大蔵委員会 第14号
- 発言数
- 316 件
- 登壇者
- 23 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1986/05/20
会議録
○委員長(山本富雄君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十九日、赤桐操君が委員を辞任され、その補欠として山田譲君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(山本富雄君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りをいたします。 預金保険法及び準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案の審査のため、本日の委員会に参考人として日本銀行総裁澄田智君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(山本富雄君) 有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律案及び預金保険法及び準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案の両案を便宜一括して議題といたします。 両案の趣旨説明は、去る十五日に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○竹田四郎君 二十分ばかり投資顧問業について私が質問をいたし、残余については村沢先生の方が四十分間質問をする、こういうことでございますのでよろしくお願いします。 投資顧問業の創設というのは、むしろ私ども遅過ぎたというような感じすらいたします。投資ジャーナル事件を初めとしてこうした事件が相次いでいたということでありますが、今日まで規制のなかった状態で、こうした類似行為をやっていた会社なりあるいは個人なり、あるいは扱っていた総額資産といいますか、大体どのぐらいでしたでしょうか。
○政府委員(岸田俊輔君) 現在、法律がございませんものですから私どもが全体を監督するというわけにいきませんが、財務局を通じて調べたところでは、投資顧問業者は約四百程度ということに伺っております。そのほか、銀行系、証券系、損保系、そういう系統の投資顧問社は約五十ぐらいということでございます。 それから運用資産でございますが、これも私ども全体を把握はいたしておりませんが、証券系でまいりますと約五兆円ぐらいの金額を運用いたしている状況でございます。
○竹田四郎君 投資顧問業というのは、今おっしゃられたように、個人、会社合わせて四百もあるということでありますけれども、今度のこの投資顧問業の登録要件というのはかなり緩和され過ぎているんじゃないか、もう少し業者を絞ってもいいんじゃないか、こういうふうに考えるわけです。特に、今投資者からの信認というものは崩れているという状態でありますけれども、こういう投資顧問業に対する信認を回復するという仕事も今度の投資顧問業の創設の中にはあると思うわけであります。結局は、投資顧問業がどういう実績を上げてどういうまじめな仕事をしたのか、まじめな仕事をしなかったか、こういうディスクロージャーの関係ですね、これをかなり厳重にやってもらわなければいけないと思うわけですけれども、その辺は一体どんなふうにお考えになっているのか。 また、会社として、よく逃げてしまって後は何にもないというようなことがあるんですが、営業保証金というようなものも供託させるんですが、これは一体どのくらいの供託を考えていらっしゃるのか、金額ですね。態様によって違うかもしれませんけれども、最低どのくらいを考えていらっしゃるのか、この辺についてお尋ねをしたいと思います。
○政府委員(岸田俊輔君) 投資顧問業が今後発達いたしますには、やはり自己責任原則というのが確立をしなければいけない。その自己責任原則というのが、これはただ自己責任原則であるというだけでは、これは環境の整備が十分至らない場合にはなかなか難しいわけでございまして、こういう自己責任原則の環境整備というのがまず投資家保護になるのかと思います。 具体的には、投資家保護という面は、投資家が正確に事実を知るということ、それから不当な勧誘に遣わないこと、それから不正な取引に巻き込まれないことということが投資家保護ということになるわけでございまして、これを徹底することはすなわちディスクロージャー制度ということになるかと思います。本法案でも、一番その面の考え方といたしましては、投資家にいかに投資顧問会社がその内容をディスクロージャーするかということを基本に置いております。例えば契約を締結いたしますと、契約の書面において、その内容を誠実に行わなければいけないとか、広告において不実を記載してはいけない等々、その内容につきまして十分保護ができるような形の内容を盛り込んでいるわけでございます。この点につきましては、証券取引審議会においても十分御議論をいただき、かつまたアメリカの制度等も十分念頭に置きながら検討いたした次第でございます。 それから営業保証金の問題でございますが、これは今後また検討する問題でございます。いろいろな角度からあれいたしておりますが、例えば割賦販売法では十万円とか、宅地建物取引業法では三百万円とか、旅行業法六百万円というような状況でございます。ここら辺を頭に置きまして今後検討いたしまして妥当な線を見出していきたいというふうに考えております。
○竹田四郎君 余り詳しく二十分の間ではできないわけですけれども、しかしこの辺も、業界がはっきりとそういう意味で信認を受けるということも必要でありましょうし、今お答えのありました投資家の方の自己責任という問題ももう少しはっきりさせていただかないと、とにかくもうけることだけに頭がいってしまって、いろいろな価格形成の仕組み、こういうものがしっかり入らないので、ただもうけろもうけろということで相手に問題を持っていくという、こういうあり方も、どうも日本人はまだなれていないと思いますから、そこら辺の問題もかなり訓練が必要だと思うんです。 もう一つは、今もお話にありました広告関係なんですけれども、この中には、例えば業者は資産を預かったりあるいは貸したりしてはいけないという規制があるんですけれども、しかしこういう広告というのは、宅建の広告でもよくありますけれども、非常に小さく書く。非常に小さな字で、抜け道だけおくように小さな字で書く。それから二項の、今までの実績を示すということも、とかく、もうけた、うまくいった実績ばかり書いて、悪くいった実績は述べない。そのうまくいった実績は二年前あるいは三年前、下手をすれば五年前、十年前というようなものまで並べ立てるというようなことも、先ほどおっしゃったように、四百も業者があるんですからそういう可能性というのもあるわけですけれども、この辺は具体的にどういう取り締まりをおやりになるつもりですか。
○政府委員(岸田俊輔君) 広告あるいは締結時の書面等で、いわゆる禁止事項というものが余り字が小さくてよく見えない、いろいろ約款なんかで細かい虫眼鏡で見なければいけないというふうな現状があるわけでございますが、これにつきましては、私どもとしては、これから省令の段階で具体的な方法を考えるわけでございますが、ある一定の基準を設けまして、それ以上の大きな字で書くようにというような規定を設けてみたいというふうに考えております。その場合の前例でございますが、海外商品市場における先物取引の受託等に関する法律の施行規則でございますが、これの中には、書面等に書きます活字の大きさまでも規定をいたしておるようでございまして、ここら辺を参考におきながら考えてみたいというふうに考えております。 それから、先ほど御指摘の都合の悪いことを広告しないという面でございますが、これは今度の法律案におきましても、著しく人を誤認させるような事実を広告した、要するに当然知らすべき事実を隠しているような場合というような場合につきましては、条文で規制をいたしておりまして、この罰則が六カ月以下の懲役若しくは五十万円以下の罰金、またその併科という形で厳しく監督をいたすようにいたしております。そのほか、この罰則で対応するだけではございませんで、行政当局としても、投資家の利益を著しく損するような事実が認められた場合には、営業の停止とか登録取り消しというような手段も考えているわけでございます。
○竹田四郎君 間違ったものをやれば確かにそのとおりだと思いますけれども、これだけこういういい資料を私は出しましたよということは、実際出したのは事実ですからね。ただ、これから規則かなんかおつくりになるのかどうか知りませんけれども、それはこの一年間のものとかこの半年のものとかというような規定があれば、それはなるほどいいわけですけれども、そういう規定がないとなれば、五年前にこんなに私はうまいもうけさしてやったんだという実績を出すと、余り悪くなかった、極端に悪くなければ罰則の対象には私はならぬと思うんですね。この辺が一番信認を得られるかどうかの、広告の書き方がこの辺だと思います。 不動産の広告だって、よくそういう点がいまだもって、広告だけでなかなか、現物を見なければということになっているくらいですからね。この問題でも、現物というのはこれじゃなかなか難しいですわな。不動産の場合には現物があって、現物を見に行けばまだいいですけれども、この場合にはその日その日で価格も違っていくわけですし、状況も違っていくわけですから、不動産みたいなのよりもっと難しいわけですからね。 実際それじゃ、例えば特に悪い例がなかった、まあ総体から見れば悪さは少ないけれども、回数は多かったというのもあるでしょうね。それから、こういうものはある意味では特別に突出していい相談をすることも当然あるわけですからね。その辺は一体、机の上ではわかりますよ、今おっしゃるように。わかるんですが、実際はどうするんですか。業者が四百もあるわけですし、あるいはもっとふえるかもしれませんね。アメリカあたりでいけばもっとふえているわけです。そういうのは具体的に、言葉の上ではできますけれども、相当漏れると思いますね。その辺はどうカバーするんですか、
○政府委員(岸田俊輔君) 投資顧問業者の投資のアドバイスの実績というのは、これはまさに投資顧問会社の生命と申しますか、一番重要な点でございまして、それに対しまして自分のいいところだけを挙げて悪いところを隠すということは、まさに事実を誤認させるという行為に入ってくるというふうに考えられるわけでございます。 ただ、先生御指摘のように、それは具体的にどういうケースの場合にどうかというのは、これはまた今後具体的な事例について考えなければいけない問題だろうと思っておりますけれども、その点につきましても、十分今後細目を詰める段階に関係者、経験者等の意見を聞きながら考えてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○竹田四郎君 その辺をぴしっとしてくれないと、せっかく投資顧問業などという形で、これからの個人の金融資産が非常に多くなる中で、あるいは年寄りもあるだろうし、それから家庭婦人も金融資産を扱うようになるという状態ですと、やっぱりその辺はぴしっとしてやらないと、せっかく投資顧問業をつくっても、あれはだめだったという逆な評価が出る可能性が私はあると思います。ここで今お答えできないにしても、大蔵大臣、特にこの辺は目をよく通していただかないと、せっかくの善意が悪意になるわけですからね。この辺は大蔵大臣にも特にひとつお願いをしておきたい、こういうふうに思います。 それから今度は投資一任業務の方です。これは一任して財産を運用してもらうことになるわけですけれども、「業務を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有し、」というのが二十七条にありますし、それから知識、経験、社会的信用という非常に抽象的な言葉でずっと書かれているんですが、これは当然なことで、ある意味じゃ道徳的な規定みたいなような気もするんです。しかし、さっきの投資顧問業一般とは違いまして、現実にこれは証券なり金を扱うわけですよね。そういう意味では、これについてはある程度の規定ですね、標準、基準というんですか、そういうものはおつくりになるんですか。やっぱり道徳的な規定だけにしておくんですか、どうですか。
○政府委員(岸田俊輔君) 法律の条文といたしましては抽象的な形になっておりますが、具体的認可をいたします段階においては、客観的な、だれから見ても公平な基準というものを設けたいというふうに考えております。ただ、今現在におきましては、投資顧問業者全体を把握いたしておる段階でございませんものですから、今後さらにそういうものについての具体的な事情を聴取、検討いたしまして基準を決めてまいりたいというふうに考えております。
○竹田四郎君 このお答えもまた非常に抽象的なんですね。確かに初めての法律ですから、その辺はこれからの政令、規則で決めるわけですがね。こういうものというのは、ただ単に抽象的で問題が済むことじゃないと思うんですよ、現実に物的価値が裏づけされている取引ですから。 どうも今のお答えじゃ私、一般論で終われば、投資顧問業を審議したかいが一体あるのかどうなのか。それはまだこれから政令あるいは規則ということでしょうから、それはわかりますけれども、ただ、おおよその具体的なものとしてこういうものだ、ああいうものだ、こういうものは政令に載せたい、規則に載せたいというようなそのくらいのものはここで出してくれないと、これが本当に真っすぐに育っていくのか、国民から顧みられなくなるのか、そしてこうした金融資産の運用というのがまた暗い感じになるのか、この辺はもう少し明らかにならないですかね。
○政府委員(岸田俊輔君) 御指摘のように、認可基準と申しますのはなかなか難しい問題であるというふうに私どもも考えているわけでございます。 ただ、今私どもがこの認可基準について一番頭に置いておりますのは、まず第一に、内外平等であるということ。それから、現在できております証券系とか銀行系、それに加えまして、従来から投資顧問をやっております独立系、こういうものにつきましては平等に扱うということ。それから、特に独立系で、今まで十分顧客の信頼にこたえてきたようなものについては十分配意をしていきたい。それからもう一つは、外国から進出してきている場合には、外国の親会社なり本店なりの活動が十分である場合には、我が国に出てきた場合の経験が短くてもその点は十分に配意をしていきたいというような諸点を考えているわけでございますが、ただ、さらに細かい具体的な問題になりますと、法律の制定をいただきました後、施行期間若干ございますので、その間に十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○竹田四郎君 今現実に会社組織で銀行系統がやっていたり証券系統がやっていたりする会社組織の資本金というのは、大体一億か二億程度だというふうに私は聞いているんですが、今後のものも大体その程度のものなのか。その一億か二億の資本金が財産的な基礎というふうに評価できるのか、あるいは別途に何かそういう準備金的なものなのか、その辺をもう少し明らかにしてほしいですが、もう時間来てしまいまして、村沢さんに御迷惑かけちゃいけませんからあと一括してお聞きします。 この投資一任業務を主にやっていくような、まあるいわば会社なんかがそうだろうと思うんですが、それと信託銀行との競合関係というのは起きるのかどうか。 それから、どうも今もお話を聞いていますと、結局は大口投資家に、例えば五千万円とか一億とかというような、これは大口がどうか知りませんけれども、一般庶民の投資家じゃなくてかなりの額を持っている投資家、これが対象になって、一般の庶民のわずかばかりの金融資産を運用する相談相手ということには結局はならないんじゃないか、こんな感じが非常にするわけです。 それからもう一つは、証券会社や銀行と、こうした新しくできる投資顧問業者のうちの特に大きいものですね、投資一任業務の契約ができるような、そういうところとの癒着という心配がかなり私はあるんではないか。ここでうちの玉が少し残っているんだからこれひとつ入っちゃえというようなことでうまく利用するというようなこともどうも起こりはしないか、こんな気がするんですが、簡単にひとつ御答弁ください。あと時間余りつぶさないような御答弁をひとつ。
○政府委員(岸田俊輔君) 一任勘定を認められます業者につきましての資本金の問題でございますが、まず、法律案ではこれは法人でなければいけないという限定をいたしております。ただ、資本金の額の算定でございますが、これは資本金が多ければ安全である、小さければ不安であるというわけにもいかない。ないしは、その人的構成も十分見ていかなきゃいけない問題でございまして、現在までできておりますいわゆる証券系、銀行系の資本金を見てまいりましても、大きいところでは四億五千とか八億とかというのもございますが、千万円台のものもございます。ここら辺は、資本金基準をどの程度にするかということも一つの問題ではございますけれども、それが決め手にはならないんじゃなかろうかなというふうに私どもは考えております。 それから、信託銀行との競合の問題でございますが、信託業務と投資一任業務とは、法律的には、まさに預かる財産の所有権が移るか移らないかということで極めて明快に分かれているわけでございますが、実務面ではなかなかそういうわけにもいかない面もあるわけでございます。ただ、実際問題といたしましての機能といたしましては、信託銀行と投資顧問業者というのは極めて明快に分かれておりまして、最近、聞くところによりますと、信託銀行も投資顧問会社をつくりたいという意図があるように聞いております。そこら辺で実務的には区分が明確に分けられるのではないかというふうに考えております。 それから、投資一任業務が大口投資家のみを対象にして一般庶民はこれにかかわりないではないかというお話でございますが、まず、投資一任業務と申しますのは、顧客の財産を直接動かす、まさに顧客との間の非常に重要な信頼関係のもとにおきます大切な仕事でございます結果、その資金運用につきましては慎重にかつ精密に計画をしなければならない。そういたしますと、ある程度の高度の人的組織なりなんなりが必要になってくる。そのことがすなわちある程度のコストがかかってくるというわけでございます。その場合、小口の投資の委託を受けます場合には、そのコストと見合わない結果、もしも受けた場合には極めて安易に運用が行われるという危険性があるわけでございます。 それから、小口の投資家と申しますのは、一般的に言えば、まだ自己責任原則というものが徹底していない面もあるわけでございまして、小口の投資家に一任運用を認めます場合にはどうしてもトラブルが多発するのではなかろうかなというふうに私どもは心配をいたしているわけでございまして、小口の一般的な投資家につきましては、一任運用を利用するということを考える場合には、むしろ合同運用という形で、投資信託で大きく資金をまとめて、それを小口化して販売をいたします投資信託等を利用されるのがベストな方法ではなかろうかなというふうに私どもは考えております。 それから、いわゆる銀行系、証券系の親会社との癒着の問題でございますけれども、法律的にはこの癒着の問題というのは非常に念頭にございまして、役員の兼業禁止とか、または契約時の書面に親会社との関係、資本関係等は十分ディスクロージャーするというような手当てをいたしているわけでございますが、現実の問題としてこれから投資顧問業界はかなり激しい競争の時代に入ってくるだろうと思います。その場合に、その会社が親会社と癒着して顧客に損失を与えている、ないしは実績が上がらないような結果が出る場合にはそういう投資顧問業者はこの業界から脱落していくという、いわゆる市場の原則というのが働いてくるのではなかろうか。この点はアメリカやイギリスの事例を見てもこれが実証されていると考えておりますので、法律的にも十分手当てをいたし監視はいたしますけれども、事実上市場原理でここら辺は排除できるのではなかろうかなというふうに考えております。
○村沢牧君 私は、預金保険法案について質問します。 この改正法案のねらいは、金融の自由化が円滑に進展するための環境を整備することにあると思いますが、今日、金融の自由化、国際化の進展は避けて通れない問題であり、必然的な動きであるというふうに思います。 そこで、大臣、金融自由化の進展状況とその評価、また、金融環境の大きな変化に対応して大蔵省としての金融政策手段はどうあるべきかというふうにお考えになりますか。
○国務大臣(竹下登君) 今おっしゃいましたとおり、確かに金融自由化あるいは国際化も含めて避けて通れない道だという問題意識は私どもも十分に持っております。このことは、我が国の経済の効率化と発展に資するものでありますと同時に、我が国が世界経済の発展に貢献していくということで基本的に望ましいものであるという考え方を持っております。 そこで、そのスピードと申しますか速度というようなものに対する評価でございますが、中曽根・レーガン会談というものが行われましたときが一つのきっかけになりまして、いわゆる金融の自由化及び円の国際化についての現状と展望、それから日米円・ドル委員会報告、それができたわけでございます。そのときは私は今ほど、これは評価は人によって違いますけれども、もう少しテンポ遅いじゃないかと率直に思っておりました。ところが、昨年の七月、さらにアクションプログラムに沿って前向きにしかも主体的に進めて、私どもといたしましては、何と申しますか、それなりに国際的にも約束したこと等を含めましてかなりの順調なスピードで進んでおるというふうに私は思っております。ただ、個別の国々によっても、銀行業務とか証券業務いろいろございますから、それぞれにとって少しまだスピードが遅いじゃないかというような批判はございますが、大きなトラブルというようなものは生じておりませんので、それなりに順調に推移してきておるというふうに私は思っております。 そこで、今おっしゃった第三番目のことになりますが、これを実施するに当たりましては、何もかも自由化してもいいと申しましても、金融機関の持つ公共性というものが当然存在するわけであります。したがって、信用秩序に乱れを生じてはならぬということと、そして預金者保護の方策ということはきちんと備えていかなきゃならぬ。だんだん金利の自由化が大口から小口にまでずっとこれから進んでまいりますだけに、したがって、去年の六月の金融制度調査会答申を踏まえて、今般、その一環として今御審議いただいておる法律を出すに至ったというふうな経過になるんではなかろうかというふうに思っております。 振り返ってみますと、余り預金保険機構なんかのことを強化しますと、今までは銀行とは倒れないものだと思っておったのが、これからは倒れるんじゃないかというふうに思って、かえってトラブルを別の意味において与えるんじゃないかというような初歩的な問題も議論しながら今日成案を得て御審議をいただいておる、こういう経過になろうかと思っております。
○村沢牧君 今お話がありましたように、金融の自由化は国民経済的観点から基本的には望ましいものである、私も一面そう思いますが、しかし、望ましいといっても、行き過ぎた自由化は国民経済に悪影響を及ぼすことも懸念をされるわけです。預金者保護だとか銀行業務の公共性、信用秩序の維持という面から見て、一体自由化の限界、すなわちどこまでの自由化が望ましいというふうにお考えになりますか。
○政府委員(吉田正輝君) 御指摘のとおり、金融の自由化、先ほど大臣が申し上げたように、自由化が進みますると、金融機関間の競争が激しくなるとか、あるいは経営格差が大きくなるとか、いろいろのやはり国民経済にとっても注意しなければならない問題が出てまいりますので、そこで、大臣が申し上げましたように、信用秩序の維持のための預金保険機構の強化などをお願い申し上げているわけでございます。ではございますけれども、自由化全体を考えてみますると、これが市場原理が貫徹されるわけでございますけれども、金利などの面を通じて見ますると、やはりユーザーという立場から考えますると、法人企業、家計等の資金の運用調達手段が多様化される、あるいはサービスが金融機関の競争を通じて向上する等のこともございます。それから、金融機関が金融の自由化を通じまして、競争を通じましてサービス向上を行っていくというような面があるということでございますので、私どもといたしましては、自由化を進めつつ国民経済に混乱を与えないように信用秩序の維持を図りつつ、また金融機関自体の健全性指導等に努めてまいりたい。 そういう各種の問題点につきましてはそのような対応を行っていきますが、やはり自由化の本質的なよさという点からは着実に進めていくべきものというふうに考えておるわけでございます。
○村沢牧君 次は、小口預金金利の自由化についてであります。 小口預金金利の自由化については、民間金融機関や郵政省あるいは日銀等を初め大蔵省も一緒のことでありますが、関係者の間で活発な論議が行われているわけですが、そこで大臣、この小口金利の自由化を進めるに当たって大蔵省の基本的な考え方、解決をしなければならない問題点についてはどのように考えていますか。
○国務大臣(竹下登君) これは事務当局から正確にお答えしなきゃならぬ問題であろうと思いますが、確かに大口から小口へと言ってまいりました。 大口と小口はだれが決めるかということも議論してみましたが、結局、何ぼまでを大口と決めればそれまでが大口であとは小口か、こういうような素朴な議論もしてまいりましたが、だんだん小口預金の金利自由化ということが現実問題になってまいりますと、私は、郵便貯金と民間預金との簡のいわゆる整合性の確保というようなことがやっぱり一番頭の――一番頭の痛い問題と今表現しかかったわけでございますが、これからの大事な問題ではないかと思っております。
○村沢牧君 そこで、小口預金金利の自由化を進めていかなければならぬと思いますが、大蔵省はこれを完全自由化を進めようとするんですか、それとも市場金利連動型預金、つまり小口MMC、こういう導入でスタートをさせるというお考えですか。
○政府委員(吉田正輝君) 小口預金金利の自由化につきましては、今も大臣が申し上げましたような、郵便貯金と民間預金との間の整合性の確保とか信用秩序維持のための方策の整備、この両方ともに、昨年七月に決定されましたアクションプログラムにおいて、そういう環境整備を前提として大口に引き続き小口についても自由化を推進する、幾つかの前提をクリアした後にはするということになっておりますから、これは私どもとしては前向きに取り組んでおるところが基本的なスタンスでございます。 ただ、この場合に、やはり小口預金というのは預金の大宗を占めるという観点から慎重に検討していかなければならないということで、それ以外にも金融機関や預金者への影響、マクロ経済に対する影響あるいは金融政策の有効性の確保というような問題もございますので、ただいま大蔵省にございます金融問題研究会においてそういう小口金利の自由化について幅広く理論的に御検討いただいておるところでございます。 そこにおきましても、小口預金の範囲をどうするかとか以外に、今まさに村沢委員が御質問になりました完全自由化にするか、あるいは連動型預金にするか、あるいは完全自由化を最終的に目標にするにしてもその過程において連動型預金を導入するのかというようなことについて御検討いただいております。その御検討の中の一つの中心的課題であると思います。近くまた私どもはこれらについて御結論を得るものというふうに期待しておりますが、ただいままだ最終的にどうなるかを御報告する段階ではございません。
○村沢牧君 大臣から答弁ありましたように、小口金利自由化を進めるに当たって、郵便貯金との関係、これは避けて通れない問題だというふうに私は思うんです。郵便貯金問題についてはいろいろな意見がありますが、大臣としては、大蔵省としては、郵便貯金制度の長期展望、あるべき姿をどういうふうに考えるのか、また郵便貯金の九〇%を占める定期貯金金利についてはどう考えますか。
○国務大臣(竹下登君) 確かに私どもの立場から申しますならば、自由主義体制を根幹とする我が国の経済でございますから、あくまでも、政府といいますか官業の果たすべき役割というものは民間部門を補完するものであうなければならないという基本的な考え方に立っておるところでございます。 この問題になりますと、従来制度の歴史からまた見ますと重要な役割を果たしてきたものであることも郵便貯金は事実でございます。したがって、個人貯蓄分野における簡易な少額貯蓄手段の提供に徹するというようなことの役割は引き続き期待されるものではなかろうかというふうに思っております。したがって、民間本来の業務を侵食するというようなところは厳に、官業というものからすればそこの辺が一応限界と心得ていなければならないではなかろうかと思っております。 実際問題、国によって元利保証が行われておりますし、納税、配当、準備預金の積み立て及び預金保険料の支払いの免除というようなものがあるわけでございますから、したがって、そういうことを一方に思い、そして一方に補完業務としてのあり方を考えていくということになりますので、これから部内におきましても、率直に申しまして大蔵省サイドというだけの物の考え方でなしに、郵政省サイドの物の考え方もございましょうし、それらをお互いが検討をし合うという段階に来ておって、時に臨んでいろいろ議論が行われておるという現状でございます。 その先何か第三者機関でもつくって基本的なあり方を審議してもらうかというところまではまだ完全には踏み込んでいないというのが現状でございます。とはいえ、そう何年もかかってやってもいいという問題ではございませんので、私だけの考えでなく、政府全体としての考え方の中でも、ぼちぼちそういう少なくとも場所のような、行革審などでいろいろ議論していただいたことはございますけれども、それを議論するための場じゃございませんし、何か考えなきゃいかぬかなというところまでは私の思いも到達しております。
○村沢牧君 郵便貯金は官業が民業を補完するものであるという基本的な考え方、その中で小口金利自由化の一番問題になるのは郵便貯金、定額貯金のあり方、金利の問題ですね、これについて大蔵省はどういうふうに考えますか。
○政府委員(吉田正輝君) 小口預金を考えますときに、個人預金の三割以上を占めているのが郵便貯金でございます。それから、その郵便貯金のまさに御指摘のとおり九割を占めているのが定額貯金でございます。したがいまして、先ほど私御答弁で申し上げましたけれども、政府におきましても、昨年七月、アクションプログラムで小口預金金利の自由化の推進を決めましたときにも、郵便貯金とのトータルバランスの確保を前提として、こういうふうに申しておるわけでございます。その郵便貯金と民間預金とのトータルバランスというのは、やはり小口預金の自由化を図る上で避けて通れない問題であるというふうに考えております。それは、やはり官業としての恩典があるという問題が一つ。それから、その商品性、村沢委員会利という問題もおっしゃいましたけれども、十年複利、そして解約も自由であるという商品性などもございますので、そういう点の整合性が確保できませんと、市場原理を反映する金利の自由化という点が円滑に行われないというふうに私どもは考えておるわけでございます。 この点につきましては、臨調、昭和五十八年の三月十四日におきまして、定額貯金の商品性の見直しということで、「定額郵便貯金の商品性については、個人預貯金の分野における官民のバランス維持及び事業の健全性確保の観点から、その見直しを行う。」という御指摘もございました。それから、五月末というふうにも伺っておりますけれども、臨時行政改革推進審議会が最終的な御答申を出すわけでございますけれども、その下の小委員会、推進状況調査小委員会におきましても、「定額貯金等の郵便貯金の商品性については、経営の健全性の確保、金利自由化の進展等を踏まえ早急に見直すとともに、市場金利連動型貯金の導入を検討する。」というような御指摘でその方向を示唆しておられるところでございます。 私どもも、そういう臨調、行革審の御指摘の点なども踏まえまして、郵政省の方におきましても小口預金金利自由化については前向きにお取り組みのようでございますので、ただいま申し上げましたようなトータルバランスの確保、真の整合性の確保に向かいまして、先ほど申しました大蔵省にあります勉強会の金融問題研究会で、小口預金金利自由化のあり方についての基本的な御報告などをいただいた後、従来もやっておるわけでございますけれども、郵政省と緊密な協議を重ねてまいりたい、その上で円滑な小口預金金利の自由化を実現させてまいりたい、かように考えておるところでございます。
