大蔵委員会 第7号
- 発言数
- 327 件
- 登壇者
- 37 名
- 会派数
- 8
- 開催日
- 1986/04/02
会議録
○委員長(山本富雄君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨一日、赤桐操君及び村沢牧君が委員を辞任され、その補欠として大木正吾君及び久保亘君が選任されました。 —————————————
○委員長(山本富雄君) 去る三月二十八日、予算委員会から、本日一日間、昭和六十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行予算について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 まず、大蔵大臣から説明を聴取いたします。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) 昭和六十一年度一般会計歳入予算並びに大蔵省所管の一般会計歳出予算、各特別会計歳入歳出予算及び各政府関係機関収入支出予算につきまして御説明申し上げます。 まず、一般会計歳入予算額は、五十四兆八百八十六億四千三百万円となっております。 このうち主な事項につきまして申し上げますと、租税及び印紙収入は、四十兆五千六百億円、雑収入は、二兆四千二百四十四億八千七百万円、公債金は、十兆九千四百六十億円となっております。 次に、当省所管一般会計歳出予算額は、十二兆五千九百七十八億八千百万円となっております。 このうち主な事項につきまして申し上げますと、国債費は、十一兆三千百九十五億千八百万円、政府出資は、二千九十億円、予備費は、三千五百億円となっております。 次に、当省所管の各特別会計の歳入歳出予算につきまして申し上げます。 造幣局特別会計におきましては、歳入、歳出とも七千百八十億千五百万円となっております。 このほか、印刷局等の各特別会計の歳入歳出予算につきましては、予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。 最後に、当省関係の各政府関係機関の収入支出予算につきまして申し上げます。 国民金融公庫におきましては、収入四千百五十二億二千万円、支出四千二百二十七億千七百万円、差し引き七十四億九千七百万円の支出超過となっております。 このほか、日本開発銀行等の各政府関係機関の収入支出予算につきましては、予算書等によりましてごらんいただきたいと存じます。 以上、大蔵省関係の予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。 なお、時間の関係もございまして、既に配付しております印刷物をもちまして詳細な説明にかえさせていただきたいと存じますので、記録にとどめてくださるようお願いいたします。 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
○委員長(山本富雄君) 以上で説明の聴取は終わりました。 なお、ただいま大蔵大臣から要望がありましたように、別途提出されております詳細な説明書は、これを本日の会議録の末尾に掲載することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 —————————————
○委員長(山本富雄君) 次に、参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 本件審査に関し、本日参考人として、国民金融公庫総裁田中敬君、日本開発銀行総裁吉瀬維哉君、日本輸出入銀行総裁大倉真隆君、日本銀行総裁澄田智君、日本銀行理事玉置孝君及び環境衛生金融公庫理事長山下眞臣君の出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(山本富雄君) それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○久保亘君 私は、予算委員会で既に問題となっております平和相互の不良債権をめぐる問題についてお尋ねしたいと思います。 大蔵省は、平和相互の貸付債権の中身が非常に悪いということを定例検査によってもう古くから容易に知り得たはずでありますが、今回の異例の長期検査によって巨額の不良債権が突如発覚したかのように振る舞われていることは理解しがたいことであります。平和相互の巨額の粉飾を今日まで見逃してきたのはどういう理由によるものかお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) 平和相互銀行に対しましては、大体約二年ほどの間隔を置きまして検査を実施しております。その都度この検査におきましては全力を挙げて検査に努めてきたところでございます。 そもそも、検査自体は金融機関との信頼関係のもとに行われるということでございますので、それに提供される情報、資料等に基づきまして検査が行われていくというのが実態でございます。その間におきまして、私ども、検査を行うたびごとにそれぞれ是正すべきこと、与信構造、経営姿勢のあり方あるいは大口与信集中等についての是正方も適宜指導してきたところでありますけれども、平和相互銀行の方におきましての、先ほど申し上げました検査における信頼関係の対応において満たされなかった点があることは遺憾に存じておりますけれども、その都度私どもとしては全力を尽くして検査をやってきたというふうに信じておるわけでございます。
○久保亘君 既にこの問題については昭和五十五年に目黒議員も国会において質問をいたしておりますし、私も昨年の五月に大蔵省にお尋ねをしたのでございますが、その際における大蔵省の答弁というのは、今日の平和相互の経営の状況というものを既に知っておったにもかかわらず、答弁は非常にあいまいなものとなっているわけであります。 私は、今日こういう状況を招いて預金者に対する不安を引き起こしていることは、大蔵省の平和相互銀行に対する監督責任を問われても仕方のないことだと思うのでありますが、大臣いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 確かに、これはいささか私の私見もあるいは入ったお答えになるかもしれませんが、私自身も今度の問題を見まして、やっぱり銀行検査というものについてはおのずから限界があるなどいう感じをつくづくと持ちました。別に捜査令状を持っていくわけでもございませんし、したがって、お互いの信頼関係で資料提供してもらったりいろいろするわけでございますから、その辺は私もそのような印象を抱いたことは事実でございます。 したがって、今回は、これはあるいは不適当かもしれませんが、いわばそうした情報というようなものが、あるいは部内でありますか部外でありますかは別として、非常に多く入ってきたということがあるいは深い検査をする一つのやっぱりきっかけになったのかなというような印象を持っております。したがって、定期検査等で今までもそれなりに一生懸命やっておりますが、手の届かないところがあったという印象は免れないと思っております。
○久保亘君 平和相互では、大蔵省や日銀の検査、介入の中で、昨年の十二月に社長が交代をいたしております。本年の二月には、交代いたしました前社長以下四人の役員が引責辞任をしているわけでありますが、大蔵省からの天下りの会長が全くその責任を問われずに社長に就任をしたというのは、今日の平和相互の状況、四人の役員の引責辞任というものを考えました場合には、大変不可解なことなんでありますが、これはかかわられた大蔵省としてはどのように理解されておられますか。
○政府委員(吉田正輝君) 平和相互銀行の経営責任につきましては、銀行自身がまず十分に反省し自主的な判断のもとで適切な対応をとるべきものであるというふうに基本的に考えております。 これは一般論でございますが、一般論として申し上げますれば、公共的使命を有する金融機関の経営者につきましては、特に厳しい責任の自覚が求められるべきものと考えております。そういうような意味で久保先生も御質問されておられるというふうに私も考えるわけでございますけれども、平和相銀の会長である田代氏が昨年社長も兼務いたしましたのは、とりあえずこの事態収拾に当たるということで兼務をしたというふうに聞いておるところでございます。田代社長は二月十二日の支店長会議の席上、自分も深く責任を感じている、今は社長としての責務の遂行に全力を傾け、その責任を果たした暁には進退を明らかにする旨の心境を明らかにしたというふうに聞いておるわけでございます。
○久保亘君 私は、総括質疑で問題になりました、びょうぶの「時代行列」にかかわる四十億融資についても当時の田代会長も重要な役割を果たされたという話を聞くわけでありまして、これらの問題についても会長には経営上の責任がないなどということはあり得ないと思っておりますから、今の局長の御答弁のようなことで、その責任は明らかにされるものと思っておきます。 それで、大蔵省の監督責任とか現社長の経営責任がどうも不明確なままでありますから、私は、退陣をされた役員を含めて巨額の不良債権を生み出した平和相互の乱脈な融資の実態の一例についてお尋ねをしたいと思うんです。 お手元に資料をお配りいたしております。その内容についてお尋ねいたします前に、相互銀行法第十条に定める貸し付けの限度額の基準となる平和相互の自己資本は大蔵省は幾らと見ておられるのか、金額を示してください。
○政府委員(吉田正輝君) 相互銀行法でございますけれども、同一人に対する信用供与は、銀行法第十三条におきまして、まず同一人に対する信用の供与の限度を定めることとしておるわけでございます。そこで、それによりますると、それはさらにこれを相銀法が準用しておるわけでございますけれども、各信用先ごとに自己資本の二〇%以内ということになっております。その二〇%以内は大体八十二億円程度でございます。——私今自己資本というふうに申し上げたかもしれませんが、その同一人に対する信用供与限度は約八十二億円程度でございます。
○久保亘君 この平和相互の払込資本金は三十一億八千万ですね。三十一億八千万で、その他自己資本に加算できるものを加えても八十二億という額はいかにも大き過ぎるという感じがするのでありますが、それは一応あなたのお答えとして聞いておきましょう。 それから今度は、相銀法十条に定める限度額に基づいて、相互銀行の貸付限度額を平等に均てんをさせるという意味も含めて、大蔵省は通達で限度額を示しておりませんか。
○政府委員(吉田正輝君) 御指摘のとおり、同一人に対する信用供与につきましては、法に定めます「最高限度(自己資本の百分の二十)と十五億円のいずれか低い額とする。」ということで、いずれか低い額にするというふうな基本通達が出ておりますけれども、ただし、ただいま申し上げました、十五億円が融資の最高限度となる相互銀行、これは大きな相互銀行が大体そういうことになってくると思います。自己資本が大きければ大きいほどそういうことになると思いますが、そういう相互銀行については、「十五億円を超過する融資の合計額が総融資額の百分の二十に相当する金額の範囲内において、」「融資の最高限度以内の融資を行って差し支えないものとする。」ということで基本通達が出ているところでございます。
○久保亘君 そういたしますと、大体その目安を十五億を限度にしながら百分の二十まで認める、こういうことになっているといたしましても、コンサルティング・フォーラム社に対して正確には四十一億融資されたと聞いておりますが、これは明らかに不当な貸し付けになってくると思います。 それから、私がこれからお尋ねいたします富士ビル開発に対しては実に数百億の貸し付けを行っているわけでありまして、そのほか平和相互の関連企業に対する融資額というのは、八十二億などというのはもう極めて低い方でありまして、いずれも百数十億、数百億という貸し出しが行われているのであります。これは不当貸し付け、つまり大蔵省の指導、相互銀行法の定めるところに反する貸し付けとなっているということは局長お認めになりますか。
○政府委員(吉田正輝君) 先ほど御説明申し上げましたように、自己資本の百分の二十と十五億円のいずれか低い方ということでございますけれども、この場合、したがいまして、平和相互につきますと、八十二億円と十五億円のいずれか低い方をとるということになりますと十五億円になるわけでございますけれども、十五億円を超える場合につきましては、総融資額の百分の二十までは結構だということになりまするので、形式的に申し上げますると、法の限度はこれは犯すわけにはまいりませんから、八十二億円までを限度といたしまして総融資量の百分の二十まではやむを得ないということになっておるわけでございます。 そういう意味で、形式的に申しますと、今のフォーラムにつきまして、これは具体的なケースでございますから、その額がどうであるかということは別といたしまして、仮に御指摘のような数字であっても、それは法律的に、その是非は別といたしまして、今の大口融資基準からいうと必ずしも当たっていないというふうに言えるかと存じます。 それから、もう一つおっしゃっておられますのは、全体として平和相銀には大きな融資が多いんじゃないか、大口融資が多いんじゃないか、こういうことでございます。事実大口融資が多いこともございまして、私どもも毎回検査ごとにそれを指摘し、是正方を指導しておりますけれども、もう一つの事情といたしましては、大口融資というものは同一人に対する信用供与でございます。したがいまして、グループとみなされるものについて、あるいはグループらしきもの、そういうものに貸す場合には、これは同一人には形式的にはなっておりませんために、グループとしては額を超える場合があるということが言えると思います。
○久保亘君 それで私がこれから尋ねたいんです。 あなたが今言われたように、グループでやるといい、みんなで渡れば怖くないというやり方。 それで富士ビル開発というのが、今お手元に差し上げました資料のように、むちゃくちゃにペーパーカンパニーと思われるダミーをつくって、そしてそこへ十億も二十億もどんどん融資をさせて、実際は元締めの富士ビル開発というのがそれを全部受け取った形跡が濃いわけです。それで富士ビル開発のグループは、この富士ビル開発という会社は資本金二億の会社であります。そしてこの富士ビル開発の中に一番多いところで資本金一千万、少ないところでは百万のダミーの会社がこの会社の中に八つもあるんです。そしてその一つずつに平和相互が二十億も三十億も金を融資しているわけです。また、ダミーの一つは現在の富士ビル開発の坂梨社長の自宅の住所にこの会社は登記されております。その会社に対してもかなり巨額の融資が行われております。しかも富士ビル開発グループの本社を含めて十一の会社の役員というのは、一番多い人では六社の役員を兼ねております。そこに一覧表上げておりますが、役員は全部兼務です。そして会社も同じところにあるんです。富士ビル開発にない会社は社長の家にあるんです。 そういう会社に対してそれじゃどういう貸し方をしているかといいますと、富士ビル開発が所有いたしております武蔵野市の吉祥寺にあるエコービルと呼ばれている八階建てのビルを共同担保にして、この十社はこれを共同担保にして次々に融資を受けているわけであります。ほかに担保は私が知る限りではありません。一番小さな会社で十九億一千万、本体になります富士ビル開発はこの共同担保を抵当にして八十五億、全部でこのグループが三百四十五億二千万の極度額による融資を受けていると思われるのでありますが、大蔵省は検査でその事実を確認されておりますか。
○政府委員(吉田正輝君) 個別の融資、特定の金融機関と特定の企業との具体的な取引にかかわる事柄でございますので、本件につきましては承知していない部分もあり承知している部分もあるかもしれませんけれども、いずれにしても答弁を差し控えさせていただきたいと思います。 ただ、一般的に申し上げますれば、平和相互銀行に対しましては、従来から資産の健全性の確保につき必要に応じて指導を行っているということでございます。
○久保亘君 どうせそういうことだろうと思って、ここに登記を取ってありますが、これを見ますと、今私が申し上げましたこと、それから、詳細はお配りいたしました資料のとおりに極度額を決めて抵当権設定が行われております。これは本年の二月二十日に東京法務局武蔵野出張所で取ったものであります。だから、ここに出てまいりますこの一覧表にある極度額について否定されますか。
○政府委員(吉田正輝君) 極度額についてお調べであるということで、登記所で出ている数字でございます。でございますから言及さしていただくわけでございますけれども、この場合に、この極度額が融資額そのものに相当するかどうかについての問題点はあろうかというふうに存じております。
○久保亘君 そういう答えになるだろうと思いましたので、私、別に資料を提供してもらいまして、富士ビル開発は六十年の二月で平和相互に対する貸付残額が、グループじゃありませんよ、富士ビル開発の貸付残が百十七億八千万ある。ということは、この共同担保で富士ビル開発が極度額を設定いたしました八十五億よりもはるかに多い貸付残が残っているということであります。ということは、この登記にあります極度額いっぱいの融資は当然に行われているものと私は考えているのであります。 局長の方は守秘義務を盾にとってこれを明らかにされようとしませんので、私はその事実を申し上げておきますが、富士ビル開発グループによる融資の仕方、金額はあなた言わないと言われるならば、ここで押し問答したら時間がありませんから、こういう融資の仕方ということには問題はないのか。こういうやり方というのは不当貸し付けではないのか。もう一つは、富士ビル開発グループに融資された巨額の貸付額は不良債権となっているのかどうか。この点について明確に答えてください。
○政府委員(吉田正輝君) 一般論として答えさせていただくことは可能かと存ずるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、同一人に対する信用供与ということになっておりまするので、それの親密関係、あるいはそのグループに貸す場合に、それが脱法的なものになるかどうかということが行政指導としては問題になろうかと存じますけれども、全体として巨額になっているグループ貸し付けにつきましては、その実態によるものであろうかと思っております。 同一人に対する信用供与につきましては、先ほど申し上げました基本通達におきまして、「融資の名義が異なっていても、故意に名義を分割する等資金使途等からみて実質的に同一人に対する融資と認められるものについては、これを合算して取り扱うもの」としておりますので、故意の名義分割等の場合以外は同一人として取り扱うことにしていない。しかし、故意の名義分割等の場合には、これに該当するというケースであろうかということで、一般論としてお答え申し上げることができると思います。 全体といたしまして、一般論として申し上げれば、平和相互におきまして全体として融資内容に健全性を欠くうらみがあったことは事実でございますので、例えばペーパーカンパニー的なもので実際には本体に対する融資を行っていたような事例はございますけれども、このケースであるかどうかということにつきましては、個別ケースになりますので、一般論で答えさせていただいた次第でございます。
○久保亘君 大変窮屈な答弁なんですが、結局一般論で答えられるということは、一般論で答えるからそれで理解してくれということですか。これを否定することですか。どっちですか。
○政府委員(吉田正輝君) 御答弁申し上げたとおりでございまして、公開の国会の御答弁として、個別のこととして、それにつきましての一般論に限らせて申し上げさせていただいたわけでございます。
○久保亘君 現在多額の貸付残が残っている、これが不良債権の中に入っているのかどうかということも、この種のものについてそういうものがあるという一般論でひとつ答えてください。
○政府委員(吉田正輝君) 本件につきまして、それがどのようなものに該当するかどうかにつきましては答弁を差し控えさせていただいて、一般論で御理解いただきたいと思っております。
○久保亘君 それでは、一般論にこれが該当するんだということで理解をいたしておきます。 こういうふうに次々に十数億ずっと並んで融資を受けていくわけですが、こういうペーパーカンパニーをつくってやっていくやり方というのは、私はこれは法的にも問題があると思うんです。こういうようなダミーの会社というのが何をする会社かというのを、これも全部会社の登記を出してもらいまして調べさせていただきましたが、それぞれ表現は違いますが、みんな同じようなことをやっているんです。食料品の販売とか旅行社とか保険の代理店とか、みんな同じことを書いている。そしてそれが役員もみんな重なっておって、そして同じところにあるんです。こんなものが一般論で片づけられる問題じゃないと思うんですよ。 この使われている資金というのは、それこそ一般の預金者が預けたお金でしょう。そのお金がこういうようなやり方で不当に貸し付けられて、それが不良債権になって預金者に迷惑をかけるということになれば、これは監督官庁の大蔵省としては私は責任が重いと思う。だから、そういうことについては余り逃げ回らずにはっきりすべき問題ではないかと思うんですが、もう一遍答えてください。
○政府委員(吉田正輝君) 先ほどから申し上げておるところでございますけれども、大口融資につきましても平和相互は従来からの検査におきましても指摘してきたところでございます。それから、検査につきましてはその都度厳正に対応してまいりまして、今回も調べるべきは調べるということで深度のある検査を行ったところでございます。そして、それによりましてさらにまたその融資内容の健全性を欠くものを多く発見したということは事実でございます。 それで、大口融資について申し上げるならば、先ほど先生が御指摘になりましたように、実際に経営を行わず、融資の対象となる事業もなく、経営者も重複しており、それが実際には結局、その貸し出した企業に融資されるのではなくて、ある一定の一つの企業に対していわば迂回的な融資というような形で集中され、それが同一人に対する信用供与をオーバーし、かつそれが担保保全が不十分であるというようなことであれば、私どもとしては、問題となる融資として是正をし、あるいはそこについて責任の所在を明らかにしてもらうということが適正であるというふうに信じております。私の答弁の限度としてはそういうことでございます。
○久保亘君 局長がお答えになる意味はよくわかりました。 今まで検査を通じて適正に指導をし是正を求めてきたと言われるんですが、ところがこの表をごらんになればわかりますように、この融資が、例えば上から三番目の富士ビル開発に対する六十二億一千万の極度額の設定が行われたのは五十五年八月十五日です。ところがそれが登記されるのは六十年になってからです。その後もずっと五十七年から六十年まで続いたこのダミーの会社に対する融資が登記もされないまま放置されておりまして、六十年の二月になってまとめて一括登記されております。そして、この登記が終わるとすぐ四月三十日には今度はさらに極度額の上乗せが行われておるのでありまして、この上乗せされた分については、大蔵省の長期検査が大詰めになってまいりました去年の十二月二十一日になって初めてこれが登記される、こういうことなんです。大蔵省は適正な指導をされてないじゃないですか。五年間も六十二億という多額の融資に対する抵当権設定の登記もしないまま放置されているというのは、これは大蔵省の検査は一体どこを検査したのか。 それから、既に大蔵省が、言ってみれば直接指導監督に入って長期検査をやっている十二月になってこういう措置をとらせたのはどういう理由によるものであるか。 それから、この表を私は後で詳細に調べましたら、一番下の東亜物流というのは、十九億一千万を四月三十日にやったんでなくて、この会社だけは十二月二十一日に抵当権の設定をやり、同日付で登記をしているのであります。 だから、こういうものを大蔵省が検査をしている中でやっておるわけですが、そういうことについて大蔵省は一体どういう指導をなさってきたんですか。
○政府委員(吉田正輝君) 一般的に銀行が資産の健全性の確保につき意を用い、私どもがそれをまた指導するというのが当然のことでございます。 従来より、平和相互銀行に対しましては資産の健全性の確保につき指導を行ってきているということは何度か申し上げたところでございますが、個別の取引先との対応につきましては、銀行自身において自主的に対応すべきものというふうに考えているわけでございます。 その抵当権の設定ということにつきまして、一般論でお答えさせていただくならば、長期の融資の場合に、なるべく資産の健全性の確保から抵当権の設定が行われることは望ましいということは事実でございます。したがいまして、検査中にそういうことが行われたとすれば、それはあるいは資産の健全性の確保について配慮が図られたのかもしれませんけれども、いずれにいたしましても、先ほど申しましたように、具体的な取引に関する事柄でありますので、立ち入っての答弁は差し控えさせていただきたいと存じます。
○久保亘君 こういう登記が放置されたまま、それが大蔵省の検査もそのままパスして、そしていよいよ平和相互に問題が起きて騒がしくなってから登記がえが行われて、今度は大蔵省の指導下に上乗せの登記が行われる、こういうことは大変不可解なことだと私は思うのであります。 それから、ここにあります極度額の設定をいたしました担保物件というのは一つしかないんです。吉祥寺のエコービル一つしかない。どの会社も全部それを使っておるわけです。すべての会社がこれ一つを共同担保にして、それで共同担保で登記も行っておる。そういうようなことでありますから、一体ここの共同担保というのはどれぐらいの評価があるのかといいましたら、最初に始まりました四十六年とか五十五年とかいう時代の地価といたしましては今は相当上がっておるのでありますが、そういう上がっておる中で、地元業者に評価をさせますと、大体この評価額は百四十億というんです、土地を含めて。百四十億というところに三百四十五億二千万の極度額が設定されているということについて、大蔵省は検査をされてどのように見ておられますか。
○政府委員(吉田正輝君) 共同担保ということとか、あるいはいろいろと詳細にわたりましての御質問でございますけれども、要は、融資が行われた場合に対してその融資が健全であるかどうか、それから担保が供された場合にその資産が十分融資に見合う担保価値を持っているかどうかということが必要であろうということでございます。でございますから、個々の数字につきましてその内容については私答弁を差し控えさせていただきますが、そういう問題であるというふうに考えております。 それから、ちょっと申しおくれましたけれども、先ほど登記のことについても申し上げましたけれども、これも今申し上げたようなことでございまして、債権者と債務者の間に真に問題がない場合は、金融取引上登記手数料の節約のためにそういう登記は行わないという場合もあり得るわけでございます。いろいろのケースがございますけれども、要は融資の健全性の確保につきまして、金融機関が自主的な努力を払うということについて私どもは指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○久保亘君 私はいずれにせよ、こういう融資の仕方というのが、これを認めて、大蔵省も検査でこれを的確に指摘、是正していないために長期にわたってこういうものが行われてきた。それが不良債権の原因となっている。この背景になっているのは何だろうか。これは平和相互銀行が持っている特殊な政治的な性格とか要因があったのではないかという意見すらあるのでありまして、私はこのようなダミーを使っての巨額の貸し付けがチェックできなかった原因というのは、やっぱり大蔵省の検査のやり方にあるのではないかと思うんですが、そうは思われませんか。
○政府委員(吉田正輝君) 先ほど申し上げましたように、検査につきましては二年ごとに厳正な態度で臨んでおるわけでございます。しかしながら、金融検査は基本的には、先ほど申し上げましたように、金融機関との間の信頼関係に基づきましてその得られたる情報によりまして、あるいは提供された情報によりまして行っていくという関係にあるわけでございます。 したがいまして、それについてある程度の限度もあろうかというふうに存ずるわけでございますけれども、金融機関の貸し出した相手先までそれが本当かどうかというようなことで検査官が回るようなことになりますると、円滑な金融取引に支障を生ずることになってくるという取引の安定性を害する問題が存在するということがございますので、そのような検査は私どもとしてはやれないし、やってはならぬというふうに存じておるわけでございます。
○久保亘君 局長はそういうこと言われますけれども、あなた方のこういう問題に対する指摘を受けたのは何もきのうやきょうの問題じゃない。平和相互の不良債権についてはもう数年前から指摘があるんです。それに適切にこたえていない。しかも、今度長期検査に入ってからは、年末の最も重要な時期に、平和相互と取引のある中小企業者は、大蔵省の検査を受けているという理由でもって取引になかなか応じてもらえなくて困った企業があると私は聞いておるんです。そういう中で、お客さんの方はそういうことにしておいて、そして、これらのダミーに対する極度額の上乗せ措置や融資については大蔵省も一緒になって年末の忙しいときにおやりになったということになれば、これは銀行の本来の任務を私は忘却したことになるだろう、こう思うんです。 なお、この平和相互と富士ビル開発との関係ということも初めからわかっているわけでしょう。富士ビル開発の初代の社長の浅井忠良さんは総武都市開発系の方だそうでありますが、この方が、五十年に創立者の小宮山英蔵さんが亡くなられたときにしのぶ会で法要を営まれたその法要の実行委員会の筆頭に名前を連ねておられる方でありますから、この方は、富士ビル開発の初代の社長は平和相互とはかなり深い関係の方だ。言ってみれば、富士ビル開発は今度は平和相互のダミーの性格を持っていたんじゃないか、こういうことさえも疑いたくなるのでありまして、私はこの全体の融資の仕方というものは、これは大蔵省が一般論で目をつむったり、あるいは適当に登記を後でやらして上乗せさせて、そして何とかその場をしのいでおけば済むという問題ではなかろうと思うのであります。 一番最初に申し上げましたように、このような乱脈とも言えるような経営指導を行ってきたその時代の経営者というのは、天下りの役員であろうと何であろうと責任は重大に受けとめなければならぬ問題だと思っております。 私どもがいろいろ聞きますところでは、平和相互の場合にこのような異常な貸し付けが行われているのは、単に富士ビル開発が希有の例ではないのでありまして、これまで、言葉は少し過ぎるかもしれませんが、いいかげんな監督をしてOBの天下り先に利用してきたと思われても仕方がない。そういう言われ方をするほど、大蔵省としても平和相互のこの種の不良債権については責任を負うべきものだと私は思っております。 そして、今までは見逃しておいて、今回は一気に、強制的とも言える検査で責任を追及して、有無を言わさず住友銀行の吸収合併に向かわせるという大蔵省の銀行再編作戦として今度の平和相互の長期検査がやられたんじゃないかという意見もありますが、この点について、もし大臣の御意見があったら聞かしてください。
○国務大臣(竹下登君) 私も今回の問題で、最初申し上げましたように、まさに銀行検査というのにはおのずから限界があるな、こういうことを自分でもつくづくと感じました。 それで、いわゆる久保さんに提供された情報とでも申しましょうか、こういう感じのものが本当に今度ぐらい、私どももわからぬぐらいいっぱい情報の提供がありました。それで自分なりに頭の中で構築してみて、一体、何と言いましょうか、内紛と申しましょうか、考えようによればそれは情報の提供が大きな資料になって検査が行き届いた、結果として、そういうことは言えると思いますけれども、やっぱりこういうことは、とにかく大蔵省としては金融機関の健全性確保のための努めるための限られた人数、予算で検査をしていかなきゃならぬ。それは私は着実にやっておった。しかしそこにおのずからの限界があるということをつくづくと感じました。 それから、いわゆる金融再編成の問題でございますが、これは全く意図的なものではなく、あくまでも再建計画を策定される過程の中で、いろんな事情を勘案して自主的に決められたことだというふうに私は位置づけをいたしております。
○久保亘君 時間が来ましたのでこれで終わりますが、最後に、法務省に来ていただいておりますので、この種の問題についての法的措置の必要はないのかということが一つ。 それから自治省に、昨年この平和相互の関連企業からの山王経済研究会に対する献金について私指摘をしたことがございますが、この会社の献金は消えておりますが、かわって、赤字会社である武蔵野開発、今ここに出ております武蔵野開発、それから大洋、それから平和相互銀行自身が山王経済研究会に対してそれぞれ百二十万の献金を行ったという報告がございますが、赤字会社の献金について指摘したにもかかわらず引き続き行われていることについて、自治省の見解を求めておきたいと思います。
○説明員(原田明夫君) 法務省として法的措置を考えるべきでないかというお尋ねでございますが、これは捜査とかそちらの方面の問題というふうに受けとめてお答え申し上げます。 いずれにいたしましても、かなり長期間にわたって国会の御論議、また各種報道機関におきまして平和相互銀行に関する問題が議論され、あるいは報道されているということにつきましては、法務あるいは検察当局としても承知しておるところでございまして、ただ事実関係についてまだ明らかでない段階でございますので、これに対して検察当局におきまして、何らかの措置をとるとかというような問題について具体的にお答え申し上げるのは適当でないと考えますので、御了承いただきたいと思います。
○説明員(中地洌君) 山王経済研究会から自治大臣に提出されました収支報告書、五十九年分によりますと、御指摘のように、平和相銀から百二十万円、大洋から百二十万円、武蔵野開発から百二十万円の寄附があったという記載がございます。 赤字会社の問題でございますが、当該会社が三事業年度継続して赤字が生じているかどうかということについての確認は私たちする立場にないわけでございますが、一般的に、政治資金規正法第二十二条の四によりますと、三事業年度以上にわたり継続して欠損を生じている会社は、いわゆる赤字会社として政治活動に関する寄附が禁止されてございます。
○吉川博君 金融自由化をめぐる諸問題についてお尋ねをいたしたいと存じます。 昨年の金融自由化は人々の予想を上回るテンポで進展し、今後においてもとめることのできない自然の流れという認識が広まっておるのでございます。金融の自由化自体は、金融を取り巻く経済環境に対応して、これまで金利や業務の範囲について厳しく規制されておる状態から開放され、経済活動が円滑化するための金融革新の進展であると考えます。つまり金融自由化の背景には、石油ショックを契機として我が国経済が低成長経済へ移行したこと、五十年代に入ってからの国債の大量発行あるいは経済の国際化の進展、そしてまた金融の情報化等々が着々と進行しておるという状況が挙げられますが、また一方、金融自由化の進展のテンポは政策的に調整し得る余地も十分にあるわけであります。 そこでお伺いいたしますが、金利自由化の現状として、金融資産の何割が自由化されておるのか、またその種別とあわせて預金金利自由化のスケジュールについて明らかにしていただきたいと存じます。
○政府委員(吉田正輝君) まず、金融資産の何割が自由化されているかということでございます。 そこで、今自由化されているものを考えてみますると、まず大口定期預金、それからCD、それからMMC、これは市場連動型預金でございます。それから外貨預金等々がございますけれども、私どもが調べたところによりますると、全国銀行、相互銀行及び信用金庫の預金、これには信用金庫あるいは相互銀行が行います定期積金、相互掛金を含んでおりますが、それにCDを足しました中での、今申し上げました幾つかの自由金利商品の割合をトータルで見てみますると、実数では六十年末で約一二%となっております。それを種類別に申し上げさせていただきますと、CDが約三%、MMCが二%、大口定期預金が約二%、外貨預金が約六%の構成比になっているわけでございます。 今後のスケジュールでございますけれども、金融の自由化の中で金利の自由化がやはり主体ということ、核心になるというふうに存じておりますけれども、これにつきましては、金融の自由化全体と同様、前向き、主体的に推進することにしておりますけれども、やはり信用秩序に大きな混乱をもたらさないように漸進的に進めていく必要があるということで、全体として申しますと、金融情勢を勘案しながら大口から小口へと順次段階的に推進するということでございます。 そこで、ただいま数字で申し上げましたような大口の自由化が行われてきたわけでございますけれども、大口について申し上げまするならば、六十二年春までに金利規制の緩和及び撤廃を実現するということにしております。したがってそれに基づきまして、具体的には、今般四月一日から金利が自由化された大口定期預金の預入単位を十億円以上から五億円に引き下げました。それから、MMCの預入粋を拡大するとともに、預入期間を一ないし六カ月から一ないし一年に延長をいたしました。それから、CDも同様に発行枠を拡大するとともに、発行期間をMMCとあわせまして一ないし六カ月を一カ月ないし一年に延長したわけでございます。この大口定期預金につきましては、本年秋、九月ごろにさらに預入単位を三億円まで引き下げることとしておるわけでございます。 大口に続いて小口をどうするかということでございますけれども、昨年七月のアクションプログラムにも発表いたしましたとおり、この自由化につきましては、預金者保護、郵便貯金とのトータルバランス等の環境整備を前提として具体的諸問題について早急に検討を進め、大口に引き続き自由化を推進する考えであるという基本方針が定まっております。 そこで、我々といたしましては、現在、学識経験者で構成される金融問題研究会がございますが、そこにおきまして小口預金金利自由化のスケジュールを含めまして関係省庁、民間金融機関等各方面の意見をお聞きしながら、理論的に幅広く検討を進めているところでございます。
