問題が出てくるでしょう。そのくらいにしてやらなければ、本来はせっかく拡大の意思を持って入っても、今までやってた田んぼをやりながらほかのところで稼いでいたものをその稼ぐ時間をやめてここでやるということになるわけですからね。それだけにそのくらいのことをやってやらなきゃまた挫折をして耕作放棄が起こる。何のために農地造成をやったんだと、こんなことになると思うんで、その辺のところ、総合的なアフターケアについての御検討をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) 先ほど来、局長の方から申し上げました中にもありましたように、最近混住社会とか、あるいはその地域のいろんな発展のためにも役に立つ例えば排水とか、あるいは農道ですとか、そういったものがございます。そういう意味で、例えば自治体がある程度負担していただく、これは今日までも実はやってきたところであります。ただ基本的には、お言葉を返すわけじゃありませんけれども、基本的には農地造成に賛同し、そしてそれによって新たな営農を築いていこうというのは、まさに農業に対する一つの投資であるということでありまして、その償還というものが途中でいろいろ変更があったり、時の流れの中で問題が出てきた。そういう中で負担が非常に重くなってきたというような問題もございますでしょう。ただ、そういったものに対して、例えば返還の方法について初めの収入が少ないうちは薄く、収入がある程度安定してきたそういったときになったら少し厚くというような、そういういろんな方法は考えられるというふうに思うんです。ただ、その収入を得るまでの間保証するということはやっぱりなかなか制度としても難しいなというふうに感ずるところであります。ただしかし、今先生からずっとるるお話があったこと、そして本当に農家がやめてそれを放棄してしまったら、国は何のために金を使ったんだということになるわけでありますから、そういう意味で営農が続けられるような償還の方法とか、そういったものについては、先ほど来局長がお答えしておりますように、いろんな工夫はしていかなければいけないというふうに考えます。それと同時に、作物の選定ですとか、あるいはまた案出荷体制ですとか、そういったものもきちんとする、こういうことについては我々としても十分御相談に乗っていかなければいけないんじゃないかと思っております。お答えになったかどうかあれでございますけれども。
○稲村稔夫君 見解が違うところがありますが、これはやむを得ません。
○委員長(成相善十君) 本案に対する質疑は午前はこの程度とし、午後一時三十分まで休憩いたします。 午後零時四十五分休憩 —————・————— 午後一時三十一分開会
○委員長(成相善十君) ただいまから農林水産委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、田渕哲也君が委員を辞任され、その補欠として藤井恒男君が選任されました。 —————————————
○委員長(成相善十君) 休憩前に引き続き、土地改良法及び特定土地改良工事特別会計法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○刈田貞子君 我が国の国民生活にとって最も基礎的な物資である食糧の安定供給のために農業が果たす役割は、大変大きなものがありますということは、これは私が常に申し上げていることでございまして、農業生産力の向上と経営規模拡大など、農業構造の改善を図る土地利用型農業の体質強化のために、この土地改良事業というのは大変に大きな意義があろうかというふうに思っております。六十一年度の農林水産行政の重要施策のまず第一に、土地利用型農業の体質強化を目指した構造政策等の推進ということを今年度も取り上げておられるところから見ても、農水省がかなり力を入れておられることは私どもにもよくわかります。 五十八年度から始まっております第三次土地改良長期計画のことについてお伺いをするわけでありますが、これはことしで四年目に当たるわけですけれども、先ほどもお話が出ておりましたように、その進捗状況は非常に厳しいものがあるということで、これは公共事業が五十四年度以降抑制されていること、予算が前年度並み、さらには六十、六十一年は減という土地改良事業の背景があるわけでございまして、この第三次長期計画が非常に進度がおくれているということにつきましての認識をお伺いするわけです。今申し上げたように、つまり財政的な背景からだけであるというふうに考えてよろしいものかどうか、大臣いかがですか。
○国務大臣(羽田孜君) 御案内のとおり、私どもとしても、この土地改良というものが基本的に最も農業を推進する意味で大変大切であるということを考えておるわけでございますけれども、先ほど来御指摘がありましたとおり、残念ながら財政事情がこのところ厳しくなってきてしまった。全体の公共事業を抑えるという中で、この土地改良の第三次計画もおくれておるというのは、これは否めない事実であります。 この理由についてただ予算だけかということでありますけれども、予算と同時にもう一点は、途中でどうしても計画というものを変更しなければいけない、あるいは高度なものが要求されるようになってくる、そういう中で予算というものは大きく肥大してきたということ。それともう一つは、日本の国のインフレというのは非常に低く、物価なんかの高騰はよその国に比べれば低いんですけれども、しかし資材等は少しずつでも値上がりしておる、こういうことも大きく影響してきておるだろうというふうに考えております。
○刈田貞子君 そうした背景を踏まえて、少しでもよき条件をつくるということで今回法改正が行われるわけですね。先ほども同僚委員の方から御質問がございまして、それに答えられて局長の御答弁の中に、今回の財政投融資資金を活用することによってどの程度の事業量が拡大できるのか、あるいはまた遅延している工事の期間をどの程度短縮することができるのかというふうな質問がございまして、それに対して、国費でいうと二百億節約できて、事業費ベースでいえば四百三十億というふうにお答えになられました。それから工期の短縮については、一般事業で二十二年のものが二十年程度に短縮できるであろう、それから特別事業については十四年程度のものは十三年というふうなことでおっしゃっておられたわけでございますけれども、これを取り入れることによって、つまり今回の法改正をすることによって事業量が拡大する、工期が短縮する、それによって得られる農民のメリットというものは何でしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 先ほど御答弁申し上げたのはそのとおりでございますが、一カ所、ちょっと私の錯覚がございまして、有効活用できる国費は二百億と申し上げましたが、これは三百億の誤りでございます。おわびして訂正させていただきます。 これに伴う受益者、受益農民の側から見たメリットでございますけれども、端的に申し上げまして、工期が短縮されるわけでございます。そういたしますと、その分の借入金の金利負担、いわゆる建設利息でございますが、これが少なくて済む。そのことは年々の農民負担の償還負担額も減ってくるわけでございます。その点が受益農民から見たメリットと、かように申せようかと思うわけでございます。
○刈田貞子君 そうすると、その逆から物を言いますと、これまではそうした面で農民負担が非常に多くあったというふうに御認識でございますか。
○政府委員(佐竹五六君) 公共事業費抑制の始まる五十五年以前と比較いたしまして、各種事業の工期が著しく延びているわけでございまして、特に特別会計事業につきましては、そのことが建設利息負担増という形で直接的な農民負担の増につながっていることは、これは事実でございます。
○刈田貞子君 それから、今この制度導入によるメリットの面を伺いましたんでございますけれども、憂慮されるデメリットの関係について、提案者側として何かお考えになることはございますか。
○政府委員(佐竹五六君) 今回の措置は、直接受益農民の負担の仕方は全然いじっておりません。提案理由等でも御説明いたしましたように、県が国に対する償還の仕方を変えただけでございまして、従来は、国営土地改良事業の都道府県負担分につきましては、延納承認によりまして、その事業をやった年度の翌年度から利率六・五%、支払い期間十三年・うち三年据え置きで、元利均等年賦支払いにより償還されていたわけでございます。今回は、この都道府県負担分を財投借り入れにより充当し、翌年度からその都道府県の償還をしていただくわけでございますが、都道府県の国への支払い条件につきましては、従来の一般会計国営事業における延納制度と同様でありまして、翌年度から十三年・うち三年据え置きで元利均等支払いとなっているわけでございます。金利につきましては、従来六・五%であったわけでございますが、今後は財投利率にリンクされるわけでございまして、財投金利がそのときどきで変動することによって変動するわけでございます。現在時点で見ますと、財投金利は六・三%、さらに三月三十一日以降は六・〇五%に引き下げられる見込みでございますが、これによって、現在のところでは、都道府県負担はむしろ減少するわけでございます。今後財投金利が一般の金利水準の影響を受けて上がることもあるわけでございますので、常に有利になるというわけではございませんが、少なくとも今回の措置によって都道府県負担分が著しく過重になるなんということは全くないわけでございまして、そのような意味では特段にデメリットと称するものはないというふうに考えていただいてもよろしいのではないかと、かように考えているわけでございます。
○刈田貞子君 今回の措置の中ではデメリットの要因はないというふうにおっしゃられるわけですけれども、相乗して基盤整備事業の総枠がまずマイナスになっていることが一つ。それから事業別の高率補助金率の例のカットの分ですね、これがありますね。そういたしますと、事実上これは今回の法改正とはかかわりないかもしれないけれども、かなりのものをしょい込むことになる実情はあるというふうに私は思うんですね。 さらに、財投による手だてということになりませば、現状では非常に好条件に恵まれておるわけですけれども、過去の利率の動きなんかを見ませば、これはかなりの高利率のときもあったわけですから、それも非常に不安定要因だというふうに考えられるわけですね。例えば高率補助率のカットで、これは私の拾ってきた数字で間違いがあったら教えていただきたいんですが、国営かんがい排水事業、直轄事業の分ですが、これが五十九年が十分の八・五、六十年が十分の七・五、そして六十一年は全く三分の二以下、こういうことでよろしいのかどうなのか。それから県営の事業の農道整備の分が十分の六・五が六十一年度では十分の五・五までになっていますね。それから団体分の方の農道整備の事業でいくと、十分の五・五、五十九年が五・五だったのが十分の五というふうにして、これはいずれの事業も、全部農水省関係だけではございませんと言ってしまえばそれっきりですけれども、実情がそういうことであるということについての御認識はいかがでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 時間を節約するために、ただいま先生の読み上げられた数字は間違いないと思いますが、なおもう一遍速記でチェックさせていただきたいと思いますけれども、私がさっと見た範囲では間違いないというふうに思います。 それからこの削減分でございますけれども、これにつきましては、制度的には地方団体に対し起債が認められているわけでございます。その元利償還金について基準財政需要額への算入と元利償還金の二分の一に相当する額を一般会計から交付税特会へ繰り入れを行うという措置が大蔵省、自治省間で了解されております。さらにまた事業量の増大に伴う負担増部分については建設地方債の増発を認めるとともに、その元利償還金のおおむね八割に相当する額を基準財政需要額へ算入するということが措置されているわけでございまして、制度的には地方財政の運営に支障を生ずることのないようにされているというふうに私どもは伺っておるわけでございますが、現実問題としてこのような措置が土地改良事業の実際の運営にどういう影響があるのかないのか、私どもはないというように措置されているというふうに承知しているわけでございますけれども、今後各都道府県等の事業運営の実態についても細心の注意を持って見守ってまいりたいと、かように考えておるわけでございます。
○刈田貞子君 それからいわゆる事業単価の問題です。物価上昇等に伴う事業単価についての考え方をちょっとお伺いいたしますけれども、私が拾った例で県営圃場整備の例で見ますと、四十五年の事業が単価十五万六千円で、これが農家負担額でいけば四万三千円です。これを六・五%の率で二十五年償還分の公庫資金を据え置きなしで借りて対応したとすると、一軒農家年間負担分三千五百円、これが四十五年の実情だというふうに私は思うんです。四十五年の農家負担分三千五百円。ところが、六十年は九十三万三千円、事業単価。これはある県の県営の分ですよね。この九十二万三千円を農家負担分の額にいたしますと二十五万六千円ですね。先ほどの公庫措置によって充ててみても、純粋の農家負担というのは二万一千円になるということから、十五年の間に結局、六・何倍かの負担を農家自身がしょうことになるわけです。こうした社会的情勢によって上がっていく単価、こういうふうな問題についてはどのような認識をお持ちですか。
○政府委員(佐竹五六君) ただいまの数字につきましては、私どもちょっと手元に先生の御指摘の数字を持ち合わせておりませんので何とも申せませんが、確かに第一次、第二次オイルショックに伴う物価騰貴を挟みまして、事業費及びそれに伴う農家負担が数倍に増高しているということは事実としてあるわけでございます。この物価の変動に伴う事業費増をどういうふうに認識するかということでございますけれども、私どもはそれをよく検討いたしまして計画変更の手続をとっているわけでございまして、一般的な物価の変動について特別に何か制度的な措置を講ずるということはいたしておらないわけでございます。
○刈田貞子君 次に、基盤整備事業の全国的規模で見た整備率と地域別の整備率を私はちょっと数字で見せてもらいました。そういたしますと、これは当然のことだろうと思いますけれども、北海道が六三・一で最高ですね。そして中国、四国地方が一三・四で整備率からいけば一番低いという状況にあるようでございますけれども、細かく見てまいりますと、平場で比較的やりやすくて、そして投資効果が上がってというところに集中してこの土地改良事業というのは進んでいるやに私は思うんでございます。 で、第二次土地改良長期計画の基本方針の中に高能率農業の展開及び高福祉農村の建設のための圃場条件の総合的整備ということをまず指針にうたっているようでございますけれども、先ほど申し上げましたような実態が果たしてこういう指針に合っているかどうか。つまり今進んでいないところの地域、山間、傾斜地というようなところ、そういうふうなところこそ、実は今後の日本の農業にとっては基盤整備というものに手を入れていかれなければならない。そういう基本的考え方だと私は思うんですね。しかし現実にはそうなっていないということ、この点を一つ伺うのと、さっきのばらつきの問題をどう認識するか、この二点について。
○政府委員(佐竹五六君) 水田の整備率につきまして、御指摘のございましたように、北海道は七七・七%、中、四国一四・四というふうに著しい格差があるのは事実でございますが、これは土地改良事業、農業基盤整備事業が基本的に農家の申請主義をとっておりますところから、個々の地域の農家の整備水準に対する判断等が大きく影響するわけでございまして、特に比較的早い時期と申しますか、昭和三十年代以前、戦前も含めまして、にいわゆる耕地整理をした地域等では一反歩区画で整備がされております。現在の技術水準から見ますとそれでは不十分なわけでございますが、どうしてもそういうふうにかつて整備が進んだところは再度の整備を行うテンポが遅くなってくるという事実がございます。それからまた別途の要因でございますが、大河川の下流に広がる沖積平野地帯を中心に土地改良事業が進められてきたということは、先生の御指摘のあったとおりでございます。 今後私どもが整備すべき地域としては中山間地帯になるわけでございます。中山間地帯におきましても条件の厳しさはあるわけでございますが、しかし現在の社会的、経済的条件のもとで生産性の高い農業を展開しようとすれば基盤整備は必要なわけでございまして、私どもはそのような地域につきましては、例えば圃場区画についても画一的に三十アールという区画を求めるものではなく、地域の条件によっては二十アールでもそれは認める。それからまたそのような地域では大きい団地で受益面積がまとまらないというようなこともございますので、採択条件を緩和するというようなこと。さらにはまた直接的な受益者負担につきましても、特別立法、山村振興法とかあるいは過疎法で指定された地域等につきましてはかさ上げ等も考える、国庫助成率の。そのようなさまざまな対策をとりながら今後整備を進めていくべき中山間地帯の農業基盤整備を推進してまいろう、かように考えているわけでございます。