○村沢牧君 郵政省に聞きますが、郵便貯金の果たすべき役割、また、金利自由化によって生じてくる金利変動のリスクを一様に預金者には負担をかけてはならないということもあるわけです。大蔵省は今答弁になったような態度ですけれども、郵政省は、金融の自由化に対して、郵便貯金のあり方、その中でも特に定額貯金の金利商品化について基本的にどういう考え方を持っていますか。
○説明員(木村強君) 金利の自由化が進展してまいっておるということは時代の趨勢でございまして、郵便貯金もその本来の使命を達成するためには、このような動きの中で的確かつ積極的に対応していかなければならないというふうに考えております。 郵便貯金の使命、制度の理念というものは郵便貯金法一条にうたわれておるとおりでありますけれども、これからの世の中の急激な変化、金融情勢の変化、特に金融の自由化等に伴います変化の中で今後とも郵便貯金がその使命を達成するというためには、その手法その他につきましては時代の新鮮な息吹を受けながら柔軟に対応していこうという構えでございます。先ほど来大蔵省の方からも御答弁ございましたように、この問題につきましては前向きに積極的に対応していこう、かつ現実的に対応していこうということで、民間金融機関の動向等も踏まえながら郵貯としては現実的な方策を模策し、現在大蔵省銀行局との間に鋭意協議を続けておるわけでございます。もう既に三十数回、昨年九月から現実的な手法ということで協議を続けておる最中でございます。 今先生の御指摘のございました定額貯金の見直しという件に関しましては、過日出ました行革審の推進状況調査小委員会の報告の中にもございますように、当然これから金融自由化が進んでいくわけでありますから、当郵政省といたしましても、時代のあるべき姿あるいは預金者、国民の皆様方のニードに応じた商品を開発していくという意味では、主体的に事業経営者として国民のニードを見きわめながらその商品を検討していくということは当然であります。そういう面では私どもはっきりとした考え方を持っておるわけであります。 ただ、現実の問題といたしまして、今も御議論に出ておりますように、定額貯金は今の郵便貯金の九割を占める、非常に国民のニードの高い、また郵便貯金といたしましてはその大宗を占めるものでありまして、これが財投資金の方にも出口としては考えるという意味で大きなウエートを持っておるものでありますから、全体の状況を見きわめながらこれを見直していくというのがしかるべき妥当だということで、私どもは、まず市場金利連動型商品の導入ということで、過渡的な商品を模索する中から、その状況を見ながら、非常にキーポイントを握ります定額貯金のあり方についても柔軟に対応していこう、こういう考え方を持っております。
○村沢牧君 その問題、時間がありませんから次に移ります。 最近政府部内には、円高緊急対策として、資金運用部資金法を改正して財投金利を引き下げる案が浮上してきております。こうなれば預託金利の引き下げにも連動するわけですが、預託金利は再三の公定歩合の引き下げによって法律の最低限まで引き下げており、これをまた引き下げるということになってくると、厚生年金やあるいは郵便貯金、簡易保険の目的、政策上も大きな問題になるというふうに思いますが、厚生、郵政両省の考え方を聞きたい。
○説明員(丸山晴男君) お答え申し上げます。 年金積立金の運用収入といいますのは年金給付の貴重な財源でございまして、現在全額を資金運用部に預託しております。その資金運用部の預託金利のあり方といいますのは、年金財政の長期安定にとりましても大変重大なあるいは重要な要素でございます。 先生御質問の財投金利の引き下げ問題でございますけれども、現在所管省からこの問題につきまして申し出あるいは打診をいただいておりませんので、一般論でございますけれども、私ども年金資金をお預かりする立場といたしましては、預託金利のあり方につきましては一貫してできるだけ高利な預託金利をお願いしたいということで引き上げを要望いたしております。 それで、先生御質問の最近の緊急円高対策に関連いたします資金運用部資金法の改正問題ということで、金利の弾力化ということでございましたら、私どもにとりましては大変重要な問題であるというふうに考えております。といいますのは、現在、法律によります預託金利の最低保証がございますけれども、これはやはり年金積立金の全額預託という仕組みと密接不可分のものではないだろうかと考えております。金利法定制を見直すということになりますならば、やはり年金積立金の全額預託という基本のあり方にも関連する問題ではないだろうかというふうに考えているわけでございます。また、当面円高対策として中小企業対策を行う必要性があるというふうに理解いたしました場合におきましても、そのための措置を年金積立金預託金利に手をつけるということで実施することにつきまして年金加入者の納得が得られるかどうか疑問だろうというふうに考えております。 いずれにいたしましても、現在年金積立金の預託金利は六・〇五%ということで、最低のレベルでございます。これ以上の引き下げにつきましては年金財政にも大きな影響を与えるものであろうというふうに考えておりますので、この問題につきましての今後の推移を慎重に見守ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○村沢牧君 厚生省としては重大な問題として受けとめていることはわかるけれども、このような措置については厚生省としては反対である、率直に言ってそういうことですか。
○説明員(丸山晴男君) 円高対策の必要性は理解できるにいたしましても、預託金利の改正ということで手をつけるということに対しては慎重な態度で臨みたい、いわば基本的には反対であるということでございます。
○村沢牧君 郵政省。
○説明員(木村強君) お答えいたします。 預託利率法定制の趣旨は、郵便貯金資金が全額資金運用部へ預託されることとなっておりますために、郵便貯金事業の経営の健全性を確保するためのいわば最低保証措置であるということでございます。したがいまして、この規定を改正することは郵便貯金事業経営の根幹にかかわる非常に重大な問題であるというふうに認識しておりますし、また、財政投融資制度の抜本的改革が、先ほど来出ております行革審の推進状況調査小委員会の中でも報告されているところでもございまして、郵政省としても慎重に検討して対応する必要があるものと考えております。
○村沢牧君 郵政省も反対である。 そこで大蔵大臣、今両省の考え方を聞いたわけですが、金融自由化を迎えるときとはいえ、今短兵急に預託金利を引き下げるというようなことは非常に問題があるというふうに思いますが、大臣はどういう考えですか。
○国務大臣(竹下登君) この問題は、財投機関の事情、すなわち貸す側の事情と、それから預託者側、預ける方々の事情等を総合的に勘案していかなきゃいかぬ問題でございますので、これは実際問題法改正を行うかということになると、それは慎重の上にも慎重な検討を要する問題であろうと思っております。 一方、私どもこの問題を見ますときに、長期金利の推移を深く見守っておるところでありますが、今のところ長プラがまだそこまで行っておりません。したがって、そういうことからすると、預託金利の引き下げを行うことは現時点では私は考えていないと言った方が適切であろうかと思います。
○村沢牧君 そこで大臣、円高不況に対してもっと真剣に取り組めという我々の要求に対して、政府は、三月決定した法律やあるいは総合経済対策によって取り組んでおり、その成果は上がってくると思う、こういう答弁を今までしておるんです。これで不十分ならさらにこの対策を充実しなければならないとするならば、所得税減税だとか公共事業の拡充だとか、つまり財政を伴う、補正予算等を講ずるようなこういう根本的な対策をしなければできない。小手先の法律改正なんかで対応すべきものではない。行政措置で思い切ってやるんならやる。しかし後は、こんな拙速な対策ではなくてもっと落ちついてやるべきものだと思う。 それをやらずして、今政府部内で浮上してきているような思いつきのような法案の検討を始めたということは、中曽根さんが臨時国会を召集する名分にしようとする以外の何物でもない。そして、臨時国会を召集するねらいは、衆議院解散、衆参同日選挙にあることは国民周知のことなんです。 大臣、あなたは衆議院の定数改正後早期解散をあちこちで主張しておるようでありますが、ニューリーダーとしてあなたに期待するところが非常に多いわけです。こんな国民や国会を愚弄するようなこそくな手段、茶番劇を講じて、臨時国会召集だとか同日選挙などにあなたは同調すべきではないと私は思うんですが、あなたの信念とそれから真意をお聞きしたいんです。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる円高対策というのはミクロとマクロとございまして、短期、中長期でございましょう、そういう問題でございますが、短期的な問題で行政措置の中でやれることは全部やらなきゃならぬと思っております。今経済企画庁、通産省、我が省とでまさに詰めを行っておるという段階であろうというふうに思っております。 それから一方、解散の問題でございますが、やはり原則として、総理大臣が解散は考えていないと言っていらっしゃるときに、その所属する一閣僚が、私は解散を考えていますということは申すべきでないというふうに思っております。 私が本院の決算委員会でもお答えして、それから適当な機会に取り消さしてもいただいたわけでございますが、ちょっと表現が悪うございまして、いわば不正入試というような形で入学して、合格取り消しはないけれども、せっかく新しい試験場ができるとすれば、できるだけ早くそこで試験を受け直して正規の入学者になりたいものだという趣旨のことを言いまして、後から注意をされました。それは、今度おやめになる人にとってみれば不正入試であったかなんということは大変非礼な言い方になりますので、それ以来一切使わないことにいたしております。 ただ、私が申しておりますのは、解散とかダブルとかそんなことは全く度外視して、言ってみれば、違憲状態を指摘されておるとすれば、それが解消された場合には、最も適切な機会にみんなが、解散というよりもむしろ総辞職でもして、新しい試験を受けて国会に参画した方が一つの筋ではないかという、いわば書生論みたいな純粋論をお話ししておるところであります。しかし、じゃおまえ辞職しろと言われましても、私が一人辞職しても、補欠選挙もまだございますので。したがって、これからは極めて言葉を慎むように、ただ純粋な書生論としてのお話だけならどこでもお話だけは聞いていただけるだろうと思って、それにとどめることにいたしておるというのが実情でございます。
○村沢牧君 重ねてお伺いしますが、政府が臨時国会を開催して円高対策を抜本的にやろうという、その財源として先ほどから申し上げている財投の金利に関連するものがあるわけですね。そんな短兵急に私はできないと思いますが、大臣はできると思いますか。これから一週間後に例えば臨時国会を召集する、そこで、厚生省も郵政省もみんな反対しているその法案を改正しようなんということができると思いますか。やれるというふうに思いますか。
○国務大臣(竹下登君) これは単純に、預託金利の法律改正をすることで政府部内の意見をまとめるというのはそう一朝一夕にできることではないと私も思っております。この点につきましてはまさにあっという間にできるものではない。また、あっという間に仮にできるもので合意がいただけるものならば、二十二日にあと一時間ずつでも通してもらうということにもなるわけでございます。したがって、これはコンセンサスが非常に早急にできる代物ではないじゃないか、これは幾らか政治的な判断を含めて申しますならばそういう気持ちでございます。
○村沢牧君 私の時間もぼつぼつ参りますから、あと直接法案に触れて一、二、伺っておきますが、預金保険限度額を三百万から一千万に引き上げることが予定されていますが、その限度額についての考え方、あるいは新たに仮払金の支払いができることになっていますが、政令で定めようとするその仮払いの額はどの程度を予定しているのか、また支払いの方法はどのように考えているのか。 以上二点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) まず、保険限度額を三百万円から一千万円に引き上げた理由でございますけれども、御承知のとおり、三百万円になりましたのが昭和四十九年でございます。創設当時の四十六年は百万円であったわけでございますけれども、三百万円になりまして以来約十年以上経過したわけでございますが、その間の国民一人当たりの個人金融資産の残高あるいは預金額などは三倍程度まで増加をしておるわけでございます。これを単純に三倍程度いたしますると切りがよくて千万円ということになるわけでございますけれども、それ以外に、このように保険金の直接支払いの額を改定して水準を引き上げまするということは、この預金保険制度が信用秩序の安定性に対していわば強くなった、強化されているという意味で心理的防波堤として機能することも期待しているわけであります。そうしますとやはりある程度高いことが好ましいという判断もございます。 それ以外に、ただいままさに法律でお願いしておりますことは、救済金融機関、破綻金融機関等が合併等をいたしますときの資金援助等につきましての機能拡充をお願いしてあるわけでございますけれども、その場合には、預金者全体が救われるということを考えてみますと、保険金の直接支払い方式、これを従来の方式の額を上げていただきまして、ある程度の均衡を保っておくというような配慮が必要ではないかというふうに考えております。全体としまして、私ども試算によりますと、一千万円ぐらいにいたしますると、サンプル調査でございますけれども、約九割が預金者の補償の対象になるというふうに考えておるわけでございます。 それから、第二の御質問の仮払いの金額についてでございますけれども、これはまさに、保険金が直接支払うまでにある程度の期間、法律では一カ月以内に決定といいますと、やはりいろいろの手続がありまして預金者に対して保険金が支払うまで時間が経過いたしますると、預金者には大変お気の毒だということになりまして、これを生活資金として観念いたしまして、それに相当する程度が支払われるのがよろしいのではないかというふうに考えております。 そこで、これただいま確定したというわけではございませんけれども、やはり御審議いただく以上めどを示させていただきますと、支払い限度額につきましては、標準家計の一月当たりの生活費、あるいは、サンプル調査によりますと、引き出す場合普通預金を引き出すという形になるわけでございますけれども、普通預金一口座当たりの残高などを勘案したいと思っております。その第一の方で申しますと、一世帯の一カ月当たりの消費支出は、六十年総務庁統計局の家計調査報告が二十七万円、それから一級地四人世帯の一月当たりの生活保護費が約十六万円。それから普通預金で申しますと、大手都銀の郊外型店舗、郊外にある店舗でございますが、郊外型店舗による普通預金一口座当たりの残高が十四、五万円というようなことを考えますと、大体二十万円程度がよろしいのではないかというふうに今考えておるところでございます。
○多田省吾君 最初に、投資顧問法案について御質問いたします。 まず、投資顧問業の規制についてお伺いいたします。 証券取引審議会の報告書を見ますと、アメリカの場合は、一九四〇年投資助言業者法で、SECへの登録制、開示義務、詐欺、詐欺的行為の禁止等の規制が整備されており、登録業者数は昨年九月末で一万九百八に上っているとされております。運用受託資産額は約九千二百億ドル、当時の為替レートでは約二百兆円ということでございます。一方我が国では、歴史は浅いといいましても、先ほどの御答弁によりましても約四百社、証券系で四兆七千九百億円の運用資産額に上っているということでございます。 我が国の現状について確かめておきたいんですが、証券取引審議会報告書によりますと、どうもわかりにくい。証券系、銀行系、生保系、外資系の各投資顧問会社、信託銀行、以上五十八社のほか、その他の投資顧問業者三百ないし三百五十がある。運用資産額が証券系が四兆七千九百億円。それぞれの対比がどうなっているのかわかりませんが、まず我が国の現状についてもっと詳しくお知らせいただきたい。
○政府委員(岸田俊輔君) 先生御指摘のように、証券系、銀行系、生保系でございますと、それぞれ私どもの監督をいたします結果、正確な数字が把握できるわけでございますが、一般の町の業者につきましてはなかなか全体、監督権限がございませんものでございますから、把握ができないものでございまして、財務局を通じて、電話帳その他資料をもとにして推定をした数字なものでございますから、約四百というような形で、必ずしも正確な数字ではないのかというふうに考えているわけでございます。
○多田省吾君 じゃ、証券系の四兆七千九百億円、昭和六十年十二月末というのは、これは何社ぐらいでこうなるんですか。
○政府委員(岸田俊輔君) その時点では十四社でございます。
○多田省吾君 証券系十四社で約五兆円近くの運用資産額に上っている。じゃ、全部で四百社あるというんですから、その運用資産額は全部でどの程度になるんですか。
○政府委員(岸田俊輔君) 現在把握をしておりません投資顧問業者の運用資産額については、ちょっとよくわからないところがある。オフィス一つ電話一つの小さい業者もございますし、ある程度までの規模を持っているものもございますけれども、全体額についてはちょっと把握がいたしかねる状況でございます。
○多田省吾君 この証券取引審議会報告書もわけわかりませんし、今の御答弁聞いても全体の運用資産額もつかめていない。そうすると、我が国の実情というものを余り真剣に考えていないんじゃないかという気がするんです。それで新法をつくるということですから。しかも大変遅過ぎる状況だ。非常にそういった点は残念に思うわけです。 将来的に見てアメリカ並みまで進むのかどうか。この審議会報告書によりますと「投資顧問業へのニーズも高まってきており、今後更に増大するものと考えられる。」こういうことを言っているわけです。その辺どうですか。
○政府委員(岸田俊輔君) 証券系で現在約五兆円の運用資金があるわけでございますが、最近の動きを見てまいりますと、五十七年以降毎年約一兆円のベースでふえてきているという状況でございまして、非常に投資顧問業者の活動が最近になりまして活発になった状況でございます。さらにまた、アメリカとかイギリスとか投資顧問の先進国でございますが、そういうものに比較いたしましても、国民経済、また国民の金融資産、そういうものが非常に伸びてきておる現状から考えまして、我が国においても投資顧問業が発達する基盤は十分にあるのではなかろうか。 そういう意味において、将来においては幾らになるかということは必ずしも正確には予想できませんが、かなりの規模になるのではないかというふうに考えております。
○多田省吾君 アメリカ等における規制法と比べて日本のこの新法というものがどういう位置にあるのか、御説明いただきたい。
○政府委員(岸田俊輔君) 私ども、審議会その他で検討いたします段階で、アメリカの制度というものを十分念頭に置きながらやってきたわけでございますが、一九四〇年に投資助言業者法が制定されまして、SECにより大体今回の法案とほぼ同様の行為規制による監督が行われてきているわけでございます。ただ、特に本法律案では、投資一任業務については認可をするという形になっておりますし、クーリングオフ制度とか営業保証金、それから顧客の金銭、有価証券の預かりの禁止等の規定はアメリカのには入っておりませんので、投資家保護という面からは我々の方の法律案の方がより徹底したものではないかというふうに考えております。
○多田省吾君 投資ジャーナル等の事件があったわけでございますが、今回の法制化が余りに遅かった、このように思っておりますけれども、行政当局としてはその責任をどのように感じておられるんですか。
○政府委員(岸田俊輔君) 我が国の投資顧問業の沿革を見てまいりますと、四十六年に初めて証券系の投資顧問会社が設立されたわけでございます。しかし、その段階ではそれほどの活躍ではございませんで、最近この進展が見られるようになってまいりました。例えば、現在五兆円という証券系の運用資産額でございますが、五十五年の九月末ではわずかに二千七百億円程度だったわけでございます。 最近におきます投資顧問業の急速な発展というものの理由といたしましては、国民の金融資産の増大、また収益性を非常に重視する傾向が高まってきているというようなこととか、金融市場の自由化、国際化に伴いまして、高度な運用判断を求めるニーズが高まってきたというような客観情勢があったわけでございますが、こういう全体的な客観情勢の高まりの中で投資ジャーナル事件が発生をしたわけでございまして、できるだけ早く一般投資家の被害を未然に防止する方策を求めなければいけないということで、私どもといたしましては、一昨年の十二月に証券取引審議会の特別部会で御審議をいただくことにいたしたわけでございます。 証券取引審議会の特別部会はおおむね約一年かけたわけでございますが、私どもといたしましては、この法律案の内容といいますか、投資顧問業が今後の資本市場ないしは投資家保護というものについて大変大きな影響があるものでございますから、いわゆる拙速的な結論を求めるよりは、むしろ慎重に時間をかけて審議をいただいたわけで、昨年十一月にその報告書をいただきまして、今回法律案を提出する段取りになったわけでございます。
○多田省吾君 投資願間にかかわる事件の一覧表が警察庁から出ております。極めて悪質でありまして、被害者の金額も非常に大きいものがございます。 これはある具体例でございますけれども、障害者年金の一時金を受給したケースの方でございますが、振り込まれた翌日に、外務員と称してある投資顧問会社の女性社員が訪問してきた。その御高齢の障害者の方は、多くの機能が御不自由になっておりまして、話すことも十分できない、聞くことも不十分である。その方の受給したことを一体どのようにして情報を得たのかも大きな問題であると思いますが、六百万円近い障害年金、御自分の生命をつなぐ大事なお金を全額持っていかれた。その子供さんが事実を知って、どうしたらよいのかと全く困り果てた。訪問してきた女性社員は会社にはいないという。役所に行ってもどうにもならない。スズメの涙程度は返ってきたけれども、ほかは泣き寝入りだということになりました。 こういった相談はかなり前からあったはずでございます。ほとんどお年寄りとか女性の方のいわゆる無知につけ込んだ悪質なものである。強引な手口というものは本当に人間とも思われないような姿でございます。 今回このような法制化がなされるわけでございますが、非常に遅過ぎたということは言えると思います。 そこで、今後大事な点は、いかにして相談窓口の体制を整備して迅速かつ的確な対応がなされるかどうかということだと思いますが、大蔵省、通産省、警察庁の対応策を具体的に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(岸田俊輔君) 本法律案の内容といたしまして、先ほど先生が挙げられましたような事件を防止するための顧客の資産の預かりの禁止とかクーリングオフとかいうような制度を新しく設けたわけでございますが、御指摘のとおり、法律の内容だけでは十分な保護はできないわけでございまして、御指摘のとおり、十分な相談窓口の整備その他について体制を考えていかなければならないというふうに考えております。 私どもといたしましては、具体的には、まず投資顧問業協会、これも法律の内容でございますが、自主団体で苦情処理の窓口を設け、きめ細かな対応を行うということを考えておりますし、財務局等で受けました苦情により問題があると思われる業者につきましては、その当該業者から資料の徴求を行い、また適宜適切に検査、指導を行うことにいたしたいと思っております。さらに、内容的に悪質で具体的な違反事項があると認められるものにつきましては、直ちに警察当局に連絡するというような対応、体制を考えていきたいと思っております。さらに、日ごろから国民生活センターや政府広報等を通じまして法律の内容等についてのPRに努めてまいりたいというふうに考えております。
○説明員(山下弘文君) 通産省の消費者相談窓口と申しますのは、本省それから通産局にそれぞれつくっておりますが、全体として十ほど用意してございます。そういうところで問題が参りましたら御相談をしながら、この投資顧問の問題でございますとやはり大蔵省の方に具体的にはお願いをせざるを得ないかと思いますけれども、最低限我々の窓口で相談に応じられることはやれるように体制をつくっていきたいというふうに思っております。
○説明員(緒方右武君) 警察では、社会的弱者や消費者保護のために警察署、警察本部等で住民の困り事、悩み事相談を行っております。 この種問題につきまして見てみますと、民事問題の投資顧問業関係を含めて契約取引等に関する昨年の困り事相談を見ますと、約二万件が来ております。これは一昨年に比べますと八千件という大幅な増になっております。これは社会的にこういう状況になってきた状況だと思います。この種事案につきましては、警察で解決すべきものは解決し、他の行政機関で行えるものについては窓口の紹介、引き継ぎ等を行っております。しかしながら、この種問題は非常に複雑な問題がありますので、警察としましては、体制の整備や担当者のこの種問題についての法律等を勉強させたり、それから関係機関との連携をなお一層密接に図って、住民の困り事相談の素早い解決を行っていきたいと思っております。
○多田省吾君 クーリングオフの期間でございますが、審議会の答申によれば、他の法律との均衡上、契約締結後七日間程度とすることが適当だと。今回は十日にしたわけですが、その間の事情を御説明いただきたい。
○政府委員(岸田俊輔君) 投資家を保護いたしますためにはクーリングオフ期間が長ければ長いほどいいわけでございますが、取引の安定性ということを考えますと、そう長くばかりにはいたせない。審議会の検討のときは、七日程度、これは諸外国の事例とかほかの立法の事例を考えて一応七日程度としたわけでございますけれども、やや少し短過ぎるのではないか。例えばマルチ商法などは十四日というような事例もございますので、ここら辺の中間で十日ではどうかということで、審議会に重ねて委員の方に御了解を得まして十日というクーリングオフ期間を定めたわけでございます。
○多田省吾君 今後投資顧問のニーズは増加するということでございますが、今回の法制化が投資者の保護を目的の第一とするのであれば、これで十分なものと考えているのかどうか、これからもますますこれを改善しようとしているのか、その辺いかがですか。
○政府委員(岸田俊輔君) 今回の法律案の内容でございますが、過去におきますいろいろな不祥事件を頭に置きながら、諸外国の事例も考えながら法制の内容を盛り込んだわけでございまして、私どもといたしましては現時点では一応のものになっているのではなかろうかなと思っております。ただ、今までそういう業界についての監督をいたした経験もございませんし、これから業界の発展に伴いましていろいろな問題が起こるかもしれません。そういうものにつきましては十分検討をしつつ法の内容につきましても考えてまいりたいというふうに考えております。
○多田省吾君 投資者の保護が大事でございますので、やはり今後とも厳しい態度で臨んでいただきたい、このように思います。 次に、預金保険法及び準備預金制度に関する法案につきまして御質問いたします。 今回、預金保険法及び準備預金制度について、金融の自由化に伴う環境整備から改正が行われるわけでございますが、昨年六月五日に金融制度調査会からの答申が出されておりますけれども、その中身についてその概要を簡明に御説明いただきたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) 昨年六月五日にちょうだいいたしました金融制度調査会の答申でございますけれども、簡明に申し上げますと三つほどの基本的な考え方になっておると思います。 第一は、金融の自由化の進め方や信用秩序維持についての基本的考え方でございます。それから第二が、金融機関の健全性を確保していくことが必要であるという認識に基づきましての諸方策の御提言でございます。経営諸比率指導あるいは金融機関検査の充実、ディスクロージャー、合併、業務提携等についての御提言でございます。第三は、万が一にも金融機関に経営危機が生じた場合の対応策の整備、拡充でございまして、この第三のところが、まさに今御審議いただいております預金保険制度機能の拡充とかあるいは業態間における相互援助制度の拡充でございます。 全体といたしましては、この答申に流れております基本的考え方は、金融自由化を進めることは資金の効率的配分や金融サービスの向上に資して国民経済には望ましいということでございますけれども、他方、この自由化を進めるに当たりましては、預金者保護や信用秩序の維持に欠けることがあってはならないと指摘しておりまして、まさにこの答申の題名にございますとおり、金融自由化のための必要な環境整備の進め方について貴重な指針を示していただいたものというふうに考えておるわけでございます。
○多田省吾君 そこで、答申の中にも述べられておりますけれども、金融機関の経営をめぐる環境変化の中で金融機関相互間の競争激化の問題がございます。本来金融機関というものはそれぞれその分野における役割というものがあるはずであります。長期金融専門機関、普通銀行あるいは都市銀行と地方銀行、それから中小企業金融専門機関等々ございますが、最近はこの役割分担というものが大きく崩れつつあるわけでございます。実態はどのようになっているか、これも簡明に御説明いただきたい。
○政府委員(吉田正輝君) 御指摘のとおり競争も激化しております。また国際化、自由化、あるいは機械化あるいは証券化というようなものもございます。それで、日本の経済構造自体並びに環境も変化しておりまして、資金の運用面での同質化が特に進行していると考えられます。 具体的には、普通銀行が、いわば商業銀行とも言われているところでございますけれども、長期貸出比率が上昇している、あるいは長期信用銀行の方でも短期貸し出しの比率が上昇している。あるいは中小企業金融専門機関と普通銀行の業務の同質化、特に中小企業向け貸し出しに占めます中小企業専門金融機関のシェアの低下、普通銀行が逆に中小企業金融に進出している。あるいは信用金庫、信用組合におきまして、これは会員組織が基本になっておりますけれども、員外貨し出し、預金の増加などが指摘されておるわけで、これがやはり専門金融機関制度の中での実態の変化というふうにとらえられるというふうに考えております。