○吉川博君 次に、金利の自由化について国民の関心が最も高い点は、今もお話がございました小口預金の金利自由化であろうと思います。大口預金については、その調達コストから見ても既にかなり有利な利子に動いておるのでありますが、小口預金は逆に極めて低い利子しか支払われないという事態が到来するのではないか心配でございます。今回の公定歩合の第二次引き下げに伴い、預金金利もほぼ一律に引き下げられたのでありますが、その結果、普通預金金利はこれまでの最低の一%を大きく下回ってついに〇・五%というコンマ以下の金利となっております。 金利自由化の先進国であるアメリカでは、少額預金は利息がつかないのみか、口座手数料を逆に取られるとのことでありますが、これもコスト重視の考え方によるものであると存じます。将来小口預金が自由化された場合、かなり低い金利しかつかないのではないかと大変危惧するものでございます。貧乏人は損をしても仕方がないでは済ますことのできない重要な問題であろうと思います。 この点大蔵大臣はどのような配慮をお考えになっているか、御所見を承っておきたいと存じます。
○国務大臣(竹下登君) 確かに金融の国際化、自由化の中での一番の問題点であります。 小口預金金利の自由化につきましては、預金者保護、それから郵便貯金とのトータルバランス等の環境整備を前提として具体的な諸問題について早急に検討を進めて、大口に続き順次自由化を推進するという基本的な考え方は持っております。このためには、学識経験者で構成されました金融問題研究会におきまして、小口預金金利自由化の具体的方法、それから自由化された場合の金利水準がどうなるか、こういう点も含めまして関係省庁、すなわちこれは郵政省も一緒に勉強すべき課題でございますので、それから民間金融機関等各方面の意見をお聞きした上で、理論的に幅広い検討を進めておるというのが今日の段階でございます。 それで、検討の進みぐあいにもよりますけれども、できることならば夏ごろまでに何らかの中間的取りまとめを行ってみたいということでこれには対応をしよう。確かに、おっしゃいますように手数料、ある人はこれから預け賃を出さなきゃいけませんかと、こう言っておりましたが、そうした素朴な、預け賃なんというのは極めて素朴な表現だと思いましたが、それらのことも含めて、今後の金利が理論的に一体どうなるかというようなことで今勉強をしておるというさなかでございます。
○吉川博君 ぜひひとつ、庶民にとって重要な問題でございますので御配慮をお願い申し上げます。 次に、金融自由化の進展に伴い金融機関は厳しい競争にさらされることになります。金融界の再編成も必至であろうとの見方がなされております。五十四年の大光相互銀行と平和相互銀行の結末にも見られますように、再建と吸収合併という対照的な図式がそれをあらわしているわけでありますが、金融自由化のスケジュールいかんによっては、地域に密着して活躍している中小金融機関も再編成の波をこうむらなければならない場合もあり得るわけでございます。例えば大口預金の金利自由化のテンポについても、預け入れ単位の引き下げテンポが速過ぎるとの声もありますが、今後の対応はどのようにお考えか、お尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) 先ほど吉川先生からも御指摘等がございましたとおり、金融の自由化、金利の自由化は、やはり国民経済の効率化あるいは自由化を通じまして金融機関のサービス向上が行われ、それが利用者の資金調達、運用等にも利便性が向上するというような面もあり、これは国の基本的対策として推進していかなければならない課題でございます。ございますが、これを実際の金融情勢あるいは金融機関経営に対する影響等も考慮しながら進めなければならない。それから金融の慣行、土壌もございます。そういう意味で漸進的に進めなければならないというふうに申しておりますけれども、先ほど申しましたような、国の基本課題としましては前向きに進めていかなければならないということではないかと存じます。 したがいまして、先ほど申し上げましたように、大口預金につきましても、十億円、五億円というような段階的、漸進的に、ショックを少ないようにしながら進めておるところでございまして、その点で信用秩序に混乱が生じないように考えていかなければならないということは、私どもも十分配慮していかなければならない課題かと存じておるわけでございます。しかしながら、こういう自由競争を通じまして、委員御指摘のような、やはりどうしても自由競争が強くなるわけでございますから経営格差が生じることも出てまいると存じます。金融機関は、そういう競争を通じながら経営基盤を確保し、あるいは経営体質の改善なども図っていかなければならないという意味で厳しい局面を迎えていることも事実でございます。 一方、地域中小金融機関も、これは地域に密着して中小企業にも資金を供給していくという重要な使命がございますから、先ほど申しました信用秩序に混乱が生じないようにという配慮の中で、やはり地域金融、中小企業金融、農林漁業金融も円滑にいくように配慮して進めなければいかぬというふうに考えておるわけでございます。 そういうような全体の考え方に基づきまして、私どもとしては、自由化を進める上ではやはり漸進的に進めていくわけでございますけれども、その場合に展望を示していくことが重要である。展望を示すことによりまして、どのように進んでいくかということを明らかにいたしますれば、金融機関といたしましても、その進むテンポをあらかじめ知ることができて経営戦略も立てやすいというようなことではないかということで、できるだけ現実的かつ前向きではございますけれども、展望を前広に示していくように努力していきたいというふうに考えておるわけでございます。
○吉川博君 また、中小金融機関の側からは、業務の自由化こそが必要であるとの声が高まっております。例えば信用金庫が営業地域を自己の意思によって勝手に決めることはできないわけでありますし、中小企業だけにしか融資できないものとか、さらに貸し出しに向けられる資金の大きさに限度がある等の規制は、金利自由化と符合してその規制を外し自由にしていくべきであると考えますが、大蔵大臣の御所見を承りたいと存じます。
○国務大臣(竹下登君) 信用金庫というのは、御案内のように、会員組織の地域的な金融機関でありまして、中小企業金融を専門に行います金融機関として地域、中小企業への安定的な資金供給ということにまさに重要な役割を果たしてきております。 こうした信用金庫の中小企業金融専門機関としての位置づけからしまして、地域や、それから会員となり得る中小企業者の範囲等の定めがございますが、従来から業務の実情に応じて地域や会員中小企業者の範囲の見直し、拡大等を今日も行ってきております。これから金融自由化が進む中において、信用金庫につきましても業務の自由化を図ってきておって、例えば五十七年には外為業務、それから五十八年には国債の窓販業務、それから昨年十二月にはディーリング業務が行えるように制度面の整備を行ってきました。で、信用金庫五つ、きのうからディーリングの認可もいたしました。 そういうことで着々として進めておるわけでございますが、この問題結局は、一番最初アメリカとの話のときを思い出してみますと、アメリカは一万四千五百ぐらい銀行がありまして、しょっちゅう、まあしょっちゅうと言っちゃ失礼ですが、よく倒れたりする。日本は一番健全だ。健全だから売り物がございませんから向こうが買収ができない。法律的に買収ができないと向こうは思っておったようですが、そうじゃなく、こっちが売る物がないから買収できない。向こうはしょっちゅう売り物がありますというようなことでございますけれども、いずれにせよ、こうしてだんだん国際化、自由化してまいりますと、それぞれの仕切りの垣根がだんだん共通の方へずっと移行していくという状態には私は必然的にあろうかと思います。それが外為業務やったり、窓販やったり、ディーリングやったりというようなところで、そっちへずっと、小は大へ近づいていく、そういう傾向になっていくという流れだなと。 最初おっしゃいましたように、金融改革というよりもある意味においては金融革命みたいな感じすら私は持っております。
○吉川博君 次に、行革審の特殊法人問題等小委員会がまとめた、日本開発銀行、中小企業金融公庫、商工組合中央金庫についての今後のあるべき姿の基本的な考え方によりますと、開銀については、民間金融機関の補完業務に徹し、電力やホテル業界への融資を廃止するなどの融資対象の見直しをすべきなどの意見が出ておりますが、所管官庁である大蔵省のこれに対する見解と、現在の開銀が果たしている民間金融機関の補完業務の実態を明らかにしていただきたいと存じます。 また、六十年度の開銀の当初計画と運用実績と、今後における政府金融機関としての開銀のあり方についての見解を承りたいと存じます。
○政府委員(吉田正輝君) ただいま大臣に信用金庫のことを承って、ちょっと私間違ったことを申しましたが、五金庫と全信連を審査対象とすることになっていることで、認可ではございませんので、間違って答えましたので、大臣の御答弁を五金庫と全信連をディーリングの審査対象にしたというふうに直させていただきたいと思います。大変恐縮でございます。 開銀についてでございますけれども、開銀は、資源エネルギー対策、新技術開発、都市開発などの国民経済的観点から実現、整備を必要とされているということであるにもかかわらず、民間金融のみを前提としていたのでは、採算性とかリスク等々の問題から実際には融資が困難な分野に資金を供給しておるという意味で、吉川委員御指摘のように、民間金融の補完、奨励ということでの役割を果たしておるわけでございまして、まさに行革審などもその方向に沿って、政府機関全体につきましては民間の金融の補完に徹し、民活を阻害しないようにという思想というふうに考えておるわけでございます。 したがいまして、例えば電力やホテルなどの融資はいかぬというような御指摘もございますけれども、実際には、ただいま申しました電力についていえば、資源エネルギー対策としての原子力の開発とか電源の多様化とか脱石油化とかいうような国の政策に沿ったプロジェクトに限られる。ホテルにつきましても、都市再開発や地方開発の中核的施設の整備を対象とするというような観点から行っているわけでございまして、今後とも、政策課題あるいは国の政策のニーズに対応して、経済社会の変化に沿いつつ常に融資分野を見直して適切な対応をなさなければならないのは当然でございまして、現にそういうように努力しており、その対象する分野についても、融資対象から不必要なものは、民間が十分できるようになるようなものは除外するなどの不断の見直しを行っておるところでございます。 したがいまして、委員お尋ねの、開銀が果たしている民間金融の補完業務の実態につきましても、これを具体的に申し上げさせていただきますと、実際の融資に当たりましては一定の融資比率、例えば融資対象金額の三〇ないし多くても五〇%を超えないという形での量的な節度を守っており、民間金融機関との協調にも配慮しているわけでございます。 それから、お尋ねの六十年度の事業計画でございますけれども、これは一兆一千五十億円を予定しておりまして、年度内の実績につきましては現在集計中でございますけれども、恐らく一〇〇%を消化したものというふうに考えておるわけで、十分に消化し実績を上げているところでございます。 六十一年度について申し上げさせていただきますと、先ほど申しましたように、民間の補完というようなことから、融資規模も前年並みに抑制しまして、資金の効率的配分に,配慮して、さらに、昨年改正していただきましたわけでございますけれども、民間プロジェクトへの出資の活用、それから技術振興のための長期運転資金の確保、都市開発分野への融資等の重点化にもその意を払ったところでございます。
○吉川博君 次に円高について承りたいと思います。 現在、急速なテンポで円高が進んできたことにより、我が国経済にも随所に大きな影響が出始めております。その対応策として、前回の公定歩合の引き下げからわずか四十日程度で再引き下げが行われました。円高による輸出の減速から全体として景気拡大のテンポは鈍化し、先行き収益悪化の懸念等もあって、企業マインドは製造業を中心に一段と不透明さを増してきておるのであります。再度の公定歩合引き下げの経済拡大効果と円高によるデフレ効果とは、それぞれどの程度と見込んでおられるかお伺いいたします。 円高によるメリットも多くありますが、今日の円高影響をフルに受けている陶磁産業、繊維産業あるいはナイフ、フォーク等家庭食器の輸出産業等は決定的な瀕死の打撃を受けておるのであります。 次に、先日、中部の陶磁器輸出の会社が倒産しました。この会社は昨年までは黒字で経営をしてまいりましたが、今回の円高により輸出不振になり倒産のやむなきに至ったわけでございます。そのときの話では、せめて円レートが百九十円であれば持ちこたえることができるが、百七十円台ではどうしようもないとのことでございました。今回の円高が余りにも急激であったことによるものと考えます。それも人為的になさせたわざであります。これらの事業は今後ますます増大するものと考えられます。政府は融資のみの援助であるのか、その他もっと的確な指導、援助はなされないのか、御所見を承りたいと存じます。
○政府委員(北村恭二君) 最初に、公定歩合と円高の経済に与える影響ということから御答弁させていただきますが、円高の影響ということにつきましては、先生今御指摘のとおり、輸出が影響を受けるということで輸出数量の減という現象が生じておりますし、また国産品と競合いたす物品の輸入数量が増加するといったような現象も今後考えられるわけでございますから、やはり我が国経済にデフレ的な効果を持つという面があるわけでございますけれども、ただ、円高ということをマクロ的に見て考えてみますと、やはり交易条件の改善ということがございまして、実質所得がふえるということを通じまして、経済全体には内需拡大的な効果というような面もあるわけでございます。当然のことながら、中長期的には、経常収支の黒字幅の縮小ということにもつながる面が重要な面だと思われます。 ただ、今申し上げましたのは、効果の出方というものに時間的なずれがございまして、やはり輸出依存度の高い中小企業などが成約難といったようなことで影響を受けるという面は早く出てくるわけでございます。先ほど申し上げましたような円高のメリット面というのは、やはりある程度の時間を置いて出てくるといったような問題があるかと思いますの それから公定歩合の引き下げでございますけれども、これはもう当然のことながら、金利水準の低下ということで、企業の金利負担の軽減、それら企業収益の改善ということを通じまして設備投資等に好影響を与えるということで、経済の活動の活性化ということにつながるわけでございまして、今後の景気の維持拡大に資する面が多いんではないかと思います。 ただ、振れを具体的にどの程度定量的なものとしてとらえたらいいのかというお尋ねもございましたけれども、これはやはりその他のいろいろな内外の諸情勢ということも勘案する必要がございますし、また多分に心理的な面ということも影響するわけでございますので、定量的な把握というのは極めて困難であるということを御理解いただきたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) おっしゃいますように、いわゆる円高そのものが輸出数量の減、なかんずく、今御指摘のございました陶磁産業、繊維、ナイフ、フォークあるいはおもちゃというようなところでございますが、なかんずく韓国とか台湾とか、そういう中進国とぎりぎりの競争力のあるようなところが成約難になったり、そういう影響を一番先に受けておることは事実でございます。したがって、円高のメリットといいましても、これらの産業には、それは電力料金が下がるとかあるいは原材料が下がるとかいうメリットはかなりの時間がかかる、だから当面大変だ、こういうことでございます。メリットの方で当面受けている人というのは、あれは外国旅行者だけはてきめんに受けておりますけれども、ほかのメリットはまだ実際問題ない、こういうことであります。 したがって、先般通していただきました特定中小企業者事業転換対策等臨時措置法、まずこれの施行によりまして、いわゆる政府系の中小金融三機関による金利五・五%の特別貸し付け、これらを実施しておりますほか、信用補完の特例あるいは税制上の措置等々で、二月二十五日にあの法律は公布、施行されたとこうでございます。これからの対応につきましては、さらに先般の第二次公定歩合下げからいたしまして、今通商産業省の方からも要請が来ております、金利体系にどういうふうにそれが影響を及ぼすか。私の方で見れば、いわゆる利子補給金が既に出ておるというものはいかがかとかいうような議論を今しておる最中でございます。 さてそこで、それは金融はわかった、利子補給等は財政にもつながるとしても。特別に財政的措置をしろ、こういうことになりますと、これはどういう方法があるか。すなわち、アメリカがこの間来文句言っておりますように、事業転換等ならよくわかるが、ますます競争力をつける財政的措置だったらこれは国際的におかしいじゃないかというような議論も出ておる。したがって、財政的措置というのはなかなかこれは現実問題として、今度もやってまいりました、いわゆる今度の予算にもございますところの利子補給金等の問題、あるいは信用保証協会の基金補助というような点、あるいは保険公庫の保険準備基金出資金というようなものは今度の予算で計上させていただいておりますが、その別の角度の問題というのは、雇用関係でどういうふうな対応策があるのか、これらについても今政府部内で大蔵省のみならず詰めておる最中ということでございます。
○鈴木一弘君 最初に、今吉川委員が質問されまた開銀の問題に絡む問題ですが、政府金融機関の存在意義が私は問われているような感じがしております。輸出入銀行、開発銀行、どちらを見ましても、貸付先の大部分の上場をしている企業は、資金の調達手段としては株式とか社債とかあるいは転換社債とかいろいろありますが、そういうものを発行して資産の準備が十分できる、資金の準備ができるはずです。場合によっては外国で発行してそして資金を集めるという状況になっておりますので、いわゆる民間金融機関の補完的意味というものが先ほどの御答弁にもございました。しかし、それが少なくなってきているんじゃないかというふうに考えられてしようがないんです。 そこで、方向転換をいろいろ考えていくべきだというふうに思うんですけれども、輸出入銀行と開銀はこれらのあり方についてどう考えているか、まず御答弁をいただきたいと思います。
○参考人(大倉真隆君) まず輸出入銀行についてお答え申し上げますが、私どもが現在考えております今後の業務運営につきましては、やはり現状の国際関係から見まして、日本企業が外国に生産の拠点を移すとかあるいは技術、ノーハウの移転を行うというような、いわば産業協力的な海外投資、あるいは開発途上国の経済成長を助けますための開発途上国への海外投資、そういうものにまず力点を置いてまいりたい。同時に、当面の問題としまして、やはり製品輸入につきましてなかなか民間金融だけではうまくいかないという場合に私どもが特に、低利の融資をいたしましてこれを促進いたしたいということを考えているわけでございます。 おっしゃるように、一部の大企業におきましては自己調達でやれるという企業が出てきておりますけれども、ただいま申し上げましたような投資案件、あるいは大規模な資源開発案件、あるいは大規模なプラント輸出案件につきましては、やはり安定的な固定金利制によりまして長期的にかなり巨額の資金を必要とする。どうしても民間金融だけでは賄い切れないという分野がまだまだたくさん残っているものでございますから、依然として私どもの仕事の重要性は減っておらない、そのように考えているわけでございます。
○参考人(吉瀬維哉君) 御指摘のように、民間金融が大分資金潤沢になってきておりますので、開発銀行といたしましては、政策金融機関らしく、開発銀行の融資対象を政策の濃度に応じて特化していくということを常々考えてきているわけでございます。 今開発銀行は資源エネルギー関係でほぼ四割というようなことでございますが、これは御承知のように、第一次、第二次のオイルショックの後、こういうときこそ将来に備えてのエネルギー基盤を充実すべきであるというようなことで、今やそのウエートが増してきているわけでございます。かつては開発銀行の融資の四五%が海運であったというようなことがございましたけれども、今の船腹過剰の状況から海運は今六十年度の融資の中のシェアは一〇%を切っているというような状況でございます。 資源エネルギーと同じように開発銀行が今力を入れておりますのは、何といいましても先端技術の開発でございます。技術振興と称しましてこれが一四%、資源エネルギーが四二%でございます。そのほか、やはり今後の息の長い課題といたしまして、また内需拡大の一環に資するというようなことから、都市開発関係にも一四%ほどのウエートを置いているわけでございます。 今後の六十年代の開発銀行の融資といたしましては、何と申しましても、創造的な技術開発のための施策、高度情報化の促進のための施策、それから民間活力の利用によりまず社会資本の整備のための施策、あるいは国際的視点に立ちます大きな問題でございますが、産業調整にどう対処していくべきかというようなことに力点を置いていこうか、こう思っています。これらはいずれも懐妊期間がないわけでございまして、相当の危険負担を伴うというようなことで、開発銀行といたしましては、民間金融機関と協調いたしましてそのときどきの課題をとらえてまいりたい、こう考えている次第でございます。
○鈴木一弘君 輸出入銀行にお尋ねしたいんですが、輸出入銀行の場合で見ますと、今までのいわゆる輸出促進のための貸し付けの姿勢からもうぼつぼつ輸入促進、先ほどありました輸入投資、こういった促進のための貸付融資ということに向かうべきではないかと思うんです。 いただいた資料を見ましても、輸出用の船舶とかプラントとかというものに対するいわゆる融資の実績と、それから輸入や投資に向けての実績とでは、大変輸入の方が多くない。五十七年度が四千二十三億、五十八年が三千百九十五億ですか、そして五十九年が二千二百三十二億。どうもちょっとここだけ、五十七年から先だけを見ますとその融資額は年々減ってきているわけですね。全体の融資総額も低下傾向にあるというふうに思われてならないというか、完全な横ばい状況でございますが、この輸銀の実績が低下してきた理由は一体どこにあるんでしょうか。
○参考人(大倉真隆君) 総額として確かに新規貸し出しが減少の傾向にございます。その中で一番大きいのは、やはりプラント輸出系統につきまして受け入れ相手国の資金の事情が非常に悪くなりまして、いろいろ計画しておるものを中止いたしましたりあるいは縮小いたしましたりということがかなり大きく影響をいたしております。 それから輸入投資は、まず投資案件につきましては、着実に件数がふえてきておりまして、私どもの融資もふえる傾向にございますのですが、今までのところ一件ごとがまだまだ金額的に小型でございますので、なかなか巨額なプラント輸出の場合のように金額的にまとまってこないという面はございます。 なお、資源開発輸入につきましては、御承知のように、大体一九九〇年代の前半ぐらいまでにつきましての供給手当てがほぼ済んだという感じでございまして、現在そういうプロジェクトはみんなオンゴーインクでございまして、新規に新しいものを考えるというのは、恐らく一九九〇年代の後半以降の国内の資源需要の伸びに見合って新しい安定供給先を開発するということになろうかと思います。その意味で、現在資源開発案件の私どもの融資はやや高原、足踏み状態というふうに御理解いただければよろしいかと思います。 もちろん、こういう案件は、非常に着手しましてから実際に融資承諾になり支出が行われるというまでにかなり長い時間を要しますので、私どもとしては一九九〇年代後半に向けての準備段階に入りつつある。関係企業の皆さんと一緒にいろいろ御相談しながら考えていく、そういう状態でございます。
○鈴木一弘君 開発銀行についても同じように融資の実績を見ますというと、大体五十六年あたりからずっと足踏み状況になっていますね。我が国を代表するような企業に対してのいろんな融資の実態、こういうのが足踏み状態であるということは、今後のあり方の大変難しさを示しているように思うんです。先ほど不断の努力があるという答弁があったりいたしておりますけれども、これから先どういう方向の事業分野に伸ばしていこうという考えでしょうか。
○参考人(吉瀬維哉君) 開発銀行、この数年来大体融資規模を横ばいにしております。ただ、先ほど銀行局長から御説明申し上げましたとおり、横ばいになった金額は全額消化されているというところが状況でございます。潜在的な資金需要は強うございますけれども、全般の金融情勢の緩和等等を勘案いたしまして、私どもといたしましては、開発銀行らしい政策誘導効果の高いものに持っていきたいということを考えているわけでございます。 今後は、社会開発関係あるいは技術振興関係の融資事業というのは相当高まってくるのではなかろうかと思っております。あくまでも社会、経済の必要性の強さに応じまして、金融でございますので常に変化しながら対応してまいりたいと思っております。 特に、私先ほど申し上げました産業調整の問題と申しますのはこれから大きな課題になるのではなかろうかと思います。今度は、特定産業信用基金に開銀の出資は従来八十億やっているわけでございますが、そういう基金を通じまして、例えば海運の解撤の促進とかあるいは産業基盤の調整というようなものの政策が展開していくかと思いますが、そういう面にも力を入れてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
○鈴木一弘君 資本金百億円以上の企業の場合はそれなりに民間の金融機関も応援をいたしますし、支援がある。そうなると政府系の金融機関からの融資がそう大きなウエートを占めないでもいいということになりかねないんですけれども、はっきり言って、これから先、融資の中身についてお話がありましたけれども、開銀また輸銀の融資先、これは将来というか、近々考えていただかなきゃならないかと思いますが、一億円以下の企業への融資が今までに比べますと大変少ないわけです、ウエートが。そういう点から貸付条件等制度上に問題がないかということが考えられるわけです。 例えば開銀の場合、六十年九月末で貸付件数が一億円以下の資本金のところには六百三十件、全体の九千三十九件の中の六百三十件、また輸銀の場合は、全体が三千二百八十四件のうち一億円以下には六十八件ということですので、制度上の問題があってこれ伸びてこないんじゃないかというふうに思うんですけれども、こういう点はどうでしょうか。
○参考人(吉瀬維哉君) 御指摘のように、一億円以下の企業に対する件数は全体の七%でございます。それで、鈴木委員御承知のとおり、中小企業向けの専門の政府系の金融機関といたしまして中小企業金融公庫がありまして、その方面で対応しているわけでございます。ただ、開発銀行との間で当然のことながらデマケーションがございまして、資本金が一億円以下、製造業の場合でございますが、従業員が三百人以下、これを中小公庫に担当してもらっているわけでございます。ただ、中小公庫の特性上、一社に対する融資残高がある一定の金額を超えた場合には開発銀行に来るというようなことで、そういう点で一億円以下の企業に対しても開発銀行の融資をやっているわけでございます。 なお、こういうような金額的な対応が困難なものとか、それからさらに、今回新技術の開発に対する研究開発費の融資、ソフトローンでございますが、こういう種類の融資が進みますと、その金額は一件当たり相当大きくなるというようなこともございますし、またリスキーのものであるというようなことでございますので、開銀といたしましては、今の御指摘の趣旨を踏まえまして、中小企業に対する融資につきましても中小公庫と十分連絡をとって行ってまいりたい、こう思っております。 なお、御参考まででございますが、開銀は産業資金の提供が主でございますが、社会開発資金の方にも重点を置いておりまして、最近では身体障害者の雇用施設、そういう方々を雇用する企業に対しましてもようやく実績が出てまいりまして、十件ほどの融資をやるというようなことで、緊密な連絡をとりながら展開してまいりたい、こう思っております。
○参考人(大倉真隆君) 御指摘のように、私どもの融資残高で見ますと、いわゆる中小企業向けのものが非常にウエートが小さいという結果になっております。 申し上げるまでもなく、先ほど来申しておりますような大型資源開発、あるいは巨額のプラント輸出あるいは海外投資ということになりますと、どうしてもリスクないし採算性ということで、これに耐え得る巨額の資金負担を自分で持ち得る大企業というものがある程度中心にならざるを得ないという実態は御承知いただきたいと思うのでございます。しかしそれにしましても、実際の融資先は大企業でございますけれども、その大企業がオーガナイズしておるいろんな機器の輸出その他につきましては、これは現実に関連中小企業が発注を受けまして、全体がまとまって私どもの融資が結果的に利用されておるという面も数多くございますので、その点もお含みおきいただきたいと思います。 しかし、いずれにしましても、五十一年の法改正のときに衆参両院の大蔵委員会で中小企業向け貸し付けの拡大に大いに意を用いるべきであるという決議をいただいておりまして、それ以後私どもとしても、何か制度面あるいは実行面での工夫はないかということでいろいろやらしていただいております。端的に申しますと、適用金利につきまして、その他資源輸入あるいは一般投資につきましてそれぞれ〇・二五ないし〇・五の幅で一般の企業に適用されるよりも安い金利を適用するということで、これは現に運用いたしております。 それから、協調融資金融機関に中小企業専門金融機関を入れてそういう金融機関から融資を受けておられる中小企業が、私どもに、そういう金融機関と一緒に協調融資の対象になれるように商中、相銀、信用金庫というようなものを協調金融機関に指定しておりまして、現実にそういうケースも幾つかございます。 それから、これは先方の相手国の金融機関に、中小バンクローンと私ども称しておるものを供与いたしておりまして、これは中、小型の機器の輸出の場合に、向こうの銀行に私ども金を貸しまして、向こうの銀行へ輸入資金を出しますので、先方からいうと輸入ですが、そうすると中小の機器のメーカーはいわば現金でもらえる。金融的には私どもが向こうの銀行へ貸しておるというものも開発いたしまして、現に数カ国と既にこういうバンクローンを適用いたしておりまして、ある程度の成果が上がりつつございます。 さらに、何と申しましても、私ども実は国内に本店以外に大阪しか支店がございませんものですから、ここ一両年積極的に私どもの方から外へ人間を出しまして、各県、市あるいはそれぞれの経済団体にお願いをして、企業の方にお集まりを願って、輸銀ではこういうことが御相談に乗れるんです、こういうケースは金融がつけられるんですということを説明いたして回っておりまして、ちょっと手前みそでございますが、かなりの反響が出つつある。なるほどそういうことの相談もできたのかということで、これは時間はかかりますが、できるだけその決議の御趣旨に沿うようにこれからも一生懸命やってまいりたい。特に最近では、製品輸入に関しまして、小型の機器の製品輸入を中小企業の方が輸入されて私どもの融資をつけるというケースは、件数としてはかなりふえてきております。
○鈴木一弘君 今御答弁になりました、新技術の開発とかいうことを言われたんですが、新技術の開発なんかを見ていますと、大きな研究所だけで出るものじゃなくて、中小企業の中から飛び出てくるのが多いんです、装置工業的なものはなかなか無理としましても。そういうようなことから考えますと、私はそういう点でこれは見ていかなければいけないということを思います。発明とか特許というものになると、大企業よりも中小企業が多くて、そこで出たものを大企業が吸い取るというのが大変多いわけです、今まで。卑近な例で言えば石油ストーブだってそういうことです。 そういう一つの例から見ても、私はそういう点はっきりしていかないといけないんじゃないかということと、輸入の促進の問題なんかでも、相手国は、日本の会社の名前が大きいか小さいかわからないけれども、ここの魚とってよろしいとか、おまえの会社だけしか我が国の水域内ではいけないとか認めてくるわけです。ところがそれに対しての金融的なもので行き詰まっているなんというのが時々ございます。 私はそういう点で、輸入促進とか、あるいは国民生活の関連とか新技術の開発といったことについても、やはり中小企業とかそういったところに借りやすいような制度にしていくということをしないと、これから先日本の活力を生み出したり、輸入を促進して、輸出の方に一生懸命ドライブばかりかけているんじゃないということを見せないと、国としても損失を招きやすいし、国民も困るということになるわけですから、その点、これはこの辺まで来ましたから大蔵大臣にひとつ御答弁をいただきたい。
○国務大臣(竹下登君) 開銀といい、それから今大倉総裁からも、きょうは我が方総裁が三人いらっしゃいまして、お話がありましたが、ずっとそのニーズに対応して、手前みそとおっしゃいましたけれども、非常に苦心しながら進めていらっしゃるという私は印象を本当は持っております。率直にそういう印象を持っております。
○鈴木一弘君 次は環衛公庫の問題ですが、行政改革の中で、その存在に疑問があると指摘されたのが環境衛生金融公庫ですけれども、ここは実際の融資は国民金融公庫とか民間の金融機関に委託して、一定金額以上のものだけ、つまり三千万円でしたかね、を扱うということですけれども、まず伺いたいんですが。直接環衛公庫で扱う融資件数と金額はどうなっているんでしょうか。
○参考人(山下眞臣君) お答え申し上げます。 私どもの公庫の貸付業務、申込者からの受け付け、審査決定、貸付契約、貸し付けの管理、回収、このすべてを代理店に委託しております場合とそれ以外の場合とに分けられると思うのでございますが、先生お尋ねの、公庫の本店で取り扱っておりますもののうち、これらのすべての業務を公庫で取り扱っておるいわゆる直貸してございますが、これの一番新しい実績は、昭和六十年度で申し上げますと、一昨昨日まででございますが、二十一件、八億円でございます。それから、窓口の業務は代理店にお願いを申し上げますけれども、公庫が貸付決定を行うというものが別に昭和六十年度の実績で九十九件、四十二億円という数字でございます。
○鈴木一弘君 この環衛公庫の借入資金の申し込みに際しては県知事の推薦が必要であるとか、それから商工会を通さなければいけないとか、大変この問題について申込者から苦情が多いんです。もっとこれは簡素な手続ができないか。何で県知事の推薦が要るんですかね。
○参考人(山下眞臣君) 私どもの公庫の融資の目的が、環境衛生関係営業の近代化を図りまして、その衛生水準を向上させるということを目的といたしておりまして、そういう意味におきまして、いわば衛生行政というものと非常に密接な関連のもとに融資を行ってきているわけでございまして、従来、都道府県知事の推薦というのが非常に重要な役割を果たしてきたものと考えているわけでございます。 しかしながら、今先生御指摘のように、確かにこの推薦のために若干時間を要するとか手続が煩瑣であるというようなことにつきまして簡素化を要望いたす声もございますので、要は、行政上の要請と借り受け者の利便との兼ね合いの調和をどういうふうにして図っていくかということだろうと思うのでございますが、簡素化につきましては、行政当局ともよく相談をいたしまして研究と工夫を重ねてまいりたい、かように考えているところでございます。
○鈴木一弘君 随分苦しい答弁で、衛生行政の問題があるから、十分それに関連をしているから知事の許可が要るということになると、国金の場合は、国民の生活、県民の生活に必要だから、十分な関係があり過ぎるからやっぱり知事の推薦が必要だということになりかねないですものね。議論で言えば同じことなんです、これは。 だから、大変苦しい御答弁なさって、何か政治的な配慮でこんなものくっついたのかなと僕は思うんですけれども、もうこれは要らないんじゃないかという感じがしてしようがないんですね。だから、知事の推薦が必要だということは私は要らないのではないかと思われて仕方がないんですよ。行政の問題と絡めるということになれば、すべてが行政に絡まるんですから、何かわざわざくっつけたという感じが多いんですけれども、これは外してしまうような方向で検討はなさいますか。
○国務大臣(竹下登君) これはむしろ私の方からお答え申し上げるべきだと思っておりますが、確かに今理事長がお答えありましたようなことで、私はあのとき、覚えておりますけれども、この法律ができるときでございますが、いろんな議論の中でそういうことになりました。 それから、行政の簡素化、環衛業者の方々の借入手続の簡素化を図る必要はあると思いますので、この推薦制度のあり方については今後厚生省と検討してみたいと考えております。
○鈴木一弘君 この公庫を借りられる大部分の人は零細な方が多いですね、割と。したがって、非常に少人数でやっているところもあるわけですから、そこが複雑な手続ということになると、もう本当に借りるのが嫌になってしまうということになりますので、今の大臣の答弁を心から実現されることを祈っております。 それからいま一つは、環衛公庫の場合には、借り入れの申し込みをしてから融資が実際に行われるまで大体国民金融公庫の倍の日数がかるんですよ。どうしてこんなに日数がかかるんですか。調査するのに時間がかかるのか、内部手続上でごたごた長いのかわかりませんけれども、そういう日数を短くする具体的な方法はございませんか。
○参考人(田中敬君) 環衛公庫の融資の大多数を私の方の公庫でお預かりいたしておりますので、今の御質問について私の方からお答え申し上げたいと存じます。今、鈴木委員御指摘のとおりに、我が公庫に申し込みという形で入ってまいりますのは、先ほど御指摘のありましたように、県知事の推薦を経た後で申し込み手続が行われることになっております。そして、申し込みをいただきまして私どもが実際に貸し付けを実行いたしますまで、私の記憶では、平均的に環衛公庫の場合は二十五日ぐらいかかっているのではないかと思います。国民公庫の場合の一般の普通融資というのは大体二十日前後が通常でございます。 いずれにいたしましても、御指摘のように、環衛公庫の方が長くなっておりますが、これは私は恐らく、環衛公庫の貸し付けと申しますのは、設備投資資金でございます。私どもの国民公庫の普通貸し付けの約八割は運転資金の貸し付けでございます。設備投資の貸し付けになりますと、やはり設備投資の審査の内容と運転資金の審査内容となりますとおのずから異なってまいりまして、一一の設備の内容であるとかあるいはその投資効果であるとか、あるいはまた、その設備機材というものが県知事の推薦を経たそういう衛生基準に合致しておるかどうかというようなところまで審査をいたしますので、従来普通貸し付けよりも日数がかかったんだろうと思います。 しかしながら、私どももだんだん慣熟してまいりまして、御指摘がございますように、貸し付けまでの日数をなるべく縮めていくよう今後もさらに努力を続けていきたいと思っております。
