逓信委員会 第7号
- 発言数
- 168 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1986/04/08
会議録
○委員長(大森昭君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二日、柳澤錬造君が委員を辞任され、その補欠として中村鋭一君が選任されました。 また、去る三日、赤桐操君が委員を辞任され、その補欠として大木正吾君が選任されました。 また、昨七日、中村鋭一君が委員を辞任され、その補欠として柳澤錬造君が選任されました。 また、本日、三木忠雄君が委員を辞任され、その補欠として中野明君が選任されました。 —————————————
○委員長(大森昭君) 次に、簡易生命保険法の一部を改正する法律案、郵便年金法の一部を改正する法律案、以上両案を便宜一括して議題といたします。 両案につきましては、既に趣旨説明を聴取いたしておりますので、これより両案について質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○大木正吾君 法案に対して私自身賛成する立場でございますが、最近の金融事情等に関連いたしまして、今後の展望等含めて若干の質問をさしていただきます。 まず大臣に伺いますが、金融自由化の急進展という中で、国が経営します簡易保険、郵便年金の問題でございますけれども、結果的には、こういった金融自由化の非常な激しい国際化あるいは急進展の中で、言えば公的な金利規制、金利を初めとしましたり、あるいは運用の規制というものですね、そして相当多額なものを預かっています立場からしまして、言えば基本的なスタンスといいますか、こういう中でどういうような形でもって国民の、言えば損害を与えないといいましょうか、国民の利益を守るというか保護、そういったことを含めてどういうような対応を基本的に考えられていますか。そのことについて、大臣、所見があったら伺いたいと思います。
○国務大臣(佐藤文生君) 簡保と年金の問題について、今後民間の機関との競合状態に入っていく、どういう考え方でいくか、こういう御質問であると思います。私は、私自身もこの簡保に入っておりますけれども、絶えず新しい商品をつくっていき、いま少し新しい商品をつくるために規制緩和をしてもらわなければ私はやっていけないと、こういう強い印象を持っております。したがって、私聞きますと昭和五十六年当時に新郵便年金の創設がされましたが、五十四年当時から郵政省はそれを考えて、そして二年後にようやく創設ができると。ところが、そのアイデアに対して民間の方はこれはいいアイデアだということでやったら、二年間やる前に民間の方がそのアイデアをとると、こういう昭和五十六年の郵便年金の創設当時のいきさつ等も聞きまして、この二年間の空白というのが今後あらゆる部面において民間と競合する際に出て、いいアイデアを出してもそれが先に民間がやると、こういうことが何度も重なった場合においては、なかなか新しいサービスができないという壁がやがってやってくると。したがって、もう少し新しいアイデアに対する規制を緩和する対大蔵省の折衝とか、そういうものを積極果敢にやるべきであるということで、局長以下に絶えず指導して、それを具体的にひとつアクションを起こすべきであると、こういうことで指導している次第でございます。
○大木正吾君 大臣の基本的な見解はわかりましたが、前の大臣のときの話でありましょうが、ことしの場合に新しい法案を出す過程で大蔵省と相当厳しい折衝をされたと思いますが、結果的には郵政省の要求どおりにならなかったと思うんですが、話のそういったいきさつといいましょうか、隘路といいましょうか、問題点、そういった点について見解があったら局長から伺います。
○政府委員(二木實君) お答え申し上げます。 六十一年度の予算折衝の際、昨年末に私ども大きな意味で二つの制度改善を要求しております。 一つは、限度額の引き上げでございました。これはおかげさまで一定の条件ながら千三百万円の引き上げができることになったわけでございます。 もう一つの制度改善は運用制度の改善でございまして、これは従来からも要求しておったわけでございますが、運用節回に株式あるいは株式を組み込んだ特定金銭信託等を加えるということ、あるいは余裕金を積立金と同様に運用いたしたいという二点を含めた運用の問題の制度改善でございました。 この点につきましては、大蔵省と大変いろいろと折衝したわけでございますが、一つには、国が株式等変動する資産を持つという問題についての議論が煮詰まりませんで株等の運用ができなかったわけでございます。 また、余裕金につきましても、他の特別会計の余裕金に影響が出るというようなことから合意が得られませんで、したがいまして二つ制度改善を要求いたしましたけれども、一方の方だけが成功して、一つの方はまだ解決に至っていないということでございます。
○大木正吾君 御努力等もありまして簡保の加入者の数も幾らかふえてきている感じがいたしますが、言えば民間のこの生保と簡保の関係などについて若干手元の資料等で比べてまいりますと、例えば運用の資産の問題で、総額四十八兆五千八十億が大体六十年九月末の民間生保の額でございますし、簡保の方は二十七兆九千億、これは六十年十二月でございますが、そういった数字をちょうだいしておりますが、問題は、今ちょっと局長の答弁にございました株との連動ということ、あるいは表向き四十八兆と、民間の場合でありますが、資料によりますと民間の生保は資産運用として株式を相当所有しているわけですが、これは簿価等で計上されていますので、現在の株の高騰の額に引き直しますと相当な額になるだろうと思うんですが、そういった問題等について恐らく局長はすべて御承知の上で大蔵と折衝された、こういうふうに考えますが、そう考えてよろしゅうございますか。
○政府委員(二木實君) そのとおりでございます。
○大木正吾君 ちょっと、やっぱりその辺のことが一般には割合わかっていただけないのじゃないかと思うし、大蔵省から理財局長お見えでございますか、もしこれについて、なぜ民間の保険、生保との関係について資産の運用について差別をつけなきゃならないか、これについて概念的なことをまず伺いましょうか。
○説明員(石坂匡身君) 昨年と申しますか、六十一年度の予算の過程で株式等への運用の要求が郵政省からあったことは御指摘のとおりでございます。 私ども、簡保資金は国の特別会計事業というごとでございまして、国の制度、信用を通じて集めた資金を確実な方法で運用していただくというふうなことで制度ができ上がっているというふうに理解をさせていただいております。株式等元本保証のないものに運用するということは、今局長の方からも御答弁ございましたけれども、非常に変動性の高いというふうな不安がございます。また、国が株主としての地位を取得して株主権を行使して民間の企業の経営に関与するといったことについての検討も必要かと思います。そういったいろいろな難しい問題がありまして、今回郵政省と十分検討、協議をさせていただいたのでございますけれども、六十一年度においてはこれが実らなかったということでございます。
○大木正吾君 株の場合には非常にリスクが心配だと、こういうことのようなんですが、ドイツなんかの話だと、資料で拝見しますと保険会社相互間で、民間の保険でしょうけれども、保険を掛け合ってそういった万が一のことについて備えている話も出てきていますし、同時にあなたの御意見でいきますと、今後棒状でもって上がっていく株式との兼ね合いで物を考えた場合、国営事業でありながらもしかし民間と競争しなくちゃいけないという場合、結局加入者が、損害とまでは言いませんが、不利な状況に落ち込むということになった場合の心配も出てくるわけですが、株式の運用については簡易保険自身はどうしてもやっちゃいけない、こういうふうにかたくなに考えているんですか、その辺どうなんですか。
○説明員(石坂匡身君) やはり国の特別会計事業として実施をしているものであるというふうな点が私は非常に重要な点であるというふうに考えております。特別会計事業でいろいろなものがあるわけでございますけれども、やはりこうした非常に価格の変動の大きいものである、元本割れの危険もある、過去にも非常に大きく株価というのは変動しておるわけでございますので、そういった点を考えますと、やはりどうしても不安がぬぐい切れないというふうに申し上げさせていただきたいと存じます。
○大木正吾君 ちょっと質用の順序をしからば変えさせていただきますけれども、実は民間の関係で申し上げますと、厚生年金ですね、厚生年金の資金の運用の中にごく金額が少のうございますけれども、ことし新しく金銭信託に多分投資をするであろうと思われます厚年事業団の三千億円の資金を認めたことが予算に出ていますね。これはどういう考えでやられたのですか。
○説明員(石坂匡身君) これは特別会計ではございませんで、一つの法人といたしまして独立して事業をやっておるというふうな特殊法人でございます。そういう関係でやはり特別会計の事業とは同一には論じられないのではないだろうか。それから、やはりその今の御指摘の事実につきましても株式への運用ということは考えておらないというふうに聞いております。
○大木正吾君 金銭信託でございましてもこれは本人の希望によりまして株の運用ができないわけじゃないというふうに私たちは承っていますからね。だから、それは使途を特定しながらお認めになったのかどうか背景はよくわかりませんけれども、ただ、御承知のとおり保険は国営であっても何でもやっぱり契約ででき上がっているわけですね。そうしますと、厚生年金の資金は、ここに専門の片山先生おられますけれども、これは強制的に結果的にはサラリーマンが月給から天引きされている、言えば義務的な負担ですわね。山もとですよ、出費の一番もとですね。もとはやっぱり契約でできているものでは簡易保険は国がやっていましても契約ですよね。一方は税金に準ずる形でもって、言えば年金の資金として徴収される、こういうものですね。その使い道の先の方で一方は緩やかになって一方はかたい、こういうことについて何か矛盾を常識的に感じませんかね。
○説明員(石坂匡身君) ただいま御答弁申し上げたとおりなのでございますけれども、いわば財政投融資の対象の機関としての事業団、特殊法人がございます。その事業団の資金運用として今御指摘になったような金銭信託というふうなものがあるわけでございますけれども、それにつきましてはやはり株には運用しないというふうに伺っておりますし、それからこの簡保の場合特別会計事業でございます。いわば国の班業である、片や一つの独立した法人であるというふうな点に差異があるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。
○大木正吾君 いや、それ納得できないんですけれども、ほかにも質問がありますからまたこの次の機会でもいいですけれども、もとはいずれにしてもこれは税金に準ずるものでもって徴収している、それがどこか別の事業団に移った場合には自由な運用がもっと幅広くできるというものと同時に、一方は国営の簡易保険だけれども自由契約でできているものですね。そのものが結果的に資金の運用が税金に準ずるものよりも自由がきかないという、この辺のことは僕は法律論争じゃなしに、もう少しやっぱり社会のあり方といいましょうか、金銭の運用の問題について大蔵省少し意見かた過ぎる、こういう感じがいたしますので、ここのところは今後さらに大蔵委員会でもどこでもいいです、またお邪魔しまして勉強さしてもらいたいし、同時に研究も私どもでさしてもらいたいし、同時に大蔵省自身もその辺のことはもっと考えてもらいたい、こう考えている問題点ですね。 さて、次に変額保険の登場ということで、これは新聞で拝見しますと何か十月ぐらいにもこれが登場することになりますが、これも結果的には株の問題に絡むのかしれませんが、こういうものが出てきますと、簡易保険と民間の生保との競争関係係というのは決定的に簡易保険はいわば不利になる、こういうふうに考えて差し支えないと思うんですが、それはどうですか。
○政府委員(二木實君) 今、十月ごろ民間の生保が変額保険を発売するというようなことで準備を進めているというふうに聞いておりますが、その中身等は詳細にわかっておりません。 先生御指摘のように変額保険というのは株式等の有価証券を分離勘定によって運用するというものでございまして、従来の統合運用よりも有利だと言われておりますが、その点もまだどの程度の組み込みができるのかよくわかりませんので不明でございます。この変額保険の先輩としてはアメリカがもう既に長年やっているわけでございますが、アメリカの変額保険の態様を見ますと、全体でまだ保有件数等も低いようでございますが、内容は、コストがかかるということから中高所得者を対象として割と保険金の高いものがアメリカでは変額保険として発売されておるようでございます。 日本の場合に金融環境が大分違いますので、これがどういう金額のものが主に発売されるのかわからないわけですが、私どもの無診査保険にどのくらいこれが影響するかということについては今のところ不明でございます。御指摘のようにこれは株をということになりますと、私どもの運用法上の制約がございまして、郵政省の簡易保険としては直ちにこれと同じような商品は発売できないということになっていますが、これからもいろいろと検討はしてまいりたい、そのように考えておる次第でございます。
○大木正吾君 先の方でやろうと思ったんですが、ついでですから大蔵省も含めて伺いますが、最近のこの異常な株の高騰は一時的なものとお考えですか、それともまだまだ、少し小さな波はありましても、一年間にダウ平均でもって千二、三百円ぐらい上がっていく傾向を持つようにお考えですか、どうですか、その辺のことは。これは担当が違うからとおっしゃらずに教えてほしいと思うんですがね。
○説明員(石坂匡身君) 大変難しい御質問でございまして、株の動きというのは物の値段でございまして、経済の要素ばかりじゃございません、投機的な要素とか、かなりいろんな要素で決まってくるわけでございますから、どういうふうになるかというのは必ずしもよくあれでございますけれども、ただ金利が安いということは割合株高ということにつながりやすいというふうなことは言えるのではないかと思いますけれども、これから先のことはちょっと私ども何ともお答えしようがございません。
