逓信委員会 第10号
- 発言数
- 213 件
- 登壇者
- 10 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/05/13
会議録
○委員長(大森昭君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四月二十三日、栗林卓司君が委員を辞任され、その補欠として中村鋭一君が選任されました。 また、昨十二日、中村鋭一君が委員を辞任され、その補欠として山田勇君が選任されました。 —————————————
○委員長(大森昭君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に社団法人日本民間放送連盟事務局長長竹成吾君、社団法人日本有線テレビジョン放送連盟常任理事母袋恭二君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(大森昭君) 次に、有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。佐藤郵政大臣。
○国務大臣(佐藤文生君) 有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、テレビジョン放送等の再送信の円滑かつ適切な実施を図るため、再送信の同意に関し、当事者間で協議が調わない等の場合の措置として、郵政大臣の裁定の制度を設けようとするものであります。 その内容は、テレビジョン放送またはテレビジョン多重放送の再送信の同意に関し、有線テレビジョン放送事業者と放送事業者との間で協議が調わない等の場合の措置として、郵政大臣のあっせんの制度にかえて、郵政大臣の裁定の制度を設け谷こととし、これに関する所要の手続等を定めるとともに、郵政大臣による再送信の同意をすべき旨の裁定が当事者に通知されたときは、その裁定の定めるところにより、当事者間に協議が調ったものとみなすこととしております。 また、郵政大臣は、再送信の同意に関し裁定をしようとするときは、政令で定める審議会に諮問しなければならないこととしております。 なお、この法律は、公布の日から施行することとしております。 以上がこの法律案を提出いたしました理由及び内容の概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(大森昭君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○片山甚市君 この法案の審議に当たりまして、改正条項はただ一条でございますから非常に簡単でございますが、内容的には大変問題が多いという立場から、若干詳しく質問いたしますので、時間の制約もありますから、回答についてはできるだけ簡明にお願いをして、進めてもらいたいと思います。 これを勉強するに当たりましては、関係の人々との間に十分な事前討議をしてまいりましたけれども、それでもなおかつ納得ができないので委員会においてのお話をすることになりました。勉強していないのでなくて、わかったから質問をしているのでありますから、わからぬ者に対して説明するようなことはやめてほしい、委員会の会議録は後に残りますので、一般的な宣伝紙ではありませんから。そういう意味で、大臣、局長あたりで答弁をするときには明確にお答えを願いたいということを要望しておきます。 そこでまず、CATVの設置目的、CATVが果たしてきた役割、今後におけるメディアとしてのCATVの位置づけについて説明をしてもらいたいと思います。
○政府委員(森島展一君) CATVは、テレビジョン放送の初期におきまして山間辺地等テレビの見えにくい地域で共同でテレビ局の電波を受信することから生まれまして、その後、都市におきまして高層建築物による受信障害、これの解消策としても広く活用されるようになってきました。このようにCATVは難視聴解消を主目的として発展してまいりましたが、ケーブルの伝送容量が大きいという特徴を生かしまして、近年、自主放送を行う者が増加してきております。今後は、多チャンネルという特色を生かしてコミュニティーの情報手段として、また専門情報の手段として新たな役割を担っていくということが期待されているところでございます。
○片山甚市君 そこで、今回の有線テレビジョン放送法の改正はCATVによる放送の再送信にかかわるものでありますが、再送信の目的、概念及びその実態についてどうなっていますか。
○政府委員(森島展一君) 再送信と申しますのは、無線の放送を直接受信いたしまして、これを有線電気通信設備によってこのCATVの受信者に送信するということを言うものでございます。 また、その再送信の実態でございますが、CATV施設が三万八千二百二十一ございます。これは昭和六十年度三月末現在の数字でございますが、このうち九九%に当たる三万八千百九十施設、これが再送信を行っております。
○片山甚市君 再送信に当たってはCATV事業者は放送事業者の同意を得なければならないとCATV法第十三条二項にありますが、この同意条項の趣旨はいかなるものでありますか。
○政府委員(森島展一君) CATVによる再送信という行為によりまして、放送事業者の放送の意図がその意に反して害される、または歪曲されるというような事態を防止しまして放送秩序の維持を図るということが趣旨でございます。
○片山甚市君 同意条項は、放送秩序の維持等の観点から、公法上放送事業者を保護するためのものであることを確認しておきますが、よろしいですか。 さて、今回の法改正への契機となったのは、CATVによる民間放送のいわゆる区域外再送信をめぐる同意についてでありますが、CATV事業者が区域外再送信を行いたいとする理由及びそれに対する郵政省の見解はどういうものですか。
○政府委員(森島展一君) 御指摘のとおり、同意制度は放送秩序の維持を図るために有線テレビジョン放送法という公法で設けられた制度でございます。また、区域外放送をCATVで受信することにより、より多くの番組を見たいというのがこの区域外再送信を行いたいとする理由であると考えております。 それから、地上波による放送がまだ十分行き渡っていない地域におきまして受信者のこういった要望が出るということは無理からぬものというふうに私ども考えております。
○片山甚市君 そこで、より多くの番組を見たいという受信者のニーズにこたえるためであると言うけれども、具体的にこれらの要求を持つ受信者はどの程度存在をすると把握されていますか。
○政府委員(森島展一君) ごく最近の例で申し上げますと、民放テレビが二チャンネルしか見えない地区であります北陸地方のある都市で、CATV事業者が地域住民を対象にアンケート調査を行った結果がございますが、これによりますと、区域外再送信を希望する者が全体の九割近くに上る、こういう数字が出ております。
○片山甚市君 ごく一部の例でありますが、全国を眺めてみて聞きたかったんですが、それでよろしいです。 現在、区域外再送信の同意を得られないCATVは九社にすぎない。そこにおける受信者のニーズがあるからといって法改正する必要があるんですか。先ほどおっしゃったように三万八千二百ほどのCATVがあったうちの、問題があるのは九社ですが、なぜそうなっておるんですか。
○政府委員(森島展一君) 現在のところ未解決の事例は放送事業者にして二十二件でございまして、CATVの局数で、おっしゃいますように九局でございますが、今後の動向といたしまして、単なる難視聴対策用ではなくて、区域外の再送信等を行うCATVが非常に多くなってくるというふうに思われます。これについて、この再送信同意問題を解決するための方途を制度的に講ずる必要があるというふうに考える次第でございます。再送信同意をめぐる問題が表面化してまいりましたのも、こういったタイプのCATVが出てくるということに伴ってのことでございます。
○片山甚市君 そこで、民放の方々の経営の事情とCATVの経営の事情とがかち合って国民をだしにして、それぞれ経営をどういうふうに確立するかということから、意見については必ずしも調整ができてないと思っておる立場から質問します。 今後、多チャンネル化への地域住民の要望にこたえるため、区域外再送信を行いたいとするCATVが増加するといたしましても、多チャンネル化を区域外再送信という手段によって満たすことは、CATVの健全な発達を図るという法の精神及び地域メディアとしての性格に照らして適当でないと思うんですが、区域外再送信を当てにしたCATVというのはヤドカリであって、人のふんどしで相撲をとるたぐいでありますが、どうですか。
○政府委員(森島展一君) CATVは多チャンネルという特色を生かしまして、コミュニティーの情報手段として、または専門情報手段として新たな役割を担っていくということが期待されているところでございます。 しかしながら、この場合でありましても、再送信の機能ということにつきましては、地上波放送を補完するものとして地方における多チャンネル化の要望にこたえる、また大都市地域におきましてはより鮮明な画面を見たいという要望にこたえる、こういう手段といたしまして、それぞれの地域におきまして役割を果たすことが期待されているところでありまして、地域メディアとしての性格を変えるというものとは考えておりません。
○片山甚市君 まあ、これはこじつけですが、多チャンネル化は本来的には地域に密着した自主放送や番組ソフトの充実において行われるべきであり、区域外再送信はCATVの不健全な発達を助長するものであると思うが、どうですか。やはり再送信に頼ることは不健全だと思いますが、そう思いませんか。
○政府委員(森島展一君) おっしゃいますように、地上波による放送の普及につきましては、地域に密着した自主番組の放送にできるだけ力を入れてもらうということを基本的方針の一つとして進めてきております。この区域外再送信は、地上の放送が十分に行き渡っていない地域におきまして、もっと多くの番組を見たいという視聴者の要望を受けまして、いわば地上波放送の補完的機能として行われておるというものでございますので、CATVの不健全な発達につながるということには考えておりません。
○片山甚市君 CATVは自前の番組を持つことは非常に困難だから他の放送番組を借り出すということによって自主番組をアレンジする、主役は再送信に頼りたいということであるようですから、不健全だと思うんです。と思いますから、それは見解の相違ですから、後日そうなるかどうか。今のようにCATVが小さければよろしいが、大きくなったならば争いは大変大きなことになるでしょう。 そこで、この区域外再送信の同意をめぐってCATV事業者と民間放送事業者との間で争いが生じているわけだが、民放が再送信に同意しない状況及びその理由について郵政省はどのように把握されていますか。
○政府委員(森島展一君) この再送信の同意がされていない状況につきましては、先ほども数を申し上げましたが、私どもの承知いたしますところでは、再送信同意を与えていない民放事業者が二十二、再送信同意を得られないCATV事業者が九ということになっております。 また、この再送信同意をしないという理由につきましては、CATVによる区域外再送信は地上波によるテレビ放送のチャンネルプランを形骸化するということを主な理由としているというふうに承知しております。
○片山甚市君 それについては郵政省は納得してないということですか。
○政府委員(森島展一君) 区域外再送信におきまして、これがCATVの方で再送信がどんどん進むとチャンネルプランの形骸化になる、こういう民放の方の理由でございますが、私どもとしましては、実態としてこのCATVというのがまだ非常に規模が小さくてとてもチャンネルプランの形骸化というようなことにはなっていないし、また近い将来にもそういうことにはならないというふうに考えております。
○片山甚市君 今の話によると、民放が区域外再送信に同意しない理由として、第一に地上放送のチャンネルプランが形骸化することを挙げているが、CATVによる区域外再送信と現行チャンネルの整合性については、CATVが小さいから整合性は保たれておる、こうおっしゃっていますが、大きくなったときは改めますか、CATVが大きくなったとき。
○政府委員(森島展一君) 区域外再送信と申しますのは、地方において地上波の放送が行き渡るまでの間ほかの県の放送をあわせて見たいというものでございまして、その受信者にとっては自己負担ということであるわけでございますので、いわば次善の策としての意味合いを持っておるものでございます。したがって、CATVの再送信というようなことが相当進みましても、それはそれなりの意味を持つということで考えておりますが、先ほどの繰り返しになりますが、そういった大規模な区域外の再送信ということにはなかなか実態としてならないだろうというふうに思っております。
○片山甚市君 くどく聞きますが、地上波の放送のチャンネルプランを形骸化するということにならない確信があるからこれを決めた、こういうことですか。
○政府委員(森島展一君) 遠い将来におきまして確かに地上波の放送とCATVとの関連がどうなるかという問題がございますが、これにつきましては長期的な放送政策という問題で考えておりますけれども、現時点あるいは近い将来におきましての問題といたしましては、視聴者のニーズにこたえるという観点からチャンネルプランの形骸化ということが実態的に起こらないという場合には区域外再送信ということを両当事者間の話し合いをもとに認めていくべきであろうというふうに考えております。
○片山甚市君 地上放送のチャンネルプランが形骸化しないということを前提にして再送信を認めていきたいということですから、とりあえず次の問題に移ります。 また、人的・資本的な地域独占制、放送サービスの地域密着性を重視してきた地上放送の免許制度との整合性が損なわれることを指摘しているのですが、民放として、この点についてはどうですか。 また、郵政省は受信機会の平等を図ることを放送行政の基本としておりますが、区域外再送信は地域内の番組格差の拡大につながるものであると思いますが、この点についてはどうですか。
○政府委員(森島展一君) 現行免許制度につきましては、おっしゃいますように地域密着性ということを重視してきておりますが、この区域外再送信が行われましてもその区域外を見たいという受信者の自己負担でやるということを先ほども申し上げましたが、そういった観点からこの地域密着性を損なうというようなものとなるというふうには考えておりませんし、また、地域内の格差の拡大につながるのではないかという御指摘でございますけれども、やはり受信者が自己の意思によって自分の負担でその地域において見たいと、こういうことでございますので、受信機会の平等という考え方に反するというような、否定的に取り扱うべきものではないというふうに考えております。
○片山甚市君 今の局長のお答えは、民放連の方々のおっしゃることについては賛成できない、こういう立場のようでありますから、後から民放連の方々、CATVの方々にお伺いして、その是非については明らかにしておきたいと思います。 次に、さらに、キー局から受けた番組を地元民放局よりもCATV局が先に放送することにより、地元民放局は経営上のダメージを受け、受信者に対する十分なサービスを行えなくなることも理由に挙げておられます。 私は昨年のテレビ朝日問題で指摘したように、現在の民放のあり方を必ずしも肯定するものではありませんが、地元民放局は経営上ダメージを受けることにより、番組等放送サービスに悪影響を生ずることを懸念するものであります。 地元民放局に与える影響について、郵政省はどのような見解をお持ちですか。
○政府委員(森島展一君) CATVによります区域外再送信が民放の経営に与える影響ということでございますが、少なくとも現状に関する限り、CATVの規模等から考えまして実質的にそういった経営のダメージというようなことはないものと考えております。 また、このCATVを設置いたしますには多額の資金を要しますばかりでなくて、計画から建設まで相当期間がかかりますので、そういった経営にダメージを与えるというような状況が近い将来において急に変わっていくというようなことはないものと見ております。
○片山甚市君 地元民放局に与える影響は大したことはないという判断だそうですが、せんだって民放連の方々に来てもらいましたが、必ずしもそういうようにおっしゃらないで、非常な危険を感じておるように感じておりますから、私たちとしては心配であります。 次に、現行法では、CATV事業者と放送事業者との間に再送信についての争いがあるときは、双方または一方は郵政大臣にあっせんを申請できると法十三条三項で規定されておりますが、あっせん条項の立法趣旨及びその法律上の意味について説明を願います。
○政府委員(森島展一君) あっせんと申しますのは、両当事者の話し合いを円滑に進めるためにその仲介を行う制度でございます。同意をめぐりまして放送事業者とCATV事業者との間に争いが生じた場合には、CATV事業者それから放送事業者、両当事者の言い分を十分勘案しながら話し合いを進めるという道を開くということがあっせんの趣旨であったというふうに考えております。