○鈴木一弘君 環衛、結構です。 国民金融公庫の業務の内容のことで、これは一つのトラブルがあったものですからお伺いしたいんです。 埼玉のある支店にある方が申し込みを行った。ところがその人が都内の国民金融公庫の支店でほかの人の借り入れの保証人になっている。ところがその人の会社が倒産してしまったので、保証人の人が条件変更して返済を続けていたわけです。それで、その東京の分について一括返済をしないと埼玉の支店の方の融資はできないということで、お断りを食った。いや、一括返済は無理だから、今までの返済分に今度借りる分を上乗せしてくれないか、こういうことで返済をして何とかやっていきたいんだけれどということを再三お願いするけれども、一括返済一点張りだ。ちょっとこのケース、私はやり方としては事務的過ぎるんではないかという心配をするんですが、やっぱり国金の持っている、中小零細企業の育成ということございますから、そういう点から見て改善すべきじゃないかと思うんですが、どうでしょう。
○参考人(田中敬君) 昨日この事実を私どもお聞きいたしまして、ある程度の調査をさせていただきました。 一般的に申し上げますと、私ども、債権管理を行うに当たりまして、一律的に保証債務について一括弁済というようなことのようなしゃくし定規なことはいたしておらないつもりでございます。返済者のために御便利なように、条件変更という手続によりまして、返済をなさる方の御都合のいいようにいろいろ条件を変更してまいっております。 御指摘の場合のケースでございますけれども、私どもは、扱いといたしましては、保証債務があるから、あるいは一括弁済をしていただかないと新たな御融資には応ぜられないというような取り扱いを一律的にはいたしておりません。ただ、この場合は、私どももさらに検討させていただきたいと存じますけれども、保証債務の御履行を誠実にしていただいている場合でございましても、例えば将来の保証債務の返済に当たって、たとえ条件変更したとしても、主債務、御自分の御債務、そしてまた保証されておる保証債務、双方の返済が十分に確保しがたいんではないかというような場合には、ケース・バイ・ケースで、私どもといたしましても新たな御融資をお断りする場合も多多あろうかと存じます。 この場合が内容の判断において適正であったかどうかということにつきましては、さらに検討させていただきたいと思いますが、私ども、債権保全に当たりましては、国民金融公庫の使命というものが、御承知のように、一般金融機関から融資を受けがたい、困難とするような中小企業の方でございますので、たとえ赤字企業の方であれ、あるいは保証債務の方であれ、あるいは多くの債務を抱えた方であったとしても、将来の経営内容等を伺って、いわゆる再建のめどがあるということであれば、積極的に御融資をして中小企業を育成するというのが私どもの役目と存じておりますので、一律的にやることなく、十分ケース・バイ・ケースで処置をしてまいりたいと思います。 御指摘のケースにつきましては、いま一度実態を再検討させていただいて、もし私の方に何らか不備な点がございましたら、今後の反省の種とさせていただきたいと存じております。
○鈴木一弘君 時々出っくわすんですけれども、一回でも返済がおくれますと問題視して、次の借り入れのときに大分支障を来すとか、そういう姿勢について、前にも御指摘を申し上げたことがあったんですけれども、最近どうもそれが大変厳しくなっているような感じを受けるんです。本人の事情もやはり、一番危険のあるところへ貸すわけでございますけれども、もう少し事情を考えてあげるという態度は、行くとしたら本当に頼みの綱として国金に駆け込むわけでしょうから、この点は十分考えてもらわなきゃいけないんじゃないかと思うんですね。 それからもう一つは、交通違反の場合には減点制がある。国金の場合も、申込者の減点数で可否を決定するように、なっておるわけですね。だから、そのことが零細の事業者にとっては意欲を減退するということになるし、余りにも機械的に評価して、減点が多いということで、あなたのところはというふうになると、そのたびにその企業は倒産するという例も出てくるわけですから、この辺でより前向きの融資姿勢をもうちょっと考えてもらえないかと思うんですが、この点いかがでしょう。
○参考人(田中敬君) 先ほどの第一の点につきましては、一律な債権管理というようなことでなく、私ども、中小企業者のためにある機関でございますから、中小企業者の立場に立って債権保全も考えていくということで十分やっていきたいと存じます。 ただいま御指摘の、公庫の融資が少し減点主義、形式的になっておるんではないか、もっと中小企業者に積極的に融資をする姿勢があってもいいんではないかという御指摘でございます。 確かに、私どもはそういう意味で、中小企業者のために公庫の存在、公庫は一般金融機関に比べてこれだけ中小企業家の方々にお役に立つ機関であるということで、積極的に私どもの役割を御理解いただくようにいたしております。そして現実に申し込みがあります場合でも、私どもは今御指摘の減点主義というんでなくて、ケース・バイ・ケースで判断をさせていただくという基準に立っております。御承知のように、こういう経済情勢でございますので、現在、私どもの公庫にお申し込みをいただく中小企業者の方のフローで見まして約四〇%ぐらいは赤字企業でございます。そういう意味で非常に債務超過の企業もございますし、融資の判断が昔に比べまして非常に難しくなっております。しかしながら、やはり具体的な融資に当たりましては、一律的に赤字企業であるからとかということではなくて、経営改善努力によって将来新しいめどがつくというようなことを、お申し込みの方々と私どもの審査員とで十分御相談をして審査に当たってまいっております。 特に、昔と違いまして、現在一般的に資金が豊かでございますし、私どもの公庫につきましても、中小企業政策の柱として十分な資金量を確保していただいておりますので、御要望に応じケース・バイ・ケースで本当に中小企業の立場に立って御融資を積極的に進めていきたい。減点主義とか形式的な審査基準というものは私ども事実としてもございませんし、そういうこともないように、もしあるとすればそういうことがないように今後さらに指導を進めていきたいと存じております。
○鈴木一弘君 国民金融公庫、御苦労さまでございました。 もう一つは、六十一年度予算の中で、大蔵省が所有している施設で老朽化のために建てかえる施設はどことどこでしょうか。
○政府委員(田中誠二君) お答え申し上げます。 六十一年度の予算で、大蔵省所管の施設で建てかえを要求しておりまして、今予定しておりますのは仙台国税局の相馬税務署等三件でございます。
○鈴木一弘君 等というのはどこですか。
○政府委員(田中誠二君) お答え申し上げます。 あと二件は、福岡国税局の八幡税務署、それから印刷局小田原工場の検査棟でございます。
○鈴木一弘君 これは設立されてからの年数はどのぐらいずつたっているんですか。
○政府委員(田中誠二君) お答え申し上げます。 相馬税務署でございますが、これは三十二年に建設されたものでございまして、二十九年経過しております。それから八幡税務署でございますが、これは二十八年に建設されたものでございまして、三十三年経過してございます。それから印刷局の小田原工場でございますが、これは三十二年に建設されたものでございまして、二十九年経過してございます。
○鈴木一弘君 また、大蔵省の所有している施設で、これよりも古く建てられたものというのはどのぐらいあるんでしょうか。
○政府委員(田中誠二君) 全体は今ちょっと手元に資料ございませんけれども、かなりのものはあると思います。
○鈴木一弘君 例えば横浜税関なんかはいつごろできたんですか。
○政府委員(田中誠二君) お答え申し上げます。 昭和九年にできたものでございまして、五十二年たってございます。
○鈴木一弘君 これは昭和九年で、あすこは有名な建物になっていますけれども、やはり日劇も既に直しちゃった後でございますし、私は少し古過ぎるんじゃないかという感じがするんです。 一番大蔵省としてはこういうことは言いたくないことだろうと思うんですね。かなりの数と言うだけで数は言わないでしょう。場所によっては特特会計を使ったって直すことはできますからね。そういう意味では、ああいういわゆる現業部門に当たるような税関とか税務署とか、それから印刷のところとか、こういうところの古いのはリストアップをしておいて、順次計画を立ててきちっとおやりになることが大事じゃないか。一番大変なときだから大蔵省だけは建物はぶっ壊れるまで待っているというわけにいかないと思うんですね。ほかの方はどんどん設備が更新されているのに、衛生状態も悪いままほっておかれるということは、これは余り感心したことじゃないと思うんです。ですから、リストアップをしていただいたのをちょっといただきたいと思うんです。 それと一緒に、これは大臣、一番そういう方にはお金は使いたくはないかもしれませんが、計画は立てなきゃ現業は困ってしまうと思うんです。所感を伺いたいです。
○国務大臣(竹下登君) 経常部門で一〇%、公共部門で五%というような概算要求基準を設定しておりますと、我が方は好むと好まざるとにかかわらず国債費はふえていきますし、したがって、勢い本当に渋くなっておりますが、御忠告をいただきましたので、本当にありがとうございます。それに尽きます。
○委員長(山本富雄君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時四分休憩 —————・————— 午後一時二分開会
○委員長(山本富雄君) ただいまから大蔵委員会を再会いたします。 休憩前に引き続き、昭和六十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行予算を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○大木正吾君 竹下大臣、就任以来ずっと御健勝で頑張っておられまして、ますますお元気のようですから、少しきょうは地味な話を聞かしていただきたいと思っているわけですが、主として、国債の整理基金に関する問題の中で電電株問題について大蔵委員会でも前回審議いたしました。この関係について二、三点に絞って質問をしてみたいと考えています。 一つは、昨年の秋口からスタートいたしました、理財局長の諮問機関になっているわけでしょうか、電電株式売却問題研究会が中間的な意見を出してございますが、これについて二つほど伺っておきたいんですが、この中に、必要な条件が整ったものと見られるという用語が基本的な考え方の二項の部分にございますが、必要な条件が整ったということは、中身は一体どんなことが議論され、そしてどういうようなものがあったのか。きょうは研究会のメンバーの方おいでいただいておりませんので、出席されました理財局の方々等からこの辺の問題についてまず伺っておきたいと思います。
○政府委員(窪田弘君) これはいろいろ御意見がありましたものを簡単に取りまとめたものでございますが、一つは、会社の経営状態が順調でありして、中間決算を見ても、株式を広く公開してもいい状況になったんではないかというようなこと、それから、世間のNTTの株に対する期待その他を見ましても、もはや大蔵大臣一人が株主であるという異常な状況は長く続けるべきではなくて、やはり民営化というものの実を上げるために株式を公開する時期ではないかというふうな御意見がございまして、それを集約したものでございます。
○大木正吾君 後でまた関連して御質問いたしますが、後段の方のことは別にいたしまして、前段の方の、必要な条件が整うという場合の、電電の経営問題等を見られて、前半の決算、九月ぐらいまでの決算を見ておっしゃったのだろうと思うんですが、まあ一般の商法なり株式関係の法律関係で見ていきました場合には、上場なり、あるいは財務諸表等を整えますのに五年ぐらい要するんですね。そういう関係からしまして、半年間でそういった条件が整ったということは極めて概念的な物のとらえ方でしかないかと思うんですが、その辺はどういうふうに受けとめておられますか。
○政府委員(窪田弘君) これは私どもの意見と申しますよりも、その場でございましたいろいろな御意見でございますが、NTTは実は全くの新設の会社というわけではございませんで、この前の電電公社の時代からの歴史がございます。そこで、株式の上場とかそういった手続をとるにいたしましても、そういう時代の経緯を考えますと、一般の上場基準のようにしばらく五年ぐらい見てからやるとかいうことでなくても、特例を設けて公開に踏み切ることも十分あり得るのではないかというふうな御意見があったわけでございます。
○大木正吾君 この委員会でも、私も大蔵委員やってたことも若干ございますが、超法規的にやるんだということの話が出たりしたこともございますから、そういった一般的な概念はわからぬではありませんが、ただ、株式を公開、上場し売却するということになりますと、やっぱり企業の持つ展望といいましょうか、まだ電電公社あるいはNTTそのものが一年間たったばかりでありまして、競争会社はまだできていないですね。そうしますと、結果的には、株式を所有したけれども、要するに電電だけがやっているいわば国有の株式会社で独占企業、こう言っても支障はないと思うんですがね。 その辺にちょっとひっかかりを感ずるものですから伺っているんですが、この研究会は、今の話をちょっとネグりまして聞きますが、まだ研究会は継続をしておられまして、最終的には売却の方法論とか値段とか、そういったことまで含めて議論されることになりますか。
○政府委員(窪田弘君) 研究会は今日まで十回開いていただいておりますが、あと二、三回で一応意見のお取りまとめをいただくということで、現在論点の整理、それに基づくフリートーキングをやっていただいておりますが、何しろこういう問題でございますので、細かいところまで、どの時期に幾らで売るとか、あるいはどういう方法で具体的に売るというところまではなかなか御議論が収れん、詰め切れないのではなかろうか。大体の方向についてある幅を持ってお示しをいただきまして、それから、本来お諮りすべきでございます国有財産中央審議会で、実際この売却いたします場合の細かい方法とか技術的な問題まで含めまして御検討いただくことになろうかと考えております。
○大木正吾君 最終的には、競争入札でいくのか、大蔵大臣なりあるいは大蔵省側が一定の相場をつけるのかという問題に帰着したり、どういう方法であるかということになろうかと思うんですがね。僕は、最終的にこれどういうふうなまとめが出るかわかりませんが、研究はしてみたものの、専門家が結局集まって議論した、最終的に理財局長、大臣等が相談されて物を決めていくことになるんじゃないかという感じがしているんですが、そこのところは一応今後の問題ですからきょうはそれ以上詰めません。 そこで、これ大臣に伺うことは恐縮なんだけれども、株式なりそういうものを売却する場合には、市場競争、あるいは公正競争と言ってもいいでしょうけれども、そういったものが背景にやっぱりなければいかぬと思うんですね。いわゆる公正競争ということは、まあこれは字引を引けば日本語的には出てくるわけですけれども、電電等の場合にはこれはどういう状態のことを想定されますか。大臣何か所見ありませんか、公正競争について。
○政府委員(窪田弘君) 大臣からお答え申し上げます前に一般的なことをちょっと答えさせていただきます。 公正にやはり売り出さなければいけないと思います。そのためには売却の方法につきましても、例えば余り少数に、数を少なく絞って不当に値段をつり上げるとか、あるいは、これはまた国民の全体の大切な財産でございますから、不当に安く売ってしまうというふうなことがないように、だれが見てもこういう売り方でやってしかるべきだな、こういう感じを与えるような売り方でなければならないと思いまして、その売却方法につきましては、入札と売り出しとその組み合わせという、大きく分けますとこの三つでございますが、具体的にそれをやってまいります場合にはいろいろなまた細かい問題がございますので、そういっただれが見ても公正だという感じを与えるような手法を今後具体的に研究をしてまいりたいと考えております。
○国務大臣(竹下登君) 理財局長からお話がありましたが、今月中ぐらいに大体研究会の御意見ちょうだいしようという構えでございますので、私も関心を持っております、率直に言って。それで、今まさに申しましたように、なるほどこれかな、こういうようなところへだんだん議論が今、最初はもう物すごい、どこへ収れんされるかわからぬような状態が、だんだん来ておるなという印象は持っておりますので、もうしばらく時間をいただけたら、あるいは一つの方向とでも申しますか、そんなことはあるいはお話しできる状態になるのかな、こういうような印象で私も中間報告を聞いておるところでございます。
○大木正吾君 ちょっと質問の角度を変えるわけですけれども、株の公正な売り出しということについては当然そうしていただかなければならぬわけでありますが、先ほど理財局長からお話ありました研究会の答申の中に、九月までの業績を見て売り出しでもよろしい、同時にまた長い歴史を持った電電公社の経営の流れもある、こういう話もございました。 ところで、NTTを民営にいたしましたことは、民間の業者の参入というものを許し、同時にやっぱり新しい産業構造の変化、同時にいわば情報通信関係の産業の発展ということなどを期待してやったものだと思いますね。問題は、ああいうような独占的な状態の中で上がってきた収益というものを見る目と、同時に、第二電電あるいは日本テレコムとか日本高速通信とか、新しいのでは東京電力を中心とし九電力がお互いに協力し合ってTTNという名前でもってスタートするようですけれども、これは相当強力な競争会社が出てくる段階だと思うんですね。そうしますと、本当の意味合いでの要するに業界の競争が始まりますのは二年か三年後である、こういうふうに考えていいと思うんですね。 私がこう感じますのは、どうもやっぱり独占的なNTTの経営の状態の中でもう売却してオーケー、こう言ったけれども、実際には競争状態でもって本当のNTTの力がわかるのは三年後だといったとき、その関係についてどういうふうにお考えになりますか。
○政府委員(窪田弘君) これはたびたび先生からも御指摘をいただいておりまして、つい先日、三月二十日の逓信委員会でも御指摘をいただいております。 私どももその点は十分心していかなければならないと思っておりますが、この研究会におきましても、経営側と労働側の御意見を伺いましたし、また郵政省の意見も十分聞きまして、会社の民営化後非常に活性化している状態、それからさらに、電気通信業界が将来発展していく姿、その中で民営化したNTTがニーズの多様化とか多彩化というものを掘り起こしている状況を見ますと、将来非常な競争にはなるでございましょうが、しかし現在、今日株を次第に漸次公開をしていくということについて、それが障害にはならないんじゃないかというふうな御意見をいただいておりますので、そのように認識をしている次第でございます。
○大木正吾君 議論がなかなかかみ合わないんですけれども、これは今私の手元に入った、電力政策研究会なるものの出している「通信事業アクセス・チャージ問題への視点」というあれが入りましたけれども、今これ見てきたんですけれども、この中に最後にこう書いて結んでありますね。要するに、NTTとのアクセスチャージ問題等に絡んで、NTT側も市内料金の赤字等々でもって悩んでおるということであって、一般の民間の会社の上場公開するときの場合の条件にもなりましょうが、NTT経営の一層の公開とディスクロージャー化が非常に不十分だ、こういう指摘があるわけですね。そういった問題などが先行きのこととして非常に心配なわけですよ。例えば、アクセスチャージ、アクセスする機械については折半でもって話がついた、ところが料金問題でもってNTTが勝手なことをがんがんしゃべりまして、そうしてまた問題を起こしているわけで、一般の国民の目から見れば、民営にしたということはやっぱり安く便利になるからやったんじゃないか、こういう気持ちがありますね。それで言い出したやつをまた引っ込めちゃって、料金問題は今ちょっと眠っちゃった状態になっていますね。 御承知のとおり、NTT自身が市内料金から番号案内、外国では番号案内は有料ですけれども、こういったものを含めて一兆二、三千億円のいわば赤字部分を抱えているわけですね。一方では、市外でもってたくさん地方の先生方にも、大変NTT調整してどうやら黒字になっている、こういう状態ですね。この赤字と黒字の調整問題等、NTT内部でもまだ整理がつかない状態の中にあるわけですよね。ですから、そういったときに果たして株を売り出していいのかどうかということが、どうも伝統的に長い仕事やってきたからとか、半期分の大体決算状態がいいからというだけではやっぱり物足りない、こういう感じがするんで、こういったところは大蔵省どういうふうに見られておられるわけですか。
○政府委員(窪田弘君) この研究会の席上でも、NTTにおいてもディスクロージャーを充実するとか、可能な範囲で必要な情報を適正に開示すべきである、そうしないと株を買いたいという方に過剰な期待感を与えたり、そういうこともあるというふうな御意見もいただいております。 今いろいろ経営上の問題御指摘になりましたが、しかしそれだから売り出しをしばらく待っているかどうかというと、やはり今大蔵大臣が一人だけが株主だというのは、どうも民営化したというのに非常に不自然ではないか、やはり漸次売り出していくのが適当ではないかというふうに考えております。
○大木正吾君 特別会計の赤字国債の返還の資金が空っ穴だということは十分承知なんですよね。どうもやっぱりそういったこととの、いわば逆風的な状態の中でもって、既定の事実だという形でもってやっているという感じではこれは困るんですよね。だから、私の方ではそういったことを申し上げているし、万が一最終的に三年後に株が下がったとき一体どうしてくれるんですかという問題等も出てきますからね。そういったことになれば、会社の場合には一般的には合理化をする、いわば従業員の首切りといいましょうか、やっぱりスリムな経営の仕方をしてもらうとかですね。一番悪い状態は株の配当が減るとかそういったことになってしまうわけですな。 そういったことを見ているものですから、こっちも少し、政治的な理由だけでもってこの問題の売却が淡々と進むんだという理解だけでは、理財局さんの方といたしましても困るんで、これは逓信委員会の問題だよというわけにはいかぬので、やっぱり株式の所有者は竹下大蔵大臣さんでございますが、これは電電の株でございますからね。そういう意味合いでもって、私どもの方では、株を持っておられる竹下さん御自身がこの株を早く高く売りたいという気持ちはわかりますが、途中でもってどういうふうに変化していくかについても少しはやっぱり状況を知ってもらわぬといかぬのじゃないか、こういう感じがしますので、この辺は十分にひとつこれからも研究をしていただきたいし、同時に、でき得べくんば最終答申が出る前にはそういったディスクロージャー絡みの問題についても十分に、社会的に大きな問題になりますのは、どうせ料金関係の問題でありますとか第二電電とのアクセスチャージの関係等が問題になってきますから、そういったことも検討された中での答申が出され、土台にして、いわば株式の売却にちゃんと順序を、手だてを得まして入る状態にしてもらいたい、こう考えています。 さて問題は、最後の第三問でございますけれども、一般的に株式の公開についてさっき理財局長おっしゃった三つの方法が手段として考えられる、こうおっしゃった。もう一遍そのことを言ってみてくれませんか。
○政府委員(窪田弘君) 従来何回か政府保有の株式を売り出した例がございますが、手法といたしましては、入札と、それから随意契約と申しますか、政府が値段を決めて売り出す方法、あるいはその両者の組み合わせ、大別しますとこういう方法になろうかと思います。
○大木正吾君 大体三つの方法以外のことは今のところは考えておられぬ、こういうことですか。
○政府委員(窪田弘君) いずれもいろいろメリット、デメリットがございまして、そのどれかを一つ選択するというのか、あるいはその組み合わせで、組み合わせにもいろいろ実はやり方がございますが、そういったことを工夫していくのかなというふうな感じをいたしております。
○大木正吾君 関連しまして、私今NTT内部のことをちょっと申し上げたけれども、外の環境について、これは理財局長の担当でないかもしれませんが、最近の株のいわば継続的な異常な続騰傾向、これについてはどういうふうにお考えになっていられますか。
○政府委員(窪田弘君) 株式市場の非常な活況がございますので、こういう中で売り出すときはよほど気をつけなきゃいけないなと私も思っております。これが週刊誌などに書いてあるような異常なブームを呼んで、後また暴落するというふうなことがあってもいけませんし、その環境については十分注意をしながら、実際に売り出すのはまだまだ秋以降の話でございますから、環境等を見て注意してまいりたいと思っております。
○大木正吾君 環境等を見て注意していきたいという一般的な言葉はそれは当然のことなんですが、続騰を続けるということになりますと、秋口はダウ平均一万六千円なんということにも持っていきますかな。その辺はどういう見方をされているんですか。今の株の続騰状態ということは長期に続くと見るのか、それともまたどっかでもって少し落ち込むかと見るか、どういう見方に立っているんですか。
○政府委員(窪田弘君) これは私が幾らということを予想できる問題ではございませんが、このままブームが続きますとちょっと困るなという感じは率直に持っております。
○大木正吾君 少し僕は理財局長勉強足らぬと思うんだけれども、今の株の異常な続騰状態ということは、まあ異常ということはなくともいいんですけれども、日本だけの問題じゃないでしょう、これは。アメリカなりあるいはドイツなども上がっているわけでしょう。そうするとやっぱり構造的な要因か何かあるから上がるわけなんでしょう。例えば円高問題あるいは物価の安定状態とかオイルの問題とか、そういったいろんな幾つかの経済要素がかみ合った中で、結局やっぱり株というものは諸外国、ヨーロッパについても、日本でもアメリカでもじわじわ上がっているんだと思う。とすれば、それじゃオイルの方は一体また二十何ドルに返るのか、あるいはそれだけが問題じゃありませんけれども、とにかくまだありますが、まあ十五ドルぐらいでとまるのか、もっと十ドルを切るかとか、そういったこと等も考えた上でもって株式市場の動向ということを判断するべきなんでしょう。 私自身じゃなしにあなた御自身がそういったことについて相当目を光らしていなくちゃならぬ立場にあると僕は見るんだけれども、そういったことを考えたときに、ダウ平均一万五千円超えていますけれども、そういったことが、秋口にはもっと上昇傾向が続いた中でのことになりますか。
○政府委員(窪田弘君) これはそのころどうなっているかちょっとわかりません。経済情勢は今御指摘のとおりのようなことでございますが、秋にはそれがどうなっているか、ちょっとはっきりしたことは申し上げかねますが、いずれにしても、株を売り出す場合にはそういった異常な状況でない時期をよく見計らってやってまいりたいと思っております。
○大木正吾君 その異常でない状況というのは僕は来ないと見ているわけね。異常というのがどういう、まあちょっと私が言ってしまって申しわけないんだけれども、続騰傾向というやつは、きょうはマイナス五円だとか十円がありましても、例えば半月を計算してみたところがやっぱり百二十円上がっていたとか、そういった傾向値は変わらぬと思って私は見ているんですよ。 そういったことが一つと、もう一つは、一般の国民の懐が、これは竹下さんを責めるわけじゃありませんけれども、やっぱり老後不安の問題とか教育費用の問題とかがございますから、金がだぶついていますよね。銀行の預貯金の金利はまだまだこれは、恐らく公定歩合も僕の判断では年末には三分ぐらいまで、と言っちゃうとまずいんで、私別に日銀総裁ではありませんからそんなことを言うことはないんですけれども、やっぱり今よりは下がることは間違いない、こういう見方ですよ、景気との関係もありましてね。 そういうふうに見ていきますと、銀行屋さんも大変だし、金を減らすことも、預金の預かりぐあいを減らすこともできないし、預かってもまたこれ使い道が大変だし、そういっただぶつきの関係からしても、この株の問題ということへのはね返りは相当やっぱり関係があると思うんですね。 ですから、続騰傾向と金のだぶつきの関係というものを見ながら、私はやっぱり電電株の放出問題の外的要因ということは内的要因に加えてもっとデリケートな問題を含む、こういうふうに見るんですが、大臣どうですか、その辺のことは。あなたは専門家だから。
○国務大臣(竹下登君) 株の続騰傾向について、証券取引所でいろいろな措置は、これは大蔵省の権限じゃございませんが、大蔵省証券局とよく連絡をとりながらいろんな措置はなさっておるように私も聞いておりますが、今おっしゃいましたように、日本のみでない状態、すなわち、ちょっと表現がきついかもしれませんが、人によっては過剰流動性という事態にありゃしないか、こんな議論をする人も出ておることは事実でございます。したがって、これは全体の規模からすると大きな規模であるわけのものでもございませんけれども、そういうものを吸収するための民間活力、一つの投資先としての、そういうことが非常に政府部内で今急がれ出したというのはそんなところにも一つの要因があるのではないかなというふうに考えております。 したがって、決算の状態よろしゅうございます、大体一人株主はおかしゅうございます、そうした内的要因のほかに、株式の活況ということの状態を全くネグってその時期を定めるわけにはいかぬ問題ではないかという感じは私も持っておるところでございます。したがって、この研究会の答えを出していただいて、もう一遍国有財産審議会で、国有財産審議会というのは、私どもも最初感じましたのは、いわば株の売り買いの専門家ではないわけですから、しかし、あれはまた別の角度から見れば、大きく経済全体を見ていくという意味においてはそれぞれの人がお集まりになっておるというようなところで研究会の報告をもう一遍審議してもらう時期というものがあるのではないかというふうに見ております。 きょうも、非常に短い時間でございましたけれども、電電の、まあ決算見込みというとちょっと表現がそこまでいっておりませんが、いろんな資料を見せていただいて、内的な面はおおよそ完備したと申しますか、いい状態になっておるではないかというような、ほんの短時間ちょっと勉強してそんな印象を受けたところでございます。
○大木正吾君 私自身が電電にいた関係もありますが、余りこのことを深くえぐりたくないと思ってはいるんですが、端的に申し上げて、例えば東京電力を中心にしまして九電力がネットワークをずっと張りまして、そうして端末まで、全部電灯線というのはすぐ玄関へ来ていますからね。同じ電柱を使って電話線も入っているわけです。そういうのが結構田舎は多いですね。そういう関係を見てみれば、恐らくサービスのよさとかなんかでもっていくと、電力関係の九社との競争関係は相当熾烈なものになっていくだろうと思うんですね。 それが一つと、もう一つの問題は、頭数の問題では電電は、九電力全部トータルしましても、頭数は倍以上いるわけですよ。そうするとやっぱり経営者というものはどうしても、頭数が多いのは問題だ、こうなりますし、その辺のことになると、株の値段も下げたくはないし配当も減らしたくないから、勢い結局従業員を減らす、こういう方向に向いていくということもこれは一つは考えられますね。 ですから、そういったことを、非常に先行きのことを憂えますので、いろいろなことを申し上げていることが内部的にはあるわけですが、さて問題は、外的条件の中に、私は非常に困るのは、これはたまたま一流新聞さんが書いた、最近財テクとかいろんな話が広がっておりまして、マスコミなんかも随分といろいろな金融関係の雑誌を出したりあるいは新聞なども出したりして、この中に竹下大臣の発言も入ってくるわけですがね。 さっき申し上げた、結局続騰状態と預貯金のだぶつき問題に加えて、恐らく電電株を放出するといったときには、百九十五万株、額面五万円ですね、それで資産関係を見て一応二十一万三千円ですか、値段がついておりまして、それをさっきの局長おっしゃった三方法をとったときにどういう問題が起きるかということを考えたりしていきますと、恐らくこれは大体五年間会社経営して、この会社は堅実でいいぞ、こうなったときには、株の値段が若干一年後に下がったとしても御祝儀相場がつきますよね。そういった関連でもって見ていったりしますと、マスコミがあおったり、フィーバーをあおったりすると大変な相場になる、こういう心配を実はしている一人なんです。ですから、資産なり、先行きの三年後、四年後、五年後を見たときには大体四十万前後じゃないかな、こういうふうに想定できるものが、この新聞ですと数十万円と出ています。サンデー毎日の百万円よりはまだいいですけれどもね。竹下大臣は、申し込みが多かったらみんなに抽せんでもってやってもらおうかと、こういった話もしているところがあるんです。あなたのこと書いてあるんですよ、この中に。これ読んでおられると思いますけれどもね。 そういったことなどありまして、結局やっぱり相当これは慎重に、一つは、今の客観条件だけとらえていけば、まず本年中に公開なり、予算に計上してしまったからしゃにむに売るんだということは、何とかそこのところもう一歩踏みとどまって考え直して、じっくり条件を見てもらいたいことが一つありますよね。 それから同時に、競争状態がどうなのかということは恐らく大蔵省はなかなかそう専門的にはわかりませんから、ここのところはまあまあ一応もうちょっと様子を見るといたしましても、少なくとも外的条件ということは、大蔵省は専門家の方が多いんですから、少しやっぱり、そういった大変なフィーバーをあおったり、あるいは株価が異常に高騰を続けておったり、同時に資金のだぶつきが続いておったり、大臣は民活云々なんておっしゃったけれども、そう簡単に今の預貯金のだぶつき状態は私は変わらない、こう見ていますからね。そういった点では相当これは慎重な方法でもってやりませんと、いわば七十万円で買った株が三年後に五十万に下がってしまう、それは買ったやつの勝手じゃないかと、こういうことだけでは済まされぬ問題ですからね。 そこで問題は、この売却の方法について少し慎重にというか、安定株主を求める方法について私たちはもっと問題の追求を研究会にもしていただきたいし、理財局にもしてもらいたい、こういうふうに考えているんですよ。株でもって乱高下しまして損をしましたと。もしそれに、残念なことですけれども不正取引が絡んだという問題が出てくるときに、理財局長の責任じゃこれはないですよ。電電の社長以下、前垂れかけて一生懸命寒空でもってテレホンカードを売っている連中自身が立てなくなってしまうんです、このことは。大蔵省の持ち物だけれども、やっぱり電電株であることは間違いないんだから。そういったことを考えていき、また私たちは、あおられたりあるいは株価の異常な続騰の流れの波の中に乗っかったりすることについて極めて危険だという考えを持っておるんですよ。 ですから、何らかの方法において、この大蔵委員会でもたしか去年か審議したときに私は申し上げたんだけれども、公開できないことはわかりますから、大体この辺でもっていけばそう将来禍根を残さないでいけるだろうということについての物差しを理事会ぐらいに示したらどうですかと言って、大臣からも私は御答弁ちょうだいしているはずなんですけれどもね。そういったことについてのお考え方はいまだお持ちだと思いますが、どうですか。考えておられますか。
○政府委員(窪田弘君) 慎重にやるべきだという今いろいろ御指摘の点は、私どももそのとおりずっと考えておりまして、慎重にやりたいと思っております。 それから、昨年の当大蔵委員会のお話し合いで、売却するに先立っては十分理事会に説明するようにというお話を伺っておりますので、十分御説明をしてまいりたいと思っております。
○国務大臣(竹下登君) 安定株主対策という議論もいたしました。いろいろなことを考えてみますと、しかし、特定の者にいわば値を下げてというわけにももちろんそれはいかぬでございましょう。したがって、私が抽せんなんということは、あるいは懇談でそんなことを言ったかもしれませんが、大ざっぱに言って、今株を持っている人が日本で何人おるかというと大体五百万人ぐらいじゃないか。そうすると百九十五万株では抽せんになるんじゃないかというのは冗談話の域を出ないのでございますけれども、発言には注意しなければならぬと思います。 それから、電電の大体職員の方が何ぼおるかというと約三十万とか、いろいろな数字を見たりしながら私なりにも一つの方向へ進みつつありますから、去年申し上げておった、理事会あたりでまさに懇談的にお話のできるのも、そう遠いことはないなという感じでもって見ております。
○大木正吾君 そのことはぜひ守っていただきたいだけでございまして、私どもとして一番心配なことは、この電電株というものが余りにも社会的な注目を浴び過ぎているものですから、それだけにやっぱり週刊誌などもこれからもあおっていくでしょうし、ダミー使えば相当な株の取得も可能なわけですね。同時に、先行きの問題については、完全に伝統があって、百十何年の仕事をしてきましたけれども、本格的な競争状態にするために郵政省も公正取引委員会もいわば電電をひっぱたきながら少しやっぱりほかのものを育てていこう、こういう傾向でもって現在動いていますね。そうするとこの株というものは、数十万円ですから大体五十万、六十万、七十万ということになるんでしょう、この数十万でぼかしてわかりませんけれどもね。 要するにそういった流れの中でもって、高騰の中でもって七十万、六十万で売ってしまったものが五十万円以下に下がっていくということもこれあり得るわけですよね、実際には。そういったことが、スキャンダルな背景がなければ別に問題ありませんけれども、しかしそれにしても、何だもっといいかと思ったらおれの株下がってしまった、こういった文句を言う方も出るかもしれませんしね。やっぱり一番問題なことは、NTTが一生懸命仕事をしているわけですけれども、株をめぐりまして社会的な信用が失墜しまして結果的には競争がまた劣悪な状態に追い込まれるということになってもいけませんし、そういう点で、去年の大蔵委員会でも申し上げておりますからこれ以上申し上げませんが、ぜひ理事懇なりに非公式に、三方法ありますと、大体三方法でいいですよ、別に金額言うことありませんからね。そういった方法の中でいろんな条件を総合して考えたときにこれが一番いわば公正に売却できるという考えなんです、こういったことはある程度理財局長等から示されれば、理事の方は賢明な聡明な方が多いわけですから判断できるわけですからね。ぜひ私は、最近の外的な条件が非常に、何といいましょうか、株価の異常な高騰が続き過ぎるということと、さっき公定歩合のことを言って、言わずもがなのことを申し上げましたけれども、だぶつきぎみの金の問題とか、そういった条件を考えますと、内的にも外的にも大変この問題というのは扱い方を間違ったら問題を起こす課題だ、こう考えておりますので、ぜひ慎重に、従来の経緯、この委員会における審議の経緯を考えていただきながら処理していただくことを大臣に最後にもう一遍要望いたしまして終わりたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) しかと承りましたから。