○刈田貞子君 それから最近の基盤整備の推移を見ますと、水田から畑地へと移行していますね、重点が移ってきておりますね。私はこういうものに対するそういう事情を大きな一つの変化であろうというふうに見ております。これは、まずたった一つの事業から出てくるものではなくて、農政全般から連動して出てくる現象であるということは私もよくわかっておるわけです。つまり水田というような比較的安定した収入が得られるところでの土地改良というようなことについては、安心してという言い方はいけないんですが、これまでの方針で進めてもいいんだろう。ところが、今度畑地への投資が進むということによって考えていかなければならない条件とか要件というのはたくさん出てくるのではないか。つまり、先ほど稲村委員の方からも出ておりましたように、畑作物、作付した作目ですね、それが果たしてそのマーケティング、市場とつながるかというお話がさっき出ておりましたけれども、そういう社会的条件あるいは地域が持つ一つの特殊性、そういうふうなものも見てやっていかなければならない非常に難しさがあろうかというふうに思うんでございます。したがいまして、これまでの土地改良事業と、こういうふうにウエートが逆転してきている中での一つの土地改良事業の基本的な考え方、これはいかがでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 従来、農業基盤整備事業が食糧増産という旗印のもとに米を中心に、換言すれば水田を中心に進められてきていたわけでございますが、水田を軽視するわけではございませんけれども、昨今相対的に水田の整備が進んだということもあって畑地帯に対する投資がふえてきていることは御指摘のとおりでございます。 従来、畑作地帯というのはほとんど圃場は裸の状態でございました。水田の場合にはかんがい設備というものが、それはそこで水稲耕作が営まれて以来営々とした投資が積み重ねられてきたわけでございますが、それに対して畑地の場合にはほとんど投資がなかったわけでございまして、水のないことを前提として自然条件に従順など申しますか、自然条件の制約を前提とした営農が営まれてきたわけでございまして、したがって、また当然のことながら生産力も低く、反収も、反当の収益性も低かったわけでございます。今後は、そのような地帯について水を導入して自然条件を積極的に克服した自由な営農が営まれるわけでございまして、このことは、当然のことでございますけれども、地方の収奪を激しくするわけでございまして、当然のことながら堆肥等の投入もふやさなければならないというように、営農技術全般が変わっていかなければならないだろうと思います。 それからまた今御指摘のございましたマーケティングの問題が次にあるわけでございまして、いずれにいたしましても、畑地の土地改良というのは、そのように単に畑かん施設をつくるだけではなく、その施設が効率的に機能するようにその技術水準を高めるとか、あるいは市場に対する積極的な取り組みをするというようなことが伴わなければならないわけでございまして、私どもも都道府県の営農担当グループと土地改良担当部局が協力いたしまして、今御指摘いただきましたような問題点について、単に受益農民の努力はもちろんでございますけれども、行政側の方としても積極的にそれを助長する意味で指導してまいる、かようなことを特に畑地帯の土地改良を進めるに際しては配慮していくような考えでございます。そのような指導をしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○刈田貞子君 それから水田にいたしましても、田畑転換農法というふうなことが言われてきておりまして、いわゆる汎用田というようなこともこれからの先を見越すとどうしても必要な一つの考え方になっていくのではないかというふうに思うわけでございます。この種の基盤整備については単価等もいろいろあるようでありまして、進んでいないというようなことを聞いてはおりますけれども、この点についての指導はいかがですか。
○政府委員(佐竹五六君) 私ども水田の場合に、整備済みの水田というふうに言う場合の条件といたしましては、圃場区画が三十アールになっていることと同時に、冬期の地下水の水位を七十センチ以下に下げる、ということは当然裏作ができるということでございまして、そのように整備することに要する費用を前提といたしまして、今の土地改良長期計画を積み上げているわけでございます。 さらにまた、末端においてそれを可能にするためには、基幹的な排水施設の整備も必要になってくるわけでございまして、それも基幹的な農業用排水施設整備ということで長計に織り込んでいるわけでございまして、御指摘のような汎用田として利用できるような、そういう整備を推進していくことを目標にしているわけでございます。
○刈田貞子君 今のことにも関連してくるわけでございますけれども、私どもの党といたしましては、基本政策の中で、こうした土地改良事業等のの補助事業なんかについても、圃場整備や農機具、施設の導入にかかわるものについては計画策定と施行に際し、受益者、地域住民の意見を十分反映できる方法を確立していくべきであるという意見を持っておりますが、ただいまのお話でも、例えば汎用田のようなものをつくるについては、いろいろ地元のニーズみたいなものが確かにあると思うんでございますね。それで、土地改良の事業に当たるについて、この種の論議というのはかなり長い間出てきたというふうに私は思っております。これは衆議院でも恐らく出たと思うんですけれども、地元、受益者の利益、そしてそれに結びつくための彼らのニーズ、そういうものを具体的に吸い上げていく方法、これはまず計画策定の段階で、先ほど同僚委員の中からも出たんでございますけれども、個々の地域の御希望とこちらの思いを整合性させるのが難しい、あるいはない場合があるというふうな答弁を先ほど局長はなさっておられます。それからまた計画途中でもチェックする、つまり地元のいろいろな言い分によってはチェックもできるし、社会的条件の推移によってはチェックもしていく、こういうふうなこともおっしゃっておられるわけですけれども、この計画策定及びその施行に際して受益者あるいは地域住民の意見を十分反映できる方式というようなことについて、特に積極的にお考えになっていることがございますか。
○政府委員(佐竹五六君) 私どもは国の政策の立場からあるべき補助の姿、それから利用の形態について考え方を持っておるわけでございまして、それと地元のそれぞれ地域の条件から規定された具体的な農民の要望がございます。これは何ら矛盾なく当然に一致する場合もございますけれども、あるいはギャップのある場合がないとは言えないわけでございます。そのことを埋めるためによくお話し合いをしていくことが必要になるわけでございますが、手続的に申し上げますと、この土地改良事業につきましては、まず先ほども御説明いたしましたが、三条資格者、耕作農民というふうに御理解いただいても結構でございますが、十五人以上の申請がなければ仕事が始まらないわけでございます。さらにその上、その計画の内容については国の立場からいろいろ策定し、最終的にはそれに三分の二の同意を取って、その手続の過程でまさに集落ごとにひざ突き合わせてお話し合いをして同意をしていただくということをやっているわけでございまして、この点では、まさに地域住民の意向を吸い上げる仕組みというものが制度的に担保されているわけでございまして、その点は土地改良事業が非常にすぐれた方式である、他の公共事業と違った非常にすぐれた方式であるというふうに言えるかと思うわけでございます。私どもとしては、単に手続的に整備されているというだけでなくて、その手続がまさにその形式は整っているわけでございますけれども、それに魂を入れるように、特に昨今のような農村をめぐる社会的な条件が変化している中で、本当に御納得の上で仕事が進められるように事業の運営を指導してまいると、かように考えておるわけでございます。
○刈田貞子君 施行面は。
○政府委員(佐竹五六君) どうも御答弁を落として恐縮でございますが、施行の途中におきましても、これは例えば国営事業の場合には、毎年度の事業費が決まった段階で、それを土地改良区の理事会あるいは総代会等で内容をよく御説明いたしまして、特に昨今のように整備水準の向上と、それから事業費の増大が非常に結びついているわけでございますので、いろいろ御要望はそのような場に出るわけでございますが、例えば農用地造成に対して道路を舗装してくれとか、あるいは圃場の傾斜をなるべく緩くしてくれとか、いろいろ農作業の都合を背景にそういう御要望が出てくるわけでございます。これに対しては、それに伴う経費の増、それから負担の増というようなことをよく御説明して、その上納得づくで計画変更の最終的な手続を待つまでもなく十分御了解いただいた上で、仕事を進めるように昨今六十年三月にも通達しているわけでございまして、今後もそのような点に十分意を用いて仕事を進めてまいりたいというふうに考えております。
○刈田貞子君 私が申し上げている施行ということの中身には、受益者たち自身がその事業に参画していくという考え方も含めてお伺いを実はしているわけであります。つまり画一単一な行政基準というふうなことを言われますけれども、それを一つの地域基準というようなものの考え方をつくっていくためにも、そこで地域のことをよく知っていて、地域で実際にその場で働く農民たち自身が自分の働く場の表土のあり方とか厚さのこととか、あるいは農道の広さとか厚さとか、あぜの厚さ、こういうふうなことをそこで働く人たち自身が一番よくわかっているんだ、だから自分たち自身にもそういう仕事に参画させてもらって一緒に仕事をしてみたいものだという声があるんでございますね。 これに対していつも農水省は厳しい渋い御答弁をなさるわけでございますけれども、例えばそういうことを主張なさっておられる方の言い分によりますと、そこで働く地域の農民たち自身が参加してその事業を自分たちでやっていくということによっては事業単価を今の国の半分に下げることができると、こう言っております。それから、もっと自分たち自身が一番よく知っているんだから良質の圃場整備ができる、こう言っています。それから、それによって農家自身が土地改良の技術なるものを習得する、そこから出てくるメリット、これも非常に大きいんだと、こう言っております。こういう点についてはいかがでございましょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 私どもの土地改良事業の技術者、これはそれなりに長年の経験と知識によってノーハウを持っているわけでございます。そのノーハウを客観化する意味で設計基準のようなものをつくっております。したがって、それなりに私ども最善の事業、工事をしているつもりではございますけれども、ただ、今御指摘のように、現場で実際に農業をやっておられる方々に対しても謙虚に耳を傾けるという、こういうことは必要であろうと思います。広い心で、現在の私どもの仕事のやり方に対する批判があれば、それにも謙虚に耳を傾けて聞くべきものは聞くということにしてまいりたいというふうに考えております。特に、これは事業の種類によっても当然違ってくるわけでございまして、大規模な水利事業等のダムあるいは頭首工あるいは幹線水路というようなところでは、私どもの技術で処理さしていただくことが、これが一番妥当であろうというふうに思うわけでございますが、半面、圃場の問題になりますと、これはまさに実際にお使いになる農家の方々の御意見というものを十分尊重していくべきであろうかと思います。 例えば、これはすべての地区についてそのようなことがちょっとできる条件がないわけでございますけれども、事前換地制度というのがございまして、将来圃場整備をした後の換地はここにするということを決める、実際自分の田んぼがここになるということで農家の方々がブルドーザーのそばにくっついていてここをこうしてくれ、ああしてくれという御要望が出てくる。それはそれで、またそういうことが事業費につながる要因であるというような意見も一部ではありますけれども、これまたそれなりに大切なことだろうと思います。自分のそこでまさに働いていかれる方々がこうしてほしいという要望をできるだけくみ上げていくということは大切なことでございますので、その事前換地制度等を活用しながら先生の今御指摘になられたような意見も事業の上に反映さしてまいりたいと考えているわけでございます。
○刈田貞子君 次に、六十年十二月に会計検査院の五十九年度分の予算執行に関する検査報告が出ました。その中で会計検査院が農林水産大臣に対して指摘をしている事柄がございます。これは農用地開発事業に伴う問題でございますけれども、これも衆議院で出たと思いますが、農用地が開発されたあとの未利用地が非常に多いということでございます。この有効利用の促進と、それから今後の農用地開発事業の執行を適正にしていかなければならないのは、これは当然であろうというふうに思うわけでございます。 で、仮に申し上げてみますと、第一次から第三次までの長期計画に基づく農用地開発事業の中で三百三十八事業について調査した結果ですね、これがあるわけでございますが、国営事業十一、国庫補助事業、県営と団体とで五十一事業、合計六十二事業がございます。面積で二千四百九十六ヘクタールの農地が造成後全く利用されていない、こういうことが指摘されております。私は、その検査院報告を見てみますと、特に国営事業よりは補助事業の方で非常に多いわけであります。その中で、特に四十二年をピークにミカンがめちゃめちゃで、非常に多いわけでございます。農蚕園芸局長にもおいでを願っているわけでございますけれども、これはかなり強力な御指導があったわけでございますか。
○政府委員(関谷俊作君) 特に、農用地開発を中心にミカン園の新規造成が当時相当多いということで、その指導方針はどうかと、こういうお尋ねでございます。 確かに昭和三十七年−四十二年、このころまでに作成しました長期見通し等におきましては、需要の伸びも見込んでおりましたし、それに基づく一種の新植目標を決めまして、新植促進というほどではございませんけれども、一種の植栽目標に応じた植栽をしていくようにと、こういうような方針であったわけでございます。ところが、その後非常に計画以上に植栽が行われまして、生産力の増大、量の増大による価格の低下が顕著になりましたので、実は四十二年以降、一種の抑制ムードに持っていこうということで適正な植栽をするようにとか、四十八年に植栽の調整を行う、こういうような方針に転換をしているわけでございます。具体的に、いわゆる他作物への転換、いわゆる園転を実施することにいたしましたのは五十四年からでございますので、その間若干対応としてもう少し早い時期から、いわばブレーキをかけるというようなことがあってもよかったのではないかなという反省は確かにございますが、確かにその辺の需給の見通し以上に新植が非常に行われました。その辺の調整が十分行われなかったということは確かにあるというふうに考えております。