○大木正吾君 遠慮されて答えていらっしゃる。どこか講演でも行ったらもっと立派なこと言うんだろうと思いますけれども、私、国会の場だから遠慮されているかと思っていますけれども、大体最近の金融関係の雑誌など拝見いたしますと、オイルの最近の下落の状態とか、組合がだらしないものですから賃金が余り上がらない問題とか、物価が割合に安定している問題とか、そういったことを含めて総合しますと、やっぱり何だかんだ言いましても株が大変な下落、この間ちょっと一遍三百何十円下がりましたけれども、しかし年間を通していきますと、恐らく来年の今ごろはダウ平均一万六千円を超えると。大体専門家筋の話を野村の方とかなんかに聞きますと、まだ四、五年間はそういった上下が続くだろうということが言われておりますね。もう一つ、その周辺には、言えば金のだぶつきがございますよね。土地も東京の中心、大阪の中心部分は上がっていますけれども周辺は余り動きはありませんし、同時に民間の投資も落ちていますから、投資対象が減っちゃっているんです。したがって、やっぱり結果的には株の方に資金が流れてくるんですね。そういった傾向というものはここ数年間、中期的あるいは三年か五年ぐらい変わらぬというのが大体僕らの見ている雑誌や新聞の紹介の仕方なんですよね。ですから、そういったことをよく大蔵省の方々御存じであるけれども、そんなことを無責任には答えられない気持ちはそれはわからぬでもありませんけれども、そういったことを考えますと、やっぱり変額保険というものが、二木さんさっきおっしゃったけれども、まだ全貌は確かに明らかでないかもしれませんけれども、恐らく相当中型の保険、金額的に幾らくらいのことを言うか別にしまして、これは相当日本にも広がってくることは間違いないと思うんですね。 そうしますと、簡易保険の場合にこれを将来とも考えないでいくのかどうかという問題ですね。同時に、競争関係ですからね、ニーズの関係です。だから、そういう関係で考えていきますと、やっぱり簡易保険の募集なり、言えば加入者が頭打ちをしてしまうとか、結果的にはやっぱりそういった意味合いで変額保険というものをどうしてもこれは将来考えざるを得ないとか、そういった点にぶち当たるというふうに、私自身先行きを考えた場合そう考えるんですが、郵政省御自身これについて、先行きについては前向きに検討されるお気持ちですか。
○政府委員(二木實君) 私どものこれからの商品というものを考えた場合に、この変額保険も一つの考えるべき商品かと思いますが、すべてやはり運用制度との絡みということになってまいるわけでございますので、そういった絡みを考えながらこれも一つの検討材料として当然検討を進めていきたいと思っております。
○大木正吾君 次に、ちょっと話題を変えまして年金のことを伺いますけれども、実は年金につきまして、大臣は郵便年金に入っているかどうかはわかりませんが、 〔委員長退席、理事片山甚市君着席〕 実はうちの家内は、自分の貯金を出したのですから主税局の方がいても別に心配ありませんけれども、とにかく始まった年かなんかに入ったんですよ。それで来年ぐらいからもらえることになるはずなんですけれども、そういう関係で見て、最近民間から盛んに個人年金の勧誘なんかあるものですから、資料をちょっとちょうだいして調べてみたら、やっぱり郵便年金が非常に分が悪いということがはっきりしておりまして、ちょっとこれ例を大ざっぱに引いてみたんで聞いていただきたいんですが、例えば四十歳で民間の生保に加入いたしまして毎月四万二千七百円、十二倍いたしまして年間約五十一万円ですね、これを二十年掛けていきますと約一千万円、こうなるわけですね。それに対しまして郵便年金の方は、同じ四十歳で入ったといたしまして、月額三万九千九十六円掛ける十二カ月、年掛金四十三万五十六円、総額二十年間で約八百六十万円、こうなりまして、掛金の方では約百四十万郵便年金の方が少ないんでございますけれども、六十歳の支払い開始のときの郵便年金最高額が七十二万円ですね。民間の生保百七十二万円だそうで、六十歳支払い開始で百万円違うんですね。こういうようなケースが出てきているわけですけれども、これについて二木局長、どういうふうにお考えですか、こういう状態でもってやれるかどうかということなんですがね。 〔理事片山甚市君退席、委員長着席〕
○政府委員(二木實君) 年金もそうでございますが、各社いろんなバリエーションのものを出しておりまして、同一の条件でないわけでございます。私ども、この例がちょっとよくわからないんですが、例えば終身年金の場合に保証期間というのが十五年ございますが、民間の場合には十年というのがあるようでございまして、そういった保障期間が長い短いだけでも掛金の率も違ってくるわけでございまして、そういったものを、しかもどのくらい余命というものを考えて逓増していくか、あるいは最初から十年間高いもので払っていくのかというような仕組みの違いがあるわけでございまして、トータルで見る必要があろうかと思いますが、私どもとしてその条件を同じにすればほとんど変わらないんじゃないか。それで、トータルで見た場合には、またこれも、最初のうちは低くても長生きすればほとんど変わらない。私どもが保障期間十五年というふうに考えていますのは、大体そのくらい長生きされるということで考えておるわけでございますので、実態はまあ遜色ないと私ども考えておる次第でございます。
○大木正吾君 ちょっと答えが私の期待する答えになってなかったんでがっかりしたんですけれども。 これ、四月の週刊朝日の特別号に出ているんですけれども、民間の年金の事例が出ておりまして、ページ数もたしかここにあるんですが、それは抜きにいたしまして、ただ、これは大臣にも聞いておいていただきたいんですけれども、きのうの読売新聞ですか、何か年金の特集のページがございまして、うちの家内もそれを読んでいたようですけれども、二人半ぐらいですか、二人といたしましても月に三十万円なければ生活ができない、こういうふうな記事が相当大きく載っておりまして、新聞読まない女房なんですが、珍しく読んでいまして、そして、お父さん、私やれるだろうか、こういう話なんですね。まあ年七十二万ということは月六万円しかないわけですよ。私がぽっくり死ねばその半分ぐらい行きますから幾らか落ちつくかもしれませんけれども。結局、何といいましても高齢化社会というものが迎えているものは、私が資料説明をちょうだいしたとき二木さんにも申し上げたんですが、むしろ、保険の金額を上げることも結構だけれども、やっぱり社会のニーズというものは高齢化社会ですから老後生活に集中しているんじゃないか、こういう問題を申し上げまして、もう少し郵政省、年金に対する取り組みをしっかりしたらどうでしょうかということをたしか申し上げたことを記憶しているわけですがね。 ですから、そういう意味合いで考えますと、今いろんなお答えがありましたけれども、そういったことも私の手元に資料ございますから細かな議論をやってもいいんですが、とにかく七十二万と百七十二万の違いというものは、これは決定的に運用の背景が違うんですね。ですから、そういうところで出てくるわけでございまして、今おっしゃられたように、大体いろんな仕組み、保障が十年、十五年だから云々といったものじゃなしに、ここに資料をちょっともらってきたものが一、二部ございますけれども、こういうふうにしていろんな形でもってこれ増額しているんですね。ですから、こういったことが結局できるということは、その背景には資産の運用がやっぱり物を言っているわけですよね。そこのところに気がつかないと私はやっぱり郵便年金には、言えば一つの限界がある、こういうふうに感じているわけなんですが、少しやっぱりその辺の問題につきまして、言えば民間の側の、とにかく大蔵省が厳しく運用の面でもって幅を広げてくれないからどうにもならないということなのか、あるいはそういった背景は抜きにしても、民間の年金と個人年金を比べても負けない、絶対に遜色ない、こういうふうに言い切れるかどうか、もう一遍その辺のことはお答えいただけませんか。
○政府委員(二木實君) 確かにそれぞれの運用の仕方、先ほども議論ございましたように、郵政省の運用というのが民間に比べれば対象も範囲が狭くて低いわけでございますが、その中におきましても年金の資金につきましては優先的に今高利回りのものに運用をしているところでございます。 それで、先ほどのお話ございましたような年金のこれからの支払いの状況を見ますと、私ども三%の逓増方式をとっているわけでございますが、さらに各年度の予定の運用利回りが大変それよりも多いわけでございますので、そういったものを増配という形で乗っけておりまして、その増配分を計算に入れておきますと大体長期間にわたっての、例えば終身年金等でございましたならば対等にやっていけるというふうに考えておりますが、しかしいずれにいたしましてもこれからの年金は長い契約をしていただくわけでございますので、そういったものの資産が十二分に物価等の上昇にも見合うというようなことから、運用の範囲の対象につきましてさらに拡大すべく努力をしていかなければならぬというふうに考えている次第でございます。
○大木正吾君 二木さん、この資料、恐らく毎年毎年ニーズの研究なりあるいはいろんなもので研究されているそうですからお手元には多分あるだろうと思いますけれども、私たち感じますことは、同じ条件でもって結果的には資金の運用がどうしても不利な条件の中だからできないという問題が相当あることは間違いないというふうに私たち見ておりまして、同時にもう少しやっぱり年金社会といいましょうか、高齢化社会——年金ニーズですから、そういった問題も含めて簡易保険の限度額の増高も結構ですけれども、郵政省自身、年金について民間との競争が当然激しくなってきますから、今の加入の増高傾向だけでいいというふうにお考えですか。
○政府委員(二木實君) 現在大変伸び率がいいわけでございますが、これはいいと申しましても五十六年から始まった新しい制度でございますので、当然まだ母数が小さいわけでございます。六十年度一年間で十六万件の募集がございました。さらに六十年度末、ことしの三月末では保有契約が四十五万件になっておりますが、しかしこれは千人に対してまだ三・五件という小さい件数でございます。私ども、やはりこれからの公的年金の補完ということで考えますと、この年金というものにもっと力を入れなければならぬと思っております。 それからまた金額でございますが、現在最高七十二万円、月六万円ということになりますが、私ども、この金額よりもむしろ件数がまだ少ないということで件数増に力を入れているわけでございますが、さらには現実に加入されている方々の年金額を見ますと、平均が約二十万円程度でございます。七十二万円の最高に入っていらっしゃる方は四%程度でございます。私ども思いますと、公的年金というものが少ないとは言いながらも十七万程度大体保障されると。先ほど生活費が三十万というお話がございましたけれども、別な調査によりますと二十万あるとほぼできるというような資料もございまして、そうなりますとちょうど六万で今のところまだやっていけるんじゃないかというような気持ちを持ちまして、実は昨年度は要求をしていなかったところでございます。しかし、これからの国民のニーズ等十二分に把握いたしまして、この金額の問題につきましても積極的に取り組んでまいりたいと、そういうふうに思っております。
○大木正吾君 今のお答えそのとおりで、けさも話したんですけれども、三十万円なんてことはとてもじゃないけれどもだめだよと。大体二十万でもって年とったら二人で暮らしていこうという話をしたわけで、ちょうどあなたの答えと同じなんですけれども、ですから、ただやっぱり背景にあります国が経営する、国がやっているから運用ができない。これはまたこれからの質問でもってさらに大蔵からも聞くんですけれども、同時に公的年金が高齢者社会でもって結果的には相当抑えられているといいましょうか、不利になっているといいましょうか、月に十五万でもって大体ことしのスタートは二人でもってやっていけ、こういうことで年額百八十万ですからね。そういったものでは当然の問題として老後について、四十蔵ぐらいからになればみんな考えて定年後どうしようかでもって始まってくるわけですから。ほぼ二十年間かけて六十歳、六十五歳でもって自分の公的年金の補完をしていくということは出てきますからね。そういった意味合いで、私はやっぱりこういった年金問題についてもぜひ大蔵との折衝の中にこれからは取り上げていくべき問題だろうと、こう考えています。 そこで問題は、さっきの大蔵との話の中にも出てきている問題ですが、郵政省御自身は、ことし要するに資金の運用の範囲といいましょうか、同時に対象ですね、それについてどういうような課題を大蔵との話の中にはお出しになったんですか。
○政府委員(二木實君) お答え申し上げます。 資金の運用の問題二つございまして、一つは制度の改善でございます。先ほども御説明申し上げましたように、株式あるいは株式を組み込んだ金銭信託というふうなこと、あるいは余裕金の積立金同様の運用の二点を出したわけでございます。 また、一方財投の協力ということで従来もやってまいりまして、その財投協力の中におきましても運用対象につきましていろいろと毎年見直しをしているところでございます。郵政省として特に必要であろうと思われる機関に対しての投資というものも要求し、実現したわけでございます。
○大木正吾君 結果的には相当絞られたわけで、一千三百万までいった中で、逆に今度は子供さん方とか御老人の方々の金額が減らされた、こういう経過、この法律の説明の中でも承っておりますけれども、どうもやっぱり基本のところが抜けてない。こういう感じがいたしますので、これはどうしても、先ほど株の問題でもって若干の論争をいたしました問題というのもございますが、私はやっぱり最近の経済事情と言っていいでしょうけれども、その中における産業のあり方、言えば金融市場というものをどの産業に含めるかということは、私も専門じゃありませんからなかなか明確に自分自身も答えを持っているわけじゃありませんが、いろんな産業がございますけれども、金融絡みの、言えば市場というか、産業が相当に広がってきていることは間違いありませんから、今お答えあったとおり、新しい運用の仕方、運用の対象の範囲の拡大、これについては大蔵省本当にもう——例えば農林共済とか教育共済、あるいは公務員の共済組合の場合にありましても相当運用については、これ割合に資金のもとが苦しいからかもしれませんけれども、相当共済組合関係でも緩やかな運用の対象を結局認めているわけでしょう。そういうことからしますと、どうもやっぱり簡保、年金等の運用については厳し過ぎる、こういう感じがするんですけれども、共済組合の運用との関係については大蔵省等はどういうふうにお考えですか。
○説明員(石坂匡身君) 共済組合、いろいろな共済組合があろうかと存ずるわけでございますが、国家公務員共済の例で申し上げますれば、大体加入者に対する還元という部分とそれから運用部に対する預託という部分と、それから一般的な運用というふうに分かれているかと思うわけでございます。ただ、その全体としての利回りは必ずしもよくはないというふうに承知をしております。
○大木正吾君 これはどこの資料がわかりませんけれども、私の手元に入っている資料ですが、株式の欄を見ていきますと、結局簡易生命保険はバツである、民間の生命保険はもちろんマルだと、国家公務員等共済組合も株式に対する運用は大いにやれと、こう書いてありますね。もちろんこれは農林共済も教育共済関係、民間の教育関係の共済組合も株式運用をやっているわけですけれども、なぜこれは簡易保険、年金の運用の際にはバツでもって、株式の運用は認めないのですかね。資金の質からいったらどうなりますかね。
○説明員(石坂匡身君) この問題は、年金の中でも例えば厚生年金については全額資金運用部預託になっておるというふうなことでございまして、いわば国の事業として行っているものにつきましてはやはり安全、確実といいいますか、そういった点が非常に強い運用の仕方になっておるというのが現実のところであろうかと思うわけでございます。