○多田省吾君 今いろいろ御説明がありましたが、この自由化の波の中で、商品の多様化もあると思いますけれども、利用者の立場からしますと、それぞれの分野の金融機関が本来の役割の分担を明確にして経営業務を行っていただかないと看板どおりでなくなるわけです。これは信用秩序の第一歩だと思いますが、この現状とのずれと申しますか、この辺をどのように考えておられますか。
○政府委員(吉田正輝君) 御指摘のとおり、ずれという言葉が適切かどうかわかりませんけれども、要するに、我が国のただいまの専門金融機関制度というのは、昭和二十年代の後半、資本市場が未発達である、その中で民間企業の旺盛な資金意欲、資金需要がございますというような背景等を前提といたしまして、設備資金需要にこたえるための資金の効率的な調達、供給の機関をつくる、あるいは中小企業に対する資金の円滑な供給というような要請のもとに構築されてきたわけでございます。今申し上げましたような同質化現象あるいは長短の同時相互進出のような問題が出てきておりますのは御指摘のとおりでございますので、ここでやはり我が国の専門金融機関制度はいかにあるべきかということは、御指摘のとおり、この実態を踏まえつつ考えていかなければならないというときに来ているのではないかという認識は確かに私どもにもございます。 そこで、とは申しますものの、やはり専門金融機関制度はそれぞれの歴史的経緯もございますし、金融でございますので、慣行もございます。さらには経営基盤の相違もございます。あるいはそういう制度を構築いたしましたときの競争条件についてもそれぞれの仕分けがあるわけでございます。そこで、御指摘のような、やはり真に日本経済あるいはユーザーのためにどのように金融構造があるべきかという問題が提起されてきているわけでございますので、国際化、自由化、証券化、機械化等各種の金融機関の環境等も踏まえまして、そういう問題も踏まえた広い視野に立ってこの問題を検討を行っていく必要があるということを考えております。 そこで、現在金融制度調査会におきまして専門委員会を、略して制度問題研究会と申しておりますけれども、このような現象並びに今後の方向を見きわめるために、金融の自由化、国際化等がこういう我が国の専門金融機関制度にどういう問題点を投げかけているか、問題点の整理、把握に努めていただいているところでございます。
○多田省吾君 本題の預金保険法についてお伺いしますが、保険限度額を三百万円から一千万円に引き上げるということでございますが、これは政令で改正されるとしております。この点につきまして、金利の自由化の進展する中で、やはり利回りの高い方へ高い方へと預金あるいは資金がシフトする、流れていく。当然のことでありますけれども、一面においては、金融機関の一部でありましょうが、不健全な方へ流れる心配があるのではないか。この心配をどう考えますか。 それからもう一つは、イギリス、アメリカ、ヨーロッパ諸国ではこれがどのようになっているのか。 この二点お伺いします。
○政府委員(吉田正輝君) 確かに自由化が進んでまいりますると資金シフトも生じまするし、また各種の、例えば金利の自由化を行いますと金利リスクも生じます。それから為替リスク、それから流動性リスク、各種のリスクが生じできます。その中で競争を行うわけでございますから、その中でいわばハイリスク、ハイリターンというようなことで不健全な経営を行う、あるいは不良資産がふえてくる可能性も多いわけでございます。 そこで私どもといたしましては、基本的には、まず銀行、金融機関自身がみずからの自己責任において健全性を高めることが必要でございますけれども、そのような環境をつくる、あるいは環境を強化するというような観点から、経営諸比率指導というのを先ほどの金融制度調査会でも御提言があったわけでございますけれども、自己資本比率の充実とかあるいは大口集中与信に対する規制、比率の指導とか、あるいは長短の資産、負債のミスマッチが起きますと金融機関のやはり流動性危機が生じるわけでございますから、流動性比率の指導とか、そういうような経営諸比率指導も強化してまいりたい。一方では検査の充実強化を図ってまいりたいというふうに考えておるところでございます。 そこで、論外国でございますけれども、やはり金融の自由化はこれは世界の大勢でございますので、各国それぞれいろいろの議論を行いながら、あるいは国際会議等におきましても意見を交換しながら、いわば銀行の健全性確保のルールについての充実強化を議論しておるところでございます。一例でございますけれども、預金保険制度などで申しますると、これはまた各国の金融制度の違いとか預金者保護の考え方のニュアンスの相違等によって特色がございます。アメリカ、カナダなどは、保険金の直接支払いに、合併等のほかに、今御審議いただいておりますような合併等に伴う資金援助というような多様化した機能を備えるようにしているというようなこと。ヨーロッパ諸国では保険金の直接支払いが中心になっているものがございます。 預金保険制度についてはそのようなことでございますけれども、先ほど申し上げましたような自己資本充実とか大口与信集中規制等につきましては、各国やり方は違いますけれども、思想としては同じで、健全性確保の方向の強化に向かっているというふうに認識しておるところでございます。
○多田省吾君 今御説明ありましたが、先ほどお尋ねした、現行の三百万円というのはマル優限度額の三百万円と同額でございまして、リンクしているように思います。この三百万円のマル優限度額というものは税制上恩典といいますか有利な点が与えられているわけでございます。 この一千万円に引き上げるというのはどのような根拠に基づいているのか、その辺お伺いをしておきたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) この一千万円に引き上げましたのは、三百万円が四十九年のときに決められた保険支払いの限度額でございますけれども、その後十一年経過しておるわけでございます。その後の預金額あるいは国民貯蓄の推移等を見ますると、大体三倍程度にまで上がっているというのが実態でございますので、まず数字の根拠といたしますると、そのような形で申しますと大体一千万円程度が三百万円の三倍程度ということでよろしいのではないかということが一つ量的には考えられるわけでございます。あと、質的という言葉が適切かどうかわかりませんけれども、やはり預金保険機構を強化するという基本的な考え方の中には、いかに自由化、国際化が進展しても、預金者保護は最終的になし得るという意味での心理的防波堤が我が国の金融システムに対する信認感を強めて信用秩序の安定が確保されるということでございますので、そういう意味でも強化しておくということが必要である。 第二に、今御審議いただいておりますような機能の強化が行われまして、例えば保険金の直接支払いでなくて、合併や営業譲渡等によりまして破綻金融機関が救済される場合には、これは預金者全体が預金の多寡にかかわらず救済されるというようなことを考えますと、ある程度直接保険支払いの場合にも額を大きくしておく必要が均衡上必要であるというような、もろもろの考え方の総合御判断に立ちまして一千万円を政令で定めたということでございます。
○多田省吾君 次に、保険料率の問題でございますが、現在の〇・〇〇八%から今度〇・〇一二%に引き上げるということでございます。これは大蔵大臣認可事項となりますが、五〇%のアップとなりますと、七の引き上げが橋川秩序の維持というものの、かえって利用者への負担という形で波及することがないのかどうか。以前は、〇・〇〇八%になる前は〇・〇〇六%であったのが現在の〇・〇〇八%に引き上げられた。今回は〇・〇一二%と五〇%アップということは上げ幅も非常に大きいと思います。この辺いかがですか。
○政府委員(吉田正輝君) 端的に申しますと、金融機関の保険料負担は五十九年で見ると全体で約二百三十億円でございます。この金額は経常利益に対しましては〇・八四%に相当いたしまして、経費全体の〇・三五%を占めるということになるわけでございます。金融機関の効率性の経営指標という形で、預金等に対しまする経費という指標があるわけでございまして、これを経費率と呼んでおるわけでございますけれども、今全体の経費率は一・七〇四%、この預金保険料は〇・〇〇六%ということで、経費率では大体三百分の一というような比重でございます。これを仮に五割アップいたしますると、負担増が出るわけでございますけれども、先ほど申しました、従来は二百三十億円でございましたので、約百十五億円ということの負担増になるわけで、経常利益に対する割合は〇・四二%、経費率では〇・〇〇三%という上昇をすることになるわけでございます。 アメリカの場合でございますと、十万分の八ということでございますけれども、大体今日本の十倍程度の負担になっておるわけでございまして、確かに、ただいま金融の効率化というようなことを進めており、金融機関にとっては少しでも経費が楽な方がよろしいかと思いますけれども、全体として信用秩序を維持されるという中での金融システムの中で起きております金融機関といたしまする負担とすれば、耐えていただかなければならない程度の負担ではないかというふうに考えておるわけでございます。
○多田省吾君 次に、合併等の適格性の認定についてお伺いします。 大蔵大臣は、資金援助の認定について大蔵大臣による合併等のあっせんが行われたものに適格性が与えられるとなっておりますが、金融機関はそれでなくても過度の介入の問題、特に天下り問題等いろいろ世論の批判も浴びがちであります。これについて大蔵大臣はどのように考えておられますか。
○政府委員(吉田正輝君) ちょっと訂正させていただきまするけれども、先ほどアメリカの預金保険料を私十万分の八と申し上げたようでございますが、十万分の八十でございます。申しわけございません。御訂正いただきたいと思います。 それから、あっせんについてでございますけれども、私どもがこのたび預金保険法の改正をお願い申し上げたのは、やはり一つの経験といたしましては、この預金保険の分野では先進国と申すべきアメリカの預金保険制度をも参考にしまして、それから我が国の法制、金融制度に適合する形での預金保険制度の機能の拡充を図るというふうに考えておるわけでございます。 それで、アメリカの中の場合でございますけれども、預金保険公社は、破綻した金融機関がございますると、破綻金融機関の管財人としてこの破綻金融機関に乗り込みまして、その破綻金融機関のいわば管財人といたしまして営業譲渡契約を結ぶことができるというようなことで、これは、緊急時には預金者保護、信用秩序維持のために必要だという判断のもとの強権的な措置がとられる仕組みになっておるわけでございます。アメリカを例としながらも、やっぱり我が国の金融風土にも適合するような形と申しますと、それほどまでにはいかないが、行政当局がある程度能動的に行動する仕組みを法律上つくっていただくことが預金者保護として大切ではないか。 一方、大蔵大臣に与えられております権限上、金融機関につきましてはこれは常時検査を行い、定時の報告をちょうだいし、それから免許権も営業停止権もすべて大蔵大臣にありまして、金融機関については最も知悉し得る立場に立っておりますので、そういう知識、その持っております権限、あるいはそれによって得られます情報等をもとにいたしまして、やはりある程度能動的に預金者保護のためのあっせんを行うということではないかと思います。もちろん、あっせんでございますので、金融機関の自主性は尊重されるわけでございまして、そのためにも、御指摘の点も重要と考えられますので、このたび御提案いたします預金保険法におきましては、法律の「目的」のところに、金融機関の自主性を尊重しなければならないという運用の基準を念のために示させていただいておるところでございます。
○国務大臣(竹下登君) 今銀行局長からお答えしたことに尽きるわけでございますが、私どもも今回これをつくります際に感じましたのは、アメリカの場合は大変な自己責任主義、預けたおまえが悪いんだ、経営者のおまえが悪いんだ、こういう風潮が確かに基本的にございます。しかし、我が国といたしましては、あくまでも金融機関の自主性を最大限尊重する形の関与、すなわちあっせん、こういうことで今お答えしたわけでございますが、従来からも大蔵省といたしまして、確かに歴史的にも合併等がございましたが、これらに対してもあくまでも自主性を尊重してこれに当たってきたという基本的な方針をまず申し上げます。 それからいま一つは、それに関与してのいわゆる天下り問題等についての御意見がございましたが、人事院規則等できちんとしておる問題は別といたしまして、我が方の関係者に対して、いわば銀行の主体性の中で、時々人員の派遣と申しますか、そういう依頼があることも事実でございます。しかし、それとてあくまでも最終的にはその金融機関の自主性において、金融機関の要請に基づいてということだけは厳密にしていきませんと、天下り先というようなことを言われてはならないということは厳に慎んでおるところでございます。
○多田省吾君 平和相互銀行の合併問題、それから平和相互銀行の資本の系列企業についても合併に伴っての問題も生じているのではないかと思います。時間もありませんのでもうこれはお尋ねしませんけれども、放漫経営等によって健全金融機関にも悪影響を波及させ、ひいてはそれが信用秩序を壊すことになりかねない、こういった問題がございます。ですから、信用を第一とする金融機関の指導については、大蔵大臣としてめり張りを明確にして対応すべきだ、このように思いますが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(竹下登君) 確かに今の御意見の中にございましたように、私どもとしては十分自主性というものを尊重しながらこれに当たっていかなければならない問題で、端的に申しますならば、検査とか指導は大切でございます。しかしそれがまた行き過ぎると問題がございます。その辺は十分個々にわたりまして気を配って対応していくという基本方針でございます。
○多田省吾君 次に、金融機関の手数料の問題でございますが、種々の手数料があるわけです。どのようにして決められるのか。また、国債の手数料も昨年一〇%下げられたわけです。 それからまとめてお伺いしますが、印紙税なんかも配当金の受け取りの場合は一件当たり二百円の印紙代がかかります。郵便局では払わないでもいいということで、ある大企業では昨年一年間で銀行から郵便局にかえたために七千万円から一億円の経費節減ができたと聞いておりますけれども、現状はどうなっているのか。この印紙税の改定の影響なんかが、一企業でこのようであれば、莫大な金額になりまして、民間圧迫との声もありますけれども、どのように対処なさいますか。
○政府委員(吉田正輝君) まず第一に、金融機関の手数料について私からお答えさせていただきます。 金融機関は各種のサガビスを提供しておりまして、こういう分野での金融機関の活動範囲は今後ますます広まっていくというふうに考えておりますけれども、基本的には、顧客の利便、それからこれがどのようなコストになるかというこの二点を総合的に勘案して、金融機関が今後、金利の場合もさようでございますけれども、自主的に決定すべきものであるというふうに理解しておるわけでございます。 こういう手数料につきましては、ただいまの現状で申しますと、無料もしくはコストに比して割安の手数料となっておるケースがあるように思われます。今後金融の自由化が進展してきますると、やはり市場原理の貫徹あるいは利用者の適正負担というようなことで、コストを考慮した水準に手数料が改まっていく動きが進むことが予想されるわけでございます。これはやはり、こういう方向ではないかなというふうに考えておりますけれども、この場合でも、顧客の理解が得られるように努める必要があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○政府委員(窪田弘君) 国債の手数料でございますが、昨年引き下げましたのは募集引受手数料でございます。これは募集取扱残額引受責任の対価としてお支払いをしているものでございますが、最近の国債をめぐる情勢を見ますと、発行条件を市場の実勢に応じて弾力的に決めておりますので、商品としての魅力が増している、あるいは大量発行によるスケールメリットでコストが下がっておりますとか、あるいは金融機関の窓販、ディーリング等の開始によって引受負担が軽減されているというふうないろいろな事情を勘案いたしまして、コストが軽減されていると考えるに至りました。 一方、国の財政事情は引き続き極めて厳しいわけでございますので、昨年の七月から手数料の一〇%引き下げをお願いをいたしまして、十二月にシ団の合意を得て決着いたしました。六十一年度から一〇%引き下げをさせていただいているところでございます。
○政府委員(水野勝君) 現在の印紙税法におきましては、国、地方公共団体が作成いたします文書は非課税となっておるわけでございます。したがいまして、郵便局が作成する通帳でございますとか証書、払込金の受領証等につきましては印紙税が課税されないこととなっておるわけでございます。 したがいまして、この点につきましては民間金融機関との課税のバランス上問題であるとする御指摘、委員御指摘のような御意見があるわけでございますが、この問題は、このような公的な団体が行います公的事業に対する課税のあり方、さらには、現行印紙税が信用金庫、農業協同組合その他各種の機関につきましてもいろいろな非課税措置を講じている面もございます。こうした面を総合して今後慎重に検討をしてまいるべき事柄ではないかと考えております。
○多田省吾君 最後に、現在大口の金利自由化が進められておりますけれども、小口につきましては金融問題研究会で検討されております。今月か来月中にまとめられるようだと聞いておりますが、その方向づけは大方どのようなものか、わかる段階で結構でございますが、銀行局長にお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) 御質問の金融問題研究会でございますけれども、昨年十一月から十一回にわたりまして会合を開きまして、多数の関係者、業界あるいは関係省庁から意見を聴取しながら、小口預金金利の自由化につきまして、完全自由化あるいは市場金利連動型預金の導入のいずれが適当か、またはこの前者、完全自由化に至る場合には、そこへ至るスケジュールをどうするか、あるいは後者、市場金利連動型の場合には大口、小口との境界をどう考えるかという論点をめぐって研究が進められているところでございます。 私どもとしては、ごく近いうちに意見の取りまとめをいただけるものというふうに考えておりますけれども、その場合には、いろいろな問題点も踏まえまして、小口預金の特性あるいは郵便貯金との真の整合性の確保、マクロ経済に与える影響、金融政策の有効性の確保というような諸問題も踏まえまして理論的な御検討をいただきまして、ごく近いうちに御報告がいただけるものというふうに期待しておるとこみでございます。
○近藤忠孝君 まず、預金保険法についてでありますが、今回の改正の最大の問題は、大蔵省が、適格性の認定。あるいは合併のあっせん、あるいは緊急性の認定、こういうことによって金融機関に対して非常に大きな権限を手にすることになることだと思います。もちろん、大蔵省が公正な銀行行政を推進することを期待したいところですが、過去の事例を見ますと必ずしもそうでない。例えば平和相銀の例をとりましても、過去に平和相銀を検査した検査官がこの銀行に天下り、乱脈な経営に一枚加わっていたという事実があるわけですね。 大蔵省の資料によりますと、この十年間に金融検査官が金融機関に天下った件数は二十件、これは人事院の承認したものだけなんです。離職後二年以上たって金融機関に就職した者を含めると、これは相当な数に上るのじゃないかと思います。李下に冠を正さずという言葉がありますが、この検査官の金融機関への就職状況について、これはもう全体的に調査をして、仮にも疑いの目で見られることのないようにすべきではないか。この点で、この状況は国会に報告すべきだと思うんですが、いかがですか。
○政府委員(吉田正輝君) 先ほども大臣から申し上げましたとおり、金融検査官の金融機関への就職でございますけれども、ただいまのところ、国家公務員法におきましては、離職後二年間は国の機関と密接な関係にある営利企業への就職が制限されているわけでございます。この精神を踏まえまして、私どもといたしましては、検査も厳正に行うし、金融検査官の就職についてもそのような精神を踏まえてまいらなければならないというふうに承知しておるとごろでございます。しかし、この制度、ただいま申し上げましたような離職後二年間の営利企業への就職制限は、憲法におきまして保障されている職業選択の自由、勤労の権利等の基本的な人権と公務の公正な執行の確保という要請との調和を図る見地から、昭和二十三年以来定められているものというふうに理解しているわけでございます。 そこで、こういう法律、こういう場合に適合しているかどうか、人事院の承認を要する場合がございますから、人事院の承認を要するものについては人事院から発表されているものというふうに承知しておりますけれども、先ほど申しましたような、法の規制を受けないものについてまで行政庁がこれを調査するようなことは、法律の趣旨、よって立つところの趣旨に照らしてみましてもいかがなものかというふうに思われますし、金融検査官の職歴を有し、既に大蔵省を退職して民間企業で活躍されている人は多数に上っております。これらの人について調査を行うことは実際上困難であるということは御理解いただきたいというふうに考えるわけでございます。
○近藤忠孝君 その多数だから問題だと思うんですよね。やっぱりこういう現状ですと、検査に手心が加えられて、実際に危ない銀行であってもその事実が隠ぺいされるおそれがあるんではないかという心配があります。平和相銀の例でも、大量のディーゼル機器株をめぐる仕手戦に絡んで問題が表面化して以降も、何度も大蔵省が検査に入っておりますが、これまで何の改善策もとられずにきたという点ですね。 そこで、これは一つの提案です。今のは人事の問題ですが、今度は検査の結果について、これは銀行の企業秘密にかかわることもあろうかと思いますが、それは除いても結構です。最大限これを公表すること、少なくとも国会へ報告することにしたらどうかと思うんです。そうすることによって検査の公正が保てるし、また国会でもチェックできるんだと思いますが、これは可能じゃないですか。
○政府委員(吉田正輝君) 銀行の検査でございますけれども、銀行法で定められたところに従いまして金融検査、立入検査を行っているところでございます。銀行法第二十五条でございますけれども、その精神は、預金者保護、信用秩序の維持を図るということを確保いたしますために大蔵大臣に付与された権限でございまして、これで信用秩序の維持を図らなければならないということでございます。 そこで、この検査結果を開示したらどうかという御提案でございますけれども、そもそもこの検査は、金融機関との信頼関係に基づきましてその資料が提出され、徴収してこの検査結果を出していくわけでございますので、個々の検査結果の内容そのものを開示いたしますると、金融機関との信頼関係が崩れて検査の円滑性が確保できないというような問題点、あるいは金融機関と取引先の私法上に基づく取引の信頼関係が崩れて、円滑な金融取引に支障を来すようなことというようなことがあるのではないかと思います。 せんじ詰めますると、そのようなことになりますると、究極的に銀行法上目的といたしております信用秩序の維持とか預金者保護というようなメカニズム――メカニズムという言葉が適切じゃないかもしれませんけれども、そういう精神、あるいは検査の構造、目的が阻害されるというように考えられますので適当ではないというふうに、検査結果をどんな形でありましても開示することは適当ではないというふうに考えておるわけでございます。
○近藤忠孝君 金融機関との信頼性の問題はありますが、より大事なのは、もう一つ公共性の問題もありますよね。これは今後ひとつ検討願いたいと思います。 日銀総裁、大変御苦労さまでございます。 例えば平和相銀の合併問題の経過から見ますと、昨年の末ごろから日銀の融資がつけられ、そして住友銀行との合併が合意された二月以降も融資が積み増しされて、結局一千億円を超える資金が貸し付けられて、当面を支える役割を果たしているわけですね。今回の改正預金保険法であれば、合併の認定を受ければ預金保険機構が資金援助などを行うことになるわけで、しかも預金保険機構の資金援助について大蔵省は大きな権限を持っております。となると、従来、資金の最終の貸し手として果たしていた日銀の役割が弱められるのではないか。大蔵省がその役割を果たすことになるのではないか。本法成立後そういう点がどうかですね。本法成立後、日銀はいかにして主体的に金融機関に対する指導、監督を行っていくのか。これについての見解を承りたいと思います。
○参考人(澄田智君) 日本銀行は、御承知のように、日本銀行法第一条によりまして、通貨の調節、金融の調整及び信用秩序の保持育成に任ずることを目的としているわけでございます。したがいまして、通貨価値の維持と並んで信用秩序の安定を図ることが日本銀行の最大の使命でありまして、この使命を達成するために、常日ごろ金融機関の資金繰りその他経営動向の把握に努めますとともに、信用秩序の維持のために必要な場合には、最後の貸し手というような機能をやはり果たしていく所存でございます。 こうした日本銀行の役割は、今般の預金保険法の改正によって何ら変わることはない、そういうふうに考えております。現に、預金保険制度充実を提言いたしまして、今度の法律のもとになりました金融制度調査会の答申がございますが、その中にも、信用秩序維持のために中央銀行は最後の貸し手として主導的な役割を果たすということがうたわれている次第でございます。 なお、付言いたしますと、改正預金保険制度の運営という段階になりました場合には、中央銀行としての立場から、大蔵省と緊密な連携を保ちつつ適切に処理をしていく、こういう方針でございます。
○近藤忠孝君 日銀の役割は弱められることはないということでしたので、ひとつそのようにお願いしたいと思います。 それから次に、準備預金制度について続いて総裁にお聞きしますが、この準備預金制度は金融政策の重要な柱として今後とも活用していかなければならない手段だと思います。特に、公定歩合政策が最近のように国際協調で決定される時代にあっては、準備率操作はやはり重要な政策手段だと思うんですね。現に、これは昭和四十六年の金融制度調査会答申では、今後準備預金制度を強化し、その活用を図ることが必要であるとの考えから四十七年の改正が行われて、最高準備率を一〇%から二〇%に引き上げる措置もとられたわけです。しかるに、その後準備率は低水準に抑えられたままで、金融政策の手段として余り重視されていないんじゃないかと思うんですが、その点どうですか。 今日、金融機関が財テク、土地投機など非生産的な方向に貸し出しをふやして過剰流動性によるインフレが懸念されていますが、この預金準備制度を機敏に発動してこれに対処すべきだと思いますが、総裁と大蔵大臣の見解をそれぞれお聞きしたいと思います。
○参考人(澄田智君) 準備預金は、公定歩合及びマーケットオペレーションと並び政策手段でございまして、特に金融市場が過度に緩和している場合や、金融機関の融資態度が過度に引き緩んでいる、そういうような場合に準備率を引き上げることによってこれを是正する、そういう重要な効果を持つものでございます。 最近、M2プラスCD、マネーサプライでございますが、この前年比の伸び率を見ますと、昨年秋以来高まりを見せておりまして、名目成長率に比べて高目の水準でございますが、これは大口定期預金金利の自由化等の特殊な要因が響いておったわけでございまして、現に本年に入ってからは伸び率は下がってきている、こういう次第でございます。したがいまして、現在の状態をもって直ちに過剰流動性への警戒というような、そういう状態とは考えておりませんが、また金融機関の融資態度にも行き過ぎが広がっているというような状態ではございませんが、しかし、金融が十分に緩和している状態でございますので、今後の金融政策の運営に当たっては準備率を含めまして諸般の情勢に一段と注意を払ってまいりたい、かように考える次第でございます。 準備率の水準の問題につきましては、我が国の準備率の水準は米国や西独よりは低い率となっているわけでございますが、他方、英国やフランス等と比べてみては変わりはない、同じような水準というようなことになりまして、一般に、各国の金融制度のもとで組み立てられた準備預金制度の仕組みは、対象の金融機関でありますとか対象の債務の範囲でありますとか等を前提として、具体的な金融政策の金融情勢に即して設定されるものである、かように考えております。
○政府委員(吉田正輝君) 金融の自由化、国際化が進んでまいりますると、やはり多様な政策手段を機動的に発動して、そのときどきの金融経済情勢の変化に即応して金融市場を適切に誘導する方向で金融政策の運用を図っていくということが必要であると思います。 そこで、準備預金操作は、市中の流動性を量的に調節するということに重きを置いた手段でございまして、内外の経済金融情勢やときどきの政策目的に応じまして、市中の流動性全体により強い影響を及ぼしているという場合に活用が図られる政策手段であろうというふうに基本として認識しておるわけでございます。 そこで、金融制度調査会でも「準備預金制度の活用に関する答申」がございますけれども、「今後の経済政策においては、政策目標の多様化に伴い、財政・金融・為替諸政策を総合したポリシー・ミックスの確立が要請され、金融政策もその一環として手段の整備、多様化を図ることが必要である。」ということも申しております。それから、金利機能の活用を図りつつ金融政策が適切に行われることが必要でございますけれども、今後の金融政策におきましては、金融制度調査会の答申を引用させていただきますと、「今後の金融政策においては、金利操作を主たる目的とする政策手段と相まち、いわゆる正統約三手段の一つである準備預金制度の機能を充実し、」云々ということでございますので、そういうような考え方に基づきまして、私どもが日本銀行とも十分に協議いたしました上で、この準備預金制度の機能強化という意味で御提言したわけでございます。 諸外国との比較につきましては、ただいま日本銀行の総裁から答弁されましたように、実質的には日本の実効準備率とさほどの差翼はないというふうに考えておるところでございます。
○栗林卓司君 投資顧問業の規制等に関する法律案についてお尋ねをいたしたいと思います。 現在の社会の風潮を見ておりますと、何かうまい運用口がないか、何とかもうけ口がないかということで聞き耳を立てているこの社会風潮からすると、投資顧問業務も今後はまさに拡大していくんだろうと思うんです。 そこで、投資顧問業が扱っているものの性格を考えますと、結局投資に関する情報の提供を業としている、こう理解しても私は間違いがないと思うんです。問題は、情報が正しいかどうか、それから平等に提供されているかどうかというあたりが実際には問題になってくるんだろうと思うんですが、この情報が正しいかどうか、一言でこう言いましたけれども、これはある意味では至難のわざでありまして、例えばあしたの円ドルレートは幾らかというのも情報のうるでありまして、それが答えられたら何の苦労もないんであります。したがって、この情報の質をどうやって管理していったらいいんだろうか。 この間たまたまテレビを見ておりましたら、ゼロクーポンの紹介をしておりまして、なるほどそこの中では、これは担保がついておりません、しかも為替レートが変わってしまったらちょっと今までの話は別なんですということで、丹念には言ってはおりましたけれども、問題は、そう言って一々かみ砕いていかないと情報が理解できないというものがあるわけですね。 そこでまず伺いたいのは、日本の一般の投資家といってもほとんど今あらかた全国民に近いわけでありますけれども、どの程度の判断力、分別力があると御判断になっておられますか。
