地方行政委員会 第3号
- 発言数
- 96 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1986/03/20
会議録
○委員長(増岡康治君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る三月七日、内藤功君が委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君が選任されました。 また、三月十九日、神谷信之助君、三治重信君及び加藤武徳君が委員を辞任され、その補欠として橋本敦君、抜山映子君及び鈴木省吾君が選任されました。 —————————————
○委員長(増岡康治君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案の審査のため、参考人として、本日、日本消防検定協会理事長福島深君の出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(増岡康治君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(増岡康治君) 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。小沢自治大臣。
○国務大臣(小沢一郎君) ただいま議題となりました消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 昭和五十八年三月の臨時行政調査会の答申で、一定の特殊法人等について、その業務が制度的に独占されていないこと、国等からの出資が制度上及び実態上ないこと、役員の選任が自主的に行われていること等の自立化の原則に従い、民間法人化するとの基本的方策が提言されたところであります。 この法律案は、このような臨調答申の趣旨を踏まえ、日本消防検定協会及び危険物保安技術協会について、検査制度の適正な運営を維持しつつその経営の効率化を図るため、役員の選任、財務等についての政府の関与を縮小するとともに、日本消防検定協会に対する政府出資の制度を廃止するほか、検定対象機械器具等について指定検定機関制度を導入する等の所要の改正を行うものであります。 また、あわせて住民生活の安全を確保するため、救急業務の対象となる優病者の範囲及び応急の手当て、消防が行う人命の救助に係る活動の基準並びに移動タンク貯蔵所に係る事故時の応急措置命令等に関し所要の改正を行うものであります。 以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。 第一は、消防法の改正であります。 まず、日本消防検定協会及び危険物保安技術協会の経営の効率化に関する事項として、役員の選任について、自治大臣による任命制を廃止し、協会における選任に対し自治大臣が認可するものとしております。また、資金計画及び借入金に係る自治大臣の認可、財務諸表に係る自治大臣の承認等に関する制度を廃止することといたしております。 次に、日本消防検定協会につきましては政府出資に関する制度を廃止するとともに、日本消防検定協会のほか自治大臣の指定する者は検定対象機械器具等についての検定等の業務を行うことができるものとし、その指定の手続、要件等を定めることといたしております。 そのほか、両協会の目的及び業務について所要の規定の整備を行うこととしております。 その他の事項といたしまして、次の三点について所要の改正を行うものであります。 第一点は、救急業務についてであります。 近年、救急業務の対象は、災害や事故による傷病者のみならず、急病人も大きな割合を占めてきていること等にかんがみ、その対象に生命に危険等のある急病人で医療機関等に迅速に搬送する手段のない者を加えるとともに、救急業務には、傷病者が医師の管理下に置かれるまでの間において応急の手当てを行うことを含むものといたしております。 第二点は、移動タンク貯蔵所についてであります。 最近における移動タンク貯蔵所の火災及び事故の実態にかんがみ、市町村長は、許可をした移動タンク貯蔵所以外のものについても、貯蔵または取扱基準の違反に対する基準遵守命令及び危険物の流出その他の事故が発生したときの応急措置命令をすることができることといたしております。 第三点は、消防が行う人命の救助についてであります。 火災その他の災害時における人命の救助活動は消防の重要な任務の一つでありますが、市町村によって救助体制に格差が生じている現状にかんがみ、市町村は、人口その他の条件を考慮して自治省令で定める基準に従い、人命救助に必要な特別の救助器具を装備した消防隊を配置するものといたしております。 そのほか、罰則その他について所要の規定の整備を図ることといたしております。 第二は、消防組織法の改正であります。 消防庁の事務として、消防が行う人命救助活動の基準の研究及び立案、指定検定機関の指定及び監督並びに所掌事務に係る国際協力に関する事項を加えることといたしております。 また、都道府県の消防に関する事務として、消防が行う人命救助活動の指導に関する事項を加えることといたしております。 なお、これら消防法及び消防組織法の改正は、一部を除き、昭和六十二年一月一日から施行することといたしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○委員長(増岡康治君) これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○上野雄文君 まず最初に、観光地の火災の問題についてお尋ねしたいと思うんです。 この間熱川であれだけの火災がありまして多くの人命が失われたわけですが、その後栃木県の那須温泉でも火災がありました。一番先に心配するのは死者が出たかどうかということなんでありますが、幸いにして那須温泉の火災はけが人だけということで、私も地元の一人としてその点では実はほっとしたわけです。こういう火災は起きない方がいいんでありまして、熱川の火災の経験から那須温泉のホテル火災は大事に至らなかった、こういうことが新聞でも報道されましたけれども、熱川のあの災害の経験から、消防庁は、その原因やら、それからああいうふうに大きな災害に至った、それを防止するためにはどうしたらいいのかというようなことについて現時点でどういうふうにお考えになっているか、それをちょっとお聞かせいただきたいなと思うんです。
○政府委員(関根則之君) 熱川温泉の火災で大変大きな犠牲者を出したことにつきましては、消防庁を初め、各消防機関におきましても大変大きなショックとして受けとめておりまして、こういった火災の再発を防ぐためにどうしたらいいのか真剣に検討し、また各市町村消防本部におきましては、例えば東京都の消防本部のように緊急査察をいたしまして、小規模、木造を中心としたホテル等の一斉点検を実施しているところもあるわけでございます。 私どもの消防庁といたしましては、まず、あの火災の原因がまだはっきりわかっておりませんけれども、どうも自動火災警報装置が必ずしも十分機能していなかったんじゃないか、そういう疑いが非常に強いものでございますから、これを常に作動するような状況に置いておきまして、一たん火災が発生いたしましたときにはいち早く作動し警報が鳴る、そういうシステムに何とかできないか。いわば平たい言葉で言いますとスイッチを切ってしまうなんということがないようにできないかということで、現在その機器の開発等を含めまして検討し、大体方向性が出てまいりましたので、作動中はちゃんと青ランプがつくとか、あるいは仮にもし切った場合には赤ランプで表示できるとか、これは一つの例でございますけれども、何らかそういうような形での対応策がとれるような、技術的なものも含めて検討しているところでございます。 もちろん、あの火災が起こりましたすぐその後につきましては、各市町村の消防本部に対しまして火災予防あるいは火災が起こりましたときの対応策、訓練その他につきまして十分対応策をとるように指導いたし、通達を出しております。そのほか、あの火災で大きな問題となりましたもう一つの点は、消防への通報がおくれたという問題があるようでございます。その原因はどうも電話のかけ方が適切でなかったというようなこともあるようでございますので、何らかの方法で、ワンタッチで消防本部への連絡ができるような方法はないだろうかということにつきましても現在検討をしておりまして、特にNTT等に対しましては機器の開発及び開発の上での普及等につきましてお願いしているところでございます。大体具体的にはこういった方策につきまして検討を進めますとともに、いずれにいたしましてもああいった災害が二度とないようにしっかりとした防火体制をとるよう指導していきたいというのが消防庁の態度でございます。
○上野雄文君 これは二月十三日の読売新聞の「検証・熱川火災」という表題の書き出しの部分なんですけれども、「観光旅行の目的として「湯治、保養」をあげた人は、四十九年に七・六%だったのが、十年後の五十九年には一六・九%。倍以上の増加ぶりだ。そして日本交通公社では「旅行案内誌で温泉特集を組むと、必ず完売になる。」と、こう書いているんですね。大変な旅行ブームというか温泉ブームというか、そういうのがあるわけでありますから、安全を図るということは極めて重要だと思うのです。 そこで、実はこの前の丸谷質問に関連するんですけれども、丸谷先生の質問では煙によって死んだのではないか、そういう解剖結果が出ていることを見ても明らかではないかという指摘だったんですね。やはりこの面も無視できないのではないかというふうに思うのですけれども、そういうことについて消防庁ではどういうようなことを考えておられるのか、それらのことについてお知らせ願いたいと思います。