○刈田貞子君 そして、その未利用の原因が会検から指摘されておる。まず、自然の立地条件が厳しくて営農が定着しなかった。それから二番目が、受益農家の労働力不足があった。それから三番目が、農産物価格の低迷で生産意欲が減退した、こういうことになっておるわけでございます。 私は、この最初の、自然立地条件が厳しくて営農が定着しないというような、こういう未利用の原因が出てくるのは——三番目の農産物価格の低迷が生産意欲を減退させて、そして未利用地あるいは粗放地が出てきた、これはしようがないと思います。見通しができない部分もあったでしょう。これは仕方がないとしても、自然の立地条件が厳しくて営農が定着しなかった、こういう事業に多額の国費を投下するのはどういうものかと思うんですけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 率直に申し上げまして、調査に不十分な点があったということに尽きるわけでございまして、大変お恥ずかしい話でございまして、今後そのようなことのないように、調査に当たっては細心の注意を払ってやることにいたしたいということに尽きるわけでございます。
○刈田貞子君 まあ、ついでですので、申し上げさしていただきますと、自然の立地条件が厳しいということでは、第一に高冷地で導入作目が気象条件に適合しない。ミカンを導入しようと思ったんだけれども、造成してみたらば、そこはミカンに温度が低くて適合しなかったと、こういうことを言っているんですよ。 私はこういう事業が出てくること自体が考えられないんです。まず申請、それから調査、計画、事業の執行、そして今度は作付と、こういくわけですね。その間のどこででもチェックできなかったということです。これは農水省さんだけを責めるわけにいかないのかもしれないけれども、地域においてもこういうものに留意して申請を出させるような御指導も必要だと思うんです。 それから、二番目が、急傾斜地で階段状の畑で機械化作業が困難であった。こんなの最初からわかっているわけですよ。大体、八度から十五度ぐらいの傾斜でどういう機械が入れられるのかぐらいの知識を持った上でこういう事業は進めてもらわなければいけないわけでしょう。それで機械化作業が困難だったから未利用のまま放置した、こういうわけ。 それから三番目はもっと振るっているんです。雪が深い、積雪でしょう。それから、何これ、ウサギと鳥がやってくるからその被害が出る。ということは、一遍ぐらい作付したんでしょう、だけどもやめたと。私もこの間そういうところを見てきました。ヒヨがミカンをとりに来てどうしようもない。ここの山はもう掘りっ放し。それで食べられて壊廃すればそれっきり。そういうの宮崎県で見てきたわけ。ああいうところの鳥、この鳥の問題はまた違う問題ではあると思うんですけれども、そういう予測ができなかったのか、できぬのかという問題がありますね。 四番目、四番目はもっとひどい。居住地から遠隔だから。だんだんこれからこういう基盤整備事業というのは遠隔化していくんです。奥地化していくんです。そのときに、どういう御指導をなさいますか。整備したはいいけど、未利用のまま放置する。こういうことが居住地から遠距離にあるからというようなことで済まされるものかどうか、私はこれを見ていて大変不思議に思ったんです。この辺は、一体どこの責任になりますか、お伺いします。
○政府委員(佐竹五六君) 今御指摘いただきましたいろいろな問題点の中で、例えば非常に風が強いために作物ないし果樹が定着しない、このような問題につきましては、調査の面の問題があろうかと思いますが、それ以外の御指摘の問題につきまして、個別にそれぞれ原因は違いますけれども、一つは計画を立ててから実際に完成するまで余りにも時間がかかっているというようなことがあるわけでございまして、確かに通作距離の問題等につきましても、これはいわば労働に対する意識というものが、世代間でも差があるわけでございますし、また近くに就労の機会等ができれば、おのずから変わってくるわけであろうと思います。 計画を立ててから実際に作物を作付して収穫する、その期間をできるだけ短くするということも、一つはそのような問題が発生しないようにすることのかなり基本的な対策の一つではないかと思うわけでございます。御指摘の中には調査そのものが不十分であった問題もあるわけでございます。そのような調査に当たっての配慮と、それから工期を短くするというようなことを通じて、今御指摘いただきましたような、独立してそれ一つとれば確かにちょっとおかしい、こういうことが起きるというのは何とも理解しがたいというような点もあろうかと思いますけれども、そのような事態が発生することを未然に防止してまいりたいというふうに考えております。
○刈田貞子君 会計検査院は、この指摘の締めのところで、「速やかにその事情を調査して、利用の可否を判断し、その結果、自然立地条件、社会的条件等からみて営農上十分利用可能と認められる農地についてはその利用を促進する。」ということを言っておりますね。私は、こうした六十二事業、二千五百ヘクタールという未利用地がある、そんなものにたくさんの国費が投下されているのは非常にけしからぬという言い分を言う以前に、この中で利用できるものがあったら早く指導していくことを先にしなければいけないというふうに思っておる者の一人でございますけれども、事実上、利用可能地というのは指導によってはあるんでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 一つの例でございますけれども、大分県でミカン園として造成した、ところが、ミカンの需給動向が御案内のとおりでございます。一方、大分はシイタケ栽培の大変盛んなところでございまして、クヌギの原木が非常に不足しているというような実態がございます。そのような地帯についてはミカン園としてその土地を利用することはあきらめて、クヌギの造林を行うというようなことも、そういう例もあるわけでございまして、その辺は私どもとにかく多額の国費を、貴重な国費を投入したものでございますから、多少制度的にいろいろ問題があるにしても、実際にその土地が有効に利用され、かつ地域の関係者にそれを評価していただける、それからまた社会的に見てもまあ妥当であると、そういうような利用をするように、今一つの例を挙げたわけでございますけれども、極力努力してまいりたいというふうに考えております。
○刈田貞子君 これは要望になりますけれども、これからは、先ほども申し上げましたように、こうした基盤整備というのは平場からだんだんこういう地域へと広がっていくことは当然だと思うんですね。そのときにこういう轍を踏まないように、事前調査あるいは地元の農民たちの計画、これこそ計画なんですね、そういうふうなものをよく聞いていただいて、そして厳密な計画及び事業というものに取り組んでいただかなければならないというふうに思うんでございますけれども、今後、傾斜地とかあるいは中山間地とかというようなところの基盤整備というようなものが進んでいくわけでありますが、そういうものに対する特別な考え方とか計画というのはおありなんですか。
○政府委員(佐竹五六君) 一つは自然条件が大変厳しくなるわけでございまして、当然のことながら平たん地帯に焦点を置いた採択基準ではなかなか採択が難しいというようなこともあるわけでございまして、そのような地域については採択条件の緩和というようなことも考えてまいりたい。それからまた整備水準でございますけれども、生産性の高い農地の整備を行うことは変わりませんけれども、画一的に平たん部の基準を当てはめたんでは著しく事業費がかさんでしまう。例えば三反歩区画をつくろうと思えば、今の技術水準であればそれはできないことはございませんけれども、大変な土を動かさなければというようなことになるわけでございまして、そのような点については、実態に合った生産性の向上という目的に合致する限りではその基準を緩和する、整備水準を画一的に適用しないということもまた一つの方法でございます。さらに工法等につきましても、そのような厳しい条件の地域でいかにして低コストで、しかも災害等を引き起こすことのないような国土保全の観点も十分配慮しなければならないわけでございまして、そういう施工技術面でも蓄積を図ってまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○刈田貞子君 今の理由の次のところに労働力不足というのがあるんですね。それを分析すると結局、農家の高齢化の問題が出てきているわけです。つまり遠隔造成地に行く労働力、これは非常に年をとってできない、こういう原因があって放置されているという要因があるようでございます。 私が最後に申し上げたいのは、基盤整備と農村地域における高齢化の急テンポさ、これを関係させながら非常に急いで考えていかなければならない土地改良事業というのがあるんだろうと思います。後継ぎの問題というのは、一戸の農家の問題ではなくて、土地改良区なりあるいは地域社会、農村地域社会の中で地域ぐるみ、後継者をどうするかという時代に入ったというように思うんです。そのためにもその地域が基盤整備がきちっとできているということであれば、それを引き受けやすい大きな条件になると思うんですね。そういう高齢化が進んでいる農村の活性化対策のためにも、この土地基盤整備というのは物すごく重要な第一義的な事業であるというふうに私は思うのでございますけれども、この問題について大臣の基本的見解と局長の見解を伺って、質問を終わります。
○国務大臣(羽田孜君) 今お話をずっと承ってまいりまして、大変な国費を投じながら問題があること、こういった問題については私どもとしてもさらに十分調査をしながら進めていかなければならないということ、そしてまさにこの土地改良事業というものこそが、日本農業というものを本当に足腰強くしていくということで基本的な問題でございますので、私どももそういったことを踏まえながら、厳しい財政事情でありますけれども、いろいろと工夫しながら促進を図るように努めてまいりたい、かように考えております。 後継者問題につきましては今、後継者が不足しておるという問題、これは一つの大きな問題でありまして、この人たちのためにもこういった土地改良を進め、あるいは今のように高齢化された中で使われない未利用の土地、こういったものをむしろ後継者の本当にやる気のある人の中に集積していく、その中で本当の意味での近代的な農業とか、あるいは効率のいい農業というものが進められる、またそこに後継者というものが生まれてくる、育ってくるというふうに考えております。
○政府委員(佐竹五六君) 事実認識につきましては、先生の御認識、私どもも全面的にそのとおりであろうと思うわけでございまして、私ども基盤整備を核にいたしまして、それと例えば肉用牛の繁殖、育成、これはそれが我が国の肉用牛の繁殖、育成のすべてではございませんけれども、高齢者による比較的それほど頭数は多くないにしても、肉用牛の繁殖、育成、あるいはシイタケ栽培とか、そういう地域の条件をそれぞれ生かすような農業経営のあり方を推進するように、制度的に申しましても、例えば山村振興事業とか農業構造改善事業とか、あるいは私どもの基盤整備でも農林地一体開発事業なんといういろいろ手法は整えておりますので、そういう手法を使ってそれぞれの地域の選択の幅が比較的広くできるような仕組みになっておりますので、基盤整備事業を核にしてそのような事業を組み合わせて、御指摘のような問題点にこたえていきたいというふうに考えております。
○塩出啓典君 土地基盤整備事業につきまして、今まで第一次、第二次、そして第三次土地改良長期計画が五十八年度に始まったようにお聞きをしておるわけでありますが、先ほどからの御質問等でかなり完了年度が遅延しておるということ、私のいただいた資料では二一・九%。本来ならば、単純でいくと今、四割ぐらいいかなければならないのが二一・九%ということですからおくれておるわけです。これは分母と分子は事業量で、金額で見ているのか、その点どうなんですか。
○政府委員(佐竹五六君) これは金額で見ておるわけでございます。
○塩出啓典君 そうすると、先ほど非常におくれているのは物価の上昇のためにおくれているというのは、それは今度は事業量の方が物価が上昇するとおくれちゃうわけですね。事業量で見た場合にはどうなんでしょうか、第三次土地改良計画で考えていた土地改良というものに対してはどの程度進んでおるんでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 私ども物的な整備水準というものの目標を七〇%というふうに置いておるわけでございますが、それに対して六十一年度末で約四二%、四〇%ちょっとというような整備状況でございます。
○塩出啓典君 この七〇%というのは分母は何が分母になっているんでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 農地の面積、耕地の面積でございます。
○塩出啓典君 それはいわゆる水田や田んぼがどこまで入っているんですか。
○政府委員(佐竹五六君) これは水田、畑両方含んでおるわけでございまして、水田につきましては区画が三十アール、冬期の地下水が七十センチ以下、それから畑につきましては幹線、支線の農道が整備され、要するに圃場へ車で入れるような状態になった畑、そういう水準を想定いたしまして、そういう想定に達している農地の割合が全体の農地の中で七〇%までになるということが一応物的な整備水準の目標になっております。
○塩出啓典君 その場合の分母の面積は何ヘクタールですか。
○政府委員(佐竹五六君) これは農地面積五百五十万ヘクタールに対して整備率七〇%ということになるわけでございます。
○塩出啓典君 それで、第三期の土地改良長期計画の終了時において何%か。そのときの目標を七〇%とするんではなしに、七〇%というのはもっと先の究極の目標という意味なのか。第三次の土地改良長期計画が完了した時点の整備水準というのはどこにあったわけですか。それに対して現在はどの程度進捗しているんでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 第三次長計の完了年度における状態で七〇%を目標にしているわけでございまして、現状の整備水準は、六十一年度末で、先ほど申し上げましたけれども、四〇%を若干出ているというような水準でございます。
○塩出啓典君 そうすると、これはどの程度おくれているんですかね。というのは、金額の上では二一・九%ですけれども、今度はその整備水準からいくと大体何%ぐらいになるんですか。
○政府委員(佐竹五六君) まず、若干御説明さしていただきたいわけでございますが、金額ベースの達進度率と申しますか、達成率が二二%というように申し上げているわけでございますが、これは毎年いわば複利で増高するというふうに計画が組まれておるわけでございます。したがいまして、毎年約一一%弱の伸びを見て事業計画が組まれておりまして、そのような意味で申しますと、正常な姿であれば二八%ぐらいになっていれば、大体今後一一%弱の伸びで目標年度に達成するわけでございます。したがいまして、単純に十で割って四〇%に比較して二二%がおくれているということでは必ずしもございません。しかしながら、今二八%と二二%の差の六%というのは後ろに行くと非常に大きく響くわけでございますので、おくれているという事実そのものを私ども否定するものではございません。それから面積的な整備率で申し上げますと現在一六%程度、金額で言うと二二%の達成率ということになっております。
○塩出啓典君 これは最終的には、現在第一次、第二次、第三次ときて、第三次では七〇%を目標にしているわけですが、第四次として、七〇%を完成した後、さらに将来的には大体一〇〇%までいかないんじゃないかと思うんですけれども、どの程度までをお考えになっているんでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) いわば整備水準はその時点時点での農業経営を取り巻く社会的、経済的条件で決まってくるようなところがございます。したがいまして、仮に六十七年になった場合に七〇%が達成できて、次の計画を立てるときに、それでは今の整備水準一〇〇%で設定するのか、それとも整備水準の内容自体を若干変更するということも考えられるわけでございます。私ども、しかしながら、当面はとにかく現在の社会的、経済的条件のもとでの整備水準、その具体的内容は先ほど申し上げましたようなことでございますが、を達成することに努力してまいりたい、その過程で次の整備水準をどの辺に設定するかということも並行して検討していきたい、かように考えているわけでございます。