○政府委員(岸田俊輔君) 我が国の金融資産が最近非常に拡大をしてきた結果、最近におきまして非常に収益性その他を重んずる傾向が強くなってきたわけでございますが、ただ、やはり欧米と比べますとその進歩の度合いはまだ立ちおくれていた結果、そういう意味での投資家の実際上の知識ないしは自己責任というものがやや欧米に比べではまだ十分でない面は見受けられるかと思います。
○栗林卓司君 私のこれは所見でありますけれども、私を含めてと申し上げてもいいですが、悪い癖というのは、何か起きますと、政府何やっているんだとすぐこう言いたがるんですよ。本当は政府にしりを持っていってもしようがないんで、なぜ自分で気をつけなかったんだという方が本当なんですね。それを何かというと政府にしりを持っていくようになると、今の官僚機構はますます複雑煩瑣になるばかりでありまして、したがってこの手の投資についても最終的には自己責任なんです。これで貫かないといかぬと思う。 したがって、それは国民の皆さんめいめい注意してくださいというにしては、どの程度の判断力があるのか、見通しがあるのか。判断力と見通しで、では今大蔵当局は何をしなければいけないんだろうか、それが出てくるわけですね。判断力はいかが御判断になっておられますかという、これが質問の真意であります。
○政府委員(岸田俊輔君) 大変難しい御質問でございまして、判断力がどの程度かということになる客観的な基準はなかなか難しいのかと思うわけでございますが、従来からの投資顧問とか金融市場の発展の度合いから見てまいりまして、そういうものを判断する機会が今まで少なかったということは言えるのではないだろうか。ただ、我が国の資本市場がこれからどんどん拡大をしていく段階において、この判断力が欧米に劣るということではないであろうということを期待をいたしております。
○栗林卓司君 欧米について知ったかぶりをするつもりはありませんけれども、自分の家計あるいは自分の財産は自分で管理をするという意識はきちんとしているようであります。ところが日本の場合は、家計なり財産がちゃんと国でカバーされているという意識があり過ぎる。しかしこれからはそうはいかないんですと、これはその教育を財政当局がして回るわけにもいきませんけれども、さまざまなケースを通して国民に対する教育をそろそろしていかないと私はいけないと思うんです。したがって、この投資顧問業務に対してもいろんな諸規制がありますけれども、そういった規制を通してそういった教育効果を期待するためには、やっぱり投資顧問業の間の自主管理を通して情報の質を高めるために努力をさせていただくということも私は必要なんだろうと思うんです。 それからもう一つは、情報の質といっても、円ドルレートを例にとってみましても、それがわかりゃ苦労しないやというようなことになるわけですから、当たる人もいれば当たらない人もいるんでしょう。そうすると情報の市場原理をやっぱり貫徹していくしかない。したがって、あそこの情報屋さんは当たるけれども、こっちはだめだ、じゃこっちの情報を使おう、こうなるわけですね。それを国民から見て、ああなるほど、いい話にはいろんな落ちがあるけれども、こうしていきゃ危なくないかもしらぬな、そういった経験をどうやって積むかということだと思うんです。したがって、投資顧問業の中の自主管理をどうやって徹底させるのかということと、市場原理をどうやって貫徹していくのか、私はこれが決め手ではあるまいかと思うんです。 そこでお尋ねをしたいのですけれども、今情報の提供という言葉で私は言ったんですが、これからますますこれは情報そのものになってくると思うんです。したがって、こういう投資情報がどういった格好で今流れているか、提供されているのか、これは金融当局としてつかんでおく必要があるんじゃないんだろうか。これからますますその必要が私は高まる気がするんです。したがって、これは関係する人たちで、何でも審議会をつくればいいというものじゃありませんけれども、知恵を出し合って、いずれ来るまさにこれは情報化社会の一断面でありまして、やはり研究してみる必要があるのではないんだろうか、こう思うんですが、御見解いかがでしょうか。
○政府委員(岸田俊輔君) 最近におきます情報でございますが、これはまさに多岐にわたっているわけでございまして、その情報に基づきまして投資ないしは投資顧問というものが成立をするわけでございます。実際上その投資の情報の質がどうであるかということはなかなか客観的には見出しにくいのかと思いますが、しかし、例えばこの投資顧問業を通じて見てまいりましても、情報の質によってその成果がかなり区別ができるのではなかろうか。恐らくこれからの投資顧問業というのは、その運用成績というものが非常に客観的に観察をされる時代に入ってくるんだろうと思います。そういう結果、運用成績がいいところにはやっぱり投資家が集まる。大変悪いところからは投資家が逃げるというような、まさに市場原理によってこれが運用されていくのではなかろうかなというふうに考えているわけでございます。 非常に難しい問題で、質的なものがやはり間接的な市場原理をもとにしてさらに高まってくる状態が今後来るのではないかというふうに考えております。 ―――――――――――――
○委員長(山本富雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、鈴木和美君及び福岡日出麿君が委員を辞任され、その補欠として丸谷金保君及び出口廣光君が選任されました。 ―――――――――――――
○栗林卓司君 あと一言だけつけ加えます。 私がこう申し上げている理由をもう少し申し上げますと、原則自由、例外規制ということで外為法を改正をいたしましたが、その直後にゼロクーポンで待ったをかけましたね。今はそれはなさらないでしょうけれども、あれでもある投資情報が流れてあの始末になったわけです。今円ドル関係どうかといいますと、例えば連銀総裁が、もうドルは必要以上に安くなり過ぎたと言えば影響を及ぼすし、そうではないとある人が言えば途端にぴんぴん影響するし、そういった意味では情報管理がこれから私は必要なんではないか。 今ここで議論しているのは一般投資家に対する情報の提供の問題ですが、その一環として金融情報の管理、これは重要な政策課題ではないんだろうか。これは金融あるいは投資の世界におけるデモクラシーの貫徹ですよね。これは我々は未経験の事態でありまして、これまでは財政当局ががっちりと握ってわった。がっちりと握っておったというのはこれからもう通用しないんです。そういった意味で、金融情報をどう管理していったらいいのか。逆に言うと、どうこれを扱っていったらいいのかということは私は研究課題ですということを申し上げたかったわけであります。 あと一点だけ預金保険法についてお尋ねしますけれども、これは今投資家の自己責任原則を同じ意味で申し上げているんですが、預金保険が発動しなきゃいかぬ、したがって預金者の利益は保護してあります、一見いいように見えるんですけれども、本当にそうなんだろうか。一方、預金者の利益は保護されております、いざという緊急事態の場合には必要な資金も用立てをいたします、こうなってまいりますと、金融機関がすべき自己努力というのはどっかあいまいになってしまわないだろうか。実はこういったケースというのは諸外国にも例がないわけではないようでありまして、預金保険を充実すると、裏側で出てくるのは実は金融機関の自己責任のあいまいさ、これについてはどうお考えになっておられるのか、ひとつ御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) 御指摘の点は、いわゆるモラルハザードというような意味合いで金融機関の救済あるいは預金保険機構の拡充等を議論している場合に常に出てきている議論でございます。米国でも議論が行われておりますし、このたび預金保険機構の機能を拡充するときにも、御提言を行われる金融制度調査会においてもそのような御議論がございました。 その点は全く否定することはできないというふうに考えておりますけれども、金融機関が破綻いたしました場合に、保険金が直接支払われるのはその破綻した金融機関ではなくて預金者であります。それから資金援助を行うときにも、これは破綻金融機関に対して資金援助を行うのではなくて、破綻金融機関を吸収しあるいは買収する行為を行う金融機関に対して資金援助をしようとするものでございますので、破綻金融機関の経営者を救うというようなことはあり得ないというふうに考えておりますし、そうであってはならない。もちろん破綻金融機関の経営者の責任はけじめをつけて追及されなければいけませんし、その方々はもちろん株主や従業員の厳しい監視のもとにもあるわけでございます。したがいまして、この金融機関の経営が、保険機構を直接、保険限度を引き上げるとか、あるいは資金援助方式を導入することによって安易になるようなことがあるとは思われません。 しかし、一応そういうことも考えますると、やはり金融機関の健全性そのものは、最終の信用秩序維持のための受け皿である預金保険機構の前に健全性を維持してもらうことが必要でございますので、私どもといたしましては、経営諸比率指導、例えば自己資本の充実とか、それから、危険な不良資産へ大口に融資してはいけませんので大口与信集中規制とか、そういう諸比率についての基準などを設けまして定期的に報告を聴する。あるいはそういう諸比率を努力目標にしていただくというようなことで、その場合も、私どもが規制をするというのではなくて、経営者自身が自己診断のチェックポイントというようなことをしまして、自己責任のもとに、その自己診断をまず行政が知るという前に皆さん方がお知りになっていただいて健全性をチェックしていただくというような基礎的なところの措置を講じた上で、こういう預金保険機構を導入いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○野末陳平君 投資顧問業の法律ですけれども、これはもちろんあった方がいいと思いますし、時宜にかなっていると思いますが、どうも大体において投資家の中には、人任せの人とか、あるいは非常にうまい語を信じやすい人とか、そういう人が常にいるわけですね。大証券会社の場合でも、お客さんのお金をかなり自由に勝手に使っちゃったり、何かいろいろトラブルがあったり、その埋め合わせにうまいこといろいろ話を持ちかけたりあるんです。 さて、この法案が成立しても、やはり投資家自身の自衛意識の向上といいますか、自己責任の確立といいますか、そういう面が伴わないことには、業者は幾らでも裏をくぐる、あるいはこの法案を逆にとって勧誘していくことだって考えられるわけですね。ですから、この法案の成立に当たって、当局は、広い意味のいろんな投資家保護の啓蒙、これは具体的にどんなことを考えているのか、それをちょっと教えてほしいんですね。
○政府委員(岸田俊輔君) この法律を誠実に円滑に運用させるためには、内容自体が投資家全体に知られなければならないという面でPRというのは非常に重要な問題だと考えているわけでございます。私たちといたしましては、まず第一には、投資顧問業者の自主団体である協会を通じましてあらゆる面でPRをいたしたい。また行政自体も、政府広報ないしは生活センター等を通じまして機会があることにこの自己責任ないしはこの法律の内容というものについてのPRに努めてまいりたいというふうに考えております。
○野末陳平君 その場合に、この法律であなたたちはもう保護されますよというようなところが強調され過ぎますと、かえって逆ですね。なかなか啓蒙になりませんから、やはりここはPRのついでに、最後はあなた方の責任だということもはっきりうたわないと、自分の金を自分で使って、最後は泣き込むというか、政府を責めるといいますか、証券会社とトラブルになるとか、あるいは投資顧問業とトラブルになるとか、これはつきものですから、自分の責任だという部分、ごく当たり前のこの部分が欠けているから問題が起きるので、そこもきちっとしておいた方がいいと思いますがね。
○政府委員(岸田俊輔君) 先生御指摘のとおりだと思っております。
○野末陳平君 それで、この投資顧問業は潜りも含めていろんなのが今後も絶えないと思うんですけれども、料金の設定といいますか、ここでは顧客から金銭を預かることができないことになっていますけれども、最初に前金で取るのか入会金で取るのか、会費で取るのか、いろいろありますね。この料金の設定というものについては全くこれは業者任せというか、フリーにしてあるわけですか。
○政府委員(岸田俊輔君) 料金につきましては全く当事者間の契約に任せるということにいたしております。ただ、実際上、業界の慣行やいろいろな不正の事件その他の実例を踏まえまして協会が自主的にいろいろなルールをつくるということは期待できるのではないかというふうに考えております。
○野末陳平君 その点は、期待といいますより、やはり協会をつくってきちっとするんだったらば、そこである程度の、何といいますか、規制じゃありませんが、ある程度の幅をきちっと内部的にしていた方がいいように思いますね。だって、これは当たるか当たらないかという欲に絡んだ情報ですから、高く取るも安く取るも全く勝手で、もうけさせたらそれで高いのが正当化されちゃう。こういうようなことをやっていると、やはり最終的にはこの法案もきちっと投資家保護につながっていかないんじゃないかという気もしたりして、その点についてなお指導を厳しくしておく方がいいと思います。一番この料金の点がちょっと心配なんです。つまり成功報酬みたいなことだって考えられるわけですね。ですから、それがうまくいけばいいですけれども、今現実に投資顧問業が取っている料金などは、電報でとかあるいは新聞でとかあるいはコンサルタントとか、あらゆる形があるようですが、少なくもこの辺もきちっとしてほしいとお願いをしておきますね。 それから株式についてついでに聞きたいんですが、売買の手数料です。この売買の手数料というのが、有価証券取引税なんかに比べますと少し高過ぎるんじゃないかなという気がしますね。これは証券会社の収入でかなりまたいい利益を上げているようですが、この売買手数料というものを、投資家の立場に立てはやはりこれは下げることが可能じゃないかと思うんですけれども、これについてはどういうふうに考えますか。
○政府委員(岸田俊輔君) 株式の委託手数料につきまして高いのではないかという御指摘かと思いますが、昨年の四月に証券取引所におきまして見直しが行われまして、大口について料金改定等が行われたわけでございます。例えば小口の料金について見てまいりましても、アメリカの証券取引委員会が調査をした結果では、やはり米国や英国に比べまして我が国の方が小口では割安というような結果が出ております。 なお、最近は証券会社の三月期の中間決算が非常によかったということでございますが、これは大体債券の売買益でございまして、債券関係の収入の大幅な増加によるものでございまして、株式の委託手数料は、これは売買高が非常に上がったのに比べまして大体前年並みになっております。具体的に申しますと、株式の売買高が一三・一%伸びたにもかかわらず手数料収入は一・五%というような状況でございまして、全体として見て収益の中で株式手数料が非常に稼いでいるという状況ではないわけでございます。 ただしかしながら、手数料の体系でございますが、これは常にやはり妥当なものとしての観点から見直しをするべきときには見直しをしなければいけない。特に国際的な観点からもそのときどきの情勢に応じて適切に対処する必要があるというふうに考えております。
○野末陳平君 関連して主税局にちょっと聞いておきますけれども、有価証券取引税ですけれども、これは株も債券も含めてですが、これは引き上げの方向というのは考えられるんですか。
○政府委員(水野勝君) 有価証券取引税につきましては、御承知のように、昭和四十八年、昭和五十三年、昭和五十六年と、この約十年の間におおむね税率としては株式をとりますと三倍強になっておるところでございます。万分の十五が万分の五十五まで上がってきております。この結果、我が国の有価証券取引税の税率、主要な諸外国と比較して相応の水準に現在達しているのではないかと思われるわけでございます。この結果といたしましても、我が国の税収の中に占めます地位につきましてもかなり重要な税目となってきておるわけでございます。 こうした背景を考えまして、今後この有価証券取引税の負担水準をどうするか、今回税制調査会におきまして税制全般につきましての抜本見直しの審議が行われているところでございます。その審議、今後の検討の中でその結果を受けまして対処してまいりたいと考えておるところでございます。
○野末陳平君 前回の引き上げからもう五年もたちましたから、そろそろ検討の段階がなと思ったわけです。事実、株式や債券などの出来高が非常に大きくなっていますから、別にここに税収を求めてという露骨な考えだけじゃないんですけれども、やはりもうちょっと引き上げの余地はあるんじゃないか、そういうふうに思ったんですが、大蔵大臣どうでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 税調でも一遍指摘されました。それで、たしかおととしだったと思いますが、最終的に大議論になりました。ところが、三倍強に上がっておりますから、一面、税調の御指摘の中では高過ぎるという意味の指摘だったという御意見の人もいらっしゃいまして、結局これは議まとまらずということでございました。引き下げも引き上げもしない。それで、そういうような意見を全部加えて今度は税制調査会の後半の恐らく審議事項にしていただける、こういうことが現状でございます。
○野末陳平君 取引税よりもしかし実はもっと大きなのは、毎年この委員会でも質疑になりますけれども、例の株式の売却益に関するキャピタルゲインの課税問題だと思うんです。これはやはり不公平税制というときに世論調査でもすぐ上がってくるほどに相当おかしいと思われている。これを今までの質疑の過程を振り返ってみますと、常に大蔵省の方は、いろいろ技術的に難しいものがあるんだということで今まで来たんですけれども、どうも難しい、難しいといって済ませるわけにはいきませんし、それから、機械化されましたから、また別な今までとは違う難しさ、あるいは逆に容易さも出てきているかもしれない。 あれこれ考えまして、さてその後このキャピタルゲイン課税強化の問題は、どういうふうな検討がなされていて、どこが今一番大きなネックになって実現ができないのか、それについてひとつお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(水野勝君) 問題は、やはり御指摘のとおり、適正な執行が効率的にできるかどうかということではないかと思うわけでございます。その点をめぐります環境はもちろんいろいろ変化はしてまいっておるわけでございまして、こうした点を背景といたしまして、先ほど申し上げました税制調査会での抜本的検討の中での項目として取り上げられるであろうと思うわけでございます。 こうした基本的な検討が行われておるわけでございますが、別途、この十年間ぐらいをとりますと、昭和五十四年には、従来は五十回、二十万株というのがございましたが、同一銘柄で二十万株を譲渡した場合には課税対象とするという改正を行わさせていただいたところでございます。また昭和六十年度では、国外で発行される割引債を国内で譲渡したことによる所得、これに対しましては課税とさせていただく。また今年度改正では、先般三月に成立させていただきました法律によりまして、国内で発行される利付公社債で割引公社債に類するもの等々につきまして課税の対象に加えさせていただくという改正を行わさせていただいたところでございまして、適宜、随時、情勢変化等に応じまして見直しは行ってまいってきておるところでございます。
○野末陳平君 そういう小さい改正は国民の目には決してそれが不公平の是正だというようなふうには映りませんからね。 そこで大蔵大臣、最後になりますが、やはりこれは、このままほっておいてどうも適正な執行が難しいということを言いながらずるずるしたんでは怠慢のそしりを免れないと思いますので、このキャピタルゲインの強化については前向きのプログラムをある程度つくる、いつごろまでにこうだ、そういうようなことをここらで決めておかないと、結果的にはやはり何もしない、いわゆるたくさん余裕資金があって株をやってもうかるという人に対して何も手をつけないということは納税意欲にも水を差すような、そんなマイナスも当然ありますので、ひとつここらでいつごろまでにこういうふうにするんだということを示すべきじゃないかと思うんですよ。税調税調といっても、税調では細かい技術的なことはやりませんから、方向だけはもう前から出ているわけですから、ひとつその辺最後に大蔵大臣にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、総合課税だ、しかし捕捉しがたい、したがって段階的にやれ、ここまでが今まで税調の方向でございますし、その方向は私も変わっておるとは思いません。が、いましばらく今次の税制調査会の御審議を見ていただきたい。しかし、事務当局といたしましては、それは従来の方向がございますので、いろんな議論をしておることは私も承知いたしておりますが、今一つのタイムスケジュールを出すだけの準備はしていないというのが現状でございます。
○青木茂君 投資顧問業法の一任業務と自己責任の問題についてまず御質問申し上げます。 大体、投資というのは自己責任が原則で、一任というのはそれとやや矛盾する概念だということは先ほどからいろいろ出ておるわけなんですね。しかし一任というのが打ち出されたんで、そうすると一任の中で自己責任原則というものを貫くとすればどういう会社に一任するかという僕は選択だと思うんですよね。その場合、よく生命保険業界で言われました護送船団行政というやつですね。余り守り過ぎるものだから、あの業界がどの生命保険会社と契約したらいいかという比較情報を全然出さないわけなんですよ。それで加入者としては困っちゃうわけなんです。 それと同じように、投資顧問業もいろいろこれはたくさん出てくると思う。どれに一任していいか本当に迷うと思うんですよ、国民は。この比較情報ですね、どこの会社がどういう業績でどうなんだこうなんだという比較情報をどういう形でお出しになるか。大蔵当局みずからお出しになるか、あるいは協会に比較情報を出すことを強く要請するかどうか、ここら辺のところをまず伺いたいんです。
○政府委員(岸田俊輔君) 投資顧問業が発達いたしておりますアメリカの事例で見てまいりますと、投資顧問業者が非常に苛烈な競争を行っているわけでございますが、それにつきましては、また特別の業者がございまして、その運用成績につきましての資料を綿密に集めて、有料の場合も無料の場合もございますが、そういうものが投資家が容易に入手できるようなシステムになっています。まさに市場原理の中でそういうものの淘汰ないしは選別が行われるシステムが確立をしてきているわけでございまして、我が国の場合も恐らくはそういう段階に入ってくるのではないかというふうに考えております。
○青木茂君 その点はよくわかりました。その方向で投資する人の便益というものを図っていただくのが行政当局の僕は任務だろうと思いますから、ぜひお願いをしたいと思います。 それから第二の質問に入りますけれども、どうもこの法律は、それぞれの企業のコストの関係から見ても、大金持ちの保護にはなるけれども、小金持ちというのか、なけなしのへそくりをはたいて投資しようという人々が疎外されてしまうような印象があるわけなんですよ。そうすると、この疎外されてしまう者が多ければ多いほど僕はそこに悪質業者がはびこるんじゃないか。そこにまた悲劇の芽が出てくるんじゃないか。この悲劇の芽ですね、投資顧問業法から疎外される小さな投資家、これをどう保護、救済しようというふうにお考えになっているかどうかということを次に伺いたいと思います。
○政府委員(岸田俊輔君) この法律案の内容は、証券取引審議会において御議論をいただいたわけでございますが、そのときの論点の大きな課題といたしましては、やはり一般投資家、小口投資家の保護という点でございまして、投資ジャーナル事件に見られますようなこういう悪質な事件が発生しないようにということが大前提であったわけでございます。いろいろな小口の投資家の被害その他の事例も十分検討いたしまして、例えば有価証券、現金の預かりを禁止するとか、また、貸し付けで十倍融資とかいう形で一割の担保部分を自由に勝手に使ってしまって被害が生ずるとかいうようなことのないような手当てを十分にいたしたつもりでございます。 ただ、御指摘の一任運用の場合でございますが、これにつきましては、やはり相当顧客との間で信頼関係も必要でございますし、財産の運用を任せるわけでございますので、資金計画その他運用計画につきましては、相当綿密な高度の技術を利用した計画でなければならない。そういたしますと、相当の人員なり高度の組織というものが必要になってくる。そうなりますと、コストがどうしてもかかってくるということになりますと、やはり大口でないと採算が合わないというのがアメリカ等での現実でございまして、アメリカ等で見てまいりますと、二十億程度が最低限というような事例も見られているわけでございます。この場合、そういう業者に小口まで自由に扱わせるということになりますと、これはまさにコストが合わないわけで、安易な投資顧問ということを行う結果になって、かえって小口投資家の被害が生ずる可能性もあるし、トラブルのもとになるんではなかろうかなという形を考えたわけでございます。
○青木茂君 だから、そういう形になってくると、どうしても小口投資家がどうしても疎外されてくる。その疎外の網をくぐって隠れ投資顧問業というのかな、情報出版という名に隠れた、実際はこの小口投資家をだますというのか、だまくらかすというのか、そういうような悪質な投資顧問業というものが出てくるんじゃないのか。ここのところが非常に私は隠れみのというのが心配なんですよ。その点について何かお考えがあるかどうか。
○政府委員(岸田俊輔君) 従来、投資顧問業をめぐります被害と申しますか、そういうものは、法律的には、刑法の詐欺罪とか証券取引法の中の規定を利用して罰則の適用ができるわけでございますが、ただこの場合は、例えば捜査に入る場合でも裁判所の許可を得なきゃいけない。そういたしますと、その犯罪事実を疎明する事実をつかまなければいけないという結果、やはりその証拠をつかむまでの間に時間がかかって被害が拡大しているというのが現状でございます。 今回の投資顧問法によりますと、開業規制については一見簡単な登録制度をとっておりますが、登録制度に登録をいたしました業者につきましては、これは常に記帳の義務、それからまたそういう書類の保管ないしは行政当局による立入検査というようなものの受忍義務の規定をいたしておりまして、若干でもそういう投資者被害につながるようなうわさその他がある場合でも、直ちに立入検査をして被害を未然に防止できるような形にいたしております。また、いろいろな規制につきましても、できるだけ外形的に把握できるような形で、そして外から見ておかしいと言えば直ちに業務停止なり登録取り消しというような行為がとれるような形を工夫をいたしたつもりでございます。
○青木茂君 どうも隠れみのというのが本当に国民を迷わすというのか、非常に民主主義国家においていけないですね。本来の目的を堂々と出せばいいのを何かにかこつけるということですね。 最後に大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、大体政府はこの隠れみのというやつを余り文句を言う資格ないんですよ。これはまた蒸し返しの議論になりますけれども、大蔵委員会で幾ら議論をしても、税制調査会なるものが隠れみのになっちゃって全然問題が進まない。それから各種の審議会というものが隠れみのになってしまって国会審議のタイミングのずれがある。隠れみの政治と言われても仕方のないようないろんな問題点がある。 そこで、大蔵大臣竹下さんと言うより、ニューリーダー竹下さんの御見解を承りたいんですけれども、隠れみのと関連をして、例えば円高臨時国会というものの隠れみのを出しておいて解散をねらうというような新聞論調がありますけれども、そういうような隠れみの的な政治手法、それに対してニューリーダーの一人としてどうお考えになるかということを最後に伺って終わります。
○国務大臣(竹下登君) どういうお答えが適当でございますやら。 今度の投資顧問業法というのは、割に古くから議論された問題でございますが、例えば日本経済新聞に一つの論評が出ておったら、それも投資顧問業の中に入るじゃないかとか、そういうような議論からなされて、あの投資ジャーナルを契機としてできた。しかし、あくまでもいわゆる自己責任主義ということだけは、先ほど来の栗林さんのお話にもありましたように、何の事件もずく地方公共団体へ持っていく、国へ持っていくという傾向がありますから、自己責任主義というものを確立するということはあらゆる機会に、法律ができたからまたそれを機会に自己責任主義のPRも私はできるんじゃないかというふうに思っております。 それから、隠れみの政治といいますか、八条機関とかいろんなものが法律で通ったものでございますし、私は、国会で整理して議論していただくためのプロのそういう機関はそれなりに機能しておると思います。ただ、おっしゃるように、税調の問題といいますと、その意見をすぐ税調へ取り次ぎますというのが、少し私の手法もそれに過ぎたかなという反省もないわけじゃございません。率直に申しまして、生の議論を避けておったような反省を持っております。 それから最後の、円高国会で解散をというのは、それは隠れみのというよりも、およそ私どもちょっと考えて、私は、きょうの午後の土地信託の国有財産法を上げてもらいますと、国会に出した法律全部通していただけるんです。その通していただけるものが、次すぐ臨時国会開くなんて言えば、それじゃきょうにでも出してそんな緊急性のものならやればいいじゃないか、こういう論議になりますし、やはりその限りにおいては、少なくとも私の守備範囲において、今会期延長の必要とか臨時国会の必要を述べるべきではないと思っております。
○青木茂君 委員会答弁とか国会答弁というのはそういうようなものであろう、それ以上これは御要求申し上げるのは残酷だということはわかっていますけれども、とにかく非常に国民に対してわかりやすい形でナチュラルに政治運営をやっていただきたい。何か表の論理と裏の論理というのが全然違うというのは、もうけさの新聞皆そういうふうに書いてありますから、これは国民の政治不信をもたらす最大なものだという、大変偉そうなことを言いまして、終わります。