○政府委員(関根則之君) 先日、丸谷先生に御指摘いただいたわけでございます。もちろん、私どもといたしましてはそれ以前から火災の際の有毒ガスにつきましての検討は続けているつもりでございますけれども、特に御指摘をいただきまして、消防庁としてもさらに徹底した積極的な対応策をしていく必要があるものというふうに受けとめているところでございます。 そこで、火災が起きましたときの有毒ガスの発生状況なり、そういうものにつきまして直接の研究を担当するということになりますと私どもの消防研究所でございますけれども、その消防研究所に対し、スタッフの総力を挙げてこの問題に対応し、研究を進めるように私の方から既に指示をし、消防研究所におきましてはその準備に取りかかっているところでございます。ただ、残念ながら私どもの消防研究所は必ずしも十分な設備、能力等を持っておりませんので、たまたま東京消防でありますとか他の大都市の消防にはそれぞれの都市の消防研究所もございますので、これらの都市の消防研究所にもできればお互いに連絡をとりながら、業務分担をしながらこの問題につきましての研究を積極的に進めていくようにお願いし、その協力方につきまして了解をいただいておるところでございます。 特に東京消防庁におきましては、昨日消防総監に私のところへ直接来ていただきましていろいろ相談をいたしましたけれども、現場におきます実火災における発生ガスの採集をいたしまして実態に基づいた分析をやっていこう。実験室で例えばシアンがどの程度出るということは比較的簡単に実験結果は出るんですけれども、実際の火災においてどれだけのものが現実に起き、そこに泊まっている人たちにどれだけ具体的な影響を与えたかということは実際問題としてはなかなか難しい問題であるわけでございます。実火災におきましてそこの空気といいますか、気体をとってくる、ガスをとってくるということによりましての実態に基づく分析もやりましょうという返事をいただいております。これは一つの例でございますけれども、私どもといたしましては国の消防研究所、それから消防庁の中における技術屋さんたち、各都市における消防挙げてこの問題につきましてはできるだけの取り組みをしていきたいと考えておるところでございます。
○上野雄文君 次に、日本消防検定協会のことについてお尋ねしたいと思うのであります。 私も、検定協会に行ってきませんことには、どういう仕事をやってどんな設備を持っているということがよくわかりませんから、ついこの間行っていろいろ見せてもらいました。きょうはお忙しいところ検定協会の福島理事長さんにもおいでをいただいたわけであります。 そこでいろんな説明を受けたのでありますけれども、現存する日本消防検定協会が新しい法人になるについて今度の改正で一体どこがどうなるのか、あえて法律改正までやって手をつけおきゃならない法人なのか、そこがどうももう一つぴんとこないわけですよ。今、大臣が説明された提案理由の説明でも無理して何もおやりになることはないんじゃないか、こう思うんですよ。それは確かに臨調の答申からスタートしているというのはそれなりにわかりますけれども、あの大きな臨調がこんなところまで言わなくても、既にもう自前でずっと運営しているわけですし、これはわかりやすくもう一遍、一言で説明をしてもらいたい。どうもやらなくてもいいことをやっているみたいな感じを受けておるものですから、どうですか。
○政府委員(関根則之君) きょうは、理事長がお見えになっておりますから、理事長からあるいは直接実情を御説明した方がいいのかもしれませんが、理事長さんからは、もし、今度の改正をやってもらえば大変助かる、私どもはそういう話を承っております。なぜかといいますと、いろんな面で経営の効率化、自立的に経営ができるような制度改正をやっておりますけれども、中でも検定協会の資金計画でありますとか、あるいは借金をするときに今までは一々自治大臣の認可が必要だったわけです。しかも、自治大臣が認可をいたします際には内々いろいろと関係の省との連携という問題がありまして、実際上は事務手続上相当な日時も要し、連絡を必要としたわけでございます。 例えば、給与改定なんかを検定協会において実施しようということになりますと、事務的にはもちろん我が方との連絡も必要ですし、実際問題としては大蔵省とのいろいろな事務折衝を経た上でやられておったというのが実情でございます。しかし、そういうものが今回は全く協会だけでできる、こういうことになっておりますので、これも一つの例でございますけれども、そういう意味におきまして経営の効率化をしていく。そのための今回の法律改正というのは、実際問題として非常に私は検定協会の事務運営上不必要——不必要と言うとしかられるかもしれませんが、できるだけ手続を簡明にして、時間も手間も省けて自立的に経営できるように改正ができたんではなかろうかというふうに考えておるところでございます。
○上野雄文君 自主的な運用ができる、そういう面があると思うんですけれども、お話を聞きますと、現金出資と現物出資のトータル八千八十二万五千円を返すということになっているようでありますが、金にかえられないだけのメリットはある、こういうふうに考えた方がいいんですかね、どうですか。
○政府委員(関根則之君) いつもしかられるんですけれども、役人というのはどうしてもかたい物の考え方をいたしまして、仮に出資金などを出しておりますと、その出資金がどこかへ消えてなくなってしまってはいかぬということになりまして、その出資金が有効に活用されかつ維持されるために必要な管理だとか監督だとか、それをもとにしてのいろいろな営業活動についての予算をおれの承認にかかわらしめろとか、そういうものが片一方でどうしても必要になってくるわけです。したがって、私どもの方といたしましては、多少の出資金をもらうことによっていろいろな規制権限を課せられて、事務手続も大変複雑になる、時間もかかる、手間もかかる、そういうふうになるよりは、八千万程度のものであればこの際きれいさっぱりお返しして、そのかわり自主的に効率的に経営ができるような制度に変えてもらった方が私はよかったというふうに考えております。
○上野雄文君 この間予算書等についていただいてきたんです。大体十一億ちょっとの予算であるように見せていただいたわけでありますけれども、これは理事長さん、新法人になってからの運用の見込みについてどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。現状と比べてよくなる、同じ、悪くなるというようなわかりやすい見方でお考えをお聞かせいただければと思います。
○参考人(福島深君) お答えいたします。 先ほど来長官から御答弁がありますように、今回の改正は協会の運営の自主化あるいは活性化を期待するという趣旨で改正がなされるものと解釈をしているわけでございまして、先ほど先生の御指摘にもありましたように、私どもの協会の運営は全部検定等の手数料収入で賄っておるし、また収入としてはそれだけしかないわけでございます。このことは検定協会の改組がなされたといたしましても全く同様な形で続くものと思っておりますし、またこの活性化を図るという面から検定協会の業務をできるだけ自由にしていこうじゃないか、こういうお考えもとっていただいておりますので、少なくとも現在の業務が縮小されることはない、むしろ漸次拡大をされていくのではないか、こういう期待を持っておるわけでございます。したがいまして、検定協会が民営化された場合の将来の財政運営等につきましても特段の心配はないものと考えているわけでございます。
○上野雄文君 予算書をちょっと見ましたら、余裕金運用収入を一億二千万程度見込んでおられるわけでありますけれども、余裕金全体ではどのぐらいお持ちになっているんですか。
○参考人(福島深君) 決算のベースで申し上げた方がいいかと思いますが、五十九年度の貸借対照表の数字で申し上げますと、流動資産といたしましては約十八億程度でございます。
○上野雄文君 さてそこで、今の理事長のお話ですと、仕事の中身は現状むしろ拡大の方向と、こういうお話なんです。長官、指定検定機関の指定の問題ですが、今度の改正の場合は、広く門戸開放ということで新たな指定検定機関ができるような道も開かれているようであります。いろいろ話を伺ってみますと、この業界は大して大きなものでもないわけですね。年間、例えば仮に売り上げ二百億なら二百億、これが生産を上げてもう少し能率を上げれば、自動車の売れるようにどんどん三百億も四百億にもふえていくという市場でもないように我々思うんです。だとすると、新たな純然たる民間の機関ができてくるような場合に、一体おれたちはどうなるんだろうというのがあそこに働いている人たちの、今度の法律改正で一番心配になることなんだろうと思うんです。 端的に言って、単品で一番もうかりそうだと、ここの大体収支決算を見てみると、一番件数が多くて一番収入があるというそこだけねらってやるなんていう話になってきて、そういう認め方をされるようなことになってしまうと影響は大きくなってきて、理事長はますます拡大の方向だと言うんだけれども、その辺のところを我々はどういうふうに考えていったらいいのか。現場の人たちの不安を除くという立場からもその辺の考え方についてお知らせ願いたい、こう思うんです。
○政府委員(関根則之君) 検定協会の仕事というのは、使ってみなきゃわからない、しかも使ってみたときにちゃんとした商品でなかったらこれは大変なことになってしまうわけです。例えば、消火器のような例をとりましても、火事が起こっても、消火器があるから安心だと思っていて、実際起こって消火器を持ってきたら全然火が消えなかった一ということになるとこれは大変なことになる。そういうことを消費者ないしは国民に対して、間違いのない商品ですよということをきちんと検定する責務が国にあると思います。それを代行してやるのが検定協会であり、また今回は競争原理の導入という形で指定検定機関という制度を導入いたしましたけれども、新しく仮にできるといたしましても、指定検定機関はそういった重要な仕事をやっていくわけでございますから、単に安かろう悪かろうというような形の商売を仮にしてもらっては困るわけです。そういうようなもし仮に機関であるとすれば、それは我々としては指定できないということになるだろうと思います。 陣容の面、施設の面、人の配置の面、あるいはまたそもそもそういう法人の本来の性格、まじめな法人なのか、そうでないのかということも含めて慎重に私どもとしては判定し、指定できるものであるのかどうか判断していきたいというふうに考えております。 具体的な御質問の、特定の検定対象品目を限って指定するのかというお話でございますが、私どもとしてはそういう指定のやり方は現在のところ考えておりません。