○片山甚市君 そのあっせんについてですが、あっせん申請についてはCATV法施行規則第三十条等に若干の手続が規定されておりますが、具体的にあっせん運用上の手続について説明してください。
○政府委員(森島展一君) あっせんの手続につきましては、御指摘のように、有線テレビジョン放送法施行規則第三十条に、「あっせんの申請は、争いの原因、当事者その他参考となる事項を記載した書面により行なうものとする。」と、これだけ定めておるところでございます。
○片山甚市君 そのあっせんですら事実上やったことがない、あっせん条項を適用したことがないということを聞いておりますが、非常に残念であります。あるならば正々堂々とやって、記録にとどめて、どのぐらいのあっせんをして、どういうことがあったのかということをしなければならないのにかかわらず、裁定をしなければ動かないから裁定をするということについては、何としても納得ができないところでありますが、次の問題に移ります。 現在においても、いわばCATV事業者を保護するためのあっせんの制度がありながら、実際上の手続が不備であることは言うまでもありません。それはもうあっせんの手続の不備です。やってないんですから、記録がないんですから、聞いても答える方は思いつきで言っておるのであって、法律案が出て、言われておるから仕方なく数字を集めて我々に説明しておる。非常に残念であります。 それでは、郵政大臣のあっせんの制度の適用状況及びその解決の事例についてもう一度説明してください。
○政府委員(森島展一君) 有線テレビジョン放送法で定められております法的手続としてのあっせんという事例は確かにございません。しかし、現実に各地で再送信同意に関する争いが発生しておりますので、地方電気通信監理局等におきまして事実上のあっせんをいろいろやってきております。現在係争中の二十件ばかりのケースにつきましても、それぞれすべて地方電気通信監理局におきまして再三にわたる話し合いの督促とか、話し合いの場を設定するとか、そういった事実上のあっせんを行っておるところでございまして、この二十二件のケースのほかにも、事実上のあっせんによって問題が解決したというものが、一部解決したというものも含めますと十数件ございます。
○片山甚市君 事実上のあっせんということで解決された事件が十数件あるということですが、それではあっせんにより解決されたものと未解決のものと、それぞれの事情についてどのような違いがあるんですか。
○政府委員(森島展一君) 解決されたものはすべて区域内再送信でございまして、解決されないものは区域外の再送信にかかわるものでございます。
○片山甚市君 ですから、区域外再送信というのについては、放送事業者とCATV事業者との間に意見が大きく違いがある、認識だけしてもらいたい。これを、未解決の事例についてはさらにあっせん努力を続けることにより解決できる余地はなかったんですか。
○政府委員(森島展一君) この未解決のものにつきましては引き続き努力をするつもりでございますが、従来の経緯からいたしますと、現行法の体制のもとではこれを解決に持ち込むというのは極めて困難ではないかというふうに考えております。
○片山甚市君 あっせんの制度ではだめで、裁定というだんびらがある限り、事実上のあっせんはできるけれども、今のままではできないという説明のようです。それについては関係者の御意見も聞きたいと思います。 法律上のあっせんの制度が適用されたことがなく、事実上のあっせんのみがなされていると言うが、その理由は何ですか。また、大臣みずからあっせんに乗り出す意向はございませんか。
○政府委員(森島展一君) 事実上のあっせんで争いが解決しないという案件は、いずれも再送信の方法などについて具体的な事柄をめぐって話し合いがまとまらないというようなことよりも、むしろ再送信そのものに同意しかねるというように、入り口の段階で手詰まりの状態になっておるというものでございます。したがって、問題を解決させるためには、法的な効果とか拘束力のある裁定の制度といったことを取り入れまして、これを後ろ盾として取り組むということがどうしても必要であるというふうに判断した次第でございます。
○片山甚市君 裁定を求めた郵政省の本音が明らかになったと思いますが、民放の区域外再送信に対する拒否については認めないという前提で裁定をつくりたいということです。 私たちとしては、やはり話し合いをして決めるべきだ、郵政大臣が出てでもやるべきだ、法律でやるべきではない。これはもう私の意見ですから、あなたたちは、いやもう話しせぬと問答無用でやってしまおうということ。うんと議論をすると、いや、こういうこと書いてあるので相手はあっせんに応じてくるんだ、裁定は適用しないんだと言うけれども、それは少し手錠をはめるぞと言っておどかしておいて自白させるようなもので、大変です。少しやり口がわからない。なぜこんな法律案を出したかということについて調べれば調べるほどわからないので言っておるんだから、反対、賛成まだ決めてないです。御答弁のいかんによっては反対になるし、御答弁のいかんによっては賛成になる、一行しかないんですから。同意事項を、あっせんを今度裁定にするというだけです。一行しかない法律案でこれだけやらなきゃならぬということは、放送というものについてはやはり公的な問題ですから、公共的なもので限られた電波の問題でありますから、民間放送の場合で地上波の場合は、ただチャンネルをつくれる立場のCATVとは違う。そういうことで、同僚議員の田委員の方でも意見があって私も議論を聞いておるんですから、しっかり承りたいと思います。 そこで、郵政大臣は現在のあっせん制度にかえて裁定の制度を設けようとするものであるが、現行の郵政大臣のあっせんの制度について民放連及びCATV連盟の見解を聞きたいんですが、まず民放連に先ほどからのお話を聞いて、大体そういうことではやむを得ないと思いますか、それともこの間聞いたように、具体的にこういうような条件でやってもらいたい、有線テレビジョン放送を守りたいということでございますか。 その後CATVの方は経営上の問題もありましょうから、なぜこういうことについて法律改正までお願いすることになったのか、いや、CATVが頼んでなかったのに郵政省が気をきかしてやったのかどうか、そこを聞きたい。 以上、どうぞお願いします、民放連。
○参考人(長竹成吾君) 初めに、従来あったあっせん条項を裁定に変えるという点について簡単に意見を申し上げます。 現在放送事業者が持っております再送信に関する同意の権利といいますのは、著作権法上で認められております有線放送権の行使ということでございます。有線放送権は、したがいまして法律上認められた財産権でございまして、この財産権はよほどの公益上のやむを得ない事由がない限り制限されるべきものではないんじゃないかというふうに考えるわけでございます。 今回のこの裁定に変えるという改正の趣旨は、どうも行政が強権によってこの放送事業者の財産権を制限しようということだと考えられますので、相当の理由、相当の裁定の基準、こういうものが明らかにされなければ、簡単には賛成できないという考え方を持っております。 以上です。
○参考人(母袋恭二君) 日本有線テレビジョン放送連盟の立場で一言申し上げたいと思います。 私どもケーブルテレビの事業者は各地で、各地方都市が中心なんですが、地元資本を中心にして地方の、地元の自主放送を実施しながら再送信もしているという現状がございます。 私のところを例にとりましても、私は長野県でございますけれども、地元の空中波と、それから東京の区域外波と、それから自主放送をやっているという施設でございますけれども、我々の仲間の状況を今まで見てまいりますと、同意書の交付のお願いについては大変皆さん苦労してまいりまして、全く同意が得られないままで事業を開始できないというふうな状況にいるところがたくさんございまして、私どもではこの二月に再送信条項の撤廃ということを郵政大臣あてに陳情をいたしました。今回の裁定というふうな法律案の改正につきましては、私どもがお願いをした再送信条項の撤廃ということよりは一つ下がっているということのように考えるわけでございますけれども、私どもとしましては、このことによって今後我々の事業が円滑に進んでいくんではないかと大変期待をしているわけでございます。
○片山甚市君 民放連とCATV連盟の御意見を出されましたが、そこで、同意条項の撤廃を求めたCATV連盟の方々と再送信に伴うところの番組についての固有の権利として著作権として位置づけておることについては調整をせなきゃなりません。それをされるについて、このようなあっせん制度がありながらそれを十分に活用しているとは言えない現状下で、調停、仲裁という制度を飛び越えて裁定という強い拘束力のある制度を設けた理由は何ですか。これだけ意見が違いますよね、意見が違うものを、なぜ飛び抜けて調停をしたり仲裁をしたりして、そして最終的には法的な拘束力を持つようなことにするような手順をせずに一挙に、あっせんもしなかったのに今度は裁定という権力を使うようになったのはどういうことですか。
○政府委員(森島展一君) 郵政省といたしましては、あっせんの制度のもとで何とか問題を解決するよう努力したつもりでございますが、先ほど申し上げましたように、この話し合いがいわば入口の段階でとまって手詰まりになっておると、こういう実情でございます。そこで、当事者同士の話し合いによる同意ということを基本としながら、何よりもその話し合いを実質的に行わせるための効果的な手だてが必要ではないかと考えまして、ほかの制度を参考にいたしましてこの裁定制度ということを取り入れる内容の法律改正を御提案申し上げた次第でございます。 ただ、この制度の運用に当たっては、裁定に至る前の段階で事実上のあっせんという努力を行うべきだ、当事者の話し合いで解決されるように努めるというふうにしなければならないと考えております。
○片山甚市君 法律つくるときの希望的観測でそうおっしゃるけれども、先ほど言いよるように、著作権としての財産権の問題と、もう一つは、それを自由に使いたいというところでは天と地の隔たりがあって大変難しいのにかかわらず、事実上のあっせんができると言うんなら、今までやられておるはずであります。今までやられなかったということがあるから裁定になったと思う。法律を通すためには、よく相談をして自主的に決めてもらいますと言っておるけれども、大変奇妙なことだと思います。最終段階で判断しますが、郵政省のおっしゃることについてそうだなと、そんなものかなと、これだけの意見の違いについてどちらが正しいと言っておるんじゃないですよ。意見の違いがあって、それを権力で抑えていくようなやり方についてはいかがなものかという考えです。 そこで、それでは裁定という制度の法律的意味と他の法律における裁定の制度の例及びその適用状況について、郵政省がわかっていれば答えてください。
○政府委員(森島展一君) 裁定と申しますのは、当事者の申請によりまして、紛争が生じたときにその紛争の解決を図るために第三者が介在する制度でございまして、公平な第三者が争いのある両当事者の主張を十分に聴取した上で結論を裁定として出しまして、これに両当事者が法的に拘束されるということになるものでございます。 裁定の例といたしましては、著作権法におきまして放送事業者と著作権者との間の放送の許諾に関するもの。それから特許法におきましては、特許発明の実施を希望する者と特許権者または専用実施権者との間の通常実施権の許諾に関するもの。こういったもの等、数にして七十を超える例があるように承知しております。また、この著作権法ですとか特許法におきましても、裁定というものは伝家の宝刀ということにしておりまして、その実際の適用はほとんどないというふうに聞いております。
○片山甚市君 特許法また著作権法については文教委員会で今審議をしておるんですね。もう既に決まったかもわかりませんが、改正についての法案が同時に進んでおるところです。 改正案によると、この裁定については、CATV事業者またはCATV事業者になろうとする者の側からしか申請できないことになっていますが、その理由は何ですか。
○政府委員(森島展一君) 再送信の同意は、放送事業者が一方的に行う行為でございますので、CATV側は同意を求めるという立場でございます。したがって、現実に放送事業者側から裁定の申請があるということは考えにくいわけでございます。
○片山甚市君 そこで、CATVの事業者が郵政大臣に対して裁定の申請ができるのは、放送事業者との再送信同意に関し協議が調わない場合または協議することができない場合としておりますが、そこで、協議することができない場合というのはどのような事情を指しますか。
○政府委員(森島展一君) 協議をすることができないといいますのは、CATV事業者が放送事業者に対して再送信同意の申請をしましても、それに対する回答が行われないとか、CATV事業者が誠意ある態度で回答を督促いたしましても責任者が誠意をもって応対しない場合、こういったことを指しております。
○片山甚市君 裁定については第三者が裁定をするということをおっしゃっておったんですが、この法律案を見ておると、CATVを育成したい、テレトピア構想の中核としても、将来の通信事業者にしても育てていきたいという郵政省の願望を込めた、CATVに肩入れをするための法案でありますから、主観的に必ずしも郵政省は第三者ということに私はならないと思っておるんです。法律上、郵政省がどこかに偏っておるんじゃないか。というよりも、CATVを育成したいという立場から、民放は兄弟である、だからそのぐらいのことをしてもいいじゃないかというように言っております。それについては私の意見ですから答弁要りませんが、どうも生臭い、やっていることがどこかでにおいがするという感じがしますね。 そこで、CATV事業者から大臣に対し裁定の申請がされたときには、大臣は放送事業者に意見を提出する機会を与えなければならないとしておるが、民放の区域外再送信において事実上問題となっているのは、例えば当事者であるCATV事業者とキー局との関係だけでなく、両当事者とは法律的には第三者にすぎない地元民放局の利害である。そして、あっせんにおいては、CATV事業者とキー局と地元民放局の三者の話し合いを行い得るが、裁定においては、制度上当事者間の関係を規律するにすぎない。 そこで、大臣の裁定の手続において、このような立場に置かれる地元民放局の意見はどのように反映されるのか。質問は、いわゆるこのような立場に置かれる地元民放局の意見はどのように反映されるのかについてお答え願いたいんです。
○政府委員(森島展一君) 再送信同意の問題につきましては、できる限り裁定に至る前の段階で事案の解決が図られることが望ましいと考えておりますので、当事者である区域外民放局からぜひ地元の民放局の意見も聴取してもらいたいといったような具体的な要望が出される場合には、地元民放局からの意見を聞くことにしたいというふうに考えております。
○片山甚市君 そこで、大臣は、再送信を同意しないことにつき放送事業者側に正当な理由がある場合を除き、同意すべき旨の裁定をするとのことでありますが、正当な理由とはどういうことですか。
○政府委員(森島展一君) 正当な理由がある場合というこの判断につきましては、具体的な事案に即して両当事者の異なる意見、こういった点について個別に判断するということになりますけれども、一応の目安として、判断を求められる代表的なケースを想定して、例示しますと五点ございます。 まず第一に、放送番組が放送事業者の意に反して二部カットして再送信されるような場合。それから二番目が、放送事業者の意に反して異時再送信される場合、この異時再送信といいますのは同時でない再送信でございます。一たん録画してまた再送信するというような場合でございます。それから三番目が、放送時間の開始前や終了後にそのCATVのチャンネルで別の番組の有線放送を行う、こういうことがありますと、放送事業者の放送番組であるのか、ほかの番組であるか混乱が生じるというようなことが懸念されますが、そういった混乱が生じる場合、これが第三点でございます。それから第四番目には、CATVの施設が確実に設置できるという見通しがない、あるいは施設設置の資金的基礎が十分でない、こういったことでCATV事業者としての適格性に問題があるというふうに考えられる場合。それから五番目が、CATVの送信、受信の技術レベルが低くて、良質な再送信が期待できない場合。一応の目安としてこの五つのケースが判断の基準と考えられます。
○片山甚市君 それで、民放の代表者に聞くんですが、今のお話を聞いて所感があれば述べていただきたい。それでよろしければよろしいと。 〔委員長退席、理事岡野裕君着席〕