○委員長(山本富雄君) 他に御発言もなければ、両案の質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、まず、有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律案の討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御意見もないようですから、討論はないものと認め、これより直ちに採決に入ります。 有価証券に係る投資顧問業の規制等に関する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本富雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 次に、預金保険法及び準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案の討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、預金保険法及び準備預金制度に関する法律の一部改正案について反対の討論を行います。 第一に、本法案は、金融自由化のあらしの中で、最も危機に瀕している中小金融機関に対して援助の手を差し伸べ、もって中小企業金融や地域発展のための金融を円滑に進めるという方向ではなく、大銀行本位の金融機関の再編、中小金融機関の整理、淘汰を大蔵省主導のもとに積極的に行っていこうとするねらいがあることであります。 今国改正によって、大蔵省は、適格性の認定や合併のあっせん、あるいは緊急性の認定において大きな権限を持つことになるわけでありますが、この権限が大が小をのむ大銀行本位の金融再編の手段として使われることは許されるべきではありません。しかも、大蔵省が金融機関の再編を進めるに当たって、今後重要な役割を果たす金融機関に対する検査について、適正な検査が行われる保障はなく、多数の金融検査官が金融機関に天下っている事実、天下った検査官が当該金融機関の乱脈な経営に加担している事実などの例を引くまでもなく、公正さを期待することができないのであります。 第二に、預金保険法と一体となって改正される準備預金制度の改正についてであります。 準備預金制度は、金融政策の重要な手段の一つであり、金融の国際化、自由化の環境のもとで、とりわけ公定歩合政策が国際的協調で決定される今日、国内の金融を調節する重要な手段として十分活用されるべきであります。ところが、昭和四十七年の法改正で最高準備率が二〇%に引き上げられ、かつ国際的にも先進国共通して高い準備率が設定されているにもかかわらず、我が国においては長らく低準備率が維持され、金融政策としても十分な活用が図られていないのが現状であります。それどころか、今回の改正は、預金保険法改正による大銀行の保険料負担の増大を軽減させるために、それと何の関係もない預金準備率の負担を緩和しようとするもので、全く筋違いと言わなければならないのであります。 もちろん、本改正によって預金保険の限度額が一人当たり一千万円に引き上げられ、また仮払金制度が設けられることなど、預金者保護の観点から評価できる側面もありますが、右に述べた理由から、本法案には全体としては反対であることを表明し、討論を終わります。
○委員長(山本富雄君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 預金保険法及び準備預金制度に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本富雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 午後二時まで休憩いたします。 午後零時五十四分休憩 ―――――・――――― 午後二時五分開会
○委員長(山本富雄君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。 国有財産法の一部を改正する法律案を議題といたします。 本案の趣旨説明は、去る十五日に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○村沢牧君 国土庁が先ごろ発表した国土利用白書によると、地価はおおむね安定傾向を続けているが、三大都市圏と主要な地方都市は高騰しているというふうに言われています。とりわけ東京都心部の地価の高騰は異常であって、わずか二年間で二倍以上のところも多く、報道によれば坪当たり一億円を超える取引も出現をしているようでありまして、まさに地価狂乱であります。 国土庁はこのような異常な地価高騰の原因をどのようにとらえていますか。
○説明員(山崎皓一君) 私どもが調べました昭和六十一年度の地価公示によりますと、全国の全体の地価の上昇率は一年間に二・六%と極めて安定したものにはなっております。しかしながら、東京初め大都市圏におきましては地価の高騰が目立っておりまして、特に東京の都心の商業地、俗に都心三区と言っておりますが、千代田、中央、港、三区の商業地は五三・六%、非常に高い上昇率を示しております。いわばそういうふうに地価の上昇は、全体的な安定と都心における高騰という二極分化を示しておるところでございます。 その理由といたしましては、東京都心につきましては、特に商業地が、基本的には、我が国の経済の国際化、情報化等に伴いましてオフィスの需要、事務所の需要が非常にふえている、こういったことによって価格が上がっているのではないか、かように考えているところでございます。
○村沢牧君 国土庁は、東京都との間に土地高騰対策連絡会議を設け、とりあえず条例の制定などによって東京都の地価の鎮静化のための方策を打ち出しておりますけれども、土地の高騰は東京都のみならず周辺地域にも広がっているわけです。こうした状況のもとで、今まで政府がとってきた方策だけで地価高騰がおさまるとは思えないのでありますけれども、今後地価問題についてどのようなことを考えておりますか。
○説明員(山崎皓一君) ただいま申し上げましたように、現段階におきまして特に地価高騰が目立っておりますのは東京都でございます。したがいまして、私ども当面の対策といたしまして、昨年の暮れ以来東京都と地価高騰対策連絡会議というものを設けましていろいろ対策を検討してまいってきたわけでございます。その結果、先ほど申し上げましたように、この地価高騰の基本的要因といたしまして事務所需要が旺盛だということがございますので、それに対応いたしますために新しい事務所用地の供給に努めていただく。さらにあわせまして投機的な土地取引の抑制。これは、このように異常に高い地価の上昇率になってまいりますとどうしても投機的な土地取引が出てくるということが懸念されるわけでございますので、そのために関係当局にお願いいたしまして金融上の措置を講ずるということを要請したところでございます。 それからまた、私どもといたしまして、東京都とともに土地取引の監視等の徹底に努めているところでございます。 それから東京都におきまして、現在国土法の届け出の対象となっておりません小規模の土地取引につきまして、条例によってこれを都知事に届け出させるという制度を創設する方向で現在検討中でございます。 今後とも、国土法の的確な運用等によりまして、地価高騰が他地域に及ばないよう我々といたしましても十分に努めてまいりたいと考えておるところでございます。
○村沢牧君 国土利用計画法によると、市街地区域で二千平方メートル以上の土地を売買する場合には、前もって知事に届け出なければならないとなっています。これは坪にすると約六百坪、これ以下の土地は届け出なくてもいいということになっているわけです。都心部の土地の取引の大半は小規模なものであります。また多くのものが今申しましたような基準を下回っている。したがって野放しにされている。つまりこの基準は実態に合わない。また、この規制の対象には国公有地は含まれておらない。今後こういう問題を含めて国土利用計画法の見直しあるいは改正すべきだと思われますが、どうなんですか。
○説明員(山崎皓一君) 御案内のように、国土利用計画法というのは、昭和四十年代の後期におきまして非常に地価が高騰いたしました際に議員立法によりましてつくられた法律でございまして、その法律の的確な運用によりまして適正かつ合理的な土地利用の実現が図られ、地価の安定に寄与してきたというふうに私ども考えておりまして、その根幹は今後とも維持していくべきものというふうに思っております。 しかしながら、今先生から御指摘もございましたように、現在のような情勢の中でこれが必ずしも十分に機能していないのではないかというような御批判もあるわけでございます。したがいまして、このような事態に適切に対応し得るような国土利用計画法の今後のあり方につきまして、現在私ども学識経験者の意見を徴しまして、中長期的な観点から、先生御指摘になりました点を含めまして、検討を行っているところでございまして、できるだけ早く結論を得たい、かように考えております。
○村沢牧君 その検討は、今私が指摘をしたような方向で見直しをするというようなことで検討しているんですか。
○説明員(山崎皓一君) 届け出の対象となっております面積が今のままでよろしいかどうかということ、あるいは国公有地等の扱いが今のままでよろしいかどうか、こういったことも当然検討の中には含まれております。
○村沢牧君 それはいつごろ結論が出る予定ですか。
○説明員(山崎皓一君) できるだけ早い機会と申しますか、現在私ども一応学識経験者の方に研究をお願いしておりまして、その研究の成果というものは遠からずして出るというふうに考えております。
○村沢牧君 その研究の成果が出れば国土庁としても対応するということですね、結果が出れば。
○説明員(山崎皓一君) これは一応学識経験者の方の検討でございますので、それを私ども行政的にどうこなしていくかということを今後検討させていただきたいと思っております。
○村沢牧君 都市圏の土地不足から、不動産を買えば値上がりがする、値上がりするから買うといった投機的な取引が地価高騰に弾みをつけている。先ほど国土庁からも答弁があったとおりであります。こうした投機筋の動きには、設備投資が抑制され、だぶついた金融機関の金が土地再開発事業に積極的に貸し出しをするという、こういう金融貸国政策を見逃すことができないというふうに思うんです。つまり、金融の自由化を控えてみずからの領域を広げておこうとする都市銀行の貸出競争が拍車をかけているんだと思います。 こうした問題について大蔵省はどのように考え、またどういう指導を行ってきたのか、また今後どういうふうに対処をしょうとするんですか。
○政府委員(吉田正輝君) 金融機関の融資に係る御質問でございます。 金融機関の融資につきましては、これはやはりみずからの経営判断において決定するのが基本でございますけれども、不動産融資につきましては、金融機関の公共性を十分自覚するようにかねてから指導しておりまして、昨年七月にも国土庁の御方針なども受けましてその旨金融機関に対して注意を促したわけでございます。さらに、最近都心の一部地域、今国土庁の方からお話がございましたように、一部地域における地価動向を踏まえまして、本年四月十六日でございますが、金融機関に対して再度通達を発出いたしまして、投機的な土地取引を助長することのないよう、そうしてその社会的批判を招かないように改めて指導いたしまして、指導をするとともに、不動産業者、建設業者向け土地関連融資の実情を把握するべく報告を定期的に徴求することにしたわけでございます。 大蔵省の姿勢といたしましては、金融機関が今回の指導の趣旨を踏まえましてその公共性を十分自覚して適切な対応をしていくことを期待しているわけでございます。
○村沢牧君 大蔵省が注意を行い通達を出した。そのことの成果が上がっているというふうに理解しますか。また、通達によって報告を徴す。報告をただ受けるだけなんですか。受けてどういうふうにしようとするんですか。
○政府委員(吉田正輝君) 半年ごとでございますけれども、不動産業者、建設業者向けの土地開運融資の実行状況を徴求いたしまして、その動向を見てまいりたい。そしてもし仮にそういうような投機取引を助長するような動きが出てくる場合には、また再度この指導についての参考といたしたいというふうに考えておるわけでございます。
○村沢牧君 そのような手段を講じてもなおそういう不動産の投機的な動きが金融機関にある、そういう場合には指導するというのは、具体的にどういうことを考えているんですか。
○政府委員(吉田正輝君) かつて、石油ショックのあたりでございますけれども、やはりこの融資に関連いたしまして土地融資の問題が社会的問題になったことなどもございます。そのときにも同様の報告を徴求しながら指導してまいったわけでございますけれども、金融機関、これは公共性の強い機関でございますけれども、やはり経営判断を伴う私企業であることには変わりはございません。でございますから、そのような両方の観点を踏まえながら、大蔵省としてはできるだけ影響力を行使しながらその自覚、良識を持つように指導していく姿勢をとるというようなことになると思うわけでございます。
○村沢牧君 極めて抽象的な答弁ですけれども、しっかり対処してもらいたいと思うんです。 そこで、大臣にちょっとお伺いしたいんですけれども、地価の上昇は、国土庁の答弁があったように、オフィスの問題あるいはいろいろな原因があるというふうに思われますが、その中の大きな原因として、国土利用計面法の土地規制の対象外になっている国有地あるいは自治体、国鉄などの公有地が、競争入札によって公示価格の数倍に達するような価格で落札をされている。このことが実勢地価の上昇に拍車をかけている。私はこのことは事実だというふうに思うんです。民活の名のもとに有望な国有地の払い下げを今日まで野放しにした影響は極めて大きいと思いますが、どのようにお考えになりますか。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、国土庁からお答えもあっておりましたように、いわば二極分化という言葉をお使いになっておりましたが、都心の値上がりというのは、一つは私は金融の自由化、国際化でいっぱい外国の金融機関等も出てくるようになったというのも一つの要素じゃないかな、計算してみたわけじゃございませんが。したがって、それなりに金融機関の指導の立場にある私どもも責任があるような感じが一つございます。それは先ほど吉田銀行局長からお答えしたとおりでございます。 今おっしゃいました点につきましては、公共、公用のものに対してはこれはあくまでも従来の原則に基づいて最優先する。がしかし、財政状態厳しい折、いわゆる極力財政収入の増加を図るということで仕分けをしてつくっているわけであります。それで、これは当然適正な値段で売れなきゃならぬと思いますが、会計法令等でずっとやってみますと、結果としてはいわゆる一般競争入札、こういうことになります。そこで、一般競争入札の中で可能な限り投機的措置が起こらないようなということで、いわゆる所有権移転禁止条件、さらには、二年以内に建築物等の建設工事に着手し、五年以内に当該工事を完了すること等の条件を付することによりまして地価対策の面でも配慮しておるということになるわけであります。 それにもかかわらず落札価格は特に高いじゃないか、こういう批判があることも十分承知しております。これは言ってみれば、現実の需給事情を反映した公開の市場で適正に公正に形成された価格であるから、それをそのものはまた否定はできない。実際問題私どもとしては、財政当局は公共、公用の分等仕分けをしたものは可能な限り高く売りたいが、しかしそれでは周囲の地価を値上げする犯人とも言われるわけでございますから、いろんな条件は付しておる。しかし出てくる価格は、競争原理だからこれはいわば不当だとは言えない、こういうことになるわけであります。だから私どもとしては、そのジレンマと申しますか、そうした感じを持ちながら、例えて申しますならば、西戸山の土地などは、これは随契になったわけですけれども、建設省なり国土庁なりの考え方の調和をどこに求めるかというので、随分苦心して値決めをしたということになるわけでございます。 したがって、需給の上に決まったものだから不適正であるとはもちろん言えませんが、可能な限り公正な環境だけはつくっていかなきゃならぬ。時にジレンマを感じておることも事実でございます。
○村沢牧君 そういうジレンマの中から、国公有地に今回改正法案によって土地信託制度を導入し、地価の顕在化を防ぐ、あるいは土地の有効利用に役立たせる、こういう趣旨であろうと思いますが、今後の国有地の活用は、せっかくこういう法律をつくることでありますので、この信託制度の利用を重点に考えていくのか。それとも、今後とも、売却価格の高額なことを財政事情もこれあってねらって、競争入札による売却を続けていくつもりなのか。その基本的な考え方について伺いたい。
○国務大臣(竹下登君) まず原則は先ほど申し上げたとおりでございますが、そのとき仮に都心部に我が方の土地があって、そこが都市再開発とかいうようなことになっておる場合には、これは信託なんというのは一つのいい考え方だなと私直感的に本当は感じておりまして、どっちかといえば、信託が現行法のままでできないものかということを事務当局に検討してもらうようにしました。が、これはもう検討するまでもなく、信託なんというのは全然観念にない法律になっておるわけでございますから、したがってこれは、国有財産法を改正して、土地信託制度の導入によって国有地の管理、処分の手段の多様化を図って国有地の一層の有効活用と処分の促進等に資することを目的とするということでお願いをするが、しかし、国有地の管理、処分の方針を変えるということではなしに、公共、公用がまず優先だよということでもってこれに対応しよう。 さて、そうなりますとどういうことになるかといいますと、実際問題初めてのことでございますから、後から中田次長がいろいろ御質問に答えると思いますが、どういうところからやるかということになりますと、当面はいわゆる税金の物納をしてもらいまして、そういう土地が大層ございます。その上に建物が建っております。したがって、それは国が物納してもらって、その上屋に貸している、貸し付け中の物納財産、こういうことになろうかと思いますので、具体的な事例があるかどうか、これはこれから検討をするわけでございますけれども、まずは一番最初気がつくのは、各地に点在しております物納財産というものではないかというふうに考えております。 しかし、これ以外で信託を活用できないかどうかというのも、これは法律が施行されますと当然検討していく。今漠然とこれだなというものが念頭にありますのは、物納財産というのが一番取っつきやすいことではなかろうかな、こういう感じがしておるところでございます。その他、その後で出てまいります、いわゆる市街地開発事業等が予定されておる中に国有地がたまたまございますとかいうようなものも信託することによって実際は恐らくこれは円滑に進んでいくのだろうと思いますが、例えばここでございますというところまではまだお答えするほどの十分な調査は行っていない、こういうことでございます。
○村沢牧君 近代、土地の有効利用あるいは開発の新しい手法として土地信託が脚光を浴びるようになった。国有地についてもその導入が期待をされるとしてこの改正案が提出された。しかし、国有地を処分する場合においてはなるべく高く処分して財源を求めたいというのが先になるわけでして、これは特別会計に所属する国有地についてもそうだと思うんです。したがって、こういう信託法をつくったとしても、競争入札によって高く売った方がいい、そういう観念があるとするならば、一体何のためにこんな法律をつくったかということにもなるわけです。ですから、これからの国有地の処分というのは、まずその土地が信託に該当するのかどうか、適用できるのかどうか、そういうことを検討して、信託でやれるということになったら信託を優先する、そういうお気持ちになるのか。信託法はできたけれども、今までと同じように土地を売却していくのか。その辺はどうなんですか。
○政府委員(中田一男君) この改正案の御審議をお願いいたしております趣旨をもう少しお話をした方がよかったのかもしれませんが、御案内のとおり土地の信託は比較的新しい制度でございまして、二年前に民間で第一号の契約ができて、この二年間に三百件ばかり民間で契約ができてきた。言うなれば、土地信託という制度も一般の社会で市民権を得てきたというふうな情勢の変化がございます。私どもも、この制度を国有地の管理、処分のこれまでの方針と比較しましてどういうふうに位置づけられるのか、国有財産中央審議会に諮問をいたしまして検討をしていただいたわけでございます。 それで、国有財産の管理、処分の基本方針は、先ほど大臣からお答えいただいたとおり、公用、公共用ということを優先にしながらも、今後国が使う当てのない土地、国で利用する予定のない土地についてはこれを処分する、そして財政収入に寄与するということでやってきておるわけでございますが、中央審議会でもこの従来の基本方針と土地信託制度の関係について議論がございました。 例えば、今御指摘のありましたように、売るかわりに信託に出すということを主体に考えたらどうかという御議論もございました。しかしながら、一つは、国が使う当てのない土地でございます。だとすると、仮に信託に出したとして、それをオフィスビルを建てて運用する、あるいはマンションを建でて運用する。そうしますと、国の一般会計が信託という手法を通じて一種の貸しビル業をやっておる、あるいは貸しマンション業をやっておるというような感じにもなりかねないので、そこまでいくことはどうなんだろうかという議論もありました。国が信託をする以上、やはりその事業というのはそれにふさわしいものというふうに考える必要があるんじゃないかという御議論もありました。それからまた、現下の財政収入ということからいいますと、やはり処分をして税外収入を上げるということが大事だという点もございます。 したがって、私どもが信託を導入したいといいますのは、売るかわりに信託をしたいというよりも、信託というのは従来の売却とか貸し付けとか、こういった管理、処分の手法にない特徴を持っておる。その特徴を生かしたいということでございます。 それで、この信託の制度ができればどういうことが可能になるかというので検討をしてみましたが、例えば十年先にはこの土地は国が使いたい、十年間は未利用のまま放置されておるというような状況の場合、その土地がいい場所にありますればそれを駐車場にするとか、あるいはグラウンドにするとかテニスコートにするとかというような形で利用しておいて、十年たったら国が自由に利用できる。そういうことで信託という手法は可能になりますし、また、都心部にあります行政財産で、低層の利用になっておりますものを高層にして、必要な部分はみずから使う、必要でない部分は管理運用するというふうなことも可能になってくる。こういうことで、信託という手法が可能であれば、いろいろ国有財産の管理、処分を有効活用を図りながら、また一方では物納財産のように処分の促進にも資するという点でいいじゃないか、これが中央審での議論の方向でございました。私どももそういう形で活用してまいりたいと考えております。
○村沢牧君 そうすると、この法案が成立すればかなりの国有地について信託事業が推進をされる、こういう見通しなりあるいは計画がなくてはならないと思うが、それは何か持っていますか。
○政府委員(中田一男君) 先ほど申し上げましたように、仮に売却するかわりに信託をということで方針を変えていくということであれば御指摘のとおりかと思います。 そうではなくて、むしろこの手法を導入することによって管理、処分の手段の多様化が図れる。そして、今言いました物納財産等については、その上に建物が建っておって我々は底地権だけを持っておるという形でございます。したがって、売却するとしても、建物を持っている人に買ってほしいということで仕事をしておるわけですけれども、なかなか資力がないとかいうようなことで進みません。しかし、この手法があれば、我々が底地権を出す、相手方が借地権を出すという形でそこに高層の住宅を建てて、国はその持ち分を得るというようなことは可能になってまいります。これは相手のいることですから、いい場所について合意があればそういうことで処分が進んでいくということを期待しておるわけでございます。
○村沢牧君 国有地に信託制度を導入するということは、やはり民活ということからも関連して構想が出てきたことだと思うんです。 中曽根総理は昨年の本院予算委員会で、土地信託についてぜひやりたいという前向きな発言をしているわけです。また自民党の政策首脳も最近、民活導入のために国公有地売却が地価上昇の引き金になってはならないとして、当面国有地の売却を控えて、そのかわりに土地信託制度によって国公有地を活用すべきである、こんな報道もしているわけですね。 大蔵省がこうした法案を出す限りにおいては、一体どんなところが信託になるのか、その調査ぐらいやっぱりやっていかなきゃこれは怠慢だというふうに思うんですよ。したがって、大蔵省みずからが積極的に国有地を洗い直して、信託にふさわしい土地があるか否か調査をしなきゃいけないと思うんですけれども、そういうことはやってないんですか。
○政府委員(中田一男君) 例えば物納財産で貸し付け中のものは都内に二千二百件ぐらいございますけれども、これらがまず候補の対象になろうかと思います。また、行政財産等につきましてはむしろ特別会計にそういうのにふさわしいものがあろうかと思いまして、各省庁にもこういう制度の改正と並んで検討方をお願いしておりますが、現時点では、先ほど大臣から御答弁がありましたように、またここが第一号になるだろうというところまで煮詰まった案件はございません。 東京都二十三区内、先ほど二千二百件と言いましたが、二千四百件ばかり物納財産で貸し付け中のものがございますが、これらあたりがまず第一号の候補になろうかと思います。
○村沢牧君 民活民活という時代ですから、この法案が成立したならば、今東京都にもお話があったようにかなりの土地がある。それを信託に、まあ相手もあることですけれども、としてやる、そういう用意は持っているし、それからそれまでの調査も余りしておらないようですけれども、検討しているんですか。
○政府委員(中田一男君) 先ほど来申しましたように、私どもも一番この信託の手法がまずなじみやすいものはと考えますと、市街地再開発のような、先ほど大臣から御説明いただいたような事案が一番いいんだろうと思いますが、これまた実際に、我々が主導というよりも民主導という形ですから、なかなか受け身でございます。したがって、我々が能動的にやっていくという点では、この物納財産あたりを有効利用を図りながら処分を促進していくというのは民活の趣旨にもかなったことだと思って、現在検討しておるところでございます。
○村沢牧君 国有地で信託の対象になるのは、大蔵省が管理している国有地あるいは特別会計等でやっている、いろいろあろうと思います。 ちょっと一点だけ伺っておきたいんですけれども、都心部にある施設を郊外に移転して、旧施設の敷地売却代金などを財源にして新たな土地や施設を取得する場合、特定国有財産整備特別会計、こういう制度がありますね。今国有地のあり方や売却が注目され、信託制度を導入しているという今日、国有地を一般会計から切り離して、新たにその省庁なりの所管する特別会計として施設整備をしていく制度、これを今後とも拡大していく方針であるのか、そういうことが望ましいかどうか、これは大蔵省の基本的な考え方を伺っておきます。
○政府委員(中田一男君) この特特会計の制度ができまして、これにのせて、例えば筑波大学の移転なんかもやられてきたわけでございます。この制度は、基本的には、今御指摘ありましたように、国の庁舎等を集約、立体化し移転再配置をやっていくということで、一方では国の施設を新しく取得するとともに、一方ではその財源をみずからの努力で賄っておるというふうな制度でございまして、各省庁ともみずから計画を持って大蔵省に来る傾向は強まっておりますし、私ども今後ともこの特特会計は大いに活用してまいりたいと考えております。
○村沢牧君 そこで、具体的な事例について、これは大臣にお伺いしたいんです。 新聞報道によれば、防衛庁は自衛隊施設整備特別会計、こういうのを新たにつくることの検討を進めているようなんです。そのねらいは、例えば六本木の庁舎を売却して他に移す、そして新しい施設をつくってなお売却益が出ますから、それを他の施設整備に使用したいというような意向だ。こうなると、防衛費の一%問題とも関連が出てくる。こういうことを例えば防衛庁がやるとするならば、一%問題のしり抜け行為になる、一%の間のすき間はぎりぎりのところにきていますから。こういう施設費を特別会計にして、一般会計から防衛庁の特別会計にしてやっていいのかどうか。これは大臣の考え方はどうですか。
○国務大臣(竹下登君) 六本木を売って民活で何かをつくって、それの売却収入で市ヶ谷へ持っていって何か一緒にするというような話を私も聞いたことがございますが、その場合は、その建築費は防衛費としてカウントされた場合、財源はいずれにせよ、ちょっとそこのところが私の不勉強でございますので、今の特特会計そのものの場合の防衛費のカウントの仕方がどうなるかということは、今定かにお答えする自信がございません、仮定の事実といたしましても。次長から正確にお答えをさせます。
○政府委員(中田一男君) 今特特会計でも防衛庁の事案が年に一件ぐらいはございますけれども、極めて少額なものでございます。 防衛庁の今先生御指摘の構想については、私ども何らまだ正式に相談は受けておりませんけれども、恐らく、膨大な資金が要るとしたら、みずからの努力でその原資を賄いたいというようなことが、ちょうど特特会計の考え方と同じように、整備をしていくのに膨大なお金がかかるのであれば、防衛庁自体の自助努力でその原資を賄いたいというふうな考え方が基本にあるんではなかろうかと推測される次第でございます。
○村沢牧君 自助努力でやると言っても、そのための施設をつくる特別会計をつくるんです、一般会計から分離して。施設は特別会計でやるんだ、いいところの土地を売ってもうかる、新しい土地を買う、そんなことができるわけです。その他の施設整備もその特別会計でやっていく。つまり一般会計とはやっぱり分離してくるわけですね。そういうことが私が指摘したような問題の一%のしり抜けになってくるんではないかということなんです。大臣おわかりになるでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 恐らく特特会計でやった場合、その特特会計の仮に市ヶ谷がその財産になった場合、いわば一般会計における防衛費の外に出て、一%とかいう問題の議論の外へ行っちゃう、そういうことは今御指摘を受けて、私もそれは理解のできる話でございますが、一%問題をしり抜けさすために考えた構想であるという理解の仕方が私に全くなかったものですから、その辺はもう少し詰めさせていただきます。
○村沢牧君 詰めてもらいたいが、私はそういう考え方が基本にあったらいけないというふうに思うのですが、どうなんですか。
○国務大臣(竹下登君) 特特会計の存在は認めるといたしましても、基本的に一%なら一%という、あるいは一%でない場合も、我が方の予算の概算要求基準というものも別にございますから、そういうものから逃れるための物の考えとしては私もいただける考えじゃないというふうに思います。
○村沢牧君 そこで、政府は、行革審答申や国鉄監理委員会の答申を尊重して行政改革や国鉄再建を行うというふうに言っておりますけれども、行革審は、例えば国有地特別会計に関係する土地について総点検をして売り払い促進を図れ、こういう指摘をしています。国鉄監理委員会も国鉄用地の売却を求めているわけですね。いずれもこういうところは信託なんというのは全然頭にないわけですね、今つくる法律だから頭にないかもしれないけれども。こういうことについてだって、民活する場合において信託制度を導入した方がいいのかどうか、そのことをやっぱり検討してみる必要がある、検討させる必要があると思いますが、どうなんですか。