○上野雄文君 わかりました。いろいろ御苦労の多いことが起こってくるんだと思うんですけれども、慎重に対応していただきたいというふうに要望しておきたいと思います。 そこで、新法人の場合に、新たに今度は評議員会というものが設けられるようですね。どういう性格のものであって、重要事項について審議するとこうあるんですけれども、重要事項なんというのはどんな事項を指すんでしょうかということなんですが、その点についてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(関根則之君) 経営の効率化を図るための改正で、今までなかった評議員会ができるというのは改正の方向に逆行するような感じもいたしますが、実は、国からの監督というものを大幅に取ってしまうわけです。しかも、先ほど申し上げましたように、公的な任務を持った協会でございますから、その運営は相当慎重でなければならない、特定の利益追求のためとか、あるいは特定の者のためとか、そういう形で不公正な運営がなされることは困るわけでございます。そういう意味で、公正さなり慎重さなり、そういうものを担保いたしますために評議員会というものを設けだというのが評議員会設置の趣旨でございます。 評議員会の任務といいますか、付議事項は、具体的には定款によりまして決めていただくことになりますが、私どもといたしましては、例えば、予算でありますとか、事業計画、それから財務諸表の結果でございますとか、あるいは定款、業務方法書の変更、こういった協会の運営につきましてのごく基本的な重要な事項については評議員会の議に付していただくように持っていきたいと考えております。
○上野雄文君 そこで、評議員に選ばれる方々ですが、どんな方々を想定していますか。
○政府委員(関根則之君) 協会の業務運営につきましての学識経験を有する方に御就任をいただきたいと考えております。
○上野雄文君 学識経験というと物すごく広いわけですね。 そこで、端的にお尋ねしますが、消費者代表ということを考えていますか。
○政府委員(関根則之君) 今の時点では、格別消費者代表というような形でお願いする考え方は持っておりません。幅広く学識経験を有する方に御就任をいただきたいと考えております。
○上野雄文君 私も不勉強で知らなかったんですけれども、この間ずっと見せていただきましたら、器具類についてもまさに国際化時代を迎えておって、ISOとの関係が出てきている、こういう話を承りました。そういう時代の中で新しい設備を入れて、大変なお金をかけてやっているというものも見せていただいたわけですが、こういう国際化時代の中で、現在の日本消防検定協会が果たすべき役割といいますか、そういう点についてお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(関根則之君) 私どもは、貿易摩擦との兼ね合いにおきまして、例のアクションプログラムを作成する作業の一端を担ったわけでございますが、その際、できるだけ国際化の線に沿って日本の消防用機械器具等も進まなければいけないということを基本にしたつもりでございます。そういう意味ではISOの委員会の中にTC21というのがございますが、これが消防関係の機械器具等についての基準を扱っているところでございます。その委員会には、私ども消防庁からももちろん職員を何遍も出しておりますし、また検定協会からも出席をお瀬いいたしておるところでございます。 実は先日、TC21のスプリンクラーを担当しておりますワーキンググループの会合が日本で開催されまして、特に最近、検定協会が設置いたしましたスプリンクラーの試験施設、でき上がったばかりのものを見ていただきました。ワーキンググループの各国の代表の方々が、日本ではここまでやっているのかということで大変感心して帰っていただきまして、検定協会としては面目を施したんで独ないかと私は感じているところでございます。 そういう意味で、世界的なISOの場におきます日本の消防のいろいろな基準、特に、その中で中心的な役割を担っていただいております消防検定協会というのは極めて高い評価を得ているものと思いますし、これからもそういう方向で努力をしていきたいと考えております。
○上野雄文君 これは消防庁も関係のあることになると思うんですが、今の検定協会と消防庁関係との人事の交流が行われていますね。これは将来とも行うということで理解していいんですか。
○政府委員(関根則之君) 将来とも、人事の交流はできるだけ幅広くやっていきたいと考えております。
○上野雄文君 救急業務のことについて一つお尋ねしておきたいのであります。 この間も、勇気ある学生がぐるぐる回されて、ついにとうとい命を失うということがあったわけでありますけれども、これは消防だけの責任じゃなくして、救急機関が受け入れてくれなければ話にならぬことなんであります。こういう面についても消防の方はどこかでということで一生懸命やったんだけれども、結果的にだめだったということであれば、救急業務本来の目的が達せられないことになると思うんですね。これらについて消防庁の方ではどのように考えておられるか、お聞かせいただきたい。
○政府委員(関根則之君) 救急業務を本来の意図どおり完全にやっていきますためには、消防がどんなに頑張りましても、それだけでもだめなわけでございまして、受け入れるサイドの医療体制というものをしっかりお願いしなければいけないわけでございます。 そこで、やはり必要なのが消防と医療サイド、省としては厚生省だと思いますが、そことの間の連携を十分とっていく、そういうことが必要でございます。あの事件がありまして以来、現場の消防本部に対しましてできるだけ医療機関との連携を密にしながら救急業務を行うように指導してきたところでございますが、特に事件のありました東京の場合には、早速、救急センターとのホットラインを設けるということで、何か緊急事態がありましたときには、その電話回線によりまして医療機関の責任のある人との間で収容をお願いをする。また、責任を持って医療機関の方はそれを引き受ける。そういう連絡体制をとるということになりまして、実は本日、東京におきましてはそれが完成いたしまして開通しているわけでございます。 そういった形で、緊急事態のときには緊密な連絡をとりながら、本当にどうしても緊急に収容しなければならないという場合には、もちろん他の患者をほっぽり出してもというわけにはいきませんけれども、できるだけ融通をすることによって、空きベッドをつくって収容する、搬送されました患者を受け入れる、そういう体制をつくっていきたいというふうに考えているところでございます。
○上野雄文君 ぜひ、しっかりやっていただきたいと思うんです。 最後に、参考人にお尋ねをしていきたいんですが、三点ばかりあります。 一つは、新法人に移管する機会に合理化をやられるんではないかという心配があるわけですね。役職員を含めて百人以上の方々がいるということでありますが、そんなことを考えているのかどうかというのが一つ。 それから二つ目は、内部登用の人事がこれから非常に必要なことだと私どもは思うわけですけれども、そのことについてはどうお考えか。 それから、従前の労働慣行というものをきちっと尊重していってもらいたいと私は考えているわけでありますけれども、その点について理事長のお考えをお示しいただきたいと思うんです。
○参考人(福島深君) 第一点の合理化をするのかというお話でございますが、これは先ほども申し上げましたように、自立化、活性化を図る上いう趣旨で民間法人化がなされるわけでございますから、当然事務の合理化は一層進めていかなければならぬ、このように考えているわけでございます。ただ、それがすなわち人員整理に結びつくかということになりますと、そういうことはない、私はこのように考えておるわけでございまして、今回の民間法人化に関連して人員整理がなされるとか、そういうことは毛頭考えておりません。 それから、第二点の内部登用の問題でございますが、御指摘の点は全く私も同感でございまして、私どもの検定協会はほとんど検定協会で採用した職員でございます。したがいまして、内部登用につきましては、従来も私は意を肝いたつもりでございますが、今後ともこの点については十分配慮してまいりたい、このように考えております。 それから、第三点の労働慣行の尊重でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたように、経営に一段の工夫を加えるということが必要でございまして、それに関連して組合の協力を期待するという面もかなり出てくるのではないか、私はこのように考えておりますけれども、私ども協会におきますいわゆる労使関係というのは極めて正常である、このように私は考えておりますし、今回の民間法人化に関連して労働条件に手を加えることはないものと、このように考えております。
○上野雄文君 最後に大臣、検定協会もそれなりに重要な仕事を果たしているわけですよ。ただ私、この法律をいろいろ検討し、現場を見たり何かしてきましたけれども、機械器具にばかり頼っていてもしようがないんで、最後はやはり人間ですね。那須温泉のホテルの火災も、人間が行って窓ガラスを割って出てもらうというような、そういうやり方もできたわけですよ。だから今度の法律のようなことでいじくるよりも、問題はもっともっと防災意識といいますか、そういうものが徹底できるような策が進められていいんだろうと思うんですよ。臨調が言ったから仕方なしにやっているんでしょうけれども、しかしそれにしてもこういうふうに次から次へと火災が起こってくるわけですから、そういう面に力を入れてほしいなと私は思うんですが、大臣の御所見はいかがですか。
