内閣委員会 第7号
- 発言数
- 78 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/05/13
会議録
○委員長(亀長友義君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨日、板垣正君及び大島友治君が委員を辞任され、その補欠として大浜方栄君及び石井道子君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(亀長友義君) 厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○穐山篤君 前回に続きまして若干の問題について質問します。 実は、科学技術特別委員会で研究交流促進法案の審議が終わりました。これは、御案内のように、科学技術庁が主管になりまして、各研究公務員の共同研究あるいは委託、受託、さらにはセミナーの出席などについての法案であります。これが一応委員会で処理をされたわけですが、厚生省の問題、研究所としては人口問題研究所初め数多くの対象研究所があるわけです。 そこで、科学技術特別委員会では各省庁それぞれの問題についての突っ込んだ質問ができませんでしたので、この席上で若干明らかにしてもらいたいと思います。 厚生省関係で、国立らい研究所あるいは築地にありますがんセンター、こういうところの国際的な共同研究というふうなものは今までなされていたんでしょうか。あるいは、これから共同研究あるいは委託、受託というような問題についてはどういう展望になりましょうか。
○政府委員(仲村英一君) お尋ねの研究の問題でございますけれども、厚生省の所管でございます試験研究機関、予防衛生研究所等たくさんございます。それから、今御議論いただいております国立病院・療養所におきましても同様でございますけれども、従来から循環器疾患あるいは神経疾患、心身障害、難病等につきまして、研究費の補助金でございますとか委託研究とか、そういう形でいろいろな形の研究を行ってきておりまして、予算額で申し上げますと、六十一年度におきましては約二百二十億円の研究費になっております。 これらの研究でございますけれども、これは研究班を編成いたしたりいたしまして、一人でやるということでなくて、各領域の専門家の方々にお集まりいただくということでやりますので、厚生省所管の国立病院・療養所あるいはその試験研究機関のほかに、大学の先生方あるいは関係の研究機関等に属します研究者がいろいろ網羅されて研究が進められておるわけでございます。 それから、民間との関係でございますけれども、これは一般会計あるいは国立病院特別会計の中に受託の研究を受けます枠を設定いたしまして、民間と連携をとりながら研究を推進するという形も行われております。さらには、これは国際交流の関係で申し上げますと、各種のセミナーでございますとか学会等に多くの研究者が参加しておる実情でございます。それから、今年度から新たに、長寿関連基礎科学研究という形で、官民共同のプロジェクト方式で研究を推進したいということで、これまで以上に官民あわせました研究の交流をさらに進めてまいりたいと考えておるところでございます。 ただいま申し上げましたように、こういう形で、私どもといたしましても現行制度の枠内で可能な限り各種の研究交流の活発化に努めてまいりたいと思っておりますし、これからも努めてまいる所存でございますけれども、お尋ねの研究交流促進法というのは、国と国以外のものとの研究交流の促進にとって障害となっておりました、公務員でございます研究者の服務の弾力化でございますとか、研究成果の民間への移転の容易化を図る等の措置を講ずるものでございまして、各省庁共通の課題ではございますけれども、厚生省といたしましても大いにその成果を期待しておるというところでございます。
○穐山篤君 わかりましたが、この中で特にこのらいの研究所について、日本はらいの医療としてはかなり進んでいるわけですが、東南アジアにはこの種の患者がかなりいるわけですね。民間でも若干の救済の手を伸べてはいるわけですけれども、日本の医療として東南アジアのこのらいについてどういう貢献をされているのか、あるいはまたどういう要請を受けているのか、その点いかがでしょうか。
○政府委員(仲村英一君) らい――ハンセン病でございますけれども、外国との共同研究について申し上げますと、昭和四十年度から発足いたしました日米医学協力というものがございますけれども、この中でアジア地域に蔓延してございます病気の疾病に関します研究の一環といたしましてハンセン病を取り上げておりまして、日米両方の医学専門家による専門部会を設置しておるということがございますし、日米双方の研究成果の交換等の措置を講じてきておるところでございます。 御指摘のように、まだ東南アジア、さらには広くハンセン病に悩んでおります開発途上国はたくさんあるわけでございまして、民間の方々の御支援も得ておりますけれども、私どもといたしましても、国立のらい研究所、多摩研と言っておりますが、そういうところ、あるいは国立のらい療養所のドクターを開発途上国へ派遣する事業でございますとか、あるいは逆に途上国から医療従事者の方々をお受け入れいたしまして研修をしていただくようなことで、国際協力の面でハンセン病に関しても大いに力を入れてまいりたいと考えております。
○穐山篤君 今のらいの問題でもう少し伺いますが、日本ではかっては遺伝という偏見があったわけですが、最近ではようやく軽度の、何というんですか、遺伝ではなく流行病というんですか、そういう分析がなされて、患者も非常に少なくなっている。今一万人以下に減っただろうと思うんですね。これはまだ東南アジア途上国では遺伝の病気という観念が残っているのじゃないかなということを旅行しながら感ずるわけですが、そういう面についての医療の宣伝啓蒙というのはどういう面でお手伝いをされているんでしょうか。
○政府委員(仲村英一君) 御指摘のとおり、ハンセン病につきましては、感染いたしましてから発病するまでに非常に時間が長いというふうなこともございまして、かつては遺伝の疾患ではないかというふうなことで社会的にもいろいろ問題を起こしたのは事実でございます。それから、開発途上国におきましても、やはりそういう形での誤った考え方と申しますか、がまだ払拭されておらないのも事実でございます。 しかしながら、私どもといたしましては、これはWHOその他国際的な機関を含めての話でございますけれども、これが感染症であるということにつきましての啓蒙宣伝というのはかなり行き届いてきたと考えておりますし、ただいまは新しい非常に有効な薬もできてまいりましたので、例えば外来でも治療できるような形で医学も進歩してまいりましたので、そういうふうな偏見と申しますかそういうものも、だんだん途上国におきましてもなくなりつつあるというふうに私ども理解しておるところでございます。
○穐山篤君 次に、植物人間、通称そう言われております遷延性意識障害の問題についてお伺いをします。 資料をいただいているわけでありますが、この植物人間という定義ですね。統一されているのだろうと思いますが、考え方をひとつ明らかにしてもらいたいと思います。
○政府委員(仲村英一君) 植物人間というのは俗称でございまして、医学的に申し上げますと遷延性、非常に延びたということでございます、遷延性の高度意識障害ということで定義されておるわけでございます。 症状的に申し上げますと、自分の力で移動ができない、あるいは自分の力で口から物を食べられない、それから排尿、排便等がいわゆる失禁状態であるとか、あるいは程度にもよりますけれども、目で物を追うことはできますけれどもそれが何であるか認識できないとか、手を握るとか口をあげるという簡単な命令に応ずることもありますけれども、それ以上の意思の疎通ができないとか、声は出ますけれども意味のある言葉にならないとか、そんなような症状が大体三カ月以上続いておる症例を私どもとしては遷延性高度意識障害というような形でとらえておるところでございます。
○穐山篤君 今の定義は昭和四十七年に日本脳神経外科学会が発表されたものですが、その後この定義は変えられてはいないんですね、従来のままですね。
○政府委員(仲村英一君) 私どもといたしましては、特にその後何らかの形で変更があったというふうにはお聞きしてございません。