○塩出啓典君 私は水田の整備率の資料をいただきましたが、これは五十八年の三月末で全国で三五・四%であります。北海道は七七・二、東北は三八・二、関東が三四・四、北陸が三九・〇、東海が三二・九、近畿が二二・九、九州が二八・一、中国、四国が一番悪くて一四・一%。私は中国地方に住んでいますが、私の広島県は八・三という非常に飛び離れて我が広島が悪いわけですね。広島は北海道と違って山があるとか、そういうなかなか採択基準に合うような農地が非常に少ない。そういうことが理由ではあるわけですが、それにしても八・三というのは余りにも悪いわけで、これは我々責任を感じておるわけです。こういう点については農水省としては今後どういう対応を考えるのか、これをお伺いしたいと思います。
○政府委員(佐竹五六君) 私どもの目標といたします整備水準に比べて確かに広島県の場合には著しく低いわけでございまして、五十八年三月末で八・三%ということでございます。低い理由には、かつて戦前から、戦後比較的早い時期に十アール区画で整理をした、そういう理由で低い県もあるわけでございまして、関東地方とかなんかはそういう理由で低いところがあるわけでございますが、広島の場合には十アール程度の整形済みのところもやはり低いわけでございまして、七・三%程度しかないわけでございます。 その理由は、先生から今お話がございましたように、傾斜地が多くまとまった水田が少ない、あるいは経営規模が相対的に小さく、高齢化が進行しているというような事情かと思います。ただ、最近、西日本の中山間地帯でも圃場整備に対する需要が非常に強まっておるわけでございまして、このまま耕地が未整備のまま高齢化が進む場合には、当然のことながら、耕作放棄というようなことが進んで地域社会の崩壊につながるというような危機意識から、そのような何としてもやらなければならないということで、十アール百万円からの投資をされて進められているという実態があるわけでございます。私どもこのような関係者の熱意を高く評価いたしまして、立地条件に即した弾力的な事業の実施というのは、先ほど来申し上げましたが、採択基準の緩和なり、あるいは整備水準の地域の実情に応じた水準の設定、こういうことをやることを通じてこのような地域の整備の推進を図ってまいりたいと考えておるわけでございます。
○塩出啓典君 やはりだんだん整備が進んでいけば、当然規模の小さいそういうところが対象になると思うんですけれどもね。そういう意味では、採択基準というものをもっと小さい面積でも採用できるようにして土地区画整理を進めていかなければ、広島県のようなところはますますおくれていくわけであります。今後こういう採択基準というものを下げていく考えはあるのかどうか、その点はどうなんでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) これは毎年いろいろな形で実質的に採択基準の緩和ということを図っているわけでございまして、こういう非常に財政事情の厳しい時期でございますので、なかなか難しい面もあるわけでございますけれども、実質的に採択基準の引き下げ、緩和することは農民負担の軽減にもつながるわけでございます。今までもそれなりに努力してまいりました。今後とも努力して続けてまいりたいと考えております。
○塩出啓典君 今回の改正は事業工期の短縮を図る措置であると。これは国費でやっていた分を借入金に充てれば国費をもっと事業費に回せる、そういうことで事業量がふえるから、その結果工期が短縮する、そういうことではないかと思うんです。要は、今まで継続しているところにより多くの予算をつける、そういう事業量を集中することによって工期の短縮ができるわけで、ただこういう法律を改正しただけでそのまま工期が短縮するものではないと私は思うのであります。 今後、そういう工期の短縮については全体の枠も確保していかないと、事業量をより多く確保するということも並行して行われないと、この工期短縮ということは行えないと思うのでありますが、そういう点はどういう方向でやられるのか、これを承っておきます。
○政府委員(佐竹五六君) 工期は、これは申すまでもないことでございますが、それぞれの事業年度の予算でそのときの事業年度の総事業費を割って平均工期を算出するわけでございます。したがいまして、まず分子を余り大きくしないということがあるわけでございます。つまり、どんどんどんどん新期採択をふやしてまいりますと、これは事業費の伸びを多少伸ばしてみても、平均工期がますます長くなってしまうわけでございますので新期採択をまず抑制ぎみにしていく。六十一年度におきましても大体対前年比九割ぐらいの水準でとどめておるわけでございますが、そのようなことをまず試みます。 さらにまた今度は、分母の事業費を拡大する方法があるわけでございまして、そのための一つの方策として、今回の国営土地改良事業の実施制度の改善が挙げられるわけでございます。さらに昨年来やっております補助率カットも、一定の国費のもとで国の負担割合を減らせば、その分だけ県の負担割合がふえることによって事業量がふえるわけでございます。このような方法もその工期短縮のための一つの方法として役立っているというふうに考えるわけでございます。 さらにまた、そもそも国費の予算額そのものを確保することも、これは当然のことでございまして、私どもは、来年度以降の財政事情いかんでどうなるかはなかなか予測しがたいところもございますけれども、その中で農業基盤整備事業の国費の予算枠を最大限確保することに努力してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○塩出啓典君 御存じのように、六十年度においては五〇%以上の補助率がカットされた、それが六十一年度以降さらに三年間続くことになったわけであります。私の理解では、国営、県営、これは五〇%以上ですから一割カットされたわけですが、確かに今言われたように、そうすると事業量はふえるわけですね。けれども、その分国費が減ったのでは事業量はどうか、そういう点。事業量は、実際、六十年度は五十九年度に比べてふえたのですか。その点はどうなのですか。
○政府委員(佐竹五六君) 六十一年度は、国費が対前年比九八・八%に対して、事業量の方は、補助率のカットと今度の新方式導入等もございまして一〇二・四%になっております。六十年度は補助率カットだけの影響しか出なかったわけでございますが、補助事業について若干の事業量拡大の効果はあったわけでございます。
○塩出啓典君 この補助率がカットされた分は県と地元負担、こういうことで、これは同じように比率負担をしたと、このように理解していいわけですか。
○政府委員(佐竹五六君) この補助率カットにつきましては、私どもの農業基盤整備事業のように農民負担を伴う事業につきましては、農民負担は絶対に増高させないということが条件になっておりまして、財政当局もそのことを了といたしました。いわば地方負担の増ということで国と県との負担の割合の変更ということにとどまっておりますので、受益者負担は影響は受けていないようなことになっているわけでございます。
○塩出啓典君 それから国営と県営と団体営といろいろと補助率が非常に違いますね。これは確かに規模の大きいやっと小さいやっと、こうなっているわけですが、これはなぜ国庫補助が違うのか、政策的な意味はどこにあるのか、これはどうなんでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 現実の補助率がなぜ二分の一であり、なぜ三分の一であるか。これは沿革的な理由、それからいろいろ事業間のバランス等もございまして、統一的説明はなかなか難しいかと思うのでございますけれども、総じて申し上げられることは、事業種類ごとに事業規模、技術的難易等により、国営、都道府県営、団体営というふうにクラス分けされているわけでございまして、それぞれの事業種類ごとにその公共性の程度を基本とし、農家の負担能力、地域の実情も勘案しながら補助率が決まっていると、こういうことでございます。 大きく分けますと、かん排事業と農用地造成、区画整理になるわけでございますが、農用地造成につきましては、非常に事業費がかさむところから特に国庫負担率は高くなっております。それから農用地造成、区画整理、かん排を通じまして、事業規模の大きいものは負担も大きくなるだろうというような理由もあって国費の負担分も手厚くしているということが言えるというふうに考えます。
○塩出啓典君 いろいろ区画整理事業をやる農家の方には、いわゆる専業農家もあれば兼業、兼業も二種も一種もあると思うのですが、そういう場合にこの負担割合というのは差はあるのかどうか、この辺はどうなんでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) これは国が国費を負担し、あるいは補助する上では、そのような区別はつけておらないわけでございます。これは技術的に申しましても、専業農家であった方が二種兼業になられることもあるし、逆の場合もあり得るわけでございますので、そのような農家の性格の違いによって、その補助ないし負担の割合を変えるということは難しいことであろうというふうに考えております。
○塩出啓典君 ただ、日本の農業はいわゆる専業農家を育てるのか、兼業を育てるのか、そのあたりが、これは私自身がこうしろという意見があるわけではないわけですけれども、ただ、一つの国費というか、それを最も効率的に使うという観点から考えれば、どういう方向に日本の農業を誘導していくか、そういう観点からもうちょっときめの細かい検討も必要なのではないかなという感じはするわけでありますが、農水省としてはそういう点についてはどのようにお考えなんでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 土地改良事業は、その事業の本来的性格からいたしまして面的広がりで仕事をいたすものでございますから、その受益地内にはさまざまなタイプの農業経営が存在するわけでございます。ただ、政策の種類によっては、まさに今後農業の担い手として育成すべき農家に焦点を絞った施策が行われていることもあるわけでございまして、例えば金融制度の中で総合資金制度なんかその典型的な例かと思います。そのように政策の種類に応じてその対象をどういうところに絞るかということは決めていかざるを得ない面があるわけでございますが、先生のおっしゃられるように、今後伸ばしていこうという経営に焦点を絞って施策を集中するという考え方は、現在の私どもの政策の中にもあるわけでございます。
○塩出啓典君 こういう財政事情の中で、当然財政当局からのいろいろな要望というか、こういう予算に対する削減への圧力というものも当然私は今後考えなければいけないと思いますし、そういう点から、さらにこういう予算が本当に農業の効率経営に役立った、これだけの金を使う価値があるんだというものを今後さらに示していかなければ、前と同じ考えではいけないんではないか。そういう意味で、これは私自身として別にこうした方がいいという提案があるわけじゃありませんけれども、真剣にそういう点をひとつ検討していただきたい、こう思うんですが、そのあたり農林大臣のお考えはどうなんでしょうか、伺っておきたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) もう御指摘のとおりでありまして、我が国の今農政の抱えている一番の問題点はやっぱりそこにあるんじゃなかろうかというふうに思っております。そういう意味で、大変大きな国費を投じてやることでありますから、何といいますか、生産に当たる人たちが十分活動できやすい環境を我々申し上げると同時に、営農についてもいろんな側面から指導、御協力を申し上げる必要もあるし、また農業者の方もそれを受けて立つような態勢というものをだんだん整えておく必要がある、こんなふうに考えております。
○塩出啓典君 それから、よく農村で聞くわけですけれども、ひとり暮らしのお年寄りが田んぼを持っている、今さら土地の基盤整備、土地改良もやる気はない、そこまでやって農業を本気でやるという気持ちもないわけだけれども、そこをやってもらわないと困るわけですわね。やっちゃうと結局、借金を払わなくちゃならない。そういうような声が非常に多いわけで、そういうものは往々にして大きな流れの中でつぶされていくわけですけれどもね。だからといって土地改良を進めないわけにはいかないわけで、そのあたり、そういう問題を解決していく一つのシステムというものを考えていかないと、土地改良というものは農民の協力を得られないんではないか、こういう気がするんですが、こういう問題については農水省としては何かお考えはありますか。
○政府委員(佐竹五六君) まさに私どもが今後考えなければならない問題点というのは先生が今具体的な例を引かれてお示しになられた問題であろうかと思います。かつては、田んぼを荒らしておくということは集落の中で恥ずかしいことであるという、そういう意識があった。それがいろんな事情からだんだん薄れてきてしまったというふうな問題があるわけでございます。それからもう一つ、同じ十アールの土地でも、利用の仕方によって著しくその収益性に違いがあるということもあるわけでございます。専業的な中核的な担い手たる農家が利用される場合と、高齢の方がその土地を使われる場合とでは、収益力に著しく違いがあるというようなこともあるわけでございます。そういう二つの要素を組み合わせまして、そのような土地の耕作権あるいは耕作権でなくても作業受委託でも差し支えないわけでございますが、要はそういう農地を、高齢者の方々が保有している農地を実質的に将来とも農業でやっていこうという方々に耕作していただく、そういうシステムをつくることを目標に、それをそのそれぞれの集落の話し合いの中でそのような利用関係をつくり出していくというようなことをねらってつくりましたのが、私どもの農用地利用増進法に基づく農用地利用増進事業でございまして、今後私どもとしては、そのような政策手段を使って、御指摘のような事態、つまり耕作放棄というような事態が生ずることを避けるように持っていきたいと考えているわけでございます。
○塩出啓典君 農地の規模を、所有権の移転ではなしに、いわゆる使用権を移転して拡大するという方向に政府が進めてきておることは、私はいい方向だと思うんでありますが、必ずしもこれが当初期待したほど進んでいないように聞いておるわけでありますが、願わくは、このような土地改良というのは、当然そのもとには効率を求めるという、したがって、土地改良事業というものがさらに農地の使用権の移転に結びついていくように、またそういうように誘導していくような政策がとれれば非常にいいんじゃないか。だから、現在はもう全部一律の補助率でありますけれども、もしひとり暮らしのおばあさんが使用権をお渡しをするというのであればさらにその負担を軽くするとか、そういうような土地基盤整備というものがさらには規模の拡大に結びつくような、そういう方向に努力していただく何か道はないか検討していただきたい、このことを要望いたしまして質問を終わりたいと思います。それについての御決意を承って終わります。
○国務大臣(羽田孜君) 私どもも、しばしば御答弁の中で申し上げてまいりましたように、こういった土地改良事業を全体として進めていく、そういう中で規模の拡大、こういうものも図っていくということを申し上げてきたわけでありますけれども、しかし、まさに今先生から御指摘がありましたように、むしろそういう中で、一人のお年寄りがこれに同意ができないという中で土地改良が進まなかったら、一体これは何のことなんだろうかということがありますし、またそういった方が、今お話のように、この利用権といいますか、使用権、これは私は差し上げましょう、ですから私は賛成しましょう、ただ、自分として営農する力はもうないし、そうかといってこれを売っちゃうということはできませんといったときに、さあどうするのかということであって、これはまさに、私どもとして規模の拡大ということ、こういうことがどうしても農政上必要であるという観点からも、今先生から御指摘がありました問題についても、私たちもこれは真剣に検討していきたいということを申し上げておきたいと思います。