○国務大臣(小沢一郎君) 先生まさに御指摘のとおり、いかに防災、防火あるいは消火の設備をいいものにしても、どのような手段を講じましても、しょせんは人間がそれを管理運用していくものでございます。したがいまして、その意味におきましては消防庁を通じ、全国の消防機関におきまして、特にお客さんを預かるような施設を有する人々の火災に対する防火の意識を啓蒙し、徹底させて、絶対事故の起こらないように、そういう指導をすることがすべての根本になっていかなければならない、私もそのように考えておる次第であります。したがいまして、今後ともハードの面とソフトの面の両面から徹底していくように指導してまいりたい、そのように考えております。
○中野明君 大臣に最初にお尋ねしますけれども、中曽根総理は行政改革ということで大変熱心に始められたんですが、どうも最近、経済運営がうまくいかないということで頭がそっちの方に向いたのか、行政改革ということについては非常に消極的になられているように私は見受けます。 それで、今回も臨調の答申で、この法律の最初の方のいわゆる日本消防検定協会あるいは危険物保安技術協会、これの改正も出ているわけですが、もともと行政改革というのは行政の簡素、効率化、これが基本だろうと思います。そうしますと、当然この法律を考えられる以前にこの二つを一つにする、これが行政改革の基本だろうと思うんですね、同じ消防庁で、そして自治大臣が監督するんですから、一つにしたら一番簡素、合理化になると私は思うんです。それを考えられなかったのかどうか、考えて、どうしてもだめだったのかどうか、その辺どうなんでしょうか。
○国務大臣(小沢一郎君) 行政改革に対する総理の意欲は依然として強いものを持っておられると私は思っておりますけれども、それはそれといたしまして、ただいまのいわゆる二つの組織を一つにする、それが簡素、合理化に最も適しているのではないかということでございますが、なるほど組織の簡素化という面のみからとらえればそのような御議論も成り立つかと思います。私余り詳しい技術的なことはわかりませんけれども、この二つの協会の仕事の中身等を考えてみますと、必ずしも一緒にして組織の簡素、合理化という面だけでのみ考えられるべき性質のものでないように理解いたしておるわけでございまして、臨調においてもそのような議論は余りなかったように聞いております。 いずれにいたしましても、技術的な具体的な仕事の内容の点につきましては長官から説明してもらいますが、そのような考え方であったというふうに理解いたしております。
○政府委員(関根則之君) 消防検定協会につきましては、先生御承知のことでございますけれども、消火器等の検定を担当する機関でございますし、また危険物保安技術協会につきましては、大型の屋外タンクの事前の試験をやるというようなことで、その業務が全く違います。 それから同じ消防関係とはいいましても技術的なもの、取り扱う人に必要な知識の面でも随分違ってまいります。そういう意味で、それぞれ専門分野が違うものですから、それぞれの分野に責任体制を設けましてやった方がかえって本当の責任の持てる仕事ができるんではないか、こういう考え方で、両方似ているから一緒にしたらいいじゃないかということに必ずしもならなかったものというふうに理解しているところでございます。
○中野明君 私も素人ですから、そんなに簡単にいかないということはわかりますが、行政改革というのは臨調が言うたがら云々じゃなしに、臨調というのはそんな細かいところまで指図はできません。同じ政府が提案された行政改革の一環として出てきた法律でもこんなのがありますよ。農水省で日本蚕糸事業団と糖価安定事業団を一つにしたんです。蚕と砂糖をです。蚕と砂糖を一緒にするいって、これは我々とぼけるなというようなことでもあえて政府が提案して、臨調が言うたからといってやっているんですね。ですから、行政改革というのは、臨調がある程度行政の簡素化をしなさいと言って、それを受けて行政側が積極的にやっていって初めて行政改革の実が上がると私は思うんです。 ところが、今の行政改革を見ていると、臨調の言うた都合のいいところだけつまみ食いをしてやっているとしかとれない面があるわけです。それで今あえてお尋ねしたんですが、それなりの理由がおありのようですからこれ以上申しませんけれども、蚕と砂糖よりはましだろうと思うんです。それは一つで十分できると私は思います。しかしこれはもうこの辺にしておきます。 それで、今回新たに指定機関の制度が導入されるようですが、日本消防検定協会の業務の独占を排して競争原理を導入するということなんですが、消防機器の、相手が出てきたときに検定の安全面に支障がないだろうかと、競争をするものですから。その辺はどのようにお考えですか。
○政府委員(関根則之君) 競争原理を導入して、指定検定機関におきましても検定ができるという制度は導入いたしますが、検査あるいは試験の水準を落として今までよりも品質が悪くても構わない、パスさせる、そういうことをねらったものではございません。いろいろな機構改革をすることによりまして、能率的に企業経営としてやっていけるような、そういう面からの経営の効率化を図ったというふうに考えております。 もちろん消火盤等の基準そのものは検定協会なり指定検定機関がやることではなくて、私ども役所が政府として、国として責任を持って定める。その基準に消火器が合っているのかどうかを検査するのが検定協会でありますから、その基準というものは全く変わらない。また、検定のやり方そのものにつきましてもいろいろな基準というものは設けておりますので、それを緩めるということは考えていないわけでございまして、安全面で心配だということはないようにしていきたいと考えております。
○中野明君 それでもう一つは、先ほど理事長もお答えになっておりましたが、今後、検定協会が運営していくその運営費用は手数料で賄われる、こういうことになるようですが、そうしますと、今回の改正で手数料がアップする、そういう心配はないでしょうか。その辺はどうでしょうか。
○政府委員(関根則之君) 直接心配かなと思われるのは、民間法人になりますので税金がかかります。特に固定資産税が、従来からある償却資産等については非課税になっておりますけれども、土地等につきましては六分の一の課税標準で課税をされるということになりますので、その面の経費負担が確かにふえることは間違いないんです。しかし、それはそんなばかでかい金額になるわけではございませんし、今回の法律改正は経営の効率化というものをねらっているわけですから、その効率化によって十分私は生み出せるのではないかと考えますし、また生み出すことを期待しているものでございますので、今回の民間法人化の結果手数料を上げなければならないという事態にはならないものと考えております。
○中野明君 ぜひその辺はよくお願いをしたいと思います。 それで、次の問題なんですが、消防庁は、大きな火災事故があるとすぐその直後に総点検といいますか、過去にも大阪の手口前とか、熊本のデパート、あるいは川治温泉、今回も熱川とか、東京でもニュージャパンがありましたね。そういうことで総点検をなさるんですが、総点検をなさって不備とかあるいは実態が明らかになってくるんですけれども、一向改善されていないという感じがしてなりません。 今回また、東京消防庁で総点検されて、その資料をいただいたんですが、木造の収容三十人以上のいわゆる旅館、ホテルで四三%に不備欠陥がある、三十人未満は三三%というような報告がなされているんです。確かに、不備欠陥を指摘されて、総点検をしていただくということはもう当然過ぎるぐらい当然のことなんですが、指摘しただけでその後の改善がなかったら何にもならぬと思うんです。東京でもニュージャパンがあんな大きな災害を起こしてまだ記憶に新しいんですが、それでいてまだホテルとか旅館の木造の分では四三%も不備がある、こういう答えが田でいるんですね。 ですから、絶えず総点検をして、特別査察というんですか、それをやっていただくことはもう業界の大きな刺激になっていいことではあると思うんですけれども、した後そのままだというんじゃ困るのでありまして、何かあったら特別査察をするんじゃなしに、徹底して絶えず注意を喚起して人命を守っていただくといいますか、この間うちからよく議論に出ていますように、最近の火災は、火災が発生したら必ず死人が出ています。そういうことを考えると、お金を取って人を泊めるんですから、そういうところは特に、それが四三%とか三三%、三分の一は欠陥があるというんじゃ困るのでありまして、その辺のことについて消防庁長官から今後の問題としてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(関根則之君) 御指摘をいただきましたように、東京消防庁におきまして東京都の緊急の一斉査察を実施いたしまして、千二百九十件ほどの対象物を検査いたしましたところ、お話のありましたように四百三十四件の不備事項が出てきたわけでございます。まことに残念なことで、こういう事件があり、査察をいたしましたときにいつもいつも注意を申し上げ、違反者に対しましては改善策をお願いしておるわけですけれども、またしばらくたつと、少し油断して訓練をやらなかったり、あるいは自動火災報知機のベルをとめてしまうというようなものも実は出てきたわけでございます。私どもとしては、一回限りで、点検をするとそれで終わってしまうということではなしに、引き続きフォローアップしていかなければならないものと考えておりまして、各消防機関を督励いたしまして、できるだけ事後の状況調査を引き続きやっていくようにしていきたいというふうに考えます。 また、特別大きな旅館でありますとか、ホテルでありますとか、あるいは劇場等大勢の人々の出入りする特定の防火対象物につきましては、消防庁におきまして直轄で具体附な件名を挙げまして、現在法律上必要な設備ができていないところにつきまして整備するように、いわゆる違反是正措置というものを展開しているところでございます。こういったようなものも含めまして、違反対象物の絶滅を期して今後とも努力していきたいと考えておるところでございます。