○穐山篤君 それで、全国各地にそういう方々が入院をされているわけですね。私は、知り合いにこういう方がおりまして、見舞いに行きましたときに幾つかのことを感じたわけですが、このままの状態で三年も五年も十年も、生かしていくのかといえば語弊がありますけれども、命をつないでいって回復が可能かどうかという希望の持てる話やら、それからこのままの状況が五年も十年も続くとすれば、本人のためにも家族のためにも、そういう意味で非常に消極的な気持ち、感情を持つ場面もしばしば見受けるわけですね。 それから、もう一つは介護の問題であります。先ほど定義で言われましたように、仮に目で追っても物は言えない、失禁状態にあるということでなかなか介護が大変であります。私の出身であります山梨県では、知事の音頭でこの種の問題について割合に温い施策をとっているわけです。山梨県の場合には、おむつ代というふうな名称で若干の金を交付することによって激励もしたり、あるいは現物給付にかわる措置をとったりしているわけですが、介護問題というのはそれぞれの状況に応じて、ですから機械的にこういうふうにしなさい、ああいうふうにしなさいということは言えないにしてみても、各県によって差し伸べる手の方法、内容が余りに違うというのもどうかなという感じがします。関東近辺で言えば東京、神奈川、山梨など特別なことをしているわけですが、そういう問題について厚生省はどういうふうに掌握をされているんでしょうか。
○政府委員(仲村英一君) 植物状態になられた患者さんの介護というのは、確かに家族の方も大変でございますし、預った病院の方も実は大変だというふうに認識しております。 それにつきまして、今おっしゃいましたように、幾つかの県でお見舞いのような形で月に何がしかのお見舞い料のような形の支給をされておる県もあるというふうに聞いておりますけれども、これは国の制度としてそういう形にするのは実は非常に難しいと考えております。と申しますのは、同じような状態で、意識があって同じような失禁状態とか、ある病気の終末状態ではそういうふうなことになる患者さんも非常に多いわけでございますので、直ちに何らかの形で国がそういうお見舞いのような形のお金をお出しするというのは、なかなか難しいというふうに私どもとしては考えております。
○穐山篤君 国が面接、介護のための金を出すというふうなことは難しいと思うんです。そういう場合は、前回も減税の問題で措置することが可能であったわけですが、私は直接国が一律、金を出すとかあるいは医療の内容について発言をするというのはなかなか無理があると思うんですが、介護一般についてのガイドラインみたいなものを示して、それを各病院なり各家族あるいは地方公共団体、ボランティアが、採用するかどうかはそれぞれに任せるにしても、一応こういうふうなものをやっている県がありますという事例を紹介をしながら、一定のガイドラインを示すというふうなのは工夫の余地があるなどいう、そういうことをかねてから申し上げているわけですが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(仲村英一君) 植物人間に限らず、植物人間を含めまして終末的な医療の問題につきまして、もちろん医療の中身に看護をどのようにするかということで一応専門的知識にのっとって行われていると思いますけれども、今先生がおっしゃいましたようなガイドライン的なものがあって、そういうふうな患者さんを預かる場合に家族あるいは病院の方々が参考になるようなガイドラインと申しますか、そういう形のものがあって、それが非常に有益だということになりますれば、私どもとしてもそういうことをお出しすることについてやぶさかではございませんので、どういう形のものがあり得るか、いろいろ専門家の御意見も聞いてみたいと考えております。
○穐山篤君 ぜひ素人の意見ですけれども、十分部内で検討をしてもらいたいというふうに思っております。 次に、国の政策医療の一つの問題として難病の問題があるわけですけれども、これは先ほどもお話がありましたように原因不明、治療不明というふうなものでありますが、今年度は何種類指定がされておるんでしょうか。
○政府委員(仲村英一君) いわゆる難病というものはいろいろございますけれども、私どもの局で申し上げますと、いわゆる特定疾患という形でやっておるわけでございますけれども、調査研究につきましてやっております研究班の数が四十二の研究班でございます。 それから、特定疾患のいわゆる治療研究という形で申し上げておりますけれども、医療費の一部の自己負担を解消してさしあげるという制度でやっております特定疾患治療研究の対象疾患というのは、ことし一疾患追加をいたしまして、現在二十七でございまして、今年度一月からもう一疾患追加いたしまして二十八疾患にする予定になっております。
○穐山篤君 昔からこの種の疾患、病気というのはあったんだろうと思うんですが、こういうふうに専門的な名前で出てきたのはごく十数年の間ぐらいであろうというふうに思うんです。この四十三種類を見ましても、その発生の原因とかあるいは治療の方法がわかりさえすれば特定疾患ではないし、また難病でもないわけでありますけれども、それぞれの症状を持つ方々の家族の総会というのが毎年東京であるわけです。昨年も一昨年もあったわけですが、東京都の勤労福祉会館で行われたわけです。私もある種のものに関係しておりましたので、参加をして家族の意見を聞いてみますと、何とか早くお国の力で原因の究明ができないんだろうかと、そういうつらい質問を受けるわけですね。だから難病ですよというふうにこちらは言っているわけなんですけれども、なかなか家族の了承を得ることが非常に難しいというふうに思うわけであります。 そこで、これは学会にそれぞれ発表されているんだろうと思いますけれども、それぞれの障害を持つ家族の皆さん方に、今こういう角度の勉強をしている、研究をしている、あるいはこういう事例があるというふうな広報活動をすることによって家族を激励するという以外にもう方法がない、あるいは御本人を含めて激励をする、こういうことだろうと思うんですけれども、そういう面についての厚生省の指導、考え方というのはどんなものでしょうか。
○政府委員(仲村英一君) おっしゃいますように、文字どおり難病という病気はたくさんあるわけでございまして、その中でも私どもこの特定疾患研究事業といたしまして成功した事例の一つを申し上げますと、B型肝炎でございまして、これはこの難病の研究で極めて世界的なレベルまで進みまして、ワクチンも作製されて、今年度から必要な子供にはワクチンが接種できるようになりましたので、B型肝炎というのはこれから日本からはなくなる、数十年たちますと全くなくなってしまうと期待されておるような成果の出た研究もございますけれども、四十七、八年から研究がいろいろのこの難病について行われておりますけれども、依然としてまだ原因もわからない、治療方法もなかなかないというふうな病気もあるわけでございます。 一部には病気の形が変わってまいりまして、非常に治りやすくなったという病気もございまして、患者さんには非常に、例えば全身性エリテマトーデスというふうな病気は非常に治りやすい形になってまいりまして、これもやはり研究の成果の一端だと研究者の方おっしゃっておられますけれども、まだまだそういう非常に難しい治りにくい神経疾患のようなものもございます。 したがいまして、私どもといたしましては、医学的な研究もさることながら、いわゆる今おっしゃいました看護のような形で、看護をどのように、家族の精神的な支えでございますとか患者さんをどういうふうに力づけるかというふうなことで、そういうふうな形での研究も、横断的な研究班も組んだりしておって一部やっておりますけれども、例えば難病のいわゆるハンドブックのようなものをつくったりしておりまして、そういう形での患者さん、家族同士が力づけるような資料をできるだけつくるというのは非常に有意義だと考えておりますし、私どもといたしましても、そのような方向でいろいろ研究者の方ともさらに相談して、家族の方々を力づけるような方法を生み出していきたいと考えております。
○国務大臣(今井勇君) 今、難病の問題につきまして局長から答弁いたしましたが、私も大臣に就任いたしまして以来、ひとつやりたいものの一つとしてこの難病の問題を取り上げているわけでございます。先生もおっしゃいますように、この難病というのは治療法が確立されてないという極めて残念な病気でございますし、その御本人はもとより家族の方々の御心配もさることと思いますので、今先生からお尋ねがありました広報、そういうものを一つずつ、やっぱり家族と手をつないでいく、そういったものも極めて大事なことだと思いますので、これは真剣に考えて実現をいたしたい、そのように考えております。