○下田京子君 本改正案の趣旨でございますが、すべての国営土地改良事業に財投資金を活用して土地改良事業の進度の促進を図るということにあるわけですが、問題は、なぜ土地改良事業の工期が伸びて工事完了がおくれるような事態が生じたのかということにあると思うんです。その根本的な原因は明白でありまして、国の農業基盤整備予算が大幅に削減されている、抑制したというところにあると思うんです。ですから、幾ら財投資金を活用すると言っても、国の農業基盤整備予算が大幅に伸びないことには、工期のおくれというのは基本的には解決できない問題であるという御認識が大事だと思うんです。大臣も同じだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(羽田孜君) その点は私どもも特別にこうこうこうだと抗弁するあれはないと思います。ただ問題は、私ども、五十五年ぐらいから公共事業の抑制というのは始まってまいったわけですけれども、これが今日までこんなに長く続いたということは予測できなかった。そういう中で、幾つかの長期計画というものが全体的におくれてしまっておるというのが現状でございまして、私どもとしては、なるべく早くこういったものを取り戻すためにこれからも予算の獲得を続けていきたい。それと同時に、金のないときには知恵を使って、知恵というほどではありませんけれども、今度のような措置をしながら事業量というものはふやしていく、確保していくということが今度この法案を御審議いただく一番の基本の考えてあります。
○下田京子君 公共事業全体が抑制されているというような格好での、どちらかといえば、やむなしのような御答弁があったんですけれども、問題は、大臣が今言われたように、国の財政事情が厳しい中で内閣が一体どこに重点的に予算を使うかという、その内閣の姿勢がはっきりするときだと思うんですよ。私は、今言われたように、五十五年ごろからということなんですが、明確に言いますと、中曽根内閣がスタートした、臨調、行革等が出されてきた五十七年度以降それが非常に顕著である。それを実際に六十一年度と比較してみたんです。これはすべての農業基盤整備事業の予算なんですけれども、五十七年度の農業基盤整備予算というのは八千九百九十六億六千八百万円でした。それが六十一年度になりまして八千六百七十九億五千三百万円と、実に三百十七億一千五百万円カットされている。マイナス三・五%ですよ。この水準というのは五十四年度水準よりも下回っているという実態なんです。 一方、軍事費がどうなのかということなんですけれども、五十七年度軍事費は二兆五千八百六十一億円でした。ところが、六十一年度は三兆三千四百三十五億円と、実に七千五百七十四億円、何と伸び率二九・三%なんです。だから、ここに中曽根内閣の政治姿勢が非常に明確にあらわれていると思うんです。私は、こうした軍事優先を改めて、何といっても国民食糧の安定供給につながる農業基盤整備事業の予算を本当に内閣全体がしっかりと位置づけて伸ばしていくという姿勢が今必要ではないか、ここが大事なところです。
○国務大臣(羽田孜君) 私どももいつも申し上げますように、食糧もまさに国の安全保障であるということを申し上げておりますし、また防衛というのもまさに国民の安全を図らなければいけないということで、やっぱり重要な視点であろうというふうに思っております。 ただ、今度の場合には、今御指摘がありましたように、確かに防衛費が農業予算に比べて上回ったという新しい事態が出たということだけは、これもまた数字であらわされておるとおり、私も事実だというふうに思っております。ただ、何というのですか、農業予算が今度全体的にはへっ込んできているという中には、これは防衛はちょっと別にさせていただきまして、全体的には、国債費、そういったものが増高し、これを元利ともに返していかなければいけない、こういう時期が始まって、このウエートというのが非常に高くなってきてしまったということで、農業予算初めいろんなそのほかの国の大事な予算というものも減ってきておるというのが現状であるというふうに私は考えております。 今、軍事予算についての御指摘がありましたが、これは別に議論を申し上げるつもりはありませんけれども、ただ、先進各国の軍事予算というのは、国家予算の中に占める割合というものを見たときに、我が国は本当に徹底して抑制してきておるということは申し上げることができると思います。
○下田京子君 私も突っ込んでその議論をするつもりはないんですけれども、従来からこれは日本にとどまらず国際的に言われているのがバターか鉄砲かなんです。はっきり言いまして、私ども共産党は軍事費を削れ、暮らしを守れということをずっと言ってまいりました。今やまさに戦車が農地を押しつぶしてきているということだけは何だかんだ言っても事実であると、これだけは指摘しておきます。 それで私は、防衛費は別なんだという姿勢が今問題なんであって、なぜかというと、もともと土地改良事業というのは、大臣御承知のように、長期計画全体というのが土地改良法に基づいて閣議決定なされた上で進められているわけでしょう。その閣議決定のあれで、特に五十八年の四月十二日に閣議決定された第三次の土地改良事業長期計画、これが一体どうなっているのかということで見てみたいんですけれども、五十八年以降の十年間に総額三十二兆八千億円、これは調整費二兆四千億円を含んだ額ですけれども、に相当する事業を実施したい、こういうふうに閣議で決めたんです。ところが、現実にはどうかというと、六十一年度予算を含めて五十八年から六十一年の過去この四年の間に進捗率は調整費を除いて二一・八%、調整費を入れますと二〇・二%という状況なんです。 ですから、現在のような予算のつけ方、つまり対前年比伸び率ゼロで今後見ていきますと、スタート時五十八年から比べまして、これから十年も工事完了までかかるというような格好になって工事が何と五〇%程度と、こういうことになると思うんです。これは間違いないですね。
○政府委員(佐竹五六君) 計算上の数値といたしまして、今後六十二年度以降の事業費の平均伸び率がゼロであるとすれば、六十一年度末の達成率が五五%になるということは、これはそのとおりでございます。
○下田京子君 ゼロであればというのは、今のような予算のつき方で、じゃ逆にゼロでなければという保証が今あるのかということになるわけです。 問題は、何度も申し上げますけれども、この第三次の土地改良長期計画というのは閣議で決めたんだということなんです。過去の第一次土地改良長期計画はどうだったかと見てみます。 これは四十年度から四十九年までの計画だったんですが、実際には工期を二年繰り上げて四十七年に完了している。事業費ベースで言えば二兆六千億円の計画に対して二兆七千三十億円、実に一〇四%の達成でございました。 第二次土地改良長期計画はどうだったでしょうか。四十八年から五十七年度も、これは調整費を除いてでございますけれども、一〇三・一%の達成率で終わっているんです。 ですから、第三次長期計画に見るこの十年間での達成率がわずか五割なんというようなことは全く異例な話だということで、当初計画どおりに本当にいくのかどうか大変問題になってきております。仮にその計画どおりにいくとすれば、今ゼロパーセント、伸びてないということを言ったから、六十一年度ベースで見ますと、計画どおりに完了するまで今後実に二五%、これは調整費を除いてですけれども、伸ばしていかなければならないというふうな計算になると思うんです。間違いないですね。
○政府委員(佐竹五六君) 六十七年度に完了させるためには、計算上は今後二五%の伸びが必要であるということは、これは計数的に出る話でございます。
○下田京子君 ですからとんでもないことだということがはっきりしているんですよ。 だから、大臣、私が申し上げたいのは、まさに中曽根内閣になってどれだけ農業基盤整備事業の予算が抑制されてきたのかということ、そのために計画達成が不可能になってきているということをはっきりあらわしているんだということを申し上げておきます。大臣、重ねてうなずいていらっしゃる。 次に、今言った、一体この工期のおくれというものがどういうもろもろの影響を生み出しているのかということが大事だと思うんです。六十一年度で第三次土地改良長期計画の進捗率は、金額ベースでも、さっき申しましたように二割ちょっとでしょう。さらに問題なことは、農水省の資料を実際にいただいていますが、六十一年度で面積ベース、つまり実際の事業量で見た場合には、その進捗率が一六・五%なんですね。こういう工期おくれというものがどんな形で各地域に影響を及ぼしているというふうに認識されているのか、その影響の内容いかんということをお聞きします。
○政府委員(佐竹五六君) 工期の遅延に伴いまして、特に特別会計事業で行っているような大規模な国営事業につきましては、建設利息の負担の増という問題があるわけでございます。 一般会計事業につきましても、社会的、経済的条件の変化が、工期が長くなればなるほど、その間に働いてくるわけでございまして、効果の発生の遅延というような問題も出てくるわけでございまして、私どもは工期の延びるということは大変重大な問題であるというふうに認識しているところでございます。
○下田京子君 今言われたようなことも含めまして、構造改善局自身がまとめたことを私の方から紹介して、改めて大臣の御認識をお伺いします。 「新しい構造政策の展開」という中で、工期遅延の問題点として以下のように指摘されているんですね。一つ、「事業効果の発現が遅れることに加え、工事期間中の諸物価の上昇によって事業費が増加し、農家負担の増大と営農意欲の減退をもたらしていること」、二つ、「工期が長くなることは、それだけ農産物の需給環境の変化をうける機会が多くなり、当初の営農計画、事業計画の大幅な変更を余儀なくされること」。要するに、工期のおくれというその結果は、農家負担の増大、そして営農意欲の減退、さらには事業計画の大幅変更というものが余儀なくされてきているんだというふうに指摘されているんです。まさにこの事業の根本にかかわる重大問題なんだということを改めて申し上げておきます。大臣、どうですか。
○国務大臣(羽田孜君) その点を私どもはもう十分認識しておりまして、そのために予算のたびごとに、これを何とか確保するための訴えをしたり、また今回のような、これによって一年ぐらいしか縮めることはできません、工期を一年ぐらいしか縮めることはできませんけれども、こういう工夫をする、いろんな努力をいたしておるところでございます。御指摘の点は十分認識をいたしております。
○下田京子君 認識されていれば、中曽根内閣の閣僚のお一人でしょうけれども、もっと積極的な立場での対応というのが大事だと思うんですよ。 具体的に以下申し上げたいんですが、これは私の地元、福島県母畑国営農地開発事業の見直しの問題なんです。大変重大な問題が出てきております、工期のおくれということによって。今やまさに工期がどうなるかは、予定工期というのは、もう大蔵にでも聞いてみてくれみたいな格好になってきているということですね。この母畑の国営総合農地開発事業の場合なんですけれども、着工時の予定工期は、昭和四十二年から四十八年、七年間で完了ということでございました。ところが、六十年度までの進捗率は五八%、しかも六十一年度以降の残工事額が二百十億円です。六十一年度の予算は二十三億五千万円で、このベースでいきますとあと十年ぐらいかかるという格好になりますから、実に四十二年着工で完了は昭和七十年と、三十年近くもかかってしまうということなんです。ですから、参加者の世代も変わっております。さっき指摘されたように農業情勢も大きく変化しております。事業費も着工時点では四十七億円だったものが、現在何と四百九十一億八千万円と十・五倍にもなっている。ですから事業から抜けたいという農家が出てくるのは、これは当然だと思います。 私が今申し上げたいのは、この時点で農家の意向を十分確かめて、計画全体の見直しをも必要になってきているでしょうということなんです。
○政府委員(佐竹五六君) 計画変更の時期を具体的にどこに設定するかは別といたしまして、計画変更が必要な状況になっていることはそのとおりでございまして、それに際しまして、地元の受益者の御意向をよく確かめる必要のあることは私どもも十分認識しております。
○下田京子君 時期の問題をちょっとぼかしてしまったんで、これは営々とということにならぬようにね。と言いますのは、現に一工区から十七工区までこの事業はあります。郡山市の二工区の場合なんですけれども、百六十四ヘクタールの計画に対して百八ヘクタールの実施で、達成率六六%でもって、五十九年度に工事完了ということになっております。 私は、具体的に申し上げたいんですけれども、私の住んでいる石川町で十四工区の場合に、百八十六ヘクタールの計画に対して六十年度までに三十三ヘクタール、いまだ一八%の進捗率なんですよ。これじゃもうどうしていいかわからぬということで、約百名近い方々が、経済、農業情勢の変化の著しい中で事業への参加というものはどうなんだろうか、もう既に亡くなっている方もいるなどということで、ちゃんと書面に署名をして工事事務所に持っていったら、受け取れぬといって突っ返されちゃったと、こういう格好に今なっております。ですから、さっき農家の意向等を十分把握してとおっしゃったので間違いないと思うんですけれども、実は一方的に事業所等からお話を伺うというだけに済ませないで対応してほしい。同時に残る方の農民の問題も含めて多大な負担がかぶさらないような、そういう見直しということがいま一工夫必要なところではないかということで、御答弁を再度求めます。
○政府委員(佐竹五六君) この事業はダムの造成等もやっているわけでございまして、そういう共用施設があるわけでございますので、受益者が減られた場合には当然残られた方の負担が重くなるという問題もあるわけでございますので、事業所が脱退したいという意向を持たれる方に御再考を願うという意味で説明することは、これは当然あり得ることでございまして、そのことはお認めいただけると思いますが、いやしくも強制にわたって無理やりにというようなこと、これは農用地造成は全員同意でございますので、計画変更も同様でございますのであってはならないことでございますし、私どももその辺は十分注意して事業の計画変更手続を進めるようにさせたい。
○下田京子君 見直し時期。
○政府委員(佐竹五六君) これはできるだけ、今何年というふうに申し上げられませんが、できるだけ早くやるということを申し上げておきます。
○下田京子君 今の話は一般会計事業の話なんです。国営かん排事業というのは、全国どこ見ても同様なんだということで、改めてまた申し上げたいんですけれども、この国営かん排事業の平均工期の推移というものを見てみます。オイルショック前の四十七年度と六十年度を比較してみます。先ほどから局長は、全国平均でやられておるようですけれども、私は特に構造改善局計上分になっております内地の平均工期のところで見てみますから、いいですか、一般会計事業の場合には四十七年度の平均工期は十一・一年でした。それが六十一年度は何と二十八・一年、十七年も延びているわけですね。今度の法改正を見込んだ話ですからね。それでも十七年も延びているわけです。それから特別会計の方はどうかというと、四十七年度で八・七年でしたね。それが六十一年度十二・四年で、これまた三・七年も延びているんです。このように特会事業が四十七年当時の一般会計事業の平均工期をはるかに上回ってしまった。ですから、財投借り入れのメリットが消し飛んだような格好になってきちゃっているんですね。 確かに工期のおくれは一般会計に比べると少ないということは実態なんですけれども、反面、またこれは特会事業の方に重点的に事業予算を繰り入れてきたという結果だと思うんです。そのあおりで一般会計事業が何と二十八・一年もかかるというような格好で、まさに気の遠くなるような実態になってきているんです。それが今の母畑の例なんですよね。ですから、予算を工事単価増に見合うように増額しない限り、幾ら財投の活用といっても、特会事業の工期も延びてしまって、全体としては短縮どころか大幅に延びてしまうんだということを示していると思うんです。そうでしょう。
○政府委員(佐竹五六君) 事実認識の点では御指摘のとおりでございまして、またそのようになった理由につきましても、一般的な公共事業抑制という条件のもとで、特に特別会計事業につきましては金利負担があるわけでございます。国費の方もできるだけ多くつけております。そのような結果、一般会計事業と特別会計事業の間に当初制度を仕組んだ当時想定してなかったような状態が出てきているということは、まことに私どもも遺憾に存じておるわけでございます。