○中野明君 一つの方法として、以前にもなさったことがあるんじゃないかと思うんですが、そういう大規模なところで、ホテルニュージャパンのようにああいう横着なことをしているホテルは名前を公表して、そして注意を促すとか、何か強硬手段をとらないと、今御答弁にもありましたように、特別査察が済んだらやれやれということでまた手を抜く、こういうことでは事故の絶滅にはならないと思いますので、その辺も含めて御検討をいただきたいと思います。 それから、次の問題は消防研究所のことなんですが、消防研究所の予算が年間大体五億円のようです。国立てやっている研究所ですから、東京都とかあるいは研究所を持っている大都市もあるようですが、一般の市町村はとてもそんな研究をする余裕はありません。ですから、国で研究をした成果がそういうところへ反映されるというのが本当でしょうから、国でないとできない研究をしていただく、その趣旨は私も非常に結構だと思うんですが、予算を見せてもらいますと人件費が三億ですね。そして、研究費が一億九千万ですから二億弱です。国の研究所として研究費が少ないんじゃないだろうか、人件費にほとんど取られちゃって——三億一千万ですから。それで研究費が一億九千万ということになると大した研究ができないんじゃないかと思います。 確かに、立派な研究をなさっている一面もありますけれども、予算の関係でしょう、本当に気の毒な、苦しい中で研究をしておられる実態を見て、これじゃいかぬなと。国の研究所なんですから、やはりもう少し研究費をかけないと満足なものができないんじゃないかなと。民間企業の研究所なんかすごいですからね。筑波へ行ってみたりいろいろしますけれども、民間企業の研究というのは大変なものですね。地震の研究なんか建築会社が合同でやっていますね。あれなんかもう本格的な地震の研究、それもどういうんですか、それそれの企業でまた耐震、耐火の研究をしている。なかなか進んでいるんです。 国立の消防研究所ということになりますと、やはりもうちょっと人に見せるような、見てもらいたいぐらいの誇れるようなものにしてほしい。財政がこんなときですから苦しいのはわかりますけれども、どう見ても人件費よりも研究費が半分とは言いませんけれども、一遍大臣研究してみていただきたい。とてもじゃないがこれで何の研究ができるだろうかと思います。これは大蔵省の財布がかたいんでしょうけれども、行政改革というのは要らぬところは減らしてほしいんですね。けれども、要るところには思い切ってやるというのはこれまた一つの行政改革だろうと思っております。ですから、その辺を含めて検討課題にしていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(小沢一郎君) 確かに、先生御指摘のとおり、研究所という名前がついてそこでいろいろやっている以上、その研究費全部よりも人件費が多いということでは本来の研究を十分にやることができないのではないかという感じは私もいたすわけでございますが、その少ない中で一生懸命やっておられます。消防は、人命そして財産、これを預かるものでございますから、今後、先生の御指摘を念頭に置きまして、この点につきましては十分配慮するように努力してまいりたいと思います。
○中野明君 要するに、地方ではとても金がかかってできないというような大事な研究を国の力でやるということですから、その辺をぜひお願いしておきたいと思います。 それから、次の問題として、消防組織法が変わりまして、所掌事務に国際協力に関する事項を加えられたというんですが、国際協力の事項を加えなければならないという理由、特にそういう理由が発生したというのは、ブラジルとかああいうところの関係でしょうか。
○政府委員(関根則之君) 今回、所掌事務に係る国際協力に関することという事項を入れさせていただく案を御審議いただいているわけでございますけれども、これは直接国際消防救助隊に関連するものではございませんで、従来から実は技術協力のような形で、ブラジルに対しましてJICAを通じまして、日本の財源で消防学校の訓練塔などを建設し、それの訓練のやり方等を指導したことがございます。 また、もう既に、一昨年の秋になりますが、シンガポールにおきまして、予防関係の将来のシンガポールの法制度、予防制度というものをつくりたいんで技術援助をしてください、こういう依頼がありまして、当時の消防大学校長をキャップにいたしまして、たしか五人ほどの班で三週間ほど現地へ行きまして、シンガポールにおきます将来の火災予防の基本的な骨組み等につきまして提言をしてきたことがございます。そういったことを消防の面では結構あちこちでやっておるわけでございます。 しかし、それではどこに根拠があってそういうことをおやりになるんですかということを聞かれる場合もございましたので、今回、そういうことも積極的にできますよということを明確にしておきたい、これがなくてもできないことはないと思うんですけれども、根拠を明確にさせていただく、そしてなおかつ今後ともそういう活動を積極的にやっていきたい。国際化の波に乗りまして消防庁としても積極的に海外協力をやっていきたいという念願も込めまして改正をお願いしたところでございます。
○中野明君 それではもう一つ、救急業務のことで、今回の規定の整備の中で、救急業務の対象に生命に危険のある急病人で、他に搬送手段のない者を加える、こうなっているわけなんですが、救急車の出動は全国で一体どれぐらいあるんだろうか、東京都でどれくらいの救急車の出動回数になっているんだろうかということを、わかりましたら教えていただきたいし、何か聞くところによると、救急車が呼ばれて行ってみたら、タクシーがわりに使われたとか、そういう批判もあるんです。しかしながら、なかなかその判定は難しいんで、ここでもあえて他に搬送手段のない者というふうに書いておられますが、全国でどれくらいの、全国がわからなければ東京でも結構ですが、救急車の出動画数がどれぐらいのもので、そしてそういう批判がどういうところから出てくるんだろうか、その辺はいかがでしょう。
○政府委員(関根則之君) 最近の数字といたしましては、昭和五十九年度の数字がございますが、全国で総田場件数は二百二十五万五千百十三件ということでございます。一日平均六千百六十二件、約十四秒に一回ずつ全国どこかで救急車が出ておるということのようでございます。また、東京におきましては、最近は年間三十一万件を超しているという報告が来ております。 また、搬送いたしました救急患者のうち、いわば病院へ連れていきまして、病院の診察の結果、軽傷である、軽傷というのは入院治療の必要はない、その場でちょっと手当てをしてすぐ帰していただける、その程度のものを軽傷と呼んでいるようでございますが、そういう方は四十二万九百五十六人ということですから、搬送いたしました患者の四割程度、四一・六%ということでございます。この割合は、ここ数年来、それほど余り変動しておりません。ふえても減ってもいない。多少減少しつつあるかなという感じでございます。 したがって、世間でよくタクシーがわりというふうに言われるんですけれども、先生もお話ございましたように、救急車で来てくれと言われて、お医者さんが診れば軽い病気かもしれないけれども、本人は一生懸命かけてよこすわけですし、家族の方も本当に心配して、救急車早く来てくださいと言って呼ぶわけですから、あなた本当に重病ですかと、そんなことを聞いていられる現場の状況ではないということを私どもよく聞くわけでございます。したがって、できるだけ軽い病気の方、まあそれほどでもない方はできるだけ御遠慮願うという救急車の使用の仕方といいますか、利用の仕方といいますか、その辺のところを国民の皆様によく理解をしていただく。一台自分で使っていると、もしたまたま同じ時刻に重篤な患者が出てきた場合にそちらへ行くことができませんよという、その辺のところを住民の皆さんによくPRするように、わかってもらえるようにと消防署にも指導しているところでございますが、少しずつそれがわかってもらえてきているのかなという数字上の状況であろうと思います。 いずれにいたしましとも、その問題は非常に重要な問題でございますので、今後とも検討課題にさしていただきたいと思います。
○中野明君 今のお話にもありましたように、十四秒に一回ぐらい全国で出動しているということですから大変な数ですが、これは今、長官が答弁なさったように、判断というのは非常に難しい。そのために他に搬送手段のない者を加えてということなんですから、これなかなか難しい問題だなと私も思います。 今のお話で素朴な質問なんですけれども、病院へ行って、軽い病気で入院の必要がないと言われた人は、また連れて帰るんですか。その辺どうなんですか。
○政府委員(関根則之君) お帰りは御自分でお帰りいただくことになっております。
○中野明君 そうすると、連れていっただけで、搬送手段がなかったらかわいそうですね。 なかなか難しい問題でしょうけれども、とにかくタクシーがわりに使われているという批判もありますので、救急車の出動回数なんかは何かの機会にできるだけ発表して、そしてマスメディアを通じて、今おっしゃったように、自分が占領している間に、もしほかの重病人が出たときは間に合わぬのですから、そういうこともあるという意味のPKが必要じゃないかなという感じがいたします。大臣にそれをお答えいただいて、終わります。
○国務大臣(小沢一郎君) これは急病あるいは本当に重い人のためにお互いが助け合い、協力する、そういうシステムとして国であるいは制度としてつくっているものでございますから、その点は先生のお話のように、十分国民の皆さんにも理解していただくように指導してまいらなければならないと考えております。