○穐山篤君 ぜひ特段の御努力をこの分野ではお願いしておきたいと思っております。 次に、海外に在住する邦人の健康管理、あるいはその在留邦人のたくさん集中する都市で小学校、中学校の日本人学校を開設している、その義務教育関係の学校の生徒さんたちの健康管理、医療の問題についてお伺いをしたいと思っております。 一般論で最初結構でありますが、中近東、あるいは南米、東南アジアなど割合に衛生状態がよくない、こういうところの在留邦人に対します医療というものは日本政府としてどういうふうになされているのでしょうか。そこからひとつ伺います。
○説明員(荒船清彦君) 海外、特に御指摘の非常に厳しい自然環境にあり、現地医療が未整備の地域に在留する邦人のためには、できる限り質のよい医療を安定的に確保することが急務となっておりますけれども、外務省は、こうしました不健康地に在留されております邦人の疾病というものを早目に発見し適切な措置をとるために、昭和四十七年度から巡回医師団と申しまして、これを毎年十から十二チームの派遣を行っておりますほか、海外医療事情の調査、それから不健康地で健康な生活を送るための医療に関する小冊子の作成、配付というようなことを行っております。とりわけ、外務省は現状において世界的に類を見ないユニークな制度として実効を上げております巡回医師団制度、これの拡充強化に引き続き努めていく考えでおります。 また、昭和五十九年の三月、民間資金によります海外邦人診療所の開設、運営の援助を目的とする外務、厚生、労働、三省共管の財団法人でございますが、海外邦人医療基金というものが設立されまして、六十年五月にシンガポール、それから本年三月にブラジルのマナウスに邦人診療所が開設されました。外務省といたしましては、こうした民間のイニシアチブによります医療水準の向上への自助努力を大いに歓迎いたしまして、診療所開設に際して関係国政府との交渉といった側面的な協力を今後とも行うなど、官民の協力によりまして総合的に在外邦人の医療問題の改善を図ってまいりたいと考えております。
○穐山篤君 今お話のありました昭和五十九年三月にできました財団法人海外邦人医療基金、なかなかすばらしいものではありますけれども、今お話がありましたように、診療所の開設というのはシンガポールであるとかブラジルというふうに、割合に都市部といいますか、そういうところに集中されているわけで、しかしそういうところは、その国の医療施設もまあ割合に完備をしているところなんですよね。ところが、実際に欲しいのは、どうしても中近東であるとか、シンガポールを除くとするならばインド、インドネシア、パキスタンというふうな地域、それから中南米ですね、こういうところに欲しいという意見が非常に強いわけであります。 私も、昨年若干の国を回ってまいりましたけれども、そういう要望が非常に強いわけでありまして、逐次計画が伸びていくんだろうと思いますけれども、都市のみならず、できるだけ医療機関の少ない、衛生状態の悪いところ、そういう分野を十分にひとつ考えてほしい。これを申し上げておきたいと思いますが、いかがですか。
○説明員(荒船清彦君) この法人、海外邦人医療基金というのはできましてまだ日が浅うございまして、これからいろいろとそういった先生の御指摘につきましても、徐々に改善されていくというふうに期待しております。
○穐山篤君 それから、後段申し上げた小中学校義務教育については、日本政府から教師も派遣されているわけですが、これの健康管理、医療体制というのはどうなっていますか。
○説明員(牛尾郁夫君) 海外に長期間在留する日本人の義務教育段階の子女のためには、御指摘のように全日制の日本人学校が世界各地に現在七十八校存在をしているわけでございます。 この日本人学校におきます教育につきましては、基本的には国内の小中学校における教育と同様の教育を行うということでございまして、児童生徒の健康管理、あるいは保健、安全指導につきましても国内の小中学校におけるそれと同様に行うことを基本としてやっているわけでございます。 したがいまして、国内の小中学校におきますならば定期の健康診断あるいは定期の学校環境衛生検査など行われるわけでございますが、海外の日本人学校におきましても、地域の事情に応じたやり方ではございますけれども、そうした定期健康診断等を国内とできるだけ同様なやり方で実施しているという状況でございます。
○穐山篤君 こういう場合の費用は全額文部省持ちになるんですか、その点いかがですか。
○説明員(牛尾郁夫君) 日本人学校の教育活動に要する経費につきましては、必ずしもすべて国の負担ということになっているわけではございませんで、海外にあります日本人学校というような制約から、ある程度自助努力と申しますか、自己負担があるわけでございます。 今御指摘の健康管理等に要する経費につきましては、学校の負担ということで行われているのが実情でございます。
○穐山篤君 外務省あるいは厚生省、文部省が協力し合って、海外に出ております在留邦人というのは最近非常に多いわけですね。それから、家族も多く連れていっているわけです。幾つかの問題があるわけですね。その国の保健制度あるいは年金の制度、いろんな問題があります。それから、そういう方々の意見を聞いてみますと、子供さんの高校、大学の入試というふうな問題、それから就職の問題、たくさん話を聞いてくるわけですが、そういうようなものを総合的に外務省では取りまとめをして、各省庁との相談というふうな手続になっているんでしょうか、どうでしょうか。
○説明員(荒船清彦君) この就職の問題は、これはそれぞれ個々の、個人の方々がやっておられまして、あるいは入試の問題も、この子女教育の相談の窓口は外務省にもございますし、あるいは文部省にもあると聞いておりますが、全体で一つのまとまった機関というものにはなっておらないと、それぞれお互いに調整し合いながら相談しておりますけれども、一本化しているという体制になっておらないと了解しております。
○穐山篤君 いつも国会議員が、海外に経済、政治の視察に行ってまいりまして、いろんな話を聞いてくるわけですね。聞いてきて聞きっぱなしになっているんですよ。そういうことが私はよくわかったんですね。前回こういう先生方が見えたのでこういう問題をお願いがしてありました。そこで、具体的に聞いてみると、十分な各省庁との連絡や措置したこともないというので、話を聞きますと非常にがっかりしているわけですね。 ですから、きょうは海外在留邦人の医療問題ではありますけれども、これはいずれ改めてこういうものを総括して、これは個人の問題だというふうには、実際はそういうものもあろうと思いますけれども、制度上の問題やあるいは財政上の問題、運営上の問題で国として何らかの措置をすべき事柄がたくさんあるような気がするわけです。きょうは時間ありませんからこの程度にとどめておきますけれども、改めて私はまとめて厚生省については別途問題の提起をしたいと思っておりますので、ぜひ十分受けていただきたいというふうに思っております。 それではもとに戻りまして、政策医療が国の役割である、そういう前回の答弁と、国立病院・診療所の統廃合の問題について大臣のひとつ所見を伺いたいんですが、前回も各野党の委員からは、統廃合の問題について、まあある同僚委員は地元の問題を取り上げながら、ある同僚委員は全体的な立場からそれぞれ統廃合を急ぐな、できれば撤回しなさい、あるいは再検討したらどうかという意見がこもごも述べられているわけですね。それに対しまして厚生省側の答弁では、個々の病院なり診療所については十分実態も調べてある、地元との協議もしてあると、絶対に譲らない姿勢でいるわけですよね。これではうまくないと思う。 幸か不幸かわかりませんけれども、この国立病院の統廃合の問題は、今国会では成立しそうもないと思うんです。大臣、その点どういう御感想をお持ちでしょうか。それは各委員会で審議することでありましょうから、皆さん方の方は審議の促進をお願いしますという態度でありましょうけれども、実際の状況として、統廃合に関する法律案は成立の見込みがない。にもかかわらず、こちらの方では政策医療の見地から精神・神経センター、こういう設置法というものが審議されている、やや違和感がある感じに思うわけですが、その点大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(今井勇君) 国立病院等の再編成に伴う特別措置に関する法律案、先生はこのことについての御言及だと思いますが、これは四月十八日の衆議院の本会議におきまして趣旨説明及び私に対します質疑が行われまして、社会労働委員会に付託されておりますが、確かに今国会もだんだん会期が短くなってまいりますが、私どもはどうしてもこの国会におきまして御審議をいただきまして、早く御可決いただきたいものだと考えているものでございます。 一方、この再編成の問題は、私がたびたび申し上げますように、これは一つの厚生省の行政上の措置でございますから、やはり私どもは、国立病院といったものがより広域を対象といたします高度の専門医療を担当するなど、国立医療機関としてふさわしいような役割を果たすために、ぜひこれを実施をしなきゃならぬという非常にかたい決意と熱意を持っておるわけでございまして、この問題はどうしてもやっぱり避けて通れない道であると考えておるものでございます。 しかしながら、おっしゃいますように、再編成というのは地域にとりまして非常に大きな問題でございますから、十分皆様方どお話し合いをいたしまして、そして地域の医療については、後医療についてはこういうふうにいたしますということで、皆さんとお話し合いをしながら、御納得いただきながら実施してまいりたいと思いますが、ぜひひとつこの問題につきましては、再度申し上げますが、避けて通れない道であるというふうに考えておりますし、それに対します対策もあれこれ考えておりますので、ぜひひとつ御理解と御協力をいただきたいものだというふうに思うものでございます。