○大木正吾君 どうも話がかみ合わないんですけれども、さっきもちょっと厚年の事業団の話を持ち出したんですけれども、私たちの認識ではああいう共済組合の掛金というものは税金に準ずる公的負担と、こういうふうに一般的に認識しているわけですよね。しかし、この簡易生命保険の場合には国営であったって自由契約ですからね、契約でもって集まっている金ですからね。そういう意味合いでは、やっぱり資金の出どころのところは税金に準ずるものと、言えば自分の余裕金による契約というものとは違うと思うんですね。そういった意味合いのことも含めて考えたときに、一方は株式運用は自由ですよといって、もしも、じゃ共済組合関係でもって株でもって大きなリスクが生じた場合に、それをどうするおつもりなんですか。大蔵省御自身はどういうお考えを持たれますか。
○説明員(石坂匡身君) 株を運用していると承知しておりますのは国家公務員共済の例であろうかと承知しておるわけでございますけれども……
○大木正吾君 農林もやってるんだ。みんなやってるんだ。
○説明員(石坂匡身君) 農林もそうでございますか。 私ども承知しているところでは、株に対する運用は非常にウエートが小さいというふうに承知をしております。
○大木正吾君 ウエートが小さいとか大きいじゃなくて、要するにそういったものを認めていながら、一方で認めていないのはどういうわけなんでしょうかと、こう聞いているわけですよ。私たちやっぱり保険に入りました場合には自分の契約でもって、私が入りたくなかったら入らなくていいわけですよね。しかし、年金の掛金というものは自分が在職しておれば強制的に天引きされる税金に準ずる金ですからね。そういったものの方が厳しく運用されるのが当たり前でありまして、リスクが起きちゃいけませんから。ところが、自由契約でもって入っている保険の方が厳しい運用になっていて、一方が割合に、株式の投資も結構です。それはもう別に量、質の問題じゃないですよね。質の面でもってそういったことについての根拠といいましょうか、法律的な意味合いのことや何か、どうもそのもとになることがはっきりしないので、しつこく聞いているんですけれどもね。
○説明員(石坂匡身君) これは先ほど来申し上げてあるところなんでございますけれども、やはり国の特別会計事業であるという点がやはり一つ大きなポイントであろうというふうに私ども考えておるわけでございます。やはり簡保の法律におきましても確実というふうな事柄が書かれておるわけでございまして、そういった確実な運用という点で、やはり株式というのは非常に価格の変動が激しいものでございますから、暴騰もあれば暴落もあるというふうなことで、大変難しい対象であろうというふうに思いますし、また国が株主としての地位を取得して株主権の行使を通じて民間企業の経営に関与し得るというふうなことについてもやはり検討を要する問題があるんではなかろうかというふうなことを申し上げさしていただいているところでございます。
○大木正吾君 大体しかし、あれでしょう、国自身が電電株持ったり、いろんな株式持っているわけでしょう。同時に、今から五、六年前のそういった金融市場なり金融産業というか、そういったときと今とは大分状況というものが変化しているんじゃないですか。いずれにしましても、これしばらくは、恐らくアメリカの国債が返済するのに百年もかかるでしょうし、日本だって百四十三兆にもなっちゃうんだから、返済するのには恐らく百年かかりますよね。そういったものが残る映りは、やっぱり金融というものが相当大きな産業のシェアを占めるのは間違いないんですよ。そうしますと、やっぱりそれに絡んで最も有利な運用をしながら、言えば預金者の保護、加入者の保護等を考えることは当たり前のことなんですよね。私は、だから理論的にあなたのおっしゃることが筋が通っていれば別にここでもって何回も繰り返し申し上げないけれども、共済組合とか厚生年金の掛金みたいに税金に準ずる厳しい取り立てをしているものについて、言えば株式も金銭信託も自由にやりなさい、こういうふうにやっている部分が相当ありながら、国が経営するからといって、自由契約の簡易保険についてはそういったことを認めないのかと、こう詰めて聞いているんですがね。 それで、あなた言っているのは常識論でもって何のことないんで、ただ株は乱高下が激しいと。とんでもないじゃないですか。乱高下はないですよ。これから数年の間は恐らく株は若干下がることはあったとしても、あんたが心配するような大変なリスクというものは大体生じないと私は見ているんですよ。そういったことを考えるから、簡易保険自身が民間の生保と競争するといったってなかなかそうもいかないし、結局郵便年金の場合と同じですよ。バックにある資金の運用が狭まれば有利な商品提供はできないですからね。その問題のポイントのところを、どうしてそこが違うのかということを何遍も聞いているわけで、あなたは常識論でもって、結果的にリスクが危ないからとおっしゃっているんですね。余りそういったことは今の時期では説得力ないですよ。もう少しあんた筋道立てて私に対して答えてもらいたいし、答えがこれにはなかったらまた別の機会に譲りますけれども、今の答えで納得できませんよ。
○説明員(石坂匡身君) 先ほど御答弁申し上げましたように、厚生年金につきましては、これは全額運用部に預託をされているというふうな形で運用をしておるところでございます。それから、事業団につきまして金銭信託があるというお話でございますけれども、それは金銭信託についてはそうでございますが、やはり株という点については、これも実態的には運用しないというふうなことになっておるというふうなことで承知をしておるところでございます。 それから、先ほど来申し上げまして御了解を得られなくて大変残念なんでございますが、私どもは国の特別会計事業としてやはり簡保というふうな事業が営まれているということに着目をいたしまして、やはり非常に価格変動の激しい、元本保証のない株式への運用ということにつきましては大変不安がある、またこの企業の経営の支配権というふうな問題もあるというふうなことを御答弁さしていただいているわけでございますけれども、大変御理解が得られなくて残念でございます。
○大木正吾君 いずれにしても、事業団をつくって運用すればいいということになれば、それはやり方ありますから、いろいろこれからも議論する問題だろうと思いますが、きょうはこれでやめておきます。 最後に、余裕金問題については同僚議員に譲りまして、財投研究会というものを持たれていますね。これについての資料をちょうだいいたしたんですけれども、何かよくわかりませんが、住宅政策金融とか農林漁業金融とか輸出入金融とか、そういった個別の問題について意見が続いていまして、本質的な要するに財投資金の、言えば今後の新しい金融事情なりあるいは経済状況に見合った、もうちょっと抜本的な研究というものをやっているかなと思って私は拝見したんですけれども、なかなか新しいものらしきものはこれからは拝見できないんですけれどもね。これは今後とも継続的にやっていくことになりますか。
○説明員(石坂匡身君) 財技研は理財局長の勉強会というふうなことでつくらせていただきまして、名古屋大学の飯田先生を中心といたしまして十三名ばかりの先生方で、いわば自由に意見を述べていただきまして、幅広く勉強していただいているということでございます。御指摘のように、ただいまのところ、この財投の対象運用機関のあり方につきまして網羅的な勉強をさせていただいているということでございます。まだこの勉強は継続しておるわけでございますけれども、今後さらに幅広く、財投の歴史でございますとかそういった勉強にも続けていただけるのではないかというふうに考えております。 いずれにいたしましても、何らかのお考え方をこの研究会でまとめるというふうなことになりますれば、十分この財投編成に当たって参考にさせていただきたいというふうに考えております。
○大木正吾君 この資料は結局そのうちのつまみ食い、つまんだ部分を私にくれた、こういうことになりますね。結果的には恐らく財政投融資研究会でございますから、もっと基本論がなければおかしいんですよね。例えば運用先についてもっと多様化するとか、あるいはさっきの株の問題とも関連してどうしようとか、もう少し幅広い、要するに金の言えば徴収される側を、主にそれを対象にして投資する側についても、政府関係の五金融機関が金を余してしまった問題とか、そういった問題点も含めて、もっと基本問題について、飯田君だったら当然研究機関はやっているはずです。それが何でこんなぺらぺら個別のものだけ資料をこっちによこしたんですか。まだ別にあるでしょう。この研究会御自身が何か財投等について、新しい金融事情に合わせてどういう運用をしようかという議論したはずなんですよ。このもらったものは何のことはない。時間がないから、私はほかの仕事が忙しかったからそこまで資料を追求しなかったけれども、羅列してあるのは結果的には個別の投資対象に対する問題点だけじゃないですか。こんなものじゃないはずですよ。財投研究会と言うからにはこれの目的に書いてありますけれども、もっと財投自身の根幹に触れたものの議論があってしかるべきであったと思うけれども、それについては全然資料ちょうだいしてない。あったらいただけますか、どうですか。
○説明員(石坂匡身君) ただいまのところ別にそのほかに資料があるわけではございません。まだ答申とか報告とかいうことをまとめたというふうな状況でもございません。先生のところにお渡ししたのはただいまの中間時点のこういう状況にあるというふうなことをおまとめして差し上げたものでございまして、したがいまして、そこに書いてあります意見も、こういう意見もあった、こういう意見もあったというふうなことでございまして、決してまだ集約されているというふうな状況にはないわけでございます。そうしたこの財投機関のいわば運用対象機関の勉強からただいま入りまして、徐々に深まって研究をしていただきたいというふうに考えておるところでございます。
○大木正吾君 これで終わりますけれども、要するにこれは研究会御自体は財政投融資の仕組み全体についてこれから洗い続けていくわけですね。そうしましたら、ぜひ郵政省がやっぱり財投資金の大宗をなす資金を提供しているわけですから、郵政省、当然郵政大臣等の意見も聞くなりあるいは担当局長の意見を聞く等の機会も得させていただきまして、そして仕組みですからね、根幹に触れた問題について研究されて、ぜひこの委員会等にも資料として出してもらいたいことを私はお願いしておきますが、どうですか。
○説明員(石坂匡身君) この研究会がこれからどういう方向でどういうふうなところまで御研究をなさるかということはまだ今の段階でははっきりしないわけでございますけれども、もちろんこの研究が深まりまして何らかの考え方がまとまってくればそれは当然先生にも差し上げたいと存じます。
○大木正吾君 大臣にもこれはお願いしておきますけれども、これはまた貯金の議論のときにも関連しますからちょっと申し上げさしていただきますけれども、いずれにしてもこういった研究会ができているわけでございますから、やっぱり従来から一番ガンになっていますのは新しいニーズの変化あるいは金融事情の変化ですね、そういったものに対応して一生懸命各歴代大臣が努力されまして、そして小さなものを引き出して大蔵省に運用の幅を認めてもらったりしてきているわけですけれども、やっぱり私たちが見ているとどうも時代の流れというものに対しまして大蔵省は厳しい見方ばかりしていると、こういうふうに感じるし、同時に郵政省から大変な郵便貯金を中心とした財投資金をちょうだいしていながら運用については極めて厳しい、こういうふうな見方が強うございまして、そういった問題についてこういった研究会のあることについて御注目をいただきながら、ぜひこれに対して所見などを述べて大蔵大臣と大いにやり合っていただいて、簡易保険にしても年金にしましても、いずれまあ貯金の話も出るでしょうけれども、そういったものが何とか有利な運用ができますように御努力願いたいことをお願いして終わります。
○国務大臣(佐藤文生君) 大木先生の今の御意見をずっと聞きまして、国営であるけれども実際民営でやっておる内容でございますのが郵貯であり簡易保険であり郵便年金制度でございます。したがって、このような自由競争の時代に入ってきたという変化にやはり応ずる我々は考え方を持たなければ、国営しかし内容は民営であるという、こういう伝統的な運営にも片肺飛行を迫まられておるのが現況でございます。 したがって、今、大蔵当局の課長のお話を聞きまして立場立場の話があるなど、こういうぐあいに実感を持っておりますけれども、こういう制度だからこのように考えていくという時代は私は過ぎていったと思うんです。ニーズに応じて、社会の変化に応じて我々はどのようなことをしなければならないかという観点から考えていかなければならないという時代が来たような気がしますので、責任者の一人として大蔵当局とも十分に話し合いながら整合点といいますか調和点といいますか、そういうところの骨幹に触れた話に持っていきたい、こういうぐあいに思い、先生方にまた御意見を聞き報告ができ、そういうようなことで対処していきたいと、こういうぐあいに思います。
○大木正吾君 終わります。
○片山甚市君 簡保・年金事業は民間の保険との競争がますます激しくなりつつありますが、郵政三事業の中ではまずまず安定しているとのことであるようですが、最近の募集成績など事業の現状についてまず説明してもらいたいと思います。
○政府委員(二木實君) お答え申し上げます。 六十会計年度の三月三十一日に締めました速報値で申し上げますと、簡易保険が新規募集で五百八十八万件、対前年比三・七%の増でございます。保険金額にいたしまして十二兆九千六百億円でございまして、対前年比五・九%の増になっております。また、保険料額ですが、第一回の新規募集の保険料額の合計が六百二億円ということで、これは対前年比九・三%の増になっております。 また、郵便年金でございますが、六十年度で募集できました年金は十六万件、対前年比三八・二%の増でございますし、年金額が三百十億円でございましてこれも三五・二%の増でございます。 保有契約は、三月末で、簡易保険で五千五百六十万件になっておりまして、保有保険金額が八十五兆四千億円でございます。年金につきましては、件数が四十五万件、年金額が一千億円ということでございまして、これらの契約で預かりました掛金等の資金量でございますが、三月末で二十八兆五千六百億円となりまして、六十年度の初めに比べまして資金量で九・九%の増加になっている次第でございます。 言ってみますれば、順調にこの一年間は推移したと言ってよろしいかと思います。
○片山甚市君 簡易保険と年金については比較的安定した成長を遂げてきたというお話であります。 そこで、簡易保険法や年金法は内容が複雑でありまして理解しにくい部分が多いのであります。改正案の内容についてわかりやすい言い方をしてくれませんか。