○大木正吾君 よろしくお願いします。終わります。
○多田省吾君 私は、初めに日本銀行総裁に、昭和六十一年度一般会計予算並びに当面の金融財政問題について二、三お尋ねしたいと思います。 対外不均衡を是正して海外経済との調和を図るためには適正な円高の定着及び持続が必要ではありますけれども、最近一ドル百七十円台まで円高が高まりまして、輸出関係の中小企業等の倒産も非常に多くなっているようでございます。けさもテレビである陶磁器産業の代表の方が、一ドル二百円台あるいはせめて百九十円台までだったら倒産のこともなかったのだけれども、これではどうも持ちこたえられない、このように悲鳴を上げておられました。 この前参議院の予算委員会の総括質疑の最後に中曽根総理も、最近の円高につきまして、円が高過ぎる、また円高が急激過ぎる、このように答弁なさっております。最近におきまして日銀の方でニューヨーク市場に続きまして東京市場においてもいわゆる逆介入をなさったようでございますけれども、私は、昨年の段階では日銀総裁等も二百円台の定着というようなことも言われたように思います。総理も円が高過ぎるとおっしゃっているのでございますけれども、日銀総裁としてどのようにお考えか、またこの逆介入というものは当分続けるおつもりなのか、まずお尋ねしたいと思います。
○参考人(澄田智君) 対外不均衡の是正を図る、そういう見地から円高の基調ということが望ましいということは我々常に考えるわけでございますが、ただ、円高が余りに急激に進むということは、今もお話のありましたように、我が国経済として対応が非常に難しい、そういう問題があるわけでございまして、私どもとしては、当面為替相場が安定的に推移することの方がより望ましい、こういうふうな考え方でおります。 為替市場の介入につきましては、一般論として申し上げれば、これは為替市場が乱高下をするような場合に、そういう状態の場合に適時適切に行われるべきものである、こういうふうに考えておりますが、介入について、具体的に介入の有無とかあるいはいかなる場合にいかなる方向での介入を行うか、こういう点につきましては、これは為替相場に直接影響を与えることでもありますので、為替市場に対する当局者というような私の口から申し上げることはこれは差し控えさしていただきたい、さように存ずる次第でございます。
○多田省吾君 お答えしにくいと思いますが、中曽根総理は今の円は高過ぎるとおっしゃいましたけれども、総裁はどのようにお考えになりますか。
○参考人(澄田智君) 私どもは、常に、昨年のニューヨークのG5の合意にありましたように、為替相場が各国の経済のファンダメンタルズをよりよく反映するものであるべきである、こういうことで臨んでいるわけでありまして、特定の相場というものの水準というものを考えて、それに対して、それをターゲット的にそれに持っていくというようなこと、あるいは特定の水準というのはどういうふうなことかというような具体的なコメント、こういうことは、これは為替市場に対する影響から申しまして不測の思惑の生ずるおそれがございますので、やはりそれは申し上げることは避けさしていただきたい、かように存ずる次第でございます。
○多田省吾君 今後も為替市場に対するいわゆる逆介入のようなものは続けるお考えはございますか。
○参考人(澄田智君) 先ほど申しましたように、一般論でお許し願いたいわけでございますが、為替市場が乱高下する、こういうような場合には適時適切に介入というものは行わるべきものである、こういうふうに考えております。
○多田省吾君 次に、公定歩合の引き下げ問題でございますが、二回にわたる公定歩合引き下げで四%まで下がったわけでございますが、通産省あるいは通産大臣は相当積極的に、もう一、二度公定歩合は引き下げるべきである、そうじゃないとやはり輸出関連中小企業に対する政策というものができない、このように相当強く言っております。またさらに、今度政府におきましては四月八日ごろ円高不況に対する総合対策を打ち出される、新聞等によりますと、五本の柱を考えておりまして、そのうちの一本がいわゆる金融政策である、このように聞いております。 そうしますと、これはやはりその金融政策には公定歩合の引き下げ問題も入っているのではないか、このように思われますけれども、一面、三・五%というようなことになりますと今度は普通預金の利子がゼロになるというような姿もあるわけでございまして、いろいろ問題はありましょうけれども、今の円高デフレ的影響で国内産業が大変危急的存亡に立っている、危機的状況にあるということを考えますと、やはり公定歩合の引き下げも早急に考えなければならない問題ではないか、このようにも思われます。 日銀総裁としてこの問題をどう考えておられますか。 —————————————
○委員長(山本富雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、大木省吾君が委員を辞任され、その補欠として丸谷金保君が選任されました。 —————————————
○参考人(澄田智君) 公定歩合等の金融政策の運営に当たりましては、そのときどきの情勢に応じて機動的に対処するというのが本来の特質である、かように心得ております。 日本銀行といたしましては、景気、物価あるいは為替、内外の金融情勢等を総合的に勘案の上、一月末それから去る三月十日と二度公定歩合の引き下げを実施したところでございます月現在はまだこの二度の実施をしたばかりでございます。これまでの公定歩合の引き下げの効果をやはり見守っていくのが適切である、こういうふうに判断をいたしております。 今現在の時点において、公定歩合をさらに引き下げるということはまだ考えておりません。
○多田省吾君 しかし、政府が四月八日に円高デフレ的状況に対して総合政策を打ち出す、予算が通ったら早急に総合政策を打ち出さざるを得ない、で、通産大臣なんかも相当公定歩合の引き下げを強く要望しているようでございます。そういう状況というものは、どういう日銀総裁は認識を持っておられますか。
○参考人(澄田智君) 先ほども申し上げをしたことの繰り返しになりますけれども、そのときの情勢に応じまして、内外の情勢というものを総合的に判断して機動的に対応してまいりたい、かように存ずる次第でございます。
○多田省吾君 次に、昭和六十年度の経常収支の黒字幅が五百二十億ドルに及んだ模様でございます。この円高基調にありまして、輸出数量は確かに減ったのでございますけれども、ドルベースの輸出金額というものは横ばいかあるいはふえる傾向にあると思います。これは半年か秋口までやむを得ないのだという説もありますが、一方、国内景気が冷え込んでドルベースの輸入金額もふえないこととなりまして、貿易黒字あるいは経常黒字が拡大するというジレンマに陥っているようでございます。 昭和六十一年度の経常黒字の見通しを日銀総裁としてどのように考えておられますか。
○参考人(澄田智君) 六十一年度の経常収支の黒字につきまして数字的に申し上げるというようなものは持ち合わせておりませんが、しかし、現時点で見通しますと、私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、二度にわたる公定歩合の引き下げに伴う金利水準一般の低下、さらに、政府が策定されました内需拡大に関する対策に基づく諸施策等が内需拡大を促して、それに円高の効果も加わって、我が国の貿易収支そして経常収支、その黒字が縮小する方向に働くものというふうに期待をいたしておりますが、それと同時に、しかし、円高の効果が実際に貿易収支面にあらわれてくるまでには、いわゆるJカーブと言われます効果がありましてかなりの時間を要する、こういうこともございます。 また、石油の値段が下がるということは我が国経済にとってプラスではございますが、しかしその分だけ輸入の金額が減ってしまう、こういうことに相なるわけでございます。 こういうことを考えますと、六十一年度の貿易収支及び経常収支については、これはかなりそういう意味で黒字が増加をするような要因も強い、こういうふうに考えられるわけでございます。今後とも、対外不均衡是正のために、市場開放を含めたさまざまな措置によって辛抱強く努力を続けることが必要である、そういうふうに考えるわけでございます。その具体的な数字については、申し上げるほどの数字を持ち合わせておりません。
○多田省吾君 具体的な数字はお答えできないまでも、いわゆる政府が予想している経常黒字の見通しで落ちつくかどうか、この辺はいかがですか。
○参考人(澄田智君) 先ほど二つ、黒字の縮小する方向に働く要因と、それから拡大する方に働く要因と両方申し上げました。両方の要因がまさに綱引きをする、こういうふうな状態であろうかと、かように思うわけでございます。
○多田省吾君 最後にお尋ねしますが、昭和六十一年度の予算書の二十二ページに記されている雑収入の方を見ますと、一兆九千八百八十七億円となっております。そのうち日銀納付金は一兆二千三億円とこのようになっております。ところが、今回の急激な円高によりまして日銀保有のドル資金も減るという現象が起こるわけでありますが、その結果といたしましていわゆる国庫へ納める日銀納付金の減少ということもあり得ると思います。 このドル安による目減りをどの程度に見られて予算計上なさったのか、また日銀納付金の減少が起こり得るのかどうか、総裁にお尋ねしたいと思います。
○参考人(澄田智君) 日銀の資産、ドル資産を含めまして資産でございますが、これは一年未満のものは期末ごとに洗いがえをいたします。一年超のものはそのまま取得価額で据え置く、こういうようなことになっておるわけでございます。したがいまして、ドル資産が直ちに評価損を生ずるというものではございませんが、ドル資産のそういった状況というようなものを十分考えまして、そうして日銀としての資産の確保、資本の充実に努めているところでございます。 納付金については、現時点においては予算書の数字というものを変更するというような、そういうふうなことは考えておりません。
○多田省吾君 どうもありがとうございました。日銀総裁結構です。 次に、日本輸出入銀行総裁にお尋ねしたいのでございますが、午前中に鈴木委員が現状あるいは基本的な問題について相当お尋ねいたしましたので、私は別の面から少しお尋ねしたいと思います。 総裁は、輸入・投資につきましては一件ごとの金額は少ないけれども着実にふえていると、このように申されて、輸入促進に相当力をお入れになっているようでございます。我々は、現在の経済状態においては内需拡大が一番大事だ、このように思っているわけでございますが、やはり輸入促進も大事でございます。その中で石油等が大変値下がりしておりますので、原料輸入というものは大変金額が多くなるのは望みません。 そこで、欧米諸国から言われるのは、製品輸入を広げてほしい、こういう要望が非常に強いわけです。貿易摩擦の解消がもう洪水のように言われている現状でございますけれども、我が国の製品輸入の比率というものは輸入総額全体の中で三〇%程度でございます。欧米先進国の平均は五〇%を超えているということで、日本に対して製品輸入を多くしろという圧力も大変高まっているものだと思います。 その背景となる要因をどのように考えているのか、まずお伺いしたいと思います。
○参考人(大倉真隆君) 私がお答えいたすのが適当かどうかわかりませんけれども、日本の従来の貿易収支の中での製品輸入比率がほかの工業先進国よりも相対的に低いという点につきましては、構造的に資源輸入、特に燃料輸入が非常に大きいので、輸入総額の中で見ると製品輸入の比率が低いというところがやはり一つの特徴ではなかろうかというふうに考えております。
○多田省吾君 ちょっと前後しましたが、同じ問題で関税局長にお尋ねしておきたいと思います。
○政府委員(北村恭二君) 今の製品輸入比率の問題でございますけれども、ただいま御答弁もございましたように、我が国の製品輸入の比率というのは近年は徐々に高まってきていると思いますけれども、しかし八五年で三一%という水準でございますから、欧米の先進諸国の六割程度の数字というものと比較いたしますと依然低いということは御指摘のとおりでございます。 その背景といたしまして、いろいろな要因が考えられるわけでございますけれども、やはり製品輸入比率の高低ということは、その岡の資源とかエネルギーがどの程度その国に存在するかとか、あるいは産業構造等に非常に密接な関連があろうかと思います。御存じのとおり、我が国が経済成長を遂げていくために、原材料とかエネルギーというものを中心に輸入をいたしまして、これを加工して製品として輸出するという産業体質があるわけでございまして、こういったことが大きく影響していると思います。そのほか、やはり我が国の近辺にはEC諸国のように周囲に先進工業国というのがございませんので、水平分業の体制というのがとりにくいといったようなこともあろうかと思います。そういうことで現在のような輸入構造が形成されてきているというふうに見ているわけでございます。
○多田省吾君 再び輸銀総裁にお尋ねしたいのですが、日本輸出入銀行の製品輸入金融制度の現状について簡単にお述べいただきたいと思います。 昭和五十八年十一月創設以降の貸付条件等の推移と、それから融資承諾実績について御説明いただきたいと思います。
○参考人(大倉真隆君) 御指摘のとおり、五十八年十一月に制度ができまして、そのときには金利は七・七五%というふうに決められておりまして、それ以後数回金利の引き下げが行われております。ごく簡単に申し上げますと、五十九年二月に資金運用部金利の引き下げに伴う引き下げ、六十年に入りまして四月に、対外経済対策によりまして特に製品輸入金利を引き下げ、また七月にはアクションプログラムに基づきまして特定品目の金利を一層引き下げる。さらに、十月に至りまして資金運用部資金の借入金利の引き下げに伴いまして製品輸入金利も引き下げる。また最後に、ことしの二月に入りまして資金運用部資金の借入金利が一層下がりましたので、これに伴って引き下げを行わせていただきまして、現在は円貸しの適用金利は原則として六・三%でございますけれども、特定品目と称しまして、大体機械類すべてこの対象に入ると御理解いただいて結構でございますが、特定品目につきまして六%という低利を適用するということになっております。 なお、今後資金運用部借入金利が一層引き下げられますときにこの金利を一層下げるように考えていただきたいということを現在お願いをいたしているわけでございます。 現在までの融資承諾の累計は、先月末までで約二千九十億円ということになっております。私どもが融資いたしますのは輸入に必要な金額の七割を限度といたしておりますから、この制度の対象になって製品が輸入されている金額は、これを〇・七で割り戻しまして約三千億ぐらいについて私どもの融資が適用されておると、そのようにお考えいただきたいと思います。
○多田省吾君 融資実績を見ますと非常に低調なように思いますが、その背景はどこにあると分析されておりますか。
○参考人(大倉真隆君) 制度創設当初は、率直に申し上げまして、金利が余り魅力的でないということをよく言われましたのでございますが、先ほど申し上げましたように何回か引き下げが行われてきまして、現在では、五年物、五年間金利が必要であるというようなケースにつきましては、申し上げた六・〇%というのはかなり魅力的なものになっております。 したがって、件数が非常にふえてきておりますのですが、実は一件ごとの金額が、機械の単品でございますからそう大きな金額にならないわけでございます。金額的に目立ちますのは、やはり何と申しましても通信衛星の輸入でございますとか航空機の輸入というものでございまして、これら合わせまして先ほど申し上げた総額約三千億、私どもの融資で約二千億強というのが今までの融資承諾の実績でございますが、今後とも一層この制度を皆さんによく知っていただきまして、また、かたがた、通産省の方も各企業に対してできるだけ製品輸入に努力してほしいということを熱心に言っておられますので、みんなで一緒になってこの制度を有効に使っていただきたいというふうに考えております。
○多田省吾君 二月十九日に宮澤総務会長が講演された中で、アメリカ企業に輸銀資金を融資すべきであるというような提言を行っているようでございますけれども、輸銀当局は現実問題としてこういった融資についてどういうお考えをお持ちでございますか。
○参考人(大倉真隆君) 私が伺っておりますところでは、宮澤総務会長の講演のその部分の主体は、日本からの輸出あるいは日本への輸入ということだけに限らないで、三国間の取引にも日本輸出入銀行の融資ができるように考える時期に来ているのではないか。三国間取引を日本の金で動けるようにして考えていけば、例えば開発途上国の必要な輸入の金融がつくとか、日本からでなくともですね、輸入品が。あるいは開発途上国の輸出産品が日本でなくてほかの国に輸出できるようになるとか、そういうことを国際的な日本の役割から考えてそろそろ考えるべき時期ではないかというところが基本で、その中で、例えばアメリカの農産物を日本以外の国にアメリカから輸出するときに日本輸出入銀行が融資するなり、あるいはその融資に保証をするなりということもいいではないか、こうおっしゃったんだというふうに理解しております。 いずれも、私ども現在認められております法律の範囲内でケースによりましてはある程度対応可能な分野でございます。私としましても、関係当局との十分の討議を重ねながら、私どもの銀行の職能の範囲でできることはぜひ前向きに考えてまいりたい。 一つの例でございますが、現在ほぼ実現しつつございまして、最終的な書類の細かいところを詰めておりますものに、南米のコロンビアに対しまして世界銀行と私どもが協調融資をいたしまして、その協調融資の私どもの融資分は日本からの輸出のひもつきになっておりません。したがってアメリカの機械を入れてもいいんだ、この金であるいはヨーロッパの機械でもいいんです。日本の機械でももちろんいいわけでございます。そういうことでコロンビアの資源開発をやり、コロンビアの支払い能力をふやす。非常に国際的に見て望ましいことではないかということで現在鋭意進めておりまして、例えばそういうことは今私どもの認められております法律の業務の範囲内でできるわけでございます。
○多田省吾君 輸銀の六十年度実績と六十一年度の計画をどうなっているのか御説明いただきたいわけです。六十年度の九・四%という数値非常に低いわけですが、六十一年度の予算を見ますと同額に近いけれども、どのような見込みを立てておられるのか、あわせてお伺いしたいと思います。
○参考人(大倉真隆君) ただいまの御質問は貸し付けの規模のことだということでお答えさせていただきますが、六十年度は新規貸し付けは当初一兆一千三十億円ということを予定いたしておりました。これに対しまして、後ほど必要あれば詳しく申し上げますが、諸般の事情によりまして、主として外側の事情によりまして、先月末までの貸付実績は七千七百五十九億円にとどまっております。 それからなお、御質問の中にありました九・四%という数字は恐らく、資金運用部から私どもが借り入れる予定にしております当初計画の六千九百三十億円に対しまして、十二月末現在で運用部から借り入れた金額が六百五十億円で、六千九百三十億円の九・四%しかない、そういう点を御指摘になっておるんだと思いますが、これは、年度間を通じまして私どもがまず回収金その他の自己資金を充当して貸し付けをやってまいりまして、第四・四半期になって新規借り入れで運用するというのが一種の癖でございますので、十二月末だとどうしてもそういう数字になります。三月末現在では借入金額は、実績でございますが四千五百億円、当初の六千九百三十億円に比べて四千五百億円の借り入れということになっております。 なお、六十一年度がことしとほぼ同じになるんじゃないかというお尋ねでございます。六十一年度の貸付規模につきましては一兆二百八十一億円ということに今予定をいたしておりまして、これは対六十年度の当初に比べますと六・八%減ということでございます。 六十年度も当初より大分減ったんだから六十一年度もこんなにいかないんじゃないかという御趣旨の御質問であろうかと思いますが、私ども十二月末現在で各種の聞き取りをいたしまして、現に進行中の商談が実際に六十一年度に融資にまで至るというのを積み上げてまいっておりますので、今のところではやはりこれくらい必要ではなかろうか。 六十年度に比べて特にふえるであろうかと私ども考えておりますのを一つ二つ例として申し上げますと、御承知の、中国に対しまして第二次資源バンクローンというのはこれは既に五千二百億円コミット済みでございますが、これがいよいよ実際の貸し出しに回ってまいります部分が千億以上は六十一年度に出ていくだろう。あるいは、これは新聞その他で御承知だと思いますけれども、西豪州の北西部の大陸棚でガスを取りまして、現地でLNGにして日本に持ってくるという計画がいよいよ実現に近づいておりまして、この分の六十一年度分所要資金も二百五十億から三百億近くは必要かというふうないろいろなものを見ながらこういう計画をつくっております。今のところ、外側の情勢に非常に大きな変化が出てきません限り大体これくらいの資金はやはり必要になるんではなかろうかと、そのように考えております。
○多田省吾君 今問題になっております対フィリピンへの融資実績ですね、これがどうなっているのか。プロジェクトの内容、それから融資金額、それから融資期間、残高、こういったことについて簡明にひとつお答えいただきたいと思います。
○参考人(大倉真隆君) 実は対外的な関係が主とした配慮であろうかと思いますですが、私どもの国別の詳細の貸付残高の現状というのは実は公表を差し控えておりますのですが、しかし問題が問題でございますし、ごく大ざっぱな数字でお許しいただきたいと思いますが、私どもが現在フィリピンに対して持っております貸出残高は千二百億円強、千二百と千三百の間では千三百にやや近い方というふうにお考えいただければ幸いでございます。 内訳は、日本からの輸出につきまして御承知の延べ払い金融をいたしておりますもの、これが大体半分以上でございます。そのほかに、投資案件につきまして、合弁会社をつくりますときの出資金に必要な資金を日本の合弁企業のパートナー、日本側のパートナーに貸すというものがございます。そのほかに、私どもが、例えばフィリピン電力省という電力公社がございますが、これに対して地熱発電とか火力発電とか、そういうものに必要な資金をこれは相手側電力省に対して直接貸しておる、いわゆる直接借款というものもございます。
○多田省吾君 輸銀法に基づく業務の中で、十八条三号、それから十八条五号、同じく十八条六号、すなわち内容は、海外投資金融、それから直接借款、それから本邦法人が絡む投資金融、こういった内容ですが、こういったものにはいわゆるリベートがつきものであると考えられます。このリベート分というものが輸銀業務の内か外か、どう判断するのか。 それから、リベート分は融資額の対象には含まれないと考えますけれども、目的外使用、第三十二条が判明した段階ではどのように対処をするのかお答えをいただきたいと思います。
○参考人(大倉真隆君) ただいまの御質問にございました三号というのは輸出金融、五号、六号というのは海外投資金融、あるいは私どもさっき申し上げたような意味での直接借款の根拠規定なんでございますが、まず投資金融というのは、日本のパートナーの出資金を私ども貸すわけでございまして、そこのところにリベートというようなものが入ってくるというふうにはちょっと考えられないタイプの金融であろうと思います。 それから直接借款というのは、さっき申し上げたように、火力発電に必要な金を相手の電力省に直接貸すわけでございますから、相手の電力会社がその必要な機器を今回輸入するために必要な金として借りておるわけなんで、そこにリベート云云というものが入っているか入っていないかというのは、いわば相手方の調達の中身の問題でございまして、余り直にそういう関係はない。したがって、いわゆる延べ払い輸出のときにリベートというものが契約の中でどう扱われておるか。リベートという言葉がいいのかどうか。いわゆる通常の商取引としての仲介手数料部分、これは輸出契約の中に入っておることが多うございましょう。 通常の仲介手数料部分というのがどう処理されるかということになりますのですが、一般論として申し上げますと、私どもは資金査定をいたしますときに、例えばこの輸出の契約額が一億円でございます、したがってその輸出のために一億円貸してちょうだいなとこう言ってこられたときに、頭から一〇%ぽんと差っ引いておりまして、残りの九千万円の中で頭金で入ってくるのは要りませんねと。これから金融的に要る部分は頭金以外の部分ですね。それをそれじゃ民間銀行と私どもがあわせてお貸ししましょう。私どもは、通常であればその最後の金額の七割をお貸ししましょう、こういうふうに動いておるわけでございます。したがって、通常の手数料部分というのは、金に色目はついておりませんけれども、いわば頭でぼんと一〇%資金査定している中に入っているといえば入っている、そう考えれば輸銀の金はついていない、輸銀の貸した金の外であると申せるのかなというふうに思っております。
○多田省吾君 一般論としてお尋ねしますけれども、あるプロジェクトがあってそれに融資が行われる。今回フィリピン向けの融資にかかわる、フィリピン国内法とかあるいは我が国の刑法等に触れた場合、この融資された資金というものはどのように措置されるのですか。
○参考人(大倉真隆君) これはまた具体的なケースが出てこないとなかなか判断しにくいと申し上げざるを得ないと思いますけれども、もしそれが私どもの貸付契約上の目的外の使用であるという判断になります場合には、恐らく、貸付契約上、即時全額を私どもに返してくださいというような処理をするのが一つの考え方かなと。私どもは貸した金はとにかく全部返してください、期限がまだ残っているが返してくださいというようなことで処理するのが一つの考え方かなというふうに今は漠然と考えておりますけれども。 御質問の中にありました目的外使用というのは、実は輸銀の経費予算の方のことが法律に書いてございまして、今の御質問とはちょっと違う問題であろうかと思います。
○多田省吾君 対フィリピン向け融資の中で、債務繰り延べの実績はどうなっているのか。それから民間資金、公的資金それぞれについて、輸銀が持っている不良債権の返済の可能性についてもどう掌握しているのかお伺いしたい。
○参考人(大倉真隆君) 私どもが、さっき申し上げた意味で、直接フィリピン側に貸しております債権の元本利息につきましては、一昨年末までの分は全部期限どおり返ってきておりました。 フィリピンの経常収支の状況が大変悪化したということで、御承知の公的債権の繰り延べを国際的に相談するパリ・クラブというのがございまして、パリ・クラブにフィリピン政府がその繰り延べを申し入れまして、各国とも合意いたしました。 合意の内容は、一九八五年、つまり昨年の一月一日から本年の六月末、十八カ月になりますが、その間に期限の到来する分について、元本は一九九一年三月からの十回均等半年賦五年払いにしよう。それから利息は四〇%を一九八七年九月までに三つに分けて払います。残りの六〇%は一九九一年三月を第一回とする元本と同じ五年間で払います。まあやむを得ないでしょうということで各国ともこの基本に合意いたしまして、それを受けて、日本政府とフィリピン政府の間で大体こういう方式でいわゆる公的債務の繰り延べに応じましょうという交換公文ができておりまして、さらにそれを受けて、実際の貸付者であります私ども日本輸出入銀行とフィリピン政府の間でこれをさらに詳細に規定した繰り延べ契約というものを実質的に合意に至っておりますのですが、ちょっと先方の事情もありまして正式な調印がまだ延び延びになっております。 現状はそういうことでございます。
○多田省吾君 先ほどお願いしました対フィリピンへの融資実績の中で、プロジェクトの内容あるいは融資金額、それから融資期間、それから残高、こういったものについて公表はできないとおっしゃいましたけれども、私は公表できない理由はないと思うんですよね。政府資金でもありますし、これは私はぜひ早急に公表していただきたい、資料をいただきたいと思いますが、再度お尋ねしますが、いかがですか。
○参考人(大倉真隆君) 延べ払い輸出をしておりますときの輸出契約というのは、民間企業と相手側の輸入者との間の契約でございまして、これを私どもが私どもの責任で公表するということについては、やはりかなり慎重でなければならないんではないか。恐縮でございますが、これについては、私の理解しております限り、政府が個別企業の契約内容というのをどこまでお示しできるのかということを現在政府全体として御検討中であると承っておりますので、委員長、恐縮ですが、その御結論に沿いまして私どもとしてもできるだけ御協力できるところは御協力したい、さように思います。
○多田省吾君 じゃ、大蔵大臣、輸銀総裁がそのようにおっしゃっておりますが、やっぱり政府がよろしいと一言おっしゃれば公表されるわけでございますので、この問題に対しましては特別委員会も早急につくられると思いますが、この前大臣も、できるだけ協力すると、このようにおっしゃいましたけれども、やはり公表の方向でなさるようにお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) いわゆる公表すべきか、あるいは国会の国政調査権に対する協力という形で資料提出とすべきか、これらを含めまして十分御趣旨を体して部内で検討させていただきます。
○多田省吾君 では最後に、国税庁の次長がお見えだと思いますが、この前から各委員会におきまして、いわゆるフィリピンにおけるあのリベート問題について税法上の対処をいたしたい、精力的に今調査しているところだというような御答弁があったわけでございますが、いわゆる使途不明金としての扱いで済ますのか、また別の徴税方法になるのか、その辺どのようにお考えでございましょうか。
○政府委員(塚越則男君) いわゆるリベート問題でございますが、国税当局といたしましては、課税上の問題点がないかどうかに関心を持ちまして、いわゆるマルコス関係文書と言われるものの分析を初めといたしまして各種の報道等を含めて、課税上有効な資料、情報の収集に努めているところでございます。こうした資料、情報に基づきまして、必要がある場合には随時実地調査を行うなどして適正な処理に努めてまいりたいと考えております。 いわゆるリベートと言われるものにつきましてどういう課税上の処理になるかということでございますが、適正な割り戻してございますとかまたは手数料といったようなものでございますと、これは損金に算入されますが、それ以外のものにつきまして、例えば取引先への謝礼でありますとかあるいは贈与といったようなものは、交際費または寄附金ということで課税されることになります。この場合に、どうしても支出先が明らかにされないというようなときには、使途不明金として経費性を否認して全額課税するということになっているわけでございますが、私どもといたしましては、極力リベートの内容を解明して、その実態に即して適正に処理をしてまいりたいというふうに考えております。
○多田省吾君 国税庁としては、いわゆるアメリカで発表された二千数十ページに及ぶ文書とか国会で審議された問題とか、いろいろありますけれども、また新聞紙上で発表されたものとか、どの程度今お調べになっているんですか。
○政府委員(塚越則男君) ただいまお答え申しましたように、マルコス関係文書というものですが、これは外務省から既に入手をいたしております。そのほか、いろいろ新聞等で報道されたものを含めまして、課税上有効な資料になるかどうかというようなことを検討しております。具体的にこういうものをもってということはちょっと答弁を差し控えさしていただきたいと思います。
○丸谷金保君 最初に酒類の表示の問題について若干お伺いいたしますが、昨年のワインの不凍液混入問題に端を発して、酒類の表示というふうなことがいろいろ問題になり、昨年の暮れには日本ワイナリー協会は自主規制というふうなことで一応の表示を行いました。それから、しょうちゅう業界その他もそれぞれ表示についてはもっとはっきりすべきだという方向に進んでいるということは、不幸中の幸いというか、業界がそれぞれ努力していると思うんですが、しかし、先般の自主規制を見ましても、マスコミ等の評判極めて悪いんです。大甘の自主規制だということで、この程度じゃしようがないじゃないかと。 それで、私たちも正しいワインの表示を求める会ということで集会も開き、その集会の結論を持って国税庁及び公取の方に要請文を出しました。その後、どうなんでしょうか、いわゆる当局得意の行政指導というふうなことで、前向きに酒類全体としての表示の問題が進んでおるのかどうかということをひとつ御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(村本久夫君) ただいま先生御指摘のとおり、ワインの表示の問題につきましては、昨年一連のジエチレングリコール混入ワイン事件というようなこともございまして、業界といたしまして、こうしたことが契機となりまして、ワインの表示のあり方についていろいろな御批判等もございましたが、この要請にこたえるべく、昨年の九月以降鋭意検討をし、一応とりあえずの措置といたしまして昨年十二月に暫定措置を決めたということにつきましては、先生よく御存じのとおりでございます。 御指摘のとおり、この暫定措置につきましては、当面の緊急を要する社会的要請への対応がなされておりまして、従来何も原則がなかったということに比べますと一つの前進であろうかと考えておりますが、例えばワインの先進国の例、そういうようなところと照らし合わせてみますとまだまだ十分とは言いがたいという点につきましては御摘摘のとおりであろうかと思う次第でございます。 酒類の適正表示、これは消費者の商品選択に役立つということのほか、業界の公正な競争秩序の維持を確保するというような意味合いもございます。国税庁といたしましても、国民のワインに対する信頼が増すということは念願いたしているところでございまして、当面、昨年十二月に決定されました暫定措置が厳正に実施される、さらに、残された、例えば品種ですとか年号の問題、そういうようなことにつきましても鋭意検討を進めるよう業界の方を指導をいたしておりますが、今後とも、公正取引委員会とも連絡を密にいたしまして積極的に業界を指導してまいりたい、このように考えているところでございます。
○説明員(黒田武君) お答えいたします。 公正取引委員会でも、昨年九月にワインの表示に関しまして業界団体に適正化を図るよう要請したところであります。それに対しましては、ただいま国税庁の方からも御説明ありましたように、十二月に国産フィンの表示等に関する暫定措置というものを取りまとめられまして、一月から順次表示の改善を図られておるわけです。しかし、この基準につきましてはあくまでも暫定基準ということでありまして、私どもの方から見ますと、製品ワインの原材料の原産国について消費者の誤認を排除するためにつくられたものであると見ておるわけでありまして、したがいまして、ワイン全体の表示の基準として今後も適正化していくように、特に消費者のワイン選択の際の表示基準とか、あるいは消費者のワインに対する意識の動向などを見きわめました上で、さらに総合的なワインの表示基準ができるよう引き続き業界を指導していきたいと考えております。
○丸谷金保君 私は、ワインだけでなくて酒類の表示の問題でお聞きしたんです。といいますのは、ワインをもう少しきちんとすべきでないか。例えばヨーロッパではああいう不凍液を入れたような会社は法の対象として処罰されているんですよね。ところが日本ではただ営業停止くらいなことで、厳しい何というか、法の対象としての処罰はないんです。これはワインだけでなくて酒類全体がそういう点で非常に僕は甘いんでないか。例えば、ワインの問題を強くもっときちんとしようじゃないかということを一生懸命言うと、ほかの酒類の業界から、いやそれは困る、ワインだけそんなことやられたら我々の方も困ると。例えばしょうちゅう業界でも甲と乙の問題、それから何々しょうちゅうなんと言っていても実際にはほとんどそれは実態と違う。そういうふうなものを大蔵省なんか知っているわけですよね、検査しているんですから。 だから、そういう点を、ワインだけでなくて酒類の全体をやっぱり前進させてもらわないといけないんです。税金を取る方は熱心なんですが、品質の問題について目を光らせるというのは非常に不熱心だ。しかし、実際に法的にはやれる権限を、いろいろ指導できる権限を持っていながらちっともそういう点に踏み込まない。こういう点についてどうなんですか、もう一度、ワインだけでなくて。
○政府委員(村本久夫君) 先ほども御答弁申し上げましたが、酒類につきまして適正な表示をするということは、消費者の商品選択に役立つということ、さらに業界の公正な競争秩序を維持していく、そういうことで重要な役割を持っておると思っております。 先生御承知のとおり、現在、酒類のうちウイスキー、ビールそれから泡盛、こういったものにつきましては公正競争規約ができております。またそのほかにも、清酒につきましては、公正競争規約までいきませんが、自主基準というようなものを設けております。またさらに、今お話がございましたしょうちゅう乙類につきましての表示、これにつきましても近年いろんな、ニンジンしょうちゅうでございますとかそういうような多様な商品をもって、そういった名を冠したしょうちゅうが出てきている。そういうようなことから、酒類、しょうちゅう業界におきましても鋭意、これはしょうちゅうの乙でございますけれども、検討をいたしておりまして、公正取引委員会の方とも緊密に連絡をとり、御指導を仰ぎながら行っておりまして、既に最終段階に近いところに来ているというふうに承知をいたしているわけでございます。 酒類全般につきましての適正な表示ということにつきましては、そういった個々具体的な動きもございますけれども、私どもの方といたしましても、今後ともそういった方向に業界が進みますようできるだけの指導をしてまいりたい、このように考えているところでございます。