○穐山篤君 私は先週土曜日から日曜日にかけまして盛団地方に行っておったわけでありますが、ここでは花巻病院の問題につきまして、非常に地域では大騒ぎ、言いかえてみますと統廃合はやめてほしい、こういう運動が、また署名活動も現実に行われているわけであります。 地域住民の立場から言いますと、それほど難しい理屈を持っているわけではないわけですね。ぜひ国立病院あるいは療養所、温泉病院というものが地域住民のために果たしてきた役割があるわけだから、いかに政策医療に徹すると言ってみても地域医療から撤収してもらいたくない、こういう素朴な気持ちで存続をみんなが要求しているわけです。現実にそこの病院あるいは療養所、さらには温泉病院というものが全く利用されていないという話ならばともかくとして、かなり量的にもあるいは質的にもあるわけでありまして、そこから撤収してもらいたくないという気持ちは十分に私はわかると思うんです。 それからもう一つは、どうしても後々のことを考えるわけですが、統廃合した後の国民の共有財産であるその建物なり土地はどういうことになるだろうか。これは国鉄の用地問題ではありませんけれども、別なサイドから非常に深い関心を持っているわけであります。要らぬうわさも立っているところもあるわけであります。 そういうことについて、わかりやすいように、十分納得できるような説明があって、地域准民もそれならよろしいというところはともかくとして、そうでないところを無理やりに撤収をさせるということは、国の政治としてもこれは全く遺憾であろう、こういうふうに考えるわけですが、もう一遍統廃合の問題について、改めて白紙の立場から再検討する用意はございませんか。
○国務大臣(今井勇君) これはせっかくのお言葉でございますけれども、今回のこの統廃合というのは、やはりこれは何遍も申し上げておるところでございますが、今の国家財政の状況、あるいはまた人員の削減というような問題を受けまして、本来ならば私どもが人員も機材も強化して、皆さんによりよく安心いただけるようにしたいという気持ちはありますが、それがなかなか現実の問題としてかなわないということから、私どもはこういう国立病院・療養所というものを皆様と御相談しながら統合することによって、そして国としてしなきゃならぬ問題というふうな目標を決めまして、今度の廃止、統合のいわゆる再編成というものをやりたい、やらねばならぬと考えておるわけでございます。 言うなれば、私がしばしば申し上げますように、この問題はやはり地域にとりまして大変大きな問題でございますから、皆さんとは十分御相談をする。したがって、一遍でいかなければ二遍、二遍でいかなければ三遍でも四遍でも、何遍でも繰り返して御説明をして御納得いただいて、後医療をどうするんだ、後はどうなるんだということについての十分な御理解を得たいというのが私どもの悲願でございまして、私どもの選ばんとする道はぜひひとつ御理解をいただきたいものだというふうにお願いするものでございます。
○穐山篤君 私も病院の経営について、野方図に赤字であってよろしいという気持ちはございません。できるだけ効率的に能率的な経営を行ってほしいという気持ちには変わりがないわけです。 さて、この十年計画に基づいて、最終的に病院の財政はどういうふうに推移をすると考えられていますか。 それからもう一つは、統廃合によって要員をどういうふうな規模に縮小をするつもりか、そういう計画であるのか、その二つの点はいかがでしょう。
○政府委員(木戸脩君) まず、財政規模の問題でございます。現在、国立病院特別会計約七千億の予算規模でございますが、約千二百億の一般会計の繰り入れを行っているわけでございます。 私どもといたしましては、まだ具体的に十年後あるいは十五年後こうなるという具体的な積算をしておりませんが、やはり現在の繰り入れ程度の額は、これは必要ではないかというふうに考えておるわけでございます。経営のむだを省いた分は、やはりがんの研究費でございますとか地域の医師会のための研修でございますとか、あるいは臨床研究といったようなものに使わなければならないというふうに考えているわけでございまして、決して私どもは赤字減らしのためにやるということでなくて、国立病院の質的強化ということでやっていきたい。まだ大蔵省とこの繰り入れをどうするかというような点について語をしているわけではございませんが、厚生省といたしましては、現在の繰り入れ程度のものは確保をした上でそれをより質的強化のために使いたい、こういうふうに考えておるわけでございます。 それから要員の問題でございますが、要員につきましては、実は今五万三千人の要員があるわけでございますが、全体として少ないという以外に、非常に施設の数に比べて医療スタッフが不足をしている、こういうのが非常に我々の悩みの種でございまして、この国立病院・療養所の再編成の一つの動機となりましたのは、この医療スタッフの充実であるわけでございます。私どもといたしましては、この再編成の基本指針という中にも、再編成によっていわゆる定員の余裕ができた場合には、できるだけ存続する今後の国立病院・療養所の医療スタッフとして活用するということを再編成の基本指針でうたっているわけでございます。 これも、具体的にまだ何人どうするということを関係各省と話をしているわけでございませんが、私ども厚生省といたしましては、できるだけこの要員の枠内で再編成後は、再編成によっていわゆる余裕ができました定員については医療スタッフに振りかえていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○穐山篤君 最後は意見になりますが、私の出身のところにも国立病院とそれから西病院と二つあるわけです。非常に立地条件もいいところでありまして、相当地域医療に貢献をしているわけであります。私の出身のところだけ残せというふうなけちな話でなくして、もっと大きい立場から考えてみて、幸か不幸かわかりませんが、今国会で成立しそうもない法律なんですね。この際、改めて新しい見地から再検討すべきだ、こういうふうに私は申し上げておきたい。 時間が来ましたので、以上で終わります。
○太田淳夫君 この設置法の問題につきましては前回資料としていただきましたので、周辺の問題を多少お聞きしておきたいと思うんですけれども、せんだって厚生省から提出をされました高齢者対策企画推進本部、この報告について若干伺っておきたいと思うんですが、まずこの報告はどのような背景で、あるいはどのような視点からどういうような展望を持ってなされたのか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(北郷勲夫君) 高齢者対策企画推進本部の報告についてのお尋ねでございますが、御承知のとおり我が国は急速に高齢化が進みつつあるわけでございまして、とりわけ二十一世紀初頭までの間に人口の高齢化が進むわけでございまして、いわば二十一世紀の初頭までは過渡期であるわけでございます。過渡期の間にスムーズな移行をするためには今から整合性のある高齢者対策を考えていく必要があるというような考え方でございまして、このために高齢者対策本部を設置しまして、省内で各局横断的に検討いたしまして、その結果を取りまとめましたのが先般発表いたしました高齢者対策本部の報告でございます。 この報告の考え方でございますが、御承知のとおり高齢者対策というのは、非常に高齢者のみならず若い人を含めまして社会全体に非常に広くかかわる問題でございまして、そういったことから今回の報告書の検討に当たりましては省内で幅広くと申しますか、横断的にいろんなアイデアを出し合いまして自由に討議をする、こういうことで行いまして、できるだけ討議された内容を広く盛り込むというような形で取りまとめたものでございます。 したがいまして、報告書の中身としましては、ごらんいただきますとわかるのでございますが、かなり方向の固まった、政策的な方向の固まっているものもございますし、それからまた、いわば率直に申しましてアイデアの域を出ないようなものも含めまして、今後検討すべき課題を精粗いろいろ異にするようなところも含めまして、幅広く報告書の中に盛り込んだというような結果になっております。したがいまして、今後この報告書をもとにさらに検討を加えまして、具体的な対策を取りまとめていくことになるというふうに考えておるところでございます。