○橋本敦君 まず、基本的な問題についてお伺いしたいのでありますが、消防用機械器具等の検定業務というのは、これはもう言うまでもありませんけれども、国民全体の安全あるいは公共の福祉に重大なかかわりのある業務でありますから、もともと消防研究所が行っていたように本来的には国が責任を負うという業務だと思うのです。したがって、五十八年三月に臨調最終答申が出たわけですけれども、民活や特殊法人の民営化ということが言われても事柄によるわけで、こういう重要な業務を受け持っている検定協会を民間会社化するということについては消防庁も当時は基本的には賛成しがたい、反対だという態度をとっていたのではなかったか。これがまず第一の問題点。 その当時、私どもが消防庁から直接話し合いの中で確認した言い方によれば、消防用機械器具等についていえば、その品質いかんが直ちに人命、財産の安全に重大な影響を及ぼす。さらには日常一般に使用されていないものですから、一般商品のようにユーザーが自律的に選択淘汰できる性質のものではない。粗悪品であることがわかったときはもう既に重大な事故が発生しておる、こういう事態でありますから、そういう意味においてもこれは消防業務そのものとも関連して国が責任を持って行うというのが当然なので、国民からの絶対的信頼性を責任を持って確保するという観点から見ても、臨調最終答申が出たけれども、こういった検定業務の民間会社化という問題は消防庁としては反対だという見解を当時持っていたのではなかったか。 そうだとすると、今度の改正法案の提案ということになるとその消防庁の考え方が基本的に変わったとしか言いようがないのではないかと思うのですが、まずこの基本問題について長官の答弁を得たいと思います。
○政府委員(関根則之君) 私どもは、消火栓等の消防用機器等につきましての品質をきちんと検定し、間違いのないものが住民の利用に供される、そういうことは依然として国の責任でやらなければならぬというふうに考えております。したがって、消防用機械器具等の基準につきましては、今回の改正にもかかわらず従来どおり国の方で決めてまいります。ただ、その基準に具体の個別の機械器具等が適合しているのかどうか。この面の鑑定につきましては民間法人化されます消防検定協会においてもやっていけるものということで、いわばその検定の代行をお願いする、こういう仕組みにしたわけでございます。 当初、いろいろな案がございまして、今御提案申し上げております案にたどり着くまでには政府部内におきましてもそれはいろいろな議論がございました。先生が御指摘のような議論も当然消防庁の内部におきましてもあったわけでございます。しかし、最終的には私どもは検定の全体としての水準、別な言葉で言えば消防用機械器具等の品質の悪いものが、今まで通らなかったようなものがこの改革によって通ってしまう、そういうことにならないように品質面ではきちんと従来の水準を維持していく。そういう中でいわば経営面につきまして能率的な経営ができるようなやり方はないか、そういうことで検討いたしましたところ、結果的にこういう形で成案を得ましたので御提案を申し上げている、こういうことでございます。いわば検定そのものの内容、水準につきましては従前どおりきちんとした責任の持てる検定が行えるような制度としてこの仕組みを考えたわけでございます。
○橋本敦君 そうしますと、この検定という問題について、依然として園の責任を否定するものではないということが明らかになりました。したがって、経営の効率化ということは言うけれども、検定業務内容の基準を緩和したりあるいは検定業務内容の効率化という意味で、基準を改正して安易な方法で検定がなされるというようなことを将来とも絶対にしないということはお約束いただけるわけですね。
○政府委員(関根則之君) 検定のやり方なりその内容、それから検定をいたしますときに使う試験用の機械器具あるいは技術、そういうものも日進月歩いたすわけでございますから、だんだんと効率的な判定機械等も出てくるかもしれない、あるいは国際規格簿に合わせるというような問題も起こってきて、そのために今までの検定のやり方を変えてもいいじゃないかという問題は起こるかもしれないと思います。そういう意味におきまして技術的な変化に伴っていろいろ検定のやり方は変わってくることは大いにあると思いますけれども、今回の法律改正に伴っていわば経営の効率化を図りますための検定内容ががらっと変わるとか、あるいは簡略化されるとか、そういうことは考えておりません。
○橋本敦君 その点をなぜ私が確認するかといいますと、私の手元に日本消防検定協会の「検定協会だより」の六十年七月号があるんです。これを読んでおりますと、民営化問題が論議されておりまして、日本消防ポンプ協会の藤井会長がこの民営化問題に関連をして、今までは検定業務が非常に複雑であったが、これが協会になって一応基準化されたのですが、これがどうなるかが問題だ、そこで「民営になった場合の効率化についても併せてお願いしたい。」という発言をされている部分があるんですね。これを受けまして検定協会の松浦検定第二部長が、「個別検定の効率化については、検定協会内部で検討した結果として現時点ではルールを変えることはできないが」、今、長官おっしゃったように、現時点ではルールを変えることはできない、またその必要もないという意味でしょう。しかし「継続事案として考えています。」という記述があるんです。 これを安易に解釈いたしますと、経営の効率化からさらに業務の効率化ということに進んで、安易な検定業務がなされるような手続の簡易化も含めた改正がなされる心配がないと言えないのではないかという心配があるものですからお伺いしたわけです。だから、そういう意味では、国の責任を軽減する、あるいは検定業務内容を安全性確保を超えて安易化するということは絶対にしないということをもう一度確認したいのですが、間違いありませんか。
○政府委員(関根則之君) 検定のやり方そのものについて全然変えないということは私は言えないだろうと思います。検定のやり方そのものにつきましても、同じ精度のといいますか、いわば検定の内容を、同じ水準を保つために比較的省力化した検定の仕方が技術的に可能になってくる場合だってあろうと思います、技術進歩に伴いまして。あるいは先ほども申し上げましたが、ISOの方でいろいろな検定基準を国際的に統一しようということになっておりまして、私どももできるだけそういうものに積極的に参加していこうということになっているわけで、今まではこれだけ難しいといいますか、非常に手の込んだ検定を必要としていたけれども、ISOの国際規格が統一されまして、それに合わせると今までよりは比較的簡便な検定の方法で、しかもそれによって品質を落とさないで済むというようなものができてくるかもしれません。
○橋本敦君 それは否定しない。
○政府委員(関根則之君) そういう場合には、いわゆる簡略化といいますか、効率化が行われる場合があると私は思いますけれども、それは何も法律改正をしなくてもそういうものは当然出てくるものでございまして、今度この法律改正をしたから急にそうなるんだということではないというふうに理解をいたしております。
○橋本敦君 国が責任を負うという具体的なあらわれとして、消防法の二十一条の四十八で「協会は、自治大臣が監督する。」自治大臣の監督権ですね。第二項で「自治大臣は、この章の規定を施行するため必要があると認めるときは、協会に対して、その業務に関し監督上必要な命令をすることができる。」というのがございますね。これは国が責任を負う上で非常に大事な規定ですが、この規定は今度の改正ではこのまま残るんですか。
○政府委員(関根則之君) 今回は、この規定につきましては手を入れておりませんので、そのまま存続するということでございます。
○橋本敦君 そこでもう一つ、これに関連して確認しておきたいのは、今度は競争原理を導入して指定検定機関を置きますね。この指定検定機関に対する自治大臣の監督は、この二十一条の四十八ですと明らかに協会に対する監督権、こうなっておりますが、指定機関に対する監督権はどうなりますか。
○政府委員(関根則之君) 指定検定機関に対する監督につきましては、新たに第二十一条の五十四という規定を設けまして、先生お手持ちの資料の四十八ページになると思いますが、「自治大臣は、検定等の業務の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定検定機関に対し、検定等の業務に関し監督上必要な命令をすることができる。」、こういうことにいたしておりますので、ほぼ検定協会と同様な規定が置かれ、監督ができることになっております。
○橋本敦君 そうしますと、国がこういうことで監督の責任はともに果たしていく、こうなりますと、競争原理を導入するという積極的な意味はどこにあるんですか。
○政府委員(関根則之君) これは組織論一般から出てきた議論だと思いますけれども、人間というのは業務独占をいたしますとどうしても独占の上にあぐらをかいてしまうという傾向がございますので、お互いに競争させることによって自分みずからも励ましながらお互いに能率的、効率的な経営ができる、こういうことでそういう制度を導入することとしたものでございます。
○橋本敦君 それは、国が責任を負う、国民に対する安全確保あるいは信頼性確保という業務から見れば、競争原理の導入ということは私はふさわしいものじゃないと思うんですよ。今の長官の答弁でも、私は積極的なメリットが、なるほどなというように積極的に理解できないですね。それよりも、私がその次に心配するのは、この競争原理の導入ということと絡んで、経営の効率化ということから手数料の増大ということに向かわざるを得ない、そういうことがむしろ心配になってくる。 なぜそうなるかといいますと、今度は政府出資現金三千万、土地五千万、これを返さなくちゃならぬということに加えて、今度は手数料は実費を勘案して政令で決める、こうなりますね。これが競争原理で安くなればいいんです。しかし、手数料は政令で決めるんですから競争原理で安くする機能も働かぬのですよ。むしろ、逆に今度は政令で統一的に経営効率化ということで手数料が高くなる可能性、おそれの方がよりあるという状況に変わってこざるを得ない、私はこう見ているんですが、どうお考えになりますか。