○政府委員(中田一男君) 現在私どもが民活可能土地として選定をし、売却しております土地は、大部分が、先ほど来議論になっておりますように、古い庁舎、古い宿舎が散在しておる。それを一カ所にまとめて高層化する。そこであいてきた土地を国が使うかどうか、地方公共団体で使いたい希望があるかどうかということをチェックしていって、ここは国として使う当てがないというものを民間に売却していくという手順を踏んで仕事を進めておるわけですが、こういった更地の信託につきましては、初めに信託ありきということではなくて、やはり売却をしていくという従来の国有財産の管理、運営の基本方針は今回の法律導入につきましても一応変えない。しかしこの信託というものは活用できる範囲では活用していきたいというふうに思っておる次第でございます。 行革審等で言われておりますポイントは二つあって、一つは、国有財産を有効に使いなさい、非常に未利用だとか非効率な利用にほうってあるのがいけませんよという趣旨でございます。これについては、実は五十四年、五十七年、五十九年というふうに全国の行政財産、大きなものについて実態調査をしてきた。そして、利用状況の低いものについてはどうやってその利用度を高めていくか、集約一体が可能か、移転が可能かというふうなことを検討してきましたが、そういうことは今後とも続けていきたいと思っておりますし、その結果出てきた土地については、くどいようですけれども、公用、公共用優先という姿勢を保ちながらそれを追及していきますけれども、国等で使う予定のないものはやはり売却をやってまいりたいという気持ちは持ち続けておるわけでございます。
○村沢牧君 せっかく信託法をつくるんですから、売却することはわかるけれども、売却する土地について、国で使う必要のない、民間に売ってもいいところ、それを信託に該当する場合は信託でやらした方がいいのかどうか、せめて検討ぐらいしてやらなきゃ、全然こんな法律つくったって意味ないんですけれども、どうなんですか、やる気持ちあるんですか。
○政府委員(中田一男君) 先ほどお答え申し上げましたように、中央審でそのことも一応検討していただいたわけでございます。実際には信託に向く土地というのは極めて限られておると思います。民間の場合も三百件の契約が出ておりますが、概して、都心部にある非常にいい土地でないと、なかなか収益が上がりづらいようなところは受託する方からしてお断りというふうなこともございますので、信託に向くような土地は国有地の中でも非常に少ないだろうと思います。したがいまして、そういうこともあって信託を基本にはなかなか据えかねるという問題がございます。
○村沢牧君 それならこんな法律余りまじめになって論議することもないですね。余り期待をかける必要もないですな。まあいいですよ。何か国有地の中でやるところは少ないというんだから、そんなものまじめになって論議する必要もないけれども、とにかくせっかく出した法案ですから、以下法案の内容について少し聞いておきましょう。 まず受託者についてでありますが、土地信託の受託会社は現在どのくらいあるんですか。
○政府委員(中田一男君) 信託を業として行い得る者は信託銀行に限られております。信託銀行は現在外国銀行も含めて十七行ございます。
○村沢牧君 信託銀行十七、これは兼営法、つまり普通銀行ノ信託業務ノ兼営等ニ関スル法律によって認可されたものですか。
○政府委員(吉田正輝君) まず銀行として免許されたものに対して、ただいま先生がおっしゃいました兼営に関する法律によって信託業法を営むことを大蔵大臣によって認可されたものでございます。
○村沢牧君 信託業法によって免許を受けている会社はあるんですか。
○政府委員(吉田正輝君) ただいまのところございません。
○村沢牧君 信託業法によって免許を受けている会社は一社もない。今後土地信託が盛んになり、これが大いにもうかる事業、こういうことになると大企業などが信託業に手を伸ばしてこないとも限らないわけですね。将来こうした会社などが信託業法による免許申請があった場合においては、今、兼営法による認可による銀行以外にも受託者を拡大していく、そういうお考えはありますか。
○政府委員(吉田正輝君) まず信託という業務を恐縮ながらちょっと申し上げさせていただきますと、信託は、一般に自己の財産を所有権を移転するということでございますので、信頼に足る受託者に託して一定の目的に従って管理運用させるものであるということで、信託業務は中立性それから専門性、経営の安定性を必要とする公共的な性格の強い業務であるというふうに考えられるわけでございます。このような観点から、戦後我が国におきましては一貫して、信託業務を営むことがふさわしいと考えられる信託銀行に限り、しかも、その銀行業務の中につきましては普通銀行業務を余りやらせないで、銀行という公共性の高い金融機関としての免許を与えられたものに兼営に関する法律で信託業務を認めまして、信託銀行が信託業務を行っているという形になっているわけでございます。 新たにそういうことで信託銀行以外のものに信託業務を認めることにつきましては、我が国の金融制度の根幹にかかわる問題であるというふうに考えています。現在信託銀行は社会における土地信託のニーズに的確にこたえているというふうに考えますし、この問題についても大変意欲を燃やしておりますことから、新規の参入については、先ほど申しましたような信託業の性格から申しましても、慎重に対応する必要があるのではないかというふうに考えておる段階でございます。
○村沢牧君 受託者は銀行に限るという答弁です。じゃ信託業法によってどういうふうになっていますか。銀行でなくちゃいけないということになっていないでしょう。
○政府委員(吉田正輝君) 御指摘のとおり、「信託業ハ主務大臣ノ免許ヲ受クルニ非サレハ之ヲ営ムコトヲ得ス」ということで、銀行でなければならぬということは書いてございません。それから兼営に関する法律の方は、「銀行法ニ依リ免許ヲ受ケタル銀行及長期信用銀行法ニ依リ免許ヲ受ケタル長期信用銀行ハ他ノ法律ニ拘ラズ主務大臣ノ認可ヲ受ケ信託業法ニ依リ信託会社ノ営ム業務ヲ営ムコトヲ得」ということに仕分けてございまして、免許を受けに銀行は信託業法上認可さえ受ければ信託業ができるというような仕分けになっております。 したがいまして、信託業法は、先ほど申し上げたような性格からいいまして、やはり主務大臣の免許という要件を課しているというふうに考えておるわけでございます。
○村沢牧君 しかし、銀行以外に一定の条件、資格を備えた者がこれを申請した場合に、大蔵省は認可できないとずっと突っ張ることができますか、将来とも。
○政府委員(吉田正輝君) 信託銀行は、戦後の我が国の専門金融機関制度の中で、それなりの位置づけに従いまして信託業務あるいは長期資金の供給、貸付信託等の業務を行っておったわけでございまして、ただいまそのような銀行は全部で七行、それから普通銀行で兼営しているものが一行、そういうことになっております。でございますので、全体として専門金融機関制度の中の一つの柱をなしておるわけでございます。 そこで、今おっしゃいましたような今後の対応でございますけれども、ただいまのところ、こういう問題だけではなくて、自由化、国際化を踏まえまして金融機関制度をどういうふうにするかということで、金融制度調査会で制度問題研究会を設けまして、専門の方々に問題点の所在などの整理に努めていただいているわけでございます。したがいまして、今は私は全体の信託業法及び兼営に関する法律の姿から見まして慎重に対応しなければならないということを申し上げましたけれども、制度問題研究会などでも議論の対象になるものというふうに考えておるわけでございます。
○村沢牧君 局長、私ははっきり銀行以外はだめだなどということは言い切らぬ方がいいと思うんです。 外国の銀行も含めてさっき十七行あると言っていましたね。これから国際化の時代で、外国銀行がさらにこの信託業務をやりたいと申請があった場合には、これは認めていくんですか。
○政府委員(吉田正輝君) 先ほど理財局次長から申し上げたのは十七行でございます。我が国は八行、それから外国銀行に対して、やはり銀行でございますけれども、それの一〇〇%出資のものを信託銀行として認めたわけでございますけれども、これは相当の経緯がございました。 日本の銀行だけでも八行のところに外国の銀行がそれ以上のものをもって進出することについては、過当競争のような問題もございますし、先ほど申し上げましたような、我が国の金融制度としていかにあるべきかという問題も含んだような問題もございましたけれども、ほかの銀行業務については外国の銀行に開放しているわけでございますので、信託銀行についても国内の銀行にも信託業務を希望するものがございましたけれども、そこは制度の問題として、国内のものについては信託銀行業務を認めませんで、内国民待遇を外国には認めようということで、普通銀行業務については、外国の銀行が進出しておりますので、信託銀行業務についても内国民待遇を与えるという意味で、外国の銀行に限り、かつ国際金融摩擦も避ける意味合いで九行を認めたような次第で、そういうことになりました背景には相当の検討を要した事柄であったというふうに考えております。
○村沢牧君 過去はそういうことであろうが、これから国際化時代、金融自由化の時代に、さらに外国銀行がぜひやりたいということになれば、もうこんなにやっているからもうだめですとお断りするんですか。やっぱり認めていくんですか。
○政府委員(吉田正輝君) これは日米金融協議あるいは日英金融協議その他いろいろの問題とも関連いたしますけれども、やはり我が国の信託銀行よりもさらに新規に外国の銀行を認めることにつきましては、これは当面これだけに限るという姿勢で対処いたしまして、国内金融秩序を保とうとしたことは事実でございます。
○村沢牧君 今後とも保っていくわけですね、今まではそうだったけれども。
○政府委員(吉田正輝君) ただいま申し上げましたように、相当の行政的決断を要した判断で外国銀行の参入を今回限りということで認めましたので、今後の内外の参入につきましてはやはり相当に慎重な配慮が必要である、慎重な検討が必要であるというふうに考えておるということでございます。
○国務大臣(竹下登君) これは、いわゆる中曽根・レーガン会談から日米円・ドル委員会等を通じまして出てきた問題でございます。 百も承知でお話しのことでございますが、日本は八つございますけれども、一つは兼営しておるわけです。これはいろんないきさつでそうなったんだそうでございます。一つだけは兼営して、あとは信託専門銀行。例えばアメリカは銀行であれば信託はできるわけですから、したがって日本は信託銀行という、言ってみれば、日本の伝統の中において位置づけされた特殊銀行として存在し、ほかの国は信託兼営しておるというのが当たり前である。それを信託を認めないのはいわば国際化に反するじゃないかというので、長い間かかって、今のところ先進国全体の話し合いで八対九ですから、外国銀行を一つ余計にしたんですから、そこで妥協したわけです。 今後どうかといいますと、外国さんも、さはさりながら出てみて、それは新しい市場でございますから、そう早速に業績がどう上がるというものではない。向こうは日本の年金が魅力でございますから、一番余計たまっておる国という意味において。したがって、一件落着して皆よかったよかった、こういうことになっておりますので、今のところ、さらにやれという考え方は私は出てこないだろう。ただ、長短分離とか、信託は兼営にするとか、いや証券会社も銀行も一緒にしてしまえとか、そういう議論は別途存在しますけれども、今の場合、外銀の一〇〇%出資の信託がこれ以上要求されるという環境にはない。大体整理して、ことしの五月に全部免許がおりて一件落着というところでございますから、今のところはまあまあとこうやっておればいいんじゃないかな。随分これは当局も苦労してくれた課題でございます。
○村沢牧君 わかりました。国内の企業を守るためにも、信用秩序を維持するためにも頑張ってください。それから次は、国有地の信託によって受託者が行う事業は、国の事業そのものではないけれども、もとは国有地である。それから、利益の一部を信託配当として国が受け取る。そして信託終了後は信託財産は国に返還されるということであるので、受託者が行う事業はおのずから限界がある。すなわち、テナントはどんな仕事をやってもいいというものじゃないと思いますが、その辺はどういうふうに考えていますか。
○政府委員(中田一男君) その点は審議会でも同じような議論がございました。国が間接的にやっているというふうに受け取られるので、事業自体には十分注意して行うようにという留意事項がついてございます。例えば、国有地を売却する場合でも、一般競争入札で売る場合でも、場合によっては風俗営業等には使わないのだというふうな条件をつけたりいたしております。 そういうことでございまして、当然、国が信託に出す場合、特に管理型の信託の場合はずっと国が後ろで持っているということですから、そういうことは十分注意してまいらなければならないと思います。
○村沢牧君 例えば国有地に信託で建物をつくる、テナントが風俗営業なんかをじゃかじゃかやっておったらこれは評判悪くてしようがないですよね。何かこういう規制とか、そういうものをつくったらいけないというようなことをどこか契約の中ではっきりするとか、あるいはまた政令なんかではっきりするとか、そういうことをやるんですか。
○政府委員(中田一男君) 政令で縛るということは考えてございませんが、信託の場合は相手方との契約の中で書き込んでいくことが必要だろうと思います。土地につきましては御案内のとおり一つ一つの土地が非常に個性が強い、個別性が強いわけでございますから、やはりその土地を見た上でそういうことを考えなきゃいかぬということでございますので、政令で縛るというよりは一つ一つの契約の中で縛っていく。しかも、その契約内容自体は国有財産審議会にお諮りしまして、皆さんの目にディスクローズをして、いいか悪いかというふうなことも御議論いただいた上で答申をいただこうと考えておるわけでございます。
○村沢牧君 次は、信託法の三十六条によると、受託者は受益者に対して、信託財産に関して負担した租税、公課その他の費用、または信託事務を処理するために自己の過失がなくて受けた損害についてはその補償を請求することができるということになっております。このような場合には受益者である国は究極的に債務を負担しなければならない。それはどういうふうに処理されますか。
○政府委員(中田一男君) 御案内のとおり、信託に土地を出して例えばその上にビルを建ててそれを貸すというような信託であるといたしますと、その信託に要した費用というのは全部受益者が負担しなきゃいかぬということでございます。通常は収入の中からそういった諸費用を支払って、そして残った分が配当という形で受益者の方にやってくるわけでございます。しかしながら、事業がうまくいかない、収入がないということになればそこには費用だけが出てまいる、そして信託期間が終了したときには信託財産の上に純債務が残っているというようなことも当然、そういう可能性といいますか、危険性といいますか、そういうリスクはあるわけでございます。 これらにつきましては、信託に出すときに十分検討してそういうことがないようにしなきゃいかぬということが大前提でございますが、万が一そういうことになった場合には、信託が終了してその財産を引き取るかどうかという際に、もし引き取るのであれば、予算措置を講じて、そういった純債務が残っておればきれいにして引き取る。あるいはもうこの財産は国が使わないんでいいんだということであれば、その財産を処分して、そして債務を弁済して残ったものを国が受益権として引き取る、こういう形になろうかと思います。
○村沢牧君 信託は、土地の有効活用を図るとともに、国有地からそれによって収益を得ようという目的もあるわけです。しかし、今お話があったように損をする場合もある、負担をしょわなければならない場合もある。そういう場合のために、国は国庫債務負担行為として財政法の規定するところによってあらかじめ国会の議決等を経ておく必要があるんではないかと思いますが、その辺はどういう解釈をしたんですか。法制局はどういう関係を持っているんですか。法制局呼んでありませんか。
○政府委員(中田一男君) この辺につきましては法制局等ともよく御相談をしたところでございます。 国有財産法は、国有財産の管理、処分の各手続については一般的な要件や手続を定め、具体的な管理、処分については行政府の責任において執行させることとし、個々に国会の議決を要するという法律構成はとっていないところでございます。例外的に国会の議決を要するものとして、国有財産法十三条で、公園緑地を用途廃止する場合あるいは皇室用財産として寄附受納をする場合等の規定を設け、これらは議決を要しますが、それ以外は管理、処分については議決を要さないということにしておるわけでございます。 信託につきましても、国有財産法上の処分の一形態として位置づけられていることから、従来の管理、処分に関する規定と同様の規定ぶりをしておりまして、国有財産法二十条で信託できる旨規定し、二十八条の二から二十八条の五において信託の要件を詳細に規定をしておる。この辺は地方公共団体の場合などですと、例えば公有地の処分そのものを地方議会の議決にかかわらしめておるわけでございますが、国の場合はそのかわりに国有財産審議会に諮りまして、大きな事案はそこで御議論をいただいてそこの答申を受けてやっていくという形に法体系がなっておるわけでございます。 特に、国庫債務負担行為に当たるかどうかという点につきましても議論はさせていただきました。ごくごく簡単に申しますと、国有地信託の場合、事業を行うための資金の借り入れですとか、あるいは負債の一番大きなものは、まず事業を行う場合に建物を建てる、そのために借り入れをしなきゃいかぬというようなことがございますが、この借り入れは受託者が行うものであり、国が直接行うものではない、したがって、この借り入れについては国が予算措置を講じておく必要はないというふうな解釈で、今のように議決にかかわらしめずにやっていくという法体系をとらしていただいております。
○村沢牧君 そこで契約の締結の内容ですが、国有財産中央審議会の答申は、国有地の売り払いまたは貸し付けと同様の方式、すなわち公共性、経済性を確保する観点から競争入札を原則とし、一定の要件に該当する場合に限って随意契約によることが望ましい、こういうように言っているわけです。また会計法二十九条の三は、国による契約の締結は原則として一般競争入札によるべきである、こういう規定があります。信託の場合には競争入札というのが非常にやりにくいんではないかと思いますが、現実的にはどのような方法をとるんですか。
○政府委員(中田一男君) 確かに、売却のように価格がはっきりしておるものと違いまして、信託の場合は、例えば受益予想配当額といいましてもこれは予定でございますし、信託報酬といいましても、これはその収入いかんによって変わってくるというふうな側面もありますので、なかなか売却の場合に比べると難しい側面はあろうかと思います。 しかしながら、法律の二十九条の六の第二項にありますように、価格のみで入札による落札者を決定できない場合でも、価格その他の条件でできるだけ競争に合うようなものを見つけてやったらどうかという考え方がございます。したがいまして、信託配当の見込み額だけでいけなければ、信託報酬あるいは信託財産が借り入れようとしております資金の借り入れコストその他管理経費、こういったものの中身をやはり出していただいて、それで一番有利なところと契約するというふうな形で、できるだけ競争原理を働かして契約していきたいなというふうに考えております。
○村沢牧君 できるだけ競争原理を働かされるけれども、しかしやり方としては随意契約みたいな形になる。その場合、先ほど申しました会計法二十九条三の四との関係はどうなるのか。
○政府委員(中田一男君) 私が今御説明いたしましたのは、会計法の二十九条の三の第一項で、「公告して申込みをさせることにより競争に付さなければならない。」この規定をベースに置きまして、そういう競争入札を実施した場合の落札者の決定の仕方としましては、二十九条の六に掲げられておりますが、二十九条の六の第一項が純然たる競争で、第二項に、価格のみで落札者を決めがたい場合には、「政令の定めるところにより、価格及びその他の条件が国にとって最も有利なものをもって申込みをした者を契約の相手方とすることができる。」という規定が会計法の二十九条の六の第二項にあるわけでございます。 これも競争入札の一事例というふうに考えられるわけですが、それで具体的には予決令の九十一条にございます。契約担当者は、「各省各庁の長が大蔵大臣に協議して定めるところにより、価格その他の条件が国にとって最も有利なものをもって申込みをした者を落札者とすることができる。」ということでございます。信託で具体的に事業をやる場合に資金を持ってくる。例えばその資金の金利を自分はこれだけ低い金利で調達できるというふうなことで差があれば、当然、他の条件が全く同じであれば、その低い金利で調達できる人が一番有利な条件をもって申し込んだ者ということにも考えられるわけでして、そういうことを一つの基準に決めていけば、これは随意契約ではなくて競争契約の一つの形で処理ができるのではないかと思っております。 できるだけそういった意味で競争原理を働かせて契約をするように努力していきたいと思っております。
○鈴木一弘君 早速法案から入っていきたいと思いますが、国の普通財産でございます土地に今回土地信託制度を創設する、そうしなきゃならないという理由。今の村沢委員の質問を伺っていると、土地信託をする場所が非常に少ないみたいな言い方でございまして、何だがこの法案はつくっても役に立たないのかなという感じを受けたんですが、いずれにしても創設しなきゃならない理由。 そして、今回この法案を直しておりますが、なぜ一部改正をしなきゃいけないのか。現在の国有土地の管理運営に支障があって不十分だ、こういうことからこういう信託制度ができていったのか。あるいは国の持っている遊休地、そういう遊んでいる土地を何とか管理運営するに当たって民間に委託あるいは信託をする、任せなきゃならない、そうしていくということをやらなければならないということになるわけですけれども、信託でなくて、今までもいろいろございますように、もっともっと有効活用をうまくできるんじゃないかと思うんですけれども、その辺のところをまず最初に伺っておきたいんです。
○政府委員(中田一男君) 信託には、管理型の信託と処分型の信託と大きく分けて二つあろうかと思います。管理型の信託ですと、例えば貸し付けでございますとか管理委託でございますとか、在来型のそういう手法と比較的似たような面もございます。例えば貸し付けに比べて信託はどのような特徴があるかというと、土地を貸す、その上に建物が建つ、そうしますと、その建物は相手方の建物ということでございますので借地権が発生して、長い年月のうちには経済的価値も相手方の方に行きますし、また国がその土地を利用しようと思っても排除することは非常に難しい。それに比べまして、信託でございますれば、仮にその上に建物を建てて利用するとしても、その建物は信託財産自体の所有でございまして、言うなれば国の所有ということですから借地権を発生しない。借家権は発生する。しかし、借家権の方は借地権よりははるかにハンドリングが容易であるというような特徴はあろうかと思います。 また、管理委託のように、現在でも地方公共団体等に駅前の国有地を管理委託という形で駐車場に使っていただいているというような例もございます。こういったものは比較的私どもはある年限利用しようということで信託になじむという例で説明しておりますものに近いと思いますけれども、管理委託はあくまで消極的でございます。それに対して、信託の方は少しでも収益を上げたいというふうな積極性があるところが遣おうかと思います。 それから処分型の信託でございますと、これは、先ほど御説明いたしました物納財産なんかで、相手方に買ってほしいといっても相手方は資力がないから買えない、しかし信託という手法を通ずれば、両方で信託に出して大きな建物にして、持ち分を分け合って、そして処分するということは可能になる。これは国有地の有効活用という点でもプラスですし、あるいは処分の促進という点からもプラスになるわけでございます。 さらに、民間におきまして信託制度が非常に普及してまいりまして、市街地再開発事業を信託手法でやろうというふうな相談はあるようでございます。まだ実際に実ったものはないようでございますが、そういうこともおいおい出てまいろうかと思います。 そういう再開発事業の地域内に国有地があったとする。そうすると、現行法ではできないという解釈を法制局からいただいておりますから、国はだれかにそれを買っていただいて逃げなきゃいかぬ。しかし、この法律ができれば、国もその再開発事業に参加をして、国有地を信託に出して、完成したものの中から持ち分を取得して、それを利用ないしは処分できるということで、開発利益も国が手にすることはできるわけでございますから、現行の国有財産法で困るというか、これがないと非常に困った事態にあるというふうには認識いたしておりませんけれども、市街地再開発事業なんかは場合によっては困った事態になる可能性があるということでございますし、その他の事例につきましては、こういった手法があればより一層国有地を有効に活用しあるいは処分の促進を図る上で役に立つ、こういう観点から法改正をお願いしているものでございます。
○鈴木一弘君 法案の信託というのは、国有財産法の第二十条の改正になっているわけですけれども、二十条一項のところ、それから地方自治法で言えば第二百三十八条の五の第一項、同じことがありますでこの二十条に現在まで、「売り払い」であるとかあるいは「これに私権を設定することができる。」と言って、普通財産に対しての私権の設定を言っているわけです。そういうことから考えますと、その私権の設定の中に信託は含まれているんじゃないか。それならば何もここのところの第二十条で信託ができるなんて変えないで、この信託をする場合はこうこうこうすべきだという縛りを入れる方がいいんじゃないかという感じがするわけですね。なぜこういうことが必要なんですか。この第二十条だけでもって今までのとおり信託できないんですか。
○政府委員(大出峻郎君) 現行の国有財産法の第二十条の第一項でございますが、これは、国が行うことのできる普通財産の処分等の方法について、貸し付けとか交換、売り払い、譲与、私権の設定というような形で具体的に規定をいたしておるわけでありますが、この中には信託ということは明記されていないということであります。また、この貸し付けとか交換とかあるいは譲与とかいうような用語についてでありますが、これらにつきましては、これらの概念に信託というのは含まれないということは明らかであると思います。 次に、売り払いということでありますが、ここで言うところの売り払いといいますのは、国有財産法の三十一条一項などの規定で、「普通財産の売払代金」は「当該財産の引渡前にこれを納付させなければならない。」というような規定ぶりがあるところからも明らかであると思いますが、専ら売買契約に基づく譲渡を意味するものと解されるわけであります。 今お話しの、私権の設定という言葉があったわけでございますが、この私権の設定ということにつきましては、国有財産法第二十条一項の規定の場合におきましては、「これに私権を設定する」というふうに書かれておるわけであります。このことからも明らかなように、「これに私権を設定する」、すなわち普通財産に私権を設定するというような趣旨でありまして、国が所有権を有する財産の上に地上権だとかあるいは地役権だとか、そういうような用益権等を設定することを意味するものというふうに解されるわけであります。 このように見てまいりますというと、売り払いとかあるいは私権の設定という言葉の中には、今問題とされております信託という概念は含まれるというふうに解することは困難であろうというふうに考えられるわけであります。 以上のような考え方に立ちまして、今回信託という言葉を二十条の中にも盛り込むということにいたしたわけであります。
○鈴木一弘君 今までの法律で書かれている、今言われた交換とか売り払いとか譲与、こういう国有財産法第二十条第一項に掲げている行為が一つの例示である。信託というのははっきり所有権が受託者に移転するということになるわけですから、そういう点から考えても、今まで述べられていたのが、ただそれだけを今取り上げられて、大変厳しくその中には信託の概念は入らないようなお話しがあったんですが、これは一つの例示であるという説があるわけです。それから見ると改正しなくてもできるんではないかというふうに思われるんですが、その点はどうですか。
○政府委員(大出峻郎君) 先ほども申し上げましたように、国有財産法二十条第一項におきましては、貸し付けとか交換とか売り払い、譲与、私権の設定、こういう言葉が規定をされておるわけであります。この二十条第一項の規定というのは、普通財産の管理、処分に適正を期する、こういう見地から普通財産の管理、処分機関が行うことのできる管理、処分の態様をいわば明らかにした規定である、こういうふうに考えられるわけであります。 したがいまして、同条に列挙してあります管理、処分の態様を単なる例示であって、したがって、これらの用語の中に信託も含まれるというふうに解することはやはり適当ではないのではないかというふうに私どもは考えておる次第であります。
○鈴木一弘君 普通財産については、これはいわば私産であって、そして本質的には私法の規律を受ける、公法上の法律関係は生じないということになっているわけです。 これは最高裁の第三小法廷で昭和三十五年の七月十二日にあった判決、これも、納税のために物納された土地を大蔵大臣が払い下げる処分は、私法上の売買であって、行政処分ではないということです。それから同じく四十一年十一月一日の同じ第三小法廷での判決では、国の普通財産の売却代金の債権は、会計法第三十条に規定する五年の消滅時効期間に服さない。つまり十年あるということを言っているわけですね。 こういうふうに見ますと、今の御答弁だったんですが、法案の国有地の信託についても、国と受託者との間の私法上の行為として、民法その他の私法の規定の適用を受けるということになれば、何もここでわざわざ信託という言葉を使わなくてもいいんではないかと思うんです。それを無理やりここでお使いになられたということについては、わざわざ信託ということをうんと確認してはっきり出しておきたい、法案をつくるために、これをPRするために、確認のために明示しておきたい、こういう意味なんでしょうかね。 今二つの質問になっていますけれども、お答えいただきたい。