○太田淳夫君 この中でちょっと二点だけお尋ねしておきたいと思うんですけれども、この報告の中でいろいろと自由に討議をされた問題点でございますが、「福祉医療制度(仮称)の創設の検討」という項目が一項目ございますが、ここには「医療保険制度における所定の保険料負担又は一部負担が困難な者を対象とする医療費保障制度の創設を検討する。」、こういうふうに述べられておりますけれども、これは生活保護を受けてみえる方の医療扶助制度のようなものとはどういうような違いがあるのかということが一点であります。 さらに、報告によりますと、「その際、合わせて公費負担医療制度、生活保護の医療扶助制度の基本的見直しを行う。」というふうにございますが、これはどういうような構想なのか、また今後こういった公費負担医療制度のあり方についてどのように考えていかれるのか、その点ちょっとお尋ねしたいと思います。
○政府委員(幸田正孝君) 福祉医療制度は仮称でありますけれども、この問題につきましてはその必要性も含めて検討してみよう、こういうことでございまして、一つの問題提起としてお受け取りをいただきたいのであります。 その問題提起の視点の一つがただいま御指摘のありました医療保険制度において恒常的に保険料を負担できないで他の被保険者の負担で給付を受けている者について、社会保険における公平の原則から見て検討の余地があるのではないかということであります。私どもは医療保険につきまして、医療費の適正化と並んで給付と負担の公平ということを掲げまして政策を進めているわけでありますが、そういった公平の原則から見て検討の余地があるのではないかという問題提起であります。 特に、国民健康保険につきまして、今後高齢化の進展あるいは産業構造、就業構造の変化等によりまして財政基盤がかなり脆弱することが予想をされるわけであります。このために財政基盤を強化する観点から制度の基本に立ち返って検討を進める必要があり、その際、現在国民健康保険では恒常的に保険料の四割ないしは六割を軽減をされておる方々が世帯数にいたしまして全体の四分の一程度に上っているわけでありまして、こういった世帯の方々をどうするか検討の必要があるのではないかということであります。 それから、第二の視点が、これも御指摘のありましたように、国民皆保険ができまして以来既に四分の一世紀が経過をするわけでありますけれども、公費負担と医療保険との関係をどう考えていくか、あるいは生活保護の医療扶助のあり方につきましては昨年の暮れに関係審議会から見直しの必要性について指摘をされているところでありまして、こういった点についても検討の余地があるのではないかと考えているわけであります。 いずれにいたしましても、福祉医療制度の提案は以上申し上げましたようなことの観点から問題の提起を行っているわけでありまして、今後私どもとしまして検討を進めたいと考えておりますが、広く議論の糸口を提起したものとお受け取りをいただきたいのであります。
○太田淳夫君 今一応概要についてお聞きしました。また、この議論につきましてはそれぞれのところでやっていきたいと思います。 次は、寝たきり老人の皆さんに対する対策の問題について触れておきたいと思うんですけれども、東京都の老人の生活実態調査を見ますと、寝たきりになられたその原因の第一は脳卒中ということでございますが、この脳卒中あるいはくも膜下出血などは大変恐ろしい、しかも厄介な死亡率の高いもの、くも膜下出血などは死亡率の高いものでございますけれども、これにつきましてはどの程度までその予知、予防が可能なのか。その点どうでしょうか。
○政府委員(仲村英一君) 御指摘の寝たきり老人の関係でございますけれども、おっしゃいましたように、東京都で調べました結果によりますと、寝たきりになる原因の一番多いのは脳卒中でございます。 この脳卒中あるいはくも膜下出血の予知の問題でございますけれども、現在の医学では非常に難しい問題でございまして、いつどのような形で起きるかということはなかなか予測、予知できないのが現状でございます。しかしながら、いわゆる基礎疾患と申しますか、基本的には例えば高血圧でございますとか動脈硬化でございますとか、いろいろ基礎的な疾患があるわけでございまして、そのような長期慢性め疾患について、その進行をとめるような形でいろいろ危険因子を排除していくというふうな方法はあるわけでございますけれども、脳卒中あるいはくも膜下出血の余知が可能であるまでにはまだ現在の医学は発展しておらないわけでございます。
○太田淳夫君 この寝たきりのお年寄りの皆さんに対しましては、やはりリハビリテーションの施設を整備することが重要な施策だと思うんですが、やはりこの予知、予防というものがさらに進められて、寝たきりのお年寄りの皆さん方の発生が抑えられることがやはり必要になると思うんですけれども、厚生省としましてはこういった問題に対してどのようなことを考えておりますか。
○政府委員(仲村英一君) 御指摘のように、寝たきりにならないようにするというのは非常に予防が一番大事だと私どもも考えておるところでございます。先ほどもお答えいたしましたけれども、いわゆる壮年期から地域住民を対象といたしまして、そういうふうな寝たきりになるような基礎疾患についての予防知識でございますとか生活の指導、健康相談、健康教育等いろいろな形で私どもとしては事業を進めていくべきだと考えておりますし、いわゆる健康診断、定期的な健康診断、こういうものもやってまいらなければいけない。さらには、軽度なうちに機能回復を図るというふうなことで、リハビリテーション等も実施するというふうなことで、これは老人保健法その他の施策といたしまして私どもさらに拡充、発展を図ってまいりたいと考えております。
○太田淳夫君 老人保健法改正案にはこの老人保健施設の創設ということがうたわれていますけれども、この施設はどういうものをおたくは考えてみえるのか、あるいは今までございます特別養護老人ホームとどのような点が違っているのか、その辺はどうですか。
○政府委員(黒木武弘君) 寝たきり老人関係で御質問でございますけれども、今回御指摘のように老人保健法の一部改正で老人保健施設の創設をお願いしているわけでございます。私どもといたしましては、今後の人口の高齢化の進展に伴って寝たきり老人が相当増大をするであろうと、この対応が急務になっておるというふうに認識をいたしております。 先ほどお尋ねにありましたように、寝たきり老人の予防対策というものも非常に重要でございますけれども、やはり今後増大いたします寝たきり老人等の要介護老人の対策が非常に重要であろうというふうに認識をいたしております。これらの方々に対しまして、手厚い看護なりあるいは介護、あるいは機能訓練などの医療サービスにあわせまして、日常生活面でのサービスを提供する新しい施設がどうしても必要だというふうに考えております。現在はこういう施設がないために、介護を必要とするお年寄りの方あるいはその家族の御苦労は大変なものと察せられるわけでございますし、また長期入院の老人がふえているのが実情でございます。これらの方々の切実な要望にこたえるために、今回老人保健法の改正において老人保健施設の制度化を図ろうとしているものでございまして、これによりまして寝たきり老人等の要介護老人の多様なニーズに対応できるというふうに考えております。 さらに、この施設が特養ホームとどこが違うのかという御指摘でございますが、御案内のように特別養護老人ホームは、在宅での介護が困難な寝たきり老人を入所させて介護等の日常生活サービスを提供することを目的といたしております。一方、老人保健施設は、介護、看護、機能訓練、検査、投薬、処置等必要な医療をあわせ行うということとともに、あわせまして日常生活サービスを提供することを目的といたしておりまして、医療ケアのこういう施設であるというふうに考えられます。また、利用面におきましても、特別養護老人ホームは役所による措置であるのに対しまして、老人保健施設は要介護老人と施設との間の契約による利用であるといったような相違があるというふうに考えております。