○丸谷金保君 それでは次に平和相互銀行の問題についてお伺いをいたしたいと思うんですが、実は昨年の六月に私大きく質問いたしましたが、その後、預金者保護ということも考えて、余りその後の質問、それからマスコミ等に対してもお答えすることをしないでまいったわけでございます。しかし、大体もう預金者保護という立場から見れば、住友との合併というふうなことが決定した段階で皆安心をしたというふうなことで、一応もう大きくこの問題も強く取り上げてもいいじゃないかというふうに判断いたしたので、きょうはとりあえず二、三の点について進めておきたいと思います。 まず第一番目が、ここに昭和六十年五月二十一日の平和相互銀行の役員会に出された常勤監査役及び監査役の報告書、それから公認会計士二名、大山卓良さんと大山和宏さん。この文書は大蔵省も検査したんですからおわかりと思いますが、この謄本間違いございませんね。これをお上げして一応そちらの方で調べておいていただくように申し上げたんですが、いかがですか。
○政府委員(岸田俊輔君) 御指摘の監査報告書でございますが、これは商法上の監査報告でございまして、総会に提出されるわけでございまして、私どもが直接確認するというわけにいかないのでございますが、私ども証取法上の有価証券報告書の提出を受けておりまして、その附属書類にそれらの関係の書類が添付しておりまして、それで確認してみますところ、やはり商法上で作成をいたしました報告書であるということが推定できると思います。
○丸谷金保君 それで私は、この平和相互銀行の問題、預金者保護の立場での住友銀行との合併、これは一つの区切りではあります。しかし、それで終わったわけじゃないんで、一体今までの乱脈な経営をやってきた経営責任、そしてそういうものを今日まで許してきた大蔵省当局の責任、あるいは特に公認会計士、こういう方たちの責任、もちろんそれは内部の今までの経営陣を含めて、これがこのままで済まされていいものかと思うんですよ。あれだけ明るみに出た問題で、ただやめたということだけで済まされていいものかどうか。 それからまた、これを見るとまことに立派なんですよ。「法令及び定款に従い会社の状況を正しく示している」と、こういうんですよ、公認会計士がね。これが毎年やっていて、あれだけの問題が、正しく書かれているし妥当だというふうなことが許されるのだろうか、そんなものかというふうに思うんですが、そういういわゆる経営陣の責任も含めて、大蔵省としてはどう考えておるのか。
○政府委員(岸田俊輔君) 先生御指摘の公認会計士の責任の問題につきまして申し上げたいと思います。 私どもは有価証券報告書の確認という形で審査をいたしているわけでございますが、公認会計士の監査はやはりおのずと制限があるかと思います。内部組織が整備をしておるということを前提にしてその資料を検討するということになるかと思いますものでございますから、そういう意味では行政上の検査その他とはやはり趣旨が違ってくるのではなかろうかなと。また、これらのことにつきまして、私どもといたしましても公認会計士を呼び出しまして一応事情は聴取はいたしております。その間におきまして、手続的にはおおむね適正にやっているわけでございますが、先ほど申し上げましたように、提出されました資料に基づくというところに一つ問題があるかと思います。 またそれから、本件の問題は主として貸付債権の評価の問題になってくるのかと思います。この評価の問題は非常にデリケートな問題で、いろいろ幅がある問題でございます。 そういうことから考えますと、この監査報告書がいわゆる実態とどうであったかということは別といたしまして、直ちに責任があるということにまでは至らないんではなかろうかなというふうに判断をいたしております。
○丸谷金保君 直ちに責任があるとは言えないと。そうすると直ちでなければあるんですか。
○政府委員(岸田俊輔君) 私どもといたしましては、事情も聴取をいたしておりまして、現段階ではそう考えておりますが、事態の発展によりましては今後検討してまいる事態になるかもしれないというふうには思っております。
○丸谷金保君 現段階という言葉をよくお使いになるんですけれども、例えば平和相互銀行のこれだけの問題も、昨年の五月ごろには銀行局長さんは、現段階では預金者に心配ないという言葉を使うんですよ。ところが六月になればこれはやっぱり大変なことだということになってくるんです。ですから、どうもこれだけのことが会計監査の方方が全くわからなかった。例えば内部資料を見ますと、融資した相手先からこの役員が報酬をもらっているというふうな問題だとか、それから、実際にはもう赤字会社であっても、そこに利息は取れませんね。それが今度は要するに利息分をまた貸し増しして、毎年毎年ですよ、そしてその利息分を取りつけている。 それからまた、そういう貸し出しするものの、銀行の利益を上げるために、相当高利の利息を、それはそうですよね、百億円で十億円利息が出るのに、十億円貸していけばこれは幾らでも利息高くても取れる。そういう非常に高利の貸し付けの形をしてやっている。こういうふうなことは公認会計士が見ればわからない話じゃないと私は思うんです。 それで法務省、公認会計士という資格を持った人がこういう監査を毎年やってきたという商法上の責任はどうなんですか。
○政府委員(稲葉威雄君) 会計監査人について商法の特例法という法律がございまして、会計監査人がその任務を怠ったことによって会社に損害を生じさせたときは、会社に対して連帯して損害賠償の責めに任ずるということになっておりますし、虚偽の記載を監査報告にしたことによって第三者に損害を生じたときにはその責任も負うということになっております。そのほかにもちろん科料の制裁というものも負うことになりますし、もちろんこの会計監査人の職務というものは公認会計士の職務に基づくものでございますから、もしそれに非違があるといたしますと公認会計士法上の責任も追及される、こういうことになると思います。
○丸谷金保君 この種のことが全く公認会計士がわからないで、正当に決算が行われているというようなことを毎年やってきている。そうしますと、商法上で、五億以上の資本金を持つものは公認会計士に必ず監査させなさいと。これは一体どういうことなんですか。こんなこともわからなけりゃ、それでこれでもういいんだということになれば、ああいうものをつけるということは何の意味もないじゃないですか。どうなんですか。
○政府委員(稲葉威雄君) 公認会計士というのは、先生御案内のように、こういう監査の専門家として法律上一定の資格が付与され、独占的地位、権限を与えられているわけでございます。そういう専門的知識に基づいてしかるべく会社の決算内容を監査していただくというのが趣旨でございまして、もしその専門的な知識に基づく職務の行使について非違があるといたしますと、それは当然それなりの責任を負っていただくというのが建前でございまして、もしそういう責任が生ずるケースでありましたら、それは責任を負わなければならないということは明らかであります。
○丸谷金保君 これはマスコミのいろんなのにたくさん出ているんですが、検察庁の伊藤検事総長と、伊坂さんという、この間やめた平相の監査役、これが一緒に地検に勤めておった。一期先輩後輩の関係にあるそうですけれども、こういうことでこの問題に深く入れないんじゃないかというふうなことを書いてあるのもあるんですが、まさかそんなことはないと思うが、どうなんですか。
○説明員(原田明夫君) お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘の平和相互銀行に関しまして、従来相当長期間にわたりまして種々の報道がなされ、また国会でも御論議がなされておるわけでございますが、この点に関しましては検察当局といたしましても関心を持っているところであるというふうに承知しております。現在どういうことをやっているか、あるいはやっていないかということに関しましては、私の立場から申し上げることは適切ではないと思うのでございますが、仮に刑罰法規に触れるような事実がある、つまり犯罪になるべき事実があると認められるような場合には、検察当局は適正に対処するものと考えております。
○丸谷金保君 それで、実は検察当局が検査のいろいろな平和相互銀行の内容について大蔵省に協力を要請しているけれども、大蔵省の方では一切その協力には応ぜられない、拒絶しているというふうなニュースもよく出ておるんですね。今まではいろいろな点で相互に協力し合っていたけれども、今回のこれについてだけはというふうなマスコミの記事もあるんですが、検察当局からそうした点での協力要請があった場合に、大蔵省としては協力するんですか、しないんですか。いかがでしょうね。
○政府委員(吉田正輝君) ただいまの御質問でございますけれども、私どもは、犯罪その他刑事事件に関連するようなことにつき検察庁からもし協力依頼があれば、これは一般論で申し上げさせていただきますけれども、これらについては適切に協力すべき立場にあるというふうに考えておるわけでございます。ただ、検査でございますから、検査の内容等につきまして一定の限界あるいは手続その他ありますけれども、一般論として申し上げれば協力すべきものというふうに考えておるところでございます。
○丸谷金保君 例えば、この間おやめになった平和相互銀行の重役の一人が、平和相互銀行から多額の融資を受けている総武都市開発という会社がございますね、その他の数社から年間相当の手当を受けているというようなことが事実だとすれば、そういうことは報告できますか。おたくの方は調査していますでしょう、そういうことは。
○政府委員(吉田正輝君) 個別のかなり立ち入った形の具体的ケースでの御質問でございますけれども、検査は、一般的に申し上げまして、犯罪捜査のために銀行検査を行うわけではなくて、資産の健全性の確保、預金者の保護の見地から行われるわけでございますけれども、一般的に申し上げて、そのような事実について司法当局、検察当局が関心を示すときには全体としては協力の姿勢をとるべきものというふうに考えておるわけでございます。
○丸谷金保君 これは名前その他は申し上げませんけれども、一般論として、融資先から特別の利益の供与を受けているというものは法律に抵触しませんか、銀行法上。
○政府委員(吉田正輝君) この種の問題につきましては、大変恐縮でございますけれども、司法当局の所管に属するのではないかというふうに考えておるところでございます。
○丸谷金保君 同じことを申し上げますが、融資先から特別の利益の供与を受けているというふうな場合にはこれは法に抵触しませんか、相当の金額を受けている。法務省に同じことを伺います。
○説明員(原田明夫君) 大変恐縮でございますが、具体的事実関係がつまびらかでございませんので、ここで仮定の事実を想定いたしまして、それについて、犯罪に該当するとかあるいは刑責を問うべきであるというような形でのお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
○丸谷金保君 もうマスコミでみんなそういうふうなことが書かれているんですよね、いろいろ。そういうふうなことが相当の信憑性を持って書かれているというふうなこと。私が先ほど監査報告書その他が事実のものであるということの確認を願ったのは、そのときに同時に内部からきた中にそういう具体的な問題がたくさんあるんですよ。ただ、今一つの名前を挙げましたけれども、必ずしもそれと限るかどうかわからないんですよ、実際は。 そういうようなことがいろいろ、あるいはこの会社でなくて別な会社かもしらぬ。しかし、そういうふうなことがいろいろ取りざたされているときに、何にもそういう問題についての動きがなくて、これがこのまま一件落着だなんということは私はやっぱり許されることじゃないと思うんですが、いかがでしょうか。これは大臣に御答弁と言ってもちょっとあれでしょうから、担当の、どなたがいいのかな、どなたからでもいいですから、どうなんでしょうね、これだけのことがあってね。
○政府委員(吉田正輝君) 一般論でございますけれども、先生が御指摘のような事実がございましたら、当然私どもといたしましては、銀行の健全性の確保の見地からそれらについては十分参考にさせていただき、調査させていただくことについてはやぶさかではないということを申し上げさせていただきますけれども、私どもの任務、使命と申しますのは、やはり信用、秩序の維持、預金者の保護、そのための銀行の資産の健全性の確保というところにございますから、犯罪の有無等につきましては私どもはそれはそれなりに仕分けして考えて、私どもの任務の範囲内にとどめざるを得ないというふうに考えておるところでございます。 ただし、金融機関は公共性の高い機関でございますから、役員、行員はもちろんのこと、襟を正して適正な業務執行を行うべきであるということは当然でございます。
○丸谷金保君 それじゃもう一度あれしますが、私はこの監査報告書を役員会のあった直後に入手しているんです、まだ全く一般公表されないときに。そのとき同時に一緒に持ってきた書類というのは相当の信憑性があると思うんです、直後ですからね。役員会のそこからもうすぐに。そういう中でただいま申し上げたような会社その他数社からというふうな内部資料があるんです。これが絶対に事実だったかどうかということは私たちにはうかがい知れません。しかし、少なくともそういう疑いがあるということになれば当然調査してしかるべきでないかと思うんですが、いかがなものですかな。
○説明員(原田明夫君) お答え申し上げます。 ただいまのお尋ねは、先生御指摘のような事態あるいは報道されている事実、あるいは内部告発的なものに関しまして当然捜査を行うべきではないか、また事実関係を明らかにして、刑責を問うべきものがあれば問うべきではないかというお尋ねだろうと承知するわけでございますが、もとより、一般的に申し上げまして、検察当局といたしましてもこれまでいろいろ御指摘されている事態に関しては十分承知していると存じます。 ただ、これまた一般的で大変恐縮でございますが、具体的な事件に関しまして捜査当局が捜査に着手しているのかどうかということにつきましては、これは関係者のプライバシーの保護という観点、あるいはまた捜査上実体的真実を発見していくという観点からの要請もございまして、一般的に、これは捜査に着手している場合である、あるいはない場合でも、現在捜査を行っているというようなことについては申し上げないことになっておりまして、その点御理解いただきまして、検察当局としては関心を持っているということで御了承いただきたいと存じます。
○丸谷金保君 プライバシーといっても、これだけ世間を騒がせた問題で、しかもマスコミでもう連日のようにいろんな形で名前が出てきておる会社等に関して、まあそれでも関心を持っているということで一応あれしておきましょう、きょうは。平和相互問題というのは、これからがむしろそういう点で明らかにしていがなきゃならぬ、第一段階でめでたしめでたしということではないんだということは、十分ひとつ大蔵当局も御認識いただきたいと思います。 この問題に関連してまだほかのことも聞きたいと思うんですが、もう一つきょうはぜひお聞きしておきたい問題があります。 実は、租税特別措置法が通りました。だから法案の内容については、もう通過したものですから一々申し上げません。しかし参議院では非常に立派な附帯決議がついているんです。特にその中で「納税資金の融資についても配慮すること。」というのがございます。それでひとつこれはぜひ配慮を具体的にしてもらいたいというのは、できるだけ利息、担保、そういうことを言わないでお願いしたいと思うんですけれども、いかがなものでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 国民金融公庫等一部の政府系金融機関におきましては、従来から納税資金を運転資金貸し付けの対象としておる。しかし、今回の附帯決議を踏まえて、さあどういうことができるか。そこで納税資金の貸し付けにおいて、今後とも必要に応じ借入申請者の実情等に即した担保徴求の弾力化、これができることが一つと、それから審査実行の迅速化、この二つができることだなというふうに理解をいたしまして、そのように指導をしておるわけでございます。 対象は、国民金融公庫と中小企業金融公庫と沖縄振興開発金融公庫と商工中金、こういうのが私どもが指導できる対象になる、こういうふうに整理をいたしております。
○丸谷金保君 お金のないところから税金を取るというのは随分ひどい法律ですけれども、できた以上仕方がないから、やはり納税できるようにしないと、元来金のないところなんですから、赤字法人というのは。 それで、中小企業信用保険法というのがございますね、これを何とか改正して、信用保証を別枠で赤字法人の税金を払うという、そのことについて無担保、無保証というふうな方途を、あるいはそれから低金利というふうなことでやる方法を切り開いていただかないと、税金のための破産、それから、もう時間がないのでそこまで言及できなかったんですが、例えば決算日を変更するというふうなことにより歳入欠陥にならないかどうかというふうな問題等、いろいろあるんですが、何かそういう点ではひとつぜひ税金のための破産を防止する具体的な策をつくっていただきたい。 それからもう一つ、この法律で「第五十八条の規定の適用に関し必要な事項は、政令で定める。」というのがありますね。この政令で定めるのは、あくまでいわゆる法の五十八条の範囲内ですね。こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
○政府委員(大山綱明君) 五十八条の適用に関してということでございますので、五十八条、つまり災害による欠損金の繰り越し、これに関連した事項ということでございます。先生のおっしゃった趣旨どおりだと思います。
○丸谷金保君 そうすると、これを適用して決算日の変更はだめだというふうなことは言えませんね。
○政府委員(大山綱明君) 私どももう既に政令を出しておりますが、決算日の変更云々について、この政令の規定として何か書くというようなことは全く考えておりません。
○丸谷金保君 それで安心して質問できるんですが、三月三十一日まで決算日を変更すれば、赤字繰越金に対する課税はできませんね、三月三十一日に決算期が来れば。そうすると少し利口な会社はみんなやりますよ、これ。大体大分やっている話は聞いているんです。そういうことも気がつかないところの赤字会社というのは全くどうにもならない、経営能力もないというか、税金も払えないようなところ。少し気のきいた、税でも少し払えるかなと思うようなものはそういう措置をとってこれは税金から逃れるんですよ。もう随分やっていると思いますよ。それからそうでないのは金でも借りてやらなきゃ払えない。こういうことになると、二千二百三十億なんて見積もった歳入、僕はそんなに出てこないと思うんですが、これは大臣、歳入論争は一昨年もやりましたけれども、二千二百三十億、大丈夫ですか。
○政府委員(大山綱明君) もう既に法律が適用になっております。したがって、今から決算期を変えるという法人が仮にありましても、それは問題になることではないかと思います。 それから、二千二百三十億円大丈夫かという御質問でございますけれども、私ども、従来の繰越欠損金の発生する金額、これに、その発生した翌年に黒字になる企業の割合、それを中小企業、大企業の割合で分ける、そういったことで適切にこの税収見積もりをいたしているつもりでございます。現時点ではこの金額は適切に見積もられた数字というふうに考えております。
○丸谷金保君 大臣いかがですか。
○国務大臣(竹下登君) 予算、まさにきょうは委託審査しておりまして、したがって、予算書の変更、予算書の書きかえに通ずるような、これは見込み違いするかもしれませんとは、とてもこれはお答えできません。今大山君から答弁しましたように、かなり詳細な見積もりを積み上げておりますので、現時点においては最も適切なる積み上げであるというお答え以上に出ることはできないと言わざるを得ません。
○丸谷金保君 大臣はそうおっしゃるより方法はないんでしょうが、後で陳謝することのないようにひとつ、そういう前例がありますので御忠告申し上げておきます。 もう今ではできないけれども、私の知っている何社かも、いや大丈夫だ、もうちゃんと三月までに、二月くらいか一月くらいのうちにもう体制立てて決算期を三月に変えたというのを僕は何社か聞いているんですよ。ちょっと気のきくのは、法律ができるまで待ってないで、これはということで変えているところがたくさんありますので、だから融資の方法でも考えてやらなきゃ残りの分は入ってこないと思う。それで、具体的にこういうところを手直ししてでも、低利で無担保で無保証でというふうな道をひとつぜひお考えいただいた方が歳入確保するのにいいんじゃないかという点を申し上げて、質問を終わらしていただきます。
○近藤忠孝君 スイスの銀行委員会がマルコス資産の凍結指令を出しました。さらに残高など詳細報告を銀行に指示した。そのことにつきまして我が国ではどうか、これが先日法務委員会で質問がなされました。これに対して銀行課長の答弁は、日本では法律がないのでだめであるということですが、果たしてそうなんだろうか。全然日本として凍結もしくは、これがあってマルコスもしくはその一統のところに行くのを阻止する方法は全然ないんだろうかという問題について冒頭に質問をしたいと思うんです。 もう既に指摘されているように、マルコスが東京の銀行に二億ドル預金したとか、マルコス疑惑のリベートの一部、約一億一千万円をアンジェニット社の社長が東京で円貸しで支払いを受けた、こういう事実が指摘されていますね。これは本来フィリピン国民の資産であって、今後フィリピン政府から正式の請求もしくは凍結要求がなされることはあり得ると思うんです。 そこで、法律的に、また銀行の実務として、犯罪で入手した金に対しては、被害者の方から請求があっても支払いはできなくて、やっぱりその犯罪人に支払わなきゃいかぬ、こういう実際の実務が行われていることは承知しておるんです。しかし果たしてそれだけなんだろうか。何らかいろんな方法、いろんな事例があると思うんだけれども、そういうことだけで、これは大蔵省は何も銀行に指示できませんというようなことで済ましていいんだろうかという問題ですが、法務委員会は課長だったけれども、今度は局長ないしは大臣に、もうちょっと政治的な判断を加えた上でひとつ御答弁いただきたいと思うんです。
○政府委員(吉田正輝君) まず、マルコス氏が日本の銀行に預金をしているかどうかについては、私ども一切承知していないわけでございます。マルコス関連文書など外務省からもいただいておりますけれども、その中にも該当の事実はただいまのところ発見しておりません。 そこで、先生御質問の一般論のところでございますけれども、預金者から預金の引き出し請求があった場合にそれを拒むことができるかどうかということにつきましては、銀行は預金者に対して預金を払い戻すべきであるという預金契約上の義務がございます。特段の法律上の根拠があればともかく、そうでない限り預金の払い戻しを拒むことはできないというふうに考えているわけでございます。したがいまして、預金者の保護などを目的とする銀行法に基づきまして、私どもの所掌する法律、少なくとも私どもの所掌する法律で、この特定の銀行預金の払い戻しを凍結し得る旨の明文の規定はございませんので、特定の銀行預金の払い戻しを凍結することは極めて困難ではないかというふうに考えております。 ただ、これを法律的に整理いたしますると、仮に例えば民事訴訟法上の仮差し押さえ、仮処分等の法的手続がなされた場合には銀行預金の払い戻しが禁止されることがある。あるいは国税徴収上の見地から差し押さえをするということが民法上の特例として認められるということが考えられるというふうに思います。 スイスの場合でございますけれども、スイスの場合には、これは実際にフィリピン、マルコス氏に係る資金がスイスの中に存在し、それがスイス国外に持ち出されそうであるという証拠を入手した連邦政府が、そのような事実に基づいて、しかも憲法の規定に基づいて、内閣として対外的にスイスの利益を守ることが連邦政府の義務である旨を規定したスイス連邦憲法第百二条に依拠して行った行為だというふうに聞いておるわけでございます。
○近藤忠孝君 私が指摘したのは、フィリピン政府からそういう返還ないしは請求の要請があった場合という前提なんですね。法的には確かに今局長言われたことだと思うんです。しかし、全然工夫がないんだろうかというと必ずしもそうでないと思うんですね。しかも、今世界的に、フィリピン国民の財産を守ってやろう、そういう不正なやつは戻してやろうということがあちこちで出ているときに、竹下さんだって今まさに地球規模でいろいろ動いておられる、竹下さんの一言がいろいろなドルのあれにも影響する時代ですから、国際的にも恥をかかないように私今助言してるんです。 例えばこんなことはどうなんだろうか。というのは、例えばAという名義であってもそれが、まあAという名義でAが預けたなら今局長言ったとおりです。しかし、Aの名義なんだけれども、その所属について争いがある場合、これはあると思うんですよ。ちょっと例は違うけれども、人が死んだ場合、死んじゃったらその人の名義じゃもちろんおろせないし、また相続人の一部が来たってそれは全部そろわなきゃだめだと、こういうことになっておるのが一つの例ですけれども、そういうぐあいに払わない。そういう場合にやっぱり支払いをとめておくということあると思うんですね。この場合、局長、いろいろな例があり得ると思うんですよ。全部十把一からげにして先ほどのようなことじゃなくて、そういう余地もあるんじゃないか。そういうような検討をしておくことが必要じゃないか。要するに所有の帰属の問題に争いがある場合、これがまず第一点です。 それから、大臣、もしこういうことでフィリピン政府から要請があっても、もう全部預金はもぬけの殻ということですと、次に何が起きるかということを指摘さしていただきますと、これはフィリピンの国内で検討されていることは、リベートなどの水増し分を除外して、実際借款があった分だけ返済する、将来。要するに水増し分は返済を拒絶する、あるいは借款協定に不誠実な点があったということですべての債務を帳消しにするというようなことが、これは大臣クラス、モンソド経済計画相が実際そういう発言をしてますよね。となると、それも将来起こり得ることだと思いますね。そんなことがあった場合に大蔵省は一体どうするのか、これが次の問題であります。 銀行局長とそれからそちらお答えいただきたいと思います。
○政府委員(吉田正輝君) マルコス氏の預金があるかどうかについては今のところ一切承知していませんので、想定に基づく答えになり、かつ極めて法律的な問題でありますので、法務省から答えるべき内容であり、かつ法務省ともまたいろいろ御意見を聞いてみたいと思いますが、仮にお尋ねのような銀行預金があると想定した場合に、それから所属の問題などがある場合に、フィリピン新政府の代表またはその代理人から何らかの法的請求権の主張がある、そのために民事訴訟法に基づく仮差し押さえ、仮処分がなされる場合が想定されると思うんです。 この場合には、フィリピンの新政府のアクション、あるいはその所属についての問題点の提起というような必要があると思うわけです。さらに、これはまたやはり法務省の所管になると存じますけれども、フィリピン新政府から、フィリピンの刑事事件にかかわる司法共助の要請がありましたときには、日本には国際捜査共助法というのがございます。国際捜査共助法上の要件を満たすものとして法務省より認められる場合には、刑事訴訟法を準用した差し押さえが行われるという場合が想定されるということが、ただいま私どもの知識でお答えできる限度であるわけでございます。
○政府委員(行天豊雄君) ただいま委員御指摘の、いわゆるリベート水増し分についての債務返済をフィリピンが拒否するんではないかという新聞報道があったことは私ども存じておりますけれども、私どもといたしましては、まだそのフィリピン政府の意向が本当にそういうことであるのかどうか確認はもちろんできてないわけでございます。 ただ、一般論として申しますと、この円借款にかかわります両国の交換公文というものは、正当な国際的な約束として成立しておるものでございますし、政権がかわったからといって新政権が旧政権のそういう国際的な債務の履行を拒むということは常識では考えられないのではないかなというふうに思っておる次第でございます。 現に、新政権が成立いたしましたのが二月の二十六日でございましたか、でございますけれども、それ以後もフィリピン政府は、我が国からの円借款にかかわります元利払いにつきましては、リスケジュールされた分も含めまして約定どおりに支払っておるのが現状でございます。
○近藤忠孝君 これは今後の推移を見なきゃわかりませんが、もし万が一そういうことがありますと、今度は日本の国内でリベートにかかわった人間がやはり日本のお金に穴をあけた、それに対する求償問題も起きてきますので、これはまた後にそういう可能性が起きた場合に指摘をし、また議論をしたいと思います。 次に大型間接税問題に入りますが、これは、もう言うまでもなく累進性が強い。そこで各国とも逆進性の緩和ということで、複数税率や免税の制度を取り入れておるんです、既にもう導入されたところは。しかし、そういう措置を施せば施すほど複雑な税制になって徴税費用がかさむ、あるいは国税職員が膨大になる、あるいは脱税等がふえてむしろ困難の原因になるんじゃないか、こういうことは当然指摘されていますが、これについてはどうか。もし我が国に導入される場合には、逆進性緩和のためにどういう措置が考えられるかという点はいかがですか。
○政府委員(尾崎護君) 課税ベースの広い間接税につきましては、税制調査会の広範な検討対象の中に入っているわけでございますが、取り扱いの手順といたしまして後半の問題とされておりまして、まだ具体的な検討に入っておりません。したがいまして極めて一般的なお話となるわけでございますけれども、逆進性に留意をしまして、逆進性を除くための諸控除その他いろいろの措置を講ずれば講ずるほど煩雑さを増してくるということはおっしゃるとおりでございます。中立性などの点で問題は出てこようかと思います。 我が国でそれでは仮に大型間接税、課税ベースの広い間接税と申しておりますが、につきまして、その逆進性に着目をいたしましてその緩和のためにどのような措置をとるかということは、先ほど申しましたように具体的にはまだ何もやっていないのでございますけれども、前に一般消費税というのがございました。そのときには、食料品でございますとか、それから教育費の一部でございますとか、あるいは社会保険診療費でございますとか、そのようなものにつきまして非課税とするというような措置がとられております。 御承知のとおり、アメリカのレーガンの税制改正に当たりまして財務省がいろいろと付加価値税について検討したものを見ますと、そこではやはり一部のそういう生活必需品をゼロ税率の適用対象にするとか、あるいは他方で、トランスファーペーメントと言っておりますが、歳出面でいろいろの措置を講じていくというようなことによって所得に対する逆進性の緩和を図ったらいいというようなことが書かれております。一般的な話としてはそのような方法が考えられるのではないかと思いますが、繰り返しになりますが、具体的にはまだ何も検討しておりません。
○近藤忠孝君 今も答弁あったとおり、アメリカでこの問題を検討しまして、特に付加価値税の逆進性について大変深い分析がされております。大変大きな逆進性があるということで、この逆進性を緩和するために、一つは、今もあったとおり社会保障、移転支出に物価スライド制を導入するとか、食料品などにゼロ税率を適用する、貧困線所得者に対する戻し税、納めた付加価値税を還付するというようなことがあるんですが、こういう方策を講じた場合、それぞれ逆進性緩和にどういう効果があるかということを大変深く検討しておるんですね。そのいずれの方法を講じても逆進性は本質的に除去することはできない、こういう結論になっているんじゃないかと思うんですが、この点どうですか。端的にお答えください。
○政府委員(尾崎護君) 逆進性の問題が残るということは言われていると思います。ただ、あくまでその所得に対しての逆進性の話でございまして、消費課税でございますので、消費に対してはどうかということになりますと、話はまた変わってこようかと思います。
○近藤忠孝君 このアメリカの分析は大変すぐれたものだと思うんですが、こういう方法でアメリカ並みの分析を日本でもやるべきじゃないか。今その問題が大変大きくなっていますし、やはり最大の問題はこの逆進性だと思うんですね。日本ではどうですか。
○政府委員(尾崎護君) 課税ベースの広い間接税につきましては、アメリカの付加価値税の検討の場合には逆進性の問題というのが大きな問題の一つとして取り上げられていることは御指摘のとおりでございますけれども、しかし、先ほどちょっとお話に出ましたような食料品のようなものを除くことによりまして、所得に対しましても相当程度逆進性を緩和できることもまた確かでございまして、今後具体的な検討に入りました場合には、当然そのようなことも検討の対象になってこようかと存じます。
○近藤忠孝君 アメリカのこの分析の結論を見ますと、例えば食料品など今言ったようなことをして緩和措置をとっても、依然として相当大きい程度にその逆進性が残るというのが、百十一ページのアメリカのこの報告書にちゃんと出ておるでしょう。それを緩和できる、これはとんでもない。これは報告書を正確に見てないんじゃないですか。
○政府委員(尾崎護君) 相当程度緩和できるのではないかと思います。 それからもう一つは、所得といいますか、あるいは家計の収入に対しての消費課税である課税ベースの広い間接税の逆進性の問題でございますが、これはむしろその課税ベースの広い間接税だけをとらえて考えるのがよろしいのかどうか。家計の税に対する支払いといたしましては、ほかに所得に対する課税、資産に対する課税、いろんな税の支払いがあるわけでございますけれども、それが全体としての家計収入に対してどのような累進効果を持つかということをあわせて考えなくてはいけないのではないかと存じます。
○近藤忠孝君 アメリカのこの報告書の結論部分ですが、大変逆進性が一般に強い。一番最下層の方からいって一四・二、九・二、七・五、ずっといって上の方は一・八だ。例えば食料品をさっき言ったような措置をとっても最低の方は一一・〇、上の方は一・八と大して変わってないんですよ。私は大事なことは、これはアメリカの例だけれども、こういうアメリカの手法に基づいて日本でもこれを検討してみるべきではないか。日本で既に出されていますのは、日本租税研究会のレポートあるいはNIRAレポート。いずれもこれは政府税調に提出されて大型間接税の有力なたたき台として議論されておるものですが、この二つのレポートは逆進性の問題について、食料品などをゼロ税率にすれば所得階層別負担率はほぼ比例的になる、逆進性はなくなるというんですが、それで実際そういう数字も出ていますね。これは数字の上ではアメリカの財務省報告とは全く大きな違いがあるんです。 なぜ違いがあるかといいますと、一つは、可処分所得を分母にとって比率を出している。それからまた勤労世帯だけなんですね。しかしこれは正確に言うには、可処分所得ではなくてやっぱり全収入、それから全世帯を対象にすべきではないか。これが第一点。そして、比例的だというんですが、実際階用別負担率は、第一分位が二・八、第五分位は二・五。決して比例的じゃないんですよね。ですからこういう点では事実のねじ曲げがあるんじゃないか。また本当に正確なものではないんじゃないか。こういうものではなくて、やはり本当にアメリカで実際やっているあの手法によってやったらどうか、この点どうですか。
○政府委員(尾崎護君) NIRAの報告にも完全に比例的になるとは書いてなかったような気がするのでございますが、先ほど私が申しましたように、かなり解消されるというようなことではなかったかと存じます。しかし、いずれにしましても、その分母のとり方でありますとか、いろいろ御示唆いただきましたようなことも考えまして検討はしてみたいと存じます。
○近藤忠孝君 じゃ、私が指摘したようなことを日本の場合にも当てはめてやってみるということですね。実際、日本租税研究会の方はちゃんと結論として、すなわちほぼ比例負担に近い、完全とは言っていないけれども、ほぼ比例負担に近い、こういうことですから、私は事実を直視してない、こう思うんです。 これは理屈から考えましても、低所得者ほど所得のうちの消費が占める割合、平均消費性向、これが高いので、消費にかけられる税金は一般に逆進的であるけれども、食料など生活必需品非課税の措置をとると、低所得者ほど消費に占める食料品、生活必需品に対する支出の割合、これはエンゲル係数で代表できますが、大きいので、ある程度逆進性を緩和することができると思うんです。しかし、平均消費性向の格差の方がエンゲル係数の格差に比べて格段に大きい、こういうことから逆進性を完全に除去することができない。数字で申しますと、平均消費性向の格差、第一分位八七・二、第二分位七三・一、その差一四・一ですね。エンゲル係数の格差、第一分位二九・五、第二分位二一・七、その差七・八。これはいずれも六十年の家計調査によるものです。 ですから、そういうことからいきましても決して逆進性は緩和できるものではないんだと思うんです。その点はどうですか。
○政府委員(尾崎護君) おっしゃるように、エンゲル係数の関係と平均消費性向の関係で所得に対しての率というのは決まってくると思いますが、これは消費課税でございますので、消費に対する率を見ますと、エンゲル係数が高い下位所得層でございますので、食料費を除いたところで消費課税をいたしますと、消費全体に対する比率で言いますと恐らく緩やかな累進性を持つのではないのかなという感じがいたします。 先ほど申しましたように、先生のおっしゃいました家計の総収入に対する税負担の累進性とか逆進性を論じます場合に、その一つの税だけをとってそれで議論をするというよりか、むしろほかの税も合わせて全体として家計に対して税負担がどのようになっているのかな、そういう検討をしてみることが大切なことではないかというように考えております。
○近藤忠孝君 しかし、アメリカでは大型間接税を導入しない理由としては、よく分析した結果やっぱり逆進性の問題に大変問題があるということなんですね。私は大事なことは、日本でもアメリカと同じ手法でその点の分析を明確にやってみるべきだと思うんです。 そこで私は、総務庁の家計調査の数字に基づいて独自に計算した結果があります、アメリカ的手法によって。食料品、教育費、保健サービスなど基礎的消費を除外したとしましても、これはその計算の数値はお渡ししてありますよね。結果的には、所得階盾別の税負担率、非課税措置をつくらない場合には、第一分位が八・九、第二が七・五、第三が六・七、六・一で、第五が五・〇%になりますが、食料品、医療費などを非課税とした場合、第一分位が五・五%、第二が四・八、第三が四・三、第四が四・○、第五は三・四。若干それは是正されるけれども、基本的にはこれだけ残るんですよね。ですから、これはどうですか、この私の計算、恐らく検討してみたと思うけれども、その点どうですか。