○参考人(長竹成吾君) 私たちが一番同意をする際に問題にしておりますのは、放送秩序の問題でございます。 ちょっとくどくなりますけれども、従来放送の区域というものがどういう考え方で決められてきたかということをちょっと御説明させていただきますけれども、まず、テレビジョン放送は、開始当時チャンネルをなるべく有効に利用するというような見地から、電波の到達する範囲を放送局のエリアにしてきたわけでございます。この考え方から、関東、東海、近畿という地域については、広域放送が実施されております。それから、そのほかでも岡山、高松とか下関、門司というようなところは、行政区域が違うけれども、一つのエリアとして扱われた例があるわけでございます。ところが、テレビがだんだん発達しまして国民生活に浸透してくるに従いまして、放送区域と行政区域は一致する方がよいというような考え方が出てまいりました。これは政見放送との関係なんかも考えられたように仄聞しておりますけれども、そういう考え方で四十二年に岡山と高松を分離いたしました。それから四十三年には関門を下関と北九州に分離いたしました。それから四十五年には近畿、東海のNHKの総合を県域に分割しております。ただし、岡山、高松につきましては五十八年に再び一つの地域になっているわけでございます。こういうふうに行政方針では、放送区域と行政区域の一致を強く推進してきているわけでございます。CATVの区域外再送信を無秩序に許すということになりますと、このようにせっかく進めてきた行政方針が烏有に帰すというおそれが生じてまいります。もちろんCATVは、今までもお話が出ましたように、現時点では極めて小さなエリアで行われておりますので、放送秩序を基本的に混乱させるというのはちょっとオーバーにとり過ぎているきらいもあるわけでございますが、行政当局は現在テレトピア構想というのに基づきましてCATVの普及を推進しております。これは先生御指摘のとおりでございますが、将来はCATVもかなり大きな媒体に成長するのではないかというふうに思われるわけでございます。今回のこの有テレ法の改正はこのCATVを推進する一環として出てきているように思われますので、CATVの普及というものはやはり私たち真剣に考えていかなくてはならないというふうに思うわけでございます。 こういうふうに全国の主要都市が有線都市化してまいりますと、電波系の放送については厳しいエリアの制限がある中で、有線放送系の放送についてはそういう制限にとらわれずに全く自由な放送が可能になるということになります。これが放送が区域外というものを非常に重要に考えているということの一つの理由でございます。 それから、さらに幾つかの問題がCATVの区域外送信についてはありますけれども、その点ちょっと申し上げますと、まず、放送局の多局化が現在次々に進められておりまして、近い将来にはほとんどの地域が四局化するという行政方針が推進されております。CATVには巨額の投資が伴うわけでございますけれども、せっかくそういう投資をしましても、全国的に四局化されたときにはせっかく投資をしてやってきたCATVの区域外再送信がむだになってしまうという問題が一つございます。視聴者は有料のCATVから離れて無料の放送の方に移ってしまうのじゃないかというふうに思われるわけです。 それから、放送局の置局は経済基盤のある地域から進めるというような行政方針に従いまして、経済力の豊かな地域の多局化が先に進められてきたわけです。したがいまして、経済力の豊かな地域の住民は無料の放送を享受できるのにかかわらず、経済力のない地域の住民は高い料金を払って、高い投資をしてCATVによって多様な番組を享受しなくてはならないというような不合理が出てきているわけでございます。 それからもう一つは、番組是正について二つありますけれども、一つは多局化によって地域間の格差をなくすということでして、これは今次々に進められているわけです。それからもう一つは置局された地域の中の番組格差の是正をするということで、これは放送事業者の努力によりまして、辺地の住民にも都市部と同じように放送番組を行き渡らせるということでサテライト局の建設を次々に進めております。ところがCATVによりまして、CATVは経済力のある地域に恐らく施設されるようになると思いますけれども、そういう地域内の一部に番組の多様化がCATVによって進められますと、せっかく我々がその地域内の放送番組の均てんということを考えているにもかかわらず、さらに地域内での番組格差が増大してくるという結果が生ずるわけでございます。 こういうふうな区域外再送信にはいろいろの問題を含んでいるということをひとつ御認識いただいて、この法案の審議に当たっていただきたいというふうに希望するわけでございます。 以上でございます。
○参考人(母袋恭二君) 区域外再送信について私どもの考えを申し上げます。 区域外再送信につきましては、私どもは加入者の負担、比較的高額の加入金をいただき、それから月額の維持費をちょうだいをするわけでございますけれども、そういうふうなことで番組の格差を是正していくというふうなことで民放の皆さんに御了解を得たいというふうな立場を私はとってきたわけでございます。 それから四局問題というのがちょっと出ましたけれども、ケーブルテレビは非常に多チャンネル送れるという特性がございますので、私どもはそれを生かしてまいりたいと考えておるわけでございまして、もちろん地上波の再送信もさることながら、今後始まってまいります衛星放送につきましては各戸にアンテナを上げるよりはケーブルで受けてそれを配った方が加入者にとっても大変安上がりであろうというふうな考えも持っておりますし、それからここのところつい二、三年後に起こる通信衛星についても、それらを利用した番組の多様化が図れるというふうに私ども期待しておりまして、例として申し上げますれば、私の施設では現在テレビが十五波流れておりますが、その中で衛星用放送を含めて再送信が十波、それから自主放送が五波でございます。ここへ今後数波の衛星あるいは放送大学等を入れて、地方でも放送大学も受けられるというふうな形を考えておりますので、よろしくお願いいたします。
○片山甚市君 時間をとって両事業者に話を聞いたのは、郵政省がお考えになっておることと事業者がお考えになっておることについての間にどのくらい距離があり、密接さがあるかということについて証言を得たかったからです。質疑時間がほんのわずかしかないのですが、その中でこれだけの時間をとった理由は、やはり郵政省に当事者の意見をよく聞いてやってもらいたい、それを記録上にも残しておきたいと思ったからです。 両者にはそれぞれ特性があることが明らかになりました。その特性が生きるようにしなければならぬことは言うまでもない。裁定ですべてが解決しないことは明らかになったと思います。 そこで、再送信を同意すべき旨の裁定を下すに当たって再送信の実施の方法等を定めなければならないと規定されておりますが、同意すべき旨の裁定を下すに当たってのCATV側の条件及びその条件を付すについての判断の基準は郵政省としてはどう考えていますか。
○政府委員(森島展一君) CATV側に課します条件としまして、再送信同意制度の趣旨にかんがみまして、放送事業者の放送の意図がその意に反して害される、あるいは歪曲されるという事態を防止するための見地からの必要な事項、これが条件になるというふうに考えております。
○片山甚市君 郵政大臣がこの裁定をしようとするときには、政令で定める審議会、すなわち電気通信審議会に諮問しなければならないとしておりますが、公正を確保するために、審議会においてこの問題に関しどのような審議の手続を踏まれますか。
○政府委員(森島展一君) この事案の重要性にかんがみまして、審議会におきましては公正な立場で慎重な審議が行われなければならないということはこれは当然でございますが、そのため外部への審議結果の公表を含めた十分な配慮がなされるものというふうに考えております。
○片山甚市君 今までの折衝の中でも郵政省は、この大臣の裁定の制度については、いわば伝家の宝刀であり、原則としてこれを適用する意図はないと表明しておりますが、それではCATV事業者から裁定の申請が出された場合、郵政省はどういう対処をされますか。
○政府委員(森島展一君) 仮に裁定の申請があった場合におきましても、両当事者が十分に議論を尽くしたかどうか、それから当事者の話し合いで協議が成立する余地は本当にないのかといった点につきまして慎重な判断をしたいというふうに考えております。
○片山甚市君 やはりいろいろと意思の懸隔について、隔たりがありましても、自主的に話をして決められるように努力を願いたいと思うんです。 そこで、申請が出された場合においても、あくまでも当事者の自主的解決を期待するとのことでありますが、それならば裁定制度を設ける必要はないと考えるが、大臣はどう思うか。
○国務大臣(佐藤文生君) 今回の裁定の制度を導入したからといってもこれは最後の手段でありまして、それに至るまでの段階で何とか話し合いで解決するように最大限の努力を省としても行わなければならないと考えております。 したがって、裁定の制度は、その話し合いを進めるため、いわば後ろ盾としての重要な役割を果たすことに期待して運用していきたいと、こういうぐあいに考えております。
○片山甚市君 大臣の答弁よくわかりました。 しからば、あっせんをあきらめ裁定を行使する場合とはどのような場合か、具体的に局長の方から答えてください。大臣じゃちょっとまずい。
○政府委員(森島展一君) 一方の当事者があっせんに応じないとか、あるいは両当事者は十分に議論を尽くしましたが、その当事者の話し合いではもはや協議が成立する余地がないんではないかと判断されるような場合に、御指摘のようなことに該当するというふうに思います。
○片山甚市君 基本的には当事者間の自主的な協議による解決が好ましく、争いが生じた場合には郵政省の事実上のあっせんにより解決すべく努力していくということで大臣はお答え願ったと思いますが、それでよろしいか。
○政府委員(森島展一君) 御指摘のとおりでございます。
○片山甚市君 この裁定制度に対する救済措置についても伺っておきたいんですが、裁定という大臣の処分に対して当事者は大臣に異議申し立てを行うことができるが、地元の民放は法律上第三者として異議申し立てを行うことはできません。この点についてどうお考えですか。
○政府委員(森島展一君) 再送信同意制度の趣旨からいたしまして、地元局は直接の当事者でないためにそういうことになるわけでございますが、そこに至るまでの前の段階でさまざまな形で地元局が意見を述べたりするということが可能であると考えております。
○片山甚市君 そうすると、地元の民放局の意見はよく聞いた上で、民放局の立場を聞いた上で配慮されることについて局長が重ねて申されたと理解してよろしゅうございますか。
○政府委員(森島展一君) 当事者の放送局の方から地元の意見も聞いてほしいというような希望が出されることが考えられますが、そういった場合は地元の意見も聞くべきものというふうに考えております。
○片山甚市君 参考人の方々も、郵政省はそう言っておるんですが、不幸にして裁定をしなきゃならぬ処分のときには、地元の皆さんの意見を反映できるように努力をしてもらって、話し合いを通じて、裁定に至るまでの間に和解、自主的な解決ができるように御努力を賜りたいことを申し上げておきます。御答弁要りませんが、とにかくどちらにしてもこれは法律の介入を許すということが大変心配だということで議論したわけでありまして、どちら側がいいとか、CATVが悪いとか民放が悪いとか、というようなことで頭から思って質問しているんではありませんで、できるだけ努力をしてもらいたいと思うんです。 さらに、この異議申し立てに対する郵政大臣の処分について不服のある当事者は当該異議申し立てに対する決定に対して取り消しの訴えを提起することができるが、仮に大臣の裁定処分が取り消し訴訟で取り消された場合には、大臣はどう対応されるんですか。非常に難しいことですが、裁定したんだけれども裁判にかけたら負けたというか、取り消せと言われたときに大臣は素直に取り消しますか。
○国務大臣(佐藤文生君) 先生の御指摘のような事例がかりそめにもないように、私としては十分に慎重に対処してまいりたいと。そういうことのないような見通しを持ってやるということでございます。
○片山甚市君 大臣が申されたことを信用して、次に移ります。 これまで見てきたように、あっせんから裁定へという今回の法改正自体に多くの問題点を内包していることは明らかです。 なぜならば、裁定をつくっても裁定は最後の伝家の宝刀であって、これを抜くつもりはない。しかし、これをつくらなきゃならぬというならば、もっともっと話し合いをする場所をお互いが持たなかったということを法律によってやろうとすることについては、私たちは納得できない。 まず今回の法改正は、CATVの普及促進を図るための施策の一つであると思うが、先ほども民放の方が言ったように、テレトピア構想の中でCATVがどのくらい役割を果たし、日本の情報社会における役割を果たしたいと思って熱心に通産省と張り合っていることはわかっています。 なぜCATVの普及発展を図ろうとしているのか、その理由についてはテレトピア構想に明らかですが、もう一度大臣から、夢であるのかどうか知らぬけれども、答えてくれませんか。ちょうど大分あたり、言いやすいでしょうから、場所もそうですから。
○国務大臣(佐藤文生君) 新しい情報化社会に向かっていくのに、放送事業者もCATVもあるいはまた衛星放送も、こういったようなそれぞれが共存して、そして大衆への情報のサービスができるような、そういう制度というものが確立できることを期待しておるわけでございます。
○片山甚市君 今回の法改正は、CATVの普及促進を図るための施策の一つであると今言われていますが、なぜCATVの普及発展を——今おっしゃることを言いますと、中心は何ですか。高度情報化社会におけるCATVはどういう役割をするんですか。
○政府委員(森島展一君) 先ほどから申し上げましていますように、CATVは地域密着型のメディアでございまして、多チャンネルの特性を有しておりますので、地域放送、それから専門的な情報の提供手段、こういったことで多様な情報サービスを提供する公共性の高いメディアということで、高度情報社会での役割を期待しておるわけでございますが、ただ、現在御審議いただいておりますこのCATVによる再送信の問題は、CATVの普及促進という観点よりもむしろより鮮明な画面を見たい、それからより多くの番組を見たいという視聴者の要望から派生いたしました、いわば空中波の放送の補完と、こういった問題というふうに考えておりまして、CATVの普及の促進という観点と私どもちょっと別の観点で、こういう視聴者の要望、ニーズにこたえるというふうな観点で御提案申し上げております。
○片山甚市君 まあ放送行政局長としてはそうおっしゃっていますが、通信政策局長はテレトピア構想の中におけるCATVの位置づけをこの間の民活法のときでも堂々とおっしゃっておりました。縦割りの政治——局ですからそんなこと言っておれるんですが、私は納得しないと言っておきます。 そこで、郵政省は現在のCATVの経営の規模は小さく、放送秩序に影響を与えるものではないとの見解に立っておりますが、CATVの普及発展施策の推進によりCATVが放送メディアとして大きな力を持つようになることを想定すれば、放送秩序にかなりの影響を与えると思うが、その点については何回も聞いたんですが、もう一度聞いておきます。
○政府委員(森島展一君) 地上の放送波とそれからCATVと両者が機能とか業務の面で競合する場合があるということは、これは事実でございますけれども、他面、放送メディアとして考えますと、互いにかなり異なった特色を有しておりまして、したがってこのCATVが将来十分に発達したそういう場合を想定いたしましても、CATVが地上放送に取ってかわるというようなことはなくて、それぞれがその利点を生かして共存していくという形をとることになるのではないかと考えております。
○片山甚市君 放送事業のうちCATVは補完作用をするということで、より特殊な役割を果たすんだということを強調されたと思いますから、通信政策局長の方でもそのようにしてもらわないと、地域の通信網をつくって云々ということで大変鳴り物入りで話をしておるようですから、皆さんの方にはそう書いてあるんです。法律的に、放送業者は通信業者になれますが、通信業者は放送業者になれないんだ。おわかりでしょう。これ以上聞きませんよ、私の方がもっと勉強してきたつもりでおりますから。放送行政局長の立場で言えばそうおっしゃるけれども、通信と放送とが融合しておることについて、非常に境界線がないようになったときにどうするんだと。通信衛星がどういう役割をするのかと言って、先ほどのお話にあるように、決して民放の状態は安閑とできない。絵がきれいじゃないじゃないか、CATVはきれいじゃないかというと、日本人はまた物珍しいからほいほい寄ってしまったら大変なことになりましょう。私は民放を優遇したいとか、CATVを優遇したいというんではなくて、そういう問題がある。 そこで、競争の時代におけるCATVと他のメディアとの共存共栄ということを言うなら、いわばCATVに肩入れをするための裁定という制度を導入することは不適当だと思っていますが、CATVに肩入れするためにこの裁定をつくっとるんではないんですか。そうでないと言っているけれども、もう一遍聞きます。CATVに肩入れするためにこの裁定の条項を入れたんですか、入れないんですか、お答えください。