○太田淳夫君 いろいろと福祉関係者の皆さんのお話も聞いてまいりますと、どうもこの新設につきましては、もともとこの特養ホームに医療機能を持たせ質量ともに充実を図ればこれを十分果たしていけるんじゃないかという御意見もありますし、あるいは特養ホームの拡充には費用がかさむため、厚生省としてはこういう安価でありまた医療費抑制につながる施設としてこういうものを考えているんじゃないか、こういうような意見も中にはあるわけですが、その点についてはどのようにお考えですか。
○政府委員(黒木武弘君) 先ほどお答えいたしましたように、人口構造の高齢化に伴いまして今後大幅に要介護老人が増大をするであろう、そしてその方々のニードも多様化するであろうと予想いたしておりまして、この問題への対処は緊急な課題であると考えておるわけでございます。このため、特別養護老人ホームの整備は今後とも積極的に推進していく考えでございますけれども、これは主として生活サービスを中心に提供する特別養護老人ホームの整備のみによっては、今後の要介護老人の増大や医療面を含めてのニードの多様化ということに必ずしも対応することは困難ではないかというふうに考えております。 今回の老人保健施設の創設につきましては、こうした考え方に基づきまして医療サービスと生活サービスを必要とする要介護老人のニードに積極的に対処することを目的として考えておるわけでございまして、単なる財源対策として御提案申し上げているものではないということで御理解をいただきたいと思います。
○太田淳夫君 先ほどのお話の中にも、特養ホームにお入りになれない寝たきりのお年寄りの方は全国に約四十万人いる、また現在特養ホームヘ入所資格がありながら待機中の方が一万五千人から約二万人ぐらいがおいでになるわけですけれども、やはりこれらの人たちは在宅あるいは病院にいて看護を受けているわけでございますけれども、先ほども局長から話がありましたように、在宅の場合には家族の皆さん方の肉体的、心理的、経済的な負担というのはますます重くなることは指摘するまでもありません。一方、病院に入院をされている場合でも、特養ホーム入所者との間の負担格差がふえておるわけでございますから、待機者の間に不満が広がっている。 したがって、先ほどもちょっと話をしましたけれども、特養ホームがやはりそういった医療機能を持ち、質量ともに充実をしていれば、新たにそういうような施設をつくる必要がないんじゃないかと思うわけですね。ですから、さらに特養ホームの一層の整備について取り組んでもらいたい、このように思うわけでございますが、今後の展望についてさらにもっと詳しくお話ししていただけませんか。
○政府委員(小島弘仲君) 特養の整備の状況でございますが、六十年度末で、六十年度の整備を含めますと箇所数で千六百四十九カ所、それから収容定員数で十一万九千六百という数字になります。が、先生御指摘のようにまだ待機者が約二万程度いる。また、高齢人口の増加とともにその数も逐年ふえてまいるだろう、対象者の数もふえてまいるだろうと考えておりますので、社会福祉施設の中でも特養の整備は最優先として考えております。今後は御提案申し上げております老人保健施設等の機能分担を明確にしながら具体的な需要に応じた計画的整備を図ってまいりたい、かように考えておるところでございます。
○太田淳夫君 またもう一点では、こういうような新しい施設をつくることによって、これは民間活力の導入ということも考えておられるんじゃないかと思いますが、それだけいろんな面で負担がお年寄りの皆さん方あるいはその家族の皆さん方にかかってくるということも考えられるわけですね。その点私たちもこの問題については考える必要があるんじゃないかと思っておりますけれども、その点はどうでしょう。
○政府委員(小島弘仲君) 確かに施設の体系によりまして、例えば入院の場合ですとこれは医療給付という形でございますので、所得の状況にかかわりなく原則としては、低所得者の高額医療費制度等がございますけれども、原則としては一律の負担という形になります。一方、福祉施設でございますと、これは所得の状況に応じた御負担ということになりまして、ある所得階層を比べますとどちらが得とか損とかという状況が出てまいることは御指摘のとおりでございます。ただ、これは制度の仕組みの違いでやむを得ない面もあろうかと考えますが、全施設を通じました費用負担のあり方という部分については、特に特別養護老人ホームあるいは老人保健施設等の兼ね合いで十分今後検討してまいらなければならないと考えております。
○太田淳夫君 この法案についてはいろんなほかに問題点がありまして、さらに論議をしていきたい、このように思います。 次は、時間がなくなっちゃったんですが、年金の問題に入る前に中毒情報センターについてちょっとお尋ねしておきたいと思うのですが、この中毒情報センターについては我が党としても中毒一一〇番ということでかねてから提唱しておりましたけれども、このセンターづくりについていろいろ厚生省として取り組みが弱くなっているのじゃないかと思いますが、この点どうですか。
○政府委員(竹中浩治君) 中毒情報センターにつきましては私どもも大変重大な関心を持っておるわけでございまして、現在日本救急医学会が中心になりましてその設立の準備を鋭意進めておられるわけでございまして、厚生省といたしましても正式に設立認可の申請があり次第速やかに認可をいたしたいというふうに考えております。
○太田淳夫君 これは報道されているのを見ますと、企業からの寄附が思うように集まらないからということで、筑波と大阪の二カ所同時開設の計画を変更すると、こういうことも報道されておるわけでございますけれども、もっと積極的にこれは取り組んでいかなきゃならない問題であると思うのですが、その点どのようにお考えになっていますか。
○政府委員(竹中浩治君) 御承知のような御時勢でございますので、なかなか財界等の寄附もスムーズにいかないという面は確かにございます。しかし、私ども設立準備委員会からの御要請もございまして、関係団体あるいは財界等につきまして中毒情報センターの必要性なり意義なりというものを御説明いたしておりまして、そういった点で設立準備委員会で早くこの認可申請ができるように私どももバックアップをいたしておるわけでございます。 この中毒情報センターの事業内容等につきましての具体的な問題につきましては、近く設立準備委員会がまた開かれまして検討をされるというふうに聞いておるわけでございますが、今、筑波とそれから大阪の二カ所というようなことで従来準備が進められておったわけでございますけれども、それぞれ地元の準備の都合で二カ所が同時に発足できないという場合もあり得るということは聞いております。
○内藤功君 本法案によりますと、国立柏病院、これは予算病床二百床と国立松戸療養所四百床、これを昭和六十一年度から統合に着手するということであります。合計すると予算上の病床は六百床となりますが、計画を見ると今後四年間で四百二十五床ということにする。つまり、百七十五床だけ減らして運営するということになっております。 そこで、次の二点、御質問ですが、第一点はなぜ柏と松戸を選んでそれを統合することにしたのかという理由、これが第一点。もう一つ、統合するといずれか一方の病院が移転するのか、それは決定しているのかどうか、それとも二つのいずれでもない第三の地点に施設を新設するということなのか。以上二点をまず伺いたい。
○政府委員(木戸脩君) まず柏病院と松戸病院の統合の理由でございますが、がん対策というのは非常に今日の国民的課題でございます。国立病院・療養所としても、がん対策の一層の充実を図るというためには、国立がんセンターの病院部分の拡大が急務になっているわけでございます。しかし、同センターの敷地あるいはその他の要素を加えますと、やはりもうがんセンターの拡張というのは限度にきているわけでございます。 そこで、近接する国立病院・療養所においてやはり国立がんセンターの病院機能の一部を担ってもらうということが必要だという前提に立ちまして、松戸病院につきましては結核を長年担当してきたわけでございますが、最近は肺がんの診療ということについては非常に機能が高くなっております。一方、柏病院でございますが、柏病院は先生おっしゃったように二百床ということで地域の一般的医療を担当しておりますが、診療圏も柏市とその隣接市、町に限定されており、国立として今後単独で整備するというわけにはまいらないわけでございます。そこで、松戸病院と柏病院を統合いたしまして、その内容の充実を図って、いわば国立がんセンターの第二病院としての機能を発揮させたい、こういうことでございます。 それから、柏病院と松戸病院の統合後の新病院の設置場所の御質問でございます。最終的に決まったわけでございません、多角的に検討しておりますが、今のところ第三の地点ということで、同じ国有地同士がいいだろうということで、米軍の通信基地の跡が柏にございますので、そこを一つの候補としていろいろ関係各省等と折衝をしているところでございます。しかしながら、いずれにしてもまだ決まったわけではございません。