○政府委員(二木實君) 今回の御審議をお願いしております簡易保険法、郵便年金法の改正点でございますが、簡易保険法は大きく挙げまして三点でございまして、第一点は保険金額の加入限度額についての改正でございます。現在、加入限度額は被保険者一人につきまして一千万円でございますが、これを二十歳以上五十五歳以下の者につきまして実質的に千三百万円まで加入できるように引き上げるというものでございまして、具体的な条件は政令で定めることにしております。第二点は、保険金額を増額するための保険契約の変更でございまして、これによりまして加入した後に所得やあるいは必要な保険額の増加というものに対応いたしまして保険金額を増額したいとする加入者の利便を図ることができることになります。第三点は、家族保険につきましての改正でございまして、家族保険は現在、満期または被保険者の死亡というときに保険金を支払うということになっておりますが、このほかに保険期間の途中におきましても生存保険金を支払うことができるというようにするものでございます。 それから、郵便年金法の改正の主な点は、一つには年金の契約者が年金継続受取人を指定できるとするものでございまして、もう一点はその年金継続受取人の終身にわたり年金が支払うことができるとするものでございまして、この結果、例えば年金受取人を夫としまして夫の死亡した後の年金継続受取人を妻とするような年金契約を結んだ場合に、夫の生存中は夫に年金を支払いますが、夫の死亡後は引き続き妻が生存している限り終身にわたって年金を受け取ることができるというようなことになりまして、年金制度の改善を図るものでございます。 以上でございます。
○片山甚市君 昨年郵政省のある研究会が出しました「生命保険事業の将来動向と簡易保険事業の役割」と題する報告書には「わかりやすい商品」の提供ということが強く指摘されておりました。諸手続や数理上の問題で難解になることはやむを得ませんが、保険や年金の制度や仕組みはできるだけわかりやすくすることによって国民生活に寄与するものであるとの理解を深めてもらいたいのですが、いかがでしょうか。 契約上のトラブルを防ぐ意味からも、郵政省としてどのような配慮がなされておるか御説明を願いたいと思います。
○政府委員(二木實君) 先生御指摘のように、簡易生命保険法あるいは郵便年金法ともに契約上の権利義務について定めておりまして、性質上法律的な表現にならざるを得ない面がございまして、難解な面がございます。また一方、約款につきましても、この法律の規定を受けまして細目的な契約条項を定めておりまして、法律と似通った面がございます。 しかし、私ども、約款改正を行う際に、従来から表現についてできるだけわかりやすくするように努力してまいった次第でございますし、これからも約款の内容につきましてさらにいろいろと工夫を凝らしてまいりたいと思っている次第でございます。 また、この法律あるいは約款から、今度は実際に加入される方々によりわかっていただきますということで、契約の申し込みのときに保険料の払い込みあるいは保険料の支払い、あるいはそれぞれの契約の具体的内容につきましてわかりやすく記載した「ご契約のしおり」という書面を交付している次第でございます。さらには、制度の改正があった場合にこの改正内容をわかりやすいパンフレット等によって周知を図る所存でございます。
○片山甚市君 「ご契約のしおり」が大体約款を代表するものとして承っておきます。それを見れば、後日問題が起これば、こうですねということで理解をしておきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
○政府委員(二木實君) はい。
○片山甚市君 それでは次に、今回の改正は簡易保険の加入限度額の実質引き上げが最大の眼目であると思います。簡保の限度額は昭和五十二年以来九年間も据え置かれてきました。最近の数年間はその引き上げをめぐり政治問題化してきましたが、予算折衝のたびごとに最終段階での大臣折衝で、引き続き検討するとの妥協で持ち越されてきたものでありますが、この問題が難航したというこれまでの経緯と理由について簡単に説明してください。
○政府委員(二木實君) 簡易保険の加入限度額は、御指摘のように五十二年の九月に現在の一千万円に引き上げられた、その後、五十六年を除きまして五十五年から予算要求の都度加入限度額の引き上げについて要求してきたところでございます。 しかし、今回まで認められなかった主な理由としましては、一つには、簡保が民間生保の補完にとどまるべきであって、加入限度額の引き上げは民業を圧迫するのではないか、あるいは簡保の実際の平均加入金額が低いので加入限度額を引き上げる必要はないのではないかというような点にあったと思われるわけでございます。 しかし、五十九年の末に六十年度予算要求としまして私ども千八百万円の引き上げ要求をいたしたわけでございますが、その際の大臣折衝におきまして、簡易保険の加入限度額の引き上げにつきましては簡易保険事業の実情を踏まえて、成案を得べく大蔵、郵政両省間で鋭意検討をするということとされまして、今回の実現に向けまして一歩前進をした次第でございます。
○片山甚市君 簡易保険の一千八百万円の限度額引き上げについて生保関係が全面的に反対をしたことがありますが、その民間の生保についての意見は納得しておりますか。
○政府委員(二木實君) 私ども、今までもこの生命保険業界におきまして簡易保険が先導的な役割を果たしてまいったわけでございまして、簡保、民保がお互いに切磋琢磨してそれぞれ特色のある商品等を発売し、それでもって現在の国民の保障にこたえるということをやってきたわけでございまして、私どもが限度額を引き上げるということに対して、単に民業を圧迫するというようなことでは私ども納得できないということで、反対に対してまた反対をしてきたところでございます。
○片山甚市君 民間の保険についての言い分について納得できないということでありますが、二、三のことについて質問します。 保険は今、全体的にどれだけ加入しておるというように理解をしていますか。
○政府委員(二木實君) 簡易保険と民間生保、両方の個人保険を見ますと、先ほども簡易保険につきまして申しましたように、五千六百万件の件数があるわけでございますが、それに対して民間の生保は、ことしの一月末でございますが、八千八百万件の契約がございました。一月末では保有保険金額が八十四兆でございますが、民間生保は五百九十一兆円の保有保険金額を持っております。 年金につきましても、それぞれ、簡保が四十二万件に対しまして民間生保が二百十三万件の年金を持っておる次第でございます。
○片山甚市君 私の手元では、日本国民が保険に加入している数字は、赤ちゃんからお年寄りまでを含めて一人当たり一・五加入、一世帯平均五・六件程度であります。これは保険数理関係の専門家の統計でありますから、私が確認したものではありません。 ところが、それだけのものを集めるためには、御承知のように、民間の場合、外務員の存在が必要であります。外務負の総数は大体三十五万と言われておりますが、その年に三十五万雇って、三十五万がやめて、三十五万がまた雇われるという仕組みだそうです。それで、訓練も大体数時間で即席で教えてやるそうです。 先ほど言いましたように、外務員が宣伝したことについては保険会社は責任を持たない、約款しかやらないということでありますが、郵便局の場合はどういうことになっておりますか。
○政府委員(二木實君) 五十九年度末の私どもの外務員の数は約二万七千八百人でございまして、この二万七千八百人はほぼ継続して勤務をしている。私どもの場合、平均勤続年数は十二年ということでございまして、そう入れかわりがあるわけではございません。 また、外務員の訓練でございますが、当然胴家公務員として採用されました際に、国家公務員としての必要な訓練を受けた後、またそれぞれ、例えば郵便から保険の外務にかわるというような場合には新任職員訓練を受けておりまして、さらには郵政局段階でも各種の訓練を実施し、そしてまた、職場におきまして責任者を決めまして職場訓練等も実施している次第でございます。 また、外務員が外野活動におきまして行った問題につきましては、本来、契約内容というものが簡易保険法あるいは郵便年金法等に規定されているわけでございまして、これと異なる内容につきましては国としては責任は負わないわけでございますが、外務員が誤った説明等をした場合には、その誤った説明によって契約がされた場合に、その契約を無効として、それまでに払い込まれました保険料を返還するというような手続をとっておるところでございます。
○片山甚市君 民間の生命保険会社では、加入者との間で保険契約が結ばれましても、外務員には法的な権限がございませんから、どんな話をしておっても旧約束として葬られる。簡保の場合は、先ほど申されたように郵便局が責任を持ってそれについて保障するということで違いがあるということでありますが、経費について民間の経費と郵便局の簡保の経費、とどのぐらい違いがありますか。
○政府委員(二木實君) 私ども、経費につきましては収入保険料に対して事業費がどれくらいかかったかという事業費率というものを持っておりますが、簡保は約一〇%でございまして、民間の平均は一九%、そのように聞いております。
○片山甚市君 大臣、簡保・年金等は三事業一体で円滑にやっておって、非常に能率的な職員がおって継続的に加入者に対するサービスをしておる、そういうことから経費が至ってかからないというか、民間のような冗費をしない。ですから、国のためにも国民のためにも大いに役に立っておるというふうに申し上げておきたいと思うんです。 そこで、今回の改正では、加入限度額一千万円はそのまま据え置き、加入限度額の管理方法を改めるということでありますが、何か政治的妥協のような、手段がこそくな感じがしてなりませんが、実質的な限度額引き上げを図るというが、具体的にどのようなことになるのか、もう一度説明してください。
○政府委員(二木實君) 現在は法律によりまして加入限度額が一人一千万円というふうに決められておるわけでございますが、このほどその加入限度額の管理方法を改めたわけでございまして、加入できる金額はやはり法律上一千万円を超えない範囲ということで、ただ、年齢に応じて政令で定めるということにいたしたわけでございます。政令では、十五歳以下につきましては七百万円、十六歳以上の者は一千万円でございまして、ただし、五十五歳以上の者につきましては、定期保険あるいは特別養老保険に加入する場合は八百万円といたしたわけでございます。 なぜこういうことにいたしたかということでございますが、これは簡易保険の加入の実情から、現在、平均的には二百二十万円というのが加入の実情でございます。しかし、保障を必要とします三十代、四十代では六百万円ぐらいの加入になっております。また、その二百二十万円というような金額になりますのは、結果としまして若年層の保険の保険金が非常に低いわけでございますので、そういったものの実情を踏まえまして、先ほども申しましたような年齢差にいたした次第でございます。さらに一定条件のもとで政令で定める額をこの金額に算入しないということにいたしたわけでございまして、これは先ほど申しました保障を必要とする年代、二十歳以上五十五歳以下の者につきまして、加入後四年以上経過した保険契約の金額を三百万円を限度として加入金額に算入しないということで、実質的には千三百万まで加入できるという方法にした次第でございます。
○片山甚市君 そこが問題なんで、限度額の法定制を今後とも続けていくというのであれば、一千万円の限度額は千三百万円に改めるべきであります。法定制でなく政令にゆだねるというのであれば、それがよいか悪いかは別としても、一千万円の加入限度額を法文上削除すべきだと思います。限度額はそのままで、計算のやり方で実質上限度額の引き上げを図るというやり方については、法施行上すっきりしないと思うんですが、どうですか。
○政府委員(二木實君) 簡易保険が無審査でありまして国営事業であるということから、従来から法律上一定の限度額というものが定められております。今回も限度額につきましてはそのまま据え置いたわけでございまして、さらにそれに前回の引き上げからの物価の上昇率あるいは無審査保険の危険選択等の問題を勘案いたしまして、一定の期間を経過した者について、三百万円まで政令で増額するという制度にいたしたわけでございます。今後とも国民の期待にこたえられますようにこの限度額の改善につきましては十分配慮してまいりたい、そのように考えております。
○片山甚市君 納得できませんが、郵政省はかねてから、簡易保険の加入限度額は千八百万円を強く要求し、本年度予算の折衝段階では二千万円への引き上げを最重要課題として取り組んできたと聞いています。今回の提案では、それが千三百万円であり、しかもその対象は青壮年階層のみであり、若年層、特に高齢層では逆に限度が引き下げられているということであります。高齢化社会に移行しつつある中で保険需要がますます高額化を求めている情勢の中で、これでは十分と言えない。現状ではニーズがないから下げたんだということですが、郵政省はそれについてどう答えられますか。
○政府委員(二木實君) 五十九年末の六十年度予算折衝のときにいろいろと、千八百万円ということでお願いいたしまして、議論があったところでございまして、その際に最終的に、簡易保険の実情を踏まえて成案を得るべく大蔵、郵政間で今後検討しなさいということになったわけでございます。私ども、これを受けまして、簡易保険の実情というものをつまびらかにいたしまして交渉に臨んだわけでございます。 その結果、先ほど申しましたように、年齢的な、いろいろと必要な保障額あるいは現実の加入金額というものが議論されまして今回のような結果になったわけでございまして、なお、高年齢のところ、五十五歳以上は一応一千万円でございますが、先ほど申しましたような特殊な定期性のものにつきまして限度額ができましたが、実際にはこの定期保険あるいは特別養老保険というものは、五十五歳以上の者で八百万円以上に加入しているものはほとんどないという実情でございまして、現時点におきましては支障はないんではないか、そのように考えておりますが、今後これらの点につきましてもさらに常に見直しは考えている次第でございます。
○片山甚市君 多年の懸案でありましたものが曲がりなりにも一歩前進したということでありますから理解できますが、郵政省が発表した「簡易保険に関する市場調査」によれば、国民が万一の場合に生命保険に期待する額は平均三千三百万円とあなたたちは報告してます。これらを見ても今回の引き上げは不十分ということであり、限度額についての今後の方針と大臣の考え方を聞きたいと思います。
○国務大臣(佐藤文生君) 昭和五十五年から限度額の引き上げの努力をずっと続けまして、五十七年の当時はもう、認めない、認めない、認めない——根拠は何ですか、こういうぐあいに聞きましたところ、第一点は、簡保は民間生保の補完にとどまるべきである。加入限度額の引き上げは民業を圧迫する。それから第二点は、平均加入保険金額が低いので加入限度額を引き上げる必要はない。こういうような理由で、認めない、認めない、認めない、こうやってきまして、五十八年から五十九年にかけて、引き続き検討という言葉になった。それから、ようやく六十年になりまして、ひとつ大蔵、郵政両省で考えてみなさいということで、三百万という引き上げが一応日の目を見た、こういうことでありますけれども、やはり、万一の場合の生活の保障、そういう必要額を最低限に見ても、遺族の五年間の生活費とか最終医療費とか葬祭費の合計額を基準にすれば、やはり一応は今の段階では二千万ぐらいは必要でありますよ、こういう理論構成を立てながら今後とも折衝していきたいな、こういうぐあいに基本的に考えておるわけです。