○政府委員(関根則之君) 確かに、手数料は実費を勘案いたしまして政府の方で決めることになりますけれども、その実費というのは、いわば競争原理の導入の結果仮に二つの協会ができたといたしまして、その協会が両方とも一生懸命競争をしながらコストを下げて検定をするということができるようになったとしますと、その安くできるようになった実費をもとに政令に規定をいたすことになるわけでございますので、そういうことを通じてできるだけ手数料を上げないで済む、下げることはなかなか難しいとは思いますが、コストが安くなるということであればそういう方面に努力をしていく、そういう効果を期待していきたいということでございます。
○橋本敦君 長官、それは大変な形式論ですよ。安くなることを競争はしないですよ、絶対に。むしろ、政令で決めるという実費の勘案の仕方については、資金計画もあるいは借入金計画も自治大臣の承認なしに自由にできるようになるんですから、コストアップになっていくことは避けられないですよ。コストアップになっていくことをチェックできないんです。今度は資金計画を出させないから、借入金も自由にできるからということで抜け穴があるということで問題が残るんですよ。 それからもう一つの問題として、今度は経営の効率化ということになれば、先ほど理事長は職員の皆さんの労働条件は低下させないとおっしゃったけれども、長官として職員の労働条件低下に絶対ならぬという保証があると思われますか。経営の効率化ということでやっていく場合に、政府からの出資金はなくなって、返さにゃならぬ、手数料も政令で抑えられる、経営の効率化とはどこをやるんだ、こうなれば、人員の採用を減らす、あるいは時には労働強化になってくることもある、新規採用を抑えていくどころか、これは国鉄じゃありませんけれども人員整理も出てこないという保証はない。そういう面からいって職員の皆さんの労働条件の確保、将来的に見ていくという点からいっても私は問題が残ると見ているんですが、どうお考えでしょうか。
○政府委員(関根則之君) 実際の経営の現場におきましてはいろんな難しい問題が起こってくるとは思いますが、私どもは日本の経済界、企業の実態等を見ましても、経営の効率化がそこに働く方々の勤務条件の劣悪化を常にもたらすものというふうには決して考えていないわけでございまして、先ほども理事長がああいう発言をいたしているわけでございます。ああいう考え方に基づきまして経営の効率化をできるだけ徹底させ、また、それに伴いまして職員の待遇につきましても配慮がなされていくものというふうに考え、かつ、そういうふうに指導していきたいと考えております。
○橋本敦君 期待と願望を、法案を通さなきゃならぬ立場ですからおっしゃるだろうと私は思うんですけれども、経営の効率化というのは、きょうは時間がありませんから決算書その他に基づいて詳しくやりませんけれども、現状でも事業資金を含めるとその利益というのはだんだん減っていく傾向にあるんですから、将来、経営の効率化ということでどうなるかという問題はまだ残ります。今の答弁では納得できませんので、また適当な機会に検討したいと思います。 時間がありませんので次の問題に移ります。 先ほどもお話がございましたが、今度新たに国際協力をこの法案で明記したということであります。きょうは外務省にもお願いしておりますが、さきのコロンビア噴火の大災害のときにも救助隊の海外派遣が問題になって、閣議でも自治大臣、外務大臣も報告をされ、議論をされた経過がございますが、あのときの考え方を具体的にお述べいただきたいと思います。
○政府委員(関根則之君) 昨年の九月にメキシコで地震が起こりまして、そのときに日本から医療チームが現場へ参りました。帰ってまいりましたお医者さんの報告を、実は、私ども前々から救急業務関係でお世話になっている先生だったものですから、お聞きいたしましたら、ああいう大災害のときには単にお医者さんだけを派遣したんじゃだめだ、やはり救助隊を入れて、埋まっているところから引き出してきてそれをお医者さんに診せる、そういうシステムで総合チームとして出さなければ意味がない、こういうお話を承りまして私どもそのとおりだと思ったわけでございます。 したがって、そういうことがもし仮にあったら消防としては準備をしておいて出られるような態勢をとろうではないかという態勢をとっておりましたところへコロシビアのネバドデルルイス火山の噴火が起こりまして、必要があれば私どもは出せる用意がありますよということを外務省に御連絡を申し上げ、外務省の方でもその必要があるかどうか御検討いただいたんですが、最終的には現地の状況判断等もあったんだと思いますが、今回は出てもらわなくてもよろしいということになったわけでございます。 その後も引き続き、地球の裏側の事件じゃなしに、日本の近辺で何か大きな災害等があった場合には、日本にあるそういった救助隊の出動というものも必要じゃないか、そのための準備をするのが消防人としての務めではないかということで私ども検討してきたわけでございます。幸い外務省の方との連絡も十分よくとれまして、昨年の暮れの十二月二十七日の閣議におきまして、時間がありませんから詳しくは申し上げませんが、外務大臣が発言をされ、それに伴いまして自治大臣から、これに協力して消防サイドとしても対応し、国際消防救助隊の派遣につきましても十分対応していきたい、協力していきたい、こういう発言をしたところでございます。
○説明員(大島賢三君) ただいま御答弁があったとおりでございますが、若干補足さしていただきたいと思います。 御承知のとおり、昨年九月、それから十一月にそれぞれメキシコ、コロンビアで地震あるいは火山の大きな災害がございました。それに対しまして我が国は、メキシコの地震の場合には百二十五万ドルの緊急災害援助あるいは五千万ドルの緊急融資というものを提供し、かつ医薬品その他機材の供与も行ってきたわけでございます。さらに医療チームの派遣、あるいは地震、通信、建設、防災、こういった各種の専門分野におきまして専門家を合計五十一名になりますけれども派遣いたしました。 こうした各種の援助に対しましてはメキシコ政府・国民から非常に高い評価を得ている、特にこういった専門分野について息の長い協力をしてくれたのは日本だけであるというようなこともあったのだと思いますが、大変に高い評価を得ておるわけでございます。 それからコロンビアのときにも、百二十五万ドルの緊急災害援助等を出しますと同時に、医療チーム八名、それから青年海外協力隊のOBチーム四名、これは土木とか看護とか、そういった専門分野でございますが、こういった人の派遣あるいは機材の供与も行い、また火山災害対策の専門家チーム、これは七名でございますが、人の面におきましても合計十九名を派遣いたしまして災害に対する援助を行ったということでございます。 そういった各種の援助協力を行ったわけでございますが、ただいまも御説明がございましたように、やはり我が国が持っておりますすぐれた救助能力というものも国際的なこういった場合に活用がなされてしかるべきではないかという指摘がございまして、私どもに対しましては外務大臣の方から、コロンビアの場合には特に消防庁の方から協力の申し出もあったことでもあり、その組織化について至急検討するようにという御指示がございまして、それを受けまして鋭意検討を進めてまいり、先ほどのように昨年の十二月の二十七日に閣議の報告ということで緊急災害援助体制の整備の途についたということでございます。 それで、その後外務省が中心になりまして消防庁、警察庁、全部で十四省庁の関係がございますけれども、体制の具体的な整備について検討してまいっておりますし、今後もさらに続ける必要があるわけでございます。現状を御報告さしていただきますと、まず四本柱がございますけれども、最初の国際救急医療チームにつきましては本日現在で医師・看護婦あるいは薬剤師等専門家二百七十四名が常時登録されておりまして、緊急事態にいつでも、この中から都合のつく方が必要に応じて派遣できるような体制ができております。 それから、二番目の柱は国際消防救助隊で、これが新しい部分でございますけれども、これも消防庁あるいは警察庁、場合によりましては海上保安庁、こういった機関の協力を得まして、現在、その派遣、編成、あるいは必要な機材等の問題につきまして細かい事務的な検討と詰めを行っておる、こういう状況でございます。 それから、三番目の柱は青年海外協力隊の帰国隊員のチームで、御承知のように、海外でいろいろな経験、特に途上国での経験を積んで日本に帰っておられる方々でございますが、こういったチームを派遣します場合に、あるいは通訳として、あるいは相手国側とのいろいろな調整の仕事が非常に大事になるわけでございますが、あるいはそれぞれが持っておられる専門的な技能、こういったものも活用できるということで協力を呼びかけておりますけれども、現在のところ専門を持っておられる百七名の隊員の方たち、OBの方々が参加の意思を表明して、これもリスト化されておるということでございます。 それから、四番目の柱が復旧対策、あるいは災害の防止、こういった分野における専門的な方々でございますが、国土庁であるとか建設省、運輸省、気象庁等の全部で十四省庁と緊密な連絡をとっておりまして、課長レベルでの連絡担当官を指名いたしまして、必要に応じ緊急に連絡をとり、対応するという体制を整えております。 最後に、特に救助隊の派遣に際しましてはいろいろ必要な資機材の運送、運搬というものがございます。これにつきましても運輸省の積極的な協力を得まして、必要に応じてチャーター便の活用もできるように、今その具体的な検討を進めておるというのが現状でございます。
○橋本敦君 今の関係十四省庁、ちょっと全部言っていただけますか。
○説明員(大島賢三君) 十四省庁を申し上げますと、外務省、国土庁、警察庁、科学技術庁、文部省、厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、海上保安庁、気象庁、郵政省、建設省、消防庁、以上でございます。