○内藤功君 柏と松戸を統合すると施設のベッド数はどれぐらいになるんですか。もう一つ、看護婦さんの数は現在より減るということはこれはあってはならぬと思うんですけれども、その点どう考えておられますか。
○政府委員(木戸脩君) 柏病院と松戸病院の統合につきましては、昨年の八月に発表したわけでございますが、先ほど先生からもお話がございましたように、スタートの時点においては四百二十五床ということでスタートをするということで私どもは考えておるわけでございます。 それで、御質問の看護婦さんはどうなるのか、こういう御質問でございます。現在松戸病院は四百床で百七人、柏病院の方は二百床で四十九人、こういうことになっているわけでございます。最終的にどういう内容にするのか、診療機能をどういう内容にするのかという点は決まっていないわけでございますので、まだ看護婦数をどういうふうにするかという点についてはお答えを申すことはできませんが、松戸病院と柏病院の統合したものをいわば第二がんセンターにするということであれば、やはり医療スタッフ、特に看護婦についてはかなり充実をしなければならないという点があるわけでございますので、御心配のような点は見込みとしてはないのではないかというふうに考えられますが、まだ断定的にここでどういうふうになるかということは申し上げる段階ではございません。
○内藤功君 それでは関連して、現在東京都中央区築地にあるがんセンター、これは定床のベッドは幾らでありますか、またその看護婦さんの数は何名か、一番最近の数字でお示しいただきたい。
○政府委員(木戸脩君) 六十年度の入院定床は五百三十一床、それから看護婦の定員は二百九十八人となっております。
○内藤功君 次に、経営移譲の問題です。 六十一年の一月九日に発表された国立病院・療養所の再編成についての全体計画、この三項の(3)を見ますと、これは「統廃合及び経営移譲を行う施設の選定基準」ということになっておりまして、アイウエオのイに「経営移譲を行う施設の選定基準」というのが書いてございます。 そこで具体的にお尋ねしますが、秋田にあります国立療養所秋田病院、これが移譲の対象となっておるようですが、これは三つの基準から見ますとどの項目に当たるんですか。
○政府委員(木戸脩君) この秋田病院と道川療養所の問題につきましては、これは秋田病院は一言で言えば移譲と新聞発表等ではなっておりますが、私ども一月九日公表をいたしまして地元に通知した内容はこういう内容でございます。地元の県あるいは本荘市、それから岩城町に通知した内容はこういうような内容であります。 秋田の重症心身障害児者のベッドと結核患者のベッドの一部の機能を道川に統合する、つまり秋田と道川の一部を統合する、それから秋田の残る機能は他の経営主体に移譲する、こういうことでございまして、先生がどの基準に該当するのかということから言えば(ア)の「近隣の医療機関の状況」、それから(イ)の「診療機能」のうちの「一般的医療の占める比率」というところ、強いて言えばその二つの項目を総合的に勘案してと、こういうことでございます。
○内藤功君 そこで、厚生大臣にできればこれはお答えいただきたい点が今の問題で四点ぐらいあるんですね。時間の関係でまとめて質問しますが、一つはこの病院の移譲を希望している地元の農協立の病院があると聞いておりますが、この点はどのように御認識なさっているかという点が一つ。 それから二点目は、さっきのお話でここには重症心身障害児の方の施設とそれから結核病棟がありますが、もう一つ残る機能とさっき審議官おっしゃった小児ぜんそくの病棟、科目がある。そのうち小児ぜんそくについては地元の農協立の病院は移譲を希望するが、ほかの方は要らない、こういうお話があるというふうに私はいろいろなところから聞いているわけですが、厚生省とこの秋田の病院または受け入れ希望先との間で何か具体的なお話があるのかどうか、これを承りたい。 それから三点目は、そのことにつきまして地元の自治体やあるいは当該病院の職員組合の皆さんとの間で納得なされているのか、かなり反対の意向が強いと私は聞いております、どうなんでしょうか。 最後に、この点の四点目につきましては、移譲の際に既存の診療科目や土地など不動産の一部をいわば切り売りですね、一部を売買譲渡するということを認めるのかどうか。これは一般論としてで結構ですけれども、この四点ですね。私一つ一つ聞きたいんだけれども、非常に時間が制限されているものですから、まとめて四点、具体的にお答えいただきたいと思います。
○政府委員(木戸脩君) 私から、細かい問題でございますので御答弁を申し上げます。 秋田病院の移譲先は厚生連がどうかという御質問でございます。今、国会の方に再編の特別措置法を出しているわけでございますが、厚生連としては条件が合えば引き受ける意思はあるということでございまして、これについては県も、厚生連が引き受けるということは地域医療、秋田県の全体の医療のために役立つというふうに考えているようでございます。 それから、どのような機能を統合後の新病院に移し、どのような機能をいわば他の経営主体に譲るかという問題で、今先生から小児慢性、脳血管障害等の慢性疾患の話がございました。これにつきましては、私どもは一月九日の段階におきましては重心と結核の一部、つまり長期入院でかなり国立として受け取るにふさわしいというのは受け取るが、その他の機能は他の経営主体、こういう話にしてございます。具体的にこれから御相談をしてまいりたい、つまりまだリストアップをしたばかりでございまして、実施はまた別でございますので、この点につきましては地元の県あるいは市、町も含めまして十分これは検討をしてまいりたい、つまりまだその点ははっきり決まってない、こういうことでございます。 それから、地元の自治体、職員等の同意があったか、こういうことでございます。この委員会でも何遍も御審議がございますが、地元の自治体あるいは職員も、端的に申しまして国立はそのまま残してむしろ強化をしてほしいということでございますし、この両施設についてもそういうようなことでございます。ただ、私どもといたしましては、地元の秋田県についてはかなり以前からいろいろ情報の交換もしてまいりまして、十二月には厚生省の内意というのは話してございますし、地元の本荘市、岩城町には一月の公表の前の段階で正式に地方局長から話をしている、こういうことでございます。 それから、移譲の際に切り売りをするかどうか、こういうお話でございます。国民の非常に大切な財産でございまするし、また我々としても国立病院・療養所のために、あるいは後医療のために有効に使わなければならないというふうに考えているわけでございますが、具体的にどういうケースの場合にどうするかという点につきましては、これはいわば特別措置法の運用の問題でございます。いずれにいたしましても、国立病院の機能の強化あるいは後医療の確保というものに十二分に生かしていきたいというふうに考えております。
○内藤功君 秋田病院について私なりに調べてみましたが、予算上の病床は三百三十床ですが、能力としては四百三十床のベッドを持っておる。重症心身障害児の養護学校も併設されております用地元だけでなくて全県下広域的に対処しておる。さっき言ったような小児ぜんそく、結核、重心の専門病院として県内有数の評価を受けているというふうに聞いております。厚生省が示しておる経営効率上のいわゆる三百床以下という基準から見ましても百三十床もクリアをしておる、こういうふうに私は理解をしておるわけです。今、審議官が、地元自治体や職員組合においてもこれを国立として強化、残してくれという意見が強いと言ったけれども、まさにそういう意見が強いのであって、私はこういう一方的な強行をなさることについては、強くこれは反対の意向を表明をしておかなくちゃいかぬと思うんです。 そこで、最後に大臣に締めくくりの意味でお伺いをしたい。 厚生省は、療養所、国立病院の再編成を今後十年間の期間を費やして、七十四カ所もの施設を統廃合及び経営移譲して、現行の三分の二の体制を強行しようとしておるわけです。全国自治体のうち約九割の二千九百三十五自治体の反対決議が三月末現在ある。これはやはり非常に大きな重みだと思うんですね。これはいかに今の地方自治体が国立医療というものに期待をかけているかということの私は証拠ではないかと思うんです。文字どおり地方議会におきましては、これは私の見るところ各党派一致の決議であります。地域に根差して地域とともに発展してきた国立医療ですね。 特に、私は山間僻地や離島の方々など、いろいろ視察で行きますと切実な陳情をいつも聞くわけですよ。国立だけしか頼れないという地域がかなりあるわけです。そういう真剣なやはり意見を聞かないで一方的にもし強行するということがあれば、これは絶対にあっちゃならぬというふうに思うわけです。 重ねて大臣のこの点についての御所信を、明確なところを伺っておきたいと思います。