○政府委員(尾崎護君) 大変示唆に富んだ資料をいただきまして、私どももよく拝見させていただきました。 その計算にございますように、食料品を除いても、それから保健サービス、授業料等を除きましても完全には所得に対する逆進性は除き得ない。緩和はされます。緩和はされますが除き得ないという数字になろうかと思います。 なお、私先ほどちょっと申し上げましたように、それじゃ、これは消費課税でございますから、消費に対してはどういうことになるかというのを計算してみますと、先生からちょうだいいたしました資料そのものをもとにして、ただ分母に年間収入のかわりに消費支出をとって計算してみますと、食料品それから保健サービス、授業料を除きましたところで第一分位が六・一、第二分位が六・四、第三分位が六・五、第四分位が六・六、第五分位が六・九というように緩やかな累進性を持っているということになろうかと思います。したがいまして、消費課税でありますので、消費に重きを置いて見るか、それとも、消費課税であるけれどもそれを所得との関係で見るか、いろいろそこは御議論があろうかと思います。先ほど申しましたように、まだ具体的な検討に入っておりませんので、いろいろそのようなこともあわせまして今後勉強させていただきたいと思います。
○近藤忠孝君 大蔵省から示唆に富むなんて褒められたのは余りないことですが、ひとつ大臣、せっかく我が共産党の手法も評価されておりますから、これは大いにやっていただきたいと思いますね。 そこで、今まで大臣お答えがなかったんですが、私がこういう問題を指摘したことは、大変重要だということで指摘したんですが、政府の税制の抜本的改革案において、大型間接税の導入とそれから所得税の累進税率の緩和、これはセットとして出されようとしているところに私は問題があると思うんですね。大型間接税が今も議論したように必然的に逆進性があるとすれば、抜本的改革案において、間接税と所得税の両方の面から税制全体に逆進性な持っていってしまうという、そういうことになりはしないか、税制の面でも累進税率の緩和ということになりますとね。これだって大変ゆゆしきことではないのか。 ですから、これは抜本改革に当たっては、個々の税制ではなく、やっぱり税制全体としての所得階層別にどういう負担が配分されるのか、これを当然考慮に入れて対処すべきだと思うんですが、大臣の見解をお聞きしたいと思うんです。
○国務大臣(竹下登君) まず今の手順から言いますと、いわゆる所得税、法人税関係から審議していただいておりますから、課税ベースの広い間接税という問題の審議は後半に入るわけであります。が、答申は当然一体として出てくるものであろうというふうに考えております。 それから逆進性、累進性というのは、これは税理論の中では当然議論される議論であろうと思っております。ただ、平素、今までの税調、長い間のですね、今回だけでなく、やっぱり税というのは最終的には総体としていわゆる逆進性、累進性という問題は議論すべきであって、一つの税目だけをとって議論するという方法はいつも議論されながら、大体総合的にやろうやという方向に、毎度大体議論がそういう推移をしていくなという感じは私も持っております。
○近藤忠孝君 私が指摘したいことは、数字全体から見ていくと同時に、議論する場合のいろいろな材料、資料、それがどうもやっぱり導入の方向の資料が使われがち。先ほど指摘した租税研究会あるいはNIRAレポートも、結局とる数字、何を持ってくるかによって全然違っちゃうわけですからね。そして比例的なんというそういう結論が出てくるような資料が主に使われる状況じゃないかと思うんですね。そうじゃなくて、私が指摘したようなそういう面も十分深めてみる。アメリカの場合は、そういう面を深めた結果不採用ということになったんですから、やっぱりこういうアメリカの経験というもの、これは十分日本の場合にも参考にすべきだと思うんですが、その点お伺いして質問終わります。
○国務大臣(竹下登君) アメリカの場合はセールスタックスが地方税において現存しておるという問題はございます。が、近藤さんいろいろ資料に基づいておっしゃいましたが、その資料を含めて税調へ報告するわけでございますから、それらは取るに足らない資料であるとはまさかおっしゃらないだろうと思っております。
○栗林卓司君 私は、国税職員の定数問題についてお尋ねをしたいと思います。 現在どうなっているかといいますと、六十一年の定員というのは五万二千九百十六名です。十年前を見ますと、五十一年度が五万二千五百二十七名。十年間で大体四百名ふえておりまして、一年当たりに直しますと四十名。まことに緩やかなテンポでしか定員がふえていないのでありますが、このふえ方とあわせて、五万二千九百十六名という定員は妥当なものとお考えになっておられるかどうか、まず当局の御見解を伺います。
○政府委員(塚越則男君) 国税庁といたしましては、課税対象の増大、それから経済取引の複雑、広域化等が進む中で、課税の充実、公平確保を図るために事務の合理化ですとか効率化を進めるとともに、国税職員の増員が必要であるという考え方を持ちまして、従来から関係各方面の御理解が得られるように努力をしてきたところでございます。厳しい定員事情の中で相応の御配慮がなされてきているというふうに考えております。 しかしながら、課税対象は今後年々増加していくという状況にございますので、国税庁といたしましては今後とも関係各方面の御理解を得て、できる限りの増員措置が行われるように努力をしていく考えでございます。
○栗林卓司君 総務庁の方お見えになっていると思うんですが同じことをお尋ねをするんですが、現在の国税職員の定員、あるいはこの十年間のまことに緩やかな伸び方を含めて、妥当性をどのように御判断になっておられますか。
○説明員(菊地徳彌君) お答え申し上げます。 今塚越次長の方からお答えがございましたけれども、毎年予算要求の過程におきまして定員の増員、特に国税庁の職員の増員につきましてはかなり他に比較しますと大きな要求がございます。私どもも、国税職員の増員につきましては非常に厳しい定員事情ございます。その中で、今御答弁がありましたように、寄り寄り相談しながら極力措置をしてきたつもりでございます。
○栗林卓司君 私がお尋ねをしておりますのは、この十年間振り返ってみても、年平均に直すと四十名でございまして、それも含めて妥当だったんだろうかという質問なんです。毎年押し合いへし合いで定員をふやす議論の中に首を突っ込んでまいりますと、確かに御努力の跡はよくわかるんです。わかるんですが、あれだけ汗をかいたんだから、結果はとにかく認めてくれよと言われても、結果についていかなる妥当性があるんだろうか。今後もこれまでと同じように一年四十人ずつ積み足して、さらに十年たって四百人だと。しかも課税対象も含めてますます広がっていく。そうなると、一体国税職員の数というのは望ましい数に比べてますます乖離が広がっていくんではないか。 私がお尋ねしている基本的な気持ちというのは、もともと十分な税務の執行行政というものがあって初めて税負担の公平、公正を実現できるものだという認識に立ってお尋ねをしているわけでありまして、そういった立場、見方においては総務庁といえども同じだろうと思います。 重ねてですが、この一年平均四十人というのはいかがお考えでございますか。
○説明員(菊地徳彌君) ちょっと、そもそも論を申し上げて恐縮でございますが、定員の管理につきましては、昭和四十四年に総定員法というものができまして、国家公務員の定員管理というのは、それに基づきまして、その範囲内でかなり厳しい状況に置かれて、片側、合理化できる部分等につきましては別に定員削減をお願いし、特に政策的に必要な部分につきましては年々の予算編成過程の中で十分吟味をしまして措置をする、こういう仕組みで来ております。 その中で、ちなみに申し上げますと、政府全体としましては、昭和四十三年以降六十一年度までの間にトータルとしまして二万七千五百四十人の純減をしてございます。しかしながら、先ほど来御質問ございますように、国税庁の職員の増員の重要性という観点から、国税庁に関しましては、そういう厳しい中でもトータルで千二百九十五人、こういう増員をしてございます。これは純増でございます。こういう事情を御賢察いただきたいと思います。
○栗林卓司君 私がお尋ねしていることをもう少し言いかえますと、その数字が妥当かどうかというのは、ある基準があって結論が出る話だと思うんですよ。国税職員の数が妥当かどうかと見る尺度というのは、税務行政そのものが公平かつ公正にやられているということだと思うんですね。そこで、じゃ公平かつ公正にやられているかどうか、これもまた抽象的ですから何ともわかりづらいんだけれども、そこでひとつ指数に直して見やすいものがあるので申し上げますと、実調率があります。実調率については今のままでいいとは当局は恐らくお考えにならないでしょう。でき得べくんば実調率は高めていきたいというのがお立場だろうと思います。また実説率を高めるというのは税の負担の公平、公正という点からいっても当然やらなければいけないことだと思いますし、また国民の期待も実調率の向上にあることは間違いない。 したがって、では実調率の向上に対して今のこの増員規模というのはどの程度寄与したのか。しかもこの程度では実調率が当然向上し得ない。もしそうなっていたとすると、この程度の増員規模が、これはいろいろと総定員法の枠内で御配慮があったにしても、結論は妥当性を著しく欠くものであると言わざるを得ない。こういった質問なんですが、総務庁としては今の角度からの質問に対してはいかがお答えでございますか。
○説明員(菊地徳彌君) 毎年の予算編成過程で実調率、それから今塚越次長の方からお話ございました課税対象範囲の拡大でありますとか、反面、事務の合理化でありますとか、そういう事情をそれぞれお聞きしながら、双方勘案して措置をしたつもりでございますが、いずれにしましても、今先生おっしゃるような実調率、これは恐らく税の負担の公平、こういう観点からの御質問かと思いますが、その観点につきましては国税庁の方からお答えいただいた方がよろしいかと思います。
○栗林卓司君 実調率は久しく上がっていないわけでありまして、租税債権が時効になるのが三年、五年としまして、その間ぐらいはとにかく一遍は調べに来るぐらいの実調率を上げたらどうかという議論が再々ここであるんですが、とてもその水準まではいっていないのが現実でありまして、したがってその実調率で今のままでいいんだろうか、これは国税当局にお尋ねをいたします。ただ、お尋ねするまでもなく、この水準でいいとはお考えにならないと思うんです。 とはいっても、そのときに必要とされる国税職員の定員を考えると、その定員をにらんでの議論がなかなかできないんだというのがお立場だろうと思うんですが、そのお立場での議論ばかり続けておられますとこの議論が深まらないものですから、ではお尋ねをしますが、実調率の現在の水準と望ましい水準というのはいかがお考えでございますか。
○政府委員(塚越則男君) 最近の調査の状況でございますが、実調率は申告所得税の場合に四%、法人税の場合には一〇%ということでここ数年間推移をしてきております。ただ具体的にどのくらいの定員が必要かということは、例えばどの程度の実調率があればいいかという問題に絡むものでございますけれども、ここはなかなか一義的に定量的に申し上げることは難しいかと思います。 先生御指摘のように、除斥期間との関係で、その間に必ず一度は行くべきだというようなお考えもあろうかと思いますけれども、一つには、申告水準がある程度のレベルにありますれば必ずしも調査をしないでもいいという部分もあるかもしれません。そういったようなこともございまして、私どもはその申告水準を高めるいろいろな方策を別途講じてきているところでございます。例えば広報をいたしますとか、あるいは租税教育の充実を図りますとか、青色申告の普及を図りますとか、いろいろな手段を講じて課税の公平を図っていきたいというふうに考えておりまして、必ずしも一つの、これが適当だと言えるだけの実説率の水準ということを私お答えするだけの用意がございません。しかしながら、やはり課税の適正といいますか、公平のために、各方面の御理解を得ましてできる限りの増員措置が行われるよう努力していきたいということを私ども考えている次第でございます。
○栗林卓司君 定員問題を実調率と短絡して結びつけて議論することはできない相談だと思いますが、気持ちだけはまずお察しをいただけると思います。 そこで、多小粗っぽい議論を続けますけれども、この十年間振り返ってみて、では税の徴収能力というのは高まってきたんだろうか、低くなってきたんだろうか。なぜこう伺うかといいますと、実はだんだんと経験のあるベテランの国税職員がやめてくる傾向にあります。その穴埋めとするとより若い国税職員で埋めてまいりますから、全体を見ると、いわばベテランが去って新しい職員がふえるという意味では薄まった感じの職場になっているのかもしれません。また薄まっている感じの職場になっているんだということをよく耳にするものですかも、全体としての国税職場を考えますと徴税能力というのは昔に比べて徐々に薄まっていく傾向にあるんだろうか。その点についてはどのような感じをお持ちですか。
○政府委員(塚越則男君) 大変難しい御質問でございまして、能力がどうなっているかという点を正確にはかるような資料を私ども持ち合わせておりません。ただ、御指摘のように、国税の職場の職員構成で申しますと、五十歳以上の高齢職員が多数を占めております。二三%でございますが、これに続きます四十歳代の職員が一二%と少ないという特異なものになっております。今後、豊富な専門的知識と経験を有して国税の職場のいわば中核となって働いていただいている方々が退職年齢を迎えるという時期になってきております。 そこで私ども生いたしましては、このような事態に対応するために、従来から、大学卒を含めた資質の高い職員の確保に努めますとともに、将来の職場の中核となるべき職員に対する各種の研修でございますとか実務指導の充実強化を図ってきたところでございます。この点私ども非常に力を入れておりまして、新しい職員が税務署に配置されますと、指導担当者というものを決めまして、いわばマン・ツー・マンでオン・ザ・ジョブ・トレーニングをやっているというようなこともやっておるわけでございまして、今後とも職員の資質の向上、能力の充実ということに十分配慮して努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○栗林卓司君 今言われましたその教育問題も含めて、今の税の徴収体制が支えられている一つの大きな力というのは国税職員のまじめさだと思うんです。 一般的にざっと考えますと、これからの税制というのは一体どうなっていくんだろうか。だれしも思うのは、相当大規模な税制の変更があるんではあるまいか。政府みずからが税制全般にわたる抜本的な見直しと言っているわけですから、そうすると税制の見直しというのは当然のことに徴税事務に降りかかってくるわけですから、そのときに一体どのように現場第一線にいる国税職員にかかわり合っていくのか、これはなかなか彼らにはわからない。もちろん我々にもわからない。ただ傾向とするとどうもかかってきそうだ。そのときに、そういった負担がかかってきたとしても十分準備をし対応できるだけの人員体制が職場にあるんだろうか、こう考えると、どうもその確信がなかなか持ち得ない。日々をまじめに仕事をしながら将来についてある不安が去らない。これまでも戻し減税もそうです。理屈を別に置いて、とにかく国税職員の努力に期待をして解決をするということが何遍もあったわけでありまして、そんなことにまたなっていくのではあるまいか。だったらとにかく定員の増加割合だけは高めておいてくれないだろうかというのが今の職場の気持ちではなかろうかと思います。 申し上げたいことは以上でありまして、再々この問題はこの委員会でも議論をしておりますが、今後の定員問題について最後に大蔵大臣としてどのようなお考えで対処しておいでになるか、それだけ伺って質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 国会でああして附帯決議をいただいて、それを背景に毎年毎年お願いをしてきておる。それでいわゆる相応の配慮をなされていただいておるというのは、私なりにこれは認めます。しかし、おっしゃるように妥当か適正かと言われますと、その議論はなかなか難しい問題であろうというふうに考えております。 それから、五十歳以上の高齢職員の方が二三%とか、それからちょうど四十歳台の方は一二%というのはちょっといびつな形になっておる。 それで、これは今のお尋ねに必ずしもどんぴしゃりの考え方ではございませんけれども、この間も私日曜日に、本当は京都の知事選挙の演説会に参りましたが、その間、京都の方というとまた語弊がありますから、いろんな市町村長さんなんかにお会いしまして、国税職員五万三千と地方税職員八万数千、ここのところへぼちぼちあなたも本気に考えなさらなきゃいけぬじゃないですかと。今までは余り出なかった議論でございますよね、いわゆる自治の独自性というのが先行して。そんな話が出るようになったんだな。まだ自治大臣に話しておりませんけれども、そんな感じを率直に持って、あらゆる工夫をして進めていかなきゃならぬ。 それから、調査しますと、出先で親切な役所はどこかというと、近ごろは税務署が必ず挙げていただけるようになって、不親切の方は国鉄ということに毎度なっておりますけれども、それだけに本当に、この間来そういう議論、意見が出るようになったとすれば、そんなことも本気に考えてみなきゃいかぬのかなということで、行きつ戻りつ本当は苦悩をしておるというのが偽らざる心境でございます。
○野末陳平君 まず通産省に伺いますが、去年の例の豊田商事事件以来、あの手のいかがわしい悪徳商法は下火になったかなと思ったらとんでもない話でして、相変わらずはびこっているという話を固いたり、あるいは自分でもいろいろ知ったんですが、通産省として、相も変わらずいかがわしき悪徳商法がどんな形で今一般の国民をカモにしているかというか、その辺の実情をかいつまんで先に説明してほしい。もちろんごく短くで結構ですが。
○説明員(山下弘文君) 御説明申し上げます。 私どもの消費者相談窓口にいろいろ消費者の方からの御相談が来ておるわけでございますけれども、ひところのいわゆる現物まがい商法で大変たくさんの件数が参っておりました時期から比べますと、最近全体としての件数は下火になってかなり小さくなってきておるというふうに承知しております。その中で、いろいろケースがございまして、私どものところにもいろいろな形の消費者トラブルが寄せられているわけでございますけれども、最近新聞紙上などで伝えられておりますような海外先物取引に関連したものというようなものが多うございますし、相変わらず訪問販売に関連したトラブルというようなものも多く続いております。 ただ、現物まがい取引の関係で御説明申し上げますと、ここのところ件数が非常に小さくなってきておりまして、それも従来ございました企業に対しての今どうなっているかというような問い合わせというような感じの案件はかりでございます。
○野末陳平君 さて、大蔵省関係というよりも、いわゆる最近はやりの貯蓄商品の幾つかについて問題点を挙げていきたいと思うのです。 議員会館の私の部屋にも抵当証券のチラシが入るようになりまして、最近は新聞の折り込みチラシいろいろありますが、目立つのが抵当証券。電話でセールスをする、あるいは自宅に直接押しかけてくる、そういうのを含めまして抵当証券というのは、一方では人気化し、同時にいろいろな形のセールスもあるいはPRも非常に目立ってきた。そこで、まずこれなんですが、抵当証券に関する問い合わせ、そうですね、問い合わせですかね、広い意味で、これは通産省あるいは大蔵省にはそろそろ来ておりますか。地方自治体に聞きますと、それぞれの消費者センターには何となくここのところあるようですが、どうでしょうか。
○政府委員(吉田正輝君) 抵当証券は抵当証券法に基づき発行される有価証券でございますが、確かに先生御指摘のように、資金需要者サイドでは、中小企業を中心に新しい長期の資金調達手段として注目されてきておる。また投資家のサイドでも、御指摘のとおり、最近の金利選好の高まりを背景にいたしまして人気を呼んでいるというのが実情であろうかと思います。こういうことを背景にいたしまして、近年その発行が急増して抵当証券会社の新設が相次いでいるというのも御指摘のとおりでございます。 このための抵当証券に関する問い合わせも投資家から出てくるようになっております。抵当証券に関しましては、ただいま法務省所管の社団法人日本抵当証券協会、それから大手業者を中心とした任意団体である抵当証券業懇話会が設立されておりまして、後者の方には大蔵省もオブザーバーとして参加いたしまして、意見を聞いたりこちらの意見を述べたりしているような状況でございますが、これらあるいは当省に対しまして、抵当証券会社の信用状況あるいは中途解約を行う場合の方法などに関する問い合わせが最近出ているというふうに聞いているわけでございます。
○説明員(山下弘文君) 通産省の方の窓口に参っております件数、二月までの集計でしかございませんけれども、二月末現在ではただ一件だけ照会がきたということでございます。
○野末陳平君 今の大蔵省のお答えにもありましたけれども、抵当証券会社も急増している。それからまた一般の需要もまたそれに見合っている。 そこで、今挙げた業界の団体に所属しているところ以外の抵当証券会社が非常に多くなりまして、私などが新聞に入ってくるチラシ広告だけを集めてみましても、その会社が非常に問題点幾つかありますが、まず第一に問題なのは、紛らわしい名前がやたらにある。三井抵当証券というのがある。これは三外銀行もあったりしますから。それから富士抵当証券というのもある。富国抵当証券、これは富国生命との関連ですね。あるいはナショナル抵当証券。いずれにしても、去年の豊田商事が、例のトヨタと豊田商事とそそっかしい人はすぐ間違えちゃうような、ああいう紛らわしい名称の会社が特に最近ふえているんですね。これは信用をつけるためだとは思いますけれども、うさん臭い面も邪推したくなるような、そんなネーミングが非常に多いわけです。どうやらこれがお客に錯覚を与えて、今後いろいろな形で被害者が出てくるのではないかという不安を私が個人的に持っておりますので、これからいろんな形で質問をしていきたいと思うんです。 大臣はこの辺の実情をどうお考えでしょうか。例えば今私が挙げました幾つかの会社はそれぞれ、いわゆる三井の場合は三井銀行が迷惑をこうむった。それでわざわざ新聞広告を出して、うちとは違うと言っている。富国生命の場合は、うちとは違うので困る、こういうふうに新聞広告をわざわざ出している。つまり業者も、業者といいますか金融機関といいますか、これも迷惑をこうむっている実情なんですが、まずこの辺の実態は大臣とのぐらい御存じか、それをお聞きしてから質問したいと思います。
○国務大臣(竹下登君) 「もどき社名にご用心」というのを今銀行局長からもらいましたが、私もこの間これ見まして、いいことじゃないなと思って見ております。 貸金業規制法の適用を一応受けるから、そういう立場からアプローチすることは不可能ではないなと思いながら、まだどういうことが一番いいのかという、私自身に結論はございません。
○野末陳平君 そこで、どういうところからアプローチしたらいいかをきょうはひとついろいろと質問をしてはっきりさしておきたいんです。 一般の人が知りたいのは、欲も絡んではおりますけれども、この低金利時代に利回りがいいわけですから、この抵当証券は。そうするとこの抵当証券を扱っている会社が信用がおけるかどうか、ここの一点ですよね。この抵当証券という会社をつくるに当たって、じゃどういうような法的な手続が必要なのか、その初歩的なところをまずはっきりさしてください。
○政府委員(吉田正輝君) 先ほど申し上げましたとおり、抵当証券は、抵当証券法に基づきまして、まず第一に、大体債務者がいる、債権者がいる、その債権者が法務局に抵当証券の発行を要請してそれを発行してもらって、その抵当証券を譲渡する。あるいはもう一つの形態としては、その抵当証券を譲渡するということですが、分割して譲渡する場合と、それから抵当証券の預かり証という形で、抵当証券は自分で持っていながら、預かり証という形で投資家に販売するという形態と二つあると思うのでありますけれども、これは何人であってもこれを自由に行い得るという形になっているわけでございます。しそこら辺のところを先生が御指摘になっていると思うのでありますけれども、一般的に、抵当証券会社、先ほど申したとおり、不動産の資金化を求める資金需要者、つまり先ほど申しました債務者に対して抵当証券の発行を前提とした不動産担保貸し付けを業として行っているのが通例でありますので、この点に関しましては貸金業規制法の適用を受けることになって、同法による登録を受ける必要があるわけでございます。これはそういう意味では大蔵省所管の業者になるわけでございますけれども、資金需要者、つまり債務者に貸し付けを行わない場合、例えば抵当証券をどこかからか買い取って一般投資家に販売する場合には、貸金業規制法の登録も要しないという形になっておるわけでございます。 実態といたしましては、私どもが把握しているところでは、先ほど申しました抵当証券業懇話会会員としての四十六社、それからこれでない会員外の者、これは悉皆調査でありませんので正確な数字ではございませんけれども、六十社あり、計百六社程度というふうに把握しているわけでございますが、前者の懇話会、これには先ほど大蔵省もオブザーバーとして参加しているというようなことを申し上げましたが、貸金業法の登録を受けているという形になっておるわけでございます。しかし一般的に、とにかくこの抵当証券の販売を業とする者については、何人であっても自由に行われるというのが今の設立手続になっておるということでございます。
○野末陳平君 つまり、届け出を出せば簡単に会社はつくれる。そこまではいいんです。また抵当証券そのものも法務局が発行するわけですから。そして貸金業といういわゆるお金を貸すというこの業については大蔵省もアプローチできているわけです。 問題は、現実には、一般投資家といいますか、お客との関連で一番私は聞きたいわけでして、これは抵当証券を販売する、お客からいえばこれを買うという、金を集めるというのか金を預けて利息をもらうというのか、その面の仕事に関しては貸金業はもちろん手を出せないわけでしょうけれども、問題は、ここは一体どこの、つまりどんな法律の規制がそこにあるのか、あるいはどこの役所がそこをチェックするのか。お客様との接点についてはどういうふうに考えたらよろしいんでしょうか。
○政府委員(吉田正輝君) 抵当証券法は法務省が所管しているということがまず第一にございますけれども、この抵当証券は抵当証券法に基づいて発行される有価証券でございますけれども、その販売はやはり金融取引の側面を有しているということで、しかもこの抵当証券を販売している会社は銀行等の関連会社が多いということもございまして、私ども金融当局としても、この抵当証券の取引に関心を持って注視しているところであるというのが実情でございまして、発行面につきましてはまさに抵当証券法による法務省の監督下にあると思うんですが、販売、流通面についてはただいまのところ先ほど申しましたとおり自由な業である。 ただ、私どもとしては、銀行等の関連会社がやっている場合が非常に多く、それの信用問題にもかかわることでございますし、それからその金融取引の側面を持っているということで、関心を持って注視しておるという、率直に申し上げてそういう現状でございます。
○野末陳平君 ですから、注視している、関心を持つという段階にとどまっていいのか、もうそういう段階はとっくに過ぎているというのが私の指摘したいところです。 念のため、ほかに一時払い養老保険とかいろんなものと比較しながら話していきたいんですが、何分にも最近人気化しているだけに先にこちらをやってしまいたいと思います。 ここに六種類ばかりパンフレットがあるんですね。このパンフレットは、大臣も御存じですから今さら細かく言わなくてもいいと思うんですが、例えば税制面で非常に有利である、あるいはマル優に関係なく非課税扱いになっている、あるいは法務局が発行する抵当証券だから二重の保証があると書いてあるんですね、元金、利息とも。これは法務局が保証するわけないんですけれども、こういうふうに書きますと、もう一般の人はこれだけで銀行や証券会社と同じく非常に信用のおけるところだと思いがちですね。現実に抵当証券の会社にも銀行や保険会社や証券会社が出資しているきちっとしたところもあるので、それとの混乱も含めまして、どうもこういう広告をチラシでぼんぼんばらまいたり電話でセールスをやるというところにも、そもそもこれは将来ほっておいたら危なくなるんじゃないかという気がしてしようがない。 そこで、法務局が発行する抵当証券というのと、元利とも保証するのは全く別なんだけれども、似たように、錯覚に陥りやすいチラシです。こういうのはやっぱり問題あるんじゃないですかね。金融業という面から関心、注視というんでなくて、ほっておけないんじゃないかと思いますよ。
○政府委員(吉田正輝君) 確かにただいままでのところ発生はしておりませんけれども、投資家の保護の問題あるいは金融取引の攪乱の問題等の問題があるのではないかという認識は、私どもとしても最近のいわば抵当証券フィーバーの現象を見ながら意識していないとは言えないわけでございまして、先ほど申しましたとおり、抵当証券法自体は法務省の管轄でありますけれども、その流通のあり方あるいは今後の投資家保護等については、あえて申しますれば研究課題という認識は持っておるわけでございます。
○野末陳平君 当然だと思いますね。ですから早く何らかの手を打たなきゃいかぬと思うんです。このごろは金余りですから、特に金利が下がりますと、一般の人もお金が余ってますから、どこへ行こうかというのでつい判断が狂うだろうと思うんです。 何しろこのチラシを見ますと、安全、確実、有利、こういうふうに書いてあるんですね。しかも利回りがはっきり言って非常にいいわけです、特にこの手のチラシはですよ。となりますと、これはどうなんでしょうね大臣、簡単な話ですけれども、もう結論は出ているようなものですけれども、この抵当証券会社をそのまま信じて、五年物あるいは三年物というものを購入する、投資家が。そうすると会社が倒産したらどうなるか。元金返してもらえるのか、これは返してもらえないです。あるいはドロンしちゃったらどうなるか。あるいは金だけ集めて、利息は何となくくれるけれども、元金のいわゆる中途解約には応じない、こういうふうになってきたら、これはもう安全、確実、有利どころじゃなくて、こんなのが野放していること自体が、これはもう大蔵省が責任問われますね。 今の現実はそうなんで、幸いなことに被害者は出ないんです。出ないわけですよ、またここ一年ぐらいですから、フィーバーしてきたのは。しかも利息は半年ごとにくれるので、元金の償還まで行ってないんですから。これからが問題だ。だから銀行局長はそれを当然お考えの上のお答えなんです。大臣、これはやっぱりほっておけないと思いますよ。
○国務大臣(竹下登君) 結論からいいますと、必要に応じ法務省と相談しなきゃならぬ課題ではないかなという用題意識は私にもございます。
○野末陳平君 関連して、一時払いの養老保険というのがあります。これはもちろん生命保険会社の商品ですから大蔵省の監督下にあって、もちろん間違いのないものだと思いますけれども、これも高利回りということで非常に人気化している。ただ、大蔵省がこれについて最近は利回りを下げるとかその他の指導をなさったと聞いておりまして、それはそれでいいと思うんです。それで、どういう指導をされたのか、そしてそれがどういう理由に基づくか、その辺をひとつ説明していただきたいと思います。
○説明員(関要君) 先生も御承知のように、一時払い養老保険を含みます生命保険の配当というものは、その性質は、費差配当とか利益配当とか死差配当とかいろいろ細かくなっておりますけれども、各生命保険会社の決算が確定しました後に、その収支状況に基づいていわば保険料の精算という性格として行われるものでございまして、他の金融商品の利息とは非常に性格が違うというものでございます。また、そういう性格でございますから、契約をする当初に、これだけの利回りを確定いたしますということをあらかじめお約束する性格のものでないということをまず申し上げておきたいわけでございます。 そして、具体的にそれでは、生命保険会社は決算期が来ておるわけでございますが、この決算年度にどういう配当をするか、配当として積み立てるかということでございますが、これは制度的に、毎年五月に大蔵省に申請をすることになっておりまして、私どもが審査をする、こういう制度になっているわけでございますが、そういうタイミングから見まして、現在各生命保険会社におきましてその内部におきまして配当率の検討を行っているという段階でございます。その検討の過程におきまして、最近の金利低下の情勢等を背景といたしまして、保険契約後、非常に経過年数の短い契約と経過年数の長い契約とを全く同じ利差配当ということで配分をしていいかどうかということが問題意識として浮かび上がっておりまして、この点において各社、業界においていろいろと研究がなされているという段階でございます。 私どもといたしましては、このような問題意識が業界各社に起きてきますことは、こういった昨今の金利状況等から見まして大変時宜にかなったことではないか、このように理解しております。
○野末陳平君 そうしますと、この一時払い養老保険についてはきちっと大蔵省もいろいろと指導監督などもできたりしますし、それから会社自体が基盤がまずまずしっかりしておりますから、契約者に被害が及ぶというようなことはないわけですね。ですから配慮は行き届いている。ところが、一般の人が同じ感覚で受けとめている高利回りの貯蓄商品という中に入っている今問題のこの抵当証券は注視、関心の段階で、全くこれは今のところははっきりした指導監督のもとにないわけです。これが現状ですね。 そこで通産省に、今回のいわゆる現物まがい商法の規制法案ですけれども、その中に抵当証券も入れてもいいんではないかという検討があるかどうか、その辺のことから具体的に聞いていきたいと思いますが、これはどうなんでしょうね。これは豊田商事と同じ一種のペーパー商法とは言いませんけれども、少なくも紙一枚ですから、抵当証券そのものが渡っておりませんので、どちらかというと似ているわけですが、今回の法案の中にこの抵当証券はどうなんでしょう、入るような感じですか、それとも全然これはまだ検討課題にしておりませんか、通産省。
○説明員(山下弘文君) 先般閣議決定をいたしまして国会の方に御提案申し上げました特定商品等の預託等取引契約に関する法律案でございますけれども、この法律で考えておりますのは、預託等取引契約というものを定義してございまして、そこでは、細かいことはいろいろございますが、大筋だけ申し上げますと、政令で定める物品の預託を約束し、それに関連して財産上の利益を供与することを約束する、そういう契約を押さえておるわけでございまして、平たく申し上げますと、物を預かってそれに対して利益を約束するというような形の契約を今度の法案の対象にしておるわけでございます。 そこで、先生御指摘の今の抵当証券でございますが、今申し上げました「政令で定める物品」という物品の言葉の中には有価証券も含み得るというふうに考えて立案をしてございます。ただ、先ほど申し上げました、この押さえております契約自身は、預かることと利益を約束すること、二つで押さえておりますので、抵当証券の発行とか分割とか、その分野に関してはこの法律は対象としては及んでいないというふうに考えております。
○野末陳平君 だから、発行そのものは抵当証券法で法務局ですけれども、預かるとか利益を分配する、この部分で、現物まがい商法の中に政令で指定する商品、これは入り得ると思うんですね、広い意味で、厳密な定義というのは、商品となると物であって抵当証券は物じゃないとか、いろいろ言うかもしれませんが、現実に一枚の紙を渡して利息を約束しながら満期を迎えて償還する、こういう形をとっている以上、広い意味でここに入れてもいいんじゃないかと私は思うんですね。もちろん大蔵省の方でこれに対してきちっとした手が打てればそれは問題ないんですけれども、幸いなことに、後追いとはいうものの、こういういかがわしい悪徳商法の規制法案ができているんですから、今後政令で商品を定めればいいんですから、ひとつ検討をして、早い時期に投資家保護に踏み切る方がいいんじゃないかと思うんですが、重ねてどうでしょうか。
○説明員(山下弘文君) 先ほど御説明申し上げましたように、「政令で定める物品」の物品の概念の中には証券も入り得るということでございますけれども、その契約の形といたしまして、今度のお願いをしております法律では、物を預託するということを一つのメルクマールにしておりまして、この抵当証券がこのような形で問題になるのであれば当然この法律の対象にし得るということだろうと思いますが、証券を発行するというようなレベルの話でございますと、そういうものを規制する法律というようなことになりますとまたいろいろなほかの問題も入ってまいりますので、この法律ではそのところには手をつけていないということを先ほど申し上げた次第でございます。
○野末陳平君 それでは、発行の部分でなくて預託というこの部分ですね、これを投資家保護ということでひとつ検討をしていただきたいと思うんです。 もちろんそれよりも肝心の大蔵省の方なんですけれども、時間も来てしまいましたんですが、今こそ表面化しておりませんけれども、どうやら自治体の消費者センターの方で聞きますと、中途解約に応じてくれないところも二、三あるやに聞いておりますから、やはりこれは、ここまでフィーバーして、商品そのものが大手ではもうなくなっているその間隙を縫っていかがわしいのがどんどん出てくることはわかり切っているんですね。そうしてその被害は数年後にぼちぼち出てくる。そんなことまで待っていられないので、予測されるそういう被害を防ぐためにも、どうでしょう大蔵大臣、流通市場づくりということもこれは大事だと思うんですね、この抵当証券では。だけれども、それよりもまず、投資家保護というか、貯蓄商品として購入した一般投資家に被害が及ばないという体制をつくらなければいけませんね、第一に。 それからもう一つは、今売りに来た、あるいは買いたいと思っているこの会社が果たして信用がおけるかどうか、安心なのかどうかということを早く消費者が知る手段といいますか、その方法といいますか、それもやはり金融機関を監督する大蔵省として何か方法を考えないと、業界の懇話会とか団体に聞けばいいでしょうってそういうような言い方も、そこに入っていない方が今ふえているくらいですから、ひとつ何事もないうちにいろいろな角度からの手を打っていただきたい、その検討を早急に始めてほしいということを要望したいんですが、大臣に最後にお答えをいただいて終わりにいたします。