○政府委員(森島展一君) CATVによりまして地上波放送を再送信するということはCATVの最も代表的な利用方法でございますので、この地上波放送の補完手段として極めて重要な役割を果たしてきたところでございます。したがって、再送信同意問題を未解決のままにしておくことは、地上波放送が不十分なところにおきます受信者の利益保護という観点からも放置しておけないということで今回の法改正の提案となっているわけでございまして、このCATV側にだけ肩入れすると、そういうことではございません。
○片山甚市君 そこで、郵政省は一方で民放の多局化構想を打ち出しており、地方民放の四局化が実現すればCATVによる民放の区域外再送信も余り問題にならなくなるのでないかと思います。したがって、あえて大臣の裁定という制度を設ける必要はないのではないか。 これはどういうことかというと、四局ができるのかできないのかということできれば再送信というのは必要でなくなるんじゃないか。いつごろまでに四局にするのか、民放の経営状態もありますから、あなたの方がいくらつくってくれと言ったって、会社つぶれてまで放送できないでしょう。もっと強力なCATVができたなら大変だと思っておられると思うんですが、大臣として四つの局をつくるとすればCATVの再送信が要らなくなるんではないか、補完作用だと局長がおっしゃいますが、放送の画面の鮮明さを求めるとか、専門的なものを入れるとかいうことでCATVの役割があると言っていますが、大臣として政策判断というのはどうでしょうか。
○国務大臣(佐藤文生君) 各県の経済情勢が非常に昨今厳しくなりまして、四局化構想という一つの理想に向かって行政は動いておりますけれども、現実は経済情勢の問題が非常に厳しくなりまして、考えておるように早急に私はこれが完成するということはなかなか難しい状態になっておると思います。したがって、この間CATVの区域外再送信によってより多くの放送を受信したいという地域の住民の意識を無視するわけにもいきませんので、そういう面においてCATVと放送事業者との共存共栄的なそういう割り振りが私は大切じゃなかろうかと、こう考えまして法案を提案した次第でございます。
○片山甚市君 CATVを援助するとすれば電気通信事業者が持つ回線を適切な値段で借りたら、それほどたくさんの設備をしなくて済むという面もあるんですが、そんなことを検討されていますか。
○政府委員(森島展一君) 電気通信事業者のケーブルを利用してCATVに使うということにつきましては、実際には非常にそういう場合のコストが高くなるということから、CATV事業者が自分でケーブルを張ってやるという、これが一般的でございます。相当コストに差があるというこの実態からそういうことになっていると承知しております。
○片山甚市君 CATVの大規模化、民放の多局化のほか、衛星放送による放送ニューメディアの進展、有料テレビの開始等放送分野において今後大きな変革が予想されていますが、こうした中でのCATVと他の各メディアとの秩序ある発展というものをどのように大臣は思ってますか。
○国務大臣(佐藤文生君) 今先生が言われたとおりに、先生のお考え方は今後の放送行政のこれは重要な課題であると、こう私思っております。したがって、郵政省においては現在長期的な展望に立って、放送のあり方についてどうあるべきかということで、有識者からなる懇談会を設けて検討していただいているところでありまして、この議論の中で新しい時代に向かっての制度というものを見直していかなくちゃならぬ、取り組み直していかなくちゃならぬと、こういう姿勢で対処していきたいと、こう考えております。
○片山甚市君 引き続き大臣にお伺いしますが、私はCATVについては来るべき高度情報化社会における放送制度の中の位置づけ、類似メディアとの関連等を整理した上でそのあり方を検討すべきであると思います。事実郵政省においても放送政策懇談会が設けられて論議されているやに聞いておりますが、近くその報告が出るように聞いています。 したがって、現時点において放送事業者に対する大臣の権限の強化のみを目的とするごとき今回の改正案を提出することに大きな疑問を持っておるんですが、大臣が今まで言われたように、根本的な問題についてどうお考えになっておるか、見解を聞きたい。
○国務大臣(佐藤文生君) 現在御議論をいただいておりますCATVによる再送信は、CATVの最も基本的な役割としてずっと利用され、受信者に喜ばれてきたのでありまして、今日においてもその重要度は私は変わってないと思います。したがって、受信者の要望に沿って再送信の同意の問題をできるだけ早く解決する必要がある。 言うまでもございませんが、三万八千二百二十一CATVの施設がありまして、三万八千百九十の施設、九九・九%の方々がお互いに話し合って再送信を行っている。あとわずか一%の問題にはいろんな問題が含まれておると思いまして、それについてはあっせん、調停、仲裁といったようなことを粘り強くやりまして、できるならばこの裁定などということは行わないで、そういう段階ですべてがクリアされることが理想でございます。
○片山甚市君 大臣がおられる間は大丈夫ですが、次の大臣が来ると、そんなことを言うたのかどうか議事録を見なければわからぬという大臣もよく出ますから、引き継ぎだけしてください。本当に当てにならぬです。大臣は当てになるんですよ。次の人は、電気通信事業法をこの間制定しましたね。もう済んでしもうたら、あれはどうだったんだろう、あれは本当かね。事業法の目的とか会社の責務を変えましたよ、修正しましたよと言っても、そんなことはどうでもいい、金もうけのために電気通信事業を開放したんだぐらいにしか思わぬ人がたくさんおるんでね。今の話は篤と承っておきます。あっせん、仲裁、裁定という段階を経るけれども、裁定というものについて重さを置いているのではない、こういうことはわかりました。 さらに、CATVの技術的性格から、放送のみでなく、通信も可能となりつつあります。現にCATV事業者の中には電気通信事業に進出を計画しているものがあり、こうしてCATVは放送という枠組みを超えて進展していく可能性があるが、こうしたCATVにおける放送と通信との融合について大臣はどういうようにお思いですか。文化の進展、技術の発展を阻止するわけにはいきませんから、今CATVの業者も第一種事業者として通信を行いたいという動きがありますが、そういうことについては当面の法ですから、むしろ地域に発展させていくようなことができるのならさせるつもりですか。
○国務大臣(佐藤文生君) ただいま先生の御指摘のとおりでございまして、CATVに関する技術の進展というものは著しいものがございます。この高度利用のケースとしてCATVが通信事業を行おうとする場合が考えられるが、この場合には当然のことであるが、その部分については電気通信事業法の規律対象となるものでございまして、これは別個にセパレートして考えていかなければならない、こう考えております。
○片山甚市君 CATV放送が通信事業として成るときには通信の規律によってきちんとやっていきたい、こういうことですからよろしいんですが、私たちとしては、テレトピア構想を出した郵政省として、高度情報化社会をつくる基盤として郵政省が政策転換をしてもらいたい。そのためには、CATVは再送信だけでなくて、九九・九%やっておるのですから、余りそんなことに目くじらを立てるのではなくて、そのCATVの持ち味が生かせるように政策を展開してもらいたい。 そこで、私は特に衛星波、地上波、CATVなどにおける放送通信の立体的なあり方についてきちんと示してもらいたい。先ほど聞きましたことをもう一遍言いますと、やはり今放送関係では衛星放送、地上波放送、もう一つは有線テレビジョン放送、三つありますが、これを立体的にどのようにやっていくのかということについて先ほどお答えありましたけれども、やっていただきたいと思います。 そして、何回も繰り返して言いましたけれども、あっせん条項があるというのは、それはやめて裁定にしましたけれども、あくまでも自主的に決めてもらうということで話を続けてもらって、その約束を守ってもらいたい。区域外再送信については、特に民放の放送事業者に対して理解を得られるような格段の御努力をしてCATVとしても特殊性を発揮してもらう。行政が裁定という権力の行使をしなくて済むようにしてもらいたいと思います。 まとめて言えば、郵政省がテレトピア構想にどれだけの具体的な推進力を持つのか。電気通信事業についての制度化をする通信政策局長の方のグループと、放送行政局長のグループと、その二つが協力しなければ、ばらばらではだめです。そして、その上に電気通信局長の方のグループ、電気通信政策局、そして放送行政局、三つが一体とならなきゃならぬのが、どうも話をしておるとおれのところは関係ないということになっておる。 大臣、これはよそのことではなくて、電気通信のかなめは今申しましたように通信政策局が一つあって、電気通信局があって、放送行政局があって、この三つは切り離すことができないようになっておるんだと思います。私は郵便・貯金・年金等の三事業は一体だと言っておるのと同じように、電気通信関係を中心としながらも放送はやっぱり国民に大きな影響を持つ、日本の国の政治経済を動かすところの力を持つのは放送が一番大きいですから、そういう意味でこの関係をもう少し網羅的にやってもらいたいと思いますが、大臣、その質問にまず答えてもらいたい。
○国務大臣(佐藤文生君) 新しい情報化時代の未知の社会に突進するわけで、その過程において三局が相互連関性を持ちながら、そごのないように協調しながら進展していくということは、今先生の御指摘の点で重要な部面でございますので、そういうことを頭に入れながら、本法案の問題について一方的な権限によってこれが実施されるんじゃなくして、これを後ろ盾にしながら三つの分野がそれぞれ生々進展していくようなやり方をとっていきたいと、こういうぐあいに考えております。
○片山甚市君 長時間にわたりまして参考人の方にもおいでいただきまして、私たちが何を考えておるか、どういうように日本の放送行政といいますか、放送事業に対して注意をしておるかということについてお聞き願えたと思うんですが、事業者としても公共の何を使って、有限の資源でありますから立派にお仕事をしていただきたい。そしてお互いに協力し合ってやるべきことはやっていただいて、お互いに共存共栄をしていく、競争するけれども共存ができるように焦点を向けてもらって、競争は大事だと、つぶれてもいいんだという近ごろのはやりはやめてもらいたい。競争はするけれども、生き残ってお互いが繁栄していけるようにお願いしたい。 そういうことで、きょうはCATV、民放の関係者に集まってもらって、私のむさくるしい質問といいますか、操り返し繰り返し同じようなことを言ったのは、これからの日本の国のマスコミの中で、非常に大きな役割を果たす放送行政の裁定ということについての危惧を取り上げてやりましたから、あとまた、賛成も反対も決めかねておりますから、同僚の委員が発言をするのを聞きながら、これなら安心だなと思ったら賛成するだろうし、できなければこれは反対せざるを得ないと思っていますが、以上で私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○服部信吾君 まず初めに、今回の法改正、内容的に見るならば、民間のCATV業者あるいは民間放送も再放送について、内容的になかなか合意が見られない場合はあっせんから裁定をすると、そして大臣のお答えですと共存共栄を図っていくと、こういうような内容であると思いますけれども、 〔理事岡野裕君退席、理事片山甚市君着席〕 まず最初に、CATVの目的、最初は単なる難視聴対策、こういうことから基幹的情報メディアに変化しつつある。そこで、現在までのCATVの発展のプロセス及びこの高度情報化社会における位置づけ、これについてお伺いをします。
○国務大臣(佐藤文生君) CATVは地域密着型のメディアでございまして、多チャンネルと双方向通信が可能であることから、多様化する国民の情報ニーズにこたえることができること、それからさらに昭和六十三年の春を大きな目標として衛星通信時代がやってきます。こういう時代に向かって良質な番組、ソフトが豊富に提供されるように施設の設置とか、業務運営の両面から一層の環境条件の整備を推進していきたい、こういうぐあいに考えております。
○服部信吾君 そこで、ちょっとお伺いしたいのですけれども、アメリカにおいては通信衛星等によってCATVが大変発展しておると、このような状況にあるようでありますけれども、アメリカの状態はどのようになっておりますか。
○政府委員(森島展一君) アメリカにおきましては、最初はやはり日本と同じように難視聴解消というようなことで始まったわけでございますけれども、一九七五年にホーム・ボックス・オフィス、HBOと言っておりますが、ここが国内の通信衛星によりましてペイ・ケーブル・サービスといつものを開始いたしましたのをきっかけに、大変アメリカのCATVが飛躍的に伸びまして、これは昨年の十一月現在の数字でございますが、CATVの加入世帯数が約四千万世帯、これはテレビの受信世帯数の四六・二%というふうに聞いております。 CATVのサービスとしてどういう番組がアメリカで行われておるかということにつきましては、このテレビジョン放送の再送信、これをもちろんやっておりますし、それからコミュニティーの番組、それから通信衛星で分配されます多様なベーシックサービスとか、これは広告つきの番組でございますが、それからベイサービスという有料の番組こういったものが提供されておるというふうに聞いております。現在そういうCATV向けの番組の供給、いわゆるソフトの供給会社が五十社ぐらい通信衛星を利用してCATVに番組を供給しているようでございます。
○服部信吾君 きょうは参考人の方も来ていただいておりますので若干ちょっとお伺いしたいんですけれども、再送信に当たって民放連の皆さんと日本有線テレビジョン放送連盟の皆さんとなかなか同意という問題でうまくいかなかったと、こういうふうなことで今回の法改正になったと思うんですけれども、率直に言って民放連の参考人の方、あるいは有線テレビジョン放送連盟の参考人の方の今回の法改正について率直な御意見を述べていただきたいと思います。
○参考人(長竹成吾君) 民放連の意見を申し上げます。 当初、法律改正につきましては、現在の有テレ法にある再送信の同意条項を撤廃するというふうに承っていたわけでございます。そういうことで、その対応策をいろいろ検討したわけでございますが、再送信の同意条項というのはぜひこれは存置しておいていただかなくては困るということで、その点を郵政省にも陳情いたしまして、その点については郵政省当局も御了解されて、改正案の中に残ったわけでございます。そのかわりと申しますか、従来のあっせん条項を裁定という形に改正するというような話を承ったわけでございますが、これが法案が提出される直前でして、このことについては正式には郵政省の方に意見を述べておりません。ただ、連盟の内部でいろいろ検討しました結果、やはり裁定というものがかなり行政の権限が強化されるということですので、裁定の基準、そういうものが明示され公開される必要があるんじゃないか。それから、放送事業者が今厳しく遵守を要請されている放送秩序というような問題が今後非常に成長が期待されているCATVについては全く無関係になってしまう。やはり同じように家庭のブラウン管に入ってくるという点では放送もCATVも同じなんですから、ある程度やはり整合性がなくてはならぬ。そういう見地から、放送の秩序というものについても裁定の際の大きな基準にしていただきたいというようなことを国会の審議の場でも申し上げる必要があるというような意見でございました。 以上でございます。
○参考人(母袋恭二君) 私どもが民放の事業者に対して同意をいただいておるところが全部あるわけですけれども、問題になっているのは一部の——一部のと言うと大変失礼な言い方なんですが、放送事業者が恣意的にといいますか、同意権の乱用とも言えるような、全く話をしていただけないという状況が非常に長く続きまして、そのために各地でCATVの事業化を断念したところも出てきた事例を私存じております。 そういうふうなことから、私どもといたしましては多年郵政省に対していろいろなお願いをしてまいったんでございますけれども、ことしの二月に同意条項の撤廃というものを陳情いたしましてお願いをしたわけでございまして、その結果が今回の法改正につながってきたと私どもは思っております。そういうふうなことで、今後私どものお願いに対して放送事業者がお話し合いのテーブルに座っていただけるものであるというふうなことで、大変な前進じゃないかというふうに考えております。