○橋本敦君 今のような体制に呼応して、消防庁長官としても全国消防長会への依頼書等を発送されて体制準備をされておると思いますが、その概要を簡単に説明してください。
○政府委員(関根則之君) 海外への救助隊の派遣システムは完全な形ではまだでき上がっておりませんが、これができ上がりました段階では、いつどんなことがあるかわからない、でき上がっておって、仮に消防部隊が派遣できないということになりますと大変なことになりますので、いついかなる時点で出ていけという要請が来るかわからぬということを前提にいたしまして、私どもは準備態勢だけはおさおさ怠りないように進めているつもりでございますし、現に進めております。そして全国の消防本部に呼びかけまして、協力体制がとれるかとれないか、協力する意思があるかどうかということで意向調査をいたしましたところ、三十三都市におきまして積極的に協力したいという意向の申し出がございます。人数にいたしまして三百九十人のあらかじめの国際消防救助隊の登録希望が出てきているところでございます。 私どもといたしましては、現に実際の消防機能の中で日々訓練はいたしてわりますけれども、国際消防救助隊に参加するという観点からの訓練もお願いをしているところでございますし、また近く、四月に入りましてからでございますが、全国の消防に集まっていただきまして、やや大がかりになりますけれども合同訓練を実施して、準備態勢、技量の向上、それからお互いの連絡体制、そういうものをしっかりしていきたいというふうに考えているところでございます。
○橋本敦君 大臣、国際協力の一環としての国際救助活動については大事な課題でありますから、これ自体は必要なことであるし、また大いにやらなくちゃならぬと私は思いますね。 今、お話を聞きますと、十四省庁集めて検討なさっており、消防庁も積極的に対応されておるようであります。それ自体は結構ですが、一時言われました、海外派遣の一環として救助活動に自衛隊を海外に派遣してという議論もございました。現在、十四省庁の中に防衛庁は入っていないわけですけれども、これは本当に純然たる平和的国際協力活動ですから、自衛隊の派遣に道を開くというようなことがあってはならぬ、こう私は思っているわけです。その点について、今十四省庁には入っておりませんけれども、一端の責任を負われる大臣として、将来、こういう国際協力が、今度の改正を一つの契機にして、今、私が指摘したような自衛隊の海外派遣ということはあり得ないと思うんですが、最後に大臣の御見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(小沢一郎君) 今、検討されておりますのは、消防庁、外務省の両方からお話がありましたが、国際国家となりました日本が、純粋に国際的にお互いに災害等について協力していくためのものである。したがいまして、防衛庁は今これに参加しておりませんし、その問題はまた別の議論である、私はそのように考えております。
○橋本敦君 私どもとしては、国際協力は結構ですが、自衛隊の海外派遣に適を開くようなことになっては筋が違うということを表明しておきまして、もう時間が参りましたから質問を終わります。 —————————————
○委員長(増岡康治君) 委員の異動について御報告いたします。 上條勝久君及び古賀雷四郎君が委員を辞任され、その補欠として岩本政光君及び海江田鶴造君が選任されました。 —————————————
○委員長(増岡康治君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(増岡康治君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○橋本敦君 私は、日本共産党を代表して、消防法及び消防組織法の一部を改正する本法律案に反対の立場で討論を行います。 この改正案の主な改正点の一つは、臨調最終答申に基づいて日本消防検定協会及び危険物保安技術協会を民間法人化しようとするものであります。 政府は、その理由として、国の関与の縮小等による経営の効率化を挙げております。しかし、今回の改正内容に見る日本消防検定協会からの政府出資金の撤回、同協会以外の民間法人にも検定業務をやらせるという競争原理の導入、そして両協会の資金計画等に対する自治大臣の認可承認の廃止等は、協会の業務の中に必然的に採算性を持ち込むということにもなりましょうし、経済効率中心の運営がこれから主導的になっていくことは目に見えております。 そういたしますと、本来、消防用機械器具の検定やタンク設置に当たっての審査等、これは採算性よりもむしろまず国民の生命と財産を中心に考えるべきものであります。したがって、従来から国が直接実施するとか、あるいは特殊法人にして法律に基づく認可法人によって国が金も出し、役員も任命し、責任もとるという体制でやってきたものでございまして、私はこういう体制こそ国民に対して責任を負う立場だと思います。こういう意味で、国の責任をあくまでとるという答弁ではありましたけれども、多くの問題を残し、国の責任をむしろ軽んずる方向にいかざるを得ない今回の法案の改正については、我が党は基本的な立場で反対するものであります。 次に、この改正案は、日本消防検定協会の行う試験やあるいは検定の手数料について、従来からある政令で定めるとする規定に、「実費を勘案して」というのをわざわざ加えることにしていますが、これについて政府は、他の法令の使用料、手数料等も同様の定めがあると言っております。しかし、こうした「実費を勘案して」と、こういうことを定めるという法改正があちらこちらでやられた結果、使用料、手数料の値上げが激化している、これも事実であります。さらに、前述のような経済効率中心の協会運営となりますと、この手数料の値上げも起こってくるであろうということが当然予想されるわけでありまして、そういう意味においてこの値上げが、最終的には消費者である一般国民の負担増加につながるものであることを懸念いたしまして、これを考慮いたしまして、この改正案についても反対であります。 もっともこの改正案には、このほか、救急問題において救助活動に必要な装備をした消防隊の配置、危険物の移送中の事故に対する通過市町村長の措置命令等、現在の実情に即した必要な法整備も含まれていることはもちろんであります。 我が党はこれらの必要な改正までも否定するものでありませんけれども、今申し上げましたような基本的な観点に立って、本案には反対の態度を表明するものであります。 なお、最後に一言付言をいたしますが、本法案の審議についてはいまだ大臣の所信に対する質疑も行われず、あるいは現在、日切れ法案の処理はともかくとしても、予算審議中であり、三月十五日に政府が提案してまだ日もない状況でありますので、参議院先議といえども十分な審議を要するものと思いますが、この点については理事会等でも、各党の理事の皆さんも含め、委員長も先例とはしないという御発言をいただいておりますので、今後その点についての御配慮をお願いして、討論を終わります。
○委員長(増岡康治君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(増岡康治君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(増岡康治君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、佐藤君から発言を求められておりますので、これを許します。佐藤君。
○佐藤三吾君 私は、ただいま可決されました法律案に対し、自由民主党・自由国民会議、日本社会党、公明党・国民会議、民社党・国民連合の各会派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 消防法及び消防組織法の一部を改正する 法律案に対する附帯決議(案) 政府は、左の諸点につき善処すべきである。 一 日本消防検定協会の民間法人化に当たっては、検定業務の確実な実施を図るため、同協会の経営基盤の安定の確保に努めるとともに、検査制度の適正な運営の維持に十分配慮すること。 二 救急業務の実施に当たっては、救急医療体制の充実強化を図り、いやしくも人命の保護に遺憾のないよう万全を期すること。 三 救助業務の実施体制を整備するため、財政措置について配慮すること。 四 最近における火災による死者の現状にかんがみ、防煙対策等の充実について一層の推進を図ること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ満場一致御賛同いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(増岡康治君) ただいま佐藤君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います川 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(増岡康治君) 全会一致と認めます。よって、佐藤君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、小沢自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。小沢自治大臣。
○国務大臣(小沢一郎君) ただいまの附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして対処してまいりたいと考えております。 いろいろと御審議を賜り、委員長初め委員先生方に厚く御礼申し上げます。 ありがとうございました。
○委員長(増岡康治君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(増岡康治君) 御異議ないと認め、さよ う決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時五十三分散会 —————・—————