○政府委員(大出峻郎君) 国が普適材産を管理、処分をする行為それ自体につきましては、これは私人がその私有財産というものを管理、処分する行為と本質的には、原則的には差異はないということはそのとおりであろうかと思います。ただ、このことは、国を当事者といたしますところの普通財産の管理、処分については一切公法的な規制というものが行い得ないということを意味するものではないと思います。公法的な規律がいろいろ存在する場合には、当該普通財産の管理、処分に関して一般私法の適用がその限りで排除されたりあるいは制限をされるということになるというふうに考えられるわけであります。 このような考え方に立ちまして、先ほど申し上げましたように、国有財産法の第二十条の規定でありますが、先ほどお話のございましたように、私権の設定というような包括的な言葉もあることはそのとおりでございますけれども、しかしながら、先ほど申し上げましたように、普通財産の管理、処分について適正を期する、こういう見地から、管理、処分機関が行うことができる管理、処分の態様というものを限定的に規定をいたしておる、こういうことであろうかと思います。 そういう観点に立って二十条一項の規定を読んでまいりますというと、今問題とされております信託というようなものは二十条一項の規定の中には入ってこないのではないかというふうに私どもは考えておる次第であります。
○鈴木一弘君 大分これはこの法律をつくるときに問題になったところのようでございますけれども、本当はなくたって間に合うけれども、今の答弁のように、無理やりでもはっきりと確認しておきたいということで明示をされたんじゃないかと、ざっくばらんに言えばそういうことじゃないかというふうにしか受け取れないんですけれども、この辺はこれで子としておきましょう、はっきりさせておけばよろしいですから。 国有財産についての信託制度を設けた。いろいろございます、市街地開発であるとか、今ちょっと言っておられましたけれども、再開発の問題なんかも。そのほか住宅の供給とかテクノポリスの建設であるとか、工場用地の確保であるとか、あるいはそのほか公共的性格の施設ですね、そういうようなものもつくるということなのか、そういうためにやるのか、それとも地価抑制を図ろうということでやっていくのか、ちょっと大きいところを教えてほしいと思うんです。これは政治的な問題ですね。大臣の方からの御答弁の方がいいでしょう。
○政府委員(中田一男君) 大臣の前に。 今回の信託法の改正につきましては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、国有財産行政の大きな基本的な方針を変更しようということではなくて、むしろその方針のもとに国有財産の管理運営を適正にやっていくに当たって手段の多様化を図り、より効率化を図りたい、より処分の促進等を通じて財政にも寄与していきたい、こういう気持ちでやっておるわけでございます。 今お話の出ました、何か施設をつくるのに信託を通じてつくるためにこの制度を導入するのかという点については、これはむしろこの法律では、そういった行政財産を取得するための信託というのはしてはならない。つまり、国会の予算の審議権の枠外になってしまうわけですから、そういうことはむしろ禁止しておるわけでございます。 それから、地価の抑制という点では、例えば物納財産等を処分しますのに、上物をつけて処分するということで地価が顕在化しないというようなメリットはございます。しかし、売るかわりに信託に持っていくんだというほどまで踏み込んでおるわけではございません。
○国務大臣(竹下登君) 今中田次長からお答えしたとおりでございます。 私も地価問題が大変な議論になったときに本当は最初感じたのは、まず信託ありきというところまではいきませんけれども、かなり活用の範囲は大きいんじゃないかなという気持ちがございました。それで早速事務当局へ指示して、いや今の国有財産法ではこれは信託は予測しておりませんということがよくわかりまして、それからだんだん考えてみますと、一番先に頭にきたのは物納財産でございます。仮に上が七〇%、下が三〇%といたしましても、ここらは活用できて、しかも地価問題に対してこれが顕在化はしないな、こういう感じはございました。 それから、今でもやっております六本木等におきますところの再開発、ああいう地域の中で、民間の小さいのもあります、それから国の小さいのもございますが、それらがみんな話し合いで信託ということになれば、これも一つの手かなという感じもないわけではございませんでしたが、私が最初思ったほど、やっぱりやってみると、直ちには大層拡大していくということにはならないのだなというような素朴な感じを持っておることは事実でございます。
○鈴木一弘君 さっき私は公共的施設と言ったんで、公共施設とは言いませんでしたよ。 今の大臣の答弁で次の質問にお答えいただいたような感じがしましたのでやめますけれども、民間の土地信託制度が大分ブームになりつつあるような感じですけれども、それが国有地でも起きるかなと思ったんですが、そういうわけでもないような話なんで、安心しました。 この法案や、受託者としてはどのようなものが考えられているかということです。先ほどからの答弁では信託銀行だけのように言われていたんですが、地方公共団体やいろんな公団とかそういうものがいろいろやった第三セクターとか、あるいは民間企業も加わったようなものとか、そういうのが出てくるんじゃないか。 確かに、信託業法第一条で免許を受けているのは、また銀行関係で免許のあるのは十七行で、必要でございますけれども、現行法上現在は信託銀行に限られるんでしょう、及び外銀と合わせて十七行かもしれませんが、その土地だけの信託をやりたいということで、そうして免許申請が出れば、これは要作が合致すれば許可しないわけにはいかないだろうと思いますね。そうすると、免許申請が、場所によっては、あるいは今言われたような普通財産、ここのところについてのとか、あそこのところについてのとかということで地元の肝いりが集まってできたような場合には、こういうものに対して許可を与えなきゃならないだろうと思う。私は、そういう点でこれは急増するという見込みがあるんじゃないか、そういうことは考えられないかどうかということを聞きたいんです。
○政府委員(中田一男君) 信託を業として行い得る者はということで信託銀行に限られておるわけでございますが、この法律改正を国有財産中央審議会で議論しましたときに、実際は、信託銀行に限った方がいいんじゃないか、法律でそのように縛ってしまった方がいいんじゃないかという意見もございました。しかし、そのときに、今鈴木委員がおっしゃいましたような事例もあり得るんではないかというような議論もありました。つまり、業として行うんじゃなくて、一回限りその土地だけについてやるというケースもあり得るんではないか。したがって、そういう場合のために、信託銀行に限る、あるいは信託を業とする者に限るというふうな縛りを国有財産法上は持っていない方がいいんじゃないかということで、国有財産法上は縛ってはおりません。しかし、通常の場合は、信用が基本でございますから、業とする信託に限られてくるだろうなという感じは持っております。
○鈴木一弘君 一回限りの信託会社ができてもおかしくはないということになるわけですね。 国有財産特別措置法というのがございますが、その第十条で普通財産について、この普通財産は旧軍関係の普通財産になっておりますが、この管理委託の問題がずっと述べられております。これも、普通財産を使用し、収益することができるとか、お金を国に納付しなさいとか出ておりますが、この第十条の管理委託とこっちの信託の問題とどういう関係になるんでしょうか。
○政府委員(中田一男君) 管理委託、国有財産法に普通財産、行政財産それぞれについてございますけれども、普通財産の管理委託というのは、恐らく法律の立て方からして信託と違う点が幾つかあると思いますが、基本的に、管理委託の場合は民法上の寄託と委任の混合契約だろう、所有権はあくまで国にある。それに対して信託は、利権行為で、信託契約を結べば国有地ではなくなるというふうなところで大きな違いがございます。 実態上どういう違いがあるかというと、管理委託は、受け身といいますか消極的といいますか、国が直接管理するかわりに第三者に管理を委託する。したがって形状等を変えて積極的に使用収益しようということではないと思うんです、使用収益できますけれども。国の方が承認すれば使用収益可能ではございますが、使用収益をするために、有効活用するために管理委託というのはなじまないだろうと思います。それに対して信託の場合は、むしろ事業目的を最初から定めてそれに沿うように使っていくという積極性がある。その点が大きな違いではないだろうかと思います。
○鈴木一弘君 この旧軍関係のいわゆる普通財産の場合に、やはり先ほどのような小さい土地のものもございます。またそうでなくても、将来ぜひここのところは信託でもって開発をしていきたいというような場合には、管理委託を一遍取りやめてそしてやるというふうになるんでしょうか。その辺のところをちょっと伺いたいんです。
○政府委員(中田一男君) 例えば市街地再開発事業をやる中に国有地があって、それまでは市町村にでも管理委託をしておった、しかしみんなで信託でいこうということが決まれば、管理委託は取りやめて改めて信託契約を結んでやっていくということになろうと思います。
○鈴木一弘君 国有財産法第十条に、大蔵大臣の実地監査や必要な措置の要求というのが定められておりますが、それと、この法案の中の各省各庁の長のする信託にかかわる実地監査や必要な指示、これはどういう関係になるんですか。ウエートや相関関係やいろいろ伺いたいんですが。
○政府委員(中田一男君) 国有財産法第十条に定めております実地監査は、用途指定等を付して売却をしたり貸し付けたりしておる、その用途指定どおりにそれが使われておるかどうかということを監査しようという目的で、言うなれば、監査の目的が、用途指定財産がその目的どおりになっておるかどうかという比較的限られた監査ではなかろうかと思います。 それに対しまして信託財産における実地監査の場合は、事業目的どおりにそれが使われておるかどうかということはもちろんですが、収支の見積もり等が当初の計画どおりいっておるかどうか、もしうまくいっていないとすればどこに問題があるかというような、そういった中身についても監査をしようということでございますから、やはり監査の重みからいいますと信託に対する実地監査の方がはるかに重みのある規定だと思います。
○鈴木一弘君 つまり後者の方が優先するということですね。 この信託は各省各庁の長が行うことになっておりますが、国有財産法第六条の普通財産の管理、処分の権限を持っているのは大蔵大臣ですね。その大蔵大臣と、一方の各省各庁の長が行う信託、その関係はどうなっていくんでしょうか、その権限問題ですが。
○政府委員(中田一男君) 一般会計におきます普通財産につきましては、大蔵大臣が第六条にございますように一元的に引き継ぎを受けまして管理運用いたしております。しかしながら、特別会計の中には普通財産を持ち得る特別会計がございます。例えば郵政事業特別会計ですとか国有林野の特別会計。これらの特別会計が持っております普通財産を信託に付そうとするときは、大蔵大臣ではなくてその所管省庁の大臣が行う、ただし大蔵大臣に協議をしていただく、こういう立て方になっております。
○鈴木一弘君 その協議のときに、大蔵大臣としては、これはもうだめでございますとか、不当であるとか不十分であるとか不満であるとかということで、拒否をするなんてことはあり得るんでしょうか。
○政府委員(中田一男君) 現在でも、各省各庁の大臣が例えば売却、貸し付け等の処分を行いますときに、ある一定の規模以上のものにつきましては大蔵大臣と協議をしていただくという規定がございまして、それは大蔵大臣といいましても、一つは国庫大臣として契約等の観点から是か非かというような目で見るケースでもございますし、現在でもワークしておるわけでございます。その協議を信託の場合にも広げようというのが今度の法改正に盛られておるわけでございます。
○鈴木一弘君 そうすると、今後これはノーということがあり得るというふうにとってよろしいですね。
○政府委員(中田一男君) 事業内容等は別としまして、例えば国有財産法上から見てこれはというふうなことがあれば御意見は申し上げる。あるいは会計法上から見て問題があるということであればまたこれも御意見を申し上げるということになろうかと思います。
○鈴木一弘君 意見を言っても言うことを聞かなければどうなるんですか。事実行為は残っていっちゃうんですね。
○政府委員(中田一男君) 協議でございますから、私どもがイエスと言わない限り前へ進まないということだろうと解しております。
○鈴木一弘君 これは少しペンディングにしておきましょう。 この法案の第二十八条の二の三項に、「信託しようとする場合には、事前に、会計検査院に、これを通知しなければならない。」ということになっているんです。これはどういう理由からですか。 さらに、ついでに伺いますが、その後の二十八条の三の二項のところに、「信託期間は、これを更新することができる。」とございますが、その更新をするときには通知は要らないんですか。最初だけ要るんですか、それとも二度目は要らないのか。あるいはなぜ通知するなんということが事前に必要なのか、それ聞きたいんです。
○政府委員(中田一男君) 土地信託と申しますのは、先ほど来御議論いただいておりますように、事業的な性格を有しておりまして、その運用のいかんによっては将来国が債務を負担する可能性もあるので、取り扱いはよほど慎重にする必要があるというふうに考えております。 また、信託契約は国と民間との間の私法上の契約でございますので、契約をしてしまうと取り消したりやめたりということはできなくなるので、契約の効力が発生する前に検査院のチェックが及ぶことが望ましいのではないか、こういうふうに考えて事前通知の規定を設けたわけでございます。 現在、事前通知の例といたしましては、国有財産法二十七条でございますとか、国有財産特別措置法九条の三、九条の四などに、堅固な建物の交換とか異種の財産の交換、これらにつきましては事前に会計検査院に通知をするという規定がございます。今度の信託の場合も同様に、事前に会計検査院の方に御通知申し上げて、御意見があったら伺っておいた方がベターであるというふうに考えた次第でございます。
○鈴木一弘君 会計検査というのは、本来は行為が行われた後でもって行うべき問題ですよね。それが事前に通知をする。今の話だと、チェックを受けてとありましたね。しかし、チェックをしろということ、認知を受けなければいけないとか、そういうことは法律にはございません。したがって、通知するだけでいいということになるんですかね。なぜこんな通知を必要とするのか。通知を欠いた場合は一体どういうことになるのかということになるわけですけれども、だから、単に通知するだけということなんでしょう、本当は。会計検査でチェックするはずはないんでしょう。
○政府委員(中田一男君) 通知をした際に会計検査院がどのように私どもにアドバイスをしてくださるか、私どもはしていただきたいと思って通知をするわけですが、法律上は、おっしゃるとおり事前に通知をする、承知をしておいていただくというふうなことにとどまっておるわけでございます。
○鈴木一弘君 そうすると、いわば所有権の移転が行われる、非常に大きいという場合も出てくるでしょう。ですから、通知をしておけば、執行中にこれは問題だということで手をつけるときもあるかもしれません。あるいは行われた後でということもあるだろう。そういうことの期待からですか、これは。
○政府委員(中田一男君) 検査院の方に、国有財産を信託をして一種の事業的性格を有するような行為をやっておるということをあらかじめ知っておいていただくことが、私どもこの信託制度を非常に慎重に運用していく上においても一つの支えになろうかと思ってこういう規定を設けさせていただいているわけでございます。
○鈴木一弘君 会計検査院法の三十四条では、「会計経理に関し法令に違反し又は不当であると認める事項がある場合には、」ということで、「意見を表示し又は適宜の処置を要求し及びその後の経理について是正改善の処置をさせることができる。」とありますね。意見の表示とか要求というのはずっと出てまいりますけれども、その場合、通知するときはまだそんなふうじゃございませんのでね、実際は。ですから不当に行われているということがわかるわけでもありませんし、まだ通知をしただけのところでそんなことがあるわけないんだから、私はチェックというようなものをなせつけたというか、そのメリットをひとつ伺いたい。
○政府委員(中田一男君) 信託に出します場合にはまず審議会に付するということで、審議会に事業の目的でございますとか、あるいは信託の受託者をどのようにして選定するかとか、信託の収支の見積もりでございますとか、あるいは当該信託の受託者が信託に必要な資金を借り入れする場合に、その借り入れの限度額でございますとか、さらには、政令で定めるということで、例えば事業計画、資金計画等もあらかじめきっちりとこしらえた上で審議会にお諮りをして検討していただこうと思います。したがって、単なる売却、単なる貸し付けと違って、信託をしたいといって会計検査院に通知するときは、そういった書類がすべてついて御通知を申し上げるということに相なろうかと思います。
○鈴木一弘君 私はメリットを聞いたんですよ。通知をしたって、通知をするだけのことですからね。だから、その通知をする重みは何でしょうかと、こう聞いているわけですよ。
○政府委員(中田一男君) 検査院の検査に対してそれだけ敬意を表しておるといいますか、本件についてはそういうことで今後事務的にもよく見ていただきたいという気持ちの発露であると考えております。
○鈴木一弘君 前もって通知しておかないと何かあったとき困ると、そういう意味じゃないだろうと思いますけれども、私はどうもここのところは、検査院の方で意思表示をするわけじゃありません、通知だけですからね。私はそういうことでこれは法律的効果というものはないんじゃないかという感じがしてならないんです。 検査院が見えているようですから伺いますけれども、各省庁の受益権についての検査は会計検査院でできますね。それについて、受託者に関するところの検査はできない、これは当然のことだと思いますが、そうすると、各省庁の検査はできてもそれだけでは不十分ということにならないかどうか、お答えいただきたいと思います。
○説明員(疋田周朗君) お答え申し上げます。 受託者に対します検査につきましては、先生おっしゃいますとおり、私ども直接検査することはできません。しかしながら、私どもが主管庁に対しまして信託契約に基づきます検査ができるということがございます。それからまた、信託の受益権に基づきます収入につきましても検査することができるわけでございます。 それからさらに、本法案によりますと、主管庁は受託者に対しまして資料あるいは報告を求めましたり、さらには実地監査ができる、こういうことになっておりますので、会計検査院といたしましては、受託者の行います事業につきまして、いわゆる先生御承知の肩越し検査という形で検査を行うこともできるわけでございます。したがいまして、そういったことで検査の対応は可能である、このように考えているわけでございますが、今後実際に信託が行われました場合には、鋭意十分な検査を行うよう努力してまいりたい、このように考えております。
○鈴木一弘君 受益権の方に対しては確かに各省庁ですから検査できる。しかし、今のように受託者に対しては肩越ししかできない。大蔵省等で検査したのや何かを、あるいは各省庁のを見てということでしかできないだろうと思うんです。 公権力が介入して幅広く、まさか信託銀行や第三セクターの中を見るということは、これは私権に対する大変な圧迫でもありますし、そういう介入は絶対に避けたいと思うけれども、しかし、きちっと信託されている、きちんといっているということを調べるには、これは信託に限ってとか、その一つの問題に限ってというか、幅狭くということになると思いますが、これについてはやはり会計検査院の目が入るような方法をとっておかないと、何か受益者の方はわかるけれども受託者についてはさっぱりわからないということになるわけですから、これはしり抜けが起きるような感じがしてならないわけですね。この点はどうなんでしょうか。意見があったら聞きたいんです。
○説明員(疋田周朗君) 先ほど申し上げましたとおり、私どもといたしましては、直接こういった会計経理を行っておられます主管庁の検査を十分に行いますとともに、極力受検庁の御協力、あるいは受託者の御協力をいただきまして、肩越し検査の徹底を図りまして、こういった会計経理が適切に行われているかどうかということについての確認に努めてまいりたいと考えております。
○政府委員(中田一男君) もとより、契約を結び、管理運用をする責任は主管省庁にあるわけですから、検査院のお手を煩わさなくても立派にやっていくという心がけで努めてまいりたいと思いますし、また検査院の方から検査に関していろんな御要請があれば、それに前向きに対応していきたいと思います。
○鈴木一弘君 検査院結構です。 いわゆる信託の配当ですね、それからこれは予算に編入されたりまた決算の対象になっている、こういうように考えてよろしゅうございますか。
○政府委員(中田一男君) 信託の配当は、おっしゃるとおり、それぞれの会計が所管いたします国有地の活用によって生じてくるものでございますので、国有財産の他の管理、処分による収入と同じように、それぞれ当該国有地を所管する会計の歳入として計上されることになります。
○鈴木一弘君 最後に一つ大蔵大臣にお伺いしたいんですが、よろしゅうございますか。 大蔵大臣としてでなく、竹下登さん個人としてぜひお伺いしたいんですが、ことしは自民党総裁の任期が満了になる。したがって当然総裁選挙が行われなきゃならない。当然総裁候補として立候補を竹下さんなさると私は思ってもおりますし、期待もいたしております。現在、今の政局を見てどういう御心境でいらっしゃるのか。また、今の総裁立候補についての決意のほどがありましたらぜひお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 本委員会におきましても、竹田先生も鈴木先生も何か次の選挙には立候補されないというふうに聞いております。同じゼネレーションでございますから、私も感慨無量なるものがございます。 鈴木さんはたしか昭和三十七年でございました。あのころのチューチュー会というのは、ねずみ年の会でございますが、数も少のうございました。我が党は私と安倍晋太郎君、石橋政嗣先生と先生、四人の、他の役所関係もまだ皆課長さんでございましたけれども、今皆さん総裁になったりいろいろしていらっしゃいますが、そういう感懐を込めて、今は確かにこの委員会でも村沢先生もそうですし、予算委員会におりますと久保田真苗さんもそれから安恒さんも、大正十三年というと大宗をなすような今感じでございますが、当時は少のうございました。 ただ、お互いその当時から感じておったことは、ちょうど我々の時代は戦前をいささか知り、戦中を知って、しかも最後は鉄砲玉のかわりみたいな感じでございました。が、焼け跡、やみ市を知って、それだから、よく言えば非常に現状に調和する、あるいは悪く言えば現状を糊塗するというか、そういう才能に何となくたけておる世代ではなかろうか。したがって気宇壮大性に欠けております。私はいつもそう思っております。 したがって、総裁選挙に立候補するかということになりますと、やはりニューリーダーだのいろんなつくられた言葉はマスコミさんがつくった言葉であって、自民党、雲のごとく人材がおる中で、何で三人に限らなきゃいかぬかということも時に思うわけでありますが、この問題については、今まさに安倍君も私も、ただ安倍君は一遍立候補、三等賞ではございましたけれども、立候補した経験がございまして、私はまだ経験もございませんので、やっぱり今中曽根内閣の大蔵大臣である間いわばそういう声明をする時期ではないではないかなというふうに思っております。参議院選挙でも終わりましたらまた仲間の諸君と相談して、我出でずんばという気持ちがどっちかといえば薄い方でございますが、諸般の情勢を見て、決意するときはしなきゃならぬのかな、こういう感じを持っております。 それからいま一つは、現状の政局どう見るか。 私は実は佐藤内閣の内閣官房副長官に始まり官房長官に終わりまして、七年八カ月でありました。その前の池田さんが四年でございまして、二人で十二年やった。その後、三角大福中とかいろいろございましたが、二年交代になってしまいまして、サミットに行くたびに、イタリーは別でございますけれども、日本が二年交代でかわっておるというのはよくないから、非常に適当な言葉じゃございませんけれども、歌手一年、総理二年の使い捨てはやめましょうという演説を随分して歩きました。そうしたら私の友人である春日八郎君が、おれは四十年間も有名なのに、おまえ何で歌手一年と言うかということを言ってくれたことがございますが、したがって、中曽根内閣で、いわば歌手一年、総理二年の使い捨てがなくなったということは私はよかったと自分で思っております。 ただ、自民党の規定では三選は禁止されておりますので、いずれにせよ、私をも含めてみんながいずれは考えなきゃならぬだろうと思っておりますが、今手を挙げて、おれについてこいとかいうような心境には全くないということだけは、やっぱり同じゼネレーションのある意味においてのひ弱さかもしれませんけれども、それを率直に認めて、お答えになったような、ならぬような、速記録に残りますので、仮に鈴木先生の最後の御質問であったとすれば、私にとっても記念すべきお答えになろうかと思います。
○近藤忠孝君 中曽根総理を本部長とする国有地等有効活用推進本部のもとで、民間活力導入検討対象財産の四回にわたるリストアップ、それから民間大企業などへの国有地の売却処分が進んでおります。代表的なものは千代田区の旧司法研修所跡地、大京観光へ五百七十五億円で売却した例があるんですが、現在までに民活対象財産のリストアップ件数は何件で、面積はどれくらい、そしてそのうちどれくらいが売却済みか、お答えいただきたいと思います。
○政府委員(中田一男君) 民活可能土地といたしまして選定をし、先ほどの有効活用推進本部企画小委員会に報告いたしましたものは、件数で二百七十八件、面積で百六十二・二ヘクタールでございます。そしてこの三月、六十年度末までに処分をいたしましたものは、件数で九十件、面積で三十八・一ヘクタール、四分の一弱でございます。それから、金額では、一般会計のものも特別会計のものもございますが、トータルで千七十七億円になっております。 なお、九十件の処分件数のうち民間に処分したものが七十二件、それから地方公共団体等に処分したものが十七件ということになっております。
○近藤忠孝君 次に、これは八三年一月の国有財産中央審議会の答申でありますが、中身は、「当面の国有地の管理処分については、基本的には公用、公共用優先の原則を維持しつつ、それを損なわない限度で極力財政収入の確保を図る乙とを基本的な方針とすべきである。」というのがありますが、この民活対象国有地の売却処分は、この緩和措置をベースにして取り組まれていることは明らかだと思うんです。この答申は、緩和理由として国の財政事情の悪化を挙げて、国有地の売却による歳入確保など極力財政収入の確保を図るとしております。 大蔵省はこれをベースとして国有地の管理、処分の多様化を打ち出して、とりわけ民活対象財産としてリストアップした国有地の売却処分の強化、それから新たにこの土地信託制度の導入を図ったと思うんですね。これらの動きは、一九七二年三月の国有財産中央審議会答申以来の公用、公共用優先の原則、これを緩和するものではないかと思うんですが、どうですか。
○政府委員(中田一男君) 最後に御引用になりました昭和四十七年の答申、これは有効利用答申と呼んでおりまして、この答申のときは、国が使う予定がなくてもそれはずっと持っておきなさい、原則として民間に処分することはやめましょう、都市の再開発等に利用する場合は別として、原則として民間への処分は一時やめましょうというようなことが書いてございました。これは背景としまして例の狂乱物価と申しますか、そういった地価の高騰というふうな事態があったわけですが、それをベースに十年ぐらいそういう基本方針のもとに国有財産行政をやってまいりました。 ところが、その間、御案内のとおり国も非常に財政の窮迫を来した。一方インフレはすっかり鎮静しておるというような情勢の変化もありまして、五十八年の一月に国有財産中央審が、当面の国有財産の管理運営に関する答申を出してくれました。これは当面答申と呼んでおりますが、そこでは、公用、公共用優先に国有地を活用していく、こういう考え方は変えるべきではない、しかし、使う当てのない土地をいつまでも国が抱え込んで、それがペンペン草が生えておるというふうな状態はやはり好ましくない、むしろ国が使わないのであれば、まず地方公共団体に必要かどうかということを聞いて、そしてその利用計画があるなら地方公共団体に売る土地としてイヤマークしましょう、地方公共団体も要らないということになれば、むしろ民間に積極的に処分したらどうか、こういうふうに方針が変わったわけでございます。 そして、ことし一月の中央審の答申におきましても、五十八年一月の当面答申における方針は基本的に維持すべきだ。ただ、土地信託というのが比較的新しい制度として民間で普及してきております。したがいまして、国有財産行政においても土地信託制度というものを導入すれば、手段の多様化を図ることにより土地の有効利用並びに処分の促進にプラスになるではないか、こんな観点から法改正をお願いしておるものでございます。
○近藤忠孝君 先ほど来の質疑の中で、この法律ができても対象の国有財産はそんなにないんだという話があったんですが、私はこの信託制度導入の背景には、民活型開発を推進するJAPICや不動産協会あるいは建設業協会など財界の国や公有地の有効活用の要求があると思うんです。JAPICが八四年三月に出した公共的事業分野への民間活力導入方策に関する提言で、これは国有地、公有地に土地信託制度を活用することを検討すべしと要求しております。その後JAPICは、「社会資本整備と民間活力」という手引を発行しまして、この中で、公用、公共用優先原則がやや緩和されたと歓迎してるんですね。一層の緩和措置を求めておるわけです。JAPICは国有地の管理処分についてこう言っています。都市再開発事業等都市機能の高度化のための活用を優先すべし、さらに、公用、公共用の範囲に民間の優良な再開発事業も含まれるように対象を拡大せよ、こう言っています。 大蔵省は、今後における国有財産審議会答申の運用において、このようなJAPICの公用、公共用の範囲の大幅拡大、逆に言いますと、一層の大幅緩和をむしろこれは拒否をして、国有財産行政の変質を防ぐべきじゃないか、そういうお考えはないでしょうか。JAPICのいろんな提言とかあわせて。
○政府委員(中田一男君) 国有財産行政で一番大事なことは、やはり国有地が国民共有の財産であるという観点から、その管理処分等につきましては適正かつ公平に行わなければいけないということだと思います。したがいまして、私どもも、民間への処分に当たりましては、地価問題等いろいろ御批判を受けながらも、一般競争入札が原則だ、随意契約によることのできる場合は、法令等に定められた公共性の強いものに限りますよ、安易にこれは拡大していかないということでこれまで運用してきておるところでございます。
○近藤忠孝君 私が指摘したいのは、JAPICの言う民間の優良な再開発事業というのは、結局大企業に巨額の利潤を保証する再開発事業のことだと思うんですね。例を挙げれば、これは当委員会でも指摘したことがあります、横浜みなとみらい21計画のようなものとか、あるいは六本木、それから大川端再開発のようなものなんです。これらの開発に国有地を売却とか信託するという意味じゃないんですが、しかし、JAPICの言う民間の優良な再開発事業というのは、例えて言えば今言ったこういうもの、これを公用、公共用の範囲に含めて、それで国有地の売却とか信託の優先的対象にしよう、これがJAPICの要求じゃないかと思うんですね。 となりますと、こういう要求をもしのみますと、まさに国有財産行政が大企業の利潤追求活動に奉仕をするということになりはしないかというのが私の心配するところですし、また指摘をしたいと思います。これについてのお答えどうですか。