○服部信吾君 民放連の皆さんのお考え方と、それから今、日本有線テレビジョン放送連盟の方々のお考え方を聞いておりますと、当初民放連は撤廃、まあ残ったと。有線テレビジョン放送の場合は、この同意は結局撤廃されなかったと、こういうところであっせんから裁定と、こういうふうになったわけでありますけれども、何となく大臣、これ傷み分けみたいな、共存共栄ということからはちょっとほど遠いというか、まだまだ内容が煮詰まっていないんじゃないかというような気がするんですね。 それで、特に民放連の方からは裁定については余り正式には聞いていなかったというようなお話もあるようでありますけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
○政府委員(森島展一君) 再送信同意の撤廃というようなことでCATV事業側から陳情がございまして、これにつきましては、郵政省といたしましても民放連の方と何遍か話し合いをいたしまして、同意条項の撤廃は困るという強い御意向を聞きましたので、この現在のあっせんの手詰まりを打開するには何らかのひとつそこで方法を考えなければならないということで裁定という制度を御提案申し上げたわけでございますが、これに至ります段階で民放連の方の御意見を聞きながらそういうことを考えたということで、はっきりこの民放連に裁定でいくということをお知らせしたのは確かに法案の提出の直前であったかと思いますが、それに至る過程でその辺の民放の方の御意見もいろいろお聞きして、同意条項の撤廃ということはこれはやはりやるべきではないという判断で法律の改正を御提案したところでございます。
○服部信吾君 大体参考人の皆さんの御意見は先ほど片山先生からお話がありましてわかりましたので、もう結構でございます。
○理事(片山甚市君) この際、長竹、母袋両参考人に一言御礼を申し上げます。 本日は御多用のところ長時間にわたりまして本委員会の審査に御協力をいただきまして、まことにありがとうございました。本委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
○服部信吾君 民間のCATV業者の方々からいろいろとあっせんをお願いしたけれども、なかなかこの解決ができなかったというような面が随分あるようですけれども、現在、今までどのくらいのあっせんがあって、その中でどのくらい解決されておるのですか。
○政府委員(森島展一君) 現在私どもの承知しておりますところでは、再送信の同意を与えていない民放事業者が二十二、それから再送信の同意を得られないCATV事業者が九、こういうことでございまして、これらのケースにつきましては、私ども地方電気通信監理局等において事実上のあっせんということを非常に努力してきたところでございますが、いまだにその同意が得られていないと、こういう状況になっております。 なお、そのほかの、再送信の同意がこのあっせんといいますか、話し合いによって得られたケースもございまして、事実上のあっせんでそういうふうになったものは私どもの承知しているものでも十数件はございます。
○服部信吾君 やっぱり区域外再送信の場合ですけれども、なかなかあっせんが難しいということなんでしょうけれども、これは根本的にどこがどうお互いに合わないんでしょうかね、どのように把握しておりますか。
○政府委員(森島展一君) これは、区域外の再送信をするということにつきまして、民放の事業者側から、それによってチャンネルプランが形骸化するではないかとか、そういう理由が挙げられておりますが、やはりCATV事業者というものを競争者と見て簡単には応じられない、こういうことかと思います。
○服部信吾君 そこでちょっとお伺いしたいんですけれども、いわゆる同意をしなかった二十二件あるという中で、その内訳ですね、区域内再送信あるいは区域外再送信。区域外再送信においてはなかなか同意を得られないというのはある程度わかると思うんですけれども、区域内再送信に同意をできないということについては、これはどのようにお考えですか。
○政府委員(森島展一君) この区域内だけの再送信でございますと、民放の方もそういうものについては特に問題にしていないわけでございますが、その同意を得たいCATV事業者が区域外の再送信もしたいということがわかりますと、その区域内の民放事業者がそういうことでは自分のところの区域内再送信も同意しない、こういうことで区域内再送信の不同意ということが起こっておるわけでございます。
○服部信吾君 その辺でせめて区域内再送信ぐらいは認めてやったらどうかという気はするんですけれども、これはどうなんですか。
○政府委員(森島展一君) おっしゃいますような御趣旨で私どもも民放の事業者に対しましていろいろ話し合いをお願いし、その結果、いろいろもめた結果、区域内については同意するというケースも出てきておりますので、先ほど申し上げました十数件というのはそういうことで一部区域内については解決した、こういうケースでございます。
○服部信吾君 一応CATVの事業を認可するに当たっていろいろ基準があるかと思うんですね。それで、その基準によってそれを設置した。ところが、問題の区域内においても再送信ができないとなると、やはりちょっといろいろ、それこそ事業自体が問題になってくるんじゃないかと思うんですけれども、この点はどうですか。
○政府委員(森島展一君) おっしゃいますように、CATVが現段階におきましては再送信の番組に非常に大きく頼っている面がございますので、この同意が得られないということでは、先ほどもCATVの連盟の方からもお話しがありましたように、事業を断念するとか、そういうことも起こってくるわけでございます。
○服部信吾君 そこで、若干ちょっと法案の内容についてお伺いしたいんですけれども、仮に裁定に持ち込まれた場合、これはどのような基準で裁定を行うのか、この点についてです。
○政府委員(森島展一君) この裁定の基準といたしましては、正当な理由があるかどうかということがこの御提案申し上げております法案に入っておりますが、それの正当な理由の判断は個別的な事案に即して判断しなければならないと。その場合、当然当事者の意見を十分勘案しながらということで、一概には申し上げられないわけでございますが、一応の目安として私ども五つのケースを考えておりまして、まず一つが、この放送事業者の意図に反して番組がカットされたりするということ。それから二番目が、やはり放送事業者の意図に反して同時に再送信しないで一編録画して、異時再送信と申しておりますが、そういうことがある場合とか、それからチャンネルの中に一つの番組が終わったときに別の番組を入れたりしてどの放送であるか混乱が生ずる、こういったような場合。それから、このCATV事業者が施設の設置の本当に能力とか資金計画等の適格性があるかどうか疑問の場合。それから五番目といたしまして、技術的なレベルにCATVとして問題があるような場合。こういった五つのケースを一応の目安として考えております。
○服部信吾君 その裁定の結果を出す機関というのはどんな形でやるのか、それから同意をしなさいというほとんどそういうふうな形の結果になるんじゃないかと思うんです。今いろいろと五つ言われましたけれども、その辺はどのようになっておりますか。
○政府委員(森島展一君) 御提案申し上げておりますこの法案では、「正当な理由がある場合を除き、当該同意をすべき旨の裁定をする」ということでございますので、先ほどのような判断の基準で、理由が認められる場合を除いては同意の裁定ということになりますが、やはり同意をするには適しないと、そういう同意をしないことが適切であるというそういう判断もあり得るわけでございます。ただ、それはやはり正当な理由がある場合に限られるわけでございます。
○服部信吾君 どういう機関で裁定結果を出すんですか。
○政府委員(森島展一君) これは郵政大臣が裁定をするわけでございますが、その場合は、この当事者からの意見書を提出していただいてそれを十分勘案するほか、これを公正な判断をするために政令で定める審議会に諮問すると、こういうことで慎重な手続をとることにいたしております。
○服部信吾君 その裁定に不服があった場合はどういうことになりますかね。
○政府委員(森島展一君) この裁定に不服な場合には郵政大臣に対して異議申し立てを行いまして、これが電波法に定めます電波監理審議会において審議され、議決されると、こういうことになります。
○服部信吾君 もし同意の裁定が出て、それでなおかつこれを実施しないというふうになった場合たは何か罰則規定とかそういうものがあるわけですか。
○政府委員(森島展一君) 裁定に従わないということ自体に対しましては罰則はございませんが、この再送信の同意を得ないで有線テレビジョン放送を行うということについての政府の行政措置、あるいは業務停止というような行政措置、それからそれに従わなかった場合の罰則、こういうものがございます。
○服部信吾君 そこで、先ほど裁定の基準をちょっと聞いたわけですね。それで五つの条項があると。一つとしては、放送番組が放送事業者の意に反して一部カットして再送信される場合とか、放送事業者の意に反して異時再送信される場合云々と、こうあるわけですがね。これは当然同意するまでには、事前に出すわけですから、当然こんなふうなことはクリアしていくんじゃないかと思うんです、再送信してもらうに当たっての裁定の条件があるわけでしょうからね。初めからこういうものに対して、当然基準に合ったようなものを出していくんじゃないかと思うんですよね。どうですか、これは。
○政府委員(森島展一君) 話し合いの過程で当然、放送事業者の意図に反しないかどうかというようなことを詰めていくわけでございますが、今までの同意が得られないでもめておりますケースを見ますと、そこへ行くまでの段階で、そういう条件をどうするかというような前の段階で手詰まりになっておる、こういうことでございます。
○服部信吾君 だから、要するに裁定の基準を出すときに当然この五つのものは、同意をするに当たっては、これから再送信してもらいたいというCATV業者があれば当然こういうのは初めからクリアして、そしてやっていくんじゃないんですか。
○政府委員(森島展一君) CATV側としては、当然そういうことはクリアしてお話し合いを進めるということになるわけでございます。
○服部信吾君 そうなると、ですから初めから裁定の結果は決まっているんじゃないかということを言っているわけなんですがね。
○政府委員(森島展一君) 決まっておるということには当たらないかと思いますが、この「正当な理由」ということで、よほどのことがない場合には再送信のこの同意というようなことが、当然民放側でもそれ以外に特殊な理由が、だれでも納得できるような理由がない限りは、やはり同意をすべきものというふうに考えております。
○服部信吾君 だから、お互いに再送信の同意をしてから裁定が出て、そうしてから、たまたまCATV業者なりそういうものが、今言ったようなことを一部反してカットするとか、こういうことをすれば、これはこの同意事項自体がだめになるというようなこともあるかもしれませんけれども、裁定の時点ではもうこれはそれぞれお互いに、業者としてもすべてこういうものはクリアして出すんじゃないか、そうなったときに、これはなかなか同意しなさい、ノーというあれは出ないんじゃないかということを言っているわけです。
○政府委員(森島展一君) おっしゃいますように、よほどのことがなければやはり同意するということに向けて両者が話し合うべきだと思うわけでございます。その際、CATV側でクリアしなければならないようなことは当然クリアすべきものというふうに思っております。
○服部信吾君 そこで、ちょっと文化庁にお伺いしたいんですけれども、著作隣接権、この点についてちょっと御説明してください。
○説明員(岡村豊君) 御承知のとおり、人間の知的な所産の保護につきましては、著作権による保護というのが一つございます。これはどういうのかといいますと、小説家とか作曲家がつく久ました小説、作曲につきまして、その著作者である小説家、作曲家に排他的な権利を与えて、人格的、財産的利益を確保する、こういう趣旨でございます。 ところで、小説家や作曲家のように著作物をつくるのではないけれども、著作物の公の伝達について大変大きな役割を果たしており、かつ伝達の際に著作物の創作に準ずるような、私どもこれ準創作的行為と呼んでおりますが、準創作的な行為を行っている方々がおられます。これは実演家、レコード製作者及び放送事業者、この三種類の方々でございます。こういう方々につきましては著作権ではございませんが、著作権と同じように一定の排他的な権利を与えまして、その方々の財産的な利益を確保する、こういう制度がございまして、これが著作隣接権と言われるものでございます。 これは単に我が国だけの制度ではございませんで、そういう人たちの著作隣接権を国際的に相互に保護し合おうということで、一九六一年にローマで実演家、レコード製作者及び放送事業者の権利の保護に関する条約、通称隣接権条約というのがつくられておりまして、我が国はまだこの隣接権条約には加入しておりませんが、今加入に向かって検討中でございますが、ただ、国内制度としては現行著作権法をつくる際に、将来この隣接権条約に加入するということを想定いたしまして、この著作隣接権の保護制度を現行著作権法においてとっておるわけでございます。 それで、ただいま問題になっておりますのはそのうちの放送事業者の権利であろうかと思いますが、放送事業者の権利につきましては複製権、あるいは放送権、有線放送権、それからテレビジョン放送の公衆への伝達権、この四種類の権利を放送事業者に与えておるところでございます。
○服部信吾君 ちょっと具体的にお伺いしますけれども、民間放送業者とCATV業者に対してこういう形で裁定した、で、同意しなさいと、こうなって、ところが、民間放送業者が著作隣接権を盾に嫌だと言った場合には、これはどうなるんですか。
○説明員(岡村豊君) 有線テレビジョン放送で認められております同意の制度と、それから著作権法で規定いたしております著作隣接権制度というのは全く別個の制度、権利でございます。したがいまして、理論上は著作隣接権は著作隣接権として許諾権でございますからノーと言うことは可能でございますけれども、御承知のとおり著作権あるいは著作隣接権というのは、権利者の権利を保護すると同時に、これは文化的所産でございますので国民の多くの方々に利用していただくということによって初めて重要な意味を持つ。したがって、公正な利用ということについてもその法律の趣旨の中にはあるわけでございます。これまでいろいろ著作権、著作隣接権の利用につきましてはそういう法律の趣旨にのっとって権利者と利用者で話し合いをして、一定のルールをつくりまして、そして円滑な利用が行われてきているというのが実態でございます。 ただいまの放送事業者の著作隣接権の行使につきまして実態を申し上げますと、同意のあったテレビジョン放送の再送信につきましてはお金も取らずに許諾しておるというのが実態でございまして、したがいまして、実際問題として隣接権の行使ということによるトラブルというのが現在CATVについては一切ないというのが私どもの承知しているところでございます。
○服部信吾君 最後に、私どもとしても今回の法改正はやはり大変CATVの普及あるいは促進にも役立つと思いますし、これによって民放連との競合とか、こういうものもあろうかと思いますけれども、やはりかなり活力が出てくるんじゃないかというような気もするわけでありますので、最後に大臣にCATVの今後のあり方について再度お伺いして質問を終わります。
○国務大臣(佐藤文生君) 日本のCATV業界が、御承知のとおりに今建設の過程でございまして、先ほどの話の中に事業を途中でやめざるを得ないといったような苦難の道も一面には見られる現況でございますので、このCATVの持っておる新しいメディアをたくさんな国民が期待をしておりますので、放送事業者とそれからCATV業者との調和というものを十分に考えながら、できるだけ両方の意見をぎりぎりまで聞いて、そして調和点を見出してお互いに事業が進展していく、こういうような考え方でCATVの業界の発展を考えていきたいと、こう考えております。
○理事(片山甚市君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時より再開することとし、休憩いたします。 午後零時一分休憩 —————・————— 午後一時四分開会