○下田京子君 全くそうなんで、遺憾ではいかぬでございまして、工期促進だという格好で今切り札として出てきたのが財投活用による国営特別会計事業、これが国営農用地開発事業という格好で五十一年度から創設されたものだと思いますね。 〔委員長退席、理事星長治君着席〕 しかし、これによって工期が大いに促進されるはずだったんですけれども、農水省の資料によって昭和四十五年度以降の国営農用地開発事業の平均工期の推移を見ますとどうなっているか。四十五年度一般会計事業だけでしかありませんでしたが、これは九・一年の平均工期でしたね。そして四十六年八・五年、四十七年は八・二年、とにかく八、九年の工期であったわけです。それがオイルショックを経まして、昭和五十年度には十四・二年というふうな格好になりました。そして翌五十一年度、今言ったように農用地開発事業に特会というものを入れたんですけれども、一般会計事業が十四・一年に対して特会事業は九・七年だったんですね。しかし今日どうなっているかといいますと、一般会計の工期は十八・一年となりまして、特会の方も十四・六年にまでおくれていますね。結局、特会事業の創設時点、つまり五十一年度における一般会計事業並みに工期が延びてしまってきているということになるんです。これは建設利息まで払って財投のメリットというのは一体あるんだろうかという大変な問題になってきているんです。
○政府委員(佐竹五六君) 数字は先生御指摘のとおりでございます。私どもただ漫然と推移したわけでございませんで、例えば六十年度予算においては部分時計の創設、つまり特別会計事業の中でも例えばダムとか頭首工とか、そういう基幹施設については財投を入れて早くやってしまう。水路の方は、例えば従来の水路を一般会計の事業予算の中で少しずつ直していく。工期としては確かに長くかかるわけでございますが、基幹的な施設ができることによって取水はそれなりに安定するわけでございます。こそくな手段と言われればそれまででございますけれども、全体に公共事業の抑制という条件の中では従来もそのような工夫もしてまいったわけでございまして、今回の措置もまたその工夫の一つのあらわれでございます。 いずれにいたしましても、現在のような状態というのが好ましくないことは、これは先生の御指摘のとおりでございます。何とかこの状態を解消するために、新規事業の抑制等もその一つでございます。それからまた一番基本は、とにかく農業基盤整備費の予算を確保することでございます。それに向かって努力してまいりたいと考えておるわけでございます。
○下田京子君 とにかく何らかの対応をしなきゃならないという意識で追い詰められる中でもそれなりの努力はしたということなんですが、現実にもう新たな対応をしなきゃどうにもならぬということで、今から述べたいのは、特会事業の工期おくれによる建設利息等の負担がどんな形で地元受益者の負担を過大にさせているかという点なんです。これは特に会津のかん排事業なんですけれども、会津北部の例です。会津北部地区は、喜多方市を中心に一市四町村にまたがる事業で、日中ダムが中心事業なんです。昭和四十九年度着工時点の予定工期は四十九年から五十五年の七年間で、総事業費六十六億九千万円でございました。ところが、六十一年度時点で予定工期はどうかといいますと、六十六年まで延び、総事業費も二百九十億円と四・三倍に膨れ上がるということになっているんです。 問題は、この会津北部地区は当初一般事業でスタートしたんです。ところが、工期促進ということで五十二年度より特会事業に振りかえて、財投資金を借り入れて事業を進めてきたんです。その財投借り入れによる建設中の利息がどうなっているかということ。実に二十九億九千四百万円にも及ぶ見込みです。これは六十年度までの実績利息と六十一年度以降の現在の財投金利とを平均して六・九%で計算したものなんですが、これだけ莫大な建設利息になるのは、財投金利が高いということと、同時に長期に及んだという結果だと思うんですよ。ですから、工期促進のメリットがあると言って特会に切りかえてきた農水省の責任は一体どうなったんだというのが地元の率直な声なんです。これこそ何らかの対応が必要じゃないでしょうか。
○政府委員(佐竹五六君) 数字は先生の今御指摘になられたとおりでございます。私どもとしては、責任云々という御指摘がございましたけれども、これは一般的な公共事業の抑制という日本経済全体、それからさらにそれに起因する財政のあり方によって招来された問題でございますので、とにかく今後、今回の法律改正による事業量の拡大というようなことで、できるだけ早くその事業を完了させるというようなことを図ってまいりたいということに尽きるわけでございます。 さらにまた、償還条件の緩和の御要望の強いことは十分承知しておるわけでございますけれども、これにつきましては、実はこの制度の仕組みそのものに起因いたしまして、必要があれば県が条例等でやれるという問題があって、国が直接決めておる償還条件というのは県からの償還条件でございますので、直ちに現場でのいろいろな声に私どもこたえるのが難しい状況にございますが、今後なおいろいろ工夫してまいりたいということを考えております。
○下田京子君 工夫しなきゃならないという御認識に立って非常に苦労している実情は今お述べになったんですが、建設利息だけじゃないんですよね。償還についても金利負担が大変になるわけで、具体的に数字を私は述べて確認いただきたいんです。 ここの地域は、建設利息と工事総額の地元受益者負担合計が九十億七千三百万円です。着工時の総事業費が六十六億九千万円ですよ。その二〇%を地元負担ですから、一般会計のときには建設利息がかからぬわけですから、十三億三千八百万円地元受益者負担で済んだんです。それが九十億七千三百万円ですから七倍になっているんですね。しかも一般会計の場合には償還利率は年五%ですけれども、特会の場合には借入金利がそのまま償還金利になりますでしょうから、平均の六・九で、一般会計事業の償還金利に比べて一・九も高くなっているんです。ですから、それを据え置き二年を含めて十七年間で償還するということになりますと、総償還額が百六十億五千四百万円という膨大な額になるんです。間違いないですね。
○政府委員(佐竹五六君) 発足時の数字は手元に持っておりませんのですが、現在の時点での地元負担額、それから年償還額については先生の御指摘されたとおりでございます。
○下田京子君 ですから、六十一年度での事業量二百九十億円を仮にすべて一般会計の方でやったとしますと、地元の受益者負担額というのは、負担率が約二割ですから、二百九十億掛ける二割の五十八億で、これを二年据え置いて十七年間で償還すると、金利五%で、総償還額は八十九億六千五百万で済むんです。ところが、特会事業にしたために、今確認していただいたように、総償還額が百六十億五千四百万と二倍にもなっちゃうということで大変なことなんですね。 会津地区の場合には、塩川町が地元受益者負担を十分の十、全部町が負担しております。それから喜多方市の場合には十分の九を市負担で賄っておりますが、その喜多方市の年償還額が幾らになるかといいますと、五億五千四百万円にも及ぶんです。これは、市の五十九年度の予算の中での投資的経費五億八千万円にも匹敵するものなんです。 〔理事星長治君退席、委員長着席〕 ですから、毎年これだけ返していくということになりますと、もう橋や道路や学校なんかの建設は一切できないというような格好になっちゃって大変だ。だから、喜多方の市長さんに会いましたら、財政的に払えないのだから、せめてダム本体分は国、県で負担するなど、抜本的な対応というものが今後検討されないものだろうか、こう言われておるんです。そういう点での何らかの、事業開始の際の経過もあるんですから、対応はやらなければならないと思います。どうでしょう。
○政府委員(佐竹五六君) 会津北部地区につきましては、関係市町村が非常に高率の負担をされて事業が発足したということは私ども承っております。農業用水利事業につきまして、このように自治体が大変手厚く負担されるという例は珍しいわけでございまして、それらの市長さん、町長さんの私どもの事業に対する御協力に対しては、私ども深く敬意を払い感謝する次第でございますけれども、ただ、その反面といたしまして、今おっしゃられましたように、例えば喜多方市の場合に五億五千四百万円の年償還額、市の農林予算が六億二千万でございます。これはそういう意味でも大変な額だろうとは思うんでございますけれども、反面として、国と県で基幹施設について負担してもらいたいと、素朴な御意見としては、私どももそういう御要望が出るのはわからないでもないんでございますけれども、従来のいろいろなルールからいいまして、ただいま先生の、その市長さんの御意見のような形ですることは、現実問題として到底不可能でございます。この市町村の事業費負担が大変重くなっている、それも当初まさかこれほど負担を受けるとは思っておられなかったということなんだろうと思うんでございますけれども、私どもでこの市町村の御負担について何かできることがないか、関係の行政機関等にも私どもも、排水事業や基幹農道と違いまして用水事業でございますので非常に難しいんでございますけれども、働きかけること等もやってみたいと思っているわけでございます。
○下田京子君 もうこれはほっておけない問題ですよ。関係者の中には、払えないんだから、じゃダムでも持っていってもらおうかなんていうようなことも出ていますよ。 今回、改正案の場合には、従来特会と違って、新たな特会事業に対して、受益者負担分については国費で立てかえて、完了時、金利五%で償還するということになっていますから、新たな負担がないわけですが、都道府県負担分は財投金利になる。しかし財投の金利というものは、一般会計の場合の六・五%のような固定金利じゃなくって大変変動するわけです。現在六・三%だといいますけれども、過去の状況を見てみますと、五十五年四月から五十六年の四月までは八%から八・五%でした。五十六年五月から六十年の十月までは七・一から七・五%でした。六十年の十月から六十一年二月までの間に六・八%で、いずれも一般会計の金利六・五%よりも高い水準できたわけなんです。ですから、確かに今低いと言いますけれども、こういう格好で財投金利というのは非常に変動するんです。ですから、今後上昇しますと、これはもろに都道府県負担につながるんだということがはっきりしているんです。さらに従来の特会事業の場合に、受益者負担にかかわる建設利息とさらに高い償還金利ですよ、これはもう何とかしなきゃならないというのは当然のことなんです。ちょっと出ましたさっきの喜多方の市長さんの話なんですけれども、農業基盤整備の基幹的な施設、例えばダムなんていうものは、その公共性が非常に高いという点で、私は全額国庫負担にすべきではないかというふうに申し上げたいんです。そういう点も含めまして、現に、農水省の中でいろいろとこの国営事業問題についての懇談会を設置して検討されておると聞いているんですけれども、今のようなお話も含めて、出されていることはどういうものなのか、ちょっと御紹介くださいませ。
○政府委員(佐竹五六君) 国営事業問題懇談会につきましては、さまざまな面で一つの転機と申しますか、大きくいろんなことを切りかえていかなきゃならない時期に立っているんではないかという認識から私ども懇談会を設けたわけでございまして、出ております議論といたしましては、当委員会できようも議論されたような問題についていろいろ議論しているわけでございます。 私どもとしては、当面すぐにできることと、それから長期的にやらなければならないことと分けて、その方針を取りまとめて、諸先生方の御同意、御賛成を得られる内容のものをつくり上げたい、かように考えているわけでございます。
○下田京子君 さっき紹介したような構造改善局でまとめました「新しい構造政策の展開」の中では、これは二百三十ページに書いてありますけれども、「先行的に実施する必要がある基幹的な施設の整備については公費負担を多くする」ことが必要だというふうにも述べられております。「一方、基幹施設の整備をまって行われる末端整備については農家負担を多く」せよみたいな問題点もありますけれども、いずれにしても、農家の受益の発生時点で、できるだけ農家負担に余り過大にならないような事業方式をいろいろ検討する必要があるとちゃんと述べているわけですよ。ですから、それをやれ大蔵の事情だ、大変な事情だということでできないことばかり並べるのではなくて、きちっとした対応が必要だということを申し上げて最後に大臣の決意を聞きたいのです。 当面、少なくとも受益者負担にかかる部分についての建設利息を取る特会方式は見直すべきだ。そして利子のつかない国費で立てかえるとか、あるいは一般会計からの繰り入れによる利子補給措置を検討するとか、これはやらなければならないでしょう。これが一つ。 二つ目に、さっきも他の委員に御答弁されているようですけれども、今回の改正によって約三百億ぐらいのお金が浮いて、全体としてそれが約四百億ぐらいの効果をもたらす事業がやれるんだということで言われておりますけれども、国営かん排事業が十一・四%来年度予算で見ますと伸びているんですが、圃場整備事業とか、補助かん排とか、補助農用地というのがマイナスもしくは横ばいなんですよ。こういうやり方というのを認めるのはどうかな、正すべきだという点、二つお答えいただいて質問を終わります。
○国務大臣(羽田孜君) 先ほどから御討議のように、工期遅延、これによりまして受益者の負担というのは非常に大きくなっているということ、これは特に個別の問題で今御指摘がありました地域などにつきましても非常に大きな問題がございます。こういった問題につきましては、従来からいろいろ検討してきておりますけれども、私どもとしてもさらに検討を進めていきたいと思っておりますし、今後そういった工期遅延というものを少しでも防止するためこれらの施策というものをとっていかなければいけないというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 私は初めに大臣に基本的な問題についてお尋ねしたいと思います。 農は国のもとであると言われております。農業の果たす役割というものはまことに重大であることは申し上げるまでもありません。それで、国のもとと言われておる農業の柱を立ててみますというと、まず一つは国民の食糧の安定的供給、二つに治山治水を含めた国土保全、三つに地域の経済に対する貢献、こういうふうにまとめることができると思うのです。農政の柱として農業基盤整備事業が最も根本の柱である。国のもとであると言われる農業の大黒柱の基盤整備事業をいかに重視するか、このことだと思うんです。そこで大臣、農政の柱である農業基盤整備事業の持つ意味、意義というのをどのように認識しておられるか。今さらお尋ねする必要もないかとも思うんですが、どうしても再確認をしておきたい、こう思いますのでひとつお願いします。
○国務大臣(羽田孜君) 先生今御指摘がございましたように、まさに農業は国の基本であるというふうに考えます。その基本である農業というもの、これを進めていくために農業基盤整備というのが果たす役割というのは非常に大きい、このように認識しております。 この基盤整備の果たしている役割ということでありますけれども、まずは基本的には、農業の生産を向上させるということが第一であろうと思います。それから需要の動向に即応して農業生産の拡大をすること。それから農業構造の改善を進める。先ほども規模の拡大ということを申し上げておりましたけれども、この規模の拡大、こういったものにも資していくであろうというふうに思っております。 また、地域におきますところの土地と水の有効利用による国土資源の形成、それから先ほど先生から御指摘ありました保全の役割を果たしておると思います。 それともう一つは、地域経済に対しまして相当発展のプッシュする力になるであろうというふうに考えております。
○喜屋武眞榮君 今おっしゃることが、これまでの基盤整備の推移について一体予算面でどのように裏づけられてきたかということに私は重大な関心を持っておるわけです。農業基盤整備費の推移を見ますというと、昭和四十八年から五十四年までは、おっしゃる線に沿って裏づけられておるように私は理解いたします。ところが、五十五年から五十九年まではほとんど横ばいでいっておりますね。一体このような状態にこの期間なったということは何が原因だ、どうしてそうなっておるか。事、志と異なって横ばいの状態になったのは、落ち込んでおるのは一体どういうわけなのかということを大臣にお聞きしたいと思います。