○片山甚市君 民間の生保は一年間に三十五万人新しい外務員を雇って、一年間の使い捨てをやって、徹底的にコネを頼って、親類を頼ってやる。郵便局の方は二万八千名ぐらいの人が中心となって募集をする、こういうことでありますから、相当しっかり頑張ってもらっとると思いますが、金額が、制度が魅力的でなければ、幾ら優秀な外務員が行きましてもとれませんから、現状、金額は少ないじゃないか、それは今までの状態の中で起こったことでありますから、これから千八百万円とか二千万円といったやつをどうするのか。大蔵省は、物価上昇率を見て変えていきたいということでありますから、今のままでいけば五年も六年も先にならなければ一千三百万円に変わる見込みがなさそうに思うから、論陣を立て直してしっかり上限の限度額の引き上げのこともサービスの向上についても努力をしてもらいたいと思うんです。 次の年金問題ですが、郵便年金の加入限度額は、今回提案されておりませんが、その理由はどういうことですか。
○政府委員(二木實君) 郵便年金の加入限度額は昭和五十六年に二十四万円から現行の七十二万円に引き上げられました。現在の加入状況を見ますと、一件平均の加入年金額が約二十万円ということでございまして、七十二万円に加入している割合というのは四%にすぎません。まだこの成熟度が十分でございませんで、加入状況は六十一年二月末で四十三万件という数でございます。したがいまして、毎年高い増加率で増加はしておりますけれども、普及が低いということで、まずこの普及を図ることが肝要であろうと考えておりまして、今回引き上げを要求しなかったところでございます。
○片山甚市君 関係職員が精いっぱい努力をして事業は伸びつつありますが、やはり定着をするように一層の努力をしてもらいたいと思うんです。 去る昭和五十六年に郵便年金が事実上の新事業として再発足するに当たり、郵政省では年金の加入限度額は二百四十万円、しかも資金運用は株式投資、不動産等にも適用して高利回りの年金とするとの魅力的な構想をぶち上げておりましたが、結局のところ大蔵省に値切られて現在の制度で発足した経緯があります。その後の社会情勢の推移を見ると、公的年金制度の改悪などで個人年金に対する期待はますます強くなっていることは先ほど大木先輩が言ったとおりです。現行の年額七十二万円という限度額では利用者のニーズに対応できないのではないか。いや、七十二万円ももらう人はおらぬのじゃないかと言っておるけれども、それは皆さんが宣伝するのが悪いんじゃないか。高齢化社会に向かっての郵便年金のあり方について大臣としてはこれからどういうふうにお考えですか。
○国務大臣(佐藤文生君) ちょっと、それならこちらから……
○政府委員(二木實君) 五十六年の当時に七十二万円というふうに決着したわけでございますが、その後御指摘のように公的年金制度の改正がございました。私どもこの改正、まあポイントが二つあるんじゃないかと思いますが、一つは年金の支給額の改正、もう一つは支給開始年齢が六十から六十五歳になったという点かと思います。 支給額の点につきましては、先ほども御説明いたしましたように、その公的年金の標準年金額が約十七万円ということで、高齢者世帯の生活費が月額約二十万円といたしますれば、この今の七十二万円でまあ公的年金の補完としては必要な額は満たしているんじゃないかと、そのようにも考えている次第でございます。 また、支給開始年齢が改正されたことにつきまして、郵便年金につきましては終身にわたって年金を受けるというものと、それから一定期間定期のもので五年あるいは十年というものに限って年金を受けるという二つの種類ございまして、この定期年金に加入する方がそのちょうど公的年金の開始前までの期間という形で保障はできるわけでございますが、最近はこういった需要が多いことかと思いますが、定期年金の加入状況が、この発足当時は一〇%でございましたけれども、五十九年度で見ますと四七%にも達しております。そういったことで不十分ではありますが、この公的年金の補完という形で郵便年金がお役に立っているんじゃないかと思います。しかし、やはりこれからの長寿社会を考えますと、豊かな生活というものを考えた場合に、国民の期待します限度額の改善につきまして十分配慮してまいらなければならぬと、そのように考えております。
○国務大臣(佐藤文生君) 六十一年の一月、私調べてみますと、前年同期に比べまして三五・四%、好調に推移しているという報告を受けておりますが、御審議いただいておるこの年金法の改正を機に、国民のニーズにこたえた新商品、サービスの提供に努めてさらに努力していきたいと、こういうぐあいに考えております。
○片山甚市君 公的年金制度が高齢化社会を迎えて、改正じゃなくて改悪というか受取額が少なくなるし掛金も多くなるときでありますから、やはり郵便年金が個人年金として十分に役に立つように改善をしてもらいたい、新商品と言われたけれども重ねて言っておきます。 そこで、長寿社会に向かって公的年金に余り期待ができないという状況の中で、老後の生活安定のための手段として国民の自助努力による個人年金に対し、当然税制面での手厚い保護、配慮があってよいと考えるんですが、現在個人年金に対する税制面での措置はどうなっておりますか、これは大蔵省。
○説明員(塩田薫範君) 現在の税制におきまして個人年金の保険料につきましては、老後生活の安定のための自助努力の奨励、あるいは老後生活に対する相互扶助の推進と社会的連帯の意識の助長、そういったことに資するという観点から一般の生命保険料控除の対象とされておりますが、それに加えまして、昭和五十九年以降は別枠で五千円まで所得控除することになっております。現行の制度はそういうことでございまして、この現在の控除額の水準というのは、現在の厳しい財政事情のもとにおきましては最大限の配慮を行っているということを御理解をいただきたいと存じます。
○片山甚市君 理解はしませんが、個人年金の掛金については保険料控除とは別枠で所得額からの掛金控除制度が昭和五十九年度から実施されていますが、中身は全く有名無実に等しい代物でございまして、所得額から五千円の控除をするということは、実際上所得税の面においては数百円の減額にしかならず、スズメの涙にもならないものであります。控除額は大幅に引き上げるべきであると思うのですが、郵便年金を所管する郵政省と、税制を所管する大蔵省からそれぞれ見解をまず承りたい。 その次に、年金に対する課税で問題なのは、年金契約者と年金受取人が異なる場合であります。夫が妻のために年金を契約し、やりくり算段して営々と掛金を掛け続けた結果、年金受け取りが開始される段階になって年金受給権の贈与があったとみなされ、贈与税が課せられることになっております。一例によれば、三十六万円の年金、月額にすればわずか三万円ですが、受け取ろうとすると百二十一万円もの税金が取られるということでありますが、そのとおりでありますかどうか。 年金受給権に対する贈与税については、勤労所得者のような場合、他に貯蓄性を有する財産が多くない者からは相当程度課税対象から控除されるべきだという強い要求がありますが、これについて郵政大臣、郵政省、大蔵両省からそれぞれお答えを願いたいと思います。
○政府委員(二木實君) 個人年金掛金の所得控除の問題でございますが、私ども昨年の末、六十一年税制改正に向けまして大幅な引き上げを要望したところでございますが、財政事情の厳しい折から実現できませんでした。 先ほど来私どもも、個人年金が公的年金を補完するものであるという建前からも税制上でも明確な位置づけが必要であろうということで、今後もこの問題につきまして積極的に取り組む考えでございます。 また、年金を妻が受け取ったということでかかる贈与税の問題でございますが、この問題につきましても、私どもこれからの老後生活を考える場合に大変大きな問題であろうということで、これにつきましても昨年末に一千万円の課税控除をお願いして要求したところでございます。しかし、これも先ほど申しましたような事情から、財政事情厳しい折から実現できなかったわけでございまして、今回の郵便年金法の改正の中で実はこの点については取り組みたいということで、継続受取人が終身にわたりまして年金を受け取れるという制度改善を図った次第でございます。これによりまして継続受取人を妻と指定した場合に、従来ですと、年金支給時に贈与税ということになりましたが、夫が死亡した際に継続受取人になるわけでございますので、相続税という形に直りまして、相続税の場合には各種の控除がありますので、そういう点から妻の老後が保障されるのではないか、そのように期待しているところでございます。
○説明員(塩田薫範君) 個人年金保険料と税制の関係につきましては、御承知のようにほかの類似の貯蓄といいますか、年金の信託等々いろいろ関連の商品がございますし、一般の貯蓄との課税上のバランスをどういうふうに考えていくべきなのか、そういった問題がございます。そのほかに、先生御指摘のような公的年金なり企業年金なり、そういったものを通じて、年金についての税制をどうするかという問題にもかかわってくるものだというふうに承知しております。 御承知のように、現在税制調査会におきまして税制の抜本的な見直し作業を行っていただいておるところでございますので、御指摘の問題につきましても、利子配当課税のあり方の問題、あるいは年金全体を通じた課税のあり方といいますか、税制のあり方、そういったものとの関連におきまして、所得税の課税ベースの問題も踏まえて検討されていくべきものだろうというふうに考えております。 それからもう一点、贈与税の御質問がございまして、現在の相続税法におきましては、例えば夫が郵便年金の掛金を負担しておったと、妻が一定の期間にわたって郵便年金の支給を受けることができる地位、受給権を取得した場合には、その年金の給付事由が生じた時点において妻が夫から年金受給権を贈与によって取得したというふうにみなして、贈与税の課税対象にしております。これらの妻の方が取得した年金受給権の取得は、民法上の贈与契約ということではないと思いますけれども、実質を見ますと、これと全く同様の経済的な実態を持っておるということから、税の自主的な負担の公平を図るために相続税法上措置されているものでございます。したがいまして、掛金を負担することなく年金受給権を取得した、この場合で言いますと、奥さんの場合に贈与税の負担をお願いすることは、税制上合理的な措置であるというふうに考えております。
○服部信吾君 最初に大臣にお伺いいたしますけれども、簡易生命保険法改正案郵便年金法改正案、まず基本的には私どもも賛成でございますけれども、若干問題点についてお伺いをしたいと思います。 初めに簡易生命保険法の改正ですけれども、実質的に一千万から一千三百万と限度額が上がったということと、保険金額を贈額するための保険契約の変更、その他先ほどの家族保険等の改正、この三つが今回の改正の主な骨格となっておる。このようなことでありますけれども、ずばり言って大臣ね、この改正によってこの国民・加入者の受けるメリット、これはどのようなところにありますか。
○国務大臣(佐藤文生君) 簡保の面においては、限度額が上がったということで、一応加入者のためになる改正案になると思いますが、郵政省として考えておる限度額の千八百万円あるいは二千万円まで限度額はすべきであるという主張には沿わないので、私にとっては不満足な結果に終わっておりますけれども、ステップ・バイ・ステップの一歩の前進という意味でお願いをしておるわけでございます。
○服部信吾君 そこで、ちょっと若干お伺いしたいんですけれども、当初郵政省としては二千万、いろいろ大蔵と折衝して一千三百万になった、こういうことですけれども、ちょっと教えていただきたいんですけれども、例えば四十歳の人がこれから契約すると、その場合にその場で一千三百万は入れるんですか。
○政府委員(二木實君) 現在、簡易保険に全然加入してないという方を想定いたしますと、契約をでき得る限度は一千万でございまして、あるいは一千万でも八百万でもよろしゅうございますが、最高は一千万までの加入ができるわけでございます。その契約が有効に四年経過した場合に三百万円さらに加入できる、こういう制度でございまして、最初から一千三百万円にずばり入れるということにはならないわけでございます。
○服部信吾君 その辺がちょっと何となく納得いかないんですよね。普通、限度額が一千三百万というのであれば、当初私は一千三百万に入りたいと言えば入れるのが普通の保険じゃないですか、これはおかしいと思いませんか。
○政府委員(二木實君) 従来の限度額の考え方というのは、そのように法律上定められています一千万、その前が八百万でございましたが、八百万から一千万に上がったときにはずばり新規契約で新しい限度額に加入できるということでございまして、従来そういうことでございましたが、今回はいろいろと議論の中で、簡易保険の実情を踏まえてというところで、実情で一千万までに張りついているものがどのくらいあるかということで議論されたわけでございますが、三十代、四十代でもその一千万に張りついている、要するに、既に満額になっているという方が二〇%ちょっとというところでございまして、私ども二〇%というのは大変大きい数字だろうと思っておりまして、ずばり二千万という格好で要求したわけでございます。しかし、無診査保険というところから、常にこの金額に一遍に持っていくというのは問題であろうということでございまして、今回は一千三百万と、しかも現在の平均加入金額、その一番保障を必要とするところでも六百万であって、約二〇%ぐらいが一千万という形でございますので、既に加入している方も多いということから、追加ができる上限が三百万円と、したがいまして、現在五百万円に入っている方は新たにさらに八百万円加入できる、あるいは八百万円入っている方は五百万円上に加入できると、そういうような制度にしたわけでございます。
○服部信吾君 なかなか簡明にすっきりしないんで、大蔵省とのもう妥協の産物みたいな気がするんですけれどもね。 とにかく、だから結局加入して四年間までは一千万円なんですね、これは一千万までなんですね。四年たった時点で本人が入ったければ三百万上乗せできるということですね。だから、この四年間を経過したという、この年度というのは、これはどういうところから出ているんですか。
○政府委員(二木實君) 契約が有効に経過した期間というふうに考えておりまして、その間に要するに新たに加入する際の問題が起きてないと、言ってみれば逆選択の危険性がないという期間でございまして、一般的に五年ぐらいが例えば完全にもう良質契約であるというふうに言ってよろしいわけですが、それを四年という形で区切ったわけでございまして、四年間契約が有効に維持できればその方は何ら問題がないんで、さらに追加して加入していただいても問題がないという、そういった期間を四年というふうに考えた次第でございます。
○服部信吾君 民間の場合はもっと短いでしょう。例えば自殺とかなんとか、加入されて二年か三年、どうですか、これは。
○政府委員(二木實君) 民間の場合には無診査保険と有診査保険とあるわけでございまして、有診査保険というのはもう期間がございません、いつでも診査をパスすれば加入できるというものでございます。民間の場合も無診査保険はほぼ私どもと同じような一千万円が限度になっております。社によっては八百万円というところがございますが、そういったところが無診査保険でさらに追加いたしたいということになりますと、民間の場合には五年経過しなければ無診査保険で加入できないというふうになっているようでございます。