○委員長(大森昭君) ただいまから逓信委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○山中郁子君 この法改正の問題につきましては、私は基本的に再送信できる地域が広がって、つまりこれまで見ることのできなかった番組が見えるようになるということ自体は受信者の利益であり、すなわちニーズがあるわけですけれども、これが難視聴地域に関しては、そういう積極的な役割を持つということで一層確かな性格を持っていると思うんです。しかし、難視地域に関しては義務的再送信ということで、特に同意を必要としてはいないという事態、そういう実態ではあるんですが、民放も一定の努力をしているとはいえ、NHKに比べて置局計画が進んでいないという問題があって、相当の難視地域をまだ残しております。これが現状だと思いますけれども、そういう現状からいってもCATVの手段で見られるようになるということは、特に必要なことになっていると思うんですが、そういうケースでもって同意ができないために再送信が行われないというようなケースが実際にはありますのでしょうか。
○政府委員(森島展一君) CATVで、難視地域で郵政大臣が指定する地域につきましては、再送信の同意がなくて逆に再送信を義務づけておるわけでございますが、ただこれは実際には郵政大臣が指定している地域はございません。 それと申しますのは、難視聴地域におきましてCATVがつくられる場合に、再送信ということについて、再送信の番組でCATVを行うということが、もうまさにその目的でつくっておりますものですから、これ義務づけを特にしなくても当然再送信いたしますし、それから民放からの再送信の同意をもらうというような必要もトラブルも全くありませんので、難視地域につきましては再送信の同意のトラブルというようなことは起こっておりません。
○山中郁子君 午前中の質疑にもあったんですけれども、四月二十三日の衆議院の逓信委員会で郵政省が答弁されていらっしゃるところを見ますと、再送信を拒否できる正当な理由の例示として五つ挙げていらっしゃいますわね。その一つにCATVの技術レベルに問題がある場合というのがあるんですけれども、その具体的な内容は何なのか。 つまり、CATV法では一定の技術基準を法律で決めてるわけですよね。だから、その基準をクリアしたものに認可が与えられて、そしてCATVの事業が行われているわけなのに、また新たに再送信を拒否できる正当な理由の中の一つとしてそれが挙げられているというのはどういう意味なのか。中身が違うのかというようなことなんです、お伺いしたいことは。
○政府委員(森島展一君) 御指摘の点は、このCATVの送信、受信の技術レベルが低い場合は、この再送信される番組を出す放送局が悪い画質の放送をしてるんじゃないかと、そういうような受け取り方をされかねない。そういうことで放送事業者側の意図が害されることになりかねない、こういった観点からこの技術レベルを問題にするわけでございますが、これはCATVとして許可された施設であれば当然技術レベルは満足しているものでございますけれども、今回御提案申し上げております再送信の裁定という制度におきましては、このCATV事業者になろうとする者、これも対象にしておりますので、そういうなろうとする者につきましての技術レベルというようなことは、まだ許可というようなことの審査を経ていないわけでございますので、問題になり得る場合があろうかと思います。
○山中郁子君 なろうとする者は、やっぱりなるときにこのCATV法の基準をクリアしなきゃいけないわけでしょう。だから、なろうとする者も既になっている者も、法律との関係で言えば同じなんじゃないですか。 私が申し上げているのは、技術的基準が今回の再送信の場合に必要だとおっしゃっているんだけれども、それはもともとの法律でちゃんとそうなっているわけだから、二重に同じことを、二重に枠をかけるみたいな規定にしていらっしゃるのはなぜなのかとお伺いしているのですが。
○政府委員(森島展一君) CATV事業者になろうとする者も当然普通であれば技術レベルを満足する形で申請をし、それが許可になる場合の審査に合格するというふうにあるべきだとは思いますが、この同意を得ようとする段階におきまして、またそれが確定していないというものがあるわけでございまして、そういうCATV側で不適当なもの、そう言ってはあれですが、いいかげんなものというようなものが出てきた場合には、それは同意を与えない正当な理由になるというふうに考えるわけでございます。
○山中郁子君 わかりますか、何か私全然わからないんですけれどもね。それはだから、不適当な人間はCATV法、つまり有線テレビジョン放送法の第二章の第四条「許可の基準」というところで一定の技術基準が必要だというふうになっているわけでしょう。それをパスしなければなれないわけでしょう、許可されないわけでしょう。もう既にそういうふうにしてできている。新たにこれからしようと思うという業者だってこれをパスしなきゃいけないわけでしょう。それなのに、なおかつ今度の法改正に当たって、再送信の場合にもその基準が満たされなければならないというふうに書いてあるのは——書いてあるというか、あなた方御答弁なすっている五つの問題の中の一つのそれは何を意味するかというのを、どうも局長のおっしゃっているのわからないんですけれども、大臣わかりましたか、私の質問に対する局長の答弁。
○政府委員(森島展一君) どうも言葉が足りないようで失礼いたしましたが、時間な経過として許可以前の段階で問題になる再送信同意、こういう段階での一つの判断基準と、そういう観点で申し上げたんですが、細かい話になりますが、許可の対象でない届け出、引き込み端子という言葉を使っておりますが、小規模の五百以下の施設はこれは届け出施設でCATVの許可を受けないものもございますが、そういったものについては技術レベルを許可基準で審査するというような機会がございませんから、そういったものも再送信の同意を得たいということはあるわけでございますから、そういうことを含めまして、そういう技術レベルに問題がないかということも一つの基準となるというふうに考えております。
○山中郁子君 やっとわかりました、おっしゃる意味が。つまり、五百以上ならば許可が必要だけれども、五百未満の場合には届け出だけでよろしいというふうにもともとなっていると。それから五十以下の場合には届け出も要らないという、その部分のところで再送信をするというようなケースの場合の技術的水準を保持するという意味だということですね。それだからこれが要るんだということですね。何か最初におっしゃったことと違うから私もわからないんだけれども、私が説明するのはおかしな話だけれども、今の私が言い直したようなそういう意味で理解をしていいんですか。
○政府委員(森島展一君) おっしゃいますような意味があるわけでございますが、ただ、そういう届け出施設で再送信というような同意をとるというようなことでのトラブルが起こるケースもないわけじゃございませんが、それが一つありまして、そのほかに、くどいようですが、先ほどから言いました同意を得るタイミングとしてまだ技術レベルについて判断がされていないというようなものがあるということを最初に申し上げたわけでございます。
○山中郁子君 私は、五百以下の場合というのは、今も局長もおっしゃったように、実際に再送信のケースというのはもうほとんど大きい方ですよね。そして実際小さいところで再送信をめぐるトラブルがあるとかということは現実にはないと私も思います。ですから私が申し上げたいのは、最初本法でもそういう基準を言っていて、そしてここでもまた技術基準という枠をかけているということは、何か二重のたがを締めるという結果になるんじゃないかなということで申し上げている。そして、局長おっしゃっているケースというのがやっぱり物理的に、つまりもう再送信をするというときに、まだ実際の技術的な、本法に基づく技術上のパスがされてないようなケースで再送信の方が先に行われるみたいなケースがあるようにしか理解ができないんですけれどもね。そういうことは本来あり得ないんじゃないですか。
○政府委員(森島展一君) 実際には、これからCATV事業を行おうとして、それにはこの再送信の番組が得られないと事業ができないということで、放送事業者といろいろ話をしてもどうしても同意が得られないということでCATV事業をあきらめるというケースがあるわけでございまして、けさほど有線テレビジョン放送連盟の方からもそういう話がございましたが、まだ許可になる前の時点で同意がないからあきらめる、そういうこともあるわけでございます。
○山中郁子君 それは別な、同意の問題ではなくて、やっぱり私が言っていた、技術基準の問題を言っているんですけれども、これだけに時間とっているわけにいかないので……。 もう一つ、局長のおっしゃっていることははっきりしないのですけれども、仮に、再送信のために多少画面が質が落ちるというようなケースがあって、放送会社のイメージを壊すとか、崩すとかというおそれもあるというような点について、そのこともちょっとおっしゃっていましたけれども、そういうようなことを含めて、私はやはり、多少のそういう事態が起こっても、それはそういうものであるということを視聴者の方によくわかるようにして、それでなおかつそういう需要があればその需要にこたえていくというふうに考えた方が視聴者本位の考え方になり得るんじゃないかと思っていますので、その意見だけを申し上げておきます。 それからもう一つ、同じような問題なんですが、五つの中にCATV局が事業者としての適格性を欠く場合というのがありますね。それはどういうことでしょうか。これもまたCATV法で決められていますよね、事業者としての資格というものは。だけれども、ここでまた二重に縛りをかけているというのはどういう意味なのかということをお示しいただきたい。
○政府委員(森島展一君) このCATV事業者としての適格性という一つの判断基準につきましても、先ほど申し上げました技術レベルの問題と同じように、これからこの許可を得ようというような者につきましては、まだ許可基準による判断がされていない、例えば施設設置の資金的な基礎が十分あるかとか、計画が合理的であるかとか、そういった観点での適格性が問題になると思いますし、それから、やはり届け出施設につきましては、そういうCATV、許可の基準がなされない施設でございますから、やはりこの再送信同意という、そういう時点でCATV事業者として適格かどうかと、こういう基準が必要だと思います。
○山中郁子君 これもさっきの問題と同じで、郵政省自身もお認めになっていらっしゃるんですけれども、届け出ランク以下の業者の場合に再送信ということ実際にはほとんどないのよね。そういう意味で私は、この場合についてもやはり二重の枠ということになりかねないなということは、前の問題と同じような趣旨で指摘をしておきたいと思います。 そのほかの正当な理由として、放送局の番組の一部カットとか異時再送信とか、再送信チャンネルに別の番組を編成する場合というのがあって、さっきも午前中のお話でもありましたし、衆議院の御答弁でもあったんだけれども、この三つに今私が問題として伺った二つがあって五つ、これができない場合、条件が整わないとみなすものになっているわけですね。この中の現在この法律を改正する動機となっている現実の同意をしていないケースは、今私もちょっとおさらいをして、郵政省がお示ししている五つの条件を全部クリアしているけれども、なおかつ同意が得られていないというものなのかどうかをお尋ねいたします。
○政府委員(森島展一君) 現在再送信の同意が得られないということで問題になっております二十二件につきましては、実はその中に届け出のCATV施設も一つ入っておりますので、これから問題になるのは、やはりこの許可に当たる、かなり規模の大きいものだとは思いますが、届け出施設も現実には一件再送信の同意が得られないという例がございます。 そういう状況でございますが、この二十二のケースについて一応の目安としております五つの基準に合うのかどうか、こういうお尋ねでございますけれども、この現在問題になっておりますケースについては、そういった条件といいますか基準は満足しているというふうに承知しておりまして、したがって、こういったCATV事業者は特段同意をされないような問題はないんではないか、ここで何かやはり救済する手段を講じなければならない、こういう判断でこれまでも両当事者の争いの調整に努めてきたところでございます。
○山中郁子君 そうすると、これらの業者が何で同意を与えていないのか。ということは、郵政省はどういうふうに把握をしていらっしゃいますか。
○政府委員(森島展一君) CATV事業者の方といたしましては、より鮮明な画像を見たいとか、より多くの番組を見たいとかいう視聴者の要望を背景にしましてテレビジョン放送の再送信を行いたいということで放送事業者に対して同意を求めているわけでございますが、これを拒否しております民放の事業者の方は、CATVの特に区域外の再送信を行う場合に、これが地上波によるテレビ放送のチャンネルプランの形骸化をもたらすんではないか、それから民放の経営にも大きな影響を与えるんではないか、こういう理由を挙げております。
○山中郁子君 民放側が挙げている理由はわかりました。郵政省は実際の話がそういうことなのだと理解していらっしゃいますか。それとも他の要素もいろいろあるというふうにお考えか。
○政府委員(森島展一君) やはり民放の方といたしましては、CATVという事業が発展した場合に非常に競争者として脅威になる、そういう観点からこの再送信の同意に当たっても、理由としてはチャンネルプランの形骸化とか申しておりますが、やはりCATVを競争者として強い意識を持っておるんではないかと思うわけでございます。
○山中郁子君 今その五項目の問題について申し上げた中で、あなた方がおっしゃっている一つなのですが、再送信チャンネルに別の番組を編成する場合というのがありますね。この条件ですけれども、再送信チャンネルの利用の場合に、例えば放送休止の深夜時間に他の放送を入れるというようなことが物理的にもあり得るわけだけれども、そういうようなことについてはいけない、そういうことをしないことが条件だというふうになっているわけですね。そういうのは、例えば深夜でもあいている、そこにだから自分のところの何らかのCATVで番組を入れるというようなことは郵政省はどういうふうに考えていらっしゃいますか。
○政府委員(森島展一君) チャンネルが深夜あいているような場合どうするか、こういうようなケースにつきましては、その再送信に同意を与える民放事業者側とCATVの話し合いによって、そういうことをやっても民放の側としてチャンネルイメージというようなものが損なわれることについて問題視しなければ、それは可能かと思います。これは個々のケースによると思いますが、一般には、チャンネルを途中からほかの事業者の番組に切りかえられるというようなことはやっぱり混乱を生じるということで同意を与えたくない、こういう正当な理由になるかと思います。
○山中郁子君 そうすると、同意を与えない場合の理由としてはこのことはあるということですね、あるから五つ出していらっしゃるのだけれども。私は、今CATVはたくさんチャンネルがありますよね、だから今の問題として考える必要がないとは思うんですけれども、将来の、CATVに限らずですけれども、アメリカの状況なんかを見たりしても、日進月歩というか、変化は早いと思うんですよね。そういう場合に、今から手を縛るような形の基準をつくるのが適切なのかなという気がしないでもないんですけれども、その辺はどうお考えですか。
○政府委員(森島展一君) 申し上げましたこの五つの判断基準と申しますのも、これは一応の目安でございまして、これが非常に弾力性のない基準というふうには考えておりませんで、その個々のケースあるいは時代の進展というようなことで弾力的に考えられるとは思いますが、基本的にこの再送信の同意をしない正当な理由は、放送事業者側の意図が損なわれたり歪曲されたりする、そういうことで判断すべきだと思いまして、その例としてこの五点のうち三つ一応の目安を考えたわけでございますし、また残りの二点は、CATV側が不適格であれば、これは同意をしない正当な理由になるだろう、こういうことでございます。 CATVがもし急速に普及するというふうなことがあるとするなればこういう考えでいいのかと、こういう御懸念かと思いますが、CATVは非常に設置のための設備資金が要りますし、建設期間も長くかかるということで、これが大きく発展するということは期待はしておりますけれども、なかなか時間がかかるんではないか、こういうふうに思っております。
○山中郁子君 もちろん私も短時間で考えられないようにふえていくという極端なことを申し上げているわけではありません。 そうしますと、今五項目の裁定の際の基準というのはかなり柔軟性をもともと持っているものであるということなのですけれども、私どもはどういう形でこれは基準を理解すればよろしいんですか。今郵政省がそのように考えているということだけですか。 いずれにしても、そういうふうにして御答弁があって議論の材料になっているわけだから議事録に残っていくわけですよね。それはそれなりのものとして残るのだけれども、例えば規則とか、役所で内規というのかどうかよくわかりませんけれども、どういう性格のものとして受けとめればいいんですか。