○国務大臣(竹下登君) やっぱり法務省とまず相談してみましょう。実際問題として、法務省という役所は事故が起こってからでないとというような感じもないわけじゃございませんが、未然に防止された方がいいに決まっておるわけですから、まずは相談をしてみます。
○青木茂君 今回の大蔵省関係の予算を拝見いたしますと、とにかく国債費が非常に多い。何とかこれを減らさなければならないということはこれはみんな同感でございます。しかし、国債費を減らさなくてはならないという意欲の方が先に立ってしまって、そのために理屈を無視したというのか、無理な論理をつくっていただいては我々の方は大変困るわけですね。中でも、日本の課税最低限というやつはよその国に比べて高いからこれ以上引き上げる必要はないとか、むしろ少々引き下げてもいいではないかとかいうような議論がちらほら見えますものですから、きょうは前半はこの課税最低限の問題に絞りまして、後半は東京湾の横断道路の問題に絡まして御質問を申し上げたいと思います。 まず一つの前提として、課税最低限を私どもが考える場合に、毎年発表はされるんですけれども、給与所得者、つまりサラリーマンですね、サラリーマンにだけ課税最低限が発表をされて、事業所得者については全然これは公表されてないわけですよね。どうも同じ日本人で同じ家族数、条件同じ、それで課税最低限がサラリーマンにだけあって事業所得者に課税最低限がなきがごときというのは、僕はちょっとうなずけないんですけれども、この間の理由はどういうことでしょうか。
○政府委員(大山綱明君) 事業所得者の場合になぜ課税最低限のようなものを発表してないのかという御質問でございますが、事業所得者の場合には、配偶者には配偶者控除が適用されるのかどうか、 〔委員長退席、理事矢野俊比古君着席〕 これは事業専従者になっている場合もございます。それからまた家族の従業者というような場合にはやはり専従者給与というものが払われる場合があるということで、一概に基礎控除、配偶者控除、扶養控除というものでこの課税最低限というのを構成するのが必ずしもその実情にそぐわないと即しましょうか、さらにもう一つ申し上げますれば、青色申告者の場合には青色申告控除というものもございますし、場合によっては、みなし法人を選択いたしますと、これは事業主本人にも給与所得控除が適用されるということになります。こういったような事情から、ただいま申しましたように、基礎控除、扶養控除、配偶者控除をもって課税最低限というのを形づくるのが実情にそぐわない。 こんな意識を持っておりまして、給与所得者というものが世の中の大宗を占める所得者でございますので、給与所得者の課税になる限界ということを発表いたしまして、これを通常課税最低限の御質問があった場合のお答えにしておるという実情でございます。
○青木茂君 そこら辺が私どもにとっては少々裏の理由というのか、本当の理由が不満なところなんですね。事業所得者はもう、青色専従者にしろ、ひどい場合においてはみなし法人にしろ、奥さんに給料払ったり、実際働いている人が全部とは言えないんですよ、実際問題として、奥さんに給料払ったり子供さんに報酬与えたりして、所得の分割ができて税金をぐっと安くすることができる。これに刺して給与所得者はそういうような所得の分割がてきないものだから、高い税率でぽかんとくる。春闘で幾らベースアップがあっても、袋の中へ入ってくる本当の金は逆に下がっているというような実情があるから、この所得の分割できるかできないか、ここら辺のところは最大の事業所得者と給与所得者の不公平の問題として今後お考えをいただきたいと思うわけでございます。ただ、きょうは課税最低限ですからそれには深くは立ち入りませんけれども。 課税最低限が仮に給与所得者に限るにいたしましても、課税最低限がアメリカやヨーロッパ諸国に比べて高いからどうだというこの国際比較を論拠にしましてとかく議論があるわけなんです。そこのところは私、どうも税というようなものの国際化校の説得性とか論理性というものには非常に実は疑問があるんですけれども、時間の関係でヨーロッパは一応省きまして、日本とアメリカの課税最低限を比較をしてみたいと思うんです。何かこう日本を無理にかさ上げしちゃって、アメリカの方を無理に下げちゃって、日本の場合は課税最低限がアメリカより高いんだ、こういう論法があるような気がして仕方がないんですよね。 ここに二つ資料があるんです。一つは、大蔵省が衆議院の予算委員会へお出しになりましたB−35という資料ですね。これは課税最低限の国際比較です。夫婦子供二人の標準ですね。これはアメリカで見ますと七千九百九十ドルになっておりますね。アメリカの税法の方に課税最低限という言葉が余り見当たらないわけなんですけれども、一つ、今度のレーガンの税制改革の報告書にタックス・フリー・インカム・レベルという言葉がありまして、 〔理事矢野俊比古君退席、委員長着席〕 これがちょっと日本の課税最低限に似ていますね。それをアメリカが計算したところによると、現行法で見て九千五百七十五ドルという数字が出ているんですよね。日本がアメリカの課税最低限だと言って出した表が七千九百九十ドルであって、アメリカ自身がこれが課税最低限ですよと言っているのが九千五百七十五ドルなんです。だから日本の方が何か意識的に下げたんじゃないか、向こうさんが九千五百七十五ドルと言っているわけなんですから。ここのところはどういう差なんでしょうか。
○政府委員(大山綱明君) ただいまの数字の差でございますが、アメリカでレーガン大統領が今度改革をするに当たりまして、タックス・フリー・インカム・レベルということで発表いたしました数字として九千五百七十五ドルという数字があるのは私ども承知いたしております。これは従来アメリカでも、私どもが計算いたし予算委員会に御提出いたしております七千九百九十ドルという数字をアメリカでも計算をいたしておりますが、それに今度レーガンが改革をするに当たりまして一項目つけ加えております。それは勤労所得税額控除というのがございまして、これを加えましたところでタックス・フリー・インカム・レベルをレーガンは計算をして公表した、そういった事情の違いがある。そういった点の違いで今御指摘のような数字の違いがございます。 従来私どもが特にアメリカの方を低く見せようとするということではございませんで、アメリカの財務省におきましても、従来といいますか、今でも七千九百九十ドルという数字を使っておりますので、私どもそれに倣いまして、アメリカと日本を比較する場合には七千九百九十ドルというのを使っておりますが、レーガンの今度の改革提案の中で今御指摘のような数字がございますことは私ども承知いたしておりますが、それは今申しました理由からそれがつけ加わっておるということでございます。
○青木茂君 レーガンさんの税制改正案が通ったらこうなるというんじゃない、現行法によって九千五百七十五ドル、こうきたわけですね。 そうすると、今おっしゃいましたのは例のアーンド・インカム・タックス・クレジット、あれですか。給与所得者のちょっと税額控除に近いようなもの、あれをおっしゃっているんですか。
○政府委員(大山綱明君) 勤労所得税額控除と私ども訳しておりますが、これは十年ほど前に、一九七五年だったと思いますが、そのときに、特にこれは低所得者に対するいわば社会保障税の負担の増加を軽減するためということで導入された制度でございます。これをレーガンが今度の発表に当たって数字の上で計算上加えたということでございます。 従来財務省などが課税最低限、タックス・フリー・インカム・レベルということで発表しておりましたものには、この勤労所得税額控除なるものは加えられておりませんでした。
○青木茂君 何だかレーガンさんが無理にやったような感じがするんですけれどもね。 もし、そういう低額所得者の社会保障の不足も補うというような意味で物を考えるならば、逆に言うならば、日本の課税最低限の中に社会保険料控除を入れていくのはおかしいんじゃないかという気がするし、社会保険料控除というのはもう第二の税金と言われておるわけですよね。課税最低限というのは、あくまで税金をかけてはいけない最低生活費を意味するわけだから、第二の税金と言われる社会保険料控除というものを、十六万五千円ですか、日本の課税最低限の計算の中に入れるというのも僕はちょっと論理的におかしいような気がするんです、日米合わせる意味においても。
○政府委員(大山綱明君) 私ども課税最低限ということで数字をはじきます際には、どこいら辺の収入のレベルを超えたところから税金がかかるか、いわばそういったものとして、所得税が課せられることとなる限界を画する点はどこかということで計算をいたしております。 ただいま御指摘の資料に即して申しますならば、アメリカの場合にはそういうものが考慮されてないといいますか、入っておりませんけれども、例えば西ドイツとかフランスのあたりの計算の仕方をごらんいただきますと、その辺も加えて計算をしておる。ですから、国際比較においては、ある一つの基準を私どもつくり、その一貫性は保っているつもりでございます。
○青木茂君 日米の比較ということになりますと、アメリカで入れてないんだから日本も切った方がいい。何かやはりアメリカを下げて日本を上げるというような気がしますね。だから、アメリカで入れてあればこれは日本も入れる、日本が入れるならアメリカも入れるというのでないと、課税最低限の国際比較というのは僕はちょっとおかしいような気がします。 大体、アメリカの例の総所得から調整所得へ持っていくフリンジ何とかというやつ、あれはブラックボックスで、本来ならば税金がかるんだけれども、税金を逃れるために皆あそこでもってアメリカは処理しちゃっているような、アメリカのブラックボックスのようなところがありますけれども、これもそうですね、一種の。それはともかく、とにかくいろいろ論理的な御説明は伺っておるんだけれども、何となく釈然としない点があります。 さらに、せっかく表をきょうの午後図書館へ行って持ってきたんだから言いますけれども、レーガンの税制改革案が仮に通ったといたしますと、アメリカの課税最低限は一万二千七百九十八ドルになります。この一万二千七百九十八ドルを仮に一ドル百八十円で計算をしますと、二百三十万四千円ですか。そうすると日本の課税最低限とほとんど一緒になっちゃうんですよ。そうなりますと、日本はアメリカに比べて課税最低限が高いんだからもういいよいいよ、課税最低限を引き上げる必要はないんだよ、下げてもいいんだよというような議論は私はおかしい。 ここまでの議論をお聞きになっていて、大臣いかがでしょうか、御見解は。つまり、国際比較というもので日本の税金の高いだ安いだというものの物差しにしてもらっては困るというのが私の主張なんですよ。
○国務大臣(竹下登君) いろんな統計でも今OECDで比較的整備されて、それでいろんな意味において国際比較に使われておる。したがって、国際比較というのも私は議論の外に置くべき問題じゃなかろう。もちろん主権国家でございますから、それは独自の税制があってしかるべきでございますけれども、およそ今いろんな問題で先進国間の政策調整と言われるようなときに、やっぱり国際比較というのを必ずしも外に置いて議論すべきではないじゃないか、税制も大きな経済政策の一つの分野であるとすれば。そんな印象を持って今承っておりました。
○青木茂君 ただ、例えばアメリカがアメリカの税法を考える場合に、税制改正を考える場合に、日本はどうなっているかと余り日本に調査に来ませんね。ヨーロッパでもそうですね。ヨーロッパが税金考える場合、一体ひとつ日本はどうなっているんだということを考慮の余地に余りしないんですよ。ところが日本の場合は何でも、外国どうなっている、こうなっているということで、何か外国のあり方がすべての物差しになってしまうような印象がある。これは私は日本の民族性だとか風土、習慣、歴史によって完全に違っていいはずの税法ですね。税法を余り外国の物差しに当てはめてしまうと非常に大きな我々は誤りを犯すんではないかということを考えます。ですから課税最低限の国際比較表をお出しになる場合はそこら辺を十分注意して、絶対の物差し、こんなものは一種の参考であるというぐらいにお考えいただきたいんです。 実は、さっき言ったフリンジベネフィットという問題に関しまして、扶養控除の大きさ、アメリカが例えば従業員の扶養家族の援助プラン、日本で言えば家族手当に相当するものなのかな、そういうもので手当を出した場合、このフリンジベネフィットへ入れてしまって課税の外へ外してしまうわけですよね。そういうようなこともあるんですから、そうすると単に表向き配偶者控除、扶養控除の大きさを、日本の三十三万円とアメリカの千八十ドルを比較して高いだ安いだということは私はちょっと言いにくい。だから、税法というものは国によってそんなに違うんだから、とにかく国際比較を余り重要視され過ぎるととんでもない間違いを起こすということを申し上げて、時間があれですから後半の問題に入ります。 後半の問題は、例の東京湾の橋をかけたり海の底に穴を掘ったりする問題なんですけれども、特に内需拡大が盛んに言われておりますときに、これは一兆一千五百億円ですか、それと十年ぐらいの長い期間をかけてやることでしょう。これは一体今当面緊急に問題になっている内需拡大になるんでしょうか。少なくとも即効性というものはあるんでしょうか。そこのところちょっと大臣の御見解伺いたいんです。
○国務大臣(竹下登君) 即効性ということになりますと、まだこれから漁業補償からかかっていかなきゃいけませんから、今言われている短期間の中の即効性ということは私も必ずしも期待できないというふうに思っております。西戸山でも長い議論してやっと始まるわけでございますから、そういうことはやっぱり、即効性、まさにトタでそうだという代物では必ずしもない。むしろ明石の方がもう計画が立っておるわけですから、この方がそれは即効性はあるというふうに思います。
○青木茂君 だから私は、こういうものが果たして、非常に追い詰められた日本経済あるいは日本の財政、そういうものに必要かどうかという、偉い人の趣味でやってもしようがないというような気がしないでもないんですよ。 これは政令でいけるから法文にはないかもしれないけれども、これは特別公共事業債、割引債的なものである程度の金を調達しようというわけなんですよね。この割引債というのはとにかく一六%の源泉分離で済んでしまうんだから、これはかなり高所得者であるとか企業の格好の投資対象になってくる。どうも我々庶民は余り関係ない。そうなりますと、何ゆえ割引債まで発行してこの建設を進めなければならないのか、大変その意味において疑問な点があるということなんですけれども、この割引債発行ということについて大蔵当局の、これは大臣の御感想でいいですわ、お伺いしたいと思います。
○国務大臣(竹下登君) やっぱり民間資金の活用という意味において、貯蓄性向の高い日本であるから可能な限り個人貯蓄を対象にしようという発想から、最初、それは先生御存じのとおり、いわゆる無税国債からずっと議論したわけでございますけれども、結局私どもが踏み切ったのは、過剰流動性じゃありませんが、個人貯蓄の吸収には一番近い制度、こういうふうな考え方で踏み切ったということでございます。
○青木茂君 個人貯蓄の吸収が、とにかく税法の、節税法というのか、脱税じゃないんですけれども、一つでも例外を認めると、どんどん僕は課税ベースというのは狭くなってしまって収拾のつかないことになってしまうんではないか。そういう意味において、どうもこの東京湾に限って割引債を出すというのは超優遇ですな。超優遇に対しては大変疑問があるということ。 それから第三に、これは期間大体十年以上だと言われているんですけれども、もしこの間に、十年ですから、金利であるとか財政事情の変化ということはこれは十分考えられますね。そのときに、当初のプランより金利負担が仮に増加したというようなことが出た場合には、建設費の回収のために通行料金が上がるんじゃないかとか、あるいは利用状態が悪くなるんじゃないか。もし赤字になった場合は道路公団引き受ける、道路公団引き受けた場合は結局回り回って税金のむだ遣いに私は通ずると思うんですよね。 我々は、税金のむだ遣いという表現がいいか悪いかは別問題として、青函トンネルの例を見ているわけですよ。あれだけのことをやって一体日本経済にどれだけのメリットがこれから出てくるんだろうかという他山の石を見ておりますのですけれども、横断道路の採算が、これは実は大蔵省に聞くべきことじゃございませんけれども、どうかということをどういうふうにお考えなのか。要求省庁ちょっとあれなものですから、大蔵省のあれだけで結構です。
○政府委員(小粥正巳君) ただいま東京湾横断道路の採算性ということのお尋ねでございます。 御案内のように、東京湾横断道路は日本道路公団が所有をいたすことになっておりますので、分類的に申しますと日本道路公団の一般有料道路という扱いでございます。今お尋ねのように、これから建設期間も十年という長い期間でございますから、現在のところは、これも御案内と存じますけれども、建設をいたしまして当初供用をいたします。道路として使ってもらいまして、そのときの現段階における予測は、交通量が一日約三万台、それからこれは五十七年度価格でございますが、一応そのような要素を前提にして、おおむね六%程度の資金コストを確保いたしますと、総事業費一兆一千五百億円、三十年程度で償還が可能という前提でございます。 ただ、お尋ねのように、諸要素が大きく変わりまして採算が悪化するという、これは私どもそういうことを今予想しておりませんが、仮にそういうことになりました場合に、これはやはり所有者である道路公団が対応することになります。道路公団は、御存じのように、日本全体で、例えば一般有料道路にいたしましても現段階で約五十路線の一般有料道路を所有、運営をしております。これはそれぞれ個別路線ごとに採算を考えることにしておりますけれども、仮に悪化路線がございますと収益改善策を講ずるわけでございますが、どうにもならないというような場合がもしあるといたしますと、これは実は道路公団の経営のやり方でございますが、料金収入の一五%を損失補てん引当金として積んでおります。これがいわば収益悪化路線に対する対応のためのファンドでございます。 したがいまして、お尋ねのように、それが少なくとも直ちに国家財政に直接影響をもたらすものではございません。もちろん道路公団は国の機関でございますから、回り回ってというそういう御懸念ももちろんそれは全く皆無ではないと思いますが、今のところ私どもはこの道路は十分採算性ありと、こういうふうに考えている次第でございます。
○青木茂君 あと四分しかございませんから、質問というより意見を述べさせていただきます。 これは環境庁関係ですけれども、とにかく東京湾について、都民がこれだけ便益を受けている東京湾が、横断道路ができ、それから羽田空港の沖合の展開だとか、みなとみらい21だとか、何か各省庁がいろんな開発計画をやっている。つまり縦割り行政の各省が東京湾の利用を競い合っている。そういう中で東京湾の環境は完全に破壊されますよ。そういう状況に対して総合調整官庁であるところの環境庁は手をこまぬいているのか。この前も言ったように、ウサギとカメで、ウサギは突っ走っておるのに環境庁というカメは寝ちゃっておる。ウサギが寝てくれれば後から追っかけることができるけれども、ウサギが突っ走っちゃってカメが寝ているから、総合調整官庁としての環境庁がそんなことばかりやっておって眠っておったら、僕はやっぱり、公害防止事業団だけじゃなしに環境庁そのものが行政改革のターゲットにされるというふうに考えています。それは、あした環境委員会ありますからそこで詳しくやります。 あと一つだけ企画庁にお願いしたいんですけれども、今お話あったように、東京湾に橋かけるやつ、穴掘るやつ、これは内需拡大について即効性はないんですよ、実際問題として。しかし、今の内需拡大というのは即効性があるものを早くやらなければならぬわけですわ。それには一番我々の主張からいえば減税がいいですよ。減税がいいけれども、税金のことばかり私は二年間言い続けてきたから、本当はアメリカがやっているように住宅ローンに対する利子の全額控除だとか、あるいは家賃の控除だとか教育費の控除だとか、そういうことをやるのが僕は内需拡大に一番いいと思うけれども、それは一応おきます。 経済企画庁として、この前通産省が二月に発表しました完全週休二日制の実施ですね。完全週休二日制を実施した場合、何か三兆円ぐらいの内需拡大効果があるというような話を聞いているんですけれども、もしそうだとするならば、どうですか、今度の企画庁がお出しになる白書でひとつ完全週休二日制の実施の大々PRをやっていただけませんかな。
○説明員(吉川淳君) お答えいたします。 週休二日制の問題につきましては、去年十月の内需拡大対策のもとで取り上げまして、一応政府としての方針を出しておるわけでございます。それは、いろんな労働時間短縮に関する目的がございますけれども、その中で一番とりつきやすいということで休日数の増加ということで取りかかっておるところでございます。五年間で十日ぐらい休日数をふやしますと現在の日本の水準がほぼ欧米並みになるということで、まず最初それを目指したいということで決めたところでございます。 先生おっしゃいました、さらなる内需拡大ということで、産業構造審議会の御意見ございましたけれども、経済企画庁といたしましては、その場合に、そのようなトラスチックなことが仮にやられたといたしましても、需要効果はあるものの、それが例えば供給面でどうなるか、一挙にサービス層がふえたときにそれに対応するサービスができるかどうか、そういうバランスの問題がございまして、需要面だけでなかなかいかないという問題がございます。
○青木茂君 あと一問だけ。 大臣、例えばそういう完全週休二日ということになったら、それが内需を突き上げるように、増税なき財政再建より増税なき減税という方向を今税制調査会はお考えになっているのかどうか、そこのところだけ伺って終わります。
○国務大臣(竹下登君) 税調は今ゆがみ、ひずみ、痛みがどこにあるか、こういうところからやっていただいておって、それでレベニュー・ニュートラルな形で、増収も目的とするわけじゃなく、減を目的とするだけでなく、抜本的審議していただいておるということでございますので、レベニュー・ニュートラルということを頭に置いて御審議は進んでおるというふうに理解しております。
○青木茂君 終わります。
○委員長(山本富雄君) これをもって、昭和六十一年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、大蔵省所管、国民金融公庫、日本開発銀行及び日本輸出入銀行予算についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本富雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 —————————————
○委員長(山本富雄君) 次に、外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。竹下大蔵大臣。
○国務大臣(竹下登君) ただいま議題となりました外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。 近年、我が国経済の国際化や世界経済における我が国の地位の向上に伴い、我が国金融・資本市場が国際金融センターとして発展していくことへの内外の要請が高まっております。かかる要請にこたえるためには、東京市場をできるだけ規制のない自由な市場とすることが望ましいと考えられますが、我が国の金融制度・税制を前提とすれば、国内市場と切り離したいわゆるオフショア市場という特別な市場を設け、金融・税制上の措置を講じていく必要があります。このような市場が創設されることにより、国際取引における円の使用が促進されるとともに、我が国金融機関の国際業務と外国金融機関の我が国における活動の場が広がることが期待されます。 このような趣旨から外国為替公認銀行が海外から調達した資金を海外に貸し付けるいわゆる「外−外取引」を行うオフショア市場を創設するため、本法律案を提出した次第であります。 以下、この法律案の内容につきまして、御説明申し上げます。 第一に、外国為替公認銀行は、大蔵大臣の承認を得て、非居住者との間で行う一定の預金、金銭の貸借を区分経理するため特別国際金融取引勘定、いわゆるオフショア勘定を設けることができることとしております。 第二に、外国為替公認銀行が行う非居住者との間の金銭の貸借は、現在、届け出を要することとされておりますが、これを特別国際金融取引勘定において経理する場合には、届け出を要しないこととしております。 以上のほか、所要の措置を講ずることとしております。 以上がこの法律案の提案の理由及びその内容であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。 —————————————
○委員長(山本富雄君) この際、委員の異動について御報告いたします。 本日、久保亘君が委員を辞任され、その補欠として村沢牧君が選任されました。 —————————————
○委員長(山本富雄君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより直ちに質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○竹田四郎君 オフショア市場というのは今度初めての試みてすし、なかなか国民にも理解しにくい問題が非常にたくさんあるわけでありますけれども、今日の世界の通貨状況、こういう点から考えて、このオフショア市場というものをつくる必要性というんですか、それはポイントはどういうところにあるのかというところからまず御説明いただきたいと思います。
○政府委員(行天豊雄君) 確かにこのオフショア市場という問題はなかなかおわかりにくい問題でございまして、私ども非常に恐縮をしておるのでございますが、こういった市場をつくる必要があると私どもが考えるに至りましたのは、先ほど大臣の趣旨説明の中にもございましたが、やはり日本の金融市場というものをできるだけ国際化していきたい、それからまた、日本の通貨でございます円というものを国際化していきたいという、この二点にあろうかと思うわけでございます。 御高承のとおり、我が国の経済が今日のような大きな規模に達しておりますために、日本が金融の面でもそういった経済規模にふさわしいいわゆる世界的な貢献をしてほしいという要望は非常に高まっておりますし、また我が国といたしましてもそういうふうな努力をすることが我が国経済の将来に役立つと思っておるわけでございます。日本の金融・資本市場の国際化と申しますのは、できるだけ日本の市場が日本の居住者のみならず海外の機関あるいは人々にとりましても使いやすい魅力のある市場になるということでございますし、それからまた円の国際化というのは、日本の通貨でございます円が、あるいは決済通貨として、あるいは資産保有の手段としてやはり使いやすい通貨になるということであろうかと思います。 このオフショア市場をつくりますというのは、まさにそういうできるだけ使いやすい市場をつくり、円をできるだけ使いやすくするということのために、税制上であるとか金融上であるとかのさまざまな規制をできるだけ少なくしてそういった場を提供したいということでございます。現に、ただいまでもロンドン等を中心といたしましていわゆるユーロ市場というものがございます。その中では円もだんだんと大規模に利用されておるわけでございますけれども、仰せこれは遠いロンドンの話でございます。そこで、そういった使いやすい、規制の少ない市場というものを日本に設けたらどうか。しかもその場合に、日本国有の税制の問題であるとか金融上のいろいろな仕組み、伝統がございますから、そういったものに混乱を生ずることなく、片一方ではそういった自由な市場をつくる、自由な通貨がそこで取り扱われるようにする、こういうねらいを持っておるわけでございます。 そういう意味で、なかなかこれは、片一方では国内の規制あるいは制度に悪影響を及ぼさないようにという要請がございますし、片一方ではできるだけ自由にかつできるだけ使いやすいようにという要請がございますので、その点はなかなか難しい問題でございますが、私どもといたしましては、何とかこの両方の要請のぎりぎりの接点のところを満たすような制度をつくらせていただきたいということで今回の法律案の改正をお願いした次第でございます。
○竹田四郎君 円の国際化なり、それの裏というんですか、表になるといいますか、金融の自由化の問題というものは、ここ数年来非常に国民もそのつもりになってきたし、大蔵省の方も国際化、自由化に対していろいろ努力をしていることは私どもも認めるわけであります。その方面は必ずしも十分に私進んでいるとは思っておりませんが、オフショア市場をつくることによって円というのは国際的にどんな役割を今度は担うことになるんでしょうか。あるいは、円というものは確かに、ユーロ円にいたしましても国際的に、例えば輸出の場合には円決済もある程度はできるけれども、輸入の場合にはほとんど円決済はできないというような今日の状態であろうと私は思っておりますけれども、オフショア市場がどんな発展状態を示すのか、どんな成長を示すのか、そういうことと関連があろうと思いますけれども、大体このオフショア市場ができることによって円というのはどんなふうに変わっていくのか、この辺を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(行天豊雄君) 円は現在でも既に世界の主要な通貨の一つにまでは成長しておると考えております。ただ、何と申しましても今日の世界経済の中におきましては依然としてドルというものの役割が圧倒的に強いわけでございます。我が国の立場からいたしましても、もっともっと円を利用することによって、例えば現在問題になっております為替相場に関連いたしますことにおきましても、仮に日本の貿易というものが全部円建て円払いで行われておるとすれば、この円相場の動きというのは、今日ほど敏感に日本の個々の企業あるいは経済全体に影響を及ぼすということもないわけでございます。つまりそれだけいわゆる為替リスクというものが減るわけでございますから。その意味で私ども何とかこの円の利用というものを国際的に広めたいとかねがね思っておるわけでございますが、仰せこれは相手のある話でございますから、我々だけが、日本だけが円を使ってほしいと言ってもそうならない。やはりそのためには、まさに円というものは非常に価値も安定しておるし、使って便利だよということを世界じゅうの人が納得してくれなければならないわけでございます。 実は、このオフショア市場をお願いしておりますのもまさにそういう意味で、こういう市場へ行けば円というものがいろいろな規制なしに自由に使える、運用できるという市場をつくることによって世界じゅうの人たちに円というものへのなじみをつけてもらう、そのことによって円の世界における取引の規模というものが広がっていく。例えば諸外国が外貨準備として持つ通貨の中にも円というものがもっと持たれるようになることも期待されますし、貿易取引におきましても円建てで行われる部分がふえてくるんじゃないか、そういうことを期待しておるわけでございます。 特に、円というのは日本の通貨でございますから、何しろそういった日本の通貨である円の自由な取引が日本の中で行われるようになるということはやはりこれは私ども大事なことじゃないかと思っておりますので、その意味で日本にこういうオフショア市場のようなものをつくり、その中では円もちょうど今ユーロ市場で行われていると同じように自由に取引が行われるということが大事でなかろうかと思いますので、私ども期待といたしましては、このオフショア市場が発展いたしますれば、まさに円に対する国際的な信頼と申しますか、その便利さへの認識というものが高まって、円の国際性というものが飛躍的に上昇するきっかけになるんじゃないかというふうに期待をいたしておるわけでございます。
○竹田四郎君 確かに今の世界の通貨の中ではドルが少し強過ぎる、あるいはドルが世界に余りにも力を持ち過ぎていて、二番目、三番目というのがなくて、五番目、六番目が、そのくらいになってしまっているという、一つだけが巨大になってしまっているというところに非常に問題があるだろうと私は思うんですよね。それであるからほかの通貨というのはなかなか利用されないような形になっているし、確かにこれは不正常な形だと私は思うんですが、これは現在の状態ではしようがないと思うんです。 確かに円がもっと信用を得て、もっと使われるというには、もしこの市場をつくった場合に、相当な額のものがここに集まってくる、相当な取引が東京市場で行われるというような状態でなければまた円が東京市場で取引をされるというようなことも少なくなるだろう、こう思うわけですけれども、それにはかなり急速に東京市場を大きくしていくということを考えてみなくちゃいかぬし、しかし余り急激に大きくしていくというと、今度は国内との摩擦というのも恐らく出てくる可能性も全然ないとは私は思わぬわけでありますけれども、大体いつごろにどのくらいの市場をつくろうというふうに目標を立てていらっしゃるんですか。
○政府委員(行天豊雄君) 東京オフショア市場の規模がどのくらいになるかという御質問でございますが、率直に申しましてこれはなかなか見通しが難しいことではございます。ただ、私どもこのオフショア市場がかなり着実、急速に発展できるんじゃないかという期待をしておりますのは幾つか理由があるわけでございますが、一つは、何と申しましても、日本という市場が世界の中でも非常に成長力の高いいわゆるアジア・太平洋地域というものを後背地として持っておる大きな経済圏の中心に位しておりますし、また、たまたま、時差の関係から申しましても、現在の国際金融の中心でございますニューヨークとロンドンというものの時差の間に、ちょうどその空白を埋めるような地理的な位置に東京があるという便利さもございます。 それからまた、金融・資本市場にとりましては、何と申しましても、その国の経済的、政治的な安定度というのが非常に大事になってくるわけでございますけれども、日本の場合、これは申すまでもなく世界的に見ましてもその意味での安定性が非常に高いということでございますので、一たん設立をお認めいただければ、この市場はかなりの速度で拡大をしていくんではないか、いずれはニューヨーク、ロンドンに匹敵をする世界の三大金融センターというふうになっていくんじゃないかと思っておるわけでございます。 具体的に大体どのくらいかという御質問でございましたので、私ども余り自信を持って申し上げるわけではございませんけれども、例えば、現在日本の銀行が非居住者向けに運用しております外貨建ての運用残高というのは約七百億ドル相当ぐらいございます。それから、同じように、非居住者が日本にある銀行に持っておる円預金の残高、いわゆる非居住者円の残高というのがやはりこれは百三十億ドル程度現在でも既にあるわけでございます。ですから、オフショア市場ができまして、こういった非居住者向けの貸し付けであるとかあるいは非居住者の預金というようなものがこのオフショア市場の勘定の方に移るという想定をいたしますと、出発の時点において、この両方を足しましたもの、さらにいろいろとほかのものもございましょうが、ドル換算をいたしまして八百億ドルあるいは八百五十億ドルぐらいというところが当初の規模になるという計算もできるんじゃないかなというふうに考えておるわけでございます。 ちなみに、これは御高承のとおりと思いますけれども、ニューヨークに同じようなオフショア市場が一九八一年、昭和五十六年の十二月に設立されたわけでございますが、その後約四年間にこのニューヨークのオフショア市場の規模は二千六百億ドルというふうに拡大をいたしております。それからやはり同じようなオフショア市場でございますシンガポールの例をとってみますと、こちらは大分歴史が古うございまして一九六八年から既にあるわけでございますが、このシンガポールのオフショア市場の規模が今大体千五百億ドルぐらいと推定をされております。 したがいまして、東京のオフショア市場につきましても、当初の出発の時点での規模はさっき申しましたような程度かと思いますけれども、恐らく、いろいろと日本の市場の長所を考えますと、その後は相当なスピードで拡大していく可能性は十分にあるんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。
○竹田四郎君 大体シンガポール程度の規模というふうに大まかに拝聴したわけでありますが、そのほかに近くには香港という市場もあるわけでありまして、ただ、こういう国際金融市場は、こういう形で取引が行われるということもそうですけれども、どちらかというとタックスヘーブン的な形で発展をしてきている。そこへ持っていけば何とかもっと有利な取引ができる、有利なもうけが出るというところが基本にあると思うんですね。でありますから、もちろん金額だけで物を言うわけにはいきませんし、そこで一体どういう待遇を受けるか、要するに金利はどれだけ高くなるか、どれだけ自由な取引ができるかというところが発展の一番基本になるんだろうと私は思うわけであります。 そういうことを考えてみますと、日本の金融というのが自由化だ、国際化だと言われたのはごく最近であるわけでして、どうもまだ国民自体も金融というものについてそんなに自由に物を考えているという時代ではないと思うんですね。したがって、この市場に対して一体どんなことを政府が特権を与えるといいますか、国内の金融市場と違ったどんな形を与えることによって育てていくのかいかないのかということはある程度決まってくるんじゃないだろうか、こういうふうに思うわけであります。大蔵大臣の認可承認を得られれば外国為替公認銀行というのはできるわけでありまして、日本の銀行が恐らくもちろん主体になるでありましょうし、外国の方からもかなりの金融機関の支店といいますか、出張所といいますか、あるいは営業所といいますか、そういうようなものが出てくるだろうと思うんですが、そういうところには国内の金融機関と同じような形の業務を認めていく、こういうふうに理解していいんでしょうか。