○国務大臣(羽田孜君) 基本的には財政事情が厳しくなってきた、これに尽きるんじゃないかというふうに思います。
○喜屋武眞榮君 物によっては、そういった財政事情によって足踏みすることも、あるいは後戻りすることもあることを全面的に否定はいたしませんが、ところが私は、事この基盤整備に対しては、いかなることがあっても所期の目的を、前進はあっても足踏みや後退があってはいけない。こう思っているがゆえにそのことを問うたわけであります。 次に、第三次土地改良長期計画について伺いたいと思います。 この計画は昭和五十八年から六十七年の十カ年計画ということになるわけであります。ところでこの経過をたどってみますと、昭和五十八年、五十九年、六十年、六十一年の四カ年における進捗状態は二一・九%となっておりますね、四カ年で。この十カ年計画、長期計画事業の総額は三十二兆八千億円が予定されておりますね。ところが、この予算に照らしてみると、四カ年間における進捗状況はわずか二一・九%にすぎない。そうしますと、十年計画当初事業の伸び率をお聞きするまでもなく、これは毎年一一%と想定されておると伺っておりますが、これは間違いないでしょうね、後で聞きますが。そうすると一一%を抑えて実際には、既に横ばいで来ておる、こういう結果であるわけですが、計画当初、年間伸び率を一一%に設定した、その一一%伸び率に根拠を置いたその理由は一体どこにあるのか、一一%の根拠ですね、それはどこにあるのか、そして、それが計画どおり実現できなかった理由は一体何なのかということについて伺いたいと思います。
○政府委員(佐竹五六君) 一一%の伸び率の前提、六十七年度に予定された事業量を消化するためには一一%の伸びが必要になってくるその根拠は何かということでございますが、これは全体の投資規模を三十二兆九千億と置きました。これは第二次土地改良長期計画、四十八年度の事業量の十二兆に、これは大体他の公共事業とのバランスをとって事業の伸びを考えるというところから、五十七年、前年に発足しました治水の第四次計画の伸びが全体事業量一・〇三七倍でございますので、それを掛けまして、そしてそれにさらに物価上昇、土地改良の事業費のかかわる物価上昇率一・三〇七を決めまして三十二兆九千億という数字を置いたわけでございまして、それをその当初の年度事業費からの伸びを見込んで逆に複利で伸び率を計算したわけでございます。そうしますと一〇・八%という数字が出てきたということでございまして、一一%の方が先に決まったわけではございませんで、一一%は結果的に出てきたわけでございます。 つまり、全体の三十二兆九千億というような数字をなぜ見込んだかということにつながってくるわけでございますけれども、当時の経済事情をちょっと申し上げますと、それだけの財政投資を支えるだけの財政に余裕があるという判断をしたということに尽きるわけでございます。ちなみに、例えば五十三年の農林公共予算の伸びは一二九・二%、五十四年が一二一・二%、五十五年から抑制に変わりまして一〇一・六、それから五十六年で一〇〇・九ということでございまして、非常に高い伸び率が前半にあったわけでございます。ちなみに、これは農業基盤だけではございませんので、他の計画の伸び率も、仮に毎年の伸び率が同じであるということを仮定してそれぞれ見てまいりますと、第六次治水五カ年計画では五十七年から六十一年まで一三・四%の伸びを見込んでおります。それから治山五カ年計画では一三・一%の伸びを見込んでおります。第九次道路整備五カ年計画では八・一%、私どもの土地改良長計は一〇・八%を見込んだというようなことになっておりまして、要は当時の判断がいささか甘かったということにもなろうかと思うんでございますが、日本の経済、それからまたそれに基本的に規定される財政のあり方についての見通しからこのような数値、各種公共事業全般について伸び率を想定している、こういうことでございます。
○喜屋武眞榮君 世に言うペーパープランだとか机上の計画とか、こういう言葉がありますが、社会情勢や経済事情が変化があるということは当然予想される。どれだけ変化があるかということについては、これは微妙な問題であると思うんですが、ところが問題は、政府として十カ年計画を打ち出したということは、しかも閣議までも経て決定したということは、それだけの責任の重さと重大な使命があるということを忘れてはいけないのではないか、余りにもその格差、開きがある、遅々として進んでおらぬということに対して私は非常に不安、物足りなさを感ずる。甘いと皆さん自身がおっしゃったんですが、そのような甘さで一体この大事な十カ年計画をやっていいのか、こういうことを私は思うんです。 次に進めてまいります。 第三次長期計画は、農産物の長期見通しに基づいて五百五十万ヘクタールの農地確保のためにその期間中に四十七万ヘクタールの農用地造成をする、こういうめどを持っておるわけですが、それを促進する、軌道に乗せるべく農用地開発公団というものが組織されてきた。この農用地開発公団は農用地造成事業に大きな役割を果たしてきたものと思います、この組織もですね。ところが、最近行政改革審議会から、この農用地開発公団は廃止してもいいのではないか、いわゆる廃止論が出ておるというふうに聞いております。 そこでお尋ねしたいことは、この農用地開発公団の存在の意義、一体どういう役割を果たしてきたのであるか、また廃止論についてどういう見解を持っておられるのであるか、このことについて伺いたい。
○政府委員(佐竹五六君) 農用地開発公団は、未利用地や低利用地が広く存在する地域、具体的に申し上げますと北海道、東北、それから九州、そのほかにさらに沖縄、こういう地域で農畜産物の濃密生産団地の建設に必要な農用地造成と農業用施設の整備等を総合的、計画的に行うことにより農畜産物の安定供給と畜産を主軸とする地域振興に寄与するところが極めて大きいものであるというふうに考えております。具体的に申し上げますと、先ほど申し上げました地域を中心に、年間の我が国での草地造成のうちの二割から約三割程度のシェアを持っておりまして、我が国畜産の今後の発展の決め手になる飼料基盤の整備強化に極めて重要な役割を果たしており、それなりにそれぞれの地域の自治体等においても評価していただいているというふうに考えております。 農水省といたしましても、公団事業は極めて重要な施策の一つとして位置づけているわけでございます。私どもは今後とも公団事業に期待されるところは大きいというふうに確信しておるわけでございます。行革審の特殊法人問題等小委員会等でいろいろな議論が出ていることは御指摘のとおりでございまして、そのうちには廃止論を主張される委員もあるわけでございますが、私ども公団の必要性をそれぞれの地域の実態に結びつけて御説明いたし、何とか御理解をいただきたいとせっかく努力中でございますし、最終的には御理解いただけるものと信じておるわけでございます。
○喜屋武眞榮君 最近、政府に対する私の注文は、えてして行政改革という柱から、何もかも一律カット、こういう形であれもこれもなくせよと、こういうことではいけないのではないか。廃止すべきものは廃止し、残すべきものは残す、こういうことが最も大事であると私は思うからであります。ぜひこの廃止論については慎重に検討をしていただいて、本当に任務を果たしておるというならこれは結構でしょう、発展的解消ということもありますから。ところが一律カット、軒並みという格好で押しつぶされたんじゃ、これこそ角を矯めて牛を殺すという、この間も言いましたとおりであります。その点申し上げておきます。 次に、これまでの国営土地改良事業は、一般会計方式と特別会計方式の二本立てで行われてきた。そのことについてお聞きしたいのは、特別会計方式の沿革とそれを創設した意義、このことを改めてお聞きしたいんです。そして財政投融資資金を投入したことによってどのような効果があったという評価を持っておられるのであるか、そのことについて伺いたい。
○政府委員(佐竹五六君) 現在の特別会計制度でございますが、これは昭和三十二年度に創設されたわけでございまして、従来は一般会計予算で国費を計上いたしまして、いわば県負担分、それから農民負担分は立てかえ払いという形で国の一般会計で支出していたわけでございます。したがいまして、その立てかえ払いをした分については、県負担分については翌年度以降、それから農民負担分については事業完了後に分割納付という仕組みをとったわけでございますが、当時なかなか財政事情がきつうございまして、これでは特に大規模な事業については事業の進捗がはかばかしくない。かようなところから、その地元負担分と都道府県負担分を財投資金で借り入れて、そして仕事は一気にやってしまって、終わった後から償還していただく、そのかわり、当然のことでございますが、財投資金を借り入れますので金利がつくわけでございますが、この分はいわば特許料である、こういうような考え方から発足したわけでございます。 三十二年度以降この方式により実施しました国営事業地区につきましては、一般会計で実施する地区に比べまして事業費の拡大により相当の工期の短縮が図られた、またそれによって所定の事業効果を早期に発現するという役割を果たしてきたということが言えるんではないかと考えているわけでございます。
○喜屋武眞榮君 今の点、理解しました。 次に、いろいろ経過をたどって現状を評価してみますと、一般会計方式、特別会計方式を問わず全般的に事業の工期が非常におくれておる、計画に沿って進んでいないということが目立っておるように思われます。 特に沖縄の場合、いろんなハンディを担って現在に至っておるわけですが、特に沖縄の場合においてはかんがい施設の整備、圃場整備の面において整備率が極めて低い。これは沖縄だけではないと思っております、本土にも他県にも立ちおくれが全般的に言えると思うんですが、この制度について特に不利なハンディを持っておる沖縄はさらに立ちおくれ、しわ寄せがある。この工事のおくれをもたらした原因は一体何であるのか、このことについて伺いたい。
○政府委員(佐竹五六君) 私ども毎年度の事業費とそれからそのとき抱えております全体の事業費、残事業量、こういうもののバランスを見ます関係で工期を使っております。その平均工期というのは、要は当該年度の予算措置されました事業費でそのとき現に施行しております総事業費を割って平均工期を出しているわけでございますが、実は五十五年以降、先ほど申し上げましたような財政事情のもとで公共事業費の抑制が余りにも長く続いているということから、一方私ども、総事業費につきましては、新規着工地区についてこのように長く公共事業の抑制が続くということを想定せず地区をとったということもございまして、分子の総事業費が非常に大きく膨れ上がっているわけでございます。それに対して毎年度の事業費の方は、割ります分母の方は伸びない。こういうようなところから平均工期がどんどん延びてきてしまったということがあるわけでございます。さらにまた平均工期が延びるに従ってその間の物価上昇とか工法変更をしなければならないというような必要性がまた出てきまして、そのことがまた分子の総事業費を膨らますといういわば悪循環になってきたということでございます。私どもこのような事態は放置できないということを認識いたしまして、昨年度は部分特別会計制度の導入、それからことしは国営事業方式の改善ということで、全体として公共事業費は、特に国費が抑制されている中で、難しい問題が多いわけでございますけれども、それなりに知恵を出して事業費の拡充を図ってきたところでございます。
○喜屋武眞榮君 計画が短ければ短いほど見通しに対する目先が見えるわけですから計画がしやすい。遠ければ遠いほどそれに対してマンネリ化する嫌いがあるわけなんですが、工期がおくれたというその中からどういうハンディが生まれたか。結局、私が言いたいのは、地元負担を余計強いておるということなんですね。これが工期がおくれたというまたゆえん。これはもう裏表で、こういう因果関係を持っておるわけなんです。例えば沖縄の場合おくれたと申しましたが、昭和五十九年三月の現在を押さえますと、かんがいが六・七%、圃場整備が一六・四%、こういう低位にあるということなんですね。これが工期がおくれたということにさらにとばっちりを食らって地元負担が過酷である、こういうことに結びついていることがさらにまた工期をおくらせるということになるんです。 次に、今度の改正案はすべての国営土地改良事業に財投からの借り入れを行うことにしておるわけでありますが、そのことは事業そのものを拡大していくという面からは確かに有利になる点だと、こう思うんです。ところがその反面、事業単価の増高、過重な利子負担、このことがマイナス要因として、都道府県と地元にとっての償還の厳しさがますます大きくなってきた。このことについて政府当局はどのように認識しておられるか伺いたい。
○政府委員(佐竹五六君) 今回の措置につきましては、まずその農民負担分でございますが、これは今回の改正によっても影響は受けないわけでございます。従来どおり国費で立てかえて、事業完了後、従来どおりの償還条件で償還していただくということでございますので、農民負担については影響は受けないわけでございます。 それから都道府県の負担でございますけれども、これにつきましては、従来は延納措置によって、事業を実施した年度の翌年度から利率六・五%、支払い期間十三年・うち据え置き三年という条件で元利均等償還されたわけでございますが、今回もこの期間及び据え置き期間、それから元利均等年賦支払いの方法は従来どおりでございまして、ただ金利が財投金利ということになるわけでございます。現在は、財投金利は、その時点時点で動くわけでございますが、現在のところは財投金利は六・三%であり、さらに三月三十一日以降は六・〇五%に引き下げられる見込みでございますので、これによって都道府県の負担は減少こそすれ、従来の方式に比べて増大することにはならないわけでございます。もちろん財投金利は変動いたしますので、従来の六・五%の水準より高くなる場合もないとは申せませんから、直ちにそれがメリットであるというふうには私も申しませんけれども、いずれにいたしましても、都道府県の負担が従来のやり方と一般会計国営方式に比べて非常に大きく変動するということはございませんので、その点御懸念されることはないわけでございます。
○喜屋武眞榮君 今の点と関連しまして、工事の長期化に伴って金利負担が非常に大きなまた問題になってくるという点からお尋ねしたいんです。この財投からの借入金についての金利は、そのときどきの経済情勢によって変動金利になっておるとおっしゃった。ここ十年間の経過を見てみますと、六%から八・五%までの間を上下しておると数字は示しておるんです。そうしますと、問題は安い金利で借りたもの、高い金利で借りたもの、その間に大きな差が出てまいりますね。 そこで伺いたいことは、同じ制度の中にあってこのような負担面での差が生じることについては、これは問題があるのではないか、こう思われるんです。このことについてどう考えておられるかを伺いたい。
○政府委員(佐竹五六君) 確かに財投金利は変動いたしますので、その時期によって、今お話しのございましたように、負担金利に差が出ることは、これは否定できないところでございます。財投金利というのは、政府全体が財投の資金調達コスト、それから一般金融情勢等を勘案して設定するわけでございますので、財投資金を使う以上、やはりこれはそれに従わざるを得ないわけでございます。したがいまして、私どもとしては、御指摘のような問題が起きることは、これはある意味ではやむを得ないんではないか、財投金利を使って特に事業を促進する以上やむを得ないんではないかというふうに理解しているところでございます。これは特に地方公共団体の立場からすれば、地方公共団体が地方債を発行する場合にも、一般金融市場の金利動向を受けて、その金利は高い低いが出てまいるわけでございますので、都道府県によっては、その金利水準の非常に高いときに今度の新しい方式の事業をやることによって高い金利を負担するところ、あるいは財投金利が安いときにやった場合に安いものが出るというようなこともあろうかと思うんでございますけれども、それは今申し上げましたように、地方債でも同じような問題があるわけでございますので、御理解いただきたいと、かように考えているわけでございます。