○政府委員(森島展一君) 先ほど申し上げましたように一応の目安ということでございますので、これを規則化するとか、そういったことには考えておりませんけれども、実際にこの裁定の制度ということをお認めいただいた場合に、いろいろ当事者、つまりCATV事業者と民放事業者の話し合いを促進するという際においての一つのガイドラインというようなことで関係者にも示し、またそういう実際の話し合いを促進する事務を担当する地方の電気通信監理局にもガイドラインを示すというようなことはあるというふうに考えております。
○山中郁子君 そういう性格のものというのはやはり禍根を残しやすいんですよね、一般論として私申し上げますけれども。 それでもう一つお伺いしたいんですけれども、将来CATVの発展というか、大きくなって力もついてきて加入者の要望もあってということで、全部——全部というか、自主的な番組を全部CATVがやると。 つまり、だから逆に、今度はテレビ局や何かの放送はもういいですよというようなケース、そういうようなケースというのは理論的には考えられると思うんですけれども、そういう点はどういうふうにお考えですか。つまり、その場合には、今の段階では民放は民放の立場の協力をしているわけですよね。そういう側面があるわけですよね。だけれども、CATVがずっとだんだんと大きくなっていって、民放というか放送局側に、もうそちらのは要りません、自分のところだけでやりますよみたいなふうになることだって理論的には考えられると思うんですけれども、その場合の放送局側の権利というのもちょっと妙な言い方なんですけれども、放送局側の立場ですね、その場合に、今までずっとCATVの発展にそれなりの協力をしてきている部分というのがあるわけでしょう。だけれども、それが成長していって自分のところだけでやりたいとなった場合には、そのことについては郵政省はどういうふうに予想されているか、あるいはどういうふうに考えられるかということがあればお尋ねしたいんです。
○政府委員(森島展一君) CATVが発展しましてそういう再送信というようなことに頼らなくてもよくなるような時代が来得るのではないか、こういう御趣旨かと思いますが、アメリカのように非常に番組ソフトの供給をする会社が多いようなところにおきましても再送信というようなことをやはりCATVのかなりの部分で行っておりますし、このCATVの受信者といたしましても、地上の空中波で送られてくるテレビを受けるためのアンテナの設置と、それとCATVと、この両方つくるよりは、CATVで再送信を受けた方がその点二重投資がないというようなそういうメリットもありますので、CATVのソフトが自主番組とか外からの供給番組とかいうものが盛んになってふえてきた場合におきましても、やはり再送信というものは残っていくんではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
○山中郁子君 郵政省の将来についてはそう考えていらっしゃるということとしてお聞きをしておきます。 CATVの番組表ですね、これを見ますと、放送が再送信である旨がたしか明記されていないと思うんですよ。これはやっぱり明記すべき性格のものなんじゃないでしょうかと私は思うんですけれども、いかがお考えでしょうか。つまり、番組表にこれはどこの放送だということが書いてないんじゃないですか。
○政府委員(森島展一君) CATVの番組の中でそれをどこの番組というのを入れるような方法まではまだやっておりませんけれども、CATV事業者が出しますパンフレット等におきましては、これはどこの放送というようなそういう点での明記はしておる、そういう状況でございます。
○山中郁子君 そうすると、CATVの事業者の責任でそういうふうに出しているわけですか。今ちょっと何か利用者がパンフレットをつくっているというふうに伺ったんだけれども。
○政府委員(森島展一君) 失礼いたしました。 事業者でございまして、事業者の方がどこの放送局の番組というそういう周知はしておりますけれども、番組の中にこれはどこの放送局ですというような表示を入れるとか、そこまではやっていないわけでございます。
○山中郁子君 私は自分が全部色物を見たっていうわけじゃないですけれども、ちょっと幾つか見た経験で、実際の番組じゃなくて番組表ですね、それにも出ていなかったという記憶がありましたものですから今お伺いをしたんだけれども、郵政省としては当然それはやるべきだという前提でやられているという御答弁をいただいたと思います。それはやっぱり著作権の問題に直接絡まないまでも、そういう点との関係もありましょうし、また視聴者への責任という意味でも明確にすべきじゃないかというふうに思っているわけです。 次に、今これも午前中に議論が若干あったんですけれども、民放設置の問題について県四チャンネル体制の方針を今までも既に打ち出しているわけです。この四チャンネルが実現した現合には区域外再送信というのは事実上要らなくなるという理屈になるのではないかと思うんですけれども、その点についてはどうなのでしょうか。そういうふうになったとしても、四チャンネル体制ができたとしても、新しい何か考え方というか、今まで考えられない放送ということが考えられているのか、あるいはそのほかに区域外放送を使うというか、利用することで何らかの展望を別に持っていらっしゃるのか、その辺のことをちょっとお尋ねしたい。
○政府委員(森島展一君) 御承知のように、民放は全国各地域に最終的には四チャンネルを目標ということで考えておりますが、これは相当の期間を要するわけでございます。それで四チャンネル化が実現いたしました場合、区域外の再送信ということは要らないのではないかということでございますが、現実には四チャンネルになりましても五チャンネルとか六チャンネルという地域もございますので、区域外再送信のニーズもあると考えますし、また四チャンネルだけの問題をとってみましても、その地域の中で空中波を受けるためのアンテナとCATVと両方、先ほど申し上げました二重投資するよりは、やはりCATVが再送信を、四チャンネルの分を流してくれる方がいいと、そういうニーズは残ると思います。 それからCATVとしましては、そういう四チャンネル化というような将来の形を考えますと、やはりCATV自体の特色を生かしまして市町村レベルを単位としたような地域に密着した自主放送、これを多チャンネルの利点を生かして専門的な放送を行うということとあわせて、そういう地域の自主放送というものを期待しておるわけでございます。
○山中郁子君 そうすると、私はこの問題についていろんな角度から考えていくと、郵政省はもう四チャンネル化を放棄——放棄というか、そうはできないということでそれを放棄せざるを得ないという判断で、いわゆる広域化の方針をお持ちで、その一環としての今回のこの問題が位置づけられるのかな、そういう考え方もできないこともないなと思っているのですが、その辺はいかがですか。広域化の問題についてのお考え。
○政府委員(森島展一君) 民放テレビの拡充に当たりましては、基本的には県域を単位ということでこれからも検討を進めていきたいと思っております。したがいまして、最低四チャンネルということにつきましては、その方針をCATVの区域外再送信をやるからといって放棄というようなことは全く考えておりませんで、やはり空中波のテレビとCATVのそれぞれの特徴を生かして、早く視聴者のニーズにこたえるということが重要であろうと思います。
○山中郁子君 私は、CATVを育成するというのであれば、健全な発展の方向というのは区域外再送信に頼るというのではなくて、何といっても私は、非常に大きな立場から見て、やっぱりCATVの自主放送の発展ということだと思うんです。そこで地域の主体的形成がなされていく、図られていくというのが健全な発展の方向ではないかというふうに思っているということが一つです。 そして、それとの関連で、今放送法の見直しを政策懇においても進めておられるそうだけれども、そうすれば、放送全体の発展の展望の中で放送とCATVの発展を図るということの総合的な政策、そういうものがかなりきちんと位置づけられた上で、はっきりした、かなり国民的なコンセンサスも得られる。そういうものとして明確に位置づけることが重要で、本来そういうものがはっきりしてからこういう例えば法改正にしても行われる方がベターであるというふうに考えているわけですけれども、この点についてはちょっと、私の持ち時間もないようですので、大臣の考えをお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(佐藤文生君) とりあえず今度の法案を出すに当たって私自身が考えたことは、九九・九%の方々が双方の理解と協力で再放送ということで円滑に実施している。あと残っている〇・一%がいろいろあっせんをし、調停的な乗り出しも地方の局長がやっておる。けれども、入口でどうにもならない。 具体的に見るというと、私の地元の別府に一つありまして、地元の二つの放送会社が与えない。なぜかなと思ってそうっと見ておって、まだ何もそこには私は具体的に入っていませんが、一方の意見を聞くというと、このまま一人はつぶれてしまえばと、こういってやらぬというようなところもあるし、また一方の方から言うというと、再放送頼んであるけれども全然してくれないといって、何か人格的なやり合いまでやっているというようなこともありますので、はあさては、これを片づける一つの方法として大臣の私に権限を与えるというので、実は本当は権限なんか与えるよりか最後まで話した方が私は好きでございまして、そうかということでいろいろ検討した結果、なるほどそういうものをバックにしながらこの問題を片づけるということがCATVの前進の一つになるだろう。それから、大きな目で全般にわたっての放送行政のトータルというものの中から調和を図るために懇談会にお願いをしている、こういうことですから、まず一歩一歩片づけていきたいと、こういうことで御審議をお願いしているわけでございます。
○山中郁子君 私も、この法案の否定的な主要な問題の一つは、大臣の権限、政府の権限が強化されるという問題なんですよね。そこのところは言うまでもない認識ですけれども、申し上げておきます。 今図らずも大臣もおっしゃいましたように、政策懇談会の中で鋭意研究していただいている、だけどこれも急いでやらなきゃいけない問題だからこういう方向に踏み切った、こうおっしゃっているわけなんだけれども、それだったら、政策懇の議論の内容がどういうものであるのか、そういうことからおのずと合致する方向でもって今のこの問題を解決していかなきゃならないというふうになっているんだというならば、そういう経過を国会なり国民なりに明示をしてしかるべきではないかという御意見を申し上げまして、私の質問を終わります。
○田英夫君 私は従来から、現在の政府の放送行政は電波法上郵政大臣に余りにも大きな権力が与えられ過ぎているということを主張し続けてまいりましたので、そうした考え方を前提に考えますと、今回のCATV法改定案なるものはまことに根本的な疑問を持たざるを得ないという立場で質問をいたしたいと思います。 まず、CATVを今後新しいメディアとして育成していかなければならないという点については、私も極めて重要なことだと思っているわけでありまして、そうなれば、そのCATVを育成していく方法は何か。あたかも、今回の法案の審議を通じて伺っておりますと、これに対する政府の考え方というのは、これこそが決め手だというような感じがしてならないんでありますけれども、私は逆に、ここで郵政大臣の権限をさらに強化してまでこういう方法をとるのではなくて、別にもっと優先的に考えるべきことがたくさんあるんじゃないだろうかという考え方なんですね。民放連の方や有線テレビジョン放送連盟の方のお考えも午前中伺いました。ますますその感を強くしているわけであります。 例えば、これまで何回かごの委員会でも伺っていることですが、今CATVの発展を阻害している最大の要因というのは、施設、特に地下にケーブルを埋設することができないという建設省との関係が非常に重要なんじゃないか。事前に担当者に伺いましたところが、いやそれはもう去年の秋に話し合いはついているというお話ですけれども、現実にはなかなか道路を掘り起こしてケーブルを埋設することができないというのが最大の問題点じゃないんでしょうか。その点はいかがですか。
○政府委員(森島展一君) 先生おっしゃいますように、確かに道路を占用して電柱に添架するというようなことができる、あるいは道路を掘って地中に埋めることができるというようなことを前提にしませんとCATVの施設が設置できませんので、道路の問題というのは大変CATVの普及に重要なことでございますが、この道路法上の許可の問題につきまして建設省と私どもいろいろ折衝した結果、当面スムーズに道路占用の許可がおりられるような方向で建設省も道路管理者を指導するという方向に昨年の終わりに決着いたしましたので、その点で御心配のような点は、完全になくなったとは申しません、まだこれからさらに道路問題についてもう少し私どもと建設省と話し合わなけりゃならないこともありますが、現在の道路法の運用上の問題は一応整理されたというふうに考えておるところでございます。
○田英夫君 お答えですけれども、現実にはまだ前に進む状態にないと私は判断をしてます。衆議院でも御議論がありましたからこれ以上言いませんけれども、共同溝の問題とか、ミニ共同溝の問題、そこに法的にちゃんと入れられるという状況にまでは到底なっていかないと。なれば、この問題はやっぱり大きなネックになると思いますし、前にも申し上げたんですが、そうなればNTTの回線を借りるという方法があるじゃないかと、現にアメリカで電話回線を利用しているということがあるわけですから。ところが、これはもう郵政省なぜか否定されるんですね。 改めて伺いますけど、なぜ否定するんですか。
○政府委員(森島展一君) CATVといたしまして、NTTのケーブルを使うという例が一つだけ現にCATVでもございますけれども、やはりCATV事業者として考えますと、ケーブルが非常にコストが安くないといけないということでいろいろ設計をしてみますと、やはり自分で施設してCATVの設備をつくった方が、何年かで償却した場合には自分の施設でございますので、後それの回線料というようなものが要らないというようなことからいたしまして、現実には電気通信事業の方のケーブルを借りるということは非常にコストが高いと、こういう実情に承知しております。
○田英夫君 NTTのを借りる場合のコストが高いというようなことは、これはそれこそ大臣権限でやられちゃたまりませんけれども、行政指導というような形でNTTとの話し合いの中でいろいろ方法はあると思うし、現に今都市型CATVを計画している当事者で埋設できないで悩んでいる人たちは、そのことを望んでいるという人さえいることを私承知しているんで、あえて申し上げたんです。 それから、今山中委員もおっしゃった全国四チャンネル制になったら再送信は要らないんじゃないかと。先ほども御答弁がありましたから繰り返しませんけれども、これだってやはり私はさっきの御答弁じゃ納得できませんよ。やはり全国四チャンネル制になれば今の状態よりもはるかに再送信というものに対する希望はCATV側から薄くなる。ということとあわせて考えると、CATVのいわば特性というものを、現実には再送信を求めていかなければ埋まらないというところがあるけれども、将来はもっと地域に密着した自主的な放送をやっていく、しかも多チャンネルだという問題だとか、あるいは往復可能だとか、あるいは鮮明な画像だとかいうCATVの特性を生かして、地上波の放送とは別の意味で特性を生かす方向に指導していくといいますか、行政当局もお考えいただくべきだと、そういう気がしてなりません。 問題は、私の本来言いたいところに入っていくんですけれども、今回の裁定ということをバックにしてというんですか、これは伝家の宝刀で容易に抜かないんだとはおっしゃるけれども、そういう制度があるということ自体非常に問題だと思いますが、本来はやはりさっき大臣もいみじくもおっしゃったとおりに、両当事者間で話し合って解決すべきだと、これが大原則なんですね。ところが、当事者といっても、今度はこの法案によって裁定を求めることができるのはCATVの側だと。これはいわばCATVの伝家の宝刀になってしまうわけですね。だから、現状では確かにCATVというのは弱いし、弱者に対してそういう権限を与えることによってイーブンの力関係にしようということかもしれませんが、将来展望からいうと必ずしもそうではないということを踏まえて、法律でこんなにやってしまうというのは一体いかがなものかという気がいたします。 そこで、質問ですけれども、法案によると、裁定の場合には審議会に語るということがありますけれども、政令によるとありますけれども、これは一体どういうものになるのか。担当者の御説明によると、電気通信審議会の有線放送部会というようなことになるんじゃないかという予想もありましたけれども、この辺のところをお答えいただきたいと思います。