○政府委員(中田一男君) 現在、国有財産の売却が年間に二万件近くございますが、大部分が縁故者、つまり既に使っております人とか、貸しております先ですとか、あるいは里道とか水路とかというふうなものの処分が大宗でございます。更地を売るというのは比較的少のうございますけれども、しかしその買い主は恐らく数から言うと大企業が多いというわけではないと思います。むしろ普通の民間企業が大宗を占めておるんだろうと思っております。 これまで国有財産の処分につきましては適正、公平ということを旨としてやってきておりますので、決して大企業のためにというような御批判は当たらないんではないかとひそかに思っておる次第でございます。
○近藤忠孝君 私は、過去がそうであったということじゃなくて、今そういうJAPICのこういう意見があって要求が出ている。そういう中で今こういう法律をつくるということは、まさにそういうところに向かいやしないかというのが私の指摘をしたところなんです。それに対してお答えいただきたい。
○政府委員(中田一男君) これまでの国有財産の管理、処分の基本方針を変えることなくやってまいりたいと思います。
○近藤忠孝君 法案の中身に即して若干お聞きしたいのは、国が信託利益の交付を受ける形で事業収益を得ることは、これは間接的ではありますが営利目的の不動産業などに関係することを意味するんだと思います。また、信託契約終了後は信託財産の返還を受けてその事業を引き継ぐことになる以上、これはやっぱり直接的に国が営利事業である不動産業をやらざるを得なくなるんじゃないか。となりますと、国有財産行政は大幅に変質するんじゃないか、これが一つです。 また、その関係でこの場合に不動産業に国が参入するということになりますね。そうしますと、その関連業界の競争を激化させて中小企業の営業活動を圧迫する可能性さえ出てくるんじゃないか。こういうものに対する歯どめとしてはどういうことを考えておるのか。
○政府委員(中田一男君) 国有財産法上は事業の範囲について特段の歯どめを設けてはおりませんが、中央審で議論しましたときに、ただいま御指摘のありましたような点が問題になりまして、国が行う以上おのずとその事業は限定されるであろう、範囲はおのずと制限されるであろうということで、そういうことは慎重にやっていかなきゃいかぬということでございました。つまり、私どもが、初めに信託ありきではない、処分のできる土地は処分してまいりたいと言っておりますものも、未来永劫使う予定がないのに信託に出すということは、まさにそういう事業に参加するということにもなりかねないのでいかがなものだろうかという気持ちは持っております。 あくまで運用の問題ですが、やる以上そういうことも十分慎重に考慮してやっていくべきだと考えております。
○近藤忠孝君 それから、この信託は、信託期間終了時に債務が残る可能性がありますね。その場合、国が予算措置を講ずるかあるいは受託信託銀行が信託財産を売却して債務を弁済するか、いずれかになると思うんです。二十年間の信託期間のうちには当初予測できない動きも出てくることから、こういう債務負担の問題はいかに注意をしいかに配慮したとしても残ると思うんですが、この点の対策はどうですか。
○政府委員(中田一男君) 事前に注意できるところは十分注意してまいらなきゃいけないと思います。しかしながら、例えば火災だとか地震とかで信託財産が壊滅状態になった場合には、当然それ相応の債務といいますか、損害をこうむることは、仮にそれを信託に出さずに自前で持っておっても同じように損をこうむるわけですから起こり得ると思います。したがいまして、そういうことが起こった場合には、信託契約を解消する段階で予算措置を講ずるなりあるいは信託財産そのものを処分するなりして解消していく必要があると思います。
○近藤忠孝君 それから、信託は、将来の行政需要のための国有地を留保しておくためのものでもあるというわけですが、契約終了時に更地で返還される保証はないわけですね。また、住宅やオフィスビルなどの建物つきの返還財産で、不動産業を営むことにも支障があるとなりますと、勢い信託期間が切れてもさらに契約の更新を積み重ねることになる。これは十分予想できることです。逆にいいますと、将来の国有地の公用、公共用利用あるいは行政需要を排除することになりはしないか、一たん出したらば。その点はどうですか。
○政府委員(中田一男君) 信託に出した場合に御指摘のような心配があるということは中央審の答申でも指摘されておるとおりでございます。したがいまして、国が例えば十年なら十年後にこれを利用したいということが確実なものであれば、建物を建てたりするような信託はできないと思います。信託期間が終了しました場合には、例えばビルに借家人が入っておりますれば、当然それは純粋に私人間の契約でございますから、もし国が必要であれば一般私法の原則にのっとって立ち退きを求めて使うというふうな汗を流さなきゃいけない問題だと思います。
○近藤忠孝君 最後の質問になりますが、分譲型の国有地信託の場合は、最終的には土地を売却処分することになるんですね。この場合は、面積または土地区画が一定規模以上の国有地の売却は国有財産審議会に事前に語る、こういうケースにこれは含めるのかどうか、この点をお答えいただきたいと思います。
○政府委員(中田一男君) 分譲型の土地信託でありますれば、信託開始の前に審議会にかけますときにそういうことで処分をするということも含めてお諮りいたしますので、恐らく改めて審議会に諮る必要はないだろうと思います。
○近藤忠孝君 終わります。
○栗林卓司君 国有財産法の一部を改正する法律案について一、二お尋ねをいたします。 私は、国有土地の管理手法の多様化を図るという意味で御提案の法律には賛成であります。ただ、この法律ができたことによって、ではいかなることが期待できるんだろうかと自分の頭で考えてみますと、先ほどの御答弁の中にも、初めに信託ありきという立場はとりません、どの程度これが使われるか多くのものを必ずしも望み得る状況ではないというお話もございました。確かにそうなんですね。上屋が賃貸中の物納の土地の場合には、これは処分の方法としてこの信託制度が使われるということは想像もできるんだけれども、じゃ更地の国有土地があったとして、その処分のためにわざわざ信託財産に組み込むというのはちょっと考えられないし、むしろ売ってしまえばいいわけですから、結局、国有財産を管理している側から見るとこの信託制度を使うという動機づけがどっちかというとないんですね。 したがって、こういったことをつくることはいいことなんだけれども、むしろこういった制度をつくったことによって自然な発展を期待するというわけにもいかぬのじゃないか、私はそう思うんです。私の意見が合っていたらその旨お答えいただけば結構です。 ただ、問題は土地問題なんですけれども、今厳しい円高のもとで我々暮らしているんだけれども、ではどういう対策を打ったらいいのか。一部の方がお集まりになって経構研の報告書をつくられた。その中では、かねて問題の土地問題がいよいよ目の前にぶら下がりまして、そこに直面して解決をしていかないと我々の本当の意味での次のゼネレーションはかけないんではないんだろうか、そんな実感が深い。そういった問題に、現在国有土地として持っている相当の広大なものをどう活用していくのか。これは一般論ではとてもいきませんので、個々具体的に詰めていかないと結論が出る話でないんで、こんな大ざっぱな聞き方ができる話ではないと思うんです。 ただ、そういった問題に対してこれからの国有土地の活用をどう考えていったらいいのか。これもこれまでいろいろと審議会等で提言もされているわけでありますが、そういった場合にこの土地信託ということが活用できないか。これはできないことはないと思います。それはそのときの多種多様な政策手段を活用して求められている政策目的にかなえばいいと思うんです。 たまたま今回この法律案が御提案なものですから、ちょっと聞きづらいけれどもやっぱり一つ伺っておきたいのは、土地問題ということはもちろん価格問題ですけれども、そのために国有土地をどういう活用をする見通しがあるのか、またそのために何を考えていかなければいけないとお考えになっているのか、この点だけお尋ねしておきます。
○政府委員(中田一男君) 国有の土地を管理運用しておりますときに私どもやはり一番念頭にありますのは、私どもが持っております国有財産を有効に使わなきゃいけないということが基本だと思います。公用、公共用というようなことで縛っておりますけれども、それよりも何よりも基本には、国有地をできるだけ有効に使っていくということが底に流れておると思います。 そういう立場から、行政財産等につきまして実態調査をして効率的に使っていくということをやっておりますし、また国が使わないところは民間に使っていただく。民間でビルになるあるいは住宅になるというようなことで、やはり地価問題というのはいろんな側面があろうかと思いますが、私どもは、国有財産行政を通じて供給面の増加というところに少しでも役立っていけば、それがある意味では一番基本的な地価対策への貢献ではないかというふうに考えております。
○野末陳平君 初歩的なことをお聞きしますけれども、今使う当てのない、利用計画のない国有地というのが総量で相当あるのかどうか、その辺のことがわからないんですが。
○政府委員(中田一男君) 実は国有地は、面積的に申し上げますと非常に膨大な面積を国有地として私ども管理しておるわけでございまして、国有財産台帳に載っかっております国有地の数量は八百九十六万ヘクタールということでして、これは全国土の大体二四%弱、四分の一近くになっておるわけであります。しかしながら、中身を見てみますと、そのうちの九五・八%までは国有林野特別会計に所属しております山林、原野等でございまして、いわゆる都会地にございます宅地ということであるとそんなにたくさんはないというのが現状でございます。 また国有財産は、行政財産として現に利用しておるものと、それから普通財産ということで管理処分の対象になるものとに分かれるわけですが、普通財産ということで見ますと全体の一・三%にしかすぎません。面積は十一万ヘクタールということに相なります。しかしながら、この普通財産の中でも、もう利用計画がございましたり、現在貸し付け中でありましたり、いろいろと使われておるものが多うございまして、全然利用しておらない普通財産である国有地ということに絞りますと、ぐっとこれがまた少なくなりまして二千百ヘクタールにしかすぎません。二千百ヘクタールというのが普通財産で、宅地という形で現在管理しておるものでございます。二千百ヘクタールというとたくさんあるじゃないかというんですが、実はそのうちの半分は水戸の射爆場の跡地あるいは北九州市にございます山田弾薬庫等でございまして、これもこれから利用計画をつくっていくというような段階で、今すぐ処分ということではございません。今すぐ処分できるというものになりますとごくごく限られた面積ということになっております。 したがいまして、現在民間活力を活用して土地をひねり出していこう、そして売却していこうというようなことでやっております土地は、現在普通財産になっておる土地ではなくて、むしろ行政財産として使っておる土地、古い庁舎が建っておる、古い宿舎が建っておる、こういうものを一カ所に集めてきて立体高層化する、その結果幾つかの跡地が要らなくなる、これらをむしろ民間に使っていただこうということで、国有地の有効利用と不即不離の関係で処分をやっておるのが現状でございます。
○野末陳平君 確かに空地だけを処分するというんじゃなくて、有効利用が今まさに望まれている課題だと思いますけれども、ただその場合に、いい土地ほど高値がついたりしまして問題になったりするんですが、都心のかなり値の出そうないい物件というのは処分計画の中にあるんですか、幾つか。
○政府委員(中田一男君) 昭和六十年度で申しますと、千代田区の紀尾井町にございました司法研修所の跡地というのがある意味では一番目玉的な商品であったと思います。六十一年度に処分を予定しております財産の中には、例えば港区の港南にございます入国管理局の庁舎と宿舎の跡地などが都心部に所在するものとしてございます。
○野末陳平君 そこで大臣にお伺いしますが、こういういい物件が競争入札されるたびにかなりの高値を呼ぶ。特にこの間の例はそうでしたね。そうしますと、それによって国にはお金がたくさん入るのでいいことなのにもかかわらず、また一方で批判を浴びまして、これが地価高騰を呼ぶというようなことになります。そうすると結局、金をもらえばこちらでまたマイナス面があって、規制をするような動きも出たりしますね。矛盾しているわけですね、国の政策として。 こういう問題、この間の例のあそこの司法研修所ですか、あれが起きたときに大臣どういうふうにお考えになりましたか。
○国務大臣(竹下登君) 私どもとしては、それは今日の財政下、高ければ高いほどいいという気持ちはないわけじゃございません。しかしながら、それが適正なものでないといかぬというのでいろんな使用制限みたいなものを付して、がしかしあれだけの値段で落札された。それですぐ国土庁関係者とでも申しましょうか、政治家でいうならば天野光晴さんのように、元国土庁長官であった人が、いかに考えてみても、強制収用しますときに地価公示価格を参考にしながら価格を決めるものが、国が売るときは青天井というのはどうしてもこれは理屈に合わぬ、こういう一番最初抗議といいますか、そういう御意見を吐いていらっしゃいました。それで私もその辺のジレンマというのは確かにあるなと思いました。 それで、その後の西戸山のときに、これは随契でございましたけれども、これについても、何か東京都庁舎が移転するとすぐそれを見込んで上がるとかいうような状態の中でどう決めるかというので、随分これも議論をいたしまして、私どもなりには適正な価格で払い下げをすることができたと思っておりますが、そういう悩みを感ずることは全く、毎たびこれから感じていかなきゃいかぬな。特にこれから国鉄の財産処分の問題が出ますと、場所が場所でございますだけに、私は相当今言ったようなジレンマをまた感じなきゃならぬのかな、こういう感じを持っております。 本来ならば、土地対策というのだけは、全部でアメリカの二十六分の一の面積といいますけれども、平らな面積、いわば可住地面積とでも申しましょうか、正確に可住地面積というのは言葉ではないそうでございますけれども、大体日本の八十倍あるだろう。そうすると一人当たりにしますと四十倍の土地がある。だから、ロサンゼルス郊外が坪当たり五万円で、東京の手ごろなところで二百万、ちょうど経済原則に合って四十倍だという話もよく聞きますだけに、空中権の問題とかいろんな問題があるでございましょう。それから税法だけで解決のつく問題じゃございませんので、やっぱり土地問題というのは、いつの日だれかがという表現は適切じゃございませんが、避けて通れない一つの、狭隘な国土に多数の人が住むという宿命的な問題をどう解決するかというのは、余りほかの国を参考にしないで考えなきゃならぬじゃないか。 少し脱線した答弁になりましたが、そんな感じをいつも持って事に当たっておるという感じでございます。 ―――――――――――――
○委員長(山本富雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、山田譲君が委員を辞任され、その補欠として片山甚市君が選任されました。 ―――――――――――――
○野末陳平君 今大臣の答弁にもありましたとおり、これからいい物件が出てくると、また同じ批判を浴びながら大蔵省としてはジレンマに悩まなきゃならぬと思うんですね。だけれども、それが地価の高騰かなんかを誘引したりすると、結果的には国としてマイナス面が多いです。 そこで考えるんですけれども、やはりこれは一件一件いい物件を小出しにしているような形になっちゃうから、そのたびにつり上がっていくような感じもしないでもないんですね、また話題にもなりますし。しかし一方においては、需要があって、特に都心のビル需要はこれから相当なものですから、それを見込めば高値とは言えないのかもしれないし、実にその辺がわかりませんね。ですから、少なくともこの国有財産の処分のときに競争入札がマイナス効果になっちゃいけないんで、これを一個一個ばらばらに処分していくというんじゃなくて、何かまとめてやっていくという形をとれば少しは違うのかなと思ったり、これはもうやってみなきゃわかりませんからね。 そこで私が考えるには、幾つかこれからあるようですから、国鉄のものも含めまして。どうなんでしょうね、一括して大量にやっていくような方法をとった方がむしろ一個ずつやっていくよりもいいのではないかと、そんなふうな気がするんですけれども、どうでしょう。
○政府委員(中田一男君) 実際に入札をやります場合に、これは大きな物件は審議会にかけて御答申をいただいてということもありますし、あるいは新聞に公告するというようなこともありますので、各財務局がそれなりにできるだけまとめてやるようにはしておるわけでございます。 しかし、東京都心部のいい場所にある土地ということになりますと、実は数がございませんので、それこそ三年も四年も待ってて一遍にまとめても何件まとまるかというような感じだろうと思います。もちろん国鉄用地ということまで考えれば別かもしれませんが、少なくとも国有地という範疇で考えます限り、どうも都心部には処分する、今の旺盛な需要を満たすだけの国有地を処分して供給をふやすという点では土地はないというのが現状かと思います。
○野末陳平君 これはむしろ質問でなくてお願いなんですが、いわゆる狭い半端な国有地がいっぱいありまして、何といいますか、民間の住宅に隣接したところがある。使い物になるはずがないですね。そうすると、どうしてもその近辺の人がそれを欲しいといいますか、庭続きだから半端な三角形の三十平米ぐらいだとか。そういう場合に、そういう希望があちこちにあるけれども、結論が出るまでにすごい長いというか、なかなか売ってもらえないというか、何かそんなようなことをあちこちで聞いたりするんです。そういう半端な使い道のないのはもうどんどん国民に処分していく、これを急ぐべきではなかろうか、そんなふうに思いますので、実情を含めてちょっと事情を説明いただいて、それで終わります。
○政府委員(中田一男君) 年間国有地を処分しております件数は二万件弱ございますが、そのうちの八割、九割が今言われたような形で随意契約で特別に縁故のある人に処分しておる状況でございます。 したがいまして、私ども可能な限り、そういうお申し出があれば早期処理ということで進めてまいっておるつもりでございまして、もし具体的なそういう事案でもあれば、私どもが気がつかないものもあるかもしれませんので、お知らせいただければ、基本的には、野末委員おっしゃるとおり、そういう土地については縁故のある人に、相手方の都合がございますから無理やり買っていただくわけにいきませんけれども、買いたいという御希望があれば積極的に売るように進めでまいりたいと思います。
○青木茂君 この法律そのものは基本的に賛成なんですけれども、法律で一番心配なのは、これが地価上昇の要因にならないかどうか。それから、もし地価上昇の要因になるというような要素があるならば、この法律のできるのをもし地方自治体が待っててどんどんこれ広げていくと、そうすると地価が全国的に上昇をしていくという非常に心配しなきゃならぬ事態が起きないかというのが、これは私の一番大きな心配なんですけれども、そこら辺はどうお考えですか。
○政府委員(中田一男君) この法律ができましたら、例えば処分する国有地の量がふえるとか、そういうことと直接結びついておるわけじゃございませんで、従来からの国有地の管理、処分の基本方針は維持しながら、こういった新しい手法が使えるところでは使っていこうということでございますので、今の地価の上昇が全国的に波及するような引き金になるんじゃないかという御心配は必ずしも当たらないのではないかと思っております。 むしろ、例えば物納財産のような、現在利用できないで非効率な利用のままにとどまっております財産について、仮にこういう手法で住宅が建ち、処分が進むということになれば、それは長い目で見て住宅なり土地なりの供給増加につながるわけでございますし、また、土地だけの値段が顕在化しないという手法でもございますので、地価対策上はむしろプラスの面があってもマイナスの面はそう御心配に当たるようなことはないと確信しております。
○青木茂君 それはそうでしょうけれども、土地の供給が多くなるということはあるんですけれども、逆に入札競争が活発になって需要のデモンストレーション効果が出てこないだろうかということと、例えば受託者が事業をやりますね、それを活発にやればやるほどムードが高まって、いわゆるインフレムードというのか、そういうものが高まって地価にはね返らないかという心配があります。あるいはムード的に言えば、国の土地を借りるのは何とかうるさいことを言われるだろう、そしたらもう民間の方に回っちまえという変なクラウディングが出るかもしれないというようなことは御心配なさったことはございませんか。
○政府委員(中田一男君) むしろ国有の土地がもっとたくさんあればもっともっと供給をふやして、現在の地価の需給を緩和するという方向で地価対策に役に立ちたいなという気持ちを持っておりますが、あいにく青木委員が御心配になるほど我々が活発に仕事ができるかどうか、むしろ手持ちの国有地というのは限られておるように思います。しかし、私どもその限られた国有地をできるだけ有効活用して、そして私どもで使わないところは民間に使っていただいて供給をふやすという形で、地道な地価対策への貢献を心がけていきたいと考えております。
○青木茂君 限られているからこそ僕は民間の土地需要を刺激するんじゃないかと思うんですけれども、これはこれで結構です。 それからもう一つ、受託者が事業を行う場合、これははだから見ますとやはり国の事業のように見えちゃうんですよ。そうすると、どっかで規制をしなきゃいけないんだけれども、その規制の話はさっきから出たけれども、何か抽象規制であって、もうちょっと具体的な規制の線引きというのかな、そういうものがあってもいいんじゃないか。 私、かつて環境衛生金融公庫に関する質問のときに、こういう業種には貸すのか、こういう業種には貸すのかと一々例を挙げて聞いた記憶があるんですけれども、それと同じように、規制の具体化ですね、具体化ということは法律外でお考えだろうと思うけれども、それは進んでおりますか。
○政府委員(中田一男君) 土地そのものが恐らく非常に個性的なものだと思います。したがって、どういう場所に所在するかによってその土地の有効活用なり利用の目的なりが変わっていくという性格もございますので、一番期待しておりますのは、信託に出す場合は、大きいもの小さいものを問わずすべて国有財産審議会にかけまして、そこで事業の目的、内容等を詳しく御説明をしてチェックしていただく。したがって、非常に個別性の強いもののチェックとしては、そういうケース・バイ・ケースのチェックというのが一番有効ではないか、かように考えております。
○青木茂君 外国企業の参入について非常に慎重だというお話ございましたけれども、慎重であればあるほど、またアンフェアであるとか何かという外国からの疑問を一つつけ加えることになって、日本の国際関係に悪影響を及ぼすようなことがないかどうかということをほんのちょっぴりは心配しているんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 信託問題は、そもそも他の国は銀行と言えば信託ができる。我が国はもうちゃんと区分してある。その実情を話して、それは大体理解に達しました。 したがって、七行が専業で、大和銀行一つが兼業で、八つでございますが、九つ、いわば国内より一つ余計認可しようというところで、また希望がちょうど九つございまして、それでいわゆる国際化の中の一歩前進の中へ完全に位置づけされておりますので、世界共通の銀行法にしようという話が出れば別でございますけれども、その議論もそれはプロの間ではございますけれども、私はこれがアンフェアを増幅するという措置には少なくとも現段階ならぬだろう。大体喜んで――喜んでもらっているという表現は適切かどうかは別としまして、これは銀行局長随分苦労したところでございますが、今のところ大変に落ちついておる、こういうことではないかと思います。
○青木茂君 大蔵大臣のあれなんですけれども、これが本国会における大蔵委員会の最後の質問、大蔵大臣の最後のお答えになると思いますね。というより、非常に竹下さん長いこと大蔵大臣おやりになっていただいて、事によったら大蔵大臣竹下登先生の最後のお答えになるのではないかという予測ができないでもない。 いろいろ困難な財政事情の中で大臣をやっていただいて、いろいろ感慨もおありになるだろうと思うし、そのいろいろな御感慨を受けてこれからどうするんだという御抱負もあるのではないかと私なりに考えております。ひとつ速記録に載って構わない程度で結構でございますから、大蔵大臣として最後の御見識をお示しいただければ大変ありがたいと思うわけでございます。
○国務大臣(竹下登君) 長いことお世話になっておりますが、確かに予算編成は五回やらせていただきました。しかし、五回やった大蔵大臣は私だけじゃございません。昔の高橋是清さんは別といたしまして、戦後も池田勇人先生と福田赳夫先生と水田三喜男先生と私と四人でございます。考えようによれば、四人で戦後の半分の予算編成をした。よく金丸幹事長が申しますが、前者の三人はそのときかけがえのない人だったからそういうことになった。君の場合は目下希望者がないからやむを得ずという指摘をこれはよくされております。私もそんな感じがしないでもございません。 ただ、最初は五十四年から五十五年でございますから、いわば公債依存度が三九%というようなことが予測されておりまして、財政再建という道に入りましたが、ちょうど私が休んでおります五十六年、五十七年、世界同時不況で、合わせて九兆円ぐらいの歳入欠陥が出た。それからまた五十八年度予算から私が担当したわけでございますけれども、結局、国会の議論、大変私なりにも反省してみて、この間、これは失礼な言い方かもしれませんが、参議院の安全保障の調査特別委員会でいわばフリートーキングのような報告書が出ておりました。本当はそういう場所があったらいいなと。恐らく青木さんも、すぐおまえは、目下税制調査会におきましてと、それでなく、自分の意見でなくても、例えばこのような意見もあるではないかというような、参議院のあの考え方を見せていただきまして、そんなことがあってほしいものだなという、これは審議の過程においてそんな感じを持っております。 それから、私の仕事そのものというのは、結局負担するのも国民、受益者も国民、天から金が降ってくるものじゃないというある種の意識転換みたいなのを国民の皆さん方に長い時間かけてでもやっていかなきゃいかぬ。 以上、偽らざる心境を申し述べて、最後になるでございましょうお答えとさせていただきます。
○青木茂君 未来がなかったんですけれども、まあ最後になるでございましょうと。ありがとうございました。 終わります。
○委員長(山本富雄君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかしてお述べ願います。
○近藤忠孝君 私は、日本共産党を代表して、国有財産法の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、国有地に信託制度を導入し、信託配当を得ることによって財政収入の確保を図るやり方は、民間大企業への国有地売却処分と並んで、財政事情の悪化を口実に国有地を極力財政収入確保の手段にすることであり、公用、公共用の用途優先の原則を崩すものだからであります。 今日の財政危機の根本原因を何ら改めることなく、国有地の売却あるいは土地信託を財政収入の手段とすることは、赤字公債の大量発行同様、極めて安易な財源確保策で、容認できるものでありません。 第二に、信託制度の導入が、国有地の管理、処分を民間の信託会社などにゆだねるものであり、その限りで行政責任の放棄を意味し、国有地の管理、処分の民営化に道を開くことであります。また、国が信託利益の交付を受ける形で事業収益を得ることや、信託契約終了後はその事業を引き継ぐことなどから、国が直接、間接に営利を目的とした不動産業にかかわることになり、国有財産行政を変質させることになりかねません。 第三に、国有地の売却処分と並んで、新たな処分方式として国有地を大企業主導の宅地開発や都市再開発に提供し、新たな利潤拡大の機会を与えようとする点であります。国有地信託によって、膨大な土地の代価を負担することなく、受託会社や関連企業の事業活動が可能になることや、信託契約終了後万が一員債が残っていても委託者たる国が負担するため、受託者たる信託銀行にとって極めてリスクの小さい有利な事業となることは疑いありません。 第四に、財務局労働者の労働条件への影響が危惧される点であります。 本法案は、不良信託事業を防止するため、事前に信託の内容について国有財産審議会の議を経なければならないものとし、また信託途中でも資料や報告の提出を求め、あるいは職員の実地監査の規定を置いているので、当然それに伴う事務量の増加が問題となります。現在、財務局の職場では人員削減などで人手不足が深刻で、労働強化の状態にあると言われ、今回の改正に伴う事務量の増加によって一層の労働強化を強いられる可能性があります。 また、将来、信託業務が拡大した場合には、今度は国有財産の管理、処分業務の民営化による機構縮小、定員削減の口実にされるおそれも出てくる可能性があります。 以上の理由により本法律案に反対の態度を表明し、私の討論を終わります。
○委員長(山本富雄君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 国有財産法の一部を改正する法律案を問題に供します。 本案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本富雄君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(山本富雄君) 次に、請願の審査を行います。 第三号北陸財務局の存続に関する請願外三百五十五件を議題といたします。 本委員会に付託されております請願は、お手元に配付の付託請願一覧表のとおりでございます。 これらの請願につきまして理事会で協議いたしました結果を御報告いたします。 第三号北陸財務局の存続に関する請願外三百五十五件は、いずれも保留とすることに意見が一致いたしました。 以上御報告したとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、三百五十六件の請願中、第二〇七七号所得税の減税実施に関する請願及び第二九三七号減税断行・不公平税制の是正に関する請願の願意は、理解できるという多数意見でありましたが、表現上若干の疑義があり、保留といたすことになりましたので、政府において十分検討するよう希望することを申し添えます。 ―――――――――――――
○委員長(山本富雄君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 租税及び金融等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後四時五十一分散会 ―――――・―――――