○政府委員(行天豊雄君) 委員御指摘のとおりでございます。 まず、我が国には現在外国の銀行が約七十行、普通銀行あるいは信託銀行の合弁銀行というような形で、現地法人というような形で進出をしておるわけでございますが、実を申しますとこの数はほかの国際的な市場に比べますと非常にまだ少ないわけでございます。ロンドンとかニューヨークではそれぞれ三百行以上の外国の金融機関、銀行が進出しておりますし、シンガポールや香港でも百行以上の外国の銀行が既に活動をしております。日本の場合まだ外国の銀行の進出が相対的に少ないということにはいろいろと理由はあろうかと思います。そのうちの一つとして、委員御指摘のように、確かに今まで我が国の金融慣行あるいは金融規制というものが、ロンドンとかニューヨークに比べると相対的にきつかったというようなこともございましょうし、外国人の目から見でなかなか商売がしにくいというような感じがあったということもあろうかと思います。 今回このオフショア市場をお認めいただけます場合には、外国為替銀行として大蔵大臣の認可を受けております銀行、それはもちろん日本の銀行であっても外国の銀行であっても同じでございますが、そういった銀行が新たに大蔵大臣の承認を得れば、こういったオフショア勘定というものを自分の勘定の中に設けることができるということでございますので、その点につきましては、日本の銀行であっても、あるいは既に外為銀行として認可を受けておる外国銀行であっても、これは平等に取り扱わしていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○竹田四郎君 それから、国内の外国為替公認銀行等の中では一体このオフショア市場にどういうものが出ていくかですけれども、例えば本店あるいは支店というような形のものがあるわけですけれども、そういうのはいずれもその市場に本店、支店の関係なしに参加できるというのか、あるいは本店だけでなければ参加できないというのか。あるいはもし支店が参加するというときには、その勘定というのは本店勘定と支店勘定というのは別々にしていくのかどうなのか、その辺はどうなんですか。
○政府委員(行天豊雄君) このオフショア市場に参加するためには、大蔵大臣の御承認を得てオフショア勘定を設けるということになるわけでございますが、この大蔵大臣の承認は銀行ごとではなくて支店ごとに行いたいというふうに考えております。これは現在の外国為替公認銀行という制度が、やはり銀行ごとではなくてそれぞれの支店ごとに行われておるということと平仄を合わせるということでございますが、問題は、そのオフショア勘定という勘定を置くということでございますので、この勘定が本店にあっても支店にあってもいいわけでございますから、その承認の対象としてはやはり支店ごとというふうにした方がよろしいというふうに思うわけでございます。 ただ、実際問題といたしますと、例えば一つの銀行が本店にもオフショア勘定を置く、支店にもオフショア勘定を置くということは実際上は意味がないことになるんじゃないかと思います。と申しますのは、このオフショア勘定は御承知のとおり外−外取引でございますので、外からの預金を受け入れ、これをまた外に貸すというようなことでございますので、例えば本店に一つそういう勘定を置いておけば、いかなる取引であってもその本店のその勘定に記帳すれば足りるというわけでございますから、実際問題としてその一つ一つの支店にこの勘定を置くという必要は事実上は全くないのではないかというふうに思っております。 ただ、御承知のとおり、我が国の場合、地方銀行、相互銀行、信用金庫といったような幅広い金融機関が外国為替公認銀行としての認可を受けておりますし、こういった金融機関も恐らく、今度このオフショア市場をお認めいただければ、大蔵大臣の承認を得てオフショア取引に参加したいという希望を持つだろうと思います。その場合に、例えば地方に本店がある金融機関の場合に、本店に置くかあるいはほかの東京とか大阪にある支店に置くかということは、これはもう全くその金融機関の判断に任せてよろしいというふうに思っておりますので、承認の仕方としては支店単位であるけれども、恐らくは一つの銀行が本店あるいは支店の一カ所にオフショア勘定の承認を得るということに相なるのではないかというふうに考えております。
○竹田四郎君 このオフショア市場のそうした金融機関に対して税金、特に預金等の源泉所得税はこれは免除するということでありますが、そのほかにはどんな特権といいますか、特典といいますか、利益になるようなものをどんなふうに与えるんですか。
○政府委員(行天豊雄君) ただいまお願いを申し上げておりますこのオフショア市場のスキームの中では、今委員御指摘の非居住者に対して支払われる利子に関する源泉徴収の免除という、これは税制上の特権になるわけでございますが、それに加えまして金融上も幾つかの便宜を考えております。 これは、この法律にも書いてございますように、従来届け出を要することになっております非居住者に対する貸付行為のようなものについての届け出の義務の免除ということも一つでございますし、それからまた、現在、御承知のとおり我が国におきましては金利につきましては臨時金利調整法に基づきます金利の規制がございます。それからまた、預金につきましては預金準備率というものが課されておりますし、それから同じく預金につきまして預金保険制度というものがあるわけでございますけれども、このオフショア勘定を経由いたします取引というのは、そもそもが言うなれば金融機関、まあプロ同士の取引がほとんどになると思いますし、それからまた、相手が非居住者でございますから、こういった金利規制であるとか預金準備率あるいは預金保険といったような制度の枠組みに入れる必要もないということで、金融上のこういった措置についても適用免除ということを考えておる次第でございます。 ちなみに、ニューヨークその他の諸外国のオフショア市場を見てみますと、それぞれがやはり税制上、金融上の優遇措置を与えておるわけでございます。金融上の優遇措置、すなわち今申しましたように金利規制だとか預金準備等を適用しないという点は、押しなべてこれはもう同じでございます。それから利子に対する源泉徴収をしないということも全くこれは同じでございますけれども、ほかの国のオフショア市場につきましては場合によってそれ以上に、例えばニューヨークの場合でございますと、ニューヨークの州とかニューヨークの市の地方税が免除になっておりますし、それから例えば香港、シンガポール等々につきましても、その法人税に対しまして若干の軽減措置がとられておるということもございます。そのほか印紙税の免除というような措置をとっておるところもございます。 それぞれの市場によりましてこの優遇措置の範囲は違っておりますが、大体共通しておりますのは、今申しましたように利子に対する源泉徴収税の免除と、それから金融上の規制の不適用というところであろうかと思います。
○竹田四郎君 今でも外−外取引等については税金を取らないというようなことをかなり現実にやっているんじゃないですか。そういたしますと、オフショア市場をつくらなくてもそういうような取引というのをどんどん進めていけばいいんじゃないか、こういう説があるわけですね。ですから、何もオフショア市場をつくってそこでうまくいくかどうかわからぬというような中で、オフショア市場が思うように発展をしない、下手をすればタックスヘーブン的なものにさせられてしまう。そういうことがあるんだから、何もオフショア市場をつくらなくてももっと円の国際化なり金融の自由化などをまだまだ進める点はあるわけですから、そういうものをずっと進めたらどうだろうか。 特に、今回の東京のオフショア市場というのは通貨の調達と運用だけですね。有価証券とかあるいは株式とか、そういうようなものはここでは扱わないという形ですね。これはニューヨークでも扱っていないから恐らく扱わないということだろうと私は思いますが、しかし、ニューヨークの市場が先ほどもおっしゃられましたように二千六百億ドルの規模だということは、日本の場合とは私はかなり違うと思うんですね。ドルが世界じゅうにばらまかれている形での二千六百億ドル。日本のユーロ円としたら、先ほどお話があったと思うんですが、せいぜい六兆円か七兆円ぐらいしかないわけですよね。でありますから、ニューヨークの場合はそれだけで私はいいと思うんですが、日本の場合にはどうも通貨の調達、運用だけでやっていくということでは果たして国際的な市場に成長するかどうかという問題があるんじゃないか。 むしろ私どもは、日本の場合にはニューヨーク型を選ぶよりむしろロンドン型を選ぶ、あるいは香港型を選ぶということの方が円を強くしていく。円の国際化、流動化を進めていくのにはむしろ国内の自由化、これをもっと進めていくという、この国内の自由化、国際化が進んでいく過程の中でオフショア市場をつくっていく、そしてそれは有価証券も扱う、この方がむしろ円を強くしていく、円の国際的な流動化を進めていくのにはむしろそういう方が順調ではないか、こういうふうに思うんですが、日米の関係からニューヨーク方式を選んだのかと思うんですけれども、そういうロンドン方式というものにはどういう問題点があるんですか。
○政府委員(行天豊雄君) 確かに御指摘のとおり、現在世界のオフショア市場と言われております中には、ロンドンとか香港のように、別に新しい制度として導入されたというんじゃなくて、その市場自体が自然発生的に非常に自由化されてきて、その場合には外−内の取引も外−外の取引も区別なく非常に自由になった、そういう形の自然発生的なオフショア市場というものと、それからニューヨークとかシンガポールのように、後になって一つの制度として人為的にそういうものがつくられたという二つのタイプがあることは御指摘のとおりでございます。 確かに理想論を申せば、国内の金融自由化が非常に進展をいたしまして、その結果特に外−外、外−内というようなものを分ける必要がないということは一つの理想的な姿ではあろうかと思います。ただ、その点になりますと、やはりそれぞれの市場が過去において発展してまいりました長い歴史と申しますか、というものが影響をするわけでございまして、御高承のとおり、我が国の場合近代的な金融制度というのは百年の歴史を持っておりますけれども、その中で我が国の場合ほかの市場と比べますと非常に特色のある制度が確立され、それはそれなりに従来非常に有効に機能してきたことも事実でございます。最近の金融自由化、国際化というのは、まさにそういった日本は日本なりの過去の伝統を保ちながら、同時に、国際的な経済の相互依存の中でできるだけ金融の面でも自由な交流ができるように最大限の自由をふやしていく必要がある、そういう意味ではほかの市場と同じような制度、慣行を導入する必要がある、こういうことで自由化が進んでおるわけでございます。 ただ、そうは申しましても、なかなか日本古来の制度というものは法律的な問題も含めまして一朝一夕に変えられるものでもございませんし、また何が何でも全部ロンドン型にすることが望ましいかどうかということも、やはりこれは検討を要する問題であろうかと思います。 したがいまして、現実の問題といたしましては、冒頭にも申し上げましたが、そういった日本の金融制度のよさというものはやはり維持していく必要があるだろうし、また変化が必要な場合でも、激変を緩和するという意味からも、ステップ・バイ・ステップと申しますか、必要な時間をかけて措置をとっていく必要があるという非常に大きな要請が片方にあるわけでございますので、この市場の国際化、円の国際化という要請とそういった要請を合わすためには、現実の問題としてはやはり、ロンドン型ということではなくて、ニューヨーク、シンガポール型のように、一応国内の市場とそういった外−外の市場というものをはっきりと分けて、それぞれの二つの仕組みとして併存をさせていくということが現実的ではないかと思っておるわけでございます。 長い将来の話になりますと、御指摘のとおり、これから日本の国内の市場の国際化、自由化も着実に進んでまいると思いますので、長い将来の課題としてはあるいはロンドン型というようなこともそれは考えられないことじゃないと思いますけれども、少なくとも当面の現実といたしましては、国内の秩序をも十分配慮するという意味でニューヨーク型の内外分離というのが最も現実的かつ望ましいやり方ではないかなというふうに考えておるわけでございます。
○竹田四郎君 日本の場合には、国内勘定とそれからオフショア勘定をぴしっと遮断をするというんですが、日本人というのはどうも、何といいますか、遮断をすれば越えたがるというようなところもなきにしもあらずだと思うんですがね。外国の銀行が来るといってもどのくらい来るのかわかりませんけれども、本当に成長するということになりますと、ニューヨーク、ロンドンという形の金融機関が来るのが恐らく市場としての発展性があるということになると思うんです。 先ほどの提案説明でも伺ってたわけですが、「大蔵大臣の承認を得て、」ということですが、国内の場合には割合いいですけれども、外国から来る銀行の場合、「承認を得て、」というこの条件ですね、どういう条件があれば承認をするのか。その辺は何かはっきりしたものがあるわけですか。それは国内と全く同じということですか。というのは、私は率直に言って、外国の銀行だからすべていい銀行だとは限らないと思うんですよ。中にはいろいろなことを秘めた、日本の銀行の中にだっていろいろなことを秘めてやる銀行があるから時々問題になるんであって、外国の銀行ならなおさら私はそういう問題はあると思うんです。外国の銀行が来るときにそういう意味で、「承認を得て、」ということですが、その内容というのはどんなことが条件になるわけですか。
○政府委員(行天豊雄君) 外国の銀行が日本に店を出そうということになりますと、まず、当然でございますけれども、銀行法によりまして銀行業の免許を受ける必要がございますし、さらに、外国為替業務を行いたいということでございますと今度は外為法の認可が必要になるわけでございます。 今度オフショア市場に参加をする、つまりオフショア勘定を持つための承認を受けられるのは、まず外為銀行としての認可を得た銀行ということでございますので、そこで相当資格要件が整っておるものだけがまずそもそも対象になっておるということはございます。それから、特にオフショア勘定をつくってオフショア取引をするということになりますと何が必要かと申しますと、まずはそういうふうに国内の勘定と分けた勘定をきっちりと区分経理できる。もちろんそのためには、こういう非常に機械化の時代でございますので、相当コンピューター関係の設備なりあるいはソフトウエアみたいなものも整っていなきゃならないということでございますし、またそういった特別な勘定を十分ごちゃごちゃしないように区分経理をできるようなそういう人材と申しますか、専門的な知識、経験を持った職員が必要であるということもあろうかと思います。 したがいまして、私どもできるだけ、オフショア勘定の創設につきます大蔵大臣の御承認につきましては、前向きにかつ自由にやっていきたいと思っておりますけれども、少なくとも今申しましたような最低限の資格と申しますか、能力というものはチェックをしなきゃいかぬだろう。それからまた、私ども、銀行法に基づきます検査あるいは外為法に基づきます検査をやっておりますものですから、そういった検査の結果、この銀行はこういう片一方で特権を持った勘定でございますから、そういった特権を享受するにふさわしい健全性を持っておるということも参考にしていきたいというふうに考えております。ですから具体的には、繰り返しになりますけれども、こういった勘定処理をするに足る能力を持っておるかどうかということが大きなポイントになろうかと思っております。
○竹田四郎君 このオフショア市場の日本の場合に一番重要なのは、オフショア勘定と国内勘定とを遮断をするというこのところが一番重要だろうと思うんですね、一つの装置として。この遮断ができなかったならば東京市場の意味は余りないし、それこそ金もうけの材料に、そういう場所にされてしまうということになるだろうと思うんですが、その遮断ということは非常に私は難しかろうと思うんですが、この辺はどんな形で遮断をするのか。 今おっしゃられたように、非常に勘定のよくわかる、遮断もできるというようなことが条件のようですが、そういうことがわかっている人は余計計画的に遮断を破るということも逆にあり得るわけですね。よく知っている人は知っているだけに破る。そして恐らく、利子の源泉所得を取らないということになりますと、ちょっと計算しても一%前後の利益は得られるわけでありますから、これからは銀行間の競争が非常に激しくなるということになれば、少しでも有利なものにやっていくということはこれはもう銀行としても人情だし、個人はもちろん参加はできないわけでありますけれども、何とかその辺はうまくくぐってくれというような要求が大きなところからあるかもしれない。そういうことになるとこの遮断というのが私は非常に難しかろうと思うんですが、その辺は大蔵省はどういう遮断をしているのか。いやうまいぐあいにごまかしているのか。あるいは合法的に外の現地法人を使って国内の資金がそっちの方に移っていくというようなこともこれはあり得ると思うんですね。 現実に、今まで完全に初めから終わりまで遮断のできた市場というのは恐らくないだろうと思いますね。ニューヨークの市場だってなかなか遮断ができなくていろいろな事件を起こしているようでありますし、シンガポールでもそういう事件があったようでありますし、そういう意味でいけば、世界のオフショア市場というのは完全に遮断ができたところは恐らくないだろうと思うんですね。いろいろなオフショア市場についての、ニューヨークの市場についてのものを読んでも、おおむね遮断ができるという程度のもので、完全に遮断ができるということは恐らくあり得ないだろうと思うんです。その辺は大蔵省はどういうふうに監視をし監督をするのか。現実に余裕の資金というのは出ることがあり得ると思うんですね。それを運用したくなるということになると、どうも垣根が邪魔になってくるというようなことが私はあり得るんだろうと思うんですが、その辺は一体どうなさるんですか。
○政府委員(行天豊雄君) まさに御指摘の点が、このオフショアの問題につきまして私どもが一番頭を悩ました点でございます。つまり、一つは利子に対する源泉徴収の免除という税制上の特権があるわけでございますし、金融上のいろいろ優遇措置もございますから、やはりこういう優遇措置を与える以上、この勘定とそれから国内との間が全く野放しで金が出たり入ったりするということになりますと、これはまさに御指摘のとおり、居住者がこれを悪用して脱税を図るとか、あるいは国内のマネーサプライを管理する上でぐあいが悪くなるとかいう心配があるわけでございます。そこで私ども、省内、主税局その他あるいはまた日本銀行等ともいろいろ相当時間をかけましてこの点につきましては議論をし知恵を絞りました結果、いろいろな手だてを実は設けようと思っておるわけでございます。 簡単にちょっとその点を申し上げますと、まず、さっき申しましたように、そもそもこういったオフショア市場というものに参加できるものの資格を限定をしよう。つまり、さっき申しましたように、外為銀行の中で大蔵大臣の承認を新たに受けたものだけ、それからそれに加えましては、取引の相手方となるのは外国の政府であるとか国際機関であるとか、あるいは外国の法人というふうな、その非居住者であるということが明白であるというものだけに限ろう、こういうことでございます。特に、銀行がこのオフショア勘定を使って取引をいたします場合には、相手が確かにこれは日本人ではない、非居住者であるということを確認する義務を法律上負わしておるわけでございます。 それから、銀行がオフショア勘定から非居住者に向かって貸し出しをするわけでございますけれども、その場合も、その貸し出された金がまた日本へ戻ってきちゃって国内で使われているということでは、これは御指摘のとおり遮断にならないわけでございますから、こういった場合は、貸し出した金はこれは日本の国内では使わないという、いわば確認書を貸した相手から徴求をするというようなことも考えております。 それからまた、受け入れた預金、借入金等につきましても、どんな預金でもいいということになりますと、例えば当座預金のようなものができまして、自由に小切手が切られてだれの手に渡るかわからぬというようなことにも相なるものでございますから、この預金につきましても、種類、特にいわゆる最低預入期間、つまり余り短期のものは認めないということも考えております。 それから取引の単位につきましても、これは余り何円、何百円でもいいということになりますとまた管理がなかなか難しくなるものでございますから、当面、金融機関を除きましては一億円というような最低の取引単位というものを設けさせていただきたいというふうにも思っております。 それからさらに、御指摘になりました大事な点でございますけれども、オフショア勘定とそれからいわゆる国内勘定との間の資金の動きにつきましては、これは原則として禁止をいたします。ただ、これも御指摘のとおり、全く禁止というわけにはまいらないだろうと思います。と申しますのは、銀行でございますからどんどん預金は入ってくる。これが入ってきただけの預金が同じ額だけ必ずいつでも運用できるというわけではございません。ですから多少そこではゆとりを見ておきませんと、どうしても運用先がなくて預金のダンピングが始まるとか、あるいは無利子で抱いてしまって銀行の経営に非常に悪影響が及ぶというような、そういう金融上の摩擦が起こるおそれもございますものですから、そういう摩擦回避という最小限の範囲においてはこれはオフショア勘定と国内の勘定との間での振替を認めよう。 ただしその場合も、例えばオフショア勘定の残高の、この数字はまだこれから勉強させていただきたいと思うのでございますけれども、最大限何%の範囲までしかそういう振替を認めないとか、あるいは月間を通して平残をとりまして、オフショア勘定とそれから国内の勘定には貸し借りがない、要するにチャラであるというふうな、いろいろ相当これは細かいかつ技術的な遮断措置をとらせていただきたいと思っております。 私ども、これも冒頭に申し上げたことでございますけれども、片一方では、できるだけこの市場は自由で使いやすい市場にしたいという要請と、今お話しの内外遮断という実を上げなきゃならないという、多少その点では相反する要請があるわけでございますが、これは省内関係局、日本銀行ともぎりぎりのところを議論をいたしまして、まあこれだけやっておけば、予想される事態では、いわゆる漏出、漏入という問題は起こらないであろうというふうに考えておるわけでございます。 実は、ニューヨークで五年前にこのオフショア市場ができましたときも同じようにこの問題が非常に議論になりまして、かなりいろいろと内外遮断措置がとられまして、それに対しましては批判もあったわけでございます。こんな厳しいことをやったらもうマーケットが育たないよというような話もございましたし、反面では漏出入を心配する声もございましたが、ニューヨークの経験は、私ども聞いております限り、五年の間に非常にぐあいが悪かったというようなことではないというふうに了解をしておるわけでございます。特に、今お願いしておりますスキームは、そのニューヨークと比べましても実を申しますとかなり厳しいことになっております。例えば、非居住者といっても個人は一切認めない、ニューヨークの場合はこれは認められておるわけでございますけれども、ということでございますので、余り問題がないニューヨーク以上に実は日本の今お願いしております制度は厳しいという点は御理解を賜りたいと思っておる次第でございます。
○竹田四郎君 今のお答えの中で、要するに毎日毎日の両勘定が合っていかないと後で問題になるわけでありますから、その毎日毎日の勘定がイーブンになるような、チャラになるような指導というものが必要であるし、あるいは月の平均でいってもそれが大体見合うという形でないと、やっぱりそこにリーケージの問題とか不正の問題とか、そういうものが起きると思うんです。その辺は大体どのくらいのパーセンテージ、日々の場合はどのくらいのパーセント、月の平残の場合にはどのくらい。まあ月の平残の場合には、多い場合には日銀の方に準備率を積ませるとか何かなさるというようなことも聞いているわけでありますけれども、その辺は一体どんな姿になるのか。 それから、確かに貸し出しの使途制限というので、ニューヨークの市場では念書を取るというようなことでやられたようでありますけれども、必ずしも今局長がおっしゃるほどうまくいってないということも実は言われているわけでして、その辺も非常に難しい。 全体的に、ここは自由な、優遇された市場だという建前論がある。しかし、その建前論でいくと今度はそういラリーケージの問題だとかあるいは不正の問題だとか、使途について不明確であるとか、こういう問題がある。そういう規制が加われば加わるほど今度は逃げていく可能性が逆に言うと出てくるんじゃないだろうか。その辺の調和というのが非常に重要だろうと思うんです。 やっぱりその点は、ニューヨークの市場と日本の市場と、ニューヨークでうまくいったから日本でもうまくいくと私は必ずしもそうは思わないんですね。やっぱりドルと円との国際的な評価の現在における問題点というものがあれば、ドルではうまくいったけれども円ではうまくいかない、こういうことも私は大いにあり得るんじゃないか、こう思うんですが、その辺の調和というものを一体どう考えているのか。あるいは、先ほどもちょっとお話しがありましたが、国内のマネーサプライあるいは金融政策との関連などもこれは関連してべる問題だろうと思うんですが、その辺の、厳しくするのは結構なんですが、厳しくすると今度は大きくなりにくいという問題が、私はそれはトレードオフの関係にあるんではないだろうか、こう思うんです。
○政府委員(行天豊雄君) 確かに非常に大事な問題でございますが、先ほども申しましたように、私どもといたしましては、内外遮断という実効を上げ得るような措置を十分講じてまいりたいと思っております。 具体的に申しますと、オフショア勘定とそれから国内の勘定の間の毎日毎日の摩擦回避のための振替の限度でございますけれども、これはまだ実は最終的にかためておりませんけれども、オフショア勘定におきます負債残高の数%以下、まあ四%とか五%とかいうくらいの限度が適当ではないか。つまり一日一日を見てもそれ以上のぶれがあってはいけない。それから月間を通します平残ではこれは一切借方超過になってはいけないというふうに考えております。ですから、一日ベースで見ると五%ぐらいのぶれはあるけれども、月を通して見るとこれは必ずチャラになって、要するにオフショア勘定と国内勘定の間ではネットの資金の動きは全くなかったということを確保したいというふうに考えておるわけでございます。
○竹田四郎君 そういう意図はよくわかるんですよ。意図はよくわかるんですが、それを実行させる手段というのはどういうことなんですか。恐らく毎日毎日そういう日計というのは上がってくるんだろうと思いますね。それに対してどこかが、おまえのところはこれじゃだめだよと指導をしなければ、日本の銀行が大蔵省の言うことを守ると同じように世界の銀行が大蔵省の言うことを守るかというと、日本の銀行だって守らぬところがあるんですから、世界の銀行じゃなお私は守らぬだろうと思うんですけれども、その辺は大蔵省も毎日毎日その日報を見ながら指導をするんですか。どうなんですか。
○政府委員(行天豊雄君) これはもちろん毎日毎日の日計表をそれぞれオフショア勘定を持っております銀行は提出をすることを義務づけられるわけでございます。それを私どもあるいは日本銀行等がチェックをいたしまして、今お話ししましたように、ルールが決まりますればそのルールに従って経理が行われておるということを確認をいたすわけでございます。 現在でも、例えば外国為替銀行の場合持ち高規制という指導がございまして、これは外国為替につきまして資産、負債の残高の差がある限度を超えてはいけないというルールがあるわけでございますけれども、これにつきましても同じようにそれぞれ銀行から経理の報告がなされておりまして、このルールの確認を行っておるわけでございますが、この問題につきましても私どもうまくいっておると思っておりますので、このオフショア勘定につきましての経理処理も、まあ確かに事務的には負担になるわけでございます。これは双方にとりまして、銀行の方にとりましてもまた私どもにとりましても新しい負担にはなるわけでございますけれども、技術的に可能なことではあろうというふうに考えております。
○竹田四郎君 そのことだけ議論しているわけにはいきませんけれども、私はそこのところが非常に重要だという気がするんですね。余りそういってやかましく言えば、何も東京市場なんかでそんな取引やることはない、香港だってシンガポールだってあるじゃないか、ましてやロンドンだってあるじゃないかということだと思うんですね。 だから、これはかなり時間的な問題も同時にあると思うんです。東京市場がちょうどロンドンとニューヨークの中間にあるという、その時期にやっぱり取引をしたいという時期の問題があるから東京市場が成り立つんですけれども、そういうお金ばかりとは限ったことはないと思うんですね。ですから、余り厳しくやってしまえばせっかくつくったオフショア市場がちっとも伸びない。したがって、円の国際化あるいは円の世界における利用度というんですか、そういうものが進んでいかないんじゃないか。これからやることでありますから、今までこれがいいか悪いかということはちょっと日本の場合は実績がないから言えないんですけれども、どうもその辺がかなり難しいだろうなあというふうに思うんです。 これはどうですか、ちょうどそれがうまく作用するころは竹下総理大臣ということになっているだろうと私は思うんですけれども、その辺の問題は竹下さんどういうふうにお考えでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) 実務的なことをお答えする能力がございませんが、きょうの議論を聞いておりまして、部内で長いことかかってディスカッションしたものの何か総括をしていただいているような感じが率直にいたしました。 振り返ってみますと、五十八年でございますが、前のリーガン財務長官が見えて、円・ドルの議論が始まったときに、一番最初の竹田さんの御議論でございますけれども、円はどこへ行ったって通用するじゃないか、こういう議論がありまして、僕も、いやしかし残念なことにまだ、ポンドは昔基軸通貨だったから一ポンドは何ドルだと、こう言うけれども、日本は一円は〇・〇〇五ドルだというようなことは言わぬじゃないかとか。それから、そうは言ってもベトナムから逃げていく人で円を持って逃げる人はいないじゃないか、やっぱりドルを持って逃げるじゃないか。まあそんな議論をしたことから思いますと、ここのところの三年ぐらいの本当に何か総括が一つの今度のこのオフショア市場の問題としてあらわれてきたという印象が、今非常に議論を聞きながらそういう印象を深くしたわけでございます。 実際問題、本当にこんなお話を申し上げるのは失礼でございますけれども、最初ユーロ円の話が出たときに、ある会合で、ユーロ円ってどんな札かと聞かれたこともございました。私もその辺ユーモアを心得ておりまして、聖徳太子さんのところがキリストがかいてあるんじゃないかとか、こんな話をしたことがございました。それから、近くは、オフショア市場、オフショアというのは非常にわかりやすいんでございますが、本当のことでございますけれども、ある建設会社の方が、浦安に建ちますかあるいは晴海にお建てになるんですかという話がこれはございまして、銀行業界の会のときにも大笑いしたことがございます。 そういうことから見ますと、いろんな議論の総括をしていただいておりますが、結局やらしてみてください、こんな印象で本当はいっぱいでございます。まだあるいは進みぐあいによっていろんなことが出てくるかもしれません。が、いろんなことを考えてみて、東京が金融人口十七万、あるいは二十万と丸めまして、ニューヨークが五十万、ロンドンが七十万、そういう問題も逐次変化していくだろうなということで、大変な期待を持ってこの法律はお願いをしておるというのが私の偽らざる今日の心境でございます。 やらしてみてくださいという言葉はちょっと表現としては適当でないかもしれませんが、そんな気がいたしたことも事実でございます。
○政府委員(行天豊雄君) 今大臣の御答弁に補足させていただくわけでございますが、先ほど委員御質問のとおり、遮断の実効ある措置というのは確かに技術的になかなか容易ならざることでございます。 ただ、一ついい面と申しますか、御承知のとおり、最近銀行経理のコンピューター化が非常に進んでおりまして、恐らくこの経理処理も相当程度機械化が可能であろうと思いますし、その場合がなり複雑な処理もコンピューターの利用によりまして割と簡単にできる。したがってまた、それを監督する立場にとりましても、一枚一枚帳簿なり伝票を繰るということじゃなくて、効果的な監督ができるような時代にはなっておるように思います。 実はこの制度は、仮にお認めいただきましても、実際に動き出しますまでにはしばらく時間がかかると思うのでございますけれども、そのうちの非常に大きな部分はまさにコンピューター化の部分でございまして、それぞれの金融機関が必要なコンピューターを導入し、新しいソフトウェアを開発するというために二、三カ月あるいは三、四カ月の時間がかかるというのが非常に大きな要素なのでございます。それだけ時間をかけますれば、私は監督上からもかなり有効なシステムというものは構築できるんじゃないかというふうに考えていることを付言させていただきたいと思います。
○竹田四郎君 何も円とドルだけを扱う市場じゃないだろうと思うし、マルクも扱えばあるいはポンドも扱う、こういう市場ですからね。じゃ一体それをどう評価するか。経理基準というようなものも恐らくつくらねばいけないだろうし、それからさらに、税金の問題にいたしましても、これは先ほどもお話があったように、ニューヨークでは州税と市税あたりを免除しているというような点もありますし、日本ではどうなるのか。それぞれの市町村との関係も出てくるだろうし、そういう面は、経理基準とかそういうようなものはまだできていないわけですか。
○政府委員(行天豊雄君) 現段階はこの法律の御審議をお願いしておる段階でございますので、まだ、政令、省令、告示というような下位の段階の準備は鋭意進行中でございますけれども、完了しておりません。したがいまして今御指摘の経理基準のようなものも目下作業中ということでございますが、これは単に私どもだけじゃございませんで、実際にこういう勘定を持ちます民間金融機関の意見も聞かなきゃなりませんものですから、まだ多少時間はかかるのではないかというふうに思っております。 それから地方税の問題につきましては、御指摘のとおりこれはそれぞれの地方公共団体の方で御検討を願う話でございますが、現在のところは特に御報告申し上げるような事態はございません。
○竹田四郎君 もう時間もありませんが、これは金融そのものではなしに、オフショア市場ができるということで、全体の金融環境といいますか、金融じゃなくて都市環境と言ったらいいと思うんですが、そういうことがやがて私は問題になるだろうという気がするんですよ。 と申しますのは、どこへ来ても、今の時代でありますから電話一本でどうにでもなるわけですけれども、現実には、日本は先ほどもお話がありましたように外国銀行がせいぜい七十七くらいというお話がありますけれども、これがやっぱりロンドン、ニューヨークあるいはシンガポールにしても日本の倍から三倍、四倍という外国の支店、営業所というのが来ているわけでありますから、日本にも恐らくそういうものが私は来るだろうと思うんです。その中には事務所で電話一本机一つというようなところも恐らくあるだろうと思いますけれども、それにしても、どっかに事務所をつくるとなれば、やっぱりできる限り金融センター的なところにそういうものを持ってくるということになりますと、今の東京あたりの非常に高いようなところで果たしてそういうものを収容し得るような環境にあるのかどうなのかという感じもします。 それからまたもう一つは、そういうふうになってまいりますと人間の往来というのも私は当然出てくるだろうと思うんですね、激しく。そうなってきますと、人間がどう来て、どうそういう金融センター周辺に、まあ自分の事務肝に来るのかというようなアクセスの問題というのも私は非常に重要になってくるだろうと思うんです。今のような、非常に込んだところを長い時間かかって来るというようなことが果たして許されるのかどうなのかというと、その辺のこともこの問題と一緒に考えてみないといけないんじゃないだろうか。これは金融プロパーの問題じゃありませんけれども、全体としてはそういうことを考えないと市場も大きくなっていかないんじゃないだろうか、こんな気がするんですが、その辺は、局長の答弁の範囲じゃなくて、むしろ大臣の答弁あるいは次官の答弁、まあ次官は運輸関係の専門家でありますから、そういう意味では次官の御説明の方がいいかもしれませんけれども。 そういう意味では、アクセスの問題、それからそういうものが入るスペースというものも、おまえら勝手にしろというわけにもいかぬだろうというような気もしますが、その辺はどうなんでしょうか。
○国務大臣(竹下登君) これは近年、金融・資本市場の自由化の進展、それから日本経済の国際化の進展。この間もモルガンがお見えになりまして、信託銀行のことについてのごあいさつでございましたが、今、パーティーの招待状を見ておりますと、非常に外銀等が多うございます。みんな行っておったら大変なことになるぞというので、行天局長らは仕事柄皆行くようにしておりますけれども、実際そのことの議論がまさに都心の地価の値上がりの一つの原因じゃないかと言われるぐらいでございます、率直に申しまして。 今後ますますこれがふえていって、それこそ、先ほど五十万とか七十万とか言いましたが、そういう傾向も出てくる。それで、やっぱり金融機関でございますから、今御指摘なさいましたように、世田谷の方の一室におるというわけにはそれはいかぬと思うのです。この辺、こういうことになりますとまさに国際的都市というふうにならざるを得ない。 そこで、最近、江崎特命大臣が中心になりまして、都市再開発に民間活力を生かしていかなきゃならぬ、それがためには何としても規制緩和を強烈にやらなきゃいかぬというので今作業を鋭意しておられるわけでございますが、そういうような対応の仕方というのは非常に必要なことだな。中には、東京駅を全部、下へ列車は入って、あそこへ五十階を建ててそこへ金融機関をみんな集めるとか、いろいろな粗っぽい議論も出ておりますけれども、私は、今おっしゃったように、国際金融都市として位置づけられ、そして都心のいわゆる規制緩和等によるところの民間活力が導入されて、本当に新しい都市ができていくような、私もそんな気がしておりますので、今こそこれにかからなきゃならぬときだというふうに思っております。 空港のアクセスの問題、それも議論されております。少なくともヘリで、こっちのヘリポートがその大ビルディングの上にあればそこへ着けるようにすべきじゃないかとか、そういう議論もなされておりますし、それからコミューターとかいって、そういうものもやっぱり必要ではないかという議論もなされておりますので、そういう方向へ、だんだん国民の目もそっちの方へいっているんだなということで、たくましきまだ日本だと思ってそれを眺めておって、そして我々としても可能なことはしなきゃいかぬという気持ちを十分に持たしていただいております。
○委員長(山本富雄君) 本日の審査はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。 午後六時二十分散会 —————・—————