○政府委員(森島展一君) 政令で定める審議会につきましては、おっしゃいますように電気通信審議会を予定しておりまして、この中に有線放送部会というのがございます。そこに諮問をするという予定でございます。 その理由といたしましては、有線テレビジョン放送法に基づきましてCATVの施設の設置の許可をするとか、そういう重要な事項につきましてはこの電気通信審議会の有線放送部会に諮問いたすことになっておりますので、それと同様に再送信の同意の裁定ということにつきましても重要な事項と考えますので、この審議会にお願いしたいというふうに予定しております。
○田英夫君 大事なところですから詳しく伺いたいんですけれども、手続的にCATV側から裁定を求めてきたということになった場合に大臣はこの審議会に語ると、審議会から答申が来る、それを参考にして大臣は裁定を決定されると、こういうことになるんだろうと思うんですが、そういうことになると、今の電波法による電波監理審議会と同じようなことで、つまり権力がぎらぎらと前に出ることをカムフラージュするためにと言っては悪いけれども、そういう意味の審議会でしかない。そうではなくて、もう大臣は後ろに引っ込んで、審議会の答申がそのまま実はそれで決定だというくらいのところでとどめてあればまだ私はいいと思うんですけれども、実際にはそうじゃないんだろうと思うんですね。電気通信審議会の有線放送部会のメンバーというのも、現在の顔ぶれも伺いましたけれども、大学の先生が三人おられましたか、自治省出身の方とか、かなりバラエティーもありますし、なかなかいい判断が出てきそうだなという顔ぶれだとは思いますけれども、そこの後ろに大臣が控えて、最後はそこが出てくるというところに問題があるのじゃないかと思うんですが、大臣の本当のお気持ちをひとつ聞かしていただきたい。
○国務大臣(佐藤文生君) 具体的にそういう問題が起こることも、私もいろんなケースを考えまして、一つのケースがありまして、もうこれだけの長い間CATVをやっておって、そして放送事業者に同意をお願いしておるけれどもなかなかおりない、もうこれで一年以上たちました、何とかこれやりたいんですがというような意見も聞きました。したがって、地方の監理局長が現地に行って、何とか説得して話し合いの舞台にのせようと、こういうぐあいにしたんですが、いろんな理由が出てきました。 例えば一つの理由では、なるほどなあと言うたことは、どうも人物的に信頼ができない。が、しかし、内容というものは、各家庭、ホテルに具体的に鮮明でいい内容のものを、情報をどんどん送っておる。が、しかし、放送事業者から見ると、人物がどうも合わないというんですか、どうも納得できないというような入り口論でその問題が長引いておるというケースがありました。 したがって、この問題を解決するにはどうしたらいいかということで、単なるあっせん、調停、仲裁まで行ってもなかなか入り口論で堂々回りをしているんで、これはやはりCATVの地元の要求、いろんな方々の要求が非常に多いので、これを解決するのにはこれはもうやむを得ない措置として裁定というものをつくらなきゃならぬのだなあと、しかしそれが申請という段階になってきた場合には審議会に諮って、その審議会の意見というものはやはり尊重してこちらは判断するというそのスタンスだけは考えていかなくちゃなるまい、こう思っております。
○田英夫君 今度のこの制度で伝家の宝刀は抜かれないとおっしゃるけれども、抜く前の、事実上のあっせんの段階でもそうですけれども、両当事者という言葉がしきりに使われてまいりました。つまり放送事業者とCATVという関係ですね。しかし実際に、民放連の方も言っておられましたけれども、一種の経営上被害を受けるのは地元の放送事業者なんですね。ですから、私は、やはりこの三者の意見を十分に聞くと。実は、衆議院のことをあれ言うわけじゃありませんけれども、衆議院における附帯決議を拝見しても、「裁定に当たっては、両当事者の意見を公平かつ公正に聴取しこと、当然ですけれどもあります。私はやはりもう一つ、経営上被害者になるおそれのある地元放送事業者というものの意見も十分にお聞きいただくべきだと少なくとも思いますが、その点はいかがですか。
○政府委員(森島展一君) 再送信同意につきましては、確かに当事者は再送信の番組を送る放送事業者とCATV事業者でございますが、この区域外再送信の場合、先生おっしゃいますように被害者は地元の民放ではないか、こういうことでございますが、被害者ということは民放連の方でも意見として言っておられる、経営に対してダメージが及ぶと、こういう趣旨かと思いますが、私どもは、先ほど来申し上げておりますように、近い将来においてそういう民放の経営にダメージが及ぶ、そういう被害者というふうには考えておりませんけれども、ただ、当事者の意見を十分聞くという中には民放側として地元の民放の意見も聞いてほしいというようなそういう要望が当然出てくるんではないかということも考えられますので、そういった場合はやはりよくそういう意見も聞いてみたい、こういうふうに考えております。
○田英夫君 今の点は、四チャンネル化になれば、CATVが地域外再送信するどころじゃなくて、もう同じレベルの地域における放送事業者がまた一つふえて競争相手が文字どおりふえるんで、そっちのダメージの方がある意味じゃ大きくなるわけですから、民放関係者もその辺は覚悟してやらなくちゃいけないんで、私は別に地域民放だけを擁護しようという意味で言っているんじゃないんですが、ぜひそういう御配慮はされるべきだということを改めて主張しておきます。 繰り返して申し上げますけれども、ぜひ大臣考えていただきたいのは、私は毎回電波法第四条で郵政大臣が免許権を持っていることは非常にもう民主主義上問題だということを言ってきたんですが、現にそういうことがあっちこっちで起こるわけです。 きょう一つだけ御紹介しますと、ここにその写しがありますけれども、「放送レポート」という放送関係の雑誌の五月号に「東京新聞の揺れる事情」という記事が出ているんですけれども、簡単に言いますと、東京新聞というのは本社は中日新聞ですね、その東京における出先の新聞社になるわけですが、東京でUHFを東京都とタイアップして申請して獲得したいということに非常に今熱心にやっておられる。このこと自体まことにいいことだと思いますけれども。その東京新聞の中で中曽根政治批判をしていた論説委員が突如として配転をされてしまった。行った先は出版関係なんですが、新聞社においては論説委員というのは社の看板ですけれども、出版は、まあそう言っては悪いですけれども、やや看板ではないという意味では、かなり問題の配置転換が行われたということです。この論説委員はいわゆるスパイ防止法だとか、中曽根さんの戦後政治の総決算路線に対して厳しい論説をずっと書き続けてきた人なんですね。もちろん会社側もそういう理由は言いませんけれども、この「放送レポート」によりますと、この原因はそこにあるんじゃないだろうかと。UHFという局を新しく認可してもらうためには、免許を得るためには、政府に対して批判をしている論説委員をそのまま書き続けさせることは困るんだという社の経営方針によって配置転換をされたのではないかという記事があります。そういうことが起こってくるという、そういうところに今の現行電波法というものは問題がある。私もいつか申し上げたかもしれませんけれども、今までは少なくとも民主主義における言論の自由の拠点であるジャーナリズムのうちの放送事業者にだけ郵政大臣、政府、権力の権限が及んでいたものが新聞社にまで及ぶことになるわけです。それは新聞社と放送事業者が共通だという現実があるから、責任が政府にないとおっしゃるかもしらぬけれども、事実そうですね。この前、例として申し上げたのは日本衛星放送株式会社、これは朝日、読売という日本の二つの大きな、勢力を争っている新聞社がともに経営に加わってきました。ということは、間接的にですが、郵政大臣の権力がこのジャーナリズムの二つの大きな拠点にまで及ぶおそれが今のこの東京新聞の例からある。こういうことまでも考えて私は申し上げているわけでありまして、これは本日の問題と直接関係ありませんけれども、お耳に入れておきたいと思います。 時間がなくなりましたのでCATVの問題に戻りますけれども、当事者の話し合いということで、再送信をするということで話し合いをしていくときの一つの大きな問題点というのは、いわゆる番組の使用料の問題になると思うんですが、これは一にかかってむしろ著作権法上の問題になるんじゃないかと思うんですね。そうなりますと、今度のこの法案による裁定ないしはその以前の事実上のあっせんということと、この著作権法上、つまり料金が両者の間で一致しないために同意ができないというようなケースになってきますと、この著作権法の問題とこの法律の問題がどういう関係になるのか、ひとつ郵政省と文化庁とそれぞれお考えを聞かしていただきたいと思います。
○政府委員(森島展一君) 有線テレビジョン放送法では、公法上のこの再送信の同意という制度をとっておるわけでございまして、この著作権法での著作権に基づいて幾ら使用料を払うかとかそういった問題は私法上の問題というふうに考えておりますので、そこはこの法の目的が違うというふうに理解しております。
○説明員(岡村豊君) 放送局は著作隣接権としての有線放送、あるいは放送局自身が著作者になる場合もございますし、ニュース番組とか映画を放送局がつくっているということで、著作権使用料ないし著作隣接権の使用料ということについて著作権法上の権限を行使するということになるわけでございますが、それは両当事者の話し合いによって決まるというのが原則でございます。両当事者間の話し合いによってどうしても片がつかないというような場合は、これは著作権も隣接権も私権でございますので、私権上のトラブルということでございますと、最終的には裁判所の御判断というところになるわけでございます。 ただ、それへ行く前に両当事者間でよく話し合い、かつ必要な場合には両当事者が文化庁中に入ってくださいというような場合もございますので、そういう場合はできる限り御協力しておりますし、また著作権法上の権利に関しますトラブルにつきましては、著作権法上あっせんの制度というのがございますのでこういう制度も活用できる。しかし、どうしても話し合いがつかない、あるいは話し合いから直ちに訴訟に行きたいということでございますれば、最終的には訴訟で決着ということになろうと思います。
○田英夫君 いろいろ各委員の皆さんの質疑応答をずっと聞いておりまして、現実には私は、今郵政省のお考えはいささか現時点にこだわり過ぎているんじゃないかというか、CATVの将来展望を、しかも割合近い将来展望をもう少し重視した方がいいんじゃないかという気がしてならないんです。 というのは、今のことにも関連をしまして、さっきからもずっと出ておりますけれども、実際に四チャンネル化とかいろんなことが進んでくると、再送信というものが今考えるほどCATV事業者にとって死活の問題だということになってこないんじゃないんだろうか。同意がなかなか成立しないというのは、経営上の問題として、今の著作権料の問題というようなところに、使用料の問題というようなところにむしろ問題が起こる可能性の方が強いんじゃないだろうか。今民放の皆さんは、率直に言って局長も答えられたように、つまりCATVは競争相手、敵だと、こういう観念がかなり強くありますね。しかし、民放の皆さんもいざ時代が進んでいくと実際には、極端なことを言えば、CATV局は番組ソフトを販売する販売先でお客さんだというような事態さえ起こるかもしれないんですね。その辺を見越して、NHKの場合ですけれども、総合ビジョンというようなことで映画会社と一緒になってそういうものもつくろうという計画さえあるわけですから、民放だってキーステーションは黙ってそれを今見ているわけじゃありませんからね。そういうことにずっと転化していくと、目くじら立てて再送信というものについて、対応をこうやって、郵政大臣の権力を強めてまでやるよりも、もっと近い将来の現実を見た方がいいんじゃなかろうか。ですから、今のお答えで、著作権の問題で言えば、実際に私は今問題のこの法律で処理するよりも、今の文化庁のお答えのように、著作権の問題で文化庁長官のあっせんという形で処理するという事態とそんなに件数としては変わらないような事態だって起こってくるんじゃないかなと、ちょっと極端かもしれませんよ、そのくらいの問題であって、こうやって法律をつくって郵政大臣の権限を強めるほどの大問題じゃないんじゃないかと。ただ、いかにして地方の方々、地域の方々がより多くのチャンネルを見られるようにするかという観点で考えていけばいいんじゃないだろうか。 残念ながら、もう法案はきょうここへ出てきて採決の寸前でありますけれども、私は依然としてそういう気持ちが非常に強いということを申し上げて、最後に大臣の御感想を伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(佐藤文生君) 田先生の将来の見通しについて、CATVが、本当に一つの考え方によれば、放送事業者のいいお得意さんになるんじゃなかろうかという可能性もあると思います。しかし、今のCATVというのが建設の途上であって、九九%の方々というのが土俵に上がって放送事業者とCATV業者とがうまくやっている、大部分の流れというのは円満にいっているわけでございますけれども、ほんのわずかな一%ぐらいのCATVの業者が一体どうなっていくかということも、バックにはたくさんな県民がおるし、そういう県民から要望も強いという、その現実をどうクリアしていくかという問題で実はこの法案の提起になったわけでございまして、この裁定というときは、先ほど言ったようにこれはできるだけ使わないで、話し合い、調停的な動きで私どもはやるべきだというスタンスは考えますが、裁定をする場合に、常にCATVの方に向かって裁定に行くのかなと私は事務局に詰めたわけです。そうすると、そうでない、要するに放送事業者の方でCATVを理解しないでやっているような場合においては、やはり放送事業者に対しても反省を求めるといったような、強固なこういうものをバックにしまして、そしてあなたの考え方はいま少し柔軟じゃないといけませんよという裁定に近い調停に持っていく、そのぎりぎりのあっせんというものをやらなければ、入り口論だけでにっちもさっちもいかないという現実の面がわずかにございますので、そういうところを片づけながら、両者とも土俵に上がってそれぞれの特徴を生かしたやり方というものをやっていきたいなと、こう私判断しましたので、お願いをしておる次第でございます。
○委員長(大森昭君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森昭君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大森昭君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、片山君から発言を求められておりますので、これを許します。片山君。
○片山甚市君 私は、ただいま可決されました有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、日本共産党及び新政クラブの各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、この法律の施行にあたり次の各項の実施に努めるべきである。 一、放送・通信手段が複合・融合化するニューメディア時代に適切に対応するため、長期的展望に基づく放送政策を早期に策定し、新時代に即応する放送制度の確立に努めること。 一、衛星放送、地上放送、CATVのそれぞれの特性を活かした位置付けを明確にし、各メディアの調和ある発展を図ること。 一、再送信の同意に関しては、当事者の自主的な解決を第一義として努力し、裁定を行うにあたっては、関係者の意見を十分聴取するなど慎重に対処すること。 右決議する。以上であります。
○委員長(大森昭君) ただいま片山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大森昭君) 全会一致と認めます。よって、片山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、佐藤郵政大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。佐藤郵政大臣。
○国務大臣(佐藤文生君) 慎重な御審議をいただきまして、ただいま有線テレビジョン放送法の一部を改正する法律案を御可決いただきましたことに対し、厚く御礼を申し上げます。 この委員会の御審議を通じて承りました御意見につきましては、今後CATV行政を推進していく上で十分生かしてまいりたいと存じます。 また、附帯決議につきましては、今後その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。まことにありがとうございました。
○委員長(大森昭君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十一分散会 —————・—————