○服部信吾君 そうすると、やはり例えばこれから限度額が千五百万とか千八百万と上がっていくとこうなった場合、やはりこの四年というものが一つのめどになるわけですか。
○政府委員(二木實君) 法定されております一回で加入でき得る最高限度一千万円、これを引き上げるということも必要だろうと思います。 また、これからのいわゆる社会経済状況の推移を見なければわかりませんが、現在の一千万円というのが価値があるようでない金額でございまして、なかなかその一千万円という金額というのが議論の中でも、高い金額なんだと、例えば最近の週刊誌なんかに出ておるわけなんですが、幼児に一千万円という保険を掛けて云々というようなことがあるわけでございまして、一千万円という金額が結構高いというような認識も持たざるを得ない事象もあるわけでございます。 したがいまして、この一千万円を限度としまして今三百万円ですが、この政令で定めます金額を五百万あるいは八百万というふうに改正するということも一つの手段かと思います。また一方、一千万という限度額そのものを千五百万、二千万というふうに上げていく必要もあろうかと、そのようにも考えております。
○服部信吾君 いずれにいたしましても、今一千三百万といっても本当に、先ほどお話があったように今のあれでいえば働き手が亡くなった場合においては十分な保障とは言えないということになると思いますので、できる限り限度額の上乗せといいますか、これを努力していただきたい、このように要望しておきます。 それから、これもまた、民間の生命保険との競合というんですか、いろいろ大変なこれは闘いじゃないかと私は思いますね。ある面からいえば、私も大分保険に入っていますけれども、とにかく御熱心ですね。何だかんだ言っては、五、六本ぐらい入って、うちでもぶうぶう言っていますよ。非常に御熱心なわけですけれども、例えば簡保なんかの場合、保険の契約の促進、こういうようなことにおいてはどのような御指導をされておるのでしょうか。
○政府委員(二木實君) 私どもの簡易保険というのは国営事業でございまして、生命保険思想というものをあまねく普及する、そしてまた国民の豊かな生活の保障というものを自助努力でもってやっていただこう、こういうことで従来からやってきているわけでございまして、あまねく普及ということから考えますと、未加入の方々に積極的にアプローチいたしまして、そして簡易保険について理解をしていただいて加入していただく、一人でも加入者がふえるということが全体の加入者のプラスでございますので、一番の眼点はそういった未加入者開拓というところに眼点を置いております。 また同時に、加入者の世帯で見てみますと、主人の方々は生活の保障、万が一の保障ということで必要でございましょうし、奥様方もこれからいろいろ生活の節々の計画というのがあるようでございますので、そういった節々に合ったような新しい商品も開発いたしましたので、そういった対象、あるいは子供の成長に合わせまして学資が必要になってまいりますが、生計を維持しておりますお父さんが亡くなっても後は保険料を払わないで学校に行く場合の学資が保険金として支払われるといった学資保険もあるわけでございます。そういったもの等は特に新学期を目前にした場合に大変出ているわけでございますが、そういったいろいろな商品につきまして、TPOを心得ながら販売するように指導しているところでございます。
○服部信吾君 民間では年二回生命保険の月とかえらくキャンペーンを張ったり、朝から集めてそれではあっとやったり、大変な努力で、ノルマなんかも大変厳しいことをやっておる。特にこの下取り制度、事じゃありませんけれども、大体五年ぐらい入っていると、今度新しくこういうのができて、これプラスこれなんかいいですよとか、大変そういう面からいえば契約促進のためには努力をしておる、こういうことでありますので、先ほど大臣も、補完じゃないんだというようなことで強い姿勢で臨まるようでありますけれども、ひとつ御努力をしていただきたいと思います。 それから若干伺っておきますが、これからいよいよ高齢化社会ということでございますので、保険の制度のあり方というものもやっぱり時代の要請にこたえて変えていかなくてはならない、こういう必要があろうかと思うんですけれども、昨年の四月に国営任意生命保険の将来展望に関する調査研究会、これは簡易保険局長の私的諮問機関ですが、これが「生命保険事業の将来動向と簡易保険事業の役割」と題する提言を行っておりますけれども、この概要について御説明していただきたいと思います。
○政府委員(二木實君) 国営任意生命保険の将来展望に関する調査研究会から昨年の四月に提言がございましたが、その主な点は五点ございまして、一つは、効率的な経営の一層の推進を図るべきである。第二点は、消費者のニーズにこたえる商品あるいはサービスの充実を図りなさい。それから第三点は、資金運用のあり方の見直しを行いなさい。また第四点は、加入者福祉施設の見直しを行いなさい。第五点としまして、総合福祉システムの構築を行うように検討したらどうか。こういうことでございました。 今お話しした中の四点までは今まであったものの見直しなり推進でございますが、最後の総合福祉システムの構築という点は新しい問題でございまして、介護サービス等の給付を行える保険商品とその介護サービスを供給するシステムを総合したものを考えたらどうかというものでございます。
○服部信吾君 この提言に沿って郵政省としては、ただいま五番目に挙げられました介護等の福祉サービス、これをやっぱりこれから高齢化社会に向けて、この提言に沿って進めていく、こういうことですか。
○政府委員(二木實君) 研究会からこういう御提言をいただきましたが、この介護サービスというのは現物給付つき商品でございまして、現物給付つきの保険というのは新しい商品でございますので検討する課題が大変多いわけでございます。 それで、さらにこの検討を進めるために、私ども現在、簡易保険郵便年金に関する調査研究会、同じような名前の研究会になりますが、その中に部会を四つも開きまして、法律面あるいは商品面、あるいは公的な施設との関係とか、いろいろな面につきまして幅広い研究を今行っておる最中でございまして、この夏には中間報告が出るという予定になっておりますので、この中間報告を踏まえましてさらに検討を進めてまいりたいと、そのように考えております。
○服部信吾君 中間報告待ちということですけれども、例えば今言われたようなことをやるとなるとかなりこれは今までの保険と違った役割になってくるのじゃないか、これは当然高齢化社会を迎えての対応と、こういうことになろうと思います。 今までは、まさかのときじゃないけれども何かあったとき、亡くなったときとか事故を起こしたときにお金がおりた。それがなおかつ高齢になってきたときに、例えばその方がお年を召したので入浴のお手伝いをしてあげるとか、そういう細かいことをこの保険に入るとやるんだと、こういうことですか。
○政府委員(二木實君) 従来の保険でございますと、例えばある一定の要介護の状態になったらば保険金を支払いますというのが普通の制度でございます。しかし今核家族になってまいりまして、お金をいただいても介護する人がいないというのが非常に問題になっておるわけでございまして、そうしますと、この保険に入っておればそういう状態になった場合に介護サービスが受けられる、そういうような制度にしないといかぬわけでございますが、その介護を提供するシステムというものを考えますと大変いろいろと複雑な問題が絡んでくるわけでございます。そういう点につきまして、これは郵政省だけで果たして可能なのかどうかという問題もあるわけでございますが、いろいろな面につきまして今その中間報告待ちという状態でございます。
○服部信吾君 ある面からいえば、今現在行革をやっておるということですから、これはかなり大きな組織をつくらないと、保険に入ったはいいけれども、変な話ですけれども、その方がぼけたり何かして入浴もできないのをいろいろ介護をしてあげるとか、そういうことまでやってあげなくてはいけないということで、まあこれは中間報告待ちということですけれども、やっぱりこれは地方自治体なんかにおいてはかなりそういう問題は老人福祉対策として、結構、寝たきり老人だとかそういう方たちに随分細かくやっているわけですから、そういうことを思うとちょっと行革に反するのじゃないかというような気もするんですけれども、この点はどうですか。
○政府委員(二木實君) 我々、その人を膨らませて、そして云々ではございませんで、むしろそういった地方自治体あるいは周辺にありますいろいろな機関というものも同じような考え方に立つところと手を結びながら何かシステムの構築をする必要があるということでありまして、何も簡易保険が肥大化するためにこの考えをやっているわけではございませんので、特に保険事業としましては、新しいニーズというのはこういった要介護老人へのいろいろな施設あるいは我々の提供ということではないかと思いますので、そういう面では別に行政改革に逆らうものじゃないと、そのようにも考えております。
○服部信吾君 あとこれは、こういうことをやるようになりますとかなり財源もかかってくるんじゃないかと思うんですね。七割は財投で三割が自主運営と、こういうことですけれども、財源的にはどうなるんですか。
○政府委員(二木實君) 当然保険事業でございますので財源は保険料で確保するということをいたさなければならぬわけでございます。ただその場合に、要介護老人に対する公的な負担というものも地方自治体等であるわけでございますので、そういったものの補完にどのくらいのものが必要なのか、そういったものにつきましても今研究会の中の分科会でいろいろと検討してもらっている最中でございます。
○服部信吾君 決してこれに対して反対というんじゃなくて、これからやっぱり新しい高齢化社会ですから、そういう今までの保険のあり方を変えていくのもこれは当然のことだと思いますし、中間報告等をまた見さしていただいて論議をさしていただきたいと、こう思います。 それからあと、「簡易保険に関する市場調査」、これは昨年の九月に行われているわけですね。そして、生命保険の世帯加入率とか、生命保険の加入金額の伸びとか、あるいは生命保険の加入目的、将来の生活上で最も不安なもの、簡易保険の新種商品に関する要望、こういうようなことで調査をされているわけでありますけれども、この結果についてお伺いしておきます。
○政府委員(二木實君) 毎年というよりもこれは三年に一度市場調査をいたしているところでございます。 この中で、私ども、特に新種商品の問題につきましては、特に対象を絞りましていろいろと聞いたわけでございますが、今までと違って出てまいりましたのは、やはり何といいましても、老人等が寝た切り状態になった場合にその介護する保険が必要であるというようなもの、あるいはがんや心臓病の成人病を対象とした保険がほしい、あるいは今回の年金法の改正のときに盛り込んだわけでございますが、夫婦のいずれかが生きている限り年金が支給される制度にしていただきたいと、そのような要望が高かったところでございます。
○服部信吾君 やっぱりこの新種の保険、今言われた内容の保険というのは大変今ニーズがあるんじゃないかと思うんですね。そういうことで、できるだけ前向きの姿勢で取り組んでいただきたいと思います。 それから、この中で、民間に加入している方たちの考え方と簡保に加入している方たちの考え方にちょっと違うようなあれがあるんですね。簡保の場合、加入目的、アンケートを見ますと、「万一のときの家族の生活保障」、これが三七・八%、ところが民間の場合は七三・四%と、かなり大きな開きがあるわけですね。それからあと、「子供の教育資金」においては、簡保としては三五・九%、民保が一一・七%。この二つにおいて大変差がある。あとはほとんど民間も簡保も大して差はないんですけれども、かなり差があるわけですけれども、この点のところはどのようにお考えでしょう。
○政府委員(二木實君) 一つにはこれは私どもの限度額の問題もあろうかと思うんですね。限度額が一千万円でございますので、一千万円だったら「貯蓄をかねて」というような考え方が割と強くなる点でございまして、そういった面で「貯蓄をかねて」というのが民間よりも高い。一方、民間の場合には有診査保険もございまして、高額な保険も入るわけでございますので、そういった場合に万一の生活保障というのは十分得られるということで、非常に民間保険はそちらに傾斜をしているのではないかと、そういうふうに考えられます。 先ほどもちょっとお話し申し上げましたが、私どもの一つの主力商品に学資保険というものがございまして、そういった学資保険をいろいろ説明しているということから、子供の教育資金というのが高い数字になっているのではないかと思われる次第でございます。 それからまた、入院保険。入院費用というのはどちらも高いわけでございますが、私どもの方も特約という形で入院費用を負担しております。そういった関係から保険にプラス特約という形での加入が多いということからこういう数字が出ているのじゃないかと、そのように考えております。
○服部信吾君 次に、郵便年金法の改正について若干お伺いしておきますけれども、今回の改正によりまして、年金受取人が死亡した場合には、年金継続受取人が終身にわたり年金を受け取ることができる制度をつくることができた、これが主眼であると思いますけれども、その内容等、具体的に説明していただきたい。
○政府委員(二木實君) 今回の年金法の改正の主眼は、先生御指摘のように終身年金の継続受取人が終身にわたって年金を受け取れるというものでございまして、今までですと年金に夫が加入いたしまして、夫が契約いたしまして収入のない妻のために年金に入る。そうしますと、年金支給時には妻が、先ほどの大蔵の税務関係の説明ございましたように、年金受給権を贈与されたという形になりまして、贈与税がかかってきたわけでございます。 今回は、契約人、契約者が夫でございまして、したがいまして年金支給時には夫が受取人として年金を支給される。そして、夫が死亡した際には継続受取人を妻としておきました場合に、妻が終身にわたって年金を受け取ることができる。したがいまして、そこでは夫の受け取った年金を相続するという形になります。相続税の関係になりますので、ほとんど税制面で問題が起きてこないというようなことから今回の改正を図った次第でございます。
○服部信吾君 今回の改正によって大変税制的にも非常に優遇を受ける、また終身にわたり受け取ることができる、こういうことで大変いいと思いますけれども、この制度をつくるに当たって、やはりこれ掛金、これも相当高くなるんじゃないか、こう思うんですけれども、この点についてはどのようにお考えですか。
○政府委員(二木實君) 従来、契約者、そして受取人が一人だった場合よりも結局受け取る方が継続して二人になるわけでございますので、受取期間がそれだけ長くなるというふうに考えられます。 今私ども試算している段階でございますが、夫婦の年齢差によっても大変違ってくるわけでございます。単純に夫婦の年齢が同じといたしまして、四十歳で加入いたしまして夫が六十から年金を支給されると。そして、夫が死んだ後も妻が引き続き年金を受け取れるとなりますと、大体妻の方が寿命が長いということでございまして、その場合に受取年数が夫だけに比べまして二五%ほどふえるという計算が立っております。したがいまして、その二五%だけ延びるわけでございますので、これに対して掛金をふやさなければいかぬわけです。大体二割程度の掛金増になるんではないかと、そのように計算しております。