○国務大臣(今井勇君) この再編成というのは、たびたび申し上げますが、地域にとりまして大きな問題でありますことは承知はいたしております。しかしながら、今回の再編成というのは、何遍も申し上げるようでありますが、国立病院というようなものがより広域を対象といたします高度な専門医療などの国立医療機関としてふさわしい役割を果たすために、どうしても避けては通れない道であると考えているわけであります。それは何遍も申し上げますように、財政状況等からなかなか病院の整備あるいは人員の確保というのが極めて困難である以上、私どもは、国としての医療機関としての役割を果たすためには、どうしても整理統合と申しましょうか、まとまってやっぱり集約された形でこれからいかなきゃならぬというふうに思っているわけであります。 しかしながら、計画の実施に当たりましては、これまたたびたび申し上げますように、地域の医療の確保というものにつきまして県だとかあるいは市町村といった地元の方々と十分協議をいたしまして、理解と協力を得ながらやっぱりしなければならぬ、こう思っておるものでございまして、十分話し合って理解してもらう努力を今後も続けたいと思っております。
○委員長(亀長友義君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 ―――――――――――――
○委員長(亀長友義君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、鈴木省吾君が委員を辞任され、その補欠として柳川覺治君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(亀長友義君) これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○穐山篤君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました厚生省設置法の一部を改正する法律案に反対の討論を行うものであります。 反対の第一の理由は、本法律案の内容が国会の審議権を著しく制約していることであります。 本来、単独の施設等機関は一つ一つ法律で規定すべきものでありまして、特に国民の今、健康を守るための厚生省のナショナルセンターは、その機能強化を図りながら疾病名を列記して法律で規定すべきであります。 しかるに、今回の措置は、厚生省の施設等機関である国立がんセンター及び国立循環器病センターを法律の規定から削除して、国立高度専門医療センターという抽象的な名称の機関を設置し、このセンターの中に、国立がんセンター、国立循環器病センター及び国立病院、国立療養所の再編成計画の一環として本年十月から新たに設置することを予定している国立精神・神経センターを含め、これらの個別の名称及び所掌事務は政令で定めることとしているのであります。 このことは、今後新たにナショナルセンターを設置する場合でも、そのたびごとに法律の改正を要しない条件整備を図ろうとするものでありまして、国会の審議権を著しく制約することになり、私どもとしては断じて認めることができないのであります。 反対の第二の理由は、今回の措置が国立病院・療養所の再編成計画の基盤整備に通ずることであります。 国立病院・療養所は、戦後四十年余にわたり、憲法の精神に基づき国民の命と健康を守るため、地域住民に密着した医療に貢献してきたのであります。しかるに、政府は国民や自治体の要望を無視し、地域一般医療から撤退することを前提として、高度専門医療にその役割を限定する国立医療機関の縮小再編成を図るために、全国二百三十九カ所の国立病院・療養所の三分の一に当たる七十四施設を統廃合によって切り捨てようとしているのであります。 これらの統廃合の対象となっております施設は、辺地や山間部の温泉病院など、採算が合わない、民間や自治体でも消極的なところが多いのでありまして、このような再編成計画が実施に移されることは医療の公共性が突き崩されるると言わなければなりません。このような部面にこそ国が責任を持って地域医療の充実を図るべきであります。 政府が意図しております国立病院・療養所の再編成計画が実施に移されることになれば、現在の国立病院や療養所よりも水準の低い医療施設が拡散されることになるだけであり、また国が高度専門医療を推進するといたしましても、各県ごとの医大病院との関係もあって、国の機関は医大病院の出先となるような中途半端な存在にしかならない懸念があるのであります。 政府は、昭和二十七年に国立病院六十の施設の地方への移譲を計画したのでありますが、地域住民の反対に遭い十施設だけで挫折した前例を想起すべきであります。 国鉄赤字ローカル線廃止の病院版と言われる国立病院・療養所の再編成計画は、単に国費の効率的、合理的な使用を図る行革の観点からの図式だけのものでありまして、そこには、医療が国民の健康を支える命綱であり、それぞれの地域や病院の特殊事情は全く含まれていないのであります。 このような再編成計画は即時中止すべきであり、この再編成計画の基盤となっております本法律案には賛成することはできないのであります。 以上、私は、二点に絞って反対の理由を述べてまいりましたが、政府は国立病院・療養所の充実と存続を求める地域の声に率直に耳を傾けるべきであることを要望いたしまして、私の反対討論を終わります。
○内藤功君 私は、日本共産党を代表して、厚生省設置法の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行います。 本法案は、今後十年間に国立病院・療養所を二百五十三カ所から七十四カ所も減らす国立病院等の再編成に伴う特別措置法案と表裏一体の関係であり、国としての責任と自覚を放棄し、多くの国民を犠牲にした地域医療からの撤退準備であります。 我が党は、高度医療の機能強化、全国センターの設置そのものは当然であり、あわせて既存の国立医療こそ一層の強化、充実を図るべきと考えております。しかしながら、本法案には次のような問題があり、到底賛成できないのであります。 以下四点にわたり反対理由を述べます。 まず、反対の第一の理由は、武蔵療養所、同神経センターと風立精神衛生研究所を統合して、精神・神経センターとして発足させようとしておりますが、本来この研究所やセンターは研究対象や研究手法が全く異質なものであり、それぞれ独自に機能を充実してナショナルセンターとすべきであります。 第二に、長年にわたり地域住民から大きな信頼を得て築き上げてきた地域の規範的医療施設である国立療養所や国立病院にもかかわらず、統廃合の後、何ら代替措置が示されていない点であります。 第三に、今後療養所等の統廃合によって、養護学校の統廃合問題は避けて通れない問題であります。重症心身障害児や肢体不自由児の方々の憲法二十六条に定める教育を受ける権利が脅かされようとしている点であります。統廃合、経営移譲によって養護学校の移転が環境の悪い地域、敷地の狭いところへ行ったり、また学校そのものが廃止されることがあります。 第四に、厚生省は、疾病構造の変化等に機動的に対応するためと称して、ナショナルセンター設置について、総称だけを法律事項とし、従来疾病ことの名称にしていたセンターを政省令事項としたことであります。これは、改正によって今後すべてを政省令で自由にしようとするものであって、国家行政機構法定主義を形骸化するものであります。また、国権の最高機関である国会の直接のコントロールから免れようとするもので、誠に遺憾であります。 以上が反対の理由であります。 本法案に反対する意思を表明いたしまして、私の反対討論を終わります。
○委員長(亀長友義君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 厚生省設置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(亀長友義君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(亀長友義君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午前十一時四十三分散会 ――――◇―――――