○喜屋武眞榮君 まあ、どうしても納得しない点ですが、これぐらいにとめておきましょう。一応ここに問題があるということを知っていただきた 次に、国営土地改良事業についても、昭和六十年以降、国の補助率も今一律削減措置を講じてこられた。そうすると、限られた予算で事業量の拡大を図るという考えのもとにこうなったわけでありますが、それが財政投融資資金の活用によって実現されるものである以上、都道府県の負担増に結びつくことになることは、もうこれは間違いな そこで、地方財政力の強さを示す財政力指数を見ますというと、特に財政力の指数の低い沖縄県の場合、四十七都道府県のうち四十五位、四十五番目という低い水準にあるわけですが、このような措置が沖縄県の財政に及ぼす影響、非常に大きな問題を与えておるわけですが、このことについて政府の立場から配慮の余地があるかどうか、どのように考えておられるか伺いたい。
○政府委員(佐竹五六君) 沖縄県につきましては、今先生から御指摘のございましたような事情も踏まえまして、特に高率の負担率、国庫負担率あるいは補助率が設定されているわけでございます。さらにまた採択条件も一般内地とは異なった条件に緩和しておりまして、実質的な国庫補助負担率の引き上げも行われているところでございますが、これらにつきましても、確かに補助率あるいは負担率の一律カットは行われたわけでございます。しかしながら、この点につきましては内地都道府県を通じまして、大蔵省と自治省との間で話し合いが行われまして、地方財政の運営に支障の生じないように、その都道府県の負担分については財政措置が講じられているというふうに承知しておるわけでございます。 その内容につきましては、補助率の引き下げに伴う国費の削減額及び事業量の増大に伴う地方負担額の増加額、双方に対して行われておりますが、まず、国費の削減額に相当する部分については、これを負担する地方公共団体に対し起債を認めるとともに、その元利償還金について基準財政需要額への算入と元利償還金の二分の一に相当する金額の一般会計から交付税特別会計への繰り入れを行うこと。また事業量の増大に伴う負担増部分については、建設地方債の増発を認めるとともに、その元利償還金のおおむね八割に相当する額を基準財政需要額へ算入するというふうな内容でございます。 私ども、制度的にはこのように大蔵、自治両省間で措置が講ぜられることによって問題が生じないようにされているわけでございますけれども、実態上、農業基盤整備事業の運営に影響があるのかないのか、その点については、今後とも都道府県の担当者からは実情を聴取する等して注意深く見守ってまいりたい、かように考えているわけでございます。
○喜屋武眞榮君 最後に大臣に時間が迫ってまいりましたので申し上げたいと存じます。 この長期計画案は、関係行政機関、都道府県の意見、そして閣議で決定された。計画達成のためには政府は万全を期すべき責任と義務がある。ところが、農業基盤整備予算は、六十一年度で八千七百億円弱にすぎない。十年見積もっても八兆七千億円ということにしかならないのではないか。どんなに拍車をかけてもこの目的達成には追っつかない、これはもう火を見るよりも明らかであると思う。 そこで大臣、閣議決定ということの重さをどう認識しておられるか、必要予算の確保はどのようにして取り組まれるつもりかさらに、計画の今後の見通しについて明らかにしてもらいたい。 以上、結びとして大臣に申し上げまして、終わります。
○国務大臣(羽田孜君) 計画の実施に当たりましては、農業事情、経済事情などを勘案しつつ、弾力的な推進を図ることとしております。第三次土地改良計画は、関係行政機関などとの調整を行いまして閣議決定されたものでございまして、閣議決定というのは重いものであるというふうに認識しております。ただ、先ほど来申し上げましたように、全体的な財政事情が非常に悪化しておるという中で、先ほど来御指摘をいただきましたように、ここのところ進捗状況が非常におくれておる、また予算の確保というものもままならないというのが現状でありまして、こういったものに対応するために今度のような法案をお願いいたしまして、少しでも工期の時期というものを短縮し、そして受益者の皆様方に御迷惑をかけないようにということで、この方法というものを今御審議をいただいたというところでございます。 いずれにいたしましても、それをいたしましてもほぼ一年程度であろうということでございますので、これからも、厳しい財政事情の中にありましても、私どもは積極的に働きかけながら、少しでも予算の確保をするということをまず基本に考えていきたいと思っております。ただ、それと同時に、事業は全部を採択するということはあれでございますけれども、ある程度きちんと卒業させるものを卒業させながら、その中で新規のものを採択していく。そして実際に今やっておる事業について、これを少しでも早めていく。それが受益者の皆さんに御負担をかけないであろう。財政を確保するということと同時に、いろいろな方面から検討を加えて、受益者の皆様に御迷惑をかけないように進めていきたいというふうに考えております。 —————————————
○委員長(成相善十君) 委員の異動について御報告いたします。 ただいま八百板正君及び山田譲君が委員を辞任され、その補欠として久保田真苗君及び高杉廸忠君が選任されました。 —————————————
○委員長(成相善十君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 土地改良法及び特定土地改良工事特別会計法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成相善十君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 菅野君から発言を求められておりますので、これを許します。菅野君。
○菅野久光君 私は、ただいま可決されました土地改良法及び特定土地改良工事特別会計法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党、民社党・国民連合及び二院クラブ・革新共闘の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 土地改良法及び特定土地改良工事特別会計法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 最近の農業及び農村を取り巻く厳しい状況のもとで、土地改良事業の工期の大幅な遅延は、農家負担の増大をもたらす等農業経営に多大な影響を与えるとともに、食料自給力の向上、農業生産の再編成、農業構造の改善等を進めるうえで障害となっている。 よって政府は、第三次土地改良長期計画の達成に必要な予算の確保及び工期遅延の回復に努めるとともに、本法の施行に当たっては、次の事項の実現に遺憾なきを期すべきである。 一 従来方式による特別会計地区等に対しては、工期の遅延を防ぎ、事業の進捗を図るため特別の配慮を行うとともに、事業完了後における農家負担の軽減に資するよう各般の措置を講ずること。 二 土地改良事業計画の策定とその実施に当たっては、関係者の意見を十分反映させるとともに、導入作物、地形・地質等地域の実情に即して経済的かつ効果的な施行に努め、農家負担の軽減を図ること。 三 土地改良事業の実施効果が十分発揮されるよう、地域の実情に即した導入作物の選定、機械の効率的利用等営農に対する指導の強化に努めること。 四 農道、排水路等地域全体に資する施設については、広く公的負担の確保に努めること。 五 土地改良事業推進における地方公共団体負担の重要性にかんがみ、土地改良事業に係る地方財源の確保に遺憾なきを期すること。 六 農村地域の混住化傾向に対処し、土地改良施設の維持管理が適切に行われるよう国及び地方公共団体による指導の強化及び助成の拡充に努めること。 七 土地改良事業の実施に当たっては、農業生産力の向上と農業経営の安定を図るため、土壌の性質の改善、地方の維持増進について十分留意すること。 八 農用地開発公団の行う事業については、これが我が国農畜産業の健全な発展と農山村地域の活性化に果たしている役割の重要性にかんがみ、事業の安定的推進を図ること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(成相善十君) ただいま菅野君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成相善十君) 全会一致と認めます。よって、菅野君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、羽田農林水産大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。羽田農林水産大臣。
○国務大臣(羽田孜君) ただいまの附帯決議につきましては、決議の御趣旨を尊重いたしまして、十分検討の上、善処するよう努力してまいりたいと存じます。
○委員長(成相善十君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成相善十君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(成相善十君) 次に、農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院農林水産委員長大石千八君。
○衆議院議員(大石千八君) ただいま議題となりました農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。 農業協同組合合併助成法は、昭和三十六年に制定され、昭和四十一年以来、五回にわたり、同法に基づく合併経営計画の認定制度の適用期間の延長措置を講じてきたところであります。 その間、農業協同組合の合併は、関係者の努力により一応の成果をおさめてまいったのでありますが、全国的には依然として、規模の小さい農協や行政区域未満の農協が多数存在し、これら農協にあっては経営基盤の強化を図ることが緊急の課題となっております。また、今日、農協を取り巻く厳しい情勢の変化、とりわけ、金融自由化の進展による影響が懸念されるに至っており、系統農協では、組織の全力を挙げ、農協合併の推進に取り組むこととして、農業協同組合合併助成法の再延長を要望しているところであります。 本案は、こうした課題にこたえるため、昭和五十七年三月末日をもって期限切れとなっている、同法に基づく合併経営計画の認定制度の適用期間を、この改正法律の施行の日から、昭和六十四年三月三十一日まで復活延長することとし、この合併経営計画の認定を受けて合併する農業協同組合に対し、従前と同様に、法人税、登録免許税、事業税等の軽減措置が適用されるよう、租税特別措置法等関係法律について所要の改正を行い、合併促進の一助としようとするものであります。 以上が本案提出の趣旨及び内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(成相善十君) これより質疑に入ります。——別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○下田京子君 私は、日本共産党を代表して、農協合併助成法改正案に反対の討論を行います。 まず初めに、我が党の本法律の評価に当たっての基本的見解を申し上げておきます。 我が党は、この法律によって推進しようとする農協合併の性格が真に農民の立場に立つものか、あるいは上からの押しつけ合併につながるものか否かを判断し、態度を決定してまいりました。今回の法延長に当たって賛成できない理由は次のとおりです。 第一に、今回の法改正で進めようとしている農協合併が、農業と組合員の要求や実態から離れ、金融自由化への対応のためとする経営優先の立場からの大型広域合併であるという問題です。 そのことは、全国農協中央会が今年一月に決めた農協合併推進方策の中で、合併重点対象を市町村区域未満の農協と正組合員戸数一千戸未満の農協とし、さらに目標規模として現在全国の七・八%にしかすぎない正組合員三千戸以上を打ち出しています。この点では、前回一九八〇年の法延長の際、小規模組合の合併に重点が置かれ、規模の平準化を最重点として進められたのとは際立った違いです。 大型広域合併は結局、農協と組合員との乖離の原因となり、農民の協同組織としての農協の基本的性格を後退させるものです。 さらに、経営優先の事業運営の強化は、不採算部門である営農指導部門の切り捨てや農協労働者への合理化攻撃など、農民や農協労働者の利益を踏みにじる結果につながるものです。 また、金融自由化への対応についても、企業の論理からではなく、一人は万人のために、万人は一人のためにという協同の精神から、農民の営農と暮らしを守る方向で信用事業基盤の強化を図ることが決定的に重要です。 第二に、今回の合併が行政と一体となった押しつけ的性格が強まっている問題です。 既に全国農協中央会は、末端農協の合意を得ずに具体的な農協名を挙げて、向こう三年間の全国的な合併計画を打ち出しています。そして農水省や都道府県も入って合併推進協議会を全国及び県段階に設置し、合併の早期実現のため指導するとしています。この点でも、合併は自主性にゆだね推進するとしていた前回と比べ、民主的側面の大きな後退と言わざるを得ません。 もとより我が党は合併には一切反対という立場ではございません。農村地域の産業、交通などの変化に即して合理的な規模に農協を合併しなければならないときは、中小農民の利益と農協労働者の要望を十分考慮し、民主的に合併を進めることが大切であることを最後に申し上げ、反対の討論を終わります。
○委員長(成相善十君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 農業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成相善十君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成相善十君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(成相善十君) 次に、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院農林水産委員長大石千八君。
○衆議院議員(大石千八君) ただいま議題となりました農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。 乳業施設資金融通制度は、酪農及び乳業の健全な発達に資するため、乳業を営む者に対し、農林漁業金融公庫から、その乳業施設の改良、造成等に必要な資金を融通することを目的として昭和三十六年に創設されました。 自来、本制度は、今日まで中小乳業を中心とした乳業の合理化と近代化に大きな役割を果たしてまいりました。 しかしながら、乳業施設の改良、造成については、近年の著しい技術革新、多様化した消費動向等に即応した施設整備の促進、零細施設の統廃合、立地移動による適正な施設の配置等を進め、もって国際競争力の強化を図ることが必要とされております。 本案は、こうした実情に合わせて、本年三月三十一日をもって期限切れとなる本制度をさらに五年間延長しようとするものであります。 以上が提案の趣旨及び内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(成相善十君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。——別に御発言もないようですから、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御意見もないようですから、これより採決に入ります。 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(成相善十君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(成相善十君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時四十七分散会 —————・—————