○服部信吾君 夫婦二人が生存している場合の生活費と一人になった場合の生活費は大変異なるということです。 民間保険では、夫婦二人の生存中は十割支給、一人になったら七割支給、こういうような制度が考えられているようでありますけれども、郵政省としてはこのような制度はお考えになっておりますか。
○政府委員(二木實君) 現在各先生から御指摘いただいておりますように、年金額が最高七十二万円でございますので、これからこれを高額なものに持っていった場合にはそういう制度も考える必要があるかと思いますが、現時点では同一というふうに考えております。
○服部信吾君 次にちょっと、新聞報道によりますとこれは中止になったようでありますけれども、東京湾横断道路の会社の債券を簡易資金で購入する方針を固めていろいろと法改正、いろいろこういうことも論じられていたわけでありますけれども、これは当初どういうことだったんですか、東京湾横断道路の債券を買うということは、この橋ができたときに、例えばその道路に光ファイバーとかケーブルとか、そういうものを利用さしてもらいたいというか、何かそういうことがあったんですか。
○政府委員(二木實君) 東京湾横断道路の建設に関しましては、この資金を調達するために、その事業主体が特別法によりまして政府保証債を発行できるというふうにしたところでございます。私どもと大蔵省の資金運用部は、民間の資金だけで果たしてこれが十二分回っていくのかどうか、政府資金として必要な面があればその政府保証債を引き受けたらどうかということで考えておったわけでございますが、最終的にはこの計画はすべて民間資金で行うということでございまして、発行されます政府保証債も民間がすべて引き受けるということになりましたので)私どもの資金がこれには活用されないということになったわけでございます。
○服部信吾君 終わります。
○山中郁子君 簡保、年金法の改正の審議に当たりまして、これらを含む郵政のいわゆる外務活動の実情、それからお考えなどについて伺いたいと思います。 昨年十二月に郵政省は関係労働組合に対して貯金や簡保に関する勤務時間の弾力的運用というものを提案されたと思いますけれども、まずその趣旨と具体的内容をお示しいただきたい。
○政府委員(二木實君) 現在貯金、保険の職員の勤務時間というのは平日で八時半から五時十五分、土曜日で八時半から零時三十分というふうになっております。私どもの営業というのはお客様と面談いたしまして初めて可能なものでございます。最近のお客様の在宅時間に大変な変化が生じておりますので、勤務時間を、始まる時間あるいは終わる時間を繰り上げ繰り下げを行うと、そしてまた土曜日の勤務を先ほど申しました半日勤務から一日の勤務に直すというふうなことを提案したところでございます。
○山中郁子君 おたくの方で、昨年の三月ですか、出されました事業改善計画、それによりますと、例えば始業時刻及び終業時刻の繰上げ、繰下げ、土曜日の日勤指定等の勤務時間の弾力的運用を早急に実施するとともに、午後九時ごろまでの外野活動などが可能となるよう現行勤務時間協約の見直しを進める。 また、簡易保険事務センターにおいても、内務職の一部に始業時刻及び終業時刻の繰上げ、繰下げができるようにする。と、こういうことが示されておりますけれども、当然のことでありましょうけれども、今回の見直しというか、弾力的運用というのは、今私が読み上げました事業改善計画の中身を受けた形で具体化されるというふうに受け取ってよろしいのでしょうか。例えば、ですから午後九時ごろまでは募集の仕事をできるようにするということになるのでしょうか。
○政府委員(二木實君) そのとおりでございます。
○山中郁子君 この問題は、一つは労使間の労働条件に関する協議事項という性格を当然持っております。ただそれだけにとどまらない社会的な側面を持つ内容でもあると思います。そういう点から私はきょうこの問題について取り上げるわけなんですけれども、こういう時間を変えることによって、例えばわかりやすいことで言うならば、労働者の側から言うと超勤手当がなくなるとか平常出勤で代休がとれなくなったり、そういう問題がいろいろ出てくるのだと思うのですけれども、それらのことは労使協議事項として今おくといたしましても、今確認いたしました夜九時ごろまで貯金や保険の勧誘、募集、集金、これらのことができるようになるということをお認めになりましたし、だからそれをさせようというお考えのもとにこういうものが出ているんだと思うんです。 しかし、国民の側というか、募集や集金をされる側に仮に立ちますでしょう、そうすると夜の一家団らんの時間だとか、あるいはおふろへ入ったりなんかしているそういう時間に訪問募集活動ということで見えるということになるわけでしょう。そういうのはどうなんでしょうね。そういうふうにこれからできるようにしていくというのはちょっと逆行じゃないかという気がするんですけれども、その辺はどうですか。
○政府委員(二木實君) 現在の家庭婦人の余暇の活用というんですか、そういったもの、あるいは御夫婦でお働きになっているというような世帯が多いということから、むしろお客様の方から勤務時間が五時じゃ困ると、五時以降にひとつ寄っていただけないかという事例がふえております。また、私どもが行いました市場調査によりましても、簡易保険に入っていないという方々の理由の中に郵便局から勧誘に来ない、会えない、だから簡易保険に入れない、こういう方が二〇%もいるわけでございまして、そういったことから考えますと、当然のことながら、こういった勤務時間の弾力化を図りまして、夜間の訪問というものも当然お客様との連絡も密にしてやりながら、そして営業活動をやらなくちゃならぬ時代になってきたと、そういうふうに考えておる次第でございます。
○山中郁子君 労働条件上の問題は、先ほど申し上げましたように、仮に今の問題で横に置くとしましてね、それはお客さんの方で、夜——夜というか、夕方来てくれとか、そういうふうな御希望があるというふうにあなた方が個別に把握される分には、それはそういうことは常識的に考えられるというふうに思うんですけれども、今だってそういうことが全然やられてないわけじゃないでしょう。超勤なんかはできるわけでしょう。ですから私は、全体としてそういう勤務体制にしていくんだということがこの提案の中身の趣旨として出されているわけで、その辺がちょっと逆行じゃないかなというふうに思うんです。 例えば銀行でも行き過ぎた募集が世間のひんしゅくを買って、大蔵省も再三「金融機関の資金獲得行為のあり方について」などという通達を出して注意を喚起してきていもわけです。例えば銀行側もその趣旨を受けて申し合わせをしています。その辺は御承知ですね。
○政府委員(塩谷稔君) お尋ねの件でございますけれども、これは私ども承知している限りでは、全銀協の事務連絡で言っている内容でございますけれども、勤務時間外の外訪活動、外を訪問する外訪活動は店内事務要員による勤務時間外の外訪活動の自粛をうたったと。店内事務要員というのは、我々の用語で言うと内勤に当たるかと思います。いわゆる渉外担当職員による外訪活動まで自粛するとしたものではないと聞いておりまして、現にボーナス、退職金等の支給時期等におきましては、渉外担当職員による勤務時間外の外訪活動が行われているようであるというふうに承っております。
○山中郁子君 例えば四十五年十月十三日の全銀協の「業務管理等の改善について」という通達というか、官庁言葉で言えば通達になるわけですけれども、それによりますと、「行き過ぎた外訪活動の自粛」ということで、「休日出勤による外訪活動や勤務時間外における店内事務要員を含めた外訪活動等の行き過ぎた業務活動についてはこれを行なわないこととする。」、それから、またさらに時間外集金の自粛については、既に実施しているけれども、「今後とも時間外集金については全廃することを目標として、逐次整理することとする。」、こういうことが申し合わせられています。それから、またさらに五十二年八月二十三日に、同じように「土曜日の勤務時間外の外訪活動のあり方について」ということで出している中に、「土曜日の勤務時間外における外訪活動については、外訪担当者であると否とを問わず、必要やむを得ない場合を除き、これを行なわないこととする。」、また「「勤務時間」とは、各行所定の勤務時間を指すので、銀行間では若干の格差はありうる。ただし時差出勤やシフト制の導入により、本申合せの趣旨に反する活動は行なわないこととする。」、つまり、時差出勤したり、あるいは勤務時間をずらしたりして、今度の郵政省の提案の中にもそれがあるわけなんですけれども、ここで言う勤務時間外にやるような、そういう申し合わせの趣旨に反してはいけないと、そこまで書いているわけです。 この点について、銀行の活動がどの程度までシビアにそれが守られているか、あるいはそれが守られていなくて問題がいろいろ起こっているか、それらのことについては私も若干の情報は持ってはおりますけれども、今はこうした銀行での考え方、それから大蔵省の指導による申し合わせ、そうしたものが現実に行われているということについて、こういう自粛の申し合わせをすることは大蔵省、政府としての通達の趣旨に反するというか、精神に反するとかということではなくて、大蔵省が指示をなすった内容に照らしてそのような申し合わせが銀行でされているというふうに当然のことながらお考えになっていらっしゃると思いますけれども、そこの確認を大蔵省の方、お願いします。
○説明員(藤原和人君) お答え申し上げます。 御指摘のございましたように、金融機関の資金獲得行為につきましては、昭和四十年に「金融機関経営の刷新について」という通達を出したわけでございます。それからさらに、一昨年、五十九年に「金融機関の資金獲得行為のあり方について」という事務連絡をさらに発出をいたしまして、行き過ぎた資金獲得行為の自粛というようなことを私どもとして求めているわけでございます。 それから、委員が引用されましたように、全国銀行協会連合会におきまして、四十五年に「業務管理等の改善について」という申し合わせをいたしまして、そこで「休日出勤による外訪活動や勤務時間外における店内事務要員を含めた外訪活動等の行き過ぎた業務活動についてはこれを行なわないこととする。」という申し合わせがなされているわけでございます。 私どもといたしましては、このような通達等に基づきまして行き過ぎた預金獲得行為の自粛というのを求めているわけでございまして、このような趣旨を踏まえて金融機関の経営が行われているというふうに考えてもおりますし、期待もしているということでございます。
○山中郁子君 これはちょっと大臣にも御見解を伺いたいんですけれども、今大蔵省も御答弁ありましたように、いろいろなそういう経過がありまして、銀行サイド、金融業者の中では、そうした行き過ぎた時間外の募集だとかそういうものについては自粛をするということで、かなり文面上はシビアな自粛を申し合わせているわけですよね。私が最初に逆行じゃないかというふうに申し上げたのはそういうことなんです。 それで、まさに、自粛を申し合わせているようなところに、郵政省の方で新たに今度九時までも募集したり集金したりすることができるようになるとか、さまざまな勤務時間の体制、営業活動の体制を変えることによって逆な方向に仕事を進んでいかせるようにしていらっしゃる。そういう内容がこの提案されている中にあるんじゃないかと私はどうしても思うのですけれども、その点は大臣いかがお考えでございましょうか。
○国務大臣(佐藤文生君) いろいろ考え方があると思うんですが、私の経験からいくと、昭和四十九年に九段の宿舎に夜の七時半ごろ続けて郵便局の人が来まして、初めて私は——何か二週間ぐらい毎日宿舎の私の部屋を訪ねてきたというんですが、夜七時半にようやく私と会えたと。そういうことで、実は簡易保険に入りまして十年間過ぎておるんです。その間、郵便局の人というのはなかなか相手に会えないなということで——十年間実は私は会うことができないままやってきて、そして毎月毎月二万五千円ずつ十年間まじめに納めてきた。そういうことで、今度初めて改正になって、どうなっているんかなと言ったら、千三百万までできますというときまで私は実は知らなかった。なかなか会えるチャンスがなかったというのが私の個人の経験でございました。 それを、積極的に勤務時間を変えることによって、お客様の在宅時間とかいろいろな変化があるので、何とかして会うような時間をつくって頑張っていきたいという趣旨のように郵政省は考え、フレキシブルな勤務時間に変える上いうことでお願いしているんだと、こういうぐあいに思っておりますので、この点は御理解をいただきたいと私は思うわけでございます。
○山中郁子君 だから、私も先ほど申し上げましたように、そのお客様なり何なりが昼間留守だから夜来てほしい、何時ごろ来てほしい、そういうのに対応するということはあり得るだろうということなんですよね。 それは今までだってやっていらっしゃったと思うのね。だから、逆に言えば、結局そういうことを超勤でやっていたのが、全部今度常日勤体制じゃなくて、そういうふうに時間をずらしたり、あるいは十六動体制問題だとかいろいろ出てくる。これは、この募集やあれの場合に十六勤ということを私は申し上げているわけじゃないんですけれども、この中でやはりそうしたものも含めて提案がされているわけなんです。 ここでやっぱり考えてほしいと思うのは、先ほど大蔵省の方にも確認をしたわけなんですけれども、銀行関係で銀行自体がこういう自粛をみずから認めておられるわけね。それはやっぱり私は根拠があると思うんですよね。 というのは、いろんなことがあるけれども、一つは事故の問題があると私は思うんです。それで、郵政省の場合に集金なり募集なり歩く方たちはやっぱり制服、制帽をつけていらしゃるわけでしょう。また、つけなきゃいけない被服規程というんですか、服務規程というんですか、そういうものがあるはずだと思うんですけれども、その人たちが夜遅くそういうかばんを持って制服、制帽で歩いていたら、それは、考え方によれば金を持っているということを知らせて歩いているみたいなものですよね。私はそういう事故の問題があるから銀行だってやっぱりそれは考えますわね。銀行強盗だとか郵便局強盗だとかいろいろあるけれども、この集金人の人たちが自分は郵政省です、簡易保険なり郵便貯金なりのお金を集めて、今何千万持っていますよ、何百万持っていますよというような、そういう格好して夜暗くなったところ歩くわけでしょう。私は、やっぱりこれは危険だと思うんですけれども、その点いかがお考えでしょうか。
○政府委員(二木實君) 今回提案しておりますのは、常時そういう形で夜間勤務するという意味じゃございませんで、あくまでも官報勤務が基本でございまして、繰り上げ繰り下げというのは特例的なものでございます。 したがいまして、常時夜間に出歩いているということにはならぬと思うわけでございますが、しかし私ども日中、日没後も、どちらにいたしましても職員の安全というものに対してはやはり第一に考えている次第でございます。 勤務時間の弾力化をいたしましてお客様のニーズに合わせました勤務ということでございますので、あらかじめ計画ができるわけでございますので、それぞれの郵便局において実情に応じた防犯対策を講じてまいりたい、そのように考えております。
○山中郁子君 じゃ、ちょっと今の御答弁に際して明らかにしていただきたいのは、午後九時ごろまでもできるようにするという時間外勤務時間体制の弾力化ですね。これはごく一部だというふうにおっしゃっていらしたけれども、それはどういうふうに考えていらっしゃるんですか。それは今までだって超勤でやっていたわけでしょう。そういうことでは対応しないで、結局九時までできるようにするというお考えでこの弾力化というものをお出しになっているとすれば、それはどういう範囲でならやってよろしいとか、そういうようなお考えがあるわけなんですか。それともそれは各局の判断とかそこの事情に任せられるということになるのですか、その辺はいかがでしょう。
○政府委員(二木實君) 既に現行の就業規則上できることになっておるわけでございまして、既にやっている局もあるわけでございますが、このたびの私どもの提案は全国的にひとつこういった事情があるから進めてみたらどうかという提案でございまして、したがいましてそれぞれの局におきまして実情に応じてこういった勤務の繰り上げ繰り下げを行うということになっておる次第でございます。
○山中郁子君 何か三鷹局では既にもう日曜出勤をして募集をやらせているというふうなこともあって、私はそれはそれで困ったことである、けしからぬことであるというふうに思っていますけれども、そうしますと、今ちょっと申し上げましたように、集金の制服、制帽を着て、大きなかばんを持って、実際にはその中に現金だとかあるいは小切手、そうしたものを数千万の単位で持つ場合もある。そういうのが危険じゃないとは言えないんじゃないですか。今はまあ昼間だから——昼間だって危険といえば危険な面がありますね、銀行強盗だとか郵便局強盗とか。だけれども、それを一人でそういうもので夜暗くなってから町じゅう、銀座通りだけ歩くわけじゃありませんし、銀座通りだけ歩いたってひったくりに遭う世の中ですから。やっぱり、私はそこのところはむしろお客さんのニーズにこたえていくということの考え方は当然あるとしても、それをさらに拡大していってよろしいんだという考え方でもって仕事を進められるというのはやはり逆行するんじゃないかなというふうに思っているんです。 そのほかに、これらの問題についていろいろまだありますけれども、少なくともそのことはどうですか。大臣いかがお考えでしょうか。私は、やっぱり危険をふやすものになるなと思うんですけれども。
○政府委員(二木實君) 保険の場合で考えますと、集金等で数千万になるというようなことは考えられないわけでございまして……
○山中郁子君 団体保険があるじゃないですか。
○政府委員(二木實君) そういった意味で、また団体保険のような場合、高額になるような場合には日中に集金をするとかできるわけでございますので、さらには、高額になった場合には一たん早く帰局するとかという形であらゆる防犯対策がとれるんじゃないかと、このように考えております。 —————————————
○委員長(大森昭君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、亀井久興君、志村愛子君が委員を辞任され、その補欠として倉田寛之君、内藤健君が選任されました。 —————————————
○山中郁子君 随分それは無責任な話であって、団体保険はそれだったら五時以降は集金しないとかということになるんですか。どういう場合にそれじゃするんですかって、こう聞きたくなるわけです。 だから、私が基本的なことを言っているのは、そういう労働者自身も危険をあれだし、お金を取られちゃって体や命に別状なくたって、郵政省としてもそういう国民の財産をあれされるわけでしょう。そういう危険というのがふえていくような形で勤務体制を変えるというのは、それはやはり逆行じゃないですかということを申し上げているんです。 それで、これはたしか五十八年に簡保団体の集金人が白昼襲われた事件がありましたわね。これについてはやっぱりこういう問題があるからと、一つは先ほどから申し上げているわけね。これは犯人は捕まったんですか。つまり事件としては解決したんですか、この五十八年の事件です。
○政府委員(二木實君) 練馬署に聞きましたところ、犯人は捕まっていないというふうに聞いております。しかし、この被害金になりましたものは受託団体によって補てんされているところでございます。
○山中郁子君 だからさっき私が例えば数千万持つこともあり得ると申し上げたら、そんなに持つことはないと、こうおっしゃる。だけれども、団体の場合だってあるでしょうと言ったら、今度団体の場合はそういうものは五時以降はしないと、そういう歯どめというのは何かあるならあるでちょっと説明していただきたいし、それは各局で良識的に適宜やるでしょうと、こういうお答えなんで、余りにもちょっと無責任な話じゃないですかということですね、私伺いたいのは。
○政府委員(二木實君) 失礼いたしました。 団体につきましては、払い込みは委託でございまして、私ども職員が集金という形はとっていないわけでございます。したがいまして、先ほどの団体の例は不適当だと思っておりますが、いずれにいたしましても、この勤務時間の繰り下げ等を行った場合に、職員の営業活動予定地、予定地域というものがわかるわけでございますので、そういったものに対して管理者が事前に十分に把握されまして、また高額となった場合には一たん帰局して引き継ぐというような手段等も講じさせながら、具体的な防犯対策についても指導してまいりたいと思っている次第でございます。
○山中郁子君 やっぱり違うのね。具体的に聞くけれども、集金エリアが決まっているからといって、じゃどういう予防措置を講ずるんですか。だれか複数で回るとかガードマンつけて回るとか、そういうことじゃないんでしょう。要するにそれはそういう危険がないように処置しますとおっしゃるけれども、具体的にどういう処置をなさるわけですか。 現に、私が先ほど例を挙げた、これは団体の集金人の方だけれども、襲われてやっぱりお金取られているわけでしょう。それは何かもう少し説得できる防衛措置というんですか、危険をあらかじめ排除するという方法がおありなんですか。
○政府委員(二木實君) 私ども外務員、一般の公務員としての職務を遂行しているわけでございまして、そういう面、日本の治安というのはそう乱れていないというふうにも思っておりまして、したがいまして十二分に本人自身の意識というものと、職場におきますいろいろな討議を通じながら、こういった防犯対策については万全を期してまいりたいと、このように考えておる次第でございます。
○山中郁子君 何か警視庁の御答弁を聞いているようだけれども、警視庁だったらそんなことは言わないでしょうね、これだけいろいろな不祥犯罪が頻発しているわけですから。 だから、今私が伺った限りでは、具体的にどうするかというふうなことについて、何か方策があるわけではないけれども、いずれにしても募集や集金活動をもっと推進するために弾力的な勤務形態というか、そういうものをしていきたいということの御提案になっているわけだけれども、私が申し上げたいのは、それは危険を増して、そして大蔵省が指導して銀行協会が自粛している内容に照らしても、やっぱり逆行するものだということで、そういうことを積極的に広げていくのではなくて、むしろお客様がぜひそうしてほしいと言った場合には、それの対応の仕方はいろいろあるでしょうけれども、勤務体制までそういうふうに柔軟にしていくことによって労働者にもやっぱりそれはかぶる部分が出てくるわけですよね、当然のことながら。だから、そうしたことは積極的に推進していくということではなくて、その危険な状況というものに注意し、そうした逆行の体制ではない営業体制をつくるべきだと私は指摘をし、申し上げているわけなので、最後に、細かいことあちこちする時間がありませんから、その基本的な考え方で結構ですよ、大臣からお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(佐藤文生君) 週休二日制の拡大とか、家庭婦人の余暇の活動の活発化とか、共稼ぎ世帯の増加とか、そういう社会の変化が起こりましたので、勤務時間のフレキシブルなやり方で在宅時間に御相談に行くとか、あるいは事業所の昼休み時間に行くとか、土曜日あたりですね、何かそういうような柔軟な体制をとろうということでお願いしておるわけでございますので、職員の安全性については、これは各郵便局なり担当の者がその地域の実情に応じて大金を持たないで行くとか、そういうような措置をひとつやっていけるものと私は考えておることで御返答にさせていただきたい、こういうぐあいに思います。
○山中郁子君 あと一言。 私が先ほどから申し上げていることを今繰り返しません。それで、そうおっしゃるけれども、国民の側にそんなにたくさん夜来てくれというニーズがあるわけじゃないのよ。私は、それははっきり解明したいなと思っているところでありますので、それだけ一つつけ加えておきます。もちろんそういう方は中にはありますでしょう。終わります。
○委員長(大森昭君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森昭君) 御異議ないと認めます。それでは、これより討論に入ります。討論は両案を一括して行います。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。——別に発言もないようですから、これより直ちに両案の採決に入ります。 まず、簡易生命保険法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大森昭君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、郵便年金法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大森昭君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、片山君から発言を求められておりますので、これを許します。片山君。
○片山甚市君 私はただいま可決されました簡易生命保険法の一部を改正する法律案及び郵便年金法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合及び二院クラブ・革新共闘の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 簡易生命保険法の一部を改正する法律案 及び郵便年金法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、両法律の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。 一、長寿社会の到来等による国民の保険・年金需要の増大、多様化に対応するため、新種商品の開発を一層推進するとともに、簡易生命保険及び郵便年金の加入限度額引上げについてもさらに努めること。 一、金融自由化の進展等に対処し、加入者利益の一層の増進を図るため、積立金の運用範囲の拡大及び余裕金の直接運用等資金運用制度の改善に努めること。 右決議する。 以上でございます。
○委員長(大森昭君) ただいま片山君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大森昭君) 全会一致と認めます。よって、片山君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、佐藤郵政大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。佐藤郵政大臣。
○国務大臣(佐藤文生君) 慎重な御審議をいただきまして、ただいま簡易生命保険法の一部を改正する法律案及び郵便年金法の一部を改正する法律案を御可決いただきましたことに対し、厚くお礼を申し上げます。 この委員会の御審議を通じて承りました御意見につきましては、今後簡易保険、郵便年金事業を運営していく上で十分生かしてまいりたいと存じます。 また、附帯決議につきましては、今後その趣旨を十分尊重してまいりたいと存じます。まことにありがとうございました。
○委員長(大森昭君) なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大森昭君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(大森昭君) 次に、電波法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。佐藤郵政大臣。
○国務大臣(佐藤文生君) 電波法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。 航海の安全を確保するため、船舶の構造、設備等について定める条約として一九七四年の海上における人命の安全のための国際条約があり、我が国もその締約国となっております。同条約附属書が人命及び航海の安全をなお一層確保する観点から一九八三年六月に改正され、本年七月一日に発効することとなりますので、これに備え、郵政大臣の行う型式検定に合格したものでなければ施設してはならない無線設備の機器の範囲について所要の措置を定める必要があります。 また、我が国における外国人、外国の法人、外資系企業等の社会活動、経済活動の円滑な遂行に資するため、相互主義を前提として、外国人等にも免許を与えることができる無線局の範囲を拡大する必要があります。 この法律案を提出した理由は以上のとおりでありますが、次にその概要を御説明申し上げます。 まず第一に、この条約の附属書の改正により主管庁の型式承認を要する無線設備の機器として、新たに救命艇用無線電信、生存艇用非常位置指示無線標識、双方向無線電話が追加されましたが、これら船舶に施設する救命用の無線設備の機器についても、郵政大臣の行う型式検定に合格したものでなければ施設してはならないこととし、同改正条約の発効に倣えることとしております。 第二に、外国人、外国の法人、外資系企業等の開設する無線局につきましては、従来より、これらのものに陸上移動局、携帯局等の免許を与えることができることとしておりますが、近年の我が国内外の国際化の進展に対応し、外国人等の日常生活、または社会活動、経済活動になお一層資するため、無線標定移動局、陸上移動中継局、無線呼出局等の陸上に開設する無線局についても外国人等に免許を与えることができるようその範囲を拡大する措置を講ずることとしております。 なお、この法律は昭和六十一年七月一日から施行することとしておりますが、新たに型式検定の対象とされた無線設備の機器の型式検定は、この法律の施行前から実施することとしております。 以上がこの法律案の提案理由及び概要であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(大森昭君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時十分散会 —————・—————